2001(平成13)年12月


1日■窓 「環状運行」の地下鉄導入を 左京区・塚谷 康雄(フリーター・34)(京都)
  ■降りて歩いて 42 近鉄伊勢田駅(宇治市伊勢田町中山) 竹と茶畑 住宅で埋まる(京都)
  ■私鉄総連は統一ベア(朝日)
  ■どっとデジタル 万脳定期 非接触式も登場(朝日)
2日■読者のページ 賞罰あり? 乗務停止1回 我がSL人生 無職 大橋 欽一(名古屋市 75歳)(朝日)
3日■信号故障で電車12本運休 草津線6時間乱れる(京都)
4日■JR西完全民営化 正念場の緒駅債務処理 赤字路線存廃も課題(京都)
  ■人身事故で運休や遅れ 朝のJR片町線(朝日)
5日■国交省 JR株の売却 本年度見送り 株式市況悪化を懸念(京都)
  ■JR西日本が環境会計発表 列車運行で省エネ実現(京都)
  ■自転車450台収容OK 阪急桂駅東口 市営駐車場が完成(京都)
  ■沖縄で戦後初の軌道交通 「ゆいレール」試運転(京都)
  ■地下鉄中央線突然止まる 東大阪で(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
6日■声 携帯専用車両設けてみれば 会社役員 西野 公(大阪府交野市 68歳)(朝日)
  ■電車と車接触 上下4本運休 和歌山の南海電鉄(朝日)
7日■電車・車 衝突させ訓練 JR(朝日)
  ■本四海峡バス労組 あすストを設定(朝日)
  ■琴平電鉄が再生法申請 私鉄で初(京都)
  ■琴平電鉄が再生法申請(朝日)
8日■降りて歩いて 43 トロッコ亀岡駅(亀岡市篠町山本) 京の入り口、歴史秘め(京都)
9日■お仕事拝見 駅売店店員 河下育子(47)北区 混雑時も暗算でピタリ 優しい言葉が励みに 心掛けは笑顔で楽しく(京都)
  ■青鉛筆(朝日)
10日■国境の鉄路5年ぶり開放 アフガン(朝日)
11日■京阪バス 醍醐と山科で循環路線 認可申請 来年3月運行へ(京都)
  ■山科、醍醐の両地区 30分おきに循環バス 京阪バスが運行申請(朝日)
12日■マイカル撤退のJR駅西口再開発 中小店舗の面積1/10に 長岡京市が見直し案(朝日)
  ■新幹線で停電 京都−新神戸間(京都)
  ■新幹線13本 停電で遅れ 摂津(朝日)
13日■近鉄特急 丹波橋に停車 来年3月にダイヤ改正 京阪と連携を強化(京都)
  ■近鉄北勢線廃止へ(朝日)
  ■道路から無人ダンプ34メートル転落 列車と衝突、1人けが 小浜のJR線 東舞鶴間が不通(京都)
  ■ダンプカー落下、列車衝突 JR小浜線けが人1人(朝日)
14日■往来危険容疑 運転手を逮捕 JR小浜線転落事故(朝日)
  ■アンパンマン列車スタンプラリー(京都)
  ■増発のぞみに「抜かれひかり」 新幹線実質値上げの声(朝日)
  ■JR小浜線を再開(朝日)
15日■JR西日本 春のダイヤ改正 円町駅に全快速停車 奈良線、上下10本増発(京都)
  ■京福2線存続 結論先延ばし 福井県知事(京都)
  ■「SL整備」の技に感嘆 滋賀の高校生 梅小路運転区を訪問(京都)
  ■降りて歩いて 44 KTR峰山駅(峰山町杉谷) 名水求め 訪れる人も(京都)
16日■整備新幹線 国費負担減額へ 来年度予算で政府方針 5%減で調整(京都)
  ■駅で身を乗り出し男性が電車と接触 JR西大路駅ホーム(京都)
  ■サンタ登場 トロッコ列車(朝日)
17日■電車と車衝突 家族4人死亡 防府のJR山陽線踏切(京都)
  ■車と車衝突 一家4人死亡 山口・防府の踏切(朝日)
  ■東京駅 五話 その1 新幹線は好調を持続(朝日)
  ■非常はしご倒れ阪急京都線が遅れ(京都)
  ■小田急線でレールにひび 早朝、7万人に影響(京都)
  ■小田急線の線路に亀裂 通勤時、7万人影響(朝日)
18日■新幹線「のぞみ」料金に一本化 「ひかり・こだま」値上げへ JR東海方針 03年秋改正へ(京都)
  ■JR特急など遅れ 右京の山陰線踏切 放置自転車はねる(京都)
  ■ジャンボサンタに大喜び 嵯峨野トロッコ列車 職員ら装い車内を巡回 Xマス気分満喫(京都)
  ■この人に聞く JR西日本社長 JR西日本社長 「非鉄道」比率高まる(京都)
  ■廃止予定の近鉄・北勢線 MK「線路跡にバスを」 三重・桑名市に提案(朝日)
  ■東京駅 五話 その2 「雨だれ境界」はさみ競争(朝日)
  ■渋滞解消この1枚で 乗り放題切符で初の交通実験 来月から大阪で(京都)
19日■新幹線「値上げ」思惑2社二様 東海 輸送シェア背景 強気/西 「ひかり」に比重 慎重(朝日)
  ■くらし きょうは「分煙の効果は」(抜粋)(朝日)
  ■JR、証券のデータも流出 オウム信者持ち出す(京都)
  ■踏切内で女性はねられ死亡 大阪・高石(朝日)
  ■東京駅 五話 その3 減った事故増えた停車(朝日)
20日■JR西も料金一本化を検討 山陽新幹線(京都)
  ■窓 JRの米原駅 乗り継ぎ不便 草津市・村井 敏邦(公務員・41)(京都)
  ■(PRのページ)21世紀の快適なまちづくり・歩く緩行ルート実現へ 環境にやつしくおしゃれ(京都)
  ■東京駅 五話 その4 幅広いビジネスチャンス(朝日)
21日■市営地下鉄東西線 延伸整備に補助(京都)
  ■オレンジページ売却 負債圧縮 ダイエー、JR東に(京都)
  ■乗客急病30分停車 JR・奈良線で遅れ(京都)
  ■京日記(京都)
  ■ローカル13路線合理化 来春 本数・車両減らす JR西日本(朝日)
  ■JR東日本 東京モノレール買収 ダイエー系出版社オレンジページも(朝日)
  ■東京駅 五話 その5 時代と世相の変化映し(朝日)
  ■声 「鉄道唱歌」を暗記した95歳 ホームヘルパー 関原 和子(大阪府吹田市 52歳)(朝日)
22日■嵐山交通実験 一方通行、バス専用レーン 円滑走行に効果は大(京都)
  ■降りて歩いて 45 近鉄・桃山御陵前駅(京都市伏見区観音寺町) 社寺多く”歴史の宝庫”(京都)
  ■大阪モノレール 2期、年初にも着工 地権者と府が合意 07年一部開業目指す(朝日)
  ■帰省混雑は29・30日(朝日)
  ■衝突、トラック線路に 国道9号 2人死傷 JR山陰線に乱れ 八木(京都)
  ■JR山陰線 事故で不通(朝日)
23日■女性はねられ死亡 JR西大路駅(京都)
  ■中学校嘱託員 電車で女性触る 容疑で逮捕(朝日)
25日■国労脱退者が新労組 約600人「不採用問題」見切る(京都)
  ■オウム裁判〈12月〉 検察側立証大詰め 新実被告 心情、当時と変わらず(京都)
  ■解決推進派 国労を脱退 採用巡り新組合(朝日)
  ■インドネシア 列車衝突 41人死亡? 断食明け満席(京都)
  ■USJと神戸間の定期航路また廃止(朝日)
  ■列車衝突 28人死亡 インドネシア(朝日)
  ■ラッシュの梅田 改札機がダウン 御堂筋線で23台(朝日)
  ■踏切内で男性はねられ死亡 岸和田、阪和線(朝日)
  ■京都劇場 「オペラ座の怪人」で幕開け 劇団四季、元日から無期限ロングラン(朝日)
26日■阪神バス最大80円安く 来年2月 規制緩和受げ「競争力高める」(朝日)
  ■声 電車の席取り 子は見ている 主婦 石田 育子(大阪市 33歳)(朝日)
27日■窓 路面電車でも渋滞解消無理 左京区・塚谷 康雄(フリーター・34)(京都)
  ■炎天下に過酷業務 慰謝料支払い JR西に命令(朝日)
  ■新実被告に死刑求刑 オウム11事件(朝日)
28日■東海道新幹線 びわこ栗東駅 JR、正式協議を(京都)
  ■乗り放題など特典も 初詣乗車券 関西各社多彩に(京都)
  ■大みそか終夜運行 京都市バス・地下鉄(京都)
  ■滋賀・栗東市に新幹線の駅 JR東海検討(朝日)
  ■JR「トワイライト」工事終えあす公開(朝日)
29日■新幹線から男性転落死か 走行中ドア開き停車(京都)
  ■新幹線ドア開け男性飛び降り? 小郡−徳山間(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
30日■古里へ心は一直線 帰省ラッシュピーク 京滋 分散化で特急空席も(京都)
  ■余部鉄橋新設案が浮上 強風で運休多く 防風壁を設け打開(京都)
  ■保津峡トロッコ 今年の最終列車(京都)
  ■寝台特急「トワイライトエクスプレス」 車内を木目調に一新 JR京都駅で展示会 ファンでにぎわう(京都)
  ■W杯客乗せ深夜新幹線 JR2社検討 東海道は大阪万博以来(朝日)
  ■年の瀬十色(抜粋)(朝日)
  ■故郷へ行楽へ 駅や空港混雑(朝日)
31日■強風でダイヤ乱れ JR瀬戸大橋線(京都)
  ■東海道新幹線 検札廃止のぞみ薄 「気ままに乗車」IT降参(朝日)



1日■窓 「環状運行」の地下鉄導入を 左京区・塚谷 康雄(フリーター・34)
 11月25日付当欄に投稿された万と同じく、私も京都市内の「路面電車復活論」に反対だ。信号待ちの停車が多いし、渋滞時に定時運行できなくなるのは明らかだ。
 しかし現状の市内の鉄道網が不十分なのは確かだ。有名な社寺の多くは駅から遠いし、鉄道のターミナルが分散していて不便である。例えば嵐山から洛北方面へ行くのに、電車ならば3回以上乗り換えねばならない。結局、観光客はバスか車を使わざるをえない。
 そこで鉄道の不便さを解消するために、山手線のように「環状運行」する地下鉄を導入すべきだと私は思う。京都駅から七条、東大路、北大路、西大路を通って京都駅まで長方形に一周する地下鉄を敷設すれば、市内に通じるすべての鉄道と結ばれることになる。観光地間の移動が2回以下の乗り換えでできるのだ。
 この沿線には清水寺や金閣寺などの社寺と、京都大学などの多数の教育機関もあるので、必ず採算はとれるはずだ。また、東京の繁華街の多くが山手線と他の私鉄との乗換駅周辺であることを考えれば、多額の投資に見合う経済効果もあるだろう。
 環状地下鉄で鉄道が便利になれば、車を利用する人も減少するのではないだろうか。(京都新聞)
■降りて歩いて 42 近鉄伊勢田駅(宇治市伊勢田町中山) 竹と茶畑 住宅で埋まる
 伊勢田の地名は、伊勢神宮の御料田に由来するといわれる。駅周辺はマンションと住宅がひしめき、かつての御料田をしのばせる景観はない。
 駅西側の緩い坂道を下ると伊勢田神社に行き着く。延喜式にも記された古社で、深い木立が住宅街のまん中に貴重な緑のオアシスを提供している。本殿に向かう長い石畳の参道がよく手入れされ光沢を放っていた。地元民が浄財を集め、4年前に完成させたという。
 「竹やぶと茶畑ばかりの土地が、この30年間に住宅で埋まった。参道整備は、1200年の神社の歴史を守り伝える取り組みでした。町の変化の中でここだけは譲れない一点です」。近所に住む氏子の一人、吉川英之さんが話してくれた。
 坂道を引き返して駅の東に向かい、府道(旧国道24号)とJR奈良線を横切ると、開商店街に出た。
 近くにある旧日産車体社宅と共に歩んできた商店街で、約50店が立ち並ぶ。夕方の買い物時なのに、人通りは数えるほどしかない。今春の日産車体京都工場(宇治市大久保町)の閉鎖で、約800戸あった社宅が取り壊されたためだ。
 厳しい事態にも商店街役員の塩山昌彦さんは悲観していなかった。「各店の売り上げは大幅ダウンしたけど、跡地には新しいマンションや住宅が建つ。2、3年後に人通りは戻るはず。それまで踏ん張ればいい」
 開商店街では、お客さんたちから天ぷら油を回収して、車の燃料にリサイクルする事業に取り組んでいる。地元住民との結びつきを大切に環境にも貢献する試みだ。駅前商店街として先を見すえた商店主たちのたくましさが、うれしかった。(京都新聞)
■私鉄総連は統一ベア
 私鉄総連(坪根真委員長、約15万3000人)は30日、来年の春闘でベアを統一要求する方針を明らかにした。賃上げ要求額は定昇相当分(2.2%)とベア1500円。定昇相当分は、私鉄総連全体の平均基本給から算出すると6400円。12月6、7日の中央委員会で提案し、来年2月に正式決定する。(朝日新聞)
■どっとデジタル 万脳定期 非接触式も登場
 JR東日本が、「Suica(スイカ)」という新しいタイプの定期券を発売しました。非接触式ICカードというもので、今までの磁気式定期券とは違って機械の中を通さず、改札機の決められた部分に近づげるだげで通れるというものです。定期券を取り出して入れる手間がないので、実に便利です。
 さらにSuicaのすごい点は、何度でも使えるプリペイドカードになる点です。専用の機械を通じて定期の中にお金を「ためて」おけば、行き先までの金額や精算を気にせずに改札を通れます。
 しかし、せっかくの便利さも半減なのが今の状況です。それはSuicaがJRでしか使えないからです。首都圏の私鉄は「パスネット」という別のブリペイドカードシステムを使っており、乗り換えには切符や別のカードが必要だからです。IT化の恩恵も人間次第、といういい見本です。(朝日新聞 夕刊)
2日■読者のページ 賞罰あり? 乗務停止1回 我がSL人生 無職 大橋 欽一(名古屋市 75歳)
 子供のころ、蒸気機関車(SL)にあこがれ、機関士となった。しかし、仕事は厳しく、極寒、炎熱、不規則な出退勤。加えて終戦直後のSLの保守状態は最悪で、傷ついた鋼鉄の巨体をいたわりつつ、走り続けていた。乗客は列車のデッキにあふれ、炭水車にまで上がり込み、今では信じられない光景だった。
 昭和21年1月のこと。私のひく10両編成の列車が、東海道線二川駅(愛知県豊橋市)で停車位置を行き過ぎた。急いで駅と打ち合わせ、わずかに後退して5分遅れで出発した。
 私は、自分の運転未熟もあるが、主因は列車のブレーキの調整不良による制動力不足だと訴えた。が、当局から「訓告」と1ヵ月の乗務停止の処分を受けた。国鉄在職41年の中でただ一つの汚点となった。
 時は移り、今年も相次いだ高級官僚の不祥事。それを処する同じ「訓告」の2文字を見て、所業に対する罰の軽さにあぜんとする。(朝日新聞)
3日■信号故障で電車12本運休 草津線6時間乱れる
 2日午後1時45分ごろ、JR草津線石部駅(滋賀県石部町)と、三雲駅(甲西町)の信号が赤のまま変わらなくなった。
 このため、同線は草津駅と貴生川駅(水口町)間が不通となり、午後3時ごろから同区間で代行バスを運行させたほか、石部−三雲間は手信号で電車の運転を再開した。信号は6時間15分後の午後8時ごろ、ようやく復旧したが、この間、上下12本が運休、同15本が最大約1時間40分の遅れ、約5300人に影響した。
 JR西日本と水口署の調べでは、甲西町のJR草津線近くで行われていた野焼きの火が、信号ケーブルに燃え移り、ショートしたらしい。(京都新聞)
4日■JR西完全民営化 正念場の緒駅債務処理 赤字路線存廃も課題
 改正JR会社法の施行で完全民営化を果たしたJR西日本が3日、純粋な民間企業として業務を開始した。1987年の国鉄分割民営化から15年目に実現した完全民営化は、関西鉄道業界を主導する同社にさらなる飛躍への道を開く。だが、国鉄時代の「負の遺産」の処理など課題も多く、今後の経営に真価が問われそうだ。
 「完全民営化の実現を心から喜びたい。鉄道再生に向けた我々のこれまでの不断の努力は間違いではなかった」
 大阪市北区にある同社の本社4階の会議室で3日朝、緊張した表情の幹部社員約200人を前に、南谷昌二郎社長が感慨深げに語った。
 JRの本州3社を政府の規制対象から除外する改正JR会社法が12月1日に施行され、同社は法律上、完全な民間会社になった。政府が日本鉄道建設公団を通じて同社株式の3割超を保有する状態はなお続くが、資金調達や代表取締役の人事、各年度の事業計画の策定などについて政府の認可が不要になり、自由な経営が迅速に実施できる環境が整った。
 しかし、JR会社法の改正に伴い新たに策定された政府の指針には、同社のローカル線の存廃について「地元との十分な話し合い」が盛り込まれるなど、一部に政府の指導権限が維持された。
 同社の路線は地方を中心に約半分が赤字のため「今後も企業としてできる限りの合理化を進める」(広報室)方針だが、赤字路線をめぐる地元との調整には引き続き難しい対応が迫られそうだ。
 旧国鉄から引き継いだ長期債務の連結残高は、2001年3月末で1兆2700億円近くに上る。山陽新幹線鉄道施設を買い取った91年時点の1兆6000億円から大幅に減ったが、少子化や自動車の普及で本業の鉄道収入が伸び悩むなか「05年に1兆円」の計画には、早くも「目標が高すぎ実現は難しい」(首脳)との見方が出ている。 同社はこれまでにも多くの壁を乗り越えてきた。特に95年の阪神大震災では大きな被害を受けたが、懸命の復旧作業でいち早く立ち直った。垣内剛副社長は「あの時、社員の心が一つ一にまとまった」と振り返る。
 同社が掲げる「鉄道再生の第二ステージ」に入ったいま、あらためて役員、社員一人ひとりの「自立と自己責任」(南谷社長)が重要になる。(社会報道部・経済 猪口健司)(京都新聞)
■人身事故で運休や遅れ 朝のJR片町線
 4日午前8時ごろ、大阪市城東区放出西3丁目、JR片町線の放出西第2踏切(警報機、遮断機付き)近くで、木津駅発宝塚駅行きの下り快速電車(7両編成)が、線路内にいた男性をはねた。男性は頭を強く打って死亡した。乗客約2100人にけがはなかった。この事故で後続の快速電車など上下線計28本が運休したり遅れたりし、約2万9000人に影響した。
 城東署の調べでは、住所不定の男性(54)。(朝日新聞 夕刊)
5日■国交省 JR株の売却 本年度見送り 株式市況悪化を懸念
 国土交通省は4日、JR東日本、東海、西日本の本州3社を完全民営化するのに不可欠な政府保有株の追加売却を本年度は見送る方針を固めた。
 純粋な民間会社になる改正JR会社法が施行された1日から、すべての政府保有株を順次売却することを国交省は検討。しかし1)JR株の売却によって株式市場の市況がさらに悪化する可能性がある2)旧国鉄の退職者などへの年金支払い原資に充てる売却益が十分確保できなければ、補助金の投入期間が延び、国民負担が増加する−の理由から見送ることにした。(京都新聞)
■JR西日本が環境会計発表 列車運行で省エネ実現
 JR西日本は4日、環境会計(2000年度)を初めて発表した。環境保全に187億円を投資するとともに47億円を費用計上した結果、省エネルギーや省資源、公害防止など多くの分野で改善が進んでいると自己評価している。
 環境会計は、二酸化炭素を多く排出する石油系燃料に頼らない鉄道交通の環境面での優位性を示すため、環境報告書としてまとめた。環境会計導入はJRグループでは東日本に続き2社目、関西の鉄道会社では初めて。
 総コストの大部分を占めた新型車両導入や車両改修などの省エネルギー対策は、投資159億円、費用2億円で、列車運行エネルギーを95年比で5.4%削減した。同分野では過去約15年間にわたる新型車両導入によって、累積で消費電力量の削減などの経済効果を50億円と試算した。
 また、駅と列車内のごみのリサイクル率は10.4%だった。事務用紙の使用量は社内LANを導入した97年に比べ42%減少した。(京都新聞)
■自転車450台収容OK 阪急桂駅東口 市営駐車場が完成
 西京区の阪急桂駅東口南側の川島北裏町で市が建設していた「桂駅南自転車等駐車場」が完成し、10日から営業を始める。自転車450台とバイク50台が収容でき「駅周辺で絶えない自転車放置の解消につなげたい」(市街路建設課)と期待している。
 桂駅東口広場から旧山陰街道までの間の桂駅東通(約300メートル)の拡幅に合わせ、今年5月から総工費約1億9000万円をかけ建設していた。
 鉄骨2階建てで、南北137メートル、奥行き3.6メートルの細長い形。管理を市駐車場公社に委託する。
 完成に伴い、道路沿いの仮設無料駐輪場は17日で閉鎖される。東口通の拡幅工事は年明けにも着手し、来夏に完成予定。
 新しい駐輪場の営業時間は午前4時半から翌日午前1時半まで。料金は1日1回が150円、回数券(11回分)が1500円、定期券2ヵ月)は一般2700円、学生2500円。定期券の販売は9日午前9時から現地で。問い合わせは市駐車場公社TEL(361)7431へ。(京都新聞)
■沖縄で戦後初の軌道交通 「ゆいレール」試運転
 沖縄県や民間企業などが出資する第三セクターの「沖縄都市モノレール」(那覇市)は4日から、那覇空港−小禄間の約2.7キロで、2003年12月の開業を目指す通称「ゆいレール」の車両の試験運転を始めた。
 レールをまたぐ跨座(こざ)式のゆいレールは、鉄道のない沖縄県で、戦後初の軌道系陸上交通。2両編成で那覇空港と首里城近くまでを約27分で結び、初乗り運賃は260円に設定される見込み。
 午前10時半ごろ、グレーを基調に赤いラインを下部に引いたアルミ製の車両1両が那覇空港駅を出発。平均時速約15キロで、小禄駅間を2往復し、途中の駅で10分間停車しながら走行状態を確認した。来年1月下旬までに、自動列車制御装置(ATC)や騒音、駅安全設備などの試験を実施する。(京都新聞)
■地下鉄中央線突然止まる 東大阪で
 4日午後7時45分ごろ、大阪府東大阪市長田中2丁目の大阪市営地下鉄中央線長田駅付近を走行中の生駒発コスモスクエア行き上り電車(6両編成)が突然停止し、乗客約500人が車内に閉じこめられた。同電車は17分間現場に停車し、再び動き始めたが、次の高井田駅に停車後、再び発車できなくなった。乗客は全員が降り、後続電車などに乗り換えた。(朝日新聞)
■青鉛筆
 関西の主な私鉄・バスに使える「スルッとKANSAI」カードで和歌山、神戸、京都のラーメンを食べ歩く「ラーメン探偵団」ラリーが人気だ。
 ラーメンが和歌山名物になったことから和歌山バスの担当者らが発案。抽選でプレゼントがもらえるほか、店によっては値引きや卵のサービスも。
 計16店が参加、24日まで。「ラーメンをズルッと食べてもらい、乗客増にスルッとつなげたい」。問い合わせはスルッとKANSAI事務局(06・6442・6667)へ。(朝日新聞)
6日■声 携帯専用車両設けてみれば 会社役員 西野 公(大阪府交野市 68歳)
 電車内で携帯電話の使用を自粛するよう、アナウンスがある。携帯電話はいまや必需品になり、出張の多い職業の人は非常に重宝している。相手が得意先の場合、通じないと困ることになる。一種の遊びとして使っている中・高校生らもいるが、親が連絡用に持たせているものもある。
 このような時代に、場合によれば1時間前後も電車に乗っている時に使えないようでは、携帯電話が生きない。先日、満員電車で痴漢にあった女子高生が、友人と携帯メールで連絡を取り合い、容疑者を取り押さえる効用もあった。
 そこで提案だが、電源を切らなくてはいけない車両とそのほかの車両とを区別してはどうか。携帯を使ってよい車両でも、マナーかメールに切り替えておくことを義務づけれはよい。すでに東京では一部で実施されているという。
 以前にJRのモニターをしていて「弱冷車」の提案をしたことがある。「携帯電話」も、関西での実現を期待する。(朝日新聞)
■電車と車接触 上下4本運休 和歌山の南海電鉄
 6日午前6時ごろ、和歌山市神前の南海電鉄貴志川線の踏切で、同市出島、配管工栗栖秀行さん(22)運転の軽乗用車が遮断機を突き破って線路内に入り、通過中の和歌山駅発貴志行きの普通電車(2両編成)の最後部と接触した。電車はそのまま通過、乗客にけがはなかった。車は脱輪し、栗栖さんは頭に軽いけが。
 和歌山東署の調べによると、栗栖さんは「居眠りしていた」と話しているという。この事故で上下4本が運休、9本が最高30分遅れ、約600人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
7日■電車・車 衝突させ訓練 JR
 JR西日本大阪支社は7日、奈良市佐保台1丁目の奈良電車区で、実際に電車と車をぶつけて、踏切内の事故に対応する訓練をした。
 より実践に近いかたちで救助、復旧作業をするのが狙い。廃車にする電車と乗用車を取り寄せた。
 消防隊員も含め約250人が参加。乗客役になった同支社の20人が乗り込んだ4両編成の電車は、時速約10キロで、仮設踏切内に立ち往生した乗用車に衝突。線路に細工をしており、先頭車両は前側車輪をそろりと脱線した。
 運転士が無線で指令所に事故の発生を報告、電車区内に用意した別の車両には発炎筒をたいて事故を知らせた。乗務員は乗客を車外にすばやく誘導した。(朝日新聞)
■本四海峡バス労組 あすストを設定
 大阪、神戸と徳島、淡路島などを結ぶ本四海峡バス(本社・神戸市)の運転手らでつくる労組「全港湾神戸支部本四海峡バス分会」(組合員犯人)は6日、会社側が団体交渉の席に着かない限り、8日早朝の始発から24持間のストライキに入ると発表した。
 労組側によると、99年7月に当時の分会長ら3人が解雇された問題をめぐり、神戸地裁が今年10月に解雇無効や団体交渉権を認める判決を出したのに、会社側が交渉に応じないという。
 会社によると、1日約140便を運行しているうち、ストになれば半数近くが運休になる可能性がある。(朝日新聞)
■琴平電鉄が再生法申請 私鉄で初
 多額の負債を抱え経営不振に陥っていた高松琴平電気鉄道(高松市、千田穣一社長)は自力再建を断念し、民事再生法の適用を7日午前、高松地裁に申請、受理された。子会社のコトデンバス(同、荒木伸社長)も同法の適用を申請した。グループ全体の負債総額は約600億円に上るとみられる。
 国土交通省によると、第三セクターを除く私鉄で法的整理に入るのは初めてという。電車、バスの営業は継続する。
 法的手続きのもとで、有利子負債の圧縮や経営合理化を進め、地域の公共交通機関として再生を目指したい考え。しかし、香川県や沿線自治体、地元経済界の支援姿勢は必ずしも明確でなく、住民の生活に影響が出る恐れもある。
 琴電は10月末に再建基本計画案を策定。取引銀行12行に対し総額 151億円の債権放棄を要請するなど自力再建の道を模索したが、不調に終わった。
 バブル期に計画した駅ビル建設で借入金が拡大。今年1月にはグループの百貨店、コトデンそごうが破たんして琴電の有利子負債は328億円に膨らみ、自力再建が困難になっていた。コトデンバスも大幅な債務超過だった。(京都新聞 夕刊)
■琴平電鉄が再生法申請
 経宮危機に直面していた香川県唯一の私鉄、高松琴平電気鉄道と、子会社のコトデンバス(いずれも本社・高松市)は7日、高松地裁に民事再生法の適用を申請した。同地裁は申請を受理し、両社の財産の保全処分を決定した。負債総額は両社合わせて約400億円。(朝日新聞 夕刊)
8日■降りて歩いて 43 トロッコ亀岡駅(亀岡市篠町山本) 京の入り口、歴史秘め
 嵯峨野観光鉄道のトロッコ嵯峨駅(京都市右京区)から列車に乗り込む。眼下に保津川を眺めながら20分あまり。6両編成の車両が、トロッコ亀岡駅にすべり込んだ。ほとんどの乗客は、バスや徒歩で保津川下り遊船の乗り場へと向かうが、あえて川に背を向け、南に向かって歩く。
 住宅街を抜けて20分ほど。左手前方に條村八幡宮の木立が見えてくる。木々がうっそうと生い茂った境内には、八幡宮と篠村疫神社がある。おん霊のたたりをおそれ、平安時代に京の都へ通じる街道の出入り口6ヵ所に建てられた疫神社のひとつとされる。
 神社の北側を通る旧山陰街道わきには、亀岡市の史跡に指定されている「旗立楊」がある。1333(元弘3)年、足利尊氏がこのアカメヤナギの下で旗揚げし、鎌倉幕府を討つべく京都へと兵を進めた。しめ縄がまかれた楊はすでに枯れ、代わって若い木が葉をつけている。「挿し木がしやすい種類で、この若い木で尊氏のころから数えて6、7代目ではないでしょうか」と宮司の大橋通夫さん(56)はいう。
 来た道を引き返し、トロッコ亀岡駅の手前で右に折れると桑田神社がある。祭神の大山咋命はその昔、大きな湖だった丹波の地を、保津峡を切り開くことで田畑に変えたと伝えられている。
 高台にある境内からは、亀岡盆地が一望できる。陽光にきらめく保津川のそばに、観光客でにぎわうトロッコ亀岡駅のホームが見えた。
 トロッコ列車の運行は12月29日まで。再開は3月1日。(京都新聞)
9日■お仕事拝見 駅売店店員 河下育子(47)北区 混雑時も暗算でピタリ 優しい言葉が励みに 心掛けは笑顔で楽しく
 「いくら?」。新聞と缶コーヒーを買い求める客の問いに、間髪入れず「 250円です」と切り返す。2ヵ月前、レジを取り払った。「ほっとしました。やっぱり暗算の方が早い」と笑う。
 幅4メートルの売り場には、新聞や雑誌、お菓子、飲み物から香典袋まで4、500種類の商品が並ぶ。値札はあるものの、時間を気にする乗降客柏手だけに、値段を頭にたたき込んでおくのは鉄則だ。
 キャリア16年。ずっとJR京都駅の構内で働いてきた。いまは中央口から最も近い1番ホームの店で、一緒に働く若手の指導もする。「店の中の人間関係がぎくしゃくすると、接客態度に出てしまう。笑顔で楽しく、がモットーです」。
 仕事の日は夜が明ける前に寝床を離れ、始発電車に乗り、午前6時半すぎには店に到着する。開店まで20分。店に届くこん包を解き、その日発売の雑誌の値段を確認する。ようやく商品を並べ終わるころ、朝のラッシュが始まる。「忙しい時は、一人のお客さんに1秒もかけていられない」。ひっきりなしに現れる客に、早く正確に、対応するため、手元には釣り銭用の硬貨を山積みする。常連の顔が近づくと、好みのたばこへ条件反射のように手が伸びる。
 昔と比べ、あいさつを交わす人は減ったものの、おなじみさんへの「いってらっしゃい」の一言は欠かさない。「顔を見かけたから」と別のホームからわざわざ買いに来る人、「風邪ひかんようにな」と体調を気づかってくれる人…。時折カウンターごしに届く優しい言葉が励みになる。
 駅の売店にも不況が影を落とす。売り上げを伸ばすため、陳列に工夫を廃らす。夜10時に仕事が終わると、帰り道のコンビニで売れ筋をチェックすることもある。だが、基本の姿勢は変わらない。
 「このあわただしい世の中、立ち寄ったお客さんが少しでもほっとするような売店にしたい」(京都新聞)
■青鉛筆
 8日に退院された皇太子ご夫妻の長女敬宮愛子さま。仙台市青葉区のJR仙山線「愛子駅」では、おめでたの記念に切符を買う人でにぎわっている。
 雪が降っても列はなくならないほどで、待っている人は「記念に『あやし』を『あいこ』にしたら」とも。JRは駅にお祝いの横断幕を掲げる用意も始めた。
 駅員は2人だけ。普段はせいぜい1日1枚の入場券の発行が、8日までに千枚を超えた。駅員らは「お名前を聞いてびっくり。この反響にもびっくり」。(朝日新聞)
10日■国境の鉄路5年ぶり開放 アフガン
 【モスクワ9日=横村出】ウズベキスタンとアフガニスタン国境のアム川にかかる「ハイラタン鉄橋」が9日、完全封鎖から5年ぶりに開放された。国連の援助物資などを積んだ貨物列車の第1便がウズベク側から橋を渡り、アフガンのハイラタンへ到着した。国連は11月から船による輸送を開始したが、橋による大量輸送が可能になったため年内に600〜700トンを運ぶ計画だ。(朝日新聞 夕刊)
11日■京阪バス 醍醐と山科で循環路線 認可申請 来年3月運行へ
 京阪バス(本社・京都市南区)は10日、伏見区醍醐地域と山科区での新たな地域循環バスの運行計画を近畿運輸局に申請した。市営地下鉄の駅や商業施設、公共施設を結ぶ生活路線として30分間隔で走らせる。認可が得られれば、来年3月から運行を始める見通し。
 両地域で一路線ずつを申請した。醍醐地域は、外環状線沿いの醍醐バスターミナルを発着点に、石田地域、旧奈良街道を巡る6.5キロの区間。バス停は16ヵ所を設け、75人乗りの大型車両を使い、午前10時から午後5時まで、北回りと南回りを交互に循環する。
 山科区の路線は、区総合庁舎を発着点に、外環状線を北上して東野地区を走り、西野地区へと回る5キロ。バス停16ヵ所を設け、40人乗り小型車両で午前9時半から午後4時半まで運行する。
 運賃は両路線とも200円。京阪バスは、1日当たり200人の利用を見込んでおり、「採算面では厳しいが、買い物など生活に必要な路線としての定着を期待したい」(営業部)としている。
 醍醐、山科の両地域では、地下鉄東西線の開業によって南北の移動は便利になった一方、東西の移動には不便が多いとして、循環バスの運行を求める請願が市議会に出され、先月採択された。(京都新聞)
■山科、醍醐の両地区 30分おきに循環バス 京阪バスが運行申請
 京阪バス(本社・南区)は10日、山科・醍醐両地区の循環バスの運行を国土交通省近畿運輸局に申請した。
 計画によると、循環バスの運行系統は2系統で、山科総合庁舎を起点に西野、東野の両地区を走る約5キロの路線と、醍醐バスターミナルを起点に醍醐三宝院、随心院などを走る約6.5キロの路線がある。41人乗りのマイクロバスが午前から夕方まで、30分間隔で運行する。運賃は一律200円。来年3月の運行開始を予定している。同社は、各系統で1日当たり200人の利用客を見込んでいる。(朝日新聞)
12日■マイカル撤退のJR駅西口再開発 中小店舗の面積1/10に 長岡京市が見直し案
 大手スーパー・マイカルの撤退で計画変更を余儀なくされていた長岡京市のJR長岡京駅西口再開発事業について、同市は、商業棟の中心店舗の面積を約10分の1に縮小させた見直し案をまとめ11日、市議会建設水道委員会で示した。
 市によると、商業棟を当初計画の7階建て(延べ床面積約6万平方メートル)から6階建て(同約2万3000平方メートル)に変更した。約3万平方メートルの予定だった中心店舗の面積も約3500平方メートルに大幅縮小した。現在、主に食料品を扱うスーパー数社と出店の交渉を進めているという。商業棟には、ほかにスポーツクラブや飲食店などを誘致する予定だ。また、住宅棟や公益棟をあわせた建築物の敷地面積も約1万8000平方メートルから約1万6000平方メートルに減らした。総事業費は約280億円から約2割減る見込み。
 同市は03年度までの着工を目指したいとしている。
 同事業は市が88年に計画。総面積約3万1000平方メートルの土地に商業棟、住宅棟の建設などを盛り込んだ。03年度の完成予定だったが、商業棟の中心店舗になる予定だったマイカルの撤退が昨年9月に決まっていた。(朝日新聞)
■新幹線で停電 京都−新神戸間
 12日午前5時20分ごろから、東海道・山陽新幹線京都−新神戸間の上下線とJR東海大阪第一車両所(大阪府摂津市)構内で2度にわたり停電が発生。新幹線は車両所の車庫から車両の出入りができなくなったほか、京都−新神戸間の送電が一時ストップし、始発から遅れが出た。同7時40分ごろに復旧作業は終わり、運転は再開した。
 JR東海によると、同車両所構内で、架線の支えが切れて地面についていたという。同社で原因を詳しく調べている。(京都新聞 夕刊)
■新幹線13本 停電で遅れ 摂津
 12日午前5時20分ごろ、大阪府摂津市のJR東海大阪第一車両所で停電がおき、東海道・山陽新幹線の京都−新神戸間が停電した。完全に復旧するまで約2時間20分かかった。新大阪発東京行きの「のぞみ44号」など計13本が最大47分遅れ、約8700人に影響した。
 JR東海によると、大阪第一車両所にある送電線を支えているワイヤが切れて停電した。(朝日新聞 夕刊)
13日■近鉄特急 丹波橋に停車 来年3月にダイヤ改正 京阪と連携を強化
 近畿日本鉄道は12日、来年3月20日のダイヤ改正で京都線の丹波橋駅(京都市伏見区)にすべての特急を停車させると発表した。辻井昭雄社長が記者会見で明らかにした。同駅で京阪電鉄とのアクセスを強化、高の原駅(奈良市)の特急停車本数も大幅に増やし、京都線の利用促進を図るとしている。
 近鉄の丹波橋駅は1日乗降客数が約5万6400人。ダイヤ改正で特急は、ほぼ15分おきに停車することになる。特急料金はどの区間も一律500円で、現在の急行利用客のシフトを見込み、初年度1億2000万円の増収効果を期待している。
 京都府南部では、JR西日本が奈良線の一部複線化で輸送力を大幅に増強、京阪も昨年7月から丹波橋、中書島両駅での特急停車を始めており、鉄道輸送のネットワーク機能が一段と高まりそうだ。辻井社長は「丹波橋駅は乗り換えや乗降客の利用範囲が非常に広い。京阪との連携強化で利便性の向上につなげたい」と述べた。(京都新聞)
■近鉄北勢線廃止へ
 近畿日本鉄道(本社・大阪市)の辻井昭雄社長は12日の記者会見で、三重県桑名市と同県北勢町を結ぶ北勢線(20.4キロ)の事業廃止を、02年3〜7月の間に国土交通省に届け出ることを明らかにした。バス輸送に転換するという。
 北勢線は1931年に全線開通した単線路線。ピーク時の75年には1日1万6000人の乗降客があったが、マイカーの普及などで最近は半分まで落ちこみ、7億円の経常赤字となっている。(朝日新聞)
■道路から無人ダンプ34メートル転落 列車と衝突、1人けが 小浜のJR線 東舞鶴間が不通
 13日午前8時23分ごろ、福井県小浜市東勢のJR小浜線勢浜−小浜間で線路に転落した無人のダンプカーに東舞鶴発敦賀行き下り普通列車(2両編成)が衝突した。列車はダンプを押したまま勢坂トンネル内に約30メートル入って止まった。
 1両目の前部車輪が脱線、車両も右に傾いた。乗客の同市西勢、若狭高2年坂本京子さん(17)が頭や肩に軽傷を負った。ほかの乗客約60人にけがはなかった。
 小浜署の調べで、ダンプは同県名田庄村の「名上土建」の所有。作業のため34メートル上の道路わきにある土砂置き場に止めていた。ダンプの松岡博之運転手(24)は乗っておらず、無人のまま斜面をずり下がった後、トンネル入り口手前に真っ逆さまに転落した。列車の運転士が急ブレーキをかけたが間に合わなかった。
 同署はダンプのサイドブレーキのかけ方が甘かった可能性があるとみて、松岡運転手らから事情を聴いている。
 国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会は、調査官1人を事故現場に派遣、調査活動を始めた。
 JR西日本によると、東舞鶴−小浜間が不通となり、同区間を代行バス輸送している。復旧は13日夕になる見通し。
 現場は国道27号と小浜線が海岸沿いに並行して走るところで、勢坂トンネルは全長668メートル。(京都新聞 夕刊)
■ダンプカー落下、列車衝突 JR小浜線けが人1人
 13日午前8時25分ごろ、福井県小浜市東勢のJR小浜線勢坂トンネル西側付近の線路上に、線路わきのがけから無人の4トンダンプカーが転落し、東舞鶴発敦賀行きの普通列車(2両編成)と衝突した。列車はトンネルに入ったところで脱線した。約60人の乗客がおり、通学途中の県立若狭高校2年の女子生徒が頭などに軽いけがをした。小浜線は上下線とも不通になった。
 小浜署の調べでは、ダンプカーは約35メートル上の林道に駐車中、転落したといい、同署は、運転手らから事情を聴く。現場はJR小浜駅の西約2キロ。(朝日新聞 夕刊)
14日■往来危険容疑 運転手を逮捕 JR小浜線転落事故
 福井県小浜市東勢のJR小浜線で、わきのがけから転落したダンプカーと、東舞鶴発敦賀行きの普通列車(2両編成)が衝突し乗客と運転士の2人が負傷した事故で、小浜署は13日夜、ダンプの運転手の同市生守、松岡博之容疑者(24)を業務上過失傷害と過失往来危険の容疑で逮捕した。運転席を離れる際、サイドブレーキを十分にかけていなかったらしい。(朝日新聞)
■アンパンマン列車スタンプラリー
 JR四国は年末年始を中心にアンパンマンスタンプラリーを列車、駅で企画。スタンプの数でグッズがあたる。きっぷ購入時に渡されるスタンプラリーブックを持って合計16ヵ所でスタンプを4個以上押すと、応募できる。スタンプ駅は岡山、高松、多度津、松山、伊予大洲、宇和島、琴平、阿波池田、土佐山田、高知、窪川の各駅。TEL087(825)1635。(京都新聞 夕刊)
■増発のぞみに「抜かれひかり」 新幹線実質値上げの声
 東海道新幹線で「のぞみ」の利用客が増えている。最近2ヵ月は前年同期を4割も上回った。10月のダイヤ改定で増発され、ほぼ30分間隔で運行するようになって利用しやすくなったためだ。だが半面、料金の安い「ひかり」がその分だけ減り、残りもほとんどが後発ののぞみに途中で先を越される「抜かれひかり」になった。長引く不況で、乗客からは「のぞみ乗車を強制されているようなもの。これでは値上げと一緒」と不満の声も聞かれる。
 ダイヤ改定後ののぞみの利用者数は、10月が1年前に比べ38%増、11月も39%増で、絶好調だ。今年度は前年度より20%近く増える見込みだ。
 一方、ひかりは20本減り125本になった。しかも、東京−新大阪間だと、後続ののぞみに途中の名古屋や米原で先を越される「抜かれひかり」が10月以降、57本から91本に急増。抜かれ待ちのため、途中駅で最大7分停車する。このため最も遅いひかりは、東京−新大阪に3時間3分かかる。抜かれないのは朝夕などの一部だ。
 料金を東京−新大阪(片道)で比べると、のぞみが970円高く、回数券だと普通車で1820円、グリーン車で2200円、ビジネス回数券だと普通車で2350円、グリーン車で4550円も高くなる。のぞみが700系と500系、ひかりが1代前の300系の車両を中心に使っているが、シート幅などはほとんど同じだ。
 毎月2回以上、東京を往復する大阪府吹田市の会社員中野良文さん(48)は「ひかりが減り、のぞみに乗らざるをえないダイヤだ。実質値上げと同じ。せめて値段を下げて欲しい」と訴える。
 JR東海の葛西敬之社長は「のぞみはカード会員になれば携帯電話で指定席予約が安くできる。サービス面での価値が高いから料金が高い。ご了承願いたい」としている。(朝日新聞 夕刊)
■JR小浜線を再開
 福井県小浜市のJR小浜線で起きた普通列車とダンプカーの衝突事故のため不通になっていた東舞鶴駅−敦賀駅間は、徹夜の復旧作業で、14日午前8時42分小浜発東舞鶴行き普通列車から24時間ぶりに運行を再開した。(朝日新聞 夕刊)
15日■JR西日本 春のダイヤ改正 円町駅に全快速停車 奈良線、上下10本増発
 JR西日本は14日、2002年春(3月23日)のダイヤ改正の概要を発表した。京滋関連では、東海道線や奈良線などの朝夕の利便性向上を図る。北陸線や紀勢線の特急については高速化や増発を進める。
 京都支社管内では、奈良線で夜間の運行列車を上下計10本増発する。京都駅発宇治方面行きの区間快速が午後9、10時台にそれぞれ2本ずつ増えるほか、京都方面行きの快速も同9時台に1本多くなり、帰宅時の利便性が高まる。
 山陰線の円町駅は利用客の伸びに対応し、同駅に上下計22本の快速をすべて停車させる。
 東海道線については京都駅発大阪方面行きの午前8時台の快速3本を京都−高槻間各駅に停車させ、西大路、向日町、山崎の3駅から快速への乗車機会を広げる。
 滋賀県内でも朝の通勤時間帯に新快速を2本増発し、京都方面への通勤アクセスを改善する。現在、米原駅の午前7時台の新快速は1本だが、長浜駅発午前7時16分と米原駅発同7時50分を新設、京都駅までの所要時間を20分短縮する。さらに京都駅午後7時台発の快速の終着駅を安土駅から米原駅に延ばす。
 湖西線でも、朝の通勤時間帯に近江舞子駅発の京都方面行き普通を1本増発するとともに1日に上下各1本運行している朝夕の快速の停車駅に雄琴駅を加える。
 一方、学研都市線(片町線)では、京田辺−京橋間の朝クラッシュ時間帯で、区間快速10本を新設するほか、同区間の所要時間が2−4分間、短縮される。朝のラッシュ時間帯(京橋着午前7時−同9時)の京田辺−京橋で区間快速が6本、夕刻の同時間帯(京橋発午後6時−同8時)の京橋−京田辺で区間快速が4本、新設される。
 福知山支社管内では、福知山線と山陰線を運行する大阪−城崎間の特急の所要時間が短縮されるが、山陰線の城崎−浜坂間の列車本数は減る。
 大阪−城崎間の北近畿7号は、同区間の特急の最短時間より5分短縮させて2時間28分で運行。山陰線の城崎−竹野、竹野−香住、香住−浜坂の各区間で普通列車の運行本数を1日に15−8本減らす。一方、播但線の姫路−福崎間で、夕方のラッシュ時に合わせて普通列車を上下各2本増発する。(京都新聞)
■京福2線存続 結論先延ばし 福井県知事
 福井県の栗田幸雄知事は14日の県議会予算特別委員会で、廃線届が出された京福電鉄の越前本線と三国芦原線の2路線を第三セクター化して存続させたいとする知事と沿線9市町村の案について「12月中に県議会に方向性を出してもらい、来年1月に沿線市町村と協議し、2月議会で予算案を示したい」と述べた。
 これまで知事は「議論を踏まえ、12月中に最終結論を出したい」としていたが、2月議会に先延ばしする可能性に含みを持たせた。(京都新聞)
■「SL整備」の技に感嘆 滋賀の高校生 梅小路運転区を訪問
 滋賀県立安曇川高の2年生18人が14日、京都市下京区のJR西日本梅小路運転区を訪れ、蒸気機関車の整備現場を見学した。普段、電子工学などのハイテクを学ぶ生徒たちは、整備士の手作業から、「ローテク」の奥深さを感じていた。
 梅小路運転区で車両整備を担当する渋谷純一さん(41)が、機関車の基本構造などを説明。運転区内の整備揚では、点検のため部品がすべて取り外されている蒸気機関車を見せたり、ハンマーで部品の異常を調べる打音検査を実演した。
 初めのうち、「古くさい」などと言っていた生徒たちも、機関車の巨大なボイラー室や整備場内に立ちこめるオイルのにおいに圧倒されたようで、整備士に「打音検査でどんな事故が防げるのですか」などと熱心に質問していた。(京都新聞)
■降りて歩いて 44 KTR峰山駅(峰山町杉谷) 名水求め 訪れる人も
 1990年に改築された駅舎は、丹後ちりめん発祥の地にふさわしく、手機をイメージした橋上駅舎になっている。かつては「ガチャン」と織機の音がするたびに1万円札をつむぎだす「ガチャ万景気」といわれ、通りを歩いていてもあちこちで機音が聞こえた。
 しかし、着物離れなどから生産数量がピーク時(74年)の8分の1ほどに減ってしまった今では、めったに機音を耳にすることはなく、往時を知る人には寂しい時代の移り変わりに映る。
 駅から西に向かって20分ほど歩くと、静かなたたずまいの金刀比羅神社に行き当たる。丹後地方でもその歴史は古く、文化8(1811)年、讃岐ゆかりの峰山藩主、京極高久の遺志により金毘羅権現の分霊を迎えて建立された。
 境内の120段の石段のある山からわき出す水は、名水として広く知られ、手水舎にためられた水を求めてやってくる人も多い。中央には同じ水が注ぎ込む「金比羅の池」があり、200匹のカメと100匹を超すコイが仲良く同居し、子どもたちの人気者になっている。
 また1927年、丹後半島を襲った大震災の時には、町が一面火の海となり、境内は難を逃れようとやってきた被災者であふれたという。脇阪定雄宮司(69)は「ここは住民のいわばオアシス。境内は四季折々の装いをみせ、散策に味わいを添えてくれますよ」と話す。神社北側にはかつて「琴平新地」の名で知られた所があり、1930年代には60人の芸者さんで華やいだという。今でも一帯にはスナックや小料理店が並び、格子戸の家などが当時の隆盛をしのばせる。(京都新聞)
16日■整備新幹線 国費負担減額へ 来年度予算で政府方針 5%減で調整
 政府は15日、2002年度予算編成で焦点となっている整備新幹線建設の国費負担について、概算要求の750億円から減額する方針を固めた。本年度も同額の750億円だが、5%を削減することを軸に最終調整する。
 国費は、昨年末の政府・与党申し合わせに従い、02年末の完成を目指す東北新幹線盛岡−八戸と03年末を目指す九州新幹線新八代−西鹿児島に重点配分される見通しだ。
 しかし、国費の減額で、本年新たに着工した北陸新幹線上越−糸魚川と新黒部−富山、九州新幹線博多−船小屋の3区間と完成時期の前倒しを目指している既着工区間への影響は避けられない。
 公共事業費の10%削減を打ち出した政府の方針に従い、財務省は「整備新幹線も聖域でない」として10%の削減を求めてきた。これに対し、国土交通省や自民党など与党3党は7日、政府・与党申し合わせに沿い、満額確保を目指すことを確認している。
 しかし、(1)税収の収入減もあり満額確保は難しい(2)日本鉄道建設公団に補助金として国費を出し発注する仕組みの新幹線整備は、特殊法人改革の点からも削減が必要−などの理由から、3党も「10%削減ならまずいが、5%前後の削減ならやむを得ない」(自民党運輸族議員ら)との判断に傾いている。(京都新聞)
■駅で身を乗り出し男性が電車と接触 JR西大路駅ホーム
 15日午後11時半ごろ、京都市南区唐橋平垣町、JR東海道線西大路駅ホームで、通過中の姫路行き下り快速電車に近くの飲食店従業員の男性(33)が接触。男性は顔面を打って倒れ、病院に運ばれた。電車は同駅に6分停車後に運転を再開。後続の2本が3分遅れ、計1900人に影響が出た。
 JR西日本などによると、男性は忘年会帰りで、電車通過時にホームから身を乗り出していたという。(京都新聞)
■サンタ登場 トロッコ列車
 嵯峨野観光鉄道(本社・右京区)のトロッコ列車で15日、サンタクロースやトナカイにふんした乗務員らが乗客を迎えた。
 25日まで続ける恒例のサービス。初日のこの日は、サンタクロース姿の乗務員が、乗客の子どもらにキャンデーなどをプレゼント。車掌が「赤鼻のトナカイ」を歌った。
 徳島市から母親ら6人と来た中村奈央ちゃん(6 )は「サンタさんがいてびっくり。うれしかった」。母の恭子さん(27)も「子どものいい思い出になります」と喜んでいた。
 トロッコ列車は、トロッコ嵯峨駅(右京区)−トロッコ亀岡駅(亀岡市)の約7キロを8往復する。19日休み。
 問い合わせは同鉄道(075・861・7444)へ。(朝日新聞)
17日■電車と車衝突 家族4人死亡 防府のJR山陽線踏切
 16日午後2時40分ごろ、山口県防府市台道のJR山陽線の下水上踏切で、山口市湯田温泉六丁目の無職杉山拡誉さん(35)ら一家4人が乗った乗用車と下関発岩国行き普通電車(2両編成)が衝突した。乗用車は大破し、運転していた杉山さんら4人全員が死亡した。
 電車には乗客約50人が乗っていたが、けが人はなかった。
 防府署の調べでは、死亡したのは杉山さんのほか妻真由美さん(30)、長男の小学4年勇稀君(9つ)、長女の幼稚園児美優ちゃん(3つ)。
 踏切には警報機はあるが、遮断機はなく、歩行者と二輪車以外の通行は禁止されている。電車の運転士は、下りの貨物列車とすれ違った後、約90メートル手前で杉山さんの車が踏切内に進入してきたのを見つけ、急ブレーキをかけたが、間に合わなかったという。
 電車は衝突後、乗用車を引きずったまま約 200メートル進んで止まった。
 同署は、貨物列車の通過直後、杉山さんが上り電車に気付かずに踏切を渡ろうとした可能性もあるとみて、詳しい原因を調べている。
 この事故で山陽線は、徳山−小郡間で上り線が約3時間不通となり、約2500人に影響が出た。(京都新聞)
■車と車衝突 一家4人死亡 山口・防府の踏切
 16日午後2時40分ごろ、山口県防府市台道のJR山陽線大道駅−四辻駅間の下水上踏切(警報機付き、遮断機なし)で、下関発岩国行きの2両編成の上り普通列車(乗客約50人)と乗用車が衝突。乗用車に乗っていた山口市場田温泉6丁目の無職、杉山拡誉さん(35)の一家4人が死亡した。列車の乗客にけがはなかった。
 県警防府署の調べでは、ほかに乗っていたのは、妻で店員の真由美さん(30)、長男で湯田小4年の勇稀君(9)、長女で幼稚園児の美優ちゃん(3)。
 乗用車は下り線の貨物列車が通過後、南側から踏切に進入。列車の運転士が踏切の手前約90メートルで乗用車に気がつき、警笛を鳴らし急ブレーキをかけたが間に合わず、乗用車の側面に衝突し、大破した。(朝日新聞)
■東京駅 五話 その1 新幹線は好調を持続
 東京駅の乗車人員1日約48万人は、新宿駅の6割強、池袋駅よりも少ない。
 それでも、山手線、東海道線、総武線、中央線、新幹線など14のJR線が乗り入れ、秋田県から熊本県まで30を超える府県への直通列車が発車する。面積は東京ドーム3.6個分の18万平方メートル。規模随一、日本の鉄道の顔でもある。
 国鉄が分割民営化されて来春で15年。1日にはJR東日本、西日本、東海の本州3社が完全民営化された。
 JR発足後、東京駅には東北、上越新幹線が乗り入れ、長野新幹線も開業。2階建ての赤れんが駅舎を見下ろす中央線の新ホームや様々な新店舗もでき、構内の風景や人の流れも変わった。東京−博多は1時間4分縮まり4時間53分になった。
 この間、JR旅客6社の営業キロは2万1194キロから2万56キロに減ったが輸送人員は約74億人から約87億人に増えた。新幹線の開業や延伸、貨物線を使った旅客輸送、本数増による輸送力増強が反映されている。
 ただ、ピークは96年度の約90億人だった。近年は少子化や景気低迷で乗客数は頭打ち。その中で、いま好調なのが新幹線だ。東京圏の定期通勤や東海道新幹線は増加している。東西の大型テーマパーク開設、不況で企業の支店が減り出張者が増えた、との見方もあるが決定的ではない。JR東海幹部も「分析できない」と首をひねる。(社会部・黒沢 大陸)(朝日新聞)
■非常はしご倒れ阪急京都線が遅れ
 17日午前6時55分ごろ、京都市中京区の阪急京都線の大宮駅手前で、信号が赤のまま変わらなかったため、桂発河原町行き普通電車が7分間立ち往生した。乗務員が調べたところ、地下線内に備え付けの非常はしごが軌道上に倒れていたのが原因と分かった。
 上下合わせて71本の電車が最大12分遅れ、約4万7000人の足に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■小田急線でレールにひび 早朝、7万人に影響
 17日午前5時半すぎ、川崎市多摩区の小田急小田原線生田駅付近で、信号機が赤のまま変わらなくなっているのに、線路を点検していた作業員が気付いた。付近の下り線のレールにひびが入っていることが分かり、小田原線向ヶ丘遊園−新百合ケ丘駅間で上下線とも運行を見合わせた。
 線路を交換して午前9時45分ごろまでに復旧したが、一部区間で徐行運転をしているため、ダイヤが正常化するのは同日午後になる見通し。
 運転見合わせに伴い、JRや私鉄、バスなどで振り替え輸送したが、朝のラッシュ時間帯と重なり、約7万人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■小田急線の線路に亀裂 通勤時、7万人影響
 17日午前、川崎市多摩区の小田急小田原線生田駅付近の踏切で、線路に亀裂が入っているのが見つかった。同線は向ヶ丘遊園−新百合ケ丘間で一時運転を見合わせ、朝の通勤・通学客ら約7万人に影響が出た。
 調べでは、下り線レールの1本が破断して15ミリ程度ほどのすき間ができていた。これにより線路を使った回路に電気が流れなくなり、信号が赤のままになったらしい。(朝日新聞 夕刊)
18日■新幹線「のぞみ」料金に一本化 「ひかり・こだま」値上げへ JR東海方針 03年秋改正へ
 JR東海の葛西敬之社長は17日の記者会見で、2003年秋の東海道新幹線のダイヤ改正の際「料金をのぞみに合わせるのが基本姿勢だ」と述べ、「ひかり」「こだま」料金を値上げして割高な「のぞみ」料金に一本化する意向を示した。
 ただ現行料金でみると、東京−新大阪間で「ひかり」と「こだま」料金を970円引き上げることになるため、「のぞみ」への自由席導入や割引切符など乗客の選択肢を広げる制度も組み合わせる考えだ。
 同社は旧国鉄から受け継いだ膨大な長期債務を抱えており、事実上の値上げで新幹線の収益力を上げ返済原資を稼ぎだすのが狙い。今後、山陽新幹線を運営するJR西日本と調整した上で決める。
 03年のダイヤ改正では品川駅が開業、「のぞみ」が1時間当たり現行の2本から7本に増えて東海道新幹線の主力になる。これに併せ「のぞみ」が別料金となっている料金体系を「シンプルにする」方針。(京都新聞)
■JR特急など遅れ 右京の山陰線踏切 放置自転車はねる
 17日午後5時35分ごろ、京都市右京区嵯峨野々宮町のJR山陰線の踏切で、城崎行き特急電車が放置してあった自転車をはねた。乗客約180人にけがはなかった。
 太秦署の調べでは、自転車は紺色の大人用で所有者は不明。同署が列車防害危険の疑いで捜査している。この事故で特急電車は現場に13分停車したほか、下り電車2本が4−12分遅れ、計約1600人に影響が出た。(京都新聞)
■ジャンボサンタに大喜び 嵯峨野トロッコ列車 職員ら装い車内を巡回 Xマス気分満喫
 嵯峨野観光鉄道(京都市右京区)の列車内に、サンタクロース姿の運転士と車掌が登場、身長2メートルを超える「ジャンボサンタ」も車内を盛り上げ、トロッコ嵯峨(右京区)−トロッコ亀岡(亀岡市)間の乗客にクリスマス気分をプレゼントしている。
 家族連れなどの乗客に楽しんでもらうとともに、オフシーズンの観光振興にひと役買えば−と、同鉄道が昨年から実施。ジャンボサンタは今年初めてお目見えした。
 職員が特製の靴をはいてジャンボサンタになり、クリスマスのイルミネーションで飾り付けた車内を巡回。トナカイを先頭に車内を歩くと、乗客は握手を求めたり、記念撮影をするなど大喜びだった。サンタ姿の車掌も車内でプレゼントを配り、乗客は保津峡の渓谷美を楽しみながら、クリスマス気分を満喫している。
 サンタクロースの乗車は25日まで。23日にはトロッコ嵯峨駅で、高校生がハンドベルでクリスマスソングを演奏する。
 同鉄道は年内は29日まで(毎水曜は休み)運行し、来年3月に運行再開の予定。(京都新聞)
■この人に聞く JR西日本社長 JR西日本社長 「非鉄道」比率高まる
 JR西日本が12月1日の改正JR会社法施行で完全民営化した。国の認可事項がなくなり、自由で迅速な経営が可能になる一方、同社の経営の真価も問われる。旧国鉄時代から民営化をリードしてきた南谷昌二郎社長に経営展望を聞いた。(社会報道部・経済 猪口健司)
・労使関係重要に
 −旧国鉄分割から完全民営化までの15年間をどう振り返るか。
 「あらためて考えると長かったようで短かった。1995年の阪神・淡路大震災や99年の新幹線コンクリート崩落事故などいろいろあったが経営面では96年の株式上場が大きかった。この間特に変わったのは労使関係だ。労働組合が二度にわたり大規模なストライキを打ち、一時は国鉄時代に戻ってしまったと思ったが何とか乗り越え、今はより強固になった。会社存在の法律的な裏付けが消えたいま、利用者や株主、社会の中に存在意義を見つけなければならないだけに、労使関係は一層重要になる」
 −完全民営化に伴い公表した中期経営目標(−05年度)の意義は。
 「経営目標は普通の会社では当たり前だが、毎年の事業計画に政府の認可が必要だった我々にとっては初めてで、最大のミソは将来の目標を数字で示したことだ。借金が多いためこれをスリム化し、より多くの利益を上げていかなければならず、資産効率の向上を中心に据えた。コスト削減では05年に単体社員9000人の減少を示したが、採用抑制で十分対応できる。今後は数字の実現に向けて取り組む」
 −鉄道事業の伸び悩みで、今後の収入増は期待しにくい。
 「将来の収入をどうみるかは一番難しい。特に鉄道収入は就労人口の減少やマイカーの利用増加など課題が多く、放っておけば下がる。幸いUSJ効果などはあるが、短期的に見ても失業率の上昇や景気の悪化などが本年度中に影響する可能性もある。非鉄道部門の売上高比率がますます上がることになるだろう」
・駅から文化発信
 −ホテル・観光事業が重要になりそうだが、グループホテル運営を集約化したジェイアール西日本ホテル開発の役割は。
 「ホテルグランヴィア京都は、開業時からグループのフラッグ・シップ・ホテルで、今後はグループホテル全体のけん引役を期待する。京都で外資系ホテルの進出が本格化しているが、ホテル事業は鉄道事業とは違い利用されなくなったら終わりで、勝つしかない。ホテル・観光などは分社化などで、それぞれの責任体制を明確にしたので、今後は各事業ごとに生き残りを図ってもらう」
 「開業5年目の京都駅ビルでは来年1月に京都劇場がオープンする。多目的利用のできる素晴らしい劇場で、文化発信機能を果たせる。京都駅ビルは観光スポットとしての集客効果も高く、つくってよかったと思う。ただ今後は投資の回収も必要で、ジェイアール京都伊勢丹などがさらに伸びるよう期待している」
 なんや・しょうじろう 東京大経済学部卒。1964年国鉄入社。87年のJR西日本発足とともに取締役人事部長。常務、専務、副社長を経て97年4月から社長。98年5月から1期2年、関西経済同友会代表幹事を務めた。名古屋市出身。60歳。(京都新聞)
■廃止予定の近鉄・北勢線 MK「線路跡にバスを」 三重・桑名市に提案
 近鉄が来年廃止届を国に出す北勢線(三重県桑名市−北勢町、20.4キロ)をめぐり、タクシー会社MK(京都市)が17日、線路跡を専用道路にして代替バスを運行させる提案書を桑名市に渡した。バスは、鉄道に比べ「約2分の1」(同社)の経費で済むという。ただ、線路跡の買収や舗装などで10億円以上の投資になる可能性があり、水谷元市長は「今後検討していきたい」と慎重だった。
 同線は単線のため、バス1台が走る幅しかないが、MKの案では、交通量に合わせ、午前中は上り線用とし、下り線のバスは一般道路を走らせる。午後は逆にする。運賃は200円以下の均一にする。
 事業主体は同市または沿線自治体などとし、MKに運行を委託してもらう。(朝日新聞)
■東京駅 五話 その2 「雨だれ境界」はさみ競争
 東京駅はJR東日本と、東海道新幹線を運行するJR東海が所有する領域に分かれている。分割民営化後、東海道新幹線ホームと、駅構内のホーム直下部分を東海の持ち分とした。JR関係者は、その境界線を「雨だれ境界」と呼んでいる。両社には、それぞれ東京駅長がいる。
 八重洲口の境界付近に8月、縦2メートル、横29メートルと19メートルの巨大な二つの看板が登場した。「新幹線きっぷうりば」と書かれている。掲げたのはJR東日本。正面と斜め向かいにJR東海の窓口がある。「競争ですから」と東日本の社員は話す。
 東海道新幹線の乗降が集中する東京や大阪はJR東日本と西日本管内。東海は両社の切符販売には5%の手数料を払わなければならない。年間1億3000万人が利用するだけに額は大きい。JR東海は9月に携帯電話で指定席が取れる直接販売の「エクスプレス予約」を始めた。
 競争はあるが協力をしなければ駅の運営はできない。新幹線が遅れれば、山手線などは終電後も運転される。境界をまたぐ蛍光灯もある。車いすの客に案内を頼まれたら、相手側のホームでも付き添う。貴賓も同じ。天皇陛下が東海道新幹線に乗るときはJR東日本幹部が丸の内からホームに、下車時は東海の幹部が丸の内まで先導する。
 とはいえ、テレビで見た社員から、こんなつぶやきも漏れる。「何で、向こうの社長がうちの領域を案内しているんだ?」(社会部・黒沢 大陸)(朝日新聞)
■渋滞解消この1枚で 乗り放題切符で初の交通実験 来月から大阪で
 公共交通機関がチケット一枚で乗り放題−。近畿地方整備局や大阪府は、慢性的な交通渋滞を解消するため来年1月に、地下鉄やバスなどが乗り放題のチケットを利用した交通マネジメント(TDM)の実験をする。
 TDMは、自動車の通行量をさまざまな方法で減らして大気汚染を軽減する対策。府によると、乗り放題のチケットを利用したTDM実験は、全国で初めてという。
 実験は来年1月17日から2週間の予定。大阪市と隣接の東大阪市を対象地域として、モニター企業には両市内の地下鉄やバス、近鉄各線が無料で乗車できる「TDMチケット」を配布し、公共交通機関の利用を促す。
 両市を結ぶ国道308号の交通量は1日約5万台。営業用など企業の車が多く、終日渋滞しているという。府は実験後にアンケートを実施し、車利用の自粛を求める条件などを詳しく調査する。
 府道路整備課は「東京や名古屋、京都など公共交通機関が発達しているところなら、今回の実験結果が参考になるのでは」と期待している。(京都新聞 夕刊)
19日■新幹線「値上げ」思惑2社二様 東海 輸送シェア背景 強気/西 「ひかり」に比重 慎重
 03年秋のダイヤ改定をめどに調整中の新幹線の料金一本化問題をめぐり、JR東海と西日本の思惑の違いが浮かび上がった。東海道新幹線が東京圏−大阪圏輸送の8割という圧倒的シェアを背景に、料金を「のぞみ」に統一して実質値上げを狙う東海。これに対し、山陽新幹線を運営する西日本が慎重姿勢なのは、「ひかり」の利用率が高く、値上げ感が強くなるためだ。両社とも料金一本化方針は決めているものの、どの水準に置くかで、綱引きが続きそうだ。
 JR東海の葛西敬之社長は17日の会見で、ひかりと「こだま」の料金をのぞみ水準に引き上げる考えを示した。現行料金だと、東京−新大阪間のひかり(指定席)は970円の値上げになる。
 東海がこうした方針を示せた背景には、東海道新幹線の利用度の高さがある。東京圏−名古屋間輸送でのシェアは100%、東京圏−大阪圏も84%(ともに99年度)。
 東海にとっては旅客収入の9割を占めるず抜けた稼ぎ頭で、料金一本化に伴って値下げなどしたら、収益源に直結する。
 東海が、のぞみの運行本数は現在の1時間あたり2〜3本から、03年秋には7本に増発する予定であるのも、「利用者は、ひかりよりのぞみを望んでいる」(同社)という強気の読みがあるからだ。
 一方、JR西日本は、料金をいくらに統一するかは検討中だが、「のぞみにあわせるとは限らない。ひかり・こだま料金との間で考えていく」(幹部)という。
 西日本が東海と異なるのは、航空機との競争状況だ。近畿−福岡間の新幹線のシェアは60%(00年度)で、7割を超していた90年代前半に比べて低下している。
 さらに西日本は昨年3月に「ひかりレールスター」を投入し、ひかり料金でのぞみと同じ新型車両を走らせている。新大阪−博多間はのぞみより26分長くかかるが、指定席をグリーン車並みの左右2列にするなどの工夫で、乗車率はのぞみの約5割を大幅に上回る8割超に達している。
 そういう現状なのに、全体をのぞみ料金に統一すれば、「のぞみが受け入れられている東海以上に、大幅な値上げと受け止められる」と西日本はみている。値上げしても逆に客離れが起きれば、収入減につながるからだ。(朝日新聞)
■くらし きょうは「分煙の効果は」(抜粋)
 他人のたばこの煙を吸い込んでしまう受動喫煙は、がんや心臓病、乳幼児突然死症候群など多くの病気の原因になります。受動喫煙による肺がんで、年間千人から2000人が国内で死亡しているとの推計もあります。最近は役所やオフィスなどで空気清浄機を置いた「喫煙コーナー」が増え、分煙対策が進んできているように見えます。でも清浄機だけでは受動喫煙の健康被害が防げないこともわかってきました。(添田 孝史)
・列車・旅客機で分煙機器 「技術的に困難」と断念
 秋田新幹線「こまち」のグリーン車は、これまで一つの車両を喫煙席と禁煙席に分けて使っていた。JR東日本によると、両方の席の空気が混じり合わないように気流を制御し、空気清浄機を使うことで分煙できるはずだった。だが、喫煙しない乗客からは不評で、今月から全面禁煙にした。
 分煙機器は、93年からJT(日本たばこ産業)と共同開発。禁煙席に流れ込む煙粒子は3分の1に減らせたが、ガス状の有害物質の削減効果ははっきりしなかった。JTの担当者は「受動喫煙のリスクがどのくらい減るかわからない」という。
 日本航空もJTと、客室の分煙を94年から97年まで実際に運航している機体で実験した。しかし採用は断念、全面禁煙にした。「分煙は技術的に難しかった」と言う。
 電機メーカー側も、清浄機の限界を認め始めた。日本電機工業会は10月末、「空気清浄機では、一酸化炭素など除去できない成分がある」というお知らせをホームページに載せた。
 同工業会は「粒子などの成分で取り除けるものもあるが、そもそも受動喫煙の被害を減らす目的の機機ではない」と説明する。
 たばこの健康被害に詳しい兵庫県洲本市の医師、山岡雅顕さんは「空気清浄機では有害成分の1割しか取り除けないというデータがある。それを知らずにたばこ対策に購入している人はまだ多い」と話す。
 山岡さんは今年7月以降、同工業会に空気清浄機の性能について適正に表示するよう申し入れ、同工業会がお知らせを載せるきっかけになった。(朝日新聞)
■JR、証券のデータも流出 オウム信者持ち出す
 大手金融グループのコンピューターシステム・データ流出事件にかかわったオウム真理教(アレフに改称)の信者が、JRグループの鉄道会社や証券、通信関連会社など計8社のシステムのデータも無断で持ち出していたことが19日、警視庁公安部の調べで分かった。
 公安部はシステム開発を担当した大手通信会社「NTTコミュニケーションズ」(NTTコム)や8社に連絡。いずれのシステムも不正アクセスなどの被害は確認されなかったが、「システム外注時の情報管理が甘すぎる」と業界に注意を呼び掛けている。
 今回のケースは同日、東京都内で開かれた、電力、鉄道などの企業で構成する「サイバーテロ対策協議会」で報告された。(京都新聞 夕刊)
■踏切内で女性はねられ死亡 大阪・高石
 19日午前6時15分ごろ、大阪府高石市東羽衣7丁目の南海本線羽衣5号踏切(警報機、遮断機付き)で、羽倉崎発難波行きの普通電車(6両編成)に女性がはねられ、死亡した。高石署の調べでは、女性は70議ぐらい。この事故で後続電車3本が最大13分遅れた。(朝日新聞 夕刊)
■東京駅 五話 その3 減った事故増えた停車
 すべての新幹線は、東京駅からの指令で動いている。
 駅某所にある指令室では、輸送、信号、電力などを受け持つ各指令が運行に目を光らせている。見学者は「詳細な場所は内密に」と念を押される。
 安全・安定輸送は多くの人や設備で支えられている。東海道・山陽新幹線の場合、東京駅から博多駅までの線路や施設の保守作業をする作業員は毎晩3500人。ドクターイエローの愛称で知られる検査用新幹線も新型になった。
 民営化後、JR全体の事故件数は減った。国土交通省のまとめでは、87年度の927件が00年度には489件になった。多くを占める踏切事故の減少が大きな理由。光線やコイルを使った障害物検知装置、大きな警報機の設置、防止キャンペーンなどの効果があったようだ。
 自動列車停止装置なども拡充された。1月の新大久保駅の転落事故後はホームの安全対策、米同時多発テロ後には線路や重要施設の保安も強化された。
 半面、災害、故障、自殺などで運休や遅れが出る「運転阻害」は増えた。00年度の約2800件は87年度のほぼ2倍。本数増だけが原因でない。在来線の列車走行100万キロあたりの件数も2.5件から4.6件になった。「安全装置や雨量、風速計が増え、停車する回数が増えた」「疑わしきは止める原則が徹底されるようになった」。各社はこんな説明をする。(社会部・黒沢 大陸)(朝日新聞)
20日■JR西も料金一本化を検討 山陽新幹線
 山陽新幹線を運営するJR西日本の南谷昌二郎社長は19日の記者会見で、「2003年秋をめどに『のぞみ』『こだま』『ひかり』の料金を一本化する方向でJR東海などと協議を進めている」と述べた。
 一本化する際、のぞみにも自由席を設けることや、料金を具体的にどう設定するかは今後じっくり検討するという。(京都新聞)
■窓 JRの米原駅 乗り継ぎ不便 草津市・村井 敏邦(公務員・41)
 全国に線路を延ばしているJRが、分割会社のため、不便になったと感じている人は案外、多いのではないか。JR西日本と東海の2社が乗り入れている滋賀県の住民にとっては、日常生活でその不便さを実感している。2社の合流地点である米原駅を利用している私にも、このところ困っていることがある。
 仕事の帰り、これまで割合、乗り継ぎがスムーズだったのに、10月のダイヤ改正で、15分ほどの待ち時間ができてしまった。暖かいころならいいが、雪の便りも届きだしたこれからの時期、寒いホームで待っているのはつらい。狭い待合室に入れない乗客がホームにあふれる時間帯があって、足踏みをしたり、コートのえりを立て首をすくめる人が、言葉にならない不満顔を見せている。
 ホームで駅員に尋ねたいことがあっても人がいないのに、Jスルーカードを販売する駅員は目立つ。営業ノルマも大変だろうが、自社の利潤ばかり追い求めないで、乗客の利便性も考えてもらいたい。(京都新聞)
■(PRのページ)21世紀の快適なまちづくり・歩く緩行ルート実現へ 環境にやつしくおしゃれ
 京都に次世代型路面電車(LRT)を走らせよう−と京都商議所が提言を出した。21世紀の快適なまちづくりや歩く観光ルートの実現をめざして、国際観光都市・京都の交通システムの主役に、環境にやさしく、おしゃれな路面電車を提起している。行政の取り組みや市民運動も含めて、実現に向けて動き出した「京都にLRTの走る日」を追った−。
●「京都に路面電車(LRT)の走る日」 堀川通など7路線に 行政・市民 実現へ発車 京都商議書の「提言」 京都商工会議所地域開発・都市整備委員会は1998年に「京都におけるまちづくり問題に関する報告」で提起した「歩く観光ルート」を実現するため、新交通システムの構築の必要性を訴えてきた。
 昨年6月に稲盛和夫前会頭を団長とする欧州経済視察団がフランスのLRTを見学、試乗したのをきっかけに京都におけるLRTの導入について検討を重ねる一方、今年6月には平井義久委員長を団長とする「LRT欧州視察団」を派遣。商議所会員のほか京都市交通局、同都市計画局関係者や私鉄、電力関係者、弁護士など24人でドイツやイタリアなどのLRT導入都市を視察。行政担当者などからLRT導入の契機や公共交通の経営の現場、路面電車でにぎわいを増した商店街、市民の反応などをつぶさに体感して帰国。大学教授ら専門家をまじえた専門部会で調査、検討を重ねてきた。
 同会議所は11月12日、環境や高齢者にやさしい公共交通手段として京都にLRTの導入を京都市に提案した。提言には▽四条通を中心とした環状線▽京都駅〜東山観光路線▽金閣寺〜銀閣寺間の今出川通を走る東西観光ルート▽南部高度集積地区へのアクセス路線▽地下鉄東西線から洛西、南部、東部を結ぶ環状路線▽堀川通の南北軸の新たな幹線としての路面交通▽既存鉄道とのネットワーク形成のための市内環状線−の7路線を具体的に提案している。
 提言を受けた京都市では「京都の総合交通政策の選択肢の一つとしてLRTは魅力的なメニューだ。市民合意などの課題も多いが、市民生活の機能性や新たな観光プランとしてもLRTの導入を積極的に検討したい」と、実現に向け一歩を踏み出した。
 京都商議所では「観光客5000万人構想の実現と京都経済活性化、快適なまちづくりのためにもLRTの導入は必要だ。古都京都にLRTはよく似合う。まず市民合意と商業関係者の理解を得ながら、経済界がリーダーシップを取り、COP3が開催された京都を環境・観光都市にふさわしい、日本初の路面電車復活の都市にしたい」という。
●先進の英・仏・伊では 省エネ、低公害で好評 街並みにマッチ 公共交通の主役
 都市の市街地を走る路面電車が復活してきたのは、そんなに古い話ではない。1970年代に起ったオイルショックが起点になった。
 時あたかもモータリゼーションがピークを迎え、道路の渋滞と排気ガス公害が深刻化してきた。省エネ、低公害、大量輸送をかかげて、クルマ社会から追い出されつつあった路面電車が再び都市の公共交通の主役として脚光を浴びてきた。
 90年代にフランスのストラスプールに復活した路面電車は、流線型のおしゃれなデザインで超低床。静かで乗り心地も良く、たちまち人気を呼び、市民の足どころか観光客がどっと押し寄せ、新型電車の走る町として一躍脚光を浴びた。
 ドイツのミュンヘンでは、市街地の多くの道路を歩行者専用道路にして都心の魅力を演出。路面電車にも新しい工法を取り入れ、低公害と美しいデザイン、低コストのLRTの開発を手がけて都心のにぎわいを取り戻している。フライブルグでは都心周辺の環状道路沿いに地下駐車場を設置、街にあふれていた駐車車両を一掃、美しい町並み保存に成功している。
 京都と同規模の人口150万のイタリアのミラノ市では、交通渋滞がピークに達した70年代から同市の外堀、内堀にパーク・アンド・ライドシステムを導入して市内への自動車流入規制を実施。路面電車を市内の重要な公共交通と位置づける新交通計画を立て、3つの国鉄駅や地下鉄、バスなどと結び新しく3本の路面電車を建設中だ。
 京都と同じく一時路面電車を廃止したフランスやイギリスでもLRTを復活させ、過去20年間で世界の約50都市で路面電車が復活、新設、建設中、検討中を含めると100都市にのぼる。
 去る6月に京都商議所の「LRT欧州視察団」の一人として参加した京都弁護士会の山下信子弁護士は「フライブルグではパーク・アンド・ライドが徹底されて、すっきりした町中を斬新なデザインの電車が走り感動しました。低床で騒音もなく線路には芝土が埋められて草花も生えて、環境にも配慮されていた。『LRT導入には情報を公開して市民の合意を得る粘り強い闘いがあった』という市当局の話が印象的でした」という。
●日本の地方都市では 19都市、20路線で運行 レトロ、次世代型を導入 バスと共存・観光資源に
 日本でもLRT導入の動きが活発化してきた。現在、路面電車の走っている19都市20路線の事業者で全国路面軌道連絡協議会をつくり、LRTによるまちづくりに乗り出している。すでに広島、松山、熊本など6都市が導入、来春までに岡山、高知、鹿児島などが続々とLRT導入に踏み切る予定だ。
 日本最大規模の路面電車を走らす広島電鉄では京都、大阪などの廃止になった都市の電車を当時のままの姿で走らせているほか、車両の近代化を推進。1999年にドイツから超低床車両「グリーンムーバー」8編成を輸入、来春にはさらに13編成に増車する一方、旧型車両の全車低床化を進めるなど本格的に次世代型路面電車を軸とした交通システムの実現をめざしている。
 松山市の伊予鉄道でも今春、初の日本製の次世代型電車を導入した。今秋に走らせた「坊っちゃん列車」と並んで城下町を走る新旧の電車が市民や観光客の人気を集めている。高知の土佐電鉄でもすでにドイツやポルトガル、ノルウェーなど5か国の中古電車を購入して観光資源化。今春にはJR高知駅に乗り入れて交通連結点の強化をはかるなど来春のLRT 導入に向け電車主導のまちづくりを推進している。
 4年前に日本で初めてドイツからLRTを導入した熊本市交通局。ピーク時には7系統25キロも走っていた市電が40年代に入って相次いで廃線に追い込まれたが、現在旧市街地に残った2系統12キロを基軸に、再び路面電車復活に向けて走り出している。人口の急増した郊外の住宅地の入り口の電停からバスにつなぐバス・アンド・ライドで、バスと鉄道との共存を模索している。
 100円電車で市民や観光客の足になっている長崎の路面電車(長崎電気軌道)は、運賃の安さで乗車率日本一をキープして黒字経営を続けている。市街地を走る路面電車は市民の足としての主役の座を守りながら全国の路面電車を安く購入して観光客にアピール。ほとんどの観光地が電停から近い上に、分かりやすいイラストマップを設置して「歩く長崎」を先取りして成功した。目下、電線を中央部分に移すセンターポール化に取り組んで景観アップに乗り出している。(企画・制作 京都新聞社広告局)(京都新聞)
■東京駅 五話 その4 幅広いビジネスチャンス
 回転ずし、コンビニ、パン、洋服、本…。東京駅は構内だけでも店舗が210を超える。床屋、ギャラリー、インターネットが使える待合室もあり、ライブ演奏も開かれる。
 昨年から今年にかけて、資材置き場だった部分に店舗街、丸の内側には三国清三シェフと業務提携するレストランが開店した。八重洲側の国労会館跡周辺には店舗やホテル、オフィスからなる複合ビルができて、雰囲気が変わった。
 民営化後、駅に保育所やスポーツクラブが開設されるなど事業展開は多彩になった。JR7社の子会社は計320社に上り、JR東日本グループの駅ビルの売り上げは大手百貨店並みの約9300億円に達する。
 外米を使った駅弁「O-bento」、社内教育用のシステムを応用したJR東海の試験問題作成ソフトなど、話題にも事欠かない。かつては、マグロやスッポンの養殖にも手をのばしたが、最近は採算重視の路線だという。一方、国鉄時代からの借金などで上場3社の長期債務は計10兆円を避えている。それでも、連結純利益は今年3月期で計1500億円に達した。
 通勤や通学、出張、旅行、人が集中する駅や列車内のビジネスチャンスは幅広い。乗り換えだけではなくなってきた東京駅の役割も、まだ広がりそうだ。「東京駅は、どこかで必ず工事をしている」。東京駅勤務が長い駅助役の印象だ。(社会部・黒沢 大陸)(朝日新聞)
21日■市営地下鉄東西線 延伸整備に補助
 2002年度予算の財務省原案に、「地下高速鉄道整備事業費補助」として全国枠で512億3400万円が計上された。この中に、京都市の地下鉄東西線の二条−天神川間(2.4キロ)の実施設計と、六地蔵−醍醐間(2.4キロ)の建設工事の補助金も盛り込まれ、同線の延伸整備に弾みがつくことになった。
 二条−天神川間は01年度予算で新規採択され、今年5月に国土交通省の鉄道事業許可を受けた。02年度は、すでに一部で取りかかっている実施設計をはじめ、埋蔵文化財関連の工事や街路樹の移転工事などが予定されている。03年度に本格着工し、07年度の開通を目指す。
 一方、六地蔵−醍醐間では、トンネルなどの大規模工事や軌道、信号などの土木工事が行われ、04年度10月の開通を目指している。(京都新聞)
■オレンジページ売却 負債圧縮 ダイエー、JR東に
 経営再建中のダイエーは20日、女性向け生活情報誌最大手の「オレンジページ」を発行する子会社のオレンジページ(東京)の全保有株式9858株(発行済み株式の98.58%)を84億5000万円で、JR東日本に売却すると発表した。
 今年8月末時点で、約2兆3000億円に達するダイエーグループの有利子負債削減策の一環。ダイエーは本業の小売りを中心に、グループ事業の再編を進めており、出版は本業と関連が薄いと判断した。
 ダイエーは来年2月末までに、有利子負債をさらに600億円削減し、約2兆2400億円とする目標を掲げている。
 10月には子会社が保有する横浜ドリームランド(横浜市)の土地約90億円の売却を決定。今回のオレンジページと合わせ、9月から来年2月末までの下半期の削減目標の3分の1を達成したことになる。
 オレンジページは月2回発行で、部数は毎号90万部前後。
 JR東日本は、オレンジページの経営権取得で、今後の重点分野である生活サービス事業の商品開発力向上を目指す。(京都新聞)
■乗客急病30分停車 JR・奈良線で遅れ
 20日午後5時20分ごろ、JR奈良線の奈良行き電車が、体調不良を訴えた乗客の救急搬送のため、城陽市長池の長池駅で約30分間停車した。JR西日本によると、上り3本、下り4本の列車計7本が32分−2分間遅れ、2500人に影響が出た。(京都新聞)
■京日記
 ◇「貴婦人」の愛称がある蒸気機関車(SL)C57型を解体整備する「全般検査」が20日、京都市下京区のJR梅小路運転区で行われた。
 ◇全般検査は4年に1度行われる。山口県のJR山口線で運行しているC57型を同運転区に運び込み、作業員十数人が慎重にボイラー室を取り外した。
 ◇運転席や煙室の扉が取り外された重さ12.3トンのボイラー室はまるで大砲のよう。台車からクレーンでゆっくりと持ち上げられると、作業を見守る家族連れや鉄道ファンらは安どの表情を浮かべていた。(京都新聞)
■ローカル13路線合理化 来春 本数・車両減らす JR西日本
 赤字減らしのためにローカル線の大幅な「合理化」を検討していたJR西日本は来春、桜井線(奈良−高田)、小野田線(居能−小野田)など5路線の全区間、紀勢線(亀山−和歌山市)、福塩線(福山−塩町)など8路線の一部区間で列車の本数を間引いたうえ、大半の編成を半分に減らすことなどを具体的に決めた。列車のワンマン化や駅の無人化も進める。87年の同社発足以来、これはどの規模でローカル線を一括”切り捨て”するのは初めて。
 来春、全区間が対象になっている5路線は桜井線、小野田線のほか宇部線(小郡−宇部)、岩徳線(岩国−櫛ヶ浜)など。一部区間が対象の8路線は紀勢線の新宮−白浜、和歌山線(王寺−和歌山)の高田−和歌山など。同社が2年前から始めた「合理化」はこれで計26路線延べ約1500キロで、同社在来線の約30%に及ぶ。
 これらの路線や区間では列車本数の20〜10%を削減し、同時に4両編成を2両編成に、2両編成を1両編成に減らす。2000本以上をワンマンカーにし、原則2両編成だったワンマンカーを4両編成に拡大する。
 また、新たに約50駅を無人駅にする。乗客の少ない和歌山線などでは毎月1、2回、昼間4時間程度、列車の運行を止める。こうした方法で、最大40%の経費を削減するという。
 同社がもつ約5000キロの在来線のほぼ半分が赤字ローカル線で、山陽新幹線、京阪神の在来線の黒字で補っているという。
 今月1日、改正JR会社法が施行され、事業計画策定や代表権のある役員の選任に国の認可が不要になった。同社は今後一層、ローカル線の「合理化」を進める方針。(朝日新聞)
■JR東日本 東京モノレール買収 ダイエー系出版社オレンジページも
 JR東日本は加日、羽田空港と都心を結ぶ「東京モノレール」と、生活情報出版の「オレンジページ」を買収する、と発表した。羽田とJR路線をつなぐことで航空路線と競合する東海道新幹線のJR東海を意識した戦略も予想される。オレンジページでは生活サービス産業への展開を図る。JR東日本は今月1日の改正JR会社法の施行で規制が緩和されて経営の自由度が高まっており、多角化に弾みがつきそうだ。
 東京モノレール(資本金30億円)は、日立物流の100%子会社。日立物流の親会社、日立製作所が株式の3割を30億円で、JR東日本が7割を70億円で取得することで合意した。売買は来年3月末までの予定。
 当面、早朝や深夜にJRと乗り換えやすいダイヤ編成や、モノレールとJRを組み合わせた割引商品、JR東日本のICカード「スイカ」のモノレールヘの導入などを進める。駅や線路などの改良工事、運賃体系見直し、成田エクスプレスなど成田空港へのアクセスとの連携も模索するという。
 東京モノレールは64年開業。浜松町駅−羽田空港の16.9キロを結び、1日14万人が利用する。01年3月期の売上高は155億円、経常利益1億円。98年11月に京浜急行が羽田空港に乗り入れ、経営環境は厳しくなっていた。
 一方、オレンジページ(資本金5億円)については12月27日付で、ダイエーから84億5000万円で99%の株式を取得する。JR東日本は「従来は薄かった最終消費者との接点を強化したい」という。経営再建中のダイエーは、来年2月期連結決算で売却益37億円を特別利益に計上する。
 オレンジページは85年に同名の生活情報誌を発刊。料理や家事など身近で実用的な記事に人気があり、月2回で約90万部発行している。01年2月期の売上高は94億円、経常利益は16億円。(朝日新聞)
■東京駅 五話 その5 時代と世相の変化映し
 東京駅前では24日から始まる光の祭典「東京ミレナリオ」の準備が進んでいる。JR東日本分で駅の1日売り上げが多かった日のベストテンでは、年末が8つを占める。鉄道は間もなく最も忙しいシーズンを迎える。
 以前は、11月末には指定席予約のため窓口に長い行列ができたが、最近は帰省時期の分散、電話やネット予約も普及して少なくなった。同行の子どもの数、手にする荷物も減った。
 駅員や車掌たちは、そんな変化を見つめてきた。
 宅配便の普及や人気下降のためか、この時期でもスキーを持つ乗客は珍しい。新幹線通学、私服の修学旅行生も目立つようになった。女性グループの旅行も増えた。新幹線内ではワインを楽しむ人が多くなり、カップ酒はあまり見かけない。
 「乗客からのひどい暴力も10年前は考えられなかった。列車の遅れで『この時間で稼げた分を補償をしろ』と言う人も増えた。神経質になっているのでしょうか」。車内でのんびりしていた出張の会社員はパソコンを使っている。「でも、半数ぐらいはゲームをしていますね」
 気つかず足早に通り過ぎる人ばかりだが、中央通路の10番線付近の柱に「浜口首相遭難現場」と書かれた案内板がある。赤れんが駅舎だけでなく、5、6番線の開業時の支柱、京葉線天井の影絵、隠れた名所も多い。帰省や旅行の前にちょっと探検するのも面白いかも知れない。(社会部・黒沢 大陸)(朝日新聞)
■声 「鉄道唱歌」を暗記した95歳 ホームヘルパー 関原 和子(大阪府吹田市 52歳)
 私が在宅介護をしているYさんは、95歳である。寝たきりではあるが、新聞をいつも読み、現代世界の出来事にも関心を寄せている。
 Yさんが一番好きなのは、歌を歌うことである。中でも「鉄道唱歌」が好きだ。1番、2番までは暗記されていたが、その後は忘れてしまっていた。そんな時、Yさん宅に介護実習に来た方がそのことを知り、パソコンで検索して68番までの歌詞を持ってきて下さった。新橋から神戸まで各地の風景を見事に描写してある歌詞であった。
 その後二人で歌詞を見て歌うのが日課となった。29番くらいまでは、しっかりと歌われる。3週間ほどたったある日、3番から5番までを暗記して大きな声で歌われた。
 本当に驚いた。そしてYさんは、私を見てうれしそうに笑われた。素晴らしい笑顔だった。
 95歳の方に暗記力などはないもの、と決めつけていた自分が恥ずかしかった。人間の可能性は、死ぬまで尽きぬものとわかった。お年よりから学ぶこと、得ることの多い今日このごろである。Yさんほんとうにありがとう。(朝日新聞)
22日■嵐山交通実験 一方通行、バス専用レーン 円滑走行に効果は大
 「第4回嵐山交通対策研究会」が21日、京都市右京区内で開かれた。先月、同区の嵐山地域で、市が幹線道路を一方通行に規制してバス専用レーンを設け、100円バスを運行した大規模交通実験の結果や、同時に行われた交通量調査の速報値などが報告された。来年の本格的な実験に向け、今後とも研究会で議論を深めることにしている。
 実験は紅葉のシーズンの先月18日と23−25日を中心に実施。18日だけは、長辻通などの幹線道路を一方通行に規制し、バス専用レーンを導入。4日間とも100円バスを運行させた。
 研究会には地元の自治連合会や商店街、府警、交通事業者の関係者ら約40人が出席。市の担当者らがデータを示し、▽18日のバス専用レーンは、規制がなかった23日より円滑な走行だった▽18日はバス専用レーンを使い緊急車両が走れた−として、通行規制は公共交通の優先などに効果があったことを指摘。100円バスの利用者は4日間で2750人に上ったことも報告された。
 一方、▽準備不足で実験の周知が不十分だった▽100円バスが最大1時間以上遅れ、定時運行できなかった−などの課題も上がった。
 市は来年再開する研究会で、交通量調査の詳細な分析結果ほか、観光客や住民を対象にしたアンケート結果を報告。本格的実験に向け、議論を深めたいとしている。(京都新聞)
■降りて歩いて 45 近鉄・桃山御陵前駅(京都市伏見区観音寺町) 社寺多く”歴史の宝庫”
 高架の駅を降りて、目の前の大手筋通から東を見ると、御香宮神社の赤い大鳥居が目に飛び込む。西には京阪伏見桃山駅から、アーケードのそびえる伏見大手筋商店街へと続く。今も旧市街地の面影を残す伏見桃山地域。朝夕は通勤や通学客、昼間には買い物客が通りを行き来する。
 駅前の放置自転車が多いのが地域の悩みだ。今年11月、京阪伏見桃山駅、近鉄桃山御陵前駅の駐輪場整備などを考える「地域の自転車等駐車対策協議会」が発足した。放置自転車対策を考えるため、行政と住民、鉄道事業者が駐輪場の整備や啓発活動をしていこうと集まり、知恵を絞ることになった。
 交通の要衝という役割は、昔も変わらない。御香宮神社の三木義則宮司は「トラックがなかった時代は、大手筋通を牛や馬がお洒などの荷物を積み、国鉄桃山駅まで砂ぼこりを上げながら運んでました」と振り返る。 御香宮神社内にある桃山天満宮が、1969年まで駅のすぐ横にあり、三木宮司はガタン、ゴトンという電車音を聞いて育った。新年の三が日には、桃山御陵に参拝する人でにぎわい、駅からバスが出るほどだった、という。
 マンションが増えて都市化の進む地域だが、御香宮神社をはじめ、神社仏閣が多く、歴史の宝庫でもある。酒蔵も宇治川支流沿いに残り、観光地という顔も見せる。中書島地域を含んだ伏見地区は昨年、国の中心市街地活性化法の適用地域に選ばれた。現在、地元商店主たちが中心となって、活性化策を模索している。これからも、地域は新たな表情を見せてくれそうだ。(京都新聞)
■大阪モノレール 2期、年初にも着工 地権者と府が合意 07年一部開業目指す
 採算性への疑問などから工事が先送りされていた大阪モノレール国文都市線の2期工事が、来年初めにも着工されることが21日決まった。大阪府と地権者らが同日、合意した。
 2期工事は、阪大病院前駅から国際文化公園都市東センター駅(仮称)までの約6.5キロ。合意によると、モノレールの支柱などの建設費用406億円の6割を都市基盤整備公団や民間会社などの地権者が支払い、残り4割を府と国が負担する。駅の内装などの費用216億円は、地権者が全額負担する。
 2期工事の建設費として府は00年度予算に14億円、01年度当初予算に10億円を計上した。しかし、モノレールを運営する府の第三セクター大阪高速鉄道は、約173億円(00年度)の累積赤字を抱えており、府や同鉄道の費用負担をめぐって話し合いが続き、着工が先延ばしになっていた。
 来年1月下旬にも入札をし、阪大病院前駅〜西センター駅(仮称)間の4.3キロを07年春に開業できるよう工事を進める。西センター以北は国際文化公園都市の開発状況に合わせて整備する。
 府は「大阪高速鉄道の負担がなくなり、ほぼ採算が確保できる」(土木部街路課)としているが、国際文化公園都市の宅地は一部の開発しか固まっておらず、2期工事の採算性は不透明だ。(朝日新聞)
■帰省混雑は29・30日
 JR西日本、東海などJRグループは21日、年末年始期間(28日〜1月6日)の指定席の予約状況を発表した。予約率は東海道新幹線約46%、山陽新幹線約45%、西日本の在来線約36%。帰省ラッシュは29、30日、Uターンラッシュは1月3日という。(朝日新聞)
■衝突、トラック線路に 国道9号 2人死傷 JR山陰線に乱れ 八木
 22日午前8時35分ごろ、京都府八木町大薮の国道9号で、大型トラックとワゴン車2台が追突・衝突し、ワゴン車の亀岡市吉川町、飲食店店員西田誠さん(24)が約2時間後に死亡、大型トラックの丹波町豊田、北村真也さん(36)が軽傷を負った。大型トラックが近くのJR山陰線の線路内に飛び込み、八木−吉富駅間が午前11時半ごろまで不通となり、乗客約6200人に影響が出た。
 園部署の調べでは、踏切近くの交差点を右折しようと停車中の京都市西京区川島栗田町、塗装作業員田中伸治さん(29)のワゴン車に、西田さんのワゴン車が追突、西田さんの車は反対車線で大型トラックと正面衝突。大型トラックが弾みで山陰線垣内踏切近くの線路内に進入した。この事故で山陰線は、園部行きの普通電車が八木駅で停車したのをはじめ、特急を含む上下24本が運休。JRは亀岡−園部駅間に代替バスを走らせたほか、八木駅などで乗客をタクシー輸送した。また現場近くの国道9号が一時、渋滞した。
 現場は八木駅の北西約1キロ。沿線の各駅は連休を利用して旅行する家族連れや学生らで混雑した。京都駅でも大阪経由への変更を誘導する場内アナウンスを行うなど対応に追われた。(京都新聞 夕刊)
■JR山陰線 事故で不通
 22日午前8時36分ごろ、京都府八木町大薮の国道9号で、亀岡市吉川町の飲食店員西田誠さん(24)の乗用車が、対向してきた大型ダンプ=北村真也さん(36)運転=と衝突し、西田さんは頭を強く打ってまもなく死亡した。大型ダンプははずみで、国道横のJR山陰線の線路内に飛び込んで止まり、動けなくなった。
 JR西日本は、同線の亀岡−園部間で上下線の運転を見合わせた。午前11時40分現在、特急4本を含む計24本が運休し、約6200人に影響が出ている。両駅間では、バスが代行運転されている。(朝日新聞 夕刊)
23日■女性はねられ死亡 JR西大路駅
 22日午後5時半ごろ、京都市南区のJR西大路駅で、大阪府高槻市の女性(68)が京都行き特急「はるか」にはねられて死亡した。後続の特急1本が運休し、11本が30−5分遅れて約4000人に影響が出た。
 JRによると、運転士は「ホームの鉄さくを乗り越えて飛び込む人影を見た」と話しているという。(京都新聞)
■中学校嘱託員 電車で女性触る 容疑で逮捕
 電車内で痴漢行為をしたとして奈良県警西和署は21日、同県斑鳩町龍田西4丁目、大阪市立天満中学校の非常勤特別嘱託員の稲田薄明容疑者(61)を県迷惑防止条例違反の疑いで現行犯逮捕した。稲田容疑者は容疑を認めているという。
 調べによると、稲田容疑者は同日午後10時半ごろ、JR関西線大阪発加茂行きの電車内で、奈良県北葛城郡に住む女性会社員(21)の左胸を触った疑い。女性が王寺駅で駅員に引き渡した。稲田容疑者は、酒を飲んで帰宅途中だったらしい。(朝日新聞)
25日■国労脱退者が新労組 約600人「不採用問題」見切る
 国鉄分割・民営化に伴うJRの不採用問題に揺れる国労(高島昭一委員長、2万4000人)の一部組合員が集団で国労を脱退し、24日、新労組「ジェイアール東日本ユニオン」(新井修一委員長)の結成大会を東京都内で開いた。
 1987年の分割・民営化以降、国労組合員が集団で脱退したのは初めて。
 あいさつで新井委員長は「(不採用問題は)政治解決以外にあり得ないことは明白だったが国労自らの手で閉ざしてしまった」と述べた。
 参加メンバーは、国労執行部の政治解決路線を支持してきたグループ。与党3党と社民党の協議が進まないことに見切りを付け「政治解決は破たんし、国労運動は終えんした」として独自労組の結成に動いた。
 今後、不採用問題にはかかわらず、JRグループ有力産別のJR連合に加盟申請する。
 同ユニオンは国労脱退者の受け皿を目指し、JR東日本管内の秋田、仙台、東京、長野、横浜から約600人が加入する見込み。国労本部は「人数が少なく、不採用問題に影響はない」としている。
 不採用問題をめぐっては昨年5月、与党3党と社民党の「4党合意」で政治解決の枠組みが示され、国労は今年1月の定期大会でJRに対する法的責任の追及を断念。4党の政治解決にゆだねることを決定した。
 現在も4党の協議が続いているが、解決の道筋はついておらず、裁判闘争での決着を主張するグループがなお一定の影響力を持つなど、組織内対立も解消されていない。(京都新聞)
■オウム裁判〈12月〉 検察側立証大詰め 新実被告 心情、当時と変わらず
 オウム真理教松本智津夫被告(46)=教祖名麻原彰晃=の公判は12月、第217−217回が東京地裁(阿部文洋裁判畏)で開かれた。5月から続いていた元幹部新実智光被告(37)の尋問が終了。残る元幹部遠藤誠一被告(41)も次回で証言を終える予定で、検察側立証は大詰めを迎えた。新実被告は猛毒のVXを使った2件の殺人未遂事件などで証言。遠藤被告は地下鉄サリン事件で松本被告が指示したとされるサリン生成について答えた。地裁は、弁護側立証の開始を来年5月とする案を提示。立証準備のために長期休廷を主張する弁護団と、速やかな立証開始を求める検察側との協議が続いている。
・215回公判(6日)
 (新実被告はこれまで「VXはシャンバラ(理想郷)をつくるためのヴァジラヤーナ(殺人を容認する教義)の一環として利用されると思っていた」と述べている)
 弁護人 VXを使って個別殺人を連続して試みていくのは、シャンバラ化計画の中でどう位置付けられるのか。
 新実被告 尊師(松本被告)が「百人ぐらいオウムに反対している人が亡くなれば、だれも逆らう人がいなくなる」と言っていた。
 弁護人「『100人ぐらい変死すれば教団を非難する人はいなくなる。一週間に一人ぐらいをノルマにしようか』と言った」と(以前)証言しているが。
 新実被告 言葉はそれでいい。
 弁護人 言った時期は。
 新実被告 オウム真理教被害者の会(当時)会長の永岡弘行さんをVXで襲撃するための第一回の謀議のときではないか。(聞いたときに)わたしと尊師以外はいなかったので。
 弁護人 どんな流れで出てきた。
 新実被告 永岡さんのポアに関連して、オウムに反対している人という関係では。まだがんがんやるという意思表明ではないか。
 弁護人 どう思った。
 新実被告 本当に実践するのかなと。そうであれば、わたしたちはカルマ(悪業)を受けてこれ以上にぼろぼろになる、どこまで耐え忍ぶことができるかと考えた。
 弁護人 冗談と受け止める余地はなかったか。
 新実被告 本当に実践するか判断しかねたのはもちろんそう。ただこれまでの経験からすると、だいたいは言葉通り実行された。どこまで本気だったかは、尊師が答える問題。
 弁護人 永岡事件の具体的指示があり、あなたの意識を鼓舞し、励ますために言ったとは受け取らなかったか。
 新実被告 そうかもしれない。わたしも(VXをかける実行者の)山形さん(山形明受刑者)を鼓舞するため、尊師がこんなこと言っていた、と伝えたので。井上さん(井上嘉浩被告)にも言ったと思う。
 弁護人 他の教団幹部に言ったことは。
 新実被告 ない。言っているとすれば井上さんにだけ。
・216回公判(7日)
 (宗教諭を交えながら事件の状況や当時の心境を明確に語る新実被告の証言や供述について、弁護側が「本当に当時思ったことなのか」と信用性を追及)
 新実被告 「オウム正史を語るには、率直に語った方が違う面にスポットを当てられる。『ごめんなさい』もいいが、どうしてやったのかをきちんと証言できるのはあなたしかいない」とわたしの弁護人に諭された。自分の不利や利益を捨てて、当時あったことを述べ、評価は任せることに徹しようと考えた。
 弁護人 いろんな意味合いを整理して、確信的に述べているように見える。
 新実被告 後知恵ではないかと。
 弁護人 そう。
 新実被告 多角的にしようと、いろんな経典を用いて表現しているが、根本は当時の心境と変わらない。
 弁護人 あなたの法廷での証言は「今から思うと」というのが多い。人は自分の過去を正当化したいと思うのが普通。過去の事実を美化したいと。教団は革命を目指していたというが、今振り返っての願望の表れではないか。
 新実被告 自分の公判でも裁判長に「そんなことで被害者の方が納得すると思いますか」と言われたが、世間が納得するかしないかに関係なく、真実を述べているつもり。自分を正当化して周囲に認めてもらいたいという気持ちはない。
 弁護人 過去の麻原さんを美化したいと、指示があったことをつくっている部分があるのではないか。
 新実被告 今回死んだ人のカルマを受けて今の尊師がある。人間は一点を見るのではなく、魂の流れを見るべきだ。過去、今、未来の尊師を見つめていきたい。一瞬の浮き沈みに過敏に反応するのではなく、長い輪廻(りんね)転生で今後どうなるのか注目している。過去は過去として真実を述べ、未来がどうなるか見定めたい。
 弁護人 今も麻原さんへの帰依は揺るぎないのか。
 新実被告 はい。
 弁護人 あなたはオウムの正史を語りたいと言った。麻原さんは弁護人にも話してくれない状態。麻原さんに正史を語ってほしいか。
 新実被告 尊師に対する希望は一つだけ。最終完全解脱を目指してほしい。それ以外の世俗的なことは尊師の判断にお任せする。公判で述べる、述べないとか、わたしは何も望むことはない。
 (この言葉で新実被告の証人尋問は終了した)
・サリンで遠藤被告 だれでもつくれる
・217回公判(20日)
 (地下鉄サリン事件で、遠藤被告に弁護側が反対尋問。事件前々日の1995年3月18日未明、東京都内の飲食店で「正悟師」昇任祝いの食事会が開かれた。山梨県上九一色村の教団施設に帰るリムジンの車内で、遠藤被告は松本被告から「サリンつくれるか」と聞かれた)
 弁護人 あなたは麻原さんの言葉を現実的ではなく一般的な話として受け取ったと証言しているが、麻原さんがあなたの知識や経験をどう考えていたのかが重要。サリン生成の経験はあったか。
 遠藤被告 ない。
 弁護人 麻原さんはそれを知っていたか。
 遠藤被告 知っていたはず。麻原さんとサリンの話をしたことは一度もない。
 弁護人 サリン生成の中心は中川さん(中川智正被告)と土谷さん(土谷正実被告)。
 遠藤被告 はい。
 弁護人 サリン生成の知識はあったか。
 遠藤被告 94年1月にロシアに行ったとき、中川さんと同室だった。雑談で生成方法を簡単に説明してくれた。間違って記憶していたが。
 弁護人 ほかには。
 遠藤被告 この程度。サリンの化学反応式も書けないし、どんな反応原因になるかも知らなかった。しかし実際に指示を受けてつくっていたのは女性の信者。言われた通りにやるだけならわたしにもつくれる。だから「条件が整えばできると思います」と答えた。
 弁護人 だれでもつくれるということか。
 遠藤被告 化学系の実験器具を使ったことのある人ならだれにでもできる。
 弁護人 麻原さんはあなたの知識をどの程度理解していたのか。
 遠藤被告 分からない。
 弁護人 できないと分かっているが修行としてやらせる、いわゆるマハームドラーだったのでは。
 遠藤被告 わたしはすべてのワークはマハームドラーだと思っている。(京都新聞)
■解決推進派 国労を脱退 採用巡り新組合
 JRの採用差別問題をめぐり、国労(2万3000人)の組合員約600人が脱退し、24日、新組合「ジエイアール東日本ユニオン」を結成した。脱退したのは、JR東日本社内の秋田、長野、仙台、東京の各地本の一部で、4党合意に基づく解決の積極推進派。最高裁で係争中の採用差別問題の訴訟取り下げなどに踏み切れない本部執行部の対応を「及び腰に終始し、解決の道はなくなった」と批判している。国労本部は「容認できない」としている。
 新組合は24日、東京都内で開いた結成大会で、委員長に新井修一・前国労本部執行委員(長野地本)を選出。結成趣意書で「展望のない国労運動と決別する」としている。国労の分裂は、分割・民営化をめぐる路線の対立から87年2月に主流派(旧社会党右派系)が大量脱退して以来。(朝日新聞)
■インドネシア 列車衝突 41人死亡? 断食明け満席
 【ジャカルタ25日共同】インドネシア警察によると、中ジャワ州ブルブスの国鉄駅付近で25日午前4時35分(日本時間同6時35分)ごろ、ジョクジャカルタ発ジャカルタ行きと、対向するジャカルタ発の旅客列車同士が正面衝突した。ニュース専門ラジオ「エルシンタ」によると、41人が死亡し、多数の負傷者が出ている。
 警察当局によると、少なくとも27人が死亡、35人が重軽傷。
 同国では今月16、17日のイスラム教の断食明け大祭のUターンラッシュが始まっている。列車は満員だったとみられ、犠牲者の数が増える恐れもある。
 現場は複線区間で、ポイントや信号操作の誤りの可能性がある。
 今回の現場に近い西ジャワ州チルポン駅では9月にも、36人が死亡する事故があった。(京都新聞 夕刊)
■USJと神戸間の定期航路また廃止
 米国映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)と神戸を結ぶ定期航路を開設した「エピアンクルーズ」(大阪市)は25日、乗客確保が難しいとして、同航路の廃止を国土交通省神戸海運監理部に届けた。神戸−USJ間の定期航路はこれで3社が廃止を決め、五島産業汽船(長崎県)が運航する高松−神戸−大阪・天保山−USJ間の1日2往復だけとなった。(朝日新聞 夕刊)
■列車衝突 28人死亡 インドネシア
 【ジャカルタ25日=北郷美由紀】インドネシア・中部ジャワ州ブラベス内の駅で25日早朝、列車同士の正面衝突事故があった。同駅当局者によると、これまでに事故による28人の遺体を収容した。死傷者数はさらに増える模様だ。
 停車中のスラバヤ発ジャカルタ行きの列車に、ジャカルタ発ジョクジャカルタ行きの列車が突っ込んだ。(朝日新聞 夕刊)
■ラッシュの梅田 改札機がダウン 御堂筋線で23台
 25日午前7時40分ごろ、大阪市北区、市営地下鉄御堂筋線梅田駅の北改札口にある自動改札機全23台が、乗車券を入れても開かない状態になった。ラッシュと重なったため、同駅は全改札機をそのまま通れるように開放した。乗車客については他駅で降りる際に有人改札口を利用してもらうなどして対応した。改札機は、同9時20分に復旧した。同日運行終了後に再点検し原因を調べる。(朝日新聞 夕刊)
■踏切内で男性はねられ死亡 岸和田、阪和線
 25日午前9時10分ごろ、大阪府岸和田市土生町のJR阪和線東岸和田南一踏切で、男性が京都発関西空港行きの特急「はるか9号」(6両編成)にはねられ、死亡した。岸和田暑の調べでは、男性は70歳ぐらい。
 はるか9号は現場に8分停車した。JR西日本によると、この事故で上下計4本が部分運休し、後続の下り8本が6〜12分遅れ、3500人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
■京都劇場 「オペラ座の怪人」で幕開け 劇団四季、元日から無期限ロングラン
 JR京都駅の駅ビルにある「シアター1200」が改装を機に「京都劇場」と改称し、来年1月1日、劇団四季の人気ミュージカル「オペラ座の怪人」で”こけら落とし”をする。京都では初の無期限ロングラン。主役に予定されている高井治、村田恵理子コンビは「ぜひいい舞台を」と張り切っている。
 同劇場は平安京遷都1200年を記念して97年にできた駅ビルとともにオープン。当初はジャニーズ・ジュニアを起用したショー中心の作品で修学旅行生らの人気を集めた。その後、若者らの”舞台離れ”が進み、座席や照明などの設備を改善。四季と提携してミュージカルで再スタートすることになった。
 パリ・オペラ座を舞台に、歌姫のクリスティーヌをめぐり、なぞの怪人と、オペラ座の経営者で彼女に思いを寄せるラウル子爵との恋争いを軸に描く。アンドリュー・ロイドウェバーの代表作で、四季は88年から公演に入り、これまでに314 万人の観客を動員している。
 高井は東京芸大大学院を卒業し、音楽大学で非常勤講師をしていたが、99年にオーディションに合格して入団した。「キャッツ」などに出演し、今年4月の仙台公演で怪人役に抜てきされた。村田も同芸大の出身で、93年に入団。「夢から醒めた夢」や「キャッツ」に出演、97年の名古屋からクリスティーヌを演じている。
 「私で怪人役は8人目と聞いている。まだ役についたばかりで戸惑うことが多い。もっと演技や歌を深めて観客の心に訴えかけたい」と高井。ステージ回数が400回を超えたという村田は「先輩のマネでなく、手あかがつかないように一回一回新鮮な気持ちで歌うようにしています。完成度が高いミュージカルなのでいつもプレッシャーを感じています」と苦労を話した。
 現在、8月末までのチケットを発売中。1万1000〜3000円(平日のマチネは1万〜2000円)。問い合わせは四季京都公演本部(075・353・3551)へ。(朝日新聞 夕刊)
26日■阪神バス最大80円安く 来年2月 規制緩和受げ「競争力高める」
 阪神電鉄(本社・大阪市)は25日、大阪市と兵庫県東部を営業区域とする路線バスの運賃の大半を、来年2月1日から最大80円値下げして、210円(子どもは110円)の均一運賃にすると発表した。国の規制緩和措置で、来年2月から路線の開設が自由になるため、「競争力を高める」(広報室)のが狙い。現在の運賃は210〜290円で、距離に応じて5段階に分けられている。定期券も同様に均一運賃とする方針。(朝日新聞)
■声 電車の席取り 子は見ている 主婦 石田 育子(大阪市 33歳)
 ある駅で、電車が停車した時、ドアが開く前から、中学生ぐらいの女の子が車内をのぞいていました。座席を取ることばかり考えていたようです。案の定、降りる人を押しのけるようにして乗り込み、私の座っていた前の席を家族3人分取りました。
 その時、小1ぐらいの妹が、お姉ちゃんに「降りる人が先やんな」と言いました。彼女は、妹の頭を殴って「うるさい!」。妹は、母親に同じことを言いました。母親は「いいねん。黙ってなさい」と怒りました。
 妹は教えられた通りに言ったのに、くつがえされて黙ってしまいました。大人がそうやって子供に、ずるく間違ったことを教えているような気がしました。(朝日新聞)
27日■窓 路面電車でも渋滞解消無理 左京区・塚谷 康雄(フリーター・34)
 最近、次世代型路面電車(LRT)と銘打って、京都市に路面電車復活をという主張が目につくが、大きな誤解があるようだ。まず、路面電車は見かけほど便利ではない。信号待ちのために約半分の時間がむだになるからだ。信号待ちのない地下鉄などでは、ホームまでの従来の時間と待ち時間と停車時間を含めても、車より速く移動できる。路面電車では、そのほかに車と同じ信号待ちがあるので、車より遅くしか移動できない。
 次に路面電車で市内の渋滞が解消できるというのも誤りだ。市内の主要道路は片側2車線が大部分で、路面電車を導入すれば1車線ずつしか残らない。渋滞時に軌道に進入する車があったり、障害物をよけるために軌道側にはみ出す車があれば、電車は前に進むことができない。仮にさくを設置して車の進入を防いだとしても、歩行者の多い京都では交差点で右左折と直進の3車線が確保できなければ、右折車が軌道に流入する。つまり、路面電車は渋滞と「共倒れ」になる。マイカー利用者が相対的に不利になる、渋滞と無関係の交通機関でなければ問題は解決しないのだ。
 机上の空論や懐古趣味で、このような欠陥システムを唱えるのはやめてほしい。(京都新聞)
■炎天下に過酷業務 慰謝料支払い JR西に命令
 JR西日本の吹田工場(大阪府吹田市)で夏の炎天下、1メートル四方の枠内に炎天下で立ち続ける業務に従事させられたとして、社員2人が同社と業務を提案した総務科長を相手に約275万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が26日、大阪地裁であった。松本哲泓裁判長は「著しく過酷なうえ、健康への配慮にも欠ける。使用者の裁量権を超える違法な作業だ」と指摘、2者に約44万円の慰謝料支払いを命じた。
 JR西日本の二階堂暢俊・京都支社次長の話 当社の主張が理解を得られなかったことは誠に残念に思う。内容を検討のうえ、今後の方針を決めたい。(朝日新聞)
■新実被告に死刑求刑 オウム11事件
 地下鉄、松本両サリン事件や坂本堤弁護士一家殺害事件など11事件で計26人を殺害したとして殺人罪などに問われているオウム真理教元幹部・新実智光被告(27)の公判が26日、東京地裁(中谷雄二郎裁判長)であった。検察側は「被告が教団によるほとんどすべての凶悪犯罪に関与し、最も血生臭い役割を担当した」と諭告し、「極刑をもって臨むほかない」と述べて死刑を求刑した。来年3月26日に弁護側の最終弁論が行われる。
 論告は、新実被告が関与した事件を列挙。殺人を正当化する教団前代表・松本智津夫(麻原彰晃)被告(46)が指示して実行されたと指摘した。「いまだに松本被告の教義を狂信的に信奉し、改しゅんの情はおろか人間的良心の一かけらも見いだせない」と強く批判した。
 弁護側は、元信徒の田口修二さんを殺害した以外の事件については、松本被告を首謀者にした内乱罪にあたると主張していた。内乱罪では首謀者以外は死刑にならない。
 これに対し、検察側は、両サリン事件を起こしたのは強制捜査の阻止やサリンの人体実験が目的だったと指摘。「国家破壊を目的とした内乱罪とはほど遠く、個別的な動機による凶悪犯罪にほかならない」と指摘した。
・外崎被告に二審も無期 サリン散布役送迎
 地下鉄サリン事件の際、散布役を車で送迎したなどとして、殺人などの罪に問われたオウム真理教元信徒・外崎清隆被告(37)に対する控訴審の判決が26日、東京高裁であった。中西武夫裁判長は、無期懲役を言い渡した一審・東京地裁判決を支持し、弁護側の控訴を棄却した。弁護側は上告する方針。(朝日新聞)
28日■東海道新幹線 びわこ栗東駅 JR、正式協議を
 滋賀県などが誘致している東海道新幹線の新駅「びわこ栗東駅(仮称)」について、JR東海の土井正明総合企画本部副本部長が27日、県庁を訪れ、「正式な協議を始めたい」とする文書を手渡した。
 県交通政策課は「これまでの要望や新駅予定地周辺の区画整理事業が進んでいる現状を理解してもらえたと思う。設置に向けた着実な一歩」と話し、年明けにもJR側と協議を始める。
 新幹線新駅は、県や湖南地域の市町、経済団体が1988年から、東海道新幹線とJR草津線が交差する栗東市下鈎に2007年度の開設を目指して誘致を進めている。県は2月、新駅や関連施設の整備基金として5億円を積み立てている。(京都新聞)
■乗り放題など特典も 初詣乗車券 関西各社多彩に
 関西の鉄道各社はこのほど、2002年正月の初もうで乗車券を発売した。
 JR西日本は京阪神で使える「新春初詣乗り放題きっぷ」を販売。31日から1月3日まで有効で、京都や奈良の社寺3ヵ所で、くじや絵馬などの特典を受けられる。山陽新幹線の普通車指定席が大人1万5000円で乗り放題の乗車券も。
 近鉄は、伊勢神宮や橿原神宮などへの往復割引乗車券が主力。30日から2月末まで全線が連続3日間乗り放題で、特急割引券を2枚付けた「新春遊レールパス」も。
 京阪電鉄は、京阪線と男山ケーブル対象の「おけいはん初詣チケット」と、大津線用の「初詣フリーチケット」。31日から1月6日までで、沿線の主要社寺の朱印を押す記念印帳を合わせた。
 阪急電鉄の初詣乗車券は3種類あり、31日夜から7日まで。神戸高速線を除く全線対象の「初詣1DAYチケット」も。八坂神社や平安神宮、北野天満宮での記念品券を付けた。(京都新聞)
■大みそか終夜運行 京都市バス・地下鉄
 京都市は、初もうで客へのサービス向上を図るため、大みそかから元日早朝にかけて、市バス、地下鉄を例年通り終夜運行する。
 市バスは、大みそかの午後9時ごろから、元日午前5時ごろにかけ、JR京都駅、四条大宮、出町柳などから、北野天満宮、平安神宮、八坂神社、清水寺などへ向かう特別号、特201号、特206号の各系統の便を臨時運行する。15−25分間隔で運行し、主要な停留所にのみ停車する。
 地下鉄は、元日午前零時から、烏丸線、東西線とも終夜運行。両線ともほぼ20分間隔で、計56本の電車を走らせる。(京都新聞)
■滋賀・栗東市に新幹線の駅 JR東海検討
 JR東海は27日、滋賀県栗東市の東海道新幹線の米原−京都間に、新駅の設置を検討することを決めた。年明けから滋賀県などと協議を始める。実現すれば、同線では88年に新富士、掛川、三河安城の3駅ができて以来になる。
 予定地は、栗東市下鈎の東海道新幹線と草津線が交差する付近。周辺は大阪、京都のベッドタウンとして最近人口が増えており、琵琶湖などへの観光客の利用も見込めるという。200億円を超える設置費は、地元が全額負担する方針だが、JR東海は「採算性などを見極め、1〜2年以内に正式に判断する」(広報室)としている。
 現在のダイヤで想定すると、新駅には「こだま」33本がとまり、新大阪への所要時間は在来線より15〜10分短縮される。米原−京都(68.1キロ)は東海道新幹線で駅間が最も長いことなどから、滋賀県など地元15自治体が約13年前から新駅設置を求めている。(朝日新聞)
■JR「トワイライト」工事終えあす公開
 大阪−札幌を丸1日かけて走るJR西日本の豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」(週4往復)の車内が全面改装され、29日に大阪、京都両駅で公開される。
 同特急は、じゅうたんを敷き詰めた個室など高級ホテル並みの豪華さが人気の一つ。だが定期運行を始めて12年たち老朽化したため、じゅうたんやイスの取り換え工事が進められていた。
 29日の車両公開は、京都駅で午前10時〜正午、大阪駅で午後2時30分〜午後4時30分。問い合わせはJR西日本大阪テレホンサービス(06・6345・8001)へ。(朝日新聞)
29日■新幹線から男性転落死か 走行中ドア開き停車
 28日午後8時20分ごろ、山口県徳山市内の富田トンネルを走行中の博多発新大阪行き山陽新幹線「ひかり394号」で、ドアが開いていることをランプが示したため、運転士が緊急停止。
 車掌が調べたところ、7号車のドアが開いているのを確認、約15分後に運転を再開したが、後続車の乗員が線路わきに男性が倒れているのを見つけた。男性は間もなく死亡が確認された。徳山署は男性が走行中の新幹線のドアを開けて転落したとみて、詳しい原因を調べている。
 JR西日本によると、死亡したのは50歳前後の男性。7号車では非常用ドアコックが使われた形跡があった。 この事故で、後続の15本に遅れが出て、計約4000人の乗客が影響を受けた。(京都新聞)
■新幹線ドア開け男性飛び降り? 小郡−徳山間
 28日午後8時20分ごろ、山口県内のJR山陽新幹線小郡−徳山間で、博多発新大阪行き「ひかり394号」(8両編成、乗客約250人)のドアの異常を示す「戸閉め表示灯」が点灯。急停止して調べたところ、7号車の非常用ドアコックが操作されて乗降用扉が開いていた。約20分後、後続の「こだま582号」の車掌が、徳山市の富田トンネル内で男性が倒れているのを見つけた。JR西日本は、男性が扉を開けて飛び降りた可能性があるとみている。JR西日本や山口県警によると、男性は50歳前後。呼びかけても返事がなく、死亡が確認された。列車は異常点灯時、時速200キロ台で走行していた。(朝日新聞)
■青鉛筆
 群馬県松井田町の「碓氷峠鉄道文化むら」は1月から、日本一の難所と言われた「峠越え」の滑り止め用の砂を、受験生らにお守りとして無料で配る。
 砂は高低差553メートルの、JR信越線横川−軽井沢間11.2キロで使われた。97年秋の長野新幹線開業で廃止されたが、その効果にあやかろうと毎年50〜60件の問い合わせがあるという。
 同むらの元JRマンによれば、峠越えの機関車は自力で列車をけん引できたという。担当者は「実力を備えてこそ合格できる。『砂頼み』だけでは困ります」。(朝日新聞)
30日■古里へ心は一直線 帰省ラッシュピーク 京滋 分散化で特急空席も
 新年を古里で迎える帰省ラッシュが29日、ピークを迎えた。京滋では、JR東海道・山陽新幹線や名神高速道路の下り線などで込み合ったが、帰省の分散化傾向が強まり、鉄道、道路とも大きな混雑は見られなかった。 JR西日本によると、新幹線は東京発博多行きで乗車率が最高140 %となったほか、在来線では京都駅発の北陸、山陰方面行きの特急列車の一部が乗車率150−130%となったが、空席がある特急も少なくなかった。
 JR京都駅の新幹線ホームでは、福岡県に家族3人で帰るという伏見区の公務員後藤淳さん(26)が「正月を実家で過ごすのは久しぶり。みんなで初もうでに行く」と話していた。
 一方、道路は名神高速の下り線で一時、山科バス停付近を先頭に20キロ余り渋滞した。帰省U ターンのピークは1月3日と予想されている。(京都新聞)
■余部鉄橋新設案が浮上 強風で運休多く 防風壁を設け打開
 列車転落事故があったJR山陰線・余部鉄橋(兵庫県香住町)で、強風時も運行可能な新橋の設置案が浮上している。事故後、強風による運行規制が度重なり、地元から打開策を求める声が15年越しに出ていた。
 余部鉄橋は、鎧−余部駅間にあり、高さ41メートル、長さ309メートルの橋脚式鉄橋。1912年に完成し、日本で最大規模を誇る。事故は1986年12月、回送中の列車が強風にあおられて転落、直下のカニ加工工場で働いていた12人が死傷した。
 JR西日本は、風速20メートルで運行をやめるよう規制を強化。2000年は28回に及んだ。
 兵庫県などは、橋に防風壁を設置するようJRに求めたが、JR側は、橋への加重で耐久性を損なう恐れがあるとして難色を示し、新橋の設置を提案した。
 JR案は、現在の橋の約6メートル北側に防風壁を設けたコンクリート製の橋を新設する。(京都新聞)
■保津峡トロッコ 今年の最終列車
 名勝保津峡を走り抜ける嵯峨野観光鉄道トロッコ列車の今年の最終列車が29日夕、トロッコ亀岡駅から嵯峨駅まで運行した。今年(3−12月)の乗客は、昨年とほぼ同じ約82万人だった。
 トロッコ亀岡駅を午後4時56分に出発した最終列車には、約20人の観光客らが乗り込んだ。駅員たちは「また来年おこしください」と声をかけ、手を振って見送っていた。
 観光客が少ない冬場は休業する。営業再開は来年3月1日。(京都新聞)
■寝台特急「トワイライトエクスプレス」 車内を木目調に一新 JR京都駅で展示会 ファンでにぎわう
 内装がリニューアルされたJRの寝台特急「トワイライトエクスプレス」の車両展示会が29日、京都市下京区のJR京都駅で開かれ、高級感を増した車内を一目見ようと、約1800人の鉄道ファンや家族連れらでにぎわった。
 大阪−札幌間を約21時間かけて走るトワイライトエクスプレスは、ホテル並みの個室でゆったりとした旅情を味わえるのが売り物で、中高年層を中心に根強い人気がある。
 運転開始から12年が経過したため、10月から3つの編成のうち1つの編成(9両)で改装工事が施された。壁面はベージュ色から木目調に変更され、カーテンやベッドカバー、照明器具なども一新。シャワールームやトイレも改装された。
 家族4人で見学に訪れた伏見区の会社員井上智之さん(37)は「以前よりも落ち着いた印象。ぜひ乗ってみたい」と話していた。
 リニューアルされたトワイライトエクスプレスは30日から営業運転する。3つの編成すべての改装は来年11月に完了する予定。(京都新聞)
■W杯客乗せ深夜新幹線 JR2社検討 東海道は大阪万博以来
 02年サッカー・ワールドカップ(W杯)の観客輸送対策で、JR東日本とJR東海は、上越新幹線と東海道新幹線の午前0時以降の運転について検討を始めた。新幹線は午前0−6時は走行しないのが原則だが、新潟、横浜、静岡のW杯3会場は試合終了が深夜になることや、ホテル不足に悩む地元自治体などが「特例」を求めていることなどを考慮した。実現すれば、上越新幹線は82年の開業以来初めて、東海道新幹線は70年大阪万博の観客輸送以来となる。
 新幹線の営業ダイヤは64年の東海道新幹線開業以来、「最終は午前0時までに到着、始発は午前6時以降の出発」を原則としている。沿線の騒音防止や保線作業の時間確保のためで、深夜運転は台風や車両故障でダイヤが乱れた場合などに限られている。
 深夜運転が検討されているのは、新潟、静岡、横浜の午後8時半開始の試合が終了した後。
 国土交通省の宿泊需要予測では、新潟は2万4000人、静岡は3万1000人。ところが、両会場周辺のホテルや旅館の収容能力は3分の1から10分の1程度しかない。
 しかも、現行ダイヤでは、新潟、静岡両会場の観客は新幹線の終電に間に合わない。
 横浜会場が検討の対象になっているのは、東京への利便性の高さ。最寄り駅は新横浜駅で、新幹線なら東京まで1駅約17分。在来線に比べて格段に早く、輸送力もある。
 一方、同じく新幹線沿線のさいたま、大阪、神戸会場も午後8時30分開始のナイトゲームを予定しているが、JR西日本などは在来線で十分対応できるとし、今のところ、新幹線の深夜運転の検討はしていない。(朝日新聞)
■年の瀬十色(抜粋)
●福井の「京福」 鉄路にこだわり、10人退職
 福井県内で2度の正面衝突事故を起こし、同県内3路線の廃線手続き中の京福電鉄(本社・京都市、石田栄一社長)で、運転士ら福井鉄道部の社員10人が退職に追い込まれた。長年、鉄道マンとして勤務し、「今さら別の仕事と言われても」と配置転換を拒んだためだ。同電鉄幹部は「職場がなくなるのだから仕方がない」と話している。
 赤字経営が続いていた同電鉄は、6月に2度目の事故を起こして国土交通省から運行停止を命じられ、10月19日、廃線手続きを開始した。福井鉄道部の社員81人については、年内をめどに配置転換を進めてきた。
 大半は事務職への異動や系列のバス会社での再雇用が決まったが、運転士や駅員のうち10人は、会社側の提示した転換先を受け入れず、「会社都合による退職」となった。
 運転士歴35年の元社員は、今月中旬に退職した。「子どものころからあこがれて運転士になった。接客や事務が出来るほど器用じやない。こんな形で年の瀬を迎えて家族に申し訳ない」と話している。(朝日新聞)
■故郷へ行楽へ 駅や空港混雑
 年末年始を故郷や行楽地で過ごす人たちの移動が始まった29日、駅や空港は混雑した。
 JR西日本によると、山陽新幹線は全車指定の「のぞみ」がほぼ満席状態。新大阪発博多行き「ひかり」が乗車率140%になるなど、広島・博多方面の新幹線は朝から満席が続いた。一方、北陸、山陰方面の特急はおおむね100〜70%にとどまった。高速道路は大幅な渋滞がなく、日本道路交通情報センターによると、午後5時ごろ、名神高速下り線の山科バス停付近を先頭に約19キロの渋滞になった程度。
 関西空港からは約1万8 千人が出国。同空港の年末、年始(22日〜1月6日)の出入国者総数は約43万人で、昨年同期の24%減と予想されている。(朝日新聞)
31日■強風でダイヤ乱れ JR瀬戸大橋線
 JR瀬戸大橋線は、30日午前2時20分ごろから、最大瞬間風速が25メートルを超えたため、断続的に運転を見合わせた。
 JR四国によると、京都発高知行き快速ムーンライト高知(6両編成、乗客186人)が午前4時ごろから約2時間半、同橋手前の岡山県側で停車。岡山発高松行き快速マリンライナー7号(6両編成、乗客160人)が午前7時40分から約15分間、香川県坂出市の島の上で停車した。
 その後、運転を再開したが、特急しおかぜ2号など計9本が運休や部分運休するなどし、約1200人に影響が出た。(京都新聞)
■東海道新幹線 検札廃止のぞみ薄 「気ままに乗車」IT降参
 列車の車内検札をなくす動きが広がっている。情報技術(IT)の発達で指定券の販売状況を車掌が随時把握できるようになったからだ。近畿日本鉄道が今年春に廃止、JR東日本は12月から中央線の一部列車でやめ、来年末には東北、上越、長野新幹線に広める予定だ。ところが、大動脈の東海道新幹線は実現が難しい。指定券を買っても、その列車に乗らない人が少なくないからだ。ITの進歩も人間の気まぐれには、まだ勝てない。
 車掌が指定席の情報を把握できるのは、座席の販売状況や自動改札の通過情報が、携帯電話などの通信網を使って、走行中でも手元の端末に届くシステムが開発されたからだ。車掌は、それを見て、売れていない座席にいる乗客だけ検札すればいい。
 東海道新幹線も「基礎技術はできており、実験もしている」とJR東海の担当者は話す。連続運転される山陽新幹線を持つJR西日本との調整も必要だが、それより「人間の行動面でのハードルが高い」という。
 東海道新幹線は本数が多く気軽に乗車変更できる余地が大きい。指定券を持っていても、早めに駅に着いた場合、予定より出発時刻が早い列車に空席があって座れるなら乗ってしまう人もいる。JR東海によると、こうした変則的な乗り方が1割程度あるという。
 しかも、買った人が乗らなかった指定席には、乗車後に買おうと考える人が座る例も珍しくない。このまま、検札をやめれば、端末を見た車掌は指定券を持っていると判断してしまい、指定料金を徴収できない例が頻発しかねない。
 今後、「のぞみ」への自由席導入、新幹線の品川駅停車を控え、乗客の行動がさらに複雑化する可能性がある。「睡眠を防げられない新幹線」の実現は簡単ではなさそうだ。(朝日新聞)