2002(平成14)年 2月


1日■駅ビジネス 1社に集約 阪神(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■トラック立ち往生 阪急京都線乱れる(京都)
  ■セクハラ行為 次長諭旨解雇 JR西・和歌山支社(朝日)
2日■3年で2000人削減 JR貨物 社員の2割(京都)
  ■エムケイ 路線バス参入を申請 京都市内 運賃200円 9月めど(京都)
  ■免許失効後も市バスを運転 大阪、2年10ヵ月(京都)
  ■USJへの海上バス 来月末で廃止(京都)
  ■降りて歩いて 49 叡電・京阪出町柳駅(京都市左京区) 今も昔も洛北の玄関口(京都)
  ■ふるさと昭和史ビデオ 昭和3(1928)年10月21日 叡山ロープウェイ 日本初、雄大な眺望人気(京都)
  ■近ツー・日本旅行 合併撤回 米テロ後、収支が悪化(朝日)
  ■近ツー・日旅 合併撤回 相互不信大きく 経営手法・体質めぐり溝(朝日)
  ■市バス無免許 2年10ヵ月 大阪、事故で発覚(朝日)
  ■近ツーと日旅合併白紙に(京都)
  ■あずさ2号復活「8時ちょうど」2分後に(朝日)
3日■京田辺 橋上化、線路またぐ自由通路 新駅舎(JR片町線)完成祝う(京都)
  ■著者に会いたい 『昭和電車少年』 実相寺昭雄さん 月明かりに光るレールを追って(朝日)
4日■赤字の京都市バス、正念場 乗合バス事業規制緩和 都心の黒字路線で競合 問われるサービスの質(京都)
  ■国労、不採用問題政治解決へ 反対派の処分検討(京都)
  ■国労、提訴者ら処分へ(朝日)
5日■近畿日本ツーリストと日本旅行 合併白紙化 正式に発表(京都)
  ■近ツー・日旅合併撤回 生き残りへ「単独」強調 収支構造転換が課題(朝日)
  ■横領容疑者を恐喝容疑 京都市交通局職員を逮捕 「不正公表」と500万円(朝日)
6日■分断の鉄路 われら結ぶ 愛知のNPO 寄付募り復旧費 朝鮮半島の「京義線」(朝日)
  ■阪急ホテルズ、4月 第一ホテルと合併 「第一阪急ホテルズ」に(朝日)
7日■「遙」大阪駅乗り入れ JR西日本検討 貨物駅移転後 地下に新ホーム(京都)
  ■「ベアゼロ」の方針 JR貨物労組(朝日)
  ■連合傘下最高 ベア1500円要求 私鉄総連(朝日)
  ■トロッコ列車で嵯峨中生徒ら まくら木交換 春へGO!(朝日)
  ■K-JETきょう廃止 バス・鉄道に敗れ赤字135億円(朝日)
8日■京都市の駅・バリアフリー度 山科地区がワースト1 「2位」阪急桂駅 段差など数値化 市の資料で判明(京都)
  ■京都市交通局の労組元書記を起訴 横領罪で地検(京都)
  ■こちら市民番です ホームわき走る電車 視覚障害者の転落が心配 点字ブロックで位置把握 助け合う気持ちが大切(京都)
  ■京都交通労組横領事件 元書記を起訴(朝日)
9日■降りて歩いて 50 JR玉水駅(井手町井手) 丘陵地に史跡 散策の場に(京都)
  ■南海踏切の男性死亡 車運転の女性逮捕 傷害致死容疑(朝日)
12日■タヌキはね停止 野洲で新幹線(京都)
  ■強い寒気で降雪 交通機関に乱れ(朝日)
13日■経済団体脱退問題 JR西会長に聞く 5月の総合案見極め(京都)
  ■阪急電鉄 宝塚と神戸の遊園地 運営を見直し(京都)
  ■上ル下ル 人と車の関係を見直す(京都)
  ■サリン事件 遠藤被告に死刑を求刑 「製造、散布に匹敵」(朝日)
  ■望郷列車、臨津江渡る 離散家族乗せ半世紀ぶりに(朝日)
  ■鉄のシルクロード 発車ベルいつ 南北朝鮮鉄道−シベリア鉄道 赤字の解消に期待 ロシア(朝日)
  ■特別列車通過で「損害」を認定 ロシアの州裁判所(朝日)
14日■リストラで旅行、山陰線車内 「携帯切れ」刃物で脅す 容疑の男逮捕(朝日)
  ■元阪急交通社長を聴取 数億円着服容疑 岡山県警(朝日)
15日■信楽事故控訴審、証拠調べ終了 4月結審 秋以降に判決(京都)
  ■信楽事故の遺族 連携と協力約束 歩道橋事故の遺族と(京都)
  ■阪急交通社元社長を逮捕 540万円横領容疑(京都)
  ■阪急交通元社長 横領容疑で逮捕 岡山県警(朝日)
16日■大津・京阪バス運転手 「もう少し付き合ってほしい」 女高生降車させず 昨年12月 事実認め謝罪(京都)
  ■丸の内駅舎 往時の姿へ 東京都とJR東日本 東京駅復元で合意(京都)
  ■降りて歩いて 51 JR梅迫駅(綾部市梅迫町) 歴史刻む町に自動車道(京都)
  ■東京駅にツインタワー 高さ200b、JR・都が計画(朝日)
17日■トロッコ列車の沿線 桜とモミジ植樹 家族連れなど50人(京都)
  ■元東武鉄道社長の根洋嘉一郎氏死去(朝日)
18日■くらしの足元 自治を考える バリアフリーへ意識改革を 車いす利用者と京のまちを点検(京都)
  ■廃食用油燃料化 大型施設を建設 京都市、03年度完成目標(朝日)
19日■公営企業予算案 市から補助25億円休止 料金上げ予定なし(京都)
  ■LRT(次世代型路面電車)実現へ一歩 京都市が初の調査費 情報を収集 可能性探る(京都)
  ■京福永平寺線 廃線が確定的に 町長意向表明 存続の負担重く(京都)
  ■京都市の新年度予算案 一般会計5.5%減 6494億円 市債残高1兆円超す(抜粋)(朝日)
  ■JR東京駅 余った容積率ばいきゃきへ 100b先、三菱地所が有力(朝日)
  ■ホーム傷害致死 少年2人に懲役3−5年 東京地裁判決 被害者落ち度ない(京都)
  ■駅で傷害致死 2少年に実刑 東京地裁判決(朝日)
20日■京阪電鉄 赤字200億円計上 3月期 希望退職200人を募集(京都)
  ■着物姿なら無料です 市バス・地下鉄・音楽会 和装PRで京都市 来年3月「伝統産業の日」(京都)
  ■取材ノートから 地下鉄天神川駅(仮称)周辺整備 住民の意見反映を 再開発 公共施設を中心に(京都)
  ■赤字は223億円 京阪電鉄予想 年収5%減の案(朝日)
21日■優先座席の色 目立つよう新調 JR西日本(京都)
  ■「スルッとKANSAI」京阪京津線も来月導入(京都)
  ■USJ客の5割がJR桜島線を利用(京都)
  ■京都駅発着の新バスルート企画 京の観光客 湖都へどうぞ シーズンごと 新年度から大津市 メニュー豊富(京都)
  ■列車火災370人死亡(京都)
  ■エジプト列車火災 走る「火炎地獄」 次々窓から飛び下り(京都)
  ■列車火災、350人死亡 カイロの南、未回収遺体も(朝日)
22日■休日に特急増結 KTR春の輸送計画(京都)
  ■京阪が新型車両運行 4月から宇治、交野線で(京都)
  ■こちら市民番です 車内放送が多すぎる? 役立つサービス情報 度過ぎれば「お節介」(京都)
23日■列車衝突 70人以上けが 福岡・JR鹿児島線 急停車に突っ込む(京都)
  ■JR新田駅で転落 線路すき間で女性命拾い(京都)
  ■降りて歩いて 52 亀岡駅(亀岡市追分町) 旧亀山城の趣いまも(京都)
  ■ふるさと昭和史ビデオ 昭和4(1929)年4月12日 愛宕山鉄道開通 山頂へ11分 人気集める(京都)
  ■列車同士が衝突 福岡 鹿児島線 負傷者50人以上(朝日)
  ■JR西日本 新快速、敦賀に延長 05年めど、琵琶湖環状線も(朝日)
  ■暗やみ めりこむ列車 福岡・宗像 追突事故 停車前に異常音(朝日)
  ■日本旅行への資本増強検討 JR西、関係強化へ(朝日)
  ■福岡の列車追突 信号システムに落とし穴 後続運転士判断ミス 中継”青”で加速(京都)
  ■列車追突 後続運転士が信号勘違い 負傷者77人、数人骨折(朝日)
24日■福岡の列車追突 運行マニュアルに不備 後続車両に連絡義務なし(京都)
  ■新快速、敦賀まで延長 琵琶湖環状線可能に JR西方針(京都)
  ■東京百面相 70年ぶり大改修 新装植野駅「発車」 ”心の駅”にぎわい戻せ(京都)
  ■一気にGO!階段駆け上がり大会 JR京都駅(朝日)
25日■変電所に猫、感電死 京福68本止めた 2時間40分不通(京都)
  ■はねられ男性死亡 京阪本線淀駅(京都)
  ■運転士ら聴取 信号異常なし 福岡、JR列車追突(京都)
  ■ネコ感電、電車止まる 京都の京福電鉄 68本運休1000人影響(朝日)
  ■国鉄、電力など全面スト 韓国 民営化撤回求め(京都)
  ■10分間停電し新幹線に遅れ 三原−広島間(朝日)
26日■地元負担協議へ 「琵琶湖環状線」構想(京都)
  ■赤信号での発車 指令所に連絡義務 JR西、内規見直し(京都)
  ■JR二条駅前スーパー出店 西日本開発が計画(京都)
  ■塚口商店街で10軒以上炎上 阪急伊丹線、煙で止まる(京都)
  ■新幹線びわこ栗東駅誘致へ 手当て削り建設基金に 市管理職ら 意気込み示す(京都)
  ■商店街30軒焼ける 尼崎 阪急伊丹線が運休(朝日)
  ■塚口の商店街火災 40軒焼き鎮火(京都)
27日■扉に足はさまれ女性転倒、重傷 左京、京都バスで(京都)
  ■旅客獲得争い激化 ドル箱路線「関西−関東間」 国内旅行見直しで再び脚光 新幹線/7割超すシェア 航空・バス/低価格で対抗へ(京都)
  ■ドアに足挟みそのまま発進 女性、転倒し骨折 左京・京都バス(朝日)
  ■大井川鉄道で電車が脱線 乗客20人けがなし(京都)
  ■列車衝突 7人死亡 ウィーン近郊(朝日)
28日■保津川下り幕開けへ備え 初の合同救助訓練(京都)
  ■列車に放火 55人が焼死 インドで宗教抗争(京都)
  ■JR東西株は7月以降売却 国交省(朝日)
  ■列車放火 55人焼死 インド(朝日)
  ■旅行3大手 減収減益に 12月期(朝日)
  ■キャッシング可能な乗車券 阪急電鉄(朝日)
  ■京阪にひかれ死亡 八幡で女性(京都)
  ■ポイント部分 レールが破断 大井川鉄道事故(京都)
  ■特急にはねられ会社員男性即死 JR野洲駅(朝日)



1日■駅ビジネス 1社に集約 阪神
 阪神電気鉄道は31日、グループ各社が営んできた駅売店や喫茶店、本屋などの「駅ビジネス」を一つの会社に集約させる再編策を発表した。六甲山でのレジャー事業や、ジヤズクラブ経営・イベント企画などの分野も集約し、全体では子会社7社を4社に再編、グループ事業の効率化を目指す。
 再編に当たり、定期券販売やパック旅行を扱っていた阪神交通社の梅田、尼崎、名古屋の3営業所を廃止する。(朝日新聞)
■青鉛筆
 「団子っ鼻」の愛称で親しまれる新幹線の初代車両「0系」を使った「ひかり」を、JR西日本が3月16日、2年ぶりに復活運転する。
 岡山発新大阪行きの1本で、開業30周年を迎える山陽新幹線を記念する企画だ。当時より短い6両編成だが、車体の表示や車内放送などは開業時を再現する。
 38年前、技術の粋を集めて生まれた「夢の超特急」も、続々登場する高速車両におされ、いまや「こだま」で一部が走るだけ。「記録は負けますが、記憶にだけはとどめたい」と同社。(朝日新聞)
■トラック立ち往生 阪急京都線乱れる
 1日午前6時25分ごろ、京都市右京区西院追分町の阪急京都線の踏切内で、トラック1台が立ち往生し、異常を検知した梅田行き普通電車が緊急停止した。乗客約300人にけがはなかった。
 同電車を含めた上下計9本が8−3分遅れ、計約4000人に影響した。(京都新聞 夕刊)
■セクハラ行為 次長諭旨解雇 JR西・和歌山支社
 JR西日本和歌山支社の次長(52)が、同支社が募集した1泊旅行の最中に、女性客の胸をさわるなどセクハラ行為をしたとして、JR西日本は31日、同次長を諭旨解雇、同支社長を戒告の処分にした。
 JR西日本によると、次長は1月14〜15、133人が参加した伊勢神宮の初もうで旅行に自費で加わった。14日夜、三重県鳥羽市のホテルの大広間で開かれた宴席で酒を飲み、女性客らの前で下半身を露出したうえ、帰りの列車内でも別の女性客の胸を触ったという。(朝日新聞 夕刊)
2日■3年で2000人削減 JR貨物 社員の2割
 JR貨物は1日、2002年3月末から2005年3月末までの3年間で、総社員数の約2割に当たる2000人の人員を削減するなどの中期経営計画を発表した。定年退職者の不補充など自然減のほか、50歳以上を対象とした早期退職制度を実施。情報技術(IT)を活用した駅、機関区など現場での人員削減に取り組む。鉄道部門は6000人から5000人へと1000人削減する計画。
 これまで02年3月末を目標とする中期計画を実施。02年3月期決算では93年3月期以来9年ぶりの経常黒字を達成する見込み。しかし、景気が一段と低迷し輸送貨物が減少するなど経営環境が厳しくなっていることから「黒字体質を定着させるため」(伊藤直彦社長)さらに計画を強化する。
 人員削減のほか、旧国鉄時代から続いた年功序列的な人事・賃金制度を改め、業績重視型の制度を導入する。間接部門の縮減、情報システム部門の分社化なども進める。(京都新聞)
■エムケイ 路線バス参入を申請 京都市内 運賃200円 9月めど
 タクシー会社のエムケイ(本社・京都市北区)は1日、京都市内で路線バス事業に新規参入する事業許可を近畿運輸局に申請した。今年九月をめとに運行を開始し、競合する京都市バスなどより20円安い一律200円の低料金とする。
 同日施行の改正道路運送法で、乗り合いバス事業の参入規制が緩和されたのを受けて申請。参入するのは、北大路通−西大路通−七条通−東大路通の環状路線で、バス20台を10分間隔で走らせる。年間約530万人の利用を見込み、初年度から黒字見通しという。
 路線バスと連動し、10ヵ所の停留所と周辺部を結ぶ乗り合い路線タクシーの許可も申請した。月額3000円のバス定期利用者は半額に、同6000円定期では、それに加えて同社タクシー運賃も2割引きとするサービスを予定している。
 タクシー事業でも同日、京都市域のグループ3社でハイヤーからの転換を含めてタクシー計127台の増車を届け出た。また、大阪と名古屋で新規参入の許可申請を行い、今夏をめどに大阪で10台、名古屋で25台で事業開始する。
 会見した青木定雄オーナーは「5年以内にバスと路線タクシーを市内全域に広げる。競争し合い、最終的に利用者が選べばよい」と自信を示した。
・競合路線の運賃値下げ「難しい」 京都市交通局
 京都市内最大のバス路線網を持つ京都市交通局は、エムケイのバス路線の新設に関して「市民の足を守る責務を果たすため、経営体質の強化とサービスを徹底する方針に変わらない」(企画総務部)としている。
 エムケイが今回申請した路線は、市バスの数少ない黒字路線と競合する。赤字を抱えながら運行する市バスでは、営業収支が比較的好調な路線により、他の赤字路線を支えている状態で、「対抗措置といっても、競合する路線だけ運賃を変えるのは難しい」(企画総務部)との考えを示している。(京都新聞)
■免許失効後も市バスを運転 大阪、2年10ヵ月
 大阪市交通局の市バス運転手(45)が2年10ヵ月前に運転免許証が失効したにもかかわらず、無免許のまま運転を続けていたことが1日、分かった。
 運転手は「更新日をうっかり忘れていた」と話しているという。所属する営業所も免許証の更新を確認していなかった。
 市交通局によると、この運転手は1月31日、大阪市内で乗務中、小型トラックと接触事故を起こし、警察の取りべで免許の失効が発覚した。(京都新聞)
■USJへの海上バス 来月末で廃止
 大阪水上バスの全額出資子会社、海上バス(大阪市)は1日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)近くの桜島−天保山間を結ぶシャトル船「ハリウッド」を、3月31日で廃止すると近畿運輸局へ届けた。海上バスも解散、清算する予定。  「ハリウッド」は300人乗りで、USJ開業1週間前の昨年3月24日に就航した。USJの営業時間に合わせて1日20−30往復しているが、1月末までの利用者数は累計で約11万人。年間目標の40万人を大きく下回るのは確実だ。
 同社は「道路渋滞もほとんどなく、USJ訪問者の海上航路へのシフトがなかった」と話す。
 近畿運輸局によると、桜島に寄港する船は昨年3月末で15航路あったが、これで7航路が廃止または休止を届けたことになる。(京都新聞)
■降りて歩いて 49 叡電・京阪出町柳駅(京都市左京区) 今も昔も洛北の玄関口
 地下のホームで京阪電車を降り、地上へ。顔を出した途端に冷たい北風を感じる。叡山電鉄の駅舎の向こうには、比叡山。出町柳駅は、鞍馬、岩倉、八瀬、大原…とつながる、洛北の玄関口でもある。
 駅前を東へ歩けば京都大、西へ歩けば同志社大。昔から周辺に学生街が広がっていた。「立命館大の学生さんも多かったけれど、衣笠や滋賀県へ移転してしまった。京大も同大もキャンパスの一部が移転、ずいぶん寂しくなりました」。1953(昭和28)年から、駅前でパン屋や名曲喫茶を営む柳月堂の陳芳福さん(77)は振り返る。今もコーヒー店、マンガ喫茶にジャズ喫茶、中華料理やすし店が軒を並べ、学生のたまり場だった昔の雰囲気を残している。
 多くのターミナル駅と同様、ここも放置自転車が悩みだ。駅前から西へ、河合橋を渡ったところにある葵公園は自転車駐輪場かと見まがう。市が定期的に強制撤去し、朝夕に出町柳駅前と出町地下駐車場内の駐輪場利用を呼びかけているが、数は減らない。
 「通行のじゃまになるうえ、自転車かごに投げ入れられるビラがごみになり困ります」。駅前でおにぎり屋を開く木下みどりさん(48)は嘆く。
 「出町柳」の駅名は、さば街道に通じる「大原口」があり、古くから栄えた「出町」にちなんでつけられた。葵公園をさらに西へ進んだ出町橋の西詰めには、その「鯖街道口」の石碑がある。出町商店街振興組合が昨年9月に設けた。傍らには大きな柳の古木。同振興組合の木野下実・副理事長は「地域のシンボルとしてどちらも大切に残したい」と話している。(京都新聞)
■ふるさと昭和史ビデオ 昭和3(1928)年10月21日 叡山ロープウェイ 日本初、雄大な眺望人気
 小雪舞う中、杉やヒノキの間を抜け、比叡山頂駅まで上る。眼前に広がる京都市内。日本初のロープウエーが造られた当時、人々はそのスケールと雄大な眺望に驚き、歓喜したことだろう。
 京福電鉄の前身「京都電燈は1925年、左京区八瀬から比叡山中腹までケーブル線をひいたところ、非常な人気を集めた。「比叡山延暦寺への参拝をより簡単に」と、同社はさらに「叡山ロープウェイ」の建設に踏み切った。
 標高710bの地点まで新道を切り開き、深さ数十bの谷を渡す工事は困難だったと推測されるが、当時の記録が残っておらず、詳細は分からない。総工費30万円をかけ、全長642bのロープウエーが完成した。
 「開業当日は、秩父宮、同妃両殿下が搭乗されたと聞いており、式が盛大に行われたと思います」と京福電鉄京都鉄道部の田井敏郎さん(27)。中腹駅から山頂まで、所要時間は4分。それまで若者でも1日がかりだった延暦寺参拝が、子どもからお年寄りまで日帰りできるようになり、大いににぎわったという。
 叡山ロープウェイは四季を通じて多くの観光客を引きつけたが、第二次世界大戦中には、戦争に不要な「物見遊山」の施設として取り壊され、鉄材供出の犠牲になった。
 比叡山ドライブウェイに対抗し56年、再建されると、復活を喜んだ市民が大勢押し掛けた。「素晴らしい展望が大人気で、何時間も待つ長い行列ができた。乗れないから、と山を歩いて降りる人もいたほどでした」。当時社員だった左京区の木村隆男さん(66)は懐かしむ。
 スキー場や比叡山頂遊園への足として人気を集め、60年代前半には年間50万人以上の乗客を記録した。しかし、自動車の普及で、99年度には利用客は約十万人に。
 経営を取り巻く状況は厳しいが「乗客は減っても、京都側はここからしか山頂に上がれない。お客さんのためにも残していきたい」。現場管轄する長谷川伸治・同部鋼索係長(58)は話している。(社会報道部 藤岡敦子)(京都新聞)
■近ツー・日本旅行 合併撤回 米テロ後、収支が悪化
 来年1月1日に合併する予定だった旅行業界2位の近畿日本ツーリスト(本社・東京)と同3位の日本旅行(同)が、合併を白紙撤回する方針を固めた。4日正式発表する。昨年9月の米テロ事件後、両社の業績が落ち込み、合併までに財務体質を改普するのは不可能と判断した。最大手・JTBとの「2強」時代への業界再編の動きも、昨年1月の発表から1年余りで「破談」となった。
 合併の当初の狙いは、個人向けが強い近ツーと団体向けが強い日旅で相互補完し、規模拡大で航空会社やホテルなどとの仕入れ交渉を優位に運ぶことだった。ここに日旅の筆頭株主であるJR西日本の旅行業部門・Tisも合流しようと、昨年10月に日旅への営業譲渡を終えていた。
 だが合併発表時に約130億円の累積赤字を抱えていた近ツーの収支が、テロ事件後の海外旅行冷え込みでさらに悪化。01年12月期は3期ぶりの経常赤字に転落する見通しとなった。
 筆頭株主の近畿日本鉄道が近ツーに資金援助する道を探ったが、近鉄自体もグループの不動産事業再編などで02年3月期に186億円の当期赤字(単体)見込みとなり、多額支援は困難と判断。日旅も厳しい旅行需要に苦しんだ。
 そのうえ、合併会社のトップ人事や統合理念をめぐる見解の相違も浮上。このためJR西日本と近鉄が1日、合併撤回を確認しあった。(朝日新聞)
■近ツー・日旅 合併撤回 相互不信大きく 経営手法・体質めぐり溝
 旅行業界再編のさきがけと目された近畿日本ツーリストと日本旅行の合併計画が白紙撤回された。米テロ事件後の収益悪化の厳しさが、合併会社の先行き不安を膨らませたうえ、互いの体質をめぐる不信も大きな問題だった。両社は、JTBを追いかけ、生き残っていくための戦略の根本的な見直しを迫られる。
 「お互い単独でやりましよう」。1日午後、日旅の筆頭株主・JR西日本の南谷昌二郎社長と、近ツーの筆頭株主・近畿日本鉄道の辻井昭雄社長が協議し、近ツー・日旅の合併撤回を決めた。
 最大の誤算は米テロ事件。昨年9月以降の近ツー、日旅両社のテロの影響による減収額は計100億円規模に達したとみられる。このため、合併計画を決めた際の「合併までに財務体質を改善する」との約束達成が困難になったという。
 近鉄とJR西日本は合併に向けた資金支援を模索。だが特に無配が続く近ツーの状況が厳しく、近鉄も合併までに万全な支援は難しいと判断。JR西日本も「日旅側の負担が重すぎる」(首脳)と難色を示した。結局、近鉄、JR両社は「合併後すぐに赤字になる状況では元も子もない」との判断に行き着いた。
 近ツー、日旅両社の経営手法の違いも問題視されていた。近ツーが、電算システム関連の新規事業を、日旅に相談せずに進めようとしたことや、近ツーの印刷物の外注をめぐって、日旅側が「不透明だ」と指摘したことで、両社間の摩擦が強まっていた。
 近ツー側には日旅の企業体質が「官僚的」と映った。JR西日本が自社の社長候補でもあった金井耿氏を日旅の社長に送り込んだことにも、「商売はそんなに簡単じゃない」と反発。昨年暮れには、JR側が、近ツーの社長交代を打診するなど溝は探まっていた。(朝日新聞)
■市バス無免許 2年10ヵ月 大阪、事故で発覚
 大阪市交通局の市宮バス運転手(45)が運転免許証(大型2種)の更新を忘れ、2年10ヵ月間も無免許のままバスを運転していたことが1日、分かった。事故をきっかけに警察の調べで発覚した。同局は管理もずさんだったとして、責任者とともに厳重な処分をする方針。
 同局によると、運転手は90年4月に採用され、路線バスを運転していた。免許証は99年3月に失効したが、今年1月31日までバスを運転していた。同日午後、同市西淀川区内でバスと駐車中のトラックが接触。西淀川署の調べで免許の失効がわかった。本人は「忘れていた」と話しているという。(朝日新聞)
■近ツーと日旅合併白紙に
 旅行業界2位の近畿日本ツーリストと同3位の日本旅行が来年1月1日付で予定していた合併を白紙撤回する方針を固めたことが2日分かった。4日午前に開く臨時取締役会で決定し、同日発表する。(京都新聞 夕刊)
■あずさ2号復活「8時ちょうど」2分後に
 ♪8持ちょうどの あずさ2号で−。「狩人」の歌で有名になった新宿発松本行きの「あずさ2号」が2日、復活運転された。あずさ号誕生35周年を記念した1日だけの特別運行。
 歌詞にある「信濃路」行きの「2号」は、78年のダイヤ改定で下り列車が奇数、上りが偶数に分けられ、中央線から姿を消した。復活運転は当時と同じクリーム色の「国鉄カラー」の車両が使われたが、中央線は過密ダイヤで「8時ちょうど」にはできず、午前8時2分の発車となった。
 出発式では狩人の2人が「あずさ2号」を熱唱。歌がヒットした77年に生まれた松本梓さん、塩尻梓さんの2人の「あずさ」さんも招かれ、「父が電車の運転士だった」「両親の新婚旅行が上高地だった」と命名の由来を話した。(朝日新聞 夕刊)
3日■京田辺 橋上化、線路またぐ自由通路 新駅舎(JR片町線)完成祝う
 JR西日本と京田辺市が工事を進めてきた片町線京田辺駅(同市田辺)の橋上化と線路をまたぐ東西の自由通路(幅5b、長さ47b)がこのほど完成。2日、供用開始式が行われ、新しい市の玄関口の完成を祝った。
 午前9時から改札前であった式典では、主催者のあいさつや来賓の祝辞に続き、村上恒美JR西日本大阪支社長、久村哲京田辺市長ら代表9人がテープカットした。
 同駅は市の中心街にあるが、これまでは線路で東西が分断され、改札も西側にしかなく、東側から駅に入るには約100b南の踏切を渡らねばならなかった。
 完成した橋上駅は鉄筋2階建て約560平方b。ホームはこれまでの倍の165bに延長され、8両編或の車両が停車できるようになったほか、折り返しや追い越し運行のための施設も整備された。総事業費は11億4400万円。
 橋上駅の完成に伴い、3月23日のダイヤ改正以降は、快速・区間快速の本数が1日6本増えるなど、高速化、輸送力増強が図られる。(京都新聞)
■著者に会いたい 『昭和電車少年』 実相寺昭雄さん 月明かりに光るレールを追って
 昨年、車を人にやった。30年以上運転してきたが、これからはもっぱら電車で動くつもりだ。
 幼児期を過ごした中国・青島、張家口には電車は走っていなかった。電車はあこがれだった。43年、小学1年で帰国、落ち着き先の東京・滝野川には「王子電車」(都電荒川線)が走っていた。ポールが散らす火花に心を躍らせた。しばらくして鉄道博物館の「友の会」に入会した。「色気つき始めた」大学以降は鉄道と離れたが、テレビの撮影で京都にでかけたある日、鴨川沿いに京阪電車が疾走する姿を目にした。昔のムシがうずきだした。30代初めだった。以来、各地の電車を乗り歩く。九州へ行くのも寝台か新幹線だ。本書はこうした著者が、64歳にして著した電車賛歌である。
 写真のバックに見える電車は、旧東急玉川線の通称ペコちゃん。「電車とバスの博物館」(川崎市高津区)に保存されているが、55年デビュー時からその流線形が大人気だった。「今みても斬新なフォルムだなあ」と感嘆。ウルトラセブンの撮影で、これを参考に丸い縦長の宇宙船をつくったこともあった。
 なぜ少年は電車にあこがれるのか。「昔は夜、いなくなっちゃうような子供がいたでしよ。外の世界に何があるのか、知りたかったんですよ。電車への興味に通じるのではないかな」。今はテレビなどによって情報は家の中に入りこむ。放浪でなく、引きこもりだ。
 「D坂の殺人事件」の監督以来数年たった。そろそろ次だが前作同様、乱歩ものがいい。「暗い街に伸びる2本のレールが、月光で鈍く光る」イメージが浮かぶ。撮影するなら、富山県高岡市を走る加越能鉄道にしたい。(JTB・1600円)=文・牧村健一郎 写真・六田知弘(朝日新聞)
4日■赤字の京都市バス、正念場 乗合バス事業規制緩和 都心の黒字路線で競合 問われるサービスの質
 乗合バス事業の規制を緩和し、新規参入や撤退などを自由化する改正道路運送法が1日から施行された。京都市内でも、タクシー会社のエムケイ(本社・北区)が同日、京都市バスより安い運賃の循環路線バスの新設を申請した。赤字に悩む市交通局は、民間との自由競争の下、どう市民の足を守るのか、正念場を迎えている。(社会報道部 沢田亮英)
 これまで乗合バス事業は、国が需要と供給のバランスを判断して認可する免許制だった。規制緩和によって参入は許可制に、撤退は届け出制に変わった。都市部での競争が進む一方、過疎地では赤字路線廃止への不安が広がっている。
 エムケイが申請したのは、京都市内の西大路通、北大路通、東大路通、七条通を循環し、京都駅に乗り入れるバス路線だ。
・運賃20円安く
 9月からの運行を目指す新路線は、市バスの数少ない黒字路線と競合する。運賃は市バスより20円安い200円。加えて、同社のタクシーと連携した割引などで新たな需要を掘り起こす狙いで「市バス利用客の半分を取り込み、3年以内に黒字に転換したい」(経営企画部)と競争意識を明確にする。
 エムケイは今後も循環路線を増やす計画だ。さらに他社の新規参入も予想され、「ドル箱路線」をめぐる競争が激しくなるのは必至だ。
 だが、市交通局は規制緩和への具体的な対応策を打ち出せないでいる。乾雅晴企画総務部長は「運賃は事業収入の根幹であり、競合路線だけ値下げするのは難しい」としたうえで、「バスの乗り継ぎなど、乗客の利便性を高めることで対応したい」と話すにとどまる。
 もともと、市バス事業は累積赤字が約90億円にのぼっており、黒字路線で大多数の赤字路線を多少なりとも補ってきた。エムケイの参入は経営そのものを脅かしかねない。
 これまで、都心部での100円循環バス運行や横大路車庫(伏見区)の民間委託などで体力強化を図り、規制緩和に備えてきたが、赤字体質からの脱却が、より最重要課題となる。職員の給与カットなどで2005年度に市バスの単年度赤字を解消する経営健全化計画についても「さらに努力する必要がある」(乾部長)と見直しを示唆する。
 赤字路線への対応については、「公営交通として、もうからないからやめるとは言えない」(同)とするが、乗客減による廃止・縮小の悪循環が続いてきただけに、生活路線として維持するための方策も本格的に検討しなければならない。
 今のところ京都市内ではエムケイ以外に参入の目立った動きはなく、乗客減で苦しい経営が続く民間バス会社も模様眺めといったところだ。
・ニーズ把握を
 その一方で、規制緩和に活路を見いだそうとする動きもある。
 大阪市は先月27日から、低床の小型車両で公共施設や商店街、病院を回る「赤バス」の運行を21路線で始め、乗り継ぎ割引も導入した。「赤字だから路線を切る経営ではなく、地域密着によってバス離れに歯止めをかけたい」(同市交通局)と期待を込める。
 3月から山科、醍醐地域で循環バスを運行する京阪バス(京都市南区)では、ダイヤ改正に伴いインターネットで意見を集めるモニター制度を検討する。高屋治営業部長は「地図の上で路線を描くのではなく、まず住民のニーズを聞く時代になった」と話す。
 需給調整の下で守られてきた路線バスは、規制緩和による自由競争で、サービスの質が問われる「商品」となる。市民や京を訪れる観光客が求める「商品」は何か。そのニーズを的確にとらえ、こたえることが、市バスが公営交通として存続するために欠かせない。(京都新聞)
■国労、不採用問題政治解決へ 反対派の処分検討
 国鉄分割・民営化に伴う不採用問題をめぐり、国労は3日、東京都内で中央委員会を開き、裁判闘争を見直して政治解決を目指す大会方針に反し、新たな訴訟を起こした反対派組合員の除名を含む処分を検討するため、査問委員会の設置を決めた。
 冒頭のあいさつで高島昭一委員長は、反対派の裁判闘争などが原因で自民、社民両党を中心とした協議が難航していると指摘。「解決を実現する情勢を作り上げるため、処分を検討せざるを得ない」と強調した。
 査問委の設置をめぐり、賛成、反対両派が応酬。「(新たな訴訟は)15年の闘いを否定するもので厳しく対処すべきだ」と支持の意見が多数を占める一方、「上告審で負ければすべて終わる。新たな訴訟も視野に入れるべきだ」などの反対意見も相次いだ。
 反対派約280人は1月未、雇用契約の解消は不当労働行為だとして、旧国鉄清算事業団の一部事業を引き継いだ日本鉄道建設公団を相手に地位確認などを求める訴訟を起こした。(京都新聞)
■国労、提訴者ら処分へ
 国労(約2万3000人)は3日、東京都内で拡大中央委員会を開き、脱退して新組合を結成した中心メンバーと、鉄道建設公団に地位確認などを求めて東京地裁へ提訴した一部組合員らを処分するため、査問委員会の設置を賛成多数で承認した。
 国労本部が提案した処分対象は、 昨年12月に国労を脱退してジェイアール東日本ユニオン(約600人)を結成した中心メンバーA90年に国鉄清算事業団を解雇され、同事業団を引き継いだ鉄建公団を相手取り、先月28日に解雇無効などの訴えを起こした「闘う国労闘争団」の279人−の2グループ。(朝日新聞)
5日■近畿日本ツーリストと日本旅行 合併白紙化 正式に発表
 旅行業界2位である近畿日本ツーリストの高橋秀夫社長と、同3位の日本旅行の金井秋社長は4日、来年1月に予定していた合併を白紙撤回すると正式発表した。同日に開いたそれぞれの臨時取締役会で決めた。
 両社は昨年1月、それぞれの筆頭株主である近畿日本鉄道、JR西日本とともに、合併で合意したことを発表。規模の拡大によってコストを下げ、それぞれの得意な商品分野で補完し合う計画だった。
 しかし、昨年9月の米中枢同時テロで、両社とも業績が悪化。近ツーは01年12月期決算の単独でのを、当初予想の32億円の黒字から17億円の赤字に修正、累積債務の解消が困難になった。日本旅行も、同年12月決算で経常赤字が避けられない情勢となった。
 両社は、合併までに双方の財務体質を改善することを条件としていたが、予想外の業績悪化で「合併よりも、それぞれの会社の基盤強化が重要になった」(高橋・近ツー社長)、「合併発表のときとは前提条件が全く変わった」(金井・日本旅行社長)として、白紙撤回を決めた。
・米テロ影響だけでなく 自社商品にこだわりも 社風の違い破談の一因?
 近畿日本ツーリストと日本旅行による合併計画の白紙撤回について、両社の社長は会見で米中枢同時テロによる業績悪化が唯一の理由で「それ以外の要因はない」(高橋秀夫・近ツー社長)と断言したが、一部では社風の違いなどによる破談との見方がささやかれている。
 近ツーは「ホリデイ」、日本旅行は「マッハ」とそれぞれ市場で定着した旅行商品ブランドを持ち、独自の営業展開を長年続けてきただけに「いろいろな意見の食い違いがあり、時には白熱した議論になった」(金井耿・日本旅行社長)のも事実だ。
 合併計画では両社のブランドを全廃し、まったく新しいブランドを導入することになっていた。
 遅くとも今年夏前には新ブランドを発表する予定だったが、協議は必ずしも順調に進んでおらず、両社の現場では「商品がどうなるかはっきりしない状態では、営業の士気が落ちる」との声も出ていた。
 しかも両社の社風について業界内では「一匹おおかみ的な近ツーに対して、どちらかと言えばおっとりした日本旅行」とされ、違いは大きかった。
 合併で最大手のJTB に迫る商品取扱高を実現し、規模のメリットを生かそうという当初の構想は白紙に。今後は「それぞれが単独で経営基盤の強化を目指す」(両社社長)ことになるが、旅行業界を取り巻く環境は依然厳しく、先行きは不透明だ。(京都新聞)
■近ツー・日旅合併撤回 生き残りへ「単独」強調 収支構造転換が課題
 近畿日本ツーリストと日本旅行の合併白紙撤回が4日、正式発表された。両社は単独で生き残るために経営戦略を見直すことを強調した。しかし、今回の合併撤回で、JTBを脅かす存在はなくなった。旅行業界全体がデフレなどで収益環境が悪化しているだけに、専門家からは「航空券やホテルの手数料収入に依存する体質のままではJTBとの差は広がるばかりだ」との指摘も出ている。
 「累積損失の処理を含め、自力で対応する」。近ツーの高橋秀夫社長は会見で、スケールメリットを追求する合併からの方針転換を強調した。
 データセンターのハード面の統合や海外土産品の共同仕入れなどの協力は今後も続ける方針だが、将来の再統合交渉については「現段階ではない」(高橋社長)、「まずは内部固めが重要」(金井耿・日旅社長)と否定的な見解を示した。
 だが、両社を取り巻く環境は厳しい。米テロ事件後の減収傾向は続くとみられる上、旅行業界を通さず航空券やホテルを予約する「中抜き」といった状況が進んでいるからだ。日旅が得意とする団体旅行も収益は薄い。
 デフレ傾向も追い打ちをかける。JTBの旅行市場推計では、バブル崩壊後の10年で日本人旅行者は約6%増えたが、市場規模は約2%減っている。1人当たりの支出額が減り、「薄利多売」になっている形だ。両社はパッケージツアーなどの企画商品にも力を入れるが、JTBとのブランド力の差が大きく、同じような商品は値下げ競争の影響を強く受ける。
 野村証券のアナリスト・小布施憲始氏は「規模は小さくても年配のこだわり旅行を扱うニッコウトラベルや、個人旅行に強いエイチ・アイ・エスの例もある」と指摘。近ツーと日旅の生き残り策として「(趣味のサークルと旅行を組み合わせた)近ツーのクラブツーリズムなど、特徴ある企画商品を伸ばしていく方がいい」としている。
「業務提携は続ける」 2社会見
 高橋秀夫近畿日本ツーリスト、金井耿日本旅行両社長の記者会見での主な質疑は次の通り。
 −撤回した経緯は。
 高橋 01年度の決算の見通しが立った年明けから、筆頭株主も交えて話し合ううち自然に出てきた。テロ以外の要因はない。
 金井 営業手法など意見の対立もあったが、合併撤回につながるものではなかった。テロの影響で、統合効果を見込んでも(新会社の)船出が難しくなった。
 −筆頭株主の支援で乗り切れなかったか。
 高橋 延期して、統合準備作業と経宮基盤強化を並行して進めるのは難しいと判断した。累積損失の処理は自力でできる。
 金井 新会社に負担を持ち込まぬよう処理する方針だったが、テロで様相が変わり、筆頭株主も負担を背負うのが難しくなった。
 −別の企業との統合の可能性を含め今後の経営方針は。
 高橋 顧客とのつながりを強化する。グループ会社の整理も追加する。日旅とも業務面などで提携は続ける。
 金井 (統合など)様々な選択肢を考えているが、その前に足元を固めるのが前提。焦点を絞った営業やコスト見直しを急ぐ。(朝日新聞)
■横領容疑者を恐喝容疑 京都市交通局職員を逮捕 「不正公表」と500万円
 京都市交通局の職員でつくる京都交通労組の預かり金が着服された事件にからみ、業務上横領容疑で逮捕された同労組元役員から約500万円を脅し取ったとして、京都府警捜査2課などは4日、京都市伏見区醍醐東合場町、同市交通局職員中野慎一容疑者(57)を恐喝の疑いで逮捕した。中野容疑者は「現金は受け取ったが、脅してはいない」と容疑を否認しているという。
 調べでは、中野容疑者は00年1月ごろ、同労組元書記の中川義澄容疑者(46)が組合員から預かった金融機関へのローン返済金を着服したことを知り「不正を公表する」と脅迫。昨年5月まで4回にわたり計約500万円を脅し取った疑い。(朝日新聞)
6日■分断の鉄路 われら結ぶ 愛知のNPO 寄付募り復旧費 朝鮮半島の「京義線」
 韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の軍事境界線で分断されている鉄道「京義線」の復旧に向けて募金活動を続けているNPO「三千里鉄道」が3月、これまでに集めた寄付から、建設資金680万円を韓国政府に手渡す。訪韓に合わせて、非武装地帯(DMZ)などを訪れるツアーも企画しており、参加者を募っている。愛知県豊橋市在住の都相太代表(60)は、「私たちの統一への願いを伝える旅にしたい」と話している。
 三千里鉄道は、都さんらが全国の在日韓国・朝鮮人と日本人の有志に呼びかけて、00年9月に結成した。軍事境界線を挟んである非武装地帯の4`分の復旧費を集めるのが目標で、講演会の収益などで、約1500万円を集めた。今回初めて、1`分の復旧費として韓国政府に手渡す。次回は、北朝鮮に贈る計画という。
 3月20日から4日間の日程で、韓国入り。DMZや板門店などを訪れる。ソウル駅から出る京義線の列車「統一号」も利用する。
 募金活動は、南北の融和を目指して行ってきたため、朝鮮籍の在日の人も参加できるよう、韓国政府に要請しているという。
 都さんは「在日同胞には、軍事境界線に立って、南北を等距離に見てほしい」と話している。
 ツアー参加の申し込みは、2月15日まで。問い合わせは、三千里鉄道事務局(0532・53・6999)まで。
京義線 南北の分断前は、ソウルから中国国境の北朝鮮の都市・新義州を貫く、朝鮮半島の大動脈(総延長約500`)だった。00年6月の首脳会談を機に、南北が復旧を進めることに合意。韓国側では、昨年9月末までに、軍事境界線に近い臨津江(イムジンガン)駅までの工事が完成、列車の運行も同駅まで延長した。北朝鮮側では、工事が滞っている。(朝日新聞)
■阪急ホテルズ、4月 第一ホテルと合併 「第一阪急ホテルズ」に
 阪急電鉄傘下で再建された第一ホテル(本社・東京)と、同電鉄の従来のホテル子会社、阪急ホテルズ(本社・大阪市)が4月1日に合併する。新会社名は「第一阪急ホテルズ」で、35ホテル(直営10、チェーン25)、客室数約6400室と国内有数の規模になる。
 個別のホテル名は変えないが、首都圏主体の第一ホテルと近畿圏主体の阪急ホテルズで営業地域を補完し合い、一体運営する。
 新会社の資本金は20億5000万円。阪急ホテルズの運営子会社であるホテル阪急インターナショナル(大阪市)、千里阪急ホテル(豊中市)、宝塚阪急ホテル(宝塚市)の3社も新会社に営業譲渡される。(朝日新聞 夕刊)
7日■「遙」大阪駅乗り入れ JR西日本検討 貨物駅移転後 地下に新ホーム
 JR西日本は6日、大阪駅前の梅田貨物駅が将来移転して再開発されるのに伴い、大阪駅を改築し、京都と関西空港、和歌山県の新宮をそれぞれ結ぶ特急「はるか」や「オーシャンアロー」などの乗り入れを検討していることを明らかにした。
 関空や和歌山県からのアクセスを向上させるのが狙い。
 はるかなどは現在、京都方面へ向かう場合、大阪環状線の福島駅から分岐し、東海道・山陽新幹線と接続する新大阪駅に乗り入れている。
 大阪駅を通らないのは、貨物線を利用しているためだが、貨物駅移転後は線路を地下に移し、大阪駅地下に旅客列車のホームを新設する計画。
 このほか、大阪駅北側の4階建てビルを取り壊し、約30階建ての高層駅ビルを早ければ2005年度から建設する。これに伴い、北陸方面への特急が発着する11番線を取り壊すことも検討している。駅ビルには大手百貨店の三越が出店する予定。
 梅田貨物駅の移転をめぐっては、日本鉄道建設公団が大阪府吹田、摂津両市にまたがる吹田貨物ターミナル駅(仮称)の03年度からの建設と、07年度完成を目指している。(京都新聞)
■「ベアゼロ」の方針 JR貨物労組
 JR貨物労組(約6000人)は、6日開いた定期中央委員会で、今春闘のベースアップ要求をゼロとする方針を決めた。ベア要求ゼロ決定は、JR総連傘下の組合では初めて。JR貨物は先に、社員の2割を減らすリストラを発表しており、「雇用維持のため、やむを得ない」(同労組)と判断している。
 同労組はJR貨物最大の労組。今春闘について、昨年暮れから議論した結果、「会社の体力からすると、人員に一定の余剰感があることは認めざるを得ず、世間相場から考えても、ベアは難しい」と判断した。労使によると、雇用維持のため、勤務シフトの見直しなど一時帰休に相当するワークシェアリング導入の可能性も交渉される見込み。(朝日新聞)
■連合傘下最高 ベア1500円要求 私鉄総連
 私鉄総連(14万5000人)は6日の拡大中央委員会で、今春闘の賃上げ要求を、組合員1人平均で「2.2%(定期昇給相当分)プラス1500円(ベースアップ分)」とする方針を決めた。昨年よりベア分を1400円引き下げたが、ベア要求見送りが相次いでいる連合傘下の産別では最も高い水準だ。
 中央委はまた、運輸労連など他の交通運輸関係3産別との産別合同案を論議する臨時大会を5月9日に開くことも了承した。連合への加盟単位を一本化する産別合同を経て、将来の組織統合を目指すという計画。昨年の定期大会では反対論が相次ぎ、執行部提案が否決されていた。(朝日新聞)
■トロッコ列車で嵯峨中生徒ら まくら木交換 春へGO!
 右京区嵯峨神宮町の嵯峨中学の男子生徒6人が6日、西京区嵐山北松尾山のトロッコ保津峡駅近くで、線路のまくら木交換に挑戦した。同校の体験学習の一環。
 嵯峨野観光鉄道(本社・右京区)は冬季はトロッコ列車を運休して路線の点検をしている。
 生徒らは社員の指導を受げながら、スコップやつるはしでまくら木の周りを掘った。重さ約60`のまくら木は動かすのに2人がかり。1時間で2本のまくら木の交換を終えた。
 女子生徒3人はこの日、沿線約7`の清掃をした。7日は男女とも沿線の清掃にあたる。
 同校2年の堀智貴くん(14)は「しんどかったげど、自分たちで交換したまくら木の上を列車が通るのが楽しみ」と満足そうだった。(朝日新聞)
■K-JETきょう廃止 バス・鉄道に敗れ赤字135億円
 関西空港島と神戸市の人工島ポートアイランドを約25分で結ぶ高速水中翼船「神戸ジェットシャトル」(K-JET)の航路が7日、廃止される。開空開港に合わせて就航してから7年半。バスや鉄道との客の争奪戦に敗れ、神戸からの「最短ルート」という強みを生かせなかった。運航会社の経営を支援してきた神戸市の責任も問われそうだ。
 K-JETの利用客は94年9月の開業時から、当初見込んでいた1日あたり5500人を下回った。
 便数は、バスが三ノ宮から1日55往復に対し、K-JETは現在15往復。料金はバスが片道1800円なのに対し、K-JETは2400円(連絡バス料金含む)と高い。高橋望・関西大商学部教授(交通経済)は「競合する交通機関と切磋琢磨するなかで速さという利点をPRする努力が欠けていた」とみる。
 神戸市は「神戸空港と開空を結ぶ海上アクセスは絶対に欠かせない」(港湾整備局幹部)と05年に予定する神戸空港の開港をにらんで航路の再開をもくろむ。しかし、累積赤字が約135億円(00年度決算)にまで増えた運航会社の立て直しは簡単ではない。(朝日新聞)
8日■京都市の駅・バリアフリー度 山科地区がワースト1 「2位」阪急桂駅 段差など数値化 市の資料で判明
 京都市の交通バリアフリー政策について話し合う「市交通バリアフリー推進連絡会議」(議長・青山吉隆京都大工学研究科教授)の第2回会合が7日、下京区内で開かれた。駅舎の段差や点字案内板の有無などを点数化した評価指標で、山科地区が最も「非バリアフリー度」が高いことが、市の提示した資料で明らかになった。
 市は交通バリアフリー全体構想をまとめるとともに、単独の駅や複数の駅が集まる市内計104地区について、改善の必要性が高い重点地区を絞り込む方針で、推進会議は、これに対し、意見を述べるため開かれている。
 この日の会合で、市は検討資料として数値化した2種類の指標を提示した。
 そのうち、段差の有無などを評価した指標で、山科地区(JR、京阪、地下鉄)が、JR山科駅の段差が解消されていないことからワースト1位、2番目は西京区の阪急桂駅、3番目は下京区の阪急河原町駅だった。
 一方、駅の利用度合いに着目し、駅周辺の公共施設数や接続するバス数などを数値化した指標で数値が高かったのは京都駅地区(JR、近鉄、地下鉄)、烏丸地区(阪急、地下鉄)、阪急桂駅の順だった。
 審議会は今後、両方の数値の適切さや、どう扱うかなどを議論し、バリアフリー解消の必要性が高い地区を絞り込んでいく。(京都新聞)
■京都市交通局の労組元書記を起訴 横領罪で地検
 京都市交通局の労働組合・京都交通労働組合の金を着服したとして、京都地検は7日、業務上横領の罪で京都市西京区大杖北福西町四丁目、同労組元書記の中川義澄容疑者(46)を起訴した。
 起訴状によると、中川被告は、組合員の近畿労働金庫へのローン返済事務を担当していた一昨年2月と5月、組合員2人から預かった返済金計約560万円を着服したとされる。(京都新聞)
■こちら市民番です ホームわき走る電車 視覚障害者の転落が心配 点字ブロックで位置把握 助け合う気持ちが大切
 先日、地下鉄ホームで、つえを手に歩く視覚障害者を見かけましたが、すぐわきを電車が走り、とても危険に思いました。転落事故が起こらないか心配です。(京都市北区、主婦・27歳)
 北区紫野の社会福祉法人「京都ライトハウス」によると、視覚障害者のホーム転落事故は、全国で年間約10件起きています。京滋では1996年2月、近江八幡市のJR東海道線篠原駅で全盲の男性が線路に転落、電車にはねられて死亡する事故がありました。
 こうした事故を防ぐため、多くのホームには「点字ブロック」が設置してあります。ブロックは30a四方で、36個の丸い突起のついた「点ブロック」と、太い4本のラインが引かれた「線ブロック」の2種類があり、点ブロックは危険を、線ブロックは方向と誘導を表しています。
 視覚障害者は「白杖」でブロックに触れ、位置を確認しながら歩きます。ところが、一般の人の多くは、ブロックを足で踏んだり、その上を歩くための目印だと勘違いしているようです。
 施設の歩行訓練士・武内清さん(48)によると、ホーム中央を歩く視覚障害者をホーム端のブロックに導く人もいるそうです。「親切心なのでしょうが、かえって危ないこともある」のです。
 ブロックだけではホームの安全対策は万全とは言えません。ライトハウス内の点字図書館長、田尻彰さん(53)は「京都市の地下鉄東西線のように、各駅にホームドアを設置してほしい」と要望しています。
 全盲の田尻さんは、ホームから転落した経験があります。幸い、電車が来なかったため大事に至りませんでしたが「ホームは欄干のない橋。不用意に歩かないことが私たちの鉄則です。使い慣れている駅ほど、思い込みで方向を見失い、転落事故を起こしやすい」と言います。
 武内さんは「助けが必要ですか、と声をかける勇気を持って欲しい。そうすれば視覚障筈者は安心できる」と提案します。ホームで、路上で、助け合いの気持ちが、悲惨な事故を防ぐ最善の手段といえそうです。(京都新聞)
■京都交通労組横領事件 元書記を起訴
 京都市交通局の職員でつくる京都交通労働組合の組合員のローン返済金など計約570万円を着服したとして、京都地検は7日、同労組元書記の西京区大枝北福西町、中川義澄容疑者(46)=昨年7月に懲戒免職=を業務上横領の罪で京都地裁に起訴した。
 起訴状によると、中川容疑者は76年から組合員が金融機関から融資を受ける際の事務手続きなどを担当していたが、00年2月と5月、組合員から預かった返済金計約570万円を着服横領したとされる。(朝日新聞)
9日■降りて歩いて 50 JR玉水駅(井手町井手) 丘陵地に史跡 散策の場に
 JR奈良線の玉水駅は、「玉川」の流れのそばに位置する。朝夕のラッシュ時を除くと、乗降客はまばら。その周辺には古い民家が立ち並び、昔ながらの風情を残す。
 駅前広場を南へ進むと玉川堤に出る。玉川は日本六玉川の一つ。1953年の南山城水害で氾濫したが、改修整備で今は流れも穏やかだ。堤沿いは、春になると桜の花が満開になり、桜のあとは、ヤマブキが川辺一面に黄色い花を咲かす。
 川の堤から府道和束井手線に出て、東へ歩くと、橘諸兄が建てたとされる井手寺跡にたどり着く。橘諸兄は、奈良時代の貴族で、聖武天皇の義兄。左大臣として、恭仁京の造営にも尽力したといわれる。
 井手寺は、三重塔や金堂が整い、広大な広さを誇ったが、室町時代前に焼亡したとされる。近年、発掘調蛮で鋼鏡や軒瓦、建物の遺構などが見つかり、寺の輪郭が次第に明らかになりつつある。
 跡地一帯にはのどかな田園風景が広がる。その一角に東屋が建つ。近くに住む貸谷源三郎さん(73)は「散歩の途中に、ひと休みしている人をよく見かける」という。
 府道をさらに東へ進むと、「左馬ふれあい公園」に行き着く。園内には、巨大な岩に掘られた「左馬」が祭られる。
 もともとは、玉川の治水祈願の対象だった。それがいつのころからか「左利きの人は器用」といった説が広がり、「習い事の神」として信仰されるようになったという。
 周辺の丘陵地には、他にも小野小町の遺跡「小町塚」や橋諸兄公旧跡など、さまざまな史跡が散在するじ散歩を楽しみながら、古代ロマンに思いをはせるのもいい。(京都新聞)
■南海踏切の男性死亡 車運転の女性逮捕 傷害致死容疑
 大阪府大阪狭山市の南海高野線大阪狭山市駅南側の踏切内で8日夜、男性が乗用車から振り落とされて死亡した事件で、黒山署は9日未明、乗用車を運転していた同府堺市宮園町、無職松村美智代容疑者(26)を傷害致死容疑で緊急逮捕した。当時、遮断機は下りた状態で急行電車が通過していた。同署は、男性が振り落とされ、電車に接触したとみて調べている。
 調べによると、死亡したのは同府岸和田市天神山町1丁目、とび職知念浩さん(36)。知念さんは松村容疑者の左官業の弟(22)と仕事仲間。8日夜、仕事の進め方などを巡り、知念さんの仲間数人とこの弟が現場近くで口論になったという。
 同行していた松村容疑者は弟を車に乗せて逃げたが、遮断機が下りた踏切付近で再び口論になり、知念さんらが車のボンネットに上ったり、窓ガラスをたたいたりした。松村容疑者は踏切に向かって車を急発進させ、道路左側の鉄柱に衝突。はずみで助手席に上半身を入れていた知念さんが振り落とされたという。松村容疑者は調べに対し、「怖くなって車を発進させた」と話しているという。
 この事故で急行電車が現場に約1時間停車。後続の特急を含む計47本が遅れ、乗客約1万9000人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
12日■タヌキはね停止 野洲で新幹線
 11日午後11時20分ごろ、滋賀県野洲町上屋付近のJR東海道新幹線で、大阪行き「ひかり243号」(乗客887人)の運転士が、「ドン」という異音を感じたため、点検のため現場に約20分間停車した。列車に異常はなく運転を再開したが、後続2本も約20−30分遅れた。
 守山署によると、現場付近の新幹線の線路敷地に体長約60aのタヌキの死体があったことから、タヌキの衝突が異音の原因とみている。(京都新聞 夕刊)
■強い寒気で降雪 交通機関に乱れ
 西日本の上空に強い寒気団が入り込んだ影響で11日から12日にかけて、各地で雪が降り、交通機関などへも影響が出た。大阪管区気象台によると、冬型は12日でいったん緩むが、北部を中心に断続的に降雪が予想されるという。
 各地の気象台によると、12日午前11時現在の積雪は、福井県和泉村で120a、滋賀県余呉町で85a、兵庫県村岡町で67a、同県豊岡市で41aなど。
 この影響で12日午前、舞鶴自動車道の舞鶴西IC−舞鶴東IC(京都府)間が一時、通行止めになった。JR東海道新幹線も愛知、岐阜の両県での積雪のため、豊橋−京都間の上下線で始発から徐行運転をしたため、10〜15分遅れた。(朝日新聞 夕刊)
13日■経済団体脱退問題 JR西会長に聞く 5月の総合案見極め
 井手正敬JR西日本会長は12日、関西経済団体の統合の議論が進まない場合には、3月未で関西経済同友会などから脱会するとした自らの発言について「5月まで待ちたい」と述べた。
 地元企業で財界再編を議論する「経済団体の在り方を考える会」(座長・真銅孝三クラボウ会長)が5月に統合案をまとめる方針で、それを見極めた上で脱会について判断する意向だ。大阪市内でのインタビューに答えた。
 一問一答は次の通り。
 −経済団体の在り方を考える会が議論を始めたが。
 「議論の行方に注目している。関西には経済団体が多く、(関西財界の発言力強化や会費負担削減などの理由から)統合が必要、との点で財界の大半は意見が一致している」
 −真銅座長が5月に結論を出すと明言したが。
 「心強く思っている。再編論議はこれまで何度もされながら、結局何も変わらなかった。これで変われなければ、東京への一極集中がますます進み、関西の復権はない」
 −3月未に脱退する、と今年1月に表明したが。
 「5月の結論まで待ちたい。脱退するかどうかはそれから考える」
 −実際の統合はいつまでに必要と考えるか。
 「結論が出てから何年もかかっては話にならない。遅くとも来年4月には新団体発足を願いたい」(京都新聞)
■阪急電鉄 宝塚と神戸の遊園地 運営を見直し
 阪急電鉄の大橋太朗社長は12日の会見で、遊園地の神戸ポートピアランド(神戸市)と宝塚ファミリーランド(兵庫県宝塚市)の運営を抜本的に見直すことを明らかにした。
 両遊園地とも2000年度は営業赤字の上、神戸ポートピアランドは01年度上半期の入場者が前年同期比17.7%減と大きく落ち込んでいるため。具体策は3月未までに決めるが、遊戯施設の入れ替えや入園料引き下げなどが検討されるとみられる。
 大橋社長は「ユニバーサル・スタジオ・ジャパンと客層が重複するため学校や団体で相当影響が出ており、回復が急務だ」と述べ、見直し後も効果が出なければ「閉園も含めて検討する」という。
 一方、同社の01年10−12月期の定期券を除く鉄道収入は前年同期比0.5%増となり、1997年1−3月期以来、前年実績を上回った。大橋社長は増加要因を「米中枢同時テロによる海外旅行手控えで国内旅行シフトがあったのと、秋の好天のためではないか」としている。(京都新聞)
■上ル下ル 人と車の関係を見直す
 京都を代表する景勝地・嵐山の観光シーズンの渋滞解消を狙って昨年11月、100円バスを走らせた市の交通実験。2002年度の実験の本格実施に向けて、住民と市が実施内容を話し合う研究会が今春から始まる。
 昨秋の実験日。スムーズに走る100円バスを横目に大声で叫ぶ警備員に狭い歩道に誘導される観光客。車道もびっしりと埋まった人込みを縫い、そろりそろりと進む100円バスやマイカー。通行規制をした日と、しなかった日では、まちはまったく異なる顔を見せた。
 まちは車のためにあるのか、人のためにあるのか。市の調査では、実験日の嵐山中心部に流入した車の4割以上は府内の車。渋滞は遠方から来る観光客だけが原因ではない。実験は、われわれ自身が人と車の関係を見つめ直すきっかけになったのではないか。
 実験を前に、住民が参加する研究会では、観光への影響、規制に伴う事故への懸念、道路整備の必要性−などについて協議したが、それで十分だったろうか。今後の研究会ではさらに一歩進んで、「車と私たち一人ひとりがどう付き合っていくのか」までさかのぼって議論を深めてほしい。快適な暮らしを支える半面、さまざまな迷惑で現代人を悩ませる車。その「哲学」を京都から発信できるはずだ。(吉永周平)(京都新聞)
■サリン事件 遠藤被告に死刑を求刑 「製造、散布に匹敵」
 地下鉄、松本両サリン事件にかかわったとして殺人許などに問われたオウム真理教元幹部の遠藤誠一被告(41)の公判が12日、東京地裁(服部悟裁判長)であった。検察側は「松本事件で死傷者が出たことを知りながら、地下鉄事件ではサリン生成グループの責任者を務めるなど犯行に探くかかわった。極刑をもって臨むほかない」と諭告し、死刑を求刑した。サリン製造に関与したとされる被告に対する死刑求刑は初めて。
 検察側は、松本事件への関与について「現場の下見や、実行犯のサリン被ばくに備えた治療役を務め、計画に不可欠の役割を果たした」と指摘。地下鉄事件についても「サリン生成の中心的役割を果たしており、刑事責任は散布した実行犯にも匹敵する」と述べた。
 遠藤被告は公判で、教団前代表の松本智津夫被告の指示でサリンを生成したことは認めたが、「地下鉄にまかれると思わなかった」と殺意を否定していた。(朝日新聞)
■望郷列車、臨津江渡る 離散家族乗せ半世紀ぶりに
 【ソウル12日=箱田哲也】「水鳥自由に群がり飛び交うよ」−かつて日本でも南北朝鮮分断の悲劇をうたった歌で有名になった、朝鮮半島の軍事境界線沿いの川、臨津江を12日、韓国の離散家族を乗せた列車が朝鮮戦争以来、約半世紀ぶりに渡った。
 韓国鉄道庁が旧暦の元日にあたる12日に限り、いずれは南北縦断鉄道京義線の韓国側最北端駅となる都羅山駅まで走らせた。同駅は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との軍事境界線の約2`手前にある。(朝日新聞)
■鉄のシルクロード 発車ベルいつ 南北朝鮮鉄道−シベリア鉄道 赤字の解消に期待 ロシア
 シベリア鉄道と南北朝鮮の鉄道を連結し、ユーラシアを横断する「鉄のシルクロード」の実現に向け、ロシア、韓国、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の3国が動きはじめた。シベリア鉄道の「南進」が悲願のロシアは北朝鮮を積極的に支援する構えだが、和平が足踏みする朝鮮半島次第のため、一筋縄ではいかない。(モスクワ=横村出、ソウル=箱田哲也)
 北朝鮮の金正日総書記は昨年7月、平壌からシベリア鉄道経由でロシアヘ向かった。15両編成の特別列車は国境を流れる豆満江の鉄道橋を渡り、ロシア側のハサン駅で足止めされた。
 両国のレールの幅が違うためだった。ロシアが1520_、北朝鮮は1435_だ。その後の1万`の旅のためクレーンで車両上部をつり上げ、ロシア用の台車に載せるのに1時間かかった。
 モスクワに到着した金総普記は、プーチン大統領との会談でこの問題を取りあげ、双方の鉄道をつなげることで合意。ロシアはその後、韓国とも昨年12月、南北朝鮮鉄道とシベリア鉄道を一本化する文書に調印した。
 シベリア鉄道(モスクワ〜ウラジオストク)と朝鮮半島を結ぶルート案は2通りある。
 ロシアと北朝鮮が検討しているのが、ウラジオストク〜思満江(ロ朝国境)〜元山(北朝鮮)〜ソウルという、日本海側から南下する路線だ。最短でシベリア鉄道と結ばれるが、断絶している「京元線」の復旧工事が必要だ。
 一方、韓国側はソウル〜平壌〜新義州(中朝国境)の「京義線」の連結を念頭に置く。平壌から日本海側に延びる支線経由でシベリア鉄道と結ぶ考えだ。京義線が復旧すれば中国とも直結する。昨年9月に訪朝した中国の江沢民総書記ら代表団は、北朝鮮に京義線を優先するよう働きかけた。
 難題は、北朝鮮の荒廃した鉄道網の復旧だ。ロシア鉄道省の調査団は2月5日、北朝鮮での半年間の調査を終えた。それによると「軌道、車両、通信設備とも老朽化がひどい状態」だった。朝鮮戦争で破壊されたままの路線も少なくない。
 3国の鉄道規格の調整ももちろん課題だ。ロシアは、ソ連規格の広軌を、南北朝鮮の標準軌に併設することを提案した。また車輪の幅を軌道に応じて調節できるスペイン製台車の導入の検討も始めている。
 ロシアのねらいは、シベリア鉄道が抱える「大赤字」の解消にある。ソ連崩壊から10年で、貨物量は3分の1に減り収入が激減した。だが、南北朝鮮鉄道と結べば、日本や韓国から欧州への輸送が船便より安く、時間も短縮される見込みだ。鉄道省は「貨物量を10倍増にできる」と試算する。
 この計画で北朝鮮への支援を表明しているロシアだが、財政事情はよくない。10日、連邦極東管区のプリコフスキー大統領全権代表が平壌を訪問し、金容三鉄道相と今後の技術・資金協力について協議した。同代表は、11日には金正日総書記とも会見した。ロシア側は北朝鮮への借款を検討している模様だが、韓国に支援を要請する可能性もあるようだ。
北朝鮮側工事「事実上ゼロ」
 「線路がこのまま北に延びれはどんなにうれしいか」。旧正月の12日、非武装地帯(DMZ)目前までせまった京義線の韓国側最北端駅、都羅山駅で初めて開かれた望郷祭で離散家族の男性がつぶやいた。
 ソウルと中朝国境の新義州を結ぶかつての大動脈、京義線。この鉄道の復旧と並行する道路の建設が南北間で合意されたのは、初の南北首脳会談直後に開かれた00年7月の閣僚級会談だった。
 金大中大統領は断絶区間さえ復旧させれば朝鮮半島からロシアや中国を通じて欧州まで鉄路がつながると説き、「鉄のシルクロード」とたたえた。政府も京義線連結を今年の最重要課題に据える。南北和解の象徴にするとともに軍事的な緊張緩和につなげるためだ。
 閣僚級会談での合意後すぐに作業に着手した韓国側は、鉄道、道路工事ともDMZまでほぼ完了させた。
 一方、北朝鮮側も韓国の工事着手からほどなく、軍を投入して作業を始めたとの情報が韓国政府に入っていた。
 だが、北朝鮮に強硬策をとるブッシュ米政権の発足を機に、北朝鮮は米国との協議だけでなく南北対話も止めた。作業にあたっていた軍人らがいったん引き揚げたことがわかっており、「北の工事は実質的にははぼゼロに近い」(韓国政府筋)というのが現状だ。
 北朝鮮が本格的に作業を始めれば、3、4ヵ月で線路開通は可能とされる。しかし、ブッシュ大統領の「悪の枢軸」演説などで北朝鮮は一層態度を硬化させており、南北対話に応じてくるかどうかは、なお不透明だ。(朝日新聞)
■特別列車通過で「損害」を認定 ロシアの州裁判所
 【モスクワ12日=横村出】朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正日総書記が昨年7月にシベリア鉄道でロシアを訪問した際、駅で長時間待たされて損害を被ったとしてロシア人が鉄道公社を訴えていた裁判の判決が11日、ウラル地方ペルミ州の州裁判所であった。裁判長は損害を認定し、地元の鉄道公社に対し1万3000ルーブル(約5万7000円)の支払いを命じた。
 判決によれば、原告は家族で休暇先に向かう途中、金総普記の特別列車の通過に遭遇。駅で8時間待たされたうえ乗り継ぎもできなかったとして、現地のスペルドロフスク鉄道公社を訴えた。
 金総普記のロシア訪問では、シベリア鉄道沿線で厳重な警戒態勢が敷かれたため混乱を招き、各地で同種の訴えが起こされている。(朝日新聞)
14日■リストラで旅行、山陰線車内 「携帯切れ」刃物で脅す 容疑の男逮捕
 13日午後3時ごろ、島根県斐川町を走行中のJR山陰線快速列車(2両編成)内で、埼玉県所沢市北野、無職佐々木勝容疑者(50)が、携帯電話をかけていた松江市内の男性(31)にナイフ(刃渡り7a)を突きつけ「電話を切らんと刺すぞ」などと脅した。運転士から連絡を受けた松江署員が宍道駅(宍道町)で待機し、暴力行為等処罰に関する法律違反容疑で現行犯逮捕した。
 調べでは、同率疑者は「電話の話し声がうるさかった」と供述しているという。脅された男性が運転士に通報。列車無線で連絡を受けた宍道駅員が松江署に110番通報した。同率疑者は会社をリストラされ、10日から旅行中。この日は、山口県萩市から鳥取市へ向かう途中だったという。(朝日新聞)
■元阪急交通社長を聴取 数億円着服容疑 岡山県警
 阪急交通社(本社・大阪市)の元社長(63)が、同じ阪急グループ企業の中国六甲山経営(現真庭リゾート開発)の社長在任時に、数億円を着服した疑いがあるとして、岡山県警捜査2課と勝山署は14日までに、業務上横領の疑いで事情聴取を始めた。
 元社長は96年6月から4年間、中国六甲山経営の社長を務めた後、00年6月、阪急電鉄が100%出資する阪急交通社の社長に就任。その後、中国六甲山経営社長だった時、岡山県落合町で経営するゴルフ場の会員権の契約料を着服していた疑惑が発覚。阪急電鉄は00年12月、阪急交通社社長を解任し、翌月に業務上横領の疑いで岡山県警に告訴していた。
 阪急電鉄の内部調査では、元社長は当時、会社名義の隠し口座を相次いで開設。ゴルフ場会員契約を結んだ法人や個人に、契約料をこの口座に振り込ませた。(朝日新聞 夕刊)
15日■信楽事故控訴審、証拠調べ終了 4月結審 秋以降に判決
 滋賀県・信楽高原鉄道(SKR)の列車衝突事故で、一審判決を不服としてJR西日本が控訴した訴訟の裁判が14日、大阪高裁(太田幸夫裁判長)であった。この日の証人尋問で証拠調べは終了した。4月16日の次回裁判で結審することになり、判決は、秋以降に出る見通しとなった。
 事故は1991年5月に起こり、死者42人を出した。
 一審の大阪地裁は「JR西日本は事故発生を回避すべき注意義務に違反した過失があった」とし、衝突したJR西日本とSKRに総額約5億円の損害賠償を命じる判決を言い渡した。
 SKRは責任を認めたが、JR西日本は判決を不服として控訴した。(京都新聞)
■信楽事故の遺族 連携と協力約束 歩道橋事故の遺族と
 明石歩道橋犠牲者の会のメンバーらが14日、大阪高裁で開かれている信楽高原鉄道事故の損害賠償請求訴訟の裁判を初めて傍聴した。同事故の弁護団を務め、歩道橋事故に深い関心を寄せる佐藤健宗弁護士の紹介で、2遺族が出席。閉廷後に信楽事故の遺族らと顔を合わせ、今後の協力を約束し合った。
 歩道橋事故遺族の下村誠治さん(43)=神戸市垂水区神陵台=は「証言の様子を見ていて、真実は明らかになると安心した。信楽事故遺族の頑張りは、私たちの自信につながる」と語った。
 また「信楽列車事故遺族会」の世話人代表、吉崎俊三さん(68)=兵庫県宝塚市中山桜台=は「裁判の経験を生かし、歩道橋事故遺族を支えていきたい」と話していた。
 両事故の遺族は昨年10月から同弁護士を通じ、公的機関の事故で家族を亡くした遺族同士として、会合を重ねてきた。歩道橋遺族は、起訴を控えて「法廷闘争の下見になる」と、情報収集の方法や精神的なケア方法などを教わっている。(京都新聞)
■阪急交通社元社長を逮捕 540万円横領容疑
 阪急電鉄子会社のゴルフ場経営会社から現金540万円を着服したとして、岡山県警捜査二課と勝山署は14日、業務上横領の疑いで、旅行会社大手の阪急交通社元社長で現飲食店手伝い、高田靖彦容疑者(63)=同県落合町上市瀬=を逮捕した。容疑を認めているという。
 調べによると、高田容疑者は、落合町でゴルフ場などを経営する阪急電鉄子会社の「中国六甲山経営(現真庭リゾート開発)」の社長だった1998年9月中旬から99年5月下旬にかけて、3回にわたり、同社の預金口座から引き出すなどして、計540万円を横領した疑い。
 高田容疑者は1996年6月から2000年6月まで、中国六甲山経営の社長を務め、同年6月、会長に就任し阪急交通社の社長も兼務したが、着服が発覚し、同年12月に解任された。
 ギリシャで同年11月、阪急交通社企画のツアーバス(日本人乗客33人)が乗っ取られた事件当時、社長として記者会見などに出ていた。(京都新聞)
■阪急交通元社長 横領容疑で逮捕 岡山県警
 阪急電鉄(本社・大阪市)の子会社、中国六甲山経営(現真庭リゾート開発、本社・神戸市)の社長在任中に540万円を着服したとして、岡山県警捜査2課と勝山署は14日、同県落合町市瀬、元阪急交通社社長の高田靖彦容疑者(63)を業務上横領容疑で逮捕した。同率疑者は容疑を認めているという。(朝日新聞)
16日■大津・京阪バス運転手 「もう少し付き合ってほしい」 女高生降車させず 昨年12月 事実認め謝罪
 大津市内を運行している京阪バス(本社・京都市南区)で昨年12月、車内で一人になった乗客の女子高生に対し、運転手が停留所で降ろさず、バスに無理やり同乗させていたことが、15日までに分かった。京阪バスは事実を認め、謝罪するとともに、運転手を乗務から外した、という。
 被害に遭ったのは大津市内の県立高校に通う1年の女子生徒。高校によると昨年12月6日の昼すぎごろ、この生徒は期末試験を終え、帰宅のため駅から自宅まで、京阪バスに乗った。
 当初は乗客数人が同乗していたが、間もなく生徒一人になった。自宅の最寄りのバス停で降りようとしたところ、運転手が降車口のドアを閉めたままバスを運行。「もう少しの間、付き合って(乗っていて)ほしい」などと話しかけた。
 生徒は恐怖を感じたといい、降ろすよう求めたため、運転手は50bほど走らせてバスを停車、この生徒を解放した、という。
 生徒は帰宅して母親に報告。連絡を受けた高校が、運転手の勤務する京阪バス大津営業所(西堀寿一所長)に事実をただした。京阪バス側は後日、高校を訪れ、母親や担任らに謝罪した。
 生徒は京阪バスの同路線を登下校に利用しており、運転手とも日ごろから顔を合わせていたという。
 京阪バス大津営業所の白井邦雄助役は「そういうことがあったと聞いており、乗務を外している。詳しいことは話せない」としている。(京都新聞)
■丸の内駅舎 往時の姿へ 東京都とJR東日本 東京駅復元で合意
 東京都とJR東日本は15日、東京駅丸の内駅舎の完成当時の姿への復元や、丸の内、八重洲双方の駅前広場整備などで合意した。
 八重洲側は約40階建ての高層ビル2棟を建設。現在「鉄道会館ビル」に入居している百貨店大丸は新ビルに移転して会館ビルは取り壊す。
 丸の内側、八重洲側とも2010年度完成を目指す。事業費は丸の内駅舎の復元が約500億円、八重洲側が約1800億円。
 丸の内駅舎は1914年、丸屋根をもつ3階建てとして完成したが、戦災で丸屋根と3階部分を焼失。戦後、復旧の際現在の2階建てとなった。復元は都と同社の間で99年に合意していた。
 八重洲側は、昨年5月に施行された改正都市計画法などに盛り込まれた「特例容積率適用区域制度」を利用。丸の内駅舎の用地で余った容積率を、約200b離れた八重洲側の再開発に繰り入れて活用する。
 大丸が入居するほかはオフィススペースになる。(京都新聞)
■降りて歩いて 51 JR梅迫駅(綾部市梅迫町) 歴史刻む町に自動車道
 JR綾部駅から、北へ向かう舞鶴線に乗る。10分ほどで、2番目の停車駅、梅迫駅が田園の中に見えてくる。2両編成のワンマンカーがゆっくりと無人駅に滑り込む光景は、ローカル線ならではの旅情をかき立てる。
 1977年に無人化され、今は乗降客も少なくなったが、かつては15人ほどの駅員が交代で詰めていた。長年国鉄に務め、梅迫駅に勤務したこともある地元の白波瀬晋作さん(65)は「蒸気機関車のころは通勤や通学のお客さんで満員で、木造駅舎も活気に満ちていた」と往時を振り返る。
 駅を西側へ降りると、線路に並行してたばこ店や雑貨店などが並ぶ。木枠のガラス戸の向こうに菓子が並び、ブリキの看板が目を引く。町の光景は、学生たちでにぎわった当時とほとんど変わっていない、という。
 懐かしい風景を楽しみながら南へ10分ほど歩くと、足利尊氏ゆかりの寺として知られる安国寺にたどり着く。993(正暦4)年の創建とされ、1305(嘉元3)年にこの地で生まれた尊氏は国土の平穏を願い、全国に建立した安国寺の筆頭に据えた。重厚なかやぶき屋根の仏殿など文化財も多く、春のサクラや秋の紅葉シーズンには多くの観光客でにぎわう。
 山腹の安国寺境内から門前の街並みを見渡すと、巨大なコンクリート橋脚が目に飛び込んでくる。来年中の開通を目指す京都縦貫自動車道の建設現場だ。同寺檀家筆頭総代の大槻正則さん(63)は「近くにインターもできる。新しい道は、町に多くの観光客と活気も運んでくれるはず」と期待する。古い歴史を刻む町は今、時代の大きな節目を迎えようとしている。(京都新聞)
■東京駅にツインタワー 高さ200b、JR・都が計画
 JR東日本と東京都は15日、東京駅の八重洲側に高層のツインタワーを建設するなど、駅周辺の再整備計画で合意した。総事業費2300億円。JR東日本などが事業者となり、「首都の玄関口」の面目一新を図る。
 八重洲側(事業費1800億円)ではJR東日本と三井不動産など周辺地権者が、約200b(約40階建て)の事務所ビルを、北側と南側にそれぞれ1棟ずつ建てる。北側ビルの一部を除き、07年度末の完成をめざす。大丸東京店はいまの鉄道会館ビルから北側ビルに移転する。同会館ビルは撤去され、駅前広場が拡幅される。(朝日新聞)
17日■トロッコ列車の沿線 桜とモミジ植樹 家族連れなど50人
 保津川渓谷を走る嵯峨野トロッコ列車の嵐山沿線(京都市右京区)で16日、記念植樹会が行われ、家族連れたち約50人がサクラやモミジの幼木を植えた。
 植樹は、列車を運行する嵯峨野観光鉄道が2年前から続けている。乗客から「人生の思い出に沿線に木を植えたい」との要望が出たのがきっかけで始まった。同鉄道が有料で約30本のヤマザクラとヤマモミジを用意、参加者はトロッコ嵐山駅から亀岡方面へ向かう沿線で、添え木をしながらスコップで丹念に木を植えていった。
 大津市から家族3人で訪れた山本博和さん(60)は「亡くなった妻の両親が嵐山に住んでいた縁があって参加した。いい還暦祝いになった」と話していた。植樹会は17日も行われる。トロッコ列車は3月1日から今シーズンの運転を始める。(京都新聞)
■元東武鉄道社長の根洋嘉一郎氏死去
 元東武鉄道社長で、東武グループを率いた根津嘉一郎(ねづ・かいちろう)氏が15日午後、老衰のため東京都港区の病院で死去した。88歳。通夜は20日午後6時から、葬儀は21日午後1時から港区芝公園4の7の35の増上寺大殿で。喪主は長男で東武百貨店社長の公一氏。自宅は港区南青山6の5の36。
 父の先代・嘉一郎氏から41年に東武鉄道社長を引き継ぎ、94年まで務めた。百貨店、スーパーなど事業を広げ、60年から90年まで東武百貨店社長。(朝日新聞)
18日■くらしの足元 自治を考える バリアフリーへ意識改革を 車いす利用者と京のまちを点検
 障害のある人も、お年寄り、子ども連れも、だれもが障壁(バリア)なく移動でき、生活できる「バリアフリー」を目指す取り組みが各地で進んでいる。しかし、実態はどうか。利用者にとって、本当に使いやすいものになっているのか。車いすの生活を送る京都市内の男性ととともに、市内の駅やまちを歩き、バリアフリーの現状を点検した。
・2aの高さが障壁に 伏見
 京都などの観光地や駅、トイレを実際に車いすで歩いて点検し、ガイド本を出版している「みんなでぬくもりのあるまちを創ろう会」代表の村田孝雄さん(68)=京都市伏見区=に同行してもらった。
 まず、村田さんの家の近くにある広域避難所の伏見公園に行った。入り口には5.5aの段差。見た目にはわずかだ。しかし、「どこの道路にもある、この『L型街きょ(雨水などを流す側溝)』が、車いすでは自力で越えられない。みんなが段差と思えない2aでバリアになる」と話す。
 初もうでにも訪れるという同区の御香宮へ。歩道の真ん中にある電柱が行く手を遮った。片側はさく、もう一方は溝だ。「電柱をどっちかに寄せてくれるだけでいいんだが」
 最寄り駅の近鉄・京阪の丹波橋駅には、最新式のバリアフリーのエレベーターが設置されている。1階とコンコース階の出口が別方向にあり、車いすでもバックでなく、どちらも前向きに乗り降りできる仕組みだ。近鉄では駅員に、ホームと10aぐらいの段差のある電車に、金属製の板を架けてもらった。
 伏見区役所では、スロープの前に1台の自転車が入り口をふさぐように置かれていた。以前は、もっとスロープ付近に自転車があふれていたという。村田さんの要望活動などから「通路をあけてください」という看板が掲げられた。「バリアフリーは、こんな簡単なことでも実現できる。何も金かけてやるだけやない」
・少ないトイレ表示も不親切 京都駅
 タクシーで京都駅へ。20aくらいの段差がある歩道の前に停車した。「あっちに止めなアカンのや」。3b前方はなだらかなスロープになっている。「ちょっとしたことなんや」と村田さん。
 駅ビルの柱に「この建物は国際基準に合った福祉の整備がされています」との認定マークが張られていた。すぐそばにはホテルに通じるエスカレーター。車いすでは上がれず、エレベーターの案内表示もない。
 これまでも駅ビルを調査している村田さんは「係員に言えば、通常は入り口にかぎが掛かっているエレベーターを使える。しかし、初めて来た観光客には、分かるはずがない。足の弱い高齢者の中にはエスカレーターが怖い人も多いのに」と怒る。
 駅の南北自由通路までのエレベーターの場所や地下街のスロープも分かりにくいといい、「これからは高齢者もどんどん外に出る。京都駅はトイレも少なく、場所も分かりにくい。観光に来てくれと言うだけでなく案内表示をしっかりするべきだ」
 地下街から地上に上がる階段の両側に、ラバーの巻いた手すりが設置されているのを見て「足の不自由な人も高齢者も、手すり一つあるだけで楽になる。ここは良くできている」と評価した。
 京都駅近くのレストラン。観音開きのガラスドアは、村田さんには重い。入り口で待っていても中のウエートレスは開けてくれず、「社員教育ができていない」
・緊急用ブザー 使う身での設計必要 中京
 中京区の烏丸御池南西角の公衆トイレに向かった。京都市が、御池通シンボルロード事業の一環として整備した。男女用のほか、障害者、高齢者、子連れ用などの多目的トイレを備えている。入り口のスライド式ドアを開けると、開き切らずに閉まってくる。「通りに面してドアがあると開きやすい。景観を気にした結果だろうが、これでは使いにくい」
 高さ1bぐらいのところに設置された緊急用ブザーを指し、「障害者や高齢者が床に倒れた場合、あの高さでは届かない。上下2ヵ所とするか、ヒモを付ければすむ話なのに。机の上だけで設計するからこうなる。本当に使う身になっていない」と手厳しい。
 四条烏丸の地下鉄四条駅。改札から阪急の駅へ向かう。そこに階段が立ちはだかった。車いすを引き上げる装置もあるというが、表示は見当らない。「阪急へ車いすで行くには一度、地上へ出る必要がある」。村田さんに案内されて、エレベーターで上がり、烏丸通を北へ何十bか歩く。看板も表示もないビルの奥まった場所に阪急烏丸駅へ通じるエレベーターがあった。
 「これがバリアなんです。私たちは、ゆっくりでもいいから家から目的地までたどりつければいい。でも、どこかで行き当たる」
 「情報が一番大事。設置されていても、どこにあるのか分からない『情報のバリア』があれば、どうしようもない」
 阪急烏丸駅では、券売機が壁の奥に傾斜して設置されており、村田さんの手は、ボタンに届かなかった。
 市バスも検証したかったが、村田さんは「リフト付きバスは、本数も少ない。ノンステップバスは、時刻表もないので、いつ来るか分からない」と言い、今回は見送った。
 5時間がかりで京のまちを歩き終えた村田さんは「障害者も、今後ますます増える高齢者も、外に出て元気を出さないといけない。それなのに、まちなかのバリアフリーは全然進まず、外へ出るのがいやになる人も多い。特に利用者のことを考えずに、設置するだけになっている『心のバリア』を解消しないといけない。行政も設計する人もよく考えてほしい」と、社会の意識改革を訴えた。
・市民からことこと 分かりにくい駅の案内表示
 松居礼子さん(73)=下京区中堂寺鍵田町=の話 ひざを痛めているが、できるだけ歩くようにしている。高齢者は家に閉じこもらず、外に出ていろんなことに目を向けることが元気につながる。高齢化社会を迎え、バリアフリーは非常に重要と思う。
 一時よりは進んだが、実際には、エレベーターなどの場所を示す表示が分かりにくかったりして駅はどこも不便。また、昇りだけのエスカレーターが多いが、本当に怖いのは下りだ。
 まちなかでも、道路と住宅との間のちょつとした段差や道路の少しのくぼみもつまずきそうで怖い。歩道を自転車が走ったりして、まだまだ高齢者には厳しい社会と思う。人の意識も、高齢者や障害者、子どもたちみんなに優しい町になるよう変わってもらいたい。
 市民の足である市バスも、以前よりはましだが、座る前に発進することもある。改善してほしい点は多い。
・市内 駅の段差解消、49%
 2000年11月に「交通バリアフリー法」が制定されたことにより、交通施設のバリアフリー化の取り組みが全国的に広がった。
 同法では2010年までに、1日の利用客5000人以上の駅やバスターミナル、空港について、スロープやエレベーター設置による段差解消、視覚障害者用ブロックの整備、身体障害者用トイレ設置などのバリアフリー化を、交通事業者に努力義務として課している。
 また、病院やホテルなど不特定多数が集まる建築物については、1994年に「ハートビル法」が施行され、バリアフリー化が事業者の努力規定となっている。今国会で、一部義務規定を盛り込んだ改正案が提出される予定になっている。
 京都市のまとめによると市内の現状は、JRや地下鉄、私鉄の全120駅のうち、エレベーターやスロープなどが整って段差が解消されているのは49%の59駅にとどまる。市交通政策課は「段差のほか、点字ブロックなど、何らかの課題がある駅がほとんど」としている。
 市は交通バリアフリー法施行を受け、今後の長期計画となる「交通バリアフリー全体構想」を来年度前半にまとめるとともに、改善の必要性が高い施設を重点地区に指定し、国や府、市の補助金を適用して整備を進める。
 一方、鉄道施設をはじめ公共施設、民間施設などの建築物や道路については、京都市では、1972年から要綱を策定(1996年に大幅改正)し、新築や大規模改修などの際にバリアフリー化を指導している。
 市建築指導部は「新築建物などについてはバリアフリー化が図られてきたが、既存の建物の改善は進んでおらず、今後の課題」とみている。
 また、障害福祉課は、今後の要綱の方向性として「障害者や高齢者、妊婦、子どもも、だれでも使える施設や街という『ユニバーサル・デザイン』の考え方が重要になってくる」としている。
・取材を終えて 欠かせない「心のバリア解消」
 車いすの村田孝雄さんとともに、駅やまちなかを歩いてみて、バリアフリーについてのこれまでの理解不足を痛感した。
 自分が段差とは認識しない段差を、車いすが越えられないのを実際に目で見て驚いた。そして、エレベーターの設置場所の表示がないなど、使い手のことが考慮されていない実態があることもよく分かった。
 村田さんはそれを「心のバリア」と呼ぶ。今回は、車いすによるバリアフリーの検証だった。しかし、路上の視覚障害者用点字ブロックの上に自転車が放置されているなど、施設は設置されているものの実際にバリアが解消されていない事例が、まちなかにあふれている。高齢者や小さな子ども連れ、妊婦にとっても、まだまだ移動しやすいまちとは言えないだろう。
 法律や要綱はできつつあり、施設整備も今後ますます進むだろう。しかし、本当にバリアのない社会を築くためにはまず、すべての人が「段差」を認識し、真に使い手のことを考える「心のバリアフリー」が欠かせない。(社会報道部 円城得之)(京都新聞)
■廃食用油燃料化 大型施設を建設 京都市、03年度完成目標
 京都市は、てんぷら油など使用済みの食用油をごみ収集車や市バスの燃料「バイオ・ディーゼル燃料(BDF)」に精製する大型施設を市南部クリーンセンター(同市伏見区)に建設する。総事業費は8億9000万円で、02年度当初予算案に施設建設費として2億2500万円を盛り込んだ。03年度の完成を目指す。
 同市によると、BDFは、燃料費が軽油とあまり変わらず、排ガス中の硫黄酸化物の量と黒煙が軽油より少ないのが特長。同市では97年からごみ収集車などにBDFを導入。現在、ごみ収集車219台と市バス75台の燃料として使っている。廃食用油は委託業者が市内の家庭から回収、精製しているが、今年度の回収見込み量は約11万リットル。
 新しく建設する施設は1日約5000リットルのBDF が精製できる。全国でも最大規模の精製工場になるという。(朝日新聞 夕刊)
19日■公営企業予算案 市から補助25億円休止 料金上げ予定なし
 京都市は18日、市バス、地下鉄、上下水道の各公営企業の2002年度当初予算案を発表した。市の財政非常事能や宣言により、市からの例年の補助金計96億円(2001年度、市立病院会計含む)のうち計25億円が休止される中での予算編成となったが、市民生活に直接影響の出る事業の休廃止、料金値上げは予定されていない。
 【市バス】市からの経営健全化補助金約11億円のうち7億円が減額される。1日平均の乗客は22万1000人と、前年度より5000人の減少を見込む。早期退職や給与カットで経常赤字は前年度より33.5%圧縮して30億6700万円となる一方、返済のめどが立たない不良債務は約19億円増の132億2800万円に達する。
 低床式車両を34台購入する。車体広告は15台で継続実施する。
 【地下鉄】東西線の六地蔵南伸には工事費など148億9200万円、天神川西伸には工事準備費など12億3800万円を計上。駅施設のバリアフリー化を進めるほか、ミニコンビニの設置も検討する。
 東西線沿線のマンション増加で1日平均の乗客は、7000人増の31万2000人を見込む。経常赤字は前年度比8%減の257億1700万円となるが、累積赤字が初の2000億円台となる2225億円に膨らむ。
 【上水道】節水の影響などで年間有収水量が落ち込むと予測し、収入は微減の362億2800万円。経常赤字は6億円余り圧縮し、1億円を切って9500万円となる。
 蹴上や松ケ崎などの浄水施設整備に28億円、配水管の取り換えに76億円を計上した。
 【下水道】市からの汚水資本費補助金が、前年度の約12億円からゼロになる。収入は4.5%減の585億3400万円で、経常収支は1億2800円の黒字にとどまるとしている。
 大原野、岩倉地域などの下水道整備に20億6000万円、大雨による浸水防止に86億6000万円を盛り込んだ。(京都新聞)
■LRT(次世代型路面電車)実現へ一歩 京都市が初の調査費 情報を収集 可能性探る
 欧州の都市で見られる環境や高齢者にやさしい次世代型路面電車(LRT)の導入をめぐり、京都市は新年度から本格的な調査に乗り出す。かつて市電を廃止した経過があるだけに課題は山積するが、「車中心のまちづくり」を見直す流れが全国的に広がるなか、京都市も一歩を踏み出した格好だ。
 マイカーを抑制して公共交通を優先させることで、「歩いて暮らせるまちづくり」を進めることが、全国的にも都市交通システムの新しい流れになりつつあり、TDM(交通需要管理)施策とも呼ばれる。
 LRTは従来の路面電車と異なり、床が低く車いすの人や高齢者も乗り降りしやすい。専用軌道を最新のテクノロジーで操縦するため、低公害のうえ高速でも騒音や振動が少ない。欧州では1980年代から導入都市が相次ぎ、TDM施策の大きな柱とされる。
 京都でも、京都商工会議所や京都経済同友会、京都弁護士、市民団体などが昨年から市内でのLRT導入を求める提言を次々と出している。国内では岡山市や熊本市、広島市などがLRT車両を導入し始めている。
 こうした動きを受け、京都市は新年度予算にLRTの具体的な調査費として600万円を計上した。国内外の導入都市の情報を収集し、市内に導入した場合の専用軌道の確保や需要と採算性、運営主体のあり方などの課題を探る。
 市民のなかには「渋滞を解消し、観光・環境都市をアピールする切り札に」と期待の声がある一方で、「市電を廃止しておいて、いまさら車を規制できるのか」といぶかる見方もあり、市の調査結果が注目されそうだ。(京都新聞)
■京福永平寺線 廃線が確定的に 町長意向表明 存続の負担重く
 福井県永平寺町の川崎不二雄町長は18日の町議会で、京福電鉄存廃問題で、県内3路線のうち唯一、存続か廃線かの方針が決まっていなかった永平寺線について、「(第三セクター化して)存続させても町として負担金に耐えられない」として、廃線させたいとの置向を表明した。
 同県の栗田幸雄知事は永平寺線について既に「存続させても採算性が低い」との考えを示しており、川崎町長の発言で、昨年6月に起きた同電鉄の正面衝突事故以来、運行を中止していた同線の廃線は確定的となった。
 同町によると、これに先立つ15日、栗田知事が川崎町長と会談、知事は「苦渋の選択だが、最終決断として同線の廃線を決断した」との意向を表明、町長も「廃線はやむを得ない」とこれに同意したという。
 残る越前本線と三国芦原線に関しては、軌道や車両など設備面は県が所有し、市町村はそれを無償で借り受けて運行する「上下分離方式」による第三セクター方式で存続させる方向が決まっている。(京都新聞)
■京都市の新年度予算案 一般会計5.5%減 6494億円 市債残高1兆円超す(抜粋)
 京都市が18日に発表した02年度当初予算案は一般会計が6494億円で今年度当初予算と比べ、5.5%減の「緊縮型」になった。前年度割れは3年連続。不況による税収減を反映して落ち込んだ歳入を、基金の取り崩しや新たな借金である市債の発行で賄ったほか、予算要求を前年度以下に抑える「マイナスシーリング」や全職員の給与カット、新規施設の建設凍結で歳出削減に努めたという。市債の発行残高は初めて1兆円の大台に乗った。借金依存はいっそう慢性化したといえ、今後はさらに厳しい財政運営を強いられることになる。
市バス・地下鉄 赤字深刻
 公営企業では、自動車運送(市バス)、高速鉄道(地下鉄)の2事業について、02年度の収支計画が発表された。ともに赤字が雪だるま式に膨れあがっており、将来の公費補てんが予想される状況だ。
 市バスは、一般会計からの繰り出し金7億円の凍結が響き、38億円の営業赤字になる。毎日1000万円の借金が増える計算で、9年前に約6億円だった累積赤字は153億円にのばる見込みだ。1日当たりの乗客見込みはピーク時(80年度)の半分の約32万人にとどまる。
 地下鉄の実態はさらに深刻だ。営業赤字116億円を見込み、累積赤字は2225億円にのばる。烏丸、東西両線の建設に伴って借り入れた約6000億円のうち、約3600億円が未返済になっており、借金依存体質を浮き彫りにした。
 開通当初約16万人を見込んだ東西線も、02年度は約12万人にとどまる見通し。東西線建設と「両輪」に位置づけられていた沿線再開発も、第3セクター「京都醍醐センター」の不振で行き詰まっている。(朝日新聞)
■JR東京駅 余った容積率ばいきゃきへ 100b先、三菱地所が有力
 JR東日本は、東京駅・丸の内側で未利用の容積率を売却する方針を固めた。買い手は三菱地所が有力で、丸の内のビル建て替えで使うことを検討している。東京や大阪の都心部での再開発を念頭にした法改正で01年に施行された「特例容積率適用区域制度」で可能になった、離れた土地への容積率移転を使う。小泉内閣が都市再生を掲げる中で、都心の土地活用の先駆けになると国土交通省はみている。
 JR東日本によると、東京駅の丸の内側では、900%(延べ床面積17万平方b分)の容積率が余っている。一部は、八重洲側に建てるツインタワーに充てる予定だが、残りの一部を売却する方針。
 三菱地所は本社のある「東京ビルヂング」(敷地面積8100平方b)を、いまのほぼ2倍の1650%の容積率で建て替える予定だ。東京駅とは他のビルをはさんで100b前後離れている。現行の容積率規制では、最大1300%しか確保できないため、350%分(延べ床面積約3万平方b分)をどうするかが問題だった。同ビルは03年度に着工、06年度完成をめざしている。(朝日新聞)
■ホーム傷害致死 少年2人に懲役3−5年 東京地裁判決 被害者落ち度ない
 東京都世田谷区の東急田園都市線三軒茶屋駅のホームで昨年4月、銀行員の男性が殴られ死亡した事件で、傷害致死罪に問われた東京都町田市の少年(19)と神奈川県相模原市の少年(19)の判決公判が19日、東京地裁であり、山室恵裁判長は2人に求刑通り懲役3年以上5年以下の不定期刑を言い渡した。
 判決理由で山室裁判長は「かなり酒に酔っている被害者を殴って転倒させ現揚から逃走しており、犯行は危険、悪質で卑劣」と指摘。「被害者は少年らに電車から降りるようしつこく絡んでいたとはいえ、生命を奪われるまでの落ち度はなかった」として、「被害者の行為にも犯行を誘発する面があった」とする弁護側主張を退けた。
 検察側は冒頭陳述で「足が当たった」という車内でのささいな口論が事件のきっかけだったことを明らかにしている。少年2人は公判で起訴事実を認め遺族に謝罪した。
 判決によると、少年2人は昨年4月29日午前零時ごろ、三軒茶屋駅のホームで川崎市宮前区の銀行員牧顕さん=当時(43)=を殴り、5月4日にくも膜下出血で死亡させた。(京都新聞 夕刊)
■駅で傷害致死 2少年に実刑 東京地裁判決
 昨年4月に東京都世田谷区の東急田園都市線の三軒茶屋駅で銀行員の牧顕さん(当時43)を殴って死亡させたとして傷害致死罪に問われた2人の19歳の少年に対し、東京地裁は19日、求刑通り懲役3年以上5年以下の不定期刑の判決を言い渡した。山室恵裁判長は「被害者が絡んできたことに憤激した動機に酌量の余地はない。犯行態様は危険、悪質で、生じた結果も重大だ」と述べた。
 弁護側は双方にトラブルの原因があるとして、執行猶予つきの判決を求めた。判決は「牧さんが被告らに電車から降りるよう要求するなど、しつこく絡んでいた」ことは認めたが、「生命を奪われるまでの落ち度はなかった」と指摘。求刑通りの量刑が相当だと結論つけた。
 判決によると、少年2人は01年4月28日夜、牧さんを駅のホームで殴ったところ、牧さんは転倒して頭を打ち、くも膜下出血で数日後死亡した。(朝日新聞 夕刊)
20日■京阪電鉄 赤字200億円計上 3月期 希望退職200人を募集
 京阪電気鉄道は19日、純粋持ち株会社化に向けて不良資産処理や人員削減などを進め、2002年3月期に345億円の連結特別損失を計上、当期純損益を当初見込みの同利益7億5000万円から200億円の赤字に見直すと発表した。
 経費削減のため今年6月に本体の30歳以上で勤続10年以上の社員2500人を対象に200人程度の希望退職者を募る。本体の社員数は現在の2800人から2150人に削減する。毎年25億円前後の赤字が続いている大津線の要員は150人に半減し、04年度中に黒字化を図る。
 不良資産は2002年3月期に一括処理する。販売用土地の時価評価損302億円や子会社株式評価損15億円など計345億円を特別損失に計上。単体ではこのほかに子会社約10社の整理損を引き当て処理費用が加わり、同利益22億4000万円から同損失223億6000万円に見直した。配当予想も期末4円を初の無配にした。
 会見した佐藤茂雄社長は「改革のスピードを上げるため問題の先送りは一切せず、生まれかわった気持ちで再出発する」と述べた。
 京阪グループは02年度から鉄道、バス、建設、ホテルなど9事業に再編、本体は2008年ごろに純粋持ち株会社に移行する予定。(京都新聞)
■着物姿なら無料です 市バス・地下鉄・音楽会 和装PRで京都市 来年3月「伝統産業の日」
 和装の良さをPRするため、京都市は来年3月21日の第1回「伝統産業の日」に、着物姿の人に市営地下鉄と市バスを無料で乗車できるサービスを行う。市伝統産業課は「着物を着てもらう機会となり、京のまちに着物があふれれば」と期待している。
 伝統産業の日は、西陣織や京友禅をはじめとする和装や陶磁器など業績が落ち込んでいる伝統産業の活性化をめざし、京都市が来年から制定する。毎年、「春分の日」を伝統産業の日とする。
 着物姿の人の無料乗車サービスは、着物を着る機会作りと、着用者が街を歩くPR効果が狙い。乗車できる回数は、1回から数回の間で今後、市交通局と調整する。無料乗車券を和装業界団体の窓口で配布するなどして多くの市民が利用できるようにする予定。
 このほか、伝統産業の日当日に、着物姿の人のみ無料で入場できる音楽会を開催するほか、期日前後に四条京町家(下京区)で伝統工芸品の製作体験や、みやこめっせ(左京区)で展示販売会などを開催し、伝統産業をアピールしていく。(京都新聞)
■取材ノートから 地下鉄天神川駅(仮称)周辺整備 住民の意見反映を 再開発 公共施設を中心に
 地下鉄東西線西伸に伴い、京都市は右京区の天神川駅(仮称)周辺整備事業の基本構想をまとめた。不況の影響で、地下鉄建設に伴う従来の民間活力を中心にした拠点整備事業とは異なり、公共施設中心の再開発が特徴だ。右京の玄関口にふさわしいにぎわいが生まれるのか。住民の意見を反映したまちづくりが求められている。 社会報道部 吉永 周平
 同事業は、西へ伸びる御池通を中心にした三条通と天神川通に囲まれた約5.3f(右京区太秦下刑部町など)。天神川駅南側に京福電鉄嵐山線の新駅を設けて京福と東西線を結び、駅前ターミナルや駐輪場を整備、バス路線を再編して区内の交通拠点をつくる。
 天神川駅周辺整備の特徴は、公共施設を核にした再開発という点だ。中心施設となる再開発ビルには、右京区総合庁舎や地域体育館、地権者を中心にした店舗、分譲マンションが入る。
●苦しい三セク
 市はこれまで、地下鉄東西線の山科駅や二条駅、醍醐駅など5つの駅で、大規模商業施設や複合娯楽施設を中心に、拠点整備事業に取り組んできた。商業活性化と地下鉄の利用増の相乗効果がねらいだった。
 しかし事業を進める第三セクターはいずれも累積赤字を抱え、核になる施設の建設が遅れるなど、苦しい状況が続く。第三セクターの関係者は「駅ごとに商業施設を作ったことで、地域間競争を激化させた面も否めない」と打ち明ける。
 再開発事業は再開発ビルを建設し、余った保留床を売却して事業費を生み出す仕組みで、全国の自治体で多用されてきた。しかし、地価下落で保留床の価格が下がっているうえ、不況によるオフィス需要の後退で、核テナントの撤退や保留床の処分が進まず、各地で計画変更や事業廃止を決定する動きが相次いでいる。経済の「右肩上がり」を前提とする高度成長期型の再開発事業の限界を指摘する声もある。
 このため市は「厳しい経済情勢から大型商業施設の誘致や、民間に保留床を売るのは難しい」(市区画整理課)と判断、公共施設中心の再開発に踏み切った。▽住民から老朽化した右京区役所庁舎の建て替え要望が出ていた▽地元に商店街がなく、商業活性化を図る必要が少ない▽国が公共施設の利便性向上や都心部の人口増加を目的に、体育館や住宅が入る交通拠点の再開発に補助を増やしている−などの事情も追い風になった。
●地元も評価
 地元では「大きな商業施設が来るよりは区役所の方がいい」と評価する声も多い。右京区基本計画策定懇談会で座長を務めた乾亨・立命館大教授=居住環境計画論専攻=は「商業施設型の巨大開発は既に時代遅れ。今後、市から区への分権化が進むだろう。住民が区政に積極的に参加できるような開かれた区役所づくりを進めれば、商業施設でなくても人の流れが生み出せる」と話す。
 公共施設を中心にした駅周辺の拠点整備は、市内で初めて。市交通局は天神川駅の乗客を1日1万9000人と予測するが、地下鉄利用者の増減にどれほど影響するかは未知数だ。天神川駅のケースは、これまでに行われた山科駅や醍醐駅などでの拠点整備事業を評価するうえでも、ひとつの比較基準になりそうだ。
 構想づくりの過程では、住民が参加する検討会で協議が進められたが、住民の一人(56)は「再開発ビルの中身について議題に上ることがなかった」という。住民の意見を十分くみ上げられたかどうか、疑問も残る。
 今後、東西線延伸や次世代型路面電車(LRT)導入も議論にのぼるだろう。これまでの拠点整備事業の検証と合わせて、天神川駅での事業の今後に注目したい。(京都新聞)
■赤字は223億円 京阪電鉄予想 年収5%減の案
 京阪電気鉄道は19日、02年3月期の業績予想を下方修正し、当期損益を昨年11月時点の2億円の黒字から223億円の赤字になると発表した。販売用不動産の値下がりによる損失処理などで424億円の特別損失を計上するため。経費削減策として、社員の年収を5%カットする案を組合に提案しているという。
 リストラ策では、30歳以上の社員を対象にした希望退職者募集などで約500人を削減。このほか流通・不動産部門の社員約160人を系列子会社に転籍させ、3年後に2150人体制にする。
 瀬戸大橋開通に合わせてつくられたレジャー施設の京阪フイッシャーマンズ・ワーフ(香川県坂出市)は共同事業化か売却を検討しており、02年度中に引受先を決める意向だ。(朝日新聞)
21日■優先座席の色 目立つよう新調 JR西日本
 JR西日本の南谷昌二郎社長は20日の記者会見で、4月から半年間で、特急と急行を除く全電車約4200両の優先座席をより目立つようにリニューアルすると発表した。近畿地方では、京阪神を走る阪急電鉄が「全座席が優先席」として優先座席そのものを廃止しており「譲り合い方」が分かれた格好だ。
 南谷社長によると、1600両には緑色のヘッドカバーを取り付け、2600両は座席そのものをほかと違う鮮やかな青色にし、乗客により目立つようにする。近畿圏から徐々に広げていく予定で、ポスターや車内放送でキャンペーンも行うという。(京都新聞)
■「スルッとKANSAI」京阪京津線も来月導入
 京阪電鉄は、3月1日からプリペイドカードによる共通乗車システム「スルッとKANSAI」を京津線にも導入する。2日に京阪三条駅などで同社イメージキャラクター「おけいはん」の女優水野麗奈さん(20)を招いて記念イベントを実施する。
 京阪電鉄は、今回のスルッとKANSAI利用範囲拡大で、2年前に同システムを導入済みの京都市営地下鉄との相互乗り入れの利便性を高め、鉄道利用を促進する。
 2日に開く「おけいはんと浜大津・京都」は、午前10時から三条駅で始め、午後からは大津市の浜大津駅と浜大津アーカスAM館に会場を移す。各所で水野さんのトークショーやサイン会を開き、京津線の魅力をアピールする。(京都新聞)
■USJ客の5割がJR桜島線を利用
 JR西日本の南谷昌二郎社長は20日の会見で、1月末までにユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を訪問した客のうち、5割余りに当たる480万人程度がJR桜島線を利用したとの見方を示した。USJ開業後、最寄り駅のユニバーサルシティ駅の利用者総数は、定期券通勤者を含めて530万人。
 ただ、開業後に1日平均3万5000人程度で推移してきた同駅利用者が、1月は同2万1000人と落ち込み、2月も1−19日までで同2万3000人。南谷社長は「寒い時期は(訪問客減少は)ある程度やむを得ない。暖かくなれば盛り返すと思うので、全然心配していない」と述べた。
 なお、3月1日に駅開業1周年の記念式典と記念品配布を実施する。(京都新聞)
■京都駅発着の新バスルート企画 京の観光客 湖都へどうぞ シーズンごと 新年度から大津市 メニュー豊富
 大津市は2002年度から、JR京都駅を発着点に市内の非公開社寺や新規オープンの観光施設をめぐる新たな観光バスルートづくりに取り組む。新幹線などを利用する県外の観光客を呼び寄せるのが狙い。将来は定期観光バスとしての定着を目指す。新年度予算案にマップ作成や運行費補助費として450万円を計上した。
 市によると、観光バスルートは市観光協会が企画し、京阪バスが運行する。計画では、5月が坂本周辺の非公開社寺の特別拝観を中心にした「湖都の名刹めぐり」、6月は石山寺のアジサイや4月にオープンする「びわ湖大津館」(柳が崎)のバラなどを楽しむ「水無月の花めぐり」を設定する。いずれも週末を中心に1日1、16日間ずつ運行する予定。精進料理の昼食も味わってもらう。また、秋はモミジを堪能する別コースを検討するという。
 市観光協会は「京都駅で新幹線を降りて車で30分という近さをアピールする。乗り換えなしで効率よく観光してもらい、観光都市大津を全国に発信したい」と話している。(京都新聞)
■列車火災370人死亡
 【カイロ20日共同】エジプト北部ギザ県で20日未明、同国南部に向けて走行中の夜行旅客列車から出火、治安当局者によると約370人が死亡し約70人が負傷した。約150年に及ぶ同国の鉄道史上、最大級の事故となった。
 エジプト内務省などによると、列車はカイロ発アスワン行きで11両編成。20日午前2時(日本時間同9時)ごろ、カイロ南方約80`で車内から出火した。2、3等級の車両のみで、治安上の理由から外国人の搭乗は許されておらず、死傷者のほとんどは地元のエジプト人旅行者だった。
 カイロの日本大使館は現地に職員を派遣したが、邦人が巻き込まれたとの情報はない。
 現場の治安当局者によると、列車内で乗客が使用していた調理用ガスボンベが爆発したとの情報や、車内の電気回線がショートしたとの情報がある。ムバラク大統領は出火原因の徹底究明を関係機関に命じた。エジプト政府はテロの可能性を否定している。
 運転士は火災発生に気付かず、数分間走り続けたため火災が11両中7両に広がり、車窓などから飛び降りた乗客多数が死傷した。車内は金属性の骨組み部分を残し完全に焼け落ちており、遺体の損傷が激しいため、原因や身元の確認は相当期間かかる見通し。
 カイロ−アスワンは外国人観光客にも人気のルート。(京都新聞)
■エジプト列車火災 走る「火炎地獄」 次々窓から飛び下り
 【カイロ20日共同】車内に広がる煙と炎から逃れようと、高速の列車から身を投げ出す乗客−。20日、エジプト北部で起きた夜行列車火災は約370人の乗客の命を奪った。「列車内は火炎地獄だった」と振り返る生存者。遺族らは繰り返される大事故に怒りを隠せない様子だった。
 目撃情報などによると、列車は火災が発生した後も数分間走り続けた。時速は約120`。窓から吹き込む風で、火は11両編成の車列の7、8両を瞬く間に包み込んだ。
 「助けて」と暗やみに乗客の絶叫が響く。アルバイトのムハマド・ファトヒさん(19)は「前方から火が迫って来るのが見えた。車内は走る火炎地獄だった」と恐怖の一瞬を振り返る。ファトヒさんは他の多くの乗客と同様、窓から飛び出し、足を骨折した。
 鉄道の老朽化が進むエジプトでは、1995年、98年と数十人が死亡する大規模な列車事故が相次いだ。政府はそのたびに安全対策を掲げたが、運輸省の上層部に責任追及が及ぶことはなく、根本的な安全対策は実施されていない。
 ギンディ社会問題相は事故現場を訪れ死者へ一律3000エジプトポンド(約8万7000円)の補償金の支給を発表したが、遺族らからは早くも「はした金で責任逃れをしようとしている」との声が上がっている。
・主な海外の列車事故
多数の死者が出た海外の主な列車事故は次の通り。(いずれも現地時間)
1989旧ソ連ウラル地方でパイプラインが爆発、近くを通過中の列車の乗客ら400人以上が死亡
90 パキスタン南部で旅客列車と停車中の貨物列車が衝突、少なくとも210人が死亡
95   オンド北部で列車同士が衝突、少なくとも300人が死亡
99   インド西ベンガル州で急行列車同士が衝突、288人以上が死亡
0220 エジプト北部ギザ県で夜行列車から火災が発生、約370人が死亡(共同)(京都新聞)
■列車火災、350人死亡 カイロの南、未回収遺体も
 【カイロ20日=村上宏一】エジプトのカイロから南へ走行中の列車で20日未明、火災が起き、消防当局によると350人が死亡したほか、まだ回収されていない遺体もあるという。ナイル川上流の観光地ルクリール、アスワンへ向かう列車で、外国人も利用するが、死傷者のほとんどは地元のエジプト人とみられる。
 火災は午前2時ごろ、カイロの南約70`、アイヤート付近で発生、10両編成の7両に燃え広がった。運転士が気づき停車するまで時速100`以上で数`の間走り続けたため、飛び降りて死亡した客もいたという。乗客の調理用ガス器具の爆発が原因との報道がある。
 列車は、メッカ巡礼明けを祝う22日からの祭りを、郷里で迎えようとする客で起満員だった。(朝日新聞)
22日■休日に特急増結 KTR春の輸送計画
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)はこのほど、春の旅客輸送計画(3月1日−6月30日)を発表した。
 期間中、土日祝日のほか、春休みやゴールデンウイークを中心に、久美浜方面と京都、新大阪を結ぶ特急列車は2両増結し、4両または6両で運行する。天橋立−京都、新大阪間の特急も、期間の大半で6両編成(2両増結)で運行する。
 また、3月1日−5月6日の間、特急列車は丹後由良、木津温泉、丹後神野の各駅に臨時停車する。(京都新聞)
■京阪が新型車両運行 4月から宇治、交野線で
 京阪電鉄は4月15日の同社開業記念日から宇治、交野両線で新型車両10000系の営業運転を開始する。今後の主力車両にする予定で、45年ぶりにエメラルドグリーンに近い新色を採用した。
 1995年に運転を始めた7200系をベースに宇治、交野両線で運行中の1900系、2600系の代替車両として開発した。駅ホームと車両床面の段差を縮小し、乗降の利便性を高めたほか、自動制御の空調装置や防音車輪など最新機器を採用した。軽量化などにも工夫し消費電力が大幅に削減できる、という。4両編成で運行する。
 4月14日に一般300人を対象に無料試乗会を開く。三条駅発着の回は午後1時から。詳しくは同社広報担当TEL06(6944)2549へ。(京都新聞)
■こちら市民番です 車内放送が多すぎる? 役立つサービス情報 度過ぎれば「お節介」
 昨秋、転勤で京都に引っ越してきましたが、電車やバスの車内放送をうるさく感じています。「つり革・手すりをお持ちください」など、あまり意味のない放送が多すぎるのでは。もう少し静になりませんか。(京都市中京区、37歳・会社員)
 どんな車内放送があるか、地下鉄烏丸線に乗り、メモしてみました。
 竹田駅を出発すると「ご乗車ありがとうございます」「次はくいな橋」と、定番のアナウンスに加え「禁煙になっておりますのでご協力を」。
 終点の国際会館駅までに「お年寄り、体の不自由な方に席を譲りましょう」「駅周辺に自転車やバイクを放置されないようご協力を」「迷惑駐車をなくそう府民運動を実施しています」…と、さまざまなメッセージが繰り返されました。
 とくに「駆け込み乗車は危険です」は3回、「携帯電話の電源をお切りいただきますよう」と「ごみのポイ捨てをなくし、美しいまち京都を次の世代へ引き継ぎましょう」は2回、繰り返し放送がありました。各駅に到着すると、無人改札口やエレベーターの位置もアナウンスされます。
 バスでは、両替の仕方やバス前後の横断の注意、忘れ物の注意なども流されています。
 市交通局バス運輸課の担当者は「市民からの(うるさいという)苦情はほとんどありません。事故防止やマナー向上の呼びかけなどは、必要性があると考えている」と話します。
 例えば、私鉄各社は携帯電話の使用自粛の呼びかけを増やしています。昨年12月、日本民営鉄道協会がまとめた迷惑行為ランキングでも、携帯電話の使用がトップでした。
 これに対し、著書「うるさい日本の私」(新潮文庫)で、”音の洪水”を告発した中島義道・電気通信大教授(科学技術コミュニケーション学)は「デパートのエスカレーターの注意放送もそうだが、いろいろな放送はただ流れているだけで、人々に何の効果も与えていない。うるさいだけ。なかでも、機械音の『ご乗車ありがとうございます』は無礼きわまる」とばっさり。
 「こちら市民番です」係にも先日、「二条城を歩いていたら突然、琴の演奏が流れ出した。冬の静けさが台無し」(北区、24歳・会社員)と怒りの電話がありました。調べてみると、禁煙を知らせる城内放送の冒頭に、琴演奏が入っていました。担当者は「京都らしい雰囲気を、という意図なのですが…」と当惑気味でした。
 車内放送や注意放送の多くは、役立つサービス情報のはず。ところが、度を過ぎると「お節介」「迷惑」になってしまいます。さまざまな放送の制作担当者には、そうした「感受性」を期待したいと思います。(京都新聞)
23日■列車衝突 70人以上けが 福岡・JR鹿児島線 急停車に突っ込む
 22日午後9時35分ごろ、福岡県宗像市武丸のJR鹿児島線の下り線で、停車していた門司港発荒尾行きの普通列車(7両編成)に、門司港発荒木行きの快速列車(5両編成)が追突した。
 2つの列車には計約150−200人が乗っており、普通列車と快速列車の乗客の多数がけがをしており、うち75人が宗像水光会総合病院(福岡県福間町)など7つの病院に搬送された。重傷者はいない模様。
 宗像地区消防本部も現場付近に応急の救護所を設置、軽傷者の手当てなどに当たっている。
 鹿児島線は、博多−門司港間が上下線とも不通になっており、復旧のめどはたっていない。
 宗像署などによると、普通列車は走行中に物を巻き込んだような異常音がしたため停車。そこに後続の快速列車が、かなりのスピードで追突したらしい。脱線や転覆はしていない。
 追突された普通列車の運転士は「イノシシがぶつかった」などと話しており近くでイノシシ1頭の死がいが見つかった。
・信号誤認の可能性
 JR九州や国土交通省などによると、22日の列車衝突事故は、快速電車の運転士が中継信号機の信号を通常の青信号と誤って判断、運転を再開したため追突した可能性があるとしている。(京都新聞)
■JR新田駅で転落 線路すき間で女性命拾い
 22日午後7時10分ごろ、宇治市広野町東裏のJR奈良線・新田駅上りホームから、宇治市の女性(23)が転落した。到着した京都駅行き快速電車の先頭車両の下にもぐり込む形となり、右腕を骨折し重傷を負った。後続の快速電車上下線計2本が運休したほか、4本が最大28分遅れ、約1300人に影響が出た。
 宇治署によると、女性は上り線のレールの間にうずくまっていたため、電車にひかれずに済んだという。「めまいがしてフラフラした」と話しているという。(京都新聞)
■降りて歩いて 52 亀岡駅(亀岡市追分町) 旧亀山城の趣いまも
 赤い屋根の小さな駅舎、すれ違うのもやっとの陸橋でつながった2つのホーム。50年来変わらぬ外観を保つJR亀岡駅は、いまや10万都市の玄関口。朝夕は通勤、通学の市民でごった返す。
 まだ目には見えないが、この亀岡駅周辺の再開発は始まっている。市民団体も、駅についてのアンケートや絵画コンクールを開催。近い将来、近代的な駅に生まれ変わって欲しい、と市民みんなが切望している。
 亀岡駅を南へ直進すると、突き当たりに南郷池が広がる。戦国武将・明智光秀が築城に着手した亀山城の内掘跡で、カモやアヒルが泳ぎ、太公望が釣り糸を垂れる。
 堀の向こうの茂みは旧亀山城跡で、保津峡に鉄道を走らせた田中源太郎らの手を経て、現在は大本本部が所有する。亀岡の大本本部は1935(昭和10)年、政府の弾圧により一度破壊されたが戦後に再建された。石垣には亀山城を築いた石を再利用しており「この石は激動の歴史を見守ってきた」と市文化資料館の黒川孝宏館長は話す。
 敷地内は、近隣住民の憩いの場として親しまれる。立春も過ぎ、紅白の梅がほころび始めた。併設された花明山植物園では珍種のコノハナザクラをはじめ、四季折々の野の花が咲く。
 旧亀山城跡を取り巻く町は一方通行の通が入り組み、城下町の趣を残す。人通りはまばらだが、小中学校や神社、昔ながらの老舗、外堀跡を利用した泉のわき出る公園があり、古今の人々の息づかいが聞こえるようだ。
 10月にはこの城下町で「丹波の祇園祭」と称される亀岡祭がある。地元の大人や子どものお囃子に包まれ10基の山鉾がずらりと並び、町はひときわ華やぎを見せる。(京都新聞)
■ふるさと昭和史ビデオ 昭和4(1929)年4月12日 愛宕山鉄道開通 山頂へ11分 人気集める
 新しい駅に、花火の音が響く。雨にもかかわらず、愛宕山鉄道平坦線の開業初日は、待ち望んだ市民が列を作り、終日にぎわった。
 京都電燈や京阪電鉄の系列会社として同鉄道が設立された2年後の1929(昭和4)年の4月だった。防火神で古来、信仰を集める愛宕山に参る鉄道として、嵐山−清滝間3.4`を開業。3ヵ月後には鋼索(ケーブル)線清滝川−愛宕山駅2.0`が開通した。限界に近い長さで、「東洋一」といわれた。11分で頂に到達し、当時の京都日日新聞は「愛宕山もケーブルにより地上の楽園となった」と絶賛した。
 初年度の乗客数は平坦線で53万人、鋼索線18万人。翌年のホテル建設やスキー場開発も集客に功を奏した。「夏冬の繁忙期には、頼まれて頂上の茶店に荷物を運び、小遣いをかせいだ」。嵯峨清滝の渡辺義夫さん(75)は鉄道を懐かしむ。余暇施設が少なかった戦前、夏はキャンプ、冬は雪遊びができる山頂は、比叡山と並び京都近郊のレジャー場として人気を集めた。
 しかし、鉄道の経営は苦境を強いられた。営業収支は黒字なのに、資本金不足と貸入金の利息負担が投資を難しくし、第二鋼索線やロープウエーの計画を断念した。開業翌年には従業員を削減、労働争議に発展する。
 さらに戦時体制が形成される中で、有力株主で受電先の京都電燈が解散する。戦争末期には、「不用不急」の名のもとに鋼索線は休止、平坦線もバスによる代替輸送に転換した。
 戦後、復活した男山(八幡市)や天橋立(宮津市)と同じくケーブルカーの再興が試みられたが、「費用がかさみ断念せざるを得なかったようだ」と渡辺さんは残念がる。いまは試坂トンネルと愛宕山に残る廃墟が往時を伝えるのみだ。(社会報道部 立川慎悟)(京都新聞)
■列車同士が衝突 福岡 鹿児島線 負傷者50人以上
 22日午後9時35分ごろ、福岡県宗像市武丸のJR九州鹿児島線下りの海老津−教育大前間で、停車中の普通列車(7両編成)に、後続の快速列車(5両編成)が衝突した。JR九州から国土交通省に入った連絡によると、負傷者は普通列車と快速列車合わせて50〜60人という。
 現場は、小倉−博多間にある城山踏切から300b博多寄り。門司港発荒尾行きの普通列車が城山トンネルを出たところで、異常な音を感知して停車。その後、後続の快速列車が追突したという。普通列車が教育大前駅の次の赤間駅で停車して、快速列車の通過待ちをする予定だったという。
 JR九州によると、事故現場の区間には、自動列車停止装置(ATS)が設置されているという。
 宗像市野坂の蜂須賀病院には午後10時40分現在、5人が運び込まれた。意識はあり、生命に別条はないという。現場近くにテントも設けられ、救護に当たっている。
 宗像署によると、重い症状のけが人はいない模様という。(朝日新聞)
■JR西日本 新快速、敦賀に延長 05年めど、琵琶湖環状線も
 JR西日本は05年をめどに、現在琵琶湖両岸の長浜、永原まで走っている「新快速」を、福井県の敦賀までそれぞれ延長することにした。そのためには架線などを取り替えねはならず、約150億円と見込まれる費用は、滋賀、福井両県などが負担する方向という。
 新快速は70年、西明石(兵庫県)−京都(約99`)に導入され、現在は播州赤穂(兵庫県)と琵琶湖東岸の北陸線・長浜、西岸の湖西線・永原まで日に上下計約140本が走っている。
 計画では、長浜と永原から、それぞれ敦賀まで新快速の走る区間を延長。琵琶湖の「東回り」「西回り」の2ルートを設け、敦賀−大阪を最速約1時間50分で結ぶ。大阪から出て琵琶湖を1周(約173`)する環状電車も走らせる。
 敦賀−大阪は、運賃(2210円)とは別に特急料金(1780円)の必要な特急「サンダーバード」で約1時間20分。普通電車を乗り継ぐと2時間以上かかる。
 線路を造った時期の違いなどからJRには、架線を流れる電流が直流式と交流式の2種類の区間がある。京阪神は直流式だが、北陸などは交流式で、特急など以外は互いに乗り入れできない。この架線の取り替えには約150 億円かかるといい、滋賀、福井両県と沿線自治体が負担する方向で、JR側と最終協議が進んでいる。
 新快速が乗り入れた長浜市は、乗り入れ前より人口が約10%増えたという。JR西日本は「京阪神からの通勤、通学圏を広げ、日帰りの観光客を呼び込みたい」としている。(朝日新聞)
■暗やみ めりこむ列車 福岡・宗像 追突事故 停車前に異常音
 夜の線路上で何が起きたのか。22日に福岡県宗像市のJR鹿児島線で起きた列車同士の衝突事故は、数十人のけが人が出る大事故になった。追突された普通列車は事故直前、異常な音を感知して停車中だったという。事故直後から門司港−博多間は上下線とも不通になっている。
 事故現場は高台にあり、暗やみの中をけが人が続々と担架で運ばれていた。後続列車は30aほどめり込んでいたが、脱線はしていない。年配の男性は担架に寝かされ、救助を待っていた。「大丈夫か」と救急隊員から声をかけられた別の男性は「うん」とうなずいていた。今のところ、けがの程度はわかっていないが、数十人が宗像市内外の病院に運ばれているという。
 JR九州広報課には数人の職員が待機し、対応に追われた。
 宗像水光会総合病院(宗像郡福間町)には午後11時前、けが人9人が救急車で搬送されてきた。消防隊員らにストレッチヤーに乗せられ、次々に治療室へと運ばれた。消防隊員らによると、いずれも意識ははっきりしており、命に別条はなさそうとみられるという。
 現場近くに住む農業高崎幸降さん(66)は「ドスン」という音を聞き、近所の人が列車事故だと言うので、現場に駆けつけた。
 乗客300人ほどがいて、中には立てない人や顔から血を流している人もいた。救急隊員が「けがのひどい人から先に運びます」と言い、担架で次々と運んでいた。
 列車は連結部の車体がつぶれていた。高崎さんが乗客から聞いたところでは、先行していた列車は事故前から止まったり進んだりしていたという。
安全確認ミスとブレーキ故障か JR西日本指摘
 JR各社や大手私鉄は、複数の安全システムで列車の追突を防いでいる。
 代表例は信号による制御と自動列車停止装置(ATS)。信号機は列車が通り過ぎると直ちに赤に変わり、その列車が次の信号機を通過するまで変わらない仕組みをとっている。信号機と信号機の間に1列車しか入れないようにし、追突を防ぐわけだ。
 仮に運転士が赤信号を見落として信号機を走り抜けても、ATSが作動して非常ベルが鳴る。運転士が居眠りなどをしていて非常ベルに気付かずに進んでも、自動的に非常ブレーキが働く。
 さらに、電気系統が乱れるなどして信号機が故障した場合などには、信号は必ず赤になる。「フェイルセーフ」機能が働く。
 ただ赤信号が1分間以上待っても変わらない場合、後続列車の運転士は例外として、安全を確認しながら徐行運転することもできる。JR西日本の関係者は「徐行運転中に安全確認を怠ったか、ブレーキの故障が同時に起こった可能性がある」と指摘している。(朝日新聞)
■日本旅行への資本増強検討 JR西、関係強化へ
 JR西日本の南谷昌二郎社長は22日、関連会社で近畿日本ツーリストとの合併を白紙撤回した日本旅行について、資本増強も視野に入れた経営強化策を3月末までをめどにまとめる方針を明らかにした。筆頭株主として営業面での関係強化や将来の上場なども含めて「あらゆる選択肢を考えている」としている。(朝日新聞)
■福岡の列車追突 信号システムに落とし穴 後続運転士判断ミス 中継”青”で加速
 福岡県宗像市のJR鹿児島線で列車が追突、77人が負傷した事故で、運転士の判断ミスとともに、現揚付近の信号システムが事故の一因になっていた可能性があることが23日、分かった。国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会の調査官が追突した快速列車の村田文明運転士(48)らから事情を聴く一方、信号システムに落ち度がなかったかどうかも調べる。福岡県警も捜査本部を設置、実況見分するなど業務上過失傷害の疑いで本格的な捜査を始めた。
 JR九州によると、現場一帯は見通しの悪い右カーブで、安全対策のため一本の列車しか入れない約1`の閉そく区間。この区間の両側に信号機があり、ほぼ中間点に先方の信号と連動する補助的な「中継信号機」が設置されていた。
 先行の普通列車は走行中、イノシシと衝突し中継信号機のすぐ先で緊急停止。数分後、後続の快速は、手前の赤信号と列車自動停止装着(ATS)に従っていったん停止し、その後、規則通り徐行で前進した。
 ところが、先方の信号は普通列車を通過させるため青となり、連動して中継信号機も進行を示す表示になった。この表示を見て村田運転士は、時速45`まで速度を上げたところ、直前で停止した普通列車に気付き、緊急ブレーキを使ったが間に合わなかった。
 中継信号機はあくまで補助的な役割だが、鉄道関係者は「これが”青”だったことも、事故を招いた一因になったのではないか」と指摘している。
 JRの規則では、赤信号でATSが作動した場合、いったん停止して1分間待機した後、運転士の見通しのきく範囲で時速15`以下ならば、閉そく区間に進入できる。
 復旧作業は、車両の損傷が激しく難航。正午すぎから撤去のための移動を始め、約3.7`離れた赤間駅まで人が歩く程度の速度でゆっくりけん引した。
 このためJR鹿児島線の事故区間は長時間にわたり不通となった。
・赤信号で徐行 過去にも類似事故
 快速列車が普通列車に追突して77人が負傷したJR九州の事故とよく似た事故が1997年、JR東海で起きていた。静岡県沼津市の南海道線で同年8月、赤信号で止まっていた貨物列車に普通列車が追突、43人が負傷した事故だ。
 普通列車は手前の赤信号で一度止まったが、1分経過後に運転士の判断で時速15`以下で赤信号を越える「無閉そく運転」で前進を始めた。その後、貨物列車の先にある信号が青になったのを見て加速、貨物列車に気付くのが遅れて追突した。
 徐行とはいえ無閉そく運転が認められているのは、信号機が故障した場合に運転を滞らせないようにするためだという。
 しかしJR東日本は無閉そく運転を既に廃止。現在はより安全な方策として、前の列車が次の駅に入ったのを確認した上で列車指令が許可しなければ、後続列車は動けないルールにしている。
・事故調が調査
 福岡県宗像市のJR鹿児島線で列車が追突、77人がけがをした事故で、国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会の調査官3人が23日午前、事故現場に到着、原因究明のため調査を始めた。
 調査官3人はJR九州や福岡県警から状況の説明を受けた後、追突した快速列車の車両に乗り込むなどして現場のビデオ撮影をしたり、車両の台車の状況などを調べた。
 調査をする佐伯洋・首席鉄道事故調査官は「人為ミスかどうかなど、既にJRが発表した点も含めて調査する。どれくらいの日数がかかるかまだ分からない」と報道陣に話した。(京都新聞 夕刊)
■列車追突 後続運転士が信号勘違い 負傷者77人、数人骨折
 福岡県宗像市のJR鹿児島線下り線で22日夜、停車中の普通列車に後続の快速列車が追突した事故の負傷者は77人になった。うち数人が骨折した。JR九州は23日未明、「快速列車の運転士が信号を勘違いしたのが原因と推定される」と、国土交通省鉄道局に報告した。同省航空・鉄道事故調査委員会は調査官3人を派遣し、原因調査を始めた。福岡県警も業務上過失傷害の疑いがあるとみて23日朝、宗像署に捜査本部を設置した。
 ぶつかったのは、門司港発荒尾行き普通列車(7両編成)と、後続の門司港発荒木行き快速列車(5両編成)。普通列車には約120人、快速列車には約180人が乗っていた。
 JRによると、普通列車は午後9時20分すぎ、海老津−教育大前間でイノシシをはね、点検のために停車。現場から500b手前の信号が自動的に赤になり、後続の快速列車はいったん停止したが、運転士(48)は1分以上赤が続いたため、徐行運転(時速15`以下)で発車。JR九州の規則では、徐行運転は次の信号を越えるまで続けなければならないのに、途中で15`以上に加速したため、普通列車に気づいてブレーキをかけても間に合わなかったらしい。
 現場は右カーブを抜けた場所。見通しが悪いため、0.5`先の本信号を事前に知らせる中継信号が設置されている。本信号と連動する中継信号は青になっていたが、運転士は中継信号を見てこの0.5`間も安全だと勘違いしたらしい。(朝日新聞 夕刊)
24日■福岡の列車追突 運行マニュアルに不備 後続車両に連絡義務なし
 福岡県宗像市のJR鹿児島線で、列車追突事故を起こしたJR九州の運行マニュアルは、列車が停止した際、運行管理する指令センターから後続列車に対し、赤信号区間への運行許可などについて連絡するよう義務付けていなかった。いわば運転士任せの態勢ともいえ、マニュアル自体に問題があったことが浮き彫りになった。
 「後続の運転士が信号機に従った上で、前方の安全を確認して動くことになっている」(JR九州幹部)。同社によると、信号が赤の区間に後続列車が徐行で入るかどうかの判断は運転士に任せている。そのため、指令センター側が、後続列車に対して@前方の状況A赤信号区間への運行許可−などを連絡する義務はなかった。
 今回の事故では、22日午後9時27分ごろ、イノシシに衝突した普通列車の運転士が、規定に従って指令センターへ無線で「停車」を連絡した。
 その後、点検結果の報告を受けたセンターは普通列車の運転士に、列車に戻って運行を再開するように指示。しかし、追突した快速列車には、前方に止まっている列車の状況について連絡をしていなかった。
・事故車両を検証 けが人90人に
 福岡県宗像市のJR鹿児民線で列車が追突した事故で、同県警宗像署捜査本部は23日午後、捜査員約25人態勢で事故現場から約3.7`離れた赤間駅構内に撤去された事故車両の現場検証をした。この事故で新たに乗客13人が23日になって病院で治療を受けけが人は計90人になった。(京都新聞)
■新快速、敦賀まで延長 琵琶湖環状線可能に JR西方針
 JR西日本は23日までに、現在は北陸線長浜駅か湖西線永原駅(滋賀県西浅井町)止まりの新快速電車を、敦賀駅(福井県敦賀市)まで延長する方針を固めた。延長区間の直流化への電化方式変更や駅改築など、費用は150億円以上かかる見込み。直流化に伴い、琵琶湖を周回する列車運行も可能になる。今後、滋賀県など地元自治体と、負担について協議が進められる。
 新快速は現在、山陽線から琵琶湖東岸の北陸線長浜駅と、西岸の湖西線永原駅まで運行している。途中区間だけ走る列車も含めて1日上下約140本。滋賀県や沿線自治体は長浜駅−永原駅間(29.5`)の交流区間を直流化し、「琵琶湖環状線」を実現するよう働きかけてきた。
 このほどJR側が滋賀県などに提示した「直流化実施計画」などによると、1時間に1本程度、敦賀まで走らせるという。現在、敦賀−大阪間は普通電車の乗り継ぎで2時間以上かかるが、最速約1時間50分に短縮される見込み。
 地元負担について滋賀県は約40億円と説明してきたが、駅整備などを含めると、100億円を上回る見込み。県はこれまで、北琵琶湖への観光促進に努める一方、整備に充てるため約26億円、沿線市町村も約10億円を基金に積み立てている。(京都新聞)
■東京百面相 70年ぶり大改修 新装植野駅「発車」 ”心の駅”にぎわい戻せ
 東京の「北の玄関」として詩歌に詠まれ、歌謡曲にも歌われたJR上野駅(台東区)。故郷から上京した多くの人たちが、この駅から人生を歩み出した。その「心の駅」が今月22日、70年ぶりの大改修を経て装いを新たにした。
 「『金の卵』と呼ばれてこの駅に降り立った40年前の日のことは忘れない」。青森県出身で建築業に携わる竹中征次さん(58)はつぶやく。
 「前の駅舎は文字通り心の支えだった。改装できれいになったけど、ちょっと寂しいね」。複雑な表情を浮かべた。
 かつては東京の「北の玄関」として人々を迎えてきた上野駅も、東北・上越新幹線の東京駅乗り入れによって「通過駅」となり、にぎわいも徐々に失われつつある。
 加えて、1932(昭和7)年完成の現駅舎は老朽化が進み、「暗い、汚い」というイメージが広まっていた。
 そこで、JR東日本が、「徹底した顧客志向」を掲げた「みんなのえきプロジェクト」の第1号として、全面的に化粧直しすることにした。
 人々の思い入れの強い歴史的建造物は残しつつ、エレベーター8基、エスカレーター24基を新設して段差を解消し、「ベビー休憩室」も設置した。新ショッピング・ストリートには54店舗が入った。
 また、美術館、博物館や東京芸術大などが並ぶ立地から、「文化薫る駅も目指した」(JR東日本広報部)。平山郁夫画伯のステンドグラス壁画や「ふるさとの訛なつかし…」と刻まれた石川啄木歌碑など、これまで構内に点在していた芸術作品を中央改札口周辺に集めた。
 ショッピングセンター新設を含む新駅構想には当初、地元商店街が警戒感を抱いた。「JRのひとり勝ちになるのではないか」。そんな懸念が一時、広がった。
 台東区経済商業課の鈴木貴徳課長は「地元との共存共栄が大前提。相互にカバーしあう道筋を探った」と話す。JRと地元の話し合いは2年間で30回以上に及んだ。
 最終的に、地元商店街にはない業種の店舗を駅内に入れたり、駅利用者が商店街に行きやすいように通路を整備することなどで、相互協力関係を築くことができた。
 上野商店街連合会の木村雄二会長は「最近は100年以上続く老舗も店をたたまざるをえない。新駅が上野のイメージアップにつながり、振興が図れれば」と期待する。
 22日の新装披露式典で、東京芸術大学長でもある平山氏は「上野駅は日本の近代化の歴史とともに歩んだ。これからも多くの方の心のよりどころとして立派になることを祈願する」とあいさつし、拍手を浴びた。
 街が人を呼び、駅が人を運ぶ。街と駅が魅力を高め合う新しい取り組みが発車した。(東京支社 国分浩幸)(京都新聞)
■一気にGO!階段駆け上がり大会 JR京都駅
 下京区のJR京都駅ビル内で23日、大階段の駆け上がり大会が開かれた。
 4人1組の約70チームが参加。駅ビル内の4〜11階(高低差約30b)の171の階段を駆け上がり、合計タイムを競った。軽やかに駆け上がる人もいたが、大半の人が途中で歩き出したり、ゴール直後に倒れ込んだりしていた。松江市の女性会社員(24)は「本当に疲れた。ゴールがこんなに遠いとは思わなかった」と肩で息をしながら、話した。
 JR西労組などの主催で5回目。出場者の参加費などの一部約30万円が京都障害者スポーツ振興会に贈られた。(朝日新聞)
25日■変電所に猫、感電死 京福68本止めた 2時間40分不通
 24日午前9時45分ごろ、京都市右京区嵯峨中又町の京福電鉄嵯峨変電所で故障があり、嵐山本線と北野線全線に送電不能となった。このため、両線の上下線計68本が運休し、約1000人に影響が出た。
 同電鉄の調べでは、同変電所の敷地内に入った描が、外部から電気を受ける受電回路に触れて感電死し、この影響で変電所内の機器が故障した、という。故障した機器は交換され、約2時間40分後に運転を再開した。
 停電中、同電鉄では、嵐山本線沿いに京都バスを上下各1本ずつ走らせて乗客を輸送。無人駅には、運休を知らせる張り紙をした。
 また行楽地に近い嵐山駅では、窓口で駅員が応対したが、観光客が少なく、大きな混雑もなかった、という。
 同電鉄関係者は「40年間勤めているが、描が原因の停電は初めて」と驚いている。(京都新聞)
■はねられ男性死亡 京阪本線淀駅
 24日午後8時半ごろ、京都市伏見区淀池上町の京阪本線淀駅で、淀屋橋行き急行電車に男性がはねられ、即死した。伏見署は自殺とみて男性の身元の確認を急いでいる。
 電車は現場で約15分停車した。後続電車の上下約30本が最大15分遅れ、約3000人に影響が出た。(京都新聞)
■運転士ら聴取 信号異常なし 福岡、JR列車追突
 福岡県宗像市のJR鹿児島線で22日起きた列車追突事故で、国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会は24日、追突した快速列車の村田文明運転士(48)やJR九州幹部らから事情を聴いた。また、これまでの現場調査で、信号システムなどに問題はなかったことを明らかにした。
 会見した佐伯洋・首席調査官らによると、24日午前、JR九州鉄道事業部の幹部ら20人から、運転の取り扱いや運転士の教育などについて説明を受けた。
 午後には村田運転士や入院している普通列車の運転士、運転指令担当者ら計5人から事故の状況を聴いた。聞き取りの内容は公表していない。
 また、これまでの調査で、追突位置の前後数十bにわたり、レールにブレーキ跡のような傷が10ヵ所以上あるのを確認した。しかし「列車がブレーキをかけてできた傷かどうかは断定できない」としている。
 同調査官らは25日、救急活動について消防や関係機関からも話を聴き、事故の原因究明を急ぐ。(京都新聞)
■ネコ感電、電車止まる 京都の京福電鉄 68本運休1000人影響
 24日午前9時45分ごろ、京都市中心部と市西部を結ぶ京福電鉄本線(7.2`)と北野線(3.8`)の全線で停電し、電車が止まった。同電鉄が調べたところ、右京区嵯峨中又町の同電鉄嵯峨変電所内の高圧線上で、ネコ1匹が感電死しており、これによる停電と分かった。午後0時15分ごろ復旧したが、普通電車計68本が運休し、約1000人に影響が出た。
 同電鉄によると、嵯峨変電所は、れんが造り平屋の建物内にあり、4ヵ所に出入り口があるほかは、通風口があるだけで窓などはない。停電車故当時、変電所は無人で、出入り口は施錠されていたことから、ネコは通風口のすき間から中に入り、2万4000ボルトの高圧線に触れたとみられる。
 同電鉄で、京都市内にある電車用の変電所は、この1ヵ所だけだったため、すべての電車が止まってしまったという。
 同電鉄京都鉄道部運輸課では「ネコで停電して運休したのは聞いたことがない。長時間、電車が止まり、申し訳ない」と話している。(朝日新聞)
■国鉄、電力など全面スト 韓国 民営化撤回求め
 【ソウル25日共同】韓国の鉄道、電力、ガス関係の公営企業労組は25日未明、政府が進める民営化政策の撤回や労働条件改善などを求め、無期限の全面ストライキに突入した。同日は金大中大統領の就任4周年に当たる。李漢東首相はテレビを通じ「違法スト」と強く批判、経営側が労組幹部らを警察当局に告訴するなど厳しい対応を見せている。
 韓国メディアによると、国鉄では特急「セマウル号」がほぼ全面運休するなど、各地の路線で約70%の列車が運転中止となった。国鉄と相互乗り入れしている首都圏の地下鉄は混乱が出ているものの運転は続いており、電力、ガス供給への影響は出ていないという。
 公営企業と労働分野の改革が残り任期1年となった金大統領の大きな課題となっており、ストへの対応次第では一段と求心力低下が進む恐れもある。
 政府は一部で軍を動員して輸送支援に当たる方針だが、一部の地方でスト不参加を表明する組合もあり、比較的早期に収拾する可能性もある。(京都新聞 夕刊)
■10分間停電し新幹線に遅れ 三原−広島間
 25日午前7時20分ごろ、山陽新幹線の三原−広島間で、上下線の送電が停止した。まもなく送電は復旧し、約10分後に運転を再開したが、同区間を走行していた「ひかり351号」が15分遅れるなど上下7本に影響が出た。JR西日本で原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)
26日■地元負担協議へ 「琵琶湖環状線」構想
 JR西日本が北陸線長浜−敦賀駅間(38.2`)と湖西線永原−近江塩津駅間(5.8`)を直流化して両線で新快速電車の運転区間を延長する計画を滋賀県に示したのを受け、県と県内の沿線1市17町1村は25日、木之本町木之本の郡民会館で対応を協議した。同計画を原則的に受け入れるとともに、延長費用の地元負担に関する「実現費用負担検討委員会」の設置を決めた。
 県によると、JR側が提示した総事業費は162億円。JR側は、新快速用車両建造費18億円を除く144億円を滋賀、福井両県の地元が負担するよう求めているという。工期は4年を見込んでいる。
 協議では、県と沿線の首長で構成する同検討委を3月上旬ごろまでに発足させるとともに、JR側が求めている駅施設の固定資産税減免について検討していくことなどを決めた。
 これまで県と沿線自治体は、県内の北陸、湖西両線の全線を直流化して琵琶湖を周回する直通電車を運行する「琵琶湖環状線」構想をJRに要望。すでに構想の地元負担用に計36億円の基金を積み立てているが、JRの提示額はこれを大きく上回っている。今後、県などはJR側に負担額の圧縮を求めていく一方、福井県と負担割合の協議を進めながら同検討委で県内の負担割合を確定していく。(京都新聞)
■赤信号での発車 指令所に連絡義務 JR西、内規見直し
 JR鹿児島線で起きた列車追突事故を受け、JR西日本は25日、閉そく信号機の赤信号が変わらないまま運行する場合、所管の指令所に連絡のうえ安全確認を義務付ける方向で運転取り扱いの内規を一部見直す、と発表した。同様の措置はJRグループでは東日本と四国がすでに実施しているが、JR西日本は導入していなかった。
 見直されるのは同社の「運転取扱心得」で、閉そく信号機の赤信号に伴う停車後の対応。現行は停止後1分たっても赤信号が変わらない時は信号故障の可能性が高く、時速15`以下で進行できることになっていた。
 JR九州によると、事故を起こした快速列車は、閉そく信号機が赤信号のまま内規に従って時速15`以下で発進し、その後運転士の判断ミスでさらに加速したため、前方に停車していた普通列車に追突、計93人が重軽傷を負った。同社も運転取り扱いの内規見直しを検討中。
 JR西日本広報室は「閉そく信号が赤信号の際の発車は、徐行運転のうえ自動列車停止装置などもあり、すでに安全性は担保されていたが、JR九州の事故を踏まえて対応したい」としている。(京都新聞)
■JR二条駅前スーパー出店 西日本開発が計画
 ジェイアール西日本開発(大阪市)は25日、JR山陰本線二条駅の食料品スーパー「サンディ」(同)の出店計画を発表した。同駅の集客力を生かした高度利用の一環で、同本線では花園駅に続いて線路の高架下を店舗施設に活用した。
 出店するのは「サンディ京都二条店」で、同社店舗は京都府内で7店目。同駅北側の高架下で、鉄骨造1階建て延べ500平方b。食料品を中心に扱い、仕入れ用の段ボールをそのまま陳列するなどコスト削減を徴底したのが特徴という。
 同社がJR西日本の所有地を借り、店舗施設として開発したうえで同店に賃貸する。山陰本線の高架下は主に駐車場に使っているが、京都市営地下鉄二条駅との乗り換え客なども多く、店舗化した。一帯では市の再開発計画もあり、JR西日本は今後も周辺の所有地の有効利用を検討する。(京都新聞)
■塚口商店街で10軒以上炎上 阪急伊丹線、煙で止まる
 25日午後8時45分ごろ、兵庫県尼崎市塚口本町一丁目の阪急電鉄塚口駅北側の商店街「塚口専門大店」付近から出火、住宅兼店舗など10軒以上に燃え広がった。けが人はないもよう。
 現場は阪急伊丹線の線路わきで、木造の建物が密集する商店街。煙が充満し視界が悪くなったため、阪急電鉄は午後9時すぎから終電まで同線の上下41本すべての運転を見合わせ、JR福知山線などで乗客を振り替え輸送した。約3300人に影響が出たという。
 尼崎北署などの調べでは、商店街の南西側の材木店の燃え方が激しく、同署はこの材木店が出火元の可能性が高いとみて、原因などを調べている。(京都新聞)
■新幹線びわこ栗東駅誘致へ 手当て削り建設基金に 市管理職ら 意気込み示す
 栗東市は25日、東海道新幹線びわこ栗東駅(仮称)の誘致のために、新年度の特別職と管理職の手当の一部をカットし、浮いた約850万円を駅建設基金に積み立てる、と発表した。財政悪化で管理職手当などのカットを打ち出す地方自治体が相次いでいるが、新駅設置のために一般職も含めた手当カットは異例で、職員からは「駅設置が確定したわけではないのに」と戸惑いの声も出ている。
 カットするのは特別職の期末手当約4%と課長補佐級以上126人の管理職手当5−10%で、現在約25億円を積み立てている駅建設基金に繰り入れる。
 新幹線新駅の誘致問題は、今年1月、国松善次滋賀県知事がJR東海の葛西敬之社長と初めて協議し、葛西社長が「検討できうる新駅の第一は栗東。できるだけ早く判断したい」と前向きの発言をした。
 この発言を受け、同市商工会などが寄付金募集を開始したこともあり、同市は「額としてはわずかだが市の意気込みを示したい」(高田徳次助役)と特別職や管理職の手当を削減、建設基金に積むことにした。
 しかし、次長級の幹部職員は「月1万円近いカットになり、負担は少なくない。駅設置が正式に決まれば、さらに寄付金も出さなければならないだろう」と複雑な表情。同市職員組合は「正式に説明を受けておらず、今後、協議したい」としている。
 これまでに新幹線新駅を誘致した静岡県掛川市や愛知県安城市では、一般職から寄付金を募ったことはあるが、「手当のカットまではしていない」と話している。(京都新聞)
■商店街30軒焼ける 尼崎 阪急伊丹線が運休
 25日午後8時45分ごろ、兵庫県尼崎市塚口本町1丁目の商店街「塚口専門大店」(岡本勝治理事長)付近から出火、店舗などに燃え広がった。尼崎市消防局から消防車約40台が出動、午後11時現在、約50b四方の範囲で店舗など30軒程度が燃えている。
 同消防局によると、通行人から「商店街で炎が見える」と119番通報があった。火元と見られる商店街は阪急塚口駅北側で、幅3bほどの通路の両側に小さな店舗兼住宅が連なっている。付近の車道は狭く、近くの阪急伊丹線の線路上から放水するなど消火作業に手間取った。
 同線は午後9時過ぎから運転を見合わせた。
 戦前から栄えた「塚口専門大店」には建物が約30軒ある。うち約10軒が魚屋や乾物店などを営業しているほか、住宅もあるが、半数近くは無人の空き家だった。
 居酒屋「さつま」店主の山下毅さん(59)は、店にいた妻の連絡で近くの自宅から駆けつけたが、小銭を持ち出すのがやっとだった。「昨年6月に開店したばかりで、借金もたくさん残っているのに」と、煙に巻かれていく店を見ていた。近くにいた知人の女性も「早く火を消して」と泣きながら叫んでいた。
 現場は立ち入り禁止とされたが、ロープをくぐって店や自宅に戻ろうとする住民らと、制止しようとする警察官とで小競り合いが起きた。付近では消防隊員が、具合の悪い人がいないかどうか、一軒一軒尋ね歩いた。
 同商店街の村上豆腐店の店主村上門次さん(65)は、店から歩いて約1分の自宅にいた。「火が上がっている」と叫ぶ声がして店に駆けつけると、2軒隣まで火が迫っていた。「住民を避難させるだけで精いっぱい。店はもうだめや」と肩を落とした。
 同商店街の岡本理事長は出火当時、近くのビルで町づくりについて会議をしていた。「外を見ると、商店街が火に包まれていた。空き店舗対策を話し合っていたのに、更地になってしもうた」と頭を抱えた。(朝日新聞)
■塚口の商店街火災 40軒焼き鎮火
 25日夜、兵庫県尼崎市塚口本町の商店街「塚口専門大店」で起きた火災は、空き店舗を含む木造の店舗兼住宅と周辺など約40軒、延べ約3300平方bを焼き、発生から約10時間後の26日午前7時ごろに消えた。けが人はいなかった。
 尼崎北署などは同日午前から現場検証を始めた。住民らの話などから商店街西側の不動産屋付近から出火したとみて、関係者から事情を聴いている。
 地域の福祉会館などに身を寄せた住民には同市から毛布や日用品、救急箱などが渡された。
 煙などの影響で火災発生後から運休していた阪急伊丹線は、26日の始発から通常通りの運転を再開した。
 現場は阪急塚口駅北側で、同商店街は大正から昭和初期、阪急電鉄の開通とともに開業した。木造の店舗兼住宅約30軒が密集しているが、最近は駅南側の大型店などに押され、半数以上が空き家になっていた。
 同市消防局からは約40台の消防車が出動。阪急伊丹線は火災発生後から終電までの上下41本すべての運転を見合わせ、約3300人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
27日■扉に足はさまれ女性転倒、重傷 左京、京都バスで
 26日午後3時半ごろ、京都市左京区田中下柳町の出町柳駅前バス停で、四条河原町行き京都バス=片山ヤ津夫運転手(62)=に、近くの無職中西玉枝さん(73)が乗ろうとしたところ、扉が急に閉まってバスが発車した。中西さんは左足を扉にはさまれて路上に転倒し、左手首骨折の重傷を負った。
 下鴨署の調べでは中西さんは前に並んでいた2人に続いてバスに乗ろうとしていたといい、片山運転手は「乗客は2人で終わりだと思った」と話している、という。(京都新聞)
■旅客獲得争い激化 ドル箱路線「関西−関東間」 国内旅行見直しで再び脚光 新幹線/7割超すシェア 航空・バス/低価格で対抗へ
 関西−関東間の旅客輸送をめぐり、交通機関の競争が一段と激化してきた。米中枢同時テロ後の国内旅行の見直しで運輸業界がこの路線の魅力に改めて注目しているためだ。圧倒的シェアを握る東海道新幹線の堅調ぶりが目立つが航空、高速バス会社も大胆な低価格路線を打ち出すなど旅客輸送サービスはすそ野を広げている。(社会報道部・経済 猪口健司)
 国土交通省の旅客地域流動調査によると、1999年度の大阪(関西)−東京(関東)間の旅客流動量は計2305万人で、利用交通機関の内訳は新幹線が73.6%、飛行機が24.9%、高速バスが1.6%。不況下でも旅客量全体は10年前から1割増えている。
 昨年3月に大阪市にユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が開業、初年度入場者は目標の800万人を11月に早々と突破した。また関東でも昨年9月、東京ディズニーシー(浦安市)が開業、東京ディズニーランドと合わせた01年度の入園者は前年度比24.9%増の2160万人を見込む。このため運輸業界は「旅客の底上げにつながる部分は大きい」(建守猛JR東海取締役関西支社長)と期待する。
 JR東海は昨秋のダイヤ改正で「のぞみ」を1時間2本に増発、インターネット予約で事実上の値下げに踏み切った。多様な取り組みが奏功し、東海道新幹線の旅客輸送量(速報値)は今年1月まで15ヵ月連続で前年実績を上回っている。来秋には品川駅開業に合わせ大幅なダイヤ改正を実施。「のぞみ」タイプの車両を1時間に7本設定、利便性を高める。
 新幹線に対し、航空会社は「飛行機を身近に」を合言葉にシェアを伸ばす。規制緩和を背景に料金体系の多様化を進めた。特に2000年7月に航空大手3社が手を組んで運航を始めた「シャトル便」が好調を持続。昨年4−12月の利用客は全体で前年同期比12%増え、「ビジネス客中心に利用が定着してきた」(JALセールスネットワーク西日本支社)。
 航空各社は米テロ事件後、国内線をテコ入れしている。関西国際空港の昨年10、11、12各月の旅客数は国際線が前年同月比21−30%も落ち込んだが国内線は同9−11%にとどまり、需要の底堅さを示したためだ。
 日本航空は昨年10月から現行のバーゲン型運賃制度を打ち出し、大阪東京間を7000円に設定、価格競争に挑む。全日空は自動発券機で50人に1人が実質無料になるサービスを今年1月に始め、実施期間を3月末まで1ヵ月延長した。航空業界は「1月の国内線はほぼ前年並みまで回復した」(全日空大阪空港支店)と自信をみせる。
 市場規模は小さいが高速バスも独自のサービスを繰り広げる。低価格化で口火を切ったのは西日本ジェイアールバス(大阪市)。昨年12月から片道5000円の夜行を設けたほか大阪−東京間で業界初の昼間の便を開設した。大阪駅から「京都深草」を経て東京駅まで7時間半で結び、往復1万円。好評のため3月10日には京都駅発新宿行き直行便を増設する。
 近鉄バス(東大阪市)も3月21日から往復9600円(片道4800円)の夜行で追随する計画で「大阪−東京間のもっとも安い交通手段」(営業部)とPRする。東京・新宿駅から大阪・近鉄難波駅、USJを結び、関東からの若い観光客を狙い打つ作戦だ。(京都新聞)
■ドアに足挟みそのまま発進 女性、転倒し骨折 左京・京都バス
 26日午後3時35分ごろ、左京区田中下柳町の出町柳駅前バス停で、京都バス(片山 津夫運転手)に乗ろうとした同区田中西浦町、無職中西玉枝さん(73)が、ドアに左足を挟まれたままバスが発進したため転倒。中西さんは左手首を骨折する重傷。
 下鴨署の調べによると、乗客2人が乗った後、中西さんが乗車口のステップの1段目(高さ約40a)に左足をのせ、手すりを両手でつかんだところでドアが閉まったらしい。バスは中西さんの左足を挟んだまま約1.4b前進。中西さんは転倒したという。バスのほかの乗客約10人にけがはなかった。中西さんは、友人と買い物に行く途中だったという。
 調べに対し、片山運転手は「中西さんがいることには気が付かなかった」と話しているという。(朝日新聞)
■大井川鉄道で電車が脱線 乗客20人けがなし
 27日午前6時20分ごろ、静岡県川根町家山の大井川鉄道家山駅付近で、千頭発金谷行きの上り電車(2両編成)が脱線した。乗客20人と運転士にけがはない。
 島田署の調べでは、家山駅の手前約50bの地点で、先頭車両が下り線に斜めに掛かる形で脱線、2両目は上り線に残っているが、前輪が脱輪している。
 大井川鉄道によると、家山駅に入ろうとした上り電車が、単線から複線に切り替えるポイントにさしかかった付近で脱線した。脱線したのは上りの始発電車。通常は終電の下り線が通過した後、ポイントが自動的に切り替わるという。(京都新聞 夕刊)
■列車衝突 7人死亡 ウィーン近郊
 【ワルシャワ27日=青木雪雄】オーストリアのウィーン近郊で本日、貨物列車同士が正面衝突し、少なくとも7人が死亡、15人が重軽傷を負った。オーストリアでは過去30年で最悪の事故という。
 オーストリア通信などによると、事故が起きたのはウィーンから30`南のワンパースドルフ駅近くの単線区間。通常の貨物列車と、ハンガリーに向かうトラック21台を運搬中の列車が正面衝突した。車両は衝突のショックで折り重なった状態になった。トラックの運転手が乗っていた客車も横転して、多くの死傷者が出たようだ。負傷者のうち10人はハンガリー人で、死亡者や残りのけが人の国籍は不明。(朝日新聞 夕刊)
28日■保津川下り幕開けへ備え 初の合同救助訓練
 3月10日の保津川下りの本格シーズン幕開けを前に、亀岡消防署と保津川遊船企業組合、嵯峨野観光鉄道は27日、川を下る遊船の座礁を想定した初の3者合同救助訓練を亀岡市篠町三宿の保津川で行った。
 訓練は、遊船が横転した昨年9月の事故の際、乗客をトロッコ列車で運んだことから初めて3者が合同で実施。トロッコ亀岡駅から約800b下流の保津川で遊船1隻が座礁、重傷2人をふくむ17人がけがをしたとの想定で、約90人が参加した。
 午前10時、船頭が無線で遊船企業組合本部(亀岡市保津町)に一報を入れ訓練はスタート。トロッコ亀岡駅に待機していた亀岡消防署員がトロッコ列車や遊船で現場に駆けつけ、船頭らふんするけが人を手当て。けが人は約10bのがけをロープを伝って登った。
 対岸の左岸には一人が避難し重傷と想定。川に張ったロープにつるした担架で、重傷者役の人形が運び出された。
 訓練後の反省会では「隊員が現場に到着するまでの応急手当てが重要」「第一報に続き、詳しい続報を消防署に入れて」などの声があがった。同遊船企業組合の工藤正専務理事は「訓練を踏まえ、安全な運航へ努力したい」と話していた。(京都新聞)
■列車に放火 55人が焼死 インドで宗教抗争
 【ニューデリー27日共同】インド西部グジャラート州ゴドラの駅で27日朝、ヒンズー教活動家多数を乗せた列車がイスラム教徒住民らに放火された。地元のパンチマハルス地区当局者によると、55人が焼死、43人が負傷した。
 同地区当局は、両教徒間の衝突が拡大することを警戒し、地区全域に外出禁止令を出した。
 当局者らによると、死傷したヒンズー教徒らはインド北部アヨドヤにヒンズー教寺院を建設するよう求める集会に参加。グジャラート州に戻り、駅でスローガンを叫ぶなどしていた。(京都新聞)
■JR東西株は7月以降売却 国交省
 JR本州3社の政府保有株売却で、国土交通省は27日、JR東日本、西日本株について、主幹事証券会社を4月上旬ごろに選定することを明らかにした。同省は3社の株のうち、この2社について先行売却する方針を先に決めている。主幹事決定からは最短3ヵ月程度の準備期間が必要とされるため、売却は7月以降になる見通しとなった。(朝日新聞)
■列車放火 55人焼死 インド
 【ニューデリー支局27日】インド西部グジャラート州ゴドラの駅で27日朝、ヒンドゥー至上主義者らを乗せた列車が放火され、少なくとも55人が焼死した。
 AP通信は、目撃者の話として2000人以上のイスラム教徒が列車を取り囲み放火したと伝えた。(朝日新聞)
■旅行3大手 減収減益に 12月期
 旅行大手3社の01年12月期決算が27日、出そろい、いずれも米同時多発テロ事件の影響で海外旅行客が減少し、減収減益になった。業界2位の近畿日本ツーリストは3年ぶり、3位の日本旅行は初めて、4位の東急観光は2年ぶりの連結経常赤字になった。業界1位のJTBは3月期決算。
 各社とも国内旅行は堅調だったものの、海外の落ち込みをカバーしきれなかった。テロの影響で、近ツーは海外旅行を中心に15万人がキャンセルし、海外旅行の売上高(単体)は26%減った。(朝日新聞)
■旅行大手の12月期決算■
 売上高経常利益当期利益
近畿日本ツーリスト1192(▼3.7)▼ 5(-)23(112.0)
日本旅行512(▼7.5)▼21(-)▼ 3(-)
東急観光327(▼6.4)▼12(-)▼10(-)
(日本旅行は単体、ほかは連結。単位億円、カツコ内は前年同期比増減率%、「−」は比較できず。▼はマイナスか赤字)
■キャッシング可能な乗車券 阪急電鉄
 阪急電鉄は03年度をめどに導入するICカード乗車券に、キャッシング(借り入れ)など多様な機能を持たせると27日発表した。与信・回収のノウハウを取得するため、消費者金融会社「大新クレジットビューロー」(大阪府吹田市)を今年秋までに買収する。個人向け金融事業を強化して、伸び悩む鉄道収入に代わる新たな収入源にする考えだ。
 大新が発行する「TCBカード」の会員は、現在約5万人。(朝日新聞)
■京阪にひかれ死亡 八幡で女性
 27日午後10時55分ごろ、八幡市橋本東山本の京阪電鉄本線の線路上に女性が倒れているのを近所の人が見つけ、110番通報した。女性は頭などを強く打っており、間もなく死亡した。
 同署の調べでは女性は出町柳行き急行電車にひかれたが運転手は事故に気付かなかったらしく、電車は止まらずに通過した。女性は30−50歳で、身長約162a。髪は白髪交じりで、濃い緑色の上下ジャージー、赤のセーター、カーキ色のハーフコートを着ており紺色の靴下をはいていた。同署は身元の確認を急ぐとともに、原因についても自役と事故の両面から捜査している。(京都新聞 夕刊)
■ポイント部分 レールが破断 大井川鉄道事故
 静岡県川根町の大井川鉄道で27日起きた脱線事故で、単線から複線に切り替えるポイント部分のレールが破断していたことが28日までに、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会と島田署の調べで分かった。同署は過失往来危険の疑いもあるとみている。
 同鉄道は破断したレールを交換して、28日始発から営業運転を再開した。
 破断していたのは同町の家山駅の北約100bにあるポイント部分のレールで、先端から約1bのところで折れていた。通常、レールが折れた場合はポイント手前にある信号が赤に変わるが、事故当時は青だったという。
 同鉄道によると、ポイント部分のレールは古いタイプのもので、老朽化による破断が考えられるという。ポイントは通常上り電車が通過できる状態になっており、下り電車は車輪で押し出すようにして通過し、通過直後は油圧で元に戻る仕組みになっていた。(京都新聞 夕刊)
■特急にはねられ会社員男性即死 JR野洲駅
 28日午前0時57分ごろ、滋賀県野洲町小篠原のJR東海道線野洲駅で、線路を横切ろうとしていた同県近江八幡市内の男性会社員(28)が、出雲市発東京行き寝台特急「出雲」(10両編成)にはねられて即死した。「出雲」は現場に20分停車、後続の寝台特急など3本が最高32分遅れ、約300 人に影響が出た。
 滋賀県警守山署によると、男性はホーム下にしゃがんでいて、急に立ち上がって線路を横切ろうとしたという。(朝日新聞 夕刊)