2003(平成15)年 2月


1日■声 不条理に思う車内の出来事 無職 播磨屋 友一(兵庫県明石市 68歳)(朝日)
2日■電車利用の促進へ 福井でフォーラム えちぜん鉄道が発車(京都)
  ■列車が衝突し30人以上死亡 ジンバブエ(朝日)
3日■関西本線信号故障 運休4時間半31本 往来妨害で捜査(京都)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■異常音で遅れ 山陽新幹線(京都)
4日■大阪駅北口ビル 1000億円以上投資 JR西会長見通し(京都)
  ■顧客メルアド 190人分誤送信 神戸電鉄、削除依頼(朝日)
  ■新幹線車庫に折れたボルト 福岡、300系車両か(朝日)
5日■阪急京都線 桂−東向日間を高架化 06年度着工予定 京都市、渋滞緩和へ(京都)
  ■エムケイバス停留所減らす 申請内容を変更(京都)
  ■ひかりの緊急ブレーキ作動 兵庫の山陽新幹線(京都)
  ■電動カート 踏切 JR接触 大阪・89歳骨折り重傷 愛知・82歳間一髪救出(京都)
  ■男性はねられ死亡 東山区、JR奈良線(京都)
  ■京都市 パーク&ライド継続 LRT導入研究も(京都)
  ■取材ノートから 嵐山の交通実験 地元の意識変化生かせ 社会報道部 澤田亮英(京都)
  ■関西私鉄 流通小売り強化進む 駅の立地生かし 収益力向上図る 本業伸び悔み(京都)
  ■72歳、線路で82歳救助 電動車が故障、間一髪 愛知のJR(朝日)
  ■踏切で人身事故 ダイヤ乱れる JR奈良線(朝日)
  ■駅も店もこれ1枚 国交省、新カード実験へ(朝日)
  ■ひかりが緊急停止(朝日)
  ■JR連合がベア要求へ 100円で統一(朝日)
  ■電車間違えた受験生 特例途中下車セーフ 乗客が車掌に口添え JR京葉線(京都)
  ■架線に氷、JR35本運休 宝塚線など 大学入試にも影響(朝日)
6日■京阪フィツシャーマンズ・ワーフ 鳥取市の八幡建設に譲渡 営業継続(京都)
  ■「車いす介助 JRの義務」 損賠訴訟で地裁判決(京都)
  ■車いすブレーキかけず放置 JR東に賠償命令(朝日)
  ■ホーム下に死亡男性 前夜、酔って転落衝突? JR堺市駅(朝日)
7日■駅で突き落とし 男性を死なせる JR品川、容疑で逮捕(朝日)
8日■地下鉄東西線 六地蔵までもうすぐ! 工事進ちょく8割 京都市会委が視察(京都)
  ■降りて歩いて 97 JR高津駅(綾部市高津台) 八幡宮の社殿 壮麗に(京都)
  ■バス運賃取りすぎた(朝日)
  ■梅田北コンペに966点(朝日)
9日■死亡2事故 影響2万人 大阪の南海電鉄(朝日)
10日■男性はねられ死亡 東山のJR東海道線(京都)
  ■新幹線ボルト抜ける(朝日)
  ■電車にはねられ線路の男性死亡 JR京都−山科間(朝日)
11日■線路に買い物カート置く 容疑の高校生逮捕 大津の京阪石坂線(京都)
  ■女性はねられ死亡 乗客8万7000人影響 JR山科駅(京都)
  ■JR京都駅前を花植えて飾ろう ボランティア募る(京都)
  ■トロッコ沿線に彩り 保津川河川敷 市民ら桜、モミジ植樹(京都)
  ■山科駅で事故 JR各線混乱 夕方、8万人に影響(朝日)
  ■スルッとエリア拡大(朝日)
12日■安全?駅員リストラ快速 JR西、16年で3分の2 私鉄は分社化 鉄道各社 人件費抑制で加速(朝日)
  ■急患降ろさずバス運行 守口市内 77歳女性死亡(朝日)
13日■守口の京阪バス 急病人乗せ終点まで運行 マニュアルと違う対応 77歳女性死亡(京都)
  ■レトロバスで観光(京都)
  ■窓 敬老乗車証を明日の活力に 下京区・伊藤俊春(自営業・70)(京都)
  ■ふるさと昭和史ビデオ 男山ケーブルの復活(八幡市) 昭和30(1955)年12月3日 石清水八幡宮参詣の足(京都)
  ■地下鉄避け買いだめ CIA「今秋後半にテロ」警告 NY市民 厳戒にピリピリ(京都)
14日■特別電車乗って公共交通語ろう 22日 京阪石坂線で市民団体(京都)
  ■世界で進むLRTの導入 京での実現目指す動きも 「環境に優しいと脚光」 財源、民意…課題多く(京都)
  ■踏切の障害検知器 いたずら列車遅れ 近江八幡のJR線(京都)
15日■「歩くまち京」へ マイカー抑制計画 市が素案、意見募集 伏見で平&Rも(京都)
  ■阪急バス 学期定期値下げ 4月から14.5% スクールバス新設(京都)
  ■京−若狭路利便に JR小浜線来月15日電化開業(京都)
  ■降りて歩いて 98 近鉄東寺駅(京都市南区西九条) 「弘法さん」あふれる人(京都)
  ■車体下33a 男性セーフ 阪急・東向日駅(朝日)
  ■バイトに塾 パス 阪急、4月から開始(朝日)
  ■信号故障で停車 JR草津駅で新快速(京都)
  ■KTRで車両故障 4本運休、250人影響(京都)
16日■線路に置き石 列車が急停車 福知山、JR山陰線(京都)
17日■鉄道と駅の将来像探る 国交省若手職員 あす懇談会(京都)
  ■JR西社長に垣内氏 4月昇格 井手会長は相談役(朝日)
  ■JR西社長交代 積極路線を継続 新体制は堅実志向 発言・行動力が課題(朝日)
  ■運転士、意識失う JR山陽線 坂で止まる(朝日)
  ■JR西日本 社長に垣内氏(京都)
  ■JR西 垣内社長を正式発表(朝日)
18日■京都市2003年度予算案詳報〈上〉(抜粋)(京都)
  ■女性はねられ死亡 JR唐崎駅(京都)
  ■「混雑ゾーン」入ったら税よ ロンドン(朝日)
  ■声 女性専用車で慌てた思いが 主婦 作田美恵子(大阪府箕面市 60歳)(朝日)
  ■普通電車窓ガラス1枚ひび割れ発見 JR山陰線園部駅(京都)
  ■地下鉄火災100人以上死傷 韓国・大邱 男が火炎瓶投げる 放火容疑身柄拘束 死者10人超か(京都)
  ■韓国地下鉄火災 猛煙、車内パニック 逃げ惑う乗客ら(京都)
  ■韓国・大邱地下鉄で火災 4人死亡 100人余負傷 放火の目撃情報(朝日)
  ■噴く黒煙叫ぶ乗客 韓国・大邱 地下鉄火災 ガソリン投入?(朝日)
19日■地下鉄放火 死者120 人超す 韓国・大邱 男が犯行認める供述 140人負傷 有毒ガスで拡大(京都)
  ■大邱・地下鉄火災 安全欠如、地下の密室 急成長で後回し 構造的に無策(京都)
  ■大邱・地下鉄火災 過去にも死傷事故相次ぐ 95年は爆発105 人死亡(京都)
  ■大邱・地下鉄火災 「ドア開かない」、悲鳴、黒煙、一気に充満か(京都)
  ■京都市2003年度予算案詳報〈下〉(抜粋)(京都)
  ■発車ベルに「鉄腕アトム」 山手線高田馬場駅(京都)
  ■韓国・地下鉄火災 死者120人前後 放火か 容疑の男性聴取 140人負傷、12両全焼(朝日)
  ■地下鉄火災 炎・煙・闇「出口は」 黒い顔「のど痛い」 死者「改札口私有編にも」 大半がCO中毒か(朝日)
  ■韓国・地下鉄火災 地下大国日本、備えは(朝日)
  ■社説 地下鉄放火 なぜ燃え広がったのか(朝日)
  ■窓ガラスにひび JRダイヤ乱れ 園部駅(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■対向車両に犠牲者多数 韓国・大邱 地下鉄放火 運転士を聴取 死亡は126人(京都)
  ■大邱・地下鉄放火 「ドア全部開けた」 対向車両運転士 被害拡大の過失否定(京都)
  ■地下鉄の防災 国交省点検へ 韓国の火災で(京都)
  ■信号機故障で運行遅れ178本 神戸・阪神御影駅(朝日)
  ■貨物列車にはねられ即死 JR彦根駅(朝日)
  ■韓国地下鉄放火 70遺体、大半は対向車両に ドア開けず逃げ遅れ? 公社の対応本格捜査(朝日)
  ■駅員殴り警官逮捕 兵庫県警 暴行容疑(朝日)
20日■対向列車 進入禁止伝わらず 韓国地下鉄放火 指令体制に問題か(京都)
  ■乗客、命懸けでシャッター切る(京都)
  ■地下鉄を緊急点検 韓国事件受け京都市(京都)
  ■大邱・地下鉄放火検証 「人災」と批判強まる 安全対策不備重なる(京都)
  ■スーパー、保育サービス、病院… 駅の商業施設拡充 JR西日本 京など130駅(京都)
  ■社説 地下鉄放火 安全性向上へ想定広く(京都)
  ■「駅ビジネス」ぐっと加速 JR西日本130駅で計画、目玉は大阪駅(朝日)
  ■火災直後 火だるまの男 ホーム煙充満 韓国で映像公開(朝日)
  ■韓国地下鉄火災 到着まで火災知らず 対向車両の運転士供述 安全措置不十分か(朝日)
  ■地下鉄火災避難 他の乗客の手伝い頼み? 高齢者、障害者その時… 最深部は京都26b エレベーター停止も(京都)
  ■ポイント故障 朝の足乱れる JR山科駅(京都)
  ■湖西線、強風で運休(京都)
  ■盧・次期大統領 地下鉄現場へ(朝日)
21日■全国11地下鉄 排煙能力150駅で不足 国交省調査 避難路 99駅不備(京都)
  ■韓国・地下鉄放火 指令室、指示与えず 運転士「むちゃくちゃです。すぐに措置を」 対向列車との交信記録公開 過失強まる(京都)
  ■京都市営地下鉄が小規模ダイヤ改正 来月6日から(京都)
  ■臨時カニ特急増発 KTRが春の輸送計画(京都)
  ■汽船バスを解散 来月末に京阪電鉄 子会社が引き継ぎ(京都)
  ■地下鉄駅 26%、排煙設備不十分 国交省まとめ 避難通路は17%に難(朝日)
  ■地下鉄火災 ミス重ね惨事拡大 指令と運転士 通信記録公表 警察、責任追及へ(朝日)
  ■南海電鉄 3億5000万円申告漏れ 3年間で 1000万所得隠し(京都)
  ■ドア開閉用のキー抜き退避 韓国地下鉄火災で運転士(京都)
  ■約3億5000万円 南海、申告漏れ 大阪国税、1億円追徴(朝日)
  ■窓 解説委員室から 韓国の地下鉄(朝日)
22日■阪急電鉄 赤字892億円に拡大(京都)
  ■韓国・地下鉄放火 運転士ら5人逮捕へ 業過致死傷容疑きょうにも ミス、被害拡大(京都)
  ■降りて歩いて 99 JR山城多賀駅(井手町多賀) 石垣の民家 田園に調和(京都)
  ■トンネル内で携帯使えます 東海道新幹線 来月末工事完了(朝日)
  ■阪急電鉄、892億円赤字 3月期連結 開発用地の評価損(朝日)
  ■地下鉄の防災 24日に対策委 韓国放火受け京都市(朝日)
  ■韓国地下鉄火災 運転士らに逮捕状請求へ 業過致死傷容疑で 鍵抜き扉開かず(朝日)
  ■韓国放火事件直後 地下鉄側、隠ぺい工作 運転士が「顛末書」(京都)
  ■車掌ら立ち会い 転落死現場検証 神戸電鉄鵯越駅(朝日)
23日■京の地下鉄「安全」か? 駅が真っ暗に…あり得ず 燃えるとすれば広告だけ(京都)
  ■韓国地下鉄放火事件 「瞬間的判断誤った」 対向列車の運転士明かす(京都)
  ■地下鉄火災に遇ったら 慌てず、素早く地上へ 専門家に聞く 大量の煙だと処理能力不足に(京都)
24日■韓国地下鉄 放火事件 警告「誤作動」と判断 業務上重過失 致死傷容疑 3職員を逮捕へ(京都)
  ■サウスタワーホテル譲渡へ 南海、米大手に(京都)
  ■韓国の地下鉄火災 写真の男性ら無事(朝日)
  ■韓国・地下鉄放火 運転士ら7人逮捕 業務上過失致死傷容疑 公社幹部も追及へ(京都)
  ■韓国の地下鉄放火 運転士ら7人逮捕 監視カメラ注視、車内放送… 各部署で責務の”放棄” 「人災」で加被害拡大(京都)
  ■南海電鉄、土砂で脱線 和歌山・高野(朝日)
  ■消える?シュプール号 JR夜行、スキーに行く人減って JR西、存続は「白紙」(朝日)
  ■複合過失、大”人災”に 地下鉄火災 会社、ずさんさ明るみ(朝日)
  ■韓国地下鉄火災 対向車両運転士ら逮捕 業過致死傷容疑で7人 初動対応遅れ(朝日)
25日■容疑者ら3人逮捕状請求 韓国・地下鉄放火(京都)
  ■死者200人 前後に拡大も(京都)
  ■KTRの列車でショー見に行こう 来月16日、参加者募る(京都)
  ■ふるさと昭和史ビデオ 207 宮福線(宮津−福知山間)の開通 宮津市鶴賀 昭和63(1988)年7月16日 地元の悲願、生活の足に(京都)
  ■スルッとKANSAI 京阪シティバス 来月から導入(朝日)
  ■同じ尾根上で昨年にも崩落 南海線脱線事故(朝日)
  ■韓国の事件受け 地下鉄安全協議 京都市(朝日)
  ■格差の道バス走る 規制緩和から1年 都市部、深夜便や値下げ 地方、赤字に悩み撤退も(朝日)
  ■南海辰村建設 支援策を発表 南海電鉄(朝日)
  ■韓国地下鉄火災 放火容疑で逮捕状 男性「一人で死ぬのいや」(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■近江バスが歩行者はねる JR大津駅前(京都)
26日■二条駅前 シネコン、東宝が進出へ 関西最大級 来年改行目指す(京都)
  ■新交通システム満足度 デマンドバス・89% カーシェアリング・86% 学研推進機構 実験まとめ(京都)
  ■スルッとKANSAl ICカードで決済「ピタパ」 名称決まる(京都)
  ■京都駅ビル一帯でUSJイベント 1日からJR西(京都)
  ■運転士ら6人 正式に逮捕 地下鉄火災(京都)
  ■線路に飛び降り? 貨物列車が急停車 西大路駅、後続遅れ(京都)
  ■死者182人確認(京都)
  ■大阪市、地下駅整備へ(朝日)
  ■高野線再開あす以降(朝日)
  ■声 新幹線公害… 30年住めば都 主婦 柏葉幸枝(広島県福山市 62歳)(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
27日■新幹線居眠り 運転士いすにぐったり。「しっかりしろ」 乗客800人 時速270`… 車掌ゾクッ(京都)
  ■「洛西口駅」開業 記念しイベント 阪急、1日から(京都)
  ■京の近鉄バスもOK 「スルッと」力−ド(京都)
  ■韓国 地下鉄放火 残がい中に遺骨や遺品 「ごみ扱い」遺族猛反発(京都)
  ■新幹線運転士居眠り 岡山駅 3両ホームはみ出す(朝日)
  ■路面電車化を検討(朝日)
  ■新幹線居眠り 岡山県警捜査 JR西から聴取(京都)
  ■JR西日本 運転士全員に個人面談 新幹線居眠り 岡山県警は捜査着手(朝日)
  ■新幹線居眠り 乗客に伝えず JR西 「隠す意図なかった」(朝日)
28日■「前夜は飲酒」 運転士が説明 新幹線居眠り(京都)
  ■議会ミニ・レコ 東西線地上で延伸(京都)
  ■窓 地下鉄の安全 最優先求める 右京区・渡辺 洋(無職・61)(京都)
  ■合同訓練 トロッコ列車あす発車 嵯峨の観光鉄道とJR西 土砂崩れ想定 合同訓練 細部まで連携確認(京都)
  ■大規模列車火災対応訓練実施へ 京都市(京都)
  ■新幹線居眠り 運転士、前夜に飲酒 JR西は「関連不明」(朝日)
  ■新神戸−岡山で山陽新幹線乱れ(朝日)
  ■阪神も女性専用車両(朝日)
  ■新幹線またトラブル(朝日)
  ■ハト衝突?JR乱れ(朝日)



1日■声 不条理に思う車内の出来事 無職 播磨屋 友一(兵庫県明石市 68歳)
 JR、私鉄各社が朝夕の通勤時間帯に女性専用車両を連結しているが、女性たちには好評だと聞く。だが、迷惑防止(痴漢から女性を守る)という、大義名分に名を借りた「性差別」ではあるまいか、と思う乗客の話を聞いた。
 私は先日、朝の8時すぎ、神戸へ行く際に普通電車を利用したが、一般の車両はすでにつり革を持つ乗客が多かった。ところが、後ろの専用車両を見ると、通路が見通せるほどすいており、一般の車両との違いが歴然だった。
 そんな折、発車後、専用車両からつえをつき、右足を引きずる70歳代の男性が移ってきて、私の横に立った。老人が私に「座れたのだが、男はダメ。移ってくださいと怒鳴られ、追い出された」と大憤慨した。私の目の前には中年女性3人が座っていたが、席を譲る気配はなかった。
 一般の車両に女性も乗るのは当然だが、目の前の女性が専用車両に乗っていたら、老人は座る確率が高くなっていただろう。むろん推測とはいえ、その不条理に腹が立った。
 男性なら、身障者や目が不自由な人、足腰が悪い人などでも問答無用に排除するのだろうか。人権の侵害や不当な差別につながりかねないので納得し難いと思った。改めて鉄道会社は鋭意検討し、柔軟な対応を促してやまない。(朝日新聞)
2日■電車利用の促進へ 福井でフォーラム えちぜん鉄道が発車
 福井県内の京福電鉄路線を引き継いだ第三セクター「えちぜん鉄道」を利用する機運を高めようと、沿線市町村の協議会が一日、福井市で「電車利用促進フォーラム」を開催、同社の関係者や住民らが、電車を活用した街づくりをテーマに意見を交わした。
 えちぜん鉄道はこの日、京福電鉄から鉄道事業と資産を引き継ぎ、本格的に鉄道会社としてスタートした。(京都新聞)
■列車が衝突し30人以上死亡 ジンバブエ
 【カイロ=大崎敦司】南部アフリカのジンバブエからの報道によると、同国北西部のデテ付近で1日、国際的な観光地ビクトリア滝に向かっていた旅客列車と可燃物を積んだ貨物列車が衝突し、旅客列車に乗っていた観光客ら30人以上が死亡した。(朝日新聞)
3日■関西本線信号故障 運休4時間半31本 往来妨害で捜査
 2日午後3時25分ころ、京都府南山城村北大河原のJR関西本線大河原−月ケ瀬口間で、信号が赤のまま変わらなくなった。JR西日本や木津署が調べたところ、大河原駅東の大河原トンネル付近で、線路わきの側溝に埋設されている太さ3aのケーブル1本と、2.5aのケーブル2本が線路上に引き出されていた。亀山行き普通電車がケーブルを踏んだため、ケーブル内部の線が断絶し、信号不良になったとみられる。同署では、何者かが線路上に進入し、ケーブルを引き出したとみて、列車往来防害の容疑で調べている。
 JR西日本は、木津−伊賀上野間で午後8時まで約4時間半にわたって運転を見合わせた。列車31本が運休、4本が30分余り遅れ、バスによる代行輸送を行った。(京都新聞)
■青鉛筆
 JR東日本と西日本は3月末までに、首都圏と近畿2府4県の在来線計562駅の改札内の便所に、トイレットペーパーを備える。設置駅は4倍程度に増え、無人駅を除き完備される。
 民営化以降、新幹線駅を中心に配備を進めたが、火をつけられるなどのいたずらや盗難が相次いだため中止。入り口にちり紙販売機を置いてきた。
 しかし、「運賃のほか、ちり紙代まで取るのか」といった苦情が殺到し、押し切られた形だ。維持費は年間約6億円。これで客足が戻れば安い?(朝日新聞)
■異常音で遅れ 山陽新幹線
 3日午前7時ごろ、福岡市東区のJR山陽新幹線小倉−博多間で、博多発姫路行きこだま614号の運転士が床下付近でドンという音がしたのに気付き、停車した。
 車掌が車両を点検したが特に異常は見当たらず、約10分後に運転を再開。この新幹線を含む上下6本が最大13分遅れ、約1000人に影響した。
 JR西日本によると、鳥などがぶつかった可能性があるという。(京都新聞 夕刊)
4日■大阪駅北口ビル 1000億円以上投資 JR西会長見通し
 JR西日本の井手正教会長は3日、JR大阪駅北口に高層駅ビルを建設する計画について「(約1500億円を投資した)JR京都駅ビルに近いくらいの金額がかかりそうだ」と述べ、総投資額が1000億円以上になるとの見通しを示した。副会長を務める関西経済連合会の定例記者会見で明らかにした。
 井手会長は「少々金がかかっても皆さんに喜んでもらえるものを作りたい」と話し、JR大阪駅の北側に広がる梅田貨物駅の再開発構想と絡めた大型投資に意欲を見せた。(京都新聞)
■顧客メルアド 190人分誤送信 神戸電鉄、削除依頼
 神戸電鉄(本社・神戸市北区)は3日、オリジナル商品の発売案内で顧客190人に送った電子メールについて、全員のメールアドレスが表示される形で誤送信されていたと発表した。同社は全員に謝罪のメールを送り、他の客のアドレスを削除するよう依頼したという。
 同社によると、送信したのは1月31日。送信先のアドレスを非表示にする「ブラインドカーボンコピー(BCC)」欄に入力すべきアドレスを、すべて表示される通常の欄に入力していたという。(朝日新聞)
■新幹線車庫に折れたボルト 福岡、300系車両か
 山陽・東海道新幹線の車両を検査しているJR西日本博多総合車両所(福岡県那珂川町)の車庫内で3日朝、車輪のブレーキディスクを止めるボルト1本が折れて落ちているのが見つかった。同社が調べたところ、東京第1車両所(東京都)にあった300系車両のボルト1本がなくなっていた。
 JR西日本によると、車両は1日に点検のため博多総合車両所に入り、3日は「ひかり」として博多から東京まで営業走行していたという。(朝日新聞)
5日■阪急京都線 桂−東向日間を高架化 06年度着工予定 京都市、渋滞緩和へ
 京都市は4日、阪急京都線の桂−東向日駅間で、交差する幹線道路の渋滞を解消するため、線路を高架化する連続立体交差の工事に着手する、と発表した。2013年度までに総額223億円をかけて整備する計画で、新年度予算案には調査費など8000万円を盛り込む。
 立体交差化するのは、西京区の桂駅の南側(川岡踏切)から向日市の東向日駅北側(変電所前踏切)までの2`。渋滞が多発している山陰街道、久世北茶屋線(府道中山稲荷線)を含む計3ヵ所で踏切がなくなる。
 市は2003−04年度にかけて環境影響評価や都市計画決定手続きを行う方針で、06年度の着工、13年度の完成を予定している。総事業費については国の補助を受けるほか、一部は阪急側が負担する。向日市域の事業費の負担については、「今後、府や向日市と協議したい」(市建設局)としている。
 同区間では、3月に洛西口駅が開業し、周辺のバス路線も再編される計画で、交通環境の改善が進む。また、同駅は立体交差化に合わせて駅舎が再整備される。(京都新聞)
■エムケイバス停留所減らす 申請内容を変更
 京都市中心部での路線バス参入を申請しているエムケイ(京都市北区)は、4日までに従来の路線計画を変更する追加申請を近畿運輸局に提出した。当初提出した計画では停留所の確保が難しいため、停留所数を大幅に減らすことで早期の事業認可を目指す狙い。
 エムケイは昨年2月、道路運送法の改正に合わせ、市内の西大路−北大路−東大路−七条を循環する路線バス計画を申請。しかし、停留所共有を京都市交通局に断られた上、自前の停留所新設も予定地周辺の地権者の交渉が難航していた。
 今回の追加申請では、設置を予定していた88ヵ所の停留所を、確保のめどが立っている26ヵ所に変更した。停留所間の距離は0.217`とばらつきがあるが「事業認可にあたって大きな問題はない」(近畿運輸局)という。同社経営企画部は「今秋の事業開始を優先させるため計画を変更した。今後も、可能な限り停留所の確保を目指す」としている。(京都新聞)
■ひかりの緊急ブレーキ作動 兵庫の山陽新幹線
 4日午後4時10分ごろ、兵庫県のJR山陽新幹線西明石−姫路間を走っていた東京発博多行きひかり103号の緊急ブレーキが自動的に作動し、103号は現場に停車した。車両などに異常があった可能性があり、JR西日本で原因を調べている。103号は応急処置をして約1時間15分後に運転を再開、乗客約700人は姫路駅で後続の新幹線に乗り換えた。上下線計12本が運休したほか、31本が86分から2分遅れ、約1万8000人に影響が出た。(京都新聞)
■電動カート 踏切 JR接触 大阪・89歳骨折り重傷 愛知・82歳間一髪救出
 4日午前9時55分ごろ、大阪府枚方市長尾元町のJR片町線長尾駅近くの踏切で西明石発松井山手行き普通電車が、近くに住む男性(89)が乗った高齢者用の電動カートと接触した。男性は左鎖骨を折り1ヵ月の重傷。枚方署などの調べでは電動カートは5両目の側面に接触。踏切は長尾駅南約150bにあり、遮断機と警報機が設置されていた。男性は遮断機が下りている最中に、踏切内に入ったという。
 一方、同日午後4時20分ごろ、愛知県春日井市玉野町のJR中央線踏切で、同市の無職女性(82)が電動カートで横断中に立ち往生し、通りがかりの無職男性(72)に間一髪助け出された。救出直後、カートに快速列車が衝突し、同線は一時運転を取りやめた。
 春日井者の調べでは、女性は足が不自由で、普段からカートで移動していた。踏切を横断しようとしたところ、中央付近でカートが故障した。大声で助けを求めたところ犬の散歩をしていた男性が聞きつけ、助けに入った。最初は何とかカートを動かそうとしたが、遮断機が下り始めたため、やむを得ず女性を抱きかかえるようにして助け出したという。(京都新聞)
■男性はねられ死亡 東山区、JR奈良線
 4日午後1時半ごろ、京都市東山区福稲上高松町のJR奈良線踏切で、男性が城陽行き普通電車にはねられ、死亡した。電車は現場に約50分間停車し、上下計16本が運休、同4本が最大約70分遅れ、約3000人に影響が出た。松原署の調べでは、男性は50歳くらい。自殺とみて身元の確認を急いでいる。(京都新聞)
■京都市 パーク&ライド継続 LRT導入研究も
 京都市は4日、嵐山を主な目的地として昨秋に初めて試験的に実施した「パークアンドライド」を、今秋以降も継続して行うことを決めた。歩行者を重視した都心部の交通体系の調査やLRT(次世代型路面電車)の市内導入に向けた研究も新年度から進める方針で、市内全域で公共交通優先のまちづくりに取り組む。新年度当初予算案に合わせて4300万円を計上する。
 市は2001年度から2年計画で嵐山の交通実験を行った。車から鉄道に乗り換えるパークアンドライド、車を通行規制して歩道を広げるトランジットモールなどを試行し、公共交通優先を目指した観光地の交通体系を研究してきた。
 パークアンドライドは利用者からも好評で、都心部から嵐山までは鉄道の方が車よりも最大136分短縮される効果も確認できた。このため、「地元の協力を得ながら、毎年続けたい」(桝本頼兼市長)との方針を決めた。昨秋は3ヵ所の駅周辺に駐車場を確保したが、今秋の具体的な計画は今後、検討する。
 都心部の交通調査は、観光地や商業・業務機能が集中する上京、中京、下京、東山の四区が対象。車中心となっている現状から、歩行者や公共交通が中心の交通体系へと転換するため、必要な施策を検討し、2004年度には何らかの実験を行う方針。LRTについても、京都市内で導入した場合を想定して課題などの研究を深める。市はこれらの施策を盛り込み、市全体で公共交通優先のまちづくりに取り組むための交通需要管理(TDM)計画を本年度内に策定する予定で、計画に沿ってそれぞれの事業を進める。(京都新聞)
■取材ノートから 嵐山の交通実験 地元の意識変化生かせ 社会報道部 澤田亮英
 紅葉シーズンの渋滞が懸案となっている観光名所・嵐山で、京都市は公共交通優先の観光を目指し、2001年度から2年計画で交通実験に取り組んだ。地元関係者を中心に、施策の検討や評価を担った「嵐山交通対策研究会」では、さまざまな意見が交わされてきた。2年間の成果を次の展開にどう生かすのか、長期的な展望に立った議論が求められている。
・不安視する委員
 同研究会は、地元の自治連合会や商店街をはじめ、学識経験者、鉄道・バス会社、警察、市の関係部局など約50人で構成している。2001年7月に発足し、先月までに11回の会合を開いた。取材を続ける中で関心を持ったのは、実験の成否が日常生活や商売と密接にかかわる地元関係者の意識の変化だった。
 1年目。嵐山地域での環状一方通行規制と100円循環バスの運行が計画された。市内の観光地では前例のない大規模な実験だけに、実施前は、「実験で渋滞が悪化する」「店の売り上げに響く」など不安の声が多かった。
・縦続求める声も
 2年目に入っても、マイカー観光客が鉄道へ乗り換える「パークアンドライド」、乗用車の流入を規制して歩行空間を広げる「トランジットモール」という試みに対し、市への要望や注文を繰り返す委員が目立った。
 ただ、実験前から影響ばかりを懸念する声とは対照的に、「実験ならできるだけのことに取り組み、対応を話し合えばいい」と話す地元委員もみられるようになった。
 さらに、2年目の実験を総括した先月29日の会合では、地元関係の委員を中心に、「このまま研究会を終わらせず、意見を交わす場が欲しい」との声が相次いだ。地元の不安や反対から始まった研究会が、何らかの取り組みを継続しようという「総論」で一致したように感じた。
 委員の一人で嵐山商店街の野田博会長は「最初は実験なら妥協して一日ぐらい協力しようか、いう気持ちもあった」と振り返る。だが今は「2年間で勉強になったことも多く、今後も現実的にできることから取り組みたい」と積極的だ。
・住民に温度差
 ただ、関心の高まりは「地元の一部に限られている」との指摘もある。実験に対する住民アンケートは配布分の1割しか返ってこなかった。渋将に困っている住民は多いはずなのに、市に意見を伝えようとする姿勢は弱いようにみえる。
 一方、市は新年度予算案に嵐山のパークアンドライド継続のための費用を盛り込み、都心部でも公共交通優先の具体策を検討する調査費を入れた。一定の意欲はうかがえるが、まだ縦割りでの取り組みにとどまっている感も強い。交通問題は環境や福祉など幅広い分野にかかわる。今後のまちづくりにつなげる市の体系的な連携が必要だ。
 交通や環境問題で市民参加の取り組みを進めている市民組織「京のアジェンダ21フォーラム」の能村聡さんは「今後の交通政策は地元はできることを自分たちで考え、行政は大きな方針を示して市民をサポートする役割が重要になる」としたうえで、「嵐山の研究会を突破口に、京都の交通を改革する新たな流れへつなげるべき」と訴える。
 2年間で芽生えた地元の意識の変化を、いかに多くの人に広め、京都のまち将来像を議論する原動力へと結びつけるか。今後の取り組みに、市や研究会の知恵を期待したい。(京都新聞)
■関西私鉄 流通小売り強化進む 駅の立地生かし 収益力向上図る 本業伸び悔み
 関西の電鉄会社が流通小売り事業の再編、強化を進めている。本業の鉄道事業収益が伸び悩む中、各社とも経営の柱の一つとして改めて位置づけ、駅の立地の良さを生かした店舗展開で、収益力の向上を図る考えだ。
 京阪電気鉄道は、京阪電鉄本体の流通事業を今春、グループの流通子会社「京阪・ザ・ストア」に営業譲渡する。すでに2002年5月に直営だったスーパー4店とコンビニ15店を同子会社に運営委託しており、駅に隣接する貸し店舗を管理する流通賃貸部門の移管で、京阪電鉄本体からは流通部門を完全に切り離す。
 「これまで京阪本体と子会社にまたがっていた流通部門を子会社に一本化することで、経営効率を高める」(経営統括室)のが狙いだ。
 近畿日本鉄道グループでは、草津近鉄百貨店(草津市)と中部近鉄百貨店(三重県四日市市)を03年3月に合併させる。合併に20億円の増資も実施し、開業以来赤字が続いている草津近鉄の累積債務を解消し、仕入れの共通化などでコスト削減を図る。
 近鉄百貨店は02年2月に食品スーパーを展開する子会社近商ストア(松原市)を子会社化。消費者の高級志向の高まりを受けて、同10月に木津川台店(京都府木津町)を高価格帯のスーパー「ハーベス」に転換している。03年度には同業態のハーベスを6店増やして計10店にする予定だ。
 近鉄本体も02年4月に約200店の駅売店業務を子会社近鉄観光から吸収。同6月には開発事業本部から流通部門を分離して流通事業本部を立ち上げ、駅構内に直営の喫茶店やベーカリーショップ、美容室などの出店を強化している。「駅の集客能力を最大限活用したい」(広報部)としている。
 阪急電鉄は、婦人服生活雑貨製造販売の英コーポレーション(大阪市中央区)から雑貨販売事業を譲り受け、02年5月から子会社ダブルデイ阪急(大阪市中央区)が、家具・家具・雑貨店「ダブルデイ」14店を運営している。コンビニや書店、化粧品雑貨店などの他の業態の直営店も店舗を増強している。
 「今後も新規分野の業種、業態の直営店を増やし、競争力のある業態については、沿線にこだわらず首都圏にも積極的に出店したい」(広報室)としている。(京都新聞)
■72歳、線路で82歳救助 電動車が故障、間一髪 愛知のJR
 4日午後4時20分ごろ、愛知県春日井市玉野町のJR中央線高蔵寺−定光寺間で、同市の女性(82)が高齢者向けの3輪電動車に乗って踏切を横断していたところ、電動車が故障して踏切の中で動けなくなった。助けを呼ぶ女性の声を、犬の散歩をしていた近所の男性(72)が聞いて駆けつけ、女性を踏切の外に助け出した。遮断機が下りていて、直後に下り快速列車が通過した。電動車は大破したが、2人と乗客らにけがはなかった。
 春日井署の調べでは、男性は、走行中の女性をいったん追い越した後、「助けて−」と呼ぶ女性の声を聞いて、現場に駆け戻ったという。男性が踏切に入った直後に遮断機が下り、間一髪の救出だった。
 現場は高蔵寺ニュータウンの南の住宅が点在する田園地帯。女性は畑から自宅に戻る途中で、足腰が弱く、電動車を利用していた。
 男性は「踏切の中に入って、10秒くらいで警報機が鳴りだした。電動車を押しても動かなかったため、急いで女性を抱えるようにして、踏切の外に連れ出した。本当によかった」と話していたという。
 同線は、上下7本の列車に17〜27分の遅れが出た。(朝日新聞)
■踏切で人身事故 ダイヤ乱れる JR奈良線
 4日午後1時半ごろ、東山区福稲上高松町のJR奈良線の本町十九丁目踏切で、京都発城陽行き普通電車(4両編成、乗客約150人)に男性がはねられ、死亡した。この事故で上下16本が運休、4本が最高1時間11分遅れ、約3000人に影響が出た。
 松原署の調べでは、男性が踏切に入って横たわるのを見つけた運転士が非常ブレーキをかけたが、間に合わなかったという。同署が男性の身元を調べている。(朝日新聞)
■駅も店もこれ1枚 国交省、新カード実験へ
 国土交通省近畿運輸局は、関西の鉄道会社が開発を進めるIC(集積回路)カードにクレジットカード機能も付加できるかを3月に実験すると4日、発表した。京阪神地区の物販店や観光施設など約230ヵ所に端末機を設置。約850人の協力者に実験用のカードを持たせ、支払いに使ってもらう。
 ICカードは、極小のチップが組み込まれ、かざすだけで駅の自動改札機を通れる仕組み。現行のプリペイドカードと比べ大量の情報が扱えるため、運賃支払い以外の用途にも使えるという。
 実験は3月1〜14日に実施。大阪市内の天神橋、道頓堀地区の商店や飲食店、神戸・北野の観光施設などが参加する。カードを端末機に入れるだけで、代金が精算でき指定口座から後日引き落とす。
 実験後、施設側や協力者に意見を聴き、将来の実用化に役立てる。(朝日新聞)
■ひかりが緊急停止
 4日午後4時10分ごろ、兵庫県のJR山陽新幹線西明石−姫路間を走っていた東京発博多行き「ひかり103号」(16両編成、乗客約700人)で緊急ブレーキが作動し、同県高砂市内で停止した。約1時間15分後に運転を再開したが、姫路駅で運転をうち切った。
 このため、新大阪−岡山間の下り線が一時ストップ。12本が運休、31本が86〜2分遅れ、約1万8000人に影響した。
 JR西日本によると、「ひかり」は時速約260`で走行中、8号車で異常を検知し、ブレーキが自動的にかかったという。(朝日新聞)
■JR連合がベア要求へ 100円で統一
 JR連合(明石洋一会長、約7万3000人)は4日、京都市で中央委員会を開き、今春闘でベースアップ(ベア)1000円を統一して要求することを決めた。経済環境が好転しないなか、主要産別のほとんどがベアの統一要求を断念しているが、私鉄総達も1300円の統一要求を予定している。
 JR連合は要求の根拠として、@全産業との賃金比較で平均8000円の格差を是正するAJR各社は黒字を確保しているB賃金が低い関連企業労組へ相乗効果がある、の3点を挙げている。(朝日新聞)
■電車間違えた受験生 特例途中下車セーフ 乗客が車掌に口添え JR京葉線
 千葉県と東京都を結ぶJR京葉線で、高校受験に向かう途中で間違った通勤快速に乗った中学3年生の女子生徒のため、本来止まらない駅で女子生徒を降ろしていたことが5日、分かった。女子生徒を降ろすよう乗客も口添え。生徒は無事、試験に間に合ったという。
 JR千葉支社によると、女子生徒は3日午前7時45分ごろ、千葉市中央区の蘇我駅から乗車。内房線、総武線を使って西千葉駅に出るはずが、乗ったのは東京・八丁堀駅まで止まらない京葉線の通勤快速だった。
 県境の舞浜駅(千葉県浦安市)付近で間違いに気付き、うろたえた女子生徒の様子を見た周囲の乗客が、満員の乗客をかき分けながら女子生徒を車掌室まで連れていき相談。
 車掌は同支社に連絡し、車内放送で断ったうえ、午前8時10分ごろ、東京都江東区の新木場駅で停車。乗客の混乱を避けるため、ドアを開けずに女子生徒を車掌室からホームに下ろした。
 女子生徒は武蔵野線と総武線を使って西千葉駅に急ぎ、試験開始時刻の午前9時すぎには会場に到着。同日夕、女子生徒の親から新木場駅にお礼の電話があったという。(京都新聞 夕刊)
■架線に氷、JR35本運休 宝塚線など 大学入試にも影響
 5日午前5時ごろ、兵庫県篠山、三田両市のJR宝塚線篠山口−広野間(約19`)で、架線に薄い氷が付着し、電車のパンタグラフから火花が散った。JR西日本は午前7時半ごろまで、時速30`程度に減速させて同区間を走行させたが、宝塚線や東西線、学研都市線などで計35本が運休、75本が110〜5分遅れ、約6万6000人に影響した。
 JR西日本によると、雨の水滴が架線を包み込んで凍る「雨氷現象」が発生したらしい。宝塚線沿線では早朝に小雨が降り、三田市の午前7時の気温は零下0.6度だった。雨氷は硬いため、無理に走ると火花で架線が壊れる恐れがあるという。
 架線の凍結による運休や遅れは、大学の入試にも影響を与えた。経済学部の入試が予定されていた京都府京田辺市の同志社大学では、午前10時の開始時間を30分遅らせた。大阪府吹田市の関西大学では、間に合わなかった学生向けに、30分遅れと1時間遅れで試験を始める教室を準備して対応した。(朝日新聞 夕刊)
6日■京阪フィツシャーマンズ・ワーフ 鳥取市の八幡建設に譲渡 営業継続
 京阪電気鉄道は5日、瀬戸大橋が通る香川県坂出市の与島にあるレジャー施設「瀬戸大橋京阪フィッシャーマンズ・ワーフ」を総合建設業の八幡建設(鳥取市)に4月1日付で譲渡する、と発表した。譲渡後3年間は、八幡建設が引き継いで施設の営業を継続する予定。
 高松市内で記者会見した両社代表者などによると、今後3年間の営業継続は売買契約の基本合意事項に盛り込まれているという。売買契約は3月末までに締結し、従業員は八幡建設が引き続き雇用する方向で検討する。譲渡額については両社とも明らかにしなかった。
 八幡建設の山本悟会長は「以前から経営の多角化を目指しており、この施設はまだ年間80万人近くの来場者があるほか、瀬戸大橋というブランド力があるため、魅力を感じた」と話した。
 同フィツシャーマンズ・ワーフは、瀬戸大橋が開通した1988年開業。観光遊覧船やレストランなどを運営し、初年度は瀬戸大橋ブームなどで約103億円の売り上げがあった。しかし、その後の景気低迷や橋の利用者減少などで、入場者数が大幅に落ち込んでいた。
 八幡建設は建設業を中心に、不動産業やビジネスホテル経営などもしている。(京都新聞)
■「車いす介助 JRの義務」 損賠訴訟で地裁判決
 JR新宿駅で駅員の不適切な車いす操作のため恐怖にさらされたとして、大阪府大東市に住む脳性まひの男性(37)がJR東日本に110万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁の菅野博之裁判長は5日「必要な介助をすることはJRの義務」として16万円の支払いを命じた。男性の代理人弁護士は「業務に介助が含まれるとした判決は初めてでは。障害者へ配慮を求めた点で意義がある」と評価している。
 JR側は「介助は営業努力の一環でサービス」と主張したが、判決理由で菅野裁判長は「新宿のように車いす利用者対応の専門職を置いた駅では、必要な介助をすることは乗客への安全配慮義務の一つだ」と退けた。
 さらに職員に配布されているマニュアルにもブレーキの必要性が記されていることを挙げた上で「ブレーキをかけず男性から離れたため車いすが10a動き、男性は恐怖や不安を受けた」と述べた。
 判決によると、男性は2001年4月末、知人と会うために一人で上京。JR新宿駅で職員の手助けを受けホームから改札口に移動し、ブレーキをかけずに男性から離れた。(京都新聞)
■車いすブレーキかけず放置 JR東に賠償命令
 「ホームで介助にあたった駅員がブレーキをかけなかったため車いすが動き、極度の恐怖を味わった」として、脳性まひによる障害を持つ大阪府大東市の市民団体代表宮崎茂さん(37)がJR東日本を相手に慰謝料など110万円の支払いを求めた訴訟の判決が5日、東京地裁であった。菅野博之裁判良は「JR側は安全配慮義務を怠った」と述べて慰謝料など16万円の支払いを命じた。
 判決などによると、宮崎さんは01年4月、JR新宿駅のホームで、駅員はエスカレーターを操作するため、ブレーキをかけないまま宮崎さんの車いすを数分間離れた。宮崎さんは障害のため上体が常に揺れており、この際、ホーム上で車いすが数a〜10a動いた。
・JR東日本のコメント
 当社の主張が認められず残念だ。判決内容を見て検討したい。(朝日新聞)
■ホーム下に死亡男性 前夜、酔って転落衝突? JR堺市駅
 6日午前5時35分ごろ、大阪府堺市東雲西町1丁のJR阪和線堺市駅構内で、顔から血を流した男性が下りホーム下のすき間に倒れているのを乗客が見つけた。男性は病院に運はれたが、すでに死亡していた。このため列車2本が運休、7本が最大11分遅れ、約2300人に影響した。
 堺北署の調べでは、男性は堺市の会社員(29)。死亡推定時刻は6日午前0時前後で、失血死の可能性が高いという。飲酒した形跡があったことから酔ってホームから落ち、立ち上がろうとしたところを列車とぶつかったとみて調べている。
 JR西日本によると、会社員は下りホーム下の線路から約1.5b内側に入ったところにうつぶせで倒れており、下りホームからは見えにくかったという。堺市駅発の下り線は6日午前0時53分の電車が最後で、午前5時27分の始発まで電車の通過はなかった。
 同駅では6日は午前0時以降2人態勢で、最終電車の通過後に見回りをしたが、その際は男性に気づかなかったという。(朝日新聞 夕刊)
7日■駅で突き落とし 男性を死なせる JR品川、容疑で逮捕
 6日午後4時20分ごろ、東京都港区港南のJR品川駅構内で、住所不詳、無職小宮信夫さん(38)がホームレス風の男に突き落とされ、到着した山手線内回りの電車にひかれて死亡した。そばにいた会社員男性(47)が突き落とした男を捕まえて駅員に引き渡し、警視庁が殺人容疑で現行犯逮捕した。
 高輪署の調べでは、逮捕された男は自称30歳で、「ごみ箱の本集めで縄張りを荒らされ、頭に来た。2、3日前にも邪魔されたのでカッとなった」と話しているという。(朝日新聞)
8日■地下鉄東西線 六地蔵までもうすぐ! 工事進ちょく8割 京都市会委が視察
 京都市の地下鉄東西線の伏見区醍醐から宇治市六地蔵までの延伸工事で、駅やトンネルの建設が全体の8割まで進み、完成が近づいている。市議会交通水道委員会が7日、視察し工事の進行状況などを確認した。
 延伸区間は2.4`。「石田」「六地蔵」の2駅を設け、「六地蔵」駅はJR奈良線の駅と連絡する。建設費は712億円で2004年末の完成を予定している。
 1月末現在で工事の進ちょく率は83.8%。石田−六地蔵間のトンネルはすでに貫通、醍醐−石田間も今年6月には掘削を終える見込み。昨年1月に大量出水があった石田駅工区ではプラットホームの建設が進んでいる。土木工事は03年度内に完了する予定で、いまは「大詰めの段階」(市交通局)という。
 この日、委員らは石田駅とトンネルの一部を視察。工法や今後の見通しなどについて現場担当者から説明を聞いた。(京都新聞)
■降りて歩いて 97 JR高津駅(綾部市高津台) 八幡宮の社殿 壮麗に
 駅周辺には田畑が広がる。南の府道福知山綾部線を渡り、集落に入ると小さなお堂が見える。高さ約1bの石の地蔵尊が、住民の無事安泰を見守っている。
 荒倉川沿いを南に行けば荒倉神社に着く。境内に、綾部自然の会が選定した「古木名木百選」のケヤキがある。近くの農業粟野豊治さん(74)は「小学生の時は杖につかまって遊んだ。いわゆるターザンごっこですな」と思い出を語る。東隣の公会堂は終戦前後、京都市内の児童が疎開していた当時のままという。
 公会堂から東方面に、400段余りの石段がある。江戸時代の中後期、氏子らが災害に見舞われながら約30年をかけて築いた。上りきって右手に進むと、戦国時代の在地領主・大槻氏の居城と伝わる八幡山城跡(高津城跡)があり、土塁などが残る。石段左手の高津八幡宮と合わせ、府の「京都の自然200選」にも選ばれている。
 間宮は881(元慶5)年、山城の国・男山八幡宮から金色のハトが飛んできて止まり、奇瑞を表したといい、石清水八幡宮の別宮として創建されたとされる。現社殿は1852(嘉永5)年の完成で、歌人吉井勇は「美しき綾部の空を見つつ思う今もとべるや金色の鳩」と詠んだ。
 本殿妻飾りの三重虹梁は壮大で、拝殿は彫刻と一体化した虹梁、支輪天井の装飾が素晴らしく、府内有数の神社建築といわれる。同宮関連の文化財の多くが市資料館に収められている。
 筆頭総代の長澤典一さん(74)は「石段や八幡宮の建築物を創造した先人は立派。今のまちづくり、人づくりに通じる」と話す。(京都新聞)
■バス運賃取りすぎた
 JR四国は7日、西日本ジェイアールバスなどと共同運行している高松−大阪間の高速バス「高松エクスプレス大阪号」で、往復乗車券64枚分について計約4万3000円の運賃を取りすぎた、と発表した。差額は高松・大阪両駅の切符売り場で払い戻す。(朝日新聞)
■梅田北コンペに966点
 JR大阪駅北側に広がる梅田貨物駅敷地(梅田北ヤード)24fについて開発構想を募る国際コンペに、国内外から966点の作品応募があった。大阪市や都市基盤整備公団などでつくるコンペ実行委員会が発表した。海外の52ヵ国・地域からの応募が363点で、全体の4割近くを占めた。(朝日新聞)
9日■死亡2事故 影響2万人 大阪の南海電鉄
 8日午後7時半ごろ、大阪府貝塚市小瀬の南海本線下り線で、難波発和歌山市行き急行(6両)の運転士が線路に横たわっている人影を発見、ブレーキをかけたが間に合わず接触した。人影は男性で、即死した。貝塚署は自殺とみて男性の身元を調べている。
 また、8日午後10時40分ごろ、泉大津市東雲町の南海本線松ノ浜2号踏切(遮断機、警報機付き)内で、乗用車が難波発樽井行き普通電車(4両編成)と衝突した。乗用車の後部座席に乗っていた男性が頭の骨を折ってまもなく死亡。運転席と助手席の女性2人が足などに軽いけがをして病院に運ばれた。南海電鉄によると、乗用車は事故のはずみで踏切脇に立つ遮断機まで押し戻されてドアが開かなくなるなどしたため、泉大津市消防本部が救出活動をした。
 南海本線は貝塚市の事故でダイヤが乱れていたところ、泉大津の事故で全線で運休した。南海電鉄によると、約2万1000人に影響が出たという。(朝日新聞)
10日■男性はねられ死亡 東山のJR東海道線
 10日午前10時40分ごろ、京都市東山区のJR東海道線京都−山科間で、線路内に男性が入り込み、大阪発金沢行き特急雷鳥13号にはねられ、男性は死亡した。
 松原署の調べでは、男性は50歳前後で身元確認を急いでいる。
 同特急は現場で約1時間停車。東海道線上り線京都−米原間と湖西線で1時間余にわたって運転を見合わせ、計39本が運休した。(京都新聞 夕刊)
■新幹線ボルト抜ける
 9日午前3時5分ごろ、大阪府摂津市の東海道新幹線大阪第一車両所で、車輪のボルトが1本抜け落ちているのを、検査中のJR東海の社員が見つけた。
 なくなっていたのは、主に「のぞみ」に使われる最新車両700系の7号車の車輪に、ブレーキディスクを固定する12本のボルトのうちの1本。JR東海によると、1本がなくなっても安全に支障はないという。同様の事故が相次いでいるため、JR東海・西日本は改良型ボルトへの取り換えを進めているが、この車両はまだその作業を終えていなかった。(朝日新聞 夕刊)
■電車にはねられ線路の男性死亡 JR京都−山科間
 10日午前10時40分ごろ、京都市東山区のJR琵琶湖線京都−山科間で、線路内にいた男性が、大阪発金沢行き特急雷鳥13号(9両編成、乗客約300人)にはねられた。男性は頭を強く打って死亡した。琵琶湖線は京都−米原間の上り線が一時不通となり、京都・湖西線へ直通する電車のダイヤも乱れた。
 JR西日本によると、現場は京都駅の約1`東で、東山トンネルの約500b手前。周囲に踏切などはないという。(朝日新聞 夕刊)
11日■線路に買い物カート置く 容疑の高校生逮捕 大津の京阪石坂線
 10日午前5時20分ごろ、大津市松原町の京阪電鉄石坂線で、石山寺行き始発電車(2両)が線路上に置かれた買い物カートと三角コーンをはね、緊急停車した。電車に乗客はなく、4分遅れで発車した。大津署員が近くにいた大津市内の男子高校生(17)から事情を聴いたところ、「自分がやった」と認めたため、列車往来危険の疑いで逮捕した。
 調べでは、少年は電車が通る10分前に、近くのスーパーのものとみられる買い物カート(高さ1b、長さ70a、幅40a)1台と、赤い三角コーン(高さ70a)3個を線路上に置き、列車の通行に危険を生じさせた疑い。調べに対し、少年は「むしやくしゃしてやった」と供述している、という。京阪電鉄大津運輸部によると、石坂線では昨年4月から三角コーンや自転車が線路上に置かれる事件が計8件発生している。(京都新聞)
■女性はねられ死亡 乗客8万7000人影響 JR山科駅
 10日午後5時10分ごろ、京都市山科区のJR山科駅構内のホームから女性が線路に飛び降りた。女性は長浜行き新快速電車にはねられ死亡した。山科署によると、女性は身長156a、40−70歳代、白髪混じりでパーマをかけており、身元を調べている。
 事故のため、東海道線や湖西線などで32本が運休、計131本が遅れ、新宮発の特急「オーシャンアロー20号」が京都駅に入れず、81分遅れたのを最高に乗客計約8万7000人に影響があった。関西空港行き特急「はるか」も京都−新大阪間で一部運休した。(京都新聞)
■JR京都駅前を花植えて飾ろう ボランティア募る
 下京町衆フォーラム(事務局・下京区役所)は、3月中旬から下旬にかけて、JR京都駅前に花を植えたプランターを飾る美化活動に協力するボランティアを募集している。
 3月8、9日午後に梅小路公園でプランターへの植え込みをするボランティアと、3月18、20、24日の午前中に京都駅前で水やりをするボランティアで、募集人員は各15人から20人。
 応募は21日までに、はがきで〒600-8588 下京区役所企画総務課内「花いっぱい・まちの美化ボランティア」係TEL(371)7101。申し込み多数の場合は抽選。(京都新聞)
■トロッコ沿線に彩り 保津川河川敷 市民ら桜、モミジ植樹
 名勝・保津峡渓谷を走る嵯峨野トロッコ列車の線路沿いに、市民が桜やモミジを植える「トロッコ沿線植樹会」が9日、京都市右京区の保津川河川敷で行われた。参加した夫婦や親子連れが、一本の木にさまざまな思いを込めて植樹した。
 植樹会は、嵯峨野観光鉄道(右京区)が3年前から開いている。これまでに、嵯峨−亀岡駅間に約250本が市民の手で植えられ、春や秋になると沿線に彩りを添えている。
 今年は、京都府内を中心に滋賀、大阪などから約50人が集まった。天婦や親子でスコップを手にして、土を入れたり、準え木を立てたりして用意された桜やモミジ計42本を植えた。
 長年、夫婦で桜を植える場所を探していたという長岡京市の柏村光男さん(76)、志満子さん(71)夫妻は、「念願がかなってうれしい。春になったら必ず見に来ます」と笑顔で話していた。(京都新聞)
■山科駅で事故 JR各線混乱 夕方、8万人に影響
 10日午後5時5分ごろ、京都市山科区安朱北屋敷町のJR琵琶湖線山科駅で、線路内にいた女性が、同駅に停車しようとした姫路発長浜行き新快速電車(8両編成、乗客約400人)にはねられ、即死した。琵琶湖線は同6時40分に運転を再開したが、京都、神戸、湖西各線の計32本が運休、計131本が81〜3分遅れ、約8万7000人に影響した。山科署によると、女性は新快速が到着する直前、ホームの端から線路に下りたという。(朝日新聞)
■スルッとエリア拡大
 関西の私鉄・バスでつくる「スルッとKANSAI協議会」は10日、京阪シティバス(本社・京都市)、比叡山坂本ケーブル(同・大津市)、山陽電鉄バス(同・神戸市)、大阪府高槻市営バスの4交通機関で、共通乗車カード「スルッとKANSAI」が今春から使えるようになる、と発表した。利用範囲は計40交通機関に広がる。(朝日新聞)
12日■安全?駅員リストラ快速 JR西、16年で3分の2 私鉄は分社化 鉄道各社 人件費抑制で加速
 駅員のリストラが進んでいる。JR西日本では16年前の会社発足時の3分の2に減り、正社員がいる駅は全体の4分の1になった。私鉄でも駅の仕事をすべて子会社に委ねる分社化が進む。人件費を抑えるのが最大の目的で、安全面を軽視しているのではないかと懸念する声もある。
 琵琶湖の北西部と京都を結ぶJR湖西線は約74`。両端を除いて全部で19駅あるが、駅長は堅田駅(大津市)の森原俊二駅長(38)しかいない。残る18駅には駅長がおらず、森原さんが18駅の駅長を兼務したような形になっている。
 森原さんは各駅を毎日巡回し、設備に不具合がないか確認する。
 この19駅のうち、JR西日本の正社員がいる駅は堅田、西大津、近江今津の3駅だけ。15駅の業務は関連会社に委託し、もう1駅は無人だ。駅員に余裕はなく、19駅で駅員がホームに立つことは、朝夕のラッシュ時も含めて全くない。
 87年のJR西日本発足時にいた駅員は約1万2000人。それが今は約8000人に減った。全約1200駅のうち、正社員がいる駅は87年の508 駅から345駅に。自前の駅長がいる駅となると58しかない。
 駅員が減った理由について同社は「券売機や改札機の導入で省力化できる」と説明する。今後もさらに減る見通しだ。
 阪急電鉄は4月から全84駅の業務をすべて子会社に委託し、約600人の駅員も全員出向させる。同社は「現在の人員態勢は維持する」としているが、退職者を再雇用するなど人件費の安い従業員を徐々に増やし、将来は本体からの出向を約400人に抑える考えだ。
 近畿日本鉄道も全347駅の業務を近く子会社に委託し、約2800人いる駅員も減らす方針を決めている。
 駅員の仕事はホームの安全管理だけではない。駅と駅の間で起きた事故の対応も重要な仕事だ。だが、駅員がいつもホームにいるJR西日本の駅は34まで減った。
 神戸線で昨年11月、負傷者の救助に駆けつけた消防の救急隊員が後続の電車にはねられて死傷した事故では、約200b離れた最寄りの加島駅に駅員が2人しかおらず、現場に行くことができなかった。
 国土交通省によると、鉄道事故は全体としては減少しているものの、駅などで起きる人身事故の件数は横ばいが続き、01年度は全国で315件起きた。JR西日本の管内では87〜91年度は年間平均66.6件だったのが、97〜01年度は同74.4件とやや増加ぎみだ。
 ある鉄道会社の幹部社員は「めったに起きない事故だけのために、駅員を多く配置しておくのは経営上難しい」とうち明け、JR西日本や私鉄各社は「ホームには安全監視用テレビや緊急通報ボタンを取り付けた。大事故の場合に非常呼び出しをかける連絡網も整えている」と口をそろえて安全性を強調している。
安全のため公的助成を 安部誠治・関西大教授(交通政策論)の話 安全確保の要員は収益につながらないので整理の対象にされやすいが、日本の都市部の駅の混雑は欧米とは比べものにならない。駅員をやみくもに減らすのは問題だ。とはいえ将来の乗客増が期待できない現状では、鉄道会社は合理化を進めざるをえない。安全を守るために、国や地域が鉄道会社に助成することを考えるべき時期が来ている。(朝日新聞)
■急患降ろさずバス運行 守口市内 77歳女性死亡
 大阪府守口市内を走っていた京阪バス(本社・京都市南区)が今月7日、車内で乗客の女性(77)の容体が急変したことに気づきながら、約2`離れた終点の守口市駅まで約十数分間、通常の運行を続けていたことが分かった。女性は終点から救急搬送されたが、すでに心肺停止状態で、同日に亡くなった。
 バスは寝屋川市駅発守口市駅行き。運行は、京阪バスが子会社の京阪シティバス(本社・京都市伏見区)に委託している。
 京阪バスなどによると、運転手は守口市内を走っていた午前6時半すぎ、乗客がざわついたため、女性の異変に気付き、最寄りの八雲バス停(同市八雲中町2丁目)でいったんバスを停止させた。女性は前から5列目の座席に座ったまま窓側にもたれかかり、ぐったりとした様子で、運転手の呼びかけに口を少しだけ動かしたという。当時、乗客7、8人がいたが、バスが停車している間に女性のほか男性客1人を残して、全員が降車した。
 運転手は同37分ごろ、無線で寝屋川宮業所の助役に119番通報を要請した。ところが、助役は他の路線バスの出庫業務などに追われ、実際に守口市門真市消防組合に救急出動を要請したのは同46分だった。
 一方、運転手は女性が口を動かしたため、バスが終点まで走っても女性の健康に問題ないと判断し、助役と相談の上、女性を乗せたまま運行を続けた。バスは同47分ごろに終点に到着。途中、バス停三つを通過したが乗客の乗り降りはなかった。守口消防署の前もそのまま通り過ぎた。
 救急隊は同49分、終点の駅ロータリーに停車中のバスの中から女性を収容した。女性はすでに心肺停止状態で、同日午後2時半に意識不明のまま亡くなった。
 女性の家族によると、女性は10年ほど前に心筋梗塞を患い、通院治療を続けていた。
京阪バス運輸部 「判断甘かった」
 京阪バス運輸部は「関係者の状況判断が甘かった。臨時の営業所長会を11日に開き、車内で急病人が出た場合には、安全な場所にバスを止め、救助を最優先することを徹底した」と話している。(朝日新聞 夕刊)
13日■守口の京阪バス 急病人乗せ終点まで運行 マニュアルと違う対応 77歳女性死亡
 大阪府守口市内を走行中の京阪バス(京都市)の車内で今月7日、乗客の女性(77)が急病になったのに運転手が終点まで約十数分間、通常運行し、その後救急車で病院に運ばれたが死亡していたことが12日、分かった。
 京阪バスなどによると、女性は7日午前6時半すぎ、大阪府寝屋川市駅発守口市駅行きのバスの車内で気分が悪くなった。座席でグッタリしている女性に気付いた運転手は、最寄りの停留所に停車し、無線で同社寝屋川営業所の助役に連絡、119番を要請した。
 しかし、朝のラッシュ時で多忙だった助役は運転手から状況を聞き、女性を乗せたまま終点のバスターミナルまで運転するよう指示。運転手は助役の通報で駆けつけた守口消防署の救急隊に女性を引き渡した。
 守口市門真市消防組合によると、女性は救急車に収容された時点で心肺停止状態で、同日午後2時半ごろ、搬送先の病院で死亡した。所持品から心臓病の既往症が記載された病院カードが見つかったという。
 京阪バスには、急病人が出た場合はバス運行より病人対応を優先するマニュアルがあり、同社運輸部は「今後は救助優先を徹底させたい」と話している。
 バスの運行は、京阪バスが子会社の京阪シティバスに委託している。(京都新聞)
■レトロバスで観光
 松江市はこのほど、路面電車を思わせるレトロ調デザインの車で市内の観光名所を循環する「レイクラインバス」の貸し切リサービスを始めた。
 観光客の少ない冬場に余るバスの活用が狙いで5時間2万9800円。「小学校の体験学習や、団体の名所巡りに利用してもらいたい」という。3月20日まで。問い合わせは市交通局、TEL0852(60)1113。(京都新聞)
■窓 敬老乗車証を明日の活力に 下京区・伊藤俊春(自営業・70)
 先日、敬老乗車証をいただいた。手続きをするのに、ちょっぴり気が引けたが、これも「これからも元気に生きろ」との励ましと思い、ありがたくちょうだいした。
 それにしても、古希という年齢は「古来まれな長寿」ということだそうだが、何とも実感がない。私が鈍感なのだろうが…。また社会全体が、長寿になったことがよりそう思わせるのだろうが、振り返ってみれば、やはり、70年という歳月にはいろいろな体験があり、思い出が時折よみがえってくるから、年齢というものは不思議なものだ。
 人それぞれに生き方が違うから、70歳の受け止め方もまた、さまざまだとは思うが、まずはこの年齢まで生きてこられたことを喜び、生かされてきた幸せをかみしめたいと、私は思う。
 そして古希は古希の人なりに、なお明日に向かって、何らかの望みを抱き、元気で暮らすことが、せっかくの敬老乗車証に対する、せめてもの恩返しになろうかと思う。
 京都市当局などのご配慮に、心からお礼を申し上げ、乗車証を有意義に使い、明日への活力を養いたい。(京都新聞)
■ふるさと昭和史ビデオ 男山ケーブルの復活(八幡市) 昭和30(1955)年12月3日 石清水八幡宮参詣の足
 テープカットと同時に、濃淡のグリーン2色に塗り分けられた真新しい車両が運行を開始した。先頭に乗り込んだ石清水八幡宮の田中文清権宮司が、山上の新駅舎に到着するまで、その進路をはらい清めた。
 1955年12月3日、京阪本線「八幡市駅」と八幡宮がある男山山上を結ぶ男山ケーブルが復活を遂げた。山上の新駅舎に設けた祭場では、開通式が盛大に行われ、京阪電鉄の村岡四郎社長ら工事関係者が多数参列した。新車両は、定員136人で、当時のケーブルカーとしては国内最大級を誇った。深さ43bの渓谷に長さ111bの鉄橋を掛け、山上までの400bを所要時間4分で結んだ。
 男山ケーブルは26年、男山索道(後の男山鉄道)によって開通した。以来、京都や大阪をなど近畿圏から訪れる八幡宮への参拝客の「足」として重要な役割を担い続けた。
 しかし、太平洋戦争中、戦時体制下で京都市内の叡山ロープウェイや愛宕山のケーブルと同様、車両は「不用不急」を理由に、軍需資材に供出されてしまう。鉄道会社も営業廃止に追い込まれ、解散した。同市八幡の無職上田貞三さん(85)は「戦争から帰ってきたら、ケーブルがなくなっていて寂しい思いをした」と当時を思い出す。
 八幡宮の参道は狭く、初詣などの参詣期には混雑をきわめた。事故の発生も懸念され、ケーブル復活を期待する声は大きかった。そんな中、京阪電鉄がケーブル再興に動いた。地上側の八幡市駅前に観光バス駐車場を設けるため、民家を移転させる必要があり、折衝と補償問題に直面したとの記録が残る。それでも、着工から半年足らずの異例の早さで完成にこぎつけた。繁忙期と閑散期の両方に対応するため、当時は珍しい二重速度制を採用した。
 2001年7月には、約半世紀ぶりに車両を新造するなど大規模なリニューアルを行った。現在の年間利用者は約32万人。ケーブルは今日も参拝客を山上に送り続ける。(京田辺支局 田中充)(京都新聞)
■地下鉄避け買いだめ CIA「今秋後半にテロ」警告 NY市民 厳戒にピリピリ
 【ニューヨーク12日共同】テロ組織アルカイダが今週後半にテロを起こす可能性があるとの米中央情報局(CIA)の警告を受け、2001年9月に米中枢同時テロの直撃を受けたニューヨークでは12日、地下鉄利用を避け、食料などを買いだめするビジネスマンらの姿が見られた。
 テロの標的は「自由の女神」像やケネディ国際空港などだが、ニューヨーク市警は、全米最大規模の地下鉄路線で生物・化学兵器が使用されることを最も警戒。警察官には駅構内や車内に放置された清涼飲料水のビンや缶なども調べるよう指示、厳重な警備態勢を敷いている。
 利用者は通常に比べて減少しており、ホテル従業員のキャリー・チェンさん(25)は「通勤に時間はかかるけど、地下鉄には乗りたくない」と話していた。
 街頭の警官は大幅増強され、不審物発見との情報で市内の橋が一時全面閉鎖されるなど異様な緊張感が漂っている。
 マンハッタンのスーパーマーケットによると、ここ数日間、水や食料、懐中電灯などのほか、窓を目張りするためか、粘着テープを買い求める客が急増しているという。
 一方、首都ワシントン周辺では航空機などを使ったテロ攻撃に備え、地対空ミサイルのスティンガーが配備され、F16戦闘機による首都とニューヨーク上空での監視飛行が強化された。
 スティンガーは同時テロの標的の一つとなった国防総省などに配備されたが、詳しい数や配備先は公表されていない。(京都新聞 夕刊)
14日■特別電車乗って公共交通語ろう 22日 京阪石坂線で市民団体
 大津市の京阪石坂線(石山寺−坂本、14.1`)を生かした町づくりを進める市民グループ「勝手に京阪いっさか線学会」が、22日に石坂線に特別電車を走らせ、車内で公共交通について考える「でんしゃで会議」を開く。
 県が21、22日に市内で行う交通社会実験の関連イベント。当日は午前11時に近江神宮前駅を2両編成で出発する。坂本駅で折り返し、石山寺駅から浜大津駅へ向かう25.8`のコースを走る。その間、グループの座長・山崎一眞滋賀大教授が「鎌倉の交通政策と江ノ電」と題して講演する。さらに会員の俳優橋本一司さん(46)大津市鳥居川町=が作詞作曲した「いっさか線ブルース」を披露する。車内にはテーブルが置かれ、石坂線の歴史の分かる写真も飾られて、くつろいだ雰囲気が醸される。
 京阪石坂線は今年の秋にワンマン化され、2004年には分社化も予定されている。市民グループの安楽好正事務局長(55)は「このイベントを機会に石坂線を利用してほしい」と話している。
 当日乗車(無料)する80人を募集している。申し込みは20日までに安楽事務局長TEL077(525)4290。(京都新聞)
■世界で進むLRTの導入 京での実現目指す動きも 「環境に優しいと脚光」 財源、民意…課題多く
 環境にやさしい移動手段として電車やバスなど公共交通が見直されている。なかでも路面電車は、自動車交通を防げるとして全国で廃止が相次いだが、世界各都市で次世代型路面電車(LRT=ライト・レール・トランジット)の導入が急速に進み、あらためて脚光を浴びている。京都でもLRT 導入が論議されるが、財源確保や市民の合意づくりなど課題も多い。(社会報道部 山内康敬)
 日本初の路面電車は1895(明治28)年、琵琶湖疏水による発電を利用し、京都で走り始めた。戦前のピーク時には全国65都市で、路線延長1400`にわたって走っていた。
 しかし、マイカーが普及し、渋滞が激化した1970年代に次々と廃止される。全国路面軌道連絡協議会のまとめでは、現在は18の企業・自治体で、総延長距離も約240`にすぎな都市圏で最適 路面電車の進化型ともいえるLRTが注目を集める理由のひとつは、エネルギー効率の良さだ。輸送量当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は、鉄道を100とした場合、LRTは150。バス(200)やマイカー(760)と比べて効率がよく、地球温暖化防止に貢献できる。また、日本開発銀行の試算によると、1`当たりの建設費が地下鉄の250億円、モノレールの100億円に比べ、10−20億円と安い。輸送可能人数も、バスの1時間3000人に対し1万5000人と大きく、都市圏での大量輸送に適している。
 さらに▽都市の空気を汚さない▽地下鉄より駅間が短く、階段の上り下りがない▽低床型なら乗降しやすく、高齢者にやさしい−も利点だ。
・日本で壁高く
 一方で、LRT導入への課題も少なくない。ひとつは不況で自治体財政が危機にあるなかでの財源確保だ。東京大の太田勝俊教授(都市交通)は「日本の路面電車は百年前の技術を使っており、LRTに進化させるには投資がいる。公共交通の独立採算制を見直し、電気やガスと同様の生活インフラとして、欧州のように一般財源投入を検討すべき」と主張する。
 富山県高岡市で昨年4月、私鉄から路線を引き継いだ第三セクター万葉線は、地元住民から1億5000万円の募金を集め、運営の基礎に充てた。継承の中心を担った市民団体RACDA 高岡の島正範代表は「官民を挙げ、みんなで守る意識を持てた。路線を引き継いだあと、利用者は増えた」と市民主体の資金づくりの可能性を語る。
 自動車との「すみ分け」も課題だ。低床型車両を全国に先駆けて導入した熊本市の市原敏郎交通事業管理者は「信号のない専用軌道を走る欧州のLRTに比べ、日本の路面電車は狭い道を車に遠慮して走る。マイカーの通行量を大幅に減らし、車道内にLRT 専用軌道を確保するような市民合意を形成できるかどうかがカギ」と指摘する。
 京都でも、京都商工会議所が一昨年秋にLRT導入を府、市に提言したのをはじめ、市民団体が導入の糸口を採る研究会などを続けている。
 交通システムに詳しい北村隆一京都大教授(交通計画)は「LRTは、環境と高齢者福祉、観光、商業を両立させる可能性がある。『京都の都市交通はこのままではいけない』と多くの市民が感じている。今こそ一歩を踏み出すとき」と提言している。(京都新聞)
■踏切の障害検知器 いたずら列車遅れ 近江八幡のJR線
 14日午前3時45分ごろ、近江八幡市中小森町のJR東海道線の踏切で、異常信号により停車した下り貨物列車の運転士が、踏切の障害物検知装置の発光器にわらが詰められているのを見つけた。また、午前6時半ごろ、上り回送電車が同じ踏切で停車し、発光器の発光部に青色ペンキが塗られていることが分かった。
 このため、上り特急列車など上下計5本が17分−4分遅れ、約3000人に影響が出た。近江八幡署は、偽計業務防害などの疑いで捜査している。(京都新聞 夕刊)
15日■「歩くまち京」へ マイカー抑制計画 市が素案、意見募集 伏見で平&Rも
 京都市は14日、「歩くまち・京都」交通まちづくりプラン(TDM=交通需要管理=施策総合計画)の素案をまとめた。マイカーの利用を抑え、公共交通を優先して人や環境に優しい魅力的なまちを目指す。具体策として、新たに伏見区などで平日のパークアンドライド(車から鉄道などへの乗り換え)の検討を打ち出したほか、「ノーカーデー」の実施、LRT次世代型路面電車の検討などを盛り込んでいる。市は素案への意見を募っている。
 「歩くまち・京都」の実現は2001年に策定された京都市基本計画で新たに掲げた市政の方針。
 この実現に向けて、庁内で具体策を検討してきた。並行して、右京区の嵐山では01年と02年の秋に、観光客を対象としたパークアンドライドなど大規模な交通実験を行い、効果を検証した。
 素案では、当面5年間に取り組む施策として▽伏見区の京阪淀駅と、山科区・醍醐地区の地下鉄駅を対象に、平日のパークアンドライド実施を検討▽1台の自転車を複数の人が利用する都市型レンタサイクルの導入促進▽ノーマイカーデーの設定や時差出勤の普及に向けての取り組み推進▽東山地区、京都駅周辺などで具体的なTDM施策の検討−などを示している。
 このほか、マイカーの乗り入れを規制するトランジットモールの導入や運賃制度の改善、自転車走行道の整備なども課題として挙げた。
 素案にもある秋の嵐山のパークアンドライドは、今後も継続して実施することが決まっている。LRTについては昨年から事例調査などが行われており、新年度は市内で導入した場合の需要や採算を検討する。
 素案をまとめたパンフレット(はがき付き)は17日から市役所や区役所、市内鉄道駅などで配布する。意見は3月17日まで郵送やメールなどで受け付ける。詳しくは市交通政策課TEL075(222)3483へ。(京都新聞)
■阪急バス 学期定期値下げ 4月から14.5% スクールバス新設
 阪急バス(大阪府豊中市)は、4月1日から通学定期券制度の一部見直しと値下げを実施する。各学期中使用できる学期定期券に上限運賃以内なら全路線自由に乗り降りできるスクールパス(SP)を新設し、平均14.5%値下げする。
 値下げは、従来150−900円まで10円刻みだった学期定期券を150円区間、160円区間、阪急スクールパス200、同300、同500、同フリーの6種類に集約。各SP定期券は、上限運賃までなら全路線で乗車できるようにする。
 SP新設で値下げ幅は最大38.7%になる。また 年間使える学年定期券も新発売する。
 通学定期券(1、3、6ヵ月)は値下げしないが、学期定期券と同様に乗り越し運賃を一律150円(子ども80円)とする。発売は3月下旬から。問い合わせは阪急バスTEL06(6866)3172へ。(京都新聞)
■京−若狭路利便に JR小浜線来月15日電化開業
 JR小浜線(東舞鶴−敦賀間)は3月15日に電化開業、舞鶴線(綾部−東舞鶴間)との相互乗り入れが可能になり、京都から舞鶴・若狭路方面へのアクセスの利便性が向上する。JR西日本は、春休み期間を中心に京都発東舞鶴行き特急「まいづる号」を小浜まで延長運転し、小浜線沿線に広がる観光地の集客力を高める。
 JR西日本福知山支社によると、電化工事は地元要望を受け、2000年7月に着工。電化によって東舞鶴−小浜間の平均所要時間は44分となり、現在より3分短縮される。福知山や綾部、西舞鶴などの主要駅から小浜線に乗り換えなしで運行する新型車両の普通電車を7本新設する。
 延長運転する特急は、午前8時58分京都発、同11時8分小浜着で、小浜で折り返す。運転日は3月15日の開業初日のほか、3月下旬や4月上旬、5月初旬の計11日としている。(京都新聞)
■降りて歩いて 98 近鉄東寺駅(京都市南区西九条) 「弘法さん」あふれる人
 平安京の造営に際し、国家鎮護のために建てられ、後に真言密教の道場となった東寺の玄関口、近鉄東寺駅。九条通に沿って家や商店が立ち並び、頻繁に車が行き交う。
 今でこそ辺りはにぎやかだが、昔は農地が広がる、のどかな地域だった。「くわいや九条ねぎの産地で、東寺通の近くには堀川が流れていた。大正時代の末から工場や家が増え始め、すっかり変わってしまった」と前九条学区自治連合会長の原田禎三さん(80)。「東寺の池にもハスがいっぱいあって、境内に自由に入っては暴れ回っていた」と懐かしそうに話す。
 普段は通勤客が中心に利用する駅も、毎月21日の「弘法市」には大勢の人でにぎわう。市の境内は、前に進めないほどの人、人、人。干しカキやキムチ、骨とう品、植木など約1000店が並び、東大阪市の理容師、高知美代子さん(57)は「古着物を買いに来ました」と両手一杯に荷物を抱え満足そうだった。
 東寺を出て北に歩くと、六孫王神社に着く。季節によってサクラやツツジが美しいところで、唐門横には「願いを一つだけ早く届けてくれる馬」の木像がたたずむ。
 昔ながらの商店街を通り、南に向かうと矢取地蔵へ。この地蔵は黒衣の僧に姿を変え、空海を狙った失を身代わりに受けた、との伝説が残り、背中には受けた失の傷跡が残るという。地蔵は地域の人の手で大切に守られており、「長いこと毎日お参りしている人も多いです」と矢取地蔵保存会の田中八重子さん(57)。
 すぐ北側には平安京の正面玄関となった羅城門の跡地もあるが、現在は石脾がひっそりと建つのみ。静かにたたずむ遺構を前に平安の都に思いをはせた。(京都新聞)
■車体下33a 男性セーフ 阪急・東向日駅
 14日午後6時5分ごろ、京都府向日市寺戸町小佃の阪急東向日駅のホームで、河原町発梅田行き快速特急(8両編成)が通過する直前、兵庫県西宮市の自宮業の男性(49)が線路に飛び込んだ。男性はレールの間にうつぶせに倒れ込み、その上を電車が通過。約300b進んで止まった。男性は車両と地面との間で助かり、けがはなかった。この事故の影響で計99本が最大13分遅れ、約3万3000人に影響した。
 車両のいちばん低い部分は地面から約33aで、通過速度は時速100`近かったといい、阪急電鉄は「奇跡的だ」と言っている。(朝日新聞)
■バイトに塾 パス 阪急、4月から開始
 大阪、京都、兵庫3府県に路線を持つ阪急バス(本社・大阪府豊中市)は14日、学校への往復にしか使えなかった通学定期券を、4月から同社線ならどの区間でも乗れるようにする、と発表した。バス離れを食い止めるのがねらいで、全国でも例がない試みという。同社は「アルバイトや塾通いなどに活用してほしい」と呼びかけている。
 導入する定期券「阪急スクールパス」は片道200円以上の区間を通学で利用する幼稚園児以上が対象。期間は1〜3学期か1年間。
 通学区間の運賃別に、200円、300円、500円とフリーの4種類を設定。片道運賃が設定額以下なら同社路線網(約970`)のどの区間でも乗れる。乗り越した場合でも一律に150円を払えばよい。(朝日新聞)
■信号故障で停車 JR草津駅で新快速
 15日午前8時40分ごろ、草津市渋川一丁目のJR東海道線草津駅構内の下り線の信号が、赤のまま変わらず、長浜発姫路行き新快速電車が、約1時間20分、同駅に停車。乗客約600人が後続の電車に乗り換えた。
 信号は応急措置で復旧し、同電車は午前10時すぎに運転を再開した。後続の電車は別の線路を使ったため、影響はなかった。JR西日本では信号機の電圧が低下したといい、原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■KTRで車両故障 4本運休、250人影響
 15日午前7時ごろ、北近畿タンゴ鉄道(KTR)宮津線の舞鶴市上福井の四所駅手前で、網野行き普通列車が、エンジントラブルで動かなくなり停車した。約1時間後、救援列車によって乗客4人と同列車を西舞鶴駅に運び、まもなく運転を再開した。後続などの普通列車4本が運休、新大阪行き特急「タンゴエクスプローラー」など計5本が最大1時間遅れ、乗客ら約250人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
16日■線路に置き石 列車が急停車 福知山、JR山陰線
 15日午後2時20分ごろ、福知山市野笹、JR山陰線下夜久野−上川口間で、城崎発福知山行き普通電車が車輪に衝撃を受け、急停車した。運転士が調べたところ線路上や周囲約1bに砕けた石が散乱していた。車両に異常はなく、約3分後に運転を再開した。乗客約100人にけがはなかった。
 福知山署などが悪質ないたずらによる置き石とみて調べている。(京都新聞)
17日■鉄道と駅の将来像探る 国交省若手職員 あす懇談会
 2020−30年の電車や駅の将来像を探ろうと、国土交通省鉄道局の若手職員が20−30歳代の学者や鉄道業界関係者を集め「鉄道の未来を夢見る懇談会」を設置、18日に初会合を開く。毎月1回開催して7月ごろ、期待する鉄道の将来像を報告書にまとめる。
 1992年に当時の運輸省が同様の会議を設けてまとめた「2020年の旅」がたたき台となる。この中ではリニアモーターカーが東京−大阪のほか「空港アクセスなど中短距離にも活用される」など”ばら色”の予想図が描かれているが、公共事業が縮減される中でリニアの早期実用化は厳しいのが実情だ。
 一方で集積回路(IC)カードでの運賃支払いなど急速に普及している新技術もあることから、92年当時と現在の予想を比較し、期待される技術開発と活用方法を議論する。(京都新聞)
■JR西社長に垣内氏 4月昇格 井手会長は相談役
 JR西日本は16日、南谷昌二郎社長(61)が代表取純役会長になり、短内剛副社長(58)が社長に昇格する人事を内定した。井手正敬会長(67)は取締役相談役に退く(4月1日付。会長、社長とも在籍6年になるのを機に若返りを図る。17日午前に開く取締役会で正式に決める。
 南谷社長は97年4月に就任。前任社長の井手氏が96年10月に株式上場を果たし、国鉄分割民営化10年を迎えた時点でバトンタッチ。景気低迷などの影響で鉄道収入が低落傾向になる中、ホテル、百貨店、コンビニ経営や駅舎への積極的なテナント誘致を進め、非鉄道部門の収益を増やした。「私鉄王国」と言われてきた関西でJRの存在感を高め、関西財界でも発言力を強めている。
 次期社長の垣内氏は、井手、南谷両氏と同じ国鉄出身。JR本州3社の中で最も若い社長になる。国鉄民営化直前は総裁室調査役・広報部次長。松田昌士・JR東日本会長、葛西敬之・JR東海社長とともに「改革3人組」と呼ばれた井手氏の部下だった。JR西に移った後は財務、人事、経営企画、東京本部の責任者を務めた。
 井手氏は相談役に退くが、取締役として影響力を残す。
 社長人事に伴い、坂田正行取締役(53)が代表取締役専務に昇格する。
 垣内 剛氏(かきうち・たけし)東大法卒、69年国鉄に入り四国総局総務部長、総裁室調査役を歴任。87年JR西日本に移り常務を経て01年6月から現職。(朝日新聞)
■JR西社長交代 積極路線を継続 新体制は堅実志向 発言・行動力が課題
 《解説》JR西日本社長が南谷昌二郎氏から垣内剛氏に交代する。02年3月期連結決算で3期連続の増益を果たした後の「順当な人事」といえる。南谷氏は国鉄民営化で井手正敬会長とともにJR西の経宮陣に入り、強い個性で引っ張る井手氏を支え、積極路線を進めた。関西財界での存在感を高めたこの路線を、次期社長の垣内氏も当面引き継ぐと見られる。
 首脳人事で注目されてきたのは、井手氏の去就だった。南谷氏を副会長にし、会長にとどまる案も最近まで検討されたが、「社長、会長は6年が限度」との原則論を井手氏が口にした経緯もある。結果は代表権のない相談役だった。
 井手氏が築いたJRの財産は、改革色の強いイメージ。95年の阪神大震災後、他の私鉄を寄せ付けない早さで復旧を実現。高速化や通勤定期の値下げ、新型列車投入で、乗客を奪い、一人勝ちの構造をつくり上げた。それが関西経済に良い意味の刺激を与えた。
 井手氏は現在、関西経済連合会の副会長を務めるが、相談役就任に伴い、関経連副会長も辞めると見られる。沈滞ムードから脱しきれない関西財界には、井手氏の「発言力と実行力」をなお期待する声もある。
 南谷会長、垣内社長の新体制は堅実さの印象が強い。関西財界から期待されているのは、関西の再活性化に向けた発言や行動力。それにこたえられるのかどうかが課題だ。(奥寺淳)(朝日新聞)
■運転士、意識失う JR山陽線 坂で止まる
 16日午前8時25分ごろ、広島市安芸区のJR山陽線の八本松駅−瀬野駅間で、福岡貨物ターミナル発札幌貨物ターミナル行き貨物列車(22両編成)が坂の途中で進まなくなった。先頭の機関車の運転士(55)がブレーキをかけて列車を止め、最後尾の補助機関車の運転士(26)の様子を見に行ったところ、意識をなくしていた。まもなく補助機関車の運転士の意識が戻り、列車は25分遅れで運行を再開した。
 JR貨物関西支社によると、列車が止まる前から加速が鈍くなっていたといい、この運転士は停止後を含め約20分間意識を失っていたとみられる。運転士は運転席に腰掛けた状態で意識を失っていた。同支社は「体調不良のため」と説明しているが、居眠りの可能性も否定できないという。(朝日新聞)
■JR西日本 社長に垣内氏
 JR西日本(本社・大阪市)は17日、4月1日付で南谷昌二郎社長(61)が会長となり、垣内剛副社長(58)が社長に昇格する役員人事を発表した。井手正敬会長は取締役相談役に退く。25日に開く取締役会で決定する。
 南谷社長は1997年に社長に就任。同年秋に京都駅ビルの開業を果たすなど、駅の集客機能を強化し、百貨店やホテル経営にも力を入れた。垣内副社長は、旧国鉄時代から井手会長のもとで、分割民営化に取り組み、JR西日本に移った後は財務や人事、経営企画などの責任者として、分割民営化後の調整や阪神大震災の復旧に当たった。
 会見した南谷社長は、「これまでの社長が5年で交代しており、6年で交代する予定だった。垣内副社長は真しに物事に取り組む姿勢を高く評価でき、今後の当社を担うのに申しぶんない」と述べた。
 垣内副社長は「世の中の景気状況は厳しく、足下を固めつつ、チャレンジすることが大切だ。井手会長、南谷社長の路線を継承発展しながら、スピードを持って世の中に変化に対応していきたい」と抱負を語り、鉄道事業を中心に駅サービスの向上やダイヤの見直し、大阪駅北ビルの再開発などに取り組んでいく方針を述べた。
 垣内 剛氏(かきうち・たけし)東京大法学部卒。1969年国鉄入社、総裁室調査役・広報部次長などを経て、87年JR西日本に移り、経営管理室長などを歴任。93年取締役財務部長、98年常務東京本部長、2001年6月から現職。大阪府出身。58歳。(京都新聞 夕刊)
■JR西 垣内社長を正式発表
 JR西日本は17日午前開いた幹部役員による総合人事委員会で、南谷昌二郎社長(61)が代表権のある会長に就き、垣内剛副社長(58)が社長に昇格する人事を決め、正式発表した。井手正敬会長(67)は取締役相談役に退く。25日に開く取締役会で決議する。4月1日付。
 委員会後に記者会見した南谷氏は「折に触れて井手氏に助言を頼むが、今後は南谷・垣内体制で会社運営に取り組みたい」とし、垣内氏は「これまでの路線を継承する。改札口のICカード化や大阪駅北側の再開発を早期に進めたい」と抱負を述べた。(朝日新聞 夕刊)
18日■京都市2003年度予算案詳報〈上〉(抜粋)
・公営4企業 累積赤字、計2665億円
 京都市は17日、市バス、地下鉄、上下水道の各公営企業の2003年度当初予算案を発表した。交通部門は利用客の減少、水道関連は不況などによる使用量の減少傾向が続き、いずれも経常赤字を計上している。累積赤字は4企業会計合わせて2665億円、企業債(借金)の残高は計1兆816億円に上ると見込まれる。
 【市バス】新たな経営再建計画により人件費を前年度比で約29億円削減するが、運賃、広告の減収で11億3900万円の経常赤字となる。累積赤字は177億7200万円、企業債残高は114億6600万円に達する。
 規制緩和対策としてカード乗車券によるバス、地下鉄乗り継ぎ割引、大学生の通学定期券の均一区間内全線適用を行う。
 【地下鉄】東西線延伸は醍醐−六地蔵間に108億5800万円、二条−天神川間に29億3200万円を工事費として盛り込んだ。障害者用の音声案内など駅のバリアフリー化も進める。
 横ばい傾向にあった利用客が減少する見通しで、201億6500万円の経常赤字を計上。累積赤字は2423億3300万円、企業債残高は3788億7300万円に膨らむ。(京都新聞)
■女性はねられ死亡 JR唐崎駅
 17日午後10時半ごろ、大津市唐崎二丁目、JR湖西線唐崎駅のホームから若い女性が降り、京都行き上り普通電車にはねられ死亡した。
 同電車は唐崎駅に停車、上下線がストップしたが、下りは約20分後、上りも約1時間半後、運転を再開した。大津署は身元確認を急ぐとともに原因を調べている。(京都新聞)
■「混雑ゾーン」入ったら税よ ロンドン
 【ロンドン=福田伸生】ロンドン市は17日、深刻な交通渋滞を緩和するため、中心部へ乗り入れる自動車から一律5ポンド(約960円)を徴収する制度を始めた。アジアではシンガポールが同様のシステムを採り入れているものの、欧米の大都市の中では先駆的な試みとなる。
 平日の午前7時から午後6時半の間、金融街シティーや議会のあるウエストミンスター地区を含む約21平方`の「混雑ゾーン」に進入する運転者に、渋滞税が課される。電話やインターネットを通して当日中に納めないと、80ポンドの反則金を請求される。
 渋滞税の導入により、市当局はゾーン内を通行する車の台数が10〜15%減る、と見込んでいる。(朝日新聞)
■声 女性専用車で慌てた思いが 主婦 作田美恵子(大阪府箕面市 60歳)
 生まれてすぐの初孫と対面した興奮のあとなのと昼食後の満腹感で帰りの電車に乗ると睡魔に襲われた。「もしもし」の声で目をさますと、車掌がロマンスシートの窓側に座っている夫に「この車両は女性専用です」と言った。いっぺんに眠気が吹っ飛び、慌てて隣の車両に移った。
 「お前まで動かんでもええのに」と夫が笑う。「けど、あの車掌さん、慌てる私を無視したわ。私を女性と見てなかったのよ」と答えた。私は以前から女性専用車には若さを問われているようで抵抗があった。
 専用車は私鉄やJRで、運行の路線や時間帯がばらばらなのは混乱を招く。夫の定年で老いに向かう下り階段を一段そっと下りたような気がしていた。待望の孫の誕生の舞いあがるほどの喜びと同時に今度の一件はどすんと階段を踏み外したような気分でもある。(朝日新聞)
■普通電車窓ガラス1枚ひび割れ発見 JR山陰線園部駅
 18日午前7時50分ごろ、京都府園部町小山東町のJR山陰線園部駅構内で、発車前だった京都行き普通電車(8両編成)の3両目の窓ガラス1枚がひび割れているのを、乗務員が発見した。
 けが人はなく、電車は割れた窓ガラスにテープを張り、近くの座席を使用停止にして出発した。この電車を含め9本のダイヤが2分から12分遅れ、約4600人の乗客に影響が出た。JR西日本で原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■地下鉄火災100人以上死傷 韓国・大邱 男が火炎瓶投げる 放火容疑身柄拘束 死者10人超か
 【ソウル18日共同】韓国南東部の大邱市で18日午前10時前、走行中の地下鉄車内で火災が発生、同市消防本部などによると、5人が死亡、100人以上が負傷して病院に運ばれた。警察当局は負傷して病院に搬送された40−50歳代の男の身柄を放火容疑で拘束した。
 地下鉄車内などに閉じ込められたままになっている乗客がおり、韓国メディアは死傷者はさらに増える見通しと伝えている。消防当局などが救出を急いでいるが、激しい煙のため作業は難航している。
 死者のうち一人は60歳代の女性で、ニュース専門のケーブルテレビYTNは負傷者が112人に上ったと報道。
 通信社の聯合ニュースなどによると、火災は同市中心部の中央路駅近くを走行中の地下鉄車内で発生。目撃者によると、ジャージー姿の男が車内で引火性の物質を入れたプラスチックの牛乳瓶に火を付けたという。
 消防本部が負傷者の救出作業を続ける一方、警察当局は身柄拘束した男から事情を聴くなど捜査に乗り出した。
 大邱は韓国第三の都市で、人口は約254万人。現場付近は商店などが密集する市街地で、地下鉄からの通風口からは黒煙が噴出、多数の救急車が出動し、市中心部はまひ状態となった。
 同市には地下鉄は1号線しかないが、2005年に2号線が開通予定になっている。(京都新聞 夕刊)
■韓国地下鉄火災 猛煙、車内パニック 逃げ惑う乗客ら
 【ソウル18日共同】逃げ惑う乗客が叫び、すすで真っ黒に汚れた顔の消防隊員が走り回る−。死傷者100人以上に上った韓国大郎市の地下鉄火災は18日、黒煙に包まれた現場で救出を求める声を目指して救助活動が行われている。だが次第に乗客らの叫び声も少なくなり、消防関係者も焦りの色を濃くしている。
 韓国のマスコミが目撃者の話として伝えたところでは、50歳代とみられる男が車内で突然、緑色のプラスチック牛乳瓶のようなものに入れていた引火性の夜体をまき、ライターで火を付けた。車内は一瞬のうちに煙が充満した。
 多くの乗客は逃げようとしたが列車のドアは閉まっており、すぐには避難できず、立ち上る煙に息を詰まらせた。
 車内では放火した男を捕まえようとする乗客と男がもみ合いになる騒ぎもあったという。
 地上に出てきた消防隊員や負傷者も顔は煙で真っ黒だった。(京都新聞 夕刊)
■韓国・大邱地下鉄で火災 4人死亡 100人余負傷 放火の目撃情報
 【ソウル=箱田哲也】18日午前10時ごろ、韓国南東部の慶尚北道・大邱市の大邱地下鉄1号線、中央路駅付近の列車内で火災が発生。韓国メディアによると、乗客ら4人の死亡が確認され、100人以上が負傷して病院に運ばれた。男性が列車内で不審物に火を付けたとの目撃情報があり、警察当局が調べている。
 韓国メディアの報道では、18日正午すぎ現在、駅の機械室の中で地下鉄職員12人が孤立したままになっている。また、列車内にもまだ救助されていない乗客がいるとの情報もあり、被害者がさらに増える可能性が指摘されている。
 目撃者情報によると、トレーニングウェアを着た40代ぐらいの男性がプラスチックボトルに入った引火性の物質を車内にまいた後、ライターで火をつけたという。韓国の聯合ニュースは放火したとみられる男性の身柄を捜査当局が拘束したと伝えた。死亡者の中には、60代の女性2人が含まれている模様だという。大邱は韓国第三の都市。
 大邱市 韓国の南東部に位置する。大邱広域市の人口は約250万人で、繊椎産業が盛ん。火災現場から約10`離れた郊外には、昨年開催されたサッカーW杯にあわせて総合競技場が建設され、3位決定戦も行われた。(朝日新聞 夕刊)
■噴く黒煙叫ぶ乗客 韓国・大邱 地下鉄火災 ガソリン投入?
 通勤や通学客を乗せた韓国・大邱市の地下鉄で、放火によるとみられる火災が起きた。消防隊も接近できないほどの火勢で、黒煙が地上に噴き出した。死傷者の数は時間を追い増えている。
 現場は、国鉄大郎駅から南に約2`離れた市内中心部にある中央路という駅だった。韓国KBSテレビは、地下鉄駅の出入り口から黒煙がもうもうと上がる様子を放映した。現場周辺には黒い煙が立ちこめ、乗客らしき女性が泣き叫んでいる。
 大邱地方警察庁によると、火災が発生したのは午前10時前。6両編成の列車が中央路駅に到着するや、ホームにいた40代の男性が、3両目の車両にガソリンのような引火性物質を投げ込んだという。男はその場から走って逃げ、警察当局が行方を追っている。
 負傷者は市内の病院に運ばれたが、けがの程度は不明。同庁は「死者は増えるかも知れない」と話している。
 当時は通勤ラッシュが終わり、車内では立っている乗客もいたという。(朝日新聞 夕刊)
19日■地下鉄放火 死者120 人超す 韓国・大邱 男が犯行認める供述 140人負傷 有毒ガスで拡大
 【大邱(韓国南東部)18日共同】韓国・大邱市の地下鉄で起きた放火火災で、大邱消防本部は18日夜までに52遺体を収容、負傷者が140人になったことを明らかにした。さらに、車両内には70余の遺体があるとみられ、死者は計120人を上回る恐れがある。世界の地下鉄事件・事故でも最大級の惨事となった。
 炎上した車両内に残されている遺体は損傷が著しく、犠牲者の数や身元の特定は難航している。
 放火された6両編成の列車は駅構内で停車したが、火は車両全体に広がり、直後に対向して駅に入ってきた別の6両編成の列車にも延焼、駅構内の上下線で2つの列車が約3時間半にわたって燃え続け、ほぼ全焼した。
 19日付の韓国紙、韓国日報早版は、延焼した列車の運転士が約20分間にわたって車両のドアを開けなかったため、乗客が逃げ遅れ、被害拡大の一因となったと報じた。また、火災で大量の有毒ガスが発生、地下3階の駅構内に充満したことも惨事につながった。
 在韓国日本大使館は、日本人が死傷したとの情報はないとしている。
 地元警察は、車内で引火物に火を付けたとして放火容疑で拘束した地元の無職の男(56)から事情を聴いているが、男は容疑を認めたものの動機は「何も言えない」と話した。
 韓国メディアなどが伝えた警察当局の調べでは、火災は同日午前10時前、同駅に到着直前に発生。前から5両目の車内で男がかばんからシンナーとみられる液体が入った容器を取り出してまき、ライターで火を放った。
 犯人の男自身も負傷して病院で治療を受けているが、軽傷のもよう。男は身体が不自由で、警察は身体の障害がもとで将来を悲観したことが動機ではないかとみて追及している。
 金大中大統領は18日「被害者に哀悼の意を表する」との声明を発表、政府対策本部を設置した。
・邦人被害情報なし
 外務省によると、韓国の地下鉄火災で、日本人が被害に遭ったという情報は18日午後8時までに入っていない。大邱に長期在留している日本人は300人で、同省は釜山の日本総領事館から職員4人を派遣するとともに、現地の日本人会を通じて確認を急いでいる。日本人観光客の情報もないという。(京都新聞)
■大邱・地下鉄火災 安全欠如、地下の密室 急成長で後回し 構造的に無策
 韓国・大邱市の地下鉄火災は死者が120人を上回る恐れのある大惨事となった。「漢江の奇跡」といわれる短期間の経済発展を遂げた韓国だが、安全対策は後回しにされ、90年代半ばには百貨店崩壊による502人死亡など大型事故が続発、社会の安全性が大きな課題とされてきた。「地下の密室」で起きた今回の事件は放火が原因とはいえ、地下鉄の安全対策の欠如が浮き彫りになった。
 「問題は現在の安全管理システムと施設の構造上の無策だ。大惨事はいつどこでも再び起こり得る」。韓国の防災専門家は厳しく警告する。
 被害拡大の原因として、消防関係者は有毒ガスを挙げた。通信社の聯合ニュースによると、車両はドイツなどから輸入した部品を使って韓国の韓進重工業が製造、運行開始は97年5月で、比較的新しかった。
 だが、車両の床や天井などに塩化ビニールや繊維強化プラスチックが使われ、座席はポリウレタン製。その他の部品にもポリエステルなどが多用されており、消防関係者は「燃え上がると有毒ガスが発生しやすい」と話す。車両は骨組みだけを残し、床や天井などの大部分がほぼ燃え落ちた。
 駅構内まで大量の有毒ガスがまん延したもようで、消防士1300人など大がかりな救助態勢を取ったが3時間近く現場に近づけず救助が遅れた。
・人減らし−
 地下鉄の脆弱(ぜいじゃく)な換気システムを問題視する声もある。聯合ニュースによると、中央路駅では送風機と空調機が備わっていたが、非常事態には無力だったとみられる。地下鉄駅では「汚染された空気を素早く外に出すシステムが必要」(専門家)。ソウルの地下鉄では煙のようなにおいがこもり、乗客らの不満の声もある。
 火災発生時の緊急避難態勢を再検討すべきだとの指摘もある。駅には非常口を示す蛍光の案内板もなかったという。韓国では日本に比べ、地下鉄駅のホームで駅員の姿を目にすることはまれ。「大邱地下鉄公社は開通当時から人減らしがいちばんの課題だった」(公社関係者)という。
 安全面では問題といえるが「今まで大きな事故もなかったので利用者からも特に疑問視する声はなかったのではないか」と韓国記者は指摘した。
 「韓国の車両がどの程度の耐火基準になっているかは分からないが、あそこまで燃えるものなのか」−。東京都営地下鉄の担当者は、韓国から次々と飛び込む映像に驚きを隠さない。
・日本では−
 日本国内でも多数の犠牲者を伴う鉄道の車両火災の例はある。72年、福井県の北陸トンネルで発生した車両火災では30人が死亡、714人が負傷した。消火のためトンネル内に停車したところ動けなくなり、乗客が煙にまかれた。
 事故を受け国鉄(当時)などは、列車の難燃性を高める一方、火災の場合はトンネル内では停車せず通り抜けるように改めた。だが「地下鉄の列車は閉鎖された地下から出るわけにいかない」(国土交通省の担当者)。
 「非常時に乗客が脱出できるシステムはどうなっていたのか」と指摘する日本の専門家もいる。
 横浜市で51年に起きた車両火災では、乗務員がドアを開けないまま放置し、乗客の脱出が遅れ106人が死亡した。日本の鉄道会社はこの事故を教訓に、ドアを開ける非常コックの表示を乗客に分かりやすいものに改善している。(京都新聞)
■大邱・地下鉄火災 過去にも死傷事故相次ぐ 95年は爆発105 人死亡
 【ソウル18日共同】18日に120人超の死亡の恐れがある地下鉄火災が起きた韓国・大邱市の地下鉄は、1995年4月、工事中にガス爆発で約100人が死亡するなど、過去にも死傷事故が相次いでいる。
 ガス爆発は近くのデパート新築工事中にガス管が破損、約100b離れた地下鉄の工事現場に流入して発生。101人が死亡、101人が負傷する大惨事となった。
 当時は94年10月のソウルの聖水大橋崩壊事故(32人死亡)などの大事故が相次ぎ、安全性を無視した企業体質や、行政の不備への批判が高まり、金泳三政権が苦境に立たされた。
 大邱市では95年8月にも地下鉄工事現場でトンネル掘削のために爆薬を爆発させた際、4人が死傷。92年1月には工事現場の天井や壁を支える鉄骨が壊れ、1人が死亡した。
 2000年1月には同市内の別の地下鉄工事現場で、天井を支える鉄板が上を走る道路とともに長さ約40b、幅約30bにわたり崩落、道路を走っていたバスなどが巻き込まれて4人が死傷する事故も起きた。
・世界野主な地下鉄事件・事故
19871118ロンドンの地下鉄キングズクロス駅で火災、約30人死亡
1991 828 ニューヨーク市で地下鉄が脱線、5人が死亡、113人が重軽傷
1995320 東京の地下鉄でオウム真理教信者がサリンをまき、12人死亡、5000人以上が負傷
  428 韓国大邱市の地下鉄工事現場でガス爆発、101人死亡
  725 パリの地下鉄サンミッシェル駅で爆弾が爆発、8人死亡。アルジェリアのイスラム過激派が犯行声明
  1028 アゼルバイジャンの首都バクーで地下鉄車両が火災、300人近くが死亡
2003125 ロンドンの地下鉄チャンセリーレイン駅付近で列車が脱線、約30人がけが
  218 大邱市の地下鉄車両内で放火による火災、120人超死亡の恐れ(共同)
・韓国の最近の大事故・事件
韓国で最近起きた大規模事故・事件は次の通り。
19941021ソウル市の聖水大橋が崩壊しバスや乗用車が転落、32人死亡、17人員傷
  1024 忠清北道丹陽郡の忠州湖を航行中の遊覧船が炎上、30人が死亡・行方不明、33人員傷
  127 ソウル市中心部の韓国ガス公社の地下ガス供給基地でガス爆発、12人死亡、32人員傷
95428 大邱市の地下鉄工事現場でガス爆発、101人死亡、101人員傷
  629 ソウル市南部の五階建ての三豊百貨店が崩壊し、502人死亡、937人員傷
991030 仁川市中心部の繁華街で、4階建て雑居ビルで出火、55人死亡、約80人負傷
2003218 大邱市で走行中の地下鉄に男が放火、120人超が死亡の恐れ(共同)
■大邱・地下鉄火災 「ドア開かない」、悲鳴、黒煙、一気に充満か
・携帯に最期の叫び 構内停電 暗闇逃げ惑う
 【大邱18日共同】「アボジ(父さん)助けて! 。ドアが開かないよ」。有毒ガスが充満した車内に閉じ込められた女性が、携帯電話に向かって悲痛な叫び声を上げた。停電と黒煙で真っ暗闇(やみ)になった駅構内で出口を求めて乗客は逃げ惑った。通勤ラッシュが終わりやや落ち着いていた韓国大邱市の地下鉄・中央路駅で18日起きた大惨事。男が車内で突然放火、多数の乗客が犠牲となり、市民は怒りと不安で震え、娘の消息がつかめない母親は悲嘆の涙に暮れた。
 駅近くでは夜になってもビニールが焦げたような異臭が漂い、消防士らが忙しく駅構内に出入りしていた。乗客の安否を知らせる特設掲示板の前では、遺族らの泣き声が響いていた。
 火災が起きた列車に乗っていた慶尚北道の女性(19)は携帯電話で「地下鉄の中で火事が起きたわ」と父親に連絡。その後娘の悲鳴や叫び声などが聞こえて電話は切れてしまったという。父親は現場や大邱市内の病院を探し回ったが、まだ娘の消息を確認できない。「オンマ(お母さん)、火事になった。煙でいっぱいよ」「あたしが行こうか?」「来ないで!ここに来ても煙で入れないから」−。
 ある母親は事故直後に娘と携帯電話がつながった。しかし、現場に来るなと言われた後連絡が途絶え、現場で最後の会話を思い出し泣き崩れた。
 「(放火容疑者の)男が何度もライターに火を付けようとしていて、列車が止まった時火が付いた」。目撃者の一人、全隆男さんは当時の状況を話した。
 青いジャージー姿の男は、列車が中央路駅に入って来たとき、突然カバンからプラスチックの容器2つを取り出し火を付けた。
 他の乗客が「危ないからやめろ」と注意し、もみ合いになったが、「男がはじめ自分の体に火を付けた後、列車全体に火が広がった」と全さん。
 たちまち煙と火柱は駅構内全体に広がり停電に。乗客はなすすべなく、特に年配者や女性は出口を探すことができず、地上に向かう階段で息絶えた犠牲者も多かった。
 特設掲示板の前では行方不明者の家族が不安な面持ち。大邱市内の女性(32)は「77歳の祖母を探している。掲示板に名前はないけど、いったいどうすればいいのか」と立ち尽くしていた。
・駅天井まで黒焦げ 出口求めた靴散乱
 【大邱18日共同】韓国の地下鉄関連の事故としては最悪の事態となった大邱市の地下鉄火災。中央路駅構内は天井まで真っ黒に燃え尽くし、火災のすさまじさを物語っていた。
 記者は事故発生から約5時間半後に現場の駅構内に入った。有毒ガスはようやく消えかかっていたが、まだあちらこちらで火がくすぶり、小さな煙が上がっていた。
 駅構内には出口を求めて殺到した多くの乗客の必死の行動を示すように焦げた靴が多数散乱していた。
 構内の壁などもまっ黒に焼け、床には消火のための水がたまっていた。放火のあった6両編成の列車は後ろから2両目と3両目がくびれ、記者は3両目には進めなかった。
 手前1両目の列車の中にはまだ外に搬出されていない遺体が1体残っていた。遺体には消防隊員が掛けたと思われる白い布が。地下鉄内での放火という想像もつかない犯罪の犠牲になった乗客たちの無念さを思った。
 列車の中も完全に焼けただれ、座席や手すりなども焼けてめくれ上がっていた。黒く焦げた鉄の部分がむき出しになっている。多くの乗客は火や有毒ガスを逃れようとドアに殺到したが、ドアが開かず犠牲になった人も多い。密閉された空間から逃れようともがいた被害者たちの叫び声が聞こえてくるような凄惨(せいさん)な現場だ。
・半密室で不完全燃焼 車内混乱、被害加速も
 多数の死傷者を出した韓国・大邱市の地下鉄火災について、国内の火災事故の専門家は「地下鉄車両内という半密閉状態で、ガソリンなどが不完全燃焼し、黒煙が大量発生したことによって、大きな被害がもたらされたのではないか」とみている。
 独立行政法人・消防研究所(東京都三鷹市)の山田常圭プロジェクトリーダーは、火災発生時の車内について、「車両内なら、酸素供給がないため不完全燃焼になり、火が付けられてからあっという間に黒煙が車内を覆ったのでは。瞬時に視界がほとんどなくなり、車内のパニックによってけがをした人も多いと思われる」と推測する。また、「車両内に新聞紙や紙袋、ペットボトルなどのごみが多くあった場合には、さらに煙を発生させる要因になる」といい、この点も今後、火災の状況を解明する上でのポイントになるという。
 同法人・建築研究所(茨城県つくば市)の林吉彦・防火グループ上席研究員も同様の見方。「車内が密閉状態であれば、発熱の規模としては大したことはないと思うが、やはり煙が大量に発生しただろう」とし、「こうしたケースで、パニックになった乗客が閉まっていた窓を開ければ、逆に酸素供給を招いて激しく燃え上がった恐れもある」と指摘する。
・運転士20分間ドア開けず? 韓国紙が報道
 【ソウル18日共同】韓国・大邱市の地下鉄火災で、韓国紙、韓国日報の19日付早版は、火災発生直後に駅構内に入り引火、炎上した別の列車の運転士が約20分間にわたり車両のドアを開けなかったことが被害拡大の一因となったと報じた。
 運転士は「有毒ガスが入り込まないように」との判断からドアを開けなかったという。だが同紙が報じた生存者の証言によると、乗客らが「ドアを開けろ」と抗議したため、ようやくドアが開いたが、既に駅構内に有毒ガスが充満、脱出が遅れて犠牲者が増えたという。
 地元消防本部当局者は、対向列車側のホームから地上に向かう階段付近で多数の死者が見つかったことを明らかにしており、遅れて逃げる途中で有毒ガスを吸い込み、力尽きて死亡した可能性も指摘されている。
・身体傷害で前途悲観か 放火の男
 【ソウル18目共同】韓国・大邱の地下鉄で18日起きた地下鉄放火事件の犯人として身柄を拘束された56歳の男について、韓国マスコミは医療事故で右半身が不自由になり、前途を悲観して犯行に及んだ可能性があると伝えている。
 韓国の通信社、聯合ニュースなどによると、男は数年前までタクシー運転手をしていたが2001年4月から右半身がまひし、身体障害の認定を受けた。
 男はこれは、脳出血の治療を受けていた病院での医療事故によるまひだと主張し、家族などには「病院に火を付けてやる」などと口にしていたという。
 聯合ニュースは警察当局の見方として、男が車内で焼身自殺を図ろうとしたが、これを制止しようとする乗客ともみ合いになり火が広がり、大惨事になった可能性もあると報じている。
・京都市地下鉄 「対策検討も」
 韓国・大邱市で18日発生した地下鉄火災で、京都市営地下鉄の防災にかかわる市交通局、消防局は、100人以上の被害者が出る大規模火災は想定していないといい、「今回の原因を踏まえ、必要なら対応策を検討したい」としている。
 両局などによると、京都市営地下鉄の車両は、不燃性のアルミ合金製の車体、アルミ材の内張り、座席も難燃性の素材を使用している。駅には消火栓、消火器、スプリンクラー、防火シャッターなどを備え、天井や床、柱などは人造大理石やアルミ焼き仕上げなどで不燃化を図っている。駅近くに換気塔があり、火災時には排煙のためフル稼働する。
 また、駅員や運転士は年2回以上、訓練を実施。通報や乗客の誘導、消火にあたる。運行中は次の停車駅まで走り、乗客を避難させる。
 東京地下鉄サリン事件以降、不審物発見で乗客の避難・誘導ルールを改善するなど、対策は随時見直しているという。(京都新聞)
■京都市2003年度予算案詳報〈下〉(抜粋)
◇都市づくり 普通建設事業費5.8%滅
 都市基盤などの整備に充てる普通建設事業費は、単独事業の減少とマイナスシーリングで前年度比5.8%減の796億4700万円。
 JR山陰線の花園−嵯峨嵐山、京都−二条間の複線高架化は準備工事費などに5000万円を計上。地下鉄天神川駅周辺整備は、右京区役所が入るビル設計などに15億4400万円。新十条通など京都高速道路の建設では阪神高速道路公団への出資金18億850万円、土壌脱硝システムの設計費に3000万円を盛り込んだ。
 大規模災害時の援助活動の拠点となる消防活動総合センター(南区)の建設費に12億7000万円。密集市街地の再整備などを含む「防災都市づくり計画」を策定する。
 JR山科駅、阪急桂駅などのバリアフリー化推進に1億1000万円を計上。都心の幹線沿道の町並み保全策の検討を進め、市民向けの「景観まちづくり大学」を開設する。(京都新聞)
■発車ベルに「鉄腕アトム」 山手線高田馬場駅
 JR東日本は18日、山手線高田馬場駅(東京都新宿区)の発車ベルを、電子メロディーから手塚治虫さんの人気漫画「鉄腕アトム」の主題歌に変更すると発表した。アトムは原作の中で、2003年4月7日に高田馬場で生まれたことになっており、地元商店街がJRに要請していた。3月1日から2ヵ月試行し、問題がなければ継続する。(京都新聞)
■韓国・地下鉄火災 死者120人前後 放火か 容疑の男性聴取 140人負傷、12両全焼
 【大邱=相田哲也、ソウル=小菅幸一】韓国南東部の中核都市・大邱市中心部の地下鉄・中央路駅構内で18日午前9時55分(日本時間同)ごろ起きた電車火災で、大邱市対策本部などは、これまでに50人の死亡を確認したほか、車内にまだ70体前後の遺体があると推定している。直後に反対車線ホームに着いた6両編成電車にも燃え移って12両が全焼、負傷者は約140人に上った。
 身元不明の遺体も多いなか、日本人の被害は今のところ確認されていない。警察当局は目撃者の証言などから、最初に駅に入った電車の5両目にいた男(56)が引火性の液体にライターで火をつけ燃え広がったとみて、やけどで入院したこの男から事情を聴いている。
 男は2年前に脳卒中の治繚を受け、半身が思うように動かないため、家族らに「病院に火をつける」などと話していたという。
 現場は大邱市中区南一洞の地下鉄1号線の中央路駅構内。同駅は地下1階が商店街、地下2階が待合所や駅の事務施設で、地下3階がホームになっていた。駅構内が煙突の役割を果たし、有毒ガスが4ヵ所ある地上出口から噴き上げ、救助活動を防げたとも見られている。
 当局の調べや韓国メディア報道を総合すると、座っていた男がかばんから液体の入ったポリ容器を取り出して火をつけようとしたため、周りの客が止めに入ったが、電車が到着した際、男は振り払って、点火した容器から液体を車内にまき散らした。ドアが開き、男は炎に包まれたままホームに出たという。
 火災が起きると、火はすぐに車内に広がり、激しい煙とガスも充満した。車内や構内は停電となり、反対側ホームの電車にも燃え移った。大邱市対策本部は、最初の事故車に約250人、2台目には180人前後の乗客がいたとみている。
 乗客の一部はいち早く逃げ出したが、ドアが再び閉まった。停電で真っ暗になり、さらに同駅で降りない乗客はそのまま車内にいたため、まずガスや煙を吸い込んで動けなくなり、さらに炎に巻かれたらしい。
 最初の被災車では避難の案内放送はなく、地下1、2階にあるスプリンクラーは作動しなかったという。
 金大中大統領は被害者に哀悼の意を表す声明を発表し、政府は対策本部を設置して李根植・行政自治相を派遣して被害の把握と支援に乗り出すよう指示した。
日本人死傷者の情報なし
 韓国・大邱市で18日起きた地下鉄火災の死傷者に日本人が含まれるとの情報は同日午後11時現在、外務省には寄せられていない。在釜山総領事館によると、大邱市(人口約250万人)には319人、周辺の慶尚北道の都市も含めると計約850人の日本人が在留届を出しており、日本人連絡網などを通じて安否確認を行っている。(朝日新聞)
■地下鉄火災 炎・煙・闇「出口は」 黒い顔「のど痛い」 死者「改札口私有編にも」 大半がCO中毒か
 迫る炎と黒煙の閣の中で、200人を超える人たちの日常が途切れた。18日の韓国・大邱市の地下鉄火災。誘導は。構造は。閉ざされた都市空間での大惨事の教訓は多い。
 【大邱(韓国南東部)=箱田哲也】「列車そのものが爆発物になった」「停電で何も見えないうえ、すごい煙で現場は生き地獄だった」−。地下鉄火災発生直後、救助に当たった消防隊員らは、経験したことのない大惨事の様子を語った。
 現場周辺が管轄の消防隊員、朴春洙さんは通報を受け、火災発生から約7分後、真っ先に現場に到着した。駅周辺の排気口からは数十bの黒煙が上がっていた。マスクを装着して現場に向かおうとしたが、熱気と煙がひどいためいったん断念。その後、地下3階の現場まで下りたが、一部ではまだ炎が上がっていた。
 朴さんが救出したのは12人。うち2人は助かったが、10人は死亡したという。「列車が往来する地下3階と、改札口のある地下2階に死者が集中していた」と言う。
 周辺の消防署から駆けつけた李亨均さんは、地下から担ぎ出された被害者らへの人工呼吸などを指揮した。「やけどしている人はほとんどおらず、一酸化炭素中毒のような症状の被害者が大部分だった」
 救助された被害者らの話から「火災というより爆発に近かったようだ。犯人が持っていた引火物はかなり揮発性の強い物質だったのだろう」と推測した。死傷者が多数出る大惨事となった理由について「地下鉄車内にはイスや広告など、燃えるものだらけだった。消防隊員らも発生直後は手が出せない状態だった」と話した。
・重症者、次々に美を病院へ
 火災の発生現場から約2`離れた慶北大学校病院には30人余が運ばれ、18日夜までに、5人が死亡した。病院関係者によると、火災が発生した地下鉄車内にいた乗客らははとんどが重い症状で5階の重傷患者病棟に入っており、警察当局が外部との接触を禁じている。
 放火したとみられる男も同じ病院に入ったが、重傷ではないという。警察当局は19日から本格的な捜査を始める予定だが、男は供述を拒んでいるとの情報もある。
 同病院1階の応急室では火災発生直後、北側から進入してきた列車の乗客らの多くが治療を受けた。火災のすすで顔が黒ずみ、多くの人が吸入器をつけ、せきこんだ。「のどが痛い」と訴える被害者が多く、うがいを繰り返した。
・容疑者、病院に悩み? 過去に放火示唆
 朝鮮日報(電子版)が18日、伝えたところによると、大邱市の地下鉄車両に放火したとみられる容疑者(56)は、01年に右半身が不自由になり、障害者の認定を受けたという。容疑者は、自分の障害は以前、頭部の治療を受けた時に医療ミスが起きたことが原因と思いこみ、「病院に放火してやる」と周囲に話したこともあるという。何かの鬱憤を晴らすために今回の犯行に及んだ可能性もあるとみられている。
・在日社会「親族らは」 故郷へ電話「情報を」
 大惨事となった韓国・大邱地下鉄火災事件。時間とともに増え続ける犠牲者の数に、在日韓国・朝鮮人にも衝撃が走った。テレビやインターネットで情報を集め、親族や知人らの安否を気遣い、祖国での痛ましい事態に気をもんだ。在日社会では義援金を募る計画も持ち上がっている。
 在日韓国・朝鮮人が多数住む大阪市生野区。韓国のテレビ番組をデジタル衛星放送で日本国内に流している「コリアサテライトブロードキャステイング」の大阪支店で、支店長の李昌珍さん(36)は映像にくぎ付けになった。
 李さんと妻はともに大邱市出身。李さん夫妻は18日昼のニュースで火災を知り、すぐさま故郷の実家へ電話を入れ、両親や親類の無事を確認した。李さんは「時間がたつにつれて死者の数が増えて怖くなった。ショックとしか言いようがない」と声を落とした。
 商店街を帰宅途中の男性会社員(53)は、両親が故郷訪問のため16日から韓国を訪問中だった。「両親は大邱市にも観光で行くと言っていたが、今日の夕方に電話がつながり、無事が分かってホッとした。とにかく帰ってきて欲しいと伝えました」。火災を伝える夕刊3紙を手にして足早に帰宅した。
 サンダル工場で働く韓国人の女性(34)は母国のテレビ番組を放映しているキムチ店へ駆けつけた。「一体なぜこんなことが起きたのか、少しでも情報がほしい」
 在日の若手経営者らでつくるコリアタウン推進委員会委員凛遽咽籍の在日2世、李容柱さん(40)は近く仲間と大邱へ旅行を考えていた。「ひとごとではない」と話し、義援金募集などを計画したいという。
 大邱市は韓国第3の都市だけに、知人を持つ人は多い。大邱市にある啓明大学と交流し、去年1ヵ月間客員教授を務めた徐龍達・桃山学院大教授(69)は「こんな事件が起きるとは知人も多く心配だ」と話した。啓明大教員に電話したところ、「交通機関がマヒして大変混乱している」という慌ただしい声が返ってきただけだった。
 大阪市中央区の在日1世のスポーツ団体役員(68)は「今年8月には大邱でユニバーシアード大会が開かれる。影響が出ないだろうか」。在日本大韓民国民団(民団)は、対応策が必要かどうか19日以降に検討するという。
・生存者「もう終わりかと」
 【大邱=箱田哲也】「もう終わりなのかと思ったら、母の顔が浮かんで来ました」。大邱市の地下鉄火災で命をとりとめた会社員、柳昊延さん(30)は、搬送された大邱市内のバティマ病院の病棟で語った。
 柳さんは火災発生直後、反対側ホームに着いた電車にいた。いったん開いたドアが閉まった後、すき間からどんどん煙が入ってきた。周囲の乗客らは携帯電話で家族らに「えらいことになった」などと話していた。息苦しくなり、意識がもうろうとし始めた。
 「母さん。大好きだよ。もう母さんと会えない」。そう伝えようと自分も携帯電話を手にしたが、番号を押す力もなかった。その瞬間、ドアが開き、後ろからの圧力で脱出できたという。
 救助され、すぐに恋人に電話した。空気を胸いっぱい吸い込み、「今、1回死んだけど生き返った」と伝えた。病院に駆けつけた妹は涙が止まらず、無言で兄のひざをたたいた。
 柳さんの病棟の向かいは霊安室。悲痛な叫びと嗚咽が深夜まで響き渡った。「朝、元気に、家を出ていったじやない。それが、どうしてぇ」。同病院に搬送された20人のうち9人が死亡した。
・識者「日本も他人事じゃない」 想定外の災害は対策薄く致命的
 河田恵昭・京都大防災研究所巨大災害研究センター長の話 たとえば地下街の防火対策でも、失火やガス漏れなどは想定しても、犯罪による火災というのは、あまり考えられていない。今回の韓国の火災のように、今の都市災害は想定外の原因で起こるのが特徴といえる。だから対策も薄く何かあると致命的な災害になってしまう。95年に東京で起きた地下鉄サリン事件でも、東京以外の地下鉄では「特異なケースだから」と、事件を教訓として犯罪を想定した対策が真剣に考えられたのかどうか疑問だ。事件を教訓に「何が起こるか分からない」と、ひとりひとりが常に身構え、自分を守ることを考えなけれはいけなくなってきたのではないか。
・避難までに時間 退路断たれたか
 平野敏右・独立行政法人消防研究所理事長の話 一般的には火が燃え広がるまでには、時間がかかる。今回の火災では、火災になる様子を目の前で見ていた人が助かっている。その一方で、車内に取り残されて、死亡した人が多いのは、避難をするまでに時間がかかっているからだろう。状況把握や情報伝達に時間がかかり、退路を断たれてしまった可能性がある。普段から災害を想定し、行動することが重要だ。
車両や内装引火 不燃化効果疑問
 辻本誠・名古屋大教授(建築防火)の話 写真を見る限り、車両本体や駅構内の内装にも引火しており、専門家の立場から見て奇異に映る。日本でも1972年の北陸トンネル事故以後、車両の不燃化が図られているが、その効果がどの程度上がっているのかはっきりしない。避難の面では、密閉式の車窓の車両は、いつでもたたき割れるよう車内に金づちを設置するのが欧州の常識だが、日本にはない。かつては常設されていた車内の緊急開扉装置も見られない。さまざまな不安がある。改めてテロ的な行為に備える対策を再検討する必要がある。
・大量の煙で中毒 運動中枢まひ?
 中林一樹・東京都立大教授(都市防災)の話 詳しい状況がよく分からないが、犠牲者の多くは一酸化炭素中毒に陥って運動中枢がまひし、取り残されたのではないかと考えられる。狭い構内で火災が起きれば、酸素が欠乏して不完全燃焼になり、大量の煙が発生する。乗客が化学繊維の衣服を着ていれば、火が燃え移った際に一酸化炭素が発生する可能性がさらに高い。日本でも故意に火を付けられるようなことは想定しておらず、完全に防ぐのは不可能だ。(朝日新聞)
■韓国・地下鉄火災 地下大国日本、備えは
・通電、車内材質落とし穴 大惨事の焦点
 韓国・大邱市の地下鉄火災は「地下火災」の恐ろしさを見せつけた。出火原因は放火とみられるが、車体は骨組みを残して焼けただれ、激しい黒煙が地上に噴き出した。証言や当局の調べなどで事件の前後を再現すると、緊急連絡、通電、電車の材質に落とし穴があったのではないか、との疑問が浮上してきた。(ソウル支局、社会部)
 黒ごげの地下鉄車内は天井板がなくなり、鉄骨がむき出しになっていた。座席も骨だけ、つり革も輪の部分がことごとくなくなった。先頭の運転席も窓が割れた。
 駅構内にも炎のつめ跡が残る。車両付近の天井は落ち、金属の支柱があめのように曲がった。
 ●4分後に対向車
 聯合ニュースによると、放火された6両編成の1079号が中央路駅に入ってきたのは18日午前9時52分35秒。車内に男が引火性の液体をまき、ライターで火をつけたのとほぼ同時だ。
 大邱地下鉄公社の総合司令室が消防本部に連絡したのが9時55分。反対側のホームには9時56分45秒、6両編成の1080号が入ってきた。司令室は「これほどの被害になるとは予想できなかった」ため、1080号を駅に進入させない措置がとれなかったという。
 さらに同57分、構内の通電が停止し、1080号は駅の通過もできなくなった。火災による過電流が原因で自動的に停電になったようだ。公社の電力司令室は、電車を通過させようと1分後に電力再供給を試みたが、うまくいかなかったという。総合司令室との無線電話も切れた。駅全体も停電で真っ暗になり、乗客の混乱に拍車がかかったとみられる。
 ●可燃素材とガス
 同公社によると、韓国の地下鉄駅には換気や防火システムが消防法で義務づけられている。火災があった中央路駅には煙を感知すると自動的に排気するシステムがあり、今回も駅やトンネルにある排気口などを通じて煙を外に排出したという。
 しかし車両内部は、燃えやすく有毒ガスを発生する素材が多く使われているといい、今回の火災では、これが被害を大きくしたともいえる。
 車両は韓進重工業がドイツ企業などから部品を輸入して組み立て、同公社に納入したという。車両の内壁や天井は繊維強化プラスチック製、床は塩化ビニルで覆われ、座席などにはポリウレタン材が使われていたらしい。炎がこうした素材に燃え広がり、大童の有毒ガスを噴き出した可能性がある。
 ●ドア開閉
 事件の起きた電車は男が容器に火を付けた直後にドアが閉まり、その後の開閉状態は明らかでない。間もなく停電で暗くなったため、乗客が自ら非常用のドアを開く余裕もなくなったとみられる。一方、反対側ホームに到着した電車も、ドアが一時開かなかったとの証言がある。この電車に乗っていた延世大学2年のファン・スン・クォンさん(22)は搬送先の病院で「列車が到着してすぐにドアが開いて避難させてくれれば、こんな事態にはならなかったのではないか」と憤った。
 ファンさんによると、列車のドアはいったん開いた後にすぐ閉まり「少しお待ちください」という放送が3回流れた。その後、突然ドアが開き、今度は「逃げてください」と放送が入った。ホームは激しい煙が充満し、出口を探す乗客でパニック状態になったという。約20分間もドアが開かなかったとの報道もある。電車を通過させるか、停止させるか、運転士が判断に迷った可能性も指摘されている。
・「対岸の火事ではない」 厳格な基準も
 韓国・大邱市の地下鉄の火災は、地下鉄やトンネルなどを数多く抱える日本の鉄道にとっても、ひとごとではない。
 「ものすごい火炎が発生し、地下鉄出入り口特有の風にあおられたとしか思えない」。焼けた車両の映像を見て、JRや営団地下鉄の担当者は驚きを隠さなかった。
 日本では厳しい防火基準が設けられている。68年、11人が負傷した東京・営団地下鉄日比谷線の車両火災や、72年に福井県の旧国鉄北陸トンネルで急行列車の食堂車が燃え、30人が死亡した事故が教訓になった。
 地下鉄やトンネルについて、国土交通省は、鉄道営業法の技術基準省令で地上駅よりも厳しい基準を定めている。ポイントは、換気と消火、避難の3設備だ。
 換気については、列車の運転間隔、乗降客数などをもとに、外気の取り入れ口と排気口を配備した適切な換気方式を採用するよう定めている。また、@地下の構造物は原則不燃化A火災時の旅客案内、防火シャッターの監視などを行う係員の常時勤務B地上への二つ以上の避難通路−などを求めている。
 車両については、金属など不燃性の材料を使うよう定め、地下鉄に関しては、シートなどに加えて断熱材、防音材にも不燃物を使うよう指導。車両メーカーは燃焼試験に合格した素材しか使用していないという。
 大阪市交通局は18日夕、「対岸の火事とせず、不測の事態でも迅速かつ的確な対応ができるよう備えてほしい」と呼びかけ、不審者や不審物に注意するよう指示する文書を市営地下鉄各線の責任者にファクスで送った
。同地下鉄では過去、死者が出るような火災は起きていないが、95年11月に御堂筋線梅田駅近くで煙が発生し、約200人が避難する騒ぎがあった。今後、避難誘導マニュアルの徹底を指導する。
 神戸市でも、市危機管理室が情報収集にあたった。「なぜこれほどの規模の事故になったか、原因究明を待ちたい」と同室。同市交通局の担当者は「緊急時のマニュアルに不備がないか改めて検討したい」と話した。
 京都市営地下鉄では火災などを想定した訓練を年5回程度実施している。だが、担当者は「故意に火を付けられるような事態は想定していない。警備員を常置させることも財政的に難しいし…」と当惑を隠せない。
 関西の私鉄では、阪急電鉄、近畿日本鉄道、阪神電鉄、京阪電鉄などが都市部に地下区間を持つ。ある担当者は「排煙設備などは完備しているつもりだが、国内でも絶対にあり得ない火災ではない。今後の情報次第で対応を考えなければ」と話した。
・韓国大統領に首相おくやみ
 小泉首相は18日、韓国の大邱市で起きた地下鉄火災事故を受け、「多数の方の尊い人命が失われたことに対し深い悲しみを覚えます。亡くなられた方々のご冥福をお祈りします」とするメッセージを金大中大統領に送った。(朝日新聞)
■社説 地下鉄放火 なぜ燃え広がったのか
 異常で悲惨な事件が、韓国の地下鉄で起きた。
 韓国第3の都市、大邱市の地下鉄で放火による火災が起き、多数の乗客らが死亡した。まだ、車両や地下鉄構内には行方不明者がいるとされ、死者の数は時間とともに増えそうだ。
 火災が起きた地下鉄は開通して、まだ6年しかたっていなかった。地下鉄の車両内や駅の構内には、可燃物はできるだけ置かないのが、世界の常識だ。
 今回は、隣のホームに停車していた別の車両にも、火は燃え移った。火災によって有毒ガスも発生し、被害が拡大した。駅周辺の排気口からは、発生から数時間たっても猛煙が上がり、救助隊員は現場になかなか近づけなかったほどだったという。
 車両内で発生した火がなぜ、これほど燃え広がったのか。防火対策の点で、韓国の地下鉄に特有の問題があったのか。こうした点は、地下鉄の多い日本にとっても強い関心のあるところだ。
 この火災で韓国警察は、車両内で不審物に火を付けたとして、中年の男を放火の疑いで拘束した。
 目撃情報などによると、男はポリ容器に入った引火性の液体を車内にまき、ライターで火を付けたという。
 無差別の大量殺人といえる。
 放火事件の容疑者の動機には、日本では「不満を発散させるため」というものが多いとされる。これほどの被害を出した今回の事件の動機は何だったのだろうか。
 日本の交通機関での放火事件では、80年に起きた「新宿バス放火事件」の記憶が今も生々しい。
 停留所に止まっていた路線バスの降車口から、火のついた新聞紙とバケツに入った約4リットルのガソリンが投げ入れられ、バスの内部が爆発的に炎上した事件だ。乗客6人が死亡し、14人が重軽傷を負った。
 放火ではないが、地下鉄内での事件としては、95年に起きた「地下鉄サリン事件」がある。
 地下鉄の車両内で猛毒ガスを発散させ、12人の死者と多数の重軽症者を出した。この事件は、狂信的な宗教団体による化学物質を使った無差別テロとして世界中に衝撃を与えた。
 これら交通機関の「密室」での事件は、乗客にとって避けようがない。利用する人の誰もが、被害に遭う恐れがある。
 今回の韓国での事件でも、手軽に持ち運びできる大きさの容器に入った可燃物だけで、これほどの惨事が引き起こされたのである。一瞬にして起きた火炎地獄の中で、何が起きたのか全く分からないうちに死亡した乗客も多かったのではないか。
 日本の交通機関が安全対策を再点検することはもちろんだが、今回の事件から防災対策についての新たな教訓が得られるのかどうか。外国での異常な事件として見過ごすことはできない。(朝日新聞)
■窓ガラスにひび JRダイヤ乱れ 園部駅
 18日午前7時50分ごろ、園部町小山東町のJR園部駅で、園部発京都行き普通電車(8両編成、乗客約1000人)の窓ガラス(縦38a、横1b)1枚にひびが入っているのを隣のホームで停車していた電車の車掌が見つけた。けが人はいなかった。駅員が粘着テープで窓ガラスを補強し、12分後に運転を再開した。この事故で上下線計9本が最高12分遅れ、乗客約4600人に影響が出た。(朝日新聞)
■青鉛筆
 JR西日本は、線路へ立ち入らないように呼びかけるキャンペーンを京阪神地区で始めた。ポスターを駅に張り、車内放送で協力を求める。
 昨年秋以降、線路での人身事故が多発。そのつど電車の運行が止まり、ダイヤが狂うトラブルが後を絶たない。「損害賠償を請求することもある」と強い態度を打ち出した。
 全国でも例のない試みで28日まで続ける。同社幹部は「『線路は危険』という当たり前のことを繰り返すのは不本意なのですが…」。(朝日新聞)
■対向車両に犠牲者多数 韓国・大邱 地下鉄放火 運転士を聴取 死亡は126人
 【大邱(韓国南東部)19日共同】韓国・大邱市の地下鉄放火事件で、19日までの警察の調べから、放火された車両よりも対向ホームで延焼した車両で死者が多く出たことが判明した。同車両の運転士が有毒ガス流入を防ぐため客室のドアを開けなかったとの情報があり、警察は運転士から事情を聴くなど本格捜査に着手した。
 運転士は調べに対し「ドアは開けた」と反論、過失を否定している。
 一方、曹海寧・大邱市長は同日午前、死者数について「全焼した車両に残された遺体は72体とみられる」と述べ、死亡確認済みの52人と合わせ126人にも上った。消防本部によると、負傷者は143人。同本部などは車両内の遺体収容と死者数の最終確定を急いでいる。
 車内で引火物に火を付けたとして放火容疑で拘束された無職の男(56)は犯行動機について「一人で死ぬのは悔しいので他の人たちと一緒に死のうと考えた」と供述。引火物がガソリンだったことが分かった。
 大邱郎市地下鉄公社の事故対策本部は2本の地下鉄車両を18日深夜までに同市西部の車両基地に移動したが、車両は骨組みを残すだけで全焼。遺体の損傷も激しく、確認作業も難航。消防本部はDNA鑑定による身元確認も検討している。
 このほか警察当局は駅構内のスプリンクラーの作動状況や安全対策などに問題がなかったかどうか調べるとみられる。
 一方、金碩洙首相が金大中大統領の指示を受けて19日朝、大邱入りし、地元対策本部などを訪問した。大邱市民会館に設置された遺族や行方不明者家族の待機室には約300人が集まり、同日朝まで夜を徹して家族の生死確認などをしていた。(京都新聞 夕刊)
■大邱・地下鉄放火 「ドア全部開けた」 対向車両運転士 被害拡大の過失否定
 【大邱(韓国南東部)19日共同】「ドアは全部開けた」。韓国・大邱市の地下鉄放火事件で、火災発生直後に客室のドアを開けなかったことが被害を拡大させたと指摘されている地下鉄の対向車両の運転士(39)が19日未明、通信社の聯合ニュースのインタビューに応じ、過失を強く否定、乗客の避難作業に「全力を尽くした」と訴えた。
 同列車は、放火された列車が駅構内で炎上した直後に駅に進入、延焼して全焼したが、運転士は「駅に入る時は火が出たことを知らなかった」と証言。ただ「駅の200b手前で煙を見た。駅に入れば自動的に停車、ドアの開閉は運転士がすることになっていた」と語った。
 さらに駅に到着後、少しして火災を知り、乗客が避難できるよう手動でドアをすべて開けて乗客と一緒に脱出したと強調。いったんドアを開けたものの有毒ガス流入を防ぐため再びドアを閉めたとの指摘を否定した。
 また、乗客を置き去りにして現場を離れたという批判には「絶対違う」と反論した。
 ただ、駅構内に入る前に地下鉄の中央通信センターと事故に関する無線交信があったかどうかなどについては「話せない」として言及を避けたという。
・地下鉄爆破と脅迫電話も 事件後
 【ソウル19日共同】地下鉄放火事件が起きたばかりの韓国で19日、ソウルの地下鉄を爆破するという脅迫電話があり、警察当局が警備を強化した。
 聯合ニュースによると、同日午前7時すぎ、ソウルの都市鉄道公社総合司令室に「ソウルに住む障害者だが日ごろから社会に不満が多い。ソウルの鍾路方面の地下鉄を爆破する」と電話があった。警察当局は悪質ないたずらの可能性が高いとみているが、ソウル市鍾路区を通過する地下鉄1、3、5号線の各駅の警備や検問を強化した。
・夫は、息子は… 不明者家族眠れぬ一夜
 【大邱19日共同】「アイゴー」と叫ぶ年老いた女性。別の遺族は「夫はどこなの」「息子は…」と言うと絶句して泣き崩れた。死者数が120人を超えた韓国・大邱市の地下鉄放火事件。死亡乗客の遺族や行方不明者の家族は火災から一夜明けた19日午前、大邱市内の地下鉄車両基地を訪れ、焼け焦げて無残な姿をさらす車両を前に悲しみに震えた。
 大邱市の市民会館に設けられた遺族や家族の待機所には18日夜から300人以上が集まった。掲示板に張り出された被害者リストを見るなどして眠れぬ夜を過ごし、19日朝になると火災を起こした車両が移送された車両基地へと移動した。
 入り口で入場をめぐって職員と一時トラブルになったが、間もなく約10人ずつに分かれて中へ。骨組みだけ残して鉄骨まで白くなるほど激しく燃え落ちた車両を前にすると、遺族は口々に無念を口にし、基地内にはおえつと絶叫が広がった。
 家族が行方不明となっている崔栄河さん(66)は「こんなことがあるのか」と涙を浮かべ、娘(24)が不明となっている母親は、むごたらしく焼け焦げた車両を見て泣き崩れ「何もかも燃えてしまって…。娘はどこにいったの」。別の男性は「何も話すことはない。車両を見たからといって何も戻ってこない」と目頭を押さえた。
・関西の各地下鉄 駅巡視など強化
 韓国・大邱市の地下鉄放火事件を受け、関西の各地下鉄は19日までに、駅構内の巡視強化などを各駅に通達した。
 京都市営地下鉄は、車内点検の強化、避難誘導マニュアルの再確認や消火設備の点検などを徹底するよう通達を出した。
 大阪市営地下鉄では、駅構内に不審人物がいないかや不審物の有無について2時間に一度駅員が巡回しているが、頻度を増やすように指示した。(京都新聞 夕刊)
■地下鉄の防災 国交省点検へ 韓国の火災で
 韓国・大邱市の地下鉄火災を受けて国土交通省は19日、全国の地下鉄を対象に、定められた避難通路を確保しているかなど、構内で火災があった際の防災対策が整っているかどうかの聞き取り調査を始めた。
 国交省によると、地下鉄の駅は通達により、地上の駅より厳しい耐火性が求められているが、古い駅では設備が不完全な駅もあるとみられる。
 地下鉄の駅の耐火性は、11人が負傷した1968年の東京・営団地下鉄日比谷線の車両火災や、30人が死亡した72年の旧国鉄北陸トンネル車両火災事故などを教訓に強化された。
 75年に旧運輸省が出した通達「地下鉄道の火災対策」では@地下鉄の駅施設の不燃化A防災管理室の設置B適切な換気施設C地上への2つ以上の避難通路−などを求めている。(京都新聞 夕刊)
■信号機故障で運行遅れ178本 神戸・阪神御影駅
 19日午前6時ごろ、神戸市東灘区御影本町4丁目の阪神電鉄御影駅構内で、下り線の信号機が赤のまま変わらなくなり、尼崎発山陽姫路行き直通特急が同駅手前で立ち往生した。このため、駅員が手信号で対応、信号機は午前8時に復旧したが、同持急を含めて同11時までに電鉄本線の上下計178本が最高20分遅れ、約12万2000人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
■貨物列車にはねられ即死 JR彦根駅
 19日午前11時10分ごろ、滋賀県彦根市古沢町のJR琵琶湖線彦根駅で、人がホームから線路に下り、通過中の熊本操車場発東京貨物ターミナル行き貨物列車(24両編成)にはねられた。全身を強く打って即死した。JR西日本によると、琵琶湖線は米原−河瀬間の上下線で運転を見合わせており、京阪神方面に直通する新快速電車は草津で折り返している。(朝日新聞 夕刊)
■韓国地下鉄放火 70遺体、大半は対向車両に ドア開けず逃げ遅れ? 公社の対応本格捜査
 【ソウル=小菅幸一】韓国・大邱市の地下鉄火災で、車内に残っていると同市対策本部が推定している約70体の遺体の大半は、発生直後に駅ホームに入って延焼した対向車6両にあることが19日わかった。同本部は車内の遺体以外に、すでに死者53人を確認している。
 同本部によると、負傷者は146人。市民からは305人分の捜索依頼が18日から同本部に寄せられた。
 大邱地方警察庁が延焼車の運転士(39)から事情を聴いたところ、運転士は現場の中央路駅に着いていったんドアを開けたが、煙とガスの流入が激しいため、閉めたと語った。乗客から求められて再び開け、乗客らと避難したという。この運転士がドアを開けず、乗客が逃げるのが遅れたとの証言が出ていた。
 同庁によると、被災車に放火したとされる男(56)は入院先の病院で聴取に対し「体の調子が悪いのを悲観し、一人より多数で死ぬのがいいととっさに考えて犯行を決めた」と話しているという。
 確認された死者53人のうち約2割はまだ身元がわからず、車内の遺体はさらに損傷が激しいため、韓国政府は国立科学捜査研究所から21人を現地に派遣し、DNA鑑定を行う準備を始めた。
 警察当局は、火災時のドア開閉状況や避難誘導問題など大邱地下鉄公社側の対応に問題がないかの本格的な捜査にも入った。
 最初の被災車6両と延焼した6両の計12両は金属製の骨組みをほぼ残すだけの全焼で、大邱地下鉄公社は19日未明までに市内の車両基地に移した。警察・消防などが車内に残された遺体の確認を急いでいる。
・お母さんここにはいないでね 家族ら眠れぬ夜
 【大邱(韓国南東部)=箱田哲也】地下鉄火災が起きた韓国・大邱市中心部の中央路駅周辺では、発生から一夜明けた19日朝も地下鉄入り口から焦げ臭い高温の空気が立ち上った。依然として行方が分からないままの乗客の家族らは疲れた表情で眠れぬ夜を過ごした。
 中央路駅から約1`離れた大邱市民会館の大ホールには18日夜から遺族や行方不明者の家族らが集まり、当局側からの続報を待った。地元の町内会関係者や企業が食事の提供、奉仕活動などに当たったが、食事を口にする家族は少なかった。
 市内の個人タクシー運転手、金漢植さん(58)は、妻の朴ユンテさん(52)を捜し、19日午前7時すぎに市民会館に来た。朴さんは18日朝、自宅を出て、自分が営む食堂に向かったまま、音信が途絶えている。
「妻がいつも地下鉄に乗る時間帯に火が出ているため、半ばあきらめている。でも、もしかして自分の名前も伝えられないほどの大けがで運ばれているかとも思い、徹夜で病院を回った。どこにもいなかった」
 18日朝は食事をしながら、「お互い、いい年になったから体には気をつけような」といたわりの言葉を掛け合ったばかりだった。金さんは「あれが最後の言葉になったとは絶対思いたくない」とむせび泣いた。
 火災にあった車両が置かれている大邱西部の月背車両基地では19日午前10時半ごろから一部の被害者家族らに車両が公開された。車両の中にはまだ遺体が残っているが、家族らの強い要望を受け、警察当局が30人ずつに制限して車両付近への立ち入りを認めた。
 大邱市内に住む河英姫さん(33)は行方不明の母崔福男(59)を捜してやってきた。焼け焦げた車両に近づくと河さんは「お母さん、頼むからここにはいないで」と泣き崩れた。母の崔さんは18日未明、うなされて涙を流していた。河さんが気遣うと「すごく怖い夢を見た」と母は答えたという。
 河さんは「あれが悲劇の前触れだったのかもしれない。病院に薬をとりに行くだけだったので、車で送ってあげればよかった」とうなだれた。
 火災発生から全面運休となっていた地下鉄は19日朝から一部区間で運行を再開した。同日朝、中央路駅に近か教大駅から乗った主婦南玉竜さん(66)は「夫がやっている店と実家の間を行き来するのに毎日地下鉄を利用している。きのうも地下鉄を降りた後、火事のことを聞いてびっくりした。安くて便利で、年寄りには一番の交通手段なのに」と戸惑った。
 火災現場の中央路駅につながる地下鉄の各入り口には機動隊員が立ち、外部からの出入りを防いだ。周辺は鈍行や商店が立ち並ぶ目抜き通りだが、火災で巻き上がった猛煙で街全体が黒ずんだままだ。18日には全面通行止めになっていた駅周辺の幹線道路は、19日朝から一部の交通規制に切り替えられ車を通したが、ひどい渋滞が続いた。
・防火設備を点検 京郡市交通局
 韓国・大邱の地下鉄火災事件を受け、京都市交通局は19日、市営地下鉄の駅構内と車内の防火設備や避難誘導マニュアルなどの緊急再点検を始めた。同日午後には、防火シャッター、消火栓の動作確認や消火器の配置について再点検をする。
 この日、市営地下鉄では乗務員や駅職員らは点呼時に、駅構内や車内に不審物がないか点検を強化することや、列車火災発生時と乗客避難誘導についてのマニュアルを読み直すことを確認した。(朝日新聞 夕刊)
■駅員殴り警官逮捕 兵庫県警 暴行容疑
 18日午後11時半ごろ、兵庫県尼崎市内のJR駅内で男性が列車に飛び込む事故があり、上下21本に最大で60分の遅れが出た。この事故の影響が続く19日午前1時ごろ、同県西宮市池田町のJR西ノ宮駅で、同県警宝塚署生活安全課巡査長、藤井康史容疑者(34)=神戸市兵庫区水木通2丁目=が駅員を殴ったとして、暴行容疑で現行犯逮捕された。藤井容疑者は容疑を否認している。
 西宮署の調べによると、藤井容疑者はダイヤの乱れについての駅員の対応が悪かったことに腹を立て、「どないなっとるんや」などと言って駅員の左胸を拳で殴った疑い。もめているのを見た別の駅員が110番通報し、駆けつけた西宮署員に逮捕された。「もめたのは事実だが、殴ってはいない」と供述しているという。(朝日新聞 夕刊)
20日■対向列車 進入禁止伝わらず 韓国地下鉄放火 指令体制に問題か
 【大邱19日共同】韓国・大邱市の地下鉄放火事件で、警察当局の19日までの調べで、列車運行指令室が事故当時、放火された車両から火が燃え移った対向列車の運転士に対し、中央路駅への進入禁止を列車無線で明確に運転士に指示していなかった可能性があることが分かった。
 死者の多くが出た対向列車のドアは、前方車両の一つを除き、ほとんど閉じられたままだった。このため警察当局は、この運転士と指令室が適切に状況判断できなかった結果、犠牲者が増えた可能性もあるとみて、事故当時の正確な状況把握に全力を挙げている。
 大邱市当局によると、死亡確認済みの53人と車内に残った遺体を合わせ死者数は、125人に上るとみられる。
 韓国紙の東亜日報は20日付早版で、警察の話として、列車運行指令室が火災の通報を受けながら正確な位置や状況を把握できず、対向列車の運転士に「進入禁止命令」を出さなかったと指摘した。
 複数の乗客の証言で、対向列車の乗客らがドアを自力で開けて脱出するまで10分余りかかった。この間に2本の列車に火が燃え広がり、韓国メディアは「魔の10分」と報じた。
 大邱市の対策本部の調べでは、火災発生から2分後に現場の中央路駅への電力供給が停止。関係者によると、停電で駅構内の監視カメラや、運行指令室と駅の直通電話も止まり、消防などが火災の発生場所や広がり具合を正確に把握できていなかった。警察当局は安全体制に不備がなかったかどうか調べる方針だ。(京都新聞)
■乗客、命懸けでシャッター切る
 【ソウル19日共同】「命懸けで振った写真です」。韓国・大邱市の地下鉄放火事件で、18日の火災発生直後に車内で有毒ガスに包まれる乗客の様子を振ったのは、カメラを離さず通勤を続ける写真愛好家だった。大邱市のコンピューター学校の講師を務めるリュウ・ホジョンさん(29)は放火された列車の対向列車に乗っていて火災に遭った。突然の放火で列車内に有毒ガスが充満してくる中で夢中で何回かシャッターを切ったが、身の危険を感じて列車を降り、光が差し込む方向を目指して必死で逃げた。
 地上に出てようやく「助かった」と実感が込み上げてきた。職場の学校に行って顔を洗い一段落すると、現場に再び向かった。そこで大邱市の地元紙記者に会って「何カットか撮ったんだけど」と知らせた。韓国の有力新聞はいずれも20日朝刊(早版)でリュウさんの写真を一面で大きく掲載した。リュウさんはその後、有毒ガスの手当てを受けるため、大邱市内の病院に入院した。(京都新聞)
■地下鉄を緊急点検 韓国事件受け京都市
 多数の死傷者を出した韓国・大邱市の地下鉄放火事件を受けて、京都市は19日、市営地下鉄烏丸線の五条駅で緊急の消防設備点検を行い、駅構内の消火栓や避難誘導灯などを調べた。また、地下軌道で営業する鉄道事業者の防火管理担当者を集めて緊急会議を開き、初期消火や通報連絡手順の再確認などを求めた。
 五条駅では、消防設備士の資格を持つ作業員4人が、約4時間かけて緊急点検を行った。プラットホームや連絡通路に設置してある消火栓の放水ホースやバルブに異常がないか確認したほか、避難誘導灯と消火器の設置状況もチェックした。
 また、地下鉄車内に備え付けの消火器についても竹田、醍醐の各車両基地で点検を始め、駅構内などに不審物がないか、監視を強めている。
 市交通局によると、通常は年に2回、烏丸線と東西線の全27駅の消防設備を順に点検している。今回の緊急点検については「今後、早急に全駅で実施する」としている。
 鉄道事業者を対象に開いた緊急会議には、市交通局のほか、私鉄の阪急、京阪、近鉄の防火管理担当者も出席した。市消防局は、乗客の避難誘導や初期消火に関するマニュアルの再チェックを要請し、駅構内の売店やトイレの可燃物管理も厳重にするよう求めた。(京都新聞)
■大邱・地下鉄放火検証 「人災」と批判強まる 安全対策不備重なる
 【大邱19日共同】韓国・大邱市の地下鉄放火事件は、安全対策や避難誘導の不徹底などが重なって被害を拡大させた可能性が強まり、遺族やメディアからは「人災だ」との批判が上がっている。特に犠牲者の多くが放火車両ではなく、対向車両の乗客だったため、運行指令室が適切に停車措置を取っていれば惨事は防げたとする声もある。韓国メディアの報道や生存者の証言を基に、被害拡大の原因を検証した。
 火災が起きた中央路駅のホームの監視カメラは、出火の模様を克明にとらえていた。19日公開された映像によると、列車は18日午前9時52分、同駅へ滑り込んだ。1分後にホームに到着、客の乗り降りが始まったところへ、突然放火容疑者とみられる男が体に火をつけたまま列車から出てきた。間もなく駅構内には有毒ガスが充満し、一帯はどす黒い煙に包まれた。
 「前方の駅で事故が発生したので注意するように」。同じころ、対向して中央路駅に向かっていた列車の運転士は、指合室からこう指示を受け自動運転を半手動に切り替えたという。
 さらに運転士は「駅の200b手前で黒い煙を見た」と話したが、結局そのまま進行。聯合ニュースによると、警察は、火災の発生を知りながらなぜ停車しなかったのか詳しく捜査するという。
 対向車で大きな被害を招いたのは、火や煙が回ってきた後も列車のドアが閉まっていたためとの見方が有力だ。
 なぜドアは開かなかったのか。運転士は警察に「ドアを開けると煙と有毒ガスが入ってきたので閉めた」と話す一方、乗客の求めに応じて「少ししてドアはすべて開き、客と一緒に脱出した」ことを明らかにしている。
 しかし、この列車に乗っていた会社員は「すぐ出発します」と車内放送があり、ドアは約10分間も開かなかったという。火災直後に駅構内に入った消防関係者も「ドアは1ヵ所を除き閉まっていた」と話し、証言は大きく食い違う。
 韓国メディアは「反対方向のドアを開けて降ろせば良かった」と対応のまずさを批判、遺族は「もっと運転士教育をしっかりやるべきだ」と怒りの声を上げた。
 一部の乗客らはドアをこじ開けて脱出しようとしたが、前から3両目にいて軽傷を負った男性(30)は「ドアが開いても残ったのは老人や小さな子どもたちが多かった」という。地上に向かった人も有毒ガスのため多くが階段の途中で息絶えた。
 適切な誘導も無理だった。地下鉄労組関係者は「省力化のため駅員はわずかしかいない」と肩を落とす。頼みの監視カメラの映像も、停電によってすぐ途絶え、地上の運行指令室から正確な状況把握を行うのが不可能となった。
 地上では火災発生直後から消防隊員1300人のほか軍も動員、救助活動に着手しようとしていたが、地上の通風口からは大量の黒煙が噴きだし換気システムの不備が初動の遅れに拍車をかけた。
 火が収まったのは午後1時38分。本格的な救助活動が始まったのも同じころ。発生から4時間近くもたっていた。
 女子大生の黄舜功さん(22)は「地下3階から地下1階まで夢中で階段を駆け上ったが、誘導してくれる人はいなかった。最後に助けてくれたのは消防士だった」と怒りを込めて振り返った。(京都新聞)
■スーパー、保育サービス、病院… 駅の商業施設拡充 JR西日本 京など130駅
 JR西日本は19日、今後5年間で関西を中心とした約130駅の商業施設で、改装や店舗拡充をする、と発表した。販売や生活関連サービスの充実で新しい収益源を開拓し、利用客の増加につなげるとしている。
 乗降客数が1日1万人以上で中小規模の駅と、関西以外の主要駅が対象。業務施設の集約などで、駅周辺に計10万平方bのスペースを確保、延べ床面積15万平方bを開発する。保育サービスや高級スーパー、専門病院などを導入する。
 山科駅では、東側にレンタルビデオ店や英会話教室などが入った商業ビルを昨年7月にオープン。今春には京都駅地下1階の旧京都シティ・エア・ターミナル(京都CAT)跡に、京土産や弁当、書籍などの店舗ができる。
 5年間の投資額はグループ全体で300億円。事業に伴う売り上げは、2007年3月期に連結ベースで340億円、営業利益約50億円を見込む。(京都新聞)
■社説 地下鉄放火 安全性向上へ想定広く
 韓国・大邱(テグ)市地下鉄の放火火災に伴う死者は120人を超え、世界の地下鉄史上有数の大惨事となった。
 猛火と猛煙、さらに停電で、地下空間に閉じこめられた多くの市民が、無念の死を遂げた。地上の肉親に危機を告げる携帯電話が途切れる。百何十人というひとびとが死に瀕(ひん)していることが分かっているのに、どうすることもできない。なんともどかしく、切ないことか。
 一人の身勝手な男が、ガソリンを車内に持ち込み、駅到着直前にライターで点火したのが大惨事のひきがねだった。火は一瞬のうちに燃え広がり、6両編成の地下鉄列車2編成を焼き尽くした。駅構内には黒煙と有毒ガスが充満、ひとびとの脱出と生還を阻んだ。
 午前10時前。ラッシュアワーは過ぎていたが、高齢の乗客が多い時間帯だった。犠牲者は車内や地上への階段に折り重なるように倒れていたという。大惨事は、都市の弱点をあらためてつきつけた。
 大邱市をはじめ各地の地下鉄関係者は、放火などは「想定外のできごと」と口をそろえる。地下の密閉空間が地上に比べて危険度が高いのは当然のことで、それなりの安全対策を講じてあり、よほどのことがない限り対応できるというのだ。
 一般に、車両や駅の設備には不燃性、難燃性の高い素材を用い、消火器やスプリンクラー等の防火設備、排煙・換気設備も整える。停電時に備えてバッテリーによる非常灯を設けるなど避難誘導の備えも整え、日ごろから訓練も重ねている。
 日本では、とくに車両設備の不燃化には厳しい基準を適用しているという。北陸トンネル火災事故の教訓を生かした結果というが、1990年代に東京で地下鉄の連続放火があった時も、大阪でボヤがあいついだ際も大事には至っていない。その限りでは、安全対策は着実に成果をあげてきたといえよう。
 大邱の事故の場合、はたして難燃化や防災設備、停電対策が世界の水準に比べて十分だったか、火災発生時のドアの開閉や避難誘導に問題はなかったかなど、今後の調査にまたねばならない点が多々ありそうだ。しかし、世界の地下鉄の常識として放火やテロといったことがまったく「想定外」とすれば心もとない。
 想定外のことは、しばしば起きるものだ。しかたがないこと、不可抗力と片づけずに、想像力を常時駆使して「想定外」をできる限り減らす姿勢がほしい。
 車両が不燃性であっても乗客の衣服や携帯品は可燃性が高い。燃えて有毒ガスを出す素材も多い。50b以深の大深度地下の利用も始まり、都会地下の迷路化はますます進行する。改札やホームの無人化で、不審な行動はチェックされにくい。
 大惨事に謙虚に学び、せめて安全性の向上に生かさねばならない。(京都新聞)
■「駅ビジネス」ぐっと加速 JR西日本130駅で計画、目玉は大阪駅
 JR西日本の南谷昌二郎社長は19日、駅の空間を利用して飲食店や高級スーパー、診療所など様々なサービスを提供する「駅ビジネス」を加速させると発表した。今後5年間に西日本の約130駅で、床面積にして計15万平方bの開発を進める計画で、「『駅力』の向上で商業部門の売り上げを伸ばしたい」(南谷社長)としている。
 1日の乗降客数が1万人以上の駅や地方の主要駅が対象。必要な空間は、線路上空への人工地盤の設置▽高架下の活用▽駅業務施設の移転・集約で確保する。商業施設のはか、保育サービスや診療所なども開業させる。グループ全体で約300億円を投資。最終的に売上高で340億円増、営業利益で40億〜50億円増を見込む。
 なかでも、1日に約80万人が利用する大阪駅の整備は目玉のひとつ。3月から約20億円をかけ、駅東側の「御堂筋口」の全面改装を進める。「みどりの窓口」と近距離切符売り場を改札口わきにまとめ、約1700平方bの商業スペースを確保。来年3月には高級食品スーパーや飲食店を5、6店開業させる計画だ。
 他の主な駅では、大阪府の高槻駅で、線路上空で約900平方bを増床して来春に雑貨店などをオープンさせるほか、神戸駅西側の高架下約6000平方bにも店舗を誘致。石川県の小松駅、広島県の広島駅と呉駅、島根県の益田駅なども整備対象に挙がっている。(朝日新聞)
■火災直後 火だるまの男 ホーム煙充満 韓国で映像公開
 【ソウル=小菅幸一】韓国・大邱地下鉄公社は19日、最初に火災が発生した6両編成電車が中央路駅に入ってくる際の映像を公開した。ホームのモニターカメラの映像で約1分間。車内に放火したとされる男(56)自身が火に包まれてホームに出てくる姿や、その約20秒後にホームが煙に覆われる様子が映し出されている。
 画面上の時刻によると、列車のホーム進入は18日午前9時52分39秒(日本時間同)。53分01秒に停車し、同12秒、半身が火だるまになった男が車内からホームに出る。その直前に車内に放水していたとみられる。
 ホームでは近くにいた客が自分の服を脱いで男の火を消そうとしていた。ホーム上の大勢の客も異変に気付き、あわてだした。同27秒、ホームに急に煙が広がり出し、画面全体が煙に覆われた瞬間の同33秒に、映像が途切れている。
 東亜日報など20日付の韓国紙は、延焼した対向電車の出火直後の車内の様子を撮った乗客の写真も掲載した。煙が充満しだす車内で、大半の乗客は座席に座り、救助を待っているようにも見える。手やハンカチで口と鼻をふさぐ人もいる。(朝日新聞)
■韓国地下鉄火災 到着まで火災知らず 対向車両の運転士供述 安全措置不十分か
 【大邱(韓国南東部)=高槻忠尚】韓国・大邱市の地下鉄火災は19日、事故現場の復旧作業と捜査当局による関係者への事情聴取が本格化した。その結果、放火車両の反対側に進入した電車の運転士(39)が、直前まで運行指令室から「注意運転」の指示しか受けずホーム到着まで火災を知らなかった、と供述するなど、大邱地下鉄公社側の安全措置が不十分だった可能性が強まった。
 市対策本部が被害状況を精査し、同日夕現在、身元が確認された死者は53人、負傷者が146人になった。火災車両からこれまでに約70体の遺体が見つかり、身元確認を進めている。また、市民からの行方不明の捜査依頼も計329人に達した。
 19日の捜査当局の調べに対し、反対車両の運転士は、火災が起きた中央路駅の一つ手前の大邱駅を出発した際に、指令室から「中央路駅で事故が起きたので注意運転するように」とだけ指示を受けたと供述。地下鉄公社が停止指令を出さなかった事実が裏付けられた。運転士によると、中央路駅に近つくにつれ煙が見えたものの、指令室からの追加指示はなく重大事故ではないと判断し、そのまま駅に進入。停車中に火が燃え移り、犠牲者を増やしたとみている。
 一方、捜査当局は、放火容疑者の男(56)が18日朝に犯行を計画、午前8時ごろに自宅を出て近くの給油所でガソリンを購入し、そのまま地下鉄に乗ったと見ている。
 また、地元メディアによると、火災を起こした車両は97年に製造されたもので、繊維強化プラスチックなど燃えやすい素材が使われていたという。
 一方、金大中大統領は火災現場付近を特別災難地域に指定。復旧や犠牲者への補償も政府が支援していく考えを示した。
・不審者チェック 設備点検を指示 37事業者に国交省
 韓国・大邱市の地下鉄火災を受け、国土交通省は19日、地下に駅を持つ全国の37釘事業者に対し、不審者のチェックや火災対策設備の点検などを指示した。
 対象は、11の地下鉄事業者のほか、JR東日本や西日本、東京急行電鉄、名古屋鉄道、阪急電鉄など。@不審者や不審物に対する注意の徹底A火災対策設備や対応マニュアルの点検B換気システムや避難通路の確保、車両の不燃・難燃化など防火設備の整備促進−を求めている。
・京阪神の地下鉄 防災点検を強化
 韓国の地下鉄火災を受けて、京阪神の地下鉄でも19日、防災点検や対策強化に乗り出した。
 大阪市交通局は地下鉄各駅で不審物がないか、駅員が巡回。局内の部課長会議を開き、不審な人や物の警戒強化を決めた。20日朝から1〜2週間かけ、約1200ヵ所の防火シャッターや消火設備を緊急点検する。
 神戸市交通局も緊急の対策会議を開き、火災の通報や消火、乗客誘導の手順を確認した。駅や車内の巡回徹底や、モニターカメラによる監視強化も申し合わせた。会議後、海岸線三宮・花時計前駅で消火栓や防災情報システムを点検した。
 京都市消防局でも市営地下鉄、近鉄、京阪電鉄、阪急電鉄の担当者を集めて緊急会議。避難誘導、初期消火態勢の手順の再確認や駅構内の可燃物の管理徹底を求め、災害時のマニュアル提出も呼びかけた。
 JR西日本も地下を走る東西線の駅や車両で防火機器を点検することを決めた。(朝日新聞)
■地下鉄火災避難 他の乗客の手伝い頼み? 高齢者、障害者その時… 最深部は京都26b エレベーター停止も
 韓国の地下鉄放火事件で地下駅の避難誘導に注目が集まっているが、火災が発生したとき、エレベーターなどは使えなくなり、高齢者や車いすの障害者がいかにスムーズに避難できるかが課題となっている。
 災害時、エレベーターに代わる高齢者や障害者の避難用器具はまだなく、人力が頼りだ。しかし駅員や乗務員は合理化で減る一方で、中には昼間駅員が一人の駅も。国土交通省の担当者は「周囲の乗客の協力が必要」と訴えている。
 鉄道各社は交通バリアフリー法に基づき、1日5000人以上の乗降客数がある駅にエスカレーターやエレベーターの設置を進めている。これらはビルの中と同様、火災や地震の際、危険防止のため原則として止めることになっている。
 京都市では、市営地下鉄の日常訓練に駅員らの車いす体験などを取り入れ、高齢者や障害者への対応に備えている。しかし、災害時の避難誘導では乗降の補助に手が回らない場合、「他の乗客に手伝ってもらうようお願いすることになる」(市交通局)という。
 市営地下鉄には全駅にエレベーターが設置されており、最も深い地点にある駅は、東西線の三条京阪、蹴上両駅で、ホームから地上まで26bある。火災や地震の災害時には階段を使って避難誘導するが、エレベーターについては、中に人がいないかを確認して止めるという。
 また、国内で最も深い都営大江戸線の六本木駅の場合、ホームから地上まで42bを階段で避難しなければならない。
 介助者がいなければ「係員が抱えて避難するしかない」というのが各社共通の見解。しかし改札の自動化が進み、札幌市や仙台市の地下鉄では時間帯によって駅員が一人しかいない所がある。
 大江戸線や名古屋市営桜通線など新しい路線を中心に車掌をなくしたワンマン運転も増えた。災害が起こったとき、現場に居合わせる係員の数は限られる。
 バリアフリー化に取り組む国交省の担当者は「それを理由に高齢者や障害者が外出しにくくなってほしくない」と強調した。
 同省鉄道局安全対策室の担当者も「誰も『自分だけ助かればいい』と思っていないだろう。地下鉄での災害に限らず、乗客同士が助け合ってほしい」と話している。
・誘導など再確認 京阪・阪急
 韓国の地下鉄放火事件を受けて、京都市内で地下走行区間を持つ京阪電鉄と阪急電鉄も対策を迫られている。
 京阪は七条駅−出町柳駅間(計6駅)が地下構造となっており、事件を受けて駅構内の巡回強化を指示した。阪急は西院駅から河原町駅間が地下構造で、事件を受けて乗客の誘導や係員の対応についてマニュアルの内容を再確認している。阪急は「今回のような事件は想定外だが、係員は駅の構造を一番理解しており、パニックにならないよう誘導に従ってもらいたい」としている。
 エレベーターについては、京阪が七条駅以外の5駅で設置している。年数回の訓練では「係員に子どもや高齢者を先に避難させるように指導している」(京阪広報部)としている。阪急では大宮駅だけに設遺しており、事件や災害の状況により止めることもあるという。
・事故現場を慮氏が視察 韓国・大邱
 【大邱(韓国南東部)20日共同」韓国の慮武鉉(ノ・ムヒョン)次期大統領は大邱市の地下鉄放火事件の犠牲者を慰霊するため20日、惨事の現場となった中央路駅を視察、同市の市民会館に設置された「合同焼香所」を訪問し、泣き叫びながら悲しみを訴える遺族や行方不明者の家族らと対面した。
 慮氏は25日の新政権発足を控え、大邱訪問で遺族らの心情に配慮、原因の徹底究明と今後の安全対策への姿勢を国民に示す狙いとみられる。
 金大中大統領が指定した「特別災害地域」への訪問で、慮氏は新大統領として実質的な活動を始めた形だ。
 発生から3日目の20日、市民会館内の待機室では、行方不明者の家族らがやつれた表情を見せていた。
 また大邱市は23日に市主催の追悼慰霊行事を行うと発表した。
 韓国の政権引き継ぎ委員会は19日、遺族に配慮して25日の祝賀行事を取り消すなど大統領就任式を縮小し、簡素化すると決めた。(京都新聞 夕刊)
■ポイント故障 朝の足乱れる JR山科駅
 20日午前7時ごろ、JR東海道線山科駅構内で下り線の切り替えポイントが変わらなくなり、下り貨物列車が同駅手前で停車した。このため、野洲発姫路行き新快速が部分運休するなど、東海道線と湖西線の電車8本が運休し、計20本が33分から3分遅れ、通勤客ら約2万2000人に影響が出た。
 JR西日本によると、ポイントは約1時間半後に復旧した。切り替えの信号を検知する機器に問題があったという。(京都新聞 夕刊)
■湖西線、強風で運休
 JR西日本は20日午前10時半ごろから、強風のため湖西線の堅田−近江舞子間の運転を上下線とも見合わせた。滋賀県志賀町の風速計が規制値(毎秒25b以上)を超えたためで、運休区間は代替バスを走らせているほか、湖西線を通る特急列車は東海道線経由で運行している。午後1時現在、運転を再開していない。(京都新聞 夕刊)
■盧・次期大統領 地下鉄現場へ
 【大邱=高槻忠尚】盧武鉉次期韓国大統領は20日午前、大邱市の地下鉄火災現場を訪問、犠牲者の冥福を祈った。
 市民会館に作られた合同焼香所を訪れ、「こうしたことが再び起きないよう、安全措置を再確認する」と語った。(朝日新聞 夕刊)
21日■全国11地下鉄 排煙能力150駅で不足 国交省調査 避難路 99駅不備
 韓国の地下鉄放火事件を受け国土交通省が地下鉄を営業する11事業者の574駅を緊急調査した結果、26%に当たる150の地下駅(5都市6事業者)で国が定めた基準を満たす排煙設備が整っていないことが20日、分かった。ホームから地上への避難経路でも同じ六事業者の99駅(17%)で、経路が複数ないなど基準を満たしていなかった。いずれも基準が定められる前に建設されたもので構造上改良が難しいが、国交省の青山俊樹事務次官は「早急に基準に合う措置を取るよう指導したい」としており、韓国の火災を教訓に改良が加速しそうだ。
・京都はともに合格
 旧運輸省が1975年に出した通達で、地下駅には排煙設備を設けることが義務付けられ、さらに82年に駅構内の空間の広さや高さなどに応じた排煙性能の基準が定められた。
 調査対象は営団と東京都交通局、札幌、仙台、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡の8市交通局、埼玉県の第三セクター埼玉高速鉄道の計11事業者。
 排煙設備の基準を満たしていない駅が最も多いのは東京の営団地下鉄で47駅。次いで名古屋市は39駅、大阪市は30駅。都営は24駅、札幌市は7駅、横浜市は3駅で能力不足だった。
 避難通路では都営の24駅、営団23駅、名古屋市営17駅が不十分だった。
 国交省鉄道局施設課は「駅によって基準との隔たりに差がある。個別の事情を詳しく調べ、改良の必要性の高いものから事業者を指導したい」としている。
 今後、地下鉄以外にもJR東日本や東急、名鉄、京阪、近鉄など地下駅を管理する鉄道事業者に調査範囲を広げる。
 仙台、京都、神戸、福岡の四市営と埼玉高速は全駅で排煙設備、避難経路とも十分だった。
 排煙設備について共同通信が19日調べた際、東京都は「17駅に設備がない」としていたが、国交省の調査では基準を満たしていない駅が約4分の1に上った。避難経路では共同通信の調査は、複数ない駅をまとめたが、国交省はホーム先端から50b以内に避難経路がない駅なども含めている。(京都新聞)
■韓国・地下鉄放火 指令室、指示与えず 運転士「むちゃくちゃです。すぐに措置を」 対向列車との交信記録公開 過失強まる
 【大邱(韓国南東部)20日共同】韓国・大邱市の地下鉄放火事件で、火災発生後に地下鉄公社の列車運行指令室と、放火された車両から火が燃え移った対向列車の運転士(39)らとの無線交信の記録を、警察が20日公開した。
 記録は「むちゃくちゃです。息苦しいのですぐに措置してください」「気がおかしくなりそうだ」と訴える運転士の動転ぶりを伝えている。一方で、指令室が火災を認知しながら発生現場の中央路駅に向かっていた対向列車の進入を制止せず、明確な指示を与えていなかったことを裏付けた。
 多数の死者を出す大惨事となったのは、対向列車への指示の不徹底が一因との見方が強まっており、警察当局による地下鉄公社の過失追及が一層厳しさを増しそうだ。
 公開された交信部分は、火災発生2分後の午前9時55分から10時17分まで。
 指令室は、9時55分に全列車に火災発生を伝える一方「中央路駅には注意して運転して入ってください」と進入を許可した。
 対向列車が同56分に到着、57分に運転士が「停電ですか」と尋ねると、指令室は「停電なので(車内)放送して」とだけ返答。運転士は煙が出ていることを伝え、58分には「中央路駅です。待避させますか、どうしますか」と措置を求めたが、指令室から明確な指示はなかった。
 直後に一時通電すると、運転士は駅から出発しようとしたが「また停電してむちゃくちゃです」(59分)と話すなど、混乱の極みにあったことをうかがわせている。
 対向列車の運転士との交信は59分を最後に途絶え、結局、運行中の地下鉄全車両に対し指令室から安全確保のための指示が出たのは10時6分だった。(京都新聞)
■京都市営地下鉄が小規模ダイヤ改正 来月6日から
 京都市交通局は3月6日から、地下鉄烏丸線、東西線のダイヤを改正する。烏丸線に乗り入れる近畿日本鉄道のダイヤ改正を受けた対応で、朝の奈良行き急行を増発するほかは、大きな変更はない。
 奈良行き急行の国際会館始発は午前9時55分だったが、奈良方面への旅行客の利便性を高めるため、午前7時55分発の列車を設ける。一方で、昼間の新田辺行きを減便する。
 烏丸線、東西線ともに始発と終発の時刻、1日あたりの運行本数、運行間隔は変わらない。烏丸御池駅での乗り継ぎは方面によって1、2分延長、または短縮される。(京都新聞)
■臨時カニ特急増発 KTRが春の輸送計画
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)は20日、臨時特急列車の増発などを含む「春の旅客輸送計画」(3月1日−6月末)を発表した。
 臨時特急列車は、3月中の松葉ガニ目当ての行楽客のため、土、日祝日に各1本増発する。午前8時20分、大阪発天橋立行き特急「かにカニ文殊号」と、午後3時54分、天橋立発京都行き特急「かにカニはしだて号」の2本。
 期間中、特急列車「タンゴ・ディスカバリー」(京都−豊岡、久美浜間)の1、2、4号を2両増結、「タンゴ・エクスプローラー」(新大阪−久美浜間)1、4号を3両増結するなど、特急計13本の車両を増やす。
 また、丹後由良(宮津市)や木津温泉(網野町)、丹後神野(久美浜町)の各駅に特急列車が5月5日まで臨時停車する。問い合わせはKTR 営業課TEL0772(22)8571へ。(京都新聞)
■汽船バスを解散 来月末に京阪電鉄 子会社が引き継ぎ
 京阪電気鉄道は20日、子会社で貸し切りバス事業の汽船バス(大津市、森田裕敬社長)を3月31日付で解散する、と発表した。事業再編の一環で、汽船バスの事業は今後、別のバス事業子会社京阪バス(京都市南区)が引き継ぐ。
 汽船バスは、京阪電鉄の子会社琵琶湖汽船(大津市)の100%出資で1998年に設立、資本金は3000万円。2002年3月期の売上高は3億2000万円。
 滋賀県内での貸し切りバス事業の免許は京阪バスも所有しており、業務の重複を解消し事業の効率化を図るため汽船バスの解散を決めた。汽船バスの従業員25人とバス17台の一部は京阪バスに移管する。(京都新聞)
■地下鉄駅 26%、排煙設備不十分 国交省まとめ 避難通路は17%に難
 韓国・大邱市の地下鉄火災を受け、国土交通省は20日、全国の地下鉄駅について防火対策基準の達成状況をまとめた。11地下鉄事業者の計574駅のうち、排煙設備については26%、避難通路は17%が基準を十分に満たしていなかった。同省は車両の火災対策については世界でも最も厳しいとされる基準を設けており、すでに全車両が基準を満たしている。しかし、古い駅施設などでは基準を満たしていないため、同省は各事業者に整備を急ぐよう求める。
 旧運輸省が75年に通達を出した「地下鉄道の火災対策基準」では、火災時に機械で煙を地上に出す排煙設備や、ホームから地上まで2つ以上の避難通路などを設けるよう定めている。75年以前に建設された駅については、改造の際などに改善するよう求めている。
 大邱市の地下鉄火災後、国交省が11の地下鉄事業者について調査したところ、地下にある計574駅(複数路線が乗り入れる駅は各路線ごとに算出)のうち、150駅で排煙機能が基準以下だったり、ホームやコンコースには設備があっても、駅員の事務室に設置していなかったりした。基準未達成駅の割合が多いのは、名古屋市交通局の81駅中39駅、大阪市交通局の102駅中30駅、帝都高速度交通営団の143駅中47駅など。
 また、99駅で避難通路が2つ以上確保されていなかったり、ホーム端から避難通路まで50b以上の距離があったりした。
 基準以下の駅は、ほとんどが75年以前に建設されたとみられる。(朝日新聞)
■地下鉄火災 ミス重ね惨事拡大 指令と運転士 通信記録公表 警察、責任追及へ
 【大邱(韓国南東部)=高槻忠尚】韓国の警察当局は20日、大邱市の地下鉄火災が起きた前後の運行指令室と対向電車の運転士の通信記録を公表した。これまでの調べで、火災現場へ対向電車を進入させた地下鉄公社の判断ミスと、現場で乗客を避難させるなど適切な措置をとらなかった運転士の甘い対応が重なって惨事が拡大した可能性が高くなっている。韓国メディアによると、警察は業務上過失致死での立件も視野に入れ、関係者への本格的な責任追及に乗り出した。
 通信記録などによると、中央路駅で1079号が放火されたのが18日午前9時52分ごろ。火災を知った運行指令室は3分後、「火災が起きました」と全電車へ通信した。
 公社側は「火災が駅舎で起きたのか車両で起きたのか分からず、あいまいに注意運転を指示するしかなかった」と釈明するが、この時点で停止させていれば被害は未然に防げたと見られる。
 「注意運転」の指示があったころ、対向電車1080号は既に中央路駅へ向け走り出していた。運転士は直前で黒煙を見たものの、同56分、炎が上がる駅に入ってしまった。
 1分後、火災感知システムで自動的に停電、電車は動かなくなった。
 58分。「早く措置願います」と指示を仰ぐ運転士に「停電で電車を動かせないじゃないか」と指令室が答えるが、運転士は突然「今すぐ出発します」と報告した。
 しかし、その1分後に再び停電。結局、1080号は、炎に包まれた。
 1080号からは70体以上の遺体が見つかり、犠牲者は1079号を上回った。焼け残った1080号を見る限り、ドアは一部しか開いていなかった。
 【大邱=高槻忠尚】大邱地下鉄火災で、警察が20日に公開した電車運行指令室と対向電車の運転士との主な通信記録は次の通り。
 ▽9時55分
 運行指舎室 全列車に知らせます。中央路(駅)に進入時には注意して運転してください。火災が起きました。
 ▽57分
 運転士 今、停電ですか。
 指舎室 停電なので(車内)放送して。
 運転士 煙が出てめちゃくちゃです。
 ▽58分
 指令室 1079列車(放火車両)で火災が起きたので。
 運転士 はい。
 指舎室 案内放送して。
 運転士 めちゃくちゃです。息苦しいのですぐに措置願います。
 指令室 はい、はい。
 運転士 中央路駅です。待避させますか、どうしますか。
 指舎室 停電で電車を動かせないじやないか、今。
 運転士 はい。
 指舎室 じやあ、いったん放送して。
 運転士 はい。今すぐ出発します。電力復旧。
 ▽59分
 指令室 では、発車。
 運転士 はい。
 指令室 では、注意して出てください。
 運転士 ああ、おかしくなりそうだ。
 指令室 はい、指令です。
 運転士 (電源が)入ったり消えたり、めちゃくちゃです。
 指令室 落ち着いて。あ、もしもし。
・犠牲者133人
 【大邱=高槻忠尚】韓国・大邱地下鉄火災の対策本部は20日、確認された死者が54人に増えたと発表した。また、同日行われた鑑識の結果、車両に残されていた遺体は79人分だったことが判明、犠牲者は133人に上ることが明らかになった。(朝日新聞)
■南海電鉄 3億5000万円申告漏れ 3年間で 1000万所得隠し
 南海電気鉄道大阪市中央区)が大阪国税局の税務調査を受け、2001年3月期までの3年間で約3億5000万円の申告漏れを指摘されていたことが21日、分かった。
 同国税局は、施設の減価償却費として損金計上した約1000万円について所得隠しと認定、重加算税、過少申告加算税を含め約1億1000万円を追徴課税(更正処分)した。
 関係者によると、同社は建設した施設について、供用開始前に減価償却費として約1000万円を計上。しかし、同国税局は「施設が供用を開始した後から計上するべきだ」などとした上で、意図的な経理操作があったとして重加算税の対象にしたという。
 また、そのほかにも資産の取得にからむ減価償却費などの計上について、経理ミスがあったとして申告漏れを指摘。不正な経理操作はなかったとして過少申告加算税の対象にしたとみられる。(京都新聞 夕刊)
■ドア開閉用のキー抜き退避 韓国地下鉄火災で運転士
 【大邱21日共同】大邱市の地下鉄放火事件で、警察当局は21日、放火された車両から火が燃え移った対向列車の運転士(39)が退避する際、列車の始動やドアの開閉などに使うマスターキーを抜き、列車を離れていたことを明らかにした。
 調べに対し、運転士は「乗客はすべて退避したと思ってキーを抜いた」と話しているが、これまでの乗客の証言によると、同列車ではドアがいったん開いた後すぐに閉じられ乗客の避難が遅れた。また、運転士がキーを警察に提出せず、証拠隠滅を図った可能性もあるとみて、引き続き事情聴取などを行う方針だ。
・非常用鍵事務室に
 【ソウル21日時事】韓国南東部の大邱市で起きた地下鉄火災で、同国の通信社・聯合ニュースは21日、延焼して多数の犠牲者を出した対向列車の扉を非常時に開閉するのに必要な鍵が、車内ではなく地下鉄公社の事務室で見つかったと報じた。警察当局の話として伝えた。(京都新聞 夕刊)
■約3億5000万円 南海、申告漏れ 大阪国税、1億円追徴
 南海電気鉄道(本社・大阪市中央区)が大阪国税局の税務調査を受け、01年3月期までの3年間に約3億5000万円の申告漏れを指摘されていたことが21日わかった。うち約1000万円は経費の計上時期を意図的に早めて利益調整を図ったと判断、重加算税の対象にしたとみられる。同社は約1億1000万円を追徴課税(更正処分)された。
 南海電鉄の話 国税局との見解の相違があったが、処分に従った。(朝日新聞 夕刊)
■窓 解説委員室から 韓国の地下鉄
 韓国の地下鉄火災で、藤原伊織さんの「テロリストのパラソル」を思い出した。公園で起きた爆破事件から謎解きが始まる小説である。
 テロの可能性が頭をかすめたせいもあるが、韓国の地下鉄と「公園」が重なるからだろう。
 例えばソウルの地下鉄。物売りが次々に乗り込んできて、ガムから電気製品まで様々な物を大声で売り歩く。雨が降り出すと、どこからともなく傘売りが登場する。目の見えない人が楽器を奏でながらやってきたかと思うと、宗教家の説教が始まる。
 にぎやかで出入り自由な公共空間がそこにはある。走行中でも携帯電話をかけられるから、閉ざされた車内にいる気がしない。
 老人が乗ってくると、若者はさっと立って席をゆずる。いたずらをしている子供を他人が注意する。そんな儒教的共同体が生きている姿は大邱の地下鉄でも見られた。
 それが暗転した。停電で照明は消え、ドアは閉じられたままだったという。助けを求める携帯電話も途切れた。
 安全対策の見直しは当然だが、「地下鉄公園」の魅力も忘れないでほしいと思う。
 韓国では先の大統領選で世代間の対立がくっきりした。若者に支持された廬武鉉氏の当選が新時代を感じさせた半面、失意のなかにある中高年も少なくない。世代を超えて集える空間は大切だ。
 放火犯とされる男は廬氏と同じ56歳だそうだ。新旧のはざまで揺れがちな世代なのが気になる。〈隈元信一〉(朝日新聞 夕刊)
22日■阪急電鉄 赤字892億円に拡大
 阪急電鉄は21日、今年3月期連結決算の当期純損失の見込み額を、昨年11月時点の133億円から892億円へ大幅に下方修正した。
 2005年4月から固定資産の評価損を義務付ける減損会計導入に先立ち、開発中の土地の評価損に対する引当金1050億円などを特別損失に計上するため。
 また04年度末までに、早期退職者を募集したり定年退職者の補充を抑えることで、社員を550人削減し4500人にする。
 同時に大阪市北区の本社ビルの土地と建物を今年3月末に特定目的会社へ売却。売却損54億円も今年3月期連結決算の特別損失に計上する。(京都新聞)
■韓国・地下鉄放火 運転士ら5人逮捕へ 業過致死傷容疑きょうにも ミス、被害拡大
 【大邱21日共同】大邱市の地下鉄放火事件で、韓国警察当局は21日、火災発生後の度重なるミスが被害拡大につながったとして、22日にも業務上過失致死傷の疑いで、放火された車両と対向車両それぞれの運転士、火災当時運行を管理していた運行指合室の職員3人の計5人を逮捕する方針を明らかにした。
 130人を超える死者を出した大惨事は、放火容疑者の本格的捜査より前に地下鉄公社側への強制捜査に発展。捜査当局は相次ぎ明るみに出る「人災」の側面の解明を優先させたとみられる。
 警察は今後も地下鉄公社に対する捜査を進める方針で、最終的な逮捕者は5人のほか、中央路駅の責任者ら約10人に上る見込み。
 しかし、姜大亨捜査本部長は21日夜、検察が逮捕に慎重なため、一部については「数日かかる可能性もある」と記者団に述べた。
 検察側が専門家を含めた捜査による証拠固めを要求しているため、現在協議を続けているという。
 警察は21日、放火された列車の運転士から事情聴取を初めて行い、運転士が火災発生を指令室に知らせず、消火活動を優先させていたことが分かった。
 この運転士は重傷で入院中。火災発生後すぐに消火器で火を消そうとして、車内への放送もしなかったと供述した。
 また、指令室の職員は駅の状況を知らせるモニターでの監視を怠り、火災発生に気付くのが遅れた。発生2分後には全車両に火災発生を連絡したが、現場となった中央路駅への進入を許可した。
 さらに、対向車両の運転士は避難した際に車両のドアを開けるのに必要なマスターキーを抜いたため、ドアがいったん開いた後に閉じられた。
 警察はこうした一連の過失が多数の犠牲者を出す結果につながったとみている。(京都新聞)
■降りて歩いて 99 JR山城多賀駅(井手町多賀) 石垣の民家 田園に調和
 橋の上に建てられた駅舎から外を眺める。石垣に囲まれた木造瓦ぶきの民家が並び、後方には緑の山々が連なる。入り口のそばのサザンカは色鮮やか。ウメのつぼみもふくらみ始め、落ち着いた雰囲気を醸し出す。
 西口を出て800bほど南谷川沿いを歩く。右手に「谷川ホタル公園」が見えてくる。川では春になると、ゲンジボクルの幼虫が動き出す。住民グループはホタルが舞う初夏へ向け、生息調査などの活動を始める。
 さらに歩くと「山城多賀フルーツライン」と「みどり農園」の看板が目に止まる。4日から両園で始まるタケノコ狩りには、府内外から多くの観光客が訪れる。
 公園のそばにある橋を渡って石段を上ると、多賀地域の氏神を祭った高神社に着く。
 711(和銅4)年に創建、現在の本殿は1604(慶長9)年に建てられた。独特の曲線を描く桧皮ぶきの屋根は三間社流造と呼ばれ、桃山時代の特色を残す。寒風に負けず、訪れる人々に雅やかな印象を与える。
 鎮守の森はシイやカシの原生林が冬も青々と生い茂り、厳かな募囲気だ。府主催の「京都の自然200選」に選ばれている。
 同神社の山本信則宮司(71)は「『高』の字は、天照大神の先祖にあたる高御産日神に由来し、古事記や日本書紀に記述がある」と、同神を祭る伊勢神宮(三重県伊勢市)との縁を語る。
 帰り道。駅のすぐ東にあるのが多賀小学校だ。放課後の運動場から、児童の歓声が聞こえてきた。近くに住んで50年になる杉井弘和さん(69)は「よく畑に野球ボールが飛んでくる 学校の内外に響く子どもの声はいつの時代も一緒」と目を細める。(京都新聞)
■トンネル内で携帯使えます 東海道新幹線 来月末工事完了
 急な商談をしていたら、携帯電話がプッツリ−。東海道新幹線(東京−新大阪)のトンネル内で、こんな経験をする乗客が減りそうだ。携帯電話会社とJR東海が進めていた対策工事が3月末に完了する。携帯電話が使えない旅客機に比べて利便性は高まるが、乗客は一層の通話マナーの向上が求められる。
 東京−新大阪間(515`)にはトンネルは66あり、全線の13%余りを占める。このうち地理的な要因や長さから51トンネルで通話が難しく、00年度から対策工事が順次、進められてきた。現在、新丹那トンネル(8`)など静岡県内の6トンネルの工事を残すのみで、3月末に完成する。
 トンネル内でも通話ができるようになる携帯電話は、NTTドコモ、KDDI(au)、J-フォン、ツーカーで、約7390万人(1月末現在)が加入している。ただし、一部のトンネルでは通話しにくい携帯電話会社もあるという。
 東海道新幹線は、利用客の6〜7割がビジネス客。通話のほか、インターネットやデータ通信に携帯電話を利用する乗客も急増していた。特に、小田原(神奈川県)−三島(静岡県)間の35`区間は17トンネル(総延長26`)が集中し、ほとんど通話不能だったという。
 常時通話が可能になると、大切なのが、マナー。JR東海はこれまで、デッキでの通話と、着信音が鳴らないマナーモードの設定を呼び掛けてきた。しかし、客車内で使う人も多く、ほかの乗客から苦情もある。このため、「マナー向上については、今後も繰り返しお願いしていく」と話す。(朝日新聞)
■阪急電鉄、892億円赤字 3月期連結 開発用地の評価損
 阪急電鉄は21日、03年3月期の連結当期赤字が当初予想の133億円から892億円に拡大する見通しを発表した。開発用地の評価損や連結子会社の販売用土地の評価損を新たに特別損失に計上するため。阪神大震災の影響を受けた95年3月期の連結赤字130億円を大幅に上回る過去最大の赤字額となる。
 開発用地の評価損は1050億円計上する。このうち約700億円が大阪市西淀川区中島にある土地約21万5000平方bの分。大阪湾岸開発をあてこんで他の開発業者や建設業者と組んで複合シティエアターミナルの建設を計画し、92年に土地の取得を始めた。その後、景気低迷などで計画が中断し、現在はゴルフのショートコースとして使われている。阪急電鉄グループが全体の3分の2を所有していたが、今年1月に残りの3分の1を買収し、一括して評価損を計上することにした。同社は「開発をやめたわけではない」としている。
 このはか、宝塚ファミリーランド、神戸ポートピアランド、西宮スタジアムの閉鎖や撤退に伴う損失が90億円。また、本社ビル(大阪市北区)を特別目的会社(SPC)に売却し、売却損170億円を計上する。本社ビルはSPCからリースを受けて使用することになる。これらを合わせ、単体の特別損失が当初予想より1030億円増える。
 連結ベースでは、能勢電鉄(川西市)が兵庫県猪名川町に所有する販売用不動産の評価損195億円も処理する。
 単体の決算では欠損が発生するが、資本準備金や利益準備金などを取り崩して補填する。配当は無配。早期退職制度の拡充や自然減によって03年度の人件費を75億円削減、04年度には復配を目指すとしている。(朝日新聞)
■地下鉄の防災 24日に対策委 韓国放火受け京都市
 韓国の地下鉄火災を受け、京都市は21日、市営地下鉄の防災対策などを話し合う「市高速鉄道防火安全対策委員会」を設置することを決めた。24日に初会合を開く。
 委員長には河内隆副市長が、副委員長には江草哲史交通局長、山口豊消防局長が就任。ほかに交通局、消防局の職員10人で構成する。(朝日新聞)
■韓国地下鉄火災 運転士らに逮捕状請求へ 業過致死傷容疑で 鍵抜き扉開かず
 【大邱=高槻忠商】韓国・大邱市の地下鉄火災で警察の捜査本部は21日、業務上過失致死傷の疑いで、22日にも放火された車両と対向車の双方の運転士、地下鉄公社の運行指令担当の3人ら計5人に対して逮捕状を請求する方針を明らかにした。韓国のYTNテレビなどが伝えた。
 捜査本部の調べでは、対向車の運転士は、避難する際にドア開閉に必要なキーを抜いてドアを閉じ、乗客が避難できないようにした疑い。放火車両の運転士は火災発生を運行指令側に伝えず、乗客避難を遅らせたとされる。また運行指令担当者はモニターで監視していながら火災発生を見逃したうえ、火災現場に対向車両の進入を許可した疑いがある。
 これまでの調べで、現場の中央路駅の対向車線ホームに出火直後に入って延焼した電車の運転士が、キーを持って避難したことが判明。キーを運転台から抜くとドアが閉まり、乗客は手動で開けるしかない。犠牲者は放火された車両より対向車から多く出ており、停電で暗くなり、煙が充満し始める中、逃げ遅れたらしい。運転士は調べに対し、「キーを抜けばドアが閉まることは知っていたが、乗客らはすでに避難したと判断して抜いた」と話しているという。(朝日新聞)
■韓国放火事件直後 地下鉄側、隠ぺい工作 運転士が「顛末書」
 【太邱(韓国)22日共同】韓国・大邱市の地下鉄放火事件で、放火された車両の火が燃え移った対向車の運転士が現場近くの喫茶店で事件の「顛末(てんまつ)書」ともいえる「経緯報告書」を作成していたことが22日までの韓国警察当局の調べで分かった。
 事件直後、いったん現場を立ち去った運転士は上司の指示で同書作成に戻っており、警察は地下鉄公社関係者による組織ぐるみの隠ぺい工作の疑いがあるとみている。
 運転士が喫茶店で運行指令室の同僚と「口裏合わせ」の会合を持った疑惑はこれまで、韓国メディアが報じていたが、捜査本部が確認した。
 大邱警察の姜大亨捜査本部長が21日深夜、記者団に明らかにした内容などを総合すると、運転士は火災発生直後の18日午前10時すぎごろ、列車ドアの開閉に必要なマスターキーをポケットに入れて一人で現場を立ち去った。
 しかし、午前11時半ごろ、上司の指示で再び現場近くに戻り、指令室の同僚2人と喫茶店に入った。
 3人で「経緯報告書」を作成。運転士はその後、マスターキーを入れた制服を脱いで同日午後9時ごろ、警察に出頭したという。
 報告書はマスターキーについては触れていないという。
 運転士らの一連の不審な行動について、組織的な隠ぺいの疑いがあるかと記者団に問われた姜本部長は「そうだ」と述べ、捜査本部も同様の疑いを抱いていることを確認した。(京都新聞 夕刊)
■車掌ら立ち会い 転落死現場検証 神戸電鉄鵯越駅
 神戸市兵庫区の神戸電鉄鵯越駅で昨年12月、下車しようとした神戸市の無職男性(当時74)が電車とホームに挟まれ、線路上で死亡した事故で、兵庫県警は22日未明、事故電車の車掌(31)と運転士(39)を立ち会わせ、同駅で事故当時の状況を再現する現場検証をした。県警は業務上過失致死容疑で車掌から事情聴取を進めており、来月にも同率疑で書類送検する方針。(朝日新聞 夕刊)
23日■京の地下鉄「安全」か? 駅が真っ暗に…あり得ず 燃えるとすれば広告だけ
 韓国・大郎市で起きた地下鉄火災は、多数の死傷者を出す大惨事となった。地下の閉ざされた空間で利用客が安全に避難できなかった要因として、運営側の不十分な連絡体制、防災設備の不具合などが指摘されている。京都市内の地下鉄で同じような大規模火災が発生する可能性もゼロではない。駅や車両整備の現場で防災体制を確かめた。(社会報道部 沢田亮英)
・職員500人対応徹底も 問われる「緊急時」 マニュアル 年5回訓練
 京都市内で2番目に多い1日約4万5000人が利用する下京区の市営地下鉄烏丸線四条駅。地下17bにあるホームに降りた。阪急京都線、電気などの共同溝の下に位置するため他駅に比べて深い。韓国で乗客が混乱に陥った主な要因は「濃煙」と「停電」だった。これらの点を担当者に聞いた。
・「濃煙」「停電」対策済
 長さ175bあるホームの排煙設備は、煙を誘導するため天井を高くした軌道側の最上部に並んでいる。乗降する位置からは見えないが、「稼働すれば最低20bの見通しが確保できる」(高速鉄道部)という。電気系統は駅構内と車両に分けて危険を分散。停電しても誘導灯などが内蔵電池で30分前後点灯するという。韓国の事故でみられたような災害時に駅構内の電源が自動的に切れるシステムではなく、担当者は「真っ暗になることはあり得ない」と強い口調で話した。
 ホームの天井や床はアルミ合金や人工タイルなどの不燃素材。消火栓、スプリンクラーも各所に配置され、防火シャッターは閉まっても通れる避難用ドアを設けていた。排煙設備や内蔵電池を持つ誘導灯は改札階にも備えてあった。地上へ向かう出口は、国の基準で最低2ヵ所とされているが、6ヵ所あった。これらの設備は1981年開業の烏丸線の各駅でほぼ同じレベルで設けており、97年開業の東西線は「さらに厳しい基準で備わっている」(担当者)という。
 車両はどうか。伏見区の竹田駅に隣接する車両基地を訪ねた。車体は内装も含め不燃性、難燃性の素材でつくられており、担当者は「燃えるとすれば広告だけ」と話す。車内の照明は停電時でもドア付近が電池で点灯する仕組み。ドアは手動用のコックが1両ごとに取り付けてあり、非常時に使うよう知らせるプレートもあった。
 「全駅、全車両で国の安全基準を満たしている。韓国のような事態を招くとは考えにくい」と市交通局の担当者は口をそろえる。設備面での防災対策が整っているとなると、問われるのは、緊急時の職員の対応力だ。
・少ない駅員に不安も
 火災など異常発生時には、車内やホームの通報ボタンで運転席や駅務室に一報が届き、運転指令に連絡が入る。市交通局には火災だけでも、駅間のトンネル内、駅構内など状況別にマニュアルがある。さらに年5回の訓練で乗務員、駅員合わせて約500人の職員が状況別の対応を徹底しているという。
 ただ、改札の一部無人化など効率化が進んだこともあり、駅員は最少で2人。四条駅でも5人体制だ。ラッシュ時の放火など最悪の条件が重なった場合を考えると不安は残るが、市交通局は「隣接駅や関係部署の職員を総動員する態勢も決めている」と説明する。
 韓国のケースでは現場職員の初動にさまざまな問題点があったことが明るみに出ている。地下という密室で起きた大惨事を二度と繰り返さないためにも、京都でもマニュアルや訓練に裏打ちされた冷静で的確な対応が求められる。24日に発足する京都市の交通、消防合同の安全対策委員会を、連携強化と実効性のある対応力を生み出す場にしなければならない。(京都新聞)
■韓国地下鉄放火事件 「瞬間的判断誤った」 対向列車の運転士明かす
 【大邱22日共同】韓国・大邱市の地下鉄放火事件で、放火された列車から延焼し犠牲者多数が出た対向列車の運転士(39)が22日までに、大邱市の警察署内で共同通信のインタビューに応じ、「火災がこんなに大きくなるとは思わなかった。遺族には本当に申し訳なく思う」と苦しい心情を打ち明けた。
 火災発生後、煙の発生を確認しながら駅に進入し、被害拡大を招いたのではないか、との問いに「瞬間的な判断を誤ってうまく処理することができず、大変なことになってしまった」と判断ミスを認めた。火災発生当日、上司らと会い証拠隠滅を図ったとの疑惑には「話すことはない。勘弁してほしい」と回答を避けた。
 運転士は取調室の簡易ベッドの上で、終始頭を抱え、声を震わせながら質問に答えた。
 ドアを開けるのに必要なマスターキーを抜き、列車を離れたことについては「皆避難したと思ってキーを抜いて逃げた。結果的にこんなむちゃくちゃなことになるとは思わなかった」と悔やみ、「脱出しながら、早くどうにかしてほしいと(携帯電話で職場に)要請した」と話した。(京都新聞)
■地下鉄火災に遇ったら 慌てず、素早く地上へ 専門家に聞く 大量の煙だと処理能力不足に
 韓国大邱市の地下鉄放火事件は死者130人を超える大惨事となった。日本の地下鉄利用者にとっても人ごとではない。通勤・通学、出張や旅行の途中で火災に遭ったら、どうすればよいのか。専門家に聞いた。
 「日本の車両は国の基準でシートなどに難燃性の材料を使い、大きな火災になることは考えにくい」。東京・羽田空港の地下駅に乗り入れている京浜急行電鉄の広報宣伝担当、大山陽子さんは説明する。
 韓国では、火災直後に停電で駅全体が真っ暗になり、車両のドアも開かなくなって、被害が拡大したとみられる。これに対し、日本の地下鉄は非常用電源を完備しているので、電灯や車内放送がすぐに途絶えることはないという。「パニックになるのが一番危ない。慌てないで、車内放送の指示に従ってほしい」と大山さん。
 とはいえ走行中、目の前で火事が起きたら、どうするべきか。独立行政法人消防研究所(東京)の渡部勇市さんは「小さな火であれば、各車両に設置された消火器で消すのがベスト」と話す。同時に、車内にある非常ボタンを押して、運転士や車掌に通報する必要がある。
 消火が困難な場合は、別の車両に移り、燃えている車両の扉を閉めて煙が広がらないようにする。一般に鉄道会社は、乗客の避難や消火活動のため、火災発生時も現場に停車せず、最寄り駅まで走行することにしている。到着までは待つしかない。
 万一トンネル内で停まってしまったときは、徒歩で避難することになる。名古屋市営地下鉄を管理する同市交通局の倉知喜久雄さんによると、ドアは手動でも開けられる。車両の床から地面までは、ホームの高さとほぼ同じ約1bで、普通の大人なら飛び降りられる。運転席には、はしごも用意してあるという。
 地上を走る電車と異なり、地下鉄はパンタグラフではなく、線路脇の金属レールから電気を取り入れるタイプもある。線路を歩いても大丈夫なのか。
 「600ボルトの電気が流れていますが、この金属レールには保護板もあるし、濡れているなど通電しやすい案件でも、50aほど離れて歩けばまず安全です」と倉知さん。
 ただ、渡部さんは「トンネルも駅も、閉鎖された地下空間は煙が回りやすい。多くの駅には排煙設備があるが、大量に煙が出れば処理し切れない恐れもある」と指摘。「とにかく早く地上に避難した方がよい」と強調している。(京都新聞)
24日■韓国地下鉄 放火事件 警告「誤作動」と判断 業務上重過失 致死傷容疑 3職員を逮捕へ
 【大邱23日時事】韓国・大邱市で起きた地下鉄放火事件で、異常運行をチェックする同市地下鉄公社の機械設備指令室の職員3人が火災警告を「誤作動」と判断し、通報が遅れたことが23日、警察当局の調べで分かった。当局は、車両に火を付けた男や運転士ら7人に加え、この3人についても、業務上重過失致死傷容疑で逮捕状を請求する方針。
 調べによると、火災発生直後、公社の機械設備指令室のモニターで、火災を知らせる警告サインとブザーが鳴った。しかし、これまで装置の誤作動が多かったことから、3人は今回も誤作動だろうと判断。運行を統括する総合指令室への通報が遅れた疑いが持たれている。
 捜査本部長は「3人は警告サインを無視した。適切な措置を取れば、惨事を防ぐことができたはずだ」と話している。
 当局は、逮捕状を請求する2車両の運転士、総合指令室の3人、中央路駅のモニター監視員らについても、引き続き慎重に調べている。さらに、監督責任のある公社や市幹部、車両や内装に燃えにくい素材を使用しなかった車両製造業者に対しても捜査する方針。
・死者、大幅増か
 【大邱23日共同】韓国・大邱市の地下鉄放火事件で、炎上車両内にある遺体の収容作業をしている国立科学捜査研究所は23日、約130人とされてきた死者数が今後大幅に増える可能性があることを明らかにした。通信社、聯合ニュースが伝えた。これまで車両内に残された遺体は警察の鑑識で79体とされたが、遺体はないと推定された場所から、相次いで7体が収容された例もあったという。(京都新聞)
■サウスタワーホテル譲渡へ 南海、米大手に
 南海電気鉄道は23日までに、子会社が運営する「南海サウスタワーホテル大阪」(大阪市)の営業権を、米ホテル大手のスターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイドに譲渡する方針を固めた。
 同ホテルは1990年に開業したが、経営不振が続いており、世界中で「ウェスティン」「シェラトン」などのホテルを展開するスターウッドに営業を引き受けてもらうことで、業績の向上を図る。ホテルの土地と建物は南海電鉄が引き続き保有する見込み。
 サウスタワーホテルは南海電鉄・難波駅前に立地し、地上36階建てで客室数は548室。
 南海電鉄は併せて、連結子会社の中堅ゼネコン、南海辰村建設(大阪市)に対しても、約100億円の金融支援を実施する方針。(京都新聞)
■韓国の地下鉄火災 写真の男性ら無事
 【ソウル=高槻忠尚】18日に起きた韓国・大邱市の地下鉄火災で、放火直後に到着した対向列車内を撮影した写真=ロイター=に映っていた男性らは、生存していたことが分かった。
 写真中央で身をかがめ口を押さえる男性は、同市の百貨店員、安承民さん(33)。安さんの話では火災当時は出勤途中で、1両目で新聞を読んでいた。駅に着くと反対側の列車から電気スパークが飛ぶのが見えた。ドアが開くと煙が入り込んだ。
 数秒後、ドアが閉まった。「すぐ出発するのでお待ちください」と車内放送があったが、動かない。次第に煙が入り「ドアを開けて」などと悲鳴が飛び始めた。安さんも口を押さえ煙を防いだ。「死ぬかも知れない」。恐怖を感じた。
 3〜5分ほどして突然ドアが開いた。車外に出ると煙が充満、一歩先も見えない。右手で口を押さえ、左手で後ろの女性の手をつかんだ。暗闇の中、やっとの思いで脱出した。(朝日新聞)
■韓国・地下鉄放火 運転士ら7人逮捕 業務上過失致死傷容疑 公社幹部も追及へ
 【大邱24日共同】韓国・大邱市の地下鉄放火事件の捜査本部は24日、地下鉄運行担当者らの初動対応のミスが被害拡大につながったとして、延焼した対向列車の運転士を含む地下鉄公社職員7人を業務上重過失致死傷容疑で緊急逮捕したと発表した。
 また捜査本部は、放火容疑者の男性(56)と放火された列車の運転士、構内の監視カメラをモニターしていた中央路駅員の計3人について、近く逮捕状を請求する方針を明らかにした。
 車両内に閉じこめられた乗客など約130人が死亡し、国民に衝撃を与えた大惨事を捜査本部は「人災」と判断。事故から6日ぶりという異例の早さで逮捕発表にこぎつけた。捜査本部は今後、管理体制の問題点など公社幹部の刑事責任も追及する。
 対向車の運転士と、運行指令室や機械設備指令室などの職員6人の計7人は23日深夜に緊急逮捕、身柄拘束された。捜査本部は24日中に逮捕状を執行、正式に逮捕する。
 捜査本部は@機械設備指令室が警報ベルを無視したA運行指令室が火災発生後も現場の中央路駅への列車進入を許可したB対向車の運転士がマスターキーを抜いて退避しドアが閉まった−ことなどが被害拡大につながったとみている。(京都新聞 夕刊)
■韓国の地下鉄放火 運転士ら7人逮捕 監視カメラ注視、車内放送… 各部署で責務の”放棄” 「人災」で加被害拡大
 【ソウル24日共同=平井久志】韓国・大邱市の地下鉄放火事件を捜査している警察当局は24日、対向列車の運転士など地下鉄公社職員7人を業務上重過失致死傷の容疑で緊急逮捕した。事件の直接原因は放火だが、その後、各部署での対応に不備があり大惨事に発展した「人災」だったことが明らかになった。各部署の担当者が自らの責務を怠り、それが重なり合って被害が拡大した事件の過程を検証した。
 犯人が放火した直後、列車の運行を管理していた総合指令室のテレビモニターには、慌てて列車を降りる乗客や、服に火が付いたまま車内から転がり出る放火犯が映っていた。しかし、指令室職員が火災を知ったのは、現場の中央路駅から電話連絡を受けた後だった。
 監視カメラの映像に注視して火災の発生を早期に探知し対向車両が中央路駅に進入するのを止めていれば犠牲者の多くは助かった可能性が強い。
 さらに機械設備指令室では火災発生の警報が鳴ったのに「誤作動だろう」と無視。報告を怠った。
 また、放火された車両の運転士が総合指令室に火災発生を報告していれば、対向車両の進入を止められたとみられる。乗客に正確な状況を放送するなどの措置も取らず、被害拡大につながった。
 対向車両の運転士は中央路駅に進入する直前に煙などを目撃したが、停止や後退の措置を取らなかった。また、この運転士は車両のドアを開けるのに必要なマスターキーを抜いて避難したため、ドアがいったん開いた後に閉じられ、多くの乗客が車両内に閉じ込められたとみられている。(京都新聞 夕刊)
■南海電鉄、土砂で脱線 和歌山・高野
 24日午前9時半ごろ、和歌山県高野町の南海電鉄高野線紀伊細川−紀伊神谷間で、線路上に土砂が積もっているのに、大阪・難波発極楽橋(高野町)行き急行電車(4両編成)の運転士が気付いた。急停止したが間に合わず、先頭車両が乗り上げて脱線した。乗客約30人と運転士、車掌にけがはなかった。高野線は正午現在、極楽橋−高野下間が不通。
 南海電鉄によると、高さ、幅とも約20bにわたって土砂が崩れていた。紀伊細川−紀伊神谷間は、山あいのカーブが連続する単線区間。昨年3月28日にもすぐ近くで土砂崩れが起き、電車が脱線する事故が起きている。このときもけが人はなかった。
 付近では未明から断続的に雨が降っていたが、約10分前に上り急行電車が通った時点では異状はなかったという。和歌山地方気象台によると、24日午前0〜10時の高野山の降雨量は6_だった。(朝日新聞 夕刊)
■消える?シュプール号 JR夜行、スキーに行く人減って JR西、存続は「白紙」
 大都市からスキー場に直行するJRの臨時夜行列車「シュプール号」が姿を消しつつある。90年代前半には毎冬2000本以上が走っていたが、首都圏や東海地方ではすでに廃止され、今季はJR西日本が238本を運行するだけ。スキーそのものの不振もあって利用者はなお減り続けていて、唯一残っていたJR西日本でも来季の存続は微妙な情勢だ。
 平日の午後10時48分、急行シュプール5号が大阪駅を出発する。暮れから3月15日までの臨時列車。週末は姫路発で、三ノ宮、大阪、京都、大津を経由して翌朝8時過ぎに黒姫駅(長野県)に着く。だが今年、11両のうち8両を占める3段ベッドの寝台車の乗車率は3割程度。指定席車も半分は空席だ。
 同僚らと乗り込んだ奈良県斑鳩町の竹馬幹二さん(26)は「バスと違ってゆったりできるのがいい。でも料金(片道9000円程度)はちょっと高い」と言った。
 JR西日本は昨季、黒姫と白馬の2方面へ計286本のシュプール号を運行した。だが、利用者は約5万3000人で、乗車率は約5割。今季は自馬行きをやめ、本数を減らしたが「乗車率は前年を下回っている」(同社営業本部)と苦戦が続く。
 シュプール号は、旧国鉄が85年度に首都圏で始め、翌年度には京阪神や東海地方にも広がった。「目覚めればゲレンデ」というキャッチフレーズで人気を集め、93〜94年には西日本、東海、東日本、九州のJR4社が計約2500本を走らせ、約70万人が利用した。
 しかし、その後利用者は激減。JR九州は00年2月、東海と東日本も01年3月に運行をやめた。最盛期に約1200本を走らせていたJR西日本は「京阪神から信越地方は遠いので一定の需要が見込める」と、運行を続けてきたが、利用減は止まらない。
 JR側は「スキーの人気の衰えが痛い」という。長野県を訪れたスキー客は1078万人(01年度)で、92年度のほぼ半分。長野冬季五輪(98年)を機に信越方面の高速道路網の整備が進み、マイカー派が増えたことも影響したらしい。
 JR西日本は目的地ごとに分かれていた料金体系をゾーンごとの出発料金にして「ゆっくり寝ていけます」と寝台の魅力をPRしているが、「現状の乗車率では採算的に厳しい」と担当者。来季の運行計画は白紙という。(朝日新聞 夕刊)
■複合過失、大”人災”に 地下鉄火災 会社、ずさんさ明るみ
 【ソウル=箱田哲也】多くの死傷者を出した韓国・大邱の地下鉄火災で、捜査当局は「人災」との見方を強め、23日夜、地下鉄公社職員ら7人の緊急逮捕に踏み切った。時間がたつにつれなお被災者の数が増えるなか、公社側のずさんな対応が一つひとつ明るみに出始めている。
 「牛乳瓶1本の油とたった1個のライターでこんな惨事が起こりうるのか。対応に不備はなかったのか」。火災発生の直後に駆けつけたベテラン消防隊員は18日夕、現場でこうつぶやき、「人災」の疑いを示唆していた。
 警察当局が重視しているのは、火が出た電車よりも、その後に駅に到着した1080号の乗客に犠牲者が集中している点だ。火災発生の周知徹底が素早く行われれば、被害の規模は大きく変わっていたとみている。
 韓国メディアのこれまでの報道によると、18日午前9時52分、中央路駅に設置されたカメラは、火だるまになった男性が車両から出てきて猛煙が立ちこめる映像をはっきりとらえた。しかし、モニターを監視すべき総合指令室の職員3人と中央路駅の駅務員1人の全員がこの場面を見逃した。
 その後、「火災発生」の警報機は正常に作動した。しかし、機械設備室は、ここでも見逃した。同室職員2人は警察に「警報機はいつも誤作動ばかりで、この日も無視した」と供述している。
 韓国紙・朝鮮日報は、大邱地下鉄では昨年12月だけで約90回も警報機の誤作動があり、職員らの緊張感が欠如していた可能性を指摘している。(朝日新聞 夕刊)
■韓国地下鉄火災 対向車両運転士ら逮捕 業過致死傷容疑で7人 初動対応遅れ
 【ソウル=箱田哲也】韓国・大邱の地下鉄火災を捜査している警察当局は23日夜、大邱地下鉄公社関係者7人を業務上過失致死傷の疑いで緊急逮捕した。車両内で火をつけ、大惨事を招いたとされる男性(56)は放火容疑で、他の公社関係者2人については24日中にも業務上過失致死傷容疑で逮捕状を請求するほか、他の公社幹部や職員らについても責任を追及する方針。
 火災発生直後、対向車両への連絡など公社側の初動対応が遅れたため、多くの死者を出した大惨事に発展したとみて公社側の責任を重くみた。
 緊急逮捕されたのは火災が起きた電車の反対側ホームに到着した1080号の運転士と総合指令室チーム長、同室運転指令課長、同室機械設備課長のほか同室職員3人。初めに火災が起きた1079号の運転士や中央路駅の駅務員らについては容疑が固まり次第、逮捕状を請求するという。
 韓国メディアが伝えるこれまでの警察の調べによると、80号の運転士は火災現場の中央路駅で電車を停止させドアの開閉に必要なカギを抜いて避難するなど、乗客を安全に避難させなかった疑い。カギを抜いたことでドアが自動的に閉まり、結果的に多くの乗客の避難を防げることになったとみられる。
 また、設備課職員らは、火災発生を知らせる警報音が鳴ったにもかかわらず機械の誤作動だと思って無視し、総合指令室に火災発生の事実を知らせなかった疑い。総合指令室職員らは火災発生当時、ホームに設置された監視カメラを見逃し、対向車両の80号への適切な指示を怠った疑いがもたれている。
・死者200人前後に拡大か
 【ソウル=小菅幸一】韓国・大邱の地下鉄放火事件で、車内に残された遺体の収容作業をしている国立科学捜査研究所と慶北大法医学班は24日、予想以上に遺体が多いことを明らかにした。これまで身元確認済みの54人を含めて死者133人前後とされてきたが、韓国メディアは「190〜220人程度に増える」と推定されるとしている。
 延焼した対向車1080号の5両目で犠牲者が最も多いとみられる。同法医学班関係者は24日、「5両目の半分程度の調査を終えたところ、警察が5両目全体の死者として推定した数の倍ほどの約30体をすでに収容した」と語った。高熱で焼かれたため、複数の遺体が重なったり損傷が激しかったりしており、同研究所や警察当局は、正確な死者数確認は難しく相当に手間取るとしている。(朝日新聞 夕刊)
25日■容疑者ら3人逮捕状請求 韓国・地下鉄放火
 【大邱24日共同】韓国・大邱市の地下鉄放火事件で、捜査本部は24日、放火容疑者の男(56)と放火された列車の運転士、構内の監視カメラをモニターしていた中央路駅員の計3人の逮捕状を請求した。放火の男は放火殺人、残る2人は業務上重過失致死傷の疑い。
 捜査本部は、対向列車の運転士ら7人を緊急逮捕しており、逮捕者は10人になる見込み。一方で、地下鉄公社幹部や大邱市の監督担当者に対し刑事立件を視野に入れて事情聴取しており、今後過失の責任追及がどこまで広がるかが焦点だ。
 捜査本部は、運転士と運行指令室の交信記録について、火災発生直後の部分が削除されていたことを明らかにしており、公社の証拠隠滅の疑いを厳しく追及する方針。車両の製作会社や火災現場の中央路駅の工事・管理担当業者に対しても手抜きがなかったかどうか捜査を拡大させている。
 捜査本部によると、放火された列車の運転士は火災発生を乗客や運行指令室に知らせず、監視カアラをモニターする駅員は発生時カメラから離れていた。
 また交信記録をめぐっては、公社提出の記録には空白だった部分が原本に残っていることが分かり、初動の遅れをもたらした核心的な部分が意図的に削除された疑いが持たれている。(京都新聞)
■死者200人 前後に拡大も
 【大邱24日共同】韓国の通信社、聯合ニュースは24日、大邱市の地下鉄放火事件で炎上車両内に残された遺体の収容作業をしている法医学チーム関係者の話として、同事件の死者数が最終的に計200人前後に上る恐れが出てきたと報じた。
 多数の遺体が残されている対向車両内で、当初の警察推定より多くの遺体が見つかりつつあるのが理由。特に同車両の5両目からは収容作業を半分程度終えた段階で、推定の約2倍にあたる30体を発見。同関係者は「最終的に60−70遺体がある可能性が高い」と述べた。(京都新聞)
■KTRの列車でショー見に行こう 来月16日、参加者募る
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)利用促進協議会は、3月16日に実施するイベント「爆竜戦隊アバレンジャーに会いに行こう」の参加者を募集している。
 事前に申し込み、当日、KTRを利用した人が対象。「午前の部」(午前11時20分から)と「午後の部」(午後2時から)の2回、宮津市文珠の天橋立ホテルで開かれるショーの、どちらかに参加できる。
 中学生以上の人が代表者なら、誰でも応募できる。定員は各回150人(多数の場合は抽選)。参加費は小学生以下250円、中学生以上500円。締め切りは3月6日。申し込み、問い合わせはKTR企画販売課TEL0772(22)3308へ。(京都新聞)
■ふるさと昭和史ビデオ 207 宮福線(宮津−福知山間)の開通 宮津市鶴賀 昭和63(1988)年7月16日 地元の悲願、生活の足に
 地元の悲願だった宮福線の出発式が、宮津市鶴賀の宮津駅で行われた。「祝開業」の看板を付けた一番列車の運転士に花束が手渡され、万歳三唱とともにくす玉が割られた。ホームに集まった人たちに笑顔が広がる。1988年、7月16日。宮津発福知山行きの記念列車が関係者に見送られホームを滑り出した。
 福知山と宮津を結ぶ宮福線は全長30.4`。開通までの道のりは平たんではなかった。建設計画は明治時代からあったが、旧国鉄が国鉄新線として宮津−大江間の工事を始めたのは、66(昭和41)年になってからだった。
 ところが、全体の55%が完成した1980年、赤字からの再建を理由に工事は中断された。開業を望む沿線住民の強い声を受け、府と近隣市町は2年後、金融機関などと出資する第三セクターの「宮福鉄道株式会社」を設立し、工事を再開。やっとの思いで開通にこぎつけた。
 当時、宮福鉄道運輸部長だった西村喜宏さん(68)=福知山市前田=は「地元の期待は大きく、開通するまでは生みの苦しみがあった。職員一同、緊張しながらも日々の業務に必死でした」と振り返る。
 宮福線の開通は、地元住民にとって生活圏の広がりを意味した。販売店員、中西悦子さん(56)=宮津市由良=は「福知山といえば、遠くて行きにくい所だったが、宮福線開通でイメージが一変した」と話すが、実際の利用状況は、いまひとつ芳しくない。
 2001年度の利用者数は約240万人。マイカー増加に伴い、最盛期だった96年度の約287万人をピークに年々減っている。現在、宮福線を運行する北近畿タンゴ鉄道(KTR)は「丹後にとっては歴史的悲願だった宮福線。もっと利用を」と願わずにはいられない。(宮津支局 人見勅輔)(京都新聞)
■スルッとKANSAI 京阪シティバス 来月から導入
 京阪シティバス(伏見区)は3月1日から、淀宇治、京都南部両線で関西の私鉄・バスを自由に乗り降りできる共通乗車システム「スルッとKANSAI」を導入する。
 同システムには現在、京阪、阪急、南海といった私鉄や京都市交通局などが加入しており、京阪シティバスが38社(局)目。1枚のカードで相互に利用できる。
 乗降時にカードリーダーにカードを挿入し、利用料金が差し引かれ、残金が裏面に印字される仕組みだ。(朝日新聞)
■同じ尾根上で昨年にも崩落 南海線脱線事故
 和歌山県高野町の南海電鉄高野線で急行電車が脱線した事故で、土砂が崩れた現場は昨年3月に土砂崩れが起きたのと同じ尾根上だった。南海は昨年崩れた斜面はコンクリートで固めたが、今回の現場は対象範囲外。高野線の運行再開は26日以降になる見通しだ。(朝日新聞)
■韓国の事件受け 地下鉄安全協議 京都市
 韓国の地下鉄火災を受け、京都市は24日、市営地下鉄の安全確保について協議する「市高速鉄道防火安全対策委員会」の初会合を開いた。消防局、交通局の職員らが初動態勢や連携のあり方を話し合った。
 委員長の河内陸副市長はあいさつで「公共交通機関にとって、安全は基本中の基本」と述べた。駅構内の点検強化や乗客の避難誘導マニュアルの再確認、車両扉の非常開放レバーの動作確認など、韓国の火災後の市の対応について報告があり、意見交換では「臨機応変に対応するには日頃の訓練が重要」「消防局と交通局が互いにマニュアルを確認することが大事」といった声が出た。(朝日新聞)
■格差の道バス走る 規制緩和から1年 都市部、深夜便や値下げ 地方、赤字に悩み撤退も
 改正道路運送法が施行されて丸1年。新規参入や運賃設定などが大幅に自由化され、大都市圏では新しいサービスが次々と登場して格安な高速バスも増えた。一方で過疎地域は赤字路線の存続に頭を悩ませている。
 平日の夕方、京都府向日市のJR向日町駅に着いた黄色のバスに、15人ほどが乗り込んだ。新会社「ヤサカバス」が京都市西部のニュータウンとの間で1月14日から運行を始めた。開始直後の乗客数は1日約1000人で上々の滑り出しだ。
 ヤサカバスの母体は京都のタクシー会社・弥栄自動車。同社は大正時代にバスを運行しており、バス事業の再開は悲願だった。北川賢持・企画部長は「規制緩和で弾みがついた。将来は高速バスも手がけたい」と話す。
 昨年12月、大阪市内と千里ニュータウン、大阪府高槻市方面を結ぶ深夜急行バスが登場。阪急バスと国際興業がそれぞれ運行する。運賃は900〜2000円とタクシーよりかなり割安で、終電を逃した会社員らに好評だ。
 阪急バスの青山宏・経営企画室長は「今後は利用者が求めるサービスを常に提供しなければ生き残れない」と危機感を強調する。
 高速バスでは値下げ競争が進む。
 阪急バスなど4社は昨年8月、大阪・難波−高松の運賃を700円下げて3600円にした。
 西日本JRバスは01年12月、東京−大阪間が5000円の青春ドリーム号の運行を始めた。近鉄バスも昨年3月、4800円の便で追随した。
 逆にバス会社が地方路線から撤退する動きも加速した。奈良県西吉野村は昨年10月、同県五条市とを結ぶ阪本線を、西日本JRバスから引き継いだ。乗客は減少の一途で、最近は年間3000万円の赤字に陥っていた。
 「生活路線なので何とか維持したい」と、村は公費で赤字を穴埋めするのを条件に、県内のバス会社に運行を委託。便数は半分に減らし、一部の便は村内の温泉施設まで区間を延長した。
 乗客は少しずつ増えているというが、年間約1000万円の赤字は避けられない見通しだ。
 兵庫県篠山市では昨年秋までに、西日本JRバスが8路線からすべて撤退した。市はこのうち2路線を乗り合いタクシーで存続させたが、赤字解消は困難とみられ、市は地元に経費の一部負担を求める方針だ。
 バス事業の規制緩和 過当競争を防ぐ「需給調整」が廃止され、一定の要件を満たした事業者なら自由に参入できる許可制になった。路線廃止の際も地元自治体の同意が不要になった。近畿運輸局によると、今年1月末現在の近畿2府4県の路線バスは一般5462系統(昨年同期比70減)▽高速404系統(同34増)。(朝日新聞)
■南海辰村建設 支援策を発表 南海電鉄
 南海電気鉄道は24日、系列の南海辰村建設への支援策を決めた。03年3月期決算で貸付金約40億円を株式に転換するほか、04年3月期に総額25億円の第三者割当増資をする。南海辰村は希望退職者を募り、従業員を4割減の380 人とする。(朝日新聞)
■韓国地下鉄火災 放火容疑で逮捕状 男性「一人で死ぬのいや」
 【ソウル=箱田哲也】韓国・大邱の地下鉄火災を捜査している警察当局は24日夜、地下鉄の電車内でガソリンに火をつけたのを目撃され、負傷して入院中の男性(56)を放火の疑いで、この電車の運転士と火災が起きた中央路駅の駅務員の2人を業務上過失致死傷容疑で、それぞれ逮捕状を請求した。
 韓国メディアによると、放火したとされる男性は警察の調べに「自殺を決心したが、一人で死ぬのは嫌だった」などと供述している。
 火災が起きた1079号の運転士は火災をすぐに総合指令室に知らせず、まだ到着していなかった対向車線の1080号の進入を防がなかった疑い。また、駅務員はモニターでの監視を怠り、被害を拡大させた疑いが出ている。
 警察当局は前日夜に業務上過失致死傷容疑で緊急逮捕した80号の運転士ら地下鉄公社職員7人についても24日、正式に逮捕状を請求した。(朝日新聞)
■青鉛筆
 JR四国は3月6日から、岡山−高知駅間を走るアンパンマン列車に「額縁席」を設ける。木目や金の額縁風窓枠の向こうに、吉野川の渓谷が広がるという趣向だ。
 安さで売る高速バスへの対抗策の一つ。渓谷周辺で比べると、高知自動車道は6割がトンネルなのに対し、JRは3割程度と、車窓の風景で勝る点に着目した。
 渓谷を絵画に見立てて「動く美術館」とPRしている。乗客減に悩む同社にとって、アンパンマンに続く強力助っ人となるか。(朝日新聞)
■近江バスが歩行者はねる JR大津駅前
 24日午後4時40分ごろ、大津市末広町の市道で、瀬田行き近江バス(本社彦根市)が、横断歩道を青信号で渡っていた八幡市の会社員女性(25)をはね、女性が頭や足に軽傷を負った。
 大津署によると、バスがJR大津駅前を出発して左折する際、横断歩道を渡る女性に気付かず、左前部で女性をはね、転倒させたという。
 調べに対し、運転手(58)は「横断歩道の手前に駐車車両が2台あったため女性に気付かなかった」と話しており、同署は道交法違反の疑いで調べている。(京都新聞 夕刊)
26日■二条駅前 シネコン、東宝が進出へ 関西最大級 来年改行目指す
 東宝は25日、文化施設の着工が大幅に遅れているJR二条駅地区(京都市中京区)の市有地でシネマコンプレックス(複合型映画館)事業に乗り出すことを明らかにした。関西最大級のシネコンを建て、2004年内の開業を目指す。
 計画では東宝が市有地約7200平方bにシネコン施設を建設。ワンフロアに11−12スクリーン(2200人収容)を備えたシネコン「TOHOプレックス」と大規模な駐車スペースなどを設ける。総工費は約35億円を見込んでいる。
 東宝は「JR、地下鉄、車とあらゆる交通手段で集客、年間興行収入12億円を目指す。名作などの企画上映も行い、幅広い層の市民が楽しめる映画館にしたい」としている。
 二条駅前での事業はこれまで、市と整備事業協定を結んだ「二条プラザ」社が施設を建設。市と定期借地権契約を結び、ヴアージン・シネマス・ジャパンが経営するシネコンを核テナントに開業することを目指していたが、東宝がヴァージン社の買収を決めたことで、京都での東宝の構想が前進した。
 二条駅前は市が91年度から開発に着手。しかし、当初進出を予定していた松竹が撤退するなど計画が大幅に遅れている。昨年12月には、事業主体となる二条プラザから新たな事業計画が市に出されている。市建設局は「現在、計画を審査中で中身についてはコメントできない」としている。(京都新聞)
■新交通システム満足度 デマンドバス・89% カーシェアリング・86% 学研推進機構 実験まとめ
 関西文化学術研究都市推進機構はこのほど、昨年11月から12月にかけて行った新公共交通システムの運行実験結果をまとめた。
 実験は11月5日から12月27日までの43日間、関西学研都市区域で、マイカーから公共交通機関への移行などを目指し、「デマンドバス」と「カーシェアリング」を同時に行った。
 利用者の電話予約に基づいて、2台のバスが運行路線を決める「デマンドバス」は、期間中1241件の予約があり、延べ1620人が利用。当初は1日20人前後だったが、12月末には約2倍に増加した。
 10台の乗用車を共同利用する「カーシェアリング」には、個人や企業など88会員が登録したが、利用は延べ78件にとどまった。
 満足度に関する調査では、バス乗客27人のうち89%、カーシェアリング会員のうち86%が、それぞれ満足と答えた。
 同機構は、他の交通機関や商業施設との連携や、住民が利用しやすい時間に合わせたサービスの実用化を今後の課題として、今春から半年程度、再度実験を行う予定だ。(京都新聞)
■スルッとKANSAl ICカードで決済「ピタパ」 名称決まる
 関西の鉄道・バス会社などでつくる「スルッとKANSAI協議会」は25日、2003年度から導入するICカードによる決済サービスの名称を「ピタパ(PiTaPa)」に決定した、と発表した。
 名称は「触れるだけで決済できる後払いIC」という意味の英文から名付けた。ピタパは、クレジットカードのように駅売店などで買い物や運賃などの支払いができるポストペイ機能や、一定金額から運賃などを引き落とすプリペイド機能、定期券機能がある。交通機関の利用状況や商品の購入金額に応じて運賃の割引サービスもある。
 同協議会加盟の鉄道、バス会社ごとにピタパの採用機能は異なるが、導入を決めている阪急電鉄と京阪電鉄はポストペイ機能を採用する予定。入会金やカード発行手数料などは無料。同協議会は「少額決済サービスで利便性を向上し、今後広域的に普及させていきたい」としている。(京都新聞)
■京都駅ビル一帯でUSJイベント 1日からJR西
 JR西日本京都支社は3月1日から7日まで、ハリウッド映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」をPRするイベントを、京都市下京区の京都駅ビル駅前広場などで催す。
 期間中、映画「バック・トウ・ザ・フューチャー」の米国車デロリアンや、「ジョーズ」をモチーフにした巨大な特別車などを展示、豪華景品が当たるクイズラリーもある。1、2日はウッドペッカーなどUSJのオリジナルキャラクターも登場する。
 2日午後1時半から室町小路広場で、サックス奏者MALTA さんのライブも(入場無料)。映画音楽の演奏や映画にまつわるトークがある。問い合わせは、同京都支社TEL075(682)8023へ。(京都新聞)
■運転士ら6人 正式に逮捕 地下鉄火災
 【大邱25日共同】韓国・大邱市の地下鉄放火事件で、捜査本部は25日、既に緊急逮捕するなどして取り調べている10人のうち、対向列車の運転士や地下鉄公社の運行指令室職員ら計6人を業務上重過失致死傷の疑いで正式逮捕した。
 捜査本部は、運行指令室と対向列車の運転士との無線交信記録の一部を地下鉄公社が意図的に削除して提出していたと発表。証拠隠滅の疑いについて公社幹部らを厳しく追及、公社社長からも事情を聴いている。
 放火容疑者の男(56)は入院中のため、病状の回復を待って逮捕する方針。放火された列車の運転士ら残る3人については、過失の有無が明らかでないとして検察が補完捜査を命じた。
 捜査本部によると、地下鉄公社は、交信記録のうち午前10時7分から11分までを削除して警察に提出。
 この部分には「車両はそのままにして、他の場所に逃げろ」「車(の電源は)は止めて行け」と運行指令室が運転士に命令する声が収録され、乗客の避難については全く指示していなかったことが明らかになった。
 また地下鉄公社は25日、社長を解任した。(京都新聞)
■線路に飛び降り? 貨物列車が急停車 西大路駅、後続遅れ
 25日午後4時半ごろ、京都市南区のJR西大路駅を通過中の上り貨物列車の運転士が250b前方でホームから線路に飛び降りる人影を発見し、急ブレーキをかけた。列車は人が飛び降りた付近を通り過ぎて停車したが、接触した形跡はなかった。列車は9分遅れで運転を再開し、後続の列車5本が最高約13分遅れた。
 JR西日本の調べに上ると、ホームにいた乗客が「30歳ぐらいの男性が線路に飛び降り、列車の通過直前に線路を横切って走り去った」と話しているという。(京都新聞)
■死者182人確認
 【大邱25日共同】韓国・大邱市の地下鉄放火事件で、車両内に残された遺体の収容作業をしている国立科学捜査研究所は25日、行方不明者の家族らへの説明会で、収容作業の9割が終了し、これまでに128遺体を発見したことを明らかにした。
 既に死亡が確認されていた54人と合わせ、死者は計182人となった。死者数は最終的に200人近くに上る見通し。
 延焼した6両編成の列車のうち後部車両からの発見が多く、6両目から55体、5両目から50体を収容した。(京都新聞)
■地下鉄火災で182遺体を発見 死者200人前後か
 【ソウル=箱田哲也】韓国・大邱の地下鉄火災で、遺体の収容作業にあたっている国立科学捜査研究所は25日、約9割の作業が終了し、これまでに182人の遊休を発見したことを行方不明者の家族らに伝えた。死者は最終的には200人前後に達するとみられている。(朝日新聞)
■大阪市、地下駅整備へ
 韓国・大邱市で発生した地下鉄火災を受け、大阪市は25日、国の排煙設備や避難通路の基準を満たしていない市営地下鉄御堂筋線淀屋橋駅など36駅について、中長期的に改修や建て替えをしていく整備計画を03年度中にまとめる方針を明らかにした。
 火災後に国土交通省が実施した調査で、市営地下鉄には旧運輸省が出した排煙設備の基準を満たさない地下駅が102駅中知駅、避難通路の基準を満たさない駅が12駅あることが判明した。このうち6駅は両方の基準を満たしていなかった。(朝日新聞)
■高野線再開あす以降
 24日朝に起きた土砂崩れで不通になっている和歌山県の南海電鉄高野線高野下(九度山町)−極楽橋(高野町)間の運行再開が、27日以降にずれ込むことになった。土砂の除去作業が予想以上に難航しているためで、復旧のめどは立っていないという。南海は26日も学文路−高野山間で代行バスを運行する。(朝日新聞)
■声 新幹線公害… 30年住めば都 主婦 柏葉幸枝(広島県福山市 62歳)
 春の日差しが、やっと我が家の2階に少しずつ差し始めた。11月から3月まで太陽の光がほとんど当たらない。それだけに「春よこい」の心境はひとしお。
 32年前、結婚4年目に夫婦共働きで家を新築した。ところが、直後から旧国鉄による山陽新幹線の工事が始まった。当時、我が家はまるで工事現場のど真ん中のようだった。子どもは幼く、危険を感じ、不安がいっぱいだった。
 家の一部が用地にかかるため、家の向きを変える工事が行われた。1ヵ月ほど近くのアパートに引っ越した。ある日、仕事から帰ってみたら、西向きの玄関が、東を向いて工事が行われていた。間もなく、沿線住民は団結して騒音や日照問題で度々、国鉄と交渉した。私も主人と幾度となく交渉に参加した。
 あれから30年、今では毎日、頭の上に聞く騒音もまったく気にならない。それより、ほんの数分間だが、玄関を明るく照らしてくれる朝日がうれしい。
 住めば都である。高架下は洗濯干し場、事務所と活用させて頂いている。縁あってこの地に住み、様々なこと、多くの人との出会いがあり、今日がある。人生とはおもしろい。(朝日新聞)
■青鉛筆
 荷物を座席に置かないで−。JR西日本と関西の私鉄・地下鉄が3月1〜15日の間、ポスターを駅や車内に張り、こんなマナーキャンペーンを繰り広げる。
 ポスターには、戦前に勤勉の象徴とされた江戸期の篤農家、二宮金次郎(尊徳)を起用。銅像では背負っているたきぎをひざの上に置き、行儀良さをアピールする。
 携帯電話の会話や、床に座り込んで騒ぐ若者など、電車内のマナーをめぐる苦情は絶えない。「金次郎が静かに本を読んでいる姿を見習ってもらえれば」と関係者。(朝日新聞)
27日■新幹線居眠り 運転士いすにぐったり。「しっかりしろ」 乗客800人 時速270`… 車掌ゾクッ
 ドアをたたいても反応がない、いすにもたれて肩を揺するまで起きない−。26日、岡山駅で起きた新幹線の居眠り運転。時速270`で乗客800人を乗せて走っていた運転士は”熟睡”していた。
 同日午後3時20分、広島発東京行きのひかり126号は、山陽新幹線岡山駅で、定められた位置から約100b手前で停車した。
 異常に気付いた駅員が、運転席に様子を見に行き、外側からドアをたたいたが応答はなかった。このため駅員は、運転指令所に連絡するとともに車両内の車掌に連絡。10号車にいた車掌が、運転席のある16号車まで走った。
 車掌が運転席に入ると、運転士は席のいすに背をもたせかけてグッタリした様子。「しっかりしろ」と肩を揺すって起こしたという。
 車両はその後、本来の停車位置まで進み、車内に大きな混乱はなかったというが、運転士の居眠りが乗客に知らされることはなかった。
・「前代未聞」JR衝撃
 26日、山陽新幹線で起きた運転士(33)の居眠りは、コンピューター制御のバックアップシステムの作動で大事には至らなかったが、乗客にとっては大きな不安を抱かせる前代未聞の事態。JR西日本も、発足以来初めてのミスに衝撃を受けている。
 新幹線は列車自動制御装置(ATC)によって列車が一定の速度を超えて走行しないように制御し、列車同士の衝突や停車駅通過を防いでいる。レールを通して電気信号を送り、先行列車との間隔や進路条件に応じた速度で走行するようコントロールしており、指示速度を超えた場合は自動的にブレーキがかかる仕組みだ。
 駅進入時には通常、運転士が時速30`まで減速したのを確認し、ボタンを押してATCを解除してマニュアル運転で停車するが、今回はこの動作がなかったため、自動的にATCがブレーキをかけた。仮に駅の停車位置を行き過ぎた場合はホーム前方の「絶対停止(ゼロサン)位置」で、ATCが作動して停車するという。
 機械的に安全面での多重防護が図られているといえるが「やはり運転は最終的には人頼み」と同社関係者は話す。(京都新聞)
■「洛西口駅」開業 記念しイベント 阪急、1日から
 阪急電鉄は、京都本線・桂−東向日間に新駅「洛西口」が開業するのにあわせて、3月1日から5月5日まで開業イベントや記念グッズの販売を実施、同線利用者らに新駅をアピールする。
 開業当日の3月16日午前9時半−午後4時に「開業記念フェスタ3・16」、4月12、13日午前9時半−午後3時に「阪急フェスティバル・in洛西口」を、洛西口駅近くの京都フレンドテニスクラブで開催する。宝塚歌劇団員による鏡開きや太鼓演奏、鉄道模型運転会やゲーム大会が行われる。
 また、3月23日に京都バープルサンガサッカー教室を西京極競技場補助グラウンド(京都市右京区)で、同30日にオリックス・ブルーウェーブ野球教室を向陽第四小(向日市)で開く。
 記念グッズは、竹製のバンブー入場券(4枚1組600円)や乗務員が携帯している京都本線列車運行図表の複製と一体になった入場券(8枚1組1200円)など。それぞれ3月16日から洛西口駅などで限定発売する。
 また、洛西口駅のイメージキャラクター「かぐや姫」の愛称と電車の先頭につけるヘッドマークのデザインも募集している。問い合わせは同社運転車両部洛西口イベント担当TEL06(6373)5209へ。(京都新聞)
■京の近鉄バスもOK 「スルッと」力−ド
 近鉄バス(東大阪市)は3月15日から、新たに京都営業所管内の一般バス路線などで、スルッとKANSAI協議会の「スルッとKANSAIカード」とJR西日本の「Jスルーカード」が使用できるように利用範囲を拡大する。
 京都営業所管内は、近鉄桃山駅前(京都市伏見区)−向島駅前(同)や、向島駅前発着の循環バス計4路線すべてで利用できる。
 問い合わせは同社案内センターTEL06(6772)0858へ。(京都新聞)
■韓国 地下鉄放火 残がい中に遺骨や遺品 「ごみ扱い」遺族猛反発
 【大邱26日共同】韓国・大邱市の地下鉄放火事件で、現場の中央路駅ホームなどにあった大量の残がいが車両基地に放置され、その中に遺体の一部や遺留品が含まれていたことが26日までに分かった。警察当局や地下鉄公社のずさんな現場保存に対し、遺族や行方不明者の家族は遺体などを「ごみ扱いした」と猛反発、公社を監督する立場にある大邱市長の辞任を求める騒ぎとなっている。
 残がいはトレーラー2台分に上り、警察の鑑識活動の後、火災翌日の19日から20日の間に移されたとみられるが、誰が移したかは不明。ほとんどが車両や焼け落ちた鉄骨、ガラス、タイルなどだが、雨ざらしの状態のまま放置されていた。
 「遺留品も含まれているはず」と遺族らが主張し25日、遺族も参加して調べた結果、服、靴、眼鏡などのほか遺体の一部や人骨らしきもの14片が見つかった。遺族らは「市長を出せ」と座り込みで抗議、警察官ともみ合いになった。
 結局、警察は「現場保存に誤りがあった」と過失を認めたが、身元確認の端緒にもなる遺体や遺留品のずさんな取り扱いに、遺族らは「公社や市は証拠隠滅を図ったのではないか」と不信感を深めている。(京都新聞)
■新幹線運転士居眠り 岡山駅 3両ホームはみ出す
 26日午後3時20分ごろ、岡山市のJR山陽新幹線岡山駅で、広島発東京行き「ひかり126号」(16南編成、乗客約800人)が、所定の位置より約100b手前で止まり、3両ほどがホームからはみ出したままになった。車掌が運転席に駆けつけると、男性運転士(33)が腰掛けたまま眠つていた。
 JR西日本の調べに対し、運転士は岡山駅の約26`西の新倉敷駅付近から「記憶がない」と話したという。通常は時速270`で走行する区間で、岡山駅到着まで約8分間居眠りをしていたらしい。
 起こされた運転士が「病気ではなく、運転できる」と話したため、9分遅れで岡山駅を出発。同社は運転免許を持つ車掌を同乗させ、新大阪駅まで運転させた。
 新幹線は自動列車制御装置(ATC)で、停車駅が近づくと段階的に速度が落ちる。時速30`まで減速した時点で運転士がATCを解除し、手動で所定の停止位置に合わせている。ATCは正常に作動しており、運転士が操作をしなかったため所定位置の手前で止まってしまったらしい。
 運転士は26日午後2時に広島新幹線運転所(広島市)に出勤。25日は公休で約10時間の睡眠をとったといい、持病もなかったという。94年2月に運転免許を取得、計2年9ヵ月の運転歴があった。
 同社によると、乗客を乗せて運転中の列車の運転士が居眠りをしていたケースは87年の同社発足後初めて。東海道・山陽新幹線では旧国鉄時代を含めて例がないという。同社の橋本光人運輸部長は「誠に申し訳なく、関係者を厳正に処分する」としている。(朝日新聞)
■路面電車化を検討
 JR西日本は26日、富山港線(富山−岩瀬浜)と吉備線(岡山−総社)の路面電車化を検討していることを明らかにした。郊外は既存の軌道を使い、市街地で路上に乗り入れる。乗降しやすい低床型車両を走らせ、運転本数や停車駅を増やして利便性を高め、維持費も約半分に抑えられるという。路面電車は道路渋滞の元凶とされ多くの都市で廃止されたが、低コスト・低公害のため見直しの機運が高まっている。(朝日新聞)
■新幹線居眠り 岡山県警捜査 JR西から聴取
 広島発東京行き山陽新幹線ひかり126号の運転士(33)が26日、居眠りをし岡山駅の停止位置手前で止まった問題で、岡山県警は27日、業務上過失往来危険と鉄道営業法違反の疑いで運転士から事情聴取、捜査を始めた。
 県警によると、JR西日本から県警への正式な報告は発生から約7時間後の26月午後10時15分だった。県警は運転士のほか車掌ら関係者から当時の状況について事情を聴き、岡山駅ホームも実況見分するなどして詳しく調べる方針。また国土交通省中国運輸局鉄道部は27日、JR西日本の担当者を呼び、運転士の勤務状況や健康状態、会社の管理体制などについて約2時間にわたり詳しく事情を聴いた。(京都新聞 夕刊)
■JR西日本 運転士全員に個人面談 新幹線居眠り 岡山県警は捜査着手
 JR山陽新幹線で26日、運転士(33)が居眠りして岡山駅手前で停車した事故で、岡山県警は27日、業務上過失往来危険、鉄道営業法違反などの疑いで捜査を始めた。運転士ら関係者数人から、当時の状況などについて事情を聴いている。一方、JR西日本は同日、運転士の心身状態を再確認するため、約4370人の全運転士を対象に「個人面談」を実施する方針を決めた。管理職を運転士の横に同乗させ、基本動作の徹底も同時に指示する。
 面談の対象は、新幹線約370人、在来線約4000人の運転士。所属する運転区の管理職が、一人ひとりの健康状態などについて聞き取りをする。
 運転士はJR西日本の事情聴取に対し、「前日は公休で十分に睡眠をとった。なぜ眠くなったかは自分でも分からない」と話している。24日午前11時過ぎに前回の勤務を終え、25日は広島の自宅で休んでいたという。
 運転士は出発前の26日午後2時過ぎ、広島駅構内の詰め所で乗車前の点呼を受けた。上司が運転時の注意事項を伝えるとともに、運転士が健康か確認するのが目的だが、このときは異状は見抜けなかったという。
 JR西日本は今回の事故について、「健康上のトラブルはなく、運転士の気のゆるみが原因」との見方を強めている。しかし、運転士は1人で列車を運転するのが原則。早ければ1分程度で終わる点呼だけでは心身状態が十分把握できない恐れがあることから、全員の面談で再発防止を図る。
 JR東海は27日、東海道新幹線の担当幹部らによる会議を開き、対策を協議した。現場の点呼などを通じ、運転士らに基本の徹底を指導する。
 東北、上越、長野など5方面の新幹線を運営するJR東日本も27日、運転士の乗務前の健康チェック徹底を現場に通知する。
・再発防止求め国交省警告へ
 JR山陽新幹線で運転士が居眠りした事故で、国土交通省は27日、「鉄道への信頼を著しく損ねた」として、JR西日本に原因究明と再発防止を求める警告書を出す方針を明らかにした。中国運輸局(広島市)は同日朝から同社の広島支社次長ら4人を呼び事情聴取した。(朝日新聞 夕刊)
■新幹線居眠り 乗客に伝えず JR西 「隠す意図なかった」
 JR山陽新幹線で「ひかり126号」の運転士(33)が居眠りし、岡山駅手前で停止した事故で、JR西日本は、同列車の約800人の乗客に居眠りの発覚や、この運転士が引き続き新大阪駅まで運転する事実を伝えていなかったことが分かった。同社は「隠す意図はなかった」と釈明している。
 同社によると、「ひかり」は岡山駅で運転士の居眠り発覚後、停止位置まで進んでドアを開け、約9分遅れで同駅を出発した。運転士は「運転を続けられる」と申し出たため、予定通り新大阪駅まで運転を続けた。
 出発時、車掌は「手前に停車してしまい、(止め直す)処理に手間を要した」と車内放送で陳謝した。だが、運転士が居眠りをしていたことや、岡山以降もそのまま運転させていることは一切伝えなかったという。
 同社広報室は「放送をした車掌は運転士を起こした車掌とは別で、出発時には状況を詳しく把握していなかった。いたずらに乗客の不安をあおるまいという判断もあったと思う。居眠りを隠そうとしたわけではない」としている。(朝日新聞 夕刊)
28日■「前夜は飲酒」 運転士が説明 新幹線居眠り
 広島発東京行き山陽新幹線ひかり126号が26日、運転士(33)の居眠りのため岡山駅の停止位置手前で止まった問題で、岡山県警は27日午後も引き続き、業務上過失往来危険と鉄道営業法違反の疑いで、運転士から事情聴取した。
 運転士は岡山県警の調べに「新倉敷駅手前付近で睡魔に襲われ、岡山駅で車掌に起こされるまで記憶がない」と説明。「前日25日の夜、広島市の居酒屋で洒を飲み、26日午前1時ころから、同11時半ごろまで寝た」と話したという。
 JRなどの調べによると、居酒屋では同僚と一緒で、約5時間にわたり広島市の居酒屋でビール2杯、焼酎3杯、酎ハイ1杯を飲んだ後、同日午後11時ごろ帰宅。その後、自宅でさらに酎ハイ1本を飲んだという。(京都新聞)
■議会ミニ・レコ 東西線地上で延伸
 北川明市議(自民)地下鉄東西線の天神川以西への延伸に触れ「地上を走れば建設費は約10分の1で済む。LRT(次世代型路面電車)の実現にも近づく。高架方式も組み合わせながら、洛西、桂坂へと伸ばすべきだ」と提言した。(京都新聞)
■窓 地下鉄の安全 最優先求める 右京区・渡辺 洋(無職・61)
 先日、私は釜山と大邱(テグ)の交通事情の調査に韓国を訪れました。釜山から特急電車に乗り、約1時間の距離にある東大邱に到着したのは午前11時ごろでした。街をぶらぶらと歩いた後、バスかタクシーで大邱市に入り地下鉄に乗る予定でしたが、現地で「火災で地下鉄は止まっている」と聞き、大邱入りを断念し釜山に戻りました。
 ホテルに入ってから「火災」が気になり、テレビを見てがくぜんとしました。映し出されるなまなましい映像に身震いしました。
 今回の事件で私が思うことは、今回のような「放火」は想定外の「事故」であるかもしれませんが、もし車掌がいれば、もし駅員がホームにいれば、このような大惨事にならなかったのではないかということです。
 営団地下鉄のサリン事件やアメリカでの米中枢同時テロ事件を思い出した時、日本で今後、同様のことが「絶対に発生しない」という保証はありません。大邱地下鉄の不幸な事件で亡くなられた乗客の方々や家族の無念さを思う時、鉄道事業の責任の重大さは計り知れないと思います。この事件を教訓にして「安全確保」を最優先にした経営努力を鉄道事業者に求めます。亡くなられた乗客に哀悼の意を表します。(京都新聞)
■合同訓練 トロッコ列車あす発車 嵯峨の観光鉄道とJR西 土砂崩れ想定 合同訓練 細部まで連携確認
 3月からのトロッコ列車の運行再開を前に、嵯峨野観光鉄道とJR西日本は27日、京都市西京区のトロッコ保津峡駅周辺で合同訓練を実施した。土砂崩れを想定し、乗務員たちが乗客の誘導や救援列車との連結といった作業手順を確認した。
 災害などによる万一の事故時に素早い救援・復旧活動ができるよう、線路を一部共用する両社が連携を強化する狙い。4年ぶり4回目の実施で、約50人が参加した。
 訓練は、トロッコ列車が保津峡駅に進入中、線路上に流れ込んだ土砂に乗り上げて自力運転が不能になった、との想定で始まった。係員たちは乗客をはしごで降ろし、安全を確かめながら近くの保津峡駅まで誘導すると、土砂を取り除き、JRの救援機関車と連結して、トロッコ列車をJR嵯峨嵐山駅まで運んだ。
 両社の運転士がそれぞれの運行区間で交代するなど、細部にわたって連携を確かめた。信号機故障に備えて手信号も訓練した。冬季運休中のトロッコ列車は、3月1日から運行を再開する。勤在学の18歳以上。希望者は、3月末までに府森と緑の公社TEL075(451)8338へ。(京都新聞)
■大規模列車火災対応訓練実施へ 京都市
 100人を超える死傷者を出した韓国・大邱市の地下鉄放火事件を受け、京都市は27日、これまで想定外としていた大規模な列車火災に対応するための訓練を3月に行うことを決めた。
 京都市営地下鉄では烏丸線、東西線ともに開業前には駅構内の火災を想定して訓練を実施したものの、開業後は早朝から深夜まで連日営業しているため、訓練が難しい状況にあった。
 ところが、韓国の火災では現場の職員が冷静さを失い、適切に対処しなかったことが原因で被害が拡大したことから、京都市でも交通、消防両局で緊急時の安全性を高めようと、訓練を実施することにした。
 実施日時や詳細な訓練内容は近く決める。韓国の事例と同様の大規模火災を想定、両局が定めている連絡・出動マニュアルや乗客を安全に避難誘導する方法を確認するとともに、被害を食い止めるための防災機器の稼働に問題がないか調べる。
 市は24日に交通、消防両局に合同の防災安全対策委員会を発足させており「訓練後、明らかになった課題の解決策を委員会で討議し、緊急時の連携強化につなげたい」(市消防局)という。(京都新聞)
■新幹線居眠り 運転士、前夜に飲酒 JR西は「関連不明」
 JR山陽新幹線で26日、運転士(33)が居眠りし、「ひかり126号」が岡山駅で自動停車した事故で、この運転士が前夜、知人と生ビール、焼酎など7杯の酒を飲んでいたことが27日、分かった。JR西日本には乗務前の飲酒を禁じる内規はなく、同社は「居眠りが飲酒の影響かは不明」としている。また岡山県警や国土交通省も運転士らからこの飲酒について事情を聴き、当時の状況を詳しく調べている。
 JR西日本の調べなどによると、運転士は事故前日の25日は公休で、自宅のある広島市内で過ごした。同日午後5時から10時にかけて外出し、同僚や社外の知人数人と飲食した。この際、ビール2杯、焼酎3杯、酎ハイ1杯を飲んだ。自宅に帰ってから缶入り酎ハイ1本を飲み、26日午前1時ごろに寝たという。
 運転士は26日午前11時半ごろに起き、午後1時25分に広島駅構内の運転士詰め所に出勤した。乗務前に点呼をした上司も酒気は感じなかったという。運転士は同日午後3時過ぎ、新倉敷駅付近で運転中に眠り込み、岡山駅で自動停止して車掌に起こされるまで「(約8分間の)記憶がない」と話している。
 旧国鉄時代は職員の飲酒トラブルが相次いだため、列車乗務の半日前からは酒を禁じる内規があった。JR西日本は、勤務前の飲酒は「自覚の問題」(広報室)として特に規定はないという。
 調べに対し、運転士は「眠くなったことと飲酒が関係あるかはよく分からない」と説明。職場の同僚らによると、運転士は普段から酒量は多い方だったという。
 JR西日本広報室は「飲酒があったのは事実のようだが、乗務するまでに睡眠を約10時間とっており、居眠りしたことと関係があるかどうか現時点では分からない」としている。
・再発防止策求め運輸局が警告書
 JR山陽新幹線の運転士が走行中に居眠りした問題で、国土交通省中国運輸局(富士原康一局長)は27日、JR西日本(南谷昌二郎社長)に対し、「公共交通機関の社会的信頼を著しく失墜させるものであり、極めて遺憾」とし、再発防止策について報告を求める警告書を出した。同局はJR側の調査結果を踏まえ、必要ならば立ち入り検査も検討するという。(朝日新聞)
■新神戸−岡山で山陽新幹線乱れ
 27日午後6時35分ごろ、兵庫、岡山両県のJR山陽新幹線新神戸−岡山間で送電が停止。広島発東京行き「ひかり132号」など8本の列車が同区間で一時立ち往生し、車内の電灯も消えた。
 約15分後に送電は再開されたが、上下17本が最大23分遅れ、約5700人に影響した。(朝日新聞)
■阪神も女性専用車両
 阪神電鉄は27日、朝ラッシュ時の大阪方面行き区間特急6本に、3月24日から女性専用車両を試験導入すると発表した。近鉄も同19日から導入を予定しており、関西の大手私鉄5社とJR西日本に女性専用車両がそろうことになる。(朝日新聞)
■新幹線またトラブル
 28日午前8時半ごろ、兵庫、岡山両県のJR山陽新幹線新神戸−岡山間に送電している新姫路変電所(兵庫県姫路市)で、機器の一部が異常な高温になる現象が発生、JR西日本は同区間で数分間運転を見合わせた。上下10本が18〜4分遅れ、約4000人に影響した。
 同社によると、新姫路変電所の送電系統は二つあるが、27日夕に発生した停電で1系統の端子が焼損しているのが見つかっていた。(朝日新聞 夕刊)
■ハト衝突?JR乱れ
 28日午前9時ごろ、兵庫県尼崎市立花町1丁目のJR神戸線立花駅で、通過中の網干発大阪行き快速電車(11両成、乗客約1200人)の運転士が「ドン」という衝撃音を聞いて電車を急停止させた。
 立花駅員が線路を調べると、電車にぶつかったとみられるハトの死体が見つかった。神戸線は13分後に運転を再開したが、8本が運休、51本が24〜2分遅れ、約2万8000人に影響した。(朝日新聞 夕刊)