1999(平成11)年4月


1日■JR西日本が控訴 信楽鉄道事故訴訟(京都)
  ■京都市人事 バス民間移管 部長職を新設 市交通局(京都)
  ■ノンステップバス発進(京都)
  ■「スルッと」5社拡大(朝日)
  ■関空「880円バス」開通(朝日)
  ■国鉄清算事業本部 職員の再就職 すべて決まる(朝日)
  ■インドネシアODA事業 手数料4000万円 90年ごろ国税認定 「鉄建」に追徴課税(朝日)
  ■ポイント故障新幹線止まる 15分、新岩国駅近く(朝日)
2日■京都市の人事異動(抜粋)(京都)
3日■湖西線一時ストップ 強風で架線にビニール(朝日)
4日■京都市人事)(抜粋)(朝日)
5日■「均等法」効果も発進 はとバス 初の女性ドライバー(京都)
  ■線路に落ちた同僚救おうと 警官4人はねられ死傷 東京・京王井の頭線(朝日)
6日■初のトロッコジエンヌに3人 嵯峨駅 婚約者と共に審査受ける(朝日)
  ■線路に転落、そこへ電車通過 すき間30a、男性助かる JR山手線(朝日)
  ■復権?お荷物?チンチン電車 岡山では延伸構想 新潟は姿消す 欧米は「優しさ」再評価(朝日)
7日■JR東日本がぴあと提携 駅構内でチケット販売(京都)
  ■地下鉄で喫煙注意され刺す 東京、容疑の男逮捕(京都)
  ■JR西日本 JTB株を東海に売却(朝日)
  ■線路に転落、そこへ電車通過 すき間30a、男性助かる JR山手線(朝日)
9日■窓 空港より重要 新幹線の新駅 彦根市・児玉 征訓(イラストレーター・40)(京都)
10日■新会社設立しバス部門譲渡 カヤ興産(京都)
  ■市バス事故で「右腕不自由」 美容師が賠償訴え 京都地裁(朝日)
  ■ほん 『私の電車主義宣言』 プレジデント社、1600円 永井 英慈氏(61)(衆院神奈川10区・民主) 庶民の息づかい知る場と力説(朝日)
  ■航海 新世紀へ 1910年、阪急の前身「箕電」が開通 運んだ 夢も 遊びも 経済部 多賀谷 克彦(朝日)
  ■路傍の”春”(朝日)
11日■嵯峨野線信号に異常 4本運休、21本遅れる(京都)
  ■阪急電鉄、2001年までに 定期券継続機 沿線の全駅に(朝日)
13日■列車空爆、25人死傷 ユーゴ南部(京都)
  ■モノレール 川に転落 独、3人が死亡(京都)
  ■モノレールが脱線、3人死亡 ドイツ(朝日)
  ■列車誤爆 可能性認める 「橋が標的」とNATO強調 原型とどめぬ車両 ユーゴ国鉄総裁 憤り「10歳の子も…」(京都)
  ■死者10人確認 NATOの列車「誤爆」(朝日)
14日■累積赤字38億円、第3セク苦戦 都市計画縮小バブル崩壊… 利用予測外れる 愛知・小牧市の新交通システム(京都)
  ■JR脅迫男に実刑 京都・大津駅などに「列車転覆させる」 富山地裁支部判決(京都)
  ■山陽線にビニール 列車運休など足乱れ(京都)
  ■瀬戸大橋で強風 JR不通7時間(朝日)
  ■営団地下鉄 深夜の地下鉄に「女性駅員さん」 法改正受け連休明け実施(朝日)
15日■リニア552`、世界最速 有人で実験 実用へ前進(京都)
  ■世界最速「有人リニア」525`(朝日)
  ■「列車爆撃」の瞬間 ミサイル装着のカメラが撮影(朝日)
16日■リニア実用化まだ自信ない 運輸次官(京都)
  ■異常表示で運転規制 JR山陰線(京都)
  ■京阪電鉄 本社社員3000人、半減へ 子会社を8社新設 主業務、すべて移管(朝日)
  ■朝霧の町から名城の町へ 大分・湯布院、竹田の旅 新装特急に美術館車両 岡城跡からの眺望抜群(京都)
17日■被告側、民事訴訟 判決文を証拠申請 信楽鉄道事故刑事訴訟(京都)
  ■「ノーカーデー」支援 割引乗車券 実施企業を対象に販売 近江鉄道来月から(京都)
  ■JR西日本、GW指定席予約 1日と4、5日ピーク(京都)
  ■京田辺市長・市議選 JR駅改築が焦点に ダイオキシン規制問題も(朝日)
  ■JR、連休の予約 下りピークは1日(朝日)
  ■展望列車で南国ムード JR紀勢線串本−新宮間(朝日)
19日■踏切で女性死亡 関西線ダイヤ乱れる(京都)
  ■はねられ女性死亡 京都・加茂、JR関西線(朝日)
  ■小さなバス格安快走中 公共施設と住宅街直結 自治体、民間に運行委託(朝日)
20日■ヨドバシカメラ 大阪駅前開発を推進 複合ビル建設中止せず(朝日)
  ■関西の鉄道 電車とホームに小さな架け橋 車いす用「スロープ板」導入進む 大阪市内の障害者作業所 業者との連携実る(朝日)
21日■信号故障し立ち往生 JR塚口駅で快速電車(朝日)
  ■JR東海道線で遅れ 尼崎駅、運転台に異物(京都)
  ■子ども2人駅に置き去り 七条署、母に逮捕状(京都)
  ■かぎ穴に異物 電車動かせず JR尼崎駅(朝日)
22日■旧国鉄の年金債務 JR西、提訴断念 追加負担問題が決着(京都)
  ■地下鉄東西線京阪乗り入れ 二条駅まで延長要望へ 京都商議所 観光振興に必要(京都)
  ■京都駅 子ども置き去り 容疑の母親逮捕(京都)
23日■地下鉄山科駅で証明書の発行も 京都市、来月10日から(京都)
  ■架線切断され電車6本道休 JR山陽線(朝日)
  ■立山・黒部 スリル紀行 アルペンルート全通(朝日)
24日■痴漢(朝日)
  ■踏切で乗用車脱輪 電車3本が運休 伏見のJR奈良線(京都)
27日■瀬戸大橋線に新幹線導入を 香川知事が表明(京都)
  ■文明開化の美術 ある青年画家の回想 4 木下直之 始めての汽車 ガス灯の明るさに驚く(京都)
  ■窓 電車内の放送必要最低限に 伏見区・飯田 訓也(無職・67)(京都)
  ■JR山陽線 貨物列車と乗用車衝突 姫路、寝台など遅れ(朝日)
28日■京都市バス70周年 ファン2人が路線一覧出版 69系統すべてに乗車、次々新鮮な発見 見事な転換・踏切音(朝日)
  ■梅田−池袋間の夜行バス2社申請(朝日)
29日■長めの休日にワクワク GW 京都駅は静かなスタート 海外旅行増 関空はや出国ラッシュ(京都)
  ■JR幹部がちかん容疑 阪和線、懲戒解雇(朝日)
  ■スカイマーク社、大阪空港乗り入れ 「即戦力」を集めて安全運航 ナニワの空飛ぶ「転職集団」 国内各社、ガルーダ、エジプト航空OBも 元同僚「手ごわい相手」(朝日)
30日■エンジン故障 特急遅れる JR山陰本線(京都)
  ■サウジ鉱山鉄道、計画困難 アラビア石油の権益延長に影響 採算なく、事業化見込めず 通産省は対応苦慮(朝日)



1日■JR西日本が控訴 信楽鉄道事故訴訟
 29日に大阪地裁で言い渡された信楽高原鉄道事故民事訴訟の判決を受け、JR西日本は31日、判決を不服として大阪高裁に控訴した。
 同社は、控訴した理由について、▽判決は、他社線区の運行に関しても高度な注意義務を求めており、鉄道事業者の責任をあいまいにするものである▽判決は、青信号でも列車を停止させることを求めるもので、鉄道事業の大原則にもとる判断である▽信楽駅出発僑号の赤固定は信号システムの設計変更が主原因で、当社は予見できなかった−などとしている。
 国府泰道原告弁護団長は控訴を知り「JRには30日に、謝罪を求める申し入れを行ったばかりで、遺憾に思う。大阪地裁の判決を守り抜くため、今後も闘い続ける決意だ」と話した。(京都新聞)
■京都市人事 バス民間移管 部長職を新設 市交通局
 京都市交通局は1日、部長級5人、課長級12人、課長補佐級20人、係長級44人の計81人の人事異動を発令した。
 経営健全化策の一環として予定している横大路営業所業務の民間バス移管に向けて、自動車部に担当部長職を新設。地下鉄東西線の六地蔵延伸事業では、担当者を増やすなど体制を強化した。
 【部長級】自動車部長(自動車部参事)山本義夫▽同担当部長(企画総務部参事)佐貫眞一▽同・企画総務部担当部長(同総務課長)乾雅晴▽高速鉄道部長(施設部長)大槻雅弘▽施設部長(施設課長)山中治夫(京都新聞 夕刊)
■ノンステップバス発進
 高齢者や体の不自由な人が乗降しやすいように床面を低くした超低床ノンステップバスが、江若バスの県庁前−堅田・唐崎間でこのほど運行を始めた。
 バスは地面から床面までの高さが30aで、従来型に比べ3分の1以下。電動スロープ板も装備して段差をなくすなど、ベビーカーやシルバーカート、車いすを使う利用者にも配慮した『人に優しいバス』。県内で同型バスを運行するのは、帝産湖南交通に次いで2社目で、2台を導入した。外観には、公募によって選ばれた大津市仰木の里の主婦高橋京子さんの滋賀県の四季を彩ったイラストが、華やかに描かれている。(京都新聞 夕刊)
■「スルッと」5社拡大
 1枚のブリペイドカードで複数の交通機関を利用できるシステム「スルッとKANSAI」に1日から、南海、京阪、泉北高速鉄道、和歌山バス、和歌山バス那賀の計5社が新たに加わった。(朝日新聞 夕刊)
■関空「880円バス」開通
 大阪市浪速区の大阪シティエアターミナル(OCAT)と関西空港を片道880円で結ぶ「格安バス」の運転が1日から始まった。日本交通(本社・大阪市)が従来の片道1300円を大幅に値下げした運賃を設定、片道22便を走らせる。期間は4月1日から来年3月31日まで。(朝日新聞 夕刊)
■国鉄清算事業本部 職員の再就職 すべて決まる
 旧国鉄の資産処分を引き継いだ日本鉄道建設公団国鉄清算事業本部は31日、1997年度当初で約1700人いた職員の再就職がすべて決まったと発表した。
 就聴先はJR7社などが926人、民間企業と希望退職が347人、運輸、防衛、大蔵などの省庁や同公団などの公的部門が259人で、定年者は159人だった。(朝日新聞 夕刊)
■インドネシアODA事業 手数料4000万円 90年ごろ国税認定 「鉄建」に追徴課税
 インドネシアで進められた鉄道建設工事の一部を請け負った中堅ゼネコン「鉄建」(東京都千代田区)が1990年ごろ、現地の仲介会社に「手数料」名目で支払った資金約4000万円が、東京国税局から受注に対する謝礼、工作費だったと認定され、追徴課税処分を受けていたことが1日、分かった。日本政府の途上国援助(ODA)事業として実施された建設工事で、日本企業の海外でのリベート商法の一端が、税務調査で裏付けられた。
 鉄建が請け負ったのは、首都ジャカルタ市内を走る中央線の高架化工事。発注者はインドネシア政府で、同社は87年から90年ごろにかけて、一部の工区を計約46億円で受注した。海外経済協力基金(OECF)が事業費を低利で融資する円借款事業として進められている。
 関係者によると、鉄建は受注前に、ジャカルタの鉄道建設会社「ウジンダ」とエージェント(仲介)契約を結び、90年ごろまでにかけて、同社に対して受注額の約2%、総額で約1億円を「仲介手数料」名目で支払ったとされる。
 鉄建はこの「手数料」を非課税の経費(損金)として経理処理していたが、国税局は取引関係が不明朗なウジンダ社への支出であり、実簡は受注のための工作費や謝礼金だった可能性が強いと判断。課税の時効にかからなかった約4000万円について96年3月、税務上の交際費に当たると認定し、重加算税を含め約2000万円を追徴課税した。
 国税当局はこれまで、海外での営業活動が多い大手商社などに対しても、同様のケースで「手数料」名目で経理処理していた場合は、交際費として課税処分している。
 鉄建は資本金約183億円、従業員約2700人。44年に、鉄道工事専門の建設会社として設立され、98年の売上高は約3000億円。ジャカルタ、シンガポール、台北の3ヵ所に海外事務所を置いている。
 鉄建総務部の話 当社としてはウジンダ社との正式な契約にもとづくエージェント・フィー(手数料)と認識しており、国税当局とは見解の相違がある。海外では当社は後発で、地元の方の力を借りて営業をしており、その報酬として手数料を支払っている。手数料の使い道は聞いていない。(朝日新聞 夕刊)
■ポイント故障新幹線止まる 15分、新岩国駅近く
 1日午前7時40分ごろ、山口県岩国市内の山陽新幹線新岩国駅付近で、走行中の広島発博多行き「こだま567号」(4両編成)が、線路のポイントが切り替わらなくなったため同駅から東約3`手前で緊急停車した。JR西日本によると、ポイント内に石が挟まったためとみられ、同列車は乗客約140人を乗せたまま45分間、現場で立ち往生した。このため、上下計9本が45−1分遅れ、乗客計約1400人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
2日■京都市の人事異動(抜粋)
◇交通局◇
 【課長級】企画総務部総務課長(環境局まち美化推進課担当課長)桂豊▽同財務課長(経営推進課担当課長)西居智司▽同研修所担当課長(烏丸営業所副所長)木下嘉造▽自動車部営業課担当課長(営業課長補佐)角田敏昭▽同技術課担当課長・京都地下鉄整備会社派遣(技術課担当課長補佐)紅谷敬一▽同北部自動車運輸長兼烏丸営業所長(南部自動車運輸長兼九案営業所長)伊藤正彦
 同南部自動車運輸長兼九条営業所長(九条営業所長補佐)伊東明夫▽同九条営業所副所長(職員課担当課長)吉村庄一▽同西部自動車運輸長兼梅津営業所長(運輸課長補佐)岡田幸一▽高速鉄道部烏丸線運輸事務所長(東西線運輸事務所長補佐)武田芳彦▽施設部施設課長(施設課長補佐)瀬戸博望▽同電気課担当課長・電力係長(電気課長補佐)近江恒夫
 【課長補佐級】企画総務部財務課担当課長補佐(民生局審査指導課長補佐)池上亮▽同経営推進課担当課長補佐・京都市交通局協力会派遣(運輸課担当係長)佐々木敏雄▽同研修所担当課長補佐(職員課福利厚生係長)石田敬子▽同(研修所担当係長)金原康雄
 自動車部運輸課長補佐・計画係長(運輸課担当係長)城下俊二▽同担当課長補佐(財務課長補佐)山元誠一▽同技術課長補佐・車両係長(技術課車両係長)相田正雄▽同九条営業所長補佐・庶務係長(九条営業所運転係長)村尾昭至▽同海津営業所担当課長補佐(梅津営業所担当係長)岡本敏彦▽同洛西営業所長補佐・整備係長(同所長補佐)堀内健
 高速鉄道部営業課長補佐・営業係長(高速鉄道部営業課営業係長)西尾沿成▽同担当課長補佐・京都市交通事業振興公社派遣(同担当係長)川田正文▽同運輸課課長補佐・運転指令区長(烏丸線運輸事務所担当係長)吉村泰典▽同東西線運輸事務所所長補佐・駅務区長(運輸課担当課長補佐)中井幹雄▽施設部施設課長補佐・建築係長(施設課建築係長)小西博一
 同・軌道係長(施設課醍醐保線区長)寺田隆志▽同高速車両課長補佐・車両係長(高速車両課車両係長)濱井養三▽同電気課長補佐・情報通信係長(電気課情報通信係長)磯田真澄▽建設室担当課長補佐(環境局管理課担当課長補佐)見山敏男▽同建設事務所長補佐・建設第一係長(建設室担当課長補佐)岡本直久
 【係長級】企画総務部職員課福利厚生係長(西賀茂営業所庶務係長)伴泰夫▽同財務課主計第二係長(民生局福祉総務課)西窪一▽同出納係長(高速鉄道部営業課)中根健▽同経営推進課担当係長・京都市交通局協力会派遣(自動車部運輸課)宮川勇▽同研修所担当係長(横大路営業所庶務係長)箕浦勝春
 自動車部営業課営業係長(運輸課計画係長)山口雅直▽同運輸課担当係長(運輸課)土屋義男▽同(西賀茂営業所運転係長)俣野大蔵▽同事業係長(財務課担当係長)中山茂▽同技術課担当係長・京都地下鉄整備会社派遣(洛西営業所整備係長)吉田光仲
 同西賀茂営業所庶務係長(九条営業所担当係長)池田昌▽同運転係長(西賀茂営業所担当係長)前田義徳▽同担当係長(烏丸営業所締林支所)廣頼一昭▽同烏丸営業所庶務係長(同運転係長)山本晏弘▽同運転係長(洛西営業所担当係長)相宗次男▽同担当係長(経営推進課担当係長)樋口康次▽同(研修所担当係長)横田義一▽同横大路営業所庶務係長(烏丸営業所錦林支所)堀河一雄▽同九条営業所運転係長(九条営業所担当係長)高谷義弘▽同担当係長(烏丸営業所担当係長)亀井嘉信▽同梅津営業所整備係長(技術課)吉川享扶▽同洛西営業所庶務係長(車両工場)山川明仁▽同担当係長(九条営業所)灘雅之 高速鉄道部営業課担当係長・京都市交通事業振興公社派遣(電気課担当係長)安藤輝雄▽同・京都高速鉄道会社派遣(研修所担当係長)立花雅彦▽同(施設課)松岡三千男▽同(同)掘元了夫▽同(建設室)西村正則▽同運輸課運輸係長(運輸課運転係長)松浦敬昭▽同担当係長(東西線運輸事務所担当係長)野口安英▽同(烏丸線運輸事務所担当係長)生田嘉之▽同烏丸線運輸事務所駅務区長(運輸課運転指令区長)青山治雄▽同担当係長(烏丸線運輸事務所)宮川康博▽同(同)辻井裕美▽同東西線運輸事務所担当係長(運輸課担当係長)池田敬三
 施設部施設課施設係長(経営推進課担当係長)吉村忠行▽同高速車両課担当係長(高速車両課)遠藤晃一▽同車両工場修車区長(車両工場)臼井豊▽同電気課担当係長(営業課担当係長)伊豆蔵清▽建設室担当係長(建設室)塚下安彦▽同(職員課)吉岡治光▽同(営業課担当係長)前田芳明▽同(同)浜田秀一▽同建設事務所建設第二係長(建設事務所建設係長)小畑博(京都新聞)
3日■湖西線一時ストップ 強風で架線にビニール
 滋賀県内のJR湖西線は2日午後3時40分ごろから、強風のため上下線とも志賀−北小松間で時速30`の徐行運転に入った。午後4時半ごろ、同線の志賀−比良間の上り線の架線にビニールが引っかかっているのが見つかり、上りの運転が一時ストップ。金沢発大阪行き特急「雷鳥28号」(10両編成、乗客約250人)が約45分間、現場に立ち往生した。徐行運転は午後6時半ごろまで続いた。(朝日新聞)
4日■京都市人事)(抜粋)
・交通局
 【部長級】自動車部長(自動車部参事)山本義夫▽同担当部長(企画総務部参事)佐貫眞一▽同兼企画総務部担当部長(総務課長)乾雅晴▽高速鉄道部長(施設部長)大槻雅弘▽施設部長(施設課長)山中治夫
 【課長級】総務課長(環境局まち美化推進課担当課長)桂豊▽財務課長(経営推進課担当課長)西居智司▽研修所担当課長(自動車部烏丸営業所副所長)木下嘉造▽自動車部営業課担当課長(同営業課課長補佐)角田敏昭▽同技術課担当課長=京都地下鉄整備株式会社派遣(同技術課担当課長補佐)紅谷敬一▽同北部自動車運輸長兼烏丸営業所長(同南部自動車運輸長兼九条営業所長)伊藤正彦▽同南部自動車運輸長兼九条営業所長(同九条営業所所長補佐)伊東明夫▽同九条営業所副所長(職員課担当課長)吉村庄一▽同西部自動車運輸長兼梅津営業所長(自動車部運輸課課長補佐)岡田幸一▽高速鉄道部烏丸線運輸事務所長(高速鉄道部東西線運輸事務所所長補佐)武田芳彦▽施設課長(施設課課長補佐)瀬戸博望▽電気課担当課長(電気課課長補佐)近江恒夫(朝日新聞)
5日■「均等法」効果も発進 はとバス 初の女性ドライバー
 皇居や浅草など東京都内の観光名所を回る「はとバス」に、初めての女性ドライバーが入社。5日、東京・日の出ふ頭に停泊中のクルージング船上で入社式が行われた。
 大阪府吹田市出身の野尻由美子さん(28)で、高校を卒業後、トラックやダンプカー、トレーラーなどの運転手を9年間務めるなど、キャリアは豊富。昨年8月にはバスを運転できる「大型二種」の免許を取得、観光バス運転手への転身を希望していたという。
 今年2月、はとバスが今月1日から施行された改正男女雇用均等法などを考慮し、広告に「運転手男女」と明記して募集してあったのを見て応募、合格した。
 3月23日に入社し基礎的な訓練を受けた後、2日には浅草観光コースのバスに初めて乗務し、ハンドルを握った。
 会社側は「ガイドとともに女性らしい細やかなサービスを心がけてほしい」と期待している。
 入社式には野尻さんのほか、男性ドライバーやバスガイドら計97人の新入社員が出席。野尻さんは「子どものころから車の旅が好きで、観光バスの運転手はあこがれだった。安心される運転手を目指したい」と笑顔で話した。
 運輸省によると、女性のバス運転手は1997年度の集計で全国の99社、計317人が活躍している。(京都新聞 夕刊)
■線路に落ちた同僚救おうと 警官4人はねられ死傷 東京・京王井の頭線
 4日午後11時5分ごろ、東京都目黒区駒場三丁目の京王電鉄井の頭線駒場東大前駅で、線路にいた男性4人が渋谷発吉祥寺行き下り普通電車(5両編成)にはねられた。1人が頭を強く打って間もなく死亡し、1人が意識不明の重体、2人が重軽傷を負った。4人は警視庁第三機動隊の隊員で、駒場東大前駅近くの寮に住む。夕方に勤務を終え、ほかの隊員2人と6人で酒を飲んで帰る途中だった。ホームから誤って線路に落ちた2人を、別の2人が助け上げようとして事故に遭ったらしい。
 死亡したのは中村真吾巡査長(27)、意識不明の重体は池田忠史巡査長(25)。篠崎勇介巡査(23)が左足に大けがをし、武井靖典巡査(27)も腰にけがをした。
 警視庁目黒署の調べでは、池田さんがかなり酔っていたため、篠崎さんが肩を貸して2人でホームを歩いていたところ、ふらついて線路に落ちた。2人を助け上げようと、中村さんと武井さんが線路に下りた直後に、電車が駅に入ってきたという。ほかの同僚2人はホームにいた。
 京王電鉄や目黒署によると、電車の運転士が駒場東大前駅手前のカーブに差しかかった際、1人が線路の間に倒れ、2人が線路とホームの間で中腰でいるのを発見した。もう1人はホームとは反対側の線路と広告看坂の間に立っていたという。非常警笛を鳴らしたが間に合わなかった。線路の周辺に4人のものとみられるスニーカーや携帯電話などが散乱していた。(朝日新聞 夕刊)
6日■初のトロッコジエンヌに3人 嵯峨駅 婚約者と共に審査受ける
 嵯峨野トロッコ列車のPR役を務める女性を選ぶ「第1回嵯峨野トロッコジエンヌ・コンテスト」(嵯峨野観光鉄道主催)が4日、右京区のトロッコ嵯峨駅で開かれ、伏見区の大学職員松岡彩さん(26)、宇治市の銀行職員梅景由紀さん(25)、北区の医療センター職員奥田佳美さん(29)の3人が選ばれた。
 コンテストには、近々結婚する女性123人から応募があった。この日はまず、書類審査で絞り込まれた10人が振りそで姿で審査に臨み、参加者らは「新しいことをするのが大好きです」「とにかく元気で明るいです」と自己PR。続いて、婚約者と一緒に審査員の質問にこたえた。
 3人のトロッコジェンヌは7月に京都で開かれる「全国トロッコサミット」が初舞台となる。(朝日新聞)
■線路に転落、そこへ電車通過 すき間30a、男性助かる JR山手線
 5日午後2時20分ごろ、東京都豊島区駒込二丁目のJR山手線の駒込駅で、北区の男性会社員(51)がホームから線路に落ち、レールの間に倒れた。直後に入って来た電車(11両編成)が男性の上を通過したが、男性は右肩に軽いけがをしただけで助かった。車体の底の部分と線路の間の約30aのすき間に救われた形だ。
 警視庁巣鴨署と東京消防庁の調べでは、男性はホームに立っていて、突然めまいがしてバランスを崩し、線路に落ちた。幅約1bのレールの間に、仰向けに倒れ込んだ。電車は男性を発見し、急ブレーキを掛けたが手前で止まることができず、4両が足の方から男性の上を通り過ぎた。(朝日新聞)
■復権?お荷物?チンチン電車 岡山では延伸構想 新潟は姿消す 欧米は「優しさ」再評価
 市民の足として路面電車を見直す動きが出ている中、新潟県の新潟交通電車線が66年の歴史に幕を閉じた。利用客の減少に歯止めがかからないまま新潟市内の路面電車部分が7年前に姿を消したのが響き、その先に残っていた専用線区間も4日、全線が廃止された。一方、愛知県豊橋市では路線が延長され、岡山市でも延伸構想が持ち上がるなど、「環境や高齢者に優しい路面電車」として脚光を浴びている。見直しの機運に間に合わなかった形の新潟交通電車線に、「廃線化は早すぎたのでは…」という声も出ている。(新潟、豊橋、岡山支局)
 新潟市内の新潟交通電車線ターミナル駅、東関屋。4日深夜、最後の電車がホームに滑り込んだ。3両編成の車内は別れを惜しむ400人以上の乗客で満員。終日ごったがえした駅構内で、年配の社員がつぶやいた。「普段からこのぐらい乗ってくれていたら…」
 かつて、全く反対の構想があった。
 市内の信濃川にかかる万代橋は幅が21.9bもある。1929年に橋ができたとき、「新潟市電」レール用地の確保を図ったためで、同社が建設費の一部を負担した。だが、戦争の影響などで着工されないまま「市電」は幻に終わる。
 64年の新潟地震後も、震災復興にあわせて路面電車の延伸を望む声があったが、注目されることなく、92年に消えた。利用者は63年度の630万人をピークに、97年度は約100万人まで落ち込み、累積赤字が55億円に膨らんでいた。
 市内の路面電車部分2.2`の廃線後は、東関屋と月潟村を結ぶ21.6`の専用軌道線だけで営業を続けてきた。しかし、市街地へ直行できない不便さから利用客の減少が進んだ。
 息の根を止めたのは、新潟県の支援拒否だった。車両の更新などで23億円の投資が必要とされ、平山征夫知事は昨年6月、「支援しても収支好転の要素はない」と判断した。
 新潟県の支援拒否より前の昨年2月、愛知県豊橋市では豊橋駅前再開発に合わせ、わずか150bではあるが、路面電車(豊橋鉄道市内線)が延ばされた。建設省が創設した路面電車補助事業の第1号。この電車も毎年赤字続きだが、同省は「電気による低公害などで路面電車が見直されてきた。国として後押ししたい」と言う。
 市内では6月に、路面電車が走る都市の愛好団体や自治体関係者が集う「路面電車サミット'99 inとよはし」が開かれる。
 「市民から具体的な提案を示すことで、市も積極的になった」
 岡山市の市民団体「路面電車と都市の未来を考える会」の岡将男会長は、路面電車を核にした新しい街づくりに期待を寄せる。
 同市では今年2月、市の担当者や学識者らでつくる「まちづくり交通計画調査検討委員会」が、現在の2路線、4.7`に3.5`の延伸ルート案を策定した。事業主体は市などが出資する第三セクター方式。三セクが路線整備や車両購入を受け持ち、鉄道会社に車両をリースする構想だ。
 「路面電車と都市の未来を考える会」は独自に、高齢者が乗り降りしやすい低床式車両を1台購入して鉄道会社に貸し出す新会社の設立を計画している。全国から計300万円を超える出資の承諾を得たという。
 日本開発銀行の調査に上ると、国内では最盛期の21年ごろには、67都市で計83事業者が路面電車を運行していた。しかし、マイカーの増加などによって廃止が進み、現在運行しているのは20を切っているという。
 欧米でも、日本と同様に廃止の傾向が長年続いていたが、近年は再評価の機運が高まり、90年代に入ってフランスの2都市で復活し、ロンドンでも今秋、新たな開業を予定している。従来の「交通」だけの視点ではなく、環境への配慮や都市政策の視点が加わっている点が特徴だ。(朝日新聞 夕刊)
7日■JR東日本がぴあと提携 駅構内でチケット販売
 JR東日本は6日、関連会社の東日本キヨスクと共同でチケット販売大手のぴあ(本社東京)と提携したと発表した。チケット販売を中心とした店舗を5月22日に新宿駅東口に出店するほか、JR駅構内のCDショップなど8店舗にぴあの端末を配備し、チケットが買えるようにする。
 JR東日本では駅構内などに従来のキヨスク売店だけでなく書籍やCD、薬などを扱う新しい形の店舗を展開しており、今回のチケット売り場の出店もその一環。松田昌士JR東日本社長は「実績をみて店舗を拡大したい」と話している。
 新宿駅に開く「チケットぴあKiosk」は面積が7.2平方b。チケットや映画前売り券、ベストテンにランクされたCDなどを販売。東日本キヨスクが運営する。(京都新聞)
■地下鉄で喫煙注意され刺す 東京、容疑の男逮捕
 6日午後3時15分ごろ、東京都台東区の営団地下鉄日比谷線上野−入谷駅間を走行中の車両内で、足立区梅田、会社員恩田進さん(22)がたばこを吸っていた男を注意すると、男はアイスピックで恩田さんの左胸を刺した。恩田さんは2週間のけが。
 男は連れの男性と一緒に入谷駅で降り、地上に出て逃走したが、乗客の男性が携帯電話で110番。駆け付けた警視庁下谷署員が駅から約500b離れた台東区根岸三丁目の路上で発見し、傷害容疑で逮捕した。
 逮捕されたのは台東区日本堤、建設作業員立川幸三容疑者(51)で、容疑を認めているという。(京都新聞)
■JR西日本 JTB株を東海に売却
 JR西日本が保有している日本交通公社(JTB)の株式の一部、30万1900株を、JR東海に売却したことが明らかになった。東海の持ち株比率は2.0%から8.5%に上昇した。東海がJTBとの関係強化を望んだためという。一方、日本旅行の筆頭株主の西日本は今年1月、JR東日本から日本旅行株を買い取り、持ち株比率を24.3%から33.3%に高めている。一連の株売買で、JR各社とJRの前身の旧国鉄と関係の狭かった旅行会社との資本関係の整理が進んだ。
 JTBの株主は、筆頭が財団法人日本交通公社で34.6%、次いでJR東日本21.9%。3位だった西日本は2.6%から5.0%に減る。(朝日新聞)
■線路に転落、そこへ電車通過 すき間30a、男性助かる JR山手線
 5日午後2時20分ごろ、東京都豊島区駒込二丁目のJR山手線の駒込駅で、北区の男性会社員(51)がホームから線路に落ち、レールの間に倒れた。直後に入って来た電車(11両編成)が男性の上を通過したが、男性は右肩に軽いけがをしただけで助かった。車体の底の部分と線路の間の約30aのすき間に救われた形だ。
 警視庁巣鴨署と東京消防庁の調べでは、男性はホームに立っていて、突然めまいがしてバランスを崩し、線路に落ちた。幅約1bのレールの間に、仰向けに倒れ込んだ。電車は男性を発見し、急ブレーキを掛けたが手前で止まることができず、4両が足の方から男性の上を通り過ぎた。(朝日新聞)
9日■窓 空港より重要 新幹線の新駅 彦根市・児玉 征訓(イラストレーター・40)
 「びわこ空港」に関しては、住民の反対運動、運輸省の難色などで、2005年開港が危ぶまれているようだ。しかし、滋賀県も発想を転換してもよいのではなかろうか。狭い日本の場合、新幹線駅も空港と同じ役割を果たすことを、もっと考えてみる必要がある。
 ある調査によると、東京から見て、新幹線と空の便とでは、広島までは新幹線の方が便利で、広島以遠は空の便の方が便利そうだ。これを、米原駅を基準に置き換えると(東京−広島間を700`と考えると)、北は弘前市、南は鹿児島市が分岐点である。つまり、滋賀県からみて、空の便の方が便利な地域は北海道、青森、沖縄など、一部の地域に限られてしまうということである。したがって、滋賀県からの交通の便益性を考えるならば、新幹線新駅誘致は、空港建設より高いウエートで考えられてよい。
 JR東海に対しては、静岡県には6つも新幹線駅があるのに、なぜ滋賀県には1つしかないのか、善処を求めるべきであろう。滋賀県に必要なのは柔軟な発想である。(京都新聞)
10日■新会社設立しバス部門譲渡 カヤ興産
 カヤ興産(本社・京都府与謝郡加悦町、野村恒夫社長)はこのほど、従来のバス部門の業務を分離して新会社「加悦フェローライン」を設立、本社部門から営業譲渡した。
 譲渡されたバス部門は、2路線を1日計8往復する路線バスや、6便のスクールバスを運行するほか、観光バス9台を所有している。
 新会社はカヤ興産が全額出資し、経営の独立化で業務の効率化を図るのが狙い。資本金1000万円で従業員は24人。カヤ興産は、バス部門のほか建設業や輸送業、観光施設「かやSL広場」などを経営している。(京都新聞)
■市バス事故で「右腕不自由」 美容師が賠償訴え 京都地裁
 京都市バスにはねられ、右腕が不自由になって美容師の仕事を続けられなくなったとして、西京区の女性(51)が9日、京都市と市バス運転手を相手取り、逸失利益や慰謝料など約4500万円の損害賠償を求める訴えを京都地裁に起こした。
 訴状などによると、女性は1995年10月の昼間、右京区嵯峨天竜寺中島町の丸太町通を自転車で走っていて、後ろから追い抜こうとした市バスの左側後部と接触し転倒。右肩やろっ骨などを骨折し、右腕に神経まひの後遺症が残った。
 女性は右京区で美容室を個人経営していたが、右腕が使えないため、事故の直後から営業を取りやめているという。
 女性側は「自転車との間隔を十分にあけた上で追い抜きを始めるなど事故の発生を未然に防ぐ注意義務を怠った」と主張している。これに対し、市交通局の山本義夫・自動車部長は「訴状の内容を見て対応を検討したい」としている。(朝日新聞)
■ほん 『私の電車主義宣言』 プレジデント社、1600円 永井 英慈氏(61)(衆院神奈川10区・民主) 庶民の息づかい知る場と力説
 首都圏では電車の方が車より時間が正確だし、車の利用が減れば地球温暖化の防止にも役立つ。電車を中心とした公共輸送機関を使う国民運動を広げてみましょう−この「電車主義のススメ」を自らの体験に基づき、5冊目の著書で説いた。
 きっかけは5年前の夏。1993年に日本新党で初当選した永井氏は、羽田政権で郵政政務次官を務めたが、次官交代で黒塗りの公用車がなくなった。川崎市の自宅から国会まで電車を使えば、運動不足にも役立つのではないか。こんな軽い気持ちで、電車通勤を始めた。それが4年以上も続くことに。
 「電車に乗らなければ、庶民の息づかいがわからない。スシ詰めの『痛勤』電車に象徴される庶民の生活感からかけ離れていることが、体制疲労につながっているのではないか」。こんな自戒と危機感を込め、電車を中心に据えたまちづくりも主張している。
 でも、「電車に乗れば庶民の心がわかる」と言われても、毎日、満員電車に揺られている人たちは納得できないだろう。まずは「痛動地獄」を解消することが政治家の責任ではないか。もっとも永井氏の「ススメ」にならう同僚はいない、なんて聞くと「国会議員の皆さん、電車に乗ってみたら」と言いたくもなる。(樹)(朝日新聞)
■航海 新世紀へ 1910年、阪急の前身「箕電」が開通 運んだ 夢も 遊びも 経済部 多賀谷 克彦
関西の私鉄
 明治の後半、都市人口の膨張や私設鉄道条例、軌道条例が整備されたことにより、南海鉄道や阪神電気鉄道が開設された。引き続き、箕面有馬電気軌道、京阪電気鉄道(大阪−京都)、奈良軌道(大阪−奈良)もできた。
 私鉄各社は競い合って沿線開発を進めた。南海は浜寺海水浴場(大阪府堺市)、阪神は香炉園(兵庫県西宮市)にテーマパークを設け、甲子園(同)でも野球場などの娯楽施設の周囲に住宅地を開発。各社とも英国など欧州で盛んだった田園都市構想の影響を受けていた。
 宣伝にも工夫した。阪神は1908年、「市外居住のすすめ」という小冊子を発行して、阪神間の気候が健康面に優れていることを強調。関西の財界人向に六甲山を別荘地として売り出した。
 当時の東京では、娯楽の場所は浅草ぐらいで、関西私鉄各社による沿線開発は東京に先駆けて進んだ。
 1 私鉄王 「阪神間」に田園住宅
 3階の窓から眺めた街並みは、暗やみに包まれていた。4年前の1月17日。阪神大震災の夜、神戸市東灘区岡本の高台に住む熊田敬子(83)は、ふと、幼いころの光景に引き戻された。
 機械部品の製造業を営んでいた熊田一家は、阪神急行電鉄(現阪急電鉄)神戸線が開通した2年後の1922年、阪急が宅地開発したばかりの岡本に転居してきた。同じころ岡本に移り住んだ作家・谷崎潤一郎の長女鮎子とは同い年で、六甲山ろくでレンゲやツクシを摘んで遊んだ。
 大正から昭和にかけての岡本周辺は田園が広がっていた。商店はなく、官営鉄道の住吉駅辺りの八百屋が御用聞きに来た。幼い熊田にとって「夜はまっくらで、怖いようなところ」だった。大阪は紡績工場などの煙突が林立することから「煙都」と呼ばれ、暮らすには快適とはいえなかった。しかも、1905年からペストが流行し、5年間で800人以上が死亡した。当時の阪急は『住宅地御案内』で巧みに宣伝した。「美しき水の都は昔の夢と消えて、空暗き煙の都に住む不幸なる我が大阪市民諸君よ!(中略)田園趣味に富める楽しき郊外生活を懐うの念や切なるべし」
 谷崎は「細雪」の中で、大阪から芦屋川駅近くに引っ越した主人公の一人、蒔岡幸子に、こう語らせている。「松の樹の多い空気の匂いを嗅ぎ、六甲方面の山々を望み、澄んだ空を仰ぐだけでも、阪神間ほど住み心地のよい和やかな土地はないやうに感じる」
 財界人の邸宅がある御影や住吉とは比べようもないが、頑張れば、まだ珍しかった門と塀がある庭付きの家を手に入れることもできた。阪急が初めて導入した住宅ローンも魅力的だった。阪神間は阪急神戸線開通によって、急速に開発が進み、日本の近代化とともに育ち始めた「中産階級」のサラリーマンたちの「夢の住宅地」となった。
 熊田が阪急に乗って神戸の小学校に通い始めたころのことだ。阪急は宣伝文句の通り、「綺麗で早うて、ガラアキ」だった。乗客の少ない車内で、小柄な男性と、よく乗り合わせた。その紳士は、どんなにすいていても決して座ろうとしない。車窓を満足そうに眺めている。20歳になって神戸へ映画を見に行くようになっても、その紳士と車内で会った。夏、家族で遊んだ六甲山ホテルでも、その顔をよく見かけた。「一体、だれなんだろう」。後に新聞の顔写真で知った。「今太閤」「私鉄王」。阪急電鉄の創業者、小林一三とあった。
 2 先見性 動物園・デパートも
 企業人として、小林の第一歩は、1910年3月10日に始まる。阪急の前身、箕面有馬電気軌道の梅田−宝塚間が開通したのだ。朝日新聞は伝える。「各停留所は多数の人出にて物珍しく囃し立て沿道各戸は国旗球燈を掲げ業を休みしもの多く」。しかし、ここまで順風満帆でこぎ着けたわけではない。
 1873年、山梨県韮崎町(現韮崎市)の富商の家に生まれ、慶応義塾を卒業後、三井銀行に就職した。1907年、仕事で知り合った大阪財界の有力者から証券会社の設立に加わるよう声がかかった。ところが、大阪に着いた1月19日、日露戦争の勝利から高騰を続けていた株価は一転、急落。設立は泡と消え、代わりに箕電の設立、運営を任された。
 しかし、その箕電、ハンディキャップがあった。南海鉄道(大阪−和歌山)や阪神電気鉄道(大阪−神戸)という先発の都市間鉄道に比べ、沿線のほとんどが未開、いわば田舎路線だった。しかし、小林の先見性が難局を切り開いていく。宅地分譲を皮切りに箕面の動物園、宝塚新温泉、そして宝塚唱歌隊(現在の宝塚歌劇団)と、次々に世間の度肝を抜くアイデアを打ち出す。29年には梅田に日本初のターミナルデパート、阪急百貨店をオープンさせた。
 先見性の根っこは、学生から社会人に成り立ての時代に身についた。文学青年だった小林は、銀行の仕事について『逸翁自叙伝』で、「紙屑篭の中」と切り捨てている。
 暇を見つけ、浅草で芝居見物に没頭した。親からの仕送りに心を痛めながら、放蕩三昧の暮らしをしたからこそ、まじめに働く人々へ娯楽を提供する事業への思いが頭の片隅にこびりついていった。
 成功を収めた小林は、40年、第二次近衛内閣の商工相に就く。朝日新聞の人物評は「目先の利くことは当代無類」。しかし、鉄道や電話事業の民営化が持論だった小林は、戦争遂行に向け統制経済をめざす岸信介・商工次官らの官僚と対立、結局、野に下った。
 東京について、「東京の事業には政治が伴っている。あらゆる有名な会社事業は大概政治の中毒を受けている」と述懐した。「民衆の大都会」といって愛した大阪は、小林にとって最高の舞台だった。
 3 遺産 今は「億ション」が…
 小林が大阪府池田市の自宅で84歳の生涯を閉じた1957年まで、阪急が手がけた沿線の分譲地は100ヵ所を超え、総面積は1000fに及んだ。経営戦略は私鉄経営の教科書ともなった。東京を代表する田園調布の開発では、田園都市株式会社(現東急電鉄)にいた五島慶太も小林の指導を仰いだ。五島が書き残している。「長い苦闘の歩みではあったが、(中略)小林一三の知恵を借りた。小林の所へ行けば、すぐに解決策を授けてくれた」(『七十年の人生』)
 卓越した先見性と情熱で沿線を住宅地に仕立てた小林だが、晩年は、さすがに感覚が鈍った。兵庫県三田市の開発である。
 「唯一の見込み違いやったんとちゃうか…」。小林を知る数少ない人物、大阪府豊中市の牧野庄太郎(92)は思い出す。不動産開発を手がけ、小林と組んで仕事をした。梅田の本社から帰宅途中、牧野の事務所に、よく顔を出した。ある日、小林に提言した。
 「先生、三田まで線路を延ばして宅地開発したらどないですか」
 「あほなこと言うな。宝塚から先は岩盤が硬い。工事に、いくらカネがかかるか分からない。慌てなくても政府にもカネがない。国鉄が電化するにも時間がかかる」
 小林は即座に答え、その話はさたやみになった。
 86年、JR福知山線宝塚−新三田間が電化、複線化。三田は全国でも屈指の人口急増地区となっている。
 そして今、「阪急沿線は開発しつくされ、一戸建てに適するまとまった分譲地を取得できる時代は終わった」(阪急電鉄住宅営業部)。これから分譲する土地も、70年の万博以前に仕入れた土地がほとんどで、京都線沿線が多く、阪神間に「在庫」はないという。
 この3月20日、岡本駅のすぐ北側で阪急が事業主体となった5階建てマンションの建設工事が始まった。岡本での住宅分譲は、小林が21年に手がけて以来で、来春、18世帯が入居する予定だ。「山の手感覚」をうたう高額マンションシリーズの一つ。広さ90平方bほどの3LDKで価格は約7000万円、100平方bの4LDKだと約1億円という。
 小林が阪急沿線のキャンバスに措いてみせた「中産階級の夢」。今は昔の物語になってしまった。(敬称略)(朝日新聞)
■路傍の”春”
 兵庫県尼崎市、JR尼崎駅構内の線路わきで、スミレが濃い紫色の花をつけ始めた。バラスの間に根を張り、点々と連なる。線路は貨物列車用で、背丈が列車の底より低いので、花は傷まないらしい。
 上り新快速と快速が止まる8番ホームや車窓からも見える。数年前から咲き始め、年を追って増えてきた。毎春、神戸市内などから見にくる愛好家もいる。「過酷な環境なのに、けなげに咲く姿に元気つけられます」。見ごろはこの2週間ぐらいという。(朝日新聞 夕刊)
11日■嵯峨野線信号に異常 4本運休、21本遅れる
 10日午後4時25分ごろ、京都市右京区太秦青木元町のJR嵯峨野線踏切で、踏切の特殊信号発光機が点灯しているのを、200b手前の太秦駅で停車中の京都行き快速電車の運転士が発見した。運転士が復旧ボタンを押したが、点灯したままの状態が続いた。運転士は、安全を確認したうえで、約15分遅れで発車した。
 JR西日本によると信号発光機は50分後に複旧したが、上下4本が運休、計21本が2−23分遅れ、乗客5500人に影響が出た。信号発光機は非常ボタンを押すと点灯する仕組みで、原因を調べている。(京都新聞)
■阪急電鉄、2001年までに 定期券継続機 沿線の全駅に
 阪急電鉄は、期限切れとなる通勤・通学用の定期券を入れると、自動的に継続用の新定期券を発行する「券売機」を、沿線の全駅に導入する計画を明らかにした。12月から新しい券売機を設置し始め、2年後までには通勤・通学客がどの駅でも、素早く継続用の定期券に更新できるようにする。定期券の自動継続機を全駅に設置するのは「大手私鉄の15社の中で初めて」(日本民営鉄道協会)という。
 阪急では現在、自動継続専用の定期券発行機を、梅田駅に置いている。
 12月から導入するのは、通常の乗車券を扱う券売機の中に、継続定期券の発行機能を組み込んだ新型機。ふつうの乗車券の発行口のほかに、定期券の差し込み口、発行口が加わり、定期券の路線、期間に変更がなければ自動的に継続用の新券に更新する。新型機は、大阪市営地下鉄に運営を任せている「天神橋筋六丁目駅」を除く83ヵ所の全駅に入る。
 支払いは、現金でできるうえ、郵便局や銀行のキャッシュカードを使う即時決済型の「デビットカード」、阪急グループのクレジットカードが使えるようになる。
 阪急は、新型の券売機によるサービス改善で、イメージアップも狙う。(朝日新聞)
13日■列車空爆、25人死傷 ユーゴ南部
 【ベオグラード12日共同】ユーゴスラビア国営鉄道当局者などによると、ユーゴ南東部のグルデリツァ峡谷で12日午前(日本時間同日夕)、北大西洋集約機構(NATO)軍の空爆で、鉄橋を走っていた列車が破壊された。
 ロイター通信によると、9人の焼死体が運び出され、16人の負傷者が病院に収容された。外国人の乗客もいたが、全員無事だった。
 列車は4両編成で、うち1両をミサイルが直撃、残る3両も炎上したという。
 列車はベオグラード発ギリシャのテッサロニキ行きで、定期運行の国際列車。
 NATOはこれまでにも、ユーゴ軍の補給路を絶つためとして、北部ノビサドの橋やモンテネグロ共和国とベオグラードを結ぶ鉄道を破壊しており、今回も鉄橋破壊を狙った可能性が高い。(京都新聞)
■モノレール 川に転落 独、3人が死亡
 【ボン12日共同】ドイツ西部ブッパータールで12日午前6時(日本時間同日午後1時)前、懸垂式モノレール(2両編成)が軌道から外れ、約10b下のブッパー川に転落した。地元警察によると、事故で3人が死亡、59人が重軽傷を負った。ドイツの日本大使館によると、事故に日本人が巻き込まれたとの情報はない。警察で事故原因を調べている。事故発生時は、通勤途中の乗客らで満員の状態だったという。
 1901年に開業した同モノレールは、市中心部の約13`を走り、重要な交通機関となっている。ブッパータールはデュツセルドルフ東方に位置するノルトラインウェストファーレン州の工業都市。(京都新聞)
■モノレールが脱線、3人死亡 ドイツ
 【ボン12日=桜井元】ドイツ西部のブッパータールで12日午前5時45分(日本時間同日午後零時45分)ごろ、通勤客らの乗った懸垂式モノレール(2両編成)が、軌道から外れ、約10b下のブッパー川に落ちた。警察当局によると、3人が死亡、約50人がけがをした。(朝日新聞)
■列車誤爆 可能性認める 「橋が標的」とNATO強調 原型とどめぬ車両 ユーゴ国鉄総裁 憤り「10歳の子も…」
 【ブリュッセル12日共同】北大西洋条約機構(NATO)軍は12日、ユーコスラビア南東部のグルデリツァ峡谷の鉄橋で列車が大破炎上した事件に関し、列車を誤爆し、死傷者を出した可能性があるとの声明を発表した。
 NATO軍はこれまで、コソボ自治州の州都プリシュティナで住宅地を誤爆しているが、今回はロイター通信によると、10人が死亡しており、空爆への批判が高まる可能性もある。
 声明は、標的となった鉄橋がコソボ内のユーゴ軍への重要な補給路になっていると強調した上で、空爆時に鉄橋の上、または近くを列車が走っていたことを示す情報があると指摘。「列車を攻撃する意図はなかったが、残念ながら、空爆により犠牲者が出た可能性を排除できない」としている。
 【グルデリツァ峡谷(ユーゴスラビア南東部)12日共同】鉄橋に立ち往生したままの鉄の塊から立ち上る煙。線路わきに飛び散る血のり−。北大西洋条約機構(NATO)軍が列車を空爆した12日、ユーゴスラビア南東部グルデリツァ峡谷の現場にユーゴ軍手配のバスで急行し、民間人10人が犠牲となったおぞましい現場を見た。
 「攻撃されたのは通常の旅客列車。NATOは何の罪もない乗客たちに爆撃を加えた」。現場を視察に訪れたユーゴ国鉄のコスタビノビッチ総裁は、無残にめくれ上がった車両の残がいを前に立ちすくみ、怒りに声を震わせた。線路わきには血のり、乗客の衣服や座席のクッションと思われるスポンジが飛散。
 現場での同総裁の発表によると、少なくとも死者9人、負傷者は16人。遺体は皆黒焦げで、身元確認に手間取っており、正確な全乗員の数は不明という。「この中に子供は」。記者団から質問が飛ぶと、総裁は「10歳の小さな女の子がいた…」と声を落とし、あらためて憤りをあらわにする。
 現場は小高い山に囲まれた峡谷の間を縫うユジノモラバ川に架かる鉄橋。動力車を含め6両編成の列車はベオグラード発でレスコバツ、ブラニエを経てマケドニアとの国境に向かっていた。
 地元のステファノビッチ地区長らによると、3機のNATO軍機が南の山の向こうから飛来し、ミサイル4発を発射。うち2発が列車に命中、2発は鉄橋から少し離れた別の橋に着弾した。
 NATO当局者は「列車を狙ったものではない。しかし、犠牲者が出た可能性を否定できないのは残念だ」とのコメントを発表した。しかし、ミサイルが正確に列車を直撃したのは一目瞭然(りょうぜん)だ。(京都新聞 夕刊)
■死者10人確認 NATOの列車「誤爆」
 【ベオクラード13日=藤谷健】ユーゴスラビア国営タンユグ通信などによると、12日、ユーゴ南部で北大西洋条約機構(NATO)軍機の爆撃を受けた国際列車の乗客のうち、子供を含む10人が死亡したことが確認された。また、負傷者16人が近くの病院に運ばれたという。
 目撃者の話などによると、NATO軍機はいったん鉄道の電力系統を破壊した後に、再度列車に向けて空爆したという。鉄道橋を狙ったところへ、列車がさしかかったとみられる。
 NATOは同日、誤爆した可能性を認めた。(朝日新聞 夕刊)
14日■累積赤字38億円、第3セク苦戦 都市計画縮小バブル崩壊… 利用予測外れる 愛知・小牧市の新交通システム
 経営が行き詰まる第三セクターが各地で相次ぎ問題になっているが、名古屋市の北郊、愛知県小牧市の桃花台ニュータウンの足として1991年に開業した新交通システム「ピーチライナー」(7.4`)が、利用客の低迷で累積赤字が資本金を超える38億円(98年度末)に膨らむなど苦境に立たされている。
・開業からつまずき
 同ライナーは小牧市東部に県が中心となって開発したニュータウンと名古屋鉄道小牧駅を15分、350円で結ぶ。高架上をゴムタイヤの連結車がワンマン走行。運転台は片側だけを主に使って、終点駅のループで方向転換する合理的な設計で注目された。
 愛知県知事が社長の第三セクター「桃花台新交通」が運営し、資本金30億円の46%を県が負担。残りを小牧市や名鉄などが出資している。
 開業時の1日当たりの利用客を5400人と想定、10年後は1万2400人と予測していたが、開業1年目は3300人と最初からつまずいた格好。その後、利用客はむしろ減少し、97年度は2700人。開業6年目で単年度黒字にするもくろみは破れた。
・肝心の接続なし
 乗客が伸びない大きな原因は、当初人口5万4000人の都市を目指したニュータウンに、まだ2万8000人しか入居していないことだ。県は84年に計画を4万人に縮小。バブル崩壊も手伝い、「最終的にはせいぜい3万人前後では」との見方も出ている。
 もう一つの原因は、小牧駅から名古屋都心に向かう名鉄小牧線が、肝心の名古屋市営地下鉄に接続していない点。約1`の連絡線を建設中だが、工事が遅れ、開通は2002年の予定。この結果、名古屋へ通う住民の多くがバスや車でJR中央線高蔵寺駅に出ているのが実態だ。
 事態を重く見た県や名鉄などの大株主は、今年1月、経営改善検討委員会を設けたが、人件費が運賃収入の2倍を超すといった経営の苦しさを確認する報告ばかり。
・改善、歯切れ悪く
 同県企画部交通対策室は「本年度中にはなんとか改善策をまとめたいが、なかなか…」と歯切れが悪い。
 当面の頼みの綱は小牧線と地下鉄との連絡線だが、相互乗り入れではないため乗り換えが必要で、決定打にはなりそうもない。
 交通機関の経営について、関東地方のある第三セクターの役員は「第三セクター路線は、もともと収益を上げるのは二の次で、地域発展のためと自治体が必要と判断して建設している。赤字額だけでなく、地域経済への波及効果など総合的に評価する必要があるのではないか」と話す。
 これに対し、第三セクター問題に詳しい東京商工リサーチの荒谷紘毅・情報事業統括本部長補佐は「民間の経営者なら死に物狂いで生き残ろうと努力する。自治体は安易に赤字を補てんするのではなく、根本的な打開策を打ち出すべきだ」と批判している。(京都新聞)
■JR脅迫男に実刑 京都・大津駅などに「列車転覆させる」 富山地裁支部判決
 東京、京都、大津など全国の主要各駅長あてに列車防害を予告する手紙を送ったなどとして、脅迫罪に問われた福井県武生市出身、住所不定、無職青木利夫被告(50)の判決公判が13日、富山地裁高岡支部で開かれ、村上久一裁判官は懲役1年8月(求刑懲役2年)を言い渡した。
 青木被告は、判決に先立って同日開かれた検察側の論告求刑の冒頭、「退場させろ」と何度も大声を出した。「黙りなさい」との裁判官の制止に従わなかったため、裁判官が退廷を命じ、被告不在のまま判決を言い渡した。
 被告が裁判長から退廷を命じられたときは、陳述を聴かずに判決できるとしている刑事訴訟法341条によるもので、被告の弁護士によると「極めて異例」という。
 判決によると、青木被告は1998年4月、富山県高岡市内のポストからJR7駅と私鉄2駅の計9駅に「5月の連休中に列車を転覆させる。死傷者2000人以上になる」などと書いた脅迫文を送り、各駅長を脅迫した。
 国宝に指定されている高岡市の瑞竜寺にも「貴寺は必ず火を噴く」との放火予告文を送り、脅迫した。(京都新聞)
■山陽線にビニール 列車運休など足乱れ
 13日午後4時35分ごろ、兵庫県高砂市のJR山陽線宝殿−曽根駅間の下り線の架線に、黒色ビニール(長さ3b、幅60a)が付着しているのを上り電車の運転士が発見、新大阪総合指令室に無線連絡した。JR西日本は、下り線の運転を宝殿駅の一つ手前の加古川駅で打ち切り、ビニールを外して同5時すぎ、運転を再開した。
 上下線の新快速電車計5本が運休するなど、約4000人の足が乱れた。(京都新聞)
■瀬戸大橋で強風 JR不通7時間
 13日午前11時10分ごろ、JR瀬戸大橋線の線路沿いで最大瞬間風速が25bを超えたため、児島(岡山県)−宇多津・坂出(香川県)間で特急列車などが運転を見合わせた。午後5時すぎから運転を再開したが、再び不通になり、瀬戸大橋の上で特急列車が一時立ち往生した。瀬戸大橋線の不通時間は7時間を超え、1992年8月の台風10号による不通時間を上回って最長となった。(朝日新聞)
■営団地下鉄 深夜の地下鉄に「女性駅員さん」 法改正受け連休明け実施
 東京圏の地下鉄を運行する帝都高速度交通営団(営団地下鉄)は13日、女性駅員による深夜勤務を5月の連休明けから実施することを明らかにした。改正された労働基準法や男女雇用機会均等法が1日から施行され、女性の深夜勤務が「解禁」されたため。ほかの鉄道各社も準備を進めているが、宿泊所など必要な施設の整備に時間がかかるため導入が遅れており、日本民営鉄道協会によれは「女性の深夜勤務は、全国の主要な私鉄では営団地下鉄が初めて」という。
 営団地下鉄の運行現場で働いている女性職員は、駅員が17人と車掌が5人。1993年から現場への配属が始まったが、これまでは夜10時以降の勤務が禁じられていた。このため、女性が配属された職場では、男性の同僚の深夜勤務や泊まり勤務が多くなるなどの負担のしわ寄せが出る傾向もあったという。
 深夜勤務の候補者はまず4人程度。地下鉄駅では比較的面積が広くて設備が新しい南北線の四ッ谷と後楽園駅、有楽町線の池袋駅の3ヵ所で今月中に女性用の宿泊施設や専用トイレ、更衣室などが完成、そこで働く女性駅員を対象とする。29日から研修を始め、5月上旬の連休明けから深夜勤務を始める計画だ。
 実際の勤務は深夜1時半くらいまで続け、その後数時間の仮眠をとって、また早朝から仕事を始める。営団地下鉄では今後も必要な施設の設置を続け、深夜勤務する駅員数を増やすとともに、将来は女性車掌の深夜勤務も始める方針だ。(朝日新聞)
15日■リニア552`、世界最速 有人で実験 実用へ前進
 山梨リニア実験線(山梨県都留市−大月市、先行区間18.4`)で実施した超電導磁気浮上式リニアモーターカーの5両編成による走行試験で14日、鉄道としては世界最高の時速552`を2回にわたって記録した。
 重量が増える有人走行だったが、1997年12月に3両編成の無人走行で達成した時速550`を更新した。有人の過去最高は531`。実験センターの関秋生所長は「走行は非常に安定しており、実用に近づいたと実感した」と話している。
 実験は、JR東海と鉄道総合技術研究所(JR総研)が今年2月から実施している5両編成での走行安定性試験の一つで、実用化に向けて長い編成になった場合の車両の振動や加減速の具合などを調べるのが目的。
 この日は午後1時半すぎから実験センターの職員13人が乗り、時速550`程度での走行性能を調べる実験を開始した。定員に相当する150人分の鉄の重りを真ん中の3両に積み、職員らの体重を加えた計約10dを乗せて区間を2往復。トンネル内で時速550`を3秒間ずつ記録した。(京都新聞)
■世界最速「有人リニア」525`
 JR東海と鉄道総合技術研究所が山梨県内の実験線(都留市−大月市間18.4`)で走行試験を進めている超伝導磁気浮上式リニアモーターカーが14日午後、人を乗せた状態で時速552`を記録した。1997年12月に記録した無人走行による550`、有人走行による531`をいずれも上回り、鉄道の世界記録を更新した。(朝日新聞)
■「列車爆撃」の瞬間 ミサイル装着のカメラが撮影
 北大西洋条約機構(NATO)は13日、ユーゴスラビア・セルビア共和国南東部で前日起きたNATO軍機による鉄道橋・列車爆撃の瞬間の様子を、ミサイル弾頭に装着されたビデオカメラの映像で公開した。(ロイター)(朝日新聞)
16日■リニア実用化まだ自信ない 運輸次官
 鉄道として14日に世界最高の時速552`を記録した山梨リニア実験線の超電導磁気浮上式リニアモーターカーについて、運輸省の黒野匡彦事務次官は15日、技術的課題が残っていることなどを挙げて「今の段階で実用化の自信はない」と述べた。
 黒野次官は、世界記録を更新した14日の時速について「着々と研究が進み、大歓迎」とした上で「新しいシステムの鉄道は、100回の実用走行で1回故障すれば『落第』と言われる。全長18`の(実験線)往復だけで(実用化に)OKと断言するのは早い」と指摘した。
 さらに「安全性の実験をクリアしたとしても(故障発生の頻度など)安定性がどう担保されるかが重要なポイントだ」と話した。
 リニア実用化については、学者らでつくる運輸省の実用技術評価委員会が昨年7月、「長期の耐久性やコスト低減策にまだ課題があり、当初実用化のめどを立てる目標にしていた1999年度末まででは時間不足」として、2000年度以降も実験を継続するよう提言している。(京都新聞)
■異常表示で運転規制 JR山陰線
 15日午後2時20分ごろ、JR西日本福知山支社の指令室で、JR山陰線の日吉駅−胡麻駅間に列車が通過していないのに列車を示す表示が出たため、約1時間10分に渡って運転を見合わせた。
 同支社で詳しい原因を調べている。この影響で、天橋立発京都行特急が1時間15分遅れたほか、上下で特急1本と普通2本が30分から15分遅れた。(京都新聞)
■京阪電鉄 本社社員3000人、半減へ 子会社を8社新設 主業務、すべて移管
 京阪電気鉄道は15日、鉄道、不動産、流通、レジャーの4分野で計8つの運営子会社を新設し、そこへ社員の3分の1にあたる約1000人を転籍させたうえで、本体の社員を現在の半分に減らす計画を発表した。4分野のグループ企業を傘下にもつ「持ち株会社制」への移行を前提に、「小さな本社」を目指すもので、これまで本体が手がけていた主な業務はすべて子会社に移し、本体は資産の管理などを行う会社となる。同時に関連会社の65社を再編する計画も打ち出し、業績悪化が著しい系列のホテル4社は合併する。
 記者会見した金馬昭郎社長は、「運賃値上げと不動産の含み益に頼る経営をやめ、自己改革に乗り出す」と説明している。3−5年以内に実現させる計画で、近く本格的な労使交渉に入る。この改革によって、年間約40億円が節約できる。
 京阪は、本業の鉄道分野で「京阪車両」「京阪電気」など5つの運営子会社を設けるほか、その他の3分野で各1社ずつ子会社を設けて、業務を委託する。
 京阪には現在、約3000人の社員がいるが、転籍に加え、5年後には約500人が定年などで退職するため、本体に残る社員は、2003年度で1500人と半減する見込みだ。8つの運営子会社は、それぞれ年俸制など、実績主義にもとづいた給与体系を導入する。
 一方、業績が悪化しているホテル事業は、ホテル京阪京都(京都市)、大山レークホテル(鳥取県大山町)、近江舞子ホテル(滋賀県志賀町)の3つをホテル京阪(大阪市)に合併させるが、ホテルとしてはそのまま存続させる。(朝日新聞)
■朝霧の町から名城の町へ 大分・湯布院、竹田の旅 新装特急に美術館車両 岡城跡からの眺望抜群
 全国の温泉観光地が不況に苦しむ中で、若い女性を中心に衰えぬ人気を保っているのが、大分県湯布院町。博多から直通のJR九州のリゾート特急「ゆふいんの森」号が3月にリニューアルされたのを機に、同町を訪れ、名曲「荒城の月」を生んだ竹田市にも足を延ばしてみた。
旅館経営者の決断
 渋いモスグリーンの車体、寄せ木細工の床、窓枠からひじ掛けまで内装はすべて木製という優雅さで人気のある「ゆふいんの森」号は、3月のダイヤ改正で博多−湯布院間1日2往復が3往復に増やされた。これに伴う改装で、1号には絵画を鑑賞しながら旅を楽しめる「美術館」車両が登場した。
 湯布院盆地はその昔、大きな湖だったという。土地の女神、宇奈岐日女(うなぐひめ)が水田を作るため、配下の力持ちの神に命じ、湖の底を破らせたという伝説が残っている。その名残が金鱗湖。湯と水がわく湖面には常に湯煙が漂い、春秋には朝霧となって、真っ白に盆地を覆い尽くす。「朝霧の町」と呼ばれるゆえんだ。
 その霧が農業には不向きで、終戦直後には、いっそダムにしてしまおうという計画もあったそうだ。湯布院の名が全国的に知られるようになったのは、ここ30年ほどのこと。その裏には、町の旅館経営者たちの地道な努力とアイデアがある。
 同町商工会長の溝口薫平さんによると、転機になったのは、一大歓楽地である別府との区別化を図るための「うちは女性と少人数客中心でいく」という決断。
温泉で肌はつるつる
 以来、条例で建物は四階建てまでと規制、景観保全に力を入れるとともに、夏の「ゆふいん音楽祭」「湯布院映画祭」、10月の「牛喰い絶叫大会」と、次々と話題づくりに取り組んだ。辻馬車を導入した時には、溝口さんら幹部が交代で御者を務めたという。
 駅から金鱗湖、民芸村まで町を一巡するには、辻馬車かアンティークカーの「スカボロ」号で1時間足らず。湖畔の共同浴場は百円で利用できる。泉質は単純泉。透明だが、肌はつるつるになる。
 その後は、ゆっくり散策し直してみよう。古い温泉宿の雰囲気を残す道と、若者向けのしやれた通が交錯し、至る所に美術館やギャラリーがある。町の周囲には田園地帯が広がり、盆地を取り巻く山々は牧場になっていて、のどかこの上ない眺めだ。
 おいしい自家製プリンや牛乳アイスクリームを売る店が多いが、お勧めは「やせうま」。幅広の手打ちうどんにきな粉をまぶした大分の郷土料理で、素朴にして味わい深い。
荒城の月を着想
 一方、竹田市は、源平時代に築造された難攻不落の名城、岡城で有名。少年時代をこの地で過ごしたわが国最初の近代作曲家、滝廉太郎(1879−1903年)が、ここで「荒城の月」の想を得たといわれる。高い石垣が何段も重なり合う城跡は、上に登って見下ろすと足がすくむが、眺望は抜群だ。
 城下には、江戸時代の面影をとどめる武家屋敷街が残り、藩の迎賓館だった「お休み茶屋」では、土地の銘菓を味わえる。
 武家屋敷街の裏手のやぶに隠れたがけには、キリスト教の禁教後も、宣教師が隠れ住んでいたという洞くつ礼拝堂がひっそりと残る。平石にギリシャ十字架を刻んだキリシタン墓群は、湯布院や近隣の三重町にもあり、中世大分のキリスト教文化の跡をたどってみるのも一興だ。
〈メモ〉湯布院町へは博多から「ゆふいんの森」号で2時間20分。大分空港から大分市を経て、久大線でも行ける。湯布院から竹田市へは、大分に出て豊肥本線に乗り換えるか、1日1回直通バスもある。問い合わせは、湯布院観光総合事務所 0977(85)4464、竹田市商工観光課 0974(63)1111へ。(京都新聞 夕刊)
17日■被告側、民事訴訟 判決文を証拠申請 信楽鉄道事故刑事訴訟
 滋賀県甲賀郡信楽町の信楽高原鉄道で1991年5月、死者42人を出した列車正面衝突事故で、業務上過失致死傷などの罪に問われた同鉄道の元運転主任里西孝三被告(68)ら3人に対する公判が16日、大津地裁(安原浩裁判長)で開かれた。被告側弁護人が、JR西日本の事故責任を全面的に認めた同事故民事訴訟判決(先月29日言い渡し)の判決文を証拠申請した。
 弁護人は「刑事事件でも、信楽高原鉄道側の3被告だけに責任があるのではなく、JR西日本にも責任があるとする証拠としたい」と話している。(京都新聞)
■「ノーカーデー」支援 割引乗車券 実施企業を対象に販売 近江鉄道来月から
 近江鉄道(本社・彦根市)は、企業のノーカーデーを支援する「環境フリー乗車券」を5月1日から発売する。同鉄道によると、同様の割引乗車券の発売は全国で初めてという。環境保全と同鉄道の利用者拡大の一石二鳥を期待している。
 環境フリー乗車券は、ノーカーデーを実施する企業や団体にのみ販売する。ノーカーデーの1日に限り、通勤や移動など同鉄道の電車やバスを何回でも乗り降りできる。鉄道とバスが利用できる共通券が800円、鉄道だけが550円、バスだけは400円。
 例えば、彦根駅から愛知川駅の往復は920円だがフリー乗車券を使えば550円で済む。同鉄道が10モデルコースでサンプリングした結果、通常運賃よりも平均35%安くなったという。
 現在、県内の600の企業や団体にダイレクトメールを送ってPRを展開中。滋賀県交通対策協議会は1990年度から、毎月第4金曜日を「マイカーの休養日」として運転の自粛を呼びかけている。(京都新聞)
■JR西日本、GW指定席予約 1日と4、5日ピーク
 JR西日本は16日、ゴ ルデンウイーク期間中(4月28日−5月5日)の新幹線、在来線の指定席の予約状況をまとめた。
 それによると、4月15日現在の予約率は43%で、前年同期比で5ポイント増、予約済の座席数は約136万席で、同じく10ポイント増加した。同社では、「期間中5連休になるなど、曜日の配列が良かったため」としている。
 予約のピークは、下りが5月1日で、上りは連休後半の4、5日。新幹線が下りで1、2日に一部の時間帯で、ほぼ満席状態、上りも4、5日を中心に一部の時間帯でほぼ満席となっている。
 在来線は、1−3日に、関西地区から北陸、山陰、南紀方面への一部特急がほぼ満席で、北陸、山陰方面から関西地区への特急は、3−5日に、ほぼ満席の列車がある。(京都新聞)
■京田辺市長・市議選 JR駅改築が焦点に ダイオキシン規制問題も
 京田辺市長選は、自民、民主、公明、社民、自由の相乗りで再選を目指す現職と、共産党山城地区委員会など11団体がつくる「新しい京田辺市をつくる市民の会」が推す新顔の一騎打ちとみられる。
 京田辺市が抱える課題で、最大の争点となるのが、JR京田辺駅(市田辺久戸)改築事業の是非だ。
 市が現在進めている事業では、中心部を走るJR片町線の京田辺駅舎を、木造1階から鉄筋2階建てに改築する。駅舎は築後100年ほどたっており、改札は駅西側にしかない。新しい駅舎は橋上に建設され、階段つきの自由通路(東西約40b)を通ることで東西から入れるようになる。駅舎の広さは現在の4、5倍。2002年春の完成を目指している。
 これについて、新顔は、市の財政的な負担を批判する。総額約36億円のうち、市が今後3年間で支払うのは約17億円。現職は「将来を考え、効率よく一挙に投資したい」と説明するが、新顔は「巨額の税金を使うのは問題。介護の問題や学校の老朽化もあり、当面の課題を考えるべきだ」という立場を取る。ただし、駅東側に改札を造る必要性は認めており、今後、JRと交渉したいという。このほか、京田辺市では、ごみ処理施設「甘南備園」の排煙中のダイオキシン濃度が一昨年末、1立方b当たり28ナノグラムに達したことが問題となった。市は9種類のごみの分別収集を1年前から実施している。市長選と同時に行われる市議選でも、数値基準を盛り込んだ「ダイオキシン規制条例」の制定を訴える声も聞かれ、環境問題は市民の関心事になっている。(朝日新聞)
■JR、連休の予約 下りピークは1日
 JR西日本は16日、ゴールデンウイーク期間中(28日−5月5日)の指定席予約状況をまとめた。15日現在、関西を中心とした指定席は43%が予約済みで、前年同期と比べて5ポイント増加した。関西地区からの下りのピークは5月1日で、予約率は新幹線と在来線を合わせて60%。上りは5月4、5両日予約率が63%で、ピークとなっている。新型新幹線「700系のぞみ」や、新型寝台特急「サンライズ瀬戸、同出雲」など一部の列車は込みあっているが、新幹線、在来線とも早朝や夕方から夜にかけて、まだ余裕があるという。(朝日新聞)
■展望列車で南国ムード JR紀勢線串本−新宮間
 和歌山県内で29日から始まる「ジャパンエキスポ南紀熊野体験博リゾートピアわかやま'99」(同実行委員会主催)に合わせ、JR西日本が紀勢線串本−新宮間で運転する新しい展望列車「きのくにシーサイド」が完成し、試運転を続けている。同社は、沿線の一部に赤い花をつける南米産のブーゲンビリア計1999本を植えており、車窓からも南国ムードを漂わせる計画だ。(朝日新聞 夕刊)
19日■踏切で女性死亡 関西線ダイヤ乱れる
 18日午後8時ごろ、京都府相楽郡加茂町里西大間田のJR関西本線・観音寺踏切で、女子高校生(16)が難波発加茂行きの快速電車にはねられ、全身を強く打って即死した。
 木津署によると、高校生は下りている遮断機をくぐり、線路の中央付近で立ちすくんでいたといい、自殺とみて調べている。
 JR西日本によると、この快速電車が現場に約30分間停車したほか、上下3本が運休。7本が最大約1時間50分遅れ、乗客約600人に影響が出た。(京都新聞)
■はねられ女性死亡 京都・加茂、JR関西線
 18日午後8時ごろ、京都府加茂町里のJR関西線観音寺踏切付近で、若い女性が難波発加茂行きの快速電車(8両編成)にはねられ、全身を強く打ち即死した。このため、上下線あわせ3本が部分運休し、8本が最高で1時間46分遅れ、約600人に影響が出た。
 木津署の調べでは、この女性は下りていた遮断機をくぐり、線路上に立ちすくんでいたらしい。同署で身元の確認を進めているが、遺書らしいものを持っており、自殺とみられる。(朝日新聞)
■小さなバス格安快走中 公共施設と住宅街直結 自治体、民間に運行委託
 病院や役所、図書館などの公共施設と住宅街を結ぶ小さなバスが各地で運行を始めている。「コミュニティーバス」と呼ばれ、自治体がバス会社に運行を委託する例が多い。採算性は度外視し、料金も無料か100円程度。停留所の間隔が短いため、自宅近くから「ドア・ツー・ドア」感覚で乗れる。マイカー抑制による排ガス減少や高齢化社会をにらんだ新しい住民の足としてこれからも広がりそうだ。(社会部・塚本 和人)
 大阪府熊取町では、定員39人の「ひまわりバス」が1日から走り始めた。住宅街と町役場、福祉センター、体育館などを巡回する5路線で、1日各5便が運行している。
 各路線とも距離は約13`。約200−900b間隔に計56ヵ所の停留所を設けた。バスは平均時速17`で30−45分かけてゆっくり走る。運転は平日の日中だけで、利用者は町民に限られる。気軽に利用してもらうため料金は無料にした。幹線道路を避けているためほぼ時刻表通りの運行ができるという。
 熊取町には民間バスが3路線で走っているが、お年寄りや主婦らから自宅の近くまで来てくれるバスを望む声が寄せられていた。町は年間約3000万円で運転や管理を民間全社に委託。いまのところ多いときで1台に10人以上が乗車する。
 町生活環境課は「きめ細かい路線網を心がけた。お年寄りが外出する機会を促し、将来はさらに便数を増やしたい」と期待をかける。
●商店街にふらっと
 金沢市では3月末から、中心部の武蔵ケ辻や近江町市場と住宅街を結ぶ1周4.6`のコースで、「ふらっとバス」の運行が始まった。15分おきの運転で、運賃は一律100円。一般車は通行できない商店街のアーケードにも乗り入れ、空洞化した市中心部の活性化も目指す。車内に段差のない小型バスを欧州から輸入し、1日600人の利用者を見込んでいる。
 2年前から小型バスの巡回を始めている大阪府泉佐野市では、病院などの公共施設のほかJRや私鉄の駅にも寄る。1日15便が30分おきに出発。運賃無料で、土日・祝日でも便数を減らして運転する。駅を経由するため通勤・通学客の利用も多く、乗車実績が1便平均13人と伸びたため5月から増便を計画している。
●1日に2500人が利用
 このほか、奈良県大和高田市では「きぼう号」が、市営温泉施設と診療所などの間を1日13便運行している。70歳以上や障害者は無料で、一般の初乗りは170円。公共施設利用者には優待乗車証が配られ、帰りは無料で乗れる。
 1995年11月にコミユニティーバスを全国に先駆けて導入した東京都武蔵野市では、1日の利用者がいまや約2500人。一律100円で、回数券での利用者が4割を占め、住民の足としてすっかり定着したという。
 近畿運輸局によると、近畿2府4県の乗り合いバスの年間利用者数は72年度の15億人をピークに、97年度は10億人まで落ち込んだ。公共交通機関の空白地域を埋める輸送手段としてコミュニティーバスの導入が相次ぎ、把握しているだけで近畿圏では大阪、兵庫、奈良、和歌山各府県内の計11地域、首都圏は30−40地域にのぼるという。
 運輸政策審議会(運輸相の諮問機関)の自動車交通部会は9日、路線バス業界の大幅な規制緩和案を答申した。2001年度からの規制緩和で新規参入だけでなく、撤退も原則自由となる見込みで、バス会社が採算性の低い路線から撤退する可能性が高くなる。
 一方で答申は、生活交通の確保について、自治体が走らせているスクールバスや福祉バス、乗合タクシーなどの転用を提唱。自治体による民間会社への運行委託的な補助も提案するなどコミュニティーバスの可能性にふれている。
 答申をまとめた自動車交通部会長の岡野行秀・創価大教授(公共・交通経済学)は「自治体が今のままの路線バスのネットワークをそのまま維持するのは財政的に難しい。だからこそ運行コストを見直し、ルートや料金などを利用者に便利なように再編することが必要で、地域の実情に応じて走るコミュニティーバスの広がりに期待したい」と話している。(朝日新聞 夕刊)
20日■ヨドバシカメラ 大阪駅前開発を推進 複合ビル建設中止せず
 JR大阪駅北側に広がる旧国鉄大阪鉄道管理局跡地(面積約2f)の再開発で、この跡地を2年前に落札したカメラ量販店大手のヨドバシカメラ(本社・東京)が、21日に事業計画を発表し、再開発に乗り出すことになった。景気低迷が長期化した影響で、入札を実施した日本鉄道建設公団(鉄建公団)の関係者らの間では一時、ヨドバシカメラの計画断念が懸念されたが、同社は、商業棟と事務所棟からなる複合ビルの建設を目指す。
 ヨドバシカメラは商業棟に、カメラやパソコンをはじめとする電子機器をそろえた大型店を出店するほか、複数の専門店を誘致する方針だ。建物は鉄建公団の子会社、レールシティ西開発(本社・東京)が建設する。入札時に提示した計画では、2001年秋をめどに複合ビルを完成させるとしていたが、この時期を遅らせる。ヨドバシは現在、東京、札幌、新潟などを中心に計26店を展開しているが、大阪の新店は、関東より西で初の店舗。今後の西日本での展開の足がかりにする。
 旧大阪鉄道管理局跡地については97年3月、土地を保有している鉄建公団(当時、国鉄清算事業団)が、建物提案方式による入札を実施。ヨドバシカメラが1010億円の入札価格を提示し、本命視されていた百貨店大手の三越を抑えて落札し、話題になった。(朝日新聞)
■関西の鉄道 電車とホームに小さな架け橋 車いす用「スロープ板」導入進む 大阪市内の障害者作業所 業者との連携実る
 車いすで簡単に列車に乗り降りできる折り畳み式の軽量スロープ板を導入する関西の鉄道が増えている。JRや私鉄が先んじて採り入れ、大阪市営地下鉄がこのほど全駅に設置し終えた。オーストラリア製で、1台約5万5000円。大阪市内の障害者グループが日本に合った製品づくりを依頼し、鉄道事業者に導入を働きかけた。一方で「スロープ板があるのに、使ってくれない」との声もあり、駅員への徹底が不十分なケースもみられるようだ。
 大阪市営地下鉄の場合は通常、ホームと車両のすき間は5aで段差が9aある。1日平均で約630人(1997年度)の車いすの利用者があり、駅員数人で持ち上げて乗降を手伝ってきた。スロープ坂はプラスチック製で重さ6`。3つ折りにして運べ、ホームと車両の間に架ける。同市は98年から導入し、この3月までに地下鉄と新交通システム・ニュートラムの全119駅に170台を備えた。
 輸入元のケアメディックス(東京)によると、関西ではJR西日本が94年から大阪、京都など主要駅に置き始めた。京阪や阪神、阪急、近鉄、南海も設置。京阪や京都市営地下鉄は全駅に備える。「関東より関西で普及が進む『西高東低』の傾向がある」と言う。
 きっかけになったのが、身体障害者でつくる大阪市北区の作業所「インフォメーション・オフィス・ライザー」(時田和明代表)の働きかけ。
 駅員に持ち上げてもらうといっても、電動車いすは重さが100`近くになる。車輪がホームと車両の間にはさまって、障害者がひやりとすることも度々あった。軽いスロープ坂のことを知った時田さんらは、オーストラリアの設計者と連絡を取り、日本に合った製品づくりを進めた。鉄道事業者への説明会も開き、導入を求めてきた。
 一方、駅員の意識を問題視する声もある。3月末、大阪市交通局に1通の要望書が出された。週4回、母親が入院する病院まで車いすで地下鉄を利用している大阪市内の男性からだ。
 スロープ板があるはずなのに「そんなものは知らない」「うちの駅では使っていない」と言われたり、駅員が使用方法を知らなかったりしたことが何度もあったという。
 「どこまで乗客の安全を考えているのか」と訴える男性に対し、交通局は「駅員への指導を徹底したい」と話している。(朝日新聞 夕刊)
21日■信号故障し立ち往生 JR塚口駅で快速電車
 20日午後7時20分ごろ、兵庫県尼崎市のJR福知山線塚口駅で、上り線の出発信号が赤のまま変わらなくなり、通過するはずだった新三田発木津行きの快速電車がホームで立ち往生した。約40分後に運転を再開したが、上りはこの快速を含めて特急など計9本が遅れ、上下合わせて14本の普通電車が運休した。約6600人に影響が出た。
 JR西日本によると、塚口駅構内のポイント部分に鉄くずなどがたまったために、信号機付近のレールに異常な電流が流れたらしい。(朝日新聞)
■JR東海道線で遅れ 尼崎駅、運転台に異物
 21日午前8時20分ごろ、尼崎市潮江のJR東海道線尼崎駅で、同駅発京都行き普通電車の運転台のかぎ穴にプラスチック片が詰まっているのを、スイッチを整備していた運転士が見つけた。運転士がプラスチック片を取り除き、電車は14分遅れで同駅を発射した。
 この影響で上下計5本が運休、計9本が最大15分遅れ、約6800人の足が乱れた。JR西日本で原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■子ども2人駅に置き去り 七条署、母に逮捕状
 8歳と7歳の子ども2人をJR京都駅に置き去りにしたとして、七条署は21日までに、保護責任者遺棄の疑いで、大阪市内の30代の母親の逮捕状を取った。生活上の理由で2人を置き去りにしたとみられ、2人は小学校にも通っていなかった。
 七条署によると、母親は先月27日、JR大阪駅で、長男(8つ)と長女(7つ)に「京都駅でおばあちゃんが待っている」と告げ、京都駅までの切符を持たせて、電車に乗せた。2人は京都駅構内で数時間、祖母を待ち続けた後、府警鉄道警察隊に保護された。
 同署は、母親が捜索願を出すなど子どもを捜す努力をしておらず、京都に親族もいないため、2人を置き去りにしたと判断した。2人は京都市内の児童相談所に保護されている。(京都新聞 夕刊)
■かぎ穴に異物 電車動かせず JR尼崎駅
 21日午前8時20分ごろ、兵庫県尼崎市潮江一丁目のJR尼崎駅構内で、同駅発京都行きの普通電車(7両編成)を運転士が発車させようとしたところ、電車を動かすための運転席の「マスコン・キー」のかぎ穴に異物が詰まり、かぎが差し込めない状態になっていた。運転士詰め所にあったピンセットで運転士が異物を取り除き、約15分後に尼崎駅を発車した。このトラブルで上下5本が運休するなどして、6800人に影響が出た。
 JR西日本によると、異物はプラスチックの破片で縦15_、横5_と縦16_、横8_の2つ。厚さは1−2_で、悪質ないたずらとみて調べている。(朝日新聞 夕刊)
22日■旧国鉄の年金債務 JR西、提訴断念 追加負担問題が決着
 JR西日本は21日、旧国鉄長期債務処理法で定められた年金債務の追加負担について、国を相手に訴訟を起こさないことを明らかにした。これまで「納得できない」との立場から裁判で争う姿勢を示してきたのを転換した。JR東日本などはすでに提訴しないことを決めており、JR西日本が断念したことで年金債務の追加負担問題は決着。JR西日本の南谷昌二郎社長は同日、川崎二郎運輸相と会談。この席で運輸相が「新たな追加負担を求めることはあり得ない」と約束したことが決め手となった。
 会談後に運輸省で記者会見した南谷社長は「JR側への配慮が足りなかったことに遺憾の意も表明していただいた。われわれとしては訴訟について、本日をもって事実上決着したと判断している」と述べた。
 総額28兆円を超える旧国鉄債務の処理策については、昨年10月、JR各社に追加負担を求める旧国鉄債務処理法が国会で成立。このためJR東海が全面受け入れを表明したのに続き、各社が次々と受け入れを表明した。(京都新聞)
■地下鉄東西線京阪乗り入れ 二条駅まで延長要望へ 京都商議所 観光振興に必要
 京都商工会議所は、京都市地下鉄東西線の京阪電車乗り入れ区間(御陵駅−京都市役所前駅)の二条駅までの延長と、東西の観光ターミナルである京福電鉄北野白梅町駅−叡山電鉄出町柳駅間の市バスの利便性向上を求める要望書をまとめた。近く京都市長と市交通局長に提出する。
 要望書は、同会議所の地域開発・都市整備委員会が、「市内の観光地間の移動手段は非効率」として緊急課題をまとめ、常議員会などで提出を決めた。
 東西線への京阪電車乗り入れは現在、三条京阪駅の西隣の市役所前駅までで、大津方面から二条駅や烏丸線への乗換駅・烏丸御池駅に行くためには、京阪電車と市地下鉄を乗り継ぐ必要がある。利用者から不満の声が出ており、同会議所は観光振興の観点からも要望することにした。
 北野白梅町駅−出町柳駅間の今出川通の交通網整備は、すでに同会議所委員会がシャトルバスの運行などを提言しているが、要望書ではさらに、バス停配置の見直しや案内の充実などを求めている。
 東西線の京阪電車の乗り入れは、当初は旧京津線区間の三条京阪駅までの予定だったが、路線の構造上、同駅に折り返し施設を設けることができず、市役所前駅になった。区間延長には、地下鉄、京阪電鉄双方に設備改造や車両増強が必要で、運営経費の増加も見込まれる。(京都新聞)
■京都駅 子ども置き去り 容疑の母親逮捕
 子ども2人がJR京都駅で置き去りにされていた事件で、七条署は21日、保護責任者遺棄の疑いで大阪市阿倍野区、風俗店従業員の母親(31)を逮捕した。
 調べでは、母親は3月27日午前、JR新大阪駅で、長男(8つ)と長女(7つ)に「京都で降りたら、おばあちゃんが迎えに来るから」と話し、切符と菓子を持たせて電車に乗せ、そのまま置き去りにした疑い。
 2人は京都駅に着いて約5時間半、ホームのベンチに座っていて、府警鉄道警察隊員に保護された。調べに、母親は「友人が迎えに行くはずだった」と容疑を否認している、という。
 七条署によると、母親は長男、長女、二女(3つ)と勤務先の寮で暮らしていた。長男と長女を置き去りにした後も、二女は手元で育てていた。(京都新聞)
23日■地下鉄山科駅で証明書の発行も 京都市、来月10日から
 京都市は来月10日から、地下鉄東西線の山科駅(山科区)に「市証明書発行コーナー」を開設する。山科区役所や醍醐支所に出向かなくても、住民票などの証明書がターミナルで取れるようになる。
 設置場所は、同駅改札正面にあるラクトA地下一階(ラクトメトロモール内)。開業は祝日を除く月曜から金曜までの午前8時半−午後7時。住民票の写しや印鑑登録証明書、所得証明書や納税証明書などの税務関係証明書などを取り扱う。住所変更や印鑑登録、戸籍関係は受け付けない。
 山科駅は、東西線のほかJRや京阪の駅があり、乗降客も多いことから、市民サービスの向上を目的に新たに設置した。駅ターミナルに証明書発行コーナーを設置するのは、烏丸線の四条、竹田両駅に次いで3番目。(京都新聞)
■架線切断され電車6本道休 JR山陽線
 22日午後3時10分ごろ、兵庫県太子町岩見構のJR山陽線網干−竜野間で、工事中のクレーン車が誤って下り線の架線を切断した。同区間の下り線は停電し、走行中の姫路発岡山行き下り普通電車(4両編成)が立ち往生したため、乗客約200人は電車を降りて約700b離れた網干駅まで歩いた。この事故で、上下計6本が運休、計6本が最大2時間22分遅れるなどして、乗客計約4000人に影響が出た。
 JR西日本によると、切れた架線は、電車のパンタグラフと接触する電線をつり下げる「ちょう架線」。現場は網干駅から西へ約2`離れた地点で、クレーン車は近くの網干電車区内の建物新築工事に使われていたという。(朝日新聞)
■立山・黒部 スリル紀行 アルペンルート全通
 富山県立山町と長野県大町市を結ぶ立山黒部アルペンルートが23日、全線開通した。立山はまだ深い雪に覆われていて、観光客を乗せたバスは雪の壁を縫うように走った。
 開通式があった「雪の大谷」付近は高さ16bの雪の壁。その間を歩く雪の大谷ウォークでは、訪れた観光客らが歓声を上げた。
 一方、冬の間休んでいた富山県宇奈月町の黒部峡谷鉄道のトロッコ電車も23日、宇奈月駅から出平駅までの一部区間(9.1`)の運転を再開した。
 おもちゃを大きくしたような電車を連ね、トンネルや鉄橋をいくつも通り、切り立つ黒部峡谷をゆっくり進む。乗客は新緑を楽しんだり、狭い渓谷を見下ろし、スリルを味わったりした。(朝日新聞 夕刊)
24日■痴漢
・「した」「しない」もめ電車遅れ8万人影響 JR埼京線
 「痴漢よ」「いや、違う」。23日朝、JR埼京線で起きた痴漢をめぐるトラブル。電車は赤羽駅に4分間、非常停止しただけだったが、ラッシュ時と重なりホームは大混雑した。上下51本の電車が最大25分遅れ、8万1000人に影響が出た。犯人は結局わからずじまいだった。
 警視庁赤羽署やJR東日本東京支社によると、同線赤羽駅の係員が川越発新宿行き上り通勤快速電車(10両編成)を非常停止させたのは午前8時ごろ。車内で、乗客の男女3人が、痴漢を「した」「しない」でもめていたのが原因だ。
 女子高校生(17)から「体を触られた」と指摘された男性会社員2人はともに否定した。3人は、車内で立ち止まって口論を続けた。乗り降りする客の流れが滞り、その間も赤羽駅から乗ろうとする客でホームはいっぱいになった。
 このため駅係員が、危険を避けようとホームに設けてある非常停止装置を作動させ、発車させなくしたという。
・「ビデオを見て」スカート切った疑い 大学生を逮捕 JR環状線
 「大阪府警都島署は、大阪市鶴見区の大学4年生(24)を強制わいせつの疑いで逮捕し、大阪地検に送検したと23日、発表した。
 調べでは、大学生は21日午後6時半ごろ、JR環状線森ノ宮−大阪城公園駅間で、満員の電車で帰宅途中だった高校3年の女生徒(17)の背後からカッターナイフでスカートを切って体を触るなどした疑い。
 泣き出した女生徒に、近くの女性会社員(22)が気つき、大学生に「女の子泣かせて何してるの」と問いただした。さらに京橋駅で大学生のえりをつかんで引き降ろし、鉄道警察隊員に引き渡した。大学生は「1週間前に女子高生の制服をカッターで切る痴漢のビデオを見て、同じようにしたかった」と話しているという。(朝日新聞)
■踏切で乗用車脱輪 電車3本が運休 伏見のJR奈良線
 24日午前4時50分ごろ、京都市伏見区桃山福島太夫西町、JR奈良線の踏切内で、同区桃山長岡越中東町、セラミック加工販売業杉本直さん(56)の乗用車が線路に脱輪し、動けなくなった。杉本さんが非常ボタンを押し、奈良行き回送電車が踏切の約300b手前で停止、車をレッカー車で取り除いた後、約1時間後に運転を再開。伏見署とJR西日本によると、後続の電車3本が運休、京都−六地蔵間で一時、近鉄、京阪に振り替え輸送された。(京都新聞 夕刊)
27日■瀬戸大橋線に新幹線導入を 香川知事が表明
 香川県の真鍋武紀知事は26日の記者会見で、JR瀬戸大橋線の利用客低迷に関連し、現在の軌道を利用したまま新幹線が乗り入れられるフリーゲージトレイン(軌間可変列車)の導入へ向けて関係各県と連携し、今後の利用促進を図る考えを明らかにした。同列車は車輪の幅を自由に変えて、異なる軌道を走行できるシステム。鉄道総合技術研究所などが新幹線と在来線との相互乗り入れを目指して開発を進めている。(京都新聞)
■文明開化の美術 ある青年画家の回想 4 木下直之 始めての汽車 ガス灯の明るさに驚く
 平木政次は、ようやくたどり着いた横浜の印象をこんなふうに語っている。
 「予て世界国づくしで読み覚への瓦斯燈を見て、其の光輝に驚きました。」
 もちろん、光り輝いていたのは瓦斯燈ばかりでなく、日本離れをした横浜の町そのものだっただろう。明治6年(1873年)の時点で、横浜は外国人居留地として、既に14年の歴史を刻んでいた。
 つてを頼って、横浜で評判の画家、五姓田芳柳に入門を願い出たところ、快く面接に応じてくれた。芳柳は文政10年(1827年)の生まれだから、この時46歳になる。やがて現れた息子ほどの平木に深い同情を寄せたのは、芳柳自身が武士だったからだ。
 紀州藩士の子として江戸藩邸に生まれたが、7歳で母を亡くし、すぐにまた父を亡くした。父は殺されたという。その後、養家を転々とし、その都度、姓を変えたことから、最後には五姓田を名乗ることにした。目の前でかしこまる貧乏士族の子が、若き日の自分を見るようだったのかもしれない。
 この芳柳の話は後のお楽しみとして、今回は平木にくっついて汽車に乗らねばならない。入門を許されると、平木はいったん東京に向かった。旧主家のご機嫌うかがいや墓参りを済ませるためだった。
 新橋横浜間の鉄道が明治5年(1872年)9月に開通して、まだ1年にもならない。もちろん、汽車に乗るのは生まれて初めての体験だ。その時の印象を、「汽車が走るのか、丘が走るのか判らない様に感じました。」と記している。
 平木は、もう一つ面白いことを書いている。乗客が駅へのんきにぞろぞろとやってきて、みんな発車時間にルーズだというのだ。だから、駅員が鈴を鳴らしてせき立てた。
 これは、逆に、鉄道が日本の社会に分刻みで動く時間の観念を持ち込んだ張本人だと理解すべきだろう。120年後の今日、われわれの都会生活は、むしろ乗り物の時間に合わせて成り立ってさえいる。
 横浜から新橋まで、わずか1時間だった。その速さばかりでなく、さまざまな人々が同じ客車に乗り合わせて移動すること、それが一定料金で保障されていることなど、すべてが新しい事態だった。こうして、鉄道は、平木が思い出す不衛生で危険に満ちた昔の旅を大きく変えてしまった。(東京大学助教授)(京都新聞)
■窓 電車内の放送必要最低限に 伏見区・飯田 訓也(無職・67)
 過日、NHKテレビの「クローズアップ現代」で「駅のアナウンスがうるさいサービスとおせっかいの境界−」を見て同じ感情を持ちました。
 というのは私鉄を利用する時に、駅よりも車内の放送で親切に聞こえるようで案外うるさく感じる経験があるからです。少しでもうるさい、やかましいと感じれば名曲も騒音になるといわれます。車掌の中には懇切丁寧に言えば客に喜ばれると思っている人があるかもしれませんが、これは要注意でしょう。
 どの私鉄(JRも含め)も「お忘れ物のないようにお降りください」は定番になっているようです。そのうち「スリがいますので貴重品には十分ご注意ください」などの放送でも入れば、たまったものではありません。最低限度の放送といえば次に停車する駅名でしょう。「次は○○駅まで止まりません」の言い方は完全な誤りですから(○○駅も止まらないことになる)、絶対言われない方がよいでしょう。
 発車間際の駅の音楽(チャイム)も随分考えておられるようです。多くの客が快適に乗車できるよう、駅や車内の放送のさらなる見直しや再考を願ってやみません。(京都新聞)
■JR山陽線 貨物列車と乗用車衝突 姫路、寝台など遅れ
 27日午前1時20分ごろ、兵庫県姫路市町坪のJR山陽線棚田踏切(警報機、遮断機付き)で、博多ターミナル発東京ターミナル行き貨物列車(宮崎栄二運転士)と同市飾磨区英資乙、会社員中里貴雄さん(37)の乗用車が衝突。はずみで中里さんの車が後ろに止まっていた乗用車にぶつかった。この事故で中里さんが頭に軽いけがをした。貨物列車は現場に1時間10分停車、後続の寝台列車など上下12本に最高一時間13分の遅れがでた。
 姫路署の調べでは、中里さんの車のボンネット部分に列車が接触したらしい。(朝日新聞 夕刊)
28日■京都市バス70周年 ファン2人が路線一覧出版 69系統すべてに乗車、次々新鮮な発見 見事な転換・踏切音
・古井車庫・急行運転 1年かけて魅力を調査
 京都市バスが70周年を迎えたことを記念して、バス愛好家2人が路線を調査し、系統一覧を自費出版した。2人は現在走っている69系統すべてに実際に乗り込んで、沿線の特色や路線の歴史をまとめた。京都市交通局は「まとまった資料は作ったことがないので、非常に貴重」と注目している。
 調査したのは中京区の会社員古路伸さん(26)と千葉県浦安市の会社員中尾徹さん(27)で作る愛好家サークル「日本過疎バス友の会」。
 京都市バスは1928年5月に出町−植物園前間(2.5`)で創業した。古路さんらは97年10月から約1年がかりで調査を進め、周辺の景観や地理的特徴など各路線の魅力を詳しく紹介。原則として1系統につき1nを割いた。
 「北白川仕伏町に到着後、細いながらも交通量のある通りで誘導員の指示に従って行われる右折−バック−左折という手順の方向転換は見ごたえがある」と紹介された3号系統(松尾橋−北白川仕伏町)など、実際に乗車した調査ならではの具体的な描写が多い。
  203号系統(錦林車庫前、西大路四条経由循環)は、「綿林車庫内からバスが路上に出るとき、踏切のカンカンという音が鳴りバスが出てくる」という。「市電時代から使われている綿林車庫独特のもの」と解説されている。
 「国道9号の渋滞に巻き込まれやすいが、道幅が広く車線が多いことも手伝ってかなりの速度が出る」(73号系統)、「道幅の広い堀川通を急行運転するので快速9号系統も顔負けの早さ」(101号系統)など、実用的な情報も多数盛り込まれている。
 65年以降現在までの各路線の伸長、廃止、変更たどの歴史が系統図と共に細かく記載されている。
 古路さんと中尾さんは、大学の鉄道研究会に所属していたころからの顔なじみ。そのころから鉄道よりもバスが好きで、2人で行動を共にすることが多かった。市バス路線の変遷や各路線の特色についてまとめた資料がほとんどないことから、「それならは自分たちで調べてみよう」と、1993年に同会を発足。府北部や山陰地方などの地域バスの特徴を実地に調べた本などを刊行してきた。
 古路さんは「自分たちで一から調べていくと、次々と新鮮な発見がある」と話している。
 B5判86n。申し込みは、〒604-8414 京都市中京区西ノ京小倉町四番コーポライフ102号井上さん方古路伸さんまで、1300円分の郵便小為替を同封し封書で請求してほしいという。返信用切手は必要ない。(朝日新聞)
■梅田−池袋間の夜行バス2社申請
 阪急バス(大阪府豊中市)と西武バス(東京都豊島区)は、大阪・梅田と東京・池袋を結ぶ夜行高速バスの路線開設を近畿、関東両運輸局に申請した。共同運行方式で1日1往復、約8時間で結ぶ。運転開始は今年7月の予定。
 梅田の阪急三番街から新大阪、千里中央などに途中停車し、名神、東名、中央道などを経出して池袋のサンシャインシティプリンスホテルまで走る。大阪発は午後10時40分、池袋発は午後10時で、運賃は大阪−池袋間8610円(小人4310円)。(朝日新聞 夕刊)
29日■長めの休日にワクワク GW 京都駅は静かなスタート 海外旅行増 関空はや出国ラッシュ
 29日からのゴールデンウイークを控えた28日、関西空港では大型連休を海外で過ごす旅行客の出国ラッシュが始まり、国際線出発ロビーは大きな荷物を抱えた家族連れなどでにぎわった。今年は連休が取りやすい曜日配列のため、長距離路線の伸びが目立っている。
 大阪入国管理局関西空港支局によると、この日の出国予定者数は推定で普段より6000人多い2万人。出国のピークは5月1日で、9日までの連休期間中、昨年の同じ時期より2万4000人多い16万2000人余りが海外に出かけるという。
 一方、JR京都駅ではこの日、普段とほとんど変わらない人出で連休に向けて静かな滑り出しとなった。
 午後7時9分発特急スーパー富鳥富山行きの自由席には行列ができ、京都からは座れない状況だったが「いつもより若干多いという程度」と駅の係員。
 人出のピークについてJR西日本京都支社は、下りが5月1日、上りが同4日と見ている。東海道新幹線でも、下りは1−2日、上りは4−5日に予約が集中しているが、全体としては分散傾向。JR東海では「分散化はここ数年の傾向。大型連休以外の日にも休みが取りやすい社会になってきたのでしょうか」と分析している。(京都新聞)
■JR幹部がちかん容疑 阪和線、懲戒解雇
 JR西日本大阪支社の大阪土木技術センター所長(52)が2月末、JR阪和線の車内で女性会社員(19)の太ももを触ったとして、堺南署に迷惑防止条例違反の疑いで事情聴取を受けていたことが28日、分かった。同社は事態を重くみて、3月10日付で所長を懲戒解雇している。
 調べでは、所長は2月26日午後11時50分ごろ、酒を飲んで帰宅途中、阪和線の堺市−鳳駅間の車内で隣の席に座った大阪府岸和田市内の女性会社員の左足太ももを触った疑い。(朝日新聞)
■スカイマーク社、大阪空港乗り入れ 「即戦力」を集めて安全運航 ナニワの空飛ぶ「転職集団」 国内各社、ガルーダ、エジプト航空OBも 元同僚「手ごわい相手」
 長い間、日本航空(JAL)や全日空(ANA)、日本エアシステム(JAS)の大手航空会社系しか国内線に就航していなかった大阪空港に24日、航空会社「スカイマークエアラインズ」(本社・東京)の飛行機が乗り入れる。去年9月、「半額運賃」で羽田−福岡線に就航したが、関西デビューは初めて。売り物は大阪−札幌2万1000円、大阪−福岡1万円という安さだ。大手各社も値引きで対折する。就航前のスカイマークの支店をのぞくと、少数精鋭の「即戦力集団」の姿があった。
●新卒4人
 1994年9月に国際線が関西空港に去ってから、大阪空港の旧国際線ビルは空っぽのままだ。去年暮れ、ビル1階の旧シンガポール航空事務所跡にスカイマークは大阪空港支店を構えた。「いやあ、チェックインカウンターまで遠くて」と大場直温支店長(61)。約300b離れ、早足でも5分はかかる。
 大場さんは97年秋、全日空大阪空港支店の副支店長で定年退職した。大阪で年金生活を始めたが、昨春、スカウトの電話がかかってきた。「給料は3分の1だが、日本の航空のために」と復帰を決めた。新年早々、全日空の支店をあいさつに訪れた。帰った後、かつての部下の総務課主査中村妊志さん(34)は「手ごわい相手ですね」と複雑な気持ちをにじませた。
 副支店長の国松広幸さん(45)は、ガルーダ・インドネシア航空から転身した。「ガルーダは国営ですから、つぶれることはない。給料も若干下がるが、最後のチャレンジと思って将来にかけました」。スイス航空から転身の課長と、3人で支店の管理職を務める。
 支店勤務者39人のうち、新卒は4人だけ。JALやJAS、ANAのほかエジプト航空、中国国際航空、ノースウエスト航空など大半が他社からの転身組だ。
●ベテラン
 97年9月の運輸省の規制緩和で、定期便機長の定年は60歳末満から63遠未満に引き上げられた。これを利用し、大阪在住の全日空OB九人を含む13人の機長がスカイマーク機に乗り込む。全員が60歳か61歳。「2万時間は飛んでいる。平均年齢は高いが、安定感がありますよ」と大場さん。年収が低い外国人機長も15人採用した。
 空港の制限区域内で車を運転するには、運輸省の試験を受けて資格を取らなければならない。客や運航乗務員を車で飛行機まで運ぶことも出てくる。「少数だから、全員が何でもできるように」と、運転免許を持つ支店勤務者28人全員に資格を取らせた。
●JR静観
 JAL、ANA、JASは6月からそろって、前日までの予約に限り、大阪−札幌をスカイマークと同じ2万1000円(正規料金3万850円)に設定する。大阪−福岡は1000円高い1万千円(同1万5800円)になる。
 日本航空大阪空港支店総務グループの矢次創一主任(30)は「運賃は等しくした。あとは安全性、定時性、サービス性の勝負。これまで培った経験があり、負けない自負がある。ただ、スカイマークの参入で、航空業界全体の総需要が伸びているという側面もある。これからは新幹線との戦いかもしれません」と話す。
 山陽新幹線の新大阪−博多間は、最高時速300`の「500系のぞみ」が最短2時間17分で結ぶ。正規料金は1万5560円。
 近畿と北部九州間の利用者のシェアは、93年には七割以上を新幹線利用者が占めたが、97年は6割5分に落ちた。
 だが、JR西日本は今のところ値下げ競争には加わらない方針だ。
 スカイマーク便 大阪−札幌は一日2往復。8時20分、13時25分大阪発。10時55分、16時札幌発。大阪−福岡は1往復。18時35分大阪発、19時10分福岡発。ボーイング767-300型(309席)を使用。初便は24日午前8時20分、札幌へ離陸。(朝日新聞 夕刊)
30日■エンジン故障 特急遅れる JR山陰本線
 29日午後8時半ごろ、京都市中京区内のJR山陰本線の丹波口−二条駅間で、京都駅発西舞鶴駅行きの特急「タンゴエクスプローラー3号」(3両編成)が走行中、エンジンの不調で加速できなくなった。二条駅に停車後、運転士が車両の点検を行い、列車は約30分後に出発した。
 列車故障のため、後続の上下各1本の列車が6−9分遅れ、故障車の乗客を含めて約500人の足に影響が出た。(京都新聞)
■サウジ鉱山鉄道、計画困難 アラビア石油の権益延長に影響 採算なく、事業化見込めず 通産省は対応苦慮
 【リヤド30日=武石英史郎」サウジアラビアで操業しているアラビア石油(本社・東京)の権益延長の前提としてサウジ側が日本からの投資を強く要請している鉱山鉄道計画の実現が事実上困難になっていることが30日、明らかになった。首都リヤドで30日から始まる与謝野馨通産相と同国政府との交渉で、改めて実現を求めてくるのは必至で、通産省は対応に苦慮している。
 鉱山鉄道は、サウジアラビア北部の内陸の鉱山で産出するリン鉱石やボーキサイトをリヤド経由でペルシャ湾岸の工業地域まで運ぶ計画。
 これまでの調査の結果、砂漠地帯に高さ5b、幅100bの大規模な土盛りを約1400`敷設する必要があり、建設費用は21億jかかる。さらに砂漠の砂あらしと高温の中で、維持費だけでも年間1億jは必要であることがわかった。
 サウジ側は用地を無償提供する代わりに、建設と開通後25年間の運営は日本側が責任を持つことを提案している。
 アラビア石油側が当初、前向きな返事をしたこともあり、サウジ政府内には、鉄道建設を権益延長の前提条件ととらえる見方が広がっている。しかし、鉱物運搬だけでは採算性は期待できず、今のところ事業主体として名乗りを上げる日本企業はまったくない。
 通産省は、実現は困難との判断に傾きながらも、対応を誤ると両国関係全体に悪影響を及ぼす可能性もあるとみて、対応策を慎重に検討している。(朝日新聞 夕刊)