2000(平成12)年 6月


3日■だれにもやさしい駅になあれ 7月から2ヵ月間野宿の旅 駅長に改善要望も(朝日)
  ■電車にはねられ死亡(京都)
5日■死亡男性の身元判明(京都)
  ■オウム裁判 井上被告あす判決 地下鉄事件現場の指揮役(京都)
  ■オピニオン解説 JR不採用問題 最終局面 解決の先行き依然、不透明 国労、苦渋の決断 来月の臨時大会が焦点(京都)
  ■京でバス乗っ取り? 府警 迫真の訓練(京都)
6日■特急、こう配上れず KTR故障、運休も(京都)
  ■JR総連委員長に小田氏(朝日)
  ■西鉄の高速バス乗っ取り、苦い教訓に 25人参加し人質救出訓練 堀川署(朝日)
  ■地下鉄サリン 井上被告に無期懲役 「実行行為せず」 死刑求刑軽減 共謀は認める 東京地裁判決(京都)
  ■急行にはねられ死亡 淀川の阪急京都線(京都)
  ■地下鉄サリン「重要な役割」 オウム井上被告 「指揮」は認めず 東京地裁判決 主文は午後に(朝日)
  ■オウム法廷 井上被告に判決 自らを汚した「英雄」 「一途さ」と「甘え」同居 教祖依存から一転告発(朝日)
  ■バスに揺られて 「30歳」渓谷美グングン(朝日)
7日■オウム井上被告無期懲役 「指揮役」退け極刑回避 「謝罪の日々を」 事実認定重視 今後に影響も(京都)
  ■乗り放題切符 発売中止へ JR東日本が8月以降(京都)
  ■地下鉄サリン 井上被告に無期懲役 東京地裁判決 反省悔悟を考慮(朝日)
  ■元オウム幹部 井上被告判決 「意外…」戸惑う遺族 無期懲役 本人、泣き崩れる(朝日)
  ■オウム事件 井上被告の判決理由(要旨)(朝日)
  ■京都市バス 急ブレーキで乗客3人けが 減速のトラック避け(朝日)
  ■北陸で地震 JR乱れる 小松で震度5弱 特急22本が運休(朝日)
  ■園芸ブームでひっぱりだこに まくら木再び日の目 色合い・温かみに人気(朝日)
  ■乗客ら24人重軽傷 高松 バス・クレーン車衝突(朝日)
8日■列車に女性飛び込み(京都)
  ■電車内で痴漢容疑 京都市職員を逮捕 「揺れで接触?」供述(朝日)
9日■列車に車いす用トイレなく旅断念 JR東日本などを提訴(朝日)
  ■JR関西線一時運休 府南部で大雨(京都)
  ■2000円札・500円玉 改造券売機「発車」遅れそう 鉄道各社 流通様子見も(朝日)
10日■南海電鉄が出億円赤字 連結決算(朝日)
  ■弱い地震でも機械が警報 近畿一円 鉄道に運休・遅れ 近畿一円(京都)
  ■地震検知器が作動して停止 姫路−米原間で新幹線(朝日)
11日■独で登山電車衝突 邦人2人員傷(京都)
  ■登山電車衝突 57人が重軽傷 独、邦人2人含む(朝日)
12日■山陽新幹線コンクリ落下 施工者に賠償請求へ JR西日本(朝日)
13日■窓 松葉づえの旅 席譲られ感謝 近江八幡市・山本通生(団体職員・60)(京都)
  ■バスに揺られて 連接型18b 渋滞スイスイ(朝日)
14日■JR西日本 業者に賠償請求へ 山陽新幹線コンクリ落下 「ずさんな工事」(京都)
  ■台湾新幹線8月契約 覚書に調印 日本側が10%出資(京都)
  ■地下鉄、未明の街を走る 神戸・海岸線の新車両(朝日)
15日■30社に十数億円請求へ コンクリ落下 JR西が方針 話し合い決着探る(朝日)
  ■USJ玄関駅の名はユニバーサルシティ(朝日)
  ■阪急電鉄 首都圏で住宅に進出 第一弾、高級マンション(朝日)
16日■井上被告無期 検察側が控訴 サリン「事実誤認」(朝日)
17日■「のぞみ」に立席券登場 来月1日から発売(京都)
  ■ボディーには波の絵 ライト当てれば車内に星空 いさり火列車公開 JR福知山支社(京都)
  ■欧州超特急 2006にも パリ−フランクフルト間 独仏プロジェクト”快走”(京都)
  ■立って「のぞみ」来月かないます 510円引き専用特急券、デッキ指定 JR西と東海(朝日)
18日■感震器が作動 新幹線に遅れ 姫路、4500人に影響(朝日)
19日■今津 バス営業所に強盗 外国人?5人組 職員殴り209万円奪う(京都)
20日■新幹線乱れ 1200人に影響 京都駅(京都)
  ■ふれあい農業体験ツアー参加者募集 信楽高原鉄道など(京都)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■黒部アルペンルート アイドリンク禁止に(朝日)
  ■扉開き3分走行 緊急停車のひかり267号 故意にレバー引く? 米原−京都間(京都)
  ■ひかり走行中ドア開く 時速220` 停止まで3分間 米原−京都(朝日)
  ■バスに揺られて 旅情そそる城下町を周遊(朝日)
21日■KTRが夏季ダイヤ 臨時列車は6本だけ 乗客増には増結で対応(京都)
  ■コーラス聞き優雅に電車待ち トロッコ嵯峨駅 駅舎内で歌声披露 米・アイオワ州の市民合唱団(京都)
  ■訪韓の絶対条件は経済支援 注目は鉄道連結 財源難が障害に(朝日)
  ■警視庁警部補 痴漢で逮捕 電車内で女高生触る(京都)
  ■信号故障で運休 大阪環状線(京都)
  ■信号が故障しダイヤが混乱 JR環状線京橋駅(朝日)
  ■便利な駅へ企画次々 本の取り置き・専用ロッカー・レンタサイクル… JR・私鉄 工夫に乗った?評判上々(朝日)
  ■警視庁警部補 電車内で痴漢 埼玉、容疑で逮捕(朝日)
22日■地下鉄脱線、89人けが NY 車輪浮き上がる(京都)
  ■窓 今や懐かしい車内での電話 草津市・竹原 信次(会社員・55)(京都)
  ■圧縮天然ガス+電気=低公害&経済性 日産ディーゼルがハイブリツド車(朝日)
  ■日本人観光客7人けが グルジア ケーブレ車両滑落(朝日)
  ■視覚障害者に暴行した疑い 滋賀で男性逮捕(朝日)
23日■トレーラーが衝突 架道橋えぐり逃走 JR六地蔵駅の西(朝日)
  ■お盆指定券受け付け(朝日)
24日■新幹線高架橋から モルタル片落下 大阪・東淀川区の路上(朝日)
  ■南海 希望退職者215人が応募 予想を上回る(朝日)
  ■交通ボランティア養成へ 駅で車いす介助や案内 運輸省が制度創設検討 将来、学校で研修も(京都)
  ■運転士からコカイン検出 NYの地下鉄脱線事故(京都)
  ■夢 グラフ・ウィークリー 銀河鉄道の夜(朝日)
25日■補修面積は1万5000平方b 山陽新幹線の高架橋(京都)
  ■ご難 新幹線停車 京都駅(京都)
  ■カラスが「ドン」(京都)
  ■架線につる草 新幹線遅れる 京都 トンネル出口付近(朝日)
26日■ポイント故障で電車11本に遅れ JR山科駅(京都)
  ■声 バス停のお礼 心温まる情景 地方公務員 白田 修(京都市 53歳)(朝日)
  ■急行にはねられ死亡 枚方の京阪踏切(京都)
27日■大文字五山送り火 鑑賞会希望者募る 京都駅ビル(京都)
  ■バスに揺られて 天草5橋めぐるロマンの道(朝日)
28日■日比谷線脱線 輪重不均衡が最大原因 運輸省事故調中間報告 影響、複合的に絡む(京都)
  ■営団地下鉄総裁が辞任へ 脱線衝突事故で引責(京都)
  ■福岡トンネル壁崩落事故から1年 ずさん施行のツケ160億円 JR西 安全監視対策進む(京都)
  ■東西線延伸など76項目 京都市の国家予算要望(京都)
  ■声 市バス路線を廃止しないで 主婦 中村 恵美子(神戸市 62歳)(朝日)
  ■コンクリ落下 批判相次ぐ JR西の株主から(朝日)
29日■電車にはねられ死亡 東山、JR奈良線(京都)
  ■電車にはねられ89歳男性が死亡 東山のJR奈良線踏切(朝日)
  ■環状線→USJ直通電車を計画 JR西日本(朝日)
  ■林泰男被告 厳しい量刑の公算 地下鉄サリン実行役 東京地裁判決公判(京都)
  ■地下鉄サリン 林泰男判決公判 「カルマ背負い死ぬ」 極刑覚悟 動揺なく 被害者のめい福祈り 今も贖罪断食(京都)
  ■地下鉄サリン 林泰男被告の積極関与認定 東京地裁 判決言い渡し始まる(朝日)
30日■地下鉄サリン 林泰男被告に死刑判決 東京地裁 「実行、積極性際立つ」(京都)
  ■嵐電界隈の魅力再発見へ 天竜寺方丈で26日にシンポ(京都)
  ■近鉄志摩観光汽船が解散(京都)
  ■第一ホテルに20−30億出資 阪急電鉄が見通し(京都)
  ■林泰男被告に死刑判決 地下鉄サリン 「結果、格別重い」 東京地裁(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■宇宙開発事業団の理事長に山之内氏 JR東日本前会長(朝日)



3日■だれにもやさしい駅になあれ 7月から2ヵ月間野宿の旅 駅長に改善要望も
 兵庫県西宮市の障害者作業所で働く若者らがこの夏、駅の「本当の使いやすさ」を検証しながらJR博多−東京駅間の約1500`を歩くキャンペーンを計画している。障害者と健常者が協力し、2ヵ月間に及ぶ行脚の名は「TRY2000」。野宿しながら各駅を点検し、駅長に改善を求める要望書を手渡す。5月10日に成立、11月に施行される「交通バリアフリー法」に先駆け、当事者らが駅に「もの申す」旅に出る。
 一行は、西宮市の「ミラージュ作業所」で介助のアルバイトをしている松島裕さん(20)、青木秀之さん(20)、竹下有紀さん(19)と、車いすの通所者中川康男さん(38)の4人。「TRY」は1986年、同市の障害者自立支援組織代表の廉田俊二さん(39)が車いすに乗って大阪−東京間で始めた。松島さんらはこの旅のビデオを見て感動し、挑戦することを決めた。
 障害者向けに駅の改良は進んではいるが、「それは健常者側の視点からの施策だ」と4人は言う。青木さんは「僕らは、うたた寝して乗り過ごすことも、気が変わって途中下車することもできる。でも、障害者は下車する駅で駅員が待機しているから、予定を変えられない。それって障害者の本当の自由、自立にはつながっていない」と指摘する。松島さんは「廉田さんが始めたころのメッセージは『障害者も電車に乗せて』。今は、妊婦もお年寄りも障害者もあらゆる人に使いやすい駅が求められている時代だと思う」と旅の目的を話す。
 7月1日に博多駅を出発し、8月末に東京駅をへて運輸省前でゴールする。道中、「エレベーターの増設」「電車とホームのすき間や段差の解消」「すべての改札を車いすで通れる幅に」などと訴える。
 費用は1日の食費などを1人1500円と試算。同行する参加者らの費用も負担するため、200万円以上かかる。ねん出のため、オリジナルTシャツを販売、カンパも呼びかける。ボランティアや宿泊場所の提供も歓迎。問い合わせは「TRY2000」実行委(0798・75・1544)。(朝日新聞)
■電車にはねられ死亡
 3日午前8時半ごろ、京都市南区唐橋のJR西大路駅のホーム東端付近で、男性が長浜行き新快速電車にはねられ、全身を強く打って即死した。九条署は事故か自殺の可能性が高いとみて男性の身元の確認を急いでいる。
 同署によると、男性は50歳くらい、白色の半そで、Tシャツに緑色のズボン姿だったという。(京都新聞 夕刊)
5日■死亡男性の身元判明
 京都市南区のJR西大路駅のホームで3日朝、電車にはねられて死亡した男性は、九条署の調べで4日、同区内の建設作業員(61)と分かった。(京都新聞)
■オウム裁判 井上被告あす判決 地下鉄事件現場の指揮役
 地下鉄サリン事件をはじめ計10事件で殺人罪などに問われ、死刑を求刑された元オウム真理教幹部で、松本智津夫被告(45)=教祖名麻原彰晃=の側近中の側近といわれた井上嘉浩被告(30)の判決公判が6日、東京地裁(井上弘通裁判長)で開かれる。
 地下鉄事件では「自首減軽」が認められ無期懲役が確定した林郁夫受刑者(53)を除き、井上被告と実行犯4人の計5人が死刑を求刑され、うち横山真人被告(36)が既に一審東京地裁で死刑判決を受け、控訴中。
 井上被告は地下鉄事件の現場指揮役とされ、厳しい判決が予想される。
 検察側は論告で「実行犯の送迎用の車を手配し、下見を指示するなど重要事項を主導的に決めていた」と指摘。「犯行に取り組む積極性と主体性はどの事件のどの被告をもしのぐ」と厳しく批判した。
 これに対し弁護側は、井上被告が16歳で入信、犯行当時20代半ばだったことを強調し「実社会の経験が欠如しており、共犯者の中でだれよりも麻原の指示に折することが心理的に困難だった」と主張。
 地下鉄事件をめぐり「被告の行為は実行行為の中では枝葉にすぎない」として、死刑回避を求めた。
 起訴状によると、井上被告は松本被告らと共謀し1995年3月20日、東京都内の地下鉄3路線5電車でサリンをまき12人を死亡させ、多数に重軽症を負わせた。
 ほかに元信者殺害、会社員VX殺害の両事件の殺人罪、目黒公証役場事務長監禁致死事件の逮捕監禁致死罪などにも問われた。(京都新聞)
■オピニオン解説 JR不採用問題 最終局面 解決の先行き依然、不透明 国労、苦渋の決断 来月の臨時大会が焦点
 国鉄の分割・民営化に伴う国労組合員らのJR不採用問題で、与党と社民党が5月30日、国労側がJRに法的責任がないことを認めることを前提に解決のため具体的な協議に入ることで合意、政治解決に向けて動き始めた。国労側は、村山富市元首相らの引退で総選挙後はこの問題での社民党の影響力低下が避けられない情勢から、苦渋の決断を強いられた。内部からは「13年間の闘いを無にする」との反発も根強い。7月の臨時大会で執行部方針が承認されるか、先行きは不明だ。
 JR不採用問題では与党と社民党が昨年5月、政治解決に努力するとの談話を発表。国労は政治決着に向けて話し合いのテーブルをつくるよう求めた。しかし、自民党はJRの法的責任がないと国労側が認めることなど新たな“踏み絵”を持ち出し、こう着状態が続いていた。
・「これが最後」
 国労側の窓口として自民党へ働き掛けてきた社民党の村山元首相、伊藤茂元運輸相は総選挙には立候補せず、引退する。一方、自民党側は村山内閣の閣僚で今も信頼関係がある野中広務氏が幹事長を務めるなどいわば最高の布陣。
 「これが最後のチャンス。2人のバッジが外れる前に何とかめどをつけないと、永久に解決できなくなる」(国労幹部)。解散前がタイムリミットという危機感が聴かった。
 29日の国労中央執行委員会は午後2時から約4時間半にわたった。「法的責任がないことを認めると解決水準も下がる」との異論も出たが、最後は「いろいろな意見はあったが、合意案を了承することとしたい」と集約された。
 「解決への筋道は何とかつけられたと思う。今後も側面から支援したい」。村山元首相は語る。
・納得できない
 「まじめに働いていたのに国労組合員という理由だけで解雇された。JRの責任なしでは納得できない。これまでの闘争は何だったのか」。北海道の宗谷線音威子府駅などを職場としていた不採用者らでつくる音威子府闘争団の杉山均さん(42)は声を落とした。
 国鉄時代は保線の仕事をしていた。1990年に国鉄清算事業団を解雇された後は、土木作業のアルバイトや労働者協同組合で木工品やようかんの販売で生計を立ててきた。
 妻(41)と高校2年の長男と中学2年の二男の4人暮らし。団員の収入をプールして貸付金の形で支給される生活費は月22万円。妻はパート、二男も新聞配達で家計を助けている。
 「子供も大きくなり、生活は厳しい。毎月の生活費を削りながら名誉回復のため頑張ってきたのに…。到底受け入れられない」
 一方で闘争の長期化に疲れを訴える声もある。不採用者1047人の平均年齢は40代後半に。うち19人は亡くなった。「そろそろという気持ちも強くなっている。生活が厳しい人は早い解決を望んでいる」と地方本部の幹部は話す。
・引退の花道
 「最大のハードルは越えた」。自民党の甘利明副幹事長は解決に強い自信を見せた。「ある程度具体的な解決案の協議も進んでいる」(関係省庁幹部)とされ、国労が臨時大会を乗り切れば和解金や組合員の雇用など解決案の協議が急ピッチで進む可能性もある。
 だが、雇用の受け入れを迫られるJR側には懐疑的な見方も強い。「今までに同じような提案がされたときと比べても今回は政治サイドからの根回しはなかった」とある社の最高幹部。
 別のJR幹部も「野中さんが引退する2人に報いるため枠組みをつくり、花道をおぜん立てしただけ。後は野となれ山となれという感じでは」と冷ややかだ。(京都新聞)
■京でバス乗っ取り? 府警 迫真の訓練
 少年による西鉄高速バス乗っ取り事件を生きた教訓にしようと、堀川署は5日、京都市下京区堀川通万寿寺下ルの京都明徳高跡地で、バスジャックを想定した人質救出訓練をした。
 訓練は、銀行強盗をした男が女性行員に短銃を突き付けて乗用車に立てこもったうえ、さらに路線バスこ乗り込んで乗客約30人を人質にとった−との想定で実施した。堀川署員やバス会社社員約60人が参加した。
 この日は、乗用車の後部の窓を捜査員がハンマーで割って人質の救出を図ったが、犯人役が行員を連れてバスに逃げ込んだ。捜査員が人質の解放を窓越しに説得したが、男は「車のキー持ってこい」と短銃を向けて逃走用の車を要求した。犯人役がかぎを取りに車外に出ると、署員が機敏な動きで取り押さえた。(京都新聞 夕刊)
6日■特急、こう配上れず KTR故障、運休も
 5日午後1時50分ごろ、北近畿タンゴ鉄道(KTR)宮津線の野田川−丹後大宮間で、久美浜行特急「タンゴ・エクスプロラー1号」が、こう配を上れなくなった。ブレーキをかけながらバックして野田川駅まで戻り、代替バスで乗客21人を輸送した。
 この影響で、折り返し運転の新大阪行特急「タンゴ・エクスプロラー4号」が久美浜−天橋立間を運休、天橋立駅から代替車両で運転したほか、3本に50−14分の遅れが出た。
 KTRによると冷却水管にひびが入っており、オーバーヒートではないかとみて調べている。(京都新聞)
■JR総連委員長に小田氏
 群馬県水上町で開かれていたJR総連(7万5000人)の定期大会は5日、「JR本州3社の早期の完全民営化を目指す」「(対立する)JR連合や国労の解体に向けた取り組みを強める」などを内容とする今年度運動方針を決めて閉会した。役員改選では、委員長に小田裕司・前書記長(新、JR北海道労組)、書記長に山下信二・前共闘局長(新、JR東労組)が選出された。(朝日新聞)
■西鉄の高速バス乗っ取り、苦い教訓に 25人参加し人質救出訓練 堀川署
 短銃を持った銀行強盗が路線バスに乗り込み、乗客約30人を人質にした−。堀川署で5日、西鉄の高速バス乗っ取り事件を教訓にした人質救出訓練があった。署員25人が参加し、実際に大型路線バスを使うなどして、万一の事態に備えた。
 訓練は、強盗が女性行員を人質にした後、乗用車でバスターミナルに逃げ込み、路線バスに乗り移るという想定。開始から約20分後、犯人にふんした署員が外へ出てきたすきに、捜査員が人質らをバスから解放、犯人を取り押さえた。
 また、この日は災害救助訓練もあった。電動カッターなどを使って、乗用車内に閉じこめられた人を助け出す救助法が披露された。(朝日新聞)
■地下鉄サリン 井上被告に無期懲役 「実行行為せず」 死刑求刑軽減 共謀は認める 東京地裁判決
 オウム真理教松本智津夫被告(45)=教祖名麻原彰晃=の側近中の側近といわれ、地下鉄サリン事件など計10事件で、殺人罪などに問われた元教団幹部井上嘉活被告(30)の判決公判が6日、東京地裁で開かれ、井上弘通裁判長は「これだけ多種多様な犯行に関与しながら、実行行為をしなかった」と述べ、無期懲役(求刑死刑)を言い渡した。
 判決は、地下鉄事件で重要な役割を果たしたとして松本被告らとの共謀共同正犯を認定。マインドコントロールの影響については「松本被告に絶対服従する心理状態にまでは至っておらず、責任能力の軽減などを認めるのは相当でない」とした。
 さらに「井上被告が16歳で入信し実社会の経験が欠如しており、共犯者の中でだれよりも麻原の指示に抗することが心理的に困難だった」とマインドコントロールの影響を強調した弁護側主張について判断。
 「思考や行動をかなりの程度制約される状況にあったとはいえ、完全に自己決定の余地を否定され松本被告に絶対服従する心理状態にまでは至っておらず、行為の違法性を十分認識できた」とした上で「それに従い行動した以上、責任能力の軽減などを認めることは相当でない」と述べた。
 このほか目黒公証役場事務長監禁をめぐり「被告の逮捕監禁行為と事務長死亡との間に因果関係があると認めることはできない」と指摘。逮捕監禁致死ではなく逮捕監禁が成立するにとどまるとしたが、地下鉄サリンなど他の9事件は起訴事実に沿って認定した。
 地下鉄事件では、サリンをまいた実行役5人のうち「自首減軽」が認められ無期懲役が確定した林郁夫受刑者(53)を除き4人に死刑が求刑され、横山真大被告(36)が死刑判決を受け控訴中。残る3人にも今月末から7月下旬にかけ判決が言い渡される。
 判決理由で井上裁判長は、地下鉄事件で井上被告が果たした役割について、検察側が主張するような「現場指揮役」ではなく「後方支援ないし連絡調整的な役割にとどまる」としたが、教団内での地位の高さや話し合いでの積極的な発言などを挙げ「本件の遂行、実現に当たり被告人の関与の意味は重要」と指摘。
 「実行者と運転者のペアを事件前日の会議で伝えるなど、被告の行為は枝葉で、ほう助犯にすぎない」との弁護側主張を退けた。
 地下鉄サリン事件 1995年3月20日午前8時ごろ、東京都内の営団地下鉄3路線5電車でサリンがまかれ、乗客や営団職員ら12人が死亡、多数が重軽症を負った。(京都新聞 夕刊)
■急行にはねられ死亡 淀川の阪急京都線
 5日午後11時25分ごろ、大阪市淀川区西中島一丁目の阪急京都線の踏切で、河原町発梅田行き急行電車が50−60歳くらいの男性をはねた。男性は頭がい骨陥没などで死亡した。乗客にけがはなかった。
 淀川署の調べによると、男性は神戸市内の税理士(61)で、下りていた遮断機をまたいで線路に入ってきたといい、状況などから、同署は事故とみて身元などを調べている。
 この電車が約8分遅れたほかは、後続の電車に大きな遅れはなかったという。(京都新聞 夕刊)
■地下鉄サリン「重要な役割」 オウム井上被告 「指揮」は認めず 東京地裁判決 主文は午後に
 12人が死亡し、5000人を超える負傷者を出した地下鉄サリン事件など10事件で殺人などの罪に問われ、死刑が求刑された元オウム真理教幹部の井上嘉浩被告(30)の判決公判が6日午前10時から東京地裁で開かれ、井上弘通裁判長は判決理由の読み上げから始めた。地下鉄サリン事件で、検察側が「現場指揮役」と位置づけた同被告の役割について井上裁判長は「後方支援連絡調整役にとどまり、現場指揮役とは言えない」としたが、「犯行の遂行にあたって他の者では果たせない重要な役割を果たしていた」と述べた。判決理由の朗読は昼すぎまで続いた。
 井上被告は、教団「諜報省」トップで教団前代表・松本智津夫被告(45)の「側近中の側近」と言われた。この日、井上裁判長は「被告によく聞いて欲しいので」と述べ、主文の宣告に先だって判決理由の要旨を朗読する形を取った。
 判決理由で井上裁判長は、地下鉄サリン事件について、教団に対する強制捜査を恐れ、松本被告らが順次共謀して計画したと認定。そのうえで、井上被告の役割を「現場指揮役としての指揮権発動、独自の決定や指示は見あたらない」と述べた。しかし、実行役が集結するアジトを提供▽犯行に使う車を調達▽散布役と送迎役に故・村井秀夫幹部の指示を的確に伝えた−などを挙げ、「諜報省長官としての能力がなけれは短時間に犯行準備はできなかった」と指摘した。
 また、松本被告や井上被告らが計画を決めたと検察側が主張した、東京から山梨県上九一色村に向かう車中の「リムジン謀議」については「井上被告に現場指揮をとるなどの指示が示されず、松本被告らとの間で共謀が成立したとみるには無理がある」とこの場での共謀は否定した。
 しかし、「井上被告がサリンをまくことを言いだしたことが犯行の契機となった」と指摘し、さらにその後、本来の犯行メンバーでなかったのに自ら積極的に犯行に加担していった井上被告の行動などを挙げて共謀共同正犯の成立は認め、「ほう助犯にとどまる」とした弁護側の主張を退けた。
 一方、当時の井上被告の心理状態について「長年の修行を通してマインドコントロールを受け、松本被告の命令に反することができなかった」とする弁護側の主張に対し、井上裁判長は「松本被告によって思考や行動をかなり制約される状況にあった」と理解を示したものの、「自己決定を否定され、絶対服従する状態にまでは至っていない」と述べた。
 また、目黒公証役場事務長の監禁事件では「死亡と監禁行為に因果関係はなく逮捕監禁罪にとどまる」とし、検察側主張の逮捕監禁致死罪の成立を否定した。
 教団が関与したとされる一連の事件で、一審で死刑を言い渡されたのは、坂本堤弁護士一家殺害事件の実行犯の一人とされる岡崎一明被告(39)と、地下鉄サリン事件の散布役とされる横山勇人被告(36)=いずれも控訴=の2人。また、地下鉄事件ではほかに、送迎役の北村浩一(32)、外崎清隆(36)両被告が無期懲役の判決を受けていずれも控訴中のほか、「自首」が認められた散布役の林郁夫服役囚(53)も無期懲役の判決を受け、確定している。
《判決が認定した10事件》
 営団地下鉄三路線でサリンをまいて乗客ら12人を殺害するなどした(殺人、殺人未遂)▽スパイと誤信した浜口思仁さんをVXで殺害した(殺人)▽信徒の脱会に協力していた水野昇さんをVXで襲撃し、重傷を負わせた(殺人未遂)▽オウム真理教被害者の会会長永岡弘行さんをVXで襲撃し、重傷を負わせた(同)▽元信徒落田耕太郎さんをリンチし、絞殺した(殺人)▽目黒公証役場事務長・仮谷清志さんを拉致・監禁し、遺体を損壊した(逮捕監禁、死体損壊)
 ▽新宿駅地下街の公衆便所に青酸ガス発生装置を設置した(殺人未遂)▽小包爆弾を都知事あてに郵送し、都職員に大けがを負わせた(殺人未遂、爆発物取締罰則違反)▽宗教学者の自宅前で爆弾を爆破した(爆発物取締罰則違反)▽教団施設に火炎瓶を投げる自作自演行為(火炎びん使用処罰法違反)(朝日新聞 夕刊)
■オウム法廷 井上被告に判決 自らを汚した「英雄」 「一途さ」と「甘え」同居 教祖依存から一転告発
 判決の日。6日、東京地裁104号法廷でその言い渡しを受ける元オウム真理教幹部で、「教祖」松本智津夫(麻原彰晃)被告(45)の「側近中の側近」といわれる井上嘉浩被告(30)の、細くきゃしゃな体つきがなお一層小さく見えたのは、「死」と向き合うことを迫られているこの青年の内面の苦悩のためだろうか。「霊的に進化した人間」である自分たちこそが、このけがれた社会に生きる人々を「救済」しうると信じて、社会に執ように攻撃をしかけていた教団に、高校2年生、16歳から暮らし続け、そうして自らを汚してしまった被告たちの青春について思うとき、心を占めるのは、その痛ましさとせつなさである。 降幡 賢一
 判決の言い渡しは長時間に及んだ。井上弘通裁判長は「よく聞いてもらいたいので理由から」と述べ、最初20分間、被告を証言台の前に立たせたまま判決文の朗読を始めた。その中で判決は、被告の青年らしい苦悩に理解を示しながら、地下鉄サリン事件での被告の役割を「現場指揮役とまで言えないが、他の被告では果たし得ない重要な役割をした」と弾劾していく。
 1996年3月の初公判以来、私の中で膨らんできた井上被告のイメージは、その一途な懸命さと、常に自分を受け入れてくれる人を探し求めているような甘えの気持ちだった。
 それは、地下鉄サリン事件をはじめとする「教団の犯罪」の多くの現場で、被告が懸命に動き回ったところに表れているし、一斉摘発後、「松本智津夫氏に立ち向かう」と宣言して、被告が「教祖告発」の先頭に立ったところにも象徴的に表れていた。
 思い出すのは、裁判が終わるころになって初めて見ることができた、入信直後の被告の写真である。信徒仲間と一緒に「教祖」を囲んでいる被告は、そこにいることがうれしくて仕方がないといった様子で、ひときわ明るい笑顔だった。
 何も家庭的に恵まれなかったわけではない。ただ、自分たちには未来がないと絶望し、この物質文明社会をけがれたものと批判する「教祖」に共鳴して飛び込んだ教団で、「神通並びなき者」「超能力者」と評価され、得意の絶頂にあった被告はそのころ、自分を明治維新の「英雄」坂本竜馬にダブらせていた、と被告人質問で語った。
 被告の心理鑑定をした鑑定人が、「精神的には今も高校生当時のままだ」と分析したように、以後被告がその幼い、高揚した心の持ちようを引きずって、「革命家」を気取っていたのは、同じように教団を「安住の家」と考えた仲間が互いに刺激しあっていたからだろう。そうして、被告がしたことは、例えば、地下鉄サリン事件で、「教祖」にかかわるなと言われていた、と言いながら、事件を起こすことは「神々の意思」である、とわざわざ自分からそれに口出ししていくようなことだった。
 他の被告たちの証言から浮かんでくる井上被告像は、そのように、あらゆる場面に自分から頭を突っ込みたがる、軽薄でおせっかいな若者でもあった。
 被告にしてみれば、理不尽な指示であっても、常にそれに懸命な姿勢で応じなければならないという「苦行僧」のイメージもあっただろう。被告はそうして一途に「教祖の意思」をしんしゃくして行動したのだ。それは、この教団にかかわった若者たちのあるべき姿であるはずだった。
 被告の張りつめた姿勢は、逮捕後たちまち崩れていく。そして、被告が「教祖告発」の先頭に立ったのは、まだ多少の未練があった「教祖」への思いをそうすることで断ち切り、自分が「英雄」になろうとしたのが動機だったのではないか、と私は疑っている。
 被告が本当に「教祖」に決別できたのは、初公判から3年余たった昨年7月、自分の法廷に証人として呼んだ「教祖」松本被告が何も答えようとしなかったときだった。それを境に、それまで「松本智津夫氏」と呼んでいた「教祖」を「麻原」と呼び捨てにし、「何をしていいかわからない」と泣き崩れることが多くなったとき、被告は自分のしてきたことの意味、つまりそれは人々の命を奪い、苦しめることでしかなかった、という現実を初めて深く理解したのだ。
 裏切られた一途さと悔悟と「死」への恐れと。その心のうちをあけすけに見せてきた被告の中で、何かがまた始まろうとしている。
・「麻原に10年育てられ…」 井上被告の母 息子への思い語る
 井上嘉浩被告(30)の両親はこの日、傍聴席の前から3列目の席に着き、裁判長の前に立つ息子をじっと見つめた。母親はじっと目を閉じ、涙をこらえるように大きく息をついた。
 両親は前日の5日、東京・小菅の東京拘置所で井上被告と面会した。
 関係者によると、これまでにも何回か面会に訪れ、そのたびに、父親は「とにかく被害者の立場に立たないといけない」「どんな結果が出ようと毅然とした態度でいろ」と声をかけてきた。井上被告も「わかっている」と答えてきた。
 5日もこうした言葉をかけるために、面会に訪れたという。
 井上被告は逮捕後、自分の生い立ちなどを記した手記とは別に、2日から3日に一度、必ず家族あてに手紙を送り続けてきた。
 中には必ず、父母や兄にあてた詩が一編ずつ同封してあるという。「被害者のために何ができるのだろうか」という自省の念を記した文章もあったという。両親はこの手紙を封筒に入れて保存し、ワープロで清書している。枚数は1000枚を超えた。
 父親は今、「ご遺族の方のことを考えると、我々が軽々しく口に出すべきではない」と黙す一方で「法に従うつもりでいる。申し訳ない」と謝罪を繰り返す。
 「自分のけがれを滅したいという気持ちで入信して、麻原についていって、麻原に10年育てられて、逆にけがれて…」
 母親は、判決の直前、息子への思いを関係者にこう話したという。
・井上被告 仏教書読み、めい想 「反省の甘さ気がついた」
 弁護士によると、井上被告は、逮捕後も留置場や拘置所で仏教書を読みあさり、自分で仏典を翻訳したり、めい想したりするなど「修行」を続けてきたという。
 井上被告は自らや他被告の公判でも、教団前代表の松本智津夫被告(45)を批判する供述や証言を繰り返してきた。
 しかし、裁判所が被告と接見(面会)することを認めた、カウンセリングの専門家の浅見定雄・元東北学院大教授は昨年11月に証人として出廷した際、井上被告が面会で「法廷で証言を続けていること自体修行だ」「めい想修行を通じて被害者、遺族の苦悩を自分の体で体験しようとしている」と話したことをあげ、「松本被告からは離れているが、マインドコントロールは続いている」と述べた。
 こうした証言や、公判で証人に立った被害者や遺族から「反省していない」と言われたことが、その後の被告の心境に変化を与えたようだ。
 「被害者の方にどういう姿勢が通じるのかあまり自覚していなかった」「精いっぱいやってきたが、最後になって反省の甘さも気が付いた」。昨年12月6日、井上被告は被告人質問の最後でこう話した。
 今年1月の結審後は、他の被告の公判への証人出廷もすっかり減った。弁護人の話では、検察側から死刑を求刑されたことで「裏切られた」という思いもあり、食事がのどを通らず、寝付けないことも多く、「物事が手に着かず、ボーっと考えている時間が増えている」という。
・松本智津夫氏に立ち向かうのが償い 語録
 「尊師(松本智津夫被告)の指示の実践は、まったく救済になっていない」(95年10月12日 勾留理由開示の法廷で)
 「今、みんなを取り巻く現状、これこそが尊師こと松本智津夫氏の教えが真理と似て非なる教えであった事の現れであることに気付くべきです」(95年12月26日付で脱会届とともに教団に送った手紙で)
 「本当の修行者として松本智津夫氏に立ち向かい、事実を明らかにすることによって、今私のできる唯一の償いを実践することを誓います」(96年3月21日、初公判での意見陳述で)
 「被害者や遺族の人たちの供述調書を読み聞かされ、今まで見向きもしなかった、一人ひとりの悲しみや苦しみを見つけ、オウムの教えに基づいてどうやって消化したらいいか悩んだ」(96年9月20日、松本被告の公判で)
 「死をもって償ってもらいたいと言われた時、言葉になりきらない思いがわき起こってきて頭の中が真っ白になってしまいました」(98年4月23日、公判で読み上げた意見陳述書で)
 「あなた自身が救済者と言うのなら、どうしてそんな態度をとるのか。プライドを捨て去って、自分の過ちについて語ってほしい。かつての弟子の最後の言葉だ」(99年7月19日、自分の公判に証人出廷しながら宣誓拒否した松本被告に)
 「自分は完全にズレていた。被害者の調書を読んで、悲惨な状況を僕なりに感じていたが、証言を聞くと全然違う。修行で分かるつもりになっていた」(99年11月25日、被告人質問で)
 「僕は人を愛することとか、信じることとか、人に心を伝えることとか、全然分かっていなかった。それが悔しい」(今年1月17日、最終意見陳述で)
 「『自分が追いつめられたとき、他人のために何ができるのかを考えるのが慈悲の心だ』と言ったことを信じた。それをやってほしい」(今年1月28日、松本被告の公判で松本被告に対して)(朝日新聞 夕刊)
■バスに揺られて 「30歳」渓谷美グングン
 V字形に深く切れ込んだ渓谷美「祖谷渓」は、見る者を圧倒する美しさだが」その秘境のみどころをしかも懐かしい趣を漂わせる1970年代製造のボンネットバスで回ってくれる定期観光バスがある。
 徳島県のJR阿波池田駅を発着するこのボンネットバスは、出発して一路大歩危峡を目指して元気よく走り出す。30年前のバスとは思えない「かっぷくのいい」走りだ。昔懐かしいエンジン音と窓を開ければ心地よく吹き込んでくる「天然クーラー」のおかげで、これから秘境を訪れるという雰囲気にピッタリだ。
 両岸の岩肌の美しさに圧倒され、石の博物館「ラピス大歩危」、平家の資料・遺品展示場「平家屋敷」と立ち寄って今と昔の移り変わりを見学したところで、いよいよ日本三大奇橋「かずら橋」に向かう。スリリングな橋を渡り終えると次はもっとスリリングな”祖谷街道”一番の難所、七曲がりをボンネットバスは疾走する。
 バス1台でいっぱいになる道幅のところを、結構な勢いで右、左とカーブしていく。途中、谷底まで200bの高さがあるがけにそびえ立つ”小便小僧岩”で停車。このバスの車名の由来となった彫刻岩だ。
 「秘境の険しい山道を、30年も前のバスで走って大丈夫なのか」と疑問の声が上がりそうだが、そんな心配をよそにこのバスは老いてますます元気に走っている。そもそも出発した直後にちゃんとアナウンスがある。「このバスに、万が一のことがあったら、どうぞその時はお客様全員のご協力をよろしくお願いします」と。(日本バス友の会関西支部 前川 泰輔)
 四国交通定期観光バス「秘境の小便小僧号」 3月1日から11月30日の間、毎日午前11時発。運貨は大人5200円、子供4700円(大歩危峡での船下り、昼食代など含む)。0883-72-1231。(朝日新聞 夕刊)
7日■オウム井上被告無期懲役 「指揮役」退け極刑回避 「謝罪の日々を」 事実認定重視 今後に影響も
 オウム真理教元幹部の井上嘉浩被告(30)に対する6日の東京地裁判決は「首謀者や実行犯と責任に差異がある」として、極刑を避けた。量刑を分けたのは、地下鉄サリン事件の「現場指揮役」とする検察側の主張を退けた判断。実行犯の元幹部林郁夫受刑者(53)が事件の解明、テロの再発防止につながる自白をしたとして情状酌量され、無期懲役となったケースと異なる。死刑を回避した新たな判決の影響は、オウム事件にとどまらない。
 「しっかりしなさい。しっかり裁判所の言うことを聞きなさい」
 無期懲役の主文を聞き、証言台に突っ伏して泣き崩れる井上被告を井上弘通裁判長はたしなめた。「宗教に逃げることなく、一人の人間として反省、悔悟してほしい。プライドを捨て去って謝罪の日々を送らなければならない」と続けた。
 判決は「反省など主観的な事情を過度に重視することは適当でない」との最高裁の判例を引用。事件でどういう役割を果たしたのかという客観的な事実の認定に多くのページを割き「現場指揮者」の役割を否定した。その上で「反省、悔悟が真撃(しんし)かつ顕著」と付け加えた。
 オウム事件の裁判が本格化した1995年の秋、東京地裁のある裁判官は、教祖の絶対的な命令で実行されたとされる事件の審理に備えて、上司の指示で捕虜虐待などに及んだ戦犯がどう裁かれたかに注目していた。各被告の役割評価が当初から懸案だったことをうかがわせる。
 実行犯とされる横山真人被告(36)はサリンを散布した地下鉄路線で死者が出なかったが、一審判決で「組織的犯行の一翼を担った」として、死刑とされた(控訴中)。
 この日の判決は「地下鉄事件の首謀者は松本(智津夫被告)」と認定。死刑を求刑され、今月29日と7月17日に判決の林泰男(42)ら実行犯とされる各被告についても「サリン散布の方法を自主的に考えたり、下見や予行演習を繰り返し、積極的な関与意思があった」と指摘。役割は検察側の主張通りだった。
 オウム事件にかかわる弁護士は「きょうの判決が林泰男被告らの判決に影響しないとは言わないが、事実認定で無期懲役になることはないだろう。反省がどう評価されるかだ」との見方を示す。
 「予想外の判決だった。地下鉄サリンは12人も殺されたのに坂本弁護士一家殺害事件よりも生々しく受け止められないから、こんな判決が出るのかなあ」
 法務・検察幹部は判決に戸惑う。通常の裁判で検察側の死刑求刑に対し、無期懲役の判決が出るのは被告の反省を評価したケースが多く、検察側は「主観的事情を過度に評価している」と控訴、上告してきた。
 しかし井上被告の判決は役割を否定し、検察側が描いた事件の構図を一部崩した。「事実認定で控訴することになるだろうが、最高裁まで争うことになるかもしれない」(同幹部)
 松本被告の弁護人の一人は「検察が井上被告を『現場指揮者』と位置付けたのは林郁夫受刑者の供述が根拠。しかし、他の実行犯は違う見方をしているので、これまでも争いになっていた」と指摘する。
 97年1月の松本被告の公判。国選弁護団から「死刑を覚悟しているか」と尋問された井上被告は少し間を置き「考えないようにしている」と答えた。しかし関係者によると、弁護人らには死刑の恐怖を訴え続けていたという。
・「夫に報告できない」 遺族らに戸惑い
 「死刑じゃないのか」「こういう選択も否定できないが…」。1995年3月の地下鉄サリン事件などをめぐり死刑を求刑された元オウム真理教幹部井上嘉浩被告を無期懲役とした6日の東京地裁判決は、遺族や被害対策弁護団の間に複雑な波紋を広げている。
 「実行犯だけでなく、サリンをつくった人、車を手配した人、一つでも抜ければ事件は起きなかった。実行犯だけ極刑というのは納得できない。これでは夫に報告できない」と、地下鉄事件で夫=当時(53)=を亡くした主婦(58)。昨年秋には、井上被告の公判に証人として出廷し、極刑を求めた。
 父親=当時(54)=を失った女性(29)は「法律と普通の人の考える社会正義と、遺族感情は全然リンクしないものだと思った。赤の他人を踏みにじることをして、後で、すみません、反省しますと言ってもそれで普通の人が許すか」と声を震わせた。
 オウム真理教被害対策弁護団の滝本太郎弁護士は「死刑にしても殺された人が戻るわけではない。命をもってけじめをつけてもらうのは、松本智津夫被告(45)=教祖名麻原彰晃=だけでいい」と語った。
・疑問残る判決/検察主張に無理/悔悟見守りたい
 松沢智日本大大学院講師(公法)の話 無期懲役は被告人のマインドコントロールの状況や生い立ち、犯行自体に直接加わっていない点などを情状酌量したのだと思うが、最高裁の死刑判決の基準からみても疑問が残る。共謀共同正犯と認めているのだから、地下鉄サリン事件の手段方法の残虐性、結果の重大性、被害者の数など社会的影響からも死刑にすべきではなかったか。
 作家佐木隆三さんの話 井上被告をサリン事件の指示役とする検察側の主張には無理があった。検察側は井上被告を松本智津夫被告のブレーンであるような言い方をしたが、井上被告は手足のように動く役割だったと思う。16歳で入信し、18歳で出家した井上被告のいわばお調子者的な姿を裁判所も見抜いていた。深く反省している点や法廷でウソを言わなかった点が彼の情状をよくしたと思う。
 オウム真理教家族の会会長永岡弘行さんの話 被害者や遺族のみなさんは「死刑」以外は許せないだろうと思う。しかし、はなはだ失礼かもしれないが、私は無期懲役で良かったと思っている。私の息子も井上被告も含め、オウム真理教はきまじめで今の常識の世界では生きていけない若者が集まった特殊な集団だった。その意味で私たち大人が姿勢をただす必要があり、一連の犯罪を許してしまった責任は私たちにもあると思うからだ。井上被告もまだ自分で物事を考えられる元の自分には戻っていないが、判決でも触れられたように、確実に反省と悔悟が深まっている。それを見守りたい。(京都新聞)
■乗り放題切符 発売中止へ JR東日本が8月以降
 JR東日本は6日、新幹線や特急自由席が乗り放題となる「ウィークエンドフリーきっぷ」など3種類のフリー切符の発売を8月以降取りやめる、と発表した。
 発売を中止するのはウィークエンドきっぷのほか、「親子スーパーパス」と「GO・GOフリーきっぷ」。一部を除いてほぼ通年で利用でき、土日を中心にJR東日本管内の新幹線や特急の自由席、または指定席に2−3日間乗り降りできた。
 同社は「家族旅行向けにつくったが、一人旅などの客の利用が多く当初の目的に合わなくなった。それに2日間では家族旅行にとって短いようだ」としており、新たにファミリー向けに3日間タイプのフリー切符を発売する。(京都新聞)
■地下鉄サリン 井上被告に無期懲役 東京地裁判決 反省悔悟を考慮
 東京地裁で6日午前から続けられていた元オウム真理教幹部の井上嘉浩被告(30)の判決公判で、井上弘通裁判長は同日午後、死刑の求刑に対して無期懲役とする判決の主文を宣告した。井上裁判長は被告の刑事責任について「極めて重大で死刑選択は当然許される」と指摘したうえで、最大の争点となった地下鉄サリン事件での役割が「実行行為を行っておらず、後方支援、連絡調整的なものにとどまる」ことや、「反省悔悟が責撃で顕著」であることなどを挙げ、「極刑を選択するにはなおいくぶんかのちゅうちょを感じる」と結論付けた。
検察側は控訴する方針。
 午前10時の開廷から3時間余りの判決理由の朗読の後、主文が宣告されると、井上被告は声を上げて泣き崩れた。裁判長は「人間性を見て無期懲役という選択をした。決して宗教に逃げ込んだりせずに犯した罪の重さをかみしめ、プライドや思い上がりを捨てて人間として謝罪の日々を送ってほしい」と語りかけた。
 判決理由の中で井上裁判長は、地下鉄サリン事件について、教団前代表・松本智津夫被告(45)が「教団への強制捜査を恐れて教団幹部らと共謀して組織的、計画的に実行した非人道的な犯行」と認定。しかし、検察側が井上被告の役割を「現場指揮役」と強調してきた点については「本来のメンバーではないのに自らのできる範囲で支援しようとしただけで、実行役と責任を同視することはできない」と述べた。
 そのうえで、教団で16歳から暮らしてきた井上被告の心理状況について、西田公昭・静岡県立大講師の心理鑑定の結果を引きながら検討。「自己決定を否定され、松本被告に絶対服従する状態にまでは至っていない」としつつ、「命令や意思に反することが困難だったことは、有利な情状の一つとして評価できる」とした。
 さらに、審理の終盤で被害者や遺族の証言を聴いた井上被告の姿勢について「当初はこだわっていた宗教や修行から離れ、次第に独りよがりな態度を改めていく内面の変化が十分に見て取れる」と評価した。(朝日新聞)
■元オウム幹部 井上被告判決 「意外…」戸惑う遺族 無期懲役 本人、泣き崩れる
 地下鉄サリン事件など10の事件で殺人や殺人未遂などの罪に問われた元オウム真理教幹部の井上嘉浩被告(30)に対し、無期懲役を言い渡した6日の東京地裁判決は、教団を巡る一連の事件では厳しい司法判断が続いていただけに、関係者の間に波紋を広げている。教団前代表・松本智津夫被告(45)の「側近」と言われた立場と、地下鉄サリン事件で「連絡調整役」とされた判決との「落差」。死刑を求刑した検察側は控訴の意向を示し、遺族らは「意外な判決」と複雑な表情を見せた。一方、井上被告の弁護側は「彼のことを理解した判決だ」と評価した。
 弁護人によると、3時間余に及んだ判決言い渡しの間、井上被告の目から二度涙があふれるのを見たという。最初は、自らが松本被告の公判で証言して明らかにした、地下鉄サリン事件をめぐるリムジン車内での会話について「十分信用できる」と裁判長が述べた時だ。
 再び涙がこぼれたのは、量刑の理由で「反省と謝罪の言葉には、内面の変化が見て取れる」と述べたあたりから。無期懲役の主文が言い渡された瞬間には、泣き崩れた。
 判決後に弁護人が面会した際も、「ありがとうございました」と泣きながら話し、「(地下鉄サリンの遺族から)厳しい言葉をいただいたのが、独善的な考えから反省へ移行するきっかけだった」と振り返った。
 「正直言って、とても困っている。判決は尊重したいが、法律と遺族の感情はリンクしない、と思った」。地下鉄サリン事件で父親を亡くし、この日傍聴した遺族の女性(29)は、判決後の会見で戸惑いの表情を見せた。女性は昨年10月、井上被告の法廷に証人として出廷した。「そのとき被告と直接話したが、反省しているように思えなかった。たった8ヵ月で変わるものでしょうか」と、裁判所が「反省悔悟が真撃で顕著」とした認定に疑問を投げかけた。「サリンをまいた実行役が死刑(判決)を受けているのに、上に立つ者が無期懲役というのでは、実行役はずいぶん貧乏くじを引かされたな、と思う」とも述べた。
 同事件で夫を亡くした「地下鉄サリン事件被害者の会」代表世話人の高橋シズヱさん(53)は、講演で福島市を訪れていた。「びっくりしている。服役後は社会に復帰できる。被害者の中には、一生復帰できない人がいる。これでいいのかな、と思う」と述べ、公判で積極的に証言したり、遺族に謝罪したりしていることについては「当然のことで、事件を起こした責任とは別」と話した。
 井上被告の弁護人は判決後の会見で「事実認定、量刑事情とも多面的に評価していただいた」と述べた。特に判決が地下鉄サリン事件で検察側が主張した「現場指揮役」を否定した点について、「周囲からどう見られたかではなく、彼が何をしたかで判断してくれた」と話した。(朝日新聞)
■オウム事件 井上被告の判決理由(要旨)
 地下鉄サリン事件など10事件で殺人罪などに問われた元オウム真理教幹部・井上嘉浩被告(30)に対して6日、東京地裁(井上弘通裁判長)が言い渡した無期懲役判決のうち主な事件の事実認定と量刑理由の要旨は次の通り。(呼称・敬称略)
●仮谷事件
 仮谷清志の死亡が逮捕監禁行為に基づく麻酔薬の副作用によるものであった可能性は否定できないが、一方で不適切な管理など様々な可能性も考えられ、死因は明確に特定できない。特定できない以上、被告人の逮捕監禁行為が仮谷の死亡との因果関係があると認めることはできず、逮捕監禁致死罪ではなく逮捕監禁罪の限度で成立を認めた。
●地下鉄サリン事件の共謀共同正犯
 被告人と松本智津夫らとの間で本件の共謀が成立したと検察官が主張するリムジン車内での会話では、本件の実行が決定されておらず、共謀が成立したとみるには無理がある。本件全証拠によっても、松本及び村井秀夫が本件犯行の実行を決意した謀議の存在やその状況は必ずしも明らかでない。いずれにせよ、その際に被告人が犯行メンバーに含まれていたことや、その後に、被告人が、松本あるいは村井から現場指揮者として本件の指揮にあたる旨の役割を指示されたことを認めるに足りる証拠はない。被告人の関与行為そのものは、後方支援ないし連絡調整的な役割にとどまり、客観的には被告人が検察官の主張するような現場指揮者というに値するだけの実態があったものとはいえない。
 しかし、他方、本件は、リムジン内で、地下鉄にサリンをまくことが話されてから犯行の実行まで、約五十余時間しかなく、その大規模な組織的、計画的犯行の態様に比べると極めて短時間で遂行された犯行である。その中にあって、被告人は、実行メンバーらが集結、使用するアジトを提供したり、車を調達したりするなど、被告人が長らく信徒活動を行ってきた上、諜報(ちょうほう)省長官として有していた調達能力がなければ困難な種々の行為を引き受けて実行して、短時間の犯行準備を可能ならしめている。
 また、被告人は、現場において犯行メンバー以外に本件を知る数少ない一人であり、本件当時の客観的状況からして、当該メンバーを除けは被告人以外に実行役と運転者役の組み合わせ等に関する事項を東京に集結していた実行役らに的確に伝達する役を果たせる者は考え難く、本件犯行の遂行、実現にあたって重要な役割を果たしていたと認められる。
 加えて、被告人は、犯行当時正悟師の地位にあり、新実智光を除けは東京の現場において最も高い地位にあったもので、その被告人が、話し合いで中心的に発言し、犯行の準備にかかわったことは、実行メンバーにとっては、被告人が、実行メンバーを統括し、犯行の遂行にあたるものと思わせ、ひいては、被告人の指示に従えばいいと思わせるに至ったものと容易に理解できる。
 被告人の関与が、客観的な行為自体としては、現場指揮者に値するようなものではなかったとしても、それらの行為を被告人が行うことによる効果はかなりあり、本件の遂行、実現にあたって、他の者では果たし得ないものとして、被告人の関与の意味は重要であると位置付けられる。
 被告人は、本件に加担するかもしれないことや自分にできることはやらなければならないと考え、林泰男や林郁夫のところへ行き、村井の部屋に行って、地下鉄の情報を提供するなど本件に次第に深く関与し始めた。
 その後も、村井に「来ないか」と言われて、松本の部屋に行き、その結果、村井から、車の調達や伝達役を依頼され、渋谷アジトの会議でも自ら最初に発言するなどの行動をとり、犯行当日も、わざわざ渋谷アジトに出かけ、本件証拠品の処分に関与している。
 このような被告人の積極的な関与の態様、被告人が関与することによる意味、影響、被告人自身の動機、認識などにかんがみると、弁護人が指摘するその余の点を検討しても、被告人は、本件のほう助犯にとどまるものではなく、共謀共同正犯の責任を負うものと認められる。
●マインドコントロール
 被告人の具体的な心理状態について、証拠に照らして検討するに、マインドコントロール的なものによる影響を受けた結果として、被告人の心理状態が、ある程度までは「自らの自己決定を放棄せざるを得ない状況になり、松本によって被告人の行動は操られることになった」と認められるとしても、それが絶対服従ないし松本の指示に従わないことがおよそ不可能というべき段階にまで至っていたとは認めることができない。
 本件各犯行の経緯、具体的状況等をみると、まず、被告人がそれぞれの当時、精神の障害を有していなかったことは、関係証拠から明らかだ。各犯行の動機をみるに、被告人や教団が当時置かれていた状況からすると、いずれも十分了解可能である。各犯行の計画、準備状況、実行行為、犯行後の事情などの具体的状況をみても、いずれもち密で合理的かつ合目的的な行動をとっている。そして、各犯行時において、被告人は、いずれもそれが違法な犯罪行為であるとの認識を有し、ときに犯行の遂行自体をちゅうちょすらしていたことは証拠上明らかである。
 以上によれば、被告人が、自己の思考を完全に停止し、行為の善悪を判断できない状況に陥っていなかったことが認められ、また、行為の善悪を弁識し、それに従って行動する能力も十分有していたものと認められる。
●量刑の事情
 弁護人は、被告人の刑事責任が極めて重大であるとしても、なお被告人にはしん酌すべき有利な情状があり、死刑は相当でないと主張する。弁護人が主張する点に照らし、被告人の個別的な事情について検討する。
 弁護人は、被告人が、公判開始前の段階において、捜査官にいまだ知られていなかった地下鉄サリン事件に関するリムジン車内の具体的状況について、自ら進んで明らかにする供述をし、そのことは、その後の地下鉄サリン事件関係者の公判に大きく貢献しており、自首に該当し、あるいは自首に準じてしん酌されるべきとする。
 しかし、この供述がなされたのは、1995年10月23日で、その段階では、地下鉄サリン事件がオウム真理教を背景とした犯行であることは、捜査官に既に発覚していたことが証拠上明らかである。しかも、遠藤誠一が、リムジン内で、松本からサリンを作れるかと聞かれた旨述べた同年6月5日付の検察官調書があり、リムジン内でサリンの話が出ていたことについても捜査官らは知っていたのであるから、被告人に自首が成立するものではないし、それと同視することもできない。
 弁護人は、被告人が、本件各犯行について、いずれも実行行為を行っておらず、地下鉄サリン事件において検察官が主張するような実行を指揮する地位にあったものではないと主張する。
 そこで、被告人の行為、役割等について、これまで認定説示してきたところを踏まえて、みていくこととする。
 地下鉄サリン事件について、本件の首謀者が松本、総指揮者が村井であること、被告人が、共謀共同正犯であり、本件につき直接の実行行為を行っていないことは明らかである。そして、被告人が、検察官の主張するような強力な指揮権を有し、現場で指揮をとったいわゆる現場指揮者とは認められず、その行った行為が、客観的には、後方支援あるいは連絡調整役程度であったことは、前記認定のとおりであるが、被告人が、そのような役割のものとして多くの行動をとり、本件に深く関与していることもまた、前記に認定したとおりである。
 被告人は、本件犯行の実行が決まった後、松本と二度会ってはいるものの、それは、被告人が教団施設などを攻撃する自作自演事件等を任されていたことによるものであり、本件に関する具体的決定にはかかわっていない。本件において、被告人が村井に次ぐ立場であって、松本や村井とともに本件の意思決定をしていたという事情は認められない。
 本件犯行の具体的実行方法については、村井から直接に実行役に対して指示があり、実行役がそれに従って細部の決定をして、実行に至ったものとみられる。村井と実行役との間においては、被告人の関与はもともと予定されていなかったものと評価される。
 また、被告人は、林奉男と東京でのアジトや車について相談しているが、これは両名の個人的関係からであり、林によれば、初めは被告人がどの程度のことを知っているか分からなかったとしていることや、実行自体に関して二人の間で決まった事項もないことは、被告人に本件の決定権限がなかったことの証左ともみられる。
 被告人は、本件の犯行を3月20日の朝の通勤時間帯に霞が関周辺で実行すること、実行役や運転者役の選定及びその組み合わせ、散布方法などの重要事項の決定に関与していない。他方で具体的実行方法の一部については、実行役ら自身が決定し、実行している上、被告人が渋谷アジトで村井の指示を伝えた行為は被告人が実質的に指示する趣旨のものではないことなどからして、被告人が行った行為やその果たした役割は、それ自体、本件の意思決定者、あるいは、それに付随するような立場で行われたものではないとみられる。
 そして、被告人が、松本から勝手に動くなとしかられ、サリンを山梨県上九一色村から渋谷アジトに運ぶ際にも、被告人が上九に向かっているという林奉男の説明に対して、村井が被告人は関係ないと言って、実行役を上九に呼び戻した。実行後、松本に事件の報告をしたのも実行役らであり、被告人は報告していない。
 こうした事情に照らすと、被告人は、本件の本来的なメンバーではなかったものの、個々の場面において、被告人が自ら村井や実行役の行為にかかわりを持とうとしたり、並行して進められていた自作自演事件等の実行責任者であった関係で村井と連絡をとる立場にあったことなどから、本件にも狭く関与するに至ったのである。実行役に対して指示命令する上位者として行為したものでも、また、実行役と同視できるような行為をしたものでもない。
 実行役として直接の実行行為に関与をする場合とそれ以外の行為をもって関与する場合とでは、おのずと差があり、後者の場合には首謀者等、犯行を主導する地位にない限り、犯行に対する積極的姿勢の故をもって、直ちに実行行為を直接行う者の責任と同視することは相当でない。
 特に、本件においては、実行役となった者らの行動をみても、サリン散布の方法を自主的にいろいろ考えたり、担当路線等を決めたり、下見をしたり、ビニール袋を傘で突く予行演習を繰り返すなどしており、実行役自体に、より積極的な関与意思があったことも十分うかがえる。被告人だけが、積極的であり、他の共犯者の意思を左右したとはみられない。
 以上によれば、被告人の責任は、非常に重いが、その責任は、本件証拠上認められる限り、本件の実行役と同視し得る程度のものであるとまではいえない。
 弁護人は、被告人は、16歳の未熟な時期にオウム真理教に入信し、以後教団以外の社会での生活を経験しないまま、24、5歳で本件各犯行に及んだもので、被告人自身には利己的な動機はなく、松本にマインドコントロールされた結果、松本の命令に従わざるを得ない心理的状況に追い込まれていたもので、その事情は量刑上十分考慮されるべきであると主張する。
 被告人にとっては、高校卒業後に修行者となることを選択して出家し、両親の下を離れて以来、修行、生活の場としていた教団こそが、被告人が社水経験を積み、人間的に成長して行く世界となったはずだったのである。このような被告人が、松本やそれまでの自己の修行を否定することは、自分の社会経験をすべて否定することにつながり、必ずしも容易なことではなかったであろうことは、率直に認めざるを得ない。
 そうすると、このような松本の影響下から離脱することの困難性は通常の者と比較して程度問題に過ぎないから、それをもって責任能力や期待可能性の存否に影響を与えるまでのものではないことはもとよりであるが、本件各犯行当時、被告人が置かれていた状況や心理状態は、被告人にとって有利な情状の一つとして、決して過大視はできないものの、それなりに評価することが相当である。
 さらに、被告人は松本の心理的拘束下にありながらも、殺人などのように反社会性の強い行為について実行犯として犯すところまでは至っていなかった。
 数々の本件各犯行に関与し、しかもその役割として、教団施設等で計画を立案し、指示命令する立場ではなく、現場で実行メンバーの一部として実行面に当たることの多かった被告人が、何度か松本からの指示を受けながらも、結局最後まで直接的な実行行為をするに至らなかったことは、被告人の刑責を考えるに当たって見落とすことができない。
 末期には殺人集団の様を呈していたオウム真理教にあって、秘密ワークに一貫してかかわる中でも、最後までその一線を越えなかったことは、評価してよい点といえよう。
 さらに、弁護人は、被告人が自分の行為を真撃(しんし)に反省悔悟し、心から被害者にわびる気持ちを持っていると主張する。
 逮捕後脱会する過程で、相応の困難があったからといって、それを被告人のために特段酌むべき事情とみることは相当でない。
 ただ、被告人は、自己の行為の責任を自覚するとともに、松本の教義の極めて独善的なぎまん性、自己中心的な反社会性に思いを致して、単に脱会するにとどまらず、積極的に松本を否定する行動に出、勾留(こうりゅう)理由開示などを通して、逃走中であったり教団にとどまる信者らに対して、松本を否定するメッセージを送った。平田悟のように現にこれに影響された者もいることは、本件各犯行が狂信的な犯罪集団と化していたといってよい教団による組織ぐるみの一連の犯罪であることからすると、相応の評価をしてもよい事柄である。
 また、このような過程を経て、被告人は、事実を正直に話さなければならないと考えるようになり、自ら捜査官を呼んでそれまで捜査機関に発覚していなかったリムジン車中での会話に関する重要事項を明らかにするなどした。これまで、松本を始めとする他の教団関係者の法廷を含む様々な場面で、自らの刑事責任に直結する事柄についても証言を拒絶することなく、事実を繰り返し述べてきたことは、被告人の反省の表れとみることができる。
 すなわち、被告人は、自己に不利益な点を含め、できるだけ正確かつ詳細に思い出そうと努めて、正直に供述しようとする姿勢を示し、それに従って供述していることは、公判廷を通じて十分に理解できる。被告人がすすんで供述した内容が、教団の実体や違法行為の解明に貢献するものであることは、十分うかがえる。犯行の重要部分が明らかにならない点が存在しており、松本とのかかわりや松本の指示について供述できる立場にあり、かつ、事実を完全に否定している松本の面前での証言のように、被告人にとっては困難な客観的状況下でも、それらをつぶさに供述する態度を貰いてきた被告人の行動が、事案の解明に重要であることは否定できない。そうすると、右のような点を全く考慮しないというのは相当とは思われない。
 弁護人は、被告人が被告人なりに、精いっぱい反省を深めようとしているとする。公判廷を傍聴した被害者やその遺族にとって、このような姿勢で公判に臨む被告人の在り方やその供述態度からして、いかに被告人が様々なオウム真理教による犯行に関する供述を重ねていっても、なお反省、悔悟や謝罪の気持ちが十分でないと映ったのは当然のことであった。一様に被告人に対して極刑を求めた心情は、まことによく理解できるところである。
 しかしながら、被告人は、とりわけ証拠調べの終盤において、集中的に取り調べた多くの被害者やその遺族らが異口同音に被告人らの犯した行為によって生じた被害の悲惨さ、甚大さや被告人に対する厳しい処罰意見を繰り返すのを目の当たりにして、次第に独りよがりな態度を改めて宗教的なものに逃げ込むことなく、人間として自己の責任に正面から向き合うように努めた。
 改めて自分が極めてごう慢で、他人の生命や感情を全くないがしろにして教団外の個々人の生活や思いを顧みようともしていなかったことに思い至って、自らの犯した罪の大きさに打ちひしがれ、その行為がもたらした取り返しのつかない惨状に対するおそれを実感して困惑、苦悩した。
 被害関係者に対する素直な謝罪の念を示しながらも、一方ではなお自らの生へ執着して迷うなど、人間としての率直な気持ちを素直に示すようになってきた。
 検察官の死刑求刑を受けての最終陳述に際しても、自分の反省が甘かったとして、最後に「何の落ち度もないのに亡くなった人のことを考えると、もう何も言えません」と述べるに至っているのである。
 このような、本件審理における被告人の供述の経緯や状況及びその態度等に照らすと、被告人が述べる反省と謝罪の言葉には、その内面の変化が十分に見て取れる。現段階においては、被告人の本件各犯行に対する反省、悔悟が真摯かつ顕著なものであると認めることができる。
 殺人の被害者だけでも実に14名に及ぶ本件各犯行を犯し、その実行行為者あるいは犯行の主導者などとして重要な役割を果たしている。各犯行の罪質、動機、態様、結果の悪質、重大性、遺族の被害感情及びこれらが我が国に及ぼした甚大な社会的影響等を全体としてみるとき、被告人の刑事責任は極めて重大というべきだ。死刑を選択することは当然に許されるべきで、むしろ、それを選択すべきであるものとすらいえる。
 しかしながら、これを被告人の各犯行に対する関与状況について個別的にみるときは、前示のとおりであり、量刑上最も重要であるべき地下鉄サリン事件においては、自ら実行行為を行っておらず、首謀者でも現場指揮者でもなく、犯行に関与した共犯者の中で主導的役割を果たしたとはいえないのである。
 共同正犯あるいは共謀共同正犯が、犯行全体に対して責任を負うことは当然であるとしても、直接実行行為を行った者や当該犯行の首謀者等の地位にある者と実行行為を分担していなかった者との間には、その責任の程度において差異があることもまた明らかである。共犯者中で主導的立場の者か、それ以外かによっても、同様に責任の程度には差異が生ずる。本件において、被告人の行った行為は、実行者と同視することができる程度の行為とまではいえない。
 そして、被告人の本件各犯行当時の心理的状況、現在までの反省、謝罪の態度、自己及び他の公判廷での供述態度及びその内容、それらからうかがわれる被告人の犯罪性、反社会性の状況、程度、前科前歴がないこと、両親が300万円をサリン事件等共助基金に寄付していること、被告人も自らの証人日当について約50万円全額を寄付していることなどの諸事情を併せ考えると、被告人に、地下鉄サリン事件の首謀者や実行行為者と同視しうるような責任までを負わせることはできない。
 死刑が究極のしゅん厳な刑であり、その適用に当たっては、慎重かつ綿密に犯行の罪質、態様、結果等を諸般の情状を検討し、真にやむを得ない場合に限って選択することが求められることからすると、被告人に対して、死刑という極刑を選択することには、なお幾分かの躊躇(ちゅうちょ)を感ぜざるを得ない。
 よって、被告人を無期懲役に処するのが相当と判断した。
●無期懲役判決 「役割の違い」決め手 心境変化もふまえ判断
解説 井上嘉浩被告(30)に対する無期懲役判決は、被告が問われた最大の事件である地下鉄サリン事件で検察側が主張の柱とした「現場指揮役」を否定し、「後方支援、連絡調整的役割にとどまる」と判断したことが量刑に大きく影響した。井上被告について共謀共同正犯が成立することや、積極的な犯行加担意思があったことを認めながら、事件の首謀者や直接の実行者であるサリン散布役と比べて責任の程度が軽い、と認定した。
 裁判所は、被告人質問の中で、井上被告にしばしば疑問の意見を出していた。「(実行役から)外されたにもかかわらず、おせっかい、好奇心で自分がかかわりを持とうとしているように見える」
 この時から、「現場指揮役」に否定的な心証だったことが感じられる。
 それに加えて、多数の犯行にかかわりながら、自らの手で殺害行為をしていない▽自分の責任を自覚してからは積極的に教団前代表の松本智津夫被告(45)を批判し、教団の犯行について供述している▽現在は反省、悔悟が真摯、顕著である−などを踏まえ、「極刑を選択するには幾分かの躊躇を感ぜざるを得ない」と述べた。
 井上被告の反省の情についても、判決が井上被告の法廷での供述をとらえ、「反省と謝罪の言葉には、内面の変化が十分に見て取れる」と指摘するように、被害者から「謝罪の気持ちも伝わらないし、現実を直視していない」などの証言を受けて、公判の終盤で井上被告の心境に変化が生じたことを裁判官は目の前で感じ取ったとみられる。
 ある刑事裁判官は「どれ一つが欠けても不十分で、役割の軽さ、犯行当時の心理状況、現在の反省のすべてがあって初めて、無期懲役の判断となり得た。特に役割の認定が重要で、ほかの二つはそれを支える形だ」と解説する。
 一方、弁護側が主張していたマインドコントロールについて判決は「責任能力の軽減などは認めることができない」とし、「殺人さえも正当化する教団に従って、違法行為や反社会的行為を行うことが許されないことに、容易に気づいてしかるべきだ」とした。
 しかしながら、16歳で入信、高校卒業後すぐに出家した井上被告が、社会経験を持ち、社会的地位や家庭を築いてきた他の被告信徒と比べれば「松本被告を否定することがより困難」だったことを考慮。「有利な情状の一つとして、過大視はできないものの、それなりに評価することが相当」と述べ、井上被告の置かれた状況の特殊性を強調した。
 判決は首謀者とされる松本被告や実行役の責任の重さを改めて強調する内容とも言える。地下鉄サリン事件を巡っては、散布役が死刑、送迎役が無期懲役と司法判断の流れが生まれつつあるが、この日の井上被告への量刑判断が、他の被告の量刑に与える影響は微妙とみられる。(中井 大助)(朝日新聞)
■京都市バス 急ブレーキで乗客3人けが 減速のトラック避け
 6日午後1時半ごろ、中京区西ノ京中保町の市道交差点で、京都市交通局の山越発京都駅行きの路線バス=田中千介運転手(58)、乗客約35人=が急ブレーキをかけ、乗客の50代の女性2人と70代の女性1人が転倒、頭やひざなどに3週間−1週間のけがをした。
 西陣署の調べによると、バスが交差点を通過した際、直前を走行していたトラックが突然、減速したため、追突を避けようとしたらしい。女性3人はバスの中で立っていた。(朝日新聞)
■北陸で地震 JR乱れる 小松で震度5弱 特急22本が運休
 7日午前6時16分ごろ、石川県など北陸地方を中心にやや強い地震があり、同県小松市で震度5弱を観測した。金沢地方気象台によると、震源は石川県の西方沖で深さ約10`。地震の規模はマグニチュード(M)5.8と推定される。
 この地震で、金沢市内の男性(40)が自宅で倒れてきたテレビで頭を打って軽傷を負ったほか、小松市内の女性(53)も自宅で落ちてきたガラスの置物が頭に当たり軽いけがをした。石川県山中町では役場の窓ガラス17枚が割れたりひびが入ったりした。
 また、JR北陸線の芦原温泉(福井県金津町)−水橋(富山市)問が点検のため上下線とも約2時間不通になり、富山発大阪行き特急「スーパー雷鳥14号」など特急列車23本、普通列車33本が運休。午前中は徐行運転が続き、北陸線のダイヤは大幅に乱れた。
 気象庁によると、この地震は震源付近の活断層が東西方向から力がかかってずれたために発生したとみられる。(朝日新聞 夕刊)
■園芸ブームでひっぱりだこに まくら木再び日の目 色合い・温かみに人気
 線路を支える役目を終えた「まくら木」が園芸や造園の資材として注目を集めている。ガーデニングブームにのって日に焼けた色合いや風合いが好まれ、鉢植え台や花壇の土留めなどとして利用されるほか、インテリアの一部として店舗の内装に使われている。これまでは廃棄物として扱われてきたまくら木だが、一躍脚光を浴びて、ドイツやアメリカなど海外の鉄道で使われたものを輸入する業者も出始めている。
 中古鉄道資材卸会社「国鉄産業」(大阪市天王寺区)はJR西日本の廃棄まくら木を専門に扱っており、1日に十数件の問い合わせがある。大阪府堺市にある同社の資材置き場には常時、10−30年もののまくら木約3万本が積み上げられ、傷み具合によって1本1500円から5000円で販売されている。
 兵庫県・淡路島で開催中の淡路花博「ジャパンフローラ2000」の会場でもまくら木が随所に使われている。施工した神戸市の造園会社「対馬造園店」の三井研一さん(49)は「エコロジーやリサイクルといった自然回帰志向が高まったせいか、温かみのある庭が人気で、急にまくら木を使うようになった。来場者からも問い合わせがある」。
 衣料品店や居酒屋などの内装資材としても注目され、大阪府吹田市豊津町にある子ども服店「ユニフォーム」では、床に長さ1bのまくら木約150本を敷き詰めている。オーナーの北原武史さん(40)は「焦げ茶色の深みのある色が商品の素材感を引き立たせる。同業者からも『何を使っているのか』とよく聞かれます」と言う。
 一方、独自のルートで海外から輸入する業者も出てきた。大阪港の関西木材市場の一角にあるガーデニング資材販売の専門店「グリーンポート」は昨年から、ドイツと米国からコンテナで輸入したまくら木を1本3980円で販売。店を経営する木材会社が取引があった海外の販売元の紹介で取り寄せた。店長の阿藤全寛さん(43)は「立てて照明灯の土台にしたり、穴を開けて鉢を置いたりと、加工の楽しみもあるので売れ筋商品になるでしょう」と期待を寄せている。(朝日新聞 夕刊)
■乗客ら24人重軽傷 高松 バス・クレーン車衝突
 7日午前7時ごろ、高松市上之町一丁目の県道交差点で、「北四国クレーン」(本社・高松市)のクレーン車=金藤智司運転手(22)=と「コトデンバス」(同)の路線バス=佐藤由二郎運転手(52)=が出合い頭に衝突し、はずみでバスは県道わきの歩道の鉄柱にぶつかって止まった。この事故で、バスの乗客の高松市三条町、会社員古川満子さん(58)と香川県香川町川東下、無職植松一義さん(51)が腕などに重傷を負ったほか、佐藤運転手と乗客の計22人が軽傷を負った。高松南署はクレーン車の金藤運転手を業務上過失傷害の疑いで現行犯逮捕した。
 調べによると、クレーン車前部にあるクレーンのアーム部分でバスの運転席前面ガラスが割れ、車内に飛び散ったガラスの破片などで乗客がけがをしたらしい。
 バスは香南町から高松築港行きで、事故当時、乗客は23人で全員がけがをした。クレーン車は事故現場近くのマンション建築現場に向かう途中だった。(朝日新聞 夕刊)
8日■列車に女性飛び込み
 7日午後3時10分ごろ、城陽市枇杷庄鹿背田の近鉄京都線富野荘駅で、近くに住む女性(69)が、同駅を通過しようとした奈良駅発国際会館行き急行(6両編成)にはねられ、死亡した。
 城陽署の調べでは、ホームにいた女性が線路に飛び降りたという。約900人の乗客にけがはなかった。急行は15分ほど同駅に停車し、特急など7本が14分から5分以上遅れた。同署は、自殺とみて調べている。(京都新聞)
■電車内で痴漢容疑 京都市職員を逮捕 「揺れで接触?」供述
 滋賀県警草津署は7日、滋賀県甲賀郡の京都市消防局職員(46)を県暴力的不良行為防止条例違反の疑いで現行犯逮捕した。
 調べでは、職員は7日午前7時10分ごろ、柘植発草津行きのJR草津線の車内で、甲西町の女性公務員(23)の体を触った疑い。女性が草津駅で職員の後を追い、駅員に突き出したという。
 調べに対し、職員は「電車の揺れなどで触れたかもしれないが、故意ではない」と話しているという。(朝日新聞)
9日■列車に車いす用トイレなく旅断念 JR東日本などを提訴
 列車での旅行を計画したにもかかわらず、車いすでトイレが利用できないために断念せざるを得ず、「精神的苦痛をこうむった」として、「車椅子でも乗れる列車を求める会」代表の石川静さん(65)=東京都青梅市=が8日、国とJR東日本を相手に車両に車いす用トイレが設置されていない2路線の整備と、慰謝料など110万円の賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。
 訴状によると、石川さんは病気のため1991年から車いすを使用している。石川さんは、自然景観にあこがれ、JR東日本・小海線(小諸−小淵沢)と五能線(東能代−弘前)を利用した旅行を計画。あらかじめ、トイレの設置状況を調べたところ、車両にトイレはついていたものの、車いすでは使えないことが分かり、旅行をあきらめたという。
 さらに、石川さんは国(運輸省)に対して、車いす用トイレを設置した車両の導入を鉄道事業者に指導するよう申し入れたにもかかわらず、これを怠ったと指摘している。
 石川さんは「車いすで実際に旅行をしてみて、満足感より怒りしかなかった。乗りたい列車にも乗れないのが実情で、司法の場で決着を付けるしかないと思った」と話している。
 JR東日本によると、一編成あたりの車いす用トイレの設置率は、新幹線は100%だが、特急は38%、通勤用の普通電車などトイレ自体ついていない場合もあり、同社全体では16%。小海、五能線の車両には設置されていないという。
 JR東日本広報部の話 訴状を受け取っておらず、内容を把握していないのでコメントできない。(朝日新聞)
■JR関西線一時運休 府南部で大雨
 近畿地方は9日朝の大雨で各地のJRが運休や徐行運転し、8000人近い通勤通学客に影響が出た。
 午前4時45分ごろ、京都府笠置町のJR関西線月ケ瀬口駅などで1時間に35−40_の雨量を記録したため、加茂(京都府加茂町)−亀山(三重県亀山市)間で始発から運転を見合わせた。
 午前8時前に再開したが、その後も一部区間で徐行運転などが続き、部分運休を含め普通列車14本が運休するなど約1900人が影響を受けた。京都府相楽郡南山城村で乗車できない児童が出たため、同村大河原の大河原小は、始業時間を1時間繰り下げる措置をとった。(京都新聞 夕刊)
■2000円札・500円玉 改造券売機「発車」遅れそう 鉄道各社 流通様子見も
 今年夏から2000円札と新500円硬貨が登場するのに伴い、鉄道各社は自動券売機の改造に頭を抱えている。とくに2000円札の場合、識別装置の開発には半年ほどかかるのに、デザインの発表が遅かったため、とても発行までに改造が間に合いそうにないからだ。費用がかさむこともあって、各社には流通状況を見守ろうという思惑もある。利用者が切符の購入に使えるのは秋以降になりそうだ。
 「開発は進んでますか」
 「まだ新札の情報が手に入らないんで…」
 阪急電鉄の鉄道計画室調査役、松田圭史さん(37)は春先から、券売機メーカーとこんなやりとりを繰り返してきた。
 同社は昨年末から15億円をかけ、新型券売機120台を導入してきた。2000円札発行が決まった直後で、表示板には「2000」と入れ、今はシールで覆っている。あとは発行に合わせて新札を受け付けるように改造する予定だった。しかしメーカーが新札の詳細情報を大蔵省から得たのは、発行まで3ヵ月を切った5月初旬。改造が完了するのは年末になるという。
 松田調査役は「発行に間に合わず利用者に不便をかける。ただ、不完全なシステムでやるわけにもいかない」と困惑する。
 「阪神電鉄は、高額紙幣が使える94台を2000円札対応に改造する意向だが、今年度いっぱいはかかりそう。とりあえず1台数十万円をかけ、2000円札で切符を買えるよう改造する。
 2137台の券売機を持つJR西日本は「紙幣発行後の状況をみて改造の範囲を決めたい」と、具体的なことは市中への出回り状況を見てから決める。
 一方、新500円硬貨への対応は変造硬貨防止の目的もあり、さらに遅くなる可能性もある。「流通の半分以上が新硬貨に置き換わったころを見計らって新硬貨専用に改造する」(阪急)、「新硬貨しか受け付けないと不便は避けられない。まだ検討中」(阪神)、「秋に装置が開発されるのを待って順次、新旧両硬貨用に改造」(JR西日本)。
 2000円札は7月、新500円硬貨は8月から発行が始まる。わずか2ヵ月の間に新硬貨と新札が出るのは異例のこと。改造費は全部自己投資のため、簡単にいかない事情もあるようだ。
 1万円札が聖徳太子から福沢論吉になった1984年には、3年前に発行することが発表された。日本自動販売機工業会(東京都港区)は「今回はいずれも猶予が1年もない。即対応するのは難しいですよ」と説明している。(朝日新聞 夕刊)
10日■南海電鉄が出億円赤字 連結決算
 南海電気鉄道が9日発表した2000年3月期の連結決算によると、最終損益は前期の2億円の黒字から24億円の赤字となった。連結最終赤字は1978年3月期に連結決算を公表して以来初めて。売上高は連結対象子会社数の増加で前期比14.0%増の1922億円だった。
 本業の運輸業をはじめ、遊園事業や南海サウスタワーホテルなどレジャー・サービス業は不振で、運輸業では、同24.8%減の減益だった。(朝日新聞)
■弱い地震でも機械が警報 近畿一円 鉄道に運休・遅れ 近畿一円
 10日午前8時33分ごろ、東海道・山陽新幹線米原−姫路間が、地震のため上下線とも停電となり、運転がストップした。その後、安全を確認し送電を開始、約20分後に運転を再開した。
 JR西日本によると、停電は、同8時32分ごろ発生した東海道沖の地震を警報システム「ユレダス」が感知し、作動した。地震は東北、関東から中国地方まで広範囲であったものの近畿では大東市(大阪)で震度1が観測されただけだったが、この影響で大阪環状線など関西地区の13の在来線も一時ストップし、最大約15分の遅れが出た。
 JR西日本京都支社によると、京滋では京都発の東海道線の普通電車、奈良線の快速電車の各1本が運休となったほか、湖西線や山陰線、北陸線などでも一時、電車が非常停止し、各線で最大15分程度の遅れが出た。
 各線ともダイヤの乱れはその後、徐々に回復しているが、東海道線関係では計92本、4万4000人の足に影響が出、上りでは、正午現在も引き続き5−10分の遅れが出ている。
 京都駅を含め、各駅とも乗客などの大きな混乱はなかった。(京都新聞 夕刊)
■地震検知器が作動して停止 姫路−米原間で新幹線
 10日午前8時33分ごろ、大阪府南河内郡内に設置されているJR東海道・山陽新幹線の地震早期検知システム(ユレダス)が作動し、同新幹線は米原−姫路間の上下線で運転を停止した。午前8時53分に運転を再開したが、上下線26本が最大26分程度遅れ、約1万9000人に影響が出た。
 また、京都線や神戸線、湖西線、北陸線など在来線の地震警報システムも地震を感知し、走行中の電車が非常停止し、各線で最大15分程度の遅れが出た。
 ほぼ同時刻に東北南部から近畿、中国地方にかけて広い範囲で、東海道沖を震源地とする地震が観測された。しかし、JR西日本によると、ユレダスは震度1程度では作動せず、誤作動の可能性もあるという。(朝日新聞 夕刊)
11日■独で登山電車衝突 邦人2人員傷
 【ベルリン10日共同】ドイツ南部の観光地ガルミッシュ・パルテンキルヘンで10日午前11時(日本時間同日午後6時)ごろ、登山電車同士が正面衝突し、日本人2人を含む少なくとも35人が重軽傷を負った。
 地元病院関係者によると、負傷したのはナカノ・サダコさん(50)とナカノ・トシヒコさん(61)で、病院側は、2人とも「重傷ではない」としている。
 ナカノさんは夫婦で旅行に来ていたとみられるが出身地などは不明。在ミュンヘン日本船領事館が確認を急いでいる。
 警察当局者によると、負傷者数は増える可能性があるが、けがをした日本人は2人だけとみられる。
 事故現場はガルミッシュ・パルテンキルヘン駅から約4`の単線のトンネル内。電車は途中の駅で行き違うことになっており、警察当局はどちらか一方の電車の進入が早過ぎたとみて調べている。
 登山電車は、ドイツ・アルプス最高峰のツークシュビッツェ(2963b)の山頂近くが終点で人気の観光コース。ガルミッシュ・パルテンキルヘンはオーストリア国境近くの小都市で1936年に冬季オリンピックが開かれた。(京都新聞)
■登山電車衝突 57人が重軽傷 独、邦人2人含む
 【ベルリン10日=古山順一】ドイツ南部の観光地ガルミッシュパルテンキルヘンで10日午前11時(日本時間午後6時)ごろ、登山電車同士が正面衝突し、日本人2人を含む少なくとも57人が重軽傷を負った。
 地元の病院によると、ナカノ・サダコさんとナカノ・トシヒコさんで、ほかにもアジア系とみられる2、3人が負傷したという。けがの程度などはわかっていない。
 地元警察によると、事故はガルミッシュ駅に近い単線のトンネルの入り口付近で起きた。約15人は重傷という。(朝日新聞)
12日■山陽新幹線コンクリ落下 施工者に賠償請求へ JR西日本
 昨年6月と10月に起きた山陽新幹線コンクリート落下事故で、JR西日本は12日、コンクリートの劣化が著しく進んだ責任を当時の施工業者に問い、損害賠償を請求する方針を固めた。事故個所やその後の総点検で見つかった施工不良個所の施工業者を対象に、修繕費用などから請求額を算出する。同社は落下事故がコンクリート構造物への信頼を大きく揺るがせた点を重視し、警鐘を鳴らす意味からも、約300億円とみられる費用の一部を施工業者に負担させる模様だ。
 事故後、JR西日本は山陽新幹線全線のトンネル総点検を進める一方、施工業者57社から施工方法や材料について聞き取り調査を進めた。昨年末には法律学者らによる専門委員会を設置し、施工業者や旧国鉄(国)に法的責任が問えないか検討を依頼していた。
 専門委は五月末、報告書を提出。法的責任の有無については、双方の可能性が併記された。不法行為の時効(20年)も論点になったが、法解釈上、起算点のとらえ方などにより時効にはならないとする見解も出した。
 同社は、こうした専門委の見解に加え、施工不良によってコンクリートの劣化が想定以上の速さで進んだ点も考慮し、施工業者に賠償請求できると判断した。監督責任のあった旧国鉄(国)に対しては、権利義務関係が複雑で責任を問うのは難しいとみている。
 一方、事故の原因には施工業者の施工不良だけでなく、JR側の点検の不十分さもあると指摘されており、業者の負担責任をどこに限定するか、詰めている。
 JR西日本はトンネル総点検や修繕のため、今年3月期決算で当初見込みの100億円を上回る150億円を計上した。修繕費は通常、年間20億円程度だ。さらに、今年度と来年度で高架橋の修繕も含め160億円程度を見込み、総額で300億円を起す出費が想定されている。(朝日新聞 夕刊)
13日■窓 松葉づえの旅 席譲られ感謝 近江八幡市・山本通生(団体職員・60)
 松葉づえを常用しており、あまり電車に乗ったことがない。40年余り公務員として勤めさせていただき3月末で退職、妻と初夏に旅した。
 JR琵琶湖線で京都へと乗車すると、満員である。新聞を読んでいた中年男性が、私を見るなり電車の中をきょろきょろ見回され「お−い、君ら席譲ったらどうや」。高校生が4つの座席に3人で座り、1つの席は大きなカバンを置いてある。男性は続けて「気持ちよう立たんかいな。高校生やろう。君らは立っていてもどうゆうことないやろう」と大きな声を掛けられた。3人は楽しそうに語り合っている。
 私は申し訳ないなあと思っていた。弱い立場と思われる私のことを、若い方々へ伝えるのが難しい社会になってきています。多くの事件を考え複雑な気持ちでした。「なあ、みんな分かるやろう」と再度話され、高校生3人は立ってくださいました。妻とほかの老人ら4人とともに「ありがとう」と言って座らせてもらいました。女子高生はぴょこんと頭を下げ、ニツコリ。
 勇気のいる言葉と、気持ちよく行動してくださった高校生の皆さんに感謝し、楽しい旅のスタートになりました。(京都新聞)
■バスに揺られて 連接型18b 渋滞スイスイ
 JR総武線、京成千葉線の幕張本郷駅前。一目で他のバスとは違う長い京成電鉄マリンスタジアム行き連接バスがとまっている。ヨーロッパでよく見かける大量輸送を目的とした大型連接バスは、日本ではつくば科学万国博の時に会場輸送用に限定路線で走った事があるが、定期路線バスでは日本初だ。1998年12月10日にデビュー、現在10両で運行している連接バスの後部には「全長18メートル 追い越し注意」と大きく書かれている。この連接バスは、エンジンがスウェーデンのボルボ社、ボディーが日本の富士重工業製で、オートマチックトランスミッションを備えている。
 JR幕張本郷駅を後にいろいろな形をした集合住宅群の中を快適に走る。交差点の右左折はさぞかし大回りをするのだろうと運転席をのぞき込むが、運転手さんは普通のバスのように軽くハンドルを回す。連接部分から、キュキュという音と共に難なく交差点を切り抜ける。
 グリーンベルトが美しいバス通りは、午前7時から午後8時までバス優先レーンで渋滞をしり目にスイスイと走る。やがてバスは、富士通、NTTといった大企業のビル群を後に、JR海浜幕張駅に到着。改めて車内を見るとやはりこのバスはとてつもなく長い。
 建築家槇文彦氏が設計した銀色の国際展示場幕張メッセ前で多数の人が降りる。なにかイベントでもあるのだろう。まもなく連接バスは終点、千葉ロッテマリーンズの本拠地、マリンスタジアムに到着。バスを降りて見ると背景の近代建築群に連接バスは本当によくマッチしている。(日本バス友の会関西支部長 中尾 晋也)
 京成電鉄連接バス 京成電鉄幕張本郷駅前〜マリンスタジアム間を約15分で結ぶ。日中、7分から10分間隔で運行。運賃大人250円。03-3621-2418。(朝日新聞 夕刊)
14日■JR西日本 業者に賠償請求へ 山陽新幹線コンクリ落下 「ずさんな工事」
 昨年、山陽新幹線で相次いだコンクリート落下事故で、JR西日本は13日までに、ずさんな工事でコンクリート劣化が進んだとして、施工業者に損害賠償を請求する方針を固めた。請求額は数十億円になるとみられる。監督責任のあった旧国鉄(国)に対しては、契約上の問題から請求は断念する。
 同社は事故後の総点検で施工不良が見つかったことから、昨年末、法律学者らによる専門委員会を設置し、業者や国の法的責任が問えるか検討を依頼した。
 関係者によると、委員会は5月末、民法の損害賠償請求権が不法行為時から20年で消滅することから@時効が成立A(損害発生で)不法行為を知った時を起算点として請求可能−とする2つの可能性を両論併記した報告書を提出。
 同社はこれを基に業者に対しては、最終的にずさんな工事の責任を問うべきだと判断した。
 国については、国鉄民営化で、国の特殊法人から新幹線施設を購入した際の契約書に「施設に瑕疵(かし)があっても請求権はない」との項目があるため、請求は困難とした。
 同社は総点検や修繕のため今年3月期決算で150億円を計上。さらに本年度と来年度で160億円程度を見込んでいる。(京都新聞)
■台湾新幹線8月契約 覚書に調印 日本側が10%出資
 【台北13日共同】総額950億台湾元(約3300億円)に上る日本の新幹線の台湾への初輸出は13日、台北で覚書に調印したことで、遅くとも8月中に正式契約締結にこぎつける見通しとなった。事業主体の台湾高速鉄道公司の殷h理事長が調印後に語った。
 覚書の内容は発表されていないが、台湾高速鉄道公司によると、三井物産を主幹事とする「台湾新幹線企業連合」は、最終的に1350億元に増資される台湾高鉄の資本金の10%を出資することで合意した。調印に立ち会った三井物産の佐藤和夫副社長によると、正式契約締結後に日本企業連合は特定目的会社(SPC)となり、台湾高鉄へ出資する。
 しかし、受注額の85%程度といわれる国際協力銀行による融資については、通貨建てなどの条件をめぐり合意に達せず、今後半年から1年かけて交渉を続けることになった。
 新幹線は2005年10月の完成を目指し、既に操車場や土木工事の一部が着工。現在4時間かかる台北−高雄間を1時間半に短縮し、台湾経済へ大きな波及効果が期待されている。(京都新聞)
■地下鉄、未明の街を走る 神戸・海岸線の新車両
 来年秋の開業をめざして神戸市が建設している市営地下鉄海岸線(三宮−新長田、約8`)の第1号の車両が完成し、14日未明、神戸市兵庫区の製造工場から約2`離れた車庫まで、一般道を通って専用トレーラーで運搬された。車両は14日午後、車庫から地下鉄の線路に搬入される。
 車両は、長さ約15b、幅約2.5b、高さ約3b。カーブなどへの対応から、通常の地下鉄よりやや小型。回転灯を点灯させた先導車に続き、車体を積んだ専用トレーラーが時速10`前後で走り、途中で2つの交差点をゆっくりと通過した。(朝日新聞 夕刊)
15日■30社に十数億円請求へ コンクリ落下 JR西が方針 話し合い決着探る
 山陽新幹線のコンクリート落下事故を受け、JR西日本は14日、今秋からトンネルの「施工不良個所」の業者30社に対し、個別に損害賠償請求の交渉に入る方針を明らかにした。今年3月期決算で計上した修繕費150億円のうち、二十数億円の賠償を求める方針。訴訟は避け、話し合いで決着を図るという。28日の株主総会で説明する予定。
 JR西日本によると、山陽新幹線の施工業者はトンネル、高架橋を含め54社で、請求の対象となる業者は過半数にのぼる。請求額の根拠やその算出方法は明らかにしなかったが、「施工不良の認定は済んだ」として今後、請求対象の施工業者数や、請求額は増やさないという。
 JR西日本は、昨年の2度のコンクリート落下事故と、その後のトンネル総点検などで、施工不良個所が多数見つかったため、昨年末に、法律学者と弁護士5人による求償問題等検討専門委員会を設置した。そこで、旧国鉄や、JRに新幹線を売却した新幹線保有機構、施工業者に対し、それぞれ法的側面から損害賠償請求の可否を検討してきた。
 検討委は、施工業者について、不法行為に20年の時効があるものの、起算点を損害が発生した時点ととらえ、請求は可能だと判断した。しかし、旧国鉄(現・日本鉄道建設公団国鉄清算事業本部)については、そもそも不法行為の要件を満たしていない恐れがあり責任追及は難しいとした。また、新幹線保有機構(現・運輸施設整備事業団)には、売買契約書に「いかなる瑕疵についても責任は問わない」と免責条項が明記されており、請求は困難と判断した。
 南谷昌二郎社長は14日の会見で、「山陽新幹線は資材や人材が払底するなか、期限の定められた難工事でつくられ、構造的問題を抱えている。円満な解決のため合理的な金額を考えた」と話した。(朝日新聞)
■USJ玄関駅の名はユニバーサルシティ
 来春闘業予定の米国映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」(大阪市此花区)の玄関口として建設が進むJR桜島線の新駅の名称が「ユニバーサルシティ駅」に正式決定した、と14日、JR西日本が発表した。新駅開業はUSJ 開業の直前を予定している。(朝日新聞)
■阪急電鉄 首都圏で住宅に進出 第一弾、高級マンション
 阪急電鉄は14日、三菱地所など大手不動産各社と提携し、首都圏で住宅分譲事業を始めることを明らかにした。4月の社内の組織改正で、首都圏住宅営業部を新設しており、首都圏市場の開拓に乗り出す。
 当面は、都心部の一等地で高級マンションを分譲する方針で、第一弾となるのが、三菱地所と共同開発する東京都千代田区六番町の高級分譲マンション(14戸)。今秋に分譲を開始する。
 8月に着工し、来年夏に完成の予定だ。竹中工務店が設計と施工を請け負う。
 阪急電鉄は全国の私鉄で初めて沿線での住宅分譲に乗り出し、沿線人口を増やす私鉄経営の先駆となった。
 長引く不況が深刻な近畿圏だけでなく、市場規模の大きい首都圏に注目。大手不動産各社と提携することで、今後の収益源としたい考えだ。(朝日新聞)
16日■井上被告無期 検察側が控訴 サリン「事実誤認」
 地下鉄サリン事件など10事件で殺人罪などに問われた元オウム真理教幹部・井上嘉浩被告(30)に東京地裁が6日に言い渡した無期懲役判決に対し、検察側は16日、量刑不当や事実誤認を理由として東京高裁に控訴した。
 検察側は一審で、井上被告を地下鉄事件の「現場指揮役」と位置づけて死刑を求刑したが、判決は「現場指揮役」の位置づけを否定し、「連絡調整役程度にとどまる」とした。
 検察側はこうした事実認定のほか、目黒公証役場事務長が監禁されて死亡した事件で逮捕監禁致死罪が適用されなかったことなどに対して、誤りがあるとみている模様だ。(朝日新聞 夕刊)
17日■「のぞみ」に立席券登場 来月1日から発売
 JR東海とJR西日本は16日、全席指定の東海道・山陽新幹線「のぞみ」に指定券を持たないまま乗車できる立席特急券を7月1日から発売する、と発表した。
 立席特急券は寝台特急などで区間を指定して発売されているが、新幹線では初めて。
 立席特急券は満席ののぞみに限り、停車駅のみどりの窓口などで1列車当たり52枚限定で当日発売する。東京−新横浜間など100`以内の短距離を除く区間に有効で、通常期ののぞみ指定席特急料金より510円安く設定した。
 デッキ使用が原則だが、直前のキャンセルなどで指定席に空きがあれば指定料金を払って利用できるという。
 のぞみは1992年の登場以降、全席指定が売り物だっただけに、指定席の乗客から不満も出そうだが、両社は「立ってでも早く到着したいという要望にこたえた結果。発売時に車内に立たないでください、という注意書きを手渡してデッキに誘導したい」と話している。(京都新聞)
■ボディーには波の絵 ライト当てれば車内に星空 いさり火列車公開 JR福知山支社
 JR西日本福知山支社は16日、この夏の運転にむけて改装中の臨時列車「いさり火列車」(城崎−浜坂間)の車両を福知山駅などで公開した。内部には、トンネルなど暗い場所で専用ライトをあてると海中や星空の風景が浮かび上がる特殊塗装を施し、外側には大きな波の絵を描いた。同支社は「山陰の新しい風物詩に」と期待している。
 列車はディーゼルカー3両編成で、浜坂寄りの1号車の天井に海中、城崎寄りの3号車には星空の絵がそれぞれ描かれている。3両とも外側には、大きくうねる日本海の波の絵を配して、雰囲気を盛り上げている。乗客は、幻想的な車内から日本海に浮かぶイカ釣り船のいさり火を楽しめる。
 さらに車内販売設備などを設けて、7月8日から9月10日までの土、日曜日に1往復運転する。乗車券は運転1ヵ月前からの販売。同支社は「今月20日過ぎからは販売エリアを京阪神にも拡大する予定」と話している。(京都新聞)
■欧州超特急 2006にも パリ−フランクフルト間 独仏プロジェクト”快走”
 【フランクフルト16日共同】次世代の「欧州超特急」を開発しようと、ドイツとフランスによる共同プロジェクトが急ピッチで進んでいる。早ければ2006年に新型車両をパリ−フランクフルト間に導入、両区間は従来より約2時間30分短縮して、3時間半程度で結ばれる見通しだ。
 両国政府の後押しを受けて現在、ドイツ鉄道とフランス国鉄が新超特急の具体案を詰めているが、欧州の多くの国で採用できるように費用や運行技術面に配慮しているという。
 将来ワルシャワ、ミュンヘンなどに延長する計画も浮上しており、両国の関係者は鉄道旅行ファンの増加に期待している。
 計画は両鉄道会社が今秋、メーカーに具体案を提示。ドイツの超高速列車(ICE)を製造するシーメンスと、フランス新幹線(TGV)を手掛けるアルストムの独仏両メーカーが開発に着手する「全くの新型車両で、最初から設計を考える」(シーメンス)という。
 新車両は営業時速で最高時速320`を目標にするが、経済性も重視する。運行する路線はパリ−ストラスプール、カールスルーエ経由−ミュンヘン間と、パリーフランクフルト、ベルリン経由−ワルシャワ間なども検討されている。(京都新聞)
■立って「のぞみ」来月かないます 510円引き専用特急券、デッキ指定 JR西と東海
 全席指定が売り物だった東海道・山陽新幹線の「のぞみ」について、JR東海とJR西日本は7月1日から、立ち客用の「立席特急券」を売り出すことを決めた。満席の場合、デッキに立つことを条件に、のぞみ料金より510円引きで販売する。東京−大阪間のシャトル便など、航空業界の攻勢が強まるなか、「いつでも乗れる」という新幹線の利便性を高める狙いもある。
 のぞみは「ひかり」や「こだま」と違って自由席がない全席指定制。さらに停車駅を限って所要時間を短くしていることから、ほかの特急料金より2割ほど高い「のぞみ料金」を設定してきた。
 JRはひかりを削減する一方、のぞみ増発を続けており、現在は全285本のうち、のぞみは51本。平日の朝夕に出発する便は、満席となるケースが多く、窓口では「立ってでもいいから」という客が目立っていた。当分、のぞみ増発は見込めないことから、輸送力を増やす「苦肉の策」として、立ち客を認めることにした。
 東京−新大阪間では、のぞみの通常料金は運賃を含め1万4720円だが、立席特急券の場合は1万4210円となる。満席となった便に限り、当日に販売する。販売数はデッキに2人から4人ずつを目安にし、1便当たり50枚程度にする。(朝日新聞)
18日■感震器が作動 新幹線に遅れ 姫路、4500人に影響
 17日午後7時ごろ、兵庫県姫路市にあるJR山陽新幹線の感震器が作動し、神戸市西区伊川谷町別府から同県赤穂市大津まで約70`区間の架線を流れる電気が一時止まった。JR西日本が約10分後に異常のないことを確認して送電を再開したが、新神戸−岡山駅間を走っていたひかり号など上下線の計12本が最大12分間遅れ、約4500人が影響を受けた。JR西日本によると、感震器は基準以上の揺れで作動し、自動的に送電が停止する。当時、地震は確認されておらず、同社が作動した原因を調べている。(朝日新聞)
19日■今津 バス営業所に強盗 外国人?5人組 職員殴り209万円奪う
 19日午前1時ごろ、滋賀県高島郡今津町今津、西日本ジェイアールバス近江今津営業所(荒海敏三所長)の宿直室で、仮眠していた同営業所車両助役宇野秀雄さん(50)が押し入ってきた外国人風の男5人組に鉄パイプようのもので全身を殴打され、電気コードなどで両手、両足をしばられた。
 男らは、1階宿直室横の事務所の金庫2つとロッカーの扉をバールようのものでこじあけ、中の現金計約209万円を奪って逃走した。宇野さんはろっ肯や足首の肯を折るなどで約2ヵ月の重傷。県警捜査一課と今津署は、強盗傷害事件として男たちの行方を追っている。
 調べによると、男らは白色の布ようのもので顔を隠し、片言の日本語で「カネ、カネ」と話したという。盗まれた現金は、2つの金庫にあった17、18両日の売上金、準備金の計約209万円という。男らは同営業所ドアのカギを特殊な道具を使って開け、侵入した可能性もあると見て捜査している。
 調べでは、同日午前5時20分ごろ、福井県の小浜支所に出勤した社員が近江今津営業所に連絡したが応答がなく、同営業所近くに住む社員が10分後に所在確認に訪れ、しばられた宇野さんを発見し、110番通報したという。
 現場は、JR湖西線近江今津駅のすぐ南側の線路沿い。近くに今津署もある。
 県警は、4月27日未明、栗太郡栗東町手原の電子部品販売会社事務所で宿直中の男性社員が外国人風の男たちにネクタイで体を縛られ現金約5万円が盗まれた強盗事件との関連も調べている。(京都新聞 夕刊)
20日■新幹線乱れ 1200人に影響 京都駅
 19日午後11時15分ごろ、大津市南大萱付近を走行中のJR新幹線の新大阪行き「ひかり267号」の車両のドアが閉まっていることを示す運転席のランプが突然、消えた。列車は車両の点検のため、現場付近で非常停止した。
 車体を点検した結果、異常がなかったため、列車は約30分後に運転を再開した。このトラブルで後続の「ひかり269号」と「のぞみ69号」=いずれも新大阪駅行き=も現場付近で立ち往生し、乗客計約1200人に影響がでた。
 JR東海が、ランプが誤作動した詳しい原因を調べている。後続の「のぞみ」は京都駅に予定より35分遅れ、20日午前零時10分ごろに到着した。
 遅れた新幹線との乗り継ぎのため、京都駅では湖西線、奈良線、山陰線の最終列車がいずれも「のぞみ」の到着を待ち、出発が大幅に遅れた。(京都新聞)
■ふれあい農業体験ツアー参加者募集 信楽高原鉄道など
 滋賀県信楽町の農業の活性化を目指す多羅尾生活改善グループや信楽高原鉄道(本社・信楽町長野)などは、7月14日に行う「ふれあい農業体験 ゆっくり信楽 手作り体験ツアー」の参加者を募集している。
 同グループや甲賀農村活性化センター、町交通対策協議会が主催。信楽高原鉄道やJR路線バスの利用促進を目指し、陶芸だけではない町の魅力を体験してもらうため、昨年から始めた。
 ツアーは午前10時半、JR貴生川駅に集合、同鉄道で信楽に向かい、路線バスで五大銘茶の産地朝宮や多羅尾を巡る。朝宮茶の試飲や地元の祇園祭に参加し、かしわもち作りなどを体験する。
 定員は40人。締め切りは7月7日までだが、先着順。参加費は、同鉄道やバスの往復運賃、昼食代、手作り材料費などを含めて1人4000円。ツアー参加希望者は住所、氏名、電話番号を記入し、ファクス、または電話で同鉄道 0748(82)3391、FAX(82)3323へ。(京都新聞)
■青鉛筆
 近鉄電車がゼンマイつきミニカー「チョロQ」になる。3月に走り出した、近鉄奈良駅と京都市営地下鉄国際会館駅とを結ぶ急行ペイント電車のミニチュア版だ。
 1セット2両編成で、1100円。来月28日の発売で、限定1万セット。がん具メーカーがつくり、近鉄が駅営業所などで売るほか、通信販売も。車体には本物同様、奈良や京都の寺社がカラフルかつ魅力たっぷりに描かれている。
 鉄道車両のチョロQ化は関西の大手鉄道業界で初めて。即日完売が予想される人気商品にあやかって、「夏休みは、ぜひ本物の電車に乗って古都を訪れて」と担当者。(朝日新聞)
■黒部アルペンルート アイドリンク禁止に
 富山県立山町は7月から、中部山岳国立公園内の立山黒部アルペンルートを対象に、エンジンをかけたまま観光バスなどが駐車するのを禁止する。同町議会が19日、「アイドリング禁止条例」を可決した。悪質な違反者は氏名や雇い主のバス会社を公表するという。アルペンルートには、年間約1万3000台の観光バスが通行し、住民から、排ガスによる悪臭や樹木への被害などを懸念する声があがっていた。環境庁によると、国立公園内を対象にした同様の禁止条例は初めてという。
 条例によると、アイドリングの禁止区域は、アルペンルートの玄関口となるケーブルカーの立山駅周辺から、観光バスの終点となる室堂までの全長約32`。主に観光バスを対象にし、信号待ちなどの一時的な停車は除かれている。(朝日新聞 夕刊)
■扉開き3分走行 緊急停車のひかり267号 故意にレバー引く? 米原−京都間
 米原−京都間を走行中だった新大阪行きの東海道新幹線ひかり267号で19日夜、車両のドアが閉まっていることを示すランプが突然に消えて大津市内で緊急停車した問題で、4号車の前方左側の扉一つが完全に開いたまま、約3分間にわたり停車まで走行していたことが20日、JR東海の調べで分かった。滋賀県警鉄道警察隊が捜査している。
 JR東海によると、4号車の扉の横にある手動で扉を開ける非常用レバーが引かれた状態だった。同社は、何者かがレバーを引いて扉を開けたとみて、滋賀県警と京都府警に届けた。
 ひかり267号は約30分後に運転を再開したが、後続を含めて3本が最長35分遅れ、約1200人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■ひかり走行中ドア開く 時速220` 停止まで3分間 米原−京都
 19日午後11時15分ごろ、滋賀県草津市の東海道新幹線米原−京都間を走行中の東京発新大阪行き「ひかり267号」(16両編成)の運転士が、ドアが閉まっている状態を示す表示灯が消えたのに気づいた。約3`先で緊急停止して調べたところ、4号車の非常用ドアコックが使用され、進行方向左側のドア1枚が全開していた。確認したが異常は見つからず、午後11時45分ごろ運転を再開した。
 同列車は当時、時速220`で走行中。ドアが開いていたのは、緊急停止するまでの約3分間だったという。ひかり267号には乗客約400人が乗車していた。この影響で、下り3本が最大35分遅れ、乗客約1200人に影響した。新幹線のドアは、非常用ドアコックを引いた上で、手で開けないと開かない仕組みという。JR側は、いたずらの可能性があるとみている。(朝日新聞 夕刊)
■バスに揺られて 旅情そそる城下町を周遊
 100円の料金で好きなところで乗り降りできる「タウン・スニーカー」と呼ばれる周遊バスが、長野県の城下町、松本市内を走っている。
 かつての城下町の名残と、現代風な街並みを同居させる松本市内は、独特の雰囲気をかもし出し、アルプスの山々を見晴らす気分は、なんとも言えない。山のない東京から来ると、余計に旅情をそそる。
 たまたま昼食時、ここへきたら何はともあれ蕎麦である。きいてくれはよかったが、いきあたりバッタリの旅もよかろう。蔵つくりの店が並ぶあたり、古そうな蕎麦屋に入る。注文して待つこと30分。手打ち蕎麦をダイコンおろしとタレにつけて食べる味は、さすが本場もん。客の注文を聞いてからゆでる店だったのだ。
 駅前通りから満席の「タウン・スニーカー」が出発する。ボディーには、100円のイメージマークが描かれたユニークなバスだ。1日乗車券利用の客が多い。
 松本駅前から大名町、松本城、旧開智学校、上土町、大橋通り南を巡り、松本駅前へ戻ってくる。大きな観光ポイントは松本城。旧開智学校のある鷹匠町で降りる。明治9年に建てられた文明開化の祖先だ。
 お堀の橋を渡り、城内に入る。お城の裏から入り込んだ感じだが、ここから入る観光客も結構多い。城が小さく見えていたが、近くまで来て見上げると威風堂々たる名城だ。
 黒く塗られた5層6階の天守閣が緑の木々に囲まれ、静かなお堀のうえに鮮やかに浮かんでいる。
 再びバスに乗り、城を離れる。晴れてた空が急に曇ってきた。(日本バス友の会会長 岡嶋 良一)
 松本電気鉄道 タウン・スニカー 1回乗車は大人100 円、子ども50円。1 日券は大人500円、子ども250円。0263-26-7000。(朝日新聞 夕刊)
21日■KTRが夏季ダイヤ 臨時列車は6本だけ 乗客増には増結で対応
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)は20日、海水浴やお盆の帰省に備えて夏季臨時列車などのダイヤを発表した。
 今回の臨時列車は昨年10月、JR特急との接続を改善した大幅なダイヤ改正の後とあって、6本にとどまり、乗客増には列車増結で対応する計画。
 帰省時は、京都−天橋立間で8月13日−15日に下り、15日−17日は上りで連日1本、特急「はしだて」を臨時運行。7月22日から8月20日まで、特急「タンゴ・ディスカバリー」(京都−豊岡、久美浜間)と、「タンゴエクスプローラー」(新大阪−久美浜、宮津間)をそれぞれ2両と3両増やすなど計15本の特急を増結する。
 企画列車では、今年も「納涼ビール列車」を「天橋立炎の架け橋」が行われる7月20日に福知山−天橋立間で運転。「漁火を眺めてビール&カラオケ列車」を同23日に西舞鶴−網野間、30日には豊岡−天橋立間にそれぞれ運転する。(京都新聞)
■コーラス聞き優雅に電車待ち トロッコ嵯峨駅 駅舎内で歌声披露 米・アイオワ州の市民合唱団
 駅舎に響く歌声を観光客らに楽しんでもらおうと、右京区嵯峨のトロッコ嵯峨駅構内で20日、米国のコーラスグループが合唱を披露した。笑顔たっぷりの表情で織りなされるさわやかなハーモニーを、電車を待つ乗客や近所の人たちが暑さを忘れて満喫した。
 米国アイオワ州スーシティ市の市民合唱団で、19日から1泊2日の予定で京都市内を訪問。来日の際に京都での発表の場を探していたところ、スーシティ市と姉妹都市提携を結んでいる山梨市がトロッコ嵯峨駅を推薦し、この日の演奏会が実現したという。
 メンバー35人が披露した英国民謡や米国のポピュラー音楽は、天井の高い駅舎によく響き、近所から駆けつけたという主婦吉本ひろ子さん(49)は「迫力があって、胸がぶるぶる震えます」と話し、一緒にリズムをとりながら聞き入っていた。(京都新聞)
■訪韓の絶対条件は経済支援 注目は鉄道連結 財源難が障害に
 「軍人が向かい合っていると互いを敵視するだけ。そうならないためにも、双方が京義線の復元のため軍を動員しましょう」。南北共同宣言の署名から一夜明けた15日、金総書記は平壌の百花園迎賓館で開いた昼食会で、上機嫌で金大統領に提案した。
 経済協力の具体例として注目されるのが、ソウルと、中朝国境の新義州を結んでいた同線の連結だ。第二次大戦前まで朝鮮半島の動脈だったが、南北分断で、軍事境界線付近で途切れた。金総書記の提案には、京義線を連結して輸送網の整備の足掛かりにしたいとの期待がにじむ。金大統領も即答はしなかったが、帰国演説で「新世紀のシルクロードになる」と連結の必要性を強調し、両首脳間にある程度の論議があったことをうかがわせた。
 韓国側試算では総工費約1500億ウォン(約144億円)で、工期は1年から1年半。連結すれば釜山から欧州まで通じる。また韓国から北朝鮮への輸送費も、鉄道便なら船便の約30%で、北朝鮮投資を促進するうえで双方に利点がある。
 北朝鮮経済は回復の兆しがあるとはいえ、どん底に近い状態だ。不振の原因は経済構造そのものにあり、一時的な支援ではその場しのぎに終わる。
 だからこそ北朝鮮は韓国から本格的な経済協力を求めた。鉄道、港湾など社会基盤を整備し、農業構造を改善することで社会を安定させ体制を存続させる。共同宣言に「ソウル訪問」を明記した際には、金総書記がそんな図式を描いたとみられる。
 「電気事情が悪い。南に余った電気があれば送ってくれるとありがたいです」。韓国紙によると、同日の昼食会で、金総書記は金大統領に電力事情がひっ迫していることをうち明け、送電を求めたという。また、同じ席で金総書記は、韓国側の財界人たちを周りに集め、歓談しながら人参酒のグラスを重ね、経済協力にかける意気込みをみせた。
 こうした北朝鮮側の積極姿勢もあり、京元線(ソウル−元山)の連結や軍事境界線付近を流れる臨津江の水防事業、西海岸の工業団地建設など韓国側から様々なプロジェクト案が出ている。だが、問題は財源だ。
 三星経済研究所の試算では道路や鉄道、電力など北朝鮮の主要な社会基盤整備の費用は約10兆ウォンに及ぶという。しかし、韓国政府が保有するのは対外経済協力基金、南北協力基金など現在1兆ウォン弱だけ。韓国側には、アジア開発銀行(ADB)など国際機構の資金に加え、日朝国交正常化後の日本の補償まで当て込む動きも出ているが、財源問題の論議は始まったばかりだ。(朝日新聞)
■警視庁警部補 痴漢で逮捕 電車内で女高生触る
 埼玉県警新座署は21日、電車内で女子高校生の体に触ったとして県迷惑防止条例違反の現行犯で、同県上福岡市上福岡、警視庁本富士署刑事生活安全課係長の警部補佐藤弘夫容疑者(48)を逮捕した。
 調べでは、佐藤容疑者は21日午前7時20分ごろ、東武東上線の通勤急行電車内で、東京都内の私立高校に通う埼玉県川越市の女子高校生(15)の背後から、体に触る痴漢行為をした疑い。
 電車が駅に到着した際に女子高生が佐藤容疑者の手をつかんで、駅員に突き出した。調べに佐藤容疑者は容疑を否認しているという。(京都新聞 夕刊)
■信号故障で運休 大阪環状線
 21日午前7時ごろ、JR大阪環状線京橋駅(大阪市城東区)で、外回り線の出発信号が赤のまま変わらなくなり、普通電車(乗客約350人)が発車できなくなった。
 約30分後、信号は正常に作動するようになり運転が再開されたが、13本が運休したほか14本が最大30分遅れ、約1万2000人に影響が出た。
 JR西日本が故障の原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■信号が故障しダイヤが混乱 JR環状線京橋駅
 21日午前7時2分ころ、JR大阪環状線京橋駅で、外回り線の信号が赤のまま変わらず、天王寺行きの普通電車(8両編成)が構内から出発できなくなった。信号は7時33分ころ正常に戻ったが、この間、環状線外回りは全線で止まった。
 JR西日本によると、この故障で、関空紀州路快速など19本が運休、外回り電車14本に最大30分の遅れが出た。約1万4000人が影響を受けた。
 午前7時半から約1時間が通勤ラッシュとなるJR大阪駅では、一時、乗客がホームにあふれ、駅員が「ご迷惑をおかけしています」と放送を繰り返した。(朝日新聞 夕刊)
■便利な駅へ企画次々 本の取り置き・専用ロッカー・レンタサイクル… JR・私鉄 工夫に乗った?評判上々
 職場からインターネットで注文した書籍を最寄り駅の売店に取り置き、帰宅途中に受け取る。こんなサービスが阪急電鉄で今春、始まった。ほかにも、自分専用のコインロッカーを提供したり、駅で自転車を貸し出したりする企画が関西の私鉄各社やJR西日本で広がっている。いずれも、「ちょっとした工夫で駅を便利にして乗客を呼び込もう」という発想だ。
 阪急梅田駅近くの会社に勤務する女性会社員(25)は、手作りせっけんの本が欲しくなりインターネットで紹介されていた、このサービスを利用してみた。残業で退社が深夜になり書店に寄る時間がないためだ。
 注文から2日後、同駅茶屋町口の売店に到着、とのメールが届いた。駅売店は午後10時半まで開いている。「すぐに手に入った。便利です」
 現在、80駅92店舗で扱っている。ホームページには1日4、 500件のアクセスがある。書籍代は定価で、手数料は取らない。
 昨春から人気を集めているのが「マイ・ロッカー」で、京阪電鉄が始めた。
 契約すると自分専用にできるコインロッカーのかぎがもらえる。小型で1ヵ月3000円。11駅198個から、今では12駅274個になった。
 阪急でも今年5月から16駅で始めた。名称も同じ「マイ・ロッカー」。「駅にあなた専用ロッカーが」と宣伝する。
 JR西日本はいま、JR住道駅(大阪府大東市)前でレンタサイクル事業に取り組んでいる。
 ベンチャー事業ディレクターの渥美信さん(35)が営業の外回りや駅までの通勤通学用に需要があると考え、2年前に「駅リンくん」の名前でオープンさせた。1ヵ月2000円の定期利用のほか、1日1回300円の単発利用の2本立て。定期契約は約500人。自転車 350台を朝夕フル回転させながら利用してもらう。「黒字経営」と好調で、今年中には別のJR駅前への出店を計画中だ。(朝日新聞 夕刊)
■警視庁警部補 電車内で痴漢 埼玉、容疑で逮捕
 電車内で女子高校生の体を触ったとして、埼玉県警新座署は21日、警視庁本富士署の刑事生活安全課係長(警部補)、佐藤弘夫容疑者(48)=同県上福岡市上福岡五丁目=を県迷惑防止条例違反の疑いで現行犯逮捕した。佐藤容疑者は「触っていない」と容疑を否認しているという。
 調べでは、佐藤容疑者は同日午前7時15分ごろ、東武東上線の電車内で川越市の女子高校生(15)の体を触った疑い。女子高校生が「あなた痴漢でしょ」と言いながら佐藤容疑者の左手をつかみ、志木駅員に突き出した。佐藤容疑者は出勤途中だった。(朝日新聞 夕刊)
22日■地下鉄脱線、89人けが NY 車輪浮き上がる
 【ニューヨーク21日共同】米ニューヨーク市で20日午後10時(日本時間21日午前11時)ごろ、地下鉄が脱線し、乗客89人がけがをした。うち3人は頭などを打って重傷。ニューヨークの日本総領事館によると、日本人は巻き込まれていないもよう。
 事故があったのはブルックリン区の地下鉄B線デカルブ街駅構内。マンハッタン方面行き8両編成の列車が同駅を発車した直後、3両目の車両の車輪が浮き上がって前3両が脱線した。
 警察と地下鉄当局が脱線の原因を調べている。ニューヨーク・タイムズ紙によると、デカルブ街駅で同様の事故が起きたのは1985年以降、今回で4回目。カーブになった同駅の線路構造に問題があるとの指摘が出ている。
 乗客の一人は「突然、急ブレーキがかかって、みんな床に投げ出された」と語った。また、爆発音のような音を聞いた乗客もいた。
 同駅はB 線とN線、M線などが交差するため、一時、同駅を通る全線が不通となったが、当局が徹夜で事故車両の撤去作業に当たった結果、21日朝のラッシュアワーまでに全線が復旧した。(京都新聞)
■窓 今や懐かしい車内での電話 草津市・竹原 信次(会社員・55)
 朝晩の通勤ラッシュの電車内が、最近大変静かだ。早くも、電鉄側の電話マナー励行運動が、禁煙マナー運動に続いて効果を表し始めたのかな? 車内をよく見渡して見ると、あちらでも、こちらでも、うつむき加減で携帯電話を無心にプッシュしているのが見える。
 1992年2月にサービス開始された「iモード」をはじめとする新しい”ケータイ”が爆発的に売れ、電話のインターネット時代が幕を開けた。この九月には、早くも1000万台以上の発売を予測しているという。車内で静かにEメールやネット・コミュニケーションに無我夢中の時代が来ている。流行のスピードの速さにあぜんとする。
 あの騒がしい車内電話が、妙に懐かしく感じるほどの気味悪さだ。「混雑した車内での携帯電話のご使用は、周りのお客さまの迷惑になりますので、ご使用はご遠慮ください」のマニュアル放送はむなしく感じられる。(京都新聞)
■圧縮天然ガス+電気=低公害&経済性 日産ディーゼルがハイブリツド車
 トラックメーカーの日産ディーゼル工業は21日、圧縮天然ガス(CNG)エンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッドカーを国内で初めて開発し、試作車のバスを公開した。粒子状物質(PM)の排出はほぼゼロで、低公害性と燃費効率を高めることを同時に実現できた、という。
 CNG車はトラックや乗用車としてすでに発売されている。ディーゼル車に比ベ排ガスはクリーンだが、「燃費効率は20%程度劣っている」(日産ディーゼル)という。日産ディーゼルは、CNG車をハイブリッド化することで、低公害化と経済性の両立を目指した、としている。
 2000年度中にトラックで商品化する予定で、燃費効率はディーゼル車に比べ1.5倍程度になるが、量産効果はまだ見込めないため、コストは高くなるという。(朝日新聞)
■日本人観光客7人けが グルジア ケーブレ車両滑落
 【モスクワ21日=副島英樹】グルジアからの情報によると、同国の首都トビリシで21日、観光地のムタツミンダ山のケーブルカー施設で、日本人観光客20人の乗った車両が坂を約15b滑り落ち、駅の鉄製の囲いに激突した。この事故で日本人7人が胸や足の骨を折るなど重軽傷を負い、入院した。
 ツアーを企画したのは福岡市の「アミューズトラベル」で、同社によると、清川博子さん(78)=青森県下北郡大畑町=が、ろっ骨が肺に刺さる大けがをしたほか、谷口綾子さん(75)=福岡県大牟田市=らが骨折や打撲などのけがを負った。ツアーは添乗員を含め総勢20人で、ツアー客は青森、福岡県のほか、九州、近畿、中国地方から参加していた。
 山頂とふもとの駅のドラムを結ぶケーブルが車両を引っ張り上げる構造で、ケーブルがドラムからはずれたらしい。(朝日新聞 夕刊)
■視覚障害者に暴行した疑い 滋賀で男性逮捕
 JR列車内や駅構内で視覚障害者の女性に暴行したとして、滋賀県警彦根署は22日、滋賀県栗東町手原三丁目、工員野田保資容疑者(50)を傷害の疑いで逮捕した。
 調べでは、野田容疑者は13日午前7時55分ごろ、同県彦根市稲枝町のJR稲枝駅で普通列車から降車する際、乗り合わせていた同県神崎郡内の県立盲学校生の女性(20)が邪魔になったとして腹を立て、車内で女性の髪の毛をわしづかみにしたうえ、列車のドア付近や駅構内で顔を殴り、1週間のけがを負わせた疑い。(朝日新聞 夕刊)
23日■トレーラーが衝突 架道橋えぐり逃走 JR六地蔵駅の西
 22日午前4時ごろ、伏見区桃山町西尾の市道で、近くの住人から「JRのガードにトレーラーが衝突した」と110番通報があった。伏見署員らが駆けつけたところ、すでにトレーラーは現場からいなくなっており、JR奈良線・六地蔵駅の約500b西の鉄製架道橋の橋げたの下部に、えぐれたような傷跡があった。同署は、道路交通法違反(事故不申告)の疑いがあるとみて、トレーラーの行方を追っている。
 JR西日本は始発から現場付近を徐行運転した。
 同署などの調べによると、架道橋は下部が長さ1.2b、幅20aにわたり、えぐれたように破損していた。JR西日本では、同日の終電後から23日の始発までに修復工事をするという。(朝日新聞)
■お盆指定券受け付け
 JR西日本は7月3日から8日までの間、お盆期間中(8月9日−20日)の指定券の申し込みを事前に受け付ける。全国のJR線が対象になる。電話予約センター(0088・24・5489か078・341・7903)に連絡して申し込み、京阪神地区の主要駅で、乗車の1ヵ月前から7月23日までに、代金と引き換えに切符を受け取る仕組み。受付時間は午前8時から午後9時まで。(朝日新聞 夕刊)
24日■新幹線高架橋から モルタル片落下 大阪・東淀川区の路上
 23日午後5時ごろ、大阪市東淀川区西淡路三丁目の路上で、東海道新幹線の高架橋(高さ約7b)から車道部分に、こぶし大のモルタル片が落ちたのを通行人が見つけ、東淀川署に連絡した。けが人はなかった。JR東海の調べでは、落ちたモルタル片は3個に割れており、計880c。高架橋の防音壁と高架部分のすき間を埋めているモルタルが、はがれ落ちたらしい。昨年8月に点検した際には異常はなかったという。(朝日新聞)
■南海 希望退職者215人が応募 予想を上回る
 南海電気鉄道は23日、今月前半に募集した希望退職への応募者が全社員数の4.3%にあたる215人に上った、と発表した。応募者数は予想していた約130人を大幅に上回った。南海は要員の見直しを図っており、人員削減の前倒しを進めている。
 今月末に43人、9月末に172人が退職する。鉄道やバスの部門の応募者が多く、「分社化を進めているバス部門で予想を上回った」(広報部)としている。退職金の平均額は2979万円で、通常の約4割増。このうち再就職支援制度やグループ会社紹介制度の利用者は26人に上る。(朝日新聞)
■交通ボランティア養成へ 駅で車いす介助や案内 運輸省が制度創設検討 将来、学校で研修も
 運輸省は24日、鉄道の駅で車いすの人の乗り降りを介助したり、日の不自由な人やお年寄りを案内したりする「交通ボランティア」の養成制度を2001年度に創設する方針を固めた。障害者や高齢者が暮らしやすい街づくりの一環で、ソフト面からバリアフリー(障害排除)対策を進めるのが狙い。
 計画では、同省の外郭団体「交通エコロジー・モビリティ財団」が研修を担当し、修了者を交通ボランティアに認証する。各鉄道会社は必要な人数・グループを登録し、駅構内での介助や案内などの業務を委託する。原則無報酬とし、入場料は免除する。
 鉄道会社は、経営合理化で駅員や乗務員の削減を進めている。一方で、ボランティアの活用には事故発生時の責任問題など安全面への不安から消極的。このため、車いすの人は駅員に事前に連絡しなければならないなど応対は十分ではなく、目の不自由な人が一人で歩いていて、ホームから転落する事故も後を絶たない。
 そこで同省は、鉄道会社と協力して、駅構内の安全対策の講習も盛り込んだボランティア研修制度を創設し、鉄道会社が安心して委託できる人材を育てることにした。
 将来は、小、中、高校の授業などにも研修を取り入れ、障害者や高齢者と触れ合うことで、思いやりの心をはぐくむ体験学習の実施も検討する。(京都新聞 夕刊)
■運転士からコカイン検出 NYの地下鉄脱線事故
 【ニューヨーク23日共同】AP通信によると、ニューヨーク市の交通当局は23日、先に同市ブルックリンで起きた地下鉄事故で、脱線した車両の運転士からコカインが検出されたこたを明らかにした。
 市側は「コカイン使用と事故の関係は不明」としている。市当局はこれまで現場付近のポイント故障が事故原因との見方を示してきた。
 当局によると、運転士は1991年以降10回の麻薬検査を受けたが、常に陰性だった。地下鉄を運営する市側は、現在停職中の運転士を近く解雇する方針。
 事故は20日夜に発生、ブルックリンのデカルブ街駅で地下鉄B 線のマンハッタン方面行き列車が脱線、乗客約90人が負傷した。(京都新聞 夕刊)
■夢 グラフ・ウィークリー 銀河鉄道の夜
 車内では天井に浮かぶ天体や海の生物の幻想的な絵が、車窓からは日本海のいさり火が楽しめる「いさり火列車」が、7月8日からJR山陰線の城崎−浜坂間を走る。列車は3両編成で、1、3両目には特殊塗装された星空や海中をイメージした絵が描かれている。暗くして紫外線ライトを当てると、色鮮やかな光景が広がる仕組みだ。
 9月10日までの毎週士、日曜に運行される。(朝日新聞 夕刊)
25日■補修面積は1万5000平方b 山陽新幹線の高架橋
 山陽新幹線のコンクリート構造物劣化問題でJR西日本は24日、山陽新幹線の高架橋で補修した個所の総面積が約1万5000平方bに上っていることを明らかにした。
 同社は昨年7月と10月に緊急点検を実施。7月は道路や歩道上などに架かる高架橋を優先して点検、劣化個所が約1380平方b見つかった。10月にはそれ以外の高架橋を点検した。(京都新聞)
■ご難 新幹線停車 京都駅
・ドアこじ開けようと
 24日午後4時34分ごろ、東海道新幹線で、上り東京行きひかり126号が京都駅を発車した直後に、車両ドアが閉まっていることを示す運転席の表示灯が突然、消えた。このため、運転士が列車を非常停止させ、列車は約100b進んだところで止まった。
 JR東海によると、車掌が調べたところ、4号車でドアが閉まっていないことを示す車両側面ランプが点灯しており、京都駅から乗車した外国人男性が、車内からドアを手でこじ開けようとしたためと分かった。男性は入場券だけを持っており、知人の見送りに来て誤って乗車したらしい。
 新幹線は、発車後にドアを車内からこじ開けようとすると、ドアが閉まっていないことを示すランプがその車両の側面で点灯するとともに、運転席の「戸閉め表示灯」が消える。このトラブルで、ひかり126号は、9分遅れて発車し、約1000人に影響が出た。
 JR東海によると、男性は日本語をよく話せなかった、という。
・つる草 架線に下がり
 24日午後零時42分ごろ、東海道新幹線の米原−新大阪間の上下線で、瞬時の停電が発生した。
 JR東海が調べたところ、京都市山科区上花山坂尻の東山トンネル東側出口付近で、上り線の架線につる草が垂れ下がっていた。このため、午後3時38分から米原−新大阪間の上下線を7分間停電させ、つる草を取り除いて運転を再開した。
 除去作業に伴い、上り東京行きひかり124号が京都駅を12分遅れて発車、約1100人に影響が出た。(京都新聞)
■カラスが「ドン」
 24日午後5時15分ごろ、広島市西区の山陽新幹線広島−新岩国間で、東京発博多行きひかり103号が走行中、先頭車両の床下付近で「ドン」という異常音がしたため停車した。車両を点検したが異常は見つからず、約10分後に運転を再開した。
 JR西日本が調べたところ、現場付近にカラスの死体があり、先頭車両下部に衝突したとみられる。(京都新聞)
■架線につる草 新幹線遅れる 京都 トンネル出口付近
 24日午後零時42分ごろ、東海道新幹線の米原−新大阪間が一瞬、停電した。作業員が見回りをしたところ、京都市山科区の東山トンネル出口付近で、長さ約2bのつる草が上り線の架線に垂れ下がっていた。送電を上下線で一時停止させて刈り取ったため、広島発東京行き「ひかり124号」(乗客約1100人)が12分遅れた。(朝日新聞)
26日■ポイント故障で電車11本に遅れ JR山科駅
 25日午後2時40分ごろ、京都市山科区のJR琵琶湖線山科駅構内で、下り線の信号機が赤のままで変わらなくなった。当時、駅ホームに停車していた列車が出発できずに、18分遅れた。
 JR西日本が調べたところ、下り線ホームから約300b西にある線路のポイントが転換できなくなっており、信号が赤のまま変わらなかったことが分かった。JR西日本が原因を調べている。
 このトラブルで、下り線の11本の電車が最大25分遅れ、乗客約3500人に影響が出た。(京都新聞)
■声 バス停のお礼 心温まる情景 地方公務員 白田 修(京都市 53歳)
 帰宅途中、駅前のバス停でうれしいメッセージに巡り合った。鉄柱に張られた小さな紙に、コンタクトレンズを落としたらしい女性のお礼文が書かれていた。
 「昨日、ここのバス停で私のコンタクトレンズを一緒に捜して下さった多くの方々、本当にありがとうございました。ご多忙な時間帯にもかかわらず、足の悪い女性や…、皆様の優しい気持ちがうれしかったです」と、感謝の気持ちを丁寧な字で名前まで載せて表現されていた。
 いつもは急いでバスに乗るため、この小さな張り紙に気付かなかった私は、2週間も前にここで繰り広げられた心温まる情景を思い浮かべながら、心を和ませた。それにしても自分のうれしい気持ちを素直にメッセージとして柱に張り付ける行動をとった彼女の勇気には驚いた。
 心の中で思っていても、なかなか言葉や行動に移せない人間が多い中、人前に敢然と感謝のメッセージを寄せた彼女に心から拍手を送りたい。
 また、張られてから2週間もたつのに、落書きもなく、破られもせず、き然として柱に残る白い紙には、簡単にいたずらを許さない、強い力があるようにも思えた。(朝日新聞)
■急行にはねられ死亡 枚方の京阪踏切
 26日午前6時50分ごろ、大阪府枚方市枚方元町の京阪電鉄枚方公園駅わきの踏切で、出町柳発淀屋橋行き急行電車が女性をはね、女性は即死した。
 枚方署によると、運転士は、女性が遮断機をくぐり抜けて立ち止まっているのを発見、急ブレーキをかけたが間に合わなかったと話しているという。同署は自殺とみて女性の身元を調べている。(京都新聞 夕刊)
27日■大文字五山送り火 鑑賞会希望者募る 京都駅ビル
 京都駅ビル(京都市下京区)は8月16日、「大文字五山送り火鑑賞会」を同駅ビル内の空中経路と大空広場で行う。
 鑑賞会は招待制で、空中経路(地上45b)は250組・500人、大空広場(地上53b)は150組・300人を招く。昨年の同鑑賞会が好評だったため、招待者を大幅に増やした。
 京都駅ビルインフォメーション、ジェイアール京都伊勢丹案内所など、駅ビル内5ヵ所で配布する所定の用紙で応募する。応募期間は7月14−24日。当選の発表は8月1日、応募用紙の配布場所で掲示する。問い合わせは京都駅ビル 075(361)4394へ。(京都新聞)
■バスに揺られて 天草5橋めぐるロマンの道
 熊本交通センターは、バスステーションとして全国的な規模だというが、出入りする路線バスや高速バスはひっきりなしだ。地元の人は、熊本交通センターのことを「センター」と呼び、道先案内の目安にしているらしい。シンボルのような親近感を言葉に含ませているのだ。
 このセンターから、天草(本渡)行きの快速に乗る。人の往来で活気のある乗り場近くの売店で、お茶のボトルを買い込み、バスに乗り込む。2時間ちょつとのバス旅だ。
 市内から国道3号、57号を通り、バスはカーブして海上にさしかかる。天草五橋の1号橋である。渡り終わると、ひなびた漁村の姿が遠くに見えてきた。標識も266号に変わった。いよいよロマンの島へ足がかかる。
 2号橋、3号橋、点在する小島、釣り船や飛び交うカモメ。島の旅のだいご味が目の前にある。「松島の千巌山にのぼると5つの橋が一望できるんだけど」と、後ろのカップルが言っている。宇土半島から大矢野島、永浦、大池、前島の島々を渡り、天草上島までの天草5橋が天草パールライン。波頭がはっきり見えるほど静かな松島のあたり、入り江には養殖だろうか、いかだが浮かんでいる。
 天草の中心地、本渡。本渡市は上島、下島にまたがり、ループした大橋で結ばれている。バスは本渡バスセンターに到着。城跡、殉教公園、切支丹館…。ここに残された歴史の跡だ。
 いきのいい海の幸で知られる天草。ブリやアワビ、いや地元のいきのいい魚をさがしてみよう。=おわり(日本バス友の会関西支部長 中尾 晋也)
 九州産業交通・天草行き快速バス 熊本交通センター〜本渡バスセンター。九州本土と天草をつなぐ天草五橋を渡る眺めが楽しみ。1日9便。096-325-1111。(朝日新聞 夕刊)
28日■日比谷線脱線 輪重不均衡が最大原因 運輸省事故調中間報告 影響、複合的に絡む
 通勤、通学途中の5人が亡くなった営団地下鉄日比谷線の脱線衝突事故で、運輸省鉄道事故調査検討会(座長・井口雅一東大名誉教授)は27日、これまでの再現走行実験などの結果を踏まえ「車輪にかかる荷重(輪重)のアンバランスが、脱線を呼び起こした最大原因」と推定する中間報告書をまとめ公表した。
 検討会はこのほか、レールと車輪の摩擦増大など3項目の悪影響を列挙。脱線現場が左急カーブから直線に変わる地点で、車輪に横向きの力がかかりやすかったという地杉的な条件に計4つの要因が加わり、下り電車の最後尾が「乗り上がり脱線」を起こし、対向するほぼ満員の上り電車に衝突したとみている。
 4要因について報告書は「それぞれ単独では脱線は誘発せず、同時に作用し影響が複合的に絡み合った」とした。
 検討会は今後、要因ごとの具体的な対策の検討を続け、9月をめどに最終報告書をまとめる予定。側面からの衝突に弱いとされる車体強度の基準見直しも進めたいとしている。
 中間報告書が指摘した推定原因は@左右の輪重アンバランスAレールの摩擦係数増大B緩衝装置(ばね)の硬さなど台車特性C騒音防止などを目的に薄く削られたレール形状−の4項目。
 脱線した最後尾車両は製造時から輪重のアンバランスがあった上、営団は事故までの約12年間、輪重の測定や調整をしていなかった。また他の同型車両を調べたところ、左右の輪重に30%近い差がある車両があった。このようにバランスが悪いと片方の車輪が浮き上がりやすい。
 摩擦増大は、ラッシュ時で通過電車が多くレール上に塗られた油の粘度が下がったり乾燥が進むなどした可能性が考えられるが「学術的に未解明部分が多い」(運輸省)という。
 台車のばねが硬いと、車体の揺れが少なく乗客の快適性が高まるメリットがある一方、カーブでは車輪に横向きの力がかかりやすい。
 レールの削りは最大2_ほどで保守管理面に問題はなかったが、車輪が浮き上がる現象が起きた場合に、レールヘの乗り上がりと脱線の最終的な引き金になりうると判断した。(京都新聞)
■営団地下鉄総裁が辞任へ 脱線衝突事故で引責
 帝都高速度交通営団(営団地下鉄)の寺島潔総裁(64)は27日、日比谷線脱線衝突事故の責任を取り辞任する意向を二階俊博運輸相に伝え了承された。
 この日、運輸省鉄道事故調査検討会が原因について中間報告を公表。「社会的責任を痛感している」と辞表を出した。退職金は全額返上するという。
 二階運輸相は「事故発生直後から私に辞意を伝えていたが、遺族や被害者への対応に全力を尽くすべきだと命じていた。後任者の人選は、官邸とも相談した上で決める」と語った。
 寺島総裁は運輸省OB。営団の副総裁から1996年7月、総裁に就任した。(京都新聞)
■福岡トンネル壁崩落事故から1年 ずさん施行のツケ160億円 JR西 安全監視対策進む
 重さ200`のコンクリートが車両を直撃、山陽新幹線の「安全神話」を揺るがした福岡トンネル壁崩落事故から27日で1年が経過した。約3ヵ月後に北九州トンネルでも事故が起きたのを受け、JR西日本は昨年末までのトンネル総点検で4万ヵ所以上の劣化を確認し補修を実施。運輸相の「安全宣言」で事態は一応終息したが、旧国鉄時代の手抜き工事のツケは今後も同社に重い負担としてのしかかる。列島の「大動脈」の安全をどう確保していくか、官民一体の対応が求められる。
 同社の南谷昌二郎社長は今月14日「ずさん施工が原因でコンクリート劣化が進んだ」として、同新幹線を建設したゼネコン約30社に総額約30億円の賠償を求めることを明らかにした。同社は旧国鉄への賠償請求も検討したが「旧国鉄自らが発注した施設への不法行為を認定するのは困難」(幹部)と、断念した。
 1975年3月の全面開業に向け、山陽新幹線建設は突貫工事の連続だった。施工は事実上、下請け任せ。旧国鉄はもちろん、元請けの監督も不十分で、手抜き工事の温床になった。
 注入作業を楽にするためコンクリートに過剰に加水するずさん工事も横行。70年ごろ、同新幹線トンネル工事で生コンを搬入したミキサー車運転手は「強度が落ち危険だとは分かっていたが、水をじゃぶじゃぶ加えた。コンクリ強度を監視する現場監督は、現場ではほとんど見たことがなかった」と当時を振り返る。
 JR西日本が旧国鉄の「負の遺産」を受け継いだ「被害者」の側面があるにしろ、安全対策の冒さから二度の事故を招いた責任は重い。連続事故の教訓から、同社は「トンネルがかわいそうなくらいたたいた」(幹部)総点検で得た全資料をコンピューター入力しデータベース化。問題個所の亀裂や浮き、補修履歴を臨時に検索できるシステムを導入、トンネル壁の監視を慎重に続けている。
 また、音響弾性波や電磁波など、壁をたたいて音を聞き分ける打音検査や目視検査に変わるハイテク検査法の研究も進めている。
 「ひ弱な子には栄養剤を飲ませ、風邪をひかないよう服も着せる。山陽新幹線コンクリート構造物の維持管理も同じ」と同社幹部。
 だが、その負担は大きく、同社がトンネルや高架橋の点検・補修のため今年3月期決算で計上した額は150億円。さらに来年度までに160億円を見込む。
 連続事故後、運輸省はトンネル点検内容を改善したマニュアルを作成し、マニュアルに基づく点検を鉄道各社に指示。昨年度補正予算と本年度予算で点検・補修の新技術開発に7000万円を計上したが、トンネルの点検・補修への補助制度は赤字ローカル鉄道会社に対してあるだけ。「要請があれば検討するが、各社の収益から賄ってもらうのが基本。財政支援はしていない」(鉄道局)のが現状だ。(京都新聞)
■東西線延伸など76項目 京都市の国家予算要望
 京都市は27日、来年度国家予算への要望をまとめた。本年度予算に調査費が計上された地下鉄東西線の二条以西(二条−天神川間)延伸に向けた支援や、4月に始まった介護保険の円滑な運営への配慮など76項目を盛り込んだ。
 要望のうち、重点項目は前年より2項目増やして21項目とした。▽市内に誘致されることが決まった国の総合地球環境学研究所(仮称)の早期建設▽倒産が相次ぐ和装産業の振興▽京町家の保全・再生に向けた支援などを今回、重点項目に格上げした。このほか、事務・権限の移譲による地方分権の推進や、京都大桂キャンパスの整備支援、工場等制限制度の見直しなども重点的に要望する。
 市幹部が28日から東京に出向き、地元選出の国会議員や関係省庁に予算化を働きかける。(京都新聞)
■声 市バス路線を廃止しないで 主婦 中村 恵美子(神戸市 62歳)
 神戸市は、市営地下鉄と並行して運行している市バスの路線を来年秋の地下鉄海岸線の開通に合わせて大幅に廃止、減便する予定です。
 そうなると、利用者は、最寄りの地下鉄の駅まで歩くことになります。停留所の区間が短いバスに比べて、地下鉄は駅と駅との間が長く、相当歩かなければたどりつけません。また、地下鉄の階段は駅構内まで距離があります。エスカレーターやエレベーターが地上の各出入り口にあるわけではありません。
 82歳の私の母は、週に2回、病院に通院しています。循環バス1本で往復出来ますが、路線が廃止になると、バスと地下鉄の乗り継ぎになります。新神戸駅のあの深くて長い階段を上り下りすることを考えると、ステップ2、3段で乗り降りすることが出来るバス無くしては、病院通いさえ難しくなります。
 市バス事業の経営効率化の結果が、高齢者や弱者に跳ね返ってくることは納得できません。現在のバス路線は廃止しないで下さい。(朝日新聞)
■コンクリ落下 批判相次ぐ JR西の株主から
 JR西日本が28日、大阪市北区のホテルで株主総会を開き、昨年起きた山陽新幹線のコンクリート落下事故について、南谷昌二郎社長は冒頭、「ご心配をおかけし、深くおわびする」と陳謝した。株主からは「我々への背信行為だ」「怖くて新幹線に乗れない」など、会社側の対応に批判が相次いだ。
 コンクリート落下事故が起きたトンネルの施工業者を管理監督できなかった旧国鉄の責任について、同社は「二十数年前のことで当時の状況を十分つかめなかった」と説明。今後は、「社員の技術力の向上を図り、より的確に管理監督したい」とした。(朝日新聞 夕刊)
29日■電車にはねられ死亡 東山、JR奈良線
 28日午後1時35分ごろ、京都市東山区福稲上高松町のJR奈良線踏切で、南区東九条南河原町、無職津田清明さん(89)が、京都行き快速電車にはねられ、死亡した。
 松原署によると、踏切は遮断機・警報機付き。同署は、津田さんが踏切を渡り切れなかったのではないかとみている。電車は約15分遅れた。(京都新聞)
■電車にはねられ89歳男性が死亡 東山のJR奈良線踏切
 28日午後1時35分ごろ、東山区福稲上高松町のJR奈良線踏切(遮断機、警報機つき)で、南区東九条南河原町、無職津田清明さん(89)が、奈良発京都行き快速電車(6両編成)にはねられ、頭を強く打って死亡した。同電車は現場に14分間停車し、後続2本が運休、4本が十数分遅れた。
 JR西日本大阪支社によると、電車の運転士は現場の直前で、男性が踏切内に入るのを発見。非常ブレーキをかけたが間に合わなかった。松原署の調べでは、津田さんは午後1時ごろに自宅を出て散歩をしていたという。(朝日新聞)
■環状線→USJ直通電車を計画 JR西日本
 来春開業予定の米国映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」への接続を便利にしようと、JR西日本が、大阪駅、天王寺駅から大阪環状線を通るUSJへの直通電車を計画していることが28日、明らかになった。今秋に向けてダイヤを詰めたうえで、開業に合わせて運行を始める。同社はUSJの玄関口として現在、JR桜島線に新駅「ユニバーサルシティ駅」を建設中。同社幹部は「集客力のある施設で、われわれにも魅力的だ。利便性を高め、乗客を呼び込みたい」としている。
 大阪駅と天王寺駅を始発とする直通電車は1時間に4本程度の見込み。大阪環状線の西九条駅から桜島線に入り、ユニバーサルシティ駅に向かう。途中、鶴橋駅や京橋駅で私鉄からの乗り換え客も期待している。
 USJが開業すると全国から集客が見込まれ、新幹線が発着するJR新大阪駅からのアクセスも課題になる。当初は新大阪駅からの直通電車も検討対象になったが、すでに過密で1時間に1本程度しか路線が確保できないため、輸送上の効率が悪く断念したという。
 USJには初年度800万人の観客が見込まれているが、駐車場の収容台数に限界があり、付近の渋滞が懸念されている。(朝日新聞)
■林泰男被告 厳しい量刑の公算 地下鉄サリン実行役 東京地裁判決公判
 地下鉄サリン事件の実行役で12人を死亡させ多数に重軽症を負わせたほか、死者7人の松本サリン事件にもかかわったなどとして殺人、殺人未遂罪などに問われ死刑を求刑された元オウム真理教幹部林泰男被告(42)の判決公判が29日、東京地裁で開かれた。
 木村烈裁判長は主文言い渡しに先立ち判決理由の朗読を始めた。正午前にいったん休廷。午後1時すぎに再開され、主文が言い渡される。極めて厳しい量刑となる公算が大きい。
 地下鉄事件をめぐり木村裁判長は、松本智津夫被告(45)=教祖名麻原彰晃=らとの共謀や確定的殺意を認定し、林被告が実行役5人の中で最も多い3袋のサリンの散布を自ら引き受けたことに言及。
 さらに「具体的なサリンの散布方法などを検討し、各実行役に送迎のための運転手役が必要と提案した」などとして、積極的に犯行に加わったと指摘した。
 また「松本事件で多数の死傷者が出たことを知っており、その殺傷能力が極めて高いことを明確に認識していた」として「サリンの毒性の認識は希薄」との弁護側主張を退けた。
 林被告がサリンをまいた電車では、8人が死亡している。
 松本事件で弁護側が犯意がなく無罪としていた点についても「サリン噴霧車が不特定多数を殺害するためのものと未必的に認識していた」と述べた。
 地下鉄事件で電車にサリンをまいたとされる実行役5人のうち、林郁夫受刑者(53)は自首減軽が認められ無期懲役が確定、横山真人被告(36)は一審で死刑判決を受け控訴中。残る2被告も死刑を求刑されており、7月17日に判決が言い渡される。
 林被告は2月末、弁護側最終弁論に続く意見陳述で「わたしの殺意や動機がいかなるものであろうと、死刑判決を受けると思う」と述べていた。
・起訴事実の要旨
 29日東京地裁で判決の元オウム真理教幹部林泰男被告(42)の起訴事実要旨は次の通り。
 【地下鉄サリン】松本智津夫被告(45)=教祖名麻原彰晃=らと共謀し1995年3月20日、東京都内の地下鉄3路線5電車でサリンをまき12人を死亡させ、多数に重軽症を負わせた(殺人、殺人未遂)。
 【松本サリン】松本被告らは共謀し94年6月27日夜、長野県松本市の裁判官宿舎近くの駐車場でサリンをまき、7人を死亡させ、多数に重軽症を負わせた。林被告はサリン噴霧車の電気配線工事などをし犯行を助けた(殺人ほう助、殺人未遂ほう助)。
 【新宿駅青酸】元教団幹部と共謀し95年5月5日、地下鉄新宿駅のトイレに青酸ガス発生装置を仕掛けて利用者を殺害しようとした(殺人未遂)。(京都新聞 夕刊)
■地下鉄サリン 林泰男判決公判 「カルマ背負い死ぬ」 極刑覚悟 動揺なく 被害者のめい福祈り 今も贖罪断食
 地下鉄サリン事件の殺人罪などに問われ、死刑を求刑された元オウム真理教幹部林泰男被告(42)の判決公判が29日、東京地裁で始まった。これまでの法廷で「極刑」を覚悟していることをうかがわせる供述をしてきた林被告は比較的落ち着いた表情で判決理由を聞く。「結果として死刑になっても、それは自分のカルマ(業)。私はカルマを背負って死んでいく」。判決前、接見に訪れた弁護人に心境を淡々と話した。
 この日の林被告は白いワイシャツにグレーのスーツ姿。一礼して入廷した後、木村烈裁判長が「被告人は前へ出て」と促すと「はい」とはっきり答えた。
 判決言い渡しの冒頭「理由から言いますので元の席に戻ってください」と言われ、傍聴席に視線を向けながら被告人席に。法廷には判決理由を読み上げる木村裁判長の声だけが響き、林被告は裁判官や検察官をじっと見つめた。
 判決前、弁護人に「法廷では真実を述べてきたつもりだが、それが社会的に常識外れと取られても仕方がない」とも言い、動揺などは見せなかったという。
 2月末の最終弁論を前に弁護人に届けた手紙では弁護方針については触れず「いま感じていること」として、自然と人間との調和を題材にしたアメリカインディアンの詩を準えていた。
 被害者への贖罪(しょくざい)のため水しか飲またい月に10日間の断食は、1995年以降の約1年半にわたる逃亡中から始め、今も続けている。拘置所の部屋には手づくりの祭壇を設け、毎日拝んでいるという。
・テロ、盗聴…裏の仕事一手に
 地下鉄サリン事件の実行役として役人罪などに問われ29日、東京地裁で判決公判に臨んだ元オウム真理教幹部林泰男被告(42)は、教団による無差別テロ事件、脱会信者らの尾行や自宅の盗聴などの非合法活動で中心的な役割を果たしたとされる。
地下鉄サリン事件公判進行状況(呼称略)
被告名進  行役 割
松本智津夫検察側立証首  謀
土谷 正実検察側立証ほぼ終了サリン製造
遠藤 誠一弁護側立証サリン製造
中川 智正同  上サリン製造
新実 智光同  上運  転
林  泰男死刑求刑 6/29判決実  行
豊田  亨死刑求刑 7/17判決実  行
広瀬 健一死刑求刑 7/17判決実  行
杉本 繁郎無期求刑 7/17判決運  転
林  郁夫無期(確定)実  行
横山 真人死刑(控訴)実  行
北村 浩一無期(控訴)運  転
外崎 清隆無期(控訴)運  転
井上 喜浩無期(検察側控訴)支援調整
※ほかに1人が殺人ほう助罪などで懲役7年確定
 テロ事件に繰り返し加わったときの心境について、裁判所への上申書で「息をしていても身を動かしていても、常に心の中ではその場の状況から抜け出そうとしてもがいているものの、何をつかむこともできず、苦しくてたまらない状態」と言い表したことがある。
 公判記録によると、林被告は高校受験のときに手にした戸籍謄本で、父親が朝鮮半島の出身と知り、国籍や偏見といった問題に直面。宗教にすがり、心のけがれを消してくれると、アメリカインディアンにも興味を持ち、神秘体験や超能力に傾倒していった。
 大学卒業後に「精神の導き手」を探し求め中南米やインド、東南アジアを放浪したが、出会えないまま3年後に帰国。その翌年、松本智津夫被告(45)=教祖名麻原彰晃=の著書に感銘を受け入信した。
 1990年の総選挙を境に教団が凶暴化していく中、脱会信者の自宅の盗聴や尾行のほか、ロシア射撃ツアーへの参加など裏の仕事を担うように。
 松本被告への疑問もわいたが「脱退したら殺す。家に逃げ帰れば家族も殺す」と脅され、逃げ出せなかったという。
 松本被告が95年5月に逮捕された後も青森、千葉、名古屋と各地を転々とし沖縄県・石垣島で逮捕されるまで1年半にわたり逃亡を続けた。(京都新聞 夕刊)
■地下鉄サリン 林泰男被告の積極関与認定 東京地裁 判決言い渡し始まる
 12人が死亡し、5000人を超す負傷者が出た地下鉄サリン事件で地下鉄車内にサリンを散布したなどとして計3事件で殺人などの罪に問われ、死刑を求刑された元オウム真理教幹部・林泰男被告(42)に対する判決公判が29日午前10時から東京地裁で開かれ、木村烈裁判長は判決理由の朗読から始めた。木村裁判長は地下鉄事件について「教団の存続を目的として、かつ自分の修行が進むことも考えて実行した」などと指摘し、積極的な関与を認めた。主文は午後に言い渡される見通し。
 教団「科学技術省」の幹部だった林被告は1995年5月に地下鉄事件で指名手配されてから、96年12月に沖縄・石垣島で逮捕されるまで、約1年半にわたって逃走を続けた。地下鉄事件のほか、松本サリン事件で使われた噴霧車製作に関与したとして殺人ほう助の罪と、新宿駅に青酸ガス発生装置を仕掛けたとする殺人未遂罪にも問われた。
 この日、木村裁判長は主文の宣告を後回しにして判決理由の読み上げを始めた。正午前にいったん休憩に入る異例の措置をとった。
 木村裁判長は、地下鉄事件について、教団前代表・松本智津夫被告(45)が首謀者だったとし、5人の散布役のうち、林被告がほかの散布役より1袋多い3袋のサリンを車内に持ち込み、ビニール傘で4回以上突き刺して、その路線だけで8人が死亡した事実を認定。「犯行を成功させようと積極的になしたと言わざるを得ない」と述べた。
 そのうえで「断ったら松本被告から疑われ、交際していた女性信徒との関係や松本被告への不信が発覚し、自らも殺されるおそれがあった」として積極的な参加を否定していた林被告側の主張について検討。「松本被告への不信と恐怖は公判で主張するほど深刻なものではなかった」と述べ、「当時、松本被告への帰依心を失っていたとは到底認められず、松本被告への恐怖心からやむを得ずその指示に従ったとはみることができない」とした。(朝日新聞 夕刊)
30日■地下鉄サリン 林泰男被告に死刑判決 東京地裁 「実行、積極性際立つ」
 1995年3月の地下鉄サリン事件の実行役で、12人を死亡させ多数に重軽症を負わせたなどとして殺人、殺人未遂罪などに問われた元オウム真理教幹部林泰男被告(42)に対し、東京地裁の木村烈裁判長は29日、求刑通り死刑の判決を言い渡した。弁護側は控訴の方針。
 判決理由で木村裁判長は「他の実行役よりも1袋多い3袋のサリン入りビニール袋を何度も突き刺してサリンを大量に漏出させ、担当路線だけでも8人の死者を出しており、罪責は誠に重大」と述べた。
 その一方で、松本智津夫被告(45)=教祖名麻原彰晃=が信者の帰依心を操り自らの権力欲を満たすため犯行を実行させたとし「利用された側面も否定できない」と指摘。「師を誤るほど不幸なことはなく、被告も不幸かつ不運」とした。
 さらに反省し真撃(しんし)に法廷に臨んだことにも言及したが「極刑をもって臨むほかない」と結論づけた。
 教団による一連の事件で死刑判決は、やはり地下鉄事件実行役の横山真人被告(36)、坂本堤弁護士一家殺害事件の岡崎一明被告(39)=いずれも控訴中=に続き3人目。
 地下鉄事件をめぐり木村裁判長は、松本被告らとの共謀や確定的殺意を認定。実行役に運転手役を付けることを提案したり、犯行現場を下見したりしたことを挙げて「果たした役割は実行役の中でも積極的」と指摘。
 さらに「警察の強制捜査を阻止しようとしたもので、教団の存続、麻原の利益、自分自身の修行を進めるという身勝手な利益のために何ら落ち度のない多数の一般市民の生命を犠牲にしたのであって、その動機はあまりにも独善的、自己中心的」と厳しく非難した。
 死者7人を出した松本サリン事件で、サリン噴霧車の電気系統の作業を担当した点については「犯行の目的を果たすには噴霧車を製作することが必要不可欠で、その役割は極めて重い」と述べた。
 逮捕まで1年半の逃亡生活にも触れ「一般市民に、再度凶悪なテロが敢行されるのではないかという強い恐怖や不安を与え続けた」とした。
・控訴することになる 林泰男被告の弁護人の話
 来週に本人と接見し、意向を確かめた上で対応を決めるが、控訴することになるだろう。こちらの主張と裁判所の判断が一致しない点があり、詳しくは控訴趣意書の中で明らかにする。(京都新聞)
■嵐電界隈の魅力再発見へ 天竜寺方丈で26日にシンポ
 京都市とおこしやす京都委員会は、7月26日午後一時から天竜寺方丈(右京区嵯峨天竜寺)で、第1回おこしやす観光企画シンポジウム「京都嵐電界隈再発見」を開く。
 委員会は、市民の手で観光振興をはかろうと2年前に創設された。今回のシンポは、観光企画部会で初の取り組みで、地元の人たちと一緒に嵐電沿線の魅力を再発見するのが狙い。
 当日は、宗田好史府立大助教授が「訪れる心ともてなす心」と題して基調講演し、参加者が20グループほどに分かれて、地域の宝を再発見するワークショップを行う。最後に、写真家の水野克比古氏や田原義宣天竜寺法務・教学部長が参加してパネル討論を展開する。
 参加申し込みは1日から始め、ファクス075(213)2022か、はがきに住所、氏名、電話番号を書いて〒604-8571 京都市観光振興課 075(222)4133へ。主催者は、参加者に浴衣での参加を希望している(有料貸し出し有り)。(京都新聞)
■近鉄志摩観光汽船が解散
 近畿日本鉄道は29日、子会社の近鉄志摩観光汽船(三重県鳥羽市)を解散すると発表した。
 同観光汽船は鳥羽湾などで遊覧船を運航。利用者減少で経営不振が続き、6月1日に近鉄の全額出資子会社、志摩マリンレジャー(同)に営業を譲渡していた。同観光汽船は9月下旬をめどに清算される。
 清算に伴う近鉄の損失は約35億円になる見込みだが、同社は「損失処理には既に計上済みの投資損失引当金と貸倒引当金を充当するため、今期の業績予想に影響はない」と説明している。(京都新聞)
■第一ホテルに20−30億出資 阪急電鉄が見通し
 阪急電鉄は29日、会社更生法の適用を申請している第一ホテルへの支援について、阪急電鉄がスポンサーに決まった場合、更生計画ができた後に20億−30億円を出資する可能性があることを明らかにした。
 第一ホテルの当面の運転資金として4億−5億円を支援する方針も表明した。この日大阪市内で開かれた阪急電鉄の株主総会で、安田通生取締役が株主からの質問に答えた。(京都新聞)
■林泰男被告に死刑判決 地下鉄サリン 「結果、格別重い」 東京地裁
 地下鉄サリンなど3事件で殺人などの罪に問われた元オウム真理教幹部・林泰男被告(42)に対し、東京地裁は29日午後、求刑通り死刑とする判決を言い渡した。木村烈裁判長は、12人が死亡した地下鉄事件で、林被告の担当した路線が最も多い8人の死者を出した事実を重視して、「散布役の中でも格別に重い結果を生じさせた」と指摘し、「罪責は誠に重大で、反省していることなどを考慮しても極刑をもって臨むほかない」と述べた。弁護側は控訴する方針。
 木村裁判長は午後から読み上げた量刑の理由で、地下鉄事件を教団前代表の松本智津夫被告(45)の命令による計画的で組織的な犯行と認定。林被告について、「松本被告に対する疑問と恐怖の念を抱きつつも、あえて思考を停止させて散布役を担い、実行後も証拠隠滅工作で具体的な提案をするなど、役割は積極的だった」と指摘した。さらに、ほかの散布役より一袋多い三袋のサリン袋を思い切り何度も突き刺したことを「冷静で忠実に実行している」と述べた。
 木村裁判長は、「松本被告に利用された側面も否定できない」「逮捕後は良心を取り戻し、一連の事件の審理に寄与している」ことなどを、十分酌むべき事情として挙げたものの、最後は死刑を選択した。
・判決が認定した事実
 【松本サリン事件】松本智津夫被告が教団幹部と共謀して1994年6月27日に長野県松本市内でサリンを散布し、7人を殺害するなどした際に使用した噴霧用トラックの製作にかかわった(殺人ほう助、殺人未遂ほう助罪)
 【地下鉄サリン事件】95年3月20日、東京都内の営団地下鉄日比谷線秋葉原駅付近で、サリンを電車内に散布し乗客を殺害するなどした(殺人、殺人未遂罪)
 【新宿青酸ガス事件】教団幹部らと共謀し、95年5月5日、東京・新宿の地下街の公衆トイレに青酸ガス発生装置を仕掛けた(殺人未遂罪)(朝日新聞)
■青鉛筆
 1950年に登場、25年前の山陽新幹線開通まで東海道線や山陽線を走った旧国鉄の看板列車・特急「はと」を、JR西日本が8月26日、復活運転する。新大阪発博多行きで、約9時間40分かけて走る。
 今回は列車の形は若干異なるが、行き先表示やヘッドマークは当時のままに再現。国鉄時代の車掌の制服や特製「はと弁当」も準備する。
 料金は新幹線とほぼ同じで、大人1万4800円。JR西日本TIS本部(06・6375・8946)は「時間はかかりますが、その分旅も楽しめます」とPR。(朝日新聞)
■宇宙開発事業団の理事長に山之内氏 JR東日本前会長
 中曽根弘文・科学技術庁長官は、空席になっている宇宙開発事業団の新理事長にJR東日本の山之内秀一郎前会長(66)をあてる人事を内定し、30日の閣議で了解された。7月10日付で発令する。任期は4年。
 理事長は、初代の故島秀雄氏をのぞいて科技庁OBが就くのが通例。しかし、H2ロケット失敗などの反省から事業団の体質改善のため民間に人材を求めた。
 山之内氏は東京大工学部卒。1956年に旧国鉄に入り、JR東日本副社長、同副会長をへて96年6月から会長。今月28日に相談役に退いた。(朝日新聞 夕刊)