19987(平成10)年12月


1日■在来線も新幹線も 車輪間の幅変え運行 特殊なレール使って徐々に JR総研 走行試験を公開(京都)
  ■在来線も新幹線も 車輪の幅変える電車 山陰線で来月テスト(朝日)
  ■JR未上場の4社 いずれも減収 四国は赤字転落(朝日)
  ■早朝から濃霧 関西線乱れる 1万5000人に影響(朝日)
2日■JR西日本に130人が移籍 旧国鉄清算事業団(京都)
  ■清算事業本部の職員 JR6社採用は760人(朝日)
  ■運転ミス続発 運輸省が厳重注意 JR西日本に(朝日)
3日■環状線内回り止まる JR野田で飛び込み(朝日)
  ■見たい知りたい出会い隊 消える「ゆびづめ注意」 イメージ気にして続々と撤去(朝日)
4日■JR宝塚駅で列車故障 福知山線など乱れる(京都)
  ■電車立ち往生 乗客ら缶語め JR宝塚駅近く(朝日)
  ■神戸の地下鉄 建設現場崩落 補強材が不足か 受注会社責任者認める(朝日)
  ■声 電車内の化粧男性までとは 主婦 森山 悦子(愛知県知多市 57歳)(朝日)
5日■宇治・新田両駅間の新駅設置 JRと基本協定締結 宇治市会委で市側が表明(京都)
  ■在来鉄道の高速化 政策審に諮問方針 運輸省(朝日)
  ■正月は田舎から会いにおいでよ JR西日本、割引切符発売(朝日)
  ■声 超満員バスに今の世の縮図 大学生 田辺 ゆかり(神戸市 40歳)(朝日)
  ■キャラクター 新幹線初登場 大阪、ゲームの主人公(京都)
  ■ホーム転落ヒヤリ 川崎で男性無事 「酔っぱらって…」(京都)
6日■路面電車写真集に広島の町並みや風俗紹介(朝日)
  ■声 宇高連絡船史 出版待ち望む 無職 植村 和一(広島市 71歳)(朝日)
7日■近づく新幹線に駅員停止ボタン 転落女児、父が救出 JR京都駅(京都)
  ■構内で列車立ち往生 JR石部駅(京都)
  ■新幹線ホーム2歳児が転落 父が助け軽傷、京都(朝日)
  ■電車床下から煙 大阪環状線ダイヤ乱れる(朝日)
8日■また停車忘れ JR片町線津田駅(朝日)
  ■新幹線作業車追突 請負業者ら書類送検に 業過傷害容疑(朝日)
9日■軽トラと電車衝突 JR桜井線、4人けが(京都)
  ■被災地に生きる人々 安心して利用できる駅に 再建した阪急電鉄伊丹駅を管轄する塚口駅長 西尾一成さん(54)(朝日)
  ■ローレル賞受賞の叡電「きらら」 冬山に映えるパノラマ電車(読売)
  ■電車、連続故障 150人が缶詰め JR阪和線(朝日)
10日■JR阪和線 連日の故障 1400人に影響 堺・鳳駅(朝日)
11日■地下鉄 大みそかは朝まで運転 烏丸線・東西線 20分間隔で計56本(京都)
  ■近鉄と衝突1人死亡 精華の踏切 一時不通5000人に影響(京都)
  ■窓 快適な京都に 渋滞ひどすぎ 車社会見直せ 東山区・倉田 伴子(看護婦 55)(京都)
  ■立ち往生の運転手死亡 京都の近鉄線踏切(朝日)
  ■JR山陽線が故障で止まる 兵庫・高砂(朝日)
  ■朝のダイヤ乱れ 27万人に影響 高速神戸駅で信号故障(京都)
  ■JR東日本が22億円申告漏れ(京都)
  ■目指せ鉄道博士 5000人参加 13日、初の検定試験(京都)
  ■世界乗りもの事情 南フランスの「青列車」 独自文化はぐくみ 多くの芸術家たちが愛好(京都)
  ■JR山陽線 貨物脱線 速度超過が原因(朝日)
  ■信号機が故障し電車512本に遅れ 高速神戸駅(朝日)
12日■年末年始の予約 ちょっぴり緩和 JR西日本発表(京都)
  ■年末のJRに空き(朝日)
15日■近鉄 都ホテル9店の運営 子会社に一本化へ(京都)
  ■近鉄京都線など2000年度に導入 乗車券カード改札システム(京都)
  ■CD-ROM時刻表 きょうから無料配布 京都市交通局(京都)
  ■特急料金一部値下げ 近鉄、3月から(京都)
  ■JRなど アジアの鉄道を支援 研修生受け入れ 車両の譲渡も(京都)
  ■オピニオン解説 提言 鉄道事故の第三者的調査機関を 国民的議論が必要 小事故も的確に把握徹底究明へ(京都)
  ■特急の料金を近鉄値下げへ 吉野線など2区間(朝日)
  ■CD-ROM時刻表を配布 京都市バス・地下鉄(朝日)
16日■神鉄脱線事故「踏切拡幅など怠る」 神戸地裁判決 電鉄側に指摘 運転手は猶予刑(朝日)
  ■JR京都駅 巨大な夢描くツリー(京都)
  ■架線切れ垂れ下がりJR関西線が乱れる 奈良(朝日)
17日■1万3000人影響 山陰線で信号故障(京都)
  ■飛び込み男性 軽傷、助かる 近鉄京都線竹田駅(京都)
  ■サンタ列車が走るぞ 信楽高原鉄道 あすから ツリーで装飾(京都)
  ■信号が故障し 1万3000人影響 京都市内でJR山陰線(朝日)
  ■3ヵ月ぶりに土讃線が復旧 豪雨で築堤が崩壊(京都)
18日■700系のぞみ 1日3往復に 来年3月ダイヤ改正 JR4社(京都)
  ■新幹線に厚狭駅開業 来年3月ダイヤ改定(朝日)
19日■「1」の記念入場券 年4回限定発売 JR西日本(京都)
20日■京都バスが河川敷に滑落 左京の府道、車が衝突(京都)
  ■JR京都駅前広場でチャリティーバザー(朝日)
  ■あの場所 島根県・亀嵩 「砂の器」清張ファン 今も(朝日)
21日■一般会計歳入と歳出(抜粋) 鉄道・空港 整備新幹線7.7%の大幅増(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■市バス急ブレーキ 乗客3人軽いけが 北区の交差点(京都)
22日■京都−徳島に高速バス 3月から 京阪バスなど4社(京都)
  ■大みそか特別ダイヤ 特別乗車券も発売 JRと私鉄3社(京都)
  ■信号故障し12本遅れる JR山陰線(京都)
  ■新幹線減速闘争で訴訟 運転士配転命令は無効 大阪地裁(朝日)
  ■中国と台湾で新幹線「売る」運輸省審議官ら(朝日)
  ■タイムアングル 琵琶湖疎水・竣工式(朝日)
  ■”アヒル”新幹線だ 愛知 量産車両を前に式典(京都)
23日■JR関西線 快速に投石? ガラスに穴 奈良・大和郡山(朝日)
24日■奈良駅舎(JR)存廃岐路に 周辺高架化で取り壊しも 市民ら保存運動(京都)
25日■新幹線こだま遅れ 山科で緊急ブレーキ(京都)
  ■振り返って'98 やめて、山科駅前付近の迷惑駐車 9月1日 「東の玄関口」にため息(京都)
  ■目で見る日本経済 たばこ値上げで販売滅?(京都)
  ■新型改札通せんぼ JR東海 重ね入れ「慣れて」 新大阪駅 材乱戦→新幹線乗り換えご注意(朝日)
  ■ノムさん持って電車でGO 阪神電鉄がプリペイドカード(京都)
  ■JR土讃線が復旧(朝日)
26日■終着駅はお正月 分散化の帰省スタート(京都)
27日■整備新幹線に久々”追い風” 自治体、議員ら攻勢 99年度予算で満額確保(京都)
  ■帰省ピークは30日(朝日)
  ■植樹鉄道員 希望咲そう 嵯峨野トロッコ沿線に桜400本 山紅葉1400本 出向めげぬ 寒風なんの(朝日)
28日■JR西日本 福知山支社 シカよけ笛効果あり 10ヵ月で衝突事故半減(京都)
30日■お正月ヘシュッポッポ 福島でD51試運転行う(京都)
31日■JR東舞鶴駅周辺土地区画整理事業 全体計画の半分 2006年末完成へ(京都)
  ■JR京都駅 落とし物 最多の1万4000点 傘の大半保管庫に モノに愛着薄く(京都)
  ■チンチン電車もしめ飾りで迎春 「鉄道友の会」取り付け 梅小路公園(朝日)



1日■在来線も新幹線も 車輪間の幅変え運行 特殊なレール使って徐々に JR総研 走行試験を公開
 鉄道総合技術研究所(JR総研)は30日、車輪の幅を変えて新幹線と在来線の両方を走ることができる「軌間可変電車」の走行試験を、東京都国分寺市の同総研で公開した。
 軌間可変電車は、幅が広い「標準軌」と呼ばれる新幹線用の線路と、在来線の狭い線路「狭軌」を乗り換えなしで運行できるようにしようと、JR総研と日本鉄道建設公団が実用化に向け取り組んでいる。
 「標準軌」と「狭軌」の間に「軌間変換軌道」という特殊なレールを設置、電車がここを通過する際に車輪幅を徐々に変える仕組みになっている。
 公開されたのは10月に完成した3両編成の試験車両。JR総研内の線路を時速7`でゆっくりと走り標準軌から狭軌、狭軌から標準軌の変換を繰り返した。
 26日の試験中に脱輪トラブルが起きたが、同総研によると、変換の際に車輪の固定装置を一度外し、変換後再び固定する仕組みになっているのに同装置がきちんと外れなかったのが原因と判明。強制的に固定装置を外すように改良したという。
 JR総研は年内いっぱい同総研で変換試験を繰り返した後、来年1月には山陰線米子−安来間で時速100`、4月からは米国の試験線で250`の高速走行試験を行い、耐久性を調べる。(京都新聞)
■在来線も新幹線も 車輪の幅変える電車 山陰線で来月テスト
 新幹線と在来線などレールの幅の違う路線に、車輪の幅を自由に変えることで相互乗り入れできる「フリーゲージ(軌間可変)電車」の試験車が30日、東京都国分寺市の鉄道総合技術研究所(JR総研)で公開された。来年1月から営業線では初めてJR山陰線で走行試験を始め、2000年ごろまでに実用化のめどをつける計画だ。
 試験車は3両編成。車輪の幅が自由に動く台車をつけ、新幹線などの標準軌(幅1435_)と在来線の狭軌(幅1067_)を結んだ「軌間変換軌道」(約20b)を時速約15`低速で通過すると、車輪の幅がそれに合わせて変わる仕組みだ。
 車輪の幅を誘導する中央の「案内レール」は前後の狭軌や標準軌の部分より最大で5.5a低く設定され、レール外側にはベルトコンベヤーのような「車体支持レール」がある。車輪にかかっていた車両の重みが、変換軌道内では軸箱と支持レールに支えられるため車輪は浮いた状態になり、左右に「案内」され、所定の位置でロックされる。
 試験車はJR総研の敷地内の試験線で走らせた後、1月下旬から鳥取県と島根県にまたがるJR山陰線米子−安来間で狭軌走行試験を始める。4月上旬からの約1年半、米国コロラド州の試験線で時速250`での高速走行と、耐久試験をする予定だ。(朝日新聞)
■JR未上場の4社 いずれも減収 四国は赤字転落
 景気低迷の影響で未上場のJR旅客3社、貨物ともに減収だった。経費節減の結果、九州は2億円の増益、北海道は経常赤字が16億円縮小した。しかし営業費が増えた四国は経常赤字に転落。貨物も経常赤字が36億円拡大した。(朝日新聞)
JR未上場4社の9月中間決算
 売上高経常損益
北海道486(▼4.8)▼3(▼19)
四 国221(▼9.6)▼10(  0)
九 州790(▼5.4)22( 20)
貨 物832(▼9.3)▼79(▼43)
〈注〉単位は億円、▼はマイナス、売上高のカッコ内は
前年比増減率%、経常損益のカッコ内は前年実績
■早朝から濃霧 関西線乱れる 1万5000人に影響
 1日午前5時ごろ、奈良県内のJR関西線奈良−王寺間で濃霧が発生し、同線は上下線とも始発から徐行運転した。上下計3本が運休したほか、計38本が16−3分遅れ、約1万5000人に影響が出た。
 奈良地方気象台によると、奈良県内では早朝から濃い霧が発生し、200b以上先が見えなくなったという。(朝日新聞 夕刊)
2日■JR西日本に130人が移籍 旧国鉄清算事業団
 旧国鉄清算事業団の業務を引き継いだ日本鉄道建設公団国鉄清算事業本部の職員がJR各社に移籍する問題で、同事業本部は1日、JR各社ごとの採用人数を発表、職員に通知した。
 移籍の対象となる職員は760人で、行き先はJR東日本が355人、JR東海185人、JR西日本130人など本州の旅客3社が中心。そのほかJR北海道50人、JR九州35人、JR四国5人。
 国鉄清算事業団は10月に解散したが、解散に伴い職員はJR各社に再就職することが決まっており、人数の調整が続いていた。採用は来年4月1日付の予定。(京都新聞)
■清算事業本部の職員 JR6社採用は760人
 旧国鉄の資産処分を引き継いだ日本鉄道建設公団国鉄清算事業本部の職員1020人について、JR旅客6社は計約760人の再就職を受け入れることを決め、1日から募集を始めた。採用は来年4月の予定だが、このうち約650人は同事業本部に出向する形で土地売却などの業務に携わる。募集人数は、JRの東日本が355人、東海が185人、西日本が130人、北海道が50人、九州が35人、四国が5人を目安としている。
 同事業本部は残り約1400fの土地や保有するJR各社の株を約5年間で売却する予定。来春からの出向職員は、事務量の減少に合わせてJR各社や関連会社に戻ることになる。(朝日新聞)
■運転ミス続発 運輸省が厳重注意 JR西日本に
 近畿圏を走るJR各線で今年8月末以降、停車駅を通過したり、ホームの停止位置を行き過ぎたりする「運転ミス」が相次いでいることに対し、運輸省近畿運輸局は1日、JR西日本から事情を聴き、厳重注意した。同運輸局は「脱線など重大な事故ではないが、乗客にとっては不安があり、年末年始の多客期間を迎えるため十分注意してほしい」としている。
 4月以降にJR西日本管内で起きた「オーバーラン」は1日現在、近畿圏だけで計18件にのぼり、このうち14件が8月末以降に集中発生している。(朝日新聞)
3日■環状線内回り止まる JR野田で飛び込み
 3日午前11時ごろ、大阪市福島区吉野三丁目のJR大阪環状線野田駅で、京橋発関西空港行き関空持快「ウイング3号」(6両編成、乗客約300人)の運転士が、ホームから男性が線路に飛び降りるのを見つけ急停止したが、間に合わず男性をはねた。男性は即死した。ウイング3号は9分遅れて運転を再開したが、後続の内回り線は約15分間、運転がストップした。(朝日新聞 夕刊)
■見たい知りたい出会い隊 消える「ゆびづめ注意」 イメージ気にして続々と撤去
 関西の電車のドアから「ゆびづめ注意」のステッカーが消えようとしている。ドアなどで指をはさむ意味もあり、関西では違和感のない「ゆびをつめる」だが、暴力団を連想させる、というのが撤去の理由のようだ。
そこには、ステッカーについている保険、食品などの広告のイメージへの気遣いが透けて見える。
 「ゆびづめ注意」を最初に撤去したのは大阪市交通局で、1986年5月に20日余りの間に、地下鉄の全車両のステッカーを「ひらくドアにごちゅうい」に取り換えた。7月には阪急電鉄が続き、全車両を「ひらくドアに注意」に統一した。同社広報室は「社内外から表現が適切ではないという指摘がありました」。担当者は「ゆびづめ」をめぐる新聞記事が発端だった、と言う。大阪市交通局のステッカーを扱っている広告代理店の話によると「イメージが悪い」と同交通局に乗客から指摘があった、という。交通局の担当者は「広告のイメージが悪くなるような表現を変えるのは、当然じゃないでしょうか」と言う。
 南海、近鉄でも「ゆびづめ」を「ドアにご注意」「ゆびにご注意」に変えたが、その理由についての記録は残っていない。京阪には「ゆびづめ」と表記していたかどうかの記録がない、という。JR西日本は94年11月に「ドアにご注意」に統一したが、それ以前は電車区ごとの判断だったので「ゆびづめ」だったかどうか分からないそうだ。近鉄は三重、愛知、岐阜にも運行しているのを理由に「関西にはなじみが深い言葉でも、よその人に違和感があれば、使うわけにはいきません」。
 横並びで敬遠された感じの「ゆびづめ」だが、大手私鉄のうち、阪神では健在だ。赤い文字で「ゆびづめにご注意!」。むろん、下に食料品の広告が堂々とついている。同社は「イメージが悪い、気味が悪い、などという指摘を受けたことはありません。いまのところ、変更する予定もありません。何か不都合でもありますか」と、わが道を進行中だ。(朝日新聞 夕刊)
4日■JR宝塚駅で列車故障 福知山線など乱れる
 3日午後5時ごろ、兵庫県宝塚市栄町のJR福知山線宝塚駅で、篠山口発大阪行き快速列車(4両編成)が到着時にブレーキ故障を起こし、駅の手前約30bで停車したまま、動けなくなった。駅員が乗客約250人を車両から降ろして同駅まで誘導、約2時間後に運転を再開した。
 同日午後11時までに、福知山線と東西線、片町線の上下計約50本が運休、約8万人に影響が出た。同社は阪急電鉄で乗客を振り替え輸送した。(京都新聞)
■電車立ち往生 乗客ら缶語め JR宝塚駅近く
 3日午後5時ごろ、兵庫県宝塚市栄町二丁目のJR福知山線宝塚駅付近で、駅に入ろうとしていた篠山口発大阪行き上り快速電車(4両編成)が、非常ブレーキがかかったため急停止した。その後もブレーキがきいたままの状態が続き、約250人の乗客は約40分後、ドアから車外に出て30bほど離れたホームまで歩いた。乗客にけがなどはなかった。
 快速電車は約1時間45分後に運転を再開したが、後続の上り普通電車(7両編成)も近くで立ち往生しており、約300人の乗客が2時間近く車内に閉じこめられた。近くを走る阪急宝塚、神戸、今津線などが振り替え輸送した。上下約50本が運休し乗客約8万人に影響が出た。
 JR西日本の調べでは、快速電車の前から2両目と3両目を結ぶブレーキ管のゴム製ホースの留め金が脱落し、ホースがはずれ、ブレーキを制御する空気が漏れたため、非常ブレーキが作動したとみられる。(朝日新聞)
■神戸の地下鉄 建設現場崩落 補強材が不足か 受注会社責任者認める
 神戸市兵庫区御崎町1丁目の市営地下鉄海岸線の建設工事現場で先月27日、地下車庫の天井部分が崩れ、作業員14人が重軽傷を負った事故で、倒れた支柱の補強材の数が計画よりも少なかった疑いがあることが3日、わかった。同市は今後、現場の補強材の数を確認するなど、詳しく調べる方針。県警捜査一課と兵庫署もこうした点を重視しているようで、現場検証で裏付けを急いでいる。
 神戸市交通局によると、補強材は「ブレース」と呼ばれる直径28_、長さ約2.5bの鉄製。天井部分を支える鋼鉄パイプ製の支柱(長さ7.2b)の強度を補強するため、支柱間をX字状につないでいる。
 市交通局の事情聴取に対し、受注会社の工事責任者が補強材の数や配置が計画図よりも少なかった疑いがあることを認めた。また、市側は事故後に現場を視察した際、天井の崩落地点の周辺で補強材の数が足りない場所もあったことを確認したという。
 市交通局は「事故原因は調査を進めてみなければ特定できないが、計画図通りだったら崩れないだけの強度があったことは確か。現場管理が徹底されていなかったということで、現場のブレースの数を確認したい」と話している。(朝日新聞)
■声 電車内の化粧男性までとは 主婦 森山 悦子(愛知県知多市 57歳)
 週に一度、朝のラッシュアワーの電車に乗るようになって4ヵ月。さまざまな光景に出あって、びっくりしています。
 電車に乗り込んで間もなく、鏡を取り出して化粧を始める若い女性の姿は当たり前のようになってしまった昨今です。制服姿の女子学生までがメークアップに余念がありません。学校へ何しに行くの? 電車の中は化粧室ではありませんよ、と言ってみたい気持ちになります。
 男性が化粧するのも当たり前と言われますが、名鉄常滑線の中で、まさかの光景に出あいました。若い男性が道具を使って、まつげをカールさせているではありませんか。周りの目など一切気にならない様子でした。もはや世も末と思ってしまいました。
 人目につかないように化粧直しをする。こんな常識が、なぜ分からないのでしょうか。「恥ずかしい」ということを知らない人が何と多いことかと驚いています。(朝日新聞)
5日■宇治・新田両駅間の新駅設置 JRと基本協定締結 宇治市会委で市側が表明
 JR奈良線の宇治駅改築と宇治・新田両駅間の新駅設置について協議を進めていた宇治市とJR西日本との間で、事業化に向けた基本協定が結ばれ、2001年春の完成を目指し具体的に動き出した。4日に開かれた市議会JR奈良線及び京都市地下鉄東西線対策特別委員会で、市側が明らかにした。
 基本協定は、先月30日に締結した。工事費の両者の負担割合などを具体的に決めた。市の説明によると、宇治駅の改築は市が設置する自由通路分と合わせて約29億9000万円かかり、このうち約27億8600万円を市が負担する。
 新駅は自由通路を含め約20億6900万円。うち約19億4000万円が市負担分。市は財源について、府補助金(宇治駅改築は3分の1、新駅は2分の1)と起債でまかなうとした。(京都新聞)
■在来鉄道の高速化 政策審に諮問方針 運輸省
 運輸省は4日、鉄道在来線の高速化の進め方について、運輸政策審議会に諮問すると発表した。18日に第1回の鉄道部会を開く。答申は1年後の見込み。
 運輸省は在来幹線の平均速度の目標を時速120`としているが、現在は104`。高速化のためには、曲がった路線を直線にすることや、複線化、電化、ミニ新幹線による新幹線への乗り入れなどが必要になる。どういう路線を優先するか、国や自治体はどのような方法で財政支援するかなどについて審議する。(朝日新聞)
■正月は田舎から会いにおいでよ JR西日本、割引切符発売
 田舎のおじいちゃん、おばあちゃん、今年は孫の顔を見に来て−。JR西日本は4日、満60歳以上限定の九州、北陸などから京阪神への往復割引切符「お正月顔見せきっぷ」を新発売 今季の年末年始は1月4日から仕事が始まる会社も多く、帰省をやめる人が増えるとみられるため、故郷の両親が都会の「子ども」の家で正月を過ごすことを狙った割引切符を企画した。満60歳以上限定で、九州、山陽、北陸、南紀、山陰各方面から京阪神地区へ山陽新幹線や在来線の特急を利用した計28区間を設定。種類は1人用と2人用、グリーン車用と普通車指定席用があり、乗れる列車は限定されるが、割引率は通常料金の38−47%。期間は往路が今月26日−1月1日、復路が1月1日−10日。発売期間は今月12日−1月1日で、利用者の保険証など年齢の確認できるものが必要。(朝日新聞)
■声 超満員バスに今の世の縮図 大学生 田辺 ゆかり(神戸市 40歳)
 私はJRと市バスで大学まで通学している。毎朝、バスは学生で超満員。「止まらないで前へ詰めて下さい」のアナウンスの中、多くの人はまずつり革、座席横の取っ手を確保する。その後に乗る人は、ショルダーバッグや背負われたままのリュックの間をかき分け、押しのけ、乗り込む。2つ目の停留所が私鉄沿線の駅で、多くの学生が乗るが、問題は降りる人だ。後部乗り、料金後払いのワンマンカーだから、降りる人がこの満員の中を前へ進むのは至難の業である。
 ある時、一人の老人が後ろから降りて、外から前へ回り、運転手にパスを見せたら、「勝手なことをしないでください。けがをされたら困るから」と運転手。「前へ進めないから、仕方ないだろう」と老人。「常識のないやつだ」「常識のないのはどっちや」。私はやり取りを聞いて心が寂しくなった。
 後ろの方で「降ります」と言う人がいても、周りは知らん顔。超満員の中、座席を空けたままその前に立っている女子学生。たかが10分の乗車中にピーピー鳴る携帯電話。
 人々の心が貧しくなって、皆がイライラして、まず自分、という世の中の縮図がそのバスの中にある。常識のないのは、一体だれなのだろうか。(朝日新聞)
■キャラクター 新幹線初登場 大阪、ゲームの主人公
 山陽新幹線の車体にファミコンゲームソフトの主人公のステッカーを張ったJR西日本の冬の臨時列車の出発式が5日午前、JR新大阪駅(大阪市淀川区)のホームで開かれた。キャラクターをあしらった車両は、新幹線では1964年の開業以来初めて。
 キャラクターは任天堂のゲームソフト「パンジョーとカズーイの大冒険」の主人公たち。6両にステッカー45枚が張られ、高速走行のためF1車両のデコレーション用と同じ材質が使われている。
 同日から来年1月31日までの土、日、祝日と年末年始期間(12月23日−1月10日)を中心に新大阪−博多間で運行する。(京都新聞 夕刊)
■ホーム転落ヒヤリ 川崎で男性無事 「酔っぱらって…」
 4日午後11時45分ごろ、川崎市幸区鹿島田のJR横須賀線新川崎駅で、帰宅途中の横浜市港南区の会社員(47)がホームから転落した。この直後、千葉発久里浜行きの普通電車がホームに入ったが、会社員はレールの間にもぐり込んだ形で横たわり、列車はその上を約10b通過。駅員らが会社員を車輪の間から助け出した。会社員は右腕を骨折するなどしたが、命に別条はないという。
 同駅などによると、ホームにいた乗客らがこの会社員がホーム上をふらついて歩いていたのを見ている。転落後、あおむけにレールの間に横たわったらしい。
 事署は、男性が酔って誤って線路上に転落したとみている。会社員は「よく覚えていない。酔っぱらって落ちたのかなあ」と話しているという。(京都新聞 夕刊)
6日■路面電車写真集に広島の町並みや風俗紹介
 全国一の規模を誇る広島の路面電車の86年にわたる歴史を260枚の写真でたどった「保存版・広島のチンチン電車」が出版された。編集を担当した広島市東区の編集者、西元俊典さん(44)は「多くの未公開写真で、路面電車とともに歩んできた広島の町並みや風俗を感じてほしい」という。
 掲載写真は、広島電鉄や編集にも協力した日本路面電車同好会中国支部のメンバーらが提供した1000枚を超える写真や絵はがきから選んだ。明治末期、電車を通すために商家を移動させる様子をとらえた貴重なショットもある。被爆後、いち早く復旧した電車を焼け跡で待つ人の列などの写真は占領軍の撮影で、呉市史編さん室の提供という。
 広電初の女性運転士の一日や、欧米で発展している高速路面電車システム(LRT)、議論されている広島市中心部を東西に貫く軌道系交通機関についての提言など、21世紀の都市交通の中で路面電車の果たすべき役割についても触れている。
 A4判、283n。8500円だが今年末まで7500円。問い合わせは郷土出版社(052・805・8722)。◆広島(朝日新聞)
■声 宇高連絡船史 出版待ち望む 無職 植村 和一(広島市 71歳)
 11月22日の本紙家庭面に、宇高連絡船最後の船長だった萩原幹生さんが、同航路の78年に及ぶ歴史をまとめたという記事があった。出版を検討中だという萩原さんは「はじめて船長としての役割を終えられる気がする」と話している、と報じられていた。
 自分の携わった仕事に対する愛着心もさることながら、職を退かれて10年、この思いを胸に資料集めに奔走されていた萩原さんに心から敬意を表したい。
 四国に郷里を持つ私たち夫婦にとって、宇高連絡船に対する思い入れは人一倍深いものがある。進学、就職、あるいはまた二人の新しい旅立ちと、この航路で繰り返された出会い、別れのドラマに胸を熱くした思い出を持つ人も多いことであろう。
 技術革新の波は、瀬戸大橋という利便性の高いルートを提供してくれたが、船旅特有の旅情は望むべくもなく、過去のものとなってしまった。よき時代のよき旅の演出者であった連絡船にまつわるエピソードや、裏方として活躍された関係者の苦労話などを盛り込んだ連絡船史の一日も早い出版を心からお待ちする次第である。(朝日新聞)
7日■近づく新幹線に駅員停止ボタン 転落女児、父が救出 JR京都駅
 6日午後零時5分ごろ、京都市下京区のJR京都駅新幹線上リホームから、埼玉県与野市の女児(2つ)が誤って線路に落ちた。転落に気付いた父親(30)が線路に飛び降りるとともに、駅員が列車防護スイッチを押して、近づいてくる列車を止めた。女児は父親に助け上げられて救急車で病院に運ばれた。頭に軽いけが。
 京都府警鉄道警察隊によると、女児は家族で京都に旅行に訪れた帰りで、父親が喫煙コーナーへ寄ったすきにホームの端から落ちたという。上りホームには、「のぞみ12号」が、4分後に到着する予定だった。列車防護スイッチが作動すると、京都駅の4`範囲の列車が止まる。上下計5本が最長7分遅れた。(京都新聞)
■構内で列車立ち往生 JR石部駅
 6日午後8時10分ごろ、滋賀県甲賀郡石部町のJR草津線石部駅構内で、柘植発京都行の普通列車が出発直後に運転不能となり、後続列車と連結されて運転を再開するまで、約50分間、同駅構内で立ち往生した。
 JR西日本によると、同列車の乗客は約10人だったが、列車内の暖房や室内灯は正常に作動しており、列車を降りる乗客もほとんどなかったという。この影響で同列車の草津−京都間が運転休止となった。同社では、列車運転モーターに接続する電気系統の機械に異常があったのではないかと見て調べている。(京都新聞)
■新幹線ホーム2歳児が転落 父が助け軽傷、京都
 6日午後零時5分ごろ、京都市下京区のJR京都駅の新幹線上りホームで、埼玉県与野市大戸四丁目、会社員十河孝さん(30)の長女穂香ちゃん(2つ)が線路に転落した。十河さんがすぐに気づいて線路に飛び降り、助け上げた。同駅には上りののぞみ12号が近づいていたが、駅員が列車防護スイッチを入れて非常ブレーキを作動させたため、駅の約3`手前で停車。穂香ちゃんはおでこに軽いけがをしたが、無事だった。
 京都府警鉄道警察隊などによると、穂香ちゃんは家族4人で埼玉県へ帰る途中だった。十河さんがホームの喫煙コーナーへたばこの火を消しに行った間に転落したらしい。
 この事故で、のぞみ12号など上り3本、下り2本の新幹線に1−7分の遅れがでた。(朝日新聞)
■電車床下から煙 大阪環状線ダイヤ乱れる
 7日午前8時20分ごろ、大阪市城東区のJR大阪環状線京橋駅を発車した内回り普通電車(8両編成、乗客約800人)の最後部車両の床下から煙が出ているのを同駅の駅員が見つけ、新大阪総合指令室に連絡した。電車の安全は確認されたが、3駅先の大阪駅で乗客全員を降ろした。このトラブルで内回りの計5本が20−4分遅れ、乗客約4000人に影響した。
 JR西日本の調べでは、車両床下の車輪部分にあるブレーキ装置内の数_程度のすき間に焦げた新聞紙がはさまっており、この新聞紙が摩擦熱で焦げたのが原因とみられる。(朝日新聞 夕刊)
8日■また停車忘れ JR片町線津田駅
 8日午前6時3分ごろ、大阪府枚方市津田駅前一丁目のJR片町線津田駅で、京橋発松井山手行き普通電車(7両編成、乗客約20人)がホームを通過しそうになり、運転士(48)が非常ブレーキをかけた。電車は停止位置を約160b行き過ぎて止まり、停止位置まで後退してから3分遅れで出発した。近畿圏のJR各線では8月末以降、「オーバーラン」などが相次ぎ、運輸省近畿運輸局が1日にJR西日本に厳重注意したばかりだ。
 JR西日本によると、運転士は「一時的に停車駅であることを忘れてしまった」と話している。4月以降に近畿圏で起きた「オーバーラン」は今回で19件目で、うち15件が8月末以降に集中している。(朝日新聞 夕刊)
■新幹線作業車追突 請負業者ら書類送検に 業過傷害容疑
 岡山市中尾の山陽新幹線相生−岡山間の下り線で今年9月、停車中だった保守点検用のバラスト散布車(4両編成)にトンネル構造物作業車(1両)が追突、脱線し、作業員3人が重軽傷を負った事故で、県警捜査一課と西大寺署は8日、トンネル作業車の運転者が居眠りし、同乗していた作業責任者も必要な指示を怠っていたとして、JR西日本の請負業者「西日本軌道」=岡山市野田五丁目=取締役の木村竜夫(53)、社員の萱野正次(50)の両容疑者を業務上過失傷害などの疑いで岡山区検へ書類送検した。(朝日新聞 夕刊)
9日■軽トラと電車衝突 JR桜井線、4人けが
 8日午後5時49分ごろ、奈良県天理市石上町のJR桜井線天理−櫟本間の踏切で、王寺発奈良行きの普通電車(2両編成)が軽トラックと衝突、乗客4人が割れたガラスでけがをした。
 天理署によると、現場は車の通行が禁止されている踏切で、軽トラックが踏切内で脱輪し、電車と衝突した。(京都新聞)
■被災地に生きる人々 安心して利用できる駅に 再建した阪急電鉄伊丹駅を管轄する塚口駅長 西尾一成さん(54)
 阪急電鉄伊丹駅 1920年(大正9年)に阪急伊丹線の開通とともに開業。日本で2番目に自動改札機が設けられた駅としても知られる。1日の乗降客数は約30000 人。商業施設とあわせた新駅ビルは、「再生」を意味する英語の接頭語「RE」と「ITAMI」を組み合わせて「REITA (リータ)」と名付けられた。地上5階地下1階で3階がホーム。延べ床面積は旧駅ビル(3階建て)の約2.7倍の25000平方b。外観は伊丹の歴史と文化を象徴する「酒蔵」をイメージした。「整備検討委員会」に地元の障害者団体などが加わり、「福祉駅」を実現した。
 「また戻って来たんですね」「今度も頑張って」。朝、改札口わきに立つと、見覚えのある乗客たちが声をかけてくれる。「うれしいですね。新しい駅に対する市民のみなさんの期待を感じ、精いっぱいやらなきゃという気持ちになります」
 阪神大震災で全壊し、11月21日に3年10ヵ月ぶりに再建オープンした兵庫県伊丹市の阪急電鉄伊丹駅。震災当時、同駅など7駅がある「塚口管区」を管轄する同県尼崎市の塚口駅長を勤め、梅田駅長を経て、9月に再び塚口駅長となった。阪急で同じ駅の駅長を2度も勤めた例はないという。「驚きましたが、駅の再出発に立ち会えると思うと、うれしかった。会社の配慮があったのかもしれません」
 地震の揺れは、同県川西市内の自宅のベッドの中で感じた。隣の部屋で寝ていた娘の所に駆けつけようとしたが、立てない。四つんばいになりながら、「電車は動かせんな」と思い、レールや電車の点検作業に追われる一日を覚悟した。しかし、現実は予想を超えていた。
 塚口駅に電話すると、宿直の首席助役の声が興奮していた。「伊丹駅がつぶれて、電車が落ちそうになってまっせ」。「あほなこと言うな」。あわてて車で伊丹駅に行くと、1階が崩れ落ち、ひさしがぐにゃりと曲がった駅舎が目に飛び込んできた。信じられない光景だった。それからの数日間は、まさに不眠不休。地震当日の夕方には伊丹−塚口駅間の代替バスの運行を決め、臨時バス停の設置や運行計画の作成、人員の確保に追われた。
 「どうすれは三宮へ行けるのか」「持っている定期券はどうなるんだ」。問い合わせや苦情が駅に殺到した。「『頼りにされているんだ』。駅員一人ひとりがそう自分に言い聞かせ、髪を振り乱して走り回っていると、初めは怒っていたお客さんも『頑張ってや』と言ってくれるようになりました。天災だからと言い訳せず、一生懸命やることが大事なんだとあらためて思いました」
 そんな苦労を忘れまいと、震災から9ヵ月後、駅員や売店員らの文集「阪神淡路大震災体験記録−励ましに支えられて」を作った。
 新しい伊丹駅は、目の不自由な人のための音声ガイドシステムや、車いすが楽に通れる幅広の自動改札機、大型エレベーターなどがあり、障害者や高齢者に配慮した「福祉駅」として注目されている。地震対策にも力を注ぎ、柱など建物の主要な36ヵ所には、油圧式の振動吸収装置を設けている。阪神大震災級の揺れにも耐えられる構造という。「同じ被害を出してはいけない、という鉄道にかかわるすべての人びとの思いが込められているのです」
 電車が通っていなかった田舎で育ったため、電車は幼いころからのあこがれだった。改札係から始めて、車掌、運転士も務めた。「大きな乗り物を運転するのは気持ちがいいものです。でも、震災の時ほど、責任の重さと市民の期待の大きさを感じたことはなかった。誠心誠意応対し、お客さまに安心して電車を利用していただきたい。そのことを、これからも多くの駅員に伝えていきます」(朝日新聞)
■ローレル賞受賞の叡電「きらら」 冬山に映えるパノラマ電車
 鮮やかなオレンジとクリーム色のボディーが、深山に映える。京都市左京区の出町柳と市北部の鞍馬を結ぶ叡山電鉄(12.6`)のパノラミック電車900系「きらら」。山々は紅葉の季節を過ぎ、すっかり冬景色になったが、電車に乗る人たちのお目当ては、自然の景観だけでなく、今年度の「ローレル賞」(鉄道友の会主催)を受賞したこの電車だ。
 昨年10月に導入され、現在、2両編成の2種運行。車両には大きなガラス窓や天窓を採用。愛称は、木漏れ日が車内に差す様子や、比叡山の登山道「雲母坂」からとった。全区間を約30分で走る。
 ローレル賞は、外観や内装などのざん新さをたたえる賞。前年に営業運転を始めた鉄道車両を対象に毎年選定され、「成田エクスプレス」(JR東日本、1992年度)、新幹線の300系「のぞみ」(JR東海、93年)も受賞している。「カタン、コトン」。鞍馬への急こう配を上る「きらら」は、登山電車のようだが、坂を下りる時は一転。山の間を軽快に縫い、線路に敷き詰められた”落ち葉のじゅうたん”が舞い上がる。
 古都の自慢がまた一つ増えた。(読売新聞)
■電車、連続故障 150人が缶詰め JR阪和線
 9日午前8時20分ごろ、大阪府泉佐野市泉ケ丘一丁目、JR阪和線東佐野駅を発車しようとした和歌山発天王寺行き上り普通電車(4両編成、乗客約150人)が突然動かなくなった。車両検修員が応急処置をとり、41分遅れて運転を再開したが、再び和泉橋本−東貝塚駅間を走行中に停止して動けなくなった。同電車は約40分後、後続の快速電車(8両編成)に連結されて東貝塚駅まで行った。同駅で運転を取りやめたため、乗客600人余りは駅に降ろされ、約15分後に到着した天王寺行き普通電車(4両編成)に乗車した。
 このトラブルで、阪和線の上り線は一部区間で約1時間半、運転がストップし、近くを走る南海本線などが振り替え輸送した。午前11時現在、阪和線は上下計約60本が運休するなど、朝の通勤・通学客ら約3万6000人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
10日■JR阪和線 連日の故障 1400人に影響 堺・鳳駅
 10日午前7時35分ごろ、大阪府堺市鳳東町一丁、JR阪和線鳳駅構内の車両基地を出発しようとした同駅発天王寺行き上り普通電車(6両編成)のモーターが動かなくなった。ホームには約900人が待っていたが、運転を取りやめた。このトラブルで上下計2本が運休、朝の通勤客ら乗客約1400人に影響した。JR西日本が原因を調べている。阪和線では9日朝にも別の電車が車両故障を起こし、上下計99本が運休するなどのトラブルがあったばかりだった。(朝日新聞 夕刊)
11日■地下鉄 大みそかは朝まで運転 烏丸線・東西線 20分間隔で計56本
 京都市交通局は10日、初もうで客へのサービス向上を図るため、31日の大みそかから翌元旦にかけて、初めて地下鉄を終夜運転するほか、臨時の市バスに神社仏閣の多い東山方面を回る特206号系統を新たに追加する、と発表した。
 昨年まで地下鉄は、通常の運転業務が終了する元旦の午前零時10分過ぎから、営業時間を約2時間延長して、初もうで客に対処していた。しかし、利用者の要望が強いことから、今回初めての終夜運転を計画した。
 運行するのは烏丸線、東西線とも28本ずつの計56本。おおむね20分間隔で電車が走ることになる。
 一方、市バスはこれまで、大みそかの午後9時ごろから元旦の午前5時ごろまで、JR京都駅から北野天満宮に向かう特50号系統、四条大宮から同宮に行く特55号系統と、四条大宮、出町柳などを経由して平安神宮(京都会館美術館前)を通る特201号系統を運行していた。
 今回はこれに、京都駅と清水寺(五条坂)などを結ぶ特206号系統を33本追加する。午後9時15分から午前5時まで約20分間隔で運行する予定。
 交通局では「初もうでには、環境にやさしいうえ、便利になった地下鉄、市バスをご利用下さい」とPRしている。(京都新聞)
■近鉄と衝突1人死亡 精華の踏切 一時不通5000人に影響
 10日午後8時6分ごろ、京都府相楽郡精華町下狛下新庄の近鉄京都線狛田第一号踏切(警報機遮断機付き)で、奈良発京都行きの急行電車(6両編成)と、同町菱田宮川原、食料品販売業山内俊夫さん(74)の軽トラックが衝突、軽トラックは電車と狛田駅のホームにはさまれ大破、山内さんは即死した。電車の約200人の乗客にけがはなかった。
 同線は新田辺−高の原間が一時不通になり、約1時間半後に運転を全面再開したがダイヤが混乱、帰宅途中のサラリーマンら約5000人の足が乱れた。
 木津署の調べでは、電車の運転士が踏切内で止まっている軽トラックを見つけ、急ブレーキをかけたが間に合わなかったという。
 現場は狛田駅のすぐ南の踏切で、道幅3bほど。先頭車両に乗っていた城陽市の会社員川本晃さん(30)は「駅の200bほど手前から警笛が鳴り出し、すぐにギーというブレーキ音が聞こえ、ガシヤ、ガシャという音が続いた」と話していた。(京都新聞)
■窓 快適な京都に 渋滞ひどすぎ 車社会見直せ 東山区・倉田 伴子(看護婦 55)
 連休の先月22日、仕事を終え202系統の市バスで帰途につき、驚いた。東大路通がマヒしてバスは動かず、丸太町から三条まで2時間以上もかかった。やむなく京阪に乗り換え、帰宅した。聞けば至る所で渋滞。観光バス、トラック、他府県ナンバーのマイカーすべてが立ち往生。京都の人はわき道に入り、私のようにほかの手段を選べても、他府県の方、そのすべも分からない人は、どうされたのか。
 観光客は、二度と京都に来ないと誓ったことであろう。これでは京都の経済はますます冷え込む。観光客を大切にしてこそ、京都の繁栄があると考えられる。このことを行政は肝に銘じるべきである。
 市電撤去に端を発し、待っても来ない市バス。赤字路線の縮小でますます不便になり、通勤にも支障が出る。いや応なしにマイカーがあふれて渋滞。さらに高速道路の乗り入れ計画があるとのことだが、もってのほか。
 京都は世界に誇れる観光都市。公共交通機関を充実、バスがスイスイ走れる路線の確立、車社会を見直す当局の英断を望む。(京都新聞)
■立ち往生の運転手死亡 京都の近鉄線踏切
 10日午後8時6分ごろ、京都府精華町下狛の近鉄京都線狛田駅南側の踏切で、奈良発京都行きの急行電車が、踏切内にいた軽トラックと衝突、軽トラックを運転していた同町菱田宮川原の食料品販売業山内俊夫さん(74)が全身を強く打って死亡した。木津署の調べでは、遮断機が下りてきて、軽トラックが踏切内に立ち往生したらしい。急行には約350人の乗客がいたが、けがはなかった。
 この事故で、京都線は上下線が約1時間半にわたって不通となった。特急18本の運休を含め上下線合わせて50本に遅れなどが出て、約5000人に影響した。(朝日新聞)
■JR山陽線が故障で止まる 兵庫・高砂
 10日午後2時ごろ、兵庫県高砂市阿弥陀一丁目のJR山陽線曽根駅構内で、網干発米原行き上り快速電車(8両編成)が発車直後に突然ストップし、動けなくなった。乗客約200人は同駅で降ろされ、約1時間後に到着した後続の快速に乗った。故障した電車は約40分後、後続の長浜行き新快速に連結され、隣の宝殿駅で運転を取りやめた。このトラブルで上下計10本が運休し、上り6本が28−8分遅れ、乗客約4500人に影響した。JR西日本の調べでは、原因はモーターを制御する電気系統が故障したためとみられる。
 近畿圏のJR各線では車両故障によるトラブルが相次ぎ、1週間で計5件に上っている。(朝日新聞)
■朝のダイヤ乱れ 27万人に影響 高速神戸駅で信号故障
 11日午前5時ごろ、神戸高速鉄道の高速神戸駅(神戸市中央区)の下り線で信号故障が発生、約40分後に復旧したが、同線に乗り入れている阪急電鉄、阪神電鉄、山陽電鉄の上下線のダイヤが大幅に乱れ、通勤通学客ら計約27万人に影響が出た。
 神戸高速鉄道によると、信号装置のランプが回路の不良のため点灯しなくなり、部品を交換して復旧したという。
 阪神では、午前10時半までに上下計約220本が最大20分遅れ、約13万7000人に影響。阪急は神戸線、今津線で上下78本が25−3分遅れ、午前10時に正常ダイヤに戻ったが、計約8万3000人の足が乱れた。山陽も午前10時までに上下104本が遅れ、約5万人に影響した。(京都新聞 夕刊)
■JR東日本が22億円申告漏れ
 JR東日本(東京都渋谷区)が、東京国税局の税務調査で1997年3月期までの3年間に約22億円の申告漏れを指摘され、追徴課税されていたことが11日分かった。追徴税額は過少申告加算税を含め約8億8000万円とみられる。
 関係者によると、問題となったのはトンネルや駅舎などの改修費用の一部。JR東日本はこれらを修繕費として支出した年度に経費として一括計上していたが、同国税局は「改修によって施設の耐用年数が延びており、一括計上するのは不適切だ」と認定。税務上定められた耐用年数に応じ、各年の経費に振り分けて計上(減価償却)するよう指摘した。
 JR東日本広報部は「指摘を受けたのは事実であり、誠に遺憾に思っている。内容については、基本的に税務当局との見解の相違であると考えている」とのコメントを出した。(京都新聞 夕刊)
■目指せ鉄道博士 5000人参加 13日、初の検定試験
 鉄道に関する総合知識を問う初の「鉄道旅行検定試験」(旅行地理検定協会主催、JRグループ後援)が13日実施され、京都、大阪など全国26会場で5000人以上が挑戦する。最高得点者に贈られる「鉄道旅行博士」の称号を目指して、鉄道ファンの熱い戦いが繰り広げられそうだ。
 試験は「自分の鉄道知識のレベルを知りたい」という大学の鉄道研究会などの強い要望で実現した。
 出題数は100問で、すべて四者択一のマークシート方式。「関西から日本海に沿って青森経由で函館まで走り、夏にはツーリング用オートバイを積載できる車両『マニ50形』が連結される特急はどれか」といったマニア向けの設問に、1時間以内で回答する。
 受験者は偏差値に応じて8級から1級に認定。鉄道旅行博士のほか、小、中学生の高得点者には「銀河鉄道賞」を贈る。
 問い合わせは旅行地理検定協会(東京都豊島区) 03(5396)1331。(京都新聞 夕刊)
■世界乗りもの事情 南フランスの「青列車」 独自文化はぐくみ 多くの芸術家たちが愛好
 ニース、モナコ、マントンなどフランス南東部の地中海沿いの都市は、今世紀初頭から、独自の国際的なリゾート文化圏を形づくってきた。パリとこれらの都市を結ぶ「青列車(ル・トラン・ブルー)」。沿線は風光明美、多くの芸術家たちに愛され、文化的風土をはぐくむ”潤滑油”だった。現在も走る寝台特急、青列車に乗り、南フランスを訪ねた。
 青列車は、かつて超豪華寝台急行だった。前身は、1889年から走り始めたカレイ−地中海急行。この急行の車体が1922年、地中海の深い青色を連想させる色合いに変わり、青列車という愛称が生まれた。車体は、金の細糸でシックに縁取られていた。壁の羽目板は重厚なマホガニー、真っ白に塗られた天井。豪華なホテルにひけを取らない客室のベッドは深紅のカバーで覆われ、大きな鏡と洗面台付きの化粧室も。
 ビクトリア女王、作家ヘミングウェー、フィッツジェラルド、コクトー、画家ルオー、指揮者トスカニーニ、作曲家ラフマニノフ、ミヨー、デザイナーのシャネル、俳優バルドーなど、数多くの著名人が青列車を愛好した。
 第二次大戦後、航空機の発達、主な利用層のブルジョア階級の崩壊などで、青列車は庶民化された。伝説的な豪華寝台列車の面影をとどめるのは、現在の14両編成の青列車最後部2両の紺青色だ。
 青列車の黄金時代をしのばせるのは、パリのリヨン駅構内で営業を続けるレストラン「ル・トラン・ブルー」。壁や天井のバロック様式装飾は今も壮麗そのものだ。
 今の青列車に乗って、夜9時50分すぎ、リヨン駅を出発した。部屋の広さは、約4平方b。小さな洗面台付き。現在、食堂車の連結はなく、翌朝のパンとコーヒーの軽食サービスがあるのみ。
 朝7時。通路では、すでに何人かが起きて車窓を眺めている。早朝の地中海の澄み渡った青色が眠気を覚ます。
 午前8時、ニース・ビル駅着。車でニース市街、天使湾に面した”英国人の散歩道”を走り、ローマ時代の街の中心だったシイミエの丘にあるマティス美術館を見学。1920年代のいわゆる”狂乱の時代”を彩った、ディアギレフ率いるロシア・バレエ団のためにも、マティスは数々の舞台美術を手がけた。
 青列車から各駅停車の列車に乗り換え、約30分でアンチーブ。表情豊かな海岸線と地中海の深い青を眺めながらのゆったりした旅。駅から海に向かい、レジスタンス広場、市場の雑踏へ。海沿いの道を歩き、グリマルディの古城を使用したピカソ美術館に。海を望む庭園も素晴らしい。
 翌日、ニース・ビル駅から各駅列車で約30分、モナコ・モンテカルロ駅へ。モナコは豪華なカジノやカー・レースが有名だが、ディアギレフが1911年から29年まで伝統あるモンテカルロ・オペラ座の芸術監督として活躍。今世紀のバレエ芸街隆盛に貢献した文化都市でもある。
 24年には、ディアギレフに招かれたコクトーがモナコで、ロシア・バレエのためにオペレッタ・バレエ「青列車」の台本を書き、音楽ミヨー、垂れ幕ピカソ、衣装シャネルで、パリ初演。モナコの海岸を舞台に、米国文化が南フランスに波及してくるさまを見事にとらえた。
 「このバレエの成功で”青列車”は、一層有名になり、この地域のリゾート文化を醸成する役割を増した」とパリ在住のフランス文化史研究家、花岡敬造氏は指摘する。
 モナコには、現在、1985年創立の「モンテカルロ・バレエ団」があり、国際的評価も高い。同バレエ団の現芸術監督ジャン・クリストフ・マイヨー氏も、ディアギレフの仕事に敬意を払い、斬新(ざんしん)かつ流麗な振り付けで世界の舞踊界に新風を吹き込んでいる。
 モナコから各駅列車で20数分のヴィルフランシュは、かつて漁村だった美しい港町だ。港に立つのが「ホテル・ウェルカム」。1920年代には、世界の最も先端的な芸術家、文人たちの交流の場だった。第一次大戦を機に、米国人も南仏を訪れるようになり、17年、現在の英米風の名前に改めた。ベランダから見える海の青が陽光にきらめく景観は、白砂の海岸とともに得難いものだ。
 【メモ】フランス国鉄の「青列車」は、パリ・リヨン駅−ヴァンチミグリア駅(イタリア)間を1日1往復。夜出発して朝到着の寝台列車。旅の問い合わせは、フランス政府観光局日本支部、03(3582)6965(テープ案内)。パリへはエールフランスが成田から週13便、関西国際空港から週9便、予約問い合わせは 03(3475)1511。(京都新聞 夕刊)
■JR山陽線 貨物脱線 速度超過が原因
 兵庫県姫路市のJR山陽線で今年8月、貨物列車が脱線した事故で、県警捜査一課と網干署は11日午後、貨物列車を運行していたJR貨物岡山機関区の元運転士(25)と上司だった同機関区の元助役(53)を、業務上過失往来危険容疑で神戸地検姫路支部に書類送検する。事故現場付近が線路のポイント工事に伴って速度が規制されていたが、元助役はそれを知りながら元運転士に必要な指示を怠り、制限速度を超えて運転したことが脱線事故につながったとしている。(朝日新聞 夕刊)
■信号機が故障し電車512本に遅れ 高速神戸駅
 11日午前5時ごろ、神戸市中央区多聞通三丁目の神戸高速鉄道高速神戸駅に入ろうとしていた阪急神戸線の西宮北口発高速神戸行き下り普通電車(8両編成、乗客約20人)が、信号機の表示が消えたため緊急停止した。3分後に運転を再開して同駅に到着したが、信号機の復旧に約40分かかり、この間、同駅付近を通る阪急神戸線、阪神、山陽電鉄の上下線で運転がストップ。上下計512本が39−3分遅れ、朝の通勤・通学客ら計約31万人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
12日■年末年始の予約 ちょっぴり緩和 JR西日本発表
 JR西日本が11日発表した年末年始期間(25日−1月5日)の新幹線と各在来線の指定席予約状況によると、関西から各地方への帰省のピークは、昨年と同じ30日、年明けのUターンのピークは、昨年より1日早い1月3日という。
 10日現在の関西を中心とした期間中の予約席数は、前年より19万席減の約190万席。定員と比べた予約率は、前年より3ポイント減の39%。帰省客が利用する下りのピークは予約率68%の30日で、昨年のピークより1ポイント高い。Uターンのピークとなる1月3日の予約率は、昨年のピークより3ポイント低い80%。
 JR西日本は「今年は景気低迷の影響や、1月3日が日曜日で休みが短くなり予約数が減っているようだ」とし、新幹線はピーク日の前後を除いて、在来線は寝台車など一部の列車を除き、まだゆとりがあるという。(京都新聞)
■年末のJRに空き
 JR西日本は11日、年末年始(25日−1月5日)の指定席予約状況をまとめた。10日現在、関西地区からの下りのピークは30日で、新幹線、在来線合わせて予約率は68%。関西への上りのピークは1月3日で、予約率は80%と集中している。
 東京−博多間の新幹線「500系のぞみ」などは込み合っているが、関西から九州など各地への下りはピークの30日でも、新幹線、在来線とも早朝や夕方以降の列車にまだ余裕がある。(朝日新聞)
15日■近鉄 都ホテル9店の運営 子会社に一本化へ
 近畿日本鉄道の田代和社長は14日の定例会見で、グループ内の都ホテルチェーン全17店のうち9店の運営を、来年度までに100%出資の子会社「近鉄ホテルシステムズ」に一本化するとともに、負債を近鉄本体で全額処理する支援方針を明らかにした。
 運営を一本化することで効率性を高め、財務体質を改善するのが狙い。対象となるのは、出資比率の高い都ホテル東京と三田都ホテル(ともに東京都)、東京以西の都ホテル大阪、天王寺都ホテル、名古屋都ホテル、4日市都ホテル、志摩観光ホテル、博多都ホテル、金沢都ホテルの計9店。
 長引く不況で膨らむ各店の負債についても、11月に東京2店の計60億円を支援したほか、残り7店についても自己資産を評価したうえで、来年10月までに処理を終える見通し。
 田代社長は「経営をスタートラインに戻し、来年度以降は赤字を出さない運営を目指したい」として、さらに対象となる店舗の拡大も検討していく。(京都新聞)
■近鉄京都線など2000年度に導入 乗車券カード改札システム
 近畿日本鉄道は14日、料金を前払いした乗車券カードで直接改札を通れるストアードフェアシステムを、京都線など関西の主要5路線で2000年度中に導入すると発表した。
 近鉄が導入するのは、三重県の青山町駅以西の京都線、大阪線、奈良線、南大阪線、橿原線にある計155駅で、営業`数は210`。改札システムは、阪急電鉄や京阪電車、大阪市などでつくる「スルッとKANSAI協議会」や、来年2月に導入するJR西日本と同じ仕様だが、競合状況やスケールメリットなどを検討したうえで、他と共通化させるかどうかを決める方針。(京都新聞)
■CD-ROM時刻表 きょうから無料配布 京都市交通局
 京都市交通局は15日から、地下鉄と市バスのすべての駅・停留所のダイヤを書き込んだ「CD-ROM版時刻表」を、各駅などで無料配布する。
 これまでインターネットや市バス・地下鉄案内所でのプリントサービスを通じて、時刻表を求める利用者に対応してきたが、CD-ROM版の導入で、より広範囲にダイヤの周知に努めることにした。
 用意したCD−ROMは3000枚。地下鉄の全駅、各市バス営業所、定期券発売所などで配布する。問い合わせは交通局自動車営業課 075 (822)9140へ。(京都新聞)
■特急料金一部値下げ 近鉄、3月から
 近畿日本鉄道は14日、乗客減少の著しい一部路線の特急料金を、来年3月のダイヤ改正に合わせて値下げする方針を明らかにした。初の値下げで「マイカーに奪われた乗客を取り戻したい」としている。
 通常、乗車40`以下の特急料金は500円で、80`までは870円。今回の値下げで、南大阪線とそれに延長する吉野線については、40`を超えた場合でも500円に据え置く。吉野線の路線内でも、現行500円を300円とする。
 また、三重県の「伊勢市」から「賢島」の区間に限って現行500円から300円にする。(京都新聞)
■JRなど アジアの鉄道を支援 研修生受け入れ 車両の譲渡も
 JRなど鉄道各社がアジア各国の鉄道支援に力を入れている。技術研修生の受け入れなど人材育成の協力が中心だが、車両の譲渡など新たな取り組みも始まっている。
 JR西日本は昨年6月、車両54両をタイの国鉄に無償で譲渡した。山陰線で急行列車などとして30年ほど活躍した中古だが、まだ使える車両ばかり。JRグループでも初めての試みという。
 車両はタイ側が船でバンコクに運び、レール幅に合わせて車輪などを改造した後、今年1月から走り始めた。6日から現地で開かれているアジア競技大会の観客輸送にも一役買っている。
 タイ国鉄には来年もディーゼル機関車など22両を無償で譲る計画だ。
 人材の育成にも協力している。べトナム鉄道からは1994年以来、毎年3人の技術研修生を受け入れている。各地の保線区で社員と一緒に半年間作業してもらい、信号通信、車両の保守などを教えている。
 JR西日本が昨年受け入れた視察・研修生はアジアを中心に59ヵ国、518人。JR民営化後の10年間で3.5倍の急増ぶりだ。
 JR九州は中国の鉄道部と協力協定を結んでいるため、中国側の幹部が民営化に備えて関連事業の視察に訪れ、宅地開発などのノウハウを学んだ。
 東京の営団地下鉄も、北京地下鉄の職員研修受け入れを93年から始めた。日本の地下鉄システムに対する関心は高いという。
 アジアの鉄道は高速化が当面の課題。鉄道先進国の日本に技術支援を求める声は今後も強まりそうだ。(京都新聞)
■オピニオン解説 提言 鉄道事故の第三者的調査機関を 国民的議論が必要 小事故も的確に把握徹底究明へ
 最近、近畿圏を走るJR各線で、列車がホームの停止位置を行き過ぎたりしてしまう、オーバーランのミスが頻(ひん)発しているとの報道がある。3ヵ月で14件にもおよぶという。運輸省近畿運輸局は、衝突などの大事故が起こってからでは遅いので、早急に原因を究明したいとして、JRの関係者からの事情聴取などの調査をはじめたとのことである。
 日本の鉄道はたいへん安全な輸送機関であるとされている。確かに他の輸送手段との比較や国際的な比較では、それを裏付ける数字が出てくる。しかし、実際には、最近のオーバーラン・ミスも含めて脱線事故や正面衝突事故などが後を絶たず、いつ大事故が発生しても不思議ではないとの指摘もある。
 そこで、鉄道の安全性を守るためには、過去の事故や、事故に至らないがその可能性をもつインシデント(トラブル、事件)を的確に把握し、その原因を徹底的に調査して、大事故の発生を未然に防止することが、非常に重要になってくる。それでは、わが国の鉄道事故の調査体制はどのようになっているのであろうか。
 ■再発防止が急務
 航空分野には航空事故調査委員会、海運分野では海難審判庁という、各専門的調査機関が設置されているのに対して、実は鉄道の分野では事故の再発防止を目的とした調査機関は置かれていない。本稿の最初で運輸省が調査をはじめたと紹介したが、これは一般的な行政指導以上のものではないのである。事故が起きた場合、ほかに警察や鉄道会社自身も調査を行うが、警察の捜査は犯罪事実の立証のために行われるものであり、再発防止は本来の目的ではない。鉄道会社自身の調査は、身内をかばうものとなりやすく、事故情報の客観化と教訓化という観点からは、不十分といわざるを得ない。
 そこで鉄道事故の原因究明および同種事故の再発防止のために、国が公平・中立の立場から事故の調査・分析を行うことが必要となってくる。先月13日に運輸大臣の諮問機関である運輸技術審議会(鉄道部会)が、運輸大臣に提出した答申では、国の機関としては初めてこのような事故調査を行うための体制を整備する必要性を認めた。
 これは従来の運輸省や内閣の立場からすれば大きな前進である。しかし、問題はいまだ多い。
 ■独立性が不可欠
 第一の問題は、調査機関の性格や位置づけである。恒常的機関とするのか、アド・ホックな(臨時)機関とするのか、さらには運輸省内に置くのか、運輸省外の第三者機関とするのかである。
 この答申はその点については、まったく触れていない。鉄道安全推進会議が提唱し続けてきたのは、米国のNTSB(国家運輸安全委員会)にならって、運輸省からも独立した、恒常的調査機関を設置することである。運輸省が制定した諸規則や運輸省の日常的監督行政をも調査の対象にしなければ、完全な事故調査とは言えない。その例証としては、ここでは薬害エイズ問題における、厚生省の対応を挙げるだけで十分であろう。
 第二の問題は、鉄道分野の事故調査体制の整備だけで足りるのかという問題である。米国を含めて欧米先進国では、運輸省から独立し、かつ、航空・鉄道・海運、さらには高速道路交通を含む運輸全体の事故をその調査対象とする、総合的な事故調査機関の設置が常識となりつつある。互いの分野の経験を交流することによって、事故調査、報告書作成、さらには関係者への勧告のフォロー等の機能を高め、総合的に運輸の事故調査能力と危機管理能力を高めるという発想である。日本では、航空事故調の調査能力や海難審判庁の原因調査機能と懲戒機能の併存など、既存の調査機関にも指摘される問題点は多い。
 運輸技術審議会の他の部会においても、規制緩和との関連で事故調査や安全確保の仕組みについての検討を進めていると聞くが、日本においても運輸省から独立し、かつ運輸の諸分野を統合的に対象とする事故調査機関について、国民的な議論を行うべき時期に来たといえよう。
さとう・たけむね 1958年、兵庫県生まれ。京都大学法学部卒。京都弁護士会を経て、現在、神戸弁護士会で弁護士登録。学者、弁護士、事故被害者らによって設立された、市民団体「鉄道安全推進会議」事務局長として、鉄道事故調査のための第三者機関の設置を訴え続ける。共著に「鉄道事故の再発防止を求めて」(日本経済評論社)など。(京都新聞)
■特急の料金を近鉄値下げへ 吉野線など2区間
 近畿日本鉄道は14日、奈良県を走る吉野線など、2区間で、特急料金を値下げする方針を明らかにした。従来の最低料金だった500円よりも安い300円の料金を設け、需要の喚起をはかる。来年春以降の実施を計画している。値下げの対象は、吉野線の橿原神宮前駅から吉野駅の間(25.2`)と三重県の伊勢市駅から賢島駅の志摩線を中心とした区間(38.3`)の特急料金。従来は40`までが500円だったが、この区間に限り一律300円とする。4枚1組で販売し、地元の需要を喚起して利用率アップをねらう。(朝日新聞)
■CD-ROM時刻表を配布 京都市バス・地下鉄
 京都市交通局は、CD-ROM版の市バス・地下鉄時刻表を作製、15日から市バス営業所や市営地下鉄の駅などで無料配布する。
 このCD-ROMには、市バス全停留所と地下鉄全駅のすべてのダイヤが収録されており、自宅や職場のパソコンで発車時刻などを調べることができる。ウィンドウズ95、98に対応している。
 配布枚数は3000枚。バス営業所・支所(8ヵ所)▽地下鉄全駅(27ヵ所)▽市バス・地下鉄案内所(5ヵ所)▽定期券発売所(6ヵ所)で配られる。問い合わせは、市交通局自動車部営業課(075・822・9140)へ。(朝日新聞)
16日■神鉄脱線事故「踏切拡幅など怠る」 神戸地裁判決 電鉄側に指摘 運転手は猶予刑
 神戸市北区の神戸電鉄有馬線で今年2月、踏切内に立ち往生したトラックに普通電車が衝突して脱線し、乗客ら7人がけがをした事故で、業務上過失傷害と過失往来危険などの罪に問われた大阪府茨木市春日3丁目、トラック運転手尾松英明被告(23)に対する判決公判が15日、神戸地裁であった。江藤正也裁判官は「過失は重大だが、神戸電鉄も車が踏切に安全に進入できるような自衛的措置を怠った」と述べ、懲役2年6月執行猶予4年(求刑懲役2年6月)を言い渡した。
 判決によると、尾松被告は2月4日午後3時ごろ、神戸市北区山田町下谷上の踏切に進入した際、トラックの左前輪を脱輪させた。普通電車と衝突、先頭車両を脱線させて乗客ら7人にけがを負わせた。
 江藤裁判官は被告の刑事責任は重大としたうえで、「現場は幅約1.9bの狭い踏切で、神戸電鉄も運転技術が未熟な者が安全に進入できるよう踏切を拡幅するなどの措置をとるべきだった」と指摘した。
 神戸電鉄総務課の話 当社と当社の運転士に責任はないと考えている。(朝日新聞)
■JR京都駅 巨大な夢描くツリー
 サラリーマンやOL、学生が足早に改札口をくぐる京都市下京区のJR京都駅。頭上に大きなクリスマスツリーが輝いていた。
 駅利用者にクリスマス気分を味わってもらおうと、先月下旬から毎夕、大小のツリーに光を灯(とも)している。改札口上のネオンで描いたツリーは、高さ24bと最も大きい。
 そのツリーを正面にのぞむ南広場。一組のカップルが手をつなぎ、足元の小さなツリーの向こうにそびえる、絵本に出てくるようなかわいらしいデザインの巨大ツリーに見入っていた。
 駅ビル内の百貨店は今、歳末商戦の真っ最中。「お歳暮やクリスマスギフトなど目標よりいい売り上げ」と、不況のなか、ちょっぴり明るい表情だ。(京都新聞 夕刊)
■架線切れ垂れ下がりJR関西線が乱れる 奈良
 16日午前10時40分ごろ、奈良県北葛城郡河合町のJR関西線王寺−法隆寺間にある大輪田第2踏切(遮断機、警報機付き)付近で、奈良発JR難波行き下り普通電車(6両編成、乗客約100人)が走行中、反対を走る上り線の架線の一部が同踏切をはさんで約50bにわたって切れて垂れ下がっているのを運転士が見つけ、新大阪総合指令室に連絡した。このため、同線奈良−JR難波間で約40分間、運転がストップし、その後も奈良−王寺間で運転を見合わせている。(朝日新聞 夕刊)
17日■1万3000人影響 山陰線で信号故障
 16日午後4時25分ごろ、京都市右京区花園寺ノ内町のJR山陰線・花園駅構内で、上り線の出発信号機が赤のまま変わらなくなった。
 信号は約1時間後に復旧したが、京都駅行き普通電車(6両編成)が花園駅で約1時間立ち往生したほか、後続の上下線合わせて8本が運休、上下線の計21本が50分−10分遅れ、計約1万3000人に影響が出た。この故障で、JR西日本は午後5時15分から約20分間、JR二条駅で市営地下鉄東西線と烏丸線への振り替え輸送を行った。
 同社は、信号を自動的に変える電気システムが何らかの理由で作動しなくなったとみて、故障の原因を詳しく調べている。(京都新聞)
■飛び込み男性 軽傷、助かる 近鉄京都線竹田駅
 16日午後8時20分ごろ、京都市伏見区竹田桶ノ井町、近鉄京都線・竹田駅ホームで、京田辺市の無職の男性(38)が、ホームに入って来た橿原神宮前行き下り特急電車に向かって飛び込んだ。男性は電車が到着する前に線路を飛び越えて壁ぎわに転落、電車と接触せず、顔などに軽いけがをしただけで助かった。
 特急電車は現場に6分間停車、後続の急行が5分遅れ、通勤客ら計約1000人に影響が出た。(京都新聞)
■サンタ列車が走るぞ 信楽高原鉄道 あすから ツリーで装飾
 信楽高原鉄道(本社・信楽町長野)はクリスマスにちなんで18日から23日までの間、初の「サンタ列車」(1日1往復)を走らせる。
 同鉄道では毎年1月に「盆梅列車」を走らせ、観光客の人気を集めている。サンタ列車は年末が閑散期となるため、旅客数回復の起爆剤に、と初めて企画した。
 同列車は、サンタの顔をデザインしたヘッドマークを付けた車両で、クリスマスツリーやリースなどで飾り付けて雰囲気を盛リ上げる。また、乗務員がサンタにふんして子どもたちにプレゼント(お菓子入りブーツ)を手渡す。すでに町内の保育園などから団体予約も入っており、同鉄道では「盆梅列車と並ぶ冬の名物列車に」と期待している。
 同列車は毎日、午前10時21分に信楽駅を出発。約1時間かけて同駅と貴生川駅を往復する。大人900円、子ども460円。問い合わせは同鉄道 0748(82)3391へ。(京都新聞)
■信号が故障し 1万3000人影響 京都市内でJR山陰線
 16日午後4時半ごろ、京都市右京区花園寺ノ内町のJR山陰線花園駅で、亀岡発京都行き上り普通電車が出発しようとしたところ、信号機が赤のまま変わらず発車できなくなった。信号通信係員が駆けつけたが、単線区間のため、下り特急を手信号で通してから約1時間後に復旧した。この間、約500人を乗せた普通電車が駅で立ち往生した。ほかに上下計8本が運休、計21本が1時間3分−10分遅れ、乗客約1万3000人に影響が出た。JR西日本が故障の原因を調べている。(朝日新聞)
■3ヵ月ぶりに土讃線が復旧 豪雨で築堤が崩壊
 9月下旬に死者8人を出した高知県の豪雨で、築堤が崩壊し線路が途切れた状態になっていたJR土讃線の復旧現場(高知県土佐山田町)で17日、レールがつながった。
 不通になっていた繁藤−土佐山田間は25日の始発から運転を再開、土讃線は約3ヵ月ぶりに全面復旧する見込み。
 土讃線は9月24日からの豪雨で同町東川の山間部で盛り土約1万立方bが崩壊、約50bにわたって線路が宙に浮いてしまい、JR四国はいったん線路を切断して復旧作業を急いでいた。
 JR四国によると、復旧作業は盛り土の中に気泡を入れる「軽量盛り土工法」という方法で実施。今回の現場のような道路が通っていない場所でもホースを使ってセメントや砂などを混合した盛り土を送り込め、盛り土自体も少量で済むため、作業は比較的速いピッチで進んだという。
 現場では10月、作業車が転落して5人が重軽傷を負う事故も起きた。(京都新聞 夕刊)
18日■700系のぞみ 1日3往復に 来年3月ダイヤ改正 JR4社
 JR東海、西日本、四国、九州のJR旅客4社は17日、来年3月13日に行うダイヤ改正計画を発表した。
 東海道・山陽新幹線ののぞみに新型車両の「700系」が登場、東京−博多間を1日3往復する。新幹線の新型車両は、昨年12月「Maxやまびこ」などとして東北新幹線に投入された「E4系」以来。
 700系はJR東海とJR西日本が共同開発した車両で、今回はJR東海が初代のぞみ「300系」の後継車両として投入する。
 最高時速は300系の270`に対し、285`。東京−博多間の最短所要時間は4時間57分で、300系の5時間4分に比べ7分短縮。ただJR西日本が持つ最高時速300`の「500系」のぞみの4時間49分に比べると8分遅い。
 また小郡−新下関間に新たに厚狭(あさ)駅(山口県山陽町)が開業、こだまが上下計62本停車する。東海道・山陽区間での新駅は1988年3月に新富士、新尾道など5駅が誕生して以来11年ぶり。
 在来線の特急では、JR九州が博多−熊本間の特急有明を下り8本、上り10本増発。つばめと合わせ、同区間は日中20分おきに特急が発車する。
 JR四国は高松−徳島間のうずしおの新型車両への更新を進め、平均所要時間を下り3分、上り2分短縮する。(京都新聞)
■新幹線に厚狭駅開業 来年3月ダイヤ改定
 JR西日本とJR東海は17日、東海道、山陽新幹線を中心としたダイヤ改定を来年3月13日から実施する、と発表した。両新幹線では11年ぶりに小郡−新下関間に新駅「厚狭(あさ)駅」が開業、東京−博多間の「のぞみ」に新型車両700系を1日3往復走らせる。
 新駅は、山口県山陽町の山陽線厚狭駅に隣接して完成。「こだま」のみ1日上下計62本が停車し、1日2000人の乗降客を見込む。
 また、新型700系が東京−博多間ののぞみに登場、4時間57分で結ぶ。のぞみは東京−岡山、名古屋−博多を結ぶ新運転区間が加わるなど計6本が増発される。一方、東海道区間の「ひかり」は乗客数の低迷などから計6本減り、名古屋−新大阪間に計2本のこだまが新設される。(朝日新聞)
19日■「1」の記念入場券 年4回限定発売 JR西日本
 JR西日本は18日、平成11年1月1日など「1」が並ぶ日が来年は4回あることから、それぞれの記念入場券を約11万1000枚ずつ限定販売すると発表した。
 入場券は1月1日と1月11日、11月1日、11月11日の各日からその月の末日まで京阪神地区の139駅で発売し、1枚140円または120円。旧国鉄時代のデザインの紙製で、1月1日に限り4種類をセットできる台紙がもらえる。
 また24日から、管内の大学の最寄り駅と徳島線学(がく)駅(徳島県川島町)の入場券、お守り袋をセットにした「合格祈願きっぷ」(940円または920円)も主要駅で発売する。(京都新聞)
20日■京都バスが河川敷に滑落 左京の府道、車が衝突
 19日午後4時ごろ、京都市左京区広河原下之町の府道で、広河原行き京都バス=下畑進次郎運転手(49)=と、対向してきた茨木市中穂積、会社員山田耕司さん(31)の乗用車が衝突、弾みでバスは道路左わきの上桂川河川敷(落差約2b)に滑り落ちた。山田さんは右手に軽いけがをした。バスには、下畑運転手とアルバイト乗務員(22)、乗客1人の計3人が乗っていたが、いずれもけがはなかった。
 現場は緩いカーブで、バスはガードレールの切れ目から落下していた。下鴨署は乗用車がセンターラインを越えて衝突したのではないかとみて、原因を調べている。(京都新聞)
■JR京都駅前広場でチャリティーバザー
 JR京都駅前広場で19日クリスマスチャリティーバザーが開かれた。かずのこやするめ、昆布などの正月用品や京都土産、おもちゃなどを1−3割引きで即売するコーナーや、JR西日本社員が持ち寄った家庭用品市などもあり、人気を集めた。バザーは20日(午前11時−午後5時)もあり、売り上げの一部を社会福祉に寄付する。
 駅前広場の整備がほぼ整ったことで、JR西日本京都支社が初めて企画した。高さ2bを超える大きなクリスマスツリーの横に、JRや駅ビルの関連会社、嵯峨野観光鉄道、酒造会社など10社が12のテントに分かれて出店。ジングルベルなどのクリスマスソングに合わせて、駅ビルのマスコット「スカーラ(イタリア語で屋根の意味)ちゃん」や「テット(同階段の意味)君」、スキー臨時列車「シュプール号」のマスコットの「ゆきまる君」も姿を見せ、子どもたちに囲まれていた。
 20日は午後1時と2時と3時の3回、平安女学院の卒業生がクリスマス曲をハンドベルで演奏する。(朝日新聞)
■あの場所 島根県・亀嵩 「砂の器」清張ファン 今も
 東京・蒲田の操車場で男性の他殺体が発見された。手がかりは東北なまりの「かめだ」という言葉だけ。捜査の目は東北から山深い奥出雲、島根県仁多町亀嵩へ−。松本清張の小説「砂の器」のなぞ解きのキーワードとして使われ、全国に知れわたった亀嵩。「砂の器」の新聞連載が始まってから38年、映画化からは24年がたち、地域の風景は変わりつつあるが、名作の舞台を訪れる清張ファンの姿はなくならない。
 早春に東北靴の奥出雲
 亀嵩にある湯野神社境内の入り口に立つ「砂の器」の記念碑には、松本清張さん自筆の句が刻まれている。「私が亀嵩言うと観光客は喜ぶわね。本当に”かめだ”と聞こえるって」。神社前でレストランを営む藤原トシエさん(61)の出雲弁が「砂の器」の世界へいざなう。
 小説では、このなまりが事件捜査のカギとなる。事件を追う老刑事は出雲弁が東北弁と似た発音を持つことを知り、「かめだ」は「亀嵩」であることに気づく。そして、被害者は以前亀嵩駐在所に勤務していた警察官だったことを突き止める。犯人は亀嵩で少年時代を過ごしていた。
 亀嵩観光文化協会の横路一雄会長(70)は「清張さんのお父さんは亀嵩から山一つ越えた鳥取県日南町の出身。亀嵩の自然や土地柄のイメージが頭の中に残っていたのでは」と、舞台に選ばれた理由をこう推測する。
 「砂の器」の映画化は1974年。野村芳太郎監督の作品だ。撮影は亀嵩をはじめ、横田町、大東町と広範囲にわたった。警察官役を演じた俳優の緒形拳さんが地元の人に「早くご飯を食べなさい」を出雲弁でなんと言うのか尋ね、教えられた通り本番で出雲弁を使ったというエピソードも残っている。
 亀嵩をめざした清張ファンや観光客が乗降するJR木次線・亀嵩駅は、駅舎の中にそは屋がある駅として有名だ。店内には丹波哲郎さんら「砂の器」の出演者や松本清張さんの写真などが数多く飾られている。客が「旅ノート」に思いを残している。「中学生のころ小説を読んで感動した。20年来の夢がかなった」「映画のシーンがよみがえってきて涙が出た」
 今年の夏、大東町下久野地区の有志が、松江市内の映画配給会社から16_フィルムを借りてきて「砂の器」の上映会を開いた。企画した北川哲さん(50)は「小さな町が突然、小説や映画の舞台になり、もうお祭り騒ぎだった。映画と下久野の人たちとのすばらしい出会いを忘れたくなかった」と話す。
 上映会場の仁多町立久野中学校の体育館には、子どもからお年寄りまで150人以上が集まった。緒形さんが自転車で走り回った砂利道は舗装され、少年が砂で器を作るシーンを撮影した久野川も、ところどころコンクリート護岸に整備され姿を変えている。それでも町の風景をスクリーンの中に見つけたり、エキストラ役で出演した知人を見つけたりした観客の歓声で、何度も会場がわいた。
 亀嵩観光文化協会は今年、設立20周年を迎えた。これを記念して、「砂の器」の映画をもう一度制作する構想を温めている。「亀嵩と清張さんとのつながりは偶然ではない。地域と映画人がつくりあげた文化を、しっかりと伝承していかなければいけない」と横路会長。
 変わりゆくもの、変わらないもの。「砂の器」はまちの歴史そのものだ。(文 真常 法彦)
亀嵩(島根県仁多町) 旧亀嵩村。1955年、町村合併で仁多町となる。町内を走るJR木次線は宍道湖畔の宍道湖を出発し、広島県西城町の備後落合駅を結ぶ81.9`の単線。4月下句から11月末の間、木次−備後落合間でトロッコ列車「奥出雲おろち号」が走り、人気を集めている。(朝日新聞)
21日■一般会計歳入と歳出(抜粋) 鉄道・空港 整備新幹線7.7%の大幅増
 整備新幹線は国負担分の公共事業関係費が317億円。今年度当初予算比で7.7%増と大幅に増加した。運輸省の概算要求は318億円。景気対策緊急特別枠で認められながら今年度第三次補正予算に盛り込まれなかった10億円を加え、ほぼ満額が認められた。自民・自由両党の連立協議の中で、「整備新幹線などの国家プロジェクトに重点的に取り組むべきだ」との声が出たことが追い風になった。既設新幹線の買い取り代金などを加えた総事業費は1634億円になる。
 整備新幹線が「ばらまき」と批判される中、都市住民へ配慮するため、大蔵原案内示前日の20日、「都市政策としての鉄道整備」が小渕恵三首相の指示で急浮上。調査費3億5000万円が計上された。運輸省は、@今年度第三次補正予算で着工が決まった東京の営団地下鉄13号線(池袋−渋谷)と東京急行電鉄・東横線の相互乗り入れA大阪・中之島で計画されている再開発地区への京阪電鉄の約1`廷伸、を対象にする方針だ。
 空港も総額1588億円と、今年度当初比で10.3%の高い伸びとなった。関西空港2期事業は386億円で伸び率6.3%。中部国際空港は55億円と今年度当初の約4倍に急増した。一方で、着陸料など空港使用料の引き下げはまったく盛り込まれておらず、復活折衝の焦点となりそうだ。
 港湾は総額3460億円で、今年度当初比2.5%の伸びにとどまった。(朝日新聞 夕刊)
■青鉛筆
 JR西日本がタイ国鉄に無償で譲渡した54両の車両が、バンコク市や近郊で市民の足として活躍し、第二の人生を送っている。
 日本では昭和40年前後に急行列車として全盛期を過ごし、現在はローカル線に転用されているタイプ。タイの規格に合わせて車輪の幅などに改修がほどこされ、色もタイ風に塗り直されているが、日本人にはおなじみの車両だ。
 アジア大会期間中は、主要会場を結ぶ特別列車になった。踏切で列車の通過を待つバイクや自動車の多くも日本メーカー製で、どちらもタイの街にすっかりなじんでいる。(朝日新聞)
■市バス急ブレーキ 乗客3人軽いけが 北区の交差点
 21日午前10時25分ごろ、京都市北区西大路通水室の氷室通交差点で、西大路通に右折中の立命館大学前行き市バス=藤本敏夫運転手(60)=と、横断歩道を東へ渡っていた近くの無職の女性(24)の自転車が接触した。女性が右足などに軽いけがをした。市バスが急ブレーキをかけたため、ほぼ満員の乗客約40人のうち、北区の女性3人が座席などで腰や足などを打ち、軽いけが。西陣署は藤本運転手が自転車に気付くのが遅れたのではないかとみて原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
22日■京都−徳島に高速バス 3月から 京阪バスなど4社
 京阪バス(京都市南区)と西日本ジェイアールバス(大阪市)、徳島バス(徳島市)、四国旅客鉄道(高松市)の4社は21日、京都駅と徳島駅を結ぶ共同運行の高速バスの事業免許を近畿運輸局に申請した。来年3月1日から1日6往復運行する。
 路線は、JR京都駅の高速乗り場から、明石海峡大橋を経て徳島駅(徳島市)までの177.5`で、所要時間は2時間50分を予定。ダイヤは、京都駅からは午前8時以降1時間ごとに3便、午後4時以降も同様に3便。徳島駅からも朝夕3便ずつ出発する。
 運賃は徳島駅まで大人4100円、鳴門撫養(鳴門市)まで同3750円。
 明石海峡大橋経由徳島駅までの高速バス路線は、大阪や神戸からは今春開通している。観光客ら年間7万2000人の乗客を見込んでいる。(京都新聞)
■大みそか特別ダイヤ 特別乗車券も発売 JRと私鉄3社
 京滋を走る近鉄、京阪、阪急の私鉄3社とJR西日本は、大みそかに特別ダイヤで運行する。初もうでや年末年始の特別乗車券も発売している。
 京阪は、大津線で運行時間を延長し、京都市内への最終となる浜大津発御陵行きが1月1日午前2時3分、御陵発浜大津行きは同1時57分が最終。京阪線は終夜、普通と急行をそれぞれ10−20分間隔、宇沿線で普通を15分間隔で運行。京阪線で31日から6日間に4回乗れる初もうで乗車券(大人1000円)などを発売中。
 阪急は、全線で普通を30分間隔、京都線では急行も2、30分間隔で運行。神戸高速線を除く全線で31日から4日間乗り放題となる「ニューイヤーチケット」(大人1700円)を発売。
 近鉄は、京都線で普通(京都- 西大寺、奈良)を15−30分間隔、特急は20−60分間隔となる。京都−奈良間往復で10%の割り引き切符を世界遺産に指定された春日大社の初もうで客向けに発売している。
 JR西日本は、普通を京都線で30分間隔、琵琶湖線、湖西線、嵯峨野線で60分間隔で運行。31日から4日間のうち、自由周遊区間内で普通が1日乗り放題となる初もうで乗り放題切符(大人1600円)を発売中。(京都新聞)
■信号故障し12本遅れる JR山陰線
 21日午前10時57分ごろ、JR船岡駅(京都府船井郡園部町)の信号が赤のまま変わらなくなった。約1時間後に復旧したが、城崎行き特急「きのさき3号」と後続の普通列車(福知山行き)が、船岡駅の手前で停止するなど、上下あわせて特急列車6本が5分−1時間、普通列車6本が5分−1時間20分遅れ、乗客1400人余に影響が出た。JR西日本福知山支社によると、線路わきの安全装置が働いたためという。(京都新聞)
■新幹線減速闘争で訴訟 運転士配転命令は無効 大阪地裁
 東海道新幹線の運転士から車両の検査・修理部門に配置転換された竹本真一さん(39)が、JR東海(本社支払いを命じる判決を言い渡した。松本哲泓裁判長は、組合活動を理由に報復人事とする原告側主張は認めなかったが、「原告は業務で適性を疑われるような問題は起こしておらず、配転先がより適切というわけでもなかった」と述べた。
 判決によると、竹本さんが所属するジェイアール東海労働組合(JR東海労)は、1993年5月、時速270`で運転する「のぞみ」が駅通過時に砂利をはね上げてホームにいた客を負傷させる事故を起こしたことなどから、岐阜羽島など3駅を通過の際に速度を230`に落とす減速闘争を実施した。(朝日新聞)
■中国と台湾で新幹線「売る」運輸省審議官ら
 【北京21日=鈴木暁彦】中国が進めている北京−上海間の高速鉄道計画の受注をめざして21日、運輸省の土井勝二審議官が北京入りした。一方、台湾でも台北−高雄間で高速鉄道が計画されており、同日から台北で始まった日台経済貿易会議で、通産省代表が売り込みを図る。両計画ともフランス、ドイツと激しい受注合戦を繰り広げている。
 中国の高速鉄道は2000年の着工予定で、北京−上海約1400`を約6時間で走らせる計画。土井審議官は22日から傳志寰鉄道相、孫永福次官に会い、説明や意見交換をする。中国側はこれまでのところ中立的な姿勢を崩していない。
 一方、台湾の計画は全長約340`で、2003年の開業をめざしている。会議に通産省の紀村英俊・国際プラント推進室長が出席し、巻き返しを図る。(朝日新聞)
■タイムアングル 琵琶湖疎水・竣工式
 明治23年(1890年)4月9日、天皇、皇后ご出席のもとに、琵琶湖疎水の竣工式が、鴨東運河夷川船溜まりの中島で行われた。
 その前日が竣工夜会。12の大臣のうち11人までが出席して、1500人余が集まった。午前8時ごろから運河の沿岸一帯に、見物の人々が出始めた。「その数何万人」と京都日出新聞は報じている。沿岸の各所には掛茶屋や屋台店が並び、三条通は蹴上から白川橋まで、家々が「祝」の字を白抜きにした紅ぢょうちんを掲げた。
 船溜まりの南側には、月鉾、鶏鉾、油天神山、郭巨山がずらりと勢ぞろいして、30隻の舟が祇園囃子をはやしながら、水路を上下した。陸軍軍楽隊の演奏と共に、仕掛け花火が「聖寿万歳」「美哉山河」の文字、舟の形や鯉の形などを描き出す。打ち上げ花火は岡崎町と南禅寺町の2ヵ所の畑地から、夜空に次々と大きな花を咲かせた。
 宴たけなわのころ、如意ケ岳に大文字がともされ、東山から十九夜の遅い月が昇った。季節はずれに祇園山鉾と大文字。京都は琵琶潮疏水の竣工に、最大の祝意を表現したわけである。
 写真はその竣工式場。木の葉で覆った門は見えるが、植え込んだはかりの樹木に、人も40人足らずの寂しい光景だ。式の前には見物人を入れなかったと思われるから、翌日か翌々日のものだろう。(作家・駒 敏郎)(朝日新聞)
■”アヒル”新幹線だ 愛知 量産車両を前に式典
 JR東海とJR西日本が共同開発し、来年3月から東海道・山陽新幹線で「のぞみ」として運転される新型新幹線700系量産車両の第一陣(先頭車を含め4両)の完成式典が22日、日本車両豊川製作所(愛知県豊川市)で開かれた。
 700系量産車両は、現在「のぞみ」の主力として運転されている300系と比べ、先頭車両の「鼻先」が約3.2b長く、アヒルのくちばしのような外観が特徴。空気抵抗が減り、走行時の騒音が抑制され乗り心地がいい。
 来年2月までに計4編成64両がJR東海に引き渡され、3月13日から東京−博多間で営業運転される。(京都新聞 夕刊)
23日■JR関西線 快速に投石? ガラスに穴 奈良・大和郡山
 22日午後5時25分ごろ、奈良県大和郡山市のJR関西線(奈良−郡山間)で、奈良発大阪行きの区間快速の乗客が「ガラスが割れた」と車掌へ連絡した。4両目のドアガラス1枚に手のひら大のひびが入り、直径2a程度の穴が開いていた。郡山署は、何者かが投石した往来危険の疑いもあるとみて調べる。(朝日新聞)
24日■奈良駅舎(JR)存廃岐路に 周辺高架化で取り壊しも 市民ら保存運動
 平等院鳳凰堂(宇治市)をモデルにしたともいわれるJR奈良駅舎が、存廃の岐路に立っている。今年2月認可を受けた、駅周辺を高架化し渋滞を解消しようという「連続立体交差事業」の計画で、一時的に敷かれる仮線が駅舎にかかってしまうためだ。
 「取り壊しもあり得る」との声を聞いて9月、地元の建築家や大学教授らが「JR奈良駅舎を生かす会」を結成、市民の間に保存運動の輪が広がっている。
 現駅舎は1934(昭和9)年の建設。寺社風の建築様式で長年、古都・奈良の表玄関として親しまれてきた。
 事業を進める奈良県は、検討委員会を設け、現駅舎の扱いを@取り壊し撤去A仮線がかかる部分だけを取り壊し、高架完成後復元B工事期間中、移動させ、終了後戻す−などの案で協議を続けている。
 生かす会のメンバーで建築家の秩父治征さんは「昭和初期に全国の観光地では、地域の特色を表す様式の駅舎が建てられた。数少ないその時代の貴重な建物」と価値を強調する。
 社団法人「奈良まちづくりセンター」が10−11月、約400人に実施したアンケートでは「保存活用すべき」が47.4%、「一部保存すべき」が44.4%で、「取り壊してもよい」の5.6%を大きく上回った。
 当初、本年度末までに結論を出す予定だった検討委員会は、来年12月まで協議期間を延長することを決定。奈良県都市計画課は「建物だけを残しても維持費をどうするのかという問題もある。広く市民らから意見を聴いて決めたい」としている。(京都新聞)
25日■新幹線こだま遅れ 山科で緊急ブレーキ
 24日午後11時5分ごろ、京都市山科区のJR東海道新幹線・音羽山トンネル付近で、新大阪行きの下りこだま435号が走行中、緊急ブレーキがかかり停車した。
 JR東海で点検したところ、車両に異状はなく、約10分遅れで発車した。JR東海で原因を調べている。(京都新聞)
■振り返って'98 やめて、山科駅前付近の迷惑駐車 9月1日 「東の玄関口」にため息
 10月、RACTO(ラクト)山科が街開きした山科駅前周辺では今なお、迷惑駐輪が横行している。「京都の『東の玄関口』として恥ずかしくないターミナルにしないと」。地元の安朱学区自治連合会長、青木喜正さん(71)は、路上駐輪が減らない駅前を見てため息をもらす。
 特に駅前バスターミナル東側の歩道上は10月からひどくなった。いつも200台以上が止まり、通行を防げている。ここに献血コーナーを設ける同学区では、先月の献血の時も、役員が朝早く出て立ち番をし、受付のスペースを確保した。
 RACTOのビル周辺でも路上駐輪は目立つ。デパートや専門店街が入るB棟や、文化施設があるC棟付近は常に数十台が並ぶ。利用者が止めていることもあり、店舗・施設関係者は対応に苦慮しているのが現状だ。
 山科駅前の駐輪スペースは、「山科駅前」「山科駅西」の2ヵ所で約2800台分(バイク含む)。RACTOがオープンする前から9割以上の稼働率だが、10月以降も「路上駐輪の台数ぐらいは余裕がある」(市市街地再開発課)。「早いうちに手を打たないと常態化してしまう」(青木さん)。安朱学区は新年から対応策に乗り出す。(京都新聞)
■目で見る日本経済 たばこ値上げで販売滅?
 1997年度に消費税導入の影響で大きく落ち込んだたばこの国内販売数量が、98年度も引き続き減少しそうだ。旧国鉄の長期債務処理に伴うたばこ特別税新設で、12月1日からたばこの値段が1本当たり約1円値上げされたからだ。日本たばこ産業(JT)は初の2年連続値上げとなり、消費者の動向が読めないと懸念を強めている。
 日本たばこ協会の調べによると、国内販売数量は90年度の3220億本から93年度3326億本、96年度3483億本と拡大を続けてきた。
 しかし、97年4月の消費税率引き上げに伴う値上げで安定的な拡大基調に異変が生じた。値上げ前の駆け込み需要で96年度は4%増と大幅に伸びたものの、逆に97年度は駆け込み需要の反動などで5.8%減の3280億本と大幅に減少した。
 嫌煙運動が広がったり、たばこの発がん性が議論されるなど、たばこ販売を取り巻く環境は年々厳しくなっている。それでもJTが毎年度実施している調査によると、女性の喫煙者の増加などで喫煙者率は90年度から95年度まで36%台を維持。特に95年度調査では女性の喫煙者率が15.2%と過去最高を記録した。
 85年に専売公社が民営化されてJTが発足したのに伴い、たばこ販売も自由化。87年には関税がゼロになり、折からの円高もあって値下がりした外国産たばこが、おしゃれな広告やイメージで女性の喫煙者にターゲットを絞り売り上げを伸ばしたのも、女性の喫煙者率増加に影響している。
 だが、96年度調査以降、96年度35.1%、97年度34.6%、98年度33.6%と減少傾向が顕著となっている。
 JTは、消費税導入による値上げで同社の中規模工場の年間生産量に匹敵する100億本が減少したと推定している。今回の値上げでもかなり減少するのでは、と懸念している。(京都新聞 夕刊)
■新型改札通せんぼ JR東海 重ね入れ「慣れて」 新大阪駅 材乱戦→新幹線乗り換えご注意
 JR新大阪駅の新幹線と在来線の乗り換え口で、新幹線に急ぐ乗客が自動改札機に通せんぼされるケースが相次いでいる。新幹線の乗車券と特急券、在来線の切符と定期券などを重ねて改札機に入れなければならないのに、その手順がよく知られていないためだ。ラッシュ時に一人がひっかかると、後ろに並んだ人は腕時計を見ながらイライラ。自動化で駅員を減らせると考えていたJR東海は、逆に駅員を増やして対応せざるを得なくなった。年末年始、新幹線を利用する人はくれぐれもご注意を。
 新大阪駅の東海道・山陽新幹線と在来線との乗り換え口は、1日平均6万2000人が通る。3月から13台の自動改札機が横一列に並び、新幹線の駅で最も自動改札機の多い場所になった。
 改札機の通路からは、数分おきに「チンコーン」という音が鳴り響く。ゲートが閉められ、乗客は何が起きたのか分からずに立ち往生。そばにいる駅員が走り寄って手順を説明し、もう一度やり直し。ひっかかるのは観光客やお年寄りに目立ち、改札機の前に人だかりができることもある。
 自動改札機を管理するJR東海によると、この改札機には新幹線の乗車券や特急券と一緒に、新大阪駅までの在来線の定期券や乗車券などを重ねて入れなければならない。最高4枚まで入れられるが、1枚ずつ入れるとすべて戻され、ゲートが閉まる。
 スピーカーからは利用方法が流れ、案内板も立っている。それでも、改札機に切符を1枚だけ入れる私鉄やJRのほかの駅の仕組みに慣れた乗客には分かりづらいようだ。
 さらに在来線の駅で有人改札を通ると、正しい手順を踏んでも乗り換え口の自動改札機がはじいてしまう。JR西日本各駅の自動改札機はキセル防止のための入場情報を記憶させるシステムになっており、この情報が入力されていない切符や乗車券は受け付けないためだ。
 改札の自動化が進んでいない九州や中国方面から新幹線で大阪に来た場合、裏面がまだ磁気化されていない切符もあり、在来線への乗り換え時に「待った」をかけられるケースも多いという。
 かつて、この乗り換え口にはピーク時で5人の駅員が配置されていた。自動化した後は有人通路に2人、案内係として4人と実質的に駅員を増やしてトラブルに対処している。年末年始にはさらに2、3人増やす予定という。
 このほかにも、JRと私鉄が連絡している一部の駅でも同じようなトラブルが起きている。
 JR東海関西支社運輸営業部は「正しい利用法が十分知られていないのが実情だ。一度経験すれば次から問題はなくなるはずで、慣れてもらうしかない」と話している。(朝日新聞 夕刊)
■ノムさん持って電車でGO 阪神電鉄がプリペイドカード
 阪神電鉄は、阪神タイガースの野村克也新監督の顔写真を入れたプリペイドカードの乗車券「野村監督らくやんカード」を、29日から各駅改札などで計3万枚発売する。
 この乗車券は、関西の私鉄などとの共通乗車券「スルッとKANSAI」に対応しており、これまで「阪神タイガース選手ンリーズ」として、新庄選手や薮投手など4人の選手を登場させ、大人用と小人用を発売している。監督の登場は初めてで、乗車券は大人用のみ。1枚2000円。(京都新聞)
■JR土讃線が復旧
 JR四国は25日、9月の集中豪雨のために不通になっていたJR土讃線の繁藤−土佐山田間(約13`、いずれも高知県)の運転を再開した。これで土讃線は3ヵ月ぶりに全面復旧した。(朝日新聞 夕刊)
26日■終着駅はお正月 分散化の帰省スタート
 新年をふるさとで迎える帰省ラッシュが26日、鉄道や幹線道路などで始まった。帰省の分散化が定着し、午前中は、目立った混雑はなかった。鉄道の帰省ピークは30日ごろ、Uターンは3日ごろになる見込みという。
 JR西日本によると、同日午前中の新幹線の乗車率は、博多方面の下りで最高110%。北陸、山陰地方に向かう在来線の特急は、20−70%と空席が目立った。JR京都駅では、親子連れはまばらで、不況のためか、手に持つお土産も控えめだった。
 道路は午前11時現在、名神高速や京都縦貫道などの高速道路、国道1号や9号などの幹線道路ともに目立った渋滞はなく、スムーズに流れている。京都府警によると、帰省ラッシュのピークは28、29日ごろだが、分散化して、京都縦貫道を除き大きな混雑はないと予想している。
 一方、関西空港は、年末年始の休みを海外で過ごす旅行客の出国ラッシュが始まった。大阪入国管理局関西空港支局によると、この日の出国者数は推定で1万8600人。出国のピークは30日という。(京都新聞 夕刊)
27日■整備新幹線に久々”追い風” 自治体、議員ら攻勢 99年度予算で満額確保
 整備新幹線にここ数年なかった追い風が吹いている。1999年度予算編成で、運輸省は概算要求額のほぼ満額を確保した。財源面の縮め付けが緩んだことから、整備新幹線沿線の地方自治体や国会議員は「工期の短縮」などを含めた基本的な枠組み(スキーム)の見直しを求めて、久々の攻勢に出ようとしている。
 「ありがたい額。第三次補正予算案作りの時から(整備新幹線は)一定の評価をもらっている」(鹿児島県)「採算が取れることが分かっている新幹線を造らないのは、かえって公共工事の無駄」(青森県)「スキームの見直しにも追い風になるので喜んでいる。来夏の概算要求につなげたい」(福井県)
 21日に大蔵原案が内示されると沿線の自治体からは歓迎の声が次々と上がった。どこの自治体も例年にない大盤振る舞いに満足顔。自民党国会議員の一人は「昨年の今ごろは新規着工区間凍結や事業費の抑制、新幹線は無駄という声ばかりだった。それを思うと、この時期に少しでも前へ進めておきたい」と気を引き縮める。
 橋本政権下での98年度第一次補正予算案作りでは、整備新幹線の計上が見送られた。官邸サイドから「ばらまき型公共事業」というらく印を押されたためだ。小渕政権に代わるとそれが一転、財政構造改革法の凍結に伴い風向きも変わってきた。
 自民党は年明けから基本スキームの見直し作業に入り、新規着工区間の工期短縮や未着工区間の取り扱いなどを検討する予定だ。
 自民党整備新幹線建設促進特別委員会の小里貞利委員長は「路線ごとに経済効果などいろいろな視点からの検討が必要。3ヵ月や5ヵ月でできるものではないが、急いだ方がいい」と意気込む。
 こうした中、自民党との連立協議を進めている自由党の野田毅幹事長が「今後5年以内に東北新幹線の函館までと九州新幹線の西鹿児島までを完成させるよう目指す」と発言するなど、自由党から建設計画の大幅な前倒しを求める声が強まりだした。これに対し自民党からは「新幹線はこれまで自民党が進めてきた。自由党は応援団でいい」と、自由党が前面に躍り出ることへの警戒感も。
 一方、政府側は「これまで政府与党の検討委員会で大きな枠組みが積み上げられてきた。今後もこの枠の中で必要な予算を計上したい」(大蔵省主計局)「当面は党の議論の行方を見守りたい」(運輸省鉄道局)と静観の構え。(京都新聞)
■帰省ピークは30日
 お正月をふるさとなどで過ごそうという人たちの帰省ラッシュが26日、始まった。JRでは一部の列車が混雑したほか、高速道路も目立った渋滞はなかった。JR西日本の予約状況によると、帰省のピークは30日、都会へ戻るUターンは1月3日に集中しそうだという。
 東海道・山陽新幹線は、東京発博多行き下り「ひかり119号」が午後3時6分の新大阪出発時で自由席の乗車率が130%になるなど東京発博多行き「ひかり」で混雑が目立った。在来線は、新大阪発新宮行き特急「スーパーくろしお21号」が乗車率130%、大阪発富山行き特急「雷鳥25号」が同100%となった。(朝日新聞)
■植樹鉄道員 希望咲そう 嵯峨野トロッコ沿線に桜400本 山紅葉1400本 出向めげぬ 寒風なんの
 京都・嵯峨野を走るトロッコ列車の沿線に、春は楼、秋は紅葉のトンネルをつくろうと植樹を続けている男たちがいる。親会社のJR西日本から、トロッコ列車を運行する嵯峨野観光鉄道(京都市右京区)に出向した熟年の元運転士たち。木々の成長は、「サラリーマン人生も終わりか」と沈んでいた気持ちを慰め、希望を与えてくれた。この7年間で400本の桜と1400本の山紅葉を植えた。来春には一部の桜が淡いピンクの花を咲かせそうだ。
 常務取締役の山崎敏治さん(57)は毎朝、出勤すると作業着に着替え、草刈りがまなどを入れたリュックサックを背負って見回りに出る。事務所横の嵯峨駅から終点の亀岡駅まで。7.3`を3時間余りかけて歩く。
 線路わきに4−5b間隔で並ぶ木々はシカやイノシシに皮を食べられたり、害虫にやられたり。防護ネットを張り、薬を注射する。夏場は水入りのポリ容器を抱えて何度も往復した。
 1960年に旧国鉄に就職した。蒸気機関車の「かま磨き」から始め、東海道線を往復する電気機関車の運転士に。それからは運転一筋。民営化2年後の89年、53人の部下を持つ野洲電車区(滋賀県野洲町)の区長になった。
 そのわずか半年後、突然、嵯峨野観光鉄道の設立準備室長への出向を命じられる。JR社内では「3年でつぶれる」とささやかれていた。上司に「なぜ私が」と抗議したが、「君しかいない」の一点張り。最後に「サラリーマンの悲哀だよ」と言われた。
 翌年、正月明けの日曜日に1人で初めて沿線を歩いた。複線電化に伴って廃止された山陰線の旧線は雑草が背丈まで生い茂り、樹木も枯れていた。寂しさだけが募った。
 91年4月に開業した。社員は8人。いずれも出向してきた運転士たちだった。みんな40歳を過ぎ、前途に不安を持っていた。前社長の長谷川一彦さん(52)=現JR西日本和歌山支社長=も悔しさをかみしめる1人だった。主に運転畑を歩み、本社課長から出向した。
 「たとえトロッコが廃止されても、植えた木が成長すれは山に美しい自然が戻る。自分たちに何か残せることにもなる」。社員に呼びかけ、92年から植樹を始めた。以降、列車が運休する1−2月に社員総出で毎年、300本程度ずつ植えた。
 トロッコ列車は、予想に反して新しい京都の観光名所になった。開業1年目の乗客は67万人。目標だった年間20万人を軽く超え、今年10月には通算で500万人を突破した。
 社員は20人になった。運転士、車掌、駅員、観光案内など1人で何役もこなす。不況で親会社すら経営が厳しいのに、黒字を続けている。
 山崎さんは一昨年、JRを定年退職した。今はトロッコ列車を運行していることに誇りを持っている。苗は1年に40aずつ伸びる。春になると緑が一斉に芽吹き、一生懸命生きている姿を感じさせる。「気持ちがすさんでいた私を桜や紅葉が励ましてくれた。子や孫に引き継げる地域全体の財産になってほしい」という。
 トロッコ列車の運行は今年は29日まで。来年3月1日に営業を再開するまで、男たちは再び200−300本の植樹に汗を流す。(朝日新聞)
28日■JR西日本 福知山支社 シカよけ笛効果あり 10ヵ月で衝突事故半減
 JR西日本福知山支社が、列車に飛び込むシカを避けようと昨年10月から取り付けている笛が効果を上げている。シカの嫌がる高周波の音を出す笛を車両の前部と最後尾につける方法で、同10月から今年7月までに行われた調査では、笛をつけた列車の衝突件数は、つけなかった列車に比べ約半数で済んでいる。
 同支社管内は山間部を長時間走ることから、9月から11月にかけて野生のシカが線路を横切ることが多い。シカが普通列車に当たった場合、その衝撃で車体だけでなく内部の配管が折れたりすることもあり、1989年度12件だった被害件数は、96年度には110件に増加している。
 このため、支社内で車両の修繕などを担当する技術者5人が、シカを避ける方法を模索していたところ、カナダで主にトラックに付けられているシカよけの笛のことを知り、列車に取り付けた。この結果、笛を付けた列車がシカと衝突したのは、昨年10月から今年7月までで計10件にとどまったが、付けなかったものは計19件にのぼった。
 笛は長さ約5a、直径約2aと小さく、担当者らが工夫して列車の前灯付近やステップに固定することができるようにした。現在はすべての普通列車に笛が取り付けられているが、時速50`以上でないと笛が鳴らないことからカーブではまだ衝突が起こるなど課題もある。
 同支社では「試行錯誤を繰り返しながら、何とか衝突をくいとめたい」と話し、列車が止まっていても音が出るようにするなど改良に着手している。(京都新聞)
30日■お正月ヘシュッポッポ 福島でD51試運転行う
 来年の元日などに福島県内のJR磐越西線で運行される蒸気機関車D51「磐梯・会津路号」の試運転が、29日行われた。
 この機関車は1940年、神戸市の国鉄鷹取工場(当時)で完成し、200万`余りを走行して72年に引退。88年に復元されて、現在では、年に4回ほど臨時運行している。
 この日、機関車は6両の客車を引いて郡山−会津若松間を往復。黒煙と白い蒸気を吐き出しながら、山あいに汽笛を響かせた。
 磐梯・会津路号は1月1日、2日、30日、31日、2月6日、7日の6日間、同区間を1日1往復する。全席指定で、1月30日以降の分は、それぞれ運行日の1ヵ月前に全国のみどりの窓口などで売り出される。(京都新聞)
31日■JR東舞鶴駅周辺土地区画整理事業 全体計画の半分 2006年末完成へ
 舞鶴市が進めるJR東舞鶴駅(同市浜)周辺の土地区画整理事業がこのほど、全体計画の半分を完了した。鉄道で分断されていた南北市街地を結ぶ幹線道路がほぼ完成するなど、新しい街並みが少しずつ姿を現し始めている。
 鉄道の高架化とあわせ、東舞鶴駅の南北市街地の一体化を図り、旧国鉄貨物ヤード跡など駅周辺の未利用地を有効利用する目的の事業。駅を中心に南北550b、東西500bの21.5fを整備する。
 築造する道路の総延長は、6134b。南北市街地を結ぶ都市計画道路の元浜森線、八雲通線、東西を通る青葉通線などの工事が進み、全体では3233bが完成した。進ちょく率は53%。
 建物移転補償は、移転戸数422戸のうち、47%に当たる200戸の契約が完了し、建物の取り壊しと並行して新築の家や店舗が建ち並びつつある。
 整備地区を流れる寺川も、現在より西側の和泉通線の中央部(一部暗きょ)に付け替える予定で、このほど地元説明会を開いた。
 同事業は、78年3月に専門委員会を設けて検討が始まり、91年12月に着工した。総事業費は175億円、2006年末までの完成を目指している。(京都新聞)
■JR京都駅 落とし物 最多の1万4000点 傘の大半保管庫に モノに愛着薄く
 京都市下京区のJR京都駅の今年の落とし物の数が初めて1万4000点台を突破し、過去最高になった。新しい駅ビルの開業による乗降客の増加が要因とみられる。現金の落とし主はすぐ現れるのに比べ、落とし物の横綱格の傘は大半が保管庫に眠ったままで、落とし主のモノへの愛着度の差も感じ取れる。
 JR西日本によると、今年1月から11月末までに駅構内内で見つかった拾得物は計約1万4050点あり、前年同期より約780点多かった。
 JR西日本は今年9月、京都支社管内の京都や滋賀の97駅や電車内の落とし物を一括管理する「忘れ物センター」を京都駅内に設けたが、センターに集まった拾得物の3割以上が京都駅での拾得物だった。
 拾得物で最も多いのは傘で、全体の3割を占めた。1日で100本近く見つかる日もあるが、持ち主はほとんど現れないといい、6ヵ月の保管期間を過ぎるとJRの所有物になる。
 現金の落とし物は総額約3100万円あり、8割以上が1週間以内に持ち主に返された、という。すべての拾得物のうち、持ち主に戻るのは全体の3割ほどだ。
 件数では、衣類やカバンが多いほか、最近はポケットベルに代わって携帯電話の忘れ物も目立ち、多いときには1ヵ月で200個も届けられる。墓標や義足、差し歯といった落とし物まであるそうだ。
 JR西日本京都支社は、「昨年9月、駅ビルの新装がなり、1日当たり約2万人ほど利用者が増えたのが忘れ物の増加につながっている」と話している。(京都新聞)
■チンチン電車もしめ飾りで迎春 「鉄道友の会」取り付け 梅小路公園
 下京区の梅小路公園で30日、公園内のチンチン電車と、梅小路蒸気機関車館の18両の蒸気機関車にしめ縄飾りが取り付けられ、お正月を迎える準備が整った。蒸気機関車のしめ縄飾りは、鉄道愛好家がつくる鉄道友の会京都支部(伏見区)が日本の鉄道開業100周年だった1972年暮れから続けている恒例行事。数年前からチンチン電車にも、しめ縄を飾るようになった。
 この日は会員ら約50人が集合。ワックスを塗って待機していたチンチン電車は車両の前後に、扇形の車庫に一斉に顔を並べた蒸気機関車は煙室扉の中央に、それぞれしめ縄が飾られた。(朝日新聞)