2001(平成13)年 7月


1日■京福事故1週間 旧態依然の現場慣習 運転士要請ずさん 安全への不備浮き彫り(京都)
  ■京都市バスに追突(京都)
  ■システム誤操作で阪神電車全線停止 1万人に影響(京都)
  ■指令室操作ミス 阪神18本止まる(朝日)
  ■廃線の波 地方に次々 鉄道事業法改正 地元同意不要が契機(朝日)
2日■京福電車と衝突 バイクの男性死亡(京都)
  ■奈良線快速が30メートル行き過ぎ 京都・新田駅(朝日)
3日■JR埼京線も女性専用車両 痴漢防止対策(京都)
  ■五山送り火全部見えます 京都駅ビルが400組無料招待(京都)
  ■近鉄京都駅にコンビニ開設 来年、計3駅(京都)
  ■踏切でバイク転倒 JR関西線乱れる(京都)
  ■バイクと電車 踏切内で接触 木津のJR関西線(朝日)
4日■米国製弁当は予定通り販売 JR東日本社長(京都)
  ■JR京都駅八条口 レストラン街改装 10月上旬にオープン ハンバーガーや回転ずし店も(京都)
  ■コトデンそこう後継 高松天満屋の出店正式決定(京都)
  ■輸入冷凍駅弁 計画通り販売 JR東日本社長(朝日)
  ■京阪中之島新線・阪神西大阪線延伸 それぞれ三セク設立 大阪府・市 負担の方針(朝日)
  ■バス・中小型トラック 低公害車購入に補助金 国交省方針 NOx削減狙う(朝日)
  ■あなたの謎?? とき隊 どうやって描く車体広告(朝日)
5日■七夕にイベント 嵯峨野観光鉄道 開業10周年記念(京都)
  ■ICカード導入へ 関西の私鉄、地下鉄、JR 共通利用へ前進(京都)
  ■ICカード化 「スルッとKANSAI」も導入 03年度以降 自動積み増し、後払い…OKに(朝日)
  ■電車の窓割れ乗客1人けが JR阪和線、投石か(朝日)
6日■原付きと電車 衝突2人重傷 羽曳野の近鉄結切(朝日)
  ■声 煙のゆくえ(朝日)
  ■朝の地下鉄止まる 烏丸線車両故障 1万2000人影響 京都縦貫道では通行止め(京都)
  ■「電車いつ」乗客憤る 朝の地下鉄烏丸線 京都駅などターミナル 乗り換え長い列(京都)
  ■市営地下鉄30分止まる 京都(朝日)
  ■開業を前に住民ら試乗 神戸市営地下鉄海岸線(朝日)
7日■京都市バス客閉じこめ 運転手が諭旨退職(京都)
  ■車内広告”貸切り” 近鉄や京阪で増加(京都)
  ■降りて歩いて 26 JR石原駅(福知山市石原) 由良川の恵み昔も今も(京都)
  ■W杯へ「夢かもめ」発車 神戸市地下鉄海岸線が開業(京都)
9日■踏切で男性重体 向日、自殺未遂か(京都)
10日■男性はねられ死亡 右京の山陰線(京都)
  ■駅ホームから転落? 保津川河川敷で男性の遺体発見(朝日)
  ■バスが急停車 乗客5人けが 大阪市営、北区で(朝日)
  ■急病、阪急乱れる 通勤客ら7000人影響(京都)
  ■踏切事故死亡の男性身元判明(京都)
  ■スプレー噴射、放火… 事件頻発のJR西 駅暴力に対策特急 大阪など34駅 監視カメラ・自衛強化(朝日)
11日■JR3社と貨物の支援延長を検討へ 来年度から国交省(京都)
  ■京阪電鉄 中之島新線の事業会社設立 阪神も西大阪線で(京都)
  ■関鉄協会長に吉田氏(京都)
  ■鉄道延伸へ子会社設立 阪神・京阪(朝日)
  ■私鉄総連が定期大会(朝日)
  ■Jスルーカード 京橋で79枚盗難(朝日)
12日■視界よく新車両発車 八幡・男山ケーブル リニューアル工事完成(京都)
  ■東西線「天神川駅」 周辺区画整理 検討へ部会も(京都)
  ■阪急、ICカード導入 2003年度めど 運賃後払い可能に(京都)
  ■ICカード 阪急電鉄1番乗り 03年度めどに導入へ(朝日)
  ■新幹線、停電で遅れ(京都)
13日■初代新幹線 英で永久展示 鉄道博物館で除幕式(京都)
  ■JR駅周辺を清掃 山科の洛東高生(京都)
  ■叡山線電車にシカが衝突死 左京区(朝日)
  ■ひと 立ちばなし 女性車掌、車内ではつらつ(京都)
  ■洛中洛外(京都)
  ■「団子鼻」誇らしく 初代の新幹線 英国博物館に(朝日)
14日■昨年度の3セク鉄道 31社が赤字、総額37億円(京都)
  ■「オペラ座の怪人」で幕開け シアター1200改称の「京都劇場」 来年1月オープン(京都)
  ■いろいろアングル 車内ギャラリー 環境の大切さ呼び掛け(京都)
  ■降りて歩いて 27 JR和知駅(和知町本庄) 地域活性化へ多彩な催し(京都)
  ■三セク鉄道 31社が赤字 前年度比2社減 昨年度決算(朝日)
  ■2001 新社長 京阪電気鉄道 佐藤茂雄氏 IT使い駅の活性化を(朝日)
15日■四国の交通網「ばらまき行政」のツケ 地元責任で総合政策を 3本の橋に高速道路 空港拡張も(朝日)
16日■落雷、新幹線止まる 京都−新大阪間 2時間半後に復旧 高槻・変電所(京都)
  ■関西線は一時不通 南山城村(京都)
  ■落雷?新幹線ストップ(朝日)
  ■落雷新幹線、2時間半ぶり復旧 370人、車内で一夜 新大阪駅(朝日)
17日■コメ騒動 JR・「輪入駅弁」を発売 JA・車内で国産米PR(朝日)
18日■近畿で局地的な豪雨 落雷で小5重体 10満世帯で停電(京都)
  ■近畿に大雨 事故相次ぐ 停電16万戸 小5、落雷で重傷(朝日)
  ■新交通システム ホンダが参加へ シンガポールで(朝日)
  ■車いすに無情の大阪駅 3ホームにエレベーターなし JR西 負担増にに「難しい」 JR東は10年内に整備、利益の差?(朝日)
  ■ポイント故障 通勤客ら影響 JR福知山線(朝日)
19日■京阪百貨店が大阪副都心へ 京阪京橋駅出店検討(京都)
  ■「甲子園には電車で」(朝日)
  ■道路財源、米欧にみる 地下鉄・バス整備に転用(朝日)
20日■京福電鉄に改善命令 国交省全国初 安全管理体制確立を(京都)
  ■人身事故で新幹線に遅れ 高槻、30分間停車(京都)
  ■国土交通省 京福電鉄に「改善命令」 事業法で初の適用 事故連続を重視(朝日)
  ■ずさん露見 京福電鉄 沿線住民は廃線を心配 運行表、声で確認守られず 抜き打ち検査も実施されずリストラで運転士過密勤務(朝日)
  ■「退避場所あり」1117駅 2077駅 国交省調査 通報システム424駅(朝日)
  ■JR西労の敗訴が確定 「脱退工作」訴訟(朝日)
21日■ユニークバス事業 データベース化へ 国交省、情報提供検討(京都)
22日■JR、車内誌で1億6000万円損失 委託会社不渡りで(京都)
  ■木幡駅で信号故障 JR、3000人に影響(京都)
  ■新快速ブラインド復活 特殊遮光ガラス大誤算 「暑いがな」乗客から苦情殺到 JR西日本(朝日)
23日■いたずら?踏切の特殊信号が点滅 宇治のJR奈良線(京都)
  ■JR東日本車両 車いす用トイレ 非設置「違法」言えず 東京地裁 損害賠償請求を棄却(朝日)
24日■男性はねられ死亡 阪急京都線乱れる(京都)
  ■ミニバイクに市バスが追突 東山、3人けが(朝日)
  ■将棋倒し JRが駅入場制限 事故前 主催者と連携なく(朝日)
25日■SLライトアップ再び 梅小路 28日から3日間(京都)
  ■奈良線で車両故障 城陽、上下14本運休(京都)
  ■踏切で死亡男性、身元判明(京都)
  ■米唯一の都市間旅客鉄道 アムトラック 30年赤字続き 存続危うし 時速240キロアセラに託す ドル箱路線でひと勝負 前年同期比乗客7%増(朝日)
  ■事務所で不審火 交通局洛西操車場(京都)
  ■高架下で火災 阪神一部運休 始発から50分(朝日)
26日■バスに自転車OK 来月から近江八幡 観光客の利便拡大へ(京都)
  ■明石の将棋倒し 改札制限連絡せず JR側 ホーム大混乱で(京都)
  ■手配の中国人容疑者を逮捕 京阪バス営業所事件(京都)
  ■操車場事務所で家具など焼ける 西京、放火の疑いも(朝日)
  ■線路に酔った男性 新快速などに遅れ JR東海道線(京都)
  ■線路に酒酔い男 2万5000人影響 高槻、東海道線(朝日)
27日■西大路駅周辺の広報誌創刊 まちづくりフォーラム(京都)
  ■自動改札機発→お得メール 定期券で登録 携帯に買い物案内など オムロン9月から首都圏で試行へ(京都)
  ■非常ボタンをいたずら、停車 京都発「はるか」(京都)
  ■誤報非常ベル はるか止めた 男の子いにずら(朝日)
28日■のぞみ増発 30分間隔に JR、10月から(京都)
  ■市バス内でスリ 府警、容疑の男逮捕(京都)
  ■のぞみ増え30分に1本 東海道・山陽新幹線 10月1日ダイヤ改定 16両編成、禁煙車増え11両に(朝日)
29日■阪急京都線乱れる 西院駅、男性死亡(京都)
  ■旧国鉄改革 「政治の排除」が焦点 82年臨調の議論、明らかに(朝日)
30日■漫画キャラで鉄道売り込み 高知の3セク(京都)
31日■8日のびわ湖大花火大会 京滋で臨時列車運行 JR西と京阪電車(京都)
  ■ネット予約でのぞみ割引 JR東海が9月から(京都)
  ■電車内で痴漢 元アナに実刑 東京地裁(朝日)
  ■現金、旅行券865万相当盗難 神戸のTis(京都)
  ■「気分が悪い」8人病院へ 満員の阪急神戸線(京都)
  ■信号機故障で乱れ JR奈良線、木幡駅(京都)
  ■満員の阪急神戸線遅れる 乗客8人病院へ 暑さ原因か(朝日)
  ■三ノ宮駅Tis 868万円相当盗難(朝日)



1日■京福事故1週間 旧態依然の現場慣習 運転士要請ずさん 安全への不備浮き彫り
 福井県の京福電鉄越前本線正面衝突事故から1日で1週間。車両の検査体制のずさんさが露呈した昨年12月の事故からわずか半年で繰り返された惨事は、安全対策の不備に加え、旧態依然とした現場慣習の実態を再度、浮き彫りにした。
 信号見落としの可能性が指摘されている普通電車の運転士(22)は昨年6月に入社、今年1月まで見習いをしていた新人運転士。
 日本民営鉄道協会によると、地方の鉄道会社が運転士を養成する場合、大手私鉄が国の認可を受け設置した教習所で一緒に研修させる例が多い。ここで約8ヵ月間、技術や事故発生時の対応などを、コンピューターのシミュレーションや本物の車両を使いながら徹底して学ぶという。京福電鉄はこうした研修はしていなかった。
・車掌経験なし
 「車掌を3年経験した後、大手私鉄の教習所に入る」(島根県・一畑電鉄)、「車掌経験があり理屈を知っている人でないと運転士に養成しない」(富山県・富山地方鉄道)
 地方の私鉄には、車掌経験者を運転士に充てるケースもある。だが、京福電鉄は、車掌経験を運転士登用の条件とはしていない。自社の運転士経験者から約半年間教育を受け、2ヵ月の見習い期間を経て営業車両を運転させていた。
・”口伝”の伝統
 前回事故では、ブレーキ部品のひび割れを事前に発見できず、検査記録もないというずさんな管理体制が問われた。作業マニュアルもなく、歴代の現場責任者が口伝えに指導し、引き継いでいた。
 緊急時に不可欠な運転士の無線連絡も統一された規定がなく、研修時などに指導係が同乗した際、口頭で指導していたことが判明している。
 同じ京福電鉄でも、京都市内の2線では、列車自動停止装置(ATC)や列車集中制御装置(CTC)などが整備されているが、越前本線など福井県内3線ではCTCは全区間をカバーせず、ATSも2駅と車両2台だけだった。
 名勝・東尋坊や永平寺の足となる3線は事故以来、今も運転休止が続く。再開に向け、致命的に遅れている施設面での安全対策と、随所に残る旧態依然とした現場の慣習についてどんな改善策を講じるのか。その条件は極めて厳しい。(京都新聞)
■京都市バスに追突
 30日午後6時40分ごろ、京都市右京区西京極大門町の七条通バス停月読橋で、停車中の京都駅前行き京都市バスに右京区の女性(25)の乗用車が追突した。市バスには乗客14人がいたが、けが人はなく、後続バスに乗り換えた。(京都新聞)
■システム誤操作で阪神電車全線停止 1万人に影響
 30日午後1時45分ごろ、阪神電鉄の本線(梅田−元町)と西大阪線(尼崎−西九条)の列車運行管理システムがダウンし、全線で電車が停止した。
 電鉄側が、コンピューター上で特別ダイヤのシミュレーション中に操作を誤ったのが原因。約15分後に復旧したが、計50本が最高15分遅れ、約1万人に影響が出た。同電鉄は「ご迷惑をかけて申し訳ない」と話している。(京都新聞)
■指令室操作ミス 阪神18本止まる
 30日午後1時45分ごろ、阪神電鉄本線(梅田−元町)と西大阪線(西九条−尼崎)の信号が赤になり、運行中の電車計18本が自動停止した。15分後に運行が再開されたが、上下合わせて計50本に最大15分の遅れが出て、約1万人に影響した。
 同電鉄によると、兵庫県尼崎市北城内の運転指令室で、特別ダイヤをコンピューター上で確認していた職員が、本来は予備のコンピューターで作業しなければならないのに、誤って電車の運行に使っている主系統のコンピューターを作動させたため、安全装置が働いて自動的に停止したという。(朝日新聞)
■廃線の波 地方に次々 鉄道事業法改正 地元同意不要が契機
 鉄道で「廃線ラッシュ」が続いている。国土交通省には昨年春から7線の廃線届が出され、国鉄が分割民営化された87年度以降、最も多かった。すべてが地方ローカル線で、廃線検討中も9線ある。きっかけは昨年3月の鉄道事業法改正で、廃線に地元自治体の同意が不要となった。法改正の目的は参入と撤退の自由化だが、地域の足ばかりが失われている。
 広島駅のひと駅西にある横川駅が始発のJR可部線。乗客数はJR発足時に比べ半減した。1両きりのディーゼル車には15人の乗客に交じって、JR職員の姿があった。無人駅に着くたび、JR職員は手元の書類に乗降人数を記録し続けた。
 昨年11月から、全線の7割を占める可部−三段峡間で、線路の存続をかけた「実験」が続く。JR西日本は、列車を増発して利便性を高め、乗客がどの程度増えるかを調べている。来年3月までに倍にならなければ、バスに切り替える方針だ。
 沿線5市町村は「存続」に懸命だ。地元芸能を見るツアーや宿泊割引など、乗客誘致のイベントは60件を超えた。担当者の一人は「廃線されれば、過疎化はいっそう進む。代替バスもいつ赤字を理由に切られるかわからない」と訴える。
 一方、JR西日本の南谷昌二郎社長は「大量輸送の役割を果たせない路線に対し、事業者の判断で割り切りをつけられる仕組みになった」と法改正を歓迎する。
 国土交通省などによると、国鉄の分割民営化に伴って赤字ローカル線45線の廃止が決まった。それから法改正前までの13年間に廃線されたのは、旧国鉄関係を除き17路線。最も多い年でも年間3線にとどまっていた。
 過去の廃線は中小事業者が大半。しかし、法改正後は私鉄で営業キロ1位の近鉄、同2位の名鉄も動き始めた。少子化で都市部の輸送人員が減り続けていることが背景だ。
 法改正後の新規参入は、空港のアクセス鉄道や都市部の第三セクター新線など6件。
 鉄道関係者は「巨額のインフラ投資が必要な鉄道業界に、民間の新規参入などありえない」と口をそろえる。(朝日新聞)
■廃線届け出のローカル線と検討中の主な路線■
路  線廃止区間営業係数廃止期日
【届け出済み】
●のと鉄道七尾線(石川県)輪 島−穴 水(20キロ)25801年4月
●下北交通大畑線(青森県)下 北−大 畑(18キロ)20101年4月
●名鉄谷汲線(岐阜県)黒 野−谷 汲(11キロ)72301年10月
●同八百津線(同)明 智−八百津( 7キロ)36701年10月
●同竹鼻線(同)江吉良−大 須( 7キロ)43901年10月
●同揖斐線(同)黒 野−本滑斐( 6キロ)49501年10月
●長野電鉄木島線(長野県)信州中野−木島(13キロ)18702年4月
【検討中】
●南部縦貫鉄道(青森県)七戸−野辺地(21キロ)
●JR可部線(広島県)可部−三段峡(46キロ)
●近鉄北勢線(三重県)西桑名−阿下喜(20キロ)
●名鉄三河線(愛知県)碧南−吉良吉田(16キロ)
●  同  (同)猿投−西中金( 9キロ)
●くりはら田園鉄道(宮城県)石越−細倉マインパーク前(26キロ)
●京福電鉄越前本線(福井県)福井−勝山(28キロ)
●同永平寺線(同)東古市−永平寺( 6キロ)
●同三国芦原線(同)福井口−三国港(25キロ)
<注>営業係数は100円稼ぐのに必要なコスト(円)。廃線届け出路線のみ算出。
2日■京福電車と衝突 バイクの男性死亡
 1日午後11時10分ごろ、京都市右京区三条通天神川西入ルで、京福電鉄の四条大宮行き電車とバイクが衝突し、バイクの若い男性が電車の下敷きになった。救出されたが全身を強く打って約30分後に死亡した。電車の乗客1人にけがはなかった。この事故で後続の電車3本のうち2本が最大で20分遅れた。
 太秦署と市消防局によると、現場は京福電車が三条通りに合流する地点で、同署で事故原因を調べている。(京都新聞)
■奈良線快速が30メートル行き過ぎ 京都・新田駅
 2日午前7時40分ごろ、京都府宇治市広野町東裏のJR奈良線新田駅で、奈良発京都行き上り快速電車(6両編成)が、ホームを約30メートル行き過ぎて停車した。後退するには安全確認の人手が必要なうえ、かえって時間もかかるとして、電車はそのまま発進。駅で待っていた乗客約50人が取り残され、同駅で降りる予定だった2人は次の駅で引き返した。 JR西日本によると、運転士が停車駅であることを忘れ、ブレーキをかけるのが遅れたらしい。(朝日新聞 夕刊)
3日■JR埼京線も女性専用車両 痴漢防止対策
 JR東日本は2日夜、痴漢防止対策としてJR埼京線で女性専用車両を設け、試験的に運行を始める。痴漢対策の女性専用車両は京王電鉄(東京都多摩市)が3月から実施しているが、JRでは初めて。
 女性専用車両は、平日の埼京線(恵比寿−川越間)の、主に午後11時台に出発する下り電車(10両編成)の最後尾に設ける。
 埼京線の同時間帯は混雑する上に痴漢被害も多いといわれる。車両の窓には「女性専用車(WOMEN ONLY)」と書いたステッカーが張られ、1日11本運行する。
 JR東日本は約半年間試験的に実施。ほかの線区も含めて本格的に導入するかどうかについては、利用者の反応を見て決める。
 同社が2月下旬に首都圏で実施したアンケートでは約7割が女性専用車の導入に賛成している。(京都新聞)
■五山送り火全部見えます 京都駅ビルが400組無料招待
 京都駅ビル開発は8月16日、京都市下京区のJR京都駅ビルで「大文字五山送り火観賞会」を開く。抽選で400組800人を無料招待し、13日から23日まで応募を受け付ける。
 観賞会は、今年で4回目となる。午後7時半から9時まで駅ビルの空中径路と大空広場を会場にする。地上約50メートルの高さで、ほぼ五山が見渡せる、という。
 駅ビルのホテルグランヴィア京都やジェイアール京都伊勢丹、地下商店街ポルタなど主要施設の案内窓口に備え付けの申込用紙に記入し、専用の投票箱に入れる。当選者は、8月1日から駅ビルインフォメーションで掲示する。問い合わせは同インフォメーションTEL075(361)4401へ。(京都新聞)
■近鉄京都駅にコンビニ開設 来年、計3駅
 近畿日本鉄道は2日、京都、大和西大寺(奈良市)、鶴橋(大阪市)各駅の構内で、コンビニエンスストアなどを展開する方針を明らかにした。
 京都駅の待合スペースに隣接する空間を有効活用し、コンビニ「エーエム・ピーエム・近鉄」を来年オープン予定。また大和西大寺駅では、主に通勤客を対象にベーカリーカフェの開設を検討している。
 大阪環状線や大阪市営地下鉄千日前線と接続する鶴橋駅には、化粧雑貨・小物雑貨を中心にした女性向け雑貨店「キット」を年末にも開店させたい考えだ。(京都新聞)
■踏切でバイク転倒 JR関西線乱れる
 3日午前7時55分ごろ、京都府木津町木津、JR関西線の梅ヶ谷道踏切内で、京都行き普通電車と奈良市あやめ池、無職城田芳高さん(77)のバイクが接触。電車は現場に約15分停車した。
 木津署によると、城田さんは踏切内で対向してきた乗用車を避けようとしてバイクごと転倒。電車と横転したバイクが接触、右ひざに軽いけが。
 上下合わせて4本が運休、3本が15−6分遅れ、約2400人が影響を受けた。(京都新聞 夕刊)
■バイクと電車 踏切内で接触 木津のJR関西線
 3日午前7時55分ごろ、京都府木津町木津馬場南のJR関西線の平城山−木津駅間の梅ヶ谷道踏切で、奈良発京都行き上り普通電車(4両編成)が、踏切内に放置されていたミニバイクに接触、現場に約15分間停車した。乗客約200人にけがはなかった。
 木津署の調べでは、奈良市の男性(77)が踏切内で脱輪、電車が近づいてきたため、バイクを置いて逃げたという。男性は足に軽いけが。この事故で、快速2本を含む4本が運休したほか3本が約15分遅れ、約2400人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
4日■米国製弁当は予定通り販売 JR東日本社長
 JR東日本の大塚陸毅社長は3日の記者会見で、同社の子会社、日本レストランエンタプライズ(NRE)が米国で製造した冷凍弁当の輸入販売を決めたことに農水省や自民党議員らが反発している問題について、「販売が間近に追っており、計画を変更することはない」と述べ、予定通り販売する考えを表明した。
 大塚社長は「有機米や自然食材を使った商品を開発し、低迷している弁当の売り上げを伸ばそうというのが狙い。国内では必要な年300トンの有機米を調達できないので、米国で製造することにした。これについては、2年前から食糧庁はじめ関係者と話し合いを続けてきた」と経緯を説明した。(京都新聞)
■JR京都駅八条口 レストラン街改装 10月上旬にオープン ハンバーガーや回転ずし店も
 JR東海は3日、京都駅八条口1階のレストラン街を改装し、新たにハンバーガー店や回転ずし店などを加えた「京都八条アスティロードレストラン街」として10月上旬にオープンする、と発表した。
 改装するのは、1階コンコース東側のレストラン街(約1400平方メートル)で、飲食店を4店から6店に増やし、ミニコンビニ店も入居する。
 新たにハンバーガーの「マクドナルド」や回転ずし「むさし」をはじめ、パスタ料理、和食など、観光客や待ち合わせ客が気軽に利用できる店をそろえる。駅前広場側はガラス張りにし、明るい雰囲気に仕上げるという。
 同社は、2年前に土産店が並ぶ八条口2階コンコースを全面改装しておリ、今回のレストラン街の拡充で八条口側の魅力をより高めたいとしている。(京都新聞)
■コトデンそこう後継 高松天満屋の出店正式決定
 4月に閉店した高松市の百貨店「コトデンそごう」の後継に、天満屋(岡山市)が全額出資して設立した高松天満屋(高松市)が出店することが3日、正式に決まった。高松天満屋とコトデンそごう、親会社の高松琴平電気鉄道が同日、営業譲渡契約に調印した。
 新百貨店名は「高松天満屋」。9月上旬に開業、コトデンそごうが入っていた地上10階地下1階の建物のうち、9階部分を除いたフロアが店舗となる。店舗面積は3万平方メートルと四国最大級で、レディースファッションの品ぞろえを最大の売り物とする方針。
 有力テナントとして生活雑貨店「ロフト」や大型書店などと出店交渉中で、「四国初という商品をそろえ、他店と差別化したい」としている。
 年間売り上げ目標は150億円で3年以内の黒字化を目指す。コトデンそごうの従業員のうち、入社を希望する300人程度を採用する方針。(京都新聞)
■輸入冷凍駅弁 計画通り販売 JR東日本社長
 JR東日本の子会社が米国産米を使った冷凍駅弁の輸入販売を計画していることに対し、農林水産省や自民党の農林族議員が反発している問題で、JR東日本の大塚陸毅社長は3日、「計画を見直すつもりはない」として、予定通り17日から販売する方針を示した。
 JR東日本によると、冷凍駅弁は年間約300トンの米国産有機米を使用する見込みだが、大塚社長は「ほかの駅弁が消費している年間約4000トンの国産米は減らさない」と説明。「国産有機米の使用も検討したが、量的にまかなえない。食糧庁には2年前から相談しており、(反発には)とまどっている」と話した。(朝日新聞)
■京阪中之島新線・阪神西大阪線延伸 それぞれ三セク設立 大阪府・市 負担の方針
 国の今年度予算で新規路線に認められた大阪市内の京阪中之島新線(天満橋−玉江橋、3キロ)と阪神西大阪線延伸(西九条−難波、3.4キロ)の建設主体が、それぞれ別個の第三セクターになることが、4日わかった。両社がそれぞれ設立する子会社に、大阪府と大阪市が増資する形を取る。
 2線の建設主体としては、JR東西線を担当した関西高速鉄道など既存の三セクを活用する案もあったが、リスクの負担や責任を明確にするため、それぞれ新しい三セクを設立することを決めた。
 京阪電気鉄道と阪神電気鉄道が今月中にも子会社を設立し、先行して準備。府と市が8〜9月までに増資することにしている。自治体が負担する出資金は、京阪中之島新線が総額で約150億円、阪神西大阪新線が約107億円。これを府と市が今後、1対2の割合で負担する方針。(朝日新聞 夕刊)
■バス・中小型トラック 低公害車購入に補助金 国交省方針 NOx削減狙う
 東京、大阪、名古屋圏のバスや中・小型トラックをディーゼル車から低公害の圧縮天然ガス(CNG)車に早期転換させるため、国土交通省は4日、新たな補助金制度をつくる方針を固めた。CNG車の普及で、大気汚染の原因となる自動車排ガスの窒素酸化物(NOx)などを、約10年後に4〜6割削減できると試算している。大型トラックの低公害化についても、3〜5年後の実用化を目指し、技術開発を推進する計画だ。
 大気汚染訴訟が起こされている東京、大阪、名古屋圏では現在、バス約3万台、中・小型トラック約50万台が走っている。これらのディーゼル車は、大気汚染の原因となるNOxや粒子状物質(PM)の約4割を排出しているとされる。
 これに対して、都市ガスを燃料とするエンジンで走るCNG車は、有害物質をほとんど排出しない。しかし、バスは約3300万円、中・小型トラックは約450万円と車両価格がディーゼル車の倍近いことから、普及台数は約5000台にとどまっている。
 このため、同省は事業者が車を買い替える際にCNG車を購入しやすいよう、新たな補助金制度を創設することにした。ディーゼル車との差額のうち、国と自治体が3分の1ずつ負担する案を軸に検討する。
 CNG車が年間1万台程度売れるようになれば、価格は現在の7割程度に下がるという。また、普及に併せ、ガソリンスタンドに代わるCNG供給スタンドの整備促進も検討する。
 一方、CNG車は馬力がディーゼル車に劣るため、大型トラックについては、まだ技術が確立されていない。3大都市圏で計約30万台にのばる大型ディーゼルトラックを減らすため、同省はジメチルエーテルを燃料とする大型車などの開発にも取り組む計画だ。(朝日新聞 夕刊)
■あなたの謎?? とき隊 どうやって描く車体広告
 買い物など、外出するときにはよくバスを使っています。最近、バスの車体に大きく企業や商品の広告やロゴを描いています。そのほかにも、いろいろなイラストを描いたバスがたくさん走っているのを見かけます。あれらはどのようにして描かれているのでしょうか。不思議です。あんなに大きいロゴやイラストを、平面ではない車体にそのままの形で描くのは難しいのではないでしょうか。どうしているのか教えてください。(神戸市・松井みどり)
・「シール」に印刷、バスにぺたり
 確かに、企業の大きなロゴマークや、かわいらしいキャラクターが車体全面に描かれたバスを見かける。渋い色使いや凝ったデザインで、「おっ!」と目を引くものもある。
 さっそく、昨年5月から、車体広告バスを走らせている大阪市交通局に聞いた。「あれは、フィルムにロゴなどを印刷し、車体にはり付けているんです。だから、一般に『ラッピングバス』とも呼ばれています」とのことだった。
 そこで、フィルムのメーカー、住友スリーエムの岡西誠二さん(42)と、これまでに約300台のラッピングバスの制作を手がけたというデコラティブシステム社長の鶴見芳令さん(60)に、大阪市内のバス営業所で、実際にラッピングバスを前に説明してもらつた。
 「これがバスにはっているシートです」と、鶴見さんが取り出したのは、くるくると巻かれた幅86センチのシート。バス1台分のデザインをコンピューターで縦に十数枚に切り分け、巨大なプリンターで、裏がシール状になったシートに印刷する。さらに、表面には保護用の透明のシートを重ねる。厚みは0.2ミリほどだ。
 「これを1枚ずつ、空気が入ったり、しわができたりしないよらに、へらで押さえながら慎重に少しずつ車体にはっていくんです」。4、5人がかりで、半日ほどかかるという。「タイヤカバーの周辺など、複雑な曲面をどううまく処理するかが難しく、腕の見せどころです」と鶴見さん。
 ところで、このシート、もともと軍用機に国籍や部隊別のマークを付けるため、第2次世界大戦中にアメリカで作られたものだそうだ。「現在バス用に使われているものは、環境への影響や作業性を重視し、品質などが改良されたものです」と岡西さん。「複雑な表現や色使いのデザインほど得意な分野です。技術の進歩で、将来はもっときれいな車体広告ができるようになりますよ」
・原寸の型紙、電車は「塗り絵」
 一方、大阪で唯一の路面電車である阪堺電気軌道は25年ほど前から、ペンキ塗りの広告を車体に描いている。現在、40両ある車両のうち21両が派手な広告をまとって、市街地を走り回っている。
 同社の企画販売促進課は「うちの車体広告は、派手で活気のあるデザインが好評です。『えげつない色使いが大阪らしい』と喜ぶ人もいますよ」と誇らしげだ。
 塗装を請け負っているサン建工業の南浩一さん(29)によると、まずは原寸大の電車の型紙に文字や絵の輪郭をかく。その線上に数センチ間隔で穴を開け、それを電車に当てて印をつける。その印をなぞって車体に線を引く。「あとは塗り絵と同じように、指定された色を塗っていけば出来上がりです」。手間のかかる大変な作業で、2人がかりで10日ほどかかるそうだ。
 さて松井さん。最新技術を駆使したラッピングバスの鮮やかな広告と、路面電車のペンキの広告。どちらがお好きですか?「ラッピングバスもインパクトがあるのですが、私はレトロっぽい路面電車の方が好きですね。スマートなものより少し泥臭いものの方が、気持ちが落ち着いていいと思います」
 あちこちで、車体に広告やイラストの描かれたバスや電車が走っています。ちょっと気にかけて見比べてみてはいかが?(隊長・桐井杏里)(朝日新聞 夕刊)
5日■七夕にイベント 嵯峨野観光鉄道 開業10周年記念
 嵯峨野観光鉄道は開業10周年記念の催し「七夕で出会いましたね」を、7日に京都市右京区のトロッコ嵯峨駅や車内で開く。
 同日午前10時40分から嵯峨野駅構内で、琴のコンサートなどを催す。また、同駅を午後零時28分発のトロッコ列車内でゲームなどを行うほか、乗客全員に双眼鏡をプレゼントする。
 問い合わせは同鉄道総務課TEL075(861)8511へ。(京都新聞)
■ICカード導入へ 関西の私鉄、地下鉄、JR 共通利用へ前進
 関西の私鉄、地下鉄などの共通乗車券システムを運営する「スルッとKANSAI協議会」は4日、2003年度からIC(集積回路)カードを導入すると発表した。JR西日本も03年度のICカード導入による相互利用を掲げており、関西一円で利用できる共通カードの誕生へ大きく前進した。
 同協議会が導入するICカードは非接触型で、財布に入れたままでも自動改札機にかざすだけで通過できる。現行の磁気カードシステムに付加する形で、改札機などの対応可能な事業者から順次、導入を始める。初年度は数社程度のサービス開始を見込んでいる。
 基本となるプリペイド(先払い)方式のICカードは、入金残額が不足していても、改札機の通過時に銀行口座から自動的に引き落とし、入金する機能を備える。1ヵ月ごとの利用額を口座から引き落とす後払い方式や定期券にも対応可能で、加盟事業者ごとに利用額によって割引を適用するなど、柔軟なサービスを提供できるという。
 同協議会は、関西の私鉄大手5社や京都市交通局など37社・局が加盟しているが、JR西日本は磁気カードの仕様の違いから参加していなかった。(京都新聞)
■ICカード化 「スルッとKANSAI」も導入 03年度以降 自動積み増し、後払い…OKに
 関西の私鉄や地下鉄など29社・局の交通機関で使えるプリペイドカード「スルッとKANSAI」が、03年度以降ICカード化されることになった。設備投資が必要なため、対応できる社・局から順次導入する。カードの残額が不足しても改札機にかざすだけで契約した金額まで自動的に追加されるオートチャージや、1ヵ月単位で利用金額を集計して後払いするポストペイサービスを導入する。
 オートチャージは全社・局共通。金融機関の口座から引き落とすため、ICカードの利用者はすベて事前登録が必要となる。ポストペイは加盟社・局ごとに選択。利用実績に応じて割引することが可能で、定期券や回数券の代わりになる可能性もある。定期券機能も、加盟社・局ごとに判断して追加する。、
 JR西日本も、定期券とプリペイド方式の「Jスルーカード」を「スルツと」と同じ規格でICカード化する方針で、今後共通化に向けて研究する。(朝日新聞)
■電車の窓割れ乗客1人けが JR阪和線、投石か
 4日午後0時55分ごろ、大阪府貝塚市のJR阪和線東貝塚駅付近で、和泉砂川発天王寺行きの普通電車の2両目の窓ガラス(縦約39センチ、横約91センチ)1枚が割れ、破片が座席に散乱した。男性の乗客(16)が右手の小指に軽いけがをした。JR西日本は投石の疑いもあるとして、大阪府警鉄道警察隊に被害を届けた。(朝日新聞)
6日■原付きと電車 衝突2人重傷 羽曳野の近鉄結切
 5日午後9時18分ごろ、大阪府羽曳野市高鷲9丁目の近鉄南大阪線恵我ノ荘3号踏切で、河内長野発阿部野橋行きの上り準急電車(8両)と男女2人が乗った原付きバイクが衝突した。男性は頭などを強く打って意識不明の重体、女性も両足を骨折するなどの重傷を負った。
 この事故で上下7本が最大約20分遅れた。(朝日新聞)
■声 煙のゆくえ
・愛煙家の環境 みじめな思い 無職 川井俊夫(京都府 67歳)
 仙台旅行の帰りに、東京駅のホームで人だかりが目に留まった。小さな吸い殻入れを取り囲んで、5、6人の男性がたばこを吸っている。私もその中に加わったが、急いでいるのか、皆、立て続けに4、5服吸っては立ち去っていく。
 交通機関の喫煙場所は少なく、たいていホームに1ヵ所しかない。乗り物も禁煙が多い。レストランや喫茶店なども、喫煙お断りが増えつつある。たばこの約6割は税金だと聞く。いわば私たちヘビースモーカーは多額納税者だ。その我々が疎外されているような気がしてならない。
 周囲に気を配り、好きなたばこを続ける自分がみじめに感じる昨今だ。だが、やめられない。今日も、味も素っ気もない自動販売機でたばこを買い、喫煙場所を探しながら、街を歩く。
 横丁のたばこ屋で、看板娘と二言、三言、言葉をかわし、直接手渡してもらい、ほおを染めた青春時代が懐かしい。
・喫煙席選んで乗ったのに… 主婦 中野静香(兵庫県西宮市 27歳)
 勤めていた時に同僚から聞いた話です。彼は新幹線で出張しましたが、たばこを吸います。自由席の喫煙席車両に座りたかったため、1本列車を見送り、次の列車に乗ったそうです。
 その車両は満員になり、立っている人もいたそうです。発車時刻寸前に、赤ちゃん連れの若いお母さんが乗ってきました。大変だと思ったのか、彼の前の席に座っていた年配の女性が彼女に席を譲りました。
 発車してから、彼女の隣に座った男性がたばこに火をつけた時です。彼女はここを喫煙車両と知ってか知らずか、大きな声で「赤ちゃんがいるので、たばこは吸わないで下さい」と言ったそうです。その言葉で隣の男性どころか周囲の人たちも皆、たばこを一斉に消したそうです。
 同僚は「結局、1本も吸えなかった。何のために喫煙席に座ったのか」と、愚痴をこぼしていました。赤ちゃんの近くで禁煙するのはマナーでしようが、喫煙席でも肩身の狭いのは、気の毒に思いました。(朝日新聞)
■朝の地下鉄止まる 烏丸線車両故障 1万2000人影響 京都縦貫道では通行止め
 6日朝、京都市下京区の市営地下鉄烏丸線の四条駅で、電車が故障して立ち往生し、全線が約30分間不通になった。一方、西京区の京都縦貫自動車道の沓掛インターチェンジ近くで大型トラックの自損事故があり、インター出入り口が約5時間通行止めとなった。地下鉄の故障で1万2000人に影響が出たほか、同自動車道の不通で国道9号が最長7キロの渋滞となり、通勤ラッシュ時の市民らの足が大きく乱れた。
 6日午前8時40分ごろ、京都市下京区の市営地下鉄烏丸線の四条駅で、竹田行きの電車=6両編成、鳥居英司運転士(50)=が故障で動かなくなった。国際会館−竹田間の全線が約30分間にわたり不通となり、この電車を含む2本が運休し、上下線計60本が最長で45分間遅れた。市交通局によると、ダイヤは同11時に復旧したが、不通時だけで乗客約1万2000人に影響が出た。
 市交通局の調べでは、電車は午前8時36分ごろから5分間、烏丸御池−四条間でいったん立ち往生し、その後に自力で四条駅に着いた。交通局は電車のモーターを含め電気系統の故障が原因の可能性があるとみて調べている。
 鳥居運転士は「丸太町駅で先頭と2両目の客室灯が消えた。車掌との無線機も使えなくなった。復旧したが、烏丸御池駅を出たあたりからスピードが落ちてとまった」と話しているという。
 この電車は四条駅で乗客約1200人を降ろし、後続電車と連結して竹田車庫に入った。
 近鉄によると、烏丸線に乗り入れている普通電車が上下線で計5本運休し、国際会館行き1本が近鉄京都駅に行き先を変更した。(京都新聞 夕刊)
■「電車いつ」乗客憤る 朝の地下鉄烏丸線 京都駅などターミナル 乗り換え長い列
 6日朝、京都市の南北を結ぶ大動脈・市営地下鉄烏丸線が全線に渡って約30分、不通になり、約1万2000人の通勤・通学客の足を直撃、朝のラッシュ時と重なって大混乱した。京都駅や北大路駅などターミナル周辺は、タクシーやバスに乗り換える市民が順番待ちの長い列をつくり、混乱は午前中いっぱい続いた。
 地下鉄京都駅では、延着証明をもらう人が改札口に長い列を作り、駅員に詰め寄る人もいた。会社などに連絡を取ろうとするサラリーマンらが公衆電話に殺到。上京区の予備校で講師を務める奈良市の男性(43)は「講義に間に合わない」と電話をしていた。
 北山駅で延着証明を受け取った京都府立大大学院生の山谷恵子さん(26)は「四条駅で15分ほど待った。ゼミの発表に遅れそう」。タクシーで北山駅に来た主婦武田博子さん(59)=北区=は「地下鉄は時間も正確で信頼してたのに」
 四条駅では、電車が動き始めた後も、大勢の乗客で混乱が続いた。延着証明を受け取った会社員坂林洋子さん(45)は「国際会館駅で乗ったところ、急に止まり、電車の中で20分以上待った」。向日市の会社員(36)は「改札口には遅れを知らせる張り紙もアナウンスもなかった。次の電車がいつ来るのか、全然分からない」と、駅の対応のまずさに憤った。
 この日午前に開かれた京都市議会の交通水道委員会で市交通局の江草哲史局長は事故の概要を報告し、「大変多くの方に迷惑をかけ、深くおわびします」と陳謝した。(京都新聞 夕刊)
■市営地下鉄30分止まる 京都
 6日午前8時36分ごろ、京都市中京区の市営地下鉄烏丸線四条駅で、国際会館発竹田行きの電車(6両編成)が故障のため、発車できなくなった。電車は当時、通勤客ら約1000人で満員の状態で、全員が同駅で下車させられた。車両は約30分後、後続電車に押されて竹田駅構内の車両基地に運ばれた。この事故で上下線計26本が足止めされ、約1万2000人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
■開業を前に住民ら試乗 神戸市営地下鉄海岸線
 神戸市の新長田−三宮間約8キロを結ぶ市営地下鉄海岸線が7日に開業するのに先立ち、記念式典が6日、同線新長田駅(長田区)であった。沿線の住民や工事関係者ら約400人が出席し、真新しい車両に試乗した。
 海岸線は人口の減少と高齢化が進む長田区や兵庫区など市南西部の活性化を目指し、94年3月に着工。阪神大震災で工事が約4ヵ月中断するなどして、開業は予定より2年以上遅れた。(朝日新聞 夕刊)
7日■京都市バス客閉じこめ 運転手が諭旨退職
 京都市バスの山越繰車場(右京区)で先月28日夜、停留所を乗り過ごした男性会社員が一時車内に閉じこめられた問題で、市交通局は6日、降車時に車内の点検を怠った運転手(60)を諭旨退職とした。
 諭旨退職は、処分ではなく依願退職と同じ扱い。退職金も支給される。市交通局は「嘱託採用の道も閉ざされ、処分と同様の厳しい扱い」と説明している。
 昨年9月に市バス車内で女子生徒が一晩閉じこめられた事件では、運転手は停職15日の処分を受けた。(京都新聞)
■車内広告”貸切り” 近鉄や京阪で増加
 電車内の広告を1社に統一する全面広告サービスが増えている。全車両の広告が同一依頼主(クライアント)という「貸し切り広告」で、京都市内では近畿日本鉄道や京阪電鉄が展開している。
 近鉄は、京都線から京都市営地下鉄烏丸線に乗り入れている直通電車で昨年3月から始めた。6両編成のつり広告など約600枚が同じ依頼主で、今月2日から8日まで、学習塾の京進が子どもたちの個別指導をPR。「インパクトの強い効果的な広告になった」と話している。
 同広告の利用件数は昨年度3件だったが、今年4月から3ヵ月で6件に増えており、「車内広告の効率的な運用にもつながっている」(近鉄広報室)と話す。
 京阪電鉄も朝夕のラッシュ時を中心に京阪本線出町柳−淀屋橋駅で4年前から実施。携帯電話会社やレジャー施設などを中心にリピーターが多い、という。(京都新聞)
■降りて歩いて 26 JR石原駅(福知山市石原) 由良川の恵み昔も今も
 福知山駅から、2両編成のワンマンカーに揺られること5分。「いさー」というアナウンスで、ホームに降り立つと、由良川が流れる北側一帯には田園風景が広がり、駅舎が建つ南側には、福知山と綾部を結ぶ府道に沿って、昔ながらの商店などが軒を並べる。
 利用客で目立つのは、かつて「石原高」の名で親しまれた府立工業高の生徒たち。11年前、学科改編に伴って、「府立工業高」と校名が変わったが、今も全校生徒590人のうち半数近くが、電車通学する。小高い丘に建つ白い校舎の同高は、地域のシンボル的存在になっている。
 府道を渡り、古い民家が軒を連ねる旧街道などを15分ほど歩くと、アジサイ寺として名高い真言宗「観音寺」の本堂が見えてくる。今の季節、境内には約1万本のアジサイが咲き乱れ、訪れる人たちを出迎える。
 散策の休憩に最適なのは、観音寺の鐘楼堂からの展望。由良川一帯の田園風景を望むことができる。同寺の小藪実英住職(50)は「由良川の手前には、弥生時代の集落跡の遺跡が発見されていますし、川の対岸の丘には、有力豪族の墓だったとされる私市円山古墳が見えます。そんなことからも、このあたりが由良川の恵みを受けて、古くから栄えた地域だったことがわかると思います」と案内してくれた。
 現在、駅から1キロほど離れた由良川沿いにある戸田地区。由良川の新しい築堤建設による大規模な集団移転が予定されており、100戸余の集落の大半が移転の対象になっている。由良川の恵みを受け、同時に水害にも悩まされてきた一帯の姿も、少しずつ変わろうとしている。(京都新聞)
■W杯へ「夢かもめ」発車 神戸市地下鉄海岸線が開業
 来年のサッカーワールドカップの神戸会場「神戸ウイングスタジアム」へのアクセス交通機関にもなる神戸市営地下鉄海岸線が7日、営業を開始した。
 同市中央区の三宮・花時計前駅では、運転士が起動用のマスターコントロールキーを受け取り、始発電車は5時43分に出発。一番電車に乗ろうと東京都足立区から駆け付けた会社員海津直樹さん(26)は「まっさらな新車のにおいが好きで新線開業時に各地を訪れている。今日は沿線の観光もしてみたい」と声を弾ませていた。 海岸線の愛称は公募で決めた「夢かもめ」。三宮・花時計前駅から新長田駅まで10駅、約8キロの区間を約15分で結ぶ。
 1994年3月に着工したが、翌年の阪神大震災で、工事は約4ヵ月間中断した。総工事費は約2400億円。市は1日に約8万人が利用し、5年後には約13万人に増えると見込んでいる。(京都新聞 夕刊)
9日■踏切で男性重体 向日、自殺未遂か
 8日午後10時すぎ、向日市森本町のJR東海道本線向日町駅近くの線路上で、京都市南区の男性(52)が新三田行き普通電車にはねられ、両足切断などで重体。向日町署の調べでは、男性は線路で寝ていたといい、自殺未遂とみて調べている。
 電車は現場で約30分停車したほか、後続の電車上下12本が最大38分遅れ、約2000人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
10日■男性はねられ死亡 右京の山陰線
 9日午後11時半ごろ、京都市右京区太秦青木元町のJR山陰線の踏切で、園部行き普通電車が踏切内に横たわっている男性をはねた。男性は全身を強く打って死亡した。乗客約100人にけがはなかった。
 太秦署で身元を調べている。電車は約1時間、現場に停止した。後続も含め上下計5本が約1時間から20分遅れ、約450人に影響が出た。(京都新聞)
■駅ホームから転落? 保津川河川敷で男性の遺体発見
 西京区嵐山北松尾山の保津川の河川敷で8日午前11時半ごろ、男性が倒れているのを近くのJR保津峡駅ホームにいた観光客が見つけ、110番通報した。桂署員が駆けつけたが、男性はすでに死亡していた。
 調べでは、静岡県の元建築設計業の男性(69)で死因は全身打撲。現場は駅ホームの真下。同署は高さ約30メートルのホームから飛び降りたか、落ちたとみて調べている。(朝日新聞)
■バスが急停車 乗客5人けが 大阪市営、北区で
 9日午後4時20分ごろ、大阪市北区本庄東2丁目の府道に駐車しに乗用車の運転席のドアが開き、大阪駅発井高野車庫前行き同市営バス=平山研一運転手(45)、乗客約50人=が接触した。バスが急ブレーキをかけたはずみで乗客の無職女性(85)が転倒し、左足の骨が折れ重傷。はかに4人の乗客が胸や首に軽いけがをした。大淀署は、後方を注意してドアを開けたか、乗用車の福井市内の男性会社員(35)から事情を聴いている。(朝日新聞)
■急病、阪急乱れる 通勤客ら7000人影響
 10日午前8時ごろ、大阪府吹田市の阪急電鉄京都線・相川−正雀間で、走行中の梅田発河原町行き快速急行(10両編成)の非常通報装置が作動した。
 車掌が調べたところ、前から6両目の車内で、中年の男性が急病で倒れていた。同電車は正雀駅に臨時停車。男性は救急車で病院に運ばれたが、間もなく死亡した。快速急行は8分後に正雀駅を出発。同電車を含む上下計11本が最大8分遅れ、約7600人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■踏切事故死亡の男性身元判明
 京都市右京区のJR山陰線踏切で9日夜、電車にはねられ、死亡したのは10日、右京区の無職男性(43)と太秦署の調べで分かった。(京都新聞 夕刊)
■スプレー噴射、放火… 事件頻発のJR西 駅暴力に対策特急 大阪など34駅 監視カメラ・自衛強化
 JR西日本によると、昨年度、ホームなどで起きた暴力事件は48件で、統計を取り始めた3年前より19件増えた。関西地区が26件を占め、規模の小さな駅でも発生し始めたのが特徴という。
 同社が特に警戒を強めるのは、昨年度中に15件が起きた大阪駅、3月に開業したユニバーサルシティ駅、県庁所在地駅など34駅。
 今年度中に、ビデオカメラ200〜300台をすべてのホームに設け、24時間監視する。これまでもビデオは14駅にあったが、あまり使われていなかった。転落事故を防ぐためのモニター画面も増やし、構内全体を見渡せるようにする。さらにすべてのホームで30bおきに非常ベルを設ける。
 また駅の照明を強くし、駅で待機する回送電車内も点灯させる。午後9時以降、駅員は2人以上で巡回し、緊急用の携帯電話を持たせるという。同社は6月11日、15府県の警察本部に対し、制服姿の警察官らが夜間、ホームをパトロールするよう要請した。
 警戒の動きはJR他社や私鉄でも見られる。JR東日本は2月から山手線全駅にガードマンを配置。JR東海も非常ベルを増設した。近鉄や阪急も巡回を強化している。
 JR西日本広報室は「これまで痴漢や酒酔い客の対策が中心だった。鉄道暴力に特効薬はないとされてきたが、生命にかかわりかねない犯罪が増えた。犯罪が起きにくい環境作りを急ぎたい」としている。(朝日新聞 夕刊)
最近起きた鉄道暴力

《2001年》
1月神戸市東灘区の阪神電鉄青木駅で、大学生が満員の車内で口論となった会社員にナイフで刺され死亡
2〜5月東海道、山陽線10駅でゴミ箱が放火、破壊され30個に被害
3月東海道新幹線車内で乗客が「ひじが足に触れて腹が立った」という女性からカッターナイフで頭を切られ、軽いけが
5月東京都東村山市の西武多摩湖線西武遊園地駅で、「もう少し詰めてもらえないかな」と乗客に言った会社員が暴行を受けて死亡
6月山陽線舞子駅で、ホームにいた男が催涙スプレーのようなものを車内に噴射。24人が病院に運ばれた
11日■JR3社と貨物の支援延長を検討へ 来年度から国交省
 国土交通省は10日、経営状態が厳しいJR北海道、四国、九州の「3島会社」とJR貨物の税制支援策を2000年度から5年間程度、延長する方向で検討を始めた。固定資産税の減免などの支援策が01年度で切れるのを受けた措置。01年度までの優遇措置には1)旧国鉄から継承した4社の資産を2分の1に減免2)3島会社の事業用固定資産を2分の1に減免3)北海道の青函トンネルと四国の本州四国連絡橋の償却資産は6分の1に減免−などとなっている。(京都新聞)
■京阪電鉄 中之島新線の事業会社設立 阪神も西大阪線で
 京阪電気鉄道と阪神電気鉄道は10日、大阪市中心部を東西に横切る新線建設の事業主体となる子会社設立をそれぞれ発表した。京阪と阪神の子会社はいずれも今秋をめどに大阪市と大阪府からの出資を受けて、第三セクター会社にする。
 2新線とも2008年度中の開通を予定している。
 京阪の子会社は、天満橋駅から玉江橋駅(仮称)間2.9キロを地下鉄方式で結ぶ中之島新線(仮称)を建設する「中之島高速鉄道」(大阪市、資本金2600万円)。新線は大阪市中心部の再開発計画の一環で建設費概算は1503億円。
 阪神の子会社は、尼崎駅(兵庫県)−西九条駅(大阪市)間の西大阪線6.3キロを近畿日本鉄道難波駅まで3.4キロ延伸するための「西大阪高速鉄道」(大阪市、資本金2600万円)。建設費概算は1071億円。
 延伸が完成すれば、難波駅経由で阪神三宮駅(神戸市)と近鉄奈良駅(奈良市)間約65キロで相互乗り入れする予定で、神戸市や阪神間と奈良市内が乗り換えなしで往来できるようになる。(京都新聞)
■関鉄協会長に吉田氏
 関西の私鉄や公営地下鉄など35社・局が加入している関西鉄道協会は10日の定時会員総会で、手塚昌利会長(阪神電気鉄道社長)が退任し、後任に南海電気鉄道会長の吉田二郎氏が就任する人事を決めた。任期は2年。
 副会長(任期2年)には、近畿日本鉄道社長の辻井昭雄氏が新任され、神戸電鉄社長の奥谷武彦氏は再選された。南海電気鉄道相談役の川勝泰司氏は副会長を退任した。(京都新聞)
■鉄道延伸へ子会社設立 阪神・京阪
 大阪市内で計画されている阪神西大阪線の延伸(西九条−難波、3.4キロ)と京阪中之島新線(天満橋−玉江橋、2.9キロ)について、阪神電気鉄道と京阪電気鉄道は10日、事業主体となる新会社をそれぞれ設立した。いずれも今秋をめどに大阪府と大阪市が増資して第三セクター化する。両線とも第三セクターが線路や駅などを建設し、民間鉄道会社が運営する「上下分離方式」を採用、08年度の完成を目指している。(朝日新聞)
■私鉄総連が定期大会
 私鉄総連(坪根真委員長、15万3000人)の定期大会が、11日から2日間の日程で大分県別府市で始まった。あいさつした坪根委員長は、同じ連合傘下の運輸労連、交通労連、全自交労連と話し合いを進めている産別合同(連合加盟単位の一本化)について、「共同行動を重ねて相互理解を深め、交通運輸労組の新たな大同団結の先駆けとしたい」と述べた。(朝日新聞 夕刊)
■Jスルーカード 京橋で79枚盗難
 JR大阪環状線京橋駅(大阪市城東区)の切符売り場で5月末、ブリペイドカード式「Jスルーカード」5000円券が79枚(39万5000円分)盗まれていたことがわかった。都島署が窃盗の疑いで調べている。
 調べでは、5月30日午前5時45分ごろ、売り場の職員が客にカードを販売しようとしたところ、窓口奥に置いていた保管箱から5000円券がなくなっていることに気付いた。箱には3000円券と1000円券計104枚もあったが、5000円券だけがなくなっていた。前夜には保管されていたといい、未明に盗まれたらしい。(朝日新聞 夕刊)
12日■視界よく新車両発車 八幡・男山ケーブル リニューアル工事完成
 八幡市男山の京阪電鉄男山ケーブルのリニューアル工事がこのほど終わり、11日、朝早くから、待ちかねた鉄道愛好家や観光客らが真新しい車両に乗り込んだ。
 46年間運行してきた2台の車両を新車両に交換した。これまでの対面座席を、山を背に下方を見下ろす形で座席を設置。エジソンが八幡の竹で電球を発明したことにちなみ、車内の2本の握り棒を組み合わせ、電球をイメージできるようにデザインした。運転は自動制御される。
 知人とともに乗車した主婦中塚尚子さん(37)=京都市下京区=は「視界が良く、車内も明るい雰囲気」と乗じ心地を楽しんだ。また、同ケーブル八幡市駅前では、リニューアルを記念して、旧車両の銘板や部品、ヘッドライトなどの販売会もあった。販売会は14、15日にも行われる。(京都新聞)
■東西線「天神川駅」 周辺区画整理 検討へ部会も
 京都市の地下鉄東西線の西伸計画に合わせ、右京区の天神川駅(仮称)周辺整備について協議している「太秦地下鉄周辺まちづくり検討会」は11日、整備事業について当面の日程を決めた。
 検討会は地元の住民や企業、市などで組織し、太秦地域東部の三条通沿い約5万5000平方メートルの区画整理について事業案を検討している。
 日程では、代替地や補償の内容などを話し合う「住民部会」を7月中に発足させる。7月中旬から9月にかけて、交通計画などを京都府公安委員会や国土交通省、京福電鉄など関係機関、企業と協議する。
 9月以降には、住民代表8人で組織する「世話人会」が、道路や広場、住宅地などの面積、位置など事業の具体案を話し合い、検討会で細部を調整していく。
 市は検討会の議論の進展を見たうえで、都市計画法に基づく地元説明会を開催する方針だ。(京都新聞)
■阪急、ICカード導入 2003年度めど 運賃後払い可能に
 阪急電鉄の大橋太朗社長は11日、2003年度をめどに乗車券のIC(集積回路)カードシステムを導入すると発表した。鉄道事業者で初という運賃後払いサービスを始めるほか、将来的にグループ内の各種施設で利用できるようにする。
 関西の私鉄、地下鉄などの共通乗車券システム「スルッとKANSAI」が03年度のICカード導入を決めたのを受け、加盟社として初めて参加を表明した。
 当面は磁気カードと併用する形で、サービス開始までに全84駅に各2台程度、合計で約260台の併用改札機を設置する。初期投資額は約30億円。
 ICカードは共通のプリペイド(先払い)方式に加え、独自サービスとして利用金額を1ヵ月ごとに銀行口座から引き落とすポストペイ(後払い)方式に力を入れる。利用実績に応じて回数券や定期券並みの割引をするほか、駅売店やグループ施設などでの利用を検討していく、という。
 また、大橋社長は記者会見で、4−6月期の営業概況を発表した。3月に大幅なダイヤ改正をした京都線の輸送人員は、前年同期に比べて2.7%減となったが、「近年のマイナス幅より縮小している」と説明。特急の増発に伴い、来年中に京都線で13年ぶりとなる新型の特急車両を導入することを明らかにした。(京都新聞)
■ICカード 阪急電鉄1番乗り 03年度めどに導入へ
 阪急電鉄は11日、03年度をめどにICカードを導入すると発表した。阪急を含む関西の私鉄や地下鉄など29社・局で使えるプリペイドカード「スルッとKANSAI」が既に決めているICカード化への参加表明第1号。阪急は、ポストペイ(後払い)サービスも導入する。
 神戸高速線を除く全駅の各項札口にICカードと現在の磁気カードに対応した改札機を2台程度置く。投資額は30億円。
 ポストペイサービスは、1ヵ月単位で利用データを集計し、後日その分の料金を金融機関の口座から引き落とすもの。利用回数に応じて、回数券や定期券並みに割り引く。定期券のICカード化は行わない方針。(朝日新聞)
■新幹線、停電で遅れ
 12日午前9時2分ごろ、東海道新幹線の掛川−豊橋間で停電が発生、同区間を走行していた名古屋発東京行きの「こだま454号」など上下線計6列車が自動的に停車。JR東海では、安全を確認した上で各列車の運転を始めた。こだま454号が12分遅れた。(京都新聞 夕刊)
13日■初代新幹線 英で永久展示 鉄道博物館で除幕式
 【ヨーク(英中部)12日共同】日本から鉄道発祥の地・英国に寄贈された新幹線の初代車両(0系)の除幕式典が12日、英国中部ヨークの国立鉄道博物館で開かれた。新幹線が海外で展示されるのは初めて。今後は同博物館の高速鉄道コーナーに永久保存される。
 同博物館では、新幹線の周囲にパネルや創業当時の制服、時計などを展示。車内では初代0系からの車両の変遷を記録した映像を流すなど、新幹線の歴史を分かりやすく解説している。「世界を代表する高速列車」(スコット館長)として博物館側が新幹線の展示を希望し、JR西日本、JR東海の協力で実現した。(京都新聞)
■JR駅周辺を清掃 山科の洛東高生
 山科区の洛東高の生徒有志が12日、JR山科駅周辺で清掃活動を繰り広げた。生徒たちは照りつける日差しの下、ごみ拾いに汗を流した。
 同高は4年前に府教委のボランティア推進校に指定されたのを機会に、有志たちが地域の清掃活動を毎年行っている。
 この日の清掃には、部活動に所属する生徒を中心に約400人が参加。道路上のたばこの吸いがらなどを次々とごみ袋に入れていた。(京都新聞)
■叡山線電車にシカが衝突死 左京区
 12日午後8時10分ごろ、左京区八瀬野瀬町の叡山電鉄叡山線で、八瀬遊園発出町柳行きの電車とシカが衝突した。運転手は電車を2分間停車して確認したが、シカは見つからなかった。乗客はいなかった。後続電車の運転手が線路内で倒れているシカを見つけたが、死んでいた。
 下鴨署の調べでは、シカはメスで体長約120センチ。線路内に飛び出してきて、電車の前部に衝突したという。(朝日新聞)
■ひと 立ちばなし 女性車掌、車内ではつらつ
 南海電鉄に昨年末誕生した25人の女性車掌の一人、安藤亮子さん(22)が車掌になってよかったと実感するのは「乗務して車内を取り仕切っているとき」。車掌補助を2年間経験、その後2ヵ月の実習を経てたどり着いた独り立ちの車掌乗務も半年。既に自信も芽生えた様子だ。
 乗務区間は大阪市の難波駅と和歌山県高野町の極楽橋駅を結ぶ特急「こうや」など。「車内で一番心掛けているのは『お客さまが気軽に話しかけやすい雰囲気作り』と『簡瀦で分かりやすい車内放送』です」
 はつらつとした仕事ぶりが好評。勤務のローテーションによっては睡眠時間が少ないときもあるが「たくさん食べるから大丈夫」という。(京都新聞 夕刊)
■洛中洛外
 京福電鉄は、ひもを引くと走り出すキーホルダー型のおもちゃ「ぷるぷるケーブル」の限定発売を始めた。叡山ケーブルの車両をモデルにし、なだらかな坂なら上ることもできる。
 叡山ケーブル開業75周年とガーデンミュージアム比叡の開園を記念した。全国各地の電鉄会社で「ぷるぷる」シリーズが発売されているが、ケーブルカーにアレンジした製品は初めてだ。
 縦7センチ、横6センチ、高さ5センチあり、1個500円。ケーブル八瀬遊園駅や森のゆうえんちで販売中で、叡山電鉄の出町柳駅でも近く販売する。郵送も受け付ける。(京都新聞 夕刊)
■「団子鼻」誇らしく 初代の新幹線 英国博物館に
 英国ヨーク市の国立鉄道博物館に日本の初代新幹線「0系」電車が収蔵され、12日にお披露目式が開かれた。新幹線の実物車両が海外展示されるのは初めて。JR西日本から寄贈された先頭車は、特徴ある「団子鼻」も誇らしげで、高速鉄道コーナーの目玉として一般公開が始まった。
 日本の新幹線は高速鉄道の先駆けとして、世界でも「SHINKANSEN」の呼び名で知られる。同博物館とJR西日本の交通科学博物館(大阪市)、梅小路蒸気機関車館(京都市)の姉妹提携が縁で、車両は2ヵ月の船旅で英国に渡った。(ロンドン=和気 靖)(朝日新聞 夕刊)
14日■昨年度の3セク鉄道 31社が赤字、総額37億円
 旧国鉄の赤字ローカル線を引き継ぎ第三セクター方式などで営業する全国の鉄道会社38社のうち、2000年度は31社が赤字経営で、経常損失合計額は36億9300万円だったことが13日、国土交通省の調査で分かった。
 経費節減などで伊勢鉄道(三重県)と南阿蘇鉄道(熊本県)の2社が黒字に転換。経常損失合計額は前年度より3億2400万円少なくなった。輸送人員は沿線人口の減少や道路整備などで約132万人減り、約5231万人。唯一、民間会社として引き継いだ下北交通(青森県)は今年3月末で路線を廃止した。
 国交省は「第三セクター鉄道の存続には、駅前整備や観光振興など地元自治体が中心となった一層の支援が必要」と分析している。
 経常損失が大きいのは、北近畿タンゴ鉄道(京都府・兵庫県)5億5700万円、北海道ちほく高原鉄道(北海道)4億2000万円、井原鉄道(岡山県・広島県)3億9900万円の順。
 一方、黒字は大阪と結ぶ特急列車利用などが好調な智頭急行(兵庫県・岡山県・鳥取県)や、北越急行(新潟県)など7社で、経常利益の合計は11億9800万円だった。(京都新聞)
■「オペラ座の怪人」で幕開け シアター1200改称の「京都劇場」 来年1月オープン
 JR西日本と劇団四季は13日、京都市内のホテルで記者会見し、改装中の京都駅ビル劇場「シアター1200」を「京都劇場」と改称、来年1月からこけら落とし公演として、劇団四季のヒットミュージカル「オペラ座の怪人」をロングラン上演する、と発表した。今後四季の公演を中心に演劇、音楽コンサートなど展開していく。 シアター1200は駅ビル開業の1997年に開館。アイドルグループの公演が当初人気を集めていたが、アイドル事務所が撤退。97年度16億円の収益が、昨年度1億1000万円に落ち込んだ。現在は子会社の京都駅ビル開発が貸し館として運営している。
 劇場側が四季に打診。評判の悪かった劇場の機能面を中心に改装のアドバイスを受けた。非対称の客席を対称に、舞台が見にくかった席をなくし、925席を943席に増設、音響や照明を改善する。改装費は約10億円。7月に着工し、11月末完成予定。
 会見にはJR西日本の南谷昌二郎社長や劇団四季浅利慶太代表が出席。浅利代表は「元日から幕を開け、半年間ぐらい公演したい。京都を中心とした文化圏をもう一度作れれば」と抱負を述べた。「オペラ座の−」は人気の高い傑作ミュージカルで、関西では7年ぶりの上演となる。(京都新聞)
■いろいろアングル 車内ギャラリー 環境の大切さ呼び掛け
 出町柳−鞍馬間を走る叡山電鉄の環境列車「エコモーション」の車内ギャラリー。沿線の京都造形芸術大の学生が描いた多彩な作品が、乗客の注目を集めている。
 環境の大切さを呼び掛ける目的で、叡山電鉄が7年前に導入。これまでに、京都精華大の作品や叡電沿線の植物の写真、アフリカの野生動物写真などを展示してきた。
 植物に雨が降り注ぐ「雨のある生活」、複数の携帯電話による騒音を表す「ノイズ」、赤や紫、黄色などカラフルな虫たちが飛び回る「生きる」…。自由な発想で、環境に対する思いやりを表現した40点を展示している。1日約8往復する。9月30日まで。(京都新聞)
■降りて歩いて 27 JR和知駅(和知町本庄) 地域活性化へ多彩な催し
 JR山陰線を園部駅から綾部方面へ。車窓の両側の、山間に広がる田園風景を見ながら坂を上がり、丹波町の分水界を越えてしばらくすると和知駅に到着する。ホームには、各団体が寄贈した花が山の緑に映え、ほっと一息つける雰囲気だ。
 駅の周辺には個人商店が並び、商店街を抜けると町役場や和知病院、今春に町内3つの小学校の統合で新しくできた和知小など、住民の生活基盤となる施設がそろう。
 長らく、貨物の運送拠点として脚光を浴びた時代があった。戦前は美山町から運ばれる木材を、戦後は駅から約4キロ東の同町安栖里にあった鐘打鉱山から搬出されるタングステンを貨物列車で運んだ。駅周辺に人があふれ、にぎわったという。
 だが、鉱山の閉山などで、駅前は急激に活力を失う。当時の国鉄から駅の無人化方針が打ち出されたため、1985年、駅存続へ全町民で構成する「和知町の駅を守る会」を結成。定期券販売を役場窓口などで受け持ち、町職員が利用者宅へ届けるサービスなどで利用促進を働きかけてきた。
 「駅前に多くの人に来てもらおう」と付近の町民は知恵を絞る。有志でつくる駅前活性化委員会が、月2回の土曜夕に「宵の市」を開く取り組みは3年目を迎えた。駅前に露店やフリーマーケット、子どもが楽しめる催しをそろえ、最近は町外からも問い合わせがあるという。野間重次郎区長(70)は「和知駅はかつても今も町の玄関口、顔なんや。駅前をなんとか元気にしたいね」。
 一度、駅から歩いてみよう。のどかな風景が広がり、道行く温かい笑顔が迎えてくれるはずだ。(京都新聞)
■三セク鉄道 31社が赤字 前年度比2社減 昨年度決算
 国土交通省は13日、旧国鉄から経営を引き継ぐなどした全国の第三セクター鉄道会社38社のうち、00年度決算が経常赤字の会社は31社に上ったとの集計結果をまとめた。前年度に比べて2社減ったものの、沿線人口の減少や、道路網が整備された影響で全体の輸送人員は減っており、依然として厳しい経営を強いられている。
 全社合わせた輸送人員は約5231万人で、前年度より2.5%減った。赤字幅が最も大きかったのは、北近畿タンゴ鉄道(京都府・兵庫県)で5億5700万円の赤字、続いて北海道ちほく高原鉄道が4億2000万円の赤字だった。
 黒字会社は、経費の節減などで、前年度の5社から7社に増えた。最も経常利益が多かったのは北越急行(新潟県)で6億4000万円だった。(朝日新聞)
■2001 新社長 京阪電気鉄道 佐藤茂雄氏 IT使い駅の活性化を
 「変えよう京阪」「社員全員ボクサーになれ」。次々と打ち出す挑発的なキャッチフレーズが持ち味だ。自ら「ビアホール・居酒屋タイプ」というように、若手社員と活発な議論を繰り返す。明るい性格に、金馬昭郎前社長も太鼓判を押す。
 早くから有力な社長候補といわれていたが、社長就任を打診されてから決断まで1ヵ月考え抜いた。「いい時代なら『わかりました』と即答したかもしれない。今は難局で相当のエネルギーがいる」。好きな比叡山に何度も通った末、決心した。
 事業開発室、流通事業本部など鉄道以外の経験も豊富だ。99年5月から営業している比叡山のプチホテル「ロテル・ド・比叡」は思い入れが強い事業の一つ。共同作業の相手だったフランス人のセンスを比叡山の中で生かすことに苦労した。
 景気低迷と少子化でどの鉄道会社も乗客数の漸減傾向に悩む。「大量輸送は必要なくなった。顧客をマスではなく個人としてとらえることが必要になる。マーケットに強いグループにしたい」。集客力のある施設の誘致や、IT(情報技術)を使った駅の活性化策を考えている。2008年度完成予定の中之島新線も、延伸による効果をどう出すかが課題だ。
 京大ボート部出身。サラリーマンをもじった「相楽利満」のペンネームで琵琶湖就航の歌に関する著作もある。(澤路 毅彦)
 さとう・しげたか 社内評は「バンカラでありながらロマンを求める」。60歳。(朝日新聞)
15日■四国の交通網「ばらまき行政」のツケ 地元責任で総合政策を 3本の橋に高速道路 空港拡張も
 本州との間に3本の橋がかかり、これをいかすために高速道路や幹線道路の整備が急ピッチで進ひ四国。その影響でJR四国が「存亡の危機」に近い苦境にあえいでいる。かといって、その高速道路も「黒字」からはほど遠い状況だ。橋は本当に3本必要だったのか、道路と鉄道、空港の役割分担は…。需要見通しを無視した「ばらまき行政」のツケが、象徴的に表れているようだ。参院選では、「構造改革」の是非が問われるはずだが、総合的な交通政策は争点にはなっていない。地方に財源を大胆に移すことを前提に、地元の責任で交通政策を選択する仕組みつくりを急ぐべき時ではないのか。(高松支局・高野 弦)
JR・高速道 膨らむ赤字
●苦境
 「人件費の削減は、安全性を担保できる範囲でやれるところまでやった。当社にもはや余力はなく、今後の鉄道インフラの整備は、国や地方自治体に協力をお願いしたい」。5月に行われたJR四国の決算会見。梅原利之社長の発言は悲そう感に満ちていた。
 00年度の営業赤字は90億円。この3年間で社員の1割を削減したが、赤字額は前年度より10億円増えた。今年度は、経営安定基金の運用益で赤字を補てんし、何とか最終損益「0」を見込む。JR四国の誕生以来認められてきた税制上の優遇措置(00年度は14億円)は、延長される見通しだが、当初予定通り今年度限りとなれば、まさに正念場となる。
 苦戦の要因は、高速道路の急速な延伸にある。民営化時の87年4月に11キロだった開通区間は、今や4県の県庁所在地をむすぶ393キロにまでのびた。だが、建設費に見合った利用者がない。四国内の高速路線は年間260億円の「赤字」を出している。
 地方に共通する構図であろうが、四国には根強く「交通インフラの整備の遅れが、経済的な発展を阻害している」との考えがあった。とりわけ、本州と四国をむすぶ橋はその象徴的な存在だった。徳島、香川、愛媛の各県が戦後、激しく誘致合戦を繰り広げた、歴史がある。
採算に関心薄い自治体
●陳情
 しかし、本州と四国の間に3ルートの橋がかかり、高速道路が延長された今も、経済の停滞は変わらない。
 四国の人口は減少の一途をたどり、高齢者の比率は全国で最も高い。産業の構造改革の遅れから、今年4月の時点での鉱工業生産指数は、18ヵ月連続で全国最低を更新している。
 有識者の間には、交通インフラの整備がもたらす経済効果に疑問を投げかける声もある。
 国と地方を合わせた借金残高は今年度末で666兆円。財政に余裕はないはずだが、それでも、「インフラ」整備を求める自治体の動きは、衰える気配がない。
 四国の知事会は今年も、一部を一般国道でつないでいる「瀬戸内しまなみ海道」(尾道・今治ルート)のさらなる整備を国に求めた。本州四国連絡橋公団の破たんが問題になっている最中に、である。
 四国内の高速道路を「8」の字にむすぶ計画も併せて求めた。郵便貯金などを原資とする財政投融資で財源をまかない、地方の財政は痛まない現在の仕組みが、こうした「安易な」陳情を生み出していないだろうか。
 89年に開港した新高松空港(2500メートル滑走路)はこの5月に「利用者数が需要予測の半分に満たない」として、総務省から勧告を受けた。それでも徳島、高知の両空港では拡張計画が進む。
 徳島空港は、明石海峡大橋開通後に大阪便の利用者が半減した。東京便などを含めた全体の数字も、当初予測をすでに下回っているが、今年度中には拡張工事に着手する。
 高知空港も、すでに実需が予測を大きく下回っている。いずれも国主導の事業で、「費用対効果」に対する自治体の関心は薄い。
 JRの税制上の優遇措置は固定資産税(地方税)を対象にしている。このため、本来であれば市町村が主体的にJRの経営のあり方に関心を持つべきだ。しかし、市町村を束ねる立場の香川県の真鍋武紀知事は、この問題に対してあまり関心を示さない。
 税収入の減少分は地方交付税で賄われる仕組みになっているため、自治体には、高速道路の誘致と、JRへの経営の影響を比較・選択する動機が、働きにくいことが背景にある。
14年前の計画推進
●無責任
 今年1月の省庁再編で、道路を管轄する建設省と、空港や鉄道を管轄する運輸省などが統合して国土交通省となったが、限られた財源を前提に、交通政策をどう組み合わせるかの議論は、中央でも地方の出先機関でも、これまではほとんど行われてこなかった。
 実は四国を「8」の字にむすぶ計画は、今から14年前につくられた「第4次全国総合開発計画」に盛り込まれたものだ。経済情勢とは無関係に進められる長期計画が行政の無責任さを助長している。
 鉄道は、車に乗れない高齢者にとって重要な移動の手段だ。車に比べると、環境にやさしいという側面もある。香川県は、車社会の行き過ぎが、こうしたメリットを持つ公共交通機関の衰退をもたらすとの配慮から、この4月以降、企業や教育委員会に対して、鉄道など公共交通機関の利用促進を呼びかける運動を始めている。
 だが一方で、県は相も変わらず道路整備を国に求めている。渋滞どころか、すれ違う車が少ない四国の高速道路を走るとき、こうした対応への疑問は深まるばかりだ。
 日本の経済成長を支えてきた中央集権型の財政の仕組みが、今になってこんなチグハグな政策を生み出している。
 政策の選択を自治体が自らの財源をもとに決める仕組みが具体化すれば、もう少し有効なカネの使い方ができるようになるのではないか。(朝日新聞)
16日■落雷、新幹線止まる 京都−新大阪間 2時間半後に復旧 高槻・変電所
 15日午後10時ごろ、大阪府高槻市のJR東海・新高槻変電所で落雷による停電が発生、東海道・山陽新幹線の京都−新神戸間への送電が止まり、上下線とも運行がストップした。
 上り線は約10分後に運転が再開されたが、下り線は京都−新大阪間で停電状態が続き、約2時間半後の16日午前零時半ごろ、復旧、運転を再開した。このトラブルで下り10本が駅間などで立ち往生した。
 高槻署などによると、同変電所の避電器の一つが落雷で破損しているのが見つかったという。変電所2階の部屋内に一時煙が充満したが、けが人はなかった。
・乗客らうんざり
 京都市下京区のJR京都駅新幹線ホームでは、午後10時12分発の広島行き「のぞみ29号」が立ち往生。乗客はうんざりした表情でシートにもたれていた。新大阪まで乗車予定だった和歌山県吉備町の男性会社員(26)は「あすも仕事なのに…」と困惑顔。大阪府吹田市千里山の女性会社員(55)は「JRから十分な説明がない」といら立ちを募らせていた。(京都新聞)
■関西線は一時不通 南山城村
 15日午後1時ごろ、京都府南山城村北大河原のJR関西線月ヶ瀬口駅で、1時間の雨量が25ミリを超え、大河原(同村北大河原)−島ヶ原駅(三重県島ヶ原村)間で列車の運行を見合わせた。約50分後には、運休区間を佐那具駅(同県上野市)まで延長。午後4時50分ごろに復旧した。
 上下合わせて計10本の列車が運休、約650人に影響が出た。(京都新聞)
■落雷?新幹線ストップ
 15日午後10時すぎ、大阪府高槻市梶原6丁目のJR新高槻変電所で、自動火災報知機が反応している、とJR東海から高槻市消防本部に電話連絡が入った。前後して送電が止まり、東海道・山陽新幹線の京都−新神戸駅間が運行停止状態となった。上り線は約10分後に運転を再開したが、下りはその後も停止が続いた。16日午前零時現在、計11本が両駅間などで立ち往生している。同変電所に落雷があり、送電がとまったとみられる。
 消防本部によると、変電所内の避電器が焼け焦げ、室内の高圧線も約30センチにわたって焼けていた。
 この事故で計11本のひかりなどが、京都駅や名古屋駅付近で立ち往生し、車内に乗客が残された状態となった。JR東海は、車内に乗客を泊める「列車ホテル」を設けることを決めた。(朝日新聞)
■落雷新幹線、2時間半ぶり復旧 370人、車内で一夜 新大阪駅
 落雷による停電のため、15日午後10時すぎから京都−新神戸間で運転が止まっていたJR東海道・山陽新幹線の下り線は、16日午前0時半ごろ、約2時間半ぶりに運転を再開した。のぞみ号など計11本が遅れ、約6000人に影響が出た。このうち新大阪駅では、帰宅できなかった約370人の乗客が新幹線の車両内で一夜を明かした。
 JR東海によると、落雷があった大阪府高槻市梶原6丁目のJR新高槻変電所では、瞬間的に許容量を超える電気が流れ、避雷器が焦げ高圧線も焼けたという。このため同社は、避雷器を交換するなどして電気回路を復旧させた。
 復旧までの間、9列車が京都、米原、岐阜羽島の各駅で停車したままになり、2列車が線路上で立ち往生した。
 このうち「ひかり173」号は京都駅に119分遅れで到着。規定で2時間以上の遅れでないと特急料金の払い戻しができないとする駅員と乗客がもみ合う場面もあった。(朝日新聞 夕刊)
17日■コメ騒動 JR・「輪入駅弁」を発売 JA・車内で国産米PR
 米国産のコメを使った「輸入駅弁」が17日、首都圏のJR26駅で一斉に売り出された。安売り競争を勝ち抜くための新商品で、駅弁では初めての試みだ。しかし、全国農業協同組合中央会(JA全中)はこれに反発、JR山手線の車内などで国産米のPRを始めた。駅弁をめぐる「コメ騒動」となっている。
 駅弁は、米国の有機米や自然食材を使って現地生産され、JR東日本の子会社が冷凍弁当として輸入。牛すき焼き風など3種類を売り出し、300円台から600円。一方、JA全中は16日から、山手線を走る電車の車内テレビに「やっぱ弁当は、日本の米」との広告を流し始めた。(朝日新聞 夕刊)
18日■近畿で局地的な豪雨 落雷で小5重体 10満世帯で停電
 滋賀県東、北部や京都などは17日午後、雷を伴う局地的な暴風雨に見舞われ、小学生男子が落雷で重体となったほか、女性1人がけがをした。愛知川町では小屋が倒壊、彦根市内の237戸で床上、床下漫水の被害が相次いだ。約3万世帯が停電し、JRや近江鉄道が一部区間で運転を見合わせた。彦根市と愛知川町は災害対策本部を設置、対策や復旧に追われた。兵庫でも約7万戸が停電、信号が消え、交通事故で2人がけがを負った。
 同日午後3時ごろ、滋賀県日野町山本で、自転車で帰宅中の必佐小5年佐藤友大君(11)=同町中在寺=が落雷を受け、頭にやけどを負い、重体となった。日野署の調べでは、佐藤君は授業を終えて、いったん帰宅したあと、再び学校へ行き友だちと遊んでいた。雨が降り出したため自宅へ帰る途中だった、という。
 突風に見舞われた愛知川町では、運送会社で作業していた女性(26)が飛んできたコンテナ(高さ約1.9メートル、幅、奥行き各約1.1メートル)にあたり肩を骨折した。
 また、遺跡の発掘調査現場の2階建てのプレハブ小屋と、民家隣の木造の平屋建て小屋が倒壊、高さ約10メートルのポプラの木2本が根本から折れた。さらに、民家12戸、公民館など計17ヵ所で瓦が飛ぶなどの被害があった。
 関西電力滋賀支店によると、午後3時ごろからの落雷で、彦根市や長浜市、八日市市などで約3万世帯で停電した。県警交通規制課によると、県内62ヵ所(午後5時現在)で、信号が消えた。停電は午後11時40分までにすべて復旧した。
 彦根地方気象台によると、湿った空気が流れ込み大気の状態が不安定になったためで、午後6時までの雨量は、彦根市で63ミリ、多賀町で55ミリに達した。最大瞬間風速は24.5メートル(彦根)を記録した。
・新幹線遅れる 観光客ら混乱
 鉄道関係では、午後4時半すぎ、雨のため東海道新幹線の米原−京都間で約1時間運転を見合わせたほか、山陽新幹線の新大阪−西明石間が落雷で約5分間停電した。
 JR新幹線の京都駅ホームでは同日夕から、約1時間の運転見合わせ中、大勢の観光客やビジネスマンらでごったがえした。運転再開後も最高1時間、列車の発着が遅れ、祇園祭の巡行を見物して名古屋市に帰宅途中の主婦吉本まなみさん(54)ら4人のグループは「炎天下の祭りを見た後、列車の遅れでよけいぐったりしました」と疲れきった表情で話していた。
 また、在来線のJR東海道線能登川−河頼駅間と米原−大垣駅間では、風による飛来物や時間雨量が75ミリを超えたため、運転を見合わせた。近江鉄道本線などは午後4時すぎ、豊郷町で新幹線工事現場から強風で飛来したフェンスが架線にかかった影響で、運行できなくなり、タクシーで代行輸送するなどした。
 京都府南山城村北大河原のJR関西線月ケ瀬口駅では、同3時20分ごろ、1時間の雨量が規制値の25ミリに達し、同線大河原(同村北大河原)−島ヶ原(三重県島ヶ原村)間で約2時間半、列車の運行を見合わせた。上下合わせて6本が運休、上り1本が約2時間半遅れ、約300人に影響した。(京都新聞)
■近畿に大雨 事故相次ぐ 停電16万戸 小5、落雷で重傷
 発達した雷雲によって、近畿各地では17日午後、局地的に雷を伴う激しい雨が降った。停電や交通機関への影響、落雷や突風による事故が相次いだ。
 関西電力によると落雷で大阪府6万戸、兵庫県7万戸、滋賀県3万戸の計16万戸が午後2時ごろから断続的に停電した。神戸、明石市などでは125基の交通信号が消えるなどした。神戸市西区では信号の消えた交差点で乗用車同士が衝突、小学2年生の女児(7)ら2人が軽いけが。明石運転免許更新センターでは女性(64)がエレベーターに閉じこめられ、20分後に救出された。同県加古川市ではかわらのふき替えをしていた同県加西市の大工の男性(57)が2階の屋根の上から約6メートル下に転落し、意識不明の重体。
 滋賀県日野町では同町立必佐小学校5年の佐藤友大君(11)が自転車で学校から帰宅途中、落雷をうけ、重傷。同県愛知川町では運送会社従業員服部明希子さん(26)が荷物を運ぶ作業中、突風で飛ばされたコンテナが当たり、左肩の骨が折れる重傷を負った。同町内では強風の影響でプレハブの事務所1戸が全壊した。
 大雨の影響でJR、私鉄ともにダイヤが乱れた。東海道新幹線は同日夕、愛知川町の雨量計が規制値(1時間50ミリ以上)に達したため、米原−京都間で約1時間、上下線とも運転を見合わせ54本が最大75分遅れた。山陽新幹線は落雷の影響で、新大阪−西明石間で5分間停電。走行中のひかり3本、こだま1本が緊急停止した。
 在来線では、京都府宇治市のJR奈良線宇治駅で信号機に落雷したため4本が運休。関西線は京都府南山城村の大河原−島ヶ原間などで運転を見合わせ、バスで輸送した。
 各地の気象台によると、日本海の前線に南から暖かい空気が流れ込んで大気の状態が不安定になり、17日昼過ぎから近畿各地で雷雲が発生した。大阪では最大瞬間風速26.1メートルを記録した。1時間当たりの雨量は、滋賀県彦棍市が63.5ミリ、兵庫県洲本市28ミリ、奈良市24.5ミリ。(朝日新聞)
■新交通システム ホンダが参加へ シンガポールで
 【クアラルンプール17日=野嶋剛】ホンダは17日、シンガポール政府と協力して来年から低公害のハイブリッドカーを使った「新地域交通システム(ICVS)」の運用を始めると発表した。
 ICVSは駅やオフィス、マンションなどに車を配置し、会員が利用できるようにするシステム。来年初めから3ヵ月間、試験的にオフィス街で3〜6ヵ所の専用駐車場を用意し、車50台を無料で提供する。早ければ02年に本格導入する。(朝日新聞)
■車いすに無情の大阪駅 3ホームにエレベーターなし JR西 負担増にに「難しい」 JR東は10年内に整備、利益の差?
 JR大阪駅にある7つのホームのうち、大阪環状線など3つのホームにエレベーターがなく、車いす利用者らがスムーズに移動できないでいる。今年増発されたユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)行きの直通電車のホームにも設置されていない。エレベーターを1基設置するには約1億円かかる。利益の多いJR東日本は10年以内に主要駅の全ホームに設けるが、JR西日本にその余裕はないといい、「東西格差」が拡大しそうだ。
 1日約86万人と、JR西日本の管内で乗降客が最も多い大阪駅。車いすでの利用者は1日50〜100人で、やはり同社の駅では最多。同駅には7つのホームがあり、うちエレベーターがあるのは、山陽線、福知山線など4つのホーム。大阪環状線など3つのホームには設置されていない。
 3ホームの発着本数は同駅全体の52%にあたる約760本。今年になってUSJと同駅を結ぶ直通電車など約30本が増発されたが、逆にエレベーターのあるホームからの発着数は計10本減った。
 エレベーターのないホームの場合、車いす利用者は4〜6人の駅員に車いすごと抱え上げてもらい、階段やエスカレーターを上り下りする。このため、「ラッシュ時には迷惑をかけたくない」と、外出を手控える人も少なくないという。
 JR西日本管内でエレベーターがある駅は全体の7%にあたる84駅だけ。主要駅のうち、全ホームにエレベーターが設置されているのは京都、天王寺駅(大阪市天王寺区)だけで、京橋(同市都島区)、三ノ宮(神戸市中央区)、鶴橋(大阪市天王寺区)、広島、岡山駅などには1基もない。
 エレベーターの設置費はJRと国、自治体が約3分の1ずつ負担する。
 JR東日本の駅でエレベーターがあるのは、やはり7%の115駅だけだが、利用者の多い主要390駅の全ホームを対象に、10年以内に新設するという。
 JR東日本の経常利益は今年3月期末決算で約980億円。JR西日本は約440億円。毎年JR東日本の半分程度しか利益のないJR西日本は「主要駅の全ホームに設置するのは難しい」としている。
「玄関口ぐらい早く整備して」
 障害者の自立生活を目指す「自立生活センター・ナビ」(大阪市東住吉区)の川嶋雅恵事務局長は「車いすの移動にエレベーターは欠かせない。西日本の玄関口である大阪駅にぐらい、早く整備してほしい」と訴えている。(朝日新聞 夕刊)
■ポイント故障 通勤客ら影響 JR福知山線
 18日午前7時35分ごろ、JR福知山線のポイントの遠隔制御機が故障し、兵庫県三田市の三田、新三田両駅の信号機が制御できなくなった。このため、上下線含めて計4本の快速、普通列車が駅に入れないままストップした。宝塚−広野間で上下線とも運転を見合わせ、宝塚−大阪間で折り返し運転するとともに、阪急、神戸電鉄などで代行輸送した。
 約30分後、それぞれの駅で信号を制御して運転を再開したが、ダイヤは大幅に乱れた。上下線合わせて30本が運休し、23本が最大1時間13分遅れた。朝のラッシュ時間帯と重なったため、新三田駅などのホームは一時通勤客らがあふれ、計2万5000人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
19日■京阪百貨店が大阪副都心へ 京阪京橋駅出店検討
 京阪電気鉄道の全額出資子会社、京阪百貨店(本店大阪府守口市)が来年にも京阪京橋駅(大阪市都島区)の駅ビルに出店する方向で検討していることが18日、明らかになった。
 同百貨店は大阪府内で関西空港店(田尻町)や枚方店(枚方市)など3店を展開しているが、大阪市内では唯一の店舗となる。
 京阪グループは、鉄道事業を軸に「ライフステージネットワーク」をモットーに流通など生活関連事業にも経営資源を投入。
 大阪市の東部副都心、大阪ビジネスパークを控えるターミナルへの百貨店出店を機に同事業の拡充強化を図るとみられる。(京都新聞)
■「甲子園には電車で」
 甲子園には電車で−。阪神電鉄(本社・大阪市)は20日から、「電車でECO(行こう)!甲子園」と名付けたキャンペーンを始める。阪神甲子園球場で、第83回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)が来月8日から始まるのを前に、鉄道が環境にやさしい乗り物であることを積極的に訴え、利用を呼びかける。
 約1万枚のポスターを駅や車内にはり、新聞やテレビに広告を出すほか、記念乗車カード(1000円)を発売し、売上金の一部は環境保護団体に寄付するという。(朝日新聞)
■道路財源、米欧にみる 地下鉄・バス整備に転用
 自動車やガソリンにかかる税金の大部分は、道路整備だけに使われる。この道路特定財源の見直しは「小泉改革」の試金石といわれているが、欧米ではこうした財源を道路だけでなく、地下鉄やバスなど公共交通機関の整備に回す国がある。米国とフランス、ドイツの例を見た。
 米ワシントンの地下鉄メトロセンター駅はホワイトハウスからわずか数百メートル。3本の路線が交差し、ホームにはひっきりなしに列車が入る。この地下鉄の整備費の一部に道路財源が充てられている。
 米国では自動車燃料税を財源とする「高速道路信託基金」が道路特定財源に相当する。56年にできて高速道路の整備に使われてきたが、70年代に入ると公共交通機関への支出が一部認められ、80年代初めには高速道路勘定と、地下鉄などに使う大量輸送機開勘定(MTA)に分けられた。
 基金の99年度(98年10月〜99年9月)の収入は393億113万ドル(約5兆円)で、うち54億7792万ドルがMTAに回った。
 フランスでは95年から00年まで「陸上交通・可航水路投資基金」が設けられた。財源の中心は高速道路料金に含まれる通行税。00年は高速鉄道TGVの新線建設や在来線の改良など鉄道整備に23億800万フラン(約380億円)、水路に5億フランが支出され、道路は全体の3分の1強の15億2700万フランに過ぎない。
 基金は01年に廃止され、道路や公共交通機関の整備費は一般会計から直接、支出されるようになった。
 ドイツでもガソリンや軽油にかかる鉱油税が60年代以降、数度にわたって引き上げられ、増収分の一部が地下鉄や鉄道、バス関連施設の建設に支出されている。その額は97年以降、毎年約33億マルク(約1800億円)だ。
 各国が自動車に関係する財源を公共交通機関の整備にも使う背景には、渋滞や大気汚染を深刻化させる車から、鉄道やバスに利用者を振り替えようという狙いもある。
 ドイツで社民党と連立政権を組む90年連合・緑の党のアルベルト・シュミット連邦議員は「車が大気汚染や交通事故といった損失を社会に与えている以上、代替交通機関への支出は当然だ」と話している。(庄司将晃)(朝日新聞)
20日■京福電鉄に改善命令 国交省全国初 安全管理体制確立を
 福井県勝山市の京福電鉄越前本線で6月、電車が正面衝突し乗客ら25人が重軽傷を負った事故で、国土交通省中部運輸局は19日午後、同社に対し全国で初めて鉄道事業法に基づく事業改善命令を出し、石田栄一社長に文書で手渡した。
 列車自動停止装置(ATS)の整備に加え、投資計画の明確化などが命令の柱となっている。
 京福電鉄をめぐっては、経営難から同線など県内3路線を第三セクター化して存続させるか、全面バス転換するかを沿線自治体などでつくる協議会が検討している。
 命令は2ヵ月以内の改善状況の報告を求めており、実質的に、存廃論議の結論を早急に出すよう迫った形となった。
 事故後、3路線は運行を休止している。ATSについて中部運輸局は命令の中で緊急に整備するよう求めているが、「点滅灯」の増設など、整備までの代替措置が十分であれば運転再開は可能との認識を示している。
 そのほか、@検査、補修の体制整備A厳正な業務管理の実施B運転士の基本動作の徹底−などを命じた。越前本線では昨年12月にも運転士1人が死亡、乗客ら25人がけがをする正面衝突事故が発生。中部運輸局は、半年に正面衝突事故を2度も起こしたことを重視、初の事業改善命令に踏み切った。(京都新聞)
■人身事故で新幹線に遅れ 高槻、30分間停車
 19日午後9時25分ごろ、大阪府高槻市神内二丁目付近を走行中の東海道新幹線、新大阪発東京行きのぞみ70号の運転士が異常音を聞き、緊急停車した。列車は現場に約30分間停車、車体に異常がなかったため運転を再開した。
 大阪府警高槻署などによると近くで男性とみられる遺体が見つかった。
 現場は阪急京都線と並行している区間で、同署は男性が近くの阪急上牧駅の線路側からフェンスを乗り越え新幹線の線路内に進入、自殺した可能性が高いとみて、身元の確認を急いでいる。(京都新聞)
■国土交通省 京福電鉄に「改善命令」 事業法で初の適用 事故連続を重視
 福井県勝山市の京福電鉄越前本線で先月、電車同士が正面衝突し、乗客や運転士計25人が重軽傷を負った事故で、国土交通省は19日、同社に鉄道事業法に基づく行政処分である「事業改善命令」を出した。半年間に2度も正面衝突事故を起こした点などを重視した。過去の鉄道事故でこの処分が出されたことはなく、87年の法施行以来初の適用となる。
 同社は昨年12月にも、ブレーキの故障が原因で26人が死傷する正面衝突事故を起こし、同省から行政指導を受けていた。また、同省が今回の事故後に実施した特別保安監査では、運転士に対する作業指示や教育が不十分だったほか、毎年義務づけられている線路の点検が行われていなかったためまくら木が腐食していたり、整備基準値を超える線路のゆがみが放置されていたりするなど、ずさんな安全管理の現状が明らかになった。
 このため、同省は事業改善命令で、経営幹部を筆頭に組織的な安全管理意識の徹底▽運転士の教育指導体制の確立▽施設の検査や補修の確実な実施▽自動列車停止装置(ATS)の緊急整備−など、全般的な改普対策について2ヵ月以内に報告するよう求めた。
 京福電鉄は事故後、同省の指示で福井県内の全線で運行を停止している。同社からの報告を待って、運転再開を許可するかどうか判断する。
 事業改善命令に踏み切った理由について、同省鉄道局は「半年間に2度も大事故を起こしたうえ、監査でも安全管理に不十分な点が見つかり、京福電鉄の自助努力だけでは安全を確保できないと判断した」としている。
 鉄道事業法は、利用者の利便や公共の利益が阻害されている場合に、国土交通大臣が事業者に改善を命令することを定めている。事業者が命令に従わない場合は、100万円以下の罰金。
 事故は6月24日に発生。発坂駅で下り急行電車とすれ違うはずだった上り普通電車が、予定時刻より早く出発したため、単線の線路上で急行電車と正面衝突した。調査では、信号に異状は見つからなかった。同省は上り電車の運転士から事情を聴くなどして事故原因の解明を進める。(朝日新聞)
■ずさん露見 京福電鉄 沿線住民は廃線を心配 運行表、声で確認守られず 抜き打ち検査も実施されずリストラで運転士過密勤務
 半年間に2度の正面衝突事故を起こした京福電鉄に19日、鉄道会社に対しては初めての「事業改善命令」が出された。2度目の事故から約1ヵ月、国土交通省中部運輸局や福井県警の調べで、同電鉄は普段からずさんな運行を続けてきたことがわかった。一方、電車の運行は事故後、ストップしたままで、沿線住民からは「このまま廃線になるのでは」との不安の声も出ている。
■すぐ「一人前」
 「京福は安全対策をやる気がない」。中部運輸局の幹部は、調べを進める中でこう憤った。
 同局が普段の運転状況や安全管理態勢などを調べた結果、運転士は駅の発着時間などを書いた運行表を発着のたびに声に出して確認するのが「常識」だが、守られていない▽これに対する抜き打ち検査も以前から実施されていない▽運転士の朝の点呼では、上司が持ち物やダイヤの確認を指示しないこともある−など、ずさんな実態が次々とわかった。
 また、運転士の過密な勤務や教育面での問題点も明らかになった。
 運転士の数は、昨年12月の正面衝突事故で負傷者が出たことなどで定員に1人足りない状態で、月1、2回の休日出勤が常態化していた。
 さらにリストラで運転専任の社員は24人、その半数以上が入社5年未満。運転士の免許取得後、2ヵ月の見習い期間を過ぎれば「一人前」とされていたという。
■代替バス乱れ
 京福電鉄は中部運輸局の指示を受け、福井県内の全3路線(越前本線、三国芦原線、永平寺線)の運行を停止し、35台の代替バスを走らせている。しかし、交通渋滞による遅れや乗車しきれない客が出るなどトラブルが相次いでいる。
 生徒の約3割の280人が代替バスを利用している私立啓新高校(福井市)は、4日から4日間あった期末テストの開始を20分遅らせた。
 こうした事態に、事故があった同県勝山市の商工会議所や市民団体でつくる「京福電車利用促進会議」は14、15の両日、運行再開と路線存続を求める街頭署名をJR福井駅周辺で実施した。19日には、通学に越前本線を利用する高校生の親らでつくる「上志比村高校生の子を持つ父母の会」が、高校生139人を含む593人分の同様の署名を県に出した。
 いずれも「定刻にこないし、時間が余分にかかるバスはやっぱり不便」「このまま廃線になっては困る」との思いは切実だ。
■聴取は進まず
 県警捜査本部は、福井行きの普通電車が、対向の急行と待ち合わせするはずの発坂駅を、赤信号を無視して2分以上早く出発したのが原因で、普通電車の下川床誠運転士(22)の人為ミスの可能性が高いとみて業務上過失傷害の疑いで調べている。
 下川床運転士は頭の骨を折るなどの重傷で、9日に退院したものの事故のショックがひどく、まだ事情聴取を受けていない。当時の状況について「覚えていない」と周囲に話しているという。
・社長「単独で改善難しい」 京福電鉄会見
 国土交通省中部運輸局(名古屋市)で19日、事業改善命令普を受け取った京福電鉄の石田栄一社長は記者会見を開いた。「厳しい内容。真摯に受け止めているが、(命令通りの)改善を単独でするのは難しい」と述べ、運転再開を含めた路線の存続には沿線自治体の財政支援が不可欠という考えを示した。
 そのうえで石田社長は「第三セクター化で存続するか、廃線にしてバスに切り替えるかを協議している地元の結論に従って、対応したい」と話した。
 また津野田元直・中部運輸局長も会見で、「鉄道として運転を再開するためには、命令は、いずれも改めることが必要な事項」と強調。京福電鉄の厳しい経営状態を指摘した上で「沿線自治体が支援をしてくれると期待している」と話した。
・中小の鉄道を細かく点検へ 国土交通省
 京福電鉄事故を受け、国土交通省は来年度から、中小鉄道事業者の安全対策をきめ細かく点検・指導する方針を固めた。経営難や人員不足から安全確保が不十分になる事態を防ぐため、現在は各事業者に任せている保守管理を地方運輸局などが定期的に「診断」し、必要な対策を指導する。また、自動列車停止装置(ATS)などの導入を促進するため、補助制度の見直しも検討する。(朝日新聞)
■「退避場所あり」1117駅 2077駅 国交省調査 通報システム424駅
 東京都新宿区のJR山手線新大久保駅で今年1月、ホームから転落した男性ら3人が電車にはねられて死亡した事故を受け、JRや大手私鉄など全国の37鉄道事業者が進める再発防止策が19日、国土交通省のまとめで明らかになった。
 同省は事故後、電車が時速60キロでホームに入り、1時間あたり12本以上の電車が運行する計2077駅について安全対策を講ずる必要があるとして、転落事故防止対策の現状や今後の整備計画を調査した。その結果、今年3月末現在、非常停止ボタンや転落検知マットなどの通報システムが整備されている駅は計424、待避スペースやステップを設けている駅は計1117だった。未整備の全駅について各鉄道事業者は、今年度以降できるだけ早い時期に設置するという。
 ホームと線路を仕切って転落を防止する「ホームドア」やさくについては、13事業者が設置の検討を進めている。同省はホームドアなどの導入を進めるため、今秋にも検討会を設置してガイドラインを作成する。(朝日新聞)
■JR西労の敗訴が確定 「脱退工作」訴訟
 JR西日本(大阪市)の組合脱退工作で団結権を侵害されたとして、ジェーアール西日本労働組合(西労)が同社を相手に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第一小法廷(井嶋一友裁判長)は19日、労組の上告を棄却する決定をした。労組の敗訴が確定した。一審・広島地裁は哲理職が組合員に脱退を勧めた行為について同社の責任を認めて55万円の支払いを命じたが、二審・広島高裁は一審判決を取り消し、労組側の請求をすべて退けた。(朝日新聞)
21日■ユニークバス事業 データベース化へ 国交省、情報提供検討
 中小型のコミュニティーバスや、運賃100円で市街地を巡回する「ワンコイン・バス」など、ひと味違った形態のバス事業が全国の都市部で増えているのを受け、国土交通省は20日までに、こうしたバス事業の成功例、失敗例を来年度からデータベース化し、自治体やバス会社に情報提供する検討を始めた。
 改正道路運送法で乗り合いバス事業の新規参入規制が来年2月から緩和されるのに合わせ、バス事業者が新たな需要を掘り起こすのに役立ててもらうのが狙い。(京都新聞)
22日■JR、車内誌で1億6000万円損失 委託会社不渡りで
 JR東海は21日、子会社が編集業務などを外部委託していた会社から車内誌の広告料など約1億6000万円を取りはぐれ、焦げ付かせていたことを明らかにした。JR東海は今年3月期連結決算で、約8000万円を回収不能として特別損失に計上、残りも回収状況をみながら来年3月期連結決算の特別損失に計上する。
 JR東海グループは1988年から車内誌「レディース&ジェントルメン」を発行、東海道・山陽新幹線のグリーン車の乗客に無料配布していた。
 しかし、編集や広告料徴収などを外部委託していた会社が、広告料の支払いなど計約1億6000万円を滞納した上、昨年10月に不渡りを出したため、JR側は委託契約を打ち切り、同誌も事実上廃刊した。
 JR側は後継の雑誌として「ひととき」を今月下旬から発行、外部に委託せず、グループ内で子会社が直接編集や広告を手掛ける形にする。(京都新聞)
■木幡駅で信号故障 JR、3000人に影響
 21日午後零時45分ごろ、宇治市木幡のJR奈良線木幡駅で、構内の信号機が赤を表示したままとなり、同駅に停車していた京都行き快速電車が発車できなくなった。約20分後に自然復旧したが、上下合わせて5本が運休、6本が2−19分遅れ、約3000人に影響した。
 JR西日本新大阪総合指令室によると、運行表示盤上で、次の六地蔵駅に実際は電車が存在しないのに停車している状態になっていたといい、原因を調べている。(京都新聞)
■新快速ブラインド復活 特殊遮光ガラス大誤算 「暑いがな」乗客から苦情殺到 JR西日本
 JR西日本の在来線の主力「新快速」の窓に、今月から光を遮るブラインドが復活する。コスト削減のため、約2年前に取り払われたが、最近の猛暑続きで乗客から苦情が殺到したためだ。同社は、材料の仕入れや取り付け作業を急いでいる。
 ブラインドが復活するのは、近郊型車両「223系」。95年から導入された最新型の車両で、ブラインドがないのは同社ではこのタイプだけ。主に新快速で使われ、236両がフル回転している。
 JR西日本は約2年前、破損や交換で毎年1000万円以上かかるブラインド代を節約するため、223系からほぼすべて取り払った。代わりに可視光線を約60%カットし、赤外線もほとんど通さないアメリカ製の特殊ガラスを導入した。車内が暗くなるのを防ぐため、窓ガラスを幅30センチ、高さ8センチ大きくした。
 同社は通常のブラインド並みの効果があると見込んでいたが、猛暑が続いた先月下旬から今月初旬にかけ、「まぶしくて窓際にいられない」「なぜブラインドがないのか。もう乗りたくない」など、乗客の苦情が十数件あった。同社はガラスに「日差しをカットするガラスを使用しています」とシールをはるなどして理解を求めたが、効果は薄く、今月初旬、急きょブラインド復活を決めた。総費用は約5000万円という。
 新快速は東海道・山陽線などを主に12両連結で1日約600本走っている。ラッシュ時の乗車率は154%で、在来線の花形電車だ。JR西日本は「アイデアは良かったのだが、どうにも暑すぎた。完全に復活するまでご迷惑をおかけします」としている。(朝日新聞)
23日■いたずら?踏切の特殊信号が点滅 宇治のJR奈良線
 23日午前7時50分ごろ、宇治市木幡のJR奈良線の踏切で、踏切内の異常を示す特殊信号発光器が点滅しているのに、京都行き快速電車の運転士が気付き、踏切手前で停車した。
 運転士が調べたところ、踏切の非常ボタンが押されていたため、それを元に戻し、6分遅れで運転を再開。上り、下り計16本が2−19分遅れた。
 JR西日本では、いたずらとみて調べている。(京都新聞 夕刊)
■JR東日本車両 車いす用トイレ 非設置「違法」言えず 東京地裁 損害賠償請求を棄却
 身体障害者の男性がJR東日本と国を相手に、車両への車いす用トイレの整備と110万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は23日、請求棄却の判決を言い渡した。佃浩一裁判長は、「設置が理想だが、設置していないことが違法とはいえない」と述べた。
 提訴していたのは「車椅子でも乗れる列車を求める会」代表の石川静さん(66)。小海線(小諸−小淵沢)と五能線(東能代−弘前)に車いす用トイレがないため、この路線を使った旅行を断念せざるを得ず、精神的苦痛を被ったと主張していた。(朝日新聞 夕刊)
24日■男性はねられ死亡 阪急京都線乱れる
 23日午後8時半すぎ、京都市右京区西院久保田町の阪急京都線の松原踏切で、河原町行きの快速特急が踏切内に侵入してきた男性をはねた。男性は全身を強く打って死亡した。太秦署が身元を調べている。男性は50歳くらいで、肌着姿だという。上下14本が最大で10分余り遅れ、約5000人の足に影響が出た。(京都新聞)
■ミニバイクに市バスが追突 東山、3人けが
 23日午前11時20分ごろ、東山区東大路通三条上ルの東大路通で、北大路車庫発京都駅行きの市バス=岡本巌運転手(59)=が、ミニバイクに追突した。バスの乗客の東山区の無職女性(70)が転倒して足の骨を折る2ヵ月のけがをしたほか、大津市の無職女性(55)も腕の骨を折る6週間のけがをした。ミニバイクを運転していた北区の男子大学生(23)も腰に打撲を負った。松原署の調べでは、交差点手前でミニバイクが停車したところへバスが追突したらしい。(朝日新聞)
■将棋倒し JRが駅入場制限 事故前 主催者と連携なく
 兵庫県明石市で花火大会の見物客らが歩道橋上で将棋倒しになった事故の前に、JR西日本が歩道橋と直結している朝霧駅の入場を約30分間にわたって制限していたことが23日、明らかになった。駅構内の混乱を避けるための措置だったが、大会の実行委員会には知らされていなかった。規制を知らずに早めに帰宅しようと駅に向かった見物客らが歩道橋内に滞留して混雑に拍車をかけたと見られ、関係機関の連絡態勢の不備が事故の遠因になった可能性もある。
 JRによると、朝霧駅では21日、花火大会の前後の2〜3時間に1日の乗降客数の約1.5倍にあたる3万人以上の利用者があった。
 花火が始まる直前の午後7時40分には、歩道橋の混雑で改札の外に出られない人の列がホームまで達した。3〜4分おきに到着する電車からも1回あたり500〜600人の客が降りてくる状態が続いた。このため、同駅長は電車から降りる客と乗る客の流れが交錯すると危険だと判断。本社に連絡して駅への入場をストップし、人の流れを駅から歩道橋への「一方通行」とした。
 だが、実行委員会に惜報は伝わらず、早めに帰宅しようとする見物客らはその後も同駅に誘導された。改札前には駅に入れない見物客がとどまり、駅前や歩道橋の混雑にも拍車がかかった。
 朝霧駅は歩道橋の混雑がひどくなったため、午後8時10分ごろに入場税制を解除。同22分、「見物客を近隣駅に誘導してほしい」とJR側が実行委員会に要請した直後、事故が起こったという。
 大規模なイベントでは、主催者は主要な交通機関と事前に観客の輸送態勢について打ち合わせをするのが一般的だ。しかし、今回の花火大会では、主催した明石市などとJR西日本は、事前に警備の方法や当日の情報交換の方法について、一度も打ち合わせをしていなかった。事故当日もほとんど連携せず、JR側は事故発生から約40分後に駅長が救急車に気付くまで事故そのものを知らなかった。
 JR西日本神戸支社は「駅の安全を確保するため、入場制限などをした。駅員も大幅に増やして対応した。だがすべて独自の判断で、主催者との事前の打ち合わせや調整が不十分だったことは否定できない」と話す。明石市商工観光課は「警備問題はJRの範ちゅうでないという意識もあり、打ち合わせがなかった。当日の情報交換も少なくなり混乱した」としている。(朝日新聞)
25日■SLライトアップ再び 梅小路 28日から3日間
 京都市下京区の梅小路蒸気機関車館は、屋外展示した蒸気機関車をライトアップする「SLナイトオブジェ」を28日から30日までの3日間開く。
 蒸気機関車のライトアップは8年ぶり。同館は今年1月から機関車の屋外展示を始めて鉄道ファンの人気を呼び、ライトアップをもう一度見たい−という声が上がったため、復活を決めた。
 今回展示するのは「国内最大最強の旅客用蒸気機関車」と呼ばれたC62の1号機と2号機の2両。東海道線を走った特急のヘッドマークを付け、往時の雄姿をよみがえらせる。午後5時−同9時。有料。(京都新聞)
■奈良線で車両故障 城陽、上下14本運休
 24日午後8時45分ごろ、城陽市市辺のJR奈良線山城青谷駅に到着した京都行き普通電車の運転席の故障ランプが点灯。運転士が点検したところ、モーターの部品が焼き切れていて、運行できなくなった。このため、城陽−木津間で運転を見合わせ、午後10時59分に運転を再開した。
 上下合わせて14本が運休、約3300人に影響が出た。(京都新聞)
■踏切で死亡男性、身元判明
 京都市右京区の阪急京都線踏切で23日電車にはねられ死亡した男性は24日、太秦署の調べで南区のパチンコ店員(34)と分かった。(京都新聞)
■米唯一の都市間旅客鉄道 アムトラック 30年赤字続き 存続危うし 時速240キロアセラに託す ドル箱路線でひと勝負 前年同期比乗客7%増
 米国唯一の都市間旅客鉄道会社、アムトラック(全米鉄道旅客公社)が存亡の危機を迎えている。政府による赤字補てんが続き、連邦議会から「03年度(02年10月〜03年9月)に黒字化しなければ、清算も含め経営形態を検討する」と最後通告を受けた。再建の切り札が、ワシントン−ボストン間に昨年12月開業した初の高速鉄道、アセラ・エクスプレスだ。(ワシントン=庄司 将晃)
 ワシントン中心部のユニオン駅、午前7時20分。鮮やかな銀と青に塗られたニューヨーク行きのアセラ・エクスプレスがホームを滑り出た。
 月曜日の朝、ビジネス客が目立つ。ニューヨーク本社での会議に向かう会社員、ショーン・オドネルさん(35)は「最近はいつもアセラ。パソコンを使って車内で仕事もできるし、飛行機はよく遅れるからね」。
 最高時速240キロ。ボストン−ニューヨーク間は従来より1時間以上短い3時間半。ニューヨーク−ワシントンは2時間40分と20分短縮した。ボストン−ニューヨークの旅客輸送量を比べると、約1時間部分で結ぶ航空機が8対2で勝る。半々にするのがアセラの目標だ。
 アセラは在来線を走るが、連邦政府が40億ドルを投じてカーブを緩くするなど改良し、高速走行が可能になった。公費を投入したのは、空港や道路の混雑と大気汚染が深刻になり、政策によって鉄道に利用者を振り向けることが求められたからだ。
 米国の旅客鉄道は戦後、自動車と航空機に乗客を奪われて衰退した。赤字に苦しむ民間鉄道各社の都市間旅客部門を引き継ぎ、政府が株の大部分を保有して70年に誕生したのがアムトラック。黒字を計上したことは一度もない。00年度の赤字は7億6800万ドル。賃金の上昇や新型車両導入に伴う費用で、赤字幅は前年度より拡大した。
 政府は毎年、数億ドルの補助金をつぎ込んできた。業を煮やした連邦議会は97年、アムトラックが98年度から5年間で計73億ドルを上限とする補助金を受け取る代わりに、03年度には基本的に補助金なしで黒字を達成するよう求める法律を制定した。失敗すれば清算もある。
 アセラが走る東海岸沿いは北東回廊と呼ばれ、大都市が集中し、全米に路線網を持つアムトラックの収入の半分を稼ぎ出す。このドル箱でさらに収益を上げようと投入されたのがアセラだ。
 昨年10月から8ヵ月の北東回廊の乗客数は、アセラの開業効果で前年同期より7%多い900万人になった。アムトラックは新車両に8億 を投じ、年末までに20編成をそろえる。
 ウィリアム・シェルツ広報部長は「(今、平日で14本の)本数が増えれば、年1億8000万ドルの増収が見込める。全社の旅客収入も5期連続で増えている。03年度に黒字化できる」と強気だ。(朝日新聞)
■事務所で不審火 交通局洛西操車場
 25日午前5時20分ごろ、京都市西京区大原野東境谷町二丁目、市交通局洛西操車場の事務所で出入り口のガラスが割られ、室内の冷水器や革製ソファー、整理棚の一部が焼け焦げた跡があるのを、出勤してきた嘱託職(58)が見つけ、110番した。
 桂署によると、事務所は前日午後11時過ぎから無人だった。桂署は非現住建造物放火容疑で調べている。(京都新聞 夕刊)
■高架下で火災 阪神一部運休 始発から50分
 25日午前2時半ごろ、神戸市東灘区住吉宮町1丁目、阪神電鉄本線高架下の成川ちゑ子さん方付近から出火、木造2階建て住宅2棟延べ計約95平方メートルが全焼したほか、隣接する作業所や倉庫などの一部が焼けた。
 この火事で、レールわきにある同本線の電力ケーブルの表面が焼け、安全点検や復旧作業のため、西宮駅以西の運転を始発の午前4時40分から約50分間見合わせ、西宮−梅田間で折り返し運転をした。このため、上下線計8本が部分運休し、計5本が最大10分遅れ、約2500人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
26日■バスに自転車OK 来月から近江八幡 観光客の利便拡大へ
 近江八幡市内を走る近江鉄道バスの長命寺線(総延長9キロ・JR近江八幡−長命寺間)に、8月1日から自転車の積めるノンステップバスが登場する。滋賀県内の定期バス路線では初めてで、同社は観光客などの利用を呼びかけている。
 自転車の積み込みが可能になるのは、平日の同線往復95便のうち82便、土曜、日曜は46便。同線には計4台のノンステップバスが運行中で、1台のバスに2−3台の自転車を積み込むことができる。積み込み料金は100円−90円。
 ノンステップバスは、車いす優先のため、車いすの積み込みがあったり、乗客が多い場合は自転車は積めない。
 同社八幡営業所では「地元観光関係者らから要望が多く寄せられていたのに従った。持ち込んだ自転車は、使用者が付き添って、倒れないよう手で持っていただくのが原則」と話している。(京都新聞)
■明石の将棋倒し 改札制限連絡せず JR側 ホーム大混乱で
 兵庫県明石市のJR・朝霧駅に接続する歩道橋で起きた将棋倒し事故で、JR側は、ホーム上に花火の見物客があふれたため事故発生の約1時間前から入場制限を実施していたのに、市など花火大会の主催者には連絡していなかった。
 事故は、帰宅のため駅に向かう人と会場へ向かう見物客が橋上でぶつかる形で発生。警備や誘導について、駅側と主催者側の事前協議は一切なかったといい、「入場制限するほど駅が混雑していることを主催者側に連絡すべきだった」と連係不足を指摘する声が上がっている。
 花火が始まる直前の21日午後7時半ごろから、歩道橋は会場に向かう見物客らで込み、橋に直結する朝霧駅のホーム上は改札の外に出られない客であふれ、危険な状態になった。
 このためJR側は駅の入場制限を実施。花火が終了する少し前の午後8時10分ごろまで規制を続けたが、市側には連絡しなかった。
 一足先に帰宅しようと歩道橋を使って駅に向かう人が増え続け、午後8時40分ごろ事故が起きた後も、駅と主催者間の連絡はなかった、という。(京都新聞)
■手配の中国人容疑者を逮捕 京阪バス営業所事件
 昨年7月、京阪バス山科営業所バス営業所で起きた強盗傷害事件で、草津署は25日、新たに指名手配中だった中国人の住所不定、無職魏明雄容疑者(38)を強盗傷害容疑で逮捕した。
 調べでは、魏容疑者はほかの6人ともに昨年7月24日午前1時ごろ、京都市山科区大宅古海道町、京阪バス山科営業所に金品を奪うため侵入、仮眠中の男性社員(61)に暴行を加え10日間のけがを負わせた疑い。他の社員に気付かれ、目的を果たせずに逃走した。
 犯行グループの他の6人のうち4人は強盗傷害罪で公判中、1人は同罪で判決済み、1人は指名手配中。(京都新聞)
■操車場事務所で家具など焼ける 西京、放火の疑いも
 25日午前5時20分ごろ、西京区大原野東境谷町2丁目、市交通局洛西操車場事務所で、入り口のガラスが割られ、室内が水浸しになっているのを出勤してきた職員が見つけて 110番通報した。桂署員が調べたところ、事務所の台所に置かれた冷水器やソファなどが焼け、冷水器から水が漏れていた。付近に火の気がないことから、同署は放火の疑いもあるとみて調べている。
 事務所は、24日午後11時過ぎに職員がかぎを閉めて帰って以降、無人だったという。(朝日新聞)
■線路に酔った男性 新快速などに遅れ JR東海道線
 26日午前7時40分ごろ、高槻市萩之庄二丁目のJR東海道線で、長浜発姫路行き新快速電車の運転士が、線路内で人影を発見し、急停車した。乗務員が酒に酔った70歳前後の男性を保護し、けがはなかった。新快速電車が現場で約10分間停車したのをはじめ、計17本が13分−3分遅れ、約2万5000人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■線路に酒酔い男 2万5000人影響 高槻、東海道線
 26日午前7時40分ごろ、大阪府高槻市萩之庄2丁目のJR東海道線で、長浜発姫路行きの新快速電車の運転士が、線路内を歩く男性(55)を見つけ、急ブレーキをかけた。男性にけがはなかったが、酒に酔っており、高槻署が調べている。この影響で、東海道線下りは約1時間ダイヤが乱れ、17本が最大13分遅れ、ラッシュ時の乗客約2万5000人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
27日■西大路駅周辺の広報誌創刊 まちづくりフォーラム
 西大路駅(南区)周辺のまちづくりを進める「西大路駅周辺まちづくリフォーラム」はこのほど、活動内容や駅周辺の町並みを紹介する広報誌「フォーラム通信」を創刊した。
 同フォーラムは、南区の祥豊、唐橋両学区の住民が中心になり、昨年5月に発足。月1回、例会を開き、まちづくりをテーマに話し合っている。住民の意見を反映して整備された公開空地でフリーマーケットを開いたり、歴史ウォーキングを催してきた。
 フォーラム通信は季刊で年4回発行する。A4判4ページ。同フォーラムのメンバーが寄稿と編集を担当。同フォーラムの活動や、学区内の企業の催し、まちかどのおもしろスポットを紹介。駅周辺の歴史遺産や学校、公共施設を紹介する地図や、駅周辺のまちの変化を示すグラフも盛り込んでいる。(京都新聞)
■自動改札機発→お得メール 定期券で登録 携帯に買い物案内など オムロン9月から首都圏で試行へ
 オムロンは26日、自動改札機の利用者の携帯電話に、駅周辺の地域情報やイベント、ショッピング情報などを電子メールで配信する新サービスを9月から首都圏で試行すると発表した。
 オムロンは国内で初めて自動改札機を開発し、シェアトップを占めている。新サービスは、自動改札機を拠点に新たな情報発信事業を開拓する狙い。携帯電話利用者の多くが電車を待つ間にメールを受送信する傾向があることから、閲読率の高い情報発信ビジネスとして売り出す。
 新サービスは、定期券を持つ人が、インターネットか、駅備え付けのはがきで定期券の個人番号とメールアドレスや関心のある情報領域などを登録する。定期券で自動改札機を通過すると、オムロンが設置したサーバーから通過した利用者に120−200字の電子メールが届く仕組み。
 提供する情報の作成や編集は、情報誌発行のぴあ(東京者持)と提携して行う。試験運用は東急東横線の渋谷(東京都渋谷区)−桜木町(横浜市)間の22駅で行い、百貨店や旅行代理店、映画会社など20社が参加し、1万人の会員に情報提供する。(京都新聞)
■非常ボタンをいたずら、停車 京都発「はるか」
 27日午前8時25分ごろ、JR大阪環状線野田−西九条間を走っていた京都発関西空港行き特急「はるか9号」で、車内の非常ボタンが作動したのを運転士が確認、急停車した。JR西日本によると、4両目の車両に乗っていた男児(5つ)がいたずらで非常ボタンを押したことが分かり約5分後に運転を再開した。(京都新聞 夕刊)
■誤報非常ベル はるか止めた 男の子いにずら
 27日午前8時25分ごろ、大阪市此花区のJR大阪環状線西九条駅付近で、京都発関西空港行きの特急「はるか9号」の非常ベルが鳴り、運転士は電車を急停止させた。確認したところ、4号車の非常ベルのボタンを男児(5) がいたずらで押したことがわかり、5分後に運転を再開した。この影響で、桜島線の普通電車2本が運休、同線と大阪環状線の計26本が最大18分遅れ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)や関西空港に向かう客ら約2万2000人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
28日■のぞみ増発 30分間隔に JR、10月から
 JRグループは27日、秋のダイヤ改正を10月1日から実施し、東海道新幹線の東京−新大阪間の「のぞみ」を増発して30分間隔で運行する、と発表した。
 増発する「のぞみ」は上下各11本で、東京−博多間を含め1日当たり計73本に増やす。現行ダイヤは1時間に1本が主流で、朝夕のみ2本を数分間隔で運行していた。
 京都駅では、上りが午前6時−午後7時台、下りが午前9時−午後9時台で30分間隔の運行となる。
 停車駅も、新設ダイヤを中心に新横浜の停車を1日32本から60本に拡大。新神戸にも、東京−博多間の直通すべてを停車させるなど、4本から31本に大幅に増やし、利用客の拡大を図る。
 また、新幹線の指定席用1車両を新たに禁煙車にし、全15車両のうち11車両を禁煙とする。(京都新聞)
■市バス内でスリ 府警、容疑の男逮捕
 京都府警捜査三課は27日、窃盗の疑いで、住所不定、無職南橋実容疑者(70)を現行犯逮捕した。
 調べでは、南橋容疑者は同日午後1時前、京都市下京区のJR京都駅に到着した市バス内で、降車中の伏見区の無職男性(83)のズボンの後ろポケットから36万円の入った財布を盗んだ疑い。
 七条署によると、すりを警戒中の捜査員が車内で南橋容疑者を取り押さえた。(京都新聞)
■のぞみ増え30分に1本 東海道・山陽新幹線 10月1日ダイヤ改定 16両編成、禁煙車増え11両に
 JR東海と西日本は27日、10月1日からの東海道・山陽新幹線のダイヤ改定を発表した。東京−新大阪間では、「のぞみ」が現在の原則毎時1本から30分に1本となり、新横浜駅の停車本数も倍に増える。
 東京−新大阪間ののぞみは1日51本から73本に増える。運転間隔ははぼ30分に1本の割合。朝夕のラッシュ時間帯には毎時3本が走る。東京西部や神奈川県からの利用アップを狙って、新横浜駅停車ののぞみは32本から60本に倍増する。
 東京−博多間を直通するのぞみは、27本すべてを新神戸駅に停車。東京−博多間の所要時間は4分増の最速4時間53分になる。
 また、のぞみ、ひかり、こだまの16両編成のものの禁煙車を、現在の10両から11両に増やす。車いす利用者用の座席がある11号車が新たに禁煙車となる。
 禁煙車は76年に「こだま」で初めて導入されて以降順次増え、96年3月から10両になった。(朝日新聞)
29日■阪急京都線乱れる 西院駅、男性死亡
 28日午前11時15分ごろ、京都市右京区の阪急京都線西院駅で、河原町行き特急電車がホームから線路内に侵入してきた男性をはねた。男性は全身を強く打って死亡した。太秦署が身元確認を急いでいる。
 調べでは、男性は40代後半ぐらいで、身長約165センチ。白の半そでシャツに灰色ズボン姿で、茶色の革靴をはいていたという。同線は上下8本が最大で10分遅れ、約4500人に影響が出た。(京都新聞)
■旧国鉄改革 「政治の排除」が焦点 82年臨調の議論、明らかに
 旧国鉄の改革を検討した鈴木善幸内閣当時の臨時行政調査会第4部会(加藤寛部会長)で、分割・民営化を打ち出すに至ったやりとりが明らかになった。「赤字の元凶は政治家」などの発言が相次ぎ、分割・民営化議論の中で「政治の排除」が焦点の一つだったことが浮き彫りになった。情報公開法に基づく朝日新聞記者の請求に総務省が議事録を開示した。
 公開されたのは82年4月17、20日の議事録と資料計88ページ。表紙の左上に取扱注意を示す「マル秘」の刻印が押され、約20年間非公開だった。出席者のうち加藤部会長ら専門委員(識者)7人の名前は明らかにされたが、官僚や評論家ら参与延べ11人の名前は黒く塗りつぶされた。
 議事録によると、公社については「労使関係に革命的なメスを入れられない」「政治家がぶら下がりやすい温床」などの批判が相次いだ。分割・民営化議論では、政治の関与を含めた旧弊を断ち切る手段として導入すべきだという意見が出た。
 参与「赤字の元凶は政治家。保革を通じて国鉄を食い物にしてきた。『政治の排除』を答申に入れるべきだ」
 住田正二・元運輸次官「国鉄が責任逃れで『政治家』と言っている。誇張、宣伝に乗るべきでない」
 政府・自民党との協議で分割・民営化が基本了承された翌日の20日の議論でも、政治家への警戒が続いた。 懸念を裏付けるように、運輸相は3日後、「当面は分割せず」の独自案を発表。分割・民営化に反対する行動を強めた。
 臨調を揺さぶる動きはその後も続いたが、土光敏夫会長らは部会報告を支持。7月の基本答申では、部会報告の大半がそのまま盛り込まれ、国鉄解体は「5年以内」と期限を切られて一気に動き出した。(朝日新聞)
30日■漫画キャラで鉄道売り込み 高知の3セク
 高知県南国市と同県奈半利町を結ぶ土佐くろしお鉄道運営の「阿佐線(ごめん・なはり線)」(建設中)をPRしようと、人気漫画「アンパンマン」の作者で知られる同県出身のやなせたかしさんが、20ある駅に一つ一つ漫画キャラクターを作った。
 車両の一部にも、やなせさんの漫画が描かれる予定で、沿線の自治体でつくる阿佐線建設促進協議会は「漫画鉄道」として全国に売り込みたい考えだ。土佐くろしお鉄道は第三セクター。阿佐線は県東部の海岸沿い43.6キロを結び、来年7月に開業の予定。(京都新聞 夕刊)
31日■8日のびわ湖大花火大会 京滋で臨時列車運行 JR西と京阪電車
 JR西日本と京阪電鉄は、「びわ湖大花火大会」など8月に京滋各地で開かれる行事に合わせて臨時列車を運行する。
 8月8日のびわ湖大花火大会では、JR西日本が、最寄り駅の大津駅で午後5時から同11時台まで、京都方面に5分間隔、草津方面に6分間隔で臨時列車計42本を運行するほか、膳所駅に新快速を臨時停車させる。湖西線でも西大津駅で9本増発し、2本を通常の4両編成から8両に増結する。
 京阪電車も同日午後5時から同11時20分ごろまで、浜大津駅から京津線で4−13分ごとに計31本の臨時列車を運行し、石山坂本線でも計55本を増発する。
 10日の「宇治川花火大会」はJR西日本が宇治駅で9本増発、11本を増結する。京阪電鉄は、京阪宇治駅から中書島駅までを往復する38本を4分間隔で運行する。
 また京阪電鉄は16日の「大文字五山送り火」では、京阪本線で臨時列車7本を運行するとともに、特急を上下計8本増発する。同時に宇治線で6往復、交野線で3往復をそれぞれ増発する。
 このほか、JR西日本は5日の長浜大花火大会や7日の亀岡平和祭花火大会、14日の八木町花火大会でも臨時列車を運行する。(京都新聞)
■ネット予約でのぞみ割引 JR東海が9月から
 JR東海は30日、インターネットを通じたパソコンや携帯電話で東海道新幹線の指定席予約ができる「エクスプレス予約」のサービスを9月2日から開始すると発表した。
 「のぞみ」を予約した場合、東京−新大阪の特急料金(大人)が年間を通じて通常の500円引き、東京−名古屋(同)が380円引きと「のぞみ」のどの割引切符よりも安くなり、「ひかり」との差額がほぼ半分になる。
 利用には、東海道新幹線予約用の「エクスプレス・カード」(年会費1050円)に加入する必要がある。IDとパスワードを使って座席予約し、乗車前に駅で切符を受け取る仕組み。代金の決済はカードで行う。(京都新聞)
■電車内で痴漢 元アナに実刑 東京地裁
 東京地裁の小倉正三裁判長は30日、強制わいせつ罪に問われたテレビ新広島(TSS、本社・広島市)の元アナウンサー佐藤幸弘被告(27)=総務局付=に徴役1年6ヵ月(求刑懲役2年)の実刑判決を言い渡した。昨年10月、京王井の頭線の電車内で女子高生(当時16)のスカートをめくり、しつように体にさわるなどした。
 判決は、女子高生が手をつかんで佐藤被告の顔を確認していることなどを指摘、「触っていない」とする佐藤被告の無罪主張を退けた。(朝日新聞)
■現金、旅行券865万相当盗難 神戸のTis
 神戸市中央区のJR三ノ宮駅ビル内にあるJR西日本の旅行業部門「Tis(ティス)三ノ宮支店」で7月19日、現金や旅行小切手など計約865万円相当が盗まれ同日、葺合署に被害届を出していたことが31日、分かった。JR西日本によると、19日午前8時半ごろ、出社した社員が店内が物色されているのを発見。施錠された戸棚などから、旅行券や円、ドル建ての旅行小切手など計約745万円相当と、金庫にあった現金約120万円が盗まれていた。
 18日午後10時ごろ、女性社員が戸棚や社員通用口を施錠して帰宅したが、19日朝に出社した際は通用口のかぎはかかっていなかったという。(京都新聞 夕刊)
■「気分が悪い」8人病院へ 満員の阪急神戸線
 31日午前8時40分ごろから、大阪市北区の阪急梅田駅の3階サービスセンターに、阪急電鉄神戸線で到着した乗客8人(女性7人、男性1人)が相次いで「気分が悪い」と訪れ、病院に運ばれた。めまいや息苦しさを訴えているが、全員症状は軽いという。大阪市消防局は、冷房が効きにくい状態で満員電車に長時間乗っていたのが原因とみている。(京都新聞 夕刊)
■信号機故障で乱れ JR奈良線、木幡駅
 31日午前5時50分ごろ、宇治市木幡のJR奈良線木幡駅で、構内の信号機が赤を表示したままとなり、同駅に停車していた奈良行き普通電車が発車できなくなった。約35分後に復旧したが、上下合わせ6本が運休、2本が23分と37分遅れ、約3450人に影響した。(京都新聞 夕刊)
■満員の阪急神戸線遅れる 乗客8人病院へ 暑さ原因か
 31日午前8時40分ごろ、大阪市北区の阪急梅田駅から「乗客が気分の悪さを訴えている」と大阪市北消防署に通報があつた。いずれも阪急神戸線の利用者で、男性1人と女性7人の計8人が病院に運ばれに。いずれも症状は軽いという。同線は三宮駅付近の連結トラブルでダイヤが乱れており、同市消防本部は満員電車に長時間いた乗客らが暑さで体調を崩したとみている。
 阪急梅田駅によると、乗客らは貧血のような症状を訴え、救急車5台で駅周辺の四つの病院に運ばれた。
 阪急電鉄によると、神戸線は同日午前7時半ごろ、新開地発梅田行きの特急が三宮駅で連結ミスのため約18分停車し、85本の電車が最大20分遅れ、約6万2400人に影響が出ていた。車両の冷房は作動していたが、乗車率は通常のラッシュ時よりも高い180〜200%と混雑しており、すし詰め状態で局所的に温度の上がった場所があつたらしい。
 大阪管区気象台によると、大阪は朝から快晴で、午前8時には気温が30.4度に達していた。(朝日新聞 夕刊)
■三ノ宮駅Tis 868万円相当盗難
 神戸市中央区のJR三ノ宮駅構内にある旅行会社「Tis三ノ宮支店」で今月19日、現金やトラベラーズチェック(旅行小切手)など計約868万円相当が盗まれていたことが分かった。
 葺合署の調べでは、19日午前8時25分ごろ、同支店北側の通用口のかぎがこじ開けられ、金庫や戸棚が荒らされているのを、出社した女性社員が見つけた。盗まれたのは現金約120万円と、トラベラーズチェック約585万円分、ギフトカード約152万円など計約868万円相当。(朝日新聞 夕刊)