2000(平成12)年12月


1日■電車にはねられ死亡 亀岡のJR山陰線(京都)
  ■関西私鉄5社 鉄道事業は全社減収 本業以外の業績で明暗(朝日)
  ■電車の屋根にモルタル小片 JR福知山車両基地(京都)
2日■JR東海 新幹線の料金一本化検討へ のぞみ値下げも(京都)
  ■JR貨物負担 鉄建公団、補てん 政府・与党方針 整備新幹線財源で(朝日)
  ■のぞみ値下へ 料金一本化 2003年秋に JR東海社長言及(朝日)
  ■JR完全民営化 前哨戦はや熱 税優遇へ調整ヤマ 焦点は長期債務・赤字ローカル線・労組(朝日)
  ■タイムアングル 開業当時の五条駅 五条大橋にどっと見物人 橋の落下心配する声も(朝日)
  ■英の鉄道、運行”赤信号” 事故続発 客足離れ 「発祥の地」落ちた威信(京都)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■ケーブルカー火災 犠牲生徒に別れ 猪苗代中で全校集会(京都)
  ■北陸新幹線 富山まで古規格で 運輸省検討 首相の意向受け(朝日)
3日■「すきま材」落下 大阪の新幹線高架橋(京都)
  ■奔流底流 JR西日本 運賃誤表示 管理体制ずさんさ露呈 改定作業現場見直せ 取り過ぎ返還4件、12万円(京都)
  ■列車衝突で36人が死亡 インド北部(京都)
  ■「スーパー銭湯」が人気 低料金で多くのふろに チェーン店や異業種参入(京都)
  ■窓 古都から提言 路面電車復活 八幡市・吉村規代乃(主婦・66)(京都)
  ■新幹線高架下ですきま材が落下 大阪・淀川区(朝日)
4日■降車中、ドア開け発進 83歳転落、右足骨折 京都市バス 河原町三条(京都)
  ■最古の車掌車”出発進行” 加悦で20年ぶり(京都)
  ■列車事故の死者46人に インド(朝日)
  ■運賃誤表示 4駅訂正、公表せず JR加茂、雄琴など(京都)
  ■全国22社を厳重注意処分 運賃誤表示で運輸省(京都)
  ■誤表示さらに4駅6区間 JR西日本(朝日)
5日■100円バス 平日、実験的に運行 8日まで 「利用しやすい」と好評 京都市交通局(京都)
  ■15日からサンタ列車 信楽高原鉄道が運行(京都)
  ■市バスなど4台衝突 乗客ら6人重軽傷(京都)
  ■21世紀幕開け迎えよう 五山送り火やカウントダウンコンサート(朝日)
  ■朱印帳付き初詣乗車券 叡山電鉄が発売(朝日)
  ■市バスなど4台衝突 北区 乗客ら6人がけが(朝日)
  ■京阪電車が故障 2万5000人に影響(京都)
  ■被告は「心神耗弱」状態 下関駅殺傷事件で鑑定 責任能力を限定(京都)
  ■電車がホーム100b行き過ぎ 滋賀のJR甲賀駅(朝日)
6日■阪急交通社社長が2億600万円を着服 別会社在任中、株に穴埋め(京都)
  ■阪急交通社 社長が2億円着服容疑 解任、年内にも告訴(朝日)
  ■声 運賃誤表示で安全も見直せ アルバイト 中尾 修(大阪府枚方市 66歳)(朝日)
7日■コンクリ落下 数社と民事調停方針 JR西 修繕費負担求め(朝日)
  ■JRの運賃、どうなっているの?(朝日)
  ■JR3社同時に完全民営化へ 運輸省年明けにも改正法案(京都)
  ■北海道 雪と事故で空陸一時混乱 青函トンネル快速足止め 貨物列車脱線で(京都)
8日■酔ってホーム転落 電車止めた巡査長戒告 兵庫県警(朝日)
  ■コンクリ落下 修繕費 週明け調停に JR西日本 会見で発表 まず鉄建対象に(朝日)
  ■発電機故障で運休 早朝の山陰線(京都)
  ■「新しさ」疑う市民的価値 近代建築の保存をめぐって(朝日)
  ■私たちの空間 東京に女性専用車両(朝日)
9日■整備新幹線 北陸、九州 フル規格に 3区間新規着工へ 政府・与党合意 富山まで延伸(京都)
  ■JR西・春のダイヤ改正 奈良線を大幅増発 一部複線化や小倉駅駅開業 朝夕に快速運行(京都)
  ■特急「白鳥」が40年の歴史に幕(京都)
  ■市交通局長が陳謝 京都市バス 乗客大けが 市会で信頼回復誓う(京都)
  ■栗東町が単独市政へ 新幹線新駅の導入誤 合併で「湖南の首都」に 国や県「淡々と事務処理」 住民関与カギ(京都)
  ■整備新幹線 北陸・九州フル規格化 政府・与党決定 財政負担増(朝日)
  ■社説 整備新幹線 交通予算の総合化を(朝日)
  ■タイムアングル 京阪四条停留所 市電通る四条通へ、鉄道網が結ばれた(朝日)
  ■電車にはねられ死亡 西京(京都)
  ■山陽新幹線こだま モーターに不具合 上下10本以上に遅れ(朝日)
  ■レトロ調バス絶不調 維持費高いわ 飽きられちゃうわで… 伊丹や銀座 相次ぎ廃止「採算合わない」(朝日)
10日■社説 無責任な整備新幹線の大奮発(京都)
  ■「12・12・12」お守り切符 近江鉄道 記念乗車券セットも(京都)
  ■「踊り子号」が11年ぶり復活 JR東京−伊東間(京都)
11日■「のぞみ」より早い 乗客1000万人達成 JR西・レールスター(京都)
12日■JR西日本 運賃表 100駅てで点字誤記 京都、宇治、南草津など(京都)
  ■京都新世紀 醍醐 まちの独自性を模索 地下鉄東西線の六地蔵延伸に備え 観光、商業交通連携を(京都)
  ■「基金」で支払う意向 JR西修繕費 調停対象の数社が転換(朝日)
  ■計305駅の759区間に 管内の25%、運賃誤表示 JR西日本(朝日)
  ■東海道新幹線に遅れ(京都)
  ■余部鉄橋で運転規制(京都)
  ■大江戸線が全線開通(朝日)
  ■霧氷きらきら 六甲山はマイナス3.5度 滋賀で積雪、新幹線遅れ(朝日)
13日■特急から煙 湖西線乱れる(京都)
  ■「12」並ぶ記念入場券 JR西日本が発売(京都)
  ■台湾新幹線 日本企業が受注 「のぞみ」初輸出 2005年開業 3320億円で正式調印 世界最大規模(京都)
  ■車両故障で67本運休 早朝のJR木津駅(京都)
  ■始発が故障 影響4万人 JR木津駅(朝日)
14日■10分1000円”特急散髪” JR、山科駅に理髪店 西日本で初(京都)
  ■支社長ら45人新たに処分 運賃誤表示でJR西(京都)
  ■信号機が故障 乗客3000人影響 近鉄京都線宮津駅(京都)
  ■モー娘。ポスター 京阪で盗難相次ぐ(京都)
  ■窓 整備新幹線で負担増やすな 南区・南 勝(会社員・49)(京都)
  ■京都支社長ら45人を処分 JR西の誤表示問題(朝日)
  ■JR不採用問題 国労、二審も敗訴 東京高裁 政治解決もメド立たず(京都)
  ■「期限切れ…」もう勘違いしません 1年定期のデザイン変更 京都市バス 交換お願い(京都)
  ■国労採用差別 北海道・九州 「JRには責任なし」 東京高裁 中労委の控訴棄却(朝日)
  ■摩耶ケーブル 来春から再開(朝日)
  ■踏切で会社員はねられ死亡 堺、南海高野線(朝日)
  ■電車ドア故障 影響2100人 JR東西線加島駅(朝日)
15日■スルッとKANSAI都カード 「21世紀の火」デザイン 京都市交通局 きょう発売(京都)
  ■整備新幹線 予算を倍増 来年度、約750億円(朝日)
  ■調停申し立て きょう期日 JR西、まず1社相手(朝日)
  ■鉄建に調停申し立て JR西 修繕費1億2000万円請求(朝日)
16日■愛称は「ゆめ咲線」 大阪・USJの桜島線(京都)
  ■窓 席も譲らない京都に寂しさ 向日市・中西 卓郎(無職・70)(京都)
  ■声 整備新幹線は慎重な判断を フリーライター 野崎 弘(富山県魚津市 68歳)(朝日)
18日■京福電車が正面衝突 福井 運転士死亡、乗客ら25人重軽傷 終着駅通過 ブレーキ故障か(京都)
  ■悲鳴「止まらない」 京福衝突 大音響、砕けるガラス(京都)
  ■電車同士が正面衝突 ブレーキ故障か 本線に1`進入 福井・京福電鉄 運転士が死亡(朝日)
  ■京福電鉄衝突 逃げ場なし 凍る乗客 本線進入回避できず(朝日)
  ■旅・趣味・遊び 自宅庭に鉄道”開業”ミニ電車走らせ人気(朝日)
  ■京福電鉄事故 ブレーキ装置を検証 福井県警 検査担当者ら聴取(京都)
  ■3区間の着工 午後正式決定 整備新幹線検討委(京都)
  ■震災支援のお礼バス走行 神戸で発車式(京都)
  ■ドア閉まらず運休 乗客1200人に影響 早朝のJR園部駅(京都)
  ■京福電鉄事故 ブレーキ故障と断定 県警調べ 非常用も作動せず(朝日)
  ■「原因究明を」地元不安 京福電鉄事故 地域の足、大きな傷跡(朝日)
19日■京福電鉄事故 部品70年以上交換記録なし 福井県警 故障との関係注目(京都)
  ■京福電鉄事故 無線で警報 相手停車せず ブレーキ故障はぼ断定(京都)
  ■安全再確認を運転士に指示 KTR(京都)
  ■3区間フル規格で着工決定 整備新幹線 12年後の完成目指す(京都)
  ■京都からもUSJ直行 25都府県43社 バス路線免許申請(京都)
  ■京王電鉄 導入から10日 女性専用車両 年の瀬を快走 痴漢対策で運行 「安心」反応は上々 他社、予定なく気乗り薄(京都)
  ■社説 地方鉄道の安全向上策が急務(京都)
  ■京福電鉄事故 暴走は2駅手前から 乗客、2駅停車と証言(朝日)
  ■28時間ぶり運転を再開 京福電鉄越前本線(朝日)
  ■同形式車両の運行停止指示 中部運輸局(朝日)
  ■政府・与党委「北陸・九州フル規格」 整備新幹線 首相の七光 地元を優先 再三度外視(朝日)
  ■「運送会社側2300万円払え」 神戸電鉄脱線訴訟 神戸地裁(朝日)
  ■USJへバス 66路線を申請 43社、近畿運輸局発表(朝日)
  ■声 途中下車して安上がりの旅 主婦 大森 栄(大阪市 72歳)(朝日)
  ■ブレーキパッド開いたままに 京福事故で検証続行(京都)
  ■ブレーキロッド破断 京福事故 分解し原因究明(朝日)
20日■4台使用停止 京都市バス事故で 近畿運輸局が処分(京都)
  ■ブレーキロッド破断 長年の使用で亀裂拡大? 京福事故で運輸省発表(京都)
  ■モー娘展ポスタープレゼント中止 京阪、代理店抗議で(京都)
  ■京都市バス 4台を使用停止 運輸局 不手際防げと命令(朝日)
  ■京福事故 ブレーキ棒が劣化 振動大きな型関係?(朝日)
  ■架線ひっかけ 8本が運休 赤穂、JR山陽線(朝日)
  ■踏切事故で男性が死亡 四条畷・JR片町線(朝日)
  ■かわいくチョロQそろいぶみ 京など4都市バスセット(京都)
  ■2001年度予算 大蔵原案内示(抜粋)(京都)
  ■京阪中之島新線と阪神西大阪線延伸 新規採択線に(朝日)
  ■放射性同位元素「まいた」 JR高槻駅 男から事情聴く(朝日)
21日■東西線(地下鉄)延伸費明治されず 京都高速道は満額(抜粋)(京都)
  ■車体に恐竜デザイン USJへの桜島線(京都)
  ■京福電鉄ブレーキ棒破断 劣化、10年以上前から? 整備不備の疑い(朝日)
  ■来年度予算 大蔵原案(抜粋)(朝日)
  ■電車運転室から煙 JR尼崎駅(京都)
  ■JR西 3月期業績 上方修正 日本テレコム株売却(朝日)
  ■京福電鉄事故 検査マニュアルなし 作業手順は現場の裁量(京都)
  ■JT研究所を立ち入り検査 科技庁、放射性物質事件(京都)
22日■地下鉄東西線西伸 夢の大動脈だが重い負担 750億円事業 避けられぬ赤字増 乗客増への取り組み課題(京都)
  ■行くよ「アトム」油断しないで 介助犬と電車試乗(京都)
  ■京都市地下鉄 東西線西伸費が復活 大蔵折衝 来年度に事業着手(京都)
  ■山陽新幹線 ガラス、3層とも破損 先月の運転席ひび入り事故 飛散防止へ対策(京都)
  ■50年の紙面からB 1970年11月4日 「四条ひろば」に20万人 「ホコ天」京にも 車ない開放感満喫(京都)
  ■北陸新幹線フル規格「地元の努力にこたえて当然」首相、地方紙に(朝日)
  ■長石当たった…鳥?花瓶?原因は不明 山陽新幹線 ガラス破損 JRが調査終える(朝日)
  ■地球環境学研を創設 大蔵原案復活内示 京大内に仮設(朝日)
  ■九州の山地に神楽の里を訪ねて 神話の舞い、熱く激しく(京都)
23日■停車位置行き過ぎ JR、保津峡駅で(京都)
  ■年末年始の指定席 予約は12%増に JR西日本福知山管内(京都)
  ■年末年始のJR西日本 3年ぶり予約増 ピークは30日と3日(京都)
  ■生駒トンネル火災 会社役員の有罪確定 最高裁が上告棄却 「可能性予見できた」(朝日)
  ■「劣化」長期に見過どしか 京福事故、特別監査へ(朝日)
24日■新世紀の到来を電車で迎えよう 近江鉄道が記念列車(京都)
  ■窓 洛西への鉄道乗り入れ切望 八幡市・松尾一郎(団体職員・60)(京都)
25日■関空線が一時運転を中止 JR・南海、強風で(京都)
  ■関西空港線止まる(朝日)
  ■進駐軍もビックリした? レリーフ大作「雄姿」 東京駅に30年ぶり(朝日)
26日■雪と風 列島大荒れ(京都)
  ■ぼたん鍋味わおう KTRが参加者募集(京都)
  ■JR大阪駅 コンクリ片2個落下 公衆電話ひさし直撃 人通り多い通路(京都)
  ■京福電鉄事故 ブレーキロッド破断部分 3年前、交換の新品?(京都)
  ■強い寒気で山間部に雪 西日本(朝日)
  ■関西空港線 JRと南海 160本が運休(朝日)
  ■京福電鉄事故 破断ブレーキ棒 JR西の子会社が作製 3部品溶接「問題ない」(朝日)
27日■誤表示で7人 厳重注意処分 JR東海(朝日)
  ■加速できず快速運休 JR野洲−京都の下り(京都)
  ■線路上歩いて地下鉄止める 谷町線(朝日)
  ■男性が列車にはねられ即死 近鉄・河内花園駅(朝日)
  ■彦根−貴生川開通 100年で記念乗車券 近江鉄道(京都)
  ■市バス3系統と地下鉄、終夜運行 市交通局が31日ダイヤ(京都)
28日■窓 お答えします 行き先表示について 京都市交通局 自動車部運輸課長 伊藤 正彦(京都)
  ■JR子会社を福井県警捜索(朝日)
  ■帰省ラッシュ始まる(朝日)
29日■京福電鉄への補助 来年度以降も継続へ 福井県知事が意向(京都)
  ■京日記(京都)
30日■全国の鉄道走破 曾祖父ゆかり 京でゴール 鎌倉の会社員 トロッコ列車満喫(京都)
  ■京日記(京都)
  ■10人計18万円 払い戻し終了 JR西、誤表示問題(朝日)
  ■電車に接触し2歳男児死亡 大阪・富田林(朝日)
31日■爆破テロ続発、14人死亡 マニラの駅など イスラム過激派か(京都)
  ■爆弾テロ 14人死亡 マニラ5ヵ所(朝日)



1日■電車にはねられ死亡 亀岡のJR山陰線
 30日午後7時半ごろ、亀岡市千代川町川関のJR山陰線川関踏切(警報機・遮断機あり)で、京都行きの普通電車に男性がはねられて即死した。
 亀岡署によると、男性は遮断機をくぐって線路内に立ち止まり、運転士がブレーキをかけたが間に合わなかったという。男性は40−50歳代で紺色のジャンパー姿だったといい、同署は身元の確認を急いでいる。
 この事故で同電車が現場で約40分停車したほか、後続の上下線計6本が運休するなど、乗客約6500人に影響が出た。(京都新聞)
■関西私鉄5社 鉄道事業は全社減収 本業以外の業績で明暗
 関西の大手私鉄5社の中間決算が30日出そろった。景気低迷や少子化による旅客数の減少に歯止めがかからず、本業である鉄道事業の売上高は全社で減少したが、不動産や流通部門が好調だった阪急、阪神の2社は増収だった。
 最大手の近鉄は、不動産部門の売上高が約36%減少し、鉄道事業以外の伸びが0.9%にとどまった。南海は、不動産販売は4割以上増やしたものの、大型ビルの賃貸料の減額が響いた。京阪は昨年の大型マンション販売の反動もあって減収だったが、人員削減などコストダウンが奏功して大幅な増益を果たした。
 一方、阪急は不動産分譲部門が好調だったのに加え、大型書籍店の新規出店など流通部門が拡大、鉄道以外の売り上げが約9%伸びた。阪神はマンション分譲の拡大や賃貸収入の増収で全体としては前年同期並みの売上高を維持した。(朝日新聞)
■関西私鉄5社の中間決算■
 売上高経常利益輸送人員
近畿日本鉄道1164(▼4.8)49(▼18.3)34684(▼2.6)
阪急電鉄1128(4.1)118(24.0)33915(▼2.3)
京阪電気鉄道560(▼7.3)35(71.0)16422(▼2.6)
南海電気鉄道592(▼1.1)8(▼29.2)13011(▼2.8)
阪神電気鉄道421(0.7)44(8.1)9384(▼3.8)
単独ベース。売上高、経常利益の単位は億円。輸送人員の単
位は万人。カッコ内は前年同期比、伸び率%、▼はマイナス
■電車の屋根にモルタル小片 JR福知山車両基地
 1日午前1時ごろ、福知山市半田のJR西日本福知山運転所車両基地で、運転を終えた電車の屋根の上に、小さなモルタル片があるのを、点検中の社員が見つけた。長さ7.5a、幅4.5a、厚さ最大0.6a、重さ35cで、車両に損傷はなかった。
 JR西日本福知山支社によると、モルタル片が見つかった車両は、前日に新大阪発城崎行特急「北近畿5号」など山陰線と福知山線の特急上下3本を含む4本の運転に使用されていた。
 同支社で管内のトンネルを確認したが、異常は見つかっていない。「管内のトンネルに使っているコンクリートとは材質が異なる」として、線路をまたぐ陸橋なども含めて調査している。(京都新聞 夕刊)
2日■JR東海 新幹線の料金一本化検討へ のぞみ値下げも
 JR東海の葛西敬之社長は1日、大阪市内で記者会見し、2003年秋の品川駅開業に合わせ、のぞみとひかり・こだまの2本立てになっている東海道新幹線の料金体系を1本化する方針を明らかにした。のぞみ料金の値下げも視野に入れて検討する。
 現在、東京−新大阪間の料金は、のぞみがひかりに比べ970円高く設定している。この差額を、すべての車両を最高時速270`で走行する700系と300系車両に置き換える2003年秋までになくすという。
 葛西社長は個人的な考えとしながら「(新料金を)現行ののぞみより上げることは考えていない」と説明。可能性として@のぞみかひかりの一方の料金に合わせるA中間の額にする−などのケースを示した。
 同社は、今月と来月の特定日にひかりの一部座席の特急料金を2000円に割引する「ひかリミレニアム特急券」を発売予定で、この機会を新料金を安く設定した場合の利用客動向の見極めの参考にする考えだ。(京都新聞)
■JR貨物負担 鉄建公団、補てん 政府・与党方針 整備新幹線財源で
 政府・与党は1日、東北新幹線の盛岡−八戸開業に伴って第三セクターに引き継がれる在来線(東北線)の線路使用料が値上げされる問題で、JR貨物が追加負担する年間約10億円を日本鉄道建設公団の整備新幹線建設財源から補てんする方針を決めた。九州新幹線や北陸新幹線の開業にあたっても準用するという。事実上、整備新幹線建設に伴う新たな財政負担となりそうだ。
 新幹線ができると、並行して走る在来線は乗客を奪われて運営が苦しくなる。このため、政府・与党は1990年に並行在来線をJRの経営から分離する方針を決定。東北線も岩手県と青森県がそれぞれつくる第三セクターが運営する。
 JR貨物がJR旅客会社に支払う線路使用料は、運輸省方針により実際のコストよりも低めに抑えられており、盛岡−八戸間では年間約5億円だ。しかし、岩手県は、少なくとも現行の3倍の約15億円の負担を求めてJR貨物と対立してきた。具体的には、JR東日本が鉄建公団に支払う東北新幹線の賃料の一部を調整金としてJR貨物に支給する。今後の整備新幹線の建設費にあてるはずだった財源を、転用することにした。(朝日新聞)
■のぞみ値下へ 料金一本化 2003年秋に JR東海社長言及
 JR東海の葛西敬之社長は1日、大阪で記者会見し、2003年秋のダイヤ改定で、東海道新幹線の「のぞみ」料金を値下げする意向を示した。
 葛西社長は「ひかり・こだまの料金に合わせるか、のぞみとひかり・こだまの平均を取る」の2案で検討している」と話した。いずれにしても、現在2本立ての新幹線料金の一本化を図ることになるという。
 JR東海は、品川新駅開業に伴う2003年秋のダイヤ改定で、のぞみを現在の1時間1−2本から7本に増やし、ひかりを7本から2本に減らす方針をすでに打ち出している。葛西社長はこれまで料金改定について、「白紙の状態」としていた。現在、東海道山陽新幹線の料金は2種類あり、例えば東京−新大阪間はのぞみが1万4720円、ひかり・こだまが1万3750円と、970円の開きがある。のぞみは最速2時間半で東京−新大阪問を結ぶものの、ひかりに比べ料金の割高感が指摘されている。
 同じ料金体系の山陽新幹線を抱えるJR西日本は「慎重に検討中」としている。(朝日新聞)
■JR完全民営化 前哨戦はや熱 税優遇へ調整ヤマ 焦点は長期債務・赤字ローカル線・労組
 国がJR本州3社の株式をすべて売却して純粋の民間会社にする完全民営化について、森田一連輸相は1日の記者会見で、「来年の通常国会に関連法案を提出したい」との考え方を示した。利害関係者による前哨戦はすでに熱を帯び、年末から年明けに向けて攻防が本格化する。焦点は、旧国鉄から引き継いだ長期債務の扱い、赤字ローカル線の将来、それに労働組合の体質−の3点だ。国鉄改革のアキレスけんは克服できるのか、利用者にも恩恵を与える民営化は実現できるのか。
 「債務を減らす手だてが必要だ。それがないのは、制度の欠陥だ」
 重すぎる長期債務などを理由に早期の完全民営化への反対姿勢を鮮明にしてきたJR東海の葛西敬之社長が、11月に入ってから「条件闘争」に転じ、民営化が本格的に動き出した。22日の記者会見で示したその条件は、債務が返済しやすくなるような税制優遇だ。
 東日本、東海、西日本の本州3社は1991年の新幹線買い取りで長期債務9兆2000億円を引き継いだ。JR東海は東海道新幹線の採算の良さを理由に、「本来よりも2兆円多い」(同社幹部)という約5兆円を背負い、今でも他の社債なども含めた長期債務の返済に年間約1200億円の支払いを迫られている。
JR本州3社の状況
 年 間
売上高
新幹線
長期債務
国(日本鉄道建設
公団)の保有株式
2000年
3月期・
億円
1991年
時点・
億円
カッコ内は発行
済み株式に占め
る割合
東日本189993110050万株(12.5%)
東 海109035100089万株(39.7%)
西日本8851980063万株(31.5%)
 具体的には、債務の元本返済を税引き前の営業費用として処理できるような工夫を求めている。来春のJR会社法の改正法案提出までの税制当局との調整がヤマ場となる。東海に限った減税になりかねないことから難航も予想される。
・公共性重視? 路線どうなる
 赤字ローカル線問題は、自民党交通部会が先月21日に開いたJR本州3社長のヒアリングでも取り上げられた。
 「ローカル線問題はどう考えているのか」「整備新幹線ができても、本線から分かれる枝線は維持されるのか」
 国の関与が薄れることで路線廃止に待ったをかけるのが難しくなると映っているようだ。森田運輸相は最近、「国益のためになるやり方をしたい」と公共性を重視する姿勢を繰り返している。路線維持の懸念をうち消せるような内容を法案や取り決めなどに盛り込むかどうかが注目されているが、JR側は経営を拘束されることには反対しており、法案などの表現をめぐって対立しそうだ。
・政府干渉嫌う背景は…
 先月7日の参院交通・情報通信委員会では、JR東日本の最大組合の東労組と、過激派の革マル派との関係が取り上げられた。質問に立ったのは旧社会党出身で民主党の山下八洲夫氏。警察庁から「革マル派は東労組に相当浸透している」との答弁を引き出したうえで「こうした問題があるのに、来年早々に完全民営化していいのか」とただした。
 森田運輸相はこれを突っぱね、「JRの経営上の問題だ。安全、安定の点では不適切な事業運営は行われていない」と述べ、民営化と労組とは別問題だとの立場だ。
 JR幹部の間では「民営化を進めた方がむしろ労組の体質は改善する」との声もある。ただ、野党のほかに自民党の一部にも不信感がある。「東日本が完全民営化を急ぐ背景には、政府の干渉を嫌う東労組の思惑があるのでは」(閣僚経験者)という声も聞かれ、法案審議の過程で議論になりそうだ。(朝日新聞)
■タイムアングル 開業当時の五条駅 五条大橋にどっと見物人 橋の落下心配する声も
 京阪電鉄が、京都の五条大橋と大阪の天満橋問、46`余りの営業を開始したのは、明治43年。当時両都市を結んでいた鉄道は国鉄だけだった。
 当初、塩小路から北は、琵琶湖疎水(当時)の東側を走る予定だったが、調べてみるとすでに民家が密集している。やむを得ず、塩小路を終点に切り替えたのだが、京都府土木課の助言で、疎水の堤防を鴨川側へ4b拡張して、堤防の上を走るという珍しい路線になった。
 写真は終点の五条停留所。開業は4月15日で、その当日か、以後1週聞くらいの間の光景かと思われる。
 川へ張り出したホームには、紅白の布を巻いた柱を立てて、横木から丸い飾りがぶら下がっている。右端の輪の中の文字が辛うじて「車」と読めるから、その右に「電」「阪」「京」の3つがあるのだろう。
 開業の当日は、花電車が10台出たが、写真の車両は通常の姿で、乗客らしい人びとが何人か乗りこんでいる。車両の向こうの飾り立てた建物が、駅舎らしい。
 11日から試運転を始めると、どっと見物人が押しかけて、五条大橋は連日、通行できないほどの大混雑。関係者たちは、橋が落ちはしないかと、真剣に心配したそうだ。(作家・駒 敏郎)(朝日新聞)
■英の鉄道、運行”赤信号” 事故続発 客足離れ 「発祥の地」落ちた威信
 【ロンドン1日共同】事故が相次ぐ英国の鉄道利用客が激減、運行各社は大幅減収となった上、賠償問題まで浮上している。鉄道専門誌「国際鉄道報」は「英鉄道の安全水準は西欧諸国の平均以下」と警告しており、”鉄道発祥の地”の威信も地に落ちた格好だ。
 英政府は鉄道経営の効率化を図るため、1994年に国有鉄道を完全民営化。旅客運行の25社と貨物2社、線路や信号機、駅などのインフラを管理する専門会社に細分化された。
 この結果、1路線に複数社が乗り入れることになり「複雑な運営機構が安全運行の支障となっている」(英紙)との指摘もある。
 ロンドン郊外では10月に通勤列車が脱線転覆し39人が死傷。11月にも西部ブリストルや北部グラスゴーであわや大惨事という脱線事故が続発し、いずれも線路の破損が原因だった。
 線路の保守を請け負うレイルトラック社が全線路を点検したところ、危険個所が81、亀裂は1800ヵ所以上で「予想よりはるかに深刻な状況」(同社幹部)が判明。約400`に上る線路の補修中は、安全のため500ヵ所以上で速度制限をすることになった。
 このため、運行本数が通常の半分以下、所要時間も2倍以上となる運行会社が続出し、軒並み10−40%の乗客減に。また1日1000万通の郵便物の配達にも遅れが生じ、宿泊予約の85%がキャンセルされる旅行社も出る始末。
 レイルトラック社は運行各社に1億5000万ポンド(約243億円)の損害賠償支払いを提示したが「最終的な賠償額は3億3000万ポンド以上」との推定もある。(京都新聞)
■青鉛筆
 今夏に上映された恋愛映画「映画版 未来日記」のロケ地となった島根県宍道町、JR山陰線来待駅に、上映前の倍以上にあたる月約100人の観光客が全国から訪れている。
 映画は、同駅で若い男女が出会うシーンから始まる。町観光協会は急きょ、駅前に案内看板を設置したほど。JRは「人を待つ場所、というロマンチックな響きがいいのでは」。
 同駅は1929年開設の無人駅。10月の鳥取県西部地震の余波で観光客減に悩む玉造温泉駅は隣にある。地元の旅館は「帰りはぜひ、温泉にもお立ち寄りを」とPRに懸命。(朝日新聞)
■ケーブルカー火災 犠牲生徒に別れ 猪苗代中で全校集会
 オーストリア・アルプスのケーブルカー火災で、生徒5人が犠牲となった福島県猪苗代町の猪苗代中学校(生徒351人)で2日、全校集会が開かれ、全生徒が祭壇の遺影に黙とうし、別れを告げた。
 集会は午前11時前に体育館で始まり、壇上には3年生の佐瀬智寿君(14)ら生徒5人の写真が花とともに飾られ、同級生らが思いをつづった手紙も添えられた。
 岩橋紀男校長は「みんなで無事でいてほしいと思ってきたが、(全員の死亡が確認されて)最悪の結果になった。」と、悲しみに沈む生徒に語り掛けた。(京都新聞 夕刊)
■北陸新幹線 富山まで古規格で 運輸省検討 首相の意向受け
 政府・与党でつくる整備新幹線検討委員会は1日、北陸新幹線で来年度から新たに着工する区間を拡大し、標準型のフル規格で上越(新潟県)から富山までとする方向で検討に入った。運輸省はこれまで、新規着工区間は上越−糸魚川(同)間に限るとしてきたが、かねて北陸新幹線に熱心な森喜朗首相の意向を踏まえて延ばした。自民党内には石川県が首相の選挙区になっていることを考慮して金沢や南越(福井県)まで一括着工すべきだとの意見もあったものの、「我田引鉄と批判されかねない」(委員会関係者)として富山にとどめた面もある。
 富山までのフル規格着工が認められれば、現在は在来線と新線を組み合わせる「スーパー特急方式」で建設されている北陸新幹線全体がフル規格化される可能性が高まり、財政負担が増える恐れが出てくる。
 富山までの新規着工案は、谷津義男政調会長代理の試案として作業部会に示された。未着工区間である上越−糸魚川、魚津(富山県)富山間をフル規格で新規着工し、スーパー特急で工事中の糸魚川−魚津間もフル規格に切り替える。
 このほか、作業部会の一部には一括開通の意思を示すために石動(同)−金沢間のフル規格化や福井駅の前倒し整備を求める意見もあり、週明けに調整する。
 運輸省は来年度予算案に新幹線建設費として今年度当初予算の4.3倍にあたる1500億円を要求しているが、富山までの新規着工には大半が認められることが前提となる。年末までの調整によっては着工区間が短縮される可能性もある。
 スーパー特急は、フル規格より線路幅が狭いため、一部分だけ建設しても在来線と行き来することができる利点がある。ただ、将来はフル規格に変更できるようにルート設定や軌道などはフル規格と同じにしている。(朝日新聞 夕刊)
3日■「すきま材」落下 大阪の新幹線高架橋
 2日午後1時ごろ、大阪市淀川区のJR東海道新幹線高架下にあるJRの業務用通路に、樹脂の破片が落ちているのを同社社員が見つけた。
 JR東海で調べたところ、高架橋のコンクリートの接続部分を埋めるために使われている「すきま材」で、12a四方の破片など計10個が散乱していた。列車への影響やけが人はなかった。
 同社は、老朽化して落下したとみているが、「安全性に問題はない」と話している。(京都新聞)
■奔流底流 JR西日本 運賃誤表示 管理体制ずさんさ露呈 改定作業現場見直せ 取り過ぎ返還4件、12万円
 JR各社や一部私鉄の駅構内で先月、運賃表示の誤りが相次いで発覚した。特にJR西日本は、管内全駅の2割を超える276駅の誤表示が明らかになった上、3年前にも誤りが見つかりながら、ひそかに訂正していたことが分かった。「あってはならないミス」(南谷昌二郎JR西日本社長)はなぜ起きたのか。再発をどう防ぎ、企業モラルの欠如をどう改めていくのかが問われている。(大阪支社 水腰英樹)
・計算・記入ミス
 先月13日以降の調査で見つかったJR西日本の運賃誤表示は、管内1231駅のうち207駅、437区間。以前にこっそり訂正していた分を加えると、276駅、699区間にも達する。
 誤りは、駅構内の地図式や50音順、点字式などさまざまな運賃表で見つかった。乗客は普段、駅の運賃表で行き先の運賃を確認する。自動券売機には金額別のボタンしかないため、運賃表が誤っていれば、乗客は疑いもなく誤った金額の乗車券を買ってしまう。
 こうした前代未聞の事態は、なぜ起きたのか。JR西日本は、消費税率引き上げや大都市近郊区間の拡大などに伴う運賃表改定の際に生じた計算ミスと記入ミスとしている。
 運賃表の改定作業は、国鉄時代からの慣習に従い、本社が距離に応じた新運賃の一覧表を各駅に配る。駅では一覧表を基に近郊や主要駅までの運賃を計算して「原票」を作り、原票から運賃表に新しい金額を写すことになっている。
 ところが、問題発覚後の調べでは、原票は全体の2割に満たない245駅にしか整備されていなかった。複雑な作業を現場任せにしていた上、多くの駅で原票のないまま手計算で運賃表を改定していたことが誤りの温床となったのは否めない。
 今後は、駅だけでなく支社単位でも改定作業を確認し、さらには原票作成の電算化にも取り組むという。だが、JR西労組の幹部は「電算化はJR各社が共同で開発する必要があり、すぐには無理。人間はミスをするものという認識に立って地道に二重三重のチェックをする体制が重要だ」と指摘する。
・訂正公表せず
 さらに今回、JR西日本が激しい批判を浴びているのは、97年9月に西大津駅で乗客から「運賃に間違いがある」と指摘があり、翌年1月に92駅で訂正したにもかかわらず公表していなかった点だ。
 南谷社長は先月21日の記者会見で、西大津駅の誤表示について「報告は受けなかった」と明言した。しかし、その社長が出席した97年12月の経営会議には、西大津の件が報告されていた。「訂正は営業部内で処理され、上への報告はなかった」(金井秋副社長)というが、不当な運賃を取られた可能性のある乗客に対し、ほおかむりしたJR西日本のモラルが疑われる。
 取り過ぎた運賃の払い戻しについては、11月末までに約2500件の問い合わせがあったが、利用区間や時期を確認して返金したのはわずか4件、約12万7000円にとどまっている。差額が小さく申し出ていないケースも多いとみられ、「取り過ぎの返還」というにはほど遠い。
 昨年は山陽新幹線のトンネルなどでコンクリート崩落が相次ぎ、JR西日本の安全管理が問われた。運賃という鉄道事業の基本部分でのミスは、あらためて管理体制のずさんさを浮き彫りにする形となった。先月28日には南谷社長以下幹部25人の処分が発表され、社長名で「チェック体制の強化を図る」とのコメントも出た。しかし、乗客を再び裏切った同社の信頼回復は容易ではない。(京都新聞)
■列車衝突で36人が死亡 インド北部
 【ニューデリー2日共同】インド北部のパンジャブ州で2日早朝、急行列車が脱線していた貨物列車に衝突、PTI通信によると、急行の乗客ら36人が死亡、141人が負傷した。
 救出作業が続いているが、死者がさらに増える可能性もある。
 現場は、同州東部のサライバンジャラ駅付近で、下りの貨物列車が何らかの理由で脱線、貨車の一部が上りの線路をふさいだところに上りの急行列車が突っ込み、客車や機関車計7両が脱線した。原因は調査中だが、貨物列車脱線の連絡が急行列車に伝わらず、停止信号の表示もなかった。事故当時、現場付近は濃霧に覆われていたという。
 インドは路線距離世界第4位の鉄道大国だが、車両の老朽化や整備不足、人為ミスなどから列車の衝突、脱線事故が頻発。昨年8月には西ベンガル州での急行同士の衝突事故で約400人が死亡している。(京都新聞)
■「スーパー銭湯」が人気 低料金で多くのふろに チェーン店や異業種参入
 入浴好きの日本人。たまには大きなふろでのんびり湯につかりたい。銭湯はすっかりごぶさただが、健康ランドはちょっと値段が高いという声もある中で、最近は新しいタイプの「スーパー銭湯」が各地に登場、老若男女の人気を集めているのをご存じだろうか。ほぼ銭湯並みの低料金で健康ランドのように多くのふろやサウナが楽しめる−というのが売り物だ。全国ですでに300軒近くに増えたとの見方もあり、チェーン店が広がったり鉄道会社が参入するなど新しい動きも。そんなスーパー銭湯の現状をのぞいてみた。
・料金は500円程度
 埼玉県入間市の国道16号沿い。平日で大人500円の入浴料を払うと露天ぶろや替わり湯、釜ぶろなど十数種類のふろやサウナが楽しめる。別料金を払えば、あかすりや整体、足底療法も受けられ、ふろ上がりは広いロビーで一休み。
 ここはスーパー銀湯「極楽湯」入間店。極楽湯は自然堂(じねんどう)が展開するチェーン店で直営店とフランチャイズ店があり、同店は後者で東京電力の関連会社が運営する。家族で訪れた自営業者(32)は「安くてきれい。銭湯と違ってふろの種類が多く、楽しめる」と満足そう。
 スーパー銭湯は1980年代半ばごろに富山県で始まったとされる。90年代に愛知県など東海地区で人気が高まり、関西や九州、関東などに広がった。500円程度で露天ぶろなど多くの入浴施設が楽しめ、駐車場付きで軽い飲食ができるのが特徴だ。
 極楽湯は96年に1号店がオープンし、現在は全国に14店。自然堂の喜多尾将秋社長は「バブル経済の崩壊で消費が低迷する中、手軽なレジャーの一つとして消費者から注目された」とスーパー銭湯人気の背景を分析する。
・鉄道会社も次々と
 事業者側には初期投資が5億円程度と大型の健康ランドなどに比べて安いというメリットがある。最近は異業種の参入が多く、特に目立つのは鉄道会社だ。
 JR東日本は98年に参入し、関連会社を通じて埼玉県内に極楽湯大成店(大宮市)と「湯遊河童天国」(浦和市)の2店を展開。JR東日本事業推進部門の山岡和馬担当課長は「線路の高架下を使っており、土地の有効活用になる。手軽で安いレジャーで時代にあった事業」と話す。JR九州もグループ会社を通じてフランチャイズ方式で極楽湯3店を運営。東武鉄道は埼玉県草加市に「湯屋処まつばら」を今年2月にオープンしたほか、京成電鉄は11月に千葉市で「笑がおの湯千葉寒川店」を始めた。
 価格規制がないスーパー鉄湯に対し、一般の銭湯は都道府県ごとに価格の上限が決まっており、東京都で大人400円。銭湯経営者で組織する全国公衆浴場業環境衛生同業組合連合会の植村秀夫事務局長は「スーパー銭湯は車で来る人が主なターゲット。大都市圏などの銭湯は徒歩や自転車の客が中心ですみ分けはできると思うが、近くにできると脅威だ」と話す。
ブーム定着するか
 遊休地の有効活用や新規事業の展開などを理由にスーパー銭湯は当面増加が続きそうだが、一部では競争が激化している。東武鉄道開発部の高橋直樹課長補佐は「ふろ代わりに使うリピーターをいかに増やすかがカギ」と説明する。
 三菱総合研究所の大八木智一主任研究員は「消費者に受け入れられ急速に展開されつつあるが、商圏が比較的狭く経営基盤の不安定さも残る」と指摘。「現在のブームが流行性の強い『ボウリング場型』になるのか、市民の息抜きの場として定着し『パチンコ屋型』になるか、今後の動向に注目したい」と話している。(京都新聞)
■窓 古都から提言 路面電車復活 八幡市・吉村規代乃(主婦・66)
 京都商工会議所は京都市内にLRT(次世代型路面電車)を導入する提言を来年の夏までにまとめるという。10年前、京都市内から転宅して以来、「京恋しさ」が募るばかりの私の脳裏に、以前のわが家の前を路面電車がのどかに走っていた風景がよみがえってきた。京都は何と言っても市内全部が観光地である。名所旧跡は言うにおよばず、露地の隅々に至るまで歴史的遺産の名残をとどめている。
 3年前に採択された京都議定書の具体的なルール作りが課題だった今回のハーグ会議が決裂した。各国それぞれが自国の利害を優先していては、せっかくの案も「絵に描(か)いた餅(もち)」である。こんな時こそ、京都から率先して環境保護に取り組んでいる姿勢を世界に示すべきである。そういう意味からもLRT構想を一日も早く実現させ、環境保護に努めながら、京都の歴史的遺産を世界にアピールしたいものである。一度訪れたら2度3度、繰り返し行きたくなる京都を目指して。(京都新聞)
■新幹線高架下ですきま材が落下 大阪・淀川区
 2日午後1時ごろ、大阪市淀川区西中島七丁目、東海道新幹線高架下のJR社員用通路で、樹脂系すきま材が落ちているのを同社員が見つけ、JR東海に連絡した。列車運行に影響はなく、けが人もなかった。
 JR東海の調べでは、落ちたすきま材は手のひら大(重さ240c)と細かい破片の計10個。(朝日新聞)
4日■降車中、ドア開け発進 83歳転落、右足骨折 京都市バス 河原町三条
 3日午前8時35分ごろ、京都市中京区河原町通六角上ルの「河原町三条」バス停で、京都駅行きの京都市バス=菱田清運転手(49)=に乗っていた左京区岡崎入江町、無職大槻マサエさん(83)が降りようとしたところ、突然バスがドアを開けたまま発車した。大槻さんは路上に転落し、右足の骨を折り2ヵ月の重傷を負った。
 五条署によると、バス停では10人が降り、大槻さんは最後尾で降車口ステップの一番下の段にいた、という。菱田運転手は「バス後部から乗車する客に気を取られ、降車口の確認を十分しなかった」と話しているといい、菱田運転手が安全確認を怠ったのが原因とみて調べている。
 京都市交通局は「被害者の方には誠に申し訳ない。事故原因を詳しく調べ、今後このようなことが二度とないよう対応していきたい」としている。(京都新聞)
■最古の車掌車”出発進行” 加悦で20年ぶり
 京都府与謝郡加悦町滝の「加悦SL広場」で3日、現存する全国最古の鉄道車掌車が約20年ぶりに走り、鉄道ファンを喜ばせた。
 車掌車は貨物列車の最後部に連結され、車掌が乗り込んで貨物などを見張るための車両。現在ではほとんど見られないという。
 復活したのは「ヨ2000形式」という車両で1937(昭和12)年製造。宮津線(当時国鉄)などで活躍したが老朽化で今から約20年前、同広場に展示用として引き取られた。
 同広場の車両の保存、運転を行うボランティア団体「加悦SL広場友の会」(笹田昌宏会長、30人)が約1ヵ月かけて修理。連結器やブレーキを直し、走れる状態にした。
 この日は朝から構内で、観光客を乗せて運転。車両内には懐かしい石炭ストーブもあり、製造当時そのままの姿に鉄道ファンらは感慨深げに見入っていた。(京都新聞)
■列車事故の死者46人に インド
 【ニュデリー3日=中島泰】インド北部パンジャブ州で2日起きた列車事故で、46人の死亡と約140人の負傷が確認された。パネルジー鉄道相は3日、事故現場を視察し、最高裁判事に事故調査を依頼すると述べた。
 現地からの報道によると、下り線を走っていた貨物列車が脱線し、貨車4両が上り線にはみ出した。数分後に上り急行が衝突し、客車5両が折り重なるように脱線した。貨物列車の脱線は近隣駅に通報されたが、間に合わなかった。
 インドの鉄道は線路が老朽化しているうえ信号設備も十分でなく、大事故が続いている。昨年8月には、西ベンガル州で急行同士の正面衝突事故がおき、288人が死んだ。(朝日新聞)
■運賃誤表示 4駅訂正、公表せず JR加茂、雄琴など
 運賃表の誤表示問題で、JR西日本は4日、加茂駅(京都府相楽郡加茂町)などさらに4駅で、1999年11月から今年10月にかけて間違いを訂正しながら公表していなかった、と発表した。いずれも駅からの報告漏れが原因という。これで同社の誤表示は278駅、705区間となった。
 乗客からの指摘などを受け、ひそかに訂正していたのは、加茂、雄琴(大津市)、守山(守山市)、平城山(奈良市)の各駅。JR西日本が、過去に誤表示を訂正しながら公表しなかったのは112駅、277区間となった。
 加茂駅は点字運賃表で大阪駅(大阪市)と福島駅(同)までの運賃950円を1110円と表示。雄琴駅はローマ字表記の表で我孫子町駅(同)までの1280円を1450円としていた。守山駅は地図式の運賃表で大津駅(大津市)と甲西駅(滋賀県甲賀郡甲西町)への乗車券(小児)を10円安く表示していた。
 度重なる誤表示の発覚に、JR西日本営業部は「厳密に調査したつもりだったが、一部の駅で見逃しがあった。深くおわびする」と話している。(京都新聞 夕刊)
■全国22社を厳重注意処分 運賃誤表示で運輸省
 運賃の誤表示問題で、運輸省は4日、駅の運賃表示板や乗り越し精算機の運賃設定などにミスがあった全国の鉄道、モノレールの事業者22社を厳重注意処分することを決め、同日午前、都営地下鉄に厳重注意の文書を手渡した。午後にはJR東日本、JR西日本などを順次処分する。
 JR北海道、JR九州など本社が地方にある事業者には、各地方の運輸局が文書で厳重注意した。
 運輸省のまとめによると、運賃の誤表示が明らかになったのは4日午前9時現在、12社の801駅1852区間に上り、東急電鉄などほかの10社は、点字の運賃表や乗り越し精算機などに何らかの誤りがあった。(京都新聞 夕刊)
■誤表示さらに4駅6区間 JR西日本
 運賃表誤表示問題で、JR西日本は4日、これまでにまとめた276駅699区間の誤表示リストに記載漏れがあり、新たに4駅6区間を追加すると発表した。乗客が運賃表の金額がシールで訂正されているのに気づき、払い戻しを請求したのに、リストになかったためミスに気づいたという。誤表示は計278駅(重複駅除く)705区間になった。
 JR西日本によると、11月29日に乗客が電話をかけてきて、「JR関西線平城山駅(奈良市)の運賃表の甲賀駅(滋賀県)までの金額が、以前は1110円だったが、シールが張られ950円と訂正してある。よく使う区間なので払い戻してほしい」と申し出た。しかし、同社がまとめた誤表示区間のリストに同区間はなく、記載漏れに気づいたという。乗客には126回の乗車分計2万160円が支払われた。(朝日新聞 夕刊)
5日■100円バス 平日、実験的に運行 8日まで 「利用しやすい」と好評 京都市交通局
 京都市交通局は、市内中心部で週末に運行している100円バスで、実験的な平日運行を4日から始めた。運行間隔もこれまでの10分から5分へと短縮しており、利用者から「気軽に利用しやすい」との声も上がっている。
 100円バスは、建設省の交通社会実験の一環として、今年4月から来年3月末までの土、日曜や祝日に運行。中京区の市役所前−烏丸御池−四条烏丸−四条河原町の15ヵ所の停留所を反時計回りに巡っている。買い物客や観光客ら1日約870人、1便あたり21人(11月平均)が利用している。
 市交通局は、オフィス街のビジネスマンらのニーズをつかむため、4日から8日までの5日間、平日運行する。2日から今月24日までは、運転間隔を10分から5分に短縮する。
 初日のこの日、午後1時に市役所前を出発したバスは、約半時間でルートを1周し、7ヵ所の停留所で男性5人と女性7人が乗車した。烏丸御池まで利用するため、市役所前で待っていた大阪市の会社員(43)は「地下鉄より運行間隔も短く、地下へ上り下りしなくていいので、気軽に利用できる」と話していた。(京都新聞)
■15日からサンタ列車 信楽高原鉄道が運行
 滋賀県甲賀郡信楽町の信楽高原鉄道(SKR)は15日から11日間、列車内でサンタクロースが子どもらにお菓子などをプレゼントする「サンタ列車」を運行する。
 リースなどで飾り付け、クリスマスソングが流れる専用車両で、サンタクロースにふんしたSKR社員が、子どもたちにプレゼントを手渡す。今年で4年目を迎え毎回、好評を得ている。運行時間は、信楽発午前10時21分と貴生川発午前10時50分の2便。保育園や幼稚園などが団体で申し込む場合は柔軟に対応する。運賃は、信楽−貴生川間往復で大人900円、小人460円(大人1人に同伴の幼児2人まで無料)。SKR総務課 0748(82)3391へ。(京都新聞)
■市バスなど4台衝突 乗客ら6人重軽傷
 4日午後6時半ごろ、京都市北区北大路通衣棚西入ルの路上で、東進していた左京区二条通川端東入ルの会社員根岸義孝さん(30)の乗用車が、道路沿いの駐車場からバックで出てきた左京区下鴨北園町、会社役員富永桂東さん(60)の乗用車と接触した。弾みで根岸さんの乗用車が中央分離帯の植え込みを乗り越え、反対車線を対向してきた三条京阪発西賀茂車庫行きの市バス=宇田剛昭運転手(30)=と正面衝突した。市バスは根岸さんの乗用車を避けようとして、道路左端に駐車していた乗用車1台にも追突した。
 根岸さんはあごの骨を折るなどして重傷を負ったほか、富永さんも首に軽いけがを負った。事故当時、市バス内には乗客30人がおり、うち男女4人が足や腕などに軽いけがを負った。
 上鴨署は、富永さんと根岸さんの車が衝突した原因を詳しく調べている。(京都新聞)
■21世紀幕開け迎えよう 五山送り火やカウントダウンコンサート
 21世紀の幕間けを京都駅で迎えませんか−。JR西日本グループの京都駅ビル開発(下京区)は大みそかの夜、「五山送り火」の観賞会と、「21世紀カウントダウンコンサート」を下京区の京都駅ビルで開く。同社は参加者を募集している。
 大みそかの「五山送り火」は京都市の「21世紀京都幕開け記念事業・京都21」の一つ。京都駅ビル開発は31日午後8時半−10時、駅ビル内の空中経路(地上45b)を観賞ポイントに250組500人を招待する。7日までに、駅ビルなどに置いてある応募用紙で申し込む。
 21世紀カウントダウンコンサートは31日午後10時−来年1月1日午前零時半まで、ミュージシヤンの忌野清志郎さんらを招き、駅ビル内の特設ステージで開く。2000組4000人を招待する。駅前広場にはコンサートの様子を映すスクリーンも用意される。申し込みは8日までに、官製はがきに住所、氏名、年齢を記入のうえ、〒600・8691 京都中央郵便局留め 京都駅ビル開発(075・361・4394)のカウントダウンコンサート係へ。(朝日新聞)
■朱印帳付き初詣乗車券 叡山電鉄が発売
 叡山電鉄(左京区)は12月末まで、沿線の7つの社寺の最寄り駅で1日中自由に乗り降りできる朱印帳付きの「初詣乗車券」を同電鉄・出町柳、修学院の両駅と京阪電鉄の12駅で発売している。
 この乗車券は、社寺に近い叡山電鉄の一乗寺、修学院、宝ケ池、三宅八幡、八幡前、貴船口、鞍馬の7駅と八瀬遊園駅で乗り降りできる。通用期間は来年1月1日−31日の乗車当日限り。中学生以上の大人乗車券(820円)を1000枚、小学生の小人乗車券(410円)を200枚発売する。同電鉄(075・702・8111)へ。(朝日新聞)
■市バスなど4台衝突 北区 乗客ら6人がけが
 4日午後6時半ごろ、北区小山西上総町の北大路通(市道)で、市バスなど4台の車がからむ衝突事故があり、バスの乗客ら計6人が顔などにけがをした。
 上鴨署の調べによると、軽乗用車が道路沿いの車庫からバックで出てきた乗用車に衝突。はずみでセンターラインを越え、対向してきた市バスと正面衝突した。バスは、路肩の駐車車両に衝突して止まった。バスには乗客約30人が乗っていたが、76歳の男性ら4人が足や腕などにけがをした。軽乗相車を運転していた会社員(30)も顔の骨を折ったほか、乗相車の不動産会社役員(60)も首に軽いけがをした。
 同署は、不動産会社役員が後ろを十分確認しないでバックさせたのが原因とみている。(朝日新聞)
■京阪電車が故障 2万5000人に影響
 5日午前7時25分ごろ、京都市東山区一橋野本町の京阪電鉄本線で、三条発天満橋行き普通電車(7両編成)のブレーキが突然かかり、動かなくなった。運転士が点検し、応急処理した後、15分後に運転を再開。中書島駅で乗客約350人を降ろし、淀車庫で原因を調べている。
 この事故でダイヤは同10時ごろまで乱れ、特急を含む上下50本が15−5分遅れ、約2万5000人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■被告は「心神耗弱」状態 下関駅殺傷事件で鑑定 責任能力を限定
 5人が死亡、10人が重軽傷を負ったJR下関駅無差別殺傷事件で、殺人罪などに問われた元運送業、上部康明被告(36)の刑事責任能力について「犯行時の精神状況は妄想性障害(パラノイア)のため、物事の是非、善悪を弁識する能力や行動が著しく減退していたことは確実だが、完全に喪失していたとは言えない」とする精神鑑定書が4日、山口地裁下関支部(並木正男裁判長)に提出された。
 この鑑定は限定的な責任能力を認めており、上部被告の弁護士は「われわれの主張と合致した心神耗弱を意味する。裁判では減軽を求めることになるだろう」としている。
 同支部は鑑定書の提出を受け、中断していた公判を再開。来年1月下旬に鑑定医の尋問などをする。
 起訴状によると、上部被告は昨年9月29日夕、乗用車で山口県下関市のJR下関駅に突っ込み、歩行者を次々とはねた後、ホームなどにいた乗客らに包丁で切りつけ、5人を殺害、10人に重軽傷を負わせた。
 捜査段階の簡易鑑定は、人格障害だが刑事責任能力に影響はないと判断。しかし、公判の過程で「神の指示があった」などとの言動が再三あったため、弁護側が「心神耗弱の可能性があった」などとして精神鑑定を申請。同支部も5月の公判で「事案の重大性を考慮し、精神鑑定を採用したい」としていた。(京都新聞 夕刊)
■電車がホーム100b行き過ぎ 滋賀のJR甲賀駅
 5日午前5時25分ごろ、滋賀県甲賀町大原市場のJR草津線甲賀駅構内で、柘植発車津行き下り電車(6両編成)が、ホームを約100b行き過ぎて停車した。電車はホームまでバックして戻り、約8分遅れで発車したが、乗客と同駅から乗車した計20人に影響が出た。JR西日本の調べによると、運転士が考え事をしていて、ブレーキをかけるのが遅れたらしい。(朝日新聞 夕刊)
6日■阪急交通社社長が2億600万円を着服 別会社在任中、株に穴埋め
 阪急電鉄(大阪市)の子会社、阪急交通社(同市)の高田靖彦社長が、ゴルフ場などを経営する別の子会社、中国六甲山経営(神戸市)の社長在任中、個人的にゴルフ場会員権を販売し、預託金を会社名義の隠し銀行口座に振り込ませ着服していたことが5日、分かった。
 阪急電鉄の大橋太朗社長が同日、会見して明らかにした。高田社長は総額2億600万円の着服を認めているといい、同日付で解任された。菅井基裕・阪急交通社会長が社長を兼任する。
 今後の調査で被害はさらに増える見込みで、大橋社長は「年内にも全容を解明したい。刑事告訴も検討する」と述べた。
 阪急電鉄によると、高田社長は1996年6月−今年6月、岡山県内で真庭カンツリークラブ(会員約1400人)とホテルを経営する中国六甲山経営の社長を務めた。その間、自分で販売した会員権の代金を2つの銀行の隠し口座に振り込ませ、預託金(法人2000万円、個人800万円)20口、計2億600万円を着服。株取引の失敗の穴埋めに充てていた。
 隠し口座は社長退任までに閉鎖されたが、8月に銀行から会社に残高ゼロの通知が届き、不正が発覚。高田社長も11月中旬に不正を認めた。(京都新聞)
■阪急交通社 社長が2億円着服容疑 解任、年内にも告訴
 阪急電鉄は5日、同社100%出資の子会社で旅行業界大手の阪急交通社(本社・大坂市)の高田靖彦社長(62)を同日付で解任したと発表した。高田社長が、阪急電鉄子会社でゴルフ場やホテルを経営する中国六甲山経営(同・神戸市)の社長をつとめていた今年6月までの4年間に、ゴルフ場会員権の契約料2億600万円(20口分)を着服した疑いが強まったため、としている。高田社長も着服の事実を認めており、調査が進めば着服額はさらに増える見込みがあるという。阪急電鉄は年内にも高田社長を刑事告訴する方針。
 阪急電鉄の大橋太朗社長が会見して明らかにした。それによると、高田社長が中国六甲山経営社長を退任した後、同社に会社名義の存在しないはずの銀行口座の残高明細が郵送されてきた。調査したところ、口座には同社が経営するゴルフ場「真庭カンツリークラブ」(岡山県落合町)の会員名簿に載っていない法人や個人が、会員権の契約料(法人2000万円、個人800万円)を多数振り込んでいた。口座はすでに閉鎖されていた。
 阪急電鉄は、この口座は高田社長が勝手に開設したと判断、事情聴取した。高田社長は当初は否認していたが、11月中旬になって着服を認め、「株式投資に流用した。投資に失敗し、金はほとんど残っていない」と説明し、「会社に迷惑をかけ申し訳ない」と謝罪したという。その後は社長業務に就かず、自宅謹慎していたという。
 阪急交通社では、11月初め、ツアー客がギリシャのバス乗っ取り事件に巻き込まれ、高田社長は自ら対応の陣頭指揮を執り、記者会見にも姿を見せた。大橋社長は「当時は本人が否認しており、職務を解けなかった」と説明した。
 高田社長は会員名簿の改ざんを繰り返し、契約料を支払ったが名簿に記載のない法人や個人が多数いるとみられる。阪急電鉄は「すべての方を正規の会員として対応する」としている。
 阪急電鉄は年2回、グループ各社で監査を実施しているが、不正を見抜けなかった。大橋社長は「阪急グループに対する信頼を大きく損なった。管理態勢を一から見直す」と述べた。
 阪急交通社の後任の社長には、阪急電鉄の菅井基裕副会長が、5日付で就任した。高田社長は、中国六甲山経営会長も兼務していたが同日付で解任された。ほかにも阪急グループ3社の取締役や監査役も兼務していたが、同日付で辞任した。(朝日新聞)
■声 運賃誤表示で安全も見直せ アルバイト 中尾 修(大阪府枚方市 66歳)
 JR旅客5社の運賃表の誤表示が問題になった。どうしてこんな問題が出てくるのか不思議だ。今年は雪印乳業の食中毒事件に端を発し、三菱自動車のリコール(無償回収・修理)隠しなど企業姿勢が問われる問題が続いた。
 今度はまた、JRが運賃表を誤表示していた前代未聞のことが明らかになった。原因は、複雑な運賃計算を各駅の手作業任せにし、運賃表が作成されていたという。しかし、世界に誇る分刻みのダイアの新幹線を運行するJRが、このようなことを原因に挙げても、信用できないのは私一人だけだろうか。
 それに運賃が安すぎたとでもいうのならいざ知らず、ほとんど高く取りすぎていたとは。JR各社は取りすぎた分の払い戻しに応じるというが、一体、どれだけの人が申し出るのだろうか。ほとんどの人は証拠になるものを持っていないと思うからだ。
 今回の件は直接人命にかかわらないが、列車運行の問題であれは、「チェック体制に甘さがあった」という釈明で済まないだろう。改めて運行関係の施設面でも、いま一度見直しをして欲しい。(朝日新聞)
7日■コンクリ落下 数社と民事調停方針 JR西 修繕費負担求め
 昨年の山陽新幹線コンクリート落下事故を受け、JR西日本が31の施工業者に総額26億円の負担金を求めている問題で、同社は6日、支出を了解していない業者のうち数社に対し、負担金の支払いを求める民事調停を近く裁判所に申し立てる方針を固めた。提訴も検討したが、「任意交渉の延長線上にしたい」(同社幹部)として見送った。交渉は今年9月に始まったが、株主代表訴訟に発展する恐れがある▽同様の請求を受けた際に前例とされる−などの理由から、多くの業者は明確な回答を示していない。
 山陽新幹線のトンネルや高架橋からコンクリートが相次いで落下したため、JR西日本は昨年度、150億円をかけて全線のコンクリートの劣化状態を調査、はく落の可能性がある部分などを修繕した。その際、施工時に水を混ぜすぎたり、塩分の多い海砂を十分洗わずに使ったりしたため、傷みの進行が異常に早いことがわかった。
 JR西日本は9月、責任の一端は施工業者にあると判断し、劣化の著しい個所を担当した31社に、1社あたり3億円から100万円の幅で修繕費の一部負担を求めた。しかし、現段階でも支出を了解した業者は10社程度にとどまっており、多くは負担金の減額や、「負担金の名目では施工ミスを認めることになる」と支出理由の変更などを求めて返答を保留している。
 そのため、JR西日本は特に交渉が難航している業者数社に対して内諾を得たうえで、年内にも裁判所の調停を仰ぐことを決めた。残りの業者とは、今後の任意交渉で大筋の合意が得られそうだが、求められれば支払いに法的効力を持たせるために裁判所に申し立てる「即決和解」に持ち込み、年内にも結論を出したいという。
 業者側は「裁判所の判断が入ることで株主の理解を得られやすい」とJR側の判断をおおむね歓迎している。一方、JR西日本は遅くとも年度内の支払いを求めてきたが、「結果的に支払いを受けることが肝心」として民事調停に踏み切った。仮に提訴した場合、専門家の間では不法行為の時効(20年)の壁に阻まれJR側が不利との意見が強い。(朝日新聞)
■JRの運賃、どうなっているの?
 JRの駅の運賃表に相次いで誤りが見つかった問題をきっかけに、運賃の決まり方や割引制度のわかりにくさを改めて指摘する声があがっている。同じ区間を利用しても、買い方によって高い金額を支払うはめになったり、安く済んだりする。ふだん何げなく買っている切符の料金に、利用者はもっと注意を払った方がいいかもしれない。JRは、利用者が得になるような「からくり」を窓口で教えてはくれないからだ。(社会部・有馬央記)
●通勤定期「小野−大阪」16万270円 2枚に分けると1万円以上安い
 自宅を購入してから十数年。滋賀県志賀町の広告代理店経営、宮地茂樹さん(60)は最寄りの小野駅から大阪駅まで、約1時間かけてJR線で通勤している。「小野−大阪」の6ヵ月定期券を買い続けてきた。
 今年10月、知人にすすめられ、初めて定期券の購入方法を変えた。「小野−京都」「京都−大阪」にわけて定期券を申請。窓口の駅員は淡々と手続きをして、宮地さんに2枚の定期券を手渡した。計14万6660円。これまでは16万270円だったから、1万3610円安くなった。不景気の時代に、自営業の宮地さんにとって、この差額は大きい。
 駅に入る時、自動改札に1枚を入れ、出る時には2枚を重ねて入れる。単にそれだけのこと。目的地の最寄り駅に限られる通学定期ではできないが、通勤定期なら問題はない。「ずっと余分な運賃を払い続けてきたのか」と感じた。
 差額の原因はJRが定めている「特定区間」の存在だ。運賃は通常、目的駅までの距離に応じて決まる。ただ、私鉄と並行して走る区間は、競争に打ちかつため、特定区間に指定し距離に関係なく運賃を低く抑えている。
 「小野−大阪」の場合、ほかの私鉄との激戦区である特定区間「京都−大阪」が含まれる。だから、単純に距離で計算される「1枚買い」よりも、特定区間の利用を別に組み込んだ分割購入の方がお得になる。実は京阪神地区のJR線には特定区間が「天王寺−和歌山」「難波−奈良」など112もある。
●安い路線分かるソフト 経費節減に使う会社も
 先日、神戸市中央区の会社員は自宅から新幹線で東京へ出張した。東京で、兵庫県明石市から乗ってきた同僚と落ち合うと、西明石駅から乗った同僚の方が運賃が安かったのに驚いた。
 会社員が買ったのは普通の乗車券。新神戸−東京(589.5`)で、往復1万8060円。同僚が買ったのは「往復割引乗車券」。1駅遠い西明石−東京(612.3`)なら1万6820円と1240円安い。この乗車券は、片道が601`以上あれは運賃が1割引きになる制度で、新神戸−東京は、ぎりぎりの所でこの割引の対象外になってしまう。
 実際は東京−新神戸の往復でも、東京−西明石の往復乗車券を買って乗れば得。ただし、新神戸駅などで積極的な案内はしていない。
 これ以外にも乗り越し精算すると普通に目的地まで買ったよりも高くなってしまうケースなど、意外な運賃の落とし穴は数多い。気づいた人だけが注意し、時には「裏技」として利用しているようだ。
 乗車駅と目的駅を打ち込むだけで最短経路と運賃が表示されるコンピューターソフト「駅すぱあと」を開発・販売するヴァル研究所(東京都杉並区)は、10年前から、「運賃の分割計算」の項目をソフトに組み込んでいる。
 宮地さんのように定期券や切符を分割して買うと安くなるのに気づいた同社が、JRに不正乗車にならないことを確認したうえで作成した。どの駅を境に分割すると一番安くなるか、パソコン上で瞬時に判断できる。一部の企業では社員に通勤定期を支給する際、経費節減のため、このソフトを使用しているという。
●「知っているもの勝ち」 複雑さ、誤表示の元
 JRは、どういう見解なのか。運賃制度を担当するJR西日本営業部は「発駅から着駅までを通しで買っていただくのが基本」という。しかしJRの旅客営業規則は、分割購入や実際の利用を超える区間での切符を買い求めることを特段、禁じてはいない。あるJR社員は「知っているもの勝ち。友人には『こう買えば得になる』と教えてあげている」と話す。
 何でこんなややこしいことになってしまったのか。
 JRには国鉄時代から運賃制度を場当たり的に変えてきた歴史がある。乗客減が課題になるとローカル線の運賃を値上げし、私鉄がサービスを強化すると都心部の運賃を据え置いた。さらにJRになって各社ごとの運賃体系まで変わってきた。
 全面改定や部分改定があまりに多く、本社の担当社員でさえ、すべてを正確に把握しているわけではない。複雑な運賃制度は今回の運賃表誤表示問題の原因の一つでもある。各駅の運賃表の金額は駅員が手計算ではじき出しているためだ。
 JRグループ各社の運賃制度担当者は、今年に入って、グループ内から「利用客が矛盾を感じる制度が多すぎるのではないか」との声が上がったため、改善策を練る勉強会を開き始めた。今後、不定期に会合を開き、わかりにくさや矛盾点の解消などが出来ないか、検討していくという。
 ただ、担当者の一人は「簡単には解決策が見いだせない」と打ち明ける。どうもJRは利用客の立場でモノを考えるのが苦手なようだ。
●公平・明確である必要
 運賃制度に詳しい谷口靖弘・大阪芸大短大部助教授(観光学)の話 JRは競争相手の私鉄に勝ちたいなどといった、自分の都合で運賃の仕組みをいじり回したために、知っている人だけが得する乗り方が出てきた。複雑な運賃体系のなかで知らなければ損をする場面も生じている。客にとって一番安い購入方法を提示するのは、ほかの業界では当たり前で、告知の努力を怠るのは身勝手だ。運賃は公共性が高いのだから、「公平・明確」であるべきだ。(朝日新聞)
■JR3社同時に完全民営化へ 運輸省年明けにも改正法案
 運輸省は7日、東日本、東海、西日本のJR3社を同時に「完全民営化」するため、JR会社法改正案を年明けの通常国会に提出する方針を決めた。
 同省は、できるだけ早期に完全民営化を実施するため、次期国会での審議を求めるとしており「完全民営化は当然、3社同時」(首脳)としている。運輸省は今後、財務上の問題から完全民営化に消極的なJR東海についての扱いを詰め、早ければ来年度にも3社同時に民営化する。
 JR3社の完全民営化は、政府(日本鉄道建設公団)が保有する一部株式を市場で売却し、純粋な民間会社に移行する計画。
 JR会社法は、国鉄の分割民営化後も国が経営に関与する余地を残すため、各社のトップ人事や資金調達などについて運輸相の認可が必要と定めている。
 改正案は、株式の完全放出後は東日本、東海、西日本の3社は同法の適用から除くとの内容になる見込み。
 完全民営化をめぐっては、JR東海が分割民営化の際、収益性の高い東海道新幹線の保有と引き換えに、他の2社と比べ過大な長期債務を国鉄から継承したため財務上の負担が大きいと主張、債務の早期返済に向けた税制上の優遇措置などを求めている。扇千景運輸相は近くJR東海から要望を聞いた上で、関係当局と協議する考えだ。(京都新聞 夕刊)
■北海道 雪と事故で空陸一時混乱 青函トンネル快速足止め 貨物列車脱線で
 6日午後6時45分ごろ、青森県今別町のJR津軽海峡線津軽今別駅付近で、上り貨物列車(20両編成)の13−14両目の間の連結が外れた。一部車両が脱線、転覆した。
 乗客27人が乗った後続の函館発青森行き快速列車が、青函トンネル内青森県側の津軽今別駅−竜飛海底駅間で約3時間立ち往生し、救援機関車が出動し北海道・木古内駅にけん引した。乗客、乗員にけがはないという。
 津軽海峡線は津軽今別−木古内間で上下線とも一時不通となっていたが、下り線が7日午前3時半ごろ復旧した。JR北海道によると、上り線の不通は同日午後10時まで続く見通し。同日中は下り線のみを使った単線運行で上下線計9本を運行する予定。
 現場では7日午前、貨物列車が転覆した状懸のまま青森県警が現場検証を行っており、終わり次第クレーン車で車両を撤去する。
 同日午前10時現在で、津軽海峡線の運休列車と運休予定列車は計24本。
・12便欠航へ 新千歳空巷
 西高東低の冬型の気圧配置に囲まれた北海道では7日、断続的に雪が降り続いた。運輸省の新千歳空港事務所によると、同空港は早朝から午前10時20分すぎまでの間、羽田からの3便が着陸したほかは、滑走路やエプロンの除雪作業のため、発着不能の状態が続いた。
 ダイヤは大幅に乱れ、航空各社によると、同日の欠航は12便を超える見込み。
 出発ロビーでは遅延、欠航の案内放送が続き、航空会社カウンターに状況を確かめる待合客が目立った。
 札幌管区気象台によると北海道上空には風が北から入ってきており、日本海側で大雪となっている。(京都新聞 夕刊)
8日■酔ってホーム転落 電車止めた巡査長戒告 兵庫県警
 神戸市灘区のJR東海道線六甲道駅で11月27日夜、西宮署の巡査長(28)が泥酔してホームから線路わきに落ち、下り新快速電車が約26分間停車したことについて、兵庫県警は7日、「多数のJR利用者に迷惑をかけ、県民の信頼を失墜させた」として、巡査長を地方公務員法に基づく戒告処分にした。(朝日新聞)
■コンクリ落下 修繕費 週明け調停に JR西日本 会見で発表 まず鉄建対象に
 JR西日本の垣内剛常務取締役は7日、山陽新幹線の施工業者に修繕費の一部負担を求めている問題で記者会見し、鉄建建設(本社・東京)に対し、週明けにも負担金の支払いを求める民事調停を大阪簡裁に申し立てると発表した。近く別の数社に対しても同様の手続きを取る方針。JRは年内解決を目指して任意での交渉を進めてきたが、民事調停に進むことで交渉は長期化しそうだ。
 JR西日本は、31の施工業者と個別に交渉。これまでに15社が負担金の支払いに同意し、うち3社はすでに支払いを済ませたという。
 しかし、「工事は旧国鉄の施工管理下で適正に実施した」と主張する業者も多く、依然、16社と交渉が継続している。垣内常務は「民事調停が不調に終われば提訴の可能性も出てくる。事柄の重要性は理解していただいていると信じている」と述べた。(朝日新聞)
■発電機故障で運休 早朝の山陰線
 8日午前5時ごろ、京都市下京区のJR京都駅山陰線ホームで、停車中の亀岡行き回送電車(6両編成)先頭車両の発電機が故障しているのが分かり、発車できなかった。このため、同5時38分亀岡発京都行きの普通電車が運休し、約80人に影響が出た。
 JR西日本は故障の原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■「新しさ」疑う市民的価値 近代建築の保存をめぐって
 関西を代表する近代建築が危機に瀕している。
 JR奈良駅舎(昭和9年・柴田四郎設計)が鉄道高架事業にともなって、大阪・北浜の大阪証券取引所旧市場館(昭和10年・長谷部竹腰建築事務所設計)が立ち会いの廃止によって、大阪・心斎橋のそごう大阪店(同・村野藤吾設計)が再建計画によって、それぞれ建て替えが検討されている。これに対して、奈良駅と大阪証券取引所旧市場館には建築史学会から、そごうには日本建築学会から、保存要望善が提出された。さらに大阪証券取引所については、学識経験者による開発・保存の検討研究会が組織されている。
 こうした動きに加えて、今回は、市民グループの活動も目立っている。奈良では「JR奈良駅舎を生かす会」が多彩な活動を展開し、そごうや大阪証券取引所でも、さまざまな市民グループが見学を申し入れるなどしている。
 歴史的建造物の活用を、事業者や行政がいくらかは考えるようになってきたのは、実は彼らの活動の成果と言えるのかもしれない。学者や専門家の意見だけでは建物は残らない。一方でそれは、歴史的建造物の価値が、狭い学術的評価だけに縛られなくなってきたということも意味する。言うなれば、学術的価値から市民的価値への広がりである。ならば市民的価値とはどのように計れるものなのだろうか。
 今回、ある市民グループの会員から、奈良駅の屋根をかけたデザインは寺院を模したものであり、設計姿勢が安易であるから保存には積極的に協力できないという発言があったという。例外的な意見のようだが、こうした判断も市民的価値によるものとなるのだろうか。
 確かに最近、日本風屋根をかけた建築物をよく見かける。しかし、その多くは言わは借り物の和風である。消費イメージが日々生産される現代において、デザインはその根拠を失いかけている。特に、時代や地域性を表現することは難しくなった。その中で、あえて地域らしさを求められた時に、ステレオタイプ化された和風イメージが、まさに「安易に」借りてこられるのだ。
 しかし、奈良駅の屋根はそうした借り物の和風とは全く違う。日本風屋根を預く帝冠様式とも明らかに違う。全体の構成はむしろモダンである。学術的に補足すれば、この建物の設計当時、関西では、建築の歴史性や様式性を乗り越えようとするインターナショナル建築運動が興っていた。そこでは、ローカリティ、つまり地域性は国際性の理念と矛盾せず、むしろそれを積極的にとらえるものとして認識されていた。奈良駅の屋根は、そうした思想を背景に、近代デザインの模索として登場したものである。
 奈良駅だけではない。ここでの3つの建物は、どれも昭和10年前後に建てられている。この時期は、様式的、装飾的なものとモダンデザインが出あい、模索しながらも建築文化が一つのピークを作り上げた時である。だからこそ、どの建物も地域のシンボルとなりえる高い完成度を誇っている。
 もちろんその後も、建築を含め、あらゆる文化は「進歩」を遂げてきた。しかし、それらは次々に更新される価値の前に絶対的なものではなくなってしまう。消費社会が発見した流行現象は、新しさにのみ価値を与え、それが文化の根拠を見えにくくしていった。そうした事態の反発として、新しいものを常に是とする価値に対する懐疑が生まれることになる。
 歴史的建造物の市民的価値の根拠とは、まさにそうした新しさへの懐疑にあるはずだ。新しさよりも、ストックとしてあるものの価値を評価し活用するほうがよいのではないか。建物の新築を考えるよりも、自分たちの記憶が詰まっている既存の空間の価値を見出したい。それは過去の絶対的価値の復活を求めることではない。新しいものを生産・消費し続けるあり方を問うことである。
 このように考えるとき、市民的価値の真の力がわかってくる。市民的価値とは、懐かしさやもったないなさといった感情的なものだけに終わるものではない。議論を重ねることで、借り物の和風の屋根と、文化的根拠を持って実現された屋根を峻別できる力を持ちうるのではないだろうか。
 3つの建物とも、残念ながら事業者は、まだ新しく造る価値へこだわっているようだ。膨大な資金を必要とする建築の世界は、他の商品世界に比べ、人々の意識の変化に鈍感であるのかもしれない。しかし、市民的価値が、その本来の力を発揮するとき、いや応なく建築物の評価は大きく変わることになるはずだ。
・中川 理 京都工芸繊維大学助教授(近代都市史)
 なかがわ・おさむ 1955年横浜市生まれ。京都大学大学院博士課程修了。92年から現職。著書に『重税都市』『偽装するニッポン』など。(朝日新聞 夕刊)
■私たちの空間 東京に女性専用車両
 深夜の京王線に女性専用車両が登場した。初列車は8日午前零時5分発の新宿発高幡不動行き。東京・京王新宿駅では、最後部に1両設けられた女性専用車に忘年会帰りとみられる女性客が次々と乗り込んだ。23日までの週末に運転される。(朝日新聞 夕刊)
9日■整備新幹線 北陸、九州 フル規格に 3区間新規着工へ 政府・与党合意 富山まで延伸
 政府・与党の整備新幹線検討委員会(座長・安倍晋三宮房副長官)の作業部会は8日、北陸新幹線の上越(新潟)−糸魚川(同)と新黒部(富山)−富山、九州新幹線博多(福岡)−船小屋(同)の3区間を来年度からレール幅を東海道新幹線などと同じのフル規格で新規着工することで合意した。また在来線と同じレール幅のスーパー特急方式で工事中の北陸新幹線糸魚川−魚津(新黒部)と九州新幹線船小屋−西鹿児島もフル規格での整備に切り替えることで一致。ただフル規格などに伴う財源確保策については「今後の検討課題」と先送りした。
 20日の来年度予算の大蔵原案内示前に開催予定の同検討委で正式決定する。
 これで北陸新幹線は高崎から富山、九州新幹線は博多から西鹿児島までが直結することになる。整備新幹線の新規着工は、1998年3月に東北新幹線八戸−新青森などが着工されて以来。
 これまでの与党合意などでは新規着工区間はおおむね10年で完成するとしている。
 運輸省は来年度予算の概算要求で、北陸新幹線の上越−糸魚川と九州新幹線の博多−船小屋の2区間の新規着工を念頭に既着工区間を含め本年度の4.3倍の大幅増となる1500億円を計上した。
 作業部会は北陸新幹線については「収支改善効果が高い」などの理由で、富山まで延伸させることになった。
 九州新幹線では新たに新鳥栖駅(佐賀)の設置を認めたが、同新幹線長崎ルートの分岐駅としては明示しなかった。
 沿線自治体などが要望していた北陸新幹線の南越(福井)までの一括工事認可は見送られた。南越までの一括開業を求めているJR西日本や福井県などが反発しているため、同検討委では正式決定までに富山以西の金沢、福井までの延伸などの取り扱いについて、最終的に詰めることにしている。(京都新聞)
■JR西・春のダイヤ改正 奈良線を大幅増発 一部複線化や小倉駅駅開業 朝夕に快速運行
 JR西日本は8日、奈良線の大幅増発を盛り込んだ来年春のダイヤ改正を発表した。奈良線の一部複線化や小倉駅開業に合わせた改正で、朝夕の通勤時間帯に快速・区間快速などを新たに運行させ、京都−奈良間の所要時間を最大20分間短縮させる。
・「ユニバーサル」駅3月オープン
 ダイヤ改正は、来年3月3日で、奈良線の京都−藤森、宇治−新田間の複線化と小倉駅の開業に合わせて実施する。
 奈良線では、従来朝夕のラッシュ時に快速を運行していなかったが、今回の改正で朝の通勤時間帯に、快速2本(京都方面行き)、区間快速5本(京都方面行き3本、奈良方面行き2本)を新たに運行し、通勤時間京都−奈良間で最大20分間短縮する。また夕方以降も奈良方面行き快速を30分間隔で計8本、京都方面行き計3本を運行する。
 このほか、昼間の快速も新車両を投入、「みやこ路快速」とネーミングするとともに、京都−奈良間を最速40分に短縮する。さらに普通電車も28本増やし、奈良線全体で計63本を増発、平日186本を運行する。
 小倉駅の誕生に合わせ、小倉−京都間が近鉄と競合することから特定運賃を採用し、同区間の普通運賃を280円、通勤定期1ヵ月8500円(6ヵ月4万820円)とする。
 また湖西線・北陸線では、特急スーパー雷鳥(現行7往複)をすべてサンダーバードに置き換えるほか、夕方ラッシュ時の湖西線普通電車2本の車両編成を現行の4両から6両と8両に変更し、混雑度を緩和する。
 このほか、大阪市此花区に来春オープンする米国映画のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンヘの最寄り駅となる「ユニバーサルシティ」駅を来年3月1日に開業、大阪環状線から同駅への直通電車を運行させる。
 直通電車は、天王寺駅から京橋−大阪−西九条駅などを経て、桜島線に乗り入れユニバーサルシティ駅へ、さらに桜島駅に至るルートを往復する。平日の朝クラッシュ時を除き午前7時から午後10時台まで片道1時間に3本で、大阪駅からユニバーサルシティ駅までの所要時間は13分。さらに西九条−桜島で片道1時間3本のシャトル電車を運行、京都−関西空港を往復する特急「はるか」も午前9時以降は西九条駅に停車させる。
 京都−ユニバーサルシティの所要時間は、新快速と直通電車を利用した場合は40分間、大津駅からは50分間となる。(京都新聞)
■特急「白鳥」が40年の歴史に幕
 JR西日本などが発表したダイヤ改正で、大阪−青森間を約13時間で結ぶ特急「白鳥」が2001年3月3日で廃止されることになった。白鳥の運行区間は1040`で、昼間に運行している特急としては日本最長。
 白鳥は1961(昭和36)年10月に運行を開始し、高度経済成長期には東北地方から関西方面へ出稼ぎに向かう人々の足として親しまれてきた。
 しかし、ここ数年は航空機に旅客を奪われ、関西と東北間の通し利用者が激減。40年の歴史に幕を下ろすことになった。(京都新聞)
■市交通局長が陳謝 京都市バス 乗客大けが 市会で信頼回復誓う
 京都市交通局の江草哲史局長は、8日開かれた市議会交通水道委員会で、今月3日に、市バスから降りようとした乗客に運転手が注意を怠り、大けがを負わせた事故について陳謝した。
 事故は、3日午前、京都市中京区河原町通三条下ルの停留所で、運転手が市バスを発進させて扉を閉じた際に、降車口のステップにいたお年寄りが、路上に転倒し重傷を負った。
 江草局長は「運行時に最も大切な安全確認の基本を怠ったことが原因となった。深く反省し、おわびする。市バス事業を総点検し、信頼回複に全力を上げる」と述べた。また交通局は、市バスの安全輸送の確立に向けた総点検の実施状況についても報告した。
 今年9月に烏丸営業所(北区)で入庫したバス内に少女を一晩置き去りにした問題を受けて、局内で検討し運転手の現場指導や点呼方法などを厳格にした。
 市内の各停留所で運転手の乗降客への応対、扉の操作、停車位置について調査を行い、不適切な対応に対して指導することや、これまでは運行状況などについて伝票を提出するだけだった運転手の点呼方法を、運行管理者と口頭で応答する方式に改める−などが実施されている。(京都新聞)
■栗東町が単独市政へ 新幹線新駅の導入誤 合併で「湖南の首都」に 国や県「淡々と事務処理」 住民関与カギ
 名前は栗東市、施行日は来年10月1日−。滋賀県栗太郡栗東町の猪飼峯隆町長は8日、長年の懸案だった市制施行への関門がすべてクリアできる見通しとなり、ゴールを目指すことを明らかにした。現在、国は地方分権を実現するために市町村合併の推進を掲げ、県も合併パターンをまとめるなど、広域合併促進の動きが加速している。その中で、栗東町は「単独市制を目指し、広域合併はその後に検討する」との方針を打ち出している。栗東町の思惑や取り巻く実情などを追った。(草津支局 小川卓宏)
 栗東市が実現すると、県内では守山市が1970年に誕生して以来、31年ぶり8市目となる。単独で市制移行するのが「20年来の悲願」とする背後には、同町が法人税やたばこ税など他の自治体に比べると豊かな財源を背景に、保育料などの行政サービス料金が軒並み安く、合併すると「他に水準を合わせ、サービス料金を値上げしなければならない」という事情がまず大きい。さらに「福祉事務所設置など、よりきめの細かい住民サービスが提供でき、イメージもアップする」(同町幹部)などの利点もある。
・県は懇話会設置
 一方、1995年の地方分権推進法の成立以来、自治省は地方分権を実現する具体策の一つとして、市町村合併を前面に押し出している。省内に「市町村合併推進本部」を設置、各都道府県に対して合併パターンなどを具体的に示す合併推進要綱の作成を要請するなど、全国的に合併機運の盛り上げを図っている。これを受けて県は「将来のまちを考える滋賀県懇話会」を設置。今年3月、湖南地域は栗東町を含む草津市、守山市、野洲町、中主町の2市3町で合併−とするパターンの報告をまとめた。さらに、12月中旬には「合併推進要綱」をまとめて各市町村に提示する予定だ。
 要綱には法的拘束力はなく、国も県も表向きは「合併は地域の住民が決めること」としている。が、県懇話会報告は「合併すれば、さまざまな支援措置がとられる合併特例法の期限が、2006年3月に切れることに留意しなければならない」として、今が合併のチャンスと強調する。
・「JRは前向き」
 栗東町は「県が要綱を示すなら考慮はします」としているものの「現状では利点が少ない」と合併には腰が重い。合併すると、中心地以外はさびれてしまうのではないか、との不安もつきまとうだけに、まず単独で市制移行し、現在進めている新幹線新駅の導入・設置などを中心とした都市整備を行い、基盤が整ってから合併して湖南の『首都』に、という思いも見え隠れする。
 その新幹線新駅の設置については、5日に国松善次知事が「JR東海は2、3年後をめどに結論を出したいとの方針を持っている。前向きな印象だ」と話したばかりで、同町も「急展開で、現実的になってきた」と歓迎する。
 栗東町が単独市制になれば、手続きなどから合併特例法の期限までに合併するのが困難になるのは必至。国や県は「淡々と市制移行の事務処理を行う」との姿勢だが「母体は大きい方が行政サービスが向上する。5万人の市ですべてをまかなうのは難しいのでは」と疑問も投げかける。
 将来のまちを考える大津・湖南地域懇話会会長代理の北村裕明滋賀大教授は「地方分権の時代、必ずしも大きければいいというものではない」としながら「(合併・単独市制いずれにしろ)住民がいかに運営の決定にかかわれるようになるか、それが最大のポイント」と指摘する。(京都新聞)
■整備新幹線 北陸・九州フル規格化 政府・与党決定 財政負担増
 九州新幹線の鹿児島ルート全線と北陸新幹線の上越(新潟県)富山間が、東海道新幹線などと同じ標準型のフル規格で整備されることになった。政府・与党でつくる整備新幹線検討委員会が8日の作業部会で、未着工区間である北陸の上越−糸魚川(新潟県)間と新黒部(富山県)富山間、九州の博多(福岡県)−船小屋(同)間について、フル規格で来年度に新規着工するとともに、在来線と新線を組み合わせて建設費を削減する「スーパー特急方式」ですでに着工している区間もフル規格に切り替えることを決めた。スーパー特急に比べて財政負担は大幅に増える見通しだ。
 整備新幹線の新規着工は4年ぶり。スーパー特急方式で着工している北陸新幹線の石動(富山県)−金沢間も今後、フル規格化を検討するとしており、北陸新幹線も全線がフル規格化する可能性が高くなった。
 整備新幹線の建設は1987年に凍結が解除されたが、北陸新幹線の上越以西と鹿児島ルートは、建設費を抑えて鉄道の高速化を図るためにスーパー特急で着工した。しかし、地元自治体や選出議員はあくまでフル規格化を主張。昨年末には、当時の与党3党が年間1500億円(国費)の予算確保を前提に、北陸新幹線の長野−南越間を今後十数年で、鹿児島ルートを今後10年で、それぞれフル規格で開業するとの考え方をまとめた。
 北陸新幹線については、運輸省はこれまで、新規着工区間は上越−糸魚川間に限るとしてきたが、同新幹線に熱心な森喜朗首相の意向を踏まえて拡大した。自民党内には石川県が首相の選挙区になっていることを配慮して金沢や南越(福井県)まで一括着工すべきだとの意見もあったが、批判を恐れて抑えた面もある。ただ、石動−金沢のフル規格化を検討課題としたことで、金沢までの暫定開業が現実味を帯びてきた。その先の福井駅についても引き続き調査費を計上する。
 建設財源について、運輸省は与党合意を踏まえ、今年度当初予算の4.3倍にあたる1500億円(国費)を来年度予算に要求している。ただ、満額確保するには、建設省や農水省の公共事業費をかなり削る必要があり、困難な情勢だ。政府・与党は満額確保できなくても、完成時期を先送りするなどして新規着工に踏み切る方針だ。
・採算性に疑問の声 企共事業費争奪が加速も
 《解説》政府・与党が北陸新幹線や九州新幹線鹿児島ルートで新たなフル規格着工を決めた。安価に鉄道を高速化できるとされた「低コスト新幹線」のスーパー特急は退けられ、建設費はいっそうかさむ。自民党の新幹線推進派や運輸省は公共事業の配分を見直すことで財源の確保を狙うが、政府や関係自治体で交通網整備の優先順位などが整理されているとは言えず、公共事業費の単なる奪い合いが加速しかねない。
 スーパー特急は、石油ショックや国鉄改革で凍結していた新幹線建設を解除するにあたり、運輸省が示した知恵だった。フルの半額でできるとして、在来線にレールを加えて新幹線が走れるようにする「ミニ新幹線」とともに、「全国横並び」への対案となった。
 しかし、それも結局、「『よそと同じ立派な新幹線を』という自治体や政治家に認められなかった」(運輸省幹部)。北陸新幹線を地元に抱える森喜朗首相自ら森田一・前運輸相に「未着工区間の十分な検討を」と働きかけた。
 フル規格化で、在来線が活用できなくなるため建設費は北陸新幹線の上越−金沢間では約1兆1000億円と、スーパー特急方式に比べ2.7倍にはねあがる。自治体などに任される並行在来線の赤字も膨らみそうだ。東京から金沢までは3時間半から2時間半へと短くなるが、採算性を厳しく吟味したとは思えない。
 建設省は「新幹線の採算性には疑問がある」(幹部)とけん制しており、新しい国土交通省内の衝突に発展しそうだ。(経済部・有田哲文)(朝日新聞)
■社説 整備新幹線 交通予算の総合化を
 整備新幹線の建設計画が、行き着く先が見えないままに迷走している。景気対策のかけ声を追い風に、公共事業の予備費や補正予算をかき集めて工事の前倒しを図ってきたが、財政難の中で限界が近づいた。
 採算性のはっきりしない路線を、政治家の利益誘導の形で建設するべきではない。工事を強引に進めたり、部分着工で既成事実づくりに励んだりする動きには反対だ。
 高速道路も、空港も、新幹線も欲しい−日本中がそんな要求を続けたら、国の財布はいくつあっても足りない。交通インフラ整備の財源はひとまとめにしたうえ、優先順位をつける総合政策に踏み出す時期である。
 整備新幹線建設の財源は、JRが既設新幹線を買い取った代金の一部として毎年差し出している724億円のほかは、国の公共事業費と地元負担金だ。
 地元は全体の約3分の1を負担する建前だが、地方交付税などで面倒を見てくれる仕組みがある。このため、建設を進めるほど国民負担というツケがたまる。
 それだけではない。新幹線が完成すると、在来線の運営は第三セクターにゆだねられるから、そこが赤字になれば、その負担ものしかかってくるのだ。
 そんな危うさをはらんだ整備新幹線の建設に、運輸省は来年度予算案で1500億円を要求している。今年度に比べて4.3倍という強気の要求だ。これで、北陸と九州の未着工区間を一気に着工に持ち込もうというのが、政府・自民党の腹づもりである。
 推進派も、財政事情が甘くないことは分かっているからだろう。自民党の中には、道路建設にあてる特定財源の一部を転用する案を持ち出す人たちがいて、道路族議員や建設省の警戒や反発を招いている。
 運輸省の試算だと、工事中の区間だけでなく未着工区間もすべて着工した場合、工事費の総計は7兆円を超す。財源が見つかりさえすれば、どんどん着工しても構わない、ということにはならない。
 ただ、道路建設だけにしか使えない特定財源の見直しは検討に値する。自民党内でいわれているような「一部転用」では不十分だ。道路財源と空港整備特別会計など関連予算を合体させ、鉄道にも空港にも使える総合交通予算へと抜本的に衣替えさせる。そこから、国際的に通用する立派な空港や優先度の高い新幹線を建設するのである。
 どの地域にどんなインフラを、どんな順序で造るか。それは、地方の自主性を配慮しながら国がおこなうべき選択だ。来年1月に建設省と運輸省が合体してできる国士交通省にふさわしい仕事ではないか。
 フル規格とスーパー特急で工事中や未着工など、区間ごとに入り組んだ北陸新幹線について、政府・与党でつくる整備新幹線検討委員会は8日、新潟県の上越から富山までフル規格でつくる方針を決めた。
 検討委では森喜朗首相の選挙区の石川県まで着工すべきだとの意見もあった。「我田引鉄と批判されかねないから、富山にとどめた」というが、お粗末な話だ。(朝日新聞)
■タイムアングル 京阪四条停留所 市電通る四条通へ、鉄道網が結ばれた
 明治40年代から大正の初めにかけて、軽便鉄道ブームが起こっている。これは京阪電車の成功にあおられた気味もあるが、我も我もと出願したので、府下で20件を超えた。2、3件を除いてほとんどが不許可だった。
 大正4年10月、京阪電鉄は宿望を果たして、五条から三条まで路線を延ばし、四条と三条と2つの停留所を新設した。
 京都・大阪間を結んだといっても、京都側の終点の五条通には、市電が走っていないから、下車したあとが不便だった。
 四条通は明治45年に、市電が開通している。三条通は大正元年8月、のちに京阪電鉄と合併する京津電気軌道が、三条・大津間の営業を開始していた。文字どおり都心部へ乗り入れたわけだった。
 写真は四条停留所。左にホームがあって、手前には市電の軌道が見えているから、三条大橋の東話北側と分かる。ずいぶん閑散としているようだが、まっ黒にしか写っていない駅舎の内には、もっと人がいるのだろう。
 昭和62年、東福寺・三条間の路線が地下へ潜った。堤上を走っていたころは、桜並木が目を楽しませてくれたし、対岸から見ても、走る電車が絵になっていた。どうしようもない変化で、今は記憶の底に美しく眠っている。(作家・駒 敏郎)(朝日新聞)
■電車にはねられ死亡 西京
 9日午前零時27分ごろ、京都市西京区桂上豆田町、阪急京都線の千代原踏切で、男性が下り回送電車にはねられ、全身を強く打って間もなく死亡した。
 同電車は現場で5分停車したが、後続の電車に影響はなかった。
 桂署の調べでは、死亡したのは長岡京市のアルバイトの男性(65)で、警報機としゃ断機がある踏切内に立っていたという。同署で原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■山陽新幹線こだま モーターに不具合 上下10本以上に遅れ
 9日午前8時25分ごろ、山陽新幹線姫路−西明石間の兵庫県高砂市を走行していた広島発新大阪行きこだま606号の3号車床下付近で異常音がするのに、車掌が気づいた。両駅間で列車を停車させて床下を調べたところ、3号車のモーターに不具合がみつかった。17分後に運転を再開したが、西明石駅で運転を打ち切り、乗客は後続の「ひかり148号」に乗り換えた。JR西日本によると、この影響で、山陽新幹線では上下あわせて10本以上に最大20分の遅れが出た。(朝日新聞 夕刊)
■レトロ調バス絶不調 維持費高いわ 飽きられちゃうわで… 伊丹や銀座 相次ぎ廃止「採算合わない」
 観光の目玉にと、レトロ調の外観や凝った内装で華々しく登場した自治体などの乗り合いバスが、各地で「苦戦」している。兵庫県伊丹市や東京・銀座では今年、「採算が合わない」と相次いで廃止された。多くがこの10年で導入されたが、飽きられて利用者が減ったうえ、高い維持費も敬遠されている。新たに事業に乗り出す自治体もあるが、前途は多難だ。
 兵庫県伊丹市で、馬車鉄道を模した市営バス3台が11月、姿を消した。いずれも1990年から92年にかけて導入された。板張りの床は懐かしさを醸し出し、外観がメリーゴーラウンドに似ている。「シティゴーランド」と名付けられた。市内の文化施設や公園を結ぶ2路線を1日26往復していたが、普通のバスにかわった。
 91年度は14万人を乗せたものの、近年は9万人台に。普通のバスに比べ、点検費や清掃費が2割はよけいにかかり、年間で50万円近く高くつき、この3台の累積赤字は切り替え時点で1億円を超えた。
 東京駅を起点に銀座や日本橋を巡った「銀ブラバス」は、今年2月に廃止された。東京都中央区が都交通局に委託し、「観光PRに」と92年から3台で運営した。明治期の鉄道を摸した外観が人気で、江戸歌舞伎発祥の地を通るコースを走った。延べ80万人が使ったが、昨年度はピーク時の半分の6万人に。結局、姿を消した。
 昭和初期の路面電車をほうふつさせる木目調が売り物の、鹿児島市の「カゴシマシティビユー」も事情は同じ。導入した翌95年度は18万人が利用したが、昨年度は15万人。市は「廃止も検討せざるをえない」と話している。
 北海道小樽市では民間の「中央バス」が馬車鉄道風のバスを88年から7台運行しているが、今夏の収入は昨年比2割減。
 「珍しさだけで観光客を引きつけるのは難しい」(伊丹市)、「観光ルートを自分で考える人が増えている」(東京都中央区)というのが「撤退組」の弁だ。
 レトロ調の観光向け路線バスは、バブル期の90年前後に各地で導入された。物珍しさもあって一時は人気を呼んだが、外観や単調なコースがあきられたり、見込んだより団体客などの利用が少なかったりしたため、運営に苦しむところが増えている。板張りの車両が多く、売り物の高級感を保つためワックスがけなどに費用がかかるという弱点も足を引っ張っている。
 昨年5月から観光スポットを巡るレトロ調の「るーぷる仙台」を走らせている仙台市は、「予想の6割程度の利用で厳しい」(市交通局)という。
 自治体の交通部門などが加盟する日本バス協会(東京都)は「景気低迷で、観光客の奪い合いになっている。民間との連携で、イベント性を打ち出すなどの戦略が必要ではないか」と話す。(朝日新聞 夕刊)
10日■社説 無責任な整備新幹線の大奮発
 整備新幹線が暴走しそうになってきた。けん引役は政府・与党の検討委員会作業部会だ。
 同部会は北陸新幹線の2区間(上越−糸魚川、新黒部−富山)と九州新幹線の1区間(博多−船小屋)を、来年度から東海道新幹線などとレール幅が同じフル規格で新規着工することに合意した。
 さらに、在来線の路盤強化によるス−パー特急方式を採用している両新幹線の既着工部分(糸魚川−新黒部、船小屋−西鹿児島)を、これもフル規格に切り替えることで一致した。
 フル規格での着工・開業を悲願とする地元自治体や経済界などには朗報に違いない。だが、大きく膨らむ財源の確保策は「検討課題」と先送りした。開業後の採算見通しもあやしい。まるで行き先不明の安易な「見切り発車」である。
 しかも、来年度以降の財政再建による緊縮路線への転換や、運輸、建設両省などが合体する国土交通省の発足を見越し「今のうちに既成事実を」という駆け込み・分捕りの様相も色溝い。
 これでは、従来の公共事業のばらまきに輪を掛けて、節操のない、無責任な対応と言わざるを得ない。
 運輸省は新年度予算の概算要求で、北陸と九州の各1区間での新規着工を念頭に、本年度当初比4.3倍の1500億円を計上しているが、作業部会の方針通り北陸で2区間着工になれば、さらに予算の増額が必要になる。スーパー特急方式をフル規格に切り替えるなら、建設費が大幅にかさむのが避けられまい。
 もともと、整備新幹線として計画された5線全線をフル規格で建設するには、数兆円を要するとされ、当初から採算性に疑問が強かった。
 だが、政府・与党は一昨年、運輸省の「改善効果あり」との収支見通しを根拠に、東北、北陸、九州新幹線の未着工区間で同時着工を決めた。その際、公共事業による景気刺激が「錦の御旗」になったわけだ。
 実際には、在来線への影響を無視するなど甘い予測で、将来、膨大な借金が国と地方を縛り、新たな国民負担の元凶になりかねない。在来線と並行する形で新設するフル規格新幹線は、客を奪うなど在来線の存立を脅かす心配が強い。
 スーパー特急方式や、在来線にレールを加えて走らせる「ミニ新幹線」は、当初からの財政制約の中で新幹線を通す便法として生まれた。スーパー特急方式はフル規格ほどスピードは出ないが、建設費が少なくて早くつくれ、在来線とも共存できる。高齢化や過疎化が進む地域事情に適した知恵のはずだった。
 それらの経緯や財政事情を考えれば、作業部会の方針は景気対策に名を借りたあまりに露骨な大奮発だ。北陸新幹線の着工区間に森喜朗首相の地元を控えたのは、さすがに気が引けたのだろう。
 年明けに国土交通省が発足する今、鉄道だけでなく道路や航空などを含む交通体系と地域の将来展望を全国的な視野から見つめ直す好機でもあろう。整備新幹線を再考することもその一環といえる。急いで決めてしまう必要はない。(京都新聞)
■「12・12・12」お守り切符 近江鉄道 記念乗車券セットも
 「12・12・12」と「1」と「2」が交互に並ぶ「平成12年12月12日」にちなみ、近江鉄道(本社・彦根市)は12日、記念お守り切符と記念入場券・乗車券セットを発売する。
 お守り切符(1セット690円)は、八日市市小脇町の太郎坊宮で「いちに、いちに」と歩いて健康になってもらおうと、健康祈願したお守りに太郎坊宮前−多賀大社前間の記念切符を収めた。入場券・乗車券セット(430円)は、クリスマス記念列車の写真が付いた八日市駅記念入場券と八日市−桜川・武佐間の記念乗車券を、金色で竜の絵などを描いたカバーに入れた。
 各駅のほか、滋賀県内各地の近江鉄道旅行センターなどで販売する。通信販売も行っており、問い合わせは近江鉄道運輸課記念乗車券係 0749(22)3303へ。(京都新聞)
■「踊り子号」が11年ぶり復活 JR東京−伊東間
 茶色に銀色の帯がある電気機関車EF58型と、青色の14系客車を組み合わせた「踊り子号」が”復活”、9日、温泉客を乗せJR東京駅を伊東駅に向け出発した。
 懐かしい列車で温泉旅行を楽しんでもらおうとJR東日本が企画した。踊り子号は1981年のデビュー以来、通常はスマートな電車が運行しているが、時々電気機関車がけん引する列車が臨時として走っていた。復活は11年ぶり。
 EF58型は戦後復興期に活躍した電気機関車で、皇室の特別列車など年に数回使用されている。14系客車は急行列車用で、夜行などに使われていたが、現在は団体用の臨時列車としてだけ運行している。(京都新聞)
11日■「のぞみ」より早い 乗客1000万人達成 JR西・レールスター
 JR西日本が山陽新幹線で運行している「ひかリレールスター」の利用者が10日、1000万人の大台を突破し、博多駅(福岡市)などで記念式典が開かれた。
 レールスターは今年3月に運行を開始したばかり。わずか9ヵ月でのスピード達成は、同社の管内では「のぞみ」の1年2ヵ月よりも約5ヵ月早い。同社の安富徹鉄道本部副本部長は「大勢の方に利用していただき、1000万人を達成できた。博多駅という西の玄関口で式典を開けることをうれしく思う」とあいさつした。(京都新聞 夕刊)
12日■JR西日本 運賃表 100駅てで点字誤記 京都、宇治、南草津など
 JR西日本は11日、点字式運賃表の点字表記が100駅、149区間で誤っていた、と発表した。また、自動券売機の金額ボタンに張られている点字シールが28駅、51台の券売機で計194ヵ所間違っていることも分かった。これで先月17日以降明らかになった同社の誤表示は計326駅となった。
 点字表記の誤りで、正しい運賃より高かったのは65駅、82区間だった。また、16駅、28区間については、1997年4月以降に乗客らの指摘を受けすでに訂正していた。点字式運賃表の作成業者に渡した原稿のミスや業者の作業ミスが原因という。JR西日本は先月13日から運賃表を調べていたが、点字表記の調査に手間取っていた。
 京滋は、京都、宇治、西大路、六地蔵、祝園、上狛、玉水、加茂、河瓶、南草津の10駅で点字表記の誤りがあった。点字シールの間違いは、JR藤森、六地蔵、大津、膳所、安曇川の5駅で見つかった。(京都新聞)
■京都新世紀 醍醐 まちの独自性を模索 地下鉄東西線の六地蔵延伸に備え 観光、商業交通連携を
 面積17.91 平方`。人口5万4533人。宇治郡醍醐村だったが、伏見市や深草町など8市町村とともに1931年、京都市伏見区の一地域となった。70年代から住宅化が進み、ベッドタウンとなる。山科区や宇宇治市との結びつきが深い。
 「駅周辺に魅力あるものがなければ、まちはゴーストタウンになってしまう」。醍醐10校区自治町内会連絡協議会の村井信夫会長は心配の声を上げた。2004年秋に地下鉄東西線が宇治市の六地蔵まで延伸すると、地域の中心である醍醐駅が、現在のターミナル駅から通過駅になる。その影響で、まちの存在感が希薄になることを、住民のだれもが恐れている。
 醍醐地域は「区」ではない。だが、人口は約5万5000あり、中京区を超えている。伏見区の東端に位置するものの、桃山丘陵をはさんでいるため、住民に区民意識はあまり浸透しておらず、以前は分区論が市議会などで取り上げられた。
 伏見区の基本計画案は、地形、交通条件、隣接する区や他市との関係の深さによって、「生活連携圏」を定めているが、醍醐地域は「醍醐山科」圏に組み込まれてしまった。
●駅施設を核に
 まちづくりの目標は「周辺の自然環境と調和した『やすらぎ』と『ふれあい』で満たされたまち」。新世紀に、伏見でも山科でもない独自性を打ち出すには、「醍醐駅周辺を交流ゾーンと位置づけ、生活・交流機能の充実を図る」という重点施策を具体化するしかない。
 醍醐に住む伏見区地域女性連合会長の吉村陸子さん(66)は「地域の施設が発展してほしいと願っている。少々、不都合があっても、駅前で買い物をするようにしている」と言う。地域住民の思いはほぼ同じ。それだけに、駅周辺の開発に対する期待は大きかった。
 ところが、京都市が駅周辺で進める醍醐団地総合再生事業の中核複合商業施設「パセオダイゴロー」は、平和堂や公共施設などが入った西館が97年にオープンしたあと、六地蔵や山科に大型ショッピングセンターが次々と誕生したため、客離れが激しい。
 売り上げは年々、下降線をたどっている。運営主体である市の第三セクター「京都醍醐センター」は、東館建設の当初計画を断念、最終的に出店を申し出た平和堂に転貸することにした。
 現在、平和堂によって東館の工事が着々と進められており、同センターの北川育夫総務部長は「お客が分散し、競合しないような形で調整している。東館がにぎわえば効果があるのでは」と期待する。
 だが、西館の専門店室らでつくる「TIA専門店会」の役員を務める写真店経営、阿辻常民さん(66)の表情は厳しい。「東館ができたからといって、客が増えるとは思えない。むしろ専門店街は孤立するのではないだろうか」。不安が高まる。
●観光客増狙う
 基本計画案は、地域の課題を「観光客を多く誘致して、まちがにぎわうようにするべき」とした。醍醐駅がターミナル駅でなくなっても、人が集えば地域振興に結びつくからだ。
 97年、地下鉄東西線の開通を機に、地元企業や各種団体などが呼びかけ合って、醍醐観光協会を発足させた。醍醐の名を広くアピールすることで、観光客の増加を狙う。
 地域内には、世界遺産に登録されている醍醐寺をはじめ、法界寺、随心院など文化遺産も多い。手始めに、名所の案内板やマップづくりに取り組んだ。
 今年4月、醍醐寺で毎年行われる太閤花見行列で、地域の子どもたちが「花見踊り」を初めて披露した。見物客から「かわいい」と声が上がった。将来は地域の名物行事に発展するかもしれない。地域の「独自色」を打ち出す取り組みが輪を広げつつある。
 「観光、商業、交通網はまだうまく連携できていない。観光客が醍醐駅を拠点にして文化遺産を回ってもらえるような形を、地域一丸となってつくり出したい」。村井会長は力を込める。地域の模索が続く。(おわり)(京都新聞)
■「基金」で支払う意向 JR西修繕費 調停対象の数社が転換
 山陽新幹線トンネルで昨年コンクリート落下が相次いだことを受け、JR西日本が施工業者31社に修繕費の一部負担を求めている問題で、業者数社が修繕費としてではなく、事故防止のための研究組織の基金としてなら一部支払いに応じる意向であることが、11日わかった。JR側は事態打開のため今週中にも民事調停を申し立てる方針を示しているが、この数社は調停の対象企業。これまで態度を明確にしてこなかった業者が費目変更という前提なら支払うという姿勢に転じることで、両者の交渉は調停を機に大きく動き出す可能性も出てきた。
 JR西日本は今年9月、想定を超すコンクリートの劣化進行は、建設当時の施工不良に原因の一端があるとして31社に修繕費の一部、総額26億円の負担を求めた。業者側は15社が支払いに同意。請求金額の大きい16社は回答を保留しており、JR側は特に交渉が難航している数社について、民事調停の対象とする方針。
 この数社はJRとの対応で足並みをそろえる方向で、現時点でも、修繕費の負担には「施工ミスを認めることになる」として応じない構え。しかし交渉決裂は今後の関係上好ましくないと判断。今回、JR西日本が事故後の調査で得たコンクリートの劣化に関するデータを業者側と共有する▽JRが業者と研究会を設置するなど事故防止策を検討していく−を条件に、そのための基金的な形での支出には応じたいとして、民事調停の中で提案していくとみられる。
 ある業者は「新幹線建設は世紀の大事業で、意図的にずさんな工事をしたとは認められない」と説明。その上で「旧国鉄の施工管理のもとで工事を進めた経緯を踏まえ、JRの維持管理責任にも言及してほしい」としている。
 JR西日本はまず今週中に中堅ゼネコンの鉄建建設(本社・東京)に対し民事調停を申し立てる方針。業者側の意向について、あるJR幹部は「コンクリート劣化問題を当社のみの問題とせず、施工業者にも問題意識を持ってもらうことが先決」と話し、支払い根拠の変更や減額には柔軟に応じる考えを示している。
 ただJR内には研究会設置など新たな義務を負うことに消極的な意見もあり、調停の場での今後のJR側の対応いかんによっては、なお曲折もあり得る。(朝日新聞)
■計305駅の759区間に 管内の25%、運賃誤表示 JR西日本
 運賃表誤表示問題でJR西日本は11日、運賃表の点字部分も100駅149区間で間違っていたと発表した。重複駅・区間を除くと管内の24.8%にあたる305駅の運賃表の759区間で誤表示が見つかった計算になる。同社はこれを調査の最終結果としており、「今後は過払いした利用客に払い戻しなど誠意ある対応をしたい」という。
 点字のある運賃表はJR西日本管内に663駅あり、そのうち100駅149区間が間違っていた。点字式運賃表は金額を点字と活字で併記してあるが、54駅83区間で両方が誤っており、48駅66区間で点字のみが誤っていた。65駅82区間で運賃を取りすぎていたとみられる。最大の差額は京橋駅(大阪市城東区)の運賃表で、東寝屋川駅までを点字、活字とも正規より1330円高い1620円と表示していた。
 運賃表とは別に、自動券売機のボタンに添付してある金額を示す点字シールも、28駅51台の194ヵ所で間違っていた。
 問い合わせは、各駅の窓口やフリーダイヤル(0120・010963)で受け付けている。一連の運賃誤表示について、11日昼までに約2900件の問い合わせがあり、6人に計15万7520円を払い戻したという。(朝日新聞)
■東海道新幹線に遅れ
 東海道新幹線は岐岐阜、滋賀両県内での降雪のため12日始発から、上下線が時速170−230`で減速運転し、名古屋発博多行き下りのぞみ33号が12分遅れたのを最高に上下線が12−1分遅れた。
 東海道新幹線の雪による影響は今冬初。(京都新聞 夕刊)
■余部鉄橋で運転規制
 荒天による強風のため、JR山陰線余部鉄橋=兵庫県香住町=では11日夕から断続的に列車の運転を規制し、普通列車4本が部分運休したほか、出雲市発東京行きの上り寝台特急「出雲」が3時間遅れで運転された。(京都新聞 夕刊)
■大江戸線が全線開通
 1兆円を超える事業費が投じられた東京都営地下鉄「大江戸線」が12日、全線開通した。都心の地下を約29`にわたって環状に結んでいる。着工から完成まで14年に及び、新幹線のトンネルや高速道路の橋脚の間をすり抜ける難工事だった。都が予想する利用客は1日82万人。通勤時間の短縮や街の再整備などに期待が寄せられる一方、巨額の建設費返済という難題も抱えてのスタートとなる。
 大江戸線の環状部はJR山手線とほぼ同心円を描き、山手線内のほぼ全域が「駅から徒歩10分」になる。一方、都営バスの14路線が12日から廃止・短縮された。(朝日新聞)
■霧氷きらきら 六甲山はマイナス3.5度 滋賀で積雪、新幹線遅れ
 近畿地方は12日朝、この冬一番の寒気が入り込み、本格的な寒さになった。大阪市と神戸市で今シーズンの最低気温を記録したほか、滋賀県内などで初めて積雪し、交通機関に影響が出た。
 各地の最低気温は、大阪市で平年より1度余り低い3.7度▽神戸市1.9度▽京都市2.0度▽奈良市1.1度▽和歌山市4.5度など。
 大阪管区気象台によると、この寒さは13日いっぱい続きそうだという。
 雪の影響で東海道新幹線は始発から、下りが岐阜羽島−京都間、上りが京都−名古屋間で時速170`−230`に速度を落として運転。名古屋発博多行きの「のぞみ33号」が京都駅に12分遅れで到着するなど上下線4本に遅れが出た。
 また、日本道路交通情報センターによると、北陸道の木之本(滋賀県)−朝日(富山県)間がタイヤチェーン規制となったほか、米原−木之本間で50`の速度規制。名神高速道路でも、八日市−大垣間で50`の速度規制が敷かれた。
 神戸市灘区の六甲山付近では、この日朝、マイナス3.5度まで気温が下がり、この冬初めての霧氷を観測した。(朝日新聞 夕刊)
13日■特急から煙 湖西線乱れる
 12日午後4時40分ごろ、滋賀県高島郡新旭町のJR湖西線上り線を走行中の大阪行き特急スーパー雷鳥32号(10両編成)の8号車床下付近から煙が出ているのを、すれ違った下り特急の運転士が見つけ、新大阪総合指令室に連絡した。
 雷鳥32号は、点検のため近江舞子駅に臨時停車。乗客約260人は、同駅で後続の特急雷鳥34号に乗り換え、30分遅れで出発した。また、後続の普通電車1本が7分遅れた。
 JR西日本によると、事故当時、運転席の計器に異常の表示はなかった、という。同社は原因を詳しく調べている。(京都新聞)
■「12」並ぶ記念入場券 JR西日本が発売
 JR西日本は12日、12の数字が3つ並ぶ、平成12年12月12日を記念した台紙付き人場券(120円)を発売した。
 JR大阪駅では午前6時半ごろのピーク時に、みどりの窓口の前に約200人の列ができた。中には一昨日から発売日に備えて駅で待っていた客もいたという。同駅では3万枚を用意していたが、正午前に完売した。(京都新聞)
■台湾新幹線 日本企業が受注 「のぞみ」初輸出 2005年開業 3320億円で正式調印 世界最大規模
 台湾の台北−高雄間(345`)を約90分で結ぶ、台湾高速鉄道(台湾新幹線)に、日本の新幹線「700系のぞみ」が初めて輸出されることが12日、正式に決まった。三井物産、三菱重工業、川崎重工業、東芝など日本連合7社が設立した台湾新幹線株式会社(佐藤和夫社長)と、台湾高速鉄道公司(殷■(王へんに其)理事長)が同日、都内で輸出契約に正式調印した。2005年10月の開業を目指す。
 受注総額は950億台湾元(約3320億円)で、鉄道プロジェクトとしては世界最大規模。国際協力銀行などが約650億台湾元(約2200億円)を融資する予定。
 融資決定後、通産省に貿易保険(海外投資保険)適用を申請する見通しで、過去最大だったイラン・ジャパン石油化学(IJPC)の777億600万円を上回る保険規模になるとみられる。
 輸出するのは車両360両のほか、信号・通信設備、運行管理システムなど。メンテナンスや教育はJR東海と西日本が技術協力する。受注条件として要請されていた台湾高鉄への出資は、最終資本金1321億台湾元(約4500億円)の1割を日本企業で出資することで合意した。
 台湾新幹線は98年にフランス、ドイツの欧州連合が優先交渉権を獲得したあと、資金支援などを条件に日本が巻き返し、昨年12月に日本が優先交渉権を逆転取得。今年6月には基本条件合意で覚書を交わした。
・対日戦略の「置き土産」
 【台北12日共同】台湾高速鉄道(新幹線)プロジェクトで、優位に立っていた欧州勢を逆転、日本の新幹線輸出が初めて実現した背景には、日本との経済関係の緊密化によって、安全保障を含めた台湾の活路を見いだそうとする李登輝・前総統の戦略が影響力を発揮、21世紀の日台関係への「置き土産」の意味も強い。
 欧州勢は、一昨年の車両システム入札で優先交渉権を得たが、日本側はその直後から台湾当局や国民党と協力し巻き返しに出た。
 李氏は昨年出版した自著で、日本政府が積極姿勢を示せば「車両選定で政治的に考慮する」とまで示唆。資金面で問題を抱えていた事業主体の台湾高速鉄道公司に、国際協力銀行による公的融資を約束したことも、逆転のてことなった。
 李前総統の対日重視戦略は、昨年7月自ら提起した中台関係「二国論」に、中国、米国が反発、米中両大国の台湾への圧力が強まる中で、より重要性を増す。中国も反対できない日台経済関係を緊密にすることで、「中国の影におびえる」日本に対し、台湾の存在と台湾における日本の利益を自覚させられるという論理だ。
 こうした戦略論とは別に、一昨年のドイツ新幹線事故や、台湾中部地震の発生も台湾と地形が似た日本の技術への信頼感を高めたことは否定できない。
 一方、敗退した欧州勢は昨年、「合意違反」として台湾高鉄を相手に仮処分の申請をしたが却下。今後はシンガポールの商務仲裁裁判所に損害賠償請求訴訟を検討しているという。(京都新聞)
■車両故障で67本運休 早朝のJR木津駅
 13日午前5時ごろ、京都府相楽郡木津町木津、JR木津駅の学研都市線で車両故障が発生し、同5時36分同駅発新三田行き始発の普通電車が発車できなくなった。
 救援用車両で電車をホームから移動させ、約2時間15分後に運転を再開した。上下合わせて67本が運休、通勤客ら約4万7000人に影響が出た。電圧変換機の故障が原因とみられ、JR西日本で詳しく調べている。(京都新聞 夕刊)
■始発が故障 影響4万人 JR木津駅
 13日午前5時40分ごろ、京都府木津町木津のJR片町線木津駅構内で、始発の同駅発新三田駅行き下り普通列車=4両編成=が車両の故障で発車できなくなった。JR西日本は、同志社前駅(京都府京田辺市)からの運行に切り替え、木津駅−同志社前駅間をバスで振り替え輸送した。両駅間は午前7時40分ごろに運転を再開した。この列車を含む67本が運休し、4万7000人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
14日■10分1000円”特急散髪” JR、山科駅に理髪店 西日本で初
 JR西日本は15日、京都市山科区のJR山科駅に低料金の理髪店「QBハウスJR山科駅店」を開店する。理髪は短時間で行うのが特色で、電車の待ち合い客たちの利用を見込んでいる。理髪店営業は、JR西日本で初の試みになる。
 店舗は、山科駅改札口東側に設け、座席数は3席ある。カットのみで一律10分間、1000円で仕上げる。店頭には順番待ちの時間を表示する。営業は午前10時−午後8時で、1日に80人の利用を見込んでいる。
 理髪店は、理髪チェーン「キューピーネット」(東京都)と提携して子会社の「ジェイアール西日本デイリーサービスネット」(大阪市)が運営する。同社は「山科駅の利用状況をみて他の駅への拡大も検討していく」としている。(京都新聞)
■支社長ら45人新たに処分 運賃誤表示でJR西
 駅の運賃誤表示問題で、JR西日本は13日、運賃表の扱いが不適切だったとして、新たに京都、大阪の支社長や現場責任者ら45人の処分を発表した。
 同社は11月末、南谷昌二郎社長や誤表示に関係した歴代の営業部幹部ら25人を処分しており、この問題で社内処分を受けたのは70人となった。
 処分は、渡辺晃京都支社長と村上恒美大阪支社長を訓告。このほか、現場責任者として、複数の駅を統括する管理駅長や、地域ごとに業務運営上の責任を負う地域鉄道部長や鉄道部長など、計43人が訓告や厳重注意となった。
 訓告処分を受けたのは21人。乗客の指摘で1998年1月に全社的な訂正をしながら後で誤りが見つかったことや、11月下旬に最終チェックを指示したが京都と大阪の両支社で報告漏れがあったことなどが処分の理由という。(京都新聞)
■信号機が故障 乗客3000人影響 近鉄京都線宮津駅
 13日午前9時10分ごろ、京田辺市宮津灰崎の近鉄京都線・近鉄宮津駅構内で、下り線の信号機が赤信号の状態のまま変わらず、京都発西大寺行きの下り普通電車が同駅を発車できなくなり、駅のホームで立ち往生した。
 近鉄宮津駅では、信号機が故障した通過線の使用を見合わせ、停車線の使用にポイントを切り替え、約17分後に同電車を発車させた。信号機は約1時間15分後に復旧したが、上下計4本の普通電車が運休したほか、上下計23本の電車が3−17分遅れ約3000人が影響を受けた。同駅で故障の原因を調べている。(京都新聞)
■モー娘。ポスター 京阪で盗難相次ぐ
 京阪電鉄が運営する遊園地「ひらかたパーク」(大阪府枚方市)が開催する「モーニング娘。展」の宣伝用ポスターが、同電鉄の電車や各駅の掲示板から相次いで盗まれていることが、13日分かった。
 掲示した2000枚のうち約330枚が持ち去られる人気ぶりで増刷する騒ぎに。「譲ってほしい」との問い合わせも殺到したため、開催中に訪れる先着500人にプレゼントすることにした。
 同展は「モーニング娘。」の衣装の展示などを目玉に23日から元日まで。同電鉄は「予想以上のPR効果にびっくり」(総務部)という。(京都新聞)
■窓 整備新幹線で負担増やすな 南区・南 勝(会社員・49)
 政府与党は、建設の財源が少ないにもかかわらず、整備新幹線の北陸、九州ルートを含めた3区間を、東海道新幹線と同じフル規格で着工することを決めた。今回の3ルート着工を聞いて、また、公共工事に対しての政治家の無責任極まりない決定が行われたと痛感する。
 旧国鉄が破たんした一因は、当時の自民党の大物議員が、自分の政治力を誇示するために、採算がまったく取れないのを分かっていながら、選挙地盤に鉄道を引っぱってくるという「政治路線」が多くあったためであり、その悪夢が今また頭を持ち上げてきているように思える。今回の整備新幹線三ルートの着工は、政府与党が、来年の参院選挙を少しでも有利に戦おうともくろみ、建設財源もなく、開業しても採算が取れるか分からないまま決定した。
 このような鉄道建設を許しては、将来、その負担は国鉄同様に税金という形で国民一人ひとりに押しつけられるのは明白である。ましてや、今、日本の国家財政は破たん寸前であり、採算性に疑問のある整備新幹線を建設する余力はないはず。政府与党は整備新幹線の着工を中止し、財政の再建にまず取り組むべきである。(京都新聞)
■京都支社長ら45人を処分 JR西の誤表示問題
 運賃表誤表示問題で、JR西日本は13日、誤った金額が書かれた運賃表を掲示したなどとして、駅長ら現場責任者43人を訓告もしくは厳重注意とする処分を発表した。加えて、大阪支社長と京都支社長も訓告処分とした。同社は誤表示を公表せず隠ぺいしたなどとして、南谷昌二郎社長ら幹部25人を11月28日付ですでに処分している。誤表示問題での処分者は計70人になった。(朝日新聞)
■JR不採用問題 国労、二審も敗訴 東京高裁 政治解決もメド立たず
 国鉄の分割・民営化に伴う国労組合員のJR不採用問題をめぐり、JR各社が北海道と九州の組合員について採用選考をやり直すよう命じた中央労働委員会の救済命令取り消しを中労委に求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は14日、救済命令を取り消した一審東京地裁判決を支持し中労委側の控訴を棄却、再び国労側敗訴を言い渡した。
 判決理由で奥山興悦裁判長は「採用候補者の選定は国鉄の権限に属しJR側は選定を支配、決定する立場にない」と指摘。「国鉄に不当労働行為があったとしても、JR側が責任を負うことはない」と述べた。
 この問題で与党三党と社民党は今年5月、国労側がJRに法的責任がないと認めることを前提に解決へ向け再雇用の可能性を探るための協議開始で合意。国労などの申し立てを受けた国際労働機関(ILO)もJR、組合双方に4党合意の受け入れを要請した。
 しかし、国労側は合意受け入れをめぐって内部が対立して結論を出せず、政治解決のめども立っていない。国労は来年1月にも合意受け入れに向け、大会を開く予定。
 中労委は1987年のJR発足時、不採用となった国労組合員ら1047人の救済を命令。北海道と九州の国労組合員計942人については選考をやり直すよう命じ、JR北海道、九州、西日本、貨物の各社が命令取り消しを求め提訴。一審東京地裁は98年5月、救済命令を取り消し、中労委側が控訴した。
 本州の組合員9人の訴訟では、東京高裁が11月、一審に続き国労側敗訴を言い渡し、中労委側が上告している。
 JR北海道の栗原進総務部長の話 東京高裁でも、当社の主張してきた国鉄改革法の解釈が認められ、意義深いものと考えている。
 JR九州の渡辺晴一朗総務部長の話 判決は、国鉄改革法を正当に解釈すれば採用候補者名簿の作成は国鉄の権限と責任にゆだねられ、当社が責任を負う立場にないことを全面的に認めたもので意義がある。
 国労のコメント 判決は、JR各社の悪質な不当労働行為を免責しようとする不当なもので承服することはできない。
 中央労働委員会の話 判決文を読んでいないのでコメントは差し控えたい。上告するかどうかは慎重に検討して判断したい。(京都新聞 夕刊)
■「期限切れ…」もう勘違いしません 1年定期のデザイン変更 京都市バス 交換お願い
 京都市交通局は、市バスの1年定期券のデザインを、15日から変更する。有効期限の表示が1ヵ月や3ヵ月定期券などと区別しにくく、運転手が勘違いするケースが相次いだためで、すでに購入済みの人にも交換を呼びかける。
 市バス1年定期券は、高い値引率で固定客を増やすため、市交通局が今年11月に、大都市の公営バスでは初めて導入した。
 しかし、有効期限のうち「年」を示す文字の表記が小さいうえ、従来の1ヵ月定期券などと色やデザインが類似していたため、月日の表示だけを見た運転手が期限切れと勘違いする場合があり、乗客から「不正乗車扱いされた」という苦情が市交通局に寄せられていた。
 15日から発売する1年定期券は、年月日の部分を赤枠で囲み、ほかの定期と瞬時に見分けられるようにする。また、「年」の部分に1年おきに赤枠と黒枠を用い、区別しやすくする。
 これまで約600枚発売しているが、購入済みの利用者にも定期券発売所で無償で交換する。(京都新聞 夕刊)
■国労採用差別 北海道・九州 「JRには責任なし」 東京高裁 中労委の控訴棄却
 1987年4月の国鉄分割・民営化に伴って多くの国労組合員がJRへの採用を拒否されたことをめぐり、JR北海道、九州、貨物、西日本の各社が「組合差別による不当労働行為と認めて採用選考のやり直しなどを命じた中央労働委員会の判断は誤りだ」として中労委を相手に救済命令の取り消しを求めた「国労組合員採用差別・北海道訴訟」「九州訴訟」の控訴審判決が14日、東京高裁でそれぞれ言い渡された。奥山興悦裁判長は、命令を取り消した2つの一審・東京地裁判決を支持し、「国鉄に不当労働行為があったとしてもJRが責任を負うことはない」と述べて、中労委側の控訴をいずれも棄却した。
 同高裁では先月8日、別の裁判部が「本州訴訟」の控訴審判決で同様の判断により中労委側の主張を退けている。高裁段階で相次いだ司法判断は、今年5月に与党3党と社民党がまとめた政治的打開策(4党合意)の取り扱いに苦しむ国労にとって、司法の場での救済に期待を寄せることが極めて難しいことを改めて示したと言える。
 2つの訴訟では、国鉄がJRの設立委員の示した基準で職員を選んで採用者の名簿を作り、その中から設立委員がJRへの採用者を決めるという国鉄改革法の規定に照らして、採用差別があった場合にJRが「使用者」としての法的責任を負うかどうかが争点となっていた。
 奥山裁判長は両訴訟の判決で「名簿の作成はもっぱら国鉄の権限と責任にゆだねられたもので、国鉄の採用差別があったとしても責任は設立委員に帰属しない」と判断。さらに「国鉄とJRの間に不当労働行為の責任があることを肯定できるような同一性は認められない」と述べた。
 国労の話 国鉄改革法を形式的にとらえて国鉄とJRの連続的・一体的関係を無視した不当な判決で、ただちに上告する。
 中労委の話 判決を読んでいないので現時点でのコメントは控える。上告するかどうかは慎重に検討して判断したい。
 JR北海道の話 主張してきた国鉄改革法の解釈が東京高裁でも認められたことは誠に意義深い。
 JR九州の話 判決は当社が責任を負う立場にない旨を全面的に認めたものであり、地裁に続いて高裁でも明確な判断が示されたことは誠に意義あるものと考える。(朝日新聞 夕刊)
■摩耶ケーブル 来春から再開
 阪神大震災で被害を受け、休止状態だった神戸市灘区・摩耶山の摩耶ケーブルの運行が再開されることになり、14日、車両の搬入が始まった。兵庫県西宮市の工場から赤紫を基調とする車両1台が分割され、ふもと側の摩耶ケーブル駅のコンコースに運び込まれた。
 車両は、シートの張り替えなどの改修を受け、車体には神戸市立王子動物園にいるキリンやゾウたちが楽器を演奏する姿が新たに描かれた。19日に別の1台を搬入し、来年1月中旬に試験運転を始める。
 同ケーブルは、震災で駅舎が一部損壊し、線路が曲がるなどの被害を受けた。運営していた民間会社が資金難などで、復旧を断念。今年12月、同ケーブルと連絡するロープウエーを運営する神戸市都市整備公社に無償譲渡し、6月に復旧工事が始まった。来年3月中旬、ロープウエーとともに営業が再開される予定。(朝日新聞 夕刊)
■踏切で会社員はねられ死亡 堺、南海高野線
 14日午前7時25分ごろ、大阪府堺市向陵東町一丁の南海電鉄高野線三国ヶ丘二号踏切(遮断機、警報機付き)で、同市百舌鳥梅北町二丁、会社員本山千恵子さん(45)が、難波発河内長野行き下り普通電車(6両編成)にはねられ、全身を強く打って即死した。
 堺東署の調べでは、本山さんは出勤のため南海三国ヶ丘駅に向かう途中。上り電車が踏切を通過した後、遮断機をくぐって踏切を通り抜けようとしたらしい。(朝日新聞 夕刊)
■電車ドア故障 影響2100人 JR東西線加島駅
 14日午前8時20分ごろ、大阪市淀川区加島三丁目のJR東西線加島駅で、四条畷発宝塚行き下り普通電車(7両編成)が到着後、片側に計28枚あるドアがすべて開かなくなった。車掌らがバッテリーの再立ち上げなどの処置をしたが直らないため、乗客の乗降をあきらめ、12分遅れで発車。次の尼崎駅で駅員が手動でドアを開け、約200人の乗客を降ろした後、運転をうち切った。加島駅で降りる予定だった乗客約50人は、尼崎駅から上り電車で引き返した。
 このトラブルで上り快速電車1本が部分運休し、下りの快速と普通計5本が最高11分遅れ、通勤客ら約2100人が影響を受けた。JR西日本の調べでは、車掌室内のブレーカーが、何らかの理由で下りたため、ドアの開閉に使う空気弁が作動しなかったらしい。(朝日新聞 夕刊)
15日■スルッとKANSAI都カード 「21世紀の火」デザイン 京都市交通局 きょう発売
 大みそかの21世紀幕開け記念事業にちなんで、京都市交通局は15日から、五山の送り火などをデザインした「スルッとKANSAI都カード」を発売する。
 記念事業の一環として行われる五山の送り火や左京区広河原の松上げなど「21世紀の火」をモチーフにしたデザイン。1000円券から5000円券までの4種類を計3万枚、地下鉄各駅の券売機や市バス営業所などで発売する。
 「スルッとKANSAI都カード」は、関西の私鉄26社や公営交通を乗り継ぐことができる共通プリペイドカードで、市交通局が今年3月から発売している。(京都新聞)
■整備新幹線 予算を倍増 来年度、約750億円
 来年度当初予算案の整備新幹線の公共事業費(国費)は、今年度当初予算の2倍以上にあたる750億円前後で決着する見通しとなった。地元負担などを合わせた総事業費は2000億円以上となる方向だ。政府・与党でつくる整備新幹線検討委員会はすでに、北陸新幹線の上越(新潟県)−富山間、九州新幹線鹿児島ルートの全線について、東海道新幹線などと同じ標準型のフル規格で整備する方針を固めているが、そのための財源が確保されることになった。
 整備新幹線の建設費は、今年度当初予算では公共事業費(国費)で352億円、総事業費で1695億円を計上。しかし、来年度当初予算案に向けては、北陸新幹線に熱心な森喜朗首相や新幹線推進派の亀井静香・自民党政調会長の意向を背景に、運輸省は4.3倍にあたる1500億円(国費)を要求していた。
 当初は国費で1000億円程度の確保を目指したが、当初予算からの倍増にとどまった。それでも、北陸新幹線の上越−糸魚川(新潟県)間と新黒部(富山県)−富山間、九州新幹線鹿児島ルートの博多(福岡県)−船小屋(同)間の3区間をフル規格で新規着工できるメドがたつという。(朝日新聞)
■調停申し立て きょう期日 JR西、まず1社相手
 JR西日本が山陽新幹線の施工業者数社に修繕費の一部負担を求める民事調停の申し立てを検討している問題で、同社は14日、申し立ての期日を15日と発表した。相手業者は中堅ゼネコンの鉄建建設(本社・東京)1社で、ほかの業者に対しても近く同様の申し立てをする方針。業者側は支払いには応じる意向を見せ始めているが、支払いの根拠の変更や請求額の減額について調停で協議したいとしている。(朝日新聞)
■鉄建に調停申し立て JR西 修繕費1億2000万円請求
 JR西日本は15日、中堅ゼネコンの鉄建建設(本社・東京)に対し、山陽新幹線の修繕費の一部負担を求める民事調停を大阪簡裁に申し立てた。関係者によると、請求金額は約1億2000万円。近くほかの施工業者4、5社にも同様の民事調停を申し立てる。
 JR西日本は、山陽新幹線のトンネルや高架橋の想定を超す劣化の進行は施工不良に原因の一端があるとして、今年9月に施工業者31社に26億円の修繕費負担を求めていた。1社当たりの請求額は最大3億円としている。15日までに15社は支払いに合意したが、16社が回答を保留。民事調停の対象業者はそのうち特に交渉が難航している数社という。
 鉄建建設は昨年6月にコンクリート落下事故があった山陽新幹線福岡トンネルの当該個所を施工した。(朝日新聞 夕刊)
16日■愛称は「ゆめ咲線」 大阪・USJの桜島線
 JR西日本は15日、米国映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ、大阪市此花区)の来春開業に合わせ、同パークへの観光客輸送の中心になる「桜島線」の愛称を、来年3月1日から「JRゆめ咲線」に決定した。
 桜島線は大阪環状線の西九条駅から大阪湾近くの桜島駅までの約4.1`。途中に来年3月、USJの玄関口となるユニバーサルシティ駅が開業、大阪駅からの直通列車運行も始まる。親しみやすい愛称を公募し、全国から1万6000通以上の応募があった。(京都新聞)
■窓 席も譲らない京都に寂しさ 向日市・中西 卓郎(無職・70)
 先日、私は四条から地下鉄に乗った。かなり込んでいた。座って本を読んでいた若い外国人女性が席をつめてくれた。私は少し離れたところに立っていたおばあさんに席を譲った。彼女は意外そうな顔で礼を言い、恐縮しながら席に着いた。すると外国人女性はすっと立ち上がって、今度は私に席を譲ってくれたのである。私は彼女に礼を言ったが、彼女の厚意を素直に受け入れるのも心苦しく感じたので、一人おいた隣に立っていた初老の女性に、また席を譲った。
 つり革を持った外国人女性が私にほほ笑みかけてきた。私は重ねての親切に対し礼を言った。小柄な彼女は肩をすくませ、当たり前のことです、と笑った。彼女は英国から観光のため来日し、京都の秋を見に来たのだといい、今出川駅で降りた。小さく手を上げて彼女が下車した途端、老人や子ども連れの女性に席を譲りましょう、という車内放送が流れた。空疎だった。このやりとりの間も、若い男女が平然と座っていた。私は人間としての「心」の差を感じた。年末年始に京都を訪れる人は多いだろう。観光京都か…私は苦笑しながらつぶやいた。(京都新聞)
■声 整備新幹線は慎重な判断を フリーライター 野崎 弘(富山県魚津市 68歳)
 政府・与党の整備新幹線検討委員会は、8日の作業部会で、北陸新幹線の2区間を、東海道新幹線などと同じフル規格で新規着工する方針を決めた。同時に、在来線と新線を組み合わせ、建設費を圧縮するスーパー特急方式で着工済みの糸魚川−魚津間もフル規格に切り替えるという。
 私はこれまでも出版物などで整備新幹線には疑義を表明してきたが、採算性、費用対効果を考えない強引な政治手法に怒りすら覚える。
 フル規格となれば、スーパー特急方式に比べ、地元の負担も飛踏的に増える。さらに、在来線は第三セクター方式とされて本数が減ることになり、私の住む魚津市を含め、住民の便利な交通機関が奪われていく。
 決定は作業部会の段階だ。ここは整備新幹線に、一時期慎重だった宮沢蔵相の出番だろう。妥協して財政赤字を増やしてはならない。蔵相の識見に最後の望みを託したい。(朝日新聞)
18日■京福電車が正面衝突 福井 運転士死亡、乗客ら25人重軽傷 終着駅通過 ブレーキ故障か
 17日午後1時半ごろ、福井県松岡町志比堺の京福電鉄越前本線で、支線の永平寺発東古市行き電車が終着駅を通過して本線に進入、福井発勝山行き電車と正面衝突した。永平寺発電車の佐々木忠夫運転士(57)=同県永平寺町=が死亡した。また、福井発電車の見習いの橋本裕之運転士(39)が意識不明の重体となり、島田美孝運転士(46)も重傷。双方の乗客計32人のうち、金井博さん(85)=福井市二の宮=が重傷のほか計22人が軽傷を負った。
 京福電鉄は事故直前、佐々木運転士が指令室に「ブレーキ…」と異常を示唆する無線を入れていることや、同日夜の記者会見で会社側が「ブレーキ故障が原因」との見方を示していることなどから、老朽化した車両や台車のブレーキ系統が故障した可能性が強い。
 福井県警は捜査本部を設置、提出された無線の録音テープを分析するとともに、業務上過失致死傷の疑いで関係者から事情を聴いている。運輸省も現地に事故調査検討会委員を派遣、衝突部分や車輪を中心に調査した。京福電鉄は、調杏終了次第、車両を撤去、18日の始発までには復旧させる方針。
 現場は単線でいずれも1両編成。車掌はいなかった。衝突時、永平寺発電車が時速約20`、福井発電車が約60`だったという。指令室が赤信号を無視して本線に入ったのを確認、福井発電車に警告したが、間に合わなかった。途中駅に停車する際にブレーキの利きが悪かったとの乗客証言もある。
 永平寺発電車の台車は1928年製、車体も58年製造と老朽化が激しかった。県警などの調べでは、永平寺発電車が東古市に止まらず約1`福井方面にオーバーラン、ポイントを通過して入るべきでない越前本線に進入した。ポイントは電車が通過すれば自動的に変わる仕組み。
 同社によると京福電鉄が福井県内で所有する車両のうち列車自動停止装置(ATS)を配備しているのは30両中2両だけだという。3ヵ月に1回の点検では異常はなかった。
 永平寺線は主に曹洞宗大本山永平寺への参拝や観光客に利用されている。
・京の全車両 緊急点検へ
 福井県での列車衝突事故を受けて京福電鉄京都本社は17日、管轄する嵐山線と北野線の全29両について18日から3日間かけてブレーキ系統の緊急点検を行うことを決めた。
 京都本社によると、嵐山線と北野線では最も古い車両でも1971年製造で、福井本社管内のような古い車両は無いとしている。さらに数年前から順次、新造の車両を導入しているほか、老朽化した台車や車体も新型と取り換えているさなかという。また、29両中、28両には列車自動停止装置が設置されているという。
・京福電鉄 正式社名は京福電気鉄道。1942(昭和17)年、京都電灯会社から独立して設立。登記上の本社は京都市中京区壬生賀陽御所町。京都・嵐山線や比叡山ケーブルカー、福井県の越前本線、永平寺線、三国芦原線など計71.5`。越前線の一部は14(大正3)年、北陸地方初の電気鉄道として開通した。
・最近の主な列車事故
 国内で発生した最近の主な列車事故は次の通り。
199114信楽高原鉄道の貴生川−紫香楽宮跡(滋賀)で電車とJRの列車が正面衝突。42人死亡、527人負傷
9310 大阪ポートタウン線で列車が車止めに衝突。217人負傷
971012 JR中央線大月駅(山梨)で特急と回送列車が衝突。63人負傷傷
2000 営団地下鉄日比谷線中目黒駅(東京)近くで下り最後尾車両が脱線、上りと衝突。5人死亡、64人重軽傷
(京都新聞)
■悲鳴「止まらない」 京福衝突 大音響、砕けるガラス
 「おかしい。止まらない」「あっ、ぶつかる」。前方から別の電車が目の前に迫り車内は乗客らの悲鳴に包まれる。17日午後、福井県松岡町で発生した京福電鉄の正面衝突事故。大音響とともに座席の乗客らは床に放り出され、ガラスの破片が飛び散り、血を流している人も見られた。
 クリーム色にえんじ色のラインが入った2つの車体はいずれも運転席部分がつぶれ大破。助け出された乗客らは次々と病院に運ばれた。
 「荷物を持って(東古市駅で)降りる準備をしていたんですけど、何が起こったのかも分からなかった。気付いたら荷物がなくなっていてガラスの破片が飛び散っていた」
 永平寺に参拝した帰りで、終着の東古市駅で止まらず本線に進入した電車に乗り合わせた福井市の出口一美さん(58)は涙声で話す。
 出口さんは、衝突直前、運転席で手を必死に動かして何かをしている運転士の後ろ姿が見えたといい「何とか電車を止めようとしていたのではないか」と話す。
 一方、本線を走っていた勝山行き電車の乗客の会社員山崎有貴さん(27)=福井市=は「前を見ると電車が目の前に来ていて身構える時間もなかった。床に座り込んで動けないお年寄りもいた。運転士からの警告などはなかった」と語った。
 現場北側の線路沿いに住む会社員和田朋宏さん(36)は、自宅で家族とテレビを見ていて大音響と地響きに驚き、外に飛び出し目の当たりにした惨状に「小さいころから京福電鉄に乗っていたが、信じられない」。
 現場では日没後も、福井県警の捜査員ら約30人が車体をライトで照らし現場検証を続けた。
・京滋3人、軽いけが
 京福電鉄が17日まとめた事故の被害者名簿には京都府内の女性2人、大津市の1人が含まれていたが、いずれもけがは軽く、入院はしなかったという。
 友人の出産祝いに行く途中で事故にあった八幡市男山、岸本奈緒美さん(28)の自宅には、事故直後に本人から電話があった。電話を受けた母の網代さん(56)は、「足を少し打っただけなので安心して、と言っていましたが、ショックを受けていたのか、少し涙ぐんでいました」と話していた。
・72年前の老朽台車
 京福電鉄で衝突事故を起こした永平寺発東古市行き電車の車体を載せる台車は、同社で最も古く製造後72年も経過、車体も1958年製造と相当老朽化したものだった。同社は記者会見で「ブレーキの利き具合が事故原因」との見方を示しており、専門家は、老朽化した電車のブレーキ系統にトラブルがあった可能性を強く指摘している。
 京福電鉄によると、福井県内を走る同社保有の電車は計30両。台車は最新のものでも62年製造で、通常は台車にあるブレーキ本体は交換しないことになっている。同社幹部は「新しくするには金がかかる」と中小私鉄の窮状を訴える。
 京福電鉄は乗客数の伸び悩みから赤字に苦しみ、福井県が赤字補てんのために毎年3億円以上の補助金を出している。廃止も取りざたされ、同県の補助でかろうじて存続しているのが現状。運転士のミスを機械でカバーする列車自動停止装置(ATS)が設置されているのは99年と今年に導入された2両だけだった。
 電車のブレーキは車体側にあるシリンダーに空気を送り込んで台車にある8つの車輪を制御する方式。この方式は確実に電車を止めることができるが、現在の電車は自動車のエンジンブレーキのように、モーターで電車の動きを制御しながら低速になったら空気ブレーキを使用するのが主流になっているという。
 交通評論家の角本良平氏は「今回の事故は赤字で設備投資が十分にできず、老朽化した電車をそのまま使っていたのが背景にあるのでは」と話している。
・「あってはならぬ事故」 社長、頭を下げて謝罪
 福井県松岡町で起きた京福電鉄衝突事故で、同社は17日午後9時半、福井市内で記者会見し、石田栄一社長が「鉄道事業者としてあってはならない事故を起こし、おわび申し上げます」と頭を下げ、謝罪した。
 松井良介鉄道部長が事故の概要を説明、「ブレーキ故障としか考えられない」と明言した。しかし、午後6時からの最初の会見で会社側は「運転士からブレーキが利かない、と無線連絡があった」と説明したが、その際、記者団が問い詰めると最終的に「よく聞き取れなかった」と言い直すなど混乱ぶりも見せた。
 石田社長は終始うつむいたまま。しかし、車両の老朽化が事故の背景にあったのでは、との質問には「どこの社も古い車両を使っている。安全をおろそかにしたことは過去も現在もない」と強い口調で反論した。
 また列車自動停止装置(ATS)の配備遅れと同社の赤字路線問題との関連について小島幸雄専務は「(経営問題と)安全対策とは関係ない」と話した。
・京都本社でもあわただしく
 京都市中京区壬生の京福電鉄京都本社には、事故を知った総務部の社員ら約10人が、17日午後2時すぎから次々と出社。福井本社にあわただしく電話をかけ、事故の概要や負傷者の状況などの情報収集に追われた。
 同電鉄は1993年に京都と福井のダブル本社制とし、福井県内の営業は福井本社直轄としている。このため、同日夜に京都本社で事故の様子を説明した田中輝重取締役は、「福井から詳しい状況がなかなか入らない。最新情報はテレビで仕入れているほどだ」と、もどかしげだった。
 京都と福井は軌道の幅や車両の大きさが異なり、京都本社では福井の車両などを熟知していないため、事故原因は「詳しく分からない」としている。
・連続16年間 無事故で表彰 今年10月に
 正面衝突事故を起こした京福電鉄は今年10月、「16年間の無事故運転」で中部運輸局長から表彰されていたことが17日分かった。
 表彰は10月23日付で、その内容は「1984年9月5日から今年9月4日までの連続16年間(2145万`走行の間)、鉄道の責任事故が皆無であり、その運輸業務の成績もまた優良であった」とし、これは「平素から関係者全員が一致協力した結果」と評価している。
 越前本線では77年8月6日、勝山市で老朽レールの折損で2両編成の電車が脱線、転覆し乗客17人が重軽傷を負った事故があった。(京都新聞)
■電車同士が正面衝突 ブレーキ故障か 本線に1`進入 福井・京福電鉄 運転士が死亡
 17日午後1時半ごろ、福井県松岡町志比堺の京福電鉄越前本線東古市−志比堺駅間で、福井発勝山行き下り電車=嶋田美孝運転士(46)=と支線の永平寺線から進入してきた上り電車=佐々木忠夫運転士(57)=が単線の線路上で正面衝突した。佐々木運転士は全身を打ってまもなく死亡。下り電車に乗っていた見習運転士の橋本裕之さん(39)が重体となるなど双方の乗員・乗客計25人が重軽傷を負った。
 越前本線と永平寺線は事故現場東側の東古市駅で接続しており、同駅が終点だった上り電車が進入するはずのない越前本線に入ったため事故が起きたとみられる。福井県警捜査一課は、この電車のブレーキなどに異常があったとみて、松岡署に捜査本部を置き、業務上過失致死傷容疑で京福電鉄関係者から事情を聴いている。
 捜査本部の調べでは、上り電車は停車するはずだった東古市駅手前の諏訪間駅も通過したことが判明。乗客のなかに別の駅も通過したと証言した人もいることから、どの時点で異変があったのかを調べている。
 運輸省は同日、同省の鉄道事故調査検討会の委員や担当職員の計7人を現地に派遣し、中部運輸局(名古屋市)に対策本部を設置した。
 運行計画では、永平寺駅発の上り電車は、東古市駅に午後1時半に到着、同2時3分に永平寺駅に向かって折り返し運転する予定だった。しかし、そのまま本線に進入し、東古市駅から約1`西で逆方向から同駅に向かっていた下り電車と正面衝突した。上り電車は永平寺駅を同1時18分に出発、途中3駅で停車して東古市駅に到着予定だった。
 調べによると、乗客の証言から、東古市駅手前の諏訪間駅でも、同27分に停車せずに通過したことがわかった。3駅はいずれも駅員がいない無人駅で、複数の乗客が永平寺駅を出発して以降一度も停車していないと証言しているといい、捜査本部は出発直後から異常があった疑いもあるとみている。
 電車は双方とも1両で、あわせて3人の乗員と32人の乗客がいた。
 京福電鉄によると、佐々木運転士はブレーキの異変に気づき福井市内の鉄道部指令区に無線で連絡したという。指令区の社員によると、連絡があったのは計2回で、最初は言葉が聞き取れず、指令区から応答を呼び掛けたところ、ブレーキに異常が起きて停止できないことがわかったという。無線の内容はテープに録音されており、県警に提出された。
 上り電車は台車が1928年、車体が58年の製造で、同電鉄が所有する電車の中で最も古い。事故車両は双方とも16日午前に点検されたが、異常は見つからなかったという。
 越前本線は全長27.8`。永平寺線は同6.2`で、永平寺−東古市駅間を1日に上下三十数本がピストン運行している。永平寺線から直接、越前本線に乗り入れているのは午前中の上り電車1本だけ。京福電鉄は自動列車停止装置(ATS)を昨年度から導入し始めているが、事故現場周辺にはまだ設置されていなかったという。ただし、ブレーキ故障の場合はATSが作動しても事故を防げなかった可能性が高い。(朝日新聞)
■京福電鉄衝突 逃げ場なし 凍る乗客 本線進入回避できず
 「ブレーキが…」。運転士の悲痛な声が衝撃音にかき消された。17日午後、死者1人と重軽傷者25人を出した福井県松岡町の京福電鉄越前本線の正面衝突事故は、支線の電車のブレーキ故障が原因とみられている。始発の永平寺駅を出てまもなく、「ガタン」という音とともに電車は「暴走」を始め、途中の無人駅をすっ飛ばした。異変に気付いた乗客もいたが、逃げ場はなかった。山あいの集落を走る単線。ともに1両編成の電車には永平寺参りの乗客もいた。日曜日ののどかな風景は、雷が落ちたような大音響とともに暗転した。
・「えらいスピードやな」「危ない」「これで終わりだ」 大音響・黒鉛、ガラス降る
 支線の永平寺線と、越前本線の下り電車には計32人の乗客がいた。衝突の衝撃で残らず床に投げ出され、その上にガラスの破片が降ってきた。頭や腕から血を流している人や、床に倒れたまま「頭が痛い」とうめく人もいた。
 大阪府交野市の公務員坂井博子さん(40)は、友人と2人で永平寺を参拝した帰りだった。支線に乗って発車後まもなく、床下で「ガタン」と大きな音がして車体が振れた。ほぼ同時に電車の速度がどんどんと上がり始め、S字カーブも減速することなく過ぎていく。途中駅のほとんどを飛ばし、終点の東古市駅も通過したという。
 「えらいスピードやな」「大丈夫なん」。永平寺帰りの乗客はほかにもおり、関西弁のざわめきが聞こえた。前方の座席にいた乗客が後ろに移ってきた。そのうち運転席から「ピー」と警告音が鳴り、赤いランプがついた。乗客は不安げに運転席の方を見ていた。運転士が立ち上がり、しゃがみ込んだ瞬間、大きな衝撃で飛ばされた。
 坂井さんは窓を開けて外に出たが、飛び降りた際に右足首をひねった。左腕にも打撲傷を負った。「『後ろに避難してください』とかのアナウンスは何もなかった。運転士にも余裕がなかったのかも知れない」
 同じ車両にいた福井市の無職金井博さん(85)は、年末の墓参りから帰宅の途中だった。「そのうち止まると思っているうちに、前から電車が来るのが見えた」と語る。「どうしたらいいのか分からず、体が固まった」。手当てを受けた福井市内の病院でもまだぼうぜんとしていた。
 下り電車でも乗客は衝突の恐怖におののいた。
 右ひざなどに軽傷を負った勝山市の高校1年生、石橋麻希さん(16)はやや後ろよりの座席にいた。ソフトボール部の練習帰りだった。
 衝突の直前まで寝ていた石橋さんは、車内に響いた「危ない」という乗客の声で目が覚めた。驚いて電車の前の方を見ると、正面から電車が突っ込んでくるのが見えた。衝突後まもなく、車内に煙が立ちこめ始めた。携帯電話で救急車を呼ぶ乗客がいた。男子高校生がけがをした人に肩を貸す姿もあった。
 福井市の会社員山崎有貴さん(27)は「追ってくる電車を見たとき『これで終わりだ』と思った。ブレーキが利かないなんておかしい。もっときちんと検査してほしい」と話した。
・下りが来る「客危ない」 通過駅の助役
 事故当時、現場近くの東古市駅には前田敏雄助役(58)と駅員の2人がいた。この日は前田助役が責任者で、支線の電車の接近を知らせるブザーが鳴ったためホームに出た。ホームに乗客などはいなかった。そこに電車がブレーキをかけずに通過。「運転席にいる運転士の様子もわからないほどの速度だった」という。
 前田助役はあわてて鉄道部指令区に専用回線で連絡した。下り電車が来る時間だった。駅員を車で福井方面に走らせ、追いかけさせた。まもなく下り電車が来るはずだった。隣の志比堺駅は無人駅で、東古市駅にも無線など電車と直接交信する設備がなかった。「これでは衝突する。客の命が危ない」と背筋が寒くなったという。
 京福電鉄などによると、支線の電車が東古市駅に着く1、2分前に内容の分からない早口の無線が京福電鉄鉄道部指令区に入った。「何列車ですか」と問い返すと、「316号列車です。ブレーキが…」と佐々木忠夫運転士からの応答があったという。
 佐々木運転士が運び込まれた福井医科大学付属病院には、妻と3人の娘、親族らが駆けつけた。控室からはすすり泣く声が漏れた。京福電鉄の社員に遺族の一人が「納得できる説明を」と詰め寄った。
 妻の誠(せい)さん(52)はこの日朝も、みそ汁とご飯を食べた忠夫さんをふだん通り送り出した。「もう行くの」と声をかけると、「おう」という返事。これが最後の会話。「よく働き、やさしくて何にでも一生懸命だった。まだ信じられません」と話した。
 佐々木さんは、1964年に京福電鉄に入社。運転士見習をへて76年10月から運転士として勤務していた。95年3月に退社後、98年12月から同社嘱託として永平寺線の運転士をしていた。
・はしごかけて乗客運び出す 周辺住民
 衝突現場はほぼ直線の線路上で、山側が雑木林、一方が民家だった。
 買い物帰りの主婦山口和代さん(60)は「遮断機が上がったままの踏切を、電車が警笛も鳴らさずいきなり通過した。驚いているうちに、雷が落ちるような音がして、黒い煙が上がった」と話した。
 衝突現場の目の前に住む会社員和田朋宏さん(36)は「家でテレビを見ていると、ものすごい音とともに、地響きで家が揺れた」と語る。家からはしごを持ってきてドアに立てかけ、車内に座り込む乗客をおぶって運び出したという。
・圧縮空気管に異物? 京福電鉄 「検査時、異常なし」
 駅に止まるはずの電車が停止しなかった。京福電鉄はブレーキ故障の可能性を指摘したが、なぜこれほどの惨事を招いたのか。同社は「検査の際には異常はなかった」と繰り返すだけで、原因は不明のままだ。正面衝突の危険性のある本線への進入は防げなかったのか。二重の安全策はとられていなかったのか。疑問は尽きない。
●無線頼り
 京福電鉄によると、永平寺線には、電車の位置をボードで示す列車集中制御装置(CTC)がなく、事故を起こした列車が東古市までの各駅で正常に停車できていたかどうかは把握していないという。同線は、自動列車停止装置(ATS)を導入されておらず、電車の異常を知る手だては事実上、無線装置だけだった。今回、会社側は無線の交信はうまくいかなかったと説明しており、危機を回避する最後の手段すら機能しなかったことになる。
 永平寺線の運転士からの無線が指令区に届いたのは電車が東古市駅に入る前だった。しかし、指令区の係員が内容の確認に手間取っている間に、電車は同駅を通過し越前本線に進入してしまったという。指令区の係員はCTCのボードで本線への進入を知り、本線を走る下り電車の運転士に緊急停止するよう無線で告げたが、応答はなかった。
●停止不可能
 関係者の間では、ブレーキの制動に必要な圧縮空気を送る配管に異常があったとの見方もある。配管は通常鉄製で、ごくまれに内部のさびがはがれて詰まることがあるという。ブレーキ装置は車両ごとにあるため、複数の車両で編成されていれば、別の車両のブレーキで停止することは可能だ。しかし、今回は1両のみで、配管が詰まれば止まることは不可能だったとみられる。
 同社の説明によると、この電車にはふだん使用する常用ブレーキのほかに、非常時にかかる保安ブレーキも設置されている。ただ、保安ブレーキは踏切事故などの場合に衝撃を受けて作動する仕組みで、手動ではかけられないという。
●側線なし
 終点となる駅には一般的に、ブレーキが利かなくなるなど停止できなくなった場合に備えて、電車を避難させるための安全側線と車止めが設けられ、車両を同線に引き込むシステムが設けられている。ところが、東古市駅には安全側線がなく、止まらなくなった車両は本線に出てしまう構造になっていた。
 永平寺線と本線とのポイントを切り離し、連結させない方法も考えられるが、そうするとポイント部分で脱線する恐れがある。本線に出てしまったとき、正面衝突を回避するためにどういう対策を考えていたのか、同社は記者会見でも明確な回答をしなかった。
・「ローカル」補助不足
 信楽列車事故被害者弁護団団長で鉄道安全推進会議(TASK)副会長の国府泰道弁護士の話 信楽高原鉄道の事故から10年近くたつが、中小のローカル鉄道で事故が再発するのではと危ぶんでいた。運輸行政はこの間、旧国鉄の債務や労使関係の処理に追われて、古い車両や設備を使い続けるローカル鉄道に対して十分な補助をしてこなかったからだ。信楽の被害者らで民間のTASKをつくったが、航空機事故調査委員会のように法的権限を持つ公的調査機関が来年ようやく発足することになり、事故を安全対策に生かしていく点では改善が見込まれると思う。
・「心からおわび」 社長が会見
 京福電鉄の石田栄一社長は午後9時半、福井市内の同社福井鉄道部で記者会見した。石田社長は「あってはならない事故を引き起こしまして、まことに申し訳なく、心からおわびします。原因を徹底的に追及し、二度と事故を起こさないようにしたい」と述べ、頭を下げた。
・死亡・けがをした方々
 各病院に運ばれた死亡者・けが人は次の通り。(敬称略)
 【福井医科大付属病院】(福井県松岡町)
 死亡 佐々木忠夫(57)=福井県永平寺町谷口▽重体 橋本裕之(39)=福井市乾徳四丁目▽重傷 嶋田美孝(46)=同県勝山市鹿谷町保田
 【福井県立病院】(福井市)=いずれも軽傷
 川原洋子(67)=勝山市栄町一丁目▽木下ことゑ(61)=同市沢町一丁目▽山田うめ子(71)=同市旭町一丁目▽原田春枝(74)=福井市桃園一丁目▽三国一則(52)=兵庫県姫路市飾磨区阿成▽三国涼子(50)=同
 【福井総合病院】(同)=同 鵜飼悦子(76)=埼玉県所沢市北秋津▽鵜飼利江(50)=同▽坂井博子(40)=大阪府交野市郡津二丁目▽石橋麻希(16)=勝山市野向町聖丸▽塚本道子(29)=大阪府門真市大橋町
 【安川病院】(同)=同 石井染五郎(74)=福井県上志比村吉峰▽石井みつを(70)=同▽前田明子(35)=大津市神領三丁目▽出口一美(58)=福井市運動公園一丁目▽金井博(85)=同市二の宮三丁目▽楠木春美(34)=奈良市古市町▽塚原淳子(37)=京都市中京区壬生森前町
 【福井県済生会病院】(同)=同 河野明美(49)=福井県永平寺町花谷▽前田笑利(16)=同町谷口▽笠羽通央(17)=勝山市北郷町伊知地▽山崎有貴(27)=福井市城東四丁目▽岸本奈緒美(28)=京都府八幡市男山雄徳(朝日新聞)
■旅・趣味・遊び 自宅庭に鉄道”開業”ミニ電車走らせ人気
 「幅15インチ(381_)の実用軌道を個人が敷いたのは、恐らく日本でわたしが初めて」。大阪府豊能町に住む元エンジニアの持元節夫さん(72)は自宅敷地に線路を敷き、ミニ電車を走らせている。毎月試乗会も開催、架線も張った本格ぶりに鉄道ファンはもちろん、鉄道関係者も驚いている。
 持元さんは30年以上前から消えゆく蒸気機関車(SL)を8_で撮影したり、鉄道模型を作ったりしていた。1994年、電気関係の会社を定年退職したのを機に、本物の鉄道作りに取り組んだ。
 レールの専門店探しから始まった。自宅のスペースから軌間を15インチに決め、販売されているレールを半分に切断、長さ2.75bの直線の線路を敷いた。
 材木を切ってまくら木にしたり、鉄板を曲げたりと、大半はホームセンターなどで売られているものを使った。しかし手に入りにくい専門部品も多く、車輪は埼玉県川口市の鋳物工場が製作しているトロッコ用のものを利用。モーターは中古機械の専門店で見つけた。
 「一番苦労したのが、外壁沿いを一周させるため、線路にカーブを付けること。曲線レールは売っていないんですよ」。鉄道会社で使われている専用機械も入手できず、結局、油圧を使って金属を曲げる工具を自分で改良した。
 これまで手掛けた車両は、手押しのトロッコに始まり、電気機関車、電車、客車の計14両。すべて自作のため、総経費はレールや材料、工具を含め2、300万円に上るという。
 少しずつレールを延ばし、昨年夏、約200平方bの敷地を1周する全長45bの「桜谷軽便鉄道」を”開業”した。長男宏さん(42)も、インターネットのホームページを開設したり、乗車券を製作したりと”鉄道運営”に全面協力している。
 最高速度は時速約5`。電車は塀と自宅建物のすき間をゆっくりと走る。1周1分足らずの鉄道の旅だ。毎月第1日曜の試乗会には30−40人が訪れ、これまで300人以上が楽しんだという。
 試乗の申し込みや問い合わせはホームページで。アドレスは、http://www.ne.jp/asahi/garden/railway (朝日新聞)
■京福電鉄事故 ブレーキ装置を検証 福井県警 検査担当者ら聴取
 福井県の京福電鉄正面衝突事故で、同社は18日朝までに事故を起こした永平寺線と越前本線の車両を撤去、東古市駅の引き込み線上に移した。また、松岡署捜査本部は同日午前、事故現場を実況見分した。
 永平寺線の電車のブレーキに異常があったとの見方を強めており、車体や車体を載せる台車のブレーキ装置を中心に、午後から車両の検証を行うことにしている。
 また、事故車両が東古市駅のひとつ手前の永平寺線諏訪間駅を停車せずに通過したとの乗客の証言もあることから、捜査本部は走行中の早い段階からブレーキが故障した可能性もあるとみている。
 運輸省保安車両課と中部運輸局鉄道部も、永平寺線の電車が通過した東古市駅の駅員から構内の線路配線や信号操作盤の扱いなどについて事情を聴いた。
 同車両課などによると、18日朝までの調査で、ブレーキに異常が起きた可能性が指摘されている永平寺線車両の運転席にあるブレーキ弁は非常ブレーキの位置にあったが、車輪を抑えるブレーキパッドは開放状態で衝突しており、ブレーキはまったく利いていない状態だった。ただ、衝突のショックで開放された可能性もあるという。
・シリンダーが焦点 事故車両 1つで賄う 原因解明
 福井県の京福電鉄正面衝突事故で、同社職員の中から事故原因として、ブレーキの動力を作り出すシリンダー周辺のトラブルを指摘する声が出ている。福井県警が18日未明まで続けた実況見分も、シリンダー周辺を中心に行われ、この部分が事故原因解明の焦点となりそうだ。
 事故を起こした永平寺線の車両「251形」の床下中央に金属製で円筒形のシリンダーが取り付けられている。ここに圧縮空気を送り込むことでブレーキの動力を作り出す。動力はブレーキロッドという金属製の棒を通じて伝わり、車輪のブレーキを抑える仕組みになっている。
 「251形」には、8個の車輪それぞれにブレーキが付いているが、車輪を抑えるための動力はたった一つのシリンダーで賄っている。このため、シリンダーに穴が開いたり、シリンダーに直結しているブレーキロッドが折れた場合はすべての車輪のブレーキが利かなくなるという。
 シリンダーが1つしかない車両は同社の中でも最も旧式で、県内で使われている30両のうち14台がこのタイプ。新型のものは複数のシリンダーを持っていたり、電気ブレーキを併用したりして、安全性はシリンダーが一つだけのものより高いという。
・京都本社でも緊急点検
 京福電鉄京都本社(京都市中京区)は18日朝から、受け持ちの嵐山線と北野線の全27車両について、ブレーキ系統の緊急点検を始めた。
 今回の事故は、ブレーキ故障が原因と考えられている。この日は午前9時前から、中京区の京福電鉄西院車庫で、社員5人が運行中を除く12両を点検し、非常ブレーキのかかり具合や列車自動停止装置(ATS)の反応を念入りに調べた。運行中の車両は午後から点検する予定だ。
 太秦駅にいた右京区の主婦(57)は「走っていない電車から点検するのでは、お客様第一とは言えない」と話す。
 京福電鉄の松井久和技術課長は「今後同じような事故が起きないように、早急に点検をしっかりとしていきたい」としている。(京都新聞 夕刊)
■3区間の着工 午後正式決定 整備新幹線検討委
 政府・与党の整備新幹線検討委員会は18日午後、首相官邸で会合を開き、未着工区間の北陸新幹線上越(新潟)−糸魚川(同)、同新黒部(富山)−富山、九州新幹線博多(福岡)−船小屋(同)の3区間を、来年度から東海道新幹線などと同じ線路幅の「フル規格」で新規着工することを正式に決定する。
 また現在、スーパー特急方式で工事中の九州新幹線船小屋−西鹿児島もフル規格に切り替える。政府は来年度予算案に約750億円を計上する。(京都新聞 夕刊)
■震災支援のお礼バス走行 神戸で発車式
 阪神大震災で全国から受けた支援へのお礼を込めて来年、神戸市でさまざまな行事を行う「神戸 創世紀・復興記念事業」をPRする市バスが走ることになり、18日、神戸市役所前で発車式が行われた。
 同事業では神戸市とボランティアが連携、大震災丸6年の来年1月17日からコンサートなどのイベントを行う。
 バスは、黄色い車体に同事業のシンボルのひまわりと「KOBE 2001」のロゴがデザインされており、同事業事務局は「神戸に来た人がまず目にする市バスで感謝の気持ちを伝えたい」としている。
 バスは同事業が終わる来年9月30日まで、ボランティアが活躍した長田区などを走行する。(京都新聞 夕刊)
■ドア閉まらず運休 乗客1200人に影響 早朝のJR園部駅
 18日午前7時31分ごろ、京都府船井郡園部町のJR山陰線園部駅で、園部発京都行き電車(8両編成)の前の4両目までのドアが閉まらなくなり発車できず、運休するトラブルがあった。乗客約60人は後続の電車に乗り換えたが、ラッシュ時の約1200人に影響が出た。後続電車の遅れはなかった。JR西日本で原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■京福電鉄事故 ブレーキ故障と断定 県警調べ 非常用も作動せず
 福井県松岡町志比堺の京福電鉄越前本線で、電車2台が正面衝突し、運転士1人が死亡、乗員と乗客計25人が重軽傷を負った事故で、支線の永平寺線から暴走した上り電車の運転席のブレーキレバーは保安用(非常用)に切り替えられていたことが18日、福井県警の松岡署捜査本部などの調べでわかった。ブレーキ作動の形跡が車輪になかったことから、捜査本部は、上り電車が暴走した原因はブレーキの故障だったと断定。圧縮空気を送る配管などに異常があり、常用、非常用ともブレーキは作動しなかったのではないかとみて故障原因を調べている。
 調べによると、運転席のブレーキレバーは一つで常用と非常用の2系統を操作する仕組み。通常は常用ブレーキをかければ圧縮空気がシリンダーに送り込まれ、制動装置が働く仕組みになっていた。
 捜査本部が、暴走した上り電車の運転席を運輸省鉄道事故調査検討会の委員らとともに調べたところ、ブレーキレバーは非常用の位置に切り替えられており、死亡した佐々木忠夫運転士(57)が最初に常用ブレーキに異常を感じ、非常用を作動させようとした可能性が高いことがわかった。しかし、車輪に摩擦を加えて減速させるブレーキに作動した形跡がなかったことから、常用、非常用の2系統ともブレーキは作動しなかった疑いが強い、という。
 京福電鉄によると、圧縮空気の圧力が不足するなどして常用ブレーキが作動しなかった場合、運転士は非常用ブレーキに切り替え、別の配管で圧縮空気が切り替え弁を通じシリンダーに送り込まれる。配管は切り替え弁から先はシリンダーまで1本で、制動装置が作動して車輪を金属製パッドでおさえつけて減速させる仕組みだった、という。
 この台車は1928年に製造され、同社でも最も古い車両。通常はブレーキ系統に使われるシリンダーは車両ごとに4つあるが、この車両には1つしかなかった。京福電鉄福井鉄道部の客車30両のうち16両がこのタイプだという。
 ブレーキレバーが非常用に切り替えられていたにもかかわらず制動装置が作動した形跡がなかったことから捜査本部は、切り替え弁から先の配管やシリンダーなどに異常があった疑いが強いと判断。配管やシリンダーが破断したり目詰まりしたりする異常があったのではないかとみて、調べを進めている。また台車に老朽化があったかどうかも分析し、京福電鉄の検査体制も調べている。
 同社によると、3日に1度実施する「列車検査」では、常用ブレーキや非常用ブレーキ、シリンダーも検査の対象にしており、16日の点検でも異常は見つからなかったという。(朝日新聞 夕刊)
■「原因究明を」地元不安 京福電鉄事故 地域の足、大きな傷跡
 26人が死傷した京福電鉄越前本線の正面衝突事故から一夜明けた18日、運転席が押しつぶされた2両の車両は福井県松岡町の現場から近くの東古市駅に移され、運輸省と福井県警による本格的な原因究明が始まった。沿線の駅からは、通勤、通学の人らが行き交ういつもの朝の風景が消え、電鉄が用意した代替バスに乗り込む姿に変わった。山あいの集落と県都を結ぶ地域の足に残った大きな傷跡は、赤字経営に悩むローカル線の問題を浮き彫りにした。
●代替輸送
 正面衝突事故の現場から約1`離れた福井県永平寺町の京福電鉄東古市駅では18日朝、8人の駅員が利用者からの電話での問い合わせへの応対や代替輸送バスの利用客の案内にあたった。
 事故の影響で、京福電鉄は永平寺線と越前本線の勝山−松岡間が始発から運休。駅員は硬い表情でバスを停留所に誘導し、乗客らに行き先を尋ねて案内した。
 永平寺町の会社員半田長郎さん(65)は通勤で越前本線を利用する。「亡くなった運転士とは毎日駅であいさつを交わしていました。あんないい人が亡くなるなんて。今まで乗っていて不安に感じたことはなかった。はやく原因を究明して欲しい」と話した。
 同町の羽水高1年渡辺ゆきえさん(16)は「原因がわかるまで不安です。電車が早く動いて欲しい」と言う。
 永平寺線は大正時代に開通し、曹洞宗の大本山・永平寺への参拝客でかつてはにぎわった。開通以来75年で初の大事故に、東古市駅の近くに住む主婦(60)は「最近はずっと廃線が取りざたされてきましたが、地元住民には愛着があり、事故は非常に残念」と話した。
●実況見分
 事故現場では18日未明から、福井県警の実況見分が運輸省の鉄道事故調査検討会の委員らの立ち会いのもとで始まった。捜査員らは懐中電灯を持って車両の下に潜り込み、上り電車のブレーキ付近の写真を撮るなどして念入りに調べた。2両の電車は、運転席がぺしゃんこになり、衝撃のすさまじさを物語っていた。
 運輸省の委員らも衝突で出来た線路上の傷跡の位置などを投光器を当てて調べた。同省中部運輸局鉄道部の鈴木利一郎・調整官(53)は「京福電鉄の車両の検査方法についても事情を聴くことになるだろう」と話した。
 実況見分と並行して車両の撤去作業も夜を徹して進められた。
 事故車両を引き離すため、午前3時すぎには、2台の救援車両が用意された。事故車両を挟むようにそれぞれ連結させた後、綱引きをするように外側へ引っ張ったが、双方の車両の運転席部分の食い込みが激しく、動かなかった。その後、脱輪個所がある下り電車側をジャッキで持ち上げ、再度引っ張ったところ、午前4時ごろに「ギイ」という大きな音と共に2台の事故車両が離れた。午前8時ごろに現場から撤去され、東古市駅に運ばれた。
・採算にらむローカル線 安全投資に揺れる
 26人の死傷者を出した京福電鉄の事故を受け、各地の私鉄や第三セクターのローカル線では車両などの緊急点検を始めた。京福電鉄は経営難で安全対策への投資もままならない状況で、車両は老朽化し、現場付近に自動列車停止装置(ATS)はなかった。京福電鉄同様、赤字路線を抱える地方では、安全と採算のはざまで存廃が問われている。
 のと鉄道(石川県)は17日夕、事故原因がブレーキ故障との報道を受け、ブレーキ系統の再点検を始めた。北近畿タンゴ鉄道(京都府)も18日、保有車両の安全点検に乗り出した。一畑電鉄(松江市)は「事故を教訓に対策を講じたい」としている。
 1991年に起きた信楽高原鉄道(滋賀県)の事故以来、運輸省に鉄道事故の調査検討会が設置されるなど、鉄道事故の防止に向けた様々な取り組みが進められてきた。同社の井上春網社長は「事故を教訓に再発防止を願っていた。大変残念だ」と話した。
 事故を起こした京福電鉄の車両の台車部分は72年前に製造された。製造した日本車両製造(名古屋市)によると、現役で使われているケースは全国でもまれという。
 「動く電車の博物館」と呼ばれる広島電鉄(広島市)で最も古いのは40年製造。原爆で被災し、改修によって生き延びた車両も四両ある。同社は「入念に点検しており、安全性を重視している」と話す。
 古い車両を走らせて安全性は大丈夫か。専門家によると、新型車両と旧型車両では車体の強度やブレーキ力に違いがあるとされる。部品も古いだけに入念な点検も不可欠だ。
 ATSは67年に運輸省が設置基準を定めた通達を出して以降、国鉄(当時)や大手私鉄で設置が始まった。同省によると、全国の鉄道会社約190社のうち、ATSが配備されていないのは27社といい、京福電鉄もその中に入っていた。(朝日新聞 夕刊)
19日■京福電鉄事故 部品70年以上交換記録なし 福井県警 故障との関係注目
 死傷者26人を出した福井県松岡町の京福電鉄衝突事故で、事故を起こした永平寺駅発の車両のブレーキ「心臓部分」とも言えるブレーキシリンダーが、台車を製造した1928年以来、一度も交換されていなかった可能性の高いことが18日、明らかになったじ福井県警松岡署捜査本部はブレーキ故障と古いシリンダーとの関係に注目し、詳しい事故原因の究明を進めている。
 関係者によると、同社による事故車両の修繕記録には、シリンダーの交換について、記載がなかった。同車両の台車は1928年に製造。78年に常用ブレーキしか設置していなかった台車に非常用ブレーキを取り付けた以外は、大きな改修を受けた記録はないという。これまでの修繕作業は消耗部品の交換だけといい、またシリンダーを含めたブレーキの主要部品の多くは、製造以来のものを使用しているという。
 同社の技術担当者によると、シリンダーは激しく摩耗することはなく、十分な整備をすれば安全上問題ないとしているが、捜査本部は古いシリンダーに何らかの異常が発生した可能性もあるとみている。
 捜査本部や同電鉄によると、事故を起こした永平寺線の車両には手動と自動の2系統のブレーキがある。いずれも、台車下部にあるシリンダーに空気を送り込み、空気圧をピストンで8つの車輪のブレーキパッドに伝えて制御する仕組み。両系統とも1つのシリンダーを共有しており、シリンダーから空気漏れなどがあると、ブレーキは全く利かなくなる。(京都新聞)
■京福電鉄事故 無線で警報 相手停車せず ブレーキ故障はぼ断定
 福井県の京福電鉄正面衝突事故で、永平寺線の事故車両を運転し、死亡した佐々木忠夫運転士(57)が、事故の約5分前に異常を伝える無線の警報装置を作動させていたことが18日、松岡署捜査本部の調べで分かった。
 警報を受けると周辺の車両は停止する規則となっているが、衝突した越前本線の車両は止まっておらず、捜査本部はなぜ止まらなかったのか関係者から事情を聴く方針。
 捜査本部は永平寺線車両のブレーキの動力をつくり出すシリンダーの周辺にトラブルが発生し事故が起きたとの見方を強めており、ブレーキ故障があったとほぼ断定した。
 京福電鉄は越前本線の運転を18日午後5時10分に再開。永平寺線は復旧した。
 調べでは、永平寺線の事故車両は、警報を発すると無線で周囲を走っている車両に異常を知らせる仕組みになっており、実際、急停止した車両があった。しかし衝突した越前本線の車両は停止せずに走行を続けた。
 乗客の証言などから、永平寺線の事故車両は始発の永平寺駅を出た直後から金属が擦れる異常音が続いていたが、2駅後の京善駅までは正常に止まった。しかし京善駅を出た直後、横揺れなどの異常な状態が続き、佐々木運転士は17日午後1時25分ごろに警報を作動させ、続く2駅を停車せずに通過した。(京都新聞)
■安全再確認を運転士に指示 KTR
 京都府や沿線市町などが出資する第三セクター「北近畿タンゴ鉄道」の事業本部(KTR、宮津市)は18日、福井県での京福電鉄の事故をうけて、「安全点検をきっちりと行うように」と運転士らにあらためて注意を促した。
 同事業本部によると、同社所有の車両は34両あり、1995年度までにすべての車両に列車自動停止装置(ATS)を整備済み。今回の事故では老朽化した車両が問題となったが、KTRの車両は最も古いものでも12年前の製造。(京都新聞)
■3区間フル規格で着工決定 整備新幹線 12年後の完成目指す
 政府・与党の整備新幹線検討委員会は18日、未着工区間の北陸新幹線上越(新潟)−糸魚川(同)など3区間を、フル規格で新規着工することを正式に決定し、3区間の完成時期はおおむね12年後の2012年を目指すとした。
 このほかの区間については@東北新幹線盛岡−八戸(青森)が02年末A九州新幹線新八代(熊本)−西鹿児島が03年末の完成を提示。
 また東北新幹線八戸−新青森、北陸新幹線長野−富山、九州新幹線博多−新八代はそれぞれおおむね12年後の完成を掲げた。北海道新幹線や九州新幹線長崎ルートは引き続き環境影響評価を実施する。
 新幹線開業に伴い経営分離される並行在来線を引き続きJR貨物が利用する場合、線路使用料の引き上げに伴う財政支援措置を盛り込んだ。
 今回着工を見送った北陸新幹線の富山以西などの区間は、東北新幹線盛岡−八戸、九州新幹線新八代−西鹿児島の両区間が完成した後に検討委を再開し、あらためて既に着工している石動(富山)−金沢を含めて新規着工に向けた見直し作業を行うことにした。
 検討委終了後、記者会見した扇千景運輸相は「富山まで続くことで経済効果が上がる。(森喜朗首相の地元の金沢の扱いは)財源があればの話。いくら総理の地元といっても、どうにもならない」と話した。
・決定内容のポイント
 一、来年度から北陸新幹線の上越−糸魚川と同新黒部−富山、九州新幹線博多−船小屋の建設を新たに着手する。
 一、北陸新幹線上越−富山と九州新幹線博多−西鹿児島をスーパー特急方式からフル規格に切り替える。
 一、九州新幹線で分岐点となる新鳥栖駅の設置を認める。
 一、東北新幹線盛岡−八戸は2002年末の完成を目指す。
 一、九州新幹線新八代−西鹿児島は03年末の完成を目指す。
 一、東北新幹線八戸−新青森は今後おおむね12年後の完成を目指す。
 一、着工が見送られた北陸新幹線富山以西の区間などは、東北新幹線盛岡−八戸、九州新幹線新八代−西鹿児島の両区間の完成後に見直す。
 一、政府は来年度の予算案に整備新幹線関係の公共事業費750億円を計上する。(京都新聞)
■京都からもUSJ直行 25都府県43社 バス路線免許申請
 近畿運輸局は18日、来春開業する米国映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ・大阪市此花区)へのバス路線に関する免許の申請状況をまとめた。申請したのは43社、66系統で、25都府県の125都市がUSJと結ばれることになる。京滋からは3社が申請した。
 USJの年間来場者約800万人のうち、7%に当たる56万人がバスを利用すると見込まれている。近畿運輸局の試算によると、各地からのバスの運行回数は1日当たり計約250往復になる。来年2月に免許を出す予定。京滋は、京阪バスが「京阪三条駅」と「京都駅八条口」、京阪宇治交サービスが「宇治車庫」、近江鉄道が「彦根プリンス前」から、乗り合いバス運行を申請している。(京都新聞)
■京王電鉄 導入から10日 女性専用車両 年の瀬を快走 痴漢対策で運行 「安心」反応は上々 他社、予定なく気乗り薄
 「これより先は女性専用車両となります」。7日深夜、忘年会シーズンで混雑する新宿駅のホームに看板が掲げられた。10両編成の最後部の1両。「女子高みたい」(乗客)という独特の雰囲気の中、8日未明、第1号が走り始めた。
 初日の乗車率は約80%で、他の車両より幾分ゆったり。あるOL(27)は「アナウンスを聞いて乗りました。やっぱり女性だけだと安心ですね」と歓迎した。
 だが「『おまえなんか痴漢の方が遠慮する』と陰口をたたかれそうで乗りづらい」という女性会社員(37)も。事実、男性乗客の間では、専用車両に乗り込む女性を品定めするような下品な会話も交わされた。
●26年間前例も
 記念すべき第1号には中国の新華社なども含め取材陣約50人が殺到したが、取材が落ち着いた翌日には、発車直前に中年男性が間違えて乗車するハプニングも。この男性はきまり悪そうに次の駅で降りたという。
 「女性専用」には前例がある。交通博物館(東京都千代田区)によると、1947年から73年まで国鉄(当時)の中央線で朝のラッシュ時の快速電車に「婦人子供専用車」(1両)があった。「戦後の混乱期に、安全を確保するため始まったのではないか」という。
 京阪電鉄(大阪)は女子高生と児童の優先車両(2両)があるが、最近は成人男性も乗っている。
 だが、痴漢対策として専用車両を登場させたのは初の試み。京王電鉄への痴漢被害届は、98年度の276件から99年度には351件に増加。今年は4−9月だけで205件に上った。
 利用客男女各50人に実施した11月のアンケートでは、男性の54%、女性の52%が女性専用車両に賛成した。「男性側にも痴漢の誤解を受けなくて済むという声が結構ある」(京王電鉄)のだという。
 しかし試験運行が始まってから同社のホームページに寄せられた百件を超す意見を見ると、男性の9割は「女性だけなぜ特別扱いするのか」などと批判的。今後、乗客約300人にアンケートを実施、来年1月末までに意見を分析する。
●弱者専用こそ
 同じように痴漢問題に悩む他の鉄道各社だが、今のところ「京王の実験」に追随する動きはない。
 「痴漢被害は深刻な問題だが、朝夕の混雑した時間帯で実施すると、乗り降りの際の混乱が懸念される。利用者の意見も賛否両論あるし…」とJR東日本。
 営団地下鉄も「男女雇用機会均等法がある中で、逆差別にならないか」と冷ややかにみている。
 市民グループ「痴漢犯罪NO!・鉄道利用者の会」の石橋英子代表(48)は「今回の試みは評価しているが、男性対女性というとらえ方だと誤解を受ける。女性、お年寄り、子供のため、弱者優先車両を設けた方が多くの人の理解を得られる」と注文を付けている。(京都新聞)
■社説 地方鉄道の安全向上策が急務
 福井県の京福電鉄越前本線で起きた正面衝突事故は、地方鉄道の経営難を背景にした安全対策の遅れを浮き彫りにした。安全な運行がすべての基盤であることをあらためて肝に銘じる必要がある。京都にある路線でも安全確保をさらに徹底してもらいたい。
 皮肉なことに事故を起こした京福電鉄は今年10月、中部運輸局長から連続16年間にわたる鉄道の責任事故皆無の表彰を受けた。「平素から関係者全員が一致協力した結果」だという。
 その一端は最後まで電車を止めようと努力しながら事故死した運転士の姿に表れていよう。だが、安全対策をみれば、ブレーキ故障によると思われる車両暴走という重大事故が発生することは、ほとんど想定されていなかったと思わざるを得ない。
 万一の時、暴走車両を止める安全側線は以前から設置されていなかった。支線と本線とのポイントは、支線の電車がオーバーランしても、脱線防止のためにそのまま本線に進入できる仕組みで、衝突は防げなかった。
 暴走した車両は台車が1928年製という年代物で、ブレーキは実質的に1系統しかなく、故障すれば車両を自力では止めようがなかったようである。
 頼みの綱だった車両との無線交信は、3度試みられたが明確な意思疎通は図れず、ブレーキ故障であることを推測できたのは衝突直前であった。
 本来であれば故障や人為ミスが発生しても重大事故を防ぐ、多重の安全対策が講じられなければならない。しかし、故障は正面衝突に直結した。事故防止システムを今後どのように構築するのか、会社は明確にする責務がある。
 ただ、忘れてならないのは安全対策の遅れには経営難が大きな影を落としていることである。
 事故のあった越前本線の一部と支線は経営悪化が著しく、すでに1992年に会社は廃線の意向を表明している。存続を望む福井県と沿線町村は、年間約3億円の赤字を支援し、会社は来年3月までの運行を約束していた。県などは来年以降も存続の方針だが、第三セクター方式を望む会社と渋る自治体との話し合いは決着していない。
 将来見通しの不透明さが積極的な安全投資が行われない背景にある。存続を望む自治体側も利用住民の安全確保をどこまで重視し、そのための対策を具体化しようとしてきたのかが問われる。安全軽視の存続なぞ意味はないであろう。
 地方鉄道の赤字体質は福井県だけの問題ではない。全国的に路線廃止表明が相次いでいる。自治体がかかわる第三セクター鉄道もほとんどが赤字である。安全対策の充実が地方鉄道にとって大きな負担であることは否めない。
 国の基本方針は効率化が実現できない路線は廃止またはバス路線転換である。整備新幹線に巨額投資するのであれば、地域に不可欠で、住民の強い存続への意思がある地方鉄道に安全対策にさらなる国の支援があってもいいのではないか。効率一辺倒で地方の足は守れない。(京都新聞)
■京福電鉄事故 暴走は2駅手前から 乗客、2駅停車と証言
 福井県松岡町の京福電鉄越前本線で、支線の永平寺線から暴走して来た電車と本線の電車が正面衝突した事故で、同県警の松岡署捜査本部は、暴走した電車の乗客の証言から、永平寺線の電車は、諏訪間駅手前でブレーキに異常が発生し、諏訪間駅と、終点である次の東古市駅を通り過ぎ、2`から3.9`の距離を暴走したことを18日、つかんだ。捜査本部は、諏訪間駅手前でブレーキに異常が発生したとみて、暴走し始めたくわしい地点とブレーキの故障原因の特定を進めている。
 調べによると、暴走した上り電車は支線である永平寺線の永平寺−東古市駅間(全長6.2`)を往復運行し、この間市野々駅、京善駅、諏訪間駅(いずれも無人駅)の3駅それぞれに各駅停車した後、終点の東古市駅で折り返す予定だった。しかし、上り電車は東古市駅で止まらずに暴走し、進入するはずのない越前本線に入り、同駅に向かって来た本線の下り電車に正面衝突した。
 捜査本部が双方の乗客計32人らから事情を聴いたところ、上り電車に乗客14人と死亡した佐々木忠夫運転士(57)の計15人が、下り電車には乗客18人と乗員2人の計20人がそれぞれ乗っていたことが新たにわかった。
 事故の主因が上り電車のブレーキの故障と断定した捜査本部は、同電車の乗客14人の証言に重点を置き事情聴取。複数の乗客が途中3駅のうち2駅に停車したことを覚えていた。中には「2駅では停車し、次の駅を案内する車内アナウンスもあった。しかし、諏訪間駅は通過し、アナウンスもなかった」などと記憶が鮮明だった乗客もいた、という。
 14人はいずれも始発の永平寺駅で乗車、途中下車せずに終点の東古市駅で降車する予定だった。(朝日新聞)
■28時間ぶり運転を再開 京福電鉄越前本線
 京福電鉄は、福井県松岡町で起きた衝突事故のため不通になっていた越前本線松岡−勝山間の運行を18日午後5時すぎに再開、事故から約28時間ぶりに同線の全区間で運転が再開された。19日午前は、ブレーキ故障を起こした電車と同型式の車両の安全点検をするため、数本が運休するという。永平寺線については現場検証などのため、引き続きバスによる代行運転を続ける。(朝日新聞)
■同形式車両の運行停止指示 中部運輸局
 中部運輸局は18日、京福電鉄に対して事故車両と同じ形式の車両16両を運行から外すとともに、他の車両も含め全車両のブレーキなどを点検するよう指示した。運行から外されるのは、車体側のシリンダーに空気を送り込んで、車輪を止めるブレーキシステムが「ワンシリンダー」と呼ばれる形式になっている車両。通常のブレーキと非常用のブレーキが同じシリンダーを使っている。(朝日新聞)
■政府・与党委「北陸・九州フル規格」 整備新幹線 首相の七光 地元を優先 再三度外視
 整備新幹線の今後の建設方針を協議してきた政府・与党の検討委員会は、建設費を倍増し、北陸新幹線や九州新幹線鹿児島ルートを東海道新幹線並みのフル規格にするよう結論づけた。凍結と解除を繰り返し、在来線も併用したスーパー特急方式などで細々と建設を続けていた整備新幹線だが、このところの景気対策や、森喜朗首相、亀井静香・自民党政調会長ら推進派の応援により、存在感を増している。(有田 哲文)
 ●加速
 18日午後の検討委員会は、ほとんど議論もなく15分で終わった。宮沢喜一蔵相は記者団に「あれくらいの額なら出せる」とだけ述べた。
 これでも抑えた結論になったというのが、当事者たちの気持ちだ。そもそも政府・与党が検討委員会を設けた理由が、昨年末、当時自民党幹事長だった森首相が北陸新幹線全線のフル規格での一括着工を求めたことだったからだ。
 首相の意向は、地元世論をそのまま映している。建設費を安くあげるための「知恵」であるスーパー特急方式は、地元自治体からは相手にされず、着工した石動−金沢間でも「地権者が、スーパー特急なら土地を売らないと言っているらしい」といった話が運輸省に伝わってきた。「先人の知恵が通用しなくなってきた」と運輸省幹部。
 ●懸念
 14日の自民党交通部会。神奈川県選出の菅義偉氏らが、北陸新幹線などのフル規格化にかみついた。「行け行け、どんどん、でいいのか。費用対効果を地元にちゃんと説明しているのか」「ミニ新幹線の山形や秋田は、うまくいっているじゃないか」
 要望の通った地元にとっても問題は残る。建設費の地元負担だけでなく、新幹線開通に伴いJRから分離される並行在来線の経営が、自治体にのしかかる。
 分離されて特急列車を失う北陸線の経営について、自民党の橘康太郎・交通部会長に報告された二つの収支見通しがある。その一つ、JR西日本の試算は年間260億円の赤字だ。地元に押されてスーパー特急支持からフル規格容認に寝返ったJR西日本だが、「本当に経営は大丈夫ですか、という気持ちはある」(幹部)。一方、富山県の試算では年間赤字は33億円で、将来の見込み違いが懸念される。
 ●争奪
 「採算が悪いという批判は、いまの整備新幹線建設にはあたらない」。運輸省幹部がそう言う通り、公共事業と化した現在の整備新幹線建設には、採算性という考え方そのものが希薄だ。
 1996年に「第二の国鉄になる」として財投資金による建設をやめ、JRの負担も利益が出た範囲内での線路使用料にとどめたため、経営判断が働く余地は小さくなった。とすれば、限られた公共事業費のなかで、道路や農業土木、空港なども含めて何を優先するかという議論が求められるはずだが、出るのはあれも欲しいこれも欲しいという声はかりだ。
 整備新幹線への配分750億円は、いやも2兆を超える道路整備、1兆を超える農業農村整備に比べれは決して大きくはない。運輸省では「ゼネコン中心に建設する新幹線と違い、道路などは、地方議員が経営する中小建設業者にまで仕事が行き渡る。政治力の厚みが違う」(幹部)とのぼやきが聞こえる。
 予算編成を官邸主導で進める経済財政諮問会議が発足し、国土交通省もできる新体制では、そうした力比べとは別の議論が求められている。(朝日新聞)
■「運送会社側2300万円払え」 神戸電鉄脱線訴訟 神戸地裁
 神戸市北区の神戸電鉄有馬線で1998年2月、踏切内に脱輪して止まったトラックに電車が衝突して脱線し、乗客ら7人がけがをした事故で、トラックを運転していた男性(25)と男性の勤めていた大阪府茨木市の運送会社を相手取って、神戸電鉄が約4500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、神戸地裁であった。島田清次郎裁判長は「踏切進入の際、脱輪に注意を払わず、発炎筒などで事故を防ごうとしなかった」と過失の一部を認め、計約2300万円を男性と会社が連帯して払うよう命じた。(朝日新聞)
■USJへバス 66路線を申請 43社、近畿運輸局発表
 来春、大阪市此花区に開業する米国映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)への交通手段として、66にのぼるバス路線の免許申請が、近鉄バスや南海電鉄など43社から出されたと18日、近畿運輸局が発表した。来年2月に認可されれば、USJ開業に合わせて運行を始める見通し。主な路線は、上本町六丁目(大阪市天王寺区)−USJ間が1日14−19往復、JR三ノ宮駅−USJ間が1日15往復、関西空港−USJ間が1日12往復など。東京、仙台、広島、鹿児島とも1日1往復程度の便を設定するという。(朝日新聞)
■声 途中下車して安上がりの旅 主婦 大森 栄(大阪市 72歳)
 今月初め、大霜で穏やかな日よりの1日、仲間たち12人で「山背古道」の散策を楽しみました。
 まず大阪のJR天王寺駅で奈良までの切符を買って出発。奈良駅でいったん改札を出て、歩く起点となる山城多賀行きの切符を買い、奈良線に乗りました。どうしてこんなややこしいことをしたのかって? 天王寺−山城多賀の運賃は950円ですが、奈良で切符を買い直すと、450円プラス320円で770円となり、180円の安上がりとなるからです。
 道に埋め込まれた、地元の子供たちの手になる名前入りの「山マーク」の標識に導かれ、その日の最終日的の地蔵菩薩石像を拝顔して、木津駅から帰途につきました。木津−天王寺は740円。往路と同様に奈良で下車して切符を買い直せば、190円プラス450円の計640円で100円安く、往復で280円安上がりになります。
 最近、運賃表の間違い表示で世間を騒がせていますが、この際、買い直しで安くなる方の額に統一してはいかがでしょうか。キロ数が長くなるほど安くなるのが通例なのに、不思議でなりません。
 私たちは今回、回数券を利用したので、さらに1割弱の安上がりとなりました。(朝日新聞)
■ブレーキパッド開いたままに 京福事故で検証続行
 京福電鉄正面衝突事故で、福井県警松岡署の捜査本部は19日午前も引き続き事故車両を検証した。
 18日の検証では、東古市駅で止まらず事故を起こした永平寺線の車両のブレーキ弁が非常位置にあったのに、車輪を止めるブレーキパッドが開いたままになっており、ブレーキがまったく利いていなかったことが分かった。捜査本部はブレーキ動力を作り出す車両床下のシリンダーか、動力をブレーキパッドに伝えるブレーキロッドが何らかの原因で異常をきたしたとみて調べている。
 事故で死亡した佐々木忠夫運転士(57)が事故の直前に無線の警報装置を作動させたのに、相手車両は止まらず、衝突していることから、捜査本部は入院している相手車両の運転士の回復を待って事情を聴く方針。(京都新聞 夕刊)
■ブレーキロッド破断 京福事故 分解し原因究明
 福井県松岡町の京福電鉄越前本線で起きた電車同士による正面衝突事故で、暴走した電車のブレーキ部品のうち、シリンダーから圧縮空気の力を車輪に伝える金属の棒(ブレーキロッド)の一部が破断していたことが19日、同県警の松岡署捜査本部の調べでわかった。これまでの調べで、暴走はブレーキ故障によるものと断定されているが、部品の具体的異常が確認されたのは初めて。事態を重視した運輸省は京福電鉄に対し、同型のブレーキを備えた電車のロッド周辺を点検するよう指示した。
 調べによると、ブレーキロッドは、直径約3a、長さ約50a−約3bの金属棒で、それを何本も組み合わせ、接合部は関節のように動くようにしてある。車両床下にあり、運転士のレバー操作によって、シリンダーに送り込まれた圧縮空気の圧力をブレーキシューに伝え、車輪を挟み込んで止める仕組みだ。
 破断は、シリンダー寄りのブレーキロッドで見つかった。断面は強い張力が加わったように、ギザギザになっていた。電車の先頭部分は大破していたが、圧縮空気学ンリンダーに送り込む配管や、シリンターそのものに外見上の大きな傷は発見されなかった。破断したロッド周辺にも、衝突による大きな損傷は見られなかったという。
 捜査本部は今後、なぜロツドが破断したのかを特定するため、ロッドの断面やシリンダー内部を分解するなどして分析を進める。
 事故を起こした車体は1958年製造で、ブレーキの構造もシリンダーとロッドが1系統しかない「ワンシリンダー」と呼ばれる古い形式だった。このため、走行中に1ヵ所が壊れればブレーキの機能全体が失われる構造上の問題がある。(朝日新聞 夕刊)
20日■4台使用停止 京都市バス事故で 近畿運輸局が処分
 近畿運輸局は19日、今年9月に13歳の女性をバス車内に一晩置き去りにし、今月初めには不注意な発進で乗客に重傷を負わせた京都市バスを管理運営する市交通局に対し、バス4台を10日間にわたって使用停止とする行政処分を決定した。
 市バスは、9月6日に業務終了後の車内確認を怠ったため、女性をひと晩、入庫したバスの車内に置き去りにした。また12月3日には、乗客が降車途中に扉を開けたままバスを発進させて重傷を負わせた。
 近畿運輸局は、10月19日に市交通局を特別監査、さらに12月7日に関係者から事情聴取を行った結果、点呼が確実に実施されず乗務員への指導監督も不足していた、として処分に踏み切った。市バスは、昨年も同様の処分を受けている。近畿運輸局は「2年連続で処分を受けた例は過去にない」としている。
 市交通局の江草哲史局長は「厳粛に受け止め、二度とこのようなことが発生しないよう、安全輸送の確立に向けた取り組みと総点検を徹底する」と話した。車両の使用停止に伴うダイヤヘの影響はない見込み。(京都新聞)
■ブレーキロッド破断 長年の使用で亀裂拡大? 京福事故で運輸省発表
 京福電鉄正面衝突事故で運輸省中部運輸局は19日午後、福井県庁で記者会見し、事故を起こした永平寺線の車両床下にあるブレーキ制動力を車輪に伝えるブレーキロッドが破断していたことを発表した。
 同運輸局は破断でブレーキが利かなくなり事故につながったとみており、同日、京福電鉄に対し「公共交通機関としての社会的信頼を失墜させた」として、全車両の点検と事故の再発防止策を文書で報告するよう指示した。
 ロッドの破断面には、事故前から亀裂があったことを示す黒いさびのようなものがついていた。長年の使用で徐々に亀裂が拡大したとみられ、京福電鉄の検査体制が問われそうだ。
 同運輸局によると、破断したのは複数のブレーキロッドのうち、直径2.8a、長さ約3b20aの主ロッドと呼ばれる金属製の棒。
 事故車両の「251形」は圧縮空気をシリンダーに送り込むことで制動力を作り出す空気ブレーキを採用。複数のブレーキロッドで制動力を車輪に伝えている。(京都新聞)
■モー娘展ポスタープレゼント中止 京阪、代理店抗議で
 京阪電鉄は運営する遊園地「ひらかたパーク」(大阪府枚方市)が23日から元日まで開催する「モーニング娘。展」の宣伝用ポスターを、開催中に先着500人にプレゼントすると発表していたが、19日、急きょ中止を決めた。
 ポスターの版権を所有する代理店が「契約に入っていない」と抗議したため。同電鉄は「お騒がせして申し訳ありません」(総務部)と平謝りしている。(京都新聞)
■京都市バス 4台を使用停止 運輸局 不手際防げと命令
 障害を持つ女子生徒をバスの車内に一晩閉じこめるなど、京都市バスでミスや事故が相次いだことを受け、近畿運輸局は19日、市交通局に対して、市バス4台を10日間の使用停止とする命令を出した。同交通局では、昨年5月にも、居眠り運転が原因とみられる人身事故などをめぐり、車両の使用停止命令を受けている。
 同市バスでは、9月6日夜、北区の烏丸営業所で、営業を終えて車庫入りしたバスの車内に知的障害を持つ女子中学生(13)が残っていたのに、運転手が確認を怠ってかぎをかけ、生徒が翌朝まで閉じこめられた。また今月3日朝には、バスを降りようとした女性(83)がまだ降車ステップに立っていたのに、運転手がドアを開けたまま発車。女性は路上に転倒して右足を骨折する2ヵ月の大けがをした。
 同運輸局は今月7日まで同交通局の特別監査や事情聴取を実施。その結果、運行中の点呼が確実に実施されておらず、乗務員に対する指導、監督もなかったとして処分に踏み切った。
 江草哲史交通局長は「処分を厳粛に受け止め、二度とこのような事故を発生させないよう、事業全般の総点検を徹底して行う」とのコメントを出した。(朝日新聞)
■京福事故 ブレーキ棒が劣化 振動大きな型関係?
 福井県松岡町の京福電鉄越前本線で電車同士が正面衝突した事故で、暴走した電車のブレーキ部品のうち破断しているのが見つかった鉄製の棒(ブレーキロッド)は、内部に黒く変色した劣化部分があったことが19日、同県警の松岡署捜査本部と運輸省の調べでわかった。捜査本部は、京福電鉄が十分な点検をしていれば亀裂などの兆候を発見できた可能性があったとみて業務上過失致死傷容疑で点検作業の内容を調べている。また、暴走した電車はモーターの設置構造によって走行時の振動が大きい「つり掛け式」車両であることがわかり、捜査本部は振動がロッドの劣化を早めた疑いもあるとみている。
 調べによると、ロッドは、直径1.8a、長さ3.18 b。8つある車輪のうち後部4つとシリンダーを結ぶ「主ロッド」と呼ばれるブレーキ部品で、シリンダーから2.73bの位置で破断し、断面の中心部は黒く変色していた。同日午後に記者会見した運輸省中部運輸局は、小さな亀裂から酸化するなどして劣化し、強度が失われたとみている。ロッドはすべてのブレーキシューと連動しており、常用、非常用も含めてすべてのブレーキが利かなくなった、とみている。
 また、暴走した電車はモーターが車軸につり下げるように設置された「つり掛け式」と呼ばれる車両で、車軸にモーターの重量が直接かかって走行時の振動が大きくなる。乗り心地が悪くなるなどの欠点がある一方、構造が簡単なため古い電車に多く採用された。暴走した電車の台車は1928年製だった。近年は、大半が台車の上にモーターを載せた「台車装荷式」で振動が少なく高速運転が可能になるという。
 これらのことから捜査本部は、ロッドに生じた亀裂に振動が伝わり、内部の劣化が進み、走行中に破断が起きた疑いもあるとみて、点検に立ち会った社員らからさらに詳しく事情を聴く。破断面は県警科学捜査研究所と財団法人・鉄道総合技術研究所(JR総研)で鑑定する。
 運輸省は同日、全国の約200の鉄道事業者に対し、暴走した車両と同じシリンダーが一つのタイプの車両のブレーキ周辺部を重点的に緊急点検するよう指示した。また、同省は京福電鉄に対し「公共交通機関としての社会的信頼を失墜させ、誠に遺憾」とする中部運輸局長名の警告書を出した。(朝日新聞)
■架線ひっかけ 8本が運休 赤穂、JR山陽線
 19日午後2時50分ごろ、兵庫県赤穂市有年横尾のJR山陽線平田二踏切で、近くの土木請負業藤田組のクレーン車=松井里志運転手(68)=のクレーンが、下り線の架線をひっかけて架線の一部が垂れ下がった。この事故で、下りの網干−上郡間が一時不通となり、乗客はバスで代替輸送された。普通電車上下各4本が運休したほか、同電車計5本が2時間15分−24分遅れ、約4500人に影響した。(朝日新聞)
■踏切事故で男性が死亡 四条畷・JR片町線
 19日午後6時40分ごろ、大阪府四条畷市楠公二丁目、JR片町線の後戸川踏切(警報機、遮断機つき)で、線路にいた男性が木津発新三田行きの下り快速電車(7両編成、乗客約150人)にひかれ、即死した。この事故で、上下計5本が運休したほか、上下計9本に14−9分の遅れが出て、計約9500人に影響が出た。男性は20歳前後で四条畷署で身元を調べている。(朝日新聞)
■かわいくチョロQそろいぶみ 京など4都市バスセット
 京都市交通局は20日、大阪、神戸、名古屋の各市交通局と共同で、来年3月に発売する「市バスチョロQ4都市セット」の予約受け付けを開始した。各市のノンステップバスをモデルにしたミニカーが4台1組になっており、ファンの引き合いが殺到しそうだ。
 今年4月から発売され、爆発的な人気を呼んだ限定品の第3弾。高齢者にやさしい市バスをアピールするため、ノンステップバスをモデルに選んだ。1組2500円(税込み、送料別)で2万組用意する。往復はがきによる購入申し込みを1人1通だけ受け付ける。1人につき3組まで。
 締め切りは来年1月12日。多い場合は抽選。発送は来年3月下旬になる予定。問い合わせは京都市交通局「市バスチョロQ4都市セット」製作委員会 075(822)9140へ。(京都新聞 夕刊)
■2001年度予算 大蔵原案内示(抜粋)
・京都迎賓館に20億円 東西線延伸費、復活折衝へ
 20日内示された2001年度政府予算の大蔵原案に、総理府が京都御苑・饗宴場跡地(京都市上京区)に建設を進めている「京都迎賓館」について、建設事業費など20億8200万円(概算要求額21億7900万円)が盛り込まれた。京都市が要望していた地下鉄東西線延伸(二条−天神川間)事業費の予算計上は明示されず、復活折衝に持ち越された。
 京都迎賓館は、東京の赤坂迎賓館に次ぐ第二の迎賓施設で、2003年末の完成を目指している。
 内示の内訳は、建設工事費などに18億100万円、和風庭園や調度品の設計に8500万円、埋蔵文化財の整理に1億5700万円、環境調査などに3900万円となっている。
 建設工事費のうち10億2300万円は、森喜朗首相が来年度予算編成で設けた「日本新生特別枠」から充てた。大蔵省では「実質的には満額回答」(主計局)としている。
 一方、地下鉄東西線延伸に関する運輸省の地下高速鉄道整備事業費は、同線のほか京阪中之島新線、阪神西大阪線(ともに大阪市)、川崎縦貫高速鉄道線(川崎市)の4つの新規事業を含め、全国で604億円が計上されたが、内示で明示されたのは京阪、阪神の2線だけだった。(京都新聞 夕刊)
■京阪中之島新線と阪神西大阪線延伸 新規採択線に
 大阪市内の阪神西大阪線延伸と京阪中之島新線が、来年度予算の大蔵原案で新規採択路線に認められた。両路線は1989年の運輸政策審議会で2005年までの整備や着工が答申された。運輸省は今年に入り、第三セクターが主に公費で線路や駅などを建設し、民間の鉄道会社に貸し付ける「上下分離方式」の導入を決め、実現に向けて動き出した。2003年度にも着工し、2008年度の開業を目指す。(朝日新聞 夕刊)
■放射性同位元素「まいた」 JR高槻駅 男から事情聴く
 20日午前10時20分ごろ、大阪府高槻市のJR高槻駅コンコースで、男が液体をまいているのを駅員が見つけた。男は駅員らに「放射性同位元素をまいた」と話していることから、高槻署が液体を分析するとともに、「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」違反の疑いもあるとみて、男から事情を聴いている。駅の客らに被害はなかった。
 調べによると、現場には瓶が2本残っており、うち1本が割れた状態で、改札口付近で破片が散乱していた。いずれの瓶にもヨウ素125などと書かれたシールとともに、放射性同位元素を示すマークが付いていた。瓶の容量は20cc程度という。
 高槻署の調べに対し、男は高槻市紫町のJT医薬総合研究所の社員だと話し、「会社の冷蔵庫から1cc入りの瓶3本を持ち出し、うち1本の全部と、もう1本の半分をまいた」と供述しているという。
 高槻駅員から連絡を受けた同研究所からは、副所長が現場に駆けつけ、放射線測定器で放射線量などを測定したところ、人体に影響が出るような反応はなかったという。放射性同位元素がまかれた付近は、半径約3b程度にわたってロープが張られ、立ち入り禁止になっている。
 日本たばこ産業広報部(東京都)によると、20日午前11時ごろ、本社医薬事業部から「医薬総合研究所の社員がJR高槻駅で放射性物質のようなものをまいた」という情報が入った。広報部によると、同研究所は大阪府高槻市に1993年9月開所。社員は約430人で、糖尿病や高脂血症などの医薬品を研究開発している。(朝日新聞 夕刊)
21日■東西線(地下鉄)延伸費明治されず 京都高速道は満額(抜粋)
 来年度政府予算の大蔵原案が20日、内示された。京滋関係では、京都御苑内に建設する「京都迎賓館」の着工予算や、来年秋に大津市で開かれる世界湖沼会議の関連経費などが、ほぼ要求通り計上された。一方、京都市の地下鉄東西線延伸(二条−天神川間)の費用は明示されず、文部省が京都市北区に計画している「総合地球環境学研究所」(仮称)創設費も内示されず、復活折衝に持ち越された。(京都新聞)
■車体に恐竜デザイン USJへの桜島線
 JR西日本は20日、大阪市此花区に来春開業する米国映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)への観光輸送の中心になる桜島線(西九条−桜島)を走るシャトル便にジェラシックパークの恐竜などを描くと発表した。
 デザインは、4編成(各6両)ある列車ごとに異なり、アトラクションのメーンキャラクターや、子供に人気のウッドペッカー、施設内の街並みなど。
 新しいデザインの車両は来年1月下旬に完成次第、順次運行する予定。JR西日本は「楽しいデザインでUSJの雰囲気を盛り上げる一翼を担いたい」と話している。(京都新聞)
■京福電鉄ブレーキ棒破断 劣化、10年以上前から? 整備不備の疑い
 福井県松岡町の京福電鉄越前本線で電車同士が正面衝突した事故で、暴走した電車のブレーキ部品のうち破断した鉄製の棒(ブレーキロッド)は、10年以上前からロッド内部への腐食が始まった疑いがあることが20日、福井県警の松岡署捜査本部の調べで分かった。同本部は検査や整備の際、損傷を見過ごしたとみて、同日午後、福井市内の京福電鉄福井本社を家宅捜索し、押収した資料や作業担当者からの聴取をもとに捜査を進める方針だ。
 捜査本部によると、直径約3aのブレーキロッドの破断面は、周辺の一部分から徐々に染み込むような形で、全体の約4割にあたる部分が黒く変色していた。表面の傷や亀裂から少しずつ内部に腐食が進み、耐久性が低下、長年の振動や作業時の圧力が重なって破断に至ったとみられる。
 県警は同電鉄の検査、整備に問題があり、損傷に気づかなかったと判断。20日の捜索では、本社の総務部と鉄道部の技術課に入り、とくに技術課では約20人の捜査員が、部品管理記録や工程表、配置表など、点検、整備関連の書類を中心に押収した。
 京福電鉄によると、同社の検査は3日ごとの「列車検査」▽3ヵ月ごとの「月検査」▽4年ごとの「重要部検査」▽8年ごとの「全般検査」に分けて実施。それぞれ「車両整備心得」で作業項目を決めているが、列車検査は各部を目視し、他の検査はたたいた時の音で傷を確認する「打音検査」が中心。しかし打音検査は、心得で義務づけられておらず、担当者が代わるたびに口伝えで引き継いできたという。
 同社は整備担当の社員を約10年間に3−4割削減し、作業の一部を外部の専門業者に委託するなどしており、捜査本部は、社内の人員配置や要員計画などについても確認を進め、全社的な安全管理体制に問題がなかったかどうかを調べる。(朝日新聞)
■来年度予算 大蔵原案(抜粋)
・整備新幹線は倍増 公共事業
 災害復旧をのぞく一般公共事業費は、今年度並みの9兆4000億円。景気対策のために予備費3000億円も計上した。与党が主導した公共事業の見直しで、ダムなど272事業が中止になった。
 整備新幹線は750億円。前年度の2.1倍となる異例の増額だ。すでに着工している東北新幹線などの工事を急ぐほか、九州新幹線鹿児島ルートと北陸新幹線の3区間をフル規格で着工する。完成目標は、東北新幹線全線と鹿児島ルート全線をおおむね2012年、北陸新幹線長野−富山間を早ければ2012年とした。都市・幹線鉄道整備事業は18.7%減の669億円。ここで浮いた分は新幹線に回った。
 関西空港に2本目の滑走路をつくる2期工事は、384億円。事業費ベースでは1072億円で、要求から1割削って埋め立て工事を縮小した。2007年の開業を前提にするが、2期工事の範囲を見直し、北側誘導路や給油施設などを当面見合わせる。首都圏第三空港には調査費12億円が計上され、羽田空港の再拡張を新空港建設に優先して重点的に調査することが決まった。ただ、空港全体では4%減の1637億円となり、港湾も2%減らして3463億円。
 道路整備は、ガソリン税の増収などを背景に、1.4%増やして2兆5059億円。巨額の債務を抱える本州四国連絡橋公団に、道路特定財源から800億円を無利子で貸し付ける。一方、ダムなどをつくる治水は1.9%減の1兆1777億円。治山、海岸も減らした。
 農地の改良事業を行うための農業農村整備は、1兆765億円で1.5%減った。コメがあまり農家数が減るなかで農業土木への批判が高まり、ごくわずかだがメスが入った。(朝日新聞)
■電車運転室から煙 JR尼崎駅
 21日午前6時ごろ、兵庫県尼崎市のJR東海道線尼崎駅に到着した京都発加古川行き普通電車(7両編成)の運転士から、運転室内で煙が出たとの連絡が、JR西日本の新大阪総合指令室にあった。
 同電車が尼崎駅で運転を打ち切ったほか、後続など上下計7本が部分運休、下り2本が最高9分遅れ、約2500人に影響が出た。
 JR西日本によると、運転室から先頭車両の暖房装置に電力を供給する電気回路がショートしたという。(京都新聞 夕刊)
■JR西 3月期業績 上方修正 日本テレコム株売却
 JR西日本は20日、日本テレコム株売却に伴って2001年3月期の業績予想を上方修正した。連結ベースの売上高、経常利益は当初予想通り1兆1815億円、495億円だが、当期利益は日本テレコム株の譲渡益により当初予想の255億円が775億円になる見込み。(朝日新聞)
■京福電鉄事故 検査マニュアルなし 作業手順は現場の裁量
 京福電鉄正面衝突事故で、同社の車両検査の在り方が問題になっているが、具体的な検査方法を定めた作業マニュアルがなく、実際の検査の方法や手順は現場責任者の裁量に任されていたことが21日、分かった。
 制動力を車輪に伝えるブレーキロッドが破断し事故につながったとされているが、運輸省は「ハンマーでたたいて調べる『打音検査』をしていたなら、亀裂が入っていたのが事前に分かったはず」と指摘。金属の異常を音で確かめる打音検査を作業マニュアルに明記していれば事故が防げた可能性があるとの見方も示している。
 一方、松岡署捜査本部は同日、20日に引き続いて業務上過失致死傷などの疑いで福井市内の同社福井鉄道部を家宅捜索した。京福電鉄の松井良介福井鉄道部長によると、車両検査の点検項目については文書を作成し運輸省に提出しているが、各点検項目についての検査方法などを明記した文書はなく、歴代の現場責任者が口伝えに指導して引き継いでいたという。
 運輸省によると、作業マニュアルは事業者ごとに決めればよく、同省への提出義務はない。
 運輸省は表向き「マニュアルがないと作業が進まないので、常備しているのが常識」としているが「多かれ少なかれ中小私鉄には作業マニュアルがない」とする担当者もおり、あいまいな指導の実態が浮かび上がる。(京都新聞 夕刊)
■JT研究所を立ち入り検査 科技庁、放射性物質事件
 大阪府高槻市のJR高槻駅で起きた放射性物質ばらまき事件で、科学技術庁は21日、放射性物質が持ち出された日本たばこ産業(JT)医薬総合研究所(同市紫町)を放射線障害防止法に基づき立ち入り検査した。放射性物質をばらまいたとして、大阪府警に威力業務防害の疑いで逮捕された同研究所の男性研究員(40)が持ち出した放射性同位元素化合物の試薬の管理状況を中心に関係者から事情を聴き、薬品の帳簿など関係書類を調べる。検査はこの日だけの予定。(京都新聞 夕刊)
22日■地下鉄東西線西伸 夢の大動脈だが重い負担 750億円事業 避けられぬ赤字増 乗客増への取り組み課題
 来年度の政府予算案に、京都市の地下鉄東西線の西伸事業費が盛り込まれた。対象区間の二条−天神川間(約2.4`)はもとより、将来的に鉄路の整備が求められる洛西方面への延伸にも、弾みをつけたといえる。一方で、総建設費約750億円の大事業を新たに抱えることになり、ぜい弱な市財政と赤字に悩む市交通局の経営には、重い負担がのしかかる。
 東西線は、二条−醍醐間(12.7`)が1997年10月に開業。また、2004年の完成を目指して、醍醐−六地蔵(宇治市)間の延伸工事も進められており、南北方向に走る烏丸線とともに、市内交通の大動脈を形成している。
 ところが、都心の中京区にある二条駅以西は、89年の運輸政策審議会で、西大路までは「2005年までの整備が適当」、洛西までは「同年までの着手が適当」とされていたが、二条−醍醐間の建設費が膨張したこともあって、一時は実現を危ぶむ声もあった。
 しかし、運輸省が本年度予算の概算要求時に都市鉄道調査費に西伸区間を盛り込んだのを受けて、昨年11月に桝本頼兼市長が事業化する方針を打ち出し、事態は急展開した。
●全額が市債
 今年11月に発表された近畿運輸局の都市鉄道調査報告が、二条−洛西間(約10`)を「一定の採算が見込める路線」と位置づけたことも追い風となった。
 市は「西伸がなければ市内の東西交通軸は完結しない」(交通局)としていただけに、政府予算案での事業化決定の意義は大きい。
 だが、新路線が無償で敷設されるわけがない。
 概算の総建設費約750億円のうち、20%を占める市の一般会計出資金150億円は、全額が市債でまかなわれる。元利償還金の6割を国が交付税措置するものの、残る4割の60億円は、そのまま市の負担となる。
 ほかに、事業主体となる交通局への補助金が185億円も必要だ。こちらにも6割分の交付税措置が予定されているが、74億円は市が税金で支払う。事業規模がほぼ同じ醍醐−六地蔵間(約2.4`)は、宇治市域を500b通るため、京都府と宇治市から57億円の補助があった。それが、今回の二条−天神川間にはまったくない。
●財政を圧迫
 合計すると市一般会計からの持ち出しは300億円近くになる見通し。2005年度までの市の財政見通しでは、西伸事業による出費を織り込んだ結果、最大で530億円台の財源不足が生じる見込みとなった。税収の落ち込みが続く中、「景気回復がない限り、財政は危機的状況が続く」(理財局)という。
 また、交通局が企業債でまかなう費用も250億円にのぼる。99年度決算で1402億円に膨れ上がった地下鉄事業の累積赤字が、さらに拡大することは避けられない。しかし、既設の二条−醍醐間で起きた2倍近い建設費の膨張は絶対に繰り返してはならない。
 近畿運輸局の都市鉄道調査では、西伸区間の輸送人員を1日6万6000人と試算したうえで、京福電鉄嵐山線との接続や、休日の「嵐山・嵯俄野」観光に配慮した周辺整備を課題としてあげた。
 交通局は「費用が膨張しないよう、効率的に工事を進めることが課題。順調に借金を返すには、開業に照準を合わせて乗客増対策に取り組むことも欠かせない」としている。(京都新聞)
■行くよ「アトム」油断しないで 介助犬と電車試乗
 来春、全国で初めて障害者の自立を助ける介助犬と一緒に大学で学ぶことになる館林千賀子さん(21)=岐阜県川島町=が21日、介助犬「アトム」とともに、京田辺市の同志社大キャンパスへの通学時などに使う近鉄京都線で試験乗車をした。介助犬アトムは落ち着いた様子で館林さんをリードし、館林さんや関係者らをほっとさせていた。
 交通事故で頸椎を損傷した館林さんは、先月、同志社大文学部社会学科を受験し、見事合格した。来年4月から京田辺市のキャンパスに通うことが決まっている。今回は通学や日常生活などで電車を使うため、近鉄、京阪、阪急、京都市交通局の4社は合同で試験乗車を行うことにした。
 この日、試験乗車は京都駅−新田辺駅間で実施された。電鉄側は、アトムがパンを見せても食べないか、灰皿を落としてみて、その音に驚かないかなど10項目をチェックした。この結果、アトムは動じることなく館林さんの横でおとなしく待機していた。館林さんは「自分自身は緊張したが、アトムは最高の出来でした」と笑顔で話していた。試乗結果は各社が協議した後、1ヵ月後をめどに館林さんへ通知される。(京都新聞)
■京都市地下鉄 東西線西伸費が復活 大蔵折衝 来年度に事業着手
 京都市の地下鉄東西線の西伸計画で「二条−天神川間」(約2.4`)が21日、2001年度予算大蔵原案の復活折衝で新規採択され、事業着手が決まった。
 02年度に着工し、07年度の開業を目指す。京福電鉄嵐山線やバス路線との乗り継ぎで、京都市西部の新たな交通ネットワークが構築される。「地下高速鉄道整備事業費補助」の全国枠(609億9300万円)の中で認められた。京都市は初年度に行う環境影響評価や測量、実施設計への補助額として、6600万円を要求していた。
 市交通局の計画では、延伸ルートは二条駅から御池通の地下を通り、天神川を越えて京福電鉄嵐山線の蚕ノ社、山ノ内両駅間(右京区太秦下刑部町)に至る予定にしている。市は本年度中に、国土交通省(来年1月6日に発足)に鉄道事業許可を申請、来年度初めから事業着手する。完成までの総事業費として 745億円を見込んでいる。
・7年後開通目指す
 桝本頼兼京都市長の話 延伸によって西部地域の都市基盤整備が図れるとともに、天神川で京福電鉄嵐山線を結節し、交通の利便性を向上できる。さっそく手続きを進め、来年度当初に事業許可を受け、2007年度の開通を目指したい。(京都新聞)
■山陽新幹線 ガラス、3層とも破損 先月の運転席ひび入り事故 飛散防止へ対策
 岡山県備前市内の山陽新幹線下り線で今年11月、新大阪発博多行き「ひかり557号」(100系)運転席の窓ガラスにひびが入った事故は、3層構造のガラスがすべて損傷した同新幹線初のケースだったことが21日、JR西日本の調査で分かった。原因は不明だが、同社はガラス内側に飛散防止用のフィルムを張るなどの対策を講じる。
 100系の運転席窓ガラスは、外側から2層は普通ガラス、内側の1層は強化ガラス。厚さは計約1.8a。新型の500系や700系も同様の3層構造になっている。
 山陽新幹線では窓ガラスにひびが入る事故が相次いだが、ほとんどの場合は客車。運転席のひび割れは年間数件で、これまでは外側のガラスだけの損傷にとどまっていた。今回は貫通は免れたが、ガラス全体がクモの巣状に割れ、運転室内に破片が散乱していた。
 衝撃物は付近で発見できなかったが、ひびの部分に粉末状の付着物があった。ガラスメーカーで成分を分析したところ、主に酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化カリウムと判明。ガラス原料として使われる長石の組成とほぼ一致した。(京都新聞)
■50年の紙面からB 1970年11月4日 「四条ひろば」に20万人 「ホコ天」京にも 車ない開放感満喫
 車社会の到来で、すっかり車に占領されてしまったが、道はかつて、人が歩き、行き交い、子どもたちにとっては格好の遊び場でもあった。主役は人間だった。その道を、人の手に取り戻そうとする試みが歩行者天国、略して「ホコ天」。東京の銀座通などで始まると、またたく間に全国に広がった。
 京都でも1970(昭和45)年11月3日、四条通の烏丸−河原町間を歩行者に開放する「四条ひろば」が催され、20万人が車道を埋め尽くした。翌日の市民版は「市民の印象」と題して、訪れた人たちの声を集めている。
 「私の体がひとまわり大きくなったみたい」と車のいない開放感を満喫するOL。「これがホンマの人間回復というやつですな」と、感慨深げな男性など多くの人は歓迎ムードだが、「えらい減収」と嘆くタクシー運転手も。
 四条繁栄会商店街の高橋亮太郎理事長は当時、市の担当者と共に、スタッフの一人として開催準備に奔走した。「バスも市電もストップさせるだけに、バス会社や交通局を説得するのが大変やった」と懐かしむ。
 その後、「四条ひろば」は平安建都1200年を盛り上げるプレイベントとして、幾度か催されたが、今では四条通が歩行者天国になるのは、祇園祭のときだけだ。高橋理事長は「当時より車の数も増え、難しいだろうが、都市交通のあり方を考えるうえでは、面白い試みと思う」と話す。
 車を気にせず、排ガスもない。京のまちを楽しみながらのんびり歩く。毎日が「四条ひろば」のような、そんな仕掛けができないものか。(京都新聞)
■北陸新幹線フル規格「地元の努力にこたえて当然」首相、地方紙に
 森喜朗首相は21日、地元紙の北国新聞社のインタビューに答え、政府が北陸新幹線の上越−富山間をフル規格で着工すると決めたことについて「北陸新幹線は採算性が一番ある。整備新幹線はけしからんというターゲットになるのは公平ではない。地元の努力にこたえることは大事だ」と主張した。運輸省は当初、新規着工区間を上越−糸魚川間に限る考えだったが、石川県選出の首相の強い意向を踏まえ、着工区間を延ばしたとされる。
 首相は「整備新幹線の予算はよくやったと思っている。長野まで来た新幹線を北陸まで一日も早く来られるようにすることが目標だった。今度のことでおおむね10年でそこまで進んでいける」と評価。「福井は原発を抱えている。全体の国民の繁栄になるために、いくつかの苦しいことを背負っている。そういう所の皆さんの一番の念願は何であるのか。政府がこたえていくことはあって当然だ」として、調査費が計上されている福井駅までフル規格で延ばす考えも示した。
 「利益誘導」という批判に対しては「(建設費の中で)地方負担が3分の1もある。在来線にも制約をつけている。そういう難しいことまで全部やって受けていきましょうという地元のみなさんの努力にこたえていく」と反論した。(朝日新聞)
■長石当たった…鳥?花瓶?原因は不明 山陽新幹線 ガラス破損 JRが調査終える
 岡山県備前市を走行中の山陽新幹線運転席の窓ガラスが11月26日に突然割れた事故で、JR西日本は21日、「割れたガラスに付着した粉の成分が鉱物の一種の長石に極めてよく似ており、長石の塊が当たった可能性がある」という調査結果を発表した。架線やレール下に敷いた小石(バラスト)などの新幹線設備には同じ成分の物質はなく、外部から飛来したとみられる。ただ、同社は「今さら調べようがない」として、原因不明のまま調査を終える方針。
 事故では、運転席の窓ガラス(縦82a×横152a)全面にクモの巣状にひびが入り、破片が室内に飛び散った。窓ガラスは3層構造(厚さ18_)だが、東海道山陽新幹線で室内側のガラスまで割れたのは開業以来初だった。
 長石は鉱物の中で中間的な硬さをもち、ガラスや焼き物の原料に使われる。窓ガラスの右上隅に手のひら大の広さに物が当たった形跡があり、そこに一面に白い粉が付着しており、粉の分析を進めていた。
 JRによると、現場は高さ約10bの高架橋上で、付近は住宅と田畑が混在する地域。高架橋を見下ろすような高い建物はない。JRは地表から何者かが故意に石を投げて当てた可能性もあるが、高架橋上まで届かせるのは難しく、さらに時速200`を超す新幹線の窓ガラスに当たる確率は非常に低いとみている。
 調査の過程では、大型の鳥が石の塊をくわえて飛んでいて、落とした▽長石が原料の釉薬を使った陶磁器の花瓶などが投げ込まれた−などの可能性も指摘された。ただ、JRは「いずれも推測の域を出ず、現実的でもない」としている。事故当時、現場付近から飛来物の破片と見られるものは見つからなかった。岡山県警鉄道警察隊に調査結果を伝えたが、捜査依頼はしなかったという。今後の対策として、JR西日本は運転席窓ガラスに室内へのガラスの飛散を防ぐため内側からフィルムを張る予定。(朝日新聞)
■地球環境学研を創設 大蔵原案復活内示 京大内に仮設
 環境問題を扱う学際的な研究機関「総合地球環境学研究所」(仮称)が、来年度中に京都市に創設されることが21日、固まった。2001年度政府予算大蔵原案の復活折衝で内示された。地球温暖化問題や、開発と環境保護のバランスを取った持続可能な発展などをテーマに、全国の大学の共同利用機関として文部省が発足させる。
・地下鉄東西線 二条−天神川間延伸も新規採択
 同省の構想では北区の京大演習林上賀茂試験地の敷地内に、研究者60人を集めた研究交流センターと情報センターを整備する予定。来年度は、左京区の京大吉田キャンパス内に仮設の研究所を開設。研究活動を始めることになった。当面の定員や来年度の事業費は、22日に内示される予定。
 また、京都市営地下鉄東西線の二条駅−天神川駅間(仮称)の延伸も、新規事業として採択された。同市は、2007年度の開通を目指しており、来年度から実施設計に着手できる見通しになった。同市は、東西線の洛西地区への段階的な西伸を計画。まず天神川駅までの2.4`区間を整備する。(朝日新聞)
■九州の山地に神楽の里を訪ねて 神話の舞い、熱く激しく
・神秘的な景観が囲む アマテラスは小柄な少女
 白装束を身にまとい、荒ぶる形相の神の面を着けた男性が鈴を手に勇壮に舞った。横笛と和太鼓の単調なリズムで刻むおはやしのテンポが速まるにつれ、動きに陶酔したような熱気と、荒々しさが加わる。舞台と観客の興奮がやがて一体となり、明け方まで続く夜神楽はクライマックスを迎えた−。宮崎県北部、九州山地の高原に広がる神楽の里を訪ねた。
 日向灘に面した都市、延岡から地元第三セクターが経営する高千穂鉄道で、五ケ瀬川沿いに上流に向かった。切れ込みの深い峡谷の底を上り切ると、「天孫降臨」の神話の舞台、高千穂町に着いた。
 高峰に囲まれた明るく、清涼感のある台地にクス、ツバキ、ブナなど広葉樹が茂り、陽光を滑り返している。阿蘇山からの溶岩が覆う大地をほぼ垂直に刻み込んだ、高千穂峡などの渓谷では、滝と岩壁、深い緑色をたたえた水流が神秘的な景観を形作る。古代の神々が集うのにふさわしい土地柄であることを直感する。
 毎年、晩秋から冬にかけては、この地ゆかりの神話を舞う「夜神楽」でにぎわう季節となる。太陽の女神、アマテラスオオミカミが閉じこもってしまった「天の岩戸」をこじ開け、再び光をもたらした”世界の死と再生の物語”が、地元の人たちの仮面の舞いで演じられるのだ。
 ショー化された部分の少ない、古式ゆかしい神楽を、五ケ瀬町にあるホテル「やまめの里」の、かやぶき屋根の下で楽しんだ。毎年10月の満月の前夜、夜通し演じられてきた33番の演目のうち、ハイライトとなる部分を、地元保存会の人々が約1時間半にわたり舞う。
 ヤマメ、シカの肉、山菜の野趣豊かな料理と、竹筒で温められた「カッポ酒」を堪能した後に、舞台に目を向ける。周囲は川のせせらぎだけが響く、漆黒のやみ。厳粛さと祈り、笑いと娯楽が融合した芸能の源流、神楽の世界に浸った。
 演目の終盤、神々の知略で天の岩戸から再び姿を現したアマテラスオオミカミは、面を着けた小柄な少女だった。「冬には衰える太陽の力の再生を願って、未来のエネルギーを秘めた子供が舞うようになったようです」。神楽などを通じた町おこしのリーダーでもあるホテルの経営者、秋本治さんが熱心に説明する。
・ズラリと焼酎 「トンネル駅」
 高原の見どころは神話だけではない。高千穂町内を巡ると、旧国鉄の改革で幻の計画となった九州横断鉄道用に掘られたトンネルを使った、焼酎(しょうちゅう)貯蔵庫「トンネルの駅」が人気を集めていた。
 長さ約1100b。常時一定の温度と湿度が保たれ、洒類の熟成に最適な環境だという。内部に入ると、巨大なかしのたるが視線が届く限りの奥まで並んでいる。列車がごう音を上げて走るべきトンネルで、洒だるが静かに眠る。奇妙に神経をくすぐる光景だ。「高千穂は酒造りの町でもあります。ここで3年から10年は寝かせ、町を代表する銘酒を造りたい」。関係者は意気込んでいた。(京都新聞 夕刊)
23日■停車位置行き過ぎ JR、保津峡駅で
 22日午後5時35分ごろ、京都市西京区嵐山北松尾山のJR山陰本線保津峡駅で、園部発京都行き普通電車(4両、乗客約200人)が、停車位置を約200b行き過ぎて停車した。電車は通常の停車位置まで戻り、4分遅れで発車した。同駅での乗降客はなく、後続列車に影響はなかった。
 JR西日本は、運転士がブレーキをかけるタイミングを誤ったのが原因としている。(京都新聞)
■年末年始の指定席 予約は12%増に JR西日本福知山管内
 JR西日本福知山支社は22日、管内の年末年始の指定席の予約状況(21日現在)を発表した。今シーズンは、2000年間題による出控えが見られた昨シーズンに比べて12%増で、新世紀を古里で迎える人たちが増えそうだ。帰省のピークは30日の下りで、反対に上りは1月3日となる見込み。
 年末年始期間(28日−1月8日)の指定席は、平均で33%の予約があり、下りは30日(予約率44%)、上りは1月3日(同64%)に予約が集中している。
 列車別では、30日の城崎行き特急「きのさき1号」、3日の京都行き特急「タンゴディスカバリー2号」などがほぼ満席。ただしピークの日時を除けば、座席にまだ余裕があるという。(京都新聞)
■年末年始のJR西日本 3年ぶり予約増 ピークは30日と3日
 JR西日本は22日、年末年始(28日−1月8日)の新幹線と在来線の指定席予約状況を発表した。予約席数は3年ぶりに前年比で増加に転じた。関西から各地方への帰省のピークは30日、年明けのUターンのピークは3日となっている。
 21日現在の関西を中心とした期間中の予約席数は、前年比10%増の91万7000席、指定席の定員に対する予約率は3ポイント増の38%。帰省客が利用する下りは、30日がピークで予約率67%。29日も64%となっている。Uターン利用は、3日の予約率が最も高く76%で、4日が68%で続いている。
 予約席数が増加に転じたことについて、JR西日本は「コンピューターの誤作動が懸念された西暦2000年間題で前年に帰省を手控えた反動に加え、月曜日の1月8日が祝日で6日から3連休になったことも影響しているようだ」と話している。(京都新聞)
■生駒トンネル火災 会社役員の有罪確定 最高裁が上告棄却 「可能性予見できた」
 1987年9月、死者1人と負傷者43人を出した大阪府東大阪市の近鉄生駒トンネル火災で、工事の不備で出火を招いたとして業務上過失致死傷と業務上失火の罪に問われた電気設備工事会社役員、中谷利雄被告(59)=大阪府摂津市=について、最高裁第二小法廷(北川弘治裁判長)は22日までに、中谷被告の上告を棄却する決定をした。中谷被告は無罪を主張していたが、第二小法廷は「火災発生の可能性は予見できた」と述べた。これにより、一審の無罪判決を破棄し、禁固2年6ヵ月執行猶予5年とした二審・大阪高裁判決が確定する。
 第二小法廷は決定で「被告側主張は適法な上告理由にあたらない」としたうえで、電力ケーブル接続工事で、ケーブルに高電圧をかけることで発生する微弱電流を土中に逃がすアース用銅板を取り付けなかったことによる火災発生を中谷被告が予見できたかどうかを検討。「電流が本来流れるべきでない部分に長期間に流れ続けることで火災発生に至る可能性があることは予見できた」と結論づけた。
 火災は87年9月21日夕に発生し、停電となり、走行中の普通電車がトンネル中央付近で停車。約70人の乗客が避難中に煙に巻かれた。(朝日新聞)
■「劣化」長期に見過どしか 京福事故、特別監査へ
 福井県松岡町の京福電鉄越前本線で電車同士が正面衝突した事故で、破断したブレーキ部の鉄製の棒(ブレーキロッド)の劣化が、長期にわたり検査時に見過ごされてきた可能性があるとみて中部運輸局は22日、年明けにも鉄道事業法に基づく特別監査に踏み切り、担当者らから事情を聴く方針を囲めた。同電鉄では、車両の検査や整備の方法に明確な基準がなく、担当者らが口頭で作業内容を弓き継いできたとしている。(朝日新聞)
24日■新世紀の到来を電車で迎えよう 近江鉄道が記念列車
 近江鉄道(本社・彦根市)は12月31日深夜から来年1月1日にかけて、同鉄道の車内で21世紀を迎える記念列車「新世紀レインボートレイン」を運行する。
 記念列車は、同鉄道のオリジナル列車「あかね号」に電飾などを施す。八日市駅を大みそかの午後11時48分に出発して元日の午前零時8分、多賀大社駅に連絡する高宮駅に到着する。
 運行途中、車内放送で新年に向けてのカウントダウンをアナウンスし、高宮駅の手前の尼子駅−豊郷駅間で21世紀を迎える。運賃は通常通り。新年になった時点で車内の乗客に「特別記念乗車券」を贈る。問い合わせは同鉄道 0749(22)3303へ。(京都新聞)
■窓 洛西への鉄道乗り入れ切望 八幡市・松尾一郎(団体職員・60)
 京都市の地下鉄東西線の洛西ニュータウン乗り入れのめどが立っていない。理由は地下鉄二条駅から桂川の間が、幹線道路もなく用地確保が困難だからだ。
 洛西ニュータウンが開発され、最初の入居より、はや二十数年が経過し、人口も4万人を超え、大いなる陸の孤島である。
 唯一の公共交通機関である路線バスも、通勤時は道路渋滞で限界に達し、大量輸送・定時運転が確実にできる鉄道の乗り入れが切望される。
 そこで当面地下鉄が無理なら、洛西近郊を走っている阪急嵐山線を途中から分岐させ、地下鉄延長予定線をニュータウンまでに乗り入れてはどうか。幸い阪急嵐山線以西は比較的用地の確保が容易で、鉄道が早期に敷設できる。
 運営方式は将来の地下鉄乗り入れを考慮して、京都市と阪急電鉄などによる第三セクター方式をとるのも一方法であろう。開通後は京都市中心部へは桂駅乗り換えで行け、大阪への直通運転のメリットもある。
 阪急線と地下鉄東西線は、車両の規格の相違(阪急が大きい)があるが、工夫すれば地下鉄の乗り入れは技術的に可能と思う。(京都新聞)
25日■関空線が一時運転を中止 JR・南海、強風で
 25日午前10時20分ごろ、大阪府田尻町の関西空港駅に設置している風速計が毎秒26bの規制値に達したたため、関西空港連絡橋を走るJR関西空港線と南海空港線でそれぞれ関西空港−りんくうタウン間の運転を一時見合わせた。
 JR西日本は特急や快速を関西空港の対岸にあるりんくうタウン駅や手前の日根野駅で折り返し運転させ、関西空港−りんくうタウン間はバスで代替輸送した。(京都新聞 夕刊)
■関西空港線止まる
 関西空港と対岸を結ぶ関西空港連絡橋では、風速計が規制値(毎秒26b)を超えたため、25日午前10時20分から、JR関西空港線、南海空港線ともに運転を見合わせた。(朝日新聞 夕刊)
■進駐軍もビックリした? レリーフ大作「雄姿」 東京駅に30年ぶり
 終戦直後の東京駅で、進駐軍専用の待合室を飾っていた錦絵調のレリーフが、ほぼ30年ぶりに姿を現した。東海道の宿場町などを壁一面に描いていたが、度重なる駅舎の改造で鉄板に覆われ、駅員からも忘れ去られようとしていた。記録によれば、当時の若手彫刻家らが「敗戦国でも立派なものをつくれることを証明しよう」という心意気で取り組んだ作品。JR東日本は専門家に鑑定を依頼するとともに、一般公開も検討している。
 レリーフがあるのは、赤れんが駅舎で知られる東京駅丸の内駅舎内の事務室。86年の歴史を持つ駅舎には、狩野元信や横山大観の絵画が残されているが、今年9月下旬、ほかにも埋もれた文化財がないかどうか調査している際に見つかった。
 レリーフは壁の南面と東面に取り付けられており、高さ3.2b、総延長40bに及ぶ大作だ。東海道の松並木や鎌倉のやぶさめ、日光東照宮、錦帯橋(山口県岩国市)など、江戸期の旅の情景8ヵ所を描いている。
 石こう製だが、スポンジで保護されたうえ長く鉄板に覆われていたため、ひび割れもはとんどない。現在、全体の2割ほどが姿を現している。
 駅員らが駅の歴史を書いた様々な資料を調べたところ、1947年、進駐軍の専用施設が設けられた際に待合室を飾っていたものとわかった。
 建設命令を受けた当時の技師陣が「外国人の目を見張らせてやろう」と、要求にないレリーフをあえて制作したらしい。芸術院会員を務めた建築家、中村順平氏が原画の筆をとり、本郷新氏や田畑一作氏ら若手彫刻家6人が腕を振るったという。(朝日新聞 夕刊)
26日■雪と風 列島大荒れ
・新幹線が徐行運転
 東海道新幹線は25日、岐阜、滋賀両県内に降った雪のため同日午後6時55分から岐阜羽島−京都間の上下線で、170−230`の徐行運転をした。その後天候が回復したため、同日午後8時45分から徐行区間は岐阜羽島−米原間となったが、26日始発からも徐行運転をする見込み。
・強風やまず終日影響 JR関空線など
 25日午前10時20分ごろ、大阪府田尻町の関西空港駅に設置している風速計が毎秒26bの規制値に達したため、JR関西空港線と南海空港線で関西空港連絡橋(関西空港−りんくうタウン間)の運転を一時見合わせた。その後も断続的に風速が規制値を超え、同日午後6時40分まで運転再開と見合わせを繰り返し、部分運休も含め計160本が運休し、計約2万4200人に影響が出た。(京都新聞)
■ぼたん鍋味わおう KTRが参加者募集
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)と宮津市は、1月28日に行う企画ツアー「丹波篠山ぼたん鍋の旅」の参加者を受け付けている。
 KTRの利用促進運動として毎年続けている「宮津市民号」の一環。往復には「タンゴディスカバリー」を利用し、城下町の風情が残る兵庫県篠山市内を散策するほか、昼食時にぼたん鍋を食べる。
 定員は先着100人。参加料は大人9800円。問い合わせは北近畿タンゴ鉄道宮津旅行センター 0772(22)3308へ。(京都新聞)
■JR大阪駅 コンクリ片2個落下 公衆電話ひさし直撃 人通り多い通路
 25日午後2時半ごろ、大阪市北区梅田三丁目のJR大阪駅で、公衆電話のひさしの上などに、コンクリート片2個(計約1.3`)が落下しているのを近くにいた女性が見つけ、JR西日本大阪支社に連絡した。けが人はなかった。
 現場は同駅御堂筋口から阪急百貨店梅田本店に向かう通路部分。普段から通勤客や買い物客で人通りが多くなる場所で、けが人が出る恐れもあった。
 JR西日本によると、コンクリート片はJR大阪環状線の高架橋の橋げたの側面からはがれ落ち、約3.5b下の公衆電話を直撃したとみられる。
 厚さ2_のアクリル製のひさしには縦45a、横20aの穴が開き、縦10a、横25a、厚さ4.5a、重さ約1.2`のコンクリート片がひさしの上に乗り、さらに約0.1`の破片が通路に落ちていた。
 いずれもさびが付いており、発見場所の上部の橋げたの側面部はさびた鉄筋がむき出しになっていたことから、同社は鉄筋がさびて膨張し、コンクリートがはく離したとみている。
 コンクリート片がいつ落下したかは不明で、同社は26日朝から周辺個所を打音検査する。(京都新聞)
■京福電鉄事故 ブレーキロッド破断部分 3年前、交換の新品?
 京福電鉄正面衝突事故で、事故原因とされるブレーキロッドの破断部分は1997年に溶接して交換した新品の部品である可能性が高いことが25日までの同社の調査で判明した。同社は「すり減ったロッドを交換して溶接でつなぐのは一般的。破断した場所は溶接した部分から約30a離れている」との見解を示した。さらにその3年前の94年にもすり減った部分を切り取り、別の中古品に取り換えているという。
 運輸省によると、ブレーキロッドは長さ約3.2b、直径2.8aの金属棒。ブレーキ制動力を車輪に伝える役目をしており、今回、先端から45aの場所が破断しているのが見つかった。
 同省は、破断面の形状から、加工時の熱による組織変化や力の集中で強度が弱くなりやすい溶接部分に破断が起きたとみている。
 しかし、京福側は、ロッドの端はブレーキをかけるたびに摩耗するため、97年に端から約75aのところを切り取り、新品の部品を溶接して使ったとしている。新品が破断した可能性のあることについて同社は「ブレーキロッドが県警に押収されており、分からない」と話している。(京都新聞)
■強い寒気で山間部に雪 西日本
 この冬一番の強い寒気が流れ込んだ影響で25日、西日本の山間部を中心に積雪があった。東海道新幹線は滋賀、岐阜両県内の降雪により、上りの京都−名古屋駅間、下りの京都−岐阜羽島駅間でそれぞれ徐行運転をするなど、交通機関にも影響が出た。
 大阪管区気象台などによると、25日午後10時現在、広島県芸北町で17a、兵庫県村岡町で16a、同県豊岡市で10a、滋賀県余呉町で8a、岡山県新見市で6aの積雪があった。(朝日新聞)
■関西空港線 JRと南海 160本が運休
 強風のため、関西空港連絡橋(関西空港−りんくうタウン間)で運転を見合わせていたJR関西空港線と南海空港線は25日午後6時45分ごろ、運転を再開した。JRと南海あわせ上下線計160本が運休し、約2万4200人に影響が出た。(朝日新聞)
■京福電鉄事故 破断ブレーキ棒 JR西の子会社が作製 3部品溶接「問題ない」
 福井県松岡町の京福電鉄越前本線で電車同士が正面衝突した事故で、暴走した車両の破断したブレーキ部の鉄製の棒(ブレーキロッド)は1997年10月、法律に基づいた検査の際、検査を請け負ったJR西日本の子会社「ジェイアール西日本テクノス」(本社・大阪市)が3つの部品を溶接して作製していたことが、26日までの県警捜査本部などの調べで分かった。部品は京福電鉄が調達した。捜査本部は破断したロッドの作製過程や部品の品質が、破断の原因と関係あるのではないかとみて調べている。
 鉄道営業法は車両の「重要部検査」を4年ごとに義務づけている。暴走した車両は97年10月、テクノス社金沢支店(石川県松任市)が請け負ってブレーキや台車、モーターなどを分解、検査した。
 詳細な記録がないため、京福電鉄がテクノス社に確認した。97年の検査時、老朽化が確認されたためにテクノス社が同電鉄側に指示し、3つの部品を調達させたことが分かった。
 調べによると、ロッドは長さ約3.2b、「U字」型の両端とそれをつなぐ直径約3aの棒部分の3つの部品でできている。テクノス社が溶接で接合し、1本のロッドを仕上げて取り換えた。
 捜査本部などによると、京福電鉄はこれまで部品を取り換える際、中古を使い回しているケースがあったという。破断したロッドは内部が腐食しており、取り換えた段階ですでに劣化していた疑いもあるとみて、調達先などを調べる。またテクノス社の作業に問題がなかったか、関係者から事情を聴いている。
 テクノス社幹部は「部品を調達したのは京福電鉄だった。溶接方法に問題はなかった。取り付け後に損傷したのではないか」と話している。(朝日新聞 夕刊)
27日■誤表示で7人 厳重注意処分 JR東海
 駅構内に掲示してある運賃表の金額に誤りが相次いで見つかった問題で、JR東海は26日、運賃表作成時に管理監督を怠ったとして、工藤純生・元関西支社運輸営業部長(現東海鉄道事業本部運輸営業部長)ら7人を厳重注意処分にしたと発表した。
 JR東海では新大阪駅や京都駅(いずれも東海道新幹線改札)など29駅85区間で運賃表に誤りが見つかった。1997年4月の消費税率アップを受けた運賃改定時の計算ミスなどが原因という。(朝日新聞)
■加速できず快速運休 JR野洲−京都の下り
 27日午前7時50分ごろ、滋賀県野洲郡野洲町のJR東海道線野洲駅を出発した米原発網干行き下り快速電車(11両編成)が、時速約70`までしか加速できなくなり、京都駅で運転を取りやめた。
 乗客約800人は後続電車に乗り換えたが、この電車など下り3本が6−2分遅れ、運転を打ち切った快速電車と合わせて、通勤客ら計約3500人に影響が出た。
 JR西日本で原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■線路上歩いて地下鉄止める 谷町線
 27日午前7時10分ごろ、大阪市天王寺区の市営地下鉄谷町線の四天王寺前夕陽ケ丘−谷町九丁目間で、線路上に人がいるのを八尾南発大日行きの列車の運転士が発見し、運転指令所へ通報した。このため、谷町線は全線で9分間ストップし、上下20本、約4400人の通勤客に影響した。(朝日新聞 夕刊)
■男性が列車にはねられ即死 近鉄・河内花園駅
 大阪府東大阪市吉田一丁目の近鉄奈良線河内花園駅の構内で、26日午後10時5分ごろ、難波発奈良行きの快速急行(10両編成)に男性がはねられ、即死した。列車は現場付近に約9分間停車した。この事故で後続の列車2本が遅れ、計約3000人の乗客に影響が出た。
 河内署の調べでは、男性は駅西側の踏切から線路内に入り、線路からホームにあがろうとしたところをはねられたという。スーツ姿で50歳前後とみられる。(朝日新聞 夕刊)
■彦根−貴生川開通 100年で記念乗車券 近江鉄道
 近江鉄道(本社・彦根市)は28日、彦根貴生川間全線開通100周年を記念する「全線開通100年記念乗車券」を発売した。
 同鉄道本線は、1900(明治33)年12月28日、日野−貴生川間の完成で彦根−貴生川間全線が開通した。「記念乗車券」は、朱色の厚紙に「ひこねより きぶかわ」と書いた彦根−貴生川間の乗車券をえんじ色の台紙カバーに収めた。1セット930円。
 また、31日には「新世紀記念きっぷ」(580円)、日付表記に「0」と「1」が交互に並ぶ2001年1月1日には「01・01・01eきっぷ」(490円)も発売する。各駅窓口や滋賀県内の近江鉄道旅行センターなどで発売するほか、通信販売も行う。問い合わせは近江鉄道運輸課 0749(22)3303へ。(京都新聞)
■市バス3系統と地下鉄、終夜運行 市交通局が31日ダイヤ
 京都市交通局は、21世紀京都幕開け事業「五山の送り火」や同市役所前でカウントダウンイベントが行われる31日の深夜から翌1日にかけ、市バスの一部と地下鉄の終夜運行や臨時増発を予定している。
 市バスは、「五山の送り火」が終わった午後9時半から順次五本、左京区の新葵橋から京都市役所前を経て、京都駅までの便を運行する。地下鉄は午後9時台の烏丸線を増発して、通常の10分間隔から7分間隔にする。
 終夜運行は、バスが「特50号」(京都駅前−北野天満宮前)、「特201」(四条大宮−平安神宮)、「特206」(京都駅前−五条坂)の3系統。通常の終発・始発間の深夜から早朝にかけて、10−25分間隔で運行する。地下鉄は、31日午後11時から1日午前5時にかけて、烏丸、東西の両線とも約20分間隔で運行する。(京都新聞)
28日■窓 お答えします 行き先表示について 京都市交通局 自動車部運輸課長 伊藤 正彦
 21日付当欄で、市バスの行き先表示について貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。行き先表示には、観光客の方にも目的地までのバスが分かりやすくなるよう、終点などのほかに途中の主要観光地も掲出しています。
 本来ならばご指摘のとおり、観光地を過ぎると別の表示幕に巻き替えれば、より分かりやすいのですが、表示幕の数に限りがあり、別の表示内容を用意するのは難しい状況にあります。
 しかしながら、ご指摘を踏まえ、できる限り分かりやすい表示となるよう工夫するとともに、バス停での案内図なども含めて見直しを進めてまいります。(京都新聞)
■JR子会社を福井県警捜索
 福井県松岡町の京福電鉄越前本線で電車同士が正面衝突した事故で、福井県警の松岡署捜査本部は27日、暴走した電車の破断したブレーキ部の棒(ブレーキロッド)を溶接して作製したJR西日本の子全社「ジェイアール西日本テクノス」(本社・大阪市淀川区)の金沢支店(石川県松任市)を業務上過失致死などの容疑で家宅捜察した。(朝日新聞)
■帰省ラッシュ始まる
 年末年始を故郷で過ごす人たちの帰省ラッシュが28日朝から始まり、JR新大阪駅や大阪空港などは大きな荷物を抱えた家族連れで込み合った。下り新幹線は指定席がほぼ全列車満席で、航空機も九州方面行きで満席が出始めた。JRや航空各社は、前回の2000年問題の反動で混雑は例年以上と予測。帰省ラッシュは30日にピークを迎えそうだという。
 山陽新幹線は下り「のぞみ」がほぼ全列車満席になったほか、午前9時58分新大阪発博多行き「ひかり363号」自由席乗車率が100%になるなど、新大阪駅ホームは混雑した。大阪府高槻市の会社員岡崎俊也さん(33)は新大阪から家族4人で広島県福山市の実家へ。長女玲奈ちゃん(5つ)は「おもちつきが楽しみ」。
 全日空によると、ピークの30日は、大阪空港発九州、四国方面行きがすでに終日ほぼ全便で満席の状態という。大阪府警交通管制センターによると、京阪神の高速道路は28日夜以降に混雑が始まりそうという。(朝日新聞 夕刊)
29日■京福電鉄への補助 来年度以降も継続へ 福井県知事が意向
 福井県の栗田幸雄知事は28日の記者会見で、京福電鉄正面衝突事故に関連、沿線市町村が1998年度から続けてきた同社への補助が来年度で打ち切りとなることについて、「来年度からさらに3年間程度続ける方向で調整している」と述べ、引き続き継続する意向を表明した。
 京福側は経営難などを理由に県内を走る路線の第三セクター化を要望しているが、知事はこれに否定的な考えを示したものだ。
 同時に「事故は(同社の)廃線問題にかなりの影響を与えるだろう」と述べ、同県内の路線に関して、将来の存廃論議に発展する、との見通しを示した。(京都新聞)
■京日記
 ◇…京都市左京区の出町柳と鞍馬を結ぶ叡山電鉄の車内で、絶滅の危機にあるケニアの野生動物を紹介する写真展が開かれている。自然の中でのびのびと暮らす姿をとらえながら現状を伝えている。
 ◇…日本鳥類保護連盟会員の西台律子さん(52)が、今夏、ケニアの国立公園や保護区で撮影した。展示した36点のうち、ワシントン条約で絶滅の恐れがあるとされる動物には、保護の必要性が高い順に印をつけてアピールした。
 ◇…保護が必要な動物の中にはアフリカゾウやダチョウなどなじみの深い動物も含まれており、西台さんは「遠い国のできごとではなく、私たちにも深いかかわりがあることを知ってほしい」と話している。(京都新聞)
30日■全国の鉄道走破 曾祖父ゆかり 京でゴール 鎌倉の会社員 トロッコ列車満喫
 全国の鉄道の路線を乗り継いできた神奈川県鎌倉市の会社員が29日、京都市から亀岡市までの嵯峨野トロッコ列車に乗車し、30年がかりで全線走破を達成した。その喜びをかみしめるようにトロッコ嵯峨駅から7.3`の眺めを楽しみ、終点の亀岡駅に降り立った。
 鎌倉市岡本の会社員田中正恭さん(45)で、明治時代に京都と園部をつなぐ鉄道を開通させた亀岡出身の実業家の故田中源太郎氏のひ孫にあたる。
 田中さんは1971年から鉄道旅行を始め、これまでにJRや私鉄、モノレールなど全国の鉄道を乗り継いできた。運営主体や路線が変わった鉄道は再び乗り直すなどの徹底ぶり。曽祖父が開通させた鉄道が現在のトロッコ鉄道にあたり、れんが造りのトンネルや保津川鉄橋が今も使われていることから、ゆかりの深いトロッコ鉄道を最後の路線に選んだ。
 この日、友人の岡田広一さん(44)=大阪府枚方市=と一緒にトロッコ嵯峨駅から列車に乗り込んだ田中さんは、鉄橋やトンネルを丁寧に撮影しては眺めを満喫。終着駅の亀岡駅では構内に飾られた田中氏の肖像画を見て、鉄道整備に力を注いだ曽祖父をしのんだ。
 全線を制覇した田中さんは「仕事の合間をぬって工夫するなど長い年月がかかったが、20世紀の最後に達成できてよかった。これほど景色のいい場所が、曽祖父が造った当時の状態で残っていてうれしい」と喜んでいた。(京都新聞)
■京日記
 ◇…京滋の鉄道ファンでつくる「鉄道友の会京都支部」は29日、京都市下京区の梅小路蒸気機関車館などに展示されているチンチン電車や蒸気機関車をしめ縄で飾り、新春の装いを整えた。
 ◇…京都支部は同館が開館した1972年以降、毎年暮れにしめ縄飾りをしている。しめ縄は会員の知人の左京区の農家に注文して、ウラジロ、ユズリハ、ダイダイを針金でくくりつけて作っている。
 ◇…作業には京都市周辺の会員の親子たち約50人が参加し、和やかにチンチン電車1両と蒸気機関車18両の正面にしめ縄を飾り付けた。参加者たちはしめ縄が飾られた列車をバックに記念撮影し、年の瀬の1日を楽しんでいた。(京都新聞)
■10人計18万円 払い戻し終了 JR西、誤表示問題
 JR西日本の 305駅の運賃表に表示された 759区間の金額が間違っていた問題で、同社はこれまでに10人に対し計17万9800円を払い戻したことを29日、明らかにした。フリーダイヤルや駅窓口には計約3300件の問い合わせや苦情が寄せられた。同社は同日、駅窓口での払い戻しを打ち切り、今後は管内10支社で対応するという。
 JR西日本によると、払戻額の最高は8万1130円。大阪環状線・京橋駅で東寝屋川駅までの運賃が1330円高く表示されていたため、兵庫県の男性が61回、余分な運賃を支払っていたという。最低額は340円。片町線・長尾駅で千代川駅までが170円高く表示され、大阪府の男性が2回、余分な運債を支払った、と申告した。(朝日新聞)
■電車に接触し2歳男児死亡 大阪・富田林
 29日午後3時45分ごろ、大阪府富田林市宮町一丁目の近鉄長野線の線路上で、同府堺市田出井町の公務員三好信也さん(28)の次男悠介ちゃん(2つ)が、河内長野発あべの橋行きの準急電車(4両編成、乗客200人)に接触した。病院に運ばれたが、頭を強く打っており、間もなく死亡した。悠介ちゃんは母親(26)らと線路わきの墓地に墓参りに来ていて、防護フェンスの切れ目から線路内に入ったらしい。(朝日新聞)
31日■爆破テロ続発、14人死亡 マニラの駅など イスラム過激派か
 【マニラ30日=共同】フィリピン国家警察などによると30日午後(日本時間同)、マニラ首都圏の駅や米国大使館周辺など5ヵ所で爆発が相次ぎ、計14人が死亡、90人以上が負傷した。
 同国ではエストラダ大統領の弾劾裁判が進行中で社会不安が高まっており、警察と軍はイスラム過激派などによる同時多発テロの可能性が強いとみて捜査。大統領も緊急閣議を招集し、対応を協議した。
 マニラの日本大使館に日本人が被害に遭ったとの情報は入っていない。
 同日正午すぎ、マニラ市北部のブルメントリット駅に入ってきた電車(6両編成)で爆発、前方2両が大破し、乗客11人が死亡、60人以上が負傷した。
 同じころ、ケソン市クバオのバスターミナルでバスが爆発、乗客1人が死亡、18人が負傷したほか、マニラ市の米大使館近くやマニラ国際空港の貨物ターミナルの燃料タンク付近でも爆発があり、計16人が負傷した。
 また、午後2時ごろにはマカティ市のドゥシットホテル近くで爆発物が見つかり、撤去作業中に爆発、警官2人が死亡した。
 アギレ安全保障大統領顧問は、現場付近にいた不審な男1人を逮捕し調べていることを明らかにした。
 国家警察は27日、首都圏での爆弾テロを計画していたとして、イスラム過激派アブ・サヤフのリーダーの弟ヘクター・ジャンジャラニ容疑者をマニラで逮捕しており、テロとの関連を捜査。またフィリピン共産党の軍事部門、新人民軍(NPA)の犯行の可能性もあるとみている。
 一方、エストラダ大統領が弾劾裁判を乗り切るためにテロを仕組んだとの憶測も流れているが、大統領報道官は陰謀説を否定した。(京都新聞)
■爆弾テロ 14人死亡 マニラ5ヵ所
 【マニラ30日=郷富佐子】マニラ首都圏で30日、鉄道や空港、米国大使館そはなど5ヵ所で次々と爆発があり、フィリピン国家警察などによるとこれまでに14人が死亡、約90人が負傷した。警察と軍は、組織的な連続爆弾テロ事件とみて捜査を始めた。同日夜現在で、日本人の犠牲者は報告されていない。同国では今月初めから、収賄や横領など4つの疑惑についてエストラダ大統領に対する弾劾裁判が始まっており、各地で大規模デモが開かれたり、国軍内に亀裂がうわさされたりするなど、政情が不安定になっている。
 同日正午(日本時間午後1時)すぎ、首都圏マニラ市にある軽量高架鉄道(LRT)のブルメントリット駅で、電車の最前車両に仕掛けられた爆弾が爆発して11人が死亡、60人以上が病院へ運ばれた。この日は休日で、多数の買い物客らが乗っていたという。
 その直後、同駅から約5`離れた米国大使館向かいにある公園内で爆発があり、9人が負傷した。十数分後には、首都圏北部のケソン市クバオを走っていた路線バスが爆発して1人が死亡、17人が負傷。パサイ市のニノイ・アキノ国際空港貨物ターミナルで爆発が起き6人が負傷した。
 午後1時前には、マカティ市の高級ホテル「デュシツト・ホテルニッコー」の外で爆発物らしい紙袋が見つかり、通報を受けた警察が撤去する間に爆発。警察官2人が死亡した。
 警察によると、いずれの爆発も「ダイナマイト並みの強さ」のものだという。
 大統領府報道官は、事件の背景として、イスラム過激派組織アブサヤフの指導者の弟が最近逮捕されたことを指摘。また、共産主義反政府勢力の新人民軍(NPA)が「活動を活発化させている情報がある」などと述べた。一方、反大統領派の市民団体は、「軍や警察の態勢強化を正当化するために仕掛けた、大統領の自作自演劇だ」などとする声明を出した。(朝日新聞)