1998(平成10)年10月


1日■国鉄清算事業団 法案審議遅れ解散できず 職員、債務も足止め(京都)
  ■JR会社法の規制緩和提案 自由党が検討(京都)
  ■専用レーンをふさがないで 遅れ解消へ走行確保−市バス 5日から街頭啓発 京都市交通労組(京都)
  ■京都駅南口 駅前広場構想、市が見直し(朝日)
  ■全面広告 学研都市エリアから大阪湾ベイエリアまで直結 アクセス鉄道「京阪奈新線」開業に向けて始動(朝日)
  ■JR追加負担に自民若手が反対 旧国鉄債務処理法案(読売)
  ■駅ビル復活 阪急・伊丹(読売)
  ■南海電鉄ときょう合併 大阪スタヂアム(読売)
  ■20世紀 どんな時代だったのか アジアの戦争 満鉄(上) 西欧の”風”運び近代化(読売)
  ■語り合うひろば 電車内のマナー 若い人も年配者も 気配り大切に 座席に荷物置かないで/化粧する姿見苦しい/子供の靴にポリ袋/ディバックは抱えよう(読売)
  ■ひかり緊急停止 米原−京都間で異常音(京都)
  ■進化する新幹線 3 「ドクターイエロー」 走ってレールの定期診断(日経)
  ■路線バス運賃 新割引が続々 70歳以上乗り放題、近距離利用は半額… 利用減に危機感 利便性上がり評判上々(日経)
2日■20世紀 どんな時代だったのか アジアの戦争 満鉄 (下) 関東軍の”手足”に変容(読売)
  ■車掌寝坊で部分運休 出勤の足3500人に影響 JR阪和線日根野駅(日経)
3日■JRの負担半額 旧国鉄債務法案 今国会、成立見通し(京都)
  ■JR奈良線宇治−新田間 新駅、年内にも着工 2001年春開業目指す 総事業費21億円 運輸省が設置認可(京都)
  ■休日フリー切符提言 京都市の交通体系 検討委が63施策を報告 公共機関利用促進 渋滞場所解消図る(京都)
  ■府の公共交通整備計画 13年ぶり改定へ バリアフリー導入 近畿運輸局が諮問(京都)
  ■井手・JR西日本会長 神戸空港計画を批判(京都)
  ■10年10月10日 記念切符発売へ お守りセットも 近江鉄道(京都)
  ■東西線車両 自作模型市に寄贈 山科の西浦さん 待合室に展示へ(京都)
  ■JR奈良線 宇治−新田間 2001年春に新駅(朝日)
  ■関西の「スルッと」に神鉄バス来年度参加(朝日)
  ■「暴力許しません」回数券カードで訴え 京阪電車(朝日)
  ■電車と車が踏切で衝突 JR桜井線 一時不通(朝日)
  ■夢 グラフウイークリー トロッコで冒険気分(朝日)
  ■大阪府 現代美術展示に躍起 「芸文センター」凍結で私蔵の恐れ 駅舎や地下道で公開 他府県にも貸し出し(日経)
4日■トイレで少年刺され重傷 JR岐阜駅(京都)
  ■電車の騒音 緑でガード 阪急 線路わきの植樹進める 心理的効果も大?(朝日)
  ■洛東にも女性ファン 「ラクト山科」長い列 百貨店・ホテルなど店開き(朝日)
5日■父子が無理心中? JR山科駅 電車にはねられ死亡(京都)
  ■のぞみブレーキ故障(京都)
  ■子抱いた男性 飛び込み自殺 JR山科駅(朝日)
  ■空からぶらり 二条駅周辺 夢を秘める再開発地域(京都)
  ■宇治の親子ほぼ断定 JR山科駅事故(京都)
  ■自由党 JR負担半減を提案 旧国鉄債務処理法案 補助金は1800億円支出(朝日)
  ■路面電車を会社で応援 市民・企業 出資募る 低床型車両貸し出し 岡山の市民グループが設立へ(朝日)
6日■衆院旧国鉄債務特別委 JR負担半減修正案を可決(京都)
  ■「半額」にJR反発 旧国鉄債務処理 民主が自由を批判(京都)
  ■旧国鉄のツケが煙たい だばこ20円アップ 12月から導入見通し(京都)
  ■次世代新幹線を公開へ 米原鉄道技術センター(京都)
  ■窓 見かけ倒しの新バス乗降場 山科区・花田 吉男(無職・65)(京都)
  ■窓 運賃の割引制 自然も大歓迎 大津市・采野千代造(会社員・47)(京都)
  ■JR負担半減国庫で補助 旧国鉄債務処理法案成立へ 衆院委可決(朝日)
  ■ポートライナー延伸 神戸市方針 「新空港」へアクセス(朝日)
  ■宇治の会社員と4歳長男と判明 JR山科駅飛び込み(朝日)
  ■旧国鉄法案 衆院を通過(京都)
  ■旧国鉄債務処理法案 衆院本会議、可決へ(朝日)
  ■「JR負担の半減」可決 旧国鉄債務処理案で衆院委 元本返済 財源は不透明(日経)
  ■たばこ 1箱20円値上げ 12月から、特別税導入で(日経)
7日■旧国鉄債務 造反組の動向がカギ 参院審議 楽観許さず(京都)
  ■高速鉄道計画 2000年に着工へ 中国が再確認(朝日)
  ■JR四国など実質負担ゼロ 旧国鉄処理で運輪省(朝日)
  ■モノわかりのいい話 特急列車の料金って、いったい何だ? 手かかる時間は上乗せ こだま・ひかり同額はなぜ(朝日)
  ■梅田貨物駅の機能移転合意 事業団と吹田・摂津両市(京都)
8日■3期に分けて売却も 梅田貨物駅跡地(京都)
  ■地下鉄などの決算を認定 京都市会2委員会(京都)
  ■特急回数券共通に KTRとJR来月にも発売 府会委で明らかに(京都)
  ■JR西大路駅周辺 不法駐輪の解消へ 住民・企業・行政がシンポ(京都)
  ■環境アセス条例案可決 府議会総務委 共産の修正案は否決(朝日)
  ■JR貨物 管理職賃金をカット 輸送急減で来月から 役員報酬も10−30%(日経)
9日■乗車券から建材再生 壁材用パルプに JR西日本の5支社 焼却費用を1割節約(京都)
  ■秋の宇治にいらっしゃい 京阪電車&バス 1日フリー切符 宇治市などあすから発売 植物公園なども割引に(京都)
  ■京福電車と車が衝突 右京、げが人なし(京都)
  ■宇治フリーきっぷ 京阪電鉄あす発売(朝日)
  ■視点・直言 中央新幹線構想 ”沿線”各県と大きい温度差(読売)
  ■読者のページ 旧国鉄債務の処理は無責任 無職 和田 武司 65(兵庫県尼崎市)(読売)
10日■東西線延伸 「石田駅」は石田森東町に 都計審が計画決定 外環と市道交差部(京都)
  ■検証 京の新動脈 地下鉄開業1年 中 まちづくり 沿線活性化になお時間(京都)
  ■ひかりが緊急停止 描をはねる(京都)
  ■ミニSL加悦に登場 きょうから力走を披露(京都)
  ■窓 トロリーバス 京都に復活を 中京区・富田 隆介(歯科医・69)(京都)
  ■地下鉄石田駅建設地決まる 京都市都計審(朝日)
  ■市道が陥没 警備員げが 地下鉄工事現場 神戸・兵庫(朝日)
  ■500系のぞみ初トラブル コンピューター誤表示 ソフト改修へ「運行に問題なし」(読売)
  ■「石田駅」建設など承認 京都市都計審 東西線の延伸計画(読売)
  ■平成10年10月10日記念 きょうから乗車券発売 近江鉄道(読売)
12日■JR踏切の遮断棒 黄と黒から赤と白へ JR東日本が実験 事故防止 どっちが効果的(京都)
  ■国労幹部宅に侵入容疑 警視庁 革マル派強制捜査へ(朝日)
  ■踏切に女性 貨車と事故 高槻 JR東海道線に遅れ(朝日)
13日■赤信号で走った列車 信楽高原鉄道事故 民事訴訟結審を前に 1 哀惜 悲しみ、今も癒されず(京都)
  ■窓 イライラ募る不便な東西線 伏見区・岡本 譲(無職・64)(京都)
  ■国鉄清算事業団 入札情報、大林組に漏えい 旧国鉄用地開発事業 各社提出プランなど(朝日)
  ■国労幹部宅侵入容疑 革マル派の活動家手配 警視庁(朝日)
  ■旧国鉄用地情報漏えい 運輸省が調査 川崎運輸相語る(朝日)
14日■赤信号で走った列車 信楽高原鉄道事故 民事訴訟結審を前に 2 契約 焦点はJRの運行責任(京都)
  ■さらば0系、新幹線の「顔」 JR東海で最後の台検 あの鼻あと1年 山陽では当分建材(朝日)
  ■土讃線の不通復旧には80日(朝日)
  ■近鉄西大寺駅前再開発 都市計画決定の事業 奈良市、異例の断念(朝日)
  ■西大寺駅前 奈良市が再開発断念(京都)
  ■論壇 旧国鉄債務のJR負担は不当 橋本 準一(朝日)
  ■国鉄清算事業団元幹部ら3人、大林組へ天下り 入札情報漏えい 処分地落札に頁献も(朝日)
15日■赤信号で走った列車 信楽高原鉄道事故 民事訴訟結審を前に 3 連絡 新システムでくい違い(京都)
  ■国鉄債務法案きょう成立(朝日)
  ■旧国鉄債務処理法案が成立 元本返済は先送り 利払いにたばこ税(京都)
  ■解説 旧国鉄長期債務処理法 不明確な元本返済方法 財源の大半利払いに(京都)
  ■洛中洛外(京都)
  ■JR−バス 乗り継ぎスイスイ 共通定期・ダイヤ調整 ネットワーク化推進 今年度まず近畿4ヵ所(朝日)
  ■地下の流星(朝日)
16日■赤信号で走った列車 信楽高原鉄道事故 民事訴訟結審を前に 4 回避 事前の「異常」伝わらず(京都)
  ■線路の車止め外されていた 土讃線トロッコ転落(朝日)
  ■必要ない納税 1億4700万円も 国鉄清算事業団(朝日)
  ■事業団、22日に解散(朝日)
17日■ひかり号にイラスト JR西日本 12月から TVゲームと「相乗り」狙う(京都)
  ■「のぞみ」増発 JR西日本、冬の臨時ダイヤ発表(京都)
  ■味めぐり列車など冬の臨時列車発表 JR福知山支社(京都)
  ■赤信号で走った列車 信楽高原鉄道事故 民事訴訟結審を前に 5 判断 緊急連絡手段も不徹底(京都)
  ■腹に芸あり「キャラ」新幹線 ゲーム主人公 今冬「山陽」に(朝日)
  ■声 「携帯」は遠慮はっきり示せ 明石市 中川 吉弘(公務員 54歳)(朝日)
  ■新幹線 運転中にわいせつ行為 JR西日本 懲戒解雇に 車内販売の女性招き(京都)
  ■大阪湾岸に鉄道新線 JR桜島線と臨海鉄道連結 市とJR合意(朝日)
18日■京滋、JRなど乱れ 大津で民家塀崩れる(京都)
  ■窓 たばこ特別税効果は疑問 福知山市・衣川 吉一(会社役員・49)(京都)
  ■台風10号 関空・大阪空港60便が欠航 宮崎では竜巻、2人けが(朝日)
  ■社説 旧国鉄債務 問題は解決していない(朝日)
19日■台風10号 土砂崩れや落石相次ぐ 各地で停電 交通機関乱れる(京都)
  ■信楽鉄道事故 民事訴訟ぎ結審 3月29日判決 遺族側、JR責任訴え(京都)
  ■信楽鉄道事故 他社線路上の安全配慮 JRの義務どこまで(京都)
  ■列車脱線で40人が死亡 エジプト(京都)
  ■信楽事故 損賠訴訟が結審 列車衝突提訴5年 JRの責任が焦点(朝日)
  ■阪急が故障 58本遅れる ラッシュ時の岡本駅(朝日)
  ■列車脱線 30人死亡 エジプト(朝日)
20日■たばこ(JT)ほぼ全銘柄値上げ 大蔵省に申請 1箱20円、12月から Pモリス「ラーク」据え置き(京都)
  ■京都・滋賀 鉄道の歴史−24日から一斉発売(京都)
  ■新幹線−在来線 直通列車、山陰線で実験へ 軌道に合わせ車輪の幅変化 運輸省、1月から(朝日)
21日■整備新幹線 新規3区間 事業費を上積み 自民、抑制方針を解除(京都)
  ■「はるか」に自由席を新設 12月から導入 JR西日本(京都)
  ■京都駅ビルで財布を置引 容疑の男逮捕(京都)
  ■市バスと接触 男性が重傷 下京、降車直後に(京都)
  ■「優しい駅」めざし バリアフリー化へ 運輪省 全国1900駅、2010年度までに(朝日)
  ■旧国鉄債務処理法 「無視できぬ」 JR西日本社長(朝日)
  ■国鉄清算事業団 きょうで解散 鉄建公団に業務移管(京都)
  ■男性が飛び込み 大阪地下鉄乱れる(京都)
  ■男性はねられ計34本遅れる 大阪の地下鉄で死亡(朝日)
22日■国鉄清算事業団が解散 債務28億円、ツケ重く(京都)
  ■国鉄清算事業団の土地 地方に目立つ売れ残り 条件良くても不況直撃(京都)
  ■都市計画案を承認 宇治市都計審 「六地蔵駅」整備など(京都)
  ■駐輪場空き目立つ 地下鉄東西線沿線の6カ所 利用率わずか21.6%(京都)
  ■信号機の故障で一時相互乗り入れ止まる 地下鉄と近鉄(朝日)
  ■JR各社の高速試験車 相次ぎ引退へ 新幹線の技術開発、一段落 速度・環境対策の役割終える(朝日)
  ■もっとお茶に親しんで JR京都駅で宇治茶フェス(朝日)
  ■整備新幹線 事業費抑制解除を決定 自民、上積み要求へ(京都)
  ■整備新幹線の新規着工3区間 事業費抑制を解除 自民決定(朝日)
  ■国鉄清算事業団解散 新看板に掛け替え(朝日)
23日■トラックのクレーン 高圧線切断 近鉄京都線止まる 車内に1時間かんづめ 夕方のラッシュ 3万2000人に影響(京都)
  ■窓 斬新な駅ビル 思いは複雑に 八幡市・芝田美津子(主婦・63)(京都)
  ■トラックが高圧線切断 近鉄など一時不通 京滋バイパス(朝日)
26日■トコトコ…500万人 トロッコ列車 新車両で人気回復(朝日)
27日■追加負担の受け入れも 旧国鉄債務でJR東海(京都)
  ■入場券に時間制限 JR西日本 12月から実施 キセル防止も狙い(京都)
  ■急ブレーキで転倒5人げが 京都市バスの客(朝日)
  ■駅前で火事 御堂筋線遅れ 新大阪、1万7000人影響(朝日)
28日■山陰線円町駅 町家風屋根にガラス張り駅舎 2001年春開業 駅前広場も整備(京都)
  ■”新発想”時刻表 主要スポット結び再編成 京都観光 効率的経路ひと目で 「公共交通利用を促進する会」製作(京都)
29日■整備新幹線に150億円 景気特別枠で運輸省要望 東北、北陸など上積みへ(京都)
  ■京の公共交通整備策提案を 近畿審が募集(京都)
  ■広島・平和大通り新路線で対立 路面電車・速く景観も損ねず/路面電車・安くて人に優しい(京都)
  ■馬車鉄道、人力車、劇場街… 映像が伝える100年前の日本 大阪の制作会社 米国議会図書館で入手 「神戸」の港風景も(朝日)
31日■窓 烏丸線ホーム段差解消して 伏見区・奥津 徹(自営業・53)(京都)
  ■網干駅の脱線事故 「信号の見落とし」 JR貨物が報告書(朝日)
  ■帰省切符求め行列…おさらば! 年末年始利用分 電話で受け付け 来月9日から JR西日本(朝日)
  ■旧国鉄清算続くよいつまでも? 清算事業団は解散したが… 土地売れ残り1200件1400f仮設住宅用地、移転難しい貨物駅…難物ばかり 国労組合員の採用問題も 鉄建公団が引き継ぎ、完売目標2003年度(朝日)
  ■電車オーバーラン 早朝のJR関西線(京都)
  ■停止位置を150b通過 JR大和小泉駅(朝日)



1日■国鉄清算事業団 法案審議遅れ解散できず 職員、債務も足止め
 10月1日に解散を予定していた国鉄清算事業団は、衆院での旧国鉄長期債務処理法案の審議の遅れから予定通りには解散できず、約1250人の職員らはしばらく「塩漬け」状態となる。約28兆円に上る長期債務も国に移管することができず事業団に残ったままで、抜本的な返済は先送りされる。
 職員らは、旧国鉄から受け継いだ資産の処分・管理などの業務を続行。東京都港区西新橋の一等地にあるオフィスもそのまま使用する。給与や経費などの業務費については10月中に66億円が必要となるが、政府が既につなぎ資金の手当てを行っており、資金繰りには問題はない。(京都新聞)
■JR会社法の規制緩和提案 自由党が検討
 自由党は30日、衆院で審議中の旧国鉄長期債務処理法案に関連し、JR各社への政府規制の根拠になっている「旅客鉄道会社法」(通称JR会社法)の改正による規制緩和を政府、自民党に提案する方向で検討に入った。
 同法改正は、長期債務法案で年金債務の追加負担を強制され、血を流す格好となりそうなJRグループに対する「見返り」として浮上した。JRの一部では歓迎する声が出ている。(京都新聞)
■専用レーンをふさがないで 遅れ解消へ走行確保−市バス 5日から街頭啓発 京都市交通労組
 交通混雑で時間遅れが目立つ市バスの走行に協力をと、京都市交通労働組合は5日から8日までの4日間、京都市中京区の河原町通一帯で、バス専用レーンの走行確保を市民に訴える「都大路作戦」を繰り広げる。
 同労組が今春に実施した市民アンケー卜で「バスが時間通りに来ない」との声が予想以上に多かったため、走行環境の改善をアピールしようと、初めて企画した。京都市内の幹線道路には時間制のバス専用レーンがあるが、違法駐車が多い繁華街では交通渋滞の影響でバス走行に支障が出ている、という。
 都大路作戦は期間中、午後5時から7時まで組合員約200人が毎日、河原町通の御池−四条間(約1.6`)の東西の歩道に立つ。市交通局や京都府警などとも協力し、専用レーンに違法駐車がないか目を光らせるとともに啓発ビラを市民に配り、バス走行への協力を求める。
 同労組の政勝男委員長は「アンケート結果をもとに、目に見える運動から実施し、市民の要望にこたえたい」と意欲的に語る。(京都新聞)
■京都駅南口 駅前広場構想、市が見直し
 京都市が1996年7月に発表した「京都駅南口駅前広場整備構想」の大幅な見直しを進めていることが、30日開かれた市議会建設委員会で明らかになった。タクシープールなどを備えた立体デッキ構想が姿を消し、駅前の地下駐車場建設計画が盛り込まれる見通しだ。市は「まだ検討中の段階だが、今後地元の意見も聞きながら今年度中の都市計画決定を目指したい」としている。
 建設委員会で明らかになった市作成の「協議資料」によると、京都駅の南北自由通路と同じ高さの立体デッキ(広さ約6700平方b)にタクシープールを建設する計画を見直して歩道橋のみを作るとしたほか、地下に200台収容の駐車場や駐輪場を建設する計画となっている。
 見直しの理由について市都市計画課は、1階のデッキ支柱分の空間が無駄になる▽車の排ガスが駅入り口付近にこもる▽デッキに上るタクシー用道路のこう配が急になる−などを挙げている。
 市は昨年秋ごろから、JRやバス、タクシーの事業者などと協議を進めてきたという。
 京都駅周辺には、京都駅ビル駐車場(1250台収容)、再開発ビル「アバンティ」地下の八条口駐車場(208台収容)があるほか、南口周辺にはバブル崩壊で開発が中断した更地が多数あり、多くは駐車場になっている。建設委員会では、委員から駐車場建設の必要性を疑問視する声も出た。(朝日新聞)
■全面広告 学研都市エリアから大阪湾ベイエリアまで直結 アクセス鉄道「京阪奈新線」開業に向けて始動
 大阪都心部と関西文化学術研究都市(学研都市)を結ぶ新鉄道「京阪奈新瀬名」のうち生駒駅よ登美ヶ丘駅(仮称)の8.6kmの計画がいよいよ目前に。この京阪奈新線と近鉄東大阪線・地下鉄中央線、OTSテクノポート線は相互乗り入れが予定されているため、将来的には学研都市エリア〜生駒〜本町〜コスモスクエアを乗り換えなしで行き来することができます。
・東西方向の幹線軸として 平成17年10月目標に開通予定!
 京阪奈新線は、早くからその整備が強く求められていました。それというのも、一大国家プロジェクトである学研都市の整備、それにともなう奈良県北部の人口増加や宅地開発などで、鉄道輸送の重要性が大きくクローズアップされていたからです。
 またこの新線は、大阪都心部と学研都市とを直結するという、東西方向の幹線軸としての機能にも重点がおかれています。現在、その働きを担うものとしては、近鉄奈良線が大きな役割を果たしていますが、しかしその混雑線和を実現するためにも、新線計画は急がれていました。
 とはいえ、鉄道の整備には多額の建設費を必要とし、かつ投下資本の回収に長い時間を要することから、既存の鉄道事業者単独での事業化には、困難な事情も横たわっています。
 こうしたことから、地元の関係者間で事業化について協議した結果、奈良県、生駒市、奈良市、近畿日本鉄道、日本開発銀行の出資により、今年の7月28日に「奈良生駒高速鉄道株式会社」(本社=生駒市)を設立。そこが収支の健全性を確保しながら京阪奈新線の建設をすすめ、また近畿日本鉄道がその運営を担当するというかたちで、免許の申請がなされました。
 このほど、その免許が下りたことで、今年度中にも、路線予定地である生駒駅〜白庭駅(仮称)〜北大和駅(仮稀)〜登美ヶ丘駅(仮称)までの8.6kmの地質調査や、基本設計に取りかかる予定です。
 目標の開業予定は、平成17年10月。建設費には1135億円が見込まれ、開通後は1日約150往復(6両編成)の運転が計画されています。
・発展する学研都市は いまや人口20万を突破!
 さて、新しい街づくりが急ピッチで進む学研都市ですが、ここは京都府の南部と大阪府の東北部、それに奈良県北部にまたがる6市2町からなる自然豊かな丘陵地帯に位置します。
 すでに21世紀の学術・産業・文化を先取りする情報の発信基地として、各種の文化交流施設や研究所、大学などが整備され、さらには国立国会図書館関西館(仮称)や勤労体験プラザ(仮称)などの建設も予定されるなど、まさに次なる世紀を担うにふさわしい新しい街として、順調に機能しはじめています。
 そのうえホテルや公園といった生活関連施設をはじめ、住宅建設もめじろ押しです。すでに人口は20万人を突破していますが、いまなお大規模な住宅開発が各所で進められています。そのひとつである近鉄不動産の「ローレルスクェア木津川台」では、3期2次の分譲を3日より受け付けております。また各会場では、記念フェアを開催するはこびです。(朝日新聞)
■JR追加負担に自民若手が反対 旧国鉄債務処理法案
 旧国鉄長期債務処理法案に盛り込まれたJR各社への追加負担に反対する自民党の若手議員らで作る「国鉄長期債務問題有志議員の会」(代表・小此木八郎衆院議員)は30日、国会内で会合を開き、JRの追加負担条項を法案から削除するよう求めることで一致した。(読売新聞)
■駅ビル復活 阪急・伊丹
 阪神大震災で倒壊し、停車中の電車が転落するなどした兵庫県伊丹市、阪急電鉄伊丹駅の新駅ビルがほぼ完成した。11月21日の始発から電車が発着する。1995年3月の仮複旧以来、 400b南の仮駅舎が終点になっていた同電鉄伊丹線は、3年10か月ぶりに全面複旧、運賃計算の営業キロも元に戻る。
 市内の酒蔵をイメージした真っ白い外観のビルは地上5階、地下1階。制震装置を36か所に付け、大震災級の揺れでも崩壊しないよう設計した。(読売新聞)
■南海電鉄ときょう合併 大阪スタヂアム
 プロ野球、南海ホークス(現ダイエーホークス)の本拠地だった大阪・難波の旧大阪球場を管理、運営してきた大阪スタヂアム興業が10月1日、関連会社の南海電気鉄道と合併する。再開発を控え、球場の撤去が11月に始まるが、会社の名前はひと足早く消える。
 球場は大阪の戦災複興やプロ野球の隆盛を期して、1950年に開場した。大スタはその前年に設立され、不安定な興行収入だけに頼らず、スケート場を併設したり、スタンド下を貸しオフィスにしたりして事業の安定を目指した。
 同社は83年、南電電鉄の子会社の南海不動産と合併し、不動産事業にウエートを移した。現在は売上高の9割を不動産関連収入が占める。(読売新聞)
■20世紀 どんな時代だったのか アジアの戦争 満鉄(上) 西欧の”風”運び近代化
 中国遼寧省の瀋陽市郊外にある鉄路蒸気機関車陳列館には、満鉄(南満州鉄道会社)が世界に誇った大陸超特急「あじあ」号が中国人技術者によって複元されている。
 野外に展示されているため、淡いグレーの車両にはさびが目立つ。それでも、流線型のモダンなデザイン、直径2bの巨大な動輪は、今もなお独特の風格を感じさせる。
 「あじあ」号は1934年11月、満州(中国東北部)の大連と新京(現長春)間で運転を開始した。最高時速110`、冷房完備の蒸気機関車は、西欧の空気をアジアに運ぶ国際列車として登場した。当時日本から大連経由満州里まで満鉄を使い、シベリア鉄道に乗り換えてパリまで約2週間。外務大臣松岡洋右もヒトラーに会いに訪独する際、「あじあ」号を利用した。
 満鉄はポーツマス講和条約でロシアから譲渡された東清鉄道の南半分と沿線付属地の利権をもとに、1906年産声を上げた。資本会2億円の日本最大の株式会社。重要産業を押さえ、満州に君臨したが、実態は「英国の東インド会社と同じく、植民地支配のための会社」(小林英夫・早大教授)であった。
 付属地に学校、病院、公園、神社などを建設し、日本色の強い近代都市へと変貌させた。同時に、野球、ラグビー、映画、昔楽など、欧米の文化やスポーツも運び込んだ。
 夏目漱石が一高以来の親友、2代目満鉄総裁中村定公の招待で満州を訪問したのは1909年9月。本社のある大連で遊園地を見物、「あれはなんだいと聞くと、電気仕掛けで娯楽をやるもので内地にはないとの説明。内地から来たものは田舎もの取扱にされても仕方ない」(「満韓ところどころ」)と感嘆している。
 これは、初代総裁後藤新平の「文装的武備」による植民地経営という考え方に基づく。武力に頼るだけでなく、教育、衛生、学術などの環境づくりが重要だとの提言である。核になったのが、科学的な調査活動を売り物にした満鉄調査部の創設だった。
 第一次大戦後ロシア革命を経てソ連が誕生すると調査部は拡充され、膨大な予算を優って資料を収集、中国本土や極東シベリア研究を中心に続々刊行物を出版した。
 ところが、31年9月満州事変の勃発で、後藤の文化的戦略は変質する。関東軍が満州で軍事活動を展開すると、満鉄はその手足となって動き始めた。満鉄自ら編纂した「満州事変と満鉄」によると、「会社は事変発生と共に全能力を挙げて軍隊及び軍需品の輸送に当たり迅速果敢なる陸軍の行動に絶大なる貢献をなした」と、積極的なかかわりを明らかにしている。
 「老舗意識の強い満鉄社員だから、事変以降発言力を持ち始めた新参者関東軍への反発はあったが、反軍意識はなかった。若手には、これをきっかけに新しい自由な社会をつくると張り切る人も多かった」と、小林教授は言う。
 26年入社の天野元之助は随想「私の学問的遍歴」で、「これまでの満鉄本線は関東州と満鉄附属地に封じ込められたうっとうしいものだったが、満州事変で目の前が明るくなり、経済分析を担当する我々の猛勉強ぶりは忘れられない」と振り返っている。
 32年1月満鉄調査部門は「満鉄経済調査会」と名称を変え、満鉄の一部門でありながら、関東軍の要請を受けてその政策立案にあたるという奇妙な機関になった。
 調査会は、「日満経済を融合し自給自足経済を確立する」などを柱に「満州経済統制策」を練り上げていく。
 満鉄の知識を総動員する形で、「満州国」のグランドデザインが生まれていった。(生活情報部 永峰 好美)
 満鉄の福利厚生 第1次大戦後の好景気は、満州に日本企業と意欲に燃えた若者を殺到させた。満鉄は帝大卒のエリートを多数採用。会社のイメージアップ、そして優秀な社員をつなぎ止めておくために、社宅制度が、整備され、社員共済や今日の健康保険に近い制度が内地の会社よりいち早く実施された。(読売新聞)
■語り合うひろば 電車内のマナー 若い人も年配者も 気配り大切に 座席に荷物置かないで/化粧する姿見苦しい/子供の靴にポリ袋/ディバックは抱えよう
 子どもからお年寄りまで、様々な人が一緒に乗る電車の中。他人の振る舞いは嫌でも気になる。本人は気づかないまま、人に嫌な思いをさせる場合もある反面、ちょっとした気遣いで、車内が明るくなることも。今回は身近な「電車内のマナー」について。
 投稿の中で、最も多かったのは、座席での座り方をめぐる話題だ。
 「5−6人掛けのシートに女子高生3人がどんと大きいカバンを置き座っていました。そこへ50−60歳のおじさんが座ろうと、手振りで『ちょっと』としましたが、女の子の1人がにらみつけ、動こうとしません。しばらくすると、おじさんはあきらめ、隣の車両へ。その子は『何よ、あのおっさん、ふざけとる』。すると、ほかの2人も『何なん、アホちゃうか』。席にゆとりがあるのに譲らないということが、どんなに恥ずかしいことか、わかっていないようです。とても腹が立ちました」(奈良県生駒市、山本順子さん・25歳)
 年配の人についても、席を譲らなかったという目撃談があった。
 こんな投書も。
 「ある時、空いた席に座った途端に、隣の男性の上着のすそを敷いたらしく、男性は乱暴にすそを引き上げて、私をにらみつけました。これまでに4回ほど、同じ経験をしたので、今は、遠慮せずにすそをつまみ上げて座っています」(大阪市阿倍野区、前田小浪さん・70歳)
 座る席に注意を払っている、という人もいる。
 「払は常日ごろから、自分のおしりの大きさを把握しています。以前、息子から『電車の席が空いていても、狭い特は割り込んで座ったらあかんで。あれほど、みっともないものはないから』と言われたからです。全く気がつきませんでしたが、若い人はそこまでして座りたいか、と思うのでしょうね」(大阪府守口市、廷与操子さん・53歳)
 次は、50歳代以上の方から集中して届いた意見を。
 「先日、目の前の20歳前後の女の子が、お化粧をしていました。アイシャドー、アイラインと次々に丁寧に塗り続け、何度も鏡をのぞいています。周囲の視線が気にならないのか、平然とした態度で、結局、終点まで鏡は出したまま。私も化粧はしますが、人がお化粧しているのを見るのは、気恥ずかしくて嫌いです」(奈良県生駒市、望月和子さん・54歳)
 これについては、年代による感じ方の差があるようで、若い人は「他人に迷惑をかけるわけでもなく、気にしない」という人も多いようだ。「子どもが傍若無人に振る舞うのを見ると、とても腹が立つ。私が子連れで乗る時には、おもちゃやおやつを用意して、汗だくでマナーを守っています」(神戸市北区、高木しのぶさん・31歳)
 所構わず動き回る子どもを連れたお母さんには、こんなアドバイス。「ポリ袋と輪ゴムを持参すると便利ですよ。靴の上からすっぽりとかぶせれば、座席を汚すことはありません。本人は滑って立てないと、怒っていましたが、その方がかえって安全でもあり、一石二鳥です」(奈良県生駒市、徳田享子さん・49歳)
 「両手が使えるデイパックは便利ですが、満員の車内で背負われると荷物が当たってとても邪魔になります。体の前で抱えるくらいの気遣いが欲しいです」(大阪市都島区、藤本祐子さん・34歳)
 「時々、強い香水をつけている女性に会うと、隣に座っていて気分が悪くなってきます。ニンニクなどの口臭も気を付けてほしい」(広島市南区、那頴汀さん・59歳)
 ほのぼのとしてくる体験談もあった。
 「夫が京都に赴任してから、しばしば東京と京都を往複します。ある日、年配のご夫婦らしき人と乗り合わせました。座る時には軽く会釈され、こちらが降りる時には『お疲れさま』と、笑顔で声をかけられました。思わず私も笑顔になりました」(東京都大田区、中川有子さん・32歳)(読売新聞)
■ひかり緊急停止 米原−京都間で異常音
 1日午前10時50分ごろ、滋賀県野洲郡野洲町、JR東海道新幹線の米原−京都間を走行中の東京発新大阪行きひかり207号で「ドン」という異常音がしたのを運転士が聞き、同列車は緊急停止した。
 JR東海が点検したが、車両に異常はなかったため約10分後に運転を再開した。近くに鳥の死がいがあり、この鳥がぶつかったらしい。
 このため東海道新幹線は東京発新大阪行きのぞみ45号など下りの7本が21−12分遅れ、約6000人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■進化する新幹線 3 「ドクターイエロー」 走ってレールの定期診断
 「小田原通過します」「はい、小田原通過」。男たちが駅名などを連呼しながら、机上にはき出される大きな記録紙を一心に見つめている。レールのわずかな狂いを示すグラフ。その中に気になる場所を見つけると、すぐさま鉛筆でチェックを入れる。
 新幹線の線路などの状態を走りながら調べる検査用の黄色い新幹線、通称「ドクターイエロー」の車内だ。JR東海、西日本、東日本の各社はほぼ同型の車両を保有、10日おきにダイヤの合間を縫って走らせ、線路を定期診断している。
 東海道・山陽新幹線の場合、レールのほか、パンタグラフと接触する架線の摩耗や、自動列車制御装置(ATC)の動作状況など60項目以上について、10人前後が乗り組んで検査にあたる。
 「例えばレールは全延長のどの10bをとっても上下に6_以上の狂いがあってはいけない。チェックしたデータは翌日には各保線区に渡して、10日以内に直します」とJR東海新幹線鉄道事業本部の大竹敏堆さん(42)は言う。
 緊急を要する異常が見つかったりすれば、車内から即時連絡、すぐにも補修する。
 新幹線の高速化に伴って、東海道・山陽では、ドクターイエローも2001年には次世代型の「700系」に衣替えする。
 時速210`から270`にスピードアップし作業効率を高めるとともに、高速での揺れなど乗り心地に関係するデータの取得も充実していく計画だ。(日本経済新聞 夕刊)
■路線バス運賃 新割引が続々 70歳以上乗り放題、近距離利用は半額… 利用減に危機感 利便性上がり評判上々
 高齢者乗り放題、近距離半額など、乗り合いバスのユニークな割引運賃が次々と登場してきた。バス会社が利用者のバス離れに何とか歯止めをかけようと知恵を絞っているためで、規制緩和の流れもこれを後押し。利便性が少しずつ高まってきている。
 東京都東部と千葉県北西部を運行する京成バスは今年4月、70歳以上なら乗り放題の「ゴールドパス」を発行、実質約な運賃割引サービスを始めた。自治体が実施するバスの高齢者割引はあるが、民間では初めて。
 ゴールドパスは1年間有効(3万円)と半年間有効(1万6000円)の2種類。運行会社の京成電鉄は「往復利用で週2回使えば、通常料金を支払うよりも割安になる」と説明、これまでに約2200枚を販売した。通院に利用する人が多く、「小銭を用意しなくて済むこともあり、利用者の評判は上々」(京成電鉄)だ。
 群馬県の前橋市内を運行するバス会社7社は今年1月から、近距離運賃の割引を開始。JR前橋駅前を起点に、バス停の数にして3駅から4駅分にあたる約1`の範囲を利用する乗客は通常運賃190円の約半額の100円で済む。
 利用方法はいたって簡単。乗車時に受け取った整理券を降車時に運転手に見せ料金を払うだけ。運行会社の一つである東武鉄道が割引運賃導入前と導入後を比べたところ、バス停によっては1日の利用客が2倍以上に増えたところもあったという。
 神奈川中央交通など神奈川県内のバス会社10社もゴールデンウイーク、小学校の夏休み、年末年始休みに限って、子供料金を通常の約半額(50円)にする割引サービスを昨年から相次いで始めた。「ふだんより子供の利用が25%増えた」と神奈川中央交通。
 乗り合いバスの割引運賃としては、以前から往復割引や鉄道乗り継ぎ割引があったが、高齢者割引などユニークな割引運賃が登場したのはここ1、2年。
 背景には、マイカーの普及や高齢化、少子化などで、乗り合いバスの利用者数が減り続けていることに対するバス会社の焦りがある。また、運輸省が2001年に乗り合いバスの新規参入規制の撤廃を打ち出し、運賃も認可制から届け出制へと事実上自由化される見込みになっていることも、危機感に拍車をかけている。
 運輸省は「割引運賃は乗客の利便性を高める」(自動車交通局)として歓迎しており、こうした動きは今後、ますます広がりそうだ。(日本経済新聞 夕刊)
2日■20世紀 どんな時代だったのか アジアの戦争 満鉄 (下) 関東軍の”手足”に変容
 満鉄は、満州事変だけでなく、日中戦争の発端とされる1937年7月の慮溝橋事件にも大きく関与していたことが、早大の小林英夫教授と中国遼寧省档案館の共同研究で最近明らかになった。
 事件勃発まもなく、満鉄天津事務所が関東軍に協力して「満州事変よ、もう一度」との方向で拡大に寄与した、というのだ。それを裏付けるように、档案館所蔵の旧満鉄総裁重文書課史料には、天津事務所長名で打電された「満州事変を経験した金融法や国際法の専門家を早く送れ」、「看護婦や医者を送れ」といった電報が数多く残っている。
 中国は35年11月の幣制改革で全国的に統一された法定通貨を定め、中央政府の求心力が急速に強まった。この変化にいち早く気づいたのは、華北経済調査を進めていた満鉄経済調査会だ。だが、関東軍は武力で抑える方針を変えず、また満鉄も関東軍を止めようとしなかった。
 慮溝橋事件以後、満鉄の経済的支配力はますます制限され、現業部門は鉄道と撫順炭鉱に限定された。国策会社「満州重工業開発(満業)」を設立して主要な製造企業を移管、産業部に改組された経済調査会は38年5月に廃止された。
 満鉄の将来はどこにあるべきか。満鉄総裁松岡洋右は39年、打開策として大調査部構想を持ち出す。野々村一雄、石堂清倫ら左翼運動の前歴をもつ者を登用、調査部門を活気づけようとした。
 現在も労働運動の研究を続ける石堂さん(94)は、アジア経済研究所の聞き取り調査(88年)でこう語っている。「満鉄幹部には内地の会社より案外リベラリストが多かった。日本の普通の官僚社会と違って、上級の社員でない人も、かなり大きな仕事が自由にできた」
 しかし、戦局の逼迫とともに調査部門の言論の自由も制限され出す。転向者がいるからと関東軍寮兵隊は目を光らせ、42年9月から一斉検挙が始まり、満鉄は存立の余地を失っていく。満業も経営破綻し、45年8月ソ連軍侵攻の中で最後の時を迎えた。
 日本では近年、満鉄の歴史的役割を再評価する動きがある。満鉄経済調査会幹事・宮崎正義研究はその典型だ。
 帰国した宮崎は、35年日満財政経済研究会を組織。参謀本部の石原莞爾らと「産業開発5ヵ年計画」を作成、満州国の統制経済化を説いた。
 その内容は、今風に言えば「行政改革」の断行だ。大臣が13人もいる内閣の規模を3分の1に縮小し、その代わり経済参謀本部の機能を持つ総務庁を新設、政策の立案や勤行を行う。総務庁の下で経済各部門の国家背理を提唱、電力、航空機、兵器などは国営化し、石油、石炭、鉄鋼などは監督官庁が許認可権をもつ官僚統制にと分けた。
 「宮崎の提言は日本の戦時体制(1940年体制)の下敷きになった。骨格はそのままでないにせよ、戦後の高度経済成長を推進した宮僚主導型経済へとつながる」と、小林教授は指摘する。
 一方、中国側が満鉄を見つめる目は一貫して厳しい。大連の満鉄本社をはじめ満鉄関連の建物は現在も政府や軍の施設に使われているが、遼寧社会科学院歴史研究所の張志強副研究所表は「満鉄が残したものは中国人に苦しい歴史を思い起こさせる。日本式の都市計画は東北地方の発展を邪魔している」と話す。
 吉林省の炭鉱町九台の元炭鉱労働者(78)は「食事は二食。病気でも休めない。毎日たくさんの病死者が埋められた」と、山のふもとを指した。科学的労務管理で炭鉱の近代化を進めたといわれる満鉄だが、中国人労働者は恩恵を受けなかったらしい。
 満州に根をはった「知の集団」の視線は、日本にだけ向けられていたのだろうか。(生活情報部 永峰 好美)
 残留した満鉄社員 敗戦後も現地に残り、満鉄時代に蓄えた知識や技術を中国人に伝え、複興に協力した日本人もいる。中央試験所長の丸沢常哉もその一人。一緒に残留した所員は「(丸沢)先生は日本人として戦争責任を感じて、中国に何かお役に立てないかを真剣に考えていた」(「満鉄中央試験所」)と振り返っている。(読売新聞)
■車掌寝坊で部分運休 出勤の足3500人に影響 JR阪和線日根野駅
 2日午前6時4分ごろ、大阪府泉佐野市日根野のJR阪和線日根野駅で、同時刻に発車予定だった同駅発天王寺行き区間快速列車が、車掌(34)が寝坊して遅刻したため発車できなかった。日根野−鳳駅間で部分運休となり、阪和線2本が3−4分遅れ、乗客計約3500人に影響が出た。
 JR西日本によると、車掌は同日午前零時すぎに勤務を終え、駅近くの当直者用施設に宿泊。「一度起きたが、また寝てしまった」といい、同駅助役に起こされたという。車掌は定刻の数分後に乗車し、午前6時13分発の後続列車として出発。乗客約30人が車内で出発を待たされた。(日本経済新聞 夕刊)
3日■JRの負担半額 旧国鉄債務法案 今国会、成立見通し
 衆院の旧国鉄長期債務・国有林野事業改革特別委員会は2日の理事懇談会で旧国鉄長期債務処理法案に関する締めくくり総括質疑と委員会採決を5日午後に行うことを決めた。
 焦点となっている年金関連でのJRの追加負担については自民、自由、社民3党が政府案に盛られた3600億円の半減で事実上合意、詰めの作業に入っており、委員会採決は可決の見通し。6日には衆院を通過することが確実となった。
 民主、平和・改革は反対するが、3党が衆参とも過半数を占めており、会期延長で参院でも可決、法案は今国会で成立する見通し。
 金融再生関連法案に次ぐ重要法案と位置付けられた旧国鉄債務法案の成立で国鉄清算事業団の解散が実現し、約28兆円の長期債務処理がスタートする。
 旧国鉄の長期債務の総額は27兆8000億円。法案では、国鉄清算事業団が抱える15兆2000億円の有利子債務を一般会計に、4兆3000億円の年金債務の大部分を特殊法人である日本鉄道建設公団にそれぞれ移す。事業団が一般会計から借り入れた8兆3000億円の無利子債務は一般会計に移した後、棒引きにする。(京都新聞)
■JR奈良線宇治−新田間 新駅、年内にも着工 2001年春開業目指す 総事業費21億円 運輸省が設置認可
 宇治市とJR西日本は2日、JR奈良線の宇治−新田駅間に設置を決めていた新駅の概要を発表した。この日、運輸省から新駅設置の認可を受けた。年内にも着工し、2001年春の開業を目指す。総事業費は約21億円。宇治市内の新駅設置は、1992年の同線六地蔵駅以来となる。
 市によると、新駅は宇治市小倉町中畑で、宇治−新田間3.2`のうち、宇治駅から1.4`、新田駅から1.8`の地点。6両編成の電車が停車できる相対式ホーム2つに、各1基のエレベーターを設ける。
 約8bの高低差のある南陵町側(南口)と小倉町側(北口)を、地下自由通路(幅3b、延長32.3b、高さ3b)で結ぶ。自由通路にも、地上に出るエレベーターを1基設ける。
 1日当たりの電車の停車本数は上下計104本(現行ダイヤ)、乗降客数は約4000人を見込んでいる。
 宇治市によると、総事業費約21億円のうち、宇治市が約13億9000万円、府が約5億8000万円、JRは約1億3000万円を負担するという。
 新駅の設置は、地元住民の強い要望があり、宇治市議会も全会一致で設置誓願を採択するなど、早期着工が望まれていた。
 またこの日、同線宇治駅の改築工事の概要も発表された。(京都新聞)
■休日フリー切符提言 京都市の交通体系 検討委が63施策を報告 公共機関利用促進 渋滞場所解消図る
 京都市の「休日交通体系検討委員会」(委員長・北村隆一京都大教授)は、市内の休日交通の現状と課題、今後の交通体系のあり方を提示した「休日交通体系調査報告書」をまとめ2日、市に報告した。公共交通の優先を基本に市民と観光客が安心して歩ける環境づくりをめざすため、公共交通機関を相互に利用できるフリーチケットの導入や駐車場のネットワークの充実など63の施策を盛り込んでいる。
 休日の市内の観光地周辺で交通渋滞が深刻化していることから、市が96年度に実態調査を開始。その中で、検討委員会が休日交通のあり方を協議してきた。
 調査報告書では、市内の観光地間の移動状況や渋滞場所などのデータとあわせ、バス・鉄道の混雑や案内表示の不足、深刻な交通渋滞など市の休日交通の問題点を指摘。
 課題解消に向け、マイカー利用から公共交通機関への転換を進めることが必要という基本的な考えを示し▽公共交通の利便性と魅力の向上▽徒歩での移動空間の整備▽駐車場ネットワークの充実−など施策メニューを体系化。そのうえで、実施中の取り組みも含め休日交通の施策をまとめた。
 公共交通にフリーチケットを導入するなど企画切符の充実のほか、ミニバス周遊、休日限定の割引拡充や観光客向けの時刻表の作成、案内表示の充実、鉄道駅に対応した観光施設の出入り口の増設などを提案している。
 また、案内標識の裏面の積極的な活用、駐車開始30分間の駐車料金無料化などに加え、滋賀県が先ごろ実施したパーク・アンド・ライドやゾーン規制の取り組みなどマイカーが市内に入り込まない方策も盛り込んでいる。
 京都市総合企画局は「関係機関と協議を始め、できるものから事業化に向け、積極的に取り組みたい」としている。(京都新聞)
■府の公共交通整備計画 13年ぶり改定へ バリアフリー導入 近畿運輸局が諮問
 近畿運輸局の岩崎勉局長は2日、京都府内の鉄道やバスなど公共交通機関の新たな整備計画について、近畿地方交通審議会に諮問した。第1回の答申以来13年が過ぎ、府内の交通事情が大きく変化しているため、計画を改定する。同審議会は、京都市と周辺都市の渋滞対策や山間部地域の交通確保のあり方など長期的な計画とする方針で、99年末に答申する予定。
 交通審議会は、近畿2府4具それぞれに公共交通の計画をまとめ、近畿運輸局と府県は協力して計画を交通施策に反映させている。京都府でも85年6月に、JR山陰本線の電化・高速化や京都市内の地下鉄整備、関西学研都市への交通アクセス整備などを求める10ヵ年計画の答申が出され、第4次府総合開発計画に内容が盛り込まれた。
 計画にうたわれた整備が年々進んでいる一方、10年前に見込んでいた鉄道の利用度や山村地域でのバス交通の状況が変化したことから、新たに計画を策定することになった。
 この日は、近畿地方交通審議会と同審議会京都府部会の合同会議が大阪市内で開かれ、審議会長の小林庄一郎関電相談役や京都府の中北哲雄企画環境部長、京都市の増田優一副市長ら関係者50人が出席。岩崎局長が「交通環境も需給調整規制の緩和で大きな変化が予想される。変化に対応できる計画をお願いしたい」と諮問した。
 会議では、府内北中部のバス路線の減少や民間鉄道の利用客の伸び悩みなど問題点が報告される一方、鉄道の混雑率が一定改善されていることから、今後、バリアフリー(高齢者や障害のある人が自由に社会参加できるような交通システム)の導入などを目指す10ヵ年計画として検討することを申し合わせた。
 審議会は、今月末から具体化に向けたワーキンググループを立ち上げ、交通需要予測や自治体アンケート、府民の意見募集などを行い、99年11月をめどに答申をまとめる。府も、現在策定中の「新府総」に答申を反映させていく、としている。(京都新聞)
■井手・JR西日本会長 神戸空港計画を批判
 JR西日本の井手正敬会長(関西経済連合会副会長)は2日の記者懇談で、神戸市沖に建設が計画されている神戸空港について「今の時期に本当に必要かよく考えるべきだ」と述べ、計画を厳しく批判した。
 地元では計画に反対する住民らが住民投票を求めているが関西の経済人で建設計画に表立って疑問を表明したのは井手氏が初めて。
 政府の経済戦略会議のメンバーも務める井手氏の発言は、神戸市や建設を支持する地元の商工会議所などの反発を招きそうだ。
 井手氏は「交通手段の選択肢が増えるのは地元にとっていいことだし、地域エゴとまでは言わないが」と前置きした上で、国や自治体の厳しい財政状態を指摘。「近くに関西国際空港や伊丹空港があるのだから、今は(空港建設を)我慢すべきだ」と述べた。さらに「そんな金があるなら借金を減らすために使うべきだ」と強調した。
 また、関空の2期工事の着工が本年度内にも予定されていることに触れ、「物事には優先順位がある。欲しいから造るでは理解は得られない」と述べた。(京都新聞)
■10年10月10日 記念切符発売へ お守りセットも 近江鉄道
 近江鉄道(本社・彦根市)は、平成10年10月10日の「10」が並ぶ日を記念した記念乗車券やお守り切符を計2700セット作り、10日から近江鉄道の各駅窓口や滋賀県内の近江鉄道旅行センターで発売する。
 記念乗車券と入場券のセットは1組430円。記念お守り切符は、八日市市の太郎坊宮で発売日の「体育の日」に合わせてスポーツ必勝祈願したお守りと記念切符をセットにして、690円で販売する。通信販売も受け付けている。問い合わせは同鉄道運輸課 0749(22)3303へ。
 また、10月14日の鉄道の日にちなんだ記念イベント「ガチャコンまつり98」を10、11日に彦根市高宮町の同鉄道高宮駅構内で開催する。大正、昭和初期の古い車両を展示したり、電車の運転席での写真撮影コーナーなどを設ける。入場無料。(京都新聞)
■東西線車両 自作模型市に寄贈 山科の西浦さん 待合室に展示へ
 京都市山科区椥辻封シ川町の木工商西浦照夫さん(65)が、地下鉄東西線の車両の木工模型を2日、京都市に贈呈した。市役所1階にある市民待合コーナーに飾られる予定で、市は「デビュー1年の東西線に親しんでもらえれば」と期待している。
 西浦さんは、木工細工が趣味で、本業の合間に電車やバスを作ってきた。開業1年を迎える東西線で交通の便がよくなったため、日ごろの感謝を込め、写真をもとに洋材を用い1週間で仕上げたという。
 全長80a。実物の20分の1の大きさで、ドアが開閉できるなど、本物そっくり。木工ならではのぬくもりのある作品に、市職員らは「これで来庁者に東西線をアピールできる」と喜んでいた。(京都新聞)
■JR奈良線 宇治−新田間 2001年春に新駅
 近畿運輸局は2日、JR西日本が申請していた奈良線宇治−新田間の新駅設置を認可した。2001年春をめどに開業させる予定。
 新駅予定地は京都府宇治市小倉町中畑。1日約2000人の利用者を見込んでいる。(朝日新聞)
■関西の「スルッと」に神鉄バス来年度参加
 1枚のプリペイドカードで関西の複数の交通機関を利用できるシステム「スルッとKANSAI」に、新たに神鉄バス(本社・神戸市)の参加が決まったと2日、スルッとKANSAI協議会が発表した。導入は1999年度からの予定で、現在の計7社・団体から、99年度には鉄道とバス計25社・団体の参加へと広がる。(朝日新聞)
■「暴力許しません」回数券カードで訴え 京阪電車
 京阪電車が東山区内の5駅で、暴力追放を訴える回数券カードを発売している。優雅に踊る舞妓の写真に「暴力団 許さぬ勇気絶つ勇気」の標語を重ねた。
 同区内の商店街やお茶屋組合などが加盟する「東山地区暴力犯対策協議会」が企画した。各駅の専用券売機で計1万枚を発行する。発売から3ヵ月間有効で、大津線を除く京阪全線で使える。(朝日新聞)
■電車と車が踏切で衝突 JR桜井線 一時不通
 2日午後4時半ごろ、奈良県桜井市草川のJR桜井線草川踏切(警報機、遮断機付き)内で、同市内の男性会社員(18)運転の乗用車と奈良発王寺行き下り普通電車(2両編成)が衝突した。電車は車をはじき飛ばし、約300b先の巻向駅まで進んで止まった。1両目のブレーキのエアポンプが破損し、約80人の乗客を同駅で降ろしたが、乗客にけがはなかった。同線の天理−桜井間が約2時間不通になり、この電車を含め上下計9本が運休。後続が最大約2時間遅れ、計約1100人の足が乱れた。車の会社員は背中などに軽いけが。(朝日新聞)
■夢 グラフウイークリー トロッコで冒険気分
 トロッコ気分で保線作業に出動−。房総半島の中央を走る小湊鉄道(本社・千葉県市原市、36.1`)では、オートバイを改造したモーターカーが、沿線の除草作業の現場まで、保線区員の足として利用されている。
 朝、ダイヤの合間をぬって保線区を出発。作業中は線路上から取り外す。もともと人力の「軌道自転車」だったが、約25年前に機械好きの社員が125ccのバイクを取り付けた。現在2つの保線区に4台あり、1年を通して活躍している。(朝日新聞 夕刊)
■大阪府 現代美術展示に躍起 「芸文センター」凍結で私蔵の恐れ 駅舎や地下道で公開 他府県にも貸し出し
 大阪府が現代美術コレクションの展示機会を増やそうと躍起になっている。このコレクションは府が建設を計画している現代芸術文化センター(仮称)用に購入、寄贈を受けた作品だが、財政難で計画が凍結され、展示する機会が得られそうにない。そうした状況を知った他府県や民間から大阪府に貸し出し希望が数多く寄せられている。府は独自に公開の方策を探る一方、展示希望には積極約に応じ、できるだけ多くの作品を美術ファンの目に触れさせたいとしている。
 大阪府は90年ごろから、現代美術コレクションの収集に力を入れ始めた。これまで購入費用に約7億2000万円を当てたほか、寄贈や寄託も受け、現在合計で6770点を所蔵している。作品の内容は国際現代造形コンクール・大阪トリエンナーレの入選作品を中心にした「世界の現代美術」、それに東田剋太、津高和一、三尾公三ら関西にゆかりのある現代美術作家の作品などだ。
 ところが、肝心のセンター建設のめどが財政難で立たなくなり、府はコレクションの多くを倉庫で保管せざるを得なくなった。保管スペースは現在約380平方bという状態で、保管費用もそれなりにかかっている。
 府はせっかく集めた作品を”死蔵”するのは避けたいと、今春から大阪モノレールの駅舎を展示場所とし、立体作品の展示を始めた。今月からは2つの新駅にも場所を確保、モノレール駅舎での展示点数は41点になった。りんくうタウン駅ビルなども既に展示場所にしているが、コレクションを生かすとともに倉庫代を軽減するため、暫定約な展示場所を拡大することにした。
 展示作品は材質などの点で、破損しにくい作品に限定している。展示費用は浮いた倉庫代でねん出でき、持ち出しにはならないという。
 さらに5日から17日まで、大阪府立現代美術センター(大阪市北区)を会場に展覧会を開く予定。展示するのは須田剋太の「街道をゆく」の原画コレクション。司馬遼太郎の歴史紀行エッセーの挿絵で、所蔵する1858点のうちモンゴル紀行に絞った約60点を公開する。この原画コレクションは全国各地から引き合いがあり、府は今後、徳島県脇町や和歌山県古座町、須田の出身地の埼玉県吹上町での展覧会に貸し出すことにしている。
 また、JR北新地駅近くの建設省が管理する地下道路に、8点を展示する計画も進めている。民間企業にも展示の打診をしており、新たに大阪・茶屋町のビルに3点が展示されることが決まった。
 府はコレクションの収集に当たり、一作家の作品を大量に入手する手法を多く取ってきたため、一作家の業績を深く知ることができるのが特徴だ。購入予算は今年度までついており、新たに上前智祐氏の作品を購入する予定だが、積極約な収集活動も停止せざるを得ない状況だ。府の財政難は深刻で現代芸術文化センター建設のめどは、当面立ちそうになく、これまでに所蔵した作品の活用方法を広げることが最優先課題となっている。(大阪社会部 笠島総一郎)(日本経済新聞 夕刊)
4日■トイレで少年刺され重傷 JR岐阜駅
 3日午後6時50分ごろ、岐阜市のJR岐阜駅構内の2階男子トイレで、同県各務原市の少年(15)が、高校生とみられる男に首などをナイフで刺され重傷を負った。岐阜中署は傷害事件として逃げた男の行方を追っている。
 調べでは、男は16−17歳。やせ形で白のシャツに黒っぽいズボン姿で髪は茶色だった。(京都新聞)
■電車の騒音 緑でガード 阪急 線路わきの植樹進める 心理的効果も大?
 電車の騒音緩和を狙って線路のわきに木を植えます−。沿線の騒音対策に悩む阪急電鉄(本社・大阪市)が、植樹によって線路を緑で囲むユニークな取り組みを始めている。数十aおきに植えた木々の枝葉が密生し、垣根のようになれば「緑の防音壁」になるという考えだ。効果はまだ実証されていないが、心理的効果も大きいとみて同社は期待をかける。運輸省によると、幹線道路では騒音対策に植樹する事例はあるが鉄道では珍しい。
 阪急によると、緑の防音壁計画は6年前から試験的に始まった。木の種類は、枝葉が横に帯状に広がる習性がある常緑の「カイヅカイブキ」。神戸線、宝塚線、京都線、今津線の各沿線計14ヵ所の未高架区間に、音源となる車輪部分が隠れる程度の高さ2bの苗を50a間隔で長さ10−100bにわたり植えた。壁の効果が出るまで成長するには5年以上かかるという。費用は長さ1bあたり約5万円。
 阪急は、レールのつなぎ目を車輪が通る際の音を減らすロングレール化などの対策をとっている。しかし、JRと比べて線路内の敷地が狭く、民家が集中する区間もあり、今も高速の特急が通過するときなどに騒音の苦情がある。
 建設省や運輸省によると、鉄道沿線での植樹による防音効果は明らかになっていない。しかし、道路では各地で緑地帯を設ける事例が増えており、垣根のような植樹帯により数デシベルの騒音の減衰が認められている。沿道から直接自動車が見えず、緩衝帯になることで心理的効果もあり、鉄道でも同じような効果の出る可能性もあるとしている。
 同社は「倒木などの保安面や敷地が限られるなどの問題もあるが、緑は目にもやさしく、心理的な効果もある。木々の成長を待って効果を確かめ、できる範囲で植樹を広げたい」という。(朝日新聞)
■洛東にも女性ファン 「ラクト山科」長い列 百貨店・ホテルなど店開き
 京都市営地下鉄東西線の開業にあわせて進めてきた山科駅前地区の市街地再開発事業「ラクト山科」(2.8f)で3日、地区内の百貨店やホテルなどが「まちびらき」として一斉にオープンし、買い物客らでにぎわった。ラクトとは「洛東」と「楽都」をかけた言葉。
 この事業は、地下鉄、JR、京阪が乗り入れる山科駅の南部一帯を再開発しようと、1989年に都市計画決定された。主に4棟のビルからなり、大丸やましな店やホテルブライトンシティ山科のほか、専門店街、マンション、市施設などが入っている。
 一帯は朝から家族連れらでにぎわい、大丸前には開店前から長い列ができ、一時は地下鉄山科駅の改札前までのびた。
 山科駅前まちづくりの会会長の奥村俊一さん(65)は自らラクト山科内で喫茶店を開いた。「女性が9割を占め、予想通りのにぎわい。やっとここまで来た」と感慨深げだった。(朝日新聞)
5日■父子が無理心中? JR山科駅 電車にはねられ死亡
 4日午後8時半ごろ、京都市山科区安朱北屋敷町のJR東海道線・山科駅上り線ホームで、男児を抱いた男性が線路に飛び込み、大阪発近江今津行き普通電車にはねられた。2人は全身を強く打ち、まもなく死亡した。
 山科署は無理心中とみて身元の確認を急いでいる。死亡した2人は親子とみられ、男性は40歳代、身長約175aでメガネをかけ、赤と茶のチェツク柄のシャツに黒色ズボン姿、男児は4、5歳、身長約105aで赤の半そでシャツに紺色の半ズボン姿、下着に「ささき・じゅん」のネームがあったという。
 この事故で、同電車が同駅で1時間25分停車したほか、上り電車約20本が10分前後遅れた。(京都新聞)
■のぞみブレーキ故障
 4日午後9時半ごろ、JR東海道新幹線の新大阪駅で、東京発博多行きのぞみ27号の6号車にブレーキの故障が見つかった。
 JR東日本は、のぞみ27号の全車両を交換、乗客約780人が乗り換えて、45分遅れで運転を再開した。
 JR東日本によると、発車しようとした際、ブレーキ機能が解除しなかった。同社が詳しい床因を調べている。(京都新聞)
■子抱いた男性 飛び込み自殺 JR山科駅
 4日午後8時30分ごろ、京都市山科区のJR山科駅で、男児を抱えてホームにいた男性が大阪発近江今津行き普通電車(8両編成)に飛び込んだ。電車は非常ブレーキをかけたが間に合わず、男性と男児は即死した。計20本が最大1時間余り遅れ、約5700人に影響が出た。
 京都府警山科署やJR西日本によると、男性は身長175aで40歳代、男児は身長105aで4、5歳ぐらい。同署で身元を調べている。(朝日新聞)
■空からぶらり 二条駅周辺 夢を秘める再開発地域
 京都市中京区のJR二条駅のドーム型屋根(長さ60b)は、巨大なカメが線路をはっているよう。
 JR山陰線の高架化で、日本最古の木造駅舎だった旧二条駅舎(1904年建築)に代わり、2年半前に完成。日本庭園の編笠門を表現したドームは、通産省のグッドデザイン施設にも選ばれた。
 丹波、丹後から京都への玄関口として毎日140本の列車が発着する二条駅は「京の上野駅」。地下鉄東西線も開通し、西の新都心としての整備が進む。
 二条城の鮮やかな松の緑と対滑的に、貨物ヤードや住宅地だった広大な再開発地域はまだ赤土がむき出しのままだが、計画中のアミューズメント施設などが建ち並べば、駅周辺の様子は一変するに違いない。
 21世紀、二条駅は京の新名所になっているのだろうか。(京都新聞 夕刊)
■宇治の親子ほぼ断定 JR山科駅事故
 京都市山科区のJR山科駅で4日夜、親子とみられる2人が電車に飛び込み死亡した事故で、山科署は5日、2人は宇治市の会社員(40)と長男(4つ)とほぼ断定した。
 山科署によると、会社員の両親が5日朝に同署を訪れ、死亡した2人の着衣が会社員と長男の物と同じと確認した。同署は電車の運転士の話などから、無理心中を図ったとみており、動機について思い当たることがないか、両親から詳しく事情を聴いている。
 両親の話では、2人は4日正午ごろ「遊びに行く」と言って家を出たという。(京都新聞 夕刊)
■自由党 JR負担半減を提案 旧国鉄債務処理法案 補助金は1800億円支出
 旧国鉄債務処理法案の与野党修正協議で自由党は5日午前、3600億円のJR負担を半減、不足分を日本鉄道建設公団に肩代わりさせ、肩代わり分1800億円を国庫補助金でまかなうことを柱とした修正案を正式に決めた。政府・自民党に加えて社民党も受け入れる方針で、同法案は同日午後の衆院国鉄長期債務処理・国有林野改革等特別委員会で、自民、自由、社民3党などの賛成多数で可決され、6日に衆院を通過、今国会で成立する。自由党の修正案は、たばこ特別税や郵便貯金特別会計の繰り入れでは新たな負担増を求めないことを明記しており、先の通常国会から難航していた同法案は、国民負担が直接増える形で決着することとなった。
 JRの追加負担問題などについて自由党が5日まとめた修正案は、@3600億円のJR負担は半減し、不足分は鉄建公団を通じた国民の負担(国庫補助金)を求めるAたばこ特別税と郵貯からの拠出は、政府原案通りとするB民営化の道筋が明確でない北海道、四国、九州の三島とJR貨物については、無利子貸付や国庫補助、税制措置などで負担増を上回る支擾を講ずる−など。
 これを受けて、野中広務官房長官と古賀誠自民党国会対策委員長が自由党の野田毅幹事長らと協議、基本的に自民、自由、社民3党の枠組みで法案を成立させることで一致した。(朝日新聞 夕刊)
■路面電車を会社で応援 市民・企業 出資募る 低床型車両貸し出し 岡山の市民グループが設立へ
 岡山市内を走る民営の路面電車を物心両面で応援するため、市民グループが会社を設立する準備を進めている。新会社は路面電車を生かした街づくりに賛同する市民や企業から出資を募って発足させ、お年寄りにも利用しやすい低床型の新車両を外国から購入して電鉄会社に貸し出す計画。利用客を増やして路線の廷伸を実現させたいという。不況の中で出資者の募集は順調とはいかないようだが、来春までの設立を目指している。
 このグループは市内の会社役員ら約200人でつくる「路面電車と都市の未来を考える会」(岡将男会長)。岡山電気軌道(松田基社長)が4.7`区間で運行している路面電車を見直して、街の活性化に役立てようという人たちで3年前に結成した。軌道を使ったトロッコレースや、全国の路面電車関係者を集めたサミット開催などに取り組み、支援の方法を話し合ってきたという。
 同会によると、ドイツなどで普及している床の低い新型車両を岡山の路面電車にも導入すれば、お年寄りや親子連れの人たちが乗りやすくなる。国内でも熊本市で昨年8月に導入された。1台約2億3000万円と高額のため、電鉄会社に負担を求めるより、新会社で購入して電鉄会社にリースして使ってもらうことを考えついたという。
 同会では、地元の大手企業やメンバーから協力を取り付け会社設立に必要な1000万円をすでに確保。このアイデアを岡山市などに説明して行政の出資も求めている。会長の岡さんは食品加工会社役員で、多くの市民団体に参加して街づくりに取り組んでいる。「路面電車は交通渋滞や排ガス公害など車社会の抱える様々な問題を解決してくれる。出資者の募集は簡単ではないが、行動を始めることが大切だ」と話す。
 路面電車の現在の路線はJR岡山駅を発着する2つのルートだけ。1950年代には年間1300万人を超えていた利用客が3分の1程度に落ち込んでいる。岡山市役所前などを通る線を延伸させて環状化した方が便利になり、利用客も増えると同会はみている。路線延伸については、岡山市もJR岡山駅−市役所間の約1`を有力候補として調査し、事業主体や資金確保策などを検討している。(朝日新聞 夕刊)
6日■衆院旧国鉄債務特別委 JR負担半減修正案を可決
 衆院の旧国鉄長期債務特別委員会は5日、自民、社民、自由の3党が共同提出した、JRの年金関連追加負担を政府原案の半額の1800億円に減額する修正案を、賛成多数で可決した。同修正案は、6日の衆院本会議で可決された後、参院に送られる見通しだが、参院でも自民など3党が多数を占めているため、今国会で成立の公算だ。
 28兆円近くに達する巨額債務の返済に関する枠組みがようやく本格的に動き出す。修正案にも財源の一つとしてたばこ特別税が盛り込まれていることから、たばこの銘柄によっては1本1円程度の値上げが近く実施されることになる。
 修正案は5日午前に自由党が正式決定し、午後に同特別委の理事懇談会に提出した。懇談会で自民党と社民党は自由党案を共同提案することを決定。採決では民主党、平和・改革、共産党は修正案に反対した。
 修正案の大枠は政府原案と変わらず、27兆8000億円の債務のうち23兆5000億円は一般会計に、4兆3000億円の年金などの負担金は日本鉄道建設公団に移す。
 返済財源(年度ベース)には、一般会計分として@郵便貯金特別会計からの繰り入れ2000億円Aたばこ特別税2245億円B財政投融資資金の繰り上げ償還2500億円などが、また鉄建公団分として@JRへの追加負担120億円(総額1800億円)A土地・株式売却益3110億円B運輸省からの補助金650億円などが、それぞれ充てられる。(京都新聞)
■「半額」にJR反発 旧国鉄債務処理 民主が自由を批判
 衆院の旧国鉄長期債務特別委員会が5日、年金絡みのJR追加負担を半額に減額した修正案を可決したことに対し、JR各社からは「(半額にすれば妥当という)根拠が薄弱」などと反発する声が相次いでいる。
 また民主党関係者は、当初は民主党、平和・改革、自由党の野党3会派で協議を続けていながら結局、自由党が自民党と組んだことについて「自由党は保保連合の狙いがあるのではないかとの疑念も出かねない」と批判している。
 自民、自由、社民の3党は、年金の掛け金は経営者と社員が折半で拠出しているということもあり、「せめて経営者負担分ぐらいはJRが負担してもいいのではないか」(自由党首脳)と、半額への減額修正を行った。
 修正案についてJR側は「足して2で割るという感じで、大ざっぱな論理」と批判している。(京都新聞)
■旧国鉄のツケが煙たい だばこ20円アップ 12月から導入見通し
 旧国鉄長期債務処理法案が6日に衆院を通過する見込みとなったのに伴い、債務返済財源の一つに充てられるたばこ特別税が、12月1日から導入される見通しだ。
 同特別税は、債務を引き継ぐ国の一般会計の返済財源をやり繰りするため、1本当たり82銭を新たに課して年間2600億円の税収を確保する。このうち2245億円を旧国鉄債務処理に、残りを国有林野の債務処理に充てる。
 税額は82銭だが、流通コストなどから1本当たり1円、1箱で20円ほどの値上げになる公算。上げ幅は銘柄により異なり、例えば現在230円のセブンスターは250円になる見込みだ。現在でも1本当たり約6円25銭を負担している愛煙家は、さらに何の関係もない旧国鉄の非効率経営の「つけ」まで上乗せされる羽目になる。(京都新聞)
■次世代新幹線を公開へ 米原鉄道技術センター
 JR東日本とJR西日本の新幹線高速試験車両「STAR21」と「WIN350」が今月10日から、滋賀県坂田郡米原町の鉄道総合技術研究所風洞技術センターで一般公開される。
 JR東日本のSTAR21は時速425`をマークした高速車両、JR西日本のWIN350は500系新幹線のひな型になった試験車両で、これまで博多と仙台に展示されていたが、「まいはら鉄道フェスティバル」に合わせて同センターに集められた。
 一般公開されるのはどちらも先頭車両だけ。10日から2日間は車両内部の見学会も行われる。問い合わせは同センター 0749(52)2300へ。(京都新聞)
■窓 見かけ倒しの新バス乗降場 山科区・花田 吉男(無職・65)
 山科駅前の再開発事業も完了し、近代的な高層ビルが立ち並び新しく生まれ変わりました。この事業のなかで出来上がった駅前のバスターミナルのバス乗降場に設置された屋根について苦言を呈します。
 まず、屋根が高すぎて雨の日にバスを降りて歩道を歩くとき、傘を差さないとぬれてしまう。風の吹く日などは、全く屋根としての用をなさない。また、夏の暑い季節に日差しを避けることもできないだろう。
 そして、屋根の支柱が歩道の中ほどに建てられているために、歩行者は支柱を避けて歩かなければならない。また、支柱と支柱の間に設置された腰掛けは、幅が60aくらいあってお互いが背中合わせに数人が腰を掛けることができるが、歩道に設置された、さくと腰掛けの間が狭いので、腰を掛けている人の足が歩行者の邪魔になる。
 出来上がった屋根の外観、見かけは大変立派であるが、屋根やいすが、それぞれ本来の用をなしていない。多額のお金と労力を使って出来上がったものが、利用者に喜ばれるものであってほしい。(京都新聞)
■窓 運賃の割引制 自然も大歓迎 大津市・采野千代造(会社員・47)
 京阪宇治交通に続いて京都市バスも、通勤定期券利用者の家族への優遇割り引き運賃制度を実施するようだ。土、日と祝祭日などに実施され、家族の運賃は一律大人100円、子供50円となるのが大方だ。
 全国のバス会社で試みられているようで、近畿地方でも、そういった試みが始まったことは大変うれしい。何よりもそれで、道路を走り回る自動車が少しでも減って、環境への負荷が減るということだ。そして、多くの人がバスに乗って出かけるということは町づくりの発展にもつながる。
 自動車に乗って、その場を通過してしまうだけでは、その街の良さは分からない。何の発見もできない。それ故、今回の環境定期券の実施は、人を、世間の慌ただしさから、じっくりと自分や周りを見つめられる本来の生き方に引き戻してくれるきっかけになればよい、と思っている。
 ほかのバス会社や鉄道も、ぜひ導入を考えてほしいものである。また、鉄道や他社、他路線との連絡運賃制度をつくって運賃を少しでも安くする努力をしてもらえば、なおさら利用しやすくなる、と思う。(京都新聞)
■JR負担半減国庫で補助 旧国鉄債務処理法案成立へ 衆院委可決
 旧国鉄債務処理法案は5日夕、衆院国鉄長期債務処理・国有林野改革等特別委員会に自民、自由、社民3党が共同修正案を提出し、この3党の賛成多数で可決した。6日の衆院本会議でも同様に可決され、今国会で成立する見通しだ。共同修正案は、政府案が3600億円としていたJR負担を半減し、不足分を日本鉄道建設公団に肩代わりさせ、その1800億円を国庫補助金でまかなうとしている。
 3党による共同修正案は、@3600億円のJR負担は半減し、不足分は鉄建公団を通じた国民の負担(国庫補助金)に求めるAたばこ特別税と郵貯からの拠出は政府原案通りとするB北海道、四国、九州の3島とJR貨物については、無利子貸し付けや国庫補助、税制措置などで負担増を上回る支援をする−などとしている。
 この問題では、民主と平和・改革両党がJR負担そのものを削除するよう強く求めていたため、政府・自民党は負担を半減する妥協案を示した自由、社民両党に乗る形で共同修正した。共産党は、JR負担を増やすべきだとの観点から、修正案でも反対に回った。(朝日新聞)
■ポートライナー延伸 神戸市方針 「新空港」へアクセス
 神戸市は5日、同市沖に建設を計画中の神戸空港やポートアイランド第2期の人工島に接続する公共交通機関として既存の新交通システム「ポートライナー」を延伸する、と明らかにした。2001年度に着工し、空港開港を予定している2005年秋の開業を目指す。
 同市によると、廷伸距離は5.7`で、同市中央区・三宮−神戸空港(9.5`)を結ぶ。ポートアイランドにある現行のループ状の路線はそのまま残す。2005年度に新路線を開業、2010年度までに駅舎を改造したり、現行6両の編成を8両化したりして輸送力を向上させる。総事業費は1200億円で、国の補助や起債の発行などでまかなう方針。
 駅での停車時間も含めた新ポートライナーの平均速度は現行より9`速い時速30`で、三宮から神戸空港の旅客ターミナルまで約16分で結ぶ計画。開業時に1日当たり10万人、10年後には15万人の利用者を見込んでいる。
 神戸市は神戸空港への交通機関として新交通システムや車両が小型の中量地下鉄、従来型地下鉄を検討してきた。新交通システムの廷伸を決めた理由として、地下鉄に比べて事業費が削減できる▽早期整備が可能▽地下鉄よりも短い期間で累積赤字が解消できる−の3点を挙げている。(朝日新聞)
■宇治の会社員と4歳長男と判明 JR山科駅飛び込み
 JR山科駅で4日夜、男児を抱えた男性が列車に飛び込み即死した事故で、山科署は5日、この2人の身元を、宇治市在住の会社員(40)とその長男(4つ)と確認した。調べでは、会社員は4日正午ごろ、長男を連れて遊びに出かけたまま行方不明だった。遺書は見つかっていないという。同署は現場の状況などから自殺とみて調べを進めている。(朝日新聞)
■旧国鉄法案 衆院を通過
 衆院は6日午後の本会議で年金絡みのJR追加負担を半額に減額した自民、自由、社民3党の共同提案による旧国鉄長期債務処理法修正案と、国有林野事業改革の関連法修正案を賛成多数で可決した。
 旧国鉄法案の審議は今後参院に移るが、3党は参院でも多数を占めているため、今国会で成立する公算だ。ただ、参院で「造反議員」が出た場合には、成立するかどうか微妙な要素も残されている。
 28兆円近くに達する巨額の旧国鉄長期債務の返済にようやくメドがつく一方で、返済財源にはたばこ特別税の新設も含まれており、12月1日から銘柄によってたばこ1箱で20円程度の値上げになる見込みなど、愛煙家にはとんだとばっちりとなる。
 旧国鉄法修正案は、債務の大半を一般会計などに移して60年で返済する一方、年金などの負担金は日本鉄道建設公団に移すとしている。また、4兆円弱の国有林野債務は一般会計と国有林野特別会計に移管して処理する。(京都新聞 夕刊)
■旧国鉄債務処理法案 衆院本会議、可決へ
 約28兆円の長期債務を処理する旧国鉄債務処理法案は6日の衆院本会議で、共同修正案を提出した自民、自由、社民3党などの賛成多数で可決、参院でも7日の本会議で審議入りし、今国会で成立する見通しだ。ただ、菅義偉、中野正志両氏ら自民党の一部には、JR負担に反対してきた立場から6日の衆院本会議採決を棄権する動きも出ている。
 共同修正案は、3600億円のJR追加負担を半減し、1800億円の減額分を日本鉄道建設公団に肩代わりさせ、国庫補助金でまかなうことにしたのがポイント。JR負担を削除する別の共同修正案を提出していた民主、平和・改革両党のほか、逆にJRの負担を増やすべきだとする共産党は、参院でも法案に反対する方針だ。(朝日新聞 夕刊)
■「JR負担の半減」可決 旧国鉄債務処理案で衆院委 元本返済 財源は不透明
 衆院の旧国鉄長期債務処理・国有林野事業特別委員会(大原一三委員長)は5日、自民、社民、自由の3党が共同提出した旧国鉄長期債務処理法案の修正案を賛成多数で可決した。焦点のJR追加負担については、原案の半額である1800億円に修正した。しかし、JR側は「追加負担には一切応じられない」との姿勢を崩しておらず、火種を残したままでの決着となった。今後の焦点は2000年度から60年かけて返済する元本の償還財源に移るが、大部分は先送りした形になっており、解決すべき課題は依然多い。
 法案は6日の衆院本会議で可決された後、直ちに参院に送付される。参院でも自民など3党が多数を占めているため、今国会での成立は確実だ。
 27兆8000億円にのぼる旧国鉄長期債務の処理策の特徴は、まず毎年の利払い費と年金負担金の支払い財源を明確にし、債務の元本が雪だるま式に膨らむのを食い止める点にある。
 JR追加負担問題は、年金負担金のうち97年に鉄道共済を厚生年金に統合した際の積み立て不足分を、JRと国とでどう分担するかが焦点だった。
 政府原案では、JR職員が旧国鉄職員だった時代の積み立て不足分(約3600億円)をすべてJR7社で負担することにしていたが、民主党と平和・改革は「民間企業であるJRに追加負担を求めるべきではない」と強く反発。結局、自由党など3党は事業主と社員が折半で厚生年金を積み立てる仕組みを参考に、「せめて事業主分くらいはJRが負担してもいいのではないか」(野田毅・自由党幹事長)との考え方に落ち着いた。
 JR負担の減額分である1800億円は、日本鉄道建設公団の追加負担となる。この分は運輸省予算の削減によって国の一般会計から捻(ねん)出するため、最終約に「国民負担」が膨らむのは避けられない。
 法案が成立しても、23兆5000億円にのぼる元本の返済方法については課題が残る。返済には一般会計から毎年4000億円ずつを充てるが、財源として決まっているのは新設する「たばこ特別税」の一部だけ。残りは「歳出、歳入両面による努力」としており、返済が計画通りに進むかは不透明な部分が大きい。
・JR側、反対姿勢強める
 旧国鉄の債務処理をめぐる追加負担についてJR側は依然、反対姿勢を強めている。JR東海の葛西敬之社長は「バナナのたたき売りのようにバーゲン対象にしないでほしい。金額にかかわらず負担は受け入れられない」と反発。JR東日本首脳も「半減させる根拠がない。最初の3600億円の根拠は何だったのか。いい加減な額であることを自ら認めている」と話す。
 JR各社が負担を求められているのは、鉄道共済年金が厚生年金に統合されたことに伴う移管金債務の一部。96年に「国において処理する」と決まった債務の一部を、JR各社に改めて追加負担させることの是非が争点だ。
 JR西日本の井手正敬会長は「いわれなき負担は絶対に受け入れられない」と強調。成立後の対応については最終約な内容を見極めて詰めるが、JR西日本、JR東日本は「憲法訴訟も辞さない」との立場だ。ただ、実際に行動を起こすのは請求書が届くとみられる来春以降になりそうだ。
 一方、業績不振のJR九州、北海道、四国とJR貨物のいわゆゐ三島貨物会社は「物理約にも追加負担には応じられない」(JR貨物首脳)。運輸省は総額1000億円の無利子融資制度の創設などで支援する方針だが、JR側は「無利子で融資する金があるならそれを債務の返済に回せばいい」と反発している。
 追加負担がJR本州3社の収益に与える影響は限定的なものになりそうだ。元利均等の19年払いで負担した場合、JR東日本は年間50億円弱の負担になる見通しだ。同社の99年3月期の経常利益は956億円の見込み。西日本、東海も収益に与える影響は限定的だ。(日本経済新聞)
■たばこ 1箱20円値上げ 12月から、特別税導入で
 旧国鉄長期債務処理などの財源に充てる「たばこ特別税」が12月1日から導入され、たばこ1箱(20本人り)当たり約20円の値上げになる見通しとなった。同税の創設を盛り込んだ旧国鉄長期債務処理法案の今国会中の成立が確実になったためだ。
 たばこ特別税の税額は1本当たり82銭。現行のたばこ税(地方分含め6円25銭)に上乗せする。年間2600億円の税収を見込んでおり、このうち2245億円を旧国鉄の長期債務処理の利払いと元本償還に、残りの355億円を国有林野事業債務の利払いに充てる。
 値上げ幅は銘柄により異なるが、現在230円のセブンスターは250円になる見通し。
 同税は当初、20月1日から実施する予定だったが、旧国鉄長期債務処理法案の審議が遅れたため2ヵ月遅れの導入となる。
 民主党など野党の一部は「旧国鉄債務と何の関係もない喫煙者に負担を求めるのは筋違い」と批判している。(日本経済新聞)
7日■旧国鉄債務 造反組の動向がカギ 参院審議 楽観許さず
 旧国鉄長期債務法案が自民、自由、社民による修正を経た上で6日の衆院本会議で可決された。今後は参院で審議が行われるが、衆院と同様、参院でも”造反組”が各党に存在するため、成立までには流動的な要素がわずかながら残されている。彼らの動向が今後のカギとなりそうだ。
 6日の衆院本会議では自民党から若手を中心に棄権する議員が出ており、自民党が必ずしも一枚岩でないことが証明された。
 参院自民党では、JR追加負担に反対する議員が少なくとも5人程度はいるといわれており、うち少なくとも1人は確実に本会議で反対票を投じるとみられている。現在の参院の過半数は126だが、自民、自由、社民の議員の合計数は129人。わずか3人だけ上回っている。
 棄権や欠席、反対などが多く出れば過半数が取れない可能性もある。一部政府筋も「可決するとしても小差になるのでは」と認めており、自民党は無所属議員らの取り込みを積極的に進めているという。
 一方、JRも反撃の手を緩めていない。JR東日本の松田昌士社長は6日の記者会見で「私どもの主張に理解が得られるよう全力を挙げて各方面に運動する」としており、役員レベルを投入して参院議員への説明活動を以前にも増して活発化させる構え。「政府・自民党」対「JR」の争いがいよいよ白熱化してきそうだ。(京都新聞)
■高速鉄道計画 2000年に着工へ 中国が再確認
 【北京5日=鈴木暁彦】5日付の上海紙・解放日報によると、中国鉄道省の孫永福次官は北京−上海間の高速鉄道計画について、来年6月に基本設計が完了する、と述べるとともに、2000年の正式着工も改めて確認した。ただ、大洪水の被害で、計画が延期などの影響を受ける可能性も、政府内で指摘されている。
 孫次官はこのほど、南京を視察し、南京−上海間などの設計状況を聴取し、今後の方針を示した。計画では北京−上海は全長1463`。時速300`運転を予定しており、現在の14時間から約6時間に短縮される。技術供与を巡って、日本とフランス、ドイツが激しくつはぜり合いをしている。
 一方、別の政府高官は9月末、日本の文化関係者と会った際、「洪水被害で、いくつかの国家プロジェクトが影響を受ける。新幹線も免れない」と語った。政府内でも、高速鉄道と他の事業の優先順位について、議論があることを示したものだ。(朝日新聞)
■JR四国など実質負担ゼロ 旧国鉄処理で運輪省
 旧国鉄債務処理法案がJRの追加負担を1800億円に半減するという修正を加えて6日、衆院を通過したことで、運輸省はJR各社ごとの負担額をまとめた。
 経営状況が厳しく株式上場の見通しが立っていない北海道、四国、九州の3島会社とJR貨物については、負担額が実質ゼロになるよう運輸省が支援する。すでに今年度、4社に計1000億円を無利子融資することを決めているが、来年度の無利子融資の上乗せや固定資産税の軽減を検討している。
 JR各社の負担額は次の通り。▽東日本713億円▽東海207億円▽西日本444億円▽北海道121億円▽四国34億円▽九州127億円▽貨物128億円(朝日新聞)
■モノわかりのいい話 特急列車の料金って、いったい何だ? 手かかる時間は上乗せ こだま・ひかり同額はなぜ
 出張旅費の精算をしている時、JRの特急料金の設定に戸惑うことがある。新幹線の「ひかり」と「こだま」は同じ料金なのに、「のぞみ」となると別建て。指定席だと、季節によって高くなったり安くなったりもする。昔の国鉄はもっと単純だったと思うが、どうしてこうなったのだろう。私鉄では、別料金を払わなくても乗れる「特急」も走っている。特急料金っていったい何だ。(玉木 ゆり)
 まず運輸省を訪ねた。鉄道局業務課の担当者は「特急の定義は、速達性確保のための特別な車両で、中・長距離を主に走る列車。特急料金は、速さと、車両設備などへの対価といえます」。快速などにも相当速く、いい車両を使っている列車があるが、距離が比較的短く、座席の指定がないなどの点が違うという。
 普通科金で乗れる「特急」を走らせている私鉄も多い。京浜急行電鉄と阪急電鉄に聞くと「速いけれど通勤客が主体で、距離が短い。車両も特別に料金を取れるほど優れてはいません」と、ほぼ同じ答え。名前は「特急」でも実際は「快速」のようなものらしい。
 それにしても、季節や時期によって料金が違うのは、どう理解すればいいのだろう。「繁忙期」は特急指定席券が200円高、「閑散期」は200円安になる制度で、JRだけのものだ。閑散期に安いのは結構だが、混雑して窮屈な思いを強いられる時期に、なぜ料金を高く取られるのか。
 運輸省によると、時期による料金区別は、国鉄時代末期の1984年に経営基盤強化のために導入された。「混雑期は、職員の手数もかかるので、その分上乗せするということです」(同課)
 JR東海に尋ねると「混雑期間から、すいている期間に利用をシフトしていただくことを目的としています」という。お盆や正月を避けて仕事の忙しい時期にシフトしろ、といわれても。JR東日本は「シーズンなどで料金差をつけるのは旅行会社や宿泊施設でも行われており、理解いただけると考えています」。
 わずか200円だし、航空運賃でも同じような制度はある。でも、「混雑期の手間は仕事のうちなので、料金差を設ける考えはありません」(東武鉄道)など、JR以外は同一料金が大原則だ。混雑度によって差をつけるのが合理的なのか、一律の料金がいいのかは意見が分かれるところだろう。
 時刻表を見ていたら、JR九州だけは繁忙期割増がないのに気づいた。さっそく電話すると、「2年前になくしました。九州は運行距離が短く、バスなどとの競合が厳しいという地域性もあり、たとえ200円でも安くして鉄道に親しんでもらい、お客さんを呼び込みたい」。
 新幹線料金もなぞだ。ひかりより時間がかかり、車両も古い型が多いこだまが、なぜ同料金なのか。64年の開業時は、こだまはひかりより安かったが、75年に一本化されたという。
 運輸省は「ひかりの停車駅が多様になり、こだまと差がつけにくくなったため」などと説明する。JR東海は「乗り継ぎの際、改札口を出ずに、一枚の特急券で利用できるようにと考えています。補完しあう列車なので、料金差はつけません」という。
 だとすれば、のぞみが高いのはなぜか。のぞみだって、ひかり・こだまと補完しあう場合もある。これに対しては「従来のひかりより東京−新大阪間で約30分短縮するなど、利便性が向上し、新型車両開発などの設備投資を行ったため新たな料金としました」(JR東海)という。
 鉄道研究家の川島令三さんは「こだまは乗り通す人が少ないので、ひかりと同料金でもいいが、のぞみが高いのは変。区間を区切れはのぞみと大差ないひかりもあり、違いは全席指定ということぐらいだから」と話している。
 規制緩和の流れの中、JRでも新幹線の早朝割引や、各種の回数券など、新しい動きがある。うまく使って、せいぜい胸のもやもやをはらそうか。
 記者の一言 全国を網羅する「国民の足」JR。不満があっても「もう乗らない」とはいい切れない以上、利用する側も賢くなって自衛しなければ。回数券や周遊きっぷなどの使い方は、時刻表に詳しい。わかりにくけれは旅行センターなどにどんどん尋ね、少しでも得な鉄道の旅を選びたい。(朝日新聞)
■梅田貨物駅の機能移転合意 事業団と吹田・摂津両市
 国鉄清算事業団と吹田市、摂津市は7日、JR梅田貨物駅(大阪市北区)の機能の半分を両市にまたがる旧国鉄吹田操車場跡地に移転することで大筋合意し、今後、貨物の取扱量や施設について最終的な詰めをするとの内容の覚書を大阪府とJR貨物を含めた有者の間で交わした。
 梅田貨物駅の敷地は約20fで、旧国鉄資産の中でも東京・汐留と並ぶ一等地。残り半分の移転先はまだ決まっていないが、今回の合意は大阪市の中心部に残る大規模用地の再開発に弾みをつけることになりそうだ。
 清算事業団は1987年、旧国鉄の長期債務を返済するため、梅田貨物駅の敷地売却を決め、吹田操車場跡地への全面移転を計画した。しかし、吹田、摂津両市が環境悪化を理由に強く反発したため、清算事業団は昨年6月、移転規模を取扱貨物量の半分に縮小する妥協案を示し、両市と交渉していた。(京都新聞 夕刊)
8日■3期に分けて売却も 梅田貨物駅跡地
 国鉄清算事業団は7日、移転するJR梅田貨物駅(大阪市北区)の敷地売却について、移転交渉の推移によっては敷地を3期に分けて売却する可能性もあることを明らかにした。
 移転交渉が進まず、さら地にできるめどが立っていないためで、清算事業団近畿支社の大林祥泰支社長も「交渉が長引き、時期がずれるなら一括売却にこだわらない」と話している。
 梅田貨物駅はJR大阪駅に隣接する一等地にあり、敷地面積は20f。事業団は当初、貨物駅の機能を全面移転し、大規模な再開発用地として一括売却する方針だった。
 しかし、移転交渉が難航したため、倉庫などの建築物がある東側の6.7fは3年後にさら地にして先行して売却することを決めた。(京都新聞)
■地下鉄などの決算を認定 京都市会2委員会
 9月定例京都市議会は7日、普通、事業両決算委員会を再開し、97年度の病院、市バス、地下鉄、上下水道の各決算を、いずれも認定した。8日の最終本会議で両委員長が討論内容を報告したのち、認定される見通し。
 委員会では、病院、地下鉄、上下水道の各決算が全会一致で、市バス決算が共産を除く賛成多数で、それぞれ認定された。(京都新聞)
■特急回数券共通に KTRとJR来月にも発売 府会委で明らかに
 京都府などが出資する第三セクター「北近畿タンゴ鉄道(KTR)」とJR西日本が相互乗り入れする特急の回数券が、11月にも発売される。第三セクター鉄道とJRの共通回数券は全国でも珍しく、KTRは「利用者増につなげたい」と期待している。
 府が、7日の府議会総務常任委員会で明らかにした。
 これまで、KTRとJR西日本の線路を行き来する特急で回数券を利用する場合、両社の回数券を別々に購入する必要があった。新しい共通回数券は、特急券と乗車券を組み合わせた券を6枚つづりで発売。2種類の回数券を利用するより割引幅が大きくなり、通常の切符に比べ7%前後安くなる。
 共通回数券の発売は、府や地元市町で組織するKTRの利用促進協議会がJR西日本に要望。両社が運輸省に申請していた認可が近く下りる見込みとなった。
 KTRでは「利便性が高まり、料金も安くなる。商用や家族旅行での乗客増加につなげたい」と話している。(京都新聞)
■JR西大路駅周辺 不法駐輪の解消へ 住民・企業・行政がシンポ
 自転車の違法駐輪が日常化している南区のJR西大路駅周辺の町づくりについて、住民と企業、行政が話し合うシンポジウムがこのほど、駅近くの祥豊小で開かれた。
 地元住民でつくる「西大路駅周辺を美しくする会」と市が、初めて企画した。住宅街と工場街の二つの顔を持つ駅周辺の駐輪自転車は、1日最大1200台ともいわれる。これに対し駐輪場の収容台数は600台程度と少なく、早急な対策が求められている。
 シンポジウムには、住民や企業関係者ら170人余りが参加した。昨年10月に発足した美しくする会の加藤修三事務局長が「平日の朝に自転車の整理に取り組んでいるが、さくにくさりでくくりつけたり、整理しているボランティアに悪口を言ったり、マナーの悪さが目立つ」と報告した。
 また近くの企業を代表してワコールの加藤道彦総務部長は「建設中の本社ビルには公開空地を予定している。緑を植え、いこいのスペースにしてほしい」と話した。市の担当者は「行政と企業、住民が一体になって駅前開発を進めたい」と説明があり、参加者からも「一日も早く駐輪場を作ってほしい」と切実な訴えが出された。(京都新聞)
■環境アセス条例案可決 府議会総務委 共産の修正案は否決
 府議会に提案されている府環境影響評価(アセスメント)条例案をめぐり、手続きの早い段階で住民が意見表明できる機会を設けることなどを求める修正案が7日、府議会総務常任委員会に提出された。しかし、提案した共産党議員のみの賛成にとどまり、否決された。
 この日提案された修正案では、提案中の条例案に対し、府民の代表が加わって独自に調査研究を実施し、審査内容も公開する審査会の設置▽対象事業に景観保全の視点から高層建築物を含める▽条例で守るべき「環境」をより具体的に明記する−などを求めた。
 委員会では修正案が否決されたあと、「条例制定そのものには賛成」として共産党議員団の委員も賛成に回り、条例案を可決した。
 また、この日の委員会で、府は北近畿タンゴ鉄道とJRが10月中にも京都−久美浜間で特急の回数券を新たに発売する方針であることを明らかにした。
 同鉄道によると、新たに発売される回数券は6枚または11枚つづりになる予定。割引率は協議中。新しい回数券の発売は、地元自治体でつくる利用促進協議会がビジネスマンらの需要を踏まえて要望していた。(朝日新聞)
■JR貨物 管理職賃金をカット 輸送急減で来月から 役員報酬も10−30%
 日本貨物鉄道(JR貨物)は8日、11月から役員報酬と約400人に上る管理職賃金のカットに踏み切ることを明らかにした。同日午後にも発表する。不況による貨物輸送量の急減が主因で、管理職賃金のカットに追い込まれるのは87年の民営化以来初めて。JR7社でも例がない。輸送量回復の見通しは立っておらず、一段の経営悪化の懸念が出てきた。
 役員報酬の減額幅は30−10%。管理職は課長に相当するグループリーダー以上を対象に、月給の1−2割を占める管理職手当を10%減額する。減額期間は当面、来年3月までの5ヵ月間だが、輸送量の減少が続けば長期化する可能性もある。
 JR貨物の4−8月の貨物輸送量は前年同期比14%減の1657万5000dまで落ち込んだ。98年度の年間輸送量は当初計画の4413万d(前年度比7.7%減)を大幅に下回り過去最低(民営化後)を更新する見通し。99年3月期は6期連続の経常赤字が避けられなくなっている。8月末の大雨で東北本線と上越線が約1ヵ月にわたり不通になったことも収入面での痛手となった。
 旧国鉄長期債務処理法案が成立すれば、年間約9億円の追加負担が必要になることもあり、報酬・賃金カットを機に一段の経営合理化に取り組む考えだ。(日本経済新聞 夕刊)
9日■乗車券から建材再生 壁材用パルプに JR西日本の5支社 焼却費用を1割節約
 JR西日本は8日、京都、福知山支社を含む5支社で回収した乗車券を10月分からリサイクルに回し、住宅用外壁材に活用してもらうと発表した。同社で使用する乗車券の75%が再資源化できるという。
 5支社の自動改札機などで回収される乗車券は、年間265d。これまで、各支社ごとに焼却処分し、年間600万円の処理費がかかっていた。
 乗車券は紙質が良いためリサイクルの方法を模索。三重県内に工場を持つ建材メーカーに、外壁材に混ぜるパルプとして利用してもらうことにした。
 JR西日本が回収する乗車券は全部で年間400d。すでに、岡山支社では住宅の天井材として年間35dを再資源化しており、今回の取り組みで計300dになる。「焼却処分よリコストも1割節約できる」として、全支社に拡大する方針。(京都新聞)
■秋の宇治にいらっしゃい 京阪電車&バス 1日フリー切符 宇治市などあすから発売 植物公園なども割引に
 京阪電気鉄道(本社・大阪市)と宇治市は8日、京阪電車と宇治市内の京阪宇治交通バスの割引乗車券、同市の植物公園入場割引券などをセットにした「もみじきっぷ」を、10日から京阪本線、同交野線各駅で発売する、と発表した。
 このきっぷは、京阪本線、交野線の各駅と宇治線・宇治駅間の往復運賃と、宇治市内(城陽市、久御山町の一部も)が自由に乗降できる京阪宇治交通の「宇治フリーきっぷ 1日乗車券」、さらに宇治市植物公園、同市源氏物語ミュージアム(オープンは11月8日)の入場割引券、宇治市内の地ビールレストラン・地ビール1杯無料券がセットになっている。
 京阪電車の出町柳・宇治往復の場合、電車と宇治フリーきっぷで1260円が1100円に、三条・宇治往復では1140円が980円に、淀屋橋・宇治往復は1300円が1120円にそれぞれ割り引かれている。運賃の割引は平均して1割5分前後。植物公園などは大人500円が400円に割り引かれる。
 11月30日まで発売されるが、源氏物語ミュージアム入場の割引は、同ミュージアムが開館する11月8日以降のみとなる。(京都新聞)
■京福電車と車が衝突 右京、げが人なし
 8日午後1時15分ごろ、京都市右京区太秦組石町の三条通交差点で、京福嵐山線の嵐山行き電車と同区太秦森ケ前町、無職久保聡子さん(40)の乗用車が衝突。電車の乗客約20人と久保さんらにけがはなかった。太秦署によると、現場は道路と電車軌道の併用区間で、乗用車が左折中、後方から来た電車と衝突した、という。電車は現場に約15分間停車したが、後続電車にほとんど影響はなかった。(京都新聞)
■宇治フリーきっぷ 京阪電鉄あす発売
 京阪電鉄(本社・大阪市)は10日から、京阪宇治交通の宇治地区のバス路線が、1日乗り放題で500円の「宇治フリーきっぷ」を発売する。電車の切符とのセット販売で、電車の運賃とともに割引になる。
 宇治市には11月8日、「源氏物語ミュージアム」が開館し、宇治地区が今秋の観光・レジャーの目玉になるとして、同社と市が提携。フリーきっぷには同ミュージアムと同市植物公園の100円割引券、同社系列のガーデンス天ケ瀬の地ビール無料券(グラス一杯)が付く。
 フリーきっぷは11月30日まで京坂本線と交野線の各駅で販売。淀屋橋−宇治の往復切符と令わせて1300円のところを1120円に、三条−宇治の1140円が980円に割引される。(朝日新聞)
■視点・直言 中央新幹線構想 ”沿線”各県と大きい温度差
 速度計が時速160`を超えた瞬間、車体がふわっと浮いた。トンネルの壁面に11.8b間隔で縦に設置された蛍光灯の光が、あっという間に白い帯になり、出発から85秒で時速450`に。
 鉄道担当をしていた縁で先日、JR東海などが山梨県内で開発を進めているリニアモーターカー「MLX01」に試乗した。18.4`の実験線の走行に要したのは、わずか3分55秒。リニアモーターカーを使って東京−大阪間を1時問で結ぶ「中央新幹線」構想は、関西、特に京都ではまだまだ実感を伴って語られることが少ないが、乗ってみると、にわかに現実味を帯びてくる。
 中央新幹線は法律で、起点が東京、終点が大阪、主な経由地は甲府市付近、名古屋市付近、奈良市付近と定められ、現在、建設を前提に地形や地質の調査が行われている。
 ところが、経由地は「点」でしか示されていないのに、神奈川、山梨、長野、愛知、岐阜、三重、奈良の”沿線”各県は、「リニア中央エクスプレス建設促進」の組織を結成。国やJR東海に早期整備と駅の誘致を陳情している。
 お隣の奈良県期成同盟会(事務局・県交通政策課)は、リニア展を開いたり中央新幹線親子セミナーを実施したりと、県民へのアピールも積極的に展開。7月には小学生と保護者20組を、1泊2日で実験線の見学に招待した。
 担当者は、こうした取り組みの狙いの一つに、ずばり、「京都との逆転」を挙げる。京都・奈良観光といっても、現在は来訪者のほとんどが京都を宿泊拠点とし、奈良は日帰りばかり。「奈良は京都の付け足し。ですが、リニアの奈良駅ができれば、観光客やビジネス客をもっと誘致できます」というわけで、宿泊設備の整備や観光客の引き留め策を検討中だ。
 京都はどうか。府交通対策課幹部は「他に優先すべき事項が多く、あまり勉強していないのが実情。だが、『点』でしか示されていないものに『線』を引くのはおかしいと申し上げたい。奈良市『付近』には、学研都市など京都府も含まれるはず」と話す。
 復調の兆しが見えるとはいえ、京都市を訪れた観光客は昨年で3892万人。過去最高の1990年の4815万人には届かない。無論、中央新幹線は今日明日に実現するわけではない。京都と奈良とが綱引きをすることの是非もあろう。けれど、京都と”沿線”各県との温度差はあまりにも大きい。長期的視野に立った対応策を、京都も練る時期にあるのではないだろうか。(浅野 博和)(読売新聞)
■読者のページ 旧国鉄債務の処理は無責任 無職 和田 武司 65(兵庫県尼崎市)
 金融機関経営者のモラルハザード(倫理観の欠如)の次に、国民にとって理不尽の最たるものは、あずかり知らぬところで無責任に先送りされ、雪だるま式に増えた旧国鉄長期債務の処理である。国民の税金がさらに注ぎ込まれそうで長い間、政治は一体何をしてきたのか、を改めて問いたい。
 民間会社となったJRは大きな変化を遂げて改善されてきており、よくぞ頑張った、と言いたい。現在、長期債務の一部をJR各社に追加負担させるか、否か、ということがクローズアップされているが、問題の本質は違う所にあると思う。今の状況に至るまでの経過と、かかわった政治家や旧国鉄労使幹部の責任を指摘する必要がある。官僚の責任も同様だ。何しろ、長年の「知らしむべからず」がもたらした悪の華で、広い範囲にわたっている。
 加えて、多額の不良債権を抱える石油公団や、全国各所の第三セクター事業等の税金投入の問題も浮上しつつある。責任のない政治、責任のない事業は絶対に許されない。広範囲の情報公開を強く望みたい。(読売新聞)
10日■東西線延伸 「石田駅」は石田森東町に 都計審が計画決定 外環と市道交差部
 京都市都市計画審議会(会長・桝本頼兼市長)は9日、来年秋の着工を目指す地下鉄東西線の延伸区間(伏見区醍醐−宇治市六地蔵、2.4`)のうち1.9`の京都市域分など6議案を、原案通り都市計画決定した。東西線の延伸ルートは、外環状線の地下を掘り抜き、醍醐−六地蔵の中間付近に設けられる新駅「石田駅」(仮称)は、伏見区石田森東町に位置することになっている。
 同駅の設置場所は、外環状線と市道桃山石田線の交差部で、市営大受団地と石田団地付近に面している。駅舎部分は、地下3層構造で、プラットホームは上下線が左右に入る「島式」と呼ばれる形状となる。長さは170b。
 東西線の六地蔵への延伸は、今年4月に運輸省から事業免許が許可され、準備が進んでいる。総事業費は約712億円。開業は2004年度の予定。残る宇治市域分(0.5`)は、同市の都市計画審議会で21日に都市計画決定される見込み。
 また、市街化区域内の生産緑地は、地主の高齢化などで農業の継続が困難になった農地の廃止などで7地区、3.04fが減り、2356地区、810.21fとなった。
 このほか、同市南区吉祥院嶋笠井町の堂ノ裏公園の公園区域を拡大。東山区の鴨川東岸線に、長さ約220bにわたって歩道を追加する。さらに、大規模な住宅開発が進んでいる西京区の桂坂地区の良好な居住環境を守るため、3つの地区(計1.1f)に建物の建築行為の制限を設ける地区計画を導入した。(京都新聞)
■検証 京の新動脈 地下鉄開業1年 中 まちづくり 沿線活性化になお時間
 駅のホームからあふれ出た人波が、百貨店やホテル、文化施設が入る巨大ビルに押し寄せる。3日、華々しくオープンした「RACTO(ラクト)山科」を訪れ、醍醐10校区自治町内会連絡協議会会長の村井信夫さん(59)は、衝撃を受けた。「醍醐のまちづくりとスケール、質が全然違う」
 東西線の東の起点でも、醍醐団地の総合再生事業を軸にした都市開発が進む。だが、まちづくりの核となる複合商業施設は開業中の西館が低迷。来春に開業予定の東館は、事業費を縮小する方向で計画を見直す。6年後に東西線が府内有数の商業集積地である六地蔵まで延びると、ターミナル駅の地位を失う。「このままでは醍醐は単なる通過駅になる」。村井さんは危機感を募らせる。
 西の起点、二条駅近くですし店を営む村上俊夫さん(45)の表情もさえない。「JRから地下鉄に乗り換えるためだけの駅ですわ」。駅の出口を三条会商店街近くに設置するよう地元の商店主らが市に要望したが、聞き入れられなかった。当然、人の流れもできない。「市民の声を行政はこれっぽっちも反映しない」
 JR二条駅前の映画館や娯楽設備が入る複合文化施設の計画は、不況で各企業の業績が悪化する中、着工のめどすら立たない。
・5事業に影響も
 89年に工事が始まった東西線の建設費は、当初の見込みの2450億円から、完成時には4537億円に膨れ上がった。それでも工事を続けたのは、東西線が沿線のまちづくりを支える基軸となるからだ。
 中でも、山科駅前、醍醐団地、JR二条駅周辺に、御池地下街と三条京阪駅前の整備を加えた拠点づくりは、5大プロジェクトと呼ばれ、21世紀に大都市としての京都のあり方を左右する。
 「このまま東西線の乗客数が低迷を続ければ、5大プロジェクトに影響が出る」。今月8日まで開かれていた9月定例市議会では、開業1年を迎える東西線の実績とともに、思い通りに進まない沿線のまちづくりの問題が相次いで取り上げられた。
 答弁の中で中谷佑一副市長は「山科区、中京区の人口が増え始めた。まちの空洞化に一定の歯止めがかかり、都市再生に一歩踏み出した」と明るい展望を示した。果たして、市当局に成算はあるのか。
 「社会資本としての東西線の効果は、計り知れないほど大きい」。市のまちづくりの統括者、増田優一副市長は力説する。「JR、京阪につながる六地蔵への延伸を実現する。と同時に、それぞれの駅周辺にきめ細かく商業・文化施設を配して都市機能の集積を高め、各駅にアクセスできる地域の交通網を整えれば、少し時間はかかっても、必ずや沿線の地域は活気に満ちたまちになる」
・駅への輸送整備
 都市交通とまちづくりに詳しい土居靖範立命館大教授も「東京都武蔵野市の循環バス・ムーバスのように、地域の住民が駅まで手軽に行ける輸送手段を確保すべきだ。そうすれば地下鉄のメリットを最大限生かせるし、駅前もにぎわう」と提言する。
 東西線とつながる浜大津(大津市)や、六地蔵(宇治市)では商業拠点づくりが進む。これらは、まちづくりにおける東西線の可能性と潜在力が、市域を超えて発揮されたよい例だ。
 古山正雄京都工芸繊維大教授(都市計画)は「地域の特性や生活文化を組み合わせる、きめ細かな発想が大切」と、京都らしさを失わないまちづくりの必要性を説く。道のりは平たんではなさそうだが、東西線を柱にしたまちづくりの成否は市の指導力と地域の熱意にかかっている。(京都新聞)
■ひかりが緊急停止 描をはねる
 9日午後9時50分ごろ、JR東海道新幹線の三河安城−名古屋間を走行中の東京発新大阪行きひかり271号の先頭車両で「ドン」という異常音がしたのを運転士が聞き、同列車は緊急停止した。
 JR東海が調べたところ、現場近くの線路わきで猫の死がいが見つかり、この猫をはねたとみられる。
 ひかり271号は約15分後に運転を再開。乗客約1300人にけがなどはなく、後続の列車にも影響はなかった。(京都新聞)
■ミニSL加悦に登場 きょうから力走を披露
 本物の蒸気機関車そっくりに黒い煙と白い湯気をはきながら走る小型SLが、与謝郡加悦町滝の加悦SL広場(カヤ興産運営)にお目見え。現役を引退し同広場に展示中の機関車に交じって、10日からお客さんを乗せて力強く走る。
 ミニSLは、京都市内の愛好家が約20年前に手作りで完成させ、これまでにも同市内で小学校などから依頼があるたびボランティアで走らせていた。しかし、この愛好家が高齢と病気のため手放すことになり、「府北部の子どもたちにもSLの魅力を知ってほしい」と広場を運営する同社に寄贈した。
 ミニSLは明治から大正にかけ、イギリスで材木などを載せる森林鉄道として活躍した「コッペル」を模してあり、長さ約1b、重さ約120`。線路の幅は13aと本物の機関車に比べ小型だが、1dもの重量を引く力を持ち、子どもなら30人乗せることも可能という。
 10日、11日に、場内に設けられた1周約60bの線路で走らせ、無料で乗車できる。同広場は「蒸気機関車を知らない子どもたちに、仕組みやロマンを感じてほしい」と言い、今後、広場でのイベントで走らせる。(京都新聞)
■窓 トロリーバス 京都に復活を 中京区・富田 隆介(歯科医・69)
 最近、路面電車を見直す声が高まり、広島や熊本などでは従来のチンチン電車のイメージを払しょくするような車両が登場しております。京都は盆地という地形からも排ガス対策は緊急の問題でありますが、私は路面電車よりもトロリーバスを復活してはいかがか、と存じます。
 理由は▽軌道敷設を要しないので、資材や工費の節減ができ、工事中の交通支障が少ない▽歩道から乗降できるから老人、障害者はもちろん、一般乗客にも安全便利▽騒音が少ない。軌道に拘束されないので車線変更の融通性がある、などがあげられます。欠点としては故障車の追い越しが困難ですが、現在の技術をもってすれば自動操作でポールを下ろし、補助エンジン(バッテリー等)で短距離を走行することは可能ではないでしょうか。
 車両製作費は他都市と協調して大量生産すればコストダウンできると思います。京都では中心部循環の系統には十分採用可能と思います。当局のご一考を願います。(京都新聞)
■地下鉄石田駅建設地決まる 京都市都計審
 京都市都市計画審議会が9日開かれ、市営地下鉄東西線の延伸(醍醐−六地蔵間、2.4`)に伴う都市計画の変更など6議案を原案通り承認した。
 地下鉄廷伸関連では醍醐駅以南の京都市内の区間(1.9`)を承認。外環状線の地下に建設され、石田駅(仮称)は伏見区石田森東町の石田森東交差点地下に新設されることが決まった。
 六地蔵駅を含む宇治市内の区間(0.5`)については今月中旬に開かれる宇治市都市計画審議会で審議される予定。(朝日新聞)
■市道が陥没 警備員げが 地下鉄工事現場 神戸・兵庫
 9日午前10時40分ごろ、神戸市兵庫区吉田町一丁目の市道が幅8b、長さ約10b、深さ約5bにわたって陥没した。この事故で同市須磨区内の男性警備員(22)が穴に落ち、右ひじなどに軽いけがをした。
 兵庫署の調べでは、現場は市道の地下を走る市営地下鉄海岸線の工事現場に隣接している。地下約13bで据削工事中の作業員が、横の壁から水の混ざった土砂が流れ出してきたのに気付いた後、上を走るアスファルトの車道が陥没したという。けがをした警備員は同僚に応援を求められて穴へ近づいた際、滑り落ちたという。
 神戸市交通局海岸線建設室は、地下水で砂地の地盤がゆるんだのが原因ではないかとみている。(朝日新聞)
■500系のぞみ初トラブル コンピューター誤表示 ソフト改修へ「運行に問題なし」
 鉄道では世界最高速の新幹線「500系のぞみ」の列車制御コンピューターのソフトに、ブレーキを緩めているのに、運転台のモニター画面にはブレーキがかかっていると誤表示されるトラブルが発生することがわかり、JR西日本は9日までに、すべての500系車両のソフトを改修することを決めた。昨年3月のデビュー以来、500系の車両トラブルは初めてだが、同社は「安全運行には問題ない」としている。
 今月4日夜、東京発博多行き「のぞみ27号」(500系)が、新大阪駅で乗務員が交代した際のブレーキテストで、全車両のブレーキを緩めたのに、6号車だけ緩んでいないとモニターに表示された。係員が検査、故障と判断したため運転を打ち切り、乗客約780人は別の列車に乗り換えて約45分遅れで出発した。
 その後の検査でブレーキ装置は正常とわかり、JR西日本はコンピューターの作動状況を解析。その結果、プログラムの処理中に生まれる2000万分の1秒の空白に別の処理命令が入り込み、誤表示が起きることが判明した。特異な現象のため、同社技術陣も「想定しえない状況」とこれまで気付いていなかった。
 同社は16日から試運転を始める9編成目の500系に改修ソフトを搭載して走行試験を行い、問題がなければ既に営業運転中の8編成についても交換する。(読売新聞)
■「石田駅」建設など承認 京都市都計審 東西線の延伸計画
 京都市都市計画審議会(会長=増田優一・副市長)は9日、市営地下鉄東西線の醍醐駅(山科区)から宇治市の六地蔵駅(仮称)への延伸計画のうち、京都市内分1.9`と、両駅の中間に作る石田駅(同)の建設案を原案通り承認した。同線の廷伸については今年5月に運輸省が鉄道事業免許を交付している。(読売新聞)
■平成10年10月10日記念 きょうから乗車券発売 近江鉄道
 近江鉄道(滋賀県彦根市)は10日から、「平成10年10月10日」と「10」が3つ並ぶのを記念した記念乗車券を発売。通信販売でも受け付けている。
 記念乗車券は入場券とのセットで、430円。10日の日付印が入っており、入場券にはクリーム色車体の新型車両「あかね号」の写真をあしらっている。
 また、「記念お守りきっぷ」として、太郎坊宮(同県八日市市)でスポーツ必勝祈願をしたお守りと、多賀大社前駅行きの切符をセットしたものは690円。同社では「沿線の2つの神社の御利益をダブルにして縁起がよいですよ」とPRしている。
 乗車券・入場券セットは1600組、お守りきっぷは1100組を用意。各駅や彦根、大津などの同社旅行センターで発売する。通信販売は、〒522・0082 彦根市安清町11の12、近江鉄道運輸課記念乗車券係(0749・22・3303)へ、定額小為替か返信用切手を同封した現金書留で申し込む。送料は80円。(読売新聞)
12日■JR踏切の遮断棒 黄と黒から赤と白へ JR東日本が実験 事故防止 どっちが効果的
 JR東日本は、踏切遮断機の棒の色を従来の「黄と黒」から「赤と白」のしま模様に変え、ドライバーに注意を促す効果が出るか調べる実験を始めた。「見やすい」との理由で「赤と白」を使っている欧州を参考にした。実験はJR内房線など3ヵ所で来年3月まで続ける。
 同社管内では毎年、遮断棒が4000本以上折られ、踏切事故も約70件発生している。遮断棒が下りても車が無理に突っ込むケースがほとんどで、JRは防止対策に頭を痛めている。そこで色の違いが運転手の視覚に影響を与えるかどうか調べることにした。
 実験しているJR東日本安全研究所によると、遮断棒はドイツ製。日本は運輸省令で遮断棒の色は「黄と黒」に決められているが、欧州では「赤と白」が一般的。「違う理由ははっきりしない。各国の判断で見やすいと思う色にしている」という。
 既にJR内房線の大井戸踏切(千葉県柚ケ浦市)に設置したほか、今後外房線の蚊喰踏切(同県大網白里町)と東北線の第一上三川踏切(栃木県石橋町)でも実施する予定で、通過したドライバーへのアンケートなどで効果を検証する。(京都新聞 夕刊)
■国労幹部宅に侵入容疑 警視庁 革マル派強制捜査へ
 過激派・革マル派の非公然活動家が、国労(高橋義則委員長、2万8000人)の本部書記長宅に忍び込んだ疑いが強まったとして、警視庁公安部は12日、住居侵入容疑で強制捜査に着手する方針を固めた。公安部は、国労の運動方針を批判してきた革マル派が、国労側の動向を探る目的で侵入したとみている。盗聴器を取り付けようとした形跡もあり、この点についても調べる。
 調べでは、革マル派の非公然活動家は1996年8月ごろ、港区にある国労本部の宮坂義久書記長(50)の自宅マンションに侵入した疑い。当時、宮坂書記長は国労本部の企画部長などを務めていた。
 国労は96年8月末から9月初めにかけ、JR各社や当時の永井孝信労相らに対し、国鉄の分割・民営化に伴い国労組合員ら1047人がJRに不採用になった問題などについて労使関係の正常化を求め、協力を要請した経緯がある。
 革マル派は、こうした動きについて機関紙上などで「裏取引」などと繰り返し批判してきた。公安部は、JRと各組合の複雑な対立に介入しようとした革マル派が新たな攻撃材料を探す目的で、国労幹部宅に侵入したとみている。(朝日新聞 夕刊)
■踏切に女性 貨車と事故 高槻 JR東海道線に遅れ
 12日午前6時50分ごろ、大阪府高槻市北昭和台、JR東海道線摂津富田−茨木駅間の赤大路踏切で、札幌貨物ターミナル発梅田行き下り貨物列車(18両編成)が踏切内に入ってきた女性をはね、女性は即死した。上下線が約30分間不通となり、新快速など上下線計20本が運休、計59本が57−2分遅れるなどで乗客約3万5000人に影響が出た。
 JR西日本によると、同踏切は警報機、遮断機付きで、女性は下がっていた遮断機をくぐり抜け、踏切内に入ってきたらしい。(朝日新聞 夕刊)
13日■赤信号で走った列車 信楽高原鉄道事故 民事訴訟結審を前に 1 哀惜 悲しみ、今も癒されず
 滋賀県甲賀郡信楽町の信楽高原鉄道で1991年5月14日、列車が正面衝突して42人が死亡した事故で、遺族たちが高原鉄道とJR西日本を相手に損害賠償を求めた民事訴訟が19日、提訴から5年ぶりに大阪地裁で結審する。判決は来春に言い渡されるとみられる。「大惨事は、なぜ防げなかったのか」。大津地裁で続く刑事事件の公判での審理もまじえ、争点を明らかにするなかで、鉄道事故防止の手掛かりを探りたい。(社会部鈴木哲法)
 「JRに責任がないのは不思議でなりません」
 遺族の寺川清一さん(74)=大阪府三島郡島本町=は、大阪地裁の法廷に立った今年8月、民事訴訟の結審直前の原告本人尋問でこう訴えた。寺川さん自身、元国鉄職員だ。
 JRは事故直後から過失責任を否定してきた。民事訴訟でも「事故原因は高原鉄道が赤信号なのに安全を確認せずに列車を発車させたことと、誤出発検知装置の機能を支障させたためで、それ以外に原因はない」としている。
 寺川さんの妻初栄さん=当時(68)=は、JR乗り入れ列車「世界陶芸祭しがらき号」に乗っていて亡くなった。長男はすでに結婚している。孫の成長を楽しみに、これまでの人生を振り返りながら、妻と一緒に余生を送るはずだった。
 「私が勤めていた国鉄では『疑わしいときは手落ちなく考えて、最も安全と認められるみちを採らなければならない』という安全綱領があったはずなのに、なぜ小野谷信号場で列車を止めなかったのだろうと、どうしても納得がいきませんでした。事故前には何度となく信号の故障があったとも…」
 寺川さんはやりきれなさをこう述べた。
 小野谷信号場とは、単線の高原鉄道で唯一、上り下りの列車が行き違うことができる場所だ。
 惨事に至る引き金をひいたのは、まぎれもなく赤信号で発車した高原鉄道である。だが、JRには全く責任はないのか。裁判所に責任の所在を明らかにしてほしいというのが、原告たちの思いだ。
 高原鉄道列車に乗っていて亡くなった中島未晴ちゃん当時(2つ)=の母、育子さん(35)=信楽町=は裁判所に提出した陳述書で心の空白と癒(いや)されない悲しみをつづっている。
 「もし生きていたら小学校に入学していました。成長を続けることのできなかった未晴が無念でなりません」
 未晴ちゃんの死亡診断書は、死亡するまでの時間を約10分間と記している。衝突した高原鉄道列車の中で救出を待つ間に息を引き取ったことを示している。
 事故から数日後、育子さんは夫と事故現場に向かった。未晴ちゃんの靴が片方しか戻ってきておらず、もう片方を探すためだった。現場の警察官に理由を話して線路に入れてもらい、車両の下で靴を見つけた。「新しい靴を買ってやっていたのですが、このアンパンマンの靴ばかり履(は)いていました。形見だと思って大切にしています」
 会社役員臼井和男さん(59)=京都市右京区=は、亡くなった長女の信子さん=当時(26)=が制作した数々の陶芸作品の写真を見てほしいと裁判所に提出した。
 信子さんは製茶会社の社員で陶芸の研究員をしていた。JR乗り入れ列車で世界陶芸祭会場に向かう途中、帰らぬ人になった。作品は生きた証(あかし)だ。
 和男さんは事故の後、42人の死を無駄にしたくないと、遺族や弁護士、学者たちと「鉄道安全推進会議」をつくり、米国や欧州の運輸安全制度を視察してきた。
 「ささやかな市民運動を経験してみて、日本ではなかなか犠牲が生かされず、市民団体の意見は重視されません。真相もだれも責任を持って教えてくれません。欧米の先進国との大きな差に、途(みち)いまだ還しの思いです」。心情をこう述べた。(京都新聞)
■窓 イライラ募る不便な東西線 伏見区・岡本 譲(無職・64)
 地下鉄東西線が開通して、はや1年−。わが家から最寄りの小野駅まで歩いて20分かかるが、地下鉄の持つ利点、早さと正確さに魅力を感じ大いに利用している。特に美術館めぐりにJRで嵯峨、嵐山や衣笠方面へ出かけた時、自宅から1時間少しで到着でき、その便利さを感じた。行き先までの経路に地下鋭を挟むと、格段に時間が短縮される。
 でも改善してほしいところも、いろいろある。コンサートホール最寄りの北山駅は@番出口にエレベーターもエスカレーターもない。植物園の入り口近くにはあるが、利用者が多く高齢者も多いこちらに設備できないものだろうか。また烏丸御池で烏丸線から東西線への乗り換えの連絡が悪く、10分ぐらい待たされる。北大路駅上階の連絡通路は常時の利用者でない限り迷ってしまう。京都市役所前駅は改札口が最東端にしかなく不便。ゼストの中にも改札口をつくれば地下商店街も、もう少しにぎやかになるのではないか。
 烏丸線の車内アナウンスは、あまりにも早口で聞いていてイライラしてくる。もう少しゆったりと流せないものか。できるところから改善していただき、もっと利用しやすい地下鉄にしてほしいものだ。(京都新聞)
■国鉄清算事業団 入札情報、大林組に漏えい 旧国鉄用地開発事業 各社提出プランなど
 国鉄清算事業団による旧国鉄用地売却のための入札で、事業団の非公開情報が大量に大手ゼネコンの大林組(本店・大阪市)に漏れていたことが、朝日新聞社が入手した資料で明らかになった。「みなとみらい21」(横浜市)地区の入札前に、入札参加企業の提案内容が事業団から流出したのをはじめ、処分地の中で特に注目された東京・汐留貨物駅跡地の入札では事業団が各社から聞き取った計画などをまとめた書類が流出、旧国鉄本社跡地や東京駅八重洲口(北側)でも、事業団が作った入札参加を希望する企業のリストが、大林組に渡っていた。これらの資料は、各社の見積価格の算定に利用でき、大林組が応札価格の決定にかかわった企業がそれぞれ落札した。同社には、落札企業からの工事受注の目的があったとみられ、一連の入札に不正があった疑いがでてきた。
 みなとみらい21関係で漏れていたのは、「28街区」(約6600平方b)での入札参加企業の建築計画の提案内容の一覧表と、提案概略図、工程計画表など。
 ゼネコン業界関係者によると、これらの資料には、建物の用途や建物工事費などが具体的に記載されており、ライバル社の入札価格を推計するのに極めて重要な資料という。
 事業団によると、28街区は、事前に購入希望企業が建築計画を提出する「建物提案方式」で行われた。提出した企業5社の資金計画、開発手法、延べ床面積、ビルの階数、建物工事費、駐車台数などを記した表などが、入札前の1月中旬にファクスで流出した。これらの資料の端に、発信元が清算事業団関東支社であることを示す記載が残っていた。
 最終的には森ビル開発など2社の1グループしか応募がなく、両社が落札した。
 大林組の担当役員は、同社が入札に関してアドバイスをしていたことを認めている。
 また、汐留貨物駅跡地では、一昨年9月17日に行われたヒアリングでの5社の計画概要や要望事項の要旨などで、資金繰りなども書かれていた資料が流出していた。
 汐留貨物駅跡地で銀座寄りのA、B、Cの3街区(約5.3f)のうち、A街区は、大林組が支援していた広告代理店の電通が落札した。落札金額は3街区で計3723億円だった。
 国鉄清算事業団は当初、今回漏えいした情報について「入札前の公開はあり得ない」としていたが、12日、一転して「入札の予定価格(最低価格)については守秘義務があるが、その他については基準はなく、担当者が判断すれば提示する場合がある」とコメントした。
 大林組広報室の話 定められた手順に従って営業活動をしており、国鉄清算事業団側から事前にも事後にも資料を入手したような事実はない。(朝日新聞)
■国労幹部宅侵入容疑 革マル派の活動家手配 警視庁
 国労(高橋義則委員長、2万8000人)の本部書記長宅に過激派・革マル派の非公然活動家が忍び込んだとされる事件で、警視庁公安部は12日、住所不詳の野島和夫容疑者(46)について住居侵入容疑で逮捕状をとり、全国に指名手配した。東京・練馬の革マル派アジトから公安部が今年1月に押収した約5000巻のカセットテープや約300巻のビデオテープから、JR連合系の労組幹部宅への侵入や盗聴の疑いがあることも新たにわかった。
 調べでは、野島容疑者は数人の活動家と共謀して1996年8月末ごろ、東京都港区にある国労本部の宮坂義久書記長(50)宅に忍び込んだ疑い。
 練馬アジトから押収した資料は段ボール箱約120箱分あったが、国労やJR関係の資料は3分の1にあたる約40箱分、約8000点にのぼるという。(朝日新聞)
■旧国鉄用地情報漏えい 運輸省が調査 川崎運輸相語る
 国鉄清算事業団の非公開情報が漏れていた問題で、川崎二郎運輸相は13日、閣議後の会見で、「国民に不信を与えることがあってはならない。運輸省としても重大な問題と受け止め直接調べる」と、疑惑の解明に乗り出す姿勢をみせた。
 川崎運輸相は「閲覧できる資料であったのか、事業団内部で秘密にしなければならない資料であったのか、明確に分けながら調査する」との考えを示した。(朝日新聞 夕刊)
14日■赤信号で走った列車 信楽高原鉄道事故 民事訴訟結審を前に 2 契約 焦点はJRの運行責任
 大阪地裁の民事訴訟では運行責任が大きな争点になっている。
 信楽高原鉄道は事故の起きる2年前の1989年5月ごろから、滋賀県と信楽町から世界陶芸祭開催に伴う来場見込み者約35万人のうち、約4分の1の約9万人を運ぶために輸送力強化を求められていた。
 高原鉄道は単線で保有車両が4両しかなく、信楽駅からJR草津線貴生川駅間14.7`の折り返し運転だった。車両の確保をはじめ、信号システムや行き違い場所を新設して、列車本数を増やさなければならなかった。
 90年3月、世界陶芸祭実行委員会は会長の稲葉稔滋賀県知事(当時)名でJR西日本常務取締役鉄道本部長あてに「世界陶芸祭開催に関する協力について」と題する文書を出した。
 そこには▽大阪駅等からの直通列車の運行▽JR草津線の増結と増便▽イベント列車の運行▽高原鉄道の輸送力増強に伴う車両貸与等について−などが、要請されていた。
 高原鉄道とJR西日本は91年3月、「車両直通運転契約書」「直通乗入運転に関する協定書」「運転作業協定書」を締結した。
 乗り入れ運転士については「信楽線の乗務経験者から出してもらいたいという要望が高原鉄道の中村裕昭業務課長からあり、経験者8人を選んだ」(JRの畠中達・元運用課長の証言)。
 8人のJR運転士たちは4月に入って高原鉄道での試運転をした後、信楽町で世界陶芸祭が開幕した4月20日以降、京都駅発や大阪駅発で直通乗り入れを始めた。
 山あいを走る鉄道の沿線はゴールデンウイークも終わり、新緑が鮮やかだった。だが、のどかな風景は暗転する。5月14日午前10時35分ごろ、信楽駅発の高原鉄道列車と京都駅発のJR乗り入れ列車「世界陶芸祭しがらき号」が正面衝突し、乗客と乗務員の計42人が亡くなった。
 運行責任について、原告の遺族たちは「高原鉄道とJRは実態として共同運行しており、乗客との関係ではJRも安全配慮義務を負うのは当然」と主張している。
 高原鉄道は「車両直通運転契約書では運転保安設備の整備責任は高原鉄道にあるとしながら、同時にJRは高原鉄道の設備を検査できると定めてあり、JRにも運行安全の責任がある」と、強調している。
 これに対し、JRは「高原鉄道線内ではJRは営業免許を有せず、車両運行権がない。車両と乗務員を賃貸したにすぎず、法律的には乗客への安全確保義務を負うのは運行主体の高原鉄道だ」と反論している。
 JRに運行責任が及ぶのか、あるいはないのか、これが最大のポイントとなっている。
 高原鉄道がよりどころにする車両直通運転契約書には、このように記されている。
 「JRは、高原鉄道の線路及び運転保安設備を検査する必要があると認めたときは、いつでも検査することができる。この場合、検査のために要する費用は、その都度、JRと高原鉄道が協議して定めるものとする」(4条の2)
 その一方で、契約書は▽JR所属の直通列車の高原鉄道線内の取り扱いは、高原鉄道所属の列車とみなして高原鉄道の定める諸規則を適用する▽高原鉄道は、直通車両の運転料金として高原鉄道線内の運転に対して車両使用料、乗務員費をJRに支払うものとする−などと定めている。
 法廷では、JRの運行責任をあくまで主張する遺族たち原告と高原鉄道、責任を全面否定するJRが激しくぶつかり合っている。(京都新聞)
■さらば0系、新幹線の「顔」 JR東海で最後の台検 あの鼻あと1年 山陽では当分建材
 東海道新幹線が開業した当時の「0系車両」が、1年後にも東海道から姿を消す。13日、大阪府摂津市のJR東海大阪第三車両所で、1年または45万`を走るごとに行う台車検査があったが、同社は「最後の台検」としており、今回の点検の期限が切れるときが引退となる。
 0系はおわんをふせたような丸い鼻先に特徴がある。1964年に30編成、360両が導入され、全盛期の77−79年度には、山陽新幹線を含め計146編成(2336両)が走った。
 86年に2階建ての「100系」、92年の「のぞみ」デビュー時に「300系」、97年には最高時速300`が売り物のJR西日本の「500系」が登場した。来年春からは最新の「700系」も導入され、東海道区間を受け持つJR東海は、現在10編成(160両)ある0系を、700系に置き換える。
 この日、点検を受けたのは87年3月に製造された先頭車両で、同車両所としては、3万7738両目だった。点検周期からみると1年後、休ませながら使っても、「99年度末までには消える」という。
 一方、山陽新幹線の0系は今年9月末現在、JR西日本が所有する新幹線車両のほぼ4割にあたる306両ある。4列座席に改造した「ウエストひかり」に模様替えするなど「延命」を図っており、2005年ごろまでは走り続ける予定だ。(朝日新聞)
■土讃線の不通復旧には80日
 9月の集中豪雨で不通になっていたJR土讃線の繁藤−土佐山田間(約13`、いずれも高知県)について、JR四国は13日、修復工事を本格着工するとともに、「復旧までに約80日間かかる」として年内の復旧は微妙だという見通しを示した。(朝日新聞)
■近鉄西大寺駅前再開発 都市計画決定の事業 奈良市、異例の断念
 奈良市の大川靖則市長は13日、市内の交通拠点である近鉄大和西大寺駅北口に駅前広場と大型商業ビルを建設する再開発事業を、事実上断念する方針を明らかにした。この再開発事業は1988年に都市計画決定されたが、バブル経済崩壊後の景気低迷で、ビルのキーテナントも決まっていなかった。建設省は「都市計画決定された再開発事業が中止されるのは、全国でも例がない」としている。
 大和西大寺駅は近鉄の奈良、橿原、京都線が乗り入れる主要駅で、1日約5万9000人の乗降客がある。駅周辺は道路が狭いうえ商店と住宅が密集し、交通渋滞が深刻で、市は80年代に駅北側の約1.8fを対象に約370億円かけて広場(約5000平方b)と大規模商業ビル(高さ約40b)をつくる構想をまとめて事業を進め、移転補償費などでこれまでに約29億円を支出している。
 だが、90年代に入って景気が低迷し、ビルのテナントがほとんど埋まらず、事業を進めることに疑問の声が高まり、計画は事実上凍結されていた。国が昨年末、長期の大型公共事業の効果を再評価する「時のアセス」導入を指示したこともあり、市は計画中止の方向を採ってきた。
 大川市長は「計画決定当時とは経済情勢が大きく異なり、計画をこのまま推進すれは公費の無駄になる。再開発とは異なる方法で、駅前周辺整備のあり方を再検討したい」と述べた。(朝日新聞)
■西大寺駅前 奈良市が再開発断念
 奈良市は14日までに、10年前から近鉄西大寺駅前で進めていた再開発事業を断念した。
 建設省によると、都市計画決定されている再開発事業が中止されるのは例がないという。
 この事業は西大寺駅北側約1.85fの再開発で、1988年に計画決定。道路の拡張や、地上8階、地下2階建てのビルの建設などを予定していた。
 奈良市再開発課は「計画決定当初より、バブル崩壊で経済状況が悪化し、ビルのテナントが埋まる見込みがなくなるなどしたため」と説明している。
 当初約370億円の事業費を見込み、現在までに約29億円を土地の先行取得などに費やしている。(京都新聞 夕刊)
■論壇 旧国鉄債務のJR負担は不当 橋本 準一
 28兆円にのぼる旧国鉄の長期債務を処理する法案は、年金統合に伴うJRの負担を半減するなどとした修正を加え衆議院を通過した。だが、これは「長期債務は最終的には国において処理する」とした過去の閣議決定や法律を破る、政府の重大な約束違反である。年金負担が原案より半減されるとしても、いまや民間企業となったJRに国の借金を押しつける不当なやり方で、とても納得できるものではない。
 1987年4月に断行された国鉄改革の目的は、国鉄を倒産させて負の遺産を整理し、新たに民間会社としてJRを発足させ、鉄道を再生することにあった。国鉄時代に積もり積もった長期債務も、この時責任分担を明確にし、JRが14.5兆円を、国が22.7兆円を負うことにした。
 国の長期債務は、国鉄清算事業団が継承した土地やJR株式の売却収入で返済することとされ、88年1月の閣議決定で「土地処分等の自主財源を充ててもなお残る長期債務等については、最終的には国において処理する」と決まった。
 一方、JR年金は現役世代の激減で破たんしたのと国の年金一元化政策により、昨年4月に厚生年金に統合された。統合に際し持参すべき積立金の不足分9400億円の負担割合も、合理的な根拠に基づき法律で決定した。国が7700億円、JRが1700億円を負担するというのがその内容である。96年3月の閣議決定で、長期債務と同様に「国において処理する」と決められた。
 だが、国は年金について今回、「JR社員の年金負担金をJRが負担するのは当然」という理屈で、JR社員が国鉄に勤めていた期間の年金負担金の半額、1800億円をJRに強要しているのだ。そもそも半額自体に何の根拠もない。
 政府は「国において処理する、とは国が処理方策を決定するということで、国が負担することを意味しない」という詭弁を用い、JRの負担を正当化しようとしている。
 元国鉄再建監理委員の加藤寛氏は9月3日付の本欄で「国鉄改革時における長期債務処理の考え方は、土地や株式の売却により借金を返す努力をしてなお残るものについては、改めて処理方策を考えようというものだった。昨年新たに生じた年金統合に伴う負担についても、処理の結論が得られたものとは思われない」と述べている。
 しかし、この解釈はまったくの間違いだ。年金統合時の国会審議で、政府委員はJRと国の負担が妥当であると繰り返し答弁している。国の引き継いだ借金は、国が責任を持って処理することが明らかにされているのだ。こうした決定こそ、JRの存立基盤となる崇高な約束ではないのか。
 私たちは政府が債務を拡大させた失政をたなに上げ、約束を守らず、国鉄改革の理念を覆し、わずか1、2年で法改正して国の借金をJRに押しつけることが問題だと主張している。途中でルールを変更してはゲームは成立しない。JR労使は約束に基づき懸命に努力してきた。それなのに政府は、民間会社となったJRを今も政府の意のままになる国鉄と誤解しているようだ。
 借金を返す財源は、国鉄改革にならい、徹底した行財政改革により生み出すべきだ。整備新幹線はJR本州3社の新幹線買い取り代金を含め年間1700億円で建設が進んでいる。それをはじめ、道路や空港などの財源の見直しにも踏み込んではどうか。
 筋の通らない負担のさせ方や政治的妥協は、将来大きな代償を国民が支払うことになりかねない。政府や国会は信用を失い、行財政改革は後退し、健全な民間企業の活力や働きがいも減退させる。深刻な景気低迷でJR本州3社も厳しい減収減益傾向にあり、競争力を失わせるような債務負担は運賃値上げや地方ローカル線の廃止など、国民の負担に結びつく心配もある。
 参議院には自主性を発揮し、本質をとらえた責任ある判断を望む。大きな犠牲を払った国鉄改革を実りあるものとし、鉄道再生に努力してきたJR労働者の代表の一人として警鐘を鳴らさずにはおれない。(西日本旅客鉄道労働組合〈JR西労組〉書記長=投稿)(朝日新聞)
■国鉄清算事業団元幹部ら3人、大林組へ天下り 入札情報漏えい 処分地落札に頁献も
 旧国鉄用地の入札情報が国鉄清算事業団から大手ゼネコンの大林組(本社・大阪市)に漏れていた問題で、大林組に事業団の元幹部ら3人が天下っていることが、14日明らかになった。うち1人は、東京・汐留貨物駅跡地など旧国鉄用地の開発にかかわったあとに同社に天下って役員に迎えられ、その後も引き続き旧国鉄用地開発に携わり、大林組が支援する企業が事業団の処分地を落札するのに貢献していた。
 事業団などによると、この役員は、旧国鉄から事業団に転じ、事業団理事から事業団子会社の「レールシティ東開発」社長を経て、1995年に大林組に入社した。旧国鉄用地の大型物件の買い取りを担当し、顧客企業の土地取得と工事受注を目指す10人ほどの専従チームを率いてきた。
 この役員が入社した時期は、地価抑制のために見送られていた事業団の大型物件の入札が再開された時期とほぼ重なる。元理事は業界内で、大林組の強さを象徴する存在と見られていたという。
 また、子会社「汐留関発」の元社長だった事業団OBは、97年4月に大林組に入社後、営業本部参与に就いた。ゼネコン関係者は、このOBの再就職は、同年2月に汐留地区A街区を大林組の支援企業が落札したことの「お礼」だったと見ている。事業団によると、この2人のほか、元事業団支社長が、同じ地方の大林組支店参与に就いている。(朝日新聞 夕刊)
15日■赤信号で走った列車 信楽高原鉄道事故 民事訴訟結審を前に 3 連絡 新システムでくい違い
 信楽高原鉄道は第三セクターとして87年7月に開業する直前、JR西日本と貴生川駅共同使用契約を結んだ。契約に基づき、貴生川駅での高原鉄道列車の改集札や信号機の取り扱いなどをJRに委託した。
 その後、信楽町での世界陶芸祭開催に伴い、高原鉄道は列車本数を増やすため中間地点に行き違い設備の待避線を設けて小野谷信号場とし、新しい信号システムを導入した。
 この信号システムは線路上に設けた電気回路が列車の通過を検知し、自動的に信号機や線路のポイントを制御する仕組みだった。事業費約2億円は滋賀県と信楽町が出資した。
 工事に際し、高原鉄道は信楽駅や小野谷信号場は自社側で担当し、JRに貴生川駅と同駅の出発信号などを遠隔操作しているJR亀山CTCセンター(三重県亀山市)の改修工事を依頼した。
 争点になっているのが、JRが亀山CTCセンターに設置した「方向優先テコ」だ。方向優先テコは貴生川駅発の列車が遅れた場合に操作して、行き違い場所の信号場の信号を赤のままにして、信楽駅発の列車を停車させておく。行き違いを確実にするのが目的だった。
 しかし、事故後に方向優先テコはJRが近畿運輸局に無届けで設置していたことが分かった。JR関係者の供述によると、方向優先テコの入っていない図面は届け出済みだったが、担当者の転勤で引き継いだ信号通信課の担当主席が変更届けを出すのを「忘れた」という。
 さらに、方向優先テコの図面作成の際、一部に条件の記載漏れがあった。JR亀山CTCセンターが関西線で使用しているものと取り扱いが異なっていたため、センターは乗り入れが始まる前の91年3月に「優先てこの機能について」と題する文書を作り、指令員に扱いに注意するように指示した。
 無届けは鉄道事業法違反に問われ、担当主席とJRは罰金刑を受けた。だが、方向優先テコの機能について、大津地検は「設計ミスがあったとはいえ、本来的機能には何ら異なるところはなく、取り扱い方法において差があったにすぎない」として、JR関係者を不問にした。
 方向優先テコは、本来は小野谷信号場だけに作用するはずだった。だが、松本陽・運輸省交通安全公害研究所室長の鑑定で、高原鉄道が運転上の理由から信号システムの検査合格直後に行った無認可の変更工事(鉄道事業法違反)と重なり、テコの作用が信楽駅の出発信号にまで及ぶようになったことが判明した。
 91年5月14日、信楽駅の出発信号は赤から青に変わらず、高原鉄道列車は赤信号のまま発車を強行して惨事を招いた。
 大阪地裁の民事訴訟で、高原鉄道は「JRは高原鉄道に無断で方向優先テコを設置した。設置を知らされていれば、信楽駅の信号の赤固定(赤のまま変わらないこと)の原因が分かり、混乱することもなく事故は回避できた」と主張する。
 これに対し、JRは「設置について電話連絡したことは明らかで、高原鉄道は存在を認識していた。設置があったとしても、高原鉄道の変更工事などがなければ赤固定は発生しない。事故原因は高原鉄道の赤信号冒進にある」と責任を否定している。
 大津地裁は昨秋の刑事公判で、審理進行上の「見解」を明らかにし、方向優先テコに触れた。そこでは「設置手続きとしては列車交通の安全の要となる信号システムを変更するものである以上、電話連絡すれば済む、あるいは一部幹部が存在を知っていれば足りるというものではなく…」と言及、両社の連絡の不十分さを指摘した。
 大阪地裁は民事訴訟でどんな判断を下すのか。(京都新聞)
■国鉄債務法案きょう成立
 参院の国鉄清算事業団債務処理・国有林野事業改革特別委員会は14日、旧国鉄長期債務の処理法案を自民、自由、社民の賛成多数で可決した。同法案は15日の参議院本会議で可決、成立する見通しだ。(朝日新聞)
■旧国鉄債務処理法案が成立 元本返済は先送り 利払いにたばこ税
 約28兆円に上る旧国鉄の債務を処理するための旧国鉄長期債務処理法と、3兆8000億円の国有林野事業債務を一般会計と国有林野特別会計に移管して処理するための関連法が15日の参院本会議で自民、自由、社民の3党による賛成多数で可決、成立した。これにより、国鉄清算事業団の解散が確定、たばこ特別税の導入も決まり、12月から1箱(20本入り)当たり20円程度の値上げとなる。
 旧国鉄債務処理は、1987年の国鉄分割民営化以来ほとんど進んでいなかったが、本格的処理に向け一応の道筋が付いたことになった。
 しかし、国民やJR各社の負担増にもかかわらず、同法は新たな債務の増加を抑える効果しか持たず、15兆2000億円に上る元本については返済財源が明確に示されないまま本格処理を先送りした。
 国鉄債務処理では、JRの年金追加負担の扱いが焦点となった。JR各社は新たな負担増に強く反対していたが、最終的にはJR負担を政府原案の2分の1の1800億円(年間120億円)に削減する修正案で決着。
 同法成立により、23兆5000億円の債務は一般会計に移管する。このうち無利子債務を除く有利子債務15兆2000億円が返済すべき元本になり、これは主に一般会計から60年間で返済する。
 利払いには、郵便貯金特別会計からの繰り入れや、たばこ特別税などを充てる。
 一方、年金などの負担金4兆3000億円は日本鉄道建設公団に移す。国鉄清算事業団が有している土地やJR株式などの売却代金や、運輸省からの補助金を充当。鉄道共済が厚生年金に統合された際に生じた積立金の不足分9400億円のうち1800億円をJR各社に追加負担させることとした。
 JR各社は、年金に関する負担は96年の法律で解決済みとして上積みに強硬に反対。一部の社は、国相手の訴訟も辞さないと表明している。衆院本会議では、自民党議員のうちJRの主張に賛同する約10人が党議拘束に反して採決を棄権した。(京都新聞 夕刊)
■解説 旧国鉄長期債務処理法 不明確な元本返済方法 財源の大半利払いに
 旧国鉄長期債務処理法が成立したが、同法は元本返済の方法や財源を明確に示していない。債務の抜本的返済までまだ道は遠い。
 債務処理法案は昨年12月、財政構造改革法の厳しい枠組みの中で、財政構造改革会議が決定。そのため、さまざまな制約が加わり、郵貯特別会計からの繰り入れやたばこ増税、JR追加負担といった寄せ集めの財源に依存せざるを得なかった。
 十分な財源が確保できなかったことから、財源のほとんどは利払いに充てられ、債務の”根雪”が増えないようにするのが精一杯だったといえる。
 今後、国が返済すべき元本は15兆2000億円。国は2000年度から年間4000億円程度ずつ返済し、60年で完済したい考えだ。これに対応する財源としては、たばこ特別税の一部(年間約145億円)を充当するほかは「一般会計の歳出・歳入両面にわたる努力により対応」するとしか定められていない。
 この「努力」分は年間で3855億円前後が必要だが、具体的な方策は示されていない。「歳出面では社会保障など国民福祉の削減、歳入面は新たな増税が予想される」(共産党の宮本岳志参院議員)との懸念が出ており、今後元本返済について新たな論議が必要となりそうだ。(京都新聞 夕刊)
■洛中洛外
 ◇「嵐電」の愛称で市民や観光客に親しまれている京福電鉄嵐山線・北野線を撮り続ける京都市在住の写真家内藤靖正さん(64)がこのほど写真集「京都の街に嵐電」を制作した。
 ◇内藤さんは京福電鉄のPR雑誌の制作に携わったことから、嵐電に魅せられ撮影を続けている。これまでに嵐電の絵はがきを作ったこともあり、「嵐電おじさん」を自称している。
 ◇写真集「京都の街に嵐電」はA4判、31ページ。嵐電の小さな車両が、四季の京都の街を走る姿を表情豊かにとらえた温かみのある作品に仕上がった。1000部印刷。無料。来月1日から 京区のムツミ堂本店などで配る。問い合わせは同店 075(361)0081へ。(京都新聞 夕刊)
■JR−バス 乗り継ぎスイスイ 共通定期・ダイヤ調整 ネットワーク化推進 今年度まず近畿4ヵ所
 JR西日本は駅に発着する路線バス会社などと協力して、電車とバスのネットワーク化を進めることを決めた。共通の連絡定期券を発行するほか、情報交換によりバスの発着時刻を見直すなどで乗り継ぎをスムーズにし、両方の乗客数アップを目指す。今年度中に近畿の計4ヵ所で実施、来年度以降はJR大阪駅や京都駅でも実施する計画だ。
 JR西日本管内では、少子高齢化や景気低迷などから乗客数が頭打ちで、近畿圏の在来線の乗客数は1995年をピークに年間10億人を切るなど落ち込み続けている。路線バスの事業者も民間、公営ともに赤字路線が多い。
 JRは、バスの発着時刻と、電車のダイヤがうまくつながっていないケースが多く、料金割引などのメリットがないことなどからマイカーに乗客を奪われていると分析。両者が協力関係を結び、駅を起点とした交通網の再編を計画した。
 今年1月から大阪府茨木市内でバスを走らせる近畿日本鉄道(本社・大阪市)と試験的に情報交換を始め、近鉄が7月からJR茨木駅まで路線延長を決定。電車のダイヤと合わせるバスダイヤを編成したはか駅構内にバス案内板の設置や、1枚の定期券で乗り降り自由な共通連絡定期券の発売などによるネットワーク化を図った。
 12月からは滋賀県内の湖西線堅田駅など4駅を起点に地元バス会社と組んで同様の取り組みを始め、今年度中にさらに2ヵ所で実施する予定。大阪、京都両駅でも両市交通局と協議を進めるなど、西日本各地に広げる考えだ。
 運輸省によると、JRと民間バス会社が共通定期券発行など協力関係を結ぶのは全国でも珍しいという。(朝日新聞 夕刊)
■地下の流星
 【パリ支局15日】世界で最も古い地下鉄のひとつ、パリのメトロに15日から新型車両、が登場する。「流星号」と名付けられ、運転士のいない完全自動システムで運行される。ゴムのタイヤを使い、速度はこれまでの約2倍。市中心部から東部の新国立図書館までの7駅を結ぶ。(朝日新聞 夕刊)
16日■赤信号で走った列車 信楽高原鉄道事故 民事訴訟結審を前に 4 回避 事前の「異常」伝わらず
 惨事には予兆があった。信楽高原鉄道は91年5月14日、信楽駅の出発信号が赤なのに安全を確認せず発車し、事故を招いた。その11日前の5月3日にも同じ時間帯に信号トラブルが起き、高原鉄道は赤信号で発車していた。
 間一髪で事故を免れたのは、5月3日は信楽駅構内の線路にある誤出発検知装置が14日と違って正常に作動し、列車の行き違い場所の小野谷信号場の信号を赤にして、対向の下りJR乗り入れ列車を停車させたためだ。
 この時、乗り入れ列車を運転したJR運転士は、大阪地裁の民事訴訟でこのような内容の証言をした。
 信号場の出発信号が赤で停車した。3分ぐらいして上りの高原鉄道列車が近づき、列車から降りた中村裕昭さん(業務課長、14日の事故で死亡)が手回しハンドルでポイントを転換させて高原鉄道列車を待避線に誘導した。
 さらにポイントを下りに転換させたが、出発信号は赤のままだった。中村さんから発車を指示され、代用閉そく(信号が使えない時の運行方法)に必要な指導者の乗車や運転通告券を要求したが、高原鉄道が保有する全車両4両がここにあるから大丈夫、全責任を持つからと言われて従った、という。
 運転士は「信号場の出発信号の故障かなと思った。異常時の対応は高原鉄道(がする)と教育を受けていたし、中村さんは責任者。形式的にはいけなかったが、安全は確保されていると確信した」と述べた。
 この後、下り乗り入れ列車を運転して来たのは、14日に事故に遭遇したJRの林光昭運転士だった。
 信号場の出発信号が赤で停車した。しばらくして上り高原鉄道列車が到着し、指導者腕章をしてJR列車に乗り移った高原鉄道社員から「信楽駅の出発信号が出ない」と聞いた。中村業務課長に運転通告券を要求したがもらえなかった。区間開通の確認はされていると思い、発車合図を受けて発車した、という。
 2人は、JR京都電車区柘植派出所に戻り、終了点呼で列車が遅れた時間は報告した。しかし、高原鉄道で信号トラブルが起きたことや代用閉そくが行われたことは報告していない。
 その理由を、林運転士は「信楽線で異常事態が発生した場合には信楽の指示に従うと、信楽に報告すればよいと考えていたのでJRでは報告していない」と証言した。
 2人の運転士にとって、中村業務課長は旧国鉄亀山機関区時代の先輩で、上司だったこともある。高原鉄道では運転関係の責任者と聞いていた、という。
 高原鉄道内で発生した直通列車の運転事故や運転阻害は、車両直通運転契約書で、高原鉄道からJRに報告するとされていた。現場でのやりとりはあったが、高原鉄道は会社としてJRに報告していない。
 JRは「報告は会社間の責任ある者の間での連絡にゆだねられていた。JR運転士が、代用閉そく手続きが不十分であったことをJRに報告しなかったことは何ら義務違反といえない」と主張している。
 しかし、遺族たち原告は「事前トラブルがJR中枢部に報告されていれば、高原鉄道の代用閉そく違反行為の是正も信号トラブルの原因を解明することも容易だった」と、予兆を生かせなかった無念さを訴えている。
 赤信号で発車した高原鉄道の非はあまりに大きく、JR運転士を責めるのは酷かもしれない。しかし、他社線とはいえ、列車を乗り入れている以上、現場で見聞きした「異常」を組織として把握することができていれば、あるいは事態は変わっていたかもしれない。(京都新聞)
■線路の車止め外されていた 土讃線トロッコ転落
 高知県土佐山田町のJR土讃線で14日、復旧作業に向かった軌陸両用車とトロッコがレールの切れ目から谷に転落、作業員5人が重軽傷を負った事故でJR四国は15日、転落現場の手前約170bに設置していた車止めが、事故当時は外されて線路わきに放置されていた、と発表した。事故当初は両用車とトロッコは車止めを突破し谷に転落した、としていた。(朝日新聞)
■必要ない納税 1億4700万円も 国鉄清算事業団
 JR各社に受け継がれた旧国鉄用地の一部で、国鉄清算事業団が土地の所有権移転登記を忘れるなど管理が不十分だったため、昨年度までの5年間に、事業団が負担する必要のない固定資産税など約1億4700万円を支払っていたことが、会計検査院の調べで分かった。
 検査院によると、実際はJR東日本などJR4社が所有しているのに、登記変更されていなかった土地が全国34市町村に931fあり、JR各社が負担すべき固定資産税や都市計画税約9100万円を事業団が支払っていた。
 検査院の指摘を受けた事業団は、JR各社に税金の支払いを請求し、非課税対象だった土地について納めた税金は、納付先の市町村に還付を求めている。(朝日新聞 夕刊)
■事業団、22日に解散
 川崎二郎運輸相は16日の記者会見で、旧国鉄債務処理法の施行日を22日とし、国鉄清算事業団も同日付で解散することを明らかにした。清算事業団は国鉄が分割・民営化された1987年4月に発足、旧国鉄用地の売却を続けてきた。事業団解散後、未売却の旧国鉄用地などは日本鉄道建設公団が引き継ぐ。(朝日新聞 夕刊)
17日■ひかり号にイラスト JR西日本 12月から TVゲームと「相乗り」狙う
 JR西日本は家族向け新幹線「ファミリーひかり」の車体に、テレビゲームソフトのキャラクターをあしらった車両を博多−新大阪間などの山陽新幹線で12月5日から運行する。新幹線車両にイラストを導入するのは初めてで、ゲームソフトは運行翌日に発売されることから、双方で「相乗効果」をねらっている。
 「ファミリーひかり」はすべり台など子供の遊び場専用車両のある列車で3年前から、年末年始などに運行。イラスト入りは旅客機の人気ぶりにあやかった。
 イラストは、任天堂が12月6日に新発売するNintendo64用ゲームソフト「バンジョー&カズーイの大冒険」の主人公である、クマやトリなどの動物。JR西日本は、「乗車率を限りなく100%に近づけたい」。任天望も「売り上げに相乗効果」と期待する。(京都新聞)
■「のぞみ」増発 JR西日本、冬の臨時ダイヤ発表
 JR西日本は16日、年末年始を含む冬の臨時列車の運行ダイヤ(12月1日−2月末日)と期間中の利用者見込みを発表した。新幹線「のぞみ」を土曜や年末年始に増発するほか、スキー客向けに越後湯沢−金沢間を結ぶ特急「はくたか」を大阪まで延長する。
 期間中の利用者は不況の影響で、新幹線と在来線を合わせて前年比2%減の1720万人。うち年末年始(12月25−1月5日)は同3%減の296万人と予想。下りのピークは12月30日、上りは1月4日と見込んだ。
 臨時列車の本数は、定期列車が増えているため、新幹線と在来線を合わせて前年より9%減の1442本。新幹線では新大阪−博多間の人気車両「500系のぞみ」を1日最大2本増発する。スキー列車では京阪神から赤倉、野沢方面に特急「はくたか」の一部を初めて金沢から大阪まで延長運転。大阪発が1、2月の毎週月、金曜(1月1、4日を除く)、越後湯沢発大阪行きが同期間の毎週木、日曜に各1本運行する。(京都新聞)
■味めぐり列車など冬の臨時列車発表 JR福知山支社
 JR西日本福知山支社は16日、冬の臨時列車(12月1日−2月28日)の運行予定を発表した。京阪神から丹後・但馬へ直行する「味めぐり列車」を昨年に続いて運転、年末年始輸送も含め、合計288本(昨年比2分減)の臨時列車を運転する。
 「味めぐり列車」は、京阪神の人に北近畿の冬の味覚と温泉を満喫してもらう全席指定の特急で、延べ213本を予定。山陰線の「味めぐりタンゴエクスプローラー」号(京都−豊岡」や、福知山線の「味めぐり北近畿」号(新大阪−城崎・香住)など、各列車とも土曜に上り列車を、日曜に下り列車を走らせる。
 年末年始は、山陰線の特急「タンゴエクスプローラー」81号(京都−網野)や、京都−東舞鶴間の急行など、昨年比4%減の75本を運転する。1月2日と8日には初もうで列車を走らせるほか、期間中はカニすきと温泉をセットにしたイベント列車を運転する。(京都新聞)
■赤信号で走った列車 信楽高原鉄道事故 民事訴訟結審を前に 5 判断 緊急連絡手段も不徹底
 JR西日本の林光昭運転士は91年5月14日、京都発の乗り入れ列車「世界陶芸祭しがらき号」を運転し、小野谷信号場にさしかかった。信号は青だった。信号場を通過して単線を信楽駅に向かう途中、上り高原鉄道列車が突然、目の前に現れた。
 直後に、双方の列車は正面衝突した。林運転士は運転席に足をはさまれ、ヘリコプターの音で意識が戻った。病院に収容されたのは事故から約5時間半後の午後4時ごろだった。顔面や足に重傷を負っていた。
 事故当日、滋賀県警の捜査員が医師立ち会いで取った調書には、林運転士が答えたとされる内容が記されている。「高原列車がたい避していなかったのでおかしいな−と思っていたのです。しかし、進行信号であったため、高原列車は信楽でトラブルでもあったのかなと思い、進行信号に従って通過したのです…」
 重傷のため、署名をしたり、指印を押すことはできなかった、と捜査員は記述している。
 滋賀県警は1年7ヵ月後の92年12月に林運転士を業務上過失致死傷などの容疑で書類送検した。しかし、大津地検は「所定の手続きをとらずに高原鉄道が列車を出発させるという行為を予想するのは極めて困難」として、不起訴(嫌疑なし)にした。
 大阪地裁の民事訴訟で林運転士は、「いつもと違うかなという感じを受けた。おかしいと思った事実はない」と、警察調書の一部を否定した。
 訴訟で、高原鉄道は「行き違い列車がいないのに通過したのは、運転整理の行き違い変更にあたる。運転士は信楽駅の当務駅長の指示なく運転整理を行ってはならなかった」と、JR運転士に非があったと指摘する。
 これに対し、JRは「運転士は青信号で列車を進行させており、過失はない。信号場の待避線に上り列車が在線していない時、出発してはならないとの規則も指示もなかった」と反論する。
 信号システム導入に当たり、高原鉄道は運行方法を定めた運転取扱心得を改訂(91年3月)した。心得は、信号場での信号故障の時は係員を派遣する、となっている。
 実は、草案には信号場で列車は「対向列車の到着確認をしてから出発する」との条文があった。90年6月に定年退職した端修一郎・前業務課長が手書きで作り、事故で死亡した後任の中村裕昭業務課長に引き継いだ、という。
 だが、改訂心得にその部分はなかった。端・前業務課長は大津地裁の刑事公判に証人出廷し、「削って申請を出したか、運輸省で指導されたのか、いきさつは分からない」と述べた。
 事故当時、近畿運輸局に勤務していた中桐宏樹・前運輸省鉄道保安対策官は取材に対し「当時の担当者に確認したが、そういう(削る)指導はしていない」と答えた。削除された経緯は今も解明されていない。
 信号場の信号機柱には、保安装置として信楽駅から下り列車の運転士に緊急連絡を求める黄色回転灯も設置されていた。だが、事故当日、信楽駅の当務駅長は気が動転し回転灯を回していなかった。林運転士も、5月3日に信号トラブルに遭遇した運転士も、回転灯が取り付けられている事実を知らなかった。
 鉄道事業者には「規定の順守は安全の基礎」という言葉がある。信楽事故はこのことがおろそかにされ、惨事につながった。関係者証言などで、事故の発生当時はうかがい知れなかった数多くの事実が明らかになっている。
 事実はひとつでも、刑事責任を問うのか、民事責任を求めるのか、再発防止策を探る手だてとするのか、事実のとらえ方は違ってくる。大阪地裁の民事訴訟は19日に結審し、来春に法律上の判断が下される。(おわり)(京都新聞)
■腹に芸あり「キャラ」新幹線 ゲーム主人公 今冬「山陽」に
 JR西日本は16日、任天堂(本社・京都市)が発売予定の家庭用ゲームソフトの主人公をデザインした「ファミリーひかり」を、この冬から新大阪−博多間の山陽新幹線で走らせると発表した。飛行機では「ポケモンジェット」などがあるが、新幹線では1964年の開業以来初めて。
 任天堂の新作「バンジョー&カズーイの大冒険」に登場するクマや鳥のキャラクターのステッカーを、白と青色の車体に張りつけて列車を装飾する。子ども向けサロン車を連結したファミリーひかり(6両編成)の2編成に冬の臨時列車として登場させ、一部のこだまでも走らせる。ゲームソフトの発売前日の12月5日から運転を始める予定だ。(朝日新聞)
■声 「携帯」は遠慮はっきり示せ 明石市 中川 吉弘(公務員 54歳)
 先ごろ、所用で札幌に出かけた。空港から札幌に向かうJR千歳線の車内アナウンスに我が耳を疑った。「車内での携帯電話の使用はご遠慮下さい」と明快なのである。
 他社は知らぬが、JR西日本では「…他のお客様のご迷惑になりますので、できるだけ手短にお願いいたします」と控えめなのである。日ごろ、なぜ「ご遠慮下さい」と言い切ることができないのか、と思っていたからである。
 他人の迷惑を顧みず、傍若無人の携帯電話利用者に不愉快な思いを抱いた人は多いはずである。いつのころから我々は、迷惑行為に対し、迷惑だと、はっきり意思表示ができない、受け身の姿勢を身につけてしまったのであろうか。いつのころから、こうも意気地なく、卑屈になってしまったのであろうか。
 電子機器の普及は、利便さと引き換えに、人と人との結びつきをますます希薄にする。携帯電話の普及ぶりは、これら希薄な関係を埋め合わせようとする人間の弱さを露呈しているかのように思えて仕方がない。
 むろん、千歳線の車内では、アナウンスなど、どこ吹く風といった風情で電話に夢中の構図がそこここで繰り広げられていたのは言うまでもない。(朝日新聞)
■新幹線 運転中にわいせつ行為 JR西日本 懲戒解雇に 車内販売の女性招き
 JR西日本の新幹線運転士(54)が今年6月、走行中の運転室に車内販売の女性(18)を招き入れ、体を触るわいせつ行為をしていたことが17日までに分かった。同社の内規では、許可なく部外者が運転室に入ることは厳禁。同社は「規則違反だけでなく、わいせつ行為は常識を踏み外している」として、この運転士を同月、懲戒解雇した。
 JR西日本によると、運転士は大阪新幹線運転所の所属で、6月13日、博多発新大阪行き山陽新幹線「こだま」を1人で営業運転。新倉敷駅で停車した際、運転席を離れ、客室で車内販売をしていた女性に「運転席から景色を見ないか」と誘った。
 その後、女性が運転室を訪れ、運転士は女性をひざの上に乗せながら約10分間運転。女性の体を触るわいせつ行為をしたという。
 女性の所属する車内販売会社からJR側に連絡があり、事情を聴いたところ、運転士は事実を認め、同社は6月19日に運転士を懲戒解雇した。女性も会社を退職しているという。
 走行トラブルなどはなかったが、部外者が誤って機器に触ると急停車するなどの危険はあったという。
 調査に対し、運転士は女性とは初対面で、わいせつ行為の理由を「かわいかったから」などと話したという。
 同社は「以前より規律の徴底に注意を払っている。違反には厳正な態度で臨み、解雇した」としている。(京都新聞 夕刊)
■大阪湾岸に鉄道新線 JR桜島線と臨海鉄道連結 市とJR合意
 大阪市が計画する大阪湾岸地域の臨海鉄道「北港テクノポート線」(仮称)とJR西日本の桜島線を連結する鉄道新線を建設することで、市とJRが合意したことが17日、明らかになった。新線の東側には米国映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」が建設され、西側の人工島・舞洲は市が招致を目指す2008年五輪の主会場の予定地。これまで市は「新線は検討課題」として態度を明確にしていなかった。今回の合意で、舞洲などと都心とのアクセスが確保されることになり、USJ開業や五輪をにらんだ湾岸地域の交通網の形成に弾みがつきそうだ。
 新線は、同市此花区の臨海地区で、北港テクノポート線の終点と、その南側の桜島線終点の桜島駅を結ぶ約1`。市とJRは今後、建設や経営の主体、開業時期などについて協議を進める。第三セクター方式なども検討されそうだ。
 北港アクノポート線は大阪南港のコスモスクエア地区から北側の人工島・夢洲と舞洲を経て此花臨海地区の北側に抜ける。舞洲には五輪の主会場が、夢洲には選手村が建設される予定で、同線は観客輸送の主要な交通手段となる。市は2000年度の着工、2007年度の完成を目指している。
 桜島線は西九条−桜島間を結ぶ。此花臨海地区の南側を走り、大阪環状線で都心と連絡している。市の第三セクターによるUSJ建設に伴い、JRはその予定地を通る現在の線路を南側に移し、USJの最寄り駅を新設する事業に着手した。2001年春のUSJ開業までには完成する。付近ではUSJと一体となった娯楽拠点や川や海を生かしたリゾート施設づくりも計画されており、将来は大阪の「新しい顔」となる。
 ところが両鉄道は、同じ地区で整備されるのに、終点が南北で「泣き別れ」となる。市がスポーツアイランドと位置づける舞洲や住宅建設を予定する夢洲から、都心へのスムーズな連絡が大きな課題で、両鉄道をつなぐ路線の建設問題が浮上していた。
 今回の合意で、湾岸地域の鉄道ネットワークは、桜島線▽地下鉄中央線▽ニュートラム経由の地下鉄四つ橋線の3ルートで、都心と結ばれることになる。市はこれらに加え、テクノポート線をそのまま東に都心まで延伸する構想も検討している。(朝日新聞 夕刊)
18日■京滋、JRなど乱れ 大津で民家塀崩れる
 台風10号の接近に伴い、断続的な雨と強い風に見舞われた京滋地方は17日夜、JR山陰線や福知山線で列車が運休するなど、ダイヤが乱れた。大津市内では、民家の石垣が地盤が緩んだために崩れ、住民13人が自主的に避難した。
 同日午前8時ごろ、大津市湖城が丘、会社員鵜飼昭三さん(42)らの民家3戸の裏側で、石垣が幅14b、高さ3bにわたり崩れ、石垣上のブロック塀(幅14b、高さ2b)が倒れた。けが人はなかったが、13人が近くの自治会館などに避難した。
 京都市内は17日午後11時半ごろから18日未明にかけて風と雨が強まった。15日夜から降り続く雨のため、水かさの増した嵐山の桂川周辺の商店やホテルは玄関前に土のうを積み、浸水に備えた。
 JRでは、東海道線と山陽線の夜行列車計22本が運休した。山陰線と福知山線は、特急と急行計4本が運休したほか、最大で約1時間の遅れが出た。
 名神高速道路は京滋管内で50`に速度規制された。府内では、国道162号の右京区梅ケ畑付近や府道12路線で一部が通行止めとなった。
 京都地方気象台は「これまでの大雨で地盤が緩み、土砂崩れの発生しやすい状態になっている。台風が通り抜けた後も厳重に警戒を」と呼びかけている。(京都新聞)
■窓 たばこ特別税効果は疑問 福知山市・衣川 吉一(会社役員・49)
 旧国鉄長期債務返済財源の一つとして、たばこ特別税が12月1日から導入されることになったが、こんな国民をバカにした増税があっていいものですか。趣味、し好の問題だから嫌な人はやめればいい、とのご意見はもっともですが、最近では、飛行機も駄目、電車も駄目、職場でも駄目と、愛煙家はそうでなくても肩身の狭い思いをしています。
 そのうえに増税ともなれば、さらに喫煙者の数が減ることは間違いなく予想されます。1割の増税がそのまま税収アップにつながらなければ、この返済計画は元も子もなくなってしまい、また新たなる増税を求めなくてはならなくなります。
 こんな不確かなことをしているよりも、国民みんなが求めている国のリストラをするほうが、確実に成果が現れます。一日も早く国会議員の数や公務員の数を減らしたり、高いと言われている給料を下げて、税金を有効に使用していただきたいものです。(京都新聞)
■台風10号 関空・大阪空港60便が欠航 宮崎では竜巻、2人けが
 台風10号は週末の市民生活を直撃した。西日本では17日、土砂崩れや床下浸水が各地であり、住民が行方不明になったり事故でけがをしたりした。交通機関もJRの一部区間が運休になったほか、フェリーや空の便の欠航が相次いだ。
 愛媛県三崎町では午後8時ごろ、土石流で民家数棟が全半壊した、と110番があった。お年寄りの女性1人が行方不明という。また、同県菊間町の越智福市さん(77)の家族から午後9時50分ごろ、越智さんが川に流されたと今治署に通報があった。越智さんは川に係留していた船に修理のため乗り込んだところ船ごと流されたらしい。
 17日午後11時ごろ、広島県尾道市美ノ郷町本郷で、大澗博さん(71)方の裏山が崩れ3人が生き埋めになった。3人は大澗さんのほか妻の美代子さん(63)、長男の忠彦さん(43)。
 兵庫県の淡路島・南淡町の県道では午前8時ごろ、崩れた土砂で走行中の乗用車の窓ガラスが割れ、運転していた同町内の男性(55)が首などに軽いけがをした。広島県府中市の県道では午後6時40分ごろ、軽乗用車が落石に接触し横転。乗っていた小学3年と1年の兄弟が軽いけがをした。
 午後3時ごろには、宮崎県の川南町と日向市で台風10号の影響で竜巻とみられる突風が発生し、電柱が倒れたほか、合わせて100戸近い民家や倉庫のかわらが飛び、窓ガラスが割れるなどの被害が出た。このため3歳の男児と男性会社員(49)が割れたガラス戸などでけがをした。
 京都市東山区今熊野日吉町では、京都女子大学「日吉寮」北側のがけが幅約7b、高さ約10bにわたって崩れ、がけの樹木が倒れて同寮3階の窓ガラス1枚が割れた。
 高知県室戸市では45棟が床下浸水。高知、須崎の両市や本川村などで100人以上が近くの公民館などで過ごした。
 交通機関も影響が出た。JRでは17日午後5時20分ごろ、兵庫県多紀郡丹南町、福知山線丹波大山駅の雨量計が規制値を超えたため、特急2本が途中駅で運転を取りやめ、乗客はバスに乗り換えた。
 このほか、京都市内の東海道、山陰、奈良の各線などでも大雨のため一部区間で一時徐行運転となり、奈良線は上下線8本が運休した。また、東京、大阪と九州、山陰、四国方面を結ぶ長距離の夜行列車のほとんどが運休となった。
 関西空港では17日、熊本や宮崎、鹿児島などを結ぶ路線で計12便が欠航した。大阪空港でも九州や四国を結ぶ路線で計48便が欠航した。(朝日新聞)
■社説 旧国鉄債務 問題は解決していない
 旧国鉄債務処理法が成立した。
 自民、自由、社民3党が、JR各社の追加負担を政府案の半分の1800億円に軽減することで合意した。修正点は、それだけである。
 債務処理の原則は、徹底的な行財政改革を進めるなかで、国民が納得する財源を確保することでなければならない。その道筋をつけることが、政治の責任だった。
 ところが、肝心の点を掘り下げる論議は、国会の場ではほとんどなかった。小渕恵三首相は「土地・株式など国鉄資産の処分がうまくいかず、債務がふくらんだのは遺憾だが、政府案が最善だ」と、紋切り型の答弁に終始した。
 3党の合意にしても、政府・与党とJRの主張を足して2で割り、不足分は国民負担で、というご都合主義の産物である。
 政府案が見込んだJRの追加負担3600億円は、28兆円にのぼる旧国鉄債務全体からみれはわずかな額ではあろう。しかし、そこには、公共事業体の民営化の本質にかかわる問題がひそんでいる。
 旧国鉄職員が加入していた鉄道共済年金は、1997年に厚生年金に統合された。このときの積み立て不足分に対するJR負担は、国会審議をへて法律で決まった。追加負担はこの割合を変えることになる。一度決めたルールを覆そうというのだ。
 民営化し、債務の継承額が確定した企業に新たな負担を負わせることは、政府や国会の約束違反にひとしい。債務処理の方針が揺れ動くのでは、今後の公社や公団の民営化にも支障が出かねない。
 債務処理のうち、「止血措置」といわれる利払い財源に、郵便貯金事業の黒字とたばこ税の増税を充てようとしたことが、このような事態を招いたといえる。
 旧国鉄の債務とは何の関係もないのに、「とりやすそうなところから」と安易な発想で臨んだため、「三方一両損」とばかりに、JRへの負担強制で全体を取り繕わざるをえなくなった。
 それにもまして残念なのは、JRの追加負担問題だけが審議の焦点となったことである。その結果、2000年度から60年間かけて返済する元本処理の具体策は、議論も不十分なまま先送りされた。
 元本返済について、法律は「一般会計の歳出・歳入両面で努力する」としているだけだ。宮沢喜一蔵相も国会の答弁で「具体的な計画はない。利払いの増大を防ぎ、これ以上悪くしないのが精いっぱいだ」と、展望がないことを認めた。
 この法律の内容では、元本処理を含め、巨額の負担を強いられる国民の納得を得るのはとうてい不可能である。将来に大きな禍根を残したと指摘せざるをえない。
 松田昌士・JR東日本社長らはかねて、追加負担の無効を求める訴訟を起こす考えを表明している。司法の判断にゆだねるのは、ひとつの方法であろう。
 国会は、元本返済に充てる財源の問題を審議のテーブルにのせ、実効性のある行財政改革をいかに進めるかという視点に立って、解決策を探ってもらいたい。
 もとより、財源は増税に頼ってはならない。歳出、とりわけ公共事業の見直しによって生み出すことが大前提である。
 自動車重量税、揮発油税などの道路整備特定財源を回すことができるはずだ。
 JRの本州3社が毎年724億円ずつ支払う整備新幹線建設費も、返済財源に充てるのがふさわしい。(朝日新聞)
19日■台風10号 土砂崩れや落石相次ぐ 各地で停電 交通機関乱れる
 大型で並の強さの台風10号は日本海を北上し、18日午前9時、青森県沖で温帯低気圧に変わった。台風の中国地方通過に伴い、京滋では18日午前零時過ぎから約2時間、断続的に暴風雨が続いた。降り始めから18日までの総雨量は、京都市内386_、長岡京市273_、船井郡園部町210_だった。京都市内で18日午前2時1分に最大瞬間風速22.4bを観測した。
 府消防防災課によると、17日深夜から18日早朝にかけて、住宅や工場の建物の一部破損が福知山市などで計5戸、床下浸水が舞鶴市や宮津市などで計42戸あった。土砂崩れや落石により、京都市北区の京見峠や北桑田郡京北町細野の国道162号など23ヵ所の国道や府道で被害があった。17日朝から通行止めになっている京都市右京区梅ケ畑の国道162号は、18日未明に再び路面への倒木があり、復旧のめどは立っていない。
 18日未明には、福知山市で約900戸、園部町で約300戸、八幡市で約300戸が一時、停電した。
 JRなど交通関係も混乱した。京都府天田郡夜久野町日置のJR山陰線で18日午前3時ごろ、約20bにわたって線路に土砂が流入し、福知山−和田山駅間で午前7時半ごろまで列車の運転を見合わせて復旧作業を行った。城崎発の上り特急「きのさき2号」(城崎−京都)の始発駅を福知山に変更し、普通列車上下7本が運休になった。
 北近畿タンゴ鉄道も、18日の始発から昼過ぎまで、宮津線の栗田−宮津間と久美浜−豊岡間の運転を見合わせ、特急上下6本を含む計24本が運休した。
 滋賀県では、彦根気象台で瞬間最大風速31.3b(18日午前1時半)を記録。降り始めからの雨量は、志賀町で212_、伊吹町で208_、大津市180_、彦根市164_に達した。
 この影響で、東浅井郡浅井町飯山の林道の側面が崩れて通行不能となったほか、国道421号など国道、県道計9路線が通行止めとなった。大津市、近江八幡市などで計2320戸が一時停電した。
 また、18日午前1時20分ごろ、伊香郡高月町井口で近くの会社員(58)が道路をふさいだ木の枝を取り除こうとして、強風にあおられ転倒、背骨を折る重傷を負ったほか、1人が軽いけがをした。(京都新聞)
■信楽鉄道事故 民事訴訟ぎ結審 3月29日判決 遺族側、JR責任訴え
 滋賀県甲賀郡信楽町の信楽高原鉄道で1991年5月、死者42人を出した列車正面衝突事故の犠牲者9人の遺族23人が、信楽高原鉄道(SKR)とJR西日本を相手に総額約11億360万円の損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が19日、大阪地裁(三浦潤裁判長)で開かれ、原告が最終意見陳述をするなどして提訴以来5年ぶりに結審した。判決は来年3月29日に言い渡される。
 同訴訟は、93年10月、吉崎俊三原告団長(65)=宝塚市=ら23人が鉄道両社の責任を求め提訴。SKRは責任を認めており、主にJRの過失責任をめぐって、これまで44回の口頭弁論が開かれてきた。
 この日は、原告を代表して同列車事故で妻のさよ子さん=当時53歳=を亡くした吉崎原告団長ら2人が「鉄道両社のずさんな安全管理体制が事故の原因で、両社に等しく責任がある」などとJRにも責任があるとする意見をあらためて陳述した。SKR側も、JRにも責任があったと主張し、JR側は「いずれの観点から見ても、JRが過失責任を負う理由はまったくない」と、自社の責任を否定する従来通りの反論を述べた。
 事故は、91年5月14日午前10時35分ごろ、単線の同高原鉄道で、信楽駅発のSKR列車と世界陶芸祭開催に伴い直通乗り入れしていたJR列車が正面衝突。双方の乗客37人と乗員5人が死亡、614人が重軽傷を負った。
 訴訟では、原告が▽SKRは、信楽駅出発信号が赤だったのに安全確認を怠って発車した▽高原鉄道線内であっても、実態として共同運行していたJRに安全配慮義務があった−などと両社の事故責任を主張してきた。SKRは自社責任を認めながらも、赤信号の原因の一つとなった「方向優先てこ」(三重県亀山市のJR亀山CTCセンター)について、設置・操作したJRから連絡があれば事故を回避できたなどと主張。JRは高原鉄道線内での安全確保義務は事業免許を持つSKR にあるなどと主張し、自社の責任を否定している。
 刑事訴訟は、SKRの当時の施設課長や運転主任ら3人が業務上過失致死傷罪などで起訴され、大津地裁で公判中。JRの運転士は不起訴となっている。(京都新聞 夕刊)
■信楽鉄道事故 他社線路上の安全配慮 JRの義務どこまで
解説 信楽高原鉄道列車事故の民事訴訟が19日、結審した。争点はJR西日本にも過失責任があったかどうか、に絞られている。判決では、他社が事業免許を持つ線路上において、JRがどこまで安全に配慮する義務を負うべきと判断するのか注目される。
 事故は、信楽高原鉄道(SKR)列車が、信楽駅の構内信号が赤だったのに出発。JR列車は、上下線行き違い場所の「小野谷信号場」の待避線にSKR列車がいなかった状態で、信号が青だったため同信号場を通過し、衝突した。
 運輸省交通安全公害研究所の松本陽室長の鑑定によると、信楽駅の赤信号が青に変わらなかったのは、JR西日本が亀山CTCセンターに設置した「方向優先てこ」を操作したことによる。また、同「てこ」は、本来信楽駅の信号にまで影響を与えないが、SKRが行った信号システムの変更工事により影響が及ぶようになった、とされている。
 裁判ではこれまで、▽高原鉄道内で、JRが乗客の安全に関して責任があるか▽JRは方向優先てこの設置についてSKRに連絡したか▽小野谷信号場でJR運転士が、待避線にSKR列車がいないのを認識していながら青信号で通過したのは妥当か▽事故前に同様の信号トラブルがあったことや、その際にSKRが行った信号に代わる列車運行方法(代用閉そく方式)の運用で運転通告券の不備などの違反が繰り返されていたことを、JR運転士がJRに報告する義務があったかどうか−の4点を中心に、原告、SKR側とJRが激しく主張を対立させてきた。
 原告側は、「JRは直通列車の運行に深く関与しており、実態としてSKRと共同運行していた」などと主張している。しかしJR側は鉄道事業法などを根拠に、この「共同運行」論を否定し、「乗務員と列車を高原鉄道に賃貸しただけでJRに安全確保義務はない」などと反論している。JRの主張に対してSKR側は「乗り入れ運行に当たって交わした車両直通運転契約書で、JRは高原鉄道の設備を検査できると定めてありJRにも運行安全の責任がある」などと主張している。(滋賀本社 円城得之)(京都新聞 夕刊)
信楽高原鉄道列車事故の民事訴訟の主な争点
 原告の主張SKRの主張JRの主張



JRは直通乗り入れに深く関与し、高原鉄道内であっても実態としてSKR と共 同運行しており、乗客に対する安全配慮義務があったのに違反した車両直通運転契約書では運転保安設備の整備責任はSKRにあるとしながらも、JRはSKR の設備を検査できると定めてあり、JRにも運行安全の責任がある共同運行ではなく、乗務員と車両を賃貸したにすぎない。JRはSKR の路線において事業免許も運行権もなく、対乗客との関係において安全確保の義務はない
方向
優先
てこ
の設
JRはSKRに無断で「てこ」を設置し、操作した。SKRに連絡しておけば、信楽駅の出発信号が赤固定になった原因が分かり事故は発生しなかったSKRは、JRから設置の連絡をうけておらず、了承もしていない。JRは無断で「てこ」を設置して、SKRの信号システムを破壊し、事故を発生させた「てこ」の設置についてSKRへ通知しているし、操作についても無断ではない。また、「てこ」の設置・操作と事故との間に因果関係はない
事前
トラ
ブル
信号トラブルや代用閉そく方式違反を知っていたJR運転士は、JRに報告する義務があった。JRは、事前トラブルを分析し事故を防止する義務があった信号トラブルの原因を、JR とSKRが共同して究明していれば事故は防げた。また、両社が代用閉そく方式違反を繰り返し、違反の常態化が事故につながった報告は、会社間の責任ある者の連絡にゆだねられ、JR 運転士にJRへの報告義務はない。代用閉そく方式施行に形式的不備はあったが、安全は確保されていた
JR運
転士
の過失
小野谷信号揚の待避線に、行き違うはずのSKR列車がいないのを認識していたJR運転士は、青信号でも停止して、電話で信楽駅長の指示を仰ぐ義務があったJR運転士は「小野谷信号場で必ず行き違いをする」と教育されており、待避線に列車がなければ、信楽駅長に指示を仰ぐか、同信号場で待機する義務があったJR運転士が、小野谷信号場の青信号に従って列車を運行させたことには何ら規定違反がなく過失がない。JR運転士は、異常が発生しているとは考えなかった
■列車脱線で40人が死亡 エジプト
 【カイロ19日共同】エジプト北部アレクサンドリア南東約30`のカフルエルダワル駅で18日夕(日本時間19日未明)、列車が脱線、ホーム上で横転するなどして、政府筋の発表などを総合すると乗客ら40人近くが死亡、100人前後が負傷した。
 現場は混乱しており、死傷者数の特定は今のところ困難な状況という。
 死傷者に日本人がいるかどうかは不明だが、同路線を利用する外国人は少なく、巻き込まれた可能性は低い。
 これまでの情報によると、列車は高速度のまま、線路の切り替えポイント付近で脱線。報道によると、先頭の機関車と客車2両が横倒しになって、プラットホームの売店や人をなぎ倒し被害を拡大した。脱線時の衝撃で線路の緩衝装置が吹き飛び、店などを直撃したとの情報もある。乗客が車両間のブレーキ装置をいじったため制動できなかった可能性もあるという。(京都新聞 夕刊)
■信楽事故 損賠訴訟が結審 列車衝突提訴5年 JRの責任が焦点
 死者42人、重軽傷者約600人を出した1991年5月の信楽高原鉄道列車衝突事故をめぐり、乗客の遺族23人が、信楽高原鉄道(本社・滋賀県信楽町)とJR西日本(同・大阪市)を相手取り、総額約11億3600万円の損害賠償を求めた訴訟が19日、大阪地裁(三浦潤裁判長)で提訴から5年ぶりに結審した。判決は来年3月29日に言い渡される。訴訟では信楽高原鉄道側が損害賠償責任を認めたが、JR西日本は全面的に争っており、判決で裁判所がJR西日本の責任の有無を、どう判断するかが焦点になる。
 事故は91年5月14日に起きた。信楽高原鉄道信楽駅で、同鉄道の貴生川行き上り普通列車が、信号機の故障で赤信号のままだったのに出発。同鉄道に乗り入れたJR西日本の京都発信楽行き臨時快速列車と単線線路上で正面衝突した。
 この日は双方の最終意見陳述があった。原告側はJR側が自社の列車の円滑な運行を確保するために信楽高原鉄道に無断で実施した信号工事が故障の原因になった、と指摘した。事故で妻を亡くし、娘2人も大けがを負った兵庫県宝塚市の会社顧問吉崎俊三さん(65)は「安全より営利を優先させるような姿勢では、今後、事故はますます多く起きるのではないか」と述べ、JR西日本にも同等の責任がある、と主張した。
 これに対し、JR西日本は、事故現場が信楽高原鉄道の路線内だったことから「鉄道事業法上は信楽鉄道が、2つの列車の乗客との運送契約の当事者となるため賠償責任はない」と反論。信号の故障についても、信楽鉄道側の信号システムに主な原因があり、自社の信号装置の設置工事とは因果関係がない、とした。
 信楽鉄道は、乗り入れてきた列車はJRとの実質的な共同運行だった、としてJRを批判した。
 事故をめぐっては、大津地検が92年、信楽高原鉄道の元社員ら3人を、業務上過失致死傷の罪などで起訴し、大津地裁で公判中。業務上過失致死傷などの疑いで書類送検されたJR西日本の運転士と、業務上過失往来危険罪などで刑事告訴された同社の幹部ら6人は、不起訴処分になった。(朝日新聞 夕刊)
■阪急が故障 58本遅れる ラッシュ時の岡本駅
 19日午前7時ごろ、神戸市東灘区岡本五丁目の阪急神戸線岡本駅構内で、停車中の西宮北口発新開地行き下り普通電車(8両編成、乗客約300人)の車内灯がつかなくなり、約10分後に運転を取りやめた。後続の上下線計58本が3−15分遅れ、乗客約5万7000人に影響が出た。
 阪急によると、架線から電気を取り込む電車内の変圧器に何らかの故障があったとみられる。(朝日新聞 夕刊)
■列車脱線 30人死亡 エジプト
 【カイロ19日=中東アフリカ総局】エジプト北部アレクサンドリア南東約30`のカフルエルダワル駅付近で18日午後5時半ごろ(日本時間19日午前零時半ごろ)、旅客列車が脱線し、線路わきの店舗などを大破、内務省発表によると、30人が死亡し、96人が負傷した。カイロの日本大使館によると、同日夜時点では、死傷者に日本人が含まれていたとの情報はない。
 列車は、同駅で急行列車の通過待ちのため、待避線に入って止まろうとしたが、ブレーキ故障のため減速しないまま車両止めに衝突。先頭の機関車と客車が近くに立ち並ぶ店舗にまで突っ込んだという。屋根の上にも無賃乗車の人々がいた模様で、その乗客らがブレーキ関連機器をいじったため作動しなかったとの情報もある。(朝日新聞 夕刊)
20日■たばこ(JT)ほぼ全銘柄値上げ 大蔵省に申請 1箱20円、12月から Pモリス「ラーク」据え置き
 日本たばこ産業(JT)は19日、旧国鉄長期債務処理法の一環としてたばこ特別税が創設されたことに伴い、12月1日から原則的にたばこ1本当り1円値上げする価格改定を大蔵省に申請した。申請通り認可されるのは確実で、代表的なマイルドセブンなどは1箱230円から250円になる。
 また、キャメルやセーラムなどを日本で販売するレイノルズ・エム・シー・タバコ(本社東京)も19日、全製品について1箱(20本)20円の値上げを申請したが、フィリップ・モリスの日本法人(同)はシェア拡大を目的に主力の「ラーク」シリーズの大半を250円に据え置くほか、一部銘柄の値上げ幅を1箱10円に圧縮して近く申請する。
 JTのシェアは、外国たばこの攻勢で年々低下し、昨年度は77.6%。今回の「ラーク」据え置きなどで一段とシェアを減らす可能性がある。
 たばこ特別税は1本当たり82銭だが、これに伴う消費税や小売マージンの上乗せなどを含めると、「1本当り1円の価格転嫁をせざるを得ない」(JT)という。
 JTが値上げするのは124銘柄(紙巻き96、葉巻15、パイプ11、刻み2)のうち118銘柄で、紙巻きはキャビン・プレステージとエアーズを除いた94銘柄が値上げされる。(京都新聞)
■京都・滋賀 鉄道の歴史−24日から一斉発売
 明治から今日に至る鉄道の変遷を詳述した「京都滋賀 鉄道の歴史」(田中重大、宇田正、西藤二郎著)を刊行、24日から書店、京都新聞販売所などで一斉に発売します。
 本書は官設京阪間鉄道の敷設から湖東へ延伸した東海道線をはじめ北陸線、山陰線など国鉄の移り変わりとJR各線の現況のほか、京阪、阪急、近鉄、近江鉄道など私鉄各社の路線の興亡を地図や写真を交えて紹介しています。またわが国初のチンチン電車営業運転を開始した京都の路面電車の盛衰や昨年開通した地下鉄東西線まで、都市交通を含む鉄道の歴史を網羅しながら地域の近代化への道程を平易に解説しています。著者はいずれも鉄道史学会員。
 体裁はA5判、430n、ハードカバー、定価=本体2800円+税。京都新聞社(京都新聞)
■新幹線−在来線 直通列車、山陰線で実験へ 軌道に合わせ車輪の幅変化 運輸省、1月から
 車輪の幅を自由に変えることで新幹線と在来線との相互乗り入れを目指して開発中の「フリーゲージ(軌間可変)列車」について、運輸省などは来年1月からJR山陰線で走行試験を始める方針を固めた。鉄道総合技術研究所(JR総研、東京都)の敷地内で試験走行してきたが、営業線での試験は初めて。米国での走行試験もし、2000年度までに実用化のめどを立てる考え。とくにJR西日本は整備新幹線の建設が進む北陸新幹線への投入や、山陽新幹線から山陰方面や四国方面への乗り入れも検討中で、新幹線の整備されない地域へも高速輸送体系が延びると期待している。
 フリーゲージ列車は1994年から、運輸省の財政支援を受けてJR総研と日本鉄道建設公団(東京都)が開発中。車輪の幅が自由に動く台車を付けた専用車両が、新幹線の標準軌(幅1435_)と在来線の狭軌(幅1067_)を結んだ変換区間を低速走行すると、車輪の幅がそれに合わせて変わる仕組みだ。
 運輸省などによると、近く新型の試験専用車両(3両編成)を完成させ、2000年度までに高速走行試験や耐久性確認試験を重ねる。11月から2ヵ月間、JR総研の敷地内の試験線で走行させ、来年1月から、島棍県と鳥取県にまたがるJR山陰線米子−安来の8.8`区間で、列車の往来の少ない夜間を利用した狭軌走行試験をする。総研の敷地では時速30`程度しか出せなかったが、山陰線では時速100`程度まで出して狭軌上での安全走行を確認する。2月からは米国コロラド州の試験線に持ち込んで耐久性を試し、狭軌では時速130`、標準軌では時速300`の最高速度を目指すという。
 整備新幹線の北陸新幹線計画では、長野−上越間は標準軌で着工されたが、糸魚川−魚津、石動−金沢間は在来線と同じ線路幅の「スーパー特急方式」で工事が始まった。JR西日本はフリーゲージ列車の実用化に期待。将来的には山陽新幹線岡山駅から伯備線経由で山陰へ、瀬戸大橋経由で四国への乗り入れも検討している。
 JR東日本の山形、秋田新幹線は途中から在来線区間に入り、一部には標準軌と狭軌の2種類のレールが敷かれている。(朝日新聞)
21日■整備新幹線 新規3区間 事業費を上積み 自民、抑制方針を解除
 自民党は20日、昨年12月に政府、与党(当時)が申し合わせた整備新幹線の新規着工3区間の事業費抑制方針を解除し、今月末までに大蔵省に予算要望する景気特別枠で事業費を上積みすることを決めた。
 財政構造改革法の見直しを受けた措置で、22日に整備新幹線建設促進特別委員会を開いて解除の手続きを行う。
 上積みするのは東北新幹線八戸−新青森、北陸新幹線長野−上越、九州新幹線船小屋−新八代の3区間。
 政府与党整備新幹線検討委員会は昨年末、財政構造改革の集中改革期間(2000年度までの3年間)は事業費を「極力抑制する」との方針を決めていた。
 その後、景気回復を最優先とするために財政構造改革路線が凍結となり、自民党などから「新規着工区間の事業費抑制方針の解除と事業費の大幅増額」を求める声が強まっていた。事業費抑制の影響で、新規着工区間ごとの事業費は、10億円に据え置かれている。(京都新聞)
■「はるか」に自由席を新設 12月から導入 JR西日本
 JR西日本は20日、関西空港への特急列車「はるか」に自由席を設けるほか、割引切符などを導入して乗客アップを図る、と発表した。
 関空と京都を結ぶ「はるか」は1994年の開業以来、1日の平均乗車数が順調に伸び、96年度は9270人になっていた。ところが、97年度は8545人と下降、今年も4−7月で7661人と減っている。
 自由席は12月1日からで、1日に30往復の京都発関空行きについて2両を、関空発京都行きは3両を自由席にする。これにより、乗る直前に切符が購入でき、指定席料金(510円)が不要にたる。割引切符は、今月22日から。大阪、兵庫地区から関空までの往復乗車券と手荷物託配サービスをセットし平均35%安くなる「関西空港お手軽きっぷ」、新幹線と「はるか」を乗り継ぐ往復割引切符など5種類を発売する。(京都新聞)
■京都駅ビルで財布を置引 容疑の男逮捕
 七条署は20日、修学旅行生の財布を置引したとして、長岡京市西ノ京、アルバイト矢場裕之容疑者(29)を窃盗の疑いで逮捕した。
 調べでは、矢場容疑者は19日午後7時ごろ、京都市下京区の京都駅ビル内のゲームセンターで、修学旅行中の北海道夕張郡栗山町の公立高校2年の女子生徒(16)がゲーム機の上に置いていた財布(現金約2万1000円、キャッシュカードなど在中)を置引した疑い。
 七条署によると、矢場容疑者は20日午後5時20分ごろ、京都駅ビル近くの郵便局で、盗んだキャッシュカードで残高を照会。カードは前日に盗難届が出されており、局員が駆けつけたところ、矢場容疑者の言動が不自然だったため、同署に通報した。
 同署で矢場容疑者に事情を聴いたところ、容疑を認めたという。(京都新聞)
■市バスと接触 男性が重傷 下京、降車直後に
 20日午前9時55分ごろ、京都市下京区四条通寺町東入ル、四条河原町バス停前で、綿林車庫行き市バス=山口重次運転手(50)=と、この市バスから降りて車道を歩いていた東山区本町14丁目、無職久保恵紀さん(68)が接触した。久保さんは弾みで転倒し、右腕の骨を折って2ヵ月の重傷。車内の乗客13人にけがはなかった。
 五条署の調べでは、市バスはバス停の手前で久保さんら7人の乗客を降ろした後、客を乗せるためにバス停まで低速で前進、バスの左後輪付近が車道を歩いていた久保さんの肩に接触したとみられる。
 同署の調べに対し、山口運転手は「ミラーによる後方確認が不十分だった」と話しているという。
 京都市交通局は「事故については詳しく調査中なので、コメントできない」としている。(京都新聞)
■「優しい駅」めざし バリアフリー化へ 運輪省 全国1900駅、2010年度までに
 体に障害のある人や高齢者が使いやすいように鉄道の駅を改造する「駅のバリアフリー化」に、運輸省が本格的に乗り出す。1日5000人以上が利用し、高低差が5b以上の階段がある全国のJRや私鉄の1900駅すべてのプラットホームに、2010年度までにエレベーターやエスカレーターを付けることなどで、「優しい駅」の実現をめざしている。
 同省は、総事業費務6000億−1兆円と試算している。まず初年度分として、今月末に提出する景気対策特別枠と1999年度当初予算を合わせ、事業費150億円(うち国費50億円)を要求する。
 事業の対象には、視覚障害者に配慮した新型券売機や点字運賃表、車いすが通れる拡幅改札口、視覚障害者のための誘導ブロック、障害者用のトイレなども含める。事業費は、国と市町村、鉄道会社が3分の1ずつ負担する。運輸省は「土地取得などの必要性がなく、景気対策としても即効性がある。1ヵ所あたりの費用も、事業内容によって数百万円から10億円程度と幅広く、市町村も財政事情に応じて取り組める」と説明している。
 来年度には、身障者や高齢者の団体などと協議し、「駅の優しさ」の基準も決める。評価結果を公表することで、市町村や鉄道会社にバリアフリー化を促す。(朝日新聞)
■旧国鉄債務処理法 「無視できぬ」 JR西日本社長
 JR西日本の南谷昌二郎社長は20日の定例記者会見で、先に成立したJR各社に追加負担を求める旧国鉄債務処理法について「国会は国権の最高機関であり、法治国家である以上、従わざるを得ないだろう」と述べ、今後の対応を検討する上で国会の意思を無視できないとの考えを示した。一方で「法の内容には問題があり、訴訟も選択肢の一つだ」とも語り、JR各社との協議を経て対処する方針を改めて示した。(朝日新聞)
■国鉄清算事業団 きょうで解散 鉄建公団に業務移管
 国鉄清算事業団が21日限りで使命を終え、22日午前零時に解散する。同事業団は旧国鉄長期債務処理法が成立したのを受け、当初の10月1日の解散予定から20日余り遅れて消滅することになる。11年半にわたって行われた資産処分業務は、22日からは日本鉄道建設公団に移管される。長期債務は国の一般会計に移される。
 事業団が発足した時点で旧国鉄から承継した債務は25兆5000億円。11年半の間、事業団は土地や株の売却業務を続け、債務返済のための資金をひねり出そうとした。しかし、バブル期には必要以上の土地高騰を避ける意味もあって事業団による土地売却は凍結され、事前に期待したほどの売却収入は得られなかった。
 事業団に約1000人いる人員は22日以後は鉄建公団に移る。(京都新聞 夕刊)
■男性が飛び込み 大阪地下鉄乱れる
 21日午前9時ごろ、大阪市中央区北浜の市営地下鉄御堂筋線淀屋橋駅で男性がホームから線路上に飛び込み、なかもず発千里中央行き電車と接触した。男性は全身を強く打ち、近くの病院に運ばれたが、意識がなく重体。
 同電車は19分後に運転を再開。計34本が最高19分遅れ、約4万3000人の足が乱れた。大阪市交通局は混乱を避けるため、梅田など同線の各駅で改札口からの入場を制限した。
 大阪府警東署によると、男性は40−50歳で、身元の確認を急いでいる。(京都新聞 夕刊)
■男性はねられ計34本遅れる 大阪の地下鉄で死亡
 21日午前九時ごろ、大阪市中央区北浜三丁目の市営地下鉄御堂筋線淀屋橋駅で、駅に入ってきたなかもず発千里中央行き電車(10両編成、乗客1500人)に、ホームから転落した中年の男性がはねられた。駅職員らが助け出した男性は病院に運ばれたが、全身を強く打っており、間もなく死亡した。この事故で御堂筋線は一時、全線で運転を見合わせ、上下34本に遅れが出て4万3000人が影響を受けた。東署が男性の身元などを調べている。(朝日新聞 夕刊)
22日■国鉄清算事業団が解散 債務28億円、ツケ重く
 1987年の国鉄分割民営化以来、旧国鉄の債務償還と資産処分を担ってきた国鉄清算事業団が22日午前零時で解散した。同日の旧国鉄長期債務処理法の施行に伴うもので、11年半にわたる使命を終えて消滅した。
・土地売却 凍結響く
 同事業団の最大の目的は債務の償還にあったが、債務は発足時の25兆5000億円から解散時には28兆3000億円にまで膨れ上がった。土地売却の好機だったバブル期に、地価高騰の沈静目的から事業団による土地売却が凍結されたことが大きく響いた。債務の大半は一般会計が引き継ぐため、国民に付け回しする結果となる。
 事業団の西村康雄理事長は21日の最後の記者会見で「毎年1兆円の利払いと4000億円前後の共済への追加費用の支出があった。債務が増えざるを得ない中で仕事をしなければならなかった」と事業団の置かれた厳しい状況に理解を求めた。約1000人の職員は22日から、一部業務を継承する日本鉄道建設公団の「国鉄清算事業本部」に移る。
 債務のうち24兆1000億円は一般会計に継承され、国が償還にあたる。4兆1000億円の年金等負担金と土地・株の資産は鉄建公団に移管して売却業務を継続、年金等負担金の処理財源とする。
 事業団は国鉄が分割・民営化された87年4月1日にJR7社とともに設立。債務償還と資産処分のほか、当初は旧国鉄職員の再就職あっせんや教育訓練なども担当していた。
・努力しても減らせず 事業団理事長
 バブルと不況に振り回された土地売却。膨大な旧国鉄債務という「ツケ」を払い続けてきた国鉄清算事業団が21日、最後の日を迎えた。発足から11年半。債務は結局、返すどころか逆に膨れ上がった。「どんなに努力しても債務を減らすことはできなかった」。西村康雄理事長はこう語ったが、表情にあまり無念さは感じられなかった。
 西村理事長は最後の記者会見で、思うように進まない債務処理に重圧がかかっていたのか「重荷から解放された。(債務を国の一般会計に移す)法律をつくってくれたことに感謝する」と語り、「解放」という言葉を二度、三度と繰り返した。
 「どんなに努力しても債務を減らすことはできなかった。発足当初から増えるのは予想された」と、これまでは口にすることはなかった発言も飛び出した。
 この後、午後5時半から東京都港区の本社内で「解散会」が開かれた。22日から事業団を「国鉄清算事業本部」として吸収する日本鉄道建設公団の塩田澄夫総裁も出席した。
・債務総額は28兆3000億円
 運輸省は21日、国鉄清算事業団の解散時の旧国鉄債務残高(速報億)は28兆3000億円になると発表した。内訳は有利子債務が16兆1000億円で無利子債務が8兆1000億円。年金等負担金が4兆1000億円となっている。国の一般会計が承継するのは無利子債務と有利子債務のうちの24兆1000億円。年金等負担金は日本鉄道建設公団が受け継ぐ。(京都新聞)
■国鉄清算事業団の土地 地方に目立つ売れ残り 条件良くても不況直撃
 国鉄清算事業団の長期債務返済の柱だった旧国鉄用地。都心に残る最後の一等地といわれた東京・汐留貨物駅跡地やJR東京駅前の旧国鉄本社敷地など首都圏の大型物件は売却されたものの、札幌など地方都市では立地条件がよくても不況の直撃を受け、売れ残りが目立っている。
 事業団が1987年の発足時に旧国鉄から受け継いだ土地は9245f。21日現在、売れ残ったのは1273fで、86%を処分したことになる。これらの売却は日本鉄道建設公団に引き継がれ、2003年度をめどに売却を終えたいとしているが、関係者からは「公団がどんなに努力しても、景気が回復しなければ無理」との声が早くも聞こえてくる。
 札幌市のJR札幌駅から徒歩で約10分。北海道大のすぐ近くに約9000平方bの空き地が広がる。旧国鉄札幌工事局などが入った事務所跡地で、事業団は今年1月に、入札を実施。ある建設会社が応札したが、予定価格の9億5000万円に届かず落札できなかった。
 事業団は、建設会社が当初からこの土地に強い興味を示していたため「落札するのは間違いない」とみていた。北海道拓殖銀行の経営破たん以降、北海道の経済は急速に冷え込み、その後手を挙げる企業はない。事業団北海道支社は「今後買い手が見つかるかどうか分からない」と話す。
 地方都市の中心部で土地が残っている例は青森駅前(約1万6000平方b)、秋田駅前(約9000平方b)、下関駅前(約1万9000平方b)、佐賀駅前(約4000平方b)、宮崎駅前(約2000平方b)など各地で見られる。
 このほか旧国鉄当時に民間に貸した土地の返還を求め所有権を争っている訴訟も各地で起こしているほか、大阪市のJR貨物梅田駅(約20fのように売却をめぐって地元自治体と調整が難航している土地も。
 西村康雄理事長は「目抜き通りで場所が良くても、土地需要が冷え込んでいてなかなか売れない。池の底をさらうように買い手を探そうとしても売れなかった」と話している。(京都新聞)
■清算事業団の歩み■
1987年4月国鉄分割民営化実施、JR7社と国鉄清算事業団が発足 87年10月「緊急土地対策要綱」の閣議決定で旧国鉄用地売却に制約
89年12月債務償還の具体的処理方針の閣議決定で、97年度までに土地の実質的な処分を終了すると確認
93年10月JR東日本の株式上場
96年10月JR西日本の株式上場
97年10月JR東海の株式上場
98年2月旧国鉄長期債務処理法案を衆院に提出
10月15日同法が成立し、約28兆円の長期債務の今後の処理に一応の道筋
10月21日国鉄清算事業団が最後の業務
10月22日旧国鉄長期債務処理法施行され、国鉄清算事業団が午前零時で解散
■都市計画案を承認 宇治市都計審 「六地蔵駅」整備など
 宇治市都市計画審議会(会長・田川熊雄元宇治市長)は21日、京都市地下鉄東西線の延伸に伴う宇治市域分(約480b)や同線「六地蔵駅」(仮称)周辺の駅前広場、道路拡幅などに関して宇治市から諮問された都市計画案を原案通り承認した。計画案によると、六地蔵駅はJR六地蔵駅の西側、JR奈良線の真下に設置される。
地下3層構造で地下2階に改札口やコンコースが、同3階に延長105bのホームが設けられる。出入り口はJR線をはさんで南北に1ヵ所ずつとなる予定。
 JR駅と東西線にはさまれた三角地帯に駅前広場(約6300平方b)を整備する。JR線の北側の府道京都宇治線と駅前広場を結ぶ幅19bの道路を新設、または拡幅する。
 この日承認された都市計画案は府知事あてに提出され、来年2月ごろに予定されている府都市計画地方審議会に諮られる。(京都新聞)
■駐輪場空き目立つ 地下鉄東西線沿線の6カ所 利用率わずか21.6%
 昨年10月の地下鉄東西線開業に伴い、醍醐駅など6ヵ所にオープンした自転車駐車場が、いずれも利用者数の低迷にあえいでいる。1年目の利用率は全体で2割程度にとどまり、駐輪場は空きが目立つ半面、放置自転車の数は依然、横ばい状態が続いている。
 昨年10月の東西線開業と同時に、沿線には計6ヵ所の駐輪場が開設された。京都市役所前駅に近い「寺町臨時」(300台)、御陵(355台)、東野(900台)、椥辻(800台)、小野(530台)、醍醐(1000台)で、合計3885台(うち75台はバイク)が収容できる。1日限りだと150円、定期だと学生は月2500円で駐輪できる。
 しかし、駐輪場を管理・運営している市駐車場公社によると、今月11日までの開設1年間(359日)の総利用数は30万1122台だった。1日平均839台で、全体の利用率はわずか21.6%しかなかった。
 うち、1日平均の利用率は小野(10.4%)と醍醐(10.8%)の両駅で特に低かった。椥辻(16.9%)や東野(21.9%)、御陵(40.3%)各駅とも利用は低調で、最も高い寺町臨時でも67.0%にとどまった。
 市道路管理課は「放置自転車の撤去や啓発ビラの配布などで利用を呼びかけていく」と話している。(京都新聞)
■信号機の故障で一時相互乗り入れ止まる 地下鉄と近鉄
 21日午前10時53分ごろ、京都市営地下鉄烏丸線と近鉄京都線が乗り入れる近鉄竹田駅(伏見区)で、信号が赤になったまま切り替わらなくなった。このため、同駅に停車中だった国際会館発新田辺行きの下り地下鉄(6両編成)が運転を打ち切ったのをはじめ、約3時間半にわたって相互乗り入れがストップした。
 信号は約1時間後に復旧したが、近鉄京都線と橿原線27本が運休し、地下鉄も遅れが出るなど、約1万3000人が影響を受けた。
 近鉄本社広報部によると、故障の原因は、線路上に支障がないかどうかを調べる回路の配電用ブレーカーが落ちたためという。(朝日新聞)
■JR各社の高速試験車 相次ぎ引退へ 新幹線の技術開発、一段落 速度・環境対策の役割終える
 次世代新幹線を生みだすためにJR東海が開発した高速試験電車「300X」が、来年度いっぱいで引退する。東海道新幹線に「のぞみ」が登場後、高速鉄道システムの技術開発を目指して登場、時速443`の国内最高速度を記録するなど、成果は来春デビュー予定の700系に生かされる。JR西日本とJR東日本が開発し、新型新幹線車両を生んだ試験電車もそれぞれ役割を終えて保存されることが決まり、JR各社が競い合ってきた新幹線の技術開発も一段落つくことになった。
●国内最高を記録
 300Xは、車両や軌道、架線、運行管理など総合的な新幹線の高速鉄道システムの技術革新を目指して1995年1月から試運転を始めた。6両編成で、水鳥のくちばしのような「カスプ型」とくさび状の「ラウンドウェッジ型」という先頭車両を前後で別々に連結。アルミ合金製による4種類の車体構造を採用した。
 96年7月に国内最高時速の443`を記録。その後は騒音や振動など環境対策、乗り心地の向上が試験の中心となった。騒音源の位置や大きさを測定できるシステムや低騒音パンタグラフを開発し、JR西日本と共同開発の新型700系にも反映された。
 700系開発後の「次々世代新幹線」の具体的な方向性は決まっていないが、JR東海は300Xをもとにした飛躍的な技術向上は難しいと判断、地上設備の試験などを繰り返して来年度で引退することになった。同社は、時速500`で東京−大阪を一時間で結ぶリニアモーターカーの開発も進めており、99年度に実用化を見極める予定。超高速運転の役割はリニアに引き継ぎたいとしている。
●今後の計画なし
 新幹線の技術開発は、64年の東海道新幹線開業と同時に旧国鉄が赤字に転落したこともあって遅れがちだった。このため、民営化後のJR3社は航空機、周辺環境対策など早急な技術開発が迫られた。航空機との競争でスピードアップを目指したJR西日本は91年から試験電車「WIN350」を開発、最高時速300`を誇る500系の実用化後、96年に引退した。JR東日本も92年から東北、上越新幹線の輸送力増強などを目指し「STAR21」をつくり、オール2階建て車の完成など成果をあげて昨年末で廃車処分となった。現在、両社とも新型試験車の開発計画はないという。
 東西JRの試験車の功績を残そうと、鉄道総合技術研究所は各1両ずつを両社から譲り受け、10月から滋賀県坂田郡米原町の風洞技術センターで保存する。300Xの「引退後」はまだ決まっていない。
 JR東海技術本部は「300Xは騒音など高速運転中に生じる多くの問題の解決に役立った。新型車両の計画もしはらくなく、新幹線開発の歴史にも一区切りついた」と話している。(朝日新聞)
■もっとお茶に親しんで JR京都駅で宇治茶フェス
 JR京都駅ビルで21日、「宇治茶フェスティバル」(府など主催)が始まった。伝統的な茶の手もみ製法の実演からお茶を使った世界各国の料理まで、幅広くお茶の世界を知ってもらうイベントが開かれている。22日まで。
 フェスティバルは9年ぶりに府内で開かれている全国お茶まつりの行事の一つ。会場には、江戸中期に山城国で現在のせん茶につながる製法が生まれ、宇治茶が日本の緑茶の基礎をつくった歴史を紹介するパネル展示や、京田辺茶手もみ技術保存会員らが板を使って昔ながらの手もみ製法を披露したり、訪れた市民らが石うすでひいた抹茶をたてて味わえたりする約10のコーナーが設けられている。
 お茶を使った世界各国の料理を展示するコーナーでは、粉茶の入ったルーマニアのドーナツやほうじ茶で卵を煮る台湾料理など11品が並び、卵を試食した大阪市平野区の主婦、後藤昭子さん(56)は「ほんのりとお茶の風味がします」と話していた。(朝日新聞)
■整備新幹線 事業費抑制解除を決定 自民、上積み要求へ
 自民党の交通部会と整備新幹線建設促進特別委員会の合同部会は22日午前、昨年12月に政府、与党(当時)が申し合わせた整備新幹線の新規着工3区間の事業費抑制方針を解除することを決めた。
 財政構造改革法の見直しを受けた措置。運輸省が今月末までに大蔵省に予算要望する景気特別枠で事業費の上積みを求める。具体的な金額は今後、運輸省内で調整する。
 上積みするのは東北新幹線八戸−新青森、北陸新幹線長野−上越、九州新幹線船小屋−新八代の3区間。
 新規着工区間の取り扱いについては、政府与党整備新幹線検討委員会が昨年12月、財政構造改革の集中改革期間(2000年度までの3年間)は事業費を「極力抑制する」との方針で一致していた。
 そのため、新規着工3区間の事業費の伸びは当分の間、期待できないとされていただけに、今回の事業費抑制解除の決定に沿線自治体は「これで1年でも早い完成につながる」と歓迎している。
 しかし、一方で「従来型の予算のばらまきの復活」との批判も出てきそうだ。(京都新聞 夕刊)
■整備新幹線の新規着工3区間 事業費抑制を解除 自民決定
 自民党は22日午前、交通部会と整備新幹線建設促進特別委員余の合同会議を開き、1997年12月に政府・与党が申し合わせた整備新幹線の新規着工3区間に関する事業費の抑制方針を解除することを決めた。これを受け、運輸省は今月末に大蔵省に提出する景気対策特別枠の要望に、既着工区間分と合わせて220億円程度の事業費を盛り込む方針。整備新幹線については採算性に疑問を示す声も根強いが、景気対策による公共事業拡大で、歯止めが外れそうだ。
 事業費抑制を解除するのは、今年3月に着工した東北(八戸−新青森)、北陸(長野−上越)、九州・鹿児島ルート(船小屋−新八代)。この3区間については、昨年末の政府・与党の整備新幹線検討委員会で、財政構造改革の集中改革期間(98−2000年度)が終わるまでは事業費を「極力抑制する」ことに合意。98年度当初予算では、97年度と同額の計30億円(各区間10億円)が事業費として計上された。しかし財政構造改革法の見直しを受け、沿線自治体や関係議員らから、地方の経済対策として事業費の増額を求める声が出ていた。(朝日新聞 夕刊)
■国鉄清算事業団解散 新看板に掛け替え
 旧国鉄債務処理法の施行に伴って国鉄清算事業団は22日、解散した。同事業団近畿支社(大阪市淀川区、大林祥奉支社長)では同日午前、業務を引き継ぐことになる「日本鉄道建設公団国鉄清算事業本部西日本支社」と書かれた新しい看板が事務所前の壁に掛けられた。
 同支社は1987年4月に発足。旧国鉄から引き継いだ土地計488fのうち、JR大阪駅北側の旧大阪鉄道管理局跡地など近畿6府県で計390fを売却した。だが、旧国鉄資産の中でも「超一等地」と言われる梅田貨物駅敷地(大阪市北区、約20f)など計98fが未処分地として残されている。同支社の職員140人はそのまま鉄建公団に移り、売却業務を続けることになる。(朝日新聞 夕刊)
23日■トラックのクレーン 高圧線切断 近鉄京都線止まる 車内に1時間かんづめ 夕方のラッシュ 3万2000人に影響
 22日午後4時ごろ、宇治市槙島町東鴫沢の京滋バイパス下り車線で、クレーンを乗せて作業中の京都レンタル宇治支店(宇治市伊勢田町砂田)の大型トラック=大西一幸運転手(27)が、クレーンのアームで上部に架かる近鉄京都線の信号高圧線2本と動力高圧線3本を切断した。このため、同鉄道の京都駅−新田辺駅間が不通となった。復旧工事を急ぎ午後5時35分に運転を再開したが、上下72本が運休し、同夜遅くまでダイヤが乱れた。また同バイパスの上下線も約1時間50分間、通行止めになった。
 近鉄では、不通区間の各駅に代行バスを運行し、乗客を運んだ。事故が夕方の帰宅時だったため約3万2000人の足に影響した。
 宇治署の調べによると、トラックは、同バイパスの側道工事を示す「工事中」の看板を走行しながら順に回収中で、クレーンのアームを下げずに作業していたらしい。同署は過失往来危険の疑いで大西運転手らから事情を聞いている。
 事故当時、同線には上下6本が走行中だった。京都市の向島駅北側120bで停止した橿原神宮前行き急行に乗っていた相楽郡木津町の予備校生(18)は「突然、電車が減速して止まった後、車内の電気やエアコンが一斉に消えた。よく分からないまま1時間近く車内にいた」と話していた。
・地下鉄も大混乱 ホームに人の列
 22日夕の近鉄京都線の架線事故に伴い、京都市内の近鉄各駅や京都線に乗り入れする市営地下鉄は、家路を急ぐ会社員や買い物客、通学帰りの生徒で大混雑した。
 近鉄京都駅では、3本ある京都線ホームが約3時間にわたって電車の到着を待つ勤め帰りのサラリーマンやOLであふれた。
 宇治市へ帰宅する団体職員大渡正則さん(63)は「地下鉄の車内放送で事故を知った。待つ人がこんなに多くては当分、乗れない」と顔をしかめていた。
 近鉄京都駅は、本社に応援要員の派遣を要請し、助役室で3人の駅員が休む間もなく、問い合わせの電話応対に追われていた。
 近鉄が直通乗り入れする市営地下鉄烏丸線も事故直後からダイヤが乱れ始め、午後9時まで運転の混乱が続いた。乗客6500人に影響が出た。四条駅では午後4時すぎから国際会館行き電車がストップし、ホームは一時、買い物帰りの主婦や通学生、修学旅行生たちであふれ返った。
 ホームに座り込んでいた修学旅行中の栃木県小山高校2年、中島牧子さん(17)は「もう30分も電車が来ない。時代祭も見物できて最高の旅行だったのに。このままだと、ホテルの集合時間に遅れてしまう」と、時計を見上げていた。
 その後、竹田方面に向かう電車も来なくなり、四条駅は一時、切符の発売を中止した。改札口には切符の払い戻しを求める人が殺到し、「いつ(運転が)再開されるのか」と駅員に詰め寄る姿もあった。(京都新聞)
■窓 斬新な駅ビル 思いは複雑に 八幡市・芝田美津子(主婦・63)
 みちのくの旅から帰り、京都駅ビルに入った。あらためて、すごい! と思う。観光客らしい人が、下方に押しつぶされそうな駅名と全景を、どうやって写真に撮ろうかと大変な様子だった。旅大好きの私も、行く先々の駅を一番にカメラに収める夫のそばで、その駅から街の風物に想像をめぐらすのを一番の楽しみにしている。
 今回訪ねた仙台では、前面の広大な陸橋さえもが周囲の緑と相まって、落ちついた色調の駅舎を引き立たせ、杜(もり)の都への期待を膨らませた。盛岡駅では、石川啄木自筆の文字を拡大した「もりおか」の駅名を堂々と正面高く掲げ、故郷が生んだ先人の息吹を大切にしていたのは感動だった。また三陸鉄道沿いの駅舎は、それぞれが深い山と海岸線を美しく彩っていた。
 駅は、その街の顔だと思う。京都駅も、幼な心が覚えている懐かしい駅から3つ目(明治の初代から4代目)。斬新(ざんしん)な顔へと変身した。歴史と伝統だけでは時代に対応できないと、魅力ある設備を誇る近代建築での”勝負”となったのだろうが…。駅ビルを一人歩きさせないためにも、新時代にふさわしい京都の今後を…と願いつつも私は、古都の片りんすらない駅ビルを複雑な思いで見上げた。(京都新聞)
■トラックが高圧線切断 近鉄など一時不通 京滋バイパス
 22日午後3時55分ごろ、京都府宇治市槇島町東鴨沢の京滋バイパスで、走行中のトラックのクレーンアームが約6b上の高圧線(6600ボルト)5本を切断した。高圧線は、立体交差してバイパスの下をくぐっている近鉄京都線の信号や踏切などに電気を送っており、この事故で同線の京都−新田辺間が約1時間40分、新田辺−西大寺間が約30分、同線に相互乗り入れしている京都市営地下鉄烏丸線の全線が約25分、それぞれ不通になった。
 また、同バイパスの巨椋−宇治西間の上り線は約1時間半にわたり通行止めになった。
 宇治署の調べでは、トラックは宇治市内のレンタル会社支店の所有。
 同署はアームを上げたまま走行していたことが事故の原因とみて、過失往来危険の疑いで運転していた社員(27)から事情を聴いている。(朝日新聞)
26日■トコトコ…500万人 トロッコ列車 新車両で人気回復
 保津川の渓谷沿いを走るトロッコ列車(嵯峨野観光鉄道)の開業以来の乗客が25日、500万人を突破した。右京区のトロッコ嵯峨駅舎で記念式があり、500万人目となった滋賀県山東町の中川僚君(4つ)に花束と記念の扇子が贈られた。
 トロッコ列車は1991年4月、電化によって廃止されたJR山陰線の旧線を利用して開業。嵯峨−亀岡間約7.3`を、1日8、9往復、片道20分余りで結び、保津峡の美しい眺めで人気を呼んでいる。昨年度は天候不順や不況の影響で客足が落ち込んだが、天井の3分の2をガラス張りにした新型車両の運行を始めた今夏から客足が回復しているという。
 500万人達成を記念し、25日から沿線2ヵ所で紅葉のライトアップが始まった。日没とともに自動的に照明がつく仕組みで、11月中、下旬の見ごろには上下線の各最終列車の車窓から楽しめそうだ。(朝日新聞)
27日■追加負担の受け入れも 旧国鉄債務でJR東海
 JR東海の葛西敬之社長は26日の記者会見で、旧国鉄長期債務処理法が成立したことについて「追加負担反対との意見は変わらない」とした上で「国会で決定したことを重く受け止め、対応を検討していく」と述べ、不本意ながら追加負担受け入れを検討することを示唆した。(京都新聞)
■入場券に時間制限 JR西日本 12月から実施 キセル防止も狙い
 JR西日本は26日、入場券を使った不正乗車防止のため、入場券の使用時間を発売から2時間にする利用制限を、12月1日から管内全駅で実施すると発表した。同様の制限はJR東日本、JR東海が既に全駅で実施している。
 入場券には発売時刻が記録・印字され、2時間を超えて改札を出ると自動改札機の扉が閉まり、超過2時間ごとに入場料金(120円または140円)を徴収される。
 同社営業部は「見送りや出迎えなど本来の目的なら2時間で十分なはず」と説明。同社は新幹線停車駅で昨年3月から2時間制限を実施、乗車駅の入場券と下車駅前後の回数券を使ったキセル乗車が見つかっているという。(京都新聞)
■急ブレーキで転倒5人げが 京都市バスの客
 26日午後2時15分ごろ、下京区四条通猪熊東入ル唐津尾町の四条通交差点で、京都市交通局の路線バス=平野一幸運転手(26)、乗客45人=が追突を避けるために急ブレーキをかけ、バスに乗っていた61−75歳の男女5人が転倒して頭などに軽いけがをした。(朝日新聞)
■駅前で火事 御堂筋線遅れ 新大阪、1万7000人影響
 27日午前7時10分ごろ、大阪市淀川区西中島7丁目、居酒屋「酒房 駅前屋」1階調理場付近から出火、木造一部2階建ての店舗兼住宅のうち、約130平方bが焼けた。この火事で経営者の福家照明さん(54)が軽いやけどをした。淀川署で原因を調べている。
 現場は地下鉄御堂筋線の新大阪駅前で、黒煙の一部がホームに流れたため、同線が一時運転を見合わせた。大阪市交通局によれは、上下線計29本が最高13分間遅れ、約1万7000人に影響が出た。同駅と梅田、なんば各駅は乗客がホームにあふれたため、入場制限をした。(朝日新聞 夕刊)
28日■山陰線円町駅 町家風屋根にガラス張り駅舎 2001年春開業 駅前広場も整備
 京都市とJR西日本は27日、山陰線の二条−花園駅間に設置が決まっている「円町駅」(仮称、中京区)のデザインを発表した。ホームの屋根部分には木材を使用し町家をイメージさせるほか、駅舎部分は明るいガラスを用い、透明感を強調した。両駅間の複線化工事が完了する2001年春にオープンする。
 円町駅は、丸太町通西大路の交差点から約100b西側の通り沿いに設置。事業費は29億円で、うち17億円を市が負担する。
 駅は高架式で、全長165bのホーム上に、二条駅や花園駅と同じように木の骨組みが見える屋根を配置。高架下の駅舎部分の外観はガラス張りになる。
 また、ホームにはエレベーターやエスカレーターを設置するほか、駅前広場(760平方b)や自転車駐車場を設けることにしている。(京都新聞)
■”新発想”時刻表 主要スポット結び再編成 京都観光 効率的経路ひと目で 「公共交通利用を促進する会」製作
 「最も便利な経路が”一目で”分かる すばやく調べて”効率的に”まわる」をうたい文句にした『京都観光地めぐり時刻表』が、このほど完成した。製作したのは、京都・公共交通利用を促進する会(中川大・京都大学大学院工学研究科土木システム工学専攻助教授らボランティアグループ)。路線ごとではなく、ターミナルと観光地、観光地と観光地を結ぶ経路ごとに、時刻表を再編成してあるのがミソ。
 中川助教授らの狙いは、「だれが見ても、すぐ分かるような時刻表を作り、公共交通多くの人に京都観光を楽しんでもらうこと」。これまでの時刻表が、交通事業者の感覚で作った、交通に詳しい人だけが使える時刻表だったのに対し、発想を転換。交通に詳しい利用者が作った、交通に詳しくない人のための時刻表を目指している。
 京都駅をはじめ大原、嵐山、嵯峨野、金閣寺、銀閣寺、清水寺、平安神宮、三十三間堂、京都国立博物館、二条城、祇園、四条河原町といった主要スポットを、50のコース設定で結んでいる。例えば京都駅から大原へ、とか、大原から嵐山・嵯峨野へというコース設定。すべて市バス、地下鉄、私鉄バスといった公共交通機関を利用しての移動を前提に、時刻表を組んでいる。主要スポットの周辺にある観光地や、乗り場の案内、乗り換え場所の地図も掲載している。
 このほかにも、モデルコースや市バスの一日乗車券、観光一日・二日乗車券の利用方法、購入場所なども記載。さらに、平日版(税込み500円)と土曜・日曜祝日版(同700円)も用意されている。京都市交通局でも、この時刻表には「市バス、地下鉄などが連続して利用できる点が大変便利。公共交通機関の利用促進につながってほしい」(田中耕造企画総務部長)と、期待を寄せている。
 京都市内ではアバンティブックセンター、ジュンク堂京都店で販売されているが、問い合わせは発行所のコスミック075(502)1861か、同会のホームページhttp://web.kyoto-inet.or.jp/people/pubtra へ。(京都新聞)
29日■整備新幹線に150億円 景気特別枠で運輸省要望 東北、北陸など上積みへ
 運輸省は28日、景気特別枠要望をまとめ、整備新幹線関係の公共事業費として既着工、新規着工分計150億円を盛り込んだ。地方自治体の負担分を合わせた事業費ベースでは225億円となる。
 運輸省は来年度の概算要求で、整備新幹線に事業費全体で1635億円を要求しており、今回と合わせると本年度予算より16.5%増の1860億円となる。既着工、新規着工の各区間ごとの配分額は年末の予算編成で決まる。
 自民党は22日、政府与党整備新幹線検討委員会が昨年末、財政構造改革の集中改革期間(2000年度までの3年間)は事業費を「極力抑制する」とした方針を解除。これを受けて、東北新幹線八戸−新青森、北陸新幹線長野−上越、九州新幹線船小屋−新八代の新規着工3区間についても、各区間10億円に据え置かれていた事業費の積み上げが行われそうだ。運輸省も「工事費を増やしても整備できる環境、現地の受け入れ態勢が整ってきた」と説明している。
 抑制方針の中で「足踏み」を余儀なくされていた整備新幹線の関係議員や地元自治体の動きも年末の予算編成に向けて活発化しそうだが、大蔵省などは、現時点での整備新幹線の予算増額に慎重姿勢を見せている。(京都新聞)
■京の公共交通整備策提案を 近畿審が募集
 近畿地方交通審議会は、京都府内の「公共交通機関の維持整備に関する計画」策定のため、鉄道やバスなどが抱える問題点やその解決方法について広く意見・提案を募集している。
 同審議会では、近畿運輸局長の諮問により、99年末に府内の鉄道、バス、旅客船など公共交通機関の整備計画(年次目標2010年)を策定するが、寄せられた意見を計画に反映させていくことにしている。
 応募者は、意見や提案を400字から800字以内にまとめ、住所、氏名、年齢明記のうえ、〒600-8492 京都市下京区四条通烏丸西入ル月鉾町62のシステム科学研究所「京都府公共交通意見募集係」まで郵送。ファクス075 (231)4404でも受け付ける。募集期間は11月30日まで。問い合わせは近畿運輸局地域交通企画課06(949)6409へ。(京都新聞)
■広島・平和大通り新路線で対立 路面電車・速く景観も損ねず/路面電車・安くて人に優しい
 広島市の平和大通りに新交通システムを導入する「東西線」構想を市が打ち出したのに対し、広島電鉄が同じコースの路面電車を提案、市民の評価が割れている。
 路面電車は札幌、岡山両市が路線延長を構想、前橋市も導入を検討するなど見直されており「建設費が安く済むなら」と支持する意見がある一方で「政令指定都市なのに地下鉄がないなんて」(社民党市議)と体面を気にしての東西線地下方式の支持派も多い。
 広島市は「本年度末までに方向づけをしたい」と、あと半年で決着をつけたい考えだが、利用者の市民が納得する結果になるかどうか。
・建設費の負担重く
 「東西線」はJR西広島駅から市中心部を経て広島駅までの約6`で、高架案と地下案の二つがある。事業費は高架で約800億円、地下ならその2倍と見積もられ、軌道や駅の建設費を市が負担すれば経営が成り立つと試算されている。
 新交通システムは時間短縮の効果が大きいが、初乗り運賃が路面電車の2割増し。さらに、地下案は建設費のうち1000億円余りを市の一般財源で負担することが採算性の前提で、広島市に住む「路面電車を考える会」の山根政則事務局長は「膨大な建設費を子や孫に負担させることになる」と批判的だ。
・既存路線フル活用
 これに対し、西広島駅から中心部へ路面電車を運営している広島電鉄は昨年、東西線とルートが重なる「平和大通り線」構想を公表。「東西線が開通すれば同社市内線の利用客の3分の1が移行する」との市の予測が社内に危機感を募らせたという。
 現路線が曲がりくねっていて中心部まで25分かかっているのを12分に短縮。新交通システムに比べると時間はかかるが「階段の上り下りがなく、人に優しい」と売り込む。
 既存路線を活用できることもあって新設区間は約2`、事業費も24億円と格安。ほかに道路専用橋3ヵ所の架け替え費用が必要だが、既に市が地震対策で架け替えを計画中のため、それに合わせて実施すればほぼ現行運賃水準でやっていけるという。
・「高齢化社会に有力」
 中国運輸局は広電案を「高齢化社会に極めて有力」と評価したが、半面、市の反感も買った。また、被爆者団体には「平和都市の象徴」として整備された大通りを電車が走ることに「景観が損なわれる」といった反対論も根強い。
 大阪市立大の松沢俊雄教授(都市交通論)は「広島市の規模なら、自動車交通を抑制すれば路面だけで対応することも可能。地下の場合、駅まで長い距離を歩くことになりかえって不便だ。ただ郊外からの通勤には高速交通系が必要で、将来的には両者の併存が望ましい」と二者択一でない議論を求めている。(京都新聞)
■馬車鉄道、人力車、劇場街… 映像が伝える100年前の日本 大阪の制作会社 米国議会図書館で入手 「神戸」の港風景も
 映画が発明された直後の19世紀末から20世紀初頭の日本を撮影した映像を、大阪のドキュメンタリー制作会社が米国議会図書館で入手した。東京・日本橋や横浜の通り、神戸の港、長崎湾などで撮影したものらしく、当時の風俗や交通などの様子がわかる。テレビ朝日と共同で取材し、11月2日にニュースステーションで紹介される予定だ。
 映像を入手したのは、大阪市北区のドキュメンタリー工房(鈴木昭典社長)。
 1891年に米のエジソンが、箱の中をのぞくキネトスコープを発明。1895年に仏のリュミエール兄弟がスクリーンに映写するシネマトグラフを作った。これが映画の始まりとされる。
 映像は、米国議会図書館が保管している「ペーパープリント」から複製したフィルム。「ペーパープリント」とは、フィルムを印画紙に焼いたもので、当時、フィルムには映像の著作権が確立されていなかったため、エジソン社などが、著作権申請のため作成していた。同図書館には、1894年から1921年までの計約3000項目、計約185時間分が保管されている。1950年以降10年がかりで、この−ペーパープリント」から16_フィルムに複製する作業が行われた。「ペーパープリント」の映像が公開されるのは珍しい。
 「STREET SCENE TOKYO JAPAN」と題された約20秒ほどの映像には、馬車鉄道や通りを行き交う人々が映っており、1901年の撮影となっている。東京都交通局の協力を得て調べたところ、建物の様子などから東京・日本橋のようだという。
 「GOING TO THE YOKOHAMA RACES」は、次々に人力車が通る様子で、横浜にあった競馬場に向かう人々を撮影したようだ。撮影年は不明だが、著作権申請は1898年だった。
 「神戸」「長崎」とある映像には、港や船が映っていた。船に石炭を積み込む作業に、10代前半の子供らしい労働者がいた。
 蒸気機関車到着や、横浜の劇場街などもある。
 ドキュメンタリー工房の鈴木社長は「ペーパープリントは世界各地を取材しており、比較文化の資料としても価値が高い」と話している。(朝日新聞 夕刊)
31日■窓 烏丸線ホーム段差解消して 伏見区・奥津 徹(自営業・53)
 京都市は自治100周年です。高齢者も安心して来ていただける京都にしたいものです。
 車いすで地下鉄烏丸線を利用した際、ホームと車両との間に段差があり、乗り降りのたびに駅員が走ってこられ、板で橋をかけてもらい時間もかかり、大変でした。
 車両側のホームの端を少し高くしていただければ、駅員の手をお借りしないで、一人で車いすでの乗降ができます。障害者にやさしい京都になれば、観光客ももっと増えると思います。よろしくお願いします。(京都新聞)
■網干駅の脱線事故 「信号の見落とし」 JR貨物が報告書
 JR山陽線網干駅構内で8月20日、下り貨物列車が脱線、上下線計101本が運休するなどの影響が出た事故で、JR貨物関西支社は30日、事故原因や再発防止対策についての報告書を近畿運輸局に提出した。
 報告書によると、同貨物列車の運転士が信号機を見落とし、徐行区間を速度を落とさないまま通過したためなどと原因を推定。再発防止策として、厳正な仕業点呼の執行と再確認の徹底などを図るとしている。(朝日新聞)
■帰省切符求め行列…おさらば! 年末年始利用分 電話で受け付け 来月9日から JR西日本
 JR西日本は30日、年末年始期間(12月25日−来年1月5日)の列車指定券について、乗車1ヵ月前の発売開始以前から、電話で申し込みを受け付ける、と発表した。申し込みの先着順に指定券をおさえ、券がとれたかどうかは後日、JRが申し込んだ人に連絡する。いわば電話による「整理券配布」で、年末恒例の駅での行列風景は見られなくなりそうだ。
 電話による受付期間は11月9日−12月4日で、午前10時から午後6時まで受け付ける。JR西日本は、管内計128駅の「みどりの窓口」などに新設した専用コーナーで対応し、申込者全員に対して、申し込み結果を電話連絡する。予約できた指定券は、電話連絡から4日以内に申し込んだ駅に買いにきてもらう。
 受け付けは大阪駅(06・4797・0031)、京都駅(075・352・5588)、三ノ宮駅(078・221・0700)など主要駅の専用ダイヤル、問い合わせは最寄り駅へ。(朝日新聞)
■旧国鉄清算続くよいつまでも? 清算事業団は解散したが… 土地売れ残り1200件1400f仮設住宅用地、移転難しい貨物駅…難物ばかり 国労組合員の採用問題も 鉄建公団が引き継ぎ、完売目標2003年度
 国鉄清算事業団は、旧国鉄債務処理法の成立が大幅に遅れるなど、混乱の中で22日に幕を閉じた。事業団は消えたが、土地売却などの業務は日本鉄道建設公団が引き継ぎ、続いていく。不動産の処理は全国各地で難航が予想され、関西ではJR大阪駅北側地区などの巨額物件が残されている。このほか、国労組合員らとの採用をめぐる訴訟なども続いており、旧国鉄の清算が完全に終わる見通しは立たない。
 事業団は旧国鉄などから約9300fを引き継いだが、結局、全国で約1200件、約1400fが売れ残った。当初抱えていた土地の一割強にあたる。完売目標は2003年度だが、残っているのは処理の難しいものが多い。
 兵庫県加古川市のJR山陽線東加古川駅前に広がる旧国鉄貨物駅建設予定地(約10f)には、阪神大震災の被災者向けの仮設住宅910戸が並び、117世帯が暮らしている。
 事業団は1995年の震災直後から、県などに対し、仮設住宅用地を無償で貸してきた。当初は2年契約だったが、更新を重ね、今も神戸市内など県内計5ヵ所、14fの事業団用地に仮設住宅がたち、200世帯余りが暮らす。事業団近畿支社に残された未処分地計98fのうちの1割強を占める。いずれも契約期限は来年3月末までだが、恒久住宅などへの住民の移転がそれまでに終わるかどうか、確かな見通しは立っていないという。
 資産価値が数千億円の「超一等地」といわれるJR大阪駅北側の梅田貨物駅(約20f)をめぐっては、移転先の地元との調整が難航している。
 事業団は87年、貨物駅を旧吹田操車場跡地(大阪府吹田、摂津両市)に移転し、跡地を売る計画を立てた。ところが、地元は環境悪化を理由に反発。貨物駅の年間取扱量の半分を移すことで両市の了解は得られそうだが、残る半分の行き先が決まらず、売却時期のめどは立っていない。事業団は、貨物駅敷地内の施設が少ない東側6.7fを先に売る方針を固めているが、その売却も早くて2001年度の見込みだ。
 電気の街、東京・秋葉原。JR山手線の東側に約3.2fの空き地が広がる。路線価をもとに試算すると、550億円程度になる。売れない一因は国鉄時代からの「借りた」「貸さない」のトラブル。事業団は秋葉原の商店などを相手に土地返還を求める訴訟3件を起こした。うち1件は今月、和解が成立したが、残る2件は係争中だ。解決しないと境界線がはっきりせず、関係する2区画の土地計0.35fの売却は難しい。
 事業団は全国で土地の所有権などに絡む訴訟を約200件続けており、土地とともに鉄建公団に引き継がれた。
 旧国鉄以来のプロパーの事業団職員は今年9月1日現在で1051人おり、今年度末には平均年齢が53.4歳に達する。鉄建公団に新設される国鉄清算事業本部の職員数は1000人前後が予定される。事業団職員はいったんJR7社に採用された後、公団に出向する形をとる。今後、業務量に応じて職員数が減るのは確実だが、来春の定年退職者や転職者は約200人と見込まれ、運輸省やJR各社から出向者を迎えないと、一時的に職員が不足する。このため、JR各社が事業団から採用する職員数が固まるには、まだ2、3ヵ月かかるという。
 旧国鉄が115年の歴史を閉じた87年春、職員は27万7000人いた。このうち約20万人はJR各社に採用され、約6万9000人が国鉄を去った。再就職先未定の約7600人は事業団に移されたが、90年4月、「現地、現職採用」などを求めた国労組合員ら1047人を解雇した。JR各社に採用されなかったことを不当労働行為と認定し、救済命令を出した中央労働委員会の判断を巡る訴訟で、昨年5月、清算事業団はJR各社とともに、東京地裁から和解を勧告された。和解には応じず、訴訟は「救済命令取り消し」を求めたJR側の勝訴となったが、中労委と国労の控訴で争いは続いている。この「当事者」の立場も鉄建公団に引き継がれた。(朝日新聞)
■電車オーバーラン 早朝のJR関西線
 31日午前5時5分ごろ、大和郡山市のJR関西線大和小泉駅で、奈良発難波行き電車(4両編成、乗客約50人)が停止位置から約50b行き過ぎて停車した。同電車は停止位置までバックし、同駅を6分遅れで発車した。乗客らにけがはなかった。
 JR西日本が運転士や車掌から事情を聴いている。(京都新聞 夕刊)
■停止位置を150b通過 JR大和小泉駅
 31日午前5時7分ごろ、奈良県大和郡山市小泉町のJR関西線大和小泉駅で、奈良発JR難波行き普通電車(4両編成)が停止位置を約150b行き過ぎて止まった。電車は通常の停車位置までバックして客を乗せ、同駅を6分遅れで発車した。JR西日本が運転士から事情を聴いて原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)