2001(平成13)年 6月


1日■ホームと電車に男性はさまれる JR山科駅(京都)
  ■2万人の足乱れる 京阪藤森駅で男性飛び込み(京都)
  ■飛び込み事故で2万人に影響 京阪電鉄藤森駅(朝日)
  ■ブレーキ故障 のぞみ遅れる 岡山駅、1500人に影響(朝日)
  ■深刻 雨漏り駅 高架のさだめ?総点検で9駅 山陽新幹線・環状線など 事故防止へ躍起 JR西日本(朝日)
2日■阪急電車が停止 ATS作動(京都)
  ■京阪シティバス参加 スルッとKANSAI(京都)
  ■降りて歩いて 21 JR松尾寺駅 舞鶴市吉坂 名さつの静かな玄関口(京都)
  ■先人を訪ねて 土岐嘉平 市バス走らせ京再興(京都)
  ■観光客PRでKTR利用増 促進協が総会(京都)
  ■コンクリート落下 戸田建設も調停に合意 山陽新幹線(朝日)
  ■九州新幹線 博多−船小屋 きょう起工式(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■寝台特急車内 男性が自殺か 大阪到着後に発見(朝日)
  ■若い女性いっぱい 神戸−高松フェリー 「レディースルーム」も新設(朝日)
3日■九州新幹線 博多−船小屋 工事に着手(京都)
4日■京都駅新幹線ホーム 転ばぬ先に安全さくを 21日にも完成(京都)
  ■赤字路線乗客呼び戻せ SL復活、 140キロの旅 北海道ふるさと銀河線 沿線7町、夏休みに(朝日)
  ■転落防止JR京都駅に「さく」 新幹線ホーム(朝日)
6日■使用済みカードで散歩道 トロッコ嵯峨駅前  550万枚、透水性も抜群 環境に優しく(京都)
  ■10年度までに390駅にエレベーター バリアフリー法 完全実施を宣言 JR東日本(朝日)
  ■声 運転手さんと出会い楽しみ 農業見習い山田 里織(兵庫県尼崎市 28歳)(朝日)
  ■重文・角屋 JR震動で「被害」 壁に亀裂、屋根瓦落下… 府などに保存会 「複線化」対策要望(京都)
  ■雨で列車7本運休 JR関西線(京都)
  ■ブレーキ一時故障 京都市地下鉄(京都)
7日■駅での暴行防げ! 警察庁 警戒強化を指示(京都)
  ■エムケイ 来年から京で路線バス 法改正に合わせ 観光地と中心部結ぶ(京都)
  ■男性はねられ死亡 JR東海道線に乱れ 山科、1万3000人影響(京都)
  ■泥酔の乗客 運転手を殴る 下京、京都バス内で(京都)
  ■881万円が使途不明 京都市交通局の京都交通労組 職員が無断欠勤(京都)
  ■米国向けの路面電車です 大阪のメーカー製造(朝日)
8日■新幹線の空席 携帯で確認 JR東海(京都)
  ■窓 転落防止さく全国の駅にも 長崎市・加賀 義(高校教員・33)(京都)
  ■携帯で新幹線空席・遅れ情報 JR東海、13日から開始(朝日)
9日■降りて歩いて 22 阪急大山崎駅(乙訓郡大山崎町大山崎) 西に利休むの茶室「待庵」も(京都)
10日■窓 リニアに乗る夢の世界間近 伏見区・桑田英伸(公務員・23)(京都)
  ■踏切内で男児はねられ死亡 豊中(朝日)
11日■踏切で女性がはねられ死亡 高槻、1人大けが(朝日)
12日■Jスルーカード JRと近鉄で共通 10月14日から導入(京都)
  ■電車でスプレー噴射 24人病院へ若い男が逃走 神戸・JR舞子駅(京都)
  ■窓 快適なJRへ態度で示そう 南区・藤原君代(主婦・63)(京都)
  ■ガス噴射 24人病院へ JR舞子駅 男、快速車内に 催涙スプレーか(朝日)
13日■走行中の近鉄 ガラス割れる 南大阪線、投石か(朝日)
  ■エリトリア 「サンダル革命」から10年 続く国境紛争 経済復興に影(抜粋)(朝日)
14日■地下鉄西伸 「天神川駅」考えよう 周辺まちづくり検討会 ニュースを創刊(京都)
  ■SLの雄姿を複元(京都)
  ■窓 席譲った若者 胸にジーンと 城陽市・山口沙代子(無職・72)(京都)
  ■大雨で一部運休 JR関西線(京都)
15日■地方バス 国の補助打ち切り路線 府独自で財政支援へ(京都)
  ■JRバスヘの補助も可能に 国交省などが新制度(京都)
  ■ケーブルカー 梅雨空”飛行” 八幡・男山 車両入れ替え(京都)
  ■窓 何気ない親切 大きな喜びに 宇治市・柳原 清春(無職・67)(京都)
  ■踏切の検知装置作動 ダイヤまた乱れる JR奈良線(京都)
  ■「JR会社法」本州3社除外 改正法が成立(朝日)
16日■工事進ちょく率は20% 京都市地下鉄東西線延伸 市議ら現地を視察(京都)
  ■小浜線電化工事で8月20日から運休 敦賀−十村駅間(京都)
  ■降りて歩いて 23 京都交通・穴太口(亀岡市曽我部町) 緑の山々迫る巡礼の道(京都)
  ■窓 温かい配慮のバスに娘感謝 朽木村・上田八重子(主婦・42)(京都)
  ■競争促進へNTT・JR改正法成立(抜粋)(朝日)
  ■JR連合定期大会で 新会長に明石氏選ぶ(朝日)
17日■はねられて男性が死亡 22本運休 JR関西線(朝日)
  ■鉄骨一部外れ電車接触事故 JR学研都市線ホーム(朝日)
  ■三セク鉄道33社 「安定経営」は14社だけ(朝日)
18日■介助犬と旅行 新幹線でも 2人が乗車試験(京都)
  ■男児に市バス接触 左京で横断中、軽傷(京都)
  ■山陽新幹線でコンクリ落下 神戸、架道橋から(京都)
  ■新幹線架道橋 コンクリ落下 第2神明道路(朝日)
19日■地下鉄サリン事件 「心の傷」なお深刻 被害調査 4割フラッシュバック(京都)
  ■サリン事件 被害者20%にPTSD 電車に乗るのが怖い/事件報道を避ける(朝日)
  ■暴力追放スクラム JR東日本・関東の私鉄 携帯対策・女性車両拡大など検討(朝日)
  ■市バスに小1はねられけが 左京区の府道交差点(朝日)
  ■新幹線運賃の不思議 在来線乗越し清算「不公平だ」(朝日)
  ■すき間に転落 乗客ら男性救出 阪急の豊中駅(京都)
  ■チンチン電車”里帰り” 長崎で現役終え 仙台の愛好家に譲渡(京都)
20日■監視カメラを増設 JR西日本 録画し、犯罪抑止へ(京都)
  ■大宮駅特急終日停車求め 3万3000人署名提出へ 阪急に地元住民(京都)
21日■海水浴客向け 特急13本増結 KTRが夏季ダイヤ(京都)
  ■鉄道橋架け替えに5ヵ年計画も策定 国交省、治水対策で(京都)
  ■兵庫駅ホーム寝ていた男性 特急と接触、重体(朝日)
  ■ホーム下に退避場所(朝日)
22日■現金忘れ物最低額に 不況を反映 JR西日本 携帯は2万8000点 39%増(京都)
  ■地下鉄東西線が故障で一時運休(京都)
  ■輝く星々と優雅な旅を JR山陰線のいさり火列車(京都)
  ■忘れ物現金減った(朝日)
  ■京都市など導入の バス優先システム 北大路烏丸←→西大路四条6.5` 時間短縮、効果あり 282秒〜51秒早く 平均で2分53秒(朝日)
  ■「毒ガス」救助急げ JR舞子駅異臭事件受け 京都駅で集団訓練(京都)
23日■降りて歩いて 24 地下鉄五条駅(下京区烏丸通五条下ル) かつて門信徒施設並ぶ(京都)
  ■来月8日、茶摘みやシイタケ狩り 信楽高原鉄道が「体験ツアー」(京都)
  ■電車内に毒ガス想定し合同訓練 京都駅でJR、警察、消防(朝日)
  ■地球24時 イラク・トルコ 鉄道運行を再開へ(朝日)
  ■列車が川へ42人死亡か インド(朝日)
25日■京福電車また正面衝突 福井 乗客ら25人重軽傷 不通、急行待ちせず(京都)
  ■京福正面衝突 乗客「何でこんな目に」 まさか半年で2度も… うめき、怒りぶちまけ 携帯通じず 住民が119番(京都)
  ■京福、また正面衝突 待機せず発車か(朝日)
  ■京福電鉄衝突 半年に2回「なぜだ」 憤る乗客・沿線住民ら 「子どもが…救急車を!」「もう乗るのいや」(朝日)
  ■線路に自転車投げ込まれる 堺の南海高野線(朝日)
  ■京福正面衝突 信号の作動焦点 福井県警 車両など現場検証(京都)
  ■京福正面衝突 「普通」ダイヤ無視? 発坂駅 2分停車せず出発(京都)
  ■京福電車衝突 赤信号、見落としか 福井県警 運転士を聴取へ(朝日)
  ■京福また衝突 地域の足が… 通勤客ら「廃線かも」(朝日)
26日■京福正面衝突 上り電車 信号見落としか 現場検証 作動状況異常なし(京都)
  ■京福電鉄事故 赤字経営 安全実現拒む 廃止、3セク化道険しく(京都)
  ■近鉄 資金管理一元化へ 金融子会社設立含め検討(京都)
  ■KTR、11期連続赤字 営業収益は2期連続増 減価償却かさむ 2000年度決算(京都)
  ■携帯で会話中 阪急がはねる 正雀駅、高1死亡(京都)
  ■社説 京福電鉄事故 生かされていない教訓(京都)
  ■京福電鉄事故 ATS導入 中小は85% 経営難で踏み切れず(朝日)
  ■京福電鉄正面衝突 嵐山線も緊急点検(朝日)
  ■携帯電話中にはねられ死亡 阪急正雀駅で高校生(朝日)
  ■声 電車で習った折り紙パンダ 主婦 吉岡 貴美子(神戸市 70歳)(朝日)
  ■普通電車から無線連絡なし 京福事故検証(京都)
  ■「なぜ改善せぬ」国交相が批判 京福事故(朝日)
  ■信号機故障でダイヤ乱れる 神戸、JR山陽線(朝日)
27日■京福事故で県警 福井本社きょう捜索 無線連絡 マニュアルなし(京都)
  ■「船鉾」をデザイン化 スルッとKANSAI都カードに(京都)
  ■京福株主総会 急きょ公開へ 事故受けきょう(朝日)
  ■運輸局が警告書(朝日)
  ■JR東に「出資要請」 ドイツ鉄道、新幹線拡充で(朝日)
  ■正面衝突で福井県警 京福福井本社を捜索 運輸局も保安監査(京都)
  ■京都で株主総会 社長が謝罪(京都)
  ■鉄馬は南北を走りたい 境界線で進む鉄道工事 韓国側・年内完成 北朝鮮側・対話待ち(京都)
  ■京福・福井本社を捜索 正面衝突 運行マニュアル押収(朝日)
  ■京福電鉄株主総会 「存廃は別」と社長(朝日)
28日■踏切事故で遅れ 京田辺の近鉄京都線(京都)
  ■社説 バイオ燃料 課税の再検討が必要だ(京都)
  ■京福電鉄事故 運転士は休日出勤 人員不足が影響か(朝日)
  ■声 そろそろ気づこう(朝日)
29日■バイオ燃料軽油混合 課税免除求める(京都)
  ■新幹線トンネル内 東山、音羽山で携帯通話可能に(京都)
  ■事故の当日休日出勤 普通電車運転士 京福事故(京都)
  ■オピニオン解説 取材ノートから 京福正面衝突 人間の行動心理解明を ミスの要因減らせ(京都)
  ■JR新大久保駅の転落事故連想 駅の人間ドラマ題材 辰巳琢郎さん 初の独り芝居 記憶、風化させない 来月13日・上京区(朝日)
  ■米国産米の駅弁「いただけんナ」 自民農林族 国産余剰…JR子会社に「政治介入」(朝日)
  ■声 京福の事故で慎重さ再確認 無職 冨永 敏衛(徳島市 70歳)(朝日)
  ■京都市交通労組使途不明金 8000万円に膨らむ 組合書記 「借金返済に」(京都)
  ■乗客、車内に置き去り また市バス(京都)
  ■ボーナスもリストラ!? 京滋の公務員に支給 経営健全化へ 京都市交通局 全職員7−5%減(抜粋)(京都)
  ■JR東海道線 芦屋−西ノ宮間に新駅 5年後めど開業 私鉄から客奪え 駅名「JR夙川」?(朝日)
  ■北信越に大雨 北陸線に乱れ 大糸線も一部運休(朝日)
  ■介助犬2頭の乗車を認める 大阪市交通局(朝日)
30日■「平成女鉾」お目見え 京都駅ビル(京都)
  ■降りて歩いて 25 JR山城青谷駅(城陽市市辺) 梅林の風情変わらず(京都)
  ■市バスで居眠り そのまま車庫へ 50代男性 10分後に救出(朝日)
  ■京都交通労組書記 8100万円不正流用 容疑で告訴へ(朝日)
  ■1−2分早く発坂駅に到着 京福事故で普通電車(京都)
  ■関西のエスカレーター 左空けルール だんだん乱れ USJ客増など影響? 「整然とさせて」と苦情/「こっちの勝手や」の声も(朝日)



1日■ホームと電車に男性はさまれる JR山科駅
 31日午後11時25分ごろ、京都市山科区上野のJR山科駅で、男性がホームと京都発近江今津行き普通電車の間にはさまれ、駆けつけた消防署員が約45分後に救出した。男性は軽いげが。乗客約500人は後続の電車に乗り換えた。
 山科署が男性から事情を聞いている。(京都新聞)
■2万人の足乱れる 京阪藤森駅で男性飛び込み
 31日午後5時15分ごろ、京都市伏見区深草極楽町の京阪電鉄藤森駅ホームで、男性が線路内に飛び込み、出町柳発淀屋橋行き急行電車にはねられて死亡した。
 7本が運休、上下線43本が最高15分遅れ、約2万1000人に影響が出た。伏見署の調べでは、男性は伏見区内の大学4年生(21)で、遺書と記された走り書きが残されていたことから自殺とみて調べている。(京都新聞)
■飛び込み事故で2万人に影響 京阪電鉄藤森駅
 31日午後5時10分すぎ、伏見区深草極楽町の京阪電鉄藤森駅ホームから同区の男子大学(21)が、出町柳駅発淀屋橋駅行きの急行列車(8両編成)に飛び込み、死亡した。伏見署では自殺とみて調べている。この事故で、同列車が約15分遅れたほか、後続の普通列車3本が淀屋橋駅と天満橋駅との間で運休するなど、計50本、約2万1000人に影響が出た。(朝日新聞)
■ブレーキ故障 のぞみ遅れる 岡山駅、1500人に影響
 1日午前8時10分ごろ、JR山陽新幹線岡山駅で、博多発東京行き「のぞみ6号」のブレーキが動かなくなった。いったん電源を切り、再起動させたところ復旧したため、同駅を9分遅れで出発した。
 JR西日本は念のため約750人の乗客には新大阪駅で別の車両に乗り換えてもらった。この影響で後続1本も5分遅れ、計約1500人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
■深刻 雨漏り駅 高架のさだめ?総点検で9駅 山陽新幹線・環状線など 事故防止へ躍起 JR西日本
 JR山陽新幹線や大阪環状線などの駅で雨漏りが深刻だ。先月下旬、雨漏りが原因で京橋駅(大阪市都岳区)の天井板が落ち、通行人がけがをしたのをきっかけにJR西日本が緊急点検し、管内の9駅11ヵ所で雨漏りが見つかった。駅舎の上にホームがある高架式の駅ばかり。気温によるレールの伸縮を考えて設けているすき間にかぶせた鉄製のふたなどが老朽化し、雨水が浸透しているという。梅雨入りを前に同社は、同様の事故の再発を防ぐ応急処置に追われている。
 先月24日、京橋駅構内の高さ5bの天井から石こう製の板(長さ60a、幅91a)がはがれ落ち、破片が当たった通行人の男性が腕にけがをした。翌25日には山陽線垂水駅(神戸市垂水区)で、やはり天井板(長さ60a、幅30a)がはく落した。両駅とも高架式だ。
 線路は鉄製で、気温によって伸縮する。線路を駅舎の屋根に乗せている格好の高架式の駅では、コンクリート製の屋根の数ヵ所に幅5a前後のすき間を設け、伸縮分を吸収している。すき間には、鉄製のふたをかぶせるなどしており、これが老朽化すると、雨漏りが起きるという。
 JR西日本は2件の事故を重くみて、管内の高架式78駅を緊急点検した。その結果、京橋、垂水駅のほか、新たに山陽新幹線の新神戸、広島、大阪環状線の大正、西九条、山陽線の明石、片町線の住道、小浜線の東舞鶴駅の計7駅9ヵ所で雨漏りが見つかった。
 これらの駅舎の多くは30〜50年前の建築で、鉄製のふたが腐食するなどしていた。屋根のコンクリートにひびが入っていた駅もあったという。同社は詳しい点検を進めており、さらに多くの駅で雨漏りが見つかる可能性があるという。
 JR東日本、JR東海、私鉄の阪急、南海などでも高架駅の基本構造は同じ。これまで天井板が落ちたことはないとしているが、阪急梅田駅では昨年から防水化などの全面改装が進められている。今回のJR西日本の事故を教訓に、各社とも駅員の巡回や点検を強化しているという。
 JR西日本は「高架駅に雨漏りが起きやすいのは確か。駅員がこまめに点検して早期発見、補修するしか手段はないが、天井板の落下は乗客や通行人の安全にかかわる。なんとしても、これ以上の落下を防ぎたい」としている。(朝日新聞 夕刊)
2日■阪急電車が停止 ATS作動
 1日午後7時ごろ、向日市上植野町、阪急京都線の西向日駅手前で、河原町行き普通電車がATS(自動列車停止装置)の作動で停止した。ATSが作動した原因は分からず、安全を確認した後、間もなく運転を再開した。
 後続の上下線の電車計9本に最大8分の遅れが出て約5000人の足が乱れた。(京都新聞)
■京阪シティバス参加 スルッとKANSAI
 プリペイドカードによる関西の鉄道、バスなどの共通乗車システム「スルッとKANSAI」に、新たに京阪シティバス(京都市伏見区)など3社が参加することが1日決まった。
 京阪シティバスは2002年度下期からの参加予定で、京阪電鉄淀−宇治駅間、淀−京都市地下鉄竹田駅間など全14系統の路線で導入する。
 ほかに、今夏に導入予定の南海ウイングバス金岡(大阪府堺市)、10月に南海電鉄からバス事業を譲り受ける南海バス(大阪市)が加わる。(京都新聞)
■降りて歩いて 21 JR松尾寺駅 舞鶴市吉坂 名さつの静かな玄関口
 福井県境の青葉山ろくにある古びた木造駅舎。駅名が示す通り、西国29番札所の名さつ松尾寺への玄関口だ。週末はともかく、平日、この無人駅の乗降客はわずか。小浜線の全線開通時(1913年)に設置され、同線の中核駅だった往時のにぎわいは遠い昔の記憶になりつつある。
 無人の駅舎を通り抜け、線路を越えてホームに上がると、いまは使われていない、さびついたレールが目に止まる。第二次世界大戦中、この駅から第三海軍火薬廠に通じた第三海軍火薬廠鉄道側線(朝来側線、6.8`)の足跡だ。終戦で進駐軍に接収、その後、舞鶴市に譲渡され、59年以降は火薬廠跡に市が誘致した日本板硝子舞鶴工場の専用線に。原材料や製品を運んだが、トラック輸送に代わり、89年3月末に廃線となった。
 駅近くの吉坂稲荷神社の森本本家宮司(68)は、駅の変遷を知る数少ない証人。「戦時中、地元の出征兵士を送り出し、戦死者の遺骨を出迎えたのが松尾寺駅。当時は火薬廠の工員も大勢いてにぎやかだった」。近くに旅館もあったといい「戦後も、松尾寺駅の貨物収入は福知山鉄道管理局の管内でも上位を占め、駅員が12人もいた。随分、様変わりしたものです」と振り返る。
 「車社会で駅は寂しくなったが、地元のお年寄りや子どもには欠かせない。駅がなければ、過疎になったはず」と森本さん。とはいえ、駅周辺は水田や山に囲まれた農村地帯で、近くに松尾寺や紅葉の名所、金剛院など見どころも多い。廃線の軌道敷の一部を利用して、自転車歩行者専用道路も設けられ、散策にうってつけのスポットだ。(京都新聞)
■先人を訪ねて 土岐嘉平 市バス走らせ京再興
 京阪本線と叡山電鉄の結節点、京都市左京区の出町柳駅前。今日も電車の乗客が市バスに乗り換え、それぞれの目的地へと向かっていく。
 「市民の足」として1日40万人近い乗客を運ぶ京都の市バス。70年以上前の1928(昭和3)年5月、ここ出町柳と府立植物園を結ぶ区間を初めて走った。
 当時、市長を務めていたのが、「京都市政中興の主」と評された土岐嘉平だった。
 恐慌の嵐が吹き荒れ、政治も閉塞状況にあった昭和初期。京都は、明治期に琵琶湖疏水の開削、発電所の建設、市電の運行などの大事業に取り組み、東京遷都に伴う疲弊を乗り越えたものの、大都市としてさらに飛躍するため、そろそろ新しい布石を打つべきときにさしかかっていた。
 北海道庁長官などを歴任した中央官僚の土岐は、27(昭和2)年12月に市長に就任した。
 わが国初の中央卸売市場の開設に立ち会ったのを手始めに、翌年は、大礼記念京都美術館(現在の市美術館)の建設計画を立案。市バスを走らせるとともに、京都大博覧会を開催した。30(同5)年には下水道の築造に着手した。
 任期中に、上京、下京の両区を分割して、左京、中京、東山の3区を設置。さらに、伏見市など27に及ぶ周辺市町村を市域に編入し、右京、伏見の2区を新設した。現在の京都市の姿は、このときにほぼ整った。
 編入などによって、京都市の人口は、27年の約72万人から、35(同10)年には108万人に膨れ上がった。100万都市の礎が築かれた。
 市史編さんに携わった森谷起久・武庫川女子大教授(都市文化史)は「当時の京都市の大きな課題が、近隣市町村との合併だった。時代の転換期に大きな仕事を成し遂げた土岐市長は、スケールの大きな人物だったのだろう」と功績をたたえる。(社会報道部 布部拓男)
 土岐嘉平 1875(明治8)−1946(昭和21)年。和歌山県生まれ。東京帝国大法科卒。1927年に第10代京都市長に就任。1期4年務めた。ほかに大阪府知事、北海道庁長官などを歴任。(京都新聞)
■観光客PRでKTR利用増 促進協が総会
 府と兵庫県の19の自治体などでつくる「北近畿タンゴ鉄道(KTR)利用促進協議会」(会長=徳田敏夫・宮津市長)の総会が1日、宮津市文珠のホテルで開かれ、観光客向けのPR活動などを通して利用増を図ることを申し合わせた。
 総会には、約70人が参加し、徳田会長が「厳しい経営状況だが、マイレールウェイという意識を持って利用促進に取り組んでいきたい」とあいさつ。全国豊かな海づくり大会に協賛して手掛けた記念入場券販売などの昨年度事業を報告した。
 今年度事業では▽親子向けのキャラクター列車を今秋、2年ぶりに走らせる▽観光客向けのPR活動の充実−などの計画を決め、利用増を図ることにした。
 同協議会は1991年2月、宮福線建設促進期成会と宮津線問題対策協議会を統合して発足。KTRの利用促進と、安定経営への支援を目的に活動している。(京都新聞)
■コンクリート落下 戸田建設も調停に合意 山陽新幹線
 山陽新幹線のトンネルなどで99年、コンクリート塊が落ちた事故で、JR西日本が施工業者8社に修繕費(約150億円)の一部負担を求めていた民事調停が1日、大阪簡裁であり、戸田建設(本社・東京都)が調停委員の示す解決案に合意した。「残り2社との調停に影響が出る」として解決金額は明らかにされていない。これで計6社が合意した。(朝日新聞)
■九州新幹線 博多−船小屋 きょう起工式
 九州新幹線鹿児島ルート(博多−西鹿児島)のうち未着工だった博多−船小屋間が2日、福岡県久留米市で起工される。(朝日新聞)
■青鉛筆
 外装、内装に輪島塗を施した豪華なコミュニティーバスが1日、石川県輪島市に登場した。市が市内循環バスの特別仕様予備車として導入した。
 車体の周囲に顔料漆を塗り、両側面に地元の朝市や祭りを描いた。車内の天井周辺にも風物や時代絵巻。漆職人が2ヵ月半かけて制作した。
 市内循環バスは今春から2台で4コースを走る。予備車は視察用に使われるほか、通常の2台が車検や故障の時にも走る。「運が良ければ料金100円で特別な気分が味わえます」(朝日新聞)
■寝台特急車内 男性が自殺か 大阪到着後に発見
 2日午前10時10分ごろ、JR大阪駅に到着した函館発大阪行きの寝台特急「日本海4号」の車内で男性が首をつっている、と119番通報があった。救急隊員が駆けつけたがすでに死亡していた。曽根崎署の調べによると、所持品などから男性は秋田県男鹿市の男性(29)とみられ、同署は自殺とみている。
 列車は1日午後4時52分函館発で、2日午前9時57分に大阪駅に到着。車内点検中に寝台車両の服をかけるホックにネクタイをかけて首をつっている男性を見つけた。(朝日新聞 夕刊)
■若い女性いっぱい 神戸−高松フェリー 「レディースルーム」も新設
 神戸と高松を結ぶフェリーが若い女性の人気を集めている。高速バスのほぼ半額の運賃やコンビニエンスストアで切符が買える手軽さが若者の心をとらえ、週末の便は四国側から神戸や大阪へ遊びに来る乗客でいっぱいだ。船内には女性専用室が新設され、旅行会社は6月から往復の乗船券とホテルを組み合わせた格安商品を売り始めた。
 週末の午後7時過ぎ、神戸港の高松行きフェリー乗り場にブランド品店や洋菓子店などの袋を両手に提げた女性が続々と集まる。運航する加藤汽船(神戸市)によると、高松発午前5時半と、神戸発午後8時の便は、乗客200〜300人の7〜8割が10代、20代の女性だ。
 高松市の会社員三木志保さん(24)は毎月1回は日帰りで洋服などを買いに来るという。「交通費を浮かせば小物類も買い足せる。運賃が安いので何度も来られるし」
 フェリーは片道2100円(3時間40分)。これに対し、高速バスは3900円(約2時間半)、高速船は5800円(約2時間10分)。1800円と3700円の差額は「アクセサリーならあと1つ」の値段とあって、明石海峡大橋開通後も乗客は増え続け、この3年で年間12万人が17万人になった。
 予想外の人気に同汽船は一昨年9月、旅行会社JTB と提携してコンビニエンスストアの情報端末で乗船券の販売を始めた。1割引きのうえ、簡単な操作でいつでも買える便利さが口コミで広まり、今年3月の販売枚数は前年同月比で2割増。4月には女性客の要望にこたえ、船内に女性専用の「レディースルーム」を設けた。
 JTBもこれに便乗、ホテル1泊分と往復乗船券を組み合わせた格安宿泊商品を7000〜8300円で6月から販売を始めた。
 同汽船の加藤芳宏社長は「低料金と、ゆったりとおしやべりできる空間が受けているようだ。今春から競合するバスが増便して競争が激しくなったが、女性人気を失わないようにしたい」と話している。(朝日新聞 夕刊)
3日■九州新幹線 博多−船小屋 工事に着手
 九州新幹線鹿児島ルートのうち、新たに着工される博多−船小屋(福岡県筑後市)の起工式が2日、福岡県久留米市の両替町公園で約500人が出席して開かれ、扇千景国土交通相や麻生渡同県知事、井本勇佐賀県知事ら関係者がくわ入れをした。
 扇国土交通相は式後の会見で、公共事業の見直し論について「(九州新幹線は)喜んでもらえる公共工事の模範になる。無駄を省き必要なところに集中的に注入すれば工期短縮になり経費削減になる」と強調。今後の見通しについて「(工事を)なるべく前倒しし、長崎ルートをどうするか話し合っていきたい」とした。
 麻生知事は「文化、経済が発展する力になる」などと述べ、井本知事も「長崎ルートとの結節点として新鳥栖駅ができることになり喜んでいる」と話した。
 着工した博多−船小屋は47`がフル規格で結ばれ、佐賀県鳥栖市に「新鳥栖」(仮称)、久留米市に「久留米」の2駅を造る計画で総工費は約3100億円。
 博多−船小屋は今年四月に新規着工が認められ、船小屋−西鹿児島(鹿児島市)もスーパー特急方式からフル規格に変更された。(京都新聞)
4日■京都駅新幹線ホーム 転ばぬ先に安全さくを 21日にも完成
 JR東海は4日未明、東海道新幹線の京都駅ホーム(京都市下京区)で転落防止さくの設置工事を始めた。今年1月、3人が死亡した東京のJR山手線・新大久保駅の転落事故を受けた安全対策の一環として行った。事故後、東海道新幹線のホームに転落防止さくが設置されるのは初めて。
 新幹線京都駅には2つのホームがあり、上下4本の線路が通っている。4線路とも東京寄りの東端から21−36bのホームの下には、乗客が転落した際の退避スペースがなかった。固定さくはステンレス製で、高さ1.1bある。上下4線路に面したホームに延長90bにわたって付ける。総事業費約2600万円をかけ、先月23日から基礎工事を始めた。
 作業は、最終列車通過後の午前零時過ぎから始めた。作業員13人がさくをボルトで固定し、コンクリートを流し込む作業をした。今後も夜間に工事を進め、今月21日をめどに完成させる。
 JR東海は「さくを設けることで、お客さまの安全性がさらに向上したと考えている」と話している。(京都新聞 夕刊)
■赤字路線乗客呼び戻せ SL復活、 140キロの旅 北海道ふるさと銀河線 沿線7町、夏休みに
 北海道東部を走る「ふるさと銀河線」(北見市−十勝支庁池田町、140`)に今夏、蒸気機関車(SL)が復活する。SLが同線を走るのは、旧国鉄池北線以来22年ぶり。現在運行されているSLとしては、全国で最長の距離になるという。JR北海道からC11号機を借り、「SL銀河号」と名付け、夏休み期間中の7月30日〜8月5日運行する。
 同社に出資する沿線7市町の「SL運行推進協議会」が、多額の赤字を抱え存続の危機にある第三セクターに、乗客を呼び戻そうと企画した。
 計画では、SLには約80人乗りの客車2両を連結。1両は無料の住民専用車。もう1両は全席指定だが、距離にかかわらず北見〜池田駅の運賃3410円で乗車できる。
 問い合わせはSL運行推進協議会(0157・25・1103)へ。(朝日新聞 夕刊)
■転落防止JR京都駅に「さく」 新幹線ホーム
 JR東海は4日、ホームからの転落事故を防ぐため、ホーム下に待避スペースのない東海道新幹線京都駅のホームと線路との間に、高さ1.1bの固定式のさくを設けた。今年1月、東京都新宿区の山手線新大久保駅で3人が死亡した転落事故を受け、検討していた。固定式さくは新幹線では東京駅に次ぎ2駅目。
 さくはステンレス製で、長さ9〜14bが7本、1〜3bが6本。ホーム最東部の乗降口を除いた場所に設置された。費用は約2600万円。新幹線ホームは通常、ホーム下に待避スペースがあるが、今回さくを設けた場所は橋りよう部のため、待避スペースがなかった。昨年5月、修学旅行生が転落したが、電車がホームに入る前だったため事故にはならなかった。(朝日新聞 夕刊)
6日■使用済みカードで散歩道 トロッコ嵯峨駅前  550万枚、透水性も抜群 環境に優しく
 使用済みの定期券やJ スルーカードを舗装材に再利用した散策道「トロッコ小路」が5日、京都市右京区のトロッコ嵯峨駅南側広場に完成した。嵯峨野観光鉄道とJR西日本商事(大阪市)が、親会社のJR西日本から原料の提供を受けて造った。両社は「環境に優しく割安で一石二鳥」と話している。6日から利用を開始する。
 小路は幅約2−4b、全長約100b。4日に着工し、2日間で完成させた。使用済みカードを高温で溶かして粒にした通称「アッシュトン」を計10d敷き詰めている。粒は透水性に優れ、費用面でアスファルトより割安。使った使用済みカードは約550万枚という。
 使用済みカードはJR西日本の京都、大阪、神戸の3支社管内だけで年間約100万枚以上生まれ、JR西日本商事が処理を担当している。従来は焼却処分していたが、「より環境に優しい方法を」と6年前に中止。同じJRグループの嵯峨野観光鉄道と2年前から処理法を共同研究してきた。
 昨年6月、ペットボトルを舗装材に加工している新潟県のベンチャー企業を知り、カードの処理を依頼。同社でも乗車カードの再利用は初めてで、1年かけて再利用法を検討してきた。(京都新聞)
■10年度までに390駅にエレベーター バリアフリー法 完全実施を宣言 JR東日本
 JR東日本は5日、身障者や高齢者に便利な公共機関を目指す交通バリアフリー法に基づき「10年度までに対象となる390駅すべてのホームにエレベーターを設ける」と表明した。バリアフリー対応で大手鉄道会社が具体的な計画を宣言したのは初めて。同社管内の駅は、努力目標の対象とされる全国約2000駅の5分の1を占める。その「率先垂範」は交通機関全体にも影響を与えそうだ。
 交通バリアフリー法は、新設駅にエレベーター設置を義務づけているが、既存の駅については、あくまで「努力目標」。設置するかどうかは事業者の判断に任されている。JR他社や日本民常鉄道協会によると、駅ごとに自治体と補助金をめぐる協議が必要なため、長期計画を立てるケースはなかったという。
 JR東日本の計画では、05年度までに190駅、10年度までに残り200駅の全ホームに設置する。このうち1万人を超える300駅にはエスカレーターも併設する。補助金を含めた05年度までの投資額は約400億円を予定し、最終的には約1000億円にのぼるとみられる。
 東北、上越新幹線計26駅に現在あるエレベーターについては、ホームに直行する方式から改札口をはさんで乗り換える方式に変える。利用者が自ら改札を通過し、駅員の手助けを求めなくてもすむようにするためという。
 JR東日本の大塚陸毅社長は「これまでエスカレーターの設置を急いできたが、車いすの利用者からは1人で乗り降りできるエレベーターを望む声が強かった。今後はエレベーターを基本設備とする」と話した。
JR西日本は「主要駅から」
 JR西日本は、2年前から管内の約1200駅のうち、乗降客5000人以上の約300駅を対象に少なくとも1基ずつエレベーターかエスカレーターを設ける方向で、取り組みを進めている。現在、エレベーターかエスカレーターが設置されているのは計105駅。ただ、エレベーターなどの設置費用は1億円以上かかるため、近畿圏の主要駅から順次取り組むとしている。
交通バリアフリー法 昨年11月の施行。既存の駅のうち利用客が1日5000人以上で地上からホームまでの高低差が5b以上あるすべての駅で、10年までにエレベーターを完備する目標を掲げている。昨年3月時点のエレベーター設置率は、空港や2階建てのバスターミナルは100%だが、旅客船ターミナルは66.7%、駅は37.5%にとどまっている。(朝日新聞)
■声 運転手さんと出会い楽しみ 農業見習い山田 里織(兵庫県尼崎市 28歳)
 地球に優しくなろうと、排ガスなどのことを考えて、マイカーを控え、バスを利用することにした。
 最近のバスの運転手さんは、それぞれの個性を出してきているように見える。乗る時には「お待たせしました。ありがとうございます」と頭を下げる愛想良しさん。車内放送だけでなく、マイクを取り出し、自らバス停付近の案内をするおしやべりさん。「もっとつめて下さい。そこ、奥に座って下さい、もう一人座れますよ」と案内する仕切り屋さん。
 降りる人や乗る人がいなければ、「次は停車しませんね」とか、「発進します」「停車します。止まってから席を立って下さいね。危ないですからね」と、女性ならではの気づかいさん。若かりしころは”トラック野郎”で、ぶいぶいいわせていたかと思うくらいの急停車、急発進をする年配の方などは、こちらも乗っていて心臓に悪い。
 お年寄りが多いバスの中、色々とほっこりするような人間模様に巡り合う。公共手段を利用するのも、なかなかいいもんだ。今日はどんな運転手さんのバスに乗るのかな、と結構楽しみになっている。(朝日新聞)
■重文・角屋 JR震動で「被害」 壁に亀裂、屋根瓦落下… 府などに保存会 「複線化」対策要望
 国の重要文化財で、花街島原の面影を伝える角屋(京都市下京区)が、すぐ隣を走るJR山陰線の振動と騒音に悩まされている。角屋保存会によると、建物の壁に亀裂が入るなどの被害があったという。JR山陰線の複線化計画が浮上したことで、同保存会はこのほど、「電車の本数が増えれば、文化財建造物への影響が深刻になる」として対策を講ずるよう府やJRに働きかけを始めた。
 高架になっているJR山陰線と角屋は、千本通をはさんで5、6bしか離れていない。角屋保存会によると、1976年に京都−二条間が高架化されてから振動と騒音が激しくなり、屋根の鬼瓦が落ちたという。
 角屋の建物は89年に修復され、それ以降も、柱と壁の間に亀裂が入る▽ひさしのこけらがはがれる−などしている。同保存会は「度重なる振動が原因」とみている。
 保存会が87年に独自調査したところ、特急通過時には、新幹線の環境基準値を上回る87デシベルの騒音、72デシベルの振動を記録した。
 複線化されれば電車の通過本数増も予想されるため、保存会は先月末、振動・騒音対策を講じるよう、JR西日本京都支社や府に要望書を提出した。中川清生角屋保存会理事長は「観光客からも、騒音や振動で風情が台無しになると苦情が出ている。重文建築を守るため、複線化を機に公害対策を考えてほしい一と訴えている。JR西日本京都支社は「複線化の具体的な計画は未定だが、要望をふまえ、できる範囲で対応したい」としている。
 JR山陰線の京都−園部間の全線複線化に向け京都府は本年度予算に調査・設計費として1億円を計上、2005年度の完成を目指している。(京都新聞 夕刊)
■雨で列車7本運休 JR関西線
 6日午前9時20分ごろ、京都府南山城村北大河原のJR関西線月ケ瀬口駅で、1時間当たりの雨量が運行規制値の25_を突破した。このため、JR西日本は大河原駅(同村北大河原)−島ケ原駅(三重県島ケ原村)間の列車運行を見合わせ、午前11時現在で上下合わせて7本が運休した。
 また、加茂駅(京都府加茂町)−大河原駅間と、島ケ原駅−佐那具駅(三重県上野市)間で徐行運転した。(京都新聞 夕刊)
■ブレーキ一時故障 京都市地下鉄
 6日午前8時40分ごろ、京都市下京区の地下鉄四条駅で、竹田行き電車が到着後、非常ブレーキがかかって外れなくなった。8分後に解除し、運行を再開したが、後続の上下24本が8−2分遅れ、約1万7000人に影響した。市交通局は原因究明のため、事故車両や列車制御システムなどを調べている。(京都新聞 夕刊)
7日■駅での暴行防げ! 警察庁 警戒強化を指示
 駅ホームなどでの暴行、傷害事件が多発しているのを受けて警察庁は6日、全国の鉄道警察隊長を集め、東京都内で緊急会議を開き、黒沢正和生活安全局長が「ささいな原因による粗暴な事件が国民の不安を増大させている」として交番警察官や機動隊を投入、全力で事件の未然防止に取り組むように指示した。
 また警察庁は同日、地域課長名で全国の警察本部に対し「鉄道施設における活動の活性化について」と題する通達を出し、鉄道警察隊と警察署が緊密に連携し、駅構内の警戒を強化するように求めた。
 強化策は鉄道警察隊員だけでなく、沿線にある警察署の交番警察官や機動隊、自動車警ら隊を動員。朝夕のラッシュ時や夜の駅構内を重点的パトロールしたり、駅周辺もパトカーで警戒したりするなど「国民に見える活動」を展開する。
 列車内の警察活動はすりや痴漢の摘発のために私服警察官が中心だったが、制服警察官による巡回を増やしたり、乗車時間を長くするほか、鉄道事業者との連携を図る。(京都新聞)
■エムケイ 来年から京で路線バス 法改正に合わせ 観光地と中心部結ぶ
 タクシーのエムケイ(京都市北区)は6日、京都市内で来年から、路線バス事業に乗り出す方針を明らかにした。来年2月の改正道路運送法の施行に合わせ、バス約100台を導入するとともに、現在約60台のジャンボタクシーを500台に増車して組み合わせ、市郊外の観光地と市内中心部を200円以内で結ぶ計画を立てている、という。
 京都でのバス事業は同社が数年前から検討してきたが、新規参入が現行の免許制から許可制になる改正道路運送法が来年2月に施行されるため、具体的な事業計画の策定に入った。
 計画では、東大路通、西大路通、北大路通、四条通など市内中心部で数路線を設定し、順次拡大する。バス停留所から主要観光地などへはジャンボタクシー(乗り合い制)を往復運行させ、バスと接続して利便性を高める。
 政府がとりまとめている同改正法の運用規則などを踏まえ、早ければ年内にも近畿陸運局に参入計画を申請する、という。同社は99年12月にバス事業の認可を申請し、京都市などの反対で取り下げた経緯がある。青木定雄オーナーは「バス、タクシー合わせて200円以内の運賃を設定し、観光客や市民に安い運賃の交通網を提供したい」と話している。(京都新聞)
■男性はねられ死亡 JR東海道線に乱れ 山科、1万3000人影響
 6日午後8時10分ごろ、京都市山科区御陵大谷町のJR東海道線軌道内で、米原行き快速電車の運転士が、線路内に男性が立っているのを発見、急ブレーキをかけたが間に合わずはねた。男性は全身を強く打ち間もなく死亡した。
 事故当時、車内には約600人の乗客がいたがけが人はなく、約20分後に運転再開。2本が運休したほか、当該電車を含む東海道線と湖西線計22本が22−3分遅れ、乗客約1万3000人に影響が出た。山科署の調べでは、男性は50−60歳ぐらいで、カーキ色のジャンパー、灰色のチェックのズボン姿。身元や原因を調べている。(京都新聞)
■泥酔の乗客 運転手を殴る 下京、京都バス内で
 6日午後7時23分ごろ、京都市下京区烏丸通五条上ルに停車中の京都駅行き京都バス=山崎正晴運転手(31)=内で、「運転手が酔った男に殴られている」と同バス高野営業所を通じて110番通報があった。駆けつけた五条署員が傷害の現行犯で男を逮捕した。山崎運転手は首に軽いすり傷を負った。乗客にけがはなかった。
 同署の調べによると、男は京都市左京区高野清水町、無職甲斐有容疑者(58)で、山崎運転手は、甲斐容疑者に因縁をつけられ顔面を殴られるなどしたことから、バスを停車して乗客を避難させるとともに、無線で同営業所に連絡したという。逮捕時、甲斐容疑者は泥酔状態でわけの分からないことを話していたという。(京都新聞)
■881万円が使途不明 京都市交通局の京都交通労組 職員が無断欠勤
 京都市交通局の労働組合「京都交通労働組合」(政勝男委員長)で、退職した元組合員6人分のローン返済金約881万円の使途が不明となり、返済事務を担当していた組合職員(46)が先月末から無断欠勤していることが、7日分かった。
 同労組によると、6人は今年3月未に交通局を退職。近畿労働金庫から融資を受けた住宅ローンなどの残額を、退職金で完済するはずだったが、労金の口座に振り込まれていないことが判明した。
 同労組は当面、労金への返済を肩代わりする方針だが、「帳簿類などを総点検し、職員の無断欠勤との関連についても詳しく調べる」としており、場合によっては告訴も検討するという。(京都新聞 夕刊)
■米国向けの路面電車です 大阪のメーカー製造
 国内で数少なくなった路面電車が、大阪府東大阪市の工場でつくられている。その数30編成(1編成3車体)。バリアフリーの低床型軽量車両で、米国西海岸のサンタクララ近郊を走る予定だ。路面電車は、人と環境にやさしい交通機関として海外で見直され、日本企業が新車を受注する例が増えている。10日は「路面電車の日」。
 製造しているのは同市の近畿車両。車いすやベビーカーのまま乗降できる。(朝日新聞 夕刊)
8日■新幹線の空席 携帯で確認 JR東海
 JR東海は7日、携帯電話で東海道新幹線(東京−新大阪間)の空席状況をチェックできるサービスを13日から開始すると発表した。今秋には座席予約ができるサービスも始める計画という。
 NTTドコモのiモードはhttp://www.jr-cetral.co.jp/、J-フォンのJスカイウェブは「メインメニュー」から選択していく。(京都新聞)
■窓 転落防止さく全国の駅にも 長崎市・加賀 義(高校教員・33)
 新幹線京都駅で、転落防止用のさくを設置する工事が行われている。今年1月に東京のJR新大久保駅で起きた転落事故の教訓を生かしたものである。さくの設置は悲惨な事故を未然に防ぐ効果が期待されている。
 新大久保駅の事故後、東京に行くことがあった際に、山手線の駅で「あっと思ったら非常停止ボタン」というポスターを見たが、物足りなさを感じた。ホームには足腰の弱いお年寄りや子ども、障害のある人らもいるのに、非常停止ボタンだけで間に合うのかなと疑問だったのである。落ちてからの対策ではなく、そもそも落ちなくてすむような対策がとれないのかと思った。
 京都駅に設置された転落防止さくはステンレス製の固定さくである。これでも人命を守る効果は十分にあるだろう。ハイテクでもないし、駅の建設費用に比べれば膨大な予算を使うこともないだろう。安全性向上への意欲さえあれば実行できると思う。
 新幹線京都駅にならって、今後、全国のJRや私鉄のホームにも、転落防止さくが設置されることを望みたい。(京都新聞)
■携帯で新幹線空席・遅れ情報 JR東海、13日から開始
 東海道新幹線の空席状況や列車の遅れの情報を、携帯電話で知ることができるようになる。JR東海が、秋から予定している携帯電話からの新幹線の座席予約システムの運用に先駆けて、13日からサービスを開始する。
 携帯電話で、JR東海の専用メニューに接続し、乗車日や発着駅、乗車時刻などを入力すると、普通指定席とグリーン席の空席情報が表示される。30分以上の遅れが出た場合は、その区間や原因なども伝える。運用時間は午前6時から深夜の0時まで。
 J-フォンでは専用メニューが設けられ、「東海メニュー」を開いて、接続できる。NTTドコモだとアドレス「http://i.jr-central.co.jp」を入力する。(朝日新聞)
9日■降りて歩いて 22 阪急大山崎駅(乙訓郡大山崎町大山崎) 西に利休むの茶室「待庵」も
 大山崎町の南端と大阪府島本町との境にある。高架下の駐輪場利用者は島本町民が3割を占める。平日の朝夕は通勤通学者でにぎわい、土日祝日はリュックを背負った団体の登山者や画板を提げた人の姿が目立つ。駅前からアサヒビール大山崎山荘美術館行きのバスが30分おきに運行する。
 1963年、阪急京都線の高架工事が完了し、今日の形ができた。それ以前は阪急電鉄の前身である新京阪電鉄が整備した路線が使われていた。新京阪は、並走する旧国鉄との競争に勝つため、高速で大量輸送できる最新設備を整え、28年から運行を始めた。
 「踏切が西国街道上にあり、近代的な列車が民家の間をぬって走って今思えば恐ろしかった。よくいたずらして楽しかった」。近くの離宮八幡宮・津田定明宮司(53)はこう振り返る。周辺は高架化で大きく変ぼうした。「工事区域内の旧家がたくさん町外に立ち退いた」と思い起こす。
 西方には、八幡宮のほか、千利休が建てたという茶室「待億」が残る妙喜庵がある。水運や油の専売で栄え、豊かな歴史文化をはぐくんだ町の歴史がしのばれる。
 現在、周辺に店舗は少なく閑散としている。町商工会の五島正則会長(66)は山荘美術館との相乗効果を狙い「活性化には若者が足を止めるような魅力的な店がもっと必要」と力説する。
 町内では天王山の清掃や観光案内などのボランティア活動も盛んで、ぬくもりのあるまちづくりが進む。今秋には京都博物館に寄託されていた国の重文「閻魔王像」以下5体の木像が宝積寺に里帰りし、見所がまたひとつ増える。(京都新聞)
10日■窓 リニアに乗る夢の世界間近 伏見区・桑田英伸(公務員・23)
 小学生だったころ「大人になったら何になりたい?」という周囲の問いに、必ず「リニアモーターカーの運転手!」と答えていた。図鑑に載っていた「未来の都市図」を何度も開いては、リニアモーターカーや「空飛ぶ車」が駆け回る希望の街を想像していた。大人になったら必ず「未来の街」が実際にやってくると信じていた。しかし子どもの夢はいつしか現実の生活に埋没していく。私は空想の世界に遊ぶことをいつの間にかやめていた。
 先日、ある雑誌で「リニアモーターカーはもうすでに実用段階にある」ことを知った。その記事を読んだとたん、子どものころのあの夢が心の中に戻ってきた。夢のまた夢だったあの図鑑の1ページが、今この日本で実現できる。「未来の街」が少しずつ近づいていることを知って、とてもうれしくなった。
 今の私にはもう「リニアモーターカーの運転手」への興味はなくなったが、ぜひ乗ってみたいと思っている。この小さな夢はきっと、すぐに実現するにちがいない。(京都新聞)
■踏切内で男児はねられ死亡 豊中
 9日午後7時35分ごろ、大阪府豊中市庄内東町1丁目の阪急宝塚線の島田踏切(警報機、遮断機つき)で、梅田発宝塚行きの急行(8両編成)に同市庄内西町3丁目、会社員石田昭治さん(44)の長男の広太郎君(5)がはねられ、間もなく死亡した。急行は現場に8分間停車。乗客にけがはなかったが、後続の2本が6〜10分遅れ、約3200人に影響が出た。
 豊中南署の調べによると、広太郎君は事故当時、1人でおり、降下した遮断機をくぐって線路内に入り込んだという。
 現場は阪急庄内駅から約100b北。(朝日新聞)
11日■踏切で女性がはねられ死亡 高槻、1人大けが
 11日午前8時半ごろ、大阪府高槻市梅原3丁目の阪急電鉄京都線堀原上3番踏切(警報機、遮断機付き)で、女性2人が梅田発河原町行き上り普通電車(8両編成)にはねられた。1人は全身を強く打って死亡、もう1人は右手骨折の大けが。乗客約600人にけがはなかった。この事故で、同電車を含む上下11本が3〜13分遅れ、約9000人に影響した。死亡した女性は80歳ぐらい、けがをした女性は50歳ぐらい。(朝日新聞 夕刊)
12日■Jスルーカード JRと近鉄で共通 10月14日から導入
 JR西日本と近鉄は11日、両社の自動改札機で使用できる新しいプリペイドカード「Jスルーカード」を今年10月14日から導入する、と発表した。
 JRはアーバンネットワーク(近畿圏)に含まれるほぼ全駅の210駅、近鉄は青山駅(三重県青山町)以西にある京都線など主要幹線の152駅で利用が可能になる。カード対応精算機や自動券売機でも使用できる。
 発売されるのは、大人用の1000円券、3000円券、5000円券の3種類。従来のJ スルーカードは10月1日以降に新カードに交換できる。
 共通化に伴う自動改札機のシステム変更などの経費は、近鉄が10億円、JR西日本は3億円。
 Jスルーカードは、関西の私鉄や地下鉄などで利用できるカード「スルッとKANSAI」と不正防止システムが異なり、相互利用はできない。JR西日本は2003年度中にIC(集積回路)内蔵型カードを導入し、「スルッとKANSAI」加盟各社との共通利用も目指している。(京都新聞)
■電車でスプレー噴射 24人病院へ若い男が逃走 神戸・JR舞子駅
 11日午後4時50分ごろ、神戸市垂水区のJR山陽線舞子駅で、野洲発姫路行き快速電車が発車直前、若い男が車内の乗客にスプレーを噴射した。男はそのままホームへ逃走。乗客らは目やのどの痛みを訴え、走行中の車内から携帯電話で110番した。
 JR西日本によると、次の明石駅など4駅で降りた計37人が異常を訴え、明石駅から24人が病院へ搬送された。いずれも症状は軽いというが、スプレーが顔にかかった明石市の男性会社員(32)が経過観察のため入院した。
 垂水署の調べでは、男は20歳前後で身長170−175aぐらい。茶髪で、白いTシャツに緑のズボン姿だったという。同署は傷害事件とみて、男の行方を追っている。
 舞子駅から約3`離れた住宅街で5月24日、高校3年の女子生徒(17)が若い男にスプレーをかけられ、軽いやけどをする事件があり、同署は関連を調べている。
 スプレーが噴射された瞬間、悲鳴が上がり、隣の車両などに一斉に走りだした乗客で、車内はパニック状態に。顔にスプレーがかかった男性は「あいつや、あいつや」と窓の外を指さして叫んだが「目が見えんようになってきた」としゃがみ込んだ、という。(京都新聞)
■窓 快適なJRへ態度で示そう 南区・藤原君代(主婦・63)
 先日、テレビでJRの車内マナーの悪さについて放映していた。その中で男子高校生は「JRのマナーを守らない会」がつくられていると言い、一瞬、私は自分の耳を疑った。喫煙、食べた後の始末の悪さ、空き缶のポイ捨てなどはひどく、掃除をしている女性が注意すると「このばばあ」と汚い言葉を浴びせかける。周りの人たちは怖くて注意もできず、無関心を装っている。私も、理不尽な場面に出合っても注意のできない消極的なおばさんになってしまっている。
 私は、84歳になる実母の介護のため、JR山陰線を利用して1年半になる。そのような光景には出合っていないが、時々、男子生徒が二人でトイレの中に消えていくのを見る。とてもいやな想像だが、喫煙以外に思い当たることはない。
 今年のはじめ、たまたまティッシュの持ち合わせのなかった父娘に差し上げたら、大変感謝され「ありがとう」という言葉を何回もいただいた。注意ができない私でも、親切は堂々とできる。快適な車中であるよう態度で示していこうと心に決めている。(京都新聞)
■ガス噴射 24人病院へ JR舞子駅 男、快速車内に 催涙スプレーか
 11日午後4時50分ごろ、神戸市垂水区のJR舞子駅でホームにいた若い男が野洲発姫路行き快速電車(12両、乗客約600人)5両目のドアから車内に向け、催涙スプレーのようなものを噴射した。乗客が目などに痛みを訴えて次の停車駅の明石駅で下車、24人が救急車で近くの病院に運ばれ、兵庫県明石市の会社員の男性(32)が入院した。いずれも比較的軽症とみられる。県警は傷害事件として調べている。
 調べでは、男は快速電車から下車後、発車寸前で閉まりかけたドアから車内に向けてスプレーを噴射したらしい。男は20歳くらいで身長170〜175a。茶色の長髪で、白いシャツに緑のズボン姿だった。
 舞子駅から約2`西の路上で5月24日昼、高校3年の女子生徒が若い男にいきなりスプレーのようなものをかけられた。今回の男と似ており、県警が関連を調べている。
 JR明石駅の駅員らによると、電車が駅に着くと、乗客は先を争うように降り、「のどが痛い」「胸が痛い」と口々に訴えた。ハンカチで口を押さえる人や、目が真っ赤な男性もいた。異臭は売店まで漂ってきたという。
 神戸駅から乗っていた明石市大久保町、アルバイト田中聖子さん(20)は「花火のあとのようなにおいがした。最初は何があったのかわからなかった」。同県加古川市の女子大生(18)は「車内で座っていたら、目やのどが痛くなった。あとはよく覚えていない」と話した。(朝日新聞)
13日■走行中の近鉄 ガラス割れる 南大阪線、投石か
 12日午前9時15分ごろ、奈良県当麻町の近鉄南大阪線当麻寺駅近くを走行中のあべの橋発吉野行きの急行電車(7両編成、乗客約100人)の最後尾の車両で、「扉のガラスが割れた」と乗客が車掌に通報した。車掌が調べたところ、ガラスには直径約3aの穴が開いていた。電車は尺土駅で停車し、粘着テープで穴をふさいで再発進した。乗客にけがはなかった。高田署は投石の疑いがあるとみて、器物損壊の疑いで調べている。(朝日新聞)
■エリトリア 「サンダル革命」から10年 続く国境紛争 経済復興に影(抜粋)
・高山鉄道再開も 車窓は絶景「観光に活用」
 エリトリアは、経済復興の目玉として紅海の貿易港マサワと標高2400bの首都アスマラを結ぶ高山鉄道の再開を目指している。独立闘争の混乱などで70年代半ばに運転を中断した鉄道を物流だけでなく、観光にも活用しようという計画だ。
 アスマラの機関区では、植民地支配時代にイタリアから持ち込まれた20〜30年型の蒸気機関車(SL)の現役復帰作業が進んでいた。山岳用など計11両。古参の職員らが足りない部品を手作りしながら取り組み、すでに5両が現役に戻った。
 マサワーアスマラ間約120`のうち、マサワから約80`は開通し、貸し切り列車の運行を始めた。残る約40`は年内の復旧を目指している。30`で1000bも高低差がある難所だが、車窓から絶景が望める。
 全通時には、観光用のSL以外に最新のディーゼル機関車を導入し、全線を約4時間で結ぶ予定だ。南アフリカやドイツ、イタリアなどが技術協力を申し出ている。
 計画の責任者ギョルギス・タクエミカエルさんは「路線沿いに貯蔵施設を造って港湾機能を高めるほか、軌道の幅が同じスーダンの鉄道とも接続したい」と話す。(朝日新聞)
14日■地下鉄西伸 「天神川駅」考えよう 周辺まちづくり検討会 ニュースを創刊
 京都市の地下鉄東西線の西伸計画に合わせ、右京区の天神川駅(仮称)周辺整備について協議している「太秦地下鉄周辺まちづくり検討会」は13日、会の取り組みを紹介し、事業に関する質問にも答える「まちづくりニュース」を創刊した。
 検討会は、地元住民や企業、地権者らで今年1月に発足した。京福電鉄嵐山線と連絡してターミナル駅となる天神川駅周辺のまちづくりに、住民の意見を反映させようと会合を重ねている。
 これまでに、京福・嵐山線に新駅を設ける案をまとめたほか、12日夜の検討会では、拡幅延伸される御池通の南側に、バス乗り場などの駅前広場を設ける案もつくった。
 ニュースは、まちづくりへの関心を広めるために発行した。創刊号(A3判)では、検討会の設立の経過、京福の新駅の位置などを紹介している。「Q&Aコーナー」では事業に対する基本的な質問に答えている。
 2000部発行し、整備の対象地区となっている右京区太秦下刑部町などの住民に配るほか、太秦学区内で回覧する。今後は検討会の開催ごとに発行する予定。(京都新聞)
■SLの雄姿を複元
 傷みが目立っていた大分県宇佐市の有形民俗文化財、小型SL、クラウス号が地元有志の募金活動で修復され、宇佐神宮境内で展示されている。
 明治時代にドイツで製造、戦後間もなく旧国鉄から大分交通へ譲渡され、宇佐参宮線で1965年の路線廃止まで稼働した。鉄板の交換や塗装で雄姿が戻った。将来は再び走らせたいという。(京都新聞)
■窓 席譲った若者 胸にジーンと 城陽市・山口沙代子(無職・72)
 昨年、体の調子が悪かったときのこと。いい医師を紹介するからと勧められ、力を振り絞って遠い病院へ出向いた。電車は朝のラッシュを過ぎていたが、ヨタヨタ歩きの私にはもう空席はなかった。その時、前に座っていた大学生らしい若者が立ち上がって「どうぞ」と席を譲ってくれた。そして私に気遣ってか、少し離れたところに移動して立ってくれた。
 帰りは夕方になり、電車は満員状態。せめてつり革だけでもと手を伸ばした途端、痛みが走り悲鳴をあげてしまった。するとまた若者が「よかったら、どうぞ」と快く席を空けてくれた。2人ともとてもさわやかな表情だったので、うれしく厚意を受けた。
 満員電車の中で、長い足を思いっきり広げ、足の間には大きなバッグを置き、腕を組んで寝ている学生をよく見かける。「今どきの若い者は」と一口に言うけれど、中にはこんな優しい若者たちもいるのだな、と胸にジーンときた。私にも大学生の孫がいるが、この人たちのような思いやりのある青年になってくれることを願いつつ、2人の優しさで病の身をいやされた幸せな日だった。(京都新聞)
■大雨で一部運休 JR関西線
 活発な梅雨前線の影響で、14日午前10時ごろ、京都府南山城村のJR関西線月ケ瀬口駅で雨量が規制値(1時間20_)を超え、JR西日本は同線の加茂(同府加茂町)−島ケ原(三重県島ケ原町)間で運転を取りやめ、島ケ原−亀山(同県亀山市)間で徐行運転を行った。
 同日午後零時5分現在で、上下5本が部分運休、最大40分の遅れが出るなど、乗客約240人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
15日■地方バス 国の補助打ち切り路線 府独自で財政支援へ
 京都府の6月議会は14日、代表質問を行った。荒巻禎一知事は、道路運送法改正に伴う地方バスヘの補助制度見直しで補助が打ち切られる路線について、財政支援する方針を明らかにした。現行の補助路線のうち、7−8割の路線で補助打ち切りが見込まれており、路線再編を実施するまでの間、府独自に支援、補助基準や額について、早急に詰める方針だ。
 現行の補助制度では、赤字路線を持つバス事業者が赤字を計上した場合、国と府が赤字分を補助している。昨年度実績で、府北中部で運行している2事業者の119路線に対し、国、府それぞれ1億1500万円を補助した。
 しかし、法改正で補助制度が見直され、事業者の経営内容に関係なく赤字路線に補助金が出される一方、補助の対象が▽複数市町村にまたがる広域・幹線路線▽最低1日3往復以上の路線−などに変更された。この結果、単一市町村内の路線などには補助金が出なくなる。
 補助が打ち切られる路線は、9月末のバス事業決算で判明するが、府が補助要綱を踏まえ試算したところ、現行の補助路線のうち、単一市町村内42路線を含め90前後の路線で補助が打ち切られ、「大きな影響が出る見通し」(府交通対策課)としている。
 新たな補助制度の適用を受けるためには、複数市町村にまたがる路線への再編が必要となる。4月に府や市町村、バス事業者らで協議会を発足させ、検討を始めているが、再編には時間がかかるという。
 この日の答弁で、荒巻知事は「激変緩和を図るため、府として暫定的な支援措置を講じる」と述べ、補助が打ち切られる路線に財政支援する考えを示した。(京都新聞)
■JRバスヘの補助も可能に 国交省などが新制度
 国土交通省と総務省は14日、JR各社の子会社などが経営するJRバスが運行する赤字バス路線に対し、地域の生活交通を確保するため国と都道府県などが補助できる新制度を適用することを決めた。都道府県の準備が整い次第始める予定。
 JR東日本など3社の完全民営化を定めるJR会社法改正案の今国会での成立後、「JRには補助金を出さない」とする旧自治省の通達を見直し、ほかの乗り合いバス事業者と同様に補助の対象にする。
 国土交通省は「赤字が確実なのに補助が出ないので、路線から撤退したいとするJRバスの声もあった。これでJRバスが中心の地域でも生活交通を守ることができる」としている。
 補助対象は@複数の市町村にまたがり長さ10`以上の広域的路線A県庁所在地や広域行政圏の中心部市にアクセスする幹線的路線−のうち、各都道府県が設置している地域協議会が作成した計画に盛り込まれ、赤字が出ると予想される路線。
 乗り合いバス事業は2002年2月から、需給調整をせず、撤退は届け出制となる。このため、老人ら交通弱者に不可欠な赤字のバス路線をどう維持するかが課題となっている。(京都新聞)
■ケーブルカー 梅雨空”飛行” 八幡・男山 車両入れ替え
 ケーブルカーが空を飛んだ−。老朽化のため全面更新工事をしている八幡市男山の京阪電鉄男山ケーブルで14日、古いケーブルカーを巨大レッカーでつり降ろして、新車両と入れ替える作業が行われた。
 電車が引っかかった場合に備え、近くの電線は送電をストップ。車両を運搬しやすくするため、京阪八幡市駅舎のひさしも一部除去。鉄道愛好家や近くの住民約50人が46年間働いてきた車両の最後を見守った。
 雨の中、「ごくろうさま」と描かれた約15dの旧車両がつられると、見学者は「お、浮いた」。約30b上空まで揚げてから電線や建物を避けて慎重に降ろし次に新車両をケーブルにつり揚げた。(京都新聞)
■窓 何気ない親切 大きな喜びに 宇治市・柳原 清春(無職・67)
 先日、用事があり近鉄竹田駅から京都行きの電車に乗りました。少し込んでいたので中の方に進み、つり革を持ち片手に荷物を下げて立っていました。すると、前に座っておられた若い女性に「おかけください」と笑顔で席をゆずっていただき、本当に助かりました。そして、この心優しい行為に接し、大変うれしく思いました。このような親切を時々見かけますが、本当にすがすがしく気分のいいものです。
 私も通勤していた若いころ、お年寄りや、幼児を連れた婦人らに幾度か席をゆずったことがあります。老人や子ども連れの方が乗ってこられ目につくと、のんびり座っている気にはなれないのです。中には横着な人もおり、座席を広く占領したり、出入り口にかばんなどを置いて乗降客に迷惑をかける人もいますが、公共の乗り物はお互いにゆずりあって利用したいものです。何気ない小さな親切が相手には大きな喜びになることを、あらためて感じました。(京都新聞)
■踏切の検知装置作動 ダイヤまた乱れる JR奈良線
 15日午前8時20分ごろ、京都市伏見区桃山町鍋島のJR奈良線大手道踏切の障害物検知装置が作動、京都発奈良行き普通電車が同踏切手前で停車した。踏切内に異常はなく、運転を再開したが、上下各2本の4本が運休、計5本が最大8分遅れ、約3000人に影響した。
 JR奈良線では、今年4月12日にも、雨で利用客が乗車に手間取り、上り普通電車1本が遅れたのをきっかけに3本が運休、45本が遅れた。奈良線は一部区間を除き単線で、すれ違いが必要なため、1本が遅れるとダイヤが大きく乱れるケースが目立っている。(京都新聞 夕刊)
■「JR会社法」本州3社除外 改正法が成立
 JR7社のトップ人事や事業計画、資金調達に対して国の認可を義務づけているJR会社法の対象から、JR東日本、西日本、東海の本州3社をはずす同法改正案が15日、参院本会議で可決、成立した。今年12月初旬にも施行される。これを受けて国土交通省は、来年2月から順次、3社の政府保有株すべてを市場に売却し、完全民営化を実現させる予定だ。
 改正法に沿って同省は今後、地方路線の維持や、経宮にあたって駅周辺の地元小売業者などへの配慮などを求める「指針」を作成する。JRは他の私鉄に比べれば公共性は高いとの観点から当面、指針に基づいた3社への指導の余地を残す。(朝日新聞 夕刊)
16日■工事進ちょく率は20% 京都市地下鉄東西線延伸 市議ら現地を視察
 京都市が2004年秋の開通を目指す地下鉄東西線の醍醐−六地蔵間の延伸工事は、計画全体の約20%まで進んでいる。京都市議会の交通水道委員会のメンバーらが15日、現地を視察し、工事の進ちょく状況を確認した。
 延伸区間は、伏見区の東西線醍醐駅から宇治市のJR六地蔵駅付近までの2.4`を結ぶ。石田、六地蔵駅の2駅を設け、京阪電鉄宇治線、JR奈良線と連絡して、新たな交通ネットワークを形成する。工事は4工区に分けて進めており、工区ごとに12%から32%の進ちょく率で、「ほぼ予定通り」(市交通局)という。約3200平方bの用地買収は完了し、各工区で駅施設の整備やトンネルを掘るための準備作業を行っている。
 この日、委員らは、地下鉄六地蔵駅の建設予定地周辺を訪れた。トンネル掘削の大型機械が発進する地下の大空間などを見学し、現場担当者から工事の現況について説明を受けた。(京都新聞)
■小浜線電化工事で8月20日から運休 敦賀−十村駅間
 JR西日本は15日、小浜線の敦賀駅(福井県敦賀市)−十村駅(同県三方町)までの29.3`を8月20日から31日まで、電線架設工事のため運転を休止すると発表した。
 小浜線は、2003年春の全線電化を目指し、工事を進めている。乗客はバスで代行輸送する。小浜線は敦賀駅から東舞鶴駅(舞鶴市)までの84.3`。1日平均の利用客は約5000人という。(京都新聞)
■降りて歩いて 23 京都交通・穴太口(亀岡市曽我部町) 緑の山々迫る巡礼の道
 学生たちに交じり、JR亀岡駅からバスに揺られて、約10分。ぽつぽつ茂るあぜ木の向こうに緑の山々が迫り来る。国道沿いのバス停「穴太口」に降り立つと、西国21番札所の天台宗菩提山・穴太寺への参道が始まる。
 道しるべに誘われて歩き出すと、いつしか車の往来する音が、鳥のさえずりに変わる。水を張った田んぼをのぞくと、「豊作の使者」カブトエビが泳ぎ回っている。
 参道沿いに住む大西美代子さん(74)に出会った。「ごく最近まで、地蔵盆の日には穴太寺の境内に集まって丹波音頭を踊った。楽しみでした」と、懐かしそうに。
 センダンの大木がつくる木陰の向こうに、穴太寺の仁王門が見えてきた。寄進などで今春改修を終えたばかり。瓦を裏返せば、日本各地の人々の願いがしたためられているという。
 巡礼者や観光客が本堂に向かい、手を合わせる。本堂奥では目を閉じた仏涅槃像が夏ぶとんをきて、横たわっている。病気の体の部位に触れると回復するといわれ、女性たちが「きれいなお顔やね」「お願いいたします」と黒光りした頭や肩、足をなでさすっていた。
 府の名勝の庭園のスイレンを愛でる人も。ツバメも巣をつくり、子育てに励む。静かな寺院とその周りにある、たくさんの命の息づかい。「毎日300人ほど参られるでしょうか。交通の便が悪かった昭和初めまでは巡礼者の宿もあったようです」と穴太寺は話す。
 寺を出て北へ。犬飼川を渡り、円山応挙ゆかりの金剛寺や亀岡運動公園へ。もうしばらく、そぞろ歩きの旅をどうぞ。(京都新聞)
■窓 温かい配慮のバスに娘感謝 朽木村・上田八重子(主婦・42)
 高較生の娘が部活動での試合の帰りに江若バスに乗ったときのことです。大型バスに娘1人しか乗っておらず、疲れきっていた娘は前の席でこくりこくりと居眠りを始めました。すると運転手さんは「どこで降りるか言うてくれたら、着いたらおこしたるさかい、ゆっくり寝ててもええで」と言ってくださり、結局、娘はその言葉に甘えて約30分間、心地よい眠りにつきました。降りるバス停に着くと約束通り「着いたで」と起こしてくださり、娘は「ありがとうございました」と言ってバスを降りたそうです。
 田舎ならではの話かもしれませんが、それを聞いて何とも温かい気持ちにさせられました。人のことを思って心から発せられる言葉は、受け取る人はもちろんのこと、それを聞く周りの者にも感動を与えます。そのときの江若バスの運転手さんと、帰宅するなりその話を聞かせてくれた娘に感謝したいと思います。(京都新聞)
■競争促進へNTT・JR改正法成立(抜粋)
・JR 行政介入「指針」具体化図る
 JR東日本、西日本、東海の完全民営化に向け、3社をJR会社法の対象外とする改正法が15日、参院本会議で成立した。国土交通省は、3社の経営に行政の介入余地を残す「指針」の詳細や、3社の政府保有株の市場への完全売却について、具体的検討に入る。3社は、経営の自由度が増す一方で、サービス向上など公共交通機関としての自覚が今まで以上に求められることになる。
 JR会社法はJR7社の代表取締役の人事や、事業計画、資金調達などに対し国の認可制を定めている。改正法の施行後3社は、より容易に事業多角化を進めたり、迅速な意思決定をしたりすることが出来る。
 改正法は半面、地方路線の維持や、他の小売業者への配慮などを3社に求める指針を国が設けることも定めている。同省は、JR貨物がJR旅客会社に払う線路使用料を、低く抑えている現行制度の存続も指針に盛り込む。ただ、施行後に国は、指針を盾にした3社への過度の介入は避ける姿勢が求められる。
 同省はJR東海が完全民営化の条件としていた債務返済への政府の支援策も、今夏までに税制の優遇措置を詰める。(朝日新聞)
■JR連合定期大会で 新会長に明石氏選ぶ
 静岡県熱海市で開かれていたJR連合(7万5000人)の定期大会は15日、今年度運動方針などを決めて閉会した。会長に明石洋一・前事務局長(JR東海ユニオン)、事務局長に角田修作・前岡山地本委員長(JR西労組)を選んだ。(朝日新聞)
17日■はねられて男性が死亡 22本運休 JR関西線
 16日午後1時50分ごろ、大阪市浪速区湊町1丁目のJR関西線難波駅の南約180bで、男性が線路上にうずくまっているのを難波発王寺行き普通電車(6両編成)の運転士が見つけた。非常ブレーキをかけたが間に合わず、男性は、はねられ死亡した。上下22本が運休、14本に最大23分の遅れが出て、乗客約7500人に影響した。(朝日新聞)
■鉄骨一部外れ電車接触事故 JR学研都市線ホーム
 16日午後5時45分ごろ、大阪府東大阪市のJR学研都市線・鴻池新田駅で、ホーム下部に取り付けたL字形鉄骨(長さ10b、180`)の一部が外れて線路側に垂れ下がり、駅に入ってきた普通電車(7両編成)と接触した。乗客約500人にけがはなかったが、電車は運転席下部の機器カバーなどが破損した。この事故で計4本が最大12分遅れ、約4300人に影響が出た。
 JR西日本によると、同日未明に実施したホーム上部のタイルの切断工事の振動で、L字形鉄骨の溶接がはずれたらしい。(朝日新聞)
■三セク鉄道33社 「安定経営」は14社だけ
 地方自治体が出資する第三セクターの鉄道やモノレール、新交通システムの運営会社のうち、半数近くが債務超過になる懸念があるという分析結果を、民間の信用調査会社の帝国データバンクが発表した。
 01年3月期決算の内容が判明している会社など全国33社を調べた。このうち5社はすでに債務超過の状態だった。さらに14社は損失が続いているなどで今後、債務超過に陥る懸念があると指摘。計19社を経営不振と判定した。安定経営と判定されたのは14社だった。
 また、最近3年間連続して当期赤字となった会社は4割超にあたる15社、3年のうち2年が赤字の会社が8社だった。3年連続里学は7社にとどまり、3社が3年中2年の黒字だった。(朝日新聞)
18日■介助犬と旅行 新幹線でも 2人が乗車試験
 介助犬「武蔵(むさし)」とともに中学校へ通う訓練をしている大阪府茨木市の中学1年稲積久美子さん(12)と、介助犬「洛翠(らくすい)」と大阪府内の高校への通学を目指す京都府城陽市の高校1年江田柘紀君(16)が17日、JR東海の新幹線乗車許可を得るため、試験を受けた。
 広島県で19日から開かれる介助犬チャリティーに参加するため、急きょ受験することになった。
 この日、稲積さんと江田君は別々に受験。JR京都駅から新大阪駅までの新幹線の車内で、試験官役の職員が手をたたいたり、駅弁を与えて試したが反応せず、おとなしく稲積さんらにしっかり付き添った。
 試験を終えた稲積さんは「武蔵が一緒で心強かった。たぶん大丈夫」と話し、にっこり。江田君も「今度は飛行機に挑戦して、ホノルルマラソンに参加したい」と笑顔で声を弾ませた。(京都新聞)
■男児に市バス接触 左京で横断中、軽傷
 18日午前8時10分ごろ、京都市左京区北白川山ノ元町の府通交差点で、横断中の近くの北白川小1年の男児(7つ)に、北白川仕伏町行き市バス=井村康博運転手(53)がぶつかった。
 男児は腹を打つなどの軽傷。バスの乗客にけがはなかった。
 下鴨署によると、現場は信号のない横断歩道で、バスが急ブレーキをかけたが間に合わなかったという。(京都新聞 夕刊)
■山陽新幹線でコンクリ落下 神戸、架道橋から
 17日午後10時ごろ、神戸市西区大津和三丁目のJR山陽新幹線の高架橋下で、コンクリート片6個(計約12.7`)が下を通っている第二神明道路上り車線の路肩付近に落下しているのを巡回中の日本道路公団職員が発見した。通行車両などへの影響はなかった。
 JR西日本神戸支社によると、コンクリート片が落ちたのは新神戸−西明石間の今寺架道橋で、最も大きな破片は縦10a、横32aで3.2`。同社では、さらに落下しそうな薄片を落とすなどの応急策をとった。(京都新聞 夕刊)
■新幹線架道橋 コンクリ落下 第2神明道路
 神戸市西区大津和3丁目の第2神明道路上り線で17日午後10時ごろ、日本道路公団の巡回車がJR山陽新幹線の今寺架道橋と交差する付近の路肩周辺にコンクリート片6個が落ちているのを見つけ、西明石駅に連絡した。
 JR西日本神戸支社によると、コンクリート片は6個で、計12.7`。最大で縦10a、横32a、厚さ11a、約3.2`あった。架道橋を支える橋台の一部が高さ約6.9bのところではがれ落ち、路肩に滑り落ちたらしい。(朝日新聞 夕刊)
19日■地下鉄サリン事件 「心の傷」なお深刻 被害調査 4割フラッシュバック
 1995年3月のオウム真理教による地下鉄サリン事件の被害者は、サリン中毒による身体的な影響は改善しているが、異常な体験の後に起きる心的外傷後ストレス障害(PTSD)とみられる精神的な後遺症に悩む者が増えていることが18日、警察庁の被害実態調査で分かった。
 今回の調査は、98年5月の1回目に続く2回目で、昨年3月に実施。事件から5年近く経過しても、事件の光景が突然よみがえるPTSDの典型的な症状である「フラッシュバック」を回答者の約4割が経験していた。
 大阪府池田市の校内児童殺傷事件でも児童らにPTSD症状が出ることが懸念されているが、今回の調査は、長期間いやされることのない「心の傷」の深さをあらためて見せつけた。
 今回の調査は、前回の回答者の約65%に当たる837人(男性509人、女性328人)から調査票を回収。前回調査から2年を経た体と心の影響の変化を調べた。
 心理面の影響調査では、「地下鉄に乗るのが怖い」などPTSDとみられる9つの症状を経験したことがある被害者数の増減について前回と比較した。
 この結果「事件の光景が突然よみがえる」が412人から364人に減ったものの、回答者の43.4%を占めており、意識レベルに深刻な影響を与えていたことが裏付けられた。
 さらに「また同じ被害にあうのではと心配だ」が296人から388人に、「事件を思い出させるものにふれるとつらい」が215人から321人に増えるなど、9つのうち6つの症状で経験者が増加した。
 身体的被害では、体調がこの2年間でどのように変化したかについて回答を求めたところ、「よくなっている」が38.4%と最多を占めた。「変わらない」は23.8%、「悪くなっている」は9.6%で、事件の身体面への影響は回復傾向が見られた。
 警察庁は調査結果について「心の傷は後々まで残る上に、しばらくたってから初めて症状が出ることもあり、PTSD対策では、早い段階での精神的サポートが必要だ」と話している。
 PTSD 心的外傷後ストレス障害といわれ、大きな事件や災害で生命の危険にさらされたり、心に深い傷を負った人に生じる精神的後遺症。悪夢や外傷体験の一場面が突然よみがえる「フラッシュバック」に苦しめられたり、不眠や疲労感に悩まされる。未来に希望が持てなくなるなどの症状に襲われることもある。日本では阪神大震災や地下鉄サリン事件で注目されるようになり「心のケア」が被害者対策の大きな課題になっている。(京都新聞)
■サリン事件 被害者20%にPTSD 電車に乗るのが怖い/事件報道を避ける
 95年3月に起きた地下鉄サリン事件の被害者の約20%が「電車に乗るのが怖い」と心的外傷後ストレス障害(PTSD)とみられる症状を訴えていることが18日、警察庁が公表した被害者調査で分かった。約10%は体調の悪化も訴える。オウム真理教前代表・松本智津夫被告(46)の公判は22日で200回を迎えるが、結審のめどは立たない。
 警察庁の調査は事件から5年後の00年3月、1477人を対象にし、837人から回答があった。事件3年後の98年にも同様の調査をしていて、2調査間の心身の変化についても検証した。
 調査結果によると、多くの人に心理的な影響が続く。20%が調査時でも「電車に乗るのが怖い」と明かす。10%は「事件に関連した報道に触れない」と答えた。事件後に「突然、事件の光景がよみがえる」の経験者も43%に上った。
 体調については、3分の1が前回調査から「改善」と答えたが、逆に9.6%は「悪化」を訴えている。入院を経験した人も2.7%いた。
 ほとんどの被害者に障害が現れた目は、症状が「悪化」か「継続」と答えた人の割合が前回調査より増えた。「肩こり」や「疲れ」「急に心臓がどきどきする」などと訴える人も少なくない。
 同庁は「被害の長期化が改めて明らかになった」と分析。精神的な被害の長期化を防ぐため、早い段階での支援に取り組む考えを示した。(朝日新聞)
■暴力追放スクラム JR東日本・関東の私鉄 携帯対策・女性車両拡大など検討
 駅のホームや電車内で暴力事件や迷惑行為が相次いでいることから、JR東日本や東京都交通局、関東の大手私鉄の計11事業者は、共同で暴力対策に取り組むことを決めた。トラブルになりやすい携帯電話の使用基準の統一を図るほか、女性専用車両の効果などを検討する。防犯などのソフト面で、JRや私鉄、地下鉄が会社の枠組みを超えて協力するのは初めてという。
 首都圏の鉄道は相互直通運転が多く、ひとつの駅にJRや私鉄が乗り入れていることが、きっかけにぼった。
まず、暴力追放をテーマに共通ポスターを作り、月末からキャンペーンを始める。
 7月以降は、車内の携帯電話について統一の基準つくりに取り組む。
 京王やJR東日本が取り組んでいる女性専用車両についても、痴漢防止の効果や乗客の反応を報告し、各社への拡大を探る。ホームの照明を明るくしたり、警察への非常通報装置を設けたりするなど、これまで各社が個別に取り組んできた防犯対策についても、ノウハウを公開しあうという。(朝日新聞)
■市バスに小1はねられけが 左京区の府道交差点
 18日午前8時10分ごろ、左京区北白川山ノ元町の府道交差点で、近くの会社員吉本直樹さん(39)の次男で北白川小1年の彩人君(7) が、松尾橋発仕伏町行きの京都市バス=井村康博運転手(53)=にはねられ、腹などに軽いけがをした。バスの乗客にけがはなかった。
 下鴨署の調べでは、彩人君は信号のない横断歩道を渡っていたところだった。バスは急ブレーキをかけたが間に合わなかったらしい。(朝日新聞)
■新幹線運賃の不思議 在来線乗越し清算「不公平だ」
 新幹線の駅名だけが並んだJRの自動券売機が、運賃精算を混乱させている。長距離運賃は20`から40`ごとに金額が変わるが、同じ距離区間ならば違う駅でも運賃は同じ。ところが、この券売機で買った切符で在来線に乗り継ぐと、新幹線駅と同じ運賃区間の駅でも乗り越し料金を徴収される場合がある。それも路線や駅、駅員によって徴収されたりされなかったり。「不公平だ」。JRへの苦情が絶えない。
 「新潟からの乗り越しで320円です」。昨年12月、新潟駅から信越線で5駅目の新津駅に降りた税理士は、駅員の声にとまどった。新幹線に乗り込んだ大宮駅では、みどりの窓口が長い列だったため、自動券売機を使った。在来線の駅は選べなかったが、新潟駅までのボタンを押して支払った運賃は、新津駅までと同じ5250円。「運賃は一緒だ」と抗議しても、駅員は「規則です」の一点張り。こうした押し問答は今春まで何度も繰り返された。
 JRの旅客営業規則では、101`以上の長距離の場合、切符に記された駅以外で降りると、出発駅からの運賃が同じでも、乗り越し料金が必要となる。JR各社は「切符は券面に記された駅まで有効というのが鉄道の大原則。切符に駅名が記されず、同じ運賃ならばどの駅で降りてもいいというのは、100`以下の特例だ」と説明する。
 しかし、乗り越しに関する苦情が後を絶たないことから、同社は昨年11月、「駅員がやむをえないと判断すれば、請求しなくてもいい」と各駅に通達した。
・大阪〜新大阪分得な場合も JR西
 JR西日本によると、山陽新幹線19駅のうち11駅に、在来線の駅まで切符を買える最新型の券売機があるが、大半の券売機はまだ新幹線の駅しか買えない旧式。このため、窓口で買うよりも運賃が高くなる不公平を訴える苦情も寄せられているという。
 ただ、JR西日本には、この制度特有の「利点」もある。100`は超えるが200`以下の地域、例えば岡山から新大阪を訪れる乗客の場合、ほとんどが大阪まで行くことを考慮し、券面上、新大阪までの切符でも手前の大阪までの距離で運賃を計算している。大阪−新大阪間が事実上「無料扱い」になっている格好だ。このため、山陽新幹線を新大阪で降り、さらに東方の高槻などに在来線を乗り継いで行く場合、窓口で岡山−高槻間を一括購入するよりも、おおむね大阪−新大阪間分(160円)だけ安くなるという。(朝日新聞)
■すき間に転落 乗客ら男性救出 阪急の豊中駅
 18日午後11時10分ごろ、大阪府豊中市の阪急宝塚線豊中駅で、男性が、発車直後の梅田発宝塚行き急行電車(8両編成)の連結部付近とホームのすき間に落ち、体を挟まれた。
 男性は約50b引きずられたが、ホームの乗客らが騒ぎ、異常に気付いた運転士が緊急停車。十数人の乗客と駅員が協力して電車の車体を押し、すき間を広げて男性を救出した。男性は顔や胸に軽傷。豊中署の調べでは、同府箕面市に住む67歳の男性とみられ、同署で確認を急いでいる。当時は洒に酔っており、ふらついてすき間に落ちたらしい。
 阪急電鉄によると、この急行電車が約10分間現場に停車したのをはじめ、後続の2本が数分遅れ、乗客計約2100人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■チンチン電車”里帰り” 長崎で現役終え 仙台の愛好家に譲渡
 走り慣れた古里でゆっくり余生を−。路面を走る市民や観光客の足、長崎市名物のチンチン電車を運営する長崎電気軌道は、25年前に仙台市電の廃止に伴い譲り受け、昨年12月まで活躍した車両を、仙台市の鉄道愛好家グループ「鉄道パークシティー研究会」に無償で譲渡する。
 研究会は、現役を引退した東北の鉄道車両などを展示する記念館を計画中で、輸送費など約400万円をカンパで集め”里帰り”が実現した。早ければ来月にも引き渡される。
 譲渡されるのは、仙台市電から引き継いだ5両のうち1952年製造の1053号車。新車の導入などを機に現役を引退し、浦上車庫内に保管されている。
 残りの四両のうち1両は仙台市電当時のクリーム色の車体に緑色のラインをあしらい、現在も運行中。シドニーの電車博物館に寄贈されるなどした車両もある。
 里帰りについて「記念館を造って、早くお披露目したい」と同研究会の小林和夫さん。長崎電気軌道の担当者は「現役で動かせるぐらい状態がいい。鉄道マンとして本当にうれしく思う。仙台でもかわいがってもらえるだろう」と話している。(京都新聞 夕刊)
20日■監視カメラを増設 JR西日本 録画し、犯罪抑止へ
 JR西日本は19日、駅のホームや車内での事件、トラブルを防止するため、主要駅ホームに録画機能付きの監視カメラを増設するほか、車内放送で注意を呼びかける、と発表した。
 JR西日本管内では、すでに46駅に監視カメラがあるが、主にホームなどの安全確認用で、録画機能を備えているのは14駅にとどまっている。今年8月以降、20駅のカメラに新たに録画装置を設置するほか、京都駅など11駅で録画装置を増設する。費用は約7000万円。
 また、車内放送で、不審者を見つけた場合には乗務員や駅員に連絡するよう呼びかけ、車内の巡回を強化する。沿線の府県警に対しても警戒強化を要請する。
 今月11日、山陽線舞子駅(神戸市)で、男が快速電車内でスプレーを噴射して逃走する事件が発生、24人が病院に搬送された。首都圏の私鉄などでも暴行事件が多発しているため、監視態勢の強化を決めた。
 南谷昌二郎社長は「犯罪行為に対する抑止効果を期待している。事件が発生した場合は、重要な証拠として活用する」としている。(京都新聞)
■大宮駅特急終日停車求め 3万3000人署名提出へ 阪急に地元住民
 阪急電鉄(本社・大阪市)のダイヤ改正で大宮駅(京都市中京区)に特急が昼間は停車しなくなったことを受け、同駅周辺の住民でつくる「四条大宮まちづくり協議会」(事務局・下京区)は20日、大宮駅の特急終日停車を求める3万3000人の署名を阪急本社に提出する。
 阪急電鉄は3月末の改正から、大宮駅について乗降客数の減少を理由に、おおむね午前10時−午後3時半の時間帯は特急を通過させている。このため、駅周辺の住民は四条大宮商店街振興組合を中心に同協議会を発足させ、5月中旬から署名活動を行ってきた。
 署名は、大宮駅が京福嵐山線、市バスなどを結ぶ交通ターミナル駅であると指摘。「洛西地域の発展に欠かすことの出来ない」などとして、終日停車を求めている。また、市西部のまちづくりへの協力を求めている。
 四条大宮まちづくり協議会の石田哲雄会辱ら住民3人が20日午後3時半、大阪市北区の阪急電鉄本社を訪れ、署名を手渡す。これについて、阪急電鉄は「終日停車の再開には対応できないが、地域活性化への協力は検討する」としている。(京都新聞)
21日■海水浴客向け 特急13本増結 KTRが夏季ダイヤ
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)は20日、お盆の帰省や海水浴シーズンに備えた夏季臨時列車などのダイヤを発表した。
 お盆の臨時列車は、上り下り計6本。京都発天橋立行き特急「はしだて83号」を8月11日−同13日に、天橋立発京都行き「はしだて84号」を8月15日−同17日に、それぞれ1日1本、臨時運行させる。
 また海水浴客などに対応するため、7月20日−8月20日を中心に特急「タンゴ・ディスカバリー」(京都−豊岡、久美浜間)と「タンゴ・エクスプローラー」(新大阪−久美浜間)をそれぞれ2両と3両増やすなど計13本の特急を増結。丹後由良や丹後神野駅など海水浴場に近い駅にも臨時停車する。(京都新聞)
■鉄道橋架け替えに5ヵ年計画も策定 国交省、治水対策で
 国土交通省は20日、治水対策で堤防を高くする際に必要な鉄道橋の架け替え促進のため@5ヵ年計画を策定するA予算の重点配分で国や鉄道事業者が参加した調整会議を開く−ことを決めた。
 調整会議は次年度予算の概算要求を想定し、地方整備局レベルで3月ごろ、中央会議を4月ごろに開催することで、事業者と河川管理者の意見調整を図る。5ヵ年計画の内容や次年度に架け替える鉄道橋も決定する考えだ。
 国が直轄管理する河川にある約600の鉄道橋のうち400橋、地方自治体管理区間では650橋の改築が必要とされている。直轄河川は事業費の約96%を国が負担する仕組みになっている。
 しかし、鉄道事業者側からは、経営が厳しい線区が多いため、負担の軽減・無料化、新設する鉄道橋に対する固定資産税の非課税措置、河川占有料の免除を求める声が出ている。
 国土交通省は「固定資産税の軽減は2001年度から実施しており当分様子を見たい。事業者との意思疎通を図るため会議を開き、鉄道橋ごとの問題を調整したい」としている。(京都新聞)
■兵庫駅ホーム寝ていた男性 特急と接触、重体
 21日午前2時35分ごろ、神戸市兵庫区のJR山陽線兵庫駅のホームで同市垂水区の神戸市職員の男性(37)が、通過中の東京発下関行き寝台特急列車「あさかぜ」(9両、乗客約150人)に接触し、男性は全身を強く打って意識不明の重体。列車は現場付近で22分停車した。ほかの列車に影響はなかった。
 兵庫署の調べによると、男性は片手をホームから出した状態で寝ていた。20日夜、家族に「飲み会で遅くなる」と電話をしており、酒に酔ってホームで寝入ってしまったのではないかとみている。JR西日本によると、最終電車が21日午前1時過ぎに発車後、同駅の下りホームを駅員が巡回心たが、男性が寝ていたこたには気づかなかったという。(朝日新聞 夕刊)
■ホーム下に退避場所
 線路に落ちた乗客と、助けようとした韓国人留学生ら計3人が1月、犠牲となったJR山手線新大久保駅で21日未明、ホーム下に退避用スペースを設ける工事が始まった。線路に落ちた客がとっさに逃げ込めるようにするのが目的。9月までに完成する予定だ。
 ホーム下の構造には法令基準がなく、駅によっては逃げ場のないれんが積みが続いていたり、空間が資材置き場に使われたりしていた。(朝日新聞 夕刊)
22日■現金忘れ物最低額に 不況を反映 JR西日本 携帯は2万8000点 39%増
 JR西日本は21日、2000年度の駅や列車内での忘れ物の概要をまとめた。件数は48万5000件で、前年度に比べ2万2000件、5%増えた。現金の忘れ物は、100万円減って計6億4700万円と、JRが発足した87年度以降で最低額だった。
 忘れ物のトップは傘の14万本で、全体の約2割を占めた。続いて衣類、装身具類、食品などが多かった。携帯電話は約2万8000点と39%増えたほか、リュックサックが4倍、登山用ステッキが3倍に増えた。ブームとなった「キックボード」やチャイルドシート、位はいや仏壇もあった。
 忘れた場所は、列車内が61%、駅構内が38%。各駅別の取り扱いは大阪駅の約3万8000件が最多。京滋では京都駅が約2万7000件で4位、米原駅は1万8000件で8位だった。
 現金の忘れ物は最高が496万円。100万円以上は19件で、すべて持ち主に引き渡された。返却された割合は、現金が80%、品物が34%だった。(京都新聞)
■地下鉄東西線が故障で一時運休
 21日午後10時45分ごろ、京都市地下鉄東西線蹴上駅(東山区)で、醍醐発二条行き電車が動かなくなった。市交通局は故障した車両(6両編成)を二条駅までけん引して約1時間後に復旧したが、上下数本が運休したほか、後続のダイヤが乱れた。
 故障車両には数十人が乗っていたが、駅務員の誘導で降車した。各駅では乗客にタクシーチケットを配布、最寄り駅まで送るなどして対応した。市交通局は、蹴上駅でオーバーランした電車をバックさせようとした際に、ブレーキが故障したのではないかとみている。(京都新聞)
■輝く星々と優雅な旅を JR山陰線のいさり火列車
 日本海に光り輝くいさり火を眺めながら、涼しい夏の夜のひとときを満喫するJR西日本福知山支社の特別列車「いさり火列車」が今年も、7月上旬から九月中旬にかけて、山陰線の豊岡−浜坂間(兵庫県)を走る。
 昨年好評だった海底世界や宇宙空間をイメージした内装は、一部改装してパワーアップ。特殊なインクで描いた星空や惑星、海中の魚たちが、紫外線に反応して暗闇の中に浮かび上がる仕組みで、昨年は天井部分だけだった塗装を、今年は窓枠いっぱいまで広げて涼しさを演出している。
 定員は128人で全席指定席。期間中は基本的に土、日、休日に1日1往復運行。各種割り引き切符も用意している。(京都新聞)
■忘れ物現金減った
 JR西日本は21日、昨年度の電車内や駅構内での忘れ物をまとめた。約48万5000件で前年度に比べて約2万2000件増えたが、現金の総額は約100万円減り、87年の同社発足以来最低の約6億4700万円だった。(朝日新聞)
■京都市など導入の バス優先システム 北大路烏丸←→西大路四条6.5` 時間短縮、効果あり 282秒〜51秒早く 平均で2分53秒
 府警と京都市交通局が市バスの運行をスムーズにするため信号を自動調整する「公共車両優先システム」を4月から導入した結果、導入区間の北大路烏丸−西大路四条(6.5`)の所要時間が平均で2分53秒短縮されたことがわかった。
 同システムは、バスに送信機を搭載、路上に設置した受信ポイントでバスの通過を感知し、府警交通管制センターに送信。同センターで次の信号にさしかかる時間を予測する。バスが交差点に近ついた際に信号が青なら時間をのばし、赤なら早く青に切り替え、バスができるだけ交差点で停止しないようにする。
 4月2日から北大路烏丸−西大路四条間に同システムを導入。210台のバスに送信機を搭載し、区間中の32ヵ所の交差点で信号を調整した。
 導入前の3月の調査では、同区間の所要時間は平均28分35秒。導入後は平均25分42秒で、2分53秒短縮された。短縮幅は最大で4分42秒、最小で51秒だった。信号停止回数は、北大路烏丸から西大路四条に向かう南行で3回、逆の北行で1回それぞれ減った。
 導入区間周辺で渋滞が増えたなどの影響もなかったという。(朝日新聞)
■「毒ガス」救助急げ JR舞子駅異臭事件受け 京都駅で集団訓練
 JR西日本は22日午前、電車内で有毒ガスのようなものをまかれ、乗客が負傷したとの想定による初の集団救助訓練を、京都市下京区の京都駅で実施した。今月11日のJR山陽線舞子駅での異臭スプレー噴射事件を受けて、訓練用特別電車を走らせ、社員が乗客役を務めた。
 訓練は午前10時38分、東海道線下り普通電車が山科駅を発車する直前、何者かが有毒ガスのようなものを車内に噴射し、33人の乗客が重軽傷を負った、として始まった。
 乗務員が輸送指令に連絡。京都駅に現地対策本部を設置し、電車を同駅1番ホームに誘導した。
 43分に到着すると、サリンにも対応できる防毒マスクをつけた京都府警の警察官や、空気ボンベを背負った救急隊員らが、ドライアイスからの白い気体が漂う電車内に入り、乗客を次々と救出、ホームの仮設応急救護所に運んだ。
 周囲では、観光客や乗降客らが足を止め、緊迫した訓練を見守っていた。(京都新聞 夕刊)
23日■降りて歩いて 24 地下鉄五条駅(下京区烏丸通五条下ル) かつて門信徒施設並ぶ
 6号出入り口から地上に上がり、烏丸通を南へ数分歩くと、東本願寺の巨大な御影堂門が目に飛び込む。広大な境内は参拝者や海外からの観光客でにぎわう。
 門前にはかつて、本山を訪れた全国からの門信徒の宿泊施設「詰所」が数多く立ち並んでいた。ホテルなどの進出で年々減っているものの、寺の北側、下諏訪町通沿いには、「浅井郡詰所」との看板が見える。
 真宗が盛んな滋賀県東浅井郡の門信徒の手で建てられた。郡内136ヵ寺の門信徒から選ばれた24人が、「家代」と呼ばれる世話役として、半月交代で詰所に常駐し、運営を切り盛りする。その一人、土田稔さん(69)=同郡浅井町=は「昔のように満員になることはほとんどないが、それでも詰所を守るのは門徒として光栄なこと」と話す。
 六条通を西へ。豆腐店やそば店などが両側に並び、お年寄りがゆっくりと買い物をする庶民的な商店街「六条会」を抜けて進むと、西本願寺の門前に。仏具や法衣、表具などの店がぎっしり立ち並び、再び門前らしい風情に戻る。「平成の大修復」中の御影堂をすっぽり覆う巨大な工事用屋根が、堀川通沿いから見える。
 客待ちをしているタクシー運転手の姫井稔貴さん(59)=山科区=は、毎日ここを拠点に仕事をする。「たたずまいといい風情といい、西本願寺が一番なじみ深く、思い入れがある」といい、自ら境内地図をパソコンで作成したり、由来を研究。参拝者や観光客に紹介している。「(2008年の)御影堂の修復を見届けるのがなによりも楽しみ」と話す。(京都新聞)
■来月8日、茶摘みやシイタケ狩り 信楽高原鉄道が「体験ツアー」
 滋賀県の信楽高原鉄道(SKR)は7月8日、朝宮茶の茶摘みやシイタケ狩りが体験できる「信楽高原鉄道ヘルシー体験ツアー」を行う。
 当日は貴生川駅に午前10時50分までに集合。信楽町長野の「椎茸園」で原木からのシイタケ狩りをした後、昼食でシイタケ料理を味わい、同町上朝宮の「朝宮茶園」で二番茶の茶摘み体験などをする。
 参加費(運賃含む)は、大人6500円、小人6060円。定員45人。締め切りは6月29日。問い合わせはSKR総務課TEL0748(82)3391。(京都新聞)
■電車内に毒ガス想定し合同訓練 京都駅でJR、警察、消防
 電車の中に有毒ガスがまかれ、大勢の負傷者が出ている−。JR京都駅(下京区)で22日、有毒ガスを想定した訓練があった。JR西日本が企画し、地元の七条署員や消防隊員ら約130人が参加した。
 山科駅を発車する直前の列車の中に、だれかが有毒ガスを噴射して逃走。ガスが車内に充満したまま京都駅に向かったという想定。列車が1番ホームに入ると、酸素ボンベを背負った消防署員らがドライアイスで白く曇る車内に突入。JR社員がふんするけが人を担架で救出した。
 JRでは、11日に舞子駅(神戸市)で車内に催涙スプレーのようなものが噴射され、20人以上が被害にあっている。(朝日新聞)
■地球24時 イラク・トルコ 鉄道運行を再開へ
 イラクのパース党紙アッサウラによると、イラクとトルコ南東部マルディンを結ぶ鉄道が7月20日から、運行を再開することになった。同鉄道はオスマントルコ時代に敷設されたもので、81年に停止されていた。
 イラクに対する民生物資の経済制裁を緩和する代わりに、軍事物資の輸出禁止を強化する米英両国案が論議される中、イラクは周辺諸国との経済交流を活発化させようとしている。(カイロ)(朝日新聞)
■列車が川へ42人死亡か インド
 【バンガロール(インド)22日=AFP 時事】インド南部で22日夕、旅客列車が橋を渡る際に脱線し、うち3両が川の中に転落した。PTI通信によると、死者は42人に上るとみられ、少なくとも230人が負傷した。生存者の救出作業が続いているが、激しい降雨などにより難航している。(朝日新聞 夕刊)
25日■京福電車また正面衝突 福井 乗客ら25人重軽傷 不通、急行待ちせず
 24日午後6時すぎ、福井県勝山市の京福電鉄越前本線保田−発坂間で、福井発勝山行き下り急行電車=明石光文運転士(36)、1両編成=と勝山発福井行き上り普通電車=下川床誠運転士(22)、1両編成=が正面衝突し、両電車の乗客ら計25人が重軽傷を負った。勝山署によると、重傷は下川床運転士=福井市二の宮=と福井市花堂北、西島健治さん(35)と長男の康弘ちゃん(6つ)ら乗客3人の計4人。命に別条はないという。このほか、21人がけがを負い、勝山市の福井社会保険病院、芳野医院、平泉病院、福井市の福井県立病院、松岡町の福井医大病院に運ばれた。
 京福電鉄越前本線は、わずか半年前の昨年12月17日にも運転士1人が死亡、乗客ら25人がけがをする正面衝突事故を起こしており、同社の運行、安全管理体制の在り方が厳しく問われそうだ。
 事態を重視した国土交通省中部運輸局は、同日午後7時5分、京福電鉄衝突事故対策本部(本部長・中部運輸局長)を設置。京福電鉄に対し、越前本線など3路線の運行を停止し、バス運行に切り替えるよう指示するとともに、係官ら6人を現地に派遣した。
 福井県警も業務上過失致傷事件として勝山署に捜査本部を設置し、捜査員70人態勢で捜査を始めた。
 勝山署によると、現場は単線で発坂駅から福井寄りに4、500bの地点。発坂駅は電車が擦れ違えるように線路が2本あるが、到着した上り普通電車は同駅で擦れ違う予定の下り急行電車を待たずに発車、バネ式のポイントを通過して進行してしまったため、衝突した可能性があるという。
 京福電鉄によると、現場付近にはATS(列車自動停止装置)はなく、普通電車の下川床運転士は昨年入社したばかりだったという。事故時、変電所が停電したため、同電鉄が両電車に連絡を取ろうとしたが、応答はなかった。
・「2度も…」 社長が謝罪
 京福電鉄の石田栄一社長は福井本社で会見し「鉄道会社にあるまじき行為を2度も繰り返してしまい、誠に申し訳ありません」と謝罪した。普通電車の下川床誠運転士は運転経験4ヵ月だった。
 京福電鉄 正式社名は京福電気鉄道。1942(昭和17)年、京都電灯会社から独立して設立。2000年12月に越前本線で正面衝突事故を起こし、運転士1人が死亡、乗客ら25人が負傷した。同事故前の同年10月には「16年間の無事故運転」で中部運輸局長から表彰されている。(京都新聞)
■京福正面衝突 乗客「何でこんな目に」 まさか半年で2度も… うめき、怒りぶちまけ 携帯通じず 住民が119番
 「どうなっているんや」−。24日夕、福井県勝山市で起きた京福電鉄の正面衝突事故。負傷した乗客らは度重なる事故に怒りをぶちまけた。衝突した車両の運転席は、双方ともぐしゃりとへこんだ。約30人近くの乗客は、近所の人らが手伝って、九頭竜川沿いの道路に誘導され、地域の人の協力で、次々と病院に運ばれた。
 「ドーン」。衝突現揚の近くに住む石田美代子さん(50)は大きな激しい音で事故に気付いた。現場に行った直後は車両から黒い煙が出ていた。夫の建設業、光義さん(51)がすぐに外に飛び出し、救出作業を手伝った。負傷した乗客らは「痛い痛い」とうめき、「何でこんな目に遭うんや。どうなっているんや」とやり場のない怒りをぶちまける女性客もいた。
 「何でこんな事になったんやろ」。福井発勝山行き急行電車の運転士は、助けに来た光義さんに話した。運転士は自らの携帯電話を手に取り、何度も119番したが通じなかったため、石田さんが119番した。運転士は「早く何とかしてあげて」と、乗客の救助優先を訴えていたという。一方、勝山発福井行き普通電車の運転士は車両内にはさまれ、救出された時には顔中血だらけだった。
 乗客の中には家族連れも。その中の男児は足の骨が折れている様子で、真っ青な顔色で救急車の到着を待っていた。川沿いの狭い道路には約30台に上る救急車や、乗客が呼んだ家族の迎えの車などが殺到。通り掛かりのやじ馬も加わり、一時混乱を極めた。
・「車両不備考えられず」 京都本社 情報収集に追われる
 京都市中京区の京福電鉄本社では24日午後7時半すぎから、事故の一報を受けた社員ら約20人が次々と駆け付け、現地対策本部(福井本社)との連絡や情報収集に追われた。
 総務担当の田中輝重取締役は午後8時半すぎ、会見に応じ「昨年12月に衝突事故を起こして以降、全車両の点検整備を行ってきたはずだが、今回、また事故を起こしてしまって申し訳ありません」と頭を下げ、「中部運輸局に指摘された不良個所についてはほぼ整備が完了している。車両に不備があったとは考えられず、信じられない」とうなだれていた。
 また、事故の状況について、田中取締役は「25人の負傷者が病院に運ばれたが、まだ詳しくわからない」と繰り返し、現地との連絡に追われていた。
・京の女性会社員頭部を打ち入院
 京福電鉄によると、負傷者の中に、京都市南区久世中久世町、会社員衛藤春美さん(57)がいることが確認された。衛藤さんは左前頭部を打って勝山市の病院に入院したという。
 家族の話では、衛藤さんは勝山市の実家に帰省し、京都市内に戻るため、福井行きの電車に乗った直後に事故に遭った。
 午後8時すぎ、病院から家族に連絡があり、二女美香子さん(26)は「命に別条がなく、ほっとしている。25日朝に病院に行きたい」と話していた。
・安全管理 甘さ指摘免れず
 福井県を走る京福電鉄ではわずか半年前の昨年12月17日にも同じ越前本線で正面衝突事故が発生、運転士1人が死亡、乗客ら25人がけがをした。安全運行が人命を預かる鉄道会社の最大の使命であるにもかかわらず、わずか半年間で2度の正面衝突事故を起こした同社の安全管理体制の在り方が厳しく批判されるのは確実だ。国の監督・指導体制にも甘さがあったとの指摘も免れそうもない。
 昨年の事故は同じ越前本線で、支線の永平寺発東古市行き電車が本線に進入、福井発勝山行き電車と正面衝突した。
 事故原因は制動力を車輪に伝えるブレーキロッドが破断したこととされ、現在も福井県警が捜査中。当時、同社には具体的な検査方法を定めた作業マニュアルがなく、手順などは現場責任者の裁量に任されていたことが判明した。
 同社はその後、@4年ごとの重要部検査A検査の記録簿の整備−など保守管理面での改善策を国土交通省に提示、事故で運休していた永平寺線は68日ぶりの今年2月23日に運転再開した。
 福井県内の京福電鉄は以前から同社が一部の廃止を表明している。県内路線の存廃問題が再浮上することも考えられる。
・ATSない 関係者から指摘
 わずか半年の間に2度も正面衝突を起こした京福電鉄の事故について、鉄道関係者の間からは列車自動停止装置(ATS)がなかったことが背景にあるとの指摘が出ている。
 ATSは、京福電鉄のように単線の場合、双方から列車が接近すると自動的にブレーキをかける。
 しかし、ローカル線にはない路線も多く、その場合、運転士が自分の目で信号機を見て進むしかないが、何らかの原因で信号無視や見落としがあった場合、正面衝突する危険性もある。
 正面衝突の危険を察知した場合、「脱線側線」と呼ばれる緊急避難用のポイントが設置してあれば、事故を防ぐことも可能だが、ローカル線には少ないという。
 昨年12月の事故原因は、ブレーキの力を各車輪に伝える金属製の棒(ブレーキロッド)の破断だった。事故後、運輸省(当時)は同社を含む全国の鉄道会社にブレーキの総点検を指示。このため国土交通省は「ブレーキ故障は考えにくい」とみている。
・存続させたいが事故は言語道断 勝山市長
 京福電鉄事故で福井県勝山市の山岸正裕市長は24日夜、「23日に開いた総決起大会で存続の機運が盛り上がったばかりだった。市長としては京福電鉄を存続させたいが、1年で2度もこんな事故を起こすとは言語道断。市役所で今後の対策を協議したい」と複雑な表情で語っていた。(京都新聞)
■京福、また正面衝突 待機せず発車か
 24日午後6時9分ごろ、福井県勝山市鹿谷町の京福電鉄越前本線の発坂駅付近で、福井発勝山行きの下り急行電車=明石光文運転士(36)=と、勝山発福井行き上り普通電車=下川床誠運転士(22)=が正面衝突した。双方の運転士2人と乗客23人が重軽傷を負った。勝山署は、業務上過失傷害の疑いで捜査本部を設置した。同電鉄では去年12月に同県松岡町内の越前本線上で、ブレーキの故障が原因で電車同士が正面衝突、26人が死傷する事故があった。
 調べでは、事故現場は単線で、発坂駅から西約300b。電車はともに1両で、普通電車は発坂駅に同8分に到着。停車して下りの急行電車とすれ違った後、午後6時11分に出発することになっていた。急行電車を待たずに発坂駅を出発して本線上で急行電車と衝突したらしい。
 同署では、普通電車が発坂駅でいったん止まったという乗客の証言があることから、上り普通電車の運転士が下り急行電車の到着を待たずに同駅を出発した可能性があるとみている。同駅には信号機が設置されており、信号機が正常に作動していたかどうかについても調べている。
 京福電鉄によると、同電鉄鉄道部司令区の担当者が事故発生とほば同時刻、現場近くの山王変電所の停電に気づいた。双方の電車に無線連絡を入れたが応答はなく、現場近くの非番の社員が現場に駆けつけて事故を確認したという。
 勝山市消防本部によると、下川床運転士と、乗客の福井市花堂北2丁目の西島康弘ちゃん(6) ら4人が頭や足の骨が折れるなどの重傷を負ったという。
 急行電車の運転席のすぐ後ろに座っていた雑誌編集アルバイトの市原純さん(25)=横浜市鶴見区=は「ずっと前を見ていたら左カーブが見え、間もなく曲がると思ったところで、向こうからぬっと電車が出てきた。ぶつかると思って、とっさに後ろに駆け出した」と話していた。
 昨年12月の事故は、同県松岡町の越前本線東古市−志比堺駅間で、支線の永平寺線から進入してきた上り電車が下り電車と正面衝突、運転士1人が死亡したほか、乗員・乗客計25人が重軽傷を負つた。支線の電車のブレーキ部品の一部が破断し、ブレーキが利かなくなって暴走したのが原因だった。京福電鉄では安全対策委員会を設け、車両の検査態勢などを見直して約2ヵ月後に運転を再開していた。
・運行の中止を指示 中部運輸局
 国土交通省中部運輸局は24日午後9時40分、京福電鉄の福井県内の全路線についてこの日夜から当面運行を停止し、バス輸送に切り替えるように異例の指示を出した。同運輸局は「半年間に2度の正面衝突事故を起こし、多数の死傷者を出したため」としている。(朝日新聞)
■京福電鉄衝突 半年に2回「なぜだ」 憤る乗客・沿線住民ら 「子どもが…救急車を!」「もう乗るのいや」
 「何でこんなんなるんや」。事故直後、下り急行電車の運転士はそう漏らした。運転士ら26人が死傷した衝突事故からわずか半年。再び電車同士の正面衝突事故が繰り返された。24日、事故が起きた京福電鉄越前本線は、存廃が論議されている単線の赤字ローカル線。教訓はなぜ生かされなかったのか。乗客や沿線住民の間に不安と憤りが広がった。
・現場
 上り普通電車の運転席に下り急行電車がめり込むように止まっていた。午後6時過ぎ、現場から北に約50b離れたところに住む建設業石田光義さん(51)は「ドーン」という地響きのような音を聞いた。窓を開けると、電車が衝突し、黒煙が出ていた。水を入れたバケツとタオルを持って家を飛び出した。車内の乗客らは床に座り込んだり、倒れたりしており、みんなぼうぜんとしていた。
 電車は上下とも1両編成。上り電車の運転席は押しつぶされ、運転士は乗客らの手で救出された。
 下りの急行電車の運転士は「早く救急車を呼んでくれ。何でこんなんなるんや」と話したという。
 「子どもの骨が折れてるんや。早く救急車を呼んで」と叫ぶ母親もいた。
 石田さんは「この前事故があったばかりなのに、まさかと思った。常識では考えられん。安全を守る意識があるのか」と、怒りを見せた。
・挟まれた運転士救出 乗客
・病院
 25人の負傷者は、勝山市や福井市などの5病院に搬送された。
 勝山市の芳野医院に運ばれた県立大野東高校2年竹内優司さん(16)は、急行の前の方に座っていて右手に軽いけがをした。「衝撃で気がつくと、前の席に座っていた男性の額が割れていた。運転士が運転席に挟まれて助けを求めていた」。友人が携帯電話で119番通報した。「もう京福に乗るのはいやだ。たまらない」と憤りを見せた。
 同市の平泉病院に運ばれた病院職員笠井真一さん(50)は、勝山市内の自宅から単身赴任先に向かう途中だった。車両後部の座席で居眠りをしていたところ、突然どかんという衝撃とともに車両中央付近に投げ出された。直前に警笛は鳴らなかったという。
 運転士を助け出し、「大丈夫か」と声をかけたが、放心状態でうなずくのがやっとだった。
 福井医科大付属病院(松岡町)には午後7時過ぎ、男性5人、女性1人の計6人が救急車で運ばれてきた。
 福井市内の会社員西島健治さん(35)は事故で右肩を強く打ち、肩の骨を折った。家族4人で1日乗車券を買い、県内めぐりを楽しんだ後、自宅へ帰る途中だった。長男(6) はつり革にぶら下がつて遊んでいた。ブレーキをかけたような感じはまったくなく、長男も床に投げ出された。
 「まさか同じ事故がもう一度起こるなんて。京福電鉄には、ふざけるなと言いたい」と、憤りを隠せない様子だった。
・地域の足
 京福電鉄越前本線は、地元住民が存続を求めて活発な運動を続けていた。23日には勝山市内で、地元住民ら約1000人が参加し、「京福電車存続総決起集会」を開いたばかり。電車に落書きするイベントでは、子どもらが「電車大好き」と普く光景もみられた。
 主催した民間団体「京福電車利用促進会議」の滝川裕司会長は「利用者に『またか』と受け止められてしまう。とても残念だ」と、肩を落とした。存続議員連盟会長を務める別田重雄県議も「2度の事故のダメージは大きい。今後の存続運動はさらに結束が必要になる」と話した。
 福井県などでつくる「京福越前線活性化協議会」は5月に、同本線を第三セクター方式で運営するか、バス路線に転換するか、年内に結論を出す方針を決めている。
 勝山市の木下潔・同線存続対策室長は「地元の交通機関として絶対必要であり、昨年12月の事故を受けて京福電鉄側には安全対策を求めていたのに…」と嘆いた。
・人為ミス?信号故障? 経営難 自動停止装置なく
 事故は、発坂駅で急行電車を待たねばならなかった普通電車が、そのまま発車したため起きた。運転士のミスの可能性も指摘されているが、越前本線にはそうしたミスがあっても事故を未然に防ぐ自動列車停止装置(ATS)はなかった。発坂駅は無人駅で、運転士に異常の発生を即座に知らせる職員もいなかった。経営難を背景に、安全対策が不十分だったために起きた事故とも言える。正面衝突事故からわずか半年。国土交通省は、全路線で運行を停止する異例の指示を出した。
 上り普通電車は、発坂駅に到着した後、対向線に下り急行電車が到着するのを待ち、再び出発することになっていた。通常は、普通電車の運転士が前方の信号機が青になつたことを確認して出発する。
 信号機は、前方から対向電車が来ると赤になる仕組みのため、運転士が赤信号を見誤ったか、信号が故障していたとみられる。ただ、信号機がかりに故障していたとしても、上り普通電車の運転士が発坂駅で急行電車を待つことに留意していれば、事故は防げた可能性が高い。京福電鉄によると、この運転士は運転経歴は約4ヵ月だったという。
 一方、越前本線には、信号が赤なのにもかかわらず電車が発車したら、自動的に車両が止まるATSを備えていなかった。JRや大手私鉄ではほとんど導入されている。
 昨年起きた正面衝突事故は、ブレーキの力を車輪に伝える鉄製の棒(ブレーキロツド)が老朽化で破断したのが原因だった。事故車両は台車が28年、車体が58年の製造で国内で最も旧式だった。
 京福電鉄では事故後、同じ仕組みのブレーキを持つ電車15両を点検したところ、11両で傷がみつかった。全国の鉄道事業者も緊急点検をしたが、破損がみつかったのは計1万両のうち2両。同電鉄の損傷の多さがきわだっていた。
 国土交通省の中部運輸局は「部品の管理状況や管理実施に不備が見られた」として、5項目の改善命令を今年2月に出し、同電鉄は改善策を報告。運休していた路線を同月中に再開した。再開から4ヵ月後の事故だった。
・けがをした方々
 各病院へ運ばれたのは、次のみ絃さん(敬称略=福井県勝山市消防本部調べ)。
 【福井社会保険病院】(福井県勝山市)
 下川床誠(22)=運転士、福井市▽衛藤春美(57)=京都市南区▽土田敬子(17)▽西浦広(52)▽牧野誉司(16)=以上勝山市
 【平泉病院】(同)
 田中秦(17)▽内藤誠一郎(47)▽森亮輔(16)▽笠井真一(50)=以上勝山市▽市原純(25)=横浜市鶴見区
 【芳野医院】(同)
 酒井るみ子(16)▽山本祥子(16)▽笠川史代(53)▽林口純子(53)▽竹内優司(16)▽山川剣太(16)=以上勝山市
 【県立病院】(福井市)
 西島典子(34)▽西島康弘(6) ▽西島美歩(3) =以上福井市
 【福井医科大病院】(福井県松岡町)
 明石光文(36)=運転士、福井県大野市▽田口智也(22)=さいたま市▽西島健治(35)=福井市▽辻健二(15)▽小寺麻梨子(17)▽木下貴昭(16)=以上勝山市(朝日新聞)
■線路に自転車投げ込まれる 堺の南海高野線
 23日午後11時55分ごろ、大阪府堺市今池町2丁の南海高野線で難波発和泉中央行き準急行電車(8両編成)が走行中、前方の線路上に自転車が投げ込まれ、運転士が緊急ブレーキをかけて停止しに。自転車の一部が列車に接触したが、乗客約200人にけがはなかった。堺北署は何者かが線路わきの道路から投げ込んだとみて、列車往来危険容疑で捜査している。(朝日新聞)
■京福正面衝突 信号の作動焦点 福井県警 車両など現場検証
 福井県勝山市の京福電鉄越前本線で普通電車と急行電車が正面衝突、乗客ら25人が重軽傷を負った事故で、勝山署捜査本部は、東川修三署長と約30人の捜査員が25日午前10時すぎから、業務上過失致傷容疑で中部運輸局の調査員数人とともに、衝突車両や信号の作動状況などについて現場検証を始めた。
 国土交通省などからは、同日、6人の調査員が追加派遣され、調査に当たる。
 同電鉄はこの日、国土交通省の指示に基づき、同本線のほか三国芦原線、永平寺線の県内全3路線について始発から運行を休止し全面バス運行に切り替えた。
 また、同電鉄の石田栄一社長は午前10時40分すぎ、負傷者が入院している福井社会保険病院(勝山市)を訪れ「お客さんに会わないと」と言い残して見舞いに向かった。
 検証は、同電鉄福井鉄道部(福井市)にある運転指令との連絡状況や信号システムの作動状況、ブレーキをかけた痕跡が線路上にあったかどうか−などがポイントとなっており、同電鉄の松井良介鉄道部長ら4人が2人ずつ衝突を起こした両電車の車両に立ち会い、衝突部分や台車、線路などを念入りに調査した。(京都新聞 夕刊)
■京福正面衝突 「普通」ダイヤ無視? 発坂駅 2分停車せず出発
 京福電鉄越前本線の正面衝突事故で、事故発生の時刻は、本来のダイヤでは福井行き普通電車が発坂駅に停車していなければならなかったことが国土交通省中部運輸局などの調べで25日、分かった。
 中部運輸局によると、発坂駅には福井行き普通電車が午後6時8分50秒に到着。続いて勝山行きの急行電車が同10分55秒に同駅に到着した後、福井行き普通電車が同10分55秒に出ていくはずだった。
 ところが、これまでの福井県警の調べでは、事故は午後6時8分か9分ごろに発坂駅から福井寄り約300bの地点で発生。普通電車が2分停車というダイヤに反して出発したことになるわけで、ダイヤ通りなら普通電車は本来は擦れ違いのために発坂駅に停車しているべき時刻だった。
 福井県警などは、普通電車がダイヤに反して定時より早く出発した理由や、出発時の信号が当時、どう表示していたかなどを中心に捜査を進めている。
・代行バス運行 利用者不安も
 電車同士の正面衝突事故から一夜明けた25日午前、勝山市の事故現場では、報道機関のヘリコプターが上空を旋回し、カメラの放列が見守る重々しい空気の中、福井県警などによる現場検証が始まった。
 午前10時半、検証令状の到着を合図に、県警捜査員や中部運輸局職員らが一斉に非常線の中へ。衝突したままの両車両の下に潜り込むなどして台車部分やレール、運転席の周辺などを調べていた。
 一方、事故があった越前本線を含む福井県内の京福電鉄各路線では同日朝から、電車の代わりにバスを運行。度重なる事故が赤字路線の廃止論に拍車をかけるのは必至とあって、利用者の間で憤りと不安が交錯した。
 午前8時3分、勝山駅前を発車したバスには、通勤通学客のほか、つえをついたお年寄りの姿も目立った。
 同線で福井市内に通院するという同県上志比村の男性(66)は「鉄道は残してほしいが、半年で2度も事故があっては廃止も仕方がない。自治体も、もっと早くなんとかできなかったのか」と不満をあらわにする。(京都新聞 夕刊)
■京福電車衝突 赤信号、見落としか 福井県警 運転士を聴取へ
 福井県勝山市の京福電鉄越前本線で電車同士が正面衝突し、乗客と乗員25人が重軽傷を負った事故で、勝山発福井行き上り普通電車が待機しなければならなかった発坂駅の信号機は事故当時、正常に作動していたことが25日、福井県警の勝山署捜査本部の調べでわかった。普通電車の下川誠運転士(22)が「赤」信号を見落として同駅を発車した可能性が高いとみて、入院中の同運転士の回復を待ってさらに詳しく事情を聴く方針。この日午前、県警は国土交通省中部運輸局と合同で、業務上過失傷害容疑で現場検証を始めた。
 調べによると、同駅の上り線にはホーム端から西へ約3bのところに発車の合図を示す信号機が設置されている。捜査本部などが24日夜の実況見分で確認したところ、この信号機に異常はみられず、同日午後6時8分ごろ、普通電車が発車した際は「赤」を示していたと、ほぼ断定した。
 運行計画では、普通電車は通常、午後6時8分50秒に同駅に到着。同10分55秒に下り急行電車が向かい側ホームに到着したのを確認してから発車することになっている。
 捜査本部のこれまでの調べで、普通電車は通常通り発坂駅に停車した▽対向電車が入ってこないのに信号が青になった時は指令所に無線で確認することになっているが、事故当時、無線連絡はなかった▽本来の出発時刻より早く発車し、同9分ごろ事故が起こった−ことなどから、下川床運転士が信号を見落としたとの見方を強めている。
 発坂駅の複線部分(ホーム)から本線へ乗り入れるポイントは、電車の車輪が通りかかれば、脱線を防ぐためにバネ仕掛けで自動的に切り替わる仕組み。このため、赤信号のまま発車しても、本線に入るのは可能という。
 下川床運転士は昨年6月に入社、教習や見習いを経て2月から運転士として勤務している。24日は福井−勝山間を3往復する予定で、同駅で待機するのは事故が起きた3往復目の戻りだけだったという。
 同電鉄によると、同線の現場周辺では、発坂駅より3駅福井よりの越前竹原駅で行き交うのがほとんどで、1日に27回。発坂駅では、事故のあった午後6時すぎを含め1日に2回だけとなっている。
 同電鉄は、中部運輸局の指示を受けて福井県内の全3路線(越前本線、永平寺線、三国芦原線)の運行を当面停止。バス約30台で代替輸送を始めた。
 京福電鉄は00年度末で9億2200万円の累積赤字を計上。赤字ローカル線の越前本線は存廃が論議されている。(朝日新聞 夕刊)
■京福また衝突 地域の足が… 通勤客ら「廃線かも」
 約半年の間に2度の正面衝突事故を起こし、国土交通省から福井県内の全路線の運行停止を命じられた京福電鉄。事故から一夜明けた25日朝、通勤通学客は不安そうな面もちで用意された代替バスに乗り込んだ。赤字で存廃論議が続くなかでの事故再発で、運行再開のめども立たない。利用者の心は地域の足がなくなりかねないことへの不安と、繰り返される事故への怒りとの間で揺れた。
 事故現場から南東に約3`の勝山駅では25日午前7時前、福井行きの代替バス2台が運行し、通勤、通学客計27人が乗り込んだ。駅員は「列車の時間と同じようにバスを運行します」と案内するなど、対応に追われた。
 京福電鉄OBで、越前線の運転士をしていたという勝山市猫野、無職牧野鉄弥さん(80)はこの日早朝、駅務室に駆け込んできた。忙しそうにしている後輩の駅員と短い会話を交わした。事故のことが心配になって、いてもたってもいられなかったという。
 「昔に比べれば、設備も良くなったはずなのになぜ。情けない。昨年12月の事故のときも廃線の話が出た。今度は現実になるかも」と肩を落とす。
 沿線では事故後も京福電鉄の存続を望む声が根強い。勝山駅には「なくなったらどうする!」「未来に残そう」ののぼりが立つ。仕事で福井市に向かう途中という勝山市沢町2丁目、会社員新谷公治さん(28)は「バスは冬には雪で運休になるのが心配だ。事故があったから即廃線にするのではなく、一刻も早く原因を究明し、公共交通機関としての使命を取り戻してほしい」と語気を強めていた。
 福井駅には午前8時20分過ぎ、勝山市、三国町の両方面から代替バスが到着し、ドアが開くと同時に、乗客が飛び出した。小走りで会社に向かう勝山市の会社員渡祐士さん(25)はバスの到着が遅れ、30分の遅刻になったという。
 三国駅では、三国町の調理師内藤嘉典さん(52)が「本当にあきれた。こんなことではいずれ廃線になってしまうのではないか」と話した。町内の主婦(54)は「事故続きの電車に乗るのは怖いが、車を運転しないので廃線は困る」。
 京福電鉄によると、代替バスは通勤や通学の時間帯の午前5時10分の始発から午前9時半までに17本を運行し、計約1000人の乗客を運んだという。福井市日之出1丁目の福井本社には早朝から利用者の問い合わせ電話が相次ぎ、社員が応対に追われた。
・京福社長が病院見舞い
 京福電鉄の石田栄一社長は25日午前、正面衝突事故でけがをした乗客らが入院している福井県勝山市の福井社会保険病院をおわびとお見舞いに訪れた。同社長は、他の負傷者が入院している病院にも見舞いに回る。(朝日新聞 夕刊)
26日■京福正面衝突 上り電車 信号見落としか 現場検証 作動状況異常なし
 福井県勝山市の京福電鉄越前本線で、電車が正面衝突し25人が重軽傷を負った事故で、勝山署捜査本部と国土交通省中部運輸局が25日実施した現場検証の結果、信号系統は正常に作動していたことが判明した。事故原因は上り普通電車の運転士の信号見落としなど、人為的ミスの疑いが浮上している。
 普通電車の下川床誠運転士(22)は頭や腕を骨折する3ヵ月の重傷で、捜査本部は回復を待って事情を聴く。
 検証は午後1時すぎ、事故現場と上下両電車が擦れ違うはずだった発坂駅の2ヵ所で再開した。駅舎内にある信号システムの一部の連動操作盤などを精査した同省調査員らは「信号の電気系統に異常はみられないようだ」と話した。
 また、レールから双方の電車のブレーキ痕が見つかった。26日の検証は、普通電車を中心に行う。
 現場では25日午後3時すぎから、同電鉄職員約20人が加わり土砂降りの雨の中、衝突車両の引き離し作業を開始。福井方面から車両2両を下り急行電車に連結、けん引して午後6時前に切り離しを終えた。同電鉄によると、急行電車は福井市内へ移動、普通電車は現場に留め置き、衝突状況をさらに調べる。(京都新聞)
■京福電鉄事故 赤字経営 安全実現拒む 廃止、3セク化道険しく
 わずか半年で2度の正面衝突事故を起こし、24日の事故では25人が重軽傷を負った福井県の京福電鉄。同電鉄は赤字を理由に一部路線を廃止、バス転換を表明したが、存続を求める地元の抵抗に遭い、今では第三セクター化を模索する。「安全への十分な設備投資があれば避けられた事故」と半年前同様の指摘が出ているが、地方鉄道に共通する厳しい経営状態がその実現を阻んでいる。
・ATSがあれば
 昨年12月の事故はブレーキ装置の故障が原因とされ、安全管理体制の不備が露呈された。今回は赤信号見落としという「人為的」ミスの可能性が浮上している。「列車自動停止装置(ATSがあれば防げたのに」と国土交通省の関係者。
 鉄道営業法は原則として鉄道会社にATSの設置を義務付けている。2000年3月現在、一部または全部の駅や車両にATSを設置している中小私鉄は全国で119社。一方、設置には多額の費用が必要で、1時間に片道1、2本の路線に投入しても効果が薄いことなどから、未設置の事業者も16社あるという。
 信号の見落としや勘違いが原因で正面衝突した事故は最近でも3件発生。いずれも、再発防止策としてATS設置や改良を進めたが、教訓として生かされなかった。
・共通の悩み
 事故現場付近には、ATSが未設置だった。昨年度の福井県内を走る同線など3線の営業赤字は4億300万円。安全のために多額の費用をかける余裕がないのは他の地方ローカル私鉄と共通の悩みだ。
 一畑電鉄(島根県)は1994年から定時運行する全20両にATSを導入した。総費用約6000万円のうち、国と地元自治体が3分の1ずつを負担。車両の購入にも5分の4の補助が出るなど、援助は手厚い。「実情を訴えて理解を得てきたが、うちのようなケースは珍しい」と同電鉄。
 福井県や周辺自治体は98年度から3年間で計9億8000万円を京福電鉄に補助している。しかし「生きないように死なないようにする県や自治体の補助では先行きはもはや見えない」と、ある社員は言い切る。
・気勢上げた翌日
 京福電鉄は、収益悪化を理由に92年、越前本線の一部と支線の永平寺線を廃止し、バス転換を表明した。だが地元の存続への思いは強く、事故前日の23日にも勝山市で総決起集会が開かれ、約1100人が気勢を上げたばかりだった。
 「1bを超える積雪がある中で、電車の定時性は重要。学生や高齢者らの足を確保するためにも、運動は展開する」と勝山市京福電鉄越前本線存続対策室の木下潔室長は強気。
 現在は京福電鉄も軌道修正して同社や県、地元自治体などでつくる協議会で、第三セクターかバス転換かの結論を今年中に出す方向で調整中だ。
 しかし福井県の試算では、三セク化に要する初期投資額と開業後10年間の県や周辺自治体がかぶる経費は最大約114億円。膨大な地元負担に三セク化への道のりはあまりに険しい。協議会の委員からも「かなり不利な状況。存続は難しいかも」との声が漏れた。(京都新聞)
■近鉄 資金管理一元化へ 金融子会社設立含め検討
 近畿日本鉄道(大阪市)は25日、2001年度内にも近鉄グループの資金管理を一元化する方向で検討していることを明らかにした。グループ内の資金効率を高めるのが狙いで、近鉄本体による集中的な管理や金融子会社設立を含めて検討している。
 28日に大阪市内で開く株主総会で、定款に定められている事業目的に金融業を加えることについて、承認を求める。
 一元化の対象となるのは、近鉄グループの計237社のうち一部になる見通し。
 近鉄百貨店(大阪市)、ホテル経営の近鉄ホテルシステムズ(同市)、主にバス事業を手掛ける奈良交通(奈良市)などがあり、現在は、各社が個別に資金管理をしている。(京都新聞)
■KTR、11期連続赤字 営業収益は2期連続増 減価償却かさむ 2000年度決算
 京都府や沿線市町などが出資する第三セクターの北近畿タンゴ鉄道(KTR、社長・谷岡豊次京都府参与)は25日、2000年度決算を発表した。運賃収入など営業収益は前年度比3.7%増の15億9500万円だが、車両購入など減価償却がかさみ、計上損失は5億5600万円となり、11期連続の赤字決算となった。このため12億円の減資を行い、減資資金で累積赤字を解消していく。
 運賃収入は景気低迷の影響から、前年度より0.4%減の12億8300万円だが、JRからの車両使用料が前年度比30%増と大きく伸びたため、営業収益は2期連続前年度を上回った。
 一方、営業費用は人件費を3.9%削減したが、修繕費がトンネル崩壊調査などに伴い13%の増、軽油値上げで動力費も31%増など計21億6300万円、3.4%増となった。経常損失(赤字)は5億5600万円を計上した。
 一方、赤字補てんで府や沿線市町が拠出する運営費補助が増えたほか、ロシア船籍のナホトカ号重油流出事故に伴う補償金などが入り、特別利益として18%増の5億6900万円を確保した。この結果、当期利益は460万円の黒字で、前年度からの累積赤字は4億2300万円となった。
 しかし、減価償却の増加などで累積赤字の縮小が進まないことから、資本金26億円のうち、車両購入で増資した12億円を減資する。減資の資金を使って累積赤字を解消するほか、減資差益を積み立てて今後の減価償却などに充てる。
 28日の定時株主総会で決算が承認され、役員人事で神田解事業本部長が常務に選出される見通し。(京都新聞)
■携帯で会話中 阪急がはねる 正雀駅、高1死亡
 25日午後8時45分ごろ、大阪府摂津市阪急正雀の阪急京都線正雀駅で、同市内に住む私立高校1年の男子生徒(15)が、ホームに進入してきた梅田発河原町行き上り快速急行にはねられ死亡した。
 摂津署の調べによると、男子生徒はホームの端を携帯電話で会話をしながら歩いていたため、後ろから電車が近づいてきたことに気づかなかったらしく、頭を強打した。男子生徒は帰宅途中だった。
 阪急京都線は上り9本に11分の遅れ、約5000人に影響が出た。(京都新聞)
■社説 京福電鉄事故 生かされていない教訓
 福井県勝山市の京福電鉄越前本線でまたまた電車同士の正面衝突事故が発生した。絶対にあってならない正面衝突事故が半年の間に2度も起きたのである。同社の安全管理体制を厳しく問いただしたい。
 24日午後、越前本線の保田−発坂間(単線)で、下り急行電車と上り普通電車(ともに1両編成)が正面衝突し、両電車の乗客ら25人が重軽傷を負った。
 福井県警の調べによると、事故の原因は、本来なら発坂駅で急行電車との擦れ違いのために停車していなければならない普通電車が、擦れ違いを待たずに、そのまま発車したためとみられる。
 信号の故障ではなく、運転士の信号の見落としといった人為的過失の可能性が強いようだが、とにかく万全の調査で事故の原因をしっかり解明してもらいたい。
 同線では半年前の昨年12月17日にも、運転士1人が死亡、乗客ら25人がけがをする正面衝突事故を起こしている。
 この事故の後、同社では安全確保のための対策を立てるとともに、乗務員に対する教育訓練も強化してきたはずなのに、結果としてこれが生かされなかった。職務怠慢と言われても仕方あるまい。半年前の事故の教訓はどうなったのか。今度という今度は、全社挙げての徹底した点検と検証が必要だ。
 国土交通省の監督・指導体制についても、問題はなかったのか、問い直されていい。
 京福電鉄の鉄道部門は赤字続きで経営難とされる。これが安全対策の遅れにつながっているとの指摘もある。確かにATS(列車自動停止装置)が整備されていれば、今回の事故は防げたかもしれない。
 とはいえ人命を預かる鉄道事業であれば、安全対策は何をおいても最優先されるべきである。経営難を事故の要因にすることは許されない。
 ATS整備の遅れは、その分全職員の高い安全意識と緊張感でカバーすべきなのである。
 地元では、越前本線の存廃問題が大きな関心事になっていると聞く。福井県などでつくる関係団体は、同本線を第三セクター方式で運営するか、バス路線に切り替えるか、年内にも結論を出す方針だが、勝山市では存続を求める声が強い。
 事故前日の23日には地元民らによる総決起集会が開かれ、存続の機運を盛り上げたばかりという。それだけに相次ぐ事故は、地元に暗い影を落としているようだ。
 長年、住民の足の役割を果たしてきた地方の鉄道が、採算面を理由に消えてゆくのはさびしいことだ。ここは地元住民の意向を重視し、存続に向けて関係者が知恵を出し合うことを期待したい。もちろん安全策の強化は欠かせない。国や自治体の支援も重要になってくる。(京都新聞)
■京福電鉄事故 ATS導入 中小は85% 経営難で踏み切れず
 福井県勝山市で起きた京福電鉄の正面衝突事故は、県警などの調べで、運転士の赤信号見落としが原因との見方が強まっている。仮に電車が赤信号で出発しても、自動列車停止装置(ATS)があれば、事故は防げた可能性は高い。だが、事故現場にATSは未整備だった。国土交通省の調べでは、ATSの設置率はJRや大手私鉄が100%なのに対し、中小の事業者は約85%。未整備の多くは、路線維持が精いっぱいという経営難のローカル線だ。
 ATSは、運転士が赤信号に気つかず列車を出発させた場合、信号機手前にある地上装置が列車に停止信号を送り込み、自動的に列車を止める仕組み。
 同省によると、昨年3月末現在、中小の鉄道事業者全107社のうち16社がATSを導入していない。京福電鉄を含む11社は導入はしているものの、一部の線区にとどまっているという。京福電鉄は99年度以降、越前本線の2つの駅にATS を導入し、ATSが装備された新型車両も2両購入した。これを皮切りに、3路線にある45ヵ所のすべての駅を5年間で、全30車両を10年間で完備させる計画を一度は立てた。
 しかし、同社は「廃線が検討されるようになり、導入計画そのものがなくなってしまった」と説明する。
 ATS導入にあたっての大きな壁は事業費だ。3分の2は国や自治体が補助しているが、日本民営鉄道協会は「3分の1といっても数億円単位の投資となり、中小事業者にはなかなか踏み切れない」と打ち明ける。
 91年5月に起きた信楽高原鉄道事故の遺族らを中心にできた市民団体「鉄道安全推進会議(TASK)」の臼井和男会長(62)は「京福電鉄の事故の背景には、社員の安全教育まで十分に手が回らない地方鉄道会社の厳しい経営実態があるのではないか。人命を第一に考えると、国や自治体はもっと補助金を増やして経営を安定化させ、本格的な安全対策をとるべきだ」と指摘している。
運行の再開は「防止策徹底後」 国交省事務次官 福井県勝山市の京福電鉄越前本線で電車同士が正面衝突した事故について、国土交通省の小野邦久事務次官は25日の定例会見で「6ヵ月の間で2度も正面衝突事故が起きるのは異常事態。あってはならないことで大変遺憾だ。きちんと原因を解明したうえで、京福電鉄への対応を考えたい」と述べた。京福電鉄の福井県内全3路線は事故後、同省の指示で運行を停止しているが、再開については「原因究明後、再発防止の徹底を指導してから見極める」との考えを示した。(朝日新聞)
■京福電鉄正面衝突 嵐山線も緊急点検
 福井県勝山市の京福電鉄で電車同士が正面衝突した事故で、京福電鉄京都本社は25日、京都市内を運行する嵐山線も緊急点検し、人員強化を図ることにした。
 対象は嵐山線全28車両。自動列車停止装置(ATS)や信号などの機器が確実に作動するかを点検したり、車両が出庫する際に点検する担当者を増やしたりする。点検は27日まで続ける。(朝日新聞)
■携帯電話中にはねられ死亡 阪急正雀駅で高校生
 25日午後8時45分ごろ、大阪府摂津市の阪急京都線正雀駅の上りホームで、同市内の私立高校1年の男子生徒(15)が、梅田発河原町行きの快速急行にはねられた。男子生徒は頭などを強く打ち、まもなく死亡した。この事故で後続の電車9本が最大9分間遅れ、約5000人に影響が出た。
 摂津署などの調べでは、男子生徒は携帯電話で話しながら、線路寄いのホームの端を歩いていたという。快速急行の運転士によると、男子生徒は横を向いてふらふらと歩いていたという。同署は男子生徒が電車が近づいてきたことに気づかなかった可能性があるとみている。(朝日新聞)
■声 電車で習った折り紙パンダ 主婦 吉岡 貴美子(神戸市 70歳)
 先日、所用があって阪急神戸線の岡本駅で特急に乗り換えた。珍しくロマンスシートで、空席があって座ることができた。前を見ると、男の方が指先を器用に使い、小さい黒い紙を折って何かを作られている。普通は色紙なのに何を作られているのか、興味探く眺めていたら「パンダです。差し上げましよう」と折り紙パンダをいただいた。
 子供さんや女の方に作っては差し上げているとのこと。どちらまでと聞かれて、梅田駅までと答えると、「15分あればできますから、されますか」と言われ、横に並んで座らせてもらって教えていただき、十三駅までにパンダができあがった。
 家が王子動物園に割合近く、何回かパンダを見に行っている。本当にそっくりにできていて、その可愛らしさに感心した。その後、黒の折り紙を買い、車中で作ったのを参考にして、親子のパンダペアを折り、お子たちやお友達の皆さんに差し上げている。私に楽しい新しい時間が加わった。(朝日新聞)
■普通電車から無線連絡なし 京福事故検証
 福井県勝山市の京福電鉄越前本線で普通電車と急行電車が正面衝突した事故で、過失の度合いの高いとされる普通電車が現場手前の発坂駅を出発する際、所定の無線連絡をしていなかったことが、26日までの京福電鉄の調査で分かった。勝山署捜査本部は同日、業務上過失致傷容疑で普通電車の車両を中心に現場検証を続けた。
 京福電鉄によると、発坂駅ですれ違う際、対向電車が来ていないのに青信号になった場合、確認のため無線連絡することになっているが、事故を起こした普通電車からの無線連絡はなかったという。
 捜査本部は普通電車の検証を行った後、福井市内にけん引されている急行電車を検証する。また、京福電鉄の社員教育や安全管理体制に問題がなかったか、同社から事情を聴く方針。(京都新聞 夕刊)
■「なぜ改善せぬ」国交相が批判 京福事故
 福井県勝山市の京福電鉄越前本線で電車同士が正面衝突した事故について、扇千景国土交通相は26日の閣議後会見で「こんなに事故が続発すると、住民は安心して乗ってられない。なぜ改善できなかったのか、本当に情けない」と、同社の安全確保に対する姿勢を厳しく批判した。同社への指導や処分などについては「原因を解明したうえで、よく報告を聞いて善処したい」と述べた。(朝日新聞 夕刊)
■信号機故障でダイヤ乱れる 神戸、JR山陽線
 本日午前6時35分ごろ、神戸市垂水区塩屋町1丁目のJR山陽線で、信号機1ヵ所が故障し、赤のまま変わらなくなった。約1時間40分後に復旧したが、この間、同所を通過する電車はすべて速度を落として運転。この影響で東海道、山陽線のダイヤが乱れ、新快速電車5本が運休、18本が最大9分遅れ、朝のラッシュ時の乗客約3万7000人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
27日■京福事故で県警 福井本社きょう捜索 無線連絡 マニュアルなし
 福井県勝山市の京福電鉄越前本線で普通電車と急行電車が正面衝突した事故で、同電鉄は、運転士から指令区への無線連絡が必要なケースを具体的に示すマニュアルを作成していなかったことが26日、分かった。
 事故現場は、列車集中制御装置(CTC)システムのない区間で、無線が運行状況を把握するための重要な手段とされる。
 過失の度合いの高いとみられる上り普通電車が現場手前の発坂駅を出発する際、運転士からの無線連絡はなかったことが判明。福井県警は27日、業務上過失致傷の疑いで同電鉄福井本社など数ヵ所を家宅捜索する方針を固めた。
 国土交通省中部運輸局も、京福電鉄が昨年12月に続いて正面衝突事故を起こしていることも重視、鉄道事業法に基づく27日からの保安監査で、マニュアルの整備状況も含め同社の安全管理体制を詳しく調べる。
 こうしたマニュアルの作成は国の規則では義務付けられていないが、独自に作成している鉄道会社もあるといい、中部運輸局は「社内の統一的なマニュアルを作成すべきだ」との見解を示している。
 同電鉄は、駅で擦れ違うはずの列車が来ないのに出発信号が「青」になっている場合など無線連絡が必要なケースを、研修で運転士に口頭で指導するなどしていたが、統一的なマニュアルは作成していなかった。京福電鉄の説明では、無線機の「無線電話取扱規程」があるが、「使用範囲」は「正常な運行の確保または保安上の指令、指示、伝達、打ち合わせを必要とするとき」などと概括的な説明にとどまっている。
 同社は「無線連絡が必要な具体的な事例については研修の中で口頭で説明しており、問題はない」としている。(京都新聞)
■「船鉾」をデザイン化 スルッとKANSAI都カードに
 京都市交通局は、祇園祭に向けて、「船鉾」の写真をあしらったプリペイドカード「スルッとKANSAI都カード」を、7月1日から発売する。
 祇園祭を記念した都カードの発売は、今回が初めて。市民や観光客に京都らしさをアピールし、カードの売り上げ増を図る。
 1000円、2000円、3000円、5000円の4種類で、計3万枚発売する。問い合わせは市交通局自動車部TEL075(822)9140へ。(京都新聞)
■京福株主総会 急きょ公開へ 事故受けきょう
 京福電鉄(本社・京都市)は26日、福井県勝山市で負傷者25人を出した電車同士の衝突事故を受け、27日に予定されている株主総会を急きょ公開すると発表した。昨年までは非公開だったが、半年間に2度の重大事故を引き起こしたことを重視、石田栄一社長が公開を決めた。報道陣向けに会場での様子を別室のモニターに中継するという。
 総会は午前10時から京都市中京区の京都商工会議所で開催する。(朝日新聞)
■運輸局が警告書
 福井県勝山市の京福電鉄越前本線で電車同士が正面衝突した事故で、国土交通省中部運輸局は26日、石田栄一・京福電鉄社長に、原因究明と再発防止を求める警告書を福井市内で渡した。同運輸局は27日から同県内の同電鉄3路線すべてで施設の安全性などを調べる保安監査をする予定。
 鈴木利一郎・中部運輸局鉄道部調整官が石田社長に「半年に2度もこのようなとんでもない事故が起きた前例はない」と注意した。石田社長は「負傷者の方に努力する姿を見せて、信頼回復に努めたい」と答えた。(朝日新聞)
■JR東に「出資要請」 ドイツ鉄道、新幹線拡充で
 欧州最大級の鉄道会社、ドイツ鉄道のハルトムート・メードルン社長は朝日新聞記者のインタビューに対し、04年を目標としている株式上場に合わせ、JR東日本に出資を要請したことを明らかにした。欧州での高速鉄道網の拡充に伴い、新幹線の運行に実績のあるJR東日本との提携強化をめざすという。
 メードルン社長は「JR東海、西日本からの出資も歓迎する。欧州の鉄道会社に出資を求めることもある」とも述べた。
 ドイツ鉄道は新幹線ICE の整備を進めている。高速鉄道網の拡大に伴って高価な車両が多数必要となり、自動車や航空機との競争激化でコスト削減も迫られている。
 JR東日本と資本関係を築くことで、ICEと日本の新幹線との部品の共通化を進めるなど、車両調達費を引き下げられるとしている。(朝日新聞)
■正面衝突で福井県警 京福福井本社を捜索 運輸局も保安監査
 福井県勝山市の京福電鉄越前本線で上り普通電車と下り急行電車が正面衝突し25人が重軽傷を負った事故で、福井県警勝山署捜査本部は27日午前9時すぎから、業務上過失致傷の疑いで、同電鉄福井本社(同市日之出)と福井鉄道部(同市志比口)など関係7ヵ所を、60人態勢で家宅捜索した。
 国土交通省中部運輸局も同日、安全管理体制に重大な問題があるとして鉄道事業法に基づき、福井鉄道部の保安監査を実施した。県内にある同電鉄の全3路線について、29日までの予定で順次行う。
 捜査本部はこれまでに、過失の度合いが高いとされる上り普通電車や信号システムの作動状況などを中心に検証してきた。
 その結果、信号システムなどに明確な異常が見つからないため、上り電車の運転士(22)の信号見落としなど、人為的なミスが惨事を招いたとの見方を強めている。捜索では運行状況や人事管理記録などを中心に資料を押収するものとみられる。
 捜査本部は今後、頭部骨折など3ヵ月の重傷で入院している上り電車の運転士から回復を待って事情を聴く方針で、押収した資料を突き合わせるなどして、事故の全容解明を急ぐ。(京都新聞 夕刊)
■京都で株主総会 社長が謝罪
 京福電鉄(京都市中京区)は27日午前、京都市中京区の京都商工会議所で株主総会を開き、石田栄一社長が「事故を繰り返し、誠に申し訳ない。心からおわびします」と謝罪した。出席した株主から安全管理に対する姿勢をただす声や事故が経営に及ぼす影響を懸念する声が相次いだ。
 午前10時からの総会には、例年並みの株主54人が出席。株主らは「起こってはならない事故。今後、どう対応するつもりだろうか」=京都市北区、建設業(53)=、「住民の足として鉄道を続けてほしい」=右京区、主婦(60)=などと話し、足早に会場に入った。
 総会は、別室でモニターを使って報道陣に公開された。石田社長は冒頭、今月24日の事故の概要やバスによる代替輸送の現状を報告し、「乗客ら負傷者25人の一日も早い回復を願い、誠意をもって対応する。株主の方々には心配、迷惑をかけ深くおわびしたい」と頭を下げ、「事故の教訓を真摯に受け止め、安全管理体制の見直し、再発防止に全力をあげたい」と述べた。
 株主からは「(事故のあった)越前本線をどのように運営するのか」「昨年の事故の後、(グループの)京阪電鉄のバックアップをなぜ仰がなかったのか」「今回の事故は刑事事件になるのか」などの質問が出た。
 これに対して石田社長は「懸案の経営課題である越前本線の存廃問題と事故は切り離して考えたい」などと答えた。
 総会では、役員人事案などの議案が賛成多数で承認され、約半時間で終わった。(京都新聞 夕刊)
■鉄馬は南北を走りたい 境界線で進む鉄道工事 韓国側・年内完成 北朝鮮側・対話待ち
 韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を結ぶ予定の鉄道と道路。韓国陸軍は26日、一部報道機関に韓国側の非武装地帯(DMZ)沿いの建設現場を公開、年内完成を目指し工事が急ピッチで進んでいた。
 鉄道の京義線と並行道路の南北連結は昨年6月の南北首脳会談で合意された。韓国側の京義線の終点である■(さんずいに文)山から始まり、現在はDMZの南側境界線までの約28`の区間で建設が進んでいる。
 ソウルの北約50`にある板門店から約5`離れた地点が建設ルート。工事を担当しているのは韓国陸軍建設団で、日に約1000人が動員されている。地雷も何発か見つかったという。
 韓国側の工事は、盛り土部分がほぼでき、一部ではレールの敷設工事に入っている。臨津江にかかる鉄道用の自由の橋もレールの敷設を除きほぼ完成した。北朝鮮からの玄関口となる都羅山駅(仮称)。駅舎のほか、出入境管理、検疫、税関などの施設も3割ほどできていた。道路もここで鉄道と合流、DMZ を並行して通過し、北朝鮮側の開城に向かう。
 だが、南北間の協議が中断しているため、DMZ内の工事に着手できず、鉄条網の手前で工事は止まっている。北朝鮮側の工事も手付かずだ。
 報道陣を案内した同建設団の将校は「北側には建設用資材が置かれているので、南北間の対話が進めばいつでも工事に着手する態勢にはあるようだ」と話す。「鉄馬は走りたい」と書かれた旗が建設現場で翻っていた。(共同 安尾芳典)(京都新聞 夕刊)
■京福・福井本社を捜索 正面衝突 運行マニュアル押収
 福井県勝山市の京福電鉄越前本線で電車同士が正面衝突し、乗客と乗務員25人が重軽傷を負った事故で、福井県警勝山署の捜査本部は27日朝、福井市日之出1丁目の同電鉄福井本社など数ヵ所を業務上過失傷害の疑いで家宅捜索した。事故は運転士が赤信号を見落として発車したのが原因との見方が強まっており、乗務員教育や運行マニュアルなどの関連書類を押収する方針だ。同電鉄は同日午前10時から京都市内で株主総会を開いており、総会と同時に強制捜査が入る事態となった。
 捜査本部によると、捜索の対象は福井本社で乗務員の採用や勤務状況、社内教育など人事関係を担当する総務部のほか、福井市志比口3丁目の福井鉄道部など。午前9時すぎ、捜査員が段ボール箱を手に社屋に入った。
 調べによると、事故は24日午後6時8分ごろ、勝山発福井行き上り普通電車=下川床誠運転士(22)=が、発坂駅の西約300bで下り急行電車と衝突した。現場は単線のため、運行計画では、普通電車は、急行電車が駅の向かい側ホームに到着したのを確認してから発車することになっていたが、その前に発車したらしい。捜査本部は、普通電車の下川床運転士が赤信号を見落としたとの見方を強めている。(朝日新聞 夕刊)
■京福電鉄株主総会 「存廃は別」と社長
 京福電鉄(本社・京都市)の定時株主総会が27日、京都市中京区の京都商工会議所であり、福井県勝山市の同電鉄越前本線での正面衝突事故について、石田栄一社長が「重大事故を繰り返し、心よりおわび申し上げます。安全管理を見直し、二度とこのような事故が起きないよう努めたい」と陳謝した。また、越前本線の存廃問題については「事故と切り離して考える」と述べた。
 総会には、昨年より7人少ない54人の株主が出席。石田社長は冒頭「25人の負傷者のうち10人がいまだに入院中であり、1日も早い回復をお祈り申し上げます。誠に申し訳ない」と謝罪した。会場からは「刑事責任は問われるのか」との質問が出た。石田社長は「警察の捜査中で、コメントは差し控えたい」と述べるにとどまった。
 越前本線の存廃問題に関する質問に、石田社長は「沿線自治体による活性化協議会との話し合いで第三セクター方式での継続を検討することが決まっている。民間単独では採算面で非常に厳しい。利用者の意向に沿う形で最大限の協力をしたい」と語り、今年度中に最終結論を出す意向を明らかにした。(朝日新聞 夕刊)
28日■踏切事故で遅れ 京田辺の近鉄京都線
 27日午後8時20分ごろ、京田辺市興戸宮ケ辻、近鉄京都線の新田辺第4号道踏切で、近くの大学生(21)の普通乗用車が脱輪し、動けなくなった。大学生が踏切の非常ボタンを押し、京都行き急行電車が乗用車の約10b手前で停止した。けが人はなかった。
 田辺署によると、同電車を含む特急2本、急行2本、普通1本の計5本が10−6分遅れた。(京都新聞)
■社説 バイオ燃料 課税の再検討が必要だ
 菜種油や使用済みの食用油から精製される環境に優しいバイオディーゼル燃料(BDF)の普及の足を課税問題が引っ張っている。
 BDFは100%使用なら非課税だが、軽油と混合では1リットル32.1円の軽油取引税が徴収される。課税をめぐり先進的に取り組んできた滋賀県と京都市で最近、トラブルが相次いだ。
 今月中旬、混合して公用車などに使用したとして愛東町と新旭町の社会福祉法人が県から納税不申告の指摘を受けた。京都市では京都府から非課税確認を取って市バスの一部で使っていたが、今年2月、急に課税を通知された。
 新しい燃料だけに国の判断が定まってなかったことなどが背景にあるが、各地の自治体での導入気運に水を差した。
 愛東町は菜種を休耕田で栽培、搾った油を食用に使って回収、BDFとして1998年から原則100%で公用車の一部に使用してきた。
 BDF給油所が限られ、遠方からの帰りに軽油を足す場合もあったという。「販売しなければ課税されないと思っていた」といい、社会福祉法人も同様で「循環型社会に貢献していると思っていた」と戸惑った。
 環境立県の県も資源循環型「湖国菜の花エコ・プロジェクト」を積極的に進めている。それだけに県税務課は「BDF推進の立場としてはあまり課税したくないが…」と複雑な様子を見せている。
 京都市は96年いち早くBDFをごみ収集車にテスト使用。その後、全ごみ収集車に100%で、市バスの一部に軽油と混ぜ使用してきた。
 今年2月、府から課税通知を受けた。約600万円の経費増になるだけに一時使用を見合わせた。府が2分の1補助を表明して一応決着したが、市交通局は「導入から2年近く経過していたのに」と嘆いた。
 BDFは石炭や石油など化石燃料と違って、原料の生産が可能だ。地球温暖化の原因となる二駿化炭素排出量も少ない。だが、登場してまだ歴史が浅い。
 府は98年から課税の検討を始め、今年2月、国の通達に従い、軽油と混合したエネルギーは地方税法の課税対象「炭化水素油」と判断、軽油取引税が道路整備の目的税の点も考慮し課税方針を決めた、とする。
 国の判断に従った訳だが、BDFは製造コストが高い。欧州ではドイツやフランス、イタリアなどが非課税措置で普及を支援している。
 滋賀県は国に課税免除を申し入れているが、21世紀の環境に配慮した燃料の一つとして普及させるためにも課税は再検討が必要だ。
 京滋の廃食油回収では多くの市民が協力して環境保護気運を盛り上げてきた。政府の新環境基本計画ではあらゆる場面での環境への配慮、政策手段の活用をうたっている。BDFにもその実行をぜひ求めたい。(京都新聞)
■京福電鉄事故 運転士は休日出勤 人員不足が影響か
 福井県勝山市の京福電鉄越前本線で起きた電車同士の正面衝突事故で、赤信号を見落とした可能性が高いとみられる勝山発福井行き普通電車の下川床誠運転士(22)は事故当日、本来の休みを返上して勤務していたことが27日、福井県警の捜査本部などの調べでわかった。運転士が不足しているのを補うためとみられ、捜査本部は事故の背景に勤務状況が影響している可能性があるとみて調べている。
 調べによると、下川床運転士は日曜と月曜が公休で、当日はこれを返上して午前7時に出勤し、福井−勝山間を2往復した。事故が起きたのは3往復目の復路だった。
 京福電鉄の運転士は33人おり、定員に1人足らない状態。勤務は県内の主要2路線をローテーションでつくようになっていた。しかし、別の運転士の突然の病欠などで、公休を返上して運転することもあり、過密勤務を避けるため、休日勤務の翌日は休みにするなど配慮していたという。
 同電鉄福井本社の鉄道部門は、利用者の減少で職員減を進めており、花年からこれまでに200人以上のリストラを進め、現在、職員は129人になっている。(朝日新聞)
■声 そろそろ気づこう
・「携帯」の自粛なぜ守れない 会社員 吉見 弘文(兵庫県伊丹市 47歳)
 久しぶりに夕方のラッシュ時の電車に乗った。携帯電話の使用自粛を訴える車内放送が流れた途端、向かいの席に座る若い女性3人がバッグから携帯を取り出してメールを打ち始めた。無表情に携帯に向かう姿は異様にさえ思えた。
 携帯電話は、電源を入れているだけで有害な電磁波を出すことくらいはみんな知っているはずなのに、なぜマナーが守られないのだろうか。自己中心的な昨今の若者の特性なのか、それとも、見て見ぬふりをする周囲の人たちの無責任さか、車内放送やポスターがむなしくさえ思える。
 禁煙車両でたばこを吸っている人がいたら、不快感を覚えるに違いない。車内での携帯使用は、それと同じことなのだ。この状態が続けば、鉄道会社は携帯専用車両を設けたり、車両そのものを電波を遮断する構造にしたりするなどの強硬策を取るしかあるまい。
 マナーやルールは破るためにあるのではないことを一人ひとりが再認識し、みんなが人に迷惑をかけない世の中になることを期待したい。
・駅員さんすら注意できない アルバイト 谷脇 千晶(神戸市 23歳)
 最近、駅や電車内でのトラブルが事件に発展することが増えています。私も毎日、電車を利用しますが、マナーに欠ける人たちを本当によく見かけます。
 皆が列を作って並んでいるのに平然と割り込む人、車内アナウンスが流れているにもかかわらず携帯電話で話す人、足を広げて2人分の席を占領する人など挙げればきりがありません。本当は私も注意したい気持ちでいっぱいですが、事件になるのが怖くて言うことができません。
 先日も、禁煙のホームでたばこを吸っている男性を見かけたので、注意してくれるよう、駅員さんにお願いしました。でも、全く注意しようとしませんでした。駅員でさえ、マナー違反に注意できないというのは、とても残念で、やりきれない気持ちでした。
 一人ひとりが周りのことを考え、思いやることができれば、迷惑を顧みない人はいなくなるはずです。電車は公共性の高い乗り物です。一日も早く、皆が気持ちよく利用できる日が来ることを願っています。(朝日新聞)
29日■バイオ燃料軽油混合 課税免除求める
 京都市は28日、政府の来年度予算編成に向けた要望の中で、廃食油を精製して市バスに利用しているバイオディーゼル燃料について、軽油との混合燃料を軽油引取税の対象から除外し、非課税とするよう求めることを決めた。市バスのバイオ燃料をめぐっては、非課税としていた京都府が今年2月、軽油引取税を課す方針を決め、市は使用を一時中断。府は先月、市町村が廃食油を回収、再生する事業に補助制度を設けると表明した。
 しかし市は、年間約600万円となる課税額の負担が重く、環境面に配慮した先駆的な取り組みが後退するとして、バイオ燃料100%の場合のみ非課税となる現行の税制を見直し、混合燃料も課税を免除するよう求めることにした。
 また、市民が廃食油を回収する取り組みにも、水質汚濁の防止や環境問題に関心を高めてもらう意義があるとして、財政面での援助を要望する。
 植物を原料とするバイオ燃料は、硫黄酸化物や黒煙の排出量が少なく、市は市バスの一部とごみ収集車に導入している。(京都新聞)
■新幹線トンネル内 東山、音羽山で携帯通話可能に
 総務省は28日、新幹線のトンネル内で携帯電話が使用できるよう、京都市の東山トンネルと音羽山トンネル(一部大津市)で本年度に実施される「電波遮へい対策事業」への補助金交付を決めた、と発表した。
 国内の携帯電話会社でつくる道路トンネル情報通信基盤整備協会(東京都)が事業主体。トンネル内へのアンテナ設置などの事業費について、半額にあたる計2億4000万円を補助する。同事業は昨年度に横山トンネル(滋賀県米原町)で実施。来春には近畿管内で大阪以東にある3つの新幹線トンネルすべてで携帯電話が通話可能になるという。(京都新聞)
■事故の当日休日出勤 普通電車運転士 京福事故
 京福電鉄正面衝突事故で、信号見落としの可能性が出ている普通電車の運転士(22)は、事故当日は休日出勤していたことが28日、分かった。
 同電鉄によると、本来の勤務予定では、事故当日の24日と翌25日が休みだったが、人繰りの都合で24日に急きょ出勤することになったという。途中4時間の休憩を挟み、午前7時から午後9時50分まで勤務する予定だった。
 また、運転士は昨年11月に免許を取得、見習い期間を経て今年2月から1人で運転していた。(京都新聞)
■オピニオン解説 取材ノートから 京福正面衝突 人間の行動心理解明を ミスの要因減らせ
 福井県勝山市の京福電鉄越前本線(単線)で24日、上り普通電車と下り急行電車が正面衝突し、乗客ら25人が重軽傷を負った。わずか半年前に同線で起きた正面衝突事故は、電車のブレーキ部品の破断が原因とされる。今回は福井県警などの調べでは、信号系統に異常は見られず、運転士の人為ミスの可能性が指摘されている。本格的な原因究明はこれからだが、犠牲を将来に生かすには刑事責任の過失の立証だけでなく、なぜミスが生じたのか、ミスに至る行動や心理など人間を取り巻くさまざまな要因の解明が欠かせない。
 この上り普通電車は本来、発坂駅(無人駅)で対向の下り急行電車と行き違いをするダイヤなのに進行してしまった。
 鉄道は、過去の事故を教訓に安全対策を強化してきた。
 人間がミスをした場合のフェール・セーフ(多重防護)として、赤信号での進行を防ぐ列車自動停止装置(ATS)を旧国鉄が全線に配備したのは、1966年。その4年前に死者160人を出した常磐線三河島二重衝突事故が契機だった。
●ATSなく
 京福電鉄では、京都市内を走る嵐山本線と北野線には、ATSが整備されている。しかし、福井県内の越前本線、三国芦原線、永平寺線45駅のうち、付いているのはわずか2駅で、発坂駅にはなかった。
 京福電鉄の鉄道部門は赤字が続いている。この2駅のATSも、利用促進を図る「越前線活性化対策協議会」の福井県など沿線自治体が、98年度から3年間で約9億8000万円を支援した欠損補てんや設備安定の資金から設置された。
 市民団体「鉄道安全推進会議」事務局長の佐藤健宗弁護士は「ヒューマン・エラーが重大な事故につながらないようバックアップを考えること。ATSの費用をだれが負担するのか、国、県など自治体、事業者が幅広く議論すべき」と話す。
 長崎県の島原鉄道で92年11月に起きた列車正面衝突事故も、ATS未整備の路線だった。
 だが、ATSが整備されていれば万全というわけではない。他の鉄道会社でATSが作動したのに、運転士がATSを解除して進行して起きた事故も現実に起きている。
 91年5月に信楽高原鉄道で起きた列車正面衝突事故で、長女を亡くした京都市右京区の臼井和男さん(62)は「人間のいのちの大切さに立って、安全教育、安全対策をとるのが、事故を防ぐ出発点なのに」と憂える。
 臼井さんは、長女の死を無駄にしたくないと、事故後、米国の事故調査機関・国家運輸安全委員会(NTSB)を視察した。
●綿密な調査
 驚いたのは、犠牲者発生要因を少なくすることに加え、ヒューマン・パフォーマンス(人間行動要因)の綿密な調査であった。乗務員らの事故前72時間の行動(睡眠時間や過ごし方など)をはじめ、会社の勤務計画や勤務実態、機器の配置やデザインにも及ぶ。
 臼井さんは「今回、仮に乗務員のミスが絡んでいても、単に信号の見落としで終わりにしてはいけない」と話す。
 信楽事故から10年を経て本紙で連載している「鉄路」は、赤信号で出発させた人間の行動や判断も提示できれば、との思いからだ。
 事故は人間と機械のかかわりによって起こる。惨事からひき出せる教訓をなんとしても生かしたい。(京都新聞)
■JR新大久保駅の転落事故連想 駅の人間ドラマ題材 辰巳琢郎さん 初の独り芝居 記憶、風化させない 来月13日・上京区
 京大在学中に劇団「そとばこまち」を主宰した俳優、辰巳琢郎さんが7月13日、上京区河原町通広小路の府立文化芸術会館で、初の一人芝居に挑む。東京近郊の駅で繰り広げられる人間ドラマを描いた「乗りおくれた夜明けに」。「命について考えさせられる内容になったと思う」と辰巳さんは話す。
 辰巳さんが演じるのは、平均的なサラリーマン合田和彦。朝一番の電車に乗ろうと来た駅で、さまざまな事件が起きる。合田は自分の家庭を持ち、それなりに生活に満足はしているが、悩みもあることが明らかになっていく。
 一人芝居なので、辰巳さんは80分出ずっぱり。激しくホームを動き回る役柄で、けいこが終わると汗だくだ。せりふを覚える時も、会話になっていないので、最初は戸惑った。
 辰巳さんにとって、京都は懐かしい場所でもある。今の活動の原点は、「そとばこまち」時代。雑居ビルの一室をけいこ場にし、毎月違う演目の芝居をした。それが関西学生演劇ブームにつながった。当時は、無心に芝居が楽しくてたまらなかったという。
 作・演出はふたくちつよしさん。東京のJR新大久保駅で、ホームから転落した人を救おうとした2人が亡くなった事件を連想させる場面がある。だが、脚本はそれ以前に完成していた。「人々の記憶を風化させないためにも、思いをこめて演じたい」と辰巳さんは話す。
 午後7時開演。4000円。問い合わせは府立文化芸術会館(075・222・1046)。(朝日新聞)
■米国産米の駅弁「いただけんナ」 自民農林族 国産余剰…JR子会社に「政治介入」
 JR東日本の子会社が売り出すお弁当に自民党の農林族議員がかみついた。駅弁では初めて国産ではなく米国産のコメを使ったからだ。JR側も1日1万食の販売計画は貫き通す考えだが、族議員の「政治介入」に当惑を隠しきれない。
 子会社は駅弁販売の日本レストランエンタプライズ(東京)で、「O-bento(オーベントー)」を7月17日に発売する。牛すき焼き風など3種類で、米国産の有機認証米を使う。米国工場で製造し、冷凍の状態で日本に運ぶ。年間300dのコメを調達する予定だ。
 こうした動きに、28日の自民党の農林関係部会で、議員が「国産が余っている状況で米国産のコメを使うのはけしからん」などと批判、親会社のJR東日本や同社に抗議する方針だ。農水省の熊沢英昭事務次官も会見で「遺憾だ」とした。
 コメの国内生産は年1000万dだが、輸入する米国産はその3万分の1しかない。批判を浴びた同社の竹田正興社長は「消費者のコメ離れで1個65円のハンバーガーと勝負できない。魅力あるごはんを食べてほしいという思いはいっしよだ」と話している。
 ただ、営業エリアで米作地帯の東北、上越地方での販売は見合わせる。(朝日新聞)
■声 京福の事故で慎重さ再確認 無職 冨永 敏衛(徳島市 70歳)
 京福電鉄がまた正面衝突事故を起こしたが、単線の鉄道では最も警戒を要する事故である。前回はプレーキ系統の故障が原因であったようだが、今回は運転士が赤信号を見落としたとの疑いがある。もし、事実なら初歩的ミスによるもので、残念で仕方がない。
 このような事故を防ぐために自動列車停止装置(ATS)という安全装置があるが、この会社では経費面からの理由で未設置である。だからこそ一段の安全運行への注意義務が強く要求されていたはずである。
 運転士が常にしている指さし確認はしなかったのだろうか。「信号よし」とか「出発進行」の喚呼は安全運行の基本であり、乗客の耳にその声が届くと安心感を与える。鉄道が好きで、列車の運行やダイヤに関心を持つ私としては、鉄道マンの赤信号の不確認、ダイヤの確認不実行は全く考えられないのである。
 この事故は、私自身の日常の自動車運転への警告と受け止めた。「漫然と運転するな。常に緊張感を持て」ということを強く認識させてくれた。(朝日新聞)
■京都市交通労組使途不明金 8000万円に膨らむ 組合書記 「借金返済に」
 京都市交通局の労働組合「京都交通労働組合」で、組合員のローン返済金などが使途不明となっている問題で、使途不明額がこれまでの約880万円から約8000万円に膨らむことが29日までに、同組合の調べで分かった。返済事務を担当していた組合書記(46)が800万円以上を着服していたことを認めており、同労組は詳しく調べたうえで、書記を告訴することも検討している。
 同労組によると、書記は25年前から組合員の近畿労働金庫へのローン返済事務を一人で担当していた。この間、組合員の返済金を労金へ振り込まずに帳簿上での不正な操作を繰り返し、一部を着服したという。
 同労組の聴取に対し、書記は「肉親の借金返済などにあてた」と話しているという。
 同労組は、29日午後の中央委員会でこれまでの調査経過を報告するとともに、不正に操作した額が、さらに膨らむ可能性もあるとみて調査を進める。(京都新聞 夕刊)
■乗客、車内に置き去り また市バス
 京都市バスが28日夜、寝過ごした乗客を乗せたまま、市交通局山越操車場(右京区)に入庫し、乗客を一時置き去りにしていたことが29日、分かった。
 市交通局などによると、28日午後7時すぎ、京都駅発「宇多野山越」行きの市バスが、途中の降車予定地を乗り過ごした右京区の男性会社員(52)を乗せたまま、山越操車場に入庫した。男性が気づいたとき、車内にかぎがかかり、外へ出られない状態だった。男性は20分程度、車内に閉じ込められ、大声を出して操車場内の誘導員に知らせ脱出したという。
 市交通局五条営業所は「29日朝に乗客の関係者から連絡を受けて事実がわかった。乗務員と乗客から事情を聴いている」と話している。市バスは昨年9月にも養護学校の女子生徒を車内に一晩放置したことがあった。(京都新聞 夕刊)
■ボーナスもリストラ!? 京滋の公務員に支給 経営健全化へ 京都市交通局 全職員7−5%減(抜粋)
 京都府、滋賀県内の自治体と国の出先機関でも29日、夏のボーナス(期末・勤勉手当)が支給された。総支給額は、京都が705億円、滋賀が311億円(いずれも地元金融機関の推計)。自治体の財政状況が厳しく、人員削減が進む京都は昨夏に比べ0.9%の減少、逆に滋賀は0.7%の増加となった。
 ◇京都府 教員、警官を含む3万2859人に、総額304億8317万1000円が支給された。支給額は平均2.05ヵ月。知事部局の一般職員(平均41.5歳)は平均90万4900円(手取り81万3900円)で、昨夏に比べ0.7%アップした。
 三役のボーナスカットを1999年6月から続けており、30%カットの荒巻禎一知事は昨夏と同額の221万5035円(同158万6852円)。府議会議員は201万8400円(同153万6836円)。
 ◇京都市 職員1万7907人に総額159億6806万円が支給された。支給額は2.05ヵ月分。市長部局の一般職員(平均41.9歳)は88万8841円(手取り78万732円)で、昨夏とほぼ同じ。市政改革の一環で、局長級以上の職員は5%、特別職は15−10%カットした。経営健全化に取り組む交通局は全職員が7−5%のカット。
 桝本頼兼市長は268万9685円(同190万円)、市議は平均202万5084円(同148万7927円)。(京都新聞 夕刊)
■JR東海道線 芦屋−西ノ宮間に新駅 5年後めど開業 私鉄から客奪え 駅名「JR夙川」?
 JR西日本は東海道線の芦屋−西ノ宮間に新駅を設けることを決めた。5年後をめどに兵庫県西宮市の西部に新駅舎を建設する。駅名をどうするかを含め、西宮市などと近く詰めの協議に入る。半径400b以内に阪急夙川駅、阪神香櫨園駅があるが、JR西日本は「大阪以東に行く場合などうちが最も便利。他社からかなりの客を奪えるのではないか」としている。
 新駅予定地は、芦屋−西ノ宮間のほば中間にあたる西宮市神楽町付近。
 同社の計画では、高架式の駅舎にし、長さ約160b、幅約5bのホームをつくる。総工費は10億〜20億円。
 当面は普通電車のみで、1日上下300本以上を停車させる。大阪駅までの所要時間は18分を予定。「JR夙川」などの駅名を検討しているが、西宮市など地元と協議して決めるという。
 予定地の約300b北に阪急神戸線夙川駅、約500b南には阪神本線香櫨園駅があり、両駅合わせて1日計約4万1000人が利用している。
 不況の影響で、この5年間にJRが約4%、阪急が約9%、阪神は約11%も乗客が減っている。阪神間は各社ともに「ドル箱」路線。運賃据え置き在どで利用者の争奪戦を繰り広げている。
 JR西日本の新駅構想について、阪急電鉄広報室は「我々の駅にかなり近い場所なので影響は避けられない。利便性やバリアフリー化など、きめ細かいサービスで競争する」と話す。阪神電鉄広報室も「事実なら影響が出る。はっきりしないと何とも言えないが…」としている。(朝日新聞 夕刊)
■北信越に大雨 北陸線に乱れ 大糸線も一部運休
 北陸地方に29日未明、激しい雨が降り、JR北陸線は泊−青海間で断続的に徐行運転した。この影響で函館発大阪行きの寝台特急「日本海4号」が103分、大阪発新潟行きの夜行急行「きたぐに」が110分遅れるなど、夜行電車4本のダイヤが乱れた。糸魚川−松本を結ぶ大糸線の一部区間では普通列車14本が運休し、バスによる代行輸送となった。
 金沢地方気象台によると、29日午前0時〜2時に雨は最も強く降り、同8時現在の降雨量は、石川県穴水で47_、同富来44_など。(朝日新聞 夕刊)
■介助犬2頭の乗車を認める 大阪市交通局
 大阪市交通局は29日、日本介助犬トレーニングセンター所属の2頭の介助犬の地下鉄などへの乗車を7月1日から初めて認めることを決めた。5月に、京都府城陽市の高校1年江田祐紀君の介助犬「洛翠」と、同府京田辺市の大学1年館林千賀子さんの「アトム」の試験乗車を、大阪市営地下鉄で初めて実施。その結果、2頭とも乗降に支障がないと判断した。(朝日新聞 夕刊)
30日■「平成女鉾」お目見え 京都駅ビル
 祇園祭への参加を目指す「平成女鉾」が29日、京都市下京区の京都駅ビル室町小路広場に組み立てられ、吹き抜けにそびえる鉾に大勢の市民が足を止めて見入った。
 高さ15bあり、重さ約6d。杉の木をいただき、前掛けや見送り、駒形提灯も飾り付けられている。クレーン車で広場まで運び上げた部材を28日夜から29日未明にかけて一夜がかりで組み上げた。
 女鉾の囃子(はやし)方でつくる「清音(さやね)会」演奏もスピーカーで流された。観光客や買い物客は駅に響く「コンチキチン」の音に耳を傾けたり、風に揺れる提灯を写真に収め、祭りの雰囲気を楽しんでいた。7、8両日午後には清音会が鉾の上で演奏する。(京都新聞)
■降りて歩いて 25 JR山城青谷駅(城陽市市辺) 梅林の風情変わらず
 JR京都駅から約40分。山城青谷駅は、梅の名所・青谷梅林を訪れる際の出発点だ。2月中旬から3月中旬の花見シーズンには、京都市内のほか大阪、奈良方面からの花見客でにぎわう。
 地域のコミュニティセンターを併設する駅舎は1995年に建て替えられた。駅の改札を出ると、昼間は人の姿もまばら。道路沿いの観光地図を頼りに雑貨店や和菓子店を抜けると遠くに山並みをのぞむ、のどかな田園風景が広がった。
 田んぼ沿いの道を5分ほど歩くと、古い民家の残る集落に入る。菅原道真を祀る中天満神社や龍福寺を横目に、山背古道を歩くと、ピンポン球ほどの実を鈴なりに付けた梅の木がずらりと並ぶ梅林にたどり着いた。
 梅の出荷作業に向かう途中の主婦池野淳子さんは「花見シーズンには、リュックサック姿の中高年の人たちでいっぱい」と説明してくれた。
 鎌倉時代末期にはすでに歌に詠まれた梅林。明治には地元の人たちが保勝会をつくりPRに努めた。花見客の誘致で26(大正15)年、臨時停車場が設けられ、7年後の33(昭和8)年に常設駅となった。梅生産農家の立道喜久二さん(65)=同市中=は「木造平屋建ての駅舎には常時、駅員8人ほどがおり、貨物の積み降ろしで活気があった」と懐かしむ。
 高度経済成長を迎えた60年代以降、駅周辺の田んぼには新しい家が立ち始めた。さらに、国鉄の民営化で、貨物列車の引き込み線は、駅前広場に姿を変えた。立道さんは「活気が出るのはいいですが、豊かな自然と静かな環境はいつまでも残したい」と力を込めた。(京都新聞)
■市バスで居眠り そのまま車庫へ 50代男性 10分後に救出
 京都市交通局の市バス山越操車場(右京区山越中町)で28日夜、乗客の男性会社員(52)が車内で寝ていることに気づかないまま、運転手(60)がバスを車庫に入れ、下車していたことがわかった。会社員は大声で助けを求め、約10分後に助け出された。市交通局は入庫時の点検を怠ったとして、運転手の処分を検討している。
 市交通局などによると、会社員が乗っていたのは京都駅発山越行きバスで、28日午後7時ごろ、山越操車場に入庫した。会社員は後方の座席で居眠りをしていたが、運転手は気つかずにドアを施錠して降りていた。会社員は窓をたたいたり、大声を出したりして近くにいた誘導員に知らせ、ドアを開けてもらったという。
 市バスでは昨年9月にも、養護学校の女子生徒が一晩閉じこめられたことがあった。市交通局の伊藤正彦・運輸課長は「同様のミスが続き、おわびのしようもない。各営業所で乗務員を指導し、再発防止に取り組みたい」と話している。(朝日新聞)
■京都交通労組書記 8100万円不正流用 容疑で告訴へ
 京都市交通局の職員でつくる京都交通労働組合で、会計担当の書記(46)が組合員の預金など約8100万円を着服した疑いがあることが29日、同労組の内部調査でわかった。同労組は近く、書記を業務上横領容疑で告訴する。書記は流用の一部を認め、「母親の借金の返済や趣味のカメラに使った」と話しているという。
 同労組によると、書記は25年前から組合員が融資を受けている近畿労働金庫へのローン返済業務を1人で担当。組合員の預金口座から返済金を小切手で引き出す際、着服を重ねたとされる。10年間で35人前後の口座から流用されており、5月に「返済金が労金に振り込まれていない」との問い合わせで、発覚した。(朝日新聞)
■1−2分早く発坂駅に到着 京福事故で普通電車
 福井県勝山市の京福電鉄越前本線で電車同士が衝突、25人が負傷した事故で、上り普通電車は現場手前の発坂駅に運行ダイヤより1−2分も早く到着していたことが、30日までの勝山署捜査本部の調べで分かった。
 上り普通電車は始発の勝山駅をダイヤ通りに出発。発坂駅では乗客1人を乗せた後、急行電車の到着を待たずに発車、約500b先で急行電車と正面衝突していた。
 これまでの調べで、上り普通電車の下川床誠運転士(22)が発坂駅発車の際、赤信号を見落とした可能性が高まっている。捜査本部は、同駅到着が早まった経緯についても、重傷を負って入院中の同運転士の回復を待って事情を聴く方針。
 調べによると、事故発生時刻は目撃情報などから6月24日午後6時8分台と特定されている。上り普通電車はダイヤ通りなら発坂駅に午後6時8分50秒に到着、急行電車の到着を待って同10分55秒に発車する予定だった。
 発坂駅から約500b先の現場までは1分程度かかるため、上り普通電車は午後6時6分−7分に発坂駅に到着、乗客を乗せた後、同7分台には発車していたことになる。捜査本部は30日、越前本線の保田と山王の変電所の現場検証をして、電気系統に異常がなかったかどうか調べている。(京都新聞 夕刊)
■関西のエスカレーター 左空けルール だんだん乱れ USJ客増など影響? 「整然とさせて」と苦情/「こっちの勝手や」の声も
 駅などのエスカレーターで右側に立ち、急ぐ人のために左側を空ける「関西ルール」が乱れ気味だ。首都圏のように右側を空けたり、ステップをふさいだりするケースが目立つという。関西ルールを約30年前に確立させたとされる阪急電鉄が構内放送で呼びかけをやめたことや、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の開業で首都圏からの利用客が増えたのが原因ともいわれる。
 1日86万人の乗降客があるJR大阪駅。21本のエスカレーターがある。「左側をおあけ下さい」の案内板も。このルールが守られていないという乗客からの苦情が昨年は約10件、今年もすでに5件以上、同駅などに寄せられている。一昨年まではほとんどなかった。USJを見に来たという首都圏の客らからの「東京のように整然とさせて」という声が多いという。
 今月下旬、夕方の大阪駅。1階から2階へ上るエスカレーターは人でぎっしり。約半数は、ルール通り右側に立つか、左側を歩いて上る。あとの半数は左側に立ったり2人で並んだり。真ん中に立つ人もいた。
 左側に立った出張帰りの大阪市内の男性会社員(36)「右手にかばんを持ってたから左に立っただけ。どっちなんて気にしてない」。
 仲間と4人でステップをふさいだ兵庫県西宮市の女子高生(17)は「友達としゃべるのに夢中やった。『どいて』と言われたこともあるけど、こっちの勝手。急ぐんやったら階段で行けば」。
 左側をふさぐ人をよけながら駆け上がったのは、4年前に東京から転勤してきたという男性銀行員(45)。「自分勝手な人があまりに多い。他人への思いやりや想像力がなさ過ぎる」といらだつ。
 首都圏の右空けは約80〜90代に広がったとされる。JR東日本が東京駅の動く歩道に「急ぎの方は右側をお通り下さい」と90年に表示した。
 「関西ルール」ができたのは、70年に大阪で開かれた日本万博のときからという。阪急梅田駅で「急ぐ人のために左側を空けてください」と放送が始まった。「手すりを持つのが正しい乗り方。右利きが多いので左空けにした」。これに当時の国鉄や京阪などが追随した。ロンドン、パリ、ニューヨークなども左空けだ。
 だが、阪急はこの放送を2年前にやめた。「うるさい」という声が乗客からあり、駅の構内放送全体を見直したという。
 また、JR西日本が東京都内で販売している1泊2日の関西ツアーの売れ行きは、前年比で1.6倍。今年から含まれたUSJ観光が人気の理由という。
・規制嫌がる気質戻った?
 『大阪学』の著者・大谷晃一さんの話 関西には規制や押さえつけを嫌がる人が多い。「おれの勝手やろ」と反発する。左空けルールは、阪急などが長年言い続けて何となく定着したが、放送もやめたし、関西人気質が戻り始めたのではないか。良いか悪いかは何とも言えんね。(朝日新聞 夕刊)