2003(平成15)年 3月


1日■きょうから阪急バス 善峯寺の近くまで延伸(京都)
  ■新幹線居眠り 発覚後も単独運転 車掌添乗4分だけ 24分間100` JRうそ説明?(京都)
  ■関門トンネル 壁40`分落下 JR山陽線線路(京都)
  ■JRと京阪の踏切に消火器 伏見、関連を捜査(京都)
  ■降りて歩いて 100 バス停 町営バス・大原(三和町大原) 安産の信仰や伝説今に(京都)
  ■踏切に消火器 直後に警報も JR奈良線(朝日)
  ■新幹線居眠り 発覚後も1人運転24分 報告は「ずっと同乗」(朝日)
  ■スペイン村存続 近鉄、砦を死守 赤字だらけの志摩マリンランド、賢島遊覧船… 「やめれば難波駅で閑古鳥」(朝日)
  ■新幹線居眠り 運転継続”見切り発車” 指令所 第三者に体調確認せず(京都)
  ■トロッコ一番列車 出発進行(京都)
  ■渓谷美に200人歓声 トロッコ列車(京都)
  ■京にUSJやってきた 京都駅ビルでフェス始まる(京都)
  ■新幹線居眠り 運転続行内規違反か 東京指令所 詳しい状況把握せず(朝日)
  ■トロッコ列車が再開(朝日)
2日■女性飛び込み即死 阪急京都線遅れる(京都)
  ■山岳観光列車、惨事に 台湾(京都)
  ■台湾列車転覆 17人死亡170人負傷 速度出し過ぎ原因?(京都)
  ■列車脱線17人死亡 台湾・阿里山 一部が転落 150人以上が負傷(朝日)
  ■社説 地下鉄火災 駅ごとの処方箋を(朝日)
3日■新幹線居眠り専門医診断 運転士睡眠傷害か JR健康管理に甘さ(京都)
  ■新幹線居眠り 無呼吸症候群の疑い JR西日本 他の運転士も診察へ(朝日)
  ■JR西、「想定外」に困惑 無呼吸症候群 運転士に疑い 健診項目なし(朝日)
4日■新幹線居眠り運転発覚後 「車掌添乗」伝達せず 再三の指示 乗員2人”無視”(京都)
  ■時刻表2万`著者(京都)
  ■強風で24本運休 JR湖西線(京都)
  ■東海道新幹線 緊急ブレーキ 新横浜、制御異常か(朝日)
  ■「時刻表2万キロ」 宮脇俊三さん死去(朝日)
  ■声 父親頑張って 廃バス図書館 主婦 竹下ひろみ(京都市 44歳)(朝日)
  ■京都市交通局 1億7900万円修正申告へ 市職員の無料乗車証 消費税の課税対象(京都)
  ■京福衝突事故 弁護側が無罪主張 福井地裁初公判 「ブレーキに欠陥」(京都)
  ■屋根も真っ白 近畿で積雪(朝日)
5日■無料乗車券 負担金に消費税 京都市交通局 1億7900万円修正申告(朝日)
  ■地下鉄 煙充満 必至の”救出” 実践さながら 横浜で訓練(京都)
  ■貨物運転士も意識を失う(京都)
  ■2月にも無呼吸症候群? JR貨物広島で停止の運転士(朝日)
  ■地下鉄火災 死者198人に 韓国警察が中間報告(朝日)
6日■疎水をつくった男 田辺朔郎 事業と半生 アニメ映画に 20代で挑戦 近代化に道 みやこめっせで21日から上映(京都)
  ■京都バス貴船線 16日から再開 例年より1週間早く(京都)
  ■新幹線居眠り 重度のSAS国交省、全国調査へ(京都)
  ■山陽新幹線 40bずれて停車 新神戸駅 遅ればん回へ焦る?(朝日)
7日■京都バス 好調、傘の車内販売 年6000本 予想上回る見通し(京都)
  ■論考 韓国地下鉄放火事件の教訓 安全性確保の設計思想を 鉄道安全推進会議事務局長 佐藤健宗氏(京都)
  ■無呼吸症候群 問診で止める 神戸市バス・地下鉄、年2回導入(朝日)
  ■「状態つかめず」 JR西、国に陳謝(朝日)
8日■運転士が骨折 湖西線乱れる(京都)
  ■KTR故障で遅れ(京都)
  ■JR京都駅に新カウンター 京都宝ケ池・大津プリンスホテル 宿泊客の荷物預かる(京都)
  ■降りて歩いて 101 JR船岡駅(園部町船岡) 交通の要 開設半世紀に(京都)
  ■地下鉄火災 教訓いかせ 韓国の事件受け 車両使い消防訓練(朝日)
  ■信号見落とし 時刻誤り出発 またまたJR西日本(朝日)
  ■JR貨物も緊急調査(朝日)
  ■バス事業分社化 JR四国が方針 不採算路線見直しも(朝日)
  ■京都市バス 大学生定期券 乗り降り自由 バイトに、キャンパス移動に 均一区間対象 今秋発行へ(京都)
  ■JR近江八幡駅 赤信号変わらず(朝日)
9日■踏切死亡事故 19万人に影響 大阪の東海道線(京都)
  ■列車オーバーラン 運転士「考えごと」 富山の北陸線(京都)
  ■JR西バス 停車忘れた 宝塚インター(朝日)
  ■踏切で死亡事故 JR京都線乱れ 高槻、自殺か(朝日)
11日■京都市バス 車内に乗客30分放置 気付かず操車場に 半年間、処分せず(京都)
  ■自治源流 03統一地方選を前に 上 京都市営地下鉄 拡大路線膨らむ赤字 「無料券」市民感覚とずれ(朝日)
  ■市バスに79歳閉じ込め 昨秋、京都市 運転手処分へ(朝日)
12日■鉄道収入減少続く JR貨物03年度予想(京都)
  ■市バス急停車 乗客2人けが(京都)
  ■業過致死容疑で車掌を書類送検 神鉄転落死事故(朝日)
  ■JR電車またオーバーラン 神戸線灘駅(朝日)
13日■信楽鉄道事故 JR 西 遺族に謝罪へ 発生から12年 社長、祭壇前で(京都)
  ■ドア故障10本遅れ JR京都駅(京都)
  ■軽度SASと診断 運転士の業務外す JR貨物(京都)
  ■貨物運転士も無呼吸症候群 JR列車停止(朝日)
  ■電車内の反戦 JR西「ノー」(朝日)
  ■急ブレーキかけ市バス乗客けが 中京区で2人(朝日)
  ■ベアゼロ 定昇確保 JR西日本、東海(京都)
  ■信楽高原鉄道事故 JR西 直接謝罪 社長が明後日、遺族へ(朝日)
14日■大手私鉄春闘 ベアゼロ攻防 関西4社難航 阪神など9社妥結(京都)
  ■窓 優先座席利用 ルール確立を 甲西町・鈴木 強(事務員・52)(京都)
  ■私鉄9社 ベアゼロ 組合側へ回答(朝日)
  ■近鉄社長に山口氏 田代会長は取締役相談役(京都)
  ■インド 列車爆発10人死亡(京都)
  ■近鉄社長に山口氏(朝日)
  ■インド 列車爆破、10人死亡 ムンバイ 負傷者は70人以上(朝日)
15日■桂坂−洛西口駅 京都交通バス新路線発車へ(京都)
  ■関西4私鉄はベアゼロ決着 京成、スト構え交渉(京都)
  ■降りて歩いて 102 KTR網野駅(網野町下岡) 魅力的な離湖と琴引浜(京都)
  ■小浜線、きょう電化(朝日)
  ■私鉄春闘3社 昇給ゼロ回答 JR西ベアゼロ(朝日)
  ■JR小浜線が電化開業 東舞鶴駅でも記念式典(京都)
  ■阪急・洛西口 30年ぶり新駅(朝日)
16日■信楽鉄道事故 「12年の心痛におわび」 JR西 南谷社長 遺族に初の謝罪(京都)
  ■JR玉水駅 快速停車を祝う 漫才や模擬店でイベント(京都)
  ■”水と火の鳥”テーマの水琴窟 京都駅ビル5周年記念 モニュメントの除幕式(京都)
  ■窓 席譲らぬ若者なげかわしい 南区・藤岡晴美(無職・72)(京都)
  ■窓 保存願う疏水 インクライン 山科区・川崎泰市(無職・70)(京都)
  ■交代の車掌が寝坊 JR広島駅 快速、10分遅れで出発(朝日)
  ■車両の部品 線路に落下 JR学研都市線(朝日)
  ■信楽事故 JR西社長が初謝罪(朝日)
  ■私鉄の京成スト回避(朝日)
17日■バスに一晩 乗客を放置 神戸、点検怠り入庫(京都)
  ■くらしのみちづくり 車優先から人中心へ 主役交代の道路政策 安全で快適、しかも美しく 地域の合意が不可欠(京都)
  ■市バスで寝た客 一晩中気づかず 神戸、点検怠る(朝日)
18日■韓国地下鉄放火から1ヵ月  149人身元いまだ不明(京都)
  ■洛西観光に便利 1日乗車券発売 阪急・能勢電・京福(朝日)
19日■けいざいフォローアップ 京都定期観光バスがピンチ 官民共同運行 利用者減で初の値下げ 京都市撤退も抜本見直しが急務(京都)
  ■運転士が考え事? 電車オーバーラン JR上夜久野駅(京都)
  ■声 思い出の舞台 山口駅は90歳 主婦 金子道子(大阪府堺市 70歳)(朝日)
20日■「のぞみ」指定席 10月から1割下げ 「ひかり」本数大幅減(京都)
  ■「はるか」空気漏れ 運転を取りやめ(京都)
  ■「のぞみ」倍増し値上げ 新幹線10月改正 1時間最大7本(朝日)
  ■のぞみ姫路・福山にも(朝日)
  ■市バスが足ひく 水フォーラム参加 スリランカ男性(京都)
21日■市バス客閉じこめ 運転手を停職処分 中傷ビラは懲戒免(京都)
  ■女性はねられ死亡 京田辺、JR片町線(京都)
  ■ビラ配布・閉じこめ バス運転手 懲戒処分に 京都市(朝日)
22日■ドアコック操作 新幹線緊急停止 JR京都駅で乗客(京都)
  ■上狛駅と付近 角材と石置く JR奈良線に遅れ(京都)
  ■パリの駅に猛毒リシン 小瓶に液体 テロとの関連捜査(京都)
  ■降りて歩いて 103 叡山電鉄岩倉駅(京都市左京区岩倉) 里子の歴史あちこちに(京都)
  ■乗客がドア操作 ひかり緊急停車 京都駅降り遅れて(朝日)
  ■猛毒リシン 駅内で発見 パリ(朝日)
24日■JR環状線など 人身事故で混乱 今宮駅、線路に女性(朝日)
25日■青鉛筆(朝日)
26日■近鉄 合理化策に3200人 3分の1の社員が応募 給与下げ再雇用(京都)
  ■「05年3月期は配当を可能に」 近鉄次期社長会見(京都)
  ■空気漏れ音? のぞみに遅れ(朝日)
  ■線路側扉開ける 川崎のJR線(京都)
27日■地下鉄サリン 「松本被告は極刑に」 被害者、初の意見陳述(京都)
  ■JR大和路線と大阪環状線乱れ 加美駅で人身事故(朝日)
28日■三条通蹴上−日ノ岡拡幅 1日から4車線使用(京都)
  ■列車火災 拡大防げ JR京都駅で避難訓練(京都)
  ■テロ備え訓練 JR京都駅(朝日)
  ■声 負担を減らして(朝日)
  ■野洲駅で信号故障 快速など12本運休 JR、6800人に影響(京都)
  ■ニュートラムと接触、死亡 大阪・住之江 作業員、軌道に挟まれ(朝日)
  ■JR琵琶湖線 信号機が故障 12本運休、通勤の足混乱(朝日)
29日■大阪のニュートラム 保線作業の職員 巻き込まれ死亡(京都)
  ■男性はねられ死亡 志賀、湖西線に乱れ(京都)
  ■駅業務を子会社に 近鉄委託、2700人を出向へ(京都)
  ■京阪宇治交通を完全子会社化 京阪電鉄(京都)
  ■降りて歩いて 104 JR木幡駅(宇治市木幡) 貴重な戦跡 草花あふれ(京都)
  ■電車シートが広告板 サントリー、山手線で(朝日)
  ■軌道上の点検見合わせ ニュートラム事故で交通局(朝日)
  ■声 若者を諭した大阪弁のノリ 主婦 木下越子(大阪府高槻市 62歳)(京都)
  ■近江今津駅など「オーバーラン」 JR西 3件公表せず(京都)
30日■「京都市政史」刊行スタート 資料が語る京の歩み 市電導入新事実も(京都)
  ■JR高速バス 乗客立たせる 兵庫、定員超え2時間(京都)
  ■高速バス 客立たせ走行 JR西子会社 兵庫県警が厳重注意(朝日)
31日■駅周辺整備に住民の声を JR山科駅・阪急桂駅 「連絡会議」発足から3ヵ月(京都)
  ■「しごと館」プレオープン 学研都市 住民ら1000人見学(京都)
  ■踏切に置かれた金属棒を電車ひく 山城のJR上狛駅(京都)



1日■きょうから阪急バス 善峯寺の近くまで延伸
 西国20番札所として知られる京都市西京区大原野の善峯寺への阪急バス路線が、1日から約1.4`延伸され、寺のすぐ近くまでバスが走ることになった。山の中腹にある同寺への交通の便が大きく改善された。
 阪急バス向日支社(向日市)によると、路線延長するのは66号系統。これまでの終点だった小塩から善峯寺までは傾斜がきつく、徒歩では30分以上もかかるため、同寺への参拝客や地元が長年、延伸を要望していた。
 今回の措置に伴い、同系統の向日市側の起終点もこれまでの阪急東向日駅からJR向日町駅に変更。この両駅を通ることで利便性を高めたうえ、1日4往復の運転本数も土曜と日曜・休日は8往復に増強する。
 掃部光昭・善峯寺副住職は「これまでは来たくても来られない人も少なくなかった。路線を延長していただき、感謝している」と喜び、「これからサクラの季節なので、ぜひお参りください」と話す。
 同寺周辺は三鈷寺や東海自然歩道などがあり、春から秋にかけては参拝客や行楽客らでにぎわう。(京都新聞)
■新幹線居眠り 発覚後も単独運転 車掌添乗4分だけ 24分間100` JRうそ説明?
 山陽新幹線新倉敷−岡山間でひかり126号の運転士(33)が居眠り運転した問題で、岡山駅で居眠りが発覚した後も24分間、約100`にわたり、安全確認のために車掌らが運転席に添乗しないまま、この運転士が1人で運転を続けていたことが28日、分かった。
 JR西日本はこれまで「新幹線運転免許を持つ車掌を新大阪まで運転席に添乗させた。安全面の措置はとった」と説明していたが、実際には、運転免許を持つ社員が添乗していたのは新神戸−新大阪間だけだった。
 同社によると、26日午後3時20分ごろ、車掌(45)が運転士の居眠りを発見。同31分に列車が岡山駅を出発した後、この車掌は4分間付き添って運転士の様子をうかがっていたが、運転士が「落ち着きました。大丈夫です」と話したため、通常の車掌業務に戻った。その後24分間、運転席は運転士1人になった。
 同59分、新幹線東京指令所の指示を受け、別の業務でこの列車に乗っていた大阪西車掌所の係長が運転席に入ったが、この係長は免許を持っていなかった。新神戸に到着した午後4時6分に、免許を持つ大阪新幹線運転所の係長が運転席に乗り込んだという。
 同社の橋本光人運輸部長は「係長らの添乗は『念のため』。単独運転しても安全上問題はない」と釈明。当初の説明との違いについて「その後の調査で新たな事実が判明した。うそを言うつもりはなかった」と話している。
 同社は国土交通省への報告でも誤った内容を伝えており、28日、報告内容を訂正した。(京都新聞)
■関門トンネル 壁40`分落下 JR山陽線線路
 JR九州は28日、山陽線門司−下関駅間の関門トンネル内で、側壁から計約40`分のモルタルが落下しているのが見つかった、と発表した。けが人はなかった。1944年開通の関門トンネルで、壁材が落下する事故が起きたのは初めて。
 JR九州によると、同日午前11時20分ごろ、小倉発下関行きの上り普通電車がトンネルを走行中、門司側から約190bの線路脇に異物があるのを運転士が発見。運転士から報告を受けた門司保線区の係員が現場に急行し調査した結果、防水設備を覆うモルタルが長さ約1.8b、幅約60a、厚さ約3−4aにわたってはがれたことが分かった。落ちた際に砕けたとみられ、二十数片が見つかった。
 このモルタルは73年に設置。細田勝則施設部長は「誠に申し訳ない。老朽化が原因と思われるが、検査を急ぎ万全の安全対策を図りたい」と話した。(京都新聞)
■JRと京阪の踏切に消火器 伏見、関連を捜査
 28日午後9時10分ごろ、京都市伏見区深草のJR奈良線稲荷駅北約100bの祓川踏切で、京都行き普通電車が、線路上に放置されていた消火器をはね飛ばし、停止。けが人はなく、電車は8分遅れで運転を再開した。また2分後には約1.5`北の二の橋踏切で非常ボタンが押され、同電車は再停止した。このため計4本が14−3分遅れ、計1000人に影響が出た。
 また、JR奈良線の現場から約100b西側にある京阪本線の踏切でも同日午後8時50分ころ、消火器が放置されているのが発見された。伏見署は列車往来妨害の疑いで関連を調べている。(京都新聞)
■降りて歩いて 100 バス停 町営バス・大原(三和町大原) 安産の信仰や伝説今に
 三和町役場から町営のマイクロバスに揺られて約20分。車の往来がなければ、川の水の流れる音しか聞こえない大原の里に着く。宿場町の面影が残る街並みはひっそりとしながらも、当時のにぎわいを感じさせる。
 北へ向かって歩くと、大原神社に続く坂道が見えてくる。
 大原神社はイザナミノミコトを祭り、安産の神様として信仰を集める。同神社に参ることを指す夏の季語「大原志(おばらざし)」は、300年前の文献に見られ、今も多くの参拝者が訪れる。
 かやぶきが印象的な絵馬殿には、神馬図や生業図などの絵馬三十五面が奉納され、本殿などとともに府の有形文化財に指定されている。
 昨年5月の鎮座1150年祭では、長く関係が断絶していた京都市下京区の大原神社との交流を取り戻そう、と京都・祇園祭の綾傘鉾の参加を要請。担い手の高齢化などで途絶えがちだった地元三和・大原神社の「練り込み」も復活させ、綾傘鉾の特徴である長さ2bほどの棒で疫病を振り払う「棒振り囃子」との共演が見られた。
 大原神社の眼下にある川合川を100bほど下った対岸には、国内で唯一の天地根元造りの「産屋」がある。妊婦が産気づくと十二把のワラを持って7日間こもって出産する場所で、形がい化しつつも昭和30年ごろまで習慣が残っていた。産屋の砂は「子安の砂」といわれ安産に御利益があるといわれる。
 金色のサケが鎮座を願い出た岩場にある「水門の淵」。洪水の時にも流されずに残った産屋。神秘的な伝説もうなずけるしっとりとした雰囲気が町のあちこちに漂っている。(京都新聞)
■踏切に消火器 直後に警報も JR奈良線
 28日午後9時10分ごろ、伏見区深草祓川町のJR奈良線の踏切で、奈良発京都行き上り普通電車(4両編成)が、踏切内に放置されていた消火器と接触して停車。8分後に運転を再開した直後の9時20分ごろには、東山区福稲岸ノ上町の踏切で、踏切に設置されている非常ボタンが作動して再び6分間停車した。乗客約100人にけがはなかった。このほか3本に遅れが出て、計約1000人に影響した。(朝日新聞)
■新幹線居眠り 発覚後も1人運転24分 報告は「ずっと同乗」
 JR山陽新幹線の居眠り運転事故で、JR西日本は28日、岡山駅で居眠り発覚後も運転を続けた運転士(33)が、新大阪駅までの約半分にあたる24分間は運転室に1人でいたことを明らかにした。同社は当初、「運転免許を持つ車掌がずっと同乗していた」と虚偽の報告を国土交通省にし、記者会見でもそう説明していた。国交省は同日、「安全性への認識が甘い」として、再調査を指示。JR西日本は「うそをつくつもりはなかった。原因調査を進める過程で詳しい状況が判明した」と釈明した。
JR西「調査進む判明」
 JR西日本の説明によると、26日午後3時半ごろ、岡山駅で車掌に起こされた「ひかり126号」の運転士は、東京指令所に対し「病気ではない」と無線で報告した。指令所は新大阪駅までの運転継続を認め、同列車は9分遅れの同3時31分に岡山駅を出発した。
 運転士を起こした車掌は新幹線の運転免許を持っており、出発時は運転士に付き添った。出発直後に運転士に具合を尋ねると、「落ち着きました。大丈夫です」と答えたため、同35分に室外に出て検札業務に戻った。このため、運転室は運転士1人だけになった。
 24分後の同59分、たまたま別の業務で乗り合わせていた車掌(係長)が運転室に入り、4時6分の新神戸駅到着まで付き添った。この係長は運転免許は持っていなかった。新神戸駅からは、指令室の指示で待機していた運転士(係長)が運転室に入り、新大阪駅まで付き添ったという。
 JR西日本は26日夜の時点では「運転免許を持つ車掌が念のため新大阪駅まで付き添った」と説明していた。28日夕に会見した橋本光人・運輸部長は「発生直後は、付き添ったとの報告を受けたのでその通りに説明した。結果として当初の説明と異なっていた点があったことは申し訳なく思う」と陳謝した。だが一方で「運転士が『病気でない』と言っており、運転を継続させた指令所の判断に問題はない」と強調した。
 国交省の白取健治・大臣官房技術審議官も28日、同省を訪れた徳岡研三・JR西日本鉄道本部長に対し、「状況をきちんと把握できていないのは問題だ」と批判し、再調査を指示した。
 居眠りをした運転士(33)は28日朝、広島市内の病院に検査入院した。居眠りの原因となった健康上の障害がなかったか数日間かけて調べる。(朝日新聞)
■スペイン村存続 近鉄、砦を死守 赤字だらけの志摩マリンランド、賢島遊覧船… 「やめれば難波駅で閑古鳥」
 近畿日本鉄道が、94年4月に開業した三重・伊勢志摩の複合リゾート、志摩スペイン村(三重県磯部町)を維持しようと、もがいている。破綻したハウステンボス(長崎県佐世保市)と同じように、入場者の減少に苦しむが、伊勢志摩は、鉄道路線の拡大と観光開発にグループを挙げて取り組んできた「近鉄塾砦」。何とか再生したい、と知恵を絞る。(藤えりか、奥寺浮)
 「何でやねん」。吉本興業の若手タレントたちが次々に放つ突っ込みやギャグに、女子中高生らが歓声を上げる。
 スペイン村に、お笑いの吉本。「スペイン」にこだわっていた数年前には考えられない組み合わせだが、スペイン村にとって、吉本タレントの集客力は魅力だった。
 昨夏には、夜間の入園料を無料にした。今年3月には、天気予報で雨の予報が出たら、近鉄の周遊券を購入した客に1000円分のクーポン券を配るサービスを始める。
 それでも、入場者の減少に歯止めがかかっていない。「パルケエスパーニヤ」の入場者は、開業の94年度には約376万人と予想を大幅に上回ったが、翌年度から減り始め、02年度には147万人程度と開業時の4割にとどまる見通し。
 リゾートブームの終焉や長引く不況に加え、名古屋や大阪から特急で2時間以上かかる立地の悪さも響く。 会社の存続を図ろうと、希望退職の実施で化年度中に従業員を約2割減らして約330人にした。リストラなどによる経費削減と近鉄の支援で、スペイン村の04年2月期は経常、当期とも9期ぶりに黒字化しそう。もっとも、03年2月期で270億円強にのばる累積出失の解消のめどは立っていない。
やむなき事情
 厳しい経営が続くが、近鉄には存続するしかない事情がある。
 志摩観光ホテルに志摩マリンランド、賢島遊覧船…。伊勢志摩には近鉄が手がける観光施般がいくつもあるが、赤字だらけ。しかし、閉鎖を決めたのは、ホテル池の浦芹(三重県二見町)ぐらい。
 近鉄の辻井昭雄社長は「伊勢志摩はうちの観光の目玉。(観光施設を)やめたら大阪・難波駅と名古屋駅で閑古鳥が鳴いてしまう」と話す。
 観光開発の総仕上げが、スペイン村だった。近鉄はリゾート法の適用で旧日本開発銀行から無利子融資を受け、開業時に800億円を投じた。当時は、東京デイズニーランドの成功でテーマパークが花盛り。オランダの街をテーマに92年に開業したハウステンボスの好調もあり、近鉄グループはスペイン村に傾倒した。
脱「ミニ近鉄」
 「マニュアルに忠実な鉄道員的な発想」を改め、02年度からは客の少ない冬場、営業中でも点検のためアトラクションを止め、売店も一部閉めるなど柔軟な営業を心がけている。
 2年前に就任したスペイン村の後藤啓一社長は「うちはテーマパークなのに、鉄道を中心に物事を考える『ミニ近鉄』でしかなかった。そんな考え方から脱皮しようとしている」と話している。
志摩スペイン村 近鉄が85%出資する「株式会社志摩スペイン村」が運営する総面積113 fの複合リゾート。スペインの街並みを再現した「パルケエスパーニャ」が中心施設で、絶叫系のアトラクションやショーが目玉。複数のリゾートホテルを運営するほか、01年には幅広い年齢層に来場してもらうため天然温泉「ひまわりの湯」も開業した。(朝日新聞)
■新幹線居眠り 運転継続”見切り発車” 指令所 第三者に体調確認せず
 山陽新幹線の運転士(33)が居眠り運転した問題で、居眠り発覚後、新幹線東京指令所が、この運転士の体調を車掌ら第三者に確認せず、運転士の「病気ではない。大丈夫」との自己申告だけで岡山駅からの運転を継続させていたことが1日、分かった。
 問題の運転士は2月28日から精密検査のため入院している。
 JR西日本によると、運転士の居眠りは車掌が見つけたが、この車掌は発見時、居眠りか病気か判断できなかった。仮に病気であれば交代の運転士を派遣するケースだが、指令所は運転士とやりとりしただけで運転継続を指示。同社が居眠りと断定したのは、運転士が新大阪駅で降車した後福社内調査の段階だった。運転継続は”見切り発車”だった格好で、批判の声も上がりそうだ。
 同社運輸部は「指令所は精神面での動揺がないかも運転士に確認しており、運転継続の判断に誤りはなかった。社内規定上も車掌に確認する必要はない」としている。(京都新聞 夕刊)
■トロッコ一番列車 出発進行
 名勝保津峡を楽しむ嵯峨野トロッコ列車の運行が1日、再開された。観光客や招待の幼稚園児を乗せた一番列車が、渓谷に汽笛を鳴り響かせ、春の観光シーズンの幕開けを告げた。(京都新聞 夕刊)
■渓谷美に200人歓声 トロッコ列車
 嵯峨野トロッコ列車の一番列車は9時28分、京都市右京区のトロッコ嵯峨駅を出発し、乗り込んだ観光客や幼稚園児たち約200人が雨に煙る保津川沿いの渓谷美を楽しんだ。
 出発に先立って、運転再開式典が同駅で催された。
 トロッコ列車は嵯峨野観光鉄道(本社・右京区)が運行している。
 毎年、観光客が多い3月1日から12月29日まで、嵯峨駅−トロッコ亀岡駅(亀岡市)間の7.3`を日に8往復し、冬場は車両整備などのために運休している。
 式典には、関係者のほか、地元の嵯峨幼椎園と山ノ内保育陶の園児 120人も参加した。シャボン玉が舞う中、園児の代表が同観光鉄道のキャラクター「トロッキー」と一緒にテープカットし、運転士と車掌に花束を渡して再開を喜んだ。(京都新聞 夕刊)
■京にUSJやってきた 京都駅ビルでフェス始まる
 京都駅ビル(京都市下京区)では、大阪市の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」をPRするフェスティバルがスタートした。映画で人気のキャラクターや車などが集結し、一帯は米国・ハリウッドの雰囲気に包まれている。
 JRを利用してUSJ に行ってもらおうと、JR西日本京都支社が初めて企画した。
 駅前広場には、人気アトラクション「バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド」に登場する車のデロリアンや、映画「ジョーズ」を題材にした全長9b、高さ4bにも及ぶ巨大な車、等身大の「ET」のフィギュアなどが並んだ。
 人気キャラクターのウッドペッカーもコミカルな動きで子どもたちに愛きょうを振りまき、会揚を盛り上げていた。
 2日午後1時半からはサックス奏者のMALTAさんが映画音楽のライブを繰り広げる。7日まで。無料。(京都新聞 夕刊)
■新幹線居眠り 運転続行内規違反か 東京指令所 詳しい状況把握せず
 JR山陽新幹線で運転士(33)が居眠りをした事故で、新幹線の運行を統括する東京指令所が、なぜ眠ったのかなどの理由を聞かないまま運転継続を認めたことが分かった。内規は詳細な状況把握を義務付けているが、指令所は本人の「病気でない」との言葉を信用し、車掌らの付き添いも指示しなかった。JR西日本は「本人が『無理だ』と言わない限り、運転を続けさせるのは当然」としている。
 JR西日本によると、東京指令所には26日午後3時21分過ぎ、「『ひかり126号』が所定位置の約100b手前で止まり、扉をたたいても運転士の応答がない」と岡山駅員から連絡があった。
 指令員は同28分ごろ、運転士に「病気とかじゃないんですね」と問い合わせた。運転士が「病気ではございません」と答えたため、予定通り新大阪駅まで運転を続けさせることにした。
 指令員は同31分にも「これから運転継続していただきますが、精神状態等大丈夫ですか」と聞いたが、運転士は「大丈夫です」と答えた。指令員が運転士の状況を詳しく聞くことはなかった。
 同社の指令員用マニュアルは、運転士の異状に関する報告があれば、指令員が容体を詳しく確認するよう明記。運転を続ける場合は、他の乗務員を付き添わせる措置をとることも定めている。
 JR西日本広報室は「マニュアルは病気時の対応を定めたもので、今回は本人が『病気でない』と言っていた。運転を続けさせた点に問題はない」としている。(朝日新聞 夕刊)
■トロッコ列車が再開
 京都市の嵯峨・嵐山から亀岡市まで保津川沿いの景勝地(7.3`)を走る嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車が1日、冬の休業期間を終えて2ヵ月ぶりに運行を再開した。
 トロッコ嵯峨駅で記念式典があり、地元の嵯峨幼稚園と山ノ内保育園の園児や観光客ら計約180人を乗せた一番列車がトロッコ亀岡駅に向けて出発。嵯峨幼稚園児の吉田託巳ちゃん(6)は「乗るのは初めて。すごく楽しい」と話した。
 12月29日までトロッコ嵯峨−トロッコ亀岡駅間を1日8往復(観光シーズンは増発)走る。(朝日新聞 夕刊)
2日■女性飛び込み即死 阪急京都線遅れる
 1日午後3時45分ごろ、大阪市淀川区西中島の阪急京都線南方駅のホーム中央付近から女性が線路に飛び込み、梅田発河原町行き特急電車(乗客約600人)にはねられ、即死した。
 女性は大阪府吹田市の主婦(55)で、淀川署は自殺とみている。
 特急は現場に約15分停車。午後9時ごろまでダイヤが乱れ、特急や急行を含む上下計3本が運休、計113本が最大20分遅れ、約4万5000人に影響した。(京都新聞)
■山岳観光列車、惨事に 台湾
 1日、台湾中央部・嘉義県の阿里山で、日本人観光客にも人気のある山岳観光列車「阿里山森林鉄道」が脱線、転覆。180人以上が死傷する惨事となった。(京都新聞)
■台湾列車転覆 17人死亡170人負傷 速度出し過ぎ原因?
 【台北1日共同】台湾嘉義県の阿里山(2274b)を走る観光登山鉄道「阿里山森林鉄道」の列車が1日午後2時(日本時間同3時)すぎ、脱線、転覆した。消防当局によると、同日夜までに死者17人、負傷者は170人以上に上った。
 日本の対台湾交流機関、交流協会台北事務所によると、これまでのところ死傷者の中に日本人は含まれていない。
 列車はディーゼル機関車と客車4両の編成。客車1両が高さ約10bの橋の下に転落、2両が脱線した。軍や消防局が客車の下敷きとなった乗客を救出し、ヘリコプターで搬送。負傷者を乗せた救助用ヘリコプターが木の枝に接触して墜落する事故もあったが、乗客乗員は全員無事だった。
 列車は海抜約2200b地点の下り坂で突然脱線。スピードの出し過ぎで橋に差しかかるカーブを曲がり損ねたとみられ、林務局はブレーキ系統の故障が原因との見方を示した。車両が山壁にぶつかり、バランスを崩したとの報道もある。
 機関士や副機関士らが業務上過失致死の疑いで取り調べを受けている。
 事故があったのは、日本の植民地統治時代に伐採したヒノキを運ぶために敷設された山岳鉄道。現在は世界有数の登山列車として観光用に使われ、年間利用者数は延べ20万人以上という。
 嘉義駅から阿里山駅まで約70`を約3時間半で結んでいる。(京都新聞)
■列車脱線17人死亡 台湾・阿里山 一部が転落 150人以上が負傷
 【台北=田村宏嗣】台湾中部の阿里山で1日午後2時(日本時間同3時)過ぎ、阿里山森林鉄道の観光登山列車が脱線、転覆した。地元の嘉義県消防当局によると、17人が死亡、150人以上が負傷した。
 現場は終着駅の阿里山駅の手前で、標高2000b近い山岳地帯。4両編成の列車には150人を超す観光客が乗っていた。客車1両が橋から谷側に約20b転落した。
 負傷者の一人は「速度が速すぎると思っていたら、脱線した」などと話している。行政院(内閣)農業委員会の黄裕星・林務局長は同日夜、運転士から「速度が出過ぎたうえにブレーキが利かなくなった」という報告を受けたことを明らかにした。
 阿里山森林鉄道は日本の植民地時代の1911年に開通した木材輸送のための狭軌鉄道。現在は観光列車が走り、年間20万人が利用している。(朝日新聞)
■社説 地下鉄火災 駅ごとの処方箋を
 日本で起きたら大丈夫なのか。
 死者200人以上ともいわれる韓国・大邱の地下鉄放火火災の惨状を見て、だれもが抱いた疑問に違いない。 東京の営団地下鉄などは「韓国に比べて日本は防火面で格段に優れている」とみる。しかし、そうはいっても引火性の強い液体を使った放火は、関係者にとってこれまで想定外だった。
 地下鉄ではオウム真理教徒によるテロもあった。大邱の事件を教訓に、最悪の事態を想定して安全性を高める必要がある。
 まず車両の防火対策だ。
 日本の地下鉄車両は69年に作られた基準で、天井や床、座席などに燃えにくい素材を使うことが義務づけられている。世界で最も厳しい基準だというのが国土交通省の説明だが、東京消防庁の実験では発火から数分で火元の車両が煙におおわれ、避難できない状態になった。お寒い限りだ。
 72年に30人の死者を出した旧国鉄北陸トンネル火災以来、幸いにも日本では車両や駅での大きな火災が起こっていない。だから、地下鉄火災への関心はそれほど高いものではなかった。
 この間、燃えない、あるいは燃えにくい素材についての技術革新が進んだ。政府は新技術を取り入れて、放火やテロにも耐えられる新たな基準を作ってほしい。
 駅については、どうすれば円滑に乗客を地上まで避難させられるかが問題だ。
 国土交通省によると、全国の地下鉄の駅のうち、26%が排煙設備の点で、17%が避難通路の点で、75年に旧運輸省が決めた要件を満たしていない。それらのほとんどがそれ以前にできた古い駅なのだ。
 だが、設備が整っていない古い駅は危険で、設備が充実した新しい駅なら安全だとも言い切れない。
 古い駅の多くは地下の浅いところにあるから、地上までの距離が短い。逆に新しい駅は深いところにある例が少なくない。
 東京の新路線、都営大江戸線の六本木駅は最新の防火設備を備えているというが、ホームは地下40bだ。地上まで円滑に避難できたとしても相当の時間がかかる。要は、駅ごとの細かい処方箋を作り、火災が起きた場合にどう対処するのが最も安全かを徹底しておくことに尽きる。
 車両や駅の安全性を高めることができたとしても、最後は人間に頼る部分が大きい。大邱の事件でも、現場と指令室の間の意思疎通が悪かったり、運転士の判断に誤りがあったりした疑いが濃い。
 地下鉄事業者も国土交通省も、あらゆる事態を想定したマニュアルを策定し、万一に備えた訓練を重ねてもらいたい。
 日本は毎日1300万人が地下鉄を利用する地下鉄大国である。
 乗降客の不安を取り除くためにできる限りのことをするのが公共輸送機関の使命であり、責任だ。(朝日新聞)
3日■新幹線居眠り専門医診断 運転士睡眠傷害か JR健康管理に甘さ
 山陽新幹線ひかり126 号を走行中、居眠りした運転士(33)は睡眠時に一時呼吸が停止するため眠りが浅く、日中も眠気が続く睡眠障害の「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の可能性が高いことが2日、分かった。入院先の医師が診断し、JR西日本が同日公表した。
 SASは医療関係者から危険性が指摘されており、公共交通機関の乗務員の健康管理に新たな課題を突き付けた形だ。
 JR西日本は「社員にSASの疑いが指摘されたのは初めて。想定外の事態なので国土交通省と相談して対応したい」としている。
 同社によると、居眠り発覚後、運転士は同社の調査に「5、6年前から睡眠中に目覚めることがあった。一晩に数回トイレに行くこともあった。最近は熟睡したことがほとんどない」と回答。家族や同僚から「いびきをかいて寝ている最中、呼吸が止まることがある」と指摘されていたことも明らかにしたため、同社は広島市の病院で医師の診察を受けさせた。
 呼吸器の専門医は@身長約170a、体重約100`の運転士はSASが多いとされる肥満状態にあることA入院中の睡眠状態の観察結果−などから「SASの疑い」と診断した。運転士は2日、大阪市の病院に転院し、さらに数日間詳しく検査するという。
 運転士はこれまで同社の医学的な適性検査や健康診断などで問題が見つかったことはなかったが、同社はSASの検査はしていなかった。
 居眠り運転は2月26日午後、岡山駅で発覚した。運転士は乗務の約13時間前まで飲酒し、約10時間の睡眠をとって出勤。居眠り発覚後は「新倉敷駅付近で眠気に襲われ、車掌に起こされるまで(約8分間の)記憶がない」と話していた。
・無呼吸症候群 「交通事故率7倍」
 2日、山陽新幹線居眠り運転問題の背景として浮上した「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」は突然睡魔に襲われるため、交通事故率も健常者に比べて高いとされ、社会問題になりつつある。
 SAS専門医院「グッドスリープ・クリニック」(東京)の斎藤恒博院長によると、SASの患者は夜熟睡できず、重要な会議や運転中といった日中の本来寝てはいけない状況でも、眠ってしまうことがある。
 斎藤院長が2000人規模の繊維工場の従業員にアンケートした結果、約500人は家族から睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがあると回答。診断の結果、うち50−60人が要治療とされた。
 「交通事故率は7倍」と斎藤院長は指摘。既に健康診断でSAS の問診を実施している運送会社もあるという。
 居眠りした新幹線の運転士(33)は同僚から「いびきが激しい」「何らかの病気ではないか」と指摘されていたが、JR西日本はSASの問診をしていなかった。
 睡眠時無呼吸症候群(SAS) 睡眠障害の一種。寝ているとき繰り返し呼吸が止まって熟睡できず、日中も慢性的な睡眠不足に悩まされ昼間でも急に寝てしまうことがある。1時間に20回以上息が止まるのが診断の目安の一つで、患者は中年の男性が多い。太ると舌や気道に脂肪がついて舌の根元が気道をふさいだり、のどがはれたりするのが原因の大半。(京都新聞)
■新幹線居眠り 無呼吸症候群の疑い JR西日本 他の運転士も診察へ
 山陽新幹線の居眠り運転事故で、JR西日本は2日、居眠りをした運転士(33)が、昼間に強い眠気を催す「睡眠時無呼吸症候群」(SAS)の疑いが強いことを明らかにした。就寝中に呼吸が一時的に止まって睡眠が分断され、熟睡できないのが特徴とされる。運転士は同日、大阪市内の病院に転院し、精密検査が始まった。JR西日本はほかの運転士にも診察を実施する方向で検討を始めた。
 運転士は2月26日午後3時過ぎ、広島発東京行き「ひかり126号」を運転中に居眠り。同21分、列車が岡山駅手前で自動停車し、車掌に起こされるまで眠っていた。
 JR西日本によると、運転士は「約10時間の睡眠をとった」と話していたが、同28日から広島市内の病院で検査を受けたところ、医師に「5、6年前から寝ている最中に何回も目が覚める」「家族らに、いびきをかいている時に息が止まっているようだと指摘されたことがある」と話したという。
 運転士は体重が約100`あり、睡眠中のいびきも大きかった。病院側は太り気味の人に多いSASの疑いが強いと判断。大阪で専門医の診断を受けさせる。
 JR西日本は運転士に年2回の健康診断を義務付けている。医師による問診のほか、血液・尿検査などを受ける。居眠りをした運転士も今年1月27日に受診していたが、血圧がやや高めだったほかは、特に問題となる所見はなかったという。
 SASは大いびきなどを除けば特に自覚症状がないため、本人が気付かないことも多く、JR西日本は、約4370人の運転士を対象に緊急診察を検討している。国が定める運転免許の適性検査項目に含まれていないことから、国土交通省に報告し、対応策の検討も求める。(朝日新聞)
■JR西、「想定外」に困惑 無呼吸症候群 運転士に疑い 健診項目なし
 山陽新幹線の運転士が居眠りをした原因として、「睡眠時無呼吸症候群」(SAS)の疑いが浮上した。SASが注目されるようになったのは最近で、JR西日本も健康診断の項目には含めていない。本人が気づきにくい病気でもあり、人命を預かる職場での対策を求める声もある。
 「想像もしていなかった原因だ」。居眠りをした運転士がSASの疑いが強いと診断されたことで、JR西日本社内には当惑が広がった。同社によると、運転士は年2回の健康診断を受けるが、SASの可能性を調べる項目はない。この運転士は太り気味だったものの、現在の適性基準では何ら問題はないという。
 大阪回生病院(大阪市)の睡眠医療センターは98年、睡眠に関する病気の治療機関として関西で初めて設立された。これまでに約4000人がSASの治療を受けた。
 同センターの谷口充孝部長によると、昼間に眠気を感じても「疲れのため」と片づけてしまう場合が多く、発見しにくい病気という。谷口部長は「自覚はなくても睡眠不足だから、単調な時間が続けば、突然眠気に襲われる危険が高くなる」と警告する。
 JR西日本の幹部は「運転中に強い睡魔に襲われることがあるとすれば、当社にとどまらない問題だ。対策を国などにも検討してもらう必要があるだろう」と話した。
・睡眠時無呼吸症候群(SAS) 太りぎみの中高年に多くみられ、睡眠中にのどや舌下部の筋肉がゆるんで垂れ下がり、気道をふさぐために呼吸ができなくなる病気。鼻の病気や肥満が原因となるほか、飲酒も筋肉が緩むため誘因となる。呼吸が止まると、通常は自覚がなくても瞬間的に目が覚めているため、熟睡できない。有病率は成人の4%程度で、いびきをかく人の7割に睡眠時無呼吸が見られるといわれている。(朝日新聞)
4日■新幹線居眠り運転発覚後 「車掌添乗」伝達せず 再三の指示 乗員2人”無視”
 山陽新幹線の居眠り運転問題で、岡山駅で居眠りが発覚した後も運転士(33)にひかりを走行させた際、新幹線東京指令所が「運転免許を持つ車掌(45)を運転席に添乗させるように」と列車内の社員に指示したのに、連絡ミスでこの車掌に伝わっていなかったことが3日、分かった。
 同社は、問題の運転士に睡眠時無呼吸症候群の疑いが強まったのを受け、トラブル時に運転士が「病気ではない」と申告した場合でも、可能な限り交代の運転士を手配、監視のため車掌らの添乗を義務付け、異常時には緊急停止スイッチを押して停車するよう、マニュアルを改訂した。
 同社によると、ひかりが岡山駅を出発した約10分後、指令所は大阪西車掌所経由で、ひかりにたまたま乗車していた同車掌所の係長に「車掌添乗」を指示したが、係長は自分が運転席に向かっただけだった。さらに、同車掌所は主任格の車掌にも同じ内容を指示したが、この車掌は免許を持つ車掌と顔を合わせながら、指示を伝えなかった。
・無線やりとり 確認…えー失念していました
 「確認ボタンは?」「えー失念しました」−。山陽新幹線の居眠り運転問題でJR西日本は3日、発生当時の運転士(33)や車掌、指令員らによる無線交信の詳細なやりとりを公表した。
 それによると、2月26日午後2時38分に広島駅を発車後、車掌が運転室に入室した同47分には運転士に異常は認められなかった。しかし、新倉敷駅を通過する直前の午後3時13分ごろ、運転士は睡魔に襲われた。同21分、岡山駅で本来の停止位置の約100b手前で停止。別の車掌らが車内連絡電話で計4回呼び出したが応答はなく、駅員が運転室のガラスをたたいても反応はなかった。
 同25分、運転室に到着した車掌が肩をたたいたところ意識が回復。同28分、岡山駅に到着した際、指令員と無線で「なんで止まったんですか」「申し訳ございません、私の…」「病気ですか」「病気ではございません」と会話を交わしている。その直後、ほかの指令員から(マニュアル運転に移行する)確認ボタンを押さなかったのかと問われ「え−、失念しました」と回答。身体、精神状態について「大丈夫」と答え、運転を再開した。
 岡山駅出発の同31分から添乗していた車掌は同35分、運転士が「落ち着きました、大丈夫です」と答えたことから運転室を退出。その後24分間、運転士は単独運転を続けた。(京都新聞)
■時刻表2万`著者
 宮脇 俊三氏(みやわき・しゅんぞう=作家)2月26日午前8時3分、肝炎のため東京都港区の病院で死去、76歳。埼玉県出身。自宅は公表していない。連絡先は東京都新宿区矢来町71、新潮社出版部。故人の遺志によじ近親者のみで密葬を行った。喪主は妻まちさん。
 東大文学部卒。中央公論社(現中央公論新社)で雑誌「中央公論」編集長などを務め、作家に転身。当時の国鉄全線に乗車した体験をつづった「時刻表2万キロ」は、日本ノンフィクション賞、新評論賞を受賞し、ベストセラーになった。
 主な著作に「時刻表昭和史」「韓国・サハリン鉄道紀行」、「殺意の風景」(泉鏡花文学賞)など。99年、菊池寛賞。(京都新聞)
■強風で24本運休 JR湖西線
 3日午後7時15分ごろ、滋賀県志賀町南小松のJR湖西線近江舞子駅で、風速計が25b超を観測したため、同線は堅田−近江今津間の上下線で約3時間半、運行を見合わせ計24本が運休した。
 この間、同区間はバスで代替輸送し、京都−堅田間と近江今津駅以北は折り返し運転、また特急電車は米原駅経由でう回した。JR西日本によると、約8300人に影響が出たという。(京都新聞)
■東海道新幹線 緊急ブレーキ 新横浜、制御異常か
 3日午後2時過ぎ、東海道新幹線の新横浜駅で、博多発東京行き「ひかり116号」(乗客約900人、16両編成)が発車しようとした際、4号車の緊急ブレーキが作動した。4号車のブレーキ出力を制御する装置のブレーカーを切って入れ直したところ、緊急ブレーキが解除でき、17分後に運転を再開した。JR東海は、ブレーキ出力の制御装置に一時的に異常があったとみている。(朝日新聞)
■「時刻表2万キロ」 宮脇俊三さん死去
 「時刻表2万キロ」など、ユーモラスで詳細な鉄道エッセーで知られる作家の宮脇俊三さんが2月26日、肺炎で死去した。76議だった。故人の遺志により葬儀は家族のみで済ませた。喪主は妻まちさん。自宅住所は公表していない。
 埼玉県生まれ。東大卒後、中央公論社に入社し、「中央公論」編集長などを歴任した。編集者として北杜夫さんの「どくとるマンボウ航海記」などを手がけた。78年退社し、文筆生活に入った。国鉄全線の乗車を果たした鉄道ファンで、「鉄道廃線跡を歩く」「シベリア鉄道9400キロ」など数多くの著作を発表。鉄道紀行を文芸の一ジャンルとして確立した功績で菊池寛賞を受賞した。小説や歴史紀行も手掛け、推理小説集「殺意の風景」では、泉鏡花文学賞を受けた。(朝日新聞)
■声 父親頑張って 廃バス図書館 主婦 竹下ひろみ(京都市 44歳)
 「わあ、かわいい絵ですね。ごくろうさま」。校庭の隅に止まっている廃車になった市バスの車体に、小6男子のお父さんが白いペンキで「ゆうゆう図書館」と書いておられた。その周りには、子どもたちが四季それぞれ、表情豊かに遊んでいる絵が描かれている。
 夏休みに娘の通う小学校にやってきた市バスは、父親たちの子育てサークルによって地域に開放された図書館として生まれ変わろうとしている。さび止めが塗られ、中には本棚が作られ、すべて保護者や教職員の手作りで改装が進められていった。
 座席にカバーをつけると聞いて、私の母が「端切れを捨てようかな」と言っていたのを思い出し、作ってもらった。宮崎県からの便りには「アイロンは、おじいちゃんが一枚一枚かけたのよ。皆の喜ぶ顔、写真で送ってね」とあった。私は子どもに絵本を読み聞かせする活動を、昨年末から始めた。いずれは、愛情のいっぱいつまったバスの中でほんわか子どもと触れ合う時がくるかもしれない。
 「最後はね、もっとお楽しみがあるんですよ」。はけを片手にそのお父さんが言った。大人も子どももわくわくする手作り図書館、完成が待ち遠しい。(朝日新聞)
■京都市交通局 1億7900万円修正申告へ 市職員の無料乗車証 消費税の課税対象
 京都市交通局が大阪国税局の税務調査を受け、2001年度までの3年間に、市一般会計などから繰り入れを受けていた市職員の無料乗車証の収入に対し、概算で約1億5600万円の消費税の申告漏れを指摘されていたことが4日、分かった。加算税などを含め約1億7900万円が追徴課税される見込みで、市交通局は本年度の予算内で調整し、修正申告することを決めた。赤字が続く市の交通事業には手痛い出費となる。
 職員乗車証は、実質的な通勤手当として市交通局を除く市職員に支給されている。市バス、地下鉄の全線が曜日に関係なく使用できる。
 1999−2001年度の3年間では、市交通局は毎年約11億円を一般会計から負担金収入として繰り入れていた。 消費税が導入された1989年度以降、高齢者向けの敬老乗車証の一般会計繰入金と同様に、職員乗車証の繰入金も「料金収入」として非課税の扱いをしていた。ところが、3年に一度実施される大阪国税局の調査を昨年9月から受けた結果、職員乗車証は一般の利用者が支払う「運賃収入」と同じで消費税の課税対象になるとの判断が2月末に出された。
 この結果、調査対象となった3年分の繰入金に対して、市バス、地下鉄合わせて約1億5600万円が追徴され、過少申告加算税、延滞税を加えた約1億7900万円を支払う必要が生じた。市交通局は市バス、地下鉄の企業会計の中で調整し、全額を3月中に納付するとしている。
 この日午前の市議会公営企業予算特別委員会で報告され、市交通局の乾雅晴企画総務部長が「消費税導入以降、国税から過去3回の調査では、指摘がなかった。不服申し立てなども検討したが、修正申告に応じざるを得ないと最終判断した」と説明した。(京都新聞 夕刊)
■京福衝突事故 弁護側が無罪主張 福井地裁初公判 「ブレーキに欠陥」
 京福電鉄の2度の正面衝突事故のうち、福井県松岡町で2000年12月に起きた1度目の事故で、業務上過失致死傷罪などに問われた同社の当時の福井鉄道部長松井良介(56)、技術課長兼車両係長増田寿男(40)、技術課車両区長森川幸弘(51)の3被告の初公判が4日、福井地裁(松永真明裁判長)で開かれ、弁護側は「3人の過失は問えない」として、無罪を主張した。弁護側は「ブレーキ制動力を車輪に伝えるブレーキロッド(金属棒)にもともと性能上の欠陥があった。3人は傷があったかどうかは知らなかった」として、刑事責任が問われるほどの注意義務違反はないとした。
 3被告は、客観的な事実関係は認めたものの、「これが犯罪かどうかの判断はできない」として、認否を留保した。
 検察側は冒頭陳述で「3人は、1999年1月、ブレーキロッドの破断事故があったと報告を受けたのに緊急点検や原因解明をせず、本社や中部運輸局にも報告しなかった」と指摘。死亡事故の起きたロッドについては「製造当初から、広範囲に未接合や接合不良など欠陥部分があり、ここから亀裂が進展した」と破断原因を明らかにした。(京都新聞 夕刊)
■屋根も真っ白 近畿で積雪
 冬型の気圧配置が強まった4日朝、近畿地方では冬に逆戻りしたような冷え込みとなった。近江八景の一つ「堅田の落雁」で知られる、大津市の琵琶湖岸の浮御堂では屋根が雪化粧した。
 大阪管区気象台によると、午前9時現在の積雪量は兵庫県豊岡市や、京都府舞鶴市で3a。大阪市中心部でも雪がちらついた。同市内で3月に雪が降ったのは2年ぶり。
 雪の影響で、兵庫県の舞鶴自動車道三田西IC−丹南篠山口IC間が、午前8時20分から、上下線とも一時通行止めになった。
 東海道新幹線は4日、滋賀県・米原付近の雪のため、新大阪−岐阜羽島間で始発から最高速度を120〜230`に制限する徐行運転をした。この影響で、この区間を走る新幹線9本が最大で13分遅れ、約5400人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
5日■無料乗車券 負担金に消費税 京都市交通局 1億7900万円修正申告
 京都市交通局は4日、市職員に支給する市バスや市営地下鉄の無料乗車券発行分として市の一般会計などから繰り入れている負担金収入について、大阪国税局に99〜01年度分の消費税約1億5600万円の申告漏れを指摘されたことを明らかにした。負担金収入も、客が切符を購入する運賃収入と同様、職員が切符を購入したとみなされ、消費税の納付が必要と判断された。
 市は、これまで不課税収入として処理していたが、指摘を受けて加算税と延滞税を含む約1億7900万円を修正申告し、3月中に納付するという。
 無料乗車券は通勤手当や出張旅費の代わりとして、市職員全員に支給されており、市バス、地下鉄全線を利用できる。発行による交通局の減収を補う形で一般会計などから負担金が支払われており、交通局には99〜01年度、毎年約14億円の負担金収入があった。(朝日新聞)
■地下鉄 煙充満 必至の”救出” 実践さながら 横浜で訓練
 煙が充満する中、電車内に閉じ込められた乗客をレスキュー部隊が救出−。韓国・大邱市の地下鉄放火事件を教訓に、構浜市営地下鉄の関内駅(横浜市中区)で5日未明、終電通過後に大規模な救助訓練が行われた。
 地下約17bの駅に到着した車両内で、男がガソリンをまき放火、停電したとの想定。本物の車両を使い、車内や駅の電源を切って非常灯だけの暗闇にし、発煙装置で煙を発生させた。
 神奈川県警や市消防局などから約320人が参加して、午前1時から訓練開始。放火犯役がホームで乗客や警官に取り押さえられた後、非常ベルが鳴り煙の充満する中を、耐熱服とマスク姿の県警機動隊レスキュー部隊が、車内で倒れている乗客11人を担架に乗せて地上に運び出した。(京都新聞 夕刊)
■貨物運転士も意識を失う
 JR、無呼吸症候群?広島県内のJR山陽線で2月、運転中に意識を失ったJR貨物の運転士(26)が睡眠時無呼吸症候群だった疑いが強いことが5日までの同社の調べで分かった。この運転士は現在内勤業務に就いている。
 JRでは山陽新幹線の運転士が居眠り運転し、同症候群の可能性があるとされている。
 JR貨物によると、2月16日午前8時半ごろ、山陽線瀬野−八本松間で、上り貨物列車の速度が出なくなり、停止した。この区間は急な上り坂のため、後ろに列車を押す補助機関車が1両付いていたが、この補助機関車の運転士が意識を失っているのを先頭の機関車の運転士が見つけた。
 呼び掛けると「大丈夫だ」と答えたため列車は25分遅れて運転を再開、補助機関車の運転士は約12`先の西条駅で切り離すまで乗務した。
 運転士は「安芸中野(広島市)通過時から停止するまでの22分間の記憶がない」と話し、広島市内の病院で検査を受けたところ、無呼吸症候群の疑いが強いことから現在も精密な検査を続けている。(京都新聞 夕刊)
■2月にも無呼吸症候群? JR貨物広島で停止の運転士
 広島県のJR山陽線で2月、機関車の運転士(26)が運転中に突然、意識を失い、列車の走行が止まった問題で、JR貨物関西支社は5日、この運転士が「睡眠時無呼吸症候群」(SAS)だった疑いが強い、との診断結果を明らかにした。山陽新幹線で居眠り運転事故を起こしたJR西日本の運転士も、SASにかかっていた、と指摘されている。
 事故は2月16日午前8時過ぎに起きた。福岡発札幌行き貨物列車が山陽線区間の坂を上る途中、最後尾につながれた補助機関車の運転士が一時意識を失った。
 運転士は広島市の病院で検査を受けたところ、軽いSASにかかっている疑いが強いと診断された。身長約160a、体重約100`と肥満気味だったが、過去の健康診断では特に異常はなかったという。
 運転士は前日の午後8時過ぎから、広島県内の山陽線で補助機関車を4往復させる終夜勤務をしていた。同社総務部は「意識を失ったこととSASとの関連はさらに調べる」としている。(朝日新聞 夕刊)
■地下鉄火災 死者198人に 韓国警察が中間報告
 【ソウル=箱田哲也】韓国・大邱で起きた地下鉄火災を捜査している警察当局は4日、これまで確認された死者が198人に上ることなどをまとめた中間報告を発表した。死者のうち身元が確認されたのは49人にすぎない。負傷者は145人という。(朝日新聞 夕刊)
6日■疎水をつくった男 田辺朔郎 事業と半生 アニメ映画に 20代で挑戦 近代化に道 みやこめっせで21日から上映
 19世紀末の琵琶湖疏水建設を題材にしたアニメーション映画「明日をつくった男 田辺朔郎と琵琶湖疏水」が完成し、「水と人とのかかわりを考えるきっかけに」と、第3回世界水フォーラム開催を記念して21日から3日間、水フェア京都会場となる京都市左京区の市勧業館みやこめっせで初上映される。
 琵琶湖疏水は、水道用水の安定供給とともに水力発電や物資輸送を目的に、1885年に着工した明治の京都近代化政策最大の基幹事業。映画は田村喜子さんの小説「京都インクライン物語」を原作に、賛同者らが制作支援委員会を結成。府、京都市、京都商工会議所の協賛で、虫プロダクションが製作した。
 物語は、広告代理店のプロデューサー(鶴見辰吾)が、未来を築こうと弱冠二十代で難工事に挑んだ田辺ら明治の人々の思いを子どもたちに伝えようと疏水事業や田辺の半生を追う。実写とアニメを交え、アニメのリポーター役水紀の声は女優の純名里沙さんが務めている。70分。
 同フォーらム推進京都実行委員会と虫プロ主催。21−23日の午前11時と午後2時開演。無料だが入場整理券必要。希望者は往復はがきに希望日(第2希望まで)、郵便番号、住所、氏名(4人まで。全員明記)、年齢、電話番号を記入。返信面にも住所と氏名を書き〒607-8354京都市山科区西野小柳町69ノ1ノ202 虫プロ関西事務所へ。14日消印有効。同車務所TEL075(581)0066。(京都新聞)
■京都バス貴船線 16日から再開 例年より1週間早く
 京都バスは、16日から叡山電鉄の貴船口駅前から貴船(ともに京都市左京区)を結ぶバス路線「貴船線」の運行を再開する。
 毎年、春分の日から11月末までの期間限定で毎日運行する片道2`の路線だが、今年は16日に始まる世界水フォーラムに合わせ水の神をまつる貴船神社への参拝者が増えると見込み、例年より1週間早く再開する。
 運賃は片道160円。所要時間は約4分。平日の貴船口駅発は午前9時50分−午後4時半、貴船発は午前9時55分−午後4時40分の1日20往復(土・日曜、祝日は同27往復)。
 このほか、京都バスは通年で1日2往復している出町柳駅前(左京区)−朽木学校前(滋賀県朽木村)間のうち、出町柳駅前−坊村(大津市葛川)間で16日から12月15日までの土・日曜、祝日のみ出町柳駅前から午前8時45分発の1便を増発し、比良山への登山客の利便性を高める。(京都新聞)
■新幹線居眠り 重度のSAS国交省、全国調査へ
 山陽新幹線で居眠り運転した運転士(33)についてJR西日本は5日、大阪市の呼吸器内科専門医が「肥満に起因する重度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)」と確定診断したと発表した。SASは、睡眠中に呼吸停止が頻発して眠りが浅く、日中に眠気が消えない睡眠障害の一種。国土交通省は同日、全国の鉄道会社に対し、過去にSASに起因する事故がなかったか調査するよう指示した。(京都新聞)
■山陽新幹線 40bずれて停車 新神戸駅 遅ればん回へ焦る?
 5日午後4時55分ごろ、神戸市中央区のJR山陽新幹線新神戸駅で、新大阪発博多行き「ひかり383号」(8両編成、乗客約600人)が、停止位置を約40b行き過ぎて停止した。列車はホームからはみ出していなかったため、そのまま乗客を乗り降りさせ、約2分遅れで出発した。
 JR西日本広報室によると、通常は運転士が駅手前で自動列車制御装置(ATC)を解除し、停止位置の約50b前で手動ブレーキをかけて止める。同列車は到着が約1分遅れており、運転士は「遅れを取り戻そうと思い、ブレーキをかけるタイミングを誤った。居眠りはしていない」と話しているという。
 新神戸駅によると、ホームでは当時約100人が待っており、約15人が列車から降りたが、苦情はなかった。 JR西日本広報室は「初歩的なミスで申し訳ない。再発防止に努める」としている。(朝日新聞)
7日■京都バス 好調、傘の車内販売 年6000本 予想上回る見通し
 京都バスが昨春から始めた傘の車内販売が好調だ。路線バスの車内の物販は関西では珍しく、当初の予想を2割上回る年6000本が売れる見通し。傘には渡月橋などのイラストがプリントしてあり、観光客が買い求めることが多い。同社はおみやげ品を中心に新たな販売品を検討している。
 傘はナイロン100%の折り畳み式で白、赤、青色の3種。大原女や渡月橋など路線内の名所のイラストをプリントしたオリジナル品。1本500円(税込み)。バスには各種計6本を置き、運転手が販売している。
 バス車内での物品販売は、安全に支障がない限り規制はない。神奈川県の湘南神奈交バスでは、運転席横の台にガムやスナック菓子、新聞や雑誌などを置き、乗客に喜ばれているという。
 京都バスの利用者は、ピーク時の1970年代に比べ4割減っている。路線バスは昨年2月の規制緩和で新規参入が可能になるなど、競争激化も予想される。
 同社の山村勝保社長は「市バスを含め他社との違いをサービス面で出していく。傘は急な雨の時に観光客はもちろん通勤客にも好評のようだ。実用的で、おみやげにもなる新しい販売品を早期に投入できるよう検討している」と話している。(京都新聞)
■論考 韓国地下鉄放火事件の教訓 安全性確保の設計思想を 鉄道安全推進会議事務局長 佐藤健宗氏
 多数の死傷者を出す大惨事となった韓国・大邱市の地下鉄の放火事件。被害の拡大は防げなかったのか。安全対策の観点から鉄道安全推進会議事務局長の佐藤健宗弁護士に論じてもらった。
 2月18日、韓国・大邱市の地下鉄で放火事件があり、現時点で判明しているだけで約200人の死亡者が出るという大惨事となった。事故の原因解明は警察の手によって行われており、その影響から事故の状況や原因解明に関連する情報は一部しか公開されていない。そのため、現時点で事故の原因や再発防止策について論じるのは必ずしも適当とは思われないが、明らかにされた情報の範囲内で事件の教訓について考えてみたい。
 まず火災が発生した直後の運行担当者の対応に問題があり、被害を著しく拡大させたことは間違いがなさそうである。特に機械設備指令室が警報ベルを無視したこと、放火された車両の運転士が運行司令室に火災発生を報告していないこと、運行司令室も火災発生後に中央路駅への列車進入を許可したこと、対向車の運転士がマスターキーを抜いて退避しドアが閉まったままの状況が作られたことが被害を拡大させたとされている。
 以上の要因のほかには地下鉄車両の難燃性、避難路の確保とその視認性(例えば停電時に避難路へ誘導する非常灯の視認性)、排煙設備の設置状況とその実際の機能などについても徴底的な調査が必要であるが、これは今後の調査に期待したい。
 日本では1975年に地下鉄の火災対策のための通達が出されているが、通達以前から営業している路線、駅などの安全対策を総点検し、基準に達していない設備については早急に改善する必要がある。また、火災発生時のマニュアルの整備または見直し、さらに日常的な教育訓練のあり方について検討しなければならない。
 今回の事故原因の解明では警察が主導権をもって行っているが、この点も考察が必要なところである。放火事件は明らかな犯罪であるから警察が捜査を行うのは当然であるが、火災発生後の地下鉄運行担当者らの対応の問題点については、刑事責任追及という目的の警察の捜査ではなく、再発防止を目的とする事故調査機関による調査を優先させるというのが近似の欧米の流れである。
 警察の捜査は密行性が求められるため、具体的な事実関係がなかなか報道されないが、他の鉄道機関などに情報を提供し、同種事故を防止したり、被害の拡大を防ぐための教訓にするという観点からは、事故調査機関に調査をまかせるというのも検討に値する手法である。
 今回の事件で想起されるのは1987年11月18日にロンドン地下鉄のキングズクロス駅で起きた火災によって31人が死亡した事故である。ロンドンの事故では、地下鉄のエスカレーターの一部が木製であるなど施設の老朽化と避難誘導のための体制や訓練が十分でなかったことが被害を拡大させたと指摘された。ところが今回の事件は最新鋭の設備で大きな被害が生まれている。
 韓国国内では利潤優先という経済的要請から大邱市の地下鉄でも排煙設備の数を減らすなど安全軽視の設計思想がこの惨事の背景となっているとの指摘があると聞く。経済原理が幅を効かせば、安全性の確保はつねに副次的な位置しか与えられない。今回の事故を単に担当者の人為的ミスとするのではなく、事故の背景にある開発・設計の思想にさかのぼって事故の教訓を明らかにする必要があるのではなかろうか。
 さとう・たけむね 1958年生まれ。京都大法学部卒。弁護士(兵庫県弁護士会)、91年に発生した信楽高原鉄道事故の遺族側弁護団の一員。各事故の被害者遺族らを中心に93年に設立された鉄道安全推進会議の事務局長を務める。(京都新聞)
■無呼吸症候群 問診で止める 神戸市バス・地下鉄、年2回導入
 山陽新幹線の居眠り運転問題で、運転士が「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」と診断されたことを受け、神戸市交通局は、市営の地下鉄とバスの乗務員を対象に毎年2回実施している定期健康診断で、SASを医師の問診項目に加えることを決めた。
 同市交通局の市常バスと市営地下鉄の乗務員は計約1100人。各職場で毎日始業前に点呼をして健康状態を確かめているほか、毎年6月と11月の2回、健康診断をしており、今年6月の健診からSASの問診をする。(朝日新聞)
■「状態つかめず」 JR西、国に陳謝
 山陽新幹線の居眠り運転問題で、JR西日本の南谷昌二郎社長は6日、国土交通省に石川裕己・鉄道局長を訪ね、「医学的検査で運転士を十分把握できていなかった。誠に申し訳ありません」などと謝罪した。
 一方、国交省は、鉄道、航空、船舶などすべての公共交通機関で睡眠障害による事故の防止対策を検討する連絡会議を設置した。同省内の課長クラスで構成し、7日に最初の会議を開く。今後、専門医の意見を聞いたり、各交通事業者の健康管理方法などについて情報交換したりする。(朝日新聞)
8日■運転士が骨折 湖西線乱れる
 7日午後1時半ごろ、滋賀県志賀町南小松のJR湖西線近江舞子駅で、折り返し運転をしようとした京都行き普通電車の運転士(39)から、JR西日本新大阪総合指令所に「乗務員室のドアに指を挟まれ、けがをした」と緊急連絡が入った。運転士は右手の指を骨折したまま、2駅先の志賀駅まで電車を運転したが、出血がひどく、救急車で病院へ運ばれた。電車は同駅で、代りの運転士が来るまで約1時間停車した。この影響で上下線5本が運休。大阪行き特急サンダーバードが最大1時間遅れるなど、約1800人に影響が出た。
 JR西日本によると、運転士は、始発駅の近江舞子駅で折り返しのため反対側の乗務室に乗り込む際、ドアに手を挟まれたという。(京都新聞)
■KTR故障で遅れ
 7日午後3時半ごろ、兵庫県豊岡市大手町、JR山陰線豊岡駅で、北近畿タンゴ鉄道(KTR)の豊岡発城崎行き普通電車が、動力系機器の故障で発車できなくなった。後続車両が豊岡駅に入れなくなり、同電車が運休したほか京都発城崎行き特急「きのさき3号」が手前の国府駅で35分間立ち往生するなど、特急や普通電車14本が35分−5分遅れ、乗客ら1500人に影響が出た。(京都新聞)
■JR京都駅に新カウンター 京都宝ケ池・大津プリンスホテル 宿泊客の荷物預かる
 京都宝ケ池プリンスホテル(京都市左京区)と大津プリンスホテル(大津市)は10日、JR京都駅施設内に宿泊客が荷物を預けられる「ウェルカムカウンター」を設ける。ウェスティン都ホテル京都(東山区)も昨春、近鉄京都駅改札口のそばに「チェックインオフィス」を設けており、同駅の玄関機能が高まりそうだ。
 プリンスホテルの新カウンターは新幹線八条口改札の西側に設置。午前9時から午後6時まで年中無休で、両ホテルから1人ずつが常駐する。宿泊予定客の荷物を預かってホテルに届け、チェックアウト客がホテルで預けた荷物を渡す。チェックイン手続きや宿泊・レストランの予約、観光情報の提供もする。利用は無料。
 両ホテルは「観光の前にホテルへ荷物を預けに行く時間と手間を省き、集客力アップにつなげたい」とし、年間約3万人の利用を見込む。(京都新聞)
■降りて歩いて 101 JR船岡駅(園部町船岡) 交通の要 開設半世紀に
 JR園部駅から電車に揺られること約5分。トンネルを抜けると、眼下に田園風景が広がっていた。小高い場所にある駅を降りてしばらく歩くと、間もなく大堰川にたどり着く。
 周辺はかつて、丹波地方から、京都市内へ米や食料などを運ぶ船便の基地として栄えた。
 地域のふるさと史を作っている川辺史友会会長の内藤久夫さん(83)は「当時栄えた名残が、船着き場の浜の名前などでわずかに残っています」と話す。
 主にクヌギを割ったまきを積み込んでいたという。船便は1900年代はじめまで続いた。最盛期には船着き場の浜が数ヵ所あり、船宿がひしめいたとされる。
 駅の設置は1953年で、今年はちょうど50周年を迎える。
 開設の2年前に、国鉄が園部(園部町)−胡麻(日吉町)駅間にディーゼル列車の運行を始めたことをきっかけに、「近隣駅の中間地点である船岡地区にも駅を設置しよう」との機運が盛り上がった。
 当時、園部町川辺支所長だった故平野熊蔵さんが中心となって、期成同盟を結成した。賛否が分かれた地元住民をまとめ、地元が費用を負担する請願駅として建設にこぎつけた。
 川辺史友会の内藤さんも開設の数年後から日吉町への通勤に利用していた。「通勤客がみんな駆け足で駅に向かっていったのを思い出す」と振り返る。
 近くの通称「諏訪の森」には、平野さんの功績をたたえる顕彰碑がたたずんでいた。約10b離れた場所から、いまも変わらぬのどかな田園光景を見守っている。(京都新聞)
■地下鉄火災 教訓いかせ 韓国の事件受け 車両使い消防訓練
 韓国・大邱市の地下鉄火災を受け、京都市交通局と同市消防局は7日、市営地下鉄で放火による火災が発生したという想定で、車両を使った合同消防訓練をした。
 訓練は先頭車両で放火があり、火災が発生したという想定で始まった。車両には乗客役の消防局職員ら約300人が乗り込んでおり、車内に白い煙が充満すると「火事だ」などの叫び声が飛び交った。
 乗務員が、車内放送で「乗客」を安全な車両へ誘導。さらに、国際会館駅に到着すると、駅員らが地上へ誘導した。救急隊員が車内や階段で倒れ込む「負傷者」の救助にあたった。
 営業時間中とあって、ホームに居合わせた人たちは迫力ある訓練の様子に驚いていた。
 訓練の後、河内陸副市長は「世界水フォーラムでは、海外からも多くの人々が集う。万全の上にも万全を期したい」と話した。(朝日新聞)
■信号見落とし 時刻誤り出発 またまたJR西日本
 JR西日本で7日、運転士の不注意によるトラブルが相次いだ。
 午前0時40分ごろ、広島県河内町の山陽線河内駅で、新大阪発西鹿児島行き寝台特急「なは」(8両編成、乗客約80人)が赤信号を無視し、約380b行き過ぎて止まった。
 JR広島支社によると、現場では、係員が手動で信号を操作していた。運転士(40)は駅員からの無線連絡で見落としに気づいたという。列車は約8分後に再出発した。
 午後0時41分ごろ、三重県亀山市の関西線亀山駅で、加茂行き普通列車(1両編成、乗客約80人)が予定時刻より約3分早く出発した。3人が乗車できなかった。運転士は「運転台の時計の針が0時39分を指していたのを発車予定時刻の44分と見間違えた」と話しているという。
 午後1時35分ごろ、滋賀県志賀町の湖西線近江舞子駅を出た京都行き普通列車(6両編成)の運転士から「運転室の扉で右手の中指をはさんでけがをした」と連絡があった。JRは別の運転士を手配し、途中の志賀駅で交代させた。出発が約1時間遅れ、後続12本に運休・遅れが出た。(朝日新聞)
■JR貨物も緊急調査
 JR貨物は7日、広島県のJR山陽線で運転中に意識を失った運転士が「睡眠時無呼吸症候群」(SAS)の疑いがあると診断されたことで、全運転士約2100人を対象にSASの緊急調査を実施すると発表した。(朝日新聞)
■バス事業分社化 JR四国が方針 不採算路線見直しも
 JR四国(高松市)は7日、バス事業部門の分社化方針を03年度事業計画に盛り込み、国土交通省に申請した。規制緩和で四国−京阪神間の高速バス競争が激化していることや、鉄道部門の減収が続いていることから、分社化で不採算路線の見直しを進め、バス部門の黒字転換を目指す。新会社の設立時期などは今後検討するという。
 同社によると、バス部門のうち収入の7割を占める高速バスは好調だが、新規事業者が低価格で参入するなど値下げ競争が激化。貸し切りバスやローカル路線バスは減収が続いており、バス部門全体では02年度に2億〜3億円の赤字を計上する見込みという。(朝日新聞)
■京都市バス 大学生定期券 乗り降り自由 バイトに、キャンパス移動に 均一区間対象 今秋発行へ
 大学のまち・京都で暮らす学生たちを対象に、京都市は今秋、大学生用の通学定期券で、市内中心部を自由に乗り降りできる制度を導入する。通学だけでなく観光やアルバイト、大学間の移動などに市バスを活用してもらおうとの試み。新たなサービスで学生生活を支援すると同時に、市バスで街をめぐる機会を増やし、「若い京都ファンを育てたい」としている。
 2002年度に市内の大学に通う大学生は約13万人。ところが、学生用定期券を購入しているのは、そのうち約3500人(年間平均)にとどまっている。
 大学側によると、学生はアルバイトやサークル活動など市内を移動する機会が多く、自宅最寄りのバス停・駅付近から通学先のキャンパスまでに利用が限られる現在の定期券は使い勝手が今一つという。
 また、最近は大学間の「単位互換制度」も約1万人の学生が利用するようになっており、大学側からは市に「他大学への移動に便利なように通学定期券の全線化を」との要望が出ていた。
 新たに導入する制度では、市郊外を除く市街地(均一区間)に限り、通学定期券で全線利用できる。市街地の利用区間の目印は、車体のフロントガラス上部に示された系統番号が青色か、オレンジ色の市バス。1ヵ月の通学定期券は7200円。
 対象には、専門学校生や学生証を持つ社会人学生なども含まれる。
 市交通局は「現金収入が減る可能性はゼロではないが、利便性を高めることで、学生が京都に親しむというプラス面の方が大きい。さまざまな場面でフル活用してほしい」とPR。利用しやすい市バスを通じて、京都の街への愛着が生まれることを期待している。(京都新聞 夕刊)
■JR近江八幡駅 赤信号変わらず
 8日午前1時ごろ、滋賀県近江八幡市のJR琵琶湖線近江八幡駅で、構内の信号機が赤のまま変わらなくなった。駅員が確認したところ、線路上に長さ約180a、幅約65aの金属製トタン板2枚があった。取り除いたところ、信号機は復旧した。近江八幡署などの調べでは、近くの農作業小屋のトタン屋根がなくなっており、強風で吹き飛んだとみて調べている。(朝日新聞 夕刊)
9日■踏切死亡事故 19万人に影響 大阪の東海道線
 8日午後2時20分ごろ、大阪府高槻市赤大路町のJR東海道線踏切で、大阪府茨木市の無職男性(84)が福岡発東京行き貨物列車にはねられ、死亡した。高槻署は自殺とみて調べている。
 JR西日本は上下線とも運転を見合わせ、下り線は午後3時に運転を再開したが、全線再開は警察の現場検証が終了した午後4時すぎになった。
 このため東海道線や片町線、福知山線などの広い範囲でダイヤが終日乱れ、計159本が運休、特急など計203本が最大約2時間10分遅れ、約19万8000人に影響した。(京都新聞)
■列車オーバーラン 運転士「考えごと」 富山の北陸線
 8日午後零時50分ごろ、富山県黒部市吉田のJR北陸線生地駅で、泊発富山行きの普通列車(3両編成)が停止位置を約160b通過、最後尾がホームの端を約30b過ぎて停車した。
 JR西日本金沢支社によると、運転士は「考えごとをしていて、ブレーキをかけるのが遅れた」と話しているという。(京都新聞)
■JR西バス 停車忘れた 宝塚インター
 8日午前7時10分ごろ、兵庫県宝塚市の中国自動車道宝塚インターで、西日本JRバス(本社・大阪市)の大阪駅発津山駅(岡山県)行き高速バス(急行)が、バス停に止まらずに通過した。乗車できなかった女性2人から抗議があり、同社は約30分後に通過する予定だった後続のバス(特急)を臨時停車させた。
 同社によると、運転手は津山行きを運転するのは初めてで、「宝塚インターに止まるのを忘れていた」と話したという。(朝日新聞)
■踏切で死亡事故 JR京都線乱れ 高槻、自殺か
 8日午後2時20分ごろ、大阪府高槻市赤大路町のJR京都線の踏切で、同府茨木市の男性(84)が福岡発東京行きの貨物列車(18両編成)にはねられ、即死した。この事故により、上下線159本が運休、特急「はるか」など203本が最大133分遅れ、約19万8000人に影響した。
 高槻署の調べに貨物列車の運転士は「男性が踏切内に入ってきたので、非常ブレーキをかけたが間に合わなかった」と話している。男性は病気で悩んでいたといい自殺の疑いが強いとみている。(朝日新聞)
11日■京都市バス 車内に乗客30分放置 気付かず操車場に 半年間、処分せず
 京都市下京区の京都市バス四条烏丸操車場で昨年9月、男性乗客(79)が車内に残っていたにもかかわらず、点検を怠った運転手が休憩したため、男性は約30分間放置されていたことが10日、分かった。基本的な点検ミスだけでなく、発生から半年近く経過しても処分が決まっておらず、対応の遅れも問われそうだ。
 市交通局などによると、昨年9月20日午前8時15分ごろ、91号系統(大覚寺発四条烏丸行き)の市バスが終着のバス停に着いたあと、近くの同操車場に入り、居眠りをして降車できなかった男性1人を残したまま、運転手(55)が休憩した。約30分後、目を覚ました男性が車内から携帯電話で家族に連絡。市交通局は家族からの連絡で初めて状況を知り、男性を降ろした。
 運転手は研修で他の運転手を指導するベテラン運転手だった。降車時の基本的な点検を怠り、男性に気付かなかったという。市交通局は「男性にはご迷惑をかけ大変申し訳ない。再発防止を徹底する」としており、近く運転手を停職処分にする方針。
 市バスでは2000年9月と01年6月にも乗客が車内に放置される不祥事があったが、2件とも発生から約2ヵ月以内で処分が決定している。今回、対応が遅れている点について市交通局は「処分内容の調整に時間を要しており、決定すれば公表する予定だった」としている。(京都新聞)
■自治源流 03統一地方選を前に 上 京都市営地下鉄 拡大路線膨らむ赤字 「無料券」市民感覚とずれ
 地方自治体の財政悪化が止まらない。出口が見えない不況の中、自治体は予算のやり繰りに四苦八苦する。財政難という大波を受け、漂流する地方自治。統一地方選を前に府内の現状を見た。
 「○○さんは公務員やし、市バスはただなんやろ?」
 「地下鉄も、な」
 西京区のA 子さん(39)は、バスで隣り合った女性2人の会話に耳を疑った。思わず心の中でつぶやいた。「うそでしょう」
 だが、それは「うそ」ではない。京都市の全職員には「職員乗車券」という”無料パス”が配られている。通勤手当や出張費の代わりとして支給されており、市営地下鉄と市バスが乗り放題。50年以上前、当時あった市電を対象に始まった市独自の制度だ。
 ■「安定収入」
 職員乗車券支給で交通局が収入減となるのを補うため、交通局以外の各局は交通局に「負担金」を支払っている。
 負担金は定期券などをもとに算出され、職員1人当たり1ヵ月6734円。市長部局で1ヵ月約6700万円になる。市は「通勤手当と出張旅費を実費で支払うと1ヵ月7100万円かかり、1ヵ月400万円の節約になる。実費計算の時間と手間も省ける」などと説明する。交通局にとっても「貴重な安定収入」という。
 「職員乗車券」の存在を知ったA子さんは言う。「市職員に優遇しすぎ。節約なんて後でつけた理由じやないの」
 立命館大学の堀雅晴教授(行政学)は「無料パスの支給は、市の試算が正しくて安上がりだとしても、税金の使い方としてアバウト。納税者がそんな節約を望んでいるだろうか。市民感覚とずれているのではないか。きちんと精算して、必要なコストは支出すべきだ」と話す。
 ■累積2400億円
 市営地下鉄は81年、烏丸線の京都−北大路間(6.5`)が開業。現在、同線は竹田−国際会館間で営業している。また、東西線は二条−醍醐間(12.7`)が97年に開業。醍醐−六地蔵、二条−天神川間で延伸工事中だ。さらに洛西への延伸の構想も温めている。
 こうした中、交通局の財政事情は厳しさを増している。地下鉄事業の累積赤字は、03年度末には2423億円に膨らむ見通しで、これは同年度の運賃収入見込み196億円の12倍を超える。さらに企業債の未償還残高は、同年度末に3789億円になる見込みだ。
 ■値上げ頼み
 交通局は03年度から「市交通事業ルネッサンスプラン」に沿って、市バスと市営地下鉄の経営健全化を進める。健全化計画の策定は、桝本頼兼市長の就任後だけで3回目だ。
 プランでは、二条−天神川間が開業(07年度予定)した後、おおむね30年で収支均衡との見通しを立てている。
 しかし、これは「5年ごとに12%値上げ」も織り込まれての話だ。01年度に実施予定だった値上げは03年度も見送られる予定だが、04年度から値上げを始めたとして、2034年度には、現在200円の運賃は、単純計算で442円になる。
 さらに、沿線整備などにあたる第三セクターの不振も深刻だ。醍醐駅前ビルの建設・運営に携わる「京都醍醐センター」と、「京都御池地下街」はそれぞれ約12億円(いずれも01年度末)の累積赤字を抱える。
 公共性が高い、重要な都市基盤整備として進む地下鉄事業。利便性が高まる陰で、厳しい経営が続く。今後、市民がどんな負担を背負うのかは、よく見えていない。(朝日新聞)
■市バスに79歳閉じ込め 昨秋、京都市 運転手処分へ
 京都市バスの四条烏丸操車場(下京区)で昨年9月20日、79歳の乗客の男性がバスに約30分間閉じこめられていたことがわかった。運転手(55)が操車場で車内を十分に確認しなかったのが原因で、交通局は運転手を処分する方針だ。
 交通局によると、男性が乗っていたのは大覚寺発四条烏丸行きのバスで、同日午前8時14分に操車場に到着。運転手は男性が寝ていたのに気付かず、バスに鍵をかけて休憩に入ったという。その後、閉じこめられたことに気付いた男性が携帯電話で家族に知らせ、同43分に職員に助け出された。
 交通局は「たいへんご迷惑をおかけし、深くおわびする。再発防止の徹底を指示する」としている。(朝日新聞)
12日■鉄道収入減少続く JR貨物03年度予想
 JR貨物は11日、2003年度事業計画(単体)の収支予想を発表した。鉄道収入は引き続き減少するが、不動産賃貸収入などが増え、売上高は02年度計画比2.6%増の1634億円、経常利益は2倍の20億円、最終利益は27.3%減の8億円となる見通し。
 主力の鉄道収入は、トラック輸送などとの競争による運賃の低下で2.4%減の1266億円に落ち込み、厳しい経営状況が続く。一方、都内に2月完成した高層オフィスビルの賃貸収入などで関連事業収入は24.3%増の368億円を見込む。(京都新聞)
■市バス急停車 乗客2人けが
 12日午前7時45分ごろ、京都市中京区丸太町通七本松東入ルで、綿林車庫行き市バス=山形憲司運転手(27)=が急停車し、乗客の右京区の無職男性(84)が座席に顔を打つなど乗客2人が軽いけがをした。
 西陣署によると、バスは前方に割り込んできた乗用車との衝突を避けようと急ブレーキをかけたという。(京都新聞 夕刊)
■業過致死容疑で車掌を書類送検 神鉄転落死事故
 神戸市兵庫区の神戸電鉄鵯越駅で昨年12月、普通電車から降りようとした同市内の男性(当時74)が電車とホームの間に転落して死亡した事故で、兵庫県警は12日、安全確認が不十分だったとして電車の車掌(31)を業務上過失致死の疑いで神戸地検に書類送検した。
 調べでは、車掌は昨年12月6日夕、モニターなどで乗降客の安全を十分確認しなければならないのに怠り、男性がドアに上着の袖を挟まれたのを見落とし、運転士に出発の合図を送ったという。 調べに対し、車掌は容疑を認めているという。(朝日新聞 夕刊)
■JR電車またオーバーラン 神戸線灘駅
 12日午前8時25分ごろ、神戸市灘区のJR神戸線灘駅で、京都発西明石行き普通電車(7両編成、乗客約600人)が所定の停止位置を約170b行き過ぎ、ホームの端から5bはみ出して急停止した。電車は所定位置までバックして約180人を乗降させ、4分遅れで出発した。
 JR西日本広報室によると、駅に止める場合は加速装置を切ってからブレーキをかける。運転士は「速度が上がりにくい気がしたので駅の直前まで加速装置を使い、切るのを忘れたままブレーキをかけた」と話しているという。(朝日新聞 夕刊)
13日■信楽鉄道事故 JR 西 遺族に謝罪へ 発生から12年 社長、祭壇前で
 死者42人を出した滋賀県信楽町の信楽高原鉄道(SKR)とJR西日本の列車衝突事故で、JR西日本の南谷昌二郎社長が15日、事故から約12年たって初めて遺族に謝罪する。JRはこれまで過失責仕を否定し、事故当事者としての謝罪を拒んでいた。遺族が起こした民事訴訟で大阪高裁は昨年12月JRの過失を認める判決を言い渡し、JR敗訴が確定している。
 関係者によると、15日午後2時、大阪市内のホテルで、南谷社長が遺族とともに犠牲者をまつった祭壇の前で献花し、謝罪の言葉を述べるという。当日はJRの要望で報道陣には非公開という。
 JR側は事故の一周忌などで、当時の社長が「(JRとしてではなく)鉄道事業者としておわびする」などと発言し、遺族の反感を買っていた。
 昨年12月30日にJRが行った裁判上告断念の記者会見で、南谷社長は「遺族の心情を思うと解決を長引かせるのは本意ではない」と述べたが、遺族側は今年1月、社長のコメントに「遺族の気持ちがわかっていない」とJRに抗議している。
 遺族側がJRとSKRを相手に損害賠償を求めた訴訟は、1997年に大阪地裁が両社に計5億円の賠償を命じJR側が控訴。大阪高裁は昨年末の判決でJRの組織としての過失責任を明確に認め、賠償額を約1000万円増額した。(京都新聞)
■ドア故障10本遅れ JR京都駅
 12日午後8時ごろ、京都市下京区のJR京都駅で、永原行き普通電車のホーム側のドア一つが閉まらなくなった。JR西日本によると、ドアのシリンダーの故障が原因。処置後、電車は15分遅れて発車した。後続の上下10本が最高15分遅れ、約4500人に影響した。(京都新聞)
■軽度SASと診断 運転士の業務外す JR貨物
 広島県内のJR山陽線で2月、運転中に意識を失ったJR貨物の運転士(26)について同社は12日、専門医が「軽度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)」と診断したと発表した。JR貨物はこの運転士を今後、運転業務から外す。 この運転士はSASの疑いがあると診断されたことから今月8、9の両日、広島市内の専門医の睡眠ポリグラフィー検査を受けた。その結果、SASで睡眠不足に陥り、運転中に眠ったと推定された。(京都新聞)
■貨物運転士も無呼吸症候群 JR列車停止
 JR貨物は12日、2月に広島県のJR山陽線で機関車運転中に意識を失い、列車を止めてしまった運転士(26)が、広島市内の病院での診断の結巣、軽い「睡眠時無呼吸症候群」と断定された、と発表した。
 同社総務部によると、運転士は意識を失った2月16日朝は前日から終夜勤務をしていた。途中に約2時間の仮眠をとっていたが、医師は「睡眠時間は十分でなく、無呼吸症と重なって深い眠りに陥った」と指摘した。(朝日新聞)
■電車内の反戦 JR西「ノー」
 大阪市内の労働組合や主婦らでつくる「有事法制に反対する中央区連絡会」が12日、JR大阪環状線内でイラク攻撃に反対のアピール活動をしようとしたところ、JR西日本が「待った」をかけた。同社は、車内での迷惑行為にあたると判断した。
 同連絡会によると、午後1時49分大阪駅発の環状線内で手製のプラカードなどを掲げて訴える計画で、約30人が参加した。
 JR西日本側は大阪駅長名で、車内での演説や勧誘を禁じた鉄道営業法35条に違反すると通告。車内では、ゼッケンなどを隠すように説得した。(朝日新聞)
■急ブレーキかけ市バス乗客けが 中京区で2人
 12日午前7時45分ごろ、中京区聚楽廻西町の府道で、嵯峨小学校前発錦林車庫行き京都市バス=山形憲司運転手(27)、乗客約60人=が急ブレーキをかけ、右京区の男性(84)と中京区の女性(78)が軽いけがをした。
 西陣署の調べでは、バス停を発車する際、山形運転手が前で信号待ちをしていた乗用車に気付くのが遅れたらしい。(朝日新聞)
■ベアゼロ 定昇確保 JR西日本、東海
 JR東海とJR西日本の春闘交渉は13日、経営側が組合側にベースアップなし、定期昇給相当分の引き上げを回答し、主力組合のJR東海ユニオンとJR西労組は妥結を決めた。定昇は、JR東海が35歳標準労働者で5800円、西日本は組合員平均(43.5歳)で4070円。
 JR西日本は夏、冬のボーナス計5.6ヵ月分(要求5.7ヵ月分)の支給を回答。JR東海は、夏のボーナスについて 2.9ヵ月分(要求3.0ヵ月分)を回答した。(京都新聞 夕刊)
■信楽高原鉄道事故 JR西 直接謝罪 社長が明後日、遺族へ
 42人が死亡した91年の信楽高原鉄道事故で、JR西日本は、遺族に直接謝罪することを決めた。南谷昌二郎社長が15日に遺族と会い、おわびの言葉を伝える。同社はこれまで遺族が求める直接謝非は拒んできたが、同社の責任を認める昨年末の大阪高裁判決が確定したのを受け、方針を転換した。
 関係者によると、南谷社長は15日午後、大阪市内のホテルで遺族らと面会し、謝罪する。遺族とJR側の事前協議で、報道機関など第三者には公開しないことで合意しているという。
 大阪高裁は昨年12月、JR西日本と信楽高原鉄道に計約5億1000万円の損害賠償を命じる判決を言い渡し、JRも上告を断念して確定した。だが同社は、遺族への直接謝罪については「これまでも法要の場などで当社の誠意は伝えてきた」と難色を示し、遺族側が抗議していた。(朝日新聞 夕刊)
14日■大手私鉄春闘 ベアゼロ攻防 関西4社難航 阪神など9社妥結
 私鉄総連(山野俊次委員長)に加盟する関東や関西などの私鉄大手15社の労組は13日、同日中の決着を目指して会社側と大詰めの賃上げ交渉を続け、東武や東急、京王、営団、小田急、相鉄がそれぞれベースアップゼロ、定期昇給相当分だけの賃上げで妥結した。
 回答方式が違う阪神と西鉄も3100円、2400円(いずれも勤続12年の30歳標準労働者)でそれぞれ収拾したが、京成や名鉄と、近鉄、阪急、京阪、南海の関西4社は交渉が難航した。
 京急は1月末にベアゼロで妥結している。
 私鉄総連は、自動車や電機など大半の大手労組がベアを見送る中、他産業との賃金水準の格差縮小などを求め、ベア1300円を統一要求した。(京都新聞)
■窓 優先座席利用 ルール確立を 甲西町・鈴木 強(事務員・52)
 JR通勤族の一人だが、最近、電車内に設けられている優先座席が、シンボルマークに加え、座席に緑のシートをかけたり、座席そのものを一般座席と区別したり、アナウンスするなど、以前より格段にはっきりと示されるようになってきた。大変良いことだと思う。しかし、まだまだ優先座席がその本来の役割を果たしているとはいえない状況だ。空いているときももちろんだが、特に、混雑時には非該当者は座らないというルールを確立すべきだと思う。
 かつては当然のごとく灰皿があって喫煙していたが完全に撤去された。傍若無人の迷惑ケータイもずいぶん改善されてきた。これは、世論にこたえようとする鉄道会社の努力のたまものだが、その実効性は一に社会的合意ができるかどうかにかかっていると思う。
 合意が可能になるためには、最大公約数としての快適さの前には個人的利便さも我慢せざるを得ないということが了解されるかということだ。そして、大前提として社会全体に他人の気持ちを思いやる思想が確立できているかということだ。
 どんなに混雑していても、妊婦さんや、高齢者、幼児連れの人、身体に障害のある人に優先座席が確保されていることが徹底底されるのならば、もっと公共交通機関利用者も増えると思うし、社会全体が明るくなると思うが、どうだろうか。(京都新聞)
■私鉄9社 ベアゼロ 組合側へ回答
 私鉄の春闘の賃上げ交渉で大手15社のうち9社の回答額が13日、組合側に示された。私鉄総連は統一ベア1300円を要求しているが、いずれもゼロ回答。定昇相当分の賃上げは実施される。このうち、妥結したのは京急、京王、小田急、相鉄、阪神、西鉄の6社。(朝日新聞)
■近鉄社長に山口氏 田代会長は取締役相談役
 近畿日本鉄道は14日、辻井昭雄社長(70)が会長に退き、山口昌紀副社長(67)が社長に昇格する人事を固めた。大阪近鉄バファローズのオーナーで、大阪商工会議所会頭の田代和会長(76)は取締役相談役に就任する。6月末の株主総会後の取締役会で正式に決める。
 辻井社長は1999年に就任し、在任中に進めてきた人員削減や不採算事業の整理などの経営改善計画の進ちょくに一応のめどが付いたことから、山口副社長に道を譲ることにした。
 山口 昌紀氏(やまぐちまさのり)京大卒。58年近畿日本鉄道。常務、専務を経て99年6月から副社長。奈良市出身。(京都新聞 夕刊)
■インド 列車爆発10人死亡
 【ニューデリー13日共同】インドのマハラシュトラ州ムンバイのムルンド駅で13日夜(日本時間14日未明)、列車の一部が爆発、地元テレビによると10人が死亡、65人が負傷した。
 強力な爆発物が仕掛けられたものとみられるが、犯行声明などは出ていない。
 現地からの報道によると、列車が駅に到着した後、女性専用車両付近から爆発が起き、死者の多くも女性。負傷者は最寄りの病院に搬送された。警察の爆弾処理班が対応したほか、シンデ州首相らも現場に急行した。 地元テレビなどによると、列車の屋根が吹き飛ぶなどしており、爆発の威力の大きさをうかがわせた。(京都新聞 夕刊)
■近鉄社長に山口氏
 近畿日本鉄道は14日、辻井昭雄社長(70)が代表取締役会長になり、山口昌紀副社長(67)が社長に昇格する人事を固めた。大阪商工会議所会頭で、大阪近鉄バファローズオーナーの田代和会長(76)は取締役相談役に退く。ただ、辻井氏に代表権を残すことと田代氏が取締役にとどまることは流動的な面もある。25日に開く取締役会で内定し、6月末の株主総会後に就任する。
 辻井社長は99年6月に就任。不動産事業の再編を進め、従業員の転籍や再雇用などを取り入れた経営改普計画をまとめた。04年3月期に復配の予定で、グループ立て直しの見通しがついたのを機に交代する。
 山口氏は秘書畑が長く、現在は、企画や流通部門の責任者を務め、財界とのパイプ役も担っている。田代会長は、相談役に退いた後も大商の会頭を当面続ける。
 山口 昌紀氏(やまぐち・まさのり)京大法卒、58年に近畿日本鉄道に入り91年に取締役秘書室長、99年6月から副社長。(朝日新聞 夕刊)
■インド 列車爆破、10人死亡 ムンバイ 負傷者は70人以上
 【ニューデリー=竹内幸史】インド西部のムンバイ(ボンベイ)郊外で13日夜、列車が爆破され、乗客10人が死亡、70人以上が負傷した。同市では93年3月にヒンドウー教徒とイスラム教徒の対立を背景に250人以上が死亡する連続爆弾テロ事件が起き、10周年にあたるため、同事件との関連を指摘する見方が出ている。
 事件が起きたのはムンバイ郊外のムルンド駅。構内に到着した列車の1等車両で激しい爆発が起きたという。治安当局はイラク問題がからんだテロの可能性も警戒し、ニューデリーなどに厳戒態勢を敷いた。
 インドでは92年末、北部のアヨディヤでヒンドウー至上主義者がイスラム教のモスク(礼拝所)を破壊する事件が発生。その後、ムンバイで大規模な宗教暴動が起き、93年3月12日にイスラム過激派の犯行とみられる連続爆弾テロ事件があった。(朝日新聞 夕刊)
15日■桂坂−洛西口駅 京都交通バス新路線発車へ
 阪急洛西口駅開業に伴い、京都交通は16日、京都市西京区の桂坂と洛西口駅を結ぶバス路線を新設する。また京都大桂キャンパスを経由する系統も現行の路線を一部変更して新たに設ける。
 洛西口駅の開業に伴う新路線は、桂坂から洛西ニュータウンを経由して洛西口駅を結ぶ路線(1日12往復)と洛西バスターミナルと洛西口駅を結ぶ路線(同23往復)の2系統となる。京都大桂キャンパスの開校に伴う新路線は、桂坂中央からキャンパス前を経て桂駅西口へ向かう路線(往路15回、復路13回)と京都駅へ向かう路線(往路5回、復路7回)の2系統。(京都新聞)
■関西4私鉄はベアゼロ決着 京成、スト構え交渉
 私鉄総連(山野俊次委員長)傘下の大手15労組のうち、未解決だった阪急、京阪、近鉄、南海の関西四労組と名鉄労組は14日、いずれもベースアップゼロ、定期昇給相当分だけの回答を受け入れた。定昇相当分の金額は公表していない。
 これで未解決労組は京成だけとなった。京成はバス部門の分社化をめぐり難航しており、組合側は16日始発からの24時間ストライキを会社側に通告した。
 ストが決行された場合、成田空港の利用客など鉄道で約42万5000人、バスで約19万1000人の影響が出るとみられている。
 京成労組がストを通告したのは、私鉄総連傘下の大手が統一ストに突入した1992年以来、11年ぶり。(京都新聞)
■降りて歩いて 102 KTR網野駅(網野町下岡) 魅力的な離湖と琴引浜
 駅舎はヨットをかたどり、屋根は風をいっぱいに受けた帆をイメージしている。「第2回近畿の駅100選」に選ばれたKTR(北近畿タンゴ鉄道)網野駅の外観を楽しんだ後、府内最大の淡水湖・離湖へ向かう。
 駅から北東に車なら5分ほどだが、歩くと約40分かかる。織物不況で、今では小さくなった機音を耳にしながら、町中を抜けると壮大な湖面が広がる。
 一帯は公園化され、春にはさくら祭、夏は花火が湖面に映える離山弁天祭が催され、多くの観光客らでにぎわう。
 近くの稲垣進一小浜区長(53)は「離湖は町の大きな観光シンボルで、季節によっても一日のうちでも表情が変わるのが魅力。近年はブラックバスなどが増え、冬場のワカサギが少なくなってきたのが残念」と話す。
 かつて離湖は、潟湖という古代の港だったとされる。中央に突き出た小高い離山頂上には、「王者の柩」と呼ばれる長持形石棺が出土した離湖古墳と竪穴系横口式石室が見つかった離山古墳があり、「日本海交通の要衝」だったという歴史ロマンも秘める。
 湖からさらに北東へ十数分歩くと、琴引浜の潮騒が聞こえてくる。浜辺は1.8`に及び、砂を踏みしめると「キュツ、キュツ」という音が心地よく響き、鳴き砂の魅力が素足に伝わる。
 16年前に発足した地元の「守る会」の保護運動もあり、浜近くに「琴引浜鳴き砂文化舘」が昨秋オープンした。
 冬場でも鳴き砂体験が楽しめ、宇野貞夫館長(67)は「カニ解禁と重なった当初は職員の対応が追いつかないほどでしたが、今は落ち着きました」とPRする。(京都新聞)
■小浜線、きょう電化
 福井県西部と京都府北部を結ぶJR小浜線(敦賀−東舞鶴、84.3`)が直流電化され、15日の始発から電車が走る。地元の強い要望でJR西日本が00年7月から工事を進めてきた。総事業費は約101億円で地元が大部分を負担。新型電車も投入され、平均所要時間は敦賀−小浜間が7分短い61分に、小浜−東舞鶴間は3分短い44分になる。(朝日新聞)
■私鉄春闘3社 昇給ゼロ回答 JR西ベアゼロ
 関西私鉄5社の今春闘の賃上げ回答額が、14日出そろった。阪神電鉄は30歳標準モデルで月3100円を昇給、昨年は昇給なしだった京阪電鉄は年齢給相当分のみの賃上げを回答。阪急電鉄、近畿日本鉄道、南海電鉄の3社は、ベア相当分・定昇相当分ともにゼロ回答だった。いずれも妥結の見通し。
 また、JR西日本は、経常側がベアなし、定昇相当分は組合員平均(43.5歳)で4070円を回答し、最大労組のJR西労組と妥結した。ベアゼロは2年連続。年間臨給は昨年と同額の年5.6ヵ月分だった。(朝日新聞)
■JR小浜線が電化開業 東舞鶴駅でも記念式典
 敦賀駅(福井県敦賀市)と東舞鶴駅(京都府舞鶴市)を結ぶJR小浜線(84.3`)の電化工事が完成し15日、開業した。両駅で出発式が行われたほか、小浜駅(福井県小浜市)での記念パレードには同市に住む北朝鮮による拉致被害者、地村保志さん(47)と妻・富貴恵さん(47)も参加。
 小雨の降る中、夫妻は傘を差して音楽隊に続く市民の列に交じって行進した。
 東舞鶴駅(舞鶴市浜)では午前9時10分から出発式が行われ、森田力夫JR西日本福知山支社長や江守光起舞鶴市長ら約30人が出席。テープカットや、くす玉割りなどで開業を祝った後、関係者らに見送られて2両編成の記念電車が小浜駅に向かった。
 電化で約2時間かかっていた敦賀−東舞鶴間はディーゼル列車に比べ約10分短縮。福井県では若狭地方への観光客増加に期待している。(京都新聞 夕刊)
■阪急・洛西口 30年ぶり新駅
 阪急電鉄が京都線桂駅−東向日駅間に新設した洛西口駅(京都市西京区川島六ノ坪町)の完成記念式典が15日あった。阪急の新駅設置は73年の千里線山田駅以来。16日始発から電車が停車する。(朝日新聞 夕刊)
16日■信楽鉄道事故 「12年の心痛におわび」 JR西 南谷社長 遺族に初の謝罪
 死亡者42人を出した滋賀県信楽町の信楽高原鉄道(SKR)とJR西日本の列車衝突事故で、昨年末のJR全面敗訴判決を受け、JR西日本の南谷昌二郎社長が15日、遺族に謝罪した。事故から12年たっての初めての謝罪で、南谷社長は「遺族の12年間のご心痛に対しおわびします」と述べ、5月の十三回忌の法要にJR側も参加する意向を示した。
 大阪市のホテルに遺族12人が集まった。南谷社長ら幹部3人が祭壇に黙とうし、社長が謝罪の言葉を述べた。
 JRはこれまで、事故当事者としての遺族への謝罪を拒否していた。この日の謝罪は非公開で行われた。退席した南谷社長は「遺族の12年間の心の痛みがわかった。SKR線への直通乗り入れの際、JRとSKRがもう少し(安全対策を)話し合うべき反省点があった」と報道陣に話した。
 遺族会代表の吉崎俊三さん(69)は記者会見で「JRの謝罪は謙虚に受け止めたい。遺族が味わった苦痛や苦しみを二度と繰り返さないでほしい」と再発防止を訴えた。
 遺族らでつくる鉄道安全推進会議(TASK)は同日、TASKとJRが継続的に意見交換する場を求める要望書をJR側に手渡した。
 遺族がJRとSKRを訴えた訴訟は1997年に大阪地裁が両社に計5億円の賠償を命じ、JRが控訴。大阪高裁は昨年末の判決でJRの過失責任を認め、JRは上告を断念した。(京都新聞)
■JR玉水駅 快速停車を祝う 漫才や模擬店でイベント
 JR西日本のダイヤ改正に伴い、井手町のJR奈良線玉水駅に快速電車が停車することになった15日、同駅前で停車記念式典が催された。JRや府、町の関係者ら約140人が参加して、念願の快速停車を祝った。
 式典では、汐見明男町長が「通勤、通学の利便性が高まり、町の活性化につながる」と、地元を代表して喜びの言葉を述べた。続いて午前10時18分、奈良行きの「みやこ路快速」が1番ホームに停車。一日駅長の井手小6年、飯田健太君(12)が左手を上げて「出発進行」の合図をすると、電車がホームを離れた。
 記念イベントは、合唱や漫才、バンド演奏が行われたほか、町まちづくり協議会や商工会が模擬店を開き、多くの町民でにぎわった。快速は終日停車し、玉水駅の停車本数は46本増えて148本となる。玉水−京都間は約7分、玉水−奈良間は約5分短縮され、それぞれ29分と13分で結ばれる。(京都新聞)
■”水と火の鳥”テーマの水琴窟 京都駅ビル5周年記念 モニュメントの除幕式
 京都駅ビル(京都市下京区)の開業5周年を記念したモニュメントの除幕式が15日、JR京都駅中央コンコース地下1階で行われた。水と火の鳥をテーマに水琴窟を利用したモニュメントで、通りがかりの駅利用者らの目を奪っていた。
 JR西日本と京都駅ビル開発が設置した。駅ビルは昨年9月に5周年を迎えたが、第3回世界水フォーラムが京都を中心に開かれるのに合わせ、水にかかわりのあるデザインにした。
 「火の鳥 水 時計」と題したモニュメントは高さ2.35b、幅3b。本物の水琴窟を埋め込んだ台座にガラス球に入った時計を設置。その上に同駅ビルに入る「手塚治虫ワールド」のキャラクター「火の鳥」が鎮座している。水琴窟の涼しげな音色に加え、1時間ごとに光と音のショーを披露する。総工費は3500万円。
 除幕式にはJR西日本の南谷昌二郎社長や水フオーラム特別顧問の荒巻禎一・前京都府知事ら関係者が出席。モニュメントが披露されると、集まった買い物客らが見事な出来栄えに見入っていた。(京都新聞)
■窓 席譲らぬ若者なげかわしい 南区・藤岡晴美(無職・72)
 早春の昼下がり。日だまりのバス停。空は青く風もなく暖かい。私はバスを待っていた。私のほかに男性が2人、女性が2人。うち一人はつえを手にしていた。老人ばかりである。30歳ぐらいだろうか、体のがっしりした男性がバス停に来た。ほどなくしてバスが来た。その男性が老人らを押しのけて一番に乗り込んだ。
 バスは満席に近く一つだけ席が空いていた。彼は素早くその席に座った。後から乗った老人は揺れるバスに立つ結果となった。その男性は4つ目のバス停で下車した。乗車時間約7分である。なぜこんな短い時間なのに老人をしり目に空席に座るのか。こんな光景は何もバスだけではない。地下鉄でも、京都駅や四条、烏丸御池では若者たちが先を争って空席に座ろうとする。シルバーグレーの優先席も若者に占拠されている。今の若者はいたわりの心を失っている。
 地下鉄だってそう長く乗るわけではない。竹田から国際会館までだって30分ほどである。大方の若者は京都駅から四条、御池が多い。仕事がきついのかもしれないが、短時間だから立つ老人に席を譲るぐらいいたわりの気持ちがあってもいいと思うのだが、見ていると相当弱った体の老人を目の前に、平気で席を占めている若者もいる。なげかわしい。(京都新聞)
■窓 保存願う疏水 インクライン 山科区・川崎泰市(無職・70)
 世界水フォーラムの開催にあわせ、毎日のように京都市の企画や行事も新聞で紹介されています。「山麗しく水清く…」。子供のころに歌った古い京都市歌を思い出しました。「京美人は鴨川の水で顔を洗はりましたんです」「京のオブ(お茶)おいしおす」など水にまつわる話も多くありました。私の育った家の近くには川がなく、電車で疏水に泳ぎに行った思い出も残っています。
 その疏水に十石舟が復活された記事を見たときにインクラインが頭に浮かび、早速田辺朔郎像から日本最初の水力発電所、軌道を歩きました。軌道の台車はサビてはいますが残っています。残念なのは三十石船の後部は穴が開き腐食が進んでいました。
 観光客が写真を撮られていました。桜が咲けばもっと多くの人が来られます。復活された船からの花見は風情がうかがわれ良い企画です。それとともに明治時代に日本人の技術で建築し、京都の誇りであった疏水インクライン船の保存を願います。疏水を実現した先人たちも美しくなる疏水と鴨川に満足することでしょう。また一市民として「京都と水の文化」を考えるイベントになると思っています。(京都新聞)
■交代の車掌が寝坊 JR広島駅 快速、10分遅れで出発
 15日午後5時20分ごろ、広島市南区のJR山陽線広島駅で、到着した徳山発糸崎行きの快速電車の車掌が、同駅から交代で乗務するはずの車掌(20)がホームに待機していないのに気付いた。駅員が代理の車掌を探していたところ、約10分後にこの車掌が現れ、電車は10分遅れで出発した。交代の車掌は駅の休憩室で仮眠していて、寝過ごしたという。
 JR西日本広島支社によると、寝過ごした車掌は、岡山駅から別の電車に乗務して午後3時25分ごろに広島駅に到着。歩いて数分離れたところにある休憩室のソファで同4時15分ごろから仮眠をとっていたという。
 本来、この車掌は、快速電車が発車する7分前の午後5時15分にはホームで待機していなければならなかった。自分の携帯電話のアラームを午後5時にセットしていたが、寝過ごしてしまったという。(朝日新聞)
■車両の部品 線路に落下 JR学研都市線
 15日午前9時ごろ、大阪府枚方市のJR学研都市線藤阪−津田で、松井山手発西明石行き普通電車(7両編成)の自動列車停止装置が作動し、約7分間停止した。西明石駅到着後に点検すると、車両から部品の「速度発電機」がなくなっており、午後4時半ごろ、停止位置から約300b離れた線路上で見つかった。
 JR西日本神戸支社によると、速度発電機は円筒形で、直径約19a、厚さ約13a、重さ約17`。先頭車両の車軸の端にボルトで固定されている。不具合のため14日に交換しており、取り付けが不十分だった疑いがあるという。(朝日新聞)
■信楽事故 JR西社長が初謝罪
 JR西日本の南谷昌二郎社長が15日、42人が死亡した91年の信楽高原鉄道事故の責任を認め、大阪市内で遺族に謝罪した。同社トップが責任を認める形で直接謝罪したのは初めて。
 遺族12人と南谷社長は大阪市北区のホテルで約40分間面会した。出席者によると、南谷社長は「信楽高原鉄道と(安全対策を)事前にもっと話し合っておけは良かったなど、当社として反省する点があった。率直におわびしたい」と述べた。
 「遺族の会」世話人代表の吉崎俊三さん(69)は、亡くなった妻佐代子さん(当時53)の遺影を胸に、社長の言葉を聞いた。「遅すぎたという思いはぬぐえないが、謝罪を受けたことは真摯に受け止めたい」とJR側に伝えたという。
 南谷社良は報道陣に対し、「長い間ご心痛をかけた。4月の社長交代前にお会いできて良かったと思う」と話した。(朝日新聞)
■私鉄の京成スト回避
 私鉄大手のうち、バス部門の分社化を巡って労使が対立し、春闘の交渉が続いていた京成は15日、分社化を前提とした回答を労組側が受け入れ、解決した。私鉄総連の統一ベア要求1300円に対し、ベアゼロ、賞与現状維持との回答。16日始発からの24時間ストライキは回避された。(朝日新聞)
17日■バスに一晩 乗客を放置 神戸、点検怠り入庫
 神戸市交通局の神戸市バスで14日夜、運転手が座席で寝込んでいた乗客の同市中央区の男性(63)に気付かずバスを入庫し、男性が翌朝まで約12時間、車内に閉じ込められていたことが16日、分かった。
 交通局の内規では、終業時に運転手が車内の忘れ物などを点検することになっている。管理する落合営業所(同市須磨区)は「運転手は目視で確認したと説明しているが、不十分だった」とし、男性に謝罪する。
 同営業所によると、男性は14日夜、JR神戸駅と同市北区を結ぶ路線バスに乗車し、座席で眠ったらしい。バスは運行終了後、午後8時すぎに同市須磨区の屋外駐車場に入庫したが、運転手は男性に気付かず施錠。
 翌日午前8時ごろ、営業所職員が給油のためバスに乗ると、前方の座席に男性がいて「酒を飲んで眠ってしまった。降りたかったが、ドアの開け方が分からなかった」と話したという。男性は体調不良は訴えなかった。(京都新聞)
■くらしのみちづくり 車優先から人中心へ 主役交代の道路政策 安全で快適、しかも美しく 地域の合意が不可欠
 「くらしのみちづくり」。これまでの車中心を転換し生活者優先の道づくりを進めるのが狙いだ。暮らしに密接にかかわる生活道路にまで車が入り込み、安全に歩くことが難しくなっている現状への反省がある。道路行政改革の現場を見た。
・速度規制や歩道拡幅
 高度経済成長とともに進んできた道路整備は、予想を上回るモータリゼーションの波に対応するため、幹線道路の整備に主眼が置かれた。それでも、トラックなどが走る基幹道路と市民が日常的に使う生活道路の役割分担がうまくいかずに、道幅の狭い生活道路に大型車が入り込む。通学や買い物で、トラックなどが来ないかびくびくしながら歩かなくてはいけないのが実情だ。
 そこで、生活者を優先するゾーンでは@一方通行を増やしたり、速度規制を厳しくするA車の通行部分をジグザグにして、走りにくくするB道路幅のうち、歩道部分を増やす−などを実施。併せて電線の地中化や道路沿いの緑化も進める。安全で快適、しかも美しく誰もが歩きたくなるような道路が「くらしのみちづくり」の考えだ。
・ニーズと食い違い
 道路行政を所管する国土交通省は、車中心から生活者優先への政策転換に当たって、これまでの道路行政を4点に分けて反省している。
 ひとつは優先順位の問題。事業量を重視するシステムでは、成果の上がる事業とそうでない事業の峻別(しゅんべつ)が不十分だった。例えば歩道整備では、総延長を指標にしたため、住民から要望の強い通学路と利用者の少ない歩道でも「量」では同列扱いとなり、国民のニーズと食い違う一因になった。
 また有効利用の視点を軽視したことも反省点。整備後の利用を重視したシステムになっておらず、これが無駄な道路などといわれる背景の一つ。さらに、違法駐車や路上工事などで機能を最大限発揮できない場合も。 このほか、道路行政の不透明さや、高速道路の整備で借金に過度に依存した有料道路制度のひずみも反省点という。
・NPOとの連携も
 国交省が実施した道路空間満足度調査によると、国道など幹線道路と身の回りの生活道路整備の重要性を尋ねたところ、生活道路の方が重要、どちらかといえば重要の回答が合わせて過半数の52.7%に上っている。
 生活者優先の道路整備では、住民参加や商店街などを含めた地域の合意が不可欠になる。施策をいざ実施に移そうとすると、例えば、「この道を一方通行にされたら不便になる」などという理由でうまくいかない場合も考えられる。そこで、「こういう問題を地元で解決、調整できる民間非営利団体(NPO)などとの連携が欠かせない」(国交省)という。道づくりの主役も地域住民だ。
・メーン通りそぞろ歩き 京都市・嵐山「もみじモール」社会実験 マイカー乗り入れ禁止
 いっぱいの紅葉に囲まれた京都の代表的観光地の嵐山。2002年秋、メーンストリート長辻通で、マイカーの乗り入れを禁止し、歩行者中心とする「もみじモール」の社会実験が行われた。
 嵐山は、マイカー利用の観光客によって、秋のピーク時を中心に慢性的な渋滞に悩まされている。そこで実験でどれだけ渋滞抑制効果が得られるかを採った。同時に、市内中心部に駐車場を確保、そこから観光客が電車で嵐山に向かうよう誘導する「パークアンドライド」も実施した。「嵐山までマイカーなら3時間、パークアンドライドなら56分」というチラシを高速道路の料金所で配り、PRした。
 結果は上々。あふれかえる人の波に突っ込むようにマイカーが走っていた長辻通は歩道が広がり、観光客は紅葉を眺めながらそぞろ歩きを楽しんだ。嵐山に通じる幹線道路の渋滞はトータルで3`から2`になった。 メーン通りから一般車両を制限して歩行者と公共交通機関に開放し、にぎわいを創出する「トランジットモール」は、欧州を中心に広く行われている。「世界的に誇れる京都観光にマイカーの渋滞は似合わない。何とかしたいと思ったのがきっかけ」と京都市交通政策課。学識者や地元自治会、鉄道やバス会社などと研究会を組織し、2年かけて実験を行った。
 効果は得られたが、恒常的にもみじモールを行えるかとなると、「地元商店街の荷物の搬送が不便にならないか」「駐車場は確保できるか」などクリアすべき問題は多いという。本格実施には、地元を中心とした理解と協力が欠かせなくなる。
・車の通過量や事故減少 住民参加で「通り」に愛着も
 放課後、子どもたちが歓声を上げて小学校を飛び出した。ワイワイと友達とつつき合ったり、追い駆けっこしながら歩く歩道はえんじやだいだい色に塗られ、その脇を車がゆっくり通り過ぎる。
 北九州市八幡西区の熊西・青山地区。閑静な住宅街だが、幹線道路に囲まれているため、かつては急ぐ車が朝晩のラッシュ時の抜け道に使い、団地の間や通学路を猛スピードで走っていた。
 それが一変した。「歩行者に安全、快適な環境づくり」を掲げて、市が住民や警察と話し合いながら進めてきた「コミュニティーゾーン形成事業」が完了したからだ。
 地区内では@すれ違うのがぎりぎりだった道を一方通行にし、歩道を広くするA道路の一部を盛り上げて車の通過スピードを抑制B塗装やポールで歩道との境界を明確にする−などを実施。
 この結果、実施前に比べ車の通過量が約3割減り、通過車両の平均速度は約10`下がって29`に。地区内の交通事故は約3割、違法駐車は約7割も減少したという。
 「近くの通りが一方通行になるのは困るとか不満も少し出たが、全体としては大好評。特に小中学生の親やお年寄りが喜んでいる」。自治区会長の一人として地元の要望をまとめた米原稔晃さん(71)は語る。
 現在、市内7ヵ所で同事業が展開中だ。また八幡西区の商業地、黒埼地区では中心商店街の活性化を目指し、住民参加で個性ある通りをつくる「みち再生事業」が進む。
 米原さんは「どんな道路がいいか住民が役所と一緒に考え、議論したことで、通りや地域への愛着が深まったのも大きな効果だ」と話している。(京都新聞)
■市バスで寝た客 一晩中気づかず 神戸、点検怠る
 神戸市交通局落合営業所の車庫で14日夜から翌15日朝にかけて、乗客の男性(63)がバスに一晩中開じ込められていたことがわかった。男性の健康状態に問題はないという。同交通局は、運転手(33)が十分な車内点検を怠ったとして服務規定違反で処分を検討している。
 同局によると、男性は14日午後7時過ぎ、神戸駅前発ひよどり台行きの路線バスに乗車。バスは同日午後8時過ぎに神戸市須磨区内の車庫に入り、運転手は乗降口を施錠して点呼担当者に「異状なし」と報告して帰宅した。15日午前8時ごろ、バスに乗り込んだ給油担当職員が車内の男性に気付いた。男性は「酔って寝込んでしまった」と話したという。
 規定では、運転手は終着のバス停に到着後、車内の点検が義務付けられている。同局は「今後は運転手への規定順守を徹底したい」としている。(朝日新聞)
18日■韓国地下鉄放火から1ヵ月  149人身元いまだ不明
 【ソウル17日共同】約350人の死傷者を出す惨事となった韓国・大邱市の地下鉄放火事件から18日で1ヵ月。警察は地下鉄公社が責任の隠ぺい工作を図っていた疑いを強め、上層部の立件も視野に捜査を続けているが、遺体の身元確認は進まず遺族の悲しみは癒えない。
 一方で、慮武鉉大統領が災害管理庁創設を指示するなど事件が韓国社会に与えた波紋は今も広がっている。 消防当局の17日までの集計では、死者数は198人。だが遺体の損傷が激しく、身元確認されたのは49人だけで、149人は不明のままだ。負傷者146人のうち88人も入院生活を送っている。(京都新聞)
■洛西観光に便利 1日乗車券発売 阪急・能勢電・京福
 阪急電鉄、能勢電鉄、京福電鉄の3社は、京都・洛西観光に便利な1日フリー乗車券「京都ウエストサイド物語チケット」を21日から発売する。発売期間、有効期間とも6月1日まで。
 阪急電鉄全線(神戸高速線を除く)と京福電鉄嵐山本線・北野線で利用できる「阪急電鉄版」(1200円、大人のみ)と阪急版に加えて能勢電鉄全線でも使える「能勢電鉄版」(1500円、同)の2種類。
 阪急電鉄の各駅や駅サービスカウンター、京福電鉄の四条大宮、帷子ノ辻、嵐山、北野白梅町の各駅などで発売している。問い合わせは阪急電鉄広報室(06・6373・5092)▽能勢電鉄鉄道事業部運輸営業グループ(072・792・7716)▽京福電鉄京都鉄道部管理課(075・801・5328)へ。(朝日新聞)
19日■けいざいフォローアップ 京都定期観光バスがピンチ 官民共同運行 利用者減で初の値下げ 京都市撤退も抜本見直しが急務
 京の名所を官民共同運行で巡る「京都定期観光バス」が利用者減で転機を迎えている。利用者数がピーク時の4分の1の年間30万人まで減少、昨年度は6000万円を超える赤字が出た。今月下旬には主力コースで初の値下げに踏み切るなど、コースの見直しや料金改定を実施する。京都市は同事業からの撤退も視野に入れており、事業の抜本的見直しが避けられない情勢だ。(社会報道部・経済 三好吉彦)
 同事業は、京阪バス(本社・南区)と市交通局が48年前から共同運行する京都唯一の定期観光バス。JR京都駅を起点に金閣寺、清水寺など5ヵ所を六時間半で巡る「京の一日」コースなど通年運行の15コースがある。季節限定を含むと年間60コース以上を運行している。
 拝観料などを含んだ料金設定は個人で回るより割安感があり、バスガイドも付く。利用者数はピークの1975年度に117万人にも上った。しかし、それ以降減り続け、2002年度は30万人を切りそうだ。売上高は10年前の半分の10億円まで落ち込んでいる。
 官民の賃金体系による違いはあるが、同事業の赤字は市交通局が95年度、京阪バスは00年度から続いている。01年度は市が1200万円、運行本数の8割を担う京阪バスは5000万円の赤字を出した。同バス事務局は「観光の多様化で団体行動の形が敬遠されている。利用の多い首都圏の中高年も情報を自分で集め、コースに入らない小さな社寺をみずから巡る人が増えた」と分析する。
 21日から実施するコース、料金の見直しでは全利用者数の3割を集める「京の一日」や「京の早まわり」(所要4時間)など主力3コースの料金を650−1150円値下げ、6700−3200円にする。各コース1ヵ所ずつ案内場所を減らして料金を抑え、「京の一日」では各場所での滞在時間を増やすなど特徴を打ち出す。
 また、短時間コースの充実も図る。3時間で2つの名所を巡る3000円台の三コースを新設。案内場所に「ビッグ3」とされる清水寺、金閣寺、銀閣寺をあえて入れず、醍醐寺や高台寺などを入れることで何度も京都を訪れているリピーターの取り込みを目指す。割安な団体料金の適用も従来の8人以上から4人以上にし競合する観光タクシー利用客の取り込みも狙う。
 京阪バス観光部の雲出英生次長は「桜の季節などに隠れた名所を巡る特別コースを提案し、近郊の観光客も呼び込み、収支改善を急ぐ」と話す。
 観光需要の変化で、定期観光バスの利用減は全国的な傾向でもある。東京観光の「はとバス」の利用者は毎年減り続け、昨年は東京オリンピックのあった1964年の約4割の50万人まで減少した。コースの多様化にも励むが、好調な貸し切りバス事業で経営を立て直している現状だ。
 京都市交通局は昨年末、定期観光バスのあり方を考える検討会を設立した。これまでも運行車両数の削減など経費節減を進めてきたが、交通局全体の経営健全化も急がれるため「市交通局運行分の撤退も含めて幅広く検討する」(運輸課)としている。(京都新聞)
■運転士が考え事? 電車オーバーラン JR上夜久野駅
 18日午後4時35分ごろ、京都府夜久野町平野のJR山陰線上夜久野駅で、福知山発城崎行きの普通電車(2両編成)が、ホーム停止位置から約230b行き過ぎて急停車した。電車は、停車位置まで戻り、4分遅れで発車した。乗客にけがはなかった。
 JR西日本福知山支社によると、運転士が考え事をしていて、ブレーキをかけ忘れたという。駅構内に入り、気付いた運転士が慌ててブレーキをかけ、同時に車掌も非常ブレーキをかけたが、間に合わなかったらしい。電車には28人乗っており、同駅では4、5人が降り、1人が乗ったという。
 同支社は、先月26日の山陽新幹線の居眠り運転を受け、事故防止の指導を徹底していた、としている。(京都新聞)
■声 思い出の舞台 山口駅は90歳 主婦 金子道子(大阪府堺市 70歳)
 山口県の実家からおみそを送ってきた。中身の周りに詰めてあった新聞が懐かしく、広げて見ていると、JR山口駅開業90周年の式典のことが書かれていた。
 小学生の時、山口駅の近くにあった友達の家によく遊びに出かけていた。駅の前で自転車の練習をしたこともあった。
 駅の近くにあった牛乳会社で母が働いていたので、駅前で遊んでから、そこに行ったことがある。食べる物の乏しい時代で、そこで飲ませてもらった甘いミルクの味を今でもしっかり覚えている。
 新聞の写真を見ると、駅は随分きれいになっている。私が知っているのは、何十年も前の駅だ。
 毎年、年賀状をもらう友達も山口市で元気にしている。戦時下の大変な時代を過ごした子どもの頃を、駅がふと思い出させてくれた。これからも、この駅からたくさんの思い出が生まれるように願っている。(朝日新聞)
20日■「のぞみ」指定席 10月から1割下げ 「ひかり」本数大幅減
 JR東海とJR西日本は19日、10月1日に実施する東海道・山陽新幹線のダイヤ改正に合わせ「のぞみ」の指定席料金を一割程度引き下げ、東京−新大阪、新大阪−博多ではそれぞれ670円程度値下げすることを明らかにした。
 「のぞみ」に新たに導入される自由席は1列車3両ずつ。「ひかり」自由席と同じ料金とする。
 指定席料金の値下げで航空機との競争力を強化。「ひかり」の本数が大幅に減り、多くの利用者が「のぞみ」を利用することも考慮した。
 東京−新大阪間は運賃と合わせ1万4050円前後(通常期)。東京名古屋間や新大阪−広島間もそれぞれ560円程度安くする。(京都新聞)
■「はるか」空気漏れ 運転を取りやめ
 19日午後3時20分ごろ、京都市下京区のJR京都駅で、停車中の関西空港行き特急「はるか」の車両から圧縮空気が漏れているのを運転士が見つけた。処置をして空気漏れは止まったが、運転を取りやめ、乗客約100人は後続電車に乗り換えて目的地に向かった。
 JR西日本は、床下のブレーキ制御装置内のトラブルが原因とみて調べている。(京都新聞)
■「のぞみ」倍増し値上げ 新幹線10月改正 1時間最大7本
 東海道新幹線の「品川駅」(東京都港区)の開業日が10月1日に決まった。JR東海と西日本が19日、明らかにした。これに合わせて、両社は、東海道・山陽新幹線を走る「のぞみ」の指定席料金を10月1日から5%程度値下げするとともに、全車指定席となっているのぞみに自由席3両を新設し、運転本数も大幅に増やす。4月中に、国土交通省に申請し、正式に決まる。
 東京−新大阪間ではのぞみとひかりの定義を変える。品川、新横浜、名古屋、京都以外に止まらない列車がのぞみ、静岡、豊橋などにも止まるのがひかりになる。
 東京−新大阪間ののぞみの指定席料金は現在、運賃を含めて1万4720円。計画では、10月1日から1万4050円程度に値下げする。自由席料金(運賃込み)は、現在の「ひかり」「こだま」と同じ1万3240円とする。品川発着も同料金になる。
東海道・山陽新幹線のぞみ
指定席特急料金の改定案
区 間現 行 10月1日〜
東京−名古屋5250円4690円程度
東京−新大阪6210円5540円程度
新大阪−広島5250円4690円程度
新大阪−博多6210円5540円程度
※料金は通常期
 主な区間ののぞみの指定席料金は、東京−博多間2万2320円程度(現行2万3560円)▽新大阪−広島間1万150 円程度(1万710円)−になる。
 ダイヤもこれまでのひかり主体からのぞみ主体に変更する。東海道新幹線は現行の1時間当たり最大「のぞみ3、ひかり6、こだま3」の運行本数が、「のぞみ7、ひかり2、こだま3」になる。(朝日新聞)
■のぞみ姫路・福山にも
 品川駅開業に伴う10月の東海道・山陽新幹線のダイヤ改定で、JR西日本は19日、姫路駅(兵庫県姫路市)と福山駅(広島県福山市)に「のぞみ」を停車させる方針を明らかにした。現在の山陽新幹線の「のぞみ」は、毎時1本、「ひかり」3〜6本となっているが、「のぞみ」2〜4本、「ひかり」2〜3本に変更する。
 新ダイヤでは、「のぞみ」を東京−博多、東京−広島で毎時各1本走らせるはか、東京−岡山(一部は博多)の列車も2時間に1本走らせる。一部の「のぞみ」は、姫路、福山に停車させる。
 東京方面に向かう「ひかり」の本数は減らすが、新大阪−博多間を走る「ひかりレールスター」ははば現行通りとする。列車ごとにまちまちになっている「ひかり」停車駅のパターンも見直す。(朝日新聞)
■市バスが足ひく 水フォーラム参加 スリランカ男性
 20日午前11時前、京都市中京区掘川通二条上ルで、西賀茂車庫行きの市バス=安田一雄運転手(55)=が、第三回世界水フォーラムで来日中のスリランカ人ナンダ・アベウイクラマさん(67)の左足をひいた。アベウイクラマさんは骨折の重傷。堀川署によると、バスが二条城前のバス停に接近した際、乗車しようとしたアベウイクラマさんが歩道と車道の段差付近で左足を滑らせ、バス左後輪にひかれた、という。同署は安田運転手から事情を聴いている。(京都新聞 夕刊)
21日■市バス客閉じこめ 運転手を停職処分 中傷ビラは懲戒免
 京都市バス烏丸操車場(下京区)で昨年9月、運転手(55)が点検を怠ったまま休憩したため、車内に残っていた男性乗客が約30分間、閉じこめられた問題で、市交通局は20日、運転手に対し停職3日間の処分を出すことを決めた。
 また、他の職員を中傷するビラを配布したとして、昨年10月に名誉毀損の疑いで逮捕された市バス運転手(53)に対しては、20日付で懲戒免職処分を出した。(京都新聞)
■女性はねられ死亡 京田辺、JR片町線
 20日午前11時10分ごろ、京田辺市大住丸山のJR片町線の線路内で、市内の無職女性(31)が宝塚行き快速電車にはねられた。女性は全身を強く打って死亡した。田辺署は自殺とみて調べている。
 この事故で、快速電車が約1時間現場に停車したほか、上下計14本が部分運休し、約1800人に影響が出た。(京都新聞)
■ビラ配布・閉じこめ バス運転手 懲戒処分に 京都市
 京都市交通局は、昨年9月に児童を無差別に殺傷するなどと書いたビラを配って公務員の信用を失墜させたとして、市バス運転手(53)=名誉棄損罪で公判中=を、20日付で懲戒免職処分にした。また、昨年9月に操車場でバスに男性を約30分間閉じこめたとして、市バス運転手(55)を24日から3日間の停職処分にすることを決めた。(朝日新聞)
22日■ドアコック操作 新幹線緊急停止 JR京都駅で乗客
 21日午前10時半ごろ、京都市下京区のJR京都駅で、岡山行きの新幹線「ひかり143号」が発車直後、運転席のドアの開閉表示灯が点灯したため、緊急停止した。
 JR東海によると、同駅で下車し遅れた乗客が、5号車のドアコックを操作したためとわかり、運転士がドアコックを戻して安全確認を行った後、15分遅れで発車した。この乗客は新大阪駅で下車した。ひかり143号には乗客約1500人が乗車していた。後続に影響はなかった。(京都新聞)
■上狛駅と付近 角材と石置く JR奈良線に遅れ
 21日午後10時40分ごろ、京都府山城町上狛のJR奈良線上狛駅を出発した京都行き普通電車の運転士が、駅構内の線路上に角材(長さ約80a)が置いてあるのを発見、非常ブレーキをかけて停止した。安全確認後に運転を再開したが、約450b先の林踏切内で線路こう配を示す標識、さらに約300b先の松尾崎踏切内でこぶし大の石が、それぞれ線路上にあるのを見つけて停車を繰り返し、19分遅れで運転再開した。
 JR西日本によると、電車には約50人が乗車していたが、けがなどはなかった。後続の3本が2−19分遅れ、計約200人に影響した。(京都新聞)
■パリの駅に猛毒リシン 小瓶に液体 テロとの関連捜査
 【パリ21日共同】フランス公共ラジオによると、同国内務省は20日、パリ東部の国鉄リヨン駅で17日に2つの小瓶に入った徹量の猛毒リシンが見つかったことを明らかにした。
 国鉄から、リヨン駅に不審な瓶があるとの連絡を受け、警察が駅の手荷物預かり所にあった2つの瓶の液体を分析、徹量のリシンを検出したという。リシンは化学兵器にも使える猛毒物質で、同省がテロとの関連などについて調べている。
 今年1月、ロンドン警視庁がリシンをロンドン市内で所持していたとして、北アフリカ出身の男7人を拘束。少なくとも1人はアフガニスタンにあった国際テロ組織アルカイダの訓練キャンプに参加していたと報じられた。
 1998年には国連査察団がイラクがリシンを生産していたと指摘した。リヨン駅はパリに6つある国鉄の主要ターミナル駅の一つ。(京都新聞)
■降りて歩いて 103 叡山電鉄岩倉駅(京都市左京区岩倉) 里子の歴史あちこちに
 叡山電鉄出町柳駅から13分。岩倉川沿いを走り、御所へ通じる道「京道」という別名がある八丁街道を歩く。戦国時代の豪族山本氏が城を構え、三好長慶など周辺の大名と争った小倉山をのぞみながら、古い土蔵が残る屋敷街を通る。
 道案内役の郷土史家森田和代さん(56)=京都市左京区岩倉西河原町=は「岩倉は細い道ほど歩かなあかん」と、小さな道標を指さした。「源氏物語」で、光源氏が幼い紫の上に出会ったとされる大雲寺への道を示している。本堂は1985年に取り壊されたが、周辺に残る多数の仏像が寺のかつての隆盛を物語る。
 岩倉は戦前まで「里子の村」と呼ばれた。1924(大正13)年には98人の里子がいた。ある旧家には、洛中の商家の赤子を1年につき銀5枚半で預かるとした江戸時代後期の契約書が残る。
 大雲寺の道標からしばらく歩くと、幕末に公武合体を画策した岩倉具視の旧邸がある。長州藩と幕府の融和を図ったために、勤王急進派に命を狙われ、この家に5年間隠れ住んだ。
 岩倉地域で生まれ育った大阪府立大の中村治教授(48)は「具視は岩倉地域に里子に出されていた。その縁があったから、この地を選んだのでしょう」と話す。森田さんや中村教授ら住民は「岩倉の歴史と文化を学ぶ会」を7年前につくり、里子の村として都の貴人を支えてきた郷土の歴史を冊子にまとめ、語り継いでいる。
 岩倉には大きな資料館や観光名所にあるような親切な案内板はない だが、好奇心を供にして歩けば、思いがけない歴史の足跡に出会う。(京都新聞)
■乗客がドア操作 ひかり緊急停車 京都駅降り遅れて
 21日午前10時半ごろ、東京発岡山行き東海道新幹線ひかり143号が京都駅を発車した直後、乗降ドアが閉まった状態を示すランプが消えているのに運転士が気つき、ホームの約200b先で緊急停車した。乗務員が車内を点検したところ、乗降ドアを手動で開け閉めできる5号車の非常用ドアコックを乗客の男性が勝手に操作したのが原因とわかった。男性客は京都駅で降り遅れ、ドアを開けようとしたという。(朝日新聞)
■猛毒リシン 駅内で発見 パリ
 【パリ=大野博人】フランスの内務省は20日、パリ市内の国鉄リヨン駅のコインロッカーにあった小瓶2個の中から微量の猛毒リシンが検出された、と発表した。1月にロンドンで、リシンを精製したとされるイスラム過激派グループが摘発されている。仏当局もテロ組織とのつながりについて捜査を始めている。
 英国のはか、フランスでもつながりがあるとされるイスラム・テロ組織の摘発が続いている。仏捜査当局によると、これらのグループはチェチェンやグルジアなどでアルカイダと接触しているがイラクとの接点は出ていない。(朝日新聞)
24日■JR環状線など 人身事故で混乱 今宮駅、線路に女性
 24日午前10時ごろ、大阪市浪速区大国3丁目のJR大阪環状線今宮駅で、線路内に下りた女性が、通過中の奈良発天王寺行き「大和路快速」電車(6両編成、乗客約600人)にはねられた。女性は即死した。大阪環状線は約50分後に運転を再開したが、大和路・阪和線を含め55本が運休したり遅れたりして、約1万人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
25日■青鉛筆
 近畿日本鉄道は、携帯電話の画面を特急券の代わりにするサービスを始める。27日に大阪・あべの橋−奈良・吉野間でまず導入し、6月からは全路線に広げる。
 iモードなどの携帯で予約した画面を保存し、そのまま特急に乗り込めばいい。乗車前に駅で特急券を発行する手間がいらなくなる。運賃は別に必要。
 携帯サイトには沿線の観光情報も多く盛り込んだ。1度に最大8人の予約が可能で、乗客減に悩む近鉄は「ケータイで、特急の旅を衝動買いしてください」とPR。(朝日新聞)
26日■近鉄 合理化策に3200人 3分の1の社員が応募 給与下げ再雇用
 近畿日本鉄道は25日、社員を退職させた上で給与を引き下げて再雇用する制度など、昨年実施したリストラ策に、社員の3分の1以上に当たる3223人が応募したと発表した。
 内訳は50歳以上が対象の退職再雇用への応募が2624人と大半で、ほかにグループ企業への転籍に223人、勤続7年以上が対象となっている早期退職優遇制度に203人など。
 併せて退職年金の給付利率も最高を現行の6.6%から3.2%に引き下げる。これらの措置により年間約100億円の人件費を削減できる見込み。
 特別退職金やグループ会社に対する損失引当金など今年3月期決算で、1060億円の特別損失を計上するが、固定資産の売却などで400億円の持別利益を見込み、420億円の連結純損失予想は下方修正しない。
 リストラ策は業績の悪化に伴い経営改善計画の一環として、管理職は昨年7月、一般社員は同12月に募集した。(京都新聞)
■「05年3月期は配当を可能に」 近鉄次期社長会見
 近畿日本鉄道の次期社長に就任が決まっている山口昌紀副社長は25日、大阪市天王寺区の本社で会見し、駅の運営管理業務の委託や本社組織の見直しに取り組むなど鉄道沿線を中心とした事業展開を図る方針を明らかにした。
 山口副社長は「現在は会社創業以来、一番難しい時期。経営改善計画をできれば前倒しで実施する」としたうえで「2005年3月期に安定的な収益をあげて配当できるようにするのが私に課せられた任務だ」と決意を語った。
 業績不振のテーマパーク志摩スペイン村(三重県)については「年間150万人の集客があれば数億円の利益が出る。地域の努力で何とかなるのではないか」と述べた。
 辻井昭雄社長は「山口副社長は人脈が抱負で決断が速い。また経理的な知識とセンスを持っており、今の時代にふさわしい」と次期社長への期待を語った。(京都新聞)
■空気漏れ音? のぞみに遅れ
 25日午後4時25分ごろ、大阪市淀川区のJR東海道新幹線新大阪駅で、同駅発東京行き「のぞみ80号」(16南編成)の5号車のパンタグラフ付近から「シュー」という空気漏れのような音がしているのに駅員が気付いた。JR東海は乗客約700人に別の車両に乗り換えてもらい、28分遅れで出発させた。後続3本も18〜10分遅れ、計約3200人に影響した。(朝日新聞)
■線路側扉開ける 川崎のJR線
 26日午前7時40分ごろ、川崎市川崎区池田一丁目のJR南武支線八丁畷駅に停車した浜川崎発尻手行きの普通電車(2両編成)の男性運転士(57)が、誤ってホームと反対側のドアを開けた。誤りに気付いた運転士がすぐにドアを閉め、あらためてホーム側のドアを開けた。乗客約80人にけがはなかった。
 JR東日本によると、列車は運転士1人のワンマンで、ドアは8ヵ所あった。運転士が2つあるドアの開閉レバーを誤って操作した。(京都新聞 夕刊)
27日■地下鉄サリン 「松本被告は極刑に」 被害者、初の意見陳述
 地下鉄、松本両サリンなど計13事件で殺人などの罪に問われたオウム真理教松本智津夫被告(48)=教祖名麻原彰晃=の第252回公判が27日、東京地裁(小川正持裁判長)であり、地下鉄事件などの被害者2人が出廷し「松本被告の極刑を望む」などと意見陳述した。
 意見陳述は、被害者対策が強化された改正刑事訴訟法(2000年施行)に基づくもので、一連のオウム事件公判では初めて。この日はほかに両サリン事件の被害者、遺族計5人が意見陳述の書面を提出した。
 出廷し陳述したのは、地下鉄事件で重症となった男性(67)とサリンによる襲撃を受けた弁護士滝本太郎さん(46)。
 男性は「松本被告が何も話さないのは、法廷をないがしろにしているとしか思えない。極刑を切に望む」。滝本さんは「死刑にするのは松本被告一人が適切。教団の信者は教祖のしたことのおぞましさ、罪深さを知ってほしい」と指摘した。
 両サリン事件の被害者や遺族計五人の書面は、検察側が朗読。この中で一人は「出廷して意見陳述するつもりだったが、松本被告と同席したくないので文書にした」と嫌悪感をあらわにした。
 改正刑訴法の規定で、裁判所は意見陳述の内容を証拠とすることはできないが、量刑判断の材料にすることはできる。公判の冒頭、弁護側が「被告の有罪が前提となる被害者の意見陳述は憲法違反」と異議を申し立てたが、却下された。(京都新聞 夕刊)
■JR大和路線と大阪環状線乱れ 加美駅で人身事故
 27日午前9時45分ごろ、大阪市平野区加美鞍作1丁目のJR大和路線加美駅で、男性がホームから線路に転落し、通過中の奈良発天王寺行き「大和路快速」(6両編成、乗客約700人)にはねられた。男性は即死した。大和路線JR難波−王寺間の上下線が約70分間ストップ。大阪環状・阪和線を含め64本が運休するなどして、約1万8000人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
28日■三条通蹴上−日ノ岡拡幅 1日から4車線使用
 京都市中心部と山科区などを結ぶ三条通(府道四ノ宮四ツ塚線)の蹴上−日ノ岡間(1.6`)が4車線化拡幅工事を終え、4月1日午後4時から使用を開始する。
 同区間は、これまで片側1車線に、交通量に応じて上下線を切り替える1車線を加えた変則3車線道路だったが、交通渋滞が激しく、地元から改良を望む声が出ていた。
 このため市は、1996年度から拡幅工事に着手。用地は、地下鉄東西線の開通に伴って廃線となった京阪・京津線の軌道敷を買収し、片側2車線化と歩道の拡幅、整備をした。総事業費は49億5000万円。(京都新聞)
■列車火災 拡大防げ JR京都駅で避難訓練
 列車への放火事件や車両火災に的確に対応するため、JR西日本と下京消防署、七条署などの合同訓練が27日、京都市下京区のJR京都駅であった。駅ホームで実際に車両を使い、乗客の避難誘導や各機関の連携を確認した。
 韓国・大邱市で起きた地下鉄放火事件やテロ対策を受けて初めて実施。走行中の車内で男がガソリンをまいて放火した−との想定で署員ら約130人が参加した。
 午後1時すぎ、中央改札口前のホームに電車が到着すると駅員が手動で扉を開け、煙が充満する車内から乗客を安全な場所に誘導。また、消防隊員が負傷者の救出や消火活動を行い、刃物を持って暴れる犯人を七条署員が取り押さえた。参加者らは万一の事態に備え、真剣な様子で手際よく訓練をこなしていた。(京都新聞)
■テロ備え訓練 JR京都駅
 列車の車両内でガソリンをまかれ、乗客約20人が負傷したという想定で27日、下京区のJR京都駅で災害訓練があった。韓国・大邱市で地下鉄火災が発生したのに加え、イラク戦争に伴うテロ事件も懸念されることから、JR西日本京都支社が企画。七条署や下京消防署、駅職員ら約130人が参加した。
 訓練は午後1時すぎから始まった。助けを求める乗客約50人を乗せた列車がホームに到着。ドアから刃物を持った犯人が飛び出し、警察官らが取り押さえた。消防署員と駅職員らは乗客を避難誘導したり、消火活動したりした。(朝日新聞)
■声 負担を減らして
・「緑の手帳」で運賃割引願う 無職 中西巨一(松山市 47歳)
 私は統合失調症です。25歳の時に発病しました。私の持っている手帳は、表紙が緑色の「精神障害者保健福祉手帳」です。
 私たちの持っている手帳では、バスや電車などの運賃割引が利きません。心の病者は家から表に出ていかないと、それこそ病状が悪くなります。精神障害はここ何年かで障害と認められました。どうして私たちだけが割引を受けられないのでしようか?
 正直申しまして本当はだめなのですが、背に腹は代えられず、私も手帳をバスの運転手さんに見せて、割引をしてもらったことがあります。でも、もうそんなことをしたくありません。
 「緑の手帳」で交通機関のサービスが受けられるよう、お願いします。
・学生証見せて買えるように 主婦 清原和子(広島市 52歳)
 遠方の葬儀に家族で駆けつけなければなかった。急なことだったので、大学生、中学生の子どもたちは学生割引証など手元になく、JRの窓口で大人と同額の運賃を支払った。その時、学生証を見せるだけで2割引きの乗車券が買えたらいいのに、と思った。
 中学校から学割を発行してもらうのは普段でも容易でない。何日から何日まで、どこに、誰と、その間の連絡先まで書いて提出し、担任から校長へと書類が回って、やっと事務室から出る。急な時や学校が休みだと出してもらえない。車で旅行をする時は、少々遠くとも学校に何の届け出を出さなくても済むが、学割の時は不便な上に、プライバシーの侵害ではないかと不快にもなった。
 映画館や美術館など、たいていの所は学生証を提示すれば、割引料金が適用される。また、JRには簡単に買える割引切符もあるが、学割にもそうしてほしい。私が切符を買う横で、大学受験に行くらしい男の子が「学割をもらい忘れたから」と恨めしそうにつぶやいていた。(朝日新聞)
■野洲駅で信号故障 快速など12本運休 JR、6800人に影響
 28日午前5時すぎ、滋賀県野洲町小篠原のJR東海道線野洲駅構内の信号機が「赤」のまま変わらなくなり、電車が車庫から出られなくなった。同6時45分ごろに復旧したが、この間9本の電車が出られず、上下線の快速と新快速電車計12本が運休、約6800人に影響が出た。
 JR西日本によると、故障したのは同駅と隣接する京都総合運転所野洲派出所(車庫)との連絡線路沿いにある信号機。信号機への電気コードが損傷しており補修したといい、原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■ニュートラムと接触、死亡 大阪・住之江 作業員、軌道に挟まれ
 28日午前9時40分ごろ、大阪市住之江区泉2丁目、大阪市交通局の新交通システム「ニュートラム」(南港ポートタウン線)平林−住之江公園駅間の軌道上で、電気設備を点検していた同交通局職員朴景澤さん(27)=大阪府東大阪市瓜生堂2丁目=が、コスモスクエア発住之江公園駅行きの下り列車(4両編成)と接触、軌道と車両との間に挟まれ、間もなく死亡した。列車は現場に停車し、乗客約50人はけがはなく、係員が避難誘導路から最寄りの住之江公園駅に誘導した。上下線とも運転が停止されている。
 大阪市交通局などによると、現場は住之江公園駅から約550b平林駅寄りの地点。列車は無人運転だった。朴さんは事故当時同僚3人と作業していた。上下線の軌道の間には、軌道と平行に退避所(高さ1b、幅60a)がある。事故直前に上り列車が通過した際には4人とも中に入っていた。しかし、朴さんだけが上り列車通過後、軌道上に降り、直後に下り列車が来たという。
 列車の先端には軌道上の物に接触すると自動停止する検知器が取り付けられており、朴さんと接触した際も作動したが間に合わなかったという。(朝日新聞 夕刊)
■JR琵琶湖線 信号機が故障 12本運休、通勤の足混乱
 28日午前5時6分ごろ、滋賀県野洲町のJR琵琶湖線野洲駅と車庫を結ぶ信号が赤のまま変わらなくなり、車庫内の車両が出られなくなった。約1時間40分後に復旧したが、このトラブルで上下線計12本が運休し、通勤・通学客ら約6800人に影響が出た。
 JR西日本によると、配線の一部が腐食し、切れていたことが原因らしいという。(朝日新聞 夕刊)
29日■大阪のニュートラム 保線作業の職員 巻き込まれ死亡
 28日午前9時40分ごろ、大阪市住之江区新北島五丁目の新交通システム「ニュートラム」南港ポートタウン線平林−住之江公園間で、保線作業中の大阪市交通局職員朴景沢さん(27)がコスモスクエア発住之江公園行き列車に巻き込まれ、タイヤと軌道の間に挟まれて間もなく死亡した。
 乗客約50人にけがはなかった。無人運転のニュートラムは運転を全面停止し午後4時前、約6時間ぶりに再開した。上下計168本が運休し、乗客約1万5000人に影響が出た。(京都新聞)
■男性はねられ死亡 志賀、湖西線に乱れ
 28日午後2時30分ごろ、滋賀県志賀町中浜のJR湖西線で、京都行き普通電車に京都市の会社員男性(39)がはねられ即死した。堅田署によると、男性は線路に立っていたといい、自殺とみて詳しく調べている。この影響で同線は上下線9本が運休、約4800人に影響が出た。(京都新聞)
■駅業務を子会社に 近鉄委託、2700人を出向へ
 近畿日本鉄道は28日、改札業務など駅の運営管理と、乗車券企画や宣伝などの販売促進業務を、今年6月末から駅サービス子会社に委託する、と発表した。乗客の減少傾向に対応して駅業務の効率を高めコストを削減を図るとしている。
 6月の株主総会後、近鉄サービスネット(大阪市)を近鉄ステーションサービスと商号変更し、駅業務を委託する。同時に、駅業務に携わる社員約2700人と、すでにサービスネットに出向中の社員約400人を近鉄ステーションサービスに出向、転籍させる。
 一部の駅で信号の取り扱い業務もあるため、駅長と助役は近鉄兼務とするが、それ以外は今後、パートや派遣社員を増やす。
 ステーションサービスの社長に、近鉄の吉川勝久取締役が就任予定。業務委託による取り扱い金額は1600億円の見込み。駅売店業務の子会社、近鉄リテールサービスとの統合も検討する。(京都新聞)
■京阪宇治交通を完全子会社化 京阪電鉄
 京阪電気鉄道は28日、バス事業の京阪宇治交通(京都府宇治田原町)を完全子会社化し、料金撤収業務の子会社比叡山ドライブウェイサービス(大津市)を31日で解散する、と発表した。
 京阪宇治交通は京阪電鉄の持ち株比率97.75%。完全子会社化は京阪グループ内のバス事業再編を円滑にするのが狙い。株式交換し、京阪電鉄の株式1に対し京阪宇治交通2.02を割り当てる。交換日は6月1日。
 比叡山ドライブウェイサービスは1986年設立で、琵琶湖大橋の開通当初から料金徴収業務を行っていた。同大橋を所有する滋賀県の入札制導入で、入札資格に適合しない同サービスを解散する。社員26人は、親会社の比叡山自動車通が契約社員として再雇用する。(京都新聞)
■降りて歩いて 104 JR木幡駅(宇治市木幡) 貴重な戦跡 草花あふれ
 京阪奈良線と府道京都宇治線に挟まれて、南北に並行して伸びるJR奈良線。府道から西へ向かい、住宅や工場に囲まれた細い市道に入るとすぐに木幡駅にたどり着く。
 駅を降りて北へ向かうと「木幡緑道」の看板が立つ。そこから線路に沿って北へ約250b、東西に流れる堂の川までの道中には葉ボタンやパンジーなど色鮮やかな草花が咲き、通行く人たちの目を楽しませる。
 緑道は1983年に完成した歩行者・自転車専用道。かつては旧陸軍宇治火薬製造所の木幡分工場鉄道引き込み線だった。戦時中は旧奈良鉄道(現・JR奈良線)と工場を結び、火薬の原料を運ぶ機関車が走った。今でも周辺には「陸軍用地」と刻まれた石柱が残り、戦争を物語る貴重な遺跡としても知られる。
 道沿いには3つのあずまやが設置され、それぞれに「ボランティア緑道の会」が作った「駅名」パネルが取り付けられるなどユニークな空間となっている。
 緑道を越えてたどり着いた願行寺(同市木幡)の住職高志晋順さん(87)は「竹やぶと茶園と田んぼだけの地域だった。子どものころは木幡池で泳いだり釣りをして楽しんだ」と昔を懐かしむ。
 駅の西側に向かうと、学生や住民に加え車の往来もさかんでにぎやかだ。人波をぬうようにして京阪木幡駅を過ぎると、陽光を反射してきらめく木幡池の水面が目の前に広がった。
 宇治市史によると、北池、中池、南池の3つからなる木幡池は、かつては沢田川と呼ばれ、山科川と宇治川の支流の合流点に生まれたよどみだった。また、巨椋池の一部だったともいわれ、豊臣秀吉が治水のために築造した「太閤堤」が完成した16世紀以降、現在の姿になったとされる。
 日本鳥類保護連盟専門委員で宇治愛鳥緑の少年団長中島愛治さん(69)は「四季を通じてカワセミやサギなど多くの鳥が羽を休めに来る「以前は水もきれいで鳥が好む小魚もたくさんいたんですよ」と教えてくれた。(京都新聞)
■電車シートが広告板 サントリー、山手線で
 サントリーは,JR山手線内で4月前半、電車の座席を広告にする「アドシート」を使って清涼飲料のPRを展開する。車内の7人掛け座席に「DAKARA」「WELCOME TO TOKYO」と印刷したカバーをかぶせた電車を1編成組み、山手線を走らせる。その電車では中づり広告やステツカーなども「DAKARA」一色にする。同時に19の駅で、キャラクターの「小便小僧」の像を改札付近に設置する。
 4月に東京で新生活を始める社会人や学生、東京で不規則な生活を送っている人たちを応援するもの、という。
 アドシートは混雑して座席がいっぱいだと広告が見えないのが難点だが、「山手線は乗り降りが激しく、立ち上がったときに見え隠れする。オヤッという意外性で目がいくのでは」と担当するジェイアール東日本企画。(朝日新聞)
■軌道上の点検見合わせ ニュートラム事故で交通局
 大阪市交通局の新交通システム「ニュートラム」(南港ポートタウン線)の軌道上で作業中の同交通局職員朴景澤さん(27)が、列車の下敷きになり死亡した事故で、同局は28日、列車の運行時間帯に実施していた軌道上の作業を当分、見合わせる方針を明らかにした。
 同局によると、朴さんら4人は同日朝から下り軌道上で点検作業をしていた。1人が監視役で、下り列車が近づいてきたときに朴さんらに知らせ、4人とも上り軌道と下り軌道の間の退避所に避難。朴さんは一番後ろにいたという。その後にまず上り列車が通過、さらに下り列車が現場を通り過ぎた際、「ドン」という音がして3人が振り返ると、朴さんの姿が見えなくなっていたという。同局は朴さんがひかれた原因を調べている。 同線は28日、住之江区内で大きな催しがあったため、臨時ダイヤで運行、事故発生当時は上下線とも約3分間隔で走っていた。(朝日新聞)
■声 若者を諭した大阪弁のノリ 主婦 木下越子(大阪府高槻市 62歳)
 夕方の大阪駅、人身事故の後とかで電車は大幅に遅れ、ホームは混雑していた。その時、4、5人の若者が降りる人や乗る人をかき分けてきたので、思わず「そんなんあかんよ」と背の高い一人の肩をぽんとたたいた。
 ちょっと振り向いたが、そのまま割り込んで乗ってしまい、優先座席に長い足を広げて座り、「誰かが、あかんゆうて肩たたきよったぞ」と仲間に話していた。お年寄りがいたら、もう一度注意しようかと思ったが、それらしき人もいない。「おい、ここ優先座席やぞ」と小さな声で言っている。
 降りる時に横を通ったら、中の一人が「あいつやろ」と私の方を指したので、「そうや、私や」とにっこりしたら、あきれたような、驚いたような変な笑い顔で仲間と見合わせていた。
 「せっかくカッコええのに、マナー違反は台無しやで」と言えばよかったが、それにしても、今時の若者にあんなことが言えたのは、語り部として大阪弁の民話を語っている「ノリ」かなとおかしかった。今度は、もう少し気のきいたせりふでストップがかけられたらいいな。(京都新聞)
■近江今津駅など「オーバーラン」 JR西 3件公表せず
 JR山陽新幹線で居眠り運転があった先月26日以降、近畿の在来線で列車が所定の停止位置を行き過ぎる「オーバーラン」が3件起きていたにもかかわらず、JR西日本が「公表の基準外」として公表していなかったことが29日、分かった。
 同社によると今月2日、滋賀県の湖西線近江今津駅で特急「雷鳥5号」が210bオーバーランするなど計3件を公表しなかった。
 運転士が停車駅をよく確認していなかったことなどが原因だが、同社は「列車が完全にホームをはみ出した場合に限って公表しており、3件はいずれもホームにかかっていた」としている。(京都新聞 夕刊)
30日■「京都市政史」刊行スタート 資料が語る京の歩み 市電導入新事実も
 京都市はこのほど、「京都市政史」の刊行を始めた。第1回配本は第四巻の「資料・市政の形成」(A5判・約800n)で定価6000円。明治維新から1950年ごろまでの市政の歩みを、京都の歴史や行政学の専門家が貴重な資料を基に執筆した。市歴史資料館は「近代以降の京都市政の歩みを総合的、体系的に明らかにした初めてのものになる」としている。
 市の自治百周年の記念事業の一環として、1998年から編さんに着手した。松尾尊充京都大名誉教授(日本近現代史)と村松岐夫京都大教授(行政学)を顧問に、専門家9人でつくる市政史編さん委員会(代表・伊藤之雄京都大教授)が作業に当たっている。
 明治維新以降の市政前史から市政施行(1898年)以後、現代に至る時代を対象とし、市政の動きを文筆で表す叙述編3巻、収集資料を掲載する資料編2巻、市財政全般と総合年表を記す財政・年表編1巻の全6巻となる予定。
 第1回配本として第4巻で資料編の前半(明治維新から終戦直後まで)の部分を刊行した。市が所蔵する行政文書をはじめ、関係機関や故人の資料、当時の京都新聞(京都日出新聞)記事などを活用し、東京遷都後の京都で市政が形成されていった経緯を解説付きで記している。
 初代市長・内貴甚三郎が市会議員の中から選考される過程を示す文書や、京都商工会議所の初代会頭・高木文平が反対論の強いなかで市電の導入を主張した書簡など、今回の編さん作業の中で新たに見つかった資料も多い。
 1200部を発行。市歴史資料館などで販売している。郵送も受け付ける。問い合わせは同資料館TEL075(241)4312へ。第2回配本は2005年度になる見込み。(京都新聞)
■JR高速バス 乗客立たせる 兵庫、定員超え2時間
 JR西日本の子会社「西日本JRバス」(大阪市)が乗客を通路に立たせたまま高速バスを運行していたことが29日、分かった。
 道交法は定員を超えた乗車を禁じており、兵庫県警は同社に定員を守るよう厳重注意した。
 県警や同社によると、23日、津山駅(岡山県津山市)発大阪駅行きの特急と急行の高速バス計3便(いずれも定員52人、補助いす含む)で、兵庫県内の停留所から客が乗ったところ、それぞれ定員を十数人オーバーし約2時間立ったままで乗車していたという。(京都新聞)
■高速バス 客立たせ走行 JR西子会社 兵庫県警が厳重注意
 JR西日本の子会社・西日本JRバス(本社・大阪市)の高速バスが、満席のため乗客を通路に立たせて走っていたことがわかった。定員を超える乗車は道交法で禁じられており、高速バスは立ち乗りを想定しておらず、つり革などの転倒防止設備がない。兵庫県警は同社に厳重注意し、他のバス会社にも定員の厳守を求める文書を配る。西日本JRバスは「今後は立ち乗りが起きないように努める」としている。
 定員超過があったのは中国自動車道経由で大阪と岡山県津山市を結ぶ路線。他の民間バスと合わせて一日往復64便あり、約20ヵ所の停留所に止まる。バスの定員は補助席8席を含め52人。
 3月23日午後、大阪行きの3便に兵庫県西部の停留所から乗客が乗ったところ、それまでの乗客と合わせて65〜70人が乗った状態になった。補助席も使えず、約20人が大阪まで約2時間通路で立っていたという。
 兵庫県警高速隊が神戸市北区のバス停でこのうちの1便を発見した。
 西日本JRバス総務部は「満席の場合は乗車を断るよう運転手を指導しているが、途中のバス停で長時間待っている乗客を断りきれなかったようだ。今後は乗客が多そうな日は臨時便を増やす」と説明している。
 立ったまま乗せられたという苦情は過去にもあったが、途中で乗客が何人乗ったか報告する義務は運転手になく、定員超過の便がどの程度あるかははっきりしないという。(朝日新聞)
31日■駅周辺整備に住民の声を JR山科駅・阪急桂駅 「連絡会議」発足から3ヵ月
障害者、学識者、鉄道事業者… 構想策定へ活発論議 改善要望の実現に課題も
 障害者や高齢者が支障なく行き来できるまちづくりを目指す市は昨年12月、JR山科駅周辺(山科区)と阪急桂駅周辺(西京区)の2地区で、地元住民や障害者を交えた「連絡会議」を発足させた。駅周辺の環境改善に地域の声を反映させようと、両会議は実地調査を行い、会合も数回開いている。2003年度中にも両駅に車いすのためのエレベーターが設置される予定だが、地元からの他の改善要望をどう扱うかなど、課題も残る。(社会報道部 江藤均)
 大勢の人が利用する駅周辺などのバリアフリー推進構想の策定を市町村に求める「交通バリアフリー法」の制定を受け、市は昨年、市内の駅など104ヵ所を調査した。改善の必要性が高い重点整備地区として、JR京都駅を含む14地区を選んだ。このうち本年度は、エレベーター未設置などの緊急性を考慮し、山科地区と桂地区で連絡会議をスタートさせた。
 それぞれ学識者や鉄道事業者、障害者団体の代表、地元住民たち約30人で構成し、地区ごとの構想策定に向けて意見交換を続けている。今年6月までに構想案をまとめ、8月に最終の構想を策定する。事業者は構想に盛り込まれた事業を実現しなければならない。
 両地区とも、すでに会議の委員による現地調査を終え、活発な意見交換に入っている。連絡会議事務局の市交通政策課は「行政の視点では気が付かない点を教えてもらった」と話し、住民や障害者団体も「実態に即した要望を現場で聞いてもらえるのは画期的」と会議の在り方を評価する。
 だが、事業者の実現性を前提とした構想案は、駅舎へのエレベーター設置などの整備が中心になる。事務局は「できるだけ地元の声を盛り込むつもり」と意気込むが、地元からは「切実な要望が無視されている」との懸念も出ている。
 山科地区の連絡会議では、地元住民や障害者団体代表の委員から「JR山科駅の北側にも改札口を」「京阪電鉄の踏切拡幅を」など、25の改善要望が出された。鉄道事業者の回答には「予算的に難しい」「今のところ計画にない」などの文言が並んだ。任地区でも同様の状況だった。
 JR山科駅の北に広がる安朱学区の自治連合会長を務める青木喜正委員(74)は「補助金を出す市が財政赤字で厳しいのは分かっている。でも、要望は地元にとって長年の懸案ばかり。ここで発言しておかないと二度と声が届く機会がないかもしれない。最低限の整備だけで終わらせたくない」と危機感を募らせる。「駅ホームにもトイレが必要」と訴えた障害者団体代表の高山弘委員(70)は「要望に対して、もうちょっと温かい配慮がほしい」とこぼす。
 こうした要望は、そこに住む人にとっては大きい。市は、構想から漏れる要望をすくい上げるために構想策定後も協議の場を設ける方針だが、構想と違って実現性は保証されていない。
 他の12地区でも、08年度までに順次会議が発足する。第一弾の山科、桂地区で、どれだけ市民の思いをくみ取ることができるのか。残る地区の指針ともなる構想の行方を見守じたい。(京都新聞)
■「しごと館」プレオープン 学研都市 住民ら1000人見学
 関西学研都市の「私のしごと館」(京都府精華町、木津町)が30日、プレオープンし、抽選で選ばれた地元住民ら約1000人が、職業情報を検索したり、宇宙飛行士の仕事を体験するなどざん新な施設に見入った。10月に全面オープンする。
 同館は、職業情報や職業体験の機会を提供し、若年層を中心に職業意識を高めてもらうことなどを狙いに、2000年度から国が総事業費約580億円を投じて着工。鉄筋3階建て(延べ約3万5000平方b)で、厚生労働省の外郭団体「雇用・能力開発機構」が運営する。
 この日オープンしたのは、約700種類の職業をパソコンで検索し、関連図書を自由に閲覧できる「しごと情報ゾーン」。約40種類の職業をプロが指導する「しごと体験ゾーン」(10月4日の全面オープンで稼働)も特別に開放した。
 見学者らは、ハンドルを握りパソコン画面を見ながら電車の運転を体験するなど、IT機器を駆使した施設に目を見張りながら、さまざまな仕事内容を学んでいた。同館=TEL0774(98)4510=は通常、月曜休館。(京都新聞)
■踏切に置かれた金属棒を電車ひく 山城のJR上狛駅
 29日午後11時40分ごろ、京都府山城町上狛のJR奈良線上狛駅構内の踏切で、奈良行き普通電車の運転士が異常音に気づき停車した。調べたところ、踏切上に金属製の最終停止目標物(長さ約1b、太さ約5a四方)が放置され、電車がひいた摩擦音とわかった。乗客にけがはなく、電車は6分遅れで発車した。
 木津署は、駅構内に設置されていた目標物を何者かが引き抜き、踏切に置いたものとみて列車往来防害の疑いで調べている。同署管内では、今年2月2日、南山城村北大河原のJR関西本線で、線路わきに埋設されていたケーブルが線路上に引き出され、電車がケーブルをひいて、同線大河原−月ケ背口間の信号が故障した。また同12日は、精華町植田のJR片町線で、線路に放置されたマウンテンバイクを普通電車が接触する妨害事犯が続いている。(京都新聞)