1999(平成11)年 7月


1日■トロッコ列車駅埋まる 豪雨被害(京都)
  ■トロッコ休業日が辛い 保津峡駅 防護壁超え土砂 警察への通報遅れ 再開メド立たず(京都)
  ■嵯峨野線開通100周年 亀岡でイベント開催へ初会合 市やJRなど意見交換(京都)
  ■土砂崩れ駅無残 「トロッコ保津峡」 線路埋め尽くす(朝日)
  ■定期入れ紛失で駅員処分 落とし物で JR垂水駅(朝日)
  ■新幹線トンネル崩落現場公開 壁に大穴 亀裂は無数 福岡(京都)
  ■傷跡、生々しく JR西日本がトンネル公開(朝日)
2日■トンネルの一斉点検開始 山陽新幹線、141カ所(京都)
  ■鉄道輸送で省エネ5倍 マイカル 野菜調達、初の試み(朝日)
  ■JR、お盆予約電話で(朝日)
  ■新幹線コンクリ直撃 全トンネル点検始まる(朝日)
  ■快速2本運休 JR関西線(朝日)
  ■京都駅北口新バス乗り場 混乱なく発車オーライ(京都)
  ■JR信号機が明石市で無灯 舞子−朝霧間の4基(朝日)
3日■JR東日本株 今月中に100万株を2次売却(京都)
  ■排出ガス抑制へ鉄道で野菜輸送 マイカル(京都)
  ■特急にはねられ死亡 阪急桂駅で飛び込み(京都)
  ■鉄路にずっと続く道 同大の同好会発足40周年 OBが記念誌 欧州乗車体験やボイラー破裂目撃など(京都)
  ■「フクちゃん」電車 高知の市内を快走 横山氏の出身にちなみ(京都)
  ■トロッコ列車サミット中止 保津峡土砂崩れで(京都)
  ■JR東日本株 100万株売却へ 鉄建公団が正式発表(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
4日■亀が電車6本止める ポイントに挟まれ(京都)
  ■電車のドア開かず発車 JR東海道線・守山駅(朝日)
  ■ポイントに亀 信号ストップ JR阪和線8本運休(朝日)
  ■声 共通カードにJR参加して 無職 宮川 正祐(滋賀県守山市 73歳)(朝日)
5日■200cのコンクリ片 高架橋から落下 山陽新幹線(京都)
  ■高架コンクリ落下 山陽新幹線 姫路−相生 下に歩道、けが人なし(朝日)
  ■信号変わらず電車が遅れる JR山陽線兵庫駅(朝日)
  ■踏切事故、男性死亡 JR阪和線乱れる(朝日)
6日■阪神電鉄西大阪線の延伸へ協議会設立(京都)
  ■市バス優先 新信号 京都市 来年度導入へ検討(京都)
  ■検証 新幹線トンネル事故の対応 甘かったJRの危機管理 簡単な点検で運転再開(朝日)
  ■在来線・私鉄などもトンネル点検を指示 運輪省(朝日)
  ■高架橋を緊急点検へ JR西日本(朝日)
  ■西大阪線延伸に推進協設立 大阪市と阪神電鉄 3セク基本に課題検討(朝日)
  ■太陽光など動力源 浮上式列車の実験車両公開 宮崎(京都)
  ■はく落事故で トンネル点検 JR東日本(朝日)
  ■神戸の地下鉄10.5%値上げへ 運輪審議会答申(朝日)
  ■近鉄道明寺線があす夕運転再開(朝日)
7日■山陽新幹線の93トンネル 接合不良 計2049ヵ所 JR西日本発表 広島、山口に87% コンクリート低い品質、問題か(京都)
  ■手抜き?施工不良? 早急な点検必要 山陽新幹線壁崩落事故 海砂使用と関連も 専門家の声「新幹線だけに限らず」(京都)
  ■高架橋で落下事故 兵庫県内の2ヵ所で(京都)
  ■客車屋根の鉄板2ヵ所に穴(京都)
  ■トンネル施工不良2049ヵ所 山陽新幹線 岡山以西に97% JR西日本調査 劣化状況を精査へ(朝日)
  ■新幹線トンネル調査 安全確保は後回しか 70年代の工事に難 建設ラッシュのツケ(朝日)
  ■コンクリート片の新たな落下を発表 JR西日本(朝日)
  ■与党整備新幹線協議会ご一行 米へフリーゲージ電車視察の旅 事態打開へ新技術にかける? 「虫食い」でも終点まで走る(朝日)
8日■窓 超特急よりも身近な足こそ 安曇川町・中野 博文(会社員・57)(京都)
  ■新幹線トンネル 電磁波検査も併用へ JR西日本 年度内めざす(朝日)
  ■山陽新幹線はく落事故 「客室直撃」の寸前 JR西日本 鉄の下屋根も貫通(朝日)
  ■新幹線の線路に侵入 容疑の中学生を補導 広島・三原(朝日)
9日■山陽新幹線高架コンクリ 80年代に急速劣化(京都)
  ■北陸新幹線 湖西線暫定利用も 福井県知事 「国の打診あれば」(京都)
  ■JR京都駅前整備 内容変更できない 改善要望に京都市回答(京都)
  ■道路トンネル緊急点検指示 新幹線事故で建設省(朝日)
  ■対向のぞみも先頭車両破損 新幹線トンネル事故(京都)
  ■22`コンクリ 高架から落下 山陽新幹線、4件目(京都)
  ■新幹線高架橋コンクリート 補修個所からも落下 JR西日本 耐用年数調査へ(朝日)
  ■山陽新幹線高架下 コンクリまた落下(朝日)
10日■東京の新交通システム 「ゆりかもめ」不通に 乗客閉じ込め緊急停止(京都)
  ■高架から22`のコンクリ片落下 山陽新幹線、防音壁も(京都)
  ■湖西線開業25周年記念入場券発売へ 20日から、JR西日本(京都)
  ■窓 駅前北口混雑 解消なく残念 南区・大塚伊奈利(タクシー運転手・50)(京都)
  ■トンネル事故 落下部品突き刺し走行 対向「のぞみ」先頭車両床下 異常発見できず(朝日)
  ■防音壁の一部落下 神戸(朝日)
  ■声 バスで電車であったか気分 主婦 荻野 三起(福井県鯖江市 39歳)(朝日)
  ■コンクリ片また落下 山陽新幹線、今年5件目(京都)
  ■コンクリ落下、6件目 山陽新幹線 姫路−相生 高架の橋げたから(朝日)
  ■防音壁、緊急点検へ JR西日本(朝日)
11日■高架からまたコンクリ片 山陽新幹線(京都)
  ■日欧の台湾高速鉄道受注戦 新幹線導入に期待 台湾当局者「輪銀雄姿条件 交渉の要素に」(京都)
  ■窓 横暴で高慢な市バス運転手 上京区・鈴木 忠一(無職・68)(京都)
  ■コンクリート片 数十個また落下 新神戸−西明石(朝日)
13日■四万十川沿いを走るサイクル列車を運行 JR四国(京都)
  ■接合不良部の84ヵ所で異常音 676ヵ所、打音検査 JR西日本南谷社長 崩落事故で初陳謝(京都)
  ■「新幹線止めない」JR西日本社長 事故後初の会見 公表の遅れは謝罪(朝日)
  ■コールドジョイント 676ヵ所で検査 84ヵ所異常音(朝日)
  ■トンネル壁の打音検査公開 JR西日本(京都)
  ■トンネル内の打音検査公開 JR西日本(朝日)
  ■検討会設置へ 運輪省(朝日)
14日■あすから運転再開 トロッコ列車(京都)
  ■窓 京都駅ビルで演奏会を満喫 園部町・馬場 忠孝(無職・58)(京都)
  ■トロッコ列車あす運転再開 嵯峨野観光鉄道(朝日)
  ■タクシー運賃 東京は2−5割増し 欧米との比較 在来線特急は割安 運輸省調査(朝日)
  ■新幹線トンネル施工不良 東海道でも18ヵ所(京都)
  ■モルタル11個落下 上越新幹線(京都)
  ■高架橋からまたコンクリ 山陽新幹線、前日点検(京都)
  ■コールドジョイント 東海道新幹線では18ヵ所(朝日)
15日■一つ間違えば大惨事 トンネル壁崩落事故で JR西労組、本部大会(京都)
  ■「コンクリ落下 恒久対策必要」 JR西労組委員長(朝日)
  ■「上越」でも側壁落下 トンネルのモルタル(朝日)
  ■「車いす押して」女子高生に痴漢 容疑の男性を逮捕(朝日)
  ■トンネルを総点検 今月下旬から実施 北近畿タンゴ鉄道(朝日)
  ■声 弱者につらい地下鉄の階段 無職 松川 つぎ子(大阪府堺市 78歳)(朝日)
  ■声 銀行や駅にはシニア優先機 主婦 大島 淑子(東京都三鷹市 68歳)(朝日)
  ■北で南で涼風いっぱい感じて トロッコ列車快走中 観光客誘致 夢乗せ 全国18線区で(朝日)
  ■大阪地下鉄もトンネル点検(朝日)
16日■ニュース 音楽 競馬… デジタル情報を自販機で買えます 京都など5駅で 500種類 50−500円程度で手軽に(京都)
  ■トロッコ乗り 花火と食事満喫を 亀岡で来月7日 JR京都駅が参加募る(京都)
  ■パレードで歩み祝う 福知山線開通100周年(京都)
  ■山陽新幹線の異常音個所 すべて鉄で「縫合」補強へ JR西日本(朝日)
  ■福岡トンネル事故 社長が驚いたのは翌日… 新幹線の危機管理見直し JR西日本 情報集中目指す(朝日)
  ■トンネル点検「東海」が公開(朝日)
  ■広島県で震度4 山陽道が一時不通 新幹線も徐行運転(朝日)
  ■神戸の地下鉄 初乗り200円に 来月から値上げ認可(朝日)
17日■JR西日本 湖西線トンネル 緊急点検 山陽新幹線と同時期建設 13ヵ所重点に(京都)
18日■徳山−小郡間で停電 山陽新幹線乱れる(京都)
  ■天眼 きっぷと理屈 日高敏隆(京都)
  ■JR東日本 キャンペーン脱退 京都PR もうやめた 東海は反発 内輪もめに地元困惑(朝日)
19日■JRの車内で医師痴漢行為 明石署が現行犯逮捕(京都)
  ■「ひかり」表示灯のトラブルで遅れる 東海道新幹線(京都)
  ■大破の新幹線 運転を再開 トンネル壁崩落事故(京都)
20日■山陽新幹線トンネル 263ヵ所で異常音 JR西日本 接合不良部、補強へ(京都)
  ■JR湖西線、きょう開業25周年 未来へ走る開発の動脈 湖国の乗客、2倍に 北部地域 過疎化ストップ 「琵琶湖環状線」 夢実現へ熱い期待(京都)
  ■窓 街揺るがせた京都駅の今昔 山科区・居藤 芳郎(無職・72)(京都)
  ■新幹線トンネル 専門家「至る所で劣化」 JR西日本 認識の甘さ認める(朝日)
  ■山陽新幹線に飛び込み死亡 学生、姫路駅ホームから(朝日)
21日■金沢へ記念列車 出発セレモニー JR湖西線”満25歳”(京都)
22日■新幹線2本緊急停車 ATCケーブル外れる 新大阪駅直撃(京都)
  ■土砂崩れで不通に JR関西本線(京都)
  ■神戸支社では1万7000ヵ所 高架橋はく落危険個所(京都)
  ■窓 落とし物連絡先 バス停に表示を 北区・小谷十三之烝(観光ガイド・73)(京都)
  ■1万7000ヵ所 落下の恐れ 高架橋コンクリ 山陽新幹線 新大阪−相生間で 福岡県内も3000ヵ所 JR「処置ずみ」(朝日)
  ■こだま・のぞみ 一時立ち往生 新大阪駅直前(朝日)
  ■コンクリ落下危険個所発表 JR本社、「独り歩き困る」 支社対応に戸惑い(朝日)
  ■こだま故障で出発26分遅れ 新大阪駅(朝日)
  ■震災から復興へ たどる絵巻 阪神電鉄沿線描く 西宮神社権宮司 吉井貞俊さん(朝日)
23日■山陽新幹線トンネル壁崩落 接合不良部の下側が劣化 対策検討会初会合で報告 異常音、411ヵ所にも(京都)
  ■鉄道事故に調査機関 運輸省 即応体制で原因究明 9月に初会合(京都)
  ■新幹線トンネル 「異常音」天井付近に8割 JR西日本 点検で判明 工法の欠点裏付け(朝日)
24日■新幹線トンネル壁崩落 コンクリートの劣化問題調査へ 土木学会(京都)
  ■お盆の予約 過去最低に 山陽新幹線(朝日)
  ■コールドジョイント 土木学会が小委設置(朝日)
25日■誤ってケーブル切断 信号停止、1400人影響 城陽のJR奈良線(京都)
  ■JR奈良線8本運休 草刈り作業中に信号ケーブル切断(朝日)
26日■阪急京都線 「架線に自転車」急ブレーキ 西院付近 道から投げ落とす?(京都)
  ■トラブル3つ 4時間運休 JR関西線(朝日)
  ■自転車投げ入れる? 列車15本遅れ 阪急京都線(朝日)
  ■JR西日本 来月から シルバーシート→優先座席 困った時 譲り、譲られましょう 増設 「高齢者専用」イメージを一新(京都)
  ■JR西日本 検査期限切れ車輛運行 北陸線特急 6両、26日間(朝日)
  ■今日的遺跡探検 1982 青春18きっぷ 気軽さ、安さ、若者とらえる(朝日)
27日■臨時花火列車を61本 京滋の5大会へ増発 JR西日本(京都)
  ■JR北陸線の6車両 定期検査期限過ぎる 中部運輸局が警告(京都)
  ■京都バス 客をドアに題挟む 左京 25b走行、けがさす(京都)
28日■山陽新幹線トンネル 301区画で異常音 検査終了 7割が広島−博多間(京都)
  ■愛知万博にリニア 世界初「浮上式」実用化へ 機種選定委答申(京都)
  ■山陽新幹線トンネル  377ヵ所を補強へ 異常音点検終了 問題個所増える(朝日)
29日■窓 湖西線の安全点検怠らずに 安曇川町・中野 博文(会社員・57)(京都)
  ■山陽新幹線 震災で倒壊、再利用橋げた 復旧後、コンクリ劣化か JR 全8ヵ所調査へ(朝日)
  ■踏切上がらず4時間「あかん バス降りる」奈良のJR関西線、2ヵ所(朝日)
  ■山陽新幹線のトンネル異常音 7割で内部劣化?(朝日)
  ■内壁補強工事 報道陣に公開 広島の大竹トンネル(京都)
  ■「開かずの踏み切り」…7時間半 バス立ち往生 乗客徒歩で帰宅 ネズミ原因 信号が故障 奈良市のJR関西線(京都)
  ■関西線踏切が復旧 制御ケーブル 小動物が切断(朝日)
  ■ロシア版ひかり号(朝日)
30日■コールドジョイント 東海道新幹線 35ヵ所を確認(朝日)
  ■欄干継ぎ目材 一部が落下 山陽新幹線高架橋(朝日)
  ■下りた遮断機に市バス突っ込む 叡山電鉄一乗寺踏切(京都)
31日■「コンクリート片 まず落ちません」 JR西日本 在来線を緊急点検(京都)
  ■JR舞鶴線 10月2日、電化開業 京都−東舞鶴に直通特急(京都)
  ■のぞみ、全部新型に JRがダイヤ改正(京都)
  ■JR京都−園部間が開通100年 切符や駅名板展示 園部文化博物館 きょうから企画展 嵯峨野線はじめ日本全国 鉄道の歴史たどる(京都)
  ■京阪淀駅周辺を高架化 府都計審が12議案承認(朝日)
  ■東京−博多間のぞみ すべてが新型車両に(朝日)
  ■男性飛び込み 7本が運休 大阪環状線(朝日)



1日■トロッコ列車駅埋まる 豪雨被害
 活発な梅雨前線の通過に伴う集中豪雨は、京都の人気観光コースにも爪(つめ)あとを残した。30日朝、京都市西京区の嵯峨野観光鉄道のトロッコ保津峡駅の裏山が崩れ、駅のホームや線路が倒木混じりの土砂で埋まっているのが見つかった。同鉄道は復旧作業を急いでいるが、トロッコ列車の営業再開のめどは立っていないという。(京都新聞)
■トロッコ休業日が辛い 保津峡駅 防護壁超え土砂 警察への通報遅れ 再開メド立たず
 30日午前9時45分ごろ、京都市西京区嵐山北松尾山、嵯峨野観光鉄道のトロッコ保津峡駅で土砂崩れが起きている、と同駅近くの売店店員が知人を通じて同鉄道に連絡した。
 桂署や嵯峨野観光鉄道によると、同駅南東側の北松尾山の斜面が高さ50b、幅10bにわたって崩れ、土砂や数十本の倒木が高さ5bの防護壁を乗り越えて駅構内に流れ込み、ホームや線路が幅20bにわたって埋まっていた。この日は休業日で、列車や観光客に被害はなかった。同鉄道は復旧を急いでいるが、営業再開のめどは立っておらず、当面の措置として3日までの運休を決めた。
 桂署は、29日深夜から30日未明にかけての豪雨で地盤が緩んだとみて、崩壊原因を調べている。
 トロッコ列車は嵐山観光の人気コースで、この時期は1日に約1500人の乗客がある。29日は通常通りに運行し、午後5時ごろに同駅を点検した時に異常はなかった。トロッコ列車が土砂崩れで営業できなくなるのは1991年の開業以来初めて、という。
 同鉄道は社員を現揚に派遣して、被害確認や二次災害防止に当たった。しかし、異常時の緊急連絡先の一つとしていた警察への通報は遅れ、所轄の桂署が土砂崩れを知ったのは約3時間半後の午後1時20分ごろだった。
 同駅近くの売店の店員松尾チエ子さん(67)は「朝9時すぎに店に来たら、駅が土砂で埋まっていた。驚いて嵯峨野観光鉄道に電話したが、つながらなかったので社員を知っている知人に連絡を頼んだ。もしトロッコ列車が走っていたら、と思うと恐ろしい」と不安そうだった。
 同鉄道の高橋哲也総務課長は「休業日で、お客さんに影響がなかったのが不幸中の幸い。取りあえず3日までの運休を決めたが、全線の安全が確認できるまでは営業を再開できない。夏休みの観光シーズンまでには何とか(再開を)間に合わせたい。警察への通報が遅れた点は反省している」と話している。(京都新聞)
■嵯峨野線開通100周年 亀岡でイベント開催へ初会合 市やJRなど意見交換
 今年8月の嵯峨野線(現JR山陰線)開通100周年に向け、JR西日本や亀岡市などは記念イベントの共同開催を目指し、30日に亀岡市役所で初会合を開いた。関係機関の事務担当者が顔を合わせ、他地域のイベント計画などの情報を交換した。
 嵯峨野線は1899年8月15日に開通。今年が開通100周年にあたるため、関係機関が共同で記念に何かできないか話し合おうと、JR西日本京都支社が亀岡市に呼びかけた。同支社はすでに園部町と共同でイベントを催すことを決めている。またJR西日本福知山支社も福知山市などと共催のイベントを計画している。
 この日は事務レベルの会合で、JR、亀岡市のほか亀岡市観光協会、亀岡商工会議所の事務担当者が集まり、園部町や福知山市のイベント情報などを交換。今後、イベント立案などを話し合うことを確認した。嵯峨野観光鉄道も次回会合から参加する予定という。(京都新聞)
■土砂崩れ駅無残 「トロッコ保津峡」 線路埋め尽くす
 西京区嵐山北松尾山の嵯峨野観光鉄道トロッコ列車の「トロッコ保津峡駅」では、29日深夜から30日朝にかけて、駅の西側にある北松尾山の斜面が雨でゆるみ、幅約10b、高さ約50bにわたって崩れた。この土砂と倒木で木造平屋の待合室(広さ約10平方b)が押しつぶされ、ホームと線路の一部(幅約20b)が土砂に埋まった。桂署によると、同駅は無人駅でけが人はなかった。トロッコ列車は当面、3日まで運休する。(朝日新聞)
■定期入れ紛失で駅員処分 落とし物で JR垂水駅
 神戸市垂水区のJR垂水駅で、落とし物として届けられた定期入れが駅事務所内で行方不明になり、定期券だけが持ち主に返されていたことが分かった。JR西日本神戸支社は「預かった拾得物を粉失し、お客さんに多大な迷惑を与えた」として30日、当日の落とし物係だった駅員(35)を期末手当カットなどの減給処分にした。
 関係者によると、垂水区に住む男性(65)が6月12日朝、JR垂水駅前の広場で定期入れを拾った。兵庫県明石市の事務員(72)の名刺があったため、定期入れを拾ったことを電話で伝え、駅員に届けた。事務員が午後2時ごろ駅に行くと、当日の落とし物係だった駅員に「定期入れは届いていない」と言われたという。
 事務員から「定期入れがなかった」と聞いた男性が同日夕、再び駅に出向いて確認したところ、事務所の机の引き出しから定期券だけが見つかった。再度、事務員が駅に行くと、落とし物係の駅員から定期券だけを渡された。なくなった定期券入れは革製で、中には定期券のほか、テレホンカードなどが入っていた。
 JR西日本によると、駅での落とし物は通常、遺失物明細簿に品目と番号を書いて保管し、定期券の場合は改札横の白板に落とし主の名前を書くことになっている。今回はこうした手順は守られていなかった。(朝日新聞)
■新幹線トンネル崩落現場公開 壁に大穴 亀裂は無数 福岡
 山陽新幹線トンネル壁崩落事故で、JR西日本は1日未明、小倉−博多間にある福岡トンネル(全長約8`)内の事故現場を報道関係者に公開した。コンクリート塊が落ちた部分にぽっかりと大きな穴が開き、周囲には長い亀裂も。当時の生々しい様子がまだ残るトンネル内を見た。
 事故現場はトンネルの博多側から約2`地点。午前1時45分、博多側の入り口を約40人の報道関係者を乗せたトロッコが出発した。トンネルに入ると「クラック」と呼ばれる大小のひび割れが次々と目に飛び込んだ。トンネルが完成したのは1975年5月。着工はその約5年も前で、実に30年近くが経過している。
 同社の技街担当者は「検査は定期を2年に1回、臨時を年3回行っており、その度に適正に修復しているので大丈夫」と説明した。
 入り口から約1.2`の地点で横に約6bの亀裂。長さ約1.5bの赤色の金属板6本が約70a間隔で、ボルトを使って留められていた。
 「あれがコールドジョイントです。事故後の打音検査で異常があったので、金属で補強しました」。JRの担当者が指さした。今回の事故はコンクリートの接合不良部コールドジョイン卜が原因のひとつだったという。
 事故現場では工事用のライトが、コンクリート塊が抜け落ちた壁面を照らし出した。幅数_、長さ約10bの亀裂の中に、長さ2b、幅65aにも及ぶ穴は開いたまま。応急処置としてペンキを塗るように、表面を樹脂で固めているだけだった。反対側の内壁にも同じ高さの所に10b近い亀裂がある。
 技術担当者は「これもコールドジョイントです。事故前は、目視で異常が確認できなければ特に打音検査もしていなかった」と言う。
 塊が車体の上でなく、窓ガラスを直撃したら、線路の上に落下して高速で走る車体が乗り上げたら、大惨事になるところだった。(京都新聞 夕刊)
■傷跡、生々しく JR西日本がトンネル公開
 山陽新幹線小倉−博多間の福岡トンネル(福岡県久山町、全長約8.5`)を走行中の新大阪発博多行き「ひかり351号」がはがれ落ちたコンクリート塊に直撃された事故で、JR西日本は1日未明、事故現場を報道関係者に公開した。下り線壁面のひび割れの瑞には、コンクリートがはがれ落ちた跡があった。長さ2b、高さ65a、厚さ40a大で、三角すい状にくぼんでいる。このコンクリート塊が「ひかり351号」の屋根を直撃したという。(朝日新聞 夕刊)
2日■トンネルの一斉点検開始 山陽新幹線、141カ所
 山陽新幹線のトンネル壁崩落事故で、JR西日本は1日から、事故が起きた福岡トンネル以外の山陽新幹線のトンネル計141ヵ所について一斉点検を始めた。
 2日まで目視による検査をし、その後ハンマーで内壁をたたいて音で異常の有無を判断する検査を実施。7月中に終える。
 事故の原因の一つとみられる、コンクリート接合面の一体化が不十分な「コールドジョイント」と呼ばれる施工不良個所について調べる。
 福岡トンネルについては、16ヵ所のコールドジョイント部のうち打音検査で異常音があった4ヵ所からのサンプル採取を続ける。3日までに計12個のサンプルを採取、鉄道総合技術研究所(JR総研)に送付して化学分析する予定。
 これまでのJR西日本の調査で、事故は@コールドジョイント部の存在Aその下側の内壁にコンクリートの混ぜ方が不十分なため内部で劣化が進んだ不良個所があった−ために発生したとみられる。(京都新聞)
■鉄道輸送で省エネ5倍 マイカル 野菜調達、初の試み
 大手スーパーのマイカルは1日、ヤンマーディーゼル、日本通運、JR貨物と提携して、東京と大阪の店舗に並べる北海道産の夏野菜を鉄道輸送すると発表した。大手スーパー各社は生鮮食品の調達をトラック輸送に頼っており、鉄道による大量輸送は初めて。鮮度維持機能を高めた新しいコンテナを使用して積み替え回数を削減したり、帰り荷を確保したりして、トラック並みの運賃に引き下げる。環境への負荷を軽くするねらいもある。
 鉄道による輸送は8日から始め、10月まで週6回運行。産地と各店舗とを3日間で結ぶ。産地と積み込み駅の間、消費地の駅とマイカルの物流センター間だけは日通がトラックで運ぶ。この輸送システムだと、トラック輸送に比べてエネルギー消費(原油換算)が5分の1に抑えられるという。(朝日新聞)
■JR、お盆予約電話で
 JR西日本は、お盆期間(8月11−18日)の列車指定券について、乗車1ヵ月前の発売開始以前の5日から、駅のみどりの窓口などで電話申し込みを受け付ける。先着順に指定席を押さえ、券がとれたかどうかは後日、JR側から申し込んだ人に電話連絡する。電話受け付けは昨年から年末年始期間で実施しており、今回で2回目。
 受付期間は、5−10日の午前10時から午後4時まで。JR西日本管内の計168駅のみどりの窓口などに新設した専用コーナーで対応し、申込者全員に結果を電話連絡。予約できた指定券は、今月26日までに申し込んだ駅に買いに来てもらう。
 受け付けは大阪駅(06・6346・4460)、京都駅(075・352・5615)、三ノ宮(078・221・3105)など主要駅の専用ダイヤル、問い合わせは最寄り駅へ。(朝日新聞)
■新幹線コンクリ直撃 全トンネル点検始まる
 山陽新幹線小倉−博多間の福岡トンネル(福岡県久山町)で、走行中の新大阪発博多行き「ひかり351号」に内壁からはがれ落ちたコンクリート塊が直撃した事故で、JR西日本は1日、ほかの計141ヵ所の全トンネルについても総点検を始めた。落下原因とみられる施工不良個所の「コールドジョイント」部の周辺を中心にコンクリートの劣化状況を確認し、コールドジョイントの場所や大きさなどの台帳をつくる計画という。
 同社によると、総点検は終電が通過した深夜に実施する。2日までにコールドジョイントの把握と目視検査を終え、3日以降、ハンマーで内壁をたたいて音で劣化状況を確認する打音検査を行う。7月末までに終わらせるとしている。(朝日新聞)
■快速2本運休 JR関西線
 1日午後4時50分ごろ、奈良県斑鳩町興留九丁目のJR関西線の法隆寺駅で、難波発奈良行きの快速電車(乗客約250人)が停車しようとした際、車両のパンタグラフから「バン」という異常音がした。
 架線と接触するパンタグラフの一部に異常摩耗があることがわかった。電車は6分遅れで奈良駅へ到着した後、修理を受けた。この影響で、奈良−難波間の快速電車が上下計2本運休し、約2000人の足が乱れた。(朝日新聞)
■京都駅北口新バス乗り場 混乱なく発車オーライ
 京都市下京区のJR京都駅前に、新しく整備されたバス乗り場が2日オープンし、通勤客や観光客らの利用が始まった。
 新しいバス乗り場は、これまでの乗り場の名称と取り扱い系統を変更し、清水寺・祇園や嵐山・大覚寺など方面ごとに系統を集約。従来は同じ方面の行き先でも別々に設置されていた京都市バスと民間バスの乗り場を、行き先にごとに近接させた。
 総合案内所の前には、行き先の系統や乗り場が、簡単な操作で分かるタッチパネルを設置。案内板の外国語表記を大きくしたり、バスの接近を知らせる電光表示も新しく取り換えた。
 この日、朝の始発から利用が始まったが、市交通局の職員らが案内に出て、通勤客らに特に混乱はなかった。市交通局は「京都の玄関口として、初めて訪れる人にも便利なバス乗り場をめざした」と話している。
 新しいバス乗り場は、京都駅ビルの改築に合わせた駅北口広場整備事業として、市が1年前から整備していた。(京都新聞 夕刊)
■JR信号機が明石市で無灯 舞子−朝霧間の4基
 2日午前5時半ごろ、兵庫県明石市大蔵谷のJR山陽線舞子−朝霧間で、走行中の宮原操車場発上郡行き下り回送列車(8両編成)の運転士から「下り線の信号が消えている」との連絡が、新大阪総合指令室にあった。ほかの列車に確認したところ、同区間の上下線計4基の信号機がいずれも無灯状態だった。このため、同区間では約800bにわたって上下線とも時速15`徐行運転となり、上り電車に最高8分の遅れが出た。修理用の部品の手配などに時間がかかり、約5時間後に復旧した。(朝日新聞 夕刊)
3日■JR東日本株 今月中に100万株を2次売却
 日本鉄道建設公団の国鉄清算事業本部は2日、同公団が保有するJR東日本株の第2次売却として、100万株を7月に売り出すと発表した。23日から28日の間に売却価格を決める。JRグループ株で2回目の株売却が実施されるのは初めて。
 売却益は、旧国鉄長期債務のうち、約3兆9000億円の年金などの債務返済に充てられる。
 JR東日本の発行済み株式数は400万株。このうち、同公団保有の株数は150万株で、2次売却によって残りは50万株となる。
 JR東日本は「政府は2次売却では150万株を売り切って完全民営化を行うべきだ」(首脳)と訴えていたが、果たされなかった。
 今回の売却が100万株にとどまった背景には、JRグループへの影響力を保持しておきたい政府の意向が反映したとみられる。
 川崎二郎運輸相は2日、「株式の完全売却などについては、立法府などの意向を踏まえながら引き続き検討していきたい」とコメン卜した。
 一般の投資家や機関投資家は7月13日から売却価格などの決定日までの間、証券会社で株式の買収について仮申し込みをすることができる。売却決定日の翌営業日から3営業日の間に払い込みを行う。主幹事は野村証券とモルガン・スタンレー・ディーン・ウィツターの2社。
 2日のJR東日本株の終値は69万8000円だった。(京都新聞)
■排出ガス抑制へ鉄道で野菜輸送 マイカル
 マイカルは1日、7月から10月にかけて北海道から首都圏と関西へ運ぶ野菜の約60%を従来のトラック便から鉄道輸送に切り替える。
 トラック便を減らすことで、排出ガスの抑制、交通渋滞の緩和、エネルギー消費の節約を図るのが狙い。ヤンマーディーゼルが新たに開発した大型の低温コンテナを利用する。
 農水省は昨年から、農産物の長距離輸送に鉄道利用を拡大する事業に取り組んでおり、同省によると、大手量販店が継続的に野菜を低温鉄道輸送するのは初めて。
 鉄道便は路線の自由が利かないため機動的な集配が難しい。片道しか荷物を運べないことも多いため、トラック便に比べて運賃が約30%高かった。
 マイカルは、日本通運やJR貨物などと共同で運行計画を作り、大型コンテナを使って継続輸送することで帰便の荷物を確保、トラックとほぼ同じ運賃で運べるようにしたという。(京都新聞)
■特急にはねられ死亡 阪急桂駅で飛び込み
 2日午後10時10分ごろ、京都市西京区川島北裏町、阪急電車京都線の桂駅で、女性が線路上に飛び込み、梅田行きの特急にはねられた。女性は全身を強く打って死亡した。
 桂署の調べでは、女性は10代から20歳代くらいとみられ、身元確認を急いでいる。特急電車は6分間遅れで運転を再開したが、後続の急行など2本も5分前後遅れた。(京都新聞)
■鉄路にずっと続く道 同大の同好会発足40周年 OBが記念誌 欧州乗車体験やボイラー破裂目撃など
 鉄道のロマンを追い続ける同志社大鉄道同好会OB会が、同好会の発足40周年を祝って記念誌を完成させた。鉄道趣味の世界を追究したOBたちの姿が生き生きとつづられており、鉄道ファンの熱い思いが擬縮されている。
 同志社大鉄道同好会は1958年に誕生した。府内の鉄道関係の学生クラブやサークルのなかでは京都大鉄道研究会に続く歴史を誇る、という。OB会は11年前に発足し、関西を中心に約350人の会員がおり、卒業後も活発に活動している。
 しかし、肝心の現役の学生が95年ごろから減り始め、同好会設立40年目の98年4月には、同好会は活動停止となった。
 そこで、同好会の足跡をたどり、OBたちの活動をとどめようと記念誌「青信号64」を発刊した。A4判、220n。同好会が再出発できるよう願いを込めて、同好会の機関誌だった「青信号」の続刊として発刊し、64号の通し番号も付けた。
 英国からウィーンへの列車乗車体験記や、54年に起こった山科駅での蒸気機関車ボイラー破裂事故の目撃記、近鉄田原本線の生い立ちなど、鉄道への熱い思いを記事と多数の写真を使ったOB会の集大成となった。
 記念誌編集長の会社員福田静二さん(50)=長岡京市天神=は「現役部員はいなくなったが、卒業後もこれだけ鉄道趣味に愛着を持ってくれているとは心強い。同好会の実績とOBたちの実力の結集だ」と喜んでいる。
 「青信号64」は送料込み3000円で販売する。住所、氏名、電話番号を書いて、〒617-0824 長岡京市天神3の9の2、福田静二さん方へ。(京都新聞)
■「フクちゃん」電車 高知の市内を快走 横山氏の出身にちなみ
 高知市出身の漫画家、横山隆一さん(90)=神奈川県鎌倉市=の人気漫画「フクちゃん」のさまざまな表情やしぐさを車体に描いた土佐電鉄(高知市)の路面電車「フクちゃん号」の出発式が2日、高知市内の同電鉄車庫であった。営業運行は3日から約半年間で、市内を中心に走り市民を楽しませる。
 フクちゃん号は、2002年開館予定の「横山隆一記念まんが館」(仮称)のPRや高知市のイメージアップなどを狙って、同市が企画。車内のつり広告で、フクちゃんや横山さんの経歴なども紹介する。車体の塗装費や広告費などで、市は約250万円を土佐電鉄に支払ったという。
 フクちゃんは毎日新聞が1956年から71年まで5534回掲載するなどした漫画。横山さんは「フクちゃんが”高知出身”だと分かってもらえればうれしい」と話している。
 出発式では、松尾徹人・高知市長(52)が「フクちゃんは、わたしたちの世代にとって漫画の象徴」とあいさつ。横山さんの息子の隆雄さん(62)らとテープカットし、幼稚園児や関係者が乗り込んで市内を試運転した。(京都新聞)
■トロッコ列車サミット中止 保津峡土砂崩れで
 30日の土砂崩れでトロッコ列車の不通が続いている嵯峨野観光鉄道は2日、運転再開のめどを今月15日とし、9日に京都市内で開催予定だった「'99全国トロッコ列車サミット」の中止を決めた。
 嵯峨野観光鉄道は2日、土砂崩れが発生したトロッコ保津峡駅付近で被害状況を調査した。その結果、▽線路上にたまった土砂の量が予想以上に多い▽現場に作業用の重機を車で搬入することができない▽今後も大雨が予想される−などから、復旧作業に最低でも2週間かかると判断した。
 また、同鉄道は京都で初開催となるトロッコ列車サミットに向けて、これまで準備を進めてきたが、「運休でお客さまに迷惑をかけているなかで、華やかな行事を開くのは適当でない」(高橋哲也総務課長)として、サミットも中止することにした、という。
 全国トロッコ列車サミットの中止は、第1回を高知県で開催予定だった一昨年に続き、2回目となる。(京都新聞)
■JR東日本株 100万株売却へ 鉄建公団が正式発表
 日本鉄道建設公団国鉄清算事業本部は2日、同公団が保有する(政府保有分)JR東日本株150万株のうち、第二次売却として100万株を売り出すと正式に発表した。売却価格は23日から28日の間のいずれかの日を決定日とし、その日の市場での終値を基準に決める。価格決定日の翌日から3営業日を申込期間とし、5営業日後に株券を引き渡す予定だ。
 売却益は、旧国鉄から鉄建公団が引き継いだ年金負担金の支払いにあてられる。150万株すべてを売却しない理由を、同公団は「年金負担金はまとめて支払うものではなく、分割して必要になるカネ。株式を一括売却してまとまった現金を手にしても、超低金利でしか運用できない現状を考えれば、一部を残して配当収入を得た方が有利」(株式対策室)としている。(朝日新聞)
■青鉛筆
 大阪市営地下鉄の御堂筋線に5日から、車体に企業の広告を描いた電車が走る。全国の地下鉄や大手私鉄で初の試みだ。市交通局が年間約3500万円で引っ越し会社と契約した。
 カモメが空を舞い、クジラやイルカが海で遊ぶ絵の中に、さりげなく社名入りのトラックが。目を凝らすと、登場人物はみな、引っ越し会社の作業服を着ているのに気づく。
 同局の昨年度の広告収入は前年度比で約5億円下回る見込み。「車体は鉄道事業者の顔」と抵抗感を抱く職員もいたらしいが、真っ暗なトンネル内では顔なんて見えないでしょ。(朝日新聞)
4日■亀が電車6本止める ポイントに挟まれ
 3日午後2時40分ごろ、JR阪和線天王寺駅行き上り電車の運転士が、阪和線上野芝駅のすぐ手前にある信号機が赤になったままであるのを不審に思い、総合指令室に連絡した。
 通報を受けた上野芝駅の係員が線路を点検した結果、同駅上り線路ポイント(転てつ機)部分に亀が挟まっているのを発見した。亀は既に死んでいた。
 この影響で上下線6本が運休、同電車を含む上り5本に最大20分の遅れが出て、約1750人に影響が出た。(京都新聞)
■電車のドア開かず発車 JR東海道線・守山駅
 3日午後8時35分ごろ、滋賀県守山市梅田町のJR東海道線守山駅で、網干発米原行き上り普通電車(6両編成)が、ドアが開かないまま発車。乗客約300人のうち約30人が下車できず、守山駅で待っていた約10人が置き去りになった。下車できなかった乗客は次の野洲駅で下り普通電車に乗り換え、約20分遅れで守山駅に戻り、ホームの客は約3分後に到着した後続の新快速電車で野洲駅に行き、この普通電車に乗り換えた。
 JR西日本によると、乗車していた車掌は、ドアの開閉を確認するランプが正常に点灯し、自分の乗っていた6両目のドアが開いたのを確認したといい、終点の米原駅でドアの開閉試験をしたが異常はなかったという。このため、同社は詳しく原因を調べる。(朝日新聞)
■ポイントに亀 信号ストップ JR阪和線8本運休
 3日午後2時40分ごろ、大阪府堺市上野芝町三丁目のJR阪和線上野芝駅構内で、熊取発天王寺行き上り普通電車(4両編成、乗客約150人)の運転士から「信号機が赤のまま変わらない」との連絡が、新大阪総合指令室にあった。駅員が現場に駆けつけたところ、線路のポイント内に亀が挟まっているのを見つけた。粉々になって死んでいた亀を取り除き、約20分後に運転を再開した。このため、上下計6本が運休、上り線計5本が20−8分遅れるなど乗客計約1750人に影響した。
 JR西日本によると、ポイントの可動部に亀がはさまったため通電できなくなり、信号が赤から変わらなくなったとみられる。(朝日新聞)
■声 共通カードにJR参加して 無職 宮川 正祐(滋賀県守山市 73歳)
 各鉄道会社など発行のプリペイドカードに互換性を持たせ、切符の代わりに駅の自動改札機を通せば運賃が引き落とされる仕組みの共通乗車制度が、「スルッとKANSAI」である。平成8年春に阪急など5機関で発足し、当初の2年間に3100万枚の発売実績があったという。
 大手のJR西日本と近畿日本鉄道は、システム上の理由などから参加していなかったが、近鉄が2001年3月からの参加を表明したとのことであり、その決断に拍手を送りたい。これにより、関西圏の全鉄道の年間輸送人員の80%がこのカードでカバーされるという。
 カードの特徴は1枚でどの鉄道にも乗れ、他の会社との乗り継ぎも面倒な手間なしにできるというところにある。できるだけ多くの交通機関が参加することにより、そのメリットはさらに高まる。JR西日本にはシステムの壁など、乗り超えねばならない問題があると聞くが、一日も早く大同団結の輪に入り、利用者の利便を広げてほしい。(朝日新聞)
5日■200cのコンクリ片 高架橋から落下 山陽新幹線
 JR西日本は5日、山陽新幹線姫路−相生間の那波野第三高架橋(兵庫県相生市赤坂、高さ13b)からコンクリート片(縦6a、横12.5a、厚さ1.2a、重さ200c」が4日、高架橋南側下の歩道に落下していた、と発表した。けが人はなかった。(京都新聞 夕刊)
■高架コンクリ落下 山陽新幹線 姫路−相生 下に歩道、けが人なし
 兵庫県相生市のJR山陽新幹線姫路−相生間の那波野第三高架橋下り線で、橋げたからコンクリート片が落下していたことが5日、JR西日本の調べで分かった。高架橋の下は歩道だったが、けが人などはないという。すでに応急処置をとり、同社が落下の原因を調べている。
 JR西日本によると、コンクリート片は1個で、長さ12.5a、幅6a、重さ200c。高さ約13bの鉄筋コンクリート製の橋げたから落ちたらしい。4日午後5時半ごろ、近所の住民が見つけ、相生駅に届けた。調査の結果、高架橋の張り出し部分にはがれ落ちた跡を見つけ、応急処置を施した。高架橋は昨年12月に目視検査を実施していたが、異常はみられなかったという。山陽新幹線では、昨年5月、山口県内で高架橋から約12`のコンクリート塊が落下した。(朝日新聞 夕刊)
■信号変わらず電車が遅れる JR山陽線兵庫駅
 5日午前8時10分ごろ、神戸市兵庫区のJR山陽線兵庫駅で、停車中の安土発姫路行き下り快速電車(12両編成)が、信号機が赤のまま変わらないため出発できなくなった。駅員が調べたところ、ポイントが切り替わっていないことが分かり、手動で切り替え、約12分遅れて出発した。このため、上下計7本が運休するなど朝の通勤・通学客計約5600人に影響が出た。JR西日本が原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)
■踏切事故、男性死亡 JR阪和線乱れる
 5日午前6時5分ごろ、大阪府堺市津久野町二丁のJR阪和線上野芝南二踏切で、近くの男性(67)が天王寺発和泉砂川行き普通電車(6両編成)にはねられ、全身を打って死亡した。堺南署が原因を調べている。
 この影響で上下10本が運休、9本が最高で16分遅れ、約4000人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
6日■阪神電鉄西大阪線の延伸へ協議会設立
 阪神電鉄西大阪線(尼崎−西九条)の難波延伸を検討する「西大阪線事業推進協議会」(相談役・佐々木伸大阪市助役、手塚昌利阪神電鉄社長)が5日設立され、延伸線建設が具体化へ動き出した。
 同日、大阪市役所で開かれた第1回会合で、事業を第三セクター方式にするかどうかや、新設駅の規模など検討課題が挙げられた。
 同線延伸線は西九条駅(大阪市此花区)から約3.4`先の近鉄難波駅(同市中央区)まで延長、近鉄難波線と相互直通運転する計画。複線で高架約1`、地下2`強、約900億円の工事費を見込む。
 延伸が実現すれば、阪神、阪奈両地域間の移動が容易になる。1989年の運輸政策審議会答申は「2005年までの整備が適当」とした。(京都新聞)
■市バス優先 新信号 京都市 来年度導入へ検討
 京都市は、信号制御によって市バスを優先走行させる「公共車両優先システム」(PTPS)の2000年度中の実施に向け、府警など関係機関でつくる協議会での調査検討に近く着手する。慢性的な交通渋滞の緩和や排ガスの抑制に加え、ダイヤの遅れが常態化している市バスの定時性を確保し、乗客増につなげる狙い。
 市は、国の「環境にやさしい交通管理」モデル事業の地区指定を受け、都市交通問題を担当する都市計画局や交通局などと協議を進めてきた。
 バス優先信号は、これまでにもあるが、従来のシステムは車両の長さを検知する方式だったため、トラックなどバス以外の大型車も優先する格好になっていた。
 しかし、新システムは府警が道路に設置した「光ビーコン」を活用、市バスの車載機から発信された電波を光ビーコンが交通管制センターに送信するため、バスのみを対象に信号制御できる。
 また、これまでと異なり光ビーコンと車載機の双方向通信のため、市バスの進行管理のほかバスレーンを走る違反車、交通渋滞などの情報も把握、違反車に対する警告を行ったり、バス内や停留所で目的地までの到着予想時間を表示したりできる、という。
 市によると、札幌市や東京都などの一部道路で公共車両優先システムが導入され、札幌では路線バスの運行時間5%短縮など効果をあげているという。
 市バスの導入路線は未確定だが、南北は九条−北大路、東西は東大路通−西大路間のエリアと周辺の観光地などを予定している。今後は来年度導入を目指し、路上の違法駐停車対策や市民へのPR、事前調査などについて関係機関でつくる協議会で検討する。
 市交通政策課は「地球温暖化の歯止めとともに、市バスの利便性向上が期待できる。市バスの経営改善には定時性確保が不可欠で、交通局と一体となり、府警と協力して導入を進めたい」としている。(京都新聞)
■検証 新幹線トンネル事故の対応 甘かったJRの危機管理 簡単な点検で運転再開
 山陽新幹線小倉−博多間の福岡トンネル(福岡県久山町、全長約8.5`)内を走行中の「ひかり351号」に、内壁からはがれ落ちたコンクリート塊が直撃した事故は、1964年の新幹線開業以来の異常事態だった。停電発生の第一報から運転再開までの経過をたどると、混乱のなかで事故の真相をつかめないまま運転を再開させ、報道機関への公表も遅れるなど、JR西日本の対応の甘さや危機管理の問題が浮かび上がる。非常事態にどう対応したのか。事故直後のJRの動きを検証する。(社会部・塚本 和人)
 下りのひかり351号(乗客約260人)が同トンネル内でコンクリート塊に直撃されたのは、6月27日午前9時24分だった。パンタグラフを壊されて停電し、トンネルを出た直後に緊急停車した。後続の名古屋発博多行き「のぞみ33号」(乗客87人)も小倉駅で停車し、運転再開の指示を待っていた。午前10時37分、先に再開した上り線を走行中の運転士が、現場付近でコンクリート塊を発見している。しかし、停電の復旧を受けて同54分、下り線の運転も再開され、のぞみ33号も小倉駅を出発した。
 「停電の原因はパンタグラフの故障と考えられた。架線故障の可能性もあるため、マニュアル通り、のぞみ33号に電力係員ら4人を乗せ、点検を兼ねて出発させた」(JR西日本の説明)
 ひかり351号は11時2分に博多駅に到着し、まもなく博多総合車両所で点検が始まった。車体の損傷具合は事態の重大さを示していた。
 「パンクグラフの損傷は分かっていたが、車両所で点検するまで、屋根などの被害があれほとどひどかったことはつかめなかった」(同)
 トンネル内では、午前11時から施設係員3人が徒歩点検を始め、同24分、現場付近で計200`もある3つのコンクリート塊を見つけた。その約10分前には、別の電力係員が架線で「曲引き金具」の破損も発見していた。このため、のぞみはトンネル手前で緊急停車した。午後零時8分、内壁のコンクリートがはがれ落ちた跡が見つかったが、17分後には「運行に支障なし」と判断し、のぞみは運転を再開した。
 「落下場所を補強工事しなくても、これ以上は落下しないことを確認した。ほかの内壁も、目視点検で落下の恐れはないと判断した。落下場所の周りには2−4人を交代で監視要員として置き、時速70`で徐行運転し、異常があればすぐにも止められる体制だった」(同)
・事故原因の公表遅れる
 のぞみはトンネル内を約6`走り、再び零時42分、架線金具の修理のため現場で停車し、修理後に運転を再開した。この後、落下場所以外では終電の通過した深夜まで、ゴンドラ付きの作業車を使った本格的な点検はなかった。深夜の点検で、ほかの15ヵ所でコールドジョイントとよばれる施工不良部分が見つかり、翌日の点検で、うち4ヵ所に劣化の可能性のあることが分かった。
 「深夜の点検で初めてコンクリート塊と車体損傷の因果関係が分かった。コールドジョイントが落下原因とみられるなど、事態の深刻さが分かった。ただ、すぐにも落下する危険性はなかったと考えている」(同)
 この間、JRはコンクリート塊の落下の事実を発表しなかった。
 「事故とコンクリートとの関係が明確になっていなかったため混乱を招く恐れもあり、公表を控えた」(同)
 5日にも姫路−相生間の高架橋の橋げたからコンクリート片が歩道に落下していたことがわかったが、公表は再び遅れ、発見から17時間余り過ぎていた。
 運輸省はすでに、JRから一連の経過を聴き、事実の公表が遅れるなど対応が後手に回っていたとして、再発防止を求める警告書を出している。
・再発防止に徹底調査を 「コンクリートが危ない」(岩波新書)などの著書がある小林一輔・千葉工業大教授(コンクリート工学)の話 JRの事故後の対応には明らかに問題がある。全長8`に及ぶ福岡トンネルは、断面も大きく、数時間の目視点検だけでコンクリートの状況を把握できるものでない。また、落下場所の発見後、たった17分で運行に支障なしと判断できるはずがない。並行して在来線があるのだから、トンネル全域の点検をきちんと終えるまで再開すべきでなかった。ほかのトンネルでも落ちる可能性はある。二度とあってはならない事故なのだから、1−2週間でも運転を止めて徹底的に調べ、危機管理につとめるべきだ。(朝日新聞)
事故発生後の運転経過(6月27日−28日)
27日午前9時24分下り「ひかり351号」が福岡トンネルを出た直後、停電のため緊急停車。上り「のぞみ12号」もトンネル内で異常音を聞き、緊急停車。
 10時12分上り線の停電復旧。「のぞみ12号」運転再開。
  37分トンネル内を走行中の上り「こだま566号」の運転士が、現場付近でコンクリートらしきもの発見。
  48分JR西日本東京指令所が「停電発生について」の事故情報の第1報をFAXで報道各社へ送信。「ひかり351号のパンタグラフ不良を発見した」
  54分下り線の停電復旧。「ひかり351号」運転再開。
 11時00分下り後続「のぞみ33号」が停車中の小倉駅出発。施設係員が徒歩でトンネル内の目視点検開始。
  02分「ひかり351号」博多駅到着。
  10分電力係員が現場付近の架線で「曲引き金具」の破損を発見。
  24分施設係員が現場付近でコンクリート塊を発見。
  40分「ひかり351号」が博多総合車両所で、屋根などの損傷調査開始。大きな被害と初めて認識。
  49分「のぞみ33号」がトンネル入り口直前で緊急停止。
 午後0時08分点検中の係員が内壁のコンクリート落下跡を発見。
  25分現場責任者が「列車運行に支障なし」と判断。まもなく、停車中の「のぞみ33号」発車。
  33分事故情報第2報を送信。「架線の不具合が発見されたため、応急処理行う」
  42分「のぞみ33号」架線の金具破損現場で停車。
 1時06分電力係員らが、金具の復旧作業を開始。
  27分復旧作業終了。
  30分「のぞみ33号」運転再開。後続列車も徐行運転で再開。
  44分「のぞみ33号」博多駅到着。
 2時23分事故情報第3報発信。「午後1時30分に運転再開」
 6時51分事故情報第4報発信。「原因は調査中」
 7時35分事故情報第5報発信。運休本数や影響人員のほか「原因は調査中」。
 10時00分事故情報第6報発信。「調査結果について一定の集約ができた時点で知らせる予定」。コンクリート落下の記述なし。
 11時55分トンネル内を最終の下り「こだま595号」が通過。
28日午前1時 福岡トンネル全線の安全点検を開始。
 午前11時 JR西日本が記者会見。「トンネル内壁からコンクリート魂がはがれ落ち、ひかりに直撃」と初めて発表。
■在来線・私鉄などもトンネル点検を指示 運輪省
 JR山陽新幹線のトンネル事故を受け、運輸省は5日、在来線や私鉄、地下鉄の計109事業者に対し、計4451ヵ所(総延長約2728`)のトンネルについてコールドジョイント部分の有無などを緊急点検するよう、各地方運輸局を通じて文書で指示した。できる限り早く計画を立てたうえで、見て確認したり、コンクリートをたたいて音を調べたりして点検するよう求めている。
 運輸省によると、コンクリート層の境目がもろくなるコールドジョイントは、トンネル上部からコンクリートを流し込む「引き抜き方式」と呼ばれる工法を使った場合に起こりやすい。事故があった山陽新幹線の福岡トンネルなど、1980年代までに完成した山岳トンネルの多くが、この工法で造られているという。また、都市部の地下鉄などでも、工法によってはコールドジョイントが起きやすいケースがあるとみられている。
 また、兵庫県相生市で山陽新幹線の高架橋からコンクリート片が落下したケースを受けて、運輸省はこの日、JR西日本に対し、すべての新幹線の高架橋を緊急に点検するよう口頭で指示した。(朝日新聞)
■高架橋を緊急点検へ JR西日本
 兵庫県相生市の山陽新幹線姫路−相生間の高架橋からコンクリート片が落下した事故で、JR西日本は5日、山陽新幹線の高架橋のうち、高架下が歩道や公園、駐車場など通行人を直撃する恐れのある個所の橋げたと橋脚すべてについて、緊急点検することを決めた。コンクリートの劣化が進んでいないかを中心に点検し、7月末までに終えたいとしている。(朝日新聞)
■西大阪線延伸に推進協設立 大阪市と阪神電鉄 3セク基本に課題検討
 大阪市と阪神電鉄は、阪神西大阪線の延伸計画(西九条−難波3.4`)の事業化を進めるために「西大阪線事業推進協議会」を設立し、5日、大阪市役所で初会合を開いた。第三セクター方式での整備を基本に、課題などを具体的に検討して事業化につなげる。
 この日は、大阪市から細見昌彦・計画調整局長、阪神から西川恭爾・常務取締役鉄道事業本部長らが出席。運営主体、建設主体のあり方や既存施設の改良などについて問題点を整理した。今後は、相互乗り入れを計画する近鉄の参加も求めて協議を進める。
 同線の延伸は1967年に着工したが、直後に地元の反対で工事が中断。最近になって建設への期待が高まっているが、大半が地下路線で工事費が900億円を超えることから、阪神は「一民間企業の手に負えない」と市との協力を模索していた。(朝日新聞)
■太陽光など動力源 浮上式列車の実験車両公開 宮崎
 東北大流体科学研究所の小浜泰昭教授らのグループが、太陽光など自然エネルギーを動力源とする未来の浮上式超高速列車として、開発に取り組んでいる「エアロトレイン」の実験車両が6日午前、宮崎県日向市美々津の鉄道総合技術研究所(JR総研)リニアモーターカー実験線で公開された。
 エアロトレインは水平翼とプロペラを備え、車輪で前進し、速度が上がると、地上約15aの高さで浮上走行する仕組み。将来的には最高時速500`が目標だ。動力源として、軌道の側壁に取り付けたソーラーパネルなどから発生する電力をレールから集電する。
 小浜教授は「自然エネルギーだけを利用した高速システムの開発を実証したい」と話している。
 この日公開された実験車両は本体部の長さが8.1b、幅3.2b。左右に幅約1bの翼が2枚ずつ付いている。翼に布を張るなどして工夫、重さを50`に抑えた。
 今月から本格化する実験ではプロペラを取り付けず、自動車を改造した台車と連動、無人で走行させ、車体の安定性などのデータを収集する。
 今後の実験では時速約40`で浮上走行実験を繰り返し、5年後には有人走行に取り組む予定だ。(京都新聞 夕刊)
■はく落事故で トンネル点検 JR東日本
 JR東日本は6日未明、山陽新幹線福岡トンネル(福岡県久山町)のコンクリートはく落事故に伴う、管内の新幹線トンネルの点検作業を報道陣に公開した。はく落原因とされる施工不良部「コールドジョイント」の有無を確かめるのが目的。この日だけで、数ヵ所の不自然な継ぎ目を発見し、ハンマーを使った打音検査で内部の強度を調べた。
 公開されたのは、東北新幹線那須塩原−新白河間の那須トンネル(栃木県那須町)。点検対象となった区間は1976年に完成し、事故が起きた福岡トンネルとほぼ同じ年数が経過している。
 全長約7`のトンネル内では、コールドジョイントとみられる白っぽいむらが数ヵ所で見つかったが、いずれも内部の亀裂を示す「異音」はなかったという。
 同社は7月末までに、管内162ヵ所の点検を終える予定。東海道新幹線を受け持つJR東海は4日から点検を始めている。(朝日新聞 夕刊)
■神戸の地下鉄10.5%値上げへ 運輪審議会答申
 運輸審議会は6日、神戸市が計画している約10.5%の市営地下鉄運賃値上げを申請通り認可するよう運輸大臣に答申した。「物価問題に関する関係閣僚会議」で了承後、運輸大臣から認可されると、市は8月から値上げを実施する。
 申請によると、10`までの区間は20円、10`以上は30円値上げされ、22`以上は据え置かれる。三宮−新神戸間など初乗り運賃は現行の180円から200円となり、三宮−名谷間は270円から300円に、三宮−西神中央間は360円から390円にそれぞれ値上げされる。(朝日新聞 夕刊)
■近鉄道明寺線があす夕運転再開
 近鉄は6日、6月27日の大雨で線路が曲がるなどの被害が出たため運休していた近鉄道明寺線(道明寺−柏原間、2.2`)について、7日夕から運転を再開すると発表した。沿線を流れる大和川にかかる大和川橋りょう(大阪府藤井寺、相原両市、全長約200b)の橋脚の根元がえぐれるなどで補修していた。(朝日新聞 夕刊)
7日■山陽新幹線の93トンネル 接合不良 計2049ヵ所 JR西日本発表 広島、山口に87% コンクリート低い品質、問題か
 山陽新幹線トンネル壁崩落事故で、JR西日本は6日、事故があった福岡トンネルを含む同線の全142ヵ所のトンネル(総延長約280`)について目視検査を実施した結果、「コールドジョイント」と呼ばれる接合不良部が93トンネルで計2049ヵ所見つかった、と発表した。周辺にひび割れや表面の浮き上がりなどはなく、直ちに事故につながる恐れはないとしている。広島支社管内で全体の87%が発見されたことから、同社は「コンクリートの品質や工法に問題があった可能性がある」と分析している。
 JR西日本は、今月中にもハンマーで内壁をたたいて異常の有無を調べる打音検査を実施し、周辺に劣化部分がないか点検する。
 JR西日本の調べによると、1972年に開業した新大阪−岡山間の計31トンネルでは、コールドジョイント部は61ヵ所に過ぎず、97%が75年開業の岡山−博多間に集中していた。特に、広島県の大部分と山口県を管轄し、80トンネル(総延長約144`)を抱える広島支社管内で1792ヵ所が発見され、一定距離当たりのコールドジョイントの発生率も高かった。
 山陽新幹線が建設されたのは高度経済成長の末期。石油ショックも重なったことからコンクリートに海砂などが使用され、品質の低いコンクリートが流通、トンネルなどコンクリート構造物の強度に問題があるとの指摘もある。
 コールドジョイントが最多だったのは広島−新岩国間の五日市トンネルで136ヵ所。次いで同区間の新欽明路トンネルの127ヵ所、新尾道−三原間の備後トンネルの101ヵ所の順。
 距離当たりのコールドジョイント部発生率が最も高かったのは、小郡−厚狭間の第一黒見山トンネル(187b)で、次いで第一高山トンネル(三原−東広島間)、古高山トンネル(同)などの順。
 これまでの同社の調査では、崩落事故は@コールドジョイントの存在Aその下側に、コンクリートの混ぜ具合が悪く密度が低いことから劣化が進んだ不良個所があった−ことが複合して起きたとの見方を強めており、コールドジョイントだけではすぐに崩落事故は発生しないとしている。
 福岡トンネルの事故では、ひかりの車両の鉄製屋根2ヵ所にへこみや直径数_の穴があいていたことが明らかになっている。
 コールドジョイント トンネル工事などで、先に施工したコンクリートが固まった後に、隣接区画にコンクリートを流し込むと、接合が不十分になる施工不良。コンクリート注入作業が中断するなどした際に発生する。トンネル側壁の場合、コールドジョイントがあっても、接合面は上下から圧力がかかった状態にあるため、直ちに壁が崩落することはないという。(京都新聞)
■手抜き?施工不良? 早急な点検必要 山陽新幹線壁崩落事故 海砂使用と関連も 専門家の声「新幹線だけに限らず」
 山陽新幹線トンネル壁崩落事故を受けたJR西日本の緊急点検で、山陽新幹線の142トンネルのうち計93から2000ヵ所を超す接合不良部「コールドジョイント」が見つかった。接合不良部とコンクリートの劣化した不良個所が重なると事故につながり、新幹線に限った問題ではないため、専門家らは「早急な点検が必要」と訴えている。
 千葉工業大工学部の小林一輔教授は「ゼネコンが手を抜いてやったのだろうか。突貫工事を求められて、やむを得ず施工不良になってしまったのかは分からない」と話す。
 同教授は「コールドジョイントがあったからと言って、直ちに危険なものではなく、トンネルの側壁にあれば、それほど影響はない」としながらも「コールドジョイントは毎年、定期的な点検が必要」としている。
 今回、コールドジョイントが発見されたトンネルのほとんどが1975年に開業した区間に集中。武蔵工業大工学部の小玉克巳教授は石油ショック後、海砂が西日本の土木工事で広く使われたことと今回の事故との関係を指摘する。海砂は粒子が細かくコンクリートとして使う場合、水分が多く必要で、その結果、材料分離を起こし亀裂が生ずる危険があるという。
 同教授は「亀裂とコールドジョイントが重なるとコンクリートがはく離して落下する危険がある。不良部分には薬剤注入など早急に補修する必要がある」と指摘。「コールドジョイントの問題は広く検査する必要がある」と話している。(京都新聞)
■高架橋で落下事故 兵庫県内の2ヵ所で
 JR西日本は6日、兵庫県内の山陽新幹線の高架橋2ヵ所で5月と6月に、コンクリート片の落下があったと発表した。落ちているのが見つかったのはいずれも重さ約100cの計7個で、けが人はなかった。
 山陽新幹線では4日にも、同県内の高架橋から重さ約200cのコンクリート片が落ちる事故があったばかり。
 同社は「山陽新幹線全線について高架橋の総点検をする」としている。
 同社によると、6日午前、山陽新幹線新大阪−新神戸間の第一満塚高架橋(伊丹市南町)の橋げた張出部のコンクリートがはげ落ちている、と沿線住民から同社に連絡があった。
 見つかったコンクリート片はこぶし大の2個。5月15日前後に住民が道路に落ちているのを見つけ、高架橋下に置いておいたという。
 また、6月26日、同新幹線姫路−相生間の東南高架橋(兵庫県太子町)下の駐車場に止めていた車の屋根にコンクリート片が落ちているのを所有者が見つけた。
 高架橋の橋げた張出部に欠落個所があり、こぶし大のコンクリート片5個が散乱しているのが見つかった。
 4日の落下事故を受け、JR西日本が過去に同様のケースがなかったかどうか調査を実施したところ、この事例が判明したという。(京都新聞)
■客車屋根の鉄板2ヵ所に穴
 山陽新幹線トンネル壁崩落事故で、コンクリート塊が直撃したひかり351号の下屋根の鉄板に開いた穴は2ヵ所あり、大きい穴は長さ3a、幅6_だったことが6日、JR西日本の調べで分かった。
 同社によると、損傷した鉄板は、事故で大きくめくれ上がった9号車のアルミ製屋根の下にあり、厚さ1.2_。穴は2ヵ所で、一つは幅6_、長さ3a、もう一つは幅5_、長さ1.5aだった。いずれも車両の縦方向に走る亀裂の中にあり、コンクリート塊が屋根を直撃したのち、転がりながら破損したとみている。
 JR西日本によると、鉄板からアルミ製の客車の天井(厚さ1.6_)までは約10a。中には鉄製の骨組みや吸音材、電気ケーブルなどがあり、「客室には直接影響はなかった」としている。(京都新聞)
■トンネル施工不良2049ヵ所 山陽新幹線 岡山以西に97% JR西日本調査 劣化状況を精査へ
 JR西日本は6日、山陽新幹線の3分の2近いトンネルから「コールドジョイント」と呼ばれる施工不良個所が計2049ヵ所見つかった、と発表した。小倉−博多間の福岡トンネル(福岡県久山町)で、走行中のひかりがコンクリート塊に直撃された事故を受けて、緊急点検していた。コールドジョイントは、突貫工事で建設されたとみられる岡山−博多間に97%が集中していた。目視検査では周辺に亀裂などはなく、はがれ落ちる危険性は低いという。7月末までに、ハンマーでたたく打音検査などをしてコンクリートの劣化状況を詳しく調べるという。
 JR西日本によると、山陽新幹線のトンネル計142本(延長計約280`)すべてについて、6月30日から7月4日にかけて目で見て点検した。その結果、93本のトンネルで計2049ヵ所のコールドジョイント部分が見つかった。
 このうち岡山−博多間では、84本のトンネルから全体の97%に当たる計1988ヵ所が見つかった。最も多かったのは、山口県の小郡−厚狭間の第一黒見山トンネルで、187bの区間に10ヵ所あり、1`当たりに換算すると53ヵ所になるという。
 このほか、6月末から7月6日にかけて、兵庫県伊丹市の新大阪−新神戸間と、兵庫県太子町の姫路−相生間で、新幹線高架橋の橋げたからこぶし大のコンクリート片(約100c)が計7個落下していたことも、新たに分かった。高架下は車道や駐車場だったが、けが人はなかった。
山陽新幹線トンネル内の施工不良
(コールドジョイント)の分布
区 間施工不良トンネル数
新大阪−岡 山61ヵ所9本(31本)
岡 山−広 島655ヵ所31本(40本)
広 島−博 多1333ヵ所53本(71本)

2049ヵ所93本(142本)
〈カッコ内は各区間の全トンネル数〉
 山陽新幹線は、新大阪−岡山間が1972年3月、岡山−博多間が75年3月に開業した。岡山−博多間には111本のトンネルがあり、70年9月から75年7月にかけて建設された。岡山以西にコールドジョイントが集中していたことについて、JR西日本は当時の施工方法やコンクリートの品質に問題があったとの見方を強めており、施工業者から事情を聴いている。
 コールドジョイントは、コンクリートが乾ききった後に次のコンクリートを流し込んだため、接着が不十分とされる。周囲に亀裂やすき間が生じやすく、壁面の強度が落ちる場合がある。
・当座の危険はない 近藤隆士・JR西日本施設部長の話 程度の差はあれ、コールドジョイントがあったことを重大に受け止めている。目視検査では、補修や補強が必要な亀裂などは見られず、当座の問題としては危険でないと考えている。検査の入り口に立ったばかりで、鉄道総合技術研究所(JR総研)とも協力して調査を進めたい。(朝日新聞)
■新幹線トンネル調査 安全確保は後回しか 70年代の工事に難 建設ラッシュのツケ
 「コールドジョイントがこんなに多くあるとは…」。6日明らかになった山陽新幹線のトンネルで見つかった問題個所の多さに、土木工学の専門家や技術者らは驚く。2000以上とされるコールドジョイントの大半は、1970年から75年に建設された岡山−博多間に集中していた。人手が不足し、資材が高騰した時期と重なる。「建設ラツシュ」の中で、安全性の確保が置き去りにされてしまったのか。
 JR西日本の工藤一能・安全対策室長はこの日の会見で、広島、山口の両県内にコールドジョイントが集中している点について「この区間の工事は、高度経済成長と石油ショックが重なっていた。具体的なことは把握していないが、石油ショックの品不足などから、セメントが不足し、施工上の問題もあったのではないか。コンクリートに混ぜる砂も、川砂ではなく塩分を含む海砂が多く、品質があまり良くなかったのだろう」と話した。
 コンクリートの劣化に詳しい大阪工業大学の二村誠二講師(建築材料学)は「肉眼の検査だけで一つのトンネルに平均15ヵ所近くのコールドジョイントが見つかったことになり、かなり多いと言わざるを得ない」と話す。
 二村講師によると、大阪万博などで西日本が建設ラッシュにわいた60年代後半から70年代前半に造られた建造物では、完成から数年でコンクリートの劣化が始まる事例がかなりあるという。
 主な原因として、@省力化のため、型枠に生コンを流し込むポンプ圧送工法が導入されたが、パイプが詰まるのを避けようと、加えてはならない余分な水を加えたA河川で取れた品質の良い砂利や砂がなくなり、海や山の砂が多用されたB慢性的な人手不足で、検査する技術者が足らず、下請けや孫受けに工事の大半を頼る現場が増えた−などの点を挙げる。
1`当たりのコールドジョイント数の多いトンネル
トンネル名トンネ
ル延長
実際に見つ
かった数
1`当た
りの数
@第1黒見山トンネル(小郡−厚狭)187b10ヵ所53ヵ所
A第一高山トンネル(三原−東広島)742b36ヵ所48ヵ所
B古高山トンネル(三原−東広島)602b22ヵ所36ヵ所
C瓜生野トンネル(小郡−厚狭)223b8ヵ所35ヵ所
D周東トンネル(新岩国−徳山)2040b69ヵ所33ヵ所
E大峠トンネル(新岩国−徳山)3065b93ヵ所30ヵ所
F飯野山トンネル(厚狭−新下関)1370b40ヵ所29ヵ所
G第1玖珂トンネル(新岩国−徳山)553b16ヵ所28ヵ所
H第2黒見山トンネル(小郡−厚狭)397b10ヵ所25ヵ所
I埴生トンネル(厚狭−新下関)3409b84ヵ所24ヵ所
 「ハンマーでたたくだけの検査では、コンクリート内部の不良は分かりにくいし、福岡トンネルで起こった200`級の塊を生み出すひび割れがきちんと見つけられるか疑問だ」とも指摘する。安全のためには、各トンネルでとられた工法を確認したうえで、専門家グループによる超音波診断などの精密検査を全トンネルで実施すべきだという。
 大手建設会社の勤務が長かったトンネル工学専門の技術者によると、トンネルの壁は天井部分から造るが、天井部分と側壁の中間の部分は「トンネル工事の泣きどころ」と指摘する。(朝日新聞)
■コンクリート片の新たな落下を発表 JR西日本
 JR西日本は6日の発表で、山陽新幹線の高架橋からコンクリート片が新たに落下していたことも明らかにした。このうち、兵庫県太子町内の姫路−相生間の落下については、すでに6月29日に見つかっていた。発表が7日も遅れたことになる点について、JRの工藤一能・安全対策室長は「発見した神戸支社と本社との連絡が不十分だった」と陳謝した。(朝日新聞)
■与党整備新幹線協議会ご一行 米へフリーゲージ電車視察の旅 事態打開へ新技術にかける? 「虫食い」でも終点まで走る
 整備新幹線の建設前倒しを求めている連立与党の整備新幹線協議会が訪米視察団を結成、15日から米コロラド州に出発する。車輪の幅を自由に変えることで、線路幅の異なる新幹線と在来線を自由に行き来できる「フリーゲージ(軌間可変)電車」の走行試験を見学するのが目的だ。肝心の整備新幹線は完成のめどが立たないのが実情だけに、新技術に事態打開の糸口を見いだしたい考えだ。
 JRには、在来線の狭軌と新幹線などの標準軌の2種類の線路幅がある。新幹線の車輪部分をフリーゲージにできれば、建設しやすい区間から「虫食い」状態で整備新幹線のレールを通しても、在来線に乗り入れることで新幹線を終点まで走らせることが可能になる。建設財源の確保に頭を悩ます与党協議会にとって、「新幹線を早期に走らせる」目標達成の切り札とも言える新技術だ。
 ただ、新幹線のように各車両にモーターが付いているタイプの電車では、世界で実用化している例はない。日本から米国に持ち込んだ実験車両を使って、3月から走行試験を始めてはいるが、「2000年度中に実用化できるかどうかのめどをつける」(運輸省)という段階だ。
 関係者の間にも「高速で走行した場合、安全性が気になる」(葛西敬之JR東海社長)と、実用化に疑問を投げかける声が多い。
 訪米視察団は、協議会座長の小里貞利衆院議員(自民党)を団長に、総勢33人。議員だけでなくJR各社幹部や各県の知事、副知事らも参加するにぎやかさだが、実用化にめどが立たなければ、せっかくの訪米も「無駄足」に終わる可能性もある。(朝日新聞)
8日■窓 超特急よりも身近な足こそ 安曇川町・中野 博文(会社員・57)
 北陸新幹線・敦賀−大阪ルートで、「湖西線に超特急を」との案は、大きな問題点を含んでいる。
 湖西線は、その名のとおり琵琶湖の西側、比良の山並みに沿って北上する。開通の経過についても25年前、既に飽和状態だった東海道線の混雑緩和(ラッシュ時対策)で、特急列車通過本数の削減緩和を狙いとして誕生、住民の足確保とは縁遠い存在として開発された歴史が浮かんでくる。
 現在は、大阪・京都への通勤圏として新快速列車も導入され、利便性は一段と向上した。しかし、JR西日本のアーバンネットワーク路線全体の流れから見れば、他線には及ばない。このなかでの新幹線構想である。沿線住民の足確保が現状より改善される確約保証がない限り、湖西線ルートに賛同できない。(京都新聞)
■新幹線トンネル 電磁波検査も併用へ JR西日本 年度内めざす
 山陽新幹線の3分の2近いトンネルから「コールドジョイント」と呼ばれる施工不良個所が2049ヵ所見つかり、コンクリート内の劣化状況を調べているJR西日本は7日、電磁波(レーダー)を利用した新しい検査方法の開発を始め、従来のハンマーでたたいて音を聞き分ける打音検査と併用する方針を決めた。もともと海底トンネル向けに開発を始めたが、障害が多いため断念していた。陸上トンネルに応用する考えで、早ければ今年度中の実用化を目指す。打音だけでは劣化を見つけにくいとの指摘もあり、民間の専門家グループとも協力して、点検の精度を上げたいとしている。
 JR西日本によると、通常のコンクリート構造物の点検は、目でみる「目視検査」とコンクリートの表面をハンマーでたたき、微妙な音の差からコンクリート内にすき間や亀裂があるかを聞き分ける「打音検査」が中心だ。しかし、人間の耳など感覚に頼るだけに限界があり、たたく位置も経験が必要なため、作業員によっても精度が左右される。
 導入を予定しているのは「電磁波探査法」。コンクリート内壁の表面に受信用と発信用の端子を2個当て、そこに電磁波を通し、コンクリート内を端子間で行き交う波形を画像で見てすき間や亀裂を読みとれるという。
 昨年4月、山陽新幹線の新関門トンネル内で天井からコンクリート片がはがれ、漏水した事故の後、JR西日本が海底トンネルでの検査方法として開発を始めた。半年間の研究の結果、電磁波が水や塩分に反射してしまうことなどから精度が上がらないまま研究もやめていた。しかし、今回の福岡トンネルでのコンクリート塊の落下事故で、打音だけではコンクリート内の深い亀裂などの発見が難しいことが分かり、再び電磁波が浮上。水の流れが少ない陸上トンネルでの応用は可能と判断した。
 トンネルや高架橋の多い山陽新幹線を運行させるだけに、JR西日本はこれまでもコンクリートの点検方法として、東京の営団地下鉄のトンネル内で採用されている赤外線カメラを使った方法をはじめ数種類の方法を試してきた。赤外線カメラは、コンクリート表面から数_程度までしか赤外線が届かないことなどから、トンネルではなく高架橋の橋脚や橋げたの点検への利用を検討している。(朝日新聞)
■山陽新幹線はく落事故 「客室直撃」の寸前 JR西日本 鉄の下屋根も貫通
 JR山陽新幹線の博多−小倉間の福岡トンネル(8.5`)で、「ひかり351号」にコンクリート塊が落ちた事故で、JR西日本福岡支社は7日、「ひかり351号」の損傷の全容を発表した。それによると、9号車の最上部のアルミ製の屋根が大破しただけでなく、内側の鉄製の下屋根も貫通して2ヵ所で小さな穴が開いていた。下屋根の内側は、断熱材とアルミ製の客室の天井だけで、同支社は「コンクリート塊が、かなり大きければ、客室に飛び込む恐れもあった」と話している。
 調べによると、8号車から12号車までの5つの車両で、屋根やパンタグラフ、窓ガラスなどが損傷。9号車の損傷が最もひどく、アルミ製屋根(厚さ1.6_)が13.5bにわたってめくれたほか、内部の鉄製の下屋根(厚さ1.2_)に長さ16aと10aの2つのへこみが見つかり、それぞれに小さな穴がひとつずつあいていた。(朝日新聞)
■新幹線の線路に侵入 容疑の中学生を補導 広島・三原
 7日夕、広島県三原市頼兼町のJR山陽新幹線で、通過した「こだま」や後続列車の運転士が付近のトンネルや線路内で相次いで人影を発見し、広島県警に通報した。県警は近くを捜索し、同日午後6時ごろ、同市内の市立中学校2校の3年生(14)の3人、2年生の2人(13)の男子生徒計5人を新幹線特例法違反(線路内立ち入り)の疑いで補導した。(朝日新聞)
9日■山陽新幹線高架コンクリ 80年代に急速劣化
 コンクリート片落下が相次いだ山陽新幹線の高架橋について、JR西日本は8日、1980年代半ばまでに通常の2−3倍の速度で「中性化」と呼ばれるコンクリート劣化が進んでいたことを明らかにした。
 JR西日本によると、コンクリートの材質や施工に問題があった可能性が考えられるが、原因の特定はできないという。
 同社は「その後対策を施して中性化速度を抑えることができた」と強調した上で「破片落下などの実態把握を急ぎたい」としている。
 中性化は、本来はアルカリ性のコンクリートが、空気中の二酸化炭素と反応してアルカリ性が低下する現象で、鉄筋表面がさびやすくなるため、鉄筋の体積膨張によってコンクリートにひび割れなどの劣化をもたらす。(京都新聞)
■北陸新幹線 湖西線暫定利用も 福井県知事 「国の打診あれば」
 北陸新幹線敦賀以西ルートについて福井県の栗田幸雄知事は8日、県議会の予算特別委員会で「政府からの打診があれば湖西線暫定利用も考える必要がある」と述べた。
 敦賀以西ルートでは湖西線回り、若狭回りなどが検討されているが、同知事が今後自民、自由両党の整備新幹線建設促進協議会の地元意見聴取の場で「湖西線回りルートの検討」を表明する見通しが強まった。
 琵琶湖以西を通る湖西線ルートは軌間可変電車(フリーゲージトレイン)の技術を利用する見込みで、栗田知事は「(敦賀市から福井県小浜市を通って大阪に至る)若狭ルートは堅持するが、現実問題として同ルートは事業費がかさみ、自自協議会の中でもいろんな意見が出ている」と理由を挙げた。
 また同県は7月15日に出発する自自協議会メンバーによる米国でのフリーゲージトレイン実験視察団への福井県職員の参加を検討している。(京都新聞)
■JR京都駅前整備 内容変更できない 改善要望に京都市回答
 京都市下京区のJR京都駅前で客待ちするタクシーなど車両が混雑している問題で、京都市は8日までに、駅前整備の改善要望について「整備内容は変更できない」と回答した。タクシー運転手らでつくる京都ハイタク共闘会議は同日、市への抗議文を提出した。
 同会議は6月下旬に、同駅北口へのタクシーの乗り入れを確保するよう求める要望書を提出していた。
 市は回答の中で「北口広場のタクシーの受け入れ容量には限界があり、一定量以上の空車が進入すると混雑するのは避けられない」と説明、改善には応じられないとした。
 同会議はこれに反発、「市民とのパートナーシップを掲げる市の基本姿勢に反する」などとして、見直しを求めている。(京都新聞)
■道路トンネル緊急点検指示 新幹線事故で建設省
 建設省は8日、都道府県など全国の道路管理者にトンネルの緊急点検を指示した。山陽新幹線のトンネルでコンクリート塊がひかりを直撃した事故について、JR西日本の調査から「コールドジョイント」と呼ばれるコンクリートの不良個所が問題となったためで、この個所を重点に目視とハンマーでたたく点検を指示している。
 建設省によると、点検対象になるトンネルは、事故のあった福岡トンネルと同時期の1970年代に建設されたトンネルで、同じ工法を使うなどしていたもの。全国約7500の道路トンネルのうち、4分の1の約1900が該当する。(朝日新聞)
■対向のぞみも先頭車両破損 新幹線トンネル事故
 山陽新幹線トンネル壁崩落事故でコンクリート塊が直撃したひかり351号と、事故が起きた福岡トンネル(福岡県久山町、長さ約8.5`)内ですれ違った博多発東京行きのぞみ12号(16両編成、乗客約260人)の先頭車両にある障害物を排除するための「排障器」などが破損していたことが9日、分かった。
 コンクリートの破片が上り線まで飛散して破損したとみて調べている。
 JR東海によると、のぞみ12号は先頭の16号車先端下部にあるアルミ合金製の排障器に直径約2.5aのへこみがあった。このほか同車両下側のモーター保護カバーに直径約2.5aの穴が開き、14号車右側の窓ガラス下車体に約20−1aのすったような傷が7ヵ所あったという。(京都新聞 夕刊)
■22`コンクリ 高架から落下 山陽新幹線、4件目
 山陽新幹線姫路−相生間の第一西蒲田架道橋(姫路市広畑区西蒲田)の橋脚から重さ約22`のコンクリート片(縦約40a、横約15a、厚さ約20a)が落下していたことが9日、JR西日本の調べで分かった。
 けが人はなかった。今年になって判明した同線高架橋からのコンクリート片落下はこれで4件目。
 同社によると、8日午後1時55分ごろ、現場近くを通りかかった人が、架道橋下の駐車場にコンクリート破片が散乱しているのを見つけた。
 同社が調べたところ、橋脚付け根付近の高さ約5bの所にはがれている個所が見つかった。破片は計17個で、最大のものは縦約17a、横約13a、厚さ約5aで重さが約2.4`だった。(京都新聞 夕刊)
■新幹線高架橋コンクリート 補修個所からも落下 JR西日本 耐用年数調査へ
 山陽新幹線の高架橋からコンクリートが相次いで落下している問題で、その多くがこれまで補修した個所から落ちている疑いの強いことが9日、JR西日本の調べで分かった。劣化を促す原因とされる「中性化現象」を抑えるための補修の効果が一定の期間をおくと薄まり、再び劣化の進む可能性があるという。補修の効果が疑問視されることから、JRは、山陽新幹線の高架橋のすべての補修個所について、中性化の進行や鉄筋の腐食状態を調べ、補修の効果や耐用年数を把握する方針を決めた。
 JR西日本によると、6月27日、福岡トンネル内でコンクリート塊が「ひかり」に直撃した事故後、7月5−9日にかけて、兵庫県内や福岡市内の高架橋の橋げたや橋脚からコンクリート片が相次いで落下している。調査の結果、このうち、少なくとも兵庫県相生市内で落下した個所は、これまで補修した個所から落ちていたという。補修の効果が薄まり、中性化が進んだため亀裂やはく離が生じたとみている。
 山陽新幹線では、旧国鉄時代の1980年ごろから、高架橋の橋脚や橋げたに劣化が確認されてきた。空気中の二酸化炭素がコンクリート中のアルカリ成分を中和させて鉄をさびやすくさせる中性化現象が起こり、内部の鉄筋をさびで膨張させ、亀裂やはく離が生じたとみている。
 旧国鉄は84年に一部の高架橋からサンプルを採取して調べた結果、中性化の進んでいることが判明。劣化個所には、表面に樹脂を塗り、二酸化炭素の侵入を阻止するための補修工事を進めてきた。民営化後のJR西日本は93年、補修方法のマニュアルを新たにつくった。
 これまでの補修個所は、山陽新幹線の総延長の半分を占める高架橋のうち、3−4割にあたる。補修費は民営化後だけでも計約200億円。補修後の耐用年数を10−20年とみて、補修を繰り返すことで劣化を抑えられるという。しかし、通常の点検などの際に分かった劣化個所を調べてみると、マニュアルのできる前に施工された補修個所もあり、材料や施工方法に不明な点やばらつきがあり、耐用年数が短くなる可能性がでてきた。
 JR西日本は、7月末をめどに現在進めている高架橋の緊急点検の後、すべての補修個所から一定間隔でサンプルを抜き取り、中性化の進行程度や鉄筋のさび具合を調査。93年以前の補修個所を中心に、材料や施工方法を把握したうえで耐用年数を算出し、今後の補修に役立てる計画だ。
 JR西日本は「93年以前の補修した個所がどのくらいもっのかは、分からない。補修の耐用年数を把握し、効果の薄れた個所にはもう一度補修しなければならない」としている。(朝日新聞 夕刊)
■山陽新幹線高架下 コンクリまた落下
 兵庫県姫路市広畑区西蒲田の山陽新幹線姫路−相生間の第一西蒲田架道橋の下り線で、橋脚の天井付近からコンクリート塊が落下していたことが9日、JR西日本の調べで分かった。高架橋の下は駐車場だったが、けが人はいないという。同社はすでに応急処置をとり、落下の原因を調べている。山陽新幹線では7月5日から、兵庫県や福岡市内で高架橋からコンクリート片が落下する事故が相次いでおり、今回で計5件目。
 JR西日本の調べでは、落下したコンクリート片は、長さ17a、幅13a、厚さ5aの破片など計17個が細かく割れ、高架橋下の駐車場内に散在していた。地上から高さ約5bの鉄筋コンクリート製の橋脚の天井付近から落ちたという。
 8日午後1時55分ごろ、車で通行中の人からJR西日本神戸支社へ通報があり、午後6時半ごろ、調査の結果、橋脚の表面にはがれ落ちた跡を見つけ、その大きさから長さ40a、幅20a、厚さ15aのコンクリート塊(約22`)が落下し、粉々に割れたとみられる。昨年12月に点検していたが、異常は見られなかったという。(朝日新聞 夕刊)
10日■東京の新交通システム 「ゆりかもめ」不通に 乗客閉じ込め緊急停止
 9日午後5時20分ごろ、東京都港区のレインボーブリッジ上で、新交通システム「ゆりかもめ」が緊急停止するトラブルがあり、ゆりかもめは夜まで全線不通となった。午後10時50分にようやく運転を再開したが、事実上、終電までマヒ状態が続いた。
 警視庁水上署などによると、緊急停止したゆりかもめの電車は上下2本(いずれも6両編成)で、帰宅途中のサラリーマンら計約350人が乗っていた。乗客は下り電車で約40分、上りで約50分それぞれ車両内に閉じ込められた。
 ゆりかもめはコンピューターを使った自動運転で乗務員がおらず、最寄りのお台場海浜公園駅から職員が急行。乗客は緊急用の誘導路を歩いて同駅に向かい午後7時前に着いた。上りの乗客約300人は約900b、下りの乗客約50人は約560b歩いたという。けが人はなかったが、乗客2人が気分が悪くなるなどして手当てを受けた。
 運営会社によると、お台場海浜公園近くにある「海上公園変電所」からの送電が停止したため、調べたところ、上り線で線路わきにある架線と車体のパンクグラフが破損しているのが見つかった。軌道上にある電源の遮断装置が作動したため、通電が停止したらしい。(京都新聞)
■高架から22`のコンクリ片落下 山陽新幹線、防音壁も
 山陽新幹線姫路−相生間の第一西蒲田架道橋(兵庫県姫路市広畑区西蒲田)の橋脚から重さ約22`のコンクリート片(縦約40a、横約15a、厚さ約20a)が落下していたことが9日、JR西日本の調べで分かった。けが人はなかった。今年になって判明した同線高架橋からのコンクリート片落下はこれで4件目。
 また9日午後5時半ごろ、山陽新幹線新神戸−西明石間の白水高架橋(神戸市西区伊川谷町)の橋げた側面の上に取り付けられた防音壁の一部が落下している、と落下現場付近の人からJR西日本に通報があった。新幹線の運行などに影響はなかった。
 コンクリート片は8日午後1時55分ごろ、通行人が、架道橋下の駐車場に破片が散乱しているのを見つけた。
 同社が調べたところ、橋脚付け根付近の高さ約五bの所にはがれている個所が見つかった。同社は「中性化」と呼ばれるコンクリート劣化の疑いが強いとみて、詳しく調べている。
 落ちた防音壁は強化セメント製の防音壁(縦240a、横50a、厚さ1.6a)の破片2枚で、それぞれ縦約30a、横50a、厚さ1.6a、重さ3`。
 JR西日本は、落下原因などについて詳しく調べている。(京都新聞)
■湖西線開業25周年記念入場券発売へ 20日から、JR西日本
 JR西日本は、湖西線開業25周年を記念して、記念入場券を発売する。また、今月20日の記念日には、滋賀県内の堅田、志賀、近江今津の3駅で記念セレモニーが行われる。
 湖西線は山科−近江塩津間(74.1`、21駅)を結ぶ路線で、1974年7月20日に開業。その後、大津市西部や北部などの住宅開発で、西大津駅の97年の1日平均の乗車人数は10年前に比べ1.4倍に増えている。
 記念入場券は、湖西線・西大津−永原間の19駅の入場券が1セット(2660円)になっており、2000セットが発売される。近江中庄と永原両駅を除く同線の17駅で、今月20日から8月31日までの期間に発売する。
 3駅でのセレモニーには、地元観光協会やJR西日本関係者が出席。京都駅−金沢駅間に特別列車も運行される。(京都新聞)
■窓 駅前北口混雑 解消なく残念 南区・大塚伊奈利(タクシー運転手・50)
 JR京都駅改築前の北口は、春秋の観光シーズンになるとタクシーなどで大混雑していました。当然新駅ビルが完成すれば、この混雑が解消されると思っていたのは私だけではなかったのです。
 先日、乗客の一人が駅前の混雑を見て、駅がこんなに立派になったのに、駅への進入路が2ヵ所から1ヵ所に減った。そこへ乗客を乗せたタクシー、客待ちタクシー、自家用車が3方から突っ込んでくる。以前より狭くなった構内、事実上一車線の道では車があふれて身動きできなくなるのは子どもでも分かると嘆いていた。
 駅へは重い荷物を持った人、子どもやお年より、障害のある人など、最短距離に車を付けてほしいものです。ところがタクシー降り場は狭くて屋根もなく、改札口まではかなり歩かなければなりません。雨の日に傘も持たず、時間を気にする観光客を駅から遠い場所で降ろさなければならない現状が京都の「おもてなし」とすれば、残念です。(京都新聞)
■トンネル事故 落下部品突き刺し走行 対向「のぞみ」先頭車両床下 異常発見できず
 山陽新幹線小倉−博多間の福岡トンネル(福岡県久山町、全長約8.5`)内でコンクリート塊がはがれ落ち、下り線の「ひかり351号」を直撃した事故で、反対側の上り線を走行中の博多発車京行き「のぞみ12号」(16両編成、乗客約260人)の車両の床下に、大破して線路内に落ちていたひかりのパンタグラフの一部とみられる長さ約20aの鉄の棒が突き刺さっていたことが9日、JR西日本とJR東海の調べで分かった。のぞみは緊急停車して車両を点検したが、異常を見つけられないまま終点の東京駅まで走っていた。JRは脱線などの危険性は低かったとしているが、事態を重くみて刺さった状況などを詳しく調べている。
 調べでは、6月27日午前の事故発生当時、福岡トンネル内を時速240`で走っていた上りのぞみ12号は異常音を聞いて緊急停車。そのまま停電して立ち往生した。
 車両を点検した車掌が、先頭車両前面に付いた障害物よけバンパー(排障器)に小さなへこみを見つけたが、運転に支障なしと判断し、約50分後には停電復旧により運転を再開した。
 のぞみ12号はそのまま東京駅まで走り、その後、東京第一車両所(東京都品川区)で点検した。その結果、先頭車両の床下にある車軸を駆動するモーターの保護カバー(アルミ合金製、厚さ約6_)に直径2.5aの穴があき、その穴にひかり351号のパンタグラフの一部で、「天井管」とみられる鉄製の棒(長さ約20a)が突き刺さっていた。カバー内のモーターには届かず、傷はなかった。(朝日新聞)
■防音壁の一部落下 神戸
 神戸市西区伊川谷町別府の山陽新幹線新神戸−西明石間の白水高架橋の下り線から、防音壁の一部が落下していたことが9日、JR西日本の調べで分かった。高架橋の下はコンクリート製品製造会社の敷地内だったが、けが人はいないという。
 JR西日本の調べでは、落下した防音壁は、幅50a、高さ29a、厚さ1.6aの繊維強化セメント(FRC)製のパネル2枚。(朝日新聞)
■声 バスで電車であったか気分 主婦 荻野 三起(福井県鯖江市 39歳)
 1歳半の息子は、バスに乗るとき、「とまります」のボタンを押すのを楽しみにしている。
 ところが先日、運賃表を見て小銭を探している問に、目的地が近づき、焦ってつい私がボタンを押してしまった。息子がボタンを押してもランプはついたまま。
 「ごめん。先にボタン押しちゃった」と言う声が聞こえたのか、運転手さんが「もう一度、消してあげるわ」と言って、わざわざランプを消して下さった。
 息子がボタンを押すと、今度は、ブーという音とともにランプがピカッと光り、息子は得意満面の笑顔。私の心にもピカッとランプがともった。
 またの日、路面電車に乗ろうと、折り畳んだベビーカーを左手に抱え、右手で息子を抱いて待っていた。電車のドアが開いたので、3段のステップを上がろうとしたら、若い運転手さんが、わざわざ運転席から下りてきて、ベビーカーをステップの上まで持ち上げて下さった。
 小さな子供を連れての外出は、何かと大変だが、こんなにあったかい体験もできる。自家用車に押され、廃止・減便を余儀なくされつつあるバスや電車だが、存続・発展を切に願って、これからもせっせと利用したい。(朝日新聞)
■コンクリ片また落下 山陽新幹線、今年5件目
 JR西日本は10日、山陽新幹線姫路−相生間の高架橋(兵庫県揖保川町)から9日に重さ約340cのコンクリート片が落下していた、と発表した。
 今年になって判明した同線高架橋からのコンクリート片落下は5件目。8日、同県姫路市内の高架橋脚からの落下が見つかったばかり。
 同社によると、9日午後7時10分ごろ、「架橋下にコンクリート片が落ちている」と地元住民から同社に通報があった。
 JR西日本が調べたところ、高架橋(高さ約6b)の橋げたの張り出し部からコンクリート片がはがれ落ちているのを発見。この部分以外には異常はなかったという。新幹線の運行に影響はなかった。
 コンクリート片には鉄筋のさびが付着しており、同社は「中性化」と呼ばれるコンクリート劣化の疑いが強いとみて原因を調査している。(京都新聞 夕刊)
■コンクリ落下、6件目 山陽新幹線 姫路−相生 高架の橋げたから
 兵庫県揖保川町黍田の山陽新幹線姫路−相生間の黍田高架橋の下り線で、橋げたからコンクリート片が落下していたことが10日、JR西日本の調べで分かった。高架橋の下は田んぼだったが、けが人はいないという。山陽新幹線の高架橋からコンクリートの落下が確認されたのは、6月末の福岡トンネル事故以降、計6件目。
 調べでは、落下したコンクリート片は、長さ15a、幅4a、厚さ6a、重さ340cの破片1個。高架橋下の田んぼに落ちていた。地上から高さ約6bの鉄筋コンクリート製の橋げたから落ちたとみられる。9日午後7時10分ごろ、付近の住民から揖保川町役場を通じてJR西日本神戸支社へ通報があった。橋げたの落下した跡には、さびた鉄筋が露出していた。昨年11月に点検したときには異常はなかったという。(朝日新聞 夕刊)
■防音壁、緊急点検へ JR西日本
 神戸市西区の山陽新幹線新神戸−西明石間の高架橋で、最上部が折れて落下した防音壁にひび割れが入っていたことが10日、JR西日本の調べで分かった。ひび割れの原因は分かっていないが、ほかの防音壁でも異常が起きている恐れもあり、同社は10日から、兵庫県内の沿線で同じ繊維強化セメント(FRC)製の防音壁について、一斉に緊急点検することを決めた。(朝日新聞 夕刊)
11日■高架からまたコンクリ片 山陽新幹線
 10日午前9時ごろ、神戸市西区伊川谷町の山陽新幹線新神戸−西明石間の白水高架橋下のプレハブ倉庫の屋根に、コンクリート片多数が落ちているのを、近所の人が見つけJR西日本に通報した。
 同じ場所では9日夕、橋げた側面の上に取り付けられた強化セメント製の防音壁の破片2枚(各約3`)が落下しているのが見つかっている。JR西日本が原因を調べている。(京都新聞)
■日欧の台湾高速鉄道受注戦 新幹線導入に期待 台湾当局者「輪銀雄姿条件 交渉の要素に」
 【台北10日共同】台湾行政院(内閣)の江丙坤(こう・へんこん)・経済建設委員会主任委員(閣僚)は10日までの共同通信との会見で、日本と欧州勢が激しい受注戦を展開している台北−高雄間の高速鉄道の車両選定について「日本輸出入銀行の低利融資を大いに歓迎する。日本側の条件が合い(新幹線が導入されれば)日台間のシンボルになる」と述べ、台湾側が輸銀融資の実現と、新幹線システムの採用に強い期待を抱いていることを示唆した。
 主任委員は、車両システム選定の条件について「安全性など技術と価格はもちろん、融資条件や資本参加も条件になる」と指摘。輸銀融資については「金額などは聞いていない」としながらも「利子が安く、実行されれば日台断交後初めての融資になるのではないか。融資条件は交渉の大きな要素だ」と語った。
 江主任委員はまた「日本は欧米に比べて(台湾に対し)気兼ねしすぎる」とも述べ、日本政府が台湾での事業に積極姿勢を示すよう注文をつけた。
 車両システムをめぐっては、新幹線の初輸出を狙う日本勢と欧州勢が6月15日、事業主体である台湾高速鉄道公司に対し、計画書を提出。9月末の正式決定に向け技術、価格両面での水面下の交渉に入っている。台湾高鉄側は資金調達難から増資計画が大幅に遅れ、経済建設委員会が台湾高鉄への公的融資の調整・仲介役をするなど、大きな発言力を持っている。
 現在4時間かかる台北−高雄間(340`)を1時間半に短縮する高速鉄道で、総事業費が4400億台湾元(約1兆6000億円)の巨大プロジェクト。車両システムは1000億元規模だけに、日本側は中国の北京−上海間の新幹線事業と並んで、受注に力を入れている。
 日本側は、商社、メーカーにJR東海、JR西日本などが加わった「台湾新幹線企業連合」(TSC)が計画書を提出。一方、欧州勢は、ドイツのシーメンスが主幹事となり欧州高鉄連盟(ユーロトレイン)を組織している。(共同)(京都新聞)
■窓 横暴で高慢な市バス運転手 上京区・鈴木 忠一(無職・68)
 今月初めの日曜日のことである。四条河原町で市バスから降りた65〜70歳ぐらいの女性が運転手に呼び止められた。女性は日曜日であるのに、昼間回数券(薄縁色)を料金箱に入れてしまったのである。
 よくあるミスと思われる。しかし運転手は頭ごなしに女性に「知ってやったんだろう」としかりつけた。女性は「すみません」と謝り「年も取って、つい曜日の感覚が薄らいでいるんです」と言いながら、通常の回数券を出して交換を求めたが、運転手は承知しない。頭から不正使用扱いである。「もう一枚、共通回数券を入れろ」と言うのである。女性は「昼間回数券を返してください」と求めていたが、運転手は「欲しければ交通局まで取りに…」と言うのだ。
 使用ミスの場合、220円の倍額を払えというのである。昼間回数券の返却のため、時間をかけて往復、440円の運賃を使って交通局に出かけるはずがないと思う。私は三十数年間、通勤で民間交通機関とJRの定期や回数券の世話になり、ミスも経験したが、乗り越し運賃の支払いや定期の期限切れは実費支払いで済ませていただいた。この市バスの場合は何と高慢で横暴なんだろう。このようなミスはこれからもあり得るので、民間並みのレベルまで改善をお願いしたい。(京都新聞)
■コンクリート片 数十個また落下 新神戸−西明石
 神戸市西区の山陽新幹線新神戸−西明石間で防音壁の一部が落下した高架橋で、10日にも数十個のコンクリート片が下の倉庫の屋根に落ちていたことがJR西日本の調べで分かった。山陽新幹線の高架橋からのコンクリート落下が確認されたのは、6月末の福岡トンネルの事故以降、これで7件になった。
 調べでは、落下したコンクリート片は最大で長さ15a、幅10a、厚さ5a。地上から高さ5bの高架橋の橋脚を結ぶ中間はりから落ちたらしい。(朝日新聞)
13日■四万十川沿いを走るサイクル列車を運行 JR四国
 JR四国は12日、夏休み期間中、四万十川上流沿いを走る「しまんとグリーンライン(予土線)」で、普通列車に自転車を無料で持ち込める「サイクル列車」を運行すると発表した。
 運行区間は窪川(高知県窪川町)−宇和島(愛暖県宇和島市)間で、7月17日から8月31日までの毎日、上下7本が対象。自転車を持っての乗降は窪川、若井、宇和島など15駅に限り可能。7本のうち2本には、車両の座席を取り除いて19台の自転車が固定できる装置を付けた専用車両各1両を連結する。(京都新聞)
■接合不良部の84ヵ所で異常音 676ヵ所、打音検査 JR西日本南谷社長 崩落事故で初陳謝
 山陽新幹線のトンネル壁崩落事故や高架橋からのコンクリート片落下事故を受けて、JR西日本の南谷昌二郎社長は12日、記者会見を開き、「新幹線への信頼感に疑問を抱かせた重大な事故。皆さまにご心配をかけ、心からおわびしたい」と事故後、初めて陳謝した。
 南谷社長は、6月27日に「福岡トンネル」の側壁が崩落し、走行中の客車の屋根が大破したことについて「想定外の事故で、屋根が破損するとは想像できなかった」と緊張した表情で述べた。
 さらに、山陽新幹線のトンネルで見つかった施工不良によるコンクリートの接合不良部「コールドジョイント」2049ヵ所のうち、これまでに676ヵ所について、ハンマーで異常音の有無を調べる打音検査を行った。その結果、84ヵ所で濁った音がしたことを明らかにした。
 濁音はコンクリート劣化の可能性を示す兆候だが、南谷社長は「ただちに崩蕩する危険はない」と強調、補修やサンプル調査を進めるなどして事故防止対策に力を入れていくことを表明した。
 また、トンネル事故や新幹線高架橋のコンクリートはく落事故の公表が遅れたことについて、「社内の認識が古かった。組織間の連絡が滞り情報提供が遅れた」と説明し、「経営幹部が現場の支社に出向き、危機管理意識を向上させ速報に努めたい」と述べた。
・点検見直しへ検討会設置
 JR西日本は12日、トンネルの保守点検方法などを抜本的に見直す「トンネル対策検討会」を設置した。山陽新幹線のトンネル崩落事故で問題となったコンクリートの接合不良部「コールドジョイント」に関する研究や対策を進める。電磁波や赤外線カメラなどハイテク機器を使った点検方法の導入も検討する。
 同社では、1988年に土木工学の専門家などで構成する「コンクリート委員会」(委員長・宮川豊章京都大教授)を発足させ、高架橋のひび割れの研究や新しい補修工法、維持管理マニュアルを作成してきた。しかし、これまで点検対象になっていなかったコールドジョイントが要因で崩落事故が起きたことから、同委員会の専門部会となる検討会を新設した。
 メンバーは12人で、委員長に鉄道本部長の櫻井紘一専務、社外からは宮川教授、鉄道総合技術研究所の朝倉俊弘主幹技師ら5人を選んだ。22日に初会合を開く。(京都新聞)
■「新幹線止めない」JR西日本社長 事故後初の会見 公表の遅れは謝罪
 山陽新幹線の小倉−博多間の福岡トンネル(福岡県久山町、全長約8.5`)内を走行中の「ひかり」にコンクリート塊が直撃した事故や、高架橋から相次いでコンクリート片が落下している事故について、JR西日本の南谷昌二郎社長が12日、事故後初めて、記者会見した。安全性を強調する一方で、100%の安全はないとも主張し、徹底調査のために運転を止める考えはないと語った。
 南谷社長は、福岡トンネル事故などで事実の公表が遅れた点について、「より慎重に、より正確にと心がけたため発表が遅れた。もっと早い段階で発表すべきだった。大組織が陥りがちな旧国鉄的体質に先祖がえりしており、危機管理にメスを入れたい」などと謝罪した。
 安全性については「現在の点検状況などから、ご安心いただけると確信している。交通機関に100%の安全はないが、二度と起きないように点検や調査などの極限まで努力を積み重ねたい」と話した。徹底点検のために運転を止める考えはないかとの質問には、「毎日、深夜に列車を止めて点検しており、一時的にでも全面的に止める必要はない」と答えた。(朝日新聞)
■コールドジョイント 676ヵ所で検査 84ヵ所異常音
 JR西日本は12日、山陽新幹線の3分の2近いトンネル内から「コールドジョイント」と呼ばれる施工不良個所が2049ヵ所見つかった問題で、さらに詳しく調べるためハンマーでたたく打音検査を676ヵ所で実施、このうち84ヵ所でコンクリート劣化の可能性のある「異常音」があった、と発表した。(朝日新聞)
■トンネル壁の打音検査公開 JR西日本
 山陽新幹線トンネル壁崩落事故を受け、全トンネルの緊急点検を実施しているJR西日本は13日未明、岡山県笠岡市の笠岡トンネル(長さ約2.6`)で、壁面をハンマーでたたいて内部の亀裂などを調べる打音検査の作業現場を報道陣に公開した。
 壁面には長さ約7.5bのコールドジョイントが斜め横に走る白い筋としてうっすらと見える。作業員5人は高所作業車に乗ってトンネル天井近くまで上がり、筋の上下や左右へ少しずつ位置をずらしながら内壁をハンマーでたたき、音を聞き分けた。
 山陽新幹線の93の卜ンネルでは、緊急点検で計2049ヵ所のコールドジョイントが見つかり、今月中に打音検査が終了する予定。12日までに約3割の検査を終え84ヵ所で濁音が検出された。(京都新聞 夕刊)
■トンネル内の打音検査公開 JR西日本
 山陽新幹線のトンネル内で「コールドジョイント」と呼ばれる施工不良個所が見つかったJR西日本は13日未明、岡山県笠岡市園井の同新幹線笠岡トンネル(全長2622b)で打音検査を実施、その様子を報道関係者に初公開した。打音検査した4ヵ所では「異常音」は認められなかった、と発表した。コールドジョイントがあるだけでは、当面は落下する可能性は低いという。
 笠岡トンネル内では、事前の目視検査でコールドジョイントが15ヵ所見つかっている。この日、トンネル内東側のコールドジョイント1ヵ所の検査を公開。この部分は、線路から約4bの高さにあり、作業車に乗ったJR職員が、ハンマーで壁を数ヵ所打ちながら音の変化を調べた。(朝日新聞 夕刊)
■検討会設置へ 運輪省
 山陽新幹線のトンネル事故や相次ぐ高架からのコンクリート片落下事故を受け、運輸省は、トンネル構造物などの点検方法など保守・管理のあり方を総合的に検討するため、8月上旬にも鉄道局長の私的検討会を発足させることを決めた。川崎二郎運輸相が13日の閣議後記者会見で明らかにした。
 また、山陽新幹線のコンクリート問題について、鉄道総合技術研究所(JR総研)内に委員会を設置する。専門家や運輸省鉄道局などで構成し、コンクリート構造物のはく落の防止や安全性維持のための方策を確立する。
 川崎運輸相は「JR西日本をはじめ、安全に対する危機管理に心配な面が出ているので、鉄道に対する国民の信頼を築いていきたい」などと述べた。(朝日新聞 夕刊)
14日■あすから運転再開 トロッコ列車
 先月末の集中豪雨による土砂崩れで線路が埋まり、トロッコ列車の不通が続いていた嵯峨野観光鉄道(本社・京都市右京区)は13日までに、線路の復旧作業を終えた。14日に試運転を行った後、予定通り15日の始発・嵯峨野1号から運転を再開する。(京都新聞)
■窓 京都駅ビルで演奏会を満喫 園部町・馬場 忠孝(無職・58)
 新京都駅がオープンして、この12日で3年目に入った。駅ビルの設計者の原広司氏は、駅ビルについて、建築というより都市の部分(まち)ができたという気がしている、と語っている。駅ビルでは毎月、多寄なイベントが行われている。先月は、4回のコンサートと2回のライブがあった。
 圧巻は「高校生&一般バンドフェス」。合計20の吹奏楽団が参加し、それぞれ数曲ずつ演奏した。駅ビルのコンサートでは、4階部分の室町小路広場に常設のステージがあり、10階部分に続く大階段が客席となる。延々6時間続いた演奏を最後まで聴いた。1000人近い演奏者と100段以上も埋め尽くした延べ数千人に及ぶ聴衆。まさに、駅ビルが「音楽空間」と化した。
 毎月の定番に「平安ふれあいコンサート」がある。京都府警音楽隊とカラーガード隊が最新の歌謡曲から懐かしい童謡まで毎回9曲演奏する。今月の歌として、季節にあった童謡、唱歌を演奏する。6月は「雨ふり」と「みかんの花咲く丘」であった。最後の演奏は、いつも「タイコンテロガ」であり、カラーガード隊の旗の演技付きである。今月のコンサートを今から楽しみにしている。(京都新聞)
■トロッコ列車あす運転再開 嵯峨野観光鉄道
 嵯峨野観光鉄道(右京区)は13日、予定通り15日の始発からトロッコ列車の運転を再開する、と発表した。6月29日深夜から翌朝にかけての豪雨で「トロッコ保津峡駅」(西京区嵐山北松尾山)近くの斜面が崩れ、ホームや線路が土砂に埋まったため、運転を休止していた。
 15日には、始発など4本の列車の乗客全員にトロッコ列車オリジナルTシャツが配られる。対象列車は嵯峨野1号(午前9時26分トロッコ嵯峨駅発)、同2号(9時54分トロッコ亀岡駅発)、同3号(10時26分トロッコ嵯峨駅発)、同4号(10時54分トロッコ亀岡駅発)。(朝日新聞)
■タクシー運賃 東京は2−5割増し 欧米との比較 在来線特急は割安 運輸省調査
 日本と欧米主要国の運賃を比べると、在来線特急は日本が割安だが、バス、タクシーなどは日本の方が割高なことが、運輸省が13日に公表した旅客輸送サービスの内外価格差調査で明らかになった。
 調査は昨年10月に実施。日本と米、英、ドイツ、フランスの5ヵ国を対象に、為替レートを調整して比べている。
 在来線特急の運賃は日本を100とすると、米国が152、英国が132。一方新幹線は、日本が100に対し、ドイツは83、フランスは64と欧州が割安だ。
 タクシー運賃は、東京は欧米各国の主要都市に比べて2割から5割も割高。地下鉄運賃は東京の営団地下鉄を100とすれば、ニューヨーク96、パリ93。東京都交通局のバス運賃100に対し、ニューヨークは91、ロンドン92、パリは88だ。(朝日新聞)
■新幹線トンネル施工不良 東海道でも18ヵ所
 JR東海は14日、東海道新幹線の7つのトンネルで、コンクリートの施工不良である「コールドジョイント」が計18ヵ所見つかった、と発表した。
 同社によると、コールドジョイント部では亀裂が見つかったが、周囲にひび割れなどはなく、落下する危険性はないという。
 JR東海は山陽新幹線福岡トンネルでのコンクリート落下事故を受け一斉点検を進めており、これまで東海道新幹線66トンネルのうち29トンネルの点検を終了した。(京都新聞 夕刊)
■モルタル11個落下 上越新幹線
 JR東日本は14日、上越新幹線浦佐−長岡間の妙見トンネル(新潟県長岡市、1459b)内で、内壁のモルタルが落下しているのが見つかった、と発表した。同社によると、落下していたモルタルは計11個で、最大のものは長さ約60a、幅12a、厚さ6aで重さ4四`だった。モルタルが落ちていた場所のすぐ上の内壁がはがれていた。
 同日午前4時ごろ、始発前に線路などの異常の有無を調べる確認車が走行中に発見した。これまでに列車が損傷したという報告はないという。
 モルタルはセメントと砂を水で練ったもので、落下したのはトンネル内壁のコンクリートの打ち継ぎ目部分だった。継ぎ目部分の表面をきれいに処理するために使われており、JR東日本はトンネルの強度そのものに問題はないとしている。山陽新幹線福岡トンネルの事故原因となった「コールドジョイント」と呼ばれる施工不良が原因ではないという。(京都新聞 夕刊)
■高架橋からまたコンクリ 山陽新幹線、前日点検
 13日午後4時50分ごろ、福岡市博多区博多駅前一丁目、JR西日本福岡支社の事業所内の駐車場に、JR山陽新幹線の高架橋からコンクリート片が落下するのを、付近を通行中の男性が見つけ同社に連絡した。駐車中の車もなく、人や車に被害はなかった。現場は12日に点検したばかりの場所だった。(京都新聞 夕刊)
■コールドジョイント 東海道新幹線では18ヵ所
 JR東海は14日、山陽新幹線の福岡トンネルでのコンクリート落下事故を受けて4日から始めた東海道新幹線のトンネル点検で、18ヵ所でコンクリート層の境目がもろくなるコールドジョイントが見つかったと発表した。JR東海は「ただちに安全上の問題が生じることはない」としているが、今後も様子を見るという。
 東京−新大阪間の東海道新幹線のトンネルは計66ヵ所で、13日までに39ヵ所(44.1`)の点検を終えた。トンネル壁面を目視で確認するとともに、ハンマーでたたいて異音の有無を確認した。見つかったコールドジョイント周辺には、ひび割れやコンクリートのはく離などはなく、JR東海は「山陽新幹線で起きたようなコンクリートの崩壊などの危険性はない」と説明している。残りの27トンネルについても点検をすすめ、今月中には完了させる。
 一方、在来線についても、福岡トンネルと同じ「引き抜き方式」と呼ばれる工法で1970年前後に建設されたトンネル51ヵ所を優先的に点検する。10月末までに打音検査を完了させる。引き抜き方式は、トンネル上部からコンクリートを流し込む工法で、コールドジョイントが発生しやすいとされている。(朝日新聞 夕刊)
15日■一つ間違えば大惨事 トンネル壁崩落事故で JR西労組、本部大会
 JR西日本内で最大のJR西労組は14日、大阪市内で中央本部大会を開催、森正暁委員長は山陽新幹線トンネル壁崩落事故について「一つ間違えば大惨事になりかねない重大な事態。トンネルの事故対策は不十分だった」と述べ、徹底した検査や対策を実施するよう会社側に求めていく考えを示した。(京都新聞)
■「コンクリ落下 恒久対策必要」 JR西労組委員長
 JR西日本の最大労組であるJR西労組(組合員3万4691人)の定期大会が14日、大阪市内で3日間の日程で始まった。森正暁委員長はあいさつの冒頭で、6月27日に起きた山陽新幹線福岡トンネルでのコンクリート落下事故に触れ、「一部で問題が指摘されてきたものの、少なからず過信があったかも知れない。外部の専門家なども交え、詳細な検査と恒久対策、抜本対策を講じるべきだ」と述べた。(朝日新聞)
■「上越」でも側壁落下 トンネルのモルタル
 14日午前3時55分ごろ、新潟県長岡市内にある上越新幹線妙見トンネルで、側壁の一部がはがれ落ちているのを点検中の保線員が見つけた。JR東日本によると、はがれたのはコンクリートの継ぎ目を埋めているモルタルで、11個あった落下片のうち最大のものは長さ60a、幅12a、厚さ6aで、重さは4`程度だったという。(朝日新聞)
■「車いす押して」女子高生に痴漢 容疑の男性を逮捕
 JR山陰線や京都駅などで「車いすを押して」と若い女性に頼んだり、脅したりしては、女性の体をさわっていたとして七条署と鉄道警察隊は14日、八木町南広瀬川端、無職新川謙二容疑者(35)を強制わいせつの疑いで逮捕した。
 調べでは、車いすを使っている新川容疑者は4月21日午後8時ごろ、JR山陰線の嵯峨嵐山駅−京都駅の電車内で、京都市の女子高生(15)に車いすを押すよう脅し、体をさわり続けた疑い。(朝日新聞)
■トンネルを総点検 今月下旬から実施 北近畿タンゴ鉄道
 JRの山陽新幹線のトンネルで起きたコンクリート落下事故を受け、北近畿タンゴ鉄道は、今月下旬からトンネルの総点検を実施することを決めた。宮津線と宮福線を合わせた計31本のトンネルについて、コンクリート層の境目がもろくなるコールドジョイントが生じていないかを点検する。8月中には全トンネルの点検を終える方針。(朝日新聞)
■声 弱者につらい地下鉄の階段 無職 松川 つぎ子(大阪府堺市 78歳)
 私のお連れは90歳。つえをついてよぼよぼしていますが、勉強する意欲や映画、旅行への好奇心は衰えていません。大阪の地下鉄を利用して公開講座を受講しています。しかし、駅の階段には困っております。
 四ツ橋や肥後橋は、ホームから改札口のある階へエレベーターやエスカレーターがついているので助かります。でも、そこから地上へ出る階段が問題なのです。
 手すりにすがり、つえを頼りに力をこめて踏み込むのですが、一段の高さまでなかなか足が上がらないのです。松葉づえや車いすの方はどうしておられるのでしょう。
 地下を縦横に達る地下鉄は便利なのですが、駅の構造は弱者に過酷です。一緒に通う友人も、ひざが痛いので来年はもう無理かも…と言っています。同じ地下鉄でも、なかもず駅はホームと地上を結ぶエレベーターやエスカレーターが整備されています。どの駅もこのようになれば、もっと方々へ行けるのですが…。地下鉄さん、お願いします。(朝日新聞)
■声 銀行や駅にはシニア優先機 主婦 大島 淑子(東京都三鷹市 68歳)
 老人は、医療費や年金、そのほか多くの面で、若者に迷惑をかけているに違いない。
 先日、スーパーで買い物をした時、レジでカードや釣り銭をしまうのにモタモタしていたとみえる。「そこ、どいてよ」という声にハッと振り返ると、若い女性が私をにらんでいる。どうも、自分のことに気を取られ過ぎていたらしい。
 厄介なのは、駅の自動販売機で切符を買う時である。残り少ないカードと現金で買う時や、機械によってお金の入れ場所が違ったり、液晶画面が見えにくかったりした時などはモタモタする。後ろで「チェツ!」という声がする。ばあさんの後ろにつくんじゃなかったという嘆きの舌打ちである。
 銀行でも困る。現金自動預入払出機で振り込みをする時、指の触れ具合でやり直しが生じる。後ろの人がいらいらしているだろうなと気が気でない。ことほどさように、年寄りはモタモタオロオロしてしまうものなのです。そして、先端を行く機械に弱い。しかし、生きていくためには、この機械とも向き合わなくてはならない。
 そこで提案なのですが、しかるべき場所には、十に一つでいいですから、「シニア優先」の機械を設けて預けないでしょうか。若い方たちに、なるべく迷惑をかけないで済むように。(朝日新聞)
■北で南で涼風いっぱい感じて トロッコ列車快走中 観光客誘致 夢乗せ 全国18線区で
 天井のない貨車などに尾根を付けただけの「トロッコ列車」が、全国を快走している。窓ガラスもなくて吹きさらしのままだが、それが逆に自然を体感できると喜ばれているらしい。24日からはJR北海道が宗谷線稚内−幌延間で「サロベツトロッコ号」を走らせ、計18線区に広がる。地元自治体も観光客誘致や赤字路線存続の起爆剤として期待を寄せている。
 トロッコ列車の元祖は富山県の黒部峡谷鉄道。1953年にダム建設工事の資材運搬列車を観光客に開放した。その後、国鉄民営化前後から地方の赤字ローカル線を中心に相次いで導入された。ほとんどが臨時列車で、夏や冬などの行楽シーズンに運転期間も限られるが、夏休みにほぼ毎日走る列車は表の通り。
 島穏・広島県境を走るJR木次線では、JR西日本が昨春から、「奥出雲おろち号」を走らせている。
 全国でも珍しい3段スイッチバックが話題になり、昨年度は当初目標の2倍近い1万7000人が訪れた。今夏は7、8月の10日間だけ夜間に木次−出雲坂根間で「納涼トロッコ」を運行。山の中から満天の星空が楽しめるという。
 沿線の荒れた里山の回復を目指してサクラとモミジの植樹を進めている嵯峨野観光鉄道(京都市)は、昨年度73万3000人の客を集めた。植樹は7年間で計2000本にのぼる。「自然の回復や保護は開業以来の願い。全国のみなさんの思いがつまった木の集まる沿線になれば」と期待する。さきの大雨で沿線に土砂が流入して運転を中止していたが、15日から再開した。
 第三セクターの会津鉄道(福島県会揮若松市)は4月から運転を始めたばかりだ。ディーゼル車を改造した全国初のモーター付き自走車を投入。トンネルが多いため、列車の天井に星座の電飾を施したユニークな車両が人気を集めている。
 九州・阿蘇山の南側を走る南阿蘇鉄道(熊本県高森町)は、遊園地列車のようなかわいらしさが受け、年間3万人を呼び込むまでに成長した。(朝日新聞 夕刊)
■この夏に楽しめるトロッコ列車■
○JR釧網線4月29日−9月30日の毎日
○JR富良野線6月11日−8月31日の毎日
○JR宗谷線7月24日−8月15日の毎日
○会津鉄道7月20日−8月31日の毎日
○わたらせ渓谷鉄道7月20日−31日のほぼ毎日
○黒部峡谷鉄道4月23日−11月30日の毎日
○大井川鉄道通年の毎日
○長良川鉄道7月22日−8月10日
8月17日−26日の毎日
○JR飯田線7月17日−8月31日の毎日
○嵯峨野観光鉄道3月1日−12月29日の水曜日以外の毎日
○JR木次線7月17日−8月31日の毎日
納涼トロッコは7月23日−8月21日の金、土曜日
○JR土讃線7月17日−8月31日の毎日
○JR予土線7月17日−8月31日の毎日
○島原鉄道4月1日−11月15日の毎日
○南阿蘇鉄道7月21日−8月31日の毎日
■大阪地下鉄もトンネル点検
 山陽新幹線のトンネル内でコンクリート片がはがれ落ちた事故を受けて、大阪市交通局は16日未明から、市営地下鉄のトンネルの内壁の点検を始める。
 約105`ある地下鉄のトンネルのうち、今回の対象は、谷町線など1967年から72年に開通した4路線の内壁のコンクリートに鉄筋が入っていない約5.1`。(朝日新聞 夕刊)
16日■ニュース 音楽 競馬… デジタル情報を自販機で買えます 京都など5駅で 500種類 50−500円程度で手軽に
 自販機にメモリーカードを差し込み、欲しい情報を選ぶと数十秒で書き込まれ、ノートパソコンなどの端末で楽しめる仕組み。
 自販機は、京都、大阪、新大阪、神戸、三ノ宮の5駅に計30台を設置、京都駅には、東西の烏丸中央改札口やホーム2ヵ所など計7台を置く。
 販売する情報は、新聞やビジネス情報などの「ニュース」(中心価格100−200円)、グルメや観光情報など「エリア情報」(同100−500円)、小説や雑誌、マンガや写真集といった「本」(同100−500円)、将棋や占いなど「ゲーム」(同100−1000円)、英会話などの「学習」、「時刻表」など約10分野500種類。価格は4000円台まである。
 情報は、京都新聞社などマスコミ、出版社、旅行代理店、ソフト会社など約80社が提供し、随時更新される。
 販売実験は、通産省からの受託事業で、昨年11月からシステムを準備、今年9月1日から12月26日まで実施する。本格的な事業化が可能なら、来年以降も続ける予定。(京都新聞)
■トロッコ乗り 花火と食事満喫を 亀岡で来月7日 JR京都駅が参加募る
 JR京都駅は、亀岡市で来月7日に開催される花火大会に合わせ運行する「納涼トロッコ列車と花火見物」の参加者を募集している。
 京都市右京区嵯峨野から亀岡までを往復するトロッコ列車で花火と食事を楽しむ企画で、毎年、開催している。
 当日は午後5時からトロッコ嵯峨駅で受け付けを開始し、午後7時ごろ同駅を出発。同7時半ごろにトロッコ亀岡駅に到着して花火を見物する。帰りは午後9時15分ごろ同駅を出発し同9時45分ごろ、トロッコ嵯峨駅に帰着する。参加費用は、弁当と飲み物が付いて1人5500円。トロッコ嵯峨駅に隣接する「嵯峨野ランアート」に無料で入場できるほか、トロッコ亀岡駅での飲み物サービスもある。予約と問い合わせはJR京都駅 075(352)5420へ。(京都新聞)
■パレードで歩み祝う 福知山線開通100周年
 府北部初の鉄道「阪鶴鉄道」(今のJR福知山線)が福知山と大阪を鉄路で結んで、ちょうど100年の15日、「福知山線開通100周年記念セレモニー」が催され、関係者や市民ら大勢の人たちが1世紀の歩みを祝った。
 阪鶴鉄道は、日本海側の拠点・舞鶴と大阪を結ぶ目的で、1899年7月15日に福知山まで開通、「鉄道のまち」福知山の基礎を築いた。
 セレモニーは同市と福知山商工会議所、JR西日本福知山支社の主催。福知山駅ホームで行われた出発式では、NHK朝の連続テレビ小説「すずらん」に出演したタレントの柊瑠美さん(11)を一日駅長に迎え、テープカットやくす玉割りなどを実施。市民ら約100人の市中パレードもあって、あらためて「鉄道のまち」をアピールした。(京都新聞)
■山陽新幹線の異常音個所 すべて鉄で「縫合」補強へ JR西日本
 JR西日本は15日、山陽新幹線小倉−博多間の福岡トンネル(福岡県久山町)でのコンクリート塊落下事故を受け、新大阪−博多間のトンネル内にある施工不良個所「コールドジョイント」の打音検査を進め、異常音のあった個所すベてについて、鉄の金具で補強する方針を囲めた。コールドジョイントの継ぎ目など劣化の可能性のある部分に対し、傷口を糸で縫い合わせるように金具を打って囲む「縫合手術」となる。補強効果も高いとみられ、JRは「利用者の目に見える形のほぼ恒久的な安全対策」としている。
 JR西日本によると、コールドジョイントは、施工時にコンクリートが乾ききった後に次のコンクリートを流し込んだため、接着が不十分となり、不適続面が生じる現象。福岡トンネルの事故では、コールドジョイントの継ぎ目の下のコンクリート内部に亀裂などの劣化が発生。亀裂が広がり、継ぎ目まで達したため重さに耐えかね、計200`のコンクリート塊がはがれ落ちたとされる。
 事故直後から、山陽新幹線のトンネル計142本すべてについて目視点検した結果、計93本のトンネルから2049ヵ所のコールドジョイント部分が見つかった。さらに、コンクリート内部の劣化状況を調べる打音検査の結果、12日現在で、検査済みの計676ヵ所の12%にあたる計84ヵ所で、劣化の可能性のある異常音が確認されている。
 JR西日本は「当面は落下する恐れは低い」として運転を続けている。だが、コールドジョイント周辺は劣化を起こしやすいことが専門家からも指摘されており、異常音のあった個所については、今後10−20年程度の安全を確保するために補強の必要があると判断した。補強方法として、直角のL字形などの鉄の金具を使う。異常音が聞かれた個所とその近くのコールドジョイントの継ぎ目に対して、その周囲を糸で縫い合わせるように金具を打ち込む。7月末までに全トンネルで打音検査を終える予定で、検査終了後、早急に異常音があった個所すべての補強工事を始める方針。(朝日新聞)
■福岡トンネル事故 社長が驚いたのは翌日… 新幹線の危機管理見直し JR西日本 情報集中目指す
 JR西日本は16日、山陽新幹線小倉−博多間の福岡トンネル(福岡県久山町)内を走行中の列車に、コンクリート塊が直撃した事故直後の対応の遅れを教訓に、JR発足以来の新幹線事故の危機管理体制を大幅に見直す方針を固めた。新幹線開業以来の大事故だったが、事故の深刻さを感じとれなかったため、原因追及には力を注いだが、肝心の事実の公表が遅れるなどして、危機管理の甘さが指摘されている。情報の一極集中化を中心に、マニュアルに想定されていない非常事態への機敏な対応を目指す。
 福岡トンネル事故では、第一報の停電発生の原因について、コンクリート塊落下によるパンタグラフの大破だったとの全体像をつかめないまま、事故から数時間後に運転を再開。コンクリート落下の事実を乗客や報道機関に公表しなかったことも危機管理が甘かったと批判されている。
 JR西日本によると、山陽新幹線で事故が起きた場合、現場からの情報はすべて列車の運行管理を担当する東京指令所に集められる。今回も当初は停電事故と判断され、情報は通常通り指令所に集約された。列車が運転再開されたこともあり、現場からコンクリート落下の事実も報告されたが、その情報も指令所経由で本社(大阪市)に流れて一段階遅れた。本社内でも車両部、施設部など各部署が個別に原因究明につとめ、総合的に事故を把握する部署がなく、全体像は翌日までつかめなかった。車両の屋根がめくれ上がるなど被害は大きかったが、現場から届いたFAXを見ただけでは大事故との認識は持てなかったという。
 福岡支社では事故当日に対策本部が立ち上がったが、本社では翌日まで遅れた。従来のマニュアルでは、社員の非常招集や対策本部の設置は、死傷者が生じたり、復旧が遅れたりするなど運転障害の起きる場合に限られる。今回のように、ほかの個所でもコンクリートの落ちる可能性があるなど大きな危険が内在されるケースは「重大事故」に当てはまらず、マニュアル化されていない。
 JR西日本は「社長すら翌日の新聞の写真を見て初めて驚いたなど、事故の深刻さへの感度が鈍っていた」とみて危機管理の抜本的な見直しを始めた。小さな事故でも情報を本社の安全対策室で一元化し、指令所の代わりに司令塔になる▽現場からの情報を直接本社へも流す▽危機管理マニュアルに、想定されない非常事態への対応の項目を追加する方針だ。(朝日新聞 夕刊)
■トンネル点検「東海」が公開
 山陽新幹線の福岡トンネルでのコンクリート塊落下事故を受け、JR東海は16日未明、東海道新幹線の静岡−掛川間にある「牧の原トンネル」(全長2917b)での点検の様子を報道陣に公開した。
 東海道新幹線としては19ヵ所目の施工不良個所「コールドジョイント」を確認したが、周辺に幅0.1_程度のひび割れが破線状にみられる程度だった。コンクリートの強度も設計基準を大幅に上回っていた。(朝日新聞 夕刊)
■広島県で震度4 山陽道が一時不通 新幹線も徐行運転
 16日午前2時59分ごろ、広島県を中心に中国、四国地方で地震があり、同県本郷町で震度4、尾道市、福山市などで震度3を記録した。
 大阪管区気象台によると、震源地は広島県南東部で、震源の深さは約20`。マグニチュードは4.4と推定される。
 この地震に伴い、同日午前3時ごろから、山陽自動車道広島−福山東インター間の上下線が道路点検のため、約2時間にわたって通行止めになった。JR山陽新幹線も点検のため、福山−東広島駅間で始発から上下線8本が徐行運転をし、最高22分の遅れが出た。
 このほかの各地の震度は次の通り。
 震度3=三原市、東広島市、河内町、川尻町、大崎町(以上広島県)、今治市、丹原町、波方町、大西町(以上愛媛県)など▽震度2=広島市中区、広島県呉市、愛媛県松山市、同新居浜市、岡山県倉敷市、同笠岡市、香川県観音寺市、高知県大方町など(朝日新聞 夕刊)
■神戸の地下鉄 初乗り200円に 来月から値上げ認可
 運輸省は16日、神戸市が申請していた約10.5%の市営地下鉄運賃値上げを申請通り認可した。同市営地下鉄の値上げは1992年4月以来7年ぶりで、市は8月から実施する。
 申請によると、10`までの区間は20円、10`以上は30円値上げされ、22`以上は据え置かれる。三宮−新神戸間など初乗り運賃は現行の180円から200円となり、三宮−名谷間は270円から300円に、三宮−西神中央間は360円から390円にそれぞれ値上げされる。同地下鉄は累積赤字が1000億円を超えており、値上げの理由について神戸市は「消費税上昇分の運賃転嫁と経営基盤の安定化を図るため」と説明している。(朝日新聞 夕刊)
17日■JR西日本 湖西線トンネル 緊急点検 山陽新幹線と同時期建設 13ヵ所重点に
 JR西日本は、山陽新幹線のトンネル壁崩落事故を受けて、同新幹線と同時期の昭和40年代に建設された湖西線(山科−近江塩津間、71.4`)の23本の全トンネルの緊急点検をこのほど開始した。特に、石油ショック時の昭和40年代後半のコンクリート構造物に問題があると指摘されていることから、同時期に建設された13トンネルを重点的に調べている。
 湖西線は1967(昭和42)年に着工、74年に開業した。高速運行を可能にするためトンネルや高架部分が多く、トンネルは全区間の21%を占める。
 山陽新幹線では先月27日、福岡トンネル(福岡県)内で側壁からコンクリート塊が落下、通過車両の天井部を破損する事故が発生。JR西日本は、コンクリートのつながりが弱い「コールドジョイント」とひび割れが合わさって起きたと分析し、同時期に建設された湖西線で、他の在来線に先立ち点検に乗り出した。
 専門家らによると、山陽新幹線の事故のあった区間が建設された昭和40年代後半は、高度成長期に石油ショックが重なったことなどから、コンクリートに海砂も使用されコンクリート構造物の強度に問題がある、と指摘されている。
 湖西線の緊急点検では、この昭和40年代後半に建設された13のトンネルをまず調査し、その後、他のトンネルと高架橋を点検する。JR西日本京都支社によると、過去に同線でコンクリートの崩落が見つかった例はない、という。
 緊急点検は今月7日から始めた。列車の運行終了後、施設担当者がトンネル内のコンクリートにひび割れがあるか、目視検査し、不審な個所があれば、ハンマーでたたき打音調査している。8月初旬までに、全区間の点検を終える予定。
 JR西日本京都支社の渡辺晃次長は「支社の総力を挙げて点検している。現在までの点検では、コールドジョイントが発見されたとの報告はない」と話している。同支社は、湖西線の調査が終了し次第、管内の他線区の調査も順次進める。(京都新聞)
18日■徳山−小郡間で停電 山陽新幹線乱れる
 17日午後7時20分ごろ、山口県内のJR山陽新幹線徳山−小郡間の上下線で停電が起きた。
 新大阪発博多行きこだま639号が同区間で緊急停止し、博多発広島行きこだま582号も小郡駅で発車を見合わせたが、間もなく復旧した。
 新幹線上下4本が13−9分遅れ、約1300人に影響が出た。
 JR西日本で詳しい停電場所や原因を調べている。
 同区間では16日にも走行中のひかりのドアが約1a開き、緊急停止している。(京都新聞)
■天眼 きっぷと理屈 日高敏隆
 いまさらいうまでもないことだが、世の中にはいろいろな理屈があるものだ。この間もそれを実感した。
 ぼくもあれやこれやの用務で新幹線に乗ることが多い。新幹線の料金はけっしてやすいといえないので、車内案内のことばにひかれて、新幹線ビジネスきっぷ(グリーン車用)というのを買ってみた。
 案内のことばには「これは『ひかり』指定席用ですが追加額のお払いにより『のぞみ』への変更もできる使いやすくて便利なきっぷです」とある。時間によって「ひかり」にしたり「のぞみ」にしたりすることがあるので、これはたしかに便利だと思ったのだ。
 値段としては、東京−新大阪間グリーン車用が14590円。ふつうに買うと18900円だから4310円も安い。
 ある日、東京から帰るとき、ちょうど「のぞみ」に間に合う。そこで窓口にこのきっぷを出して、「のぞみ」何号にして下さいといった。
 この新幹線ビジネスきっぷ(グリーン車用)には、「ひかり」の特急料金5240円、「ひかり」、「のぞみ」共通のグリーン料金5150円が、それぞれ割引された3750円、4080円として含まれている。乗車料も8510円が6760円に割引かれている計算になる。
 だからぼくは、「のぞみ」の正規特急料6210円と「ひかり」正規特急料5240円の差額970円を追加支払いすればよいのだ、それでこそこの有効期限つきのビジネスきっぷを買った意味がある、と単純にそう思っていた。
 ところが、請求された追加額は4550円であった。どうも不可解だったが発車時刻が追っていたので、ぼくはそのまま「のぞみ」に乗った。
 車内での車掌さんの説明は次のようだった−このきっぷはエコノミーきっぷと同じなので、本来なら「のぞみ」に乗ると無効になり、全額を正規に支払っていただくことになる。そこでお客様のためにビジネスきっぷ代は生かし、正規料金との差額を払っていただくことにしたものなのです。それでも220円はお安くなっています。
 要するにぼくは「のぞみ」のきっぷを正規料金で買い直したわけだ。
 そういえば「のぞみ」の車内では、「エコノミーきっぷその他『のぞみ』号割引券以外の割引きっぷではご乗車できません」というアナウンスが必ずある。それをあえて使えるようにしてくれているのだから「便利なきっぷ」なのである。
 この理屈にはたしかに何の矛盾もない。いわれてみればそのとおりである。けれど何だかいわゆる悪徳商法にひっかかったような釈然としない気分が残ったことも事実である。理屈とはたいていそういうものかもしれない。(滋賀県立大学学長)(京都新聞)
■JR東日本 キャンペーン脱退 京都PR もうやめた 東海は反発 内輪もめに地元困惑
 JR各社が合同で展開する旅行キャンペーンのうち、旧国鉄時代以来20年にわたって冬の部門を独占してきた京都市が、今冬から指定席をはずれることになった。「京都の特別扱いはおかしい」と主張するJR東日本が、今年3月限りでの脱退を宣言したからだ。「売り込むなら、自社エリアの観光地を」との思惑が背景にある。一方、東海道新幹線を抱えるJR東海にとって、観光客向けの最大の目玉、京都を首都圏の駅でPRできないのは大きな痛手。「地下鉄にポスターを出してでも、キャンペーンを続ける」と反発する。観光客の減少に悩む京都市は、「内輪もめ」におろおろするばかりだ。
 合同キャンペーンは、旧国鉄が1978年度に始めた「デスティネーションキャンペーン」が起源。季節ごとに1ヵ所の観光地を選び、地元自治体と一緒にイベントを設定する。全国のJR駅にポスターを一斉に張り出し、割安切符を発売してムードを盛り上げる。
 京都市は「京の冬の旅」の名前で、79年度に初登場。二条城の特別拝観や西陣織着物の着付け体験などを盛り込んできた。ほかの対象地は毎回変わったが、京都だけは「別格扱い」で、冬を独占してきた。
 別会社となってからは、JR6社の合意で対象都市が決まることになった。JR東日本は昨夏、「冬に観光客を呼びたい自治体はいくらでもある。京都がずっと選ばれてきたのは、旧国鉄時代からの固定観念に過ぎない」と主張。今年3月までで脱退すると宣言した。今後、「京の冬の旅」にかかわるポスターなどを首都圏で掲載する場合には、「通常通りの料金をいただく」(同社営業部)という。
 JR東海は「お客さんにはJR同士の管内の線引きなど関係ない」とカンカンだ。今年末から始まる「京の冬の旅」は、東日本を除いたJR5社で続けられる見通しだが、首都圏の宣伝をどうするかは決まっておらず、「地下鉄に広告を出した方が割安では」との声も。
 一方の京都市は大打撃に頭を抱える。というのも、90年に4000万人を超えた観光客が、阪神大震災で3500万人台に急減。97年にようやく3900万人に持ち直したものの、かつての勢いには遠い。「冬の旅」は、広告費に換算して10億円以上の価値があったとされるだけに、市観光振興課は「代わりに有料広告を出すのは、財政的にとても無理」と嘆いている。(朝日新聞)
19日■JRの車内で医師痴漢行為 明石署が現行犯逮捕
 兵庫県警明石署は18日、県迷惑防止条例違反の現行犯で、兵庫県立こども病院医師、吉田和則容疑者(28)=神戸市須磨区高倉台=を逮捕した。
 調べによると、吉田容疑者は18日午後5時ごろ、近江今津発播州赤穂行きJR新快速の車両内で、大阪府堺市の女子短大生(19)の太ももに、ズボン越しに下半身を押し当てるなどわいせつな行為をした疑い。
 吉田容疑者は容疑を否認している。
 西明石駅で女子短大生が同容疑者の肩をつかんだところ、同容疑者は車両から逃走。短大生が「捕まえて」と叫んだため、駅構内にいた乗客らが同容疑者を取り押さえ、明石署員に引き渡したという。(京都新聞)
■「ひかり」表示灯のトラブルで遅れる 東海道新幹線
 18日午後8時40分ごろ、JR東海道新幹線の米原−岐阜羽島間を走行中の新大阪発東京行き「ひかり262号」で、6号車の台車部分の故障を知らせる表示灯が点灯した。一時停止しリセットボタンを押したところ消灯したため、運転を再開したが、約10分後、岐阜羽島−名古屋間で再び点灯したため、再度停止し、運転士が下車して車両を点検した。異常を確認できなかったため、午後9時11分、運転を再開した。
 同列車が名古屋駅を23分遅れて発車したほか、後続の上り新幹線3本が15−7分遅れ、計約2800人に影響が出た。JR東海で原因を調べている。(京都新聞)
■大破の新幹線 運転を再開 トンネル壁崩落事故
 山陽新幹線トンネル壁崩落事故で、コンクリート塊の直撃を受けて屋根などが大破した車両の修理が終わり、19日午前7時11分、博多発新大阪行きのひかり352号として、事故が発生した6月27日以来22日ぶりに営業運転を再開した。
 車両は、事故当時と同じ12両編成で乗客約70人を乗せて博多駅を出発。就職試験を受けに広島駅まで行くという福岡市の古賀嘉弘さん(23)は「責任をもって仕事をし、二度と事故を起こさないでほしい」と話していた。車両は下屋根の鉄板に穴などが見つかり、9号車から12号車までの4つの車両で屋根の取り換えなどの修復が行われた。(京都新聞 夕刊)
20日■山陽新幹線トンネル 263ヵ所で異常音 JR西日本 接合不良部、補強へ
 JR西日本は19日、山陽新幹線トンネル壁崩落事故を受けて実施している同線トンネル内壁で見つかったコンクリート接合不良部「コールドジョイント」の打音検査の中間報告を発表した。93トンネルで発見されたコールドジョイント2049ヵ所の92%、1883ヵ所をハンマーでたたいて異常音がしないか検査した結果、14%に当たる263ヵ所で劣化の可能性を示す濁った音がしたことを明らかにした。
 同社は「直ちに崩落の危険はない」としているが、お盆の繁忙期前の8月10日までに、濁音がした全個所について鉄材で補強する対策を実施する。
 コールドジョイントが1792ヵ所見つかった広島支社管内が、濁音確認数も215ヵ所と最多だが、コールドジョイント個所数に対する濁音確認率としては神戸支社が52%で最も高く、広島支社は22%。同社はこの結果について「今後、分析したい」としている。濁音がした個所が多かったトンネルは、大平山トンネル(徳山−小郡間)の24ヵ所、周東トンネル(新岩国−徳山間)の21ヵ所など。
 同社はコンクリート片落下が相次ぐ同線高架橋のうち、沿線に人が出入りする可能性のある延長約203`について点検を19日までに終了。はく落の危険がある個所をハンマーでたたき落とすなどの処置を終えた。同社は高架橋からのコンクリート落下が1996年度から計47件あったことも明らかにした。(京都新聞)
■JR湖西線、きょう開業25周年 未来へ走る開発の動脈 湖国の乗客、2倍に 北部地域 過疎化ストップ 「琵琶湖環状線」 夢実現へ熱い期待
 JR湖西線(山科−近江塩津間、71.4`)が、20日で開業から25年を迎えた。沿線の大津市や滋賀郡志賀町では急ピッチで宅地開発が進み、滋賀県内の駅の総乗客数は開業当時の約2倍に増えた。今、沿線の自治体は電車の増発など一層の利便性向上を求めているほか、滋賀県は東海道線、北陸線に乗り入れ運行する「琵琶湖環状線」の実現に期待を寄せる。湖西線の四半世紀を振り返りながら、将来への期待などを追った。(滋賀本社 三好吉彦、湖西支局 佐々木伸次)
・観光と通勤の足
 琵琶湖西岸に沿って走る湖西線の車内は、日によって際立ったコントラストを見せる。平日は通勤、通学客で埋まり、週末になると登山やスキー、遊泳に向かうレジャー客でにぎわう。沿線には新しい住宅地やマンションが広がり、志賀町北部より北では比良の山並みと琵琶湖が車窓間近に追ってくる。「バラエティーに富んだ乗客が利用する特徴的な路線」(JR西日本京都支社)だ。
 同線は京阪神−北陸間の輸送量の増加に対応し、1974年に開業した。高架部分やトンネルが多く、踏切は1ヵ所もない。特急はJR西日本の在来線で最高の時速130`で走る。
 沿線は開通後、大きく姿を変えた。滋賀県のデータによると、西大津−永原(伊香郡西浅井町)間の全駅の総乗客数(1日平均)は、78年度の約2万4000人から98年度には約4万8000人と倍増した。東海道線の大津−米原間の同時期の伸び率(35%増)を大きく上回っている。
 かつて丘陵地や水田地帯だった大津市北部は人口急増地域に変わった。京都、大阪が通勤圏に入った高島郡では近年、今津町以南の4町の人口が微増を続け、悩みの過疎化にストップがかかった。高島郡町村会長の吉原俊嗣マキノ町長は「自然豊かな永住地を求める人の流入が増えている」と話す。
 現在も、西大津駅前では高さ120bの高層マンションの建設が進む。大津市北部では「びわこサイエンスパーク」など大規模開発が計画され、沿線開発の動きはまだ止まっていない。
・南北格差に不満
 滋賀県や沿線自治体は毎年、JR西日本に対し、永原駅発着の増発▽東海道線との接続の改善▽大阪方面への直通電車の増発▽通勤通学時間帯の増発や終電時間の繰り下げーなど、ダイヤ改善を要望している。
 特に、堅田駅では現在、1日に上下計152本が停車するのに対し、近江今津駅は70本、永原駅は50本と、はるかに少ない。96年から新快速が近江今津まで延長運転を始めたが、「南北格差」に対する県北部住民の不満はなお強い。こうした声に対し、JR西日本は「宅地開発など確実な需要増が見込めないと、大きな増発は難しい」(渡辺晃京都支社次長)と話す。
 また、高架が多いうえに比良山系から吹き下ろす風が強く、過去、貨物列車の横転事故が2度起きた。JRは97年の事故後、風速25bを超すと列車を止め、他線(風速30bで停止)以上に厳しい風対策に取り組んでいる。先月、同時期に建設された山陽新幹線でトンネルのコンクリート落下事故が発生したのを受け、トンネルなど施設の緊急点検も始まっている。
・街づくりに変化
 「琵琶湖環状線」の実現は、滋賀県の長年の夢だ。県交通政策課は「県内は、東海道線と湖西線沿いにV字型に発展してきた。環状線が走れば、琵琶湖を囲み O字型に発展でき、県内の交流も盛んになる」と訴える。だが、JRの反応は「現時点では採算ベースにあわない。需要を今後も検討するが、推進するかどうかは白紙」(京都支社)と、今のところ冷ややかだ。
 開発に追われてきた沿線では、これまでと異なった未来像も語られ始めている。大津市と志賀町は「沿線には豊かな自然が残っている。今後は、自然に配慮した街づくりを進める必要がある」と口をそろえる。
 最近、北陸新幹線のルート論議の中で、にわかに湖西線乗り入れ案が持ち出されているが、滋賀県は「国やJRから一切話はない」(交通政策課)として、今後の動きを見守っている。(京都新聞)
■窓 街揺るがせた京都駅の今昔 山科区・居藤 芳郎(無職・72)
 数日前、久しぶりに京都駅を散策した。上へ下へと帯状になって動く人の姿。ぼうぜんと眺めながら、ふと半世紀前の京都駅の火災を思い起こした。
 当時、東洞院通六角下ルにいた私は、まだ夜の明けぬ早朝、ドン、ドンと不気味な音に起こされた。京都駅が燃えているという。烏丸通まで出てみると真っ正面の駅が燃え上がっている。烏丸通を一直線に走って現場まできていた。
 もう足の踏み場もない。消防車のホースが網の目に走っていた。が、火勢は一向に収まらず、お手上げのよう。時計台が火だるまになって大きな音とともに崩れ落ちていった。やじ馬たちが「消すな、消すな」と叫んでいる。古い駅舎のこと、燃え尽きて新しい駅舎を、というようだった。
 今、私の脳裏を去来する新旧の京都駅。京都駅改築をめぐって世論は燃え上がった。賛否両論が激しくぶつかり、京の町は揺れた。
 昭和19年2月に横須賀の久里浜沖で見た戦艦大和のような”巨艦ビル”にあらためて感嘆。乗り降りする人の波。吹き抜けの巨大空間にエスカレーターが上下する仕掛けに人々が酔っている。京の町に、久々に刺激を与えた巨大建築。京都駅への評価も、また長い時間軸の中で定まっていくだろう。(京都新聞)
■新幹線トンネル 専門家「至る所で劣化」 JR西日本 認識の甘さ認める
 「至る所で、コンクリートの劣化が進行している印象だ」。山陽新幹線のトンネルで、打音検査を終えたコールドジョイント1883ヵ所のうち14%で「異常音」が確認されたことに、コンクリート工学の専門家らは驚く。高架橋では落下の可能性のある面積が50bプール1面分にあたっていた。JR西日本は、コンクリート劣化に対する危機意識が不十分だったことは認めたうえで「徹底した点検をしたのでご安心いただける」と安全性を強調した。
 記者会見した桜井紘一・鉄道本部長は、トンネルの異常音個所が263ヵ所も見つかったことについて、「コンクリートの接合具合でも周辺の音は変わってくる。特段、多いとも、少ないとも言えないのではないか」と分析。しかし、1996年度以降、高架橋からのコンクリート片の落下事故が計47件判明した点について、過去の補修工事や点検が不十分だったのではないかと指摘されると、「振り返って見れば認識が甘くなっていたところが多少あったと思う」。
 大阪工業大の二村誠二講師(建築材料学)は、高架橋で落下の可能性のある面積について、「単に安全ですと言うのではなく、現状での耐用年数と中長期的な対策の方向付けを利用者に明らかにするべきだ」と問題提起する。(朝日新聞)
異常音個所の多いトンネル
トンネル名トンネ
ル延長
異常
音数
コールドジ
ョイント数
@大平山トンネル(徳山−小郡)6640b24ヵ所99ヵ所
A周東トンネル(新岩国−徳山)2040b21ヵ所69ヵ所
B六甲トンネル(新大阪−新神戸)16250b18ヵ所34ヵ所
C五日市トンネル(広島−新岩国)6585b16ヵ所136ヵ所
C新欽明路トンネル(新岩国−徳山)6822b16ヵ所127ヵ所
C新庄トンネル(三原−東広島)4120b16ヵ所39ヵ所
■山陽新幹線に飛び込み死亡 学生、姫路駅ホームから
 19日午後8時41分ごろ、山陽新幹線の姫路駅を通過中の新大阪発広島行き「ひかり369号」(12両編成、乗客約330人)の運転士が異常音を感じ、非常ブレーキをかけて停車した。JR西日本姫路駅社員が点検したところ、姫路駅から相生駅方面に200b離れた線路付近に男性の遺体を発見した。兵庫県警姫路署によると、大阪府吹田市内の国立大学生(24)で、ホームから飛び込んだらしい。(朝日新聞)
21日■金沢へ記念列車 出発セレモニー JR湖西線”満25歳”
 JR湖西線が20日、開業25周年を迎え、滋賀県高島郡今津町の近江今津駅など3駅で、金沢への記念列車の出発セレモニーが開かれ、沿線1市7町村の代表らが4半世紀の節目を祝った。
 JR湖西線は、沿線住民の生活や産業、文化などに大きく貢献。京阪神が通勤圏内となったことから、さならる利便性向上への住民の期待が高まっている。
 近江今津駅での出発セレモニーには、高島郡六町村と伊香郡西浅井町の各町村長や議会代表、観光関係者ら17人が出席。ガールスカウトの子供らの演奏の歓迎を受け午前8時18分、13両編成の記念列車が到着。1日駅長になったびわ湖まつり感謝使節の1人、鳥居裕子さん(20)=今津町=の出発の合図と出席者の拍手に見送られ約700人の沿線住民が乗った列車が走り出した。
 出発セレモニーは堅田駅と志賀駅でも行われた。(京都新聞)
22日■新幹線2本緊急停車 ATCケーブル外れる 新大阪駅直撃
 21日午後2時43分ごろ、JR山陽新幹線の広島発新大阪行き「こだま628号」が新大阪駅に到着する直前、緊急ブレーキがかかり、同駅の西約4.5`手前で停車した。こだま628号は約30分後に運転を再開したが、後続の博多発東京行き「のぞみ18号」も、同駅手前で緊急停車した。このため、のぞみ18号が45分遅れたのを最高に、上下線計37本のダイヤが乱れ、乗客約1万7000人に影響が出た。
 JR西日本が調べたところ、列車自動制御装置(ATC)の信号ケーブルが、レールとの溶接部分で外れていたことが分かった。このため信号が伝わらない状態になり、異常を感知したATCが後続の列車に停止信号を送ったためとみて、ケーブルが外れた原因を調べている。同社によると、ATCのケーブルが外れたケースはほとんどないという。
 午後6時すぎから京都−新神戸間の送電を止め、復旧作業を実施。6時13分に運転を再開した。(京都新聞)
■土砂崩れで不通に JR関西本線
 JR西日本は、21日午後3時半ごろ関西本線月ヶ瀬駅で1時間当たりの雨量が35_を超え、同本線大河原駅と笠置駅の間の信号が赤のまま変わらなくなったため、加茂駅と伊賀上野駅の間で運転を見合わせた。
 さらに午後4時ごろ、大河原駅と笠置駅の間の笠置町有市付近で、線路下の盛り土が幅7bにわたって崩れているのが見つかった。
 同本線は復旧工事などのため3時間40分にわたって不通となり、加茂駅−伊賀上野駅間で代替バスを運行した。上り下りで計13本が運休し、上下計6本が最大3時間55分から7分遅れ、通勤者ら1010人の足に影響が出た。JR西日本では、信号が変わらなかった原因は不明で調査中と話している。(京都新聞)
■神戸支社では1万7000ヵ所 高架橋はく落危険個所
 コンクリート片の落下事故が相次いだ山陽新幹線の高架橋で、JR西日本が総点検で「はく落危険個所」として処置した個所の数は、神戸支社管内が約1万7000ヵ所、福岡支社管内が3685ヵ所に上っていたことが21日、両支社の調査で判明した。
 JR西日本は19日、処置した危険個所について「約1380平方b」と面積で発表。「危険個所の総数は各支社に報告を求めなかったため不明」と説明、岡山、広島両支社も管内の危険個所数は「把握していない」としている。神戸支社は管内の対象面積の0.04%に当たる約272平方bを処置。「小指大のものも含めれば約1万7000ヵ所」としている。(京都新聞)
■窓 落とし物連絡先 バス停に表示を 北区・小谷十三之烝(観光ガイド・73)
 私がかかわったこの春最後の中学生たちの修学旅行チームは、埼玉県の男女それぞれ3人だった。市バスに乗り、京都タワーを経て金閣寺道で下車してすぐ、男子生徒が車内で財布を落としたことに気づいた。すぐに交通局に照会すると、1時間後に連絡をとのことでした。
 金閣寺を見学して北野天満宮で再度連絡したところ「京都駅前の三哲バス操車場で保管している」という。すっかり落ち込み、しょげかえっていた生徒は、約1万円のお金ごと見つかったことに飛び上がって大喜び。全員で早速受け取りに行った。素早い対応と二度の電話、受領時の応対は親切で要領よく、気持ちが良かった。そこで一つ、気がついたことがある。それはバス停の標識柱に「落とし物の連絡場所(電話番号)」表示がないことだ。
 私どもには不要だが、この種の連絡は早いほど解決が容易である。「交通局への問い合わせ電話番号(シールでよい)」を全停留所に表示してほしい。併走しているJRバスには表示がある。(京都新聞)
■1万7000ヵ所 落下の恐れ 高架橋コンクリ 山陽新幹線 新大阪−相生間で 福岡県内も3000ヵ所 JR「処置ずみ」
 山陽新幹線の高架橋からコンクリート片が相次いで落下している問題で、兵庫県内を中心とした新大阪−相生駅間の高架橋の約1万7000ヵ所で落下の可能性のある個所が見つかったことが21日までに、JR西日本神戸支社の調べで分かった。また、福岡県内では3000ヵ所を超える個所が見つかったことも判明した。JR側は福岡トンネル事故の後、すべての高架橋で緊急点検を実施しており、その結果のうち、点検対象全体に占める問題個所の面積だけを19日に発表していた。JR西日本は今回わかった落下危険個所数について、「支社が独自で集計したものだ」としている。
 JR西日本の調べでは、山陽新幹線では、高架橋からのコンクリート片落下は1996年度以降、計47件にのぼっている。うち、兵庫県内を中心とした神戸支社管内では12件、福岡県内を中心とした福岡支社管内では21件。いずれも、これまでにけが人などはないという。
 神戸支社によると、7月6−17日にかけて、新大阪駅付近から相生駅付近まで計57.4`にわたる高架橋の橋げたや橋脚を緊急点検した。
 その結果、コンクリートの表面に亀裂や浮きなどが見られ、落下の可能性があったのは小指大のものも含めて計約1万7000ヵ所にのぼったという。面積では点検対象の約63万1400平方bのうち、0.04%にあたる約272平方bだった。
 さらに福岡支社によると、福岡県内の高架橋からは、3685ヵ所で落下の可能性のある個所が見つかった。面積では約27万5000平方bのうち、0.2%にあたる555平万bだった。
 両支社とも、コンクリートをたたき落とすなどの応急処置をしており、当面、落下の可能性は低いとしている。
 一方、広島、岡山両支社は個所数は出していない。広島支社は「面積の方が分かりやすいと判断した。個所数までは現場でも把握していない」。岡山支社は「個所数を算出する一定の基準を本社で出してもらわないとこちらも出せない」と説明している。
 高架橋の緊急点検の結果については、JR西日本は19日に本社で記者会見を聞き、発表していた。各支社からの点検結果を本社で集計した資料を配布し、総面積計約230万平方bに対する面積として、落下の可能性のある個所を0.06%にあたる計約1380平方bと発表した。
 記者から「面積では分かりにくい。個所数では出せないか」との質問が出たが、JR側は「たたき落とした部分が小さいものから大きいものまで幅があるので、個所数だと実態を示せなくなる。個所数を出すようには支社に指示していないので、面積しか分からない」と説明していた。(朝日新聞)
■こだま・のぞみ 一時立ち往生 新大阪駅直前
 21日午後2時40分ごろ、大阪市淀川区の山陽新幹線新神戸−新大阪間を走行中の広島発新大阪行き上り「こだま628号」(6両編成)が、新大阪駅に到着する直前に緊急ブレーキがかかって停車。乗客約80人を乗せたまま約30分間、立ち往生した。後続の博多発東京行き上り「のぞみ18号」(16両編成、乗客約640人)も同じ場所で緊急ブレーキがかかるなどで約45分間、動けなくなった。その後は仮復旧で運転を続けたが、午後6時すぎから約10分問、停電させて復旧作業をした。このため、上下計37本が最大45分遅れ、乗客計約1万7000人に影響が出た。
 JR西日本の調べでは、レール上に設置された列車に信号を送る電気回路の鋼線がはずれ、電気が流れなくなったためという。(朝日新聞)
■コンクリ落下危険個所発表 JR本社、「独り歩き困る」 支社対応に戸惑い
 山陽新幹線の高架橋の緊急点検の結果、主に兵庫県内でコンクリート落下の可能性のある個所が「1万7000ヵ所」という数字が浮かび上がった。JR西日本の本社側は「面積でしか発表できない」としていたが、神戸支社は「約1万7000ヵ所」という個所数を公表。本社と支社間の対応に大きな食い違いが出た。本社、支社のいずれも「小指大のものも含まれており、落下の危険はない」と安全を強調するが、亀裂などの入った高架橋を日々目にしている住民は、不安を隠しきれない。
 今回、神戸支社などで落下の可能性のある個所数が発表されたことについて、19日の記者会見で「面積しか出せない」としてきた本社広報室は「支社が独自に算出し、発表したものだ。1万7000ヵ所は本社が把握していない数字だ。算出の基準がはっきりせず、数字が独り歩きしたら困る。隠すつもりだったわけではない」と釈明した。
 一方、南谷昌二郎社長は21日の定例会見で、記者から個所数の発表を求められると「面積でしか出せないと私も聞いていた。関係部署には検討させますが…。高架橋からの落下は、歩行者の方々に大変危険で、あってはならないこと。これまでは落下への認識に甘さがあり、支社任せの部分もあったが、本社としても体系だって対策に取り組みたい」と語った。
 JRは、個所数の多さについて「数字だけ見れは多いと思うかもしれないが、検査をしっかりやったということだ。今後、落下して迷惑をかけることはない」と強調する。一方、兵庫県尼崎市内の高架橋の近くに住む男性(70)は「コンクリートの落下する危険があることは、これまでもJR側に申し入れてきた。そのたびに安全だと言うはかりだった。緊急点検した結果、こんな多くの数字が出たことは、まさにJRの怠慢だ。きちんと対策を立ててほしい」と話していた。(朝日新聞)
■こだま故障で出発26分遅れ 新大阪駅
 22日午前10時50分ごろ、大阪市淀川区の東海道新幹線新大阪駅構内で、新大阪駅発東京行きの上り「こだま412号」(16両編成)8号車の床下から空気漏れがあることが分かり、出発できなくなった。JR東海は近くの車両基地から代替車両を投入し、同号は新大阪駅を26分遅れで出発した。(朝日新聞 夕刊)
■震災から復興へ たどる絵巻 阪神電鉄沿線描く 西宮神社権宮司 吉井貞俊さん
 商売の神様「えべっさん」で知られる西宮神社(兵庫県西宮市社家町)の吉井貞俊・権宮司(68)が、震災から4年を経た阪神電鉄本線西宮(西宮市)−元町(神戸市)駅間約15`の沿線の景観を克明にスケッチし、絵巻にまとめている。1987年と阪神大震災直後の95年に同じ沿線を描いた絵巻とあわせ、8月12、13両日に同神社で開く「阪神大地震五年図巻展」で披露する。3つの絵巻はいずれも長さ約45bに及ぶ大作で、震災を挟んだ街なみの変化を伝える貴重な資料になりそうだ。
 古い絵図などの写生が趣味だった吉井さんは、87年3月に大阪の梅田駅をスタートし、勤めを終えた夕方にスケッチを重ね、4ヵ月がかりで元町駅まで描き終えた。
 8年後、震災が起きた。1ヵ月後の95年2月、西宮−元町間の線路沿いを丸3日間歩き、絵巻のコピーに倒壊の様子を赤鉛筆で書き込んでいった。元町に着くころコピーは真っ赤に。
 「復興する街を描きたい」との思いは、当時から持ち続けてきた。3度目のスケッチを始めたのは今年4月。これまでにほぼ全区間の写生を終えた。
 吉井さんは「描きながら復興の力強さに感動すると同時に、昔ながらの重厚な建物が減った寂しさも感じた。電車の窓から見る何げない風景も震災で変わっていることを知ってもらえれば」と話している。問い合わせは同神社(0798・33・0321)へ。(朝日新聞 夕刊)
23日■山陽新幹線トンネル壁崩落 接合不良部の下側が劣化 対策検討会初会合で報告 異常音、411ヵ所にも
 山陽新幹線トンネル壁崩落事故の原因について、鉄道総合技術研究所(JR総研)は22日、コンクリート接合不良部「コールドジョイント」下側の内壁に生じた強度の弱い部分が経年や漏水などで劣化が進み、最終的に列車の振動や(列車通過時の)空気圧変動などが引き金となってはく落に至ったと推定される、との見解を明らかにした。
 弱い部分が生じた原因は「現時点では推定できず、今後の分析結果で判断したい」としている。
 また同日までに、同線の93トンネルの計2049区画(ブロック)で見つかったコールドジョイントの97%、1979区画について打音検査が終了、14%に当たる281区画で内部の劣化の兆候を示す濁った異常音が確認されたことが、JR西日本の調べで分かった。
 同社はこれまで「異常音の確認個所」として、コンクリートを流し込む際の区画単位で集計した数を公表。しかし実際には1区画で複数の異常音が聞こえるケースもあり、281区画で濁音が確認された個所としては411ヵ所に上ることが同日、明らかになった。
 いずれも事故を受けて同社が社内に新設した「トンネル対策検討会」(委員長・桜井紘一同社鉄道本部長)の22日の初会合で報告された。
 福岡トンネルの事故原因について、JR総研は外的要因と内的要因に分けて検討。外的要因として@列車振動A列車風B空気圧変動−が考えられるとした上で「作用力は小さく、主要因ではなく最終的な引き金」とした。水圧などが作用した可能性は、現場の状況から「考えにくい」と否定している。
 内的要因としては、コールドジョイントの存在から、コンクリート注入作業の中断があったことは明白、として施工不良と判断。コンクリート材料に起因するものかどうかは「実施中の化学分析結果が出てから判断する」としている。
 一方、濁音が確認された411ヵ所の支社別内訳では、広島支社が343ヵ所と圧倒的に多く、次いで神戸支社の35ヵ所、福岡支社の21ヵ所、岡山支社の12ヵ所の順だった。(京都新聞)
■鉄道事故に調査機関 運輸省 即応体制で原因究明 9月に初会合
 運輸省は、鉄道事故の調査・分析を行う「事故調査検討会」を同省鉄道局に設置し、重大事故発生時に、ただちに調査に入る体制を発足させる。鉄道事故に関する公的な調査機関が設置されるのは、わが国では初めて。9月に初会合を開き、本格的にスタートさせる。
 運輸省の三宅哲志保安車両課長が22日、東京都内で開かれた「運輸事故調査制度シンポジウム」で明らかにした。
 検討会は、井口雅一東京大名誉教授を座長に、鉄道施設や電気系統などの専門家7人で構成。死者5人以上、または重傷者20人程度以上の特大事故などが起きた場合、ただちに調査官を現場に派遣、原因究明の調査を始める。調査結果は報告書などの形で公表する。
 同省は、運輸技術審議会(運輸相の諮問機関)内にも、検討会と同じメンバーを委員とする「事故分析小委員会」を設置。運転事故や列車の遅れなどの発生状況や傾向分析を行い、事故や運休の未然防止対策を図ることにしている。
 現在、空の事故は航空機事故調査委員会、海は海難審判庁がそれぞれ担当しているが、鉄道に関しては公的調査機関がなく、原因調査は事実上、捜査を行う警察に頼っている。(京都新聞)
■新幹線トンネル 「異常音」天井付近に8割 JR西日本 点検で判明 工法の欠点裏付け
 山陽新幹線小倉−博多間の福岡トンネル(福岡県久山町)でのコンクリート塊落下事故を受け、JR西日本がすべてのトンネルで緊急点検した結果、「コールドジョイント」と呼ばれる施工不良個所のうち、コンクリート劣化の可能性のある異常音が確認された個所の8割以上が、トンネル内の天井付近に集中していたことが22日、分かった。アーチ型トンネルは、上部からコンクリートを流し込むため密度が均一になりにくく、天井付近の強度が弱まると専門家から指摘されており、工法の欠点が裏付けられた格好だ。表面に亀裂などはなく、落下の危険性は低いという。
 JR西日本は、山陽新幹線の計142本のすべてのトンネルを点検して見つかった計2049ヵ所のコールドジョイントの周辺について、ハンマーでたたく打音検査を実施している。21日現在、検査を終えた97%のうち異常音があったのは広島、山口両県を中心に計281ヵ所。さらに細かく調べると、そのうちの計411地点で異常音が確認された。
 この異常音個所がトンネル内のどの位置にあるかを調べたところ、線路から高さ約4.5−約5.4b(車両の屋根からパンタグラフまでの高さ)の位置に全体の3割が点在。さらに、約5.4b以上の位置には全体の5.5割が点在し、天井付近に計8割以上が集中していたことが分かった。
 大手建設会社などによると、アーチ型トンネルの内壁の施工は、天井付近からコンクリートを何回かにわたって流し込むため、上部はコンクリートの密度が不均一になりやすい。異物が混入したり、すき間などが生じたりして壁面強度が弱くなる場合があり、天井部分は「トンネル工事の泣きどころ」と言われている。コンクリート内にバイブレーターを入れてかき混ぜるなどの作業が必要となるが、こうした均一化の作業を怠った可能性があるという。
 JRは、異常音個所の表面に亀裂などが見られないことから、当面、はがれ落ちる恐れは低いとみている。
 JR西日本は22日、新設された「トンネル対策検討会」の第1回会合を開き、今年度末までに、新たな補強方法の開発など安全性を確立する方針を決めた。(朝日新聞)
24日■新幹線トンネル壁崩落 コンクリートの劣化問題調査へ 土木学会
 山陽新幹線のトンネル壁崩落事故などを受けて土木学会は23日に開いた理事会で、「コンクリートのコールドジョイント問題小委員会」(委員長・山本泰彦筑波大教授)の設置を承認した。一般土木構造物を対象に、コンクリート劣化問題を本年度末まで調査し、再発防止策を提案する。
 委員は、コンクリート工学を専門とする大学教授や運輸省、建設会社の研究員ら21人。工事の際に、コンクリート材料の配合状況や温度、打ち継ぎ時間などが、接合不良部のコールドジョイント発生にどのような影響を与えるかを解明し、今後の工事に生かすのが狙い。現地調査のほか、実験も予定している。
 調査のテーマをコールドジョイントに絞ったため、外壁の崩落が起きているマンションなどのビルは調査対象から除外している。
 山本委員長は「トンネル壁崩落事故で、コールドジョイントが一つの問題になった。どのような条件でコールドジョイントが発生し、コンクリートの一体性が損なわれるかを調べる」と話している。(京都新聞)
■お盆の予約 過去最低に 山陽新幹線
 JR西日本は23日、お盆期間中(8月11日−18日)の山陽新幹線、在来線の指定席の予約状況(22日現在)を発表した。新幹線、在来線を合わせた予約率は38%(前年比92%)と例年に比べて出足はやや鈍い。ピークは関西地区から各方面へ向かう下りが11−13日の3日間、Uターンとなる上りは15−16日の2日間に集中。福岡トンネルでのコンクリート塊落下事故で心配された山陽新幹線の予約状況も前年比93%と過去最低になったが、同社は「乗車直前に予約する傾向が進んでいるため」と分析、現時点で事故の影響はないとしている。(朝日新聞)
■コールドジョイント 土木学会が小委設置
 山陽新幹線のトンネルでコールドジョイントと呼ばれるコンクリートの施工不良部分が相次いで見つかっていることを受けて、土木学会(会長=岡村甫・高知工科大副学長)は23日、理事会を開き、「コンクリートのコールドジョイント問題小委員会」を設置することを決めた。発生の仕方を解明し、来年3月までに報告書をまとめる。(朝日新聞)
25日■誤ってケーブル切断 信号停止、1400人影響 城陽のJR奈良線
 24日午後1時半ごろ、城陽市市辺五島、JR奈良線山城青谷駅の約500b南にある信号機が「赤」のまま変わらなくなり、京都行き普通電車が同駅に入れなくなった。約1時間後に復旧したが、後続の上下計8本が運休、同3本が1時間−3分遅れて約1400人に影響があった。
 JR西日本によると、信号機の近くで草刈り作業中の委託業者が誤って草刈り機で信号ケーブルを切断したという。(京都新聞)
■JR奈良線8本運休 草刈り作業中に信号ケーブル切断
 24日午後1時半ごろ、城陽市市辺五島のJR奈良線山城青谷駅付近で、奈良発京都行き普通電車(4両編成)が、信号機が赤のまま変わらないため、駅手前約500bで停止した。約1時間後に運転を再開したが、上下線合わせ8本が運休、3本が8分から59分遅れ、約1400人に影響が出た。
 JR西日本によると、線路わきで草刈り作業をしていた作業員が、草の下に隠れていた銅製の信号ケーブル(直径10_)を電動草刈り機で誤って切断してしまったという。(朝日新聞)
26日■阪急京都線 「架線に自転車」急ブレーキ 西院付近 道から投げ落とす?
 25日午後3時50分ごろ、京都市右京区西院松井町の阪急電鉄京都線で、上りの架線の一部に、自転車が引っかかっているのがみつかり、阪急桂駅から桂署に通報があった。
 同署や阪急電鉄によると、午後3時18分、河原町行き特急電車が西院駅へ向けて走行中、架線の揺れを防ぐため架線と壁面をつないでいる2本のワイヤに自転車が引っかかっているのを運転手が発見し、手前で急停車した。電車は現場に約5分停車した後、運転を再開した。乗客にけがはなく、自転車は保線区員が取り除いた。この影響で、上り電車15本に最大5分の遅れが出た。
 現場は西院駅より大阪側約300bの地点で、電車が地下へ入る手前。線路が道路より低い位置にあることから、同署は何者かが道路上から自転車を投げ入れたのではないかとみて、往来危険の疑いで調べている。(京都新聞)
■トラブル3つ 4時間運休 JR関西線
 25日午後4時40分ごろ、大阪府柏原市青谷のJR関西線河内堅上駅構内で、走行中の王寺発JR難波行き下り普通電車(6両編成)が、架線から垂れ下がっていた金具などに接触し、先頭車両の前照灯が割れたほか、パンタグラフの一部が壊れて止まった。このため、同駅で約150人の乗客を降ろした。架線の復旧作業のため柏原−奈良間で上下線とも不通となり、近鉄奈良線、近鉄大阪線などが振り替え輸送した。
 さらに、午後5時50分ごろには近くのJR関西線柏原駅付近に落雷し、すべての信号機が赤のまま変わらなくなったため、JR難波−奈良間で上下線とも運転を見合わせた。さらに一時、柏原駅構内でポイント故障も発生したが、午後8時40分に全線で運転再開した。
 JR西日本によると、河内堅上駅構内での架線故障は、架線の調整装置「曲引き金具」(鉄製)の付け根部分のボルトが脱落し、架線がぶら下がった状態になっていたという。同社はボルト脱落の原因とともに、ポイント故障の原因を調べている。(朝日新聞)
■自転車投げ入れる? 列車15本遅れ 阪急京都線
 25日午後3時20分ごろ、京都市右京区西院松井町、阪急電鉄京都線の西院ずい道入り口付近で、架線の振れ止めワイヤに自転車が引っかかっているのを梅田発河原町行き特急の運転士が見つけた。特急列車は現場に5分ほど停車し、徐行して通り過ぎた。乗員、乗客約400人にけがはなかった。
 午後4時32分に自転車を取り除くまで現場近くを徐行したため、上り列車15本に3分から5分の遅れが出た。桂署は、何者かが自転車を投げ入れたとみて調べている。(朝日新聞)
■JR西日本 来月から シルバーシート→優先座席 困った時 譲り、譲られましょう 増設 「高齢者専用」イメージを一新
 JR西日本は26日までに、高齢者や身体障害者を対象に設置している「シルバーシート」の名称を「優先座席」と変更し、座席数も大幅に増やすことを決めた。8月1日から車内のステッカーを張り替える。
 シルバーシートは1973年に旧国鉄が中央線で初めて設置。大阪地区では75年に導入されたが、「シルバー」の語感から「高齢者専用」のイメージが強かった。同社は名称変更により、けがで松葉づえを使っている人や妊婦など、席を譲る対象をハンディキャップのある人全体に広げたい意向だ。
 JR東日本は97年に、同様の名称変更をしている。
 現在のシルバーシートは先頭車両と最後部車両に設置しているが、8月以降は全車両に優先座席を導入する。各車両の前方部に3−8席分を設ける予定という。
 関西地区では今春、阪急電鉄などが「全座席を優先席として譲り合ってもらおう」との発想で、優先座席制度そのものを撤廃しているが、JR西日本は「現時点では考えていない。もちろん、みなさんが譲り合うのが理想」と話している。(京都新聞 夕刊)
■JR西日本 検査期限切れ車輛運行 北陸線特急 6両、26日間
 JR西日本金沢支社が今年4月から5月にかけて、北陸線の特急列車で、定期検査の期間が過ぎた旅客車両を運行させていたことがわかった。合わせて6両が、運輸省令の鉄道運転規則で定められた期間を最長で26日間超えていた。ブレーキなど消耗品の点検も検査対象に含まれており、中部運輸局は文書で警告するとともに、同支社の車両検査態勢を調査した。
 北陸線の金沢−米原駅を走る特急加越5号と同7号、同14号の客車計6両で、黄金週間など繁忙期に増結用として使われた。車両の検査日程を管理する社員が5月中旬、福井駅近くを走行中の加越7号の客車2両が検査期限切れの状態で運行されていたのを見つけた。同列車はそのまま終点の金沢駅まで運行。さらに、金沢駅を出発直前の加越14号にも同様の車両が見つかり、乗客を降ろしてこの車両を入れ替えた。
 金沢支社が全車両を調べたところ、これら6両について4月20日から5月15日にかけて、26−3日間の期限切れが見つかった。5月だけで延べ22日間、期限切れのまま運行されていた。
 中部運輸局は5月18日、金沢支社に文書で警告。車両検査をする金沢総合車両所運用研修センターなど3ヵ所を調査し、車両の保守管理などを徹底するよう指示した。同運輸局鉄道部は「定期検査の期限を過ぎての運行は聞いたことがない。JR西日本からは車両管理システムの改善などについて報告を受けた。今後はその実施状況をチェックしていきたい」としている。
 定期検査の周期は、運輸省令の鉄道運転規則によって3ヵ月と定められ、繁忙期に使われる増結用の車両などでは、使用を休止した日数に基づいて最長2ヵ月の検査猶予期間がある。
 金沢支社総務企画課は「社員のミスで検査切れ車両を運行したのは事実だが、定期検査は機能の確認をするものであり、仕業点検もしているので、ただちに重大な事故につながるわけではない」としている。(朝日新聞 夕刊)
■今日的遺跡探検 1982 青春18きっぷ 気軽さ、安さ、若者とらえる
 「青春のびのび18」は、「国鉄離れ」でがら空きだった普通列車を逆手にとった切符だ。企画したのは国鉄旅客局営業課長補佐だった佐藤民生さん(56)。その長いネーミングには「窓が開き、駅弁も買えて、地元の人とも触れ合えるローカル列車に乗ることで、受験戦争や管理社会を生きる青年がのんびりした時間を見つめ直すきっかけになれば」との思いを込めた。
 知名度がなかったことから、初回の発売は佐藤さんの記憶で「6000枚ほど」。だが数年後には、全国で「車内改札したら過半数が『青春18』客だった」と車掌がこぼす列車が続出。東京駅でも「23時25分発の岐阜・大垣行き夜行を待つ『青春18』族が夕方4時ごろからホームにあふれた」と同駅長だった百瀬茂さん(70)は振り返る。
 若者たちの「青春18」の旅に欠かせなかったのが、全国8区間に15本走っていた普通夜行列車だ。関西からは2日半かけて北海道へ行くコースが人気を呼んだ。夕方に大阪を出発し、大垣から夜行で東京着。2日目に上野から青森へ。青函連絡船の深夜便で津軽海峡を渡り、3日目に函館から札幌へたどり着く。航空機利用で3万7000円かかった同区間が「青春18」の3日分、4800円で行けた。
 ところで、「青春18」を使って大津−神戸、大阪−姫路など片道約70`以上の区間を日帰りで往復すると、普通に切符を買うより安あがりになる。若者たちの旅を支えた普通夜行列車が3区間5本に減った現在、この切符の利用者も、中高年や主婦へと広がりを見せている。
 大阪府吹田市の会社員坂本衛さん(64)は、国土地理院発行の地図で温泉印を見つけては「青春18」を片手に約80回も「日帰り秘場巡り」を繰り返している。「行ったのは、片道5、6時間で着ける岡山の新見千尾温泉、和歌山の上小野温泉、静岡の笹間渡温泉などガイドブックに載っていない温泉ばかり。『青春18』で交通費を節約できたおかげで随分楽しめた」と笑う。(三木 淳)
 青春18きっぷ 81年秋から発売、初年度33億円を売り上げたグリーン車乗り放題「フルムーン夫婦グリーンパス」の成功を受けて若者向けに企画された。84年夏には1日券5枚で1万円に値上げ。現在は5日間有効の一枚切符を春、夏、冬の3回、11500円で発売。JR本州3社管内だけで年間約65万枚を売り上げる。(朝日新聞 夕刊)
27日■臨時花火列車を61本 京滋の5大会へ増発 JR西日本
 JR西日本は26日、「びわ湖大花火大会」や宇治川花火大会など、8月に京滋で開催される5つの花火大会に合わせて、計61本の臨時列車増発やダイヤ変更する、と発表した。
 大津市の「びわ湖大花火大会」(8日)では、琵琶湖線で昨年より6本増の計44本の臨時列車を運転。午後5時−11時の間、大津駅から京都方面へほぼ6分間隔、草津方面へ5分間隔となる。湖西線では計11本増発する。
 長浜市の長浜大花火大会(5日)では、北陸線で今回、初めて臨時列車を2本運転。大会開始前の午後6時台に近江塩津方面から長浜へ1本、終了時間帯の同9時台に近江塩津方面へ1本増やす。
 亀岡市の亀岡平和祭花火大会(7日)と、船井郡八木町の「やぎ花火大会」(14日)では、嵯峨野線で、午後9、10時台に京都行きを各1本増発。このほか、宇治市の「宇治川花火大会」(10日)では、奈良線で午後6時−11時の間、ダイヤを変更して15分間隔で京都、奈良方面へ運転する。(京都新聞)
■JR北陸線の6車両 定期検査期限過ぎる 中部運輸局が警告
 JR西日本金沢支社が今年のゴールデンウイークを中心に北陸線の特急に増結した車両の中に、定期検査期限を過ぎた車両が6両あったことが、26日までに分かった。報告を受けた中部運輸局鉄道部は、保守管理の徹底など再発防止策を取るよう同支社に文書で警告した。
 定期検査は運輸省令の鉄道運転規則で3ヵ月ごとの実施が義務付けられており、電気系統やブレーキ性能を点検している。同支社によると、期限切れが分かったのは、北陸線の米原−金沢間を走る特急加越3本に多客期用として2両ずつ増結した計6両で、最高26日検査期限を過ぎていた。
 5月15日、次の車両計画を立てていた社員が検査期限が過ぎている車両があることに気付き、金沢駅を発車寸前だった米原行き列車については、いったん乗客に降りてもらい車両を交換したという。(京都新聞)
■京都バス 客をドアに題挟む 左京 25b走行、けがさす
 27日午前11時ごろ、京都市左京区岩倉三宅町のバス停で、左京区上高野池ノ内町、伊藤ふみえさん(79)が国際会館行きの京都バス=山本篤史運転手(25)=から降りた際、前部降車口のドアに左手を挟まれた。バスはそのまま発車し、伊藤さんはバスに約25b引きずられて、左手の骨を折るなどの大けがをした。
 下鴨署は、業務上過失傷害の疑いで、山本運転手から事情を聴いている。調べでは、山本運転手は後続のタクシーなどのクラクションやパッシングで、ようやく伊藤さんに気づいて停車した、という。
 京都バス高野営業所の高崎努所長(50)は「運転手の不注意でこんなことになり、けがをした方をはじめ、多くのお客さまにご迷惑をおかけして、大変申し訳ない。原因を把握し、二度と起きないように指導を徹底したい」と話している。
 同様の事故では、1997年6月、左京区の川端通で市バスが乗車しようとした女性の手をドアに挟んだまま約40b走行し、胸の骨にひびが入るなどのけがを負わせた事故があった。
 現場は、叡山電鉄鞍馬線八幡前駅の南東約50bの府道。(京都新聞 夕刊)
28日■山陽新幹線トンネル 301区画で異常音 検査終了 7割が広島−博多間
 JR西日本は27日、山陽新幹線トンネル壁崩落事故を受けた同線トンネル内壁のコンクリート接合不良部「コールドジョイント」周辺の打音検査を同日までに終了。93トンネルで発見されたコールドジョイント2049区画(ブロック)のうち14.7%に当たる301区画で、亀裂など内部が劣化している可能性を示す濁った異常音がしたことを明らかにした。
 JR西日本は、異常音が確認された区画のうち、約28%に当たる83区画について、はく落防止のため鉄材をあてがって補強する措置を終えたことも明らかにした。8月10日までに残る区画もすべて補強する方針。
 異常音がした区画の内訳を主要駅間別でみると、広島−博多間が205区画と68%を占めており、岡山−広島間が24%、新大阪−岡山間が8%。
 支社別では、広島支社が83%に当たる250区画と最多で、トンネル延長に対する異常音の確認率も1`当たり1.7区画と突出している。神戸支社は23区画、岡山、福岡両支社はともに14区画だった。トンネル別では、新岩国−徳山間の周東トンネル(山口県)の20区画で異常音が確認されたのが最多で、次いで同区間の新欽明路トンネル(同)の19区画。
 トンネル内壁の1区画は縦約5b、横約12−15b。同一区画で複数の異常音が確認された例もあり、濁った音がした個所の総数は377ヵ所に上った。同社は、検査が97%終了した時点で401ヵ所と数えていたが「ダブルカウントした個所があった」として下方修正した。
 トンネル壁崩落事故は6月27日、福岡トンネルで発生し、約200`のコンクリート塊がトンネル天井部の内壁から落下。走行中のひかりを直撃して屋根を大破した。
・禍根残さぬよう対策
 桜井紘一・JR西日本鉄道本部長の話 コールドジョイントや異常音個所は、ないに越したことはなく本当に残念。将来に禍根を残さぬよう必要な対策を実施したい。異常音個所が岡山以西に集中しているのは、(材料や技術者が不足した1970年代の)建設状況も一因との印象も受けるが、当時のことを知らないので軽々には言えない。異常音がコールドジョイント自体からくる音なのか、それ以外の亀裂などが原因なのか、今後詳しく調べたい。(京都新聞)
■愛知万博にリニア 世界初「浮上式」実用化へ 機種選定委答申
 2005年に開かれる愛知万博の鉄道系アクセスになる東部丘陵線について愛知県の「機種選定委員会」(委員長・河上省吾名古屋大大学院教授)は27日、「中部エイチ・エス・エス・ティ開発」(本社名古屋市)が実用化に向け研究開発を進めてきた常電導磁気浮上式リニアモーターカー(HSST)の導入が適当とする答申を同県に出した。
 同機種は現在、国の補助事業の対象となっていないなど、資金計画の面で解決すべき課題が残るが、導入されれば公共交通機関に本格的な浮上式のリニアを採用する世界初の例となる。
 選定委員会はHSSTのほか、東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)などに導入されている新交通システムや東京都立川市の多摩都市モノレール線に使われているモノレールについても検討したが、急こう配への適応性やスピード面でHSSTが優位にあると評価した。
 東部丘陵線は名古屋市名東区の地下鉄藤ケ丘駅と愛知県豊田市の愛知環状鉄道八草駅の間8.9`を結ぶ中規模都市交通。愛知県は来年初めに運営主体の第三セクターを設立させた上で、2001年度の本格着工を目指している。経常経費を除く総事業費は約1000億円と見込んでいる。
 HSSTは電磁石の吸引力を利用して浮上する仕組みの新世代の交通システムで、騒音や振動が少ないのが特徴。山梨県で走行実験されている超電導技術を利用したJR方式が長距離輸送を目指しているのに対し、HSSTは都市近郊輸送向きとされている。(京都新聞)
■山陽新幹線トンネル  377ヵ所を補強へ 異常音点検終了 問題個所増える
 JR西日本は27日、山陽新幹線のすべてのトンネルの緊急点検を終え、「コールドジョイント」と呼ばれる施工不良個所が見つかった62本のトンネルで、377ヵ所からコンクリート劣化の可能性のある異常音を確認した、と発表した。すぐにはがれ落ちる危険性は低いとしているが、お盆の繁忙期を控えた8月10日までに、すべての異常音の個所について補強工事を終える計画だ。今後は、鉄道総合技術研究所(JR総研、東京都)や運輸省などと共同で、福岡トンネルでの落下事故の原因追及と新しい補強・点検方法の開発を進める。一方、JR東海とJR東日本は東海道、東北、上越、長野の各新幹線でも全トンネルで緊急点検を進めており、現在ほぼ終了した段階で、異常音個所はゼロから数ヵ所程度という。
 JR西日本は、山陽新幹線の小倉−博多間の福岡トンネル(福岡県久山町)内を走行中のひかりに計200`のコンクリート塊が直撃した事故を受け、計142本のすべてのトンネル(延長計約280`)について緊急点検していた。
 このうちの93本から2049ヵ所のコールドジョイントを見つけ、その部分についてハンマーでたたく打音検査を実施した結果、62本のトンネルで、377ヵ所からコンクリート劣化の可能性のある異常音を確認したという。
山陽新幹線トンネル内の異常音個所の分布
区 間異常音
個所数
異常音のあっ
たトンネル数
新大阪−岡 山36ヵ所4本( 31本)
岡 山−広 島85ヵ所18本( 39本)
広 島−博 多256ヵ所40本( 72本)
 計377ヵ所62本(142本)
〈カッコ内は各区間の全トンネル数〉
 岡山−博多間に集中しており、58本のトンネルから全体の約90%にあたる341ヵ所で異常音が見つかった。1`当たりの異常音の個所数が最も多かったのは、山口県内の新岩国−徳山間の周東トンネル。岡山以西に集中した理由について、JRは建設時の施工方法やコンクリートの品質に問題があった可能性を指摘している。今後、サンプルを採取したり、施工業者に事情を聴いたりするなどして劣化の進行程度などを詳しく調べる。
 JR側は、いずれも表面に亀裂などは見られないため、当面、落下の危険性は低いとしている。しかし、すべての異常音個所について、L字形の鉄材の金具を周辺に埋め込んで壁面を固定する補強をすでに始めており、8月10日までに終わらせる方針。
 JR西日本はこれまで、異常音の個所数について、コールドジョイントの区画ごとに見つかった数を発表していたが、さらに詳しく調べた結果、一つのコールドジョイントに複数の異常音の個所があることなどから、これまでの発表数字より増えたと説明している。
・当時の施工状況調査
 桜井紘一・JR西日本鉄道本部長の話 377という数は、コールドジョイント面の接合が不十分なために出た音か、それ以外の劣化による音なのかが区別できず、現段階で多いか少ないかは評価できない。ただ、山陽新幹線のトンネルの現状は理解できた。建設から30年という時の壁もあるが、当時の施工状況なども調べるとともに、将来に禍根を残さないように、現在のコンクリート構造物を将来とも健全な状態で維持したい。(朝日新聞)
29日■窓 湖西線の安全点検怠らずに 安曇川町・中野 博文(会社員・57)
 山陽新幹線の福岡トンネル内でコンクリート塊が崩落、走行中の「ひかり」の屋根を直撃したが、天井のめくれ上がった状況から乗客にけががなかったのは幸いである。スピード化にしのぎを削るJR技術陣への大いなる警鐘だったと思う。
 広島、岡山両県内の新幹線トンネル内で異常音を発する個所(コールドジョイント)が多く見つかった。山陽新幹線と同時期に建設され、開業25周年を迎えた湖西線もまた、トンネルの多い路線として23本中13ヵ所のトンネルを重点に緊急点検に入ったと、報道されている。
 湖西線では、コンクリートの崩落は現在まで発生していないが、特急列車の増発、スピードアップに伴って今後、崩落事故がないとは言い切れない。事故発生を未然に防止する観点から▽スピード抑制▽定期的な安全点検の実施▽危険個所の緊急補修など、安全運転が図られるよう、一層の努力を関係各位に望みたい。(京都新聞)
■山陽新幹線 震災で倒壊、再利用橋げた 復旧後、コンクリ劣化か JR 全8ヵ所調査へ
 山陽新幹線の高架橋からコンクリート片が相次いで落下している問題で、阪神大震災で倒壊し、再利用して復旧させた新大阪−新神戸間の高架橋の橋げたで、コンクリート劣化が一層進んでいる疑いの強いことが28日、JR西日本などの調べで分かった。震災復旧工事で、倒壊した橋げたは強度上問題ないとされ、再利用されたが、倒壊しなかった橋げたと比べ、鉄筋の腐食が進行しており、劣化につながった可能性が高いという。JRはすぐに橋げたの崩壊やコンクリート片の落下につながる恐れは低いとみている。山陽新幹線では、震災の際、新大阪−西明石間の計8ヵ所で高架橋の橋げたが落ちたが、ほとんどで落ちた橋げたを再利用しており、サンプルを採取するなどし劣化状況を詳しく調べる方針だ。
 JR西日本は、福岡トンネルの事故後、高架橋からのコンクリート片落下が相次いだため、すべての高架橋で緊急点検していた。
 同社によると、兵庫県尼崎市食満六丁目の住宅街を横切る山陽新幹線「下食満高架橋」は1995年1月の阪神大震災で橋脚の一部が崩れて倒壊。約60bと、約65bにわたり、計2ヵ所で、高さ約10bから橋げたが落ちた。復旧にあたり、鉄筋コンクリート製の橋げたに損傷が少なく、コンクリートも強度試験の結果、問題ないとされ、あらためて建設し直す必要はないと判断。落ちた橋げたをジャッキアップさせ、耐震補強した新しい橋脚にのせて再利用したという。
 同高架橋の橋げたは、ほとんどの部分で「ライニング工法」とよばれる劣化の進行をくい止める補修工事が施されている。しかし、震災で落ちた橋げたの下面には補修工事で灰色に塗装された表面のあちこちから、数a大の赤茶色の染みが斑点状ににじみ出ており、染みが線上に連なっている個所もある。染みの近くには小さな亀裂なども点在。同じ高架橋でも震災で落ちなかった橋げたには、染みはほとんど見られない。
 劣化は、空気中の二酸化炭素がコンクリート中のアルカリ成分を中和させて鉄をさびやすくさせる「中性化現象」が主な原因とみられる。JRは、落ちた橋げたが88−91年にかけて補修されたが、再び、内部の鉄筋がさび、雨水などを通じてさびが表面までにじみ出ている可能性が高いとみている。震災から4年半余りたつが、落ちた橋げたのコンクリート内部の劣化調査はしておらず、落下で破損した個所の補修が不十分だったのか、震災前の補修の効果が薄まったのか原因は分からないという。
・不十分ほ補修の疑い
 山陽新幹線の高架橋の劣化状況を調べている大阪工業大の二村誠二講師(建築材料学)の話 コンクリートが落下の衝撃を受ければ、部分的に力が加わって強度が落ちたり、断面が欠けたりする。近くの伊丹市の高架橋では震災で橋げたが完全に破壊され、内部の鉄筋も激しくさびていた。復旧を急ぐあまり、落下に伴う補修が不十分だった疑いがある。赤茶色の染みは鉄筋のさびが進行状態に入ったことを示すシグナルで、放置したら劣化はどんどん進むため補修などの対策を急ぐべきだ。(朝日新聞)
■踏切上がらず4時間「あかん バス降りる」奈良のJR関西線、2ヵ所
 28日午後7時35分ごろ、奈良市法蓮町のJR関西線の一条通踏切(警報機、遮断機つき)で「遮断機が下りたまま上がらず、警報機が鳴りっ放しになっている」と通行人から110番通報があった。約180b北西の同線不退寺踏切(警報機、遮断機付き)でも同様に警報機が鳴り、遮断機が下りたままになった。午後11時50分ごろ手動で遮断機を上げた。JR西日本は電気系統の故障とみて調べているが、原因は不明で復旧の見通しは立っていないという。同線の電車はダイヤ通り運行されている。
 一条通踏切は交通量の多い県道を遮断する形になっており、奈良署員が近くの交差点で交通整理に当たって車をう回させたが、同踏切の前には最大約800bの渋滞ができた。同踏切の両側で計8台の奈良交通の路線バスが遮断機が下りた時点から深夜まで立ち往生した。バスには計約100人の客が乗っていたが、午後8時すぎまでに全員あきらめて降りたという。
 奈良交通平城営業所は「どのバスも、う回路を通ると5`以上遠回りになるうえ、停留所を5、6ヵ所とばしてしまうことになる。現場で方向転換もできず、JR側はすぐ点検するというので、復旧も早いと思った」と説明している。
 立ち往生した路線バスは、一条通踏切の西側に3台、東側に5台。西側でとまっていたJR奈良駅行きバスの運転手(37)は「15分ほど待って、『遮断機が故障したようです』と車内にマイクで説明し、8人いたお客さんに降りてもらった。会社から指示がないとバスは引き返すことができない」と困惑していた。
 不退寺踏切の方は交通量が比較的少なく、大きな混乱はなかった。
 JR西日本によると、各踏切の近くには「踏切保安装置」が設置されており、線路上で電車の接近を感知すると、その情報が電気回路を通じて同装置まで送られ、遮断機が下り、警報機が鳴るシステムになっている。今回の場合、同装置内の電気回路の一部が断線したか、線路上から伸びている回路が途中で断線したなどの疑いがもたれており、安全を碓保するためにフェイルセーフが働き、遮断機が下りたままになった可能性があるとみている。午前零時現在、復旧の見通しはたっていない。
 JRは、事故発生直後から大和路線電気区(奈良市)と大和路線保線区(奈良県王寺町)から電気、保線系統の社員計9人を現場に派遣し、復旧作業と原因の究明につとめている。(朝日新聞)
■山陽新幹線のトンネル異常音 7割で内部劣化?
 JR西日本は28日、「コールドジョイント」と呼ばれる施工不良個所が見つかった山陽新幹線の62本のトンネルから、異常音が確認された377ヵ所の約7割で、コンクリート内部が劣化している可能性が高いと発表した。
 同社によると、コールドジョイント面の継ぎ目から長さ20a以上の範囲で異常音が聞かれたのは、全体の7割を占めた。このうちの5ヵ所が最長2bの範囲にわたっていた。JRはこれまで、異常音についてコールドジョイント面の接合が不十分なために出た音か、それ以外の劣化による音なのか区別できないとしていたが、20a以上の範囲にわたる場合、内部劣化の進んでいる可能性が高いとみている。今後、範囲の広い個所を重点的に劣化状況を詳しく調べるという。(朝日新聞)
■内壁補強工事 報道陣に公開 広島の大竹トンネル
 山陽新幹線トンネル壁崩落事故を受け、トンネル内壁のコンクリート接合不良部「コールドジョイント」周辺で、劣化の可能性を示す異常音が確認された個所の補強工事を続けているJR西日本は29日未明、広島県大竹市の大竹トンネル(長さ約4.9`)で、工事の模様を報道陣に公開した。この日は、同トンネル東側入り口から約500bの上り線側で、作業員8人が代わる代わる高さ約5bの足場に乗り、壁面にドリルで穴を開けて樹脂を注入。縦20a強、横約3bの幅の異常音個所を覆うように、L字形断面の鉄材(長さ約2b)5本を約70a間隔で壁面にあてがいアンカーボルトを打ち込んだ。
 コールドジョイントの上下区画を”縫合”する格好となり、同社広島支社の土肥弘明施設課長は「10−20年は、はく落の危険はない」と話していた。(京都新聞 夕刊)
■「開かずの踏み切り」…7時間半 バス立ち往生 乗客徒歩で帰宅 ネズミ原因 信号が故障 奈良市のJR関西線
 28日午後7時半ごろ、奈良市法蓮町にあるJR関西線の一条通と不退寺の2つの踏切で、それぞれ遮断機が下がって警報機が鳴りっぱなしになり、29日午前3時10分に復旧するまで約7時間半、故障の状態が続いた。
 通行人の通報で奈良署員が駆け付け、付近の交通整理に当たったが、一条通踏切(幅約14b)は幹線道路で交通量も多く渋滞。路線バス6台が現場付近に約3時間以上足止めとなり、ドライバーらはしびれを切らして次々にう回した。
 JR西日本の29日の調べで、遮断機を制御する信号ケーブルにネズミがかじった跡があったことから、同社はネズミが原因と断定した。
 2つの踏切がある区間は、JR奈良線の電車も乗り入れており、夜間でも約5分おきに電車が通る。28日午後11時50分以降、現地の係員が安全確認の上、電車が通過しない時だけ、手動で遮断機を上げた。
 踏切直前で止まっていた路線バスの運転手(59)は「乗客は30分とたたないうちにバスを降りて徒歩で帰っていった」と、あきれ顔だった。(京都新聞 夕刊)
■関西線踏切が復旧 制御ケーブル 小動物が切断
 28日夜、遮断機が下りたまま上がらず、路線バス8台などが深夜まで立ち往生した奈良市法蓮町のJR関西線の踏切2ヵ所は、29日午前3時10分に復旧した。電車が踏切に接近したことを伝える地下の踏切制御ケーブルがネズミのような小動物にかじられ、断線したのが原因という。JR西日本は新しいケーブルに取り換え、同日朝の通勤客らに影響はなかった。
 同社によると、線路わきにある「踏切制御子」が電車の接近を感知し、その情報が線路下に埋設された踏切制御ケーブルを通って、踏切のそばにある「踏切安全装置」へ送られ、遮断機が下り、警報機が鳴る。今回は、遮断機が下りて警報機が鳴りっぱなしになった一条通踏切(警報機、遮断機付き)の北約1`の線路わきに埋設されていたケーブルの一部に、ネズミとみられる小動物にかじられた跡が見つかったという。(朝日新聞 夕刊)
■ロシア版ひかり号
 サンクトペテルブルクとモスクワなどを結ぶロシア初の超特急列車「ソコル」が28日、お目見えした。最高時速350`を誇るが、線路事情が悪く実際は多くの路線では200`でしか走れない=AP(朝日新聞 夕刊)
30日■コールドジョイント 東海道新幹線 35ヵ所を確認
 JR東海は29日、東海道新幹線(東京−新大阪間)のすべてのトンネルの緊急点検を終え、20本のトンネルから「コールドジョイント」と呼ばれる施工不良個所が35ヵ所見つかった、と発表した。いずれも表面に亀裂などはなく、コンクリート劣化の可能性のある異常音も確認されなかった。同社は「安全上の問題はない」としているが、点検を強化するなど監視を続ける方針だ。
 東海道新幹線には計66本(延長計69`)のトンネルがあり、7月4日−28日に点検を実施した。ハンマーでたたいて異常音がないことを確認。同社は、現段階で補修・補強の必要はないとしているが、2年に1回だった点検を4ヵ月に1回に増やすなど点検を強化、定期的にコールドジョイントの監視を続ける。(朝日新聞)
■欄干継ぎ目材 一部が落下 山陽新幹線高架橋
 29日午後5時40分ごろ、兵庫県加古川市別府町新野辺町の山陽新幹線西明石−姫路間の第二新野辺高架橋の下り線で、付近の住民から「橋げたから黒っぽいものが落ちてきた」との通報が、JR姫路駅にあった。JR西日本神戸支社が調べたところ、地上から高さ約10bの橋げたの欄干から「伸縮目地材」と呼ばれるアスファルトの一部(長さ約4a、幅約8a、厚さ約1.5a、重さ約30c)が落ちていた。下は歩道だったが、けが人はいないという。同社は応急処置をとり、落下の原因を調べている。(朝日新聞)
■下りた遮断機に市バス突っ込む 叡山電鉄一乗寺踏切
 30日午前9時40分ごろ、京都市左京区北泉通東大路東入ル、叡山電鉄一乗寺2号踏切で、四条大宮行き市バス=中村行光運転手(50)=が、踏切内に進入したところ、遮断機が下り、市バスの屋根に当たって折れた。市バスはすぐにバックして踏切から出たが、近づいてきた電車が一時、現場周辺で徐行運転した。市バスの乗客25人にけがはなかった。
 下鴨署は、市バスが警報機が鳴っているのに無理に踏切内に進入したのではないかとみて中村運転手から詳しく事情を聴いている。
 市交通局の前田文男営業課長は「乗客のみなさまをはじめ、叡山電鉄の方にもご迷惑をおかけし、誠に申し訳ない」と話している。
 現場は、叡山電鉄一乗寺駅の北約200b。(京都新聞 夕刊)
31日■「コンクリート片 まず落ちません」 JR西日本 在来線を緊急点検
 相次ぐ山陽新幹線の高架橋のコンクリート片の落下事故を受け、JR西日本は29日、在来線の高架橋で実施した落下防止の緊急点検結果を発表した。
 点検は、今月7日から19日まで、福岡支社を除く高架橋のある9支社で実施。高架下が歩道や車道、公園などに利用されている207万平方bを対象にした。
 その結果、ハンマーで表面をはつり落とした総面積は482平方bで、点検対象面積比で0.023%だった。支社別では、山陽新幹線の緊急点検での0.06%を上回ったのが、最高の和歌山支社の0.087%と、大阪、神戸の3支社。高架橋の建設時期が昭和初期のものもあるという。
 京都支社管内は、点検対象面積が110万平方bで最も広く、嵯峨野線や湖西線で計136平方bをはつり落とした。点検面積比では0.012%で、9支社中、6番目だった。福知山支社管内は、播但線や舞鶴線など6万平方b中、14平方bを落とし、点検面積比では4番目の0.022%。
 JR西日本は「当面、公園や車道などにコンクリート片が落下する恐れはない」とし、コンクリート劣化の原因を調べ、年度内に補修を終える。(京都新聞)
■JR舞鶴線 10月2日、電化開業 京都−東舞鶴に直通特急
 JR西日本福知山支社は30日、電化・高速化工事の進む舞鶴線(綾部−東舞鶴間26.4`)について、電化の開業日と電化に伴うダイヤ改正の内容を発表した。開業日は全国的にダイヤ改正が行われる10月2日で、京都−東舞鶴間に直通特急が走り、最速1時間29分で運転される。
 京都−東舞鶴間では現在、1つ手前の西舞鶴までディーゼル列車の特急が上下4本走り、東舞鶴までは普通に乗り換えている。
 電化によって、特急は新設の「まいづる」6本と「タンゴディスカバリー」4本の合わせて上下10本が走る。直通特急ができることで、京都−東舞鶴間は現在、平均1時間47分かかっているのが、最速で1時間29分、平均で1時間35分に短縮される。
 また普通列車も、現行の福知山−東舞鶴間で、最速の49分が39分に、綾部−福知山間で34分が25分と、10分前後早くなる。
 JR舞鶴線の電化・高速化工事は97年10月から始まり、電車による試運転も終えている。(京都新聞)
■のぞみ、全部新型に JRがダイヤ改正
 JR旅客各社は30日、今年10月2日と12月4日に実施するダイヤ改正計画を発表した。
 東海道・山陽新幹線は、今年3月にデビューした「700系」を10月から増強。東京−博多間を結ぶ「のぞみ」上下27本のうち、3本残っていた「300系」がすべて700系に置き換わり、同区間は新型車両の700系か500系になる。
 東京−秋田間の秋田新幹線こまちは、東京−盛岡間で連結しているやまびこが12月からすべて最高時速275`のE2系になるため、平均所要時間が今の4時間8分から約4分短縮される。(京都新聞)
■JR京都−園部間が開通100年 切符や駅名板展示 園部文化博物館 きょうから企画展 嵯峨野線はじめ日本全国 鉄道の歴史たどる
 JR山陰線の京都−園部間(愛称・嵯峨野線)が8月15日で開通してちょうど100年となるのを機会に、船井郡園部町の園部文化博物館は開通100周年記念の企画展「鉄道への旅」を31日から開催する。
 同企画展では、過去に同区間で使われた切符や古い駅名板、運行を支えた道具や沿線の写真など約200点を展示。解説パネルや模型なども使い、嵯峨野線や日本の鉄道の歴史をたどる。
 また会場の一角では、電車運転ゲームの体験ができるほか、毎週土・日曜には鉄道模型運転会が行われ、子どもから大人まで、だれでも楽しめるようになっている。
 8月8日には博物館に隣接する園部国際交流会館で午後2時から、京都学園大の西藤二郎教授が「鉄道に夢を馳(は)せた人々」のテーマで講演する。
 同展は9月5日まで。月曜休館。開館は午前9時半から午後5時まで。入館料は大人300円、学生200円、小人100円(8月29日は2割引き)。問い合わせは同博物館缶0771(63)2982。(京都新聞)
■京阪淀駅周辺を高架化 府都計審が12議案承認
 府都市計画地方審議会が30日、京都市内で開かれ、京阪淀駅(伏見区)の高架化や、国道9号(千代原口−葛野大路間)の主要交差点立体化など、12議案を原案通り承認した。
 計画によると、京阪淀駅周辺の約1.5`区間を高架化し、3ヵ所の踏切をなくすことで渋滞緩和をはかる。現在の駅も北へ約280b移し、北側に駅前広場をつくる。今年度中に用地買収にかかり、2006年春の完成を目指す。
 国道9号の立体交差化計画では、西京区の御陵谷町−桂乾町の交差点区間(約1`)の上下1車線ずつを地下に走らせることで千代原口交差点を立体化。また、右京区の桂川・西大橋東詰−葛野大路交差点区間(約1.1`)では、葛野大路交差点を地下化することなどで、国道9号の朝夕の慢性的な渋滞を解消する。
 このほか、綾部インターチェンジ東側で綾部市が造成を進める「綾部市住宅・工業団地地区」(約54.2f)で、建ペい率などの細かい規制を決定した。(朝日新聞)
■東京−博多間のぞみ すべてが新型車両に
 JR西日本とJR東海は30日、東海道・山陽新幹線を中心にしたダイヤ改定を10月2日から実施する、と発表した。東京−博多間を結ぶすべての「のぞみ」が新型車両700系と500系に置き換わることになり、一部の列車で所要時間が7分短縮する。
 また、京都府内を走る舞鶴線の綾部−東舞鶴間(26.4`)が電化され、京都−東舞鶴間に特急「まいづる」が新登場。1日3往復走り、所要時間が平均12分短縮する。(朝日新聞)
■男性飛び込み 7本が運休 大阪環状線
 31日午前8時ごろ、大阪市天王寺区玉造元町のJR玉造駅で、駅構内に入ってきた大阪環状線の外回り普通電車(8両編成)にホームにいた男性が飛び込んだ。運転士が非常ブレーキをかけたが衝突し、男性はまもなく死亡した。
 JR西日本によると、この事故で7本が運休、10本が5−19分遅れて乗客約3500人に影響した。(朝日新聞 夕刊)