2002(平成14)年12月


1日■新幹線を活用 宅配スタート JR東海、4月から(京都)
  ■新幹線切符を500枚盗み逃走 大阪駅、客装う(京都)
  ■空から地下鉄(京都)
  ■私の視点 日韓中開係 新幹線建設で交流深めよ 石川 好(作家)(朝日)
2日■東北新幹線 盛岡−八戸間が開業 東京から2時間56分(京都)
  ■東北新幹線 盛岡−八戸 新ATC導入 ”無駄な減速”なし(京都)
  ■山陽新幹線 点検済みの壁落下 下関のトンネル 重さ8`、線路脇に(京都)
  ■東北新幹線 青森に開業 盛岡−八戸(朝日)
  ■またモルタル片落下(朝日)
  ■暮らしの中に電車があった 夫婦で写真集出版 廃止の福井・京福永平寺線沿線(朝日)
  ■JR西社長ら役員3人減給 救急隊員死傷事故で処分(京都)
  ■霧で関西線乱れる(京都)
  ■灯 ある電車の引退(京都)
  ■京都でも女性専用車(朝日)
  ■農霧で関西線に遅れ(朝日)
3日■JR西日本 消防了承で運転再開 人身事故 マニュアル作成(京都)
  ■名鉄「60歳定年」断念 繰り上げに労組反発(朝日)
4日■近畿の75駅 風景ずらり 中京で写真パネル展(京都)
  ■男性はねられ死亡 近鉄十条駅で特急 15分停車、1500人影響(京都)
  ■伏見の京阪線でも男性?はねられ死亡(京都)
  ■大阪−京都間 1時間半不通 JR線で死亡事故(京都)
  ■京日記(京都)
  ■私鉄総連はベア要求へ(朝日)
  ■ポートピアランド 3年間営業継続 阪急から神戸市無償譲渡(京都)
  ■JR山陽線 女性専用車両に痴漢 容疑で男逮捕 被害者「安心してたのに」(京都)
  ■鉄道31社に「成績表」営業黒字、1位はJR東海 国交省公表 40項目で評価(朝日)
  ■ポートピアランド 3年間存続へ 神戸市・阪急合意 市に施設を無償譲渡(朝日)
  ■JR片町線加速不良(朝日)
5日■電車内で痴漢容疑 検察事務官逮捕(京都)
  ■宝塚ランド跡地利用計画を発表 商業施設・ペット・庭園(朝日)
  ■電車内の痴漢 一審で実刑 男性被告に逆転無罪 東京高裁 「犯人誤認の可能性」(京都)
6日■電車1500両のボルト交換へ JR西、破損相次ぎ(京都)
  ■大吉なら運賃返します 京阪くじ付き初詣で切符 15日から発売(京都)
  ■取材ノートから JR北陸線・湖西線直流化 メリット亨受の努力を 長浜支局 斎藤英之(京都)
  ■救助中の事故 二度と起こさぬように JR東海道線事故1ヵ月 対策探す 消防も鉄道も 「警戒隊」で自衛/慣例頼り、文書に(朝日)
  ■1万2000本のボルト交換へ 折損続きでJR西(朝日)
7日■阪急新駅は「洛西口」駅 桂−東向日間 駅前広場も(京都)
  ■国労組合員のJR不採用問題 4党合意を破棄(京都)
  ■新大阪連絡線 阪急が断念(京都)
  ■米原−姫路100分間不通 救急隊員死傷事故反省から JR、安全を優先 ラッシュ時18万人影響(京都)
  ■鉄警隊詰所のガラス割られる 京都駅八条口構内(京都)
  ■降りて歩いて 91 京都交通・越畑(京都市右京区嵯峨越畑) 絵になる「癒やしの里」(京都)
  ■4党合意離脱 与党正式通告 JR不採用問題(朝日)
  ■阪急「新大阪」幻に 京都・神戸と接続断念 構想40年宅地買収難しく(朝日)
  ■阪急の新駅名「洛西口駅」に 東向日−桂間(朝日)
  ■東京モノレール 航空2社が出資 日航・全日空(朝日)
  ■新快速、100分立ち往生 ラッシュの東海道線 男性はね、88本運休 尼崎−塚本(朝日)
8日■神戸電鉄 上着挟まれ発車、死亡 ドアすき間1a、開かず(京都)
  ■扉に挟まれ?男性転落死 神戸電鉄鵯越駅 湾曲ホーム死角(朝日)
9日■女子高生が転落、男性救助へ ホーム下退避、助かる JR西大路駅 列車は通過(京都)
  ■都市計画審が答申 京阪中之島新線 阪神西大阪延伸(朝日)
  ■ホーム転落女性 男性下りて救助 京都・西大路駅(朝日)
10日■京阪中之島線 新線を承認 大阪都計審、阪神も(京都)
  ■京都市 山科、桂駅周辺バリアフリー 地元と連絡会議発足へ(京都)
  ■東海道新幹線 雪で終日乱れ(京都)
  ■車掌乗り遅れて特急発車できず JR京都駅(京都)
  ■7社寺を巡る初詣乗車券販売(京都)
  ■関西の鉄道会社が本腰 駅隣接の施設など活用 乗車利用増も期待(京都)
  ■車掌1時間勘違い JR特急、12分遅れて出発(朝日)
  ■「のぞみ」素通り 静岡知事「通行税」で対抗? JR東海幹部「まるで関所」(朝日)
  ■岐阜羽島ー京都間 新幹線が徐行運転 JR東海(京都)
  ■学研都市 高速道路交通システム 実験1ヵ月 人気と不評と 客の予約でルート決める「デマンドバス」 低公害車を共同利用「カーシェアリング」(朝日)
  ■輸送はトラックより鉄道 大日本スクリーン製造 印刷関連機器分野で CO2排出1/3以下(朝日)
  ■さよなら西宮スタジアム 思い出詰め65年、年内限り 上田監督が日本一 首里高校の初勝利 アメフット関京戦(朝日)
  ■神戸電鉄を捜索 ホーム転落死 業過致死容疑 運行管理表押収へ(朝日)
  ■段ボール接触 電車13分遅れ 大阪市営ニュートラム(朝日)
11日■特急屋根にモルタル片 JR福知山で発見(京都)
  ■女性はねられ死亡 JR城陽駅(京都)
  ■TDL最寄り駅高架下にホテル JR東日本が建設へ(京都)
  ■窓 女性専用車は合理的な区別 八尾市・松岡千浩(大学生・19)(京都)
  ■京都駅ビル5周年記念対談 「歴史都市・京都の挑戦」 京都の玄関口としは。(全面広告)(京都)
  ■国交省が事情聴取 JR西 死傷事故(京都)
  ■女性はねられ9000人に影響 JR域陽駅(朝日)
  ■高架下に「つり下げ」ホテル JR舞浜駅に来冬開業へ JR東日本・竹中工務店 防振ゴム使い「低騒音実現」(朝日)
  ■信号機故障 7万人影響 朝のJR阪和線(朝日)
12日■冷え込みで? レールにひび 大阪のJR東海道線(京都)
  ■阪急券売機で偽1万円 京都線など 6駅で20枚 同一犯の可能性(京都)
  ■阪急6駅 偽1万円札20枚発見 大阪・京都・兵庫 券売機使用中止も(朝日)
  ■レールにひび 東海道線停止 大阪・淀川区(朝日)
  ■地下鉄東西線 二条−天神川間 07年度ゴー 400人出席 西伸で起工式(京都)
  ■死亡の救急隊員 しめやか消防葬 JR西社長も参列(京都)
  ■中沢さん市消防葬(朝日)
  ■ガムの値段 膨らむ謎 同じ商品105円、102円、99円 JR大阪駅 1円玉イヤ・キヨスク/仕入れで差・コンビニ(朝日)
14日■「天神川以西」期待と不安 地下鉄東西線西伸起工 洛西地域 住民の悲願だが 市財政は非常事態 路面電車の声も(京都)
  ■京福衝突事故 前社長ら5人書類送検 業過傷害容疑で県警 危険認識、安全策怠る(京都)
  ■京福電鉄衝突 前社長ら書類送検 計5人を福井県警 安全策怠った疑い(朝日)
14日■京都市交通局経営健全化 市と労組 大筋合意 市バス 半数民間委託に(京都)
  ■JR西大路駅の転落救助 会社員の勇気に感謝状 府立商業高校が贈る 女子高生「生を実感、頑張る」(京都)
  ■走る姿に元気もらった チンチン電車写真展「にぎわい再来を」 北野商店街(京都)
  ■降りて歩いて 92 JR大河原駅(南山城村北大河原) 自然豊かな散歩の起点(京都)
  ■検証 JR西 相次ぐ鹿事件に珍対策 獅子糞迅の効果期待 1ヵ月無事故、日持ちは?(朝日)
  ■声 バス停の照明 安全上設置を 無職 桑名信夫(神戸市 63歳)(朝日)
  ■”走る広告”京でも続々 車内づり減の電車・バス 景観に苦慮も 増え続ければ規制と京都市(京都)
15日■奈良線18本が運休 伏見の踏切で人身事故(京都)
  ■男性はねられ即死 亀岡のJR山陰線(京都)
  ■米原−大阪間 8万8000人影響 JR、神戸で転落事故(京都)
  ■首都彩々 21世紀の街づくり 品川駅東口再開発 ビル街に宿場の風情を 江戸の玄関口 街並みと共存(京都)
  ■整備新幹線は2%削減方針 来年度予算(朝日)
  ■踏切で死亡事故 ダイヤ乱れる 伏見のJR奈良線(朝日)
  ■人身事故で70本が運休 JR山陽線(朝日)
  ■線路に車、酔々2` 車中でぐっすり 容疑で男を逮捕(朝日)
16日■電車にはねられた男性の身元判明(京都)
  ■神戸市営地下鉄も女性車両運行開始(京都)
  ■非常停止、1700人影響 ニュートラム(京都)
  ■全線全車で終日 神戸地下鉄も女性専用車両(朝日)
  ■事故対応指針 あすから実施 JR西日本(朝日)
  ■ニュートラム12本が遅れる 非常ブレーキ作動(朝日)
17日■JRダイヤ乱れ 乗客直撃 人身事故、京阪神で先月17件 運行再開、慎重に 自殺者急増一因 救急隊員事故が影響(京都)
  ■男性、線路転落後 電車と接触し重体 京阪藤森駅(京都)
18日■ケータイが特急券に 関西初 近鉄、3月から 登録すれは車内提示だけ(京都)
  ■給与引き下げ 2860人を再雇用 近鉄が社内募集(京都)
  ■九州新幹線の列車名を募集(朝日)
  ■はねられ男性死亡 伏見の近鉄京都線(京都)
  ■神戸市交通局 組合専従に給与 5役員に年計3000万円(朝日)
19日■「イコカ」 JR西日本 ICカード名称決まる(京都)
  ■コミュニティバスが始動 亀岡 きょうから 近距離の試験運行(朝日)
  ■即死事故通報せず 泉大津、南海本線(朝日)
  ■痴漢容疑で警部補逮捕 JR車内、大阪府警(朝日)
20日■嵐山へのパークアンドライド利用者 「良かった」9割り超す アンケートを京都市が集約 渋滞短縮の効果も 列車混雑 改善望む声(京都)
  ■パーク・アンド・ライド 利用者満足 渋滞も緩和(朝日)
  ■京都市営地下鉄 東西線延伸に道路財源充当(京都)
  ■京都市営地下鉄 初の対象10億円 道路特定財源(朝日)
  ■京阪中之島・阪神西大阪延伸 2新線、着工へ(朝日)
  ■跡地利用計画で住民「説明会を」 宝塚ファミリーランド(朝日)
21日■東海道線また混乱 米原−姫路間など人身事故相次ぐ 3時間以上遅れも(京都)
  ■乗り継ぎ運賃 大幅割引 市バス赤字路線、地元と協議 京都市交通審提言素案(京都)
  ■2003年度予算財務省原案の詳報(抜粋)(京都)
  ■降りて歩いて 93 JRバス・生野里(福知山市生野) 京と丹後結ぶ歌枕の地(京都)
  ■快速を増発ダイヤ改定 JR西(朝日)
  ■帰省ラッシュ 28・29日ピーク(朝日)
  ■ラッシュの夜、人心事故3件 JR、21万人影響 380本が運休・遅れ 東海道線など(朝日)
  ■採用競争大詰め 北京−上海間 高速鉄道計画 独、リニア線でアピール(朝日)
  ■鉄道自殺 3日に1件 京阪神のJR 乗客の苦情殺到(朝日)
24日■ブレーキ故障で新快速発車遅れる JR長浜駅(京都)
  ■窓 「ご苦労さま」京福永平寺線 山科区・池田 純(無職・63)(京都)
  ■男性が線路に転落 列車と接触、死亡 近鉄小倉駅(京都)
  ■京阪踏切で死亡事故 6万7000人に影響(京都)
  ■京阪で人身事故 6万7500人に影響(朝日)
25日■昼間を10分間隔に 京福、31日ダイヤ改正(京都)
  ■梅小路ぽっぽクラブの小中学生 園児にX マスの贈り物 精巧な鉄道模型に歓声(京都)
26日■信楽鉄道事故訴訟 JRの責任焦点 きょう控訴審判決(京都)
  ■醍醐のコミュニティーバス 38人乗り、低床タイプ シンボルマークもつけ 「市民の会」デザイン発表(京都)
  ■高額紙幣券売機の使用きょう再開 阪急(京都)
  ■戦争中に廃線 愛宕山ケーブル 埋もれた歴史後世に 参拝客のにぎわいや農村の生活描き 右京の団体職員 小説を出版(京都)
  ■醍醐地域バス、助走 路線や運賃を発表 市民の市民による市民のための(朝日)
  ■JR難波・鷹取駅前用地が落札(朝日)
  ■市バスを迂回措置(京都)
  ■京福前社長ら不起訴 2度目の衝突事故 嫌疑不十分で(朝日)
  ■シベリア鉄道 73年、夢の一番電車 9300`の電化工事が完了(朝日)
27日■信楽鉄道事故 大阪高裁判決 事故防止へ 二審「JRに過失」 事故防止へ 報告義務怠る(京都)
  ■信楽高原鉄道事故 控訴審判決の要旨(京都)
  ■信楽鉄道事故控訴審判決 JRの組織責任指弾 惨事の芽 摘む努力怠る(京都)
  ■信楽鉄道事故控訴審判決 「JRは上告しないで」 全面勝訴に遺族ら安ど(京都)
  ■この人 秋田真志さん JRの責任を追及した信楽列車事故訴訟遺族弁護団事務局長遺族の願いはお金ではない真相を明らかにすること(京都)
  ■線路に木片放置 JR電車急停車 山崎駅、2500人影響(京都)
  ■京都経済プレーバック 規制緩和 地域で明暗のバス路線(京都)
  ■社説 信楽鉄道判決 素直に従い安全徹底を(京都)
  ■信楽事故控訴審 11年半 謝罪なき勝利 安全対策、求め続け(朝日)
  ■信楽鉄道事故 JRの控訴棄却 大阪高裁 「安全対策怠った」(朝日)
28日■JR西指令員ら立件へ 救急隊員死傷大阪府警 業過致死傷容疑で(京都)
  ■大みそか終夜運行 京都市バス・地下鉄(京都)
  ■古里へ 余裕の帰省 開空シャトル便は好調(京都)
  ■車と特急衝突 2人が即死 橋本、南海高野線の踏切(朝日)
29日■青鉛筆(朝日)
30日■春と夏好調維持 82万7000人運ぶ 嵯峨野トロッコ 列車、今年の乗客(京都)
  ■米原−尼崎間 JR1時間不通 男性はねられ死亡(京都)
  ■京日記(京都)
  ■東海道線 人身事故で2万人に影響(朝日)
31日■JR西が上告断念 信楽鉄道事故 遺族の勝訴確定へ 心情配慮し決定 二審敗訴受け(京都)
  ■長い道 やっと区切り 信楽事故訴訟 JR上告断念 「当然の判断だ」 11年半 遺族ら重い複雑(京都)
  ■信楽事故訴訟 JR西、上告断念 SKRと5億円賠償へ(朝日)
  ■きょうお別れ ミカン畑のミニ鉄道(朝日)
  ■信楽事故JR上告断念 11年7ヵ月 ようやく区切り「誠意なし」なお不満(朝日)
  ■転落事故で電車43本運休 JR北新地駅(朝日)
  ■年忘れ?? 目覚まし忘れ JR横浜線 車掌寝坊し2本運休(朝日)
  ■安さ一番ゆっくり旅 大阪−東京往復1万円 バス/青春18きっぷ 女性・中高年 お得意様(朝日)



1日■新幹線を活用 宅配スタート JR東海、4月から
 JR東海は30日までに、来年4月から大手宅配業者と共同で東海道新幹線を活用した宅配事業を始めると発表した。
 東京−新大阪でサービスを始め、来年秋には東京−名古屋に拡大する計画。重要書類や高額品なと少量の荷物が対象で、昼までに申し込めば当日内に到着する利点がある。
 新幹線では15号車の車内販売スペースを荷物用に割き、荷物をケース(約20`c)に詰めて15個程度を積み込む。東京−新大阪間では1日20往復の車両を活用、乗務員が管理する。
 駅までの商品の輸送や届け先への配達は宅配業者が担当する。JR東海は複数の業者と契約する方向で交渉中で、料金などの具体的な計画も検討している。
 同社では数億円の売り上げを見込んでいる。葛西敬之社長は「輸送余力を使ったサービス。新規コストがかからず収入を得ることができる」と説明している。(京都新聞)
■新幹線切符を500枚盗み逃走 大阪駅、客装う
 30日午後1時40分ごろ、大阪市北区のJR大阪駅構内の旅行代理店「日本旅行Tis大阪支店」=田中昭義支店長(53)=で、客を装った男が東京−新大阪間の新幹線ビジネス切符500枚分(608万円相当)を盗んで逃走した。曽根崎署が男の行方を追っている。
 調べでは、男が女性店員(27)に1冊25枚つづりのビジネス切符20冊を注文。「これ、お金です」と言って差し出した銀行の封筒を店員が受け取ったすきに、カウンター内側に用意していた切符入りの袋を男がつかんで逃げた。
 封筒には何重にも折り畳まれた新聞紙が入っていた。盗まれた切符には通し番号が印字されていた。男は30歳ぐらいで身長約180a。黒っぽいスーツを着ていた。(京都新聞)
■空から地下鉄
 29日、中国広東省の広州国際空港に到着した輸送機で、ドイツから2両の地下鉄車両が運ばれてきた。地下鉄車両の空輸は世界初で、世界最大の輸送機が使用された。車両は広州市の地下鉄2号線を走る予定(中国通信=共同)(京都新聞)
■私の視点 日韓中開係 新幹線建設で交流深めよ 石川 好(作家)
 今年は日中国交正常化30周年であるだけでなく、日韓国民交流年と位置つけられ、日中・日韓関係は民間レベルで急速に接近した。また、中韓国交正常化10周年にもあたっており、両国の経済交流は飛躍的に拡大している。
 日韓中。この3国の政治的協調と、どこかの一人勝ちではない「ウィン・ウィン・ウィン」のフェアな経済関係が構築されて初めて、北東アジアの秩序は成立する。それが波及して、東アジアの政治、経済も安定するはずである。
 そう考えると、この記念すべき年に3国が「共同宣言」のようなものを発表できなかったことは、北東アジアで成功した3国が、いまだに地域の未来図を共有できていないことを映し出したとも言えるだろう。
 EUにならつたAU(アジアン・ユニオン)が構想される日がいつか来ると思われる。そのアジアの夢のために、「記念年」の幕引きにふさわしい「未来に向けた共同の仕事」を呼びかけたい。
 いくつもの構想が考えられるが、ここでは日本とドイツがしのぎを削っている北京−上海間の新幹線敷設を、日韓中の共同事業とすることを提案したい。同新幹線は今世紀初頭のアジアを代表する国際的プロジェクトとして注目されており、3国の協力が成立した時の象徴的意味は大きい。
 これは決して唐突な提案ではない。韓国の財界筋では日韓が連携する好機として話題になるのだが、日本側が冷淡で実現に至らないと伝えられている。
 この姿勢を考え直してみてはどうだろう。まず日韓の共同事業として計画し、北京−上海新幹線の事業会社を設立する。そのうえで中国と交渉する。もとよりこれは、世界が注目する巨大なプロジェクトであるから、欧米世界との摩擦を回避するために米企業の参加も求めたい。
 中国では首脳部が大幅に世代交代する。第4世代と呼ばれる彼らは、政治よりも経済に強く、経済重視の「中華党」への移行が視野に入っているとも聞く。
 日韓の共同歩調に基つく新幹線構想が新世代の中国に投げられたなら、中国のみならずASEAN諸国にも影響を与え、アジア共同体実現に向けたイメージが醸成されるだろう。(朝日新聞)
2日■東北新幹線 盛岡−八戸間が開業 東京から2時間56分
 東北新幹線は1日、盛岡−八戸(96.6`)が開業した。1982年に大宮−盛岡で営業を始めてから20年を経て、初めて本州最北の青森県に乗り入れた。整備新幹線の開業は97年の長野新幹線(高崎−長野)以来、5年ぶり。
 揺れが少ない新型車両「はやて」は最高速度260`。東京−八戸の最短所要時間は、37分短縮した2時間56分。東京−青森も在来線との乗り継ぎで最短3時間59分で結ばれた。
 八戸駅新幹線ホームで午前6時20分から開かれた出発式で、青森県の木村守男知事は「新幹線開通は県民の四半世紀にわたる悲願だった。青森市内への一年でも早い延伸を目指す」とあいさつ。市民300人が約300bにわたり並び、テープカットをした。
 青森県福地村の八幡颯(はやて)君(9つ)と東保身駅長の出発合図で、東京行き一番列車「はやて2号」は定刻の午前6時55分、八戸駅を発車。ホームでくす玉が割られ、万歳の声がひびいた。
 全席指定の「はやて2号」の乗車券は販売開始の11月1日、わずか1分で完売。八戸市の安部政雄さん(76)は「神奈川県の友人に5年ぶりに会いに行きます。とても速く快適というので行く気になりました」と話し、列車に乗り込んだ。
 仙台駅始発の下り一番列車「はやて71号」の出発式では、関東、東北地方から集まった「はやて君」「はやてちゃん」20人が、一日駅長を務める女優の涼風真世さんとともに列車を見送った。
 開業区間は、陸上で世界最長の「若手一戸トンネル」(25.8`)をはじめ、7割以上がトンネル。八戸−新青森は10年後をめどに開業を目指している。
 東北新幹線の延伸は、十和田湖などのほか、北海道の函館方面へのアクセスとしても期待されているが、長期の赤字が見込まれる並行在来線や膨大な建設費の地元負担など課題も多い。(京都新聞)
■東北新幹線 盛岡−八戸 新ATC導入 ”無駄な減速”なし
 「はやて」が1日から走り始めた東北新幹線盛岡−八戸間で、スピードアップや列車間隔の短縮を狙ったデジタル式の新型列車自動制御装置(ATC)が導入された。新ATCは今後、東海道新幹線などにも設置される。
 これまでの新幹線は時速30`まで従来型のATCで段階的に減速、後は手動で止めているが、新ATCは駅や先行列車との距離を基に所要時間を短縮できるようブレーキを調整、一気に速度を落とし、”無駄な減速”を減らす。
 駅に止まる場合、時速75`以下は手動となり「ひかり」登場以来38年ぶりのブレーキ操作の変更だ。JR東日本は「機械が働き、人間が監視する機械優先の発想から、人間がミスした時だけ機械がバックアップする人間優先へ少し転換した」と説明。運転士の技量維持の効果もある。
 新ATCを2005年度、東海道新幹線に設置するJR東海は「手順を変えるには運転士の再訓練が必要」として従来通り時速30`を自動と手動の境にする方向。会社によってATCの設計思想の違いが表れたといえる。(京都新聞)
■山陽新幹線 点検済みの壁落下 下関のトンネル 重さ8`、線路脇に
 1日午前3時半ごろ、山口県下関市の山陽新幹線厚狭−新下関間の勝山トンネル内で、重さ約8.2`のモルタル片が線路脇に落ちているのを、JR西日本関連会社の作業員が見つけた。
 JR西日本広島支社で調べたところ、落下したモルタルは長さ38a、幅30a、厚さ10a。現場は博多側入り口から約170b付近の上り線側で、コンクリート壁を覆っている化粧モルタルの一部が高さ約3bから落下していた。
 山陽新幹線では10月にも、岡山県笠岡市内の今立トンネルでモルタル片のはく落が見つかり、同社はすべてのトンネルを緊急点検した。勝山トンネルも対象となったが、点検個所は側壁とアーチ部分の接合部付近だけで、今回のはく落部分は対象外だったという。
 同社は漏水のため壁が劣化してはがれた可能性が高いとみているが、安全に問題はないとして、1日始発から平常運行した。終電後の2日未明から緊急点検を始めた。
 同社では通常、トンネルの点検を隔年で実施しており、同トンネルのはく落部分は昨年10月に点検していたが、異常は見つかっていなかった。(京都新聞)
■東北新幹線 青森に開業 盛岡−八戸
 東北新幹線の盛岡−八戸間が1日、開業した。青森県・八戸駅では新型車両「はやて」の東京行き始発が同日午前6時55分に出発。東京−八戸間は最短で2時間56分で結ばれ、これまでより37分早くなった。観光客誘致の期待の一方、建設費負担や在来線の第三セクター化など、しわ寄せの不安も抱える。
 この日、八戸駅は早朝から乗客や八戸市民らでごった返した。出発式には木村守男・青森県知事やJR東日本の大塚陸毅社長らが出席して開業を祝った。
 72年の基本計画決定から30年。97年の長野(北陸)新幹線に続く2番目の整備新幹線。通常期は1日に東京−八戸間を15往復、仙台−八戸間を1往復する。はやての東京−八戸間は全席指定。揺れと反対方向に車体を動かす制御装置を備え、「窓際に立てたたばこが倒れない」とうたう。
 盛岡−八戸間は、陸上トンネルでは世界最長の岩手一戸トンネル(25.8`)など、トンネル区間が約7割を占める。建設費は約4740億円かかった。3分の2を国、残りを青森、岩手両県と沿線自治体の一部が負担。13年ごろには青森市の新青森駅まで延伸される見通しだ。(朝日新聞)
■またモルタル片落下
 1日午前3時半ごろ、山口県下関市小野の山陽新幹線勝山トンネル(645b、高さ約8b)内で、壁面のモルタル片が線路脇に落ちているのが、点検中に見つかった。 JR西日本広島支社の調べでは、落下片は30a×38a×10aで、重さ8.2`。高さ約3bの側壁の継ぎ目部分からはがれ落ちていた。原因は漏水とみられる。ダイヤには影響しなかった。(朝日新聞)
■暮らしの中に電車があった 夫婦で写真集出版 廃止の福井・京福永平寺線沿線
 「もう電車来ない寺町 道元忌」。2度の衝突事故を受けて昨年6月から運休となり、そのまま今年10月21日付で廃線になった福井県の京福電鉄永平寺線を記録する写真集を、地元の写真愛好家夫妻が自費出版した。田植えや運動会など地域の暮らしに溶け込んでいた電車を約35年にわたって撮り続けた85枚を収録。一枚一枚に2人で詠んだ俳句を添えている。
 自宅が線路からわずか20bという福井県永平寺町、繊維工場勤務の中村継夫さん(64)と妻紀代美さん(61)。
 廃止されたのは、福井と勝山を結んだ越前本線の中間にある東古市駅と、曹洞宗大本山永平寺の玄関口として観光客の利用も多かった永平寺駅間の約6.2`。1925(大正14)年に永平寺鉄道として開通した路線で、当初は芦原温泉ともつながっていた。
 乗客が極端に減少していたために、地元自治体などが設立した第三セクターにも引き継がれないまま廃止となり、記念イベントも開かれずに歴史を閉じた。
 ふだんは1両の電車が往復していた。「電車の音が時計代わりになった」と紀代美さん。写真が趣味で、月に約200枚撮影するという継夫さんは「9割は永平寺線だった」。
 町の公民館から11月に同線の写真展を開くよう依頼を受けた2人は準備を進めるうち、この写真集の制作を決めた。事故の検証で昨年8月に走った電車が結果的に最後の雄姿となった。その際の写真を表紙にし、タイトルは「京福電鉄01/08/09〜ありがとう永平寺線」とした。
 「もう電車来ない−」は、さびついた線路にトンボがとまった写真につけた継夫さんの句。手前に枝から熟した柿が垂れ、もやでかすんだ雪景色の中を電車が行く写真は、紀代美さんが「噂話 指鉄砲で落ちる秋」と詠んでいる。2人とも「こんな写真集を出すより電車が走ってくれとった方がうれしいのですが」と惜しむ。
 A4変形判、59ページ。千冊作って関係者に配布。残り400冊を1500円(送料別)で分けている。希望者ははがきに住所、氏名、電話番号、冊数を書き、〒910・1222、福井県永平寺町諏訪間5の41、中村さんへ。折り返し、写真集と振込用紙が送られる。(朝日新聞)
■JR西社長ら役員3人減給 救急隊員死傷事故で処分
 JR東海道線の救急隊員死傷事故を受け、JR西日本は2日、南谷昌二郎社長ら3役員について、報酬を同日付でそれぞれ10%カット(3ヵ月)する懲戒処分にした。
 処分対象は南谷社長と徳岡研三専務執行役員(鉄道本部長)、村上恒美安全対策室長。処分理由について同社は「今回の事故の重大性にかんがみ管理、運営の責任を問うた」としている。同日午前、代表権を持つ取締役の協議で決まった。
 事故に関係したとみられるほかの社員の処分について、同社は「今後の捜査状況をみながら判断したい」と話している。
 南谷社長は、1999年の山陽新幹線コンクリート崩落事故と、2000年の運賃誤表示問題で、いずれも報酬の10%カット(1ヵ月)の処分を受けているが、今回の懲戒処分は同社の発足後で最も重いという。(京都新聞 夕刊)
■霧で関西線乱れる
 2日未明、奈良県で漂霧が発生、JR西日本は関西線の郡山(奈良県大和郡山市)−王寺(同県王寺町)間で午前5時ごろから約4時間、上下線とも徐行運転した。
 午前9時ごろ霧がはれ通常運転に戻したが、上下計37本が運休、同81本が最大で31分遅れ通勤、通学の約4万5000人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■灯 ある電車の引退
 鉄道ファンの間で今、ある電車の引退が話題になっている。
 山口県内のローカル線「小野田線」を走る旧形国電クモハ42。JRでは現役最古参の電車だ。1933年に製造され、かつては京阪神地区のエースとして活躍した。1957年に小野田線に投入されたが、他の車両は既に廃車になり、現在は001のナンバーを持つ1両しか残っていない。
 小野田線のなかでも、わずか2`あまりの本山支線でほそぼそと運行されてきた。しかし、来春のダイヤ改正でいよいよ引退する、とのニュースがこの夏以降、専門誌などで相次いで報じられた。
 子どものころ、小野田線の沿線に住んでいて、このタイプの電車には伺度も乗車した(リベットを打ち付けたチョコレート色の車体。独特のモーター音。木製の床や壁に塗られたニスなのだろうか、油のにおいがいつもしていた。乗るだけでなく、走る姿を遠くからぼんやりと眺めるのも好きだった。振り返ってみれば、鉄道ファンになったきっかけの一つだろう。
 それだけに、引退にはある種の感慨を持った。技術革新のなかでは、いずれ仕方ないことなのだが、やはり寂しい。ダイヤ改正間際になれば、単行の車両は名残を惜しむ乗客らでごったがえすに違いない。その前になんとか機会を見つけ、もう一度乗ってこようと思う。(尾古 俊博)(京都新聞 夕刊)
■京都でも女性専用車
 神戸・京都方面と大阪を結ぶJR東海道線や東西・福知山線に2日、女性専用車両が登場した。7月から走っている大阪環状線・片町線を合わせると、京阪神のほぼ全域に広がった。始発〜午前9時と、午後5〜9時の普通電車(片町・東西・福知山線は快速を含む)に各1両設けられる。
 10月から大阪〜京都間で女性専用車両を試験実施していた阪急電鉄と京阪電鉄も2日、車両の位置や時間帯を変えないまま、本格実施に移行した。16日から神戸市営地下鉄にも女性専用車両が登場する。(朝日新聞 夕刊)
■農霧で関西線に遅れ
 奈良県北部の奈良盆地で1日夜から2日朝にかけて、濃い霧が発生した。この影響でJR関西線は2日の始発から午前9時ごろまで郡山−王寺間を徐行運転。午前中は影響が残り、奈良線も合わせて上下37本が運休、93本が2〜31分遅れ、約5万人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
3日■JR西日本 消防了承で運転再開 人身事故 マニュアル作成
 JR東海道線の救急隊員死亡事故を受け、JR西日本は2日、人身事故が起きた際は安全確保のため警察、消防の了承を得るまで運転を再開しないなど、具体的な手順を定めた「鉄道人身事故対処要領」を策定した。
 同社が人身事故対応のマニュアルをつくるのは初めて。今回の事故で社員の役割分担が不明確だった上、連絡ミスが重ならたことへの反省から策定した。全駅員や全運転士らに2万2000部を配布、今月中旬から運用する。
 対処要領によると、人身事故が発生した場合、運転士は列車の「防護無線」で信号を発信。半径約1`以内の列車はすべて停止させる。その後、救助のため運転停止が必要かどうかを判断。必要な線路以外は順次再開する。
 同時に、列車指令所の指令員の中から「指令情報統括者」を、現場に駆け付けた車掌や駅員の中から「現地連絡責任者」を指定。指令情報統括者が全体を指揮、現地連絡責任者は警察や消防へ情報を伝える。
 救急隊などがけが人を線路敷地外に運び出し、警察や消防の了承が得られた時点で、現地連絡責任者は「運転再開可能」を指令情報統括者に連絡。統括者はこの連絡を受けて初めて、運転再開の可否を判断する。
 救助揚所によっては隣接する複数の線路も運転停止とする。また、連絡専用の携帯電話約6000台を駅などに配備する。
 同社には運転土用の「動力車乗務員作業標準」、指令員用の「指令応急処置Q&A」などの内規があったが、人身事故対応の規定は定められていなかった。(京都新聞)
■名鉄「60歳定年」断念 繰り上げに労組反発
 業績悪化に伴い、定年を今の65歳から60歳に引き下げ、退職金の支給額も減らす方針を打ち出した名古屋鉄道は2日、定年引き下げも退職金削減も見送り、代わりに今冬の賞与を従業員平均で約10%(部長職は約20%)カットすることで労働組合と合意したと発表した。先進的といわれた定年制度にメスを入れて経費削減を図ろうとしたが、「雇用延長の流れに反する」という労組の反発が予想以上だった。
 会社側は定年引き下げで全従業員の2%に当たる60歳以上の社員を解雇することに加え、19%を占める50歳代の減少が早まるため、人件費を大幅に圧縮できると考えた。
 しかし、組合側は、厚生年金の受給年齢が引き上げられるなどの流れを背景に「時代に逆行する」(長尾富雄・名鉄労組書記次長)と猛反発した。合意では定年制を維持しながら、余剰人員の問題には別の施策を労使で協議することにした。
 退職金は、会社側が年功に応じた支給率の上昇を55歳で止めるよう求めたが、労組は「労使協定が有効なうちは応じられない」と突っぱねた。(朝日新聞)
4日■近畿の75駅 風景ずらり 中京で写真パネル展
 京都市営地下鉄烏丸線の国際会館駅が、本年度に新たに「近畿の駅百選」に認定されたのを記念し、3日から京都市中京区の地下鉄烏丸御池駅ギャラリーで「近畿の駅百選」写真パネル展が始まった。
 近畿の駅百速は、近畿運輸局などが2000年度から毎年、25の駅を選んでいる。府内では、本年度は新たに国際会館駅のほか、JR山陰線の二条駅、京福電鉄北野線の御室駅、北近畿タンゴ鉄道(KTR)宮福線の大江駅が選ばれた。
 パネル展では、これまでに選ばれた75駅の写真を展示している。大正15年に建てられた寺院風の水間鉄道水間駅、国の登録有形文化財の南海電鉄浜寺公園駅など歴史のある駅舎や私鉄最大のターミナル駅阪急電鉄梅田駅やJR大阪駅のにぎわいを紹介している。9日まで。(京都新聞)
■男性はねられ死亡 近鉄十条駅で特急 15分停車、1500人影響
 3日午後3時半ごろ、京都市南区西九条柳ノ内町、近鉄京都線十条駅で、男性がホームから飛び降りた。男性は奈良行き特急にはねられ、即死した。九条署で身元の確認を急いでいる。特急は現場に約15分停車、約1500人に影響が出た。(京都新聞)
■伏見の京阪線でも男性?はねられ死亡
 3日午後6時40分ごろ、京都市伏見区横大路下三栖東ノロの京阪電鉄京阪本線で、線路内にいた人が淀屋橋行き普通電車にはねられ死亡した。伏見署が身元確認を急いでいる。50−60歳くらいの男性とみられ、茶色の靴を履いていた。上下線で3本が運休、2万人に影響が出た。(京都新聞)
■大阪−京都間 1時間半不通 JR線で死亡事故
 3日午後10時50分ごろ、茨木−千里丘間のJR東海道線(茨木市蔵垣内二丁目)で、長浜発網干行きの新快速電車(12両編成)に男性が飛び込み、即死した。電車はその場に停止し、大阪−京都間の上下線が4日午前零時15分まで約1時間半に渡って不通になった。
 JR西日本によると、計8本が運休。京都から大津方面への電車も最高1時間遅れた。JR京都駅では一時、300人以上がホームや停車中の電車で足止めされた。(京都新聞)
■京日記
 日本の鉄道開業(1872年)以来、国内で活躍した英国製の蒸気機関車(SL)を紹介する写真展「日本を走った英国製蒸気機関車」が、京都市下京区の梅小路蒸気機関車館で開かれている。
 国内でSLの製造技術が確立する明治末期までに約500台の英国製が輸入され、米国やドイツ製とともに主要幹線を走った。四つ切りサイズのモノクロ写真40点を飾っている。
 鉄道開業当時の新橋−横浜間を走った150形や、西本願寺を背に鴨川橋りょうを渡る1800形の重厚な姿が、来館者の目を楽しませている。入館有料。23日まで。(京都新聞)
■私鉄総連はベア要求へ
 私鉄総連(山野俊次委員長、約14万5000人)は3日、新潟県場沢町で中央委員会を開き、ベア要求を盛り込んだ03年春闘の執行部方針を承認した。ベアは02年春闘より200円少ない1300円で、定昇相当分(2.2%)と合わせて要求する。定昇相当分は私鉄総連の平均基本給で計算すると6200円。来年2月に正式決定する。(朝日新聞)
■ポートピアランド 3年間営業継続 阪急から神戸市無償譲渡
 神戸市は4日までに、阪急電鉄が来年3月末で経営からの撤退を決めた遊園地「神戸ポートピアランド」(同市中央区)の施設を同電鉄から無償で譲り受け、来年以降も営業を継続していくことを決めた。
 これまで同園は阪急電鉄が施設を所有し、神戸市から土地を有料で借り受けて営業してきた。来年以降は市の外郭団体が事業主体となり、施設と土地の両方を管理する。
 運営はこれまで通り阪急電鉄のグループ会社が行い、市には土地と施設の賃貸料を支払うことになるが、施設管理費と固定資産税の負担がなくなる。
 継続期間は3年間をめどとするが、同園がある人工島、ポートアイランド沖には2005年に神戸空港が開港する予定で、市は延長も検討している。
 ポートピアランドは1981年に開業。91年度には160万人以上の入場者数があったが、その後年々減少し、阪急電鉄は事業から撤退することを決めていた。
・3年以降も続けていたい
 神戸市みなと総局・岡口憲義営業部長の話 ポートピアランドを継続して運営することで、ポートアイランド全体のにぎわいを維持していきたい。市としては、3年間が経過した後も何らかの形で営業を続けていきたいと考えている。(京都新聞 夕刊)
■JR山陽線 女性専用車両に痴漢 容疑で男逮捕 被害者「安心してたのに」
 兵庫県警明石署は4日、JR山陽線の女性専用車両で痴漢行為をしたとして、県迷惑防止条例違反の現行犯で自称住所不定、無職今井徹也容疑者(30)を逮捕した。女性は「専用車両だから安心して眠っていた。許せない」と憤慨している。
 調べによると、今井容疑者は同日午前6時10分ごろ、兵庫県明石市のJR朝霧駅付近を通過中の高槻発西明石行き普通電車の女性専用車両で、うとうとしていた無職女性(20)の隣に座り、衣服の上から胸などを触った疑い。女性が携帯電話で通報、明石駅で警察に突き出した。
 JR西日本は「専用車両の痴漢は聞いたことがない」と話している。今井容疑者は洒を飲んでおり、調べに対し「ほかにも男が乗っていた。専用車両とは気付かなかった」と供述しているという。
 女性専用車両は痴漢などの被害を防止するため、各鉄道会社が次々に導入。JR山陽線は2日、導入されたばかりだった。(京都新聞 夕刊)
■鉄道31社に「成績表」営業黒字、1位はJR東海 国交省公表 40項目で評価
 バリアフリーが進んでいるのは公営地下鉄や大手私鉄、営業黒字はJR東海がトップ−。国土交通省は4日、鉄道各社のサービスや安全、経営状況を一覧できる「成績表」を作って公表することを決めた。業界内の競争促進や乗客への情報提供が目的で、年内に「コンシューマーレポート」と名付けたホームページを立ち上げる。
 対象は、JR旅客6社や関東・関西などの大手私鉄15社、札幌や名古屋、大阪、福岡などの公営地下鉄10社の計31社。00〜01年度の鉄道輸送統計や運賃・経営統計、事故統計、バリアフリー度などのデータを約40項目に分類し、事業者ごとの一覧表にまとめた。
 それによると、バリアフリーが進んでいるのは公宮地下鉄。仙台、京都、神戸、福岡の4市営地下鉄は「1日の平均利用者が5000人を超える」全駅にエレベーターとエスカレーターが設置されている。このうち仙台の16駅と福岡の18駅は、いずれもプラットホームから改札口まで車いすで移動できる。一方、JRのエレベーター設置率は平均34.2%、私鉄は同41.9%にとどまっている。
 安全の指標となるのは100万`走行するごとに発生する事故件数。自動車が踏切内で立ち往生した衝突事故や飛び込み事故など、鉄道事業者側に責任がないケースも命まれているが、01年度1年間に名古屋、神戸、福岡など6市の地下鉄は0件だった。私鉄の安全度トップは東急電鉄(東京)で0.06件。最も多かったのはJR四国で、1.64件だった。
 乗客1人を1`輸送して得る運賃と、かかったコストを比べた営業上の黒字幅が最も大きかったのは、東海道新幹線を抱えるJR東海。小田急電鉄(東京)、京王電鉄(同)の順で続く。(朝日新聞 夕刊)
■ポートピアランド 3年間存続へ 神戸市・阪急合意 市に施設を無償譲渡
 阪急電鉄が来年3月末で撤退すると表明していたポートアイランド(神戸市中央区)の遊園地「神戸ポートピアランド」について、同園の土地を所有する神戸市は4日、阪急電鉄から施設を無償で譲り受け、来年度から05年度まで3年間にわたって営業を継続することで同社と合意したと発表した。
 同市によると、現在、同園の施設を阪急電鉄が、土地を市がそれぞれ所有し、阪急電鉄の子会社「阪急アミューズメントサービス」が施設の運営にあたっている。
 今回の合意では、阪急電鉄が施設を市に無償譲渡。これを受けて市は土地と施設を、神戸・三宮とポートアイランド間でポートライナーを運行する同市の第三セクター「神戸新交通」に有償で貸与する。
 そのうえで、阪急アミューズメントサービスが神戸新交通から業務委託を受け、土地と施設の使用料を支払って営業を続ける。施設の入場料などは阪急アミューズメントサービスの収入になる。
 同園は神戸ポートアイランド博覧会が開幕した81年に開園。ピークの91年度には年間約163万人の入場者があったが、昨年度は47万人まで減少した。
 阪急電鉄にとっては、施設を所有することで生じる減価償却費、固定資産税の負担が同園の経営を圧迫していた。しかし、今回の合意で施設を同市に譲渡することにより、保有コストを削減できるメリットがある。
 一方、神戸市も、閉園によるポートライナーの乗客減を防げるとしている。
 阪急電鉄広報室の話神戸市の意向に添うよう当社としても協力していきたいと考えています。
各地で苦戦
 景気低迷や少子化に加え、東京デイズニーランド(千葉県浦安市)やユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)などの人気の影響もあって、各地の遊園地や地方のテーマパークは苦戦を強いられている。
 00年に香川県のテーマパーク「レオマワールド」が休園し、今年に入ってからは、老舗(しにせ)遊園地の横浜ドリームランド(横浜市)と小田急電鉄の向ヶ丘遊園(川崎市)が閉園した。来年には、阪神パーク甲子園住宅遊園(兵庫県西宮市)や伏見桃山城キヤッスルランド(京都市)も閉園する予定だ。(朝日新聞 夕刊)
■JR片町線加速不良
 4日午前6時34分ごろ、大阪市鶴見区のJR片町線放出(はなてん)駅を出た京橋発京田辺行き普通電車(7両編成)が、時速60`以上に加速できなくなった。電車は約30`離れた京田辺駅に4分遅れで到着。西明石行き区間快速として同駅を折り返した後も加速不良は続き、京橋駅には12分遅れの8時4分に到着した。後続の電車46本が15〜2分遅れ、約3万9000人に影響した。
 JR西日本によると、地下を走る京橋駅以降の東西線では異常は起きなかった。雨でレールがぬれ、車輪が空転したのが原因らしい。加速不良のまま走らせたことについて同社は「空転しているとの報告が乗務員から指令所に届くのが遅れた」と説明している。(朝日新聞 夕刊)
5日■電車内で痴漢容疑 検察事務官逮捕
 大阪地検の検察事務官(58)が1日、大阪府と京都府の境界に差し掛かっていた阪急京都線の電車内で女子高生の足を触ったなどとして、大阪府警高槻署に大阪、京都両府の迷惑防止条例違反の現行犯で逮捕されていたことが4日、分かった。
 高槻署の調べなどによると、事務官は1日午後10時40分ごろから同50分ごろ、河原町発梅田行き快速特急車内で、左隣に座っていた大阪府吹田市の女子高校生(18)の太ももに手の甲を押し付けるなどした疑い。
 高校生が声を出したところ、事務官は「何もしていない」と答え、その場から立ち去ったが、電車が停車した高槻市駅のトイレに逃げ込んだところを駅員に取り押さえられ、同署員に引き渡された。
 事務官は前科記録の管理などを担当。1日は、京都で風景などの写真撮影をした後、洒を飲んで大阪府豊中市の自宅に戻る途中だった。同署の調べに「酒を飲んで気が大きくなった」と容疑を認めているという。(京都新聞)
■宝塚ランド跡地利用計画を発表 商業施設・ペット・庭園
 来年4月に閉園される宝塚ファミリーランド(兵庫県宝塚市)の跡地(14.7f)について、経営主体の阪急電鉄は4日、家族向けの大型商業施設のはか、英国風庭園や動物と遊べる施設として再開発する計画を発表した。庭園や動物施設は03年9月、商業施設は04年秋の開業を目指す。
 同社によると、跡地のうち、国道176号に面した北側を「商業系開発ゾーン」(1.9f)、「ガーデンゾーン」(3.1f)と位置づける。
 商業ゾーンには延べ床面積1.5fの複合施設を建設。核店舗は「家族で楽しめる大型専門店」を念頭に、外資系も含めた阪急グループ外の業者と交渉するという。屋内遊戯施設も併設する。
 ガーデンゾーンには、ファミリーランドの既存の樹木や池を生かした「イングリッシュガーデン」と、犬とのふれあいが楽しめる「ペットガーデン」の二つの有料施設を設ける。
 事業費は両ゾーンで計約25億円。ガーデンゾーンでは、年間50万人の入場者と10億円の売り上げを見込む。残りの9.7fは「歌劇ゾーン」「住宅系開発ゾーン」とするが、具体的な計画は未定という。(朝日新聞)
■電車内の痴漢 一審で実刑 男性被告に逆転無罪 東京高裁 「犯人誤認の可能性」
 電車内で専門学校生の女性に痴漢行為をしたとして強制わいせつ罪に問われた元会社員の男性被告(39)の控訴審判決で、東京高裁の仙波厚裁判長は5日、「女性が被害に遭ったのは間違いないが、男性を犯人と誤認した可能性を否定できない」として、懲役1年2月の実刑とした一審東京地裁判決を破棄、無罪を言い渡した。
 男性は「痴漢冤罪被害者ネットワーク」のメンバー。男性は「まったく身に覚えがない」と捜査段階から一貫して無実を主張。判決理由で仙波裁判長は「犯人の服装などについての被害者の目撃証言は心もとなく、駅で下車後に男性を捕まえた際、誤認した可能性を否定できない」と指摘。
 さらに「痴漢行為をするには男性と被害者の身長差が大きいことや、男性が着ていたダウンジャケットが痴漢行為の邪魔になったと考えられることなど、男性の犯行とするには重大な疑問がある」と結論付けた。
 一審判決は「被害者が目撃した男の特徴などから、男性が犯人なのは間違いない」としていた。
 男性は2000年12月5日午前8時ごろ、西武新宿線鷺ノ宮−高田馬場間を走行中の車内で、乗客の専門学校生の手首をつかんで自分の下腹部にすりつけるなどわいせつな行為をしたとして逮捕、起訴された。(京都新聞 夕刊)
6日■電車1500両のボルト交換へ JR西、破損相次ぎ
 JR西日本は5日、電車の台車の部品を固定するボルトが折れたり脱落するケースが相次いだことから、同じ型式の部品を使う電車約1500両について、来年3月までにボルトをすべて新品に交換することを決めた。
 定期検査などの機会に交換する。費用は約600万円を見込んでいる。
 ボルトは車輪内側にあるギアを保護するための金属製の覆い(ギアケース)を固定しており、破損の原因は締め付け過ぎや締め付け不足とみられる。ギアケースは12本のボルトで固定、2本以上が同時に破損する例はなかったため、安全上の問題はなかったという。(京都新聞)
■大吉なら運賃返します 京阪くじ付き初詣で切符 15日から発売
 京阪電気鉄道は5日、おみくじが付いて大吉を引き当てると運賃が全額払い戻しになる「初詣で切符」を15日から発売する、と発表した。
 同社によると、切符に運賃払い戻しのくじを付けるのは全国の鉄道会社で初めてという。
 京阪は沿線に八坂神社(京都市)や伏見稲荷大社(同)など全国有数の神社仏閣を抱える初詣での「おひざ元」で、同社は「縁起のよい切符でたくさんの人が参拝に足を運んでほしい」と期待している。
 大吉の本数は、大人運賃が1500円で2日間自由に乗降できる京阪線と男山ケーブル用の切符が80本、同500円で1日乗り放題の大津線用が20本。
 切符の一部を削ると当たりが分かるスクラッチ方式で、払い戻しや景品交換は切符の有効期間の28日から2月5日まで発売駅でできる。(京都新聞)
■取材ノートから JR北陸線・湖西線直流化 メリット亨受の努力を 長浜支局 斎藤英之
 滋賀県北部のJR北陸線と湖西線の全面直流化が2006年にも実現する見通しになった。これで北陸線は長浜駅、湖西線では永原駅(西浅井町)までだった新快速電車の運行が福井県の敦賀駅まで延伸する。滋賀県北部の自治体にとって長年の悲願だった直流化だが、地元のメリットに直接つながるかは未知数の部分も多い。
・地域活性化に期待
 県北部の沿線関係者は「直流化実現で、通勤条件が良くなることによる人口増や観光客誘致などの活性化が見込める」(岩根博之・木之本町商工会副会長)と期待する。関係者の希望が膨らむのは、1991年の直流化実現を機に、年間480万人の観光客が訪れ、人口も6万人を突破した長浜市の成功例を間近に見てきたからだ。
 直流化を地元活性化につなげるには、より多くの人たちにJRを利用してもらわなくてはならない。長浜市の中野隆雄市民主役課長は「そのためには、まず京阪神との新快速電車の運行本数が増えるなど、実際の利便性が向上することが条件だ」と話す。新快速の延伸は実現するが、肝心なのはその中身というわけだ。
 例えば現在、京阪神から長浜駅への最終の新快速は午後11時30分に着く。大阪駅を同10時ごろ、京都駅を同10時半ごろには出なくてはならない。中野課長は「遠距離の通勤、通学が増えている現状に十分に対応しているとは言えず、今後の課題だ」と話す。
 これに対し、JR西日本は、今回直流化する区間について「もともと利用客が少ない」(南谷昌二郎社長)と厳しい見方を示す。「利用状況が、輸送体系を左右するのは当然」(広報室)として、利便性向上には、前提として利用者増が必要だと主張する。
・自治体は周辺整備
 便利にならないと利用者は増えないのだが、そもそも利用者が増えなければ利便性は向上しない。この「ニワトリと卵」の関係の中で、各自治体はこれまでさまざまな利用者増の努力を重ねてきた。各自治体は11駅の周辺に計760台分の無料駐車場を整備した。駅周辺整備の総額は計12億円にも上っている。
 木之本町は、職員が出張で新幹線を利用する場合、なるべく北陸線を使い、自動車で米原駅に行く場合でも、必ず木ノ本駅で切符を購入している。県内の11市町でつくる「北陸本線直流化対策協議会」は、通勤・通学者に地元の駅で定期券を買ってもらうよう、定期券購入者を対象にした抽選会を年2回行っている。
 これらの取り組みに加え、長浜市は今後、長浜の宿泊客に日帰りで日本海の魚料理を味わってもらう日帰りツアーを敦賀市と連携して構想するなど対策強化をもくろむ。
 一方で、新快速電車運転の延伸による”副作用”もあるのではとの指摘も出ている。現在、京阪神からの新快速電車に出ている「米原方面長浜行き」の表示やアナウンスは、長浜終点の電車が大幅に減ることで見聞きする機会が減ると予想される。長浜観光協会の川村明会長は「宣伝効果が薄れて、観光客数に影響するのでは。何らかの対策が必要だろう」と話す。
 今回の計画で県と自治体は計75億円を負担する。直流化はタダで転がり込んできたわけではない。支出に見合ったメリットを享受するためには、沿線各自治体がさらに努力と工夫を重ねることが求められる。(京都新聞)
■救助中の事故 二度と起こさぬように JR東海道線事故1ヵ月 対策探す 消防も鉄道も 「警戒隊」で自衛/慣例頼り、文書に
 大阪市淀川区のJR東海道線で救助中の消防署員2人が列車にはねられ死傷した事故から6日で1ヵ月。二度と悲劇を起こさないために何が必要か。JR西日本は2日に事故対応マニュアルを発表したが、消防機関や私鉄会社の模索も始まっている。
 ●不信感
 「駅員が現場にいるのに列車が来るなんて」。事故で同僚を失った大阪市消防局のベテラン消防隊員は、今も怒りを抑えられない。人命救助の現場の安全が保証されていなかった事実は、消防関係者に衝撃を与えた。
 大阪市消防局は事故の際、救助隊とは別の「警戒隊」の派遣を11月半ばから始めた。1隊4人で、作業中に列車が接近してこないか見張る。同消防局は「当面の措置」とするが、鉄道側への不信もあって自衛手段をとった。
 同消防局は、JR西日本など9つの鉄道と「鉄道事故安全対策調整委員会」を発足させ、13日に初会合を開く。今年度中に再発防止策をまとめる。神戸市など近隣の8つの消防機関も参加する。同消防局の担当者は「鉄道事故は府県境を超えた共通の課題。実効性のある対策を考えたい」と話す。
 枚方寝屋川消防組合(本部・大阪府枚方市)は、管内に線路がある鉄道会社に職員を派遣し、人身事故時の救助活動の進め方を確認した。京都市消防局は、市内の鉄道の担当者を呼び、「消防署員の到着まで列車の運転を再開せず、着いた署員の意向を確認してほしい」と要請した。
 ●私鉄も
 国土交通省によると、鉄道人身事故は00年度に全国で332件、近畿で94件起きている。だが、事故時の対策は、各社でまちまちだった。
 今回の事故を受けて、関西の私鉄は、対策の見直しを進めている。ある担当者は「事故対応を現場の判断に任せていた点が多かった。ひとごとではない」と話す。
 阪急電鉄は、乗務員や指令員など職場別の手引書から、人身事故時の対応だけをまとめたマニュアルを新たに作成した。
 現場に来る警察官や消防署員にわかりやすいよう、鉄道用語を使わない説明も指示したという。例えば、線路を「上り」「下り」と説明せず、「大阪方面行き」「京都方面行き」と丁寧に言わせるようにした。
 阪神電鉄は、既存の事故対応マニュアルをより分かりやすくする作業を始めた。広報室は「『徐行』とは時速何`か、といった点を明確にしたい」と説明する。
 近鉄は、従来は慣例に頼っていたという事故時の対応を文書にまとめた。南海電鉄もマニュアルの作成を進めている。
 東海道線事故では、JR西日本が、消防署員が到着する前に現場社員の判断で列車の運行を再開したことが事故の一因になった。
 南海は作成中のマニュアルに、消防が作業を終えて退去するまでは再開しない原則を盛り込む方針という。阪神も「消防などとの協議を踏まえて見直す可能性はある」と話している。
 事故の概要 11月6日夜、大阪市淀川区のJR東海道線で、中学2年の男子生徒(14)が新快速にはねられた。
列車の運行再開後に現場に着いた大阪市消防局の消防署員が特急にはねられ、中沢良夫さん(28)が死亡、1人が重傷を負った。大阪府警は業務上過失致死傷容疑で捜査している。(朝日新聞 夕刊)
■1万2000本のボルト交換へ 折損続きでJR西
 JR西日本は5日、在来線の車両約1500両で、車輪内のボルト約1万2000本を来年3月までにすべて新品に取り換えると発表した。折損が相次いでいるため。
 ボルトは、車輪内部の歯車箱を構成する部品で、長さ27a、直径16_ある。同社は10月に一斉点検した際、異状があった57本を交換した。しかし11月以降も広島、京都、大阪の各支社で計4本が折れており、一斉に交換することにした。
 同社は「ボルトの締め付け方が均一でなかったのが原因」とみている。(朝日新聞)
7日■阪急新駅は「洛西口」駅 桂−東向日間 駅前広場も
 阪急電鉄と京都市は6日、西京区川島の桂−東向日駅間で建設中の新駅の名称を「洛西口」駅に決め、来年3月16日に開業すると発表した。路線バスが乗り入れる駅前広場の建設や周辺道路の拡幅工事も進んでおり、約3ヵ月後には洛西地域に新たな交通拠点が生まれる。
 新駅の設置は、洛西ニュータウン方面からの交通アクセスを改善することや、来春の京都大桂キャンパス開設を控えた桂駅の混雑緩和を目的に、市が阪急側に要望し、昨秋に決まった。阪急の新駅開業は30年ぶり。
 駅名「洛西口」は「洛西地域の玄関口」の意味から名付けた。急行と普通列車が上りと下り合わせて1日218本停車する。乗降客は1日約1万6000人を見込んでいる。
 阪急が建設している駅舎やホームは骨組みがほぼ完成、10月に市が着工した駅前広場(約3000平方b)も急ピッチで建設が進んでいる。広場には京都市バス、阪急バス、京都交通が乗り入れる予定で、路線やダイヤについて協議している。
 また、市は駅北側の物集女踏切(都市計画道路・久世北茶屋線)を2車線から4車線に拡幅し、新たに歩道を設ける工事を駅開業に向けて進めている。駅前広場と車線拡幅の市の事業費は約12億円。
 市は将来、桂駅から洛西口駅間にかけて高架化し、新山陰街道と久世北茶屋線を立体交差化する計画で、「現在、国への事業採択を要望している」(市建設局)という。
・需要創出を期待
 角和夫・阪急電鉄常務の話 将来的にはキリンビールの工場跡地も再開発され、そこへの輸送も担える。洛西口という駅名は、神戸や宝塚沿線住民の方でも京都だとすぐイメージしてもらえると思う。駅開業を契機に周辺がにぎわい、新しい需要が創出されるのを期待したい。(京都新聞)
■国労組合員のJR不採用問題 4党合意を破棄
 国労組合員らのJR不採用問題で、与党3党と社民党は6日協議し、政治解決の枠組みを決めた4党合意の破棄を正式に決めた。これにより、2000年5月の合意から約2年半にわたる解決への模索は打ち切られ、1987年の国鉄分割・民営化をきっかけに始まった約1000人の不採用問題は事実上、解決への道を閉ざされた。与党が11月29日に合意の破棄を決めたことを受け、与党側が6日の協議で社民党に破棄を通告。社民党は受け入れた。
 与党側責任者の甘利明自民党副幹事長は会見で、今回の破棄は国労側の約束違反が原因と指摘。「この問題に関して二度と協議することはない」と言明した。
 国労執行部も会見し、与党から出された条件に真剣に対応してきたことを強調。今後も政治解決を目指すとの姿勢を示した。(京都新聞)
■新大阪連絡線 阪急が断念
 阪急電鉄は6日、大阪市内の新大阪連絡線(淡路−新大阪−神崎川)の鉄道事業廃止届を近畿運輸局に提出した。京都線の混雑緩和や輸送需要の減少で整備の必要性がなくなったと判断した。JR新大阪駅近くに開設する新駅と十三駅間については工事施工認可申請期限の5年延長を申請、今後、整備方針を検討する。
 廃止区間は、京都本線淡路駅(東淀川区)−新大阪(淀川区)間約1.7`と、新大阪−神戸線神崎川駅(淀川区)間約3.0`。すでに用地買収は淡路−新大阪で71.6%、新大阪−神崎川で67.8%進んでいる。
 200%以上あった京都線の最混雑率は144%まで低下。さらに新幹線新大阪駅からの乗り換えや、京都−神戸線直通運転の需要も期待できないなどから、25日の申請期限切れを前に廃止を決めた。同社は「取得済み用地の活用方法は、今後検討したい」(角和夫常務)としている。(京都新聞)
■米原−姫路100分間不通 救急隊員死傷事故反省から JR、安全を優先 ラッシュ時18万人影響
 6日午後5時20分ごろ、大阪市淀川区田川のJR東海道線尼崎−塚本間の上り線で、線路内に立っていた男性が姫路発野洲行きの新快速電車(8両編成、乗客約1000人)にはねられ死亡した。淀川署は自殺とみて身元を調べている。事故があったのは塚本駅の約1`西で、11月6日に発生した救急隊員死傷事故の現場から約1.2`東寄りの地点。
 JR西日本は東海道、山陽両線の米原−姫路間や福知山線尼崎−篠山口間の上下線などで約1時間40分にわたって運転を見合わせ、午後7時すぎに再開した。ダイヤは深夜まで乱れ、上下計88本が運休するなど、通勤や通学の帰宅客ら約18万4000人に影響が出た。
 救急隊員死傷事故では、救助作業中にもかかわらず運転を再開したことから二重事故につながった。この反省から同社は「警察や消防の作業が終了するまで運転を再開しない」との社内通達を11月11日に出している。
 JR京都駅では、滋賀県方面に向かう東海道線上りホームなどが帰りのラッシュで混雑。午後7時すぎの運転再開後も電車が遅れ、乗客の長い列が続いた。大阪の勤務先からの帰りだった栗東市の会社員(53)は、「阪急に乗りかえてここまで来たが、京都でも止まっている。どうして大阪の事故で米原まで全面ストップなのか」とあきれ顔だった。(京都新聞)
■鉄警隊詰所のガラス割られる 京都駅八条口構内
 6日午後9時40分ごろ、京都市下京区のJR京都駅八条口構内にある京都府警鉄道警察隊の京都駅南警備詰所の表ガラスが割れているのを、清掃職員が発見し、同駅が鉄道警察隊に通報した。
 同隊と七条署の調べでは、2枚のガラス戸(高さ2.1b、幅90a)のうち1枚の右隅の一部が、け破られたように割られており、器物損壊事件として捜査している。同詰所は午後6時から無人だったという。(京都新聞)
■降りて歩いて 91 京都交通・越畑(京都市右京区嵯峨越畑) 絵になる「癒やしの里」
 JR八木駅(八木町)から西へ、山道を約40分。バスから降りると、小鳥のさえずりや溝を流れる水音が耳に届く。イノシシ鍋、シカ鍋の看板が立ち、ススキが風に揺れる。越畑は、都会のけん騒を忘れさせてくれる「癒やしの里」だ。
 カメラやスケッチブックを手に歩く人たちが目につく。「四季を通じて絵になる。街では消えてしまった日本の原風景が、ここには残っている」。のどかな棚田をファインダー越しに見つめ、大阪から来た新井重樹さん(80)は話した。せわしない時代を反映してか、訪れる人は増えつつあるようだ。
 営みの歴史は古い。「嵯峨誌」には「天応元(782年から愛宕山白雲寺の領地だった」と伝わる。愛宕山の北に位置し、三方を山に囲まれた厳しい地形で、長く林業と農業の暮らしが続いた。ただ、戦後は高度成長に取り残された。世帯数は減り、農業離れで若者も都会へ。スキー場や民宿も閉鎖された。
 今、地元は豊かな自然を生かした活性化策に取り組む。休耕田だった棚田にブドウやリンゴを植え、夏はオミナエシ、ホオヅキなど切り花を出荷する。日本酒「越畑」の原料米やソバ菜といった新産品の開発にも余念がない。
 一昨年には、里の新拠点となる都市農村交流施設「越畑フレンドパークまつばら」がバス停から徒歩10分の場所に開館した。人気メニューの「越畑そば」は地元で栽培したソバも使って、住民が手打ちする。同パークの大西恒治・代表理事(60)は「これからの季節は雪化粧した家並みが美しい。昔のままに残る自然を思う存分楽しんでほしい」と話している。(京都新聞)
■4党合意離脱 与党正式通告 JR不採用問題
 国労組合員のJR不採用問題で、与党3党と社民党が6日、4党協議会を開き、政治解決の枠組みとして00年5月にまとめた「4党合意」について、与党3党が破棄することを正式に社民党に伝えた。87年の分割・民営化に伴う国鉄闘争の政治解決は白紙に戻った。協議会後、自民党の甘利明・副幹事長(元労相)は4党協議会の解散を明言し、今後の政治解決の可能性を否定した。
 これを受け、国労執行部が記者会見し、「解決案を提示することなく、国労のみを責め、4党合意を離脱した与党の態度には憤りを禁じ得ない」とする声明を発表。高嶋昭一委員長は「16年に及ぶ労働者の解雇は死に匹敵する。政治解決、早期解決のため国労は歩み寄る用意はある」と話した。
 今後、早期解決を政府に促した国際労働機関(ILO)勧告などに基づき、引き続き政治解決を求める方針。
 社民党は、次のような見解を発表した。「国鉄改革は国策として遂行されたもので、不採用になった人たちには国策の犠牲者という側面もある。社民党は今後とも国労本部と連携をして、全力で取り組んでいく」(朝日新聞)
■阪急「新大阪」幻に 京都・神戸と接続断念 構想40年宅地買収難しく
 阪急電鉄は6日、京都線と神戸線を接続する「新大阪連絡線」(約7`)の計画で、淡路−新大阪−神崎川間(約4.6`)の建設を断念すると近畿運輸局に届けた。60年代に構想されたが、40年間で用地が7割程度しか取得できず、実現は不可能と判断した。
 新大阪連絡線は、京都線淡路駅とJR新大阪駅を直結。新大阪駅からは、神崎川駅と十三駅に向かう両ルートに分かれ、神戸線と接続する構想だった。京都線の混雑緩和や、64年に開業した新幹線とのアクセス向上を目指し、同社が61年に鉄道事業許可を得た。
 しかし、計画地は大阪市北部の住宅街で用地買収は難航。京都線の輸送力も向上したこともあり、90年代以降は計画が休眠状態になっていた。
 新大阪−十三間(約2.4`)の計画だけは07年まで残すが、同社は「新たな用地買収はしない」としており、実現する可能性ははとんどない。(朝日新聞)
■阪急の新駅名「洛西口駅」に 東向日−桂間
 阪急電鉄は6日、京都線の東向日−桂間に建設中の新駅の名称を洛西口駅とし、来年3月16日に営業を始める、と発表した。西京区と向日市に広がる「洛西地区」の玄関口というイメージなどから名付けたという。京都市が整備を進めている駅前広場も同日オープンする。
 西京区川島六ノ坪町にできる洛西口駅には平日、急行と普通電車が上り(河原町方面)106本、下り(梅田方面)112本停車する。阪急電鉄は平日の利用を1日約1万6000人と見込む。(朝日新聞)
■東京モノレール 航空2社が出資 日航・全日空
 日本航空と全日本空輸は6日、東京モノレール株を17日付で日立製作所から9%ずつ取得すると発表した。両社は羽田空港へのアクセス改善や、親会社のJR東日本を含めた営業協力に向け、非常勤取締役の派遣も検討している。
 東京モノレールは、日立物流の100%子会社だったが、2月、JR東日本に株式の7割を、日立製作所に3割を売却していた。今回の売却で日立の持ち株比率は12%に下がる。(朝日新聞)
■新快速、100分立ち往生 ラッシュの東海道線 男性はね、88本運休 尼崎−塚本
 6日午後5時23分ごろ、大阪市淀川区田川3丁目のJR東海道線塚本−尼崎間で、線路上にいた男性が姫路発野洲行き新快速電車(8両編成)にはねられ、即死した。新快速は約1000人が乗ったまま立ち往生し、約1時間40分後に運転を再開した。東海道・山陽線は一時米原−姫路間が不通になり、88本が運休、223本が147〜7分遅れ、約18万4000人に影響した。
 現場は、11月6日に消防署員2人が死傷する事故が起きた地点から約1.2 `大阪駅寄り。約1.7bのフェンスで囲われている。淀川署によると、男性は新快速や特急が通る一番東側の線路内に立っていたという。
 淀川署は署員約10人を派遣し、うち2人に念のため列車の接近を見張らせた。大阪市消防局の署員約15人も列車の停止を確認して線路内に入った。JR西日本は警察・消防が作業を終えて線路外に出るまで4本の線路をすべて止めた。
 東海道線に乗り入れる福知山線や、関西空港を発着する特急はるかにも影響は広がった。夕ラッシュ時と重なり、JR大阪駅は大勢の乗客でごった返した。立ち往生した新快速など2本の列車では、窓ガラス計3枚が割れていた。待ちくたびれた乗客が割った疑いがあるという。
 JR西日本は、今月2日から導入していた女性専用車両の指定を初めて解除し、並行する阪急電鉄、阪神電鉄などで振り替え輸送を実施したが、影響は深夜まで続いた。(朝日新聞)
8日■神戸電鉄 上着挟まれ発車、死亡 ドアすき間1a、開かず
 神戸市兵庫区豊山町の神戸電鉄鵯越(ひよどりごえ)駅の上りホームで6日午後5時10分ごろ、粟生発新開地行き普通電車(4両編成)から降りようとした男性がドアに上着を挟まれ、発車した電車に引きずられてホームから落ちた。運転士(39)が非常ブレーキで停車させたが、男性は間もなく死亡した。
 兵庫署の調べで男性は神戸市北区甲栄台、無職香田正敏さん(74)。司法解剖の結果、胸を強く圧迫されたことが死因と分かった。ブレザーの左袖をドアに挟まれて転倒、ホームと電車のすき間に挟まれたらしい。
 同署は業務上過失致死の疑いもあるとみて、安全確認の状況などについて、車掌(31)や運転士から事情を聴いている。
 調べでは、香田さんは線路脇にうつぶせで倒れていた。同駅はホームと電車との間隔が開いている場所があり、見つかった場所は約23a開いていた。
 神戸電鉄によると、電車のドアは物を挟んでもすき間が1a未満なら「閉まっている」と認識する。車掌は発車直前にドアが閉まっていない表示が出たため、再度開閉し、閉まったことを表示で確認した。また鵯越駅は無人駅でホームが直線でないため、車掌からすべての乗降口が見通せないが、ホームに設置されたモニターカメラで安全を確認したという。(京都新聞)
■扉に挟まれ?男性転落死 神戸電鉄鵯越駅 湾曲ホーム死角
 神戸市兵庫区の神戸電鉄鵯越駅で6日夕、発車した直後に緊急停車した栗生発新開地行き普通電車(4両編成)の車両の下で、同市北区甲栄台1丁目、無職香田正敏さん(74)が血を流して倒れているのが見つかり、香田さんは間もなく死亡した。香田さんのブレザーのものとみられるボタンの破片が車内にあり、下車しようとした香田さんがドアに挟まれて引きずられ、車両とホームの間に挟まれて落ちた疑いが出てきた。
 兵庫署は運転士(39)らの安全確認が不十分だった疑いもあるとみて、業務上過失致死容疑も視野に入れて調べている。
 同署などによると、電車は午後5時10分ごろに発車した直後、上りホームにいた客の悲鳴を聞いて車掌が緊急停止を指示。約28b進んで止まった。
 香田さんは4両目付近の線路上に倒れていた。ボタンの破片は2両目の車内に残っていた。
 司法解剖の結果、青田さんは胸部が強く圧迫されて肋骨が折れ、左右の肺が破裂していた。同署は、季田さんが車両とホームのすき間に落ちて挟まり、さらに電車が進んだため胸を圧迫されたと見ている。
 鵯越駅は無人駅で、上り線ホームは長さ96bあり、電車の進行方向に向かって右にカーブしている。このため、現場のホームと車両の間には約23aのすき間ができる。
 神戸電鉄によると、このカーブで死角が生まれるため、先頭車両にいる運転士は前の2両の安全を確認。4両目にいる車掌は後ろの2両を肉眼で、前方の2両をホームのカメラ2台に映った映像モニターで確認する。
 さらに、すべてのドアが閉まったことを示す「戸閉め表示灯」の点灯を確認して発車させる。
 しかし、この日は車掌(31)がドアを閉める操作をしたところ、表示灯がつかなかったため、運転士が車掌にやり直しを指示。車掌がドアを再度開閉し、表示灯がついたのを運転士が確認して発車したという。表示灯はドアのすき間が1a未満の場合は感知しない設定になっていた。(朝日新聞)
9日■女子高生が転落、男性救助へ ホーム下退避、助かる JR西大路駅 列車は通過
 9日午前7時半ごろ、京都市南区唐橋平垣町のJR西大路駅で、ホームから右京区の女子高生(17)がめまいのため上り線線路上に転落した。京都行き普通電車が迫っていたが、電車を待っていた男性が救助のため線路に飛び降りてホーム下のすき間に退避し、2人は無事だった。
 JR西日本によると、電車の運転士は駅に入る際、転落に気付き急ブレーキをかけたが間に合わず、転落場所から約20b通過して停車した。ホームから線路までの高さ約1.5bで、ホーム下は空間になっていた。
 救助した男性は大津市の警備会社に勤務する大八木聴さん(29)=西京区桂浅原町=。
 大八木さんによると、女子高生は大八木さんと並んで列の先頭で電車を待っていたが、よろけろように線路に落ちた。その時、電車はすでにホームに入ってきていた、という。
 大八木さんは「とっさに飛び込んだ。ホームの下に空間があるのは日ごろから知ってた。抱きかかえるよう引き込んだ。助けるのは当然のことです」と話していた。(京都新聞 夕刊)
■都市計画審が答申 京阪中之島新線 阪神西大阪延伸
 大阪市都市計画審議会は9日、京阪中之島新線(天満橋−玉江橋、2.9`)と阪神西大阪線延伸線(西九条−難波、3.4`)の二つの新線建設について、諮問通り都市計画決定するよう答申することを決めた。建設は第三セクターが担当し、03年度の着工、08年度の完成をめざすが、国などの予算が予定通り盛り込まれるかが焦点となる。
 京阪中之島新線は天満橋駅から土佐堀川の下をくぐって中之島の北側を大阪国際会議場前まで走る。全線が地下で、新北浜、大江橋、渡辺橋、玉江橋の4駅を新設する。総事業費は1503億円。
 阪神西大阪線延伸線は西九条駅から地上を約800b走って地下に入り、近鉄難波駅に接続する。九条、岩崎橋、汐見橋の3駅を新設し、総事業費は1071億円。阪神電鉄と大阪市、大阪府などが出資する西大阪高速鉄道が建設し、阪神電鉄が運行する。阪神三宮−近鉄奈良間約65`が直通で結ばれる見通し。(朝日新聞 夕刊)
■ホーム転落女性 男性下りて救助 京都・西大路駅
 9日午前7時半ごろ、京都市南区のJR東海道線西大路駅の上りホームで、同市右京区の高校2年の女子生徒(17)が線路に転落した。ホームには尼崎発京都行き普通電車(7両編成)がさしかかっていたが、男性が飛び降り、女子生徒をホーム下のすき間に退避させた。電車は非常ブレーキをかけ、転落地点から約15b過ぎて停車した。女子生徒は落ちた際、ひざに軽いけが。(朝日新聞 夕刊)
10日■京阪中之島線 新線を承認 大阪都計審、阪神も
 阪神電鉄、京阪電鉄などが計画中の大阪市中心部を東西に横切る2新線、阪神西大阪延伸線(3.4`)、京阪中之島新線(2.9`)について、大阪市都市計画審議会は9日、計画案を承認することを決め、同市に答申した。
 本年度内に国土交通相の同意などを得て告示し、両線とも来年春の着工、2008年度中の開通を予定している。
 西大阪延伸線は、西大阪線西九条(大阪市)から近畿日本鉄道の近鉄難波(同)までを主に地下線で延伸し、途中に九条、岩崎橋、汐見橋の3駅を設置。両社は阪神の三宮(神戸市)から近鉄奈良(奈良市)まで直通運転を予定している。
 中之島新線は京阪本線の天満橋(大阪市)から分岐し玉江橋(同)までを地下線で結び、途中に新北浜、大江橋、渡辺橋の3駅を設ける。(京都新聞)
■京都市 山科、桂駅周辺バリアフリー 地元と連絡会議発足へ
 京都市は、JRなどの山科駅周辺(山科区)と阪急桂駅周辺(西京区)の2地区について、高齢者や障害者が支障なく移動できる「交通バリアフリー移動円滑化基本構想」を策定するため、地元住民を交えた連絡会議を10日と12日に、それぞれ発足させる。
 市は10月にまとめた「交通バリアフリー全体構想」の中で、整備の必要性の高さや事業者の意向などを基に「重点整備地区」を定めた。山科、桂の2地区は、整備による効果も踏まえて最も緊急性の高い地区に選んでいる。
 連絡会議は、各地区約30人で構成し、自治連合会、高齢者や障害者の地元団体の代表、学識経験者、交通事業者らがメンバーになる。バリアフリー化の基本方針をはじめ、駅や車両、周辺道路の改善内容、整備内容ごとの役割分担などを検討し、本年度中に「移動円滑化基本構想」の素案、来年度中に具体的な整備計画をまとめる。
 山科地区は10日午前9時半からホテルブライトンシティ山科、桂地区は12日午前9時半から西京区役所で初会合を開く。一般の傍聴もできる。定員は20人。(京都新聞)
■東海道新幹線 雪で終日乱れ
 関東甲信地方に9日降った雪の影響で、東海道新幹線が一部で徐行運転するなど交通機関に乱れが出た。
 東海道新幹線は神奈川県内の雪のため始発から東京−熱海間で徐行運転。午後も東京−小田原真で徐行が続き、上下線とも10分前後の遅れが出た。雪による徐行はこの冬初めて。
 京都発着の新幹線も下りで始発から遅れる列車が相次いだ。9日午後零時12分発の「のぞみ9号」が最大30分遅れるなど、午後7時台までダイヤが乱れた。(京都新聞)
■車掌乗り遅れて特急発車できず JR京都駅
 9日午後4時25分ごろ、京都市下京区のJR京都駅で、東舞鶴行き特急「まいづる5号」に乗務予定の車掌が乗っていないことに係員が気付き、この特急が発車できなくなった。その後、乗務予定の車掌が現れたため、約12分遅れで発車した。
 JR西日本によると、車掌は乗務時刻を1時間勘違いし、休憩室にいたという。このため後続の普通列車1本が約3分遅れ、特急の乗客を含め約300人に影響が出た。(京都新聞)
■7社寺を巡る初詣乗車券販売
 叡山電鉄は、貴船神社や鞍馬寺、由岐神社など7社寺を巡る初詣乗車券の販売を始めた。大人820円、小学生以下410円で、元旦から1月31日まで、出町柳、一乗寺、修学院、宝ケ池、三宅八幡、八瀬比叡山口、八幡前、貴船口、鞍馬の9駅で乗り降りする場合に限って、一日乗り放題。7社寺で使える朱印帳つき。出町柳、修学院駅と京阪電鉄各駅で12月31日まで販売する。(京都新聞)
■関西の鉄道会社が本腰 駅隣接の施設など活用 乗車利用増も期待
 関西の鉄道会社が、本格的に託児サービスに乗り出している。従来はファッション関連や飲食店が主流だった駅ビルや駅隣接施設の空きスペースを活用し、付加価値の高い幼児教室や保育所などを相次いで開設。少子化で教育熱が高まっている育児世代や共働き住民を対象に、駅サービスの強化で鉄道の利用増に結びつけたい考えだ。(社会報道部・経済 石田真由美)
 阪急電鉄は今月16日から伊丹線伊丹駅(兵庫県伊丹市)の駅ビル内にあるテナント共用事務所を一部改装し、米国式チャイルドケアシステムを取り入れた幼児教室「阪急キッズワールド伊丹」をオープンする。託児教育サービス会社に運営委託し、外国人教師と遊びながら英語を覚えるクラスや時間単位で子どもを預かる一時預かりなどを行う。
・若い夫婦にも好評
 同社が幼児教室を駅施設に設置するのは、今年7月に開設した宝塚線池田駅(大阪府池田市)に続き2ヵ所目。池田駅の教室は隣駅に統合した旧駅長室を活用しており、開設5ヵ月間で約250人が会員登録した。「若い夫婦を中心に幼児教室への関心が高く、通勤や買い物途中で立ち寄れると好評」(同社広報室)で、今年度中に南茨木駅や箕面駅にも幼児教室を開設し、京都線を含めて広く展開する予定だ。
・約100人が会員登録
 京阪電気鉄道も、今年7月に守口市駅(大阪府守口市)に隣接するビル内の空きテナント事務所に、「京阪キッズワールド守口」を開設した。平日の午前9時から午後6時まで、2、3歳を対象にした幼稚園への入園準備クラスや月極保育などを行っており、現在約100人が会員登録している。
 今後2005年3月末までに、京橋や枚方市、樟葉など主要駅に5ヵ所開設する計画で「育児支援をはじめ、駅でさまざまな生活関連サービスを提供し、集客や鉄道利用を増やしたい」(広報室)と意気込む。
・JR西も来春開設
 一方、JR西日本も来年3月に、神戸線六甲道駅の改札隣の空きテナントスペースに、保育施設を開設する。一時保育や英会話教室に加え、他の保育園や幼稚園に通う子どもをいったん預かって送迎バスに引き継ぐ送迎ステーションや、ベビーカーの貸し出しなどのサービスも実施する。保護者の勤務時間に配慮し、営業時間帯も午前7時−午後10時とする予定。
 松岡義幸開発本部事業創造部長は「出勤途中で子どもを預ける発駅型だけでなく、例えば京都で結婚式に出席する保護者が保育施設で一時的に子どもを預かってもらうなど、着駅型の保育施設も考えたい」と話す。年5、6ヵ所開設し、5年間で25−30ヵ所を目標としている。
 鉄道各社は乗客数減少に頭を悩ませている一方で、駅施設の有効利用を進めている。託児施設の設置は、駅施設の有効活用と鉄道利用の促進の一石二鳥を狙った方策で、今後ますます増加するとみられる。(京都新聞)
■車掌1時間勘違い JR特急、12分遅れて出発
 JR京都駅(下京区)で9日、午後4時25分発車予定の京都発東舞鶴行きの特急列車「まいづる5号」の出発が12分遅れた。JR西日本によると、乗り込む予定だった車掌が発車時間を1時間勘違いしたためで、後続の普通列車も3分遅れ、約300人に影響が出た。
 駅の詰め所にいた車掌に電話で連絡し、駆けつけた車掌が乗り込んで出発したという。(朝日新聞)
■「のぞみ」素通り 静岡知事「通行税」で対抗? JR東海幹部「まるで関所」
 静岡県の石川嘉延知事は、9日の県議会本会議で、県内を素通りしている東海道新幹線のぞみや一部のひかりに対し、独自の「通行税」を検討することを明らかにした。再三要望しているのぞみ停車が実現しないことを挙げ、「JR東海は静岡軽視だ」と批判。要望実現の武器とする考えだ。
 石川知事は、03年秋の新幹線品川新駅開業に伴うダイヤ改定について、「通過するだけののぞみは通さないぐらいの気持ちで、県に不利な改定に断固反対する」と発言。通行税を「真剣に検討する」と述べた。
 静岡県内には、6つの新幹線駅があるが、のぞみはすべて素通り。東京発着のひかり113本のうち、静岡停車は34本にとどまる。
 一方、JR東海は「コメントのしようもない」と黙殺の姿勢。同社幹部は「まるで関所を設けるような時代錯誤の考えだ」とあきれ顔だ。(朝日新聞)
■岐阜羽島ー京都間 新幹線が徐行運転 JR東海
 JR東海によると、10日午前10時45分ごろから、岐阜県関ケ原付近の降雪のため、東海道新幹線岐阜羽島ー京都間の上下線で徐行運転に入った。
 同区間を通過するのぞみは1分程度遅れるが、ダイヤには影響ない。(京都新聞 夕刊)
■学研都市 高速道路交通システム 実験1ヵ月 人気と不評と 客の予約でルート決める「デマンドバス」 低公害車を共同利用「カーシェアリング」
 未来の公共交通の可能性を探ろうと、学研都市内で進められている「高度道路交通システム」(ITS)を用いた交通社会実験が、スタートから1ヵ月が過ぎた。利用者の要望で運行経路を設定するデマンドバスは、予約件数が開始時の2倍ほどに増加。一方で低公害車を会員が共同利用するカーシェアリングは、利用件数が低迷している。
 実験は既存の公共交通の効率的運用や省エネにつなげることを目的に始まった。精華町、木津町、奈良市、生駒市を中心とした学研都市内で27日まで実施する。タクシー感覚で利用倍増 デマンドバスは利用者が電話で乗車停留所や時刻などを予約。目的地までの最短ルートが設定され、乗客が1人でも運行する。当初、日に20件ほどだった予約件数は、今月に入り40件に倍増した。運賃も通常の路線バス料金とはば同額で、買い物などの主婦や高齢者の利用が多い。子どもの塾通いや研究所の職員らが最寄り駅まで使う場合もある。
 精華町光台7丁目、無職乾菅子さん(73)は週3回、奈良市の病院に通うためデマンドバスを予約している。これまではバスと鉄道を乗り継ぎ50分ほどかかった。いまは15分で通院できる。「タクシーの感覚で待ち時間も少ない。実験後もぜひ運行を継続してほしい」
乗り捨て出来ず割高感も
 カーシェアリングは会員制の低公害車のレンタカー。マイカー削減につなげる狙いもある。利用者は時間や目的地、人数をインターネットなどで予約し、キーの代わりとなるICカードで2ヵ所の無人の専用駐車場に置かれた車を利用する。
 しかし、80人の会員の中でも利用者は全体の3割程度にとどまり、広がりに欠けるのが実情だ。運用は平日だけで、料金は15分で150円。これに1`ごと20円が課され、マイカーに比ベ割高感がある。駅などでの乗り捨てが出来ないことも低迷の一因らしい。実施主体の学研都市推進機構は「利用や予約の方法に抵抗のある人もいるようだ」と分析する。
 同機構は会員にE メールで利用を呼びかけ、土、日の14、15日にも運用することを決めるなど利用増に懸命だ。
 実験を委託する近畿経済産業局は「既存の交通手段と組み合わせることで利用者の利便性が高まる。マイカーの維持費削減なども期待でき、実験の成果に注目したい」と話している。(朝日新聞)
■輸送はトラックより鉄道 大日本スクリーン製造 印刷関連機器分野で CO2排出1/3以下
 半導体・液晶製造装置メーカーの大日本スクリーン製造は、久御山事業所(久御山町)から国内の顧客に運ぶ印刷関連機器のうち、35%をトラックから鉄道輸送に切り替えた。これにより、同事業所の年間の二酸化炭素排出量の33%に当たる116d分を減らすことができるという。精密機械の鉄道輸送では従来、木枠などを使った厳重な梱包が必要だった。しかし今回、同社グループの物流会社「トランザップジャパン」がトラック輸送並みに振動の影響を抑えた鉄道用の簡易梱包を日本通運と協力して開発し、採用を決めた。
 今後、ほかの事業所でも鉄道輸送への転換を検討していくという。(朝日新聞)
■さよなら西宮スタジアム 思い出詰め65年、年内限り 上田監督が日本一 首里高校の初勝利 アメフット関京戦
 かつてのプロ野球・阪急(現オリツクス)の本拠で、アメリカンフットボールの拠点としても、数々の名勝負の舞台となった「阪急西宮スタジアム」(兵庫県西宮市)が今年限りで閉鎖される。「国鉄をしのぐ」と言われた関西の私鉄隆盛時代の象徴が、65年余りの歴史に幕を下ろす。(スポーツ部・八鍬耕造)
・OB集合
 小雨の降る西宮スタジアムに8日、元監督の西本幸雄さんや通算1065盗塁で「盗塁王」の福本豊さんら球団OB約70人が集まった。ロッカールームやベンチを回り、グラウンドで記念撮影。西本さんは「寂しいな。こうして写真を撮ると、ああ、本当になくなるんだなと思う」。
 阪急電鉄の持つ同スタジアムは37年5月、前年に創設された球団の本拠として開業した。60年代後半から黄金期を迎えたチームは75年、広島との日本シリーズで初の日本一となり、ここで上田利治監督が胴上げされた。
 63年の第45回全国高校野球選手権大会で、本土復帰前の首里が沖縄勢初勝利を挙げたのも、甲子園でなく、ここだ。首里応援席には、関西在住の沖縄関係者を中心に約1万人が詰めかけた。
 91年にオリツクスの本拠がグリーンスタジアム神戸に移った後は、アメフットを中心に多目的に利用された。アメフットの人気チーム関西学院大と京都大がぶつかる「関京戦」では、4万人の客席が埋め尽くされることもあった。
・私鉄に力
 「関西では以前、私鉄に旧国鉄以上の力があった。だから、電鉄会社がプロ球団を持ち、沿線に球場を造った歴史がある」。スポーツと産業のかかわりに詳しい大阪体育大の原田宗彦教捏(スポーツ経常学)は指摘する。
 だが、バブル経済の崩壊後、私鉄各社とも本業の鉄道利用者が減少。阪急では、ピーク時の91年度に年間約8億1000万人だった輸送人員が、01年度には約6億6000万人と落ち込んだ。
 阪急電鉄の大塚順一広報室長は「沿線に造った施設自体の経営は赤字でも、そこに向かう人たちが電車に乗ってくれればいいという、電鉄会社のビジネスモデルは曲がり角にきた」と言う。
 スタジアムの主要な収入源だった西宮競輪が3月に廃止されたことが決定打になり、閉鎖を決めた。
・再開発は?
 スタジアムは来年にも取り壊される。具体的な再開発実は固まっていないと言うが、阪急西宮北口駅から徒歩2、3分という魅力的な立地だけに、様々な利用法が考えられる。
 南海の本拠だった大阪球場(大阪市浪速区)は商業施設などとして再開発が進み、最後まで残ったスコアボードの一部が年内に撤去される。建設から74年たった近鉄藤井寺球場(大阪府藤井寺市)にも、取り壊しや移転案が浮上している。
・強い時野球でき幸せ
 「盗塁王」の福本豊さん 僕は始まりも終わりも阪急。一番強い時に野球ができて幸せだった。
 豪速球で鳴らした山口高志さん 入団1年目、ここで胴上げ投手になった。夕方になると、一塁側から照明塔の影が打席とマウンドの間に落ちてきて、球が速く見えるんだ。
・ここで育った人間だ
 胴上げされた元監督の上田利治さん 自分は西宮球場(スタジアム)で育てられた人間だし、いい思い出がいっぱいある。
 関西学院大出身のアメフット選手山田晋三さん フィールドに出ると、人工芝と白線が混ざったような西宮スタジアム独特のにおいがした。
 スタジアムに39年間勤めたセールス・マネジャーの山田志郎さん 閉鎖が発表されて半年以上たった今でも気持ちの整理がつかない。
・雰囲気と土、良かった
 首里の2番手投手だった又吉民人さん スタンドの雰囲気だけでなく、グラウンドの土もよかったことを覚えている。(朝日新聞 夕刊)
■神戸電鉄を捜索 ホーム転落死 業過致死容疑 運行管理表押収へ
 神戸市兵庫区の神戸電鉄鵯越駅で6日夕、無職香田正敏さん(74)=同市北区甲栄台1丁目=が線路上に転落し、普通電車(4両編成)とホームに挟まれて死亡した事故で、兵庫県警は10日午前、車掌(31)や運転士(39)の安全確認が不十分だった可能性が高いとみて、同市北区鈴蘭台南町6丁目の同電鉄鉄道事業本部総合事務所の運転指令所など数ヵ所について、業務上過失致死容疑で家宅捜索を始めた。県警はすでに事故車両を差し押さえており、検証作業も進めている。
 捜索対象は、運転指令所のほか、乗務員の休憩用の詰め所など。県警は、電車の運行管理表や運行規則、乗務員の勤務表などを押収する。
 調べでは、事故があった電車は栗生発新開地行きで、乗務員は車掌と運転士の2人だけだった。6日午後5時10分ごろ、鵯越駅で、下車しようとした青田さんがドアに服をはさまれたのに、電車を発車させたため、香田さんはホームと車両の間(幅約23a)に転落して挟まれ、死亡した疑いが強いと県警はみている。
 鵯越駅は無人駅で、ホームは事故車両の進行方向に向かって右にカーブしている。
 乗客の乗降が見えにくい所があり、運行規則で、乗務員はホームのモニターカメラで安全を確認することになっている。(朝日新聞 夕刊)
■段ボール接触 電車13分遅れ 大阪市営ニュートラム
 10日午前10時17分ごろ、大阪市住之江区南港東4丁目、市営新交通システム・ニュートラム南港ポートタウン線の南港大橋上で、無人運転の住之江公園発コスモスクエア行き上り電車(4両編成、乗客約60人)が障害物を検知し、非常停止した。上下8本が最大13分遅れ、約400人が影響を受けた。
 市交通局は、停止場所に約1.2b四方の段ボール板があったことから、風で飛ばされた段ボールに電車が接触したとみている。(朝日新聞 夕刊)
11日■特急屋根にモルタル片 JR福知山で発見
 JR西日本福知山支社は10日、福知山市半田の運転所電車センターで、特急「たんば1号」の車両の定期検査中、4両目の屋根中央部でモルタル片3個が見つかった、と発表した。
 同支社によるとモルタル片は最大で、縦8a、横5a、厚さ3aで重さ約95c。残りは約半分の大きさ。7日夜の検査時点にはなく、8日以降の運転中にトンネルなどから落下したか、いたずらの可能性もあるとみている。同車両は6両編成で、9日夜に電車センターに入った。
 JRと北近畿タンゴ鉄道(KTR)は、この日、同車両が8、9日に走行したJR山陰線京都−福知山間とKTR福知山−天橋立間のトンネル21ヵ所と陸橋24ヵ所を目視検査したが、特に異常は見られなかったという。(京都新聞)
■女性はねられ死亡 JR城陽駅
 10日午後6時ごろ、城陽市寺田林ノ口のJR奈良線城陽駅の構内で、女性が京都行き普通電車にはねられた。女性は全身を強く打ち、間もなく死亡した。
 電車は約1時間20分後に運転を再開したが、この事故の影響で、宇治−木津駅間で列車上下20本が運休、12本が最大約2時間遅れ、乗客約9000人が影響を受けた。
 城陽署によると、電車が駅にさしかかった時、運転手がホームから落ちた女性を発見、ブレーキをかけたが間に合わなかったという。同署の調べでは女性は免許証から兵庫県西宮市の大学生(23)とみられ、身元確認を急いでいる。(京都新聞)
■TDL最寄り駅高架下にホテル JR東日本が建設へ
 高架下でゆっくりお休みください−。JR東日本は10日、鉄道の高架下でも振動が伝わらない新技術を活用し、東京ディズニーランド(TDL)に近いJR京葉線舞浜駅(千葉県浦安市)の東側高架下に「JR舞浜ホテル(仮称)」を建設すると発表した。
 総工費は約20億円。来年12月にオープン予定。高架下は飲食店などが営業していることはあるが、静けさが求められるホテルでは例がないという。高架からの振動は地面を通して伝わるため、高架の柱と支柱で建物をつり下げることで遮断する仕組み。竹中工務店と共同開発した。(京都新聞)
■窓 女性専用車は合理的な区別 八尾市・松岡千浩(大学生・19)
 私は大阪から京都の大学まで2時間以上かけて通学している。朝や帰宅ラッシュの時間、電車の中は本当にぎゅうぎゅうで身動きがとれない。
 女性専用車両設置のニュースに、そのおかげで安心して電車に乗ることができる人がいる、素晴らしいと思った。
 しかしテレビで男性乗客が「女性専用車両は差別だ」とコメントしていて驚いた。彼はラッシュ時の電車に乗ったことがないのだろうか。身動き一つできないところで痴漢の被害はたくさんでている。痴漢にあっても警察や駅員に言わない人がほとんどだという。痴漢は現行犯でないと捕まえることができない。被害にあった女性が痴漢を捕まえるのは、とても難しいことである。
 女性が安心して電車に乗れないのだから、会社が何らかの処置をとるのは当然だと思う。それを男女差別というのはおかしい。これは合理的な区別であって、差別でない。(京都新聞)
■京都駅ビル5周年記念対談 「歴史都市・京都の挑戦」 京都の玄関口としは。(全面広告)
京都駅ビルが今年で5周年を迎えました。平安建都1200年プロジェクトの一環として取り組まれた京都の新しい玄関口・駅ビル建設は、国際観光都市京都において、5年間でどのような役割を果たし、そしてさらなる京都の活性化に向けて、今後、何が求められるのでしようか。
年間入洛観光客4100万人を踏まえ、5周年を記念して「歴史都市・京都の挑戦」をテーマに、京都駅ビル開発株式会社社長・白川俊一氏と茶美会グループ代表・伊住政和氏から、来館者数年間3500万人という京都駅ビルの役割と、これからの京都について語っていただきました。進行/ジャーナリスト小林明正氏
白川 俊−(しらかわしゆんいち)氏
 昭和14年生。同37年東京大学法学部卒業、日本国有鉄道入社。同62年同常務取締役近畿圏運行本部長、同63年同常務取締役東京本部長・総合企画副本部長、平成2年同監査役、同4年西日本キヨスク(株)代表取締役社長、同12年2月(株)ジェイアール西日本デイリーサービスネット代表取締役社長、同6月代表取締役会長、平成13年6月より京都駅ビル開発(株)代表取締役社長。
伊佐 政和(いずみまさかず)氏
 昭和33年、裏千家15代家元鵬雲斎宗室の次男に生まれる。同56年同志社大学卒業、同60年裏千家の伝統により一家を創立、伊佐姓を興す。現在、国際茶道文化協会理事長など裏千家総務として茶道界の発展に尽くす一方、伝統文化を多面的にとらえる茶菓会(さぴえ)グループ代表として活動、茶道の国際交流の諸活動も行う。京都市の「京都館」(東京)館長。
京都駅ビル5周年を迎えて
白川 京都駅ビルは単なる商業施設ではなく、建都千二百年事業の大きな柱として取り組まれました。タイミング的には、1200年には間に合いませんでしたが、駅ビルの原点はまずそこにあります。そして〈文化と人が出合うまち〉というコンセプトのもと、「駅のなかに街がある」と言うように駅機能、デパート、ホテルなどの商業施設、そして文化発信の主軸ともいえる常設の劇場、さらに各種イベント開催など、「まちの賑わい」づくりを展開してきました。特に今年の1月から劇場を京都劇場としてリニューアルオープンし、劇団四季さんの「オペラ座の怪人」が大ヒットして来年3月2日までの超ロングラン公演となっています。その結果、5年間毎年少しずつ利用者は増加し、昨年の来館者数は年間約3500万人、1日約10万人の利用者を数えています。設計そのものについて賛否両論はありましたが、だいぶ定着し、東寺の五重答や京都タワー同様、京都の人が旅から帰り見えてくるとほっとする存在になってきたといわれます。
伊住 京都人は不思議な感覚を持っており、新しいことには百発百中反対します(笑)。しかしスタートして馴染んでくると、あれはあれでいいじやないかと認めるのです。京都は進取の気風があり、古いものも新しいものも好きです。新旧をうまく吸収してきましたが、新しいものを吸収するには複数の要素を取り込んで伝統を突き破ることが必要です。そういう意味でこの駅ビルは京都の玄関口であるとともに、新しい開発の象徴だったのではないでしょうか。
白川 まさに駅ビルは京都の玄関口という役割があります。そういう意味では、入洛者をこの空間に閉じこめてしまうのではなく、ここで楽しんでいただきながら、玄関口の役割として、例えば駅前の七条商店街との連携や、市中へ行かれる方々への情報発信なども大切と考えています。京都の施設、イベント、サービスなどを的確に伝えること。京都府・京都市の各観光事務所や窓口はありますが、キャンペーンなども必要であれば取り入れてきましたし、今後もそういう姿勢で展開していきます。また、諸外国の方々のために、駅の掲示なども充実させてきました。
伊住 京都は三大祭だけでなく、365日行事があるまち。雑誌などで情報が大量に発信されていますが、いざ京都に来たらどこで行われているのか、とたんにインフォメーションが消えてしまいます。ターミナル機能の一つに、どのように情報を手渡していけるかですね。
白川 今後の有力な武器として、駅ビルの中には無線LANのアンテナ装置があります。例えば、駅ビルの階段で携帯用パソコンから自由にインターネットで情報を受信することも可能です。これは京都市の「みやこねっと」というシステムで、これから各方面でコンテンツを充実させていただきたいと思います。京都活性化は駅ビルから情報を点→線→面へ伊住 私は現在、東京の京都館館長を務めていますがとても大変です。東京という地に小さな京都の情報拠点、いわば点を打ったわけです。しかしその点が線、面になりにくい。ところが京都駅ビルは大勢が集まる場所です。点から線、面につなげやすい環境にある。それを行政も含めて、次にどうつないでいくか、具体的な施策が求められますね。
白川 私は昨年6月から京都で仕事をするようになりました。京都を活性化する大きなインパクトは観光だと思っていましたが、しかし、それは必ずしも確立されたコンセプトではなく、京都に住んでいる方は迷惑に思っている方もおられるようですね。
伊住 確かに住んでいる人と、通過していく人との受け取り方の違いは、観光地ならばどこでもあるでしょう。しかし、ここにきて、観光の新しい取り組みなどに対して「ちょっと待てよ」という声がなくなってきていると感じます。以前なら「京都は観光だけとちゃいまっせ」という人がいましたが、4000万から5000万人の観光客が現実のものになってきたら、「はな、どないしてやりますか?」というふうに変わってきた。ある意味、京都全体が危機感に直面しているのかもしれません。
白川 観光客の見方も変わってきましたね。特に京都はリピークーが増え、求める質が高くなってきました。例えば、普段見られない仏様、庭を見てみたい。あるいは町家の雰囲気を感じてみたい、おいしいものを一品だけ食べて帰りたい、というように多様性が出てきました。
伊任 しかし、体験の受け皿は不足していると思います。例えば正式なお茶席体験とか、生け花とか、突然文化体験できるなんて環境はありません。観光用ではなく、日常的に本物を体験できる場所が求められているのではないでしょうか。
白川 今後、そのような体験をする前に駅で映像として見られるとおもしろいですね。本物は市内で体験、ガイダンスは駅で。まさしく文化の玄関口です。
伊住 なぜみなさん京都に来たがるかというと、やは山々があり、20分、30分で市内を走りまわれる。期待を裏切らないまちなんです。では景観はどこまでを指すかという話ですが、例えば紅葉の時期、街路樹がどんどん切られていきますが、まちのなんでもない風景も京都には大事なのです。葉っぱが紅葉して散って美しい枯れ葉になって、というのも京都の一つの景色。そういうのも無粋に切っていくあたりの風景づくりに間違いがあるのでは。ゴミも多いです。条例をつくれという話ではなく、もう少しなんでもない京都の風景の中をきれいに保つ意識が、もっと観光のベースにあってよいのではないでしょうか。
白川 京都のあらゆる伝統や文化を守る源泉は地場産業の力です。そして京都人それぞれのまちづくりへの想いも必要です。そのあたり京都を守る一つの武器と考えて、観光を積極的に取り組むなら、われわれもタイアップしてさまざまなことがやっていける可能性があると考えます。
京都駅ビル事業は構造改革の先駆的事例
伊住 京都のもう一つの特徴は、京都を語りたがる人が多いこと。駅ビルの時もそうでしたね。改築について、デザインについてなど。京都論で寡黙になる人はあまりいないのではないでしょうか。それだけ想いが強い証拠ですね。
白川 京都についてはみんな自分の意見をいっていいのでは。日本全体のあこがれですし、日本国民の財産でもあるわけですから。
伊住 おもしろいのは、京都論を京都人にあまり書かせませんね。外から見た京都のほうがおもしろいのでしょう。まあ、目立つのが嫌いという気質もありますが。東京などは主張の仕方も違います。一を十ぐらい言う傾向ですが、京都人は十を一ぐらいしか言いません。人を見ると言うか、自分を傷つけないようバリアの張り方がじょうずなんです。人間の距離間の保ち方がうまい。しかし、これからはもっと主張してもいいのではないかと思いますね。玉虫色の発言も時にはきっばれりと。
白川 外から来る者が戸惑うのがそこで、京都人には受け入れられにくいとの思い。なんとなく疎外感みたいなものを感じる。原因はいろいろあるでしょうが、いい回しや捉え方、それが長い歴史を経てきた中でそういう気質が築かれてきたのでしょう。しかし、外からの者にはわかりにくい。せっかく来たのだから親しくなろうと思ってもなんとなく拒絶され、離れすぎると愛想がないと思われる。で、京都は難しいとなる。
伊住 それがまたすべてに過剰反応される。ニュアンスをくみとつてくださいというところなんです。ところで、日本全体のあこがれといわれる京都ですが、構造改革や民営化、特殊法人などの話題でその先例をつけたのはやはりJR、それも西日本だったと思います。現在、民営化の重要性はどうお考えですか?
白川 現在、日本の構造改革としてさまざまな議論がなされ、官から民へ、中央から地方へと地方分権の流れが論議され、コンセンサスになりつつあります。国鉄改革は現在の流れを先取りしたものといえます。十数年前に国鉄は分割民営化され、JRとして分割再生をしました。分割して地方分権体制をつくつたその成功例のひとつが京都の駅ビルだったのです。全国一本化の限界は、全部一律に東京中心にものを見ること。しかし、地方ごとに責任者がいる体制は、その地方に密着した考え方で、ここで一番いい取り組みをしようという基盤ができることです。その典型的な例が京都駅ビルという1500億円のビッグプロジエクトでした。この京都のような取り組みがよかったということであれば、世の中で議論されている諸事の参考になるのではないかと思っております。現在大きな国の課題として議論されていることの中に、JRという先例があったなということを見ていただき、参考にして盛り上げていただければ、もっと日本がよくなるのではないでしょうか。(京都新聞)
■国交省が事情聴取 JR西 死傷事故
 JR東海道線の救急隊員死傷事故で、国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会の鉄道事故調査官2人が10日午後、大阪市のJR西日本本社を訪れ、関係者から事情聴取した。
 12日までの滞在中、大阪市消防局や大阪府警からも話を聴く予定だが、事故現場の調査は今回は行わず、再度の調査に訪れることを検討している。
 調査官らは、JR西日本の安全対策室、総合指令所関係者のほか、事故を起こした特急の乗務員、現場に駆け付けた尼崎駅員らを対象に、特急と中学生との接触事故から救急隊員死傷事故に至るまでの現場の状況や、指令所の連絡・指示の内容について詳しく聞き取った。
 多田晴美調査官は「鉄道事業者に事故の教訓を生かして、再発防止に役立ててもらいたい」と話し、1年以内に事故の報告書をまとめるとしている。
 事故調査委は通常、鉄道の乗客乗員に死者が出るか、死傷者が5人以上の場合に調査官を派遣するため、今回の事故は、事故調査委の調査対象外になる。
 国交省は、JRの管理下で救急隊員が亡くなったことを重視しており、再発防止に役立てるための観点からも「原因の究明が必要」として調査官を派遣した。(京都新聞 夕刊)
■女性はねられ9000人に影響 JR域陽駅
 10日午後6時ごろ、京都府城陽市寺田、JR奈良線の城陽駅で、女性が奈良発京都行きの上り普通電車(4両編成、乗客約150人)にはねられた。女性は市内の病院に運ばれたが、頭などを強く打っており、間もなく死亡した。
 この事故で、上下計20本が運休、後続の上下計12本が最高約2時間遅れ、約9000人に影響が出た。(朝日新聞)
■高架下に「つり下げ」ホテル JR舞浜駅に来冬開業へ JR東日本・竹中工務店 防振ゴム使い「低騒音実現」
 JR東日本は、東京デイズニーリゾートに近いJR京葉線舞浜駅の高架下に観光客向けホテルを建設する。2階建ての建物を高架橋からつり下げる特殊な工法を採用し、地面からの振動や騒音を遮断するのが特徴。列車が行き交っても「シティーホテル並みの居住性が確保できる」という。
 ホテルの延べ床面積は約6000平方bで、客室数は約80室。鉄筋コンクリート製の総重量約4500dの建物を、44本の鋼製の「つり材」で高架橋柱から防振ゴムを介してつり下げる。「つり免振工法」といい、JR東日本と竹中工務店が共同開発した。特許申請中だ。通常工法だと65デシベルを超える騒音値が、この工法の採用でホテルの客室としては十分な45デシベル以下に抑えられるという。
 舞浜駅周辺は、東京デイズニーシー開業後、家族・グループ向けのホテル需要が高まっており、JR東日本は高架下ホテルの建設に約20億円を投じる。03年12月開業予定で、宿泊料金は1室2万5000円前後で検討中。(朝日新聞)
■信号機故障 7万人影響 朝のJR阪和線
 11日午前6時35分ごろ、大阪府堺市鳳東町1丁のJR阪和線鳳駅構内で、4番線ホーム手前の信号機が赤のまま変わらなくなり、日根野発天王寺行き普通電車(4両編成、乗客約500人)が立ち往生した。JR西日本は手動で電車をホームまで走らせ、信号機を復旧させて64分後に出発させた。この事故で正午現在で129本が運休、85本が89〜3分遅れ、約7万7000人に影響した。
 JR西日本によると、信号機はレールを流れる電流を通じて前方に電車がいることを感知すると、赤に変わる仕組み。レールを枕木に固定するくぎが緩んで電流が乱れ、電車がいないのに赤になったらしい。(朝日新聞 夕刊)
12日■冷え込みで? レールにひび 大阪のJR東海道線
 11日午後9時半ごろ、大阪市淀川区のJR東海道線吹田−東淀川間で、姫路発米原行き快速電車が信号が赤のまま変わらなくなっているのを発見、一時停車した。
 約40分後にJR西日本の係員が現場にかけつけ付近を調べたところ、上り線の1本でレールにひび割れがあり、JR西日本は同線の運転を見合わせた。
 上下線で計八本が運休。普通電車1本が最大2時間遅れるなど1万5000人以上に影響が出た。
 同社によると、11日の日没後の急激な冷え込みによリレールの一部に力が加わったのが原因とみられる。(京都新聞)
■阪急券売機で偽1万円 京都線など 6駅で20枚 同一犯の可能性
 京都、大阪、兵庫3府県の阪急電鉄の駅券売機から、偽1万円札計20枚が11日までに見つかった。京都など3府県警は偽造通貨行使の疑いで捜査を始めた。阪急は券売機での1万円札と5000円札の使用を中止した。
 京都府警によると、10日午後6時ごろ、京都府大山崎町の阪急大山崎駅で、駅員(52)が自動券売機のつり銭用1000円札を補充しようとしたところ、券売機の中から偽1万円札4枚を見つけた。約1時間後、向日市の東向日駅でも、社内メールで連絡を受けた駅員(43)が券売機を点検し偽1万円札3枚を発見した、という。
 捜査二課の調べでは、偽札は本物より少し黒っぽく、透かしはなかった。印刷がずれるなど粗雑なつくりだが、券売機を通過しており、磁気インクを使って偽造したとみられる。同課は府内で見つかった計7枚を鑑定して詳しく調べる。
 阪急によると、偽1万円札は京都の両駅のほかに、9日から10日にかけて大阪、兵庫の宝塚線、京都線の4駅で13枚見つかった。京都府警は時期が近接しているため同一犯の可能性もあるとみて関係府県警と連携して捜査を進める。
 阪急の高額紙幣に対応した券売機は京都府内など計124台あり、使用中止は当分の間としている。(京都新聞)
■阪急6駅 偽1万円札20枚発見 大阪・京都・兵庫 券売機使用中止も
 阪急電鉄は11日、大阪、京都、兵庫3府県6駅の券売機で、計20枚の偽1万円紙幣が見つかった、と発表した。同社は全83駅の券売機で1万円と5000円紙幣を使用中止。3府県警は通貨偽造と同行使の疑いで調べている。
 阪急によると、9日午前、宝塚線の山本、石橋両駅の売上金を検査していた警備会社から「偽札が6枚ある」と連絡があった。いずれも本物より黒っぽく、印刷もずれていた。10日には、京都線上新庄駅の券売機で、釣りの1000円札が詰まるトラブルが発生。機内に偽札1枚があった。同日夕、大山崎駅でも駅員が4枚を発見。あらためて全駅で調べたところ、東向日と水無瀬でも計9枚が見つかった。記番号は数種類あったという。
 大阪府警によると、自動販売機や両替機で偽1万円札が使われる事件が11月から断続的に発生。大阪や奈良の遊園地などで百数十枚が見つかっている。パソコンで画像を読み取り、カラーコピーした粗雑なものだが、機械のセンサーを通過する特殊なインクが使われており、今回のものも同様のタイプらしい。(朝日新聞)
■レールにひび 東海道線停止 大阪・淀川区
 11日午後9時27分ごろ、大阪市淀川区のJR東海道線東淀川−吹田間で京都方面へ向かう上り線の信号が赤のまま変わらなくなり、姫路発米原行き快速電車(8両編成、乗客約800人)が一時立ち往生した。JR西日本は同区間を徐行で通過させる措置をとったが、保線係員が約40分後にレールにひび割れを発見したため、東海道線は京都−西明石間で上り普通電車の運転を見合わせた。快速電車は特急、新快速用の線路に振り替えて走らせているが、帰宅客に影響が出ている。
 JR西日本によると、ひび割れは幅約4aにわたっているという。(朝日新聞)
■地下鉄東西線 二条−天神川間 07年度ゴー 400人出席 西伸で起工式
 京都市の地下鉄東西線二条−天神川間の起工式が12日、中京区の京都弥生会館で行われた。2007年度の開通に向けて、来年度から本格的な建設工事が始まる。
 式典には市の関係者や国、京都府、地元の代表ら約400人が出席。桝本頼兼市長は「天神川への延伸は、市西部の交通基盤整備を促進し、洛西への延伸の大きな第一歩となる。駅周辺のまちづくりも延伸の効果を最大限に生かしたい」とあいさつした。山田啓二知事らも祝辞を述べた。
 延伸する二条−天神川間は、御池通の地下を走る延長2.4`。西大路駅、天神川駅(いずれも仮称)の2駅を設ける。総事業費は745億円。地元説明や準備工事を経て、来春から建設工事が始まる。
 天神川駅周辺では、新設する右京区総合庁舎を核としたまちづくり計画が、市と地元住民などの間でまとまっている。延伸に合わせて京福電鉄嵐山線の新駅も設置され、市西部の交通網の充実を図る。(京都新聞 夕刊)
■死亡の救急隊員 しめやか消防葬 JR西社長も参列
 JR東海道線の救急隊員死傷事故で、電車に接触して重傷を負った中学生を救助中に、特急にはねられ死亡した大阪市消防局の消防司令、中沢良夫さん(28)=二階級特進=の消防葬が12日、同市阿倍野区の斎場でしめやかに営まれた。
 遺族のほか、磯村隆文大阪市長ら約600人が参列。消防や警察に運行再開を連絡せず、大阪府警から業務上過失致死傷再疑で家宅捜索されたJR西日本から南谷昌二郎社長も出席した。淀川消防署の同僚らの手で遺骨が運ばれた後、黙とう。消防学校で同期だった徳山則夫さんが「誠実で誰にでも優しかった」と涙ぐみながら弔辞を述べた。(京都新聞 夕刊)
■中沢さん市消防葬
 大阪市淀川区のJR東海道線で11月6日、救助活動中に列車にはねられて殉職した淀川消防署消防司令の中沢良夫さん(当時28)の市消防葬が12日、同市阿倍野区の市立葬祭場で営まれた。同僚ら約600人が参列し、中沢さんの冥福を祈った。
 葬儀には、磯村陸文市長やJR西日本の南谷昌二郎社長らが参列。淀川消防署の大北雅史署長が「夜も一人で救助用ロープの練習に励むなど、将来を託せる人材だった」と述べて、追悼した。中沢さんには消防庁長官表彰などが授与された。(朝日新聞 夕刊)
■ガムの値段 膨らむ謎 同じ商品105円、102円、99円 JR大阪駅 1円玉イヤ・キヨスク/仕入れで差・コンビニ
 同じガム1個が105円、102円、99円と3通りの価格で、それも同じJR西日本の駅構内で売られている。売店と2つのコンビニエンスストアでの差だが、3店ともJR西日本の子会社「ジェイアール西日本デイリーサービスネット」(大阪市)の運営だ。「なんで」と首をかしげる客も少なくない。
 JR大阪駅の中央改札口前。売店「キヨスク」の店頭に「105円」の表示が付いた約10種類のガム類が並ぶ。いずれも売り上げ上位の商品だ。
 同駅桜橋口などに2店あるコンビニ「デイリーイン」では、「102円」(税込み。税別98円)。一方、駅構内に計3店ある同「ハート・イン」では、同じガムに「95円」(税別)の表示があり、税込みの売価は99円だ。
 同サービスネットによると、ガムの単価はどの店でもはば同じ約100円だという。
 キヨスクでは、販売員が1人で多くの客と対応するため、1円単位の細かなお釣りが出ないよう税額を売価に組み込んだ「内税方式」をとる。
 消費税率が3%だった頃は転嫁せず、ガムは売価100円で据え置いてきた。5%に引き上げられた97年春から105円に改定した。
 一方、複数の商品を一括してレジで計算することが多いコンビニは、税抜き価格に5%の消費税を加える「外税方式」を採る。デイリーインとハート・インは、商品の仕入れルートが別で中間経費に差があるため、ガムの場合、税抜き価格に3円差があるのだという。
 キヨスクとコンビニの子会社が合併して同サービスネットができたのは00年2月。今後も内税、外税を一本化する予定はないといい、担当者は「キヨスクとコンビニの違いをご理解のうえ、お客様の都合で使い分けてほしい」と話している。
 関西の大手私鉄や地下鉄の売店は、ガムは105円の設定がほとんどだが、阪神電鉄の「アイビーショップ」は100円だ。同社広報室によると、1、5円玉のお釣りを避けるために売価を10円単位で設定しており、ガムなどは据え置いているという。(朝日新聞 夕刊)
14日■「天神川以西」期待と不安 地下鉄東西線西伸起工 洛西地域 住民の悲願だが 市財政は非常事態 路面電車の声も
 京都市は12日、地下鉄東西線二条−天神川間延伸の起工式を行った。交通ネットワークの整備が遅れていた右京区などの沿線では、「都心部と直結する路線の誕生」「天神川駅周辺のまちづくりによる地域の活性化を」と期待が高まっている。一方、市がさらに延伸を計画する洛西地域へも一歩近づいたものの、実現の見通しは立っておらず、大きな市政課題として議論になりそうだ。(社会報道部 沢田亮英)
 延伸区間は2.4`。2004年末に完成予定の醍醐−六地蔵間(2.4`)と合わせ、東西線は天神川−六地蔵間の17.5`に伸びる。
 起工式で、右京区自治連合会の富永健蔵会長は「都心とのアクセスが飛躍的に改善する。経済や観光の活性化につなげたい」と地元の期待を代弁した。天神川駅周辺(同区太秦)では区総合庁舎の建設や京福電鉄新駅の計画もあり、バス路線再編を含めた交通ネットワークの拡充が求められる。
 天神川駅まで延伸すると、市内の11行政区の中で地下鉄が通っていないのは西京区だけになる。桝本頼兼市長は式典で「私の悲願である洛西延伸への大きな第一歩」と述べたが、市財政は「非常事態宣言」の下にある。
 二条−天神川間の総事業費は745億円。運輸省の2000年の試算では、二条−洛西間(約10`)の総事業費が約3000億円にのぼる。現在、大半の新規事業を凍結している中で、具体化のめどは立っていない。
 12日までに出そろった市議会各会派の市に対する予算要望には、洛西延伸について建設コストが安いLRT(新型路面電車)などを含めた幅広い検討を求める指摘が目につく。
 洛西地域では来年3月に阪急洛西口駅が向日市との境界に開業し、バス路線の見直し作業も進んでいる。JRにも新駅設置の計画がある。
 東西線延伸に対する地元の要望は依然強いが、市全体の交通体系の中で南西部地域をどう位置づけるのか。今後の市政の大きな課題として、あらためて議論することが求められそうだ。(京都新聞)
■京福衝突事故 前社長ら5人書類送検 業過傷害容疑で県警 危険認識、安全策怠る
 福井県の京福電気鉄道越前本線で起きた二度の正面衝突事故で、福井県警捜査本部は12日、業務上過失傷害などの疑いで、同社(京都市)の石田栄一前社長(62)、元福井鉄道部長(55)ら5人を書類送検した。
 国土交通音によると、鉄道事故で社長が書類送検されるのは極めて異例。
 捜査本部は、赤字続きで廃線を表明していた同社が新たな設備投資をすることに消極的だったと判断。昨年の事故の前にも、計5ヵ所で信号見落としがあり、前社長らは衝突事故の危険性を十分認識していたにもかかわらず、列車自動停止装置(ATS)設置など安全対策を怠ったとみて立件に踏み切った。
 また、2000年の事故については、事故原因となったブレーキロッド破断が事故の1年前にも発見されていたのに、報告を受けた元鉄道部長らが検査を指示するなど安全運行に必要な措置を取らなかったとした。
 調べでは、元鉄道部長ら3人は2000年12月、福井県松岡町で正面衝突事故を起こし、運転士=当時(57)=を死亡、乗客ら27人に重軽傷を負わせたほか、石田前社長ら30人は01年6月、同県勝山市で再び正面衝突事故を起こし、乗客ら計25人に重軽傷を負わせた疑い。
・社長の注意義務 具体的特定が必要
 松宮孝明・立命館大教授(刑法)の話 二度目の事故原因は単純ミスであり、過去の信号見落としについても、経営トップの社長がすべきことがあったと言えるかどうか。組織的な問題で社長らの責任を問うとするなら、何をすべきだったのか、社長の注意義務を今後、具体的に特定しなければならない。(京都新聞)
■京福電鉄衝突 前社長ら書類送検 計5人を福井県警 安全策怠った疑い
 福井県の京福電鉄(本社・京都市)越前本線で起きた2回の正面衝突事故で同県警捜査本部は12日、2回目の01年6月の事故について、同社前社長で相談役の石田栄一容疑者(62)、元専務の山田寛容疑者(62)、元鉄道部長の松井良介容疑者(55)を業務上過失傷害と業務上過失往来危険の疑いで福井地検に書類送検した。国土交通省によると、鉄道事故で鉄道会社の幹部の刑事責任が問われるのは極めて異例。
 県警は1回目の00年12月の事故についても同日、松井容疑者と同社技術課長の増田寿男容疑者(40)、同技術課区長の森川幸弘容疑者(50)を業務上過失致死傷と業務上過失往来危険の疑いで同地検に書類送検した。
 捜査本部は半年間に2回の正面衝突事故が起きた背景に、県内路線の廃線を前提に合理化を進め、投資は必要最小限にするという同社の方針があったとみている。
 調べでは、京福電鉄の県内路線で93年から01年、ほかの運転士が赤信号を見落として、単線区間に入るという2回目の事故原因と同じミスが5回発生。石田前社長ら3人は、この報告を受けながら、自動列車停止装置(ATS)や誤出発防止装置などの設備投資計画を取り下げるなどし、安全対策を怠り、乗員・乗客25人の重軽傷者を出す事故を引き起こした疑い。
 また、松井元鉄道部長ら3容疑者は、1回目の事故と同様に、ブレーキロッドが破断する事故が99年1月にも起きていたことを知りながら、目視や打音による検査を指示するなどの安全対策をとらず、運転士1人が死亡、乗員・乗客27人が重軽傷を負う事故を引き起こした疑い。(朝日新聞)
14日■京都市交通局経営健全化 市と労組 大筋合意 市バス 半数民間委託に
 京都市バスの全車両の半分を民間委託することなどを盛り込んだ市交通局の新たな経営健全化計画について、労働組合側が13日までに、計画通り実施することで市と大筋合意した。来年度からの給与カットは、一部手当を廃止するなどして一般職員では8%以上となり、削減幅が現行より拡大することになった。
 新計画「ルネッサンスプラン」は、景気の低迷や規制緩和による民間参入を受け、赤字体質からの脱却と経営力の強化を狙いに策定。市は今年8月に労組側に提示した。
 当初、労組内部では「受け入れられない」などと反発の声が強かったが、最終的に京都交通労組などが12日までに、市と大筋で合意した。
 民間委託は当初の計画通り、2008年度までに全車両(約760台)の半分にする。04年度中の洛西営業所(西京区)を手始めに進めるが、委託先や職員の配置転換先などは今後、労使で協議する。
 給与カットは2000年度から全職員を対象に5−7%で実施してきたが、03年度は市長部局の削減割合に合わせて3−5%に改める。しかし、新たに早朝や深夜勤務などに伴う特殊勤務手当を廃止、超過勤務手当も削減することで合意した。一般職員は「8%以上の削減になる」(企画総務部)といい、現行より削減幅は大きくなる。
 管理職手当も計画期間である08年度までカットする。割合は係長・課長補佐級の60%から最大で管理者(局長)の100%となる。
 京都交通労組の村尾強委員長は「組合員には厳しい内容だが、公営企業を守り、市民の足を維持するという考え方で合意を決めた」と話している。(京都新聞)
■JR西大路駅の転落救助 会社員の勇気に感謝状 府立商業高校が贈る 女子高生「生を実感、頑張る」
 府立商業高(田中理房校長)は13日、今月9日に京都市南区のJR西大路駅ホームから線路上に転落した同高の女子生徒を救助した西京区桂浅原町、会社員大八木聡さん(29)に、校長名で感謝状を贈った。
 9日朝、JR西大路駅で電車を待っていた大八木さんは、前方にいた同高の女子生徒(17)=2年=がホームから約1.3b下の線路へ転落したのを発見。電車が15bほどまでに近づいていたが、すぐに線路へ飛び降り、この生徒を抱えてホーム下の空間に飛び込んだ。生徒は足などにかすり傷を負った程度で、事故当日も2時間目から授業にでることができた。
 伏見区向島の同高で行われた贈呈式には、救助された生徒と母親も出席。田中校長が「大切な生徒の命を助けていただいた勇気に感謝します」と大八木さんに感謝状を渡した後、この生徒が「生きていることを実感しています。助けていただいた命を大切にこれからも頑張っていきたい」とお礼の言葉を贈った。
 警備会社に勤務するかたわら、母校の大学でテコンドーのコーチもしているという大八木さんは「全く怖さはなかったし、当然のことをしただけ。ニュースで見た同級生たちから『よくやったな』とたくさん電話をもらいました」と晴れがましそうだった。(京都新聞)
■走る姿に元気もらった チンチン電車写真展「にぎわい再来を」 北野商店街
 京都市上京区の北野商店街は13日、「商店街ぎゃらりー」と銘打ち、かつて商店街の中を走ったチンチン電車の写真を店先に飾った。電車の開通とともに発展した商店街の歴史を振り返り、往時のにぎわいの再来に期待を込めている。
 同商店街を走ったチンチン電車は1900年、「北野線」(七条−北野)として開通し、その後、北野天満宮まで延伸された。同線は61年に廃止されたが、当時は150−60店舗(現在は100店舗)があり、にぎわいをみせていたという。
 写真は、府立総合資料館や市民から借り、複写した。北野天満宮千年祭の際、参拝者で埋め尽くされた境内を走る姿や、廃止時に同商店街を走るさよなら電車を惜しむ市民の姿などをとらえている。
 この日、半切サイズの写真100枚を各店舗やスーパーのウィンドウや店内に張り出すと、買い物の市民が懐かしそうに見入っていた。北野商店街振興組合の宮脇登理事長(55)は「走るチンチン電車の姿は活気に満ちていた。その元気をもらい、往時のにぎわいを取り戻せるようがんばりたい」と話している。写真の展示は1月25日まで。(京都新聞)
■降りて歩いて 92 JR大河原駅(南山城村北大河原) 自然豊かな散歩の起点
 小さな駅舎を出ると、木津川の流れが目の前に広がっている。南山城村の中心部に位置する駅は、JR関西線で木津駅から3つ目。近くには村役場や村の文化拠点「やまなみホール」、郵便局などの公共施設が並ぶ。
 大河原駅は1897年、関西鉄道の加茂(加茂町)−伊賀上野(三重県上野市)間の開通と同時にスタートした。周辺の北大河原地域はかつて、木津川の水運の拠点として木材運搬などで栄えた。しかし、鉄道の開通に伴って昭和初期には運搬は衰退し、この駅からの列車が村の人たちの足となってきた。
 昨春のダイヤ改正で列車の本数は減便されたが、平日の朝には近くの大河原小へ通学する子どもたちが乗り降りして、にぎわう。村から駅舎の運営委託を受けて働く森田進さん(71)は「地元の人たちの乗り降りは、だんだん少なくなっていますが、土・日曜日には中高年のグループなどがハイキングに訪れ、駅を利用することが多いんです」と話す。
 駅を起点にしたハイキングコースは、国道163号を西に進み、「恋路橋」と名付けられた潜没橋を渡ると、5分ほどで女性の守り神として親しまれる恋志谷神社に着く。ここからさらに西へ、木津川沿いに続く東海自然歩道を歩いて、温泉施設がある笠置駅付近まで。
 また、高山ダム(同村田山)のダム湖を眺めながら横を通り抜け、隣の月ケ瀬口駅へ行くコースなどもある。
 いずれのコースも、緑豊かな自然を楽しみながら、さわやかでおいしい空気も胸いっぱい吸い込んで、じっくりと歩を進めるのがおすすめだ。(京都新聞)
■検証 JR西 相次ぐ鹿事件に珍対策 獅子糞迅の効果期待 1ヵ月無事故、日持ちは?
 鹿の衝突事故に悩むJR西日本が、ライオンの糞を線路際にまく実験を始めて1ヵ月たった。肉食獣のにおいで鹿を遠ざけようという作戦だ。過去の対策はことごとく失敗に終わり、同社はこの奇策に望みを託している。(加戸靖史、山内深紗子)
 糞をまいたのは和歌山県南部の紀勢線江住(すさみ町)−和深(串本町)間の約400b。鹿の出没が多く、近くに民家がない地域だ。
 ライオンの糞は同県白浜町のアドベンチャーワールドが冷凍していた約100`をただでもらった。11月13日、これを現地までトラックで運んでバケツの水に溶かした後、マスク、ゴム手袋姿の作業員8人がひしやくとじょうろを使い、一日がかりで線路際の草むらにまいた。強烈な悪臭が漂った。
 和歌山支社管内は線路の総延長282.5`。鹿の衝突事故は11月1ヵ月間に34件あったが、実験区間では12日までの1ヵ月間で1件もなかった。3ヵ月ほど見て効果を確認し、その後の対応を決める。
 たとえ有効でも、1ヵ月程度で効果がなくなるようでは難しい。鹿が出没するような所まで糞と水を運び、それを手作業で散布するのは大変な手間で、毎月行うのは骨が折れるためだ。効果かあっても、人家の近くでは住民から悪臭への苦情が出る恐れもある。
 鹿は体重が50`以上あり、はねた場合は現場に列車をとめて点検しなければならない。紀勢線の沿線には社員が少なく、死骸の回収のために往復4時間かかることもある。「岸壁沿いの危険な場所で死骸処理をすることも多い。一刻も早く解決策を見つけたい」と新宮鉄道部の前田孝男工務科長。
 JR西日本がライオンの糞に着目したのは、徳島県森林林業研究所の実験がきっかけだ。
 杉やヒノキの苗木の食害に頭を痛めた同研究所が「肉食獣のにおいなら、鹿も嫌うのでは」とライオンの糞を鹿の飼育場に入れてみたところ、鹿は糞に近寄らなかった。昨年秋、苗木に糞を付けて植えると、食害は半年間なかったという。
 JR西日本は鹿が線路に入るのを防ごうと、さまざまな作戦を試みてきた。人間のにおいなら効果があるかと思い、線路の近くにくいを立て、缶をくくりつけて中に髪の毛を入れたこともある。
 昨年秋には鹿が嫌うとされる刺激臭の薬品を棒に入れて線路脇に立てたが、衝突事故はかえって増えた。和歌山支社によると、薬品を点在させたところ、鹿はにおいのしない所から回り込んで線路に入ったらしい。
 神奈川県・丹沢で鹿を研究している古林賢恒・東京農工大助教授は「おもしろい試みだ。ライオンの糞に鹿が嫌うにおいが含まれているなら、手軽な対策として注目できる」と評価をしたうえで「でも、事故が増えている原因を明らかにしないと、抜本的な対策にはならないでしょう」と付け加える。
 鹿はなぜ線路に出てくるのか。市民団体代表で奈良の鹿に詳しい藤田和さんは「線路をえさ場にしているのではないか」とみる。
 線路際のような日当たりのいい場所に生える草の芽は鹿の好物だ。「個体の増加で山中でえさが足りなくなり、下りてきた可能性が高い。だとすれば、糞のにおいに危険を多少感じても、いずれ出てくる」
 京都大大学院の立澤史郎研修員は「列車事故では鹿が即死する。そのため仲間に危険を伝えられず、事故を繰り返すのだろう。何らかの理由で山のえさが激減した疑いがある。まずは鹿の生態をよく調べるべきだ」と助言している。
 鹿と列車の衝突事故 JR西日本全体では今年1〜11月に711件発生し、過去最悪だった昨年の682件をすでに超えた。8割が和歌山、兵庫など近畿地方に集中している。和歌山支社管内では同時期に179件発生し、昨年からほぼ倍増している。
 自動車の事故は増えていない。日本道路公団の調べでは、昨年1年間に高速道路で死んだ鹿は全国で202頭。近年はほぼ横ばいだ。和歌山県の一般道路で鹿の事故が増えている兆候もない。(朝日新聞)
■声 バス停の照明 安全上設置を 無職 桑名信夫(神戸市 63歳)
 郊外に住宅地が広がるにつれ、バス路線も延び、すれ違うのもやっとという狭い道路をバスが行き交う風景がよく見られる。しかし、困るのは危険なバス停が多いことだ。
 バス停といっても、狭い道路脇に標識が1本立っているきり。その陰に身をすくめるようにして、目前をびゆんびゆん走り抜ける車をやり過ごすのは気が気でない。何とかバス停の部分だけでも道路を拡幅し、利用者の安全を図れないものだろうか。
 夜間になると、なおさら危険だ。近くに民家の明かりもなく、外灯もないバス停では、おちおちバス待ちもできない。恐らく、通り過ぎる車の側から見ても危険を感じているはず。なぜ、バス停に照明をつけることが義務付けられていないのか不思議に思う。
 バス停は数も多く、道路事情などで移動をする場合もあるので、恒久的な設備はしにくい面もあるが、照明は防犯上も役立つ。
 よく目立つ色と形の特徴ある照明灯を設置し、夜目にも一見して、そこがバス停であると分かるようにすれば、利用者も便利で安心だし、交通事故の防止にもなるだろう。バスの運行者と行政が連携して対策を望みたい。(朝日新聞)
■”走る広告”京でも続々 車内づり減の電車・バス 景観に苦慮も 増え続ければ規制と京都市
 電車やバスに乗ると、広告のスペースが数多く空いていることに気付く。駅のホームでは空白のパネルや風景写真が目立ち、車内のポスター枠も「虫食い」の状態。運行する各社とも深刻な広告の減収に頭を悩ませているが、何とか活路を見いだそうと、車体全面を使った「ラッピング広告」など、さまざまな工夫をこらしている。(社会報道部 沢田亮英)
 京都市下京区の市営地下鉄京都駅。ホームの壁には「電照式」と呼ばれる広告パネルが並ぶ。1日当たりの乗客数が5万4000人と地下鉄全駅の中で最も多い京都駅でさえ、ホームの両端では、広告の代わりに観光名所の写真が入っている。
 市交通局の広告収入は、地下鉄東西線が開業した翌年の1998年度には14億7000万円あったが、2001年度は4億円少ない10億7000万円に落ち込んだ。地下鉄東西線の車内では、網棚の上のポスター枠の利用率が25%と低迷している。
 「以前は中元、歳暮になれば百貨店が競うように車内広告を出していたが、今ではめっきり減った」。市交通局の武田徹広告係長は声を落とす。厳しい状況は民間でも同じ。各社の担当者は「景気の低迷で、広告宣伝費が真っ先に削られている」と口をそろえる。
 そこでこれまで広告に使っていなかった奇抜な空間を活用し、PR効果を高めることで広告注文を増やそうと、ホームの床面を使ったり、駅構内に旗の広告を掲げたりする試みが目立っている。
 特に、車体全面を使う「ラッピング広告」は、インパクトの強さから全国に広がっている。東京都内では昨年2月、地下鉄駅構内の壁(約6000平方b)を丸ごと1社の広告で埋める「ラッピング駅」まで登場した。
 京福電鉄は、今年10月から、嵐山駅(右京区)のリニューアルに合わせて、京都市内初の「ラッピング電車」を3両導入した。「増収はもちろん、地元密着を重視しているので、沿線企業の活性化につなげたい」(京都鉄道部)と期待する。
 ただ、京都市は現在、「増え続けると景観上問題がある」として屋外広告条例を改正して規制を強化する方針だ。「観光地を走るので奇抜にならないようデザインには気を付けている」(京福電鉄)、「収入のためとはいえ窓にポスターを張り、観光地の景色を犠牲にすることはできない」(京都バス)。目新しい広告で増収を図ろうとする一方で、京都ならではの景観問題に苦慮している。(京都新聞 夕刊)
15日■奈良線18本が運休 伏見の踏切で人身事故
 14日午後5時50分ごろ、京都市伏見区深草大門町、JR奈良線大門踏切で、奈良行き下り快速電車に男性がはねられ、即死した。
 電車は現場で約1時間20分停車。後続の上下計18本が運休したほか、上下計17本が最大約2時間遅れ、約8800人に影響が出た。
 伏見署の調べでは、男性はしゃ断機をくぐって線路内に入ったという。同署は、男性は近くに住む無職男性(64)ではないかとみて、身元の確認を急いでいる。(京都新聞)
■男性はねられ即死 亀岡のJR山陰線
 14日午後10時40分ごろ、亀岡市篠町山本北条、JR山陰線で、園部行き下り普通電車に男性がはねられ、即死した。
 亀岡署によると、男性は50歳前後で、身元の確認を急いでいる。男性は線路上に立っていたという。同電車が約1時間、現場に停車。上下計9本に最大約1時間40分の遅れが出た。(京都新聞)
■米原−大阪間 8万8000人影響 JR、神戸で転落事故
 14日午後3時55分ごろ、神戸市垂水区のJR山陽線垂水駅の下り線ホームから男性が転落し、松井山手発西明石行き普通電車(7両編成)にはねられ、即死した。
 垂水署の調べでは、男性は垂水区の会社員(41)。同署は自殺か事故とみて調べている。
 JR西日本によると、東海道・山陽線大阪−姫路間は一時上下線の運転を見合わせ、上下計70本が運休(部分運休含む)。計121本が最大約1時間20分遅れた。米原−大阪間の電車にも遅れが出て、約8万8000人に影響した。(京都新聞)
■首都彩々 21世紀の街づくり 品川駅東口再開発 ビル街に宿場の風情を 江戸の玄関口 街並みと共存
 「古い街並みと最先端のオフィスビルをドッキングさせて、品川の魅力を高めたいですね」
 先祖代々、品川に住んで20代目という堀江新三さん(53)は、JR品川駅東口(東京都港区、品川区)で進行中の再開発に夢を描いている。
 品川といえば江戸の玄関口、東海道第一の宿駅として知られた。堀江さんは、その風情を残そうと、地元商店街などでつくる「旧東海道品川宿周辺まちづくり協議会」の会長を務めている。
 品川駅東口地区に再開発の波が押し寄せたのは1984年、国鉄清算事業団が貨物駅・新幹線ヤードを売却したことがきっかけだった。
 「補助金はなし、民間パワーが推進力」(山本敏則・港区開発指導課担当係長)という一大事業は、「バブルの出発点」との逸話を生んだ。大手不動産会社が公示価格の三−四倍の高値で落札したことが、その後の地価高騰を招いたという。
 地元商店街にとっては「脅威」にもなりかねないこの動きを、同協議会は「明治維新以来のチャンス。歓迎する」と迎えた。巨額投資と集客力への魅力もあるが、むしろ昔から街道に伝わる風情と人情を強調する好機ととらえたからだ。
 旧東海道の商店街を歩くと、社寺が軒を並べ、路地にはネコが寝ころぶ。同協議会の佐山吉孝運営委員は「安藤広重の版画の世界が残り、中世から続く時代の積み重ねがある」と胸を張る。
 街道ブームや日本文化の見直しからへ宿場の面影を残す商店街を訪れる人が増えている。リュックを背負って歩いていた東京都三鷹市の会社員岡野孝さん(63)は「ガラス張りの高層ビルの隣に木造の古い民家があるのも面白い取り合わせだね」とまんざらでもなさそう。
 さらに、地元の期待を集めているのが、来秋の「新幹線品川駅」開業だ。JR東海は「JR各線への乗り換えや、羽田空港への利用客が増える」(広報室)として、1日6万人の乗降客を見込む。同協議会は乗り継ぎ時間を利用した観光誘致を計画している。
 再開発は急ピッチに進み、都心の広大な「空き地」に、ガラス張りの近代的なビル群が次々に姿を現し始めている。情報化に対応したオフィスビルを中心に、事務所やホテル、ホールなど機能は多岐にわたる。
 再開発事業が完成するとマンションだけで約5000人の人口増が予想される。港区は「一つの村が突然現れるようなもので、学校や保育園が不足するかもしれない」(開発指導課)と頭を痛める。
 しかし、堀江さんは「品川は昔から人が出入りするところ。ここは祭りが多くて、1ヵ月に1回はどこかで行われている。新住民も一度みこしを担げば仲間ですよ。子どもには太鼓や笛を教えたい」と笑うだけだ。
 交通の要所として栄え、何百年にわたり人が行き来した町、品川。伝統の上に新風が吹き込み歴史を重ねている。(東京支社 国分浩幸)
・品川駅東口地区再開発 計画面積は約17fで、A、B両区域にオフィスビルを中心に15棟の高層ビルを整備する。総床面積は100万平方bに及び、就業人口は約3万人を見込む。すでに複合施設「品川インターシティ」が開業しており、全体の完成は2004年度の予定。(京都新聞)
■整備新幹線は2%削減方針 来年度予算
 政府は03年度予算編成で、整備新幹線予算を02年度の700億円から2%程度削減し、680億円台とする方針を固めた。公共投資全般の削減幅である3%より小さいが、02年度の7%減に続く削減に踏み切る。
 整備新幹線は現在、東北、九州、北陸の各路線で着工している。(朝日新聞)
■踏切で死亡事故 ダイヤ乱れる 伏見のJR奈良線
 14日午後5時55分ごろ、伏見区深草大門町のJR奈良線大門踏切で、男性が京都発奈良行きの快速電車(4両、乗客約200人)にはねられ即死した。乗客にけがはなかった。同快速が現場で約1時間15分停車したほか、上下計18本が運休するなど約8000人が影響を受けた。
 伏見署の調べでは、快速の運転士が、遮断機をくぐって踏切内に入ってくる男性を見つけ、ブレーキをかけたが間に合わなかったという。同署が近くに住む無職の男性(64)ではないかとみて、身元を調べている。(朝日新聞)
■人身事故で70本が運休 JR山陽線
 14日午後4時ごろ、神戸市垂水区神田町のJR山陽線垂水駅の普通・快速用の下りホームから、同区内の会社員の男性(41)が転落、ホームに入ってきた松井山手発西明石行き普通電車(7両編成)にはねられ即死した。乗客約300人にけがはなかった。
 JR西日本によると、この事故で、並行して走る普通・快速用の上り線と、新快速・特急用の上下線の運転をすべて停止。事故のあった線路を除く3線は、消防と警察の了解を得て、事故から約30分後に運転を再開。普通用の下りも約1時間後に再開した。
 この影響で上下線計70本が運休し、下り快速電車が最大約80分遅れるなどし、約8万8000人の客足が乱れた。
 垂水署などの調べでは、運転士は電車がホームに入る際に男性がホームから後ろ向きに落ちるのが見えたため、非常ブレーキをかけたが間に合わなかったという。(朝日新聞)
■線路に車、酔々2` 車中でぐっすり 容疑で男を逮捕
 14日午前0時半ごろ、秋田県能代市機織轌(はたおりそり)の目のJR奥羽線・仁井田踏切から軽乗用車が線路内に入り、線路上を約2`走行した。途中、東能代駅構内も通過しており、寝台特急と衝突の恐れもあった。約1時間後、同踏減から約2.1`離れた桧山川橋梁手前の線路上で、軽乗用車を発見。県警は車内で寝ていた同市槐(さいかち)の会社員野村嘉幸容疑者(42)を道交法違反(酒酔い運転)の疑いで逮捕した。電車往来危険などの疑いもあるとして、調べている。
 能代署の調べでは、野村容疑者は酒に酔っていて、線路上を走ったことはよく覚えていないという。当時は雪が降っており、線路やその脇にも雪が積もっていた。同署は、JR奥羽線を道路と間違えて進入したとみている。(朝日新聞)
16日■電車にはねられた男性の身元判明
 亀岡市篠町山本のJR山陰線で14日、電車にはねられて死亡した男性は、亀岡署の調べで15日、亀岡市内の高校1年生(16)と分かった。(京都新聞)
■神戸市営地下鉄も女性車両運行開始
 神戸市営地下鉄で16日、痴漢や酔っぱらいによる迷惑防止のための、女性専用車両の運行が始まった。西神・山手線、海岸線の全区間で終日、電車の1両が専用車両になる。
 西神・山手線の女性車両はほぼ満席で、神戸市西区の女性会社員(24)は「ラッシュ時間以外でも、通院する妊婦や、赤ん坊を連れて買い物する女性が安心できると思う」と歓迎していた。(京都新聞 夕刊)
■非常停止、1700人影響 ニュートラム
 16日午前8時43分ごろ、大阪市住之江区南港東二丁目のニュートラム南港ポートタウン線南港東駅で、住之江公園発コスモスクエア行き上り電車が出発直後に非常ブレーキがかかり急停止した。
 ニュートラムは無人運転で、同駅から職員が乗り込み、手動に切り替えて約3分後に運転を再開。上下12本が最大17分遅れ、約1700人に影響が出た。
 市交通局によると、乗客がドアに挟まったかばんを無理に引き抜いたことで、安全装置が作動したのが原因とみられる。(京都新聞 夕刊)
■全線全車で終日 神戸地下鉄も女性専用車両
 神戸市営地下鉄は16日、痴漢や酔客による迷惑行為防止のための女性専用車両を全線に導入した。関西の地下鉄では11月に導入した大阪市に次いで二番目で、全線の全電車に終日設けるのは全国で初めてという。
 女性専用車両の位置は、西神・山手線(6両編成)の場合、西神中央行きが前から4両目、逆方向が前から3両目。海岸線(4両編成)は新長田行きが最後尾、逆方向が先頭の車両。
 関西ではこのほか、JR西日本が10月から大阪環状線などで本格的に導入。阪急電鉄と京阪電鉄も、今月2日から区間などを限定して正式に導入した。(朝日新聞 夕刊)
■事故対応指針 あすから実施 JR西日本
 JR西日本は16日、東海道線の二重事故を受けて作った人身事故への対応マニュアルを、17日未明から本格実施すると発表した。今月2日に発表した原案について、消防や警察の了解を得たとした。今後は現場社員が安全と判断すれば、消防や警察の到着前に一部線路の運行を再開することもできるようになる。
 同社は東海道線事故以降、消防などの活動が終わるまですべての線路で列車の運行を止めており、多くの乗客が1時間以上足止めされるケースが相次いでいた。
 同社は「影響を受ける乗客を減らす努力をしたい」としているが、消防関係者からは「到着までは運行を一切再開しないでほしい」との声もある。(朝日新聞 夕刊)
■ニュートラム12本が遅れる 非常ブレーキ作動
 16日午前8時45分ごろ、大阪市住之江区南港東2丁目、大阪市交通局の新交通システム「ニュートラム」(南港ポートタウン線)の南海東駅で、住之江公園発コスモスクエア行きの車両(4両編成)が、出発直後に非常ブレーキがかかり、停車した。乗客約80人にけがはなかった。このため、この車両の運行を次のフェリーターミナル駅でとりやめたほか、上下合わせて12本に最高17分の遅れが出た。
 大阪市交通局によると、フェリーターミナル駅でこの車両から降りた乗客から「扉にカバンを挟まれた」という申し出があった。車両がカバンを挟んだまま出発し、走行中にカバンが抜けたために、非常ブレーキが作動した可能性がある。(朝日新聞 夕刊)
17日■JRダイヤ乱れ 乗客直撃 人身事故、京阪神で先月17件 運行再開、慎重に 自殺者急増一因 救急隊員事故が影響
 電車に人がはねられて死傷する事故により、京滋のJRのダイヤが大幅に乱れる事態が先月から相次いでいる。不況の影響とみられる自殺者の急増に加え、大阪市淀川区の東海道線での救急隊員死傷事故後、JRが運行再開に慎重になっているからだ。JR西日本は17日午前零時から新しい人身事故対策マニュアルの運用を始めたが、同社広報室は「事故はさまざまなケースが考えられ、ダイヤの乱れが減るとは言い切れない」としている。
 今年11月以降、京都府内で鉄道の人身事故はJR、私鉄で計10件発生し、大半は自殺とみられる。JR西日本の11月中の人身事故は京阪神で計17件にのぼり、前年同期の8件からほぼ倍増した。
 JR西日本は救急隊員死傷事故を受け、「警察や消防の作業が終了するまで運転を再開しない」との社内通達を11月11日付で出した。このため、人身事故の影響によるダイヤの混乱が目立つようになった。今月6日、大阪市淀川区の人身事故では、東海道線・米原−姫路の上下線が1時間40分にわたってストップ、帰宅時間帯と重なって京都駅ホームは電車を待つ乗客であふれた。
 JR西日本の新たなマニュアルは、事故時の連絡体制を明確にし、スムーズな運行再開を目指している。だが、同社広報室は「安全確保が最大の目的なので、消防などの要請に従う。場合によっては、現在よりも運行再開まで時間がかかることもありうる」と話している。(京都新聞)
■男性、線路転落後 電車と接触し重体 京阪藤森駅
 16日午後11時ごろ、京都市伏見区深草堀田町の京阪電鉄藤森駅で、男性がホームから線路に転落し、下り回送電車と接触した。男性は手当てを受けているが重体。
 伏見署の調べでは、西京区の男性(72)で、男性が線路に転落した原因を調べている。
 回送電車は約10分後に運転を再開したが、後続電車4本が最大4分ほど遅れた。(京都新聞)
18日■ケータイが特急券に 関西初 近鉄、3月から 登録すれは車内提示だけ
 近畿日本鉄道は来春から、特急列車の特急券のかわりに携帯電話を使うチケットレスサービスを導入する。辻井昭雄社長が17日の会見で明らかにした。関西の電鉄会社では初の試みで、2003年3月にまず南大阪線と吉野線に導入し、同6月下旬には京都線を含めた全線に拡大する。
 チケットレスサービスでは、利用者はあらかじめ会員登録して、インターネット接続ができる携帯電話で利用する列車の座席や人数、席の種類を予約する。携帯電話にその情報を保存しておけば、駅窓口などで特急券を発行してもらわなくても特急列車に乗車できる。特急券の提示を求められた場合は、携帯電話の情報を提示する。代金はクレジット払いとなる。
 同社は、すでにパソコンや携帯電話からインターネットを利用して特急券の予約・発売サービスを実施しており、1日約370人が利用している。これまではネットで予約しても駅に設置してあるインターネット対応特急券自動発行機や特急券発売窓口で、発券手続きをする必要があった。
 同社は「夜遅い時間帯や出掛け先からの購入もでき、乗客の利便性が高まると判断して導入を決めた」と話している。(京都新聞)
■給与引き下げ 2860人を再雇用 近鉄が社内募集
 近畿日本鉄道は17日、50歳以上の従業員を退職させ、給与を引き下げた上で再雇用する制度を実施、12日から募集を始めたと発表した。
 対象はグループ従業員約1万2000人の約4分の1に当たる2860人。通常の退職金に加え、最大で給与9ヵ月分の加算金を受け取って退職し、8%低い給与で再雇用される。同時に出向者の転籍も募集。再雇用も出向も応募しなかった従業員は9.5%給与を削減される。(京都新聞)
■九州新幹線の列車名を募集
 JR九州は04年春に開業する九州新幹線の列車名を募集する。最高速度260`で、当初は新八代−鹿児島中央(現・西鹿児島)を現在の在来線特急より1時間30分短い約35分で結ぶ。早ければ12年に博多まで開業する。6両編成(定員392人)。はがきに列車名と住所、氏名、年齢、性別、電話番号を記入し、〒812-8799博多郵便局留め「JR九州・新幹線列車名募集係」まで。応募期間は03年1月20日〜2月28日(当日消印有効)。ホームページ(http://www.jrkyushu.co.jp )でも受け付ける。結果発表は3月下旬。採用者には賞金10万円や旅行券、新幹線試乗会への招待状などを贈る。詳しくはJR九州新幹線列車名募集事務局(電話092・474・0278)へ。(朝日新聞)
■はねられ男性死亡 伏見の近鉄京都線
 18日午後零時5分ごろ、京都市伏見区竹田中島町、近鉄京都線下り線で、男性が奈良行き特急電車にはねられ、死亡した。特急は現場に約15分間停車し、計4本に遅れが出た。
 伏見署によると、男性は40歳くらいで付近の踏切が遮断中にはねられたとの目撃情報があるといい、身元を調べている。(京都新聞 夕刊)
■神戸市交通局 組合専従に給与 5役員に年計3000万円
 神戸市交通局が、同局職員の労組「神戸交通労働組合」(武田茂委員長、組合員約2000人)の書記長ら計5人の専従役員に対し、給与を支給していたことが18日、わかった。労組専従者への給与支給は地方公営企業労働関係法に違反する。支給額は5人で年間計約3000万円で、長年の慣行となっていたという。
 同法(6条)は、地方公営企業の許可を得て労組専従になった職員については休職扱いとし、給与の支給を禁じている。だが、市交通局職員課によると、市は同労組専従の書記長、書記次長、自動車、高速運輸、技術の各部長の計5人に対して給与を支給していた。
 同労組の委員長、副委員長、特別執行委員の3人は組合から手当が支給されている。
 同課は「職場の調整業務にもあたってもらい、市の職務を行っていると認識していたので、違法とは考えていなかった。誤解を招いたのであれば、労組と協議したい」と話している。(朝日新聞 夕刊)
19日■「イコカ」 JR西日本 ICカード名称決まる
 JR西日本は18日、2003年中導入予定のICカードの名称を「ICOCA(イコカ)」に決めた。プリペイドカードや定期券の機能を持たせ、関西圏の約250駅で導入する。
 ICOCAは「ICオペレーティングカード」の略。「行こか」と同じ発音で覚えやすさと親しみを持たせたという。
 改札機の読み取り部分に軽くかざす非接触型で、「Jスルーカード」のようなプリペイドカードタイプと、定期券タイプの2種類を検討している。定期券タイプにはプリペイド機能も持たせ、乗り越しをした場合も精算手続きをせずに改札を出られる。ICカード導入の費用は約110億円で、自動改札機の改造で対応する。
 ICカードはすでにJR東日本が昨年11月から導入しており、関西の電鉄会社などでつくるスルッと関西協議会や京阪電気鉄道、阪急電鉄も来年度導入を検討している。
 南谷昌二郎社長は「いずれはスルッと関西協議会やJR東日本とも共通化できればいい」としている。(京都新聞)
■コミュニティバスが始動 亀岡 きょうから 近距離の試験運行
 亀岡市は19日から市内の各施設やJR亀岡駅などを結ぶ「コミュニティバス」の試験運行を始める。近距離で利用できる公共交通機関を望む市民の声に応えた。期間は2年間で利用状況などをみて継続を検討する。19日は無料で乗車できる。
 バスは19人乗りで逆行は京都交通に委託。JR亀岡駅を起点に亀岡病院やショッピングセンターを結ぶ東コース5.1`(1日8便)と、市役所やガレリアかめおかなどを結ぶ西コース5.6`(1日13便)を巡回する。料金は100円。小学生以下は50円で1歳未満は無料。
 同市内では京都交通が路線バスを運行しているが、便数が少なくルートも近距離では利用しにくいとの声が市に寄せられていた。このため市は01年度に市バス交通検討会議を設置。近距離を巡回するバスの運行を決めた。事業費は約4000万円の見込みで国から2分の1の補助を受ける。
 車両は乗降口にスロープも備え、車いすに対応。排ガス中の有害物質を減らす触媒装置で環境にも配慮している。問い合わせは同市環境総務課(0771・22・3131)へ。(朝日新聞)
■即死事故通報せず 泉大津、南海本線
 大阪府泉大津市二田町1丁目の南海本線松ノ浜1号踏切で18日午後9時15分ごろ、遮断機をくぐり線路内に入った女性が難波発関西空港行き特急ラピート(6両編成)と接触し、即死した。現場から約800b離れた最寄りの泉大津駅は運転士からの連絡で事故を把握していたが、警察や消防には通報しなかった。
 警察には午後9時半ごろ、通行人から「遮断機が下りたままになっている」との110番通報が入った。同駅に駆けつけた泉大津署員が駅員からの話で初めて事故の発生を知ったという。午後9時50分に署員が現場に到着したときにはすでに運行は再開されていたが、署員は現場検証のため運行休止を要請。午後10時から41分間、上下線とも休止した。この事故で、急行など計13本が運休するなど、約1万2000人が影響を受けた。
 南海電鉄広報は「現場に駅員を行かせ、その連絡を待って通報しようと思った」と説明。同署は「事故が起きたらまず速やかに警察や消防に通報して欲しい」と話している。(朝日新聞 夕刊)
■痴漢容疑で警部補逮捕 JR車内、大阪府警
 大阪府警は19日、電車内で痴漢行為をしたとして、都島署の警部補(35)を府迷惑防止条例違反容疑で現行犯逮捕した、と発表した。近く懲戒処分にするが、警部補は辞職する意思を示しているという。
 府警監察室によると、警部補は18日午前8時5分ごろ、出勤途中のJR環状線電車内(京橋〜桜ノ宮間)で、会社員女性(19)の胸をコートの上から左手で数分間、触った疑い。混雑した車内で女性が痴漢の被害を訴え、大阪駅で駅員が取り押さえて曽根崎署員に引き渡した。
 調べに対し、警部補は「かわいい女性がいたので思わず触ってしまった。申し訳ないことをした」などと供述しているという。(朝日新聞 夕刊)
20日■嵐山へのパークアンドライド利用者 「良かった」9割り超す アンケートを京都市が集約 渋滞短縮の効果も 列車混雑 改善望む声
 京都市は19日、嵐山を目的地に11月に実施したパークアンドライドについて、利用者アンケートや渋滞調査などの結果概要をまとめた。パークアンドライドは9割以上が「利用して良かった」と答え、渋滞は昨年の同時期より短縮された。ただ、乗り換えた列車内の混雑緩和など改善を求める意見も目立った。
 市は公共交通優先のまちづくりを進めるため、2001年度から2ヵ年計画で嵐山の交通実験に取り組んだ。今年は11月16、17日の2日間、市内3ヵ所の臨時駐車場から鉄道に乗り換えて嵐山へ向かうパークアンドライドなどを行った。
 パークアンドライドは2日間で計1013台の利用があった。アンケート(848人)の感想では「とても良かった」が54.7%、「まあまあ良かった」が40.7%で計95.4%。「再び利用したい」も89.3%に達し、高い満足度を示した。利用のきっかけでは、3割が「高速道路料金所で配られたチラシで決めた」と答えた。
 午後6時までだった利用時間に対して、54.9%が「もっと遅くまで」と希望した。鉄道については「車内が混んでいた」が29.9%、「電車の待ち時間が長い」が11.2%あった。路上の看板による案内表示も4割が「分かりにくい」と答えた。
 嵐山を先頭にした周辺道路の渋滞の最長距離は、昨秋の紅葉のピークだった11月23日と比べ、三条通で960b短縮されて1.94`。桂川沿いの府道は例年と変わらず混雑し、接続する四条通は最長3.95`(昨年比350b短縮)となった。
 市は「パークアンドライドによる渋滞短縮の効果はあった。地元住民からのアンケート結果も来年1月にまとめ、今後の方向性を検討したい」(都市計画局)としている。(京都新聞)
■パーク・アンド・ライド 利用者満足 渋滞も緩和
 京都・嵐山周辺で、マイカー客に鉄道に乗り換えてもらい渋滞を緩和しようと、京都市が11月に実施した「パーク・アンド・ライド(P&R)」の実験について、同市は19日、「利用者の鉱%以上が満足したと答えるなど好評で、渋滞緩和に効果があった」と発表した。市交通政策課は「課題はあるが、こうした取り組みを続けることが必要だ」としている。
 実験は、嵐山が紅葉シーズンのピークを迎えた、土・日曜日の11月16、17日に実施した。JR丹波口駅、JR二条駅、京福電鉄三条口駅の周辺に用意した駐車場で、16日には362台、17日には651台の利用があり、他府県の利用者が8割を占めた。
 車での移動と比較すると、最大で136分短縮できたという。渋滞は三条通で昨年の最長3.2`から1.94`に、四条通で4.3`から3.95`になった。
 P&Rの利用者アンケートでは、848人の回答者のうち、54.7%が「とても良かった」、40.7%が「まあまあ良かった」と答えた。また、「今後P&Rがあれば利用するか」という質問には89.3%が「利用する」とした。
 駐車料金は100円だったが、55.1%が「妥当」、43.3%が「安い」とし、「安い」とした人のうち50.0%が「500円が妥当」と回答。午前9時〜午後6時の利用時間については、51.9%が延長を希望した。
 利用者にはチラシや案内板で駐車場を知らせたが、4割以上の人が「駐車場まで行くのがわかりにくかった」と答えており、案内・誘導の方法に課題が残った。
 混雑が激しい、渡月橋近くの長辻通では11月17日、道路をカラーコーンで仕切り、通行を歩行者と一方通行のバスに限る「トランジット・モール」を実施した。歩行者が昨年のピーク時より約7000人多い約9万6000人に増えたことから、「歩行空間が拡大したことで、人の流れがスムーズになったためではないか」(交通政策課)と分析している。(朝日新聞)
■京都市営地下鉄 東西線延伸に道路財源充当
 京都市が建設を進めている地下鉄東西線の延伸工事(六地蔵−醍醐間、二条−天神川間)の財源として、使途拡大が決まった道路特定財源の一部が充てられることが、20日内示された2003年度予算の財務省原案で明らかになった。
 道路特定財源は、揮発油税や軽油引取税、自動車取得税などからなり、道路整備に使途が限定されていた。しかし、税収がある限り道路整備も続くため、公共事業の硬直的配分の象徴とされ、使途の見直しが決まった。
 財務省原案では、計150億円が地下鉄関係に充てられる予定で、京都市の東西線と、東京の営団13号線が対象となっている。京都市は15億円を要求していた。
 東西線などを事業対象にした理由について、財務省は「道路の地下を通るなど、道路構造物の一環として整備される路線を選んだ」(主計局)と話している。(京都新聞 夕刊)
■京都市営地下鉄 初の対象10億円 道路特定財源
 03年度政府予算の財務省原案で、道路特定財源の使途を拡大し、初めて地下鉄を対象に、整備費150億円を計上した。道路の真下にトンネルを掘る事業などが対象となり、「道路の混雑が緩和されることで、道路新設と同等の効果が得られる」(国交省道路局)としている。
 対象となるのは、営団地下鉄13号線(東京都)の新設工事(8.9`、140億円)と、京都市営地下鉄東西線の二条−天神川駅延伸部分(2.4`、10億円)。
 道路特定財源は、東京の新交通システム「ゆりかもめ」などに使われたことはある。(朝日新聞 夕刊)
■京阪中之島・阪神西大阪延伸 2新線、着工へ
 大阪市中心部で建設が計画されている京阪中之島新線(天満橋−玉江橋、2.9`)と阪神西大阪延伸線(西九条−難波、3.4`)が03年度、着工される見通しになった。20日内示された03年度政府予算の財務省原案で、国土交通省の地下高速鉄道整備事業費補助の対象に両線が盛り込まれた。ともに08年度の完成を目指す。(朝日新聞 夕刊)
■跡地利用計画で住民「説明会を」 宝塚ファミリーランド
 来年4月に閉園する宝塚ファミリーランド(兵庫県宝塚市)をめぐり、市民団体「未来飛行・宝塚ファミリーランドを守る会」(安藤直子代表)が20日、阪急電鉄に要望書と約1万6000人分の署名を提出した。同社が今月4日に発表した跡地利用計画について「住民に事前に知らされず、一方的だ」と抗議し、来年1月に地元説明会を開くよう求めている。
 別の市民団体「宝塚ファミリーランドを存続させる会」も20日午後、1万人の署名を同社に提出する。
 阪急は閉園後、跡地の一部を大型商業施設や庭園として再開発する。(朝日新聞 夕刊)
21日■東海道線また混乱 米原−姫路間など人身事故相次ぐ 3時間以上遅れも
 20日午後7時20分ごろ、兵庫県尼崎市南武庫之荘のJR東海道線立花−甲子園口間の踏切で、男性が京都発西明石行き普通電車にはねられ、即死した。さらに同日午後10時5分ごろ、京都府大山崎町の同線山崎駅構内で、同駅を通過中の上り回送列車に男性がはねられ、即死した。
 JR西日本は、最初の事故で東海道、山陽両線の米原−姫路間で約1時間半、運転を見合わせ、福知山線の篠山口−尼崎間、東西線尼崎−京橋間も運転を見合わせた。また山崎駅の事故後、東海道線の米原−尼崎間で再び約1時間半にわたって運転をストップした。
 両事故のため、上下計94本が運休、同計150本が最大で3時間20分遅れ、帰宅の通勤客ら計約16万人に影響が出た。
 JR京都駅でも利用客が足止めを強いられ、80分−3時間を超える電車の遅れが出た。山科方面は京都市営地下鉄で振り替え輸送した。
・奈良線も12本運休
 20日午後6時25分ごろ、JR奈良線黄檗駅で宇治市内の女性がホームから転落、到着した京都行き普通電車に巻き込まれた。女性は約10分後に救出されたが、全身を強く打って重傷。
 奈良線は全線を一時運休し、約1時間半後に運転を再開。上下12本が運休し、約8600人に影響が出た。(京都新聞)
■乗り継ぎ運賃 大幅割引 市バス赤字路線、地元と協議 京都市交通審提言素案
 路線バス事業の規制緩和を受け、京都市バスの在り方を検討している市交通事業審議会(会長・飯田恭敬京都大教授)は20日、市に対する提言の素案をまとめた。バス乗り継ぎ運賃の「大幅な割引」を求めているほか、赤字を抱える生活路線の維持方法は地元と協力して検討すべきとする内容を盛り込んだ。
 同審議会は今年6月に発足した。9月の中間報告では「利用者重視」の視点で運賃やダイヤの改善を進め、生活路線は赤字でも市バスに運行する役割があるとした。素案は、中間報告に加えて「利用促進」「コスト削減」「生活路線の確保」に重点を置き、改善の方向性を示している。
 利用促進では、利便性を高めるため系統を抜本的に見直し、乗り継ぎ運賃を大幅に割り引くことや、毎時間決まった間隔で運行する「パターンダイヤ」が効果的とした。
 郊外を中心に不採算となっている生活路線については、当面は市の負担で存続すべきとし、地元との懇談会などを設けて維持に必要な負担の在り方を検討するよう提案している。
 また、今後取り組む施策には目標年次を定め、ダイヤ改善などは早急にモデル路線による検証作業を始めるよう求めた。
 素案はこの日の審議会で議論され、委員からは「乗り継ぎは割引でなく無料にするなど思いきった変更が必要」「地下鉄とバスとのネットワークを生かしたサービスが大切」などの意見が出た。提言は来年3月にまとめ、市に提出される。(京都新聞)
■2003年度予算財務省原案の詳報(抜粋)
・鉄道・空港 関空が59%増 新幹線2%減
 空港整備は全体で本年度比2.0%増の2624億円。重点化を図った大都市圏拠点空港は13.6%増の2154億円で、地方空港は30.5%減の470億円。大都市圏では、1兆2000億円の有利子負債を抱える関西国際空港が、救済策として補給金90億円を計上するなど59.1%増の521億円。05年開港予定の中部国際空港は58.5%増の282億円。羽田空港の再拡張事業はボーリング調査などの着工準備調査費を15億円計上した。
 整備新幹線は2%減の686億円を計上、2年連続の削減だが、工事費節減などで、2000年の政府・与党申し合わせ通りに事業量を確保できるとした。また、2線を新規採択した地下鉄整備は、道路特定財源の使途拡大分150億円を含め553億円。(京都新聞)
■降りて歩いて 93 JRバス・生野里(福知山市生野) 京と丹後結ぶ歌枕の地
 JR福知山駅から出発したバスは、国道9号を京都方面に10`ほど進み、水かさが増した土師川を渡った。緩やかな坂道を上り切ると、国道の両側に畑地が広がる。生野の里だ。バス停の脇には「歌枕の地」の石碑。地元の老人クラブが建てたという。
 国道9号の西側に走るのが旧京街道で、通り沿いに家々が連なる。京街道は平安時代から、京都と丹後地方を結ぶ重要な道だった。
 地域の人の話によると、京都から20里(約80`)の地点にある生野の里は、江戸時代、宿場町として栄えた。当時、旅籠が軒を並べていた名残で、今でも「播磨屋さん」「えびす屋さん」など、当時の屋号で呼び合うことがあるという。
 平安時代の歌人、小式部内侍が都での歌会の席上、丹後にいる母を慕って詠んだ「大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ず天橋立」の歌は、小倉百人一首でも知られる。
 生野の里を貫く京街道は南北、約1`にわたる。かつてのにぎわいを証明するかのように郵便局と交番が並ぶが、約40年前に国道9号が完成してからは、車や人の行き来が激減した。江戸時代に宮津藩主らが滞在した旧本陣も、民家に姿を変えている。
 生野自治会の谷口守会長(63)は「往時のにぎわいを伝える建物がほとんど残っていないのが残念。それでも時々、観光客が歩いているのを見かけます」と話す。
 シイの木にまつわる昔話が伝わる生野天神社の横には、自治会が作った観光看板があり、地域の歴史を紹介している。都会の喧騒とは無縁の静かな時が流れている。(京都新聞)
■快速を増発ダイヤ改定 JR西
 JR西日本は20日、来年3月15日に実施するダイヤ改定の概要を発表した。滋賀県内の東海道線で早朝・深夜の新快速・快速を増やすほか、関西、片町、阪和の各線も快速を早朝に1〜2本増やす。朝の福知山線快速のスピードアップを図り、大阪−宝塚間を従来より3分縮めて23分にする。また、奈良線の快速を東福寺駅(京都市)と玉水駅(京都府井手町)に終日停車させる。
 米国の同時多発テロの影響で不振が続く関西空港発着の特急「はるか」を、朝夕のラッシュ時に和泉府中駅(大阪府和泉市)に停車させ、京都、大阪方面へ向かう通勤客の呼び込みを図る。6月以降は、朝夕の2往復を米原駅(滋賀県米原町)まで延長する。(朝日新聞)
■帰省ラッシュ 28・29日ピーク
 JR西日本、東海の両社は20日、年末年始期間(27日〜1月5日)の列車指定席の予約状況をまとめた。帰省は28、29日、Uターンは1月4日がそれぞれ混雑のピークになる見通しだが、早朝、夜間の列車にはまだ空席がある。予約率は東海道新幹線43%、山陽新幹線44%、JR西日本の在来線39%。米国同時多発テロの反動で国内旅行客が増えた前年とはぼ同じ水準で、「好調といえる」(JR西日本)という。(朝日新聞)
■ラッシュの夜、人心事故3件 JR、21万人影響 380本が運休・遅れ 東海道線など
 20日夜、京阪神地区のJR東海道線や桜島線で人身事故が相次いだ。約380本の列車に運休、遅れが出て、影響を受けた乗客はJR西日本で過去最大規模の21万5000人に達した。
 午後7時部分ごろ、兵庫県尼崎市のJR東海道線武庫川東踏切で、男性が京都発西明石行き普通電車(7両編成)にはねられ、即死した。同線は姫路−米原間で約1時間20分間、電車が止まった。同8時半ごろ、大阪市此花区のJR桜島線安治川口駅で、男性が線路に転落して顔に軽傷。同線と大阪環状線も約30分間止まった。
 午後10時過ぎ、京都府大山崎町の東海道線山崎駅で、線路上にいた男性が回送の特急列車にはねられ、即死した。同線は米原−尼崎間で再び約1時間止まった。
 帰宅ラッシュと重なり、沿線の駅は列車の運行再開を待つ会社員らでごった返した。JR西日本は、私鉄・地下鉄による振り替え輸送を実施した。(朝日新聞)
■採用競争大詰め 北京−上海間 高速鉄道計画 独、リニア線でアピール
 【北京=村上太輝夫】上海の浦東地区で建設が進んでいた磁気浮上式リニアモーターカー線が来年1月1日から試験的に運行を始める。ドイツの技術による同方式は、中国政府が進める北京−上海閏高速鉄道計画の有力な候補で、日本の新幹線方式と採用を争っている。リニア線の運行結果は、高速鉄道の採用技術に大きな影響を与えるとみられており、選択は大詰めを迎える。
 リニア線は上海の浦東国際空港と市内を結ぶ30`で、所要時間は7分。現地の報道によれば、テスト走行では時速400`を超えている。
 独企業シーメンス、テイッセンクルップなどによる合弁会社「トランスラピツド」が手がけ、実用化は世界初だ。今月末に訪中するシュレーダー独首相が上海に出向き、31日に中国の朱鎔基首相とともに乗客第1号になる。3月に正式運行の予定だ。
日本の新幹線 要人の「支持」相次ぐ
 リニア線が注目されるのは、距離1300`に及ぶ北京−上海間の高速鉄道計画にかかわるためだ。ここ数年、従来の鉄道の方式にするか、最先端のリニア方式にするか、中国政府は検討を重ねてきた。従来方式では、実績を持つフランスも候補だが、日本の新幹線が最有力で、事実上、日独の争いになっている。
 昨年1月に中独間で上海リニア線建設が調印された時点では、日本の新幹線は不利になったとみられたが、今年になって新幹線支持の発言が中国の要人から相次いだ。リニアの技術移転をめぐり中独間でもめていることや、リニアの建設費が高すぎることから、政府内の新幹線支持派が巻き返したとされる。
 ただ、有力候補をてんびんにかけて競わせるのは中国の得意とするところだ。20日に北京で記者会見した中国政府の博志寰鉄道相は「いずれの方式にするかまだ結論を得ていない。磁気浮上式リニアはよくわからないので、上海のテスト結果を待っている」と慎重な答えに終始した。中国当局は、両方式の優劣はほぼ研究し尽くしたとみられ、残る判断材料は、実用化したリニア線のデータのみだ。
 もともとリニアに執着していた朱首相は、自分の任期中には決めないまま来春引退する見通しで、新指導者が最終決定を下すことになる。(朝日新聞)
■鉄道自殺 3日に1件 京阪神のJR 乗客の苦情殺到
 京阪神で鉄道自殺が急増している。JR西日本の大阪、神戸、京都3支社の管内では11〜12月にかけ、3日に1件以上発生する異常なペースだ。東海道線で消防署員が死傷した11月6日の事故を受け、鉄道各社は列車の運行再開に慎重な姿勢をとっているため、事故のたびにダイヤが大きく乱れている。乗客の苦情も多く、JR西日本は自殺防止策の検討に乗り出した。
 20日夜、兵庫県尼崎市と京都府大山崎町のJR東海道線で2件の人身事故が起き、男性2人が即死した。いずれも自殺らしい。この日の夜は桜島線での酔客の転落事故もからみ、帰宅客ら21万5000人に影響した。
 14日にも京都、兵庫両府県で自殺とみられる事故が4件相次ぎ、影響は約10万人に及んだ。
 JR西日本によると、大阪、神戸、京都3支社管内の京阪神地区で自殺と確認された事故は、4月から10月までに42件あった。この期間は、年間72件だった01年度とほぼ同ペースだった。ところが11月は10件、12月も20日までに自殺・同未遂とみられる人身事故が15件起き、私鉄各社でも事故が相次いでいる。
 JR西日本の京阪神地区での自殺は97年度の104件をピークに、ここ数年は減少傾向だった。同社幹部は「11月の二重事故以来、人身事故が起きるたびに大きく報道される。『電車に飛び込めば死ねる』と、自殺を考える人を引き寄せているのかもしれない」と話す。
 同社は消防、警察の活動が終わるまで列車の運行を完全に止める措置をとっており、乗客からの苦情が殺到している。
 同社は、駅の照明を明るくするといったJR東日本の取り組みを参考に、自殺防止対策の研究を始めた。だが幹部は「最近は駅以外から線路に入る人も多い。こちらは防ぎようがない」と頭を抱える。(朝日新聞 夕刊)
24日■ブレーキ故障で新快速発車遅れる JR長浜駅
 23日午後10時10分ごろ、長浜市のJR東海道線長浜駅で大阪行き新快速電車が、ブレーキが緩まないために、発車できなくなった。係員が車両を点検し、約1時間後に同駅を発車した。
 このため電車1本が運休、上下計4本が63分−2分遅れ、300人に影響が出た。(京都新聞)
■窓 「ご苦労さま」京福永平寺線 山科区・池田 純(無職・63)
 10月21日で廃線となった福井県の京福電鉄永平寺線を35年間、撮り続けた地元写真家のご夫婦が写真集を出版しました。早速、注文して取り寄せました。「京福電鉄01/08/09〜ありがとう永平寺線」です。
 本当に素晴らしい写真ばかりですが、特にさびたレールの上に赤トンボが止まっている写真が印象的です。写真とともにご夫婦の俳句もいっしょに添えられています。
 懐かしい思いがよみがえってきました。1989年4月に福井駅から越前本線で東古市駅まで行き、永平寺線に乗り換えて大本山永平寺に参拝しました。福井にも立派な電車が走っているのだと当時、思いました。降り続く雪の中、人のいないホームの写真を見て、余計に寂しさを募らせています。
 最近、過疎地になっているところは鉄道が廃止になったり、バスに代わったりしています。地域によっては第三セクターに引き継がれているところもあります。永平寺線も住民や観光客の足として残してほしいと思われながらも、引き継ぐところが見つからないまま、77年間の歴史に幕を閉じました。本当に寂しいお別れになりましたが、長い間、ご苦労さまでした、と言いたいと思います。(京都新聞)
■男性が線路に転落 列車と接触、死亡 近鉄小倉駅
 24日午前11時40分ごろ、宇治市小倉町神楽田の近鉄小倉駅で、男性が上りホームから転落。進入してきた京都行き普通列車に接触し、約15bひきずられ、男性は頭などを打ち、死亡した。
 宇治署や宇治市消防本部などによると、男性は七十歳ぐらいといい、身元の確認と事故原因を調べている。同列車は小倉駅に約30分間停車した。(京都新聞 夕刊)
■京阪踏切で死亡事故 6万7000人に影響
 24日午前7時25分ごろ、京都市伏見区桃山最上町の京阪電鉄京阪本線踏切で、男性が淀屋橋行き特急電車にはねられ、死亡した。特急は現場に8分間停車、後続列車が最大約25分遅れ、乗客約6万7000人に影響が出た。
 伏見署の調べでは、男性は60−80歳ぐらいで身元の確認を急いでいる。踏切遮断中に男性が進入するのを運転士が発見した、という。(京都新聞 夕刊)
■京阪で人身事故 6万7500人に影響
 24日午前7時25分ごろ、京都市伏見区桃山最上町の京阪本線山崎街道踏切(警報機、遮断機付き)で、線路内に入っていた男性が、出町柳発淀屋橋行き特急電車(8両編成、乗客約400人)にはねられた。男性は全身を強く打って即死した。特急は、警察や消防の検証のため、同7時44分ごろから約20分間、下り線の運転を取りやめた。上下127本が最大26分遅れ、約6万7500人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
25日■昼間を10分間隔に 京福、31日ダイヤ改正
 京福電鉄は24日、嵐山本線と北野線の全面ダイヤ改正を31日から実施すると発表した。昼間時間帯(平日午前10時−午後7時、休日午前7時−午後8時)の運行を両線ともに10分間隔に統一し、帷子ノ辻駅での両線間の乗り継ぎ待ちを現行の1−10分から3分以内に改善する。
 嵐山本線は平日朝のラッシュ時(午前7時台−午前8時台)の四条大宮行き電車を5分間隔に増便。また、嵐山行き最終電車を四条大宮午後11時45分発に繰り下げる。昼間時間帯は一部運行を間引きして計10往復の減便とする。
 北野線は3往復の増便。最終電車も北野白梅町午後11時半発、帷子ノ辻午後11時16分発と10分繰り下げる。
 また、全線で土曜ダイヤを廃止し、土曜日は休日ダイヤで運行する。(京都新聞)
■梅小路ぽっぽクラブの小中学生 園児にX マスの贈り物 精巧な鉄道模型に歓声
 鉄道愛好者でつくる市民サークル「梅小路ぽっぽクラブ」(下京区)の小中学生メンバーが鉄道模型を手作りし24日、区内の西七条保育所に模型を贈った。思わぬクリスマスプレゼントに園児は大喜びで、田畑や駅舎まで精巧に作られている間を走る模型電車の勇姿に歓声を上げていた。
 同クラブのメンバーは小学生から70歳代までの約60人で、鉄道模型作りや鉄道写真などを楽しんでいる。今年8月に同保育園児がぽっぽクラブを訪れたのをきっかけに、メンバーが鉄道模型を贈ることを計画。中学2年の安田綿君(14)と小学6年崔佑碩君(11)、高谷祐太君(12)の3人が1ヵ月がかりで取り組み、ブドウの枝とスポンジで木を作ったり、段ボールや人工芝を使って田畑を描いたりと、工夫を凝らして仕上げた。
 3人はこの日、ぽっぽクラブの丹羽宏会長(77)らと保育所を訪れ、2歳児25人を前に縦60a、横90aの鉄道模型を披露した。模型上で電車が駅に到着すると、「すごい」「止まった、止まった」などと園児は歓声を上げ、再びレール上を動き出すと「走った、速いなあ」などと体を乗り出して大喜び。電車の動きにくぎづけになった園児に、安田君は「喜んでもらえてよかった」と満足そうだった。(京都新聞)
26日■信楽鉄道事故訴訟 JRの責任焦点 きょう控訴審判決
 1991年春に死者42人を出した滋賀県信楽町の信楽高原鉄道(SKR)とJR西日本の列車衝突事故をめぐる民事訴訟の控訴審判決が、26日午後、大阪高裁で言い渡される。「青信号」で進行したJR側にも過失があるとした一審大阪地裁判決に、JRは「鉄道事業の実態を無視している」と反論。今後の鉄道の安全対策にも影響を及ぼす高裁判決を前に、争点を整理した。(滋賀本社 渋谷哲也)
 信楽町で開かれていた世界陶芸祭に伴い、単線のSKRに乗り入れたJR列車は、上下線が行き違う「小野谷信号場」でSKRの列車と交差するはずだった。しかし、SKR列車はなかった。
 運転士は「『おかしいな』と感じた」(供述調書)が、信号場の青信号に従い信楽駅方面に進行した。約5分後、SKR列車と正面衝突した。
 一審判決は、JRの運転士が以前にSKRのずさんな運行を体験するなど12の事情を挙げて「事故は予見でき、青信号でも停車させるべきだった」と運転士の過失を認めた。
 この判決に、JRは「鉄道事業者として到底受け入れられない。鉄道の信号は道路信号とは比較できないほど高度の安全性を備えており、信号順守は運転士の義務」と反発する。
信楽鉄道事故訴訟 控訴審の主な争点
 JR西日本の注意義務違反
運転士報告体制確立教育・訓練信号システム



 小野谷信号場の信号が
青でも、JR運転士はSKR
列車が来ることを予見し
、列車を停車させ、電話
で指示を仰ぐべきだった
 JRはSKR が代用閉そく
方式の手順を守るよう、
善処を申し入れたり直通
申し入れを中止して事故
を回避することができた
 JRは乗務員らに対し、
小野谷信号場の信号が青
信号の場合も、信楽駅に
照会するなどの教育体制
の確立を怠った
 JRは信号赤固定と因果
関係がある方向優先てこ
の設置をSKRに伝えなか
った。事前トラブルの後
、赤固定の原因を解明し
修復すべきだった
JR
西

青信号にもかかわらず
、運転士が前方列車の有
無を不断に判断し衝突回
避する義務はない
 JRに要求される具体的
注意義務の内容が不明で
、義務を果たすと事故を
防止できたことも立証さ
れていない
 青信号でも運転士に常
に停止か否かの判断を要
求することは、鉄道輸送
の実態や信頼の原則に対
して理解が足りない
 方向優先てこの設置、
操作と信号赤固定との間
に因果関係はなく、事故
との因果関係もない

 JR運転士は信楽駅に連
絡せずに漫然と青信号に
従って進行させ事故を引
き起こした
 SKRに代用閉そく方式
の正確な施行を要求する
ことで事故を防止できた
 小野谷信号場に対向列
車がいない場合に乗務員
が取るべき措置を両社で
協議、訓練していれば事
故は回避できた
 方向優先てこと信号赤
固定との因果関係は科学
的に解明された事実。JR
がてこの存在をSKRに伝
えていれば、赤固定の原
因がすぐに判明した
 一審判決は、JRが無断で設置、操作した方向優先てこの影響で信楽駅の信号が赤固定になり、SKRが信号異常の原因を特定できないまま赤信号で列車を出発させ、事故に至ったとした。
 SKR側は事故前に起きた信号トラブルの際、前方の安全を人間の目で確認する「代用閉そく」の手続きを守らず運行していた。遺族側は「JRは事故につながるSKRの違法な運行を認識していた」と強調する。
 一方、JRは控訴審で「信頼の原則」を持ち出し、SKRの違法行為まで予見することはできないとした。「SKRの適正な行動を期待すればいい」という理屈だ。
 「犠牲者遺族の会」代表の吉崎俊三さん(69)=宝塚市=は「妻はJRの切符を持ったまま目的地に到着せず、犠牲になった」と憤る。JRの「信頼の原則」は、遺族には「分業に名を借りた無責任体制」と映る。
 JRは、事業免許のないSKR線上で安全を確立する義務はないと繰り返す。「自社線と同等以上の事故防止措置を要求した一審判決は、常識的にみて社会通念に反する」(JR側最終書面)
 JRの「常識」と、世間の社会通念は合致するのか。きょう午後、高裁で判断が下る。
 信楽高原鉄道事故 1991年5月14日午前10時35分ごろ、滋賀県信楽町黄瀬の信楽高原鉄道で、同鉄道とJR西日本の列車が正面衝突し、計656人が死傷した。大阪地裁は両社に約5億円の賠償を命じ、JRが控訴。刑事事件では高原鉄道の元社員ら3人の有罪判決が確定。JR側は不起訴。(京都新聞)
■醍醐のコミュニティーバス 38人乗り、低床タイプ シンボルマークもつけ 「市民の会」デザイン発表
 伏見区の醍醐地域を走るコミュニティーバスのデザインを、運行準備を進めている「醍醐地域にコミュニティバスを走らせる市民の会」が25日発表した。来春スタートを目指し、来年2月にも近畿運輸局(大阪市)に路線バス事業の免許を申請する。
 3台導入する予定の小型バスは38人乗りで、車いすでも乗り降りできる低床タイプにする。車体には地域の病院などの協力施設の広告のほか、コミュニティーバスの特色を出すために、シンボルマークやロゴをつける。ジャンボタクシーも1台使用する。
 地下鉄醍醐駅を中心に、醍醐地域の住宅地などをカバーする4路線で、それぞれ20分−1時間隔で運行する。運賃は1回200円、1日券300円を予定している。
 1日300人の乗車を見込んでおり、運賃のほか、協力施設からの賛助金を運行経費にあてる。来年1月にもメーカーにバス製造を発注。最終的な路線や運賃、バス停を確定させた上で、実際の運行面を担当する弥栄自動車(本社・下京区)が免許を申請する。(京都新聞)
■高額紙幣券売機の使用きょう再開 阪急
 阪急電鉄は、今月9日から10日にかけ京都線東向日駅(向日市)などで偽造1万円札が発見されたのに伴い、中止していた高額紙幣対応券売機での1万円札と5000円札の使用を26日の始発から再開する。
 83駅にある高額紙幣対応券売機124台の読み取り精度を高める改修を行い、25日までに完了した。同社は、10日午後7時半から券売機での高額紙幣の取り扱いを中止していた。(京都新聞)
■戦争中に廃線 愛宕山ケーブル 埋もれた歴史後世に 参拝客のにぎわいや農村の生活描き 右京の団体職員 小説を出版
 戦争中に廃線になった愛宕山鉄道ケーブル(京都市右京区)の歴史を後世に伝えようと、団体職員鳥越一朗さん(47)=右京区谷口=が、小説「麗しの愛宕山鉄道鋼索線」を書き上げ、出版した。「郷土の埋もれた歴史を知ってほしい」と話している。
 鳥越さんは愛宕山のふもとで生まれ育った。昨年末、仕事で手にした古地図の中に、ケーブルの表記を見つけた。調べると、1929年から44年まで愛宕山でケーブルカーが運行され、頂上の愛宕神社への参拝客でにぎわっていたことが分かり、小説で紹介することにした。
 小説は、夏休みの自由研究で愛宕山に登った少年が、ケーブルカーが運行されていた1930年代にタイムスリップする話。
 現代っ子の少年の視点で、当時の山すそのにぎわいや農村の生活などを措いている。
 鳥越さんは「愛宕山には駅舎やトンネルが今も残っているが、地元民の私でさえ存在を知らなかった。京都の歴史をさらに調べていきたい」と話している。
 B6判。280ページ。1500円。問い合わせはユニプランTEL075(251)0125。(京都新聞)
■醍醐地域バス、助走 路線や運賃を発表 市民の市民による市民のための
 自らの手で生活に密着した交通手段を作ろうと伏見区で活動する「醍醐地域にコミュニティバスを走らせる市民の会」(村井信夫会長)が25日、ルートや運賃などの運行計画を発表した。高齢者らの通院、買い物や醍醐寺などを訪れる観光客に役立ててもらいたい考えだ。行政の財源に頼らない市民主導のコミュニティーバスは珍しいといい、来春の運行開始を目指す。
 同会は、地下鉄東西線の開業で地域の市バスが廃止されたのをきっかけに、昨年9月、自治町内会や地域女性会などで結成された。シンポジウムや学区ごとの集いを開いたり、アンケートをしたりして、路線やバス停の位置を検討してきた。
 弥栄自動車(下京区)が事業者として協力する。計画では、地下鉄醍醐駅を中心に病院や商業・公共施設などを結ぶ4路線。路線バス運行が難しい住宅地の中を通り、ほとんどが市バスも走らなかったコースだという。
 運行は20分〜1時間間隔で、通院や買い物に重点を置くため昼の時間帯を中心にする。運賃は未定だが、原案では1日乗り放題券が300円、1回券は200円。回数券や定期券も考えている。
 会の試算では、4路線で1日14万円の経費がかかるが、行政に頼らず、運賃収入と地域の協力金、広告費などで運営する。病院や寺院などが協力施設となり、運賃収入でまかなえない部分の経費を負担し、利用促進などで協力する。
 低床で車いすにも対応するマイクロバスとジャンボタクシーを使い、環境に優しいバイオディーゼル燃料を使うことも検討するという。
 同会の岩井義男事務局長は「バスが単なる交通手段ではなく、市民活動の架け橋となって、地域全体のつながりを高めていければ」と話している。(朝日新聞)
■JR難波・鷹取駅前用地が落札
 JR西日本は25日、JR難波(大阪市)、鷹取(神戸市)両駅前の所有地計約2fについて、公開競争入札の結果、落札者が決まった、と発表した。落札額は公表していない。
 難波駅前はかつて、大手スーパーのマイカルが本社ビル建設を計画していた土地で、大阪市の不動産賃貸業・イトコーが落札。入居テナントや着工時期など詳細は未定だが、ホテルや賃貸マンション、商業施設など規模は延べ床面積6万平方b超となる計画。鷹取駅前は病院経営者ら3者が共同で落札。04年度中に総合病院、スーパー、分譲マンションを完成させる予定だ。(朝日新聞)
■市バスを迂回措置
 京都市交通局は26日午前10時半から、京都中央信用金庫本店前などにある四条通の堀川−烏丸間のバス停が、通行止めで使用できないため、計11系統を五条通へ迂回させた。(京都新聞 夕刊)
■京福前社長ら不起訴 2度目の衝突事故 嫌疑不十分で
 福井県の京福電鉄(本社・京都市)越前本線で起きた2回の正面衝突事故で、福井地検は26日、同県勝山市で起きた2回目の01年6月の事故について、業務上過失傷害と業務上過失往来危険の疑いで書類送検されていた同社前社長の石田栄一相談役(62)、山田寛・元専務(62)、松井良介・元鉄道部長(55)の3人を嫌疑不十分で不起訴処分にした。
 また、同県松岡町で起きた1回目の00年12月の事故について、松井・元鉄道部長、同社技術課長の増田寿男容疑者(40)、同技術課区長の森川幸弘容疑者(50)の3人を業務上過失致死傷と業務上過失往来危険の罪で在宅起訴した。
 2回目の事故は乗員乗客お人が重軽傷を負い、元運転士(24)は業務上過失傷害などの罪で禁固2年6ヵ月執行猶予5年の刑が確定している。地検は、前社長らの不起訴処分について「運転士の赤信号見落としが直接の事故原因で、事故当時は自動列車停止装置(ATS)設置の法的義務もなかった」としている。
 起訴状によると、松井・元鉄道部長らは1回目の事故の原因となったブレーキロッドの破断事故が99年1月にも起きていたにもかかわらず、事故原因を解明し、部品を交換するなどの安全対策をとらず、運転士1人が死亡、乗員・乗客27人が重軽傷を負う事故を引き起こしたとされる。(朝日新聞 夕刊)
■シベリア鉄道 73年、夢の一番電車 9300`の電化工事が完了
 【モスクワ=喜田尚】ロシア・シベリア鉄道の極東区間で続いていた電化工事がこのほど完了、ウラジオストクからモスクワまでの全約9300`を初めてディーゼル機関車を使わずに走り切る「一番電車」が25日、モスクワに向け出発した。鉄道は前々世紀に建設が始まり、1916年に現行路線で開通。電化工事は29年からで、丸73年かかった。沿海地方レサザボツク市のルジノ駅では同日式典が行われ、記念の礼拝堂が開設された。
 電化工事を終え、25日に供用されたのはルジノ駅をはさむ175`の区間。これで93年に始まったハバロフスクとウスリースク間の極東区間電化工事が完了。60年代に電化されていたウスリースク−ウラジオストク区間とつながった。
 電化工事はモスクワから順に東に進んできた。第2次大戦後の50年代から本格化。ソ連末期から数年の停滞をはさんで少しずつ距離を延はした。
 電化の最大の目的はスピードアップだが、鉄道省によると1列車による輸送貨物の上限重量も6000dと倍増する。
 現在の鉄道関係者の関心事は朝鮮半島の南北縦断鉄道との連結計画。しかし、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核開発疑惑のあおりで停滞が心配されている。イタル・タス通信によると、ルジノ駅での記念式典には韓国の建設交通省、北朝鮮の鉄道省高宮も出席。ロシアのファデーエフ鉄道相は「連結は政治ではなく経済の問題だ」と連結推進を訴えた。(朝日新聞 夕刊)
27日■信楽鉄道事故 大阪高裁判決 事故防止へ 二審「JRに過失」 事故防止へ 報告義務怠る
 滋賀県信楽町の信楽高原鉄道(SKR)で1991年5月、SKRとJR西日本の列車が正面衝突し死者42人を出した事故の損害賠償訴訟で、JRの過失責任を争った控訴審の判決が26日、大阪高裁であった。太田幸夫裁判長は「JRは事故以前のSKRの違反行為から事故を予見できたのに、報告体制の確立を怠り事故を防げなかった」と報告義務違反の過失を認め、JRの控訴を棄却した。
 JRの責任を問わなかった刑事事件に対し、民事では一審に続きJRの過失を明確に認めた。また、一遺族への賠償金を一審より約1000万円上積みした。
 判決はまず「事故の発生原因となる事実を発見したとき、その事実を乗り入れ先の会社と自社の上司に報告する義務がある」と判断した。
 そのうえで、事故前にSKR線で3回発生した信号故障の際、SKRが信号故障時の厳格な手続きを守らずに列車を運行させていた事実を認定。助役らJRの現場担当者は、SKRの手続き違反の運行を現認、または容易に知ることができ「上司に報告すれば、JRがSKRに違反行為の是正を申し入れることで事故を防止できた」と事故との因果関係を認めた。
 また、JR運用課長や安全対策室長に対しても「違法行為を報告するよう教育、訓練する体制の確立を怠った」と判断。さらに、安全問題を担当する鉄道本部長(取締役)の過失責任を控訴審で初めて認めた。
 太田裁判長は「青信号」で進行したJR運転士の過失責任などについては判断を避けた。
 信楽高原鉄道列車事故 1991年5月14日午前10時35分ごろ、滋賀県信楽町黄瀬の信楽高原鉄道(SKR)で、SKRと、開催中の世界陶芸祭に伴い直通乗り入れしていたJR西日本の列車が正面衝突し、乗客乗員計656人が死傷した。JRがSKRに無断で設竜、操作した「方向優先てこ」により信楽駅の出発信号が赤固定となり、SKR列車が赤信号のまま出発したのが事故の原因とされる。刑事裁判でJRは不起訴になり、SKR側の3人の有罪判決が確定。民事訴訟は99年3月、大阪地裁がJRとSKRに総額約5億円の賠償を命じ、JRが控訴、その後遺族側も控訴していた。(京都新聞)
■信楽高原鉄道事故 控訴審判決の要旨
 大阪高裁が26日言い渡した、信楽高原鉄道事故の、控訴審判決の要旨は次の通り。
 【JR西日本の従業員の過失】
 ▽JR貴生川駅助役らの報告義務違反
 貴生川駅助役と信楽高原鉄道(SKR)線に乗り入れた列車の乗務員らは、一九九一年四月八日と同月十二日、同年五月三日に信号機が故障した際、SKRの@代用閉塞(へいそく)方式の指令などについて権限を持たない者と打ち合わせたA確認不十分のまま閉塞区間の開通を確認したと虚偽報告した−などの行為について、上司に報告する義務を怠った。
 列車運行にかかわる者は事故原因となる事実を発見した時に上司に報告する義務があるだけでなく、そうした事実が容易に発見できるようなら、これを発見して報告する義務がある。
 他社線に乗り入れた乗務員は、他社線で事故の発生原因となりうる事実を発見した時はまず他社の関係部署に報告する義務がある。ただし他社に違反行為がある場合には、自社の上司に報告する義務がある。自社から他社に事故防止を働きかけるためであり、自社は他社に事故防止の措置をとるよう働きかける義務がある。
 助役らは、SKR線への乗り入れで現認し、または容易に知ることができたSKRによる代用閉塞方式の違反行為を上司に報告する義務があった。
 代用閉塞方式は信号機の代わりに人が閉塞を確認し、運行の指示をするものである。代用閉塞方式の手続きに違反する行為は、衝突の危険を発生させるものだから、助役らが事故を予見することは可能だった。
 助役らが報告していれば、JRはSKRに是正を申し入れ、事故を防ぐことができた。乗り入れがSKRからの要請であることなどから、SKRはJRに求められれば応じざるを得なかった。
 助役らは、SKRの違反行為を現認し、また違反行為が疑われる状況であったから、SKRの安全性が確保されていると信頼することが相当だったとは認め難い。
 助役らは、SKRの違反行為を上司に報告していないから、報告義務を怠った過失がある。報告していれば事故を防ぐことができ、報告義務違反の過失と事故発生との間には事実的因果関係がある。
 閉塞を確認しない列車の運行は衝突、追突事故につながる恐れがあったから、助役らの過失とSKRの列車が閉塞を確認しないまま信楽駅を出発して発生した本件事故との間には相当因果関係がある。
 ▽運用課長の報告体制確立義務違反
 運用課は乗務員の教育や訓練を立案する部署で、運用課長は乗務員がSKRの違反を現認した時や疑いがある時には調査し、違反を知った時には上司に報告するよう教育や訓練をする体制を確立すべき義務があった。
 教育や訓練の際には、SKRによる違反行為を予測すべきで、事故は予測の範囲内だったから、運用課長が事故を予見することは可能だった。
 乗務員が報告義務について教育や訓練をされていれば、乗務員が上司にSKRの違反行為を報告、JRが是正を申し入れてSKRが違反を是正し、事故発生を防ぐことができた。
 旧国鉄では、衝突や脱線など多数の重大事故が発生している。事故の多くは列車運行に従事する者に原因がある。本件事故当時までに状況が大きく改善したことをうかがわせる証拠はなく、SKRでも旧国鉄と状況は変わらなかったことから、運用課長がSKRで安全性が確保されていると信頼することが相当だったとは認め難い。
 報告義務について乗務員に教育や訓練をしたことは認められず、運用課長は報告体制を確立する義務を怠った過失がある。報告義務について教育や訓練が行われていれば、事故発生を防ぐことができたので、運用課長の報告体制確立義務違反の過失と事故の発生との間には事実的因果関係、相当因果関係がある。
 ▽安全対策室長の報告体制確立義務違反
 安全対策室長には、JRの従業員がSKRの違反行為を知った時には上司に報告し、上司は同対策室に報告する体制を確立すべき義務があった。同対策室は安全に関する事項を総括し、事故防止などを担当しているから、室長には報告義務が果たされるよう体制を確立する義務があった。
 乗り入れにかかわる従業員は違反行為を発見したときに上司に報告すべき義務があるので、室長は従業員が報告義務を果たせるようSKRによる違反行為を予測すべきで、事故は予測の範囲内だった。
 室長が体制を確立していれば、従業員が上司にSKRの違反行為を報告、JRが是正を申し入れてSKRが違反を是正し、事故発生を防ぐことができた。
 旧国鉄の重大事故の状況をみれば、室長がSKRで安全性が確保されていると信頼することが相当だったとは認め難い。
 乗り入れにかかわるJRの従業員が報告義務を果たすことができる体制が確立されたと認めることはできないから、室長は、報告体制確立義務に違反した過失がある。この過失と事故発生との間には事実的因果関係、相当因果関係がある。
 ▽鉄道本部長の報告体制確立義務違反
 鉄道本部長には、運用課長と安全対策室長が報告体制確立義務を果たすよう指導、監督すべき義務があった。
 鉄道本部長は、SKRの違反行為により発生した事故を予見することは可能だった。鉄道本部長は運用課の所属する運輸部と安全対策室を統括する立場にある上、安全問題を担当している。運用課長と安全対策室長が報告体制確立義務を果たすことができるよう、SKRの違反行為を予測すべきであり、事故はその予測の範囲内にあった。
 運用課長と安全対策室長に報告体制の確立を指導、監督していれば、従業員がSKRの違反行為を上司に報告し、安全対策室を通じて是正を申し入れ、SKRが是正し、事故の発生を防ぐことができた。
 旧国鉄の重大事故の状況をみれば、鉄道本部長がSKRで安全性が確保されていると信頼することが相当だったとは認め難い。
 運用課長と安全対策室長に報告体制を確立するよう指導、監督したことをうかがわせる証拠はなく、鉄道本部長は報告体制確立義務に違反した過失がある。この過失と事故発生との間には事実的因果関係、相当因果関係がある。
 【JR西日本の使用者責任】
 ▽従業員の不法行為
 貴生川駅助役らの報告義務違反と鉄道本部長らの報告体制確立義務違反の過失により事故が発生し、被害者らが死亡した。よって従業員の被害者らに対する不法行為を認める。
 ▽使用関係
 JRの乗務員が直通列車に乗務しSKR線を運行する際の雇用関係は、JRからSKRへの出向とは認められない。もし仮に出向だとしても、JRの乗務員に報告義務を認めることの防げにはならない。
 ▽事業の執行行為性
 助役の報告義務違反の過失行為は駅の業務において行われたものである。また、直通列車の乗務員の報告義務違反の過失行為は、JRとSKRの乗り入れ契約に基づく業務におけるものである。鉄道本部長らの報告体制確立義務違反の過失行為もJRの業務におけるものである。(京都新聞)
■信楽鉄道事故控訴審判決 JRの組織責任指弾 惨事の芽 摘む努力怠る
 大事故の際に引き合いに出される「ハインリッヒの法則」によると、大きな事故には29の事前トラブルと300の「ヒヤリ」があるという。信楽事故もJRと高原鉄道のさまざまな不手際が重なって起きた。
 その例として、一審で認められたJR運転士の過失や信号システムの不備などは、今回、JRの過失判断の対象から外され、事故以前の3回にわたる信楽高原鉄道(SKR)の手続き違反の運行事実のみに焦点を当てた。
 「JRはSKRの違反を知ることができ、内部の報告体制を確立していれば事故は起らなかった」として、報告義務違反一つで事故原因の本質に迫った高裁判決は、両社が事故の芽を一つでも摘み取る努力をしていれば、大事故への連鎖を断ち切れたことを示唆している。
 信楽の事故後も、安全軽視による鉄道事故が全国で相次いでる。多くの乗客を高速で運ぶ鉄道は、いったん事故が起きると大惨事につながる。JRのみならず各鉄道会社は、42人の尊い命が凝縮した判決の意義を、いま一度噛みしめるべきであろう。(滋賀本社 渋谷哲也)
・後絶たぬ鉄道事故 教訓生かされず
 42人が死亡する大惨事となった1991年の信楽高原鉄道事故の後も鉄道事故は後を絶たず、この11年間に列車衝突などで死傷した乗客乗員は650人を超える。大半は単純な人為ミスが原因で、信楽事故の教訓は十分に生かされていない。
 信楽事故の翌年の92年11月には、長崎県の島原鉄道で正面衝突事故が起こり、73人が重軽傷を負った。赤信号で出発しており、信楽事故と同じ原因だった。
 大阪市のJR東海道線では今年11月、列車に接触した男性を救助中の消防隊員が後続列車にはねられ、2人が死傷した。現場にJR西日本の職員もいたが運転再開を知らず「連絡態勢の不備」が問題となった。25人が重軽傷を負った昨年6月の福井県・京福電鉄越前本線の列車衝突事故は運転士の信号無視が原因だった。衝突防止のためのATS(列車自動停車装置)を「予算がない」と設置していなかった。
 「運転士の感覚だけに頼った運行が事故の一因。指令所との連携やATSなど人と機械のバックアップを充実させなければ」と指摘するのは、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の佐伯洋首席鉄道事故調査官。その調査委にしても、信楽事故の遺族の声を受け事故から10年たった昨年10月にようやく発足している。
・義務違反認め妥当
 関西大商学部の安部誠治教授(遺族らでつくる鉄道安全推進会議副会長) 事故を未然に防ぐための報告義務・違反をJRに認めた、極めて妥当な判決だ。今後、他社線に乗り入れている別の鉄道会社にも確実な安全対策が求められるだろう。
・全面責任には無理も
 金沢工大の永瀬和彦教授(鉄道システム工学)貴生川駅はSKRとJRの共同使用駅。JR社員の運転士や貴生川駅助役がSKR線で業務を行う場合、指示を仰ぐのはSKRの上役であって、JRの上司ではない。判決のようにJR側に全面責任を問うているのは少し無理があると思う。
・解説
 控訴審判決は一審では認められなかったJR西日本の取締役である鉄道本部長の過失責任まで踏み込み、巨大企業・JRの組織としての過失責任を明快に指弾した。判決は現場担当者の駅助役らの報告義務違反にとどまらず、運用課長、安全対策室長、鉄道本部長というJRの安全対策部門の縦のラインのすべてに対し、過ちを一つひとつ指摘した。
・「対応検討する」 JR西日本
 信楽鉄道事故訴訟の控訴審判決で敗訴したJR西日本は26日夕、大阪市北区の本社で記者会見を開き、徳岡研三取締役鉄道本部長は「よく検討して今後の対応を決めたい」と述べた。
 会見の冒頭、徳岡取締役は「これまで続けてきた当社の主張が、裁判所にご理解を得られなかったことは残念だ。判決内容を十分検討しその上で今後の対応を決めたい」と、南谷昌二郎社長名のコメントを読み上げた。
 上告するかどうかについて、「今の段階ではするともしないとも言えない」と述べ、遺族への謝罪については「上告すれば謝罪にならない。上告しない場合は判決を受けることになり、その時に検討する」と明言を避けた。
・判決に敬意
 信楽高原鉄道の井上春絹社長 我が社が第一の責任者であることは間違いないが、JRにも過失があったという事故の実体を理解した判決に、敬意を表したい。(判決には)列車運行には教育訓練や異常事態への対応についてのじん速な連携が必要との指摘があり、SKRも反省しなければならない。命と安全を大切に思う心を職員に徹底させたい。(京都新聞)
■信楽鉄道事故控訴審判決 「JRは上告しないで」 全面勝訴に遺族ら安ど
 「うれしさで言葉にならない」「(JRは)犠牲者の前で頭を下げて」。26日、信楽高原鉄道(SKR)事故の民事訴訟控訴審判決で、大阪高裁は遺族側の全面勝訴を言い渡した。事故から11年以上たった今も「悪いのはSKR」と謝罪を拒否し続けるJR西日本に、司法はまたもその責任を明確にした。遺族はJRの誠意ある対応と事故の再発防止を心から祈った。
 「一審被告(JR西日本)の控訴を棄却する」。午後2時、太田幸夫裁判長の声が法廷に響いた。9人の遺族は「うんうん」とうなずきながら、裁判長の朗読する判決要旨に聞き入り、閉廷後、涙を浮かべて弁護士と握手した。
 高裁の建物内にある大阪司法記者クラブ(大阪市北区)で開かれた記者会見で、原告団長の吉崎俊三さん(69)=宝塚市=は「JRの謝罪がなく、苦痛な思いでこれまで戦ってきた。刑事事件(2000年3月判決)でJRの起訴がなかったのは残念だが、判決に安どした」と晴れ晴れと答えた。
 父親と長男を事故で同時に失った中島三木男さん(42)=信楽町=は「母親は『100パーセント勝利の判決だったらいいのにね』と言い残して今月14日に急逝した。すぐに家に帰って、仏壇の前で天国の3人に判決文を読み上げます」と涙ぐみ、JRが上告しないよう訴えた。
・安全対策こそ本当の謝罪 娘亡くした臼井さん
 「JRの謝罪の言葉はいらない。『JRの安全対策はすごいな』と思われるよう、態度で示してほしい」。事故で長女信子さん=当時(26)=を亡くした染色業臼井和男さん(63)は、26日の高裁判決の後、京都市右京区の自宅で言った。
 信楽事故の遺族らは鉄道事故を専門に調査する第三者機関の設置を訴え、93年8月、「鉄道安全推進会議(TASK)」を結成した。臼井さんは設立時から会長を務めている。
 国会でも発言し、遺族のケアと情報公開の重要性を訴えた。「娘の死をむだにしたくなかった」。地道な活動は、昨年10月、国土交通省に航空・鉄道事故調査委員会を発足させるきっかけとなった。
 一審に続き2度目の勝訴となったこの日だが、しかし、信楽事故の後もなくならない鉄道事故に複雑な心境を吐露する。「鉄道の安全対策はほとんど進んでいない。人を死なせて悪いと思っているなら、どれだけ努力しているか目に見えるかたちで表してほしい。それが本当の謝罪だ」。怒りであり、切実な気持ちである。(京都新聞)
■この人 秋田真志さん JRの責任を追及した信楽列車事故訴訟遺族弁護団事務局長遺族の願いはお金ではない真相を明らかにすること
 26日、大阪高裁の控訴審判決で、一審判決に続き、JR西日本の責任が認められた。「この11年余の苦労が報われた。JRはこれ以上、遺族を苦しめず、企業としてけじめをつけ、事故の再発防止を図ってほしい」と言葉に力を込めた。
 11年前。大惨事で叔父が犠牲になった司法修習の同期生から、遺族会が結成されれば弁護団をつくってほしいと依頼された。当時、弁護士になって3年目。知り合いに声をかけ、12人の弁護団が発足した。メンバーの過半数が弁護士経験5年末満。「動くしかない」と遺族宅への訪問、原因の調査・研究、警察・検察庁への働きかけ、車両の保存要請など、可能な限りの行動を続けてきた。
 活動方針の原点になったのは、メンバーが弁護団会議で紹介した精神科医の野田正彰さんの雑誌連載(後に岩波書店刊「喪の途上にて」)。遺族の願いは、肉親の命をお金に換えることではない、と。裁判の手続きを通して、事故の真相を明らかにするとともに、遺族の思いを訴え、実現しようと臨んだ。
 信楽訴訟を経験し、法律家の役割とは「法の実現の過程を通じて、人の心の納得を得ること」と確信できたと言う。
 小学3年生の時、潔白なのにいじめた側のひとりと学校で疑われ、苦しんだ原体験がある。東京大法学部在学中、免田事件の再審無罪など無罪判決が相次ぎ、刑事弁護を志望した。司法改革で導入される法科大学院(ロースクール)の講師に請われ、法曹の育成にも意欲を燃やす。妻と2人の子どもの4人家族。豊中市在住。39歳。(京都新聞)
■線路に木片放置 JR電車急停車 山崎駅、2500人影響
 26日午後4時10分ごろ、京都府大山崎町大山崎のJR東海道線山崎駅構内で走行中の姫路行き新快速電車の運転士が、線路内の放置物に気づき急ブレーキをかけたが間に合わなかった。運転士によると、放置物は長さ約30aの木片で、左側のレールをまたぐ形でまくら木方向に置かれ、木の上には砂利が載せられていたという。
 JR西日本では、このトラブルで同電車が現場に12分停車したほか、他に6本の後続電車が最長で約15分遅れ、約2500人に影響が出たという。(京都新聞)
■京都経済プレーバック 規制緩和 地域で明暗のバス路線
 タクシーやバス事業への新規参入や増減車、運賃改定などを緩和する改正道路運送法が2月に施行され、京都の交通業界でも、タクシーの運賃割引や路線バスの新規参入などの動きが広がった。
 初乗り運賃を割り引きしたのは3社。アオイグループ(京都市左京区)の2社と京聯自動車(南区)が市内最安運賃の初乗り2`570円に変更したが、追随する業者は現れず、値下げ競争が業界全体に広がるまでには至らなかった。
 京都旅客自動車協会の富田博専務理事は「運転手の労働条件の悪化や売り上げ減につながりかねないため、各社がバランス感覚を働かせたのでは」と分析する。大阪市内では、初乗り500円のワンコインタクシーが登場して話題を振りまいた。
 遠距離割引は導入例が相次ぎ、関西タクシー(山科区)や都タクシー(南区)など11社が5000円を超える料金の3割を値引きしている。新規参入は、エコロ21(中京区)の一社にとどまった。
 乗り合いバス事業には、エムケイ(北区)が、西大路通−北大路通と東大路通−七条通を循環する路線を申請し、新規参入。ヤサカグループ(下京区)も桂坂から洛西ニュータウンを経由し、JR向日町駅を結ぶ路線を申請した。ヤサカは近畿運輸局の認可を受け、来年1月14日の運行開始が決まったが、エムケイはバス停の確保で苦戦。「予定地周辺の住民らと交渉しているが、確保できたのは目標の4割程度」(経営企画部)で開業のめどが立っていない。
 バス路線の新設や廃止が届け出制になったことを受け、府内で23路線が廃止や休止となった。現在も3路線が廃止を予定しており、規制緩和によって、都市部とその他の地域で明暗が分かれている。(京都新聞)
■社説 信楽鉄道判決 素直に従い安全徹底を
 列車同士の正面衝突で死者42人を出した1991年の、信楽高原鉄道(SKR)事故をめぐる損害賠償請求訴訟の控訴審判決が大阪高裁であった。
 太田幸夫裁判長は、一審判決を支持してJR西日本側の控訴を棄却。「事故前に数回あった信号トラブルを、JR西の運転士らが知りながら上司に報告の義務を怠った」と、同社の鉄道本部長(当時)の過失責任を新たに認定したうえで、賠償額を一審判決より1000万円上積みした。
 JR西にとっては、全面敗訴であり、控訴自体に無理があったと言わざるをえない。
 事故はSKRの単線上で起きた。SKRの列車が出発地点の信楽駅で信号が赤に固定して変わらないまま発車。JR西の列車も、すれちがい場所にSKRの列車が到着してないのを認識しながら、信号が青だったのでそのまま進行、衝突した。
 乗客の遺族らが93年、JR西とSKRに損害賠償を求め大阪地裁に提訴。一審はJRの責任を認め、両社に計5億円の支払いを命じたが、JR西側が控訴していた。
 JR西の運転士は刑事事件では不起訴となったが、事故前の信号トラブルは認識していた。さらに、JR西はSKRとともにトラブルの原因を「不明」としたままで究明しなかったというのだから、責任が全く問われないことなどありえまい。
 控訴理由でJR西は「他社の線区(SKR)上で運行する場合、高度な注意義務はない」「信楽駅の信号赤固定は予見できなかった」とも主張していた。しかし、線区の所有がだれにせよ、自社の運転士と車両を使って乗客を輸送する場合、区間上では最大限の安全確保義務が生ずるのは、当然ではなかろうか。
 高裁判決は、これらの主張には触れず「信号などで起きた事前の異常やトラブルの報告体制を確立していれば、事故は予測できた」と、JRの指揮命令系統の不備をとらえ組織の欠陥を指摘した。論旨明快で妄当な判決といってよい。
 事故発生からすでに11年、裁判が始まってからでも9年が過ぎた。遺族らの苦悩は、時間に比例して深い。JR西は高裁判決を真しに受け止め、上告はあきらめるべきだ。
 JR西では先月、東海道線尼崎駅近くの線路わきで救護活動中の救急隊員が特急列車にはねられ死亡する事故があった。後にJRのミスで特急の運転士に、救護活動の情報を伝えていなかったことが判明、安全確保のあり方に批判が集まった。
 「のど元過ぎて−」の、油断がなかったか。最近は、踏切事故などで必要以上とも思える長時間の列車遅延もたび重なっている。このままでは、JR西の評価は下がるばかりだ。判決を、乗客の信頼回復と安全徹底への機会ととらえ、組織のたがを締め直してもらいたい。(京都新聞)
■信楽事故控訴審 11年半 謝罪なき勝利 安全対策、求め続け
 42人の命を一瞬のうちに奪った惨事から11年あまり。大阪高裁で26日に言い渡された信楽高原鉄道事故の控訴審判決は、安全を軽視したJR西日本の体質を改めて断罪した。役員の監督責任にまで踏み込んだ内容に、遺族たちは笑みを浮かべ、法廷で手をとりあった。しかし、再発防止に取り組むべきJRからは、この日も、謝罪と反省の言葉はなかった。
 信楽高原鉄道事故で足や肩の骨を折る重傷を負った中島いとさん=滋賀県信楽町黄瀬=は今月14日、心不全のため77歳で亡くなった。あの日から11年半。判決を心待ちにしていたいとさんが、JR西日本から謝罪の言葉を聞くことはついに、なかった。
 自宅は事故現場から2`しか離れていない。当日は、夫の治三郎さん(当時63)、2歳だった孫の未晴ちゃんと3人で信楽高原鉄道(SKR )の列車に乗っていた。600人以上のけが人の中では最も長い1年7ヵ月の入院を余儀なくされた。夫と孫の死は、病院のベッドで聞かされた。
 いとさんの息子の三木男さん(42)は自宅にいた。「テレビつけてみろ」という友人からの電話で事故を知った。病院を尋ね歩いてやっと見つけた未晴ちゃんはすでに亡くなっていた。血を流しながらも穏やかな顔つきだった。
 今年5月14日、いとさんは事故現場わきの慰霊碑前で営まれた追悼式に、つえをつきながら参列した。11年前と同じようにさわやかな五月晴れ。「事故の後もここまで生かしてもらって…。来年は来られるかどうかわからんけどね」と言葉少なに話した。
 三木男さんはいとさんと一緒に26日の判決を聞くはずだった。いとさんは「今度で裁判は最後にしたい」と何度も話していたという。JRの責任を改めて認めた判決に、三木男さんは母の喜ぶ顔を思い浮かべた。亡くなった父と息子の墓前にも報告する。
 「みんな年をとっていく。JRには絶対に上告してもらいたくない」
・JRは遺族の願い聞け
 《解説》26日の大阪高裁判決は、運転士から役員までの過失を認め、JR西日本の責任を厳しく指摘した。現場のトラブルを上層部に伝える体制ができていなかったJRの安全対策システムを欠陥と断じる内容だ。
 太田幸夫裁判長は繰り返し「JRが注意義務を怠っていなければ事故の発生は防げた」と述べた。刑事訴訟でJR側が訴追されなかったことから責任追及のために民事訴訟を起こし、「事故は未然に防げた」と訴え続けた遺族の主張を認めた形だ。
 今回の判決で、民事裁判での一審・大阪地裁判決(99年)、SKR側だけが起訴された刑事裁判での大津地裁判決(00年)に続き、司法判断でJRの責任が3度指摘されたことになる。
 判決が鉄道部門のトップの過失にも触れてJRの責任を指摘したことで、遺族は「なぜJRの刑事責任を追及できなかったのか」と割り切れない気持ちも抱いている。罪に問われるのが主に犯罪の実行行為者や命令を下した人になる刑事訴訟の限界ともいえる。一方、民事訴訟が被害者にとって責任追及の手立てになることも改めて示された。
 事故から11年。JRは事故責任についていまだに遺族に謝罪していない。判決をせめて今後の安全対策に生かして欲しいと願う遺族の声を、JRは真剣に受け止めるべきだ。(社会部・中野晃)
・手握り合い 「安心した」
 大阪高裁の法廷では、遺族の代表9人が傍聴した。「控訴棄却」の主文を聞き、互いに手を握りあい、うなずきあった。
 判決後、記者会見した「遺族の会」世話人代表の吉崎俊三さん(69)は「JRの責任を認めてくれ、遺族として安心できる判決だ。明日にでも、亡くなった人々の墓前に報告したい」と語った。国府泰道・弁護団長は「JR西日本は遺族に謝罪し、判決を今後の安全対策に生かすことを求める」とする声明文を読み上げた。
 傍聴席には、昨夏の兵庫県明石市の歩道橋事故の遺族で、警察や行政の責任を追及している神戸市の下村誠治さん(44)の姿もあった。笑顔で法廷を出た吉崎さんに「私たちもこの判決にパワーをもらいました」と話しかけた。
・「早く判断する」 JRが会見
 JR西日本の徳岡研三・専務鉄道本部長は判決後、大阪市北区の本社で記者会見し、上告について「できるだけ早く決めたいが、来月9日の期限までに判断する」と述べた。遺族らへの謝罪の言葉はなかった。
・信楽高原鉄道事故 世界陶芸祭が開催されていた滋賀県信楽町の信楽高原鉄道の単線で91年5月14日、JR線から乗り入れた京都発信楽行きの下り臨時快速列車と、信楽発貴生川行きの上り普通列車が正面衝突し、死者42人、重軽傷者614人を出した。滋賀県警はSKR側の元運転主任ら3人を送検、JR西日本の運転士も書類送検したが、大津地検はSKR側の3人だけを業務上過失致死傷などの罪で起訴。JRの運転士と同社幹部らは嫌疑不十分で不起訴処分とした。大津地裁は00年3月、起訴された3人に執行猶予付きの禁固2年〜2年6ヵ月の有罪判決を言い渡し、確定。(朝日新聞)
■信楽鉄道事故 JRの控訴棄却 大阪高裁 「安全対策怠った」
 滋賀県信楽町の第三セクター・信楽高原鉄道(SKR)で91年5月、乗り入れたJR西日本の列車とSKRの列車が正面衝突し、計656人の死傷者を出した事故で、死亡した乗客9人の遺族23人がJR西日本に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が26日、大阪高裁であった。太田幸夫裁判長は「SKRに是正を申し入れていれば事故の発生は防げた」と述べてJRの責任を認め、JRの控訴を棄却した。
 太田裁判長は、事故前に信号システムの故障が3度あり、その対応でSKRに違反行為があったことをJRの運転士や助役らは知っていたと指摘。運転士らについて「上司に報告する義務があったのに怠った」と述べた。
 JR役員の鉄道本部長についても「社内の報告体制を確立するよう指導・監督する義務があったのに怠った」と述べ、過失を認めた。
 遺族はSKRとJRに総額約11億円の損害賠償を求めて93年に提訴。一審判決は両社に総額約5億円を賠償するよう命じた。JRの控訴に伴い、遺族側はJRに対して約1億円を増額請求し、約1000万円が認められた。賠償総額は約5億1000万円となり、このうち、約5億円が両社の連帯分、残りの約1000万円がJRの負担分となる。(朝日新聞)
28日■JR西指令員ら立件へ 救急隊員死傷大阪府警 業過致死傷容疑で
 JR東海道線の救急隊員死傷事故で、大阪府警淀川署捜査本部は27日までに、現場の危険な状況を把握せず、通常運転を再開した判断に誤りがあったとみて、業務上過失致死傷容疑で、JR西日本新大阪総合指令所の指令員と現場にいた尼崎駅員を立件する方針を固めた。既にJR内の連絡ミスが重なり、事故につながったことが分かっており、捜査本部は当時の具体的なやりとりについて指令員らから事情を聴いている。(京都新聞)
■大みそか終夜運行 京都市バス・地下鉄
 京都市は、初もうで客の便宜を図るため、大みそかから元日早朝にかけて、市バス、地下鉄を例年通り終夜運行する。
 市バスは大みそかの午後9時ごろから元日午前5時ごろにかけ、JR京都駅、四条大宮、出町柳などから北野天満宮、平安神宮、八坂神社、清水寺などへ向かう特50号、特201号、特206号の各系統の便を臨時運行する。10−25分間隔で運行し、主要な停留所にのみ停車する。
 地下鉄は元日午前零時から烏丸線、東西線とも終夜運行する。両線ともほぼ20分間隔で計56本を走らせる。(京都新聞)
■古里へ 余裕の帰省 開空シャトル便は好調
 年末年始の帰省、旅行ラッシュが28日から始まった。帰省の分散化が定着、大きな混雑はなかったが、同日から9連休の人も多く、JR京都駅では大きな荷物を抱えてふるさとへ向かう列車に乗り込む家族連れも見られた。帰省のピークは29日になる見込み。
 JR西日本やJR東海などによると、同日午前中の新幹線は東京発博多行きで最高140%となったが、在来線では大阪発富山行きの「サンダーバード1号」の80%が最高だった。JR京都駅の山陰線ホームでも特急の自由席が込み合う程度。府内の高速道路なども大きな渋滞は出ていない。
 年末年始を海外で過ごす出国ラッシュも始まった。弥栄自動車によると、京都から関西国際空港へのシャトル便はテロ事件の影響で低調だった昨年と比べ4−5倍の利用増となっているという。
 帰省からのUターンのピークは1月4日と予想されている。(京都新聞 夕刊)
■車と特急衝突 2人が即死 橋本、南海高野線の踏切
 28日午前8時55分ごろ、和歌山県橋本市御幸辻の南海高野線「林間田園都市5号踏切」(警報機、遮断機付き)で、橋本発難波行き特急「りんかん6号」(4両編成)が軽ワゴン車と衝突。乗っていた男性1人、女性1人が即死した。特急の乗客ら約60人にけがはなかった。
 この事故で、同線は橋本−林間田園都市間が約3時間不通となった。
 橋本署の調べでは、遮断機の下りていた踏切に、軽ワゴン車が突っ込んだらしい。特急は軽ワゴン車を押しつぶす形で、約260b先で止まった。
 現場は御幸辻駅の北約200b。(朝日新聞 夕刊)
29日■青鉛筆
 プロ野球阪神のキャンプ地・高知県安芸市を走る土佐くろしお鉄道・阿佐線に来年、車体をトラの縦じま模様にしたタイガース列車がお目見えする。
 市民団体「安芸は元気かい」(小松計夫会長)が、ファンサービスにと同鉄道に働きかけた。「V」の文字も車体に描かれる。本格的な運行開始は2月1日のキャンプ初日になる予定。
 安芸で38年間続いてきた春季キャンプは、来年から1軍が前半だけ沖縄に移る。小松会長らは「キャンプ地を”トラ”れてしまわないよう盛り上げていきたい」。(朝日新聞)
30日■春と夏好調維持 82万7000人運ぶ 嵯峨野トロッコ 列車、今年の乗客
 名勝保津峡を走る嵯峨野観光鉄道トロッコ列車の今年の最終列車が29日夕、亀岡市のトロッコ亀岡駅から京都市右京区のトロッコ嵯峨駅まで運行した。今年の乗客は約82万7000人で、1991年の開業以来最多となった。
 今年は桜の開花が早く3月の乗客数が対前年比で3割増となった。7−9月も前年実績を上回り、2000年の82万5000人を超える記録となった。
 トロッコ列車は毎年3月1日から12月29日まで、嵯峨−亀岡間を1日8往復している。厳寒期の12月30日から翌年2月いっぱいは運休となる。
 トロッコ亀岡駅を午後4時56分に出発した最終列車には、駅員たちの見送りを受け、観光客らが乗り込んだ。(京都新聞)
■米原−尼崎間 JR1時間不通 男性はねられ死亡
 29日午後9時25分ごろ、大阪府吹田市岸辺南一丁目のJR東海道線岸辺駅で、男性がホームから転落し網干発野洲行き快速電車(8両編成)にはねられ即死した。JR西日本によると、東海道線は事故後、上下線とも米原−尼崎間の運転を見合わせたが、午後10時40分ごろまでに上下線とも運転再開。男性をはねた電車も同10時20分ごろ、運転を再開した。(京都新聞)
■京日記
 京都市下京区の梅小路蒸気機関車館で29日、「鉄道友の会京都支部」の会員が蒸気機関車(SL)やチンチン電車の前面にしめ縄飾りを取り付け、SLが迎春準備を整えた。
 開館以来続く恒例行事で、今年で30回目。冷え込みの中、会員ら約40人がしめ縄作りに取り組み、ウラジロや色鮮やかな橙を添えて、黒光りする計17両のSLなどに飾りつけた。
 参加した大阪府島本町の田中芳史君(6つ)は「楽しかった」と、お気に入りのD50形機関車の前で満足そう。島本由紀事務局長(47)は「来年は機関車のように力強く進む世の中に」と。(京都新聞)
■東海道線 人身事故で2万人に影響
 29日午後9時25分ごろ、大阪府吹田市岸辺南1丁目のJR東海道線岸辺駅構内で、網干発野洲行き快速電車(8両編成、乗客約350人)に男性がはねられ、死亡した。JR西日本は米原−尼崎間の運転を全面的に見合わせたが、午後10時38分までに再開した。上下25本が運休し、60本が最大で約80遅れ、約2万人に影響が出た。JR西日本によると、男性はホームから線路内に入り、非常ブレーキをかけたが間に合わなかったという。(朝日新聞)
31日■JR西が上告断念 信楽鉄道事故 遺族の勝訴確定へ 心情配慮し決定 二審敗訴受け
 42人が死亡し、614人が重軽傷を負った1991年5月の信楽高原鉄道(SKR)事故をめぐり、うち9人の遺族が損害賠償を求めた訴訟の控訴審で敗訴したJR西日本は30日、上告しないことを決めた。提訴から約9年で原告の勝訴が確定する。
 同社の南谷昌二郎社長は大阪市の本社で記者会見し「(控訴審)判決の内容は残念。受け入れがたい点もあるが、遺族の心情を思うと、これ以上争うのは適切でないと判断した。被災者と遺族にあらためておわびする」と述べた。遺族への謝罪の場を設けるかどうかについては「検討したい」との意向を示した。
 26日の大阪高裁判決は、JR西とSKRに計約5億円の支払いを命じた一審の大阪地裁判決(99年3月)を支持し、JR西の控訴を棄却した。
 JR西の責任については「事故前の信号トラブルをJR西の現場は知っていたのだから、報告体制を確立していれば(SKRに)是正を申し入れるなどして、事故発生を防ぐことができた」と指摘。鉄道事業責任者の鉄道本部長らの過失を認定した。
 30日の会見で、南谷社長は承服しがたい点として鉄道本部長らの過失認定を挙げたが、一審判決が認定した「衝突したJR西の列車運転士の過失」と「JR西が設置した信号設備に関する過失」に控訴審判決が触れなかったことは評価。「当社の主張に理解が得られた」とも述べた。
 事故は滋賀県信楽町のSKRの単線上で起きた。信楽駅で信号異常が起きて、SKRが赤信号のまま列車を進行。待避線がある信号揚でJR西の臨時列車とすれ違うはずだったが、JR西の列車は青信号に従い、信号場を通過し、SKRの列車と正面衝突した。
 遺族は93年10月、両社に損害賠償を求めて提訴していた。
・早期解決を重視
 南谷昌二郎・JR西日本社長の話 判決は、信楽高原鉄道の違反行為について、当社の報告体制が確立していなかったと指摘するが、安全運行に関しては各鉄道事業者が責任を持って努めるべきだ。
 だが、当社の列車に乗った客が死亡したことは事実。遺族の心情を思い、早期解決の観点から上告をやめた。今後、安全への取り組みに一層力を入れ、事故防止に万全を期したい。
・遅きに失した対応
 30日、信楽高原鉄道事故訴訟の上告断念を発表したJR西日本の南谷昌二郎社長は「遺族との紛争を終結させたい」と述べた。「紛争」解決はこれ以上失点を重ねないためとみられるが、遅きに失した感は否めない。
 一審判決は、青信号に従って進行し、信楽鉄道の列車と衝突したJR西の列車運転士の過失を認めた。JR西は「運転士が信号機に従って進行するのは鉄道の基本。信号機を疑ったら、列車の運行管理は成立しない」(同社幹部)と反発してきた。
 控訴審判決は運転士の過失を判断せず、信楽鉄道の信号トラブルを知りながら上司に報告しなかったJRの現場社員と、安全にかかわる重要な報告体制を確立していなかった組織の過失を認定した。南谷社長は運転士の過失が消えたことを評価するが、現場と組織双方の責任を認めた控訴審の方がよりJR西に厳しいと指摘する意見もある。
 11月に起きた東海道線の救急隊員死傷事故は、JR西にとって大きな失点となった。本社を家宅捜索され、現場の状況を把握せずに運転再開を指示した指令員らの刑事責任追及に向けて捜査が続いている。
 約9年に及ぶ訴訟を「紛争」と表現された遺族はどんな思いだろう。安全重視を訴える遺族と和解を模索することもなく「紛争」を続けたツケは大きい。(解説)
 信楽高原鉄道事故 1991年5月14日午前10時35分ごろ、滋賀県信楽町の第三セクター信楽高原鉄道(SKR)の単線上で、SKRの上り列車(4両)と信楽町で開催中の「世界陶芸祭」に合わせて乗り入れたJR西日本の下り臨時列車(3両)が正面衝突。乗客ら42人が死亡、614人が重軽傷を負った。
 当時の運転主任らSKR 社員2人と信号設備会社社員1人が業務上過失致死傷などの罪に問われ、執行猶予付きの禁固2年6月12年の判決が確定。大津検察審査会はJR西幹部や運転士らの不起訴不当を議決したが、両社と担当者が無届けで信号設備工事をしたとして、鉄道事業法違反罪で略式起訴され、罰金刑となっただけで、幹部らの不起訴は変わらなかった。(京都新聞)
■長い道 やっと区切り 信楽事故訴訟 JR上告断念 「当然の判断だ」 11年半 遺族ら重い複雑
 信楽高原鉄道事故の民事訴訟でJR西日本が上告をしないことを表明した30日、遺族らは喜びの声を上げて歓迎する一方、「やっと終わった」と事故発生から11年半がたち、JRが責任を認めるまでの長い道のりを複雑な思いで振り返った。
 妻をなくした原告団長の吉崎俊三さん(69)=宝塚市=は「長すぎた。JRの謝罪がないことで、遺族の苦しみは募っていった。一つの区切りがついた」とホッとしていた。
 事故後、遺族が中心となって結成した民間団体「鉄道安全推進会議」(TASK)の臼井和男会長(63)=京都市右京区=は「遺族としては大ばんざいだが、TASKとしては終わりではない。鉄道事故は続出している。遺族の声を生かして再発防止に取り組んでもらうため、これからはJRと協力したい」と力強く話した。
 遺族側弁護団の事務局長で、秋田真志弁護士(39)は「当然の判断だ。鉄道本部長の過失を認定し、企業責任を明確に指摘され、言い逃れできないと思ったのではないか」と述べた。
被害者に沿う判断
 信楽高原鉄道(SKR)の井上春絹社長の話 JR西日本の法的責任を認めた控訴審の判決を受け、JR西日本が上告を断念したことは、長年ご苦労いただいた被害者のお気持ちに沿う判断と思う。今後、当社としても、公共交通機関として、引き続き安全運行に努めてまいりたい。
謝罪遅すぎる
 ノンフィクション作家・佐野真一さんの話 遺族の心情を考えれば、争わないとの判断は遅きに失したくらいだ。信楽高原鉄道が早くから被害者に謝ったのに、JRがたったこれだけの謝罪の言葉を表明するのに11年半もかかっている。事故後すぐに、おわびの行脚をしてもいいくらいだった。信楽高原鉄道のせいで、とばっちりに遭ったという被害者意識がある。こんな体質のままだと、また同じような事故が繰り返される感じがする。
・保安の責任は別だ
信楽鉄道事故・訴訟の経過
91年5月14日JR西日本の臨時列車と信楽高原鉄道(SKR)の列車が正面衝突し、42人が死亡、614人が重軽傷
92年5月14日一周忌慰霊法要で「私どもの列車のお客さまが亡くなられたことについておわびする」とJR西社長(当時)
  12月3日滋賀県警が業務上過失致死傷容疑などで、当時のSKR運転主任ら3人を逮捕
    4日当時のJR西運転士も書類送検
    7日遺族が業務上過失致死傷容疑などで、当時のJR西社長ら7人を告訴
    24日SKR運転主任ら3人起訴
93年3月18日鉄道事業法違反の罪でJR西とSKRを略式起訴、JR西の社長や運転士らは不起訴となり、JR西は「厳正な捜査の結果が出た」とコメント
  10月14日遺旗が両社に損害賠償を求めて提訴、JR西は「JRに事故の直接的な責任はない」と主張
99年3月29日民事訴訟判決で大阪地裁が両社に総額約5億円の賠償命令、JR西の専務鉄道本部長(当時)は「謝罪は今のところ考えていない。事故はすべてSKRの責任」とコメント
    31日JR西が控訴
00年3月24日刑事裁判で大津地裁が3人に禁固2年6月−2年、執行猶予3年の判決(確定)
02年12月26日民事訴訟の控訴審判決で、大阪高裁がJR西の控訴を棄却
    30日JR西が上告断念を発表
 交通評論家・角本良平さんの話 被害者に対する人情諭でJR西日本が上告を取りやめるのは結構だが、保安の責任については筋を通してもらいたい。信楽高原鉄道の線路上を走っている限り信号(に従うの)は絶対。社会的な立場からごめい福をお祈りするが判決には不服との姿勢をJRははっきり打ち出すべきだ。
「紛争を集結」優先 JR西社長 顔こわばらせ
 「当社の駅で乗車券を購入し、当社を信頼して当社の列車に乗車したお客さまが亡くなったことは、動かしがたい事実」。信楽高原鉄道事故から約11年半。30日、JR西日本の過失を認めた控訴審判決を受け入れ、上告断念を発表した同社の南谷昌二郎社長は顔をこわばらせてコメントを読み上げた。その後、記者の質問に早口で答え、苦笑いする場面もあった。
 大阪市北区の本社4階に設けられた記者会見場。南谷社長は徳岡研三専務執行役員兼鉄道本部長を伴い、足早に現れた。「被災者、遺族にあらためておわびします」。深々と頭を下げた2人にフラッシュが一斉に浴びせられた。
 「遺族の心情を思うとき、解決を長引かせるのは本意ではない」。南谷社長はほとんど一人で、ときおり手元の資料を見ながら断念の理由を説明。遺族への思いを問われ「判決受け入れこそが私たちの気持ちそのもの」と述べた。
 控訴審判決について「受け入れがたい点もあるが、紛争を終結させたいということ」と繰り返し、納得のいかない様子も。
 鉄道事業のリーディングカンパニーとしての責任をただされたときは「運行管理という面で(会社の規模の)大小は関係ない」と語気を強めた。(京都新聞)
■信楽事故訴訟 JR西、上告断念 SKRと5億円賠償へ
 91年に起きた信楽高原鉄道(SKR)事故の遺族らが、JR西日本に損害賠償を求めていた民事訴訟で、JR西日本は30日、同社の過失責任を認めた今月26日の大阪高裁判決を受け入れ上告を断念した、と発表した。遺族側も上告しない方針で、判決が確定すると、JR西日本はSKRとの連帯分約5億円に加え、高裁判決が追加を認めた約1000万円を賠償することになる。
 記者会見した南谷昌二郎社長は「当社の列車の乗客が亡くなったのは動かしがたい事実であり、これ以上解決を長引かせるのは本意ではない。早期解決を願って上告しないこととした。遺族に改めておわびしたい」と述べた。遺族側が希望している直接謝罪については「今後検討したい」と明言を避けた。
 事故は91年5月に発生。滋賀県信楽町のSKR線で、JRから乗り入れた臨時快速列車と、SKRの普通列車が正面衝突し、42人が死亡、614人が重軽傷を負った。死亡した9人の遺族がJRとSKRを相手取り、93年に提訴した。
 一審・大阪地裁は99年、JRとSKRに対し連帯して約5億円の損害賠償を命じる判決を出し、SKRは控訴しなかったため敗訴が確定した。しかしJR西日本は「責任は現場を管轄するSKRが全面的に負うべきで、JRは事故を予見できなかった」として控訴していた。しかし大阪高裁は、「事前にSKR線で信号トラブルが起きていたのをJRの社員は知っていたのに報告を怠った」と、JR側の過失を改めて認定し、同社の控訴を棄却した。(朝日新聞)
■きょうお別れ ミカン畑のミニ鉄道
 ミカン畑の中を走るミニ私鉄として知られる和歌山県の有田鉄道(本社・吉備町)が31日の運転を最後に、金屋口−藤並間5.6`の路線を廃止、87年の鉄道事業の幕を閉じる。
 ここ数日、廃止を惜しむファンらが各地から詰めかけている。30日には、臨時便を出す混雑ぶりで、駅周辺や沿線では、カメラやビデオを構える人たちでごった返した。
 1915(大正4)年にミカン輸送などを目的に開業。60年代半ばの最盛期には年間約160万人を運んだが、最近では1日の乗客が20〜30人だった。
 31日は混雑が予想されるため、片道有効の整理券を発行。1日2往復の定期便のほか、5往復の臨時便を増発し、最終便は午後4時藤並発となる。(朝日新聞)
■信楽事故JR上告断念 11年7ヵ月 ようやく区切り「誠意なし」なお不満
 信楽高原鉄道事故から11年7ヵ月。JR西日本が30日、上告断念を表明した。同社の過失責任を認める大阪高裁判決が確定することになる。遺族らは長い闘いに区切りがついたことで、ほっとする一方、JR側に誠意ある謝罪の姿勢が見られないと批判する声も相次いだ。
 妻佐代子さん(当時53)を亡くした「遺族の会」世話人代表の吉崎俊三さん(69)=兵庫県宝塚市=は「これで責任追及は一応終わった。年内に判決確定が決まってよかった。でも言い訳してから謝罪する仕方には、誠意が感じられない」と、改めてJRに謝罪を求めた。「お父さん、これで一段落ついたね」。伊原いとさん(75)=京都市伏見区=は、夫の一男さん(当時65)の仏前に報告した。「足を悪くして、上告されたらもう裁判に行けないと思っていた。本当に良かった」と静かに語った。
 妻辰子さん(当時52) を失った中原邦夫さん(68)=神戸市東灘区=も、JRの姿勢は納得できない。「でも、ようやく一区切りつき、明るい正月を迎えられる」
 遺族らで作る鉄道安全推進会議(TASK)会長で、長女信子さん(当時26)を亡くした臼井和男さん(63)=京都市右京区=は、自らの非を認めないままの謝罪には釈然としないが「これで平穏な日々に戻れる。JRが乗客の安全を少しでも考える会社に生まれ変わってくれれは」と願う。
 事故で父治三郎さん(当時63)、長男未晴ちゃん(当時2)を亡くした中島三木男さん(42)=滋賀県信楽町=は「上告しないのは当たり前。遺族の心情や早期解決を理由に断念するなら、一審でやめておくべきだった」と胸の内を語った。
 原告団と被害者弁護団は「遺族が高齢になっており、紛争の長期化を避けられたことは喜ばしい。JRには信楽事故の教訓を今後の安全対策に生かすことを求める」との共同声明を発表した。
「早期解決願い」 JR西社長
 JR西日本は30日午後、大阪市北区の本社で会見を開いた。信楽事故訴訟に関する会見には初めて姿を見せた南谷昌二郎社長は上告断念のコメントを読み上げたあと遺族らに謝罪。断念の理由について「遣旗との紛争を早期に解決したいとの考えから」と繰り返した。
 南谷社長は一方で「他社の線路への安全管理責任の範囲を広げすぎている気もする」と判決内容への不満もにじませた。
 約5億円の賠償金はJR西日本と信楽高原鉄道が連帯して支払うことになる。負担割合は今後話し合うという。(朝日新聞)
■転落事故で電車43本運休 JR北新地駅
 30日午後6時20分ごろ、大阪市北区梅田1丁目のJR東西線北新地駅で、兵庫県西宮市の男性(60)がホームから転落し、同駅に入ってきた松井山手発西明石行き普通電車に接触。男性は右腕などにけが。天満署の調べでは、男性は酒を飲んで帰宅する途中で、過ってホームから転落したらしい。
 この事故で、下り線は約1時間運行を停止し、上下43本が運休、約1万5000人に影響がでた。(朝日新聞)
■年忘れ?? 目覚まし忘れ JR横浜線 車掌寝坊し2本運休
 神奈川県相模原市のJR横浜線橋本駅で30日、午前8時18分に出発予定だった同駅発東神奈川行き普通電車(8両編成)の男性車掌(22)が乗務に間に合わなかったため、この電車を含めた2本が運休した。帰省客ら約800人に影響が出た。車掌は「目覚まし時計をかけ忘れて寝過ごした」と話しているという。
 JR東日本横浜支社によると、車掌は午前7時42分に八王子駅構内の車掌区で乗務前の点呼を受け、電車で橋本駅に向かうことになっていた。点呼の時間に出勤しなかったため、上司が社員寮に電話をかけると寝ていたという。車掌区で別の車掌を手配しようとしたが間に合わなかった。同社は「今後このようなことがないように社員教育を徹底したい」と話している。(朝日新聞)
■安さ一番ゆっくり旅 大阪−東京往復1万円 バス/青春18きっぷ 女性・中高年 お得意様
 年末年始の帰省や旅行シーズン。大阪−東京を1万円前後で往復できる高速バスや、普通、快速列車を格安で利用できる「青春18きっぷ」が人気を集めている。新幹線や航空機に比べ時間はかかるため、若い男子学生向けのイメージが強かったが、最近は女性や中高年層の利用も目立つ。不況の影響か、時間より節約を選ぶ傾向が広がっているようだ。
 JR大阪駅南側の高速バス乗り場。午後9時前になると、東京駅行きの夜行バス「青春ドリーム号」を待つ人たちが次々と集まってくる。JR西日本グループの西日本JRバスが1年前から運行を始めた。
 片道5000円と、通常の夜行便より3610円安い。夜行用のバスは、1人がけのゆったりした座席に、毛布やスリッパなどのサービスが付くのが一般的だが、「青春ドリーム号」は、座席を2人がけにして車内の定員を増やし、サービスも省いて低価格化を図った。
 大阪府内の会社員松本真次さん(22)と三橋範之さん(27)は、休暇を利用して東京へ向かう。「新幹線とは比べものにならないぐらい安くてありがたい。得したお金で良いものを食べます」
 平均乗車率が9割を超える人気で、JRバスは今月20日、東京行きの奈良・京都発着の便も増設した。「利用者は6対4の割合で女性が多い」(同社)。東京デイズニーランド(千葉県)やユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市)への観光に利用する人が多いらしい。平日は背広姿の会社員の姿も目立つという。
 同じく1年前に登場した長距離バス「東海道昼特急」は、中高年層の利用が多い。渋滞に巻き込まれなくても大阪−東京間で約7時間半かかるが、「新幹線の2倍以上かかるのんびり感が、退職後に旅を楽しむ年配の男性や主婦層にはかえって受けたようだ」と担当者は驚く。
 「途中で買い物を楽しみたい」との声も多く、JRバスは今月20日から増便した2往復のうち1往復を「ゆったり号」と名付け、浜名湖サービスエリア(静岡県)での休憩時間を従来の15分間から45分間に延ばした。
 12月1日から発売された「青春18きっぷ」の売れ行きも好調だ。82年から毎年春、夏、冬休みに発売されており、この冬は来月10日まで。全国のJRの普通・快速列車に乗り放題で1万1500円。1枚で5回(人)使え、1回で1日有効だ。JR東海では今月20日までに1万8500枚売れ、前年より5%増えた。
 「青春」の名の通り、従来は若者の自由旅行を想定して企画された切符だが、年齢制限はなく、最近はむしろ中高年層の利用が伸びている。50歳以上の人の利用が40%を超えている。
 JRは「発売から20年たち、きっぷの認知度が中高年層にも高まってきた。目的地を決めないのんびり旅や、グループ旅行にも活用されているようだ」とみている。
お帰りピーク 4日ごろ
 近畿地区の鉄道は30日、年末年始を故郷で過ごす人たちの帰省ラッシュで込み合った。高速道路では目立った渋滞はなく、飛行機の国内便も空席が目立った。JRと高速道路のUターンの混雑ピークは4日ごろになると見られる。
 JR西日本によると30日、在来線で最高250%、新幹線では最高150%の乗車率となった。29、30の両日が帰省ラッシュのピーク。19日現在で、4日の予約率は76%だという。(朝日新聞)