2001(平成13)年 1月


3日■満員電車で口論、けんか 大学生刺殺した疑い 神戸で会社員逮捕(朝日)
4日■新しい日常へ故郷を胸に JR、高速道 例年よりやや混雑(京都)
  ■山形新幹線など運休 Uターン客2万人影響(京都)
  ■「勝負」かけスタート 3世紀またぎ「新たな歴史を」 阪堺電気軌道(朝日)
5日■先人を訪ねて 95 高木文平 疎水の水力発電に尽力(京都市左京区栗田口)(京都)
  ■新潟で震度5弱 上越新幹線 一時ストップ(京都)
  ■上越新幹線が上下15本運休 地震の影響で(朝日)
  ■市バスとバイク接触 堀川通で男性けが(京都)
  ■北陸など大雪新幹線遅れも(朝日)
6日■同型の8両にも傷 京福事故 緊急点検 ブレーキロッドなど(京都)
  ■降りて歩いて 1 JR稲荷駅 お宮さんと一体のまち(京都)
  ■8両のブレーキに傷 京福電鉄(朝日)
  ■床下で異常音 新幹線が停止 横浜、人身事故か(朝日)
  ■声 浮いた予算で新幹線なんて 主婦 梶原 和恵(兵庫県高砂市 49歳)(朝日)
  ■非常ブレーキ作動 JR長岡京−山崎間(京都)
8日■嵐電に衝突 車の男性けが(京都)
9日■雪で交通混乱 東北などで76便欠航(京都)
  ■声 新幹線の整備二つの矛盾点 大学生 太田克弘(名古屋市 19歳)(朝日)
10日■鉄道・高速道路 近鉄以外は増加 近畿 年末年始利用まとめ(京都)
  ■年末年始の特急・急行 利用者昨年上回る JR西日本福知山支社(京都)
  ■年末年始の利用者 ともに前年上回る JRと関西5私鉄(朝日)
  ■声 住民の鉄道にもっと予算を 主婦 藤井 慧子(京都府舞鶴市 58歳)(朝日)
11日■KTR年末年始輸送実績 10%増の4万9100人 Uターン分散進む(京都)
  ■冬の市街も安全・安心 雪対策にもバリアフリー 国土交通省 2001年度から検討(京都)
12日■京阪神の三セク鉄道 経営不振 増えぬ乗客 走る”火の車”(朝日)
  ■府北部で震度4(京都)
  ■山陰線などに乱れ(京都)
  ■地震伝達システム作動、列車が停止 JR西日本在来線(朝日)
  ■地震伝達、システム 誤作動で?非常停止 京阪神JR在来線(朝日)
  ■運賃表誤表示 7人を処分 JR東日本(朝日)
13日■ICカードで改札すいすい JR東日本、試験導入へ(京都)
  ■運賃誤表示の再発防止指示 JR西が駅長会議(京都)
  ■臨時含め11本増発 ひかりレールスター(京都)
  ■降りて歩いて 2 京阪宇治駅(宇治市宇治乙方) 源氏物語の歴史に誘う(京都)
  ■「国の予算、相変わらず無責任」 整備新幹線延伸を含む予算案に石原知事苦言(朝日)
  ■JRの非常停止 原因は地震計 鳥取で誤作動(朝日)
  ■誤表示で駅長会議(朝日)
  ■ひかりレールスター 混雑時中心に増発へ(朝日)
  ■男性はねられ死亡 枚方の京阪本線踏切(朝日)
  ■踏切の事故で特急など遅れ 金沢、北陸線(朝日)
  ■鉄道走るよ 世界の屋根 中国・チベット 計画が大詰め 観光・国防に期待(朝日)
14日■京都市バス乗っ取り 20歳の男を逮捕 伏見−茨木 50分間 刃物で金要求 乗客1人けがなし(京都)
  ■京都市バス乗っ取り 騒然、深夜の逮捕劇 パトカー15台追跡(京都)
  ■京都市バス一時乗っ取り 茨木まで走行 20歳容疑者を逮捕(朝日)
  ■衝突・脱線事故減っているのに 電車「ストップ」倍増 過去13年間 交通省調べ 決定的要因は不明(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
15日■市バス乗っ取り 山中容疑者 金に困り反抗決意か 強盗未遂容疑も きょう送検(京都)
  ■バス乗っ取り 運転手ら会見 乗客の叫び声、首すじに刃物 緊迫の55分間 生々しく 通報者に感謝 「勇気付けられた」(京都)
  ■京都市交通局 異常把握体制に不備 西鉄バス事件後作成マニュアル 位置特定できず(京都)
  ■バス乗っ取り カッター、直前購入 逮捕の容疑者 「むしゃくしゃして」(朝日)
  ■京都市バス 乗っ取り男を送検(京都)
  ■バス乗っ取り容疑者を送検 大阪府警(朝日)
16日■雪で列車82本運休 JR北陸線(京都)
  ■きょうも大雪の恐れ 近畿北部(朝日)
  ■京義線にまくら木を(朝日)
  ■北陸中心 大雪続く(京都)
  ■府北部も大雪 網野96a(京都)
  ■豪華個室で旅情豊か 寝台特急”個性”で復活 JR西日本 乗車率7割に(京都)
  ■北陸・山陰で大雪 JR停車、1300人車中で一夜(朝日)
  ■大雪猛威 車内泊、ぐったり 乗客ら雪雲うらめし(朝日)
18日■鉄道事故 遺族に一時金 国交省検討 事業者に義務付け(京都)
  ■市バス乗っ取り 対応マニュアル確認指示(京都)
  ■社説 乗っ取り防止さらなる工夫を(京都)
  ■乗っ取り事件受け 対策を再検討 京都市バス(朝日)
  ■車内運賃表示 24区間で誤る 西日本JRバス(朝日)
  ■修繕費の負担求め新たに5社と調停へ JR西日本(朝日)
  ■北陸大雪 またCO中毒死 鉄道・道路の乱れ続く(朝日)
  ■検証 大雪被害 拡大なぜだ(朝日)
  ■近畿日本ツーリストと日本旅行 2003年合併で合意 Tis含め3社連合 JTBに迫る(京都)
  ■近畿ツーリスト・日本旅行・Tis 2003年合併に合意 JTB追う 業界、2強時代へ(朝日)
  ■阪急、事故対応マニュアル作成 人に激突 駆け込み乗車 相次ぐけが人「当て逃げ」待った!(朝日)
19日■二条駅地区シネコン 市の財政負担伴わず 京都市 市会委報告で強調(京都)
  ■旅行大手合併「2強体制」を目指す 筆頭株主にもメリット(京都)
  ■阪急バス運転手に感謝状 バス乗っ取りで 京都市交通局(京都)
  ■北陸大雪 鉄道の混乱続く(朝日)
  ■バス乗っ取り事件 通報の星野さんに京都市から感謝状(朝日)
  ■コンクリが落下の恐れ 新幹線徐行 山口(朝日)
20日■銀閣寺−金閣寺結ぶ路線も 京都市バス 2系統を新たに 3月24日から 11系統で経路変更(京都)
  ■100円バス”苦戦” 採算ラインの半分 京都市交通局 「増客作戦」では効果(京都)
  ■震災経験を若手に JR西日本が災害復旧訓練(京都)
  ■新幹線ドア開ける 非常コック操作 いたずらか?(京都)
  ■阪急バス運転手 近畿運輸局も表彰 バス乗っ取りで(京都)
  ■降りて歩いて 3 JR綾部駅 大正時代の街並み 今も(京都)
  ■京都市バス 走行距離5000`も縮小 3月24日実施予定 12系統を廃止・短縮 乗り換えで負担増3000人(朝日)
  ■男性が電車にはねられ即死 天王寺区、JR踏切(朝日)
  ■JRダイヤ ほぼ平常に 雪の影響一段落(朝日)
  ■映画キャラ 列車でも会えるぞ JR、USJ車両を公開(朝日)
  ■洛中洛外(京都)
  ■阪堺電車と乗用車衝突 堺の踏切(朝日)
  ■トンネル内の修理終える 山口の新幹線(朝日)
21日■大雪と寒波「足」を直撃 京滋(京都)
  ■京滋大雪 名神など通行止め JR山陰線 架線に竹、24本運休(京都)
  ■雪の大寒 各地トラブル 道路やJRがストップ(朝日)
  ■ダブルSL「トンボ連結」 JR釧網線(朝日)
  ■声 大雪の列車内 心こもる車掌 会社員 野津 久哉(兵庫県西宮市 62歳)(朝日)
22日■地震伝達システム 余震に”過敏作動” 「M8.3発生」と誤データ送信 12日の在来線非常停止 プログラム修正 JR西日本(京都)
  ■JR西日本 3700d鴨川橋りょう移設 奈良線の複線化で 4.6bスライド(京都)
  ■ハリウッドが京に来た!? USJシャトル列車公開(京都)
  ■駅構内に男性遺体 JR山崎駅、自殺か(京都)
  ■地震計誤作動でシステムを変更 JR西日本(朝日)
  ■信号の故障で特急立ち往生 JR梅田貨物駅付近(朝日)
23日■高架橋下部のモルタル落下 JR大阪環状線(朝日)
  ■イズミヤの誘致を断念 JR祝園駅周辺(朝日)
  ■レールスター 看板新幹線 立ち乗り事情 出張族、510円差で「指定」敬遠? 自由席、混雑際立つ(朝日)
  ■のぞみ新神戸停車、今秋本格化(朝日)
24日■新幹線のぞみ 今秋から新神戸停車(京都)
  ■USJ近くの新駅 若い女性軸に運営(京都)
  ■小浜線電化工事で3月から順次運休 期間中はバスで代行(京都)
  ■上海リニア正式調印 独企業(京都)
  ■不採算路線廃止を規制 JR側へ勧告制度 私鉄より厳しく 国土交通省方針(朝日)
  ■叡山電鉄鞍馬線 はねられて男性が死亡(朝日)
  ■ダイヤ乱れ 社長が謝罪 北陸の大雪、JR西(朝日)
  ■新神戸に「のぞみ」 1日36本中34本(朝日)
  ■京福電鉄本社を捜索 正面衝突事故で計6ヵ所 業過致死の疑い 福井県警(京都)
25日■JR奈良駅舎保存を要望 日本建築学会(京都)
  ■ブレーキ損傷他社より多く 京福の点検結果(朝日)
  ■社説 JR完全民営化 「時期尚早」どころか(朝日)
  ■バス図鑑お目見え 立命大院生井上さんが出版 京都市交通局保有の全143種 コラムや年式・メーカー、写真付き(朝日)
  ■声 「降ります」に車内も明るく 公務員 渡部 辰幸(千葉県成田市 46歳)(朝日)
  ■本物の電車でGO! 土佐電、希望者体験運転(京都)
26日■JR片町線の高架橋からコンクリ片落下 東大阪、けが人なし(京都)
  ■JRの高架橋 コンクリ落下 東大阪、片町線(朝日)
  ■線路で車立ち往生 枚方・京阪交野線(朝日)
  ■声 手と荷物挟み発車した特急 小学生 中田 彩(大阪府枚方市 12歳)(朝日)
  ■声 ローカル線は今(朝日)
27日■市バス車体に広告 2日発車 増収狙う 京都市交通局 1年間試行(京都)
  ■線路に転落、そこへ電車 救助の2人も死亡 JR山手線(京都)
  ■降りて歩いて 4 阪急東向日駅(西国街道) 歴史しのばす旧家並ぶ(京都)
  ■JR山手線 新大久保駅 3人はねられ死亡 転落…救助、巻き添え(朝日)
  ■駅員に過失 賠償命じる 大阪市に12万円 大阪地裁(朝日)
  ■3人面識なかった 助けようと降りた2人 山手線事故(朝日)
28日■JR不採用問題 4党合意を国労が受諾 大会承認 和解協議へ(京都)
  ■東日本 交通網、大幅乱れ 転倒で死者も 東京都心で大雪(京都)
  ■信号故障で8本運休 城陽のJR奈良線 2500人の足に影響(京都)
  ■綾部のJR山陰線 架線切れ、35本運休 雪の重みで竹垂れる(京都)
  ■SL2両を連結運転 北海道・JR釧網線(京都)
  ■京都市基本計画 安らぎ華やぐまち(京都)
  ■国労、4党合意受諾 大会で可決 最終決着なお曲折も(朝日)
  ■大雪、首都圏など襲う 2人死亡 交通混乱(朝日)
  ■人員整理は当たり前(朝日)
  ■国労4党合意 14年、無念の選択 大会、機動隊に守られて(朝日)
  ■列車でコート 刃物使い切る 大阪、容疑の男逮捕(朝日)
29日■電車4本に投石? 尼崎の阪急 ガラスひび(朝日)
  ■山手線救出事故 犠牲者の通夜 市民ら死悼む(朝日)
  ■ドイツ生まれ路面電車参上 広島でデビューへ 神戸で陸揚げ(京都)
  ■雪で新幹線が徐行(京都)
  ■あなたの勇気忘れない 新大久保駅救出死の李さん 追悼式 HPにメール続々 献花台・顕彰碑も計画(朝日)
  ■ブルブル特急 JR北陸線、150人に毛布 暖房故障で車内6度(朝日)
30日■命散らしたレールに涙 転落事故犠牲韓国人留学生 遺影抱き母献花 2人の葬儀 しめやかに(京都)
  ■線路に転落の同級生を救助 小田原のJR東海道線(京都)
  ■京都市バス運行見直しで見解書 共産市議団、交通局長に(京都)
  ■「駅員がいれば…」李さん両親 説明に納得せず JR新大久保駅(朝日)
  ■ホーム転落の同級生を救う 神奈川で高3生(朝日)
  ■「チョロQ」販売 京都交通(朝日)
  ■電車の窓 刻まれた英文字・絵 落書き傷900枚 JR西日本・南海・近鉄 同一犯か ガラス切り?深さ1_(朝日)
  ■哀悼の花束(朝日)
31日■地下鉄「天神川駅」 周辺整備へ検討会 住民らと京都市 きょう設立(京都)
  ■新大久保駅転落事故 2遺族に給付金 警視庁「職務に協力」適用(京都)
  ■取り過ぎ分の運賃「有効に利用して」 JR西に消団連(朝日)
  ■韓国政府、李さんに「勲章」 山手線事故 遺骨故郷へ(朝日)
  ■声 事故を知って(朝日)
  ■除雪車動かせず支援組織も高齢化… 備えなくて憂いあり JR西、対策練り直しへ(朝日)
  ■関根さんに 横浜市長顕彰 JR新大久保駅事故(朝日)
  ■阪急交通前社長を告訴 着服疑惑 阪急側、横領容疑で(朝日)



3日■満員電車で口論、けんか 大学生刺殺した疑い 神戸で会社員逮捕
 1日午前1時5分ごろ、神戸市東灘区北青木三丁目の阪神電鉄青木駅の改札付近で、男性2人がけんかしていると、乗客が東灘署に通報した。署員が駆けつけたところ、同区深江本町三丁目、大学1年嶋田正哉さん(19)が血を流して倒れており、近くにいた同区北青木四丁目、会社員建内公徳容疑者(31)が刺したことを認めたとして、殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。嶋田さんは病院に運ばれたが、出血がひどく死亡したため、同署は殺人容疑に切り替えて捜査している。
 調べによると、建内容疑者は1日午前零時50分ごろ、同市中央区の阪神三宮駅で、満員状態だった梅田行き臨時普通電車に発車間際に、連れの女性と一緒に乗った際、ドア付近にいた嶋田さんの体を押し込んだことで口論になった。双方が青木駅で降りてけんかになり、建内容疑者が刃渡り約8aのバタフライナイフで嶋田さんの胸など2ヵ所を刺した疑い。
 青木駅は31日午後8時から無人駅になっていた。同駅を管轄する東灘区の御影駅で駅員がカメラなどで監視していたが、けんかの場所はカメラの死角になっていたため、警察から連絡があるまで気づかなかったという。(朝日新聞)
4日■新しい日常へ故郷を胸に JR、高速道 例年よりやや混雑
 お正月休みをふるさとや行楽地で過ごした人たちのUターンラッシュが3日、ピークを迎えた。JRは例年よりやや混雑気味で、JR東海は「世紀の変わり目を故郷で過ごそうという人が多かったのでは」と推測している。
 JR京都駅では、郷土のおみやげを手にホームに降り立つ家族連れらの姿が午後から目立ち始めた。上りの新幹線は午後1時56分京都着の東京行き「ひかり102号」の乗車率が140%となるなど主に午後から込み始め、「ひかり」は100−140%、「のぞみ」は終日ほぼ満席となった。
 在来線は、午後3時8分に京都駅に到着した富山発の「スーパー雷鳥26号」が140%となるなど込み合った。
 道路も混雑し、高速道路は名神高速で山科バス停を先頭に上り10`、下り17`と渋滞したほか、国道1号、24号でも所々で渋滞が起こった。(京都新聞)
■山形新幹線など運休 Uターン客2万人影響
 強い冬型の気圧配置の影響で、東北地方は4日も日本海側を中心に大雪となり、山形新幹線が午前中の運転を見合わせるなど、帰省を終えたUターン客ら約1万8600人の乗客の足が乱れた。また、東北新幹線も、雪のためのポイント故障などで乱れた。JR東日本仙台支社によると、山形新幹線は線路に雪が積もり、午前6時21分の新庄発上り列車など福島−新庄駅間で始発から上下線とも運転を中止。除雪作業を進めている。運行再開は午後1時の見通し。(京都新聞 夕刊)
■「勝負」かけスタート 3世紀またぎ「新たな歴史を」 阪堺電気軌道
 大阪市南部と堺市を結ぶ「阪堺電気軌道」(本社・大阪市住吉区)は1900年(明治33年)9月の開業で、この日が3世紀目の仕事始め。永田淑(きよし)社長(57)が車庫の前で年頭のあいさつをし、「100年間交通機関としての役割を果たせたのは地域住民のおかげ。新しい歴史を刻んでいこう」と社員を激励した。
 阪堺線(14.1`)と上町線(4.6`)の2路線があり、27年製造の2車両が今も現役で走る。戦後間もない最盛期には年間約6000万人の利用客があったが、昨年は約1000万人にまで落ち込んだ。
 今年は、沿線の住吉大社への初もうで往復乗車券が昨年より7割多い1万7600枚が完売し、幸先よいスタートを切った。藤井茂総務課長は「お年寄りや体の不自由な人に優しい乗り物として、22世紀にも残る鉄道でありたい」と期待を込めた。(朝日新聞 夕刊)
5日■先人を訪ねて 95 高木文平 疎水の水力発電に尽力(京都市左京区栗田口)
 明治時代の京都は、都市の近代化を追い求めた。その代表が、琵琶湖疏水と疏水を利用した国内初の事業用水力発電所の建設だといえる。
 2つの事業では、北垣国道第三代府知事と工事主任技師の田辺朔郎が名高い。だがもう一人、欠かせない人物がいる。田辺と米国を視察し、発電所導入を提唱した実業家の高木文平である。
 1885(明治18)年に着工した琵琶湖疏水は、当初計画は舟運を主力に置いていた。そこへ「米国東部の都市ホリヨークは水力で工業が発達している」との報が施工主体の上京・下京両連合区会へ入る。88年、下京区議員の高木と田辺は成算を調べに渡米。だが、高木は現地で「比類ナキ失望」を味わったと文書に残している。
 確かに運河に設けた水車を動力源にして、製紙工場などが稼働していたが、視察旅行では逆に水運の斜陽と水車場の用地確保の難しさが明らかになった。一方、水車以上の有効性があると伝えられた水力発電は、最終目的地のホリヨークにもなかった。京都の人々の期待を背負っていただけに、高木の落胆は大きかったのではないか。孫の誠さん(故人)は著書で推理する。
 苦境を救ったのは「コロラド州アスペン市でデブローという人が水力発電を研究している」との情報だった。急きょ訪れた高木たちにデブローは温かかった。2ヵ月前に完成した最新の発電施設の技術を隠さず教えた。2人は水力発電の実現に向けて決意を固める。
 高木たちは帰国後、水力発電の導入を市参事会で力説し、参事会は疏水の活用方向を発電に転換した。91年に出力160`hで発電を始め、97年には1760`hに拡大した。水運は明治30年代以降すたれていく。予想は的中したわけだ。
 国内初の市街電車「京都電気鉄道」や電気卸売業の創業に携わって「電気王」と呼ばれた高木だが、端緒となったデブローへの感謝は終生忘れなかった。94年の水力電気協会発会式での講演の題は「デブロー氏ノ深(親)切」。誠さんの妻の清子さん(66)は「近代化のうねりのなかで、己の利よりまちの発展に情熱を注いだからこそ、デブローが水力発電をもたらしてくれたとの思いは強かったはず。よき明治人の心意気を感じます」と話す。(社会報道部河端 浮)
 高木文平 1843年−1910年。船井郡八木町の代官の家に生まれる。府職員などを経て、京都商工会議所初代会長。
 蹴上発電所の建設にかかわった後、京都電気鉄道初代社長、電気卸売会社「宇治川電気」の取締役などを歴任した。(京都新聞)
■新潟で震度5弱 上越新幹線 一時ストップ
 4日午後1時18分ごろ、新潟県を中心に東日本の広い範囲で地震があり、同県の十日町などで震度5弱を記録した。気象庁によると、震源地は新潟県中越地方で、震源の深さは約20`。マグニチュード(M)は5.1と推定される。
 同3時8分ごろにも同県の湯沢で余震とみられる震度3の揺れを観測した。
 新潟県消防防災課に入った連絡によると、震度5弱を観測した新潟県塩沢町のスキー場の飲食店で地震発生直後、千葉県大網白里町の女性(21)が、倒れたロッカーの下敷きになり頭部打撲の軽傷を負った。
 上越新幹線は線路の点検を行うため東京−新潟間で約2時間半、上下線とも運転を見合わせ、15本が運休、41本が最高約2時間45分遅れた。乗客約4万人が影響を受けた。
 東京発新潟行きのMaxあさひ317号が、新潟県の越後湯沢−浦佐間で約700人の乗客を乗せたまま約1時間20分立ち往生したが、混乱はなかった。
 関越自動車道上下線も群馬、新潟県境で一時、通行止めとなった。
 新潟県では2日にも、今回の震源から北北西約40`の地点でM4.4、最大震度5弱の地震があったばかり。気象庁地震津波監視課は「2つの地震に直接関係はないとみられる。今後、大規模な余震が発生する恐れは小さいのではないか」としている。(京都新聞)
■上越新幹線が上下15本運休 地震の影響で
 新潟県を中心に起きた地震の影響で、上越新幹線は地震発生直後から午後3時52分まで全線で運転を見合わせた。このため上下15本が運休し、最大で2時間44分の遅れが出て、約4万人に影響があった。(朝日新聞)
■市バスとバイク接触 堀川通で男性けが
 4日午後8時5分ごろ、京都市北区堀川通今宮上ルで、西賀茂車庫行き市バス=村尾修運転手(56)=と後方の左京区上高野深田町、病院職員(35)のバイクが接触した。職員は左足に10日間のけがをした。当時、車内に乗客34人がいたが、けが人はなかった。
 上鴨署によると、市バスがバス停を発車して道路中央に寄ろうとした際、バスの右後輪に職員の左足が当たったといい、村尾運転手から事情を聴いて詳しい原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■北陸など大雪新幹線遅れも
 東北南部や北陸を中心とした大雪は5日午前も続いた。午前9時までの24時間で、岐阜県白川村で63a、富山市で53a、福島県南郷村で43a、山形県最上町と群馬県水上町で41aなどの降雪を記録した。
 気象庁によると、冬型の気圧配置が続き上空に強い寒気が流れ込んでいるため。5日朝から6日朝までの降雪量は、東北南部と北陸の山沿いで60−80a、関東甲信北部の山沿いで40−60a、東北北部と東海北部の山沿いで30−50a、近畿北部の山沿いで20−30aの見込み。
 東海道新幹線は5日、滋賀、岐阜両県内で線路付近に積雪があり、始発から京都−名古屋間で上下線とも時速170−230`に速度を落として運転、最大10分程度の遅れが出た。(朝日新聞 夕刊)
6日■同型の8両にも傷 京福事故 緊急点検 ブレーキロッドなど
 京福電鉄の正面衝突事故で、同社は5日、ブレーキの動力を車輪に伝えるブレーキロッドの破断が見つかった事故車両と同じブレーキを使っている15両を緊急点検した結果、計8両のブレーキロッドなどに傷があったと運輸省中部運輸局に報告した。同社は運行を中止して部品を交換する予定だが、約1ヵ月かかるという。中部運輸局によると、点検は事故車両と同じシリンダーが1つしかない車両が対象。目視や打者検査、磁粉探傷検査で調べたところ、8両のロッドなどに傷が見つかった。大きさは数_程度というが、傷や取り換え部品の数について京福電鉄は明らかにしていない。
 同運輸局は鉄道部担当職員を派遣して報告内容を確認することにしている。(京都新聞)
■降りて歩いて 1 JR稲荷駅 お宮さんと一体のまち
 JR京都駅から約5分。稲荷駅は、伏見稲荷大社参拝の玄関口だ。駅舎の柱やさくが朱塗りのうえ、建物の外観も神社建築を模している。
 駅前に同神社の大きな鳥居がそびえ、広い参道の向こうには立派な楼門が見える。地域の暮らしを支える食料品店などのほか、土産品店や神具店など、参拝客相手の商店が並んでいる。
 参拝を終え、駅への道を戻る宮崎進夫さん(66)、香代子さん(63)夫婦=埼玉県久喜市=と行き交った。「江戸時代に建てられた風情のある旅館など、落ち着いた街並みが気に入った」と満足そうに話す。
 門前町として栄えてきたこの地に、鉄道が通ったのは1879(明治12)年だった。当初は東海道線の一部で、「鉄道唱歌」にも登場する。駅舎に隣接する「ランプ小屋」は当時、信号などに用いられていたランプ倉庫で、「国鉄最古の建物」の看板が誇らしげに掲げられている。
 京都方面行きのホーム沿いに「流水の桜」と名付けられた桜並木がある。地元の商店主たちでつくる「深草稲荷保勝会」が、参拝客を気持ちよく出迎えようと30年ほど前に植えた。
 会長で神具店を営む南義生さん(62)は「私たちの商いは、お宮さんあってのもの」と強調する。最近、商店の後継者でつくる団体も独自に観光イベントを始めるなど、「お稲荷さん」と一体になったまちおこしに力を入れている。
 稲荷山の木々が間近に迫り、疏水の水辺とともにまちに潤いを与えている。愛犬と散歩中の宇野之夫さん(67)は「子どものころは境内やお山でよく遊んだ。観光客からもよく『自然が近くていいですね』とうらやましがられる」
 鳥居の前で、お年寄りが深々とお辞儀をしていた。まちには、今も信仰が根づいている。
 駅やバス停は、小さな旅の出発点。まちの表情や小さな発見を求めて、周辺を歩いてみる。(京都新聞)
■8両のブレーキに傷 京福電鉄
 福井県松岡町の京福電鉄越前本線で起きた電車同士の衝突事故で、同社は5日、暴走した電車と同じブレーキ系統を持つ電車15両を緊急点検した結果、うち8両のブレーキ部の鉄製の棒(ブレーキロッド)などから傷が見つかった、と運輸省中部運輸局に報告した。同社は念のため、これらの車両の運行を停止して部品を交換する。
 緊急点検したのは、1車両のすべてのブレーキを1つのシリンダーで作動させる仕組みの電車。圧縮空気の力を伝えるブレーキロッドや弓形のブレーキ梁など計12点の部品から傷が見つかった。これらをすべて取り換えるには1ヵ月余りかかるという。
 緊急点検を指示していた中部運輸局は、職員を同社に派遣して報告の内容を確認する。(朝日新聞)
■床下で異常音 新幹線が停止 横浜、人身事故か
 5日午後7時47分ごろ、横浜市の東海道新幹線下り線で、東京発新大阪行き「ひかり343号」の運転士が床下から「ゴン」という異常な音が聞こえたため、列車を停止した。係員が床下を点検したが異常はなく、午後8時4分に運転を再開した。JR東海によると、現場近くで人の体の一部が見つかったといい、人身事故の可能性があるという。同列車を含む上下線の10本が20−10分遅れ、約7500人に影響が出た。(朝日新聞)
■声 浮いた予算で新幹線なんて 主婦 梶原 和恵(兵庫県高砂市 49歳)
 公共事業の中止が相次いでいる。無駄なものをやめるのは当然のこと。やっと自民党のお祭り政治も終えんに近づいたかと思ったのもっかの間、浮いた予算で新幹線とは。大赤字の国家財政を真剣に考えているとは到底思えない。扇千景・国土交通相が、テレビの会見で、2050年くらいの黒字を目指して、と言ったのを聞いたが、計画性も責任感も全くないと私には思えた。
 しかし、公共事業を止められると分かったのは収穫だし絶望しないでこの無計画な新幹線事業もやめさせよう。これ以上速く遠くへ行く必要がどこにあるのか。21世紀は自然と共生できる田舎がいい、と言える社会にしなければ、公害問題もエネルギー問題も解決しないだろう。
 様々な妨害にも負けず、ダム建設を食い止めた徳島県木頭村の人たちに敬意を表したい。自分の得になることに背を向けることは、なかなかできない。政治家や実業家を見れば明らかだ。かけがえのない自然を守り、税金の無駄遣いをしなかった村に、環境保護予算として公共事業費から配分してあげたい思いだ。
 これからは、先見の明のある政治家を選ぶ眼力を私たちが持たなければ、大げさではなく、日本の未来はない、と思う。次の選挙こそ、日本の将来を安心して託すことのできる政治家を選びたい。(朝日新聞)
■非常ブレーキ作動 JR長岡京−山崎間
 6日午前10時32分ごろ、長岡京市東神足付近で、JR東海道本線の長岡京駅から山崎駅に向かっていた下り普通電車の非常ブレーキが突然作動し、一時停車した。運転士がブレーキを解除して運転を再開したが、山崎駅で再び非常ブレーキが作動、電車は神戸駅で運転を取りやめた。JR西日本では車両故障とみている。このため、神戸駅以西で普通電車と快速電車計4本が運休し、乗客約1500人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
8日■嵐電に衝突 車の男性けが
 7日午後10時40分ごろ、京都市右京区太秦の三条通広隆寺前交差点で、右京区太秦土本町の会社員塩見浩平さん(21)の乗用車が京福電鉄嵐山線の四条大宮行き電車に衝突した。塩見さんは右足打撲の軽傷。電車の運転士や乗客1人にけがはなかった。電車は現場で24分間停車した。
 太秦署によると、電車は信号待ちで停車しており、三条通に左折進入しようとした塩見さんの車が電車前面に衝突したといい、同署で事故原因を調べている。(京都新聞)
9日■雪で交通混乱 東北などで76便欠航
 首都圏や関東、東北地方は8日、空の便や鉄道などの交通機関が終日混乱、空の便は仙台空港での滑走路の除雪などのため、仙台発着を中心に欠航が相次ぎ、航空各社のまとめで計76便に上った。JR東日本によると、新幹線、在来線合わせて計490本が運休し約26万人に影響が出た。(京都新聞)
■声 新幹線の整備二つの矛盾点 大学生 太田克弘(名古屋市 19歳)
 景気対策の名の下、一般歳出が過去最大となった新年度の国の予算案。中でも整備新幹線建設費が今年度当初に比べ倍増になったが、この事業には2つの矛盾点がある。
 第一は、地方の活性化につながらない矛盾。新幹線を通せば地方が活気づくのだという考えは、あまりにも短絡的だ。都市部へのアクセスが容易になれば人口が流出して、ますます地方の過疎化に拍車がかかるのではないか。
 建設費の負担だけでなく、新幹線開通に伴ってJRから分離される並行在来線の経営が自治体にのしかかる。しかも、その収支見通しは赤字だそうだ。これでは地方の活性化どころではなくなる。
 第二は、情報化社会との矛盾。政府が目標とする「超高速インターネット社会」を実現するために新年度は多額の予算が計上される。財政事情が厳しいにもかかわらずIT(情報技術)と頭につけばなんでもありという感じだが、そうまでして実現したい情報化社会は、極言すれば「人が動かなくてよい社会」だ。そんな社会になれば、人を最速で運ぶ新幹線自体の価値も薄れることにならないか。
 国債発行額が減額されたといっても発行残高は今や約390兆円に上る。さらなる借金をしてまで、整備新幹線の建設は必要ない。(朝日新聞)
10日■鉄道・高速道路 近鉄以外は増加 近畿 年末年始利用まとめ
 年末年始の近畿圏の鉄道と高速道路の利用状況が9日までにまとまった。JR西日本と、私鉄大手5社のうち近鉄を除く4社で利用者数が前年を上回り、高速道路も増加した。コンピューターの誤作動が懸念された西暦2000年問題による出控えの反動が影響したとみられる。
 JR西日本は、昨年12月28日から1月8日までの新幹線と在来線の特急、急行の利用者数が264万人と、前年同期比で10%増加した。前年を上回ったのは5年ぶり。京阪神近郊でも、21世紀関連イベントの影響で、元日から3日までの近距離券発売枚数が同4%増えた。京都駅は9%増、元日だけで17%も増えた。
 JR西日本は「前々年と比べても4%の増加で、2000年問題による反動に加え、8日が祝日になった曜日配列も影響したのではないか」としている。
 私鉄大手5社の12月31日から1月3日までの利用者数は、近鉄が同1.1%減少したが、阪急は3.7%、京阪0.7%、阪神1.8%、南海0.9%増加した。
 一方、日本道路公団関西支社によると、12月29日から1月3日までに近畿圏の高速道路にある全料金所で調べた台数は1日平均109万1000台で、同1.4%増となった。(京都新聞)
■年末年始の特急・急行 利用者昨年上回る JR西日本福知山支社
 JR西日本福知山支社は9日、管内の年末年始(12月28日−1月8日)の利用状況をまとめた。特急・急行の利用者は、2000年問題による出控えがあった昨シーズンを上回り、平年並みに戻った。
 期間中、山陰、福知山、播但線の3線を合わせた特急・急行の利用者は17万5000人で、昨シーズンより8%増えた。また帰省のピークは12月31日で1万人(対前年比七%増)、Uターンのピークは1月2日で1万2000人(同2%増)だった。
 利用者が最も多かった列車は、下りは12月31日の京都発天橋立行き特急「はしだて5号」で乗車率142%、上りは1月4日の城崎発新大阪行き特急「北近畿10号」で同161%だった。(京都新聞)
■年末年始の利用者 ともに前年上回る JRと関西5私鉄
 JR旅客6社は9日、年末年始(12月28日−8日)の新幹線と在来線(特急・急行)の利用状況をまとめた。両方合わせた利用客数は1189万人(対前年比107%)と4年ぶりに前年を上回った。JRは「1年前の2000年間題の出控えの反動で、出足が好調だった」と分析している。
 内訳は、東海道新幹線が288万人(対前年比107%)、山陽新幹線が143万人(同110%)、特急はるか(天王寺−関西空港)が9.5万人(同120%)など。京阪神と北陸、山陰、四国を結ぶ在来線特急も対前年比でいずれも100%を超えた。
 関西私鉄5社(近鉄、南海、京阪、阪急、阪神)も年末年始(12月31日−3日)の利用状況をまとめ、917万人(対前年比100.8%)と3年ぶりに対前年を上回った。(朝日新聞)
■声 住民の鉄道にもっと予算を 主婦 藤井 慧子(京都府舞鶴市 58歳)
 昨年暮れ、福井市で起きた京福電鉄の電車正面衝突事故は利用者の減少による同電鉄の、経営事情のため、安全対策が後手に回った結果、起きてしまったと言えよう。
 いくら赤字とは言え、70年以上前に製造された電車が今もまだ使われていたなど、私は非常に驚いた。電車の命とも言える最も重要な台車部分にあるブレーキ系統に亀裂が入っていたとは言語道断である。事故の前日、点検した時は異常が見当たらなかったとのことであるが、もし、それが事実であったとしても、年数の経過した車両には、普段、目の届かない個所が腐食したりして破損することがあるぐらいは十分察知できる。二度と同じ惨事を繰り返さないために、早急に古い車両を全廃し、自動列車停止装置をすべての路線に導入すべきである。
 それには政府が全国各地で同じように赤字経営に苦しんでいる私鉄に、出来る限りの援助をすべきである。新年度予算案では、整備新幹線のような採算のめどもない事業に多額の予算がつぎ込まれるとか。私鉄に限らずJR各社でも、ローカル線はその存続が危ぶまれている。
 列車の利用客は、車に乗れない老人や障害者が多い。高齢化が進む中、本当に援助の必要な人たちに投入してこそ、公的資金が生きてくるのではないだろうか。(朝日新聞)
11日■KTR年末年始輸送実績 10%増の4万9100人 Uターン分散進む
 北近畿タンゴ鉄道(KTR、事業本部・宮津市鶴賀)は10日、年末年始(12月28日−1月8日)の旅客輸送実績を発表した。乗車人員は、2000年間題で帰省の手控えが目立った前年より約10%増の4万9100人と、一昨年並みに戻った。
 同社によると、ピークは帰省が30日、Uターンは3日だった。乗車率では、4日の京都行き特急「はしだて6号」の124%を最高に、同日の京都行き特急「タンゴ・ディスカバリー2号」も123%と混雑した。今年は曜日配列に恵まれ、KTRでは「正月を外して5日以降に帰省した人も多く、帰省、Uターンの分散化がさらに進んだ」という。
 また観光地のおひざ元、天橋立駅の乗降人員は、7720人と、前年同期に比べ約22分増加。開湯1周年を迎えた天橋立温泉ほか、松葉ガニ(ズワイガニ)や寒ブリなどを目当てに観光客が訪れた。(京都新聞)
■冬の市街も安全・安心 雪対策にもバリアフリー 国土交通省 2001年度から検討
 国土交通省は10日までに、2001年度から高齢者や身障者らが冬も安全に歩けるよう、雪国の市街地で歩道の除雪や消雪施設の設置などを総合的に進める「冬期バリアフリー事業」を始めることを決めた。
 駅へのエレベーター設置を鉄道会社に義務付けたり、市町村が歩道拡幅や段差解消などを進めるとした交通バリアフリー法が昨年11月に施行されたのを受け、従来縦割りで進められていた除雪、消雪の施策を一体的に実施していくことにした。
 2月の最大積雪が平均50a以上、1月の平均気温が零度以下の「積雪寒冷地域」は国土全体の約6割を占め、人口の約2割が住んでいる。
 冬季は歩道と車道の段差解消のために設けたスロープが凍結して滑りやすくなったり、歩道に雪が積もって車いすが通れなかったりすることが多い。
 同省はこうした不便を解消するため、駅周辺の市街地や福祉施設周辺などの歩道、横断歩道を、凍結しにくいゴムを使った舗装に変えたり、温水パイプなどを地中に埋めるロードヒーティング方式にしたりする。除雪した雪を河川、下水まで流す流雪溝のほかアーケードなども設置する。
 01年度は北海道旭川市や青森市、福島県会津若松市、金沢市など10ヵ所での事業着手を検討している。(京都新聞)
12日■京阪神の三セク鉄道 経営不振 増えぬ乗客 走る”火の車”
 京阪神地区で第三セクター方式の鉄道やモノレールが、経営不振になっている例が目立つ。建設費が当初計画よりも膨らんだり、バブル崩壊で当て込んだ沿線開発が遅れたり…。自治体の出資金も増えた。(京都支局・郡司達也、社会部・望月洋嗣、有馬央記)
●沿線開発遅れ響く 大阪モノレール
 開業10年になる大阪モノレール(大阪空港−門真市、23.8`)は、モノレールとしては世界一の営業距離だ。経営する第三セクター「大阪高速鉄道」は開業当時、全線開通後の乗客数が1日10万人と見込んでいたが、現状は7万人台にとどまる。
 沿線の開発が大幅に遅れていることが、乗客数の伸び悩みに拍車をかけた。
 大阪府茨木市の宇野辺駅北側に隣接する日本たばこ産業の工場跡地には、そごうが進出予定だった。1991年、水島広雄元会長が打ち出した計画は、美術館や400席の展望レストランを備え、売り場面積8万5000平方bを誇る「日本最大級」の百貨店。95年秋の開店予定が、景気の後退で立ち消えとなった。同じ土地に今月1日、映画館やスポーツクラブもある複合商業施設がオープンし、大阪高速鉄道は「何とか乗客増につなげたい」という。
 同府吹田市の山田駅前でも阪急電鉄が7階建て商業ビルの建設を予定しているが、核テナントになるはずだったダイエーは昨年9月、出店をとりやめた。
 同府豊中市の少路駅北側には約22.3fの広大な土地がある。土地区画整理事業で97年までに数千人規模のニュータウンが造成されるはずだったが、土地の配分をめぐる地権者の調整がつかず、完成が遅れている。空き地は金網で覆われ、駅に向かう通勤客らはその周囲を数分かけてう回せざるを得ない。
 接続駅の阪急蛍池駅や京阪門真市駅に急行電車が停車しないことや、関西空港開港で大阪空港の利用者が減ったのも、乗客が増えない理由だ。
 大阪高速鉄道は先月、平均9.2%の運賃値上げに踏み切った。初乗りは10円アップの200円、大阪空港−門真市駅間は500円から540円に。山西輝和・経理課長は「約168億円に上る累積赤字を解消するには、値上げは避けられなかった。夜間の運行本数を増やすなどのサービスを向上させ、2005年には単年度黒字を実現したい」と話している。
●東西線 市の出資4倍に 京都市営地下鉄
 京都市中心部を横断する市営地下鉄東西線は、97年10月に開業した。当初は1日16万人の乗降客を見込んでいたが、昨年度は11万8000人。市交通局は「市南東部の宅地開発が予想よりも進まなかった。沿線に構想があった開発プロジェクトが軒並み不振なのも痛い」という。
 市は地下街や文化施設など5つのプロジェクトを計画し、それぞれを運営する第三セクターを3社設立した。しかし、完成したのは京都市役所前駅の地下街「ゼスト御池」など2つだけ。JR山陰線と接続する二条駅には、映画館を中心にした文化施設ができるはずだったが、中核になる松竹が撤退。三セクは休眠状態に追い込まれた。
 完成した「ゼスト御池」も不振で、三セク「京都御池地下街」は9億円の累積赤字を抱える。同社幹部は「地下街の維持経費だけでテナント収入が消えてしまう。営業すればするほど、赤字だ」となげく。
 東西線12.7`のうち御陵−三条間3.5`は三セク「京都高速鉄道」が建設した。全体の建設費は当初見込み2450億円から、地価や建設費の高騰で開業時には4500億円余りに膨らんだ。京都市の出資金は当初、約30億円の予定だったが、最終的には130億円に。同社は65億円の累積赤字を抱える。
●使用料負担年々重く JR東西線
 大阪市中心部を東西に貫くJR東西線(京橋−尼崎、12.5`)の建設は8年に及ぶ難工事だった。地下部分が8割を占め、軟弱地盤に苦しめられた。予定より2年遅れ、97年3月に開業。事業費は事業免許取得時(88年)の見積もり2778億円から、約1.3倍の3677億円に膨らんだ。
 建設にあたるため、第三セクター「関西高速鉄道」が設立された。大阪府と大阪市、JR西日本が23.9%ずつ出資。都市銀行と関西電力、大阪ガスなど地元企業も加わった。
 関西高速鉄道の収入は、JR西日本の設備使用料が大半を占める。当初は年間138億円で、99年度から151億8000万円にアップした。今後も3年ごとに10%値上げされ、30年間使用料を払い続けることが決まっている。
 昨年3月期で関西高速鉄道の累積赤字は81億円余り、単年度で12億5400万円の赤字。中島良一・総務業務部長は「開業15年後には単年度黒字に転じ、23年後には累積赤字もなくなる。金利が下がり、赤字解消の見通しは当初よりも早まっている。収入もJRの使用料として固定している」と順調さを強調。建設中は工事監督などのため70人余りいた社員も現在は11人に減り、借入先の金融機関との金利交渉などが主な業務だ。
 課題は、JR西日本が増え続ける使用料の支払いを続けられるかどうかだ。97年度の1日当たりの乗客数は12万7000人で、99年度は14万5000人と増加傾向にはある。ただ使用料の増額に見合う形で乗客が増え続ける保証はない。目標の20万人にも届いていない。
 JR西日本によると、使用料は最終的に年間330億円になる。「直近の使用料は安く抑え、後々の負担を増やした。結局、問題の先送りでしかなかったのではないか」という疑問の声も上がっている。(朝日新聞)
■府北部で震度4
 12日午前8時ごろ、近畿、中国地方を中心に、北陸、四国など広い範囲にかけて地震があった。大阪管区気象台の観測によると、震源地は兵庫県北部で、震源の深さは約10`。地震の規模はマグニチュード(M)5.4と推定される。その後も、兵庫県北部を震源地とする余震とみられる地震が断続的に続き、正午までに計12回に上った。
 午前8時の地震の各地の主な震度は次の通り。
 震度4=加悦、野田川(京都)豊岡、温泉、美方(兵庫)▽震度3=宮津、久美浜、伊根、網野、岩滝、大江、弥栄、夜久野、峰山(京都)彦根、近江八幡、米原、高島、虎姫(滋賀)城崎、竹野(兵庫)福井、高浜(福井)など
▽震度2=舞鶴、綾部、福知山、京都、亀岡、向日、城陽、京田辺、久御山、精華(京都)大津、守山、八日市、長浜(滋賀)大阪、高槻(大阪)など▽震度1=宇治、和知(京都)土山、永源寺(滋賀)など(京都新聞 夕刊)
■山陰線などに乱れ
 京都府北部では最大で震度4(与謝郡加悦町と野田川町)を観測。JR各線が点検のため一時ストップし、北近畿タンゴ鉄道(KTR)も徐行運転するなど通勤、通学時間帯のダイヤが大幅に乱れた。一部の高校では授業の開始時間を遅らせた。
 JRは山陰線や福知山線など西日本福知山支社管内の全線で地震直後から約30分間ストップし、京都行き特急「きのさき2号」など10本を運休(部分含む)、最大で約2時間半の遅れが出た。KTRは、普通列車が豊岡−丹後神野駅間で午前8時ごろから速度15`以下の最徐行運転するなど最大約10分の遅れが出た。(京都新聞 夕刊)
■地震伝達システム作動、列車が停止 JR西日本在来線
 12日午前9時53分ごろ、JR西日本の在来線地震情報早期伝達システムが作動したため、列車に非常停止を指示する音声と警報音が各列車に一斉に発信された。東海道線や奈良線、山陰線、福知山線など関西一円のJR在来線各線を走行中の列車が停止した。列車計227本に最高10分の遅れが出たほか、山陽線10本が部分運休し、乗客5万6000人の足に影響が出た。
 JR西日本によると、同時刻には地震は発生しておらず、指令から4分後に各列車の運行を再開した。JRは、伝達システムが作動した詳しい原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)
■地震伝達、システム 誤作動で?非常停止 京阪神JR在来線
 12日午前9時53分ごろ、JR西日本の在来線地震情報早期伝達システムが作動し、大阪環状線や東西線、関西空港線など京阪神地区の新幹線を除くJR線で、走行中の電車が非常停止した。新大阪総合指令室によると、16ヵ所の地震計はいずれも揺れを検知しておらず、気象庁も同時刻に京阪神地区で地震を感知していなかったため、約5分後に運転を再開した。(朝日新聞 夕刊)
■運賃表誤表示 7人を処分 JR東日本
 運賃表の誤表示問題で、JR東日本は12日、1997年の運賃改定時に、運賃表作製を監督していた当時の鉄道事業本部営業部長ら7人に対し、厳重注意から口頭注意などの処分をしたと発表した。同社は「チェック体制に不備があり、運賃表作製の管理監督が不十分だった」と処分理由を説明している。同社管内では、350駅の計735区間の運賃が誤って表示され、うち148区間で運賃を取りすぎていた。
 南谷昌二郎社長らが減給処分となったJR西日本と比べ、処分内容が軽くなったことについて、JR東日本は「お客様に迷惑をかけた責任は痛感しているが、故意に公表をしないなどの事実はなく、内容は妥当と考えている」と話している。(朝日新聞 夕刊)
13日■ICカードで改札すいすい JR東日本、試験導入へ
 JR東日本は12日、集積回路(IC)を内蔵したカードを自動改札機の上から軽く触れるだけで通ることができるシステムを、4月から埼京線恵比寿−川越間(27駅)で試験的に導入する、と発表した。
 モニターとして1万人の利用者を公募。3ヵ月のテストを経て、年末までに首都圏の約350駅で本格的な実施を予定している。
 カードは定期券タイプと、自動的に運賃が引かれるプリペイド式の2種類。「すいすい行けるカード」のイメージで「スイカ」と名付けた。
 カードには記憶装置と演算機能を備えた約4_四方のICチップが埋め込まれ、自動改札機に触れれば約0.1秒で処理される。
 利用者は、カードを入れたバッグを改札に触れるだけでも通過可能。定期券にはプリペイドカードの機能も付加され、乗り越し精算も便利になるという。(京都新聞)
■運賃誤表示の再発防止指示 JR西が駅長会議
 運賃表の誤表示問題で、JR西日本は12日、管内のすべての駅長を集めた全社駅長会議を大阪市北区の本社で開き、運賃表の基礎となる原票の作成を徹底するなど、再発防止策を指示した。
 駅長や本支社幹部の約130人が出席した。金井耿副社長が「運賃表改定の際の基本的ルールが明確でなく、誤表示が分かった後の報告や連絡も十分でなかった」と問題点を指摘。この後、各出席者に対し、他の駅までの運賃を書き込んだ原票の作成▽支社での原票チェック▽原票に基づいた運賃表作成の発注▽納品された運賃表の駅長による最終確認−などを徹底するよう求めた。
 JR西日本では昨年11月以降、1231駅のうち305駅で誤表示が見つかった。原票が保管されていたのは全駅の約2割だけだった。(京都新聞)
■臨時含め11本増発 ひかりレールスター
 JR西日本は12日、乗車率が高い山陽新幹線ひかりレールスターを、4月21日から5本増発すると発表した。
 このうち1本は通勤時間帯の朝7時台に新大阪駅を博多方面に向け出発、混雑緩和を図る。
 また利用動向を見極めるため、臨時列車6本を6月末まで毎日運転し、好調なら7月以降も運転を継続する方針。
 計11本の増発となり、レールスターの1日の運転本数は49本となる。(京都新聞)
■降りて歩いて 2 京阪宇治駅(宇治市宇治乙方) 源氏物語の歴史に誘う
 ゆったりとうねるように流れる宇治川のほとりに、宇治観光の玄関、京阪宇治駅がそびえる。平等院鳳凰堂をイメージし、かわら屋根の楼閣を両翼に配した近代的なデザインの駅ビルだ。国宝・雲中供養菩薩を思わせる幻想的なステンドグラスの巨大な壁画が、駅に降り立った人々を源氏物語と歴史の街に誘う。
 駅前広場を出て、激しく車が行き交う府道を渡ると急に、しっとりした町並みが現れる。江戸時代の街道風景をしのばせる情緒ある店構えの茶店、特産の「宇治茶」や「茶だんご」の看板。茶色を基調にした落ち着いた色合いの舗装が、霧雨にぬれている。
 友人と観光に訪れた石川万希子さん(30)=千葉県習志野市=は「静かで落ち着いた道。古いお茶屋さんとか、歩くだけで宇治の雰囲気を楽しめた」と、すっかり気に入ったようだ。
 だが、駅前に店を構えるしにせの茶問屋「通圓」の23代目当主・通円亮太郎さん(55)は「この数年で駅前の景色が、がらりと変わった」とつぶやく。駅舎が新築されたのは1995年、駅ビルは2年後の97年に完成した。駅前の宇治橋も96年に架け替えられている。
 旧駅舎は、13(大正2)年6月1日、開通した京阪電鉄宇治線のメーン駅として生まれた。「駅は子どもの遊び場だった。石けりしたり、鬼ごっこしたり、改札の手伝いをしたり…。駅員さんとも家族的な付き合いで、店で買い物しているお客さんのために、発車するのを待ってくれたものです」と通円さん。
 周辺には、源氏物語ミュージアムなど人気施設もでき、整備は進んだが、大型バスやマイカーで訪れる人が増え、散策する姿が少ないのが地元の悩みだ。朝霧に煙る石畳の町並みは、しっとりと歩いてこそ楽しめる気がした。(京都新聞)
■「国の予算、相変わらず無責任」 整備新幹線延伸を含む予算案に石原知事苦言
 東京都の石原慎太郎知事は12日の記者会見で、「相変わらず責圧がないねえ」と、借金が膨らむ一方で整備新幹線の延伸を盛り込んだ国の来年度予算案にかみついた。自らも都の予算案の査定をし、苦しい台所でやりくりしているだけに、「今度の新幹線計画は常軌を逸している。国民はもっと怒った方がいい」などと語った。
 石原知事は国のディーゼル車排ガス対策が不十分だと主張した後、整備新幹線問題への批判を展開。「総理大臣の選挙区があるか知らんけど、一体どういう神経なのかね」などと語った。
 そのうえで、「総花的な、しかも一握りの政治家の利益誘導っていうのか、こういうもののひずみが将来、都民を含めた国民の肩にかかってくる。東京は切りつめて予算をやってますけど、一方で国がこういうわけの分からんプロジェクトを展開するというのは本当に疑義を感じる」と述べた。(朝日新聞)
■JRの非常停止 原因は地震計 鳥取で誤作動
 JR西日本の「在来線地震情報早期伝達システム」が誤作動し、実際には揺れていないのに京阪神地区を走る全電車が12日、非常停止した事故は、鳥取県内に設置された山陽新幹線用の地震計(ユレダス=地震動早期検知警報システム)が、何らかの原因でマグニチュード(M)8.3の地震を誤って感知したためであることが同日わかった。同社は今後の誤作動を防ぐため同日夕、ユレダスからの在来線地震伝達システムヘのデータ送信を中断し、原因究明に乗り出した。
 12日午前9時53分と午後1時14分の2回、いずれも約5分間、京阪神地区を走行中のJR西日本の在来線の全電車が非常停止した。山陽線が計11本部分運休するなど、計約9万7000人の乗客に影響が出た。
 JR西日本の調査では、鳥取県内に設置されたユレダスが2度とも「兵庫県北部でM8.3の地震発生」と推定したことがわかった。
 12日朝、実際に兵庫県北部を震源としたM5.4の地震が発生しており、JR西日本は「この地震の余震の波形が重なり合ってユレダスに悪影響を与えた可能性もある」とみている。(朝日新聞)
■誤表示で駅長会議
 運賃表誤表示問題でJR西日本は12日、大阪市北区の本社に主要駅の駅長ら約120人を集め、「全社駅長会議」を開いた。再発防止のため、各駅で運賃台帳を整備、保管する▽作成した運賃表は駅長が責任を持って点検する−などを申し合わせた。また、運賃計算ミスを防ぐため、運賃改定前に端末機で新運賃をチェックできるシステムを2001年度中に導入する方針を伝えた。(朝日新聞)
■ひかりレールスター 混雑時中心に増発へ
 JR西日本は、山陽新幹線の「ひかりレールスター」(8両編成)を4月21日のダイヤ改定で朝夕の混雑時を中心に11本(5.5往復)増発すると12日、発表した。
 現在、新大阪を発車する午前7時台の下りレールスターは2本だが、改定後は3本になる。(朝日新聞)
■男性はねられ死亡 枚方の京阪本線踏切
 12日午後5時40分ごろ、大阪府枚方市西船橋二丁目、京阪本線舟橋川北踏切(遮断機、警報機付き)で、同市内に住む工員の男性(51)が淀屋橋発三条行き普通電車(7両編成)にはねられ、即死した。電車は現場に15分停車、後続の特急1本が運休したほか、計116本が最大15分遅れ、約2万人の乗客に影響が出た。
 枚方署の調べによると、男性が踏切に入ってきたのに運転士が気づき、急ブレーキをかけたが間に合わなかったという。家族あての遺書が財布に入っていたという。(朝日新聞)
■踏切の事故で特急など遅れ 金沢、北陸線
 13日午前9時15分ごろ、金沢市八日市のJR北陸線第二押野踏切(遮断機・警報機付き)で、踏切を渡っていた軽乗用車が金沢発米原行き特急電車「加越8号」の先頭部と接触した。車は後部が小破、電車は非常ブレーキをかけて停止した。乗客約100人と軽乗用車に乗っていた子ども2人と運転者にけがはなかった。JR西日本金沢支社によると、現場付近は上下線とも一時運転を見合わせ、大阪発富山行き特急「サンダーバード1号」が20分遅れるなど上下合わせて特急3本、普通電車7本に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
■鉄道走るよ 世界の屋根 中国・チベット 計画が大詰め 観光・国防に期待
 平均標高4000bを超える「世界の屋根」中国チベット自治区に鉄道が走る。西部開発の目玉プロジェクトで、ルート選考も大詰めを迎えている。道路と空路だけに頼る現在の交通は、輸送力や安定性の面で限界があっただけに地元は大歓迎だ。世界で最も高地を走る本格的な鉄道として内外の観光客を引きつけるとみられる。中国政府としても鉄道がもたらす経済効果により、民族・宗教問題を抱えるチベットの安定を狙っている。(ラサ〈中国チベット自活区〉=堀江義人)
 チベット鉄道計画は1949年の建国以来の懸案だ。毛沢東時代は文化大革命で本格着工に至らず、ケ小平時代に青海ルートの完成をめざしたが、永久凍土層や地震帯、塩湖地帯などの悪条件が重なり、中断に追い込まれた。
 江沢民政権が新世紀の課題として西部開発をぶち上げて以来、再び脚光を浴び始めた。
 候補にあがった4ルートでは青海、雲南両ルートが有力だ。青海ルートを推す蘭州鉄道局は「西寧−ゴルムト間815`が完成ずみで、建設距離が短くてすみ、地形も平たん。工事の難度もまずまず。投資は少なく工期も短いので、最も現実的」と分析する。
 成都鉄道局は雲南ルートをあげ、「地質、地形が複雑で大工事になるが、気候が温暖で雨量も多い。沿線は資源豊富で経済も発展しているので、さらに1000万人を吸収できる」と経済効果を指摘する。
 地元の本音は「発展の可能性に満ちた雲南ルートを歓迎するがすぐには無理。まず青海ルートに着手し、将来両ルートをドッキングしてほしい」(チャンバ計画委員会公共交通処長)。鉄道省は先月、青海ルートの推薦を決め、最終決定は中央にゆだねられた。同ルートなら工事を急げは5年、遅くても8年で完成する。
 経済効果として、地元がまず期待するのは観光業。中国の昨年の国民1人当たりの国内総生産(GDP)は800jに迫り、空前の旅行ブームが始まっている。例えば、昨年5月のゴールデンウイークに国内で6400万人が旅行したが、交通の不便なチベットは3万人にとどまっていた。
 自治区は観光業の発展を21世紀の支柱産業にすえた。李洪埠・観光局副局長は「だれもが一生に一度はいってみたい魅力的なところとして、チベット観光の潜在力は高い」と期待を寄せる。
 中国の李鵬・全国人民代表大会常務委員長はインドを訪問中だが、チベット鉄道は微妙な中印関係、流動的な南アジア情勢に備え、4000`に及ぶ国境線の国防物資を調達する役割も担っている。
 楊伝堂自治区副主席の話 チベットは1人当たりの国内総生産(GDP )が全国平均の2分の1、農牧民1人当たりの年収も全国平均の2分の1。最大の悩みはインフラ整備の遅れ。チベット鉄道には発展の夢がかかる。雲南ルートは西南の経済発展地区を経由して太平洋に出られる利点がある。(朝日新聞 夕刊)
14日■京都市バス乗っ取り 20歳の男を逮捕 伏見−茨木 50分間 刃物で金要求 乗客1人けがなし
 13日午後9時45分ごろ、大阪府高槻市内の国道171号を京都市バスが走っているのを阪急バスの職員が見つけ、不審に思って同社の営業所を通じて京都市交通局に連絡した。京都市交通局が京都府警に110番通報し、手配を受けた大阪府警が同日午後10時半ごろ、乗っ取られた市バスを茨木市内で発見して停車させた。大阪府警は車内にいた伏見区内に住む調理師見習いの山中勝敏容疑者(20)を人質強要処罰法違反の疑いで現行犯逮捕した。乗客と運転手にけがなかった。
 大阪府警によると、乗っ取られた市バスは伏見区の横大路車庫発竹田駅東口行きの路線バス=池永忠治運転手(58)=。
 13日午後9時35分ごろ、伏見区東浜南町の中書島停留所から乗り込んだ山中容疑者が、池永運転手にカッターナイフのような刃物を突き付け、「金を持っているか。なかったら大阪に行け」と脅迫した。
 車内には伏見区内の団体職員の女性(50)一人だけが乗客として乗車しており、最初に刃物で脅された、という。池永運転手は山中容疑者の要求通り大阪方面に向かった。
 約50分後の午後10時25分ごろ、茨木市松下町の国道171号の畠田町東交差点付近で大阪府警の機動捜査隊員が市バスの前に回り込んで停車させ、山中容疑者を逮捕した。
 市バスには連絡用無線は配備されていたが、阪急バスから通報があるまで、京都市交通局は事件の発生を確認できなかった。(京都新聞)
■京都市バス乗っ取り 騒然、深夜の逮捕劇 パトカー15台追跡
 京都市伏見区内で乗っ取られた京都市営の路線バス。逮捕現場近くの大阪府茨木市の工場の守衛、田上明さん(59)によると、13日午後10時20分ごろ、工場前の国道で、乗っ取られたバスの後ろをパトカー約15台がスピーカーで「止まりなさい、止まりなさい」と呼び掛けながら追跡。赤信号でバスが止まると、前方からもパトカー3台ほどがいっせいに取り囲み」私服警官が前のドアからバスに乗り込み、車内の中ほどに座っていた男を取り押さえたという。田上さんは「パトカーがたくさん集まってきて騒然としたが、何が起きたのかよく分からなかった」と、夜間の逮捕劇に驚いた様子だった。
・行き先不審 非番運転手 機転の通報
 13日夜の京都市バス乗っ取り事件で、非番の阪急バス運転手星野直樹さん(35)が帰宅途中、不審な行き先表示のバスを発見、通報した機転が、犯人の早期逮捕につながった。
 京都市交通局によると、星野さんはマイカーで帰宅途中の同日午後9時45分ごろ、京都府大山崎町の国道171号で、「竹田駅東口」行きの市バスを目撃。不審に思い追跡する一方、阪急バスの営業所を通じて市バスが所属する横大路営業所に通報した。
 市交通局が確認したところ、このバスが時刻通りに帰着していないことが分かり、110番通報。大阪府警が約40分後にバスを確保した。
 星野さんの勤め先は、乗っ取られたバスが所属する市交通局横大路営業所に隣接している。
・乗客無事に職員ら安ど 市交通局横大路営業所
 乗っ取り事件の発生を受け、京都市伏見区の市交通局横大路営業所には、13日午後11時ごろから緊急呼び出しを受けた本局職員など職員が次々に集まり、大阪、京都両府警や関係機関との連絡に追われた。職員の一人は「乗客の方が無事でほっとした」と話した。
 市交通局によると、昨年5月にあった佐賀県の西鉄高速バス乗っ取り事件を受け、各種の突発事件への対応マニュアルを見直し、各営業所の運転手に徹底を図っていた、という。(京都新聞)
■京都市バス一時乗っ取り 茨木まで走行 20歳容疑者を逮捕
 13日午後10時ごろ、京都市内を運行している市バス1台が車庫に帰る時間になっても戻ってこないと、京都市交通局から京都府警に届け出があった。府警が捜査していたところ、午後10時20分ごろ、大阪府茨木市松下町でバスを大阪府警の捜査員らが発見、乗っていた京都市伏見区醍醐槇ノ内町、調理師見習い山中勝敏容疑者(20)を人質による強要行為等の処罰に関する法律違反などの疑いで現行犯逮捕した。運転手の池永忠治さん(58)と乗客一人にけがはなかった。
 京都市交通局によると、バスは、京都市伏見区内の京都市営地下鉄竹田駅から横大路営業所間約4`を循環している。バスはこの夜、午後9時40分に横大路営業所に戻ってくる予定だった。しかし、定刻になっても、車庫に帰車しないため、交通局で行方を探していた。大阪府境に近い大山崎町を走行しているバスを市バスの運転手が見つけ、通報していた。
 茨木署によると、山中容疑者は乗客の女性にカッターを突き付け「金を持っているか」と脅したが、乗客が逃げたため、今度は池永さんにカッターを突き付け、「金がなかったら大阪へ行け」と要求したという。バスが確保された場所は、乗っ取り現場から約20`離れている。(朝日新聞)
■衝突・脱線事故減っているのに 電車「ストップ」倍増 過去13年間 交通省調べ 決定的要因は不明
 列車故障や信号トラブルなどによる鉄道ダイヤの乱れ件数が、過去13年間でほぼ倍になっていることが、国土交通省の昨年度の鉄道事故統計でわかった。同じ期間に、衝突や脱線事故は3分の2に減少しているうえ、最新車両の導入や設備の更新も進んでいるのに、電車の「ストップ」はほぼ一貫して増え続けている。運転ダイヤの過密化が背景にあるとされるが、各社とも決定的要因は見つからないままだ。
 鉄道事故は、脱線や衝突など重大な影響を及ぼす「運転事故」と、車両や信号故障、自然災害に伴う「運転阻害事故」に区別される。運転阻害は、運休か30分以上の遅れが出た場合だけ報告義務がある。
 昨年度の報告によると、全国で起きた運転阻害は、前年度比7%増の3536件。統計が始まった1987年度から右肩上がりに増え、13年間で1.9倍になった。一方、99年度の運転事故は927件で、3分の2以下に減った。
 走行100万`ごとの発生頻度をみると、運転事故は、JR発足の87年度にJR1.6件、私鉄0.8件だったが、99年度はJR0.8件、私鉄0.6件で、双方の差も縮まっている。一方、運転阻害はJR2.5件、私鉄0.6件から、それぞれ4.3件、1.3件に増加。JRは私鉄の3.3倍の頻度で、「格差」はくっきり残っている。
 JR東日本の運転阻害は2.3倍に増えた。都心部を抱える東京支社管内では、昨年度に遅れが皆無だったのは171日。今年度上半期は82日で、ペースは悪化している。
 同社はその理由として、異常時に電車を止める装置を踏切やホームに設けたことや、運転本数の増加で遅れの規模が拡大したことをあげる。結果として、重大事故を未然に防ぐ安全対策と増発サービスが、かえって電車をよく止める要因になっているという。
 一方、JRの技術者は、最新のハイテク車両を問題視する。コンピューター化が進み、「ブラックボックス」だらけ。「突然動かなくなり、故障原因もわからないまま」と嘆く。また、次々と登場する最新機器に職員側の訓練が追いつかず、誤った操作で電車を止めてしまうケースも目立つという。(朝日新聞)
■青鉛筆
 名古屋鉄道が1928年(昭和3年)製造の現役最古級の電車「750」の引き取り手を探している。鋼鉄製の赤い車体の長さは15bと、小さめ。床、窓枠、屋根は木製だ。
 戦前は10両が路面電車として名古屋市内を走っていたが、現在は3両のみ。運行する岐阜県内の2路線が今秋廃止されるため、引退が決まった。1両は名鉄が保存する方向で調整中。
 残りは、数百万円かかる輸送費の負担などを条件に、自治体などに譲る意向だ。通常は廃車にするが、名鉄は「世紀をまたいで走り続ける功労車を鉄くずにするには忍びない」。(朝日新聞)
15日■市バス乗っ取り 山中容疑者 金に困り反抗決意か 強盗未遂容疑も きょう送検
 京都市バスが13日夜に伏見区内から大阪府茨木市まで乗っ取られた事件で、大阪府警に人質強要処罰法違反容疑で逮捕された調理師見習山中勝敏容疑者(20)=伏見区醍醐槙ノ内町=が「いつも職場で鈍いとしかられ、ずる休みした。映画館などで金を使って金がなく、何か悪いことをしようと思った」と供述していることが14日に分かった。府警はさらに詳しい犯行の動機を追及し、15日に強盗未遂容疑も加え送検する。
 凶器のカッターナイフは事件直前の13日午後8時半ごろに伏見区のコンビニエンスストアで購入していたことも判明した。山中容疑者は「バスの終点が近く、捕まると思い大阪に向かった」と供述している。逮捕時の所持金は約200円だった、という。
 山中容疑者は左京区のホテルで、宴会場の調理補助係として先月14日から勤めている。13日朝に「私用で2日間、休ませてほしい」と連絡した。
 これまでの府警の調べでは、山中容疑者は中書島停留所で乗車し、同じバス停から乗った団体職員の女性(50)の後ろの席に座った。次の下三栖停留所付近を走行中、女性の髪をつかんで「金持っているか」と要求した。さらに運転手にナイフを突き付けて「金を持っているか。なかったら大阪へ行け」と脅した。女性には「座っとけ」と命じ、山中容疑者はずっと運転手の横に立っていたという。
 市バスは横大路車庫発竹田駅東口経由の循環バスで、13日午後9時45分ごろ、乙訓郡大山崎町付近の京都・大阪府境の国道171号を走行しているのを帰宅中の阪急バス運転手(35)が見つけ、不審に思って会社経由で市交通局と京都府警に連絡した。大阪府警がパトカーなど捜査車約50台と警察官約220人を緊急出動し、茨木市内で市バスを停止させた。(京都新聞)
■バス乗っ取り 運転手ら会見 乗客の叫び声、首すじに刃物 緊迫の55分間 生々しく 通報者に感謝 「勇気付けられた」
 京都市バス乗っ取り事件で、市交通局運転手の池永忠治さん(58)といち早く異変に気付き通報した阪急バス運転手の星野直樹さん(35)が14日、京都市中京区の市交通局で記者会見した。「容疑者を刺激しないように努めた」「目立たないようバスの後ろを走行した」と約55分間にわたる緊迫したバス内の様子や追跡中の心境を明かし、疲労のなかにも安どの表情を見せた。
 「なにすんの。運転手さん、ナイフ、ナイフー」。女性乗客(50)の叫び声を池永さんは中書島停留所を出てすぐに聞いた。13日午後9時半ごろだった。
 異常を車外に知らせようとハザードランプ(点滅灯)をつけたが、山中勝敏容疑者(20)にすぐに気付かれ、「おかしなことをすると殺すぞ」と刃物で脅された。池永さんは「男は大きな声を上げるわけでなく、冷静に『金を持ってるか』『携帯電話も出せ』と言い、不気味だった」と振り返った。容疑者は、ずっと刃先を池永さんの首のわきに突き付けていた。
 池永さんが勇気付けられたのはバックミラーに常に映る星野さんの車だった。他の車がバスを次々に追い越していくのに、星野さんはバスの後ろや時には側面に張り付いて走った。「異常に気付いてくれた人がいるんだなと思った。星野さんには感謝している」と、会見で声を弾ませた。
 星野さんは「なぜ方向幕を出したまま、車内灯もついているのか、おかしいと感じた」と、市バスの異変を察知したきっかけを述べた。昨年3月から業務委託を受け、市交通局横大路営業所で市バスのハンドルを握っており、見慣れたバスだった。
 会社に携帯電話で連絡した後も、バスを追跡しながら状況を営業所に報告し続けた。星野さんは「だれもけががなくてよかった」と語った。(京都新聞)
■京都市交通局 異常把握体制に不備 西鉄バス事件後作成マニュアル 位置特定できず
 京都市交通局は、西鉄バスジャック事件を教訓にバスが乗っ取られた際の対応マニュアルを昨年5月に作成していた。しかし阪急バス運転手の通報があるまで異常事態に気づかなかったうえ、京都府外に出たバスの位置を特定できないなど、緊急事態の早期発見態勢に課題を残した。
 マニュアルは、バスが乗っ取られた際、運転手は▽行き先を記した車体正面など3ヵ所にある方向幕をそのままにする▽営業所に無線で緊急事態を知らせる通報スイッチを入れる−と定めている。今回、運転手は方向幕はそのままにしたが、通報スイッチは犯人の監視で作動できなかった。
 各営業所にはバスの運行状況を確認するモニターがある。しかし、バスが路線外を走ると、モニターにはバスが最後に通過した停留所で停車しているように表示される。今回もそうで、実際の進路を追跡することはできない。
 市交通局は「モニター上でバスが停留所に長時間とまったり、入庫時間が遅れることで異常は分かる」というが、モニターを常に監視する職員はいない。今回も通報があるまで乗っ取り事件を把握できず、危機管理の不十分さを露呈した。
 市交通局の杉原和彦次長は「犯人に気づかれないように緊急通報スイッチを入れる方法や営業所の態勢など、異常事態の確認手段に改善が必要なら、検討したい」と話している。(京都新聞)
■バス乗っ取り カッター、直前購入 逮捕の容疑者 「むしゃくしゃして」
 京都市伏見区で13日夜、運行中の市バスが一時乗っ取られ、約25`離れた大阪府茨木市まで走行させられた事件で、人質による強要行為等の処罰に関する法律違反の疑いなどで逮捕された調理師見習山中勝敏容疑者(20)=京都市伏見区醍醐槇ノ内町=が、大阪府警茨木署の調べに対し、「仕事がうまくいかず、むしゃくしゃしていた。何か悪いことをしようと思った」などと供述していることがわかった。
 大阪府警は、15日に、同法違反に加え強盗未遂の疑いなどでも送検する。
 調べでは、山中容疑者は13日午後9時35分ごろ、京都市伏見区東浜南町の中書島停留所で市バスに乗り込み、直後に女性乗客(50)にカッターナイフ(刃波り約6a)を突きつけ、「金を持っているか」と脅迫した。女性が「200円ぐらいしかない」と答えると、池永忠治運転手(58)の髪の毛を引っ張り、首にナイフを突きつけて「大阪に行け」と要求。約50分後、茨木市の国道171号で、府警機動捜査隊のパトカーに進路を阻まれ、捜査員に取り押さえられた。
 山中容疑者はバスに乗り込む約1時間前、近くのコンビニエンスストアでカッターナイフを買っていた。「バス停付近にいたら、女性が来てバスに乗り込んだので、あとに続いた」と供述しているという。
 京都市交通局によると、「乗っ取り」に気づいたのは、マイカーで帰宅途中だった阪急バス社員星野直樹さん(35)だった。星野さんはふだん同交通局の委託を受けて市バスを運転している。午後9時45分ごろ、路線から大きく離れた大阪府境を走行している市バスを偶然見つけ、関係者に連絡。同交通局が京都府警に110番通報した。
・「首にカッター突きつけられ」 運転手会見
 「首にずっとカッターナイフを突き付けられ、刃を出し入れするカチャカチャという音が聞こえていた」。乗っ取られた京都市バスを運転していた池永忠治運転手(58)らは14日、京都市中京区の京都市交通局で会見し、恐怖の50分間を語った。
 池永運転手は「何すんの。運転手さん、ナイフ、ナイフ」という女性客のさけび声で犯行に気付いた。とっさにハザードランプをつけたが「おかしなことしたら、刺し殺すぞ」と怒鳴られ、消した。山中容疑者はほとんど口を開かなかった。ずっと冷静で、かえって不気味だったという。
 バスの「異変」を通報した阪急バス社員、星野直樹さん(35)は高槻市内でバスの右前方に停車したとき、山中容疑者の右手が運転手の方に出ているのを見て「乗っ取り」を確信したという。
 星野さんは山中容疑者が逮捕された茨木市松下町までの約13`、バスを追跡し続けた。(朝日新聞)
■京都市バス 乗っ取り男を送検
 大阪府警茨木署は15日、京都市バスを乗っ取り金を奪おうとしたとして、人質強要処罰法違反と強盗未遂などの容疑で京都市伏見区醍醐槙ノ内町、調理師見習山中勝敏容疑者(20)を送検した。
 調べでは、山中容疑者は13日夜、京都市伏見区で京都市バス=池永忠治運転手(58)=に乗り込み、女性客(50)や池永運転手にカッターナイフを突き付け「金持っとるか。なかったら大阪に行け」などと脅した疑い。
 山中容疑者は同日朝、約5000円を持って外出、映画を見たり、ファストフード店で食事をしたりして所持金が1000円未満になったので、午後8時半ごろ伏見区内のコンビニでナイフを買った、と供述。バスに乗り込んだ時には220−230円しか持っていなかったという。(京都新聞 夕刊)
■バス乗っ取り容疑者を送検 大阪府警
 京都市バスの乗っ取り事件で、大阪府警茨木署は15日午後、京都市伏見区醍醐槇ノ内町、調理師見習山中勝敏容疑者(20)を人質による強要行為等の処罰に関する法律違反と銃刀法違反、強盗未遂の容疑で大阪地検に送検した。
 調べによると、山中容疑者は13日午後9時38分ごろ、京都市伏見区内を運行中の市バス車内で、乗客の女性(50)に刃渡り約6aのカッターナイフを突き付けて「金を持っているか」と脅した後、池永忠治運転手(58)に「大阪に行け」と要求、約25`離れた大阪府茨木市内まで約50分間にわたりバスを走行させた疑い。(朝日新聞 夕刊)
16日■雪で列車82本運休 JR北陸線
 日本海側を中心とした大雪のため、JR北陸線は15日始発から終日大幅に遅れ、金沢発大阪行きスーパー雷鳥20号など特急24本と普通58本が全区間運休となった。また、富山発大阪行きの特急サンダーバード24号のほか急行2本、普通22本が一部区間運休となった。
・山陰線も州人影響
 日本海側や近畿の山沿いで降った雪のため、JR山陰線は15日、兵庫と鳥取両県内で部分運休を含め計29本が運休、上下計28本が最大70分遅れ、約4100人が影響を受けた。
 JR西日本福知山支社によると、積雪や列車が落とした雪がポイントに挟まって切り替わらなくなるトラブルが、兵庫県内の豊岡−浜坂間の各駅で発生、除雪車や駅員による除雪作業のため遅れた。(京都新聞)
■きょうも大雪の恐れ 近畿北部
 強い冬型の気圧配置による大雪は北陸や山陰を中心に15日午後も続き、交通機関などに大きな影響が出た。金沢では15年ぶり、福井では7年ぶりの大雪。長崎でも午後3時の積雪量が13aに達し、34年ぶりの大雪となった。16日は西から吹く風のため近畿地方の寒気はやや緩むが、近畿北部の雪や日本海側の沿岸部、山沿いでの冷え込みは17日まで続く見込み。
 15日午後10時現在の積雪量は、石川県白峰村210a▽福井県和泉村179a▽滋賀県余呉町111a▽金沢市85a▽兵庫県香住町77a▽京都府峰山町57aなど。
 東海道・山陽新幹線は岐阜羽島−京郡、三原(広島県)−博多の間で断続的に速度を落として運転したため、終日ダイヤが乱れた。大阪、米原と北陸を結ぶ在来線特急は最大10時間以上遅れ、計24本が運休。空の便も欠航が相次いだ。
 大阪管区気象台などによると、16日は大阪市内で最低気温が平年より2−3度低くなる見込み。また、16日午後6時までの24時間に近畿北部の山沿いで50−60a、平地でも20−30aの雪が降る可能性があるという。(朝日新聞)
■京義線にまくら木を
 韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の軍事境界線付近で断絶している京義線の早期復旧を目指し、日朝協会大阪府連合会(河野律理事長)は現地にまくら木を贈るための募金活動を始めた。同連合会は「具体的な形を伴った支援で、東アジアの平和に貢献したい」とし、募金の輪を全国にも広げたいという。
 募金は1口1000円。3月末まで募り、南北の関係部署に送る。送金先は、近畿大阪銀行天神橋筋支店・普通口座951404京義線連結に「枕木」を贈る運動/飯田光徳事務局長。問い合わせは同連合会(06・4800・0114)。(朝日新聞)
■北陸中心 大雪続く
 日本付近は上空に入り込んだ強い寒気のため、16日午前も北陸地方を中心に雪が降り続いた。同日夜には新たな寒気が北日本を通過する見込みで、気象庁は17日朝にかけて山陰から東北地方の日本海側で大雪が続くとみて、雪崩などに注意を呼び掛けている。
 17日朝までに予想される降雪量は、北陸地方の山沿いで80−60a、近畿北部、東海北部の山沿いと北陸の平野部で60−40a、山陰や関東甲信北部、東北の日本海側の山沿いで40−20aなど。九州北部や四国西部の山沿いでも20−10aの降雪が予想される。
 大雪の降りやすい状態は17日朝まで続き、いったん弱まったあと同日夜から再び雪が強まる見通し。
・北陸線で乗客10時間缶詰め 新幹線や空の便乱れ
 日本海側を中心とした大雪の影響で、16日朝から新幹線や空の便に遅れや欠航が出るなど、各地で交通機関に乱れが続いた。
 東海道新幹線は岐阜県や京都府内で速度規制し、最大約15分の遅れが出た。山陽新幹線も山口県内で速度を落として運転し、上下線で最大約30分遅れた。
 在来線は、JR北陸線で15日夜から16日早朝にかけ、特急列車7本が途中駅で停車。約1300人の乗客が最大10時間にわたり車内に閉じこめられたほか、16日始発から特急26本を含む80本以上が運休した。
 空の便は、日本エアシステムが小松発羽田行き3便、日航が羽田発長崎行きなど4便、全日空が山口宇部発羽田行き1便がそれぞれ欠航した。(京都新聞 夕刊)
■府北部も大雪 網野96a
 強い冬型の気圧配置により、16日朝も京滋は北部を中心に3日続きの雪になり、京都府竹野郡網野町で96a、滋賀県伊香郡余呉町で126aなど記録的な積雪になった。この気圧配置は17日にかけても続く見込みで、気象台では交通障害や雪崩などに注意を呼びかけている。
 JR山陰線では日本海沿いの佐津駅(兵庫県香住町)で浜坂行き普通列車が動けなくなり、下り寝台特急「出雲」が午前6時半から約4時間、城崎駅に停車、普通列車10本が運休した。ラッセル車がフル稼働している。北近畿タンゴ鉄道(KTR)も網野駅−峰山駅間の踏切が積雪で誤作動を起こし、列車に遅れが出た。
 舞鶴海洋気象台によると、17日朝までに新たに同地方で20−30a、中丹地方で5−10aの積雪を予想し、雪崩にも注意を呼びかけている。
 午前8時現在の主な積雪は福知山市7a、舞鶴市10a、宮津市35a、峰山町丹波75a、伊根町寺領165a、弥栄町野中145aなど。(京都新聞 夕刊)
■豪華個室で旅情豊か 寝台特急”個性”で復活 JR西日本 乗車率7割に
 航空機とのスピード競争にさらされ、従来の寝台特急の客離れが進む一方で、ホテル並みの個室を売り物にした寝台特急トワイライトエクスプレス(大阪−札幌)やサンライズエクスプレス(東京−高松、出雲市)が人気を集めている。
 こうした個性派列車はJR発足後、寝台列車復活の期待を担って登場。旅情をゆっくりと味わえる旅が見直されているようだ。
 JR発足時の1987年度、JR西日本管内を走る寝台特急の乗客数は1日平均で約7500人(32本)いたが、昨年度は約3000人(28本)、乗車率も40%台と低迷しており、同社は統廃合を進めてきた。
 トワイライトは89年、ブルートレインと呼ばれる従来の寝台特急を改造して運転を始めた。豪華食堂車を備え、乗車率70%前後。ダブルベッドにトイレ、シャワー付きで車外を一望できる2人用個室の利用率は90%を超える。
 98年登場のサンライズも73%と健在。寝台券なしで横になれる「ノビノビ座席」以外は全室個室。電車化で高速化し、航空機の最終便より遅く出発、始発便より早く着く点もビジネス客らに好評だ。
 JR西日本運輸部は「乗車率が低い従来の寝台特急の統廃合の状況や、トワイライトなどの利用動向を見ながら新型車の開発や車両の改良を検討したい」と話している。(京都新聞 夕刊)
■北陸・山陰で大雪 JR停車、1300人車中で一夜
 強い冬型の気圧配置が続いている影響で、16日午前も日本海側を中心に大雪が続いた。京都府や兵庫県の沿岸部や山沿いでは、17日以降も引き続き冷え込むとみられ、大阪管区気象台が注意を呼びかけている。大雪の影響で交通機関は大幅に乱れ、JR北陸線では、貨物列車が福井県今庄町で16日午前5時すぎまで立ち往生。後続の特急列車7本が途中駅で停車したままになり」乗客計約1300人が車内で一夜を明かした。徳島県で30校、島根県で12校の小中高校が臨時休校した。
 16日午前11時現在の積雪量は、石川県白峰村190a▽福井県和泉村167a▽滋賀県余呉町124a▽兵庫県香住町89a▽金沢市84aなど。
 16日午後からもさらに、近畿北部で20−40a、中部、南部の山沿いで10aの積雪が見込まれている。
 福井県今庄町のJR北陸線今庄駅構内で15日午後8時10分ごろ、金沢発敦賀行きの貨物列車がブレーキの凍結などで動けなくなった。16日午前5時45分に運転を再開したが、富山、新渇などを15日朝以降に出た大阪、名古屋方面行きの特急列車7本が、福井県内などで停車したままになった。
 一部の列車は16日午前になって運転を再開したが、青森発大阪行きの特急「白鳥」など5本の再開のめどが立っていない。特に福井−金沢間で除雪作業が長引いており、16日のダイヤは終日乱れる見通し。
 また、JR山陰線でも、東京発の寝台特急「出雲」が兵庫県の城崎駅で4時間余り停車したままとなった。東海道山陽新幹線も、断続的に減速運転しており、16日午前は、10分前後の遅れが出た。(朝日新聞 夕刊)
■大雪猛威 車内泊、ぐったり 乗客ら雪雲うらめし
 日本海側に降り続く大雪の影響で、JR北陸線は15日夜から交通マヒに陥った。本来なら前日夜までには大阪に着くはずだった特急電車の乗客は、沿線各駅で立ち往生する車内で一夜を過ごした。夜が明けてもまだ車内で缶詰め状態になっている乗客も多く、うらめしげに雪雲の空を見上げていた。
 今庄駅(福井県)で起きた貨物列車の立ち往生に巻き込まれた北陸からの特急電車のうち、16日午前9時すぎ、ようやく新潟発「雷鳥22号」がJR大阪駅に着いた。
 新潟駅を15日午前7時50分に出発。途中の武生駅(同)で客350人を乗せてほぼ一昼夜停車した。約19時間遅れで着いた終点の大阪駅では約250人が降りた。ホームにはJR西日本の社員約20人が待ち構え、パンと飲み物を手渡した。
 新潟県柏崎市三島町の村田靖さん(66)夫婦は、大阪市内の親せきの葬儀にやって来たが、通夜には間に合わなかった。「車内ではあまり眠れなかったが、席に座れない人もたくさんいた。車内販売も途中でなくなり、空腹が続いた」とげんなりした様子だった。
 大阪府羽曳野市の会社員(65)は、夫婦で富山県高岡市であった法事に行った帰りで、「これからすぐに仕事に向かう。疲れを取る間もない」。15日に昼食を取ったあとは何も食べず。武生駅の売店では菓子を買うのにも長い列ができ、すぐに売り切れた。車内では、16日朝になって缶コーヒーかお茶を1本ずつ配られただけだった。
 JR金沢駅では大阪行き「サンダーバード42号」が、出発予定から約16時間たった16日午前10時になっても発車のめどがたたず、乗客は車内でぐったり。和倉温泉から京都府に戻る途中の女性4人グループは、15日朝に和倉温泉を出発。特急が次の駅で運転中止になったため、代行バスで金沢へ。しかし大渋滞に巻き込まれ、金沢に到着したのは16日未明だった。「自然の力には勝てませんね」
 JR福井駅では名古屋行き「しらさぎ10号」が定刻より5時間以上遅れて到着したが、この後、午前7時過ぎまで同駅で足止めとなった。金沢から乗った敦賀市の会社員岸奈保さん(20)は「こんなの初めて。明日も会社に行かなくちゃいけないんですが…」と、困惑顔。中央改札口付近では、乗客らが「どうなってるんだ」と、駅員に詰め寄る姿も見られた。(朝日新聞 夕刊)
18日■鉄道事故 遺族に一時金 国交省検討 事業者に義務付け
 国土交通省は17日までに、列車事故で死亡した被害者の遺族に対し、鉄道会社側の責任の有無にかかわらず会社が一律の一時見舞金を支払う制度導入の検討作業に入った。
 同省は、利用者との契約内容を定めた国による標準的な運送約款を年内にもまとめる意向で、関連する鉄道営業法の改正案も来年の通常国会に提出する方針。標準的な運送約款にこの制度が盛り込まれれば公共輸送機関としては初めての利用者保護の規定となるが、航空会社、バス会社にはない一時金支払いの制度導入に鉄道会社側の抵抗は必至で、同省は慎重に検討していく考えだ。
 現行の鉄道営業法は「付き添いのない重病人の乗車を断ることができる」(四条)など、100年前に制定され今日の実態にそぐわない上、乗客に不利な条文が多いとされていた。同法に沿って事業者がつくっていた運送約款も利用者保護の観点で国が新たにまとめるべきだとの意見があった。
 同省鉄道局長の諮問機関「旅客鉄道に係る利用者保護方策等検討会」も、このほどまとめた最終報告書に一時見舞金制度の導入を明記した。(京都新聞)
■市バス乗っ取り 対応マニュアル確認指示
 桝本市長は今月13日夜に起きた市バスの乗っ取り事件に触れ、「被害に遭われた方には心からおわびを申し上げたい」と陳謝した。
 そのうえで、こうした突発事件の対応マニュアルの再確認を交通局に指示したことと、18日に事件を通報し早期解決に貢献した阪急バスの星野直樹運転士らに感謝状を贈ることを明らかにした。(京都新聞)
■社説 乗っ取り防止さらなる工夫を
 先週末に起こった京都市バス乗っ取り事件は、市交通局が作成した対応マニュアルや訓練が功を奏して乗客にけがもなく無事にスピード解決した。
 刃物を持った男に脅されながらも冷静な対応をした運転手。異常を知らせるサインを見逃さなかったマイカーからの通報が実った。
 だが、市バスが京都府外に出た場合は位置特定ができないなど新たな問題点も浮かび上がった。市交通局にはさらなる危機管理対策を工夫してもらいたい。
 事件は13日夜、伏見区の横大路営業所の路線バスが同区内の停留所から乗り込んだ男に乗っ取られた。乗客は女性一人。刃物で脅し、運転手にも突きつけて金を要求、大阪へ行けと命じた。
 方向幕を出したままの異常サインは約10分後、大山崎町の国道171号をマイカーで帰宅中の阪急バス運転手が気づき追跡、会社を通じ横大路営業所に連絡。
 市バスが帰着していないことが確認され、110番通報された。約40分後、大阪府警が大阪府茨木市内の同国道で市バスを止めて男を逮捕した。
 市交通局は昨年5月、西鉄高速バス乗っ取り事件後、▽乗っ取られた場合は行き先を記した方向幕をそのままにする▽営業所に無線で緊急事態を知らせる通報スイッチを入れるなどの対応マニュアルを作成している。
 緊急通報スイッチは監視され使えなかっただけに改善余地が残るが、方向幕の異常サインはうまくキャッチされた。
 ただ、同時にマニュアルの不備も明らかになった。バス側が異常を知らせても完全にキャッチされない可能性だ。
 第一点は、阪急バスの運転手からの通報があるまで市交通局で異常に気づかなかったことだ。
 各営業所にはバスの運行状況を確認するモニターがあるが路線外を走ると機能しない。最後に通過した停留所にいる状態で表示されてしまうという。
 長時間とまったり、入庫遅れで異常が分かるとするが、通報されるまで把握できていなかった。異常は一刻も早く認識して対応すべきだが心もとない。
 第二点は、通報に依存していることだ。今回は阪急バス運転手が横大路営業所で業務委託運転手として勤務していた幸運な面があったが、他の通報がなかったことは重視せねばならない。
 バス乗っ取り事件への対策は飛行機のハイジャックに比べ遅れている。国外逃亡はなく、乗降が便利なだけに持ち物検査もむずかしい。事前の防止策は事実上、不可能といえる。
 運輸省は初の犠牲者が出た西鉄高速バス事件後、日本バス協会と全国約400のバス事業者に、統一的対処マニュアルと、運転手が外部に発生を連絡できる手段開発の2点を要請している。
 市交通局もこれに基づいて作成したがバスの乗っ取り事件は再三発生してきたし今後もあり得るだろう。不特定の乗客に安心して乗ってもらうため、市交通局側は異常発生を独自にチェックできる体制を十分に整えるべきではないか。備えあれば憂いなしだ。(京都新聞)
■乗っ取り事件受け 対策を再検討 京都市バス
 京都市バスが今月13日夜、刃物を持った男に乗っ取られた事件を受け、同市は非常事態の際の対応マニュアルを再検討していくことにした。桝本頼兼市長が定例会見で明らかにした。この事件では、運転手が外部に異常を知らせようとハザードランプをつけたが、男に気づかれて消したり、市交通局がバスの所在を一時見失い、マイカーで偶然通りかかった阪急バスの運転手の通報でわかるなど、対応に問題点が残った。(朝日新聞)
■車内運賃表示 24区間で誤る 西日本JRバス
 西日本ジェイアールバス(本社・大阪市)は17日、路線バスの車内に設置してあるデジタル運賃表示器の表示が、京都、滋賀、石川、富山の4府県を走る13系統の24区間で間違っていたと発表した。うち10区間で最大20円を余分に取りすぎていた。同社はバス車内などに誤表示内容を掲示し、正規運賃との差額の払い戻しに応じる。
 同社によると、誤表示の原因は運賃表示器への運賃の入カミス。昨年末の鉄道各社の運賃表誤表示発覚を受け点検を進めていた。同社はJR西日本の100%出資子会社。(朝日新聞)
■修繕費の負担求め新たに5社と調停へ JR西日本
 山陽新幹線コンクリート落下事故を受け、修繕費の一部負担を施工業者に要求しているJR西日本は17日、交渉が難航している5社に対し、負担金の支払いを求める民事調停を大阪簡裁に18日、申し立てると発表した。対象になるのは佐藤工業、青木建設、竹中土木、戸田建設、ハザマ。
 JR西日本は昨年9月、コンクリートの劣化の進行は施工不良に原因があるとして、31社に総額26億円を請求。17日現在で、うち20社と一部請求額を減額したうえで交渉がまとまった。(朝日新聞)
■北陸大雪 またCO中毒死 鉄道・道路の乱れ続く
 日本海側を中心とした大雪は17日も続き、北陸地方を中心に鉄道や道路の交通網に大きな影響がでた。金沢市では雪に埋まった軽自動車内で男性が一酸化炭素中毒死しているのが見つかり、中毒事故による死者は石川県内で3人となった。強い寒気が抜けて大雪の峠は越えたが、19日ごろまで雪が降りやすい状態が続くという。
 JR西日本金沢支社のまとめでは、北陸線は17日の始発から特急・急行113本が全区間で運休、普通も118本が運休し、約2万8000人に影響がでた。JRではラッセル車など15台で除雪をしているが、積雪が1bを超える地区もあり、特急は18日も一部が運休になる見通しだ。
 日本道路公団によると、北陸自動車道は上り線が福井県内の丸岡・敦賀間、下り線が福井県から滋賀県の敦賀・長浜問などで16日夜以降、通行止めが断続的に続いた。
 雪に埋まった車の中で一酸化炭素中毒となる事故も続いた。17日午前11時20分ごろ、金沢市三ツ屋町の無職男性(64)が自宅駐車場に止めた軽ワゴン車の運転席で倒れているのを妻(63)が見つけ、119番通報したが、男性は死亡した。
 金沢東署の調べでは、車は運転席ドア以外は雪に埋まっており、排ガスが車内に入り込み、一酸化炭素中毒死したらしい。今回の大雪で同種の事故による死者は、石川県内で3人となった。
 各地の気象台によると、冬型の気圧配置は19日ごろまで続き、雪の降りやすい状態が続くという。北陸地方では18日後半から19日にかけて、山間部などで、再びまとまった雪が降る可能性があるという。(朝日新聞)
■検証 大雪被害 拡大なぜだ
 北陸地方を中心に降り続いている大雪により、交通機関を含めた生活の混乱は17日も続いた。マイカー内での排ガスによる一酸化炭素中毒の死者は石川県内で3人に上り、雪に慣れているはずの雪国で、被害が拡大している。このところの暖冬続きで、「雪害」への警戒感が薄れてはいなかったのだろうか。また、効率を重視してきた交通や物流システムにもろさはなかったのか。(金沢・福井支局、社会部)
・CO中毒続出 排ガス 危険認識にスキ
 石川県消防防災課のまとめでは、17日までにマイカーなどの排ガスによる一酸化炭素中毒事故は計13件発生し、死者3人、中毒患者13人に上った。中毒患者のうち9人が子どもだった。
 車両の下部が雪に囲まれた状態でエンジンをかけると、逃げ場を失った排ガスが充満し、車体下部のすきまや、外気の取り入れ口からも排ガスが入り込む。同県警によると、最近の乗用車はエンジンの燃焼効率がよく、排ガスのにおいも薄いため、車体のすき間などから徐々に排ガスが入ってくると、一酸化炭素がかなり高い濃度になるまで気付きにくい可能性があるという。
 日本自動車工業会(東京)は「常に通気性が求められる車体の密封は不可能で、構造上事故を完全に防ぐことはできない」と話す。このため、同工業会は、密閉した車庫内や降雪時の中毒事故について、自動車の販売業者や教習所を通じてパンフレットで注意喚起しているという。
◆大雪による死傷者数
 死亡けが
石川県4人64人
福井県3人34人
京都府なし2人
和歌山県なし4人
広島県なし42人
徳島県なし2人
愛媛県なし6人
15日−17日午後10時、
警察・自治体まとめ
 金沢市消防本部は「疲労していた場合など体調によっては、低い濃度で意識を失うこともあり得る。最近の暖冬続きで、大雪に対処できる知識、経験の乏しい人が増えている。自動車教習所なども、雪の危険性をもっと指導してほしい」。
 前田均・大阪市立大学大学院医学研究科教授(法医学)は「一酸化炭素の濃度がある程度以上になると判断能力や運動能力が低下し、動くことができなくなる。車内の場合、30分から1時間程度で致死濃度に達することがある。事故を防ぐにはエンジンをかけたまま車内で暖をとらないことが一番だが、排ガス中毒の危険性を知り、排気口付近を点検することが必要だ」と警苫している。
・JR500本運休 「列車先へ」除雪に遅れ
 JR北陸線のダイヤは、15日から17日までの3日間にわたり、完全に機能を失った状態になった。運休した列車は525本に上り、1987年の国鉄分割民営化以降、雪によるダイヤの乱れとしてはJR西日本管内で最大になった。
 混乱が広がった直接の原因は列車の立ち往生だ。豪雪地帯として知られる福井県今庄町の今庄駅付近で、15日夜と16日午後の2回にわたり、貨物列車が立ち往生した。16日午後には普通電車も立ち往生し、復旧に約8時間かかった。
 雪の積もった線路上を走行した場合、車体下部に雪がまとわりつき、速度が上がらなくなり最終的に動けなくなってしまう。最悪の場合は脱線の危険も生じるという。降雪が激しい場合はラッセル車などで除雪をした後、走行するのが基本。しかし、今回の場合は判断を誤り、激しく雪の降り続くレール上を列車が走行してしまった。JR側は「少しでも列車を先に進めようとする意識が裏目に出た」と弁明する。
 16日午後の普通電車の立ち往生では、近くにいたラッセル車は線路わきの積雪のため出動できず、約16`離れた武生駅から駅構内で使う小型の排雪車を急きょ出動させた。ところが同駅には運転できる人がおらず、結局、手配できたのは4時間後。さらに時速3`しか出ないため、現場に着いたのは午後11時前になってしまい、混乱を長引かせてしまった。
 合理化の流れの中で、非常時に対応できる作業員の数自体が国鉄時代に比べ減少しているのも事実だ。現場作業の外注化が進み、除雪作業も関連会社や別会社に頼る場面が増えている状況もあるという。
・幹線道路渋滞 う回できず物流も直撃
 大雪による幹線道路の不通や大渋滞は、時間に正確な配送サービスを売り物にする宅配業者や、計画的な商品補充をしているコンビニエンスストアの物流システムを直撃した。
 ヤマト運輸金沢主管支店では、全国から到着する宅配荷物のトラックが、半日以上遅れる例が相次いでいる。トラックのほとんどが使う北陸自動車道が断続的に通行止めになり、並行する国道8号も大渋滞になったためだ。一般道路も坂や雪が吹きだまった場所で寸断され、運転手が歩いて配達する例もあったという。
 同社は冬になると、配達専用車にチェーンやスコップを、営業所にも除雪用の重機を常備。しかし今回のように、幹線道路が広範囲にわたって動かなくなる事態は想定していなかった。
 同支店は「4、50aの積雪なら考えていたが、それ以上になれば一業者では対策の立てようがない」と話す。
 コンビニエンスストアの店舗への弁当の配送ができなくなったファミリーマート北陸リージョン(福井市)は、ふだん、石川、福井両県にある2つの弁当製造工場からの配送に北陸自動車道や国道8号など幹線道路を使い、幹線道路の通行止めに備えて、複数のう回ルートも用意していた。今回、実際にう回を試みたトラックもあったが、どこも積雪や渋滞で、身動きが取れなかったという。同社は「県境をまたぐ道路は数が限られているから、大雪などではたちまち身動きがとれなくなってしまう」とあきらめ顔だ。(朝日新聞)
■近畿日本ツーリストと日本旅行 2003年合併で合意 Tis含め3社連合 JTBに迫る
 旅行業界2位の近畿日本ツーリスト(東京、資本金75億7900万円)と、3位の日本旅行(同、10億円)が2003年1月に合併することで基本合意したことが、18日明らかになった。同日午後発表する。
 合併に先立ち、日本旅行は今秋をめどにJR西日本が社内分社化した旅行業部門「Tis(ティス)」の営業権の譲渡を受ける。
 事実上の3社合併後は、旅行商品の取扱高(1999年)が約1兆3000億円超となり、業界最大手のJTBに迫る。存続会社は近畿日本ツーリストになる。
 近畿日本ツーリスト、日本旅行の筆頭株主はそれぞれ近畿日本鉄道、JR西日本。両親会社は既に合併計画に同意している。近鉄、JR西日本の出資比率は対等とする。
 旅行業界は、景気の長期低迷で法人需要の落ち込みが続いているほか、格安パッケージ旅行を武器にした新規参入の代理店との競争激化や、インターネット経由の直接宿泊予約の普及などで、大手といえども経営環境は厳しくなっている。今回の合併は、旅行業界の再編を刺激しそうだ。
 両社は規模拡大により、航空会社や宿泊業者に対する交渉力を強化し、仕入れコスト圧縮などで競争力を高め、JTBに対抗する。今後は、全国展開している両社の重複店舗や、間接部門を中心とする人員のリストラ推進が課題となる。
・業界の環境 激変を反映 人員削減が急務に
 旅行業界2位、3位の近畿日本ツーリストと日本旅行が合併することで基本合意したのは、価格競争の加速に加え、消費者がインターネットを利用してホテルに直接予約するなど、経営環境の激変に直面する業界を象徴するものだ。
 近年は、ホテルや旅館など宿泊業者に加え、航空会社も「ネット予約割引」を設定するなど、利用者からの直接予約態勢を拡充している。従来の手数料頼りの旅行代理店にとっては、致命的な環境変化といえる。
 近畿日本ツーリストは、新聞広告などを利用したメディア販売や会員制ツアーなど、個人旅行に強みを持つ。一方、日本旅行は団体旅行が得意分野で、合併により相互補完し規模拡大をもくろむ。
 しかし、全国展開する2社だけに、主要都市で店舗が重複する上、間接部門を中心に余剰人員を抱えることは避けられない。当面は人員削減を中心とするコスト圧縮が急務になりそうだ。(解説)
 近畿日本ツーリスト 旅行代理店第2位。1941年の創業で、55年に合併で現社名に。近畿日本鉄道が発行済み株式の30.2%を保有する筆頭株主。資本金75億7900万円。従業員は約6450人。99年12月期の取扱高は7255億円。本社は東京都千代田区。営業拠点数は国内282、海外26ヵ所。
 日本旅行 旅行代理店第3位。1905年創業で日本で最も歴史のある旅行代理店の一つ。49年に株式会社として再発足。JRグループ傘下でJR西日本が筆頭株主。資本金10億円。従業員は約4650人。99年12月期の取扱高は4511億円。本社は東京都港区。営業拠点数は国内293、海外46ヵ所。(京都新聞 夕刊)
■近畿ツーリスト・日本旅行・Tis 2003年合併に合意 JTB追う 業界、2強時代へ
 旅行業界2位の近畿日本ツーリスト(本社・東京)と同3位の日本旅行(同)が、2003年1月に合併することで合意した。JR西日本(本社・大阪)の旅行業部門のTis(業界11位)もこの合併に合流する。18日午後発表する。取扱高は1兆3000億円規模となり、最大手のJTBの1兆4200億円に迫る。旅行業界は、パック旅行が低迷しているうえ、航空会社がインターネットなどを通じて航空券の直接販売に力を入れるなど環境が厳しくなっている。3社は、合併で店舗網を再編成するなどして経営基盤の強化ができると判断した。
 存続会社は上場会社である近ツーとなる見通し。近ツーに30.3%出資する近畿日本鉄道と、日本旅行に33.3%出資するJR西日本の2社が、対等な出資比率で筆頭株主になる方向だ。合併は2段階で行い、まず今年秋にJR西日本がTisを日本旅行に営業譲渡したうえ、2003年1月に近ツーと合併する。
 近ツーと日本旅行は業界で2位、3位を占めるものの、首位のJTBとの売上高の差が広がる傾向にあり、危機感を強めていた。近ツーは個人旅行、日本旅行が団体旅行をそれぞれ得意とするなど、相互に補完関係が築け、規模が大きくなれば航空会社やホテルなどとの交渉も有利になると判断した。
 旅行業界ではここ数年、格安旅行の台頭により、従来型の店舗を中心とした旅行会社は苦戦を強いられている。さらに、インターネットの普及で旅行会社に頼らずに直接予約する旅行者が増加。航空会社も直接販売に力を入れ始めており、4月からは旅行会社に払う国際線の手数料を引き下げる。近ツーは、145億円の累積揖失(1999年12月時点)を抱えている。今回の合併で、日本の旅行業界はJTBの1強時代から2強時代に入る。今後は準大手による再編の動きが焦点になりそうだ。
 近畿日本ツーリスト 旅行業界2位。関西急行鉄道(現近畿日本鉄道)の子会社である関急旅行社として発足後、1955年に日本ツーリストと合併した。従業員約6500人。資本金75億円。店舗数は国内283、海外26。本社は東京都千代田区。
 日本旅行 旅行業界3位。1905年創業の最も歴史の古い旅行会社で、49年に株式会社化。従業員約4000人。資本金10億円。店舗数は国内267、海外42。本社は東京都港区。
 TIS 旅行業界11位。JR西日本が1987年に国内旅行の営業を開始、99年4月に社内分社化。従業員約1200人。店舗数は国内48。(朝日新聞 夕刊)
■阪急、事故対応マニュアル作成 人に激突 駆け込み乗車 相次ぐけが人「当て逃げ」待った!
 電車のホームで人に衝突され、けがをしたものの気づいた時には相手が立ち去っていた−。こうしたホームでの人間同士の「衝突当て逃げ事故」が相次いだことから、阪急電鉄は、「駅におけるお客様負傷時の対応マニュアル」を作った。あわせて、広報紙などに実際の事故の経緯を掲載し、乗客に駆け込み乗車の危険性を訴えていくという。
 「対応マニュアル」には、直ちに負傷の状態を確認する▽加害者の確保▽目撃者を捜す▽警察に連絡▽事後の被害者の状態を確認−などの手順とともに、病院に同行する▽加害者がそのまま立ち去った時は人相、服装、特徴等を記録−など、対応のポイントが書かれている。
 「対応マニュアル」作りのきっかけになったのは、大阪市北区の同電鉄梅田駅ホームでけがをした女性公務員(31)の事故だった。女性公務員は昨年12月24日午前零時15分ごろ、改札口付近の掲示板の下に立ち、乗車する電車を確認していたところ、駆け込み乗車をしようとしていたと見られる女性に突然ぶつかられた。転倒した際に、花壇の角で右後頭部を打ち、5針縫うけがをした。
 意識がもうろうとする中、相手の女性はそのまま電車に乗って去ったという。近くにいた同電鉄の社員ら4人が女性公務員を助け起こすなどしたが、女性の身元は確認していない。女性公務員が、こうした対応について同電鉄に抗議したところ、これまでは口頭で社員に伝えていた対応の方法をマニュアルに明文化して徹底することになった。
 女性公務員が被害を届けたため、事故は曽根崎署が調べている。梅田駅そばにある同署には、やはり駅構内で人に衝突されてけがをしたという人が2人、昨年2月と7月にそれぞれ相談に訪れた。同電鉄によると、「人間同士の衝突事故」でけがをする人は数ヵ月に1人の割合でいるといい、今後、沿線の催し物などを知らせるため各駅に置く広報紙「トック」に女性公務員の事故の経緯を掲載し、駆け込み乗車の危険性を訴えていくという。(朝日新聞 夕刊)
19日■二条駅地区シネコン 市の財政負担伴わず 京都市 市会委報告で強調
 京都市は、18日に開かれた市議会の建設消防委員会に、民間会社と共同で二条駅地区(中京区)に設置する関西最大級のシネマコンプレックス(複合型映画館)を核とした複合娯楽施設の計画概要を報告した。このなかで、事業の枠組みとして、民間事業者のノウハウを最大限活用し、市の財政負担を伴わない方式を採用したことを強調した。
 京都市は、土地区画整理事業を進める二条駅地区内の文化施設用地(約7200平方b)に、ホテル・スポーツ運営会社「京都プラザ」(梅村安社長、左京区)などが設立した「二条プラザ」社とともに、六階建て延べ床面積約3万5000平方bの複合娯楽施設を整備する。
 これまで、市は同地区を開発するため設立した第三セクター「京都二条開発」を事業主体に、文化施設建設に着手する予定だった。しかし、今回は用地を保有する市が、京都二条開発と20年間の定期借地権契約を結んだうえ、さらに京都二条開発が二条プラザ社と同様の契約を締結。同社が施設の企画、建設、管理運営などに当たることになった。
 これについて建設局の中島康雄都市整備部長は「開発型の第三セクターが全国で苦戦するなかで、京都二条開発に新たな増資、融資などの資金調達が不要となり、今後の経営リスクを負う必要がなくなった。民間資金を導入するPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)の手法の一つと考えている」と説明した。
 また、この日の審議では委員から「駐車場が少なく、周辺に交通渋滞が起きるのではないか」「事業としての採算性はどうか」「近隣の商業施設に影響が及ぶのではないか」などの意見が出た。これに対し野嶋久暉建設局長は「指摘されたような心配がないよう各方面に十分説明し、事業を展開したい」と答弁した。(京都新聞)
■旅行大手合併「2強体制」を目指す 筆頭株主にもメリット
 「旅行業界は薄利多売でやっていくしかない。規模の大きさが企業価値を生み出す」−日本旅行の荘司晄夫社長は18日の会見で、近畿日本ツーリスト、JR西日本の旅行部門との統合・合併の狙いをこう語った。
 旅行業界では、JTBがずばぬけたシェアを持つ。今回の合併は「JTBと競争できる会社をつくる」(荘司社長)のが目標で、日本の旅行業界に「二強体制」の構築を目指す。
 JR西日本は日本旅行の33.3%の株式を保有しており、経営権を有する一方、独自の旅行部門「Tis」を抱える。事業統合は数年来の懸案だったが、両社だけの組み合わせでは3番手という業界内地位は変わらない。そこに、システム面で関係の深かった近畿ツーリストを加えた”縁組”が浮上。昨夏以来、近畿ツーリストの筆頭株主である近畿日本鉄道も交えて4社の社長が協議を重ねた。
 一方、近鉄にとって、多額の累積損失を抱える旅行会社はグループの悩みの種だった。関係者からは「旅行部門の赤字を鉄道の本業で埋めているJR西日本と、不振のグループ企業を半ば厄介払いしたい近鉄の思惑が一致した」との解説も聞かれる。
・近畿日本ツーリストと日本旅行両社長ら会見
 近畿日本ツーリストの高橋秀夫社長、日本旅行の荘司晄夫社長、JR西日本の南谷昌二郎社長らによる18日の記者会見の主な内容は次の通り。
 −統合効果について。
 高橋社長 統合の目的の一つに、スケールが価値を生み出す経営を目指すことがある。経営環境の変化が進む中で対応するだけでなく、われわれから変化を作り出すことも重要。そのためには大きな経営規模が必要だ。
 −統合のきっかけは。
 高橋社長 (日本旅行とは)2、3年前から予約システム業務などで付き合いがあった。(JR西日本の旅行部門であるTisも加わる統合計画は)昨年夏ごろから自然な形で盛り上がっていった。
 −存続会社は。
 荘司社長 商法上の存続会社は上場会社の近畿日本ツーリスト。ただ、3事業者は対等な形で合併することで基本的に了解している。
 −他社の統合参入について。
 南谷社長 今回の統合のプラットホームは業界にとっても意義がある。われわれにない強みを持つ会社には仲間入りの可能性がある。(京都新聞)
■阪急バス運転手に感謝状 バス乗っ取りで 京都市交通局
 京都市交通局は18日、伏見区内で13日に起きた市バス乗っ取り事件で、素早い対応で解決に協力した阪急バス運転手の星野直樹さん(35)と阪急バス横大路支社に感謝状を贈った。
 星野さんはマイカーで帰宅途中、京都府乙訓郡大山崎町の国道を京都市バスが「竹田駅東口」の方向幕を出して走っているのを不審に思い、会社を通じて市交通局に連絡し、事件解決につながる一報となった。
 この日は、市交通局の杉原和彦次長たちが伏見区横大路の支社を訪ね、星野さんと支社代表に感謝状を手渡した。杉原次長は「迅速な判断で一人のけが人も出すことなく解決できた」とお礼の言葉を述べた。
 星野さんは、市交通局が阪急バスに業務を一部委託した昨年3月から支社に勤務している。「これからも市民のみなさんに微力でも役に立てるよう、心がけたい」と話していた。(京都新聞)
■北陸大雪 鉄道の混乱続く
 北陸地方に15年ぶりの大雪をもたらしたこの冬一番の冷え込みは18日、峠は越えたものの、鉄道などの乱れがなお続いた。特急電車の運転を再開したJR北陸線は、約90本が運休し、石川県内では雪による事故が相次いだ。19日午後には各地で冬型が緩み始めるが、週末には低気圧の影響で再び東日本を中心に雨や雪になるという。
 18日午後6時現在の積雪量は、福井市で73a、金沢市で63a、富山県魚津市で95aなど。
 JR西日本のまとめでは、北陸線がこの日、特急電車の運転を2日ぶりに再開したが、天候の悪化に備えて運行本数を通常の6割程度にしぼり、特急48本など計88本が運休した。
 石川県内で雪下ろし中や歩行中に転倒するなどして骨折や打撲などのけがをした人は、14日から計93人に達した。
 各地の気象台によると、今回の大雪や冷え込みをもたらした「横網級」の寒気は、12日ごろから列島を覆って1週間も居座った。福井市の93a(17日)や金沢市の88a(16日)など、1986年に1bを超えて以来の積雪量を記録する地域もあった。(朝日新聞)
■バス乗っ取り事件 通報の星野さんに京都市から感謝状
 京都市バスの乗っ取り事件で、バスの異常を最初に発見し、通報した阪急バス横大路支社の星野直樹さん(35)=大阪府高槻市浦堂本町=に18日、同市から感謝状が贈られた。星野さんは「とにかくお客様にけががなくてよかった。家族や友人にもほめられ、こんなにうれしいことはない」と話していた。
 星野さんは仕事を終えてマイカーで帰宅する途中に市バスを発見。バスが路線外の国道を走行しているのを不審に思い、横大路営業所に携帯電話で連絡した。星野さんは阪急バス社員だが、ふだんは同市交通局の委託を受けて市バスを運転している。
 伏見区の横大路営業所で贈呈式があり、杉原和彦・市交通局次長が「星野さんの機敏な対応のおかげで、一人のけが人もなく早期解決できた」と述べた。星野さんは「西鉄バスジャック事件の後、営業所内で非常事態に備えた講習があった。そのとき学んだマニュアルが頭の隅に残っていた。自分一人の機転でなく、営業所全体の力です」と話した。(朝日新聞)
■コンクリが落下の恐れ 新幹線徐行 山口
 19日午前2時ごろ、山陽新幹線徳山−小郡間の第一赤岸トンネル(山口市陶、1165b)で、架線を固定するボルト(長さ30a)周辺のコンクリートが一部落下しそうになっているのを、点検中の作業員が見つけ、縦40a、横25aにわたってたたき落とした。新幹線の走行に伴う風圧でさらにコンクリートがはく落する恐れがあるとして、JR西日本は現場に監視員を派遣し、始発から現場付近で時速70`の徐行運転をしている。午前中、上下線とも4、5分の遅れが出た。19日深夜、状況を詳しく調査するという。(朝日新聞 夕刊)
20日■銀閣寺−金閣寺結ぶ路線も 京都市バス 2系統を新たに 3月24日から 11系統で経路変更
 京都市交通局は19日、3月24日から改編する市バス系統について発表した。今出川通を通る観光路線など2系統を新設する一方、経路の変更などによって、1日あたりの運行距離を全体の約6%に相当する約5000`削減し、事業の効率化を図る。
 市バスの乗客数は、1999年度までの10年間に、27%も落ち込んでいる。このため、市交通局は同年度に策定した経営健全化計画に基づいて系統を見直した。今回の改編で約10億6000万円のコスト削減を見込んでいる。
 新設されるのは、銀閣寺方面と金閣寺・大徳寺方面を結ぶ観光路線「102号」で、観光客の利便性を高めて乗車客の増加を目指す。京都駅から南区総合庁舎周辺を循環する「16号」も走らせる。独立した系統とは別に、伏見区の地下鉄竹田駅から、朝夕のみ市域を越えて「JR長岡京東口」と連絡する「特南2号」も設ける。
 経路の変更は、11の系統。都心部から洛北、洛南地域を結ぶ路線で、他の系統とルートが重複する部分を減らす。北大路バスターミナル−大覚寺間の「92系統」は廃止し、上賀茂神社−松尾橋間の「67系統」は朝夕のみの運行となる。
 また交通局は、改編の実施に合わせて、横大路営業所の2系統を阪急バスに、4系統を京阪バスに業務委託し、同営業所の系統を完全に民間委託する。(京都新聞)
■100円バス”苦戦” 採算ラインの半分 京都市交通局 「増客作戦」では効果
 京都市交通局はこのほど、京都市内中心部で運行している「100円循環バス」の利用状況をまとめた。全体的には1回運行したときの平均乗客数が、採算ラインの半分にとどまる厳しい結果となったが、一方で運行間隔の短縮や沿線の商店街と連携した増客作戦に一定の効果もみられ、採算ラインを超える日もあった。
 100円バスは、交通社会実験の一環として、昨年4月から今年3月まで週末を中心に、都心部の御池−烏丸−四条−河原町の各通りを1周している。昨年10月から、運行時間の延長や平日運行などにも取り組み、都心部での新たな需要を探っている。
 1日当たりの平均利用者数は700人。1運行当たりでは、特定のイベント参加者の利用があった11月は20.8人に達したが、全体の平均では15.1人で、採算ラインとなる30人の5割にとどまった。
 10月からは商店街による買い物客への乗車券配布を始め、12月には運行間隔を5分に縮める実験を行ったところ、12月10日には、これまでで最も多く、採算ラインを超える1448人が利用した。
 市交通局は「買い物客が集中した12月は好調だったが、全体的には厳しい収支となっている。新年度以降のあり方は、12月までのデータをもとに研究を進めたい」としている。(京都新聞)
■震災経験を若手に JR西日本が災害復旧訓練
 JR西日本神戸支社は19日、阪神大震災の教訓と経験を若手社員に伝えるとともに、災害時の他機関との連携を強化していこうと、実際の列車を使って脱線からの復旧などを行う「大規模災害総合復旧訓練」を兵庫県姫路市内で実施した。
 震災ではJR各線で夜行列車などが脱線、高架部分が倒壊するなどの被害から復旧に時間がかかり、東海道線が開通したのは震災から74日後だった。
 訓練には神戸支社の社員のほか、姫路市消防局など計約280人が参加。
 阪神大震災級の大地震が発生し、電車が脱線したとの想定で、車掌役や運転士役に若手社員を起用。負傷者搬送や乗客の避難、油圧式ジャッキを用いて電車を元のレールに戻すなどの作業を行った。(京都新聞)
■新幹線ドア開ける 非常コック操作 いたずらか?
 19日夜、東海道新幹線名古屋駅を発車前後の岡山発東京行きひかり172号で、ドアの異常を示す表示が相次いだ。非常時に脱出できるように車両デッキに設置されているドアコックが動かされており、東京駅到着直前には5号車のドアが3分の2程度(約45a)開けられているのが見つかった。愛知県警などは悪質ないたずらとみて威力業務防害の疑いで詳しく調べている。
 同列車は6分遅れて東京駅に到着した。乗客は約850人だった。
 JR東海によると、同日午後8時25分ごろ、ひかり172号が名古屋駅を発車する直前、運転台でドアの異常を知らせる表示が出た。車両を点検すると、9号車のドアコックが操作され、ドアが閉まらなくなっていた。
 発車したが、名古屋−三河安城間を時速約200`で走行中の同8時36分ごろ、再び異常が表示され、緊急停車して車内を点検。5、6、7号車のコックが操作されていたが、ドアは閉まったままだった。(京都新聞)
■阪急バス運転手 近畿運輸局も表彰 バス乗っ取りで
 今月13日の京都市バス乗っ取り事件で近畿運輸局(大阪市中央区)は19日、市バスの異常を察知して通報した阪急バス運転手の星野直樹さん(35)に表彰状を贈った。同運輸局を訪れた星野さんに、金沢悟局長が「負傷者を出すことなく事件が早期解決された。公共交通機関の従事者として他の模範とするところだ」、と述べ、表彰状を手渡した。(京都新聞)
■降りて歩いて 3 JR綾部駅 大正時代の街並み 今も
 山陰本線から舞鶴線が分岐するJR綾部駅は、かつては多くの乗換客でにぎわった。一昨年秋の舞鶴線電化で京都−東舞鶴間の直通特急が増え、ホームで電車を待つ人影は減ったが、今も朝夕を中心に大勢の市民が利用する。電化に合わせて建て替えられた橋上駅舎からは、四方を囲む山並みや落ち着いた街並みが見渡せる。
 駅前で生まれ育った久木時哉さん(58)は往時を「駅前には飲食店が多く立ち並び、駅近くの広場ではサーカスや盆踊りも行われた。子どものころは駅前が遊び場でした」と振り返る。
 駅から北へ歩くと、通りの両側に洋館風の建物が立ち並ぶ、まるで大正時代のような街並みに出合う。1917年に建てられた郡是製糸(現・グンゼ)の本社事務所や、繭蔵で、現在はグンゼ記念館やグンゼ博物苑などに使われている「蚕都」として栄えた当時をしのび、蚕糸業の歴史を学ぶこともできる。
 綾部の町はもうすぐ、一年中で一、二を争う人出でにぎわう。2月3日夜から営まれる大本の「節分大祭」だ。駅から大本梅松苑への参道に当たる「大本通り商店街」は、参拝に向かう信者や市民たちが一晩中行き交い、活気に包まれる。
 「昔はどの店もさじきを出して品物を売ったと聞きます。最近は車で来られる方も多いですが、人情味あふれる客とのやりとりは今も変わっていません」。しにせ和菓子店「金龍餅」の近松晃子さん(45)は、全国から訪れる人たちを温かく迎える心意気を話す。
 夕暮れ時、駅舎から南に見える藤山の山頂から、平和を祈るメロディーが流れる。かつて養蚕・蚕糸で栄えた綾部は、日本で初めて世界連邦都市を宣言したことでも知られる。真っ白な駅舎は、蚕都の象徴の「まゆ」と伝統産業の「黒谷和紙」、そして、平和のシンボルの「ハト」をイメージしているのだという。(京都新聞)
■京都市バス 走行距離5000`も縮小 3月24日実施予定 12系統を廃止・短縮 乗り換えで負担増3000人
 京都市バスの運行が3月から大幅に縮小され、1日あたりの走行距離が5000`減らされることが、19日の市議会交通水道委員会で明らかにされた。市交通局は「年々減り続ける乗客数に見合った事業規模にするため」と説明する。新設路線もあるが、5系統が廃止されるほか、運行区間を短縮する路線が7系統ある。運行本数も減る見通し。バス路線が消滅する地域はないが、これまで直通で利用できたのに乗り換えが必要になる利用者は3000人にのぼるという。
 市バスの1日あたりの走行距離は、この10年間に19%減ったが、乗客数も27%減っている。運行縮小は、地下鉄東西線が開通した1997年10月に山科区と伏見区醍醐地域の路線を廃止、走行距離を約1万1000`縮小して以来だが、今回は新たな輸送機関の開通は伴わず、輸送力低下は免れない。走行距離は8万1000`から7万6000`になる。3月24日実施の予定。
●途中打ち切り
 廃止路線は、北大路バスターミナルから千本通、丸太町通を経由し大党寺前まで結ぶ「92系統」など5系統。
 路線が短縮されるのは7系統。西賀茂車庫前から北大路通、河原町通などを経由して三条京阪に行く「1系統」は、出町柳−三条京阪間を廃止▽岩倉操車場から白川通、東山通、四条通を経由して四条大宮に行く「31系統」は、四条烏丸−四条大宮間を廃止−などとなっており、これまでより手前のターミナルで運行を打ち切る例が多い。
 路線の統合や短縮の影響で、乗り換えを余儀なくされる利用者は、市の試算では3000人。山本義夫・自動車部長は「昨年春に一日乗車券を700円から500円に値下げしている。これを使ってもらい、220円の定額区間内での乗り継ぎなら、往復で60円の負担増をお願いするしかない」という。
●復活路線廃止
 北区の上賀茂神社前バス停は、参拝客でにぎわうほか、京都産業大学のスクールバスも発着する。97年の再編のとき、ここから北大路バスターミナルに向かう系統が廃止された。周辺住民は復活を求めて署名運動を展開。2年後に昼間のみ運行する「特37系統」として復活した。だが今回、この路線も消える。
 交通局は、他系統を乗り入れることでむしろ本数は増えるという。上賀茂神社の神職、今井守さんは「北大路に向かう路線を生活の中で利用するお年寄りもいるはず。本数増はうれしいが、せっかく住民の声で復活した路線が消えるのは残念」と話している。
●初の市外路線
 一方、新設路線は6系統。錦林車庫から銀閣寺道、北野白梅町、金閣寺、大徳寺を結ぶ観光路線や、伏見区の地下鉄竹田駅と長岡京市のJR長岡京駅を、朝夕のラッシュ時のみ結ぶ初の市外路線などを開設する。(朝日新聞)
■男性が電車にはねられ即死 天王寺区、JR踏切
 19日午後8時25分ごろ、大阪市天王寺区茶臼山町のJR関西線の踏切(警報機、遮断機付き)で、男性が難波発奈良行きの上り快速電車(8両編成、乗客約600人)にはねられ、即死した。JR西日本によると、この事故で、部分運休を含め同線の上下8本が運休したほか、同線と阪和線、大阪環状線の計19本が20−5分遅れ、約1万6200人に影響した。
 天王寺署の調べでは、同電車が踏切を通過しようとした際、左側からこの男性がふらふらと歩きながら踏切内に入り、非常ブレーキをかけたが間に合わなかったという。男性は40−50代ぐらいで、同署では身元の確認を急いでいる。(朝日新聞)
■JRダイヤ ほぼ平常に 雪の影響一段落
 北陸地方を中心とした大雪は19日、冬型の気圧配置が緩んできたため、やや落ち着きを見せた。JR北陸線は午後9時現在、新潟地方の雪の影響で特急列車18本が運休したものの、普通列車に運休は出ておらず、特急・普通ともに5分程度の遅れで、ほぼダイヤ通りに運行した。
 金沢発着の北陸鉄道などの高速バスは、名古屋、京都、横浜線などが全便運休した。(朝日新聞)
■映画キャラ 列車でも会えるぞ JR、USJ車両を公開
 米国映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市此花区)」の今春開業を控え、JR西日本は19日、大阪市城東区の森ノ宮電車区で、USJのイメージが車体外部に描かれた6両編成の車両を報道陣に公開した。この車両は22日から、USJ最寄りのユニバーサルシティ駅(3月開業)があるJR桜島線(西九条−桜島、愛称・ゆめ咲線)を走る。
 車体外部には、「ジュラシック・パーク・ザ・ライド」「E・T・アドベンチャー」など、USJ園内に設置される各アトラクションのイメージが1両ずつに描かれている。映画でおなじみのシーンやキャラクターも登場。JR西日本は「USJ入園前から雰囲気を盛り上げたい」としている。車両は20日は午前9時半−午前11時に神戸駅、午後1時半−午後3時に大阪駅、21日は午後1時−午後3時に京都駅の各構内でそれぞれ公開される。(朝日新聞)
■洛中洛外
 ◇東海道の宿駅制が始まって400年目の記念にJR東海が企画したツアー「日本往来・東海道ウォーキング」が20日、スタートした。JR京都駅からは21人が参加し、静岡県へ向かった。
 ◇1泊2日のツアーが10回準備され、1年間で東海道をめぐる。各コースでスタンプを集め、すべて参加すると達成認定証が贈られる。初回は、東海道五十三次の絶景ポイント、静岡県清水市・由比町境のさった峠などを歩く。
 ◇出発セレモニーでは、JR東海の河野雅之営業本部長が「この旅行をきっかけに、東海道に親しんで」とあいさつ。参加者らは「ぜひ全コースを踏破したい」と張りきって新幹線に乗り込んだ。(京都新聞 夕刊)
■阪堺電車と乗用車衝突 堺の踏切
 20日午前6時5分ごろ、大阪府堺市北半町東の阪堺電気軌道阪堺線大和川3号踏切(警報機、遮断機付き)で、恵美須町発浜寺駅前行き路面電車(1両)と大阪府八尾市の大学生(19)運転の乗用車が衝突、乗用車は大破した。大学生ら乗用車の3人、電車の乗客5人にいずれもけがはなかった。
 堺北署の調べによると、乗用車は下りている遮断機をはじき上げて踏切内に入ったという。調べに対し、大学生は「同乗者との会話に夢中になり、踏切に気付くのが遅れた」と話しているという。(朝日新聞 夕刊)
■トンネル内の修理終える 山口の新幹線
 山陽新幹線の第一赤岸トンネル(山口市陶)内で19日未明、コンクリートの落下危険個所が見つかった問題で、JR西日本は調査の結果、縦90a、横70a、深さ15aの範囲で危険個所があり、たたき落として鉄板で覆う修理を20日未明までに終えた、と発表した。付近の徐行運転は同日始発から解除された。
 同社によると、危険個所はコンクリートに練り込まれているはずの砂利が分離し、もろい状態だった。(朝日新聞 夕刊)
21日■大雪と寒波「足」を直撃 京滋
 大寒の20日、京滋地方はこの冬一番の冷え込みとなり、京都市内などの都心部でも雪が積もった。この影響で、JR山陰線の保津峡−嵯峨嵐山間が、架線に竹が倒れ一時不通となったほか、名神高速道路の栗東−京都東間と京滋バイパスなどで、翌未明に入っても通行止めが続き、交通網が乱れた。
 京都地方気象台によると、低気圧が九州から南岸沿いに東進。京都をはじめ近畿地方に寒気が残っていたため、雪が降ったという。
 この日の最低気温は氷点下1.2度。最高気温も平年より5.9度低い2.7度。積雪は京都市の中心部で2a、舞鶴市で11a、滋賀県南部で約10aに達した。21日以降は回復に向かう。(京都新聞)
■京滋大雪 名神など通行止め JR山陰線 架線に竹、24本運休
 20日の京滋地方は日中、雪が降り続き、道路や鉄道に大きな影響が出た。高速道路が通行止めになったため、その余波で一般道路が渋滞。路線バスに遅れが出たうえ、鉄道のダイヤも大きく乱れた。ドライバーや、電車やバスを待つ市民のイライラが募った。
 JR山陰線の保津峡−嵯峨嵐山駅間では、午後2時半ごろ小倉山トンネル(京都市右京区)出口付近で、竹が雪の重みで架線に倒れかかり、亀岡駅午後2時17分発京都駅行き普通電車が停車した。30分後にいったん運転を再開したが、午後5時過ぎに同じ場所で竹が架線に倒れ、再び運休。午後7時半ごろに運転を再開した。
 この影響で、京都−園部駅間で計24本が運休し、約8500人に影響した。京都駅や二条駅のホームやコンコースには、列車に乗れなかった乗客であふれ返り、福知山市の自宅に帰る予定の男性(64)は「いつ戻れるか分からない。今日は京都市内の長男宅に泊まります」と話していた。
 このほか、JR奈良線の稲荷駅などで午後、線路のポイント切り換え部分に雪が挟まって信号機が変わらなくなり、運休や最大約30分の遅れが発生。阪急電鉄も京都線で徐行運転を行い、最大10分の遅れが出た。
 また、高速道路は名神高速が21日午前零時現在で、栗東−京都東間が上下線とも通行止め。栗東以東は50`に速度規制されている。舞鶴自動車道は舞鶴東−福知山間が一時通行止めとなった。50`の速度規制が続いており、冬用タイヤが要る。京滋バイパス全線と京都縦貫自動車道の千代川−丹波間で通行止めが続いている。
 京都市内では、名神高速などの規制の影響で、市南部の国道1号や同24号が断続的に渋滞。京都市バスが伏見区の横大路営業所管内で最大3時間遅れるなど全域でダイヤが大幅に乱れた。一部地域では、新聞の配達にも影響が出た。
・新幹線に遅れ5万人影響
 東海道新幹線は20日午後、豊橋−新大阪間や東京−熱海間で時速170−230`の徐行運転が続いた。
 JR東海によると、上下計60本が最高約30分遅れ、約5万人の乗客に影響が出た。
 東京駅では深夜、在来線への乗り継ぎなどが間に合わなかった乗客のため新幹線車両を開放する「列車ホテル」が用意された。在来線でも雪によるポイントのトラブルが相次いだ。(京都新聞)
■雪の大寒 各地トラブル 道路やJRがストップ
 大寒の20日、低気圧の接近に伴って府内の多くの地域で雪が降り、京都市内でも午後から道路や住宅の屋根などが雪化粧した。午後3時現在の積雪は3a。また、最高気温も平年を5.9度下回る2.7度までしか上がらなかった。京都地方気象台によると、夕方までの各地の積雪は、舞鶴市で11a、峰山町で43a、美山町で11a。
 この雪の影響で同日夕方までに、名神高速道路の茨木−栗東間と舞鶴自動車道の丹南條山口−舞鶴東間、京都縦貫自動車道、京滋バイパスが通行止めになった。京都市消防局には午後6時までに転倒やスリップ事故など、雪によるとみられる通報が相次いだ。
 JR奈良線では午後1時10分ごろ、伏見区の稲荷駅で線路に降り積もった雪のためにポイントが切り替えられなくなり、奈良発京都行きの普通電車が停車するなど、夕方までに計4駅で同様のトラブルがあり、計14本が運休した。
 JR嵯峨野線と阪急京都線では、沿線の竹が雪の重みで線路付近に倒れかかり、遅れなどが出た。(朝日新聞)
■ダブルSL「トンボ連結」 JR釧網線
 北海道東部の釧路湿原を走るJR釧網線の蒸気機関車「SL冬の湿原号」が20日から、「トンボ連結」と呼ばれる方法で重通運転を始めた。2台の機関車を後部同士で連結し、客車を引っ張る。けん引力が強くなるだけでなく、終点で列車の進行方向を変える際、機関車を回転する設備がなくても、機関車部分だけを切り離して入れ替えれば、先頭車両が常に前向きになるのが利点だ。
 昨年から始まった同線でのSL運行は、真っ白な雪に覆われた湿原をバックに疾走する黒い機関車のコントラストが美しく、人気は高い。この日も、勇壮でユニークな姿を写真に収めようと、沿線には多くのカメラマンが詰めかけた。
 SL運行は3月末まで続くが、トンボ連結は12日間だけ行われる。(朝日新聞)
■声 大雪の列車内 心こもる車掌 会社員 野津 久哉(兵庫県西宮市 62歳)
 15年ぶりの大雪で、JR北陸線がまひ状態になった。15日、日帰りの予定で福井へ出張した私も、帰りの武生駅で立ち往生する特急を降りて福井に引き返し、ホテルに1泊する羽目になった。
 翌日、除雪を待って開通した特急に乗り込んだ。しかし、すでに十数時間、延着しているので車内は超満員。そんな中で、心を打たれることがあった。その一つは、疲れ切った乗客に対する専務車掌の対応だった。
 限られた情報にもかかわらず、克明に現状と見通しを説明する言葉に心がこもっていた。緊急時に説明がないとの苦言を聞くことは多いが、この専務車掌の対応に、多くの乗客が納得していた。
 もう一つは、南条駅で3時間以上待たされ、JRの計らいで飲み物が積み込まれたとき。専務車掌が、車内に協力を呼びかけたところ、大勢の若い乗客が飲み物のボトルを配りだした。専務車掌と、これにこたえた彼らのさわやかな行動。「ありがとう」の言葉に心が通っていた。
 とは言うものの、周囲をかまわず、大声でしゃべり続けていた乗客が、ボトルを小わきいっぱい取り込む姿も見られた。しかし、専務車掌と若い人たちの温かい光景は、非常識な乗客の行動を帳消しにするほど素晴らしかった。(朝日新聞)
22日■地震伝達システム 余震に”過敏作動” 「M8.3発生」と誤データ送信 12日の在来線非常停止 プログラム修正 JR西日本
 JR西日本の「地震情報早期伝達システム」が今月12日に誤作動し、近畿地方を走る在架線の全列車が非常停止したトラブルで、不要な停止信号を出さないようにするプログラムが欠落していたためだったことが、21日までに分かった。同システムに先立って運用を開始した新幹線の「ユレダス」(早期地震検知警報システム)には備わっており、同社は「結果として在来線の方が過敏なシステムになっていた」として、プログラムを修正した。「今考えればあって当然のプログラムだった。なぜ抜け落ちていたのか分からない」(同社施設部)としている。
 阪神大震災で大きな被害を受けたJR西日本は1996年、東海道新幹線で使われていたユレダスを山陽新幹線にも導入。98年には在来線用の地震情報システムを稼働させ、99年3月からは在来線側でもユレダスのデータを受信できるようにした。
 12日のトラブルでは、午前9時53分と午後1時14分の2回、近畿地方の大阪環状線などで全列車が一時的に非常停止した。新幹線は平常通り運行を続けた。JR西日本が調べたところ、鳥取県に設置したユレダスのコンピューターから、2回とも「マグニチュード(M)8.3の地震発生。震源までの距離578`」とのデータが送信されていたことが分かった。
 ユレダスは地震初期のごく小さな振動(初期微動)をセンサーでとらえて分析、Mや震源までの距離をコンピューターで推定する。しかし、センサーの性能から、200`以内で起きた地震を検知するのが限界。震源がこれより遠いと推定された場合は、誤作動の可能性があるとして新幹線に停止信号を送らないようプログラムされている。在来線側にはこのプログラムがなかったため、停止信号を一斉送信した。
 この日は実際には午前8時ごろ、兵庫県北部でM5.4の地震が発生した。ユレタスがごく弱い余震を初期微動と誤って判断した可能性があり、JR西日本がさらに詳しく調べている。(京都新聞)
■JR西日本 3700d鴨川橋りょう移設 奈良線の複線化で 4.6bスライド
 JR西日本は21日未明、京都−東福寺駅間にある鴨川橋りょう(京都市下京区−東山区)で、奈良線の一部を3月から複線化するのに対応して線路を増設するため、橋りょう移設工事を行った。
 複線化されるのは京都−JR藤森駅間と宇治−新田駅間。鴨川橋りょうは単線構造だったため、一昨年から複線構造に変える工事を進め、拡幅部分には新しい線路を敷設、橋脚を増設するなどしてきた。
 この日は、新しい線路を従来の奈良線の線路とつなごうと、橋りょうそのものを東へ約4.6b移動させた。用地買収が困難なことと、付近にある線路の分岐点を避けるための措置という。
 工事は、最終列車が通った後の午前零時ごろから開始。これまで、橋りょう内にあった線路のつなぎ目をはずして、長さ157b、重さ約3700dの橋りょうを12台のジャッキで持ち上げ、約30分かけて水平移動した。作業員230人が、移動させた線路を従来の線路につなぐなどして5時間ほどで作業を終えた。
 従来使われてきた橋りょう内の線路は、3月までに取り付け部分などを整備し、複線の一方で利用する。(京都新聞)
■ハリウッドが京に来た!? USJシャトル列車公開
 映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ、大阪市此花区)の今春オープンに合わせて、JR西日本が3月3日から運行する特別デザインのシャトル列車が21日、京都市下京区のJR京都駅でPRのため一般に公開された。
 この日は、4種類のシャトル列車のうち、人気映画のキャラクターなどを車体に描いた青色の列車(6両編成)が、7番ホームにお目見えした。車内には、USJの概要を説明したパネルも展示され、親子連れなど大勢の人が詰めかけた。
 シャトル列車は、京都駅発ではなく、大阪環状線の西九条駅から、ゆめ咲線(桜島線)のUSJ最寄り「ユニバーサルシティー駅」を通って桜島駅まで1時間に上下6本を運行する。(京都新聞)
■駅構内に男性遺体 JR山崎駅、自殺か
 21日午前8時半ごろ、京都府乙訓郡大山崎町西谷、JR東海道線山崎駅構内で、大阪行き回送電車の運転士が男性の遺体を発見した。回送電車はそのまま運転を継続したが、後続の新快速電車1本が運休したほか、特急電車など13本が最大約25分遅れ、乗客約5200人に影響が出た。
 向日町署の調べでは、遺体は大山崎町内の男性(83)で、家人の話などから自殺とみている。午前6時半ごろに山崎駅を通過した関西空港行きの特急電車「はるか」にひかれたらしい。(京都新聞)
■地震計誤作動でシステムを変更 JR西日本
 鳥取県内に設置されたJR西日本の地震計が誤作動したため、京阪神地区の在来線の電車が12日、2度にわたって非常停止した問題で、同社は再発防止のため、「在来線地震情報早期伝達システム」を一部修正し、誤作動とみられる場合は非常停止させないよう改めたことを21日、明らかにした。誤作動の原因は不明のままで、引き続き調査するとしている。
 この地震計は、578`離れた地点でマグニチュード(M)8.3の地震が起きたと推定したが、実際には地震は発生していなかった。JR西日本はシステムを調査した結果、地震計の性能上、200`以内で起きた地震を検知するのが限界と判断。それより遠くで起きたという情報を地震計が流した場合は、誤作動とみて列車を非常停止させないようシステムを変更したという。(朝日新聞)
■信号の故障で特急立ち往生 JR梅田貨物駅付近
 22日午前9時半ごろ、大阪市北区大深町のJR梅田貨物駅構内を走行中の新宮発京都行き特急「スーパーくろしお2号」(6両編成、乗客約200人)が、信号機が赤のまま変わらなくなったため、立ち往生した。約30分後に復旧し、運転を再開した。後続の関西空港発京都行き特急「はるか8号」なども後方で一時立ち往生した。JR西日本が原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)
23日■高架橋下部のモルタル落下 JR大阪環状線
 22日午前11時35分ごろ、大阪市北区中崎一丁目、JR大阪環状線大阪−天満間の高架橋(高さ5.5b)下の路上に、モルタル片5個(計355c)が落ちているのを通行人が見つけ、JR西日本に連絡した。けが人はなかった。
 同社の調べでは、落ちたモルタル片は高架橋下部を厚さ約1aで覆っている化粧モルタルの一部で、25年以上前の施工。昨年1月の目視点検では異常は認められなかった。同社は劣化で本体からはがれたとみて、周辺の化粧モルタルの状況を調査するという。(朝日新聞)
■イズミヤの誘致を断念 JR祝園駅周辺
 精華町の松尾清敏助役は22日の臨時町議会で、JR祝園駅周辺の土地区画整理事業で地権者と町が進めてきたスーパー「イズミヤ」(大阪市)の誘致を断念することを明らかにした。
 町が進めているJR祝園駅周辺の土地区画整理事業は、駅西側の約18fを再開発し、そのうち約1.8fにイズミヤが進出し、総合小売り店舗を建てる計画。イズミヤは地権者が作る会社と覚書を交わしたが、その後、経営悪化などで進出計画が遅れ、町はイズミヤの誘致を断念した。今後、複数の小売店が入居する複合型商業施設を目指すという。(朝日新聞)
■レールスター 看板新幹線 立ち乗り事情 出張族、510円差で「指定」敬遠? 自由席、混雑際立つ
 「速くて快適」をキャッチフレーズに、JR山陽新幹線(新大阪−博多)を走る「ひかりレールスター」(8両編成)で、自由席の混雑が際立っている。ラッシュ時の通勤電車並みの車両もあって、デッキでの立ちっぱなしが常態化しており、出張族はうんざりだが、「のぞみ」や、ほかの「ひかり」よりゆったりしている指定席には空席がある。自由席と指定席の料金の差は510円。長引く不況の中、これが明暗を分けているらしい。
 ひかりレールスターは朝夕のビジネスタイムを中心に1日19往復している。山陽新幹線の利用者は、JR東海の東海道新幹線の約半分にとどまっており、2000年4月−9月は前年同期に比べて1%しか伸びなかった。乗客の奪い合いでは航空機につけられている差が開くばかり。JR西日本は起死回生の策として、最新700系車両を改造し、昨年3月に投入した。
 速度は、最高時速285`で、のぞみの主力車両と同じ。ほかのひかりより、65`−15`速い。新大阪−博多間を約2時間50分で結ぶ。停車駅が多いため、のぞみより30分程度余計にかかるが、ひかりよりおおむね30分早い。同区間で970円の「のぞみ料金」はかからない。
 一般指定席は通常の横5席を4席にして、ゆとりを持たせた。各編成には高級感のある4人掛けの個室を4室、非常時以外の車内放送をカットした「サイレンスカー」も1両つけた。
 レールスターの乗車率は平均87.0%で、のぞみの51.4%、ほかのひかりの50.0%を大きく上回っており、JR西日本の南谷昌二郎社長は「うちの孝行息子」と胸を張る。
 だが−。電気代や減価償却などの輸送コスト低減のため、16両の編成を8両にした。ふつう、1編成に5両ある自由席は3両しかない。自由席の乗車率は平均108%。ビジネスタイムの10本に限れば月平均120%を超え、160%に達したものもある。
 一般指定席とサイレンスカーは510円増し。個室は大人4人で利用すれば一般指定席と同額だが、4人未満のときは空席1席につき子ども料金1人分を払わねばならない。
 昨年4月−11月の一般指定席の平均乗車率は92%、サイレンスカーは85%、個室は33%。レールスターの乗車率を自由席の混雑が押し上げているのがはっきりわかる。
 朝の新大阪駅。兵庫県川西市の会社員(41)はレールスターの自由席に座れず、デッキで新聞を広げた。目的地の広島まで約1時間35分。「指定席を買えばいいんでしょうが、浮いた510円を出張先での食事代などに回したい。いつも急に出張が決まるので指定席券を買う手間も面倒」。込み合うのがわかっているのだから、自由席の席数を増やしてほしいという。
 JR西日本は4月21日のダイヤ改定で、レールスターを増発し、1日当たり上り24本、下り25本を走らせることにした。それでも自由席の乗車率は100%以下になりそうもないという。
・増発で緩和したい
 長谷川一明・JR西日本営業部次長の話 レールスターは、自由席が予想外の混雑をみせ、苦情もいただいている。増発で混雑緩和はある程度図れると思うが、今後も利用状況を見ながら対応策を練っていきたい。
・安全上問題、自由席拡大を
 谷口靖弘・大阪芸術大学短大部助教授(観光学)の話 採算上の理由もあるだろうが、今のレールスターの状況は好ましくない。デッキに立ったままは、高速鉄道にとって安全上の問題もある。サイレンスカーや個室など、選択に幅を持たせたことは評価できるが、利用頻度の高いビジネスマンにとっては、510円の指定席料金も惜しい。自由席をさらに拡大するなど、一考の余地があるだろう。(朝日新聞 夕刊)
■のぞみ新神戸停車、今秋本格化
 東海道・山陽新幹線の「のぞみ」を本格的に新神戸駅に停車させることを検討していたJR西日本は23日、今秋のダイヤ改定で、現在の「のぞみ」の大半にあたる30本程度を新神戸駅に停車させる方針を固めた。同駅に止まることで東京−博多間の所要時間は4−6分増える。
 「のぞみ」は全車指定席で、東海道・山陽新幹線の最速列車として1992年(山陽区間は93年)に登場した。現在、1日当たり東京−博多間27本のほか新大阪−博多間、東京−広島間など計36本が運行している。新神戸駅には早朝と夜間に7本が停車しているが、東京−博多間を結ぶのぞみは全便が新神戸駅を通過している。
 航空機との利用客獲得競争が激化するなか、山陽区間を受け持つJR西日本と東海道区間を受け持つJR東海が、停車駅の増加を検討。JR東海は昨秋のダイヤ改定で新横浜駅停車ののぞみを16本から32本に倍増させている。(朝日新聞 夕刊)
24日■新幹線のぞみ 今秋から新神戸停車
 JR西日本の南谷昌二郎社長は23日、記者会見し、東京−博多間の全線直通の新幹線「のぞみ」すべてを今年秋から新神戸駅に停車させる方針を明らかにした。
 南谷社長は「新神戸駅をのぞみ停車駅にふさわしい利便性の高い駅にしたい」と話している。兵庫県と神戸市も、昨年11月の「交通バリアフリー法」施行で補助を出しやすくなったことから、駅へのエレベーター増設などに協力する意向を示しているという。
 今後、接続する鉄道各社と調整した上でダイヤを確定する。停車駅が一駅増えることで、東京−博多間で3−5分長くなる所要時間の短縮策も検討する。(京都新聞)
■USJ近くの新駅 若い女性軸に運営
 JR西日本の南谷昌二郎社長は23日会見し、大阪市に今春開業するテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)の近くに設ける新駅について、若い女性を中心にフレッシュな雰囲気で運営することを明らかにした。
 新駅「ユニバーサルシティ駅」は、桜島線に3月1日開業、職員25人のうち、女性が20人で平均年齢は25歳、水田雅博駅長も32歳。「ソフトで、きめ細やかなサービスを目指す」(南谷社長)という。(京都新聞)
■小浜線電化工事で3月から順次運休 期間中はバスで代行
 JR西日本金沢支社は23日、2003年春の開業を目指すJR小浜線(東舞鶴−敦賀間84.3`)の電化工事に伴い、3月下旬から4月にかけて同線の4区間で順次、列車を運休する、と発表した。
 舞鶴市内を含む東舞鶴−若狭高浜間(15.4`)は3月19日から22日までの4日間で、運休中、バスによる代行輸送が行われる。
 同線のうち、京都府域は舞鶴市内の7.8`で、東舞鶴と松尾寺の2駅がある。列車は1日上下27本運行しているが、運休中はこのダイヤにそってバス輸送を行う予定。東舞鶴−若狭高浜間の列車の所要時間は約20分で、バスの場合は28分ほどかかるという。
 工事では、電化に伴い導入する車両に対応するため、松尾寺駅のホームの幅を縮める改良工事や、線路沿いに電化柱を建てる作業などが行われる。(京都新聞)
■上海リニア正式調印 独企業
 【上海23日共同】中国が上海市に計画している世界初の実用リニアモーターカーで、電機大手シーメンスや鉄鋼大手ティツセンクルップなどドイツ共同企業体と上海リニア交通発展公司は23日、2003年初めまでにリニアを完成させる契約に正式調印した。
 調印式後、シーメンス中国のベーレンス社長は「技術的には北京までリニアを走らせることは十分可能だ」と述べ、リニアを上海から杭州に延長し、最終的には北京との間を結ぶ構想をもっていることを明らかにした。(京都新聞)
■不採算路線廃止を規制 JR側へ勧告制度 私鉄より厳しく 国土交通省方針
 国土交通省は23日、JRの株式をすべて上場して純粋な民間会社にする完全民営化にあたり、ローカル線の維持などを国がJRに勧告できる制度を設ける方針を固めた。旧国鉄の資産を引き継いだJRは公共性が高いとして、完全民営化しても私鉄を上回る規制が必要だと判断した。同省はこのルールのもと、国鉄改革の総仕上げとなる完全民営化を来年以降に実施したい考えだ。
 鉄道事業は、2000年3月施行の改正鉄道事業法で参入・撤退が自由化された。路線の廃止は、それまでは許可制だったが、1年前に届け出ればすむことになった。早期に完全民営化して私鉄と同じ扱いにするよう求めてきたJR東日本と西日本は、経営の自由を損ないかねないとして反発しそうだ。
 3月に通常国会に提出するJR会社法改正案や関連して作成する指針などで、路線網の維持に努めるようJRに求め、問題がある場合には指導や改善勧告ができるようにする。
 JR各社は現在、特殊法人としてJR会社法により▽代表取締役の人事▽毎年の事業計画▽重要な財産の譲渡−には国の認可がいる。また、小売業や旅館業などの中小企業の活動を不当に防げないよう配慮しなければならない。
 今回提出されるJR会社法改正案では、JR本州3社の株式売却に伴って従来の規制を外す一方で、当分の間の措置として経営上の指針を設け、路線網の維持に努めることとする。このほか、▽JR貨物から受け取る線路使用料をこれまで通り最小限に抑える▽中小企業に配慮するなどの趣旨を盛り込む方向で検討している。問題がある場合には、国による指導・助言だけでなく改善勧告も出せるよう付則で定める。さらに厳しい改善命令の導入についても検討している。
 JRの完全民営化にあたっては、不採算のローカル線の廃止に歯止め策を求める声が、与党内で強まっていた。(朝日新聞)
■叡山電鉄鞍馬線 はねられて男性が死亡
 23日午後4時20分ごろ、左京区静市野中町の叡山電鉄鞍馬線の野中橋りょうで、線路上にいた男性が、出町柳発鞍馬行き電車(2両編成)にはねられた。男性は病院に運ばれたが、全身を強く打っており、まもなく死亡した。車内には乗客6人がいたが、けがはなかった。
 下鴨署によると、男性は左京区鞍馬貴船町、無職吉村成夫さん(79)。橋の上にいるのを運転士(27)が見つけて急ブレーキをかけたが、間に合わなかったという。現場は叡山電鉄市原駅から北に約500b。(朝日新聞)
■ダイヤ乱れ 社長が謝罪 北陸の大雪、JR西
 JR西日本の南谷昌二郎社長は23日、記者会見し、北陸地方に降った大雪で15−17日にJR北陸線のダイヤが大幅に乱れたことについて、「雪害を十分予測して除雪態勢に万全を期すべきだった」と謝罪した。大雪の影響で3日間で約500本の電車が運休した。南谷社長は「除雪作業のためにある程度の列車を運休させる必要があるが、列車を走らせすぎ、結果として大幅なダイヤの乱れを招いた。反省し、今後の教訓にしたい」と述べた。(朝日新聞)
■新神戸に「のぞみ」 1日36本中34本
 今秋のダイヤ改定で予定される東海道・山陽新幹線「のぞみ」の新神戸駅停車の本格化について、JR西日本は23日、1日当たり36本中34本を停車させると発表した。東京−博多間を結ぶ27本はすべて停車し、新大阪−博多を結ぶ2本だけが同駅を通過することになる。神戸地区から東京や博多方面への利用客増を見込み、航空機との競争を有利にしたいという。(朝日新聞)
■京福電鉄本社を捜索 正面衝突事故で計6ヵ所 業過致死の疑い 福井県警
 京福電鉄正面衝突事故で、福井県警松岡署の捜査本部は24日、業務上過失致死傷などの疑いで京福電鉄京都本社(京都市中京区)や、事故原因とされる破断したブレーキロッドを製造した「サノパーツ」(東京都墨田区)など計6ヵ所を家宅捜索した。
 これまでの調べによると、事故を起こした車両のブレーキロッドは3つの部品を溶接したもので、京福電鉄はこの部品を石川県松任市にあるJR西日本の子会社に溶接を頼んでいた。
 同電鉄によると、破断したブレーキロッドは1997年に溶接したが、破断した場所は溶接部から約30a離れているという。
 捜査本部は、本社を含めた組織体制や、製造工程などに関する書類を押収する予定。
・「捜査には全面協力」 京福電鉄京都本社
 京都市中京区の京福電鉄京都本社では24日午前10時半ごろから、福井県警の家宅捜索が始まった。約20人の捜査員が総合政策室や書類保管庫などで、机の引き出しや棚にある関係書類を調べている。総務部のガラス窓には、捜索の様子が分からないように新聞紙で目隠しがされた。
 喜多清文総務部長は「負傷された方の示談には、誠意をもって対応していきたい。捜査には全面的に協力し、事故防止にも努めていく」と話している。(京都新聞 夕刊)
25日■JR奈良駅舎保存を要望 日本建築学会
 再開発のため解体が検討されているJR奈良駅の駅舎(奈良市)について、日本建築学会(岡田恒男会長)は24日、解体せず現状で保存するよう求める要望書を、柿本善也県知事や奈良市、JR西日本に提出した。
 同駅舎は、1934年に主要部分が完成。洋風建築に寺院の屋根を組み合わせた帝冠様式として文化財的価値が指摘されているが、駅周辺の線路高架化のため、解体を前提とした再開発計画策定が進められている。
 要望書は、同駅舎が「建築作品的価値、都市・地域景観的価値において特筆される」として、現状での保存活用を求めている。
 同学会はこれまでに、東京駅や二条駅(京都市)の保存も要望しており、近畿地方での駅舎保存要望は2例目という。(京都新聞)
■ブレーキ損傷他社より多く 京福の点検結果
 京福電鉄(福非県)の列車衝突事故を受け、国土交通省は24日、全国の鉄道事業者に指示していた同型ブレーキ車両の緊急点検の報告結果を発表した。他の事業者に比べて京福電鉄ではブレーキ装置に傷や亀裂が見つかった車両が多かったことから、同省中部運輸局は29日から31日の間、同社の保安監査を実施し、保守管理体制に問題がなかったかを調べる。また同省は、ブレーキ装置の定期点検時に精度の高い検査方法を導入するよう全国の事業者に指示した。
 同省によると、京福電鉄では、事故車両のようにブレーキ装置が1系統しかない客車や貨車などを計17両(事故車両を除く)保有しており、このうち点検が終わった15両中、11両でブレーキ装置に傷や亀裂が見つかった。
 同じブレーキ構造の車両は、客車が30事業者の計418両、貨車が41事業者の1万667両ある。しかし、これまでの点検でブレーキ部品に破損が見つかったのは、JR西日本の客車1両、JR貨物の貨車1両にとどまる。(朝日新聞)
■社説 JR完全民営化 「時期尚早」どころか
 国鉄の分割・民営化から14年たって、改革がようやく最終段階に入りつつある。政府は保有しているJR株を手放し、経営への関与をやめるための関連法案を今度の通常国会に提出する方針だ。
 JRは株式会社だが、実態は経営権を大きく制限されている。代表取締役の選任、事業計画の策定、財産の処分などは、国土交通相の許可なしにはできない。
 社債の発行など資金調達にも認可が必要だ。これでは設備投資や新事業の立ち上げが遅れ、利用者の不利益につながりかねない。
 東日本、西日本、東海の本州3社では、政府持ち株の比率が東は12.5%、残り2社も30%台に下がっている。今度の法改正はそれを全部売却し、自立した経営権を持つ完全な民間会社にするものだ。
 経営基盤が弱くて株式公開ができていない北海道、四国、九州、貨物の4社は法改正の対象にするのを見送り、一層の経営努力を求めることになる。
 完全民営化は、もともと閣議決定された国鉄改革の基本方針である。実現がこれほど先延ばしされたのは、37兆円もの旧国鉄の債務をどうやって返すかをめぐって、論議や駆け引きが続いたせいだ。債務問題は一応決着し、ようやく障害がなくなった。
 この14年間のJRの実績をみると、民営化はそれなりに成果を上げている、といってよいのではないだろうか。
 確かに、運賃誤表示や山陽新幹線のトンネル崩落事故といった利用者の信頼を損なう出来事もある。ただ、総じてみれば、運賃をほとんど値上げすることなくサービスの向上が図られてきたし、事故も減っている。
 行政と政治の介入を断ち切り、利用客や株主に顔を向けた経営姿勢をはっきりさせるためにも、JRの完全民営化をこれ以上先送りすべきではないだろう。
 問題は、東海道新幹線収入が売り上げの大半を占めるJR東海が「完全民営化は時期尚早」と、反対の姿勢を崩さないことだ。
 本州3社が1991年に国から新幹線を買い取った際、同社は収益力が大きいとの理由で、ほかの2社の債務2兆円を肩代わりさせられた。政府株を売る前に、債務返済を容易にする税制上の優遇措置がほしいという。
 しかし、そうした問題は初めから分かっていたことだ。今になって特例を求めても無理というものだろう。東海が「当分は売全民営化を見送りたい」と判断するなら、東、西の2社先行も有力な選択肢になる。
 完全民営化を認めれば赤字ローカル線の切り捨てが進む、と警戒する向きもある。対策として国土交通省は、路線維持の勧告を制度化する方針という。
 しかし、そうした権限はとかく政治介入を招きがちだ。もちろん、安易な廃線は許されないが、経営努力や地元自治体、住民との協議などを条件に、どうしても維持できない路線をバス輸送などに切り替えるのはやむを得ないのではないか。
 JR側も地域公共交通の維持は使命であることを忘れず、対応を考えてもらいたい。(朝日新聞)
■バス図鑑お目見え 立命大院生井上さんが出版 京都市交通局保有の全143種 コラムや年式・メーカー、写真付き
 京都市バスの「車両一覧」を、バス交通を研究する大学院生が自費出版した。全143車種を写真付きで紹介し、特徴を解説する、いわば市バス「図鑑」だ。市交通局は「職員でも知らない貴重な情報もある」と喜んでいる。
 出版したのは下京区の大学院生、井上学さん(28)。少年時代からバスの魅力にとりつかれ、現在は立命館大で過疎地域のバス交通を研究している。2年前に市バスの路線案内を出版したところ、読者から「バスの一覧が見たい」と要望があり、出版することにした。
 井上さんは「渋滞緩和に役立ち、気ままに乗り降りできるなど、バスの魅力は数多い。もっと楽しくバスに乗ってもらえたら」と話す。
 市交通局が昨年12月時点で保有する全143車種について、メーカーや年式、形状などを写真付きで解説した。市内に1台しか走っていないバスもあり、撮影のためにバスターミナルや駅前などを探し回ったという。
 バスを題材にしたコラムもある。
 1973年に登場した電気バス「みどり号」は、1回の充電で60`の走行ができた。しかし、充電に半日以上かかるため、1日の運行は、京都駅八条口−深泥池の2往復のみ。エアコンがなく、坂道で減速するなど乗客に不評で、4年間で廃車になった。
 また、95年には一部の車両に液晶の行き先表示板が搭載されたが、「日差しが強いと見にくい」という苦情があり、3年ほどで取り外されたという。
 B5判、64n、1000円。南区東九条西山王町のアバンティ・ブックセンターと、下京区四条通富小路西入ルのジュンク堂書店で販売している。(朝日新聞)
■声 「降ります」に車内も明るく 公務員 渡部 辰幸(千葉県成田市 46歳)
 仕事を終えての帰り道、JR成田駅前から循環バスに乗り込む。いつもは背中を向けたままの運転手さんが発車間際に振り返り、「ブザーが故障しているので、降りる時は声をかけて」と乗客に呼びかけた。
 発車後、停留所のアナウンスが聞こえるとブザーを押し、無言で乗り降りするのが当たり前の車中に「次、降ります」「お願いします」という声が飛び交い始めた。
 運転手も乗客も声をかけ合い、顔を見合わせて確認をする。ステップを下りる時、「ありがとう」の声が自然に出てくる。外は暗やみだが、車内はいつになく温かい。
 昔、車掌が乗っていたころはどうしていたのだろうか。いつの間にか、人が運転し、人が乗っているのに、ただ運んだり、運ばれたりしているだけの関係になってしまっている。
 若い女性の高い声、年配者の落ち着いた声、家路を急ぐそれぞれの姿が声を通して分かるのか、運転手さんの後ろ姿に安心感が見える。
 そろそろ私の降りる所が近づいた。「次もまた、このスタイルでお願いします」(朝日新聞)
■本物の電車でGO! 土佐電、希望者体験運転
 本物の路面電車を運転してみよう−。土佐電鉄(高知市)がインターネットで募集した体験運転希望者に、本物の電車を運転してもらうイベントが25日午前、同市内で行われた。
 昨年末から始まった政府主催の「インターネット博覧会」(インパク)の一環として同社が企画、来年3月まで毎月1回実施される。第1回となる25日は、同市桟橋通五丁目の同電鉄車庫内に設けた約250bのコースで、16人の”運転士”がそれぞれ10分ほど挑戦。
 2回目からは、希望者にネット上で運転士の国家試験と同様の問題に挑んでもらい、合格者から12人、合格できなかった人からも抽選で8人を選び、計20人が運転できる。参加費は5000円で、記念乗車券や特製Tシャツなどのプレゼントがある。
 ホームページのアドレスはhttp://www.inpaku.net-kochi.gr.jp/densya/index.html (京都新聞 夕刊)
26日■JR片町線の高架橋からコンクリ片落下 東大阪、けが人なし
 25日、大阪府東大阪市西鴻池町のJR片町線鴻池新田−徳庵間の第七鴻池高架橋下の駐車場でコンクリート片が落ちていたと25日、JR西日本に連絡があった。見つかったのは24日夜で、けが人や車の被害はなかった。同社が調べた結果、高架橋のひさし状に張り出した部分(高さ約5b)の一部がはがれ、駐車場にコンクリート片四個(計約730c)が落ちていた。昨年10月中旬に目視点検した際、異常は見つかっていなかった。(京都新聞)
■JRの高架橋 コンクリ落下 東大阪、片町線
 25日午後4時20分ごろ、大阪府東大阪市西鴻池町四丁目のJR片町線の高架橋下の駐車場に、厚さ約2aの板状のコンクリート片4個(計約730c)が落ちているのを、通りがかった男性が見つけ、JR西日本へ連絡した。同社の調べでは、コンクリートは高さ約5bの高架橋の表面からはがれ落ちていた。内部の鉄筋が腐食して膨張し、コンクリートを中からはがしたとみられるという。(朝日新聞)
■線路で車立ち往生 枚方・京阪交野線
 25日午後8時50分ごろ、大阪府枚方市村野本町の京阪電車交野線星ケ丘三号踏切から乗用車が線路へ侵入し、線路上を約15b走って止まった。近所の住民から110番通報を受けた同府警枚方署が駆けつけレッカー移動をしたが、交野線は約1時間運転を見合わせ、上下あわせて13本が運休、約3000人が影響を受けた。(朝日新聞)
■声 手と荷物挟み発車した特急 小学生 中田 彩(大阪府枚方市 12歳)
 冬休みに、小学3年生の弟と富山県の祖父母の家に行くことになりました。2人だけで行くのは初めてで、とても楽しみにしていました。
 京都駅から特急に乗り、約3時間。降りる小杉駅が近づいてきました。荷物をまとめ、席を立ち、デッキに行きました。ほかにも降りる人が待っていました。いよいよ到着です。祖父といとこが手を振っているのが窓から見えました。
 前にいた人が降りました。私も続いて降りようとすると、突然、ドアがしまり、お土産の入った紙袋と右手がはさまってしまいました。先に降りた人がドアを開けようとしてくれましたが、電車は発車してしまいました。少したってやっとの思いで手を引きぬきました。でも、電車は雪の降る中、紙袋をぶらぶらさせて走り続けました。
 私と弟が怖くて不安そうにしていると、男の人が席を立って、終着駅の富山までそばにいてくれました。10分くらいで着きましたが、開いたのは反対側のドアでした。その男の人が運転士さんを呼んで、やっと開けてもらえました。紙袋の中のおかきはつぶれていました。
 駅長室で、いろいろ聴かれました。しばらくして祖父が車で迎えに来てくれので、とても安心しました。
 お願いです。発車の時は安全確認をきちんとして下さい。親切に私たちについていて下さった方、本当にありがとうございました。(朝日新聞)
■声 ローカル線は今
・過疎の古里の駅舎が消えて 短大生 平尾 幸子(兵庫県明石市 20歳)
 冬休みに帰省したとき、長年慣れ親しんでいた最寄り駅の駅舎がなくなっていた。ホームだけの駅を見て、思い出の場所が一つなくなったことが、すごくショックで悲しかった。
 鳥取県と岡山県をつなぐJR因美線の土師駅。物心ついたときから駅員はいなくて、小学生の時は、近くの商店の方が切符を売ったりしていたのだが、いつの間にか全くの無人駅になっていた。大雪などで列車が遅れるときだけ、スピーカーで情報が流された。
 小学校時代、無人の駅舎は私たちのいい遊び場だった。列車通学だった中学、高校時代は、古い建物がいつも私たちを温かく迎えてくれた。雨や雪の降る日は、屋根の下で列車を待った。屋根があるのが当たり前と思っていた。
 雪などで列車が遅れたり、不通になったりしそうなときは町役場に聞くように、という防災無線の放送を、帰省した実家で聞いた。こんな話があるだろうか。いくら過疎でも、利用者は一人や二人ではないのに。
 雪が積もる時期だ。土師駅を利用する生徒たちが、雪の降り積もる駅で、傘を差して列車を待っているのが目に浮かぶ。せめて雪や雨がしのげるようなものをつくってくれたら、と思う。
・自動車制限し国は優遇策を 著述業 今尾 恵介(東京都日野市 41歳)
 福井県の京福電鉄線で、昨年12月、ブレーキ故障によるとみられる正面衝突が起きた。70年前の古い台車を使っていたことや安全システムの不備が指摘されているが、この事故は、地方の私鉄が置かれた厳しい現状が引き起こしたといえないだろうか。
 地方の私鉄は1970年代を中心に次々と姿を消したが、生き残った会社の経営は苦しい。
 赤字営業から、とっくに廃止されてもおかしくない路線が残っているのは、大切な地域の足として存続を要請されているからだ。自治体による赤字補てんや、経費を切りつめ、低い給料で頑張っている社員の存在によって、やっと支えられている。新車両の導入などは夢のまた夢である。
 地球温暖化問題で、自動車の使用制限はヨーロッパでは常識という。ドイツなどでは、ガソリンなどの税率を上げて鉄道整備にあてる政策が、積極的に行われている。公的資金で多くのローカル線に最新式の車両が導入され、本数も増えたと聞いている。
 日本では、高速道路や整備新幹線に巨額の資金がつぎ込まれる一方で、ローカル線は切り捨てられる運命にさらされている。ローカル線への必要な投資と自動車から鉄道への政策的な誘導が、もっと行われるべきではないだろうか。(朝日新聞)
27日■市バス車体に広告 2日発車 増収狙う 京都市交通局 1年間試行
 京都市交通局は2月2日から、車体のほぼ全面に企業広告を張り付けた市バスを走らせる。乗客の減少が続く市バス事業で増収を図り、経営改善につなげる狙い。来年2月までの1年間試行し、市民らの反応を聞きながら、本格的に導入するかどうかを決める。
 車体広告は、企業名などが印刷されたフィルムを市バスの両側面と後部に張って、商品などを宣伝する。ガラス窓の一部は除く。使える色などの規制は設けていないが、デザインは事前に市交通局が審査する。
 2月2日から走るのは、京都市内のホテルの広告が付いた車両1台。今回の試行では、これまでに申し出のあった9社の広告を、15台のバスに張る予定。2月中には全車両をそろえ、市内の5つの営業所管内で運行させる。
 公営の路線バスの車体広告の導入には、東京都や大阪市などがすでに取り組んでいる。
 今回の車体広告の料金は1台につき年間150万円。市交通局は、これまで車体後部などに掲示していた広告を取り外す分を差し引き、約2000万円の収入になると見込んでいる。
 1999年度の京都市バスの広告収入は、91年度のピーク時から約3割減の約5億2000万円となっている。(京都新聞)
■線路に転落、そこへ電車 救助の2人も死亡 JR山手線
 26日午後7時15分ごろ、東京都新宿区百人町一丁目のJR山手線新大久保駅のホームから、洒に酔った男性が線路に転落した。別の男性2人が線路に降りて助けようとしているところに内回りの電車が進入、3人とも電車にはねられ、病院に運ばれたが、既に死亡していた。
 警視庁新宿署の調べで、最初に転落したのは埼玉県朝霞市西弁財、左官坂本成晃さん(37)と分かった。助けようとした2人は坂本さんとは無関係で、同署が身元の確認を急いでいる。
 JR東日本によると、ホームからの転落事故で複数が犠牲になったのは、1987年4月のJR発足以来初めて。
 山手線内回りと埼京線の恵比寿−大宮間は約1時間40分にわたり運転を見合わせ、両線合わせ41本が運休するなど、帰宅途中の通勤客ら約11万3000人が影響を受けた。
 同署の調べでは、坂本さんはホーム上で仲間と2人で洒を飲んでいるうちに、ふらふらと歩いて線路に落ちたという。同署はこの仲間から事情を聴いている。
 助けようとした男性のうち、一人は身長約170aで茶色の革ジャンパー、チェックのズボン姿。身元を示すものは持っていなかった。もう一人は身長約187a、あずき色のダウンジャケットに灰色のズボン姿で、神奈川県内の住所が記載された運転免許証を持っていた。
 JR線でのホームからの転落事故では、90年12月に山手線新橋駅で線路に落ちた男性を助けようとした男性が電車にひかれ死亡、最初に転落した男性はけがをした例などがある。
 事故当時は週末のラッシュの時間帯で、ホームは通勤客で混雑していた。(京都新聞)
■降りて歩いて 4 阪急東向日駅(西国街道) 歴史しのばす旧家並ぶ
 向日市の中心市街地にある阪急電鉄東向日駅前の周辺は、向日町サティやライフシティ東向日など大小のスーパーや飲食店などが並ぶ。同駅は普段、普通電車しか停車しないが、向日町競輪の開催日だけは急行電車が臨時停車し、競輪場までの送迎バスが忙しく行き交っている。
 駅を少し西に行くと西国街道に出る。京の東寺を起点に、摂津の西宮に通じる江戸時代の幹線道路だ。踏切のそばには、天保13(1842)年、伊勢参りの講の一つ築坂講の人たちが建てた築坂講常夜燈がある。今はビルの谷間に窮屈そうに立っているが、かつては明かりがともされ、街道を歩く人の安全を祈っていた。
 「向日町」は天正20(1592)年、豊臣秀吉の時代に向日神社門前の町場として公認された。京を出発して約7`、初めての休憩所として栄えた。参道は春は桜で満開の花の道となる。街道に面した同神社の鳥居南側には、京で日蓮宗の布教活動を禁じられた日像上人が説法をしたと伝えられる「説法石」もある。その後も「向日町」は、乙訓地域の商業と文化の中心地としてにぎわっていた。
 向日市では、歴史街道を生かしたまちづくり事業を進め、同街道と重なる市道の一部を石畳の道に整備した。街道沿いには、「松葉屋」として江戸時代末までしょうゆの製造販売を営んでいた旧家の須田家住宅をはじめ、古い民家が立ち並び、往時をしのばせる。
 こうした「向日町」の町並みを、向日市の市民ボランティア約30人が模型にして復元し、3月ごろまで向日市文化資料館で展示されている。昭和初期に設定した模型は精巧な出来栄えで、同資料館の玉城玲子さんは「模型をみると、昔は竹林の中に、にぎやかな町があったことが分かる。都市化の進んだ街道沿いの町並みの変化も感じることができる」と話している。(京都新聞)
■JR山手線 新大久保駅 3人はねられ死亡 転落…救助、巻き添え
 26日午後7時15分ごろ、東京都新宿区百人町一丁目のJR新大久保駅の山手線内回りホームで、「男性3人が電車にはねられた」と、119番通報があった。ホームから線路に落ちた1人を別の2人が助けようとして飛び降り、3人ともホームに入ってきた電車にはねられて死亡した。1987年のJR東日本の発足以来、ホームからの転落事故で複数が死亡したのは初めてという。
 警視庁新宿署の調べでは、3人のうち1人は、埼玉県朝霞市西弁財二丁目、左官坂本成晃さん(37)で、他の2人の身元確認を急いでいる。
 調べによると、坂本さんは、同僚と2人で、ホームで酒を飲んで、酔っていたという。坂本さんがふらついて線路に転落し、ホームにいた別の男性2人が、助けようとして線路に飛び降りて巻き添えになったとみられる。電車は11両編成で、3人は先頭から8両目近くで倒れていた。(朝日新聞)
■駅員に過失 賠償命じる 大阪市に12万円 大阪地裁
 大阪市営地下鉄のエスカレーターでけがをしたのは車いすの介助をした駅員の過失のためだとして、大阪市生野区に住む男性(34)が大阪市を相手に慰謝料など総額125万円の担害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁(小野洋一裁判長)は26日、「駅員はエスカレーターを動かす前に安全を十分に確認しなかった」と認め、12万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
 判決によると、1997年7月、男性が堺筋線北浜駅の下りエスカレーターを利用した際、一人で車いすを支えていた駅員が足元の状況をよく確認しないまま、エスカレーターを始動させた。このため駅員は足を滑らせ、男性は車いすごと転倒して、頭などに軽いけがをした。
 新谷和英・大阪市交通局高速運輪部長の話 このような事故を二度と起こさないよう、車いすのお客様の介助について一層の注意を払うように努めていく。(朝日新聞)
■3人面識なかった 助けようと降りた2人 山手線事故
 東京都新宿区のJR新大久保駅の山手線内回りホームで26日夜、線路に転落した埼玉県朝霞市の左官坂本成晃さん(37)と、坂本さんを助けようとした男性2人の計3人が電車にはねられて死亡した事故で、助けようとした2人のうち一人は横浜市緑区竹山一丁目、カメラマン関根史郎さん(47)とわかった。別の一人は通っていた日本語学校によると、東京都台東区下谷三丁目に住む韓国・釜山市出身の留学生李秀賢さん(26)で、警視庁新宿署が韓国の遺族に最終的な確認をする。
 これまでの調べでは、関根さんら2人は、坂本さんと面識がなかった。坂本さんが酒に酔ってふらつき、線路に落ちたのを見て飛び降りたとみられる。
・韓国人の李さん 帰国直前の悲劇 恋人へ電話後…
 「今から電車に乗る」。駅のホームでかけた恋人への電話が最後の言葉になった。事故に巻き込まれたとみられる韓国人の李秀賢さん(26)は、3月に東京都内の日本語学校を卒業して、帰国する直前だった。27日夜にも、韓国・釜山市の故郷から両親ら家族が駆けつける。
 李さんの友人に26日夜、李さんの恋人から「李さんと連絡が取れなくなった」と心配する電話が入った。「今、電車が来る。これから乗る。30分後に家に着く」。事故5分前の26日午後7時10分ごろ、李さんは恋人と携帯電話で話をしたあと、連絡が途絶えたという。
 李さんが通っていた東京都荒川区の「赤門会日本語学校」などによると、李さんは、釜山市の出身で、昨年1月、同校に入学。韓国の高麗大学を休学しての留学だった。日本語の成績は、校内でもトップクラスで、非常にまじめな学生だったという。
 李さんは、新大久保駅付近のインターネットカフェ形式の「PC房」で昨年4月からアルバイトをしていた。26日夜もアルバイトから帰宅する途中での事故だった。
 かつて学生寮で一緒に李さんと暮らしたことがある韓国人留学生の男性(30)は「友達思いの男らしい人だった」と、落胆した声で振り返る。マウンテンバイクが好きだった。昨年夏には、富士山に自転車で登るほどのスポーツマンだったという。別の留学生(24)は「弱い人を見ると、放っておけない彼らしい行動だったと思います」とその死を悼んだ。
 李さんは日本語学校を卒業して帰国、高麗大学に復学する予定だった。同校の新井時賛理事長は「非常にまじめで正義感が強かっただけに、起きた事故だろう。残念だ」と話した。
 同校には、李きんが昨夏、日本語学校に提出した入学理由書が残っていた。
 「日本語学校の研修後、日本で見て、聞いて、感じたのを元にして韓国または日本の貿易会社に入社して、両国の交易について確実な第一人者になろうと思います」
カメラマン関根さん 「どうして…」 目潤ませる母
 「電車が間近に追っているのに、どうして飛び降りたの…」。横浜市緑区竹山一丁目、カメラマン関根史郎さん(47)の自宅では、事故から一夜明けた27日朝同居している母親の千鶴子さん(76)が、目を潤ませながらそう話した。
 千鶴子さんによると、史郎さんは、中学時代からカメラに興味を持ち、東京都内の美術専門学校を卒業後、カメラマンになり都内のスタジオに勤務していた。主に、自然や動物などを撮影対象にしていたという。
 事故に巻き込まれた26日は、普段通り午前8時前に自宅を出たという。
 事故のニュースはテレビで知ったが、史郎さんが巻き込まれているとはもちろん思わなかった。悲報は、午後11時過ぎになって、警察から入った。
 「無口だけど優しくて、年下に慕われていた。責任感も強い子だった」
 人柄を振り返りながら、千鶴子さんはぽつりと言った。「相手も救えず、これでは無駄死にだよ。とっさに救わなきゃと思ったのだろうけど…」(朝日新聞 夕刊)
28日■JR不採用問題 4党合意を国労が受諾 大会承認 和解協議へ
 国労組合員らのJR不採用問題で、国労(約2万4000人)は27日、東京都内で定期大会を開き、JRに法的責任がないことを前提に、政治解決の枠組みを示した与党3党と社民党の「4党合意」を受け入れる執行部案を賛成多数で可決した。国労はこの方針をめぐり組織を二分して論争を続け、4回目の大会で承認にこぎ着けた。
 国鉄の分割・民営化から13年10ヵ月。国労の決定を受けて与野党は具体的な和解案の協議に入るとみられるが、和解金の額をめぐる対立や、再雇用を求められるJRの反発もあり、協議は難航が予想される。
 議事進行をめぐる大きな混乱はなく、無記名投票の結果、賛成78、反対40で執行部案が承認された。採決後、高橋義則委員長ら執行部は混迷の責任をとって総辞職し、新委員長に高島昭一氏、新書記長に寺内寿夫氏を選出した。高島新委員長は就任のあいさつで「組合員の怒りの心を一つに束ねて闘い、要求を実現させたい」と語った。
 合意受け入れの運動方針は「今が解決局面という共通認識を踏まえ、政治解決を目指す」とした上で「JRに法的責任がないことを認める」と明記した。
 この日の討論では「JRの責任を追及できなくなる。自殺行為だ」などと反対意見が相次ぐ一方で「話し合いを始めなければ何も進まない」との賛成意見も少なくなかった。
 与野党4党は昨年5月下旬、国労がJRに法的責任がないことを認めることを前提条件に、和解金やJRへの再雇用など具体的な和解案の協議に入ることで合意した。国労執行部は昨年7月以降、3回の大会を開き、合意受け入れを提案したが、反対派の実力行使などで採決できなかった。
・遅ればん回に努力
 国労の高島昭一・新委員長の話 組織を二分する議論を7ヵ月間して、きょう解決の緒につく決定をみた。遅れた分をばん回するため一丸となって努力したい。関係政党に積極的にアタックして交渉テーブルの設置を働き掛けたい。
・JR不採用問題 1987年4月の国鉄分割・民営化で北海道、九州の国労組合員を中心に約7600人がJRに採用されなかった問題。中労委は、国鉄清算事業団を90年3月末で解雇された1047人について、一部を除きあらためて選考、採用するようJRに命令した。命令を不服としてJRが起こした行政訴訟で東京地裁は98年5月、命令を取り消す判決を出した。国労は99年3月には分割・民営化の根拠となった国鉄改革法を承認。政治解決を目指し、自民党などに働き掛けてきた。(京都新聞)
■東日本 交通網、大幅乱れ 転倒で死者も 東京都心で大雪
 発達中の低気圧の影響で27日、関東甲信地方は平野部でも大雪となった。東京都心も大手町の午後6時現在の積雪が7aを記録するなど、1998年1月15日(積雪16a)以来3年ぶりの大雪となり、気象庁は東京都全域に一時、大雪警報を出した。
 関東南部平野部の大雪は夕方までに峠を越えたが、東北の山沿いなどでは28日にかけて大雪、東日本全域で暴風や雷の恐れもあるという。
 午後6時現在のアメダス観測による積雪は、横浜市15a、埼玉県熊谷市17a、同県株父市53a、宇都宮市12a、前橋市22a、甲府市38a。
 同庁予報課は「当初、低気圧の接近で暖かい南風が入り雨に変わるとみていたが、低気圧の速度が遅く、予報より関東沿岸から南に離れて通ったため南風が入りにくく、予想を超える大雪となった」としている。
 一方、降り続いた大雪のため、首都圏では雪道での転倒や自動車のスリップ事故などで死者1人を含む370人以上が負傷。空の便や新幹線など交通機関も大幅に乱れた。
 羽田空港は積雪のため終日、国内線のダイヤが混乱。全日空、日本エアシステムなど航空各社で同空港発着便を中心に計400便以上が欠航した。東海道新幹線は朝から東京−熱海間などで徐行運転し、最大約30分の遅れ。東北新幹線も10分程度遅れが出たほか、各地の在来線や私鉄もポイント故障などでダイヤが乱れた。東海道新幹線は28日も始発から当面、徐行運転する見込み。(京都新聞)
■信号故障で8本運休 城陽のJR奈良線 2500人の足に影響
 27日午後零時35分ごろ、城陽市長池北浦のJR奈良線長池駅で、上り電車用の出発信号機が赤信号のまま変わらず、停車中の奈良発京都行き普通電車(乗客約200人)が発車できなくなった。
 このため、同線の城陽玉水駅(綴喜郡井手町)間が不通となり、上下計8本が運休、京都−城陽間と玉水−奈良間で折り返し運転した。信号機は同日午後1時半ごろ復旧し、普通電車は長池駅を56分遅れで発車したが、後続の上り電車1本も36分遅れるなど、合わせて約2500人に影響が出た。
 JR西日本によると、電気系統の異常で、運行表示装置の画面が、同駅構内の京都側に電車が入っていないのに入ったとの表示になったといい、詳しい原因を調べている。(京都新聞)
■綾部のJR山陰線 架線切れ、35本運休 雪の重みで竹垂れる
 27日午後零時10分ごろ、綾部市野田町井根山のJR山陰線・野田踏切付近で架線が切れ、園部行き普通電車が踏切を約100b通過して急停車した。乗客25人にけがはなく、約1時間半後に到着した振り替え輸送用のタクシーに分乗して近くの綾部駅に戻った。
 この影響で、山陰線の綾部−和知間と舞鶴線の綾部−東舞鶴間が不通となり、約5時間後に復旧するまでバスで振り替え輸送した。
 両線合わせて、特急10本と普通25本が全面、部分運休し、約2600人に影響が出た。城崎行き特急「きのさき1号」が5時間40分遅れたのをはじめ、ダイヤの乱れは終電まで続いた。
 JR西日本福知山支社は、架線の切断は、雪の重みで垂れ下がっていた線路わきの竹に、電車のパンクグラフが触れたのが原因とみて、詳しく調べている。
 当該の電車に乗っていた舞鶴市の自衛官(20)たちは「電車が止まる前に『ダーン』と音がして、揺れた」「(電車が止まると)電気が消え、暖房も止まったが、車内の人は落ち着いていた」などと話し、足早にタクシーに乗り込んでいた。(京都新聞)
■SL2両を連結運転 北海道・JR釧網線
 今月6日から北海道東部のJR釧網線でJR北海道が運行中の「SL冬の湿原号」で27日、蒸気機関車を2両連結した珍しい「重連運転」が行われた。
 重連運転はかつて傾斜のきつい斜面など大きなけん引力が必要な時に用いられた方法で、鉄道ファンの間では人気が高い。運行区間を延長した同日は途中、きつい上り坂があるため、ファンに喜んでもらおうと実施した。
 午前11時8分、連結されたC11-171とC11-207を先頭に計10両編成の湿原号が釧路駅を出発。途中、旧釧路川に架かる鉄橋では、多くのファンが待ち構える中、2両の機関車がもうもうと灰色の煙を噴きながら走り抜けた。
 重連運転は28日のほか、2月中にも計8回行われる予定。湿原号の運行は3月末まで。(京都新聞)
■京都市基本計画 安らぎ華やぐまち
 京都市は、新世紀となった今年から2010年までの10年間に、市が取り組むべき施策をまとめた「基本計画」を、今月10日に策定した。「市民との信頼関係」を築いたうえで「安らぎのあるくらし」と「華やぎのあるまち」を実現するという目標のもとに、429の施策が盛り込まれている。それぞれの施策が生み出された背景、狙い、実現に向けた課題は何か。計画づくりに取り組んだ京都市基本構想等審議会で、「歩いて楽しいまちをつくる」などを議論した都市整備・交通部会長の飯田恭敬京都大工学研究科教捜と、「活力あふれるまち」について検討した文化・観光・産業部会長の吉田和男京都大経済学研究科教授に聞いた。
・都市整備・交通 公共サービス向上を 飯田恭敬京都大教授
 −どのような姿勢で計画づくりに臨んだか。
 「戦後50年以上、日本は、世界に追いつくことを大きな目標に、経済成長を追求してきた。地方においても、経済成長を支える大量生産・大量消費をベースとした効率重視で、まちづくりが進められてきた」「しかし、21世紀を迎えて、そうした社会システムには限界が来ている。後の世代のことを考えると、われわれの世代が地球の資源をすべて食いつぶすわけにはいかない。持続的に発展できるまちをつくる姿勢が重要と考えている」歩く楽しさを演出
 −都市整備・交通部会長としては。
 「交通網整備はまちづくりの手段であって、目的ではない。しっかりと定められた都市像に、どのようなシステムがふさわしいかを考えるべきだ。京都は、京阪神3都市の中で、車1台当たりの道路面積が最も小さく、区域内に受け入れられる自動車交通量には限界がある」
 「京都らしい情緒にあふれた景勝地を、車の間を縫いながら歩きたいと思う観光客がいるだろうか。交通面では、ヨーロッパの都市のように、自動車の流入を抑制し、歩行者を優先するまちづくりをした方が、活性化にもつながる。そのためには、公共交通機関のサービス向上が欠かせないと考えている」
 −自由に走り回る車の交通量を監理することが、現実に可能なのだろうか。
 「ITS(高度道路交通システム)の開発で、技術的には交通需要の監理は、かなりできるようになってきた。だが、こうした新しい技術を生かす制度が、まだ整っていない。警察の取り締まりとの関係を調整しなければならないし、特定の地域内への車の進入に、料金を課す『ロード・プライシング』の導入にしても、地元の同意が必要となってくる」
 「地域の現状と照らし合わせて、受け入れられる制度や仕組みをつくり、監理技術と組み合わせることが求められる。行政のやる気が問われるだろう」
 −そうした考え方に沿って打ち出されたTDM (交通需要監理)の推進や、LRT(軽量軌道公共交通機関)の検討、PTPS(公共車両優先システム)の導入などの施策群が、基本計画の目玉である「歩いて楽しいまち」を実現する。市電の復活ともいえるLRTには、各方面で期待が高まっているが。
 「LRTは、まちのイメージづくりに役立つし、軌道が見えるので利用しやすい。しかし、柔軟に運行できるバスと比べて、サービスの内容が限定される。単にノスタルジアに駆られて導入するのではなく、都市の交通体系の全体を見渡して、どう位置づけていくかが課題となる」
マルチモード実現
 −歩くまちを実現することと、交通政策に盛り込まれた高速道路網の整備とは、まったく相いれないのではないか。
 「道には、散策するための小径から、生活道路、市内幹線、都市間を結ぶ高速道路まで、いくつもの階層がある。市民が目的と状況に応じて最適の手段を選択できるマルチモーダルシステムを実現することが大切だ。個人的には『歩くまち』の推進と、高速道路の建設は、基本的に矛盾しないと思っている」
 「大阪の高速道路網は、都市内への車の流入を抑え、排出を促すような管理システムになっている。また、郊外に駐車場を整備し、公共交通機関と連携させてパーク・アンド・ライド方式を定着させ、TDMを効果的に実施すれば、市街地の歩行空間を確保できる」
 −公共輸送の柱として地下鉄を建設しようとすると、巨額の費用を要する。
 「都市の交通需要は、バスと車だけでは到底、処理できない。したがって、市民が希望する地下鉄建設は続けるべきだ。しかし、建設費の償還を含めて地下鉄事業を進めると、現在の制度では採算が取れない。事業の枠組みを、施設建設と事業運営を切り離す上下分離方式に変えるときが来るだろう」
 「京都のまちが、再び生き生きとした活力を取り戻すには、人の交流である『モビリティー』を高めなければならない。世界有数の歴史都市である京都が、基本計画の施策を実現することで交通の課題を解決し、まちの活性化につなげることを期待する」
 いいだ・やすのり 京都大大学院工学研究科修士課程修了。金沢大工学部教授などを経て現職。専攻は交通計画。著書に「交通工学」など。兵庫県出身。59歳。
・文化・観光・産業 若者の能力発揮促す
 −審議会では「文化・観光・産業」部会長を務めた。計画づくりには、どのような姿勢で臨んだのか。
 「新世紀は、20世紀後半とは異なり、社会の基軸が経済から文化に移行するだろう。例えていうと、食事に事欠かなくなれば、次は遊ぶしかないというわけだ」
 「IT(情報技術)の発達に伴って、戦後、先進国にキャッチアップするために必要だった集団主義よりも、人と異なる発想を尊ぶ個人主義が重視される。これも文化を中心にした暮らしを支える条件になる」
 「現下の経済情勢では、国全体の産業ががたがたになっている。京都も同様だ。しかし、文化の時代に、その中心地である京都は本来なら良くなってくるはずだ。文化を『華やぎのまち』づくりに生かしていこうと考えた」
ベンチャー的発想
 −古くからある伝統産業が見直されるということだろうか。
 「そうではない。新しい時代に、文化資産を生かそうといっても、保護するだけではやっていけない。先端産業の京セラは、焼き物の伝統を技術のパッケージにして成功をおさめた。ロームのつくるカスタムLSIにも、友禅などの線描の感性が取り入れられている。従来の『たこつぼ』的な発想ではなく、ベンチャーのかたちとなるような新しい何かを引き出すことが大切だ」
 −そのような考え方を、京都市の基本計画の中にどう盛り込んだか。
 「部会としては『活力あふれるまち』という章を担当した。しかし、経済活動そのものは役所の仕事の範ちゅうにはない。市民、民間企業の持つ力や、すでにある資産をどう生かすか、うまくガイドできるかという観点からアイデアを出していった」
 「具体的には、デジタルアーカイブの推進、ベンチャー企業を育成する多様な資金調達システムの構築などがそうした方向に沿った施策だ」
もっと大学を活用
 −特に力を入れた施策は何か。
 「部会の中で、若者をもう少し大事にしなければだめじゃないかという議論になった。そこで『活力あふれるまち』の章に、計画づくりの最終段階になって、『若者が集い能力を発揮する』という項目を盛り込んだ」
 「働く揚の創出、若者文化の創造に向けた取り組みといった施策をここにまとめた。若者が元気にやれるまちをつくり、活性化につなげたい」
 「また、京都の大学には技術のタネが山のようにある。学園紛争時のように産学協同に反対する人が少なくなったし、市役所も大学施設の規制緩和に乗り出している。『大学の集積・交流が新たな活力を生み出す』とする項目に、『産学公』の連携に関する施策を盛り込んだ。まちづくりに、もっと大学を活用してもらいたい」
 −京都市は観光を、21世紀の基幹産業と位置づけている。
 「大切な資産ではあるが神社仏閣だけではだめでしょう。既存の資産を活用しながらもITを使って発信するなど、新しい観光のあり方を創造するべきだ。企業が事業活動の一環として行うインセンティブツアーやコンベンションの誘致も、もっと強化しなければならない」、−市が基本計画の内容を実現するには、どのような課題があるのか。
 「アメリカのアトランタ市は、コンベンション・ホールを建てる際、市内で営業するホテルに部屋数に応じて経費を拠出させた。受益者に対しては、応分の負担をさせようという考え方だ」
 「地方分権時代に行政が何かを実現しようとするならば、これまでのように中央からの財源の配分を期待するだけではいけない。利益を得る人を対象に、目的税を導入することもいずれは検討するべきだ」
 「今回策定された基本計画は、必要な施策を行政組織に準じて縦割りに並べず、市民の方を向いてまとめたのが大きな特徴だ。これからの自治体は、都市計画ではなく都市経営に取り組むことになる」
 「計画を本当に実現しようと思うなら、市役所の組織も従来の部局制をやめて、基本計画の構成に応じたプロジェクト制を導入した方がよい」
 よしだ・かずお 京都大経済学部卒。大蔵省主計局主査などを経て現職。専攻は数理経済学。著書に「複雑系としての日本型システム」など。大阪府出身。53歳。(京都新聞)
■国労、4党合意受諾 大会で可決 最終決着なお曲折も
 国労(約2万3000人)は27日、再開した定期大会で、組合員ら1047人のJR不採用問題について与党3党と社民党が示した政治的解決の枠組み(4党合意)を受け入れることを決めた。これにより、1987年の国鉄分割・民営化以来14年近く続いている戦後最大規模の労使紛争が、和解に向けて一歩前進することになる。ただ、今後話し合われる組合員の採用や和解金の金額などについては、国労の要求と政府・与党・JRなどの思惑に大きな隔たりがあり、最終決着まではなお曲折がありそうだ。
 この日の大会も過去3回の大会と同様、4党合意の受け入れを盛り込んだ運動方針案をめぐって賛否両論が飛びかった。しかし、反対派は採決に応じ、賛成78票、反対40票、白票・無効3票の賛成多数で可決された。
 その後、これまでの組織内の混乱の責任を取る形で執行部が総辞職。4党合意受け入れに消極的だった高橋義則前委員長に代わって、推進派だった高鳴昭一・盛岡地方本部委員長が新委員長に選出され、新執行部が発足した。
 4党合意は、社民党の村山富市元首相や自民党の野中広務前幹事長らが中心となって、昨年5月末にまとめられた。国労が「JRに不採用の法的責任はない」と認めた場合、与党はJRに対して組合員の雇用の検討を求め、与党と社民党が和解金の額などを検討するとされていた。
 闘争団は和解金1人あたり約5000万円、団員の約7割にあたる約640人のJR復帰を要求。これに対し、政府内では和解金1人あたり80万円という数字が試算されており、雇用については「全体で数十人にとどまる」(井手正敬JR西日本会長)などとしている。
 国労の36闘争団のうち20闘争団は「JRの責任追及などを放棄せず、最後まで闘い抜く」と表明しており、4党合意に賛成した代議員でさえ「解決案が到底受け入れられない内容であれば、断固拒否して闘い続ける」と強調している。
 政府・自民党には、国労がJRに法的責任がないことを認めた以上、多額の和解金などを払う根拠はなくなったとして、歩み寄る考えはない。雇用についても「妥協の余地はない」(JR幹部)という声が多い。(朝日新聞)
■大雪、首都圏など襲う 2人死亡 交通混乱
 本州の南岸を通過した低気圧の影響で、関東地方を中心としたこの冬一番の大雪は、27日夜まで続いた。この影響で、交通機関などが乱れた。東京都内と長野県内では、転倒などで2人が死亡した。同日午後からは、低気圧の急激な発達に伴って風も強まった。気象庁は、東京都や埼玉県、神奈川県、群馬県、宮城県など各地に大雪警報を出して警戒を呼びかけた。東京の大雪警報は1998年1月以来3年ぶり。
 気象庁によると、同日午後5時現在の積雪量は、埼玉県秩父市で51a、甲府市で38a、前橋市で23a、埼玉県熊谷市で19a、横浜市で16a、宇都宮市で12a、東京都心で8aなど。西日本では、福井市で30a、金沢市で15aなど。
 JR東日本によると、中央線が甲府−松本間で一時運転を見合わせた。JR東海によると、新大阪駅に到着する東海道新幹線に最高15分の遅れが出た。羽田空港では大半の便が欠航。関西空港では、午後の羽田、仙台からの到着便や同じく国内線の出発便など計11便が欠航した。
 また、昨年末本放送が始まったNHKや民放のBSデジタル放送が関東全域で一時、雪のために見えにくくなった。(朝日新聞)
■人員整理は当たり前
 国鉄再建監理委員をつとめた千葉商科大学学長の加藤寛氏 国鉄の分割・民営化の時、国労の人たちは「JRに戻って、もう一度国鉄をつくりたい」という大時代的な発想をしていた。今では笑い話だが、そういう考えでは今のJRはできなかった。この問題が解決しなかったのは、国労の考えが間違っていたからだ。
 会社を立て直す時、人員整理は当たり前だ。1人平均10以上の職場を紹介したのだから、政府に責任を求めるのは無理だろう。みんなリストラに耐えているのに、「自分たちだけ助けて」というのはおかしい。
 北海道から東京の企業に転職した元国労の人は、1ヵ月後に「仕事が忙し過ぎるので辞める」と話していた。国鉄では、1日上下1本ずつの電車が来るときに田んぼから出て駅で旗を振るだけの仕事だったらしい。言ういう人の要求にどれだけ賛同できるだろうか。(朝日新聞)
■国労4党合意 14年、無念の選択 大会、機動隊に守られて
 「闘いの大義を自ら否定するのか」−。国労が27日に開いた定期大会の会場に、無念の怒号が響いた。国鉄が分割・民営化されてから14年。JRに不採用となった国労組合員らが、長い闘争の末にのまされたのは、「JRに(不採用の)法的責任なし」とする4党合意だった。JRと国の採相差別を追及してきたはずの運動は、「もう後がない」とする国労執行部が、合意受け入れに踏み切る結果となった。
 雪が舞う東京・永田町。大会会場となった社民党本部の入り口は、機動隊で封鎖され、異様な雰囲気に包まれていた。多くの組合員や支援団体メンバーは吹雪のなかに締め出された。
 「これまで闘ってきた国家権力に守られて大会を聞くのか」。会場内では、機動隊導入に批判が相次いだ。場内に厚生労働省の職員がいることが分かって、「何で敵の入場を許すんだ」と、怒った代議員らに追い出された。
 121人の代議員が投票する間、4党合意受け入れに反対する闘争団員らがシュプレヒコールを繰り返した。「おれたちの人生を売り渡すのか」と怒鳴っていた稚内闘争団員の男性(55)は「残念だ。今後、交渉するにしても、けんかする材料がなくなった」と、涙を浮かべた。
 近畿地方でも国労組合員2人が解雇の撤回を訴えてきた。元運転士の中島秀明さん(60)は27日夕、勤務する国労大阪会館(大阪市北区)で大会決定を聞いた。「打開策に乏しい現状を考えると仕方ない。一つの関門をクリアしたが、すべてが終わりではない。和解金などの解決内容を見極めるまで、訴訟は取り下げてほしくない」と話した。(朝日新聞)
■列車でコート 刃物使い切る 大阪、容疑の男逮捕
 JR大阪環状線の列車内で女性のコートをカッターナイフで切り裂いたとして、大阪府警鉄道警察隊と都島署は27日、大阪府岸和田市小松里町、健康食品販売業中前智次容疑者(31)を器物損壊の容疑で逮捕した。
 調べによると、中前容疑者は26日午前8時半ごろ、JR大阪環状線の京橋−桜ノ宮駅間で、8両編成の最後尾の車両に乗っていた同府大東市内の女性会社員(39)のコートを背後から3ヵ所、小型カッターナイフで約1−3a切り裂いた疑い。同容疑者は「仕事で疲れて気分がむしゃくしゃしていて、憂さ晴らしにやった」と、容疑を認めているという。(朝日新聞)
29日■電車4本に投石? 尼崎の阪急 ガラスひび
 28日午後4時50分ごろ、兵庫県尼崎市の阪急神戸線藻川鉄橋と塚口駅の間を走っていた三宮発梅田行き普通電車(8両編成、乗客約600人)の2両目の窓ガラス1枚に突然ひびが入った。さらに、この後、約10分の間に現場付近を通過した特急1本と急行2本でも窓ガラス3枚が割れ、1枚にひびが入った。乗客にけがはなかった。
 阪急電鉄から通報を受けて尼崎北署が調べたところ、うち2本の電車の車内から、こぶし大の石が1個ずつ見つかった。何者かが電車に向かって投石したとみて、同署は列車往来危険罪と器物損壊容疑で調べている。(朝日新聞)
■山手線救出事故 犠牲者の通夜 市民ら死悼む
 東京都新宿区のJR山手線新大久保駅で、線路に落ちた男性を助けようとして亡くなった韓国からの留学生李秀賢さん(26)の通夜が28日、李さんが通っていた東京都荒川区の日本語学校で営まれた。福田康夫内閣官房長官、JR東日本の大塚陸毅社長や友人らのほか、報道で李さんの行動を知った市民たちも多数訪れ、痛ましい死を悼んだ。
 また、同じくこの事故で亡くなったカメラマン関根史郎さん(47)=横浜市緑区竹山一丁目=の通夜も、午後6時から同市港北区内の葬祭場で営まれた。
 李秀賢さんと関穏史郎さんのご遺族に見舞金や香典を渡したいとの要望が朝日新聞社に寄せられています。見舞金などは受付先が決まるまで朝日新聞東京厚生文化事業団でお預かりします。郵便振替(00130・1・9166)で、〒104・8011朝日新聞東京厚生文化事業団「李さん、関根さんのご遺族お見舞金」係へお送り下さい。問い合わせは同事業団(03・5540・7446)へ。(朝日新聞)
■ドイツ生まれ路面電車参上 広島でデビューへ 神戸で陸揚げ
 ドイツからコンテナ貨物船で輸入された路面電車6両が29日、神戸市の六甲アイランドのふ頭から陸揚げされた。約30人の作業員がワイヤでつるされた緑色の車両を慎重に下ろした。
 広島市内を走る路面電車を運行する広島電鉄が3編成6車両を発注し、ドイツのメーカーが製造した。長さ14−17b、幅2.5b、重さは16−21dある。車高が低いバリアフリー仕様で、今月3日にハンブルクを出港した。
 近年、地球環境に優しい路面電車が注目されているが、低床タイプは国内では生産されていないという。広島電鉄ではすでに、低床タイプの車両4編成が走っており、京都市交通局から譲り受けた15両の旧市電とともに、市内を走る。
 尼崎市内で案内板の取り付けや整備を済ませ、約1ヵ月後、広島市内に運ばれる、という。(京都新聞 夕刊)
■雪で新幹線が徐行
 東海道新幹線は29日、岐阜、滋賀両県での降雪のため、始発から岐阜羽島−京都間の上下線で230`の徐行運転をしている。(京都新聞 夕刊)
■あなたの勇気忘れない 新大久保駅救出死の李さん 追悼式 HPにメール続々 献花台・顕彰碑も計画
 東京都新宿区のJR山手線新大久保駅で、ホームから転落した男性を助けようとして亡くなった韓国からの留学生、李秀賢さん(26)の追悼式が29日、李さんが通っていた東京都荒川区の日本語学校で営まれる。多数の市民が会場を訪れる中、「日本の国民が一緒に泣いてくれたことで気持ちが少し和らいだ」と父親の盛大さん(61)は話す。李さんのホームページには韓国や日本の若者らから多数の哀悼メールが寄せられている。東亜日報など韓国の主要メディアは、事故を連日大きく報道している。自らの命をなげうって見も知らぬ他人の命を救おうとした李さんの勇気ある行動は、他人に対する無関心さが目立ついまの時代に、多くの人の心を揺り動かした。
 李さんの母親辛閠賛さん(50)はこの日朝、追悼式会場で、「息子は将来、大きいことを成し遂げると期待していた。こんなに早く死んでしまったのはあまりにつらすぎる」と話した。「昨晩は、息子の夢を見ようと思ったが、一睡もできなかった。息子は運動神経が発達していて体力もある。逃げる場所があればすばやく身をかわしていたはずで、非常に残念に思う」と泣き崩れた。
 父親の盛大さん(61)は「息子は夢を持って日本に学びに来たが、夢は実現しなかった。このような形でみなさんに感動を与えることができ、息子の死は無駄ではなかったと思うのがなぐさめだ」とうつむきながら話した。
 両親のもとには、市民から手紙などが多数寄せられているという。
 荒川区の日韓親善協会会長の鳥海陸さん(78)は「故国の若者は人に尽くす儒教の精神を持っている。李さんの崇高な気持ちに感動した」と語った。
 「いてもたってもいられなくて」と、台東区から駆けつけた学習塾経営須田千尋さん(55)は、ニュースを聞いて、26歳の長男と李さんの姿がだぶったという。「遺影の前で本当にありがとうございますと思いながら、手を合わせました」と涙ぐみながら話した。
 JR新大久保駅には、李さんらの行動が詳しく報じられた27日午後から、事故現場となったホームに花束を置いて立ち去ったり、駅員に託したりする一般市民が目立ち始めた。
 同駅は急きょ駅長室のテーブルに白い布をかけ、献花台にしているが、さらに構内に一般の人々が献花できるような台を設ける予定。命をかえりみずに他人を救おうとした行動をたたえる顕彰碑をつくろうという話も出ているという。
 李さんの自作のホームページには29日午前までに約14万件のアクセスがあり、多数の追悼文が寄せられた。
・首相が書状
 福田康夫官房長官は29日の記者会見で、東京都新宿区のJR山手線新大久保駅の救出事故で犠牲になった韓国からの留学生、李秀賢さん(26)とカメラマン関根史郎さん(47)に対し、勇気ある行動をたたえ、弔意を表する森喜朗首相の書状を贈ると発表した。森首相と河野洋平外相が同日昼、東京都荒川区で催される李さんの告別式に出席する。
・韓国名紙も大きく報道
 【ソウル29日=箱田哲也】JR新大久保駅のホームで転落者を助けようとした韓国人留学生、李秀賢さん(26)が亡くなった事故を、東亜日報など主要各紙は29日付でも社会面トップで大きく報じた。韓国世論は、李さんの祖父も日本植民地時代に強制労働させられた事実など日韓の「歴史」を見据えながらも、現在の良好な両国関係を反映し、その勇気をたたえている。
・「殺身成仁」
 自らの命を捨て仁(思いやり)を守るという意味のこの言葉が、李さんの行動そのものを表しているとして、韓国国内で頻繁に語られ始めた。与党民主党(総裁・金大中大統領)は28日、「李秀賢さんの義理堅い死が韓日友好の礎となることを願う」と論評した。
 多くの韓国メディアが李さん一家と日本の「因縁」も取り上げている。李さんの曽祖父が日本で死亡、祖父は日本に強制連行され炭鉱に送られて苦労を重ねたが、1944年に李さんの父、盛大さん(61)ら家族を連れて朝鮮半島に引き揚げたという。中央日報は、日本との関係で受難が続く中での李さんの死を「『殺身』で悪嫁を絶ちきった」と記した。(朝日新聞 夕刊)
■ブルブル特急 JR北陸線、150人に毛布 暖房故障で車内6度
 29日午前5時すぎ、JR北陸線を走っていた富山発大阪行き特急「サンダーバード2号」で、全9両のうち6両の暖房設備が故障しているのが、出発してまもなくわかった。車内の温度は6度前後(通常の設定温度は23度)にしかならず、JR西日本は急きょ2駅目の金沢駅で非常用の毛布を積み込み、乗客約150人に配った。
 JRによると、暖房が故障したのは4−9号車。富山駅を午前5時1分に出た直後、乗客の指摘でわかった。指定席3両にいた乗客は空席のあった別の車両に移ったが、自由席3両にいた乗客約150人は大阪に着くまでの約3時間、毛布で寒さをしのいだという。体調を崩すなどした人は報告されていないが、車内では寒さを訴える乗客が多かったという。(朝日新聞 夕刊)
30日■命散らしたレールに涙 転落事故犠牲韓国人留学生 遺影抱き母献花 2人の葬儀 しめやかに
 東京都新宿区のJR新大久保駅で26日夜、ホームから転落した男性を助けようとして死亡した韓国人留学生李秀賢さん(26)とカメラマン関根史郎さん(47)の葬儀が29日、しめやかに行われた。
 李さんの葬儀に訪れた森喜朗首相は父親の李盛大さん(61)と母親の辛閠賛さん(50)にあいさつし、記者団に「李さんの立派な行為が日本の若い人の手本になればと思う」と語った。韓国の金大中大統領も「崇高な犠牲精神は韓日両国民の心の中に永遠に記憶される」と弔電を寄せた。
 両親は同日夕、秀賢さんの遺骨を手に新大久保駅を訪れ、現場の2番ホームに白い花を供えた。
 李さんの葬儀は、通学していた東京都荒川区の日本語学校「赤門会」で行われ、友人や日韓の関係者ら約500人が参列。2人の行為をたたえて森首相が弔意を表し、警察庁長官表彰の贈呈も決まった。
 この日午前、警視庁新宿署の署長が赤門会を訪れ、李さんの両親に警視総監の感謝状を贈呈。辛さんは「息子は運動神経がよく、もし避難場所があれば助かったかもしれない」と涙をこぼしていた。
 李さんの祖父は戦時中、徴用で日本に連行された。盛大さんは「秀賢は強制的に日本に来たのではなく、学友や日本の人が温かく弔ってくれている。決して無駄な死ではなかった」と唇をかんだ。
 新大久保駅では盛大さんが秀贅さんの遺骨を、辛閠賛さんが遺影を持ち、駅員に導かれてホームに。息子の名前を呼び続けて泣き崩れる辛さんは、周りの人々に支えられて駅長の説明を聞いた。盛大さんは「電車の運転士は何b手前で気付いたのか。避難場所はあったのか」などと尋ねていた。2人は30日昼すぎの航空機で帰国する予定。
 一方、関根さんの葬儀は横浜市港北区鳥山町の葬儀場で行われた。伊吹文明国家公安委員長や、関根さんの仕事仲間ら100人以上が次々に焼香した。
 葬儀に先立ち新宿署幹部が感謝状を母の千鶴子さん(76)に手渡したが、言葉のかけようもないほど落胆していたという。
・韓日貿易の夢 無残 優しさ 広がる共感
 線路に転落した男性を助けようとしてはねられ、死亡した韓国人留学生李秀賢さんの一族は、祖父が戦前に強制連行されて以来、日本と深いかかわりがあった。割り切れない気持ちを抱えながらの来日、それでも「両国間の貿易の第一人者」を目指した李さんの夢は無残に砕かれた。
 ひつぎに取りすがっていつまでも号泣する母辛閠賛さん。日本で生まれた父李盛大さんも悲しみをこらえながら「息子の死が無駄にならぬよう韓日の友好関係が発展することを願う」と追悼式の参列者に呼び掛けた。
 李さんの祖父は戦前、日本に強制連行され、同行した曽祖父(そうそふ)は日本で病死した。盛大さんは大阪で生まれ、終戦直前に朝鮮半島に引き揚げた。
 李さんは高麗大貿易学科で英語圏との貿易を勉強。第二外国語の日本語や地域研究のゼミで学ぶうちに、日本に関心を持った。
 昨年1月、日本語学校に入った際には「日本については少しの先入観を持っていたが、直接体験したくて研修を決心した。日本で見て、聞いて、感じたのを元にして、両国の交易について確実な第一人者になろうと思う」と志望動機をつづっていた。
 日本語学校の担任教師は「あなたが身をもって示してくれた勇気と優しさは多くの日本人の心にずっと残ることでしょう」と涙ながらに弔辞を述べた。
 李さんの勇気に対する共感は急速に広がり、李さんが開いたインターネットのウェブサイトへのアクセスは29日午後に累計で20万件を超え、書き込みもひっきりなしだ。
 盛大さんは「息子は日本文化を学びたいという強い希望を持ち、一族の中で初めて自分の意志で日本に渡った。一人息子をなくして家系は途絶え、日本とのつながりも途絶えてしまった」と肩を落とした。
・40b前で発見 非常ブレーキ JR東が事故状況公表
 東京都新宿区のJR新大久保駅で男性3人が電車にはねられ死亡した事故で、JR東日本は29日、記者会見し、ホームの乗客が列車を止めることができる非常停止警報装置の周知徹底や転落検知マットの導入など、再発防止対策の検討項目を明らかにした。当面は首都圏の駅での検討作業に入る。駅員の増員、ホームでの禁酒については否定的な考えを示した。
 事故状況では、運転士が約70`で走行中に非常ブレーキをかけ、約170b走って停止したことも公表した。制動距離は「妥当な数字だった」という。
 記者会見したのは同社の須田征男東京支社長と小縣方樹広報部長で「効果が高いものがあればあらゆるものを考えたい」とした。
 事故の調査の結果、運転士はホームの池袋側先端から約40b手前で人影に気付き、非常ブレーキをかけた。4、5秒で3人をはねたが、運転士の対応に特に問題はないという。(京都新聞)
■線路に転落の同級生を救助 小田原のJR東海道線
 29日朝、神奈川県小田原市のJR東海道線鴨宮駅で、貧血のため意識を失いホームから転落した同県立小田原城北工業高校3年の男子生徒(18)を、電車の接近を告げるアナウンスが流れる中、一緒にいた同級生の男子生徒が他の乗客と協力して救助した。
 転落した生徒は顔の骨を折る大けがをしたが、命に別条はなかった。
 同校によると、この生徒は同日午前8時10分ごろ、「気分が悪い」と言いながら、乗っていた下り電車を降り、ふらふらとホーム反対側の上り線の線路に転落した。
 直前まで下り電車に一緒に乗っていた同級生の山口広史君(18)が「駅員を呼んで」などと叫びながら、線路に飛び降りたが、生徒はうつぶせに倒れ意識不明の状態。ホームにいた女性客に手伝ってもらい、ホームに押し上げた。(京都新聞)
■京都市バス運行見直しで見解書 共産市議団、交通局長に
 共産党京都市議団は29日、京都市交通局が3月実施を打ち出した市バス運行見直しについて「市民の足の確保に逆行する」などとする見解書を江草哲史市交通局長に出した。
 見解書では、長距離路線の打ち切りで乗り継ぎを余儀なくされ、負担増につながるなどとし、市民の声を反映させるための懇談会の開催、サービス向上による積極的な営業に転じることなどを求めている。(京都新聞)
■「駅員がいれば…」李さん両親 説明に納得せず JR新大久保駅
 「避難所があれは助かったのでは」「駅員がいれば注意できたのでは」−東京都新宿区のJR新大久保駅で、韓国人留学生、李秀賢さん(26)とカメラマン関根史郎さん(47)がホームから転落した男性を助けようとして亡くなった事故で、李さんの両親が29日、新大久保駅を訪れた。JR東日本側から事故の状況についての説明を受けた父親の盛大さん(61)と母親の辛閠賛さん(50)は、「息子はなぜ死んだのか」との無念の思いを込めるかのように、次々と疑問をぶつけた。
 盛大さんと辛さんはこの日、李秀賢さんが通っていた東京都荒川区の日本語学校で営まれた追悼式などに出席。その後、JR新大久保駅に向かった。
 事故が発生した時刻に近い午後6時40分ごろ、同駅に到着。辛さんが遺影を、盛大さんが遺骨を胸に抱きかかえ、駅員らに誘導されながら、ゆっくりとホームに立った。
 勤め帰りの会社員や学生らが見守る中、事故のあった現場の前に来ると、線路をのぞき込み、涙を流した。声を押し殺すように、韓国語で息子の名を呼び続ける辛さんの姿に、ホームに居合わせた乗降客の中には、もらい泣きする人もいた。辛さんはホームに花束を供え手を合わせた。
 その後、JR東日本の須田征男・東京支社長とJR新大久保駅の金子正敏駅長ら3人が、駅長室で事故の状況について説明。通訳を交えた面談は、約1時間に及んだ。
 「落ちた場所に避難場所がなかった。あれば、助かる見込みがあったのでは」。面談で盛大さんが問いただすと、須田支社長らは「(落ちたとされる)高架橋の部分には避難場所はないが、落ちた場所がまだ警察の捜査で特定されていないので…」と言葉を現した。
 盛大さんは駅員がホームにいなかったことについても疑問をぶつけた。「最初に落ちた人は酒に酔って30分ほどホームにいたと聞いている。駅員がいれば、注意できたはずだ」
 須田支社長らは、「新大久保駅では、朝のラッシュアワーと酔客が多い午前零時前後は駅員が見回りをすることになっている」と説明したが、盛大さんは納得がいかないような表情で、「午後7時台も、30分か1時間に一度くらい見回ってもいいのではないか」と食い下がった、という。
 李秀賢さんと関根史郎さんのご遺族に見舞金や手紙を渡したいとの要望や問い合わせが29日、朝日新聞東京厚生文化事業団に相次いで寄せられた。電話での問い合わせは約100件に上り、直接、見舞金を持参する人もいた。
 見舞金などは受付先が決まるまで同事業団でお預かりします。郵便振替(00130・1・9166)で、〒104・8011朝日新聞東京厚生文化事業団「李さん、関根さんのご遺族お見舞金」係へお送り下さい。問い合わせは午前10時から、同事業団(03・5540・7446)へ。(朝日新聞)
■ホーム転落の同級生を救う 神奈川で高3生
 29日朝、神奈川県小田原市のJR東海道線鴨宮駅で、下り電車を途中下車した登校中の県立小田原城北工業高校3年の男子生徒(18)がホームから上り線の線路に落ちた。一緒に通学している同級生の山口広史さん(18)=同県二宮町=が飛び降りて同級生を抱き起こし、若い女性と協力して同級生をホームに押し上げた。同級生は、転落の際、ほおの骨が折れた。
 山口さんの話では、同級生が気分が悪くなったというので、午前8時9分ごろ、途中下車。貧血を起こしてふらふらしたという。山口さんは、授業を終えて入院先に同級生を訪ねた。「ありがとう」と言われたという。(朝日新聞)
■「チョロQ」販売 京都交通
 京都交通(本社・亀岡市)は、同社のバスをモデルにしたぜんまい式ミニカー「チョロQ」を作った。路線バスと観光バスの2台1セットで1200円(消費税込み)。5000セットを販売する。商品引き渡しは2月中句。購入希望を同社(0771-21-0469)が受け付けている。(朝日新聞)
■電車の窓 刻まれた英文字・絵 落書き傷900枚 JR西日本・南海・近鉄 同一犯か ガラス切り?深さ1_
 大阪・天王寺、難波と奈良、和歌山方面を結ぶJR西日本、近鉄、南海の電車の窓ガラスが内側から傷つけられるケースが昨年から相次いでいる。ガラス切りのようなもので英語の文字や絵などが刻みつけられており、被害に遭ったガラスは900枚近くに上っている。傷の模様には共通点が多く、同一犯の可能性が高いという。鉄道各社は「運行には支障がない」としているが、車内放送やつり広告で注意を呼びかけている。いまのところ有力な目撃情報はなく、大阪府警鉄道警察隊が器物揖壊容疑で捜査を始めた。
 JR西日本によると、JR阪和線(天王寺−和歌山)と関西線の一部区間(難波−奈良)で昨年5月以降、約210枚が被害にあった。7割がドアのガラス、3割が座席の後ろのガラスという。
 ガラス切りのようなもので1_程度の深さに、「NEK」「ZONE」といった英文字や虫のような絵などを、手のひら大に刻みつけたものが多い。強度に影響はないが、同社はすべてを取り換えている。被害額は約200万円に上るが、模倣犯を恐れて乗客に注意を呼びかけてこなかった。
 同社によると、窓ガラスの傷は大阪支社管内で通常は年間数件。東海道線など、ほかの線ではほとんど見つかっていない。
 近鉄では昨年7月からこれまでに、奈良線(難波−奈良)などで66枚見つかった。JR線とよく似た英文字が刻みつけられていた。夜間の難波行きや、平日の昼間のすいた車内での犯行が多いという。
 同社は、被害が増加した10月末から「電車を傷つける悪質な行為が発生しています」という車内放送を流し、注意を呼びかけているが、目撃証言は得られていない。
 南海では昨年3月から年末までに603枚が被害に遭った。やはり英文字や人の顔などが多く、中には「つかまるわけはない」という日本語の文章が刻まわたものもあった。
 本線(難波−和歌山市)と高野線(難波−和歌山・極楽橋)に集中しており、今月9日から乗客の注意を喚起するため、「落書き多発」を知らせる、つり広告を車内に掲示した。
 このうち15枚のガラスは、「あまりに見苦しかった」(同社)ために取り換えたが、そのほかは「きりがない」として交換していないという。(朝日新聞 夕刊)
■哀悼の花束
 転落事故のあったJR新大久保駅では、終電が通過した後、駅長らが市民から寄せられた約北東の花束を事故現場に供えた。駅長室に設けられた献花台には、帰宅途中の人たちが立ち寄り拝む姿も見られ、駅前には韓国語で哀悼文も張られていた。(朝日新聞 夕刊)
31日■地下鉄「天神川駅」 周辺整備へ検討会 住民らと京都市 きょう設立
 京都市が2007年度の開業を目指している地下鉄東西線の二条−天神川間の西伸計画で、新たにターミナル駅となる「天神川駅」(仮称)周辺の整備について、地元住民と市が協議する「天神川駅周辺まちづくり検討会」が31日、設立される。市西部の新たな交通拠点にふさわしい街とするため、意見を交わす。
 市の計画によると、天神川駅は右京区太秦下刑部町の天神川通−三条通間で、天神川通以西に延長する御池通の地下に設ける構想となっている。
 検討会は、新駅や道路の整備に伴い、地元の声をまちづくりに生かそうと、市が発足を呼びかけた。移転を要する住民や企業、地権者をはじめ、周辺住民の代表、市、有識者ら約70人で組織する。
 対象地区は約6fで、現在は民家や工場のほか、市の施設、グラウンドなどがある。検討会では、駅前広場をつくってターミナル機能を充実させることや、近くを走る京福電鉄とのスムーズな乗り換え、商業施設や公共施設の整備などについて話し合う。
 31日の第1回会合は、午後7時から右京中央老人福祉センター(右京区太秦森ケ前町)で開かれ、会の運営方針や地域の現状について意見交換する。当面は月1回、会合を開き、本年度中にまちづくりの大まかな構想をまとめる予定。
 地下鉄東西線の二条−天神川間の事業費は、2001年度の政府予算案に初めて盛り込まれ、事業着手が決まっている。(京都新聞)
■新大久保駅転落事故 2遺族に給付金 警視庁「職務に協力」適用
 東京都新宿区のJR新大久保駅で、線路に転落した人を救助しようとして死亡した韓国人留学生李秀賢さん(26)と、カメラマンの関根史郎さん(47)に対し、警視庁は30日、「警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律」を適用することを決定した。遺族には一時金か年金の給付金と葬祭給付金、警視総監からの見舞金が贈られる見通し。今回の事故では初めての公的補償となる。
 東京都内で外国人が死亡したケースで給付金支給が決定されるのは初めて。一つの事故で2人を認定するのも例がないという。
 同法は警察官への協力や犯人逮捕などによる被害のほか、山岳遭難や事故などでも「人の生命に危険が及ぼうとしている場合に、自らの危険を顧みず、職務によらないで人命救助に当たった者が災害を受けた時は、国または都道府県に給付責任がある」と規定している。
 給付責任は、救助が行われた場所を管轄する警察本部にあり、今回の事故は警視庁がこれに該当する。(京都新聞)
■取り過ぎ分の運賃「有効に利用して」 JR西に消団連
 JR西日本の運賃表誤表示問題について、消費者問題に取り組む全大阪消費者団体連絡会(坂本允子事務局長)は30日、「正当な運賃より高く表示したため過剰に徴収した推定額を明らかにし、返却不可能な分は使途を明らかにすべきではないか」などとした質問書を同社あてに送付した。
 同社管内では151駅で252区間の運賃を取りすぎていたことが判明し、昨年11月から払い戻しに応じている。連絡会は了「JR西日本は利用者に差額を積極的に返却し、返却できなかった分は額を明らかにした上で、駅のバリアフリー化への設備投資に充てるなど有効に利用してほしい」としている。(朝日新聞)
■韓国政府、李さんに「勲章」 山手線事故 遺骨故郷へ
 【ソウル30日=箱田哲也】東京都内で線路に落ちた人を助けようとして亡くなった韓国の留学生、李秀賢さん(26)の遺骨が30日午後、故郷・釜山にもどった。釜山・金海空港では多くの人々が李さんの「帰国」を待ち受けた。韓国政府は李さんに国民勲章の授与を決定したほか、国のため命を落とした人に贈られる「義士証」と約1億1000万ウォン(約1000万円)の補償金を遺族に渡した。
 韓国メディアは30日も李さんに関するニュースを大きく報じており、金大中大統領も同日、李さんの霊前に官僚を派遣し、弔意を伝えるとともに弔慰金を渡した。
・「勇気たたえる基金」 日本語学校が設立 東京都新宿区のJR山手線新大久保駅で、線路上に転落した男性を助けようとして亡くなった韓国人留学生、李秀賢さん(26)が通っていた荒川区の日本語学校「赤門会」は30日、「李秀賢君の勇気をたたえる基金」(郵便口座番号00100-2-100314)を設立することを決めた。受け付けは31日から。
 同校には連日、全国の市民から李さんの両親あてにお悔やみの手紙やFAX 、電子メールが届き、30日までに200通近くになった。29日の追悼式では、会場の受付に置かれた募金箱に、焼香に訪れた多くの人たちが寄金した。これらも基金の口座に入れるという。同校の新井時賛理事長(51)は「まとまったら、ご両親に送金する。将来的には日本にいる留学生を支援する基金にしたい」と話している。
・犠牲者2人に「木杯」 日本政府
 政府は30日の閣議で、東京都新宿区のJR山手線新大久保駅で、線路に落ちた男性を助けようとして亡くなった韓国人留学生の李秀賢さん(26)と横浜市緑区のカメラマン関根史郎さん(47)に、賜杯(木杯1組)を授与することを決めた。(朝日新聞)
■声 事故を知って
・心の優しさを行動で示した 高校生 渡部 友一郎(鳥取市 16歳)
 東京で、2人の男性が、ホームに転落した男性を救おうとして、3人とも電車にはねられた。僕はこの記事を読んだとき、心の底から2人を尊敬した。そして、その半面「何てバカなことを」と、何か悔しいような気持ちも持った。
 よく「正直者がバカを見る時代」と言うが、この2人のように、僕たちの心を何か温かくさせてくれる人がまだいるのだ、ということを知った。その一人である李秀賢さんは韓国の青年だった。何で、自分の国でない日本で、自分の国の人でない日本人を救おうとしたのだろう。僕は記事を見たときに思った。そして、28日の本紙「天声人語」を読んで、彼の友人の言葉を目にしたとき、自分の狭い心に気付いた。
 「弱い人を見ると、放っておけない、彼らしい行動だった」と言う。困った人を、まさに電車にひかれようとしている人を「救わなくちゃ!」と、とっさに線路に飛び降りた勇気ある行動で、心の優しさを示した2人。僕は、「そんな勇気を、持っているか」と、自分自身に問いかけてみた。
・怖かったけど夢中で助けた 会社員 古郡 美はる(埼玉県大宮市 32歳)
 東京のJR新大久保駅で26日夜、ホームから転落した男性を助けようとして、カメラマンと韓国から留学中の青年が亡くなりました。胸が痛みます。二度とこのようなことがないように電車、ホーム、人員などの対応を考えて頂きたいと思います。山手線の狭いホーム、酒を飲んでいなくても落ちる可能性は、だれにでもあるのですから。
 一度だけ私もラッシュ時にホームから転落した男性を助けたことがあります。目の前に山手線が入って来て、男性が上がろうともがいていて、心はすくんでいましたが反射的に手をつかんでいました。その人と一緒に電車に引きずり込まれそうになった時、男性2人が私の左右から引っ張ってくれて助かりました。
 その時はとても怖かったけれど、また自分の目の前で、だれかが転落したら助けに行くと思います。目の前で人が死ぬのを見るのは一生後悔しそうですから。みんなが助かる工夫をJRも国も真剣に考えて欲しいです。(朝日新聞)
■除雪車動かせず支援組織も高齢化… 備えなくて憂いあり JR西、対策練り直しへ
 今月中旬の大雪で特急が立ち往生するなど、JR北陸線が3日間にわたって大幅にダイヤが乱れたのは、1984年の北陸豪雪以来、目立った大雪がなく、JR西日本が雪への十分な備えをしてこなかったのが原因であることが、同社の調査でわかった。状況判断が甘く、大型除雪車を臨機応変に出動させることができず、沿線住民による除雪支援組織も高齢化して力を発揮できなかったという。同社は雪対策を練り直すとしている。
 同線では15日から17日にかけて、雪のため貨物列車や普通電車が本線上で立ち往生した。このため、後続の特急電車なども先へ進めず、途中駅で一晩中停車するなどし、計559本が運休した。
 15日午後、福井県今庄町の今庄駅付近で、貨物列車などが相次いで車体の下に雪を巻き込み、ストップした。同駅に配備されていた小型除雪車は、レールポイントの凍結で動けず、敦賀駅から救援機関車の到着を待つなどしたため、貨物列車が再び動き出すまで約10時間かかった。
 この時点では1時間に1本程度、普通電車の運行はできていた。普通電車は通れても、貨物列車が通れなかったのは、貨物列車の最前部にある障害物除去装置の幅が、旅客用の電車のものより左右に約30aずつ広く、普通電車が線路わきに押し出した雪を、この装置が逆に取り込んでしまったためだった。
 係員はこのことに気づかず、線路の雪を遠くへ飛ばせる大型除雪車の出動要請をしなかった。
 16日午後。今度は今庄駅近くまで来た普通電車が、やはり雪を車体下部に巻き込んで立ち往生した。
 このときは、小型除雪車を動かせる係員がほかの駅へ出動しており、乗用車で戻ってくるのに時間がかかった。この電車が動き出したのは約8時間後だった。現場は強風地帯で、積雪量から判断できる以上の量の雪が線路周辺に吹き寄せられていたらしい。
 また、国鉄以来、大雪のときに線路の除雪を手伝う、沿線住民らによる「除雪協力会」が組織されてきたが、過疎化や高齢化で、駅ホームの除雪しか依頼できないケースが多かったという。(朝日新聞 夕刊)
■関根さんに 横浜市長顕彰 JR新大久保駅事故
 横浜市は31日、「自分の危険を顧みず、人命救助にあたるという勇敢な行為をたたえる」として、JR新大久保駅の線路に転落した男性を助けようとして亡くなった同市緑区竹山一丁目、カメラマン関根史郎さん(47)に市長顕彰を贈る。市長の代理で緑区長が同日午後、関根さんの自宅で、母千鶴子さん(76)に顕彰状を手渡す。(朝日新聞 夕刊)
■阪急交通前社長を告訴 着服疑惑 阪急側、横領容疑で
 阪急電鉄元専務の高田靖彦・阪急交通社前社長(62)が、同じ阪急グループの中国六甲山経営社長だった4年間に、同社が岡山県落合町で経営するゴルフ場会員権の契約料を不正に着服していたとして解任された問題で、阪急電鉄側が30日付で前社長を業務上横領容疑で岡山県警に告訴したことが31日、明らかになった。
 昨年6月、高田前社長が中国六甲山経営社長を退任し阪急交通社社長に就任した後、着服疑惑が発覚。親会社の阪急電鉄は高田前社長を12月5日付で解任したが、その後も内部調査を進めていた。内部調査では着服額は総額約3億円にのぼるとみられる。
 阪急電鉄によると、高田前社長は中国六甲山経営社長時代、会社名義の隠し口座を相次いで開設、新たに会員契約を結んだ法人・個人に対し、契約料(法人2000万円、個人800万円)を隠し口座に振り込ませ、着服していたとみられる。(朝日新聞 夕刊)