2001(平成13)年11月


1日■桂−東向日間に新駅 阪急、30年ぶり 03年開業へ 京都市 駅前を整備(京都)
  ■阪急・桂−東向日間に新駅 京都市南部に波及効果 集客力向上に期待(京都)
  ■山陰線で車両故障 亀岡−京都18本乱れ(京都)
  ■ポイント故障で 1万6000人に影響 JR大阪駅(京都)
  ■阪急、30年ぶり新駅 東向日と桂の間に JRの機先制す(朝日)
  ■TGVあわや 脱線、5人けが(朝日)
2日■京都市会 点字請願始まる 初日1人 バス系統見直し求め(京都)
  ■路面電車に歌声のせて 京の民謡 高らか披露へ 京寿会 あす上七軒歌舞練場 演劇風に17曲紹介(京都)
  ■TGV脱線(京都)
3日■JR三ノ宮駅で組員発砲 巻き添え男性けが のぞき見容疑で同行中(京都)
  ■三ノ宮駅 組員発砲2人けが 痴漢容疑で任意同行中(朝日)
  ■「ピストルや」流血・悲鳴 三ノ宮駅発砲事件 ラッシュ騒然(朝日)
4日■ミニSLに大はしゃぎ 福知山でフェスタ 親子連れにぎわう(京都)
5日■カード自販機から偽1万円37枚発見 名古屋の地下鉄(京都)
  ■中之島新線を許可(朝日)
  ■まくら木 タテにして眠れます 騒音小さく、レール傷まず(朝日)
  ■立ち往生のバス 移動直後がけ崩れ 高槻の山中(京都)
  ■運転手急病、車と正面衝突 和歌山でバス けが人なし(朝日)
  ■落石で立ち往生 その後土砂崩れ 高槻でバス、けがなし(朝日)
6日■自民行革本部 鉄建公団民営化を 合理化計画で要求 国交省は反発(京都)
7日■地下鉄東野駅地下道工事費 当初の3.4倍、58億円に 京都国道事務所 完成3年遅れ 新幹線鎮火防止で(京都)
8日■交通バリアフリー 京都市が「連絡協」 全体構想、策定へ 駅の段差解消など重点に(京都)
  ■京都市内にLRT導入などを提案 交通運輸労組の団体(京都)
  ■冬本番へ万全 除雪車試運転 KTR(京都)
  ■阪急、故障で遅れ(京都)
  ■気象予報士育て発車オーライ 突然の運休・立ち往生防止へ JR西制度化 安全性向上狙い 鉄道会社で初(朝日)
9日■大阪駅北側に「高層駅ビル」 JR西日本 三越に出店要請 03年にも着工(京都)
10日■循環バス 来春にも運行 山科と醍醐の路線新設要望 「京阪バスが準備」京都市会委で報告(京都)
  ■山科の地下歩道事業費増大問題 「市の責任もある」 市会委 市交通局が陳謝(京都)
  ■降りて歩いて 40 JR・地下鉄二条駅(京都市中京区西ノ京栂尾町) 材木街が再開発で一変(京都)
  ■まちかどの社会学 なぜシートの端に座るのか? 心の奥に対人ストレス 米も多い”落ち着き派” 過去の経験影響(京都)
11日■巨大ツリー登場 JR京都駅ビル(朝日)
12日■京福と衝突、重傷 右京で2輪の男性(京都)
13日■「段差なし」の駅 まだ半分 京都市バリアフリー会議 民間の遅れ目立つ(京都)
  ■次世代型路面電車LRT を走らせよう 都心や南部周回7路線 京都商議所提言(京都)
  ■窓 思いやりない市バス運転手 左京区・有田 菜穂(自由業・33)(京都)
  ■路面電車導入 京都市に提言 京都商議所(朝日)
  ■京都市の「交通」バリアフリーに 推進連絡会議を発足(朝日)
  ■声 ダイヤ改定(朝日)
14日■JR西 初の中期経営目標 05年度営業利益1300億円目指す 社員は2割減予想(京都)
  ■「東大路駅」実現目指し JR東海道線京都−山科間 東山区民ら推進委(京都)
  ■3新幹線が5時間止まる 停電、6万人影響(京都)
  ■USJ−神戸間の定期航路また廃止(朝日)
  ■28本が運休 東北など3新幹線(京都)
  ■女児死因は窒息(京都)
  ■東北・上越・長野新幹線 停電の影響続く(朝日)
15日■窓 京の路面電車復活待ち望む 南区・大野 岸子(主婦・67)(京都)
17日■線路わき女性転倒 京阪電車18本遅れ(京都)
  ■降りて歩いて 41 JR向日町駅(向日市寺戸町久々相) 散歩姿絶えない竹の径(京都)
  ■奈良「植山古墳」、滋賀「下之郷遺跡」史跡10件答申 文化審議会(朝日)
18日■京日記(京都)
  ■低公害バス 展示と試乗 きょうまで中京(朝日)
19日■回送電車が急停止 湖西線ダイヤ乱れ(京都)
  ■渋滞解消へ バスで観光 嵐山 交通実験始まる(京都)
  ■停止装置作動で6本運休や遅れ JR東海道・湖西線(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
20日■冬の鉄路、備え万全 山陰線・舞鶴線 ラッセル車、試運転(京都)
  ■2001最前線うら表 嵐山近くの桂川河川敷仮設駐車場開設1ヵ月 国の許可出たが… 渋滞に苦しむ観光客のため/「交通実験」矛盾も 車の呼び水に渋滞悪化懸念 政策の一貫性は? コンセンサス粘り強く(京都)
  ■タヌキ衝突か 新幹線止まる 豊橋−三河安域間(朝日)
  ■京福電車事故 信号見落とし?運転士聴取 福井県警 本社など捜索(朝日)
21日■におわない駅のトイレ JR西日本 快適旅計画で導入(京都)
  ■京福正面衝突 「上り」の運転士逮捕 業過致傷容疑 赤信号見落とす(京都)
  ■京福事故の運転士逮捕 福井県警(朝日)
  ■事務所代求め労組が提訴 JR東海労、同社に(朝日)
  ■疲れて酔って? 荒れる男50代 車内・駅の暴力、JR東警戒(朝日)
  ■新幹線の送電 一時ストップ 京都−新神戸間(京都)
  ■京都- 新神戸 新幹線に遅れ 作業中の感電で停電(朝日)
23日■バイオ燃料非課税など 重点12項目を要望 来年度予算編成で京都市(京都)
  ■東西線延伸工事 環境影響を説明 右京で地元住民に(京都)
  ■新幹線2本止める JR京都駅で飲酒男(京都)
24日■夜久野で特急故障 JR山陰線、4本運休(京都)
25日■京福2路線存続へ 福井県と沿線市町村 三セク化で合意(京都)
  ■昔の名前で特急復活運転 JR東、好評で増発へ(京都)
26日■公共機関優先に一定効果 京都市が嵐山で交通実験 「100円バス」人気まずまず 専用レーン緊急車両にも 周辺の渋滞は例年並み 車の総量規制課題(京都)
  ■「ひかり」故障 1100人乗り換え 新横浜、ブレーキ不調(朝日)
27日■京都市の上告 最高裁退ける バス運転手停職問題(京都)
  ■窓 新路面電車の現代的活用を 大津市・山本 淳司(大学職員・41)(京都)
  ■尼崎市バス高齢割引(朝日)
28日■都心部の渋滞状況分析 「歩くまち京都」めざし冊子配付 京のアジェンダ21フォーラム(京都)
  ■貴金属4000万相当バッグごと盗難 JR新大阪駅(京都)
  ■窓 お答えします 接遇態度について 京都市交通局自動車部運輸課長 伊藤正彦(京都)
  ■「金盗もうと」勝手知ったる駅舎へ侵入 叡電元駅長を逮捕(京都)
  ■運転席窓にヒビ JR快速が運休 1000人に影響(京都)
29日■KTR冬季運行 年末年始に臨時列車5本 行楽向け「特急カニ」も(京都)
  ■京福電鉄の赤字拡大(朝日)
  ■はねられ男性死亡 八幡、京阪特急に(京都)
30日■京阪が財政支援も 岡田専務 京福電鉄再建で言及(京都)
  ■ホテル好調で増収 関西4私鉄、USJ効果 9月中間連結決算(京都)
  ■京都駅ビル 屋上救出や避難誘導 新装の「京都劇場」で訓練(京都)
  ■声 エレベーターだれのためか 無職 宮川 正祐(滋賀県守山市 75歳)(朝日)
  ■JR西日本 ローカル線合理化加速 近畿中心、来春に15前後(朝日)



1日■桂−東向日間に新駅 阪急、30年ぶり 03年開業へ 京都市 駅前を整備
 阪急電鉄は31日、京都線の桂−東向日間に新駅(京都市西京区)を設置する計画を発表した。洛西ニュータウンに近接し、京都市の南西部地域づくりの核として期待される。2003年3月の開業を目指す。阪急の新駅開業は1973年の千里線山田駅以来30年ぶり。京都市も駅前整備などに協力する。
 京都市が、一帯の市街地開発に向けた拠点として設置を要望。阪急は桂駅周辺でのバス輸送の渋滞緩和や、周辺の土地利用の将来性を見込み、約1年前から本格的な協議に入っていた。
 設置場所は、桂駅の南1.6キロ、東向日駅の北1.4キロ付近で、京都本線と府道中山・稲荷線(久世北茶屋線)との交差地点南側。
 駅舎は平屋で、両方面への乗り場が分かれる相対式ホームを採用する。平日の停車本数は急行を含め河原町方面百6本、梅田方面112本を予定する。総工費は約12億円。
 新駅の1日乗降客は、西京極駅(右京区)とほぼ同じ約1万6000人を予想。うち1万5000人程度は桂、東向日両駅の利用客が移るものとみている。
 近く近畿運輸局に事業計画を申請、京都市の都市計画決定などを経て、02年度中に着工する。
 これに合わせて京都市も新駅にバスやタクシー、送迎車が乗り入れられる広場整備と、駅に接続する府道中山・稲荷線・物集女踏切の4車線化(現行2車線)を行うことを決めた。総事業費は約14億円の見込み。
 阪急新駅の東側では、JR西日本が新駅の設置を検討している。(京都新聞)
■阪急・桂−東向日間に新駅 京都市南部に波及効果 集客力向上に期待
 阪急電鉄が31日、桂−東向日間に新駅設置を決めたことは、京都市の南西部地域に大きな波及効果をもたらすことになる。一方で、長年の懸案である市営地下鉄の西伸などは、市財政の危機で道筋さえ見えてこない。京都大が新たに建設している桂キャンパスも含め、洛西のまちづくりビジョンをどう描くのか。従来の計画にとらわれない、抜本的な方向見直しも迫られそうだ。(社会報道部 高田敏司、猪口健司、三好吉彦)
 阪急京都線の新駅設置は、地元などの要望を受け、京都市が市基本構想に盛り込み、阪急に強く働きかけてきた。これに応じた阪急にとっても、新駅設置は実に30年ぶりになる。洛西ニュータウン内の竹の里地域自治連合会の平井義昌会長(65)は「JRの新駅が先に発表されると思っていたので、阪急の新駅計画が先に動き出したのは意外」と話す。
●JRと競合
 もともと、新駅設置の東側では、先に京都市がJR西日本に向日町−西大路間の新駅を求め、検討が進んでいる。今回、そこに阪急が先手を打った形となった。阪急は、昨年度の年間輸送人員がピーク時(91年)に比べ2割弱減った。特に京都線では、輸送力や高速化で先行しているJR西日本との競合が激しい。積極策で道を開こうというわけだ。
 また、新駅の近くには利用方法が検討されている約18ヘクタールの広大なキリンビール京都工場跡地がある。阪急は「大型商業施設や住宅地としての利用が想定される」(角和夫取締役鉄道事業本部長)と分析、将来の集客力向上につながるとみる。
 一方、京都市も新駅前の広場の整備など阪急の新駅設置費用(約12億円)を上回る約14億円を支出して協力する。「新駅により桂駅に集中していた交通が分散できる。京都大桂キャンパスへのアクセスも視野に入れ、まちづくりに大きな効果がある」(建設局)とみるからだ。
 桂駅は現在3社が700本のバスを乗り入れ、飽和状態になっている。洛西ニュータウンからのバス路線を新駅につなげることで、バス乗り入れを減らし、その分、京都大が桂・御陵地区で建設する新キャンパスへのバス路線を増やす−との青写真を市は描く。
●課題は多く
 だが、洛西地域の交通整備には、まだ多くの課題が山積している。西京区自治連合会の豊田英嗣会長(78)は「新駅だけでなく、阪急桂−東向日駅間(3.7キロ)の立体交差化も合わせて進めないと周辺道路の混雑が心配だ」というが、市や京都府は事業採択していない。地下鉄の西伸は右京区・天神川までの建設が決まっているものの、洛西までの事業化は依然として検討段階のままだ。
 折しも31日、桝本頼兼市長は財政の「非常事態」を宣言した。出口の見えない財政危機のなか、新規施設の建設凍結などを打ち出しており、膨大な費用がかかる地下鉄西伸などは「展望がしばらく開けそうにない」(市幹部)。
 京都商工会議所や京都経済同友会などからは、地下鉄に代わり低コストで環境や高齢者にやさしいLRT(次世代型路面電車)の導入を求める声も上がっている。
●市民主体で
 恵まれた西山の自然や史跡。国際日本文化研究センターや市立芸術大などに京都大も加わり、豊かになる学術文化。昼間人口より暮らしている人の数が多いベッドタウンとしての顔−。こうした特徴を生かし、京都市のなかで洛西をどう位置づけるのか、市民主体の議論があらためて必要だろう。(京都新聞)
■山陰線で車両故障 亀岡−京都18本乱れ
 31日午後7時27分ごろ、京都市中京区のJR山陰線二条−円町間で、園部行きの下り普通電車(4両編成)の速度が時速20キロから上がらなくなり、嵯峨嵐山駅で運転を取りやめた。
 このため、亀岡−京都間で上下各1本が運休、故障した電車の後続の特急電車が18分遅れたのを最高に、上下計18本のダイヤが乱れ通勤客ら約7000人に影響が出た。(京都新聞)
■ポイント故障で 1万6000人に影響 JR大阪駅
 31日午後4時45分ごろ、JR大阪駅構内で、信号機が赤のまま変わらなくなり、姫路発野洲行き新快速電車が約18分間停車した。
 JR西日本によると、ホームから本線に出るポイントの故障が原因という。6本が運休、計17本が最大20分遅れるなど約1万6000人に影響が出た。(京都新聞)
■阪急、30年ぶり新駅 東向日と桂の間に JRの機先制す
 阪急電鉄は31日、京都線の東向日−桂間に新駅をつくると発表した。03年3月に開業する予定。急行と普通電車を1日上下218本停車させ、1日に1万6000人の乗降客を見込む。同社としては73年の千里線山田駅以来の新駅設置で、洛西ニュータウン周辺の乗客の利便性を高める。
 予定地は、京都市西京区川島六ノ坪町。府道と交差する付近に、約12億円をかけて平屋建ての駅舎を建設。線路の両側に全長約160メートルの相対式ホームをつくる。京都市も駅前広場の整備や府道の拡張を予定している。新駅の名称は「地元と相談して京都らしい名前にしたい」(同社)という。
 予定地の数百メートル東側では、JR西日本も東海道線の西大路−向日町駅間に新駅設置を検討しているが、阪急が一足先に新駅設置を打ち出した。(朝日新聞)
■TGVあわや 脱線、5人けが
 【パリ1日=国末憲人】31日午後3時ごろ、フランス南西部ダクス近くを走っていたパリ発アンダイ行き高速鉄道TGV が突然脱線し、最後尾の機関車が転覆した。列車にはほぼ満員の422人の乗客がいたが、奇跡的に5人が軽いけがを負っただけだった。司法当局が原因究明に乗り出した。
 現場はパリとスペイン北部を結ぶ幹線鉄道の一部で、フランスのバスク地方。TGV専用線ではなく在来線部分。(朝日新聞 夕刊)
2日■京都市会 点字請願始まる 初日1人 バス系統見直し求め
 京都市議会は1日から、点字での請願、陳情の受け付けを始めた。初日は市内に住む視覚障害者の男性1人が訪れ、市バスの系統見直しなどを求める請願を提出した。
 市議会は、これまで点字の請願と陳情を受け付けていなかった。しかし、視覚障害者団体からの要望もあり、先月五日の市議会運営委員会理事会で、現行の会議規則のまま点字でも提出できると解釈を変えることを確認。パンフレットを作製して準備を進めていた。
 初の点字請願を提出したのは、南区八条寺内町の山内昭三さん(71)。妻の澄子さん(72)と一緒に市会事務局を訪れ、市バス系統の見直しと観光客誘致のための朱雀大路の復活を求める2通の請願書を職員に手渡した。
 山内さんは「点字でできる行政手続きが、これからも増えてほしい」と話していた。
 全国の政令指定都市の議会では、点字を訳した文書を添えることを条件としている場合もあり、実際には点字の請願や陳情を提出する事例が少ないという。(京都新聞)
■路面電車に歌声のせて 京の民謡 高らか披露へ 京寿会 あす上七軒歌舞練場 演劇風に17曲紹介
 日ごろ鍛えた民謡の歌声を披露しようと、日本民謡協会京都金閣寺支部「京寿会」が3日、上京区御前通今出川上ルの上七軒歌舞練場で「民謡・おどりの饗宴」を開く。日本各地の民謡や踊りを披露するほか、「わら打ち唄」や「西陣機織り唄」など、古くから京都に伝わる民謡を演劇風に紹介する。
 京寿会には、市内を中心に、5歳から94歳の40人が加入している。饗宴は、会員のけいこの成果を披露するため、3年に一度開催。京滋の22民謡愛好団体も友情出演する。
 毎回、京寿会オリジナルの出し物も準備しており、今回は「京都ゆかりの民謡を守ろう」がテーマ。路面電車に乗って市内各所をめぐるという筋書きで、「伏見三十石船」や「竹田の子守唄」など17曲を、手作りした衣装や小道具を身につけて会員が歌う。また、童謡15曲も歌い、懐古ムードを盛り上げる。
 同会の西畑万寿江会主(59)は「京都には忘れられつつある民謡が多い。この機会にその素晴らしさを再認識してほしい」と話している。
 開演は年前10時で、入場無料。会場で、アフガン難民救援の募金も行う。(京都新聞)
■TGV脱線
 フランス・パリからスペイン・イルンに向かっていた高速鉄道TGV (10両編者成)が10月31日、フランス南西部で脱線して横転した。この事故でけがをしたのは5人で、いずれも軽傷だった。事故原因は不明だが、列車が線路内の異物と衝突したとの報道もある(AP=共同)(京都新聞)
3日■JR三ノ宮駅で組員発砲 巻き添え男性けが のぞき見容疑で同行中
 2日午後4時10分ごろ、神戸市中央区のJR三ノ宮駅東口の改札口付近で、女性のスカートの中をのぞいた男を兵庫県警鉄道警察隊員2人が詰め所に同行中、男が突然、所持していた短銃2発を床に向けて発砲した。砕け散った床のコンクリート片が、通りがかった神戸市の男性会社員(57)に当たり、あごに軽いけが。同隊の島本大輔巡査長(32)も、男ともみ合った際に短銃で頭を殴られ軽傷を負った。男はその場で取り押さえられ、殺人未遂と銃刀法違反などの現行犯で逮捕された。
 県警暴対二課と葺合署の調べによると、男は大阪市大正区平尾二、指定暴力団山口組系組員窪田正一容疑者(52)。調べに対し「短銃を持っていたので見つかるとまずいと思い、逃げようとして撃った」などと供述しているという。
 調べでは、窪田容疑者は阪神三宮駅近くの上りエスカレーターで、手鏡で女性のスカートの中をのぞき見しているのを、島本巡査長らが発見。県迷惑防止条例違反容疑で事情を聴くため、三ノ宮駅東口にある同隊詰め所に連行しようとした。
 東口の改札口近くまできたところ窪田容疑者は持っていたナイロン袋から短銃を取り出し、床に向け発砲。島本巡査長を短銃で殴り、さらに1発を床に発砲したという。
 短銃は38口径の回転式で、発射された2発のほか、4発の弾がこめられていた。暴対二課などは同日夜、同容疑者が所属する大阪市港区の組事務所などを銃刀法違反容疑などで捜索、入手経路などを調べている。
 現場はラッシュ時間直前とはいえ、発砲当時、買い物客や下校中の学生など人通りが多く、一時騒然となった。東口の改札は、現場検証のため約4時間にわたり閉鎖された。(京都新聞)
■三ノ宮駅 組員発砲2人けが 痴漢容疑で任意同行中
 2日午後4時5分ごろ、神戸市中央区布引町4丁目のJR三ノ宮駅東改札口付近で、痴漢行為で兵庫県警鉄道警察隊員2人に任意同行されていた男が、隠し持っていた短銃を、コンクリートの床へ向けて1発発射した。男は、同行していた島本大輔巡査長(32)の頭を銃で殴り、床へ向けてもう1発、発射した。同巡査長らはその場で男を殺人未遂などの容疑で現行犯逮捕した。島本巡査長は頭に約2週間のけが、通りかかった神戸市須磨区の会社員(57)も、弾で飛び散った床のコンクリート片があごに当たり、軽いけがをした。
 調べでは、男は指定暴力団山口組系暴力団幹部の窪田正一容疑者(52)=大阪市港区港晴4丁目。約100メートル離れた、阪神三宮駅からJR三ノ宮駅への上りエスカレーターで、手鏡を使って前の女性のスカートの中をのぞいていたのを、私服で巡回中の島本巡査長らに見つかった。
 同巡査長らが県迷惑防止条例違反の疑いで任意同行を求め、同改札口そばの同隊神戸分駐隊三ノ宮駅詰め所へ連れて行く途中で発砲した。
 短銃は38口径で、弾倉には実弾4発が残っていた。同容疑者は「銃が見つかったらまずいので、逃げようとして撃った」と供述しているという。
 現場はJRの改札口のすぐ外。買い物や学校から帰宅する客らで混雑していた。
 鉄警隊員が痴漢行為の現場で窪田容疑者の所持品検査をしなかったことについて、同容疑者を調べている葺合署の河井健一副署良は「人目につく場所での所持品検査は容疑者の不利益につながる。詰め所が近くにあり、そこでの検査が妥当と判断した。不手際はないと考えている」と話した。(朝日新聞)
■「ピストルや」流血・悲鳴 三ノ宮駅発砲事件 ラッシュ騒然
 「ピストルや、逃げろ」−。家路を急ぐ乗客らでごった返すターミナル駅に銃声が響いた。2日夕、神戸市中央区のJR三ノ宮駅で起きた発砲事件。銃を持った男を取り押さえようとする警察官は血まみれ。あたりは騒然となり、悲鳴が上がった。
 現場は、阪神、阪急、市営地下鉄などの駅が集中し、1日約24万人が乗り降りするJR三ノ宮駅東口の改札前。事件当時は買い物帰りの主婦や下校途中の中学、高校生らで込み合っていた。
 兵庫県立高校3年の男子生徒(18)は、ホームから改札へ向かって階段を下りていたとき、「ピストルや、ホームに上がれ」という叫び声を聞き、急いで逃げた。「遊びに寄っただけなのに、こんなことに巻き込まれて怖い」
 近くの弁当店の女性店員(57)は「『バーン』という音がしたあと、『鉄砲や、鉄砲や』という声がした。音のした方へ行くと、右手に銃を持った体の大きい男が、血だらけの男性に羽交い締めにされ、右手を押さえられていた」という。
 駅近くにいたタクシー運転手の男性(52)は銃声を聞き、現場へ向かった。「悲鳴を上げながら女性たちが逃げていた。1人の男性が顔を血だらけにして立っていた。もう1人の男は暴れていて、婦人警察官に手錠をかけられていた」
 駅で客待ちをしていたタクシーの女性運転手(48)はこの様子を目撃し、暴れる男のシャツにつかみかかったという。「婦人警官らしい人が頑張っているのを見て、何かしなけれはと必死だった。こんな所で撃って惨事になったらと思うとぞっとするし、腹が立つ」と話した。
 発射された弾丸が床のコンクリートをえぐり、その破片が顔に当たってけがをした神戸市須磨区の男性会社員(57)はこの日、親せきの葬式に参列し、帰宅する途中だったという。会社員の妻(57)は自宅から夫の携帯電話へ連絡したところ、「けがはかすり傷程度で心配ない」と言われたという。「でも、くわしい状態がわからないので不安です」と話した。
 兵庫県警鉄道警察隊神戸分駐隊三ノ宮駅詰め所では、制服姿の隊員が常時4〜6人勤務。3交代制で24時間詰めている。JR三ノ宮駅など兵庫県内の主要駅では、私服の隊員が2人1組で、最大5組がすりや痴漢を取り締まるために巡回している。窪田正一容疑者(52)に任意同行を求めた島本大輔巡査長(32)らはこの日、JR三ノ宮駅を中心に痴漢がいないか、私服で巡回していたという。
 JR三ノ宮駅では事件発生直後から午後7時50分まで、東改札口を封鎖。ラッシュアワーと重なり、構内は一時混乱した。ハンドマイクを持った駅員が「立ち止まらないでください」「中央口を使ってください」などと乗客の誘導に追われた。(朝日新聞)
4日■ミニSLに大はしゃぎ 福知山でフェスタ 親子連れにぎわう
 鉄道愛好家らのミニSLが集まる「ミニSLフエスタ in Fukuchiyama 2001」が3日、福知山市の市街地で開かれ、雨の中、大勢の親子連れがイベントを楽しんだ。4日まで。
 福知山市や福知山商工会議所などでつくる同フェスタ実行委が、鉄道のまち福知山をPRしようと開いた。2回目の今年は、85両のミニSLが参加。同市中ノの御霊公園やカラー舗装されたばかりの広小路通りに1周700メートルのコースが設置され、乗車会や運転技術の競技大会などで盛り上がった。
 あいにくの雨となったが、神奈川県など遠方からも多くの人が訪れ、にきわった。乗車会では480人が参加。子どもたちは白い煙をもくもくとあげて力強く走るミニSLに大はしゃぎ。お年寄りも昔の鉄道を思い出し懐かしそうに眺めていた。
 会場付近では、福知山の名物料理コンテスト「ドッコの料理賞」で最優秀に輝いた「たけのこ姿寿し」の試食会や、外国人留学生の支援バザーなども行われた。(京都新聞)
5日■カード自販機から偽1万円37枚発見 名古屋の地下鉄
 4日、名古屋市営地下鉄の駅にあるプリペイドカード専用の自動販売機から偽1万円札37枚が見つかり、届けを受けた愛知県警捜査二課は5日までに偽造通貨行使の疑いで捜査を始めた。
 同市交通局は、地下鉄全駅で地下鉄とバス共通のプリペイドカード「ユリカ」の専用自販機の使用を中止、切符とユリカの共通販売機でも、5000円と1万円札が使用できなくするなどの対応策を取った。
 同局によると、同日午後2時ごろ、東山線高畑駅で3枚見つかったため、全駅で調べたところ、8駅で計37枚が見つかったという。いずれも偽1万円札を使ってユリカを購入、ユリカと釣り銭が盗まれた。偽札は同じ番号のため、同一犯が作ったとみられる。文字や数字が二、三重にずれており、紙質は本物より薄い。印刷はにじんでおり、見れば偽札とすぐに分かるという。(京都新聞)
■中之島新線を許可
 国土交通省は7日、京阪電気鉄道と大阪府、大阪市が出資する第三セクター「中之島高速鉄道」に対し、大阪市内に京阪中之島新線(天満橋−玉江橋、2.9キロ)を新設することを許可した。事業費は約1500億円で、03年度に着工する。新線は、第三セクターが国の補助を受けて駅や線路をつくり、京阪に貸し出す方式を取る。(朝日新聞)
■まくら木 タテにして眠れます 騒音小さく、レール傷まず
 鉄道総合技術研究所がまくら木をレールに合わせて平行にしたら、力が分散されてレールや路盤が傷みにくく、騒音も小さくなることがわかった。近く首都圏の私鉄に本格導入される。
 縦まくら木は、長さ25メートルのコンクリート製の角柱2本をつなぎ、その上にレールを敷く。3メートル間隔で鉄製パイプが支えに入っており、「ラダーマクラギ」と呼ばれる。
 従来の横型まくら木は点でレールを支えるた年長い間には列車の重みでレールがうねったり、幅が変わったりする。レ−ルに小さな凹凸もできて沈下もするため、年1、2回の調整のための補修工事が必要になる。
 縦型は線で支えるため、列車の重さが特定の場所にかからず、狂いが生じにくくなるという。レールの狂いは音の原因にもなるため、騒音低減にも役立つとしている。高架や橋で問題となる騒音は、まくら木を防振ゴムの上に置く工法だとかなり減らせるという。
 まくら木を縦にする利点は以前から指摘されていたが、強度を高めると大きくなるため実用的でなかった。鉄道総研は、コンピューターを使った設計で軽くて強度の高い構造を実現した。設置費用は2〜3割高くなるが、補修工事は5年に1回程度ですみ、維持費は大幅に減るという。
 縦まくら木は、来春から首都圏の私鉄の高架と橋りよう部分に計2キロ設置される予定。(朝日新聞)
■立ち往生のバス 移動直後がけ崩れ 高槻の山中
 5日午前9時ごろ、大阪府高槻市二料の府道で、道路わきのがけが高さ80メートル、幅30メートルにわたって崩れた。現場では、少し前まで市営バスが立ち往生していたが、乗客を降ろしバスを動かしており、けが人などはなかった。
 大阪府茨木土木事務所などによると、同日午前7時ごろ、直径約30センチの岩が数個落ちているのを通りかかった市営バスの運転手が発見。バスが動けないため、営業所に連絡し、乗客四人を乗用車で運び終わった後の午前9時ごろ、道路わきのがけが崩れたという。
 現場は、京都府亀岡市との境に近い山中。(京都新聞 夕刊)
■運転手急病、車と正面衝突 和歌山でバス けが人なし
 5日午前7時15分ごろ、和歌山市紀三井寺の国道42号で、和歌山バスの路線バス=池上正男運転手(56)=が突然、中央分離帯を越え、反対車線を走っていた同市土入の会社員(24)の乗用車と正面衝突した。バスの乗客約10人と会社員にけがはなかった。池上運転手は意識がなく、病院に運ばれたが重体。
 和歌山西署の調べによると、バスは現場付近で突然、低速のまま、反対車線にはみ出した。乗客が運転席に駆け寄ったところ、池上運転手はけいれんし意識がなかったという。同署は運転中に急病になったとみて調べている。(朝日新聞 夕刊)
■落石で立ち往生 その後土砂崩れ 高槻でバス、けがなし
 5日午前7時ごろ、大阪府高槻市二料の府道柚原向日町線を走っていた高槻市営バスの運転手から「落石で道路がふさがれ、通行できない」と、同市に無線連絡があった。乗客4人のうち2人はその場で下車し、2人は同市が公用車などでJR高槻駅に送った。
 市交通部などによると、幅約6メートルの道路に大人の頭ほどの石が10個ほど落ちて危険な状態だった。その後、午前8時55分ごろ、道路沿いの斜面が高さ約50メートル、幅60メートルにわたって崩れ落ちたという。現場は落石防止用のネットが設置してあった。
 この事故で現場付近の府道は通行止めになっている。(朝日新聞 夕刊)
6日■自民行革本部 鉄建公団民営化を 合理化計画で要求 国交省は反発
 自民党行政改革推進本部(太田誠一本部長)は5日、新幹線の建設などを行っている特殊法人、日本鉄道建設公団(鉄建企団)の民営化を、政府が12月に策定する特殊法人整理合理化計画に盛り込むよう求める方針を固めた。
 党行革本部は「鉄建公団がやっていることは、鉄道の建設と譲渡で、政府からの補助金を受けて独占的にやる必要は全くない」と指摘している。しかし、国土交通省は「安全で高品質な鉄道を造ることは鉄建公団しかできない」と反発。運輸族議員を巻き込み民営化を阻止する構えで、調整がもつれる可能性もある。
 鉄建公団は1964年に設置。鉄道交通網の整備が目的とされ、2001年度予算では国から650億円の補助金を受けている。
 同公団の工事のほとんどは下請けの業者が実施。太田本部長は「公団が介在する合理的な理由はない。優秀な技術は競争を通じ民間でも可能だ」と批判する。
 だが、政府の行政改革推進事務局は先月5日に示した組織見直し案で「引き続き整理合理化を検討する」とし、廃止・民営化の方向は示していない。運輸族議員の中には「鉄建公団は技術者集団。民営化には絶対反対だ」などと、民営化に強く反対する声が上がっている。(京都新聞)
7日■地下鉄東野駅地下道工事費 当初の3.4倍、58億円に 京都国道事務所 完成3年遅れ 新幹線鎮火防止で
 京都市営地下鉄東西線の東野駅(山科区)に隣接し、国土交通省京都国道事務所が行っている国道1号地下横断歩道工事の事業費が、すぐそばを通る新幹線高架の沈下防護対策などのため、現計画の約1.8倍の約58億円に増加し、本年度末の完成予定も3年遅れることが、7日までに明らかになった。京都市の負担額も約10億円増大する。同工事では、1997年にも、同様の理由で事業費を倍増している。当初計画の3.4倍となる増加に、計画の見通しの甘さが問題となりそうだ。
 京都国道事務所と京都市の説明では、同事業は国道1号東野交差点の地下に、駅から通じる通路と地下広場、東西南北に出入り口4ヵ所などを設ける計画。東野駅が国道1号の北側にあるため、南側住民からの要望が強い。工事は国道事務所が行い、市は事業費の約4割を負担する。
 当初、96年度末完成を目指していたが、東西線工事中に新幹線高架がわずかに沈下して防護対策の強化が図られ、98年度に事業費を16億円から約32億円に増額。東西線開通に合わせて北側半分の入り口2ヵ所を先行オープンした。
 その後、新幹線高架に近い南側の工事に着手したが、99年3月に工事が中断される基準(2.75ミリ)を超える2.8ミリ分高架が沈下したことなどから、さらに防護策の強化を迫られた。
 工事現場は、新幹線高架まで最短で約3メートル。高架が振動などで3.5ミリ沈下すれば新幹線が停止する。事業費増加は、工事中、高架の微妙な動きを24時間計測するのに3年間で12億円かかるほか、新幹線が走らない夜間の工事が中心になることや、もろい地盤に薬液を注入するなどのためという。
 同国道事務所は「地下工事は、地質の状況など予想できない条件が掘ってから出てくる。99年に高架が沈下したことも影響した」としている。
 一方、京都市の負担は今回の変更で約10億円増加し23億円になる。うち半分は国の補助を受けられるよう協議中という。市交通局は「施工管理は国道事務所に任せてきた。工事費の増加は避けたいが、やむを得ないと判断した」としている。(京都新聞 夕刊)
8日■交通バリアフリー 京都市が「連絡協」 全体構想、策定へ 駅の段差解消など重点に
 京都市は7日、学識者や行政、交通事業者、市民代表らによる「交通バリアフリー推進連絡協議会」を設けることを決めた。12日に初会合を開いて発足し、交通バリアフリー全体構想の策定に向け、意見交換する。
 昨年11月の交通バリアフリー法施行に伴い、市町村は鉄道駅などの旅客施設を中心とした地区を指定したうえで、重点的に段差の解消やエレベーターの設置、点字ブロックの整備など、バリアフリー化を進める際に国の補助金が受けられるようになった。
 連絡協議会では、市内120の鉄道駅や2ヵ所のバスターミナルの実態調査に基づき、バリアフリーに向けての基本方針や重点整備地区の選定などを話し合い、本年度末には全体構想の素案をまとめる。さらに市民の意見を求めたうえで、来年度中に構想を策定する。
 委員は32人で、任期は2年間。議長には青山吉隆京都大教授が就任する。
 初会合は、12日午後2時から下京区の「ぱるるプラザ京都」で開く。だれでも傍聴できる。定員は20人。問い合わせは市交通政策課TEL075(222)3483。(京都新聞)
■京都市内にLRT導入などを提案 交通運輸労組の団体
 京都府内の鉄道やタクシー会社などの従業員らでつくる交通運輸労組京都地協(上坂幸男議長)は7日、京都市にふさわしい交通システムづくりに向け、LRT(次世代型路面電車)やロードプライシング(市内流入車両への課金)などの導入を求める提案をまとめた。
 提案は、今出川通や洛西地域へのLRT導入▽嵐山や東山地域でのパークアンドライド(車から公共交通機関への乗り換え)の整備▽四条河原町周辺などでのトランジットモール(公共交通だけ乗り入れる歩行者天国)化−などを盛り込んでいる。
 21日午後6時から、フォーラム「みんなで考える京の交通とまちづくり」を中京区烏丸通竹屋町上ルのハートピア京都で開き、提案を報告する。土居靖範立命館大教授(交通政策論)らが講演し、意見を交換をする。参加無料。(京都新聞)
■冬本番へ万全 除雪車試運転 KTR
 立冬の7日、北近畿タンゴ鉄道(KTR)は、積雪に備えようと除雪車の試運転を久美浜駅周辺で行い、作業員らが操作手順を確認し、出動準備を整えた。
 KTRでは久美浜駅のほか、宮津、野田川の両駅にも同型車を配備。昨冬は1月14日を最初に計6回出動した。
 試運転には、初乗車の5人を含む12人が参加。回転歯を回したり、油圧で車体を上昇させ、線路上で方向転換するなど各操作法を点検。約200メートルを時速5キロほどで駆け抜け、線路わきのススキを揺らしていた。ダイヤが終わった深夜には、営業路線で試運転し、冬本番に備えた。(京都新聞)
■阪急、故障で遅れ
 8日午前7時20分ごろ、京都市下京区の阪急河原町駅で、梅田行きの電車(10両編成)の扉が増結した2両だけ開かなかった。増結を中止し、約10分後、8両編成で運転を再開した。
 上下線の計55本、乗客約4万5500人に影響した。(京都新聞 夕刊)
■気象予報士育て発車オーライ 突然の運休・立ち往生防止へ JR西制度化 安全性向上狙い 鉄道会社で初
 台風や大雨によるダイヤの大幅な乱れに頭を悩ませているJR西日本が、ダイヤを決定する社員に「気象予報士」の資格を来年から取得させることにした。天気が回復したのに運休が続いたり、運転を強行して列車が立ち往生したりしたことがあり、遅れや運休による損失を減らし、安全性を高めるのが狙いだ。鉄道会社が気象予報士を制度化するのは初めてという。
 気象予報士は、93年にできた国の資格制度。気象衛星の観測データや天気図などを分析し、天気予報を出すことができる。資格試験の合格率は約7%と難関だが、現在約3500人がニュース番組や気象情報会社などで活躍している。
 JR西日本が資格を取らせるのは、列車のダイヤを毎日決めている運転指令所員。東京と大阪に20人ずついるが、来年から毎年5人程度を勤務の合間に専門学校へ通わせたり、通信教育の講座を受けさせたりして資格を取らせる。同社は将来、駅ごとにその周辺の天気予報を出し、乗客に提供することも検討する。
 JR西日本では現在、天候が乱れそうになると、運輸、運行技術などを担当する社員が集まり、天気予報などをもとに予測を立てるが、比較的きめの粗い情報をもとに、独学や経験に頼ってダイヤを変更しているのが現状。運休させるべきときに運行して2時間以上遅れれば、特急、急行料金を払い戻さねばならず、事故にもつながりかねない。
 〈事例1〉1月、雪の降る北陸線で、見切り発車した特急が山中で立ち往生し、約10時間遅れた。
 〈事例2〉8月、台風が東にそれたと思った矢先、岡山県で強風が吹き、山陽新幹線が20分間立ち往生した。
 〈事例3〉昨年12月、雨で大阪環状線のダイヤが乱れた。それに連動して、天候に問題なかった阪和線のダイヤも変更したため、苦情が殺到した。
 JR西日本広報室は「これまでは経験に頼ってきた部分が大きいが、地域ごとの天候をきめ細かく予測できるようになれば、無駄のないダイヤを組めるようになり、安全性も高まる」としている。
 旧国鉄で列車ダイヤの決定に携わった交通評論家角本良平さんの話 天候は予想以上に地域差が大きいものだ。航空会社ほど神経質ではないが、86年に兵庫県の余部鉄橋で強風により列車が転落した例もあり、鉄道会社も天候を軽視できない。気象予報士の資格を制度化するのはよいことだ。個人の能力にとどめず、その知識を会社全体で共有する必要がある。(朝日新聞 夕刊)
9日■大阪駅北側に「高層駅ビル」 JR西日本 三越に出店要請 03年にも着工
 JR西日本は8日、大阪市北区の大阪駅北側に高層駅ビルを建設する方針を明らかにした。大手百貨店の三越に対し、核テナントとして入居するよう要請しているという。早ければ2003年にも着工したい考えだ。
 大阪駅の南側には、大丸梅田店と「ホテルグランヴィア大阪」が入居する27階建ての大阪夕ーミナルビル(アクティ大阪)がある。三越は売り場面積約5万平方メートルの大型店にしたい考えで、実現すれば駅を挟んでしにせ百貨店同士が火花を散らすことになりそうだ。さらに近くには阪急百貨店や阪神百貨店もあり、大阪駅周辺の百貨店戦争が激化するのは必至だ。
 JR西は駅ビルの建設に伴い、駅員の休憩室や会議室が入っている現在の北ビル(5階建て)を取り壊すとともに、北陸や山陰と結ぶ特急が発着する東海道線9−11番線をなくすことを検討している。
 ただ、建設地の北にある梅田北ヤードの再開発とも絡むため「02年度までに再開発の方向性が出ると聞いているので、その動向を見て検討を進めたい」と話すなど、実現までに解決するべき問題も残っている。
 三越は大阪市・北浜に大阪店を構えるが、1995年の阪神大震災で売り場面積が約1万7000平方メートルに半減。年間20億円程度の営業赤字が出ており、移転先を探している。入居が決まれば現在の大阪店は閉鎖する見通し。(京都新聞)
10日■循環バス 来春にも運行 山科と醍醐の路線新設要望 「京阪バスが準備」京都市会委で報告
 京都市は9日、山科区と伏見区醍醐地域の住民が要望している循環バス路線の新設について、京阪バス(京都市南区)が運行に向けて準備を進めていることを明らかにした。ルートや停留所について市交通局や地元と協議を進め、年内に新路線を近畿運輸局に申請し、来春から運行が始まる見通し。京都市議会の交通水道委員会で、市交通局が報告した。
 山科、醍醐地域は1997年10月の地下鉄東西線の開通に伴って京都市バスが撤退した。現在は京阪バスが運行しているが、住民からは生活に便利な循環バスを求める声が高まり、市民団体が発足した。市会にも請願が提出されている。
 委員会では、市交通局の山本義夫自動車部長が「京阪バスから前向きに検討すると聞いている。申請から認可まで3、4ヵ月かかり、運行開始は早くて来春」と述べた。
 市交通局と京阪バスによると、具体的なルートや運行ダイヤについては検討中だが、地下鉄駅や公共施設、商業施設を巡る循環路線を両地域で一系統ずつ設ける。京阪バスが小型車両を保有していないため、中型車両(40人乗り)を使う。運賃は現行の初乗り200円を適用する予定。(京都新聞)
■山科の地下歩道事業費増大問題 「市の責任もある」 市会委 市交通局が陳謝
 京都市営地下鉄東西練東野駅(山科区)に隣接し、国土交通省京都国道事務所が工事を行っている地下横断歩道工事の事業費が増大する問題で、京都市交通局の江草哲史管理者は、9日の市議会交通水道常任委員会で「工事の見積もり、施工は国土交通省に任せていたが、市の責任も相応にある」との認識を示した。
 委員会で市側は、新幹線高架の沈下防止対策で工事費が現在の約32億円から約58億円に増加し、完成年度も3年遅れることを報告。また、市の負担が10億円増加し、うち50%を国の補助が受けられるよう協議中と述べた。 江草管理者は答弁で、「財政の非常事態の中、多額の増額でまことに残念。早期完成を望む住民にも申し訳ない」と陳謝した。(京都新聞)
■降りて歩いて 40 JR・地下鉄二条駅(京都市中京区西ノ京栂尾町) 材木街が再開発で一変
 丸いドーム型の屋根がひときわ目を引くJR二条駅。南北60メートル、東西28メートル。京の庭園の「編笠門」を表現しており、旧通産音の「グッドデザイン」にも選ばれた。
 駅前は美しくロータリーが整備され、すぐそばには真新しい大型マンションが立ち並ぶ。戦前から高度成長期まで、京都随一の貨物駅として、丹波産木材の集積地だった面影はほとんどない。
 かつて「材木街」だった駅西側の六軒町通はいま、工事ラッシュ。今も材木商を営む舘山米太郎さん(75)は「このあたりは二条貨物駅のおかげで発展した。材木問屋が十数軒立ち並び、買い付けや運搬の人で、ものすごいにぎわいでした」と当時を懐かしむ。
 木造住宅の減少と輸入木材の増加で貨物駅は消え、材木街も衰退。さらに、国鉄の分割民営化後、駅周辺の広大な遊休地で京都市が始めた土地区画整理事業で、地域の姿は一変した。
 96年にJR山陰線が高架化されたのに伴い、1903年建築の旧駅舎は梅小路機関車館(下京区)に移築され、駅舎はモダンな姿に生まれ変わった。翌97年には地下鉄東西線が乗り入れた。先日は、駅南西の遊休地に、映画館を中心とした複合型映像文化施設の建設が発表された。
 丹波、丹後への西の玄関口として、朝夕は大勢の乗降客で混雑する。亀岡市の会社員(58)は「この駅を使って通勤して35年。ちょっと暗い感じだった駅のイメージが、すっかり明るくなった」と話す。
 駅周辺は京都の新しい「副都心」になりつつあるが、工事に伴う発掘で平安京・朱雀大路の遺構が見つかるなど、文化財の宝庫でもある。地元の朱雀地域では、文化遺産を生かしたまちづくりも検討されている。(京都新聞)
■まちかどの社会学 なぜシートの端に座るのか? 心の奥に対人ストレス 米も多い”落ち着き派” 過去の経験影響
 電車内で、シートの両端にだけ乗客が座り、中央付近はポッカリ空いている光景をよく目にするっなぜ、端っこがいいのだろう。他人と一定の距離を保ちたがる現代人の心理の表れか。電車内をうろうろしつつ、探求してみた。(社会報道部 山内浩一郎)
 今月上旬のある日、午前中から約4時間、京都市営地下鉄烏丸線に乗り、乗客を観察した。
 ラッシュも終わった午前9時半の北大路駅。ドアが開くと同時に乗り込んできた年配の女性は、いち早く端の席を選んでドッカリ。満足そうな表情を見せた。
 午前11時すぎの電車。シートの中央付近に腰掛けていた若い女性は、北山駅で端の席が空くと、すかさず荷物を持って移動。やはり、端席が好きな乗客は多いようだ。
 定点観察もしてみた。正午すぎ、国際会館発竹田行き普通電車。最後部車両の座席を見続けていたところ、北大路駅までに乗り込んだ乗客10人の全員が端っこに着席。その後、乗車率はいったん100%近くになったが、京都駅を過ぎるとガラガラに。それでも、端の席だけは終点まで空かなかった。
 端席を選んだ乗客に「理由」を尋ねた。北区の無職女性(71)は「出口に近く、混雑時でも降りやすい」。男性会社員(29)も「雨の日に、傘を手すりにかけられる」と「便利派」の主張。
 また、文筆業の女性(27)のように「痴漢防止になるから」といった声もあり、こちらはさしずめ「安全派」。痴漢行為だけでなく、最近は電車内で凶悪事件も起きている。「安全重視」もうなずける。
 意外に多かったのが「リラックス派」。左京区の主婦(65)は「端の席は何となく落ち着く」と。神経質な日本人特有の心理かと思ったら、米国ニューヨーク市出身のボウ・バーンスティンさん(31)も「リラックスしたいからいつも端席。米国の友人も、そう」と言う。「リラックス派」は国籍を問わないようだ。
 神戸親和女子大の倉戸ツギオ教授(56)=学習心理学=は「席選びの行動には、過去の対人ストレスが影響する。中央の席を選ぶ人は、これまでに人とうまく関係を結べた、他人への信頼度が高い人といえる。端の席はその逆とは言い切れないかも知れないが…」と分析する。いつも端を選ぶ人が思い通りに座れないとストレスを感じ、血圧や脈拍が高まるという。
 「端席好き」が多い現象には、それぞれの過去の経験による選択が働いていたのだ。ちなみに、倉戸教授によると、人が人に対してストレスを感じない間隔は、右側が50−60センチ、心臓のある左側は1.5−2メートルとか。
 私も「端席好き」の一人。本を読むのに楽だし、ホッとできる。でも、対人ストレスが影を落としていたとは。たまには中央に座ろうかな。(京都新聞 夕刊)
11日■巨大ツリー登場 JR京都駅ビル
 JR京都駅ビル(下京区)に10日夕、高さ22メートルの巨大クリスマスツリーがお目見えした。約1万個の電球のイルミネーションに買い物客らが足を止め、見入っていた。
 駅前広場には4メートルのサンタクロースも登場した。午後5時半からの点火式の前後には、ゴスペルコンサートや小学生鼓隊の演奏がムードを盛り上げた。
 来年1月には、駅ビル内の「シアター1200」が「京都劇場」として生まれ変わる。ツリー前のステージでは、劇団四季の俳優が、こけら落とし公演「オペラ座の怪人」をPRした。(朝日新聞)
12日■京福と衝突、重傷 右京で2輪の男性
 11日午後8時20分ごろ、京都市右京区常盤馬塚町、京福電鉄常盤駅北側の踏切で、上京区中立売通烏丸西入ル、引っ越し会社アルバイト岩田慎吾さん(19)のオートバイが北野白梅町駅行きの電車と衝突し、岩田さんは左足首を骨折するなど重傷を負った。電車は約20分停車し、後続の上下線4本が運休した。
 太秦署は、岩田さんが遮断機の下りた踏切の手前で転倒したとみて原因を調べている。運転士と乗客計8人にけがはなかった。(京都新聞 夕刊)
13日■「段差なし」の駅 まだ半分 京都市バリアフリー会議 民間の遅れ目立つ
 京都市は12日、市内の鉄道とバスに関するバリアフリー調査の結果を同市下京区内で開かれた市交通バリアフリー推進連絡会議(議長・青山吉隆京都大工学研究科教授)の初会合で報告した。各駅のうち、出入り口からホームまで段差なく行けるのは全体の49%で、民間での整備の遅れが目立った。
 駅のバリアフリー施設の状況は、民間8社と市営地下鉄を合わせた120駅のうち、出入り口からホームまでに段差があるのは110駅で、うちエレベーターやスロープなどが整っているのは59駅だった。路線別にみると、段差が解消されているのは市営地下鉄では100%だったが、民間の路線別では10−30%台が目立った。
 鉄道で、車いす用スペースがある車両を編成に加えている割合は、平均で57%。市営地下鉄、嵯峨野観光鉄道、JR東海(新幹線)が100%で、他社は20−60%とばらつきがあった。
 また、京都市内を走る路線バス車両は、民間9社と市バスで計1446台(今年3月末現在)あり、このうち車いす対応のリフト付き車両や低床式車両は8%の115台だった。全国平均の5%を上回ったものの、1台も所有していない事業者が5社あった。
 市は、これらの結果をもとに同連絡会議で来年6月までに交通バリアフリー全体構想をまとめる。122ヵ所ある駅とバスターミナルの中から、改善の必要性が高い施設を重点地区に絞り込み、整備を進める方針。(京都新聞)
■次世代型路面電車LRT を走らせよう 都心や南部周回7路線 京都商議所提言
 京都商工会議所は12日、京都市に対しLRT(次世代型路面電車)の導入を求める提言を出した。四条通を中心とした都心環状線、今出川通の観光ルート、地下鉄東西線から洛西を経て南部を周回するなど7路線を盛り込んでおり、市は前向きに検討する方針を示した。
 この日、商工会議所の伊藤謙介副会頭(京セラ会長)と平井義久地域開発・都市整備委員長(西利社長)が市役所を訪れ、市長代理の河内隆副市長に提言を渡した。
 提言をまとめた平井委員長は「今でも京都の渋滞はひどい。市長がいう観光客5000万人構想を実現し、経済を活性化させ、観光客にも市民にも快適なまちづくりを進めるには、LRTの導入が必要」と求めた。
 河内副市長は「公共交通を中心とする総合的な交通施策を検討している。LRTは極めて魅力的なメニューだ。市民合意などの課題も多いが、この提言を大いに参考にして検討を深めたい」と答えた。
 提言は四条河原町−堀川丸太町などを結ぶ都心環状線▽京都駅−銀閣寺などの東山観光線▽金閣寺−出町柳などを通る今出川線▽京都駅−南部高度集積地区への路線▽地下鉄天神川駅−洛西−向島−六地蔵を回る循環線などを打ち出した。
 LRTは従来の路面電車と異なり、低床式でコンピュター制御により低振動・高速走行が可能。環境や高齢者にやさしい公共交通手段として注目されている。(京都新聞)
■窓 思いやりない市バス運転手 左京区・有田 菜穂(自由業・33)
 5日、東山三条から市バスを利用した。乗車する時に、停留所に横付けせず、ほとんど道路の中央に停車したバスに、まず横着さを感じた。停留所では乗客が乗り込み終わっても、ドアを閉じず、発車しないので、ダイヤより早く着いて待機しているようだったが、運転は急いでいるようなスピードで荒く、しかもたびたびクラクションを鳴らしながらで、座っていても、かなりの揺れだ。
 運転手は、乗客への呼びかけも乱暴だったが、何より疑問を持ったのは、敬老乗車証を見せて、下車するお年寄りに「そんな見せ方だと見えない」と、敬老乗車証を取り上げて、見せる角度を指示したり、向きを正すように注意していたことだ。
 私が乗っている間、降車したお年寄りに対して、何度も行っていた。もう下車してしまっているのに「おばあさん、ちょっと!」と呼びつけ、もう一度乗車させて「そんな見せ方では見えない」と言っていた。敬老乗車証で利用しているお年寄りは、乗せてやっているんだというような態度が大変不愉快で、腹立たしく感じた。
 接客態度について、市交通局ではどのように指導しておられるのか。祇園や清水寺のような観光地を通るバスを、このような運転手が運転しているのは、観光都市京都として、大変恥ずかしい。市民としても、市バスの利用を呼びかける前に、サービス向上に努めてほしいと、切に願う。(京都新聞)
■路面電車導入 京都市に提言 京都商議所
 京都商工会議所の伊藤謙介副会頭らが12日、京都市役所を訪れ、次世代型路面電車(LRT)の導入を目指す提言書を河内陸副市長に手渡した。
 提言書は「慢性的な交通自由隊の解決のみならず、国際都市、環境都市にふさわしいもの」として、LRT導入の重要性を訴え、民間活力を有効に活用した手法による整備を提案している。(朝日新聞)
■京都市の「交通」バリアフリーに 推進連絡会議を発足
 京都市は12日、市内の駅、バスターミナルなど旅客施設や周辺地区のバリアフリー化に向けた基本構想「市交通バリアフリー全体構想」を検討する「市交通バリアフリー推進連絡会議」を発足させた。
 同連絡会議は、市職員、学識経験者、鉄道、バス会社、障害者団体など計37人の委員で構成される。交通バリアフリー法の対象となる市内の旅客施設などの実態調査をして、重点整備地区の選定や整備手法などについて検討、02年6月までに最終案をまとめる。
 市は最終案をもとに、基本構想を作成、03年度から高齢者や身体障害者らの利便性を高める整備に取り掛かる予定。(朝日新聞)
■声 ダイヤ改定
・「ひかり」減り私には割高感 会社員 中畑 義明(大阪府吹田市 50歳)
 先月から東海道新幹線のダイヤが変わった。「のぞみ」の本数が増えて便利になったと宣伝されている。
 しかし、その分、「ひかり」が減らされている。ただ減っただけでなく、ほとんどの時間帯で、東京−新大阪間では「ひかり」が「のぞみ」に抜かれ、追い抜かされない「ひかり」が走るのは、朝夕の時間帯と、昼間の臨時列車だけとなった。利用者にとっては、実質的に「のぞみ」に乗るよう強要される「改正」といえる。
 「ひかり」と料金が変わらなければよいかもしれないが、据え置かれている。東京−新大阪間で比較すると、通常料金の差は970円。私のようにビジネス切符と回数券を使うことの多い出張族にとっては、もっと大変。回数券の価格差は1枚当たり、普通車で2350円、グリーン車だと4550円にもなる。価格差だけでなく、「のぞみ」が高速運転する時に出る振動を嫌う人も多いと聞く。
 せめて、ほとんどが臨時列車となっている、追い抜きのない「ひかり」を定期列車化し、回数券での価格差を縮めるくらいのことを、JRは配慮すべきではないか。
・分厚い時刻表変更は分冊に 無職 田中 幸雄(兵庫県明石市 70歳)
 鉄道など交通機関の時刻表がJTBなどから各種、発売されている。中でも最も重用されるのが、B5判の分厚いものだろうが、毎月、あのずっしり重い時刻表が必要なのだろうかと思う。
 一部路線のダイヤ改定やめったにない廃線・新線など、ほんの少しの変更だけで、前号とはとんど同じ内容のものを買わされるのは心外だ。とくに年金生活者にとって、約1000円の出費は荷が重い。
 そこで提案したい。現行の大判は年2回ぐらいの発行にして、毎月の小幅な変更は、その部分だけの冊子として出すのはいかがだろう。これなら、どこの鉄道の、どの路線が変わったか、すぐ分かる。価格も安くなるし、資源の節約にもなる。必要な向きには薄くて、携帯にも便利だろう。
 いまの時刻表は、言ってみればマニア向けだ。ぜひ、出版関係者のご一考をお願いしたい。(朝日新聞)
14日■JR西 初の中期経営目標 05年度営業利益1300億円目指す 社員は2割減予想
 JR西日本は13日、2001−05年度の中期経営目標を発表した。完全民営化後の具体的な経営方針や数値目標を示した初めての経営計画で、長期債務残高の大幅削減など財務体質の強化や鉄道利用客の減少に歯止めをかけるためのサービス向上などを掲げた。
 主力の鉄道事業の伸び悩みなどから05年度の連結売上高は1兆2000億円と2000年度並を見込むが、物販・飲食、ホテルなど各部門の競争力向上や業務運営の合理化などを図り、05年度の営業利益は1300億円(2000年度比15%増)、当期純利益500億円(同60%増)を目指す。
 社員数は今後、定年退職の増加時期を迎えるため、現在より2割少ない3万2000人になる見通し。当期純利益や資産売却益を原資に借入金返済を急ぎ、05年度の連結長期債務残高は1兆1000億円と2000年度から2900億円圧縮する。
 重点項目として三越を核とした梅田北地区開発、03年の新幹線品川駅(東京都)開業に合わせた大幅なダイヤ変更、都市部を中心にした新駅設置の推進、環境会計の導入などを打ち出した。
 12月1日の改正JR会社法施行などに伴う今後の完全民営化を控え、従来は政府の認可が必要だった毎年度の事業計画に替えて策定した。
・中間決算は12%の増益 京都伊勢丹が貢献
 JR西日本が13日発表した今年9月中間連結決算は、売上高が前年同期比0.1%減の5935億円、当期純利益は12.7%増の 237億円の減収増益だった。大手百貨店の伊勢丹と共同出資の「ジェーアール京都伊勢丹」など業績好調な流通部門が貢献した。
 主力の運輸部門は1.2%の減収。山陽新幹線は「ひかりレールスター」増発に加え、9月11日の米中枢同時テロ以降の航空からの需要振り替えによる増収も若干あって前年同期並みの売上高を確保したものの、在来線やバス事業は低迷した。
 流通部門は京都伊勢丹が今年3月期に引き続き好調だったほか、キヨスクなど駅構内事業の拡充で営業利益が38.3%と大幅増。日本テレコム株式の売却益523億円など特別利益もあり、連結全体で増益となった。来年3月期は売上高1兆1860億円、当期純利益410億円を見込んでいる。(京都新聞)
■「東大路駅」実現目指し JR東海道線京都−山科間 東山区民ら推進委
 京都市東山区のJR東海道線京都−山科間(約5.5キロ)に新駅の設置を目指そうと、同区の住民有志がこのほど、「JR東大路駅建設推進委員会」を設置した。区の基本計画に新駅構想の検討が盛り込まれており、同委員会は「実現に向け、地元の熱意を示していきたい」と話している。
 新駅構想の検討地は、JR京都駅から東に約1.4キロの東大路通とJR東海道線が交差する地点。周辺には、大学や高校があり、三十三間堂や智積院、京都国立博物館など観光客らが訪れる名所も多い。
 以前から新駅設置を求める要望があったが、今年1月に策定された区の基本計画に「JR東大路駅(仮称)構想の検討」が盛り込まれたことから、地元の有志が呼び掛けて同委員会を発足させた。
 地元の今熊野学区と一橋学区の自治連役員や商店主、主婦ら委員16人が12日夜、区内のビルで初会合を開き、「他の新駅ができる経過は」「できるだけ多くの署名を集めよう」などと意見交換した。年内に予定する次回会合で、委員長選任などを行う。
 呼びかけ人の一人、石材店経営山本康裕さん(60)は「東山区全体の住民の理解と協力を得て、計画を前進させていきたい」と話している。(京都新聞)
■3新幹線が5時間止まる 停電、6万人影響
 13日午後5時50分ごろ、東北新幹線上野−大宮間で送電が止まり、東北、上越、長野(北陸)の各新幹線が一時、全線で運転を見合わせた。一部の列車は途中駅で運転を打ち切った。混乱は深夜まで続き、東北40本、上越28本、長野17本の上下計85本が運休。約6万3000人に影響があった。
 約5時間が経過した同11時すぎから順次運転が再開された。
 JR東日本新幹線運行本部によると、東京都北区の新田端変電所の避雷器に故障が見つかり、停電との関連を調べている。(京都新聞)
■USJ−神戸間の定期航路また廃止
 米国映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)と神戸を結ぶ定期航路を開設した播淡聯絡汽船(兵庫県淡路町)は13日、乗客が確保できないなどの理由で、同航路の廃止を国土交通省神戸海運監理部に届けた。神戸−USJ間の定期航路を廃止するのは2社目。12月31日に廃止の予定。
 同社はUSJの開業に合わせ、今年3月から1日4往複する定期航路「シネマライン神戸」を開いた。だが、乗用車やJRの利用客が予想以上に多く、当初から乗客不足に悩まされていた。(朝日新聞)
■28本が運休 東北など3新幹線
 停電のため13日夜、約5時間にわたって運転がストップした東北、上越、長野(北陸)の各新幹線は14日朝、始発から運転を始めたが、JR東日本は全体の約1割に当たる計28本の運休を決めた。
 JR東日本によると、運休が決まったのは東北が東京発郡山行きなすの231号など上下10本、上越が東京発越後湯沢行きたにがわ431号など上下14本、長野は東京発長野行きあさま1号など上下4本。
 停電の原因となった東京の新田端変電所は故障したままで、東京−大宮間は電圧降下を防ぐため、一部を運休させる。(京都新聞 夕刊)
■女児死因は窒息
 京都市下京区のJR京都駅で11日に貸しロッカー内から生まれたばかりの女児の遺体が見つかった事件で、七条署の14日までの調べで、女児の死因は窒息死と分かった。同署は殺人と死体遺棄の疑いで捜査している。
 司法解剖の結果、死亡日時はロッカーが貸し出された7日ごろ。遺体が入っていた紙袋は、兵庫県内の商店街の名前が書いてあったという。(京都新聞 夕刊)
■東北・上越・長野新幹線 停電の影響続く
 停電事故で13日夕から5時間以上にわたって運転を停止したJRの東北、上越、長野各新幹線は、14日も影響が残り、1割ほどの列車が運休となった。間引き運転は夜まで続く予定だ。
 停電した東京都荒川区内の新田端変電所は14日になっても機能が回復しないため、東京−大宮間で十分な電力を供給できず、上下28本を運休させる。一部の列車は通過予定駅にも臨時停車するため、10分前後の遅れが出る見込み。影響は合わせて約1万4000人に及ぶとみられる。
 13日は終日ダイヤが乱れ、
3つの新幹線合わせて85本が運休、9本が最大5時間半遅れ、約6万3000人の足が乱れた。
 最後の列車が東京駅に到着したのは14日午前2時半過ぎになった。JR東日本は、山手線や京浜東北線に臨時電車を走らせ帰宅の足を確保した。(朝日新聞 夕刊)
15日■窓 京の路面電車復活待ち望む 南区・大野 岸子(主婦・67)
 京都へ来て間もないころ、市内でただ一つ残っていた路面電車で、私は毎日通勤していた。西大路通のプラタナスの街路樹や、丸太町通のイチョウ並木の鮮やかな緑は、京都の町にも、人の心にもすがすがしさを与えてくれた。また、落ち着いた町家の風情は、古都の威厳さえ感じさせた。路面電車は、古い都の京都にこそふさわしい。全面廃止となったときには私だけではなく、多くの人が残念に思ったに違いない。
 開発の波に押し流された京都の町は、やがて一変した。古い町家は次々に姿を消し、新しいビルが建った。バスに切り替わったとたんに、排ガスで空気は汚れ、鮮やかだった街路樹の緑は、みるみる黒っぽく変色した。
 11日付の凡語に「次世代型路面電車(LRT)の導入を目指す提言を京都商議所がまとめた」とあった。ようやく、京都の未来に明るい兆しが見えた気がした。折しも、京都議定書が合意されたという。地球温暖化阻止は、議長国であった日本、議定書が誕生した京都から、一歩でも前進させるべきではないだろうか。(京都新聞)
17日■線路わき女性転倒 京阪電車18本遅れ
 16日午後7時25分ごろ、京都市東山区福庭御所ノ内町の京阪電車線路橋で、淀屋橋行きの特急電車が、線路わきにうずくまっている女性を見つけ急停車した。松原署によると、女性は線路沿いを歩いていて転倒し、胸の骨を折るなどして、うずくまっていたという。このため、上下線計18本が最大14分遅れ、約1万1000人に影響が出た。(京都新聞)
■降りて歩いて 41 JR向日町駅(向日市寺戸町久々相) 散歩姿絶えない竹の径
 駅からの長い坂道を、新聞を手にした人々が上ってゆく。10分ほどで向日町競輪場に行き着く。全盛期より減ったとはいえ、いまも通勤通学以外で最も多いのがこの競輪揚への乗降客だという。
 競輪場の裏手を上がると、住宅地の中に元稲荷古墳や五塚原古墳など4世紀ごろの前方後円墳が並ぶ。向日市には坂が多い。8平方キロメートル満たない小さな町だが、歩くとその起伏の大きさに驚く。高台に築き、周囲に自らの威を示すのが古墳建造の目的であったといい、市西側の丘陵地には、三角縁神獣鏡などを出土した寺戸大塚古墳が横たわる。
 ここまで来ると周辺は青々とした竹林になる。竹の間を縫い、風趣豊かな垣根道が続く。市の整備する「竹の径」は、市境を越えて西京区の竹林公園まで通じている。葉を揺らす風につられるように、朝夕散歩する人が絶えない。
 1876年に国鉄向日町駅が開業すると、輸送の迅速化で特産タケノコの販路が飛濯的に拡大した。まだ平行して走る西国街道を牛車が行き、貨物は淀川の水運も利用する時代だった。鉄道便への期待が高まり、95年に駅は拡張され、西国街道からの直結道路も新設された。増加する乗降客をねらって駅前に飲食店が並んだ。
 それから100年。町は大都市のベッドタウンとして落ち着き、駅周辺も静けさに包まれる。「もう少し活気がほしい。文化遺産は豊富なのに」松尾憲次駅長は惜しむ。市の西方では長岡京跡中心地の発掘が進む。西国街道を中心に趣のある町並みも残る。付近の鶏冠井地区は日蓮宗研究の要地だ。生かし方次第で訪れる人は増えそうなものなのだが。(京都新聞)
■奈良「植山古墳」、滋賀「下之郷遺跡」史跡10件答申 文化審議会
 文化審議会は16日、国の史跡に10件を指定する答申を遠山敦子文科相に出した。そのほか名勝1件、天然記念物2件、登録有形文化財(建造物)として159件を新たに答申した。
 史跡は、推古天皇と息子の竹田皇子の合葬墓ともいわれる奈良県の「植山古墳」や、最古の国家寺院「百済大寺」の跡とみられている同県の「吉備池廃寺跡」など。登録有形文化財では「JR普通寺駅本屋」吾が、JRの現役駅舎としては全国で初めて答申された。
 答申内容は次の通り(かっこ内は所在地)。
 【史跡の新指定】下野(しもつけ)街道(福島県下郷町)▽松本街道(新潟県糸魚川市)▽伊勢国府跡(三重県鈴鹿市)▽下之郷遺跡(滋賀県守山市)▽植山古墳(奈良県橿原市)▽吉備池廃寺跡(同県桜井市)▽尼寺廃寺跡(同県香芝市)▽田中城跡(熊本県三加和町)▽大島畠田遺跡(宮崎県都城市)▽穆佐(むかさ)城跡(同県高岡町)(朝日新聞)
18日■京日記
 高齢者の乗り降りに配慮した低床型バスの無料試乗会が17日、京都市中京区の河原町商店街周辺で行われた。地面すれすれの乗降口が注目を集め、買い物客でにぎわった。
 試乗会は、河原町商店街振興組合などでつくる実行委員会が、低床型バスのほか、天然ガスや電気で動く低公害車をPRするイベントの一環として初めて行った。
 20人乗りの小型低床型バスは、新町通や姉小路通などの狭い道路にも入り、住民たちの目を引いていた。試乗した右京区の男性(71)は「お年寄りには便利。京都にもぜひ走ってほしい」と話していた。(京都新聞)
■低公害バス 展示と試乗 きょうまで中京
 環境にやさしく、だれでも乗りやすいバスや車を知ってもらおうと17日、中京区の河原町通沿いで低公害バスなどの展示と試乗会があった。河原町商店街振興組合などの主催で、18日まで。
 運転席からの操作でステップが上下し、車いすでも乗降できるバスや電気自動車など計4台が展示されている。
 同組合副理事長の宇治田修孟さん(57)は「将来はこのバスをほかの商店街や駐車場の間で循環バスにして交通渋滞を解消したい」と話していた。(朝日新聞)
19日■回送電車が急停止 湖西線ダイヤ乱れ
 18日午前11時ごろ、向日市寺戸町のJR向日町駅構内で、12両編成の上り回送電車が出発信号機を通過した直後に列車自動停止装置(ATS)が作動し、急停止した。駅員が電車の進路を確認し、35分後に運行を再開した。原因を調べている。この事故で、同電車が運行を予定していた湖西線2本が運休し、特急3本、新快速1本がそれぞれ2−17分ほど遅れ、約2100人に影響が出た。(京都新聞)
■渋滞解消へ バスで観光 嵐山 交通実験始まる
 京都の観光名所・嵐山の渋滞を解消するため、幹線道路の一方通行規制や循環バスを運行する大規模な交通実験が18日、本格的に始まった。
 実験は、京都市をはじめ京都府警、鉄道やバス会社、住民らでつくる「嵐山交通対策研究会」が、マイカー観光を減らし、公共交通を中心にした観光地を目指して初めて実施した。
 紅葉が見ごろを迎えた嵐山で午前10時、嵐山高架道路から三条通、長辻通へと時計回りに誘導する一方通行規制が始まった。他府県から訪れたマイカーが駐車場待ちの長い列をつくる一方、観光バスやタクシーは2車線のうち1車線に設けられた専用レーンをスムーズに走っていた。
 また、運賃が100円の循環バスは、嵐山の鉄道駅や観光地を結んで20分から30分おきに運行された。周辺の交通量が多くダイヤは乱れたが、日中の7時間の間に電車で訪れた観光客ら約450人が利用した。
 循環バスに乗った会社員、藤本和史さん(28)=東京都=は「京都の渋滞解消にいいことだ。観光客もどんどんバスを使うべきだ」と話していた。実験は一方通行規制を除き、23−25日の3日間も行われる。(京都新聞)
■停止装置作動で6本運休や遅れ JR東海道・湖西線
 18日午前11時ごろ、向日市寺戸町久々相のJR東海道線向日町駅構内で、自動列車停止装置(ATS)が作動したため、上り回送電車(12両編成)が停車した。駅係員がポイントが切り替わっているかなどを確認、この電車は約35分後に出発した。
 JR西日本によると、この電車は駅構内の出発信号機を越えてすぐ停車した。運転士は「信号は青だった」と話しているといい、JR西日本が原因を調べている。この電車は京都駅に到着後、湖西線の普通電車として運転する予定だった。この事故のため、湖西線の普通電車2本が運休、東海道線の特急電車など4本が最大17分遅れ、約2100人に影響が出た。(朝日新聞)
■青鉛筆
 第三セクター化による路線存続か、バス転換かで揺れる福井県・京福電鉄の沿線住民らが18日、線路沿いを歩いて存続を訴える「電車存続駅伝大会」を催した。
 今年6月に電車衝突事故があった勝山市などから約500人が参加。電車が走らず、赤くさびた線路を横目に、存続を求めるメッセージが入った紙筒のバトンを駅から駅へとリレーした。
 70歳代のお年寄りたちも参加したが、行進しながらのかけ声は「孫たちのために残そう」から「残してみせるぞ」へ。段々と力強くなっていった。(朝日新聞)
20日■冬の鉄路、備え万全 山陰線・舞鶴線 ラッセル車、試運転
 本格的な冬の到来を前に、JR西日本福知山支社は19日、山陰線と舞鶴線でラッセル車の試運転を始めた。29日までに播但線も含めて延べ8本を走らせ、雪のシーズンに備える。午前7時半ごろ、複線用の除雪装置を備えたラッセル車が豊岡駅を出発。雪をかき分けるウイングや、前面に取り付けられたフランジャーの動きを確認しながらゆっくりと進み、約3時間かけて福知山駅に到着した。午後は福知山−舞鶴間を往復した。
 ラッセル車は豊岡駅に配備し、積雪30センチ以上を目安に出動させる。昨シーズンは1月中旬から3月上旬にかけて計8回(16往復)運転している。(京都新聞)
■2001最前線うら表 嵐山近くの桂川河川敷仮設駐車場開設1ヵ月 国の許可出たが… 渋滞に苦しむ観光客のため/「交通実験」矛盾も 車の呼び水に渋滞悪化懸念 政策の一貫性は? コンセンサス粘り強く
 観光シーズンの渋滞が深刻な嵐山は、慢性的な駐車場不足に悩む。市が96年11月に行った休日交通調査では、三条−四条間約1.6キロある罧原堤は昼前から夕方まで車が続く状態が続いた。
 旅館や飲食店でつくる嵐山保勝会の石川暢之介副会長(65)は「渋滞は嵐山のマイナスイメージにつながる」と、新駐車場の必要性を強調する。
 河川敷の駐車場計画は、実は今回が初めてではない。94年秋、保勝会の要望を受けた市観光協会が同じ場所に臨時駐車場の開設を試みたが「国に打診しても許可が出る時代でなかった」。当時の関係者は振り返る。
 昨秋から地元で再び駐車場開設の話が持ち上がった。上流の中之島公園などの駐車場と位置づけることで、桂川を管理する国土交通省淀川工事事務所から市が占用許可を受け、運営・管理を保勝会に委託する−という形で実現にこぎつけた。
 河川敷は自由使用が原則だ。しかも、洪水などで駐車場の車が流され、利用者や下流に被害が出る恐れがある。このため、同事務所は公園併設やイベント用以外、駐車場としての河川敷利用は許可してこなかった。藤原史朗副所長(55)は「今回は渋滞に苦しむ観光客のための仮設」と説明するが、背景には規制緩和と地方分権の流れがある。
 国は2年前、河川敷利用に地域の意見をある程度は反映できるよう許可基準を改正した。同事務所は「一概にダメではなく、管理が十分と判断できれば許可を出すケースもある」と柔軟姿勢への変化を説明する。
 河川問題に詳しい京都大の芦田和男名誉教授は「国が民意を反映しようとした点は評価できる」としながら「問題は洪水時」と話す。
 保勝会は、注意報・警報発令時は駐車場を閉鎖するとしているが、芦田名誉教授は「国は河川情報をより積極的に公開すべきだし、一方、地元には万全の備えをとる責任がある」と指摘する。
 仮設駐車場には、別の角度からも問題点が指摘されている。
 嵐山では今秋、一方通行規制や循環バス運行など大規模な「交通実験」が始まった。京のアジェンダ21フォーラムの能村聡さんは「駐車場の新設は車の呼び水になり、逆に渋滞悪化につながらないか」と懸念する。
 保勝会は「仮設駐車場は緊急避難」とするが、車から公共交通への転換を図る実験と、マイカー観光に利便を与える駐車場設置の整合性に疑問の声も少なくない。
 渡月橋から約1キロと近く、景観への影響も指摘されている。
 芦田名誉教授は「観光振興と交通問題、安全性、河川生態系や景観を総合的に考え、議論することが重要」と話す。
 さまざまな利害や思惑を持つ市民の間で、ひとつの合意を形成するのはたやすいことではない。しかし、方向性がバラバラでは、せっかくの施策の実は上がらない。行政と市民の間で、粘り強くコンセンサスをつくる努力が求められる。
 嵐山仮設駐車場 右京区の京都嵯峨芸大前の桂川左岸にあり、約6000平方メートル。乗用車のみ約200台収容できる。12月9日までの土、日、祝日に試験的に実施する。利用は無料。(京都新聞)
■タヌキ衝突か 新幹線止まる 豊橋−三河安域間
 19日午後6時57分ごろ、JR東海道新幹線豊橋−三河安城間を走行中の東京発新大阪行き「ひかり227号」の運転台の下の方で異常な音がしたため、運転士が列車を停車させた。点検で車両に異状はなく、約40分後に運転を再開したが、影響で上下20本が最大48分遅れ、約1万5000人に影響が出た。JR東海によると、名古屋駅で再点検をした結果、車体にタヌキのものとみられる黒い毛などが付着していた。(朝日新聞)
■京福電車事故 信号見落とし?運転士聴取 福井県警 本社など捜索
 福井県勝山市の京福電鉄越前本線で6月、電車同士が正面衝突し、25人が重軽傷を負った事故で、福井県警勝山署捜査本部は20日、上り普通電車を運転していた下川床誠運転士(22)を業務上過失致傷の疑いで事情聴取し、同電鉄京都本社(京都市中京区)と福井本社(福井市)など3ヵ所を家宅捜索した。捜査本部は乗客の証言などから下川床運転士が赤信号を見落として駅を出発したため、下り急行電車と正面衝突した可能性が高いと判断した。
 事故は6月24日、勝山市鹿谷町の京福電鉄越前本線(単線)の発坂駅西300メートル付近で発生。下川床運転士の勝山発福井行き上り電車と、福井発勝山行きの下り電車が正面衝突し、下川床運転士も頭の骨を折る重傷を負った。
 調べによると、同電鉄の運行計画では上り電車は午後6時8分50秒に同駅に到着し、同10分55秒に下り電車が向かい側ホームに到着したのを確認してから発車することになっていた。しかし、捜査本部は下りがホームに到着せず、上りの信号機が赤だったにもかかわらず普通電車が同駅を発車したと断定。信号機に故障がなかったことから下川床運転士が赤信号を見落とした可能性が高いとみている。
 今後、安全対策を怠ったとして京福電鉄幹部数人も業務上過失致傷容疑で立件する方針。
 京福電鉄は昨年12月17日にも、福井県松岡町の越前本線で電車同士の正面衝突事故を起こし、運転士1人が死亡、25人が重軽傷を負っており、同県警が捜査を進めている。
 京福電鉄京都本社が入った京都市中京区のマンションビルには午前9時すぎ、福井県警の捜査員が到着、2階にある事務所に入って捜索を始めた。捜査員らは関係書類を調べたり、事務所内を撮影したりしていた。(朝日新聞 夕刊)
21日■におわない駅のトイレ JR西日本 快適旅計画で導入
 掃除しやすい便器でいやなにおいをカット−。JR西日本は20日、駅のトイレをリニューアルし、ベンチやホーム待合室も設置するなど、快適な旅に向けた整備計画を発表した。「12月1日の完全民営化を見据え、乗客への一層のサービス向上のため」としている。
 「におわない」トイレは、最新技術で開発された汚れの付きにくい便器を導入。床と段差をなくし掃除をしやすくするなどの工夫をする。本年度中に大阪、新神戸、茨木の3駅で各1ヵ所ずつ、5年間で約30駅に設ける。清掃員の人数も増やす予定。
 都市部の駅では邪魔にならないようにと最小限だったベンチには「少ない」との苦情が多かったが、2年で70駅、200個を増設する。(京都新聞)
■京福正面衝突 「上り」の運転士逮捕 業過致傷容疑 赤信号見落とす
 福井県勝山市で6月に起きた京福電鉄越前本線の2度目の正面衝突事故で、勝山署捜査本部は20日、上り普通電車に赤信号見落としなどの過失があったとして、業務上過失致傷と業務上過失往来危険の疑いで普通電車運転士の下川床誠容疑者(22)=福井市二の宮三丁目=を逮捕した。
 同容疑者は「私のミスで事故を起こしたのは間違いない。けがをした人には大変申し訳ない」と過失を認めているが、事故の詳細については「覚えていない」と話しているという。
 調べによると、下川床運転士は6月24日午後6時9分ごろ、越前本線の発坂駅で、下り急行電車との擦れ違いを確認せずに出発。赤信号も見落として進行したため、駅から約500メートルの地点で対向してきた急行電車と正面衝突し、双方の乗客ら24人に重軽傷を負わせた疑い。
 下川床容疑者も頭の骨を折るなどの重傷を負ったが、捜査本部は同容疑者の体力や精神的なショックが十分に回復したと判断、逮捕した。
 また、捜査本部は同日、京都市の京福電鉄京都本社などを家宅捜索し社員教育に関する資料などを押収。同電鉄が半年で2度の正面衝突事故を起こしたことや、見習い期間が短く運転経験の浅い下川床容疑者を乗務させていたことなどを重視、同電鉄の安全管理体制も調べを進める。同本線では昨年12月にも、普通電車同士が正面衝突し、運転士1人が死亡、乗客ら25人が重軽傷を負う事故があり、福井県警の捜査が続いている。(京都新聞)
■京福事故の運転士逮捕 福井県警
 福井県勝山市の京福電鉄越前本線で6月、電車同士が正面衝突し25人が重軽傷を負った事故で、福井県警勝山署捜査本部は20日朝から事情を聴いていた福井市二の宮3丁目の同社運転士下川床誠容疑者(22)を業務上過失傷害と業務上過失往来危険の疑いで逮捕した。
 調べによると、下川床容疑者は上り普通電車を運転していたが、勝山市鹿谷町の京福電鉄越前本線(単線)の発坂駅で下り電車を待たなければならなかったにもかかわらず、赤信号を見落として電車を出発させ、正面衝突させた疑い。
 下川床容疑者は事故で頭の骨を折り約2週間入院。退院後も体調が戻らなかったため県警は快復を待って事情聴取した。これまでの任意の調べに対し「信号の色は覚えていない」と話しており、20日も同様の供述をしているという。(朝日新聞)
■事務所代求め労組が提訴 JR東海労、同社に
 労働組合の事務所の部屋を会社が提供しないのは不当労働行為だとして、JR東海(本社・名古屋市)の労組のひとつ、ジェイアール東海労働組合(JR東海労、約800人)と同労組の新幹線関西地方本部が20日、同社に約1400万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
 訴えによると、JR東海労は91年の結成後、部屋の提供を会社に求めてきたが、「場所がない」と拒否された。このため、JR新大阪駅近くの賃貸マンションを借りざるを得なかったなどとして、支払った部屋代などの賠償を求めている。(朝日新聞)
■疲れて酔って? 荒れる男50代 車内・駅の暴力、JR東警戒
 JR東日本管内の駅や列車内で駅員らが乗客に暴力をふるわれた例が、今年度上半期で156件にのばることが20日、同社のまとめでわかった。加害者は50歳代の男性が多く、夜8時以降の酔客による例が目立っている。忘年会シーズンに向け、同社では社員やガードマンの巡回を増やすなど警戒を強める。
 JRなどは暴力追放キャンペーンに取り組んできたが、発生件数はほぼ横ばいだった。加害者の年代の内訳は50歳代が49人で、40歳代が22人、30歳代と20歳代は各23人。山手線などを抱える東京支社管内が半数近くの76件を占め、駅別では新宿が12件、上野が10件、池袋が8件だった。
 ▽乗車券購入の案内をしたところ、30歳代の男性酔客になぐりかかられ、小指を骨折して6週間のけが▽酔った50歳代の男性が暴れ、投げ飛ばされて3週間のけが−などの例があった。(朝日新聞)
■新幹線の送電 一時ストップ 京都−新神戸間
 21日午前7時20分ごろ、東海道、山陽新幹線の京都−新神戸間の送電がストップし、走行中の新幹線が停車した。約7分後に送電を再開したが、新大阪始発のひかり359号が13分遅れで出発するなどの影響が出た。
 JR東海によると、大阪第一車両所(大阪府摂津市)で、新幹線の車両切り離し作業のため、車両の屋根に上ろうとした男性社員(51)が架線に接触し、ショートしたとみられる。社員は病院に運ばれたが命に別条はないという。(京都新聞 夕刊)
■京都- 新神戸 新幹線に遅れ 作業中の感電で停電
 21日午前7時20分ごろ、大阪府摂津市のJR東海大阪第1車両所で、車両の切り離し作業をしていた男性社員(51)が感電した。社員は腕などにやけどをした。この影響で東海道・山陽新幹線の京都−新神戸間が上下線とも7分間停電し、新大阪発博多行きの「ひかり359号」が最大13分遅れるなど、約400人に影響した。
 JRによると、連結器や高圧線を切り離していたところ、作業を誤って感電したという。(朝日新聞 夕刊)
23日■バイオ燃料非課税など 重点12項目を要望 来年度予算編成で京都市
 京都市は22日、政府の来年度予算編成に対する12項目の重点要望を発表した。混合バイオ・ディーゼル燃料の非課税化や産官学の連携施設設置などを盛り込んでおり、12月上旬に市幹部らが上京して各省庁への要望活動を行う。
 今年6月に国の概算要求に対して75項目を要望しており、今回は、その後の各省庁の概算要求状況を踏まえ、うち12項目を重点要望とした。
 環境に優しいバイオ・ディーゼル燃料の普及のため、軽油との混合油であっても非課税とする地方税法改正、バイオ・ディーゼルを定義づける日本工業規格(JIS)の制定などを求めている。
 また、京都大などの研究機関と企業との結びつきを強化する「研究成果活用プラザ」の西京区内への設置や、コーディネーター配置など産官学の有機的な連携に向けた環境整備の推進を要望している。
 このほか、介護保険制度の基盤整備のための特別養護老人ホーム建設などへの財政支援▽新十条通など京都高速道路と京都第二外環状道路の整備促進▽地下鉄東西線延伸区間の補助金確保▽地方交付税総額の確保−などを求めている。(京都新聞)
■東西線延伸工事 環境影響を説明 右京で地元住民に
 京都市は21日夜、地下鉄東西線二条−天神川間(2.4キロ)の延伸計画の地元説明会を、京都市右京区の太秦小で開いた。
 環境影響評価準備書と、延伸に伴う都市計画変更案の内容を市が説明するのが狙いで、「天神川駅(仮称)」の建設を計画している右京区で開催した。
 説明会には市民約40人が参加。市は、地下鉄のルートや駅の位置などに関する都市計画案に続き、騒音や振動など10項目の調査結果と、工事が環境に与える影響の予測、評価を記した準備書について説明。騒音、振動は規制基準を下回り、低騒音の機械を導入することなどを話した。
 住民からは「工事では安全面に十分配慮して」「天神川の環境への影響は」「建設費はどれくらいか」などと意見や質問が熱心に出ていた。
 地元説明会は、「西大路駅(同)」の建設を計画している中京区で、19日に開催したのに続いて実施した。(京都新聞)
■新幹線2本止める JR京都駅で飲酒男
 22日午前10時10分ごろ、京都市下京区のJR京都駅新幹線ホームで線路上にいる男を駅員が発見。線路にしがみつくなど抵抗し、「のぞみ」など2本が緊急停車した。京都府警機動隊員が男を新幹線防害特例法違反の疑いで現行犯逮捕した。
 調べでは、男は福岡県福岡市南区若久団地、無職臼杵卓司容疑者(34)。ホームから飛び降り、あお向けで大の字に寝ていた。飲酒しており、七条署で動機などを調べている。駅員が異常停止スイッチを押したため、新大阪行き「のぞみ」がホーム手前約300メートルで緊急停車。ホームに停車中の東京行き「のぞみ」が8分遅れで出発した。(京都新聞)
24日■夜久野で特急故障 JR山陰線、4本運休
 24日午前5時50分ごろ、京都府夜久野町内のJR山陰線・下夜久野−上夜久野間で、出雲市行き特急「出雲」の機関車が故障した。乗務員らが応急処置を行い約30分後に徐行運転を再開、約2時間50分遅れで上夜久野駅に到着した。
 この影響で、上下線計4本の普通列車が運休したほか、後続の列車に最大約2時間50分の遅れが出て、約1200人の足が乱れた。(京都新聞 夕刊)
25日■京福2路線存続へ 福井県と沿線市町村 三セク化で合意
 2度の正面衝突事故の後、廃線届を提出した京福電鉄の福井県内3路線(計59.2キロ)の存廃を論議する「京福越前線沿線市町村会議」が24日、開かれ、県と沿線市町村は越前本線と三国芦原線の2路線(計53キロ)を第三セクター化して存続させる方向で合意した。知事と沿線の首長が参加した同会議で合意したため、2路線存続の可能性が高まった。今後、県や市町村議会で経費面などについて議論し、その審議結果を基に栗田幸雄知事が12月中に最終結論を出す予定。
 同会議で県は、2路線を存続すると、開業後10年間の必要経費は約119億円掛かると試算。負担割合は県が約6割の約72億円、市町村が約4割の約47億円と提示した。栗田知事は「市町村の負担が軽くなるよう、今後国に働き掛ける」と約束した。(京都新聞)
■昔の名前で特急復活運転 JR東、好評で増発へ
 現在は運転を打ち切った列車を、JR東日本が体日などに複活運転させている。乗客からも好評で、同社は「柳の下のドジョウ」を狙って、今後も”増発”する方針だ。
 復活運転は、旧国鉄時代の1982年に「つばめ」を東京−大阪間で運転したのをはじめ、87年の民営化後も断続的に実施してきた。本年度は上野−仙台間の特急「ひばり」など既に4回実施し、さらに4回を計画している。
 きっかけは、今年4月に実施した特急「はつかり」の復活運転。「はつかり」は82年の東北新幹線開業に伴い、運転区間が盛岡−函館間に短縮されたが、現在は団体用列車として使われている車両を利用して、上野−青森を往復した。乗車券658枚は発売後数分で売り切れ、特に青森駅で催された出発式では、地元関係者が多数訪れ盛り上がった。乗客からも「非常に懐かしかった」「楽しい」との声が寄せられたという。
 「青森県の人にとって『はつかり』は特別。昔、『はつかり』から青函連絡船に乗り継いだ北海道関係者も乗車したのでは」と、同社の日野正夫販売課長。同タイプの車両はJR西日本にも貸し出され、7月に特急「月光」、同「しおじ」として新大阪−下関を走った。
 日野課長は「これで利益を上げようというのではなく、鉄道に親しみを持ってもらいたい」と、来年度も続ける方針だ。(京都新聞)
26日■公共機関優先に一定効果 京都市が嵐山で交通実験 「100円バス」人気まずまず 専用レーン緊急車両にも 周辺の渋滞は例年並み 車の総量規制課題
 観光名所・嵐山の渋滞緩和を目指し、京都市は紅葉が最盛期の17日から25日にかけて、一方通行規制や「100円バス」運行による交通実験を行った。専用レーンをバスがスムーズに走り、公共交通優先の狙いは一定の効果がみられたものの、周辺部の渋滞は例年とほぼ変わらず、車の総量規制など根本的な解決に向け、多くの課題も見えてきた。(社会報道部 沢田亮英 吉永周平)
 小雨交じりの天候となった18日の日曜日。時計回りの一方通行に規制された嵐山高架道路、三条通、長辻通ではマイカーが数珠つなぎになったのとは対照的に観光バスなどは専用レーンをスムーズに走り抜けていた。一方、通行規制や専用レーンを設定しなかった23日の祝日には、交通整理の規模も小さく、長辻通は「歩行者天国状態」になり、マイカーやバスの通行に支障が出た。
 駅や寺社を巡る100円バスは計4日間運行された。満員の日もあるなど、まずまずの人気。しかし、18と23の両日の昼すぎに乗るとJR嵯峨嵐山駅と大覚寺を往復するのに周辺部の混雑で1時間前後かかり、定時運行には程遠い状態だった。
 大規模な交通実験は、京都の観光地では初めてだけに、地元の住民や商店関係者には期待と不安が入り交じっていた。嵯峨学区自治連合会の福本幸男会長は「市が本腰を入れて渋滞解決に動き出したことは一歩前進」と評価した。
 実験前は売り上げへの影響を懸念していた嵐山商店街の野田博会長は「売り上げは例年とほぼ変わらなかった」と話す一方、嵐山では最大級のドライブインでは「18日は観光バスからの昼食のキャンセルが何組か出た。ここ数年はなかったこと」と困惑していた。
 市交通政策課の岡田憲和課長は「一方通行とバスレーンの設定で2車線を有効に使うことができ、規制の効果はあった。消防車をバスレーンに誘導するなど、緊急時の通行にも有効と分かった」と手ごたえを語る。
 しかし、周辺道路の渋滞は両日とも深刻だった。18日の三条通は、渡月橋を先頭に最長で蚕ノ社(右京区太秦)付近まで3.3キロ続いた。四条通や新丸太町でも嵐山を先頭に1−1.5キロの列となり「例年とほぼ変わらない」(府警交通規制課)。タクシーで桂川に架かる松尾橋(四条通)から清滝道三条の三差路までの1.6キロを走ると18日は30分、23日は36分かかった。
 市は、公共交通の利用をインターネットなどでPR、車の流入抑制を図ったが、嵐山を訪れた人に実験について聞くと30人中28人が「到着するまで知らなかった」と答えた。岡田課長も「準備やPRの時間不足は否めない」と認める。
 実験内容を検討した嵐山交通対策研究会の座長で京都大工学研究科の北村隆一教授は「渋滞解消には、周辺部に駐車し、公共交通で目的地に着くパーク・アンド・ライドのような広域的にマイカーの総量を減らす取り組みが不可欠だ」と話す。
 市は実験期間中に名神京都南インターなどからの所要時間や嵐山周辺の交通量、100円バスの利用実態などを調査し、アンケート票も配布した。結果を分析し、2年計画の実験の後半に、パーク・アンド・ライドの実現に向け準備を進める。
 地元にはマイカー規制で観光客の足が遠のくことを心配する声もあるが、北村教授は「電車やバスで来て歩く観光客はあちこちで消費する。経済面では歩く観光客を集める方が効果が高い」とも指摘する。
 住民や観光関連の団体も参加する研究会は発足して半年足らず。今回の実験結果と、これまでに築いた協力関係を土台に、観光地としてマイカー乗り入れを禁止するのか、今のまま受け入れていくのか、嵐山の未来像を描く視点で議論を深めてほしい。(京都新聞)
■「ひかり」故障 1100人乗り換え 新横浜、ブレーキ不調
 先日午後2時27分ごろ、JR東海道新幹線の新横浜駅を発車しようとした東京発博多行き「ひかり195号」で緊急ブレーキが作動し、列車が止まった。車両を調べたところ、4号車のブレーキの利きが悪くなっていることがわかった。このため同号車のブレーキを使わないようにし、18分遅れで運転を再開した。
 新大阪駅で乗客約1100人に別の列車へ乗り換えてもらい、同駅を47分遅れで出発した。(朝日新聞)
27日■京都市の上告 最高裁退ける バス運転手停職問題
 不当な停職処分を受けたとして、京都市交通局のバス運転手(53)が同市に損害賠償と停職処分の取り消しを求め、京都地裁が50万円の支払いと処分の取り消しを言い渡した裁判で、最高裁は26日までに、市側の上告申し立てを退け、市側の敗訴が確定した。
 運転手は3年前の5月、粗暴運転などを理由に3ヵ月の停職処分を受けた。昨年9月の京都地裁判決は「運転手が粗暴運転した事実や乗客に迷惑をかけた事実はない。職務命令違反と評価される行為はなく、懲戒理由は存在しない」と判断した。二審の大阪高裁も一審判決を支持した。
 京都市交通局の乾雅晴企画総務部畏は「処分の妄当性を訴えてきたが、主張が認められず誠に残念」としこいる。(京都新聞)
■窓 新路面電車の現代的活用を 大津市・山本 淳司(大学職員・41)
 20日付本紙で、先ごろ京都商工会議所が提案した路面電車の導入について、北村京都大学教授による賛同の提言が掲載されていた。教授は新世代の路面電車は高性能であると評価し、自動車は高密度な都市内では効率が悪く、排ガスによる大気汚染の問題があり、地下鉄は建設費が高いと指摘している。
 京都を訪問する観光客に、最も評判が悪いのが交通事情の悪さであり、京都で働く私たちにとっても身近で重大な関心事である。地下鉄は2路線あるが、交通の拠点から拠点へのアクセスが悪く、かつて市民の足であった路面電車復活に対する潜在的要求は根強いものがある。
 現在でも、中国地方や九州地方の主要都市では路面電車を運行しているところが少なくない。かつてのように、現在の市バスが担う主要交通機関としてではなく、観光客の利便と、住民の生活を重視して、路面電車を補完的に活用すれば、自動車での通勤が減るのも期待できると考える。(京都新聞)
■尼崎市バス高齢割引
 兵庫県尼崎市は、市営バスに割安の「高齢者定期」を来年度から導入する。65歳以上が対象で、月3000円(割引率75%)から年3万円(同79.2%)まで4通り用意する。通常の大人の定期が月6000円(同50%)なのに比べ割安だ。競合する民間バスがすでに導入しているうえ、来年2月からバス路線の新規参入が届け出制になるなど規制が緩和されるため「高齢者を少しでも呼び込みたい」としている。(朝日新聞 夕刊)
28日■都心部の渋滞状況分析 「歩くまち京都」めざし冊子配付 京のアジェンダ21フォーラム
 乗り入れ制限提言 地球環境問題に取り組む京都市民や企業でつくる「京のアジェンダ21フォーラム」(事務局・中京区)は、冊子とパンフレット「歩くまち京都をめざして」をまとめ、市民に配布している。慢性的に混雑している河原町通など市都心部の交通問題について、原因分析と提言をまとめている。
 都心の小路を走る自動車の50−80%が通過交通で地域の活性化に役立っておらず、交差点での混雑が河原町通、四条通の渋滞の一因になっている、と分析している。また、都心来訪者で自家用車を移動手段に使う人の割合が全体の6%にすぎないとする調査結果を示し、2つの通について、自家用車の乗り入れを制限し、低公害型バスと徒歩移動を基本とした歩行者優先の道路構造に改造するよう提言している。
 冊子とパンフレットは、京のアジェンダ21フオーラム内の「環境にやさしい交通体系の創出ワーキンググループ」が昨年10月から1年間実施した調査、研究の成果をまとめた。無料。いずれも3000部。
 問い合わせは同事務局TEL075(222)4037まで。(京都新聞)
■貴金属4000万相当バッグごと盗難 JR新大阪駅
 27日午後8時20分ごろ、大阪市淀川区のJR新大阪駅構内で、貴金属販売会社の男性会社員(31)がアジア系外国人に話し掛けられ、応対している間にネックレスなど約130点(約4000万円相当)入りのボストンバッグを盗まれた。(京都新聞)
■窓 お答えします 接遇態度について 京都市交通局自動車部運輸課長 伊藤正彦
 13日付「窓」欄におきまして、敬老乗車証をこ利用のお客さまに対する市バス乗務員の接遇態度などについて「思いやりがない」との厳しい指摘がございました。このたびのご指摘は、全局を挙げてサービスの向上に取り組んでいる中、まだ一部にお客さまを第一とした職務ができていない乗務員がいるという大変残念なものであり、お客さまの市バスに対する信頼を裏切るものとして、乗務員の指導不足を深く反省しております。また観光都市である京都の信用を失墜させかねないものとして、市民の皆さまにおわび申し上げます。
 ご指摘を踏まえ、もう一度、全乗務員に対し、敬老乗車証制度の意義やお客さまへの接遇態度について、指導を徴底致しました。今後とも、このようなご指摘をいただかないよう、お客さまサービスの向上に努め「安全で、愛され、信頼される市バス」を目指して事業運営に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。(京都新聞)
■「金盗もうと」勝手知ったる駅舎へ侵入 叡電元駅長を逮捕
 下鴨署は28日、建造物侵入の疑いで、京都市伏見区醍醐川久保町、警備員アルバイト山本孝容疑者(44)を現行犯逮捕した。
 調べでは、山本容疑者は28日午前1時すぎ、左京区山端壱町田町、叡山電鉄修学院駅操車運転司令室内の精算室に無断で侵入した疑い。
 同署によると、山本容疑者は一昨年夏まで同駅の駅長だった。同駅では、今月初めにも現金約67万円が盗まれる被害があり、関連を調べている。
 調べに対し、山本容疑者は「消費者金融に借金があり、金を盗もうと侵入した」と容疑を認めている、という。(京都新聞 夕刊)
■運転席窓にヒビ JR快速が運休 1000人に影響
 28日午前6時ごろ、滋賀県安土町上豊浦のJR安土駅で、到着した姫路行き快速電車から「運転席の窓ガラスにひびが入った」とJR西日本新大阪総合指令所に連絡があった。
 指令所によると、前部ガラスが広範囲にひび割れたが、運転に支障はないとして運行を続け、大津駅でテープで補強した後、京都駅で約300人の乗客を降ろし、運行を中止した。別の電車1本も運休し、合わせて約1000人が影響を受けた。
 指令所は、投石による事故ではないかとみて、調べている。(京都新聞 夕刊)
29日■KTR冬季運行 年末年始に臨時列車5本 行楽向け「特急カニ」も
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)は、年末年始とカニシーズンに向けた冬の旅客輸送計画(12月1日−来年2月28日)をこのほど発表した。
 年末年始の臨時列車は計5本。天橋立発京都行き特急「はしだて82号」を1月2日から同6日まで運行する。
 また、カニの行楽客のために、大阪発天橋立行き特急「かにカニ文殊号」と天橋立発京都行き特急「かにカニはしだて号」を12月15日から土、日祝日(年末年始を除く)に1日各1本ずつ運転する。
 一方、12月から丹後由良(宮津市)、木津温泉(網野町)、丹後神野(久美浜町)の各駅には特急列車が期間中、臨時停車するほか、ほとんどの特急を増結、6両編成で対応する。(京都新聞)
■京福電鉄の赤字拡大
 福井県内で2度の正面衝突事故を起こし、3路線の鉄道事業廃止届を出した京福電鉄(本社・京都市)は28日、中間決算(4〜9月)と運輸成績を発表した。事故のあった越前本線などで乗客が大幅に減少し、売上高は前年同期を18.9%下回る18億4900万円だった。
 乗客数は越前本線を含む越前線3路線が26.6%減の116万3000人で、京都市の嵐山本線などを含めた6路線では約1割減った。6路線の旅客収入は15.8%減の9億6466万円。この結果、経常赤字は6億6100万円で前年同期の約4倍に膨らみ、累積赤字は9億5145万円になった。(朝日新聞)
■はねられ男性死亡 八幡、京阪特急に
 28日午後6時ごろ、八幡市八幡千束の京阪本線で、線路上にいた男性が、出町柳行き特急にはねられ死亡した。電車は現場に15分停車した。乗客約400人にけがはなかった。
 この事故の影響で、後続の特急1本が運休したほか、上下線計42本が最大で15分遅れ、約1万7000人に影響が出た。
 八幡署の調べでは、男性は50−60歳で、身長は約175センチ、グレーのウインドブレーカーの上着、黒色のジャージーのズボン姿だったという。(京都新聞)
30日■京阪が財政支援も 岡田専務 京福電鉄再建で言及
 京阪電鉄は29日、福井県で発生した列車衝突事故の影響で業績不振が続いている京福電気鉄道の再建について、関連会社の京福側から正式な要請があれば資産買い取りなどの形で財務支援に応じる考えを示した。
 9月中間決算の発表の中で、岡田恵治専務が明らかにした。京阪側が公式の場で京福の財務支援に言及したのは初めて。
 京福電鉄の経営状況について、岡田専務は「自主的に再建が可能」としたうえで「累損をどうするかについては資産の買い取りなど、できる範囲で応えたい」と述べた。
 時期など詳細な内容については「(福井県での)事故の処理などの関係でまだ詰めた話はしていない」とした。
 京福電鉄は今後1、2年でグループ会社の再編を進めながら、所有する有価証券や不動産などの売却を検討する方針。(京都新聞)
■ホテル好調で増収 関西4私鉄、USJ効果 9月中間連結決算
 関西大手私鉄5社の2001年9月中間連結決算が29日、出そろった。大阪市に3月末、開業したユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)効果で、ホテル事業が伸び、南海電気鉄道を除く4社が増収を確保した。
 本業の鉄道事業は、USJ開業で近畿日本鉄道が3億円強、京阪電気鉄道が3800万円など多少の増収効果はあったものの、主力の定期券収入が「高い失業率と少子化」(近鉄)の影響で減ったため、各社とも減収となった。
 一方、ホテル事業はUSJで遊ぶ宿泊客の増加で、阪神電気鉄道が9.0%増、京阪が7.3%増となるなど、南海も含め全社が好調で、タクシー事業の売却が響いた南海を除く4社の連結ベースでの売り上げ増に貢献した。
 損益面では、3社が当期黒字を計上したが、事業再構築中の近鉄、南海は赤字だった。
 来年3月期は、阪急電鉄が米中枢同時テロの影響を受けた阪急交通社の業績不振で、阪神は建設業などの不振で減収の見通しだが、残る3社は増収を見込んでいる。近鉄と南海は当期赤字を予想している。(京都新聞)
関西大手私鉄5社の9月中間連結決算
 売上高当期順損益
近畿日本鉄道5734(3.8)▼1(−)
阪急電鉄2120(2.7)64(約21倍)
阪神電気鉄道1358(0.3)24(約2.5 倍)
京阪電気鉄道1201(0.4)0.2(−)
南海電気鉄道978(▼1.7)▼15(−)
※単位は億円、億円未満切り捨て(京阪電気鉄道の当期純損益だけは千万円未満切り捨て)、カッコ内は前年比伸び率%、▼は赤字かマイナス、ーは比較できず
■京都駅ビル 屋上救出や避難誘導 新装の「京都劇場」で訓練
 京都市下京区のJR京都駅ビル内に来年1月に新装オープンする「京都劇場」で29日、火災を想定した消防訓練があった。下京消防署のはしご車による屋上救出など迫力のある訓練に多くの市民らが足を止めて見入っていた。
 劇場職員でつくる自衛消防隊員50人、下京消防署員24人が参加。3階調理場から出火したとの想定で、はしご車が高さ約20メートルの劇場5階屋上に取り残された観客役の署員を救出したほか、職員が消化器の使い方などを学んだ。
 京都劇場は1997年開館の劇場「シアター1200」の客席、舞台を大幅に改装した。職員は、観客席の出入り口など改装で配置が変わった場所を署員と共に確認。避難誘導に真剣に取り組み、新装オープンに向けて気持ちを新たにしていた。(京都新聞)
■声 エレベーターだれのためか 無職 宮川 正祐(滋賀県守山市 75歳)
 体に障害のある人たちが社会生活のうえで支障がないよう、いま各方面でバリアフリー化が進められている。とくに、影響の大きい交通機関では整備が急がれている。
 先日、JRを利用した際、たまたま停車した電車の窓からエレベーターが見えた。それとなく眺めていると、電車から降りた客が一斉にエレベーターの前に集まってくる。驚いたことに、ほとんどが20歳前後の学生風の若者である。
 その後から車いすに乗ったおばあさんが娘さんの介添えでやってきたが、エレベーターはすでに先客で満員、おばあさんは次の便を待たねばならない。若い人も気づいているのに、譲ろうとする者などいない。この状態を見て、あっけにとられた。
 社会的弱者のための施設・設備が、もくろみ以外の方向で当然のように使われるとするならば、心外であり、情けなくもある。整備の意義を考えて、若い人も健常者も、目先の便利さだけを求めず、良識ある行動を、ぜひお願いしたい。(朝日新聞)
■JR西日本 ローカル線合理化加速 近畿中心、来春に15前後
 JR西日本は来春、和歌山線など15前後のローカル線で、列車本数を減らすなど大幅な合理化に乗り出す。2年前から北陸や中国地方の山間部などで徐々に始まった試みを、近畿を中心に一気に拡大させる。ローカル線の赤字減らしが狙いだ。12月1日に改正JR会社法が施行され、同社は純粋な民間会社になる。採算重視の姿勢が一層強まり、「もうからない」路線の前途は厳しそうだ。
 対象は、和歌山線(奈良県王寺町−和歌山市)、桜井線(奈良市−大和高田市)の全線と、富山県内の高山線の一部など約15路線で、地元自治体と詰めの協議をしている。
 合理化案は、列車本数を20−10%減らし、これまで1−2両編成だけだったワンマン運転を4両編成にまで拡大。無人駅も増やす。線路を傷つけないようにするため、最高速度も下げる。利用客の少ない土、日曜の昼間に、列車を完全に止めることも検討している。これらで経費が約3割減るという。
 JR西日本は99年10月、岡山、烏取県の因美線・東津山−智頭間で試験的に合理化を始め、今年10月までに北陸、中国地方の山間部を中心に15路線まで拡大した。新たな15路線と合わせ、合理化される路線は約1500キロ。約5千キロある同社の営業区間の約30%に及ぶ。
 同社の路線はほぼ半分が赤字ローカル線で、山陽新幹線と京阪神の在来線の黒字で補っている。だが過疎化やマイカーの普及でローカル線利用客は8年間で11%減り、発行済み株式の約11%を持つ外国人株主らから「経費が収入の何倍もかかる赤字線を持つな」との意見も強く、一気に合理化を進めることにした。
 JR本州3社を完全に民営化する改正JR会社法は12月1日に施行され、事業計画や代表権のある役員の選任などに国の認可が必要なくなる。(朝日新聞 夕刊)