1999(平成11)年 2月


1日■神戸電鉄の踏切に自転車など置く(京都)
2日■ふるさとの道はいま 三条通の軌道敷跡(京都市東山区−山科区)路面電車の雄姿、懐かしく(京都)
3日■旧国鉄年金債務追加負担 JR東海、全面受け入れ 今年度内207億円で一括 JR各社に影響必至(京都)
  ■旧国鉄年金債務追加負担問題 「株式利益」で違い JR東海 金利負担の軽減選ぶ(京都)
  ■700系のぞみ親子でどうぞ JR東海 試乗会参加者募る(京都)
  ■新拠点 京の梅小路 C57初整備”発車” 11日から「米原−木ノ本」間へ(京都)
  ■最古の地下鉄まで日本の手に!? 野村の英法人 買収視野と話題に(京都)
  ■GW割引制限 24商品で撤廃 JR西日本(朝日)
  ■御池通、地下鉄工事で消えたケヤキ並木 ”新人”90本まず植樹 270本めざし第一歩(朝日)
  ■丹後一周の地酒列車 宮福線開業10周年記念 21日出発、90人募集(朝日)
  ■デカ鼻のぞみ試乗いかが(朝日)
  ■今日的遺跡探検 1966 姫路モノレール わずか8年で休止(朝日)
4日■ラッセル車出動 山陰線(京都)
  ■見たい知りたい出会い隊 女性車掌ただいま69人 安全の守り手 酔客にも動ぜず JR西日本(朝日)
5日■窓 ペットも同乗できる車両を 亀岡市・石田 正一(会社員・49)(京都)
  ■大阪環状線乱れる(京都)
  ■環状線で停電 400人が缶詰め 20分後運転再開(朝日)
6日■”アヒル”快走 新型のぞみ700系試運転(京都)
  ■ポイントに石 信号変わらず JR天王寺駅(京都)
  ■琵琶湖一周140円の旅 JR区間特例で延長で可能に 格安ファン満喫 JR「お勧めできぬ」 〈琵琶湖1周140円〉〈大阪−兵庫南部1周120円〉(朝日)
  ■ポイントに石、JR止める 天王寺駅 8本運休(朝日)
7日■近鉄沿線の歴史街道紹介 11日発売 40ルート取り上げ(京都)
8日■大阪モノレール 女性パート駅員ただいま活躍中 好印象で利用者増狙う(朝日)
9日■窓 駅舎のいすは減らさないで 近江八幡市・荒木 優(無職・68)(京都)
  ■「700系」のぞみ 最終チェック走行(朝日)
  ■春の臨時列車 40本減らす JR福知山支社(朝日)
10日■快速が男性をひき 後続の列車遅れる JR兵庫駅(京都)
  ■発泡スチロール燃えJR北陸線一時停止 滋賀・長浜卸売市場(朝日)
  ■アヒル 乗り心地ゆったり 東京−新大阪間 700系のぞみ試乗会(京都)
11日■京阪淀駅高架化ゴー 京都市都計審原案通り承認 交通自由隊(競馬場周辺)解消狙い 来年度内着工 駅舎移設、広場も(京都)
  ■旧国鉄債務 追加負担に応じる考え 未上場JR4社(朝日)
  ■京阪淀駅 高架化へ 京都市都計審が承認 2006年3月の完成目指す(朝日)
12日■パジャマ男列車止める JR姫新線 入院中「家に帰りたかった」(朝日)
  ■架線の霜が電車遅らせる 福知山線、6200人に影響(朝日)
13日■JR西日本ダイヤ改正 六地蔵に快速停車 琵琶湖線・京都線 新快速2本増発(京都)
  ■市バス、柱に接触 乗客1人が軽傷 北大路ターミナル(京都)
  ■除雪作業中飛ばされ重体 KTR宮津線(京都)
  ■寒さのため急行が故障 JR京都駅(朝日)
14日■ホリディイン南海、清算へ 宿泊に重点、再出発(京都)
  ■重体の除雪作業員死亡(京都)
  ■除雪作業中のお年寄り死亡 宮津のKTR辛皮駅(朝日)
15日■JR東寝屋川駅で停車位置行き過ぎ(朝日)
16日■地下鉄もぐって1年 東西線効果だ 人工が”浮上” 山科(567人)・中京(571人)で増加 京都市、新たな動き注目 昨年10月調査(京都)
  ■旧国鉄債務で改めて要請(朝日)
  ■タイムアングル 道路拡張 元の道路を歩く人が多いのは、心情的に理解できる(朝日)
  ■草津線で車両故障(京都)
17日■JR西日本 執行役員制度を導入 社長会見 追加負担、来月支払い(京都)
  ■信楽鉄道事故 「JR側にも責任」 来月の公判 県警報告書を提出(京都)
  ■お年寄りもゆったり モノレールで天橋立を一望 文珠山 展望施設に今夏設置(京都)
  ■窓 運転手次第でバス心地よく 左京区・水野 誠(無職・61)(京都)
  ■IC内蔵、読み取り機にかざすだけ 非接触カード、開発進む 広島児では鉄道初導入(朝日)
  ■モノわかりのいい話 電車が大幅遅れ どうなるの? 不親切な振り替え案内 きめ細かい情報もっと(朝日)
  ■特急にはねられ死亡 下京の東海道線で男性(京都)
  ■ブレーキ故障 新幹線に遅れ 平塚で1時間半(朝日)
18日■旧国鉄債務 JR東日本、700億円追加負担 98年度中に全額支払い 訴訟も断念(京都)
  ■JR東日本の追加負担表明 完全民営化の実現へ 苦渋の決断下す(京都)
  ■伏見のJR架線に枝 奈良線一時ストップ(京都)
  ■白い煙は独立のシンボル 悲願の鉄道開通 外国の援助、一切受けず エリトリア(京都)
  ■旧国鉄債務 705億円一括支払いへ JR東日本 全社受容、政府と決着(朝日)
  ■JR京都駅乗り入れ規制から1ヵ月 50人の運転手に聞く 四条河原町を中心に 繁華街で客待ちの列 流しや穴場の病院へも(朝日)
  ■架線に木の枝 電車11本運休 JR奈良線(朝日)
19日■JR西日本 福祉事業へ”発車” ホームヘルプや用具レンタル 2000年度 介護制度に対応(京都)
  ■市が33億円計上 来年度 まず買収と文化財調査(京都)
  ■京都市99年度予算案詳報〈上〉(抜粋)(京都)
  ■市バス、地下鉄、下水道 赤字額は軒並み増大 京都市公営企業99年度予算案(抜粋)(京都)
  ■窓 住民に役立つ市バス運行を 伏見区・土渕 康雄(契約社員・58)(京都)
  ■地下鉄 累積赤字1411億円 東西線の乗客数響く(朝日)
  ■長岡京市は「超積極型」 一般会計16.5%増の予算案 JR駅西口 再開発に重点(朝日)
  ■JR桜島線移設 4月から営業へ テーマパーク最寄り新駅も(朝日)
  ■近鉄特急回数券 偽造500枚、金券店に 難波−名古屋 一部使用される(京都)
  ■近鉄ニセ切符 大量に出回る 名古屋の金券、ショップ(朝日)
  ■関西空港線 強風で運休 JRと南海(朝日)
20日■国を相手にした訴訟 株主総会までに結論 JR西日本社長(京都)
  ■京都市99年度予算案詳報〈下〉(抜粋)(京都)
  ■近鉄奈良駅まで延長 地下鉄烏丸 線来年3月から 昼間に急行を運転(朝日)
  ■南海・京阪も…利用路線3倍 「スルッとKANSAI」より便利に 乗客争奪?JRも導入予定(朝日)
  ■市バス暴走 街路樹や電主ボキッ 早朝の右京 6人けが(京都)
  ■お参りはモノレールで 富山の山寺 檀家高齢化で設置(京都)
  ■市バス衝突、6人けが 京都 電柱やイチョウ倒す(朝日)
22日■東京のJR貨物線 作業員はねられ5人死亡 運行確認を怠る 回送列車「来ない」と思い込み(京都)
  ■電気系統の故障で特急列車2本運休 JR米原駅(京都)
  ■JR貨物線 5作業員はねられ死亡 東京・品川 臨時列車に 責任者「確認怠った」(朝日)
  ■全国1900駅 バリアフリーまだまだ エレベーターない7割 エスカレーターない5割 調査の国も「不満」(京都)
  ■線路に遺体 JR26本運休 摂津(京都)
23日■タイムアングル 高瀬舟 運河が開通、京都の物価は現実に値下がりした(朝日)
  ■トンネルの壁 崩落し脱線 大分のJR久大線(京都)
  ■すーぱーコレクター 鉄道切符 小さな神片に詰まった情報 東京都 築島 裕さん(京都)
  ■トンネルの壁落下 大分のJR けが人なし 列車乗り上げ脱線(朝日)
24日■運行システム異常起き運休 JR阪和線、50本(朝日)
25日■通勤定期券 持った人はだれでもOK お父さん休みなら私が使う 札幌市新サービス(京都)
  ■関空の玄関口 京都CAT 利用者延びず「低空飛行」 手荷物事前預かりなど検討 サービス拡大で”上昇気流”へ(京都)
  ■ナイスゴーインクの2路線、割引率拡大 JR九州(京都)
  ■能勢電鉄も4月から 全席を優先指定に(朝日)
  ■京都市バス 横大路営業所 業務委託、2段階で 副市長表明 来春、まず半分程度(京都)
  ■JR東海道線 事故で乱れる 8万9000人に影響(朝日)
  ■通信回線の老朽化が原因 JR阪和線トラブル(朝日)
26日■京都市バス・地下鉄事業秋に新経営計画 市会で市長(京都)
  ■JR二条駅前案が浮上 食文化プラザ建設候補地(朝日)
  ■バス運賃の休日割引導入 4月から、南海電鉄(朝日)
  ■いざという時お任せ 大阪に新幹線指令所(朝日)
27日■特急「はしだて80号」 土、日、祝すべて運行 KTRの春季ダイヤ(京都)
  ■JR宇治駅橋上化と新駅建設 地域振興へ期待担い起工式(京都)
  ■鳥の目探訪 京都駅ビル(朝日)
28日■新幹線、米原−岐阜羽島間 「雪害」今年は一段と JR東海「我慢してもらうしか」(京都)
  ■架線にビニール袋 山陰線、一部運休(京都)
  ■映画の舞台で「ガメラ展」 JR京都駅ビル(朝日)
  ■ビニールで山陰線運休 架線にかかり4本(朝日)
  ■フリー切符の発売3万6000枚 井原鉄道開業1ヵ月で(朝日)



1日■神戸電鉄の踏切に自転車など置く
 1日午前1時20分ごろ、神戸市西区押郡谷町福住の神戸電鉄粟生線押郡谷−緑が丘間の踏切に、自転車などが置かれているのを通り掛かった新聞販売店員が見つけ押郡谷駅を通じて110番した。
 神戸西署の調べによると、置かれていたのは自転車3台や大小合計18個のプラスチックケースで、路面凍結防止用の塩化カルシウム10`がまき散らされていた。終電が走り去った後に置いたとみられる。電車の運行に支障はなかった。
 同署は往来危険容疑で調べている。現場は押部谷駅から西に約20b。(京都新聞 夕刊)
2日■ふるさとの道はいま 三条通の軌道敷跡(京都市東山区−山科区)路面電車の雄姿、懐かしく
 東山の山あいをぬうように車が行き交う三条通(府道四ノ宮四ツ塚線)。道路沿いにフェンスに囲われた幅約8bの空き地が続く。京都市の中心部から山科区、大津市を結んでいた京阪電鉄・京津線の軌道敷跡だ。
 京津線の御陵−京阪三条間(3.9`)は一昨年10月、地下鉄東西線の開業に伴い85年の歴史に幕を閉じた。淡い緑色の車体が「ファーン」という警笛を響かせていた軌道敷からも鉄路が撤去された。
 この区間は、京福電鉄の嵐山線(嵐電)と並び「古都京都の路面電車」として鉄道ファンに人気が高く、休日の三条通にはカメラを構えるマニアの姿が絶えなかった。春には疏水沿いに満開の桜並木が楽しめ、市民や観光客にも親しまれていた。しかしいま、そんな面影も懐かしい思い出になりつつある。
 東西線の開通に際し、京津線にあった九条山駅も廃止になった。旧駅の近くに暮らす主婦(60)は「地下鉄の駅をつくってほしいと長く要望したが実現しなかった。以前と比べ格段に不便になってしまい、さびれていく一方ですよ」と残念そうにつぶやく。
 軌道敷の跡地は現在も京阪電鉄が所有している。「今後の所管の移転やどう利用されるかについては未定」(同社)という。(社会部 日比野敏陽)
 〈メモ〉旧京津線の路面走行部分は1912(大正元)年から97年まで使っていた。現在は御陵から三条京阪間は東西線に乗り入れる形になっている。(京都新聞)
3日■旧国鉄年金債務追加負担 JR東海、全面受け入れ 今年度内207億円で一括 JR各社に影響必至
 JR東海は2日、旧国鉄長期債務処理法で定められた年金債務の追加負担を、全面的に受け入れると表明した。受け入れ表明はJRグループ各社で初めて。同社負担分の207億円を1999年3月末までに全額支払い、99年3月期決算で一括処理する。国を相手取った訴訟などは行わない方針。
 追加負担についてはJR西日本が99年3月期決算での一括処理方針を決めたものの、JR東日本とともに訴訟の可能性を残していただけに、JR東海が訴訟見送りを含む全面的な受け入れを決めたことで、JR各社の判断にも影響を与えそうだ。
 JR東海の斎藤蓊副社長は受け入れについて「国会で法が成立しており、国民の意思として厳粛に受け止め、法に従う」と述べた。また一括処理の理由では「過年度の負担であり、一括が基本。金利や税制、負担額を総合的に評価した。後年度負担を回避することが、株主の利益にもつながると判断した」と説明した。
 旧国鉄の年金債務は96年にJR各社が1700億円を負担することが決まっていたため、JR東海も同法の法案審議の過程では追加負担反対の姿勢をとってきた。しかし、成立後は「重く受け止める」と受け入れに前向きな姿勢に転換。訴訟についても検討を行ってきたが「違憲の立証は難しく、訴訟できる状況ではないと判断した」(斎藤副社長)としている。
 JR東海は207億円のうち法施行から99年3月末までの金利負担分2億円を除く205億円を、99年3月期決算で特別損失として処理。金利分は営業外費用に計上する。
 金利負担は1日120万円と高額なため、手続きが整う2月中旬にも支払いたい考えだ。負担受け入れに伴い、99年3月期決算の当期利益を、当初の260億円から162億円に下方修正した。
・旧国鉄長期債務処理法
 昨年10月時点で総額約28兆3000億円まで膨れ上がった旧国鉄債務の処理策を定めた法律。昨年10月に施行された。旧国鉄清算事業団が抱えていた16兆1000億円の有利子債務を国の一般会計に、4兆1000億円の年金債務を日本鉄道建設公団に移すなどして債務を返済する仕組み。年金債務は、鉄道共済を厚生年金に統合する際の移換金不足分の穴埋めとして必要なもので、同法にはJR各社による総額1800億円の追加負担も盛られている。(京都新聞)
■旧国鉄年金債務追加負担問題 「株式利益」で違い JR東海 金利負担の軽減選ぶ
解説 JRグループ七社は旧国鉄債務処理に絡む追加負担問題では政府に対してほぼ一致して反対し続けた。2日、JR東海が追加負担受け入れを決めたことで、「追加負担に応じると株主利益に反するとして経営責任を追及される」との論理で一致してきたJR主要会社間の結束が崩れることになった。
 追加負担問題の発端は、1987年の旧国鉄の分割民営化。これに伴って旧鉄道共済を厚生年金に統合することになり、鉄道共済の年金積み立ての不足分など厚生年金への移換金不足がクローズアップされた。JR各社にとってみれば、96年に1700億円を負担したことで決着済みのはず。
 しかし、政府は97年12月、長期債務処理策の大枠に追加負担を盛り込むことを決定。JR側が強く反発して、問題がこじれた。
 ただ、JR東日本が追加負担の徹底拒否という「筋論」を重視することによって株主利益の保護を追求する一方、JR東海は金利の増大を最小限に食い止め、いかに安く支払いを済ませるかという方向に進んだ。
 株主の利益をどう位置付けるかが問題の焦点となってきたことで、今後、JR東日本が追い詰められる場面も現れそうだ。(京都新聞)
■700系のぞみ親子でどうぞ JR東海 試乗会参加者募る
 JR東海は、3月13日から東京−博多間で運行開始する新型の新幹線車両「700系のぞみ」の試乗会を3月7日に実施、小学生の親子560組、計1400人を募集している。
 700系のぞみは、JR東海とJR西日本が共同で開発。人気車両「500系のぞみ」の技術を生かし、低騒音性と乗り心地を追求し、カモノハシの顔のようなユニークな先頭車両のスタイルが特徴。
 親子試乗会は、Aコース(東京発−新大阪)、Bコース(新大阪発−東京)、Cコース(名古屋発−東京)があり、それぞれ、小学生1人と20歳以上の保護者1人の2人参加か、親子3人参加。各コースとも、復路の新幹線切符を支給する。
 応募方法は、官製はがきにコース、参加人数など必要事項を記入、締め切りは2月8日。あて先は、〒119-0301東京中央郵便局 JR東海「700系のぞみ」親子試乗会係。問い合わせは、親子試乗会事務局0120(700)4970。(京都新聞)
■新拠点 京の梅小路 C57初整備”発車” 11日から「米原−木ノ本」間へ
 京都市下京区のJR梅小路運転区で、蒸気機関車(SL)を解体し整備する「全般検査」が完了し2日、梅小路蒸気機関車館で黒く輝く雄姿が関係者に公開された。同運転区はJR鷹取工場にかわり、新しいSL車両管理の拠点となり、今回のSLは全般検査に取り組んだ第1号。
 全般検査は自動車の車検にあたり、SLでは4年に一度行われる。今回、検査を受けたのは1937(昭和12)年製造のC57-1号機。昨年11月から専門的な技術を持つ同運転区の作業員らがボイラーを取り外し、機器や部品を交換するなど大がかりな検査に取り組んだ。
 この日午後1時半から、同運転区の整備場を出る出場式が行われ、JR西日本の高木亨・京都支社長らが出席した。元気よく水蒸気と煙を吐き出すC57-1号機の前でテープカットし、検査の完了を祝った。
 洗練された美しいスタイルで人気のあるC57-1号機は、北陸本線の滋賀県・米原−木ノ本間を、今月11日から28日までの祝日と土、日曜日に、「北びわこ号」として走る。また山口県の山口線でも3月20日から11月28日まで「やまぐち号」として走行の予定。
 これまでJR西日本のSLの車両管理は、一手に神戸市・JR鷹取工場が引き受けてきたが、1995年の阪神大震災で大きな被害を受けため、兵庫県網干に移転することになった。これを機に、梅小路運転区が、新しいSL車両管理の拠点となった。(京都新聞)
■最古の地下鉄まで日本の手に!? 野村の英法人 買収視野と話題に
 【ロンドン2日共同】野村証券の英現地法人である野村インターナショナルが、世界最古の歴史を誇るロンドンの地下鉄(公営)を買収するのではと話題になっている。
 野村インターは1月末、英エンジニアリング企業でロンドンの電鉄会社も運営している「サーコ」と、総額10億ポンド(約1900億円)の投資ファンドを設立したと発表。民営化が検討されている国有ないし公営企業を買収する計画で、フィナンシャル・タイムズ紙によると、ロンドンの地下鉄や航空管制サービスの買収も視野に入っている、という。
 野村インターはこれまでに、パブ(居酒屋)やかけ屋のチェーンなど英国伝統のビジネスを買収してきており、ロンドンのマスコミは「地下鉄まで日本資本の手に渡るのか」と大きく報じている。
 同社の企業投資部門はこれまで、買収した企業の資産を証券化して投資対象にする手法などで利益をあげ、競争の厳しいロンドンの金融街シティーでも活躍が目立っている。(京都新聞)
■GW割引制限 24商品で撤廃 JR西日本
 JR西日本は2日、最繁忙期となる春の大型連休期間(4月27日−5月6日)には使えなかった割引切符の使用制限を撤廃する、と発表した。
 対象は、「山陽新幹線エコノミーきっぷ」「北陸線グリーン特急回数券」など同社管内と大阪地区から九州方面への山陽新幹線や在来線の割引切符計24商品(割引率44−4%)。ただし、「新幹線自由席特急回数券」と東京、名古屋、四国方面などJR他社とまたがる切符は対象外という。(朝日新聞)
■御池通、地下鉄工事で消えたケヤキ並木 ”新人”90本まず植樹 270本めざし第一歩
 地下鉄東西線の工事に伴って姿を消した御地通のケヤキ並木復活に向け、ケヤキの若木を植える工事を京都市が先月中旬から進めている。両替町通−御池大橋間の約1.1`の区間で、通りの両側にケヤキなど計約90本を3月末までに植える。しかし、以前のような見事な並木が復活するのには、あと10−20年はかかりそうだ。
 御池通にはかつて200本を超えるケヤキが茂り、通りのシンボルだった。1990年から91年にかけ、地下鉄工事の邪魔になるとの理由から、市役所寄り(東側)の144本を「工事が終わるまで」の約束で市内の公園などに移したところ、そのまま根を張ってしまった。市民から惜しむ声も上がったが、市は「ケヤキに負担が大きい」と、戻さないことにした。
 90本の若木を植えた後、二条城寄り(西側)に残るケヤキ68本のうち比較的元気な約20本を御池通全域に移す。また、両替町通の西側に若木約100本をさらに植えるなどして、2002年度末までに計約270本のケヤキを並べるという。(朝日新聞)
■丹後一周の地酒列車 宮福線開業10周年記念 21日出発、90人募集
 北近畿タンゴ鉄道(KTR、事業本部・宮津市)の宮福線開業10周年を記念して、府北部を一周する「地酒列車ツアー」が企画された。参加者を募集している。
 沿線の北部4市1町の有志でつくる府北部地域情報連絡協議会(吉見光則会長)が企画。21日午前10時26分に宮津駅を出発、福知山、綾部、西舞鶴駅を経て午後4時34分に帰る予定。
 車中では、沿線の地酒10種以上や地域の特産物が味わえるほか、各停車駅では郷土芸能なども披露される。また、丹後由良駅では醸造元の酒蔵見学も盛り込まれている。参加料5980円。申し込み・問い合わせは5日までに宮津駅構内の宮津旅行センター(0772・22・3308)へ。貸し切り列車のため、定員90人。応募多数の場合、抽選する。(朝日新聞)
■デカ鼻のぞみ試乗いかが
 東海道・山陽新幹線の新型車両「700系」の試乗会に、JR東海が小学生を含む2人または3人のグループ560組を招待する。試乗は3月7日で、応募は官製はがきで受け付け、今月8日に締め切る。
 コースは東京発新大阪行き(午前7時出発、280組)のAコース、新大阪発車京行き(午前10時50分発、140組)のBコース、名古屋発東京行き(午前11時45分発、140組)のCコースの3つ。参加は無料で、出発地までの交通費は自己負担だが、到着地から出発地までの新幹線切符は同社から渡される。
 小学生1人と20歳以上の保護者1人の2人組か、小学生か保護者が2人の3人組で応募できる。車内ではクイズや車両の説明がある。応募は希望するコース、参加者の人数と名前、年齢、代表者の住所、電話番号を書いて、〒119・0301 東京中央郵便局 JR東海700系のぞみ」親子試乗会R係へ。問い合わせはフリーダイヤル0120・700・497。
 700系車両は、現在の「のぞみ」の主力となっている300系に比べ、最高時速は15`アップの285`に設計されている。3月13日からのダイヤ改定で東京−博多間を1日に3往復する。(朝日新聞 夕刊)
■今日的遺跡探検 1966 姫路モノレール わずか8年で休止
 「五月晴れに恵まれた17日、姫路市営モノレールが、花火と歓声の中をスタートした」「見晴らしにも感嘆の声」。兵庫県姫路市の手柄山中央公園と国鉄姫路駅を結んだ「姫路モノレール」。1966年5月、日本で初めての公営モノレールの開業を、当時の新聞はそう伝えた。
 姫路大博覧会が開かれていた手柄山駅に来賓を迎えた華々しい式典から、わずか8年後の運転休止を想像するのは困難だったに違いない。
 始発列車を運転した柴田久雄さん(57)=現・市管財課=は、山陽電鉄と南海電鉄で1年間、電車運転の研修を受け、開業に備えた。「運転士の中で最年長だったので、一番列車の運転を任された。うれしかったけど、緊張した」
 同じ列車で車掌を務めた粂宏三さん(51)=市交通局運輸課=も緊張のあまり、式典で花束をもらったこと以外、あまり覚えていない。「10年ほど前までは、急カーブを走っている車窓の風景を何度も夢に見た」と懐かしむ。
 計画当時、モノレールはさらに播磨工業地帯と住宅地を結び、交通網として張り巡らされる構想で、粂さんも上司に「工業高校出身なら路線図ぐらい描けるだろう」といわれ、鳥取まで延びる路線を描いたこともあったという。
 博覧会の開催と物珍しさから、66年の利用者は40万人を超えた。しかし博覧会も終わり、その後の年間利用者は20万人台と低迷。そして計画を進めた市長が開業翌年4月の選挙で敗れたことで、路線は大きく転換する。財政再建を掲げた新市長は「姫路モノレール対策審議会」を設置し、その年の10月には早くも「存続には賛成できない」といった答申が出された。
 74年に運転休止。くしくもその年、モノレール建設を国が補助する制度ができた。
 現職の堀川和洋・姫路市長は「先見の明はあったが、財政力も弱く、姫路への導入は時期が早すぎた」といい、日本モノレール協会も「週休1日の時代に観光地とだけ結ぶのは、時期尚早だった」と話す。
 時代の先を走り過ぎた姫路モノレールは79年、廃線になった。
 手柄山駅の入り口にはいま、板が打ち付けられている。日本ロッキード・モノレール社から購入した4両の車両は、その中で一般に公開されないまま眠っている。(恒成 利幸)
姫路モノレール 1966年5月間業。国鉄姫路駅と手柄山中央公園1.63`を約5分で結んだ。姫路駅−手柄山駅の運賃が100円。利用が伸びず、赤字の増大で74年に休止、79年廃線になった。橋脚の撤去に費用がかかるため、その7割が残ったままだ。(朝日新聞 夕刊)
4日■ラッセル車出動 山陰線
 府北部では福知山市や舞鶴市街地などで20a積もった雪も4日朝までにやみ、市民が雪かきに追われた。
 各道路は通勤時間帯を中心に車のノロノロ運転が続いた。
 また、兵庫県豊岡市内では積雪が35aを超え、線路が雪に覆われたためJR西日本福知山支社は4日未明から、山陰線の福知山−豊岡間などでラッセル車を出動させ除雪に追われた。(京都新聞 夕刊)
■見たい知りたい出会い隊 女性車掌ただいま69人 安全の守り手 酔客にも動ぜず JR西日本
 「次は大阪です」。澄んだ声でアナウンスが流れる。環状線外回り列車最後尾の乗務員室で上田緑さん(26)は、腕時計にちらりと目をやる。到着予定時刻がわずかに遅れそうだ。大阪駅では、停車時間を10秒ほどに切り上げて発車の指示を出した。「信号よし」「ホームよし」。一つ一つ指さし確認。動き出した車内からホームを見送って「後方よし」。
 JR西日本の車掌に女性が登場して、今年で5年を迎える。約3700人いる車掌のうち、女性は69人。同社の女性車掌はJRでは最初だっな。上田さんは天王寺車掌区に所属、車掌歴4年。短大卒業後、旅行部門で働いていた2年目に社内試験を受けた。惰性に陥りがちな自分を変えたいという気持ちからだった。合格して研修が始まると、深く考えたことのなかった車掌の仕事を思い知った。案内放送や車内改札はもちろん、扉の開閉、運転士への出発合図、緊急時の列車誘導など、車内ではすべての指示を車掌が出す。責任は重い。最初は緊張して笛の音が震えた。
 上田さんら天王寺車掌区の女性の乗務は、大阪環状線や阪和線の各駅停車、快速などの近郊列車から、南紀への特急など、13行路あり、勤務時間は多様だ。天王寺駅、午前6時1分発の関空快速の乗務は前夜から泊まり込む。カーブの多い紀勢線を走る特急「くろしお」は「振り子型」と呼ぶ車両だ。最初は自分が振り子状になって、客席に何度も体をぶつけた。車内改札から戻れず、案内放送が遅れたこともある。「がんはりや」「あんた、行きも一緒やったな」。乗客からの励ましや何げない一言がうれしい。旅行部門にいたころに、新婚旅行を手配した夫婦が、車内で声をかけてくれた時は感激した。
 酔っぱらいに「殺すぞ」と怒鳴られ、怖い思いをする時もある。「びびらないことです。き然とした態度で厳しく対応しています」。乗客の命を預かっているという意識がある。「電車のような日常的な乗り物では、お客様に危険という認識はありませんから」(朝日新聞 夕刊)
5日■窓 ペットも同乗できる車両を 亀岡市・石田 正一(会社員・49)
 先月26日付朝刊の提言「ペットに開かれた社会を」を読み、吉田教授の意見に全く同感です。特に「電車やバスなどの公共交通機関からペットは縮め出されている」という部分は、私が以前から強く感じていた事でした。
 私は大型犬を飼っています。住居が線路に近いせいか、この犬は電車が大好き。近くの駅まで電車を見せに行ったことも何回かありますが、乗せてやることはできないのです。
 JRではバスケットの大きさと総重量に一定の基準があり、猫とか小型犬なら可能です。しかし、大型犬は無理で、当然大型犬を連れての旅行はできません。
 そこで提案です。規制をなくしたペット持ち込み可能の車両を、1両指定してもらえないでしょうか。そうすれば、ペットとともに旅行ができ、とても素晴らしいことだと思うのです。日本をペットに開かれた社会にしていきましょう。(京都新聞)
■大阪環状線乱れる
 5日午前9時16分ごろ、大阪市浪速区のJR大阪環状線天王寺−新今宮間で、奈良発京橋行き快速列車が、走行中に一部のモーターの故障による停電が起きたため停止した。約20分後、故障していないモーターを使って新今宮駅まで行き、乗客約400人は後続列車に乗り換えた。
 JR西日本はこの列車の運行を取りやめ、故障原因を調べている。環状線は7本が運休、10本が18−3分遅れ、約4500人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■環状線で停電 400人が缶詰め 20分後運転再開
 5日午前9時15分ごろ、大阪市浪速区恵美須東三丁目のJR大阪環状線天王寺−新今宮間で、走行中の奈良発京橋行き快速電車(8両編成、乗客約400人)が停電し、ストップした。運転士が点検したところ、2−3両目付近のモーターが故障していることが分かり、約20分後、このモーターを使わずに運転を再開、約150b離れた新今宮駅まで進んで運転を取りやめた。乗客は後続電車に乗り換えた。このため、環状線は計7本が運休、計10本が18−3分遅れ、4500人の足が乱れた。(朝日新聞 夕刊)
6日■”アヒル”快走 新型のぞみ700系試運転
 JR東海とJR西日本が共同開発し、3月から東海道・山陽新幹線で「のぞみ」としてデビューする新型車両「700系」の試運転が東京−新大阪間で行われている。
 新型は従来型より揺れが少なく、東京−博多間を4時間57分で走行、1日3往復する。鼻先がアヒルのくちばしのように伸びた形になっているのが特徴。(京都新聞)
■ポイントに石 信号変わらず JR天王寺駅
 6日午前5時40分ごろ、大阪市天王寺区のJR天王寺駅構内で、同駅発関西空港行きの快速電車が発車しようとしたところ、信号機が赤のまま変わらないため、駅員が点検。ポイントに約5aの石が3個挟まっているのが見つかった。
 また同6時35分ごろ、京橋発関西空港行き快速電車が発車する際にも信号が赤のまま変わらず、点検の結果、別のポイントに約10aの石1個が挟まっていた。このため快速電車など計8本が運休、15本が26−3分遅れ、約3000人に影響が出た。
 電車に直接の影響はなかったものの、別のポイントから石8個が見つかっており、天王寺署などはだれかが故意に石を置いた可能性もあるとみて調べている。(京都新聞 夕刊)
■琵琶湖一周140円の旅 JR区間特例で延長で可能に 格安ファン満喫 JR「お勧めできぬ」 〈琵琶湖1周140円〉〈大阪−兵庫南部1周120円〉
 JRが大阪などの大都市圏で設けている近郊区間が昨年12月に延長され、こんな超格安の旅ができるようになった。環状線の「大回り乗車」の拡大版で、目を付けた鉄道ファンの若者らが、さっそく楽しんでいる。条件さえ満たせば、初乗り運賃で2府4県を回る約550`の「鈍行の旅」もできる。JR西日本は「大回り乗車は不正乗車の恐れもあるので、お勧めしたくない」と渋い表情だ。(大津支局・三木淳)
 大都市近郊区間特例は、路線が複雑で目的駅までの行き方が何通りもある大都市で、自由に路線を選んで乗れる制度。新快速などのダイヤの充実で昨年12月、京都府の嵯峨野線、滋賀県の湖西線、兵庫県の加古川線など6府県の延べ約490`が「大阪近郊区間」に追加された。この改正で、特例区間が各地で環状につながった。
 例えば、滋賀県の大津駅から隣の膳所駅までの140円の切符で、大津→山科→近江塩津→米原→膳所と琵琶湖一周ができる。
 兵庫県西宮市のOL菊池美和子さん(26)は1月末、「大回り乗車」を楽しんだ。晴天の膳所駅から反時計回りで米原駅へ。駅構内の立ち食いうどんと駅弁で昼食を済ませ、車窓から雪景色の湖北地方、比良の山並みを眺めながら琵琶湖を1周して大津駅に到着。約4時間の旅だった。
 「大回り乗車」では、同じ駅や区間を2回通ることは許されず、切符は発売当日限り。途中下車もできない。これらの条件を満たせば、区間内は乗り放題で、所定の料金を払えば特急も利用できる。
 鉄道ファンによると、人気があるのは、大阪駅からの初乗り運賃(120円)で、大阪→京都→近江塩津→米原→草津→柘植→奈良→桜井→高田→和歌山→天王寺→福島まで、2府4県約470`の旅。
 JR西日本によると、1時間に1本程度しか列車のないローカル線もあるので、当日中にたどり着けない場合は、乗った駅までの運賃の差額を払わなければならない。定期券は適用外。
 JR西日本営業部は「大阪近郊区間の拡大は、新快速や快速の運行区間延長に合わせて、乗客の利便を考えてのこと。大回り乗車を想定したものではない。奨励できない」と話している。大都市近郊区間特例切符販売の合理化、旅客の利便性などのために1951年、当時の国鉄が鉄道網の入り組む東京、大阪、福岡の大都市近郊で始めた。旅客は目的駅まで乗車する経路通り切符を買うのが原則だが、3区間では目的駅までの最短`で計算した切符で、乗車経路を自由に選択できる。(朝日新聞 夕刊)
■ポイントに石、JR止める 天王寺駅 8本運休
 6日午前5時40分ごろ、大阪市天王寺区のJR天王寺駅で、同駅発関西空港行きの快速列車が、構内の信号が赤のまま変わらず発車できなくなった。駅員が調べると、駅から約360b離れたポイントに5aほどの石が3個はさまり、進入路の切り替えができなかったことが原因と分かった。また、午前6時35分ごろにも約960b離れたポイントに石1個がはさまっているのを駅員が見つけた。このため、阪和、関西空港線の上下線計8本が運休したほか、計15本が26−3分遅れ、約3000人に影響がでた。
 JR西日本の調べによると、このほか約390b離れたポイントにも8個の石がはさまっていた。現場はいずれも阪和線の高架部分。複数の石がはさまっていたことから、何者かがポイントに石を置いた可能性が高いとみて、天王寺署は列車往来危険容疑などで調へている。(朝日新聞 夕刊)
7日■近鉄沿線の歴史街道紹介 11日発売 40ルート取り上げ
 近畿日本鉄道は、関西の官民諸団体でつくる歴史街道推進協議会公認の沿線ガイドブック「近鉄で行く歴史街道」を、11日から主要駅売店や全国の書店で発売する。
 ガイドブックは、京都、大阪など自治体や民間企業など180団体が加盟する同協議会が選定した歴史街道100選のうち、沿線観光地の約40ルートをピックアップした。
 京都、奈良、大阪、三重、和歌山の名所旧跡を「京都」や「伊勢・鳥羽・志摩」といった地域に分け、社寺などの歴史や文化、自然を写真付きで紹介している。
 B5変形判、208nで、1部1300円。(京都新聞)
8日■大阪モノレール 女性パート駅員ただいま活躍中 好印象で利用者増狙う
 ギネスブックから「営業距離が世界一」と認定されている大阪モノレール(大阪空港−門真市)で、パート勤務の女性駅員が活躍している。改札窓口に立ち、乗客の安全にも気を配る。男性職員と変わらぬ仕事への女性アルバイト登用は関西の私鉄でも例がない。人件費を節約して、約200億円の累積赤字を減らすのが主な狙いだが、ソフトな接客で利用者増につなげたいとの期待もある。乗客数の低落傾向が続く鉄道業界も関心を寄せている。
 女性駅員は9人で、愛称「モノレールメイト」。昨年10月、路線延長で駅数が14から16に増えたのに伴って採用された。子育てが一段落した主婦や独身女性らで、いずれも2、30歳代。仕事の内容は正社員とまったく同じ。自動改札機の監視、券売機の故障修理、乗り越し精算、利用客の案内、落とし物の処理など盛りだくさんだ。
 大阪モノレールは1990年6月、大阪府の第三セクターとして開業した。1日の利用客は当初予測の11万人を下回る7万4000人にとどまり、単年度黒字に転換する目標も98年度から2005年度になった。府の財政難もあり経費の切りつめは至上命題だ。
 モノレールメイトの採用で、同じ仕事をこなす正社員4人を雇うのに比べ年間約240万円の人件費が節約できる。正社員を終身雇用した場合に必要な昇給や退職金を含めれば、節約額はさらに大きくなる。
 「酔っぱらいに絡まれないか」「緊急事態に対処できるのか」との心配もあった。しかし、研修を重ね、男性駅員の補助もあってトラブルは起きていないという。
 専業主婦だった熊谷智恵子さん(27)は「最初は不安もあったが、お客さんが気軽に声をかけてくれるので楽しい」と話す。買い物帰りの主婦がスーパーの特売品情報を教えてくれたり、勤労感謝の日に女子高校生が花束を贈ってくれたりしたという。
 関西の私鉄でもリストラ対策などで女性アルバイトを駅に配置しているが、事務や清掃などが主で、本格的な駅務をまかせている例はない。(朝日新聞)
9日■窓 駅舎のいすは減らさないで 近江八幡市・荒木 優(無職・68)
 この寒空に、駅の待合室にいすがなく、外の乳母車に座って息子さんを待つ高齢の女性。全国的には知らないが、私の住むJR琵琶湖線沿線の駅は、プラットホームのいす、待合室のいすを極端に減らしてきている。その姿勢に疑問を感じる。
 最近のJRは体質改善を試み、駅内にごみ箱を置いたり、自動販売機にしたり、サービスを心がけておられる。しかし肝心なことを忘れてはいないだろうか。私の利用している駅の待合室のいすは、つい2年前ぐらいは、10人席ぐらいあった。ところが、一連減り、二連減り、今は待合室のいすは皆無。この駅はホームに出ないと座れない。
 発展途上の広大な住宅地がある駅である。JRは健康な若者だけの駅だと思っているのだろうか。駅まで20分も歩いて来て、ホッといすに座りたい老人も多いのだ。出迎えに来る人もいる。
 この駅は、東海道線随一のウグイスの声が聞ける、のどかな駅である。駅の電化だけでなく、老人にも気遣いを見せる人情あるJRであってほしい。(京都新聞)
■「700系」のぞみ 最終チェック走行
 JR東海とJR西日本が共同開発し、3月から東海道・山陽新幹線で営業運転を始める新型新幹線「700系」の最終試験走行が始まり、8日、報道関係者に公開された。先頭がカモノハシのような形状が特徴で、東京−博多間を走る「のぞみ」の新しい顔となる。先代の「300系」はボルトの落下などの故障が相次いだが、JR東海は「過去のトラブルへの対策はした」としている。(朝日新聞)
■春の臨時列車 40本減らす JR福知山支社
 JR福知山支社はこのほど、春の臨時列車(3月1日−6月30日)の運転計画を発表した。
 黄金週間は、休日が実質的に昨年より多くなるため、今年は昨年より8本多い51本を行楽列車として運転。5月2−5日の4連休を中心に京阪神と但馬、丹後の観光地を直結する特急「北近畿86号」「はまかぜ81、82号」「きのさき82号」「タンゴエクスプローラー81、82号」などを走らせる。
 春休みから黄金週間までの土曜日と休日には近郊行楽客を誘致するため丹波周遊観光バスに接続する快速「丹波路ホリデー号」を運転するほか、特急「はまかぜ」を延長運転したり、特急「北近畿」に「タンゴディスカバリー」を併結したりする。
 ただ、全期間を通じた臨時列車の運転規模は昨年に比べて40本減らして146本になった。(朝日新聞)
10日■快速が男性をひき 後続の列車遅れる JR兵庫駅
 9日午後6時50分ごろ、神戸市兵庫区のJR山陽線の兵庫駅で、米原行き快速列車が、ホームから線路内に降りた男性に気づき、急ブレーキをかけたが間に合わず衝突した。男性は即死した。
 兵庫署によると、男性は70−80歳。自殺と事故の両面で調べるとともに、身元の確認を急いでいる。この事故で、当該の列車が約30分遅れたほか、後続の列車など上下計27本が部分運休・運休、または30−10分遅れ、乗客計約9000人に影響が出た。(京都新聞)
■発泡スチロール燃えJR北陸線一時停止 滋賀・長浜卸売市場
 9日午後4時ごろ、滋賀県長浜市田村町の長浜中央卸売市場内で、圧縮された固形の発泡スチロールから出火、発泡スチロール約100`グラムが燃え、約1時間後に消えた。近くを通るJR北陸線が米原−長浜間で約1時間運転をストップ。JR西日本によると、上下計5本が運休したほか、上下計6本が38−4分遅れるなど乗客計約3300人に影響が出た。(朝日新聞)
■アヒル 乗り心地ゆったり 東京−新大阪間 700系のぞみ試乗会
 3月13日から東京−博多間の東海道・山陽新幹線に導入される新型車両「700系のぞみ」の試乗会が10日午前、報道関係者を対象に実施された。東京駅から新大阪駅まで、アヒルのくちばしのようなユニークな鼻先の車両が、軽やかに寒風を切った。
 「700系」は、JR東海とJR西日本が新幹線では、初めて共同開発した。運行中の「300系」をべ一スに、先頭車両の形状を工夫して、走行中の騒音を低減。車両の軽量化と電子制御で揺れを抑え、乗り心地を改善したという。
 この日は、午前11時に東京駅を出発した。これまでの「300系」より通路幅や天井の高さが広いため、室内はゆったりとした雰囲気。東京−博多間を最短4時間57分で結ぶ。来月13日から、1日3往復する。
 すでに募集を締め切った親子試乗会は、3月7日に行われる。(京都新聞 夕刊)
11日■京阪淀駅高架化ゴー 京都市都計審原案通り承認 交通自由隊(競馬場周辺)解消狙い 来年度内着工 駅舎移設、広場も
 10日開かれた京都市都市計画審議会(会長・増田優一副市長)で、京阪本線淀駅(伏見区)の高架化に伴う都市計画の変更など9議案が、市の原案通り承認された。高架化は、隣接する京都競馬場など淀駅周辺の交通渋滞を解消するのが狙い。市は近く開かれる府都市計画地方審議会の承認を待って、来年度内にも着工する予定。
 淀駅の高架化計画は、現在地上にある駅舎を、線路沿いに約280b京都寄りに移動して競馬場に直結。駅舎を含む約1.5`の区間を高架にする。高架沿いには、一部が自転車・歩行者専用道路となる約1.7`(幅6b)の側道を設けるほか、新駅舎北側には、バスやタクシー乗り場を含む約3000平方bの駅前広場を新設する。
 これによって、3ヵ所あった踏切が廃止されるほか、これまで駅前が手狭で3ヵ所に分散していたバス停留所やタクシー乗り場も、新たな駅前広場にまとめて新設されることになる。
 総事業費として約230億円を見込んでおり、同市と京阪電鉄、日本中央競馬会の3者で分担する。完成は2005年度の予定。市は、早ければ今秋にも用地買収に入り、来年3月までには準備工事にかかりたい、としている。
 淀駅周辺は、踏切などによる交通渋滞のほか、京都競馬開催日には多くの競馬ファンが押し寄せ、通行が困難になるほど込み合うことが常態化している。このため、地元自治会などが長年にわたり、高架化を要望していた。ただ、新駅舎北東の自治会などは、環境悪化などを理由に高架化に反対している。
 同審議会はこのほか、左京区吉田の緑地保全地区に指定されている吉田山(左京区、14f)と、歴史的風土特別保存地区の双ケ丘(右京区、17.4f)を、これまでの市街化区域から市街化調整区域に変更し、用途区域の面でも「保全」を強調する案を了承。
 また、慢性的な渋滞が問題となっている国道9号の葛野大路−千代原口間の主要部分を立体交差化と、昨年12月に国から払い下げを受けた右京区の「すり鉢池」跡地(約3000平方b)を公園として整備するため緑地とする案件も承認された。(京都新聞)
■旧国鉄債務 追加負担に応じる考え 未上場JR4社
 昨年10月に成立した旧国鉄債務処理法に基づく追加負担について、JR貨物の金田好生社長は10日の記者会見で、追加負担に応じる考えを明らかにした。今年度内に約131億円の負担額を一括して支払い、今年3月期決算に特別損失として計上する。法律の違憲性を問う裁判も起こさない。
 貨物と同様、未上場で全株を国(日本鉄道建設公団)が保有している北海道、四国、九州の各社も、支払いに応じる方針。負担額は北海道が約119億円、四国が約33億円、九州が約125億円。東海、西日本もすでに支払う方針を決めており、対応を決めていないのは東日本だけになった。(朝日新聞)
■京阪淀駅 高架化へ 京都市都計審が承認 2006年3月の完成目指す
 京都市都市計画審議会が10日開かれ、京阪淀駅高架化、国道9号(千代原口−葛野大路間)の主要交差点立体化など9議案を原案通り承認した。京阪淀駅高架化については、市などが今年秋から用地買収に取りかかり、1999年度中に着工、2006年3月完成を目指す。
 京阪淀駅(伏見区)の関連では、駅周辺約1.5`の区間の京阪電鉄を高架化し、駅も現在位置から 280b中書島駅寄りに移す。駅北側にはバスターミナルやタクシープールを含む駅前広場(約3000平方b)をつくり、側道も整備する。高架化により踏切3つが廃止され、駅周辺の渋滞解消が期待される。また、日本中央競馬会(JRA)は独自に駅と京都競馬場を直接つなぐ連絡歩道橋建設を計画しているという。
・国道9号立体交差化も
 国道9号立体交差化関連では、西京区の御陵谷町交差点−桂乾町交差点の約1`の区間で上下各1車線を地下化し、千代原口交差点を立体化。また、右京区の桂川・西大橋東詰−葛野大路交差点の約1.1`の区間のうち、葛野西通交差点付近で上下1車線を高架化するとともに、五条天神川、葛野大路両交差点付近を地下化。国道9号を直進する車が信号で止まらずに流れるようにし、朝夕の慢性的渋滞の緩和を図る。
 また、左京区の吉田山(約14f)と右京区の双ケ岡(約17f)を、市街化区域から市街化調整区域に変更して緑地保全を図るほか、大学支援策の一環として北区の京都産業大学周辺で、市街化調整区域内にある大学施設建設予定地計約11fを市街化区域に変更する。(朝日新聞)
12日■パジャマ男列車止める JR姫新線 入院中「家に帰りたかった」
 12日午前9時15分ごろ、兵庫県姫路市土山四丁目、JR姫新線姫路−播磨高岡間の宮の前踏切(遮断機、警報機付き)で、播磨新宮発姫路行き上り普通列車(2両編成、乗客約150人)が踏切付近から線路内に入った男を見つけ、非常ブレーキをかけた。列車は急停車。男は車両のステップにしがみついたまま離れなくなった。車掌と運転士が男を駆けつけた姫路署員に引き渡した。列車は17分後に運転を再開したが、上下計2本が17−9分遅れ、乗客計約170人に影響が出た。
 姫路署の調べでは、男は龍野市内に住む57歳で、1月下旬から姫路市内の病院に内臓疾患で入院中だった。この日午前8時半ごろ、パジャマ姿のまま病院を抜け出していた。男は「列車を止めて、家に帰りたかった」と話しているといい、同署は男を病院に送り返した。(朝日新聞)
■架線の霜が電車遅らせる 福知山線、6200人に影響
 12日午前5時半ごろ、兵庫県三田市内のJR福知山線篠山口−広野間で、走行中の篠山口発大阪行き上り普通電車(6両編成)が突然、速度を維持できなくなった。電車は低速運転で広野駅へ約16分遅れて到着、そのまま運休したため、乗客約50人は後続電車に乗り換えた。
 JR西日本によると、同区間では架線に霜が数ヵ所にわたって付着しており、パンタグラフと架線が密着できず電車に十分な電気を送れなくなったとみられる。
 このため、後続の快速電車上下計3本が運休、上下計16本が1時間−20分遅れ、乗客計約6200人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
13日■JR西日本ダイヤ改正 六地蔵に快速停車 琵琶湖線・京都線 新快速2本増発
 朝の通勤ラッシュを緩和させるため、JR西日本は12日、近畿の都市圏路線(アーバンネットワーク)の5月ダイヤ改正を発表した。琵琶湖線、京都線の米原−大阪間で新快速を2本増発。奈良線の六地蔵駅に、新たに快速を停車させる。大阪では関西空港行きの「関空特快ウイング」を関空快速に変更する。
 ダイヤ改正は、5月10日から実施。
 琵琶湖線と京都線では、米原−京都間(午前6時台)で新快速が現行の2本が4本に増えるほか各駅停車の安土発大阪行き(草津から新快速)を1本増便し、計5本となる。京都発−大阪間(同7、8時台)では現行の3本から2本増の計5本に増え、いずれも約12分間隔で新快速が走る。
 また、新快速の車両を順次新型に切り替え、最高速度を現行より10`速い130`で運行し、朝の通勤時に米原−大阪間で7分短縮、所要時間を87分とする。
 奈良線では、六地蔵に午前10時から午後5時の時間帯に、上下線とも快速を停車させる。これにより六地蔵−京都間が最大7分間短縮され、10分間で結ばれる。
 一方、京橋−大阪−関西空港を結び、新今宮などを通過していた「関空特快ウイング」を廃止、関空快速とする。(京都新聞)
■市バス、柱に接触 乗客1人が軽傷 北大路ターミナル
 13日午前7時45分ごろ、京都市北区の北大路バスターミナルで、京都駅行き206系統の市バス=向井清治運転手(58)=がコンクリート柱に接触し、車体右側の窓ガラス1枚が割れた。弾みで乗客の左京区高野東開町、会社員西宇秀典さん(22)が額を打ち、病院に運ばれた。西宇さんは軽いけがを負った。
 上鴨署と市交通局の調べでは、向井運転手が乗り場に向かうために地下構内で右に旋回する際、ハンドル操作を誤ったらしい。事故当時、約20人が乗車していた、という。(京都新聞 夕刊)
■除雪作業中飛ばされ重体 KTR宮津線
 13日午前8時12分ごろ、宮津市小田のKTR宮津線辛皮駅で、ホームの除雪をしていた同市小田、KTR除雪協力員藤田始さん(82)のスコップが快速列車と接触。藤田さんは、はずみではね飛ばされ、頭などを強く打って意識不明の重体。同列車は現場で35分停車、後続列車などには影響はなかった。
 宮津署で原因を調べているが、藤田さんは、この日早朝から2人で25aほど積もっていた駅構内の除雪作業にあたっていた。(京都新聞 夕刊)
■寒さのため急行が故障 JR京都駅
 13日午前6時50分すぎ、京都市下京区のJR京都駅で、長野発大阪行きの急行「ちくま」(8両編成)がブレーキ故障を起こし、同駅を47分遅れて発車した。約90人の乗客は全員後続の電車に乗り換えた。JR西日本の調べでは、雪による寒さのため、前から4両目の車両のブレーキが凍結したらしい。(朝日新聞 夕刊)
14日■ホリディイン南海、清算へ 宿泊に重点、再出発
 経営不振の続いていた南海電鉄グループのシティーホテル「ホリディイン南海大阪」(大阪市中央区)が13日、会社を2月末で清算し、営業を南海電鉄が昨年設立した新会社に譲渡することを明らかにした。
 新会社は赤字が続いていた宴会、飲食部門を廃止し、宿泊部門に重点を置いたホテルとして3月から営業を始める。ホリディインの約60人の従業員は2月末でいったん解雇し、宿泊や管理担当の約30人を新会社が再雇用する。
 ホリディインは1979年に開業。部屋数229室の、大阪・ミナミを代表するホテルだった。
 しかし、近くにホテル日航大阪ができるなど大型ホテルの建設で競争が激化。特にバブル崩壊後は宴会などの法人需要や、結婚披露宴などの減少に歯止めがかからず、赤字続きだった。(京都新聞)
■重体の除雪作業員死亡
 13日朝、宮津市小田のKTR宮津線辛皮駅で、ホームの除雪作業中に快速列車と接触、舞鶴市内の病院に運ばれていた宮津市小田、KTR除雪協力員藤田始さん(82)は、頭部外傷による出血性ショックにより約9時間後の同日午後5時、死亡した。(京都新聞)
■除雪作業中のお年寄り死亡 宮津のKTR辛皮駅
 13日午前8時12分ごろ、宮津市小田の北近畿タンゴ鉄道辛皮駅で、ホームの除雪作業をしていた近くの除雪協力員藤田始さん(82)が、通過列車にスコップをはね飛ばされて転倒、ホームで頭を強く打って9時間後に死亡した。
 宮津署の調べによると、藤田さんがホームから線路に雪を下ろしていて、スコップが接触したらしい。(朝日新聞)
15日■JR東寝屋川駅で停車位置行き過ぎ
 15日午前7時20分ごろ、大阪府寝屋川市打上のJR片町線東寝屋川駅で、松井山手発西明石行き下り普通電車(7両編成、乗客約500人)が、ホームの停止位置を約200b行き過ぎて止まった。電車は通常の停止位置まで後退し、乗客計約130人を乗り降りさせて約4分遅れで同駅を発車した。(朝日新聞 夕刊)
16日■地下鉄もぐって1年 東西線効果だ 人工が”浮上” 山科(567人)・中京(571人)で増加 京都市、新たな動き注目 昨年10月調査
 京都市の地下鉄東西線が開業してから1年を経て、沿線の山科、中京両区の人口が増加していることが、このほど市情報統計課が行った調査で分かった。沿線の人口は東西線建設が始まった1989年以降、ほぼ横ばいで推移しており、市は「東西線効果で新たな人口の動きが見られた。今後の駅周辺の人口変動が注目される」としている。
 東西線は両区のほか東山、伏見の4行政区を走っている。各区などの人口は、開業1年後に当たる昨年10月の時点で、山科区が13万6939人で前年同期より567人増えた。中京区も571人増の9万1122人だった。
 山科区は、区内に駅を5つ抱えるため、転入・転出の社会動態でも39人増となり、20年ぶりに増加に転じた。中京区も、御池通の東西線沿線で、人口が減少傾向だった都心の龍池学区などで増加に転じたのが目立つ。
 一方、伏見区の東西線沿線となる醍醐地域は、5万4020人で620人の減。地域内に駅が1ヵ所しかなく、駅から離れた大規模団地の人口減の影響を受けたとみられる。人口減が続く東山区でも4万6146人と793人減り、開通によって歯止めはかからなかった。
 駅周辺に限った開通後1年の人口変動では、小野駅が333人増と伸ばしたほか、椥辻、山科、御陵、烏丸御池の各駅で激増した。
 同課は「70年代のベッドタウン化の反動で山科区や伏見区醍醐の人口変動は落ち着いていたが、これまでと違う兆しが見える。今後、横ばいだった人口がさらに増加する可能性がある」と予測している。(京都新聞)
■旧国鉄債務で改めて要請
 川崎二郎運輸相は15日、昨年10月に成立した旧国鉄債務処理法にもとづく追加負担への対応を明らかにしていないJR東日本の松田昌士社長と運輸省で会談し、負担に応じるよう改めて要請した。(朝日新聞)
■タイムアングル 道路拡張 元の道路を歩く人が多いのは、心情的に理解できる
 明治40年(1907年)3月、道路拡張のために、烏丸通、丸太町通、千本通などの実測が始まった。
 当時の四条通は道幅がわずか6b余。それでも広い道路のうちに数えられていたが、大宮通から祇園石段下までの約2.5`が拡張予定に入っていた。
 なぜ大宮通以東なのかというと、大宮通は上京では西陣の中心部を貰いていたが、丸太町通を南へ越えると、この通りがだいたい市街地の西端になり、あとは嵯峨野へ続くひろびろとした田園地帯だったからだ。
 商店の密集した四条通だったが、6b幅が22b幅に拡張された。南北両側で広げているが、主として北側が深く広げられた。
 写真は八坂神社石段下から西方を撮ったもの。道路の中央に残る電柱の列は、元は北側民家に沿って立ち並んでいたもので、やがて市電の電線の支柱に取りかえられて、大正元年(1912年)12月25日、市電が走ることになる。レールが敷かれていないから、それ以前の光景だ。
 拡張された新道の部分を歩いている人より、元の道路を歩く人の方が圧倒的に多いのは、心情的に理解できる。
 分からないのは、民家を取り壊したはずの北側の家並みが、いっこうに新築らしく見えないことだ。よほど早くに建て直したのだろうか。(作家・駒 敏郎)(朝日新聞)
■草津線で車両故障
 16日午前7時ごろ、三重県伊賀町のJR草津線柘植駅で、柘植発京都行き下り普通列車(7両編成)の5両目の発電機が動かなくなっているのが出発前の点検で見つかり、運転を取りやめた。
 乗客約250人は後続列車に乗り換えた。草津線は上下3本が12−8分遅れるなど約5500人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
17日■JR西日本 執行役員制度を導入 社長会見 追加負担、来月支払い
 JR西日本の南谷昌二郎社長は16日の会見で、来年度から現在の役員を経営全般をみる取締役と業務担当に専念する新設の「執行役員」に分けることや、管理職の定期昇給廃止など、経営改善策を発表した。また、旧国鉄債務の追加負担を3月1日に支払うことも明らかにした。
 執行役員制度は、大手メーカーのソニーなどですでに導入されている。これまでJR西日本では、取締役が社業全般と個別業務の両方をみていたが新制度の導入理由を「役員の責任所在の明確化と業務執行のじん速化を図るため」としている。鉄道業では初めて導入。
 現在、取締役は常勤と非常勤で計31人。執行役員の人数は検討中だが、数年後には取締役を10人前後に減らす方針。6月から実施する。
 一方、管理職の給与体系は、すでに年俸制をとっている部長級約140人を除いて、課長級や駅長など現場長以上約940人全員を対象に、4月から定昇を廃止する。月給制は維持するが、職能給を中心とし、「給料ダウンもあり得ることで、自らの役目を再認識させ、業務の活性化につなげたい」考え。
 このほか、旧国鉄長期債務の追加負担では、支払い日までの予定利子約3億3500万円を含め、総額445億6900万円となる。ただ、追加負担決定の経緯に反発しており、同共済組合に対し、「併せて異議を唱える文書を提出する」という。(京都新聞)
■信楽鉄道事故 「JR側にも責任」 来月の公判 県警報告書を提出
 滋賀県甲賀郡信楽町で1991年5月に起きた信楽高原鉄道列車衝突事故で、業務上過失致死傷罪などに問われた同鉄道元運転主任ら3被告に対する大津地裁の公判(安原活裁判長)に、滋賀県警作成の同事故「犯罪捜査報告書」が証拠提出されることが16日、決まった。JR側にも責任があるとする内容で、被告側が検察に提出を求めていた。
 弁護団によると、16日の公判後に開かれた弁論準備手続きで決まった。安原裁判長らが「(JRの責任をめぐり)検察と県警の捜査方針が違う事件のため、県警の捜査報告書を、検察調書の信用性を判断する証拠としたい」などと理由を示したという。次回来月9日の公判で提出され、採用される見通し。報告書は、同様の内容のものが、大阪地裁で係争中の同事故民事訴訟にも原告側の証拠として提出されている。(京都新聞)
■お年寄りもゆったり モノレールで天橋立を一望 文珠山 展望施設に今夏設置
 日本三景の一つ、天橋立を一望できる宮津市文珠の展望施設「天橋立ビユーランド」に今夏、運行中のリフトに加え、高齢者にも安心して利用できるモノレールが併設される。施設を経営する天橋立総合事業(幾世實社長)が会社設立30周年を記念、観光客にやさしい施設づくりをと、約1億3000万円で設置する。
 天橋立ビユーランドは、天橋立南側の通称・文珠山中腹(標高約180b)にある展望施設。地元の若手経営者たちでつくる「天橋立経済同友会」を母体に1968年、同社を設立、翌年に施設を開設した。股(また)のぞきの名所としても知られ、観覧車など美しい景観をバックに楽しめる遊具もあり、年間約15万人が訪れている。
 展望施設に入る際は、文珠山のふもとから施設までを結ぶ1人乗り用リフト(長さ約380b)に乗るが、高齢者や幼児には乗車を怖がる人も多く、車いすの人はまったく利用できなかった。また、雨天時には傘をさして乗車しなければならないなど、課題もあったという。
 新しく設置するモノレールは2両編成で18人乗り。リフト乗り場横に駅舎を建て、2階部分から同園までの約400bを結ぶ。車いすの人も安心して利用できるといい、幾世社長は「現在、観光協会などが進めている温泉開発と合わせ、文珠地区の活性化につなげたい」と期待を膨らませている。完成は7月10日の予定。(京都新聞)
■窓 運転手次第でバス心地よく 左京区・水野 誠(無職・61)
 最近、市バスの事故の記事を新聞でよく見かけ「運転手さん、しっかりしてよ」という気持ちになっていました。
 ところが先日、すてきな運転手さんに出会いました。201号系バスの竹口さんという運転手さんです。「ありがとうございました。お気をつけてお降りください」と、澄んだ元気のいい声でバスから降りる乗客に声をかけられます。乗ってこられる乗客には「お待たせいたしました。後ろの方のお席が空いていますよ」「お座りになりましたか。発車いたしますよ」とアナウンスされます。
 当たり前のアナウンスなのかもしれませんが、心がこもっていて、聞いていて本当に気持ちがいいんです。なんと偶然にも、帰りのバスも同じ運転手さんではありませんか。びっくりしました。すてきな運転手さんとの出会いのおかげで、その日は、とっても幸せな気分でした。「運転手さん本当にありがとう。これからも安全運転でよろしく」−。(京都新聞)
■IC内蔵、読み取り機にかざすだけ 非接触カード、開発進む 広島児では鉄道初導入
 集積回路(IC)を内蔵し、読み取り機にかざすだけで情報を取り込める非接触ICカードが実用化段階を迎え、メーカーのシステム開発に向けた取り組みが強まっている。磁気カードなどと違って高速で移動しながらでも使用でき、非接触なので機械の摩耗もないのが特長。駅の改札をはじめ、物流、医療など利用範囲が広がるのは確実で、メーカーは「次世代カードの本命」と位置づけている。
 広島県のJR瀬野駅と、近くのニュータウンを結び、昨年8月に開業した「スカイレールサービス」は、非接触ICカードの定期券を鉄道系としては日本で初めて導入している。神戸製鋼所系の機械メーカー、神鋼電機がシステムを開発した。
 自動改札機の上面に取り付けた読み取り機に、定期入れなどを3a程度まで近づけてかざせは、期限や乗車区間などの情報を読み取り、改札ゲートを開閉する。朝夕のラッシュ時の混雑緩和に効果を発揮しているという。
 鉄道ではほかにJR東日本が、大手電気メーカーと共同で2001年1月の導入をめざして、定期入れに入れたまま自動改札機に軽く触れるだけで済むカードシステムを開発中。NTTは独自に、テレホンカードの変造対策から非接触ICカード式の公衆電話を開発、3月から導入する。
 こうした動きを受け、松下電子工業、ソニー、日立製作所などが開発にしのぎを削っている。また、昨年12月にはNTT、東芝、富士通などが「次世代ICカードシステム研究会」を設立し、非接触ICカードの普及に向けた研究を始めた。
 業界は、21世紀に向けて、非接触ICカードの用途が様々な分野で広がると予想している。たとえは、カラオケボックスで自分が得意な歌と音程の情報を入れたカードを読み取り機にかざせは、どこの店でも自慢のレパートリーを披露できる。
 また、高齢者が電話をかける際、「子供」「病院」などの写真をはったカードを読み取り機にかざせは、自動的に相手先にダイヤルしてくれる、といった具合だ。業界の推定では、2010年には、世界で50億枚以上の非接触ICカードが普及すると見られている。(朝日新聞)
■モノわかりのいい話 電車が大幅遅れ どうなるの? 不親切な振り替え案内 きめ細かい情報もっと
 電車で仕事に向かう時、ふと気になることがある。鉄道のダイヤが乱れたときの、駅や列車での混乱だ。「いつまでたっても動かないじゃないか」「どうすれはいいんだ」と乗客が駅員や車掌に詰め寄る、という光景をよく見かける。もちろん遅れは困るけど、巻き込まれたら仕方がない。大雪などでダイヤが乱れることの多い時期。遅れたときの鉄道会社の対応について考えてみた。(八鍬 耕造)
 遅れが出ると、よく登場するのが「振り替え輸送」という言葉だ。ダイヤが乱れたり、運転が止まったりしたとき、隣り合うほかの路線や鉄道、バスなどに乗客を移すこと。東京・大阪などの大都市圏と地方で違いはあるが、どこにでもある仕組みだ。
 JR東日本東京支社の鈴木一夫・指令室長にたずねると、「運行が5分ストップすれは、すぐに計画を立て始めます」という答えが返ってきた。
 昨年12月15日夜から16日未明にかけて3度不通になった総武線のケースでは、山手線や京浜東北線などで臨時列車を走らせたほか、地下鉄や私鉄など8社の路線に振り替えた。駅で受け取った「振替乗車票」を見せれば、振り替え先の列車に乗れる。もちろん無料だ。
 記者は先日、振り替え輸送を利用しそこなった。
 上野駅で地下鉄を降り、JR山手線に乗り換え東京駅へ行こうとした。ところが、乗車制限でホームに入れない。「原宿駅での人身事故の影響で山手線の運転がストップしており、大変ご迷惑をおかけしております。つきましては次の路線に振り替え輸送を行っております」
 路線名の連呼だけで、運転再開の見通しはさっぱり分からない。約束時間が迫り、タクシーで東京駅に着いてみると−。山手線は何ごともなかったように動いていた。
 振り替え輸送という仕組みがあっても、必要な情報が得られなくては効果が半減してしまうことを実感した。
 乗客が気になる情報を、鉄道会社はどれほど伝えているのだろうか。
 「復旧の見込みについては、予測できる範囲で極力お知らせするようにしている」(小田急電鉄)、「混乱を招かないように確実な情報を収集した上で、可能な限りの情報を迅速に告知するようにしている」(名古屋鉄道)と、はとんどの会社が努力目標としては掲げるが、「うかつなことはいえないし、どれぐらいかかるか数字を挙げるのは難しい」というのが本音だ。
 交通問題に詳しい中条潮・慶応大学教授は「情報を伝えるシステムはできあがっているはず。鉄道会社はもっと具体的に、きめ細かく情報を提供すべきだ」という。
 何時間で動くというのが難しくても、例えば「今、トラックが踏切に立ち往生しています」〜「警察(消防)が到着したところです」〜「現場検証が終わりました」のように。「意味がないことでも、利用客に判断材料を与えることで、不安感はかなり取り除けるものです」
 記者は、上野駅での一件と同じ日、こんな体験もした。横浜駅でJR東海道線の上り列車がストップ。ほどなく、車が踏切内で立ち往生したことや、手作業で外に出していること、京浜東北線も止まっていることを次々と車掌が伝えた。10分ほどの遅れが出たが、車内やホームに混乱した様子はなかった。
 情報不足は客の側から解消できない。払い戻しなどの知識を身につけ、請求できる場合はきっちり、というのが、せめてもの「自衛策」だ。
 レールウエーライターの種村直樹さんは、切符の払い戻しについての質問をよく受ける。その多くが、払い戻されるはずの切符を持っていて請求しなかったケースだ。
 「在来線の特急・急行料金は2時間、というように払い戻しの条件は決まっており、車掌や駅員によってアナウンスする場合もしない場合もあります。払い戻しや旅行中止の条件などは時刻表に載っているので、確かめておくことをすすめます」
記者の一言 送電故障、信号機が赤のまま、といったつまらない原因での遅れが目立ち、最近の鉄道は不手際が多いと思ったら、「世界的にみれば、日本の鉄道は信頼できる」と専門家は口をそろえた。せっかくなら、遅れたときのサービスのほうも、世界に誇れるようになってほしい。(朝日新聞)
■特急にはねられ死亡 下京の東海道線で男性
 17日午前1時35分ごろ、京都市下京区八条坊門町のJR東海道線で、下関行きの寝台特急「あさかぜ」の運転士(36)が「ドーン」という音に気付いて、列車を急停車させた。付近を確認したところ、線路わきに男性が倒れており、JR西日本を通じて110番通報した。男性は全身を強く打っており、間もなく死亡した。
 七条署によると、男性は50−60歳で身長約170a。白っぽいジャンパーに紺色のズボン姿だった。ジャンパーの内ポケットに「あとをよろしく頼む」と書いたメモがあり、七条署は自殺とみて男性の身元確認を急いでいる。
 列車は約25分遅れで発車した。(京都新聞 夕刊)
■ブレーキ故障 新幹線に遅れ 平塚で1時間半
 17日午前7時50分ごろ、神奈川県平塚市の東海道新幹線・小田原−新横浜間で、三島発車京行き「こだま526号」に緊急ブレーキがかかり停車した。JR東海によると、ブレーキを動かす空気を送るゴムホースに、裂け目ができていた。応急処置をして約1時間半後に発車したが、新横浜駅で運転を打ち切った。後続の上下約20本が30分以上遅れ、約2万人に影響した。
 調べでは、空気漏れは前から3、4両目の連結部分にあり、各車両の緊急ブレーキが作動した。同型の300系車両は、13日朝にも、東京駅を発車する直前にブレーキ用の空気漏れが見つかった。緊急時に手動でドアを開けるコックの配管から空気が漏れていた。(朝日新聞 夕刊)
18日■旧国鉄債務 JR東日本、700億円追加負担 98年度中に全額支払い 訴訟も断念
 JR東日本は17日、旧国鉄長期債務処理法で定められた年金債務に関する約700億円の追加負担を1998年度中に全額支払うとともに、検討を続けていた国を相手とする訴訟も断念することを取締役会で決定した。これにより、国を代表する鉄道会社と政府が真っ向から対立するという異例の事態は回避された。またJRグループ7社の全社が追加負担の支払いに応じることになり、旧国鉄の債務問題は一応の決着をみたことになる。
 JR東日本は、追加負担に関しては一貫して「不合理で横暴な行為」などとして反対してきたが、同社が目指している完全民営化を実現するためには負担を受け入れて政府・運輸省との関係を改善することが必要と判断した。
 また負担を支払わない場合には最大で年間30億円程度となる金利負担も考慮した。
 JR東日本は追加負担699億円と、法律施行後の利子相当額5億円の計704億円を98年度中に一括払いする。704億円は99年3月期に特別損失として一括計上する。これによりJR東日本の同期の当期利益は当初予想の456億円から346億円減少し、110億円となる。配当は継続する。
 松田昌士社長は同日会見し、訴訟断念の理由として「訴訟終結まで相当長期にわたり、会社および株主を極めて不安定な立場にさらさざるを得ない」と述べた。一方、これまでの方針を大きく変えたことについて自身が責任を取って辞任する考えは「まったくない」と否定した。
JR7社の追加負担額
北海道119
東日本699
東 海205
西日本442
四 国33
九 州125
貨 物130
(単位:億円)
 JRグループ7社のうち、既に東日本を除いた6社が追加負担を支払う見通しとなっていた。訴訟についてはJR西日本が提訴する可能性もあり得ると示唆している。
 政府・自民党は一昨年12月、旧国鉄の長期債務処理の大枠を決定し、年金関連でのJRへの追加負担が盛り込まれた。
 国会での論戦を経て昨年10月15日に債務処理法は可決成立し、当初予定の2分の1に当たる1800億円の追加負担が定められた。
・JR北海道も119億受け入れ
 JR北海道の坂本真一社長は17日の記者会見で、旧国鉄長期債務処理法で定められた年金債務の追加負担分、約119億円の支払いに応じることを明らかにした。支払いは一括処理で、1999年3月期に特別損失として計上する。26日までに運輸省に報告し、必要な手続きが終わり次第、できるだけ早期に支払うという。(京都新聞)
■JR東日本の追加負担表明 完全民営化の実現へ 苦渋の決断下す
 JR東日本が17日、従来の方針を転換し年金関連での追加負担受け入れを表明した背景には、JRグループに対して人事権などを握る政府・運輸省とことを構えるのは最終的には得策ではない、との判断が働いたとみられる。
 特にJR東日本には一刻も早く完全民営化を実現して政府の影響下から脱したいという悲願がある。負担受け入れと提訴の断念という苦渋の決断は、運輸省への屈服とも言えそうだ。
 JRグループの株は運輸省所管の日本鉄道建設公団が多くを所有している。JR東日本の場合は発行済み株式400万株のうち150万株。この株を放出しない限りは完全民営化は実現されないが、放出の決定は政府の権限となっている。政府と法廷闘争になれば、放出時期などに影響が出かねないとJR東日本は判断した。
 またJR各社へ運輸省がさまざまな規制を行える「JR会社法」の存在も、JR東日本にとっては目の上のたんこぶだ。同法では役員人事や事業計画策定などで運輸相の認可が必要とされている。こういった面でもJR東日本としては徹底抗戦はまずいとの判断に傾いたもようだ。
 一方、今回の負担受け入れ決定により、JR東日本は政府に対して完全民営化への努力を一層強く要請していく。松田昌士社長は「年内にも株の売却を希望している」と、政府・運輸省のさらなる努力を求めた。(解説)
・JR西日本も訴訟断念の公算
 JR東日本が17日、旧国鉄長期債務処理に絡む年金債務の追加負担を受け入れ、国に対する訴訟を断念したことで、ただ1社だけ提訴の可能性を残しているJR西日本も訴訟を断念する公算が高くなった。
 JR西日本の南谷昌二郎社長は16日の記者会見で追加負担額445億円を3月1日に支払うと発表。ただその席でも「この問題には疑義があり、黙って支払うわけではない」と述べ、引き続き提訴に含みを残していた。
 その一方で社内では、将来の完全民営化をにらみ筆頭株主の国と事を構えるのは得策ではないとの意見も根強い。このため西日本は、追加負担に応じる見返りに同社に有利な交換条件を国から引き出す道も模索。
 60年間の分割で国に支払うことになっている山陽新幹線の譲渡金の繰り上げ返済などを打診してきた。しかし、国は応じておらず西日本は手詰まりになっていた。
・「現実見据え判断」JR東日本社長 訴訟も真剣に検討
 JR東日本の松田昌士社長は17日記者会見し、旧国鉄長期債務処理に伴う約700億円の追加負担を受け入れたことについて「政府の主張が理不尽であるとの主張を取り消すつもりはまったくないが、現実を見据えてこれが最善の道と判断した」と、決断に至った苦渋の胸中を明かした。
 社長は「訴訟を起こした結果、われわれが目指す完全民営化が順調に進むものなのか、真剣に検討した」と指摘。国を相手とした訴えが、早期の完全民営化の防げになりかねないとの懸念が決断の最大の理由であることを示唆した。
 これまでの強硬姿勢から一転方針転換したことについては「訴訟は一つの選択肢と言ったが、それだけが選択肢と言った覚えはない。(考えが)180度変わったつもりもない」と反論。経営者としての責任を追及する問いには「辞任する考えはまったくない」と気色ばんだ。
 追加負担に伴う運賃への影響については「直ちに(運賃に)転嫁する考えはない」と語った。また国による同社の株式の二次売却は「年内にそういう機会があればと思っている」と、早期実施に期待を示した。(京都新聞)
■伏見のJR架線に枝 奈良線一時ストップ
 17日午後2時15分ごろ、京都市伏見区桃山町鍋島のJR奈良線で、線路わきの木を伐採中、木の技(長さ7b、太さ約20a)が架線に引っかかった。約1時間20分後、技を取り除いて運転を再開した。
 この間、奈良線は京都−宇治駅間が不通となり、京阪や近鉄などに振り替え輸送。奈良線は上下計11本が運休、計4本が最高1時間20分遅れ、約1600人に影響が出た。
 JR西日本によると、同社が業者に発注し、午前9時ごろから桃山駅付近一帯で、作業員6人が雪の重みなどで沿線の木が線路内に倒れないように枝の伐採を行っていたという。(京都新聞)
■白い煙は独立のシンボル 悲願の鉄道開通 外国の援助、一切受けず エリトリア
 【ナイロビ17日共同】領有権をめぐりエチオピアとの戦闘が続くアフリカ北東部のエリトリアで、このほど悲願だった鉄道が開通した。
 独立闘争時代にエチオピア軍にはぎ取られた線路やまくら木を全国からかき集め、長年放置された機関車は自ら修理した。外国の援助は一切受けなかった。
 白い煙をはきながら力強く走る蒸気機関車は、6年前に独立したアフリカで一番若い国の心意気を示すシンボルのようだ。
 今回開通したのは紅海に面する東部マッサワからギンダ間の約35`。計画が始まってから約4年。エルニーニョ現象による豪雨で敷設した線路が流されるなど予想外の事故もあり開通は1年近く遅れた。
 今月12日、イサイアス大統領を乗せたイタリア製蒸気機関車は、マッサワにゆっくりと滑り込んだ。約1万5000人の市民が迎えた。主任機関士はハプラさん(71)。機関車も約50歳と高齢だが、それぞれ、この日のためにカムバック。ハプラさんは、鉄道を知らない若い技師たちの技術指導にも当たった。
 鉄道は将来、首都アスマラを通り、西部のアゴルダットまで延長される計画だ。(京都新聞)
■旧国鉄債務 705億円一括支払いへ JR東日本 全社受容、政府と決着
 JR東日本は17日の取締役会で、昨年10月に成立した旧国鉄債務処理法にもとづく追加負担約705億円を今年度に一括して支払うことを決めた。法律の違憲性を争う訴訟も断念した。最も強く反発していた東日本を含むJR全社の負担受け入れが決まったことで、旧国鉄債務処理をめぐる政府とJRの対立は決着することにねる。追加負担に応じる方針を決めながら訴訟の構えを見せているJR西日本も提訴は難しい情勢となった。
 東日本は負担額を、今年3月期決算に特別損失として計上する。当期利益は110億円で、予想より346億円減る見込み。
 追加負担受け入れと提訴断念を決めたのは、政府と対立し続けることで、完全民営化が遅れるのではないかと懸念したため。東日本の発行済み株式400万株のうち250万株は1993年に売却されたが、残る150万株は国(日本鉄道建設公団)が保有しており、東日本は早期の全株売却を求めている。松田昌士社長は記者会見で、「完全な自主性の確立が株主の利益に最も貢献する」と、完全民営化を最優先する考えを強調。「訴訟が続いて巨額の債務が未確定な状態では、投資対象として不安定だ。完全民営化が訴訟とは別の問題として進むのかということも、深刻に検討した」と述べた。(朝日新聞)
■JR京都駅乗り入れ規制から1ヵ月 50人の運転手に聞く 四条河原町を中心に 繁華街で客待ちの列 流しや穴場の病院へも
 「偶数日に駅構内に入れるのは偶数ナンバーのタクシーだけ、奇数日は奇数だけ」という異例の規制がJR京都駅で始まって間もなく1ヵ月。運転手やタクシー会社の間ではいまだに賛否両論が渦巻いているが、大した混乱もなく規制は定着しつつある。それでは、入れないタクシーはどこへ行ったのか。京都駅で運転手50人に聞いてみると、あふれたタクシーが四条河原町などの繁華街を中心に列を伸ばしていることが浮き彫りになった。
 最も多かったのは、特定の場所で客待ちをせずに、走りながら乗客を探すいわゆる「流し」(18人)。理由として「会社の交通マナー指導車が巡回しており、すでに長く伸びた繁華街の列には加われない」「日替わりでコンサートや催し物があるホールをねらう」などが聞かれた。
 京都高島屋や大丸京都店などをあげた「百貨店」と「四条河原町」を合わせると、ほぼ4台に1台が繁華街で客待ちをしていた。百貨店が集まる四条河原町の交差点は駐停車禁止だが、四隅がタクシーの列で埋まることもある。中でも目立つのは、京都高島屋の角から河原町通を南へ伸びる列。タクシー乗り場から約250bにわたって連なることも。駐車場の整理員は「京都駅の規制が始まってからは伸びたねえ」と話す。
 また、京都駅に近い京都近鉄百貨店のタクシー乗り場から始まる列も長い。烏丸通から駅前の塩小路通に折れて150bほど続くことがある。渋滞を悪化させていると指摘される。
 一方、タクシー運転手たちは、交通マナーは守らなければいけないと口をそろえつつも、「京都駅よりも待ち時間は長いが確実に客がくる」「ほかの場所では水揚げ(売り上げ)が上がらない」などと本音をのぞかせていた。また、7人が「ホテル」をあげた。「駐車場が広い」「遠くまで乗る客が多い」「少なくとも京都駅までは乗る」などの理由で選んでいた。
 穴場的存在なのが病院だ。なぜかホテルと掛け持ちしている運転手が多く、やはり駅から遠い病院があがった。JRと地下鉄東西線が交差する二条駅と答えた運転手も3人いたが、駅前駐車場はすでにいっぱいで「京都駅と同じ規制が始まるのでは」と心配する声もあった。
 「みんながくるといやなので秘密」「困っている。探し中」「どうしようもないので遊んでいる」という答えもあり、厳しい状況がにじんだ。
・列解消に根本策なし 台数多すぎるの声
 繁華街で伸びるタクシーの列に対策はあるのか。四条河原町を管内にもつ五条署交通課は「交差点の中で列をつくっている場合は取り縮まっているが、近いうちに四隅に駐停車禁止を警告する看板を出したい」と今後、対策に乗り出す構えだが、根本的な解決策にならないとしている。
 京都市のタクシーは8432台。タクシー1台当たりの人口は約170人で全国で最も少ない。運転手からは「台数が多すぎる。観光客は減っており、台数を減らさないと食っていけない」との声が漏れた。(朝日新聞)
■架線に木の枝 電車11本運休 JR奈良線
 17日午後2時15分ごろ、京都市伏見区桃山町のJR奈良線桃山−六地蔵間で、沿線で伐採中の木の枝が架線に引っかかったため、走行中の奈良発京都行き上り快速電車(6両編成、乗客約200人)が近くの六地蔵駅に緊急停車した。京都−宇治間が一時不通となり、近くを通る近鉄京都線などに振り替え輸送した。枝は約1時間後に取り除かれ、運転を再開したが、上下計11本が運休するなど乗客約1600人に影響した。(朝日新聞)
19日■JR西日本 福祉事業へ”発車” ホームヘルプや用具レンタル 2000年度 介護制度に対応
 JR西日本は、来年度から大阪と広島市内の傘下企業2社を通じて、ホームヘルプサービスや福祉用具のレンタルなど、シルバー産業に参入する。JRグループで本格的な福祉事業参入は初めてで、2000年度からスタートする介護保険制度に対応する。
 車両やビルの清掃を手がけるジェイアール西日本メンテック(広島市)と、流通が主体のジェイアール西日本商事(大阪市)の2社。JR西日本は、昨年から高齢化に向けた新しい事業展開を傘下企業と検討。その中で、介護保険制度の開始にあたり、広島市が民間事業者の参入に積極的で、関西地域でも福祉用具の需要が見込めることから、手始めに2社で参入することにした。
 「メンテック」は、ホームヘルプサービスと介護保険対象者の介護プランを作成するケアブラン作成事業を広島市内で予定。「西日本商事」は、介護用ベッドや車いすなど、福祉用具のレンタルと販売の物流拠点となる。これに伴い、ホームヘルパーや看護婦、ケアプランを作成する資格のあるケアマネジャーも新たに採用する方針。本年度内に、それぞれの子会社に福祉事業部門を設け、今年10月から各市町村で始まる要介護認定に合わせて事業化の準備を進め、大阪と広島に介護保険制度の認定事業者指定を申請する。
 JR西日本は「どれくらいの需要があるか不確かだが、事業化できる市町村から順次、進出したい」としている。(京都新聞)
■市が33億円計上 来年度 まず買収と文化財調査
 長岡京市の21世紀のまちづくりの中核として、10年前から計画されてきたJR長岡京駅西口地区市街地再開発事業が、新年度から本格的に始動する。不況が長引くなか、府内自治体がかかわる開発事業としては際立っており、総事業費280億円のビッグプロジェクトとなる。事業主体の再開発組合が用地買収や建設工事の一部に着手するため、同市が18日発表した新年度予算実に33億8200万円を計上した。
 西口再開発は、同駅周辺の3.1fの敷地に、高さ100bの住宅棟、大型スーパーを核テナントとした7階建ての商業棟、健康福祉施設のほか、生涯学習施設を備えたヒューマンセンター(仮称)やホテルが入る13階建ての公共公益棟の3棟を建設する計画。2002年度完成を見込む。
 府内で初めて、地権者と行政などが加入する再開発組合が主体となって進める方式で、97年4月に都市計画決定された。今年1月には同組合が発足、いよいよ本格的に事業がスタートすることになった。
 同組合の計画では、新年度中に用地買収や埋蔵文化財調査、進入路工事などを進め、住宅棟部分の本体建築工事に着手する予定。今回の予算では、これら事業補助に27億8300万円を当てるほか、関連事業として、都市計画街路の長岡京駅前線整備に6億円を当てる。
 今井民雄市長は「西口再開発は10年来の悲願。財政は厳しいが、今やらなければ将来の発展はない」と話している。(京都新聞)
■京都市99年度予算案詳報〈上〉(抜粋)
東西線延伸用地買収も
◇交通
 地下鉄関係では、東西線延伸(醍醐−六地蔵間、1.4`)の用地買収などに42億円を計上。烏丸線と近鉄京都線の相互直通運転区間拡大(近鉄奈良まで)や、1枚のカードで複数の鉄道・バス会社路線を乗り継げる「スルッとKANSAI」導入(2000年3月)に向けた設備改良に27億円を用意した。
 市バス関係では、ほとんど段差がなく乗り降りしやすいノンステップバスや、窒素酸化物の排出量が6割以上も低い天然ガスを燃料にしたバスなど計15両の新規導入に3億9300万円を用意した。(京都新聞)
■市バス、地下鉄、下水道 赤字額は軒並み増大 京都市公営企業99年度予算案(抜粋)
 京都市は18日、市バス、地下鉄、上・下水道の4公営企業会計の1999年度予算案を発表した。4会計とも2年連続の単年度赤字となり、赤字額も軒並み増大する見込み。累積赤字は地下鉄1411億円、市バス92億円と、ともに過去最高で、市バスの不良債務は77億円に達するなど一段と厳しい経営状況が浮き彫りになっている。
・地下鉄
 予想乗客数は1日30万8000人で微増。旅客収入は3億6000万円増を見込むが、建設費にかかる減価償却費や支払い利息が大きく、経常赤字は7億2000万円増の305億4000万円、累積赤字も過去最高に膨らむ。不良債務対策として償還時期を緩和する企業債を発行。不良債務は202億6000万円で、発行前に比べ150億円圧縮する。また、東西線の六地蔵延伸に伴う用地取得や工事費42億円を盛り込んだ。
・市バス
 乗客離れに歯止めがかからず、予想乗客数は1万人減の34万9000人。営業収入の落ち込みと人件費の負担が大きく、経常赤字は60億6000万円とほぼ倍増、累積赤字も35億円増を見込む。経営健全化に取り組むものの、不良債務は増大。96年に発表した「市バス事業の今後の展望」で示した債務圧縮計画(99年度末で60億円)を17億円上回る見通し。(京都新聞)
■窓 住民に役立つ市バス運行を 伏見区・土渕 康雄(契約社員・58)
 先日、京都市内も雪が降り、かなりの積雪に見舞われました。当日、私はいつもより早く起きて、遅刻しないように家を出ました。ところが市バスがなかなか来ない。ほかの人が言うには、バス停に運休の張り紙があったとのこと。当日は、いつもは利用しない人たちも公共の交通機関に頼ろうとしたと思います。市民の足が役に立たない。
 役に立たないと言えば、伏見区の東部は公共の団地があり、かなりの人口ですが、市バスが走っていません。市内なのになぜ市バスを運行させないのか。また、横大路営業所も閉鎖して民営に代行してもらうらしい。すると、伏見区は市バスの走らない区になってしまう。市は撤退することばかり考えて、どうすれば利用客が増えるかということを検討してきたのか。
 関東の方では100円区間をつくったり、運行コースを検討したりして客を増やしているという。京都では道路事情もあるだろうけれど、調査、検討して市バスは市内全域で市民の足として役に立ててほしい。(京都新聞)
■地下鉄 累積赤字1411億円 東西線の乗客数響く
 高速鉄道(地下鉄)事業特別会計の新年度予算案によると、累積赤字は前年度見込み額より305億円増えて1411億円。資本費負担を後年度送りにする「資本費負担緩和分企業債」を初めて発行する。新年度予算案に71億円を計上、98年度2月補正予算案にも79億円を盛り込んだ結果、99、98年度の不良債務は97年度とほぼ同額の約202億円にとどまる見込みだ。
 地下鉄建設中には、企業債の支払利息の財源が建設費として手当てされるが、開業後は営業収益などで賄うのが原則。だが、1日15万6000人を見込んでいた地下鉄東西線の乗客数が、97年度実績で1日11万9000人にとどまり、98年度の経常浜益も地下鉄全体で約300億円の赤字となる見込みだ。
 資本費負担緩和分企業債は、経営健全化に努めることを条件に、企業債の支払利息相当額のうち、新年度に増加が見込まれる不良債務額を限度として自治省が許可する。
 資本費負担緩和分企業債の発行で負担を先送りする一方で、東西線延伸(醍醐−六地蔵)の用地買収、土木工事などのための事業費42億円を盛り込んだ。(朝日新聞)
■長岡京市は「超積極型」 一般会計16.5%増の予算案 JR駅西口 再開発に重点
 長岡京市は18日、1999年度当初予算案を発表した。一般会計は過去最高の251億4961万円と、前年度より16.5%、35億6383万円増、特別会計を合わせた総額でも対前年度比12.3%増の「超積極」型となった。一般会計の増加分にほぼ相当する約34億円をJR長岡京駅西口再開発関連に集中的に投入する。25日開会する定例市議会に提案する。
 総事業費280億円の大プロジェクトであるJR西口再開発事業では、1月に事業主体となる再開発組合が設立され、新年度は権利変換計画認可へ向けての作業が本格化する。再開発に伴う転出者の補償費などのために26億7110万円を計上したほか、周辺道路整備などのために約7億円を盛り込んだ。
 法人市民税が18年ぶりに10億円を割り込むなど財政状況が悪化するなか、国や府からの補助22億円余り、市債約15億2000万円などで財源を確保し、財政調整基金も約10億円取り崩す。99年度末の市債残高は約153億円となる見込み。
 その他の主な事業は次の通り。
 まちづくり支援センター構想策定100万円▽身体障害者福祉ホーム生活支援1276万円▽子育て支援相談648万円▽市内7保育所での2歳児室冷房設備設置490万円▽中小企業振興融資預託金増額など3898万円▽小中学校のトイレ改修1億7450万円▽小学校5校でのコンピューター整備3億8018万円▽神足小グラウンド整備8200万円(朝日新聞)
■JR桜島線移設 4月から営業へ テーマパーク最寄り新駅も
 2001年春に開業する予定のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」を中心にした大阪市此花区の此花西部臨海地区開発計画で、JR西日本は18日、地区内を走る桜島線安治川口−桜島間(1.7`)の線路と桜島駅を南へ約250b移す工事を終え、4月1日から新線での営業を始める、と発表した。
 桜島線は大阪環状線西九条駅と桜島駅の4`を6分で結ぶ。途中駅は安治川口駅だけ。線路移設工事は1997年から始め、一部区間にシェルターを設けて線路を覆うなど景観にも配慮した。桜島駅の新駅舎は、大きな波をイメージしたデザインになった。
 一部残っていた単線区間を複線化する工事も終了。安治川口−桜島間にUSJへの最寄り駅になる「此花臨海駅」(仮称)を新設する予定で、建築家の安藤忠雄さんが設計した駅舎を建設している。ガラス繊維を織り込んだ白い幕で駅舎とホームを覆い、帆船をイメージさせる建物になるという。(朝日新聞)
■近鉄特急回数券 偽造500枚、金券店に 難波−名古屋 一部使用される
 近鉄が発行する名古屋−難波(大阪市)間の特急回数券「名阪まるとくきっぷ」の偽造券約500枚が名古屋駅周辺の金券ショップなどに持ち込まれ、一部が使われていたことが19日、分かった。同社や金券ショップから被害届を受け、愛知県警中村署は偽造有価証券行使の疑いで捜査している。
 昨年末、偽造回数券を名古屋市内の金券ショップに持ち込んだ2人組がいたことが分かり、同署で調べている。
 同署などによると、見つかった偽造回数券はいずれも20枚つづりの「まるとくきっぷ20」(定価6万4000円)で、透かしの濃淡や紙の厚さなどが徹妙に違うだけで精巧にできているという。
 昨年12月29日に名古屋駅で回収された切符から1枚が見つかり、約50枚が同駅や大阪市内、三重県内の駅で見つかった。被害額は約16万円。同社は2月末から回数券のデザインを変更する。このほか名古屋駅周辺の金券ショップ約10店で計約50枚が見つかった。これまでに約500枚が出回ったとみられる。
 昨年12月28日、2人組の男が名古屋駅周辺の金券ショップを訪れ、架空の住所や偽名で偽造回数券を換金していたという。(京都新聞 夕刊)
■近鉄ニセ切符 大量に出回る 名古屋の金券、ショップ
 近鉄特急の名古屋−難波(大阪市)間の特急乗車券付き回数券「名阪まるとくきっぷ」の偽造券が、昨年末から今年1月上旬にかけて名古屋市内の金券ショップなどに大量に出回っていたことが19日、分かった。近鉄や金券ショップから被害届を受けた愛知県警中村署が、偽造有価証券行使などの疑いで調べている。
 同署や近鉄によると、偽造されたのは、乗車券と特急券を1枚として20枚つづりになった「まるとくきっぷ20」で定価は6万4000円。昨年12月29日に、近鉄名古屋駅で48枚が使われていたのをはじめ、難波駅、桑名駅も含め計51枚、16万3000円分が見つかった。いずれも金券ショップで購入した人が使った可能性が高い。
 また、今年1月上旬までに名古屋市内の約10店の金券ショップで400枚余りが換金されていたという。(朝日新聞 夕刊)
■関西空港線 強風で運休 JRと南海
 関西空港と対岸のりんくうタウンを結ぶJRと南海の関西空港線は、強風のため19日午前9時40分ごろから1時間余り運転を見合わせた。その間、代行バスで振り替え輸送した。JRと南海の特急など上下計33本が運休した。(朝日新聞 夕刊)
20日■国を相手にした訴訟 株主総会までに結論 JR西日本社長
 JR西日本の南谷昌二郎社長は19日、東京都内での記者会見で、旧国鉄長期債務処理に絡んで検討を続けている、国を相手にした訴訟について「株主総会の時までに決まっていないということで許されるかどうか」と述べ、6月の株主総会までには結論を出したいとの意向を表明した。
 旧国鉄長期債路処理法で定められた年金関連での追加負担問題ではJR東日本と西日本が国相手の訴訟を検討していたが、東日本は17日、負担の受け入れと訴訟の断念を発表した。これで訴訟を検討しているのは西日本だけになったが、南谷社長は「独自に適正な対応を取りたい」として、引き続き訴訟を行うかどうか検討していく姿勢を示した。
 JR東日本の負担受け入れについては「非常に苦しい決断をされたのかなと思う」と述べた。(京都新聞)
■京都市99年度予算案詳報〈下〉(抜粋)
JR山陰線「円町駅」に4億円
◇まちづくり
 2年後の完成をめざすJR山陰線新駅(円町駅)設置に4億円、JR京都駅南口駅前と周辺整備の調査1億2900万円を計上、本格的なまちづくりに着手する。交通渋滞の解消を図り、近鉄京都線と阪急京都線の立体交差化事業に乗り出すほかJR山陰本線と奈良線の複線化、油小路線など高速道路網整備に取り組む。公園関係では桂川緑地の防災公園整備6400万円、「新こどもの楽園」を軸にした宝が池公園整備に10億5400万円を計上。景観に関連して、京都らしい景観形成を誘導する公共工事デザイン指針の策定事業1200万円、祇園花見小路の電線類地中化事業1億5000万円、市民主体のまちづくり支援や京町家の保全・再生に取り組む京都市景観・まちづくリセンターの運営費9100万円を盛り込む。(京都新聞)
■近鉄奈良駅まで延長 地下鉄烏丸 線来年3月から 昼間に急行を運転
 京都市は来年3月から、市営地下鉄烏丸線(国際会館−竹田)の近鉄京都線乗り入れを現在の新田辺駅までから近鉄奈良駅までに延長する。新田辺駅までの普通電車に加え、急行を1日約10往復運行し、国際会館−近鉄奈良間を約1時間7分で結ぶ。市は「2つの古都を急行で直結することで観光客増につなげたい」と期待している。
 午前10時から午後4時までの昼間に、竹田駅以南が急行となる近鉄奈良行き電車を走らせる。京都市内から奈良市内まで乗り換えなしで移動でき、観光などに便利になる。竹田駅以南の停車駅は近鉄丹波橋、桃山御陵前、大久保、新田辺、高の原、大和西大寺、新大宮の各駅となる。
 京都市は、運行管理設備や行き先表示板の改良費など3億7400万円を、19日開会の市議会に提案した新年度高速鉄道(地下鉄)事業特別会計の当初予算案に盛り込んだ。近鉄も新造車両3編成を準備し、駅の表示板などを改良する。
 烏丸線は現在、1日36往復(平日)が各駅停車で新田辺駅まで運行しており、1日約3万2000人が地下鉄と近鉄京都線とにまたがって利用している。近鉄京都線は1日約270往復が運行、約44万5000人が利用している。(朝日新聞)
■南海・京阪も…利用路線3倍 「スルッとKANSAI」より便利に 乗客争奪?JRも導入予定
 事前に購入する共通のプリペイドカードを使い、関西の私鉄や地下鉄など異なる路線を自由に乗れるシステム「スルッとKANSAI(かんさい)」に、来年度末までに新たに南海電気鉄道など18機関が加わり、路線網は現在の3倍以上に広がることになった。
 これに対折してJR西日本も今月26日から、京阪神を中心としたJR路線で、自由に乗り継ぎできるプリペイドカードを導入する予定で、「JR対私鉄・地下鉄グループ」の新たな乗客争奪合戦が始まりそうだ。
 「スルッとKANSAI」への新たな参加は、19日、南海などが計画を発表した。この制度は3年前、大阪市営地下鉄、阪急電鉄、阪神電気鉄道など5つの機関がプリペイドカードを共通にすることからスタート。その後、阪急バスなどを含め、現在は7機関が参加している。鉄道で約320`、バスで740`を、カード1枚で自由に乗り継げる。
 1枚のプリペイドカードで、私鉄や地下鉄の自動改札機に直接通すことができ、各駅で切符を買う手間を省いて乗り継ぎできるのが大きな特徴。1996年4月から98年3月までの累計で、カードの発売は3100万枚にのぼり、利用金額にすると559億円にのぼる。普通の乗車券の利用客に占めるカード利用客の割合は、16%にまでなった。
 こうした路線網に、今年4月1日から南海、京阪電気鉄道、和歌山バスなどが加わるほか、10月から来年度末にかけて京都市、神戸市の各市営地下鉄も参加し、全部で25機関に膨らむ。(朝日新聞)
■市バス暴走 街路樹や電主ボキッ 早朝の右京 6人けが
 20日午前6時45分ごろ、京都市右京区嵯峨広沢南下馬野町の新丸太町通で、大覚寺行きの市バス=熊谷十一運転手(63)=が、道路左側の歩道に突っ込み、街路樹や電柱に衝突、前部を大破した。熊谷運転手と乗客5人の計6人が、頭や腰を打撲するなどして病院に運ばれ、北区の男性(67)1人が入院した。いずれも軽傷という。事故当時、歩道に歩行者はいなかった。
 太秦署と市交通局の調べでは、バスは、歩道のフェンスに接触したまま15b走行し、新丸太町通南側の街路樹1本と電柱1本を歩道側になぎ倒して停車していた。途中にハンドルを切った跡や急ブレーキの跡がないことなどから、熊谷運転手が居眠り運転をしていたのではないかとみて、詳しい事情を聴いている。
 現場は見通しの良い直線コース。熊谷運転手は「直線の道路が続いて、ついウトウトしたかもしれない」と話している、という。
 折れた電柱が歩道をふさいだため、太秦署は歩道と新丸太町通の一車線を、一時通行規制した。
 近くに住む主婦(27)は「ガシャンという音で表に出たら、バスはめちゃめちゃに壊れ、運転手さんが額から血を流していた。こんなひどい事故とは思わなかった」と青ざめていた。
 今年に入ってた市バスがからんだ事故は3件目。
・大変迷惑かけ心からおわび
 平田嘉輝・京都市交通局自動車部長の話 負傷された乗客をはじめ、多くのみなさまに大変ご迷惑をおかけし、心からおわび申し上げます。交通局では、安全運転を第一に事故防止の研修の強化に取り組んでいたのに、誠に残念。事故原因を明らかにし、いっそうの事故防止に取り組んでいきたい。(京都新聞 夕刊)
■お参りはモノレールで 富山の山寺 檀家高齢化で設置
 石段の横を緑の車体がゆっくりと進む−。足腰が弱くなっても気軽にお参りできるようにと富山市郊外にある法華宗信行寺(二瓶海照住職)が参道にモノレールを設置、お年寄りや体の不自由な人たちに喜ばれている。
 呉羽山(76.8b)の山頂近くにある信行寺。参道は人間の煩悩の数といわれる108の石段からなり、本堂にたどり着くまでが一苦労。
 「檀家(だんか)も高齢化しており、お参りしたくてもできないというのはつらいだろう」と昨年5月、約3000万円を掛けてモノレールを造った。
 工事現場やレジャー施設向けのモノレールを造ってきた嘉穂製作所(本社福岡県筑穂町)が設計・施工を請け負ったが「お寺からの発注は初めて」と話す。
 モノレールは無人運転で、エレベーターの要領で昇降ボタンを押すだけで操作ができる。発着時の揺れは少なく、傾斜38度、約40bの坂を約1分で昇る。9人乗りの座席は可動式で車いすの乗り入れやひつぎの搬送など用途は幅広い。本堂内はモノレールの設置に合わせ段差をなくすなどバリアフリー化した。(京都新聞 夕刊)
■市バス衝突、6人けが 京都 電柱やイチョウ倒す
 20日午前6時45分ごろ、京都市右京区嵯峨広沢南下馬野町の市道で、同市交通局の市バス=熊谷十一運転手(63)=が道路左側の歩道に乗り上げ、鉄製のさくや街路樹のイチョウ2本をなぎ倒したうえ、約15b先のコンクリート製電柱を倒して止まった。この事故でバスの前部が大破。20−73歳の乗客5人全員と熊谷運転手が頭などに軽いけがをした。
 太秦署の調べでは、現場は見通しのよい片側2車線の直線道路。同署は居眠り運転の可能性もあるとみて調べている。近くの住民は「ガラスが割れる大きな音がして、びっくりして外に出た。乗客は口から血を流している人もいた」と話していた。(朝日新聞 夕刊)
22日■東京のJR貨物線 作業員はねられ5人死亡 運行確認を怠る 回送列車「来ない」と思い込み
 21日午前零時10分ごろ、東京都品川区西五反田3丁目のJR貨物線で、保守作業中のJR下請け会社「大和信号工事」(埼玉県春日部市)の社員5人が回送中の臨時団体列車(7両編成)にはねられ、山田耕作さん(55)=春日部市梅田=ら全員が死亡した。警視庁捜査一課と大崎署の調べで、現場責任者を務めていたもう一つの下請け会社「京三電設工業」(東京都大田区)の社員(44)が集合時間に遅刻し、作業開始前に列車の運行状況などを十分確認していなかったことが分かった。さらに、現場責任者は「この時間帯は列車が来ないだろうという思い込みがあった」と話しており、同課などは業務上過失致死容疑で捜査を始めた。
 調べによると、保守工事は「大和」と「京三」の2社で受注。現場には死亡した5人と現場責任者に加え「大和」の作業員2人、「京三」の作業員1人、列車の接近を監視する見張り役の警備員1人の計10人がいた。
 作業員は信号電線を取り換えるための機材を準備し、現場責任者がJR東日本東京総合指令室に「これから工事を始める」と携帯電話で連絡。5人が線路内に入った直後、後方から来た列車に次々とはねられた。現場はカーブで見通しが悪かったという。
 JRの内部規定では、現場責任者は事前にJRから作業時間帯のダイヤを受け取り、当日は総合指令室の信号担当に作業開始を連絡するほか、列車の運行状況を把握している大崎駅に通過列車の有無を確認しなければならないが、大崎駅に連絡せず、しかも警備員を列車が来る方向に配置しなかった。
 またJRによると、今回は現場責任者からの請求がなかったため、ダイヤも渡していないという。
 現場責任者は調べに「臨時列車が来るかどうか確認する必要があったが、していない。この時間帯は来ないだろうという思い込みがあった。遅刻したので指令室に連絡するのが精いっぱいだった」と話しているという。
 捜査一課などは現場の実況見分と列車の検証を進めるとともに、事前のダイヤ確認作業から事故までの経緯などを詳しく調べている。作業員をはねた列車は品川駅から山梨県の小淵沢駅に回送中で、乗客はいなかった。
・過去の教訓生かされず
 死者5人という惨事になったJR貨物線の事故は、安全確認の手続きが守られなかった結果である可能性が高い。作業員の死亡事故はこれまでも鉄道各社でたびたび起きており、その教訓がまたも生かされなかった。
 JR東日本によると、線路などで保守作業をする場合は、今回のような事故を防ぐため@現場責任者がJRの担当者に請求し、事前に作業時間帯のダイヤを受け取るA現望責任者は当日の作業開始前、駅に列車の運行状況を確認B作業中は見張り員が必ず就く−という手順が定められている。
 しかし今回は請求がなかったため、回送列車の通過を記載したダイヤの受け渡しがなく、JR側もそのことをチェックできなかった。さらに最後の「頼みの綱」となる見張り員も列車の接近に気付くのが遅れたとみられ「経験のある人が何の警戒もなく線路内に入っていた。列車が来るとは全く思っていなかったとしか考えられない状況」(石田義雄同社東京支社長)になった。
 1998年1月、JR東青森駅で除雪作業中のJR貨物作業員4人が列車にはねられて死亡した事故の直後、運輸省は鉄道各社に見張り員の配置の徴底などを求める通達を出した。
 JR東日本は今月2日、「乗客と社員の死傷事故ゼロを目指す」という「安全計画21」を発表したばかり。「自社、他社を問わず事故があるたびに安全対策を徹底していた」と言うが、いきなりつまずく形になった。(京都新聞)
■電気系統の故障で特急列車2本運休 JR米原駅
 21日午前8時10分ごろ、滋賀県坂田郡米原町米原のJR東海道線米原駅で停車中の名古屋行き特急列車「しらさぎ2号」の電気系統が故障した。このため、同列車が運休となったのをはじめ、名古屋発米原行きの「しらさぎ5号」も運休し、乗客約300人に影響が出た。
 JR西日本で原因を調べている。(京都新聞)
■JR貨物線 5作業員はねられ死亡 東京・品川 臨時列車に 責任者「確認怠った」
 21日午前零時15分ごろ、東京都品川区西五反田三丁目のJR山手貨物線内で、電気回線を取り換える工事をしようとしていた作業員5人が、臨時ダイヤで回送中の団体列車(7両編成)にはねられ、全員が死亡した。警視庁捜査一課と大崎署は業務上過失致死の疑いで捜査を始め、作業を発注したJRと、担当した業者側から事情を聴いている。これまでの調べに、工事全体の指揮をしていた作業員(44)は「現場に着くのが遅れ、作業開始前に臨時列車などの通過の有無をJR側に確認するのを怠った」と供述しているという。
 死亡したのは埼玉県春日部市大枝、渡辺勇さん(59)▽同市梅田、山田耕作さん(55)▽同市花積、西島武夫さん(58)▽埼玉県岩槻市柏崎、小山章さん(51)▽春日部市大河、小田部勝義さん(56)。5人とも春日部市増戸にある「大和信号工事」の社員。
 調べによると、現場では計10人の作業員が作業中だった。渡辺さんら5人は、線路の軌道内で工事機材を台車に積んでいる最中に、後ろから来た回送列車にはねられた。
 警視庁によると、工事の指揮をしていたのは東京都大田区にある「京三電設工業」の作業員。(朝日新聞)
■全国1900駅 バリアフリーまだまだ エレベーターない7割 エスカレーターない5割 調査の国も「不満」
 全国のJRや私鉄などの主要約1900駅のうち、エスカレーターは約半数の駅で設置されていたものの、エレベーターは約30%の駅にしか取り付けられていないことが22日、運輸省の調査で分かった。
 駅やバス停など交通施設でお年寄りや障害者が利用しやすいようにバリアフリー化を推進している同省は今回の調査結果について「不満」としており、今後も補助金を出し、できるだけ多くの駅にエレベーターなどを設置するよう働き掛けていく、としている。
 全国のJR6社と大手私鉄15社、東京都など9つの自治体が運営する地下鉄など計31の鉄道会社で、高低差5b以上の階段があり1日の乗降客が5000人以上の駅について、1997年度末のエレベーターとエスカレーターの設置状況を調べた。
 対象の計1945駅のうち、エレベーターは29%の558駅が設置、エスカレーターは54%の1517駅にあった。
 対象駅の内訳はJRが693、私鉄が749、地下鉄503。エレベーターの設置駅はJRが147(21%)で最も低く、私鉄が193(26%)、地下鉄は半数近い218駅だった。
 エスカレーターはJRが250駅(36%)、私鉄が376駅(50%)、地下鉄が431駅(86%)で設置されていた。
 運輸省はバリアフリー促進のための鉄道会社向け補助金として、98年度の国の第三次補正予算で50億円を、99年度予算でも9000万円を計上した。
・京都市地下鉄全駅に「ある」
 京都市営地下鉄は、東西線を含めて27ある駅のうち22駅が調査の対象となったが、対象外の駅を含む全駅にエスカレーターとエレベーターが設置されている。
・障害者・高齢者 とても怖い思いしている
 生活用品や街づくりなどのバリアフリー化を提唱するバリアフリー協会(東京)の沢田藤司之・専務理事の話 昨年の長野冬季パラリンピックで、外国選手団は成田空港から長時間バスに乗って長野入りした。新幹線が障害者にとって便利でないからだ。
 足を骨折した人や白内障の高齢者は、駅に下りのエスカレーターがないことで、とても怖い思いをしている。駅を整備するには細かな配慮が必要だ。駅や建物という「点」がバリアフリーでそれぞれ充実していけば「線」でつながり、いつしか社会全体が健常者、障害(高齢)者の双方に優しい「面」になる。(京都新聞 夕刊)
■線路に遺体 JR26本運休 摂津
 22日午前6時20分ごろ、大阪府摂津市千里丘のJR東海道線下り線の茨木−千里丘間で、線路内に電車にひかれたとみられる遺体があるのを普通電車の運転士が発見、停止した。
 摂津署などによると、遺体は30−40代の女性でひいた電車は不明。同署は自殺とみて調べている。
 JR西日本によると、遺体搬出作業のため、上下線26本が運休、下り5本が最大約40分遅れ、約2万6000人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
23日■タイムアングル 高瀬舟 運河が開通、京都の物価は現実に値下がりした
 高瀬舟は数人の曳手が、舟につないだ長いロープを肩にかけて、「ホーイ、ホーイ」と声をあげながら、伏見港からの10`余りを曳いて上がっていた。
 写真は水路がまっすぐに延びているから、木屋町のあたりだろう。左岸には倉庫が並んで、電車はまだ走っていない。
 高瀬舟が京都へ運び込んだ物は、高度な知的産物ではない。都市が生きるために必要な米穀薪炭類で、この運河が開通したとき、京都の物価は現実に値下がりしたという。
 人は乗せない舟だったが、伏見稲荷の初午の日だけは四条小橋から稲荷橋まで乗せた。舟の中で飲み食いを楽しみながら、小半日がかりの遊山だった。
 江戸時代の舟数は、京都と伏見とを合わせた158艘が定め。半端な数だが、2艘が難破したからだという。高瀬川のような川で、どうしたら難破するのか見当がつかない。
 鉄道が開通し、電車が走り、トラックの時代が始まる。大正7年(1918年)には、高瀬舟はわずか15艘に激減していた。そして2年後の6月、高瀬川舟運は長い歴史を閉じた。
 舟運が廃止になるとすぐに、高瀬川を暗きょ化しようとする動きが現れた。川沿いに住む人たちは4000名の反対署名を集めて都市計画委員7人に辞職勧告書を突きつけて、その案をたたきつぶした。(作家・駒 敏郎)(朝日新聞)
■トンネルの壁 崩落し脱線 大分のJR久大線
 22日午後11時55分ごろ、大分県湯布院町川西のJR久大線湯平−南由布間の津々良(つづら)トンネル(全長117b、1925年開通)で、線路上をふさいだコンクリートの塊に、大分発由布院行き上り最終普通列車(3両編成)が乗り上げ脱線した。乗客9人と乗員2人にけがはなかった。
 大分南署とJR九州大分支社の調べでは、コンクリートはトンネル入り口付近の天井から側壁にかけて長さ6b、幅2b、厚さ4aにわたり崩落。以前に補強したうちの一部で、JR九州の川野敏雄大分鉄道事業部長は「それまでの壁と補強部分の間に入った水分が、気温の変化により影響を受けたのが原因ではないか」と話している。
 同線は単線で、23日始発から庄内−由布院間が不通となり、JR九州はバスで代行輸送した。同日朝までに現場から列車を撤去、壁の補強部分をはがし、まくら木を交換する復旧作業を進めた結果、午前8時25分に運転を再開。上下8本が運休した。
 列車は先頭車両の前輪が脱輪。付近には多数のコンクリート片が飛び散り、2b四方の塊もあった。はげ落ちた部分では、内部の鉄骨や開通当初の壁とみられる赤れんががむき出しになっていた。22日午後10時35分に南由布駅を出発した列車が通過した時には異常がなかったという。(京都新聞 夕刊)
■すーぱーコレクター 鉄道切符 小さな神片に詰まった情報 東京都 築島 裕さん
 日本学士院会員で高名な国語学者である築島裕さん(73)は、鉄道切符の収集マニアとしても知られる。
 築島さんが切符に引かれるのは、1枚の小さな紙片に「実にいろいろな情報が記されているから」。
 「特に、切符の歴史的な変遷に一番関心があります。例えば、東京−有楽町間の切符は、昭和初期から現在まで数十回変わりましたが、それがいつ、どのように変化したのかというようなことを細かく調べていくことが好きです」と語る。
 これまで集めた切符は、約22万枚。自宅に置き切れず、某県の某所に保管している。
 切符を集め始めたのは、旧制中学に入学してから。「クラスに熱心な切符収集家がいて、その影響を受け、6、7人の仲間と『切符同好会』をつくり、ガリ版刷りの『切符時報』を発行しました」。旧制中学・高絞時代の7年間に集めた切符は、1万5000枚に上った。
 戦争末期の昭和20年(1945年)4月、大学に入学すると同時に滋賀海軍航空隊に入隊。
 「入隊後間もなく、家から一枚のはがきが送られてきました。それには、5月の空襲で世田谷の自宅は丸焼けになった。それでおまえが大事にしていた切符は一枚残らず灰になった、ということが書いてありました」
 趣味とはいえ、情熱を傾けて集めただけにひどくがっかりした。もう二度と収集しまいと思った。
 ところが、ある日、訓練で比叡山に登り、ケーブルカーの上の駅近くに使用済みの切符がまとめて捨ててあるのを見つけた。「それを見て、突然、また集めたくなり、休憩時間に拾ってそっと持ち帰りました。これが私の戦後切符収集の第一号、いや戦争中の第一号ということになります」
 切符は運賃改正、規則改正などによって組織的、体系的に移り変わるという。この点に着目して書き進めたのが『鉄道きっぷ博物館』(80年)である。
 「あくまでも素人の道楽」と笑うが、今でも毎月、「時刻表」を買うのを欠かさない。
 「問題は今後、集めた切符をだれに引き継ぐかです」という築島さん。電車の車体に関心を持つ高校生のお孫さんに、ひそかに白羽の矢を立てている。(鈴木隆・ライフワーク総合研究所代表)
 つきしま・ひろし 1925年、東京都生まれ。東京大学卒。文学博士。専門の漢文訓読史に関する多数の著書のほかに、『鉄道きっぷ博物館』(日本交通公社)を著した。(京都新聞 夕刊)
■トンネルの壁落下 大分のJR けが人なし 列車乗り上げ脱線
 22日午後11時50分ごろ、大分県湯布院町川西のJR久大線の場平−南由布間で、津々良トンネル(長さ117b)を走っていた大分発由布院行きの普通列車(3両編成)がモルタルの破片に乗り上げ、1両目の前輪が脱線して止まった。乗客9人と、運転士ら乗務員2人にけがはなかった。トンネルの天井が一部脱落しており、ここからモルタル片が落下したらしい。現場は単線で、一時不通になったが、23日朝に復旧した。
 大分南署の調べによると、天井が崩れたのは、トンネル南側の湯平駅側の入り口付近。天井のモルタルが長さ約12b、幅約4b、厚さ4aにわたって崩落していた。列車は最終列車で、乗客はタクシーで由布院駅に向かった。
 JR九州大分支社によると、津々良トンネルは1925年に建設され、当初はれんが造り。その後の補強工事で、トンネルの内側に厚さ約10aのモルタルが吹き付けてあったという。(朝日新聞 夕刊)
24日■運行システム異常起き運休 JR阪和線、50本
 23日午後1時40分ごろ、JR新大阪駅近くの新大阪総合指令室で、阪和線の列車運行管理システムに異常があるのを指令員が見つけた。全駅の信号を手動に切り替え、約2時間後に仮復旧したが、上下線で計50本が運休し計164本に遅れが出るなど、夕方の帰宅客を中心に約6万人の足が乱れた。JR西日本が1993年に同システムを導入して以来、旅客列車に影響が出るトラブルは初めてという。
 同社によると、阪和線は天王寺−和歌山の全36駅の信号を列車運行管理システムで自動制御しているが、表示盤上に実際は電車がないのに在線の表示が出た。新大阪駅構内にある機器室と指令室を結ぶケーブルの一部が断線してデータが送れなくなった可能性が高いとみて、別の回線に切り替えて仮復旧させた。(朝日新聞)
25日■通勤定期券 持った人はだれでもOK お父さん休みなら私が使う 札幌市新サービス
 みんなで使える通勤定期券−。市営地下鉄などの利用者減少に悩む札幌市は25日から、これまで名義人だけに使用を限定してきた通勤定期券を、持参した人ならだれでも使えることにする。
 日曜日で休んでいる父親の代わりに子どもが定期券を利用できるなど、利便性を向上させて定期券の需要を喚起するのが狙い。結果的に通勤定期の購入者数を増やし、収入が増えるとの見通しを持っている。同市交通局は「全国的にも珍しいサービスと思う」と話している。
 同市交通局によると、1997年度の地下鉄など市営交通機関の利用者は1日平均約57万8000人で、96年度に比べ約4%のマイナス。通勤定期券の利用者もここ数年間、毎年減り続けている。
 特に定期券利用者の減少傾向に危機感を持った同市交通局は、週休2日制の普及などにより通勤者の休日が増加したため、定期券離れが進んでいるのが原因の一つと分析、新サービスを考案したという。(京都新聞)
■関空の玄関口 京都CAT 利用者延びず「低空飛行」 手荷物事前預かりなど検討 サービス拡大で”上昇気流”へ
 関西空港の国際線搭乗手続きをする「京都シティエアターミナル」(京都CAT、JR京都駅ビル内)の利用者が、海外旅行者の減少などから伸び悩んでいる。利便性向上で利用拡大を図ろうと、京都駅ビル駐車場へのタクシー無料乗り入れや手荷物の事前預かりなどを計画している。関西には4つのCATがあるが、大阪シティエアターミナル(OCAT、大阪市)は最近、主力の日本航空が撤退を決めた。曲がり角を迎えたCATを検証した。(政経部 今口規子)
 京都CATは、JR西日本と日本航空の共同運営で、94年9月、関空開業と同時に「京の空の玄関口」として京都駅仮駅舎にオープンした。その後、新駅ビルに移設し、関空特急「はるか」乗客の国際線搭乗手続きをしている。
 CATを利用すれば、「はるか」の運行が遅れた場合でも、関空で日航機が出発を待つことになるなど、利用者のメリットは大きい。
 しかし、京都CATで手続きできるのは日航と系列の日本アジア航空の2社だけで、関空の国際線出発便が週524便なのに対し、サービス対象は135便のみ。さらに、関空直行バス、タクシーなどの攻勢もあり「低空飛行」を続けている。
 京都CAT の1日当たりの利用者は、目標の120人に対し、94年で66人。97年の駅ビル開業に合わせ、団体利用の扱いを始めたり、手続きの待ち時間の短縮や航空券の発券業務を追加するなど、改善してきた。
 しかし、不況の長期化で、昨年は関空からの海外渡航者数が前年比6.4%減少し、京都CAT利用者も1日当たり57人、取り扱い荷物63個と伸び悩んでいる。
・関西では他も不振
 関西の他のCATも不振で、近畿運輸局によると、難波CAT(南海電鉄難波駅内)の1日当たりの取り扱い荷物は71個、神戸CAT(KCAT、神戸港)同81個、OCAT107個。これらのCATは、日航以外の航空会社の搭乗手続きもでき、日航系2社だけで比較すると、利用者は京都CATに満たないという。
 CAT不振の中で、今月10日、大阪CATから日航が撤退を発表、他のCAT関係者に波紋を広げた。日航によると、大阪CATの日航窓口利用者は1日22人(98年)と少なく、運営する第三セクターの赤字から運営費負担を求められ、撤退を決めたという。
・日航以外も窓口を
 京都CATは、利用増を図るため、日航系以外の航空会社へ窓口設置を呼びかけるとともに、昨年2月から京都CAT活性化検討会を設置した。これまでに駅ビル内の案内板の改良やポーターの呼び出しシステムを改善。さらに、駅ビル内に車で直接入れるよう、同ビル駐車場へのタクシー無料乗り入れや、事前に荷物を宅配便で受け取る制度などを検討している。
 日航京都支店の岩本清志支店長は「OCATは第三セクターが運営する特殊な例。CATは収益事業ではないし、今後も利用者の利便性向上に努めたい」と話している。JR西日本も「『はるか』の発着駅にCATがある意義は大きく、利用拡大を目指したい」としている。(京都新聞)
■ナイスゴーインクの2路線、割引率拡大 JR九州
 JR九州は、3月27日の福岡都市高速と九州自動車道の直結に伴い、時間が短縮される高速バスに対抗するため、16−29歳の若者を対象とした「ナイスゴーイング」のうち2路線の割引率を拡大すると24日、発表した。
 特急自由席利用で福岡市内−長崎を往復5260円から5100円に、福岡市内−大分・別府間は6280円から5700円に値下げ。期間は3月5日から9月26日まで。
 一方、今月27日から9月30日まで利用できる「しあわせ家族きっぷ」は地域振興券の交付対象家族をターゲットにした商品。4人以内ならJR九州の特急自由席が2日間乗り放題で、2万円。利用者の中に15歳以下か65歳以上が含まれることが必要。(京都新聞)
■能勢電鉄も4月から 全席を優先指定に
 能勢電鉄(本社・兵庫県川西市)は24日、4月1日から全線の全座席をお年寄りや体の不自由な人たちのための優先席にする、と発表した。全席優先指定は、同電鉄の親会社にあたる阪急電鉄が4月からの実施をすでに明らかにしている。
 能勢電鉄は妙見線=川西能勢口駅(川西市)−妙見口駅(大阪府豊能町)=と、日生線=山下駅(川西市)−日生中央駅(兵庫県猪名川町)=を営業。1976年から、電車1両あたり54ある座席のうち4席を優先指定してきた。沿線住民の高齢化が進んだことに加え、妊婦や乳幼児連れの乗客らから「優先座席を増やしてほしい」との要望が多数寄せられていたことなどから、阪急に合わせて全席優先指定に踏み切った。(朝日新聞)
■京都市バス 横大路営業所 業務委託、2段階で 副市長表明 来春、まず半分程度
 京都市バス横大路営業所(伏見区)の慢性的な赤字解消策として同市が計画している阪急バス(本社・豊中市)への運行業務委託について、京都市は25日午前の2月定例市議会代表質問で、来年4月から実施する業務委託のうち、輸送量の半分程度を先行させる「2段階方式」で行う方針を明らかにした。
 答弁で、中谷佑一・副市長は、「委託については2段階に分け、来年4月には業務の2分の1程度で実施するのが望ましい。そのための基本協定を今年9月に阪急バスと結ぶ予定だ」と述べた。
 市交通局によると、横大路営業所には現在、160人の運転手がいるが、初年度にあたる来年は、80人程度の業務量に相当する仕事を阪急バスが請け負う。交通局内で浮いた人員は、局内の退職者補充など他の業務を担当させる。残る約80人分の業務については、阪急バスのほか京阪バスとも協議を進めており、委託の時期や方法などについて、さらに詰めていく、としている。
 「2段階方式」をとる理由について、交通局は「業務委託をスムーズに進めるため」と説明している。
 横大路営業所は、南1(竹田駅西口−桂駅東口)など12系統68路線を運行しているが、96年度の赤字額は市バス全体の赤字の4割に相当する15億円にも達するなど、経営改善が急務となっていた。
 このため同市は、昨年9月、運行管理や車両整備などの業務を阪急バスに委託することを決定した。実現すれば、車両や運賃は現行と変わらないが、運転手は阪急バス社員が担当し、交通局の人件費は2、3割圧縮できるという。(京都新聞 夕刊)
■JR東海道線 事故で乱れる 8万9000人に影響
 25日午前4時24分ごろ、大阪府茨木市宇野辺一丁目のJR東海道線で、金沢発高松行き貨物列車の運転士が線路上に男性が横になっているのを見つけ、急ブレーキをかけた。男性は車両に巻き込まれて死亡、貨物列車は6時17分に運転を再開した。この事故で上下計76本が運休するなど、通勤・通学客ら約8万9000人に影響が出た。また、この日あった姫路市の姫路工業大の二次試験が開始時間を15分遅らせた。
 茨木署によると、男性は35−55歳で、身元を調べている。(朝日新聞 夕刊)
■通信回線の老朽化が原因 JR阪和線トラブル
 JR新大阪駅近くの新大阪総合指令室で23日、阪和線の列車運行管理システムに異常が発生したトラブルについて、JR西日本は25日、同駅構内にある配線室と指令室を結ぶ通信回線の一部に接触不良が起きたことが原因とみられる、と発表した。通信回線の接続部分「保安器」の一部が老朽化して接触不良を起こし、データが正常に送れなくなったとみている。(朝日新聞 夕刊)
26日■京都市バス・地下鉄事業秋に新経営計画 市会で市長
 京都市の2月定例本会議は25日、代表質問を再開した。答弁で桝本頼兼市長は、赤字が続く市交通局の将来展望について「現行のままでは、不良債務の解消は困難」と述べ、市バス・地下鉄事業に関する新たな経営計画を、今秋にも策定することを明らかにした。また、タイオキシン対策には「最大限の努力を傾ける」とした。
 桝本市長は答弁の中で、「不況の影響で、旅客数が予想を下回っている。公営交通を維持していくには、経常収支の均衡が不可欠」と述べた。
 交通局は、94年の経営改善計画、96年の「市バス事業の今後の展望」で、大胆な人員削減と用地処分で、99年度末までに不良債務(赤字)を解消する目標を掲げた。
 このうち人員については、2003年度末までに1640人程度に減らす当初計画を現時点でほぼ達成したが、市バスの旅客数は1日当たり35万9000人(『展望』では39万2000人)、用地処分は36億円分(同58億円分)にとどまった。
 不良債務は、現時点で77億円で、新年度予算案で一般会計からの支援を得られても47億円が残る見通しとなっており、計画の達成は事実上困難な情勢となっている。
 新たな経営計画は、「旅客の増加と、さらなる人員削減」(交通局)を盛り込む見通しで、2000年4月からの実施を目指す。
 一方、ダイオキシン対策について、稲津国男環境局長は「法規制の対象外となっている民間の焼却炉についても、監督・指導や実態把握に努める」と、対策を強化する方針を示した。
 また、ダイオキシン対策の所管が、複数の部局にまたがっていることから、庁内に副市長を座長とする特別対策会議を設置し、安全基準づくりを進めている国の動向もふまえた対応策を検討していくことも明らかにした。(京都新聞)
■JR二条駅前案が浮上 食文化プラザ建設候補地
 食をテーマに、京都商工会議所などが構想を進めている観光商業施設「京都食文化プラザ(仮称)」の建設候補地として、JR二条駅前の京都二条文化施設建設予定地が浮上したことを、稲盛和夫京商会頭が25日、明らかにした。食文化プラザは建設地が決まらずに長く構想がストップしていた。二条文化施設計画が松竹などの撤退で白紙になり、一転有力な建設用地になった形だ。稲盛会頭は「今後、具体的な計画の検討を進めたい」と話している。
 食文化プラザは、京都の伝統食品産業振興と食文化の継承を目指し、1995年度に京商が構想を打ち出した。しにせの料理店やレストランが入居したり、食材を安く売る市場、食をめぐる道具やクッキングスクールも備えた「京の食の殿堂」を目指した。しかし採算を取るには用地を行政から提供してもらうことが不可欠で、建設用地のめどが立っていなかった。
 一方、二条文化施設は、複合型映画館や映像テーマパークを核に、市の出資する第三セクターが計画が進めていた。しかし、共同出資者の松竹、三井物産などが1月に撤退し、大幅な計画見直しを迫られていた。
 京都市の増田優一副市長は「会議所側から具体的な計画を詳しく聞いたうえで、できることは協力していきたい」と話している。(朝日新聞)
■バス運賃の休日割引導入 4月から、南海電鉄
 南海電気鉄道は25日、同社の路線バスの通勤定期券を持っている人と、同伴する家族に対し、休日の路線バス運賃を1人あたり一律100円(子供は50円)とする割引運賃を導入すると発表した。4月1日から実施する。
 定期券を持つ人は、その定期券が使える区間を除いて適用される。同伴する家族については、家族であることを運転手に伝え、運賃箱に1人が100円ずつを投入すればよいという。
 割引運賃になるのは、土、日曜日、祝日と年末年始(12月25日−1月7日)、お盆休み(8月12−16日)。高速バスなどを除き、路線バスのほぼ全域で適用され、乗車距離に応じて運賃が高くなるバスにも100円で乗ることができる。(朝日新聞)
■いざという時お任せ 大阪に新幹線指令所
 阪神大震災を教訓に、JR東海とJR西日本が共同で大阪市内に建設を進めてきた東海道・山陽新幹線の第二総合指令所が完成した。新幹線の運行は東京都内の東京指令所で集中管理しているが、災害などで機能が損なわれた場合、代替となる大阪の第二指令所に機能を切り替えて正常運行の確保を目指す。
 第二指令所は新大阪駅近くに建設され、鉄筋コンクリート4階建て、延べ約4200平方b。耐震建築となっている。(朝日新聞 夕刊)
27日■特急「はしだて80号」 土、日、祝すべて運行 KTRの春季ダイヤ
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)は、臨時列車を中心とした春季(3月1日−6月30日)の旅客ダイヤを、このほど発表した。
 期間中に運行する臨時列車は、全部で91本。京都方面直通では、天橋立発京都行の特急「はしだて80号」を期間中すべての土、日、祝日に運行するほか、京都発網野行の特急「タンゴ・エクスプローラー81号」と、豊岡発京都行間「タンゴ・エクスプローラー82号」を5月2日から4日間走らせる。
 大阪方面では、4月24日−6月27日の土、日、祝日に、新大阪−久美浜間に特急「タンゴ・ディスカバリー」を1往復運行する。
 また、3月中と4月24日−5月5日、特急列車を木津温泉駅に10本、丹後神野駅に5本それぞれ臨時停車させる。(京都新聞)
■JR宇治駅橋上化と新駅建設 地域振興へ期待担い起工式
 JR奈良線の宇治駅橋上化と新駅(宇治−新田駅間)建設の合同起工記念式典が26日、宇治市宇治の市文化センターで行われ、両工事が始まった。式典に先立ち、それぞれの現場で安全祈願祭があり、関係者らが工事の無事を祈った。
 宇治市主催の記念式典には、府、市、JRの関係者や地元住民の代表ら約200人が出席した。久保田勇市長が「すでに着工した奈良線の複線化とあわせ、府南部の振興と活性化、利便性の向上に大きく寄与する」と式辞。来賓の祝辞に続き、高木亨・JR西日本京都支社長が「一連の工事が完成すると列車の増発が可能になり時間短縮になる」とあいさつした。
 同市小倉町の新駅建設現場と同市宇治の宇治駅近くでは、JR西日本が主催した安全祈願祭があった。
 現在は木造平屋建ての宇治駅は、自由通路も設け、鉄骨造りの橋上駅となる。総事業費は約30億円。宇治幼稚園付近に設ける新駅は、上下線のホーム2面と自由通路などを設置する。(京都新聞)
■鳥の目探訪 京都駅ビル
 東西約470b、高さ59.8b。延べ床面積23万8000平方bという広さは、甲子園球場6個分という。駅には在来線だけで東海道、湖西、山陰、奈良線と1日約1250本の列車が行き交い、22万人が乗り降りする。さらに新幹線や近鉄、地下鉄も加わる。ビルは「京都の玄関」だと自己主張するかのように建つ。
 ビルの東部分「シアター1200」では3月、京都出身の漫才コンビ「今いくよ・くるよ」が初の新喜劇に挑む「どやさ−!京物語」の公演がある。同じころ、全国で封切られる怪獣映画「ガメラ3」は、この駅ビルを壊すという。「どんな壊し方」と、関心のある人向けに、ビル東広場で27日から「ガメラ展」も始まる。有料。(下京区烏丸塩小路)(朝日新聞)
28日■新幹線、米原−岐阜羽島間 「雪害」今年は一段と JR東海「我慢してもらうしか」
 日本の交通の大動脈である東海道新幹線が雪に悩まされている。同新幹線は1日約285本の列車が走るが、雪が降ると徐行でダイヤが遅れるというパターンが毎年繰り返されている。
 今年冬に雪のため東海道新幹線のダイヤが乱れた日数は27日で、昨年冬の24日を既に上回った。2月3日には最終列車の到着が大幅に遅れ東京、新大阪の両駅で帰宅できない乗客のために「列車ホテル」も用意された。
 遅れは構造上、抜本的な雪対策を取れないのが原因だが、JR東海は「雪は自然現象。多少の遅れはやむを得ないと考えてもらうしかない」と話している。
 雪の被害が出るのはほとんどの場合、関ケ原を中心とした岐阜羽島(岐阜県)−米原(滋賀県)間の約70`。
 JR東海によると、1964年の開業以来、スプリンクラーや電気融雪機を増設するなどの対策を取ってきた。
 軌道は砂利を敷き詰めた「バラスト」で、高速で走ると車両に付いた雪が落ちて砂利を巻き上げ、車体下を傷付けてしまう。これを防ぐために温水をまいて雪を溶かしているが、同新幹線の線路は盛り土の上に乗っている区間が多く、多量の水をまくと盛り土が崩れてしまうため、雪を湿らせる効果しかない。
 新潟県の豪雪地帯を走る上越新幹線は、線路がほとんどコンクリートの高架上にあり、軌道もコンクリート製の「スラブ」構造。土が崩れるなどの心配がなく、多量の温水で雪を溶かすことができる。東海道新幹線の反省を生かし、JR東日本は「雪で遅れることはほとんどない」と話す。
 JR東海は、これまで軌道のスラブ化や、トンネルで覆うなど対策を検討したが「ばく大な費用がかかる上、通常の運転を止めて工事をすることもできないため不可能という結論に達した」と説明している。(京都新聞)
■架線にビニール袋 山陰線、一部運休
 27日午後2時15分ごろ、京都市下京区中堂寺南町、JR山陰線丹波口駅構内の架線に、約1b四方の半透明のビニール袋がひっかかった。
 この事故で、園部行き普通電車が同駅手前で急ブレーキをかけ、ビニール袋を除去するまで約35分間、現場で停車したほか、上下計4本が運休、計5本が最大で37分遅れ、約2500人に影響が出た。
 JR西日本は、ビニール袋は風で飛んできたとみている。(京都新聞)
■映画の舞台で「ガメラ展」 JR京都駅ビル
 JR京都駅ビルの東広場特設会場で27日、「ガメラ展」が始まった。3月6日から公開される映画「ガメラ3・邪神〈イリス〉覚醒」のクライマックスシーンが、京都駅を舞台にしているのを記念して開かれた。
 会場には1965年に始まった「ガメラシリーズ」の前作までのポスターや見どころシーンのほか、絵コンテや脚本などを展示。実際の撮影で使った幅11b、高さ3bの京都駅ビルのセットや特殊技術撮影に使った小道具などもあり、訪れた人たちの目を引いていた。ガメラの着ぐるみも登場。その迫力に泣き出してしまう子どももいた。
 兵庫県川西市から友達と3人で訪れた筒井大樹くん(12)は「朝7時に起きて来た。ゴジラよりもガメラが好き。リアルで迫力があるから」。滋賀県草津市の駒原浮さん(35)は「子供のころ、好きでよく見ていたから懐かしい」と、話していた。4月7日までの毎日午前11時から午後7時まで。入場料は大人400円、小学生以下200円。(朝日新聞)
■ビニールで山陰線運休 架線にかかり4本
 27日午後2時15分ごろ、下京区のJR山陰線丹波口駅の南約四百b地点で、架線にビニール(約1b四方)がひっかかっているのを、京都発園部行き普通電車の運転士が見つけた。電車は非常ブレーキをかけ、ビニールがひっかかった地点の直前に停車。京都駅から駆けつけたJR西日本社員がビニールを取り除き、電車は約30分遅れで出発した。この影響で、上下あわせて4本が運休するなどし、約2500人の足が乱れた。
 この日午後、京都市内では最大瞬間風速15.4bを記録しており、強風でビニールが舞い上がり、架線にひっかかったらしい。(朝日新聞)
■フリー切符の発売3万6000枚 井原鉄道開業1ヵ月で
 岡山県井原市に本社を置く第三セクター井原鉄道が、1月11日の井原線(総社市−広島県神辺町41.7`)開業と同時に発売した全線1日乗り放題フリー切符が人気を集め、1ヵ月余で3万6000枚以上売れた。
 全線片道1070円のところを、有効期限内の1日に限り各駅の乗り降りが自由で1000円。好評のため、春休みから5月のゴールデンウイークにかけて使えるフリー切符の発売も検討している。
 1951年以来の悲願が実って開業したものの世は車社会。客集めに開業年月日と始発列車の発車時刻を1づくしの平成11年1月11日午前11時11分11秒とし、5種類の記念切符にその数字を印刷するなど知恵をしぼり、当たった。藤井直樹取締役(57)は「夏休みや11月1日か11日、またはその両方の1づくし記念切符も考えたい」と話している。(朝日新聞)