2001(平成13)年10月


1日■京義線、臨浬江へ延伸 韓国(朝日)
  ■近畿で局地的大雨 すさみで床上浸水 紀勢線では土砂流出(朝日)
2日■「歩車分離信号」試験運用を開始 JR京都駅前4交差点で府警 歩行者の安全最優先 横断中 信号はすべて「赤」(京都)
  ■普通電車、ホーム停止位置オーバー JR稲荷駅(京都)
  ■ギャラリーは叡山電鉄の「エコ列車」 京都精華大生が作品展 つり広告代わり 40点ずらり(京都)
  ■ホーム転落防止/介助犬への理解 バリアフリー化 促進へ行動計画 鉄道事業者に国交省求める(京都)
  ■新幹線予約のネットダウン JR東海(朝日)
  ■JR駅事故で死亡 関根さんの遺作展(朝日)
  ■「坊ちゃん列車」夜を行く 松山で訓練走行(朝日)
  ■車両故障で900人に影響 朝のJR関西線(朝日)
  ■JR紀勢線が全線運転再開(朝日)
3日■投石、窓にひび 大津のJR東海道線(京都)
  ■地下鉄の駅で回数券・現金 1100万円分盗難紛失 97〜00年度 大阪市示す(朝日)
  ■小田急高架化 東京地裁 国の認可取り消し(京都)
  ■また偽造1万円札 JR横浜線駅で発見(京都)
  ■小田急線高架 事業認可取り消し 東京地裁 住民請求認める(朝日)
  ■回送電車にはねられ死亡 測量中の男性、神戸(朝日)
4日■福井・京福電鉄 来週にも廃線手続き 最終結論めど 知事の発言受け(京都)
  ■湖上出勤いかが 滋賀県が来月パークアンドシップライド 南郷烏丸半島→大津 車渋滞を解消 実験参加者募る(京都)
  ■小田急の高架化「違法」判決 踏切解消に波紋 国が補助金全62ヵ所(朝日)
  ■北港テクノポート線 08年度改行を延期へ 大阪市など 五輪招致失敗受け(朝日)
  ■券売機などから小銭16万円盗難 神戸市営地下鉄(朝日)
5日■2003世界水フォーラム 琵琶湖−大阪湾ゆったりと 疎水の舟運復活へ 近畿整備局、イベント検討(京都)
  ■近鉄とJR共通化記念カード(京都)
  ■往年の看板特急 人気も快走 JR各社 継続運行の声(京都)
  ■社長に木部氏 JR西ホテル開発(京都)
  ■偽札で使用停止 券売機使用再開 JR西日本(朝日)
  ■列車にひかれ死亡 JR篠原駅構内(京都)
6日■クイズや講座 8日に開眼21 京都駅ビルなど(京都)
  ■寝屋川車両基地 8日に一般公開 京阪電鉄(京都)
  ■食堂街 より明るく JR京都駅 新装オープン(京都)
  ■社説 高架化判決 行政の論理優先に警鐘(京都)
  ■降りて歩いて 37 JR下山駅(丹波町下山) 住民が支える玄関口(京都)
  ■歩行者・自動車 分離信号 人「青」なら車輛全部「赤」 事故防止へ試験開始 京都駅北側4交差点(朝日)
  ■JR山科駅で出発信号故障 列車16本に遅れ(京都)
  ■山科で信号故障 JR16本に遅れ(朝日)
10日■嵐山の交通実験 一方通行は1日だけ 地元要請受け 来月18日に実施(京都)
  ■「鉄道の日」に108人を大臣表彰 国土交通省(京都)
  ■小田急電鉄高架訴訟 識者ら控訴断念要請(朝日)
  ■南部で大雨 交通に乱れ 近畿地方(朝日)
11日■緊急時停車 ボタン増設 地下鉄四条駅(京都)
  ■チンチン電車だゾー こだわりの木工模型 北区の渡貫さん作品展(朝日)
12日■特急グッズ販売 京都駅で13、14日 鉄道の日フェス(京都)
  ■バスにはねられ女性が死亡 中京(朝日)
  ■坊っちゃん列車が復活 伊予鉄道(京都)
  ■Qちゃんマドンナ 山嵐には小出監督 「坊っちゃん列車」発車(朝日)
13日■京都市路線バス 観光(百景)向けをひと目で 専用ロゴつけ運行 秋のシーズン12台導入へ 格子柄に花木あしらい 多彩な魅力イメージ(京都)
  ■降りて歩いて 38 京阪男山ケーブル 男山山上駅(八幡市八幡) 京都や長岡京を一望(京都)
  ■ミニSLに人気集中 鉄道の日記念イベント 下京(京都)
  ■はねられ男性死亡 彦根、JR特急に(京都)
  ■ビジネス戦記 官に頼らず 前政府税制調査会会長 加藤 寛 旧国鉄の民営化を主張 スト権で三木首相に腹案(朝日)
16日■市営地下鉄転落事故訴訟 全盲男性の訴え棄却 大阪地裁 「安全策不備と言えぬ」(朝日)
  ■京福電鉄福井3線 今週にも廃線手続き(朝日)
17日■二条駅地区シネコン 英車が進出 施設規模はやや縮小 来年末オープン目指す(京都)
  ■JR二条駅前シネコン進出 再開発やっと始動 にぎわい復活 期待大きく(朝日)
  ■アルナ工機 会社3分割 来年4月めど(朝日)
  ■JRが冬の臨時列車(朝日)
  ■加古川線を全線電化(朝日)
  ■和歌山港〜徳島港 高速船1月末廃止(朝日)
18日■地下鉄5大プロジェクト 拙速避け進める 桝本市長会見(京都)
  ■鉄道バリアフリーまだまだ 段差解消29%、795駅 国交省初のまとめ(京都)
  ■南海電鉄が当期赤字に 9月中間期予想(朝日)
19日■福井の全3路線廃線へ 京福電鉄、きょう届提出(京都)
  ■琴平電鉄 債権放棄要請へ そごう出資子会社倒産で(朝日)
  ■検証 切れた鉄路再建険し 京福、三セク不参加 高齢者ら「廃線に不安」(朝日)
  ■女性はねられ死亡 JR長岡京駅(京都)
20日■廃線届を提出 京福が福井3路線(京都)
  ■降りて歩いて 39 KTR大江山口内宮駅(大江町内宮) 古木そびえる「元伊勢」(京都)
  ■京福電鉄が廃止届提出 福井県内3路線(朝日)
  ■主なき日々(朝日)
21日■車輪の幅、可変電車 来月、初の走行実験 鉄建公団(京都)
  ■新札流通増で偽札防止作戦 日銀、券売機に対応(京都)
22日■寝台特急から煙 京都駅で点検後、再開(京都)
  ■コミュニティーバス運行へ住民運動活発化 醍醐 事業者誘致が課題 市に望声強く 採算、路線ネックに(京都)
  ■自治のかたち 都市交通システムに新たな波 「車中心」から「人中心」へ(京都)
  ■高架橋からモルタル落下 山陽新幹線(朝日)
  ■夙川新駅攻勢JR 07年春にも開設 私鉄に影響、年200万人 阪急「客奪い合い」 阪神「西宮が心配」(朝日)
23日■鉄片で信号誤作動 列車6本遅れる 京都駅山陰線ホーム(京都)
  ■京阪が装飾電車 淀屋橋−出町柳間 あすから(京都)
  ■オウム裁判 10月 検察側承認の主尋問終了(抜粋)
24日■「日勤教育で自殺」 運転士遺族労災を申請 JR(朝日)
  ■菅原文太さん長男 俳優加織さん死亡 電車にはねられ(京都)
  ■菅原文太さん長男が事故死 世田谷の踏切(朝日)
25日■渋滞ない嵐山を 駅結ぶ100円バス 通行規制を実施 京都市 来月の交通実験(京都)
  ■午の親子切符 買って仲良く 信楽焼製、あす発売(京都)
  ■嵐山にも100円バス 京都市 渋滞解消へ実験 来月4日間(朝日)
  ■白い粉で500人 一時下車騒ぎ JR南武線の終電(京都)
26日■通路などに白い粉 京都駅ビル駐車場(京都)
  ■社説 嵐山交通対策 車優先の発想変えよう(京都)
  ■駐車場や周辺 相次ぎ白い粉 JR京都駅ビル(朝日)
  ■声 転落防止さく どのホームも 盲学校講師 藤野 高明(大阪市 62歳)(朝日)
  ■窓 論説委員室から 臨津江駅(朝日)
27日■国内最古の客車を修復 米子市教委(京都)
  ■電化記念チョロQ(京都)
  ■電車にはねられ死亡 向日の阪急京都線(京都)
28日■京都市地下鉄・烏丸御池駅 近畿の駅100選認定 記念プレートを除幕(京都)
29日■近鉄踏切で車脱輪 京田辺、2500人に影響(京都)
  ■市バス運転手ら男に殴られけが 左京、傷害で捜査(京都)
  ■自動改札機上に白い粉 JR京郡駅(朝日)
30日■総額151億円の債権放棄要請 琴電が再建計画(京都)
  ■阪急事故の身元判明(京都)
  ■京福電鉄社長減給処分に(朝日)
  ■琴平電鉄が債権放棄要請 再建計画案に盛る(朝日)
31日■JR平野駅で信号機が故障(朝日)
  ■USJ直行バス 利用者低迷 休止や減便 大阪市(朝日)



1日■京義線、臨浬江へ延伸 韓国
 軍事境界線をはさんで南北朝鮮に分断されている鉄道、京義線は9月30日から、これまで韓国側最北端だった■(さんずいに文)山(ムンサン)駅より北側の臨津江(イムジンガン)駅までの運行を始めた。臨津江駅までの運行は51年ぶりという。
 韓国政府は南北和解の象徴である京義線の連結工事を進めており、軍事境界線まで約6キロに近づけた。
 この日の一番列車には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に親類を残した離散家族ら約400人が乗り込んだ。故郷が北朝鮮の乗客の男性は韓国メディアに「半世紀かけて、あと6キロのところまで来たが、うれしさは半分。軍事境界線を越えれば手放しで喜べる」と答えた。(ソウル)(朝日新聞)
■近畿で局地的大雨 すさみで床上浸水 紀勢線では土砂流出
 近畿地方は9月30日から1日にかけ、南部を中心に局地的な大雨となり、和歌山県すさみ町で床上浸水や床下浸水の被害が出た。同県古座町では竜巻が発生し、1戸で尾根がわらが吹き飛んだ。土砂崩れや強風などで鉄道も一部で乱れた。
 大阪管区気象台などによると、30日午前10時から24時間の各地の雨量は、和歌山県那智勝浦町282ミリ、同県新宮市277ミリ、奈良県十津川村203ミリ、大阪府箕面市76ミリなど。
 この雨の影響で、JR紀勢線は、和歌山県すさみ町見老津で線路下の斜面の土砂が崩れ、周参見−串本で運転を見合わせた。特急列車は京都・新大阪方面−白浜で折り返し運転をしている。
 また関西空港駅に設置した風速計が規制値(毎秒26メートル)を超え、JRと南海電鉄が、りんくうタウン−関西空港で一時運転を見合わせた。(朝日新聞 夕刊)
2日■「歩車分離信号」試験運用を開始 JR京都駅前4交差点で府警 歩行者の安全最優先 横断中 信号はすべて「赤」
 京都府警は1日、歩行者向けの信号が青の時、交差点の横断歩道に車が全方向から進入できないようにする「歩車分離信号」の試験運用を京都市下京区の塩小路通烏丸交差点などJR京都駅前の4交差点で始めた。
 通常は信号が青の時は歩行者と車が同時に進むが、歩車分離式は歩行者信号が青でも車両用の信号はすべて赤となる。交差点内に車が入れなくなることで歩行者の安全が保たれる、という。
 府警によると、交差点横断中の高齢者たちが右左折する乗用車にはねられる事故が全国で多発、府内でも昨年、820件の人身事故があった。歩車分離信号は府内の主要交差点では初めてとなる。
 試験運用は、午前10時から塩小路通烏丸−西洞院間の4交差点で始まった。横断した中京区の主婦(44)は「信号待ちの時間が長くなり、いらいらする」と話す一方、タクシー運転手(49)は「歩行者を気にせずに右左折でき、交通がスムーズになるのでは」と評価していた。試験運用は今月末まで行う予定。(京都新聞)
■普通電車、ホーム停止位置オーバー JR稲荷駅
 1日午後3時45分ごろ、京都市伏見区深草のJR稲荷駅で、京都行き普通電車が停止位置を誤り、電車最後尾がホームから約2メートル離れた位置でとまった。電車はホームまで戻った後、約12分遅れで発車した。後続1本も約6分遅れ、乗客計約750人に影響が出た。
 JR西日本は、運転士のブレーキ採作ミスが原因とみて調べている。(京都新聞)
■ギャラリーは叡山電鉄の「エコ列車」 京都精華大生が作品展 つり広告代わり 40点ずらり
 叡山電鉄(左京区)の環境列車「エコモーション」内で1日、環境をテーマにしたマンガ展が始まった。京都精華大(同区)芸術学部マンガ学科の学生が描いた作品が並び、環境の大切さを訴えている。12月28日まで展示される。
 叡山電鉄は1995年から、2両編成の水色車体に植物の絵を描いた列車「エコモーション」を運行。車内をギャラリーとして開放し、つり広告の代わりに写真や絵画を展示してきた。車内展は19回目で、列車は出町柳−鞍馬間を多い日で1日8往複する予定だ。
 今回は、京都精華大の学生が環境問題を題材に描いた作品40点を展示した。「わが家がない」と涙ぐむカエルや岩の代わりにゴミ袋に座る人魚、あらゆる環境破壊の原因の中で「戦争」ほど大きな元凶はないことを表現した作品などが飾られ、乗客らは興味深そうに眺めていた。(京都新聞)
■ホーム転落防止/介助犬への理解 バリアフリー化 促進へ行動計画 鉄道事業者に国交省求める
 国土交通省は1日、鉄道のバリアフリー化を進めるため、駅の新設や車両の改良などのハード面、高齢者らが構内を移動しやすいための情報提供などのソフト面を盛り込んだ行動計画のガイドラインをまとめた。
 2010年を目標に駅など公共施設のバリアフリー化を求めた交通バリアフリー法の施行を受けた措置で、鉄道事業者に行動計画の作成を求める。国交省は事業者で構成する年1回の連絡会議で、バリアフリー化の進ちょく状況を報告させる。
 ガイドラインは、ハード面では(1)視覚障害者のホーム転落に対する安全対策を推進する(2)ホームと車両の段差を縮小する(3)乳幼児の同伴者や障害者らが利用しやすい多機能トイレが付いた車両導入を検討する−などを挙げている。
 ソフト面では(1)路線案内や運賃、運行情報を分かりやすく提供する(2)高齢者や障害者への職員の介助サービス向上を目指す(3)乗客の介助犬への理解と協力を得る−ことなどが不可欠とした。
 一方、国交省の交通エコロジー・モビリティ財団は、ホームページなどで「らくらくおでかけネット」の試行運用を1日から始めた。約2200の鉄道駅や約70の空港ターミナルなどで、車いす利用者でも移動しやすいルートを事前に分かるようにする。
 アドレスはhttp://ecomo.mri.co.jp/rakuraku/index/(京都新聞)
■新幹線予約のネットダウン JR東海
 1日午後8時40分ごろ、インターネットや携帯電話で新幹線の指定席予約ができるJR東海のシステムが使えなくなり、約2時間後に復旧した。この「エクスプレス予約」はサービスを始めた9月3日もインターネット経由での予約ができないトラブルが起きた。(朝日新聞)
■JR駅事故で死亡 関根さんの遺作展
 東京都のJR新大久保駅で今年1月、ホームから転落した男性を助けようとして亡くなった写真家関根史郎さん(当時47)の遺作を集めた追悼写真展「関根史郎の見た中国」が、大阪市北区梅田2丁目の大阪ニコンサロンで開かれている。9日まで(水曜休み)。
 問い合わせは大阪ニコンサロン(06・6348・9698)へ。(朝日新聞)
■「坊ちゃん列車」夜を行く 松山で訓練走行
 夏目漱石の小説「坊っちゃん」にも登場した機関車「坊っちゃん列車」が1日深夜、松山市内の路面電車の軌道を走った。伊予鉄道(本社・松山市)が12日から営業運転を始めるが、この日は運転士の訓練として実施した試験走行。初日には、ベルリン・マラソンで世界最高記録をうち立てた高橋尚子選手がゲストとして乗る予定だ。
 列車は1日午後11時過ぎ、松山市中心部から道後温泉駅へと走った。
 漱石が見た明治時代の蒸気機関車とは違い、ディーゼル機関車だが、専用の装置で蒸気も出せば、汽笛を鳴らすこともできる。訓練は11日まで続く。(朝日新聞 夕刊)
■車両故障で900人に影響 朝のJR関西線
 2日午前8時10分ごろ、大阪府柏原市青谷のJR関西線河内堅上駅で、難波発王寺駅行きの上り普通電車(6両編成)の運転士から「加速状態が悪い」と、新大阪総合指令所に連絡があった。同電車は約5分後に王寺駅に到着したが、折り返し運転を取りやめた。この車両故障で上下線各1本が運休し、約900人に影響がでた。(朝日新聞 夕刊)
■JR紀勢線が全線運転再開
 大雨による線路への土砂流入などのため、三重県南部で運転を見合わせていたJR紀勢線は2日午前11時、最後まで不通だった尾鷲−熊野市駅間で運転を再開した。車両手配のため、2日午後の一部の特急に影響が残る見通しだ。(朝日新聞 夕刊)
3日■投石、窓にひび 大津のJR東海道線
 29日午後2時50分ごろ、大津市中庄二丁目のJR東海道線で、米原行き普通電車が走行中、運転席の窓ガラスに石のような物がぶつかり、ひび割れた。けが人はなく、電車はそのまま運行を続けた。大津署とJR西日本によると、窓ガラスは縦横約7センチの放射状にひび割れている。直前に運転士(26)が線路わきで石のような物を投げる子どもの姿を見たといい、同署は器物損壊事件とみて調べている。(京都新聞)
■地下鉄の駅で回数券・現金 1100万円分盗難紛失 97〜00年度 大阪市示す
 大阪市営地下鉄の駅の売店や市バス券売機で97〜00年度に盗難11件と紛失1件があり、計約1100万円相当の回数券や現金が盗まれるなどしていたことがわかった。2日開かれた市議会決算特別委員会で市側が明らかにした。
 市交通局によると、盗難は97年度は御堂筋線の新大阪駅で4件、梅田駅で3件、いずれも売店で発生。このうち6件は、3ヵ所の売店で1〜5ヵ月の間に連続して起きていた。いずれも金庫ごと持ち去られ、被害額は830万円だった。
 00年度は新大阪駅など4ヵ所で4件あり、市バスの自動券売機が荒らされるなどし、被害額は257万円だった。紛失は98年度に梅田駅内の売店であり、26万円がなくなったという。
 市交通局は回数券販売や売店運営などを外郭団体の市交通局協力会に委託。協力会が警察に被害届を出しているが、すべて未解決という。(朝日新聞)
■小田急高架化 東京地裁 国の認可取り消し
 東京都内の住宅街を走る小田急小田原線の高架方式複々線化に反対する世田谷区の沿線住民ら約120人が、関東地方整備局長に建設大臣(当時)の事業認可取り消しを求めた訴訟で、東京地裁は3日、住民の請求を認める判決を言い渡した。国の事業認可の取り消しを認めた判決は異例。
 判決理由で藤山雅行裁判長は「単なる利便性の向上を違法状態の解消よりも優先するもので、法的に見過ごせないかなり重大な瑕疵(かし)があった」と述べた。一方で、高架を取り除いたり、原状回復する工事を差し止める義務はないとした。
 認可の前提となった東京都の都市計画決定について判決は(1)騒音被害の恐れを見過ごした環境影響評価(2)地下式を採用しなかった地形的判断(3)高架式と地下式の事業費の比較を十分に検討しなかった−などの点で誤りがあったと判断。
 その上で「国は都市計画決定の経緯を理解せず、十分検討して認可したかどうかも疑わしい」と述べた。
 原告適格について事業地内の住民9人は認めたが、高架の建設で騒音被害などを受けると主張していた残る住民の訴えは却下した。
 小田急は交通渋滞の原因となるラッシュ時の「開かずの踏切」解消のために世田谷区内の約6.5キロで複々線化を計画。東京都は道路と線路を立体交差させる高架方式を採用して1993年2月に都市計画を決定、翌年6月に建設大臣(当時)の事業認可を受けた。
 これに対し住民側は地下方式の方が、生活環境や用地取得費を含めた建設費で1000億円以上少ないなどあらゆる面で優れていると主張していた。
 高架橋工事は既に98%の用地を取得し、70%が完了。小田急線の高架化をめぐっては沿線住民が騒音被害や地下化を求める訴訟も起こしている。
・根本的見直しを
 中本信幸原告団代表の話 この判決で、わが国の司法が健在であることが明確になった。国と東京都はこの判決に従い、市民側と直ちにテーブルにつき、地下を基本とした事業の根本的見直しをするよう求めていきたい。
・立体交差は推進
 国土交通省関東地方整備局の話 当方の主張が裁判所に認められず遺憾。今後の対応については、判決の内容を詳細に検討した上で、関係省とも協議し決定する。国交省としては、開かずの踏切解消のため、今後とも連続立体交差事業の推進に努めていきたい。
・理解得られず残念
 東京都建設局道路建設部関連事業課の広木良司課長の話 国や都の主張の理解が得られなかったことは残念。今後の対応については、判決内容を詳細に検討した上で、国と調整して対処する。(京都新聞 夕刊)
■また偽造1万円札 JR横浜線駅で発見
 JR東日本は3日、JR横浜線橋本駅(神奈川県相模原市)の自動券売機から偽造1万円札2枚が見つかったと発表した。
 同社によると、2日午後8時半ごろ、駅員が自動券売機の売上金を確認した際、赤っぽい不審な1万円札2枚が入っていた。同社は神奈川県警相模原署に被害届を出した。
 同社は当分の問、管内の自動券売機約3600台について、1万円札が使えないようにする措置を取ることを決めた。
 2日には埼玉県内の西武線3駅でも、計16枚の偽1万円札が見つかっていた。JR東日本管内では駒込駅(東京)、鹿島神宮駅(茨城)で9月25、26両日に1枚ずつ見つかったが、今回の偽札とは別の種類とみられている。(京都新聞 夕刊)
■小田急線高架 事業認可取り消し 東京地裁 住民請求認める
 東京都世田谷区を通る小田急線の高架化事業をめぐり、同区の沿線住民123人が国土交通省関東地方整備局長を相手に、都市計画法に基づく事業認可処分の取り消しを求めた訴訟で、東京地裁は3日、処分を取り消す判決を言い渡した。藤山雅行裁判長は事業計画について「すでに違法状態の疑いがあった騒音の解消に配慮していなかった」「十分な検討をしないまま高架式が地下式と比べて圧倒的有利との前提で結論を出した」などと指摘し、認可の前提となる計画決定が違法だったと述べた。
 大きな公共事業の認可処分が裁判で取り消されたのは極めて異例。小田急線の事業に限らず、今後の公共事業の進め方にも大きな影響を与えそうだ。
 問題となっていたのは、梅ケ丘駅から喜多見駅付近までの約6.4キロを高架・複々線化させる「連続立体交差事業」。94年、東京都の申請が事業認可された。総事業費は約1900億円とされ、工事は現在約7割が終了している。この判決によっても、すでに終了した工事を原状に戻す義務まで生じない。
 判決はまず、事業地内や付随する街路事業に不動産の権利を持つ9人に原告適格を認めた。
 そのうえで、事業計画の内容について(1)当時の小田急線は騒音の点で違法な状態が発生している疑いがあったにもかかわらず、これを見過ごし、その疑いを解消する配慮をしなかった(2)事業費の点で高架式と地下式のどちらが優れているのか十分検討もせずに、高架式が圧倒的に有利との前提で検討した−と指摘。(1)については「単なる利便性の向上という観点を違法状態の解消の観点よりも上に置く結果を招きかねず、法的には到底看過し得ない」と述べた。
 また、(2)についても「確たる根拠に基づかないで、より優れた方式を採用しなかった可能性が高く、かなり重大な誤りがあった」と述べ、(1)と(2)のいずれの理由でも処分を取り消し得ると結論づけた。
 この事業は、61年に計画決定され、何度かの変更を経て、認可を受けた。小田急などによると、工事費用は都側86%、小田急側14%の負担割合で進められている。来年3月に下り線が全線、04年度末に全事業が完成する予定という。
根本的見直しを
 原告・弁護団の話 事業の内容や進め方に重大な違法があることを十分に見抜いた判決で、例を見ない英断快挙だ。すでに工事が一部進行している事業に対するものであるだけに、歴史的意義ははかりしれない。政府と東京都には、判決に従って事業の根本的な見直しをするよう要求する。
主張通らず遺憾
 国土交通省関東地方整備局の話 当方の主張が認められなかったのは遺憾だ。今後の対応は、判決内容を検討し、関係各省とも協議して決定する。国土交通省は「開かずの踏切」解消のため、連続立体交差事業の推進に努めたい。(朝日新聞 夕刊)
■回送電車にはねられ死亡 測量中の男性、神戸
 3日午前9時ごろ、神戸市垂水区西舞子1丁目の山陽電車の線路わきで、同僚2人と測量作業をしていた同区西舞子3丁目の建設会社「倉敷林業」アルバイト作業員米山光男さん(68)=同市北区ひよどり北町3丁目=が、霞ヶ丘発東二見行き回送電車(4両編成)にはねられ、頭を強く打つなどして即死した。米山さんらは近くの民家の測量のため山陽電車の線路敷地内でくい打ち作業をしていたとみられる。垂水署は作業に問題がなかったかどうか、同社の担当者らから事情を聴いている。この事故で、当該電車が現場に約10分間停車し、後続の特急が最大3分遅れた。(朝日新聞 夕刊)
4日■福井・京福電鉄 来週にも廃線手続き 最終結論めど 知事の発言受け
 半年間に2度の正面衝突事故を起こし、3ヵ月以上運休している福井県内の京福電鉄の存廃問題について、栗田幸雄県知事は3日の県議会予算特別委員会で「京福に先に廃線手続きに入ってもらい、県の最終結論は12月県議会で示す」と述べた。
 これを受けて同社は「県と相談の上、来週中にも鉄道事業廃線の手続きに入る」との見解を明らかにした。 知事はこれまで「沿線市町村と協議し、できるだけ早い時期に方向性を示す」としていたが、最終結論のめどに初めて言及したことで県は12月までに、沿線9市町村などの意向を把握し第三セクター化した際の収支を精査、三セク化するか、廃止するかの結論に向け詰めの協議を急ぐ。
 存廃について同社の石田栄一社長はこれまで「代行バスと鉄道の人件費が重なって収益が悪化し、倒産の危機にある。廃線手続きに早急に入りたい」として、県などに10月初めまでに結論を出すよう要求していた。(京都新聞)
■湖上出勤いかが 滋賀県が来月パークアンドシップライド 南郷烏丸半島→大津 車渋滞を解消 実験参加者募る
 滋賀県は、大津市中心部の通勤時間帯の車の渋滞解消や琵琶湖の交通利用の方策を探ろうと、11月中旬から計10日間、船を使った交通社会実験「パークアンドシップライド」を実施する。車からバスや電車に乗り替える交通社会実験は各地で行われているが、船が使われるのは全国でも初めて、という。
 実験は、大津市黒津の琵琶湖工事事務所桟橋から南郷港、石山寺港を経て大津港に至る「南郷−大津ルート」(約11キロ)と、草津市の烏丸半島と大津港を直接結ぶ「烏丸−大津ルート」(約10キロ)で実施。
 出勤時に、南郷水産センター、南郷公園、県立琵琶湖博物館(草津市)の各駐車場に車を置き、船に乗り換え通勤。帰りも船を利用する。
 実験は南郷−大津ルートが11月12−16日、朝夕各2便。烏丸−大津ルートは同26−30日に朝1便、夕2便を運行。船は、琵琶湖汽船の「インターラーケン」(120席)と県の環境セミナー船「みずすまし」(25席)を使用する。
 県によると、南郷ルートの所要時間は、瀬田川から近江大橋までの区間で速度規制があるため約1時間かかり、車通勤と比べ15−20分超過。一方、烏丸ルートは車通勤の半分の25分前後で到着できる、としている。
 県は実験参加者に、所要時間や利用料金、航行ルートなどをアンケートし、実用への参考にする。
 県は、各ルート120人ずつ参加者を募集。対象は、大津市中心部の事業所に勤める車通勤者で、原則5日間連続で参加可能な人。無料。問い合わせは、パークアンドシップライド交通社会実験事務局TEL0120(412)263 まで。(京都新聞)
■小田急の高架化「違法」判決 踏切解消に波紋 国が補助金全62ヵ所
 騒音の解消か、渋滞の緩和か−。東京都世田谷区で続けられている小田急線高架化工事の事業認可取り消し判決は、都市生活をめぐってぶつかりあう多様な問題を改めて浮かび上がらせた。東京都と小田急電鉄は判決を受けても工事を続ける構えだが、影響は避けられない。全国で62ヵ所の連続立体交差事業をかかえる国も、波紋を心配している。
 連続立体交差は「開かずの踏切」の解消などを目指す。小泉内閣が掲げる「都市再生」にも見合うとして、国土交通省が来年度予算の概算要求で、今年度より10%増の1455億円を盛り込んだ「目玉事業」だ。
 現在、同省が補助金を支出しているのは、千葉県船橋市の京成本線、名古屋市の名鉄名古屋本線、神戸市の阪神本線、福岡市のJR鹿児島線など全国62ヵ所。いずれも事業主体は自治体だ。
 大半は小田急と同様の「高架化」。川崎市の京浜急行大師線、東京都調布市の京王線、大阪市のJR片町線の3ヵ所で「地下化」が検討されている。
 大手鉄道会社の土木専門家によると、1メートル当たりの工事費は、高架が高さ5メートルで150万〜200万円。地下を掘削機で掘り進めるシールド工法だと、その数倍はかかるという。開削して埋め戻す工法だとそれよりは安く済むが、電車を走らせたまま工事を行うには多くの用地が必要になってしまうという。
 これだけで見れば、安い高架が増えるのが道理だが、もちろん、条件によって建設費は大きく変わってくる。「郊外に新線を造る場合なら、高架と地下が同程度か、地下が安いこともある」との指摘もある。
 同省都市・地域整備局は「これからも連続立体交差事業には積極的に取り組む」というが、省内には既存事業や今後の事業の進め方などへの影響を心配する声もある。
 幹部の一人は「高架にしろ、地下にしろ、環境影響評価などを通じて、住民の合意を得る方法を徹底してもらうしかない」と話した。
「地下式の検討、不十分」
 小田急線高架化事業では地元住民の意見も分かれた。都議会や区議会には、高架式、地下式それぞれの意見が請願や陳情として出されていた。だが、東京都は「総合的な判断」として高架式で計画を進めた。
 判決文には都への厳しい言葉が並んだ。「騒音被害の解消よりも利便性の向上を重視している」「地下式の利点が十分検討されていない」。有識者でつくる都の環境影響評価審議会の審査も「不十分」とされた。
 都は「判決の指摘は納得できない」と反論。地下式を採用した場合の地上部の利用価値について考慮しなかった、とされたことにも、「検討してはいないが、高架式でも商業施設などで地上部の利用はできる」としている。
 高架化で騒音被害を受ける地上3階以上への騒音予測を「不十分」とも批判された。これについては8段階での予測をしており、「何をもって不十分とされたのか理解できない」と不満げだ。
 ただ、現行の環境影響評価制度では事業者側が作った評価書案を審査するだけで、限界はある。小田急線は高架式の案しか示されていなかったため、地下式は評価対象にすらならなかった。(朝日新聞)
■北港テクノポート線 08年度改行を延期へ 大阪市など 五輪招致失敗受け
 大阪湾の人工島を結ぶ地下鉄「北港アクノポート線」の建設で、事業主体の大阪市と国土交通省は、計画していた08年度の開業を数年延期する方針を固めた。来年度政府予算の概算要求で、同省は当初予定していた国庫補助を5億円減額。駅舎建設事業が先送りされ、全体の完成がずれ込む公算となった。同線は、08年夏季五輪の主要交通手段とされたが、招致は失敗。公共事業費削減の方針の前に、延期は避けられないと判断した。
 同線は、大阪湾の人工島「咲洲」「夢洲」「舞洲」を結ぶ全長7.5キロ。00年12月から建設に着手していた。総事業費は1870億円。
 しかし、7月にあった五輪開催地選考で、大阪市は落選。これを受け、市と国土交通省で今後の事業計画を協議していた。
 同線のルートのうち、建設中の夢洲トンネル(咲洲−夢洲、2.1キロ)は、鉄道と道路の一体構造になっている。夢洲には来春、大型コンテナふ頭(水深15メートル)が完成し、道路輸送の需要が生まれる。このため、トンネル部分は計画通り08年の完成を目指す方針だ。同省は8月、トンネル関連の直轄事業費と国庫補助費に計約220億円を概算要求した。
 その一方で、舞洲の駅舎建設の国庫補助費約5億円は、概算要求に盛り込まなかった。
 大阪湾岸の開発をめぐっては、市が88年、住宅や企業を集積する総額2兆2000億円の計画を策定。しかし、バブル崩壊で企業進出は低迷し、五輪招致も失敗。9月に、計画を見直しするプロジェクトチームを発足させていた。都市基盤の地下鉄が延期されることで、開発全体に遅れが生じるとみられる。
 磯村陸文市長は「五輪がなくなり、地下鉄は08年に間に合わせる必要がなくなった。財政事情を考えれば、開業延期は選択肢として十分ある」と話している。(朝日新聞)
■券売機などから小銭16万円盗難 神戸市営地下鉄
 神戸市中央区の市営地下鉄海岸線ハーバーランド駅で9月下旬、券売機や精算機から、釣り銭用の小銭約16万円が盗まれていたことが3日、わかった。いずれも駅事務室に接している機機の裏側から盗まれたとみられ、兵庫県警生田署は、内部事情に詳しい者の犯行の可能性があるとみて、窃盗などの容疑で調べている。(朝日新聞)
5日■2003世界水フォーラム 琵琶湖−大阪湾ゆったりと 疎水の舟運復活へ 近畿整備局、イベント検討
 近畿地方整備局が、2003年3月に京都を主会場に開かれる「第3回世界水フォーラム」の関連イベントとして、琵琶湖疏水の舟運復活を検討している。フォーラムの期間中、京都市左京区の舟運ケーブル施設「蹴上インクライン」を再稼働させ、琵琶湖から大阪湾までを結ぶ。関係機関でつくる同フォーラム準備委員会「水について考える近畿地域会議」を今秋にも開いて正式提案し、京都、大津両市などに実現への協力を呼びかける。
 世界水フォーラムを市民レベルで盛り上げ、水への理解を深めてもらうため、同整備局が今春から本格的な検討を始めた。フォーラムの出席者や観光客らを対象に活用する考えで、一部ではすでに現地調査も始めている。
 構想によると、舟運ルートは大津市の琵琶湖から疏水に入り、京都の市街地を経由して伏見区で宇治川に合流、そのまま大阪湾に至る全長約60キロ。途中、京都市の鴨川東側部分で疏水が地中化されているほか、宇治川に入る水門付近の水深が浅いことなどから、実際には舟が通れない場所が多く、一部区間はバス輸送なども検討している。
 蹴上インクラインについては「琵琶湖疏水の舟運を象徹する施設だけにアピール効果は大きい」(坪香伸河川部長)として所有・管理者の京都市に協力を求める。京都市は「現段階では財源もなく難しいとしか言えない」(市水道局)との立場だが、整備局は「フォーラム期間だけの一時利用なら可能ではないか」(河川部)と、半世紀ぶりのインクライン復活に期待している。(京都新聞)
■近鉄とJR共通化記念カード
 近鉄とJR西日本は14日から「近鉄・JR西日本共通化記念Jスルーカード」を販売する。JR西の自動精算カードで、近鉄の共通化は大阪線青山町駅以西の主な幹線が対象。紅葉を背景に奈良市の東大寺や神戸市の風見鶏(どり)の館などをデザインした。両社の主要駅で計16万枚を限定発売する。台紙付きで1000円。(京都新聞)
■往年の看板特急 人気も快走 JR各社 継続運行の声
 JR各社が始めた往年の看板特急の日付限定「リバイバル運転」が、指定席乗車券が発売直後に売り切れるなど好評だ。懐かしむ中高年や鉄道ファンからは「継続的に運行してほしい」との声も出ている。
 JR東日本は8月、東北新幹線開業に伴い1982年に廃止した特急「ひばり」を、旧国鉄当時の赤と肌色の「485系」を活用して上野−仙台間で1往複させた。10月中旬には上越線開通70周年記念として、上野−新潟間で82年に退いた「とき」を1往復させる。
 JR西日本も7月に山陽線の全線開通100周年で、かつて花形特急「月光」と「しおじ」を、1日限定で新大阪−下関間で運行。67年にデビューした世界初の寝台・座席両用の「583系」を使い、乗車率は7−8割に達したという。
 JR西は昨年8月にも「はと」を新大阪から博多までリバイバル運転しており、南谷昌二郎社長は「今後もいい車両があれば実施したい」とリバイバル運転に意欲的。JR東も「開通何十周年といった路線は今後も控えているので(復活運転を)考えたい」と話す。
 一方、JR九州はデビュー当時の懐かしのボディーカラーを復活させた。小倉−宮崎空港間などを結ぶ「にちりん」の485系などを昨年9月から10月にかけ塗り替えた。こちらはミレエアム記念イベントとして2003−04年まで継続運行する予定。(京都新聞)
■社長に木部氏 JR西ホテル開発
 ホテルグランヴィア京都を運営するジェイアール西日本ホテル開発(京都市下京区)の新社長にこのほど、前ホテルグランヴィア大阪社長の木部義人氏(60)が就任した。
 JR西日本の系列ホテル再編に伴う人事で、同ホテル開発は1日付で大阪、岡山、広島などの系列6ホテルの株式移管を受け、資本金を60億円から180億円に増強した。京都と合わせて7ホテルの統一的な経営、営業を進める。
 木部 義人氏(きべ・よしと)東京大法卒。65年に日本国有鉄道に入り、92年にJR西日本取締役、常務を歴任。97年からホテルグランヴィア大阪社長。大分県出身。(京都新聞)
■偽札で使用停止 券売機使用再開 JR西日本
 JR西日本は4日、偽1万円札が見つかり先月26日から停止していた自動券売機の改修を始め、順次使用を再開した。お札を判別するソフトウェアを入れ替えた。停止中の590台すべての工事を5日夕までに終える。同様に偽札が見つかったJR東海、阪神は5日、近鉄も10日から、順次使用を再開する。偽1万円札は先月25、26日にかけ、大阪府内で計75枚が見つかり、府警が捜査中だ。(朝日新聞)
■列車にひかれ死亡 JR篠原駅構内
 5日午前10時半ごろ、近江八幡市上野町のJR東海道線篠原駅構内で、男性が福岡貨物ターミナル行きJR貨物列車(23両編成)にひかれ、死亡した。貨物列車は現場に約30分間停車。この影響で電車など上下8本が運休したほか、後続3本が20−35分遅れた。
 近江八幡署によると、男性は40−60歳ぐらいで、身元の確認を急いでいる。(京都新聞 夕刊)
6日■クイズや講座 8日に開眼21 京都駅ビルなど
 日本臨床眼科学会は、目にまつわる一般向けのイベント「開眼21」を8日から、京都市下京区のJR京都駅ビルなどで開くっ
 第55回学会が10日から14日まで京都で開かれるのに合わせた行事。8日午前10時から、JR京都駅ビルで「アイアイ・ステーション」を開催。視力測定や目のカウンセリング、目に関するクイズ大会などで、目の大切さを市民に訴える。
 また、同日午後3時半から、下京区のホテルグランヴィア京都で公開講座「知ってナットク!近視の手術とコンタクト」(入場無料)がある。
 さらに、視覚障害者と健常者らがマラソンや駅伝を楽しむ「ラン・フォー・ビジョン・イン・キョウト」が13日午前9時45分から、国立京都国際会館(左京区)をスタート・ゴールにして開かれる。(京都新聞)
■寝屋川車両基地 8日に一般公開 京阪電鉄
 京阪電鉄は8日、寝屋川市の寝屋川車両基地で利用客らの感謝祭「ファミリーレールフェア」を開き、同基地を初めて一般公開する。車両点検作業の公開やスタンプラリーなどを繰り広げる。
 1999年から毎秋開いてきた「ファミリーレールフェスタ」は、抽選による招待客が対象だったが、より多くの人に鉄道への愛着を深めてもらうため、初めて基地全体を一般開放する。
 車両のつり下げや車輪の取り換えなどの保守点操作業を初公開するほか、鉄道模型の運転体験、電車内での記念撮影、電車グッズの販売などを企画している。同社のイメージキャラクターを務めている女優水野麗奈さんも参加予定。入場無料。午前10時−午後3時。
 問い合わせは同社TEL06(6944)2549へ。(京都新聞)
■食堂街 より明るく JR京都駅 新装オープン
 JR東海は5日、京都駅新幹線八条口(京都市下京区)のレストラン街を「京都八条アスティロード」として新装オープンした。南欧風料理店やファストフード店などを新たに備え、通勤客はもちろん、女性客や若者客の獲得を目指す。
 飲食店4店と待ち合わせ施設があった旧「ユーイングパーク」約1400平方メートルを4億円をかけて全面改装した。和食、洋食の飲食店、コンビニエンスストアなど7店が入居している。壁をガラス張りにし、明るさと開放感を演出した。
 この日はオープン記念式典があった。JR東海関係者のあいさつ、テープカットのあと、アスティロードのシンボルとなる壁画「アスティ スーパー フレーム」の除幕式が行われた。式典後、来賓は各店内でさっそく食事を楽しんでいた。(京都新聞)
■社説 高架化判決 行政の論理優先に警鐘
 東京・世田谷の住宅街を走る小田急電鉄線の複々線高架化に反対する住民が、国の事業認可取り消しを求めた訴訟で、東京地裁が住民の訴えを認めた。
 公共事業で国の事業認可を違法として取り消しを命じた判決は異例のことだ。行政が広範な裁量を駆使してひたすら行政の論理で推進してきたきらいのあるこれまでの事業のあり方に、警鐘を鳴らしたものと言えよう。
 唐突な判決のようだが、国道騒音訴訟をはじめ、近年のいくつかの住民訴訟で国が敗訴するなど、必要な場合は厳しく行政をチェックする司法判断が出ていることを考え合わせると、むしろそうした新しい流れに即した判断といえる。
 国土交通省は「残念で、正直戸惑っている」(小幡政人政務次官)として、東京都と協議して控訴する構えをみせている。流れの変化に「戸惑っている」ようでは情けない。
 この件は、さらに上級審の判断を求めるとしても、政策立案のありかた、公共事業の進め方は従来通りでいいのか、点検が必要だ。警鐘を真撃(しんし)に受け止め、将来に生かしてもらいたい。
 この訴訟は、輸送力の増強や交通渋滞の解消などを目的に電鉄会社が 6.5キロ区間の連続高架化を計画、東京都の都市計画に基づき、1993年に国が事業認可し、かねて騒音公害に悩んでいた沿線住民が地下化を要求して起こしたものだ。
 同線の騒音は60年代から問題化しており、高架化計画が明らかになった後、住民が92年に国の公害等調整委員会に裁定を申請した。同委員会は98年に「受忍限度を超えている」として一定以上の騒音にさらされている住民に対し慰謝料を支払うよう求めた経緯がある。国の機関が違法状態と認めるほどの騒音公害があったわけだ。
 地裁判決は、事業認可にあたって(1)騒音被害の恐れを見落とした(2)地形からみて地下化が劣るとはいえない(3)事業費の比較検討が十分に行われていないとして、その違法性を指摘した。その上で「単なる利便性の向上の観点を、違法性解消の観点よりも上位に置く結果を招きかねず、法的には到底見過ごし得ない」と厳しく断じた。
 また判決は「環境影響評価に著しい過誤があった」「高架式が圧倒的に有利との前提で検討した」との表現で、高架方式以外の代替案の検討や環境アセスメント、住民の意見聴取といった手続きが形式的に流れたのではないかとの疑念も提起している。いずれも当然あるべき姿を守れとの指摘であり「戸惑う」ようなことではないはずだ。
 時間がかかっても、十分な情報公開を行い、理性的な議論を尽くして住民とともに合意を目指すこと。行政の論理が上位に来るような住民不在の公共事業であってはならない。(京都新聞)
■降りて歩いて 37 JR下山駅(丹波町下山) 住民が支える玄関口
 JR山陰線の胡麻駅(日吉町胡麻)から福知山市方面へ。緑の深い中山間部をしばらく走り、京都府の北と南を分ける分水れいを越えて、高さ約39メートルもある高屋川鉄橋を通過すれば、間もなく山の中腹の下山駅に到着する。
 駅の近くには大規模な住宅地「グリーンハイツ」があり、主に京都市内や福知山市への通勤通学に利用されている。また、八坂神社(京都市)の分社にあたる尾長野八坂神社は約1キロ北東にあり、同神社の氏子らが結成した地元の和太鼓グループ「丹波八坂太鼓」は、全国的にも広く知られる。
 駅開業は大正14年。丹波町誌によると、駅の設置を熱望していた当時の下山区民と、隣接する質美村民(現瑞穂町質美)が「下山実業株式会社」を設立し、株を発行して駅の敷地や鉄道の設置費用18万円をまかなった。
 当時の人々が駅へ込めた思いは、今も地元の人たちの間に脈々と息づく。車の利用者が増えて乗降客が一時激減し、約30年前に無人駅となったが、それでも地域の玄関口として、住民が駅を守ってきた。
 年3回、駅舎および周辺の美化活動を続ける下山区の老人クラブ「下山老荘会」の奥村研三会長(77)は「ポッポッと煙を上げながら、汽笛を鳴らしてホームに入ってくる蒸気機関車がとても郷愁深くて、今でも思い出に残ってます。地元の駅として愛着があるし、気持ちよく利用してもらえるよう、これからもきれいな駅にしていたい」と話している。
 時代が移り変わっても、住民の変わらぬ思いが今も駅を支えている。(京都新聞)
■歩行者・自動車 分離信号 人「青」なら車輛全部「赤」 事故防止へ試験開始 京都駅北側4交差点
 JR京都駅(下京区)北側の交差点で、歩行者の横断中は車両の進入が完全に遮断される「歩車分離信号」が導入された。府警は10月末まで試験運用し、交通渋滞への影響を見極めたうえで、本格導入するかどうかを決める。
 「分離信号」が設置されたのは、京都駅前を東西に走る塩小路通のうち、烏丸通から西洞院通までの間の交差点、計4ヵ所。
 通常の交差点では、車の右・左折時に、横断歩道を歩行中の人が事故に巻き込まれる危険がある。「分離信号」はすべての歩行者用信号が常に同一の表示となるシステム。歩行者用が「青」の時は、車両用はすべて「赤」に操作され、車は一切、交差点内に進入できない。よく似た形態に「スクランブル交差点」があるが、「分離信号」では歩行者の「斜め横断」はできない。
 81年に四条河原町(下京区)で運用されたスクランブル交差点は大渋滞を招き不評だった。時間のかかる「斜め横断」に備え、歩行者用の青信号の間隔を長くしたのが原因だった。「分離信号」では、歩行者用信号の「青」はスクランブルの半分近い25〜30秒に設定されている。
 塩小路烏丸の交差点を横断していた宇治市の主婦、小倉麻木さん(28)は「子どもと交差点を渡っていると、どこから車が来るかわからず、気が抜けなかった。分離信号方式なら安心して横断できます」と話した。
 府警交通規制課によると、昨年、府内の交差点内で起きた歩行者と車の事故は824件で、一昨年よりも49件増えた。(朝日新聞)
■JR山科駅で出発信号故障 列車16本に遅れ
 6日午前6時18分ごろ、京都市山科区のJR山科駅で出発信号が赤のまま変わらなくなり、向日町行き回送電車が38分間、同駅で停止した。出発信号はいったん正常に戻ったが、同日午前8時25分に再び赤のまま変わらなくなり、1時間35分後に復旧した。
 この信号故障で、大阪行き寝台特急日本海2号が44分遅れたのをはじめ、後続の列車など計16本のダイヤが乱れ、4800人に影響が出た。JR西日本によると、線路上に約1センチの鉄片が付着していたといい、詳しい原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■山科で信号故障 JR16本に遅れ
 6日午前6時20分ごろ、京都市山科区安朱北屋敷町のJR東海道線山科駅構内で、下り線の信号が赤のままになり、回送電車が立ち往生した。後続の函館発大阪行き寝台特急日本海2号が44分遅れたのを最高に計16本が遅れ、計約4800人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
10日■嵐山の交通実験 一方通行は1日だけ 地元要請受け 来月18日に実施
 観光名所・嵐山での渋滞解消を目指し、京都市が計画している大規模交通実験について協議する「嵐山交通対策研究会」の会合が9日、京都市右京区内で開かれ、一方通行規制の日程を変更し、11月18日に実施することが決った。
 当初の計画案では、観光がピークを迎える11月23−25日の3日間、京福嵐山駅前の長辻通などを一方通行規制にし、JR嵯峨嵐山駅など3駅を結ぶ循環バスを運行するとしていた。
 しかし、地元から通行規制による商売への影響や渋滞悪化を心配する声が上がっていた。
 この日の会合には、地元自治会や観光事業者、京都府警など同研究会の構成メンバーが出席。実施時期を1週間繰り上げ、1日だけ実施することを決めた。18日の交通規制は午前10時から午後4時まで、長辻通と三条通、嵐山高架道路などで行う。
 循環バスは当初の計画どおり11月23−25日に運行するほか、通行規制に合わせて18日にも運行する。
 市は今月中に、ホームページやポスターで、車から公共交通機関への転換を促す情報提供を始める。市交通政策課は「通行規制は前倒しになったが、実験の有効性に影響はない」としている。(京都新聞)
■「鉄道の日」に108人を大臣表彰 国土交通省
 国土交通省は9日、14日の「鉄道の日」に当たり、駅長ら鉄道業務に精勤した人ら108人を大臣表彰する、と発表した。
 表彰式は15日、東京都内のホテルで行われる。
 京滋の関係者は次のみなさん。
 藤野次男(八幡市)▽水野秀雄(滋賀県秦荘町)(京都新聞)
■小田急電鉄高架訴訟 識者ら控訴断念要請
 東京都世田谷区内の小田急線について東京地裁が高架化工事の事業認可を違法として取り消した判決をめぐり、作家や大学教授ら約130人(代表世話人・宇沢弘文東大名誉教授)が9日、小泉純一郎首相と石原慎太郎都知事に控訴しないよう求める声明を出した。計画見直しを前提に控訴を断念し、原告側との話し合いを進めることを要望している。(朝日新聞)
■南部で大雨 交通に乱れ 近畿地方
 近畿地方は9日夜から10日にかけて南部を中心に大雨となり、交通機関などに影響が出た。
 大阪管区気象台によると、降り始めから10日午前9時までの雨量は和歌山市で105ミリ、兵庫県洲本市で84ミリ、大阪市で64ミリ、京都市で47ミリなど。
 JR紀勢線は10日午前6時すぎ、御坊駅で1時間雨量が50ミリを記録したため、道成寺−紀伊由良間で一時、運転を見合わせた。JR和歌山線でも一部で徐行運転をした。
 奈良県川上村の国道169号と同県上北山村の国道309号などは雨のため10日朝から山間部で通行止めとなった。南海フェリーは徳島−和歌山間の高速艇1便が欠航した。(朝日新聞 夕刊)
11日■緊急時停車 ボタン増設 地下鉄四条駅
 今年1月に東京都新宿区のJR新大久保駅で起きた線路への転落死亡事故を受け、京都市交通局は10日、地下鉄烏丸線の四条駅ホームに、緊急時に使用する非常停車通報ボタンを増設した。ボタンに連動して点滅する赤色灯も設置した。
 非常ボタンを押すと、付近を走行している列車が減速し、駅員に異常が伝わる仕組み。これまではホーム中央に一つだけだったが、両端にも設置して計3つにした。連動する赤色灯はボタンの両側に取り付け、警告音が鳴る。
 市交通局は新大久保駅での事故後、ホームドアのある東西線を除き、烏丸線について安全対策を検討し、非常ボタンを増やす計画を立てた。来月上旬までに京都、北大路両駅でも増設し、2003年度末までに全駅に設置する。(京都新聞)
■チンチン電車だゾー こだわりの木工模型 北区の渡貫さん作品展
 北区の元京都市職員渡貫幸男さん(70)が製作した路面電車のオリジナル木工模型を集めた作品展が15日から、上京区堀川通下長者町下ルの堀川商店街コミュニティホールで開かれる。明治から平成まで京都市内を走った「チンチン電車」36台で、レトロな駅舎や戦後の町並みも木工細工で再現、作品展に彩りを添える。20日まで。
 渡貫さんがつくったのは、京福電鉄嵐山線(嵐山電車軌道時代を含む)と、78年に廃止された京都市電の40分の1の模型。鉄道会社から取り寄せた設計図を参考に、月1台のペースで作り続けた。車体は市販のヒノキ板を加工、つり革やスプリングは針金を器用に曲げて仕上げた。
 現実味を持たせるため、細部までこだわった。廃車となった車両は当時を知る鉄道会社OBに問い合わせ、車体の配色を調べた。写真ではわからない電車の足回りは、停留所に足を運んで確認した。また、戦後間もない四条烏丸の交差点のミニチュアと祇園祭の鉾も作製。鉾の屋根をかすめて走る在りし日の路面電車の様子も再現する。(朝日新聞)
12日■特急グッズ販売 京都駅で13、14日 鉄道の日フェス
 JR西日本は13、14の両日、京都駅ビル(京都市下京区)内の広場で「鉄道の日フェスティバル・in京都駅ビル」を開催する。新橋−横浜間に鉄道が初めて走った日(1872年10月14日)にちなんだ催しで、鉄道関連イベントとコンサートで、鉄道ファンらと交流する。
 駅前広場では、本物の150分の1の模型計1000両を7.2メートル×3.6メートルの模型台で走らせるほか、特急や普通など数十種の「使用済乗務員携帯時刻表」の即売、オークションを行う。また人気の寝台特急トワイライトエキスプレス車内でしか手に入らない専用グッズも販売する。両日とも午後零時から同4時まで。
 第2会場の室町小路広場では「アカペラ2Days」と題したコンサートを開催。神戸を拠点に活動する「ベイビーブー」や韓国から来日する「ソリスト」など、2日間で計7グループが出演する。両日とも午後1時から同5時まで。無料。(京都新聞)
■バスにはねられ女性が死亡 中京
 11日午前8時45分ごろ、中京区壬生坊城町の府道で、自転車に乗っていた右京区西院上花田町、会社事務員牧野記巳子さん(42)が、京都バス嵐山営業所(右京区嵯峨明星町)のバスにはねられた。牧野さんは、頭などを強く打って死亡した。堀川署は、バスの斉藤晃伸運転手(31)を業務上過失致死の疑いで現行犯逮捕した。
 調べでは、牧野さんは、後ろから来たバスにはねられ、転倒したところを、後部タイヤにひかれたらしい。バスには乗客は乗っていなかった。牧野さんは通勤途中だったらしい。(朝日新聞)
■坊っちゃん列車が復活 伊予鉄道
 伊予鉄道(松山市)が、明治時代から60年以上にわたって運行していた小型蒸気機関車(SL)「坊っちゃん列車」が観光の目玉として復活。12日午前、同市内で運行を開始し、シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子選手が「マドンナ」、小出義雄監督も「山嵐」の衣装で乗車し、PRに一役買った。
 「坊っちゃん列車」は1888年から1954年まで松山市で運行され、夏目漱石の小説「坊っちゃん」では「マッチ箱のよう」と紹介された。
 復活したSLは3両編成で、定員は36人。外観は当時と同じだが、動力はディーゼルエンジン。雰囲気を出すため、発車の際に煙突から模擬の煙を吐き出し、迫力ある汽笛も再現する。
 13日に営業運転を始め、ほかの路面電車にまじり、道後温泉−古町間の5.7キロを1日8往復(うち6往復は途中駅で折り返し)する。運賃は1区間1000円。(京都新聞 夕刊)
■Qちゃんマドンナ 山嵐には小出監督 「坊っちゃん列車」発車
 夏目漱石の小説「坊っちゃん」に登場した小型の機関車「坊っちやん列車」が12日、松山市で運行を始めた。初日は、女性マラソン選手としては初めて2時間20分を突破した高橋尚子選手(29)がマドンナ、所属する積水化学の小出義雄監督(62)が山嵐(やまあらし)にふんして第1便に乗り込んだ。
 午前9時半から、運行する伊予鉄道(松山市)の道後温泉駅で出発式。高橋さんと小出監督が、坊っちゃん姿の中村時広・松山市長らとテープカットをした。(朝日新聞 夕刊)
13日■京都市路線バス 観光(百景)向けをひと目で 専用ロゴつけ運行 秋のシーズン12台導入へ 格子柄に花木あしらい 多彩な魅力イメージ
 入洛した観光客らに、京都市内の主な社寺を巡る観光向け路線バスが一目で分かるように−と、京都市交通局は12日、車体に「観光百景」のロゴデザインと格子柄を描いた市バスの運行を始めた。
 市交通局は東山方面や金閣寺、銀閣寺などを結ぶ観光路線を3系統運行している。チンチン電車に似せたレトロ調の車両が3台あるが、緑色の一般車両も使用しているため、観光客から「観光路線が分かりにくい−」との声が出ていた。
 秋の観光シーズンに合わせてつくった「観光百景」のロゴデザインは、紫色をベースにして文字に青色や緑色を織り交ぜた。格子柄には花木をあしらい、京都観光の多彩な魅方をイメージしている。
 初日は、ロゴデザインを付けたバス7台を導入。第一号は京都市下京区のJR京都駅前を午前8時15分に出発し、銀閣寺方面へ向かった。
 同じデザインのバスを今月中に12台導入する予定で、ロゴデザインを観光路線のバス停にも張り出す。(京都新聞)
■降りて歩いて 38 京阪男山ケーブル 男山山上駅(八幡市八幡) 京都や長岡京を一望
 7月にリニューアルした真新しいケーブルカーは、京阪八幡市駅近くの男山ケーブル「八幡市駅」を発進すると、見る見るうちに高度を増す。途中、木津川や宇治川を眼下に眺め、約3分で男山山上駅に到着する。
 下車後、目の前の石段を上った所にあるのが展望台だ。男山は、標高約140メートル。京都市内や長岡京市を一望し、ガスがかかっていなければ愛宕山、比叡山まで見える。毎日、散歩に上ってくる地元の人も多い。
 少し歩くと、石清水八幡宮がある。貞観元(859)年に創建され、武家などの信仰の対象とされた。本殿は、八幡造りと呼ばれる独特の建て方で、重要文化財の指定を受けている。境内に立ち並ぶ石灯ろうも見どころのひとつだ。山上で茶店を営む山上喬さん(70)は「子どものころは、参拝者が行列をなして参道を上って来ていた。今はケーブルカーで訪れる人が8割。参拝者の数も、信仰心が薄れてきているのか、当時の3分の1ほど」と、少し寂しげに話す。
 ぶらりと一帯を散策すると、周りの自然の豊かさに気づく。春は桜、秋は紅葉の名所としても知られる。八幡宮があったため乱伐されず、昔ながらの木々が残っているという。楠木正成が植えたとされるクスノキなどもあり、木々の一本一本にも歴史を感じる。
 裏参道から下ると、道中には、「石清水」の名の由来となった霊泉がある。「松花堂弁当」ゆかりの僧で、寛永の三筆・松花堂昭乗の俺跡なども残る。山上に色濃く残る歴史や自然を堪能し下山した後は、石畳の通が続く東高野街道を歩き、昭乗の庵を復元した松花堂庭園(同市八幡女郎花)に足を延ばすのもよい。(京都新聞)
■ミニSLに人気集中 鉄道の日記念イベント 下京
 「鉄道の日」前日の13日、京都市下京区の梅小路蒸気機関車館や京都駅ビル内で、鉄道をテーマにしたイベントが始まった。幅広い世代の鉄道ファンがつめかけ、中でも、ミニSLの体験乗車は子どもたちの人気を集めていた。
 1872年10月14日に、日本で初めて鉄道が新橋−横浜間を走ったことにちなんで、「鉄道の日」が制定された。
 梅小路蒸気機関車館では、D51形蒸気機関車を5分の1に縮尺したミニSL(全長4メートル)を走らせた。ミニSLは寝台特急ブルートレインを模した客車をけん引。親子連れたちが次々と乗車し、汽笛を響かせて力強く進むSLを満喫していた。
 一方、京都駅ビル内では正午から、JR西日本主催の鉄道模型運転会や鉄道グッズ即売会が開かれた。
 7.2メートル×3.6メートルの模型台を走り回る各車両のミニチュアに鉄道ファンたちが見入っていた。
 両会場とも14日もイベントを行う。(京都新聞 夕刊)
■はねられ男性死亡 彦根、JR特急に
 13日午前1時15分ごろ、彦根市芹町のJR東海道線猿尾道踏切で、同市内の男性介護士(20)が、東京行き寝台特急「出雲」にはねられ即死した。
 彦根署の調べでは、男性は事故の直前、弟の携帯電話に「あとをよろしく」とのメールを送っていたといい、自殺とみている。
 事故の影響で、「出雲」など上り電車3本が約20−30分遅れた。(京都新聞 夕刊)
■ビジネス戦記 官に頼らず 前政府税制調査会会長 加藤 寛 旧国鉄の民営化を主張 スト権で三木首相に腹案
 小泉内閣の特殊法人見直しで、日本道路公団の経営改革案が出ています。国土交通省はうわべだけ民営化する腹つもりのようだが、これではダメです。旧国鉄改革の先例を学んで欲しい。20年ほど前、第2次臨時行政調査会(第2臨調、土光敏夫会長)が国鉄の分割・民営化にどう取り組んだか、思い出を話しましよう。
 「小さな政府・増税なき財政再建」をめざした第2臨調は81年に発足しました。私が部会長になった第4部会のテーマは、旧3公社(国鉄、電電、専売)の改革です。巨額の赤字を抱えた国鉄再建が最大の課題でした。引き受けたのは、それ以前にも国鉄とかかわっていたからです。
 三木内閣当時、国鉄のスト権について検討した政府の懇談会があり、私は委員をしていました。
 75年11月、初の主要国首脳会議(サミット)がフランスのランブイエで開かれた際、三木武夫首相が「一緒に行って欲しい」という。宿泊先で三木さんは「国鉄職員のスト権を認める方向に懇談会を持っていけないか」と切り出した。関係者の目を避けるため、外国で話したのでしよう。「国鉄の経営形態を変えない限り、スト権は認められない」と思っていたから、意向に沿えませんでした。
 サミットの直後、11月26日から国労、動労などはスト権ストに入り、8日間、国鉄全線がストップします。本心ではスト権を認めたかった三木首相も「違法ストには妥協しない」と声明を出し、スト権ストは失敗に終わります。
 旧国鉄は政府の赤字補てんがないと生きていけなかった。経営陣に当事者能力がないから、組合側は政府を相手に賃上げを求めようとする。組合運動は政治闘争化し、職場も荒れた。経営形態を変えざるを得なかったんです。岩井章さん(元総評事務局長)とは何度も話したけど、わかってくれなかったなあ。
 この経験で、第2臨調では「民営化しかない」と主張しました。全国に多くの路線を抱え、単一の会社では目が届かない。分割も当然だと思っていました。
 当初、運輸省は国鉄と一緒に民営化に反対します。国鉄自身のまとめた改革案に対し、第2臨調は問題点を詳細に指摘しました。当時の運輸相の小坂徳三郎さんも独自に、線路保有と管理運営を別会社にする「上下分離論」を提唱しましたが、土光さんはこれにも反対します。運輸省は「もう国鉄を守れない」と考え始め、国鉄内部でも「改革派」が台頭してきた。
 三塚博さんが運輸相になると、改革派が動きます。大臣視察先として、当時最も職場が荒れていた甲府駅をわざと選び、実態を見せようとしました。駅員は就業時間中に野球やゴルフに興じている有り様で、三塚さんも「これはダメだ」とあきれた。この視察の報道をきっかけに、世論も急速に盛り上がり始めた。
 問題は組合でした。私の自宅にも電話が殺到しました。国労は最後まで反対でしたが、動労は「分割・民営化」賛成に急転換します。冬のある日、東京・目黒の動労本部に呼ばれました。緊張して1時間ほど話すと、松崎明委員長が「きょうから『鬼の動労』をやめた」という。びっくりした。運転士ら技術者の組織だから、理屈で話せばわかってくれたんでしよう。
 第2臨調は82年7月、「分割・民営化」の基本答申を提出し、具体的な方法は国鉄再建監理委員会で検討するように提案します。ここに工夫があったんです。
 私はあえて、再建監理委を国家行政組織法の八条機関とすることを主張しました。八条機関とは行政機関の意思決定を補助する諮問委員会で、公正取引委員会のように自分で行政を執行できる三条機関と比べると、弱い存在に思われがちです。当時、「再建監理委を強力な三条機関とすべきだ」という声も多かった。三条機関は役所です。後からできた役所は権限の範囲が狭い。三条機関にすると、権限のない役所を一つ新設しただけに終わる恐れがあった。
 八条機関にしておいて、三塚運輸相から「再建監理委で決めたことは必ず閣議決定する」という約束を取りつけ、条文に盛り込ませた。これで権限を確保しようとした。おかげで再建監理委は、期待通りの力を発揮します。
 84年、再建監理委は国鉄の分割・民営化の方針を明らかにし、86年には民営化法案が国会で成立。87年4月、国鉄は分割され、JRグループが発足したことは、みなさんもよくご存じでしょう。(朝日新聞 夕刊)
16日■市営地下鉄転落事故訴訟 全盲男性の訴え棄却 大阪地裁 「安全策不備と言えぬ」
 大阪市営地下鉄御堂筋線の天王寺駅で95年10月、ホームから転落して電車に引きずられて大けがをした全盲の神戸市立外語大院生の佐木理人さん(27)=大阪市東住吉区=が「転落防止柵の設置を怠り、点字ブロックも不備だった」として、大阪市に約4800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が大阪地裁であった。中本敏嗣裁判長は「安全策を欠いていたとは言えない」と請求を棄却した。
 判決は、ホームの端に転落防止柵がなかったことについて「列車が停車位置を越えて止まることがあり、柵を設けると客の乗降や運行に支障が生じる恐れがある」と指摘。点字ブロックの設置も「他の交通機関と比べて劣っていたとも言えない」として、いずれも市側の主張を認めた。(朝日新聞)
■京福電鉄福井3線 今週にも廃線手続き
 昨年12月と今年6月の2度にわたり正面衝突事故を起こした京福電鉄(本社・京都市)は今週中にも、福井県内3路線の廃線に向けた手続きに入ることを決めた。2回目の事故後、3路線は運休。福井県や沿線自治体と設立を目指していた第三セクター会社による存続が検討されてきたが、これにも参加せず、同県内の鉄道事業から完全に撤退する方針も決めた。
 廃線手続きから1年後に京福電鉄は鉄道事業者としての資格を失うことになるが、その間に新たな事業者が路線を継承することもできる。しかし、三セク実現には別の鉄道会社の協力が必要で、路線存続は非常に厳しくなった。(朝日新聞)
17日■二条駅地区シネコン 英車が進出 施設規模はやや縮小 来年末オープン目指す
 京都市中京区の二条駅地区で、市とともにシネマコンプレックス(複合型映画舘)を中心とする複合娯楽施設整備を計画している「二条プラザ」(中京区、梅村安社長)は16日、核テナントとして、破たんした米国の映画興行会社に代わり英国ヴァージングループの日本法人と契約する、と発表した。
 施設規模は従来の計画より少し縮小されるものの、関西最大級のシネコン施設となる。今年12月に着工、来年12月のオープンを目指している。
 同施設の整備では、進出を予定していた米国の会社が今年2月に会社更生法手続きを申請し、進出を断念。二条プラザは、新たな進出先選定と計画の練り直しを迫られていた。
 進出が決まったのは、「ヴァージン シネマズ ジャパン」(東京都港区、山本豪社長)。同社は、国内に5店舗の複合型映画館を経営しているほか、現在計画中の店舗もあり、二条駅地区が8店目となる。
 新たに計画された施設は、鉄骨造り六階建て。延べ床面積は従来の計画より5000平方メートル少ない3万平方メートルとなった。1−3階は物品や飲食の販売店など、4階は駐車場、5、6階が複合型映画館となる。
 複合型映画舘は、当初計画より3つ少ない10スクリーンに2200シートを設ける。年間75−80万人の入場者を見込んでいる。(京都新聞)
■JR二条駅前シネコン進出 再開発やっと始動 にぎわい復活 期待大きく
 暗礁に乗り上げていたJR二条駅前の複合型商業施設の建設計画で、外資系の映画興行会社が、核テナントの複合型映画館(シネコン)を出店することになった。映画文化発信地のシンボルをうたった計画発表から5年。進出企業が相次ぎ撤退し宙に浮いていただけに、市や地元にとって新たなパートナーへの期待は大きい。
 進出を決めたのは、英国系の「ヴアージン・シネマズ・ジャパン」だ。「二条のにぎわいを取り戻す足がかりになってほしい」。建設主体の不動産会社「二条プラザ」(本社・中京区)の梅村安社長は記者会見で期待をにじませた。
 計画によると、二条プラザが7階建てビルを建設。ヴァージン社と20年間の賃貸契約を結び、6、7階部分で大小10スクリーン、2200席を備えたシネコンを運営する。映画館だけで年間約80万人の入場を見込んでいる。
 シネコンの構想は96年、松竹グループなどの出資する第三セクター「京都二条開発」が、同駅周辺再開発の拠点施設として発表した。しかし長引く不況の影響で松竹が99年1月に撤退。さらに、今年1月に新たに誘致した米国系映画興行会社も破たんし、進出を断念していた。
 会見したヴァージン社の山本マーク豪社長は「日本映画文化の頂点の映画館をつくる」と自信をのぞかせた。「これから駅ビルの時代になる。郊外型店舗にアクセスしにくい年配層や若年を集めたい」と話す。
 計画地近くの京都三条会商店街振興組合の小泉光太郎理事長(65)は、「何十年も前からの計画がようやく進み出した。若い商店主にも活気が出てくれば」と期待を寄せる。
 市都市整備部の中島康雄・部長は「ヴアージン社は地元密着で堅実に展開している。今度こそうまくいってほしい」と話した。(朝日新聞)
■アルナ工機 会社3分割 来年4月めど
 阪急電鉄の100%子会社で、車両などを製造しているアルナ工機(本社・兵庫県尼崎市)が、経営不振のため、来年4月をめどに車両や輸送機用品部門などに会社を3分割することが16日わかった。社員約390人はいったん全員解雇し、分割された会社が必要人員だけ再雇用する。自力再建は不可能と判断した。
 アルナ工機は阪急電鉄向けを主体に電車の車両や窓枠、ドアなどを製造してきた。97年3月期から赤字が続き、00年3月期には債務超過に転落。再建に取り組んできたが債務超過が解消せず、銀行との新規融資交渉も不調に終わった。(朝日新聞)
■JRが冬の臨時列車
 JR旅客6社は16日、冬の臨時列車(12月1日〜2月28日)を発表した。期間中に新幹線や特急、急行列車を前年より約550本多い計約8900本を増発する。年末年始は下りが12月29日、上りが1月5日と6日を中心に混雑する見込みで、乗客数は前年並みと予想している。
 東海道・山陽新幹線は年末年始の10日間、前年より84本多い477本、東北・上越・長野新幹線は、36本多い563本を増発する。(朝日新聞)
■加古川線を全線電化
 JR西日本は16日、兵庫県加古川市の加古川駅と同県山南町の谷川駅を結ぶ加古川線(48.5キロ)の全線を電化する、と発表した。来春に工事を着手し、05年春の開業を目指す。
 加古川−西脇市間が約5分短縮されるという。(朝日新聞)
■和歌山港〜徳島港 高速船1月末廃止
 南海フェリー(本社・和歌山市)は16日、和歌山港と徳島港を1時間で結ぶ高速船(毎日5往復)を乗客激減のため、来年1月末で廃止することを決め、近畿運輸局に申し出た。
 同じ航路を2時間で結ぶフェリー(毎日12往復)は、これまで通りの運航を続ける方針。(朝日新聞)
18日■地下鉄5大プロジェクト 拙速避け進める 桝本市長会見
 京都市の桝本頼兼市長は17日の定例会見で、市営地下鉄東西線の拠点整備事業である5大プロジェクトの中で整備が遅れている事業について「計画当時と社会、経済情勢が異なり、うまく進展していないものもある」との認識を示した。
 そのうえで「将来の京都の命運を決する事業であり、民間の投資意欲がない時に拙速なことはすべきでない」と述べ、慎重に計画を進めていく考えをみせた。
 5大プロジェクトのうち、御池地下街、山科駅前、醍醐駅周辺の3事業はほぼ完成しているが、二条駅地区と京阪三条駅周辺は、複合娯楽施設や商業ビルの建設計画が遅れている。(京都新聞)
■鉄道バリアフリーまだまだ 段差解消29%、795駅 国交省初のまとめ
 国土交通省は17日、交通バリアフリー法に基づいて、鉄道駅の出入り口からホームまでの段差を無くしている駅が、2000年度末で29%の795駅だったとする全国の鉄道事業者の取り組み状況を初めてまとめた。
 1日当たりの利用者が5000人以上の駅で、段差を無くすことが同法で努力義務とされる対象は2775駅。国交省は「今後、100%を達成できるよう事業者にバリアフリー化への取り組みを促していきたい」と話している。
 一方、駅出入り口とホームの高低差が5メートル以上の駅へのエレベーターやエスカレーターの設置は、該当する2165駅のうち、エレベーターは41%の889駅、エスカレーターは64%の1373駅だった。
 交通バリアフリー法は2000年11月に施行。鉄道駅や空港などの公共交通施設にエレベーターやスロープなどの設備を取り付けるなどして、10年までにバリアフリー化を進めることを目標にしている。(京都新聞)
■南海電鉄が当期赤字に 9月中間期予想
 南海電鉄は17日、01年度9月中間期の業績予想を修正し、当期損益が1億円の黒字予想から14億9000万円の赤字になると発表した。売上高は当初予想に比べて4.7%増の599億円。(朝日新聞)
19日■福井の全3路線廃線へ 京福電鉄、きょう届提出
 半年間に2度の正面衝突事故を起こし、福井県内の全3路線で4ヵ月近く運休している京福電鉄の石田栄一社長は18日、同県庁に西川一誠副知事を訪ね「19日に中部運輸局(名古屋市)に3路線の廃線届を提出する」と表明した。
 3路線をめぐっては県と沿線自治体で第三セクター化するか、バス転換するかの論議が続いており、栗田幸雄知事が12月県議会で結論を表明することにしている。
 石田社長は「三セク化した場合、人的な協力はできないが、バスへの移行ならば責任を持って運行する」とバス転換への推進を要望した。(京都新聞)
■琴平電鉄 債権放棄要請へ そごう出資子会社倒産で
 香川県の私鉄、高松琴平電鉄(本社・高松市)は、取引銀行に対して債権放棄を来週にも要請する。債務保証をしていた子会社の百貨店コトデンそごうが倒産したことで、経営危機に直面した。同電鉄は通勤客を中心に1日約4万人の利用者があり、傘下にはバスやタクシー会社も抱えている。
 同電鉄が抱える有利子負債の額は328億円。このうち主力の百十四銀行や新生銀行など12行に対して、約150億円の放棄を要請する。ただ、取引銀行の中には「民事再生法など法的な処理の方が公平性が確保される」との声もあり、交渉は難航が予想されている。
 コトデンそごうは、同電鉄が50%超、残りを旧そごうグループなどが出資し、四国一の売り場を持つ百貨店として97年にオープンした。ところが、旧そごう本体の倒産のあおりを受ける形で、売り上げが急減し、今年1月に民事再生法の適用を申請。コトデンそごうに債務保証し、収益を同社からの家賃収入に頼っていた同電鉄は、経宮危機に追い込まれた。(朝日新聞)
■検証 切れた鉄路再建険し 京福、三セク不参加 高齢者ら「廃線に不安」
 昨年12月と今年6月の2度、正面衝突事故を起こした京福電鉄(本社・京都市)の福井県内3路線の存続が難しくなってきた。赤字続きの鉄路を存続させようと、県と沿線自治体は、新たな運営主体として第三セクター会社の設立を同電鉄と模索してきた。しかし、同電鉄は今月に入って、「事故で客離れに拍車がかかり、採算がとれない」と新会社への不参加を表明。事故後、運休している電車の運転再開を望む声は沿線で強いが、深い雪に閉ざされる冬を前に、廃線の可能性が強まっている。(福井支局・檀野達男、園田耕司)
 ■事故で客離れ
 12月に(県が)三セク化の結論を出しても、当社としては協力しないと決めました」。3日夕。京福電鉄福井本社で幹部が話した。
 この日午前、栗田幸雄知事が県議会で、10月中旬に出すはずだった、第三セクター会社を設立するかどうかの結論を先送りし、「12月議会で判断する」と表明。
 同電鉄として対応を検討する緊急会議に出席した幹部は「これ以上待てない。(うちの会社が)持たない」と三セク不参加の理由を説明した。
 同県内で京福電鉄が運営する越前本線、永平寺線、三国芦原線の3路線の利用者は75年度の824万人から、マイカー通勤の増加などで99年度は304万人に激減した。
 92年には同電鉄が一部路線の廃止方針を表明。存続を求める県、沿線自治体と同電鉄の間で、第三セクター会社設立に向けた協議が97年ごろから始まった。その協議を重ねている最中に2度の事故は起きた。
 6月の事故後、代替バスでの輸送に切りかえて客離れは加速。利用者は鉄道に比べて半減、毎月約1億円の赤字が出る。3月末に9億2200万円だった同社の累積赤字は膨らむ一方だ。
 9月には石田栄一社長が「このままでは会社の存亡にかかわる」と、早く結論を出すよう県と自治体に要請。その翌月の県の結論先送りに、同電鉄幹部は「県は三セクをやる気がない。それに客離れは激しく、三セクができても採算がとれない」と漏らす。
 ■負担で足並み乱れ
 福井県は先送りの主な理由として、三セク化に必要な153億円の負担割合をめぐる、県と沿線9市町村の足並みの乱れを挙げる。
 試算では鉄道施設の改善工事や資産譲渡に伴う初期投資、高架化事業費など、地元負担は10年間で最大153億円にのぼる。県提示の負担案は県の約94億円に対し、市町村約58億円。内訳は福井市15億円、勝山市10億円、三国町8億円−などだ。
 福井市から東約20キロの山あいにある上志比村の負担は約4億円。約3600人の村民1人当たり約11万円。今年度当初予算の2割以上だ。冬は1メートル近い積雪で埋まる。吉田広秀村長は「鉄道はぜひ残してほしい。しかし割合の見直しがないと到底負担できない」。
 さらに沿線自治体から「県は予算規模のわずか1%で不公平だ」「利用者が1日100人以下なのにこんなには払えない」と不満が出ている。
 ■廃線手続き始まる
 県は16日、12月議会での決着に向け、三セクの問題点を洗い直すプロジェクトチームを発足させた。県民生活部の担当課長は「三セク設立となれば、京福の協力をお願いするしかない」。
 一方で、京福電鉄は廃線に向けた動きを加速させている。17日、鉄道事業に携わってきた社員の雇用あっせんなどを盛り込んだリストラ案を労働組合に提示。19日には国土交通省中部運輸局に、3路線の鉄道事業廃止届を出す予定だ。
 京福電鉄は廃止届け出から1年後に鉄道事業者としての資格を失うが、その間に新たな事業者が同電鉄から路線を継承すれば、存続できる。
 だが、「京福の三セク不参加で現実的に存続は極めて厳しくなった」と勝山市の山岸正裕市長は憤る。越前本線の終着駅が同市にあり、存続運動の先頭に立ってきた。「鉄道部の社員のリストラなど、廃線に向けた準備が着々と進んでいる」と市長は続けた。
 同市に住む山内フミ子さん(76)は「バスは冬は動かないこともある。廃線になれば高齢者は家から出なくなってしまうんじゃないでしようか」と不安げに話した。(朝日新聞)
■女性はねられ死亡 JR長岡京駅
 19日午前10時5分ごろ、長岡京市神足二丁目、JR東海道線長岡京駅で、ホーム中ほどから線路内に入った女性が二見浦行き団体専用列車にはねられ、全身を強く打って即死した。
 向日町署で女性の身元を調べている。
 JR西日本によると、事故を起こした列車が現場に約10分間停車し、後続の普通電車計2本が運休したほか、普通電車など4本が最大で11分遅れ、乗客約1600人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
20日■廃線届を提出 京福が福井3路線
 京福電鉄の石田栄一社長は19日午後、名古屋市の国土交通省中部運輸局を訪れ、津野田元直局長に鉄道事業法に基づき福井県内を走る越前本線、三国芦原線、永平寺線の3路線(計59.2キロ)の廃線届を提出した。
 同電鉄は昨年12月と今年6月の越前本線で2度にわたり、正面衝突事故を起こした。6月の事故以降、約4ヵ月間、全線の運転を休止している。
 同法では、事業者が廃線届を同省に提出すれば1年後の廃線が可能となるが、1年以内に地元の受け入れ態勢が整えば路線を継承できることになっている。栗田幸雄県知事は沿線自治体と最終調整した上で、12月県議会で第三セクター化か廃線かの結論を出すことにしている。
 石田社長は提出後の記者会見で「事故で再開のめどが立たず申し訳ない」と陳謝。その上で「経営を合理化して行政支援も受けてきたが、マイカーの普及などで旅客減少が止まらず、収支悪化は改善できなかった」と経緯を説明した。
 今後の対応については「鉄道で失った信頼をバスで回複したい」と強調、あくまでバス転換への推進を要望した。
 約120人いる同社職員に関しては「本人と相談して12月までにバスなど関連会社に配置転換したい」と述べた。(京都新聞)
■降りて歩いて 39 KTR大江山口内宮駅(大江町内宮) 古木そびえる「元伊勢」
 福知山市と宮津市を結ぶKTR(北近畿タンゴ鉄道)宮福線は、鬼伝説のまちとして知られる大江町を縦貫する。福知山駅を出発して30分あまり、車窓の両側に広がる田園風景が途切れると、山に囲まれた静かな無人駅に到着する。駅名が示す通り、北側には大江山がそびえ、集落のはずれから元伊勢内宮の参道が伸びる。
 「元伊勢」の名は、天照大神が今の伊勢神宮(三重県)に落ち着く前の数年間、同地に祭られていたという伝承から付けられた。正式には「皇大神社」という。大江山連峰の南端にある宮山に鎮座し、山沿いの谷には由良川の支流、五十鈴川(宮川とも)が流れるなど、周りには手つかずの自然があふれている。
 約300メートルの参道は、220段におよぶ自然石の石段。両側には巨大なスギやシイの古木が空の光をさえぎるようにそびえ立ち、まるでトンネルの中のように薄暗い。同神社の権祢宜、佐藤仁さん(66)は「参道を登り切ると、ぱっと辺りが明るくなる。光の中にたたずむ本殿は、見る人を神聖な気持ちにさせてくれます」と話す。 境内に入ると、本殿の西隣に空高くそびえる巨木「龍灯の杉」が目に飛び込む。高さ30メートル、幹周り7メートル、樹齢は2000年を越えるといい、火災や台風の被害で枯死寸前だったが、回復処置を施されながら、今も付近の歴史を見守り続ける。
 辺りでは早くもモミジが色づき始めた。「今年は昼夜の温度差が激しいので、例年より鮮やかな紅葉が楽しめます」と佐藤さん。一帯が一年でもっともにぎわうのは、初もうで、節分とともに紅葉のころだ。(京都新聞)
■京福電鉄が廃止届提出 福井県内3路線
 京福電鉄(本社・京都市)は19日、昨年12月と今年6月に2回の正面衝突事故を起こして運行停止になっている福井県内3路線の鉄道事業廃止届を国土交通省中部運輸局に出した。約1年間、代替バスの運行を続けたあと、県内の鉄道事業から撤退する。(朝日新聞)
■主なき日々
 2度の正面衝突事故を起こし、運転を停止している福井県内を走る総延長59.2キロの京福電鉄3路線(越前本線、永平寺線、三国芦原線)。運転再開には、ばく大な改善費用がかかるため、第三セクター方式での存続か廃線かの二者択一を迫られている。
 財政負担の重さから自治体側は結論を先送りしているが、京福電鉄は代替バスや設備の維持など、運休にともなう費用の負担で会社自体の経営が危ぶまれるとして19日、国土交通省に3路線の廃止届を出した。
 沿線では署名などの存続運動が広がる一方、住民の足は自動車に移り、存続に冷めた視線を送る人がいるのも事実だ。しかし、お年寄りや学生らにとっては、今も貴重な交通手段。車内や駅の待合室での交流も乗客の楽しみの一つだった。運転再開のために、車両や施設の整備を続けてきた社員の、将来への不安も大きい。
 沿線は今年も雪の季節を迎える。(写真と文・橋本 荻)(朝日新聞 夕刊)
21日■車輪の幅、可変電車 来月、初の走行実験 鉄建公団
 車輪の幅を自由に変えられる軌間可変電車(フリーゲージトレイン)の新幹線路線を使った国内初の走行実験が、11月から始まる。
 実験を行う日本鉄道建設公団によると、今年1月まで米国で走行実験を行ってきた3両編成の試験車両を使用。山陽新幹線の小郡(山口県)−新下関(同)の約48キロを走行する。新下関駅に隣接する保守基地で、新幹線の広い車輪幅を軌間可変設備を使って在来線用に変え、日豊線の小倉(北九州市)−大分の約133キロを走る。
 10万キロを目標に2002年12月までをめどに実施し、(1)軌間可変設備の機能チェック(2)車両の耐久性(3)カーブやこう配が多い在来線の線路への影響−などを調査する。
 鉄建公団はJR九州の小倉工場に移している試験車両に、高速走行用の速度計の取り付けなど必要な整備を行い、10月末まで工場内の線路で時速40−50キロの走行を繰り返した後、JR線での走行実験に入る。
 国内では鉄建公団が1999年1月、JR線を使った国内初の走行実験を島根県の山陰線米子−安来(約9キロ)で実施。時速100キロ程度で安定走行をした。(京都新聞)
■新札流通増で偽札防止作戦 日銀、券売機に対応
 JRや私鉄の券売機などで偽造紙幣が見つかる事件が相次いだことを受け、日銀は20日までに、市中に出回る新札の比率を上げる「紙幣のクリーン化」作戦を開始した。
 JRなどでは、既に券売機の紙幣鑑別精度を上げるなどの対策を実施しており、日銀はこうした動きと連携。新札の流通を増やすことで、汚れたり破損した紙幣が自販機や券売機からはじき出されるのを防ぐ。偽造紙幣対策で新札比率が高められるのは初めて。
 日銀は市中に流通する古い紙幣を、民間の金融機関との取引の中で回収。一定比率で新札に取り換えた上で、支払いを通じて再び市中に戻している。支払いに対する新札の割合は1万円札で15%程度だが、これを25%程度に引き上げる。1000円札や5000円札についても新札を50%以上とする。(京都新聞)
22日■寝台特急から煙 京都駅で点検後、再開
 21日午前零時ごろ、彦根市南川瀬町、JR東海道線・河瀬駅付近を走行中の長崎・熊本行き寝台特急「さくら・はやぶさ」の車掌から「車両の配電盤から煙が出ている」と、新大阪総合指合所に連絡があった。
 JR西日本は同列車が37分後に京都駅に到着した後、配電盤を点検。煙が消え、運行に支障がなかったため、配電盤のある車両の電源を切って乗客を他の車両に移し、26分遅れで運転を再開した。JR西日本で原因を調べている。(京都新聞)
■コミュニティーバス運行へ住民運動活発化 醍醐 事業者誘致が課題 市に望声強く 採算、路線ネックに
 伏見区醍醐で、生活に密着した「市民の足」となるコミュニティーバスの運行を求める住民運動が活発化している。市も小型循環バスの導入を検討し始めたが、運行への取り組みは始まったばかり。現状と課題を探った。(社会報道部 矢ヶ村尚幸)
 コミュニティーバスは▽小型車両(定員29人以下)▽運賃が安価▽バス停の間隔が短い▽駅や公共施設を循環する−などが特徴で、全国のいくつかの自治体ですでに運行している。
 東京都武蔵野市は1995年からコミュニティーバスを住宅街で走らせている。傘の貸し出しサービスや、営利目的以外のチラシの掲示を認めるなど「市民に使ってもらえるシステムづくり」(同市交通対策課)が奏功し、3路線のうち、2路線が黒字という。
 醍醐地域の市バスは97年10月の地下鉄東西線開通に伴って廃止され、現在は京阪バス(南区)が運行している。醍醐から市中心部への直通バスは半減したが、市交通局運輸課は「地下鉄駅への接続で、交通の便はよくなった」とする。
 しかし、住民の間には「バス一本で市内中心部へ行きづらくなった」「乗り継ぎ回数が増え、料金が高くなった」といった不満が少なくない。
 こうした中、住民でつくる「醍醐の交通問題を考える会」が5年前、学区や地域女性会の代表者らで組織する「醍醐地域にコミュニティバスを走らせる市民の会」が今年9月に発足した。
 両団体は、幹線道路以外の細い道路を走れる小型低床バスを、日野や小栗栖など地下鉄駅から東西に離れた地域と、公共施設や病院、商業施設を結ぶことを想定している。ポスターやチラシで賛同者を募る一方、市議会に請願書も提出した。
 こうした運動を受け、市も最近、コミュニティーバスの需要やルートの調査を表明したが、実現までの課題は多い。
 ひとつは、バス運行の事業者が見つかるか。市による運行を求める声も強いが、市バス事業は利用者の伸び悩みなどで昨年度の経常赤字は52億4700万円に達し、「破たん状態」(桝本頼兼市長)にある。
 一方、京阪バスも「客が減る中、コミュニティーバスの要望にこたえるのは難しい」(高屋治営業部長)と消極的だ。
 また、来年2月に改正道路運送法が施行され、バス事業が事実上自由化されるのも逆風となりそう。タクシー会社のエムケイがバス事業に参入を予定するなど「規制緩和で市バスの売上が増えることはない」(同局運輸課)見通し。さらに、路線や料金、停留所の位置などを具体的にどう設定するか。住民の多様な要望の調整も課題となる。
 市が問題にする採算性や路線の問題を克服するのは、容易ではない。しかし、2つの住民団体は「コミュニティーバスの運行という目標は同じ。できる限り協力したい」と口をそろえる。11月にはシンポジウムを開くなど、地元の機運は高まりつつある。両団体は今後、具体的な調査や計画づくりに取り組む。市を説得するには、住民が主体的にかかわり、アイデアを出すことが不可欠だ。住民自治の試金石としても、行方に注目したい。(京都新聞)
■自治のかたち 都市交通システムに新たな波 「車中心」から「人中心」へ
 「車中心の交通」から「人中心の交通」へ−。地方自治体の都市交通システムに新たな波が訪れている。道路や鉄道などの建設を進めるだけでなく、自動車の利用を抑制して公共交通を優先することで、環境や高齢者にもやさしい「歩いて暮らせるまち」を目指す取り組みだ。TDM(交通需要管理)施策ともいわれ、自治体のまちづくりにも密接に連動している。先進地や京滋の動きを追った。(社会報道部 高田敏司)
●LRT 先進地 岡山市ルポ 都市部活性化へ期待と課題 実現へ市民合意不可欠
 TDM施策のなかで、いま最も注目されているのがLRT だ。京都市などのように路面電車の廃止・縮小が全国的に進むなか、岡山市では行政と事業者、市民グループが手を結び、路線の延伸計画に乗り出している。来春には独自のLRT 車両も先行導入する。期待とともに課題も抱える現地をルポする。
 岡山駅を降りるとすぐ、赤や緑などカラフルな路面電車が目に飛び込んできた。運賃は市中心部が100円。それ以外は140円と安い。創業から90年。ゴトゴトと揺れる車内。併用軌道のため、右、左折の車が軌道に入ると、キーッと急ブレーキの音が聞こえる。約20分で終点の東山駅に着き、経営する岡山電気軌道を訪ねた。
・乗り心地抜群
 「このLRTが導入されれば、運転はコンピュター制御で、低振動。窓は大きく、段差もないし、乗り心地は抜群に良くなる」。同社の礒野省吾・取締役電車営業部長は来春に入るLRT車両の完成予想図を見せながら、胸を張る。
 新車両はすべて特注で2億4000万円。熊本、広島に次ぐ購入で、国も初めて補助金を適用した。県や市の助成もあり、会社の負担は半分だ。「それでも採算は合わない。が、チンチン電車のイメージを打ち破り、LRTの素晴らしさを市民に知ってもらえる。延伸を成功させるため無理をした」。
・走らせてPR
 延伸は、岡山駅前から市役所−大学病院までの1.6キロを新たに敷設する計画だ。現在6車線の道路を4車線に減らすうえに、40億円以上の費用がかかる。乗客の微減が続く同社だけでは実現不可能で、公費負担が欠かせない。市も事業化に前向きだが、「実現には市民合意が必要」としている。
 そのため、実際にLRTを走らせてアピールしようというわけだ。
 「こうした戦略を立て、われわれ事業者や行政を動かしてきたのは、何の利害もない市民グループなんです」と、礒野部長が名前を挙げたのが「ラクダ」(路面電車と都市の未来を考える会、270人)。将来のまちづくりを考えるなかで、6年前にLRTによる都心部活性化を打ち出した。
 岡山商工会議所とも連携し、市民10万人の署名と530万円の募金を集めた。国会議員にも呼びかけ、超党派の議員連盟が結成された。事業者や中央省庁、県、岡山市も働きかけに応じ、補助金創設や計画具体化に乗り出した。
 「車のスピードに合わせたまちづくりは、どんどん空疎になる。まちづくり運動と、車中心社会を見直す流れがうまくかみ合い、ここまできた」とラクダ事務局長で、生活デザイン研究所主宰の佐野浩さん(56)。
規制に反対も
 岡山市は今年2月、路面電車導入時の交通規制を想定した実験を行った。渋滞は生じなかった。年明けにも再度行う。だが、計画実施に向けた最終決定はしていない。「車を規制すると客がこなくなる」という地元商店街の一部や、延伸部分に路線を持つ民間バス事業者などが反対しているためだ。
 市の担当者は「日本にモデル都市がないだけに、まだ理解できない市民もいるが、LRT導入の風は吹いており、最期はトップ(市長)の政治決断」と説明する。
 佐野さんは「もうひと押し。世論を大きく盛り上げたい。それは、これにかかっている」。礒野さん同様、LRT車両の完成図を指して力を込めた。
●京都市 抜本的見直しへ 各種団体が提言
 京都市内でも、さまざまな団体が新たな交通システムづくりに向けて提言し始めた。行政側も「歩いて暮らせるまちづくり」や「TDMの導入」などを掲げているが、まだ具体策は乏しく、緒に就いたばかりだ。
 京都経済同友会の京都・都市活性化委員会は3月に、「京都の公共交通体系への提言」をまとめ、京都市に提出した。
 市内各地から中心部に向かっている現行の放射状型路線編成を見直し、京都市中心部に大・中・小の循環路線を設置。周辺地域には小型バス路線を配置し、循環路線と接続させる新たな編成を求めている。また、京都駅−金閣寺や、天神川−洛西地域などでのLRTの導入も打ち出した。
 京都商工会議所も咋春、稲盛和夫会頭(当時)が京都市内へのLRTの導入を提唱。今年2月にはLRT導入検討部会を設け、まもなく市への提言をまとめる予定だ。
 同友会の京都・都市活性化委員長として提言をまとめ、商工会議所のLRT 検討部会長も務める平井義久さん(京つけもの西利社長)は「京都の大渋滞には観光客も市民もうんざりしている。環境・観光の先進都市にするにはLRTを走らせ、交通システムを転換するしかない」と話す。
 一方、京都弁護士会の公害対策・環境保全委員会(山下信子委員長)も3月に、京都市の交通体系への独自試案(中間報告)をまとめている。
 市中心部と南部にLRT を導入▽南部の高度集積地区などに公共交通機関と連結した駐車場を設け、パーク・アンド・ライドを実現する▽南西部の河川橋などにロードプライシングを行う▽四条河原町−烏丸界わいをトランジットモールとする−などを盛り込んだ。
 市民グループの動きもある。西陣地区を中心とした福祉、商店街、和装産業などの関係者でつくる「今出川通に路面電車を走らせる実行委員会」(福井総介会長)は、今出川通に路面電車の導入を求める要望書を2月に市に出した。
 同じく住民グループ「右京の交通問題を考える懇談会」(渡辺洋代表)は、嵐山観光などへのパーク・アンド・ライド導入を提唱している。市中心部に専用駐車場を設け、巡回バスや電車を連動させ、嵐山などの観光地につなげる構想だ。
 一方、京都市は、1月に策定した市基本計画にTDM施策の推進や、LRTなどの検討を初めて盛り込んだ。検討調査費として本年度予算に3000万円を計上。11月下旬には、嵐山地域で一方通行規制や3つの鉄道駅を結ぶ循環バス運行などを実験的に行う。
 市内では来年2月の道路運送法改正で、バス事業への参入規制が緩和されるのを受け、タクシー会社のエムケイ(京都市北区)がタクシーと連動した路線バス事業への参入を打ち上げた。
 慢性的な渋滞に、乗客の伸び悩みで1767億円を超える市バス・地下鉄の累積赤字、民間の参入、そして新たなニーズへの対応…。抜本的な交通体系の見直しを迫られる京都市。100年余り前、全国に先駆けて路面電車を導入した進取の気性を打ち出せるか。行政だけでなく京の力が問われている。
●まちづくりと一体で議論を 北村隆一・京都大教授
 これからの都市交通はどうあるべきか。交通システム工学が専門で、京都市の基本計画審議会委員なども務めた京都大の北村隆一教授に聞いた。
 戦後から1990年初頭にかけて、とにかく車を通そう、混雑解消には道路をつくろうというアプローチばかりだった。しかし、つくってもつくってもイタチごっこ。車は都心部の多量輸送には向かない。人が楽しく過ごせるのは車が通っていない場だ。京都のように歩いて楽しめる集積がたくさんある都市は、自動車を抑制する方向でまちづくりを進めるべきだ。
 それには公共交通機関の充実が欠かせない。京都のバスや鉄道網は料金体系も含め、有機的につながっていない点が問題。料金を統一すれば随分、使いやすくなる。ただ、車の便利さに慣れた世代にとっては、バスは揺れるし、うしろから乗って前にいかせるし、定時に来ないなど、不便極まりない。景色の変わらない地下鉄も乗っていて面白くない。莫大な建設費用もかかる。
 その点で路面電車(LRT)は優れている。効率がよく、楽しく、気持ちのいいぜいたくな乗り物だ。導入コストも比較的安い。あと5年もすれば、燃料電池で走るようになり、架線もいらなくなる。ただ、専用軌道は不可欠。自動車から道路を奪うことになるだけに、住民の合意形成が必要になる。
 その際、重要なのは、まちづくりと交通システムを一体で議論することだ。欧州では都市部に自動車を入れないことで、都市の魅力を高め、活性化に成功した。京都でも経済人などから思い切った提案が出ている。市行政の英断を求めたい。
●大津市はTDM検討 =全国の先進事例= パークアンドライド 金沢市、5月に実施
 大津市は、滋賀県とともに1998年からTDMを検討し、交通社会実験を行っている。
 98年は4日間、大津市周辺の駐車場を無料にして、シャトルバスなどに乗り換えるパークアンドバスライドを実施。参加者の8割が「良かった」と回答し、1日当たりドラム缶16本分のCO2削減に成功した。
 企業の協力を得て、時差出勤や相乗り通勤なども実験した。今年11月には郊外の駐車場から船で中心部まで通勤する「パークアンドシップライド」を行う予定だ。
 県と市は今後、車からの乗り換え手段として鉄道、バス、自転車(レンタサイクル)の整備・導入を進める考えだ。
 金沢市は五月の連休中に、パークアンドライドを実際に導入している。市が1300台分の臨時駐車場(駐車料1台1000円)を確保し、6分間隔でシャトルバスを運行。通勤時のパークアンドライドも始めた。「観光利用者のアンケートでは9割が『よかった』と答えている。市中心部の車乗り入れ規制も検討中」(交通政策課)という。
 このほか、各地でさまざまなTDM施策が試行・検討されている。
 東京都は今夏、2003年にロードプライシングを導入することを決めた。実現すれば全国でも初めて。まもなく、条例や基本計画づくりに踏み出す。また、福井市は国土交通省の認定を受け、市道のトランジットモール化の検討を始めた。
 TDMトランスポーテーション・デマンド・マネジメント(交通需要管理)の略。自動車の利用法を変えることで、交通混雑を緩和するとともに、環境の改善や地域活牲化を図る手法の体系。自動車通勤の自粛呼びかけや時差出動から、LRTやパークアンドライドなども含む。
 LRT ライト・レール・トランジットの略。次世代型路面電車。床が低く、お年寄りや車いすでの昇降がしやすい。低公害で、最新のテクノロジーにより高速でも騒音や振動が少なく、地下鉄より建設費も安い。欧米では1978年以降、50の都市で新たな路線が整備されている。
 パークアンドライド 郊外で自家用車からバスや電車など公共交通機関に乗り換え、都市中心部に入るように誘導する手法。
 ロードプライシング 混雑地域への道路に進入する際、料金を課すことで交通量を削減、分散させる手法。
 トランジットモール 公共交通機関の走行だけを認める歩行者天国。
 都市型レンタサイクル 駅などの拠点に貸し自転車場を設け通勤や通学に弄利用する。平塚市や大阪市などで実用化され始めている。(京都新聞)
■高架橋からモルタル落下 山陽新幹線
 21日午後2時ごろ、神戸市西区池上3丁目のJR山陽新幹線の高架橋から、下の市道上にモルタル片が落ちているのを近くの住民が見つけ、JR西日本神戸支社に連絡した。けが人はなく、新幹線の運行にも影響はなかった。
 同支社によると、モルタル片は計8個で、最大で縦9センチ、横17センチ、厚さ7センチ、重さ約850グラム。(朝日新聞)
■夙川新駅攻勢JR 07年春にも開設 私鉄に影響、年200万人 阪急「客奪い合い」 阪神「西宮が心配」
 JR東海道線の芦屋−西ノ宮駅間に「夙川駅」(仮称)が新設される見通しとなり、ドル箱路線の阪神間を巡るJR西日本と私鉄の争いが激しくなっている。高速車両の導入や東西線開通で乗客を増やしたJRの攻めの経営に押され、私鉄はここ10年で2〜3割も乗客を減らしており、新駅設置に危機感を募らせている。(経済部・奥寺淳)
・県道拡張時に
 新駅予定地は兵庫県西宮市安井町付近。北側の阪急夙川駅と南側の阪神季櫨園駅まで400〜500メートルの距離で、07年春の開設を目指す。普通電車のみ1日上下約300本停車し、朝のラッシュ時は3〜4分間隔で運転。1日約1万2000人の乗降客を見込む。通常、新駅はまず地元から要望が出るのが一般的だ。ここは逆だった。JR西日本が、地元自治体に協力を求めた初のケースだ。
 JRに追い風だったのは、ホームと交差する県道の拡張計画が重なったこと。駅周辺の道路整備に県費が出るため、JRの負担は駅舎建設費など約12億円ですむ。隣の音屋駅の4分の1以下の乗降客予想でも、「採算がとれる」と見込む。
・減収億単位か
 JR西日本の南谷昌二郎社長は「将来的に各鉄道間の相互の利便性を高めるためだ」との見解を示す。しかし、私鉄側は「限られたパイの取り合いになる」(大橋太朗・阪急電鉄社長)。
 参考になるのが5年前にできたJR甲南山手駅(神戸市東灘区)だ。阪神は年間100万人近くがJRへ流れたと分析。単純に初乗り運賃の140円で計算しても、億単位の減収になる。
 「夙川駅」についても、阪神は「香櫨園駅だけでなく、徒歩圏内の西宮駅の方が心配」という。西宮駅は1日約3万人が乗り降りする特急停車駅。03年春には新装の駅ビルに、阪神百貨店が食と生活用品の専門店を開業する予定で、客の流れはグループ全体に響く。
 JRは、乗降客の半数は私鉄から流れるとみており、影響は年間200万人とも予想される。
・ソフトで対抗
 「少子高齢化で輸送力増強の時代は終わり。これからはサービスの質を高めるしかない」
 全線の年間輸送人員がピークの91年(7億8000万人)から約17%落ち込んでいる阪急は、ソフト路線への移行を強調する。駅に高級スーパーやCD店などの商業施設を充実させるほか、現金自動預入払出機の設置駅を増やしていく計画だ。
 ここ10年で乗客が3割近く減った阪神は、西大阪線(尼崎−西九条)を難波まで延伸して、近鉄と相互に乗り入れる計画だ。9月末には国土交通省に第2種鉄道事業の許可を申請。03年度に着工し、08年度に完成させて利便性を向上させる。
 JRも東海道線の山崎−高槻間、西大路−向日町間の新駅設置を大阪府島本町や京都市からの要請を受けて検討している。競争はとめどない。
努力の余地
 斎藤峻彦・近畿大教授(交通経済学)の話 JRは国鉄時代、地方路線の電化や複線化に追われ、大都市圏に新駅を造ってこなかった。乗客ニーズを見越した経営に不熱心だった分、民営化後に努力の余地があったということだ。私鉄はもうかる路線を整備し終えてしまい、手詰まり状態になっている。(朝日新聞 夕刊)
23日■鉄片で信号誤作動 列車6本遅れる 京都駅山陰線ホーム
 22日午後8時ごろ、京都市下京区のJR京都駅で、山陰線ホームの下り出発用信号機が赤のまま変わらなくなった。約20分後に正常に戻ったが、京都発園部行き下り快速電車など上下の列車計6本が15−2分遅れ、乗客2200人に影響が出た。
 JR西日本によると、線路上に長さ3センチ、幅4ミリの薄い鉄片があり、それを取り除いたところ正常に戻ったという。
 鉄片は何の部品か不明だが、電流で線路上の列車運行を監視する安全装置が鉄片を列車と誤認し、信号機が変わらなかったのではないかとしている。信号機のトラブルは、ポイントに小石がはさまって起こることはあるが、鉄片の感知によるケースは珍しいという。(京都新聞)
■京阪が装飾電車 淀屋橋−出町柳間 あすから
 京阪電気鉄道(大阪市)は、源氏物語をテーマこした90回目の「ひらかた大菊人形」展を記念し、淀屋橋(同市)−出町柳(京都市)間で電車の正面や側面に、源氏物語の主人公の光源氏などを描いた「Genjiロマンス号2001」を今月24日から11月25日まで運行する。
 菊人形展は、大阪府枚方市の「ひらかたパーク」で開催中。車体装飾のほか、車内づりで源氏物語の場面、石山寺(大津市)など源氏物語にまつわる沿線の社寺の写真、菊人形の歩みなど紹介する。(京都新聞)
■オウム裁判 10月 検察側承認の主尋問終了(抜粋)
 地下鉄事件、遠藤被告が初証言 松本被告「サリンつくれよ」
 オウム真理教松本智津夫被告(46)=教祖名麻原彰晃=の公判は10月、第208−210回が東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれ、検察側申請の最後の証人となる元幹部遠藤誠一被告(41)が出廷、地下鉄サリン事件での松本被告によるサリン生成指示の状況などを証言した。また元幹部新実智光被告(37)も九月に引き続き、松本サリン事件で弁護側の反対尋問に答えた。これで検察側証人の主尋問はすべて終わり、弁護側反対尋問も新実被告の松本サリン、VX両事件と遠藤被告の地下鉄サリン事件を残すのみとなった。早ければ十二月にも検察側立証が終了する。
・208回公判(4日)
 (一九九五年三月20日に起きた地下鉄事件についての証言を拒否してきた遠藤被告が、自分の法廷での審理が同事件の被告人質問に入ったことなどから、初めて証言に応じた。検察側はサリン生成指示に絞って尋問。遠藤被告は、最初の指示は三月十八日深夜だった、と答えた)
 検察官 最初の指示以前にサリン生成の話が出たことはあるか。
 遠藤被告 三月十八日未明に、東京から山梨県上九一色村に向かうリムジンの車内で。麻原さん、村井さん(故村井秀夫幹部)、井上さん(井上嘉浩被告)、青山さん(青山吉伸被告)らが乗っていた。
 検察官 覚えている会話は。
 遠藤被告 わたしが最後に乗り込んだら「強制捜査が…」という声が聞き取れた。しばらくすると麻原さんが村井さんの肩越しに顔を近づけてきて「ジーヴァカ、サリンつくれるか」と話し掛けてきた。わたしは「条件が整えばつくれると思います」と答えた。コスモクリーナー(教団の空気清浄機)の音がうるさく、ほかの会話は聞き取れなかった。麻原さん、井上さん、村井さんが中心に話していたという印象がある。
 検察官 生成指示と受け止めたか。
 遠藤被告 一般的に「おまえはつくれるか」と聞かれたと思った。横にサリンプラント責任者の村井さんがいたし、中川さん(中川智正被告)、土谷さん(土谷正実被告)がサリン開発をしていたのは麻原さんも知っている。具体的指示とは思っていない。
 検察官 生成指示は。 遠藤被告 十八日午後十−十一時ごろ、第6サティアン一階の麻原さんの部屋で。「ジーヴァカ、おまえもやるんだろう、サリンつくれよ」と。「はい」と答えた。
 検察官 次の指示は。
 遠藤被告 十九日昼前、同じ部屋で。麻原さんはソファに座り、果物を食べていた。「まだやっていないんだろう」と聞かれ、「はい、やっていません」と答えると、「そうか」とだけ言った。
 検察官 何をやっていないと。
 遠藤被告 前日の流れや中川さんが「早く始めなければならない」と言っていたので、サリンのことだと思った。村井さんからも「今日中にやってくれ。中川が知っているから、彼に従えばいい」と言われた。
 検察官 その後、生成の話が出たのは。
 遠藤被告 十九日午後十時半−十一時の間、麻原さんの部屋で。その段階で生成を開始していた。中川さんが分留することにこだわっていたので、麻原さんに聞きに行った。わたしは「できたみたいです。ただ純粋なものではなく混合物です」と言ったら、「ジーヴァカ、いいよ。それ以上やらなくていいよ」と言った。その後、事件までに麻原さんからサリン生成の話が出たことはない。
24日■「日勤教育で自殺」 運転士遺族労災を申請 JR
 JR西日本尼崎電車区の運転士だった服部匡起さん(44)が自殺したのは、乗務を外され再研修を受ける「日勤教育」で精神的に追い込まれたためだとして、佐賀県内に住む父親が23日、尼崎労働基準監督署に労災申請をした。
 申請書やJR西日本労働組合(JR西労)によると、服部さんは8月31日、京都駅で計器点検をして発車時刻が定刻から約1分遅れ、乗務を外された。その後、事故防止のための日勤教育として報告書作成などを求められた。先月、「1ヵ月は日勤と言われた。ショックだ」と同僚に漏らし、翌日、神戸市の自宅で自殺した、という。(朝日新聞)
■菅原文太さん長男 俳優加織さん死亡 電車にはねられ
 23日午後11時10分ごろ、東京都世田谷区北沢二丁目の小田急線の踏切で、東京都武蔵野市吉祥寺北町、俳優菅原加織さん(31)=本名菅原薫=が相模大野発新宿駅行きの上り電車にはねられた。菅原さんは病院に運ばれたが、頭や胸を強く打っており死亡した。菅原さんは俳優の菅原文太さんの長男。
 警視庁北沢署によると、菅原さんは下り電車が通過した後、下りていた遮断機をまたいで踏切内に歩いて入り、上り電車にはねられた。
 同署は、菅原さんが下り電車に続けて上り電車が通過することに気付かず、踏切を渡ろうとしてはねられたとみている。
 菅原さんは1988年にテレビドラマに出演し、文太さんと共演。これまで映画「恋する女たち」「どら平太」などに出演している。(京都新聞 夕刊)
■菅原文太さん長男が事故死 世田谷の踏切
 俳優菅原文太さんの長男で俳優の菅原加織(本名・薫)さん(31)=東京都武蔵野市=が23日午後11時10分ごろ、世田谷区北沢2丁目の小田急小田原線の踏切内で、相模大野発新宿行き上り普通電車(8両編成)にはねられ死亡した。
 警視庁北沢署の調べでは、下り電車の通過後、上り電車に気づかず遮断機をまたぎ、踏切を渡ろうとしてはねられたとみて調べている。
 所属事務所によると、菅原さんはテレビドラマ「元禄繚乱」「暴れん坊将軍」などに出演した。(朝日新聞 夕刊)
25日■渋滞ない嵐山を 駅結ぶ100円バス 通行規制を実施 京都市 来月の交通実験
 京都市は24日、観光名所・嵐山の渋滞解消に向けて11月に実施する交通実験の内容を発表した。18日に一帯の幹線道路を一方通行規制し、鉄道駅を結ぶ100円バスを運行するなど、歩いて動く、公共交通優先の観光地を目指す。
 実験期間は17、18日と23−25日の計5日間で、10項目の取り組みを予定している。
 18日には、嵐山高架道路、三条通、長辻通を時計回り循環の一方通行に規制し、2車線のうち1車線をバス専用レーンにする。100円バスは京都バスが運行し、JR嵯峨嵐山駅から大覚寺、渡月橋付近を結ぶ路線と、阪急嵐山駅から嵯峨小前を巡る路線を走らせる。携帯電話などの情報端末で主な駐車場の空車情報が入手できるシステムも運用する。
 このほか期間中、17日からは駅や観光施設などを巡る「もみじスタンプラリー」を実施。23日からの3日間は一方通行規制を行わず、18日とは別の路線でJR嵯峨嵐山駅を起点とする100円バスを運行する。
 実験のPRは、11月上旬から始める。割引特典がある企画切符や散策コースを紹介するパンフレット「あらしやま・さがの便利帖」を15万部作って区役所や観光案内所、関西の主要駅や旅行代理店などに置き、観光客に公共交通利用を呼びかける。
 ホームページも開設し、3000枚のポスターを関西、北陸、中国地方の駅に張る。市交通政策課は「アンケートや交通量調査も行い、観光地の交通問題解決に参考になるようなデータを集めたい」としている。(京都新聞)
■午の親子切符 買って仲良く 信楽焼製、あす発売
 信楽町の信楽高原鉄道が、来年のえと「午」を描いた信楽焼陶板製の「うま年親子キップ」を、26日から発売する。同鉄道が1989年からPR用に発行している信楽焼切符シリーズで、13回目の今回はデザインを公募。京都市南区の東江知美さん(22)の作品を基に、同町長野の共同作業所が作った。
 通常運賃と同じ1360円で、4000枚を販売する。26日午前10時から同鉄道信楽駅と県観光物産センター(JR大津駅2階)で発売し、郵送での申し込みも受け付ける。問い合わせは信楽高原鉄道TEL0748(82)3391、0129。(京都新聞)
■嵐山にも100円バス 京都市 渋滞解消へ実験 来月4日間
 秋の紅葉シーズンを前に、京都市は自動車の渋滞が問題となっている紅葉の人気スポット、嵐山地区で、11月中旬から下旬を中心に、運賃100円の循環バスを運行するなどしてマイカーなどの流入抑制を図る「交通社会実験」に取り組む。
 同市によると、紅葉のピークとなる11月下旬の休日には、マイカーが押し寄せ、地区周辺の駐車場は午前10時ごろにはいっぱいになり、夕方まで渋滞の列が続く。
 このため、同市は渋滞緩和策として、京都バスによって11月18日、23〜25日にJR嵯峨嵐山駅前、阪急嵐山駅前、京福嵐山駅前、大覚寺を巡回する一律運賃100円のバス(37人乗り)を運行、マイカーの使用を控えてもらう。「100円循環バス」は、昨年春から市中心部で、土・日曜日、祝日に市交通局が運行して、人気を呼んでいる。
 また、地区中心部を走る長辻通の約700メートルの区間では、今月20日から11月25日までの予定で、土・日曜日と祝日を一方通行としている。11月18日には、嵐山中心部の主要道路(2車線)を一方通行とし、1車線は観光バス、路線バス優先とする。
 このほか、インターネットにも渋滞や駐車場利用状況の情報提供をする。
 市は、今年の結果を踏まえ、来年度は嵐山地区周辺の駅に駐車場を整備するなどして、嵐山地区への自動車流入の抑制に取り組みたい、としている。(朝日新聞)
■白い粉で500人 一時下車騒ぎ JR南武線の終電
 25日午前零時25分ごろ、JR南武線の川崎発登戸行き普通電車(6両)で、先頭車両後部の床に白い粉が落ちているのに乗客の男性が気付き、武蔵中原駅(川崎市中原区)で下車後110番した。
 JR東日本は武蔵溝ノ口駅(同市高津区)で乗客約500人全員を降ろしたが、登戸行き最終電車のため乗客が「運行を再開しろ」と騒ぎ、3両目以降に乗車させて運行を続行。登戸駅には予定より約40分遅れの午前1時半ごろ到着した。
 神奈川県警多摩署の調べでは白い粉は小さじ1杯分ほどの分量。乗客に体調不良を訴える人はいなかった。県警機動隊が先頭車両内を洗浄、川崎市衛生研究所で成分の分析を急いでいるが、毒物の可能性は低いという。(京都新聞 夕刊)
26日■通路などに白い粉 京都駅ビル駐車場
 25日午後3時40分ごろ、京都市下京区の京都駅ビル3階駐車場で、巡回中の警備員が車路床面で白い粉を発見した。粉は自動車のタイヤに踏まれ15センチ四方に広がっており、京都府警鉄道警察隊の立ち会いで、駅ビル内の清掃会社が洗剤で洗い流した。
 午後5時50分には、別の警備員が、駅ビル本棟と駐車場をつなぐ2階渡り廊下で3センチ四方の白い粉を発見。同様に処理した。いずれも利用者の混乱はなかった。府警によると、白い粉は炭疽菌ではないという。(京都新聞)
■社説 嵐山交通対策 車優先の発想変えよう
 京都市が観光地・嵐山の交通対策に本格的な取り組みを始めた。紅葉時の車渋滞のひどさは今さら言うまでもない。住民生活への影響はもとより、このままでは観光地の魅力をも損なう。車優先の従来発想ではとても解決の道は見つかるまい。人を主にする交通対策、安易に車に頼らない地域社会づくりをもっと考えていきたい。
 京都市の観光調査によると、嵐山は京都観光の2番目の人気地域で、紅葉シーズンは観光ラッシュの様相となる。3年前の休日調査ではマイカー客は全体の14%だが、道路渋滞はひどい。例えば、南側の桂川堤防上の道は午前11時で2キロの渋滞となり、そのまま夕方まで続く。
 4車線道路が東側からの1本しかない道路事情に加え、周辺の駐車場も少ない。勢い、あふれた車が生活道に入り込む。また、高雄方面に向かう車の通過も混雑に輪をかける。交通対策の遅れは明らかだ。
 京都市は今回、2年間の交通実験の形で取り組む。来月実施する実験は、一部道路を一方通行にする規制、鉄道など公共交通の利用を促す誘導、それらを知らせる情報提供を柱にする。あくまで当面の、対症療法的な対策といえる。対象地域が小規模で、駐車場の受け皿もない。
 思い出すのは、かつて京都市が唱えた「マイカー観光拒否宣言」だ。まったく効果はなかった。当時から大規模駐車場の確保、そこからバスなど公共交通の整備が必要とされながら、手つかずのまま終わった。
 同じ轍を踏んではなるまい。観光関連団体が桂川河川敷に臨時の駐車場を設けたが、それでも十分とは言いがたい。嵐山だけでなく、広域的な視野での駐車場対策が不可欠だ。休日の事業所用地の活用など幅広く検討したい。
 ただ、マイカー拒否が失敗した教訓は単にハード問題だけではない。京都市民が自らはマイカー観光を当たり前としながら、他都市からの京都入りを拒否しても、とうてい理解を得られるはずもなかった。
 嵐山での実験が渋滞緩和策にとどまってはならないわけだ。観光だけでなく、住民や市民も視野に入れて車の総量を抑制する。歩く人や公共交通を優先する地域づくりの第一歩となる実験を目指したい。それでこそ観光客への説得力も出てこよう。
 そのためには、車を排除する象徴的な通があってもよいし、何よりも安心して歩ける空間の確保が必須の条件といえる。それは観光地の魅力を高めることにつながるはずだ。
 嵐山・嵯峨野は、車社会への対応が遅れたが、逆に歴史豊かな観光地の魅力を傷つけなかった。全国有数の観光地は、住民の誇りでもある。観光客と地元がその魅力を守ることで共感できるか。公共交通への誘導も、車規制も、交通情報での呼びかけも、そのような共感がベースになくては実効があがるまい。(京都新聞)
■駐車場や周辺 相次ぎ白い粉 JR京都駅ビル
 先日午後3時40分ごろ、下京区烏丸通塩小路下ルのJR京都駅ビル西第一駐車場3階で、巡回中の警備員が床に約50平方センチにわたって白い粉が付着しているのを見つけた。通報を受けた七条署員がマスクと手袋をつけ漂白剤をかけたうえ、約1時間後に洗い流した。
 また、同5時50分ごろにも、同駐車場と北側の西第二駐車場にかかる2階連絡橋で、別の警備員が床に約10平方センチにわたって白い粉があるのを見つけたが、同署員が同様に洗い流した。府警が一部を採取し、成分などを調べている。(朝日新聞)
■声 転落防止さく どのホームも 盲学校講師 藤野 高明(大阪市 62歳)
 大阪市営地下鉄のホームで、電車に接触したあと線路に転落し、電車に引きずられて大けがを負ったのは、転落防止さくの未設置や点字ブロックの不備が原因だとして、大阪市に損害賠償を求めた訴訟の判決が大阪地裁であり、原告の全盲青年の敗訴となりました。
 報道によれば、転落防止さくのない駅はほかにも相当あり、さくがなくても、管理上、特に劣っていたとは言えない、というのが敗訴の理由のひとつだったそうです。点字ブロックの設置についてもやはり、ほかの交通機関に比べて劣っていたとはいえないとしています。
 これは実に不思議な論理のたてかたで、それなら、危険なままに放置しておく方が責任を逃れられるということになります。全く納得できません。
 今年1月に東京のJR新大久保駅で3人が亡くなる事故があって、ホームの安全が緊急の課題になっています。その社会常識に真っ向から逆風を起こす判決だと、私は思います。昨年11月に施行された、いわゆる交通バリアフリー法の精神を生かしてほしいと思います。
 私も全盲で、3度ホームから落ち、命の危険を痛いほど感じたことがあります。原告の、判決に対する無念さがひしひしと伝わってきます。控訴されると思いますが、断固として応援します。(原文は点字)(朝日新聞)
■窓 論説委員室から 臨津江駅
 こうべを垂れた稲穂が柔らかな日差しを受けて黄金色に輝き、コスモスの紅色の花がそよ風で揺れる。車窓の外に広がるソウル近郊の田園は、秋真っただ中にあった。
 乗ったのは、朝鮮半島縦断鉄道だった京義線の普通列車である。
 昨年の南北首脳会談で同線の分断部分連結が提起された。9月末には、韓国側の断絶地点だった■(さんずいに文)山から南北軍事境界線に近い臨津江までの工事が完成した。それに伴い、列車の運行も臨津江まで延びたのだった。
 臨津江駅で一緒に降りた人々は、軍事境界線に沿って流れる臨津江に近づき、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の方を見つめていた。双眼鏡で北朝鮮の山並みに目を凝らす人もいた。外見はピクニック姿だが、肉親を残した人々が多いようで、行楽という雰囲気ではなかった。
 鉄道といえば、金正日総書記は要さいのような特別仕立ての列車に乗り、ロシアを訪問した。訪中でも鉄道を使った。金大中大統領との首脳会談で約束した総書記の韓国訪問も京義線をつかうのではないか、と多くのソウル市民は推測する。
 だとすれば、分断部分の北側の工事進ちょく度は、北朝鮮の南北交流に対する熱意をはかる物差しにもなる。
 しかし、北側では工事がいっこうに進んでいない。北側の工事が完成するには3、4ヵ月かかると見られている。ソウルで会った北朝鮮専門家は「年内の総書記訪韓の可能性はないだろう」と残念そうに話していた。〈人〉(朝日新聞 夕刊)
27日■国内最古の客車を修復 米子市教委
 列車の客車としては現存する国内最古の車両を保存しようと、鳥取県米子市教委が進めていた修復作業が終わり、展示場所の同市道笑町の商店街広場で26日、市民らが出席し記念式典が行われた。
 この客車は「二軸木造客車フ50号」で、1887(明治20)年に英国で製造。専門家の調査によって、現存する客車としては国内最古と判明。座席や窓などの傷みが激しく、今年8月から修復していた。(京都新聞)
■電化記念チョロQ
 九州キヨスク(福岡市)は、JR福北ゆたか線の電化開業を記念して、新型車両817系をモデルにしたぜんまい仕掛けのミニチュア車両「チョロQ」を11月17日に販売する。
 2両編成を1セットで1100円で販売。JR博多、吉塚、新飯塚、直方、折尾、小倉の各駅と通信販売で取り扱う。問い合わせ先は同社営業部、TEL092(434)5757。(京都新聞)
■電車にはねられ死亡 向日の阪急京都線
 26日午後8時29分ごろ、向日市寺戸町の阪急京都線変電所前踏切で、梅田行き快速特急電車に人がはねられ、即死した。
 向日町署で性別、身元などを調べている。同踏切は遮断機、警報機付き。同電車の運転士によると、被害者は男性らしく遮断機をくぐり線路内に侵入、急ブレーキをかけたが間に合わなかった、という。この事故で、同電車が現場に約23分停車、上下49本の電車、約2万3000人に影響が出た。(京都新聞)
28日■京都市地下鉄・烏丸御池駅 近畿の駅100選認定 記念プレートを除幕
 近畿運輸局の「近畿の駅百選」の一つに京都市営地下鉄・烏丸御池駅が選ばれ、京都市中京区の同駅で27日、認定記念式があった。地域の人たち約50人が参加して祝った。
 昨年度から始まった「近畿の駅百選」で、10月14日の「鉄道の日」の関連イベントとして、地域に親しまれている駅を公募し、25駅を選んでいる。今回は、府内ではJR西舞鶴駅や北近畿タンゴ鉄道網野駅、阪急嵐山駅、嵯峨野観光鉄道トロッコ保津峡駅も認定された。
 烏丸御池駅は、地元の高倉、御所南小の児童による壁画を展示するなど、地元密着の駅として評価された。市営地下鉄では初めての認定。
 式典では、京都市交通局の大槻雅弘高速鉄道部長が「地元のみなさんに支えられている駅だからこそ、認定をいただけた。よりよい駅にしていきたい」とあいさつした。高倉小と御所南小の児童12人が、駅の壁に埋め込まれた認定プレートの除幕をして、名誉ある認定を喜び合った。(京都新聞)
29日■近鉄踏切で車脱輪 京田辺、2500人に影響
 28日午後7時半ごろ、京田辺市田辺南田の近鉄京都線の踏切で、京都市山科区、アルバイトの男性(31)の乗用車が脱輪。男性は踏切の非常ボタンで近くの新田辺駅に通報し、京都行き普通電車と橿原神宮前行き急行電車が現場近くで停車した。けが人はなかった。
 このため、京都線は上下計13本が最大15分遅れ、乗客約2500人に影響が出た。(京都新聞)
■市バス運転手ら男に殴られけが 左京、傷害で捜査
 28日午後8時10分ごろ、京都市左京区北白川仕伏町の路上で、市バスの奥本浩運転手(59)と誘導員の佐野武雄さん(66)が、男に殴られた。奥本運転手が後頭部などを打ち、けがをした。下鴨署は傷害事件として、車で逃げた男の行方を追っている。
 同署によると、T字路交差点の市バス転回場でバスを誘導しようと、佐野さんが走行してきた車を止めたところ、車から降りてきた男が突然、佐野さんを殴ったあと、バスに乗り込み、奥本運転手を引きずりおろして数回殴った、という。
 男は40歳くらい、茶色の髪、白ズボン姿。車は白色の軽トラックで、比叡山方向に逃げたという。(京都新聞)
■自動改札機上に白い粉 JR京郡駅
 28日午後5時ごろ、下京区のJR京都駅中央改札口にある自動改札機の上に白い粉があるのを、巡回中の駅員が見つけた。七条署員が現場に駆けつけ粉を採取した。
 調べでは、粉は直径2センチほどの円状になっていて、同4時半ごろ駅員が巡回した時はなかったという。府警科学捜査研究所で成分などを調べる。
 同駅は、粉があった改札機1台を約1時間半止めたが、列車運行に影響はなかった。
 25日にはJR京都駅に隣接する駐車場で白い粉が床などに付着していたのが見つかっている。(朝日新聞)
30日■総額151億円の債権放棄要請 琴電が再建計画
 多額の負債を抱え経営不振に陥っている高松琴平電気鉄道(琴電、高松市)は29日、取引銀行への総額151億円の債権放棄要請や総人件費の約4割圧縮などを柱とする会社再建基本計画を発表した。
 財務体質改善と経営合理化で来年度に鉄道部門を黒字化、地域の公共交通機関として再生を目指す。しかし、債権カットを迫られる銀行は難色を示す公算が大きく、理解を得られるかは徹妙な情勢だ。
 琴電は同日、主力の百十四銀行を含む四国の地銀(第二含む)8行や日本政策投資銀行など計12行に対し債権放棄を要請。放棄後の債務についても金利減免や返済期間の延長を求めた。(京都新聞)
■阪急事故の身元判明
 26日午後、向日市の阪急京都線踏切ではねられ即死した人は、向日町署の調べで京都市南区の無職男性(66)とわかった。(京都新聞)
■京福電鉄社長減給処分に
 京福電鉄(本社・京都市)は29日、昨年12月と今年6月の2度にわたり正面衝突事故を起こし、福井県内3路線の廃止届を出したことを受け、石田栄一社長を3ヵ月30%の減給にし、小島幸雄副社長を取締役に降格する役員処分を発表した。このはか管理職3人も減給や降格などの処分にした。(朝日新聞)
■琴平電鉄が債権放棄要請 再建計画案に盛る
 高松琴平電気鉄道(本社・高松市、琴電)は29日、取引先の銀行団に対して151億円の債権放棄を求めることを柱とした再建計画案を発表した。03年度には経常黒字化を目指すとしており、債権放棄の要請は、9月に経団連などがまとめた私的整理のガイドラインに沿う形となっている。(朝日新聞)
31日■JR平野駅で信号機が故障
 31日午前8時25分ごろ、大阪市平野区平野元町のJR大和路線平野駅で、構内の信号機が赤のまま変わらなくなり、難波発王寺行きの上り普通電車(6両編成)が立ち往生した。11分後に駅員の手信号で運転を再開した。同42分ごろ、再び同駅の別の信号機が赤のまま変わらなくなり、後続の電車が約20分間立ち往生した。
 JR西日本によると、上下線63本が運休し、36本が52〜6分遅れた。約2万8000人に影響が出た。最初の信号機の故障後、閉まりきりになった踏切を横断する人が相次ぎ、混乱が広がった。(朝日新聞 夕刊)
■USJ直行バス 利用者低迷 休止や減便 大阪市
 大阪市交通局は31日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、同市此花区)と「あべの橋」(同市阿倍野区)を結ぶ市営直行バス路線を11月26日から休止するよう近畿運輸局に申請した、と発表した。利用者数が低迷しているためで、他の4路線についても同時期から減便など運行ダイヤを見直す。同市営バスのUSJ路線の休止は初めてだ。
 今春のUSJの開園に合わせ、市交通局は大阪駅や住之江公園など5ヵ所から、35人乗りの直行バスの運行を始めた。「あべの橋」路線は1便の平均乗車人員が8月3人、9月2人と低迷が続き、全5路線の平均13人を大きく下回った。同局は、冬季に向け、利用者増は見込めないと判断した。「あべの橋」からUSJに向かう場合、JRの方が短時間で行ける▽周辺でのUSJ向け宿泊客が少ない−などが原因とみている。(朝日新聞 夕刊)