2002(平成14)年 1月


1日■北陸からUSJ へ新特急で一直線 利用者急増でJR西 1周年の3月末から(朝日)
  ■ドアが開かず新幹線遅れる JR広島駅(朝日)
3日■JR奈良線で運休 強風で架線にごみ袋(京都)
  ■バス停の段差解消へ 「低床式」の運行に対応 京都府、市など着手(京都)
  ■京男・京女2002 1 ・車掌・徳平倫子さん・31歳・伏見区在住 乗客の安全に責任 誇りとやりがい胸に(京都)
4日■列車と衝突し車の学生死亡 新潟、線路内走る?(京都)
  ■岐阜・名鉄 電車脱線、塀破る けが人なし 雪でブレーキ利かず?(京都)
  ■JR西日本系 地方バス路線7割廃止 今春、「高速」は強化 不採算の126系統合理化(朝日)
  ■規制緩和、過疎の足痛撃 JRバス大幅廃線 代替に自治体苦心(朝日)
  ■東海・北陸に大雪 新幹線遅れ27万人影響(朝日)
  ■新春大雪「憂ターン」(朝日)
  ■列車ホテル 124人”宿泊” 東海道新幹線 徐行続き5万人影響(朝日)
5日■西日本ジェイアールバス 赤字10路線を廃止へ 京など8府県、7割相当(京都)
  ■40`の吸音板落下 山陽新幹線 下関の高架橋(京都)
  ■地下鉄東西線天神川駅周辺整備基本構想 京都市発表 京福嵐山線の新駅設置 右京区庁舎入る新ビル 御池通を200b延伸(京都)
  ■窓 モノレールで交通網充実を 宇治市・竹岡 武利(会社員・58)(京都)
  ■地下鉄東西線 天神川駅新設 周辺整備に170億円 新年度着工へ 駐輪場など設置(朝日)
6日■架線にビニール 野洲、新幹線8本遅れ1万人に影響(京都)
  ■100円タクシー 試験運行開始 江南市、バス代替に(京都)
  ■青鉛筆(朝日)
7日■湖西線で一時停電 早朝、列車が故障(京都)
  ■列車ブレーキ故障 JR学研都市線(京都)
8日■関西の鉄道 JR中長距離4%増(前年比) 年末年始利用まとめ 私鉄5社は減少(京都)
  ■バス事業を来年統合へ 日野といすゞが発表(京都)
  ■強風の影響で始発から運休 JR瀬戸大橋線(朝日)
9日■乗車人員は前年の5%増 KTR年末年始(京都)
  ■新幹線「栗東新駅 感触得た」 JR社長との会見を終え 滋賀県知事が表明(京都)
  ■アクセス21 宿願の新駅実現へ大きく前進 県玄関に 沸く地元 課題は費用の負担(京都)
  ■京阪の軌道上でバイク走行、放置 容疑の少年逮捕(京都)
  ■JR3駅の安全さく 停車ズレでダイヤもずれて 止め直し 142回、撤去も検討(朝日)
  ■新幹線が徐行 北陸線も遅れ 滋賀など雪で(朝日)
10日■近鉄グループ 都ホテルを吸収合併(京都)
  ■「盆梅列車」12日に発車 信楽高原鉄道(京都)
  ■関空−神戸港 来月から航路廃止(京都)
  ■都ホテルを吸収合併へ 近鉄の子会社(朝日)
  ■JR採用差別 国労「上告せず」 大阪・岡山訴訟(朝日)
  ■神戸−関西航路全廃へ K-JET 廃止届け出(朝日)
  ■JR37本運休 9万人が迷惑 朝の東海道・山陽線(朝日)
11日■次世代型路面電車 眺望楽しめる2階建ていかが 下京の鉄道ファン 私案をデザイン、模型作る 導入論議一助に(京都)
  ■「関西同友会、関経協脱退も」 JR西会長 3月末にも グループで 関経連と統合促す(京都)
  ■窓 撤去する前に駐輪場増設を 伏見区・川崎 正秀(会社員・46)(京都)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■「ひかり」車内で煙(京都)
  ■特急が車両故障 木之本の北陸線(京都)
  ■ひかりの車内で煙(朝日)
12日■降りて歩いて 46 JR笠置駅(笠置町笠置) 太平記の名場面を今に(京都)
  ■JR西労組ベア 最低1000円要求へ(朝日)
  ■声 親切運転手に寒さを忘れた 主婦 大路桂子(兵庫県伊丹市 56歳)(朝日)
  ■JR岸辺駅で男性飛び込む(朝日)
14日■電車の車両も共通化の動き JR設計2社が導入(京都)
15日■買物するほど運賃割引 阪急電鉄、百貨店と連動 lC乗車券(朝日)
16日■JR転落事故から1年 李さんの遺志 奨学金制度に 26日に慰霊祭(京都)
  ■乗用車に電車衝突、1人死亡 斑鳩のJR踏切(朝日)
17日■往復バスを90円で運行 JTBが特別ツアー(京都)
  ■女性はねられ死亡 高槻のJR踏切(京都)
  ■JR西の退会「仕方がない」 関経協会長(朝日)
  ■日産ディーゼル バス車体委託一本化 富士重やめ西日本車体に(朝日)
  ■見える防災力 見た目はSL中は…(朝日)
18日■USJ特急など春の臨時列車 JR西日本(京都)
19日■地下鉄「天神川駅」 事業区域縮小住民に説明 京都市(京都)
  ■待望の新駅舎完成 JR京田辺 2日から使用 片町線の輸送力増強(京都)
  ■ふるさと昭和史ビデオ 京阪三条−東福寺の地下化 昭和62(1987)年5月24日 「開かずの踏切」も解消(京都)
  ■降りて歩いて 47 JR・KTR福知山駅(福知山市天田) 高架化で南北一体化へ(京都)
  ■南海電鉄 基本給1割りカット 最悪533億円赤字予想受け(朝日)
20日■JR新橋駅の地下でぼや(京都)
  ■地震キャッチ 電車ストップ 早期感知、未然に警報 気象庁など仕組み開発(朝日)
22日■新幹線「びわこ栗東駅」に接続 在来線に新駅検討 JR西日本 利用状況など調査(京都)
  ■摩耶ロープウエー 職員を書類送検 業過致傷の疑い(朝日)
  ■偽造の大阪市バス回数券 金券ショップで昨年末95冊換金(朝日)
23日■京福2路線は3セクで存続 福井知事ら基本合意(京都)
  ■京福電鉄2路線 3セクで継続へ(朝日)
  ■声 買い出し列車 今も忘れない 無職 荒田 冨士男(福井県武生市 76歳)(朝日)
24日■昨秋の嵐山交通実験 100円バスや通行規制 観光客ら9割知らず 京都市が調査(京都)
  ■路線バス1日申請 エムケイ 9月運行開始計画(京都)
  ■放置自転車1台3000円 鉄道会社に課税 東京・豊島区が新税構想(京都)
  ■京都市内を循環 秋にもバス運行 エムケイが申請へ(朝日)
  ■トワイライトエクスプレス 人気がアダ… 眺望自慢の窓にフィルム JR西 乗客の苦情に配慮(朝日)
25日■回送機関車に接触 ホームの男性死亡 JR大津駅(京都)
26日■京福の繰り上げ廃線を認めず 中部運輸局(京都)
  ■新大久保駅の悲劇から1年 金大統領がメッセージ 「その犠牲的精神は韓日両国民の胸の中に永遠に記憶される」(京都)
  ■降りて歩いて 48 JR八木駅(八木町八木)にぎわいの記憶 今も(京都)
  ■近鉄、「不動産」を吸収 関連会社の900人削減へ(朝日)
  ■君の勇気忘れない JR転落事故1年 釜山で李さん追慕祭(京都)
27日■JR新大久保駅事故から1年 両親が献花 合同慰霊祭(京都)
  ■新大久保駅事故 一周忌に500人(朝日)
28日■京都にLRT(次世代型路面電車)の走る日 21世紀…魅力的な京都のまちづくり 課題を考える京都市のマスタープラン 国交省、積極的に支援(京都)
  ■鉄路の耐震基準見直しへ 国交省03年度中 ゆがみなど分析(朝日)
29日■高松−開空間に4月から高速バス(京都)
  ■脱マイカー社会へ でんきじどうしゃ共有しよう 1台20人買い物や送迎 市民団体と福岡市、九電 今秋にNPO法人(京都)
  ■北村被告に二審も無期 地下鉄サリンで高裁(京都)
  ■地下鉄サリン事件 北村被告に二審も無期(朝日)
30日■日の丸援助 急ブレーキ バンコク地下鉄覆った受注 コスト高 弱る競争力(朝日)
  ■列車と接触、けが 久美浜で男性(京都)
  ■車両立ち往生、6万人の足乱す 朝のJR(朝日)
31日■バス・タクシー あす参入自由化(京都)
  ■生活の足 どう変わる? バス・タクシーあす規制緩和(朝日)



1日■北陸からUSJ へ新特急で一直線 利用者急増でJR西 1周年の3月末から
 JR西日本は、北陸線などの主要駅とユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市此花区)を結ぶ直通特急を3月末から運行することを決めた。愛称は「ユニバーサルエクスプレス」(仮称)。USJへの直通特急は初めて。
 USJ最寄りのユニバーサルシティ駅までの所要時間は、富山から3時間50分、金沢から3時間8分、福井から2時間20分、敦賀から1時間46分、京都から42分を予定している。当面、土、日曜日や黄金週間などに1日1〜2往復運行し、人気が出れば定期電車に格上げするという。
 座席の間隔が従来より6a広く、快適さが売り物の北陸線の特急「サンダーバード」の車両を使う。USJ開業1周年の3月31日から運行する予定。
 北陸と大阪を結ぶ特急の利用客はUSJ効果で急増。01年のサンダーバードの利用者は00年より20%近く多かった。しかし、大阪駅で乗り換えなければならないなど、不便を訴える声が強かった。JR西日本は、山陰や南紀方面からの直通特急も検討する。(朝日新聞)
■ドアが開かず新幹線遅れる JR広島駅
 31日午後0時25分ごろ、JR広島駅の新幹線ホームに、同0時38分同駅始発の東京行き「ひかり122号」が入線したところ、3、6、14、15号車のドアが開かなかった。JR西日本は別の編成を用意して乗り換えてもらい、約25分遅れで出発した。後続の2本も遅れ、計約千人が影響を受けた。(朝日新聞)
3日■JR奈良線で運休 強風で架線にごみ袋
 2日午前9時40分ごろ、JR奈良線の城陽駅構内で、架線に黒いビニール袋が引っかかり、上下各1本の快速電車が運休、上下3本が数分遅れて800人に影響が出た。強風で家庭用ごみ袋が飛ばされたという。(京都新聞)
■バス停の段差解消へ 「低床式」の運行に対応 京都府、市など着手
 地面と乗降口との段差が低い「低床式バス」の普及に合わせ、バス停の段差をなくそうと、国土交通省と京都府、京都市、府内の民間バス会社が共同で、バス停のバリアフリー化に着手する。本年度内に整備計画をまとめ、改修の要望や必要性の高い停留所から改修を始める予定で、来年度以降、本格的な工事を進める。
 2000年11月に「交通バリアフリー法」が施行され、乗り合いバス事業者は車両を更新する際に、低床式バスに切り替えることが義務付けられた。すでに導入している事業者もあるが、歩道上のバス停では車道との段差があるため、高齢者らの乗り降りに支障が出ている。
 こうした課題を解決するため、国交省などは、バス事業者が独自に調査した現状をもとに、バス停の整備計画をまとめ、段差の解消や、さくの撒去などの改修を進める。2001年度から3年間は高齢者や障害者の福祉施設近くのバス停を優先して整備し、15年後をめどに全停留所でバリアフリー化を終える方針。
 また、低床式バスの運行ルートについても、福祉施設などの利用者が多い系統を中心に導入が進むよう、見直しを図る。
 整備計画の策定に向け、同省や府、京都市などはすでに昨年11月に調整会議を発足させた。事務局の京都陸運支局輸送課は「京都市内でみても、9割のバス停は何らかの改善が必要だ。各機関と協力して、早期に整備計画をまとめたい」としている。(京都新聞)
■京男・京女2002 1 ・車掌・徳平倫子さん・31歳・伏見区在住 乗客の安全に責任 誇りとやりがい胸に
 社会のさまざまな場面で、男女の壁が薄く、低くなっている。男性しかできないとされてきた仕事に女性が進出し、一方、女性のものと考えられてきた役割を担う男性も現れ始めた。男女の壁を軽やかに乗り越えている人たちを紹介し、21世紀の新しい「京男・京女」像を探してみた。
 昼下がりのJR京都駅。「普通電車、西明石行き、まもなく発車します」。ドア付近に乗客がいないのを確認し、電車出発のゴーサインを出す。揺れる車内を回り、切符を買い忘れた客に応対する一方、つり棚を見回る。
 JR二条駅の旅行センター勤務の1994年春、「列車に乗りたかった。自分の可能性に挑戦したい」と関西空港行き特急「はるか」の車掌に応募。同年8月から同期の女性12人とともに、同社初の女性車掌として乗務した。
 今でこそ女性車掌の認知度は高まってきたが、当初は珍しがられた。湖西線の車掌時代、男子高校生に手を振られたり、ジロジロ見られた。「ちょっと照れくさかった。ニコッと会釈するような感じで応対しました」。
 いったん列車に乗れば「女性だから、は通用しない」。切符を持たずに乗った酔っぱらい、急病、車両故障…。そのたび適切な対応が求められる。
 特急車内で切符を点検中、乗客に「せっかく寝てたのに」とすごまれた。すると別の乗客が「そんなに怒るのはおかしい」と口をはさんで険悪な空気になり、間に入ってなだめたこともある。
 車掌をやめたいと思ったことはない。一本の列車の責任者として、乗客を安全に、定刻通り目的地まで送り届ける仕事に、誇りとやりがいを感じている。
 多くの人との出会いもある。乗務中の写真を送ってくれた年配の男性に礼状を書いた。しばらくすると車掌区に足を運んでくれた。「今でも年賀状のやりとりをしています」と笑みがこぼれる。
 現在は「はるか」や特急「くろしお」のほか、米原−姫路間の在来線で活躍する。早朝や深夜の勤務、宿直もある。辻和男・JR西日本京都車掌区首席助役(51)は「おしとやかに見えるが、仕事ぶりは男性と一緒」と言い、評価は高い。
 京都車掌区の車掌は現在321人で、女性は23人。女性車掌の先駆けとして、お姉さん的存在だ。「これからは指導面でも頑張りたい。将来結婚しても、車掌は続けたい」と張り切る。(社会報道部 矢ケ村尚幸)(京都新聞)
4日■列車と衝突し車の学生死亡 新潟、線路内走る?
 3日午前2時10分ごろ、新潟県中条町協和町のJR羽越線胎内川橋りょうで、大阪発函舘行きの寝台特急日本海1号と軽乗用車が衝突、軽乗用車が大破したり乗客約150人にけがはなかったが、軽乗用車を運転していた東京都日野市程久保、私立大1年の男子学生(19)の遺体が橋の下の川から見つかった。
 中条署の調べでは、学生は新潟県神林村の実家に帰省中で、車は母親のものだった。近くに踏切はないが、現場から約2`にわたり線路に沿って積もった雪の上にわだちの跡があった。学生は事故前、携帯電話で友人に「道を間違えた」などと話していたことから、同署は誤って線路内に進入したとみている。
 日本海1号は坂町駅まで自力運転し、乗客は後続の寝台特急に乗り換えた。この事故で、普通列車計4本が運休したほか、回送運転となった日本海1号など計5本が24分から5時間35分遅れた。(京都新聞)
■岐阜・名鉄 電車脱線、塀破る けが人なし 雪でブレーキ利かず?
 3日午前10時2分ごろ、岐阜県羽島市の名鉄羽島線新羽島駅構内で、羽島市役所前発新羽島行き臨時電車(2両編成)がブレーキをかけたが停車せずに、車止めを乗り越えて高さ約7bの高架から約2.5b飛び出した状態で止まった。乗客6人と乗員2人にけがはなかった。
 羽島署は、電車がレールの雪でスリップしたか、ブレーキ板と車輪の間に雪が挟まりブレーキが利かなくなるなどした可能性があるとみて調べている。
 同署によると、電車が終点の新羽島駅に停車する際、運転士(30)が通常の操作でブレーキをかけたが利かなかったため、非常用ブレーキを使ったが、車輪がロックしたまま電車が滑走した。
 電車は、まくら木で作った高さ約50aの車止めを越え脱線、砂利に乗り上げて約8b進み、ブロック塀を突き破ってようやく停車した。(京都新聞)
■JR西日本系 地方バス路線7割廃止 今春、「高速」は強化 不採算の126系統合理化
 旧国鉄バスを引き継いで近畿、北陸2府7県を営業区域とする「西日本ジェイアールバス」(本社・大阪市)が今春、営業距離で全体の68%にあたる約590`(126系統)の地方バス路線の廃止を予定している。2月の改正道路運送法施行で、路線の廃止に国の許可などが不要になるのに伴う措置で、JRグループのほかのバス会社も不採算路線の廃止を計画している。JR各社もローカル線の列車本数を減らす合理化を進めており、過疎地などでは生活路線の確保が深刻な課題になりそうだ。
 JR系のバス会社は全国に8社(四国はJR四国)あり、旧国鉄バスの路線を引き継いでいる。
 JR西日本から88年に独立した西日本ジェイアールバスも、JR西日本のローカル線合理化の影響もあって、利用者は毎年5〜6%減り、収入は13年間で半減していた。
 現在は路線の廃止や開設に国の許可や免許が必要だが、規制緩和を目的に2月からは条件が整えば届け出だけで済むようになる。これに伴い、同社は採算性の低い路線をやめ、利用者の多い都市間を結ぶ高速バスに力を入れることを決めた。
 廃止対象は、石川県穴水町−同県珠洲市(約82`)、和歌山県中辺路町−同県本宮町(約37`)、兵庫県篠山市−京都府園部町(約35`)、福井県小浜市−同県名田庄村(約22`)などで大半が過疎地の路線だ。
 同社は、廃止する地方路線は地元の企業や自治体が引き継ぐよう求めているが、仮に引受先が決まっても、赤字路線のため、大幅な減便が避けられない見通しだ。
 路線廃止はJR東海系の「ジェイアール東海バス」(本社・名古屋市)が今春以降、路線バスの約81%にあたる約380`(61系統)を廃止する。JR四国(本社・高松市)も約33%にあたる68`(1系統)を今年中にやめる方針だ。
 西日本ジェイアールバスの福山隆夫総務部長は「赤字が膨れ、地方線は支えきれない。廃止はやむを得ない」としている。(朝日新聞)
■規制緩和、過疎の足痛撃 JRバス大幅廃線 代替に自治体苦心
 利用の主婦 「廃止なら病院通えない」/赤字補う村 「財政難、いつまで維持…」 引受先会社 「不況で経営苦しいのに」/JR系幹部 「身軽、強気な経営できる」
 JRグループの路線バスの廃止が予定されている地域で不安が広がっている。過疎地のお年寄りや学生にとって、なくてはならない足になっているためだ。生活路線を維持しようと、地元自治体は引き継ぎを模索しているが、見通しの立たない路線は多い。経営を自由にしてサービスと競争力を高める目的の規制緩和が結果的に、地方の足を奪い、重い負担を住民に求める事態を招いている。
 兵庫県篠山市では3月末、JR篠山口駅と山間部を結ぶ「西日本ジェイアールバス」の8路線、104便のすべてが廃止される。
 8路線の1日の平均乗客数(00年度)はわずか711人で、毎年約1億円の赤字が出る。危機感を抱いた同市は、7年前からバス利用者に回数券代の半額を補助し、利用を促してきた。
 廃止予定を受け、同市は神姫バス(本社・姫路市)に路線の引き継ぎを強く求めているが、まだ決まっていない。今後、引受先が決まっても、車両の手当てなどで新たに約5000万円の上乗せが必要という。
 瀬戸亀男市長は「全路線が残ってほしいが、財政難でこれ以上の補助金の増額は難しい」と頭を抱える。
 神姫バスのバス事業部は「地元だから引き継ぎたいが、極端に乗客が少ない路線も受け入れるとなると…。この不況下、経営が苦しいのに」という。
 病院に通うためバスを使う篠山市本荘、主婦中川利子さん(67)は「家族はだれも車を運転しない。一方的に廃止されたら病院に通えない。小型車でもいいから走らせてほしい」と訴える。
 福井県南西部、人口約3000人の名田庄村には、JRバスしか公共交通機関がない。それが3月末、3路線26便のすべてがなくなる。
 通学に使う高校生だけでも約80人いる。村は路線を引き継いでくれる先を探し、ようやく隣町の小浜市のタクシー会社に、赤字を補う条件で引き受けてもらった。
 同村総合政策諜は「『代替はすべて村でやって』と、JRはあまりに無責任。引受先が見つかり安心したが、村も財政難だ。いつまで路線を維持できるかわからない」と不安を隠せない。
 仕事で名田庄村に通う小浜市大手町、会社員松木博さん(45)は「利用者が少ない以上、廃止はやむをえない面もある。だが、都会に比べ、地方は一層不便になる。国はバスや鉄道が今後どうあるべきか、自治体任せにせずに、真剣に考えるべきだ」と話す。
 石川県の能登半島でも3月末で8路線85便がなくなる。
 昨年11月、県などの要請を受けた北陸鉄道(本社・金沢市)グループが、減使などを条件に引き継ぐことになった。だが約2億1000万円(99年度)の赤字をだれが埋めるのか。県や珠洲市など関係する5自治体の協議が続く。
 あるJR系のバス会社幹部は「バスの公共性は認めるが、会社の赤字をだれも助けてくれない。規制緩和のおかげで身軽で強気の経営ができる」と話した。
市場原理に任すな
 経済評論家の内橋克人さんの話 バスの廃止を簡単にしてしまえば、お年寄りなど弱者への影響が大きすぎる。規制緩和の名のもとに市場主義が進み、企業にとって利益の薄い地方が切り捨てられる。バスや鉄道は市場原理だけに任せてはならず、ある程度の規制が必要だ。国はもっと地方に目を向け、住民の最低限の足を守る責任がある。(朝日新聞)
■東海・北陸に大雪 新幹線遅れ27万人影響
 強い寒波の影響で3日、列島は東海、北陸地方を中心に大雪となった。岐阜県河合村で141a、福井県和泉村で120aを記録。17aを記録した名古屋市は、1月としては41年ぶりの大雪となった。名古屋空港は一時閉鎖され、東海道新幹線が大幅に遅れるなど、正月をふるさとなどで過ごしたUターンの足に影響が出た。4日には寒気の峠は越えるものの冬型の気圧配置が続くため、山沿いなどで大雪のおそれもあるという。
 3日午後7時現在の積雪量は、滋賀県余呉町76a▽福井県今庄町56a▽兵庫県香住町45a▽福井県敦賀市27aなど、いずれも今冬最高となった。
 冷え込みも厳しく、高知市で零下3.6度、大阪市で零下1.0度など、各地で今冬の最低気温を記録した。
 東海道新幹線は、積雪のため始発から徐行運転。新大阪発東京行きの「のぞみ42号」が89分遅れたのを最高に、上下計263本が遅れ、約27万人の足に影響が出た。
 名古屋空港は午前9時から約2時間閉鎖され、高知、徳島、高松空港などとを結ぶ便に欠航や大幅な遅れが出た。
 名神高速道路は、愛知県一宮市の一宮インターチェンジより東側が、上下線とも2日夜から3日夕まで通行止め。この影響で、福井発名古屋行きの長距離バス8本が運休し、徳島発東京行きの夜行バスが岐阜県内で約6時間立ち往生した。中国道も兵庫県宝塚市の宝塚インターチェンジ付近を先頭に、上り線が約20`にわたって渋滞した。
 海上交通も乱れ、2日に浸水事故を起こした関西空港と神戸・ポートアイランドを結ぶ高速水中翼船「K-JET」は3日午後2時過ぎの便から16便が欠航した。(朝日新聞)
■新春大雪「憂ターン」
 Uターン客の足を直撃した大雪の影響で、各地のターミナル駅や渋滞が続く高速道路には、疲れ切った表情の人があふれた。列車の宙づり事故や年賀状の遅配など雪による思わぬ影響も出た。
列車ホテル
 新大阪駅では、千葉県市川市の会社員林篤男さん(39)が、帰省先の岡山県倉敷市から自宅に戻る途中、下車して待合室でぐったり。「仕事始めは明日なので今日中に帰り着ければよしとします」と半ばあきらめ顔。
 電光掲示板に30〜40分遅れの表示がずらりと並んだ名古屋駅では、駅員に運行状況を尋ねる乗客や家族に電話で遅れを知らせる人の姿が目立った。
 幼い2人の子どもを連れて千葉県佐倉市の自宅に戻るという岡奈津子さん(38)は「子どもが小さいので、今日指定券がとれなければ、とれる日まで待ちます」と話した。
 JR東海では、列車の遅れで帰宅できない乗客のために、東京駅と新大阪駅で、それぞれ1編成の新幹線を用意し、列車ホテルとして宿泊できるようにした。
電車宙づり
 岐阜県羽島市の名古屋鉄道新羽島駅では午前10時ごろ、2両編成の臨時普通電車が積雪によると思われるブレーキ異常で線路の車止めを越えて脱線した。乗客にけがはなかったが、先頭車両がブロック塀を壊し、一部が高さ約7bの高架上で宙に浮く形となった。同駅の渡辺幸靖助役(39)は「高架に車がぶつかったのかと思った」と話した。
名神も不通
 名神高速の一宮インターチェンジで、通行止めの解除を待つ車列の中にいた薮本奈緒美さん(41)は、一家4人で茨城県内の実家から大阪に帰る途中に雪に足止めされた。普通タイヤでは危険なため、前日、いったん名古屋で高速を降りて一泊。この日朝にタイヤチェーンを買って、渋滞に巻き込まれた。「何とか今日中には帰りたい」と薮本さんが話す横で、夫(53)は「あさってから会社なのに」とげんなりしていた。
賀状届かず
 大雪に見舞われた東海地方では、3日、郵便配達がまひ状態になった。東海郵政局によると、東海3県で、この日配達予定だった全郵便物の2割に当たる約830万通の配達ができなかった。うち約775万通が年賀郵便物という。同郵政局では「雪のためバイクが使えず、歩いて配るなどしたが、間に合わなかった。4日には配達したい」と話している。(朝日新聞)
■列車ホテル 124人”宿泊” 東海道新幹線 徐行続き5万人影響
 東海道新幹線は4日、大雪のため始発から、上下線とも京都−三河安城間で速度を通常より150〜40`落として運転。このため各列車とも20〜15分遅れ、午前中だけで上下計64本、計約5万2000人に影響が出た。後行運転は夕方まで続く見込みだ。在来線も、大雪で倒れた沿線の木の除去作業などのため、岐阜、滋賀県内の東海道線で上下計2本が部分運休した。
 一方、JR東海などが3日夜、乗り継ぎができなかった乗客のために用意した新幹線車両の「列車ホテル」では、新大阪駅で7人、東京駅で117人の乗客が一夜を明かした。(朝日新聞 夕刊)
5日■西日本ジェイアールバス 赤字10路線を廃止へ 京など8府県、7割相当
 JR西日本の子会社、西日本ジェイアールバス(本社大阪市)は4日までに、今春以降、京都府や富山県など近畿と北陸の八府県の赤字地方バス10路線(計126系統)を廃止する方針を決めた。廃止路線の総営業距離は約590`で、同社の現行地方路線(14路線)の約7割に当たる。
 廃止対象となる路線の大半は、鉄道がない地域で営業していた旧国鉄バスの路線を引き継いだために赤字が続くなどしたほか、近年は周辺地域の過疎化で採算が悪化していた。
 同社はこれまで、自治体や地方バス会社による営業継続を求めており、今後も交渉を続けるという。
 京滋関係では、園部町−兵庫県篠山市(約38`、22系統)、加茂町−信楽町(約30`、11系統)、甲西町−土山町(約30`、25系統」の3路線、計58系統が廃止対象。同社は「府県境をまたぐ路線を中心に利用客が大きく減少しているため現状維持は難しい」(総務企画課)と話している。
 園部町−福知山市、京都市−京北町など京都府内の18系統、甲西町−近江八幡市、今津町−福井県小浜市など滋賀県内の18系統は存続する。(京都新聞)
■40`の吸音板落下 山陽新幹線 下関の高架橋
 4日午後4時ごろ、山口県下関市小野の山陽新幹線高架橋下の県道で、高架橋の吸音板が落ちているのを、通行中の乗用車の運転手が見つけた。
 JR西日本広島支社によると、吸音板はアルミ板などでウレタンを挟んだ構造で縦0.5b、横約3bで重さ約40`。列車の騒音を吸収するため、高架橋の端に3枚設置していたが、うち1枚が約15b下の路上に落下したとみられる。
 県道の損壊などはなかった。昨年8月の定期検査では異常はなかったという。
 JR西日本は寒さで高架橋のコンクリートが収縮したことによって吸音板が落下した可能性が高いとみて、原因を調べるとともに、5日未明から山陽新幹線全線の吸音板の状態を緊急点検する。(京都新聞)
■地下鉄東西線天神川駅周辺整備基本構想 京都市発表 京福嵐山線の新駅設置 右京区庁舎入る新ビル 御池通を200b延伸
 京都市は4日、2007年度に開業する地下鉄東西線「天神川駅」(仮称)の周辺整備基本構想を発表した。京福嵐山線の新駅設置をはじめ、右京区総合庁舎や地域体育館、住宅などの入る中核施設の建設、御池通西伸や公園整備などを一体的に進め、右京の新たなまちづくりの拠点とする。地下鉄の二条−天神川間(2.4`)は01年度政府予算で新規採択され、昨年5月に鉄道事業許可を得た。02年度には実施設計や街路樹の移転工事などを行い、03年度に本格着工する。
 天神川駅開業に向けた周辺整備基本構想は、御池通を中心にした三条通と天神川通に囲まれた区域(右京区太秦下刑部町など)約5.5fについて、地元住民や関係機関を交えた「太秦地下鉄駅周辺まちづくり検討会」での議論を踏まえて策定した。
 天神川駅西側に京福嵐山線(山ノ内−蚕ノ社駅間)の新駅を設けることで京福電鉄と合意した。両駅間に駅前広場(4500平方b)を整備し、バスやタクシー、自家用車からの乗り継ぎの利便を図る。広場地下には約2000台がとめられる駐輪場をつくる。
 そのほかの地域は「にぎわい施設」「中高層」「中層」「低層住宅」の4区域に分ける。
 駅前広場南側のにぎわい施設区域には、現在の右京区役所や保健所、福祉事務所を移転・統合した新たな右京区総合庁舎をはじめ、地域体育館、住宅などからなるビルを建てる。御池通を天神川通から三条通まで西に伸ばし(約200b)、低層住宅区域に隣接した公園整備なども行う。
 総事業費約170億円(市負担分は85億円)で、来年度から事業化する予定。(京都新聞)
■窓 モノレールで交通網充実を 宇治市・竹岡 武利(会社員・58)
 10年後の京都市や、その周辺自治体の交通体系は、どのようになっていたら最高であろうか。排ガスによる大気汚染が少なく、利便性が高いものであってほしい。公共交通機関として、地下鉄に勝るものはない。が京都の交通財政は、累積が1767億円と巨額の赤字を抱えている。桝本市長は「民間なら破たんしている状態。このことを認識した上で交通事業を考えねばならぬ」と。
 現在、東西線の醍醐から六地蔵までの延伸工事は急ピッチで進んでいる。私鉄と結ぶことで、その地域の住民はもとより、京都を訪れる観光客の利便性は飛躍的に向上する。烏丸線は京都国際会館まで伸び、竹田駅で近鉄京都線と連絡、南北の交通網は、ほぼ完成した。東西線の二条駅西伸は、まずは天神川までの計画。前述のごとく、これ以上の債務は市財政を極度に圧迫する。
 そこで私は、天神川から洛西ニュータウン間はモノレールの活用を提案したい。書物によると「建設費は3分の1で可能」と。この交通体系の完成により、京都と結んでいるすべての私鉄とJR各線に連絡する。地下鉄やモノレールの各駅から観光地までは、散策遊歩道が整備され、少し遠方は電気自動車が活躍する。これが私の初夢。(京都新聞)
■地下鉄東西線 天神川駅新設 周辺整備に170億円 新年度着工へ 駐輪場など設置
 京都市右京区太秦刑部町に、地下鉄東西線の天神川駅(仮称)が新設されるのに合わせ、同市は4日、駅前再開発ビルの建設や幹線道路の整備などを盛り込んだ「周辺整備基本構想」を発表した。総事業費約170億円。今年度中に事業計画をまとめ、02年度から着工する予定。
 同駅は東西線の西伸計画に伴い、昨年5月に事業認可された。07年度に完成する予定。
 基本構想によると、整備区域は、約5万5000平方b。駅完成までに、タクシー・バスへの乗り継ぎを円滑にする駅前広場や地下駐輪場(2000台収容)を設ける。また、京福嵐山線の新駅も誘致する。
 駅前には、右京区の行政機関をまとめた新総合庁舎、地域体育館、集合住宅が入る再開発ビルを建設。公園、幹線道路を整備し、戸建て住宅も建てる。
 再開発事業を円滑に進めるため、全国で初めて、土地区画整理事業と市街地再開発事業を一体的に進める手法を採り入れる。総事業費のうち、市が約85億円を負担し、残りを国の補助金などで賄う。(朝日新聞)
6日■架線にビニール 野洲、新幹線8本遅れ1万人に影響
 5日午後3時40分ごろ、滋賀県野洲町の東海道新幹線上り線で、架線に帯状のビニールが引っかかっているのを走行中の博多発東京行き「ひかり190号」の運転士が見つけた。
 JR東海職員が約1時間後に取り除いたが、後続の岡山発東京行き「ひかり164号」など上り8本が最高17分遅れ、乗客約1万人に影響が出た。(京都新聞)
■100円タクシー 試験運行開始 江南市、バス代替に
 廃止などされた路線バスの代替策として愛知県江南市は5日、空車タクシーを利用した乗り合い方式のコミュニティー・タクシーの運行を試験的に始めた。空き時間を利用して営業中のタクシーを運行させる方法は全国で初めての試みという。
 料金は1回100円で、保護者同伴の未就学児は無料。巡回バスだと年間8000万円かかる経費を、乗り合いタクシーだと2000万円に抑えることができ、乗客が1回平均3人を超えると市の負担はなくなるという。財政負担の削減に取り組む他の自治体の注目を集めそうだ。
 全部で8路線あり、地元のタクシーが市役所や体育館、病院などを結ぶ。双方向で30分間隔で走る。
 利用状況を調べるため、途中でコース変更などして来年3月まで運行させた上で本格導入する考え。同市企画課は「利用が少ない路線も維持するのかなど、結果をみて運行方法を検討していきたい」という。(京都新聞)
■青鉛筆
 神奈川県大和市の相模鉄道大和駅のホーム上に、ヘアカット店ができた。以前は売店だった場所を活用した。
 仕事で移動中の会社員のほか、女性客もあてこむ。洗髪や顔そりは無いが、10分間で仕上げてくれるため、電車待ちの間に利用できる。料金は一律1000円。
 平日に、お店の予想を超える70人の利用があり、夕方には行列ができることも。お客さんは「毎日通う駅なので、すいている時に入れるのが便利です」。時間もカットできたと好評だ。(朝日新聞)
7日■湖西線で一時停電 早朝、列車が故障
 7日午前6時ごろ、青森発大阪行きのJRの寝台特急「日本海2号」が滋賀県の新旭−安曇川駅間を走行中、架線が停電した。列車は徐行して京都駅まで向かい、運転を取りやめた。湖西線と東海道線の計2本が20−2分遅れた。
 寝台特急の乗客150人は、新幹線と「スーパーはくと1号」で新大阪まで乗り継いだ。JR西日本は、列車のモーターに異常が発生したのが原因とみている。(京都新聞 夕刊)
■列車ブレーキ故障 JR学研都市線
 7日午前9時13分ごろ、JR学研都市線の木津行き快速列車が大住−京田辺間を走行中、ブレーキ故障のため、停車した。乗客にけがはなく、間もなく運転を再開した。JR西日本によると、18本の列車が運休したほか、8本が12分から18分遅れ、乗客約6000人に影響した。(京都新聞 夕刊)
8日■関西の鉄道 JR中長距離4%増(前年比) 年末年始利用まとめ 私鉄5社は減少
 JR西日本と関西の私鉄5社は7日、年末年始の利用状況を発表した。利用客数はJRが山陽新幹線の好調で中長距離が前年比で4%伸びたが、近鉄、京阪、阪急など私鉄5社は悪天候による初もうで客の減少などからいずれも前年実績を下回った。
 JR西日本の12月28日−1月6日の10日間の利用客数は、昨春大幅増発した「ひかりレールスター」が前年比1.4倍になるなど新幹線全体で同6%増えた。関西空港線が不振だったが湖西線が同2%増え、中長距離の利用客数は231万人と2年連続で前年を上回った。
 切符の発売枚数でみても、近距離は大阪駅発売分が同駅近くの大型店開業効果で同9%増えたほか、京都駅発売分も同2%増で推移し、前年並みを確保した。
 私鉄5社の調査は12月29日−1月6日の9日間で、定期券外利用客が対象。近鉄は前期比3.8%減の699万人、京阪は同5.5%減の313万人、阪急は同2.2%減の528万人にとどまった。
 各社によると、年明けの降雪や寒波で初もうで客が前年に比べて伊勢神宮で約8割に、橿原神宮で約9割にそれぞれ落ち込んだほか、京阪電鉄の「ひらかたパーク」の入園人員が同14.8%減るなど、悪天候の影響が広がった。(京都新聞)
■バス事業を来年統合へ 日野といすゞが発表
 日野自動車の蛇川忠暉社長といすゞ自動車の井田義則社長は7日、都内で記者会見し、バス事業を統合する計画について、来年10月をめどに両社のバス製造子会社を合併させることで合意したと発表した。
 両社は年内に折半出資で統合準備のための新会社を設立し、来年にはバス製造子会社の日野車体工業(横浜市)、いすゞバス製造(栃木県河内町)と新会社の3社を合併させる。生産拠点は、日野車体が建設中の小松工場(石川県小松市)といすゞバスの宇都宮工場(栃木県河内町)を活用する予定。
 蛇川社長は「バス需要は縮小しており、過剰設備の適正化を図りたい」と強調。井田社長は「両社の販売ブランドは継続させる」と説明した。
 バス事業を手掛ける三菱自動車工業や日産ディーゼル工業などに事業統合が拡大する可能性について、蛇川社長は「現在考えていない」と述べた。
 日野といすゞは1999年12月、バス事業の統合を発表したが、両社の社長交代などから交渉が一時に中断していた。(京都新聞)
■強風の影響で始発から運休 JR瀬戸大橋線
 香川、岡山の両県を結ぶJR瀬戸大橋線が8日、強風の影響で始発から全面的にストップし、午前11時現在、上下線計48本が運休し、約8100人に影響が出た。JR四国などは高松−宇野間をつなぐフェリーで代替輸送している。
 同社によると7日午後8時過ぎから瀬戸大橋の風速計が25bを超える強風を計測。同日夜も断続的に運休し9本約1200人に影響が出た。高松地方気象台によると、強風は寒気が流入したためという。(朝日新聞 夕刊)
9日■乗車人員は前年の5%増 KTR年末年始
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)は8日、年末年始の旅客輸送実績(12月28日−1月6日)をまとめた。年始に大雪が降ったことで、乗用車から列車に切り替える人が増えたため、乗車人員は4万3190人と前年を5%上回った。
 帰省(下り)のピークは12月31日で、Uターン(上り)は1月4日。下りの乗車率では、12月31日の久美浜行き特急「タンゴ・ディスカバリー1号」の114%を最高に9本(前年4本)が100%を超え、上りでは京都行き特急「タンゴ・ディスカバリー2号」の166%を最高に14本(前年10本)が100%を超えた。
 天橋立駅の入り込み人員は6620人で、2年前に比べて1割増えた前年よりも1%多かった。(京都新聞)
■新幹線「栗東新駅 感触得た」 JR社長との会見を終え 滋賀県知事が表明
 東海道新幹線栗東新駅(仮称)の設置をめぐり、滋賀県の国松善次知事や栗東市の猪飼峯隆市長が8日午前、名古屋市のJR東海本社を訪ね、同社の葛西敬之社長と初協議。同日午後には、県土木交通部が県庁で記者会見し、内容を報告した。
 県によると、葛西社長は「検討でき得る新駅の第一は栗東」と、設置に前向きな姿勢を示すとともに、これまで来年3月末としてきた判断期限を、地元の都市計画に支障がないよう「時期にこだわらず、なるべく早く判断したい」と前倒しを示唆した。
 協議は8日午前11時から約20分間、名古屋市のJR東海本社で行われた。
 国松知事は、新駅設置は地元の期待が大きいとし、「一日でも早い新駅設置の判断を」と重ねて要望した。
 これに対し、葛西社長は「すでに必要でつくるべき駅はつくった」とする一方、京都−米原間が約70`と東海道新幹線の駅間では最長であることや、近く新技術の導入や車両の統一化を図るなど将来的な輸送体系が固まってきたことに言及。「栗東について検討できる状態になった。現在、(設置の)判断に向け社内で実務的な検討を進めている」と述べた。
 国松知事は協議後、「(新駅)設置の可能性があることを前提に返事を頂けるという感触を得た」と話した。(京都新聞)
■アクセス21 宿願の新駅実現へ大きく前進 県玄関に 沸く地元 課題は費用の負担
 国松善次知事と葛西敬之JR東海社長が8日、名古屋市の同社本社で会談したことで、栗東市内の新幹線新駅設置が現実味を帯びてきた。猪飼峯隆栗東市長は「いい返事がもらえると確信した。市や湖南地域ばかりでなく県の玄関口を目指したい」と話す。
 新駅設置は1988年以来、栗東市をはじめ周辺の湖南2市2町や大津市、志賀町、甲賀郡7町などが促進協議会を設けて精力的に誘致してきた。新駅設置は、工場、事業所などが集中する湖南地域の経済活性化に役立つほか、草津、守山市付近の琵琶湖観光、「陶都・信楽」にもつながり、「観光振興にも大きな武器」(猪飼市長)と期待を募らせる。
 一方で、「新駅は『のぞみ』通過の待避駅になるだけで、京都駅に近い湖南では不要」との声もある。しかし、猪飼市長は「大阪、名古屋へのアクセスなら『ひかり』『こだま』だけでも利便性は高い」とみる。
 新駅の実現には、費用負担が最大の課題。駅建設だけで200億−270億円。そのほか、新駅前の区画整理事業や同駅と接続するJR草津線新駅建設費などを含めると1000億円にのぼる見通しだ。先例では、駅建設費は県、地元市、周辺市町で3分の1ずつ負担することが多いが、三河安城駅のように周辺自治体は8%ほどで安城市が50%負担した例もある。
 栗東市は約75億円を目標に1989年から新駅建設整備基金を設け、これまでに25億円を積み立てた。新年度の予算編成でも「新駅関連事業を除く新規事業は凍結」という方針を打ち出して備えている。
 長年、地方交付税の不交付団体の同市だが、昨年10月の市制移行をめざした芸術文化会館建設などのプロジェクトで497億円の債務残高があるうえ、市土地開発公社に190億円の債務保証も残っており、懐事情は潤沢な訳ではない。
 地元の湖南3市2町では、新幹線誘致などに有利となる「中核市」をにらんで合併の話があったが不調に終わり、守山市、野洲郡の1市2町での合併が先行することになった。それでも各首長は「いずれ湖南で合併」との思いがあり、「栗東新駅が湖南の街づくりの核になる」(山崎甚石衝門野洲町長)と話す。ただ、費用負担については、どの市町も簡単にひねり出せる状態ではない。
 地元調整の成否がJR東海の判断にも影響するだけに、費用負担などこれからが正念場となる。(草津支局 坂本真一、小川卓宏)(京都新聞)
■京阪の軌道上でバイク走行、放置 容疑の少年逮捕
 京都府警交通指導課と松原署は9日、列車往来危険の疑いで、京都市南区内の無職の少年(18)を逮捕した。
 調べでは、少年は一昨年9月10日午前零時ごろ、東山区の京阪本線東福寺−鳥羽街道間の軌道上で、バイクを約500b走行させて線路横、約1bの場所に放置して逃げ、出町柳行き特急電車に往来の危険を生じさせた疑い。電車は7分間停車した。(京都新聞 夕刊)
■JR3駅の安全さく 停車ズレでダイヤもずれて 止め直し 142回、撤去も検討
 ホームから乗客が転落するのを防ぐためにJR西日本が片町線・京橋駅(大阪市城東区)など3つの駅に設置した安全さくが、ダイヤの乱れにつながっている。運転士がさくとさくの間にぴったり電車を止められず、行き過ぎたり、手前で止まったりして停止を「やり直し」するためだ。さくができてから3駅での「やり直し」は計142回にも及ぶ。運転士の腕が未熟なのか、さくの設置に無理があるのか。同社はさくの撤去も含めて検討中だ。
 さくの設置は、01年1月、JR山手線新大久保駅(東京都新宿区)のホームから落ちた男性と、男性を助けようと線路に下りた韓国人留学生らが電車にはねられ死亡したのがきっかけ。JR西日本は、片町線の京橋駅と、同線の東寝屋川駅(大阪府寝屋川市)、東西線・北新地駅(大阪市北区)のホームに高さ1.2bのさくを計約500万円で取り付けた。
 同一タイプの電車が発着しており、停車したときのドアの位置が変わらない▽ラッシュ時に込み合い、比較的転落事故が多い−などから、3駅を選んだ。全国のJR在来線で転落防止さくがあるのはこれらの駅だけ。設置後、3駅で転落事故はなくなった。
 ところが、新たな問題が発生した。
 さくとさくのすき間は幅2.3b。ドアの幅は1.3b。1b以上ずれて停止した場合は、止め直さなくてはならない。止め直しは昨年9月に設置後、3駅で計142回発生。1回止め直すとダイヤが最大2〜1分遅れるという。
 駅で電車を止めるとき、運転士は線路わきにある目印のポールの位置に電車の最前部を合わせる。この3駅では、運転士の体の位置に合わせたポールを従来のポールの約1b手前にも新たに設けたが、あまり効果はあがっていない。
 防止さくは新幹線の京都駅、新神戸駅などにもあるが、新幹線はスピードを時速30`以下に落とし、約400bあるホームの長さの間で停車する。在来線はダイヤが立て込んでいるため、時速90`以上でホームへ入って約200bの間に止めなけれはならず、1bの誤差で停車させるのは、きわめて難しいという。
 JR西日本は運転技術を上げるよう指導しているが、「やり直しがなくならないなら、さくの撤去も含め検討する」(広報室)としている。
 阪神電鉄も昨年10月末、岩屋駅(神戸市)に防止さくを設けた。ドアとさくの位置がずれるのを防ぐため、電車が駅に入る速度を通常より落とした。このためダイヤに遅れが出ることもある。同社広報室は「安全のために設けたのだから仕方ないが、多くの駅に設けるのは難しい」。国土交通省が鉄道会社37社を対象にした調査によると、ホームの安全対策が必要な駅は全国に2077駅あり、8社が転落防止さくの設置を進めている。
●乗客の視点に立ち検証を
 元国鉄職員で交通評論家の角本良平さんの話 運転士は機械ではないのだから、停止位置が数bずれるのは仕方がない。あくまでさくに固執するのなら、速度とダイヤにゆとりが必要だ。電車をぴったり止める装置などの開発も考えねばならない。さくを作ることで駅員を減らそうと考えているなら、筋違いだ。JR西日本は、乗客の視点に立って十分、検証を重ねてはしい。(朝日新聞 夕刊)
■新幹線が徐行 北陸線も遅れ 滋賀など雪で
 東海道新幹線は9日、滋賀、岐阜両県内などで降った雪のため、京都−名古屋間で上下線とも始発から、速度を100〜40`落として運転し、各列車とも7〜3分の遅れが出た。後行運転は夕方近くまで続く見通し。
 また、9日午前9時15分ごろ、滋賀県長浜市の北陸線長浜駅で、米原発福井行きの普通電車のパンタグラフが雪の重さで上がらなくなり、除雪作業のため54分遅れた。(朝日新聞 夕刊)
10日■近鉄グループ 都ホテルを吸収合併
 近畿日本鉄道グループのホテル運営会社、近鉄ホテルシステムズ(大阪市)は9日、系列の都ホテル(京都市東山区)を3月1日付で吸収合併すると発表した。
 都ホテルは昨年10月、国際的ホテルチェーン「スターウッドホテル&リゾートワールドワイド」(米国)との業務提携を発表。4月から「ウェスティン都ホテル京都」に名称変更し、同チェーン傘下で営業することにしている。当初は新たに運営会社を設ける方式を検討していたが、昨年末に都ホテルの赤字解消策として第三者割当増資を実施。近鉄の全額出資子会社となったことから、系列11ホテルを直営する近鉄ホテルシステムズに資産を一本化して、運営委託することにした。(京都新聞)
■「盆梅列車」12日に発車 信楽高原鉄道
 信楽高原鉄道は12日から、春の訪れを告げる「盆梅列車」を運行する。合わせて信楽盆栽クラブなどが信楽町役場前の特設会場で「しがらき盆梅展」を開催する。いずれも3月25日まで。
 盆梅列車は冬場の観光客を増やすため1998年から運行している。車両を盆梅で飾り、ウグイスの鳴き声を車内に流す。利用客には乗車証明書を発行する。信楽駅発午前10時21分の列車から同駅着午後3時14分の列車までの5往復(信楽−貴生川間)で、期間中毎日運行する。
 同時開催の盆梅展は、今回は特設会場を設置して規模を拡大する。即売会や甘酒の提供(乗車証明書があれば無料)、無料の盆梅手入れ教室(毎月第1、3日曜日)などを行う。問い合わせは信楽高原鉄道TEL0748(82)3391。(京都新聞)
■関空−神戸港 来月から航路廃止
 神戸市などが出資する第三セクターの海上アクセス(神戸市)は9日、関西空港と神戸港を高速旅客船で結ぶ定期航路を、利用者が低迷しているため、2月7日の運航を最後に廃止することを決めた。
 これに伴い、神戸港側の発着所で搭乗手続きができるシティエアターミナルも、廃止される。
 定期航路は「K-JET」の名称で、関空−神戸間を27分で結び、1994年9月の関空開港に合わせて運航を始めた。
 しかし、利用者は常に採算ラインを下回って開業当初から赤字が続き、累積債務は2001年9月末現在で、約142億8000万円に膨らんでいる。
 国内航空3社は昨年末、米中枢同時テロによる航空需要の低迷を受け、海上アクセスとシティエアターミナルを運営する神戸航空交通ターミナル(同市)に対し、搭乗手続き業務からの撤退を通告。利用者増加のめども立たず、両社は航路廃止などに踏み切った。(京都新聞)
■都ホテルを吸収合併へ 近鉄の子会社
 近畿日本鉄道のホテル運営子会社、近鉄ホテルシステムズは9日、都ホテル(京都市)を3月1日付で吸収合併すると発表した。
 都ホテルは、世界的ホテルチェーンのスターウッドホテル(本社・米国ニューヨーク)と業務提携し、4月から名称を「ウェスティン都ホテル京都」に変更する。それに備えて今月1日付で近鉄本体の完全子会社となっていた。当初は都ホテルの会社組織を存続させたまま、近鉄側とスターウッド社が共同で設立する運営会社に業務を委託する予定だったが、近鉄側が吸収して経営体制を一本化することにした。(朝日新聞)
■JR採用差別 国労「上告せず」 大阪・岡山訴訟
 国鉄分割・民営化の際の国労組合員のJR不採用をめぐる訴訟で、国労本部は9日、東京高裁が国労側の控訴を棄却した昨年12月の「大阪・岡山訴訟」判決について、上告しないことを決めた。国労側は「(与党3党と社民党の)4党合意に基づく政治解決を進めるとの観点から判断した」と説明した。この訴訟では、国労の3人がJR西日本に採用差別をされたとして救済命令を要求。地労委はJRの不当労働行為を認めたが、中労委が救済命令を取り消したため、国労側が訴えていた。(朝日新聞)
■神戸−関西航路全廃へ K-JET 廃止届け出
 関西空港と神戸市の人工島・ポートアイランドを結ぶ高速船「神戸ジェットシャトル」(K-JET)を運航する同市の外郭団体「海上アクセス」は9日、乗客数の伸び悩みなどを理由に同航路の廃止を決め、国土交通省神戸海運監理部に届け出た。これで開空と神戸を結ぶ航路はなくなる。総額143億円の累積赤字を抱える同社は今後、社員を解雇して資産の売却などで負債を返済するが、会社は存続させるという。
 K-JETは開空が開港した94年9月に就航した。だが、バスなどに押され、利用客数は低迷。最も多かった開港当初でも1日約2600人と、当初見込みの5500人や採算ラインの3000人を下回った。
 同社は2月7日まで運航を続け、船などの資産を売却。社員も全員解雇し、05年度の神戸空港開港や07年の関空2期工事の完成などで需要が見込める時期を見極め、事業を再開するという。(朝日新聞)
■JR37本運休 9万人が迷惑 朝の東海道・山陽線
 10日午前6時22分ごろ、兵庫県太子町のJR西日本網干総合車両所で、山陽線に向かう回送電車が定刻より早く出発し、ポイント上で動けなくなった。約55分後に復旧するまで、東海道、山陽線は車両のやりくりができず、JRは午前9時ごろまで、新快速、快速電車の運転本数を通常より約30%減らした。このため、上下計37本が運休し、朝の通勤、通学客ら約9万2000人に影響が出た。JRは、並行して走る阪急、阪神電車などを利用してもらうよう呼びかけた。
 JRによると、回送電車の運転士が信号を見誤った。この車両所では、新快速、快速電車などの車両を点検し、山陽線に出し入れしている。(朝日新聞 夕刊)
11日■次世代型路面電車 眺望楽しめる2階建ていかが 下京の鉄道ファン 私案をデザイン、模型作る 導入論議一助に
 京都に似合う次世代型路面電車(LRT)を考えました−。下京区の鉄道ファン、松山達彦さん(61)が、市内で導入論議が高まっているLRTの私案を独自にデザインし、模型を作った。2階建て2両国定編成で「議論の一助に」と話す。
 LRTは電子制御で低振動・高速走行ができる低床式の車両。環境や高齢者らに優しい交通手段として欧州で普及中だ。京都市も京都商工会議所などの要望で、昨年から導入検討を始めた。
 デザインしたLRTは実車にすると全長13.6b、高さ3.7bで座席は計80席。急な交差点を楽に曲がることができるように連結部分は連節式。短い車体で多くの人を運べ、観光客が眺望を楽しめる2階建てになっている。
 模型は、デザインを全長62a、高さ17aの22.5分の1の大きさ。プラスチック板と紙で車体を作り、鮮やかな緑色に塗った。市販の鉄道模型の台車を用いており、模型のレール上を走行することもできる。
 松山さんは幼いころからの鉄道好きで鉄道模型歴も25年。新聞などでLRTの議論を目にし、「一度形にしてみれば導入論議の参考になるのでは」と先月から1ヵ月がかりで完成させた。模型は自宅に保管し「LRTに興味のある人がいれば、随時お見せしたい」と話している。(京都新聞)
■「関西同友会、関経協脱退も」 JR西会長 3月末にも グループで 関経連と統合促す
 JR西日本の井手正敬会長は10日、関西経済連合会と関西経済同友会、関西経営者協会の3団体が早急に統合の方針を示さなければ、井手会長が副会長を務める関経連を除く2団体から同社とグループ会社すべてを3月末で脱退させる意向を表明した。関西の経済団体を集約化し、存在意義を高めるため統合を強く促すのが狙いで、関西財界の在り方をめぐる議論が活発化しそうだ。
 関西財界は2000年5月、在阪経済5団体連携強化協議会を設立し、景況調査の共同実施などを始めている。しかし井手会長は「すべてにスピードが必要な時代なのに5団体が集まって議論しても時間がかかり、むだが多い」と批判した。そのうえで、経団連と日経連が今年5月に統合する動きなどに触れ「関西経済界も一つの強力な存在としてまとまり、今後は集中と選択に基づく行動を起こすべきだ」と強調した。(京都新聞)
■窓 撤去する前に駐輪場増設を 伏見区・川崎 正秀(会社員・46)
 娘は通学のため、京阪中書島駅まで自転車を利用していますが、昨年12月、放置したとされ、撤去されました。いつものように朝、駅の無料駐輪場に置いて、夕方に帰ったら、無くなっていたとのこと。中書島駅には公私の自転車預かり所がなく、狭い駐輪場に、われ先にと自転車が置いてある状態で、朝に置いた位置から移動していることはよくあります。奥に置いた娘の自転車も引っ張り出されて、はみでたところを撤去されたのでしょう。
 桃山保管所という不便なところまで引き取りに行くのですが、引き取るために「用意していただくもの」の中に「2300円」とあります。「撤去日の前日までに、警察に盗難届が出されているときは無料」とありますが、朝に置いて、その日のうちに撤去しておきながら、理不尽なものを感じます。
 他市では何日か後には撤去する旨の札をつけているところもあります。速やかに撤去する前にスペースを広げるか、有料預かり所をつくるなどの方法を考えてください。(京都新聞)
■青鉛筆
 「しゃべる列車」として親しまれ、昨年11月引退した団体専用列車「フエスタ」(3両編成、定員113人)をJR西日本がタイ国鉄に贈る。
 運転席の窓が額、ライトが目。幅2.9bの唇は上下に動き、「こんにちは」「よろしく」などと録音の声が出る。13年間で北海道を除く全国約67万`を走る人気者だったが、老朽化のため廃車になる運命だった。
 だが、視察に訪れたタイ国鉄幹部が表情に一目ばれし、待ったをかけた。「今度はタイで頑張ります」。大きな口はそうほほ笑んでいるよう。(朝日新聞)
■「ひかり」車内で煙
 11日午前8時20分ごろ、米原駅付近を走行中の名古屋発博多行きひかり179号の8号車(2階建て)の1階カフェテリア付近で、煙が出ているのが見つかった。乗客などへの被害はなく、新大阪駅で車両を交換し、約5分遅れで出発。約600人に影響が出た。
 JR東海によると、カフェテリアは営業中で、コーヒーをわかすなど簡単な調理をしていたが、煙が出た原因は不明。車掌が次の停車駅の京都で点検した時には、既に煙はなかったという。(京都新聞 夕刊)
■特急が車両故障 木之本の北陸線
 11日午前7時10分ごろ、滋賀県木之本町木之本のJR北陸線で、米原行き特急電車の車両に異常を知らせる事故表示が点灯したため、最寄りの高月駅で停車。運転士が調べた結果、電動発電機(モーター)の不具合が見つかり、応急措置を行い、約20分遅れて運転を再開した。乗客は約100人だった。
 JR西日本は、詳しい原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■ひかりの車内で煙
 11日午前8時20分ごろ、滋賀県内を走行中の名古屋発博多行き新幹線ひかり179号(16南編成)の車掌から「8号車のカフェテリア内で煙が出ている」と新幹線総合指令室に連絡が入った。煙はすぐに消え、車掌が京都駅で点検したところ、異常は見つからなかったという。JR東海は念のため、新大阪駅で車両を交換。179号は同駅を約5分遅れて出発した。179号を所有するJR西日本が大阪第1車両所(大阪府摂津市)で原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)
12日■降りて歩いて 46 JR笠置駅(笠置町笠置) 太平記の名場面を今に
 JR関西線にある笠置駅。駅舎を出ると「太平記」の一場面、笠置合戦をかたどった人形のモニュメントが、目に飛び込んでくる。
 1331年の元弘の乱で、後醍醐天皇が行在所を設け、北条幕府軍と戦ったのが、駅からほど近い笠置山だった。モニュメントは、駅東側にある「笠置の乱絵巻」のパネルとあわせ、1990年に町が設置した。
 笠置駅が開設されたのは、関西線の加茂駅(加茂町里)と上野駅(三重県上野市)間に、関西鉄道が開通した1897年。それ以降、笠置は香の桜、夏は木津川の清流、秋には紅葉が楽しめる風光明媚な地として、大勢の観光客を集めた。
 そんな歴史をしのびながら東に歩みを進めると、日用品店や理髪店など十数店が軒を並べる駅前商店街に出る。付近が最も活気づいていたのは、大正時代から昭和初期。当時の商店街は、土産物屋がずらりと並んでいたという。
 「桜の時期には臨時列車が日に2、3本は出て、商店街も人が絶えることはない状態だったそうです」と、同町商工会長を務める呉服店の久保田国之さん(66)は、当時のにぎわいを振り返る。
 だが、経済成長が著しくなった昭和30年代から、近場の行楽だけでなく、遠方への1泊旅行やマイカーでの遠出を楽しむ人が増えたことで、笠置への人出は徐々に減り、今では駅前も落ち着いた雰囲気が漂う。
 商店街の突き当たりを右に折れると、笠置山への登山道。頂上近くにある笠置寺までは約800b。笠置の歴史にふれながら、ちょっと足を伸ばしてみるのも楽しい。(京都新聞)
■JR西労組ベア 最低1000円要求へ
 JR西日本の最大労組であるJR西労組(森正暁委員長)が今春闘で最低1000円のベースアップを要求していくことが11日明らかになった。
 同労組は「企業として黒字を出している以上、労働者への公平分配を求めることにこだわっていきたい」としている。(朝日新聞)
■声 親切運転手に寒さを忘れた 主婦 大路桂子(兵庫県伊丹市 56歳)
 お正月の2日、百貨店で買い物を済ませ、バスターミナルへ向かいました。この日は、この冬一番の寒波で風が強く、底冷えしていました。私はたまたま発車直前のバスに乗ることができ、寒風の中で待たなくて済みました。
 発車後間もなく、バスの運転手さんのとても親切な配慮を目にしました。
 私たちのバスが発車した時、前方の乗り場からも、もう1台の別の方面行きのバスが発車しました。75歳くらいのおばあさんがそのバスに乗るつもりが、数秒の差で間に合いませんでした。
 残念そうに見送っておられるところへ、私たちのハスの運転手さんが、見るに見かねて声をかけました。「おばあちゃん、乗りたかったんやろ。あのバスに乗せてあげるから、乗りなさい」
 運転手さんは無線で連絡しながら、赤信号で停止した時、おばあさんを前のバスに連れていって、乗り換えさせてあげました。そして、ものの1分もしないうちに運転席に戻ってくると、「大変お待たせして申し訳ありませんでした」と、丁寧に乗客にアナウンスしました。
 とても心温まる思いをしました。幼児虐待や悲惨な事件の多いこのごろ、ホッとする一瞬でした。(朝日新聞)
■JR岸辺駅で男性飛び込む
 12日午前6時45分ごろ、大阪府吹田市岸部南1丁目のJR東海道線岸辺駅で、姫路発米原行き快速電車(12両編成、乗客約300人)の運転士が、上り線ホームから男性が飛び込むのを見て急ブレーキをかけたが間に合わず、男性は即死した。(朝日新聞 夕刊)
14日■電車の車両も共通化の動き JR設計2社が導入
 鉄道会社ごとに色も形も違うのが常識だった電車に、共通化の動きが出てきた。コスト削減が目的で、首都圏の大手私鉄2社が相次いでJRと設計や部品を共通化した車両の導入を決め、注目されている。
 相模鉄道が2月に投入する10000系車両はJR東日本が使っているE231系車両の設計をほとんどそのまま活用。窓や網棚など内装まで同じものを使う。共通する部品の単価を安くできることなどから製造費が15−20%抑えられた。
 東急もE231系と内装の一部などを共通にした車両を3月に導入。ただ鉄道会社の「顔」だけに両社とも正面のデザインや座席の色を変え、個性を出すよう工夫している。
 共通化を始めたのは、少子化による利用者の減少傾向などで一層の経費節減が求められているためだ。
 関西の私鉄や公営交通でつくる「スルッとKANSAI協議会」でも資材の共通化による経費節約を研究、定期券の用紙やまくら木の共同購入が始まったが、車両そのものはまだ。「内装などは各社個性を重んじる」というのが理由だが「共通化すべきだ」との声も強く、今後その機運は高まりそうだ。(京都新聞)
15日■買物するほど運賃割引 阪急電鉄、百貨店と連動 lC乗車券
 阪急電鉄は、03年度をめどに導入するICカード乗車券の利用者に対し、系列の百貨店や駅売店での買い物金額に応じて乗車料金を割り引くサービスを実施する。全国の鉄道会社で初めて。改札機に触れるだけで改札口を通れる便利さに独自のサービスを加え、乗客の減少傾向に歯止めをかける狙いだ。
 車で百貨店に来る客には駐車料金割引サービスがあるが、電車利用客には何の特典もないことに着目した。具体的な割引率は検討中だが、1万円の買い物で電車賃が100円引かれるというような仕組みになる。
 このほか、乗車回数が増えるとICカードが自動的に回数券や定期券に「変身」する機能も採り入れる。同じ区間を一定回数乗れば1回無料となる▽一定期間に定期券代分乗車すればそれ以上は乗り放題となる、というもの。乗客にとって最も有利な料金体系が自動的に選ばれることになる。
 関西の私鉄、公営交通37社・局は、現在使用しているプリペイド方式の共通乗車磁気カード「スルッとKANSAI」を今後、ICカード化することにしている。導入にあたっては、客の利用実績をホストコンピューターで管理し、1ヵ月ごとに料金を引き落とす後払い方式を採用する。これにより、利用実績に応じて料金を割り引くなど各社ごとの柔軟なサービスが可能になる。ICカード化は準備の整った企業から進めることにしており、阪急が第1号になる見通しだ。
 ICカード乗車券の導入は、昨年秋、JR東日本が「Suica」(スイカ)で先陣を切った。しかし、Suicaはプリペイド方式のため、カードの残額が足りない場合は機械で精算をしないと改札口を通れない。割引サービスもない。(朝日新聞)
16日■JR転落事故から1年 李さんの遺志 奨学金制度に 26日に慰霊祭
 JR新大久保駅で昨年1月、ホームから転落した人を助けようとして死亡した韓国人留学生李秀賀さん=当時(26)=の遺志を生かそうと、アジアからの留学生に奨学金を送る「李秀賢顕彰奨学会」の設立が決まり、一周忌の慰霊祭を行う実行委員会が15日、発表した。一緒に死亡した日本人カメラマン関根史郎ごん=当時(47)=と李さんの2人の慰霊祭は26日、東京で行われる。
 奨学金制度は李さんの両親が「日本語学校に学んで成長した息子の遺志を継ぎたい」と要望して実現。李さんのように民間の日本語学校で学ぶ学生は政府の援助を受けられないため、民間の学生向けに支援を行うことを決めたという。
 李さんの両親が見舞金から1000万円を寄付したほか、企業などから募った計約3000万円で運営。今年4月から、毎年100人前後のアジアからの留学生に30万円を支給する。慰霊祭は26日午後3時半から新宿区大久保のペアーレ新宿で行われる。(京都新聞)
■乗用車に電車衝突、1人死亡 斑鳩のJR踏切
 16日午前8時ごろ、奈良県斑鳩町小吉田のJR関西線の城田道踏切(警報機、遮断機付き)で、乗用車に難波発加茂行きの快速電車が衝突し、乗用車を運転していた同県広陵町平尾、農協職員前原一政さん(45)が全身を強く打って死亡した。電車の乗員乗客約800人にけがはなく、現場から約1`離れた法隆寺駅まで歩き、同駅で臨時電車に乗り換えた。電車は現場に停車し、JR西日本が乗用車の撤去作業を進めた。この事故で、JR関西線王寺−法隆寺駅間の上下線が約3時間50分にわたり不通になり、38本が運休。16本が最大42分遅れ、約2万4000人に影響した。
 西和署の調べによると、乗用車が下りていた遮断機をはね上げて踏切に入ったという。電車の運転士が踏切の約40b手前で気づき急ブレーキをかけたが、間に合わなかったという。(朝日新聞 夕刊)
17日■往復バスを90円で運行 JTBが特別ツアー
 JTBは16日、今年3月に迎える創業90周年特別企画として、宿泊料金に90円追加すれば大阪市内からの往復バスを利用できる北陸や伊勢志摩への1泊2食付きパッケージツアーを販売すると発表した。出発は2−3月の6日間で計900人限定。
 北陸は芦原温泉(福井県)、加賀温泉(石川県)、宇奈月温泉(富山県)などにある40のホテル・旅館が対象。新大阪−加賀温泉(石川県)で往復バスを運行する。伊勢志摩(三重県)は難波から鳥羽・志摩スペイン村まで往復バスを運行。100のホテル・旅館から選べる。(京都新聞)
■女性はねられ死亡 高槻のJR踏切
 16日午後8時40分ごろ、大阪府高槻市富田丘町のJR東海道線摂津富田−茨木間の踏切で、姫路発米原行き快速電車に女性がはねられ、死亡した。乗客約800人にけがはなかった。
 調べでは、踏切内に30歳ぐらいの女性が立ち止まっていたとの目撃情報があることから、高槻署は自殺の可能性が高いとみて身元の確認を急いでいる。(京都新聞)
■JR西の退会「仕方がない」 関経協会長
 関西経宮者協会の奥井功会長(積水ハウス会良)は16日の記者会見で、JR西日本の井手正敬会長(関西経済連合会副会長)が関経連、関経協、関西経済同友会の統合論を打ち出し、3月末までに統合の方向が見えない場合は開経協などから退会する考えを示したことに対し、「再編については5団体で今まで通り議論を進めていけばいい。慰留はするが、退会するなら仕方ない」と、開経協として取り上げる考えのないことを明らかにした。
 奥井会長も関西の財界再編については、「東京一極集中が進む中で関西は地方の一つになりつつある。新年互礼会で壇上に(団体トップが)5人も上がる必要がなくなった」と、基本的には推進の立場。しかし、井手氏が主張する3団体統合という形態や、3月末に期限を区切る考え方には反対しており、「議論には時間がかかる」と語った。(朝日新聞)
■日産ディーゼル バス車体委託一本化 富士重やめ西日本車体に
 日産ディーゼル工業は16日、富士重工業とのバスの共同生産を解消し、03年度から西日本車体工業(北九州市)との取引に一本化すると発表した。これを受け、富士重はバス事業撤退の検討に入った。いすゞ自動車と日野自動車は03年に事業を統合する方針。観光バス、路線バスともに需要が低迷しており、バスメーカーの事業再編は今後も相次ぎそうだ。
 日産ディーゼルはエンジンや変速機を含めた車台部分を年約600台分生産している。そのうち約3分の1を西日本鉄道系の西日本車体に、残りを富士重工業に送り、ボディー組み立てを委託してきた。
 しかし、ほかのトラックメーカーとも取引がある西日本車体が日産ディーゼルとの取引を大幅に増やすことを決め、日産ディーゼルは設計や部品調達などで効率化が図れると判断した。
 日産ディーゼルのバス事業はここ数年赤字続きだが、記者会見した大草猛生専務は「生産台数が大きく変わらなくても、03年度に営業黒字に転換できる」と述べた。
 一方の富士重は、バス生産ではボディー組み立て部門しかない。車台部分の供給元は約8割が日産ディーゼル。赤字事業のうえ、残るいすゞとの取引だけでは事業の継続は難しいとみる。今後、従業員の処遇や販売したバスの保守事業の扱いなどを検討していく。
 日本自動車販売協会連合会によると、バス(30人乗り以上)の01年の販売台数は4420台と、10年前の半分以下。景気後退で観光バス需要も低迷している。
 日野といすヾは開発・設備投資の効率化や部品調達費の削減を目指して統合を決めた。業界最大手の三菱自動車も「他社との包括的な提携は考えていないが、何らかのコスト削減策は進めたい」(幹部)としている。(朝日新聞)
■見える防災力 見た目はSL中は…
 蒸気機関車から飲み水が出る−。横須賀市水道局が災害時の飲料水を確保するために設置した非常貯水装置の一つだ。同市の水道施設は災害対策が進んでいることで知られ、SL型タンクはそのシンボル的存在として視察コースにも組み込まれている。ふだんは配水管として中を水が循環しているため常に新鮮な水になる。災害時は両端を遮断して約100立方bの水を確保する。1人あたり1日3リットルとすると、1万人が3日間使える量になる。市内には地下式の貯水装置も含めて44基あり、市民全員の分をまかなえるという。(朝日新聞)
18日■USJ特急など春の臨時列車 JR西日本
 JR西日本は17日、3月1日−6月30日の春の臨時列車運転計画を発表した。期間中、在来線と新幹線を合わせて1289本を増発の予定で、2043万人の利用客を見込んでいる。
 在来線では、人気のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ、大阪市)向けの臨時特急「ユニバーサルエクスプレス」(富山−ユニバーサルシティ間)を新設。山陽新幹線では赤ちゃんの授乳などに使える部屋を設けた「ファミリーひかり」を運転。通常の「ひかり」より座席の広い「ひかりレールスター」(新大阪−博多間)も47本増発する。(京都新聞)
19日■地下鉄「天神川駅」 事業区域縮小住民に説明 京都市
 京都市は、地下鉄東西線西伸計画に合わせてまとめた右京区の「天神川駅(仮称)」の周辺整備基本構想に関する地元説明会を18日、同区・右京中央老人福祉センターで開いた。地域内の土地区画整理事業で、事業区域を約5.5fから約5.3fに縮小する方針を明らかにした。
 周辺整備の具体的な事業化について住民に説明するもので、住民や地権者ら約130人が参加した。
 市の担当者が、御池通西伸や京福嵐山線野新駅について話した後、土地区画整理事業の仕組みと手続きの流れを説明。事業区域については、マンションや事業所が密集する地区をはずし、当初予定していた約5.5fから約5.3fに縮小する方針を示した。
 右京区総合庁舎などが入る再開発ビルの説明もあり、住民らからは「十分な駐車スペースを確保しているのか」「新駅設置に伴う交通規制で住民が不便を強いられる」などの質問や意見が出た。
 天神川駅周辺整備については、地元住民や関係機関でつくる検討会が協議を進めてきた。市が策定した構想は、三条通に京福嵐山線の新駅を設けて駅前広場を整備し、右京区総合庁舎や地域体育館、住宅などからなる再開発ビルの建設を盛り込んでいる。(京都新聞)
■待望の新駅舎完成 JR京田辺 2日から使用 片町線の輸送力増強
 1999年から全面改築工事が進められてきたJR片町線京田辺駅(京田辺市田辺)の橋上駅舎がほぼ完成し、2月2日から「新駅舎」の使用が開始される。新駅舎の完成に伴い、JR西日本は3月下旬のダイヤ改正で同駅発着の快速電車計10本の新設など、片町線の輸送力を増強する。
 橋上駅舎は鉄骨2階建て約560平方b。また、市は、上下両線ホームをまたぐ自由通路(幅5b、延長47b)を設け、橋上駅舎とつなぐ。
 橋上駅舎と自由通路の接続で、同駅の東西両側の通行が可能となり、乗客や通行人の利便性の向上も期待される。また、同駅東側の大手スーパー2階から橋上駅舎へ直結する連絡通路も同スーパーの負担で設置した。
 橋上駅舎の総事業費は約11億4400万円で、うち京田辺市が約9億7200万円を支出。自由通路は、市が事業費約4億8800万円を全額負担した。
 JR西日本は3月23日のダイヤ改正で、片町線の輸送力を増強する。同駅は従来の2線から3線に増え、折り返し運行が可能になるため、平日朝に京田辺発区間快速電車6本、同夕に京田辺行き同快速4本をそれぞれ新設する。
 折り返し設備工事を実施するため、同志社前−松井山手駅で3月10日の始発から午前11時ごろまでの全電車の運行を休止し、両駅間を30分で結ぶ代行バスを計4駅で約15分間隔で運行する。(京都新聞)
■ふるさと昭和史ビデオ 京阪三条−東福寺の地下化 昭和62(1987)年5月24日 「開かずの踏切」も解消
 真新しい京阪の三条駅(京都市東山区)の地下ホームは、地下線開通を祝う「花電車」をカメラに収めようとする人であふれかえっていた。満員の招待客を乗せた四両編成の最新型列車が、ゆっくりとホームから滑り出すと、拍手と歓声がわいた。
 地上に出るトンネル開口部では工事関係者がバンザイをし、花電車は警笛を鳴らしてこたえた。運転士を務めた三条管区駅首席助役の吉村治夫さん(52)は「難工事だったと聞いており、ごくろうさんと言いたかった」と振り返る。
 京阪本線三条−東福寺駅間2.8`の地下線化は、8ヵ所の踏切による慢性的な交通渋滞の解消を目的に、京都市や京阪電鉄などが605億円の工費と8年の歳月をかけて完成させた。
 特に渋滞がひどかった五条通(国道1号)は、踏切の遮断が1日約400回、延べ7時間にもおよび「開かずの踏切」と呼ばれていた。「朝の通勤時、渋滞の列が2、3`東の山科市街まで連なっていた」と、踏切近くの麺製造販売老舗店主の玉置辰次さん(67)。渋滞の車が吐き続ける排ガスに加え、つかの間開く踏切を一気に通過しようとアクセルを踏み込むため、周辺は大量の排ガスであふれたという。
 地下線化後、地上に4車線の川端通が整備され、さらに京阪三条−叡山電鉄出町柳駅間に鴨東線が開通。洛北地域を結ぶ、南北の交通動脈が完成した。
 ただ、地下線化に伴って、乗客が眺める車窓の風景は失われた。鴨川べりの桜並木は、電車が通るたびに花びらを舞わせた。「それは、すごくきれいでしたよ」。玉置さんらは懐かしむ。(社会報道部 中村知弘)(京都新聞)
■降りて歩いて 47 JR・KTR福知山駅(福知山市天田) 高架化で南北一体化へ
 北近畿の玄関口、福知山駅。JRとKTR(北近畿タンゴ鉄道)のターミナル駅で、大阪、京都、舞鶴、宮津と結ばれている。かつて府北部最初の駅が誕生した福知山は、今も駅を中心にしたまちづくりが進められている。
 駅から東へ向かうと、戦国の武将、明智光秀が築城したとされる福知山城が威風堂々と立っている。城内の郷土資料舘に立ち寄り、築城の様子などを学んだあと、周辺を散歩した。戦国から江戸時代にかけて城下町として整備されたという寺町は、古い町並みを今でも色深く残す。名の通り多くの寺が立ち並び、どこからともなく聞こえる読経の声を聞きながら散策すると、資料館で見た往時の人々の営みがよみがえってきた。
 明智光秀を祭っている近くの御霊公園に行ってみた。子ども連れの主婦やお年寄りがくつろいでいる風景になんだかほっとする。生粋の福知山人という、安田武雄さん(77)に出会った。「福知山もどんどん変わっていく。でもこの辺りは、昔の面影が残っているので懐かしく、よく散歩に来るんです」。「それに光秀さんを祭っているしね」。明智光秀は、福知山の人にはまちの礎を築いた恩人として、今も親しまれている。
 古い町並みを残す福知山だが、駅の南側を中心とした地区では急速なスピードで開発が進んでいる。駅南地区にある京都共栄学園高で約35年間教員をしてきた大槻哲夫教諭(58)は「かつては駅から学校までの一帯には一軒の家もなく、農道を通って通勤していた」と振り返る。
 鉄道で南北に分断された市街地を一体化するための立体交差事業が進んでいる。7、8年後には駅舎と線路が高架化し、福知山駅から降り立った風景はがらりと変わっているだろう。(京都新聞)
■南海電鉄 基本給1割りカット 最悪533億円赤字予想受け
 南海電気鉄道は18日、全社員の基本給の1割カットや人員の2割削減などのリストラ策を発表した。販売用不動産などの含み損処理によって、今年3月期の連結当期赤字予想を、昨年11月時点の25億円から過去最悪の533億円に大幅に下方修正し、51年ぶりの無配転落が避けられなくなったためだ。
 賃金削減策では、@課長級以上の管理職も含めた全社員の基本給と初任給を4月から1割削減するA02年度のボーナスを前年実績の基準賃金5ヵ月分から4ヵ月分に縮小する。人員削減では、新規採用の抑制で、02年度から3年間で約3100人の全社員の2割に当たる約600人を削減する。労組組合員については労使協議に入っている。
 これらの実現で、年間約60億円のコストを減らせるとしている。役員報酬の削減幅も現行の20〜30%から、30〜50%に広げる。(朝日新聞)
20日■JR新橋駅の地下でぼや
 19日午後4時45分ごろ、東京都港区のJR新橋駅地下4階の横須賀線利用客用エスカレーター付近でごみが燃え、周辺に煙が充満した。火は約30分後に消え、けが人はいなかった。
 JR東日本は消火作業中と、消火に使った水が引くまでの約3時間、横須賀線で上下とも同駅を通過する措置を取ったため、約8000人に影響が出た。(京都新聞)
■地震キャッチ 電車ストップ 早期感知、未然に警報 気象庁など仕組み開発
 気象庁と鉄道総合技術研究所は地震の揺れの前触れとして発生する初期微動(P波)を分析して地震規模を割り出し、鉄道を未然に止めるシステムを開発、今秋から実用化を前提とした試験を始める。03年秋には実際に運用できる見通し。この警報システムは「ナウキャスト」と呼ばれ、将来は道路やガスへの活用も期待されている。
 地震の前触れで発生するP波は秒速約7`で伝わる。大きな揺れで発生するS波は秒速約4`。この時間差を利用して揺れを事前予想する。
 たとえば震源から30`離れた地点だと、地震計は発生から約4秒後にP波を捕らえる。その4秒後に最初のS波が来る。距離が遠ければ遠いほど、時間差はのびる。
 気象庁の試算によると、静岡市付近で地震が発生しP波の解析に成功すると、約180`離れた東京都心では揺れが来る約40秒前に、約100`離れた名古屋市では約20秒前に、揺れの程度を把握できるという。
 このP波を検知してから3秒あれば、地震の規模や被害範囲を推定できるという。
 P波の分析は、すでに新幹線で取り入れられている。沿線に独自に配備した専用の地震計をもとに地震を予測して未然にストップさせるシステムだ。
 今回、気象庁が加わることで、全国に設けた約180の地震計から送られてくるデータを活用できる。このため、新幹線だけでなく在来線にも応用できる。さらに、手術中の病院やガス供給会社、高速道路などへの活用が想定される。
 気象庁は鉄道総研とともに、これらの推計値を瞬時に伝える連絡網つくりを進めてきた。地震の際、鉄道にとってはいかに脱線を防ぐかが最大の課題で、秒単位の情報入手が急務。実用化すれば鉄道各社は大きな揺れが予想される場合、送電を停止して列車をストップさせることになる。(朝日新聞)
22日■新幹線「びわこ栗東駅」に接続 在来線に新駅検討 JR西日本 利用状況など調査
 JR西日本は、JR東海が設置への検討に入った東海道新幹線米原−京都間の新駅「びわこ栗東駅」(仮称、栗東市)の在来線接続駅として、栗東市などが要望しているJR草津線草津−手原間の新駅設置計画について具体的な検討を始めることにした。JR東海が結論を出す新幹線新駅計画をにらみながら、新駅候補地周辺の今後の開発見込みなど市の計画内容を中心に独自の調査・分析を進める。
 同市や県が要望している草津線の新駅候補地は、東海道新幹線と交差する地点。市は新幹線新駅の候補地を選定するうえで在来線とのアクセスを重視した経過もあり、「両方の新駅の誘致運動は一体的に進めている」(市新幹線誘致対策課)という。
 JR西日本は、JR東海の新駅設置検討を踏まえ、市のまちづくり計画や財源、草津線全体を含めた鉄道の利用見込みなどの総合的な検討に入る。
 新駅設置については「候補地周辺開発の成否次第」と、従来の方針を変えていないが、同地域では1991年に東海道線・栗東駅(栗東市)、94年に同・南草津駅(草津市)を設置しており、将来人口の伸びなどに注目している。(京都新聞)
■摩耶ロープウエー 職員を書類送検 業過致傷の疑い
 神戸市灘区の六甲山系・摩郡山にある摩耶ロープウエーの駅で昨年3月、停車しようとしたゴンドラが車止めに衝突して乗客1人がけがをした事故で、灘署は21日、同ロープウエーを運営する神戸市都市整備公社の男性職員(46)を、ブレーキ操作を誤ってゴンドラを衝突させたなどとして、業務上過失致傷の疑いで神戸地検に書類送検した。(朝日新聞)
■偽造の大阪市バス回数券 金券ショップで昨年末95冊換金
 大阪市営バスの偽造された200円回数券のつづり95冊(1冊4000円相当)が昨年末に同市内の金券ショップなどに持ち込まれ、換金されていたことが22日、大阪府警捜査2課の調べでわかった。府警は詐欺と有価証券偽造・同行使の疑いで捜査している。
 調べによると、昨年12月19〜24日ごろ、大阪市北区と浪速区の金券ショップ4店舗に計75冊が持ち込まれて換金された。この情報を受け、大阪市交通局が回数券販売を委託している市交通局協力会を調べたところ、同月24〜25日、地下鉄天王寺駅の定期券発売所に10冊が2回にわたって持ち込まれ、計7万6000円が払い戻されていた。払い戻したのは24日が40歳前後の男、25日が30歳前後の女だったという。
 偽造券は、文字が太く、4つ折りにすると端がずれるといった特徴があるが、一見、偽物と判別しにくいという。(朝日新聞 夕刊)
23日■京福2路線は3セクで存続 福井知事ら基本合意
 京福電鉄の福井県内3路線(計59.2`)の存廃を論議する沿線市町村長会議が22日、福井市内で開かれ、栗田幸雄知事と沿線9市町村の首長は、越前本線と三国芦原線の2路線(計53`)については第三セクターの株式会社を早期に設立して鉄道を存続させることで基本合意した。
 永平寺線(6.2`)は採算性が低いため、知事らがさらに検討、2月末までに存廃の結論を出す方針。
 合意内容によると、軌道や車両など設備面は県が取得、新会社はそれを無償で借り受けて運行する「上下分離方式」を採用する。
 新会社の資本金は約5億円で、民間出資を25%以上募り、残りは市町村が出資する。
 開業後10年間の必要経費は県が約87億円、市町村などが約32億円を負担。
 県は鉄道事業許可の取得面などで人的支援を行うにとどまるため、赤字が出た場合は市町村の負担となる。
 今後、知事や首長は議会で経費の予算を提案、承認を求める。
 市橋一義・同県県民生活部長は「新会社が発足し、免許を取得するまでの期間、免許を持つ京福につなぎ運行を求める」と話した。(京都新聞)
■京福電鉄2路線 3セクで継続へ
 半年間に2度の正面衝突事故を起こし、運行が停止している福井県内の京福電鉄の存廃問題で、県と福井市など沿線9市町村は22日、越前本線と三国芦原線の2路線を第三セクター会社で存続させることに合意した。残る永平寺線は検討を続ける。県と沿線自治体は今後、三セク会社設立のための予算を組むが、電車が再び走るのは04年以降になる見通しという。
 合意によると、三セク会社は設備投資などを県が負担し、経営は市町村が主体となる。当初10年間で約119億円の経費が見積もられている。(朝日新聞)
■声 買い出し列車 今も忘れない 無職 荒田 冨士男(福井県武生市 76歳)
 買い出し客でいっぱいになった終戦直後の列車の写真をこの欄で見て、当時の記憶がよみがえった。8人の大家族だった我が家は、配給米だけでは辛うじて餓死を免れる程度で、親類縁者からヤミ米やイモ、雑穀類などを買い集めて命をつないでいたからだ。
 食糧事情が悪化するにつれ、警察の取り締まりが厳しくなり、見つかれば没収される。知人に食べ物を分けてもらっても、ひそかに夜陰に乗じて運んだものである。しかし、それも簡単に入手出来なくなった。
 勤務先で、「渥美半島まで行って、サツマイモを買ってきた」と同僚が言った。我が町から約7時間の距離で、早速私は、愛知県の三河田原に向かった。夜勤明け番は午前9時だが、休養は往路の列車内で十分に取れた。
 農家から持てる限りの物をいっぱい買い込んだ。帰り際、そこの人から「蒸したのも、あげようか」と親切に言われた。夜道を30分ほど駅まで歩いて戻ったが、重いという感覚がなかったから不思議だ。
 蒸したサツマイモから、ふろしきを通して、水あめ状にネバついたものが滴り落ちた。「おれはこんなに甘いんだからな」と語り掛けてくるようで感激したことが、今なお鮮明な記憶として残っている。(朝日新聞)
24日■昨秋の嵐山交通実験 100円バスや通行規制 観光客ら9割知らず 京都市が調査
 京都市は23日、昨年秋に嵐山地区で行った交通実験に関する観光客らへのアンケート調査結果を発表した。嵐山を訪れる前から交通実験について知っていた人は1割前後にとどまり、一層のPRが必要であることが浮き彫りになった。
 実験は渋滞解消を目的として、紅葉シーズンの昨年11月に実施。幹線道路の一方通行規制を行うとともに100円バスを運行させた。
 アンケートは、住民(回収数約2500)、商店主(同100)、観光の歩行者(同1480)、ドライバーを対象に実施した。ドライバー分は集計中。
 その結果、歩行者で事前に100円バスの運行を知っていた人は10%、一方通行規制を知っていたのは9%だった。歩行者のうち、マイカーで嵐山に来た人は10%だった。
 また、一方通行規制などの取り組みを「望ましい」としたのは住民の50%、歩行者の58%にのぼったが、商店主では21%にとどまり、逆に「望ましくない」の方が31%と多かった。
 今後の課題解決の方向性では、いずれも「歩行者の快適性向上」が最多だった。
 市交通政策課は「早い段階からのPRが一層必要だ。また、住民、観光客と、交通規制による商売への影響を懸念する商店主の意識の差が表れた。調査の分析を基に今後の嵐山をどうするのか、さらに議論してもらいたい」としている。(京都新聞)
■路線バス1日申請 エムケイ 9月運行開始計画
 タクシー会社のエムケイ(京都市北区)は23日、路線バス事業への新規参入に向け、来月1日に京都市内での循環バス路線の事業許可を近畿運輸局に申請する、と発表した。今年9月に運行を始め、5年間で20路線への拡大を計画している。
 申請するのは、京都市内の西大路通−北大路通−東大路通−七条通の環状路線(全長約40`)で、早朝5時−深夜零時台まで原則、10分間隔で運行する。運賃は1回200円で、普通定期も低価格に設定する。年間460万人の利用を見込んでいる。
 同社は昨年9月、改正道路運送法(来月施行)で路線バス事業が免許制から許可制に緩和されるのを機に、新規参入する方針を表明した。当初、京都市交通局などと共同で市内全域での運行を目指したが賛同が得られず、単独参入に方針転換した。
 今後、エムケイを中心に市民、企業の出資を募り事業会社を設立する。市中心部で順次20路線を設けるほか、周辺部は効率のよい定額制の乗り合いタクシーを運行するなどして市内全域への拡大を目指す。2006年度には売上高50億円、経常利益5億円を見込んでいる。(京都新聞)
■放置自転車1台3000円 鉄道会社に課税 東京・豊島区が新税構想
 東京都豊島区の高野之夫区長は23日、放置自転車対策として鉄道事業者に1台につき3000円を、床面積25平万b以下の狭いワンルームマンションの建築抑制のため建築主に1戸当たり50万円を、それぞれ課税する法定外目的税の導入を目指すと発表した。
 両税とも5年間の時限措置。4月以降、有識者や区民代表による検討会議を設置、新税導入の是非や時期を審議し、2003年度以降の条例提案を目指す。
 区は関係業界への説明はしたとしているが、自転車税に対しJR東日本など鉄道会社4社は同日、「全く理解しがたく到底受け入れられるものではない」として撤回を申し入れた。
 放置自転車税は、自転車が駅周辺に集中していることから大半が駅の利用者と判断。放置を誘引した鉄道事業者も一定の社会的コストを負担する必要があるとした。
 税率は現行の撤去費用3000円を参考に設定。撒去した自転車の台数を区内の鉄道事業者五社の収益などを基に案分し、課税する。年2億1300万円の税収を見込み、放置自転車の撤去・保管経費や駐輪場の整備費などに充てる。
 鉄道事業者が自ら駐輪場を設置したり、社有地を駐輪場用地として貸し付け・提供した場合は税を減免する。
 ワンルームマンション税は、区内の1人世帯が56%を占めることから、家族のいる世帯を増やすため、ゆとりある良質な住宅造りを誘導するのが狙い。
 対象は3階以上で25平万b以下の部屋が15戸以上、かつ総戸数の3分の1以上を占める住宅を建築しようとする建築主。年間3億3000万円の税収を見込み、家族世帯向けの家賃補助などに充てる。(京都新聞)
■京都市内を循環 秋にもバス運行 エムケイが申請へ
 タクシー会社のエムケイ(本社・京都市)は23日、新たにバス会社を設立し、JR京都駅など京都市内を循環するバスを早ければ9月にも運行する計画を明らかにした。2月1日に近畿運輸局に事業認可を申請する予定で、04年ごろまでに市内の20路線に参入したいとしている。
 計画によると、申請路線は京都駅を経由して七条、東大路、北大路、西大路の各通りを循環する市内環状線(約40`)。80人乗りバスを10分間隔で走らせる。運賃は200円(市バス現行220円)、定期券は5000円(同1万2470円)の予定。
 バスの停留所から定額料金制による「タクシー路線」もつくるという。(朝日新聞)
■トワイライトエクスプレス 人気がアダ… 眺望自慢の窓にフィルム JR西 乗客の苦情に配慮
 大阪と札幌を結ぶ寝台特急「トワイライトエクスプレス」への過熱した関心に、JR西日本が悩んでいる。一流ホテル並みの豪華さを誇る車内を一目見ようと、停車駅のホームから窓ごしに車内をのぞきこんだり、写真撮影したりするファンが引きも切らず、乗客から「落ち着かない」「プライバシーの侵害だ」という苦情が絶えない。同社は、日本海を一望できる自慢の眺望をある程度犠牲にし、この春から窓に黒色フィルムを張ることにした。
 トワイライトエクスプレスは89年7月にデビューした。北陸線や信越線など日本海沿いを走り、大阪−札幌間を週4往復する。じゅうたんの敷き詰められた豪華な客室、フルコースの料理が楽しめる食堂車、日本海に沈む夕日の眺望などが売り物だ。1編成(9両)の定員は130人。ほかの寝台列車の平均乗車率は40%程度だが、この特急だけは70〜80%を誇る。
 JR西日本は当初、デビュー3〜4年で人気は冷めるとみていたが、乗車できなくても一目中の様子を見たいという親子連れや鉄道ファンが今も多い。同特急は片道17の駅に最長20分停車するが、それぞれの駅のホームから、多いときには20〜30人が次々に中をのぞいたり、記念撮影したりする。
 眺望が売り物だけにカーテンを閉めていない乗客が多く、「じろじろ見られて落ち着かない。停車するたびにカーテンを閉めるのはめんどうだ」「横になっている姿を写真に撮られた」といった苦情が絶えないという。
 同社は、この列車の車両を使い、西日本一帯を2泊3日程度で1周する寝台特急を6月からスタートさせる計画で、悩んだ末、窓に黒色フィルムを張ることにした。光線の透過率がどの程度のフィルムを使うかは未定だが、外から内部を見ることはできなくなるものの、中から外を見ても「サングラスをかけた状態」(同社)で、眺望はかなり落ちそうという。
 JR西日本広報室は「痛しかゆしだが、乗客に不快感を与えては元も子もないと考えて決めた。眺望が落ちて人気がなくなると困るんですが…」としている。(朝日新聞 夕刊)
25日■回送機関車に接触 ホームの男性死亡 JR大津駅
 25日午前10時20分ごろ、大津市春日町のJR大津駅下りホームで、同市浜大津二丁目、税理士北村久仁雄さん(74)が、回送中の梅小路貨物駅行き機関車に接触、頭を打って死亡した。
 大津署では、北村さんが、たんを吐こうと線路側に体を乗り出し接触したのではないか、とみて調べている。
 機関車は現場で14分間停車。後続の新快速電車が18分遅れ、約600人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
26日■京福の繰り上げ廃線を認めず 中部運輸局
 中部運輸局は25日、京福電鉄の福井県内路線の廃線繰り上げ要望について、認めないことを決め、京福に通知した。廃線期日は当初と同じ今年10月21日に確定した。
 運輸局は、代替交通機関が確保されるまでに空白期間ができ、公衆の利便を阻害する恐れがあるためと説明している。
 京福は代行バスで収支が悪化したとして繰り上げを要望。運輸局は福井市で今月9日、繰り上げの可否を判断するため、県や沿線市町村長から廃線後の交通対策について意見を聞いた。(京都新聞)
■新大久保駅の悲劇から1年 金大統領がメッセージ 「その犠牲的精神は韓日両国民の胸の中に永遠に記憶される」
 【ソウル25日共同】韓国の金大中大統領は25日、韓国人留学生、李秀賀さん=当時(26)=が東京のJR新大久保駅でホームから転落した男性を助けようとして電車に巻き込まれ死亡してから26日で丸1年を迎えるのを前に、「故人は死後の世界に旅立ったけれども、その犠牲的精神は韓日両国民の胸の中に永遠に記憶される」との哀悼のメッセージを伝えた。また政府当局者を通じ釜山市に住む遺族にランの花を贈った。
 一方、同市内の公園につくられた李さんの追慕碑の前には多くの市民が集まり、李さんの勇気をたたえめい福を祈った。
 韓国では一周忌に合わせ、26日には李さんの自宅近くの寺で親せきや友人らが集まり李さんの霊を弔うほか、釜山やソウルでの音楽会や写真展などさまざまな行事が計画されている。
・李さんの勇気 後世に伝える 小泉首相も哀悼
 【ソウル25日共同】韓国の通信社、聯合ニュースによると、小泉純一郎首相は25日、東京のJR新大久保駅でホームから転落した男性を助けようとして電車に巻き込まれ死亡した韓国人留学生、李秀賢さん=当時(26)=の一周忌にあたり、釜山に住む李さんの両親に哀悼のメッセージを送った。
 小泉首相は、李さんの行為がいまだに多くの人々の心に刻まれているとし、李さんの勇気を後世に長く伝える意向を両親に伝えた。(京都新聞)
■降りて歩いて 48 JR八木駅(八木町八木)にぎわいの記憶 今も
 JR山陰線を園部方面へ。亀岡市を抜け、車窓から目に入る大堰川の流れを楽しんでいると、やがて八木駅に着く。
 東側の駅前広場に出ると、正面の町観光案内板の左手に、有能な人材を輩出した私塾・興風塾を明治期に開いた八木拗堂(龍三郎)の石碑が立っている。
 駅の西側に行けば、旧興風塾跡をはじめ、多くの寺社、史跡が残る。応仁の乱で東軍の大将だった細川勝元ゆかりの龍興寺のほか、中世の丹波守護代・内藤氏の居城で、石垣などが残る八木城跡などもある。
 歴史ロマンだけではない。再び駅に戻ると、構内に引き込み線を見つけた。
 駅前で食堂を経営する秋田義雄さん(81)が「かつては、この駅にも貨物車が止まった」と話してくれた。駅周辺は、米や野菜を運ぶ業者でにぎわったという。「子どものころは、駅前に軒を連ねた料理屋の芸者や楽隊が、マツタケを食べに来た人を駅のホームで歓迎していた」と振り返る。
 戦後も、秋は京都市内に向けた「マツタケ列車」が走り、冬は京都市右京区にあった越畑スキー場行きのバスを待つ人の列ができた。
 時代とともに利用者も変わる。今では通勤通学のほか、近くの公立南丹病院へ通う人が多い。ただ、夏の花火大会の日には、毎年約1万8000人の見物客が駅に詰めかけ、昔と変わらないにぎわいを見せる。
 最近では、町内にハイキングコースが設置され、町とJR西日本が春と秋に企画するハイキングイベントもあり、休日にはリュックを背負った人も見かける。小春日和には、のどかな田園風景が残る町内をゆっくり歩くのもいい。(京都新聞)
■近鉄、「不動産」を吸収 関連会社の900人削減へ
 近畿日本鉄道は25日、グループ内の販売用土地の含み損などを02年3月期決算で処理し、不動産事業を近鉄本体に集約する、と発表した。グループ不動産事業の中核である近鉄不動産の戸建て・賃貸部門を近鉄本体に吸収し、近鉄不動産など不動産関連会社18社の社員を今後3年以内に900人削減して1900人体制にする方針だ。
 まず近鉄は、近鉄不動産が実施する430億円の第三者割当増資を引き受けて100%子会社化。近鉄不動産は増資などで得た資金を使い、販売用土地評価損などの損失約630億円を処理。また、近鉄ビルディングなど不動産関連2社も近鉄本体に吸収合併する。
 これに伴い、近鉄は02年3月期の業績見通しを下方修正し、単体ベースの当期赤字が、中間決算を発表した昨年11月時点の123億円から186億円に拡大。連結でも、赤字額は60億円から355億円となる見通しだ。4円を予定していた期末配当も「若干の減配も考えている」(辻井昭雄・近鉄社長)という。(朝日新聞)
■君の勇気忘れない JR転落事故1年 釜山で李さん追慕祭
 【釜山26日共同】東京のJR新大久保駅で昨年1月、ホームから転落した男性を助けようとして電車に巻き込まれ死亡した韓国人留学生、李秀賀さん=当時(26)=の一周忌の追慕祭が、命日である26日、李さんの自宅に近い釜山市の寺で営まれた。
 李さんの両親は東京での合同慰霊祭出席のため日本に向かったが、親せきや友人、周辺の住民らが次々と寺を訪問。小雨が降り、本堂で僧りょの読経が流れる中、いとこの男性は「あれからもう1年もたってしまった」と言葉を詰まらせていた。
 昨年は歴史教科書問題などで日韓関係が大きく揺れた。しかし、サッカーのワールドカップ(W杯)を控え、日韓の懸け橋になることを願っていた李さんの遺志をあらためて考えようと、一周忌に合わせ市民団体などがさまざまな追悼行事を計画している。(京都新聞 夕刊)
27日■JR新大久保駅事故から1年 両親が献花 合同慰霊祭
 JR山手線の新大久保駅で、ホームから転落した男性を助けようとした韓国人留学生李秀資さん=当時(26)、日本人カメラマン関根史郎さん=当時(47)=が死亡した事故から26日で丸1年。李さんの両親と妹が同駅の献花台に花を供え、東京都新宿区のカルチャーセンターでは市民ら約400人が参列し、李さんと関根さんの合同慰霊祭が開かれた。
 事故の起きた5分前の午後7時10分、雪がちらつく中、父親の李盛大さん(62)、母親の辛潤賛さん(51)と妹の李秀珍さん(25)の3人がホーム上に設けられた献花台の前でそろって一礼、一人ずつ花を供えた。
 盛大さんはじっと前を見つめたまま。潤賛さんと秀珍さんはすすり泣きながら約3分間、李さんのめい福を祈った。盛大さんは「胸が張り裂けそうです。1年前の今日も雪が降っていたと聞き、記憶がよみがえりました」と話した。
 同日午後行われた慰霊祭には李さんの両親のほか、田中真紀子外相ら政府関係者、市民ら計約400人が出席。一人ひとりが祭壇に献花した。
 慰霊祭に先立ち、李さんが通っていた日本語学校の関係者らが、李さんの両親からの1000万円の寄付で日本語学校で学ぶアジアの学生を支援する「李秀賢顕彰奨学会」を設立することを決めた。(京都新聞)
■新大久保駅事故 一周忌に500人
 東京・新宿のJR新大久保駅で線路に転落した男性を助けようとして亡くなった韓国人留学生李秀賢さん(当時26)とカメラマン関根史郎さん(同47)の一周忌を迎えた26日、2人の合同慰霊祭が新宿区内であった。韓国から駆けつけた李さんの遺族や、田中真紀子外相ら政府関係者、一般市民など約500人が献花した。(朝日新聞)
28日■京都にLRT(次世代型路面電車)の走る日 21世紀…魅力的な京都のまちづくり 課題を考える京都市のマスタープラン 国交省、積極的に支援
 「京都にLRTの走る日」を夢見て、京都商議所が提言した京都市のまちづくりマスタープランが動き出した。京都市でも総合交通政策の選択肢に取り込む方向で検討を始め、国土交通省でも21世妃の都市交通の魅力的な手段としてLRT支援を積極的に押し進める意向だ。夢の実現に向けた今後の課題とエコツーリズムをめざす京都のまちづくりを考える。
・LRT導入 背景に優位性 CO2削減と渋滞解消へ 高性能でデザインざん新 建設費安く輸送力アップ
 LRT(次世代型路面電車)の導入は、環境問題、交通渋滞の解消、公共交通の経営悪化、さらに魅力的な文化観光都市・京都のまちづくりなど多角的な観点から提案された。
 環境にやさしいまちづくりは21世紀の都市の明確な方向性を示している。とくに地球温暖化防止京都会議(COP3)で京都議定書が採択された京都市は、世界に先駆けた環境都市づくりがもとめられている。
 市民の足である市バスは劣悪な交通渋滞で経営が行き詰まっている。二酸化炭素の排出量の約2割は交通部門とされ、その八割が自動車から、さらにその5割がマイカーからの排気ガスとされる。京都商議所の提言は公共交通をバスから低公害で大量輸送の可能なLRTに転換、マイカーの規制でCO2の削減を図ろうというものだ。
 新型路面電車の優位性は、高性能で騒音が少なく、高齢者にやさしいバリアフリーの低床で乗り心地が良い。地下鉄に比べ建設費が安く、利用者に安価なサービスが可能になる。車両を連結して輸送力もアップ、バスに比べ定時性が確保できる−なども公共交通として魅力的だ。広島や松山では軌道敷内のクルマの規制で定時性が確保され、路面電車がバス輸送人員を逆転してきている。
 もう一つの魅力は、そのざん新な車両のデザインだ。フランスのストラスプールでは流線型のLRTが町の顔になり、世界からどっと観光客が押しかけている。すでに導入されている広島の「グリーンムーバー」や熊本のLRTは、たちまち市民や観光客をとりこにしている。
 京都商議所の提言づくりに参加した北村隆一京都大学大学院教授は「生まれた時からマイカーで移動してきた若者世代が乗ってみたいと思うような質の高い、魅力的な交通手段を提供しないと、公共交通は死に絶える」と断言する。
・交通機関間の連携 分かりやすい体系に JRや私鉄に対応 自動塵の規制 ハードル高い
 京都の交通体系は市バスを主体に、地下鉄烏丸線がJR、近鉄と連なり、東西線の開通で京阪電車やJR二条駅と接続、さらに天神川までの西進で京福電車と、六地蔵までの南進で京阪と連絡さすなど着々と公共交通ネットワークづくりが進行しているが、JRや私鉄のターミナル駅が異なり、交通機関間での連携はいま一つ。市バスもJR京都駅と京阪三条に系統が集中して観光客だけでなく市民にも分かりにくい体系になっている。
 現状の交通網でLRTを走らせると、交通渋滞に輪をかけてしまう。京都市でも車中心の交通から人中心の交通をめざしたTDM(交通需要管理)施策が進められているが、市街地の入り口で車を止めるパークアンドライドシステムの構築や商業者や流通業者の荷さばきをどうするか、自動車規制に対する市民合意など「歩くまち京都」へのハードルは高い。
 ドイツ・ミュンヘンの歩行者ゾーンの定着には10年の歳月を要したという。繁華街から車を閉め出した当初は、歩行者の通行量が落ち込んだが現在は6倍にも増え「車を閉め出したら商売はお手上げだ」と反対した商店街も活気づいている。フライブルグでも街にあふれていた駐車車両を一掃するため地下駐車場を設置、バスとLRTとの連携を成功させている。広島市内はラッシュ時でも軌道敷内に1台の車も入ってこない。「ドライブマナーの悪いといわれる地で軌道敷内侵入禁止だけは守られている。路面電車に道を譲るという市民意識が定着した」とタクシー運転手もいう。
 国土交通省でも、都市の道路混雑緩和と市街地再生や公共交通のバリアフリー化、環境面の効果などを踏まえ、都市の路面電車のまちづくりを支援している。路線の延伸や低床車導入、道路整備、架線柱のセンターポール化などを支援、路面電車の走りやすい環境づくりを推進している。
 同省では「都市の公共交通として路面電車は、人を鉄道などの大量輸送機開から都心へ運ぶ補助的交通機関としては最適。それにはまず、どんなまちづくりをめざすのかといった都市のマスタープランが不可欠。市民合意には時間がかかるが、京都の場合経済界から提言がなされたことに期待がかかる。LRTありきでなく市民合意を得ながら、まず試験的に走らすことも必要だ」(道路局路政課)という。
・近い将来に実験路線で車両が走る
 岡山では路線延伸のため今春実際にLRTを走らせ市民に体験させる。京都商議所でもプランの具体化を促進する一方「提言した7ルートの一部に、できるだけ近い将来に実験路線を走らせ、市民や観光客にアピールしたい」としている。企画・制作 京都新聞社広告局(京都新聞)
■鉄路の耐震基準見直しへ 国交省03年度中 ゆがみなど分析
 国土交通省は新年度から、地震に対する線路の耐久性基準の見直しを始める。阪神大震災以降、高架橋などの鉄道構造物は耐震性が強化されたが、高架橋が崩壊するほどの大地震でなくても、レールがゆがめは列車が脱線する可能性は高まる。地震発生特に線路が受ける影響は解明されていない部分もあり、同省は実験やシミュレーションで分析を深め、03年度末をめどに新たな基準値を設ける方針だ。
 見直しの検討は、学者や鉄道総合技術研究所、鉄道事業者の専門家らで作る「構造物の変位制限標準に関する委員会」が担当する。同委員会は99年度に組織され、老朽化や地盤沈下に対する鉄道構造物の基準作りに取り組んでいる。併せて、線路の耐震性についても検討することになった。
 計画によると、地表の段差などができた場合に線路への影響が小さくなるような設計方法を探ったり、地盤や構造物、レール、列車の相互作用をシミュレーションしたりして、線路のズレや曲がり具合を分析したうえで、新基準値を設定する。
 現在の基準は、列車が脱線しないように、地震発生時の線路のズレ幅や曲がり角度の許容値が定められている。おおむね震度6相当の揺れでも、線路のズレが上下35_、横9_以下になるよう設定されている。(朝日新聞)
29日■高松−開空間に4月から高速バス
 JR四国(高松市)は28日、高松−関西空港間の高速バス路線の免許を近畿運輸局に申請したと発表した。四国高速バス(同)や西日本ジェイアールバス(大阪市)など4社との共同運行。
 JR高松駅−関西空港旅客ターミナル間を1日3往複し、料金は大人片道5000円。また丸亀バスセンター(香川県丸亀市)−関空間は四往復で同5200円。
 明石大橋や阪神高速湾岸線を経由、高松−関空間を約3時間40分で結ぶ。4月20日からの運行予定で、年間9万7000人の利用客を見込んでいる。(京都新聞)
■脱マイカー社会へ でんきじどうしゃ共有しよう 1台20人買い物や送迎 市民団体と福岡市、九電 今秋にNPO法人
 環境団体「西日本リサイクル運動市民の会」(福岡市)が、脱マイカー社会を目指そうと、市、九州電力と連携し市民500−800人による電気自動車の共同利用事業を計画している。NPO法人(特定非営利活動法人)を設立して今秋から開始予定。
 車の共有(カーシェアリング)は横浜市や京都市などで実用化に向けた実験が行われているが、電力会社が参加するのは全国初という。
 マイカー利用を減らすことで、温暖化の原因となる二酸化炭素などの排出を抑え、市内の交通渋滞も緩和するのが狙い。カーシェアリングが進むドイツでは、車にかかる支出が月2万円ほど減るなど、家計にもプラス効果がある。
 計画では、5月ごろから会員を募集する。約30台導入して、市内10ヵ所程度に設ける充電器付きのステーションに配置。1台を約20人で共有する。
 1回の充電で走れる距離は約60`のため、利用は市内での買い物や通院、子供の送迎などが主。システムは横浜などと同様に、インターネットや携帯電話で予約し、ICカードでドアロックを解除、運転できるようにする。
 月額基本料500−1000円で、1時間の利用料は500円程度を予定している。電気自動車、充電器など設備投資に約2億円かかるため、企業や行政と連携し、3−4年後に規模をさらに拡大して本格展開する計画。
 同会の小池寿文代表幹事は「家庭から出る二酸化炭素の約四割は自家用車。車を持たなくてもいいライフスタイルを、ぜひ定着させたい」と話している。(京都新聞 夕刊)
■北村被告に二審も無期 地下鉄サリンで高裁
 地下鉄サリン事件で散布役を車で送迎した運転手として、殺人罪などに問われた元オウム真理教信者北村浩一被告(33)の控訴審判決で、東京高裁は29日、無期懲役とした一審東京地裁判決を支持、被告側の控訴を棄却した。
 判決理由で吉本徴也裁判長は「被告は犯行の具体的内容を知らされ加担しており、サリンの殺傷性も確定的に認識していた」と認定し「わが国の犯罪史上例を見ない極めて残虐、凶悪で非人道的な犯行で、被告は犯行に必要不可欠な運転手役を冷静、忠実に実行した」と指摘。さらに「教団幹部らに指示され、主導的立場になかったことなどを考慮しても、無期懲役が重過ぎて不当とは言えない」と述べた。(京都新聞 夕刊)
■地下鉄サリン事件 北村被告に二審も無期
 地下鉄サリン事件で殺人、殺人未遂などの罪に問われた元オウム真理教信徒・北村浩一被告(33)の控訴審判決が29日、東京高裁であった。吉本徹也裁判長は無期懲役を言い渡した一審・東京地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。被告・弁護側は上告する方針。
 弁護側は「散布役を車で送迎したにすぎず、一審の量刑は重すぎる」などと主張したが、判決は「結果は極めて重大で、無期懲役はやむを得ない」として退けた。(朝日新聞 夕刊)
30日■日の丸援助 急ブレーキ バンコク地下鉄覆った受注 コスト高 弱る競争力
 日本政府はバンコクの地下鉄に巨額の円借款を投じながら、車両など運行システムをドイツのシーメンスにさらわれた。内定を覆された日本の関係者はあぜんとしている。多額の資金を途上国に貸し与え日本企業に受注させるという従来型の援助が通用しなくなった。(アジア総局・山田厚史)
 ●裏で値引き
 「ルール違反も甚だしい。我々と独占供給契約を結びながら土壇場でひっくり返すとは。信頼関係が保てない」。三菱商事の担当者はタイ側のやり方にあきれる。一昨年9月の入札で、三菱電機、三菱商事、アルストムの日仏連合が車両のほか電気設備・信号など運行システムを受注することが内定した。
 ところが事業主体のバンコク地下鉄公社(BMCL)は昨年12月28日、シーメンスと正式契約を結んでしまった。三菱グループに連絡があったのは数日前だった。
 「シーメンスが値引きに応じた」とBMCLは説明する。裏で値下げ交渉をしていたのである。
 外務省も態度を硬化させた。1月中旬に小泉純一郎首相の東南アジア諸国歴訪を控えていたため、タイ政府は「日タイ首脳会談の議題に地下鉄問題が上りそうだ」と警戒した。小泉首相は「援助に連動する日本企業の活動に十分配慮してほしい」とタクシン首相に善処を求めた。
 ●官民一体型
 多額の資金援助をエサに自国企業への有利な計らいを求めるのは援助のルール違反だ。だが大型案件になると日本に限らず官民一体でビジネスを進めることはよくある。バンコク地下鉄はその典型だった。
 「日の丸地下鉄をバンコクに」を合言葉に90年代初頭から援助話が持ち上がった。タイ政府には25年までに238`の高速鉄道網を整備する計画がある。地下鉄は手始めの1期工事で20`、18駅の「フルーライン」を円借款で建設する。
 トンネルの建設工事は2区間に分かれ、南工区は熊谷組、東急建設など、北工区は西松建設、大林組などが受注。操車場は鹿島、ハザマ、前田建設、三井物産。エレベーターは三菱商事、三菱電機。「日の丸地下鉄」へと進むかに見えた。
 ●特注品並み
 問題は工費だった。
 20`の路線に3956億円(国際協力銀行=JBIC=推計)の事業費が投ぜられる。1`200億円、日本並みの工費である。人件費は10分の1、物件費は2分の1だが、日タイ政府の話し合いで決まった。運賃は初乗り14バーツ(約40円)で、これより高くするとバスに客を奪われる。料金収入に限度があり採算は合いそうもない。
 日仏連合敗退の一因が「採算問題」だった。
 「車両・設備の資金を融資する金融機関を仮契約から1年4ヵ月以内に決める」という1項目が契約条件にあった。政府系金融機関のJBICが有力視されていた。
 しかしJBICは「採算に問題がある。タイ政府の保証でも無ければ難しい」と慎重だった。
 バンコク地下鉄はトンネル工事や用地取得は政府の首都圏高速鉄道公社が行い、運営は民間企業のBMCLが担当する。
 BMCLは独立採算を求められている。黒字にして株を公開し利益を出すことにもなっている。「日本の車両は値段が高く国際競争力がない」とBMCLでは言う。日本では路線ごとに車種が違い性能やスタイルを競っているが、量産されず特注品並みの価格だ、と専門家はいう。
 「採算問題はシーメンスも無縁ではない。再逆転の可能性はある」。日本政府はあきらめきれないが、シーメンスはバンコクで高架鉄道を手がけている。利用者は見込みの半分以下で大赤字で再建が課題となっているが、将来、相互乗り入れして効率化を図る。04年に開港する新空港と都心を結ぶ新線や地下鉄の延伸計画がある。これらを共通の運行システムにすれば採算はとれる、との見方がある。
 ●日本批判も
 援助に絡んで日本が受注する工事は高いとの批判がタイ政府内で高まっている。一端が地下鉄工事でタイ企業が受注した軌道工事で明らかになった。発注額31億9000万バーツが2回丸投げされ、最終工事価格は21億5000バーツに下がった、と業界では言われる。日本企業も同様のうまみを吸っている、というのだ。円借款で事業費を膨らませ「ゼネコン救済が行われている」との指摘もある。
 日本企業への発注は通貨危機前に行われており1バーツ=4円台で契約(現状は3円程度)され、差益が転がり込んだ、とも言われる。
 円借款はタイ政府の責任で返済するので日本側にリスクはない。やがて始まる返済の負担はタイの国民にのし掛かり、事業の収支を圧迫する。
 日本政府は地下鉄の延伸線や空港新線にも円借款の用意がある、と表明している。カネを付けて関係を買うODA(政府の途上国援助)外交だが、車両で起きたことが次はトンネルで起きても不思議ではない。円借款にあぐらをかく時代は終わった。(朝日新聞)
■列車と接触、けが 久美浜で男性
 30日午前7時50分ごろ、京都府久美浜町箱石の北近畿タンゴ鉄道(KTR)の線路上で、同町内の無職男性(69)が、豊岡行き普通列車と接触し、頭部などにけがをした。乗客約60人にけがはなかったが、列車計5本に1時間−20分の遅れが出た。
 久美浜署によると、男性は踏切のない線路上を歩いて横断しており、原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■車両立ち往生、6万人の足乱す 朝のJR
 30日午前3時5分ごろ、大阪府大東市のJR学研都市線の住道−野崎駅間の上り線で、線路の整備作業をしていた保守用車両(3両編成)が動けなくなった。1時間後、別の保守用車両でけん引されたが、車両の下についている金属製の板が落下して再び停車し、計3時間にわたって線路上に立ち往生した。
 JR西日本によると、この事故で、学研都市線と、同線と直通運転している東西、神戸、京都、宝塚の各線で始発から上下81本が運休し、上下71本が最大で1時間あまり遅れた。私鉄や地下鉄による振り替え輸送も行われたが、通勤客ら約6万5000人の足が乱れた。JR西日本は、保守用車両でエンジンの燃料供給に不具合が生じたとみて調べている。(朝日新聞 夕刊)
31日■バス・タクシー あす参入自由化
 乗り合いバスとタクシー事業の新規参入を自由化する改正道路運送法が2月1日に施行される。これまでは政府が各地域での需給調整のため、参入を規制する免許制だったが、今後は安全性の確保などの資格要件さえ満たせば参入が認められる許可制になる。
 運賃はバス、タクシーともに、事業者や事業地域ごとに上限を定め、そこから一定範囲内での値下げを認める上限認可制を継続する。事業の撤退や路線の廃止は事前届け出制となる。ただ、タクシーについては「各社の増車意欲が強く、供給過剰になりやすい体質がある」(国土交通省自動車交通局)ことから、混乱を避けるため一時的に参入や増車を規制する「緊急調整措置」を設けた。
 2月1日から申請を受け付け、新規参入の場合は約4ヵ月の審査を経て許可が下りる見通しだ。国交省は「自由化で業界が活性化され、利用者の利便が向上する」と期待している。
 半面、長引く景気低迷でバス、タクシー事業ともに経営環境は極めて厳しく、大手私鉄ではバス事業を本体から切り離して賃金を切り下げる動きが広がっている。
 新規参入を検討している陸運業界でも「今の環境では、よほど低賃金でないと採算が取れない」(大手幹部)と参入に否定的な見方が出ており、すぐに自由化効果が表れるかどうか不透明だ。(京都新聞)
■生活の足 どう変わる? バス・タクシーあす規制緩和
 2月1日からバス・タクシーの規制が緩和される。改正道路運送法の施行に伴い、新規参入や撤退、運賃設定も大幅に自由化される。タクシー業界では値引き競争やサービス多様化が進む見通しだ。一方、バス業界では赤字路線の廃止が加速するのは確実だ。
割安タクシー
 大阪市などで1350台のタクシーを展開する関西中央グループは2月1日、「5000円を超えた分は5割引き」の新運賃を近畿運輸局に届け出る。メーターが1万円なら、支払いは7500円になる計算だ。
 これまでは「9000円を超えた分について最大1割引き」しか認められなかった。薬師寺薫社長は「経営者の私でさえ、8000円も9000円も支払うのは高いと思ってきた。割引は当然だ」と話す。
 30日に開かれた東京タクシー協議会。都内から成田空港への「定額タクシー」が議題だった。
 一定区間の運賃をあらかじめ決めておく定額制は、不況による乗客離れを解消する切り札として経営者団体側が提案した。運転手代表も「需要が拡大できるなら。ただ、価格破壊につながらないように」と応じた。
競争激化
 新規参入の自由化で、営業エリアの拡大を考えるタクシー会社もある。その代表格が京都市を基盤
2月1日からのバス・タクシ−の規制緩和(要旨)
@新規参入の促進
国土交通省の免許制をやめ、一定基準を満たせぼ参入できる許可制に。需要と供給のバランスが崩れる場合は認可しない「需給調整」は廃止。ただし、タクシーは車両台数が多すぎる場合などは国交省が参入や増車を停止できる(緊急調整措置)。
A撤退
現在の許可制からタクシーは「事後」、バスは半年前までの「届け出」制に。
B運賃
バスは認可制を廃止。あらかじめ認可を受けた運賃の上限以下なら自由。タクシーは認可制を維持するが、上限以下でダンピングにも該当しなければ自由。
にするエムケイ。ハイヤーのみだった大阪市で10台、新たに進出する名古屋市で50台、神戸市にはワゴンタイプ15台のタクシーを走らせる計画だ。すでに営業している京都市、東京都ではタクシーを約100台ずつ増やす。
 今秋からは路線バス事業にも乗り出す。京都市中心部を循環する予定。バスの定期を持っていれは、同市内で同社のタクシーを2割引きで乗れるようにする。
 東京タクシー近代化センターは6月から、会社のサービスなどを4段階で採点する「格付け」制度を導入する。
アイデア勝負
 客をひきつけるサービスも多様化しそうだ。神戸市などで営業する近畿タクシーは昨年、運賃メーターの上がるタイミングがわかる装置を52台全部に取り付けた。
 メーターが上がる90b手前で、運賃表示の横に線が1本表示され、60b手前で2本目、30b手前で3本目が現れる。乗客は停車寸前にメーターが上がるイライラから解放される、という。
 ほかにも、後部座席にラジオを取り付けたり、携帯電話の充電器を備えたりと、乗客らの要望を取り入れ始めた。森崎清登社長は「タクシー業界は規制で守られ、『乗せてやる』という雰囲気もあった。お客さんに喜ばれるアイデアで生き残りたい」と意気込む。
過疎地、バス撤退に懸念 バスは撤退の自由により、過疎地で運行打ち切りが相次ぐ見通しだ。西日本ジェイアールバス(大阪市)が営業距離の約7割、ジエイアール東海バス(名古屋市)も同約8割の路線廃止や営業譲渡を2月1日以降、順次届け出る。
 国からの補助金はこれまでの「会社ごと」から「路線ごと」に変わる。赤字でも生活に不可欠な路線を地域が自ら選び、守る時代になる。
 秋田県雄和町は00年8月、町有の福祉バスなど3台を秋田中央交通(秋田市)に無償で貸し、町内循環バス3路線を開業した。同様の試みは高知、石川、北海道の3町村でも始まった。(朝日新聞 夕刊)