1999(平成11)年1月


1日■発展する東海道を34年間走り 丸顔新幹線初代0系引退へ 高速化で世代交代 JR西日本では現役続行(京都)
3日■JR湖西線 唐崎駅で電車オーバーラン 見習い運転士ミス(京都)
  ■Uターンラッシュ始まる 今日ピーク(朝日)
4日■満席相次ぐも分散傾向続く Uタ−ンピーク(京都)
  ■JR綾部駅解体進む 今秋に新駅舎(京都)
  ■特急5時間半立ち往生 JR中央線 Uターン客ぐったり(京都)
  ■あずさ14号立ち往生 800人、車内に5時間 山梨(朝日)
5日■電車内の痴漢被害相談 過去最多の148件(昨年)府警鉄道警察隊まとめ(京都)
  ■故障で新快速が停止 JR高槻駅(京都)
  ■駅ロッカーに女の赤ちゃん 大阪・天王寺(朝日)
  ■電線にたこ掛かり 新幹線9本遅れる 明石駅構内(京都)
  ■廃線跡利用し遊歩道 丹後(京都)
  ■架線に「たこ」 新幹線止める 西明石駅(朝日)
6日■JR須磨駅で男性ひかれる 9200人に影響(朝日)
7日■列車内で盆梅展 信楽高原鉄道が10日、運行開始(京都)
  ■JR、私鉄とも減 近畿の年末年始交通利用状況 不景気、出控え影響(京都)
  ■山陽新幹線の耐震補強 3月でほぼ完了 在来線は来年度から(京都)
  ■タクシー 末尾ナンバーで乗り入れ規制 偶数日・偶数 奇数日・奇数 JR京都駅駐車場 違法駐停車の解消 21日から試験的に(京都)
  ■乗客1300人に影響 東海道新幹線 緊急停車で遅れ(京都)
  ■新幹線が緊急停止 京都・山科 「台車に異状」表示(朝日)
  ■正月の新幹線 乗客落ち込む(朝日)
  ■大阪市電、映像で甦る 明治−昭和の歩みビデオで 走行音、車掌の声、電車唱歌のコーラスも(朝日)
8日■京滋北部で大雪 交通機関に乱れ 夜久野で40a 今夜も警戒(京都)
9日■大雪なお警戒必要 週明けまで続く見込み(京都)
  ■パークアンドバスライド 渋滞緩和に一定の効果 滋賀県が実験まとめ(京都)
  ■架線にビニール袋 京都のJR山陰線(京都)
  ■車と列車が衝突 峰山のKTR踏切 ダイヤに乱れ けがなし(京都)
  ■JR高架橋 耐震補強を倍増 在来線の橋脚 2100本、4月に着工(朝日)
  ■雪やまず 交通網の乱れ続く(京都)
  ■JR切符 精巧に偽造 在来線の長距離計6枚 大阪市内 昨年暮れ 13万円払い戻し パソコン使い作製?(朝日)
  ■JR鷹取駅でオーバーラン(朝日)
10日■大雪に悲鳴 宮津市街地48a 余呉・柳ケ瀬89a 交通機関大きく乱れ(京都)
  ■JR切符を偽造 大阪−西鹿児島往復券6枚 13万円払い戻す(京都)
  ■大雪 JR、高速道にも乱れ(朝日)
  ■大雪 府北部は3年ぶり(朝日)
  ■急増 ふるさと切手 昨年の倍以上 郵便の赤字解消狙う?(朝日)
11日■快速など29本運木 府北部大雪 KTRも13本(京都)
  ■広島−岡山 井原線やっと開業 建設運動から半世紀 平成11年1月11日11時11分11秒1番列車(朝日)
  ■雪続き交通乱れ 日本海側(京都)
  ■部分運休18本 積雪でKTR(京都)
  ■平成11年1月11日11時11分11秒発車 三セクの井原鉄道 いい年のいい日、いい時…旅立ち(京都)
12日■JR東日本株 第2次売却は今年度見送り(朝日)
  ■新幹線などに雪の影響残る(朝日)
  ■市長選、論戦の軸に JR長岡京駅西口再開発 2候補 見直し派と推進派(朝日)
  ■タイムアングル 琵琶湖疎水・水圧鉄管(朝日)
  ■市バス急ブレーキ 79歳女性転倒けが 左京(京都)
  ■タクシー乗り入れ自首規制 JR京都駅 偶数日は偶数ナンバー、機数日は奇数ナンバー 不況、街で客拾えぬ車が殺到し(朝日)
  ■新幹線徐行5日連続(朝日)
13日■鉄道事故 常設調査機関設置を 信楽事故から 今夏東京で国際シンポ(京都)
  ■JR追突事故 運転士に有罪 静岡地裁沼津支部(朝日)
  ■降雪で徐行運転 始発から東海道新幹線(京都)
  ■雪の後遺症 新幹線遅れ(朝日)
14日■窓 一方的な乗り入れ規制不満 南区・大塚伊奈利(タクシー運転手・50)(京都)
  ■群馬−東京 キセル通勤4年間 会社員に1500万円請求(朝日)
  ■ブレーキ故障 新快速止まる 大阪、4本が運休(朝日)
  ■新幹線乱れ6日蓮続(朝日)
15日■春の臨時列車 1451本を増発 JR西日本(京都)
  ■臨時ひかりも24本(京都)
20日■放置自転車 撤去できず困惑 JR花園えきまえ通路の一角、駅施設 昨年末から一気に増加(京都)
  ■「ゴルフと彩り」題し 瑞穂の洋画家が個展 来月、丹波のゴルフ場(京都)
21日■梅田貨物駅 吹田移転へ基本協定 取扱量の半分、跡地開発に弾み(朝日)
  ■梅田貨物駅移転 基本協定を締結 大阪府など関係5者 計画から12年、決着(読売)
  ■復活SL”立ち往生” 資金難で運転休止も 高い修理費、企業の寄付減少(読売)
  ■JR京都駅前 タクシー偶・奇数乗り入れ規制 順調に”発車”(京都)
  ■タクシー乗り入れ規制 がらーん 波乱の初日 JR京都駅(朝日)
22日■阪急電車 全席が優先席だよ 高齢者らをデザイン ステッカー張ってPR 4月スタート 要は譲り合い(京都)
  ■ぜーんぶ優先座席 阪急電鉄、4月から拡大 妊婦・乳幼児連れも対象(朝日)
  ■電車にはねられ死亡 京田辺のJR片町線(京都)
23日■JR二条駅の文化施設 松竹グループ撤退(京都)
  ■京のテーマパーク 松竹グループ撤退 事業は継続(朝日)
  ■銀幕の都 再興に暗幕 「二条文化施設」松竹など撤退 リストラ策もろに 市側 白紙で相手探し(朝日)
  ■地下鉄沿線 厳しい5つの再開発(朝日)
25日■新快速にひかれ死亡 西宮のJR線で男性(京都)
  ■京阪淀駅 駅前整備で沿線住民反発 駅舎移転と高架化計画 市と3連合自治会は推進 白紙撤回求め要望書(京都)
  ■電鉄常務宅で車炎上 空港反対ゲリラか 千葉(京都)
  ■ポイント故障 1万人に影響 地下鉄御堂筋線(朝日)
26日■信号トラブルで電車4本が運休 JR藤森駅(京都)
  ■線路に降りた男性 はねられて即死 阪急・西向日駅(京都)
  ■JR線路に自転車 大住駅近くの踏切(京都)
  ■山陽新幹線 停電が4回 新大阪−新神戸間(朝日)
  ■鉄橋 恐怖の保線作業 同僚殴り倒し、そこへ列車 JR 工事会社を厳重注意 京の東海道線桂川(読売)
  ■視点・直言 大雪と鉄道 教訓生かし雪害最小限に(読売)
  ■JR信号機故障 奈良線、3000人影響(読売)
27日■新幹線の断続停電 トンネル内壁シート原因か(朝日)
  ■線路にいた会社員が急行にはねられ死亡 阪急西向日駅(朝日)
28日■ニュートラム全線が不通に(京都)
  ■ニュートラム全列車が停止 大阪、停電で(朝日)
29日■注意怠ったと運転士に有罪 山梨のJR衝突で判決(京都)
  ■警視庁・地下鉄サリン事件被害者調査 今なお残る心身の傷 1247人回答 半数以上、後遺症訴え(京都)
  ■通勤電車はプレハブ工法 JR西日本 コスト削減へ 4月から投入(朝日)
  ■夢で終わる?ロシア超特急 経済危機で資金行き詰まる 新駅工事ストップ、社債償還もできず(朝日)
  ■ニュートラム立ち往生 停電で全線停止 乗客ら7000人に影響 大阪(読売)
  ■地下鉄サリン被害調査 残る不安 消えぬ後遺症 原因不明の激痛今も 事件から4年近く 周囲の無理解嘆く(読売)
  ■ポイント故障 阪急電車遅れ 11万人に影響(京都)
  ■ポイント故障 11万人に影響 阪急河原町駅(朝日)
30日■雪で新幹線徐行(京都)
  ■地下鉄東西線 延伸を承認 府都市計画審(朝日)
  ■都市型ミニバス快走 名古屋など収支アップ 金沢、ドイツ車も(京都)
31日■焼き肉店で火事 近鉄線一時乱れ 鶴橋駅近く(京都)
  ■夫婦円満のお守り切符 近江鉄道が発売(京都)
  ■読書 新幹線がなかったら 山之内 秀一郎著 旧国鉄の栄光と地獄を回顧(京都)
  ■電車内ベビーカー解禁されたものの… 電鉄各社・「自己責任で利用を」 メーカー・「ブレーキの時、危険」 利用者・歓迎しつつ戸惑い広がる(朝日)
  ■焼き肉店火事 近鉄一時止まる 鶴橋駅近く(読売)
  ■駅弁”路線”変更 立ち売りから売店、百貨店に 1日1万食の商戦/来客見込めるイベント(読売)



1日■発展する東海道を34年間走り 丸顔新幹線初代0系引退へ 高速化で世代交代 JR西日本では現役続行
 1964年の東海道新幹線開業以来、約34年間にわたって活躍、丸い顔で親しまれてきた初代「0(ゼロ)系」車両が、99年いっぱいで東京−新大阪の東海道新幹線区間から姿を消す。
 今年3月からは最高時速285`の「700系」が登場する予定で、新型車両の相次ぐ投入に伴う高速化により役目を終える。
 しかし、0系を約290両持つJR西日本は「新大阪−博多間の山陽新幹線区間では2005年ごろまで運転を続ける」としている。
 0系は東京五輪の開催に合わせて64年10月1日に開業した東海道新幹線の「ひかり」「こだま」として登場。当初の最高時速は210`で「世紀の超特急」と言われ、東京−新大阪間を最短4時間で結んだ。
 先頭車両を前から見るとズングリした0系は、ややスマートな「100系」が85年に登場するまで21年間、文字通り新幹線の「顔」。乗り心地などの改良を重ねながら計3216両が生産された。この間、旧国鉄は分割民営化されてJRに。
 0系の最高時速はその後220`にアップしたが、90年代に入り3割に進んだ新幹線車両の高速化からは取り残された。92年に「のぞみ」として登場した「300系」は最高時速270`で、東京−新大阪間を2時間半に短縮。97年にはJR西日本が最高時速300`の「500系」の運転を開始した。
 JR東海の大阪第三車両所(大阪府摂津市)で10月、86年製0系車両の「台車検査」が行われた。1年に1回、モーターなどの部品を車体から取り外して調べる大掛かりな検査で、JR東海によると「0系の台車検査はこれが最後」という。(京都新聞)
3日■JR湖西線 唐崎駅で電車オーバーラン 見習い運転士ミス
 2日午後6時ごろ、大津市唐崎二丁目のJR湖西線唐崎駅で、近江舞子行き普通電車(4両編成)がホームを行き過ぎ、最後尾がホーム先端から約4b離れた場所で停車した。電車は所定位置まで引き返し、約5分遅れで発車した。
 JR西日本によると、電車には約350人が乗っており、同駅では15人の乗降客がいた、という。後続電車に影響はなかった。研修中の見習い運転士がブレーキ操作地点を誤ったのが原因、としている。見習い運転士には指導操縦者が同乗し指導に当っていた、という。(京都新聞)
■Uターンラッシュ始まる 今日ピーク
 年末年始をふるさとや海外で過ごした人たちのUターンラッシュが2日、始まった。JR西日本によると、大阪方面行きで最も混雑したのは午後零時8分、富山発大阪行き「雷烏24号」で、自由席の乗車率は140%になった。新幹線は午前中は比較的すいていたが、午後からはどの便もほぼ満席で、自由席の乗車率は最高130%になった。帰省のピークは3日で、4日まで影響が残るという。
 一方、大阪入国管理局関西空港支局の予測によると、年末年始(12月25日−1月4日)の関空での出入国者は37万5500人。帰国のピークはやはり3日で、2万3500人が見込まれている。(朝日新聞)
4日■満席相次ぐも分散傾向続く Uタ−ンピーク
 正月をふるさとや行楽地で過ごした人たちのUターンラッシュが3日、ピークを迎えた。官公庁や企業の多くが4日から仕事始めのため、鉄道、幹線道路とも午後を中心に混雑したが、「昨年のピークに比べ、若干少ない」(JR西日本、京都府警交通管制センター)といい、今年も分散化傾向が続いた。
 新幹線は、午前9時32分京都着の東京行き「ひかり100号」の自由席が乗車率130%。午後に入っても、3時26分京都着の東京行き「ひかり194号」が自由席で乗車率180%となるなど、100%を超す列車が相次ぎ、全席指定の「のぞみ」も終日ほぼ満席となり、上りを中心に夜まで混雑が続いた。
 道路では、名神高速の下り線が深草バス停から草津まで約17`渋滞したほかは、大きな混雑はなかった。(京都新聞)
■JR綾部駅解体進む 今秋に新駅舎
 JR綾部駅で駅舎の全面改修工事が進んでいる。平和の象徴ハトと、かつて栄えた繭の古里をモチーフにしたモダンな橋上駅が建設され、南北自由通路の併設で、初めて北側からの乗降も可能になる。解体工事が進む駅舎。舞鶴線の玄関口は、工事中の同線の電化とともに秋に完成する。
 JR西日本福知山支社によると、新駅舎は面積約410平方b。柔らかな曲線の屋根と、綾部に伝わる黒谷和紙(府無形文化財)をイメージして正面の壁をグレーにするのが特徴。また、コンコースはもちろん、現在の駅前と反対側(北側)が行き来できる南北自由通路(長さ36.5b、幅5b)が線路をまたいで併設される。
 解体作業は1月中に終了、2月初めから新駅舎の建設が始まる予定。総事業費は約10億7500万円。
 一方、同駅舎の改築にあわせ、駅北側では約13億円をかけた周辺整備事業が進んでいる。延長118b、幅17bの都市計画道路駅北中央線はじめ、バスやタクシーの乗降場を含む面積約3200平方bの広場を設ける予定で、新駅のデビューは駅周辺の街の環境を一変しそうだ。(京都新聞)
■特急5時間半立ち往生 JR中央線 Uターン客ぐったり
 3日午後7時35分ごろ、山梨県双葉町のJR中央線韮崎−塩崎間で、南小谷発新宿行きの特急「スーパーあずさ」14号が電気系統のトラブルのために停車した。応急処置をして同9時25分ごろ運転を再開したが、塩崎−竜王間で再び故障し、自力走行ができなくなった。
 トラブル発生から約5時間半後の4日午前1時ごろ、救援の列車が甲府駅までけん引。Uターン客ら約800人の乗客は甲府駅で代替列車の「かいじ」120号に乗り換え、同3時45分ごろ、新宿駅に到着予定時刻より6時間半余り遅れて到着した。3日午後10時ごろからは車内の暖房が切れ、乗客は非常灯だけの車内に長時間閉じこめられる状態になった。
 JR東日本によると、中央線は後続の特急3本を含む上下10本が最高6時間近く遅れ、7本が運休、約2300人に影響が出た。同社はトラブルの原因を調べている。
 新宿に着いた乗客は疲れ切った表情で接続電車やタクシー乗り場へ。ふるさとからUターンの浦和市の会社社長、伊藤忠之さん(56)は「JR側からろくに説明がないため、自分の携帯電話で家人と連絡をとって状況を把握するありさま。暖房が切れて寒くてたまらないし、明かりもない。対応の悪さにはあきれ果てた」と腹立たしそう。(京都新聞 夕刊)
■あずさ14号立ち往生 800人、車内に5時間 山梨
 山梨県双葉町のJR中央線・韮崎−竜王間で、3日午後7時半ごろから約5時間にわたり、南小谷発新宿行きの特急「スーパーあずさ14号」(12両編成、乗客約800人)が電気系統の故障のため、2度にわたり立ち往生した。JR東日本は、救援の2本の電車を連結して甲府駅までけん引したが、列車の手配などに手間取り、Uターン客ら満員の乗客が、暖房や電灯が切れた車内で待たされた。(朝日新聞 夕刊)
5日■電車内の痴漢被害相談 過去最多の148件(昨年)府警鉄道警察隊まとめ
 京都府警鉄道警察隊に昨年寄せられた電車内の痴漢被害の相談件数が、過去最高の148件に達した。9割以上は事件解決しており、鉄警隊は、2年前に新設した「レディース相談所」の活動が女性に広く認知されてきたとみている。
 鉄警隊によると、レディース相談所の婦人警官らが京都市内の女子高などに精力的に出向いて痴漢対策や被害申告を呼びかけたこともあり、昨年1月から12月末までの痴漢相談件数は、前年1年間より46件も増えた。
 相談件数のうち、事件解決したのは138件。このうち強制わいせつや暴行などで検挙したのは14件で、鉄警隊が痴漢で検挙した計38件の約4割を占めている。残りは始末書や口頭注意で事件処理した。
 検挙した中には、相談した女子高生と1ヵ月間、一緒に電車に乗り込んだ末、会社員(32)を取り押さえたケースもあった。
 鉄警隊によると、痴漢の半数以上は中高年の会社員で、「ストレスや家庭内の不和で、思わず手が出た」などと動機を話している。以前にも痴漢で検挙されるなどした「常習者」は約1割だった、という。
 鉄警隊は「3ヵ月以上も特定の女子高生をつけ回して痴漢を繰り返すなど、犯行形態が悪質化している。被害に遭ったら、迷わず警察に届けてほしい」と呼びかけている。(京都新聞)
■故障で新快速が停止 JR高槻駅
 4日午後10時35分ごろ、高槻市白梅町のJR東海道線高槻駅構内で、米原行き上り新快速電車の発車後、車掌が車両の右側ドアに傘が挟まっているのに気づき、非常ブレーキをかけて停車させた。傘を取り除いた後、再び発車しようとしたが、非常ブレーキがかかったままになり、この電車の運転を同駅で打ち切った。乗客約200人は、同駅で次の野洲行き新快速電車に乗り換えた。
 野洲行き電車が10分遅れ、計約400人に影響が出たが、後続電車にダイヤの乱れはなかった。JR西日本は原因を調べている。(京都新聞)
■駅ロッカーに女の赤ちゃん 大阪・天王寺
 4日午後7時55分ごろ、大阪市天王寺区大道五丁目のJR寺田町駅構内のコインロッカー内に、黒っぽい買い物袋に入れられた赤ちゃんが施錠された状態で置き去りにされているのを、泣き声を聞きつけた駅員らが見つけた。阿倍野署は保護責任者遺棄容疑で両親を捜している。調べでは、赤ちゃんは生後約1週間で身長約47a、体重約3000cの女児。(朝日新聞)
■電線にたこ掛かり 新幹線9本遅れる 明石駅構内
 5日午前9時半ごろ、明石市小久保の山陽新幹線西明石駅構内の上り線の電線にたこが引っかかっているのを回送電車の運転手が発見した。
 たこはすぐに取り除いたが糸がとれなかったために新神戸−姫路間の送電を止めて糸を除去。回送電車は25分遅れで西明石駅を出発した。
 広島発新大阪行きのこだま610号が24分遅れたのを最高に上下9本が遅れ、約4900人の乗客に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■廃線跡利用し遊歩道 丹後
 鉄道廃線跡を利用した遊歩道の舞鶴市道北吸桃山線(市役所前−舞鶴共済病院間)を、れんが舗装する舞鶴市の整備工事がほぼ完了、ロマンチックな募囲気を醸し出している。
 1904(明治37)年、新舞鶴駅(現JR東舞鶴駅)と旧海軍施設を結ぶ約1`の鉄路として造成。廃線後、アスファルト舗装され、自転車と歩行者が利用、うち800b(幅5.2b)を96年かられんが舗装している。道路沿いに外灯やヤマザクラ、北吸トンネルの壁にレトロ調のナトリウム灯を配置した。(京都新聞 夕刊)
■架線に「たこ」 新幹線止める 西明石駅
 5日午前9時半ごろ、兵庫県明石市小久保の山陽新幹線西明石駅構内で、走行中の岡山発新大阪行き上り回送列車(6両編成)の運転士が上り架線にたこがひっかかっているのを見つけ、運転を止めた。新神戸−姫路間の架線を上下線とも一時停電させ、たこを取り除いたうえで約40分後に運転を再開した。このため、後続の「こだま610号」など上下計9本に最大24分の遅れが出た。
 JR西日本の調べでは、たこがひっかかっていたのは、西明石駅のホームの端から西へ約150b離れた高架線上の架線。(朝日新聞 夕刊)
6日■JR須磨駅で男性ひかれる 9200人に影響
 6日午前6時15分ごろ、神戸市須磨区須磨浦通四丁目のJR山陽線須磨駅上り線で、網干発米原行き快速電車(8両編成、乗客約560人)に、男性がひかれ、死亡した。この事故で、同電車が約80分現場に停車し、乗客は後続の快速電車に乗り換えた。JR西日本によると、事故の電車を含む上り線1本、下り線2本が草津−米原間で部分運休、後続の上り電車計11本が5−2分遅れ、約9200人の足に影響した。(朝日新聞 夕刊)
7日■列車内で盆梅展 信楽高原鉄道が10日、運行開始
 信楽高原鉄道は10日から3月8日まで、車内に梅の盆栽を飾り付けた「盆梅列車」を運行する。
 盆梅列車は、観光客の足が遠のく冬場の増客対策を狙いに、昨年初めて運行。梅の香りがかもし出す一足早い春のムードが、乗客に好評だったという。
 同列車は、オリジナルのヘッドマークを付けた2両編成で、各車両の前後に地元盆栽クラブのメンバーらが育てた盆梅を一鉢ずつ展示。車内にウグイスの鳴き声を流して雰囲気を盛り上げる。
 信楽駅午前10時21分始発で、同駅−貴生川駅間を1日5往復する。片道約25分で、乗車券は大人450円、子ども230円。
 また、信楽駅では「しがらき盆梅展」を同時開催し、盆梅約百鉢を展示する。問い合わせは同鉄道 0748(82)3391へ。(京都新聞)
■JR、私鉄とも減 近畿の年末年始交通利用状況 不景気、出控え影響
 年本年始の近畿圏の鉄道、高速道路の利用状況が6日まとまった。期間中、JR西日本と電鉄大手5社のいずれも、利用者数が前年を下回り、高速道路は微増にとどまるなど、景気低迷による出控えの影響を示す結果になった。
 JR西日本では、昨年12月25日から今月5日までの期間に、新幹線と在来線の特急・急行の利用者数が前年同期比6%減の280万6000人。減少幅は92年度と同じで過去最大の水準になり、新幹線では、97年3月にデビューした人気車両「500系のぞみ」が同2%減で、多客期に初めて前年割れした。
 阪急、京阪、近鉄、南海など電鉄5社の31日から4日までの利用者総数(定期外)は、同3.8%減の計943万4000人。
 また、阪神を除く4社が運営する遊園地計5ヵ所の入場者数も、同18.1%減の5万3000人にとどまった。
 JR西日本と電鉄各社は、景気低迷による出控えと、年末年始の休みの曜日配列の影響を減少の理由にあげた。
 一方、日本道路公団大阪管理局によると、名神高速道路など9路線の全科金所で調べた12月25日から1月4日までの総交通量は、同2.9%増の計1110万2000台。
 同道路公団では「帰省の分散化で減少傾向に変わりはないが、今年度は路線延伸などによる利便性が増して微増した」としている。(京都新聞)
■山陽新幹線の耐震補強 3月でほぼ完了 在来線は来年度から
 JR西日本は6日、阪神大震災後に進めている鉄道高架橋の落橋防止やコンクリート支柱の強化など耐震補強工事について、山陽新幹線は3月末までにほぼ完了し、来年度からは在来線の工事に本格的に取り組む、と発表した。
 同社によると、山陽新幹線の高架橋については工事対象の1450ヵ所のすべて、支柱については対象約1万8000本のうち約1万7000本が年度内に完了する見通し。
 耐震補強は1995年の運輸省通達に従い、大震災級の地震に耐えられるよう高架橋の橋げたを連結したり支柱に鉄板を巻くなどして進めている。
 その一方で、新幹線を優先したため在来線の補強工事は遅れており、補強対象の支柱約2100本のうち工事を完了したのはわずか100本。高架橋は対象の1300ヵ所すべてが未着工。(京都新聞)
■タクシー 末尾ナンバーで乗り入れ規制 偶数日・偶数 奇数日・奇数 JR京都駅駐車場 違法駐停車の解消 21日から試験的に
 京都市下京区のJR京都駅タクシー駐車場で、ナンバーの末尾が奇数のタクシーは奇数日に、偶数のタクシーは偶数日にしか入れない自主規制が、試験的に始まる。市内のタクシー業界でつくる「タクシー乗り場運営委員会」(安居早苗委員長)が今月21日から実施するもので、今春をめどに正式に規制を導入するか決める。駅周辺の塩小路通や八条通などで、客待ちタクシーの違法な駐停車が絶えないためだが、果たして効果は…。
 JR名古屋駅や広島駅では、タクシーの色別で乗り入れを制限しているが、ナンバーで分けるのは全国でも珍しい試みという。
 京都府警や市、京都陸運支局と、市内五つのタクシー協会・組合でつくる「タクシー等の駐停車適正化推進会議」が、昨年12月3日の幹事会で日替わり乗り入れの方針を確認。同16日に運営委員会で承認された。
 市内では現在、約8000台のタクシーが走っており、人口に対するタクシーの割合は、140人に1台と全国で最も高い。JR西日本は、約6800台に京都駅への乗り入れ許可を出しており、1日延べ約3200台が駅前駐車場で客待ちをしている。
 駅前駐車場の収容台数は烏丸口と八条口で計約150台だが、不況の影響で客離れが進み、許可を得ていないタクシーも乗り入れ、駐車場に入りきれないタクシーが周辺にあふれる状態が続いている。塩小路通や烏丸通、八条通では、多い時で40−50台のタクシーが客待ちの行列をつくり、地元の商店街や住民から苦情が絶えない。
 自主規制の試みに対し、府警駐車対策課は「タクシーの違法な駐停車の多さは目に余る。現状を打開するためにも、今回の取り組みは不可欠だ」と評価する。
 一方、タクシー運転手からは「タクシーは1台の車を2人1組で1日交代で乗務しており、駅前に乗り入れできない運転手が出る」「31日、1日と奇数日が続くケースがあり、不公平」「天神さんや弘法さんの縁日など『稼ぎ時』は奇数日が多い」などの不満の声も聞かれる。
 運営委員会は、烏丸口と八条口に4人ずつ指導員を出して、日替わり乗り入れを守るよう指導する予定だが、罰則規定はなく、効果を疑問視する運転手も少なくない。
 同委員会事務局の富田博代表は「(業界としては)勇気のいる取り組み。問題は山積みだが、地元の要望にこたえることが先決なので、試験実施に踏み切った。今後の推移をみて、正式に導入するかどうか、改めて関係機関と話し合っていきたい」としている。(京都新聞)
■乗客1300人に影響 東海道新幹線 緊急停車で遅れ
 6日午後8時24分ごろ、東海道新幹線米原−京部駅間を走行中の岡山行きひかり173号の車両事故を知らせる台車表示灯が点灯、京都市山科区上花山で緊急停車した。運転士が点検したが異常は見つからず、16分後に運転を再開、21分遅れで京都駅に到着した。点検のため新大阪駅で運転を打ち切り、乗客は別の車両に乗り換えた。
 後続の博多行きひかり129号も17分遅れ、合わせて乗客約1300人の足に影響が出た。(京都新聞)
■新幹線が緊急停止 京都・山科 「台車に異状」表示
 6日午後8時25分ごろ、京都市山科区の東海道新幹線米原−京都間で、走行中の東京発岡山行き下り「ひかり173号」(16両編成)の運転台にある台車の異状を示す表示灯が点灯し、緊急停止した。6号車の床下を点検したところ、異状はみられなかったため21分後に運転を再開。新大阪駅で車両を交換した。このため後続列車1本も17分遅れるなど、乗客計1300人に影響した。JR東海が表示灯の点灯した原因を調べている。(朝日新聞)
■正月の新幹線 乗客落ち込む
 JR西日本は6日、年末年始(12月25日−1月5日)の特急、急行の輸送実績をまとめた。景気低迷や曜日配列の影響もあり、新幹線と在来線の主要11線区、12区間の利用者数は昨年より20万人近く少ない計281万人(前年比94%)。民営化した1987年以降、92年度と並んで最悪の落ち込みという。
 JR西日本などによると、新大阪−博多間の山陽新幹線は計140万人(同92%)。新大阪−東京間の東海道新幹線も前年比97%と落ち込んだ。(朝日新聞)
■大阪市電、映像で甦る 明治−昭和の歩みビデオで 走行音、車掌の声、電車唱歌のコーラスも
 姿を消した浪速の路面電車を映像で紹介するビデオ「甦る大阪市電とその時代」(ABCアーカイブ、朝日放送制作)が完成した。
 大阪市電は1903年に登場し、明治、大正、昭和の3時代を駆け抜け、69年に姿を消した。ビデオは朝日放送が保存している映像を中心に、大阪府、大阪市、鉄道マニアが撮影した映像を編集した。ナレーションは朝日放送のパーソナリティー、道上洋三さん。
 2階付きの珍しい車両などのほか、当時の大阪駅前や天王寺かいわいの風景が映像でよみがえる。市電の走行音、車掌の声、「大阪市街電車唱歌」のフルコーラスなども収めている。
 90分、5500円問い合わせはABCアーカイブ(06-6452-3666)。(朝日新聞)
8日■京滋北部で大雪 交通機関に乱れ 夜久野で40a 今夜も警戒
 日本付近は強い冬型の気圧配置となり、北日本から西日本までの日本海側や山沿いの地方で8日朝、大雪となった。降雪の影響で、滋賀県内や京都府北部など近畿各地でも鉄道に遅れが出たり、高速道路が通行止めになるなど、交通機関が乱れた。9日にかけて、さらにこの冬一番の大雪になることが予想されるため、気象庁は警戒を呼び掛けている。
 8日午前8時までの積雪は、京都府天田郡夜久野町田谷で40aを記録したのをはじめ、与謝郡加悦町の与謝峠で30a、舞鶴市や宮津市の市街地でも10−20aの積雪となった。滋賀県でも北部を中心に積雪があり、伊香郡木之本町中河内で28a、高島郡今津町で12aを記録した。
 JR東海道新幹線は、雪の影響で、新大阪駅−名古屋駅間で徐行運転を行い、上下線37本が25−5分の遅れが出た。
 高速道路でも、名神高速道路の小牧−八日市間が一時、50`の速度規制となったほか、舞鶴自動車道の舞鶴東−福知山間がスノータイヤ規制。北陸自動車道でもスリップ事故などが相次ぎ、敦賀−木之本間が通行止めとなった。
 気象庁によると、沿海州の上空5000bに氷点下45度前後の強い寒気があり、9日にかけて日本の上空に流れ込み、季節風も強まるという。9日朝までに、北陸地方の山沿いで80−120a、近畿や山陰地方にかけての山間部で50−80aの積雪が予想される。(京都新聞 夕刊)
9日■大雪なお警戒必要 週明けまで続く見込み
 冬型の気圧配置となり今冬一番の寒気が入った8日、午後9時までの24時間の降雪量が岐阜県白川村で82aに達するなど日本海側を中心に大雪となった。激しい雪は9日朝までで峠を越すが、その後も週明けまで日本海側で大雪の降りやすい天気が続くとして気象庁は注意を呼び掛けた。
 京都府北部でも今冬一番の積雪で、同日午前10時50分ごろ、北近畿タンゴ鉄道(KTR)木津温泉駅(竹野郡網野町)に停車中の西舞鶴行き普通列車で、車体下の空気ブレーキ菅が凍りついた。ブレーキ菅を温めるなど応急修理に当たり、午後零時15分に運転を再開した。
 この影響で、網野−天橋立間などで特急など3本が部分運休、上下合わせて6本が最大90分遅れ、約300人の足が乱れた。
 京都縦貫自動車道は、綾部ジャンクション−舞鶴大江インター間が午後8時、雪のため通行止めになった。
 舞鶴海洋気象台によると、非常に強い冬型気圧配置になっていて、日本海から丹後半島を中心に雪雲が流れ込んでいるという。2、3日続く見込みで、大雪や路面凍結などに注意を呼びかけている。(京都新聞)
■パークアンドバスライド 渋滞緩和に一定の効果 滋賀県が実験まとめ
 滋賀県は8日、昨年9月に大津市内で実施した「パークアンドバスライド」の実験効果をまとめた。「パークアンドバスライド」は、マイカーの買い物客を市郊外の駐車場から中心部まで無料バスで送迎するシステムで、渋滞緩和の効果がみられたという。
 県は、国や大津市と協力し、本年度から3年計画で、大津市中心部の交通混雑解消を目指すTDM(交通需要管理)の実施を検討している。その第一段階として、市中心部に流入する車を減らし渋滞解消を実現する「パークアンドバスライド」の試行実験を実施した。
 実験は昨年9月12、13、15、19日の4日間で、大津市打出浜から浜大津の商業施設集積地周辺で実施。大津びわこ競輪場駐車場やなぎさ公園サンシャインビーチ駐車場など計3ヵ所を無料開放し、午前10時から午後9時半まで、それぞれの駐車場からびわ湖ホールや百貨店などに停車する無料巡回バスを15分間隔で走らせて買い物、レジャー客を輸送した。
 県のまとめによると、4日間で計1350台の車両が実験に参加し、計3728人が駐車場からバスに乗車したほか、全体のバス利用者は1万330人。県は当日の渋滞調査や利用者アンケートなどを、普段の休日の渋滞状況と比較し、学識経験者らでつくる調査委員会で実験効果をまとめた。
 実験の結果、交通渋滞が慢性化している大津港からにおの浜2丁目にかけての県道などで、渋滞緩和の効果がみられた。特に大津港口を起点に京都方向へ延びる渋滞では、夕方の混雑時間帯の調査で、実験前の休日より1500b矩い700bまで渋滞が減少した。
 また、湖岸の商業施設の1日あたりの駐車待ちの車両数が実験前より447台少ない295台に減少したほか、交通量の削減で二酸化炭素も減少した。県都市計画課は「初の交通実験だったが、まずまずの効果が得られ、今後は平日を含めた調査を行いたい」という。(京都新聞)
■架線にビニール袋 京都のJR山陰線
 8日午後3時半ごろ、京都市下京区のJR山陰線・丹波口駅で、架線に透明のビニール(長さ7b、幅0.5b)が巻き付いているのを、同駅を通過した特急電車の運転士が見つけた。嵯峨野電気区の職員が駆けつけて、すぐに除去したが、普通電車の上下線1本ずつが部分運休し、約500人に影響が出た。(京都新聞)
■車と列車が衝突 峰山のKTR踏切 ダイヤに乱れ けがなし
 8日午後零時47分ごろ、京都府中郡峰山町長岡のKTR(北近畿タンゴ鉄道)長岡踏切(警報機、しゃ断機付き)で、同郡大宮町善王寺の会社員奥田治彦さん(40)の乗用車と、豊岡行普通列車(2両編成)が衝突した。乗用車は約10b引きずられ大破したが、奥田さんや列車の乗客にけがはなかった。峰山署によると、乗用車は町道を東進中、しゃ断機を突き破り列車に衝突したといい、同署が原因を詳しく調べている。
 この事故で、KTRは丹後大宮−峰山間が3時間半にわたって不通になり、バスで代行。後続の特急など10本が部分運休したほか、普通列車に最高4時間20分の遅れが出るなど約400人が影響を受けた。(京都新聞)
■JR高架橋 耐震補強を倍増 在来線の橋脚 2100本、4月に着工
 JR西日本は、阪神大震災で倒壊するなど大きな被害の出た在来線高架橋の橋脚の耐震補強工事について、これまでの計画本数計1100本を計2100本にほぼ倍増させて補強することを決めた。昨年、近畿圏の橋脚を調査した結果、さらに補強の必要な橋脚が見つかったためという。震災では東海道線六甲道駅付近だけでも、計1100本余りの橋脚のうち950本が全壊するなどの被害を受けた。山陽新幹線の高架橋の補強はほぼ終えたが、在来線は手つかずの状態で、同社は4月から順次補強工事を進める。
 JR西日本によると、震災直後、運輸省から橋脚の補強対象と指示された1時間に片道10本以上の列車が通る在来線は、東海道、山陽線など近畿圏計8線区で、橋脚数は計2万500本に及ぶ。
 補強は4月から工事を進め、2000年度末までの完了を目指す。このうち半数程度の橋脚が高架下を商店などに利用する市街地にあるため、工事中休業せざるをえない商店主らとの交渉も必要で、工事は難航しそうだ。工費は、最低でもこれまでの約2倍、約20億円になるという。
 JR西日本施設部は「補強の必要な橋脚が見つかった以上、放置しておくわけにいかない。費用はかかっても、安全な信頼される鉄道をつくりたい」と話している。(朝日新聞)
■雪やまず 交通網の乱れ続く
 日本列島は9日も強い冬型の気圧配置が続き、北陸地方など日本海側の山沿いを中心に大雪となった。
 大陸からの強い寒気が流れ込んでいるためで、気象庁によると、9日午前8時までの24時間の降雪量は新潟県入広瀬村で65a、岐阜県白川村で62aを観測した。
 北海道から山陰地方にかけての日本海側では雪が降り続いており、北陸地方と東海地方の山沿いで8日夜から降雪量が多くなった。日本海側では少なくとも11日まで大雪が降りやすい天候が続くとみて、気象庁は注意を呼び掛けている。
 8日午後9時の観測によると、石川県輪島の上空5000bで氷点下39.3度、寒気の中心に近い札幌の上空では同45.1度を記録した。
・KTR10本運休
 京都府北部地方でも断続的に雪が降り、9日朝の積雪量は、宮津市や舞鶴市の市街地で30−40a、福知山市街地で10a、宮津など山間部の多いところでは80a近くに達した。
 この雪で、北近畿タンゴ鉄道(KTR)は、午前7時半ごろ、峰山駅(中郡峰山町)構内など3ヵ所のポイントが雪を挟んで切り替えができなくなり、久美浜発西舞鶴行き特急「タンゴディスカバリー4号」が運休するなど、上下合わせて10本が運休。さらに計12本が最高で3時間半遅れるなど、500人の足に影響が出た。また、この遅れの影響などでJR山陰線も終日ダイヤが乱れた。
 舞鶴自動車道の福知山舞鶴東間、京都縦貫自動車道の綾部−舞鶴大江間でも50`の速度規制や、チェーン規制が続いた。
・新幹線にも遅れ
 北陸地方を中心にした大雪で交通機関への影響は9日も続き、朝から東海道新幹線の遅れや空の便の欠航、高速道路の通行止めが相次いだ。
 JR東海によると、東海道新幹線は始発から下りの豊橋−新大阪、上りの京都−豊橋間で時速120−230`の徐行運転をしたため、この区間を通過する各列車が最大45分遅れた。JR東日本によると、東北、上越、長野など各新幹線はダイヤ通り運行しているという。
 空の便は全日空の東北、北陸地方の発着便を中心に羽田発青森行き、富山発羽田行きなど計8便が欠航。航空各社によると、日本海側の路線などで終日、欠航や遅れが出る可能性があるという。
 主な高速道路では、東名・名神高速道路下り線の豊川−関ケ原間、上り線の一宮−豊川間、中央自動車道下り線の多治見−小牧間、関越自動車道上り線の湯沢−水上間などが通行止めになった。(京都新聞 夕刊)
■JR切符 精巧に偽造 在来線の長距離計6枚 大阪市内 昨年暮れ 13万円払い戻し パソコン使い作製?
 大阪市内のJR大阪環状線桜ノ宮、野田の両駅で昨年暮れ、大阪市内−西鹿児島間の在来線の偽造往復乗車券計6枚が持ち込まれ、払い戻されていたことが9日、わかった。偽造券は、駅の「みどりの窓口」などのコンピューター端末機で発券する自動改札機対応型の切符をまねており、外観上、本物と極めて区別がつきにくい精巧な印刷という。JR西日本は大阪府警に被害届を出すとともに、全国のJRグループ各社や旅行会社にも注意を呼びかけている。
 関係者によると、偽造されていたのは大阪市内−西鹿児島間の往復の普通乗車券で、特急券などはついていない。駅のみどりの窓口や旅行会社の自動発券機から機械的に打ち出される「ロール紙」型(縦5.75a、横8.5a)で、自動改札機の利用に対応して裏面が磁気タイプと同じようにこげ茶色になっている。台紙はパステルグリーンで、字模様として「JR」や西日本の頭文字「W」の文字を刷りこんでいる。往復券1枚当たり2万1740円で、有効期間は12日間。
 持ち込まれたのは計6枚で、昨年12月20日午後2時から3時にかけての1時間に、大阪環状線桜ノ宮(大阪市都島区)、野田(同福島区)の両駅のみどりの窓口に男性の客が訪れ、それぞれの駅で払い戻した。駅員は不審な点に気づかず、そのまま両駅で計6枚分、1枚当たりの手数料210円を差し引いた計12万9180円を払い戻した。
 切符には西九条駅発行と表示され、発行日は12月11日とあった。翌21日、回収した切符の審査をしていたところ、専門の係員が手触りから切符の紙質がやや厚いことに気づき、確認したところ、裏面に磁気が入っておらず、西九条駅でも発行の記録がなかったため、偽造切符であることが判明した。
 本物の切符は字体も特別なJR仕様で、台紙の色も偽造防止対策としてカラーコピーすると変色する仕掛けを施している。今回の偽造切符は、台紙の色や駅名などの字体も本物とはとんど変わらず、字模様の「JR」と「W」の文字も交互に規則的にほぼ正しく並んでいるなど外観上、本物との区別がつきにくい精巧な印刷だった。パソコンとカラー印刷機を使って偽造した可能性もあるという。
 現在まで、この両駅で払い戻された計6枚以外に見つかっていないが、印刷が精巧なことなどから大量に出回っている可能性もあるとみられ、JR西日本はJR各社や旅行会社にチェックの強化を要請した。
 JR各社によると、民営化後の切符の偽造事件では、これまでエコノミー切符や自由席回数券、指定席回数券など新幹線の切符では見つかっているが、高額な在来線の長距離切符がこれほど精巧に偽造されたのは珍しいという。(朝日新聞 夕刊)
■JR鷹取駅でオーバーラン
 9日午前九時ごろ、神戸市須磨区大池町五丁目のJR山陽線鷹取駅で、西明石発松井山手行き上り普通電車(7両編成、乗客約350人)が、ホームの停止位置を約230b行き過ぎて止まった。電車は通常の停止位置まで後退し、乗客計約40人を乗り降りさせて9分遅れで同駅を発車した。上り線計3本が9−2分遅れ、乗客約1200人に影響した。JR西日本が原因を調べている。
 近畿のJR各線では停車駅を行き過ぎる運転ミスが昨年夏以降相次いでおり、今年に入って2件目。(朝日新聞 夕刊)
10日■大雪に悲鳴 宮津市街地48a 余呉・柳ケ瀬89a 交通機関大きく乱れ
 強い冬型の気圧配置にともない日本列島は9日午後も、日本海側を中心に広い範囲で大雪となった。気象庁は11日ごろまで大雪が降りやすい天候が続き、全国的に風が強まるとみて注意を呼び掛けている。
 京都府北部では9日も断続的に雪が降り続き、宮津市街地で50a近い積雪を記録するなど、特に丹後地方で大雪となった。市民は雪かきなどに追われ、JRやKTRなど交通機関も大きく乱れた。
 JR山陰線は、鳥取発大阪行特急「はまかぜ2号」を始め、上下合わせて53本が運休。福知山線も普通が2本、舞鶴線では普通7本が運休した。さらに新大阪発鳥取行特急「エーデル鳥取」が部分運休したほか、東京発出雲市行特急「出雲」が約12時間にわたって浜坂駅で停車、京都発城崎行特急「きのさき7号」が約1時間40分遅れるなど、ダイヤは終日、大幅に乱れ、約1万4000人に影響が出た。
 また、北近畿タンゴ鉄道(KTR)は、午前11時10分から宮津線の網野−豊岡駅間で列車の運転を見合わせ、同線は西舞鶴−網野駅間で折り返し運転した。
 舞鶴自動車道は午後4時45分に舞鶴西インター−舞鶴東インター間の下り線が通行止め。続いて午後5時20分から同区間の上り線も通行止めとなった。また京都縦貫自動車道は、午後4時45分から綾部ジャンクション−舞鶴大江インター間が全線通行止めとなった。
 北陸自動車道は米原−木之本間の上下線、名神高速道は大垣−米原間の下り線と栗東−大垣間の上り線が通行止めとなった。
 JR湖西線は、北陸方面からの特急の遅れの影響で、新快速や普通電車が5−10分遅れた。
 京滋の主な積雪量は次の通り(京都午後4時、滋賀午後8時現在、単位はa)。
 宮津市街地 48▽宮津市上世屋 90▽舞鶴市街地(東) 43▽舞鶴市大山 80▽久美浜町市街地62▽峰山町市街地 46▽余呉町柳ケ瀬 89▽伊吹町春照 83▽今津町 40(京都新聞)
■JR切符を偽造 大阪−西鹿児島往復券6枚 13万円払い戻す
 JR大阪環状線の野田(大阪市福島区)、桜ノ宮(同市都島区)両駅で昨年12月、偽造された大阪市内−西鹿児島駅間の往復乗車券計6枚が払い戻されていたことが9日、分かった。JR西日本は大阪府警に被害届を既に提出している。
 同社によると、切符は駅の自動発券機などで販売している表面が薄青色、裏の磁気面が茶色のタイプ。12月20日午後、両駅に客が乗車券(1枚2万1740円)を3枚ずつ持ち込み、駅員が手数料を差し引いた計12万9180円を払い戻した。
 同社大阪支社で翌21日、回収した切符を審査した職員が偽造に気付いた。切符には西九条駅(同市此花区)で12月11日発行の表示があったが、実際には発行されていなかった。
 偽造切符は、表面の字体や細かい文字模様、色合いなど外見は本物そっくりで、払い戻した駅員は全く異常に気付かなかった。裏面の磁気は入っていなかったという。
 JR西日本はさらに持ち込まれる恐れもあるとみて、JR他社や旅行代理店にチェックを強化するよう注意を促している。(京都新聞)
■大雪 JR、高速道にも乱れ
 日本列島上空に居座っている強い寒気の影響で、近畿北部や日本海側では雪が降り続き、積雪は同日夕現在、多い所で120aに達した。JR北陸線や山陰線に遅れが出ているほか、高速道路が通行止めになるなど、交通機関にも乱れが出ている。
 各地の気象台によると、積雪は9日夕現在、石川県白峰村で120a▽兵庫県村岡町で91a▽滋賀県柳ケ瀬で87a▽福井県和泉村で71a▽鳥取市で55a▽福井市で44a▽金沢市で27a。金沢市の兼六園では9日までに、雪の重みで樹齢約200年のアカマツなど7本が倒れた。
 9日午後3時5分ごろ、滋賀県西浅井町余のJR北陸線近江塩津駅構内で、線路のポイントに雪が詰まって切り替わらなくなり、近江今津発長浜行き普通列車(3両編成)が立ち往生した。駅員が約30分がかりで雪を取り除き、47分遅れで発車した。この影響で、後続の大阪発富山行きの特急「サンダーバード23号」が41分遅れた。
 また、東京・上野駅を8日深夜に出発した寝台特急「北陸」が5時間余り遅れて9日正午前に金沢駅に到着したほか、やはり8日夜に東京を出た寝台特急「出雲」が9日午前7時40分から、兵庫県の浜坂駅に約12時間立ち往生した。
 舞鶴自動車道では午後5時前から、西舞鶴−東舞鶴問、京都縦貫自動車道では綾部−舞鶴大江間、北陸自動車道の米原−木之本間がいずれも通行止めになった。(朝日新聞)
■大雪 府北部は3年ぶり
 今冬一番の冷え込みとなった9日、府北部は前日から降り続いた雪がさらに20−40a降り積もり、3年ぶりの大雪になった。夕方までの積雪は、久美浜町河梨峠で88a、大宮町延利で73a、舞鶴市でも47aに達した。
 最低気温は、園部町で零下7.3度を記録したのをはじめ、京都市と舞鶴市でともに零下1.7まで下がった。府宮津、峰山土木事務所は、早朝から計73路線に除雪車94台を出し、主要道路の交通確保に当たった。
 京都市でも左京区大原など北部の山間部で朝から雪がちらつき、うっすらと雪化粧した。
 雪の影響で、北近畿タンゴ鉄道が久美浜−西舞鶴間の特急2本など計36本運休し、上下線合わせて24本が最高4時間遅れた。舞鶴自動車道の西舞鶴−東舞鶴間、京都縦貫自動車道の綾部−舞鶴大江間がともに夕方から通行止めになった。
 京都地方気象台は「11日ごろまで強い冬型の気圧配置が続き、多い所で降雪が50a程度になるだろう」と話している。(朝日新聞)
■急増 ふるさと切手 昨年の倍以上 郵便の赤字解消狙う?
 地方色豊かな自然や祭りなどを題材にした「ふるさと切手」の発売が、1999年は昨年の約2.5倍、52件も新たに計画されている。89年に発売を始めて以来、最多だ。郵便事業は98年度、約1000億円の赤字に転落する見込み。切手を通してふるさとを全国に紹介する地域振興のねらいとともに、「記念切手よりも身近で人気が高いふるさと切手」(郵政省郵務局)を増やして利用者のニーズにこたえ、増収につなげたいという、もくろみもある。
 ふるさと切手は記念切手や普通切手と違って、全国に11ある地方郵政局と沖縄郵政管理事務所が名所や行事、特産物などからテーマを選ぶ。昨年までは年間20件ほどだった。
 発売する場所も、例えば東北郵政局のふるさと切手の場合、4年前は東北6県の郵便局と東京中央郵便局だけだったものが、少しずつ各県にある中央郵便局に販売網を拡大している。昨年10月からは東京都内の普通郵便局でも全国のふるさと切手が買えるようになった。各地のふるさと切手を地元の郵便局で手に入れたいという切手収集家の声があり、郵政省はさらに販売窓口を増やすことを検討している。
 今年は、11日に発売される中国郵政局の「鉄道井原線開通」が第1号。雪世界(北海道)▽白神山地(東北)▽隅田川花火(東京)▽ほたるいか(北陸)▽淡墨桜(東海)▽天の橋立(近畿)▽桂浜と坂本龍馬(四国)▽吉野ケ里遺跡(九州)などが予定されている。(朝日新聞)
11日■快速など29本運木 府北部大雪 KTRも13本
 強い冬型の気圧配置に覆われた日本列島は10日も、北海道から山陰地方にかけた日本海側を中心に広い範囲で断続的に雪が降り続いた。気象庁によると、激しい雪と強風の大荒れの天気は11日まで続きそうだという。交通機関への影響も出た。
 10日午後9時までの24時間の降雪量は、福島県南郷村で41a、群馬県水上町では40a、岐阜県白川村で39aなど。
 京都府北部では丹後地方を中心に10日も断続的に雪が降り続き、中郡峰山町中心部で最高60a、宮津市市街地でも56aを記録するなど、3年ぶりの大雪となった。
 JR西日本福知山支社によると、西舞鶴−綾部駅間の普通列車上下各1本をはじめ、快速・普通列車合わせて29本が運休。城崎発京都行き特急「きのさき2号」など、上り列車3本が部分的に運転を見合わせた。また城崎発新大阪行き特急「北近畿16号」が約70分遅れるなど、山陰線を中心に上下合わせて105本の列車が70分−5分遅れ、約1万人に影響がでた。
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)もこの日、特急13本を含む34本を運休したが、9日昼から運転を見合わせていた宮津線の網野−豊岡間が、10日午後零時半に運転を再開、同5時ごろにはほぼ正常ダイヤに戻った。
 このほか舞鶴市浜の寺川河口で、係留中の漁船(1.5d)が積もった雪の重みで沈没。燃料の軽油が少量流れ出たが、舞鶴海上保安部が回収。また、竹野郡弥栄町味土野地区(4戸)では10日未明から雪で電線が切れ、半日にわたって停電した。
 舞鶴海洋気象台では、寒気のピークは10日朝で過ぎたが、11日いっぱいも寒気に覆われた状態が続くと見ている。(京都新聞)
■広島−岡山 井原線やっと開業 建設運動から半世紀 平成11年1月11日11時11分11秒1番列車
 岡山、広島両県などが出資する第三セクター井原鉄道の「井原線」(岡山県総社市−広島県神辺町、41.7`)が11日、開業した。1951年に建設運動が始まり、国鉄改革に伴う長い中断を経て、ようやく開業にこぎつけた。記念行事が午前10時から岡山県井原市の井原駅で開かれ、「1」の並んだ平成11年1月11日にあやかって、井原駅からの1番列車を午前11時11分11秒に発車させた。
 井原線は山陽新幹線から5−10`ほど北の平地を走り、6市町村を通過する。総社駅と神辺駅間は約1時間。清音−総社間3.3`はJR伯備線を併用する。15駅のうち11駅は無人。1日23往復させる。日本鉄道建設公団が431億円で建設した。
 開業式では、井原郵便局がお客さんに呼びかけて作った1万1111羽の折りづるを、地元の小学生が一番列車の運転士と車掌に手渡した。テープカット、くす玉開きの後、一日駅長に選ばれた、大正11年1月11日生まれの井原市大江町、無職橋本清三さん(77)が出発の合図をした。高校生のブラスバンド演奏に見送られて、一番列車がスタートした。
 井原鉄道は一日に6030人の乗客を見込み、2010年度に赤字解消を目指している。しかし、各駅からほぼ2`内の総人口は10万人足らず。福山駅には1日3本乗り入れるが、岡山、倉敷両駅に乗り入れるめどは立っていない。開業後5年間は赤字の4割を国が補助し、残りは岡山、広島両県と12市町村が出資割合に応じて経営安定基金を積み立てて穴埋めする。
 井原鉄道社長の石井正弘・岡山県知事は「地域の発展に頁献するマイレールになるように運営したい。三セクの鉄道の運営はどこも厳しいが、企画列車や路線バスの整備などで利用率をあげたい」と話した。
 井原線の建設は66年に始まったが、路盤工事の約5割が終わっていた80年に予算が凍結された。政府が国鉄の地方新線を建設しない方針を出したため、86年に第三セクターが設立された。(朝日新聞 夕刊)
■雪続き交通乱れ 日本海側
 強い冬型の気圧配置に覆われている日本列島は、11日も日本海側を中心に北海道から北陸地方までの広い範囲で雪が降り続き、JRなど交通機関にも乱れが出た。
 気象庁によると、北海道上空にはまだ強い寒気が残っており、山間部では降雪が続くが、夜までには大雪の峠は越え、寒気も徐々に弱まる見込み。
 11日午前9時までの24時間の降雪量は青森市で58a、富山県細入村で47a、群馬県水上町で46a、北海道猿払村で45aを記録。午前9時現在の積雪は青森市酸ケ湯で332a、北海道幌加内町で219a、新潟県津南町で215aなど。
 JR各社によると、雪のため東海道新幹線は始発から上下線ともに一部区間で、東北新幹線も仙台−北上間で徐行運転。秋田新幹線は大曲駅で雪によるポイント故障が発生し、約30分の遅れが出た。
 在来線は上越線の石打−水上駅間が不通となり、青森発上野行き特急「あけぼの」が乗客約270人を乗せたまま石打駅で未明から立ち往生し、飯山線も一部で運休。信越線でもダイヤが乱れた。空の便は大きな乱れはないが、日本エアシステムの関西空港発新千歳行きが欠航したほか、北海道や北陸地方の便を中心に遅れが出た。(京都新聞 夕刊)
■部分運休18本 積雪でKTR
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)は11日、積雪のため宮津線の天橋立−久美浜間を中心に、特急11本を含む計18本を部分運休した。各駅構内の積雪は久美浜70a、網野と峰山60a、宮津50a、西舞鶴40a。12日には全線除雪作業を終え、通常ダイヤに戻る見通しという。(京都新聞 夕刊)
■平成11年1月11日11時11分11秒発車 三セクの井原鉄道 いい年のいい日、いい時…旅立ち
 岡山県総社市と広島県神辺町の41.7`を結ぶ第三セクター「井原鉄道」が11日、開業した。旧国鉄が1966年に着工、鉄道建設予算の凍結による工事中断を挟んで、32年ぶりの開通にこぎつけた。
 同鉄道は単線で、1日23往復を運行。沿線地域から岡山市や広島県福山市への通勤通学客を中心に年間約220万人の利用を見込み、2010年度の黒字転換を目指している。
 岡山県・井原駅で開かれた出発式には関係者約30人が出席。社長の石井正弘・岡山県知事が「地域の活性化に大きく貢献すると確信している。夢いっぱい、希望いっぱいの鉄道にしたい」とあいさつした後、テープカット。
 「平成11年」から「1」が並ぶ1月11日午前11時11分11秒に合わせ、一番列車が総社駅と神辺駅に向け走り出した。(京都新聞 夕刊)
12日■JR東日本株 第2次売却は今年度見送り
 運輸省は11日、1998年度内に予定していたJR東日本株の第2次売却を見送る方針を囲めた。完全民営化を急ぐJR東日本は早期の2次売却を求めており、運輸省も政府(日本鉄道建設公団)が保有する残り150万株の一部だけでも年度内に売却する方針だった。しかし株の放出は株式市場全体の供給過剰につながり、相場の低迷で、各企業の3月期決算に悪影響を与える可能性があると判断した。(朝日新聞)
■新幹線などに雪の影響残る
 日本海側を中心に七日から降り続いた大雪は11日昼に峠を越えたが、JR新幹線や一部の在来線に影響が残った。
 東北、上越方面での大雪のため、新潟県内の北越急行線を経由する越後湯沢−金沢間の特急「はくたか」が上下計4本が運休したほか、10日午後札幌を出発した上り寝台特急「トワイライトエクスプレス」(乗客約40人)が6時間48分遅れて11日午後7時半ごろ大阪駅に着いた。青森発大阪行き上り特急「白鳥」も4時間以上遅れた。
 東海道新幹線も滋賀、岐阜両県内の雪の影響で、始発から徐行運転をし、上下計92本が10−19分遅れた。(朝日新聞)
■市長選、論戦の軸に JR長岡京駅西口再開発 2候補 見直し派と推進派
 8日告示された長岡京市長選。新顔と現職の一騎打ちとなった選挙の論戦は、市が「21世紀の新しいまちづくりの第一歩」として進めてきたJR長岡京駅西口再開発事業の是非を紬に繰り広げられている。
 ●「活性化の起爆剤」
 JR長岡京駅西口再開発事業では、同駅南西にある住友ベークライト京都工場跡地を中心とする約 3.1fに、約230戸が入る28階建ての住宅棟、大型スーパーを核とする商業棟、健康福祉と生涯学習の施設を持つ「ヒューマンセンター」(仮称)とホテルが入る公共公益棟の3つの大規模ビルを建設し、駅前広場も整備する計画だ。
 97年4月に都市計画決定され、現在、事業主体となる再開発組合の設立認可を府知事に申請中。市は「東の生活拠点として、中心市街地の活性化の起爆剤になる」と期待する。
 ●影落とす財政難
 市はじまって以来の大型プロジェクトだけに、長引く不況による財政難が不安材料となっている。総事業費は約280億円。再開発に伴う周辺道路整備も合わせると、市の負担分は約70億円にのぼる見通し。市はこのうち約38億円を市債でまかなう方針だ。
 一方で、市の財政状況は厳しさを増している。再開発事業の基本構想を市がまとめた翌年の89年度に約30億円あった法人市民税による税収は、97年度は約12億4500万円と3分の1近くに落ち込んだ。同市の法人市民税は、納税額上位の五社がその約四剖を納めてきており、財政を支えてきた優良企業が不況で苦戦している影響を、もろに受けた格好だ。
 「市の借金」である市債への依存も進み、市債残高は97年度末、一般会計で約150億円。公共下水道事業特別会計も合わせると約340億円にのぼる。「市の貯金」である財政調整基金は、91年度末に過去最高の約51億円あったが、97年度末には約37億円まで減った。
 こういった財政状況のなか、選挙戦で新顔候補は再開発事業の見直しを掲げる。現職候補は「市の将来のために長い目で見て必要」と推進を訴えている。
 ●課題は山積
 これまで選挙のたびに争点となってきた乙訓地域への府営水道導入は、2000年秋に始まる見通しだ。乙訓浄水場(西京区)など施設整備にかかった費用は、市が府へ払う供給料金に転嫁され、市民が支払う料金に跳ね返る。供給料金のあり方について知事へ提言を出す「府営水道事業経営懇談会」での本格的な議論は今月末から。市民の負担がどれくらい増えるのか、まだ明らかでない。このほかにも、西の生活拠点である阪急長岡天神駅周辺の交通渋滞解消、介護保険制度の導入に伴う高齢化社会への対応など、課題は山積している。
 次期市長の任期中に21世紀を迎える。投票日は15日に迫った。(朝日新聞)
■タイムアングル 琵琶湖疎水・水圧鉄管
 田辺朔郎は工部大学校在学中の明治11年(1878年)、イギリス人教師の指導で学生たちが点したアーク灯を見た。わずか15分ほどで消えたが、行灯の灯とはまったく異質なその光は、眼底に強く焼きついた。
 明治15年(82年)には東京電灯会社が、銀座二丁目に2000燭光の大アーク灯を点して満都の話題となり、翌年には京都でも初めて点された。電気の時代は足早に訪れようとしていた。
 疏水工事の真っ最中の明治21年(88年)、アメリカのコロラド山中のアスペンで、水力利用の発電所が建設されたという情報が、田辺の耳に入った。明治の10年は江戸の100年くらいに匹敵する。このままでは琵琶湖疏水が、時代遅れの無用の長物になりかねない。
 田辺はすぐさまアスペンヘ視察へ赴き、帰国すると完工直前の疏水計画に大修正を加えて、水力発電所建設に踏み切った。これが蹴上発電所である。
 写真は、発電所へ水を引き入れる水圧鉄管の設置が完了したときの記念写真だろう。上部に日章旗を交差させて立て、人々は和服洋服とも正装である。
 蹴上発電所は明治24年(91年)に完成して、80`ワットの発電機2台が始動した。同28年にはその電力を使って、日本最初の市街電車が走ることになる。(作家・駒 敏郎)(朝日新聞)
■市バス急ブレーキ 79歳女性転倒けが 左京
 12日午前7時50分ごろ、京都市左京区川端通今出川上ルで、京都駅行き市バス=篠原桂吾運転手(60)=が出町柳駅前のバス停に停車する際、前方の乗用車を避けるため急ブレーキをかけ、はずみで乗客の同区の無職女性(79)が転倒し、足の骨を折って病院に運ばれた。
 バスには乗客約60人が乗っていたが、ほかにけが人はなく、後続バスに乗り換えるなどして目的地に向かった。
 下鴨署によると、女性は手すり棒をつかんで立っていたという。(京都新聞 夕刊)
■タクシー乗り入れ自首規制 JR京都駅 偶数日は偶数ナンバー、機数日は奇数ナンバー 不況、街で客拾えぬ車が殺到し
 偶数日に構内に入れるのはナンバーが偶数のタクシーだけ、奇数日は奇数のタクシーだけという「規制」が、21日からJR京都駅で始まる。駅は年間4000万人近い観光客が訪れる国際観光都市の玄関口だが、客待ちの車が構内に入りきれず、路上に長い列をつくって付近の商店の営業を防げたり、渋滞を招いたりして苦情が噴出。さらに不況で、街中では客を拾えない車が駅に殺到したため、京都市内の業界でつくる「タクシー乗り場運営委員会」が自主規制に乗り出した。
 京都駅には北側の烏丸口と南側の八条口で、計150台分の待機場所が設けられている。京都府内のタクシーは約9300台にのぼり、人口1000人当たりの台数は東京、沖縄に次いで多いうえ、その9割以上が京都市内に集中。同駅で客待ちするタクシーは毎日のべ3000台を超える。
 構内に入りきれないタクシーが路上にあふれる光景は以前から見られたが、3、4年前からひどくなった。不況が深刻になった最近では路上のタクシーが100bを超す列になることも。
 このため、同運営委員会で対策を協議。当面、ナンバープレートの車両番号での規制を決めた。同様の問題を抱えるJR広島駅ではシールでタクシーを区分けし、乗り入れられる日を決めている。JR新大阪駅では、う回進入路を新設するなどの対策をとっている。
 しかし、運転手らの表情は複雑だ。「迷惑はかけたくないが、街を流しても客がいないのに…」と、駅で客待ちの運転手。1台を運転手2人が交代で使う勤務も多く、「1人はずっと構内に入れない」と心配する声もある。(朝日新聞 夕刊)
■新幹線徐行5日連続
 雪の影響で、東海道新幹線は12日、岐阜県の関ケ原地区周辺で、始発から120`−230`に速度を落として運転した。このため、正午までに、上下27本が17分から10分程度遅れ、約2万人の足に影響した。雪による徐行運転は5日連続だ。(朝日新聞 夕刊)
13日■鉄道事故 常設調査機関設置を 信楽事故から 今夏東京で国際シンポ
 信楽高原鉄道事故の遺族や弁護士、学者たちでつくる「鉄道安全推進会議」(事務局・京都市右京区、臼井和男会長)は、日本での鉄道事故調査機関の設置の機運を盛り上げるとともに運輸事故の再発防止を図るため、今夏に東京で国際シンポジウムを開く準備を進めている。
 計画では、米国国家運輸安全委員会やカナダ運輸安全委員会、両国を含めスウェーデン、フィンランドなど独立した事故調査機関を持つ8ヵ国でつくる「国際運輸安全連合」(本部・オランダ)の幹部を招き、事故調査のあり方や組織などについて討議する。
 日本には、運輸事故に関して、航空には運輸省航空事故調査委員会、海運には海難審判庁が設けられているが、鉄道の常設の事故調査機関はない。
 運輸大臣の諮問機関の運輸技術審議会鉄道部会は咋年秋、鉄道事故の原因究明や再発防止のために、公平、中立な国の調査機関の必要性を答申、運輸省で検討が進められている。
 鉄道安全推進会議は「答申は前進だが、運輸省が制定した規則や監督行政も対象にしなければ、完全な事故調査とはいえない。運輸省から独立した鉄道事故調査機関が不可欠で、米国やカナダなどのように鉄道や航空、海運など統合した事故調査機関を設置するべきだ」と指摘している。(京都新聞)
■JR追突事故 運転士に有罪 静岡地裁沼津支部
 静岡県沼津市のJR東海道線下り線で1昨年8月12日、普通列車が貨物列車に追突して、乗客35人が重軽傷を負った事故で、業務上過失傷害と業務上過失往来危険罪に問われた普通列車の運転士・沢木久仁行被告(53)に対する判決公判が12日、静岡地裁沼津支部であった。猪俣和代裁判官は、禁固2年執行猶予4年(求刑禁固2年)の有罪判決を言い渡した。(朝日新聞)
■降雪で徐行運転 始発から東海道新幹線
 滋賀−岐阜県境での降雪のため、東海道新幹線は13日、始発から下りが岐阜羽島−京都間、上りが京都−名古屋間で徐行運転を行った。午前中までに上下合わせて17本が16分−10分遅れ、乗客約9200人に影響が出た。JR東海は午後も徐行運転を続けるため、各列車に5分ほどの遅れが出るという。(京都新聞 夕刊)
■雪の後遺症 新幹線遅れ
 東海道新幹線で、大雪の後遺症の徐行が続いている。岐阜、滋賀県境の関ケ原付近で車体下に抱え込んだ雪が氷の塊になったあと、温まって落下し、線路の砕石を跳ね飛ばす事故を防ぐためだ。大雪が峠を越した12日も約50本が遅れたほか、13日の午前中も、「のぞみ」を中心に約20本に5−10分の遅れが出た。(朝日新聞 夕刊)
14日■窓 一方的な乗り入れ規制不満 南区・大塚伊奈利(タクシー運転手・50)
 今月21日から京都駅周辺のタクシー不法駐車防止のために烏丸口、八条口ともナンバーの末尾の奇数、偶数で、京都駅への乗り入れ規制が行われます。
 ただこの情報を京都新聞で知った人、または、また聞きで知った人が大多数で、まさに寝耳に水のごとくタクシー運転手は大パニックになっています。
 新幹線開通から八条口で仕事をしている人、朝早くから駐車場を掃除している人、観光客の誘導や重いトランクを積み込む人、交通整理をする人らもだれ一人このことは知りませんでした。中には身体障害者の方が駅から追い出されたら街を流さなければならないから体がもたないと言っています。
 約2万人とも言われているタクシー運転手に対してタクシー協会や労働組合はこれらの人たちになんの情報も意見を聞く行為もせずに、ただ上からの命令だと高飛車に出てきました。これではタクシー運転手が素直に規制を守るとは思いません。(京都新聞)
■群馬−東京 キセル通勤4年間 会社員に1500万円請求
 東京都新宿区のJR新宿駅近くの会社に勤める群馬県高崎市の男性(37)が、昨年8月までの約4年間、2枚のJR通勤定期を使って途中の運賃を払わない「キセル乗車」をしていたとして、JR東日本はペナルティーの割増運賃を含めて約1500万円を請求することを決めた。同社東京支社では過去最高の請求額という。
 同支社によると男性は1994年9月から、高崎−倉賀野(運賃180円)、池袋−渋谷(同160円)の定期券で、高崎−新宿間(同1890円)を不正に乗車していたという。鉄道営業法に基づき、正規の往復運賃の3倍に不正日数をかけた額を請求する。
 警視庁鉄道警察隊などが昨年8月、寄せられた情報をもとに尾行し、持っていた1ヵ月定期2枚を押収。男性は同法違反容疑で書類送検された後、12月中旬に略式起訴された。(朝日新聞)
■ブレーキ故障 新快速止まる 大阪、4本が運休
 13日午後5時40分ごろ、大阪府三島郡島本町桜井のJR東海道線山崎−高槻駅間で、野洲発姫路行き下り新快速電車(8両編成、乗客約800人)が走行中、突然非常ブレーキがかかり、動けなくなった。車両検査員が調べたところ、ブレーキを調節する設定器のブレーカーが故障していたことが分かり、約30分後に運転を再開した。このトラブルで、上下計4本の新快速が運休したほか、京都発関西空港行き下り特急「はるか49号」が34分遅れるなど下り14本に遅れが出て、乗客約7000人の足が乱れた。(朝日新聞)
■新幹線乱れ6日蓮続
 雪のため、東海道新幹線は13日始発から、上下線とも岐阜県の関ケ原地区を中心に徐行運転を続けた。このため、同地区を通る36本が最大16分遅れ、約2万7000人の足に影響した。雪によるダイヤの乱れは6日間連続となった。(朝日新聞)
15日■春の臨時列車 1451本を増発 JR西日本
 JR西日本は14日、3月1日から6月末まで運行する春の臨時列車を発表した。新幹線と在来線を合わせて1451本の特急・急行を増発する。
 京都経由では、寝台特急「サンライズゆめ」を、東京−広島、下関間で期間中、5往復運行。このほか、4月29日から和歌山県内で始まる博覧会「南紀熊野体験博」に合わせ、窓の大きな新型の臨時普通列車を串本−新宮間で走らせ、京都方面からの特急と串本で結ぶ。
 JR西日本では、ゴールデンウイーク期間(4月28日−5月5日)に、前年より3%増の197万人の利用を見込んでいる。(京都新聞)
■臨時ひかりも24本
 JR旅客6社は14日、春休みやゴールデンウイークを含む3−6月の春の臨時列車計画を発表した。期間中の新幹線や特急などの増発本数は計8476本。定期列車を合わせた総運転本数は約27万本で、ほぼ前年並みという。
 東海道新幹線はのぞみを1日最大15本増発、全車指定席の臨時ひかりも期間中に24本運転する。山陽新幹線は土曜、休日などにのぞみを増発し、東北新幹線は4月から2階建ての新型車両「E4系」が、これまでの1日2往復から12往復に増え「MaXやまびこ」「MaXなすの」として運転きれる。(京都新聞)
20日■放置自転車 撤去できず困惑 JR花園えきまえ通路の一角、駅施設 昨年末から一気に増加
 京都市右京区のJR山陰線花園駅前の通路の一角を、大量の放置自転車が占拠、地域住民や駅関係者らの頭を悩ましている。関係者によると昨年夏ごろから徐々に増え始め、年末ごろから一気に増加した、という。一角がJR所有の「民有地」で市の条例による撤去ができないため、対応に苦慮している。
 放置されているのは、同駅前の出入り口東側の通路の一角。「駐輪禁止」の立て札にも構わず、常時150−200台の自転車が乱雑に駐輪している。花園学区自治連合会の桃井繁造会長は「昨年末から急に増えだした。広場に入る階段前にも止められ、時には通れないときもある」と話す。
 同駅前の敷地は、線路と平行に延びる駅舎から約8b幅で盲人用点字ブロックまでがJR西日本の所有。それ以外の駅前広場を市が管理する。
 「京都市自転車等放置防止条例」では、放置自転車を撤去できるのは、市が管理する道路や広場のみ。一方、問題の駅前通路はJR西日本所有の「民有地」のため、放置自転車の撤去はできない。これが口コミなどで駅利用者に広まったもようで、一角は駅出入り口に最も近い”無料駐輪場”となっている格好。自転車は、盲人用の点字ブロックの上にも駐輪、放置されて、危険性を指摘する声もある。
 市は、周辺ではたびたび放置自転車の撤去をしているが、今月18日の撤去台数がわずか12台など、地域住民が望む肝心な場所は全く成果があがっていない。JR西日本でも看板で駐輪禁止を呼びかけているほか、17日にも従業員が放置自転車 150台に「駐輪禁止」の札をつけたが、その後の効果はほとんどない、という。
 桃井会長は「自転車で駅に来る人はマナーを守ってほしい−と訴えている。(京都新聞)
■「ゴルフと彩り」題し 瑞穂の洋画家が個展 来月、丹波のゴルフ場
 JR西日本福知山支社は、船井郡丹波町のゴルフ場「グランベール京都ゴルフ倶楽部」を会場に、来月2日から28日まで、洋画家谷田穎郎氏の個展を開く。
 谷田氏は鳥取県出身で、現在は瑞穂町にアトリエを構える。全国各地で個展を開く一方、どんちょうの原画製作にも多く携わるが、地元で個展を開くのは10年ぶり。「ゴルフと彩り」をテーマに、風景画や祭りの様子を描いた水彩画、油絵のほか、みずから原画を担当したタペストリーなど合計約70点を展示する予定。
 入場無料で、午前10時から午後5時まで。毎週月曜日は休み。問い合わせはグランベール京都ゴルフ倶楽部 0771(82)2266へ。(京都新聞)
21日■梅田貨物駅 吹田移転へ基本協定 取扱量の半分、跡地開発に弾み
 JR大阪駅北側に広がる梅田貨物駅(大阪市北区、約20f)の移転問題で、日本鉄道建設公団国鉄清算事業本部とJR貨物、大阪府、同府吹田、摂津両市は20日、貨物駅の年間取扱量の半分を吹田、摂津両市にまたがる旧国鉄吹田操車場跡地(約50f)に移転させる基本協定を締結した。なお残り半分の移転先問題が残っているが、12年間足踏みしていた移転問題がようやく前進し始めたことで、移転後の跡地再開発計画にも弾みがつきそうだ。
 基本協定は、吹田操車場跡地につくる新貨物駅の年間取扱量の上限を100万dとする▽新貨物駅は、鉄建公団とJR貨物が地元住民の合意を得て建設する▽同公団は、吹田市環境影響評価条例に基づき環境影響評価と事後監視を実施する、など。
 同公団は地元合意が得られ次第、新貨物駅建設工事を着工。計画では、約6年後に移転工事を終え、梅田貨物駅の半分をさら地にして売却できるとしている。その間も、同駅構内の貨物施設などが比較的少ない東側約6.7fをさら地にして先行売却するなど、敷地を段階的に売却していく方針だ。
 梅田貨物駅の残る半分の機能について、同公団は大阪市内の別の貨物駅への移転を目指し、大阪市などと協議を始める。
 岸田恒夫・吹田市長は「基本協定は貨物駅移転の受け入れに最終合意したものではなく、環境アセスや住民説明を始めることを認めるものだ。鉄建公団などは環境対策はもちろん、移転のデメリットをカバーしてあまりある街づくりが出来るよう、最大限の努力をする必要がある」としている。
 梅田貨物駅移転問題は1987年、当時の国鉄清算事業団が、敷地売却のため旧吹田操車場跡地への全面移転を計画したが、地元の両市が環境悪化などを理由に反発。宙に浮いたままだったが、事業団側が移転規模を半分に縮小したことで一昨年の6月から交渉が再開されていた。(朝日新聞)
■梅田貨物駅移転 基本協定を締結 大阪府など関係5者 計画から12年、決着
 JR大阪駅北側の梅田貨物駅(約20f)の移転問題で、大阪府と吹田、摂津両市、地権者の日本鉄道建設公団、JR貨物の5者は20日、梅田貨物駅の機能の半分を両市にまたがる吹田操車場跡地に移転するための基本協定を締結した。環境への影響を懸念する地元の反発などで難航した移転問題は、移転する機能を当初計画の半分に縮小したうえで、87年の計画表明から12年ぶりにようやく決着し、本格的に動き始めた。
 98年10月に5者で交わした基本合意覚書とほぼ同じで、@吹田貨物ターミナル駅(仮称)の年間取扱量は100万d以内、かつ梅田貨物駅の機能の約半分とするAJR貨物は梅田貨物駅の残る貨物は吹田貨物駅には移転させず、鉄建公団が大阪市などと処理方法を協議する−などが柱となっている。
 ただ、残る半分の移転先については、両市との具体的な協議はこれからで、都心の一等地の再開発の全体像が描かれるまでには、まだ、時間がかかりそうだ。(読売新聞)
■復活SL”立ち往生” 資金難で運転休止も 高い修理費、企業の寄付減少
 民間団体や自治体による蒸気機関車(SL)の複活運転が、維持・運営費不足にあえいでいる。修理費が賄えずに”立ち往生”したり、運営費がかかりすぎると運行を一部休止したりする所も。財団法人日本ナショナルトラスト(東京)は募金を呼びかけるなど、国民的遺産を動く状態で保存する運動への理解と協力を呼びかけている。
 SLを動く状態で残す動態保存は、地域おこしなどに乗って次第に各地に広がっている。「全国保存鉄道」シリーズ(JTB)の著者、トラベルライターの白川淳さん(34)によると全国に20か所あるという。どこも親子連れを中心に人気は上々で、産業遺産として再評価する動きもある。しかし民間団体が運営する場合は特に苦労が多い。
 静岡県の大井川鉄道では、小型SLのC12 が12年前から運行されている。日本ナショナルトラストが、個人や企業・団体の寄付で動懸保存をしてきた。トラストトレインと呼ばれている。年1回の定期点検費用は、寄付や機関車貸し出しの収益などで賄い、清掃などはトラスト会員が行ってきた。
 それが、機関車と客車が老朽化し大がかりな修理が必要になった。特に機関車はボイラーが破損し、部品を交換しなければ動かない。修理に計720万円かかる。しかし、通常の寄付だけでは足りず、昨年末から1口3万円の募金を一般に呼びかけている。
 このほかJRの廃線跡を利用して小型SLを走らせている北海道三笠市も、「費用がかかりすぎる」と今年度から冬季の運行をやめた。市はこの事業に毎年500万円ほどの予算を組んでいたが、「冬は雪で客足が伸びないから」という。
 北海道の市民団体の呼びかけで出年、小樽−倶知安間などに複活したC62の運転は、「毎回満席」(JR北海道)の状態が続いた。しかし、バブル崩壊で地元企業からの寄付金が減って運営が厳しくなり、7年で休止に追い込まれた。
 また、運転などには国家資格を持つ専門の技術者が必要。「後継者はいない」(三笠市)という所が少なくない。
 白川さんは「動態保存は、修理部品の確保や技術者の育成が必要で、費用がかかるのはやむを得ない。地元とボランティアの理解と支援が欠かせない」と話している。
 トラストトレインの寄付についての問い合わせは日本ナショナルトラスト(03・3214・2631)へ。(読売新聞)
■JR京都駅前 タクシー偶・奇数乗り入れ規制 順調に”発車”
 末尾ナンバーの偶数、奇数分けによるタクシーの乗り入れ規制の試験導入が21日朝から、京都市のJR京都駅前のタクシー駐車場で始まった。駅前に乗り入れるタクシーの数は普段の約3分の2に減り、塩小路通や烏丸通なども客待ちで並ぶ車の姿はなく、順調なスタート。運転手の間で一部に、不公平として反発が出ていたが、特に混乱はなかった。
 この規制は、ナンバーの末尾が奇数のタクシーは奇数日、偶数のタクシーは偶数日と日替わりで乗り入れする。不況の影響や乗り入れ許可のない車の乗り入れで、車が駅周辺にあふれ、地元で苦情が多かったことから、京都市内のタクシー業界でつくる「タクシー乗り場運営委員会」が自主規制に踏み切った。
 この日は午前7時過ぎから、烏丸口と八条口の駐車場で、同運営委の指導員約20人が立ち、偶数ナンバーのタクシーの乗り入れを注意し指導。偶数ナンバーの車は数台が駅に入ってきたが、すぐに出たという。
 同運営委の安居早苗委員長は「午前8時ごろは駐車場ががらがらで、逆に心配するほどだった。不景気で業界は苦しいが、市民の理解を得るために、こういう時こそ自主規制が必要。定着してくれれば」と話した。
 一万、乗り入れできなかった偶数ナンバーの運転手は「きょうは初弘法で稼ぎ時なんだけど…」と、戸惑っていた。(京都新聞 夕刊)
■タクシー乗り入れ規制 がらーん 波乱の初日 JR京都駅
 偶数日に駅構内に入れるのはナンバーが偶数のタクシーだけ、奇数日は奇数のタクシーだけという異例の「規制」が21日、JR京都駅で始まった。客待ちの車が周辺の路上に長い列をつくって商店の営業を防げたり、渋滞を招いたりして苦情が噴出したため、業界でつくる「タクシー乗り場運営委員会」が打ち出した対策だが、運転手たちが「様子見」をしたためか、この朝、2ヵ所で計150台入れる待機場所は一転してガラガラに。このため、急きょ偶数ナンバーの車を呼び入れたり、運転手と指導員が言い争ったりと、波乱の幕開けになった。
 駅南側の八条口では、午前8時ごろから指導員約10人が出て偶数ナンバーのタクシーを規制した。しかし、待機場にタクシーが1台もなくなり、客が行列をつくるのを防ぐため、あわてて指導員が偶数ナンバーを呼び込む一幕も。一方で、指導員の一人が「偶数ナンバーは入らないで」と運転手に呼びかけると、運転手数人が駆け寄り、「長年働いてきたのに納得いかない」と詰め寄る場面もあった。
 偶数ナンバーを運転する大塚伊奈利さん(50)は「2人1組で交互に出勤している運転手の場合、1人が駅に来られなくなる。あまりに勝手な規制」と、タクシーを乗り入れた。一方、「これだけすいていれば、回転がよくなる。売り上げは増えるのではないか」と話す運転手(63)もいた。(朝日新聞 夕刊)
22日■阪急電車 全席が優先席だよ 高齢者らをデザイン ステッカー張ってPR 4月スタート 要は譲り合い
 阪急電鉄は21日、従来の優先座席制度を、指定座席から全座席へ拡大し、対象者も妊婦や乳幼児連れの乗客を含める、と発表した。4月1日からスタートさせる。全席を優先座席とするのは、全国の鉄道事業者で初めて。
 阪急は、1975年に優先座席制を導入し、窓にシールを張って1両当たり6−10人分の座席を確保してきた。しかし、高齢化の進行や乳幼児連れの保護者から「優先座席を増やすべき」との要望もあり、全席へ拡大することに決めた。
 3月から車内放送やポスターでPR。妊婦、乳幼児連れ、体の不自由な人、高齢者をデザンしたステッカーを車内に張るなどして、「優先席がなくなったと誤解されないよう努めたい」としている。
 運輸省鉄道局は「海外では優先席自体がない国もあるほど、譲り合うのが当たり前。定着させてほしい」と、エールを送っている。(京都新聞)
■ぜーんぶ優先座席 阪急電鉄、4月から拡大 妊婦・乳幼児連れも対象
 阪急電鉄は21日、お年寄りや体の不自由な人のために車両の一部に設けている「優先座席」を全席に拡大し、4月1日から座席の指定を撤廃する、と発表した。妊婦や乳幼児連れの人に対しても席を譲ってあげるよう車内放送やステッカーで協力を呼びかける。運輸省によると、全席を優先座席とする考え方を導入するのは全国の鉄道会社で初めてという。
 阪急によると、高齢者や障害者を対象にした優先座席制度は1975年から始めた。現在、座席上の壁にステッカーを張るなどして1両当たり6席を指定している。電車で外出する高齢者や乳幼児連れが増えるにつれて優先座席の拡大を求める声が相次ぎ、高齢化が一層進むことからも現行制度では対応できないと判断。全席優先座席という考えに基づき、4月から神戸、京都線など全線の電車で優先座席の指定を撤廃することにした。
 乗客のマナーに頼る面が大きいため指定席のなくなることに不安もあるが、「優先座席の譲り合いも浸透しつつあり、乗客の性善説に期待して踏み切った」と話している。
 これに対し、近畿圏を走るJRやほかの私鉄では優先座席の指定を撤廃する考えはない。JR西日本は「現在のシルバーシートでも譲り合いができている状態でなく、むしろ座席の指定を続け、マナー向上に努めたい」という。(朝日新聞)
■電車にはねられ死亡 京田辺のJR片町線
 22日午前11時ごろ、京田辺市興戸八木屋のJR片町線で、線路を横断中の同市薪岸ノ下、田中富子さん(63)が宝塚発同志社前行き快速電車にはねられ、全身を強く打って死亡した。田辺署によると現場は京田辺駅から南へ約500b。田中さんは自転車をかついで東から西へ渡ろうとしてはねられたらしい。この事故で、快速電車は現場に25分間停車し、上下計4本のダイヤが乱れた。(京都新聞 夕刊)
23日■JR二条駅の文化施設 松竹グループ撤退
 京都市の第三セクター「京都二条開発会社」(伊吹邦彦社長)は22日、中京区のJR二条駅西側に建設を計画しているアミユーズメントパーク「二条文化施設」事業から、同社に出資している松竹グループが撤退すると発表した。
 撤退するのは、松竹のほか松竹マルチプレツクスシアターズ、松竹京都映画、三井物産のグループ4社。保有する株式(出資額計2億3790円)は市に無償譲渡されるほか、4社から開発会社に2億円の解決金が支払われる。
 今月12日に松竹の大谷信義社長が市を訪れ、不況と経営体力の面から、事業への参加が不可能になったことを伝えた。これを受け、同社は20日に緊急取締役会議を開き、松竹グループの撤退を正式承認。グループ出身の取締役5人も22日付で退任した。
 二条文化施設は、1フロアに大小12のスクリーンを備えた映画館など最新の映像施設が入る複合型商業施設で、総事業費は約105億円、2000年度の完成を目指していた。
 京都二条開発の伊吹社長は「説得を続けたが、翻意してもらえなかった。『情報による文化の継承と創出』という施設のコンセプトは変わらないので、今後、別のパートナーを探すなどして新たな事業展開を考えたい」としている。松竹の山縣則満取締役は「社の発祥の地・京都で、市民らの期待にこたえられず申し訳ない」と話している。(京都新聞)
■京のテーマパーク 松竹グループ撤退 事業は継続
 京都市は22日、第三セクター方式でJR二条駅前(中京区)に計画している複合型映画館中心の文化施設「京都二条文化施設」(仮称)から、松竹グループ三社と三井物産が撤退することを明らかにした。松竹は昨年末、神奈川県鎌倉市の映画のテーマパーク「鎌倉シネマワールド」からも撤退している。
 計画では、JR二条駅南西の貨物ヤード跡地に、地上7階地下2階のビルを建て、大小12のスクリーンを持つ複合型映画館のほか、室内型テーマパークなどが入る予定だった。事業主体の第三セクター「京都二条開発」(伊吹邦彦社長)は1995年に設立された。
 当初は97年度中に着工、2000年間業の予定だったが、不況で計画が足踏みしていた。
 撤退の条件として、松竹など4社が保有株式を京都市に無償譲渡し、京都二条開発に2億円の解決金を支払うことで合意した。京都二条開発は「できるだけ現在の計画を生かしたまま、別のパートナーを探して事業を継続したい」としている。(朝日新聞)
■銀幕の都 再興に暗幕 「二条文化施設」松竹など撤退 リストラ策もろに 市側 白紙で相手探し
 「日本映画発祥の地・京都」の新しいシンボルとして、JR二条駅前に計画されている「京都二条文化施設」(仮称)が暗礁に乗り上げた。事業主体の第三セクター「京都二条開発」設立から4年。着工のめども立たぬまま、複合型映画館などの中核施設を担うはずの松竹グループと三井物産が22日に撤退することが決まった。京都市側は「文化観光拠占のコンセプトはできる限り変えない」と事業継続を目指すが、新たなパートナー探しなど白紙からの再スタートを迫られることになった。
 「松竹は京都にゆかりの深い会社。厳しい不況下でも事業は継続してもらえるものと信じていたのだが…」。京都市役所での記者会見で、京都二条開発の伊吹邦彦社長は無念さをにじませた。
 松竹側が撤退を申し入れたのは今月12日。大谷信義社長が市役所を訪れ、応対した増田優一副市長らに「企業の体力が足りず、事業継続は無理」と、撤退を切り出した。京都市側は再考を訴えたが、松竹側の態度は変わらず、10日間かけて撤退の条件を話し合った。
 施設の計画が発表されたのは1996年12月。複合型映画館や、最新型のマルチメディアを駆使した映像テーマパークを中心にした文化施設を97年度中に着工の予定で、すでに設計も終わっていた。しかし長引く景気低迷から、97年末に松竹側から「年度内着工の方針を一時凍結したい」と申し入れがあり、計画が中断していた。
 昨年1月には、複合型映画館の全国展開に積極的だった奥山融・前社長が解任された。松竹は、昨年12月には神奈川県鎌倉市に開設していた映画のテーマパーク「鎌倉シネマワールド」を閉鎖するなど、レジヤー部門のリストラを進めている。松竹の山廉則満取締役(関連事業担当)は「経済状況の悪化を考えると、新たな資本投下はどうしてもできなかった」と話した。
 京都市側は、あくまで映画を中心にした施設という構想を捨てていない。というのも、外資系の興業会社が、全国で競って複合型映画館を展開しているからだ。京都市近郊でも、96年に大津市にハリウッドメジャー系の「UCI」が7スクリーンの複合型映画館をオープン。米国系の「ワーナー・マイカル」や「AMC」などの進出も続いている。
 とはいえ、京都市としては日本の映画会社にこだわる気持ちが強い。「上映する映画がすべてハリウッド映画では、日本映画発祥の地である京都にふさわしい施設にならない」と伊吹社長はいう。当面は国内の会社にしぼって相手先を探すことになりそうだ。松竹側からの2億円の解決金は、これまでの未処理損失金にあてるという。(朝日新聞)
■地下鉄沿線 厳しい5つの再開発
 京都市と松竹が共同で進めていたJR二条駅周辺の再開発計画の核となる「文化施設」は、松竹の撤退で事業そのものに暗い影を落とした。地下鉄東西線沿線で京都市が手がけてきた同施設などの5つの再開発事業は、予想通りの利用者がなかったり、計画の見直しが進むなどいずれも厳しい状況に置かれている。
 二条駅周辺の「文化施設」と同じように核となる施設の着工に至っていないのは三条京阪の再開発事業。昨年10月に事業は認可され、2001年度末までに約28億円をかけて商業施設などを完成させる計画だが、周辺の用地買収が済んでいないなど、計画通りの完成は難しい状況だ。
 京都市役所前の地下街「ゼスト御地」は当初、1日平均約5万人の利用者を見込んでいたが、昨年の実績で1日平均3万人弱と予想を大幅に下回っている。休日にイベントを催すなどして利用者増に力を入れているが、不況の逆風もあって難航。一昨年秋に開業した醍醐の「パセオ・ダイゴロー(西館)」は、商業施設全体で年間約55億円の売上高を予想していたが、昨年実績ではその7割程度にとどまっている。この春にオープンする予定だった東館の建設も、規模や建設費用の見直し作業が続いている。
 このほか、昨秋開業した百貨店やホテル、専門店街などからなる「ラクト山科」は、善戦しているもののまだ未知数だ。
 地下鉄東西線そのものの利用客も開業前に市が想定した1日15万6000人を下回る約11万人台にとどまっている。沿線開発の成功が利用客増のかぎを握るだけに、苦しい経営を強いられそうだ。(朝日新聞)
25日■新快速にひかれ死亡 西宮のJR線で男性
 24日午後7時15分ごろ、西宮市郷免町のJR東海道線の線路上に男性がいるのを、草津発姫路行き新快速電車の運転士が発見、急ブレーキをかけたが、間に合わず男性は即死した。乗客約800人にけがはなかった。
 西宮署の調べによると、亡くなったのは同市内に住む無職男性(70)。現場は西ノ宮駅と芦屋駅の間で、男性は近くの踏切から線路に立ち入ったとみられる。
 同電車は現場に30分間停車。上下線計27本が30分−2分遅れ、2本が部分運休、計約1万3000人に影響が出た。(京都新聞)
■京阪淀駅 駅前整備で沿線住民反発 駅舎移転と高架化計画 市と3連合自治会は推進 白紙撤回求め要望書
 立ち退き対象住民 合意形成が課題 新年度着工目指すが…
 京都競馬場への最寄り駅である京阪本線淀駅(伏見区淀)の周辺整備計画が、地元住民の間で波紋を広げている。地元の3連合自治会の要望を受けて京都市などが計画、駅を高架にし、駅前広場を整備するという事業だ。市では新年度中の着工を目指しているが、沿線住民や立ち退きの対象となる住民たちは「この計画では交通渋滞などの問題解決につながらないうえ、沿線住民の意見を無視して計画が進められている」と反発している。(社会部 目黒重幸)
 この事業は市と京阪電鉄、日本中央競馬会の3者が計画、1996年に発表した。現駅舎を北東(京都側)に移動、駅を挟んで約1.5`区間を高架にし、新駅の西側に約3000平方bの駅前広場を新設する。
 地元の各町自治会をまとめる淀、納所、淀南の3連合自治会が78年から市に整備を求めていた。
 市では今後、市・府の都市計画決定を経て、今年秋にも着工し、2005年度には完成させたいという。総事業費は計画当初は230億円が見込まれていたが、市立体交差課は「これから詳細に点検するが、事業費は当初見込みより増えるだろう」という。
 市によると、整備のメリットとして▽高架化で3つの踏切がなくなり、踏切事故や慢性化している交通渋滞の解消につながる▽駅と同競馬場が直接結ばれるため、競馬開催日には駅周辺の混雑が解消する▽駅前広場にバス乗降揚やタクシー乗り場ができ、交通が便利になる−などをあげている。
 同駅の1日の乗降客は、通常約1万5000人だが、競馬開催日は約17万8000人にふくれ上がる。地元自治会や商店街など39団体でつくる「淀駅高架等常任対策委員会」の長谷川邦光委員長は「あまりに人が多くて、子どもやお年寄りが電車に乗れないこともある」と改善の必要性を指摘する。
 日本中央競馬会大阪広報室も「自動車で来る人もいて、地域のみなさんにも迷惑をかけている。駅から直接入場できるようになれば、お客さんも便利になるし、交通の混乱も少なくなる」と事業に加わった経緯を説明する。
 地元の要望を受けての事業だが、すべての住民が計画を歓迎している訳ではない。
 特に新駅舎の西側に隣接することになる若葉町自治会(不破弘会長、45世帯)は、「計画は新聞発表で初めて知った。市や連合白治会は、最も影響のある沿線住民を無視する形で事業を進めている」と反発。日照時間の減少や騒音、振動など住環境の悪化、高架化による渋滞緩和のメリットへの疑問などを理由に、計画の白紙撤回を求めている。
 昨年10月、市は若葉町自治会だけを対象に説明会岸開いた。会場では、「交通渋滞の原因は3つの踏切ではなく、6本の道路が交差している納所交差点に原因がある」「沿線住民に事前に何の説明もなかった」という反対意見が続出した。
 市側は「淀全体の発展を考えれば、高架化は必要。理解を得ながら事業を進めたい」と話したが、両者の主張は平行線のままだった。
 駅前広場の整備では十数軒の移転が必要という。立ち退きの対象となる同区淀本町の病院職員福富恒さん(56)は昨年11月、市に計画の白紙撤回を求める要望書を、376人の署名をそえて提出している。
 白紙撤回を求める地元件民と、計画を推進する市や3連合自治会。どのように合意をしていくのか、注目される。(京都新聞)
■電鉄常務宅で車炎上 空港反対ゲリラか 千葉
 25日午前4時20分ごろ、千葉県柏市東台本町、京成電鉄常務中島明雄さん(57)方の車庫に止めてあった乗用車付近から出火、乗用車と車庫の屋根の一部を焼いた。出火当時、中島さんと家族が家にいたが、けが人はなかった。
 柏署が調べたところ、焼け跡から時限発火装置の一部とみられる乾電池やリード線などが見つかった。
 中島さんは、成田空港内などを結ぶため建設中の芝山鉄道の非常勤役員も兼務しており、同署は成田空港に反対する過激派によるゲリラ事件とみて調べている。(京都新聞 夕刊)
■ポイント故障 1万人に影響 地下鉄御堂筋線
 25日午前6時半ごろ、大阪府堺市新金岡町一丁の大阪市営地下鉄御堂筋線の新金岡駅構内で、検車場と本線をつなぐポイントが故障し、なかもず発千里中央行き(10両編成)となる電車が動かなくなった。すぐに駅員が手動でポイントを作動させたが、上下線計14本が最大10分遅れ、約1万人の乗客に影響がでた。大阪市交通局で故障の原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)
26日■信号トラブルで電車4本が運休 JR藤森駅
 25日午後2時5分ごろ、京都市伏見区深草大亀谷大山町、JR奈良線藤森駅構内で、出発信号が赤色のまま変わらなくなった。係員が点検したところ、同駅から約1.4`奈良寄りの線路の継ぎ目に、鉄片(縦6a、横1.5a、厚さ0.1a)が乗っており、係員が鉄片を取り除き、17分後に復旧した。
 このトラブルで、同駅を通過しようとした天理行き団体臨時列車(9両編成)が、同駅で17分間停車したほか、後続の快速電車など上下線合わせて4本が運休。上下線合わせて計9本が最高で約20分遅れ、約3000人に影響が出た。
 JR西日本によると、線路の継ぎ目には絶縁物が挟んであるが、鉄片が線路を流れる電流の伝導物となり、信号を赤に変えたのではないか、とみて調べている。鉄片はブレーキ部品の一部に似ている、という。(京都新聞)
■線路に降りた男性 はねられて即死 阪急・西向日駅
 25日午後11時15分ごろ、向日市上植野町南開の阪急西向日駅線路内で、京都市中京区西ノ京南原町、会社員高井浩さん(44)が梅田行き急行電車にはねられ、即死した。
 向日町署によると、高井さんは梅田方面行き線路内から高さ約1.4bのプラットホームに上がろうとしたところで、気が付いた運転士が非常停止しようとしたが間に合わなかったという。乗客にけがはなかった。急行電車は現場に14分間停車したが、後続ダイヤに影響はなかった。
 同署では高井さんがなぜ線路に降りていたのか−など、事故原因について調べている。(京都新聞 夕刊)
■JR線路に自転車 大住駅近くの踏切
 25日午後10時35分ごろ、京田辺市大住丸山、JR片町線の仙代踏切で、同志社前発新三田行き普通電車が線路上に立てて置かれていた自転車をはね、約50b通過して停車した。約30人の乗客にけがはなかった。
 電車は現場に17分間停車。快速電車上下各1本が同志社前−松井山手間で部分運休し、約100人の足が乱れた。
 田辺署は、列車往来危険の疑いで調べている。現場は大住駅から東へ約10bの踏切。(京都新聞 夕刊)
■山陽新幹線 停電が4回 新大阪−新神戸間
 26日午前7時40分ごろ、兵庫県西宮市の山陽新幹線新大阪−新神戸間の六甲トンネル内で、広島発東京行き上り「のぞみ4号」(16両編成、乗客約300人)が突然ストップした。同区間の上下線の架線が停電したためで、約3分後に復旧、新大阪駅に4分遅れて到着した。
 続いて、7時50分ごろから約30分間にわたって同じ区間で、断続的に計3回の停電が発生。新大阪発博多行き下り「のぞみ505号」(16両編成、乗客約450人)が新神戸駅に停車したまま8分間動けなくなったほか、新大阪発広島行き下り「ひかり355号」(16両編成)も車両の電気系統の故障を起こし、点検のため姫路駅に42分間足止めされた。乗客約500人は後続の列車に乗り換えた。(朝日新聞 夕刊)
■鉄橋 恐怖の保線作業 同僚殴り倒し、そこへ列車 JR 工事会社を厳重注意 京の東海道線桂川
 JR東海道線の桂川橋梁(京都市南区、長さ364.24b)上で、先月22日未明、保線作業中だった下請け会社の作業員が同僚を殴って重傷を負わせる事件があったことが25日、JR西日本の調べなどでわかった。橋上は大混乱となり、殴られて橋上で動けなくなった同僚の眼前を列車が猛スピードで通過していたことも判明。同社は列車の安全を図る立場の保線作業員が大惨事につながりかねない事件を起こしたことに衝撃を受け、厳重注意、九条署も傷害事件として捜査を始めた。
 JR西日本京都支社などによると、事件は午前4時40分ごろ、複々線となっている橋梁の東詰めから約100b地点の下り外側線で発生。保線作業中だったJR西日本グループの工事会社(大阪市)の下請け会社(大阪府高槻市)の作業員約10人が列車接近合図で線路わきの橋側歩道(幅1.35b)に待避したが、作業員の1人(31)が突然、同僚(21)の顔を殴りつけたうえ、さらに他の同僚にも殴りかかろうとした。
 同僚数人が男を橋側歩道の手すり(高さ約1b)に押さえつけた瞬間、すぐ横の外側線を宮城野(仙台市)発大阪ターミナル行き普通貨物列車が時速約100`で通過。殴られて座り込んだ作業員の1bも離れていないところだったという。
 作業員はあごの骨を折る重傷で、約2週間入院した後、九条署に届けたといい、「先頭車両が鉄橋に差しかかった時に、いきなり殴られた。貨物列車がすごい音を立てて通過した。ほんの少し体が前に傾いていたら、はねられていたところだった」と話している。
 JR西日本の「触車事故防止要領」では、保線作業員は列車接近の際、速やかに退避して体を列車の方に向けて片手を水平に上げ、運転士に安全を合図。通過するまでそのまま安全を確保しなければならない−とされているが、この時はまったく、その措置ができなかったという。
 京都支社の調査では、加害作業員は「直前に同僚と口論し、腹いせに殴った」と話しているというが、被害作業員らは「口論はなかった」とし、殴打の原因は明確ではない。ただ、状況から複数の作業員が列車にはねられ、大惨事となっていた恐れもあったとして元請けに「作業員に安全教育を徹底するように」と厳重注意。これを受けて下請け会社には工事会社が指導した。
 浦田英幸・JR西日本京都支社施設課長の話「死亡事故になった恐れもある。絶対にあってはならない事態だ」(読売新聞)
■視点・直言 大雪と鉄道 教訓生かし雪害最小限に
 今月7日夜から3日間降り続いた大雪で、北近畿タンゴ鉄道(KTR)は、網野−豊岡間が丸1日も不通となるなどダイヤが大きく乱れた。雪に弱い都会ならいざ知らず、積雪地帯で備えはあったはずなのに、なぜなのか。
 KTRの白谷光利総務部長(62)は「責められても当然ですが、総動員の人海戦術で精いっぱいの対応をしたつもりです。『天災』と思っていただくしか……」と話す。自身も二晩徹夜して久美浜駅周辺の除雪作業を行ったのだという。
 当時の状況を振り返ってみると−。
 8日昼、峰山町内の踏切で乗用車が雪でスリップして列車に衝突、混乱が始まった。9日昼前には、久美浜駅近くで列車が圧雪に乗り上げ停車。1時間半後に復旧したが、この間にも雪が降り積もりラッセル車が出動する事態に。
 ところが、ラッセル車は倒木のために立ち往生。そうこうするうちに久美浜−豊岡間の河梨峠の積雪が1bにもなり、除雪スピードが落ちた。翌朝もあちこちに倒木があって、ラッセル車を阻んだ。
 倒木が多かったのは、雪質が水分をたっぷり含んで重かったのが原因。それが冷え込みで木に凍りつき、解けないうちに新雪がついて重みを増し、倒木を引き起こした。
 さらに、混乱に拍車をかけたのがポイント部分の電熱融雪装置の不調。60aを超える積雪に太刀打ちできず、KTRでは保線員だけでなく事務職員や幹部まで動員し、手作業でポイント部分に詰まった雪を取り除いた。
 有効な雪害対策はとれないのだろうか。白谷部長は「大きな投資はできないので、一人一人の鉄道マン魂で支えている状況です」と話す。
 より効果的な融雪装置を導入するには十数億円が必要。年間売り上げ15億円、赤字が昨年度で6億円の現状では、それは望むべくもないという。倒木にしても、毎年10月、沿線の木を森林組合などに委託してチェック、倒れそうな木は伐採している。だが、今回は個人所有の山から滑り落ちたケースが目立ち、伐採が過ぎると土砂崩れや雪崩の危険があるため、「抜本的な解決は不可能」という。
 〈第三セクターの悲哀〉は分からないではない。けれど、住民の足であり、丹後観光の担い手である〈使命〉を考えれば、嘆いてばかりいるわけにもいかないだろう。
 今回の出来事から教訓を引き出し、雪害を最小限に食い止める方策を立てることが大切だ。春はまだ遠く、
大雪はもうないとは言い切れないのだから。(中井 将一郎)(読売新聞)
■JR信号機故障 奈良線、3000人影響
 25日午後2時5分ごろ、京都市伏見区深草大亀谷のJR奈良線藤森駅で場内信号機が赤のまま変わらず、通過予定だった福山発天理行き団体臨時列車(9両)が同駅に臨時停車した。JR西日本社員が点検したところ、一つ奈良寄りの桃山駅構内で、レールの絶縁部分の上に鉄片(縦6a、横1.5a、厚さ2_)が落ちて通電状態になっており、これを取り除いて約15分後に複旧した。
 同列車が17分遅れたほか、上下計4本が運休、9本が21−6分遅れ、約3000人に影響した。JR西日本京都支社は、車輪かレールが欠けて、鉄片が落ちたのではないかとみている。(読売新聞)
27日■新幹線の断続停電 トンネル内壁シート原因か
 山陽新幹線の新大阪−新神戸間で26日午前、上下線の架線が計4回断続的に停電、上下計50本以上の列車が最大56分遅れたトラブルで、JR西日本は同日夕、六甲トンネル(兵庫県西宮市)の内壁を修復するためにはった炭素繊維シートの一部がトンネル内ではがれ落ちているのを見つけ、約15分間、修理のために同区間の架線の送電をストップさせた。この停電で、上下計5本が18−8分遅れた。
 同社によると、六甲トンネルは1995年1月の阪神大震災で内壁にひび割れが入るなどの被害を受け、同年3月、炭素繊維シートをはるなどの補修工事をしていた。同社はこのシートがはがれ架線に接触、停電に至った可能性もあるとみている。山陽新幹線では、これまでにも、トンネル内壁の炭素繊維シートがはがれ落ちたことが原因で停電したトラブルが計2件起きているという。(朝日新聞)
■線路にいた会社員が急行にはねられ死亡 阪急西向日駅
 向日市上植野町の阪急京都線西向日駅構内で、25日午後11時15分ごろ、線路上にいた男性が、同駅を通過中の河原町発梅田行き急行電車(8両編成)にはねられ、即死した。電車は現場に12分止まったが、後続の電車への影響はなかった。
 向日町署の調べでは、男性は京都市中京区西ノ京南原町、会社員高井浩さん(44)。事故直前、ホームに上がろうとしているのを運転士が見ており、何らかの事情でホームから転落したらしい。(朝日新聞)
28日■ニュートラム全線が不通に
 28日午前11時半ごろ、大阪市と大阪港トランスポートシステム(OTS)が運営する新交通システム「ニュートラム」(住之江公園駅−コスモスクエア駅、全長7.9`)が停電のため全線不通になり、走行中の上り4本下り3本が停止した。
 このうち住之江公園駅から約30bの所で立ち往生した車両の乗客約200人が、高さ約12bの高架部分を係員の誘導で歩いて同駅にたどり着いた。他の車両は駅の近くで停止した。
 市交通局が原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■ニュートラム全列車が停止 大阪、停電で
 28日午前11時30分ごろ、大阪市営の新交通システム・ニュートラム(中ふ頭−住之江公園間6.6`)で停電が起き、全列車が停止した。同線は第三セクターのOTS線にも乗り入れている。事故当時、上下7本の列車が走っていたが、下りの1本が住之江公園駅の手前30bで停車。乗客約200人は歩いて駅に向かった。他の列車も最寄りの駅で乗客を降ろした。大阪市交通局で原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)
29日■注意怠ったと運転士に有罪 山梨のJR衝突で判決
 山梨県のJR中央線大月駅構内で1997年、回送電車が下り特急電車に衝突し、乗客62人が重軽傷を負った事故で、業務上過失傷害罪などに問われた回送電車の運転士善家敦志被告(25)=休職中=に対し、甲府地裁は28日、禁固2年、執行猶予4年(求刑禁固2年)の判決を言い渡した。沼里豊滋裁判長は判決理由で「事故は運転士として最も基本的な注意義務を怠った結果で、安全であるべき公共交通機関への信頼を失墜させた責任は重い」と述べた。(京都新聞)
■警視庁・地下鉄サリン事件被害者調査 今なお残る心身の傷 1247人回答 半数以上、後遺症訴え
 1995年3月のオウム真理教による地下鉄サリン事件の被害者を対象にした警察庁の実態調査(昨年8月)で、サリン中毒が原因とみられる身体上の障害・不調や、異常体験をした後に起きる心的外傷後ストレス障害(PTSD)とみられる精神的後遺症を訴える人がそれぞれ、回答者1247人の半数以上もいることが、28日分かった。同事件の被害者に対する国の調査は初めて。精神面の影響はPTSD以外の症状も含めると70%を超す。事件から約3年半(調査時点)経過しても、多くが身体、精神両面で深い傷を抱える深刻な状況が浮き彫りになった。同庁は犯罪被害者給付金の支給対象拡大や心理カウンセリング体制の整備を進めており、今後、医療機関との連携強化を図っていく。
 調査対豪は警察に被害届を出した約5300人。協力が得られ、本人記入の調査票が8月末までに回収できた11歳から77歳までの、男性709人、女性528人、性別不明10人分を科学警察研究所の専門家が分析した。
 身体の障害・不調と精神的後遺症について、複数回答で該当項目を選んでもらった結果、身体面では54.0%が、精神面では56.7%が何らかの異常を訴えた。アルコール類や睡眠薬の使用などを含めると精神的な影響は72.4%に達した。
 具体的症状をみると、身体面は、事件直後に5人に4人が視野狭さくを経験。調査時点でも「目が疲れやすい」(33.5%)、「視力の低下」(26.3%)など目への影響が最多。「頭痛」(9.6%)、「心臓」(7.5%)障害も多く、体のしびれやけん怠感を訴える人も。
 精神面では「同じ被害に遭うのが心配」(18.4%)、「突然に事件の光景がよみがえる」(17.5%)、「いやな夢を見る」(7.4%)など典型的なPTSD的症状のほか「地下鉄に乗るのが怖い」(13.9%)など日常生活にも深刻な影響が出ている。事件当時勤めていた職場を辞めた人も目立った。
 治療費などの自己負担は、労災、健康保険の使用により「1万円以下」が半数以上で、最高額は75万円。入院は3分の1程度で多くは1、2泊だったが「半年以上」の人も3人いた。
 地下鉄サリン被害では、これまでにも治療に当たった病院などが実施した調査はあったが、今回のように1000人以上から回答を得たケースはなかった。
 警察庁は今回の調査の回答率が25%以下だったことについて「事件を思い出すことが苦痛で協力できなかった人もいるのでは」としている。
・「出産が不安」「惨事、夢に」 苦しむ被害者
 警察庁がまとめた地下鉄サリン事件の被害実態調査報告書の中には、空前の犯罪に思い掛けず巻き込まれた被害者たちの、苦渋に満ちた叫び声があふれている。心と体の傷は、あの日から4年近くすぎた今もふさがれず、多くの人を苦しめ続ける。被害者の重い訴えは、十分な救済策を示せない国にも向かっている。
◇後遺症
 「外科、眼科、精神科…。何度か診療してもらったが、今でも原因不明の激痛に悩まされている」「わたしは(身体的)被害は目の痛みだけだったが、精神的痛みが残っている」「被害に遭うまで医師にほとんどかかったことがなかったが、事件からは体も疲れやすく毎月のように病院に行くようになった」。事件から3年以上、後遺症などにさいなまれる人が多い。
◇長期的影響
 サリンによる体への長期的影響を心配する声が目立ち、特に出産への女性の不安は深刻だ。「まだ結婚していませんが、子供が元気に生まれてくるか心配です」「将来、子供を産んだときに何か影響があるのか、もっと情報がほしい。なぜ、そういう情報がないのですか」「わたしが一番求めているのは処罰でも金銭的償いでもなく、ただ、サリンの後遺症に詳しい医療機関です」「無料で事故後の後遺症について診断してほしい」
◇再体験
 惨状は心の奥に刻み込まれている。「乗客の苦しみ、もだえ、息を引き取っていく姿は、きのうのことのように鮮明に脳裏に残っている。一生忘れることはできない」「口から泡を吹き倒れている人、体全体で大きく息をしている人、まだあの光景が目に浮かぶ」「サリンという言葉を目にするだけで、その日の夜は必ず夢を見てしまいます」
◇オウムへ
 「あのオウム真理教団がいまだに活動していることに憤りを感じる。今傍らにいたら、殴り倒したいくらいだ」「友人を今回の事件で亡くした。とても許すことができない。今またオウムが利益を上げて拡大していると聞くが、何とかならないでしょうか」「復活しているオウムの現財産の返済は考えられないのか」。オウム真理教への怒りと不安がにじむ。
◇複雑な思い
 調査に協力しなかったある被害者は「もう、あの事件を思い出したくないし、自分の生活があり、あのことで振り回されたくない。もし体に不調があっても、サリンのせいにはしたくない、思いたくない、早く忘れたい、前向きに生きたいと思うからです」と、複雑な思いを寄せてきた。(京都新聞)
■通勤電車はプレハブ工法 JR西日本 コスト削減へ 4月から投入
 JR西日本によると、これまでは全体の外組みを先につくったうえで、電気の配線や内装作業をしていた。不況の影響で新車両もコスト削減が迫られているはか、将来的には社員の減少も見込まれることから、より簡単で費用のかからない車両の製造・保守方法を研究しできた。
 見直しは、住宅メーカーのプレハブ建築の工法をヒントにした。先頭車両の場合、運転台のある先頭部と客席の胴体部、後続車と連結するドアの付いた後部と、1両を大まかに3分割。各部を並行作業で完成させてから組み合わせる。
 内装も、骨組みにアルミ板を壁紙のようにはりつける工法から、骨組みを省いて強度のあるアルミのパネル坂をはめ込むだけにして作業を効率化する。床下のモーターや電気機器類は小型軽量化して集約し、電気コード類の接続を減らす。車体構造も工夫して窓枠や雨どいをなくし、材料費を節約する。
 こうした見直しで、通常6ヵ月ほどかかっていた1両当たりの工期を5%程度短縮。製造費も10−15%カットでき、大量生産が軌道に乗ればさらに節減が見込めるという。
 新車両は設計図などをつくったうえで、複数の専門メーカーに発注する。まず、次期近郊型車両として製造中の「223系」に採用。約1年間で計約200両を量産し、1999年度から東海道・山陽線の新快速電車に投入して旧型車と順次入れ替える。近郊型の標準仕様にするという。
 JR西日本の管内では、約3200両の通勤電車が走っている。うち7割近い約2100両は旧国鉄時代に投入された。車両の寿命は20−25年とされるが、厳しい経営状況から同社は全車両の世代交代をあきらめ、一部車両に内外装の改造を施して寿命を最大2倍に延ばして走らせている。
 JR西日本車両部は「製造方法が簡便になっても、安全性に変わりはない。新車両を量産することはサービス向上にもつながる。将来は、ドライバーとスパナだけでつくれる方法を目指したい」と話している。(朝日新聞)
■夢で終わる?ロシア超特急 経済危機で資金行き詰まる 新駅工事ストップ、社債償還もできず
 モスクワ−サンクトペテルブルク間を最高時速300`で走るロシア版「夢の超特急」計画が、国の経済危機のために脱線しかけている。サンクト側の新駅工事は昨夏、現場に巨大な穴を残したままストップ。政府が株の9割を保有する国策会社「高速鉄道」は社債の償還ができなくなり、今月初め、債権者から破産手続きを求める訴えが出された。(サンクトペテルブルク=六分一真史)
 ロシアの2大都市間に超特急を走らせる計画は1970年代からあった。実現に向けて動き出したのは、ソ連解体後の91年。「高速鉄道」社が設立されてからだ。
 在来線にほぼ並行する形で専用の軌道を敷き、現在は最も速い列車で6時間かかる約650`の道のりを、2時間半で結ぶ計画。
 用地はすべて国有地で、国が同社の株を引き取る形で払い下げられた。ほとんど平地のため、軌道の敷設コストも安くなる。超特急「ソコル(タカ)」の開発は、日本を含む外国からのノウハウや部品購入を20%以下に抑え、残りは自前で行う。同社は、ターミナル駅の建設を除く総経費を約58億j(約6600億円)とはじく。
 ところが、昨年8月の金融危機で投資が遠のき、高速鉄道社は資金繰りに行き詰まった。まずサンクトペテルブルク駅を中核とする複合施設の建設工事が中断。請負業者の一部は、同社から代金を受け取っていないという。
 続いて9月、高速鉄道社は満期を迎えた社債3億ルーブル(現在レートで約15億円)の償還ができなかった。債権者のうち、地元サンクトの保険会社「ルーシ」は1月になって、高速鉄道社の破産を裁判所に申し立てた。高速鉄道社のトゥラエフ社長は「社債には大蔵省の保証がついている。昨年は金融危機で政府に資金がなかったが、ことしの予算で返済されるはずだ」と主張する。
 一方、ルーシ社幹部のダビドフ氏は「大蔵省の保証は不明確で信用できない。裁判で責任の所在をはっきりさせたい」と話す。
 ルーシ社の債権額は約180万円分にすぎず、鉄道側は「訴訟は売名行為」と反発する。だが、償還は4ヵ月以上も遅れ、大蔵省スポークスマンは保証について「ことしの予算が決まるまでは答えられない」という。債権者が政府への不信を募らせるのも無理はない。高速鉄道社は、今秋と来年春にも新たな社債の償還時期を迎える。
 自然の豊かな湿地を通るために反対運動が起きている軌道の敷設もまだ手つかず。社債の返済が滞ったことで、新たな投資呼び込みも難しくなった。「『ソコル』は完成しても、新しい軌道での超特急計画は夢のまま終わるかもしれない」という悲観論も出ている。(朝日新聞)
■ニュートラム立ち往生 停電で全線停止 乗客ら7000人に影響 大阪
 28日午前11時半ごろ、大阪市住之江区の市営交通「ニュートラム」の住之江公園−平林駅間で送電が止まり、乗客約120人が乗った住之江公園行きの1列車(4両編成)が同駅手前130bで立ち往生。乗客は約20分後、職員の誘導で高さ12bの高架の軌道を同駅まで歩いた。
 送電線のショートが原因で、午後3時5分に複旧したが、ニュートラム全線(6.6`)と相互乗り入れしている「南港・港区連絡線(OTS線)」の中ふ頭−コスモスクエア駅間(1.3`)で上下61本が運休、7000人に影響した。
 大阪市交通局によると、ニュートラムは軌道横のコンクリート壁の内側に送電線と、列車を誘導する案内レールが走っている。平林駅の東450b付近で、送電線のつなぎ目の補助ケーブルが垂れ下がり、案内レールの固定金具と接触してショートしたらしい。(読売新聞)
■地下鉄サリン被害調査 残る不安 消えぬ後遺症 原因不明の激痛今も 事件から4年近く 周囲の無理解嘆く
 4年近くたった今もなお、未曾有のテロ犯罪の後遺症に多くの人が悩まされている−。28日、警察庁が公表した地下鉄サリン事件の被害実態に関する報告書は、後遺症への不安や周囲の無理解に悩む被害者の実態を浮き彫りにした。
 丸ノ内線で被害に遭い、最も重い障害が残った首都圏に住む元店員の女性(35)は、今も寝たきりの入院生活を送る。兄(39)の献身的な看病で言葉を発するまでに回複したが、全身まひはそのまま。辛うじて動く右手で、紙を破いたり、お手玉を握るなどのリハビリに取り組んでいるが、最近は視力も衰え、明暗くらいしか分からない。
 昨年10月、自宅近くの病院に転院してからは、70歳の父が食事の世話に毎日通う。兄は「妹は目が見えないので、父の声を聞きたいようだが、父は事件後にのどの手術をして声が出せない」と、つらそうだ。
 兄は「この先どうやって面倒をみていくのかを考えると不安になる」と漏らす。
 今回の調査結果では被害者のさまざまな声も紹介されている。
 「子供が産めるか心配です」。調査に協力した女性(528人)の44%は20歳代。それだけに出産への影響を気にかける声が目立った。「今も原因不明の激痛に悩まされる」「突然、くしゃみや鼻水が続く」など体の変調についての記述も多く、「求めているのはオウム関係者の処罰や金銭的な償いでなく、サリンの後遺症に詳しい医療機関」との意見もあった。
 一方、事件の記憶は今も被害者をさいなんでいる。「電車に乗ると足元、網棚に不審物がないか見てしまう。口から泡を吹いて倒れている人、体全体で大きく息をしている人、あの光景が目に浮かぶ」
 後遺症についても「周囲や職場内での理解不足を感じる」と、社会の無理解を嘆く人が少なくない。
 「調査結果を見て、被害の深刻さ、長期的な影響の大きさを感じずにはいられない」。サリン被害者の心のケアに取り組んできた「九段中野クリニック」(東京都千代田区)の中野幹三院長はそう語る。今も20人の被害者を治療。全員が「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」の患者だ。
 これまで診察した50人以上のうち、7、8割の人が回複した。しかし、2割以上の人には、事件当時の場面や恐怖が生々しくよみがえる症状や、手足の痛みや頭痛などの身体症状を伴うこともある。
 中野医師は、「周囲の無理解のために悪化してしまった人も多い。国は被害者対策を考える省庁横断的な組織をぜひ作るべきだ」と話す。
 営団職員だった夫を失った、「地下鉄サリン事件被害者の会」の世話人の高橋シズエさん(51)も「これを被害者対策のスタートにしてほしい」と訴えている。
 今回の調査結果について、オウム真理教広報部は「担当者がいないのでコメントできない」としている。(読売新聞)
■ポイント故障 阪急電車遅れ 11万人に影響
 29日午前6時45分ごろ、京都市下京区の阪急京都線河原町駅で、梅田行き普通電車が出発しようとしたところ、ポイント故障で発車できなくなった。この電車が15分遅れたほか、上下に 174本の電車が25分−5分遅れ、11万人に影響がでた。(京都新聞 夕刊)
■ポイント故障 11万人に影響 阪急河原町駅
 29日午前6時45分ごろ、京都市下京区の阪急京都線河原町駅で、河原町発梅田行き下り普通電車(7両編成、乗客約250人)が出発しようとしたところ、赤信号が変わらず発車できなくなった。ポイントが切り替わらなくなったためとわかり、手動でポイントを切り替え、同電車は16分遅れて出発した。京都線など上下計174本が25−5分遅れ、約11万人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
30日■雪で新幹線徐行
 岐阜、滋賀両県境付近での降雪のため、東海道新幹線は29日午後7時10分から岐阜羽島−京都間、午後8時55分からは名古屋−京都間で徐行運転し、同区間を通過する上下線の列車に5−6分の遅れが出た。(京都新聞)
■地下鉄東西線 延伸を承認 府都市計画審
 府都市計画地方審議会が29日あり、京都市営地下鉄東西線の延伸(醍醐−六地蔵間、2.4`)に伴う都市計画の変更など7議案を原案通り承認した。
 醍醐以南の京都市内分1.9`と宇治市内分0.5`の区間延伸のほか、石田駅と六地蔵駅の新設や、JRや京阪の六地蔵駅との連携を図るアクセス道路の整備も認めた。(朝日新聞)
■都市型ミニバス快走 名古屋など収支アップ 金沢、ドイツ車も
 乗合バスの利用客が年々減少、路線の廃止も多い中、名古屋市の繁華街を走るミニバスで1便当たりの平均延べ利用客が56人となるなど、都市部を走るミニバスは着実に利用客をとらえていることが、30日までの運輸省中部運輸局のまとめで分かった。3月には金沢市でもかわいいデザインのドイツ社製ミニバスがお目見えするという。
 名古屋では昨年5月、名古屋駅と繁華街・栄などを結ぶ循環バスの運行を市交通局が開始。当初1ヵ月の利用客は約6万5000人だったが、同12月には約9万人まで伸び、収支も黒字基調となった。
 愛知県岡崎市でも、道が狭く大型バスでは入れなかった市街地に、名古屋鉄道がミニバスを投入。1便当たりの利用客が約11人となり、収支も合うという。
 こうした動きを受け、道が狭くバス路線の空白が目立つ金沢中心街にも、3月中旬からミニバスによる循環を北陸鉄道が準備。金沢駅前のほかこれまで歩行者専用だったアーケード街にも入り込む予定で、街の活性化にも役立つのではと期待されている。(京都新聞 夕刊)
31日■焼き肉店で火事 近鉄線一時乱れ 鶴橋駅近く
 30日午後10時ごろ、大阪市天王寺区下味原町四丁目の焼き肉店「吉田」から出火、同市消防局の消防車約30台が出動し、約1時間後に消し止めた。
 現場はJR環状線鶴橋駅と近鉄鶴橋駅近くの焼き肉店や飲食店が軒を並べる繁華街。
 近鉄奈良線は下り線の運行を30分間見合わせた。
 同消防局によると、けが人はないもよう。(京都新聞)
■夫婦円満のお守り切符 近江鉄道が発売
 近江鉄道(本社・彦根市)は「平成11年2月2日」を「いい、ふうふ(夫婦)」とごろ合わせして同日から、夫婦円満を祈願した記念お守り切符を発売する。
 お守り切符は、夫婦が力を合わせて不景気を乗り切って、と企画された。同鉄道沿線の八日市市の太郎坊宮で夫婦円満祈願した約7a角のお守りと乗車券をセットにした。1個690円で1000個作った。
 同鉄道の駅と旅行センターで発売するほか、通信販売も受け付けている。問い合わせは彦根市安浦町の近江鉄道運輸課 0749(22)3303へ。(京都新聞)
■読書 新幹線がなかったら 山之内 秀一郎著 旧国鉄の栄光と地獄を回顧
 JR東日本の会長が自らの体験にもとづいて書いた、興味深い鉄道論である。
 著者が東大工学部を出て国鉄に入社したのは、1956年。東海道新幹線の計画が正式にスタートした年である。ようやく戦後復興をとげた日本が、高度経済成長に向かう時代、その希望を象徴するプロジェクトが新幹線の建設だった。著者は、運転局列車課補佐という新型車両の試運転や性能試験を行うポストにあって、若くして世界に冠たる新幹線プロジェクトの誇らしい成功に立ち合う。
 わずか10年後、累積赤字と組織の硬直化、険悪な労使関係で、国鉄の経営は地に落ちた。そして、分割民営化。
 「私は鉄道生活40余年の間に栄光と地獄を経験した」と、著者は記している。
 28歳で、ディーゼル特急用に新設された車両基地に赴任したときの体験談が面白い。各部門のセクショナリズムや、処分撤回を激しく迫る労組員たちに手を焼くキャリア組の若い区長(著者)。ところが、労使双方に顔の利くボスがいて、裏で組合と話をつけたり、各部門の対立を巧みに収めてしまう。そのボスも含め、みんな仕事への愛着をもっていた、当時の現場の雰囲気が伝わってくる。
 数々のエピソードを、淡々と回顧する控えめな口調が、ある率直さを感じさせる。著者の、鉄道への並々ならぬ愛着がなせる業だろう。
 と同時に、著者はなかなかの理論派でもある。フランスのTGVなど欧州の高速鉄道と新幹線を比較しつつ、地理的条件や歴史的経緯、社会経済構造の違いを無視してスピードだけで技術の優劣を語れないことを、理路整然と論じている。島秀雄の「新幹線はこれから未知の領域に入る」という言葉を引いて、何十年というタイムスケールで鉄道技術をみる必要性を説く。
 新幹線の技術革新と国鉄民営化がなければ、日本の鉄道は完全に衰亡していたろうと著者は言う。旧国鉄の「栄光と地獄」は、苦くも貴重なケーススタディーである。(東京新聞出版局・1500円)沼田寛・サイエンスライター(京都新聞)
■電車内ベビーカー解禁されたものの… 電鉄各社・「自己責任で利用を」 メーカー・「ブレーキの時、危険」 利用者・歓迎しつつ戸惑い広がる
 関西、関東の私鉄各社が、去年暮れから今年にかけて相次いで、駅構内や電車内でのベビーカーの使用を認めた。2人以上の子を連れていたり、子どもが眠ってしまったりすると、ベビーカーを畳むのは難しい。実情に沿った使用を認めてというお母さんたちの訴えが実った形だ。しかし、メーカーからは「軽量のベビーカーは転倒の恐れがある。電車内で広げないで」と新たな「待った」がかかり、戸惑いが広がっている。
 関西の私鉄各社は去年11月、「自己の責任で」とただし書きをつけ、ベビーカーを開いたままで乗車することを認めた。ベビーカー禁止が有名無実化していることを追認した格好だ。年初から解禁した東京都の営団地下鉄広報課は「管理責任ばかり問題にしてノーをいう時代ではないと判断した」。日本民営鉄道協会広報室は「自己の責任とは、子どもは母親が守るという解釈。安全運転に伴う急ブレーキなどでベビーカーが第三者にけがをさせた場合の賠償などは当事者問で、という含みもある」という。
 週に1回、1歳の子どもを連れて、大阪に出勤している奈良県生駒市のパート社員浦野祐美さん(33)は「解禁は知らなかった。これまで車内のステッカーにベビーカーを畳んで下さいと書いてあっても、できないものはできない、と無視してました」。
 子どもは30分の乗車中、眠ってしまうことが多く、起こしてまでベビーカーを畳むのは難しい。畳んで車両内を歩かせる方が、転ぶなど事故の危険性が高いように感じる。「ベビーカーが転倒して子どもがけがをしても、電鉄会社やメーカーを責めるつもりはない。実情にあった規則を考えてほしい」という。
 7年前から「大阪子連れパワーアップ情報」誌で、公共の場でのベビーカー使用を訴えてきたミス・プランニング(大阪市)の清川香織さん(35)は、「大阪は以前から駅員がベビーカー使用を黙認していたが、車内の同乗者の視線が冷たいこともあった。解禁でベビーカー利用への理解が進めばうれしいですね」という。
 8歳、4歳、1歳の男の子がいる。「上の2人の手をひいて、ベビーカーを畳んで、一番下の子を抱くなんて、とても無理。外出できなくなります」
 一方、ベビーカーメーカーは「電車内解禁」に一様に困惑している。最大手アップリカ葛西(大阪市)の前田俊彦開発部長は「チャイルドシートや車いすとは作りが違うので、電車内での使用は危険。欧米のようにベビーカーを置く専用スペースを作るなど、電鉄会社は環境整備を先行させるべきだ」と訴える。
 同社は取扱書の「禁止事項」に「電車やバスでの利用」を新たに加えることを検討中だ。
 コンビ(東京都)経営企画部も「急ブレーキでどうなるか、電鉄会社の協力でもないと予測できない。自己責任で使っているのだからメーカーは関係ない、ではすまされない可能性もあり、対応が難しい」と話す。
 もっとも以前から認めていたJR各社も、「禁止」を無視する利用客が絶えなかった関西の私鉄も、広げての使用による事故、トラブルは「聞かない」という。
 ベビーカー問題を活動の中心にしてきた千葉県の母親たちのグループ「サークル爽風」の小島幸さん(33)は「電鉄側が認めたのにメーカーが『車内での使用禁止』となれば、利用者はどうすればいいのか。戸惑いが広がるはかりだ。メーカーには安全性についての具体的な情報提供、電鉄会社には周囲の乗客への協力や理解を呼びかけてほしい」と話している。(朝日新聞)
■焼き肉店火事 近鉄一時止まる 鶴橋駅近く
 30日午後10時ごろ、大阪市天王寺区下味席町三、焼き肉店「吉田」から出火、鉄骨2階建て延べ約90平方bのうち2、3階部分約60平方bを焼き、両隣の店舗の屋眼なども焦がして約1時間後に消えた。「吉田」には客十数人がいたが、従業員の誘導で避難して無事。
 同店の南側には近鉄奈良線が走っており、高架の線路上に煙が流れ込んだため下り線が約30分間ストップし、上下10本以上に遅れが出た。
 大阪市消防局の調べでは、同店2階の座敷席で焼き肉の火が上がり、排気ダクト内に燃え移ったらしい。
 現場はJR環状線と近鉄の鶴橋駅西側の商店街。(読売新聞)
■駅弁”路線”変更 立ち売りから売店、百貨店に 1日1万食の商戦/来客見込めるイベント
 鉄道旅行で、車窓の景色を楽しみながら食べる駅弁の味は格別だ。地方の味をのせた駅斧は、故郷の味や旅の記憶を呼び起こす。しかし、ビジネスとして見た駅弁は、鉄道の高速化と地方の過疎化で業者数が減り、大きな曲がり角を迎えている。駅弁の「いま」を探った。(中川 賢)
・福知山駅
 カニ味覚ツアーの乗客らでにぎわうJR山陰線・福知山駅のホームでは、駅弁売りが、駅弁の入ったケースを肩からさげ、昔ながらの「立ち売り」をしている。「カニずしはいかがぁですか−っ」の声がよく通る。
 夏は近くの由良川でとれた天然鮎を使った鮎ずし、秋は丹波特産の栗ご飯と、ケースには、季節ごとの地元の食材を活用した駅弁が並ぶ。山陰線と、福知山線、北近畿タンゴ鉄道が交わる福知山駅は、天橋立や山陰各地への乗り換え駅でもあり、この駅の駅弁を楽しみにしている旅行者も多い。
 だが創業94年の老舗・福知山駅弁の山田竜也社長(41)の表情は
「第34回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」ベスト10(京王百貨店で)
 駅弁名税込み価格、円販売駅売上個数
いかめし470函館線・森45,914
たらば寿司1,350根室線・釧路15,656
越前かにめし1,000北陸線・福井15,543
いちご弁当1,150山田線・宮古11,958
北海手綱1,050函館線・小樽10,294
ますのすし1,100北陸線・富山9,770
いわしのほっかぶり寿司840根室線・釧路9,228
ひっぱりだこ飯980山陽線・西明石7,120
前沢牛めし1,050東北線・一ノ関6,817
10くびきの押し寿司800上越新幹線・越後湯沢6,803
曇りがちだ。「列車の窓が開かなくなり、停車時間も短くなった。駅前のコンビニでも弁当が買え、駅のホームで駅弁を買う必要性が薄れてきたんです」。最盛期の1960年代後半には7、8人いた立ち売りも、いまは2人に減った。売上個数も当時の半分以下だ。このため、98年4月に国道9号線にコーナーを設け、ドライバーに弁当やうどんを売るなど、販路拡張に力を入れている。
 駅弁を売っているJRの駅は全国に約270あるが、立ち売りを続けている駅は、もう、福知山、折尾(福岡県)や長方部(北海道)など4、5駅しか残っていない。
 「よ−いよ−い、デッカンショ」と、デカンショ節を歌いながら売り歩いた篠山口(兵庫県)の名物おじさんは96年、米原(滋賀県)の立ち売りおじさんも98年に、それぞれ引退した。福知山の2人も60歳を超えており、山田社屋は「この2人が退職したら福知山でも立ち売りが消えますね」という。
・東京駅
 立ち売りではないが、駅の売店で売る駅弁は健在だ。最大の駅弁消費駅は、1日約50万人が乗り降りする東京駅である。新幹線の客をめぐり、駅構内での販売を一手に担う駅弁最大手の日本レストランエンタプライズ(NRE、旧日本食堂)と、地下食品売り場の「おべんとう公園」を中心に弁当をそろえる大丸東京店が火花を散らす。
 NREは駅構内に20店を出し、21種類の弁当を販売している。1日平均の売上個数は約1万1000個で、人気駅弁ベスト3は@釜めし弁当(950円)A幕の内弁当(1000円)B鳥めし弁当(800円)という。
 NREは、97年に「弁当改善宣言」を出し、すべての弁当の中身を新しくした。@本物A健康B自然−を基本方針と決め、たとえば、ごはんは低農薬の有機米を使い、塩は天然塩といった具合だ。
 大丸東京店は86年の改装時に、弁当コーナーを地下中央から駅寄りに移し、洒売り場も隣接させ、「お弁当を買って、ビールを買って、新幹線に直行」というレイアウトに変更した。有名料亭など別の業者が450 種類の弁当を売り競うのが特徴で、こちらも1日約1万食を販売する。ベスト3は@並六白飯(860円、弁松総本店)Aけやき(1300円、目黒けやき弥)Bシウマイ弁当(710円、崎陽軒)だ。渡辺潤二・食品部課長は「実演コーナーでは、温かい弁当も買えます」と強調する。
ドル箱
 百貨店にとって、駅弁の催しは確実に来店客が見込める。130種類の駅弁を集め、「駅弁の甲子園」の異名を持つ京王百貨店(東京・新宿店)の「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」は、バーゲン直後で最も客足が遠のく1月半ばに設定する。今年(1月8−20日)は「東西かに対決」と銘打って、釧路駅の業者に依頼してタラバガニの駅弁を作り、越前ガニを使った福井駅の「越前かにめし」と合わせて、東西の対決色を出した。この期間中の新宿店全体の来店客数は、ボーナスサンデーと並ぶ一日7、8万人に達した。駅弁の効果は絶大だ。京王百貨店の滝上良一さんは「旅の思い出がよみがえったり、家族との対話のきっかけにもなったり、不思議な魅力があるのでしょう」と分析している。
 関西では、高島屋(大阪店)の駅弁の催しが有名だったが、残念ながら、93年に中止した。
 日本独特の発達を遂げた駅弁は、時代とともに役割が変わり、明らかに数は減っている。だが、材料にこだわり、奮闘している地方の業者も多い。安くて手軽なファストフードもいいが、旅に出るときは、駅弁をほおばり、日本の味をかみしめたいと思う。
・100 年を超す歴史 加盟業者減る傾向
 駅弁の始まりは諸説ある。1885年(明治18)に、宇都宮駅で握り飯2個とタクアンを竹の皮に包み、5銭で販売したという説が知られているが、「汽車辨文化史」(信濃路刊、雪廻舎閑人著)は、それより早い1877年(明治10)の神戸駅が最初だと指摘している。
 全国に鉄道網が広がるとともに、駅弁の業者も増え、駅弁業者で組繊する日本鉄道構内営業中央会に加盟する弁当業者の数は、1960年ごろには約330社を数えた。
 しかし鉄道の高速化やマイカーの普及などで減少に転じ、現在は186 社に減った。98年の年間売上総額は220億円と、90年(407億円)と比べて4割も少ない。
 NREとJR各社の駅弁関連会社は中央会に入っていないが、それも含めると、現在の駅弁の種類は約2500種類、年間の駅弁売上総額は300億円と見られる。(読売新聞)