2002(平成14)年 3月


1日■京都市バス 民間委託を拡大 赤字解消策で市長表明(京都)
  ■近畿運輸局 2循環路線を認可 9日から京阪バス 醍醐と山科で(京都)
  ■市原−出町柳 通勤時に倍増 叡電、10日から(京都)
  ■京福電鉄線路上に清掃車が立ち往生 右京、5本が遅れ(京都)
  ■市バスの系統何通り?番号の意味は… 基本は1−208、計72系統 運行開始順 200番台は旧市電(京都)
  ■ユニバーサルシティ駅1年で650万人 USJ入場者半数以上JR(朝日)
2日■降りて歩いて 53 京阪五条駅(京都市東山区五条大橋東詰) 清水焼の伝統 今も息づく(京都)
  ■幼稚園児ら歓声 トロッコ列車運転を再開(朝日)
3日■JR長岡京市西口再開発 核店舗に平和堂内定 マイカル撤退後、1年ぶり始動 住宅は近鉄不動産(京都)
4日■JR山陰線 右京と亀岡で事故相次ぐ 乗客8300人の足乱れる 架線にビニール・遮断棒倒れる 29本、運休や遅れ(京都)
  ■信号機が故障 2600人に影響 JR長岡京駅構内(京都)
  ■架線に障害物 JR一時運休 右京と亀岡で(朝日)
  ■JR長岡京で信号が故障 2600人に影響(朝日)
  ■KTR故障、乱れる(京都)
  ■ひかりが緊急停車(京都)
  ■ブレーキ故障 ひかりが停止 兵庫・太子町(朝日)
  ■信号トラブル 御堂筋線遅れ(朝日)
5日■京都市屋外広告物条例 バス、電車も規制へ 都計局が改正検討 交通局は継続方針(京都)
  ■阪急に株主訴訟へ 高架工事の自治体負担 「利益計上は違法」(朝日)
  ■声 割安新幹線券 もっと便利に 会社員 榎本一彦(愛媛県今治市 54歳)(朝日)
6日■京都バスと乗用車衝突 八瀬、乗客ら3人けが(京都)
  ■京都バスと車、正面衝突 左京、乗客ら3人けが(朝日)
7日■京都市バス 今秋までに再建計画 市交通局方針 審議会、市民参加に(京都)
  ■御土居ものがたり 37 京都駅誕生に伴う悲劇 鉄道敷設事業で開拓の苦労が水の泡に(京都)
  ■市バス、民間委託拡大へ 経営改善へ 今秋から(朝日)
  ■六甲山上にレジャー施設 阪神電鉄など来年4月から 欧風カフェ、展望塔など(朝日)
8日■リストラの本質に迫る 撮影15年の国労ビデオ 24日、京で初上映(京都)
  ■疏水舟運復活「大津−京都間で」 大津市長 京都市計画に異論(京都)
  ■取材ノートから 八日市の近江鉄道線、市民参加で計画進む 「エコ駅」新設取り組み注目 里山体験と連動 プログラム充実など課題 八幡支局 日山正紀(京都)
9日■みやこ巡り おこしやす きっぷ3種類発売へ JR西(京都)
  ■降りて歩いて 54 JR新田駅(宇治市広野町東裏) 街道沿いに古い町並み(京都)
  ■男性はねられ死亡 向日・阪急京都線(京都)
10日■待望の循環バス発車 山科と醍醐の2系統(京阪)(京都)
  ■地下鉄de華麗 ファッションショー 神戸で そごう企画(京都)
  ■停車駅忘れた 300b行き過ぎ JR生瀬駅(朝日)
  ■30分のエレガント 神戸の地下鉄で「春夏物、ショー」(朝日)
11日■JRの列車8本 指定席重複販売(京都)
  ■新幹線指定席を重複で17席発売 JR各社(朝日)
  ■「165系」ラストランへ 63年登場 国鉄時代、急行として活躍 22日、定期運行から引退(朝日)
  ■風は大人から 上 探れ 60代の望むもの(朝日)
12日■指定の73席”先客あり” 新幹線など重複販売(京都)
  ■車掌が時刻勘違い 快速、発車できず JR京都駅、3本遅れ(京都)
  ■指定の重複発売 計16列車同席に JR(朝日)
13日■市バス路線見直し 京都市交通局方針 利用実態調査へ(京都)
14日■ハイキング客向け 比良山方面便増便 京都バス(京都)
  ■時速350`の列車開発(京都)
  ■御土居ものがたり 38 京都駅1番ホームの伝説 「御土居」でなく、堀跡に土壇を築いた(京都)
  ■国内2番目のミニ私鉄 有田鉄道廃線へ(朝日)
  ■不況の時代に 02知事選 A 路線バス 細る「命綱」守る声切実(朝日)
  ■鉄警隊員にスプレー噴射 大阪・韓国人すり集団(京都)
  ■JR西日本もベアゼロ宴結(朝日)
  ■すり団、スプレーまき逃走 乗客十数人痛み訴え 御堂筋線なんば駅(朝日)
15日■賃上げ交渉 近鉄は3800円 阪神3600円提示(京都)
  ■JR西が初のベアゼロ回答(京都)
  ■カバーねじ外れ 新幹線が遅れる JR京都駅(京都)
16日■電車でDVD 駅でレンタル 近鉄が来月開始(京都)
  ■降りて歩いて 55 KTR丹後由良駅(宮津市由良) もてなしの心 今も豊か(京都)
  ■踏切近くで事故 電車63本に遅れ 枚方の京阪(朝日)
17日■JR三山木駅 高架の新駅舎”発車” 農家・学生・園児ら祝う(京都)
  ■夢の超特急勢ぞろい 岡山 山陽新幹線30年を祝う(京都)
  ■地下鉄サリン事件 遺族ら「傷癒えぬ」 発生7年を前に会見(京都)
  ■高架工事が影響 運休6本 遅れ16本 JR学研線(朝日)
  ■公的支援望み被害者ら会見 地下鉄サリン事件(朝日)
18日■くらしの足元 自治を考える 赤字バス路線 存続に危機 国の補助、厳しく 生活の「足」失う不安(京都)
  ■阪和線で停電1.2万人に影響 架線が切断(朝日)
  ■声 電車内の携帯 私は注意した 無職 鮒千田 宗宣(兵庫県川西市 72歳)(朝日)
  ■環状線側壁、はがれる 大阪・福島けが人なし コンクリート片落下(朝日)
19日■ドア閉まらず電車遅れる JR藤森駅、2000人影響(京都)
  ■側壁崩落 「手抜きか、施行ミス」 JR西日本 業者に賠償請求も(朝日)
20日■13日夜に一部運休 JR京都−高槻間(京都)
  ■リニアの魅力に迫る 走行シーンの立体映像 技術や整備計画を紹介 JR東海 23日から大阪で(京都)
  ■高架橋738b補強ワイヤ 環状線でJR西(朝日)
  ■片町線に朝・夜「女性車両」 痴漢許さぬ JR西、5月めど(朝日)
21日■西松建設が責任認める JR西コンクリ落下(京都)
  ■W杯会場そばなのに…「ホーム狭い」 試合当日に運休 和田岬線でJR西検討(朝日)
  ■JR環状線事故 施工不良認め西松建が謝罪(朝日)
22日■乗客の4女性軽傷 上京、市バス急停止(京都)
  ■強風で運休、遅れ KTRとJR23本(京都)
  ■論点 JR鹿児島線で電車追突1ヵ月 内規含め事故分析を JRの連携も不可欠 八幡支局長 鈴木 哲法(京都)
  ■急ブレーキで乗客4人げが 上京で市バス(朝日)
  ■リストラの「痛み」克明に 国労の闘いビデオ上映 近畿各地で(朝日)
  ■事故でも客室は安全 NY地下鉄 川崎重工業に米学会論文賞(朝日)
23日■梅小路蒸気機関車館「B20」復元へ JR西、開館30周年を記念 豆タンクの力走再び OBらが作業 今秋にも完成 磨き上げに一般参加も(京都)
  ■JR草津線油日駅 新駅舎利用を開始(京都)
  ■降りて歩いて 56 JR山崎駅(大山崎町大山崎) 秀吉の活躍が陶板画に(京都)
  ■JR不採用問題 ILO「解決を」 報告書を採択(朝日)
  ■まちかどの社会学 なぜ電車、バスで居眠りするのか 慢性寝不足+快い揺れ 「車内安全」枕に 勤勉日本人の活力源だ(京都)
24日■ブリキ板落下 地下鉄止める 大阪・中央線(京都)
  ■温泉付き住宅でレジオネラ検出 栃木、国基準の800倍(京都)
  ■紀勢線特急と軽トラが衝突 和歌山、1人けが(朝日)
  ■東北・高崎・常磐線 東京駅に乗り入れ JR東日本、09年度末目標(朝日)
25日■東北線など3線 東京駅乗り入れ JR、9年度に完成(京都)
  ■分割民営化でJR発足15年 輸送量増加も 経営、各社明暗 旧国鉄債務は重く 世界最大の旅客規模(京都)
26日■市バス運転手殴った男逮捕 傷害など容疑(京都)
27日■丹後海陸交通 運賃5.4%値下げ 1日から法改正後、近畿で初(京都)
  ■はねられ2園児死傷 JR阪和線(朝日)
28日■昔の京都駅ホーム屋根 修復後、新舞台へ 大阪の博物館で展示 7月完成予定 蒸気機閑車などと一緒に(朝日)
  ■土砂に乗り上げ 南海の始発脱線 和歌山、けがなし(京都)
  ■崩れた土砂に乗り上げ脱線 南海高野線(朝日)
29日■乗客2人軽傷 中京で市バス急停止(京都)
  ■大阪駅開発で都市再生探る 大阪市が懇談会発足(京都)
  ■取材ノートから 京都市 車体広告バス規制へ まず市民の意識調査必要 徹底議論、合意点を 社会報道部 沢田亮英(京都)
  ■電車遅れ6400人影響 JR片町線(京都)
  ■旅のアラカルト 梅小路でSL 「B20形」を復元(京都)
30日■駅サービス頑張ります 乗車誘導、近隣の観光案内 京阪 社員が常駐で対応 トップ切り あすから三条で(京都)
  ■叡山電鉄株を京阪に譲渡 京福電鉄(京都)
  ■カラフルにデザイン一新 優先座席です譲ってあげて JR西日本 運行開始(京都)
  ■降りて歩いて 57 近鉄大久保駅(宇治市広野町西裏)(京都)
  ■阪急電鉄 車両リースバック 74億円の特別利益計上へ(朝日)
  ■関西線線路上 男性の変死体(朝日)
  ■無人駅 人集い復活
31日■京日記(京都)



1日■京都市バス 民間委託を拡大 赤字解消策で市長表明
 京都市の桝本頼兼市長は28日開かれた市議会代表質問で、市バス事業の赤字解消策として、営業所の管理運営を民間バス会社へ委託する方式を拡大する考えを明らかにした。
 市バス事業では、2000年度から伏見区の横大路車庫の管理運営を民間に委託し、現在は全12系統を2社が運行している。同年度決算を基にした試算では、市交通局による運営と比べ3割近く少ない経費で運行できたとの結果が出ている。
 このため、2月から実施された乗合バス事業の規制緩和を受け、経費削減による赤字解消をさらに進めるため、民間委託を拡大する方針を決めた。
 民間委託する営業所や時期、委託先は今後、検討する。市交通局が現在取り組んでいる経営健全化計画では、職員の給与カットが2002年度末までの予定となっているため、03年度以降の経費削減策として実施する予定。(京都新聞)
■近畿運輸局 2循環路線を認可 9日から京阪バス 醍醐と山科で
 近畿運輸局は28日、京阪バス(本社・京都市南区)が申請していた伏見区醍醐地区と山科区での循環バス路線の新設を認可した。9日から運行を始める。
 両地区では、住民の間で生活路線として循環バス新設の要望が高まり、昨年11月に市議会で請願が採択され、京阪バスが昨年12月に申請していた。
 認可された路線は市営地下鉄の駅や公共施設、商業施設を結び、運賃は200円で統一する。
 醍醐地区では、外環状線沿いの醍醐バスターミナルを発着点に旧奈良街道を循環する。バス停は18ヵ所で醍醐北団地など3ヵ所を新設。右回り、左回りをそれぞれ1時間に1本ずつ走らせる。
 山科地区では区総合庁舎を発着点に、外環状線から渋谷街道へ入り、西野地区を抜けて新十東通へ走る左回りの系統。バス停は17ヵ所で10ヵ所新設する。30分に1本運行する。(京都新聞)
■市原−出町柳 通勤時に倍増 叡電、10日から
 叡山電鉄は10日にダイヤを改正し、平日の朝夕通勤ラッシュ時の鞍馬線(京都市左京区)で、出町柳駅から二軒茶屋の区間を走る電車を、市原駅まで延長運転する。周辺人口が増加している市原駅と出町柳間の直通便は倍増し、通勤客にとって便利になりそう。
 延長運転するのは、午前6時−午前9時台前半の往復10本と午後5時−午後10時の往復11本。既存の鞍馬−出町柳間の便と合わせ、市原駅の発着間隔は20−30分から10−15分へとく短なる。土、日曜・祝日の午後6時−午後10時も往復6本を延長運転する。
 市原地区は住宅開発などで人口増が続いており、京阪本線と接続する出町柳駅からの直通ダイヤが増えることで、1日平均の乗降客数は2割増の1000人以上になると見込んでいる。
 ダイヤ改正に合わせ、叡山本線(左京区)の八瀬遊園駅が「八瀬比叡山口駅」に、連絡する叡山ケーブルのケーブル八瀬遊園駅が「ケーブル八瀬駅」に改称される。(京都新聞)
■京福電鉄線路上に清掃車が立ち往生 右京、5本が遅れ
 28日午後9時10分ごろ、京都市右京区山ノ内苗町の京福電鉄嵐山線の下り線路上に、京都府久御山町の清掃会社のパッカー車が侵入、約15b走って立ち往生した。嵐山行き電車が現場付近で緊急停止、約45分後に電車の乗務員や近くの住民らが車を線路外に押し出した。当該電車を含め計5本が最大46分遅れ、約400人に影響が出た。けが人はなかった。
 現場は山ノ内駅の西約200bで、線路が道路から分岐する地点。太秦署は、道路を走行していたパッカー車の運転手(19)が誤って線路に侵入したとみている。(京都新聞)
■市バスの系統何通り?番号の意味は… 基本は1−208、計72系統 運行開始順 200番台は旧市電
 京都市内を走る市バスには「1」「201」「北1」などいろいろな系統がありますが、何通りあるのですか。また、どんな理由でそれぞれの番号が付いているのですか。(京都市左京区、26歳・会社員)
 市交通局自動車部によると現在、市バスには「1」から「208」までの系統があります。ただ、2、7、14など空き番号も多く、単に洋数字だけで表示する系統は56通りしかありません。
 北大路通以北や伏見区、西京区を走るバスには、各地域を表す「北」「南」「西」と1ケタの洋数字を組み合わせた系統名も14通りあります。また、マイクロバス運行だったため頭文字をとって「M1」と名付けられた立命館大前−原谷(北区)間のバスと、四条河原町周辺を循環する「100円循環バス」を含め、市バスには現在、72の基本系統があります。
 このほか基本系統の路線から途中で杖分かれして走るバスには「特」や「臨」が頭に付けられ、19路線があるそうです。
 市バスの系統名は1928(昭和3)年の開業当初から付けられています。明治後期から24年前まで走っていた市電も番号で系統が表されていたそうです。「乗客に親しんでもらえるよう付けた略称では。今では複雑な運行ダイヤを組む時、欠かせない存在です」と交通局の担当者は話します。
 系統名の付け方は、基本的には運行が始まった順に若い数字を当てはめたそうです。路線が廃止になった場合はしばらく空き番号にし、別の新設路線の系統名に使ったようです。例えば「1」号系統は、現在は西賀茂車庫−出町柳間ですが、開業当初は七条大宮−第二中学校前(現鳥羽高)間、次は西大路四条−祇園間の系統番号でした。
 近年は「空き番号」の使用は慎重にしているそうです。「以前の系統名に愛着を持つ地元の人も多いので、路線を新設する場合、その地域を以前走っていた系統名をなるべく付けるよう配慮しています」(運輸課)。
 一方、100番台と200番台の系統は特別な存在です。100番台は現在3路線で、二条城や金閣寺、銀閣寺など名所を上手に周遊できる「観光客向けの路線」です。もともと100番台は1950年代後半から、比叡山や高雄に向かう路線として登場し、約20年前に廃止されましたが、観光振興のため昨春、復活しました。
 8路線ある200番台は、いずれも市中心部を環状線のように走る循環系統です。以前、市電が走っていた路線を引き継ぎ、交通局内では市電の代わりという意味で「電代系統バス」と呼ばれています。一見、単純なバスの系統名にも京都の歴史が秘められているのですね。(京都新聞)
■ユニバーサルシティ駅1年で650万人 USJ入場者半数以上JR
 米国映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ、大阪市此花区)の最寄り駅のJR桜島線「ユニバーサルシティ駅」が1日、開業1周年を迎えた。1年間の同駅の利用者は当初の予想を約35%上回る約650万人で、USJ入場者の半数以上がJRを利用している計算になるという。
 この日は午前10時から、駅コンコースで記念式典があり、USJの人気キャラクターのウッディー・ウッドペッカーも駅まで「出張」して、次々に訪れる入場者を出迎えた。(朝日新聞 夕刊)
2日■降りて歩いて 53 京阪五条駅(京都市東山区五条大橋東詰) 清水焼の伝統 今も息づく
 駅の階段を上がって地上に出ると、五条通が目の前に広がる。山腹の清水寺を望みつつ通りを東に進むと、「ここよりひがし五條坂」と刻まれた道標が出迎えてくれる。陶器店や著名な陶芸家の屋敷が軒を連ねる。色鮮やかに絵付けされた茶碗やつぼ、きゅうすをはじめ、若手作家の大皿などが並び、「陶器のまち」と実感する。
 東山の五条通周辺は、江戸時代中期から陶器の生産で栄え、明治以降は陶磁器試験場や陶磁器組合ができた。戦前、地域には登り窯が二十基以上あった。明治17年創業の陶器店「萬古堂東陶器」の店主東房子さん(85)は「戦前は窯の煙が町中に漂って、『たんすの奥まですすだらけ』と言ったほどです」と昔の活気を懐かしむ。
 「五条坂」の範囲は住民によって微妙に異なるが、多くの住民は大和大路通から清水新道の入り口までと考えている。12年前、坂に沿って25基の街灯が立った。五条坂の陶器店や陶芸家でつくる「五条坂陶栄会」が、観光客や市民が歩いて楽しい坂にと、資金を出し合った。
 当時の副会長で陶器店を営む猪飼一郎さん(69)は、地域のまちづくりへの熱意について「生まれ育った場所やから、そら愛着がある。けど、それだけでは説明できへん。清水焼発祥の地としての誇りやろか」と話す。
 大正時代に始まり、夏の風物詩として知られる「陶器まつり」には毎年、坂に沿って500軒の露店が並ぶ。近年、若手作家の出店が増え、雑貨ブームの追い風もあって、購買層が若い世代に広がじつつある。清水焼の伝統は次世代に確実に受け継がれている。(京都新聞)
■幼稚園児ら歓声 トロッコ列車運転を再開
 保津峡を見下ろしながら嵯峨−亀岡駅間7.3`を走る嵯峨野観光鉄道(右京区)のトロッコ列車が1日、運転を再開した。
 同区嵯峨天竜寺車道町のトロッコ嵯峨駅内では、地元の嵯峨幼椎園や嵯峨こばと保育園の園児約110人を招待し、記念式典を開いた。
 もちつきを楽しんだ後、今年の一番列車が園児や一般客約280人を乗せて出発した。園児らは窓越しの景色を眺めながら往復約1時間の列車を楽しんだ。嵯峨幼椎園の玉置遥奈ちゃん(6)は「景色がきれいですごく楽しかった」と話していた。(朝日新聞)
3日■JR長岡京市西口再開発 核店舗に平和堂内定 マイカル撤退後、1年ぶり始動 住宅は近鉄不動産
 経営破たんした大手スーパー・マイカルの撤退により計画の大幅な見直しを迫られていた長岡京市のJR長岡京駅西口再開発事業で、再開発ビルの核となる代替店舗にスーパー・平和堂(本社・彦根市、夏原平和社長)が内定したことが、2日分かった。また、再開発ビル住宅棟の大半を住宅開発会社・近鉄不動産(本社・大阪市中央区、大友滋三社長)が買い取ることも大筋で決まった。
 17日に開かれる事業主体・市街地再開発組合の臨時総会で、正式に決定する見通し。足踏みしていた事業は1年半ぶりに再始動する。
 平和堂は商業棟(7階建て、延べ2万8000平方b)のうち、1階3600平方bに出店する。
 近鉄不動産は2つの住宅棟(高さ60b、計 250戸)のうち、約150戸を買い取り分譲する。「京都、大阪に近い立地と将来性が期待できる」(同社マンション事業本部)としている。
 同事業は府内で初めて、地権者と行政などが加わる再開発組合が主体となり、1997年4月に都市計画決定された。
 長岡京駅西口地区3.1fに再開発ビル4棟(商業棟、公共公益棟、住宅2棟)と広場、道路などを一体整備。市東部の新たな拠点を目指す。
 当初は02年度の開業を目指してきたが、核店舗に予定していたマイカルが一昨年9月に突然撤退。計画再構築に向けて、核となる代替店舗の誘致と住宅棟の販売が最大の懸案となっていた。
 総事業費は従来計画の約280億円から約210億円に、核店舗の出店面積も約10分の1に縮小された。03年度に着工し、05年度の完成を見込んでいる。(京都新聞)
4日■JR山陰線 右京と亀岡で事故相次ぐ 乗客8300人の足乱れる 架線にビニール・遮断棒倒れる 29本、運休や遅れ
 3日午前11時6分ごろ、京都市右京区嵯峨天竜寺瀬戸川町のJR山陰本線天竜寺踏切付近で、米原行き団体電車の運転士が架線にビニール(長さ約30b)が付着しているのを発見し、手前で電車を止めた。係員がビニールを外し、電車は約20分後に運転を再開した。ビニールは風で飛んだ農業用とみられる。この団体電車を含む計5本の列車が16分−20分遅れ、4本が運休した。
 また、同日午後零時5分ごろ、亀岡市三宅町の三宅川踏切で遮断棒が架線に倒れ掛かっているのに運転士が気付いた。1時間後に棒を取り除いたが、園部−嵯峨嵐山駅間が上下線とも約1時間不通となった。快速と普通電車計15本が運休または部分運休し、5本に遅れが出た。
 右京区での架線事故も重なり、城崎行きの特急「きのさき1号」が約1時間40分遅れ、合わせて8300人の乗客に影響した。(京都新聞)
■信号機が故障 2600人に影響 JR長岡京駅構内
 3日午後5時半ごろ、長岡京市神足二丁目のJR東海道本線長岡京駅構内で、信号機が赤のまま変わらなくなった。姫路行き新快速電車が手前の向日町駅で停車し、運転を打ち切った。信号機は約25分後に自然復旧したが、この新快速電車を含む電車2本が部分運休し、電車計4本が5分−23分遅れた。約2600人に影響が出た。(京都新聞)
■架線に障害物 JR一時運休 右京と亀岡で
 3日午前11時5分ごろ、右京区のJR山陰線の嵯峨嵐山駅の手前約500b地点で、架線にビニール(長さ約30b、幅約35a)がかかっているのを、東舞鶴発米原行き上り貸し切り列車=4両編成、乗客約200人=の運転手が見つけた。除去作業に約15分間かかり、列車4本が運休し、5本が最高で20分遅れ、約2900人に影響した。JR西日本は、ビニールハウスのビニールが風で飛ばされたと見ている。
 また、同日午後0時5分ごろ、亀岡−馬堀駅間の三宅川踏切(亀岡市三宅町)で、架線に踏切の遮断棒(長さ6b)が倒れかかっていたため、東舞鶴発京都行きの上り特急列車「タンゴディスカバリー2号」=4両編成、乗客約150人=が踏切の手前で停車。JR西日本社員が約1時間後に遮断棒を撤去して、復旧した。列車15本が運休し、5本が最高で96分遅れ、約5400人に影響した。
 JR西日本によると、何者かが遮断棒を内側に曲げたらしい。亀岡署は往来危険容疑で調べている。(朝日新聞)
■JR長岡京で信号が故障 2600人に影響
 3日午後5時半ごろ、長岡京市神足2丁目、JR東海道線の長岡京駅下り線で、特急や快速列車が駅に入るための信号が赤のまま変わらなくなり、野洲発姫路行きの新快速列車=12両編成、乗客約1000人=が一つ前の向日町駅で運転を取りやめた。乗客は普通列車に乗り換えた。
 約15分後に復旧したが、列車2本が区間運休、4本が最高23分遅れ、約2600人に影響した。(朝日新聞)
■KTR故障、乱れる
 4日午前7時35分ごろ、京都府久美浜町鹿野亀井の北近畿タンゴ鉄道(KTR)宮津線で、豊岡行き普通列車(1両) がブレーキの圧力が緩み、停車した。約30分後に発車したが、特急ダンゴディスカバリー2号など列車2本が丹後神野−久美浜間を部分運休したほか、上下4本に最高30分の遅れが出、約200人に影響があった。(京都新聞 夕刊)
■ひかりが緊急停車
 4日午前10時半ごろ、兵庫県姫路市内の山陽新幹線姫路−相生間を走行していた新大阪発博多行きひかり367号(8両編成、乗客約500人)が、突然ブレーキが作動し減速したため、緊急停車した。
 ひかりは約30分後に運転を再開したが、上下計10本が最高約40分遅れ、約4000人に影響が出た。JR西日本はブレーキを制御する電気系統の故障とみて調べている。(京都新聞 夕刊)
■ブレーキ故障 ひかりが停止 兵庫・太子町
 4日午前10時28分ごろ、兵庫県太子町のJR山陽新幹線で、新大阪発博多行きの「ひかり367号」のブレーキが故障し、止まった。応急措置をして約35分後に運転を再開したが、同列車は岡山駅で運転を取りやめた。また後続など9本にも遅れが出た。
 JR西日本によると、電気系統が故障したという。(朝日新聞 夕刊)
■信号トラブル 御堂筋線遅れ
 4日午前8時半ごろ、大阪市淀川区西中島、市営地下鉄御堂筋線の西中島南方−新大阪駅間で、信号が赤のまま変わらなくなるトラブルがあった。市交通局の調べでは、同線運転指令所の列車集中表示盤が、実際には走行していない列車を表示する誤作動を起こしていた。信号は7分後に正常に戻ったが、下り計3本に最高4分の遅れが出て、乗客約2000人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
5日■京都市屋外広告物条例 バス、電車も規制へ 都計局が改正検討 交通局は継続方針
 京都市は4日、屋外広告物の規制対象に、路線バスや電車、タクシーなどの「移動広告」も加える方向で検討を進めていることを明らかにした。来年度中に基準をつくり、屋外広告物条例を改正する考え。昨年から市交通局が増収策として試行導入した全面広告の市バスに、景観行政を担当する都市計画局が「京都には好ましくない」と自粛を求めていた。
 同日開かれた予算特別委員会で植村博之・市都市景観部長が答えた。
 市の屋外広告物条例は1956年に制定し、96年に全面改正して外向けの屋内広告にも届け出義務を課すなど、規制を強化した。ただ、バスの側面に記載する車体広告については届け出義務をなくして、規制を緩和した。
 その後、技術の向上で車体全面に広告を記載できるようになり、市交通局も試行的に市バス15台で導入した。これに対し、市民には「京都の景観に調和しない」などの声もあり、都市計画局は「京都の景観を守る立場」から交通局に中止を求めたうえで、条例での規制を検討し始めたという。
 答弁の中で、植村部長は「移動広告物は現在、条例の規制対象外だが、観光地などを走る以上、景観に与える影響は大きい」としたうえで、「路線バス、電車、タクシーといった公共交通機関について、何らかの規制が必要と考えている。来年度中に結論を出したい」とした。
 これに対し、市交通局は慢性赤字のなか、年間2000万円の増収となるだけに、来年度も広告バスの試行を継続する方針。市交通局の乾雅晴企画総務部長は「新たな規制がどのようになるか分からないが、収入源でもあり、継続の方法を探りたい」としている。(京都新聞)
■阪急に株主訴訟へ 高架工事の自治体負担 「利益計上は違法」
 阪急電鉄が線路の高架工事の際に沿線の自治体から受け取った工事負担金378億円を昨年3月期決算で利益に計上し、一部を配当していたとして、同社の株主が4日、役員に賠償を求める書面を同社(監査役)に送付した。株主は「いわば税金分を配当したことになり、違法だ」と主張しており、会社自身が提訴しない場合は代表訴訟を起こす方針だ。
 同社の説明によると、大阪府豊中市内にある宝塚線の高架工事が昨年まで約18年間進められた。高架は完成後、同社の所有になっている。渋滞解消など住民の利益になることから、大阪府などの沿線自治体は負担金を支払っていた。
 昨年3月期の決算で、同社は自治体からの負担金のうち378億円を利益に計上し、税引き前の純利益を114億円とした。その結果、同社は昨年、約22億円を株主に配当している。
 大阪の市民団体「株主オンブズマン」の会員でもある同社の株主2人は、配当は違法で会社に損害を与えたと主張。役員6人に対し、報酬の4〜6年分とみられる計8億円を賠償するよう求めている。
 阪急電鉄の広報室は「昨年3月に時価主義会計を採り入れ、豊中市の高架も含め会社の様々な資産を時価で評価した。その結果であり、一部分だけを見て判断しないでほしい」と話している。(朝日新聞)
■声 割安新幹線券 もっと便利に 会社員 榎本一彦(愛媛県今治市 54歳)
 大阪に出張に行った時に、「東京−新神戸」の新幹線回数券1枚をディスカウントチケット店で買いました。
 この券を使い、今治駅で新幹線の予約券を求めましたが、駅員から「この券はJR東海の発行だから、今治駅では指定席の予約は出来ません」と言われ、あぜんとしました。
 普段、今治から新大阪まで、新幹線を含め指定ができるのに、この券だとなぜ出来ないのか、納得できません。よそでは指定が買えない、と券にも書いてありません。
 聞けば地域限定で発売しているため、他地域では予約できないとのことです。確かに、国鉄が分割され、独立した形の民間のJR会社が生まれましたが、こんなことでは利用者無視の官僚主義だけが残ったという印象です。
 チケット店は正規の販売ルートではない、との指摘があるかもしれませんが、大都市を中心にチケット店を利用する人は増える一方のようです。幾らか安くなるため、利用者が増えるのは当然です。
 だれでも、安心して利用出来るJRを目指すべきでしよう。(朝日新聞)
6日■京都バスと乗用車衝突 八瀬、乗客ら3人けが
 5日午後6時ごろ、京都市左京区八瀬の国道367号で乗客20人が乗った京都バス(本社・右京区)の路線バス=北出昭運転手(60)=と同市左京区岩倉上蔵町、介護士河野洋さん(23)の普通乗用車が正面衝突、河野さんとバスの乗客2人が軽傷を負った。
 下鴨署の調べでは、現場は緩いカーブで、京都方面へ走行中だった乗用車が車線をはみ出し、バスに衝突したらしい。路線バスは、大原小出石行きで、事故後、同社は代行バスを運行した。(京都新聞)
■京都バスと車、正面衝突 左京、乗客ら3人けが
 5日午後6時ごろ、左京区八瀬野瀬町の国道367号で、北大路発大原・小出石行きの京都バス=北出昭運転手(60)=と、同区岩倉上蔵町、介護士河野洋さん(23)運転の乗用車が正面衝突した。バスの乗客約20人のうち、女性会社員(22)ら2人と河野さんが軽いけがをした。
 下鴨署は乗用車がセンターラインをはみ出して、対向してきたバスと衝突したとみて調べている。(朝日新聞)
7日■京都市バス 今秋までに再建計画 市交通局方針 審議会、市民参加に
 京都市議会の公営企業予算特別委員会は6日、交通局に対する質疑を行った。2月からの乗り合いバス事業の規制緩和を受けて、赤字を抱える市バス事業の経営再建について、経費削減の徹底など具体策を求める厳しい意見が相次いだ。交通局側は「今秋までに新たな経営健全化計画を策定する」としたほか、事業運営に市民の意見を反映させる審議会を設ける方針を示した。
 市バスは乗客の減少傾向が続き、新年度予算案でも約30億円の経常赤字を見込んでいる。一方で、タクシーのエムケイ(京都市北区)が2月に市バスよりも運賃が安い循環路線の新設を申請して今秋からの運行を目指しているが、交通局はこれまで規制緩和の具体策を打ち出していない。
 委員会では、交通局が2000年度から実施している経営健全化計画について、「計画通り経常赤字が解消できるのか」「人件費はさらに削減が必要だ」などの意見が出た。エムケイ進出に対応した運賃改定や乗り継ぎ制度の改善を求める質問も続いた。
 答弁で江草哲史交通局長は、営業所の民間委託の拡大や運賃制度の見直しなどを盛り込む新たな健全化計画を今秋までに策定する考えを明らかにし、「民間の経営コストに近づけるには総人件費をさらに3割削減する必要がある」と述べた。
 さらに、市バスや地下鉄の在り方を協議する「公営企業審議会」を設置し、赤字の生活路線の維持について市民と協議する方針を示した。
 このほか、会社更生法を申請した佐藤工業が、地下鉄東西線の六地蔵延伸工事の共同企業体(JV)の一員となっていることについて、同社がJVの中心となる事業者ではなく、施工能力にも影響はないとして、引き続き同じJVで工事を続行する方針が報告された。(京都新聞)
■御土居ものがたり 37 京都駅誕生に伴う悲劇 鉄道敷設事業で開拓の苦労が水の泡に
 今回も「開拓」の話をしよう。以前に、「開拓」は土塁の状態のままで行い、土を取り去らなかったと述べた。が、例外もある。南辺部は土取りが行われ、明治前期にいくらか「御土居」は消失した。理由は鉄道敷設だ。
 日本初の鉄道開通は、明治5(1872)年9月の新橋−横浜間である。政府はそれと並行して、早くから神戸−京都間の敷設を計画していた。当時敷設地は、市街のすぐ外れに設定されるのが常だった。京都の市街の南限はおおよそ七条通だったので、そのすぐ南に鉄道と京都駅(七条停車場)がつくられた。明治10年2月のことだ。
 駅の建設地は東塩小路村だった。当村については以前に紹介した。江戸時代を通じて御土居堀を維持した村の一つだ。村が鉄道敷設によってどんな影響を受けたか、以下に見てみたい。
 信じられないことだが、鉄道敷設について、村に事前協議は全くなかった。明治4年5月7日、突然知らされた。村民若山要助は「上下共大に混雑に及び、色々と疑惑生じ、騒動にも及ばん計に相成、大に心痛致候」と記録している。村民の動揺がいかに激しかったか分かる。11日までには「容易でない広大の国益になるので」「異議無くお請けせよ」と改めて通告された(若山家文書)。問答無用だ。
 鉄道が敷設されると何が困るのか。村が分断される、危険だ、煙が害をなす、景観が一変するなど種々想像できるが、もっと切実な問題があった。実は東塩小路村も「御土居」開拓を始めていたのだ。すでに土塁上の竹の伐採をすませ、土地をつくり、茶の種も用意していた。翌6月、そこへ土地の収公、茶桑の植え付けの差し止めが命じられた。
 これではこれまでの苦労が全く水の泡だ。借金をした者もいる。当時の庄屋若山庄造は、府に対し開拓費の補償を願い出たが、無情にも府は却下した。さらに、収公されなかった「御土居」も新たに土が取られることになり、そのため茶桑なども取り除かれることになった。
 例えばある者は、すでに300坪に茶、3500坪に桑を約1万本植えていた。取り除けといわれても移植する場所が見つからず、結局薪にするほか術がなくなっている(『それぞれの明治維新』所載、塚本明氏論文など)。
 このように東塩小路村は、京都駅と鉄道敷設事業によって甚大な被害を受けた。読者で京都駅を利用しない人はほとんどなかろう。駅創設にともなって、こんな悲劇があったことをぜひ知っていてほしい。(中村 武生 花園大学非常勤講師)(京都新聞)
■市バス、民間委託拡大へ 経営改善へ 今秋から
 京都市交通局は6日、今秋から民間委託を拡大するなどして経営改善に取り組む方針を明らかにした。
 同市交通局によると、同市バスは00年度決算では41億円の単年度赤字を計上、87億6000万円の累積赤字を抱えている。市バスの1`当たりの運営費は平均912円(00年度)で、関西圏の民営バスの平均が571円(同)なのに比べて高コストになっている。
 このため、市交通局では今秋から民間委託の拡大などで経営改善に取り組むとしている。00年に阪急バスと京阪バスに委託した横大路営業所では、運営費は1`当たり688円(同)になっているという。
 また、人件費は99年度の207億円から3割削減する方針。現在は、年収1000万円以上の運転手が全体の20%近くいるといい、こうした構造を変えたい、としている。(朝日新聞)
■六甲山上にレジャー施設 阪神電鉄など来年4月から 欧風カフェ、展望塔など
 阪神電気鉄道(本社・大阪市)などは6日、神戸・六甲山上の凌雲台地区に来年4月、ヨーロッパ調のカフェレストランや展望塔などからなるレジャー施設をオープンさせると発表した。新施設建設で阪神大震災などで低迷する六甲山の集客力アップを目指す。
 神戸市灘区六甲山町の約1.2fに、カフェレストランや土産物店など建物5棟、大阪湾を一望できる石造り展望塔(高さ約11b)などを建設。標高約880bからの眺望と神戸の夜景を楽しめる。
 阪神電鉄と子会社の六甲摩耶鉄道が共同で企画し、4月1日から六甲摩耶鉄道の六甲山上レジャー部門を引き継ぐ阪神総合レジャーが事業主体になる。総事業費約8億円。
 凌雲台地区では、阪神グループがホテルや展望台などを運営し、90年代初めのピーク時は年間約70万人の観光客でにぎわった。(朝日新聞)
8日■リストラの本質に迫る 撮影15年の国労ビデオ 24日、京で初上映
 旧国鉄の分割民営化を題材に、リストラの本質を探るドキュメンタリービデオ「人らしく生きよう−国労冬物語」の京都での初上映会が24日、京都市下京区のキャンパスプラザ京都で開かれる。
 人権、環境問題をテーマにしたドキュメンタリー映像作家松原明さんと佐木有美さんが、15年近くかけて撮影した映像を、劇場公開版として100分間に編集した。
 国鉄の分割・民営化に伴って、職場への復帰を求めて闘争する国労組合員の姿を追う。運転士など3人の鉄道員や家族を主人公に、仕事を奪われ、悩み苦しみながらも誇りを失わずに生きる姿を伝える。
 合同繊維労組(京都市中京区)などによる上映実行委員会が開く。午後2時と5時、前売り1000円。問い合わせは実行委TEL075(801)4090。(京都新聞)
■疏水舟運復活「大津−京都間で」 大津市長 京都市計画に異論
 京都市が来年3月の「第3回世界水フォーラム」の関連行事として、左京区岡崎の琵琶湖疏水に限って和船を運航させる方針を打ち出したことに対し、大津市の山田豊三郎市長は7日の市議会の答弁で、自らの要望と異なるとの認識を示し、「大津から京都まで下れるようにして、両市が連携して繁栄した歴史を発表したい」と、あくまで大津−京都の舟運復活を求める姿勢を強調した。
 山田市長は、東京遷都後の京都、大津の繁栄を支えたのが琵琶湖疏水だと指摘した上で「(大津市)長等の取水口からトンネルを通り、(同市)藤尾から山科区、再びトンネルを抜けてこそ、そうした水利用の由緒を体感できる」と、フォーラム期間に限ってでも舟運復活を求める考えを述べた。(京都新聞)
■取材ノートから 八日市の近江鉄道線、市民参加で計画進む 「エコ駅」新設取り組み注目 里山体験と連動 プログラム充実など課題 八幡支局 日山正紀
 八日市市が、近江鉄道の八日市駅−五個荘駅間の中間地点(建部下野町)で新駅設置計画を進めている。「環境学習の場『河辺いきものの森』へは環境負荷の少ない電車で」−が、うたい文句。設計・施工に市民がかかわり、駅舎や駅前広場に間伐材などを用いた「エコステーション」にするという。市民の提案をどう具体的に生かすのか。また、新駅が役割を果たすために、里山をめぐる環境学習プログラムの充実も不可欠だ。
 八日市市と滋賀県五個荘町にまたがる箕作山を背に、近江鉄道の車両が田園地帯を走る。新駅の予定地から同森までは東に約1.1`。昨年末、地元自治会や里山ボランティア団体「遊林会」、近江鉄道などでつくる「市エコステーション設置検討市民会議」のメンバーらが森を望み、間伐材や枕木を用いた駅舎などを思い描いた。
・請願がきっかけ
 新駅計画は昨年6月、遊林会が環境学習の場への交通手段確保をと、市議会へ請願したのがきっかけ。同森(約15f)は愛知川の河辺林。1998年から遊林会と市が保全を始め、今月、自然学習の拠点施設の市ネイチャーセンターが開設される。
 市民会議は昨年から今年2月までに3回開かれ、プラットホームを除く駅舎や駅前広場周辺を市民参画で設計、施工することを確認した。市は、新年度当初予算案に用地取得や造成費約1900万を計上。4月以降、市民らの作業グループが、設計素案を作成し、同年度中に開駅したいという。
 中川大・京都大助教授(交通計画)は「エコ駅の考え方も、市民が参画する駅造りも、全国で例がないのでは。駅は従来、事業者や行政によって造られてきた。施設整備だけでなく、市民がアイデアを出す過程も大事にしたい」と話す。
・無視できぬ採算
 一方、課題もある。市民会議の席上、近江鉄道は、毎年増える赤字と今後の利用客の減少見込みなど苦しい経営状況を説明した。全線59.5`のうち、八日市−五個荘駅間の距離は約4.5`(平均約2`)で、2番目に長い区間。同鉄道は新駅計画に理解を示すものの「維持運営費が増えるのでは厳しい。利用者が少なくマイナスが出る場合は市に負担してほしいのだが…」という。近江鉄道と市の話し合いでは、朝昼夕の一定時間に発着を集中させる案などが出ており、利用者確保という課題が双方にのしかかる。
 また、市は駅前広場など関連施設も含めて同時に整備したいとしているが、市民会議座長の柴田いづみ滋賀県立大教授(環境計画)は「全体設計案を固めてしまうのではなく、最初にプラットホームなど必要最小限な部分だけ造り、時間をかけて作業グループで駅から森までの道の整備を検討していきたい」と提案する。
 同森では、児童生徒の環境体験学習や里山講座が行われ、昨年1年間で県内外から約7000人が訪れたという。環境教育に詳しい川嶋宗継滋賀大教授は「地域を良く知る住民、教員も巻き込んでの体験学習ソフトの充実が大切」と指摘する。
 駅は本来、目的地に至る手段だが、多様な里山体験プログラムや運営の担い手育成なども進めたい。環境に配慮した駅舎だけでなく、森の持つ魅力を打ち出すことが、子どもたちを駅に向かわせることになる。(京都新聞)
9日■みやこ巡り おこしやす きっぷ3種類発売へ JR西
 JR西日本は、春の観光シーズンに合わせて京都府北部や北陸、九州方面などから京都駅へのJR往復券と京都市内の鉄道やバスの1日利用券をセットにした「京のみやこ巡りきっぷ」を14日に発売する。
 京都市内の目的地別に3種類ある。「洛中きっぷ」は市バスなどのワンデーパス、「洛北きっぷ」は京阪電車(東福寺−出町柳)と叡山電車、「洛西きっぷ」は京福電車の1日乗車券と往復券の組み合わせ。JR線は在来線特急(博多−新大阪は新幹線)の普通車自由席が利用でき、京都地区の自由周遊区間も乗り放題。
 価格は、洛中きっぷでは福知山発が4900円、金沢発が1万2500円、博多発が2万5800円で、通常料金より1−2割程度の割引となる。利用期間は21日から12月1日まで(洛西きっぷは発売、利用開始日とも4月1日)。(京都新聞)
■降りて歩いて 54 JR新田駅(宇治市広野町東裏) 街道沿いに古い町並み
 JR奈良線の新田駅は古い街道筋の外れにたたずむ小さな駅だ。西側に300bほどしか離れていない近鉄大久保駅に比べると乗降客もずいぶん少ない。だが街道沿いに古い町家や昔ながらの商店が点在する駅周辺の風景は、しっとりと落ち着いて、どこか懐かしい。
 線路と並行するように南北に走る大和街道は、車2台がすれ違うのがやっとの細い通りだ。約400年前、豊臣秀吉が伏見城築城にあたって、南へ向かう道として造った。「新田」という地名は、秀吉の検地の後に開墾された土地、という意味を表している。
 南へ向かって歩き、宇治市ならではの川魚屋さんや宇治茶の小売店などを通り過ぎると、こんもりとした緑と石の鳥居の皇大神宮社が見えてくる。掟藩第二代藩主、永井尚政が1649(慶安2)年、すぐ近くに建立した曹洞宗円蔵院の鎮守として天照大神を祭った。
 生まれた時から街道沿いの家で暮らし、同社の氏子でもある無職加藤降さん(70)は「私らが子どものころは、家も店も街道沿いにしかなくて、大久保駅の西側は竹やぶばかり。お宮さんは、街道筋を中心にした周辺3、400軒の氏神さんやったんです」と語る。
 戦後、国道24号が開通、周辺の住宅開発も進むにつれ、街道筋の風景は様変わりしてきた。今では、毎年7月に催される円蔵院の金比羅祭りで、街道が百数十bにわたって歩行者天国になり、夜店が並んで参拝者でごった返す夜だけが、かつてのにぎわいをしのばせる。
 宇治市は、近鉄大久保駅とJR新田駅を結ぶルートを整備して駅周辺の振興につなげたい、と将来像を描く、実現はまだまだ先になりそうだが、加藤さんは「人通りが増えて、お宮さんへのお参りも増えたらうれしいんですが」と期待を寄せる。(京都新聞)
■男性はねられ死亡 向日・阪急京都線
 9日午前零時ごろ、向日市寺戸町の阪急京都線・新田上手踏切の北側50bの線路上で、京都市西京区内の男性(61)が梅田行き快速急行電車にはねられ、即死した。
 向日町署によると、男性は線路にうつぶせに寝ていたといい、自殺とみて調べている。電車は現場に12分停車したほか、後続の上り電車1本が3分遅れ、約450人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
10日■待望の循環バス発車 山科と醍醐の2系統(京阪)
 山科区と伏見区醍醐地区で9日、京阪バスの循環バス「くるり200」の運行が始まった。住民たちが山科区総合庁舎前で出発式を催し、地域の新しい生活の足として期待を寄せるとともに、交通安全を願った。
 循環バスは、同庁舎を発着点に外環状線から西野地区を抜ける系統と、醍醐バスターミナルを発着点に外環状線や旧奈良街道をめぐる系統の2つで、運賃は一律200円。地下鉄東西線の開業に伴うバス路線再編で不便な地域ができたため、住民が運行を要望していた。
 出発式には約30人が参加した。山科区自治連合会会長連絡協議会の富士原新蔵代表が「安全運行で、区民に親しまれるバスに」とあいさつしたのに続き、京阪バスの吉田哲夫運転手が花束を受け取った。午前9時43分、住民を乗せた一号車が発進すると、拍手がわき起こった。(京都新聞)
■地下鉄de華麗 ファッションショー 神戸で そごう企画
 神戸市の中心部と西部を結ぶ市営地下鉄西神山手線の三宮−西神中央間で、車両を貸し切ったファッションショーが9日、市民を招いて開かれた。経営再建中の百貨店そごうが14日の三宮店と西神店の改装オープンを記念して催した。
 ショーは約20分。6両編成の先頭と最後部の車両は着替え室で、間の車両の通路を12人のモデルが往復し、スーツやワンピースなど、色とりどりの服が披露された。客は両側の席に座り、特設のスピーカーから流れる音楽に合わせて軽やかに歩くモデルの姿を眺めていた。(京都新聞)
■停車駅忘れた 300b行き過ぎ JR生瀬駅
 9日午後1時20分ごろ、兵庫県西宮市塩瀬町のJR宝塚線生瀬駅で、高槻発新三田行きの普通列車(7両、乗客約80人)がホームを約300b通り過ぎて停車した。本来の停車位置まで戻り3分遅れで出発した。ほかの列車に影響はなかった。JR西日本によると、運転士が同駅が停車駅であることを忘れていたという。(朝日新聞)
■30分のエレガント 神戸の地下鉄で「春夏物、ショー」
 9日午後、神戸市の地下鉄の車内で、そごうデパート主催の春夏物のフアッションショーが開かれた。市営地下鉄が開業25周年を迎えるのにちなんで、25歳の女性を中心に約200名が招待された。三宮駅から西神中央駅までのわずか30分あまりのショーだったが春夏物の新作に「私も欲しい」との声があがっていた。(朝日新聞)
11日■JRの列車8本 指定席重複販売
 JRのみどりの窓口などが、11日以降の列車の一部について、指定席を重複して販売していたことが分かった。
 JR各社は重複販売された指定席の乗客には同じ列車の別の指定席を用意、重複販売の恐れのある全国計75本の列車について、指定席の販売を一時見合わせた。
 JRの指定席予約システム(マルスシステム)の管理会社によると、重複が確認されたのは10日午前6時半ごろから同日午後10時ごろまでに販売された指定券。同日夜、一部の指定席のキャンセルができない状態になっていることが分かり、調べた結果11日の新幹線・在来線計8本の列車で17席が二重に売られていた。(京都新聞 夕刊)
■新幹線指定席を重複で17席発売 JR各社
 JRの指定席予約システムなどを管理する鉄道情報システムとJR東日本、東海、西日本は11日、同日に運行する新幹線指定席、8列車17席分を重複して発売していたと発表した。在来線や12日以降の列車でも重複発売されている可能性があり、鉄道情報システムが調査している。
 JRグループによると、11日午前5時までに重複発売が判明したのは、東海道新幹線「ひかり」など4列車12席、東北新幹線「やまびこ」など3列車4席、山陽新幹線「ひかり」1列車1席。
 JR各社は購入した乗客に別の席を準備するほか、システムが正常と確認されるまで重複の疑いがある一部の列車については指定席発売を停止している。(朝日新聞 夕刊)
■「165系」ラストランへ 63年登場 国鉄時代、急行として活躍 22日、定期運行から引退
 東海道新幹線の開通前年の63年に登場し、国鉄時代に急行として活躍した電車「165系」が、JR西日本ダイヤ改定前日の22日を最後に定期運行から引退する。全国のJRでも最古参級の現役電車。12両が残る和歌山県の紀勢線には、各地からファンが駆けつけている。24日に白浜発天王寺行きの臨時列車が運転されるが、1ヵ月前に発売された指定券は即日完売の人気で、改めて往年の名車ぶりを見せつけた。
 165系の緑とオレンジに塗り分けたカラフルな車体は、戦後復興期に多かった茶色や濃紺車両のなかで異彩を放ち、中距離通勤電車の基本色となった。向かい合って座ってもひざがあたりにくい広い座席や自動扉の採用は当時は画期的で、お湯の出る洗面台とトイレも各車両に付いていた。
 紀勢線には86年に登場した。特に天王寺(後に新大阪)−新宮間の夜行列車は釣り客の利用が約8〜9割を占め、「太公望列車」の異名もとった。
 同列車は和歌山−新宮間約200`を約5時間かけて走った。当時の同県内は高速道路がほとんど未整備で、「終点の新宮まで165系でのんびり乗って行く人も多かった」と上山健一・和歌山列車区係長(52)は振り返る。
 道路改良の影響もあってその後客足が落ち、00年3月には紀伊田辺以南の運行が打ち切られ、阪和・紀勢両線などで1日十数本のローカル輸送を担ってきた。しかし、1両2扉のため、1両3〜4扉のほかの通勤電車に比べて乗降に時間がかかるなどの欠点もあり、効率性が優先される時代風潮から取り残された。
 同社は4月以降、165系全車両の解体をする方針。(朝日新聞 夕刊)
■風は大人から 上 探れ 60代の望むもの
 様々な商品の作り事手ちの、60歳以上の人たちを見つめる目が変わってきた。60代といっても心身ともに元気で自由な時間を楽しみたいと考える人は多く、相当な購買力を持つ一大勢力になりうると期待するからだ。高齢者、熟年、シルバーという呼び方はふさわしくなく、仕掛ける側は年齢不詳、成熟のイメージを込めて「大人」と呼ぶ。「団塊の世代」に続き、さらにその上の世代からも流行の風が吹こうとしている。(織井 優佳)
●電通 元気で自由で…企業に情報提供
 かつての「熟年」への反応は鈍かった。でも、今度は違う。
 広告代理店の電通は20年前、必ずやってくる高齢社会に備えてシニア世代に注目しようと、中年と老人の間を「熟年」と名付けるキャンペーンを展開した。しかし、高齢者を取り込むビジネスが必要という企業側の実感が薄く、せっかくの呼び名も当時は空回りに終わった印象だった。
 時は流れて2001年1月、電通は再び消費者としての高齢者を探るチームを発足させた。「シニア大航海プロジェクト」。20年前に比べ高齢化は急速に進む一方、明らかに「ため込むばかりで使わない」「出歩かない」という従来像にそぐわないシニアたちが多数出現していた。今度こそ企業は動くと見て取った。
 電通は、今どきの高齢者を徹底して調べた。IT化への意識、支出の推移やライフスタイルなど。例えば99年12月に出した60歳以上の調査結果は−。
 気持ちでは実年齢より若い64%▽健康に自信がある63%▽好きなこと(もの)には思い切って出費をする56%▽ファッションにこだわりがある32%▽自分は今自由だと思う77%
 92年に実施した同様の調査よりもはるかに数字が伸びていた。
 ただし消費経験が豊富なこの人たちは、新しいものに興味を示しても、それで「何ができるか」がはっきりしないと動かない。若者にデジタルカメラを売り込むなら便利な機能を説明すれば済むが、シニアには「孫の写真を撮って送れる」という利用法まで必要だ。
 こうした情報を企業に伝えるため定期的にセミナーを開催。昨年2月の初回には約130社の280人が集まった。「シニアビジネスでいち早く商機をつかみたいという強い関心を実感した」と、辻井敏博・電通プランニング・プロデュース局次長は言う。
 こうしたなかで、高齢者を対象にしたビジネスとの具体的な連携も始まっている。
 そのひとつ、99年秋創業のベンチャー企業DBC(大阪市中央区)は、50歳以上に限定した会員制情報提供サービス「おせわ倶楽部」を創設した。数人のオペレーターが、電話であらゆる相談に応じる。オペレーター自身はインターネットで情報検索をするが、相談の手段はだれにでも使える電話を使ったことが特徴だ。
 質問は趣味や旅行、食事についてが多い。「今度の休日、どこか行きたい」といった漠然とした要望にも、予算や人数を確認して「温泉はいかが」などと提案。旅行会社などを紹介する。会員は約5000人にまで増えた。
 倶楽部のノウハウは電通を通じて他企業にも活用されるようになってきた。そしてDBCの最終的な狙いは、相談履歴を積み重ねて高齢者の趣味や好み、生活パターンなどがわかるデータベースを構築することだ。今後元気な高齢者をターゲットにする企業が増え、そうした企業にとって必要なデータになる、とふんでのことだ。
●JR東日本 会報に趣味欄設け成功
 JR東日本は、グループ6社でつくる「ジパング倶楽部」について電通に相談を持ちかけた。85年の創設以来132万人の60代以上の会員がいるが、個人年会費は3670円。会員は2〜3割引きになるため1回の旅行で元が取れ、リピーターの拡大が課題だった。
 電通は「『大人世代』は仲間をつくりたがっている」とアドバイス。同社は管内会員向けに月刊会報誌「大人の休日」の発行をはじめ、そのなかに趣味の集まりを提案するページを設けた。スケッチや囲碁、写真に俳句、社交ダンス教室に美容塾…。
 一見鉄道の利用とは関係ないが、ここでいい友人ができた人はJRに対して好印象を持つだろうし、仲間同士で旅行に出る成り行きも期待できる。実際スタートから1年、会員相手の切符や宿などの売り上げは2倍を確保した。
 「旅行の頻度が高いシニア層への浸透は即効性がある。絞り込んだ客層に向けて工夫を凝らす経験は、あらゆる世代に通用するきめ細かい顧客戦略に生きる」と、JR東日本営業部の加藤誠さん。
 JR・電通のコンビはかつて大キャンペーンをはって多くの人を動かしてきた。70年代の「ディスカバー・ジャパン」、80年代の「フルムーン」。でももはやキャンペーンの時代ではないという。今度は新しい手法で「大人」を動かすことに挑む。(朝日新聞 夕刊)
12日■指定の73席”先客あり” 新幹線など重複販売
 JRのみどりの窓口などが、11日以降の列車の一部について、指定席を重複して販売していたことが11日、分かった。
 JRの指定席予約システム(マルスシステム)の障害が原因。同システムを管理する鉄道情報システム(東京)が10日夜に異常に気付きながら、11日午前、販売済みの座席の状況を十分確認しないまま一部の販売を再開したため重複販売が広がった。
 11日夜までに判明した重複販売は11、12両日の新幹線・在来線特急計16本の73席で、JR各社は同じ列車の別の指定席を乗客に用意した。
 13日以降も全国で1日計75本の列車で重複販売が出る恐れがあり、JRはこれらの列車の指定席の販売を11日夜まで見合わせた。12日朝からは通常どおり販売できる見通し。(京都新聞)
■車掌が時刻勘違い 快速、発車できず JR京都駅、3本遅れ
 11日午後零時5分ごろ、京都市下京区のJR京都駅山陰線で、同時刻発予定の園部行き快速電車が、車掌不在のため発車できなかった。同電車を含め上下計3本が6分−10分遅れ、乗客約400人に影響が出た。
 JR西日本によると、午後零時5分発の快速電車に乗務予定の車掌(48)が発車時刻を午後1時5分と勘違いしたためとしている。(京都新聞)
■指定の重複発売 計16列車同席に JR
 新幹線の指定席が重複して発売されていた問題で、JRの指定席予約システムなどを管理する鉄道情報システムとJR各社は11日、新たに重複発売していた列車が判明して、在来線も含め計16列車73席になったと発表した。調査を終えたのは12日に運行する分までで、鉄道情報システムは13日以降の列車に重複がないかを調べている。(朝日新聞)
13日■市バス路線見直し 京都市交通局方針 利用実態調査へ
 京都市は12日開かれた市議会公営企業予算特別委員会で、赤字解消が課題となっている市バス事業について、新年度に大規模な利用実態調査を実施したうえで、効率的な運行を目指して路線を見直す方針を明らかにした。
 市は、2月からの乗り合いバス事業の規制緩和を受け、市バス事業の人件費削減や営業所の民間委託の拡大を盛り込む経営再建計画を、今秋までに策定する予定。実態調査の結果も反映させる。
 利用実態調査は、現在72系統ある市バス路線について、利用客の年齢層や乗車区間、時間帯による利用状況の変化などを詳しく調べる。市交通局は6月ごろに調査を実施する計画だが、実際に路線を再編する時期は未定という。
 答弁で中谷佑一副市長は「調査結果をふまえ、乗り継ぎ制度の改善や新たな路線の検討に役立てたい」と述べた。(京都新聞)
14日■ハイキング客向け 比良山方面便増便 京都バス
 京都バス(京都市右京区)は16日から、比良山方面へのハイキング客向けに土、日曜、祝日に出町柳(左京区)発のバスダイヤを増便する。
 出町柳を午前8時45分に出発する坊村(大津市)行きの1便で、従来の滋賀県・朽木村行きの便より1時間遅く設定した。
 大阪方面などから比良山や八丁平、峰床山へのハイキング客が利用しやすくなるという。
 増便期間は12月15日まで。また、4月1日から「八瀬遊園」停留所を「八瀬駅前」に名称変更する。(京都新聞)
■時速350`の列車開発
 【ソウル13日共同】韓国建設交通省と鉄道技術研究院は13日、最高時速 350`前後で営業運転できる超高速列車の車両開発に成功したと発表した。同省などによると、超高速列車の開発は日本、フランス、ドイツに次ぐ。
 1996年12月から研究を始め、全体の87%が国産技術。空気抵抗を減らすため先頭車両がイルカの鼻のような形で、4月末からは機関車や客車など7両編成で10万`の走行試験を始める。(京都新聞)
■御土居ものがたり 38 京都駅1番ホームの伝説 「御土居」でなく、堀跡に土壇を築いた
 前回、京都駅誕生の話をした。その後、駅舎や線路は少し南へ移動する。大正3(1914)年8月のことで、それが現在地だ。その時のこととして一つの話がある。新駅舎建設にあたって、当時残っていた「御土居」がプラットホームとして活用された、というものだ。いま北陸線の列車などが発車する1番線のホームのことである。
 この話についてふれた書物は多く、例えば森谷起久・横井清両氏「御土居史話」に「京都駅1番線ホームは南側御土居を土台にしてできあがったもの」とか「御土居が京都駅1番線ホームに化けた」とある(『日本美術工芸』348)。また森浩一氏『交錯の日本史』には「御土居の土台を近代施設に利用・転用した」などとある。テレビで取り上げられたこともある。毎日放送「近畿は美しく」など地域紹介番組のほか、NHKのクイズ番組の設問にさえなった。比較的知られたエピソードといってよい。が、この話は事実だろうか。
 結論を急ごう。明治22(1889)年の仮製2万分の1地形図を見ると、初代京都駅の南側に当時あったはずの「御土居」が、実はすでに無いのだ。これは同図だけではない。明治28年の「新撰京都古今全図」、明治35年の「京都市実地測量地図」など、その後の地図にも見あたらない。大正の新駅建設までに、「御土居」は消失していたと考えるのが自然だ。
 いま、1番線ホームの東隣接地は「東塩小路向畑町」というが、この町の境界線の輪郭は奇妙な逆L字杉で、ありし日の御土居堀の形とそっくりだ。ぜひ一度町域を描いた地図を入手され比較頂きたい。御土居堀がこの町界線を形成したことは疑う余地がなく、そのすぐ西隣の同ホームが御土居堀の「何か」の跡に立地していることは間違いない。ではそれは何か。
 それを解き明かす事実がある。1993年11月、京都駅駅舎改築にともなう発掘調査で、当ホームの西端の一部が断面調査された。ホームを解体し地下3bまで掘り下げたところ、2bの盛り土の下に1b以上の暗灰色の泥土層が確認された。大変水はけが悪くじめじめした状態で、堀の埋土と推定された(調査担当の京都市埋蔵文化財研究所・網伸也氏の話)。京都駅周辺では近代になって2b程度の盛り土がなされたことが、一帯の発掘成果から知られている。すなわち1番線ホームは「御土居」ではなく、堀跡に新たな土壇を築いたもの、というのが正しいだろう。(中村 武生 花園大学非常勤講師)(京都新聞)
■国内2番目のミニ私鉄 有田鉄道廃線へ
 和歌山県吉備町の有田鉄道(藤並−金屋口、5.6`)が、近畿運輸局へ今月中にも廃止届を出す方針を固めた。早ければ年内にも廃止される。
 同鉄道は1916年に全線が開通した。同県御坊市の紀州鉄道(2.7`)に次いで「日本で2番目に短いミニ私鉄」として知られる。鉄道部門は年間約1000万円の赤字。昨年11月のダイヤ改定で1日2往復(日曜日、祝日、第2・4土曜日は運休)に減便した。乗客も1日に約30人しかない。(朝日新聞)
■不況の時代に 02知事選 A 路線バス 細る「命綱」守る声切実
 規制緩和の流れを受けて道路運送法が改正された。4月の施行後は、国の許可がなくても路線バスを廃止できるようになる。府内でもすでに、園部、加茂町などの赤字2路線について、バス会社側から運行打ち切りが地元自治体などに通告されている。「通院・通学」の足を守って、と住民たちは切実な声を上げている。
 園部町竹井の主婦神田品枝さん(68)にとって、路線バスは隣の日吉町の病院に入院している夫(70)の世話や、毎日の買い物に欠かせない存在だ。
 JR園部駅と、兵庫県篠山市の中心部を結ぶ園篠線を利用している。
 約30`を走る路線バスで、西日本ジエイアールバス(本社・大阪市)が運営してきた。ほぼ2時間に1本の割合で走っている。
 「むかしは乗客が満員でドアが閉まらないはどだった」(同町職員)という。
 しかし、マイカーの普及と沿線地域の過疎化によって激減した。いまでは1日平均80人、休日は40人がやっとだ。同社によると、毎年1億円以上の赤字が出ている状態という。
 道路運送法の改正を受けて同社は一昨年夏、園部町にバス廃止の意向を伝えた。「住民の生活に重大な影響 を及ばす」として町側は抵抗したが、方針は覆らなかった。
 神田さんは「バスがなくなれば、家族や近所の人に頼み込んで、車に同乗させてもらうことになる。周りのお荷物になるのではと、心配です」と言う。
 同町の路線バス沿線地区(竹井、天引、仁江)では、65歳以上の高齢者が44%を占める。この10年間で倍増した。
 竹井地区の西垣鎮雄区長は「高齢化が進むほど、バスは通院の命綱になる」と訴える。
 バスは通学の足としても欠かせない。天引地区からは5人の生徒が約20分かけて園部中学までバスで通っている。途中で人家のない田園地帯を通るので防犯上、自転車での通学は難しい。
 中学1年の生徒の父親(45)は「まだ下に小学生と幼稚園の子どもがいる。バスはぜひとも必要だ」と話す。
 沿線住民らは、バス存続の協議会を立ち上げた。町に、現在の便数確保と運賃の据え置きなどを要望した。
 こうした動きを受け、同町と篠山市は1200万円でバスを購入し、ジェイアールバス時代と同じ条件で直営バスを走らせることを決めた。運行は、町内で別の路線を走らせているバス会社に委託する予定だ。
 年間820 万円の赤字が見込まれるが、篠山市と共同で負担する。
 「しわ寄せは結局、地域住民にはね返ってくるのでは」。地元選出の町議の1人はそう指摘する。(朝日新聞)
■鉄警隊員にスプレー噴射 大阪・韓国人すり集団
 14日午前9時半ごろ、大阪市中央区の大阪市営地下鉄御堂筋線なんば駅のホームで、すりの男を取り押さえようとした大阪府警鉄道警察隊の女性警察官に、周りにいたアジア系外国人とみられる5−6人の男が、いきなリスプレーを吹きかけた。
 グループはスプレーを噴霧したうえ、刃物を振り回しながら地上に逃走。駅構内にいた客ら8人がスプレーをかけられ、目の痛みなどを訴えた。うち5人は病院で手当てを受けたが軽症。女性警官にけがはなかった。
 大阪府警はグループの1人の韓国人の男(42)の身柄を確保した。すりグループとみられる他の男らの行方を追っている。
 調べでは、グループはいずれも40−50歳ぐらいでスーツ姿。(京都新聞 夕刊)
■JR西日本もベアゼロ宴結
 JR西日本と、最大労組であるJR西労組は14日、ベースアップ(ベア)ゼロで妥結した。JR西労組は当初1000円のベア要求をしていたが、「トヨタなど業績が好調な会社がゼロ回答している社会情勢からベアを断念した」(同労組)としている。JR本州3社の今春闘妥結は初めてで、今後の他社の交渉に影響を与えそうだ。(朝日新聞 夕刊)
■すり団、スプレーまき逃走 乗客十数人痛み訴え 御堂筋線なんば駅
 14日午前9時半ごろ、大阪市中央区の市営地下鉄御堂筋線なんば駅構内で、痴漢取り縮まり中の府警鉄道警察隊の女性捜査員3人が、アジア系外国人とみられるグループ数人のすり行為を発見し、職務質問しようとしたところ、スプレーをまいたり、刃物を振り回したりして逃走した。催涙スプレーとみられ、女性捜査員や乗客計十数人が目やのどに痛みを訴えたが、軽症とみられる。グループの1人の韓国人男性(42)は逃走の際、車にはねられて頭を強く打ち、重傷を負った。南署は傷害、窃盗、公務執行防害の疑いで逃げた5、6人の行方を追っている。
 調べによると、女性捜査員は、グループの数人が不審な動きをしていたため、注意して見ていた。車にひかれた韓国人男性は、信号を無視して道路を横断中だった。逃げた男たちはいずれも40〜50歳。身長170a前後で、数人がスーツ姿の会社員風だったという。(朝日新聞 夕刊)
15日■賃上げ交渉 近鉄は3800円 阪神3600円提示
 私鉄総連(坪根真委員長)加盟の大手私鉄12労組は14日、経営側と大詰めの賃上げ交渉を続け、京急など関東4社が4000円、近鉄3800円、阪神3600円、西鉄3000円(いずれも定期昇給相当分込み、30歳・勤続12年の標準労働者)をそれぞれ提示した。
 回答方式が異なる東急は3年連続でベアゼロ、営団地下鉄と阪急もベアゼロを回答。いずれも定昇分は確保している。
 関西大手の南海と京阪は、2002年3月期の業績見通しが赤字に転落。経営側が人員削減や賃金カットを提案しているため、両社の労組は要求を見送っている。(京都新聞)
■JR西が初のベアゼロ回答
 JR西日本は14日、2002年度の基準内賃金のベースアップゼロを回答した。ベアゼロ回答は、1987年に同社が発足して以来初めて。最大労組のJR西労組が受け入れ、賃上げ交渉は事実上妥結した。
 JR西日本は4組合に対し、従業員平均(43.9歳)の基準内賃金を定期昇給分の3950円(前年はベア分を含め4403円)引き上げ、ボーナスは年間5.6ヵ月分(同5.4ヵ月分)とする回答を提示。賃上げ率は1.11%で、前年実績より0.11ポイント下がった。(京都新聞)
■カバーねじ外れ 新幹線が遅れる JR京都駅
 15日午前9時10分ごろ、京都市下京区のJR京都駅新幹線上りホームで、東京行き「のぞみ6号」(500系車両)の4、5号車間にあるゴム製カバーの取り付け用ねじ5本が外れていたため、駅係員が点検作業をした。列車は14分遅れて出発し、名古屋駅で針金で固定する応急措置を行った。後続車両への影響はなかった。
 JR東海によると、カバーはホームから転落を防ぐため、各車両間に取り付けてある。午前6時46分に小倉駅でカバーが外向きにゆがんでいるのが見つかった。各停車駅で安全を確認してきたが、京都駅でねじが外れていたため、停車して点検した。車両を所有するJR西日本が原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
16日■電車でDVD 駅でレンタル 近鉄が来月開始
 近畿日本鉄道は15日、特急電車の利用客が乗車中に映画などを楽しめるよう、DVDプレーヤーや映像ソフトをレンタルする事業を近鉄難波駅、上本町駅、名古屋駅の各構内で4月4日から始めると発表した。
 プレーヤーとソフトをセットで借りれば、3駅のどの駅で返却してもよい。ソフト1本とのセットは当日返却で800円。
 レンタル店は各駅の改札口の外にあり、難波、名古屋両駅では、身分証を提示して会員になった一般の人もソフトのみレンタルできる。(京都新聞)
■降りて歩いて 55 KTR丹後由良駅(宮津市由良) もてなしの心 今も豊か
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)宮津駅から2両編成のワンマンカーで約10分。山中のトンネルを抜けると由良浜の白砂青松が視界に飛び込む。駅舎はヨットの帆をイメージしたコテージ風のデザイン。南を仰ぎ見ると、「丹後富士」と呼ばれる由良ヶ岳(標高640b)が頂に残雪をたたえて出迎えてくれた。
 由良は海水浴、みかん狩り、カニ料理、温泉と季節を問わない観光地だが、森鴎外の小説で有名な「山椒太夫」伝承の地としても知られる。
 駅から北西へ5分ほど歩くと、ゆかりの深い如意寺に着く。境内には快慶作の府指定重要文化財の「身代わり地蔵」がある。谷口宥全住職(80)がそのいわれを話してくれた。
 山椒太夫の酷使から逃げようとした安寿姫と厨子王の姉弟は計画が発覚したため、額に焼金を当てられた。ところが、2人のやけどの傷は消え、信仰していた地蔵にその跡がついていたという。「今は、病気にかかった方がご利益を願って訪れますね」と住職が地蔵を指さす。
 次に「由良の戸を 渡る船人 梶を絶え 行方も知らぬ 恋の道かな」(曾禰好忠)と百人一首でうたわれる由良浜へ向かった。砂浜の西に位置し、荒波にさらされた巨岩の上にはひっそりと「汐汲浜の碑」がたたずむ。ここは安寿姫が汐汲み労働を強制されていた場所だ。由良の民は不遇の安寿姫を案じ、いろいろと手助けをしたという。
 谷口住職は「伝説にあるように由良は昔から人情豊かな所で、その伝統は受け継がれている」と話す。温かい「おもてなし」の精神は今も人々の中に息づき、丹後の観光地を支えている。(京都新聞)
■踏切近くで事故 電車63本に遅れ 枚方の京阪
 16日午前5時40分ごろ、大阪府枚方市北中振3丁目の府道でトラックとワゴン車が衝突。トラックが近くの京阪本線の踏切に突っ込んで脱輪し、約1時間にわたって立ち往生した。この事故で京阪本線上下あわせて63本が遅れ、約2万人に影響が出た。トラックを運転していた男性(47)は首に痛みを訴え、病院に運ばれた。ワゴン車は現場からそのまま逃走した。(朝日新聞 夕刊)
17日■JR三山木駅 高架の新駅舎”発車” 農家・学生・園児ら祝う
 このほど高架化工事が完成したJR片町線三山本駅(京田辺市三山木)の「新駅舎開業記念式典」が16日、同駅で催され、地元住民や子どもたちが新駅舎の使用開始を祝った。
 新駅舎は、三山木地区特定土地区画整理事業の一環で、同地区の交通渋滞の一因となっていた踏切2ヵ所を解消するため、1999年10月に着工。旧駅南側約120bの高架上(高さ約6b)の無人駅で、構内が1ホーム2線となった。総事業費は約40億円。
 16日早朝の始発電車から高架線路へ切り替えられ、新駅舎の使用が始まった。朝の式典では、周辺住民ら約300人が参加。地元農家らによる山本駅朝市会が抹茶で無料接待したほか、同志社大の応援団吹奏楽部とチアリーグ」部の学生たち約30人が演奏と演舞を披露した。
 また、三山木幼稚園児と三山木保育所園児が「こんな駅ならいいな」と描いた大きな絵を市とJR西日本に贈った。(京都新聞)
■夢の超特急勢ぞろい 岡山 山陽新幹線30年を祝う
 山陽新幹線新大阪−岡山間の開業30周年を記念して、JR岡山駅近くの車両基地で16日、開業当時の0系「ひかり」から100系、300系、500系、最新の700系「のぞみ」まで、歴代の新幹線が展示された。
 最高速度は、開業当時の時速210`から同300`にアップ。岡山−東京間は4時間10分から3時間12分に短縮された。
 岡山駅は、山陽新幹線が博多まで延伸した1975年3月までは、新幹線の西の終着駅だった。
 車両の公開は17日まで。岡山駅西口から無料シャトルバスが20分間隔で運行されている。(京都新聞)
■地下鉄サリン事件 遺族ら「傷癒えぬ」 発生7年を前に会見
 オウム真理教の組織テロとされる地下鉄サリン事件の発生から7年を迎える今月20日を前別に、被害者や遺族らが16日、東京都千代田区の日本記者クラブで会見、「世間の関心は薄れてきているが、被害者の心の傷や体の傷は全く癒えていない」と訴えた。
 左半身がまひし病院で寝たきりの生活を続けている会社員の女性(38)は車いすで会見に出席。はっきりと言葉は話せないが、リハビリの成果を示すようにわずかに動く右手を上げた。
 女性の兄は「いつ死んでもおかしくない状態だったが、ようやくここまで回復した。しかし今後の不安は大きい。国には妹が生きていけるだけの最低限の補償を考えてほしい」と話した。(京都新聞)
■高架工事が影響 運休6本 遅れ16本 JR学研線
 JR学研都市線(片町線)松井山手−木津駅間で16日、始発から午前9時ごろまでの間に列車上下6本が運休、16本が最高23分遅れ、約5200人が影響を受けた。
 JR西日本によると、京田辺市三山木で、この日、高架工事があり、始発から午前7時20分まで同区間で徐行運転した。5分程度の遅れが出るとみていたが、予想以上に遅れたためという。(朝日新聞)
■公的支援望み被害者ら会見 地下鉄サリン事件
 地下鉄サリン事件の発生から20日で7年がたつのを前に、被害者や遺族らが16日、東京都内で記者会見した。後遺症を抱える被害者の苦しみは今もなお続いているが、公的支援は不十分なまま。「被害者や遺族の痛みは一生続くことを忘れた。
 女性は入院生活が続くが、女性の兄は「いつまでも病院に甘えて入院を続けることもできない。国はせめて、妹が生きて行くだけの最低限の負担をしてほしい」と語った。(朝日新聞)
18日■くらしの足元 自治を考える 赤字バス路線 存続に危機 国の補助、厳しく 生活の「足」失う不安
 「生活の足」として利用されている地方路線バスを取りまく環境が大きく変化している。昨春以降、国庫補助制度の見直しや新規参入と撤退の規制緩和が進んだ。財政構造改革や企業の競争力強化が目的だが、赤字バス路線の存続が危ぶまれる状況となっている。京都府口丹波地域で住民の声に耳を傾けた。
 JR亀岡駅前にある京都交通のバス発着場。京都市内の病院から戻る亀岡市東別院町の農業荒木璧夫さん(73)と妻のキヌ子さん(67)が乗ったバスが到着したのは、東別院線のバスが発車した30分後だった。
 荒木さんは3年前にひざの手術を受け、月2、3回のペースで病院に通う。キヌ子さんも循環器系の病気で同じ病院に毎週通院している。「診察を受ける人で込んでいたし、薬を受け取るのに時間がかかった。次のバスまで、まだ2時間半もある」。荒木さんはそう話し、待合所のベンチに腰を下ろした。
 東別院町は亀岡市南部の山間部に位置し、大阪府高槻市や茨木市に接している。JR亀岡駅から荒木さんの自宅に近いバス停までは約30分、料金は630円かかる。京都交通によると、東別院線は「1`走るごとに55円の赤字が発生する」という。
 キヌ子さんは「不便だけども、まだ交通手段があるだけ助かる。もし、バスがなくなったらどうやって暮らしていけばいいのか」と不安を隠せない。
 昨年4月から、複数の市町村にまたがるなど広域的、幹線的な赤字路線以外は、国庫補助がなくなった。亀岡市内では、京都交通が運行する東別院線と畑野線の2路線が該当する。国庫補助がなくなった分は、京都府が来年3月末までと期限を設け、暫定的に補助している。
 亀岡市は昨年8月、赤字路線の維持や将来のバス交通体系を検討する市バス交通検討会議を設置。先月にまとめた報告では、東別院線と畑野線について▽市単独補助による維持▽市による代替バス運行▽廃止も含めた大幅な見直し−などの方向で、市、事業者、地元住民が協議して決めるとした。
 松本行雄・市環境総務課長は「市単独での補助や独自のバス運行は財政負担が大きくなる。乗合タクシーの導入やスクールバスの活用といった方法も含め、府の補助が切れる1年後までには結論を出したい」という。
 荒木さんは思う。「通勤や通学に利用している人もいる。お年寄りが増え、車が運転できない人が多い。今よりも小さなバスでいいから、少なくとも朝昼夕方の3往復程度は走らせてもらわないと、いま以上に過疎化が進むだろう」
・ジェイアールバス園篠線
 西日本ジェイアールバス(本社・大阪市)は今春以降、8府県の赤字地方バス10路線を廃止する方針を打ち出している。口丹波地域では園部町と兵庫県篠山市を結ぶ園篠線が対象に含まれている。
 園部町にある京都聖カタリナ女子高。篠山市の自宅から園篠線を使い、片道約1時間半かけて通学する衛生看護科2年の木澤良子さん(17)は「寮もあるけど、家族といっしょに生活したいのでハス通学を選んだ。朝の園部行きは1本しかないので絶対に乗り遅れないようにしている」という。
 同じバスで通う同級生の中村舞さん(17)は「廃止になるかもしれないと聞いたのは1年生のとき。どうやって学校に通えばいいか、不安に感じた」と話す。
 園篠線は旧国鉄から路線を引き継いだ直後の1989年度には55万人の利用があったが、2000年度には19万人にまで減った。
 西日本ジェイアールバスでは「道路がよくなり、自家用車が普及したことに加え、過疎化や少子化が響いている。事業として成り立たない」と説明する。
 今年4月からは、篠山市の篠山口から福住までは神姫バスが同市の補助を受けてバスを運行。福住−園部間は、9月までは西日本ジェイアールバスが現状を維持し、以降は両市町が共同で車両を購入し、京都交通に運行を委託する方向で協議している。
 園部町の前田隆総務課長は「路線を存続せるためには、町として一定の財政負担はやむを得ない。回数券の導入など、沿線住民の利用が増えるような方法を考えていきたい」という。
 中村さんは「路線が残るのでホッとしたけど、乗り継ぎや運賃がどう変わるのか分からない。もうすぐ新学年が始まるし、ちゃんと説明してほしい」と話した。
過疎地が最大の課題
 2001年4月から、赤字バス路線に対する国の補助制度が切り替わった。新制度では▽複数の市町村にまたがり距離が10`以上▽運行回数は平均で1日3回以上▽輸送量が15−150人−などの要件を満たさない路線は、補助の対象外となった。
 京都府によると、府内では従来、国の補助を受けていた107路線のうち、要件を満たす路線は2割程度しかなかった。近隣自治体へ路線を延ばすなどバス会社による路線再編が進んだが、依然として約50の路線が国の補助対象外だ。
 府は激変緩和策として、国の補助金分を補う暫定支援措置の実施を決め、本年度9月補正予算に3500万円を計上。期間は2003年3月までで、来年度当初予算でも同額を確保した。対象路線がある各自治体では、暫定支援措置終了後の路線維持について検討を重ねている。
 また、先月1日には改正道路運送法が施行され、路線の新規参入は免許制が許可制に、撤退は許可制が事前届出制に変わり、地元市町村の事前同意が必要なくなった。
 市街地の「ドル箱路線」での競争が激しくなる一方で、赤字生活路線の切り捨てが進む可能性がある。府内ではすでに、西日本ジェイアールバスの園篠線と近城線(京都府加茂町−滋賀県信楽町)の2路線の廃止が決まっている。
 大里茂美・京都府交通対策課参事は「過疎地における路線がどうなるかが最大の課題だ。スクールバスや福祉バスは、路線バスとは担当部局が異なるが、行政の縦割りの壁を超えて活用を検討する必要がある。効率的、効果的な代替交通の確保に向け、府と市町村、バス事業者で早急に詰めていきたい」と話す。
・市民からひとこと 利用を増やす工夫や努力を
 中田美代乃さん(78)=亀岡市吉川町=の話 亀岡市のバス交通検討会議に市民代表として参加した。市老人クラブ連合会副会長を務めているので、高齢者の立場からバス交通のあり方について注文した。
 亀岡市内の路線バスは、本数が少なくて不便で、運賃も高いため利用者が少ないと思う。老人クラブのサークルや催しでも、家族に車で送ってもらったり、5人ぐらいでタクシーに乗り合わせて来る人が多い。
 市内全体で高齢化が進んでいる。地球温暖化や大気汚染防止など環境の視点からも、公共交通機関は維持してほしい。
 ただ、財政が苦しい行政やバス会社にお願いしているだけではいけない。それぞれの地域で、マイカーばかりを使わず、積極的にバスを利用するような努力も必要だ。敬老割り引き制度などの工夫もあれば、利用者が増えて運賃が下げられるし、本数も増えるのではないか。
・取材を終えて 許されぬ交通弱者へのしわよせ
 取材を通じて実感したのは、高齢者や障害者、車の運転免許を持たない若年層などいわゆる「交通弱者」と呼ばれる人々へのしわよせだ。
 亀岡市内のあるお年寄りは「ちょっと出かけようと思っても家族に車で送ってくれるよう頼むのは気が引ける。バスがなくなれば、さらに出歩かなくなると思う」と嘆いた。子どもの通学に不安をもらす保護者もいた。
 構造改革や規制緩和の名の下で、弱い立場の人ばかりに「痛み」を押しつけることは許されない。
 マイカーの普及や少子化、過疎化が進み、路線バス利用者は減少を続けている。赤字路線の維持には、事業者の企業努力に加え、行政のバックアップが欠かせない。
 地方分権が進む中、自治体の関係者からは「仕事ばかりが増えて財源が伴わない」とよく聞く。路線バス問題でも、国から地方への財源の移譲が必要だろう。
 その上で、各市町村は福祉、教育、環境保全、まちづくりの各視点から公共交通体系を検討し、責任を持って住民に示すべきだ。(丹波総局 水腰英樹)(京都新聞)
■阪和線で停電1.2万人に影響 架線が切断
 17日午後1時55分ごろ、和歌山市上野のJR阪和線別所踏切付近で、上り線の架線を支えるワイヤロープが切れて停電となり、近くを運行中の新宮発新大阪行き特急スーパーくろしおが停車した。乗客約300人は、下り線に止まった快速電車に乗り移り、和歌山駅に戻った。
 JR西日本和歌山支社の調べによると、高さ約4.5bのところにある架線を支えているワイヤロープ(直径約2a)が切れ、架線が垂れ下がったために停電になったという。原因は調査中。
 午後5時18分に上下線とも運転を再開したが、普通電車7本が運休、特急5本を含む49本が部分運休するなど乗客約1万2000人に影響が出た。(朝日新聞)
■声 電車内の携帯 私は注意した 無職 鮒千田 宗宣(兵庫県川西市 72歳)
 電車内で、車掌が停車駅案内をした後、携帯電話の電源を切るように放送しても、無視をして使用する乗客は、1両あたり必ず何人かはいる。
 車掌は乗り越し料金などの手続きのためか、後部の数両を往復する時、携帯に夢中の乗客を見て見ぬふりをして通り過ぎる。そんな乗客を見かけたら、指で肩を突っついてウインクでもすれば、多少の効果があるかと思うが、あれでは何のために放送しているのか疑問に思う。
 そこで、地声の大きい私は、目の前の席で、依然、携帯でこそこそ話している青年に「ペースメーカーを埋めている人もいる。失礼だが、あなたの姓名と電話番号を教えて下さい。今日明日にも異変があれば、責任を取ってもらうかもね」と注意した。
 すると、当の相手は無論、いつの間にか、ほかの乗客も早々と電源を切ってしまい込んでしまった。(朝日新聞)
■環状線側壁、はがれる 大阪・福島けが人なし コンクリート片落下
 18日午前6時20分ごろ、大阪市福島区福島6丁目、大阪環状線大阪−福島間の高架橋(高さ6.3b)の下の駐車場に、コンクリート片が落ちているのを通行人が見つけた。
 JR西日本によると、コンクリート製の側壁(高さ約1.5b)が長さ8.6bにわたってはがれ、高架橋にぶら下がった状態で止まった。側壁上に設けられていた信号ケーブルをカバーするコンクリート製のふた(縦50a、横33a、厚さ5a、重さ約20`)が7個落下。高架橋下の駐車場に止めてあったトラックのフロントガラスなどを直撃した。落下当時、通行人などはなくけが人はなかった。
 側壁は高架橋から垂直に付けられ、設計上は2種類の鉄のワイヤ(直径13_)を100本前後張って落ちないように支えている。だが現場では1種類のワイヤ47本が見つかっておらず、JR西日本は「施工不良の可能性が高い」とし、施工した大手の建設会社(本社・東京都)から事情説明を受けている。現場の高架橋は64年に建設。今年1月に目視点倹した時には異常はなかったという。同様の構造の高架橋は環状線だけで計2800b以上あるという。(朝日新聞 夕刊)
19日■ドア閉まらず電車遅れる JR藤森駅、2000人影響
 18日午後4時5分ごろ、京都市伏見区のJR奈良線藤森駅で城陽行き普通電車(4両編成、乗客約200人)が発車する際、先頭車両のドア1ヵ所が約30a開いたまま閉まらず、手動で閉めて11分遅れで運転を再開した。JR西日本によると、この故障で後続電車4本が13−14分遅れ、快速電車2本が運休、約2000人の乗客に影響が出た。同社で原因を調べている。(京都新聞)
■側壁崩落 「手抜きか、施行ミス」 JR西日本 業者に賠償請求も
 大阪市福島区の大阪環状線で高架橋の側壁がはがれ、コンクリート片が落下した事故で、JR西日本は18日午後、側壁の断面を調べ、側壁の落下を防ぐために必要な51本のワイヤがないことを正式に確認した。同社は「大事故につながる可能性があった。施工ミスか悪質な手抜き工事」(幹部)とみて、この部分を施工した西松建設(本社・東京都)に、補修工事費など数億円の損害賠償の請求を検討している。
 JRによると、設計では側壁に15a間隔でワイヤ(長さ70a、直径13_)を埋め込み、これを別のワイヤで引っ張って落下を防ぐ必要があった。だがはがれた部分には引っ張るためのワイヤが全くなかったという。
 環状線約20`のうち、同じ構造の高架橋は2800bあり、西松建設が738bを施工、別の5社が残り区間を施工した。西松建設は山陽新幹線の高架橋なども施工している。JR西日本は、環状線については19日の始発電車までに電磁波による鉄筋探査機を使って総点検。ほかの線区についても数日間かけて緊急点検する方針だ。
 99年に山陽新幹線のトンネルでコンクリートが落ちた事故では、施工業者がJR西日本の求める補修費などの支払いに応じた。
 西松建設関西支店の担当者は「JRはワイヤの一部が無かったと主張しているが、当社としてはまだ調査中だ。古い工事なので、書類などを探し、確認する」と話している。(朝日新聞)
20日■13日夜に一部運休 JR京都−高槻間
 JR西日本は19日、京都市下京区のJR京都駅構内で信号制御システム改良工事を実施するため、4月13日夜に東海道線京都−高槻間で普通電車を一部運休する、と発表した。
 区間運休するのは、京都駅発午後10時39分−同11時54分までの4本と高槻駅発同10時−同11時56分までの計7本。同時間帯は上下線ともに快速電車を各駅停車させて乗客輸送する。(京都新聞)
■リニアの魅力に迫る 走行シーンの立体映像 技術や整備計画を紹介 JR東海 23日から大阪で
 JR東海は23日から25日まで、走行試験中の超電導リニアモーターカーの魅力に迫るイベント「リニアイノベーション2002」を大阪市北区の阪急梅田駅1階コンコースで開く。走行シーンの立体映像や、今年2月に実験走行距離が20万`を超えたリニアの技術力、今後の整備計画などを紹介する。
 リニアは金属物質の電気抵抗がゼロになる超電導状態を利用し、強力な磁気によって浮上走行する仕組みで、鉄道の有人走行で552`の世界最速記録を持つ。同社がリニアを採用予定の中央新幹線(東京−大阪)の整備計画の行方は不透明だが、すでに技術的な課題は克服している。
 イベントでは、専用眼鏡をかけると立体的に見える200インチの大画面でリニアの走行を再現するほか、リニアの技術や部品などをパネルで紹介する。また同社が山梨リニア実験線(山梨県都留市−大月市)で今後開くリニアの一般試乗会の参加申し込みも受け付ける。(京都新聞)
■高架橋738b補強ワイヤ 環状線でJR西
 JR大阪環状線で高架橋の側壁がはがれ、コンクリート片が落ちた事故で、JR西日本は19日午後、施工不良が見つかるなどした大阪- 野田間の高架橋738bに、側壁の落下を防ぐ補強ワイヤをかけた。今後、鉄板などを打ち付けてさらに固定する。
 補強したのは、事故現場を建設した西松建設(本社・東京都)の施工区間738b。(朝日新聞)
■片町線に朝・夜「女性車両」 痴漢許さぬ JR西、5月めど
 ラッシュ時の車内での痴漢被害を防ぐため、JR西日本は今年5月をめどに、「女性専用コーナー」を設けた車両を、朝と深夜に導入する方針を固めた。片町線(京橋−木津、44.8`)で1ヵ月ほど試験的に実施し、乗客の反応を見て、大阪環状線など、ほかの路線へも拡大する。
 首都圏の京王電鉄やJR東日本の一部路線では、約1年前から女性専用の車両を設けているが、深夜だけの運行。痴漢被害は朝が最も多く、この時間帯に導入するのは初めてという。
 JR西日本の計画では当面、片町線を走る7両編成の最前部か中間部の1両の内部6〜7割を女性専用にする。
 車体の外側に専用車であることがわかる表示をする。内部は女性専用部分を壁で区切る。ドアをつけるかどうかは未定だが、座席の色を変え、つり革の位置を低くするなどを検討する。ホームにも女性専用の乗り口であることがわかる表示をする。
 昨年、大阪府警は痴漢行為で345件を送検。うち7割が電車内でのものという。JR西日本は5月の黄金週間明けをめどに、朝のラッシュ時と、酔客らの多い午後11時以降に走らせる予定だ。(朝日新聞 夕刊)
21日■西松建設が責任認める JR西コンクリ落下
 大阪市福島区のJR大阪環状線で高架橋の側壁が折れ、コンクリート製の防護ふたが落下した事故で、JR西日本の南谷昌二郎社長は20日の記者会見で、事故のあった高架橋を施工した西松建設(東京)の金山良治社長が事故の責任を認めて謝罪し、補修費の全額負担を申し入れたことを明らかにした。
 事故後、高架橋に側壁を支えるために必要な鉄筋が不足していたことが発覚。手抜き工事の疑いが出ていたが、西松建設はこれまで公式の説明はしていない。
 南谷社長は「結果的に西松建設の全額負担になるかどうかは分からないが、早期の施工を目指したい」との意向を示した。(京都新聞)
■W杯会場そばなのに…「ホーム狭い」 試合当日に運休 和田岬線でJR西検討
 5月開幕のサッカー・ワールドカップ(W杯)を前に、JR西日本は20日、「神戸ウイングスタジアム」(神戸市兵庫区)で試合が予定されている6月5、7、17日の3日間、会場北側を走るJR和田岬線を運休にする方向で、地元との調整に入った。同線は単線のうえ、会場の東約400bにある和田岬駅のホームが狭いため、大勢の観客で混雑するとトラブルになる可能性があると判断した。
 和田岬線は、山陽線兵庫駅から南に2.7`延びる線で、朝と夜に計17往復している。
 一方、神戸会場の収容人員は約4万2000人。このためJR西日本は、試合日に臨時電車を走らせることも検討したが、ピストン輸送に限界があるうえ、和田岬駅では混雑をさばききれないと判断した。兵庫県警からも運休要請があるという。南谷昌二郎社長は「安全のための異例の措置。地元に協力を求めていきたい」としている。
 同スタジアムの西約300bには神戸市宮地下鉄の御崎公園駅があり、JRでは兵庫駅が北約1.8`にある。(朝日新聞)
■JR環状線事故 施工不良認め西松建が謝罪
 JR大阪環状線の高架橋の側壁がはがれ、コンクリート片が落ちた事故で、現場を施工した西松建設(本社・東京都)の金山良治社長が20日、大阪市北区のJR西日本本社を訪れ、側壁の落下を防ぐワイヤを入れていなかった施工不良を謝罪した。金山社長は数千万円の補修費を支払う約束もしたという。
 JR西日本の南谷昌二郎社長との会談で金山社良は「光年前の工事で資料がないが、施工不良をおわびしたい」と話したという。西松建設は、環状線で施工した現場と同じ構造の側壁738bのうち、615bに約4000本のワイヤを入れていなかった。(朝日新聞)
22日■乗客の4女性軽傷 上京、市バス急停止
 21日午後1時40分ごろ、京都市上京区堀川通一条下ルで、三条京阪前行きの市バスが急停止した。乗客約30人がいて、座席に座っていた北区の女性(75)が顔を打つなど、女性4人が軽いけがを負った。
 西陣署によると、バスの前を走っていたバイクが転倒し、急ブレーキをかけたという。バイクを運転していた近くの男性(78)にけがはなかった。(京都新聞)
■強風で運休、遅れ KTRとJR23本
 低気圧通過に伴う強風の影響で21日、北近畿タンゴ鉄道(KTR)で計17本、JRで6本の列車に、部分運休や遅れなどの影響が出た。
 午前8時半ころ、宮津市由良と舞鶴市西神崎をつなぐ、KTR宮津線由良川橋りょうで、風速が20bを超えたため、午後1時20分まで断続的に運転を見合わせた。この影響で、京都行き特急「タンゴディスカバリー2号」が、部分運休(宮津−西舞鶴間)したのをはじめ、普通6本が部分運休し、9本に最大2時間8分の遅れが出た。
 また、正午ごろ、宮津市営村のKTR宮福線宮村駅で、飛来してきたビニールが構内架線に引っかかり、天橋立行き特急「はしだて3号」に30分の遅れが出た。
 さらに、JR福知山線では、午後零時45分ごろ、兵庫県三田市上相野の相野−藍本間で、飛来したビニールが架線に引っかかった。撤去作業などの影響で、快速4本が部分運休し、城崎行き特急「北近畿7号」が約80分遅れるなど、計2本に遅れが出た。(京都新聞)
■論点 JR鹿児島線で電車追突1ヵ月 内規含め事故分析を JRの連携も不可欠 八幡支局長 鈴木 哲法
 JR九州の鹿児島線で起きた電車追突事故から22日で、1ヵ月になる。事故の背景には、5年前に発生したJR東海道線の追突事故の教訓を十分に生かしきれなかったことがある。JR東日本とJR北海道、JR四国は東海道線の事故の後に運転取り扱いを見直したが、九州、東海、西日本のJR三社は今回の事故を受けて見直しを決めた。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会には、JR各社の安全対策や内規に踏み込んだ分析と再発防止策の勧告を求めたい。
・閉そく信号機
 鹿児島線では2月22日夜、福岡県宗像市で異音を感じて停車した普通電車が発車しようとした際、後続の快速電車が追突、乗客・乗務員計134人が負傷した。
 JR九州によると、快速電車の運転士は内規に従い、閉そく信号機の赤が一分間経過後、15`以下で運転を再開。次の閉そく信号機までは停車可能な15`以下を継続しなければならなかったが、途中の中継信号(前方の普通電車側の信号に連動)の進行現示を見て45`に加速してしまい、追突したという。
 鉄道は一定区間に1列車を占有させる「閉そく」と信号で安全を確保している。停車場の入り口の場内信号機と出口の出発信号機は、赤信号での進入は不可だが、閉そく信号機はポイントが関係せず、省令などで1分間経過後、停車可能な15`以下で進入できる。
 1997年8月、静岡県沼津市の東海道線で乗客43人が負傷した事故も、後続の普通電車の運転士が閉そく信号機の赤信号で運転を再開。前方の貨物列車の先にある信号機の青信号を見て加速してしまい、停車中の貨物列車に追突した。
 99年2月、JR東日本は運転士の判断のみではなく、輸送指令に連絡をとり、輸送指令は先行列車が前方の閉そく区間にいないことを確認してから、進入させるように内規を改めた。
 JR北海道も99年9月、無線の難聴区間で連絡がとれない場合を除いて輸送指令に連絡をとることとし、JR四国は「順調に運用しているJR東日本を見て、2000年11月に改めた」。
・相次ぎ改定へ
 一方、JR九州はこの間、運転士への指導で対応した。平田幸男安全推進部長は、JR東日本が改めたことを「99年末ごろに会議の場で話が伝わってきた。事故が起きてしまったことからすれば、もう少し東日本の話を聞いておくべきだったかもしれない」と話す。
 JR東海も、JR西日本も運転士への指導で対応したが、今回のJR九州の事故を受け、それぞれ4月中の改定実施に向けて準備している。
 また、JR貨物は運転士が、複数の旅客会社間の線路をまたがって走ることがある。このため、「旅客会社の取り扱いが変わるたびに指導をしている。違いのマニュアルをつくり、取り扱いを誤らないようにしている」(JR貨物広報)と難しさを吐露する。
 安部誠治関西大教授(交通政策論)は「今回の事故は基本的には運転士のミスだが、勘違いしやすい信号システムになっていたところに大きな原因がある。あわせて、どの程度、旅客会社間で取り扱いに違いがあるのかを検証する必要がある」と指摘する。
 旧国鉄の分割民営化から15年。JR各社の情報交換と連携が、より重要になっている。(京都新聞)
■急ブレーキで乗客4人げが 上京で市バス
 21日午後1時40分ごろ、上京区堀川下之町の府道で、立命館大学前発三条京阪駅行の市バス=安田一雄運転手(54)=が急ブレーキをかけた際、女性(75)ら乗客4人が前の座席で顔を打つなどして、軽いけがをした。
 西陣暑の調べでは、安田運転手は前を走っていたミニバイクが転倒したので、ブレーキをかけたらしい。(朝日新聞)
■リストラの「痛み」克明に 国労の闘いビデオ上映 近畿各地で
 87年の国鉄分割民営化で解雇された国労(国鉄労働組合)組合員やその家族が、解雇撤回を求めて闘う姿を記録したビデオ「人らしく生きよう国労冬物語」の上映会が各地に広がっている。「改革」の名の下に解雇された人たちの尊厳をかけた闘いの記録が、リストラの「痛み」を抱えるいまに重なる。
 ビデオは、解雇された仲間と北海道留萌市でホタテの行商やアルバイトで生計を立てながら、職場復帰を訴え続ける大谷英貴さんとその家族らの姿を追う。
 上映は23日=正午・東大阪市民会館、午後2時・神戸市勤労会館▽24日=午後1時・高槻交流センター、午後2時・京都キャンパスプラザ、午後2時30分・堺市栂文化会館▽30日=午後1時10分・メセナ枚方▽4月7日=午後1時・ビアーレ大阪▽同14日=午後3時・大津市生涯学習センター▽5月18〜31日=シネ・ヌーヴォ(大阪)。前売り千円(当日1200円)。
 23、24日と4月7日の上映会では、大谷さんらが直接、支援を訴える。詳細は関西上映実行委員会の桐生陸文さん(090・4288・3982)か、ビデオプレスのホームページ(http://member.nifty.ne.jp/videopress)へ。(朝日新聞 夕刊)
■事故でも客室は安全 NY地下鉄 川崎重工業に米学会論文賞
 川崎重工業が米国機械学会から、鉄道輸送部門の最優秀論文賞を受けた。ニューヨーク市交通局に納入した地下鉄車両の衝突に耐える性能に関する研究が、高く評価された。日本企業初の受賞で、4月にワシントンで授賞式がある。
 同社は97年に受注した際、重さ38d(乗客を含む)の車両が時速27`で衝突しても、客室が壊れない安全性を求められた。
 同市の地下鉄の車両は安全対策として、自動車のバンパーのようなアンチクライマーと太い柱をつけている。開発陣はこれらに加えて、客室をのせている台枠の端だけが衝突時にぐしやぐしやと壊れ、ショックをやわらげる工夫をした。
 コロラド州で米国初の衝突試験をし、要求を満たすことを確かめた。丸中俊則・車両カンパニー技術本部長は「実験して耐衝突性能を正確に評価したことが認められた」。520両を納入した。(朝日新聞 夕刊)
23日■梅小路蒸気機関車館「B20」復元へ JR西、開館30周年を記念 豆タンクの力走再び OBらが作業 今秋にも完成 磨き上げに一般参加も
 JR西日本は、京都市下京区の梅小路蒸気機関車館で「豆タンク」の愛称で知られた小型機関車「B20形」を復元する。同館の開設30周年記念事業で、同社が機関車を復元するのは初めて。第二次大戦中から戦後にかけて車両基地などの構内輸送で活躍した力強い走りが、今秋にも32年ぶりによみがえる。
 同機関車は、国鉄が1945−46年に15両を製造し、現在は同館と北海道に計2両しか残っていない。車体は長さ7b、重さは20.3d。日本最大の蒸気機関車「C62形」と比べ長さは3分の1、重さは7分の1で、戦時下の資材不足を反映して簡素な設計になっている。
 同館内に保存している車両を4月初旬にいったん解体したうえで運転装置などの修理や部品交換などを行い、8月下旬の完成を目指す。復元作業には実際に蒸気機関車の保守・運行担当だった同社OBらが当たり、最終の磨き上げ工程には一般参加を募る。
 完成後は同館で展示するとともに、一般人場者向けの乗車体験車両などとして活用する。
 また大阪市港区の交通科学博物舘では、京都駅2代目駅舎のホーム上屋を復元する。1914(大正3)年に旧京都駅に建設、50年の同駅舎全焼時も焼け残り、現在のJR京都駅ビルの建設に着工した94年まで使われていた。長さ65b、幅4bで、同博物館の屋外車両展示場の屋根として総工費2億2000万円をかけて今年7月下旬までに整備する。(京都新聞)
■JR草津線油日駅 新駅舎利用を開始
 滋賀県甲賀町上野のJR草津線油日駅の改修工事が完了し、23日から新駅舎の利用が始まる。新駅舎は、「巻物を持つ忍者」をイメージして甲賀町内の小学生がデザインしたユニークな外観で、住民のコミュニティーの場としても使われる。40年以上使われた旧駅舎が老朽化し同町が総工費1億1100万円をかけ全面改修した。(京都新聞)
■降りて歩いて 56 JR山崎駅(大山崎町大山崎) 秀吉の活躍が陶板画に
 JR山崎駅から宝積寺を抜けて天王山の登山道に入る。春の観光シーズンになると、大勢のハイカーがやって来る。270bの山頂までは30−40分かかる。道をたどると、豊臣秀吉の天下取りの道のりを描いた陶板画も設置されていて、新緑とともに戦国絵巻も楽しめる。
 陶板画は6枚。大山崎町が秀吉ゆかりの天王山の観光PRにと作った。作家の堺屋太一さんが監修し、日本画家の若井弘さんが屏風(びょうぶ)絵で原画を描いた。
 秀吉の歩みを追いかけながら散策する行程となっている。登山口には、本能寺の変の直前の関係武将の配置を描いた「本能寺の変、その時武将は」があった。続く展望広場には、本能寺の変を知った秀吉が備中高松から京へ引き返した「秀吉の中国大返し」が立つ。いずれも縦1.8b、横1.8bの大きさだ。
 旗立松付近には、天下分け目の最高潮、秀吉と明智光秀の「山崎の合戦」が見える。この絵と並び、合戦前の両軍を天王山山頂から見下ろした構図で描かれた「対峠する両軍」の2枚は、横6.5bのジャンボサイズ。壮大な絵巻物を見るような迫力がある。
 頂上近くの酒解神社境内には、光秀が山科で襲われる「光秀の最期」がある。山頂には、天下人の秀吉を描いた「秀吉の覇権」で締めくくる。
 旗立松の近くには「山崎合戦之地」の石碑をはじめ、幕末・禁門の変(1864年)で幕府軍に敗れた尊皇操夷(じょうい)派の志士・真木和泉守らが眠る「十七烈士の墓」もある。大山崎町は「陶板画だけでなく、自然とともに歴史の宝庫である天王山ハイキングを楽しんでほしい」と話している。(京都新聞)
■JR不採用問題 ILO「解決を」 報告書を採択
 87年の国鉄分割・民営化に伴う国労組合員のJR不採用問題で、国際労働機関(ILO)は22日、スイス・ジュネーブでの理事会で、組合員への「公正な補償」を含め、早急な解決に向けた交渉を進めるよう日本政府や政党に求める報告書を採択した。国労が昨年1月に受諾を決めた与党3党と社民党の「4党合意」による解決について「実質的な進展が見られないのは遺憾だ」と指摘。「『交渉がこれ以上遅れれば、価値を失いかねない』という国労の見解に同意する」としている。
 ILOは00年11月、政府に解決を促す「最終勧告」を採択。今回の報告書は、ILO結社の自由委員会がまとめた追加の報告だが、国労側は「事実上の再勧告ともいえる異例の内容。一日も早い解決交渉の開始を訴える」と話している。(朝日新聞)
■まちかどの社会学 なぜ電車、バスで居眠りするのか 慢性寝不足+快い揺れ 「車内安全」枕に 勤勉日本人の活力源だ
 日に日に暖気が増し、何かと眠気を誘われる季節。とくに電車やバスに乗ると、つい眠気に負けそうになる。周りにも寝ている人が多い。どうして、車内で居眠りしてしまうのだろう。(社会報道部 吉永周平)
 今月中旬の昼下がり、京都市バスの車内で、乗客9人のうち女性2人がうつらうつら。京都観光中の会社員江島加奈子さん(31)=東京都=は「バスの車内はよく日が当たって暖かいので、眠ってしまうのかも。普段でも仕事帰りの電車でついウトウトします」。
 国立精神・神経センター精神保健研究所(千葉県)の白川修一郎室長(53)は、とりわけ電車内では周期的でゆっくりした揺れの影響を指摘する。手のひらで優しく体をたたき、赤ん坊を眠らせるのと同様に、生理学的に人の意識水準を下げる効果があるという。
 さらに、日本は車内でスリなどの被害に遭う恐れが、外国に比べて比較的少ない、とされる。米国ニューヨークで通勤電車に指定席を設けたら、居眠りをする人が増えたとする調査リポートがある。白川室長は「日本の車内はあまり危険や不安感がないから、人は眠りに誘われる」と分析する。
 しかし、日本人が車内で眠る背景には、何といっても睡眠不足があるようだ。2000年のNHK放送文化研究所の国民生活時間調査によると、働き盛りの30代男女の平日の睡眠時間は平均7時間を切った。都市化に伴うライフスタイルの変化で、夜型の生活が浸透している。インターネットや携帯電話は深夜に使うことも多く、IT(情報技街)化の波が若い世代の睡眠不足に拍車をかける。
 眠り足りない現代人が、電車やバスに心地よく揺られると、安心感も手伝ってついりトウト…となるわけだ。
 日本人の睡眠不足は、長時間働き、かつ学ぶことを良しとする「精神論」が根底にある、との識者の指摘もある。長い拘束時間の後、自分の時間を生み出すには、睡眠時間を削らざるを得ない。勤務時間中に昼寝をすることもあるイタリア人やスペイン人とは対照的だ。睡眠に関しては、「働きバチ」健在と言えそうだ。
 車内の居眠りの効果は。民間の睡眠文化研究所(東京都)などの実験では、新幹線車内で仮眠を取ったグループは、取らなかったグループに比べて、その後の作業能率が上がったという。
 同研究所の高橋直美主任研究員(30)によると、座席の角度が60度以上だと、睡眠は浅くなる。でも、15分間の仮眠でも脳の機能回復は十分可能で、浅い睡眠は深い眠りよりかえって頭がスッキリする。
 車内での居眠りは、寝不足気味で勤勉な日本人が、活力を取り戻すのに不可欠な手段なのだ。(京都新聞 夕刊)
24日■ブリキ板落下 地下鉄止める 大阪・中央線
 23日午後3時半ごろ、大阪市西区の市営地下鉄中央線九条駅の西約400b付近で、線路に沿った電線にブリキ板が接触し、送電が止まった。中央線は全線で運転を見合わせ、ブリキ板を取り除き、約5分後に運転を再開した。けが人はなかった。
 しかし約15分後、ほぼ同じ場所で再びブリキ板が見つかり、約3分間運転を見合わせた。
 現場の中央線は地下ではなく高架を走り、より高い位置にある阪神高速大阪港線の上下線に挟まれるように線路がある。大阪市交通局は、阪神高速からブリキ板が落下したとみて調査している。(京都新聞)
■温泉付き住宅でレジオネラ検出 栃木、国基準の800倍
 JR東日本などが栃木県喜連川町に分譲した温泉付き住宅地「フィオーレ喜連川」で23日までに、温泉供給設備の貯湯漕から国の基準の約800倍に当たるレジオネラ菌が検出され、同社は温泉の供給を停止した。
 レジオネラ菌に感染すると肺炎などを起こす恐れがあるが、住民に感染者は出ていないという。
 JR東日本が2月21日に実施した水質検査でレジオネラ菌を検出。同社は県の指導を受け3月22日から温泉の供給を停止し、23日に住民に現地で状況を説明した。(京都新聞)
■紀勢線特急と軽トラが衝突 和歌山、1人けが
 23日午後4時15分ごろ、和歌山県御坊市湯川町丸山のJR紀勢線宮前踏切で、新宮発新大阪行きの特急スーパーくろしお24号(9両編成)が、踏切内に止まっていた近くの無職岩本モミジさん(73)の軽トラックに衝突した。トラックは大破し、車外にいた岩本さんが頭などにけがをした。特急はその場に約40分停車して運転を再開、乗客約490人にけがはなかっな。この事故で特急など4本が遅れ、計約1000人に影響が出た。(朝日新聞)
■東北・高崎・常磐線 東京駅に乗り入れ JR東日本、09年度末目標
 山手線などの混雑緩和と利便性向上をめざし、JR東日本は09年度末をめどに、上野駅発着となっている東北、高崎、常磐線の中距離普通電車などを東京駅まで延伸する方針を固めた。一部は東海道線にも乗り入れ、湘南方面との直通運転とする計画だ。05年度の着工を予定しており、沿線自治体などとの最終調整に入った。計画の実現により、首都圏の朝のラッシュ時で「最悪」となっている山手、京浜東北線(上野−御徒町間)の混雑率は現在の233%から180%以下に緩和される見通しだ。
 JRの計画では、上野−東京間のうち、上野から秋葉原駅付近までは電車の待機に使っている留置線を利用し、秋葉原駅付近から東京駅までは東北新幹線の上に高架を建設する。途中に駅は設けず、直行運転とする。02年度から環境影響評価や詳細設計などの準備を始め、総工費は約300億円を見込んでいる。
 何本の電車を東京駅に乗り入れるかといった具体的な運転ダイヤは、開業直前の乗車状況を見て決めるが、高崎線と東北線は、普通電車を東海道線と直通運転することを検討している。例えば、東京経由の高崎(群馬県)−小田原(神奈川県)間や宇都宮−熱海(静岡県)間を結ぶ電車などが想定されている。
 常磐線については、特急「スーパーひたち」「フレッシュひたち」の乗り入れとなる見通しだ。普通電車は、乗客の動向を見極めた上で判断する。(朝日新聞)
25日■東北線など3線 東京駅乗り入れ JR、9年度に完成
 JR東日本は24日までに、東北、高崎、常磐の3線の電車の一部を東京駅まで乗り入れるための工事を2005年度にも始める方針を固めた。09年度末の完成を目指す。
 現在3線の電車はほとんどが上野駅発着で、都心部に向かう利用者にとって、同駅での山手線や京浜東北線への乗り換えが通勤のネックになっている。東京駅乗り入れで通勤時間が数分短縮されるほか、山手、京浜東北両線の混雑緩和も図られるため、運輸政策審議会が2000年1月の答申に整備を盛り込んでいた。(京都新聞)
■分割民営化でJR発足15年 輸送量増加も 経営、各社明暗 旧国鉄債務は重く 世界最大の旅客規模
 旧国鉄の分割民営化から4月で15年。旅客輸送量は着実に伸び”鉄道復権”の成果は上がった。しかし、経営的には、順調なJR本州3社に比べ、いわゆる「3島会社」と貨物は厳しい状況が続いており、分割による明暗が顕在化している。
 輸送人キロ(全旅客が乗った距離の総合計)20%増、鉄道事業収入21%増−JR東日本が発足した1987年度と、2000年度を比較した数字だ。旅客輸送に限って言えば、世界最大の鉄道会社だ。
 輸送人キロは東海も18%増、西日本15%増など、運賃値上げと”国鉄離れ”の悪猫環が断ち切れなかった国鉄末期とは比較にならない堅調ぶり。
・苦しい「三島会社」
 これに対し北海道、四国、九州の「3島会社」は経営安定基金の運用益で経常黒字を維持しているものの、本業の鉄道事業の赤字が続いている。当初黒字だった貨物も01年3月期まで8期連続経常赤字で、今後3年間で鉄道部門の社員を2割削減する計画に取り組む。
 東日本、東海、西日本の3社は97年までに株式を上場、昨年12月の法改正で特殊法人でなくなった。事業計画や役員人事の大臣認可が不要になり、原則として東急や阪急などと変わらない「私鉄」になった。日本鉄道建設公団が保有する株式が売却されると名実共に民営化が完了する。
・本州3社には債務
 ただ3社は国鉄時代の債務を今も返し続けている。発足時、国鉄の債務や年金負担など総額37兆1000億円のうち11兆6000億円を3社と貨物などが承継した。
 東海は実質5兆2000億円だった長期債務を01年9月末までにやっと4兆4000億円に減らした。東日本も4兆4000億円、西日本は1兆1000億円を抱える。
 06年3月期までに東日本は3兆8000億円、西日本は1兆円に圧縮するのが目標。東海の葛西敬之社長が「債務削減が最大の課題」というように経営の重荷となっている。
・国民負担24兆円に
 国鉄清算事業団が引き継いだ25兆5000億円の債務は償還が遅れた。当初バブル経済が続き、旧国鉄用地の売却が「地価高騰をあおる」として先延ばしにされた結果、債務はかえって膨らんだ。
 98年10月に事業団が解散、年金債務などを除く計24兆1000億円が国の一般会計に繰り入れられ、60年かけて税金などで穴埋めされることになった。国民1人当たり約20万円の”ツケ”となった。(京都新聞)
JR関連年表
1987国鉄の分割民営化でJR各社や新幹線保有機構が発足、国鉄は国鉄清算事業団に改組
9110 JR東日本、東海、西日本が新幹線保有機構から新幹線設備を計約9兆2000億円で買い取り
9310 JR東日本が東証一部、大証一部などに上場
96 JR北海道、四国、九州が消費税関連以外で初めての運賃値上げ
  10 JR西日本が上場
9710 JR東海が上場
9810 国鉄清算事業団が解散、債務約24兆円が国民負担に
99 JR東日本株式2次売却
200112 JR東日本、東海、西日本をJR会社法の適用から外す法律が施行、3社は特殊法人でなくなる
26日■市バス運転手殴った男逮捕 傷害など容疑
 下鴨署は26日、傷害と公務執行防害の疑いで京都市左京区岩倉忠在地町、解体業橋本将隆容疑者(36)を逮捕した。
 調べでは、橋本容疑者は昨年10月28日午後8時10分ごろ、左京区北白川仕伏町の府道で、自分の軽乗用車と市バスが衝突しそうになったことに因縁をつけ、近くにいたバス誘導員の佐野武雄さん(67)を殴り顔の骨を折るなど重傷を負わせたほか、奥本浩運転手(60)を降車させ、顔を殴るなどした疑い。乗客5人にけがはなかった。バスは運休した。(京都新聞 夕刊)
27日■丹後海陸交通 運賃5.4%値下げ 1日から法改正後、近畿で初
 京都府北部を走る丹後海陸交通(本社・野田川町下山田)は、4月1日から路線バスの運賃を平均で5.4%値下げする。住民のバス離れへの防止と改正道路運送法により値下げの手続きが容易になったため。近畿運輸局によると、今年2月に同法施行後、全面的な運賃の値下げは近畿2府4県では初めてという。
 同社の年間バス利用者数は、ピーク時の1965年度には614万人だったが、マイカーの普及で年々減少。98年度には100万人を割り、2000年度は87万6000人まで落ち込んだ。そこで、乗客を呼び戻そうと、規制緩和を狙いとした改正道路運送法を機に値下げに踏み切った。
 今回の改定では、初乗り運賃は現行の大人160円を150円にした。区間運賃の値下げ率は9−3%で、遠距離になれば大きくなるよう設定している。また4月から学校が完全週休5日制になるのに伴い、宮津高−伊根役場前の1ヵ月通学定期券を2万4020円(現行2万9520円)にするなど、通学・通勤定期券でみると、18%前後の値下げになる。
 また、同社と競合路線を抱える加悦フェローライン(本社・加悦町滝)も、4月1日から全4路線の初乗り運賃と区間運賃などを同社と同額に値下げする。(京都新聞)
■はねられ2園児死傷 JR阪和線
 26日午後5時40分ごろ、和歌山市有本のJR阪和線で、和歌山発京橋行き上り快速電車(5両編成)が線路内にいた子ども2人と接触した。近くに住む会社員北野好紀さん(44)の長男健司ちゃん(3)が頭などを強く打って即死し、同、会社員津山裕子さん(30)の長女真亜璃ちゃん(3)が頭の皆を折り、意識不明の重体。
 和歌山東署の調べでは、2人は市内の別々の保育園に通っているが、夕方から現場近くの踏切付近で遊んでいたという。運転士が線路内にいた2人を発見、警笛を鳴らし急ブレーキをかけたが間に合わなかったらしい。JR西日本和歌山支社によると、同電車は現場に約15分停車、乗客約350人にけがはなかった。この電車を含む上下6本が運休か部分運休。上り6本が遅れ、計約3800人に影響した。(朝日新聞)
28日■昔の京都駅ホーム屋根 修復後、新舞台へ 大阪の博物館で展示 7月完成予定 蒸気機閑車などと一緒に
 JR西日本は、京都駅で大正時代から約80年間使われていたホームの屋根を修復し、大阪市港区波除3丁目の交通科学博物館で展示する。7月をめどに完成を目指す。
 屋根は長さ65b、幅12b、高さ8.6bのヒノキ製。14年に京都駅1番線の東海道線ホーム上に設けられ、93年に現在の駅舎に改築されるまで79年間雨風を防いできた。骨組みを縦横だけでなく斜めにも組んで強度を増したトラス構造で、大正から昭和にかけて多く建造された様式。現在では鉄筋コンクリート製の駅舎が増え「現役」の駅舎はほとんどないという。引退後は一部を解体して倉庫に保管していた。JRは修復した屋根の下に、かつて関西を中心に活躍した蒸気機関車や食堂車など9両を置き、当時の雰囲気を再現する。 交通科学博物館は62年、旧国鉄が大阪環状線の開通を記念して「交通科学館」として建設、90年に現在の名称になった。入館料は高校生以上400円、4歳以上100円。月曜休館(学校の春休み中、夏休み中、祝日を除く)。(朝日新聞)
■土砂に乗り上げ 南海の始発脱線 和歌山、けがなし
 28日午前5時20分ごろ、和歌山県高野町の南海電鉄高野線紀伊神谷−紀伊細川間で、始発の極楽橋発難波行き急行電車(4両編成)が線路上の土砂に乗り上げ、先頭車両の前部が脱線した。乗客と乗務員計5人にけがはなかった。
 南海電鉄によると、現場は山間部でカーブが多く、見通しの悪い区間。27日の雨のため、線路沿いのがけが約5bにわたって線路上に崩落。運転士が気付いて非常ブレーキをかけたが間に合わず、土砂に乗り上げたという。
 同線は高野下−極楽橋間で運転を見合わせ、バス6台で代替輸送した。同日中の復旧を目指している。
 同線は主に高野山を訪れる観光客らが利用するため、午前中の乗客は少ないという。(京都新聞 夕刊)
■崩れた土砂に乗り上げ脱線 南海高野線
 28日午前5時20分ごろ、和歌山県高野町の南海電鉄高野線・紀伊神谷−紀伊細川駅間で、極楽橋発難波行きの始発急行電車(4両編成)の先頭車両が、線路に崩れ落ちた土砂に乗り上げ脱線した。乗客3人、乗務員2人にけがはなかった。この事故で、高野下−極楽橋駅間が不通となり、高野線は難波−高野下駅間で折り返し運転している。
 現場は山あいを走る単線で、カーブが続く区間。橋本署などの調べによると、線路わきの山肌が幅約10b、高さ約7bにわたって崩れていた。運転士が土砂を発見し非常ブレーキをかけたが間に合わなかったという。(朝日新聞 夕刊)
29日■乗客2人軽傷 中京で市バス急停止
 28日午後7時すぎ、京都市中京区河原町通二条交差点で、京都外大前行き市バスが急停止、乗客2人が頭や胸を打ち軽傷を負った。
 中立売署の調べでは、市バスが左折する際、自転車の横断に気づき、急ブレーキをかけたという。乗客は約50人いたが、代行バスに乗り換えた。(京都新聞)
■大阪駅開発で都市再生探る 大阪市が懇談会発足
 西日本最大のターミナル駅であるJR大阪駅を中心とする地域の再開発を促そうと、大阪市は28日、財界関係者や学識者を委員とする「大阪駅地区再生懇談会」を発足させ、同市内のホテルで初会合を開いた。
 初会合には、JR西日本の南谷昌二郎社長や大阪市出身の女優、三林京子さんらが出席。座長を務める秋山喜久関西経済連合会会長が「大阪駅地区の開発が、関西都市再生の担い手となるよう議論を進めたい」とあいさつした後、該当地の開発状況などについて報告があった。
 懇談会は、民間投資の促進などを中心にした整備構想を策定する。(京都新聞)
■取材ノートから 京都市 車体広告バス規制へ まず市民の意識調査必要 徹底議論、合意点を 社会報道部 沢田亮英
 京都市内で増えている車体広告バス(ラッピングバス)が古都の景観にふさわしくない、として京都市は、屋外広告物条例の新たな規制対象とする方針を打ち出した。全国的には自治体による規制緩和でラッピングバスが広がる中で、市は規制強化の姿勢を示した。行政と市民、バス事業者や広告主など、立場によって意見は異なる。規制の内容をどうまとめるのか、背景や問題点を追った。
・収入源として効果
 車体全面に広告を張るラッピングバスは、2000年4月に東京都交通局が導入したころから新たな広告媒体として注目され、全国に広まった。京都市内では市交通局が昨年2月から1年間の「試行」として、全車両の2%にあたる15台(広告主9社)で導入。民間でも京都バスが9台、京阪バスが5台、京都交通が2台(各社とも市内運行分)走らせている。
 路線バス事業は乗客数、広告収入とも減少が続いている。2月からの規制緩和で新規参入の動きもある。赤字を抱える市バス事業は、中づりなどの広告収入が95年度の約6億6300万円から、2000年度は約4億6400万円と大きく落ち込んでいる。それだけに、15台で年間約2000万円分の契約は「収入源として一定の効果がある」(総務課)として、継続させたい意向だ。
 広告を出している企業側からは、規制の方針について「走らせたいのは繁華街の路線。そこは広告の規制も緩いから問題ないのでは」「規制で広告の面積が小さくなれば魅力は落ちる」といった反応も出ている。
・さまざまな意見
 一方、景観行政を担当する市都市計画局には、導入時から「台数が増えれば景観面で問題がある」との見方があった。試行後、出した規制方針は、電車やタクシーを含めて「全面広告はできなくなる」(都市景観課)ことを意味する。
 市民の意見はどうか。「どこの会社のバスか分からない」(65歳男性)「京都の街に似合わない」(47歳女性)との意見は多いが、「好きとも嫌いとも思わない」(25歳女性)「京都だから広告もきれいであるべき、とも思わない」(24歳女性)とさまざまだ。
 市は、車体広告の印象を調べたわけでもなく、規制する明確な根拠が欠けている感もある。
 ラッピングバス中止の意見書を市に提出した「街の色研究会・京都」の代表、秋田宗平京都工芸繊維大名誉教授は「市は試行期間中に意識調査し、評価する責任があった」としたうえで、「好き嫌いだけでなく丁寧な調査を行い、デザインや安全性の面から外部の専門家も入れて規制の議論をするべき」と指摘する。
 東京都交通局では全車両の44%、仙台市交通局でも16%を占めており、札幌市は3年前に台数制限の基準を設けた。京都市内では台数が少ないせいか「景観論争」にまで発展していないが、このまま規制がないと、建物への広告が規制されている地域をラッピングバスがどんどん走るようになる可能性もある。
 景観を考えると、他都市を参考にした規制では不十分な面も出てくる。市民の足である市バスの経営も絡み、市役所内部でも意見が分かれるが、市民への意識調査をしたうえで、専門家も交え、議論を尽くして合意点を見つけるべきだろう。
・京都市屋外広告物条例
 旧条例を全面改正して97年3月に施行した。規定に合致しなければブランド力のある大企業でも、看板の色を反転させる「京都方式」を導入。地域によっては屋内から外向けに張る広告、自動販売機の色も制限するなど全国的に注目を集約た。移動広告は改正でサイズ規定などを削除し、規制がなくなった。(京都新聞)
■電車遅れ6400人影響 JR片町線
 29日午前8時ごろ、京田辺市大住のJR片町線大住駅で、京田辺行き上り電車が同駅を発車直後、出発信号機が停止を指示する赤信号に切り替わり、電車は同駅構内で約九分間停車した。
 このため同電車が10分遅れで大住駅を発車したのをはじめ、上下6本が京田辺−木津間など一部区間を部分運休したほか、上下17本が最高18分遅れ、約6400人に影響が出た。
 JR西日本では、信号機を点検するなど原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■旅のアラカルト 梅小路でSL 「B20形」を復元
 梅小路蒸気機関車館は、日本に2両しかないSL「B20形」を構内で運転できるよう復元作業をはじめる。作業にはOBが現役指導するほか、一般にも最終の仕上げや磨きに参加を呼びかけることにしており、近く公募の予定。解体は4月から始まり、仕上げ作業は8月下句になる見込み。
 お披露目は10月。問い合わせTEL075(314)2996。(京都新聞 夕刊)
30日■駅サービス頑張ります 乗車誘導、近隣の観光案内 京阪 社員が常駐で対応 トップ切り あすから三条で
 京阪電鉄は、新年度から社員が常駐して専門的に利用客の利便性向上を図るインフォメーションコーナーを主要駅に順次開設する。31日には、前倒しで三条駅コンコースに初めて案内所がお目見えする。
 今年2月に発表した05年度までの新経営計画の一環。駅での利用者サービスの強化を具体化するため、身体障害者や高齢者らに対する乗車誘導をはじめ、近隣の観光施設の案内などに幅広く応じる、という。
 三条駅では、改札前の自動券売機近くに収納可能なカウンターを設け、運輸部の社員2人が午前8時から午後5時まで常駐する。年中無休。
 三条駅での利用状況を見たうえで、京橋や淀屋橋など主要各駅で設置を進める方針だ。鉄道会社が合理化のため駅員の削減を進める中、企業にとっては収入に直接つながらないサービス分野に人員を投入する異例の取り組みだ。(京都新聞)
■叡山電鉄株を京阪に譲渡 京福電鉄
 京福電鉄は29日、所有する叡山電鉄(京都市)の全株式2000株を京阪電鉄に譲渡した。京福は福井県の越前線列車衝突事故で経営が急速に悪化、2002年3月期決算で債務超過に転落する可能性が出てきたため、保有株式を筆頭株主の京阪に譲渡し、利益を確保する。
 京福は2001年6月に発生した越前線事故以後、列車の運休で売上高が激減する一方、代行バス運転により経費が膨らみ、2002年3月期決算で6000万円の最終赤字となり、債務超過に転落する見通しとなっていた。叡山株の売却価格は19億9100万円で、簿価1億円との差額を特別利益に計上、当期純利益は3億8000万円となる見通し。これにより叡山電鉄は京阪の100%子会社となる。(京都新聞)
■カラフルにデザイン一新 優先座席です譲ってあげて JR西日本 運行開始
 優先座席のデザインを一新したJR西日本の車両2編成が29日、東海道線などで運行を開始した。利用客に目立つように多色の柄を加えたのが特徴で、今年9月までに特急・急行用を除く快速・普通などの全車両約4200両も順次、新しい座席に切り替える。
 昨年10月に実施した利用者調査で、優先座席の存在は9割以上の人が認知しているものの、高齢者を中心に「よく席を譲ってもらっている」と答えた人は1割程度と少ないことが分かった。このため鉄道車両の利便性拡充を目的に、同社が初めてデザインを含めた本格的な変更に踏み切った。
 新しい優先座席は濃い青地で、つえをついた高齢者や足にけがをした人、妊婦らをデザイン化した緑や赤など4色のマークをちりばめた。窓には「この席を必要とされているお客さまがいます」などと書いたステッカーを張るとともに車内放送などで協力を呼びかけ、利用客に周知を図る。(京都新聞)
■降りて歩いて 57 近鉄大久保駅(宇治市広野町西裏)
 宇治市には、近鉄、京阪、JRの3社合わせて13の駅がある。その中で近鉄大久保駅は1日の平均乗降客数が約2万9000人と最も多い。市南西部の一大拠点として、駅周辺には飲食店やスーパーなどが並び、朝夕のラッシュ時には人通りが絶えない。
 夜の帳が降りた大久保かいわい。駅を後にした会社帰りの人並みが家路を急ぐ。行く手には、仕事疲れを癒やすかのように、居酒屋のちょうちんや看板が並ぶ。
 しかし、ここ数年、不況のあおりか、店ののれんをくぐる人は減っている。駅東口から徒歩数分の雑居ビルのオーナーで、大久保飲食店組合の理事長を務める西村秀雄さん(59)=同市広野町=は「不況に加え、近くの日産車体京都工場の閉鎖や南京都信用金庫の破たんもあって、大久保の飲食店は軒並み売り上げが落ちている」と嘆く。
 大久保駅東側は、かつては市の商業中心地のひとつだったが、近隣に大型スーパーが出店するなどした影響で地盤沈下が進んだ。
 市は1994年、再開発構想を策定、地元主導の再開発をと、同年に土地権利者らが世話人会を結成した。98年には再開発準備組合を設立し、基本計画の策定に向けて協議を重ねたが、長引く不況もあり、昨年3月、組合方式での再開発事業化を断念した。
 そんな中、経営難で閉店を余儀なくされる店がある一方、駅周辺は市の一大拠点で、人が多く集まる場所ということもあり、今も新規開店する店もある。西村さんは「大久保は、発展する潜在能力がある。発展のためにも、府道城陽宇治線は歩行者が歩きづらいから歩道を整備するなど、誰もが安心して歩ける町づくりから進めていくのが重要だと思う」と強調する。(京都新聞)
■阪急電鉄 車両リースバック 74億円の特別利益計上へ
 阪急電鉄は29日、保有する鉄道車両の一部をいつたん売却し、借り戻すことで、02年3月期決昇で約74億円の特別利益を計上する、と発表した。英領ケイマンの特別目的会社(SPC)に売って、SPCにリース料を支払って車両を引き続き使用する。企業がリースバックの対象にするのは、本社ビルや店舗などが一般的だが、現在走っている電車を資金調達手段にするのは珍しい。
 対象とするのは、阪急京都線を走る「8300系」車両84両。90年前後につくられ比較的新しく、保有全車両の6%強にあたる。
 また同社は、系列の中堅ゼネコン、森組(大計2部上場、本社・大阪市)に対し75億円の金融支援を実施したと発表。森組が02年3月期で債務超過に陥る見通しとなったためだ。阪急電鉄は昨年11月時点で連結当期坦学70億円を予想しているが、修正はないとしている。(朝日新聞)
■関西線線路上 男性の変死体
 30日午前1時半ごろ、大阪市平野区加美西1丁目のJR関西線の線路上に、男性の遺体があるのをJR西日本の職員が見つけた。70歳前後とみられ、白っぽいセーターに青の腹巻き姿。平野署は電車にひかれるなどした事故の可能性もあるとみて身元を調べている。
 現場は近くの踏切から西へ約100b入ったところで、29日午後9時すぎ、下りの普通電車の運転手が線路上に何か物があるのを発見。上りの電車の運転手が、いったん「犬の死体」と判断したが、終電後、別の職員が調べたところ、男性の遺体とわかったという。(朝日新聞 夕刊)
■無人駅 人集い復活
 無人駅となり使われなくなった駅舎が再利用され、地域の活性化に役立っている。自治体が新たに施設を建設したり、地元のボランティアが手作業で駅舎を改装したり。
 JR西日本によると管内1233駅のうち、約700が無人駅(02年3月現在)。そのうち駅舎を譲渡したり、貸し出されているのは約170駅。中にはスーパーや、そば屋、銀行などが店舗として利用する例もある。
 無人化で荒れた駅も、人が再び集まることできれいになる。地域の人たちも、駅が新たな交流の場となることで、沿線が元気になれば、と願っている。写真と文・西田裕樹
 小浜市総合福祉センター「サン・サンホーム小浜」が昨年10月にオープンしたJR小浜線の東小浜駅。同市が総事業費約11億7000万円をかけて新築、在宅介護やデイサービスの拠点になる。レンタサイクルなど観光案内施設も併設されている。外観は町の景観に配慮し、かわらぶき屋根の和風建築とした=福井県小浜市で
 73年の開店以来「そば屋駅」として親しまれるJR木次線の亀嵩駅の「扇屋」。事務室を客席に、控室を調理場に改装しに。日曜日には県内外から200 人以上が訪れ、空席を待つ人の列ができることも。2代目の杜(ゆずりは)哲也さんは「お客様の大半は車でみえます。車社会とはいえ、少し寂しいですね」=島根県仁多町で
31日■京日記
 JR西日本の発足15周年を記念して、蒸気機関車を連結して運行する重連運転が30日、京都市下京区の梅小路蒸気機関車館で行われ、家族連れらが昔懐かしいSLの情緒を楽しんだ。
 坂道など馬力が必要な区間で用いられた重連運転を楽しんでもらおうと、「シロクニ」「デゴイチ」の愛称で親しまれたSL2両を使って8回運行し、計約540人が乗車した。
 2両は汽笛を鳴らした後、黒煙と蒸気を上げて出発。乗客が1`約10分の”旅”を楽しんだ。構内には鉄道ファンも多く詰め掛け、盛んにカメラに収めていた。31日まで。有料。(京都新聞)