2000(平成12)年 1月


1日■関西の鉄道 徹夜で監視(朝日)
4日■トンネル壁が落下 佐賀のJR コンクリ片に布混入(京都)
  ■休みは少し はやUターン(京都)
  ■駅舎活用へアイデア続々 JR奈良線 上狛駅・棚倉駅 山城町 住民提案まとめる 喫茶コーナーの設置や特産品販売(京都)
  ■壁崩落で緊急点検 JR九州 2トンネルで異音(京都)
  ■コンクリ落下 送電停止 JR佐世保線 境松トンネル 工事ミス?布きれ付着(朝日)
  ■「ひかり」の窓 走行中にひび 徳山−小郡間(朝日)
  ■「心機ー転再出発を」 JR西社長訓示(京都)
5日■東北新幹線 パンタグラフ部品脱落 金属板 倉庫直撃 2日間気付かず走行(京都)
  ■介助犬、京都市もOK 動物園、市バス除き 283公共施設 など 来月から(京都)
  ■東北新幹線 パンタグラフの一部落下 高架下、倉庫壁に穴(朝日)
  ■列車衝突で7人が死亡 ノルウェー(京都)
  ■ノルウェー 列車事故7人死亡(朝日)
6日■JR完全民営化で3社意見分かれる 運輸省が聴取(京都)
  ■100円バス実現求め署名提出 京都市にMKオーナー(京都)
  ■電話で指定席券予約(朝日)
  ■「100円バス」応援へ MKが署名を提出(朝日)
  ■別の部品発見 東北新幹線パンタグラフ脱落事故(京都)
  ■判決批判は「不公正」 信楽鉄道事故民事訴訟原告団 大津地検に抗議(京都)
7日■JR西日本の旅客過去最低 年末年始期間(京都)
  ■特急・急行利用客は減 JR西日本福知山支社・年末年始まとめ 「Y2K」の出控え響く(京都)
  ■アラ石権益更新 鉄道建設問題 最終決着図る 通産相 15日サウジ訪問(京都)
  ■東海道 飛ぶ? 走る? 大阪←→東京 飛行機・予約不要の便で”攻撃” 新幹線・停車駅増などで”応酬”(朝日)
8日■年末年始利用客 KTR5.1%減る Y2K問題響く(京都)
9日■のぞみ運転席 窓にひび 長さ1b 400人、別の列車に 岐阜羽島で臨時停車(京都)
  ■頻発するひび割れ(京都)
10日■JR車内で乗客6人不調 川崎の横須賀線(京都)
  ■のぞみ 運転台窓にひび 1b、化学強化ガラスで初(朝日)
  ■「新幹線」が試験運転 韓国(朝日)
11日■無賃乗車を”自首” 罰金10ポンド支払う 英首相夫人(京都)
12日■またもや新幹線 窓ガラスにひび(京都)
  ■東海駅近くに爆発物 容疑の男逮捕 新幹線事件と関連か(朝日)
  ■英首相夫人”不正乗車”で罰金 出勤途中、「間違えた」(朝日)
  ■1番ホーム使用再開 SKR信楽線 8年8ヵ月ぶり発車 事故防止へ誓い新た(京都)
  ■新幹線ごみ袋と浦和駅爆発も 東海村で逮捕の男 犯行認める供述(京都)
  ■トロッコ列車 動物に立ち往生 「自然との共生」うたい 強制手段使えず イノシシ、線路に穴 シカも桜やモミジ食い荒らす(京都)
  ■東海村の爆発物容疑者 新幹線市世間も供述(朝日)
13日■装い新た「国際会館」駅 駅前広場、地下駐輪場 整備完了祝う(京都)
  ■市バスに追突され バイクの女性けが(京都)
  ■市バスが追突 女性1人けが 北区の交差点(朝日)
  ■東海村爆発物 殺傷力高かった 新幹線事件よりも強力(朝日)
  ■アラ石交渉大詰め 日本・鉄道事業「資金で支援」 サウジ・「政府・企業が建設を」 15日会議 決裂も(朝日)
  ■台湾新幹線 「日本との協議中止を」 欧州勢、台北地裁に申請(朝日)
  ■新幹線ごみ 浦和駅爆発 「JRに対する警告」 東海村事件の容疑者供述(朝日)
14日■鉄道建設 溝大きく アラ石問題 あすから政府間交渉 日本 「全面協力」は拒否(京都)
  ■駅爆破予告し1000万要求 「京の学校にも」と供述 大阪府警 容疑の女逮捕(京都)
  ■「駅長室爆破」脅迫した疑い 容疑のホステス逮捕(朝日)
  ■遺留品から同じ店の値札 東海と新幹線の爆発物(朝日)
15日■JR東海道線 保線作業中に列車通過 9月以降 人為ミス相次ぐ(朝日)
  ■爆発物に同一部品 東海村など3件の事件 大柴容疑者の犯行か(朝日)
16日■保線作業中に列車 工事計画ミス 運輸局未報告 あわや人身事故 JR大阪駅構内(京都)
17日■京福嵐山線 「らんでん」と親しまれ のどかにガタゴト90年 庶民の足 観光にも レトロ調が人気 環境面でも再評価(京都)
  ■東海道ひかり 窓ガラスひび 衝突痕2ヵ所(朝日)
18日■鉄道貨物協会長に今井氏(朝日)
  ■京のあした 課題点検 京都市長選 1 市バス 赤字抱え目前に自由化 生活路線どう守る(朝日)
  ■トンネルじん肺元労働者ら 新たに303人が提訴へ(朝日)
19日■JRが神戸で震災復旧訓練 電車と車衝突を想定(京都)
  ■JR山陰線二条−花園駅間 複線化と円町駅、今秋完成 工期短縮で半年早まる(京都)
  ■「スルッとKANSAI」使えます 京都市交通局 3月1日から(京都)
  ■未転換ポイントを走行 JR関西線柏原駅で昨夏 運輸省が警告書(京都)
  ■停電区間への列車侵入も JR西明石駅(京都)
  ■新幹線24本遅れ 1万8000人影響 米原駅の信号装置故障(京都)
  ■世紀の面影 阪急京都地下延長線開通 1963年 大阪−神戸を一直線 大宮−河原街間(京都市下京区)(京都)
  ■山陽新幹線 高架橋に根本的補修 JR西 試験施工 コンクリを増設 アルカリ化工法も併用(朝日)
  ■山陰線円町駅 半年早く開業 京都・中京区(朝日)
  ■「スルッと」システム 新たに6社・団体参加(朝日)
  ■また異常信号 「のぞみ」停止(朝日)
20日■地下鉄烏丸線奈良乗り入れ平日は急行12往復 土・休は14往復 3月15日から(京都)
  ■3月から準急 向島駅に停車 近鉄ダイヤ改正(京都)
  ■京都市の繁華街を循環 100円バス認可申請 運輸省に 交通局(京都)
  ■陸vs空 東京−岡山間も JRが割安回数券 「ひかり」1万5100円 きょう発売(京都)
  ■「100円バス」認可を申請 運輸省に京都市(朝日)
  ■ニュートラム添乗員廃止へ 来月20日めど 事故後6年、心配の声も(朝日)
  ■雪で新幹線遅れる(京都)
21日■踏切ではねられ死亡 京田辺、近鉄電車に(京都)
  ■JR京都駅周辺の渋滞緩和へ 共同集配送を実験 来月1ヵ月間 4社の荷物を1台で(京都)
  ■京滋北部に大雪 「大寒」寒波 列島すっぽり 新幹線など遅れ(京都)
  ■「鉄道員」の降旗氏に最優秀作品監督賞 インド国際映画祭(京都)
  ■大寒襲来 今冬一番、交通機関マヒ(朝日)
  ■「鉄道員」最優秀作に(朝日)
22日■厳寒砕く 京滋 雪模様(京都)
  ■JR四国など22社損賠提訴 プリンストン債巡り(朝日)
  ■声 車内わかせた運転手の機知 非常勤講師 柿元 えり千(熊本市 46歳)(朝日)
  ■信号機故障 18本が運休 宇治でJR奈良線(京都)
  ■信号機故障 列車が運休 JR奈良線・黄檗駅(朝日)
23日■雪で新幹線に遅れ(京都)
  ■深さ40b以上 地下、公益事業なら使用権 3大都市圏など 鉄道・通信など対象(朝日)
  ■解説 大深度地下利用 事前補償原則なし 収容法強化の側面(朝日)
  ■道路陥没 バス転落 韓国・地下鉄工事(朝日)
  ■JR京都線の電車の窓破損(朝日)
25日■窓 100円市バスに女性運転手を 京北町・田中 忠司(農業・67)(京都)
  ■山陽新幹線のガラスにひび(朝日)
  ■普通電車にはねられ バイクの会社員死亡 右京のJR踏切(京都)
26日■バリアフリー法案 新規車両でも義務化を明記(朝日)
27日■近鉄が介護会社設立(京都)
  ■SL結婚式はいかが(京都)
  ■近鉄が介譲事業に参入(朝日)
  ■架線停電で1万人に影響 JR東西線新福島駅(京都)
  ■山陰・北陸に大雪 舞鶴33a 古都も白く JR土讃線 保守台車脱線(朝日)
  ■JR海南駅でポイント故障 凍結か 電車遅れる(朝日)
28日■トンネル砕石 樹脂塗り固着 新幹線の窓破損対策(朝日)
  ■都電に乗り 東京の下町を訪ねて 温かみある触れ合い 人気スポットが点在(京都)
29日■雇用延長制度 阪急電が導入 4月から実施へ(京都)
  ■市交通局の接遇公文書公開訴訟 一部公開処分取り消す 地裁「相手の氏名原則公開」(朝日)
  ■阪急電鉄 65歳まで雇用延長 段階的に実施方針 年収総額、約340万円(朝日)
  ■車両故障で一時運休 JR奈良−京都間(京都)
  ■列車と衝突し車の女性死亡 姫路のJR線踏切(朝日)
31日■交通機関バリアフリー 導入を義務化 違反事業者に罰金100万円 駅にエレベーターなど設置 低床バス・車いす向け船舶(京都)



1日■関西の鉄道 徹夜で監視
 「2000年間題」に対応し、西日本でも31日夜からエネルギー、交通関係などの企業を中心に、警戒態勢が強められた。
 エネルギー関係では、関西電力が設備点検などのために約2300人態勢でのぞんだ。大阪ガスも約1000人が泊まり込み。
 近畿圏を走る鉄道では京阪が午前零時をまたぐ列車を一時ストップさせるが、JR西日本と阪急、阪神、近鉄、南海の大手私鉄は通常通りに運転。ただし初もうで客向けの終夜運転と2000年間題の両方に対応するため、各社とも社員を増員して運行管理システムなどを徹夜で監視した。
 各自治休も泊まり込み態勢。大阪府は約500人の職員が出勤。情報収集・連絡の中心になる警戒情報センターを設けて備えた。(朝日新聞)
4日■トンネル壁が落下 佐賀のJR コンクリ片に布混入
 3日午前2時50分ごろ、佐賀県山内町のJR佐世保線三間坂−上有田間にある境松トンネルで天井部分のコンクリート壁の一部がはがれ落ち、送電線を天井につなぎ止めているがいしを割った。落下したコンクリート片に布が食い込んでおり、JR九州は1970年代の改修工事で混入したとみて、工事を担当した奥村組(大阪市)から事情を聴く。4日未明には佐世保線の同様の構造の3トンネルを検査する。
 落下したコンクリート片は7個で計2.5`。最大で縦22a、横10a、厚さ5aあり、ズボンの一部とみられる長さ約30aの布が破片から出ていた。点検と復旧工事後の3日午前8時すぎに送電を再開。佐世保線は正午ごろまで、20本が部分運休するなどした。
 JR九州は「手抜き工事とは思わないが注意不足だ」としている。(京都新聞)
■休みは少し はやUターン
 正月をふるさとで過ごした家族連れらのUターンが3日午後、京都でもピークを迎えた。京都市下京区のJR京都駅では、仕事始めを前日に控えて家路を急ぐ父親らの姿が目立った。
 JR東海によると、今年のUターンは3日に集中。新幹線京都駅では、午後3時32分着の東京行きひかり114号が乗車率140%となったほか、上下のひかりやのぞみのほとんどが満席となった。
 列車がホームに着くと、車内の通路やデッキで過ごした人たちが、土産の紙袋などを両手に次々と降り立った。仕事のため、妻子を岡山県の実家に残して戻ってきた大津市の会社員古川信二さん(41)は「コンピューターの2000年間題の余波でへ昨年中に帰省できず、実家には2泊しただけ。のんびりした気がしないが、休み疲れもありません」と話していた。
 京都府警交通管制センターなどによると、名神高速道路は下りが山科バス停付近で最高19`、米原ジャンクション付近で同18`、上りでは彦根トンネン付近で同13`の渋滞となったが、国道1、9号などでは目立った混雑はなかった。(京都新聞)
■駅舎活用へアイデア続々 JR奈良線 上狛駅・棚倉駅 山城町 住民提案まとめる 喫茶コーナーの設置や特産品販売
 山城町がJRと協議を進めているJR奈良線上狛駅(同町上狛)と棚倉駅(同町平尾)の駅舎活用について、同町はこのほど、昨秋に2回開いたワークショップでの住民提案をまとめた。
 両駅は20年近く前に、駅員のいない無人駅になった。最近、落書きやいたずらが増加し頭を悩ませていたJRと、両駅を活用して観光や特産物をPRしたい山城町の考えが一致。昨年9月18日と10月30日に、募集した住民17人が上狛駅グループと棚倉駅グループに分かれ、駅舎活用を目指したワークショップが行われた。
 町のまとめによると、上狛駅グループは、駅舎内の広い空間を生かし、町内のサークルが交流する多目的ホールや調理室の設置を提案。待合室には特産品の販売所や、文化財のレプリカ展示場などを置く案が出ている。駅舎の東の田園地帯を景観として生かすべき、との声も。
 棚倉駅グループからは、朝市などを開く駅前広場の整備や、待合室を喫茶コーナーにする案、駅の北側にレンタサイクル店を設けるアイデアなどが提案されている。
 両駅とも、活用策の運営はボランティアが担うべきとの意見が多い。山城町企画広報課は「一度に両駅の整備は難しいが、住民提案を基に、府やJRと協議し、できるだけ早い時期に予算措置や青写真を詰めていきたい」と話している。(京都新聞)
■壁崩落で緊急点検 JR九州 2トンネルで異音
 JR佐世保線の境松トンネル(佐賀県山内町)で3日にコンクリート壁がはがれ落ち、落下片に布が混入していた事故を受け、JR九州は4日午前1時ごろから、同トンネルなど佐世保線の3トンネルで緊急点検を行った。
 境松トンネルで2ヵ所、福石トンネル(長崎県佐世保市)で1ヵ所、ハンマーでたたくと濁った音がする異常が見つかった。いずれも天井付近で、JR九州は「内部になんらかの異常があるとみられるが、落下の心配はない」として、念のため近く落下防止措置を取る。
 境松トンネルの崩落個所は、東側から入ってすぐの天井。ドリルで周囲を崩すと、長さ2−9a、幅2−3aの布が壁の中に残っており、取り除いた。
 作業員3人が高さ約4bの作業車に乗り、長さ約105bのトンネルのうち、コンクリートでできた上半分をハンマーでくまなくたたいて異常の有無を調べた。
 JR九州長崎支社の宮武洋之工務課長は「がいしの陰になっている部分や、表面に異常が認められない部分もたたいたので、万全の検査と言える」と話した。
 JR九州は、昨年12月から管内の約150のコンクリート造りのトンネルで点検を進めており、今月中旬までに終える予定。(京都新聞 夕刊)
■コンクリ落下 送電停止 JR佐世保線 境松トンネル 工事ミス?布きれ付着
 3日午前2時50分ごろ、佐賀県山内町のJR佐世保線三間坂−上有田駅間の境松トンネル(105b)で、架線がショートし、一時的に送電が止まった。JR九州が調べたところ、三間坂側入り口から約1bの地点で、線路わきにコンクリート塊が数片(計約2.5`)散らばり、架線を支える碍子が切れて壁から垂れ下がっていた。コンクリート塊には、布きれが付着していた。同社は、コンクリート塊が落ちて碍子を直撃、衝撃でショートしたとみている。同社管内では、コンクリートの落下でトンネル内の電気設備が壊れるのは初めて。佐世保線は午前8時7分に復旧したが、上下計20本が部分運休するなどし、年末年始の帰省客ら約2500人に影響が出た。
 同社によると、コンクリート塊は、高さ約5.5bのトンネル天井部から落下。最大で縦22.5a、横10.5a、厚さ4.5aの大きさで、数個に割れていた。塊にはズボンの切れ端のような縫製した緑色の行きれ(長さ約15a)が張り付いていた。天井部分の落下個所にも布きれがあり、取り除いたという。事故当時、トンネル内を走っている列車はなかった。
 境松トンネルは1897年に完成。当時はれんが製だったが、佐世保線の電化で1974−75年、上半分をコンクリート製にする改築工事が行われた。布きれは、コンクリートを型枠に流し込む際、混じったとみられる。布が混じって周囲のコンクリートと一体化せずに弱くなった部分が、落下した可能性が高いという。同社は施工業者に事情を聴き、原因を調べる。
 境松トンネルは、昨年9月1日に打音検査を、12月16日に目視検査をしたが、異常はなかった。1月7日にも打音検査をする予定だった。(朝日新聞)
■「ひかり」の窓 走行中にひび 徳山−小郡間
 3日午前11時10分すぎ、山陽新幹線の徳山−小郡間を走行していた名古屋発博多行き「ひかり183号」(16両編成、乗客約500人)で、乗客から「小郡駅手前のトンネルで窓ガラスにひびが入った」と車掌に連絡があった。JR西日本が調べた結果、5号車の進行方向左側の窓ガラス(縦66a、横1.7b)にほぼ横一線のひびがあったが、運行に支障はないと判断し、そのまま運転を続けた。博多総合車両所(福岡県那珂川町)で窓ガラスを交換した。(朝日新聞)
■「心機ー転再出発を」 JR西社長訓示
 山陽新幹線の福岡、北九州両トンネルで昨年、コンクリート壁崩落事故が相次いだJR西日本の本社(大阪市)では、4日午前、南谷昌二郎社長が幹部社員約250人を前に「21世紀を目前に控え、心機一転して再出発を」と年頭の訓示。
 南谷社長は「二度にわたる事故で、信頼を揺るがせたのは誠に残念」とした上で、「再出発にあたって重要なのは、安全、安定輸送の確保」と強調。「(トンネルなど)山陽新幹線の構造物の新たな保守体系の確立を推進する」と決意を新たにしていた。(京都新聞 夕刊)
5日■東北新幹線 パンタグラフ部品脱落 金属板 倉庫直撃 2日間気付かず走行
 4日未明、JR上野駅の上野第一運転所で東北新幹線車両のパンタグラフの一部が破損し脱落しているのが見つかり、同日、脱落部品が宮城県白石市の民家の倉庫を直撃していたことが分かった。また別の脱落部品がJR仙台駅構内の高架上にも落ちていた。
 破損は2日で白石市付近を時速200`前後の高速で走行中とみられるが、JR東日本は4日未明の車両点検まで事故に気付かず、この車両の運行を続けていた。JR東日本は「高架からのコンクリート落下と思い込んで調査していたため気付くのが遅れた」と説明している。
 同社は原因を調べているが、トンネルのコンクリート落下などに続いて新幹線の安全管理態勢が問われそうだ。
 JR東日本仙台支社によると、4日午後3時すぎ、白石市斎川の東北新幹線蔵王トンネル出口付近で高架から約9b離れた民家の倉庫の壁に直径約20aの穴があり、中にパンタグラフの「すり板」という金属部品(長さ29a、重さ約1`)があるのが見つかった。
 同日午前零時すぎには仙台駅構内の高架上でパンタグラフの「舟体(ふなたい)」という部品(長さ1.3b、重さ約4`)が見つかっていた。
 いずれの現場でもけが人はなかったが、倉庫のそばの盆栽の一部が壊れた。
 同支社によると、白石市の民家からは2日午前10時15分ごろ「高架からコンクリート片が落ち、倉庫などが壊れた」と通報があった。同支社が民家周辺を調べたが、この時は何も発見できなかったという。
 すり板は架線と接触する部分。舟体はパンタグラフに架線と直角に設置された部品で、すり板4個が固定されている。見つかった舟体からはすり板がもう一つ脱落し、行方不明になっていた。
 通報の直前には下りの盛岡、秋田行き「やまびこ・こまち5号」が現場付近を通過。この列車のE2系と呼ばれるやまびこ用車両が破損していたという。
 パンタグラフの一つが破損しても走行に問題は生じないため、破損は4日まで発見できず、この車両はその間数回往復していた。(京都新聞)
■介助犬、京都市もOK 動物園、市バス除き 283公共施設 など 来月から
 京都市は4日、身体障害者の日常生活を支援する介助犬について、2月1日から市の公共施設や市営地下鉄への同伴を認めると発表した。政令指定都市では初めて。
 介助犬は手足の不自由な人を助けるため、車いすを引っ張ったり、エレベーターのボタンを足で押すなどの作業をする。全国で十数頭が活動しており、府内でも3つのボランティア団体が育成に励んでいる。ただ、盲導犬と違い法的に認知されておらず、各施設への入所を断られるケースもある。
 国は、こうした介助犬を法的にも定義付けるため、1998年度から調査研究を開始した。府も昨年4月から、府内の団体が育てた介助犬に登録カードを発行し、府立施設への同伴を認めた。これらの取り組みを受けて、市は障害者の社会参加を促進する観点から、府と同様の措置を取ることにした。
 対象は、府の登録カードを持つ介助大の使用者(4日現在府内で6人、うち市内4人)。防疫面で立ち入れない動物園と道路運送法の改正が必要な市バスを除く283の市立施設と地下鉄で同伴が可能となる。ただし、市立病院はロビー付近の立ち入りに限り、地下鉄は事前に試乗テストを行ったのち是非を決める。桝本頼兼市長は「市議会に対しても同伴による傍聴をお願いしていきたい」と話している。(京都新聞)
■東北新幹線 パンタグラフの一部落下 高架下、倉庫壁に穴
 JR東日本仙台支社は4日、宮城県内を走行していた東北新幹線の車両から今月2日、パンタグラフの一部が落下して、民家の倉庫の壁に穴をあける事故を起こしていたと発表した。けが人はなかったという。同支社によると、「こうした事故は極めて珍しい」といい、「申し訳ないことをした」と話している。
 同支社によると、4日になって、東京の上野第一運転所で点検をした1台の車両のパンタグラフのうち、電線と接触して電力を取り込む「すり板」部分などがなくなっているのがわかった。また、仙台駅構内でも、線路わきに、すり板を支える「舟体」部分が落ちているのを、清掃中の作業員が見つけた。
 一方、2日午前には宮城県白石市斉川の新幹線高架橋(高さ約10b)のすぐ下の住民から、「高架橋からコンクリート片のようなものが落ちて倉庫の壁に穴があいた」との通報がJRにあった。このため、この住宅を改めて調べたところ、住宅のすぐわきにある倉庫のトタン板の外壁に、20a四方ほどの穴があき、建物の中からすり板の一部が見つかったという。すり板は長さ29a、幅4a、厚さ3aの合金製で、重さは約1`。
 同支社によると、住民から通報があった時には、福島新幹線保線区の職員が現地を調べたが、コンクリートなどが落下した形跡は見つからず、倉庫の壁に穴があいた原因は、はっきりわからなかったという。(朝日新聞)
■列車衝突で7人が死亡 ノルウェー
 【ロンドン5日共同】オスロからの報道によると、4日午後1時半(日本時間同10時半)すぎ、ノルウェーの首都オスロの北約160`のアスタで、旅客列車同士が衝突、炎上し少なくとも7人が死亡した。詳しい原因は分かっていない。
 双方で計100人が乗っており4日夜(日本時間5日午前)現在、30人の安否が不明で、20人以上が病院に収容された。(京都新聞 夕刊)
■ノルウェー 列車事故7人死亡
 【ロンドン4日=沢村亙】ノルウェー南部アーモトで4日午後1時(日本時間同日午後9時)ごろ、旅客列車同士が衝突し、うち片方の列車が転覆して炎上した。この事故でこれまでに乗客7人が死亡、67人の重軽傷者が出た。まだ20人以上の行方が分からず、犠牲者の数は増える可能性が高い。
 ロイター通信などによると、事故が起きたのはオスロの北約150`のアスタ駅近く。オスロに向かう急行列車と普通列車が正面衝突したらしい。双方の列車合わせて約100人の乗客がいたという。(朝日新聞 夕刊)
6日■JR完全民営化で3社意見分かれる 運輸省が聴取
 二階俊博運輸相は5日、JR東日本、西日本、東海の3社の社長から完全民営化に対する考え方を聴いたが、3社それぞれで意見が分かれた。
 東海の葛西敬之社長は「完全民営化を放棄するわけではない」とした上で、国鉄改革時からの社会の変化を指摘し、「産業構造が大きく変革する時期に合意形成がないまま踏み切るのはどうか」として、時期尚早との慎重な意見を述べた。また「政府が国民の代表として10%程度の株を保有し影響力を残す手法もある」とも語った。
 一方、東日本の松田昌士社長は「20世紀中にも完全民営化を」と早期実施を要望。西日本の南谷昌二郎社長も「できるだけ早く」との積極諭を述べた。
 運輸省は、早ければ次期通常国会にJR法の改正案を提出したい意向。改正案が成立すれば残りの保有株も売却する方針だが、「3社の認識に差があるため、さらにさまざまな意見を聴いて検討していきたい」としている。(京都新聞)
■100円バス実現求め署名提出 京都市にMKオーナー
 タクシー会社エムケイ(京都市北区)の青木定雄オーナーは5日、京都市役所を訪れ、100円均一運賃バスの実現に向けて同社が集めた署名約28万人分を桝本頼兼京都市長に提出した。
 同社は昨年9月、京都市域を100円で運行するバス事業を認可申請したが、京都市交通局が今年4月から、100円均一運賃の市内循環路線バスを運行させることを決めたため、昨年末、事業認可申請を取り下げた。
 この日提出したのは、同社が昨年11月から集めた約27万9800人分の署名。
 青木オーナーは「100円バスの関心は高く、大勢の応援者がいることを胸に刻んでほしい」と桝本市長に要望した。(京都新聞)
■電話で指定席券予約
 JR西日本は3月から、電話で新幹線や特急などの指定席券を予約できるサービスを始める。対象は京阪神地区の利用者で、予約のほかにオペレーターが空席の照会にも応じる。申込時にクレジットカードで決済し、駅のみどりの窓口で「予約番号」を伝えてきっぷを受け取る。特定の会員に限らず、だれもが利用できる電話予約サービスはJRグループで初めて。
 電話の受け付けは午前8時−午後9時(無休)。乗車券や自由席券も申し込め、変更や取り消しもできる。(朝日新聞)
■「100円バス」応援へ MKが署名を提出
 京都市が計画している「100円バス」の試験運行に関連して、エムケイの青木定雄オーナーは5日、「100円バス実現を応援する」との要望書と、約28万人分の署名を桝本頼兼市長に渡した。
 エムケイは昨年、自社が計画した100円バスの実現を要望する署名集めを始めた。12月に市が中心部を循環する運賃100円の路線バス計画を明らかにし、同社は計画を中止し、「市の施策を応援する」として署名を提出した。(朝日新聞)
■別の部品発見 東北新幹線パンタグラフ脱落事故
 走行中の東北新幹線車両からパンタグラフの一部が脱落した事故で、JR東日本は6日午前、行方が分からなくなっていた「すり板」と呼ばれる金属製の部品を宮城県白石市内の第二白石トンネル内から見つけたと発表した。
 見つかった場所は別のすり板が直撃した同市内の民家の倉庫から北に約5.1`付近。すり板は長さ27a、重さ約850c。同日午前2時半ごろ、トンネル内の壁際に落ちているのを捜していた同社員が発見した。
 すり板を支える台座の舟体(ふなたい)の一部と、すり板と舟体をつなぐボルト1本はまだ見つかっていないという。
 民家を直撃した現場近くの架線と、架線の金具の計2ヵ所に何かが当たったような傷があったが、今回見つかったすり板は、架線の傷から約50bの距離。同社は部品の脱落と架線の傷に関連があるとみて調べている。(京都新聞 夕刊)
■判決批判は「不公正」 信楽鉄道事故民事訴訟原告団 大津地検に抗議
 滋賀県甲賀郡信楽町の第三セクター・信楽高原鉄道(SKR)で1991年5月、SKR列車とJR西日本列車が正面衝突、多数の死傷者を出した事故で、JR西日本を相手に損害賠償を求めて大阪高裁で係争中の原告らが6日、大津地検を訪れ、同地検が昨年10月に大津地裁で行った刑事事件の諭告求刑で、JRとSKR両社の過失を認めた民事訴訟判決(昨年3月、大阪地裁)を批判したことに対する抗議を行った。
 弁護団によると、同地検が諭告求刑で提出した文書で、民事判決の判断について「失当である」と批判した部分があり、同訴訟の当事者でない同地検が批判することは不公正で許しがたい、としている。
 この日は遺族6人と弁護団5人が、論告求刑の内容などについて、同地検の落合俊和次席検事と話し合った。
 原告らはすでに同日までに、「検察官の主張は的外れな批判であり、検察官には猛省を促し、論告の撤回を求める」などとする抗議書を、同地検や大阪高検などに送付している。
 同事故の刑事裁判は、SKRの元運転主任ら3被告が業務上過失致死傷罪などに問われ、昨年12月、大津地裁で弁護側の最終弁論が行われ、結審。判決は今年3月に予定されている。(京都新聞 夕刊)
7日■JR西日本の旅客過去最低 年末年始期間
 JR西日本が6日発表した年末年始期間(12月28日−1月5日)の利用状況によると、山陽新幹線、在来線とも前年同期実績を下回り、利用客は同社発足以来最低の204万7000人。対前年比9%減で、過去最大の落ち込みとなった。
 新幹線利用客は対前年同期比8%減の約103万人、在来線は同9%減の約102万人。同社は「2000年間題で、帰省や旅行を取りやめる傾向があったのではないか」と分析している。
 一方、12月31日から1月1日にかけての京阪神近郊地区の利用実績は2000年記念イベントの影響から前年同期を10%上回った。移動のピークは関西地区から各地への出発が12月30日、Uターンが1月4日だった。(京都新聞)
■特急・急行利用客は減 JR西日本福知山支社・年末年始まとめ 「Y2K」の出控え響く
 JR西日本福知山支社は6日、管内の年末年始(12月28日−1月5日)の列車利用状況を発表した。近距離の利用客は咋シーズンより増加したが、「景気低迷に加え、2000年間題による出控えがあった」(同支社)ため、特急・急行を利用する遠距離客は減少した。
 期間中の利用客は、山陰、福知山、播但線の3線合わせて 128万9000人(対前年比6%増)。列車の種類別では、特急・急行が12万6000人(同3%減)で、普通は116万3000人(同8%増)だった。
 最も客数が多かった列車は、下りでは12月31日の新大阪発城崎行き特急「北近畿9号」と、同じく京都発東舞鶴・久美浜行き特急「タンゴディスカバリー1号」でそれぞれ乗車率134%、上りでは3日の城崎発新大阪行き特急「北近畿10号」の同152%だった。また、昨年10月に電化開業した舞鶴線では、3日の東舞鶴発京都行き特急「まいづる4号」が106%の乗車率を記録するなど、同支社では「まずまずの利用状況」と話している。
 帰省のピークは12月30日の下りで1万人、Uターンのピークは3日の上りで1万2000人(いずれも特急・急行の利用客数)だった。(京都新聞)
■アラ石権益更新 鉄道建設問題 最終決着図る 通産相 15日サウジ訪問
 深谷隆司通産相は15、16の両日、サウジアラビアを訪問し、2月末に期限を迎えるアラビア石油のカフジ油田権益更新に絡む経済協力問題で、最終決着に向けて政府間協議に臨む。権益更新担当のヌアイミ石油鉱物資源相をはじめ、実質的な決定権を持つといわれるアブドラ皇太子やファハド国王とトップ会談を行う予定だ。
 これまでの協議では、サウジ側がアラ石の権益更新の見返りに産業鉄道建設への日本側の全面協力を要求。これに対し日本側は、事業化調査や初期段階での必要資金の融資、技術面での協力には応じるとしながらも、日本が中心になって鉄道を建設・運用するのは採算面で難しいと主張し、交渉は難航している。
 深谷通産相は出発に先立ち小渕恵三首相と会談、鉄道構想への投資には応じない方針を確認しており、トップ会談で協議がまとまるかは予断を許さない情勢だ。(京都新聞)
■東海道 飛ぶ? 走る? 大阪←→東京 飛行機・予約不要の便で”攻撃” 新幹線・停車駅増などで”応酬”
 東京−大阪を行き来するビジネス客などを狙って、今年から新幹線に対する航空機の挑戦が本格化しそうだ。大手航空3社は、2月の運賃の自由化、7月からの羽田空港の発着枠の上乗せを背景に、低めの価格や増便を図って年間2000万人を超える市場への切り込みを狙う。8割の旅客を押さえ横網相撲をとるJR東海は、主力の「のぞみ」を新神戸に停車させるなど使い勝手をよくすることを検討、迎え撃つ態勢を取りつつある。空の規制緩和がもたらす「東海道戦争」は、利用者にとって朗報となるか。(経済部・有田哲文)
 米国のニューヨークとワシントンを航空2社がそれぞれ1時間おきに結び、空港にいつ行っても予約なしで乗れる「シャトル便」。これを東京−大阪にも導入できないか−。日本航空、全日本空輸、日本エアシステム(JAS)の大手3社は、いま共同で検討を進めている。
・片道1万2000円
 東海道新幹線が売り上げの8割を占めるJR東海は、この動きが気が気ではない。葛西敬之社長は昨年秋、日本航空の兼子勲社長をつかまえてこう言った。
 葛西氏 東京−大阪くらいの距離であれば、やっぱり鉄道がいいのではないか。
 兼子氏 利用者にとって、選択肢はあった方がいいでしょう。
 攻める側と守る側の間に火花が散った瞬間だった。
 昨年夏、航空各社は東京−大阪間の大半の便で、1万2000円の割引運賃(通常期1万6250円)を設定した。新幹線でもっとも速い「のぞみ」はもちろん「ひかり」や「こだま」よりも安い。効果は顕著だった。先陣を切った全日本空輸では、8月の乗客数は前年より27%も増え、幹部を驚かせた。
 運輸省のまとめでは、1997年度に東京−大阪を移動したのは約2200万人。うち航空機の利用者は前年度より2.6ポイント増えて19.0%、約400万人だった。それでも、約8割は新幹線を使っている。国内外の競争が激しくなる一方の航空各社にとって、国内に残された数少ないフロンティアといえる。
 JR西日本の山陽新幹線トンネル内で起きたコンクリート塊崩落事故も「新幹線は危なくないか、という気持ちが利用者に芽生え、空へのシフトが起こる」(大手航空会社幹部)との見方もある。
・公取委は難色
 日航幹部が描くシャトル便の構想はこうだ。羽田−伊丹で3社合わせて15便の現状を20数便に増やし、朝夕は30分間隔、日中は1時間間隔にする。案内カウンターも一本化、価格も、いまの割引運賃で最も多い1万2000円に統一、割安感を強調する。各社の実務者による調整を急いでいる。計算上は1日1便上乗せすれば、年間で10万−20万人の乗客を奪える可能性があり、効果は大きいそうだ。
 ただ、増便は、羽田空港の発着粋が増える夏以降にしかできないし、統一運賃には公正取引委員会が難色を示しているといわれる。この春はまず、各社の時刻表に他社便も掲載、案内カウンターを一本化する「シャトルもどき」から始める方向だ。
 JR東海は昨年12月24日、最新鋭の「のぞみ」車両(700系)を急いで増やすための3ヵ年計画を発表した。
2000−2002年度に新たに20車両を投入、270`が出せる車両の割合を、7割から8割に引き上げる。
 JR東海は、現在1時間に1本の「のぞみ」を30分に1本にすることを目指している。この増強計画で「今後1−2年の実現を目指す」(葛西社長)とぶち上げた。建設中の新幹線品川駅が開業する2003年度には本数をさらに増やせる。
・値下げできず
 ただ、当面は、ビジネス用回数券を充実したり、ダイヤの使い勝手をよくしたりすることで対応する考えだ。とくにダイヤは、時間帯によって、ビジネス客の乗り降りの比較的少ない京都駅を通過したり、神戸に商用のある乗客を獲得するために新神駅に新たに停車したりすることを検討している。
 JR東海は経営を支える大きな柱の新幹線の運賃引き下げだけは何としても避けたい考えだ。同社は分割・民営化の際に売り上げの5倍近い負債を抱えたために利払い負担が大きく、値下げの余裕はない。
 葛西社長が「サービスを磨いていきたい」と繰り返すのもそのためで、「JR発足時の枠組みから言って採算の悪いローカル線も抱えており、私鉄や他のJRとの競争はあっても航空各社と競争するなんて想定外」というのが正直なところだ。正攻法の「横網相撲」(幹部)で、束に結ってかかってくる航空会社をうっちゃれるかどうか。(朝日新聞 夕刊)
8日■年末年始利用客 KTR5.1%減る Y2K問題響く
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)は7日、年末年始(12月28日−1月5日の9日間)の旅客輸送実績をまとめた。期間中の乗車人員は3万3580人で前年比5.1%のダウン。KTRでは「2000年問題の対応で、乗客が帰省を控えたのが原因では」と分析している。
 遠方からの帰省、行楽客が利用する特急列車では、2日の新大阪発久美浜行き「タンゴ・エクスプローラー1号」が乗車率112%を記録したのが最高。期間内の特急全19本のうち、乗車率100%を超えたのは4本にとどまった。
 特急に限った乗車人員も1万8430人で前年比5.9%減。
 また、昨年に温泉がわき、沿線観光の中心となる天橋立駅の乗降人員も1万860人で、前年実績から7.2%落ち込んだ。
 KTRでは「雪がなくマイカー利用が増えたことと、景気低迷で観光客が減ったのも出足に響いた」と話している。(京都新聞)
9日■のぞみ運転席 窓にひび 長さ1b 400人、別の列車に 岐阜羽島で臨時停車
 8日午後8時50分ごろ、博多発東京行きの新幹線のぞみ30号がJR新大阪駅に到着した際、交代のため乗り込んだ運転士が先頭車両の運転台の窓ガラスにひびが入っているのに気付いた。安全に問題はないと判断してそのまま走行したが、岐阜羽島駅に臨時停車。乗客約400人は停車していた回送列車に乗り換え、同列車は東京駅に約20分遅れで到着したという。
 JR東海によると、ひび割れがあったのは新幹線では最速の時速300`(山陽区間)を出すJR西日本の500系。ひびは運転台の左半分に横向きに約1b。窓に何かがぶつかった可能性があるとみて、列車を大阪第一車両所(大阪府摂津市)に運び、原因を詳しく調べる。
 岐阜羽島駅には午後9時半ごろに到着。駅員が乗客を同じホームの反対側に停車していた代替列車まで誘導。事前に車内放送で案内していたこともあり混乱はなかったという。(京都新聞)
■頻発するひび割れ
 新幹線では車両の窓ガラスにひびが入る事故が頻発し、運輸省によると、JR西日本、東海、東日本の3社で1996年度に計448枚、97年度474枚、98年度420枚を交換した。99年度は4月から9月末までで135枚に上っている。
 最近の主な事故は、昨年12月6日に、山陽新幹線西明石−新神戸間を走行中のひかりの運転席の窓ガラスに縦約15aのひびが入った。
 今年1月4日にも山陽新幹線小郡−厚狭間で、ひかりの2階席の窓ガラスにひび割れが見つかったばかりだった。(京都新聞)
10日■JR車内で乗客6人不調 川崎の横須賀線
 9日午後2時ごろ、川崎市幸区鹿島田付近を走行中のJR横須賀線上り普通電車(久里浜発千葉行き、15両編成)の車内で、3号車の乗客の1人が「急にのどが痛くなった」と車掌に訴えた。
 この乗客が途中の新川崎駅で下車した後、電車は品川駅で点検のため臨時停車。乗客約700人は別の電車に乗り換えた。この際、3号車の男性3人、女性2人が「気分が悪い」と訴え、5人は同駅でうがいなどをして休んだ。車掌と駅員らが車両を調べたが、異臭が漂った形跡や不審物などはなかったという。(京都新聞)
■のぞみ 運転台窓にひび 1b、化学強化ガラスで初
 8日午後8時50分ごろ、JR新大阪駅に到着した博多発車京行き「のぞみ30号」(16両編成)の運転台の窓ガラスにひびが入っているのを、運転士が見つけた。列車はいったん同駅を出発したが、JR東海は運転に支障の出る可能性があると判断し、途中の岐阜羽島駅で運転を中止した。化学強化ガラスの窓にひびが入ったのは初めてで、車両を所有するJR西日本は本格的な調査を始める方針。
 のぞみ30号はJR西日本が開発し、1997年から営業運転を始めた500系車両。ひびは直径約3_の衝突痕の上下約1bにわたって縦に延びていた。運転台の窓ガラスは3層構造(厚さ計1.9a)で、従来の新幹線に使われてきた普通板ガラスより衝撃などに強いとされる「電熱線封入化学強化ガラス」を採用している。
 博多駅での出発前の点検でひびは確認されておらず、山陽新幹線の博多−新大阪間を走行中に何かがガラスに衝突し、ひびが生じたとみられる。これまでも線路の砕石(バラスト)が巻き上がってガラスを傷つける例はあったが、今回は先頭車両の運転台だったことから砕石が直撃した可能性は低く、原因は不明だとしている。
 JR西日本は9日未明から同区間を点検したが、落下物などの異状はみられなかったという。(朝日新聞)
■「新幹線」が試験運転 韓国
 【ソウル支局9日】韓国の新幹線にあたる「京釜高速鉄道(KTX)」が2010年の全面開通を目指し、韓国中部の忠清南道で試験運転を始めた。第1段階として2003年末までに部分開通する見通しで、全面開通すれば現在4時間以上かかっているソウル−釜山間が1時間56分で結ばれる。
 韓国高速鉄道建設公団によると、フランスの「TGV」の技術を採用したKTXの最高時速は300`を超える。
総事業費は今のところ約18兆ウォン(約1兆6000億円)と見積もられ、史上最大の投資事業といわれている。完成のためには3年前に深刻な通貨危機に陥った韓国経済の、今後の回復が大きなカギとなりそうだ。(朝日新聞)
11日■無賃乗車を”自首” 罰金10ポンド支払う 英首相夫人
 【ロンドン11日共同】シェリー英首相夫人(45)が10日、電車の無賃乗車を事後申告、罰金を支払うという出来事があった。
 法廷弁護士から裁判官への転身を図る夫人はこの日、裁判官として初の刑事裁判に臨むためロンドン市内で電車に乗ろうとした。だが、自動券売機に投じる小銭を持ち合わせておらず、窓口が閉まっていてクレジットカードも使えなかったため、切符を買わないまま電車に飛び乗った。
 下車後すぐに無賃乗車を届け、運賃の9ポンド60ペンスと罰金10ポンドをカードで支払い法廷へ向かった。「自首」したため罪には問われないが、5月に4人目の子供を出産する話題の渦中の人だけに、メディアが大々的に報道。窓口を閉めていた駅の不手際を批判する同情論も出ている。(京都新聞 夕刊)
12日■またもや新幹線 窓ガラスにひび
 11日午後零時35分ごろ、岡山発東京行きの新幹線ひかり162号が新大阪駅を発車した直後、9号車(グリーン車)の窓ガラスにひびが入っているのを車掌が見つけた。安全上の問題はなく、運行を継続。遅れはないという。
 JR東海によると、この列車は300系。横90a、縦66aの窓ガラスで、端から端まで斜めにひびが入っていた。
 窓ガラスは3層構造になっており、ひびは一番外側だけに入ったとみられる。(京都新聞)
■東海駅近くに爆発物 容疑の男逮捕 新幹線事件と関連か
 茨城県東海村のJR東海駅近くの路土で、火薬などが詰められた爆発物が見つかった事件があり、県警ひたちなか西署の捜査本部は11日、群馬県安中市出身の住所不定、無職大柴龍文容疑者(39)を爆発物取締罰則違反(爆発物の製造・所持)の疑いで逮捕した。調べに対し、大柴容疑者は「(臨界事故を起こした)ジェー・シー・オー(JCO)の原子力施設を破壊し、自分も死ぬつもりだった」などと供述しているという。
 茨城県警捜査本部の調べによると、大柴容疑者は昨年11月ごろ、東京都内で塩化ビニル管4本と、鉄パイプやアルミ缶、真ちゅう管各1本に爆発と雷管などを詰めた爆発物を製造。今月5日から6日にかけて、これらを入れたバッグを東海駅東口タクシー乗り場のベンチ前に置いた疑い。鉄パイプと塩化ビニル管の一部はタイマー付きの時限式だったが、作動していなかったという。
 捜査本部によると、大柴容疑者は「5日に電車で東海駅に来て、夜にバッグを持ってJCOまで歩いて行ったが、警備が厳しくて敷地に入れなかった」などと供述。目的が果たせなかったため、バッグを置いていったという。
 大柴容疑者はその後、カフェインを飲んで中毒症状を起こし、6日午後、水戸駅で「気分が悪い」と自分で110番通報し、水戸市内の病院に入院していた。バッグの中に、大柴容疑者の健康保険証や年金手帳があり、調べたところ、水戸市内で入院していることが分かった。
 捜査本部によると、東海村で見つかった爆発物は、昨年末、大阪府摂津市の新幹線車両所や浦和市のJR浦和駅で起きた爆発事件の爆発物と構造が似ていることなどから、関連を調べている。
 12月24日に起きた大阪の事件では、ごみ焼却所で新幹線から回収したばかりのごみ袋が爆発。浦和駅では同月27日にコインロッカーの中のジュラルミンケースが爆発し、ロッカー管理会社の社員1人が手に軽いけがをしている。捜査本部では、大阪、埼玉両府県警と連絡を取りながら関与について調べる。
 大柴容疑者は群馬県内の高校を卒業後、調理師やパチンコ店員をしていた。最近は東京都内のホテルを泊まり歩いていて、逮捕されたとき所持金はほとんどなかったという。(朝日新聞)
■英首相夫人”不正乗車”で罰金 出勤途中、「間違えた」
 【ロンドン11日=沢村亙】ブレア英首相夫人のシェリーさんが10日朝、切符を買わずに電車に乗り、駅員に10ポンド(1700円)の罰金を払わされたことがわかった。法廷弁護士の傍ら臨時の判事も務めるシェリーさんは、初めて担当する刑事裁判に出かける途中だった。
 首相スポークスマンの説明では、シェリーさんはロンドンの乗車駅で現金の持ち合わせがなく、クレジットカードが使える窓口も閉まっていた。ロンドン郊外の裁判所で開かれる公判に間に合うよう急いでいたためそのまま電車に乗り、降りた駅で料金を払おうとしたが、不正乗車と見なされたという。鉄道会社側は「窓口は開いていた」とやや異なる説明をしているが、「(シェリーさんは)うっかり間違えたようだった」とコメントした。
 だが、料金表示がわかりにくいうえ、うっかりミスにも故意の不正と同額の罰金を科すシステムは利用者には不評で、昨年7月に保守党大物政治家のクラーク元蔵相が切符の金額を間違えて罰金10ポンドを払わされた時には同情論が広がった。(朝日新聞)
■1番ホーム使用再開 SKR信楽線 8年8ヵ月ぶり発車 事故防止へ誓い新た
 1991年5月の信楽高原鉄道(SKR)列車事故以来、現場保存のため使用されていなかった滋賀県甲賀郡信楽町長野、同鉄道信楽駅の1番線ホームが12日から、使用を再開した。午前10時から使用再開式が行われ、8年8ヵ月ぶりに発車した列車を、同鉄道関係者らが感慨を込めて見送り、事故防止への誓いを新たにしていた。
 1番線ホームは事故を起こした列車が、赤信号のまま発車したホーム。事故以来、車両移動時を除いて使用停止されていた。代わって使われた隣の2番線ホームは、改札口と続く1番線ホームより遠く、階段もあり、障害者や高齢者らに不便だとして、住民らが使用再開を要望していた。
 使用再開に伴い、事故以前と同じように2つのホームが使え、駅の信号も再び使用を始めた。同鉄道では、運輸省の「信号を使用しても安全な運行体制の確立を」との指導を受け、再開に向けて2年ほど前から、運行管理体制の点検や社員教育、設備管理の徹底を図ってきた。
 使用再開式には、井上春絹同社社長ら30人が出席。井上社長は「民事裁判や補償関係業務、遺族の方々の理解などさまざまな節目を越え、本日を迎えた。心新たに事故再発防止に努める」とあいさつ。事故当時、社長だった杉森一夫信楽町長は「再開は感無量。過去の責任に対しておわびし、今日を迎えられたことを喜びたい」と述べた。
 テープカット後、同10時21分、駅ホームの北約10bにある信号が赤から青に変わり、列車がホームから滑り出した。
 同鉄道事故は、同駅を赤信号で出発した同鉄道列車と、信楽町で開催されていた世界陶芸祭に合わせて乗り入れていたJR西日本の列車が、同町黄瀬で正面衝突、双方の乗客ら42人が死亡する惨事を招いた。(京都新聞 夕刊)
■新幹線ごみ袋と浦和駅爆発も 東海村で逮捕の男 犯行認める供述
 茨城県東海村の事務機器販売会社わきの路上で爆発物が見つかった事件で、11日に同県警に爆発物取締罰則違反容疑で逮捕された群馬県安中市出身の住所不定、無職大柴竜文容疑者(39)が、昨年12月に起きた大阪府摂津市の新幹線ごみ袋爆発事件と、浦和市のJR浦和駅コインロッカー爆発事件についても犯行を認める供述を始めたことが、12日分かった。
 茨城県警ひたちなか西署捜査本部は、3つの事件に使われたリード線と火薬の一部が似ている材質だったことなどから、大柴谷疑者の犯行の可能性があるとみているが、大阪の事件については爆発物の構造が違うこともあり、慎重に裏付け捜査を進めている。
 これまでの調べでは、大柴谷疑者は昨年11月ごろ、宿泊先の東京都内のホテルを転々としながら爆発物を製造。今月5日から6日にかけて、爆発物をバッグに入れ、東海村のJR東海駅東口タクシー乗り場付近に放置した。
 同容疑者は調べに対し「爆発物を作る際に複数の本を参考にした」と供述しており、捜査本部は犯行の動機を追及するとともに、ほかの爆発事件にも関与していなかったか調べる。
 また、同容疑者は昨年2月、主任として勤務していた群馬県伊勢崎市のパチンコ店から1000万円を盗んだことも供述しているという。この事件では、群馬県警が同容疑者の逮捕状を取り捜査していた。
 大阪の事件は昨年12月24日に発生。新幹線車両基地のごみ焼却場近くで、東海道新幹線から収集したごみ袋が爆発した。JR浦和駅の事件は同月27日、コインロッカーに預けられていたアルミ製の箱が爆発、1人が手に重傷を負った。いずれも爆弾の殺傷力は弱かった。(京都新聞 夕刊)
■トロッコ列車 動物に立ち往生 「自然との共生」うたい 強制手段使えず イノシシ、線路に穴 シカも桜やモミジ食い荒らす
 京都市右京区−亀岡市間の保津峡の自然を楽しむ嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車が、沿線に出没する野生動物に悩まされている。大敵はイノシシで、線路内の石を掘り返して大きな穴を開けてしまう。シカも、植樹した桜やモミジの樹皮を食べ荒らす。動物たちが線路に入れないようフェンスを張るなどしているが効果はなく、嵯峨野観光鉄道は「自然との共生をうたう観光列車だけに、動物に危害を加えて追い払うわけにもいかない」と弱り果てている。
 同鉄道によると、イノシシは昨年、特にひんぱんに出没した。線路の敷き石を掘り返して幅1b、深さ50aほどの大穴を掘ったり、線路沿いの斜面に穴をあけたりする。木の根やミミズなど食べ物を探しているとみられるが、穴を掘るはっきりした理由は分からない。
 線路内の石を掘り返されると安全な運行に支障が出るため、鉄道では毎朝の一番列車に乗り込んだ担当者が目で点検し、穴があればスコップで埋め直している。
 昨夏、イノシシの通り道にあたる場所約10ヵ所にフェンスを張った。しかし、イノシシたちは次々と抜け道を見つけては、また穴を掘りにくる、という。
 一方、シカは昼間もあらわれ、桜やモミジの樹皮を食べ荒らし、細い幼木をへし折ることもあった。樹木を守るため、沿線の約2000本にそれぞれ防護用ネットを巻いたが、樹木の生長に合わせて巻き替える必要があるため、膨大な手間がかかるという。
 シカは、列車の運行中も出没する。警笛を鳴らしても線路上をゆっくりとしか逃げないため、定刻運行の支障にもなっている。
 嵯峨野観光鉄道は、対策として▽夜間に爆発音を鳴らして追い散らす▽電流を流したフェンスを張る▽わなを仕掛ける−なども考えたが、近所の迷惑や乗客に与える悪印象を考慮して断念、有効な手だてを打てないでいる。
 明石稔次長は「イノシシやシカも生きるために精いっぱいやっているので、本当に手ごわい相手だ。なんとか仲良くできる方法があれば、ぜひ教えてほしい」と話している。(京都新聞 夕刊)
■東海村の爆発物容疑者 新幹線市世間も供述
 茨城県東海村のJR東海駅近くの路上に爆発物を置いたなどとして、爆発物取締罰則違反の疑いで11日に逮捕された群馬県安中市出身の住所不定、無職大柴龍文容疑者(39)が、県警の捜査本部の調べに対し、咋年末に大阪府摂津市の新幹線車両所と浦和市のJR浦和駅で起きた爆発事件についても、「自分がやった」との供述を始めていることが12日、分かった。3ヵ所の現場で見つかった遺留品がよく似ており、捜査本部は、大阪、埼玉両府県警と連絡を取りながら、大柴容疑者の両事件への関与についても捜査を進める。
 12月24日に起きた摂津市の爆発事件ではJR東海大阪第一車両所(鳥飼基地)のごみ焼却所で、新幹線車両から回収したばかりのごみ袋が爆発。同月27日には、浦和駅のコインロッカーに入っていたケースが爆発し、ロッカー管理会社の社員1人が手に軽いけがをした。
 捜査本部は、両事件の現場の遺留品が、東海村の爆発物と似ているため、大柴容疑者が関与したとの見方を強めている。大柴容疑者は爆発物を「本を見て作った」などと供述しており、作った動機を調べるとともに、大阪、埼玉の事件についても両府県警と連携して裏付けを急ぐ方針だ。
 また、大柴容疑者は昨年2月まで主任として働いていた群馬県伊勢崎市のパチンコ店から1000万円を盗んだことも自供しており、これについても調べている。
 群馬県警などによると、昨年2月1日から2日にかけて、このパチンコ店で、金庫の現金がなくなり、同時に大柴容疑者も姿を消したという。店からの被害届を受け、同月3日、盗みの疑いで逮捕令状をとって大柴容疑者の行方を追っていた。
 大柴容疑者は1978年、群馬県桐生市内の私立高校を卒業。95年12月からこのパチンコ店に勤め、店の2階に単身で住でいたらしい。(朝日新聞 夕刊)
13日■装い新た「国際会館」駅 駅前広場、地下駐輪場 整備完了祝う
 京都市が地下鉄烏丸線「国際会館」駅周辺で整備していた駅前広場と地下駐輪場の完成を祝う行事が12日、左京区岩倉大鷺町の現地などで行われた。13日から供用を開始する。
 駅前広場は広さ約4200平方bで、市バス2台分、京都バス3台分とタクシーの乗降場を備える。
 地下駐輪場(同4000平方b)は、自転車2500台、ミニバイク500台の収容能力があり、市内の公営駐輪場としては最大規模となる。
 総事業費は約28億円。
 午後1時から国立京都国際会館で開かれた完成式典には、桝本頼兼市長ら関係者約450人が出席した。引き続き、現地でオープニングセレモニーが行われ、近くの保育園児らが市バスなどに乗り込み、真新しい駅前広場の使い勝手を確かめていた。(京都新聞)
■市バスに追突され バイクの女性けが
 12日午前9時45分ごろ、京都市北区今出川通西大路の交差点で、立命館大前行き市バス=平田満広運転手(55)=が、左京区一乗寺河原田町、アルバイト森田友子さん(45)のバイクに追突し、さらに前方のトラックに衝突した。森田さんは転倒して腰を打ち、軽傷を負った。乗客約10人にけがはなかった。
 西陣署によると、市バスは右折車線を減速しながら走行していたという。同署は平田運転手が前方をよく見ていなかったのではないかとみて、調べている。(京都新聞)
■市バスが追突 女性1人けが 北区の交差点
 12日午前9時45分ごろ、北区北野下白梅町、府道今出川通の白梅町交差点の右折車線で、京都市バス=平田満広運転手(55)=が、左京区一乗寺河原田町の主婦、森田友子さん(45)運転のバイクと、山科区西野後藤、建設業金武雄さん(58)運転のトラックの後部に追突した。森田さんが腰を打つけがをした。
 西陣署の調べでは、市バスは、右前方にいた森田さんに追突した後、さらに前にいた金さんのトラックに追突した。平田運転手が車内の様子を見るために前方から目を離したのではないかとみて、調べている。(朝日新聞)
■東海村爆発物 殺傷力高かった 新幹線事件よりも強力
 茨城県東海村に爆発物が放置されていた事件で、爆発物取締罰則違反の疑いで逮捕された住所不定、無職大柴龍文容疑者(39)が作ったとされる爆発物は、殺傷能力が高く、爆発していれば死傷者が出た可能性もあったことが12日、県警捜査本部の調べで分かった。大柴容疑者が「自分がやった」と認めている大阪や埼玉の爆発事件より破壊力は強いとみて、捜査本部は、作製した詳しい動機などを追及する。また3ヵ所の事件で使われた爆発物に、無線操縦の模型用の部品や燃料が使われている可能性が強いことも分かり、捜査本部は一連の事件の共通性を裏付けるものとみて、さらに詳しく調べている。
 これまでの調べで、大柴容疑者が自分で作ったと供述している爆発物は、塩化ビニル管4本と鉄パイプ、アルミ缶、真ちゅう管各1本に、それぞれ爆薬と雷管などが詰められ、一部にはタイマーが付けられた時限式だった。大柴容疑者は当初、この爆発物を臨界事故を起こしたJCO東海事業所を狙って置こうとしたが、その目的が果たせずにJR東海駅前に放置したという。
 捜査本部は、これらの爆発物の爆薬の量や精巧な構造などから、一度に爆発すればかなりの殺傷能力があり、「対人地雷並みの威力がある」との見方も出ている。大柴容疑者は、JCOへの設置を断念した後、タイマーなどを作動させずに放置して立ち去ったため、爆発しなかったとみられる。
 また、東海村とJR浦和駅の爆発物に、無線操縦の模型用の部品が使われ、大阪府摂津市での爆発事件でも同様に模型用の燃料が使われたとみられるなど、共通点や似た部分があることから、茨城県警の捜査本部は、大阪、埼玉両府県警と連携して裏付け捜査を急いでいる。(朝日新聞)
■アラ石交渉大詰め 日本・鉄道事業「資金で支援」 サウジ・「政府・企業が建設を」 15日会議 決裂も
 日本の自主開発油田の象徴的な存在といわれる、サウジアラビアのカフジ油田の採掘権の更新を巡り、柴谷陸司通産相が15日からサウジ高官と会談し、日本政府の経済支援策を示す。採掘権の直接の契約者は民間のアラビア石油(アラ石、本社・東京)だが、サウジ側は「見返り」として日本の経済支援を交渉の前提としており、これが実質的な最終交渉になりそうだ。ただ、これまでの交渉で両国の主張は大きく隔たっており、決裂の可能性も出ている。(加藤 裕則、中東アフリカ総局=石合 力)
◇なぜ政府が
 「アラ石は日サ関係の象徴で友好関係を維持する必要がある」
 民間企業であるアラ石の採掘権交渉に、政府が乗り出すことについて、通産省はそう説明する。昨年5月に与謝野馨前通産相がサウジを訪問した。当時の同省首脳は「この訪問でアラ石の権益交渉を実質的に政府が引き取った」と振り返る。ただ、アラビア石油の生産量は日本の輸入量全体の5%程度。「政府が面倒をみる必要があるのか」という声も経済界に根強い。このため支援には限度がある。交渉のため7度にわたってサウジを訪れた荒井寿光通産審議官は昨年暮れの会談で「大臣が来てもこれ以上の譲歩はない」と言い切った。深谷通産相も「国民の納得できない支援はできない」という姿勢だ。
◇鉄道の採算
 交渉で最大の焦点となっているのが、1400`に及ぶ鉱山鉄道計画。内陸部で採れる鉱物資源を鉄道で海岸部に運ぶ計画で、サウジは日本の政府・企業が建設し、贈与することを求めている。昨年12月の交渉でサウジ側は「鉄道と、天然ガスの利用促進への協力に議論を絞りたい」と日本に強く迫った。
 だが、通産省は鉄道事業を「採算がとれる事業ではない」と判断。直接事業を手がけることを拒み、「サウジが建設し、日本は融資の形で資金提供する」という妥協案を示している。
◇日本の提案
 政府が提示している経済支援策は@国際協力銀行などが公的資金4000億円を融資や投資の形で用意し、今後10年間で6000億円分の投資実績をつくるA日本がサウジの世界貿易機関(WTO)加盟を支援し、2国間交渉で早急に合意すること、など。
 これに対してサウジは原油買い取りの拡大なども求めているが「買い取り量は民間の判断」(通産省)とすれ違っている。15日からの交渉では深谷通産相は投資促進委員会を新たにつくり、投資拡大を実行していくことを表明する方針で、日本としてはサウジ側の妥協に期待をかけている。
◇王室の事情
 サウジの思惑は読みにくい。サウジでは王室が決断のかぎを握っているが、現在政務を取り仕切っているアブドラ皇太子は、非欧米諸国との関係も考慮する「バランス外交」の主導者で、「日本との関係を重視して利権延長を決断するのではないか」との見方がある。一方、石油省のアブドルアジズ次官も王室メンバーで、次官のメンツと省益がからむので鉄道建設などは簡単に譲れないという事情も指摘される。
 こうした中でサウジ側はアラ石の採掘権が切れた場合に備えて、国営石油会社が操業する準備を進めている。交渉に向けての「ポーズ」という見方もあるが、メジャー(国際石油資本)が関心を持っているという詰もあって、予断は許さない。
◇友好続く?
 採掘権が更新されなかった場合、アラ石はカフジ油田に半分の権利を持つクウエートとの契約が2003年1月まであるため操業は続けられるが、事業の大幅な縮小は避けられない。
 また石油業界には「カフジ油田が失われることは大きな損失ではないが、日サの友好関係にひびが入るのは困る」との声がある。
 もっとも通産省幹部は、サウジ側が「日本とは特別な関係にある」と関係者に漏らしており、今回の交渉が合意できなくても、原油の主要な販売先である日本とは今後も友好関係が維持されるという見方だ。
 サウジ側は「交渉は延長しない」としているが、状況によっては、採掘権の期間を暫定的に延長し、さらに経済支援の交渉を続ける可能性もある。
・アラビア石油 1957年に山下太郎・日本輸出石油会社社長がメジャーとの競争のすえ、サウジアラビアとクウェートとの間の旧中立地帯の沖合に油田開発権を獲得し、その権益をもとに58年に会社を設立した。70年には東京証券取引所一部に上場、サウジ政府やクウェート石油公社、東京電力なども大株主。社長は通産OBなどが務め、小長啓一社長も元通産事務次官。従業員は外国人も含めて約2000人(日本人は約350人)。98年12月決算の売上高は1453億円、経常利益は349億円。カフジ油田の生産量は1日当たり約23万バレル(98年)で、サウジ側での権益期限は2月27日、クウェート側での期限は2003年1月4日まで。(朝日新聞)
■台湾新幹線 「日本との協議中止を」 欧州勢、台北地裁に申請
 【台北13日=清水勝彦】13日付の台湾紙、聯合報などによると、台湾新幹線の受注に敗れた独仏連合のユーロトレインは12日、台北地方裁判所に対し、事業主体の台湾高速鉄道公司と日本の企業連合との間で進んでいる契約に向けた最終協議の中止を求める仮処分申請を提出した。同紙は「法律界の見方」として、「最悪の場合、契約を白紙に戻し、仲裁で解決を図る可能性も出てくる」と報じた。
 昨年12月28日、同公司は日本連合に「優先協議権を与える」と発表、新幹線初の海外輸出を目指した日本が事実上、受注を内定した。今月末の最終契約を目指し、10日から詰めの協議が始まっていた。
 報道によると、ユーロトレイン側は、1997年の同公司との契約書で「同公司は、合理的な価格でユーロトレインが提供する車両システムを購入する」となっていたことを根拠に、日本新幹線システムの採用は「契約違反」と主張している。同公司は、「日本側との協議が影響を受けるかどうか、裁判所の判断に従う」としている。
 事業権を獲得した同公司は、そもそも独仏連合と組んで成立した企業グループであることから、日本新幹線への「乗り換え」決断には、独仏連合の「報復措置」の可能性が指摘されていた。13日には、独仏連合の主力企業である独シーメンスのピーラー会長が台北入りし、李登輝総統らに直訴して巻き返しを図る構えだとも報じられている。(朝日新聞 夕刊)
■新幹線ごみ 浦和駅爆発 「JRに対する警告」 東海村事件の容疑者供述
 茨城県東海村の爆発物放置事件で逮捕され、大阪府摂津市の新幹線車両所やJR浦和駅(浦和市)での爆発事件についても関与を認めている群馬県安中市出身の住所不定、無職大柴龍文容疑者(39)が、大阪と浦和の事件は「JRに対する警告だった」などと供述していることが13日、県警ひたちなか西署の捜査本部の調べで分かった。東海村の事件でも大柴容疑者は「ジェー・シー・オー(JCO)が臨界事故を起こし許せなかった」と話しており、捜査本部は、各地でコンクリート崩落事故が起きたJRや、JCOに対する憤りも背景にあるとみている
。また、同捜査本部は13日、東海村の事件で大柴容疑者を、爆発物取締罰則違反(爆発物の製造・所持)の容疑で水戸地検に送検した。
 これまでの調べで捜査本部は、大柴容疑者が各地のトンネルなどでコンクリート崩落事故を起こしたJRに対して「警告するつもり」で新幹線車両所と浦和駅の事件に及んだとの見方を強めている。また、JCO東海事業所を狙ったことについても臨界事故への怒りが背景にあったともみている。
 東海村で見つかった殺傷能力の高い爆発物は、安全装置やタイマーが付いた精巧な構造になっていた。大柴容疑者は「JCOの敷地に入り、原子力施設を破壊して死ぬつもりだった」などと供述している。大柴容疑者は「無線操縦の模型作りが趣味だった」とも話している。
 大柴容疑者は13日午前9時10分ごろ、ひたちなか西署の2階非常階段に姿を見せた。水色のジャンパーを頭からかぶった状態で、下を向いたまま車両に乗り込んだ。車両は同40分ごろ、水戸地検に入った。(朝日新聞 夕刊)
14日■鉄道建設 溝大きく アラ石問題 あすから政府間交渉 日本 「全面協力」は拒否
 2月末に期限を迎えるアラビア石油のカフジ油田権益更新をめぐる日本とサウジアラビアの政府間交渉が、15日からサウジで始まる。深谷隆司通産相が15、16日に、ヌアイミ石油鉱物資源相や事実上交渉の決定権を持つとされるアブドラ皇太子らとトップ会談し、サウジ側が権益更新の見返りとして求めている経済協力について協議する。
 交渉の焦点は、サウジが日本に強く要求している産業鉄道建設への全面的な資金協力。通産相は「国民の税金を使うわけにはいかない」と全面協力は明確に拒否する構えで、最終局面まで予断を許さない。交渉の結果は、権益更新に大きな影響を及ぼしそうだ。
 交渉の見通しは@サウジ側が鉄道建設で譲歩し、政府間交渉が決着A双方の溝が埋まらず決裂B問題の先送り−などのケースが考えられる。政府間交渉を受けて、アラビア石油がサウジ側と権益更新の交渉をする予定で、第一の場合は更新に向け大きく前進するが、それ以外の場合には交渉は厳しいものとなる。しかし、サウジ側も経済協力を得られないのは得策でないとして、暫定的に権益を更新し、引き続き政府間交渉を継続するのではないかとの見方も出ている。
 産業鉄道構想は、北部鉱山からリン鉱石やボーキサイトなどを東部の工業地域に運ぶ鉄道を建設する計画で、事業化調査では建設費20億j、年間維持費1億jと算定。通産省は採算性の低さを理由に全面協力を拒否し、初期投資や技術面での協力にのみ応じる用意があると表明している。
 日本側は昨年6月、油田権益更新の交渉を後押しする「環境整備の一環」として、総額6000億円に上る投資促進策を柱とする包括的な経済協力を提案し、サウジ側と協議を続けてきた。(京都新聞)
■駅爆破予告し1000万要求 「京の学校にも」と供述 大阪府警 容疑の女逮捕
 大阪市営地下鉄・北加賀屋駅(大阪市住之江区)の爆破を文書で予告し現金1000万円を要求したとして、大阪府警捜査一課と住之江署は13日、恐喝未遂の疑いで大阪府東大阪市下小阪、ホステス上田信枝容疑者(38)を逮捕した。同容疑者は「京都市立小学校にも同じような文書を出した」と供述。NHK大阪放送局も「1000万円を持ってこないとスタジオを爆破する」とする封書が届いており、同課などで関連を調べる。
 調べでは、上田容疑者は今月6日と11日の2回、北加賀屋駅の郵便受けに「駅長室を爆破してやる。警察に言ったら殺す」などと書いたはがきを入れ、12日夜に1000万円を大阪市中央区内の地下鉄出口に持って来るよう指示、現金を脅し取ろうとした疑い。
 はがきは「衆院議員後援会メンバー」の肩書の男性名で書かれていた。上田容疑者の店の客の携帯電話番号などが記され、周辺捜査で同容疑者が浮かんだ。(京都新聞)
■「駅長室爆破」脅迫した疑い 容疑のホステス逮捕
 大阪府警捜査一課と住之江署は13日、大阪市営地下鉄四つ橋線北加賀屋駅長に「駅長室を爆破してやる」などと書いた脅迫文を送り、現金1000万円を脅し取ろうとしたとして、東大阪市下小阪二丁目、ホステス上田信枝容疑者(38)を恐喝未遂の疑いで緊急逮捕した。(朝日新聞)
■遺留品から同じ店の値札 東海と新幹線の爆発物
 茨城県東海村の路上で爆発物が見つかった事件と大阪の新幹線ごみ袋爆発事件の、それぞれの爆発物の部品の一部に大型雑貨店「東急ハンズ」の値札などが付いた部品があったことが、14日までの茨城県警捜査本部の調べで分かった。(朝日新聞 夕刊)
15日■JR東海道線 保線作業中に列車通過 9月以降 人為ミス相次ぐ
 近畿圏を走るJR東海道線で昨年9月以降、作業員が保線作業中に列車が通過する「ニアミス」が相次いでいたことが15日、分かった。いずれも、線路外に逃げるなどで作業員にけがはなかったが、昨年12月に大阪駅で起きたトラブルは、あわや人身事故につながりかねなかった。JR西日本は、工事スケジュールの作成者らが通過列車を間違えるなどの単純な人為ミスが原因とみており、緊急に社内通達を出すなどして再発防止に取り組み始めた。
 JR西日本によると、ニアミスは昨年12月2日午前1時すぎ、JR東海道線の大阪駅構内で起きた。同社の保線作業員3人がレールの細密検査の作業をしていたところ、東京発熊本行きの下り寝台特急「はやぶさ」(12両編成、乗客約100人)が急接近。見張りをしていた1人が列車に気つき、作業していた2人とともに線路外に逃げたため無事だった。
 線路内で作業する時は、現場の手前の信号を赤信号とするなどにより「線路閉鎖」の措置をとることが原則。しかし、駅員ら関係者に工事の概要を知らせる「線路閉鎖工事通告書」では、列車の通過時間が実際よりも早く設定されていた。信号を切り替える大阪駅の駅員も同通告書に従っていたため、信号を赤信号に切り替えていなかった。同社は通告書の作成者のうっかりミスとみている。
 このほかにも、線路閉鎖工事通告書の作成を誤るなどで、同じように作業中に列車が通過したトラブルが、昨年9月24日に東海道線の米原駅構内で、同10月30日に芦屋駅構内で起きていた。いずれも、作業員らが線路外で待機するなどしてけがなどはなかった。
 事態を重くみた同社は、大阪駅でのニアミス事故の直後、各支社の担当部署に対し再発防止を求める通達を出した。通告書の作成時に、作成者以外の第三者がチェックするシステムを確立するなど緊急の取り組みを求めている。
 一方、JR東日本管内では、昨年2月に東京都品川区のJR山手貨物線で保守作業員5人が臨時の回送列車にひかれ、死亡する事故が起きている。運行ダイヤの確認などを怠ったとして、工事指揮者が業務上過失致死罪で起訴された。(朝日新聞 夕刊)
■爆発物に同一部品 東海村など3件の事件 大柴容疑者の犯行か
 茨城県東海村の爆発物放置事件で、同村で見つかった爆発物の起爆装置と、浦和市で起きた事件の爆発物の起爆装置に、同じ無線操縦模型のエンジン用点火プラグが使われていたことが、県警捜査本部の15日までの調べで分かった。また、大阪府摂津市の事件の爆発物の容器に、東海村の事件と同じ大型雑貨店の値札やバーコードが張られていたことも分かり、捜査本部は、いずれの事件も住所不定、無職大柴龍文容疑者(39)による犯行との見方を固め、大阪、埼玉両府県警と連携してさらに裏付けを進める。
 調べでは、東海村の事件では、塩化ビニル管や鉄パイプ、アルミ缶などに、アセトン系の爆薬が詰められ、起爆装置の雷管に鉛筆のキャップを使用。「グロープラグ」と呼ばれる模型の飛行機などのエンジン用点火プラグが装着されていた。JR浦和駅で見つかった爆発物の雷管にも、同じ点火プラグが使われていた。
 また、東海村の塩化ビニル管や鉄パイプなどには大型雑貨店の値札やバーコードが張られたままで、摂津市の新幹線車両所の爆発物の容器にあったのと同じ大型雑貨店のものだった。
 さらに、東海村の爆発物と一緒に見つかったペットボトルに、無線操縦模型の燃料が残っており、大阪の事件でも、おがくずのような粉末にしみ込ませた同種の燃料が検出されている。
 大柴容疑者は無線操縦模型のマニアであることが分かっており、捜査本部の調べに、3件とも「自分がやった」と供述。捜査本部は爆薬や雷管などは市販の本の特集ページなどを基に、大柴容疑者が河川敷や宿泊先のホテルなどで調合、製造したとみている。
 捜査本部によると、無線操縦模型用の点火プラグは、1994年12月に日本テレビ(東京)の事務室でタレントの安達祐実さんあての郵便物が爆発した事件と、95年5月、東京都庁で青島幸男知事(当時)あての郵便小包が爆発した事件でも、雷管に使われていた。(朝日新聞 夕刊)
16日■保線作業中に列車 工事計画ミス 運輸局未報告 あわや人身事故 JR大阪駅構内
 JR大阪駅構内で昨年12月、工事計画の作成ミスが原因で保線作業中の線路に列車が進入、作業員がひかれそうになった上、列車が作業機材に衝突する事故が起きていたことが15日、分かった。JR西日本は「列車遅延時間も短く、けが人もなかった」として近畿運輸局には報告しておらず、安全管理に対する甘い姿勢が問われそうだ。
 同社関係者によると、事故は昨年12月2日午前1時5分ごろ起きた。大阪支社の保線作業員3人がレール探傷器を使って線路の細密検査をしていたところ、東京発熊本行きの寝台特急はやぶさ(12両、乗客約100人)が作業中の線路に進入したため、作業員は慌てて避難。はやぶさは探傷器と衝突し、現場に約10分間停車した。
 作業員や乗客にけがはなかったが、あわや人身事故のタイミングだったという。
 保線作業では、作業区間を列車が通過しないように閉鎖する「線路閉鎖工事通告書」を事前に作成するが、支社の作成担当者が閉鎖する区間を間違えたらしい。さらに、駅側も誤った通告書をうのみにし、作業区間手前の信号を赤信号に切り替えていなかった。
 JR西日本では、昨年9月24日に米原駅構内、同10月30日に東海道線西ノ宮−芦屋駅間でも、それぞれ同様の閉鎖区間の間違いがあったという。いずれも作業前に気付いて大事には至らなかったというが、同社は同種のミスが相次いだことを重視、再発防止策の確立を急いでいる。(京都新聞)
17日■京福嵐山線 「らんでん」と親しまれ のどかにガタゴト90年 庶民の足 観光にも レトロ調が人気 環境面でも再評価
 「嵐電(らんでん)の名で親しまれている京福電鉄嵐山線が、今年3月で開通90周年を迎える。京都の都心部と名勝・嵐山を結ぶ7.2`の沿線は、有名社寺や観光スポットに恵まれ、車両もレトロ調なことから、全国にファンも多い。オフシーズンの今、どこか懐かしさを誘う電車にガタゴト揺られながら、歴史を振り返ってみた。(社会部・日下田貴政)
 嵐電は1910(明治43)年3月25日、当時の嵐山電車軌道が、四条大宮−嵐山間に開通させたのが始まり。京都はその15年前に、日本で初めて路面電車が走った町だが、嵐電は京都で初の郊外電車として誕生した。
 正月明けの昼下がり、四条大宮駅から1両だけの電車に乗り込んだ。床下のモーターやエアコンプレッサーがうなる音が、どこか古めかしく聞こえる。出発してJR嵯峨野線の高架をくぐり、最初の駅は西院。
 続く三条口駅を出発したとたん、「信号待ちです。しばらくお待ち下さい」のアナウンスが流れる。ここからしばらく三条通を西に進むためだ。
 地下鉄東西線の開通に伴い97(平成9)年10月、京阪電鉄京津線の京津三条−御陵間が廃止されて以来、市内で唯一の道路との併用軌道で、自動車とのデッドヒートが繰り広げられる。道路の真ん中にホームがある山ノ内駅は、停留所と呼ぶ方がお似合いだ。
 太秦駅は国宝指定第1号の弥勒菩薩像がある広隆寺や東映太秦映画村の最寄り駅。次の帷子ノ辻駅は、北野白梅町駅につながる北野線(3.8`)の連絡駅。北野線は26(大正15)年に全通している。
 幼いころから嵐電に慣れ親しみ、嵐電の写真集を出したこともある写真家の内藤靖正さん(66)=下京区=は「サンダル履きで乗っても違和感のない庶民的な電車。年輩の人は市電とダブらせて懐かしく感じるようです」と話す。
 今でこそ、家並みの合間を縫うように電車が走るが、内藤さんの少年時代は、帷子ノ辻から西側は畑や田んぼが広がり、車折駅を過ぎると竹林が線路に迫っていたという。
 沿線は、戦後の復興や経済成長とともに家が増え、利用者も増加したが、ここ30年ほどはマイカーの普及などで減少している。北野線も合わせた昨年度の旅客輸送人員は810万3000人と、20年前の78年度と比べて7割弱にまで減っている。一方、最近では環境にやさしい乗り物として路面電車があらためて注目されている。
 京都の鉄道史に詳しい京都学園大の西藤二郎教授(交通経済学)は「嵐電の魅力はレトロな点だが、公共交通機関としては、車両の低床化などの高齢化対策や、他社との相互乗り入れなどが今後は必要になってくるのでは」と指摘する。
 今回の短い旅の途中、発車しようとした電車がホームに駆けつけてきた女性のためにドアを再び開けて待ったり、電車が来るまで小学生がホームで縄跳びをして遊ぶ光景を見かけた。慌ただしい世の中にあって、沿線には高いビルも少なく、時間の流れが緩やかなのが新鮮だ。
 四条大宮から21分で終点・嵐山駅に到着。駅のすぐ南側で大正時代から続く食堂を営む吉田麗子さん(68)は「ワンマン化(87年)されるまでは、嵐電の乗務員や駅員らが大勢、ご飯を食べに来ていて、キツネうどんとライスのセットを『嵐電定食』と呼んでいました。今でも定年退職した人から年賀状が来ます」と愛着を示す。
 開通90周年を記念し、3月25日には嵐山線全線で1乗車90円で乗れるなど、さまざまな記念イベントが計画されている。片道230円のぶらり旅。嵐電そのものが、京都の立派な観光資源に思えた。(京都新聞)
■東海道ひかり 窓ガラスひび 衝突痕2ヵ所
 16日午前10時ごろ、京都市内の東海道新幹線京都−米原間を走っていた広島発東京行き「ひかり134号」(16両編成、乗客約600人)の窓ガラスにひびが入っているのを車掌が見つけた。JR東海が調べたところ、1号車の窓ガラス(縦66a、横78a)の端に5_ほどの衝突痕が2つあり、約60aのひびが入っていた。同社は運行に支障はないと判断、東京駅まで運行を続けた。(朝日新聞)
18日■鉄道貨物協会長に今井氏
 今井敬経団連会長が鉄道貨物協会の会長に就任することが17日明らかになった。鉄道貨物協会の会長は、昨年5月に根津嘉一郎東武鉄道取締役相談役が退任後、空席となっていた。正式には、今年5月の総会で決める。(朝日新聞)
■京のあした 課題点検 京都市長選 1 市バス 赤字抱え目前に自由化 生活路線どう守る
 右京区の名刹、仁和寺から北西へ約4`。京北町に通じる周山街道を、四条烏丸始発の「8」系統の市バスがゆっくり上っていく。午前7時50分、「高雄小学校前」のバス停に着くと、乗っていた5人が次々に席を立つ。ランドセルを背負った小学生2人は運転手に「ありがとうございます」と声を掛けて降りた。乗客がだれもいないまま、バスは終点の高雄へ向かった。
●通学の貴重な足
 市立高雄小学校は、周山街道の沿線約5`が学区で、児童数は約120人。約半数は、雨が降ると「家が遠く、狭い通学路を傘をさして歩くのは危ない」とバスで通っている。村上悦子校長は「歩くと家から学校まで30分かかる子もいる。バスは貴重な足になっている」と話す。
 周山街道には平日に8系統の市バスが20往複、JR京都駅と京北町の周山を結ぶJRバスが36往復している。朝夕は1時間に計4、5本が走る。
 このうち、市バスの乗客は1日平均で1100人。だが、100円の収入を得るために230円の経費がかかる。年間の赤字額は1998年度で約9600万円に上る。
 一方、高雄小の教職員15人のうち、バスを利用しているのは3人。残りはマイカー通勤だ。
●バス離れに拍車
 現在、70の路線がある市バスのうち、黒字は約8分の1に過ぎない。8系統のように周辺部を走る路線はほとんどが赤字だ。
 1998年度の市自動車運送事業特別会計決算は土地の売却などで11億円の特別利益を上げたが、それでも最終的に8億円の単年度赤字を計上。累積額は51億円に膨らんでいる。
 赤字の最大の原因は、利用客の減少だ。
 市バスの利用客は80年度をピークに落ち込んでいる。98年度は1日平均35万8000人と、80年度より4割も減った。96年に策定した経営健全化計画を進めた結果、99年度までに想定を44億円上回る経費削減が達成できる見通しだ。半面、運賃収入の落ち込みも想定より64億円拡大する見込みで、実質的な資金不足(不良債務)の解消、という目標の達成は難しい状況だ。
 97年度からは、運賃収入だけでは実質的な人件費をまかなうことができない状態が続いている。
 市交通局は昨年9月、新たな経営健全化計画「経営健全化プログラム21」をつくった。全職員の給与を3年間にわたり5%減らす▽バス運転手の基準乗務時間を30分延ばす▽バス事業の職員を5年間で約300人削減▽バスの運行・整備や営業所の管理業務を民間に委託−などを実行することで、バス事業は2004年度に単年度黒字に、とそろばんを弾く。ただ、もくろみ通りになったとしても、累積赤字は193億円まで膨らむ、と試算しており、前途は多難だ。
●空白地域に留意
 地下鉄東西線の開通を受け、市は98年、市バスの19の赤字路線を廃止した。運行回数が1日30往復未満▽100円の収入を得るのに必要な経費が150円を超える▽1日の利用客が2500人未満−など7項目の基準をもとに対象を選んだ。
 高雄小を通る8系統も廃止対象の候補になった。だが、結局、存続が決まった。配慮する点として「空白地域が生じないよう留意する」との添え書きがあったからだという。「公共交通機関である以上、赤字でも市民の足は守らなくてはならなかった」と担当者は振り返る。
●100円バスで火花
 昨年4月、運輸大臣の諮問機関、運輸政策審議会は「(乗り合いバスを)免許制から許可制へ移行する」とする答申を出した。2001年度からは民間バスの参入や撤退が自由化される見通しだ。
 これを先取りする形で、タクシー会社のエムケイは昨秋、100円均一の運賃で市中心部の3路線に新規参入する動きをみせた。市は「黒字路線の利潤だけを狙った『いいとこ取り』だ」と反発したが、結局、これに押される形で市内に100円均一運賃のバスを試験走行させることになった。
 市交通局運輸課の関本俊雄担当課長は「市民の足を確保する公共性と、財政を均衡させる経済性をどう両立させるかは、今後も難しい問題だ」と話す。
 京都市長選の告示まで1週間を切った。21世紀に向け、市のかじ取り役の肩にかかるさまざまな課題を報告する。(朝日新聞)
■トンネルじん肺元労働者ら 新たに303人が提訴へ
 青函トンネルや各地の新幹線などのトンネル工事現場で働いてじん肺になったとして、元労働者らが大手総合建設会社(ゼネコン)などを相手取り、21地裁で損害賠償を求めている「全国トンネルじん肺訴訟」で、18日午前、新たに元労働者や遺族297人が9つの地裁・支部に第5次の集団提訴をした。午後には6人が福井地裁に提訴する。今回を含め原告は計1218人、被告企業は174社に上り、請求総額は約350億円になった。
 新たに加わる原告は、青森から鹿児島までの22県に住む元労働者とその遺族。提訴先は仙台、新潟、金沢、福井、岐阜、徳島、大分、熊本、鹿児島の9地裁と福島地裁郡山支部。
 訴状によると、元労働者らは道路や鉄道のトンネル、地下鉄工事などに携わり、被告企業の安全対策が不十分だったためじん肺になったとして、患者1人あたり3300万円の支払いを求めている。
 全国訴訟は1997年5月に元労働者ら98人が4地裁に提訴したのが最初。(朝日新聞 夕刊)
19日■JRが神戸で震災復旧訓練 電車と車衝突を想定
 大地震で線路わきの高速道路から転落した乗用車に、電車が衝突−。JR西日本神戸支社は18日午後、神戸市須磨区の鷹取駅構内で、災害総合復旧訓練を行った。
 訓練には、同支社の社員をはじめ、兵庫県警鉄道警察隊や須磨消防署などから計約240人が参加。実際に乗用車を線路上に置き、ディーゼル機関車で押した電車1両を時速約10`でぶつけた。
 その後、社員らがふんした乗客や負傷者の救出訓練や、レール交換など復旧訓練を行った。
 同支社は、震災の翌年1996年以降、毎年1月17日前後に訓練を実施しており、今年は若手社員を中心に、復旧作業の能力向上を狙った。(京都新聞)
■JR山陰線二条−花園駅間 複線化と円町駅、今秋完成 工期短縮で半年早まる
 京都市は18日、JR西日本と進めているJR山陰線の二条駅−花園駅間(2110b)の複線化と円町駅(仮称)設置が、当初予定の2001年春から今年秋に約半年早まると発表した。住民の協力や新駅予定地の早期確保などで工期の短縮が図れたという。具体的な開業日時は未定。
 同区間は1989年に単線高架化工事を開始した。96年3月に高架に切り替わり、12ヵ所の踏切が撤去された。さらに輸送力の向上を目指して、97年度から複線化工事に着手するとともに、両駅の中間の中京区西ノ京円町に新駅建設を始めた。
 総事業費は約98億円。市負担は54億円で、うち8億5000万円を京都府が補助した。残る44億円はJRが受け持つ。
 新駅は高架上に165bのホームと、高架下に全面ガラス張りの施設を設置。プラットホームの屋根をかわらぶき風にして景観に配慮するほか、北側に760平方bの広場や750台分の駐輪場を設ける。乗降客は1日8000人を見込んでいる。(京都新聞)
■「スルッとKANSAI」使えます 京都市交通局 3月1日から
 京都市交通局は18日、プリペイドカードによる共通乗車システム「スルッとKANSAI」に、3月1日から加盟すると発表した。
 同システムは、関西の私鉄や各市交通局の鉄道、バスを1枚のカードで乗り継げる。1996年3月にスタートし、現在までに阪急、京阪、南海、阪神、大阪市交通局など20の社と局が導入している。
 京都市交通局は、今年春の加盟を予定していたが、準備がほぼ完了したため、スタートする日取りを公表した。
 また、加盟に伴い同システムに対応するプリペイドカード【スルッとKANSAI都(みやこ)カード」を、同じ3月1日から発売する。1000円、2000円、小児用1000円の3種類で、京都の三大祭りがデザインしてある。(京都新聞)
■未転換ポイントを走行 JR関西線柏原駅で昨夏 運輸省が警告書
 大阪府柏原市のJR関西線柏原駅で昨年7月、ポイントが十分に切り替わっていないレール上を客を乗せた電車が走行、ポイントを損壊する事故が起きていたことが、18日分かった。
 入駅直前で時速10`程度に減速していたため脱線はせず、けが人もいなかったが、速度によっては脱線の可能性もあり、事態を重くみた運輸省近畿運輸局はJR西日本に警告書を出した。
 1999年度に同社が運輸省の警告を受けたのが判明したのは、山陽新幹線で相次いだコンクリート崩落事故を含め、6件目。
 同社などによると、事故は昨年7月25日午後7時ごろ、JR難波発柏原行き普通電車(乗客約50人)が柏原駅に入ろうとした際に起きた。
 駅手前のポイントで、走行していたレールから別のレールに進入する際、転換が不十分だったため、車輪がレールの端に乗り上げるような状態で進み、ポイントを壊した。
 ポイント転換は通常は電気制御だが、事故当日は落雷による停電で駅員が手動で操作したため、連結部の固定が不十分だった。
 この日の関西線は河内堅上駅(柏原市)でのパンタグラフ破損なども重なって、午後5時前から一部区間で運転を見合わせ。事故時は、JR難波−柏原間で折り返し運転中。柏原駅はわずか4人の駅員で対応に追われていたという。事故などの影響で上下線計85本が運休するなど約5万2000人に影響が出た。(京都新聞)
■停電区間への列車侵入も JR西明石駅
 兵庫県明石市のJR山陽線西明石駅で、架線工事に伴う停電区間に列車が進入、緊急停車するトラブルが起きていたことが、18日分かった。列車の通過予定を間違えた工事計画の作成が原因。JR西日本では昨年も、大阪駅などで同種のトラブルが相次いでおり、近畿運輸局は同日、改善策を文書で回答するよう同社に指示した。
 JR西日本によると、1月11日午前3時40分ごろ、新南陽発新潟貨物ターミナル行き上り貨物列車(20両編成)が、架線工事のために設けられた西明石駅の停電区間(約200b)に進入。
 運転士が電圧がゼロになったことに気付き、惰性で走る列車を緊急停車させた。約20分後に運転を再開したが、上り計4本が最大で28分遅れた。
 電力、輸送両担当者が列車の通過予定を間違えたといい、JR西日本は「社員の基本動作を徹底させたい」としている。(京都新聞)
■新幹線24本遅れ 1万8000人影響 米原駅の信号装置故障
 18日午後5時35分ごろ、滋賀県坂田郡伊吹町内を走行中の新大阪行き「こだま423号」が停止信号を受信して停車した。こだまは信号が受信できなくなり、時速30`以下で走行するなどして米原駅に到着。その後、通常速度の運転を再開したが、約1時間半遅れて新大阪駅に到着した。後続の上下線合わせて24本が1時間半−10分遅れ、約1万8000人に影響が出た。
 JR東海は、岐阜羽島−米原間の信号の電気系統の異常を検知する米原駅構内の装置が故障したとみて詳しく原因を調べている。
 このトラブルで、JR西日本は後続の博多行き新幹線の遅れを見越し、ダイヤ通りに新大阪駅を出発する下りの「ひかり」など2本を臨時運行した。(京都新聞)
■世紀の面影 阪急京都地下延長線開通 1963年 大阪−神戸を一直線 大宮−河原街間(京都市下京区)
 通勤客や買い物客らで終日にぎわう京都市下京区の阪急河原町駅。京都随一の繁華街が、大阪や神戸と一本の線路で結ばれたのは今から37年前、東京オリンピックの前年だった。
 京都線の終点は1931(昭和6)年以来「大宮」だった。当時から河原町まで延長する計画はあったが、戦時色が濃くなり中断。戦後の高度成長下、再び計画が浮上し、約1.8`が四条通の地下で延長されることになり、61年8月、起工式が行われた。
 工事にあたって最も苦心したのは2点。阪急電鉄がまとめた「75年のあゆみ」によると、「井戸水の対策」と「地元商店街などへの配慮」であった。
 染色業界などの無数の井戸は貴重な水資源だったが、3億6000万円を投じて調査や上水道新設などをして対処した。商店街は、烏丸と河原町を結ぶ地下道に大阪資本の進出を懸念して猛烈に反対したが、幾度となく補償交渉が持たれて了承したという。
 さらに大きな問題は、着工から1年後の夏に持ち上がった。四条通の路面には工事のため鋼鉄板が敷かれていたが、祇園祭のハイライト、巨大な山鉾の巡行が例年通り行えるか心配されたのだ。実際、深夜に鉾を出してテストも行った。
 当時の月鉾会長で、現在は山鉾連合会の長老、今村耕三さん(83)=下京区四条通室町西入ル=は「鉾が重みで地面から落ちたり、巡行中に滑ってもかなわんなと。残念がる声もあったが、安全面を優先させた」と振り返る。結局、翌夏までには必ず工事を終わらせる誓約をさせた上で、戦後初めて巡行は中止された。
 こうして63年6月17日、一番列車が河原町を出発。同駅中央改札口の烏丸寄りには「竣功記念 大宮−河原町間」と刻んだモニュメントがひっそりと建つ。(京都新聞)
■山陽新幹線 高架橋に根本的補修 JR西 試験施工 コンクリを増設 アルカリ化工法も併用
 山陽新幹線の高架橋からコンクリート片が相次いで落下した問題で、JR西日本は、劣化が著しく進んだ高架橋について根本的な補修・補強対策の導入に乗り出した。従来の補修だけでは効果に限界があり、一刻も早い恒久対策が迫られていた。橋げた下部に新たな鉄筋コンクリートを増設するなどの土木的工法と、コンクリートを本来のアルカリ性に戻すなどの化学的工法を併用する。同社はすでに年明けから数ヵ所の高架橋で試験施工を始めており、新年度から本格実施したい考えだ。
 山陽新幹線の高架橋からのコンクリート片の落下は、1996年度以降確認されただけでも約50件にのぼる。同社は昨年7月、ほぼすべての高架橋を緊急点検し、延べ面積計1380平方bの範囲で落下の恐れがあるとしてたたき落とした。
 劣化の主因は、空気中の二酸化炭素がコンクリート中のアルカリ成分を中和させ、鉄筋をさびやすくさせる「中性化現象」とみられる。旧国鉄時代から、劣化個所の表面を特殊樹脂で塗装する「ライニング工法」による補修が続けられ、民営化後の87年度以降だけでも計200億円が費やされている。しかし、緊急点検で問題のあった個所の半分がすでに補修済みだったことから、同工法だけでは劣化の進行が阻止できないことが判明。同社は恒久的な補修・補強工法を模索してきた。
 その結果、橋げた下部に鉄筋を新たに打ち込み、コンクリートで固めて橋げたを支える部分を増設する▽劣化個所の表面に鋼板を接着して固定する▽直流電流を流すことでコンクリートを本来のアルカリ性に戻すとともに、コンクリート中の塩分を減らす「脱塩・再アルカリ化」を行う、などの複数の対策を併用する方針を打ち出した。
 劣化個所をコンクリートや鋼板で覆うことで、二酸化炭素や雨水の浸入を防ぎ中性化の進行が抑えられる。強度も増強され、少なくとも10年は効果が期待できるとされる。脱塩・再アルカリ化は、費用がライニング工法の10倍近くかかるが、コンクリート内部がほぼ健全な状態に戻ることが期待できる。施工の際、いずれの工法でも列車の運行には支障はないという。
 今年1月初めから、緊急点検で特に劣化の著しかった兵庫県や山口県内などの9高架橋、計36ヵ所で試験施工を始めている。橋げた下面全体のコンクリートを内部の鉄筋が露出するまでたたき落とし、従来通りに鉄筋にさび止めを施してからモルタルで表面を修復。その後、劣化状態に応じて新たな工法を使って補修・補強する大規模な工事だ。
 鉄道総合技術研究所(JR総研、東京都)に新設された「山陽新幹線コンクリート構造物検討委員会」が新年度早々にも恒久対策への提言を出す予定で、各工法の施工性や経済性なども確認し、新年度以降の補修・補強工事に役立てたい方針だ。
 JR西日本施設部は「今秋をめどにすべての高架橋の劣化状況を把握する『全体珍断』の作業も進めており、4月以降、ケース・バイ・ケースで工法を使い分けて抜本的な補修・補強を施したい」と話している。(朝日新聞)
■山陰線円町駅 半年早く開業 京都・中京区
 JR山陰線の二条・花園駅間に新設される円町駅=仮称、京都市中京区=が、予定より半年早く今秋に開業する見込みになった。JR西日本が18日発表した。工事が予定より順調に進んだ。同時に二条−花園間(2.8`)も複線化される。新駅は高架式で1日4000人の乗降客を見込んでいる。複線化に伴い、快速電車が増発される予定。(朝日新聞)
■「スルッと」システム 新たに6社・団体参加
 1枚のプリペイドカードで関西の複数の交通機関を利用できるシステム「スルッとKANSAI」について、同システムに加入する私鉄各社などで組織する「スルッとKANSAI協議会」は18日、新たに6社・団体が今年5月1日までに順次参加することを決めた、と発表した。
 2月1日から導入するのは大阪高速鉄道(本社・大阪府豊中市)の大阪モノレール。3月1日からは京都市交通局の地下鉄とバス▽尼崎車交通局のバス▽伊丹市交通局のバス。5月1日からは神鉄バス(同・神戸市)▽阪急田園バス(同・兵庫県宝塚市)。このほか、すでに導入中の南海電鉄のバス部門(同・大阪市)のうち大阪府堺市内を走る堺シャトルバスも3月1日から導入する。これで5月には計26社・団体へとネットワークが広がる。(朝日新聞)
■また異常信号 「のぞみ」停止
 19日午前6時6分ごろ、東海道新幹線の東京−新横浜間を走行していた東京発博多行き下り「のぞみ1号」の運転台で、列車の停止信号が点灯し、運転士が列車を止めた。後続の列車も現場付近で正常な信号を受信できず、下り線は午前6時51分まで、同区間で時速30`の徐行運転を実施した。このため、列車5本が最大19分遅れ、約3500人に影響が出た。
 JR東海によると、東京都品川区にある変電所で、信号システム用の電源の一部が落ちていた。同変電所では18日夜、設備工事を実施しており、JR東海は、配線作業のミスがあったとみて調べている。
 東海道新幹線は18日も岐阜羽島−米原間で列車の運転台に異常な停止信号が表示される故障があった。(朝日新聞 夕刊)
20日■地下鉄烏丸線奈良乗り入れ平日は急行12往復 土・休は14往復 3月15日から
 京都市交通局は19日、地下鉄烏丸線(国際会館−竹田)の電車を3月15日から、近鉄線の近鉄奈良駅(奈良市)まで急行で乗り入れる、と発表した。平日で1日12本、土曜・休日は14本の往復便を運行し、京都と奈良を1時間7分でつなぐ。
 地下鉄烏丸線は1988年から、竹田駅で近鉄京都線と相互乗り入れを始め、現在、平日に1日36往復、土曜・休日で34往復の普通列車が、国際会館−新田辺駅(新田辺市)間を各駅停車で直通運行している。しかし、烏丸線の1日当たりの乗客数22万人のうち、3万2000人が竹田駅で近鉄線と乗り換え、京都と奈良を行き来している。このため、1本の電車で2つの古都を結び、目的地への移動をスムーズにしてもらおうと、近畿日本鉄道と協議し、国際会館−近鉄奈良間に直通運転区間を延長することにした。
 計画では、急行の運行時間は平日が午前10時から午後4時で、国際会館−近鉄奈良間(約49`)を、約30分間隔で12往復する。土曜・休日は午前9時台から14往復。その分、国際会館−竹田間の普通列車の本数を減らす。
 停車駅は国際会館−竹田間の各駅と、丹波橋、桃山御陵前、大久保、新田辺、新祝園、高の原、西大寺、新大宮、近鉄奈良の各駅で、運賃は国際会館−近鉄奈良で900円。
 国際会館−新田辺間の普通列車は従来通り運行する。
 交通局は「京都と奈良の二大観光地が結ばれることで、烏丸線で1日当たり1000人の乗客増が見込める」としている。(京都新聞)
■3月から準急 向島駅に停車 近鉄ダイヤ改正
 近畿日本鉄道は19日、定例のダイヤ改正の内容を発表した。京都線では、3月15日から急行が新祝園駅、準急が向島駅、さらに快速急行は新大宮駅に新たに停車することになった。
 ダイヤ改正によって、京都−新祝園駅間の所用時間は、これまでに比べ朝夕のラッシュ時で6分、昼間時で11分短縮されるほか、京都−向島駅間が3分、京都−新大宮駅間では5分、それぞれ短縮される。
 新祝園駅に停車する急行は、平日が1日に141本、土、日、祝日で134本。向島駅に停車する準急は平日で1日25本、土、日、祝日で8本。また新大宮駅に停まる快速急行は平日で1日167本、土、日、祝日が154本。
 新祝園駅の急行停車は、学研都市の玄関口として京都、奈良からの利便を図るため。向島駅の準急停車は、昨年12月に京都−竹田駅間の連続立体交差化が完成したことに伴う。また、新大宮駅も官庁や役所などの公的機関が多く、利用客の利便性に配慮して決めた。(京都新聞)
■京都市の繁華街を循環 100円バス認可申請 運輸省に 交通局
 京都市交通局は19日、市内中心部の繁華街を循環する100円バスの運行に向け、運輸省に事業計画変更と運賃設定の認可申請を提出した。認められれば4月1日から市内初の100円バスが運行する。
 申請では、4月1日から来年3月31日までの土曜・休日とお盆、年末年始に運行し、区間は京都市役所前から烏丸御池−四条烏丸−四条河原町を経て市役所前に戻る3.4`。所要時間は約20分で、200bおきに15ヵ所の停留所(うち新設7ヵ所)に停車する。
 午前10時から午後4時50分まで10分間隔で発車し、42便を運行する予定。料金は大人・子どもとも100円均一で、乗車時に前払いする方式を取る。
 また、市交通局はこの日、運輸省に市バスの1日乗車券を、現行の700円から500円への値下げも届け出た。4月1日からの予定で利用範囲は現行と同じ。
 100円循環バスや1日乗車券の値下げは、2001年からの乗合バス事業の規制緩和で民間参入が事実上自由化されることへの対抗処置。また市役所前の京都御池地下駐車場との接続により、繁華街の車の混雑の緩和もねらう。
 100円バスについては、タクシー会社の「エムケイ」(本社・北区)が昨年9月、市内中心部での運行計画を発表、運輸省に免許申請したが、その後、同交通局の100円バス計画を受けて申請を取り下げた。(京都新聞)
■陸vs空 東京−岡山間も JRが割安回数券 「ひかり」1万5100円 きょう発売
 陸と空の旅客争奪戦が、東京と山陽地方を結ぶ路線にも波及する。JRグループは20日から、航空会社の割引便に対抗した回数券を発売。一方の航空会社も運賃改定の最終検討に入っており、陸・空の激しい競合時代が本番を迎える。
 JRが発売するのは、東海道・山陽新幹線「ひかり」の東京都区内−岡山・広島で利用できる12枚つづりの回数券。1枚当たり運賃・特急料金は、東京−岡山で1万5100円と割引航空券(1万5000円)に見劣りしない設定だ。
 両区間に占める新幹線のシェアは、1998年度で岡山が75%、広島は分岐点の50%。トンネル壁崩落事故の影響でイメージがダウンしていることもあり、JRは「魅力的な運賃を設定してライバルから客を奪う」と意気込む。
 予約便の変更ができない航空会社の割引と違って、新幹線割引券は当日の飛び乗りが可能で列車数も豊富。指定の割増運賃を払えば「のぞみ」にも乗れる。有効期限が3ヵ月で個人の一括購入は難しいが、切り離し使用が可能なため金券ショップを通じて個人も利用できそうだ。
 一方、航空運賃は2月から自由化され、ほかの交通機関との競争条件が運賃決定を大きく左右するのは確実。航空券は2ヵ月前から予約を受け付ける関係で、自由化後の運賃改定は4月搭乗分から。航空各社は新運賃を月末にも発表予定だが、JRの割引策をどう織り込むか注目されている。(京都新聞)
■「100円バス」認可を申請 運輸省に京都市
 京都市は19日、中心部での運賃100円の循環バスについて、運輸省に対して認可申請をした。今年4月から1年間、土、日曜、祝日や年末年始などに運行する。
 ルートは、京都市役所前−烏丸御地−四条烏丸−四条河原町の一方向循環で、約3.4`を20分間かけて走る。15ヵ所の停留所にとまる。午前10時から午後4時50分まで10分間隔。運賃は小学生以上が一律で100円。
 京都市経営推進課は「利用状況や採算をみて来春以降も続けるかどうか決めたい」としている。(朝日新聞)
■ニュートラム添乗員廃止へ 来月20日めど 事故後6年、心配の声も
 1993年の暴走事故で200人を超える乗客が負傷した大阪市の新交通システム・ニュートラムの運行で、事故後、乗客の不安解消のために乗っていた添乗員が、2月20日をめどに廃止されることが19日、明らかになった。ニュートラムは本来、コンピューター制御による無人運転のシステムで、市は経費節減のため添乗廃止を検討してきた。市交通局は「安全性は十分確保されており、乗客の不安も和らいだ」と説明するが、市民からは心配の声も上がっている。
 81年、大阪市住之江区で6.6`が開業。97年末からは市の第三セクターが運行するOTS線にも乗り入れている。
 開業後、段階的に無人運転に移行中だった。暴走事故が起きたため、全列車に添乗員を乗せ乗客の不安解消を図った。自動運転で、添乗員が運転席で運行状況を確認し、緊急時に非常停止ボタンを押したり乗客を誘導したりしてきた。
 添乗業務は、交通局の外郭団体に委託されている。現在、添乗員は約80人いて年2億7000万円の経費がかかり、無人化に戻すことが課題とされてきた。
 交通局は「もともと無人運転の列車。事故後、車両に指令を送る系統を二重にし、速度の常時監視や一定の速度を超えると自動的に停止するシステムなどを導入し、あらゆる安全対策を講じた」と今回の措置に問題がないことを強調する。
 ただ乗客が少ない時間帯は犯罪発生などの面で不安だという声に配慮し、早朝や深夜は今後も交通局職員が列車に乗るという。
 一方、地元では不安の声も出ている。添乗員廃止反対の署名集めに携わった住之江区の滝本昌子さん(55)は「列車が突然止まったり、停電したりの小さなトラブルは相変わらず続いている。いまも事故の際のけがの傷が痛む人、乗る時に緊張するという人もいる。住民の不安にしっかり耳を傾けてほしい」と話した。
・ニュートラム暴走事故
 1993年10月5日夕、無人運転で走行中のニュートラムのブレーキ関係の電気系統が故障、住之江公園駅構内で暴走し、鉄製の車止めに激突。乗客215人が重軽傷を負った。大阪府警は、当時の市交通局幹部4人を業務上過失傷害などの疑いで書類送検したが、大阪地検は「事故の予見は困難だった」と判断し、不起訴処分とした。(朝日新聞)
■雪で新幹線遅れる
 山口、福岡両県の雪の影響で山陽新幹線は20日、始発から小郡−新下関間と小倉- 博多間で上下線とも徐行運転。午前10時すぎ、徐行区間は徳山−小郡間にも広がり、遅れが出た。
 午前11時半ごろ、雪の勢いが収まったため徳山−新下関間は通常運転に戻り、小倉−博多間も速度制限を緩和、ほぼ平常ダイヤに戻った。
 JR西日本によると、運休はなかったが、上下計34本が最大で8分遅れ、約6400人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
21日■踏切ではねられ死亡 京田辺、近鉄電車に
 20日午後10時55分ごろ、京田辺市三山木上切山の近鉄三山木第二踏切で、20歳代の男性が下り回送電車にはねられた。男性は全身を強く打ってまもなく死亡した。
 田辺署で、男性の身元を調べている。この事故で、後続の電車2本が6−15分遅れた。(京都新聞)
■JR京都駅周辺の渋滞緩和へ 共同集配送を実験 来月1ヵ月間 4社の荷物を1台で
 近畿運輸局などでつくる近畿地方総合物流施策推進会議は2月1日から1ヵ月間、JR京都駅ビルの商業施設・キューブに入店している京漬物業者4社の協力を得て、共同集配送業務の実証実験を実施する。同駅ビル内の入店業者の物流を効率化するとともに、駅周辺の交通渋滞緩和に役立てる。
 JR京都駅ビルの貨物専用駐車場(92台)に出入りする貨物自動車は、1日平均565台(昨年12月)だが、集配送のためのトラックは、テナントの開店前の午前8時から同10時までの間に集中。キューブの場合は、同駐車場の荷さばき用スペースが2台分であるのに対し、1日平均126台の出入りがあり、同駐車場入り口周辺が混雑することもしばしばある、という。
 実証実験は、キューブに入店する漬物製造業者4社の集荷・配送を「乗り合いバス」方式の共同で実施する内容で、これまで各社がそれぞれに運行していたトラックを運送事業者のトラック1台にまとめて配送する。駅周辺の交通渋滞緩和の効果のほか、業者側は物流コスト削減のメリットがある、という。(京都新聞)
■京滋北部に大雪 「大寒」寒波 列島すっぽり 新幹線など遅れ
 冬型の気圧配置が強まった日本列島は21日、日本海側を中心に雪が降り続き、全国的に冷たい季節風が吹き荒れる「大寒」となった。京滋各地でも未明から断続的に雪模様となり、新幹線や高速道路などにも影響が出たほか、滋賀県内では学校の始業が遅れるなどした。
 大阪管区気象台などによると、大雪と強風は22日午前中まで続き、近畿地方北部の山沿いで30a、中南部でも10−15aの積雪が見込まれる。京都府北部に大雪・風雪・波浪・雷、滋賀県北部に大雪・風雪・雷、南部に大雪・風雪注意報が出ている。
 東海道新幹線は、岐阜、滋賀両県で降った雪のため、上下線とも始発から京都−名古屋間で徐行運転。京都駅での発着が30分程度の遅れが出ている。在来線でも、JR琵琶湖線で5分前後の遅れが出たほか、山陰線福知山−豊岡間にラッセル車が出動した。
 名神高速道路の京都東−岐阜羽島間、舞鶴自動車道の丹南篠山口−舞鶴東間、京都縦貫自動車道綾部ジャンクション−舞鶴大江間などが50`の速度規制やチェーン規制となった。
 一般道路では、京都市左京区八瀬以北の国道367号や同区鞍馬以北の府道でチェーンが必要で、スリップ事故などが相次いだ。
 約1ヵ月ぶりの大雪に見舞われた京都府北部では、各地で除雪車が出動、交通網の確保にあたった。
 福知山市街地は22aの積雪。市民らは足元を気にしながら通勤通学を急いだ。気温も低く、朝の最低気温は舞鶴市でマイナス1.5度(平年マイナス0.6度)まで下がった。
 京都市内でも、比叡山や東山連峰は降りしきる雪ですっぽりと隠された。市街地もうっすらと雪化粧したが、交通機関の乱れはなかった。
 滋賀県内でも、北部の山間地で20a、市街地でも15−20aの積雪となり、13校が始業時間を繰り下げた。長浜市の市街地でも今朝までに15−20aに達し、市職員が30台の除雪車で市道の除雪にあたった。
 各地の積雪は次のとおり(午前8時現在、単位a)【京都府】▽峰山町丹波21▽網野町網野13▽宮津市街地20▽加悦町与謝峠30▽舞鶴市西市街地20▽夜久野町額田32▽綾部市街地17▽福知山市雲原30▽和知町仏主24▽園部町園部2【滋賀県】今津町25▽マキノ町21▽朽木村37▽マキノ町在原28(京都新聞 夕刊)
■「鉄道員」の降旗氏に最優秀作品監督賞 インド国際映画祭
 【ニューデリー20日共同】ニューデリーで開かれている第31回インド国際映画祭は20日、今年の最優秀作品の監督に贈る金の孔雀(くじゃく)賞を、高倉健主演の「鉄道員(ぽっぽや)」を制作した降旗康男監督に授与すると発表した。
 「カルナム(悲哀)」を制作した、インドのジャヤラジ監督との同時受賞となる。
 今回はインド、イラン、フランス、ブラジル、米国の5人の映画監督が審査員となり、13ヵ国からの15本の作品から選考した。(京都新聞 夕刊)
■大寒襲来 今冬一番、交通機関マヒ
 暦の上では「大寒」の21日朝、日本列島は北海道や日本海側を中心に、この冬一番の雪と冷え込みに見舞われた。前夜からの積雪の影響で、新幹線をはじめ、陸や空の交通機関に影響が出たほか、路面の凍結によるスリップ事故も相次いだ。一方、これまで雪不足で予約のキャンセルが相次いでいたスキー場では、本格的なシーズン到来を歓迎した。気象庁によると、同日夜には雪と寒さはいったんおさまるが、今月25日ごろに再び冬型の気圧配置が強まる見込みという。
 各地の気象台によると、午前9時現在の積雪量は、岡山県八束村で64a、広島県芸北町で58a、兵庫県村岡町で40a、福井県和泉村で39aなど。京都市では左京区大原地区などで民家や駐車場の車が雪化粧した。
 この影響で、兵庫県の播但連絡道路の一部区間が午前5時から上下線とも通行止めになった。北陸道の全線や名神高速道路の京都東−関ケ原間などで50`の速度規制が実施された。
 JR東海道新幹線は滋賀、岐阜両県内の雪のため、始発から下りが名古屋−新大阪間、上りが京都−名古屋間で徐行運転。JR東海によると、上下64本が最高で53分遅れるなど乗客計約3万2000人に影響が出た。
 在来線では午前7時半ごろ、富山市の北陸線呉羽駅構内で、線路のポイントに雪が挟まったため切り替えられなくなった。約25分後に復旧したが、魚津発大阪行き特急「サンダーバード10号」など5本が最大25分遅れ、約1500人に影響が出た。
 空の便も乱れ、石川県の小松空港の発着便は午前9時現在、5便が欠航。広島西飛行場では、鳥取行きなどコミューター便3便が欠航した。鳥取空港や出雲空港でも東京便が欠航した。
 鳥取県内では20日午後5時から21日午前8時までに68件のスリップ事故が発生。気高町で救急車がスリップして対向車線にはみ出し乗用車と衝突、2人が軽傷を負ったが搬送中の患者は無事だった。(朝日新聞 夕刊)
■「鉄道員」最優秀作に
 【ニューデリー21日=中島泰】ニューデリーで開かれた第31回インド国際映画祭(インド情報・放送省主催)は20日、アジアの監督による最優秀作に日本映画「鉄道員(ぽっぽや)」を選び、同作品の降旗康男監督に金の孔雀(くじゃく)賞を贈った。インド映画「カルナム(哀感)」のジャヤラージュ監督と同時受賞した。(朝日新聞 夕刊)
22日■厳寒砕く 京滋 雪模様
 「大寒」の21日、日本列島は北日本を中心に雪が降り続き、京滋各地も雪模様となった。JR西日本福知山支社は、山陰線福知山−豊岡間にラッセル車を運転した。(京都新聞)
■JR四国など22社損賠提訴 プリンストン債巡り
 クレスベール証券東京支店が販売した私募債「プリンストン債」で日本企業が巨額損失を被った事件をめぐり、JR四国(高松市)や中電工(広島市)など計22社が21日、債券を発行したプリンストングループのマーティン・アームストロング会長や、集めた資金を管理していた米国のリパブリック・ニューヨーク証券などを相手取り、損害賠償を求める集団訴訟をニューヨーク連邦地裁に起こした。22社の購入額は計430億円分に上り、具体的な請求額は裁判の過程で詰めるという。(朝日新聞)
■声 車内わかせた運転手の機知 非常勤講師 柿元 えり千(熊本市 46歳)
 バスの運転手が、突然しゃべりだした。「整理券の番号が分からない方、おられませんか。私に尋ねないでください。私も分かりません」。車内が、どっとわいた。
 バスの整理券を出す機械の調子が、突然悪くなったらしい。私は車を運転しないので、移動はバスを使う。それで、うんざりしていたことは、バスの運転手のいつも不機嫌そうな顔と、乗客をとがめる声だった。
 何十年も利用しているが、バスの中で笑ったのはこの時が初めてだった。
 私たちの社会は、型に従わないことに対して、とても厳しい。だから少しでもそれからそれると、その人の行動を、とたんに攻撃してしまう。そして、怒ったり、怒鳴ったり、しかめ面をしたりする。「知らない」ことを軽べつする傾向にある。だから、「知らない」と、必要以上に謝ることになる。
 いつものバスは、まるで学校のようである。質問ばかりする乗客は生徒で、バスのことなら何でも知っている運転手は先生といった役どころ。
 「知らない。分からない」と、堂々と言えることは、相手と同等の立場で、あることを認めることで、悪いことではない。
 その時、乗客は口々に「楽しかった」と言いながら、自主的に(?)料金を払って降車した。わずか15分間の体験だった。(朝日新聞)
■信号機故障 18本が運休 宇治でJR奈良線
 22日午前9時35分ごろ、宇治市五ケ庄新開、JR奈良線・黄檗駅構内の奈良方面出発信号機が「赤」のまま変わらなくなり、同駅に停車中の奈良行き普通電車(乗客約100人)が発車できなくなった。午後には復旧する見込み。
 このため、同線の木幡−宇治間が不通となり、正午現在で上下計18本が運休、約2800人に影響が出た。JRは京都−木幡間、宇治−奈良間で折り返し運転をするとともに、原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■信号機故障 列車が運休 JR奈良線・黄檗駅
 22日午前9時34分ごろ、京都府宇治市のJR奈良線黄檗駅構内で、下りの出発信号機が赤のまま変わらず、京都発奈良行きの普通電車(6両編成、乗客約100人)が出発できなくなった。JR西日本京都支社によると、天王寺指令所の信号制御盤が黄檗−宇治間で、列車がいないのに列車がいる状態になっており、信号機が切り替わらなくなったためという。
 復旧のめどが立たず、木幡−宇治間で午前中に上下合わせて18本の電車が運転をとりやめ、京都−木幡間と宇治−奈良間で折り返し運転をした。(朝日新聞 夕刊)
23日■雪で新幹線に遅れ
 東海道新幹線は22日、岐阜県と滋賀県に残った雪のため、始発から上りは京都−名古屋間、下りは岐阜羽島−新大阪間で170−230`の徐行運転をしたが、天候が回復したため、昼ごろから徐行区間を上下線とも岐阜羽島−京都間に短縮した。
 JR東海によると、同日午後5時半までに上下線で計52本が最大18分遅れ、乗客2万7000人に影響が出た。(京都新聞)
■深さ40b以上 地下、公益事業なら使用権 3大都市圏など 鉄道・通信など対象
 深さ40bを超える地下の利用制度を創設するため、国土庁が「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法案」(仮称)の概要をまとめた。3大都市圏などの鉄道、道路、電気、ガス、通信といった公益事業が対象になる。省庁再編で来年1月に誕生する国土交通相または都道府県知事が事業者に大深度地下の使用権を認める。
 土地所有者に対し原則として事前補償はせず、例外的な場合に事後補償をする。用地買収費の軽減を図るのが狙いだ。
 すでに東京の営団地下鉄南北線の後楽園駅、大阪の関西電力の西梅田高圧電線など、大深度地下の利用例が増えている。今後の利用に備えて事業を円滑に実施するため、国土庁は3月までに関係省庁との調整を終え、法案を国会に提出する。大深度地下の利用で体系的な法制度をつくるのは「おそらく世界でも初めて」と言う。
 法案の概要によると、大深度地下とは@地下室の建設が通常行われない深さ(地下40b以深)A建築物の基礎くいの設置が通常行われない深さ(くいを支える固い地盤の上面から10b以深)のうち、いずれか深い方と定義した。
 対象地域は政令で定める。3大都市圏のほかに札幌、仙台、広島、福岡などを加えるかどうかはこれから詰める。対象事業は鉄道、道路、河川、電気、ガス、通信、上下水道など公益性のあるものに限る。民間の開発業者が大深度地下街の建設をするようなケースは対象外となるが、膨大な費用がかかるため実際には考えにくい。
 事業の実施までの手続きは、公益事業者が国土交通相または都道府県知事に大深度地下の使用権の設定を申請する。国土交通相への申請は事業の所管大臣を経由する。そして国土交通相または知事が認可する。
 土地所有者については「通常は補償すべき損失が発生しないと考えられるため、事前に補償をすることなく大深度地下の使用権を設定する」と公益事業が私的な所有権に優先するとの考えを打ち出した。ただし、既存の井戸などがある場合は事前補償する。また例外的に事後補償を認めることも想定している。
 大深度地下の適正な利用を図るため、大深度地下使用の基本方針を閣議で決め、3大都市圏ごとに大深度地下使用協議会を設立する。また、事業者が提出した事業の概要書は公表し、事前の事業間調整をする。(朝日新聞)
■解説 大深度地下利用 事前補償原則なし 収容法強化の側面
 大深度地下の利用にはずみをつけるため、事業の実施に伴う手続きをいかに簡便なものにするか。これが今回の国土庁がまとめた法案の狙いと言えるだろう。
 実務的には、土地の収用・使用に関する一般法である土地収相法との整合性が難題だった。
 収用法では土地所有者に対する事前補償が原則。だが、事前補償では事業の実施に時間と費用がかかり過ぎる。そうかと言って、土地所有権を否定はできない。そこで、土地の所有権は大深度地下にも及ぶが、土地所有者の「利用の利益」のある場合に限られるという通説を根拠に、今回の法案では事前補償を原則的に不要としたわけだ。
 また、法案は適用対象となる空間、事業、地域などが特定のものに限られるため、収用法を補充する特別措置を定めたものと位置付けた。つまり収用法は観念的には大深度地下に適用されるが、今回の特別法案の方がより簡便な手続きで地下を使えるという解釈で整合性を図ったと言える。
 ただ、この法案は強権的な収用法の強化立法だという解釈もあり、国会で論議を呼ぶ可能性もある。(政治部・清原政忠)(朝日新聞)
■道路陥没 バス転落 韓国・地下鉄工事
 【ソウル22日=小菅幸一】22日午前6時(日本時間同)ごろ、韓国南東部・大邱市中区南山洞の地下鉄工事現場上の道路が長さ約40b、幅約30bにわたって陥没し、真上で停車中の市内バスが約20b下に転落した。車体後部が流れ込んだ土砂に埋まって乗客3人が生き埋めになり、運転手の男性が大けがをした。
 土砂がさらに流れ込んだり、新たな陥没の危険もあったりするため、救助作業は難航している。
 警察当局によると、バスは工事現場上にわたされた鋼鉄板の上で止まっていた。道路下の板の支えなどが周囲の地圧に耐えられずに崩壊し、まわりの土砂が流れ込んだのではないか、と警察はみている。(朝日新聞)
■JR京都線の電車の窓破損
 22日午後1時50分ごろ、JR新大阪駅に停車していた高槻発新三田行きの普通電車(7両編成)の乗客が「神崎川を渡った後、前から2両目の窓ガラスが割れた」と運転手に連絡。調べたところ、ガラス1枚がクモの巣状に割れ、周囲に破片が散乱していた。JR西日本は、修理のため次の大阪駅で運転を打ち切り、乗客らをほかの電車に移した。JR西日本によると、この影響で上下2本が部分運休したほか、下りの3本が3−7分遅れた。(朝日新聞)
25日■窓 100円市バスに女性運転手を 京北町・田中 忠司(農業・67)
 久しぶりに京都の市バスに乗ってハッと驚いた。女性の運転手でした。小雨がばらつく13日、荒神口停留所から三条京阪行きに乗ったときのことです。一歩車内に入ると、やわらかい雰囲気が漂う女性のアナウンスが停留所名を告げているのです。
 最初はテープ放送かなと思っておりましたが、よく見ると、女性運転手がアナウンスされているのです。また、各停留所で降りられる乗客に対して、優しい京ことばで「おおきに」と声をかけられ、バスから降りるステップが滑りやすい状態でしたので、一人ひとりに「足元に注意してくださいね」と重ねての親切な言葉が、一服の清涼剤となり、車内が明るく和むようでした。
 市バスは、路線バス事業の規制緩和の対応として4月から土、日曜と祝日などに、100円均一運賃で京の中心部を循環する循環路線バスの運行を計画されています。この運行に女性運転手が登場すれば京に似合う活躍が期待でき、京都観光が、より一層の活性化につながり、市バスの利用も促進されるのではないかと思いつつ、そう快な気分でバスから降りました。(京都新聞)
■山陽新幹線のガラスにひび
 24日午後5時ごろ、兵庫県内の山陽新幹線相生−姫路間を走行していた広島発東京行き上り「ひかり142号」(16両編成、乗客約680人)で、乗客から「窓ガラスにひびが入った」と車掌に連絡があった。JR西日本が調べた結果、2号車の進行方向右側の窓ガラス(縦66a、横78a)1枚に約1_の衝突痕があり、そこから対角線状に斜めにひびがあった。(朝日新聞)
■普通電車にはねられ バイクの会社員死亡 右京のJR踏切
 25日午前零時10分ごろ、京都市右京区太秦一ノ井町、JR山陰線城北街道踏切で、バイクの山科区御陵鴨戸町、会社員小西栄二さん(17)が、園部行き普通電車にはねられ、小西さんは頭を強く打ち、間もなく死亡した。同電車と特急がそれぞれ26分と37分遅れ、計約300人に影響が出た。
 太秦署の調べでは、踏切は警報機と遮断機が付いている。通行人の目撃から、小西さんは降りた遮断機の棒に接触し、踏切内に倒れた後、バイクを起こそうとしていた時にはねられたとみている。(京都新聞 夕刊)
26日■バリアフリー法案 新規車両でも義務化を明記
 二階俊博運輸相は25日の記者会見で、交通機関の段差をなくすなど「バリアフリー化」し、高齢者や体の不自由な人、妊婦が利用しやすくすることを目指す「高齢者、身体障害者等公共交通機関移動円滑化法案」(仮称、通称・交通バリアフリー法案)の概要を発表した。これまでの方針では、バリアフリー化を義務づけるのは、新たに建設する駅・空港だけで、バス、鉄道などの車両は努力義務だった。今回新たに、新規発注分に限り、車両の床を低くしたり、車いす用のリフトを取り付けたりすることなどを義務化した。
 また、駅だけでなく、周辺も段差をなくすために、道路のバリアフリー化を進めることも明記した。市町村がつくる基本構想に沿って実施するもので、歩道の段差解消などを進める。
 国や自治体からの支援措置としては、国が補助金を支出するほか、バリアフリー化して新設した駅舎などの施設に、固定資産税などを軽減する特例措置も盛り込む。(朝日新聞)
27日■近鉄が介護会社設立
 近畿日本鉄道は26日、高齢者を対象にホームヘルパーなどを派遣する関連会社「近鉄スマイル」(大阪市、資本金2000万円)を設立したと発表した。
 奈良線のあやめ池駅(奈良市)近くに約40人が入れる日帰り介護(デイサービス)の施設を建設。周辺にホームヘルパーを派遣するほか、近鉄百貨店の奈良店(同)に設ける窓口で介護プランも作成する。8月から順次サービスを始める予定という。(京都新聞)
■SL結婚式はいかが
 ホテルメトロポリタン高崎(群馬県高崎市)は蒸気機関車(SL)が引く客車内での結婚式と披露宴を組み合わせた「SLウエディング」の受け付けを始めた。
 JR東日本のD51を使用し、信越線の高崎−横川間で明治時代の駅長にふんしたホテル従業員が司会役を務めて鉄道にちなんだ結婚式を挙行。その後、同ホテルで披露宴を開く。
 4月から10月にかけての9日間を限定して募集。費用は、出席者70人で250万円ら498万円まで。問い合わせは同ホテ 027(327)4980。(京都新聞)
■近鉄が介譲事業に参入
 4月から介護保険制度が始まるのにあわせ、近畿日本鉄道が、介護サービス事業に本格参入すると26日、発表した。介護サービスを提供する新会社をこの日設立し、5月から奈良市内でデイサービス施設の建設にかかるという。
 近鉄によると、奈良市あやめ池北二丁目の近鉄奈良線あやめ池駅北側に、「近鉄あやめ池デイサービスセンター」(鉄筋平屋建て約330平方b、定員約40人)を建設し、12月から入浴や食事提供のデイサービスを実施。先行して8月からは近鉄百貨店奈良店の相談窓口でケアプランの作成事業を始め、10月からはホームヘルパー派遣事業も開始するという。
 デイサービス事業の対象は主に奈良市と奈良県生駒市で、年間売り上げ目標は1億4000万円。遊園地や劇場などを経営する近鉄興業(奈良市)が全額出資して、大阪市天王寺区の近鉄本社内に26日、これらの事業にあたる「近鉄スマイル」(資本金2000万円、南野純一社長)を設立した。(朝日新聞)
■架線停電で1万人に影響 JR東西線新福島駅
 27日午前8時40分ごろ、JR東西線新福島駅構内で、篠山口発同志社前行き快速電車(7両編成、乗客約1200人)が出発しようとしたところ、車両の床下で異常音がしたのに運転士が気付いた。同時に、新福島−京橋間の上下線の架線が約5分間、停電した。
 運転士が調べたところ、電車の先頭から3両目のモーターが故障、同駅で運転を打ち切った。
 JR西日本によると、モーター故障によって電気回路がショートし、架線停電が引き起こされた可能性があるという。上下線計8本が部分運休、同計17本が最大で14分遅れ、約1万人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■山陰・北陸に大雪 舞鶴33a 古都も白く JR土讃線 保守台車脱線
 26日夜からの雪は山陰、北陸地方で大雪となり、大阪府内でも道路の通行止めが相次ぐなど各地で影響が出た。
 日本道路公団関西支社によると、阪和白動車道の岸和田和泉−海南間と関空自動車道の全線が26日夜から路面凍結のため通行止めになった。また、阪神高速道路公団によると、阪神高速4号湾岸線でも南港中−りんくうジャンクション間が通行できなくなった。関西空港周辺の高速道路の通行止めで、近畿各地と関空を結ぶリムジンバス21路線のほとんどが27日始発から運転を見合わせた。
 一般道でも26日午後10時過ぎから27日朝にかけて通行止めが相次いだ。大阪府警のまとめによると、府南部を中心に主要道路が14ヵ所で通行できなくなった。
 これらの道路の通行止めはいずれも27日午前中に解除された。
 東海道・山陽新幹線は27日朝、降雪の影響で新岩国−新下関間や、米原−京都間で速度を落として運転した。このため、博多と東京を結ぶ上りの「のぞみ」や「ひかり」に30分程度の遅れが出るなど、ダイヤの乱れが続いた。
 空の便では、東京と大分、北九州などを結ぶ十数便が欠航した。大阪空港では27日午前、大分、出雲両空港の積雪のため、両空港行きの便が欠航となった。
 奈良県では南部の天川村洞川で15a積もったのをはじめ、黒滝村、大塔村、西吉野村、野迫川村で3−2a、奈良市、五条市でも1a積もった。奈良市の東大寺大仏殿や興福寺五重塔などがうっすらと雪化粧をした。
 同県警によると、奈良市内では路面の雪で車がスリップし、物損事故が相次いだ。奈良市内と関西空港を結ぶ奈良交通の連絡バスも運休した。
 また、京都地方気象台などの観測では、27日午前九時現在の積雪量は京都市で3a、京都府舞鶴市では33aとなった。京都市内では26日から2日続けての積雪、京都府北部の綾部市の山間部では91a積もった所もあり、今冬一番の大雪となった。
 27日午前5時25分ごろ、徳島、高知県境にあるJR士讃線大歩危トンネルの保守作業を終え、大歩危駅に向かっていた保守用車(5両編成)のうち、運搬用台車2両が脱線した。
 JR四国によると、けん引用のディーゼル車が、最後尾から運搬用台車4両を押していたが、先頭の運搬用台車2両が積雪(約8a)で脱線したらしい。この事故で、特急4本を含む計5本が運休または部分運休し、特急5本を含む計8本が約3時間−約15分間遅れ、約850人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
■JR海南駅でポイント故障 凍結か 電車遅れる
 27日午前5時50分ごろ、和歌山県海南市名高のJR紀勢線海南駅で、線路のポイントが作動していないのを運輸指令員が見つけた。
 JR西日本和歌山支社によると、朝の冷え込みでポイントが凍結したらしい。駅員が手動でポイントを作動させたが、同駅発天王寺駅行きの快速電車が1時間38分遅れるなど上下計8本が遅れたほか、紀勢線や阪和線で計8本が部分運休し、乗客約5400人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
28日■トンネル砕石 樹脂塗り固着 新幹線の窓破損対策
 山陽新幹線で車両の窓ガラスの破損が相次いでいる中、JR西日本岡山支社は27日、管内のトンネル内で、線路に敷かれた砕石に粘着性合成樹脂を塗ることを明らかにした。トンネル内で砕石がはね上がって窓に当たると推測されているため、飛散防止策として31日に試行する。
 このトンネルは、岡山県瀬戸町の妙見山トンネル(長さ1489b)。老朽化した砕石を新しい砕石に交換するのに合わせ、東側入り口から約200bの範囲で合成樹脂を塗る。(朝日新聞)
■都電に乗り 東京の下町を訪ねて 温かみある触れ合い 人気スポットが点在
 江戸の町人文化の名残が感じられる東京の下町といえば、浅草のある台東区を中心に、西は豊島区から、板橋区、北区、荒川区などを経て、東京湾を臨む江戸川区、江東区へと扇状に広がるかいわいだ。東京に唯一残る都電荒川線に乗り、これらの町を訪れた。
 荒川線は、新宿区西早稲田の早稲田大学キャンパス近くにある早稲田駅から荒川区南千住にある三ノ輪橋駅までの間12.2`を48分で走る。全29駅が下町地域の各区を環状にまたがる住民の足だ。
 早稲田駅から乗車。ワンマン運転なので、全線一律料金160円を払い車内へ。乗客は、お年寄り、買い物帰りや子ども連れの主婦、学生が多い。老婦人に病院名をきかれた運転士が「それは○○駅下車ですよ」と教えてあげるなど、客との温かみある触れ合いが残っている。
 沿線には、伝統工芸を紹介する東京染ものがたり博物館(新宿区・面影橋駅下車)、お年寄りたちの交流の場としても有名なとげぬき地蔵(豊島区・庚申塚駅下車)、東京ゲーテ記念館(北区・飛鳥山駅下車)、釣り掘やプールもあるあらかわ遊園(荒川区・荒川遊園地駅下車)などの人気スポットが点在する。
 「関東の駅百選」にも認定された終点の三ノ輪橋駅は、バラが美しく咲く駅だ。駅を降り、商店街を抜け、国際通りに出ると台東区に。明治の作家、樋口一葉の自筆原稿、身の回り品たど遺品を展示した一葉記念館。恋多き女性でもあった一葉の生涯に関心を持つ人には一見の価値がある。
・観光名所もめじろ押し
 浅草から千束、日本堤、三ノ輪にかけては作家の永井荷風も名作「墨東綺譚」取材のためによく訪れたところで、町並みも下町らしい親しみやすい風情がある。
 国際通りを浅草方面に十数分歩き、言問通りを越えると、左手には江戸下町伝統工芸館、浅草寺五重塔、浅草観音堂(浅草寺本堂)など観光名所がめじろ押し。外国人の見学客が目立つのもこのあたりだ。
 観光客らでにぎわう仲見世から数分行き、吾妻橋を渡ると、向島百花園、相撲ファンなら一度は訪れたい国技館、夏を彩る隅田川花火大会などで知られる墨田区に入る。
 隅田川水上バスのお手軽コースは浅草駅−日の出桟橋駅(港区)間を約40分で走り、海上から江戸情緒をしのぶこともできる隅田川めぐり。さらに、レインボーブリッジ、お台場海浜公園、パレットタウン、東京ビッグサイト、葛西臨海公園など東京湾内の人気スポットも水上バスを乗り継いで行ける。
 【メモ】都電荒川線の早稲田駅へは、地下鉄東西線の早稲田駅か、有楽町線江戸川橋駅から徒歩約10分。台東区観光課は 03(5246)1151。ほか問い合わせは各区広報課へ。(京都新聞 夕刊)
29日■雇用延長制度 阪急電が導入 4月から実施へ
 阪急電鉄は28日、定年退職者を再雇用する制度を2000年度に導入すると発表した。労働組合の同意が得られれば4月から実施したい考えだ。
 60歳で定年退職する社員全員が対象で、再雇用を希望する社員と1年ごとに65歳まで雇用契約を結ぶ方式を採用する予定。雇用先は本社とグループ会社で、労働時間は原則として週20時間以内とする。
 年金支給額を含む平均年収は340万円程度になる見込み。希望者は55歳以降、在職中の給与を減額し、減額幅に応じて再雇用時の賃金を調整するという。
 事前の調査では、対象年齢の社員の約9割が再雇用を希望しているという。(京都新聞)
■市交通局の接遇公文書公開訴訟 一部公開処分取り消す 地裁「相手の氏名原則公開」
 京都市公文書公開条例に基づき、市交通局の1994年度から2年間の「接遇に関する支出決定書」などの公開を求めたのに、接待相手の氏名などを非公開とした処分は不当だとして、市民団体「市民ウォッチャー京都」の白石克孝・前代表が市交通局長を相手取り、処分の取り消しを求めた訴訟の判決が28日、京都地裁であった。大谷正治裁判長は「公費での会合の出席者に関する情報は原則公開されるべきだ」として、一部非公開とした処分を取り消した。
 判決で、大谷裁判長は「公費での会合へは、公人か公人に準ずる立場で出席したものと考えられる」としたうえで、「相手方の団体名や氏名を公開したからといって信頼関係が損なわれるとは認められない」とした。一方、相手方の住所については、プライバシーの情報にあたるとして非公開を認めた。
 桂豊・市交通局総務課長は「今後の対応は判決文を十分検討したうえで決定したい」とコメントした。(朝日新聞)
■阪急電鉄 65歳まで雇用延長 段階的に実施方針 年収総額、約340万円
 阪急電鉄は28日、社員が60歳で定年退職した後も希望により同社やグループ企業で再雇用する形で雇用を延長する方針を明らかにした。段階的に再雇用の期間を延長し、2009年度以降は65歳まで雇用する。同社では1997年から労使間で雇用延長について検討してきた。現在労使間で交渉中だが、来年度からの実施を予定しているという。同社によると、雇用延長について具体化させたのは、大手電鉄業界で初めてという。
 希望者については、いったん退職金を受け取って定年退職。そのうえで全員を再雇用する。原則として職種は定年前と同じで、労働時間は週20時間。特殊な技術を持つ社員は週40時間とする。
 再雇用希望者は55歳以降、賃金を減額するが、再雇用後の年収総額は老齢厚生年金や高年齢雇用継続給付と合わせると、老齢厚生年金の満額を上回る水準の340万円程度となる見込み。再雇用の期間は年金の満額支給開始年齢までとし、以後段階的に延長する。(朝日新聞)
■車両故障で一時運休 JR奈良−京都間
 29日午前7時31分ごろ、奈良市法蓮町のJR関西線奈良−平城山間で、奈良発京都行き普通電車(4両編成、乗客約40人)が動かなくなった。奈良駅から救援電車(6両編成)を出し、連結して1時間16分後に運転を再開。故障車両は木津駅で運転を打ち切った。
 この故障で、関西線王寺−加茂間と奈良線京都−奈良間で合わせて電車10本が全面運休し、18本が部分運休。通勤や通学の足などに影響が出た。
 JRは、奈良−加茂間でバスによる代行輸送を実施、近鉄の京都−奈良間、京阪電鉄の三条−宇治間で振り替え輸送を行うとともに、故障原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■列車と衝突し車の女性死亡 姫路のJR線踏切
 兵庫県姫路市西庄のJR姫新線西庄東踏切(警報機、遮断機付き)で28日午後11時45分ごろ、姫路発播磨新宮行き普通列車(2両)が、踏切内に入ってきた神戸市西区王塚台六丁目、会社員西村奈々子さん(22)運転の軽乗用車と衝突した。車は列車に約200b引きずられ、西村さんは間もなく死亡した。列車は現場で運行を取りやめ、乗客はタクシーなどで最寄りの駅まで送られた。
 姫路署の調べでは、軽乗用車は遮断機が下りた踏切に入ってきたという。列車は最終便で約100人が乗っていたが、けが人はなかった。(朝日新聞 夕刊)
31日■交通機関バリアフリー 導入を義務化 違反事業者に罰金100万円 駅にエレベーターなど設置 低床バス・車いす向け船舶
 駅にエレベーターを設置したり周辺の歩道を整備するなど高齢者らに優しい街にするため運輸、建設、自治の3省が共同で今国会に提出する「高齢者、身体障害者の公共交通機関を利用した移動円滑化促進法案」(バリアフリー法案)の全容が30日、明らかになった。バス、鉄道、航空、旅客船などの公共交通事業者に対し、旅客施設へのエレベーターやエスカレーターの整備、床面の低いバスや車いすで移動しやすい船舶の導入などを義務付ける。違反事業者に対しては、100万円以下の罰金を科すのが特徴だ。
 バリアフリー法案は、2月中旬に閣議決定し提出する予定。事業者に対してどれだけ資金的な援助ができるかや国、自治体が重点的にどこまで整備できるかが課題となりそうだ。
バリアフリー法案の主な内容
公共交通
事業者
(鉄道、バス航空など)
●新・改築の駅などの旅客施設へのエスカレーター整備や、床の低いバスの導入などバリアフリー化の義務
●事業計画の作成
※違反事業者には100万円以下の罰金
国、自治体●バリアフリー化の「移動円滑化基準」「基本方針」の作成
●歩道、道路用エレベーター、案内標識の設置●事業者に補助金
市町村●「基本方針」に基づく「基本構想」の作成
●旅客施設と官公庁、福祉施設を結ぶ「重点整備地区」を指定
 同法案によると、「1日の乗降客が5000人以上で高低差5b以上の鉄道駅」(全国で2000駅)などと限定する旅客施設の新築や改築、新しい車両や船舶を導入する際には、国が定める「移動円滑化基準」に基づいてバリアフリー化を事業者に義務付ける。
 国は運輸施設整備事業団を通じて補助金を出すほか、円滑化基準に合っていない場合は改善を命令できる。改築の届け出を怠ったり、命令に従わない事業者には100万円以下の罰金を科すとしている。
 また、バリアフリー化の目標などを盛り込んだ基本方針を国が作成。市町村はこれに基づいて旅客施設と高齢者らが使用する官公庁や福祉施設を結ぶ地域を「重点整備地区」とし、バリアフリー化を進める基本構想をつくる。
 事業者が構想に従って改善のための事業計画を作成し実施するほか、国と自治体は、歩道や道路用エレベーター、案内標識を設置するなど面的な整備を進める。予算面では地方債の起債に特別に国が配慮するほか、国には必要な資金を確保するよう求めている。(京都新聞)