1999(平成11)年12月


1日■サンガのマーク入りトラフィカ京カード 京都市交通局発売(朝日)
  ■赤外線でトンネル壁検査 湖西線で試験 JR西日本(京都)
  ■熱して見よう トンネル劣化 滋賀で「赤外線」試験(朝日)
2日■運転手になれたよ 16歳の心臓病の少年 夢と一生が絵本に 周囲の協力で江ノ電に 4日後に亡くなる(京都)
  ■山陽新幹線 異常音個所すべて補強 JR西日本方針 鉄の網・鋼材で(朝日)
  ■30歳標準7700円 賃上げ要求へ 私鉄総連(朝日)
  ■鼻高々?道を行く 来春デビューの新型「ひかり」(京都)
  ■豪で通勤列車が追突 大陸横断列車に 6人死亡、40人けが シドニー郊外(京都)
  ■急行 旅の終わり 最後の昼便「たかやま」大阪−飛騨古川結び28年 JRダイヤ改定 新幹線増発に押され(朝日)
  ■過激広告走る 狙いは車のスキー客 JR東日本「やっぱり新幹線」(朝日)
  ■JR室蘭線トンネル 空洞6ヵ所目(朝日)
  ■列車が追突 6人の死者 豪、50人以上けが(朝日)
3日■山陽新幹線 ひび割れ事故 「衝撃物の特定困難」 JR西日本調査結果 人為的可能性も示唆(京都)
  ■窓 なくなった善意の座布団 園部町・馬場 忠孝(無職・58)(京都)
  ■外側から大きな衝撃 山陽新幹線の窓 クモの巣状ひび 3層の2枚目も JR西調査(朝日)
  ■電車に衝突し車があて逃げ 神戸電鉄粟生線踏切(朝日)
  ■日野、いすゞが提携 系列超え 業界初 バス事業統合(京都)
  ■いすゞ・ 日野 バス統合へ 3年後めど シェア50%に(朝日)
  ■三木の踏切、電車と衝突 あて逃げ容疑 車の女性逮捕(朝日)
4日■年末年始に臨時列車 KTRがダイヤ発表(京都)
  ■市バス後部に接触 原付の高校生転倒(京都)
  ■初もうで乗車券10日発売 京都−天橋立に臨時増発 年末年始の北近畿タンゴ鉄道(朝日)
  ■ポイント故障 81本が運休 JR天王寺駅(朝日)
  ■山形新幹線延長 山形−新庄間 待望の”発車” 東京間、30分短縮(京都)
  ■山形新幹線が延伸(朝日)
  ■踏切で車立ち往生 阪急電車遅れる(朝日)
5日■のぞみ乗降用ドア 窓ガラスにひび 山陽新幹線(京都)
  ■停車駅うっかり通過 JR山陽線・御着駅(京都)
  ■6日ぶり全線開通 JR室蘭線(京都)
  ■男性飛び込み死亡 JR瀬田駅(京都)
  ■JR室蘭線が復旧(朝日)
  ■「のぞみ」の窓 またひび割れ 博多着の700系車両(朝日)
  ■JR山陽線でオーバーラン 姫路、2本に影響(朝日)
6日■窓ガラスひび 防護樹脂に傷 山陽新幹線の2列車(京都)
  ■電車児童館 本年度廃止へ 行革で施設を一元化 市内7ヵ所 住民ら階しむ声(京都)
  ■タイ初、高架式鉄道 バンコクに開通 渋滞の解消期待(京都)
  ■山陽新幹線でまた窓にひび(朝日)
7日■JR新幹線 京都駅”雅”に変身 35年ぶり大改装 15日に完成 ホームなど白基調(京都)
  ■山陽「ひかり」 運転台窓にひび コンクリ片直撃か 破片? 白い粉状物質付着(朝日)
  ■コンクリ片 計5キロ落下 新潟のトンネル(朝日)
  ■JR駅・売店で偽5000円札発見 和歌山で計5枚(朝日)
  ■京都バスと車衝突2人けが(京都)
8日■京都−新大阪間? 窓ガラスにひび 東海道新幹線(京都)
  ■大阪市営地下鉄は最寄り駅に一時停止(朝日)
  ■車と路線バス衝突 乗客ら2人が軽傷 北区の市道(朝日)
  ■地下鉄サリン 散布の2人 死刑求刑 送迎役に無期懲役(朝日)
  ■500系のぞみ車両に穴 山陽新幹線 東京・博多 ホームに停車中(朝日)
  ■東海道・山陽新幹線 のぞみの車体に穴 JR西日本 停車中にいたずら?(京都)
9日■地下鉄東西線延伸 調査など重点10項目 政府予算へ要望(京都)
  ■介護事業に近鉄が参入(京都)
  ■山陽新幹線トンネル総点検 4万ヵ所で異常音 たたき落とし 必要個所は1万(京都)
  ■「居眠り」原因 2人書類送検 新幹線保守用車の事故(京都)
  ■市バス、4系統が運行 年末年始のダイヤ発表 京都市交通局 地下鉄は計56本(京都)
  ■窓 「運転士になれたよ」に感涙 綾部市・中瀬 正直(無職・84)(京都)
  ■山陽新幹線 落下の恐れ1万1000ヵ所 JR西日本 トンネルを補修 異常音は4万ヵ所(朝日)
  ■山陽新幹線 危険個所、毎日200本通過 JR西日本 利用者流出に不安(朝日)
  ■保守車両追突 居眠り、ブレーキ解除 容疑で運転手ら書類送検(朝日)
  ■近鉄 シルバー事業参入へ(朝日)
  ■子会社を統合(朝日)
  ■大阪モノレール、年越しは停車(朝日)
  ■JRで信号停止 乗客1200人に影響 向日町操車場(京都)
  ■旧国鉄時代のディーゼル車 最後の”お勤め” 米子−境港間 12日引退(京都)
  ■関空と徳島駅結ぶバス運行 来春めどに3社(朝日)
10日■安全管理態勢など検査へ 検査院がJR西日本を(京都)
  ■男性はねられ死亡 向日の阪急京都線(京都)
  ■トンネル内壁から木片 新幹線 福岡に次ぎ広島も 手抜き工事裏付け セメント袋も見つかる(朝日)
  ■台風18号で新幹線立ち往生 「人為ミス重なった」 中国運輸局へ報告(朝日)
  ■地下鉄サリン 林泰男被告に論告求刑 「地位上昇願い犯行」(京都)
  ■特急と衝突 父と子死亡 松山、JR予讃線踏切(朝日)
11日■疑似2000年問題 1並び乗車券購入殺到する? パソコンウイルスにも注意 おめでとうコール集中か 越年変更の電話番号も(朝日)
  ■地下鉄サリン 林 泰男被告に死刑求刑 検察側 「犯行に積極的」(朝日)
14日■100円市バス 京の中心部 来年4月から 土・日・祝日 試験運行 エムケイ申請契機に 利用者の増加図る(京都)
  ■桂坂に地下鉄新駅を 市会委が請願採択(京都)
  ■ワンコインバスを大阪市も試験運行(京都)
  ■市バス18系統など6路線 民間委託3月25日から 京都市交通局、赤字解消へ(京都)
  ■カウントダウン2000年問題 京滋の対応はB 交通網 最寄り駅で一時停止も 府警 手信号の訓練を徹底(京都)
  ■大みそか 終夜動きます 地下鉄20−30分間隔 市バス10−30分間隔(朝日)
  ■山陽新幹線トンネル壁崩落 当面危険なし 運輸省検討委 JR点検を現地調査(京都)
  ■古都に100円バス 来春にも試験運行 京都市が近く認可申請(朝日)
15日■「100円市バス」 認可の見通し 京都市交通局 事業案を報告(京都)
  ■焦点 2000年度予算・税 好機に大声「整備新幹線を」 議員ら予備費狙う ばらまき批判も強まる(朝日)
  ■JRで信号トラブル 高槻、5万人に影響(京都)
  ■運輸省局長がトンネル視察 山陽新幹線総点検(朝日)
  ■レールにすき間 列車が12本運休 JR東海道線(朝日)
  ■南海高野線の踏切 トラック立ち往生(朝日)
16日■山陽新幹線「安全宣言」今度は大丈夫? トンネル総点検 きょう終了(京都)
  ■12号線は大江戸線に 都営地下鉄(京都)
  ■残り回数券払い戻しへ JR6社 100年ぶりの変更(京都)
  ■年末年始の予約は低調 JR西日本(京都)
  ■KTR新型予約装置を導入 Y2K対応 宮津、天橋立駅に(京都)
  ■窓 旅情も台無し 駅の構内放送 栗東町・池田 千里(パート・52)(京都)
  ■声 鉄路を守った職員今いずこ フリーター 奥井淳一(神戸市 64歳)(朝日)
  ■山陽新幹線 総点検終了 安全宣言へ トンネル壁9700平方b劣化(京都)
  ■山陽新幹線安全宣言へ 点検の質 現場は「疑問」 未経験者を大量動員 距離の消化を最優先 「逆に不安増大」(京都)
  ■山陽新幹線 トンネル総点検終了 今夕にも「安全宣言」(朝日)
  ■新幹線総点検終了 「安全宣言」の言葉出ず 「人知を尽くした」 社長会見 慎重表現繰り返す(朝日)
  ■レールにひび ひかり徐行(朝日)
17日■運輸相が安全宣言 山陽新幹線トンネル(京都)
  ■信頼回復へ道険しく(京都)
  ■凡語(京都)
  ■検査方法見直しへ トンネル点検でJR各社 新型車両導入も(京都)
  ■窓ガラスひび 山陽新幹線(京都)
  ■試運転700系車両が故障(京都)
  ■男性ひかれ即死 木之本の北陸線踏切(京都)
  ■KTRで列車故障(京都)
  ■京都−福山の高速バス認可 21日から運行(京都)
  ■山陽新幹線 運輸相が「安全宣言」 「社運かけ保守点検を」(朝日)
  ■山陽新幹線「安全宣言」 疑問残る点検結果 時間かけ手当て必要(朝日)
  ■整備新幹線、1500億円確保を 来年度予算で与党協求める(朝日)
  ■山陽新幹線 不安残し「安全」発車(朝日)
  ■ひかり窓に走行中ひび(朝日)
  ■高槻OPA進出を断念 JR駅再開発(朝日)
  ■事故死男性の身元判明(京都)
  ■JRへの雇用 継承を認めず 動労千葉の上告棄却(朝日)
  ■天井壁落下か 英で列車脱線 トンネル内、2人軽傷(朝日)
18日■山陽新幹線に新700系 航空機と競い32分短縮 春のダイヤ改正発表(京都)
  ■快速の新設や接続 福知山−大阪間を短縮(京都)
20日■SLを化粧直し 正月準備整える 福知山で保存会(京都)
  ■2000京都市長選 どうする借金 京都市財政の課題 <中> 「右肩上がり」時代去る 財政膨張、地下鉄が拍車(朝日)
  ■洛西延伸へ調査費 地下鉄東西線 需要予測など(京都)
21日■新JR加茂駅が完成 東西連絡通路も きょう始発から使用(京都)
  ■新型のひかり公開 新大阪−博多32分短縮(京都)
  ■淀駅高架工事ゴー 2005年度に完成 交通渋滞解消へ(京都)
  ■京阪・淀駅周辺高架化 渋滞緩和狙い起工式 2005年度完成目指す(朝日)
  ■「コンクリ落下」疑問視 「ひかり」運転台の窓破損 JR 鉱石、直撃の疑い 別見解の専門家も(朝日)
  ■転換機に雪 7本に遅れ タンゴ鉄道(朝日)
  ■700系ひかり 目つき鋭く(朝日)
  ■大阪の地下鉄8号線を認可 今年度中に着工(朝日)
22日■エムケイ100円バス申請取り下げ発表(京都)
  ■7600万円賠償請求 臨界事故でJR東日本(京都)
  ■鹿児島・北陸ルート 一部新規着工検討へ 整備新幹線で政府方針(朝日)
  ■市の計画受け 百円観光バス申請取り下げ きょうエムケイ(朝日)
23日■小浜線電化を申請 運輸大臣に JR西日本 2003年春開業へ(京都)
  ■事故相談室を本社内に移転 信楽高原鉄道(京都)
  ■整備新幹線 選挙控え「道筋」優先 新規着工検討政府与党合意 ばらまきの恐れ(朝日)
24日■来年度政府予算案 景気回復、国債頼み 長期債務残高GDPの1.3倍 将来に危うさ(京都)
  ■ひかりの窓にひび 山陽新幹線(京都)
  ■井上被告に午後求刑 地下鉄サリンなど10件 東京地裁(京都)
  ■トンネル内「窓にひび」 山陽新幹線ひかり(朝日)
25日■新幹線ごみが爆発 乾電池やリード線発見 爆破狙い犯行? 大阪の車両基地(京都)
  ■新幹線のごみ袋爆発 ヒヤリ、走行中なら…(京都)
  ■井上被告に死刑求刑 地下鉄サリンなど 「犯行、積極的」(京都)
  ■2000年度予算編成 児童手当、整備新幹線… 「政治主導」と与党、自画自賛 ばらまき批判押し切る(京都)
  ■バス仕様統一で合意 日野など4社 将来は共同開発も(京都)
  ■新幹線ごみ作業中爆発 摂津の車両所 爆発物持ち込むむ? リード線・発見 けが人なし(朝日)
  ■ごみ箱死角 JR衝撃 乗客チェック困難 緊急警戒乗り出す(朝日)
  ■ごみ袋爆発 帰省ラッシュ厳戒 JR各駅 巡回、不審物チェック(朝日)
  ■爆発、乗客下車50分後 新幹線 「もし走行中だったら」 帰省期控え不安・怒り(朝日)
  ■大阪市バス運転手起訴 覚せい剤使用容疑(朝日)
  ■爆破は新幹線一般ごみ 低いテロの可能性 摂津 簡易な時限装置(京都)
  ■車が線路130b走る 大津・京阪 飲酒の容疑者逮捕(京都)
26日■京都市交通局 烏丸線(地下鉄)の全駅業務委託 リストラで労組と妥結(京都)
  ■爆発物は時限式か 新幹線ごみ袋爆発 リード線には部品(京都)
  ■帰省ラッシュ 警戒を強化へ 運輸省が通知(京都)
  ■新幹線で窓にひびや異音 山陽(京都)
  ■社説 新幹線に爆発物とは、悪質な(京都)
  ■JR西日本も電話窓口設置(朝日)
  ■山陽新幹線の窓にひび割れ 新大阪−新神戸間(朝日)
27日■3列車に時限発火装置 成田発着のJRと京成 すぐ消火、過激派か(京都)
  ■アルミ缶中に有機溶剤粉末 新幹線のごみ袋爆発(京都)
  ■JR浦和駅 コインロッカーで爆発 点検中 中に電池、リード線(京都)
  ■コインロッカー爆発 JR浦和駅点検者けが(朝日)
28日■バス規制緩和で対策協議 全庁態勢の検討会 京都市が来年度設置(京都)
  ■浦和駅の爆発 雑誌をまね製造か 現場に不審な玉3個(京都)
  ■球状不審物や紙袋 JR浦和駅爆発 ロッカーの内外に(朝日)
  ■期間超過ロッカー JR東海・西が点検(朝日)
  ■「JR西擁護の論告は異常」最終弁論で被告側指摘 信楽高原鉄道事故(朝日)
  ■中学生2人が逮捕へお手柄 電車の窃盗容疑者発見(朝日)
29日■台湾高速鉄道 日本に優先交渉権 新幹線初の輸出 安全性など評価 欧州勢を逆転(京都)
  ■信楽鉄道事故 公判最終弁論 あらためて無罪主張 弁護側「JR擁護論告は異様」(京都)
  ■新幹線、台湾に輸出へ 受注内定 日本の7社連合(朝日)
  ■台湾新幹線 総統の意向で逆転受注? 対日関係重視が追い風に(朝日)
  ■2000年問題対策 懸命に最終確認 想定外の事態に備え 鉄道 最寄り駅に一時停車(朝日)
30日■JR西 ロッカーを一時停止に 新幹線全駅と主要駅(朝日)
  ■いざ故郷へ 混雑始まる(京都)
31日■阪急西院駅周辺 交通環境改善進む 管轄見直し 太秦署一本化が奏功(京都)
  ■エスカレーター休止 JR西日本、10分間(京都)
  ■臨時の手荷物預かり所設置 爆発事故受けJR西(朝日)
  ■駅のエスカレーター 年越しの10分間停止 JR西日本(朝日)



1日■サンガのマーク入りトラフィカ京カード 京都市交通局発売
 地下鉄や市バスなどで利用できる京都市交通局発行のブリペイドカード「トラフィカ京カード」に、Jリーグ・京都バーブルサンガマーク入りのカードが登場する。
 案内所、営業所などで1日から発売を始め、計2万枚を売り出す予定という。
 「カード」は、交通局が1993年7月から発行しており、3300円分利用できる「3000円券」など3種類がある。昨年度は合わせて約74万5000枚を売り上げた。
 マークは、紫色をベースに「Purple Sanga」と書かれたものなど2種類。「一時期低迷していた地元チームを、京都市をあげて盛り上げよう」と考え出した。来年2月末まで発売する。(朝日新聞)
■赤外線でトンネル壁検査 湖西線で試験 JR西日本
 山陽新幹線でトンネル壁崩落事故が相次いだJR西日本は1日未明、湖西線高島トンネル(滋賀県高島郡高島町)で、導入を検討中の赤外線カメラを使ったコンクリート壁面劣化検査装置の性能確認試験を、報道関係者に公開した。
 検査装置は三菱重工業が開発。ハロゲンランプでトンネル壁面に熱を加え、赤外線カメラで温度変化を見て、はく離個所を特定する仕組み。ただ、表面から約5_までしか測定できない問題があるという。
 試験では、モノクロのモニター画面をのぞき込みながら「白い部分がはく離個所です」などと係員が説明。ひび割れや漏水も見逃さないよう、CCD(電荷結合素子)カメラも併用した。
 同様の装置は、営団地下鉄(東京)が導入済み。JR西日本技術開発推進部レールウェイテクノセンターの香本芳正所長は「従来の目視検査では見落としがちな、微妙な劣化も把握できる」と話した。
 同社はレーザーなど複数の科学的検査方法の導入を検討中で、年度内に実用配備のめどをつけたい考え。(京都新聞 夕刊)
■熱して見よう トンネル劣化 滋賀で「赤外線」試験
 山陽新幹線で相次ぐコンクリート落下事故で、JR西日本は1日未明、新幹線のトンネルと似た構造の在来線のJR湖西線高島トンネル(滋賀県高島町、全長約1.5`)内で、コンクリート表面の劣化状況を調べる赤外線カメラを使った非破壊検査装置の試験を公開した。コンクリート表面の検査装置についてはデジタルカメラやレーザー光線も検討中で、今年度内に新たな検査方法を確立する計画だ。従来の目で見る目視検査と併用し、検査の実効性を高めるとしている。
 公開されたのは、トンネル表面を線路上からヒーターで熱したうえで、赤外線カメラで表面の温度を検知する方法。表面付近に亀裂やすき間、漏水があった場合、熱が伝わりにくくなるため周囲より温度が高くなる性質を利用する。表面から深さ5_程度までの劣化状況が把握できるという。デジタルカメラで位置を確認し、トンネルの劣化状況をデータ化する計画だ。赤外線を使った検査方法は、すでに東京の営団地下鉄で採用されている。
 この日は、トンネル北側の出入り口から約150bの範囲を検査。赤外線カメラのモニターには、壁面のコンクリートの継ぎ目が白く映っていた。(朝日新聞 夕刊)
2日■運転手になれたよ 16歳の心臓病の少年 夢と一生が絵本に 周囲の協力で江ノ電に 4日後に亡くなる
 「電車の運転士になりたい」。心臓病の少年の夢とその一生を記録した絵本「はしれ江ノ電 ひかりのなかへ」(PHP研究所・1300円)が出版された。少年は周りの協力で夢をかなえた直後に、16歳で亡くなった。生前を知る人たちは「人が夢を持つことの素晴らしさを知ってほしい」と話している。
 少年は東京都内の会社員新田和久さんの長男朋宏君。生後間もなく、母親と同じ心臓病が見つかった。以来、母親と共に入退院をくり返し、9歳の時に母親と死別した。
 電車に興味を持ったのは、2歳の誕生日プレゼントに母親からもらった蒸気機関車のおもちゃがきっかけ。成長するにつれ、電車の絵をかいたり、本で電車の種類を調べたり、プラモデル作りに挑戦した。
 「息子には電車しかなかった。電車にかかわっているときだけ、心臓のことを忘れていました」と新田さんはふり返る。
 「心臓病の母と子がいっしょに生活していたら、取り返しのつかないことになる。負担を軽くするために、2人ははなれた方がいいでしょう」。医者にすすめられ、朋宏君は4歳の時、施設に入った。
 新田さんはいつも、朋宏君に会いに出かけた。いっしょに電車に乗るのが楽しみだった。特に、施設のある神奈川県湘南地方を走る江ノ島電鉄には何度も乗車した。
 朋宏君は思春期になると、「生きる意味」についてよくたずねた、という。「ぼくは社会の役に立っているの?」
 新田さんはその度に、「役に立っているよ。朋宏が長生きをして新しい治療法ができれば、同じ心臓病の人たちの役に立つ。生きることが朋宏の仕事なんだよ」と答えた。
 「息子をぜひ、江ノ電の運転士に」。新田さんは、難病の子どもの夢をかなえる活動をしているボランティア団体に相談。1998年9月、江ノ電側も全面協力を約束した。
 しかし、当初予定されていたスケジュールは、直前になって中止。朋宏君の心臓が一時的に止まったからだ。いったん回復したように見えた同年11月、お気に入りの旧型電車の運転席に乗り込んだ。亡くなったのは、それから4日後のことだった−。
 絵本は、書籍編集者の金子章さんが取材した内容を文にまとめ、画家の渡辺有一さんが絵を担当した。
 「したいことを実現できた息子は、生まれてきて幸せでした。幸せとは何だろう、ということを絵本を通して考えてもらえれば」と新田さんは話している。(京都新聞)
■山陽新幹線 異常音個所すべて補強 JR西日本方針 鉄の網・鋼材で
 JR西日本は1日、現在山陽新幹線の全トンネルで進めている総点検で、打音検査で判明した異常音個所のうち、ハンマーでたたいてもコンクリートが落ちない個所すべてを、ステンレス製のネットや鋼材で補強する方針を決めた。こうした個所にもコンクリート内部にすき間や亀裂があり、落下の恐れがあるからだ。補強効果も高いとみられ、緊急度の高い個所に対しては、16日未明までの総点検期間中に終える計画だ。
 JR西日本は、山陽新幹線の142本すべてのトンネルについて、10月25日から総点検を始めている。広島−博多間では深夜一部の列車を部分運休させて作業時間を広げ、延べ4万9000人の作業員を動員してトンネル内壁のほぼすべてを打音検査するなど徹底的な点検だ。総点検の期間は今月16日未明までを予定しているが、打音検査は11月末までにほぼ終え、異常音個所のたたき落とし作業を始めている。
 これまでは異常音個所すべてで、コンクリートをたたき落とす方針だったが、総点検の過程で、コンクリートに強度があるため簡単にたたき落とせない個所があることが分かってきた。同社はこうした個所について「当面は落下する恐れは低い」とみているが、コンクリート内部に「ジャンカ」と呼ばれるすき間や亀裂がある可能性が高いため、何らかの補強措置が必要と判断した。
 補強は、ステンレス製の「エキスバンドメタル」というネットを、異常音個所を囲むように取り付ける方法を採用する。ネットを壁面に直接ボルトで固定する。仮にコンクリートがはがれたとしても重さ1.2dまでならは、ネットで受け止められるという。
 ネット1枚は最大90a四方。伸び縮みもし、異常音個所の大きさや壁面の状態に応じて数枚をつなぎ合わせることもできる。たたき落とした後にあいた穴に樹脂を詰め込むなどの補修を施した個所にも、補修剤などの落下防止のためにネットを付ける。
 さらに、大きさが数bに及ぶ大規模な異常音個所は、すでにコールドジョイントの異常音個所の補強に使った鉄材の金具で傷口を縫い合わせるように固定する方法を採用。ネットと金具の二段構えですべての異常音個所の補強工事を始める方針だ。
 同社は、こうした補強で10−20年程度は安全は確保できるとみている。落下の可能性が高い個所は総点検の期間内に実施するとともに、それ以外の補強も今年度内にすべて終えたいとしている。
 JR西日本は「ハンマーでたたき落とせない個所は、当面は落下しないとみているが、もうコンクリートの落下は許されず、後悔しないためにも、ひとかけらもコンクリートを落とさない方針で補強したい」と話している。(朝日新聞)
■30歳標準7700円 賃上げ要求へ 私鉄総連
 私鉄総連(坪根真委員長、16万7000人)は1日、静岡県御前崎町で中央委員会を開き、来年の春闘方針案を確認した。鉄軌道・バス組合の統一賃上げ要求案は、高卒30歳・勤続12年の標準労働者で昇給保障分(定昇相当分)込み7700円となっており、旅客収入の落ち込みなどを考慮して、今春闘より1400円引き下げている。職場討議の後、来年2月の中央委員会で正式決定する。
 平均賃上げ方式で要求する場合は、組合員1人平均1万1000円、3.7%(今春闘では1万3000円、4.3%)になるとしている。(朝日新聞)
■鼻高々?道を行く 来春デビューの新型「ひかり」
 JR山陽新幹線の新型700系車両「ひかりレールスター」が2日未明、福岡市博多区の博多港中央ふ頭から福岡県那珂川町の博多総合車両所までトレーラーで陸送された。
 今回運ばれた車両は4両。車両の先端部分となる「ハナ」は輸送のため折り曲げられ、大型のトレーラー4台で約1時間半かけて慎重に運ばれた。
 レールスターはJR西日本が来春からひかり用車両として投入する。(京都新聞 夕刊)
■豪で通勤列車が追突 大陸横断列車に 6人死亡、40人けが シドニー郊外
 【シドニー2日共同】シドニー西部郊外のブルーマウンテン地区で2日午前8時25分(日本時間同6時25分)ごろ、リスゴー発シドニー行きの通勤列車(4両編成)が、前方を走っていたオーストラリア大陸横断の長距離列車インディアン・パシフィック号の最後部に追突し、通勤列車の最前部車両とインディアン・パシフィック号の後部2両の計3両が脱線した。
 地元警察の発表によると、この事故で乗客ら6人が死亡、約40人が重軽傷を負った。通勤列車内などにはまだ3人が閉じ込められており、死傷者数は増える可能性がある。
 死傷者の多くは通勤列車の乗客とみられ、外国人がいたかどうかは不明。
 事故はシドニーの西方60`付近の、グレンブルック駅とラプストン駅の中間の下リカーブで起きた。当時は通勤時間帯で、通常1000人近い乗客が通勤列車を利用しているという。
 現場のブルーマウンテン地区は、日本人ら外国人観光客が必ず訪れるという有名な景勝地。(京都新聞 夕刊)
■急行 旅の終わり 最後の昼便「たかやま」大阪−飛騨古川結び28年 JRダイヤ改定 新幹線増発に押され
 4日のJRのダイヤ改定で、東海道線から昼間に走る急行が姿を消す。1896年に新橋−神戸間に急行が登場して以来、敗戦直後を除いては初めて。新幹線の相次ぐ増発や新快速の運転区間の拡大で、急行が中途半端な存在になったという。最後まで残っていたのは、大阪−飛騨古川(岐阜県)間を1日1往復するディーゼル急行「たかやま」。のんびりした気分と安い運賃で旅を楽しめるのもあとわずか。
 「たかやま」は、関西と飛騨高山・下呂温泉などの観光地を結び、1971年10月に走り始めた。当時は、旧国鉄の「ディスカバージャパン」キャンペーンなどで空前の国内旅行ブームに沸き、新婚客の利用もあったという。その名残かJR各社の昼行急行で唯一、グリーン車と普通指定席車の両方がある。
 「たかやま」が東海道線で最後まで残ったのは、新幹線が通らない大津や岐阜などの地方都市を直通で結んでいたことが一因のようだ。
 しかし、最近の「たかやま」の平日1日当たりの乗客は50−100人程度という。運転当初から車内販売をしてきた田中幸世さん(62)は「ピークの85年ごろなら毎日弁当百個は売れたが、今は20個が目標」と苦笑いする。車両の老朽化も進み、28年間の歴史に終止符を打つことになった。
 JR東海は4日から、新たに特急「ワイドビユーひだ」を大阪−高山間に1日1往復させて集客を図るという。(朝日新聞 夕刊)
■過激広告走る 狙いは車のスキー客 JR東日本「やっぱり新幹線」
 スキー場への足に車を選んだばかりに、谷底に車が転落したり、トイレの我慢しすぎで病院に運び込まれたり−。スキー、スノーボード客をマイカーから新幹線に呼び込もうと、シーズン本番を前にJR東日本が刺激的な比較広告のテレビCMキャンペーンを始めた。従来のスキーCMは白銀の世界を描くイメージ広告で、テーマソングは大ヒットしても、新幹線にスキーヤーを呼ぶことには成功していない。ここ数年、スキー人口は減少するばかり。雪道に強い四輪駆動車人気も健在で、「限られたパイ」の奪い合いが激しくなっている。
 CMは「やっぱ新幹線」と銘打って、関東地域で2月末まで放送される。スキー場まで車を利用した若い男性2人が主役で、先輩後輩の間柄という設定だ。
 いま放送中の「往路編」は、雪道でタイヤチェーンを装着するシーンから始まる。悪戦苦闘する先輩に、後輩は「滑る時間ないっすよ」「面倒くせえ」と文句たらたら。手伝おうと車に手をかけた途端、無人の車はがけを滑り落ち、爆音とともに炎上してしまう。
 来年1月から始まる「復路編」は、渋滞にはまった帰りの車中が舞台。トイレに行きたくなった後輩が、「我慢しすぎ」で病院にかつぎ込まれる。いずれも決めゼリフは「やっぱ新幹線」だ。
 JR東日本が新幹線のスキーキャンペーンを始めたのは1991年。タレントを起用し、恋人同士がスキーを楽しむ姿などを描いた。曲は、globeやGLAYが歌った。
 ところが、スキーヤーの新幹線のシェアは1割に満たず、低下する一方だ。また、レジャー白書によれば、スキー人口は97年度から1400万人を割り込んでいる。上越新幹線の駅と直結する「ガーラ湯沢スキー場」(新潟県湯沢町)も、昨年の客数はピーク時の約2割減という有り様だ。同社は今秋、同スキー場運営会社に対する約90億円の融資回収を放棄したばかりだ。
 「どんなにテーマ曲がヒットしてくれても、カーステレオで楽しまれては意味がない」。スキー客の増加が期待できない以上、車の利用者を新幹線に引っ張り込む狙いをはっきりさせようというわけだ。
 内容が刺激的な分、小道具には気を使い、今回も車の撮影角度を工夫し、車種を特定されないようにしているという。
 一方、四輪駆動車を主力とする自動車販売会社の広報部は「表立って抗議するのは大人げないが、ちょっとやりすぎ。鉄道だってよく故障しているじゃないか、と言いたくなる」と不快そうに話した。(朝日新聞 夕刊)
■JR室蘭線トンネル 空洞6ヵ所目
 約2dのコンクリートが落下して不通となっている北海道胆振支庁豊浦町のJR室蘭線の礼文浜トンネルで、JR北海道は2日未明、トンネル内2ヵ所の壁をくりぬいて検査した。その結果、新たにトンネルと岩盤の間にそれぞれ幅25aと5aの空洞が見つかった。
 これまでに計7ヵ所をくりぬいて調べたうち、6ヵ所から空洞が見つかったことになる。
 設計上、トンネルとその周りの岩盤の間には、空洞はないことになっている。
 しかし、JR北海道によると、空洞は当時の工法でつくられたトンネルには一般的にみられる現象としており、コンクリート落下と空洞の因果関係について、「空洞があったからといって、亀裂や落下の原因になるとは限らない」と話している。
 トンネルの復旧に向けた作業は、危険個所に鉄骨を入れるなどの工事が進められているが、いつ復旧できるかは2日午前段階で依然としてめどが立っていない。(朝日新聞 夕刊)
■列車が追突 6人の死者 豪、50人以上けが
 【シドニー2日=酒瀬川亮介】オーストラリア・シドニー西郊のグレンブルックで2日午前8時半(日本時間午前6時半)ごろ、リスゴー発シドニー行きの通勤列車が前方にいたパース発シドニー行きの長距離列車に追突して、一部の車両が脱線。救急隊や鉄道会社などによると、少なくとも6人が死亡、51人がけがをした。死傷者に日本人がいるかどうかは不明。
 地元の報道によると、乗客159人を乗せた長距離列車は見通しの悪いカーブを曲がったあたりで、極端にスピードを落としていたか、止まっていた。そこに、乗客約1000人を乗せた通勤列車が突っ込み、長距離列車後部の自動車を積んだ2両と、通勤列車の先頭車両の計3両が脱線した。
 先頭車両にはまだ数十人の乗客が残っていると見られるが、救出が難航しており、死傷者はさらに増える可能性もある。
 事故現場は、シドニーの西約60`にある観光地ブルーマウンテンのふもとだった。(朝日新聞 夕刊)
3日■山陽新幹線 ひび割れ事故 「衝撃物の特定困難」 JR西日本調査結果 人為的可能性も示唆
 走行中の山陽新幹線で先月7、8の両日、列車の窓ガラスに相次いでひびが入った事故で、JR西日本は2日、両事故ともガラスへの付着物を確認できず、「衝撃物の特定は困難」とする調査結果を発表した。
 同社は、10月以降これまでに発生した計16件のガラスひび割れ事故のうち、特に破損のひどかった先月7、8両日分について、ガラスメーカー2社に調査を依頼。原因の特定を急いでいたが、結局解明に到らないまま調査を終えることになった。
 同社車両部によると、先月7日午前、新岩国−広島間を走行中の「こだま626号」で発生した事故は、3層構造のガラスのうち強化ガラスの外側にある2枚の「合わせガラス」が、1平方ab当たり1200`cの衝撃力を受け、内外同時に割れたと分析した。
 衝撃物は、直径5a以上の「あまり銃利でなく質量の大きな物」と推測。▽車両の屋根に損傷がない▽従来のガラスのひび割れとは異なる−などから、「コンクリート落下物や線路の砕石による可能性は低い」とし、何らかの人為的原因による可能性を示唆した。
 また、8日午後発生の「ひかり112号」の事故は、傷の状況から「小石大(パチンコ玉以下)で角のある物」が当たり、トンネル突入時の風圧などでひびが広がったとしている。(京都新聞)
■窓 なくなった善意の座布団 園部町・馬場 忠孝(無職・58)
 JR嵯峨野線の園部駅では改札口と待合室のところに、明治時代に建築された旧駅舎で使われていた鉄製のアーチや柱の一部が記念のために残されている。待合室の真ん中に立つ柱には中央部に「明治四十三年鐵道院」という銘板が、また上部には東西南北の方向版が取り付けられている。この柱をロの字形に取り囲んだ20席足らずの座席がある。この待合室は電車を待つ人たちや電車から降りた人たちの、しばしの憩いのスペースとなっている。
 毎年、秋の終わりごろになると、この座席に座布団が置かれる。だれが置いたのかしらないが、善意の表れそのものである。今年初めて、色とりどりのきれいな座布団が並んでいるのを見たとき、思わず、その一つに腰を下ろしてしまった。新雪が降ったばかりの雪原に初めて足跡をつけるような気分になった。
 ある日、この座布団が1枚を残して全部なくなってしまった。夜のうちに、だれかが持って行ったらしい。今年の座布団は例年になくきれいだった。それが仇(あだ)になったのだろうか。心ない人もいるもんだ。最近の殺伐とした世間を垣間見る思いがする。(京都新聞)
■外側から大きな衝撃 山陽新幹線の窓 クモの巣状ひび 3層の2枚目も JR西調査
 山陽新幹線新岩国−広島間で11月7日、走行中の「こだま626号」の窓ガラスにクモの巣状のひびが入った事故は、大きな衝撃を外側から受け、開業以来初めて3層構造の窓ガラスのうち2枚目までひびが入った特異な事故だったことが2日、JR西日本の調べで分かった。しかしガラス表面に付着物は見つからず、衝突物の特定はできなかった。JRは「これ以上、原因についての新たな情報を得られる可能性は低い」として調査を打ち切る方針だ。
 JR西日本によると、こだま5号車の進行方向左側の窓ガラス1枚に円形の衝突痕が見つかり、その痕跡から直径約30aにわたってクモの巣状のひびが入っていた。発生直後に周辺の線路やトンネル内を点検したが、落下物などは見つからなかった。従来のひび割れにクモの巣状の被害はほとんどなかったため、同社がガラスメーカーに調査を依頼していた。
 その結果、山陽新幹線開業以来初めて、一番外側の普通ガラスとその内側の熱線吸収ガラスの計2枚にひびが入っていたことが分かった。破壊の規模から球形にして直径5a以上、重さ200c程度の物体が時速100`の速さで衝突した場合が推定されるという。(朝日新聞)
■電車に衝突し車があて逃げ 神戸電鉄粟生線踏切
 2日午後9時15分ごろ、兵庫県三木市大村の神戸電鉄粟生線の谷後第一踏切(警報機、遮断機付き)で、粟生発志染行き普通電車(3両編成)と乗用車が衝突、同電車は現場に8分間停車し、後続の電車に最大約10分の遅れが出た。乗客約20人にけがは無かった。乗用車は遮断機を折り、そのまま逃走した。三木署は道路交通法違反容疑(あて逃げ)で捜査している。目撃者の話によると逃げた車は赤色で、乗っていたのは1人だったという。(朝日新聞)
■日野、いすゞが提携 系列超え 業界初 バス事業統合
 日野自動車の揚浅浩社長といすゞ自動車の稲生武社長は3日、記者会見し、赤字が深刻化している両社のバス事業を統合し、来年中に折半出資で合弁会社を設立すると発表した。2002年までに共同生産に着手する。
 日野はトヨタ自動車、いすゞは米ゼネラル・モーターズのグループ企業だが、両社はトラックの基幹部品である変速機の共同開発で既に合意している。さらに路線・観光バス需要の低迷に歯止めがかからないため提携を強化し合理化を図る。自動車メーカーが資本系列の枠を超えて事業統合に踏み切るのは初めてとなる。
 三菱自動車工業と日産ディーゼル工業も合流する可能性があり、これを契機にトラック・バス分野の再編は一段と加速しそうだ。
 日野といすゞの両社は、バスについて研究開発を集約するとともに、資材などの共同調達でコストを削減、共同生産も行うことで設備投資の抑制と生産性向上を目指す。系列の「日野車体工業」(横浜市)と「いすゞバス製造」(栃木県河内町)は統合も視野に入れる。
 両社長は「互いの利害を超えて公共性の高いバス事業を存続させる道を選んだ」と述べた。
 両社のバス分野のシェア合計は50%近くに達するが、販売部門を統合させないことで独禁法上の問題をクリアする考え。両社のブランドは残し、それぞれの販売網で取り扱う。日野車体の石川県小松市への移転計画について湯浅社長は「今のところ変更はない」と語った。(京都新聞 夕刊)
■いすゞ・ 日野 バス統合へ 3年後めど シェア50%に
 トラック大手のいすゞ自動車と日野自動車は3日、3年後をめどにバス事業で開発、部品購買、生産を統合すると発表した。景気低迷でバス需要が落ち込む中、共同購買などでコスト削減を狙う。両社のバス部門の市場占有率(シェア)は約50%になる。いすゞは米ゼネラル・モーターズ(GM)グループで、日野はトヨタ自動車グループで、系列を超えた統合となる。
 バス事業の統合を機に、ライバル関係にあるトラック分野での協力も進める考えだ。
 いすゞは現在、子会社のいすゞバス製造(栃木県河内町)でバスを生産。日野は関連企業の日野車体工業(横浜市鶴見区)がバス生産担当している。両社は、1年後をめどに折半出資で新会社を設立し、共同生産の準備に入る。系列2社は新会社に吸収合併する方向で検討している。両社のブランドは残る。
 両社の大中型バスの年間販売(1998年度)は、いすゞが約1100台で、全売上高の約2%に当たる200億円。日野は約1300台で、全売上高の約8%の350億円。両社とも前年度比で15%程度、販売台数が落ち込んでいた。
 トラックメーカーは、景気低迷に伴う企業の設備投資の減少で市場規模が30年以上前の水準にまで落ち込み赤字経営になっている。いすゞと日野は今年9月、スイッチ類などの汎用部品などについて共同購買や共通化を行い、業務提携を始める方針を打ち出していたが、この方針をさらに発展させることにした。
 両社のそれぞれの筆頭株主であるGMとトヨタの関係が良好なため、交渉は進展しやすかったと見られる。
 一方、日野は、いすゞが得意とする2、3dクラスのトラック市場に99年から参入し、この分野では販売競争が激化している。
 いすゞ自動車 1937年設立。2、3dクラスの小型トラック「エルフ」のシェアはこのクラスでトップ。71年に米GMと資本提携。GMは99年3月に出資比率を49%に引き上げ、グループ内の商用車とディーゼルエンジン担当と位置づけた。中国やポーランドなどにも生産拠点をもつ。98年度の売上高(単独)は9348億円。
 日野自動車 42年設立。4d級以上の普通トラックではシェアトップ。53年に仏ルノーと業務提携したが、その後解消。66年にはトヨタと資本提携し、トヨタの出資比率は約20%。トヨタは最近、小型トラックの開発や生産を日野にほぼ集約、グループで効率的な投資を目指している。98年度の売上高(単独)は4198億円。(朝日新聞 夕刊)
■三木の踏切、電車と衝突 あて逃げ容疑 車の女性逮捕
 兵庫県三木市の神戸電鉄粟生線の踏切で2日夜、普通電車に衝突した乗用車が逃走した事故で、三木署は3日午前、乗用車を運転していたとして同県小野市天神町、会社員中村瑠理子容疑者(24)を過失往来危険と道路交通法違反(事故不申告など)の両容疑で逮捕した。調べに対し中村容疑者は「怖くなって逃げた」と話しているという。(朝日新聞 夕刊)
4日■年末年始に臨時列車 KTRがダイヤ発表
 北近畿タンゴ鉄道(KTR、事業本部・宮津市)は3日、年末年始とカニシーズンに向けた冬の旅客輸送計画を発表した。
 年末年始の臨時列車は、上り下り計8本。特急では、京都発天橋立行き「はしだて81号」を30日から1月3日まで、天橋立発京都行き「はしだて82号」を1月2日から同4日までそれぞれ1日1本運転する。
 また内宮皇大神社(大江町)への初もうでや、智恩寺(宮津市)の10日えびすにあわせ企画列車(普通)を運行。福知山−大江山内宮間では31日深夜から1月1日未明にかけ「元伊勢初詣号」を1往復、東舞鶴−天橋立間と福知山−天橋立間では、10日に「文殊十日えびす号」をそれぞれ1往復走らせる。
 一方、カニシーズンの行楽客に対応し、12月4日から2月29日までの期間中、丹後由良駅で3本、木津温泉駅で8本、丹後神野駅で7本、それぞれ特急列車を臨時停車させる。(京都新聞)
■市バス後部に接触 原付の高校生転倒
 3日午後4時5分ごろ、京都市上京区千本通竹屋町下ルで、四条烏丸行き市バスの左後部に、後ろから来た右京区の高校生(17)の原付バイクが接触、転倒した。高校生は頭に軽いけが。市バスの乗客約50人にけがはなく、後続バスに乗り換えた。バスのダイヤに影響はなかった。
 西陣署の調べでは、市バスが停留所に近づいたため道路左側に寄ったところ、原付バイクが接触したとみられる。(京都新聞)
■初もうで乗車券10日発売 京都−天橋立に臨時増発 年末年始の北近畿タンゴ鉄道
 北近畿タンゴ鉄道(KTR、事業本部・宮津市)は3日、年末年始の臨時列車や初もうで列車の運転計画、初もうで記念乗車券の発売などについて発表した。
 臨時列車は京都−天橋立間に期間中に上下合わせて8本を増発、京都発「はしだて81号」が12月30日から1月3日まで、天橋立発「同82号」が1月2日から4日まで各1便運転する。
 また、特急列車の天橋立−新大阪間の「エクスプローラー1、4号」に12月4日から1月8日まで3両を増結、京都間の「ディスカバリー1、2、4号」に12月24日から1月10日まで2両の増結をする。12月4日から2月29日までは温泉やカニグルメ客のため特急列車を丹後由良、木津温泉、丹後神野の3駅に臨時停車させる。
 企画列車では、元伊勢内宮皇大神社への「初もうで列車」を12月31日から元日にかけて福知山−大江山口内宮間に1往復走らせる。1月10日の天橋立・智恩寺文殊堂の「文殊十日えびす列車」は東舞鶴と福知山から各1往復運転する。
 初もうで記念乗車券は10日から宮津、福知山、西舞鶴駅で発売する。コース別に往復する4タイプがあり、知恵の輪と絵馬をかたどった2種類。2月5日まで使える。元伊勢内宮と元伊勢龍神社、文殊堂で、それぞれ記念乗車券を見せると鈴などの記念品がもらえる。(朝日新聞)
■ポイント故障 81本が運休 JR天王寺駅
 3日午後6時20分ごろ、大阪市天王寺区のJR阪和線天王寺駅に停車していた新大阪発新宮行き下り特急「くろしお27号」(7両編成、乗客約300人)が、信号が赤から変わらないため出発できなくなった。JR西日本が調べた結果、同駅南側にあるポイントが故障し、動かなくなっていたことが分かった。
 午後7時10分すぎにポイントは復旧したが、関空特急「はるか」や関空・紀州路快速などが上下線とも一時ストップしたため、計81本が運休し、大阪環状線内回りや関西線、阪和線の一部も最大約40分遅れるなど、ダイヤは大幅に乱れた。(朝日新聞)
■山形新幹線延長 山形−新庄間 待望の”発車” 東京間、30分短縮
 山形新幹線の山形−新庄の延長区間(61.5`)が4日、開業した。東北、上越両新幹線の開業時に、東京乗り入れ計画が決まっていた中で大宮駅(埼玉県)が暫定約に終発着駅になった例はあるが、最終的に県庁所在地以外の駅が新幹線のターミナルになるのは初めて。
 つばさ(7両編成)が、東京駅と山形県北部の新庄駅との間を1日8往復。最速3時間5分で結び、山形駅で在来特急に乗り継いでいた時より約30分短縮される。山形以北の途中停車駅は天童、さくらんぼ東根、村山、大石田の4駅。
 山形新幹線は1992年、奥羽線の軌道を拡幅して利用する国内初のミニ新幹線として東京−山形間で開業。新庄までの延長事業は97年5月に着工した。事業費は351億円。
 東京−福島間は、原則として東北新幹線やまびこと連結し運転。福島−新庄間は単独で最高時速130`で走る。
 山形県北部の市町村などは延長に合わせ観光客誘致などに力を入れているが、開業直後は冬の閑散期と重なることから乗車率の落ち込みが予相される。延長区間の東根市にある山形空港の東京便との競合、最終的に33ヵ所残る踏切の安全対策など課題も残しての開業となった。
 新庄駅では、午前6時から山形県の高橋和雄知事、松田昌士JR東日本社長らがテープカットし開業を祝った。同21分、東京行き一番列車のつばさ116号がゆっくり動きだすと、くす玉が割られ、ホームは関係者の大きな拍手に包まれた。高橋栄一郎新庄市長は「これからが大変だが、地域発展の起爆剤にしたい」と笑顔で話した。
 東京駅でも同6時すぎから二階俊博運輸相らが出席し、出発式が行われた。(京都新聞 夕刊)
■山形新幹線が延伸
 山形新幹線は4日、山形−新庄(山形県新庄市)間61.5`が新たに開通した。東京−新庄間(421.4`)の所要時間はこれまでより約30分短縮され、平均3時間25分(最短で3時間5分)で結ばれることになった。JR新庄駅で開かれた出発式には高橋和雄・山形県知事や松田昌士・JR東日本社長ら約100人が出席し、東京行き一番列車の出発を祝った。(朝日新聞 夕刊)
■踏切で車立ち往生 阪急電車遅れる
 4日午前6時半ごろ、兵庫県伊丹市梅ノ木一丁目、阪急電鉄伊丹線の平松町踏切(警報器、遮断機つき)で、同市南本町一丁目、会社員植田節生さん(28)運転の乗用車が遮断機わきの防護さくに衝突、踏切内で立ち往生した。障害物検知装置が作動し、塚口発伊丹行きの下り普通電車(4両編成)など上下各3本に5−10分程度の遅れが出た。(朝日新聞 夕刊)
5日■のぞみ乗降用ドア 窓ガラスにひび 山陽新幹線
 4日正午ごろ、山陽新幹線のJR博多駅(福岡市)に到着した東京発博多行きのぞみ3号(700系)の乗客が、11号車の乗降用ドアの窓ガラスにひびが入っている、と駅員に届けた。
 JR西日本によると、クモの巣状のひびが入っており、博多総合車両所でガラスを交換、原因を調べている。(京都新聞)
■停車駅うっかり通過 JR山陽線・御着駅
 4日午後9時すぎ、JR山陽線の米原発姫路行き普通電車が御着駅(兵庫県姫路市御国野町)で止まらずに通過し、先頭がホームを約330b過ぎてからようやく停車した。同駅と電車の間の踏切遮断機が上がってしまったため引き返さず、そのまま次の姫路駅に向かった。
 JR西日本によると、運転士が停車駅であることをうっかり忘れ、車掌が非常ブレーキをかけたという。御着駅で降りる予定だった乗客は姫路駅から上り電車で引き返し、乗車予定だった客は臨時停車させた後続の新快速電車に乗った。普通電車と新快速電車が最大4分遅れ、約800人に影響が出た。(京都新聞)
■6日ぶり全線開通 JR室蘭線
 JR室蘭線の礼文浜トンネルで起きたコンクリートはく落事故で、トンネル内部の補強工事が完了、JR北海道は4日夜、不通となっていた豊浦−長万部間を開通させ、事故以来6日ぶりに全線で運転再開した。
 開通直後に東京・隅田川発札幌貨物ターミナル行き貨物列車が同トンネルを通過、旅客列車の最初は同日午後11時ごろ通過の室蘭発長万部行き普通電車。5日午前零時以降は通常ダイヤで運行する予定。
 JRによると、この事故で4日夜までに運休した列車は計344本。長万部−洞爺間などで代行バスを運行したが、計約4万8000人に影響が出た。(京都新聞)
■男性飛び込み死亡 JR瀬田駅
 4日午後1時5分ごろ、大津市大萱一丁目のJR瀬田駅ホームで東京行き貨物列車(25両編成)が、線路内に入った滋賀県栗太郡内の無職男性(41)をはね、男性は即死した。
 貨物列車は現場に約35分停車し、後続の長浜行き新快速など上下計11本が28分−2分遅れ、約6700人に影響が出た。
 大津署は、男性がホームから線路内へ飛び込んだと見て調べている。(京都新聞)
■JR室蘭線が復旧
 約2dのコンクリート塊が落下した北海道胆振支庁豊浦町のJR室蘭線・礼文浜トンネルは、4日までに補修工事が終わり、不通になっていた長万部−豊浦間が同日午後10時ごろ、全面復旧した。11月28日未明の事故以来、運転再開は6日ぶりで、5日午前零時からは平常運転に戻る予定。同トンネルを通る室蘭線は本州と札幌を結ぶ大動脈で、旅客列車は1日平均50本、貨物は同30−40本走る。JR貨物北海道支社によると、約10億円の損害が出たという。JR北海道は安全対策について「現状ででき得る限りの対策はとった」としている。(朝日新聞)
■「のぞみ」の窓 またひび割れ 博多着の700系車両
 4日正午ごろ、山陽新幹線博多駅に着いた東京発博多行き下り「のぞみ3号」(16両編成)で、乗客から「ガラスにひびが入っている」と駅員に連絡があった。JR西日本が調べた結果、11号車デッキの進行方向左側(海側)の窓ガラス(縦60a、横40a)1枚に、ほぼ全面にわたってクモの巣状のひびが入っていた。運行に支障はないとみて近くの博多総合車両所まで運転し、ガラスを交換した。同社は、どの区間でひびが入ったかなど原因を調べている。
 今回と同じ700系車両では11月12日、デッキの窓ガラスにクモの巣状のひびが入っていた。(朝日新聞)
■JR山陽線でオーバーラン 姫路、2本に影響
 4日午後9時4分ごろ、姫路市御国野町のJR山陽線御着駅で、停車するはずだった米原発姫路行き普通電車がホームを通り過ぎた。電車は停止位置から約500b先で停車したが、停止した場所とホームとの間に踏切があるため、そのまま発車した。同駅に降車予定だった乗客は西隣の姫路駅から上り電車で引き返し、乗車予定だった乗客については、後続の新快速電車を臨時停車させて対応したという。
 この影響で下り電車2本(乗客約800人)に最大4分の遅れがあったという。(朝日新聞)
6日■窓ガラスひび 防護樹脂に傷 山陽新幹線の2列車
 5日午前11時10分ごろ、山口県内の山陽新幹線・徳山−小郡間の第2赤岸トンネル付近で、名古屋発博多行きひかり183号(100系、16両編成)の乗客が「窓ガラスにひびがはいっている」と車掌に届けた。
 車掌が確認したところ、12号車と13号車の海側の各1枚の窓にひびが入っていた。運転には支障がないため、そのまま博多へ向かい、博多総合車両所で窓ガラスを交換。JR西日本によると、後続の新幹線を70`の徐行運転にし、同トンネル内を調査したが異常はなかった。上下計7本が4分から1分遅れ、約1900人に影響が出た。
 また同日午後2時半ごろ、東京発博多行きのぞみ11号(700系)が広島県内の三原−東広島駅間の第2高山トンネルを走行中、14号車の窓で音がしてガラスに傷がついたと、博多駅に到着した乗客が車掌に届けた。JR西日本によると、ガラス外側の防護樹脂に1.5a四方ほどの傷があったが、ガラスは傷ついておらず、運行に支障がないという。同トンネルに異常はなかったが、後続などの徐行で、上下計24本が7−1分遅れ、約8200人に影響が出た。(京都新聞)
■電車児童館 本年度廃止へ 行革で施設を一元化 市内7ヵ所 住民ら階しむ声
 「チンチン電車」の名で愛された市電。その廃車になった車両を再利用した児童舘が今も市内7ヵ所の児童公園内に設けられている。1950年代半ばから、子どもの遊び場や子育て情報交換の場として地域住民に親しまれてきたが、京都市は「子どもの健全育成の場としての役割を終えた」として、本年度ですべて廃止する方針。利用してきた親たちは「親や住民がリレーのようにつないできた手作りの施設なので、何とか残してほしい」と訴えている。(社会部 河村亮)
 「施設は簡単になくせるが、地域の住民で築いた温かい空気そのものも失うのが残念」。上京区の北町児童公園内にある「ふたば児童館」の運営に協力する「キラキラふたばの会」世話役の棚橋啓一さん(71)はやりきれない思いを語る。
 児童館は、行き先を告げる電車の看板がかつての雰囲気をとどめる。プレハブを増設した継ぎはぎのある小さな児童館だが、本や卓球台などすべて親や住民が寄贈したもの。それだけに住民の熱い思いが伝わってくる。約120人の児童が利用しているという。
 実は、同児童館は少子化で子どもの姿が減り、今年4月まで1年間閉鎖されていた。「このままではもったいない」と、近くの棚橋さんら9人が世話役となり、ようやく6月に復活させたばかり。棚橋さんは「子どもの明るい声にひかれるように、お年寄りや障害のある人らも集まるようになった。すぐさま使えないという状況でもないのに、一度に全部なくすのは、画一的すぎる」といい、10月に存続を求める要望書を市に提出。今後、署名活動も考えているという。
 電車の児童館は55(昭和30)年、廃車になった市電を公園内に置き、子どもの遊び場として出発させたのが始まり。子どもの好きな電車をリサイクルした絶妙のアイデアだった。多いときは市内に10ヵ所以上あった。現在児童館として使われている施設は、市電が廃止された78年ごろ、置き換えられた2代目が多い。
 電車の児童館は、一般の「第一種児童館」に対して「第二種児童館」に区別される。第二種は市から市社協、区社協、さらに地元団体に委託運営されている。委託料は1館あたり年間70万円程度だ。
 「第二種児童館は役割を終えた。建物の老朽化、行財政改革の一環で、第一種に児童館を一元化し、その事業を充実させたい」。市は、87ある第一種児童館を今後120に増やす計画を進めており、本年度で第二種を廃止して来年度中に電車を撤去する方向だ。現在、説明会を開き、児童館を運営する地元団体らと話し合いを進めている。7施設のうち下京区の六条児童館は話し合いの結果、すでに9月末に閉鎖された。
 中京区の「わかくさ児童館」は、母親が当番を組んで、毎日開放している熱心な児童館だ。ボランティアで本の朗読に訪れる人もいて、子どもの明るい声がいつも響いている。利用する母親は「夫もこの児童館で大きくなった。子どもだけでなく、子育てに悩む母親たちの相談の場でもあり、なぜなくすのか」と話す。
 「6月ごろに市に要望書を提出したが、市はまず廃止ありきの対応。地域の結びつきまでなくなるようで寂しい」と、わかくさ児童館の古川岩夫館長(56)。ほかにも複数の施設が存続を求める要望書を出しているが、市児童家庭課は「さまざまな意見はあるが、第一種児童館の方がいろんな面で優れた事業が受けられる」という。
 市は住民の意見を採り入れるワークショップ方式の町づくりを進めているが、小さな古い施設の存廃については利用者の声が届きにくいのだろうか。
 わかくさ児童館を運営する母親の役員(38)が「新しい施設もいいが、どこにでもある遊具をそろえ、保母さんにすべて任せるのがいいとは思わない。親が苦労しながら活動を続けることも大切。本当に豊かな教育とは何なのでしょうか」と言った言葉が心に残った。(京都新聞)
■タイ初、高架式鉄道 バンコクに開通 渋滞の解消期待
 【バンコク5日共同】タイ初の高架式鉄道であるバンコクの「スカイトレイン」が5日、プミボン国王の72歳の誕生日に合わせて開通した。大気汚染改善や世界一ひどいといわれる交通渋滞の解消が狙いで、バンコク特別行政区のピチット知事は「私有車やタクシーの利用が減り、市中心部の交通渋滞が確実に解消する」と強調している。
 スカイトレインは、タイで初めて自動式改札機も導入し、2路線で総延長は23.5`。バンコク特別行政区が1992年に民間に建設と運行を委託、12億ドルを投入した。
 料金は10−40バーツ(約30−約120円)。子ども料金はなく、身長90a以下の子どもは無料というシステム。午前6時から午前零時すぎまで、3両編成の電車がほぼ3分間隔で走行する。
 初日は家族連れで初乗車を楽しむ人々や日本人など外国人の姿が目立った。一部の駅で釣り銭切れのため、自動切符販売機が使えなくなる不手際も。乗客のメーオさん(27)は「毎日3.5バーツのバスで通勤しており、料金は高すぎる。安い定期券でもあれば乗るかもしれない。ホームまでの階段が高すぎ、お年寄りには大変だ」と話した。
 バンコクでは、交通渋滞解消のため、全長約20`の地下鉄も建設中。(京都新聞)
■山陽新幹線でまた窓にひび
 5日午前11時10分ごろ、山口市から山口県小郡町にまたがる山陽新幹線徳山−小郡駅間の第二赤岸トンネル(全長1660b)を走行中の名古屋発博多行き下り「ひかり183号」(16両編成、乗客約330人)で、12、13号車の進行方向左側(海側)の窓ガラス(縦66a、横1.7b)計2枚に左右にわたってひび割れが入っていた。運転に支障はないとして、列車は終点の博多駅まで運転を続けた。
 同社は事故が起きたとみられるトンネルを調査したが、異状はなかったという。
 また、同日午後2時半ごろにも、広島県の三原−東広島駅間にある第二高山トンネル(全長3680b)内で、東京発博多行き「のぞみ11号」の窓ガラス1枚に約1.5a四方の傷が入ったのを乗客がみつけた。山陽新幹線では列車の窓ガラスが損傷する事故が相次ぎ、10月21日以降、計19件目。(朝日新聞)
7日■JR新幹線 京都駅”雅”に変身 35年ぶり大改装 15日に完成 ホームなど白基調
 昨年9月から進められていた京都市下京区のJR新幹線京都駅の大規模改装工事が15日に完成する。今回のような大がかりな工事は、1964年に東京駅から新大阪駅に新幹線が開通して以来、35年ぶり。「雅(みやび)」がテーマで、古都の玄関口は白色を基調に明るいイメージを強調している。
 大きく改装したのは、新幹線ホームと2階コンコース。ホームは灰色だった床面6000平方bを白いタイル張りにした。コンコースは床面3000平方bと壁、柱に乳白色の大理石を使った。障害者が利用しやすいようにバリアフリーを進め、車いす対応型のエスカレーター3基を増設したのをはじめ、トイレはコンコースとの段差をなくした。
 また、女性がゆったり使えるよう、大きな鏡をつけた女性トイレを3ヵ所増設した。東改札口付近の待合スペースには、利用者の利便性を高めるため、新幹線の出発時刻を掲示するモニターも新設した。
 コンコースにあるみやげ店ゾーンも新装した。JR名古屋駅に次いで全国2番目に化粧品や香などを扱う女性専門店や、和歌山や大阪、奈良などの近畿地区のみやげを集めた特設コーナーも設けた。従来、対面式だった販売方法も工夫し、コンビニ式に商品を陳列して品物を自由に選べるようにした。事業費は約27億円。
 4年ぶりに若手から修学旅行の高校生を引率してきた鈴木淳一教諭(43)は「明るい雰囲気で、床もきれい」と感想を語っていた。JR東海は「(JR西日本主体の)京都駅ビルのイメージは『シック』『わび』『さび』なので、対比を狙った。清潔で明るく生まれ変わった新幹線京都駅をぜひ利用してほしい」と話している。(京都新聞)
■山陽「ひかり」 運転台窓にひび コンクリ片直撃か 破片? 白い粉状物質付着
 6日午前11時10分ごろ、岡山発東京行き「ひかり160号」が兵庫県内の山陽新幹線西明石−新神戸間を走行中、運転台の窓ガラスにひびが入っているのに運転士が気づいた。JR西日本とJR東海が調べたところ、窓ガラスに白い粉状の物質が付着していることがわかった。砕けて散乱したコンクリート片ともみられ、トンネルの内壁からはがれ落ちて窓ガラスを直撃した可能性があるとみて、粉の成分特定を急いでいる。車両を所有するJR東海は、列車の屋根上などに衝突痕が残っていないかどうかも点検している。
 JR西日本とJR東海によると、ひかり160号は「300系」車両。ひびは先頭車両にある運転台の窓ガラスにあり、直径約1aの衝突痕の上下に約15aにわたって延びていた。運転台の窓ガラスは4枚重ねで、ひびは一番外側の普通ガラスだけにあった。新大阪駅で車両を交換し、近くの大阪第一車両所(大阪府摂津市)で点検して、運転台の窓ガラスに白い粉状の物質が付着していたことがわかった。この白い粉は、コンクリートの破片の可能性もあるとみられている。
 岡山駅での出発前の点検では、ひびは確認されておらず、岡山−新神戸間を走行中にできたとみられる。同区間には計30本のトンネルがあり、いずれかのトンネルを通過中、内壁からはがれ落ちるなどしたコンクリート片が窓ガラスを直撃した可能性もあるという。このため、JR西日本は7日未明から、同区間のトンネル内を中心に落下物がないかどうか点検する。
 山陽新幹線の全トンネルでは北九州トンネルの崩落事故をきっかけに、10月25日からトンネルを総点検している。この総点検が始まった前後から、山陽新幹線では列車の窓ガラスにひびや傷が入る事故が相次ぎ、約20件にのぼっているが、運転台の窓ガラスにひびが入ったのは初めてという。
 窓ガラスにひびが入った原因はいずれもわかっておらず、JR西日本は今後、総点検作業との関連も調べる方針。(朝日新聞)
■コンクリ片 計5キロ落下 新潟のトンネル
 6日午前10時25分ごろ、新潟県能生町能生のJR北陸線能生−名立間の頚城トンネル(全長11.4`)内の能生駅から9.3`付近で、上下線の間にコンクリート片6個、計約5`が落ちているのを線路点検中の社員が発見した。最大片は縦10a、横30a、厚さ4aで約2`あった。車両や人への被害はなかったが、後続の列車がトンネル内の一部約1`で徐行運転をした。同トンネルでは10月26日にも、縦60a、横40a、厚さ2aで約4.5`のコンクリート片がトンネル側壁部からはがれ落ちたばかりだ。
 JR西日本金沢支社によると、コンクリート片は高さ6.3bのトンネル上部からはく落していた。(朝日新聞)
■JR駅・売店で偽5000円札発見 和歌山で計5枚
 和歌山県のJR白浜駅やJR紀伊田辺駅内の売店などで、偽5000円札計5枚が相次いで見つかっていたことが6日、分かった。和歌山県警捜査二課が通貨偽造などの疑いで捜査している。関西を中心に相次いで見つかっている偽5000円札と特徴がよく似ているという。
 調べでは、4日、白浜駅内の売店2店と同駅前のみやげ物店2店から偽5000円札計4枚が見つかった。また、紀伊河辺駅の売店でも1枚見つかった。(朝日新聞)
■京都バスと車衝突2人けが
 7日午前7時半ごろ、京都市北区上賀茂ケシ山の市道で、上京区寺之内通大宮西入ル、会社員西井勝功さん(35)の乗用車が、京都駅行き京都バス=野中隆幸運転手(33)=と正面衝突した。乗客約40人のうち左京区の小学1年の女児(6つ)と、乗用車の助手席にいた北区の会社員(26)が足などに軽いけがをした。
 上鴨署によると、現場は道幅の狭い急カーブで坂道だった。乗客は後続や代行バスに乗り換えた。(京都新聞 夕刊)
8日■京都−新大阪間? 窓ガラスにひび 東海道新幹線
 7日午後8時40分ごろ、東海道新幹線のJR新大阪駅に到着した東京発新大阪行きのぞみ63号(16両編成)の乗客が、15号車の窓ガラスにひびが入っている、と駅員に届けた。
 JR東海によると、15号車の窓ガラスに、何かが当たった跡(縦2a、横1.5a)があり、跡から半円状にひびが入っていた。乗客は「京都−新大阪間を走行中にひびが入った」と話しているといい、JR東海で路線周辺を点検している。
 ひびによる安全性の問題はなく、窓ガラスはすぐに交換するという。(京都新聞)
■大阪市営地下鉄は最寄り駅に一時停止
 コンピューター2000年問題で、大阪市は7日、大みそかから元日にかけて終夜運転する市営地下鉄とニュートラムを、日付が変わる前後の数分間、最寄りの駅に停車させる、と発表した。
 市営地下鉄とニュートラムは毎年、初もうで客を運ぶため大みそかに終夜運転している。市交通局によると、列車運行のシステムの対応は終えているが、外部の事故で停電なども考えられるため、日付が変わる直前に全列車を一時駅に止める。対象は31本。(朝日新聞)
■車と路線バス衝突 乗客ら2人が軽傷 北区の市道
 7日午前7時半ごろ、北区上賀茂ケシ山の市道で、上京区寺之内通大宮西入下ル聖天町、会社員西井勝功さん(35)運転の乗用車と、対向してきた岩倉村松発京都駅行きの京都バス=野中陸幸運転手(33)=が衝突、バスに乗っていた乗客約40人のうち、左京区岩倉花園町、小学1年本田ゆりさん(6つ)がひざなどに軽いけが。西井さんの同乗者も腹などに軽いけがを負った。
 上鴨署の調べでは、現場は見通しの悪いカーブで、詳しい原因を調べている。(朝日新聞)
■地下鉄サリン 散布の2人 死刑求刑 送迎役に無期懲役
 12人の死者と5000人を超える負傷者を出した1995年3月の地下鉄サリン事件などで、殺人や殺人未遂の罪などに問われたオウム真理教元幹部の豊田亨(31)、広瀬健一(35)、杉本繁郎(40)の3被告に対する論告求刑公判が7日、東京地裁(山崎学裁判長)であった。論告で検察側はサリンを散布したとされる豊田、広瀬両被告について「謀議や準備行為に狭く関与したうえ、サリン散布という中核部分を担った刑事責任は余りにも重大で、極刑をもって臨むほかない」と述べ、死刑を求刑。散布役を送迎したとされる杉本被告には無期懲役を求刑した。最終弁論は来年3月2日の予定。
 検察側は、杉本被告についても「運転手として計画通り犯行を遂行させた責任は誠に重大だ」としたものの、「豊田、広瀬両被告の役割と比べて、おのずから差異があり、量刑上考慮せざるを得ない」と、無期懲役を求めた理由を述べた。
 この事件では、教団前代表の松本智津夫被告(44)ら14人が殺人と殺人未遂罪で起訴された。検察側は散布役には死刑、送迎役には無期懲役という求刑の基準で臨んでおり、これに沿った形となった。散布役では、横山真人被告(36)に死刑判決=控訴中=が言い渡されているほか、林郁夫服役囚(52)は自首が認められ、無期懲役が確定している。
 検察側は、この日の論告で松本被告らとの共謀の成立を指摘したうえで、被告らが現場を下見したり、変装用衣服を購入したりしたことなどを挙げ、「3被告は教団幹部として、松本被告から評価されたいとの自己の欲求を満たすため、積極的かつ能動的に一連の犯行を敢行した」と述べた。
 また、2つの信徒リンチ殺害事件でも殺人罪などに問われている杉本被告について、検察側は「自発的に申し立てたことを端緒として、捜査が開始された」として、両事件に関しての自首が成立することを認めた。
・3被告の起訴事実
 【豊田亨被告】地下鉄サリン 中目黒駅から日比谷線に乗車してサリンを散布(殺人、殺人未遂)▽都庁爆弾 郵便で都知事あてに爆弾を送り、職員1人が大けが(殺人未遂、爆発物取締罰則違反)▽新宿駅青酸ガス 新宿駅のトイレに青酸ガス発生装置を置く(殺人未遂)▽銃密造 自動小銃を密造(武器等製造法違反)
 【広瀬健一被告】地下鉄サリン 池袋駅から丸ノ内線に乗車してサリンを散布(殺人、殺人未遂)▽銃密造
 自動小統を密造(武器等製造法違反)
 【杉本繁郎被告】地下鉄サリン 散布役の林泰男被告を送迎(殺人、殺人未遂)▽落田耕太郎さん殺害
 信徒だった落田さんをリンチして殺害(殺人)▽富田俊男さん殺害 信徒だった富田さんをリンチして殺害し、遺体を焼却処分(殺人、死体損壊)(朝日新聞)
■500系のぞみ車両に穴 山陽新幹線 東京・博多 ホームに停車中
 山陽新幹線博多総合車両所(福岡県那珂川町)で、東京発博多行き下り「のぞみ1号」(16両編成)が博多駅到着後に車両を検査した結果、車体に穴があいていたことが7日、分かった。穴の形状から走行時ではなく、ホームなどに停車中に発生した疑いが強いとみられ、JR西日本は、いたずらの可能性もあるとみて原因を調べている。一方、同社はこのトラブルについて公表していなかった。
 JR西日本によると、穴があいているのが見つかったのは、7日午前11時15分ごろ、博多総合車両所で折り返し運転のための点検に入っていた東京駅をこの日の午前6時に出発したのぞみ1号。最高時速300`の新型「500系」車両で、10号車の窓ガラス下のアルミ製車体に縦1.5a、横1.3aのほぼ正方形の穴が1つあいていた。穴の中には水が入っており、洗浄した際の水か、雨水かは判別できていない。
 JR西日本は、穴の形状などから走行中に発生した可能性は低いとしている。この車両は、前日の6日夜に東京第一車両所(東京都品川区)で仕業検査した際には異状はなかったという。このため、この車両が6日午後11時29分に東京駅のホームに到着してから、翌日の午前6時に発車するまでの停車中か、発車後に京都駅など途中の停車駅でホームに停車中のいずれかで穴があいたとみている。同社は、何者かがいたずらで停車中に穴をあけた可能性もあるとみて調べを進めている。
 公表しなかった理由について、JR西日本広報室は「いたずらの可能性があり、模倣犯の現れる恐れもあるため公表を控えた」と説明している。(朝日新聞)
■東海道・山陽新幹線 のぞみの車体に穴 JR西日本 停車中にいたずら?
 東海道・山陽新幹線の東京発博多行きのぞみ1号(500系)のアルミ製車体に、縦約1.5a、横約1.3aの穴が開いていたことが8日、分かった。車両を所有するJR西日本は、走行中にできた損傷ではなく、駅に停車中に何者かが鈍器などを使って損壊した、悪質ないたずらとみて調べている。
 問題の穴はほぼ正方形で、10号車の進行方向左側(海側)窓ガラス下約10aの個所。7日午前11時すぎ、博多総合車両所(福岡県)で点検した際に見つかった。
 のぞみ1号は、6日午後11時半ごろ、東京駅ホームに入り、翌7日午前6時に同駅を出発している。
 同社は、東京駅での停車中か、7日午前の営業運転中の停車駅で、穴が開けられたとみている。(京都新聞 夕刊)
9日■地下鉄東西線延伸 調査など重点10項目 政府予算へ要望
 京都市は8日、2000年度政府予算への重点要望事項をまとめた。地下鉄東西線の延伸調査や介護保険の整備に向けた財政援助など10項目。9日から省庁や地元国会議員への働きかけを始める。
 このほか京都市に建設予定の総合地球環境学研究所(仮称)の準備費、京都迎賓館や京都高速道路(新十条通と油小路線)の建設促進、工場等制限法の見直し、国民健康保険制度の抜本改革−などを挙げた。
 財政事情を受けて、市税収入の基幹となる固定資産税に関して、2000年度の評価替えと税制改正で、大幅な収入減とならないよう求めるとともに、市町村に7割が交付されるゴルフ場利用税の存続も訴え、合わせて緊急要望とした。(京都新聞)
■介護事業に近鉄が参入
 近畿日本鉄道は8日、2001年3月までに高齢者などを対象とした介護事業に参入する計画を明らかにした。来年4月の介護保険制度導入に合わせて子会社を設立し、近鉄沿線の住宅地に日帰り介護もできる施設を数ヵ所建設する。
 提供するサービスは日帰り介護のほかホームヘルパーの派遣、介護プランの作成など。新会社の資本金や施設数、売り上げ目標など事業の詳細は来年春までに決める。(京都新聞)
■山陽新幹線トンネル総点検 4万ヵ所で異常音 たたき落とし 必要個所は1万
 山陽新幹線の全142のトンネルで実施している総点検で、JR西日本は8日、打音検査の結果、異常個所が全部で約4万ヵ所、うちコンクリートのたたき落としが必要な個所が、これまでに落とした分を含めて約1万ヵ所に上ることを明らかにした。コンクリー卜の補修方法などについて同日、同社が運輸省の「トンネル安全問題検討会」に報告したことに伴い、鉄道本部長の金井耿専務が発表した。
 金井専務によると、今月1日までに全トンネルで打音検査を終了した。その結果、異常音が確認された個所のうち、ひび割れを示す濁音が6000ヵ所弱、また濁音とは異なる「軽音」が3万ヵ所強、さらに「ジャンカ」といわれるコンクリート内部のすき間や亀裂が千数百ヵ所あった。
 このうち、軽音があった個所の約3割とジャンカの9割、計1万ヵ所前後についてはたたき落としが必要と判断。残りの個所については、たたき落としの必要はないとして、ステンレス製ネットや鋼板で補強するほか、補修などの予防措置やサンプリング調査、個別監視をするとしている。
 金井専務は「異常個所が増えたことは厳粛に受け止める。見逃してきた、といわれればそうかも知れないが、今回の点検で危険個所を把握できた意義は大きい」としている。(京都新聞)
■「居眠り」原因 2人書類送検 新幹線保守用車の事故
 神戸市西区の山陽新幹線上り線で9月、保守用車が別の保守用車に追突し作業員3人が重軽傷を負った事故で、兵庫県警捜査一課などは8日、追突直前まで居眠りをし、ブレーキ操作を誤ったとして、業務上過失傷害容疑などで、追突した保守用車を運転していた下請け会社の嘱託社員(63)と同乗していた運行作業責任者(62)を書類送検した。
 書類送検を受けて、JR西日本は「多大な迷惑をかけたことを深く反省し、指導体制や教育、機械装置など多方面から再発防止策を実施していきたい」とのコメントを出した。
 調べによると、2人は9月27日午前4時半ごろ、山陽新幹線新神戸−西明石間の上り線で、事故直前まで居眠りし十分な前方注視を怠ったうえ、誤ってブレーキ解除ボタンを押して操作が遅れ、一緒に保守基地に戻るため前方で待機していた別の保守用車に追突。計3両が脱線し、作業員3人に重軽傷を負わせた疑い。(京都新聞)
■市バス、4系統が運行 年末年始のダイヤ発表 京都市交通局 地下鉄は計56本
 京都市交通局は8日、初もうで客の利便を図るため、大みそかから翌1月1日にかけて終夜運行する市バスと地下鉄の臨時ダイヤを発表した。
 市バスは昨年同様、市内の主要社寺を回る4系統を運行する。JR京都駅前から四条大宮を経由、北野天満宮前行きの特50号系統、四条大宮から二条駅前経由で同天満宮を結ぶ特55号系統、四条大宮から北野天満宮前、出町柳駅前を経て平安神宮(京都会館美術館前)までの特201号系統、JR京都駅前から七条京阪前を通り、清水寺(五条坂)に向かう特206号系統−など。
 31日午後9時−同10時ごろを始発に、1日午前5時ごろ(特206号は午前2時半まで)まで、おおむね10分から30分間隔で運行する。運賃はいずれも均一の220円。
 一方、地下鉄は31日午後11時半すぎから、1日午前5時ごろにかけて、烏丸線、東西線とも上下14本ずつ計56本を約20分間隔で運行する。コンピューターが誤作動を起こす恐れがある2000年間題に備え、1日午前零時前後に走る計4本の電車は、最寄り駅で最大3分間、一時停車させる。
 市交通局によると、昨年の終夜運行で、市バスで約7000人、地下鉄は烏丸、東西の両線を合わせて約1万8000人が利用した。(京都新聞)
■窓 「運転士になれたよ」に感涙 綾部市・中瀬 正直(無職・84)
 2日付本紙朝刊に掲載された「運転士になれたよ」を読んで感動した。東京都内の会社員、新田和久さんの長男朋宏君。16歳の心臓病の少年の夢は運転士になりたいこと。母子ともに生後心臓病で入退院。9歳の時、母親と死別した薄幸の身。私は80余年の生涯を通じて数多くの夢が消滅した。それだけに胸がつまる。朋宏君は周囲の協力で運転士となって江ノ電に乗ったが、わずか数日後に亡くなった。君の心情を察すると、あまりにも短かった夢は残酷である。
 老いの目に涙はとどまりなく流れた。朋宏君、夢はもっと長く続いてほしかったことと思う。しかし、短くても夢は実現したのだから、安らかに眠りたまえ。ひたすら、めい福を祈っております。(京都新聞)
■山陽新幹線 落下の恐れ1万1000ヵ所 JR西日本 トンネルを補修 異常音は4万ヵ所
 JR西日本は8日、山陽新幹線の全トンネルで進めている総点検で、ハンマーでたたく打音検査を終えた結果、コンクリート劣化の可能性のある異常音が4万ヵ所前後で見つかった、と発表した。このうち約1万1000ヵ所については、落下の恐れがあるとして総点検期間内にたたき落とし作業や補強が必要だと見込まれた。山陽新幹線のトンネルで広範囲にコンクリート劣化の進んでいる実態が初めて明らかになった。打音検査時に落とせる個所はたたき落としており、すぐにはがれ落ちる危険性は低いとしているが、総点検が終わる今月15日までに、落下の恐れのあるすべての個所でたたき落としや補強工事を終える計画だ。
 JR西日本は、山陽新幹線の142本すべてのトンネルで10月25日から今月15日までの予定で総点検を実施している。トンネル内壁のほぼすべての壁面をハンマーでたたき、コンクリート内部の劣化状況を把握する打音検査が中心だ。すでに打音検査は11月30日に終わっており、現在、異常音個所のたたき落としなど補修・補強を始めている。
 同社が8日までにまとめた打音検査の集計結果(速報値)によると、全トンネルの表面積(590万平方b)のうち、コンクリートが劣化している可能性がある個所は計4万ヵ所前後にのぼった。このうち、落下の可能性があるとして、総点検期間内にたたき落としなど落下防止対策が必要とされる個所を「a」ランクと判定したところ、aランクはすべての異常音個所の約3割にあたる計約1万1000ヵ所と見込まれた。これには、すでに打音検査の最中にたたき落とした個所も含まれるという。
 この1万1000ヵ所は、壁面の一定区画が亀裂で囲まれていたり、コンクリート内部に「ジャンカ」と呼ばれるすき間があるなどしてコンクリートが浮き上がっていたりするなどの劣化が進行している個所だ。大半はハンマーでたたき落とせるとみられ、残り200ヵ所程度の亀裂や浮きなどの劣化個所については、ステンレス製のネットや鋼材で劣化個所を囲い込んで固定する補強工事を実施する方針だ。
 このほか、緊急度が比較的低いとして今年度内に補強工事が必要とされる個所を「b」ランクと判定。230ヵ所程度の漏水のある亀裂をbランクとして、引き続き対策を講じる。これまでにトンネルの強度そのものに問題がある個所は見つかっていないという。
 異常音個所の分布はまとまっていないが、広島、山口両県内にある三原−新下関間のトンネルに異常音個所が多かったという。
 異常音個所のうち、緊急の補修・補強は必要ないとされた残り約2万8000ヵ所については、コンクリート内部から核を抜き取り、異常音があった理由を調べたうえで安全性を確認する計画だ。
・劣化の実態見逃した
 JR西日本の金井耿・鉄道本部長の話 集計は終わっていないが、はく落につながる可能性もある個所が4万ヵ所もあったことには、今後とも管理するべき対象として厳粛に受け止めている。今回初めて山陽新幹線のトンネルの実態が明らかになり、これまで劣化の実態を見逃してきたと指摘されたらその通りだ。引き続き、総点検期間内の完了を目指して補修や補強の作業を進めていきたい。(朝日新聞)
■山陽新幹線 危険個所、毎日200本通過 JR西日本 利用者流出に不安
 山陽新幹線の全トンネルで、コンクリート劣化が進んでいる可能性のある個所が4万ヵ所にのぼっていた実態が8日、明らかになった。このうち落下する可能性があるため、たたき落としや補強工事が必要な個所が1万1000ヵ所。コンクリートの落下する可能性が否定できないトンネルを毎日200本以上の列車が、薄氷を踏む思いで通過しているとも言える。
 JR西日本は、10月9日の北九州トンネル崩落事故をきっかけに、10月25日から、山陽新幹線すべてのトンネルで総点検を始めた。とくに広島−博多間では深夜一部の列車を部分運休させて作業時間を広げるなど、延べ4万9000人の作業員を動員する例のない点検だ。
 落下対策は、打音検査による異常音個所すべてで、コンクリートをたたき落とすことが基本だ。簡単にたたき落とせない個所は、ステンレス製の「エキスバンドメタル」という網を異常音個所を囲むように取り付けて補強する。大きさが数bに及ぶ個所には、鉄材の金具で傷口を縫い合わせるように固定する方法も併用する。この対策で、10−20年は安全を確保できるという。
 落下対策の「期限」は緊急度の高さに応じて分類された。打音検査時にたたき落とせる個所はすでにたたき落とした。亀裂や浮きなどの状態から落下の恐れがある個所は「a」ランクと判定し、今月15日までの総点検期間内に対策を講じるとして作業を急いでいる最中だ。
 ただ、この1万1000ヵ所のaランク個所のうち、すでに対策を講じ終えた個所数は明らかにしなかった。作業の結果、期限内に終わらない事態が生じた場合には、部分運休も含めた総点検期間の延長も考慮に入れなければなるまい。
 JR西日本の金井耿・鉄道本部長は、この日の記者会見で「2回のはく落事故の経験を重く受け止めている」と語った。総点検を始める際に期限を設定したのは、年末年始の最繁忙期までに間に合わせたいという思惑が見え隠れしていた。経営陣には、利用者の山陽新幹線への信頼回復が遅れることで、航空機や乗用車など対抗輸送機関に奪われるとの不安は根強い。
 今年度内に対策を講じるべき個所も230ヵ所程度あり、トンネルの保守・管理作業はその後も続く。(朝日新聞)
■保守車両追突 居眠り、ブレーキ解除 容疑で運転手ら書類送検
 神戸市西区の山陽新幹線新神戸−西明石間で9月、保守点検車両が追突して作業員3人が重軽傷を負った事故で、兵庫県警捜査一課と神戸西署は8日、追突した車両の運転手らによる居眠りが事故原因だったとして、運転手で大鉄工業(大阪市淀川区)の嘱託社員(63)と、同乗していた作業責任者で新神戸軌道(神戸市西区)の社員(62)を業務上過失致傷、業務上過失往来危険容疑で神戸地検に書類送検した。運転手は「居眠りをして誤ってブレーキ解除ボタンを押した」と供述しているという。
 調べによると、運転手と作業責任者は9月27日午前4時20分ごろ、西区伊川谷町長坂の同新神戸−西明石間の上り線で、居眠りをして車両のブレーキ操作を誤り、前で停車していた車両に追突、前方車両の作業員3人に重軽傷を負わせた疑い。運転手らはブレーキをかけながら前方車両に近づいていたが、約300b手前でブレーキ解除ボタンを押したという。大鉄工業はJR西日本の元請け業者で、新神戸軌道は大鉄工業の下請け業者だった。
 この事故で山陽新幹線は新大阪−姫路間で上下線とも始発からとまり、上下計25本が運休するなどした。JR西日本は8日、工藤一能・安全対策室長名で「お客様に多大な迷惑をかけたことを深く反省し、多方面から再発防止の対策を実施していきたい」とのコメントを出した。(朝日新聞)
■近鉄 シルバー事業参入へ
 近畿日本鉄道は8日、2000年度から介護保険制度が導入されるのに合わせ、お年寄りの介護を中心とするシルバーサービス事業に参入する、と発表した。子会社の「近鉄興業」(本社・奈良市)が出資して新会社を設立し、来年春から営業を始める予定。この会社で介護の知識、技術を積み上げたうえで、将来はホテル、旅行、不動産などグループ各社でシルバーサービスを展開する。
 近鉄は、本業の鉄道事業が伸び悩んでいるため、「グループ全体でシルバー事業に取り組み、新たな事業の柱にしたい」(辻井昭雄社長)という。(朝日新聞)
■子会社を統合
 近畿日本鉄道は8日、自動車の販売、整備を手がける子会社、関連会社がいずれも不振のため、統合して業務の効率化を図る、と発表した。近鉄モータース(本社・東京)、近鉄芝浦自動車整備(同)、近鉄モータース販売(神戸市)の3社を来年4月に合併させ、近鉄モータースが存続会社となる。(朝日新聞)
■大阪モノレール、年越しは停車
 コンピューターが誤作動する恐れがある「2000年問題」で、大阪モノレールは8日、大阪空港−門真市(21.2`)で年末年始に運行させる臨時列車のうち、2000年1月1日午前零時をまたぐ列車について、最寄り駅で停車させると発表した。万博記念公園−阪大病院前(2.6`)を結ぶ彩都線では臨時列車はない。(朝日新聞)
■JRで信号停止 乗客1200人に影響 向日町操車場
 9日午前5時5分ごろ、向日市寺戸町のJR東海道線向日町操車場で、京都行きの回送列車が同操車場を出発しようとしたところ、信号が赤のまま変わらなくなり現場に立ち往生した。同列車は係員の手信号で26分後に同操車場を出発、信号は同6時復旧した。
 この影響で、奈良線の上り普通列車1本が運休したほか、特急「はるか」(草津発関西空港行き)など3本が部分運休し、乗客約1200人の足が乱れた。
 JR西日本は、信号の電気配線に問題が起きていたといい、原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■旧国鉄時代のディーゼル車 最後の”お勤め” 米子−境港間 12日引退
 全国のJRで唯一、旧国鉄時代の赤とクリーム色の塗装を残すディーゼル車(1両編成)が12日の引退を前に、境線(鳥取県米子−境港間)で最後の“お勤め”を続けている。
 この車両の走行距離は、347万8800`で、地球87周分。前と後ろに車両のタイプを表示する記番号を盛り込んだ「ありがとう キハ52」のマークが付けられている。その姿に、沿線にはカメラのレンズを向ける熱心な鉄道ファンの列が。
 12日までは、境線を毎日3往復。同日は、最終列車(1往復)の運転士と車掌が旧国鉄時代の制服、制帽を着用。午後3時55分から、米子駅(鳥取県米子市)で引退式典が行われる。(京都新聞 夕刊)
■関空と徳島駅結ぶバス運行 来春めどに3社
 南海電気鉄道、関西空港交通、徳島バスの3社は来年3月をめどに、関西空港とJR徳島駅を結ぶリムジンバスを共同で運行する。午前5時の徳島駅発から午後9時20分の関空発まで、1日に14往復、28便を運行。この区間を2時間40分で走る。普通運賃は関空−徳島駅で、おとな4000円、子ども2000円、回数乗車券も販売する。
 関空発のバスは、阪神高速道路などを使って大阪湾岸を回り、明石海峡大橋、神戸淡路鳴門自動車道を通って淡路島を縦断。復路も同じルートを通る。
 関空と徳島を結ぶ交通は現在、徳島関空ライン(本社・徳島市)が高速船を運航しているが、来年春をめどに運航取りやめを検討しており、3社はリムジンバスを共同で運行することにした。(朝日新聞 夕刊)
10日■安全管理態勢など検査へ 検査院がJR西日本を
 今年6月と10月に相次いで起きたJR山陽新幹線のトンネル内のコンクリート落下事故で、会計検査院は9日までに、JR西日本(大阪市)が行った工事や安全管理が十分なものだったかどうか検査する方針を固めた。
 国が出資しているJR各社には毎年検査が行われ、本年度分の経理などについては既に検査を始めており、一般の会計検査のほかに保守、点検など安全管理の社内態勢を検査項目として追加する。
 検査院は、安全面を考慮したはずの同社の発注通り施工工事が行われていたのか、定期点検などの安全対策は十分に取られていたのかなど、会計経理の面から調べたいとしている。
 JR山陽新幹線の福岡トンネル=福岡県久山町=で6月、コンクリート塊が落下、走行中の新幹線の屋根が損傷する事故が起きた。JR西日本はこの事故後、全トンネルで打者検査するなどして安全を確認した。しかし10月には北九州市の北九州トンネルでコンクリート塊が落下しているのが見つかっていた。(京都新聞)
■男性はねられ死亡 向日の阪急京都線
 9日午後6時55分ごろ、向日市寺戸町二枚田、阪急京都線の踏み切り近くで、男性が河原町行き急行列車にはねられ、死亡した。
 急行列車の運転士によると、列車が踏み切りにさしかかった際、線路に立っている男性を発見、警笛を鳴らしつつ、急ブレーキをかけたが、男性は線路にうつ伏せになった、という。
 向日町署で男性の身元の確認を急いでいる。
 この事故で、はねた急行列車が9分遅れるなど、上下線計11本、乗客約1万人の足に影響が出た。(京都新聞)
■トンネル内壁から木片 新幹線 福岡に次ぎ広島も 手抜き工事裏付け セメント袋も見つかる
 山陽新幹線の全トンネルで進められている総点検で、広島県内のトンネルのコンクリート内壁の中から、ベニヤ板とみられる木片7枚と、セメント袋の切れ端などが相次いで見つかっていたことが9日、分かった。JR西日本は、木片は施工時の型枠の一部などで、取り除き損ねていたとみている。6月末にコンクリート塊が落下した福岡トンネル(福岡県久山町)の内壁からも木片などが見つかっている。相次ぐ異物の発見で、建設当時の「手抜き」ぶりがあらためて裏づけられた格好だ。
 JR西日本によると、木片などが見つかったのは、広島県竹原市の山陽新幹線三原−東広島間にある竹原トンネル(全長5.3`)。同社は、10月25日から142本すべてのトンネル内で総点検を始め、竹原トンネルでは11月上旬、コンクリートの壁面をハンマーでたたく打音検査を実施した。複数の作業員が、同トンネルのアーチ部と側壁部の接合部付近(高さ約3.5b)を中心にハンマーでたたいている最中に見つけた。
 同トンネルから見つかった木片は計7枚。コンクリート内に埋め込まれたようになっているため、大きさは分からないが、このうちの2枚は、同トンネルのほぼ中央付近で、厚さ約10a、長さ約1bの木片の断面が見えたという。さらに、セメント袋や麻袋など施工時に利用されていたとみられる紙切れなども数枚あったほか、鉄筋の一部とみられる鉄材も内壁から見えていたという。
 木片は、トンネルを掘削する際やコンクリートを流し込む作業の際に、コンクリートを支えるための型枠などとして使われたベニヤ坂の一部とみられる。本来は施工後に取り除かれるはずだが、施工業者が取り除き損ねたりしたらしい。見つかった木片は、強度上などの理由で、あえて内壁から抜き取らなかったという。JR西日本は「いずれの木片も、トンネルの強度に影響を及ぼすほどのものではない」と話している。
 トンネル総点検では、小倉−博多間の福岡トンネルでも、11月上旬に竹原トンネルと同じアーチ部と側壁部の接合部付近で、厚さ約1aの木片1枚などが見つかっている。
 また、山陽新幹線では、阪神大震災で倒壊した兵庫県内の鉄筋コンクリート製高架橋の橋脚内から、施工時に使われたとみられる角材などが見つかっている。(朝日新聞)
■台風18号で新幹線立ち往生 「人為ミス重なった」 中国運輸局へ報告
 台風18号の影響による停電がきっかけで山陽新幹線が9月末、最大11時間立ち往生したトラブルで、JR西日本は9日、原因と再発防止策についての調査結果を運輸省中国運輸局(広島市)に報告した。乗務員がマニュアル通りに対応できなかった人為ミスが重なったことが主な原因とみて、乗務員の緊急訓練などの対策を講じるとしている。同社はすでに、中国運輸局から再発防止策などを求める警告書を受けていた。
 報告書は、原因究明と復旧作業に長時間かかったことを指摘。その原因について、@ひかりの乗務員がパンタグラフの点検など基本的な確認作業を怠り、原因究明が遅れたA停電時のバッテリーの放電防止処置を適切にとらなかったため電圧が低下してエアコンが切れ、一部の列車は自力で動けなくなったBバッテリーの応急処置で、沿線にある救援用の電源変換装置を活用できなかった−などとした。
 再発防止策として、乗務員全員を対象に緊急訓練を実施しているが、さらにマニュアルを一部見直して訓練装置を導入するほか、被害状況を本社に迅速に伝えるため、現場の画像を伝送するシステムも導入する計画だという。(朝日新聞)
■地下鉄サリン 林泰男被告に論告求刑 「地位上昇願い犯行」
 地下鉄サリン事件の実行犯として殺人、殺人未遂罪などに問われたオウム真理教元幹部、林泰男被告(41)の論告求刑公判が10日、東京地裁(木村烈裁判長)で開かれた。
 検察側は「盗聴などの違法行為や、サリンプラント建設、松本、地下鉄両サリン事件などに加わり、ヴァジラヤーナ(殺人を容認する教義)路線を積極的かつ主体的に実行した」などと指摘。「松本智津夫被告(44)=教祖名麻原彰晃=の信頼を得て地位の上昇を願っての犯行で、骨の髄まで教義を信奉していた」と述べた。求刑は午後に行われる。(京都新聞 夕刊)
■特急と衝突 父と子死亡 松山、JR予讃線踏切
 10日午前7時55分ごろ、松山市朝日ケ丘二丁目のJR予讃線衣山第二踏切(警報機、遮断機つき)で、同市衣山五丁目、会社員岡田真さん(27)運転の乗用車と、高松発宇和島行き下り特急いしづち1号(4両編成、乗客約200人)が衝突、乗用車は約15b引きずられて大破し、岡田さんと長女で保育園児の桃花ちゃん(2つ)の2人が胸や頭を強く打って間もなく死亡した。列車の乗客にけがはなかったが、列車は現場に約25分間停車するなど予讃線はダイヤが乱れた。
 松山東署の調べでは、岡田さんは出勤途中に桃花ちゃんを市内の保育園に送っていく途中とみられ、運転士は「乗用車が踏切内で立ち往生していた」と話している。遮断機や警報機に異常は見当たらず、遮断機は下りていたとみられる。(朝日新聞 夕刊)
11日■疑似2000年問題 1並び乗車券購入殺到する? パソコンウイルスにも注意 おめでとうコール集中か 越年変更の電話番号も
 除夜の鐘を聞きながらの「おめでとう」コールが殺到し、電話回線がパンクする−コンピューターが誤作動する2000年間題と勘違いするような「2000年問題もどき」の可能性が関係者の間で指摘されている。
 NTT東日本、西日本は、料金明細とともに家庭に送られてくるチラシ「ハローインフォメーション」12月号に、年末年始の通話を控える異例の「お願い」を印刷した。大みそかの深夜から1日にかけては、年始のあいさつで電話の利用が集中し、交換機の通話量を抑える装置が働いて、つながりにくい年もあった。ミレニアムのカウントダウンや通話できるか確認する電話で、さらに通話量が増える可能性があるとみる。
 しかも、大阪府の市外局番0720地域(枚方、寝屋川、大東、交野市など)では、1月1日午前2時に末尾の「0」を取り、市内局番の頭に「8」をつける電話番号の変更をする。このため、変更前の番号を回した利用者が、「電話が通じない」と騒ぎ出す可能性もある。
 JR6社の切符を販売するシステムを運営している鉄道情報システム(本社・東京)は、「1月1日午前11時11分」などの時間を想定して警戒する。ちょうど1ヵ月前、「平成11年11月11日午前11時11分」の入場券を買い求める客が殺到し、販売システムの「マルス」がパンク。一時、新幹線の乗車券や指定席券が発売できなくなった経験があるからだ。1月1日に同様の事態になれば、これも2000年間題と勘違いされる可能性がある。
 一方、日本電子機械工業会は、カーナビゲーションの一部製品が1月1日以降、誤作動を起こす、と発表した。2000年間題とは関係ないプログラム上のミスだが、これも「もどき」の一種。
 コンピューターウイルスでは、「Y2Kウイルス」も出回り始めている。住友海上リスク総合研究所の小林誠主任研究員は「ウイルスが『プレゼント』として送られるクリスマス近辺は注意が必要」と指摘している。(朝日新聞)
■地下鉄サリン 林 泰男被告に死刑求刑 検察側 「犯行に積極的」
 12人が死亡し5000人余が負傷した地下鉄サリン事件など、オウム真理教が起こした3事件に関与したとして殺人罪などに問われている教団元幹部・林泰男被告(41)に対する論告求刑公判が10日、東京地裁(木村烈裁判長)であり、検察側は死刑を求刑した。論告は、地下鉄サリン事件で林被告が担当した列車から最も多い8人の死者が出たことなどを挙げて「他の散布役より1袋多いサリン3袋を引き受けるなど犯行に積極的、主体的に加担した」と指摘。逮捕まで約1年9ヵ月間逃走した態度を「社会全体に恐怖と不安を植え付けた」と厳しく非難し、「極刑をもって臨まざるをえない」と述べた。弁護側の最終弁論は来年2月28日に行われる予定。
 この日の公判で、地下鉄サリン事件の散布役5人全員に対する求刑が出そろった。捜査段階の供述が事件全体の解明に寄与したとして自首が認められ無期懲役を求刑された林郁夫服役囚(52)=無期懲役刑が確定=を除いて、豊田亨(31)、広瀬健一(35)、横山真人(36)の各被告も死刑を求刑された。そのうち横山被告は求刑通りの判決を受けて控訴している。
 検察側は論告で、3事件を教団前代表・松本智津夫被告(44)の指示による独善的な教義に基づいた組織的犯行と断定。弁護側が「被告は、松本被告に対する恐怖心から断り切れなかった」と主張している点について、「いったんは3袋を引き受けるのをためらったのに、教団内での昇進という世俗的な動機から承諾しており、責任を逃れることはできない」などと反論した。
 松本サリン事件で使われたサリン噴霧車を製作したことについては「役割は噴霧した実行犯に準ずる」と指摘。東京・新宿駅の地下街の公衆トイレに青酸ガス発生装置を仕掛けた事件についても「下見や見張りなど重要な役割を担った」と述べた。そのうえで「公判で見苦しい弁解をして刑事責任を軽減しようとしており、反省悔悟の惜は認められない」などと批判した。
・林泰被告の起訴事実
 【地下鉄サリン事件】1995年3月20日、東京都内の日比谷線秋葉原駅付近でサリンを散布した(殺人、殺人未遂)
 【松本サリン事件】94年6月27日に元幹部らが長野県松本市内でサリンを散布した際に使ったトラック製作に携わった(殺人ほう助、殺人未遂ほう助)
 【新宿青酸ガス事件】95年5月5日、東京・新宿駅の地下街の公衆トイレに青酸ガス発生装置を仕掛けた(殺人未遂)(朝日新聞)
14日■100円市バス 京の中心部 来年4月から 土・日・祝日 試験運行 エムケイ申請契機に 利用者の増加図る
 京都市交通局が、市内で100円均一運賃の循環路線バス運行を計画していることが13日明らかになった。タクシー会社のエムケイ(北区)が「100円バス」の事業免許を申請したのをきっかけに、交通局が現行220円(均一区間)の市バス事業の見直しを進め、改革案の柱として100円バスの試験運行を計画した。認可されれば、地方自治体の直営バス事業としては全国初のケースとなる。
 市交通局の計画では、100円バスは2000年4月から土・日曜日と祝日の午前10時から午後5時まで10分間隔で試験運行する。ルートは御池駐車場を起点に烏丸御池から四条烏丸、四条河原町を経て同駐車場を循環する3.4`。観光客らのバス利用を促進するとともに、同駐車場と連携し市内中心部へのマイカー流入を抑止するのが狙い。
 「100円バス」は、エムケイが2001年度の路線バス事業の規制緩和を先取りする形で、今年9月に事業申請したが、運行ルートが京都市バスと重複することから、京都市は「採算に合うルートだけをとる『いいとこどり』。市全体の交通網を混乱させる」として激しく対立していた。
 エムケイの青木定雄オーナーは、これまでに「市が大胆な改革案を示せば、当社の100円バス事業は中止する」と発言しており、今回の計画を受けて同事業申請を取り下げる公算が大きくなった。
 また改革案では、同4月から、市バス専用1日乗車券を現行の700円から500円に値下げするほか、来秋には1年定期券(7万2000円)を新たに発行し、1日2回以上の乗車で実質100円以下の運賃にする。
・解説 導入の可能性水面下で探る
 京都市交通局の「100円バス」計画は、タクシー会社エムケイが独自に100円バス事業を認可申請こしたことが引き金となった。「安い運賃でバス利用者を増やす」と主張するエムケイに対し、「市バス網に混乱を招く」と反対した京都市。地方自治体と民間業者とがぶつかりあった100円バス問題は、ひとまず決着へ向かいそうだ。
 エムケイがバス事業の認可申請した背景には、2001年度に予定されている路線バス事業の規制緩和がある。同社は、群馬県前橋市などの実績を例に、「京都観光の活性化にもつながる」として市交通局に100円バスの実現を求めるとともに、認可に向け試乗会や署名運動を展開してきた。
 エムケイの動きに対して、市交通局も規制緩和に向けた特別推進委員会を設置して対応策を検討。「このまま推移すれば、エムケイの申請が認められる可能性が高い」との観測もあり、水面下で100円市バス導入の可能性を採っていた。
 市の100円バスは、土日と祝日だけに限定した試験運行だが、公営交通の運賃や路線のあり方、一部運行ルートの重なる市営地下鉄料金との整合性など解決しなければならない問題もある。(政経部 加藤秀生)(京都新聞)
■桂坂に地下鉄新駅を 市会委が請願採択
 京都市議会交通水道委員会は13日、市が検討中の地下鉄東西線の西伸ルートで、桂坂に新駅を設置することを求める請願書を全会派一致で採択した。
 請願書は桂坂学区自治連合会が提出した。桂坂には大型店が進出し、近くには京都大の新キャンパス建設が予定されるなど「飛躍的な人口増加が見込まれる」とし、新駅が必要と述べている。(京都新聞)
■ワンコインバスを大阪市も試験運行
 大阪市交通局は13日、きめ細かい路線設定で交通公共機関の空白地帯に新たなサービスを提供する「コミュニティー系」の小型路線バスを来年度、試験的に運行すると発表した。料金は大人・小児ともに100円で、2001年度からの本格実施を目指す。
 導入を予定しているのは、スロープ付きで車いすのまま乗り込める「小型ノンステップバス」と呼ばれるタイプの車両。定員30人で、約1950万円の車両を本年度中に20両、購入する。(京都新聞)
■市バス18系統など6路線 民間委託3月25日から 京都市交通局、赤字解消へ
 京都市交通局は13日、市バスの横大路営業所(伏見区)の赤字解消に向けて、同所の12系統のうち「18系統」など6路線の民間委託を、来年3月25日からスタートすると発表した。
 交通局は、人件費の抑制策として来年四月から民間委託を始める予定で、阪急バス(本社・豊中市)と協議を進めていた。このほど、各学校の春休み期間に開始することで、労使交渉を含む協議がまとまった。
 委託される6系統はほかに、「22」「42」「43」「南1」「南2」。残る系統の民間委託については、2001年4月の実施を目指して、近く京阪バスと協議に入る。
 民間委託について同局は、現行の運行ルートや本数を維持しながら、人件費を2−3割カットできるとしている。(京都新聞)
■カウントダウン2000年問題 京滋の対応はB 交通網 最寄り駅で一時停止も 府警 手信号の訓練を徹底
 大みそかは、おけら火を授かる参拝客でにぎわう京都市東山区の八坂神社。新年にかけて、初もうで客がどっと繰り出す平安神宮や伏見稲荷大社などの有名社寺−。阪神方面や全国から京都に集中する人の波を終夜運行で支える交通網に、ことしは2000年問題が大きく影を落としている。
・JR、安全を強調
 大みそかから元旦にかけて、交通網にコンピューターの誤作動や停電などで予期せぬ問題が発生した場合、走行中の列車が途中で立ち往生したり、自動改札や発券でのトラブルが懸念される。それだけに、JRや私鉄、高速道路などの関係者にとっては気の抜けない日々が続いている。
 JR西日本の南谷昌二郎社長は、最大の要注意日とされる大みそかから元旦にかけて、みずから「列車に乗る」と表明し、JRの安全を強くアピールする。
 当日、JR西日本管内では初もうで列車など約170本、うち近畿では110本が運行するため、通常の年末出動の4000人に加えて京都、大阪などの全支社や駅などに3600人を臨時動員する。すでに、約7億円をかけて、列車運行管理、券売システムなどを2000年対応に切り替え、本番並みの大規模訓練も実施して「態勢はすでに万全」(同社)という。京都支社管内でも、元旦にかけて臨時列車を含む約40本を運行し、混雑が予想される京都駅には60人を配置して不測の事態に備える。
・例年通りの運行予定
 私鉄では、阪急電鉄が例年通りの運行をする予定だ。元旦の午前零時にまたがって全線で計40本の電車が動くため、約700人の警戒要員を駅や電力関係部門に配置。乗降客の多い河原町駅では60人が警戒にあたる。1日午前零時に110本を運行する近畿日本鉄道(本社・大阪市)も、1900人態勢で例年通り終夜運転する。
 一方、京阪電鉄と京都市営地下鉄は、大みそかから元旦にかけて電車を「一時停車」させる。京阪電鉄は最大15分間、運行を見合わせる。本線で31日午後11時50分から15分間、大津線も3−1分間、最寄り駅で停車する。
 市営地下鉄も、烏丸線と東西線の計4本を数分間、最寄り駅に停車させる。運行管理システムは曜日制御であり、模擬テストでも正常作動を確認しているが、万一の停電などに備える。自動改札機や券売機も修正済みだが、年を越えて使われる定期券を改札機が受け付けない可能性もあり40人が待機する。
・非常時には手計算
 道路関係では、日本道路公団関西支社(大阪市)が、名神高速道路や京都縦貫自動車道路などの渋滞や事故の情報、トンネルの換気や照明などをすべて吹田市の交通管制室のコンピューターで一元管理している。同支社地域広報課は「最悪のケースでは、管制室から道路情報の表示や監視カメラの遠隔操作、料金所の計算ができなくなる恐れがある」と説明する。6月までに「全システムの点検や修正を完了」しており、当日は通常の2倍の900人態勢で臨み、万一、停電などが起きた場合は自家発電や職員の手計算で対応する。
 10月に京都を中心に起きた大停電で、府内の交通信号機の6割の約1600機が一時的に消え、交通がマヒしたのは記憶に新しい。
・高速道でも人員増強
 京都府警はこれまでに、信号機を制御し、渋滞情報などを流す中央管制システムを2000年対応に切り替えた。しかし、「何が起きるか分からない。信号系統のコンピューターにトラブルが起きれば信号時間を調整する中央制御ができず、渋滞が生じる可能性もある」(交通規制課)といい、万一に備えて24日までに約2900人の警察官に手信号による交通誘導などの訓練を徹底させる方針だ。
 滋賀県警も110番や交通管制システムの点検を完了しているが、万一の場合は重要交差点の信号機の自家発電対応や警察官が直接交通整理にあたる。特に、名神高速道路や北陸自動車道では人員を増強して警戒にあたる。
・未対応船に入域調整
 海上輸送はどうか。第八管区海上保安本部(舞鶴市)は、31日に対策本部を設置し、午後9時から1月1日午後9時までを特別警戒期間として、本部長をはじめ職員54人が本部や出先で待機する。
 海上の安全と秩序の維持にかかわる海上保安庁のシステムはすでに点検を済ませ異常なしを確認している。しかし、2000年問題未対応船の機関故障などによる衝突も懸念されるため、期間中は未対応船に舞鶴港などへの入域調整を行う。また、船舶の位置を知らせるシステムが故障し、船が岩礁に乗り上げるようなことがないよう、航路標識などの整備も徹底する。(2000年間題取材班)(京都新聞)
■大みそか 終夜動きます 地下鉄20−30分間隔 市バス10−30分間隔
 初もうで客の足の便を考え、京都市は今年も大みそかから元日にかけて、地下鉄と市バスの終夜運行を実施する。
 地下鉄は烏丸線、東西線とも終夜運行を実施する。通常の運転が終わる午前零時前後から始発が出る午前5時ごろにかけ、20−30分間隔で、両線合わせて56本が走ることになる。地下鉄と連絡するJR、近鉄、京阪の各線も終夜運行する予定。
 コンピューターの西暦2000年間題に対応するため、運行中の列車は最寄り駅に最大3分間停車する予定。
 市バスは、北野天満宮、平安神宮、八坂神社、清水寺を通る四系統が終夜運行を実施。JR京都駅前や四条大宮を発着する系統で、10−30分間隔。(朝日新聞)
■山陽新幹線トンネル壁崩落 当面危険なし 運輸省検討委 JR点検を現地調査
 山陽新幹線のトンネル壁崩落事故を受け、運輸省が設置したトンネル安全問題検討会の足立紀尚座長(京都大大学院教授)ら委員12人が14日未明、JR西日本による同新幹線トンネル総点検の現地調査を実施した。
 一行は新大阪−西明石間のトンネル6ヵ所を作業用車両の上から視察。ハンマーでたたき落としたり、銅板などで補修したコンクリートの劣化個所では車両を止め、対策の実施状況を確認した。
 調査後、足立座長は「予定された通りの適切な対応が取られていた。当面、(内壁コンクリートの)落下の危険性はないと言える」とJR西日本の劣化対策を評価した。
 総点検が終了する16日に、検討会が下す点検・補修結果の最終評価について、足立座長は「当面の問題はないだろう、ということになると思う」と述べた。(京都新聞 夕刊)
■古都に100円バス 来春にも試験運行 京都市が近く認可申請
 京都市交通局が100円均一運賃で市中心部を循環する路線バスの試験運行を計画していることが14日わかった。近畿運輸局に近く認可申請し、早ければ来年4月にも始める。
 同局によると、100円バスが走るのは四条河原町など市中心部の約3.4`を循環する路線バス。来年4月から土、日曜と祝日の午前10時から午後5時まで、10分間隔で運行する。「買い物客の利用が見込まれ、採算は取れる」と見込んでいる。(朝日新聞 夕刊)
15日■「100円市バス」 認可の見通し 京都市交通局 事業案を報告
 京都市交通局は14日、100円均一の循環路線バスの試験運行など、来年4月以降に取り組むバス事業の新規施策案を近畿運輸局に報告した。2001年に実施されるバス事業の規制緩和対策で、運輸局もおおむね了承し、認可が得られる見通しとなった。
 改革案のうち、御池、烏丸、四条、河原町の各通3.4`を循環する100円均一バスは2000年4月から土日・祝日の昼間に10分間隔で運行する。試行期間は1年間。買い物客らのバス利用を促進し、御池駐車場と連携して市内中心部への乗用車の流入を減らす狙い。
 市交通局の営業範囲内で運行するため、需給調整線制には抵触しない。今後は事務レベルで協議したうえで申請手続きを行う。事業開始の10日前までには認可を得られるという。
 このほか、来年4月以降、市バスの一日乗車券の値下げや、高割引の年間通勤定期券の発行も予定し、利用率の向上を図る。
 同日、市交通局の下薗俊喜管理者が同運輸局を訪れ、甲斐正彰自動車部長らに概要を説明した。
・エムケイは取り下げへ オーナーが意向
 タクシー会社・エムケイ(京都市北区)の青木定雄オーナーは14日、京都市域を100円均一で運行する路線バス事業の認可申請を取リ下げる意向を明らかにした。京都市交通局が100円均一運賃の循環路線バス運行計画をまとめたためで、今後、近畿運輸局と協議し正式に同社の計画を取りやめる見通し。
 同社は9月20日、現行運賃220円の京都市バスに対して運賃を半額以下とする100円バス事業の認可を申請したが、「市が値下げなどの具体的な改革案を出せば申請は取り下げる」(青木氏)と発言していた。
 同運輸局自動車部旅客第一課の杉本守課長は「エムケイが市の対応次第で申請を取り下げる考えがあるのは聞いている。その考えがあるのか青木オーナーに確認したい」としている。(京都新聞)
■焦点 2000年度予算・税 好機に大声「整備新幹線を」 議員ら予備費狙う ばらまき批判も強まる
 来年度当初予算案で、整備新幹線の建設費上積みを狙う自民、自由、公明の与党3党の協議が大詰めを迎えている。総選挙をにらんで、予算の大幅増額による新区間着工を求める声が強い。背景には、景気対策の連発で、財政の大盤振る舞いに歯止めがきかなくなっている今が好機、との思惑があるようだ。だが、甘い収支採算見通しで、巨額の建設費を投じることに対するはらまき批判も強まっており、財源のめどは立っていない。
・財源不足に焦り
 「財源が足りない。今年度実績よりさらに700億円の事業費が必要だ」。14日の与党3党整備新幹線建設促進協議会が終わった後、小里貞利座長(自民党)はこう語った。
 関係議員が建設費上乗せを焦るのは、未着工区間の建設着手に道筋をつけたいからだ。9月の自自合意では、九州・鹿児島ルートの博多−船小屋間と、北陸の上越−糸魚川間の着工を急ぐことが明記されたが、予算がつく見通しはない。13日の協議会では「未着工区間を急げ」という声ばかり。「北陸と九州をこのまま放っておくと、北海道新幹線を求める人たちも元気がなくなるぞ」「着工を認可しても最初から何百億円もいるわけじゃないから、いいじゃないか」という声が相次いでいる。
 15日の協議会のとりまとめでは、2区間の早期着工のほか、東北、九州・鹿児島ルート、北陸の3線を今後10年で開業することなどが合意されそうだ。北海道と九州・長崎ルートも「環境影響評価が終わり次第着工し、10年で開業する」といった表現を盛り込むことも検討されている。
 だが、それも予算が付かなければ、単なる「努力目標」だ。そこで、上積み手段として議論されているのが、配分が固定化されがちな公共事業費とは別に、枠を新設することだ。
【整備新幹線を巡る動き】
1970年 全国新幹線鉄道整備法が施行
82年 閣議で建設を当面見合わせ決定
89年 3線5区間の建設決定
96年12月3線3区間の新規着工決定
97年10月高崎−長野間が開業
12月政府・与党、事業費抑制を決定
98年1月新規着工区間の優先順位を決定
  3月九州(船小屋−新八代)、北陸(長野−上越)、東北(八戸−新青森)で相次ぎ着工
  11月政府・与党、抑制方針の白紙撤回を決める
  12月財政構造改革法を凍結。99年度当初予算に5000億円の公共事業等予備費を計上
99年9月建設促進で自自合意
  11月2次補正で建設費追加、99年度の予算額が1000億円突破
 1999年度の整備新幹線予算をみると、当初予算は317億円(事業費1634億円)だった。ところが、自自合意で当初予算に盛り込まれた公共事業等予備費5000億円のうち、420億円(同630億円)が回された。さらに二次補正予算でも300億円上積みされ、事業費は計2714億円にも膨らんだ。関係議員が狙うのは、「2匹目のドジョウ」(協議会の自由党メンバー)だ。
 これに対し、大蔵省は「予備費は、当初予算編成時に見通せない事態に対応するためのもの。使うのを前提にした予備費は財政法違反」と反論する。今年度当初予算の公共事業等予備費は、思うように浮揚しない景気の腰折れを防ぐという理由で使われた。「来年度後半には、景気は本格的な回復軌道に乗るというのが政府の見通しだ。そうなれば予備費は使えない」と強調する。
・なし崩しを懸念
 大蔵省が最も懸念するのは、なし崩し的に着工区間が広がることだ。大蔵省幹部は「財源のメドも立たないまま、国費をズルズルと投入することはできない」と警戒する。
 自民党の亀井静香政調会長が打ち出した「たばこ増税」も、整備新幹線の建設費確保などを狙ったものとみられるが、党内外の反発で実現は厳しい情勢だ。
 一方、運輸省は、右往左往するはかりだ。大蔵省には「特別枠も予備費も、ありえない」と否定され、小里氏らには「おれたちが自自公で予算を取るから」と言われる。幹部らは「蚊帳の外に置かれているのか」とため息をつく。二階俊博運輸相は14日の記者会見で「与党としてやる決意があるなら、裏付けもしていただいたうえでご相談したい」と述べるにとどまった。
・整備新幹線
 1970年施行の全国新幹線鉄道整備法に基づいて計画が決められた北海道(新青森−札幌)、東北(盛岡−新青森)、北陸(高崎−長野−金沢−新大阪)、九州・鹿児島ルート(博多−西鹿児島)、同・長崎ルート(新鳥栖−長崎)の5線。97年10月に、北陸新幹線の高崎−長野間が開業。98年3月に、東北(八戸−新音森)など3線3区間を同時着工した。巨額の費用がかかるうえ、収支の見通しもはっきりしないことなどから、計画策定以来、建設の凍結と解除を繰り返してきた。(朝日新聞)
■JRで信号トラブル 高槻、5万人に影響
 15日午前6時54分ごろ、大阪府高槻市のJR東海道線摂津富田−茨木間で、下り線の信号が赤のまま変わらなくなった。JR西日本の調べで、レールにひびがはいって、信号用の電流が流れなくなっていることが分かった。同社は下り電車すべてを現場でいったん停止させた上、最寄りの信号まで徐行運転させた。上下計12本が運休するなど通勤、通学客ら約5万3000人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■運輸省局長がトンネル視察 山陽新幹線総点検
 山陽新幹線の全トンネルで進められている総点検で、運輸省の安富正文鉄道局長は15日未明、山口県岩国市の古市トンネルと岩国トンネルで点検現場を視察した。
 JR西日本の南谷昌二郎社長らと保守用車両でトンネル内に入った安富局長は、10月の北九州トンネルで落下したのと同じコンクリートを流し込む「打ち込み口」の撤去跡や、壁面のひび割れ状況、セメントと砂利が均一に混じっていない「ジャンカ」の補修工事跡などを見た。「きめ細かく検査しているという印象を受けた。安全のためには日常の補修が大切だ。どんなやり方がいいのか検討したい」と話した。
 トンネル総点検は16日未明に終了する予定。運輸省は、JR西日本からの報告を受けて、問題がないと判断すれば「安全宣言」を出すことにしている。(朝日新聞 夕刊)
■レールにすき間 列車が12本運休 JR東海道線
 15日午前6時55分ごろ、大阪府高槻市のJR東海道線摂津富田−茨木駅間で、信号機が赤のまま変わらなくなった。JR西日本が調べたところ、摂津富田駅の西640bでレールに25_のすき間ができ、信号機の電流が流れなくなっていた。応急措置でレールをつなぎ、約2時間後に仮復旧したが、12本が運休したほか、31本が遅れ、5万3000人に影響が出た。
 同社によると、気温の影響などでレールにすき間ができる例は年に数回あるが、信号機が動かなくなるのは珍しいという。(朝日新聞 夕刊)
■南海高野線の踏切 トラック立ち往生
 15日午前8時50分ごろ、大阪市住吉区殿辻二丁目、南海高野線住吉東五号踏切で、トラックが立ち往生した。このため、橋本発難波行き特急が現場で10分停車、後続の9本が10−3分遅れ、6000人に影響が出た。けが人はなかった。
 住吉署の調べでは、トラックの運転手は踏切から左折しようとしたが、左側の高さ90aの鉄柱と右側のコンクリート壁に接触して動けなくなったらしい。(朝日新聞 夕刊)
16日■山陽新幹線「安全宣言」今度は大丈夫? トンネル総点検 きょう終了
 山陽新幹線で相次いだトンネル壁崩落事故に伴うJR西日本の同新幹線トンネル総点検が16日未明に終了する。同社からの報告を受けた後、運輸省は同日中に学識者らで構成するトンネル安全問題検討会を開催。省内の会議を経て、二階俊博運輸相が事実上の「安全宣言」を出す見通しだ。
 点検終了で、11月8日から続いていた広島−博多間での一部運休も終わり、16日から山陽新幹線のダイヤは平常に戻る。
 総点検は10月25日から52日間かけ、全 142トンネル(総延長約280`)で実施。打音検査の範囲を大幅に拡大してチェックした結果、約4万ヵ所もの異常音個所が確認された。
 JR西日本は「補修で当面落下の危険はない」としているが、同社の労組関係者などからは「点検内容より期限内に終えることが最優先された」などと不安を訴える声も出ている。(京都新聞)
■12号線は大江戸線に 都営地下鉄
 迷走していた都営地下鉄12号線の名称選びで、東京都交通局は15日「大江戸線」と名付けることを決めた。また提案していた愛称「ゆめもぐら」の採用は見送った。
 光が丘−都庁前間の直線部と新宿、六本木、両国などを結ぶ環状部を「6」の字状に走る同線の名称は、有識者でつくる選考委員会が11月末、3万通の一般公募作品からいったん「東京環状線」を最優秀案、愛称として「ゆめもぐら」を選んだ。
 しかし石原慎太郎知事が「環状運行ではない。利用者の誤解を招く」と反対し、白紙に戻すよう指示。交通局で選び直していた。
 「大江戸線」とした理由は、江戸時代の市街地を囲む形で走るため。選考委でも当初人気があったが「前近代的」との一部の意見で「環状線」に敗れていた。「大江戸線」を推していた選考委員の漫画家、やくみつるさんは「東京が人情味豊かな江戸の昔に回帰したらと思う」と話している。(京都新聞)
■残り回数券払い戻しへ JR6社 100年ぶりの変更
 JR旅客6社は15日、1枚でも使用すると残りの券の払い戻しができなかった回数券について、来年2月1日から未使用分を払い戻しができるように変更する、と発表した。一般普通回数乗車券は1900年から発売されており、100年ぶりの変更となる。
 払い戻しが可能となるのは普通回数乗車券のほか、東海道線などで使用されているグリーン車用回数券。新幹線指定席特急回数券など「トクトクきっぷ」タイプはこれまで通り払い戻しできない。
 払い戻しは既に使用した枚数分の普通運賃と手数料210円を回数券の販売額から差し引く計算方法で、1−3ヵ月の有効期間内であれば、来年2月1日から駅の窓口で受け付ける。(京都新聞)
■年末年始の予約は低調 JR西日本
 JR西日本は15日、関西地区を中心とした年末年始期間(28日−1月5日)の新幹線、在来線の指定席予約状況を発表した。定員(約369万席)に対する予約率は40%で、前年を5ポイント下回り、同社発足以来、最低となった。予約席数は約148万席。
 東海道・山陽新幹線の予約率が41%と前年より5ポイント減となったが、同社は「直前に予約する傾向が例年強まっていることや、1月8日−10日の3連休に時期が分散したためでは」と分析。「2000年間題」による影響は、はっきり分からないという。また「山陽新幹線のトンネル壁崩落事故や、トンネル総点検の影響はみられない」としている。(京都新聞)
■KTR新型予約装置を導入 Y2K対応 宮津、天橋立駅に
 北近畿タンゴ鉄道(KTR、事業本部・宮津市鶴賀)は、西暦2000年間題(Y2K)に対応するため、磁気付き乗車券を販売する自動座席予約装置をこのほど宮津、天橋立の両駅窓口に設けた。
 KTRは、開業当初からJR西日本で使っていた旧型機器(L 形端末)を引き継ぎ、主に指定席券や特急券を販売。しかし、Y2K問題で期日のずれから予約や乗車月日が正しく表示されない恐れもあるため、新型機器(MR-11形端末)をJR西日本から借り入れ配備した。
 新型の自動座席予約装置は、日付や乗車人数、座席の種類をパソコン画面で選ぶだけで発券でき、従来より作業もスピードアップ。従来の紙製切符から磁気付きの切符に変わるため自動改札口も通過できる。
 KTRは、既に事業本部内に「コンピューター西暦2000年間題危機管理対策本部」を設置、各機器の点検やテストも完了しているが、年末年始は要員を増強する方針。(京都新聞)
■窓 旅情も台無し 駅の構内放送 栗東町・池田 千里(パート・52)
 「琵琶湖周航の歌」を覚えてから行ってみたかった湖西線近江今津に行ってきた。湖西線は、だれかが日本一美しい路線と言ったのにたがわぬ車窓からの景観。近江今津の駅で折り返し京都方面行きになる電車の中で30分待つ。
 「ドアの横のボタンを押してください。ドアが閉まります」の構内放送に気がついたのは何分後だったろう。数えきれないほど、この放送を聞いたのち、突然、放送の声が大きくなったと思ったら車内放送に換わり、今度は「ドアの横のボタンを押してください。ドアが開きます」と、女性の声で放送。10秒に1回くらいアナウンスしていたので、30分待つ間に200回近くこの同じ注意を聞いた。
 近江今津は、紅葉・黄葉の比良の山並みのすそがやがて砂浜から暗緑色の湖水に入るまでの景色の静けさと、片時も旅人を休ませぬ構内放送の駅との落差がドカンと大きい街だった。(京都新聞)
■声 鉄路を守った職員今いずこ フリーター 奥井淳一(神戸市 64歳)
 約45年前に離れたわがふるさとが、最近、思いがけないことで全国的ニュースに引っぱり出された。北海道室蘭線の礼文浜トンネルのコンクリート落下、脱線事故だ。折しも相次いだ新幹線のコンクリート崩落とは少し異なる原因と分析されている。テレビには、かつてよく遊んだ海岸風景が映されていた。
 「ああ、あの礼文島か」とよく間違われたその地は三方を狭い山に囲まれて、約150世帯が半農半漁の生活を営んでいたが、国鉄の官舎に住む職員、家族が約30世帯も占めていた。僕の同級生も後年、何人か国鉄に就職した。札幌への要路となっていても、地勢的に大難所で、本線全通は遅れに遅れ、昭和の初めだった。隣の両駅までの20`にわたり、十数ヵ所の長短のトンネルを掘り、また上りは冬場にはD52の連結でもスリップしてしまうこう配を克服せねばならなかった。それほどの難所の鉄路を守るのに、多くの保線職員が必要だったのである。
 あのころ、今のような事故は聞かなかった。きっと彼らが日夜、厳しい検査、補修を続けていたに違いない。去る4月、50年ぶりのクラス会で帰省したが、過疎化のふるさとはホタテの養殖を残すのみ。鉄道官舎は完全に消えていた。あの人たちに代わるどんな技術の進歩があったのだろうか。(朝日新聞)
■山陽新幹線 総点検終了 安全宣言へ トンネル壁9700平方b劣化
 JR西日本は16日未明、山陽新幹線で相次いだトンネル壁崩落事故を受けて実施した同新幹線全 142トンネル(総延長約280`)の総点検を終了、壁全体の面積の約0.2%に当たる約9700平方b(約4万1000ヵ所)で劣化を示す異常音が確認されたとする点検結果と補修の状況をまとめ、同日午前、運輸省に報告した。
 同省は16日午後、省内で報告内容を検討した上、二階俊博運輸相が事実上の「安全宣言」を出す見通し。
 同社は「徹底検査で、安全確保に万全を期した」としているが、現場の社員からは「打音検査の素人も大量動員した」などと点検の不備を指摘する声がある。
 JR西日本によると、異常音がした面積の8割近くは広島県以西の広島、福岡の両支社管内が占めた。全体の2割強、約2300平方b(約1万1000ヵ所)は大規模崩落の恐れはないが、既にたたき落とす措置をした。
 除去できなかった異常音個所のうち約210平方b(約280ヵ所)が、放置すると大きな塊で崩落する恐れがある最も危険度の高い亀裂個所だが、約半数については鋼材などで崩落を防ぐ補修を終了。残りも本年度中に補修する。
 「『これで安全になりました』と利用客に胸を張って言えるわけない」−。JR西日本の山陽新幹線トンネル総点検が16日未明に終了、運輸相の「安全宣言」が同日、出される見通しとなった。しかし現場で点検作業に携わった社員からは「検査の未経験者が大勢動員された」「期限内終了が至上課題。会社は点検の『質』より進み具合ばかり気にしていた」などと点検の実効性に疑問を投げ掛ける声が相次いでいる。
山陽新幹線トンネルの異常音個所

(注)2つの支社にまたがるトンネルが2ヵ所あるため支社別のトンネル
数は144となる。トンネル延長合計の誤差は端数処理による。
福岡支社広島支社岡山支社神戸支社
博 小
 
多 倉
新 広 三
下     
関 島 原
新  岡

道  山
相 新 新
神 大
生 戸 阪
面積 9690u408033785381694
数 41138ヵ所144321902718865793
トンネル数 14210803519
トンネル延長 280km401445542
対象表面積 590万u84万302万115万89万
 これよりやや危険度が低い亀裂個所約340平方b(約980ヵ所)は補修はしないが、重点的に監視することで安全を確保するとしている。
 こうした”崩落予備軍”の亀裂は、大半が構造的に弱い天井部に集中。単位面積当たりの発生率で見ると、兵庫県を管轄する神戸支社管内が最も高かった。
 異常音個所の面積の約7割に当たる残りの約6600平方b(約2万8000ヵ所)では目立った亀裂はなく、比較的安全という。
 10月25日からの総点検には、JR他社やOBらの応援を得て延べ約6万9000人を動員。11月8日からは、広島−博多間で部分運休するなど、異例の態勢で実施された。総費用は約50億円。(京都新聞 夕刊)
■山陽新幹線安全宣言へ 点検の質 現場は「疑問」 未経験者を大量動員 距離の消化を最優先 「逆に不安増大」
 「現場の検査担当はJRの協力会社や建設コンサルタント会社の社員が大半で、打音検査などしたことがない素人ばかりだった」
 こう明かすのはコンクリートの劣化問題を抱えるトンネルが多い広島県内の4トンネルで打音検査チームに加わった40代社員だ。
 この社員によると、同じチームにいたJRの社員も打音検査がない在来線保線や事務の担当者。「トンネルのことは何も知らないのに、1時間程度の説明だけで現場に投入された。『音の違いなんて聞けば分かる』というのが会社の言い分だった」と話す。
 やはり広島県内のトンネルで打音検査を担当したある在来線保線区員も「トンネルの壁が正常な場合と異常な場合の音の違いも説明されなかった」と証言する。「『私たちがトンネルをたたいて分かるのだろうか』と不安を抱いた」。
 書き入れ時の年末年始前に点検を終えようと計画消化を急ぐJR西日本の姿勢は、現場にとってプレッシャーとなった。ある社員は「ノルマはなかったが、1日に400b作業した班より500b作業した班が褒められた。安全点検で距離を競争しても仕方ないのに…」とため息をつく。
 異常個所のコンクリートをハンマーでたたき落としたりする措置で、点検の進み具合がスケジュールより遅れると、上司から「なぜ目標通りいかないのか」と理由を聞かれたケースもあったという。別の社員は「総点検でトンネルのひどい実態を目の当たりにして、逆に不安が増した。区間を限って運休することも必要ではないか」と話している。
・壁から異物4割超 トンネル工事手抜き裏付け
 山陽新幹線のトンネル総点検で、全142トンネルの半数近い64トンネルのコンクリート壁の中から、木片やセメント袋などの異物が見つかったことが、JR西日本が16日発表したまとめで明らかになった。同社は「トンネル強度に影響はない」としているが、いずれも施工時に除去し忘れたリコンクリートを流し込む際に混入したりしたとみられ、突貫工事で進められた山陽新幹線建設の「手抜き」を裏付けた形。工事を受注したゼネコンなど施工業者、監督した旧国鉄の道義的責任があらためて問われそうだ。
 同社によると、こうした異物が見つかったのは計317ヵ所。木片や紙のほか、針金や鉄筋が埋め込まれていたケースもあり、ほとんどがアーチ(天井)部と側壁の接合部から出てきたという。64トンネルの内訳では、広島県の大半と山口県を管轄する広島支社管内のトンネルが45とずばぬけて多かった。
 総点検で打音検査に従事し11月、広島県内の2つのトンネルで木片やセメント袋を見つけたという同社社員は「コンクリート壁の継ぎ目をたたいていたら、表面がはがれ落ち、中から木片などが出てきた。旧国鉄や元請けのゼネコンが施工現場をきちんと監督していれば、あり得ない事態だ」と話している。
・今後の安全性強調 JR西日本社長
 山陽新幹線のトンネル総点検の終了を受けて、JR西日本の南谷昌二郎社長は16日午前、大阪市北区の本社で記者会見し、福岡トンネル事故後に次ぐ2度目の総点検が同日未明、予定通り終了したことを宣言し、「従来以上に、お客さまに安心してお乗り項けると思う」と、今後の安全性を強調した。
 南谷社長は、今回の総点検について「一切の予断を持たず全面総点検を行った」と説明。「現状で考えられる、最も確実で徹底したもの」と自信を見せた。
 「事実上の安全宣言か」との問いには「将来(事故が)起きるか起きないかではなく、起こさない体制を作っていく」と述べ、「それが私たちの決意であり義務だ」と語気を強めた。
 また、1度目の福岡事故後の総点検の甘さを指摘され、「反省を基に今回の総点検があった」とし、「福岡、北九州規模のはく落は考えられないと思う」と話した。今後は検査体制の見直しを含め、「きょうを新たな出発点とし、今回得たデータを生かしながら最大限安全の確保に努める」と述べた。(京都新聞 夕刊)
■山陽新幹線 トンネル総点検終了 今夕にも「安全宣言」
 JR西日本は16日、山陽新幹線の142本の全トンネル(総延長約280`)で進めてきた総点検を同日未明までに終え、点検結果を運輸省に報告したと発表した。ハンマーでたたく打音検査の結果、コンクリート劣化の可能性のある異常音が4万1138ヵ所で確認された。このうち1万1693ヵ所は落下の恐れがあるとされ、すべてで補強工事を終え、当面の落下の恐れは低いとしている。作業時間を広げるため、11月8日から広島−博多間で午後10時以降運休させてきたが、16日から通常ダイヤに戻る。
 同社からの報告を受け、運輸省は16日午後から専門家で構成する同省の「トンネル安全問題検討会」などを開き、安全性に問題ないと判断されれば、二階俊博運輸相が同日中にも事実上の「安全宣言」を出す予定。ただ、総点検については、現場の作業従事者から「点検の判定基準を緩めている」との指摘も出ていた。
 JR西日本は、10月25日から今月16日までの計52日間、総点検を進めて来た。JR他社や関連会社などから応援を求めるなど延べ6万9000人を投入し、約50億円を費やした例のない大規模な点検となった。
山陽新幹線トンネルの異常音個所とたたき落とし面積
(JR西日本調べ)
区間異常音
個所数
たたき落とし
たコンクリー
トの面積
トンネル数
(延長距離
=概数)
○神戸支社(新大阪−相生)5793ヵ所367.1平方b19本(42`)
○岡山支社(岡山−新尾道)1886ヵ所166.8平方b35本(55`)
○広島支社(三原−新下関)19027ヵ所1027.2平方b80本(144`)
○福岡支社14432ヵ所741.5平方b10本(40`)
41138ヵ所2302.6平方b142本(280`)
〈トンネル数のうち、2つは支社間でまたがる〉
 集計結果によると、全トンネルの表面積(計590万平方b)のうち、コンクリートが劣化している可能性がある個所は全体の0.2%にあたる4万1138ヵ所(9690平方b)。このうち、亀裂など著しい劣化の可能性がある「濁音」がしたのは5790ヵ所(1930平方b)。「浮き」などコンクリート表面近くに劣化の可能性がある「軽音」は3万4600ヵ所(7180平方b)で確認された。セメントと砂利の混ざり方が不均一でコンクリートがもろくなる「ジャンカ」も1342ヵ所(641平方b)あった。
 全異常音個所のうち、落下の可能性がある個所は1万1693ヵ所にのぼり、このうち1万1369ヵ所(2302平方b)はすでに打音検査時やその後にハンマーでたたき落とした。残り324ヵ所はたたき落とせないが、すべて銅板やステンレス製ネットなどで補強し終えたという。
 濁音個所のうち、壁面の一定区画が亀裂で囲まれるなどで落下の可能性が強い「重点亀裂」は1265ヵ所にのぼり、このうち総点検期間内に補強が必要なa ランクは68ヵ所あった。また漏水のある亀裂など215ヵ所は今年度内に補強が必要とされるランクで、うち78ヵ所は補強を終えた。
 地域的には、重点亀裂は新大阪−広島間に全体の7割強が集中していた。同社は「阪神大震災で大きな亀裂が入った可能性がある」としている。逆に浮きなどの軽音とジャンカは広島−博多間に多く見られ、ジャンカ個所の6割近く、軽音個所の7割近くにのぼった。
 64トンネルのコンクリート内壁から木片や紙、金属など異物が計317ヵ所で見つかった。木片は施工時の型枠の一部などで、取り除き揖ねたとみられる。
 また、北海道のJR室蘭線礼文浜トンネルで起きた崩落事故を受け、地圧の作用による亀裂などを調査した結果、六甲、神戸、須磨の3トンネルで地圧とみられる影響が確認された。これも阪神大震災の影響とみられ、すでに対策を講じており安定しているとみている。
 一方、広島−博多間の深夜一部列車の運休は計38日間に及び、延べ380本が運休し、延べ5万7000人に影響が出た。
・安全の確保に最善尽くした
 JR西日本の南谷昌二郎社長の話 今回の総点検は全面打音倹査を行い、私どもとして安全の確保に最善を尽くし、万全を期した。トンネルの安全を維持する取り組みは今回で完了するのではなく、本日を新たな出発点として最大限の努力を積み重ねていくことが何より重要だ。開業20余年を経て、総点検を実施するに至った過程を厳粛に受け止め、総点検で得られた貴重なデータを最大限に活用し、今後の保守・管理に万全を期したい。(朝日新聞 夕刊)
■新幹線総点検終了 「安全宣言」の言葉出ず 「人知を尽くした」 社長会見 慎重表現繰り返す
 8月の「安会宣言」が覆った北九州トンネルの崩落事故から2ヵ月余り。JR西日本が、山陽新幹線の信頼回復を目指して進めてきた全トンネルの総点検が16日未明、終わった。異常音個所は4万ヵ所を超え、落下の可能性のある個所は1万1000ヵ所にのぼるなど、広範囲にコンクリート劣化が進んでいた実態が明らかになった。同社は「福岡、北九州の両トンネル事故と同じ規模のはく落事故は考えられない」と説明した。年末年始の繁忙期を前に万全の安全対策が求められている。
 JR西日本の南谷昌二郎社長と、金井耿鉄道本部長は16日午前10時半から、大阪市北区の同本社で記者会見した。ほぼ同じ時間に、同社は運輸省に総点検結果を提出した。
 南谷社長は冒頭「10月25日から行ってきたトンネル総点検は計画通り、けさをもって終了しました」と切り出した。続いて「広島−博多間の部分運休でご迷惑をおかけしましたことにおわびするとともに、ご協力にお礼申し上げます」と頭を下げた。
 6月末の福岡トンネル事故後の緊急点検で、原因の一因とされる施工不良個所「コールドジョイント」周辺で見つかった 377ヵ所の異常音個所すべてに対して補強工事を施した。8月4日の記者会見で、桜井紘一・前鉄道本部長が事実上の「安全宣言」を出した。しかし、その2ヵ月後に北九州トンネル事故が起こり、安全宣言が覆されたという苦い経験がある。
 「安全宣言」と受け止めてよいのか」との質問に対し、南谷社長は「私どもとしてはかつてない規模で徹底的に打音検査した。安全確保で最善を尽くし、万全を尽くした。従来以上に安全性が確保された」と慎重に言葉を選びながら語った。再びコンクリートが落下する可能性について問われると、「福岡、北九州の両トンネル事故の経験を踏まえ、なしうるすべてのことをやった。濃密な確認作業もできた。前の2回の規模のはく落事故は考えられない」と述べた。
 南谷社長は報道陣から再三にわたり「安全宣言と受け止めてよいのか」と質問されたが、「現在なしうるすべてのことをやった」「万全を期した」と繰り返し、「安全宣言」の言葉は出なかった。
 今後の点検態勢について問われると、「トンネルのコンクリートについては基礎的なデータは把握できた。この貴重な成果をどう料理するか。運輸省のトンネル安全問題検討会にも議論いただき、考えたい」と語った。
「コンクリ落とさぬ態勢づくり決意
 南谷昌二郎社長の会見の一間一答は以下の通り。
 −今回のたたき落としの数などについての印象は
 率直にいってかなりの数だと思った。ただ全表面を打音検査したことはかつてなく、測るものさしがない。
 −今回の総点検は安全宣言と受け取っていいか
 安全確保に最善を尽くした。総点検によって従来より安全性は確保された。
 −福岡トンネル事故後も安全宣言をしたが
 より一層トンネルの安全性について濃密な確認ができた。言葉としては、、繰り返しだが、「最善を尽くした」と言える。
 −安全宣言はないのか
 お客様には従来よりも安心していただける。人知を尽くしたということでご理解いただきたい。
 −今回のような総点検を従来からしていれば福岡と北九州トンネルの事故はなかったのでは
 今回のような総点検態勢をとる決断が従来はできなかった。今回、全力を尽くしたことでご理解いただきたい。
 −今後、同じような事故は起きないのか
 前回のような規模のコンクリートはく落は私は考えられない。
 −今後の対策は
 総点検でトンネルの基礎的データが把握できた。これをどう活用するかが今後の課題だ。
 −将来、コンクリートが落ちることはないか
 落とさないという態勢づくりが大切。そういう決意であり義務だ。
どの程度か疑問
 大阪工業大の二村誠二講師(建築材料学)の話 6万9000人を動員したというが、全員がコンクリートの知識を持っているとは考えられず、どの程度、正確にチェックできたか疑問だ。今回の総点検はあくまでも「点検をしました」というもの。小さな異常には対応できると思うが、山陽新幹線は次の世代に引き継いでいくべき施設だ。長期的な安全点検と維持管理のシステムが語られないまま、「点検をしました」と言われても、素直には受け止めにくい。
今後も調査が必要
 千葉工業大の小林一輔教授(コンクリート工学)の話 重点クラックが1265ヵ所というが、それぞれの大きさが不明で一概に判断できない。トンネルのアーチを横断するような大きなものであれば、地圧の影響も考えられ、地震に備えてより抜本的な補強が必要になる。また、トンネルの中には地質が安定していないところがあり、今回の点検で健全とされたところで今後、異音がしたり、ひび割れが起きたりすることもある。今後も同様の調査が必要だ。(朝日新聞 夕刊)
■レールにひび ひかり徐行
 15日午後6時43分ごろ、神奈川県平塚市の東海道新幹線・小田原−新横浜間を走行していた博多発東京行き上り「ひかり118号」の運転台にある自動列車制御装置(ATC)信号の表示装置が点滅した。JR東海が調べたところ、現場付近のレールからひびが見つかり、係員が補修作業をした。このため、東海道新幹線の上下線では一時列車が停止し、上り線の同区間で時速70`の徐行運転を最終まで続けた。(朝日新聞 夕刊)
17日■運輸相が安全宣言 山陽新幹線トンネル
 山陽新幹線のトンネル崩落問題で二階俊博運輸相は16日、記者会見し、JR西日本の総点検報告に関し「安全性に関する同社の判断を是認する。国民の皆さんに新幹線のトンネルは安全だと申し上げたい」と述べ、安全宣言をした。
 専門家らでつくる運輸省のトンネル安全問題検討会(座長・足立紀尚京大教授)がこの日、総点検結果について討議。「補修措置が確実に実施されており、現時点で安全性に特段の問題はない」と結論を出したことを受け、二階運輸相が見解を表明した。
 同運輸相は「JR西日本は厳しい自覚と反省の上に立ち、将来にわたって適切なトンネルの保守、管理を継続してほしい」と付け加えた。
 検討会は、山陽新幹線トンネルの内壁に見られる問題点として、骨材とセメントが十分に混ざっていない部分(ジャンカ)、壁の表面が浮いた状態の個所、ひび割れなどを指摘。その上で@点検で見つかったジャンカ1342ヵ所や浮いていた1万205ヵ所は、たたき落としや落下防止の措置が取られたAひび割れの1265ヵ所のうち283ヵ所は補修を終えたか本年度中に終えるB残りのひび割れ個所は落下の危険性はない−などとして、安全性を認めた。(京都新聞)
■信頼回復へ道険しく
解説 山陽新幹線トンネル総点検の終了を受けて16日、運輸省は事実上の「安全宣言」を出した。6月の福岡トンネル事故後に続く2度目の総点検に対する、いわば2度目の「安全宣言」。JR西日本が一度損なった安全への信頼感を回復するのは容易ではない。
 打音検査の結果、全トンネルで確認された異常個所は4万1000余。うち現在までに処理した危険個所は1万1000以上に上る。福岡の事故後に実施した総点検の内容がいかに古かったかを物語る数字だ。その後北九州の事故まで通常通り新幹線を走らせ続けた同社の姿勢があらためて問われる。
 南谷昌二郎社長は、総点検を2度行うことになった事態を「厳粛に受け止める」と語った。しかし、これだけ異常個所が多かったにもかかわらず、2回目の総点検も予定の日程通り終了したことで、「繁忙期の年末年始に向けて点検を終わらせようという対症療法」(二村誠二大阪工業大講師)との指摘もある。
 JR西日本は民営化以降、新規採用を抑え外注を増やすなど経営の効率化を加速した。それが南谷社長も認める「技術継承」の滞りを生み、事故の一要因ともなったのではないか。「安全宣言」によって、JR西日本も、「お墨付き」を与えた国も、今後へ重い責任を負ったことになる。南谷社長の「きょうを新たな出発点に」との言葉を真に実のあるものにするためにも、点検体制の根本的な見直しを含め、安全確保に最大限の努力を傾けることが求められる。(大阪支社 広瀬哲裕)(京都新聞)
■凡語
 トンネルに入る時、人間は本能的に不安を感じる。高速道路で渋滞が発生する大きな原因の一つだ。ぽっかりと開いた暗い入り口が独特の圧迫感をもって人をひるませる▼山陽新幹線の場合は、コンクリート塊が落下するという物理的な恐怖すら現実のものにした。総点検を終えたJR西日本の南谷昌二郎社長は「考えられる最も確実で徹底的なもの」と強調。報告を受けた二階俊博運輸相も安全にお墨付きを与えた▼これを信じたい。だが4万1000ヵ所で異常音が確認され、1万1000ヵ所でたたき落とす措置をしたという結果には驚く。危険度の高い280ヵ所の補修完了はまだしばらくかかる。やや危険度が低いとされたり、比較的安全と判定した残りの個所は本当に大丈夫なのか▼最も懸念が募るのは、点検作業を行ったJRの現場サイドから不安の声が聞こえることだ。いわく「検査の未経験者が大勢動員された」「検査計画の目標に追われた」「ひどい実懸を目の当たりにして逆に不安が増した」▼ハンマーでコンクリートをたたいて音の違いで判断する打音検査。いかにも原始的な感じがしないではないが、人間の五感はすばらしい。最高の製品は最後に人間の手で仕上げられるほどだ。ただし、それができるのは熟練者であって素人ではない▼最近は新幹線にトラブルが相次ぐ。病気でも大病の前に予兆があるものだ。それを見逃して取り返しのつかない代償を払ったケースは実に多い。JR内外に高まる不安感が人間のもつ予知能力の証左にならなければいいが。(京都新聞)
■検査方法見直しへ トンネル点検でJR各社 新型車両導入も
 JR西日本による山陽新幹線のトンネル総点検と補修が16日終了したが、新幹線を抱えるJR東日本などもトンネルの施工不良個所について検査、補修体制を強化したり、検査用新型車両の導入を進めるなど検査方法についても見直す動きが出ている。
 JR東日本などによると、東北、上越、長野(北陸)3新幹線のトンネルで見つかったコンクリートの施工不良個所は46トンネル252ヵ所。うち9ヵ所で8月初めまでに鋼板を補強するなど落下の予防措置を取った。また東海道新幹線でも同様の部分が35ヵ所で見つかったが、補修の必要はないとしている。
 しかし、点検終了後も長野(北陸)新幹線一瀬トンネル(群馬県松井田町)で10月初め、コンクリート片が落下したり、新幹線の高架橋からモルタルがはがれたりする事故が相次いだ。
 こうしたことから劣化部分の早期発見のため、JR東日本はハンマーで壁面をたたいて内部亀裂を確かめる打音検査を継続する一方で、本年度末までに約3億円かけ「トンネル表面撮影車」の導入を計画している。撮影車はトンネルの壁面を撮影して、ひび割れや深さをコンピューターで処理するという。
 JR東海も「日常点検の中で対応していく」のが基本的スタンスとしながら新しい検査方法を模索している。(京都新聞)
■窓ガラスひび 山陽新幹線
 16日午後3時10分ごろ、広島発東京行きの山陽新幹線ひかり140号(乗客約270人)が岡山相生間の兵庫県赤穂市内を走行中、乗客が「トンネル手前でピシッという音がして、窓ガラスにひびが入った」と車掌に届けた。
 調べたところ、先頭車両の進行方向左側の窓ガラス1枚に、斜めにひびが1本入っていた。ひびの中央付近には直径約1_の傷があったが、運行には支障ないとして運転を続けた。(京都新聞)
■試運転700系車両が故障
 16日午前10時35分ごろ、山陽新幹線博多−小倉間で、来春から同線に新たに導入予定の700系「ひかリレールスター」(博多発小郡行き)の試運転列車が走行中、運転台の故障表示灯が点灯した。
 運転士が調べたところ、5−7号車に備えられた電力変換装置計3基のいずれかが作動不良となっており、小郡駅で運転を打ち切り折り返し運転を中止した。
 試運転は同日が初日で、ダイヤのすき間を縫って走行していた。他の列車への影響はなかった。JR西日本は、メーカーとともに原因を調べている。(京都新聞)
■男性ひかれ即死 木之本の北陸線踏切
 16日午後11時20分ごろ、滋賀県伊香郡木之本町穴師のJR北陸線第二黒田踏切(遮断機、警報機付き)で、敦賀行き電車に男性がひかれ即死した。JR西日本の調べでは、運転士が踏切内の男性を発見、非常ブレーキをかけたが間に合わなかったという。男性の身元確認を急いでいる。
 同電車は現場に30分停車、乗客10人にけがはなかった。(京都新聞)
■KTRで列車故障
 16日午後2時50分ごろ、兵庫県豊岡市栄町の北近畿タンゴ鉄道(KTR)宮津線の但馬三江−久美浜間で、西舞鶴行き普通列車(1両)が突然、エンジンがかかったまま動かなくなった。約2時間20分後に救援車両を連結し、乗客約20人を久美浜駅まで運んだ。
 この影響で、京都発久美浜行き特急「タンゴ・ディスカバリー1号」など8本が運休。7本の列車が最大1時間36分遅れ、約600人に影響が出た。(京都新聞)
■京都−福山の高速バス認可 21日から運行
 近畿運輸局は16日までに、京都交通(亀岡市)と中国バス(福山市)の2社が申請していた四条河原町とJR福山駅を結ぶ共同運行の高速バスの事業免許を認可した。今月21日から運行する。半年間の期間運行だが、利用状況を見て継続運行に切り替えるという。
 ルートは、京都交通の四条河原町案内所から西本願寺、JR京都駅を経て同福山駅までの266`で、所要時間は4時間15分。1日2往復運転する。運賃は大人片道4000円で往復なら1割引の7200円。半年間で観光客ら5500人の利用を見込む。(京都新聞)
■山陽新幹線 運輸相が「安全宣言」 「社運かけ保守点検を」
 JR西日本が実施した山陽新幹線のトンネル総点検の結果報告を受け、運輸省は16日午後、専門家で構成する「トンネル安全問題検討会」と省内の「運輸安全戦略会議」を開いて点検結果や補修内容などを検証した。その結果、当面の安全性は確保できたとして、二階俊博運輸相が記者会見し、事実上の「安全宣言」をした。
 二階運輸相は「JR西日本の報告をうのみにしたわけではなく、私たちが点検に立ち会い、専門家と検討したうえで、報告を是認した」と強調したうえで、「運輸省として、国民にもう安全ですよと言いたい」と述べた。また、今後の保守点検については「運輸省が手取り足取り介入することはない。JR西日本が社運をかけて取り組むと思う」と話した。
 JR西日本の総点検では、約4万1000ヵ所でコンクリート劣化の可能性が確認された。このうち約1万1000ヵ所は落下の恐れがあるとして、ハンマーでたたき落としたり、銅板やステンレス製ネットなどの補強工事をしたりした。同社はこれらの対策をもとに、「安全性の確保に最善を尽くし、万全を期した」と結論づけた。
 JR西日本の南谷昌二郎社長は同日夕、「運輸大臣から、強くご指導を受けた。総点検終了を新たな出発点として将来にわたる安全確保のため最大限の努力を重ねる」と語った。(朝日新聞)
■山陽新幹線「安全宣言」 疑問残る点検結果 時間かけ手当て必要
 解説 トンネル総点検は、2度目の「安全宣言」への通過儀礼だったのではないか。宣言をそのまま受け入れていいものかどうか疑問が残る。
 今回の総点検は6月の福岡トンネル、10月の北九州トンネルでの崩落事故で地に落ちた山陽新幹線への信頼を回復するためだったはずだ。このためJR西日本は、点検項目や手法を大幅に見直し、JR他社や関連会社にも応援を頼むなど延べ6万9000人を投入。広島−博多間では深夜一部の列車を運休させる例のない規模で徹底的な点検を実施するとしていた。
 その結果、異常音個所が約4万1000ヵ所、落下の恐れのある個所が約1万1000ヵ所見つかったが、複数のトンネルを施工したゼネコンによると、これでも実態よりは少ないという。JRが総点検の中心に据えた打音検査には、微妙な音を聞き分けるなど熟練した技術が必要だが、トンネル点検未経験者も動員された。まだ見つけられていない劣化個所が潜んでいる可能性は否定できないという。
 さらに、JRが補修・補強のための判定基準の変更を重ねた結果、点検期間内に対策が必要とされる「a」ランク個所が実際より減った疑いも浮上した。点検を終えた今も、作業員自らが、再び落下する可能性があることに不安を覚えているのが実情だ。
 なぜ期限を付けたのか。JRは「作業日程を推計したうえで期限を設定した」と説明するが、これまでこうした本格的調査の経験はなく、どれほど劣化が進んでいるのか予測はつかなかったはずだ。一方、二階運輸相は総点検開始直前の10月25日、すでに「年内には運輸省としての安全宣言を出したい」と発言していた。
 年末年始の最繁忙期に間に合わせるためだったのではないかと勘ぐりたくもなる。期限にこだわる余り点検がおざなりになっていたとしたら本末転倒だ。
 今回の総点検は、南谷社長も決意表明したように、劣化したコンクリートを再生させるための第一歩ととらえるべきだろう。JRが総点検を繰り返せないとするならば、ゼネコン各社に協力を求め、自社で施工したトンネルについては責任を持って点検し直し、JRとは違った見地から補修・補強を実施することも一つの方法だ。時間をかけてでもすべての危険個所を見つけだし、手当てすること以外、山陽新幹線の信頼回復への道はない。(社会部・塚本和人)(朝日新聞)
■整備新幹線、1500億円確保を 来年度予算で与党協求める
 自民、自由、公明の与党3党整備新幹線建設促進協議会(小里貞利座長)は16日、来年度予算案に向けた考え方をとりまとめた。新幹線の建設費として概算要求から国費で約1100億円上積みして1500億円(事業費3300億円)を確保し、これを財源として、未着工区間である九州新幹線鹿児島ルートの博多−船小屋間と、北陸新幹線の上越−糸魚川を早期に着工することなどが主な内容。
 9月の自民、自由両党による合意を踏まえたもので、九州新幹線鹿児島ルート、北陸新幹線、東北新幹線の盛岡−新青森間をフル規格で整備し、10年−十数年で整備することも改めて盛り込んだ。
 同協議会は、上積みの方法として、公共事業費の配分の外に新たに特別枠を設けることを求めている。(朝日新聞)
■山陽新幹線 不安残し「安全」発車
 延べ6万9000人、50億円を投じて52日間続けられてきた山陽新幹線の緊急総点検が16日、終わった。二階俊博運輸相はその日のうちに「安全宣言」を出し、JR西日本の南谷昌二郎社長も「福岡、北九州の両トンネル事故と同じ規模のはく落は考えられない」と安全性を強調した。しかし総点検に携わった作業員や乗客たちに、不信と不安はまだ消えていない。大動脈の安全運行に、国とJRの責任は一層重くなった。
・「点検やり直したい」作業員
 南谷社長は「点検方法として、現在考えられる最も確実かつ徹底的な点検を実施した」と強調したが、現場の作業従事者からは、補修・補強のための判定基準が緩められた結果、現場での判定作業が甘くなっていたとの声が出ている。
 広島、山口両県内のトンネル総点検で、20日間近く判定作業を続けてきた40歳代のJR西日本の社員は、判定基準が変更を重ねるなかで、期間中に措置が必要なa ランク個所が激減してしまったと証言していた。たたき落とし作業も、当初の落とせる個所はすべて落とすという姿勢が甘くなっていったという。
 「福岡トンネルで落下したコールドジョイント、北九州トンネルの打ち込み口については対策を講じたから当面安全なのは分かる。問題は、異常音個所や落下の恐れのある個所の数なのではなく、点検の中身だ。現場での実感から、ほかに見つけられていない危険個所はあると思う」と、同社の「安全宣言」にも危機感を隠さない。さらに「放っておけばコンクリート劣化は進み、傷んでいく。場当たり的ではなく、抜本的な劣化対策に取り組む姿勢で総点検も見直し、トンネルを守っていくための体制を新たに立て直すべきだろう」と提案した。
 広島県内の数本のトンネルで点検総括責任者を務めた別の40歳代の社員は、実際に判定する立場にあった専門の社員が判定の基準を変えるのを見過ごさざるをえなかった。会社からの指示が変更されたと言われたら、逆らえなかったのだ。「運輸大臣でも社長でも、安会宣言を出したからといって私らの不安が消えるわけではない。落下事故の恐怖はもちろんだが、再びコンクリートが落ちた場合、点検者の名前が記帳されているから、個人に責任が負わされてしまう可能性が高いことを恐れている。もう一度同じトンネルに入って総点検をやり直せるなら、きちんとたたき落としや点検作業をしたい」
・「本当?信頼できない」利用客
 大阪市淀川区のJR新大阪駅では、一部運休していた広島−博多間の復旧を乗客に知らせるA3判のビラを、駅構内の十数ヵ所に張り出した。同日は「本当に通常ダイヤに戻るのか」といった問い合わせが数件あっただけで、平常通りだったという。
 同駅の山陽新幹線下りホームは午後6時ごろから、サラリーマンなどで混雑し始めた。会議のため月に2度、新大阪まで新幹線を利かわることなのに」と、不満そうな表情を見せていた。
 商用で博多−新大阪間を月に数回往復するという福岡市内の自営業の女性(44)は「安全宣言が出ても不安。新幹線だけではなく、同時代に建設された鉄道施設全般に劣化はあるはず。安全を確保する努力は絶対に継続してほしい」と訴えた。(朝日新聞)
■ひかり窓に走行中ひび
 16日午後3時ごろ、兵庫県赤穂市内の山陽新幹線岡山−相生間を走行していた広島発車京行き「ひかり140号」で、乗客から「トンネルに入る前に窓ガラスにひび割れが入った」と車掌に連絡があった。JR西日本が調べた結果、1号車の進行方向左側(山側)の窓ガラス(縦66a、横78a)1枚に直径1_の衝突痕があり、そこから対角線状に波形のひびが入っていた。運行に支障はないと判断し、そのまま東京駅まで運転を続けた。同社は、何かが衝突した可能性もあるとみて調べている。(朝日新聞)
■高槻OPA進出を断念 JR駅再開発
 大阪府高槻市のJR高槻駅北地区の再開発事業をめぐり、主要商業施設「高槻OPA」(仮称)として進出を予定していたダイエーグループの不動産賃貸会社、十字屋(本社・東京)が、同地区市街地再開発組合(古川明理事長)に、事業からの撤退を表明したことが16日分かった。再開発の中核として期待が高かっただけに影響は大きく、同組合は新たな進出企業探しを迫られている。
 同再開発事業はJR高槻駅北側約2.9fに、高層マンション棟(30階建て)や商業棟(7階建て)を建設する計画。総事業費約471億円。高槻OPAが商業施設の中核になる予定で、計画通り進めば来春にも着工の予定だった。
 十字屋によると、個人消費も伸びず、出店の採算性が非常に厳しいと判断したという。
 古川理事長は「計画が最終段階に入った時期に撤退を決めたことに強い怒りを感じる。6ヵ月間をめどに新たな進出企業を探し、早急に(計画を)立て直したい」と話している。(朝日新聞)
■事故死男性の身元判明
 16日午後11時20分ごろ、滋賀県伊香郡木之本町穴師うるし原、JR北陸本線第二黒田踏切で、電車に男性がひかれ死亡した事故で、死亡したのは、その後の木之本署の調べで、福井県武生市の会社員(48)とわかった。
 同署は自殺と見て原因などを調べている。(京都新聞 夕刊)
■JRへの雇用 継承を認めず 動労千葉の上告棄却
 1987年4月の旧国鉄の分割・民営化に伴い、新会社のJR東日本に採用されなかった動労千葉の組合員11人が、JR東日本を相手取って雇用関係の確認などを求めた訴訟の上告審で、最高裁第二小法廷(北川弘治裁判長)は17日、「(採用の前提となる)名簿に載らずに採用通知を受けなかった組合員とJRとの間で労働契約が存在するという理由はない」との判断を示し、請求を退けた二審・東京高裁判決の判断を支持して、動労側の上告を棄却する判決を言い渡した。
 JR設立時の職員不採用問題の責任をJRが負うかどうかをめぐる初めての最高裁の判断となった。(朝日新聞 夕刊)
■天井壁落下か 英で列車脱線 トンネル内、2人軽傷
 【ロンドン17日=沢村亙】英国南東部ケント州で16日午後1時ごろ、ロンドンに向かっていた列車がトンネル内で脱線する事故があった。乗客56人のうち、2人が病院に運ばれたが軽傷。交通警察によると、レール上に石灰質の破片が散乱しているのが見つかり、トンネルの天井壁がはがれて落下、脱線を引き起こしたと見ている。
 列車は脱線したまま約800b、トンネル内を走り続けたという。列車の速度が比較的遅かったため、惨事を免れたらしい。(朝日新聞 夕刊)
18日■山陽新幹線に新700系 航空機と競い32分短縮 春のダイヤ改正発表
 JR旅客6社は17日、来年3月11日に実施する春のダイヤ改正計画を発表した。
 航空機との競争を意識してスピードアップや乗り継ぎ時間の短縮を図り、山陽新幹線では700系の新型車両を使った8両編成「ひかリレールスター」が登場する。
 「ひかリレールスター」は山陽新幹線の新大阪−博多間を1日18往復。航空機との対抗上、最高速度を時速185`までアップ、博多までの所要時間が平均2時間45分となり、現行のひかりに比べて32分短くなる。
 しかし、これに伴い東京−博多間を12往復していた「ひかり」は平日6往復に、土曜、日曜は3往復になり、その他は広島止まりに。JR西日本は「広島以西へはのぞみか、ひかりを乗り継いでほしい」としているが、利用客から不満の声も出そうだ。(京都新聞)
■快速の新設や接続 福知山−大阪間を短縮
 JR西日本福知山支社管内では、福知山線篠山口−大阪間でデータイム(午前9時−午後5時)に「丹波路快速」を新設して時間短縮を図るほか、福知山−大阪間も、篠山口駅での同快速接続で、到達時間が短縮される。
 比較的新しい221系電車で運転する「丹波路快速」では、篠山口−大阪間で今より最大5分短縮される。それを受け篠山口駅では、福知山からの普通列車と同快速の接続を同一ホームで行う。改正後の福知山−大阪間は、乗り換え時間を含んで上りで現在より平均15分(2時間5分)、下りで同4分(2時間11分)短縮される。
 上下合わせて43本の福知山−大阪間の直通快速のうち、朝の通勤時間帯の3本、夕方にも5本に221系車両を投入し、快適性の向上を目指す。(京都新聞)
20日■SLを化粧直し 正月準備整える 福知山で保存会
 元国鉄の機関士らで作る「福知山SL保存会」(長澤雅司会長)のメンバーらが19日、福知山市の広小路商店街に置かれている蒸気機関車と炭水車の大掃除とペンキの塗り替えを行い、正月準備を整えた。
 この蒸気機関車「C58 56」(53.6d、長さ約11b)と炭水車(18.5d、長さ約7b)は今年9月、近くの「福知山鉄道館ポッポランド」の1周年を記念し、商店街の活性化に役立てようと、福知山市が「西駅公園」(同市北本町)から移設した。
 同保存会は毎年4回、蒸気機関車と炭水車を掃除、うち1回はペンキも塗り替えており、市に移設を要望し続けていた。
 この日集まったメンバー15人の中には、機関士時代の制服で参加した人も。それぞれ「もっとたくさんの人に見てもらえるように」との願いを込め、丁寧に各部の汚れを落としたり、黒色のペンキを塗っていた。
 22日午後6時からは、蒸気機関車に飾られた電飾の点灯式が行われる。電飾は来年1月15日まで。(京都新聞)
■2000京都市長選 どうする借金 京都市財政の課題 <中> 「右肩上がり」時代去る 財政膨張、地下鉄が拍車
 議員「桝本市長就任後の4年間で、市債はどのくらい増えたのか。前の4年間と比べてどうか」。
 理財局「発行額から償還(返済)額を差し引けば1800億円増えている。前の4年間は2300億円だった。この4年間で特に増えたということはない」。
 京都市議会の普通決算特別委員会でのやりとりだ。
 だが、4年ごとの借金残高をさらにさかのぼると、増加額は610億円と1100億円。「前の4年間(1992−95年度)」が突出しているのだ。この間の94年、京都は平安建都1200年にわいていた。
●次々大型施設
 「記念事業として後世に残るようなものを」と、京都市は95年に京都コンサートホール(192億円)、96年には市勧業館(257億円)など、大型施設を相次いで完成させた。
 97年10月に二条−醍醐間が開業した地下鉄東西線も、89年の着工当初は建都1200年に合わせた完成を目指していた。
 工法変更などで膨張した総事業費は結局、4537億円。このうち約3割は、一般会計で借金をして、出資金や補助金として企業会計(高速鉄道事業特別会計)につぎ込まれた。
●背伸び
 「介護保険制度の基盤整備をほぼやり遂げたのは大きな仕事だ」
 10月21日、桝本頼兼市長は1期目を振り返って胸を張った。
 市は96年度以降、特別養叢老人ホームやホームヘルパーなどの増設、増員の目標数を掲げた高齢者保健福祉計画の実現に向け、約1040億円を投入した。
 このうち、特養ホーム15施設(1170分)の建設には借金を含む計 232億円の予算をつけ、着工済みの定員を1.5倍に増やした。
 左京区で建設が進む一般廃棄物処理施設「東北部クリーンセンター」の建設には、来年度までの5年間で約700億円、プール建設など西京極総合運動公園整備には、今年度から4年間で170億円を投じる。いずれも、7割以上は借金だ。
 98年度までの10年間で、一般会計の歳入総額は1.6倍に増えた。だが、市税収入は1.2倍にとどまり、その前の10年間の伸び(2.2倍) を大きく下回る。
 一方、市債発行額は2.8倍。地方交付税(1.7倍)や国・府庫補助金(1.6倍)の伸びをも上回る。収入不足を借金で補い、背伸び気味に事業を進めてきた格好だ。こうして、一般会計の借金残高は10年間で2倍に膨らんだ。
●見込み違い
 バブル崩壊後、公共事業を重視した国の経済対策も償金頼みに拍車を掛けた。いったん自治体に借金をさせ、返済時に地方交付税の形である程度、補てんする。そんな手法で、借金での地方単独事業を誘導した。
 「国との”お付き合い”もあるし、どうせいつかは造る施設なら、有利な条件のうちに」と、多くの自治体が飛びついた。
 「ここまで景気回復に時間がかかるとはだれも思っていなかった。借金を増やして事業を進めるのは、税収が右肩上がりで伸びる時代なら、いいやり方だったんですが……」
 市の担当者は口をにごした。(朝日新聞)
■洛西延伸へ調査費 地下鉄東西線 需要予測など
 京都市の地下鉄東西線(醍醐−二条間12.7`)を二条駅以西に延伸する都市鉄道調査費が、20日内示された来年度政府予算の大蔵原案で新規に盛り込まれた。市は先月上旬、二条駅から右京区の天神川付近まで約2.4`の延伸について事業化の方針を明らかにしており、調査費が認められたことで、東西線西伸の具体化に弾みがつきそうだ。
 本年度予算から新設された「都市鉄道調査」の対象には全国11ヵ所の事業が盛り込まれ、新規では唯一認められた。全体の予算総額は3億2000万円(要求額3億5000万円)。新線や延伸事業の需要予測、事業費の概算、採算性の見通しなどを個別に調査する。
 東西線の二条駅以西の延伸計画は、運輸政策審議会が1989年、西大路までの約1`を「2005年までの整備が適当」、西大路−洛西間(約9`)を「同年までの着手が適当」と答申している。
 運輸省都市鉄道課は「着工を前提とした調査費ではない」としているが、調査対象区間には洛西までの全路線が含まれる。すでに京都市は2007年度の開通を目標に、二条−天神川の区間を早期に着工する方針を表明しているが、長年の懸案である洛西ニュータウン(西京区)への延伸事業の可能性も新たに探られることになる。
 東西線は現在、醍醐−六地蔵間(2.4`)の延伸事業が2004年度の開業を目指して建設中。大蔵原案では、同事業の地下鉄整備事業費補助も総額575億8700万円の中に組み込まれた。(京都新聞 夕刊)
21日■新JR加茂駅が完成 東西連絡通路も きょう始発から使用
 相楽郡加茂町のJR加茂駅(同町里)の新しい橋上駅舎と東西連絡通路の完成式典が20日、新駅舎で行われた。JR西日本が、加茂駅周辺特定土地区画整理事業に伴って駅舎移転を進めてきた。東西連絡通路は町道として使われる。新駅舎は21日の始発電車から使い始め、現駅舎は20日の最終電車到着後、102年の歴史を閉じた。
 この日の完成式典には関係者約70人が出席。稲垣守町長らがテープカットして新駅舎のスタートを祝った。
 新駅舎は鉄骨2階建てで、延べ約530平方b。玄関は、現駅舎の玄関から北へ約15b移し、ホームと改札口を結んで2基のエレベーターを設けた。町がJRに移転補償費約12億円を支払って工事を進めた。
 東西連絡通路は、駅舎の南側を横断する幅6b、長さ約90bの歩行者専用道。東西の入り口には各1基のエレベーターを設置した。駅舎とは別に町が約6億円の建設費で整備した。明治の鉄道建築として注目された木造の現駅舎は、駅前広場の整備予定地に含まれるため、近く取り壊される。
 新駅舎完成に伴って、従来駅西側にあった奈良交通の南加茂台・奈良行きのバス停は、21日から駅東側に移る。さらに有料の駐輪・駐車場が駅東側に新設される。(京都新聞)
■新型のひかり公開 新大阪−博多32分短縮
 JR西日本は20日、来年3月11日から山陽新幹線に新たに登場する「ひかりレールスター」を報道陣に公開した。
 レールスターは、最新型の700系車両(最高時速285`)を8両編成で運用。車体はグレーを基調に窓の下に黄色いラインを配し、外観を一新した。
 現行のひかりと同一料金で新大阪−博多間を2時間45分で結び現在より32分短縮、航空便に対抗する。1日に18往復する。
 車内の快適性を重視、指定席(5両)は片側2席でグリーン車並みのゆったりシート。ノートパソコン用電源を20ヵ所、4人用個室を4ヵ所にそれぞれ設けた。4号車は車内放送をカットして静かな車内を保つ「サイレンス・カー」。
 トンネル壁崩落事故でイメージダウンの山陽新幹線だが、担当者は「レールスター投入で汚名を返上したい」と意気込んでいる。(京都新聞)
■淀駅高架工事ゴー 2005年度に完成 交通渋滞解消へ
 京都市、京阪電鉄、日本中央競馬会が共同で取り組む京阪本線淀駅(京都市伏見区淀)高架化工事と同駅周辺の整備事業の起工式が20日午前、同線に隣接する京都競馬場で行われた。完成は2005年度を予定。総事業費は約280億円。
 同駅周辺は、道路が狭いうえ、近接する3つの踏切で車両の通行が1日当たりそれぞれ6時間も遮断され、交通渋滞が慢性化している。土・日曜は京都競馬場へ約10万人の競馬ファンが訪れ、混雑に拍車がかかっており、地元の淀、淀南、納所の3自治連合会が高架化の要望を出していた。
 計画では、淀駅舎を現在地から線路沿いに北東へ約280b移動させ、京都競馬場に直結。駅舎を中心に約1.5`を高架化し踏切を撤去する。新駅舎北側には約3000平方bの駅前広場を設け、周辺に分散しているバス乗り場を集約させるほか、高架沿いに自転車と歩行者の専用道路を含めた約1.3`の側道を整備する。この日の起工式には、桝本頼兼市長、金馬昭郎京阪電鉄社長、岡本金彌日本中央競馬会常務理事と地元住民ら約300人が出席。桝本市長が「活力に満ちた地域のまちづくりに大きな弾みとなる」とあいさつし、地域の利便性の向上に決意を示した。(京都新聞)
■京阪・淀駅周辺高架化 渋滞緩和狙い起工式 2005年度完成目指す
 京都競馬場(伏見区)周辺の交通渋滞を緩和することを目的とした京阪本線淀駅付近の高架化事業の起工式が20日、同競馬場であった。競馬の開催日には約15万人が詰めかけ、周辺の踏み切りなどが込み合うため、京都市と京阪電鉄(本社・大阪市)、日本中央競馬会が総事業費約280億円を出し合う。2005年度の完成を目指す。
 高架化するのは、伏見区納所下野から同区淀木津町までの約2.0`。新しい淀駅を現在の約250b北に設ける計画。(朝日新聞)
■「コンクリ落下」疑問視 「ひかり」運転台の窓破損 JR 鉱石、直撃の疑い 別見解の専門家も
 山陽新幹線岡山−新神戸間を走行中の「ひかり160号」の運転台の窓ガラスに今月6日、ひびが入った事故で、窓ガラスに付着していた白い粉状の物質の成分を分析した結果、何らかの鉱石が直撃した疑いのあることが20日、JR東海の調べで分かった。物体の特定はできていないが、関係者によると、成分などから「長石」という鉱石とみられるという。同社はセメントの成分が検出されなかったことから「コンクリートが落下したことは考えにくい」としているが、「砂利などのコンクリート骨材の可能性がある」とする専門家もいる。
 ひかり160号では6日午前11時10分ごろ、運転士がひび割れに気づいた。運転台の窓ガラスに直経約1aの衝突痕があり、そこから上下約15aにわたって縦1本のひびがあった。ガラスは4枚重ねで、ひびは一番外側だけにあり、ガラス表面などに白い粉状の物質が付着していた。
 JR東海は、ガラスメーカーに白い粉の成分分析を依頼。その結果、酸化ケイ素とアルミニウム化合物などが検出された。関係者によると、これらの成分から物質の特定はできなかったが、成分比率から長石に類似した鉱石とみられるという。
 トンネル内壁からはがれ落ちたコンクリート片が直撃した疑いもあったが、同社は、セメント成分に含まれる酸化カルシウムが検出されなかったため、コンクリートの直撃は考えにくいとしている。また、これまでも線路の砕石(バラスト)が巻き上がってガラスを傷つける例があったが、今回は、先頭車両で、比較的高い位置の運転台にひびが入ったことから、砕石が直撃した可能性も低く、原因は不明だとしている。
 一方、コンクリートの材料に詳しい大阪工業大の二村誠二講師(建築材料学)によると、コンクリート中の砂や砂利などの骨材は、今回検出されたのと同じ成分が、ほぼ同じ比率で含まれているものがほとんどという。二村講師は、天井付近のトンネル内壁にある、セメントと砂利の混ざり方が不均一でコンクリートがもろくなる「ジャンカ」から骨材がはがれ落ちた可能性が高いとみており、「セメント成分の酸化カルシウムが検出されないことを理由にコンクリートの直撃はないと結論づけるには無理がある」としている。
 山陽新幹線では、トンネル総点検の始まった10月25日前後から、列車の窓ガラスにひびや傷が入る事故が相次ぎ、計20件にのぼっている。いずれも原因は分かっていないが、付着物が見つかったのはこの事故が初めてだった。
・長石 アルミニウム、ナトリウムなどを含むケイ酸塩鉱物。火成岩の主要成分の一つで、天然に多量に存在し、地殻の大部分を占める。砂利や砂として、ガラスの製造やコンクリートの骨材などに広く使われている。(朝日新聞)
■転換機に雪 7本に遅れ タンゴ鉄道
 20日午前6時13分ごろ、北近畿タンゴ鉄道の網野駅を発車しようとした豊岡発天橋立行き特急タンゴ・ディスカバリー62号が、線路の転換機に雪が固まっていて出発信号が出ないためストップ。積雪15aの周辺の雪を取り除いて15分遅れで発車した。このため、前後する上下線6本が最高16分の遅れを出し、約450人の通勤・通学客が影響を受けた。
 府峰山土木事務所の調べだと、この日午前8時現在の積雪は、丹後町間人で45aを記録したのを最高に、同町平で28a、弥栄町野中で37a、網野町網野で15a、峰山町丹波で5aを記録した。(朝日新聞)
■700系ひかり 目つき鋭く
 山陽新幹線に来年3月から登場する予定の「700系ひかり」(愛称名・ひかりレールスター)が20日、報道陣に公開された。700系はJR西日本とJR東海が共同開発した5代目新幹線車両。JR東海が3月から東京−博多間で「700系のぞみ」として運転しているが、JR西日本は新大阪−博多間でひかりとして走らせる。
 新大阪−博多間をこれまでより30分短縮した2時間45分程度で結び、1日18往復させる。(朝日新聞)
■大阪の地下鉄8号線を認可 今年度中に着工
 大阪市は20日、市東部を南北に走る計画の市営地下鉄8号線(井高野−今里間12`)の工事施工認可を運輸、建設両相から受けた、と発表した。今年度内に工事にかかり、2006年度の開通を目指す。
 同線には11駅が予定されており、建設費は356億円。(朝日新聞)
22日■エムケイ100円バス申請取り下げ発表
 タクシー会社エムケイ(京都市北区)は21日、京都市域を100円均一で運行する路線バスの認可申請を取り下げると発表した。京都市交通局が今月14日、100円均一の循環路線バス運行の計画を明らかにしたためで、22日にも近畿運輸局に申請取り下げの手続きを行う。
 この日、京都商工会議所で記者会見した青木定雄MKグループオーナーは「当初から、京都市が路線バスの見直しを実施すれば、当社の100円バスは取り下げるつもりだった。市が出した計画の今後の動向を見守りたい」と取り下げ理由を説明した。
 同社は、100円バスの認可実現に向けて署名活動を展開、ほぼ1ヵ月で27万6000人分の署名が集まった。青木オーナーは「市の運行する100円バスに成果が表れなかったら、あらためて申請する。いつでもバス事業に参入できる体制は取りたい」と述べた。
 また、近畿運輸局に同時に提出していた100円均一のジャンボタクシーと観光客対象の定額タクシーの2つの認可申請もいったん取り下げるが、運行ルートを見直した上で、来年1月15日までに再度申請し直すという。(京都新聞)
■7600万円賠償請求 臨界事故でJR東日本
 東海村臨界事故で、JR東日本は21日、事故を起こした核燃料加工会社ジエー・シー・オー(JCO)に対し、列車運休による減収や切符の払い戻し分など約7600万円の損害賠償を請求した。
 損害は、事故が起きた9月30日と翌10月1日の2日間について、前年に比べ収入が2割以上減った水戸、勝田駅など35駅が対象。常磐、水郡、水戸のJR3線で運休による収入減と切符の払い戻しなど約6500万円のほか、営団地下鉄への振り替え輸送経費約60万円や社員の超過勤務手当など約1060万円を加えた。(京都新聞)
■鹿児島・北陸ルート 一部新規着工検討へ 整備新幹線で政府方針
 政府・与党は21日、整備新幹線の未着工区間の新規着工に向けて具体的な検討に入る方針を決めた。与党内では、九州・鹿児島ルートの博多−船小屋間と、北陸の上越−糸魚川間などが新規着工対象として議論されている。財源や並行在来線のあり方などについて、政府・与党で検討会を設け、地元自治体やJR関係者から意見を聞きながら建設計画を作る予定だ。ただ、政府は、現在編成中の来年度予算の整備新幹線建設費は既着工部分に限り、新しい着工区間には使わない方針だ。
 与党3党の建設促進協議会は今月16日、未着工区間のうち、博多−船小屋間と上越−糸魚川間について、早期の着工を求める方針を決めた。博多−船小屋間が完成すれば、九州・鹿児島ルートが完成するため、政府も優先的に着工を検討する方針だ。北陸については、与党内に「着工区間を上越−糸魚川に限定せず、拡大すべきだ」という意見もあるため、対象区間は検討会で詰める。(朝日新聞)
■市の計画受け 百円観光バス申請取り下げ きょうエムケイ
 京都市で運賃100円の観光バスを計画していたタクシー会社のエムケイは21日、近畿運輸局に提出した経営免許申請を22日に取り下げると発表した。青木定雄オーナーが会見して明らかにした。京都市交通局が来年4月から運賃100円の循環バスを試験運行する計画を明らかにしたのを受けた。青木オーナーは「市が計画を拡大するか見極めて、今後の計画を決めたい。バスの試乗会は今後も月に1、2回のペースで続けて、いつでも参入できる態勢は維持する」と話している。
 エムケイの申請では、JR京都駅が起点の2路線と祇園が起点の1路線で、午前6時から午後10時まで10分おきに運行する計画だった。これに対して市側は今月に入り、市中心部の約3.4`を循環する路線で、土、日曜と祝日の午前10時から午後5時まで10分間隔で100円バスを運行する計画を明らかにした。エムケイは、自社の100円バス申請に先だち、京都市に100円バス実施を呼びかけていた経緯もあり、今回は取り下げることにした。
 また、運賃1人100円の9人乗り大型タクシーや、主な観光地間を200円で結ぶ乗り合いタクシーも同時に申請していたが、100円バス参入中止で計画全体を見直す必要があるため、こちらも取り下げるという。(朝日新聞)
23日■小浜線電化を申請 運輸大臣に JR西日本 2003年春開業へ
 JR西日本は22日、小浜線の電化の認可申請を運輸大臣に行った。来年2月に認可される見通しといい、同年4月から工事に着手、2003年春の開業をめざず。
 小浜線は、舞鶴市の東舞鶴駅から敦賀市の敦賀駅を結ぶ延長84.3`の路線で、京都府域は7.8`。現在は、ディーゼル車両で運行している。
 電化・高速化を目指し、JRや府、福井県などで計画を進めており、総事業費は約101億円を見込んでいる。府域内の事業費約4億円のうちの半分について、府と舞鶴市がそれぞれ約1億円を負担する。
 府では府内JR各線の電化を進めており、小浜線の電化で、電化率は現在の90%から93%にアップする。
・地域の利便性向上
 江守光起舞鶴市長の話 申請は小浜線の電化に向けて大きく前進したものであり、沿線自治体として喜びに堪えない。(電化されれば)舞鶴線との都市間交通ネットワークが充実し、地域住民の利便性の向上と若狭湾沿岸の発展に大きく寄与する。一日も早く着工できるよう、府と連携して要望を続ける。(京都新聞)
■事故相談室を本社内に移転 信楽高原鉄道
 信楽高原鉄道事故ご被災者相談室(室長・井上春絹同鉄道社長)は22日、事務所をこれまでの大津市京町三丁目の「滋賀事務所」から甲賀郡信楽町の同鉄道本社内に移し、28日から業務を行うと発表した。
 同相談室は1991年に起きた同鉄道とJR西日本との列車事故の補償業務のため設置。移転は、今年3月に民事訴訟裁判で原告勝訴判決の結果が出たことや、補償業務が一段落したためとしている。
 移転先は〒529-1851 信楽町長野192 、同鉄道内。0748(82)3586、FAX(82)3591。(京都新聞)
■整備新幹線 選挙控え「道筋」優先 新規着工検討政府与党合意 ばらまきの恐れ
 整備新幹線の未着工区間の新規着工に向けて検討を進めるという政府・与党の合意は、財源をどうするのか、検討の対象はどの区間か、など難しい問題はあいまいにしたままだ。総選挙をにらみ、新規着工に道筋をつけた格好を取ることだけを最優先したもので、「だれも傷つかない」(政府関係者)内容だ。大蔵省は公共事業などに大盤振る舞いした積極予算は今回限りという姿勢だが、新たに発足する検討会が、今後も、あちこちの区間に予算をばらまく仕組みになるおそれもある。
 「昨夜、文書で発表したことの上でもなければ下でもない」
 二階俊博運輸相は22日の記者会見で、新規に建設を着手する場合の財源など、具体的なことへの言及を避けた。
 21日夜の政府・与党の合意文書はわずか3行。「来年度予算成立後、政府・与党からなる検討委員会において、来年度以降の財源を確保するとともに、新しい区間の着工について検討し、その基本条件を確認の上、認可する」というものだが、合意にいたるまでの折衝は、ギリギリまでもつれた。
 与党3党の整備新幹線建設協議会はもともと、公共事業の特別枠を新たに設けて財源を確保し、未着工区間の着手に踏み出すことを求めていた。しかし、特別粋が認められず、景気悪化などの際に使う公共事業等予備費で扱うことになり、未着工区間の着手はいったん消えたかにみえた。
 ところが、整備新幹線建設に前向きな自民党の亀井静香政調会長は、未着工区間の着手を政府側に強く要求。21日になって、着手を検討することを決める方向になった。
 政府側には「与党に、押し切られたフリをすることが必要な場合もある」(運輸省関係者)との声もあり、検討会が発足しても、与党側と省庁側の調整が難航することも予想される。(朝日新聞)
24日■来年度政府予算案 景気回復、国債頼み 長期債務残高GDPの1.3倍 将来に危うさ
 解説 24日に閣議決定される2000年度政府予算案は、前年度比3.8%増となる84兆9800億円の「積極型」となった。宮沢喜一蔵相は「景気対策のための財政出動は最後」との覚悟で、32兆6100億円の新規国債を発行。国債依存で景気回復につなげるという”かけ”だが、「亡国の予算」(武村正義元蔵相)との指摘もあるように、将来には危うさが付きまとう。
 来年度で掲げる経済成長率1.0%を達成するための巨額な借金により、国・地方の借金を示す長期債務残高647兆円は、実にGDPの1.3倍。景気回複で少々税収が増えても、金利上昇で利払費の負担が膨らみ、借金返済が進まないという財政構造では、徴底した歳出削減なしに財政健全化は語れない。
 しかし、自自公連立政権の下での予算編成は、総選挙も控えて、例年以上に政治色を強めた。介護保険料の徴収を先送りし、児童手当の拡充や診療報酬値上げ、さらに採算性に疑問も残る整備新幹線の建設費を公共事業等予備費の形で盛り込んだ。その結果、無駄遣いの元凶と批判される省庁別、事業別シェアの固定化は、2001年1月に省庁再編を迎える今にして、またも温存された。
 超党派の国会議員有志でつくる「財政赤字を憂える会」の試算では、小渕政権の約1年半で借金は102兆円増えたという。総選挙の足音が近づけば、財政出動論が再び強まることも考えられる。現時点でも2000年度の利払費は1分当たり約2000万円にのぼる。
 財政健全化への軌道修正がなければ、市場が日本経済を見限り「国債格下げ、金利上昇、円急落」という「複数のチャンネルで日本の崩壊が始まる」(島田晴雄慶応大教授)ことも予想される。大蔵省は国債発行年数の多様化によって金利上昇を抑えようとしているが、借換債の増大や資金運用部の国債引き受け余力の低下で「戦略の限界が露呈するリスクは決して低くない」(野村総研)という。
 長引く消費低迷をとらえ、膨らむ財政赤字が将来の増税やインフレへの懸念を招いて、一層の景気後退を誘発するという「非ケインズ効果」も指摘されている。少なくとも、予算編成直前の社会保障制度見直しをめぐる与党3党のドタバタ劇は、財政赤字への危機感に乏しく、国民の政治不信を募らせた。
 予算案が審議される来年1月の通常国会から、財政再建も視野に入れた論議が求められる。(東京支社 有賀美砂)
・地下鉄東西線西伸に調査費 京滋分 大戸川ダム建設41億円
 24日に閣議決定される2000年度政府予算案で、京都府、京都市、滋賀県に関する予算の骨格が固まった。
 京都関係では、地下鉄東西線西伸の調査費や京都迎賓館の着工予算が、滋賀関係では琵琶湖保全や国道バイパスに関連経費が盛り込まれた。
政府予算に計上される京滋の主な事業(百万円未満切り捨て)
【京都】
地下鉄東西線(二条以西への延伸)都市鉄道調査3億2000万円
京都迎賓館の建設関連工事、埋蔵文化財調査など10億5300万円
関西文化学術研究都市関連
・建設推進方策調査2400万円
・国立国会図書館関西館建設100億6200万円
・勤労体験プラザ建設121億4700万円
京都高速道路(新十条通、油小路線)の整備101億4000万円
天ヶ瀬ダム再開発6億5000万円
総合地球環境学研究所の創設調査5000万円
京都大学関連
・人文科学研究所を改組新規採択
・公衆衛生分野などの専門大学院(修士過程)設置新規採択
・経済研究所に「金融工学研究センター」設置新規採択
舞鶴工業高等専門学校に2専攻科設置新規採択
【滋賀】
主要8ヵ国「G8」環境閣僚会合開催6800万円
琵琶湖の総合保全推進調査1300万円
特定湖沼水質浄化対策手法検討調査(千葉県印旛沼と共同)1100万円
大戸川ダム建設41億円
丹生ダム建設48億円
新愛知川地区国営かんがい排水22億7000万円
国道1号バイパス(石部町石部−甲西町岩根)5億円
南部工業用水道の改築新規採択
 京都分では、京都迎賓館の建設などに、ほぼ要求どおりの経費が盛り込まれたほか、国会図書館関西館、勤労体験プラザなど関西文化学術研究都市整備に必要な費用も確保された。
 京都市内には総合地球環境学研究所、京都大金融工学センターの設置が新規採択され、学都・京都への新たな研究機能の集積が図られることになった。
 滋賀分では、新たな水質改善方法を模索する特定湖沼水質浄化対策手法調査費など琵琶湖の水質保全に新たな予算確保のめどがついた。
 また、人口急増で渋滞が激しい湖南地域の国道1号バイパス整備のほか、同地域の工場などに給水している工業用水道の改築など、インフラ整備も進むことになった。(京都新聞)
■ひかりの窓にひび 山陽新幹線
 24日午前9時40分ごろ、山陽新幹線東広島−三原間のトンネル内を走行中の博多発東京行きひかり104号(100系、乗客約300人)で、3号車の乗客が窓ガラスのひび割れに気付き、車掌に届けた。
 JR西日本によると、進行方向左側(山側)の窓ガラス1枚に横一線のひびが入っていた。3層構造の一番外側だけで走行に支障はなく、そのまま運転した。
 同社は、ひびが入ったとみられる同区間の2トンネルに係員を派遣、内部を詳しく調べる。(京都新聞 夕刊)
■井上被告に午後求刑 地下鉄サリンなど10件 東京地裁
 地下鉄サリンや信者殺害をはじめ計10事件で殺人罪などに問われたオウム真理教元幹部井上嘉浩被告(29)の論告求刑公判が24日、東京地裁(井上弘通裁判長)で開かれ検察側の論告が始まった。求刑は午後に行われる。
 検察側は論告で、松本智津夫被告(44)=教祖名麻原彰晃=主導による教団武装化の経緯と井上被告の関与した違法行為を指摘した上で「地下鉄事件では松本被告と共謀し、現場指揮役として重要な役割を果たした」と述べた。(京都新聞 夕刊)
■トンネル内「窓にひび」 山陽新幹線ひかり
 24日午前10時10分ごろ、山陽新幹線の福山−新倉敷間を走行していた博多発東京行き上り「ひかり104号」(16両編成、乗客約300人)で、乗客から「午前9時35分ごろ、東広島−三原間のトンネル内で窓ガラスにひび割れが入った」と車掌に連絡があった。JR西日本が調べた結果、3号車の進行方向左側の窓ガラス(縦66a、横1.7b)に横一線のひびがあったが、運行に支障はないと判断し、そのまま運転を続けた。乗客の話から、ひびが入ったのは広島県本郷町内の本郷トンネル(全長約3.7`)か、第二高山トンネル(全長約3.2`)を通過中とみられ、同社は何かが窓ガラスに当たった可能性もあるとみて、両トンネル内で徒歩点検を始めた。(朝日新聞 夕刊)
25日■新幹線ごみが爆発 乾電池やリード線発見 爆破狙い犯行? 大阪の車両基地
 24日午後4時10分ごろ、大阪府摂津市安威川南町、JR東海大阪第一車両所(新幹線車両基地)ごみ焼却場近くで、東海道新幹線から収集したごみ袋(直径約1b、高さ1.3b)が突然「パーン」という大きな音とともに爆発した。爆発現場から約5b離れた所でリード線が付いた缶のふたと乾電池が見つかった。近くに作業員がいたが、けが人はなかった。
 消防によると、付近に置かれていたごみ袋が最大10bほど飛び散ったという。
 摂津署は新幹線を狙った可能性もあるとみて、爆弾事件として捜査を開始した。爆発物の破片などを収集し詳しく鑑定しているが、爆発物は比較的単純な構造という。
 調べによると、爆発したごみ袋は、午前11時10分東京発新大阪行きこだま415号として午後3時20分に新大阪駅に到着した新幹線の車両から収集された。
 こだま415号は、午前8時名古屋発東京行きのこだま452号の折り返し列車。こだま452号は東京駅で清掃を済ませ車内のごみはすべて車外に出しているため、同署は爆発物はこだま415号に持ち込まれたとみている。
 JR東海によると、東海道新幹線のごみの回収、焼却は、東京と三島(静岡県)、名古屋、大阪の各車両基地で行うという。同社は事件を受け、駅の巡回を強化して、ごみ収集の際には不審物に注意するよう、新幹線、在来線の全駅に通達を出した。
 同社によると、最近、同社に対し脅迫めいた手紙や事件を予告するような電話などはなかったという。
 こだま415号は大阪第一車両所に午後3時45分に到着し、作業員48人が車内を清掃。ごみを3袋にまとめ、基地内の焼却場にトラックで運搬しトラックから降ろしたところ、うち1袋が爆発したという。
 爆発で飛んだごみの中からバッグも見つかったといい、同署は爆発物がバッグに入れられていた可能性もあるとみて調べている。(京都新聞)
■新幹線のごみ袋爆発 ヒヤリ、走行中なら…
 大阪府摂津市のJR東海新幹線車両基地で24日、発生した新幹線収集ごみの爆発。「もし走行中だったら…」「ぞっとする」。突然の出来事がJR関係者を震かんさせた。
 JR関係者らは「新幹線に爆発物が仕掛けられたのはJR発足後、初めてではないか」と話し、ショックを隠しきれない様子。
 爆発したごみは、約50分前に新大阪駅に到着したばかりのこだま415号から収集された。
 JR東海関係者は「破壊力にもよるが、新幹線は車両底部が頑丈なので、仮に爆発があっても走行そのものに影響はないだろう」とするが、同列車には乗客約350人が乗っており、車内で爆発していれば乗客が巻き込まれた可能性が高い。
 JR東海によると、新幹線のごみの回収、焼却は、東京と三島(静岡県)、名古屋、大阪の各車両基地で行っているという。
・異様な緊張「対応できぬ」 車両基地の社員ら
 突然の新幹線のごみ袋爆発を受け、大阪府摂津市のJR東海車両基地には24日夜、報道陣が続々と詰め掛け、異様な緊張感が漂った。広大な敷地内にある現場は入り口から確認できず、社員は一様に「現場では対応できません」と口をそろえ、一時は殺気だった雰囲気も。報道陣は1時間余りの押し問答の末、ようやく社員を押し切る杉で敷地内に入った。(京都新聞)
■井上被告に死刑求刑 地下鉄サリンなど 「犯行、積極的」
 地下鉄サリンをはじめ計10事件で役人罪などに問われたオウム真理教元幹部井上嘉浩被告(29)に対し、東京地裁(井上弘通裁判長)で24日、検察側は「宗教とは無縁の無法者集団の犯行。松本智津夫被告(44)=教祖名麻原彰晃=の側近中の側近の実力者で、犯行に取り組む積極性と主体性は、どの事件のどの被告をもしのぐ」と、死刑を求刑した。来年1月17日、弁護側が最終弁論し結審する。
 地下鉄事件では、松本被告ら14人が殺人罪で起訴され、サリンをまいた実行犯5人のうち、自首減軽が認められ無期懲役が確定した元幹部林郁夫受刑者(52)を除く4人に死刑が求刑されている。
 井上被告について検察側は「犯行の根源にあるのは、教団での地位上昇への欲望や名誉、権力を望む世俗的欲求だった」とした上で「自己の関与をできるだけ小さくし、罪責を軽くしようとする態度が顕著だ」と厳しく批判した。
 地下鉄事件をめぐっては「実行犯と運転役の組み合わせを各自に伝え、散布路線や時刻を決めるのに必要な情報も提供。下見を指示するなど重要事項を主導的に決めており、東京での現場指揮者として終始、精力的かつ積極的に活動した」と指摘。
 さらに「犯行前夜に細部にわたり最終指示を与えており、謀議の点でも主導的役割を果たした」とし「ほう助犯にとどまる」との弁護側主張に反論した。(京都新聞)
■2000年度予算編成 児童手当、整備新幹線… 「政治主導」と与党、自画自賛 ばらまき批判押し切る
 自民、自由、公明三党は24日、連立を組んで初の2000年度予算編成について「3党の主張が取り入れられた、すばらしい予算案」(亀井静香・自民党政調会長)と政治主導による編成を自賛した。
 しかし、「世界一の借金王」(小渕恵三首相)財政にもかかわらず、整備新幹線問題や児童手当などで与党3党がそれぞれの要求を押し込もうとして予算は膨張。自民党内からさえ「将来にツケを回した」との批判が聞かれる。
 このうち児童手当の拡充は「福祉の党」の公明党が大幅増を主張。「ばらまき」批判を恐れた大蔵省や首相官邸側との折衝は難航したが、本年度相当規模に2200億円を上乗せし決着。公明党は「小さく生んで大きく育てる」(坂口力政審会長)と一層の拡充の芽を残したと評価している。
 整備新幹線については自民、自由両党が強力に推進。当初予算で352億円を計上した上、未着工区間は公共事業等予備費(5000億円)で対応する方向となった。
 「予備費は未着工部分の建設費としては使えない」と主張していた大蔵省に対し、亀井氏と自由党の二階俊博運輸相がアベック闘争。青木幹雄官房長官を巻き込んで「政府、与党が検討委員会を設置し新区間の着工について検討、認可する」との言質をとった。
 診療報酬改定は「特定の団体だけの利益を考えるわけにはいかない」(亀井氏)と実質0.2%の激増で決着。医師会などを抑え込んだと3党は力説する。
 しかし、児童手当拡充は年少扶養控除の減額で財源を確保するため実質増税となる人もいるほか、診療報酬改定も引き上げ分を老人の自己負担増などで賄うことになり実態は複雑だ。(京都新聞)
■バス仕様統一で合意 日野など4社 将来は共同開発も
 日野自動車、いすゞ自動車、三菱自動車工業、日産ディーゼル工業のトラックメーカー4社が、バスの仕様統一化を図ることで基本合意したことが24日、分かった。当面はそれぞれが設計・開発を独自に行うものの、共通仕様が定着する将来は「開発体制の統合も視野に協力関係の強化を進める」(関係者)ことにしている。
 今月、いすゞと日野がバス事業の統合を決めたばかりだが、残りの2社も巻き込んで一気に「バス再編」が進みそうだ。
 ただ独占禁止法の問題もあるため今後、関係機関と協議を進める。その上で顧客である自治体などバス事業者に対し、共通仕様の採用を働きかけていく。
 バス需要は、軽自動車の普及が進む地方を中心に路線バスの縮小が相次いでいる上、観光バスも景気低迷の影響で落ち込みが厳しい。1990年ごろには年間2万5000台レベルだった販売台数は、今年1−11月の累計で1万3500台余にすぎない。
 共通の仕様は当初は、乗降口や料金箱の位置、座席の配置などから進める。将来はさらに路線、観光など車両のタイプごとに1社に開発を集中させたり、車体自体の相互供給なども検討する。開発費削減に加え、部品共通化によるコストダウンも見込め、コスト削減分は「価格の引き下げなどで顧客にも還元する」(三菱自首脳)方針。
 バスは乗車口だけを取り上げてみても、前方に設けられたものや後部、さらには中央部から乗り込むものなど、事業者ごとに仕様がさまざまで「注文建築みたいなもの」(いすゞ首脳)。全体需要が減っても事業者ごとの仕様差はそのままのため、売上高に対する設計など開発費の割合は増大する一方という。(京都新聞)
■新幹線ごみ作業中爆発 摂津の車両所 爆発物持ち込むむ? リード線・発見 けが人なし
 24日午後4時10分ごろ、大阪府摂津市安威川南町のJR東海大阪第一車両所(鳥飼基地)で、東海道新幹線「こだま」の車両から回収した直後のごみ袋が爆発した。爆発したのは、この日午後3時20分に新大阪駅に着いた東京発新大阪行き「こだま415号」(16両編成、乗客約350人)から集めたごみ袋3個のうちの1個で、作業員が焼却所に運んだ後、トラックから下ろしている最中のことだった。けが人はなかった。爆発の現場付近にリード線らしきものと缶、かばんなどが落ちていたことから、何者かが爆発物を新幹線の車両内に放置した可能性があるとみて、大阪府警捜査一課は威力業務妨害などの疑いで捜査している。
 府警などによると、基地内に入ったこだま415号から運び出されたごみ袋は全部で3個あり、ほかの車両のごみ11個と一緒に、車両から約300b離れた焼却所にトラックで運ばれた。3個のうち1つ目を下ろし、2つ目を下ろそうとしたところ、最初のごみ袋が突然、爆発したという。爆発したごみ袋は直径が約1b、高さが1.3bあった。
 爆発物を載せていたとみられる新幹線は24日午前8時、「こだま452号」として名古屋駅を出発、午前10時52分に東京駅に到着した。その際、ごみはすべて車外に撒出されたという。その後、車両は東京駅を午前11時10分に「こだま415号」として出発し、新大阪駅には午後3時20分に到着した。その後、車両の整備や清掃などのため、鳥飼基地に午後3時45分に入った。午後4時すぎまでの約20分間、作業員約50人が車内に入り、清掃作業にあたったという。
 JR東海によると、清掃作業は関連会社の「関西新幹線サービック」(本社・大阪市淀川区)の社員らが担当していた。鳥飼基地は2ヵ所の出入り口に守衛がおり、外部の人間は入れないという。基地内のごみ焼却所は平屋建てで、床面積は約500平方b。2基の焼却機があり、1日に3350`の処理能力がある。1時間に1800`のごみを燃やせ、1日に計61両の車両のごみを処理しているという。
 新幹線車内のごみは新大阪駅のほか、東京駅や名古屋駅でも回収している。東京駅などでも、新大阪駅と同様、近くの車両基地内の焼却所などにごみを集め、焼却処分している。
 現場は、JR東海道線千里丘駅の南約2.5`で、鳥飼基地の東門から西に約200bの安威川沿い。周囲には、流通センターや下水処理場、資材置き場がある。(朝日新聞)
■ごみ箱死角 JR衝撃 乗客チェック困難 緊急警戒乗り出す
 東海道新幹線のごみに爆発物が仕掛けられていた疑いが強まった−。1964年の東海道新幹線開業以来、爆発物が実際に車内に仕掛けられたことはなく、JR東海関係者も驚きを隠せない。同社は、ほかの列車や沿線の各駅にも爆発物が仕掛けられている可能性もあるとして、すべてのごみのチェックなど緊急の警戒に乗り出した。しかし、列車内のごみ箱内については爆発物のチェックは事実上不可能といい、今後、JRの危機管理への姿勢も問われそうだ。
 JR東海によると、これまでにも「新幹線に爆発物を仕掛けた」などという電話はあったが、調べてみると、仕掛けられた形跡はなかったという。それだけにJR東海も驚きとともに、「一体何が起きたのか」とのショックも大きい。
 新幹線の場合、飛行機と違って、乗車前に駅などで手荷物の検査などはなく、乗客はいわば「素通り」の状態。乗客が何を車内に持ち込んでいるのかについては、チェックの仕様がないのが実情だ。今回の事件のように、一般ごみと一緒に車内のごみ箱に爆発物などを仕掛けられてしまえは、清掃作業員や乗務員もごみ箱内まで検査はしないので、死角となってしまう。
 これまでも爆発物を仕掛けたという脅迫じみたものはあったが、実際に仕掛けられはしなかったこともあり、JR側も爆発物対策については対策を講じきれなかった。いわば不意をつかれた事態に対して、JR東海のみならず、山陽新幹線や東北新幹線などを運行させるJR西日本などJR関係者は何らかの対策についての検討を始めた。
・車両に爆発物、過去なし
 大阪府摂津市の新幹線の車両基地で24日、車両内で集めたごみの袋が爆発した事件は、車両そのものに爆発物が置かれたとすれば過去に例はない。前例があるのは、爆発物を置かずに「爆破予告」をしたり、線路わきの壁を爆破したりする事件だけだ。
 1990年11月26日早朝、横浜市港北区の東海道新幹線わきのコンクリート壁が爆破されてコンクリート塊が線路上に落下した。この日は天皇、皇后両陛下が正午前に東京を発車する新幹線を使って、三重県の伊勢神宮に向かうことになっていた。かなり威力のある爆発物とみられ、神奈川県警は現場に残っていた時限発火装置の一部と見られる部品などから、中核派の犯行と断定した。
・断じて許せぬ行為
 ジャーナリスト・大谷昭宏さんの話 今年はトンネルの崩落事故で新幹線が注目された年だっただけに、便乗・愉快犯の可能性もあるが、高速で走る列車を狙った行為は断じて許されない。飛行機の場合は全日空機のハイジャック事件以来、空港でのチェックが厳しくなった。しかし、満員なら飛行機以上の乗客を乗せる新幹線は、手荷物検査や金属深知機検査をするわけにもいかず、乗客との信頼関係のうえに成り立っている。その点を突かれた犯罪だ。飛行機並みにしろと言えないだけに、無防備な高速輸送について社会全体として考える必要があるのかもしれない。(朝日新聞)
■ごみ袋爆発 帰省ラッシュ厳戒 JR各駅 巡回、不審物チェック
 大阪府摂津市のJR東海大阪第一車両所で、東海道新幹線「こだま415号」から回収した直後のごみ袋が爆発した事件で、東海道新幹線をはじめJR各線では25日早朝から、各駅や列車内について不審物などに対する警戒を強めている。ちょうど小学校などで冬休みが始まり、ふるさとへ向かう帰省客や行楽客が増える時期とぶつかり、厳戒態勢のなかでの帰省ラッシュを迎えた。
 東海道新幹線は始発から全列車の車内で「不審物を見つけたら、乗務員にお知らせ下さい」との車内放送を流している。
 新大阪、東京、名古屋などの全16駅でも駅員が2人1組になって、ホームのごみ箱を上からのぞきこんだり、待合室のベンチの下や公衆電話の横、トイレ内などを見回りしたりするなど目を光らせている。
・アルミ缶はかばん内に
 大阪府摂津市のJR東海大阪第一車両所で、新幹線車両から回収されたごみ袋が爆発した事件で、爆発物とみられるごみ袋内のアルミ缶は、黒の布製かばんに入っていた可能性が高いことが25日、摂津署などの調べで分かった。同署は、犯行を推測させるメモなどが見つかっていないことから、何らかの時限装置を使った悪質ないたずらの疑いがあるとみており、遺留物の鑑定を進めている。
 調べでは、アルミ缶は縦約10a、横約5a、高さ約20a。現場の数bの範囲でリード線がついたふた部分や電池類、黒の布製かばんの切れ端が見つかった。(朝日新聞)
■爆発、乗客下車50分後 新幹線 「もし走行中だったら」 帰省期控え不安・怒り
 新幹線を狙ったのか−。24日夕、大阪府摂津市のJR東海大阪第一車両所(鳥飼基地)のごみ焼却所で、新幹線から回収したばかりのごみ袋が爆発した。新大阪駅で乗客を降ろしてから約50分後。「もし客を乗せて走行中だったら」。新幹線の運行が始まって以来、前例のない悪質な事件に、帰省ラッシュを控えた駅では、不安と怒りの声が広がった。
 爆発が起きた鳥飼基地では、東門前に午後10時前後から報道陣が集まり始めた。同じころ、警察やJR関係の車10台前後が慌ただしく出入りしたが、広い構内は歩く人もほとんどなく、静まり返っていた。
 爆発現場は門から約200b入ったところで、門付近からは建物などに遮られて、様子はうかがえない。ときおり捜査車両のものと思われる赤色灯の明かりが見える程度。整備基地の監督職員数人が居残って門の前で報道陣を制止しながら、「広報と連絡が取れない」と繰り返した。
 東門は片側二車線の府道に面し、車の通行は多いが、付近に住宅はまばらで、夜間は通行人もほとんどいない。約100b離れた住宅に住む主婦(52)は「爆発が起きていたとは知らなかった。怖いことだ」と話していた。
 鳥飼基地のごみ焼却所のすぐ裏にある産業廃棄物処理施設の作業員、東浦克己さん(44)は「午後4時15分ごろに出動してきたが、爆発音もパトカーなどのサイレンの音も聞いておらず、話を聞いてびっくりした」と話した。
 JR東海によると、鳥飼基地は広さ約37万平方b。東海道・山陽新幹線の車両を最大43編成止めることができる。
 鳥飼基地で新幹線の車内整備を担当している関西新幹線サービックによると、新幹線の清掃作業は通常、20−35人ごとにつくった7作業班が順番に受け持つ。1列車あたり1−2班で担当。各車両のごみ箱内や座席下などに残されたごみを16号車のデッキに集め、トラックに載せて焼却場に運ぶ。可燃物と瓶・缶類は分けて収集するが、どちらもいったんは焼却場に運ぶという。
 同社鳥飼事業所の担当者は「爆発があったとは聞いているが、焼却場から事務所までは1`ぐらい離れているので音も聞こえなかった。爆発なんて初めてのことだ」と話している。
 1日に200本以上の新幹線が発着しているJR新大阪駅は、クリスマスイブのこの日の夜、ケーキを片手にしたカップルや、少し早めの帰省客でにぎわっていた。
 新大阪駅は10日から「年末年始輸送安全総点検」期間になっていた。改札口の前にいたJR東海の駅員は「そんなことがあったのですか。初めて知りました。最近いろんなトラブルが起きていて大変なのに」と、びっくりしていた。
 東京から新幹線に乗って着いた埼玉県の会社員小和田政樹さん(37)は最近男の子が生まれたばかり。大阪府堺市の妻の実家にいる子どものために、初めてのクリスマスプレゼントの入った袋を手にしていた。「新幹線の中での爆発という惨事にならなくて良かった。この年末年始は子どもの顔を見に何度も新幹線を利用するので、こういう事件があると怖い。チェックを細かくして、安全に運転してほしい」と話した。
 小倉駅からのぞみに乗って大阪に着いたばかりという北九州市の会社員山崎真一さん(29)は「もし自分が乗っていた列車で起こっていたらと思うと、怖くなる。最近はトンネルのコンクリート塊落下など新幹線での事故が多い。JRは乗客の安全確保を第一に考えてほしい」と話した。(朝日新聞)
■大阪市バス運転手起訴 覚せい剤使用容疑
 大阪地検堺支部は24日、大阪府松原市上田五丁目、大阪市バス運転手樅山洋志容疑者(36)を覚せい剤取締法違反(使用)の罪で大阪地裁堺支部に起訴した。樅山容疑者は「1年前から10日に1回、覚せい剤を使っていた」と供述しており、10月には乗務中に接触事故を起こしていた。その後、一時休職し、11月8日に復職してからは営業所でバスの誘導などをしていたという。大阪市交通局は「覚せい剤を使っていたことはまったく気がつかなかった」と話している。
 起訴状によると、樅山容疑者は12月2日ごろ、宿泊先の大阪府泉大津市内のビジネスホテルで覚せい剤を腕に注射したとされる。(朝日新聞)
■爆破は新幹線一般ごみ 低いテロの可能性 摂津 簡易な時限装置
 大阪府摂津市のJR東海大阪第一車両所(新幹線車両基地)ごみ焼却場近くで、東海道新幹線から収集したごみ袋が爆発した事件で、爆発したごみは、新幹線車両から燃えるごみなどの一般ごみとして収集されていたことが25日、大阪府警摂津署などの調べで分かった。
 これまでの調べで、爆発現場で見つかっているのは、リード線が付いた缶のふたと乾電池だった。
 爆発物は複雑な構造の装置ではないため、同署などは殺傷を狙ったテロなどの可能性は低いとみている。
 摂津署などは、爆発したごみは直接ごみ箱に捨てられたか、車両内に置かれていたものが清掃の際に収集された可能性もあるとみて、JR東海や焼却場の作業員らから詳しく事情を聴くとともに、爆発現場で集めた爆発物の破片を鑑定し、構造などの解明を進める。
 JR東海は同日までに、爆発したごみが集められた新幹線車両の座席下などを見回り、不審物がないか細かく点検。
 同署は、何らかの時限装置が組み込まれていた可能性が高いとみて、飛び散った爆発物の部品などを分析している。(京都新聞 夕刊)
■車が線路130b走る 大津・京阪 飲酒の容疑者逮捕
 25日午前2時20分ごろ、大津市浜大津一丁目、京阪電車浜大津駅構内の線路に、草津市の男性会社員(52)の乗用車が道路から進入。線路上を約130b走りホーム先端付近で停車した。線路内にある自動列車停止装置数ヵ所を壊したが、電車の運行に影響はなかった。
 大津署は、近くの交番に届け出に来た男性の呼気1リットル中から0.35_cのアルコールを検出したため男性を道交法違反(飲酒運転)の疑いで現行犯逮捕した。
 同署の調べでは、現場は道路に線路が設置された併用軌道と一般道路の交差点で、交差点南東側の浜大津駅から専用軌道に変わる。男性は併用軌道の道路から駅構内に進入した、という。深夜で運行中の電車はなかった。乗用車は、同駅職員らが約400b先の踏切まで押して移動し撤去した。(京都新聞 夕刊)
26日■京都市交通局 烏丸線(地下鉄)の全駅業務委託 リストラで労組と妥結
 京都市交通局は25日までに、市バスと地下鉄の巨額赤字解消に向けたリストラ計画案「経営健全化プログラム21」について、労組側と大筋で妥結した。2000年度から同計画を実施する。一般職員の給与を3年間5%カットする当初案に加え、管理職は最高7%まで削減幅を広げる。ほかにバス乗務員らの昇給凍結、地下鉄烏丸線の駅業務の民間委託なども盛り込み、試算では2004年度末までにバスと地下鉄合わせて職員約630人と151億円のコストを削減する。
 交通局の98年度決算は、バスが地下鉄東西線開業による乗客減で前年度の9倍の19億円、地下鉄も建設費の利払いが本格化し、経常赤字が289億円となった。
 また2001年度からの乗合バス事業の規制緩和でさらに厳しい経営が迫られており、局側が9月に、給与の減額や人員削減、ノルマ拡大などのリストラ案を発表。労組側と交渉を重ねていた。
 妥結した内容によると、給与などの削減では、当初案の全職員一律5%カットから、課長・部長級は6%、局長級以上は7%に削減率を引き上げた。係長級以上は管理職手当も10−20%減らす。超過勤務手当の削減も盛り込んだ。
 また、2003年度からの定期昇給をバス運転手で24ヵ月、自動車保守関係職員で9ヵ月の凍結、来年度からの新採者も給与の上げ幅をこれまでよりなだらかな給与表に改めるなど給与水準も是正する。
 さらに烏丸線の全駅業務委託とともに、バスと地下鉄乗務員の乗務時間を段階的に拡大。採用を抑制し、嘱託の業務量を増やす。
 労使は今後、さらに細部の条項を詰め、来年4月から実施する方針。関係者は「市民の足である公営交通を守るため、当初の計画案より厳しい内容で妥結した」と説明している。(京都新聞)
■爆発物は時限式か 新幹線ごみ袋爆発 リード線には部品
 大阪府摂津市のJR東海大阪第一車両所(新幹線車両基地)ごみ焼却場近くで、東海道新幹線から収集したごみ袋が爆発した事件で、飛び散ったごみの中から見つかったリード線には、機械部品のような固まりが付いていたことが25日、摂津署などの調べで分かった。
 爆発したごみは、燃えるごみなどの一般ごみとして収集されていた。ごみの中からは、これまでに缶のふたや角形の乾電池(高さ約5a、横約3a、幅約1a)が見つかっている。
 摂津署はこれらを組み合わせた時限式の爆発物だった可能性が高いとみて、破片物の詳しい鑑定を進める。爆発物は複雑な構造の装置ではないため、同署などは殺傷を狙ったテロなどの可能性は低いとみている。
 調べでは、爆発直後の現場の鑑識活動で見つかった機械部品の固まりは、ポリ袋のようなもので包んであったという。さらに調べた結果、布製バッグの切れ端も見つかり、同署は爆発物が布製バッグの中に入れられていたとみている。
 JR東海は25日までに、爆発したごみが集められた新幹線車両の座席下などを見回り、不審物がないか細かく点検した。
 ごみが出た新幹線は、24日午前11時10分東京発のこだま415号で、同日午後3時20分に新大阪に到着した。
 同車両は、その後新幹線鳥飼基地に午後3時45分に到着。作業員48人が車内のごみを3袋にまとめ、基地内の焼却所にトラックで運搬し、トラックから降ろしたところ、うち1袋か爆発した。(京都新聞)
■帰省ラッシュ 警戒を強化へ 運輸省が通知
 大阪府摂津市のJR東海大阪第一車両所で新幹線から収集したごみ袋が爆発した事件を受け、運輸省は25日、年末の帰省ラッシュ期に入っていることから、全国のJRや私鉄計約160社に対し、駅や列車内で不審物の警戒を強化するよう注意喚起の通知を出した。
 通知では、今回の事件を「極めて悪質な列車防害行為」とした上で、不審物が発見された場合は乗客や乗務員に危害が及ばないよう、安全確保に万全を期することを求めた。(京都新聞)
■新幹線で窓にひびや異音 山陽
 25日午後、山陽新幹線で2列車のガラスにひびが入り、別の列車で異常音を感知し停車するなどした。いずれも走行には支障がなかった。
 同日午後零時35分ごろ、三原−東広島間の本郷トンネル(広島県竹原市)内を走行中の博多発東京行きひかり112号が対向列車とすれ違った際、4号車の窓ガラスにひびが入り、乗客が車掌に届けた。
 岡山駅で係員が窓にテープを張り発車した。
 JR西日本によると、ガラスに物が当たったような跡があり、横方向に約1.7bのひびが入った。
 上下計6本が最高6分遅れ、約2600人に影響が出た。
 同7時50分ごろには、新大阪−新神戸間で東京発広島行きひかり139号の5号車の窓ガラスに横一線のひびが入ったと、乗客が車掌に届けた。走行に支障はなく、広島まで運行した。
 後続の数本が4、5分遅れた。
 また、同9時15分ごろ、兵庫県の相生−姫路間で博多発新大阪行きこだま364号が、運転席下で異常音がしたため停車。点検で異常は見られず、約12分後に発射した。(京都新聞)
■社説 新幹線に爆発物とは、悪質な
 物騒な年の瀬である。
 京都市伏見区の小学校で2年生の男子児童が刺殺され、大阪府摂津市では女児が誘拐されるという凶悪な犯罪が起こったかと思えば、今度はごみに仕掛けられた爆発物が新幹線に持ち込まれたというのだ。24日のことである。
 爆発物が仕掛けられたのは、東京を午前11時10分に発車し、新大阪駅に午後3時20分に到着したJR東海のこだま415号である。
 新大阪駅に到着後、清掃会社の作業員が列車内のごみを回収して3つの袋にまとめ、トラックでごみ焼却揚のあるJR東海大阪第一車両所(摂津市)へ運搬。ごみ袋を車から降ろす作業をしていたところ、一つが爆発したという。
 爆発現場からリード線の付いた缶のふたや乾電池が見つかったため、警察では新幹線を狙った爆弾事件の可能性もあるとみて、捜査を始めた。
 これまでの調べでは、爆発物は複雑な構造の装置ではなく、爆発力も小さかったことから、乗客の殺傷を狙ったテロの可能性は低いようだ。
 とはいえ、多数の乗客が利用する新幹線に爆発物を仕掛けた物をごみとして置き去るというのは極めて悪質であり、許しがたい。徹底した捜査を望みたい。
 一時、過激派による爆弾テロは、国内でもしばしば起きたが、最近ではめっきり少なくなっている。テロを許してはならないとする世論の盛り上がりと厳しい取り縮まりの成果でもある。そんな折の事件だけに余計に腹が立つ。
 手荷物検査などのある飛行機と違い、列車の場合は、乗客が何を持ち込むことも可能である。無防備といえば無防備だが、信頼で成り立つ社会の一つの側面でもあるのだ。
 新幹線に乗るのに、いちいち荷物の検査をといっても、事実上不可能だし、多くの利用者は賛成すまい。だからこそ無防備をいいことに、悪事を働く者の横行を許してはならないのである。
 不審な者、危険な物をどう見分け、どうチェックするのか、そう容易ではない。JR東海では事件を受け、駅の巡回を強化することや、ごみの収集の際には不審物に注意するよう全駅に通達したという。当然の措置ではあろうが、これとて限界はある。
 犯罪を防ぐには、厳しい目がたくさんあるほどいい。乗客一人ひとりが、ほんのわずか目を光らせるだけで、犯罪防止には役立つはずだ。
 今年は新幹線の安全性が問われる年にもなった。JR西日本の山陽新幹線トンネル内で、はがれ落ちた側壁のコンクリート塊が走行中の列車を直撃し、パンタグラフなどを破損する事故が起きたのが発端だ。その後の総点検と補修工事で、一応の安全は確保されたとはいうものの、新幹線の安全神話にひびが入ったのは間違いない。そして今度は新幹線のからんだ爆発騒ぎである。
 新幹線に限らないが公共的な輸送機関は常に安全で安心できる乗り物であってほしい。関係者の安全確保へのさらなる取り組みを促したい。(京都新聞)
■JR西日本も電話窓口設置
 コンピューターが誤作動する恐れのある「2000年間題」で、JR西日本は年末年始の要注意日の列車運行情報などに電話で応対する「西暦2000年間題臨時問い合わせ窓口」を設置する。同社管内では、2000年元日午前零時をまたぐ列車を通常通りに運転させる予定。窓口の設置期間は29日−来年1月5日で、午前9時−午後6時(31日から1月1日までは終日対応)。電話番号は「06・6371・6200」。(朝日新聞)
■山陽新幹線の窓にひび割れ 新大阪−新神戸間
 25日午後7時45分ごろ、兵庫県西宮市内の新大阪−新神戸間を走行していた東京発広島行き下り「ひかり139号」(16両編成、乗客約600人)で、乗客から「ピシッという音がして窓ガラスにひびが入った」と車掌に連絡があった。JR西日本が調べたところ、5号車の進行方向左側の窓ガラスにひび割れができていた。運行に支障はないとして、そのまま運転を続けた。乗客の話から、ひびが入ったのは西宮市内の六甲トンネル(全長約16`)を通過中とみられる。(朝日新聞)
27日■3列車に時限発火装置 成田発着のJRと京成 すぐ消火、過激派か
 26日午後5時半ごろ、JR成田線の久里浜発成田空港行き快速電車(15両編成)が成田駅を出た直後、車両連結部2ヵ所から出火。同時刻ごろ、京成電鉄の成田空港駅と東成田駅に到着した電車2本の車両内の座席1ヵ所ずつからも出火した。いずれもすぐに乗客や乗務員が消し止め、けが人などはなかった。
 千葉県警が調べたところ、出火場所のシートの裏側などからテープで巻かれた箱形の時限式発火装置が計6個見つかった。同県警は、今月3日に着工した成田空港の暫定滑走路建設に反対する過激派による同時多発ゲリラ事件とみて、捜査を始めた。
 同県警などによると、JR快速電車では発車直後に警報ブザーが鳴り、車両内に煙が充満。車両連結部から出火しているのを運転士が見つけた。
 京成電鉄の電車で出火したのは、上野発成田空港行き特急と西馬込発東成田行き急行。特急は到着数分後、急行では到着直前に、それぞれ乗客が座席下のヒーター部分から火が出ているのに気付き、駅員などが消火器で消し止めたという。
 同県警によると、空港反対派を支援するゲリラ事件は今年に入り既に6件が発生。今月13日には千葉県議宅に時限発火装置による放火事件が起きている。
 JR東日本によると、上下合わせて10本が運休、特急1本を含む19本が最大55分遅れ、約1万人に影響が出た。京成電鉄は別の電車に振り替え、運休などはなかった。(京都新聞)
■アルミ缶中に有機溶剤粉末 新幹線のごみ袋爆発
 大阪府摂津市のJR東海大阪第一車両所(新幹線車両基地)ごみ焼却場近くで、東海道新幹線から収集したごみ袋が爆発した事件で、爆発物のアルミ缶の中に有機溶剤をしみ込ませた粉末が詰められていたことが26日、大阪府警摂津署の調べで分かった。
 同署は火薬で爆発させた後、粉末に引火させ被害拡大を狙ったとみている。しかし、爆発物の殺傷力は低いという。
 調べでは、アルミ缶は1リットル用の市販されているもので、総合専門店「東急ハンズ」の値札シールが張ってあった。粉末は薄茶色で、においなどはなく、アルミ缶の中や現場に飛び散って残っていた。成分分析で有機溶剤が認められた。(京都新聞)
■JR浦和駅 コインロッカーで爆発 点検中 中に電池、リード線
 27日午前10時15分ごろ、浦和市のJR浦和駅西口のコインロッカーで爆発があり、男性1人が左手の指2本に軽傷を負い、病院に運ばれた。
 埼玉県警などによると、けがをした男性は栃木県小山市東間々田、ロッカー管理会社「JR宇都宮企画開発大宮営業所」社員、大島光男さん(53)。1週間ほど閉まったままのロッカーがあったため、不審に思った大島さんが同僚1人と一緒にロッカーを開けたところ、中にジュラルミンケースがあり、ふたを開けると突然爆発した。ケースは縦約20a、構約10aで、中には電池とリード線が見えたという。ジュラルミンケースには発火装置が仕掛けられていたとみられ、埼玉県警は爆発物取締罰則違反容疑で捜査を始めた。
 大島さんは1998年にJR東日本から同社に出向していた。
 JR東日本によると、浦和駅の一日の乗降客は約15万人。西口は埼玉県庁に近く、デパートなどが立ち並ぶ繁華街になっている。
 24日には、東海道新幹線から収集したごみ袋が大阪府摂津市内のごみ焼却場で爆発、また26日には千葉県内でJR成田線や京成電鉄の計3本の電車で、発火装置から出火するなどの事件があったばかり。埼玉県警は関連についても調べる方針。(京都新聞 夕刊)
■コインロッカー爆発 JR浦和駅点検者けが
 27日午前10時2分ごろ、浦和市高砂一丁目のJR浦和駅西口前のコインロッカーが爆発し、人が倒れたと、近くにいた女性から浦和署に届け出があった。
 同署によると、2人が倒れており、うち、栃木県小山市間々田三丁目、コインロッカー管理会社員大島光男さん(53)が手に軽いけがをした。
 コインロッカーは駅西口前にあり、同署などによると、爆発したロッカーは一番奥まったところの上から3番目。集金のため、大島さんと同僚が2人でロッカーの確認作業をしていたところ、うち1つの中にジュラルミンケースがあった。ケースのふたを開けると同時に、「バン」という大音響とともに爆発、周囲に火薬のにおいが立ち込め、煙が見えたという。ジュラルミンケースの中からは乾電池とリード線が見つかった。
 JR東日本の「列車妨害対策本部」は同日午前、緊急会議を聞き、首都圏約400駅のコインロッカーとごみ箱を当分の間、使用停止とすることを決めた。(朝日新聞 夕刊)
28日■バス規制緩和で対策協議 全庁態勢の検討会 京都市が来年度設置
 京都市は27日、2001年から導入される乗合バス事業の規制緩和に対応するため、来年度に全庁態勢の検討委員会を設ける方針を決めた。規制緩和で民間の参入や撤退が自由になる中で、都市交通のあり方を考える。
 バス事業の規制緩和では、参入が免許制から許可制に、撤退は事前届け出制となり事実上自由化される。現状のままでは、黒字路線に新規の民間会社が集まる一方、郊外の不採算路線は切り捨てられる可能性も出てきた。
 市交通局は今年9月、局内に規制緩和に関する委員会を設置。タクシー会社のエムケイ(北区)が市街地での100円バス運行を申請(その後撤回)したことなどを受け、来年4月から市内中心部での循環100円バスの運行や一日乗車券の値下げや、高額割引の通勤定期券の発行などの対策を決めた。
 全庁態勢の検討委員会は、こうした対応に加え、規制緩和後の市内の総合交通体系について、より広い観点から市民の足の確保に向けた対策を協議する。交通局だけでなく、市長部局の各局も参加する。
 桝本頼兼市長は「エムケイが100円バス計画を取り下げたことには敬意を表するが、(規制緩和に向けて)今後もあらゆる努力を傾注し、公営交通を守る」としている。(京都新聞)
■浦和駅の爆発 雑誌をまね製造か 現場に不審な玉3個
 27日午前、浦和市のJR浦和駅西口のコインロッカーに入っていたジュラルミンケースが爆発し、ロッカー管理会社社員、大島光男さん(53)が手にけがを負った事件で、爆発物はマニア向けの雑誌に掲載された爆発物の製造方法に非常によく似ていることが埼玉県警の調べで分かった。
 また爆発の起きたロッカーなどにリード線のような物が付いたテニスボール大の玉3個があったことが判明、同県警は鑑定を急ぐ。
 これまでの調べによると、この雑誌は火薬や爆発物の製造方法が詳しく紹介されているという。
 ケースは両面テープでロッカーに固定されていた。タイマーなどは見つかっておらず、ケースを取り出そうとして動かすと、振動などで爆発する仕組みになっていた可能性が高いとみて、爆発物の威力などの分析を進めている。
 新たに見つかった不審な玉の外側は発泡スチロール製とみられ、打ち上げ花火のように半球2つをテープで張り合わせていた。
・ロッカーなど当面使用停止 首都圏の鉄道が厳戒
 新幹線やJRの駅施設などを狙った爆発事件を受け、JR東日本などJR各社や首都圏の大手私鉄は27日、ホームなどでの巡回点検を厳重にする一方、駅構内にあるコインロッカーとごみ箱の使用を当面、停止することを決めた。鉄道各社は1995年の地下鉄サリン事件の際に同様の対策を取ったことがあり、それ以来の厳戒態勢となる。コインロッカーの使用停止などを決めたのはJR東日本、JR東海のほか、地下鉄2社と私鉄各社。JR西日本はこうした措置は取らないが、鉄道施設の点検や警戒強化を決めた。(京都新聞)
■球状不審物や紙袋 JR浦和駅爆発 ロッカーの内外に
 浦和市のJR浦和駅西口前のコインロッカーで27日、爆発があり、使用期限を過ぎたロッカーの点検をしていた管理会社員がけがをした事件で、爆発のあったロッカーや周辺から、ジュラルミンケースのほかに球状の不審物や小さな紙袋が見つかったことがわかった。埼玉県警はこれらの不審物の構造や爆発との関係を調べる方針。
 同県警によると、球状の不審物はテニスボールほどの大きさで、発泡スチロール製だった。不審物からは紙製とみられる導火線が数a出ていたという。不審物はロッカーの中に2つ、爆発の勢いではじき飛ばされて周辺に一つ、計3個が見つかった。
 24日に大阪府で新幹線から回収したごみ袋が爆発、26日には成田空港周辺のJR電車などで発火装置が見つかるなど、鉄道周辺を狙った事件が続いている。埼玉県警は、関連は薄いとみているが、慎重に捜査を進めている。(朝日新聞)
■期間超過ロッカー JR東海・西が点検
 大阪府摂揮市の東海道新幹線大阪第一車両所で「こだま」から回収したごみ袋が爆発した事件やJR浦和駅のコインロッカーが爆発した事件を受けて、JR東海とJR西日本は27日、東海道・山陽新幹線と管内の在来線全駅のコインロッカーについて、使用期間(3日間)を経過したロッカー内を点検するとともに東京駅の全ロッカーを当面、使用停止することに決めた。また、人目の少ない位置に設置された駅のごみ箱も当面、使用停止する。(朝日新聞)
■「JR西擁護の論告は異常」最終弁論で被告側指摘 信楽高原鉄道事故
 滋賀県信楽町の第三セクター・信楽高原鉄道(SKR)で1991年5月、SKRの列車とJR西日本から乗り入れた列車が正面衝突して、42人が死亡し、約600人が負傷した事故で、業務上過失致死傷罪と業務上過失往来危険罪に問われたSKRの社員ら3人に対する公判の被告側最終弁論が28日午前、大津地裁(安原浩裁判長)で始まった。弁護側は「被告は危険を予見できなかった」として改めて無罪を主張。JR西日本の運転士らが不起訴処分になっており、「JR西日本を擁護した検察側の論告は異常」などと指摘した。裁判はこの日午後に結審し、判決は来年3月24日に言い渡される予定。
 当時、運転主任の里西孝三(69)=求刑禁固3年6月=、施設課長だった山本長生(63)=同3年=、信号会社から派遣されて信号技師だった八木沢守(51)=同=の3被告。
 この日の最終弁論で、里西、山本両被告の弁護側は、JR西日本の運転士の予見可能性などを認めた大阪地裁の民事判決(JR西日本が控訴して係争中)について、検察側が論告で「(民事判決の)考え方は失当」などとしたのは、「被害者が提起した民事判決を批判し、JR西日本を擁護しており異常だ」と主張。事故は、JR西日本側が列車の方向を操作する「方向優先てこ」を無断で設置したため信楽駅の信号異常を招いた▽異常時の連絡方法を従業員に訓練しなかった−ことなどが原因で、被告らは事故を予見できなかった、とした。
 一方、八木沢被告の弁護側は午後、安全確保がされないままSKR列車が出発するとは予見できなかったなどと述べる方針。
 事故当時、信楽駅の出発信号が赤のままで変わらなくなったが、SKR列車はそのまま出発。JR線から乗り入れた列車は小野谷信号場ですれ違うはずのSKR列車が到着していなかったが、青信号に従って通過し、単線区間で正面衝突した。
 検察側は論告の中で、里西被告は安全確認を怠ってSKR列車を出発させた▽八木沢被告が継電室で危険な作業をしたため、対向列車を赤で止めるはずの信号が青になってしまった▽山本被告は里西、八木沢両被告の行為を知りながら止めなかった−とした。(朝日新聞 夕刊)
■中学生2人が逮捕へお手柄 電車の窃盗容疑者発見
 27日午後10時5分ごろ、兵庫県明石市のJR西明石駅に停車していた大阪発西明石行きの普通電車内で、酒に酔って居眠りをしていた神戸市垂水区の男性会社員(41)のセカンドバッグを男性が盗むのを、前の席に座っていた同県加古川市平岡町の市立平岡中学3年、前川新太郎君(14)と、真鍋雄基君(14)が見つけた。2人は男性に「おっちゃん、警察へ行こか」と声をかけ、県警鉄道警察隊西明石駅詰所に同行。隊員らが自宅に帰っていた会社員に連絡して被害を確認、男性を窃盗の疑いで逮捕した。調べによると、男性は住所不定、無職永田万助容疑者(61)。会社員が座席に置いていた現金11万円入りのセカンドバッグを盗んだ疑い。車内には、ほかに女性1人がいただけだった。
 前川君と真鍋君は、冬休みを利用して大阪市に住む前川君の祖母を訪ね、帰宅する途中だった。車内で居眠りをする会社員を見ながら、「カバンを盗む人がいたら捕まえないといかん」と話していたという。(朝日新聞 夕刊)
29日■台湾高速鉄道 日本に優先交渉権 新幹線初の輸出 安全性など評価 欧州勢を逆転
 【台北28日共同】台北と高雄間を90分で結ぶ「台湾新幹線」(台湾高速鉄道)の建設に当たる台湾高速鉄道公司(台湾高鉄、殷キ(王へんに其)理事長)は28日、車両システムについて、三井物産、川崎重工、三菱重工などでつくる日本の「台湾新幹線企業連合」(TSC)に優先交渉権を与えると正式に発表した。
 日本側は「のぞみ700系」の導入を提示。1月末に予定される最終契約調印に向け年明け10日から本格交渉に入る。技術面のほか価格、事業への出資などで詰めの交渉が残されているものの、ドイツのシーメンス、フランスのアルストム社など独仏勢の欧州高鉄連盟(ユーロトレイン)を逆転、新幹線の初の輸出に道が開かれることになった。
 日本政府は国際協力銀行の融資に積極的で、国交のない台湾への事実上の政府融資となることから、同じく日欧間で競っている北京−上海の高速鉄道計画で、中国側がどう対応するかも注目される。
 決定を発表した台湾高鉄の劉国治・社長は「日本側の計画が比較的弾力性があり、軌道など土木工事との兼ね合いや価格でも日本が有利だった」と述べるとともに、維持・補修やサービス面でも、日本側の計画が勝っていたことを明らかにした。しかし、総事業費5500億台湾元(約1兆8000億円)のうち、950億台湾元(約3240億円)に上るといわれる車両システムの「価格」については公表を避けた。
 プロジェクトは、昨年7月の事業主体の入札で、欧州の車両システム導入を掲げる台湾高鉄が落札、欧州勢が優位に立っていた。
 日本側逆転の背景には@日本同様、山間地が多く地震も多いA新幹線は各車両に動力を配したシステムで安全性も高い−ことも評価されたとみられる。また来年、総統を退任する李登輝総統ら国民党指導部が、新幹線採用を働き掛けた政治力も奏功したようだ。
 JR東海は、受注が正式決定した段階で列車の運行管理などで技術供与をする方針。
・大林組が受注 土木工事の一部
 【台北28日共同】台湾高速鉄道公司は28日、台北−高雄間の高速鉄道の土木工事のうち、台北県林口と桃園県内の軌道路盤など2工区の建設で、日本の大林組と台湾の互助造営の2社と受注契約を結んだ、と発表した。受注金額などは明らかにされていない。
・中国の受注狙い 仏、巻き返しへ
 【パリ28日共同】台湾高速鉄道への車両納入で日本の新幹線が優先交渉権を獲得したことに対し、欧州高鉄連盟の中核企業アルストム(フランス)は、中国の北京−上海間を結ぶ高速鉄道の受注競争で巻き返しを狙う考えだ。
 今回の受注で「中国を意識して慎重」といわれた白本側は、自民党議員団らが融資仲介の協力などで台湾の李登輝総統に攻勢をかけたのに対し、アルストム側は半ば静観の構えだった。
 フランス製フリゲート艦の台湾への納入をめぐり、デュマ元外相らの周辺で贈収賄疑惑が浮上、フランス政府が本腰を入れにくい状況もあったとされる。
 しかし、中国への売り込みでは今年10月に江沢民国家主席が訪仏した際、シラク大統領自らの案内でフランス国有鉄道の高速列車(TGV)を視察するなど積極姿勢を示した。「多極化外交」を掲げ、対中開係強化をうたうフランスの本音は「得意の国策系産業の売り込み」と、米英メディアに非難されるほどだ。
 軍艦や戦闘機などの分野でも、中国市場への食い込みが今後の競争のカギとみられておりTGV売却には政官民一体となって全力を挙げるとみられる。
・台湾高速鉄道 現在4時間かかる台北−高雄間(340`)を1時間半で結ぶ高速鉄道。民間が建設し、35年間運営した後で政府に引き渡す「BOT方式」のプロジェクトで、総事業費は5500億台湾元(約1兆8000億円)。車両システムだけでも1000億元近い規模となる。2005年10月末の完成を目指す。
 日本側は、商社、メーカーにJR東海、JR西日本などが加わった「台湾新幹線企業連合」(TSC)が計画書を提出。欧州勢は、ドイツのシーメンスなどが欧州高鉄連盟(ユーロトレイン)を組織し、受注をめぐり日欧の一騎打ちとなっていた。
・背景に「対日重視」戦略
 解説 【台北28日共同】台湾高速鉄道の車両システムの受注で、劣勢に置かれていた日本の新幹線が逆転に成功した背景には、中台関係が政治的緊張を高める中で、日本との政治、経済関係の強化を戦略的に重視する台湾の李登輝政権と、アジアの大型プロジェクト受注で、景気浮揚につなげたい日本側の思惑が一致したことが挙げられる。
 さらに、2470人もの死者を出した9月の中部大地震で、安全性に対する関心が一層高まり、同じ「地震大国」日本と地形が似通っていることに加え、日本の新幹線が開業以来大きな事故を起こしていない「安全性」も有利に作用したようだ。
 中台関係を「特殊な国と国」と定義した李登輝総統の「一国論」で、台湾海峡はこの夏、再び緊張の度を加えた。一方、李総統は台湾も参加を目指す戦域ミサイル防衛(TMD)や、日米防衝協力の新ガイドライン法で、日中関係が冷却化していることを意識しながら、国交のない日本との関係を重視。
 今年6月、東京で開かれた自著「台湾の主張」の発表会に寄せたメッセージの中で、李総統は「台湾は日本の安全保障のかなめ」と指摘し「中国の脅威」に対折して日本と台湾が安全保障面でも緊密に協力する必要を訴えた。
 今回の計画は、民間に委託するBOT方式だが、台湾にとって事実上の「大国家プロジェクト」であることは言うまでもない。台湾への旧日本輸出入銀行の融資は、1974年の嘉義県の曽文ダム建設への12億3000万台湾元(42億円)が最後。
 江丙坤・経済建設委員会主任委員(閣僚)は、「国際協力銀行の低利融資を大いに歓迎する。(日本の新幹線導入は)日台間のシンボルになる」と述べ、新幹線計画を新たな日台協力の象徴にしたいと意気込む。(京都新聞)
■信楽鉄道事故 公判最終弁論 あらためて無罪主張 弁護側「JR擁護論告は異様」
 滋賀県甲賀郡信楽町の第三セクター・信楽高原鉄道(SKR)で1991年5月、SKR列車と乗り入れていたJR西日本列車が正面衝突、死者42人、重軽傷者628人を出した事故で、業務上過失致死傷と業務上過失往来危険罪に問われたSKR元運転主任ら3被告の最終弁論が28日、大津地裁(安原浩裁判長)で行われた。
 弁護側は「被告3人は事故を予見できなかった」などと過失を否定し、あらためて3被告の無罪を主張した。また、10月の検察側の論告求刑について「JRの過失を認めた大阪地裁民事判決(今年3月)を批判するなど、同社を擁護する立場に立った異様な論告である」と厳しく指摘した。
 被告は、SKRの里西孝三元運転主任(69)=滋賀県愛知郡愛知川町川原=、同社の山本長生元施設課長(63)=三重県阿山郡伊賀町下柘植=、信号会社から派遣されていた八木沢守元施設係長(51)=東京都練馬区大泉学園町三丁目=の3人。
 最終弁論で弁護側は、里西被告については「対向のJR列車が行き違い場所を通過することは予見できなかった」と主張。山本被告については「信号関係の知識は乏しく、八木沢被告の信号修理の内容を把握することは不可能」などと事故の予見可能性を否定した。八木沢被告については「信号修理と事故との因果関係は明確でない」と主張した。
 検察側は、3被告が事故当日、信楽駅の出発信号が赤固定したままでSKR列車を出発させる際、規定の出発手続きを取ることや、慎重に信号装置を操作することを怠ったなどとして、里西被告に禁固3年6月、山本、八木沢両被告に禁固3年を求刑している。
 裁判はこの日で結審。判決は来年3月24日に言い渡される。
・「JR責任どうなる」遺族ら
 信楽高原鉄道(SKR)事故の3被告の最終弁論が行われたあと、事故で家族を失った遺族らは滋賀県庁で記者会見。「JR西日本の責任はどうなるのか」と言葉に怒りをにじませた。
 会見には、遺族の会から吉崎俊三さん(66)=宝塚市中山桜台=と中原邦夫さん(65)=神戸市東灘区=の2人と、大阪高裁で争われている民事裁判担当の弁護士2人が出席。吉崎さんは「被告の3人は当然、責任を負ってほしいが、JRの責任はどうなるのか」と話した。また中原さんは「判決ではJR西日本の安全に対するものの考え方の甘さを批判してほしい」と強調した。
 席上、吉崎さんを団長とする信楽列車事故訴訟原告団と弁護団長の国府泰道弁護士らが、10月に行われた論告求刑の中で検察側が、JR西日本の責任を認めた民事判決を批判しているなどとして、大阪高検の検事長と大津地検の検事正あてに折議書を送付することを発表。同弁護団の事務局長を務める秋田真志弁護士(36)は「検察官の態度は許しがたい」などと述べた。
 最終弁論に対して、JR西日本は「検察当局が刑事訴追し、当社役員と社員はこの裁判の被告人とされていないことからコメントする立場にはない」としている。SKRの井上春絹社長(71)は「弁護団が構造的な要因に触れていたので満足している。2人の減刑を望みます」と話した。(京都新聞)
■新幹線、台湾に輸出へ 受注内定 日本の7社連合
 【台北28日=清水勝彦】台北−高雄間を結ぶ台湾初の高速鉄道(台湾新幹線)を建設する民間事業体の台湾高速鉄道公司は28日、三井物産、三菱商事、三菱重工、東芝など7社からなる日本の「台湾新幹線企業連合」に車両システム採用の優先交渉権を与えたと発表した。細部の詰めを行い1月末に正式契約の運びで、事実上の内定といえる。いったんは独仏連合のユーロトレインで決まっていたのをくつがえし、新幹線技術の初の海外輸出が実現することになった。
 同公司の劉国治・総経理(社長)は、日本に決めた理由について、「日本の方が価格と融資面の条件が有利だった。土木工事の進展に合わせる弾力性もあった」と説明した。2400人を超す死者を出した9月21日の台湾大地震も影響し、「同じ地震多発国の早期地震警報システムは台湾でも有用。総合判断の中に入った」ともいう。
 台湾新幹線は台北−高雄間の約340`を1時間半で結ぶ。総事業費は約5500億台湾ドル(約1兆8150億円)で民間鉄道事業としては世界最大規模となる。日本が請け負う車両、信号・通信系統、人員訓練、維持補修サービスなどの受注総額は「正式契約まで確定しない」(劉総経理)が、950億台湾ドル(約3135億円)とされる「予定価格とそう違いない」という。2005年10月の開業予定。同日、土木工事の区間入札の結果も発表となり、台湾企業と組んだ日本の大林組などの落札が確実になった。
 ユーロトレインは、仏アルストム社と独シーメンス社の混合システムを提案していた。
 日本政府は国際協力銀行による低利融資に積極姿勢を見せた模様で、外交関係のない台湾に対する初めての大型政府融資になる。このため、同じく日本勢と欧州勢で競り合っている北京−上海間の高速鉄道計画で、「ひとつの中国」を主張する中国政府の出方に関心がもたれる。(朝日新聞)
■台湾新幹線 総統の意向で逆転受注? 対日関係重視が追い風に
 【台北28日=清水勝彦】日本の新幹線システムが台湾初の高速鉄道として導入されることが28日、事実上決まったが、一度は独仏連合のユーロトレインにほぼ決まった商業的判断を翻しての逆転受注だった。
 事業主体である台湾高速鉄道公司は同日、「純粋に商業的な判断で、部外から特別な指示はなかった」と強調したが、李登輝総統はかねて、「政治的な観点からもアメリカや日本が台湾に投資することはきわめて意義がある」と、台湾の安全保障などを考慮して日本との関係強化を目指す姿勢を強調してきた。こうした政治的環境が、新幹線システムの導入に追い風になった面は否定できない。
 台湾新幹線は同公司が請け負い、建設、運営する民間事業。1997年に締め切った入札では、仏アルストム社と独シーメンス社からなるユーロトレインと組んだ同公司が優先交渉権を獲得した。日本連合と組んだ台湾企業体は「価格面で太刀打ちできず」(台湾紙)、一度は完敗した。
 だが、98年6月にドイツで起きた脱線転覆事故が影響したと推測されるが、欧州連合と組んだままの同公司が99年初め、改めて日本と欧州勢に新たな提案者を出すよう指示するという、極めて異例の仕切り直しになった。
 また、その背景には、李総統が5月に出版した著書「台湾の主張」の中で、台湾新幹線の導入条件は「第一が価格、第二が安全性、第三が政治的配慮。政治的配慮とは、民間プロジェクトには違いないが、日本政府の姿勢も示してもらいたいということだ」と特に指摘するような、トップの意向もあげられる。李総統は、関係閣僚が台湾入りする熱心なドイツ政府と比べ、中国への配慮から政府が前面に出ようとしない日本のやり方に不満を示していた。
・北京−上海でも欧州と受注合戦 中国側「民間交流反対せず」
 【北京28日=加藤千洋】中国の北京・上海間高速鉄道計画でも日本勢と欧州勢が激しい売り込み合戦中だが、北京の日本企業や日本大使館筋は「台湾で新幹線技術が採用されれば、大陸でも一つの実績になる」と、台湾高速鉄道で日本の新幹線技術が優先交渉権を得たことに期待を寄せている。
 一方、中国外務省の章啓月副報道局長は28日、日本の企業グループが台湾の鉄道建設に協力することについて「民間交流には反対しない」とコメントし、静観する姿勢を示した。
 中国側は北京・上海間の新高速鉄道計画と台湾高速鉄道計画は直接の関係はないとの認識を示している。だが日本関係者は「新幹線技術が日本近隣の韓国でも台湾でも採用されないとなれば、中国では展望は開けない。今回の台湾の決定はプラスになると受け止める」(在北京日本大使館経済部)と見ている。
 中国の計画は北京・上海間1300`を約6時間で走らせる計画。2000年中にプロジェクト決定を行い、21世紀初めに着工する予定だ。
・低迷の重電・機械「有り難い刺激」
 台湾の高速鉄道建設プロジェクトについて28日、日本連合が提案していた新幹線システムが優先交渉権を獲得し事実上、受注が内定した。総額1兆8000億円を超えるビッグプロジェクトの受注は、低迷が続く国内の重電、機械分野にとって有り難い刺激になりそうで、関係各社は歓迎の意向を表明している。
 日本連合は幹事社の三井物産のほか、三菱商事、丸紅、住友商事、三菱重工、東芝、川崎重工の7社。
 三井物産は交渉権獲得の報を受け28日、記者会見し「一日も早い正式受注を目指し、7社一丸となって取り組んでいきたい」と、陣宮を引き締めるコメントを発表した。
 川崎重工は「新幹線でも全車種を手がけているのはうちだけ」と、改めて技術力に自信をみせた。同社は限られた経営資源を重点的に投入する4つの成長分野の一つに鉄道車両分野をあげており、受注が増える台湾新幹線プロジェクトを歓迎している。受注が決まれば、JR東海とJR西日本が共同開発し、「のぞみ」として運行している700系車両を改良して使うことになるとみられる。
 JRは日本連合の正式メンバーではないが、運行や整備などの面で協力するため、技術者を派遣したり研修生を受け入れたりすることになりそうだ。
 一方、日本政府は「一つの中国」政策を取っており、台湾への輸出では表だって動けなかった。逆に、中国への新幹線の売り込みでは後押ししている。このため、運輸省は「今回、台湾で受注したとしても、中国は別のプロジェクト。直接の関係はない」としている。(朝日新聞)
■2000年問題対策 懸命に最終確認 想定外の事態に備え 鉄道 最寄り駅に一時停車
 今年も残すところわずかになり、府内では神社や鉄道、医療機関などで、コンピューターが誤作動する恐れのある「2000年間題」の対策に追われている。コンピューターのチェックはほぼ終わったという声も聞かれるが、想定外の事態が起きたときに備え警戒を怠っていない。
●神社
 三が日で例年府内最多の約250万人が訪れる伏見稲荷大社(伏見区)では、停電した場合に備えて、電源車4台で、境内や参道を照らす。100個以上の懐中電灯も用意、ハンドマイクを使って参拝客を誘導できるようにする。
 受験生らも訪れる北野天満宮(上京区)ではレンタルの発電機を準備。参道の石灯ろうのろうそくも増やし、31日午後10時から1日未明までは明かりを確保するという。
 平安神宮(左京区)は12月に入ってから既設の自家発電機の点検を繰り返した。停電した場合の誘導方法も全職員に通知するなど万全の態勢をとっている。八坂神社(東山区)も自前の発電機で対応するが、いざというときに備え、警備員を例年より10人ほど増員して対応する。
●鉄道
 「コンピューターの対応は万全だが、万一に備えて」と、年がまたがる時間帯に一時停止する電車もある。京阪電車は1月1日午前零時に走行中の電車を最寄り駅で一時ストップさせる。停車時間は10分前後を予定している。京阪によると、午前零時をまたがる電車は京阪や宇治など7路線で計45本。
 京都市営地下鉄も大みそかから元日にかけて、終夜運転する地下鉄を最寄り駅で停車。31日午後11時58分以降走っている烏丸線と東西線の計7本。最大3分間ほど停車させるという。
●病院
 医療機関でも2000年に向け、動きが慌ただしくなってきている。京大医学部付属病院(左京区)ではすでにコンピューターの作動点検を終え、大みそかから元日にかけての態勢の最終確認に力を入れている。31日には病院長を本部長とする対策本部を設置。年をまたぐ時間帯は看護婦の交代時間を調整して、倍の態勢で臨む。特に31日午後11時45分から1日午前零時にかけては、院内の巡回を集中的に実施するという。(朝日新聞)
30日■JR西 ロッカーを一時停止に 新幹線全駅と主要駅
 JR東海大阪第一車両所(大阪府摂津市)で「こだま」から回収したごみ袋が爆発し、その後もJR浦和駅のコインロッカーが爆発したことから、JR西日本は29日、山陽新幹線の全18駅と大阪、京都、三ノ宮など近畿圏の主要11駅に設置した計1万1600台のコインロッカーを、来年1月2日まで使用停止にした。(朝日新聞)
■いざ故郷へ 混雑始まる
 年末年始をふるさとなどで過ごそうという人たちの帰省ラッシュが29日、始まった。新大阪駅など近畿の主要駅では、山陽新幹線など一部の列車が混雑してきたが、今年はコンピューターが誤作動する恐れのある「2000年間題」で会社に足止めされたり、出控えたりする傾向があるため出足は例年より鈍いようだ。JR西日本の予約状況によると、帰省のピークは30日、Uターンは1月3日に集中しそうという。(京都新聞)
31日■阪急西院駅周辺 交通環境改善進む 管轄見直し 太秦署一本化が奏功
 京都府警による警察署の管轄区域の一部見直しに伴い、京都市右京区の阪急電鉄西院駅周辺で、違法駐車対策など交通環境の改善が進んでいる。これまで3つの警察署の管轄区域が複雑に入り組んでいた同地域が、10月以降は太秦署の受け持ち区域に一本化されたことが功を奏したようだ。
 同駅周辺ではこれまで、駅利用者らの放置自転車や違法な客待ちタクシーが問題になっていた。しかし、堀川、太秦、桂の3警察署の境界に位置するため、所轄の境界の壁があり、各署とも効果的な取り組みができないでいた。
 今年10月、府警の管轄変更で同地域が太秦署の受け持ち区域になったのを機に、同署が市や地元自治会とともに「西院クリア作戦」と名付けて交通環境の改善に着手した。
 市西部土木事務所による放置自転車撤去に合わせ、同署が放置バイクの取り締まりを実施。週に2日は署員が客待ちタクシーや不法駐輪・駐車を取り締まっているほか、交差点の交通整理も毎日行っている。
 地元の西院第一自治連合会の長忠生会長は「警察官の姿があれば、迷惑駐車や不法駐輪も減る。駅周辺はだいぶきれいになった」と話している。(京都新聞)
■エスカレーター休止 JR西日本、10分間
 コンピューターが誤作動する恐れがある2000年問題で、JR西日本は30日、31日午後11時55分から1日午前零時5分までの10分間、駅のエスカレーターを一時的に休止することを決めた。
 同時間帯に営業している、在来線42駅の計146基が対象となる。(京都新聞)
■臨時の手荷物預かり所設置 爆発事故受けJR西
 JR浦和駅のコインロッカー爆発事件などを受け、JR西日本は、山陽新幹線の全18駅でコインロッカーを使用停止にしたが、同社福岡支社は30日、博多駅と小倉駅で臨時の手荷物預かり所を設けて、対応を始めた。
 コインロッカーの停止は年末年始の多客期の29日から来年1月2日まで。博多駅と小倉駅では、新幹線の改札口近くに臨時の手荷物預かり所を設置。1月2日までの午前9時−午後7時の時間帯で対応する。(朝日新聞)
■駅のエスカレーター 年越しの10分間停止 JR西日本
 コンピューターが誤作動する恐れのある「2000年問題」で、JR西日本は30日、山陽新幹線と在来線の計42駅に設置された計146基あるエスカレーターについて、31日から来年1月1日にかけて一時的に使用停止することに決めた。停止時間は、31日午後11時55分から1日午前零時5分まで。同社は、2000年問題への対策は講じたが、電力などの外部要因でエスカレーターが急停止した場合は、利用者がつまずくなどでけがをする恐れがあるためとしている。(朝日新聞)