1998(平成10)年 7月


1日■路線転換なら国労に協力 労使紛争でJR連合(京都)
  ■脅迫罪で追起訴 列車転覆予告容疑者(京都)
  ■市バス後部にはさまれ重傷 北区、バイクの男性(京都)
2日■京都駅ビル−地下街ポルタ 地下通路12日開通(京都)
3日■4地点で80デシベル越す騒音 JRと南海の関空特急調査 以前よりは低減(京都)
  ■窓 思い出に残る駅スズメたち 舞鶴市・奥水あき子(無職・75)(京都)
  ■チンチン電車オーバーラン 堺で阪堺電気軌道(朝日)
  ■乗客1人、けが判明 阪堺電気軌道脱線(朝日)
4日■学研・関空間のバスを増便へ 奈良交通が18日から(京都)
  ■車いすの男性はねられ死亡 大阪の近鉄踏切(京都)
  ■KTRが納涼列車 18日と来月8日(京都)
5日■一部の列車を来月運転変更 タンゴ鉄道(朝日)
6日■京の街ウォッチング 増えた長〜い階段 空間、色、目標で疲労感は異なる(京都)
  ■JR奈良線玉水駅構内 線路に金庫、列車衝突 事務室から盗み放置 4本運休、2500人影響(京都)
  ■複雑混雑 7色電車 JR宝塚線 乗客急増で「黄」断念(朝日)
  ■線路に金庫 JR奈良線の列車ぶつかり運転中止(朝日)
7日■山陰線ポイント故障 丹波口駅、800人に影響(京都)
  ■ポイント信号変わらず 列車5本800人影響 JR丹波口駅構内(朝日)
8日■大阪市交通局協力会の職種変更 女性差別認める 大阪高裁逆転判決(朝日)
  ■'98 参院選 JR西労組・一部が自民支援 連合・「原則違反」いらいら(朝日)
9日■スリ未遂の疑いで逮捕 新幹線内で2人 府警鉄警隊(京都)
  ■盆も正月も割引切符OK JR西日本 ただし…新幹線回数券や他社またぐ切符はだめ(朝日)
  ■電車屋根で5人感電 少年ら全身やけど1人重体 大分のJR駅(京都)
  ■電車の屋根 少女ら感電 大分、1人重体(朝日)
  ■見たい知りたい出会い隊 ゆったり地域振興の期待乗せ(朝日)
10日■近距離切符 年間販売額5割増に JR京都駅 12日で開業1年 商業施設とも相乗効果 乗降客13%増(1日平均)(京都)
  ■阪急電鉄金融業進出へ 社長表明 参入時期、規模を検討(京都)
  ■「駅を爆破」300万円要求 東大阪 恐喝未遂容疑で男逮捕(朝日)
  ■土・日曜日の地下鉄駅周辺 路上駐車OKです 電車利用すすめ混雑解消へ 名古屋市内で愛知県警実施 整備追いつかず 禁止施策見直し(朝日)
  ■新幹線輸送量、落ち込む 6月調査(朝日)
  ■奈良のJR関西線沿線 誤ってケーブル切断 草刈り中 運休など1万人影響(京都)
  ■JRの夜行列車、女性のプライバシーに配慮したけど… 専用席よりゴロ寝人気「隔離なんてもう古い」?(朝日)
  ■信号線誤切断 関西線乱れる 3本運休、23本遅れ(朝日)
11日■豪華新型寝台特急が発車 東京−高松、出雲間(京都)
  ■自然と鉄道共生を トロッコ列車サミット開く(京都)
  ■山科・醍醐−市中心部 京阪バス新設路線など認可 近畿運輸局(京都)
  ■特急「サンライズ」出雲へ四国へ 新型寝台がデビュー(朝日)
  ■JR京都駅ビル開業1年 古都の駅若者の波 切符・定期売り上げ急増 さびれる周辺商店街嘆きの声(朝日)
12日■社説 新京都駅の1年を見据えよう(京都)
  ■駅で貸自転車 JRが新商売(朝日)
13日■満1歳 多彩に祝う JR京都駅 地下通路開通式も(京都)
14日■列車事故へ備え固める KTRとJR西日本 60人が合同訓練(京都)
  ■倉庫爆発 新幹線止まる 50分間、30本に遅れ 大阪・摂津(京都)
  ■工場火災、新幹線止まる 京都−新大阪間 30本に遅れ 大阪・摂津(朝日)
  ■京阪奈新線の三セク設立発起人会を開く(朝日)
  ■守山駅で信号”異常” 朝の東海道線 11本乱れる(京都)
15日■線路にコンクリート板 名古屋の東海道線 16枚外され散乱 ボックスふた用 列車妨害で捜査(京都)
17日■「SLやまぐち号」PR ミス・JR広島ら来社(京都)
  ■保津峡の紅葉もバッチリ トロッコ列車の天井ガラス張り 新型車両 19日から運行(朝日)
18日■工事のドリル地下鉄と接触 冷房機破損、乗客は無事 大阪・御堂筋線(京都)
  ■日本一運転手めざせ「電車でGO!2」 来月に初の全国大会(京都)
  ■京都駅などに脅迫状 刑起訴事実を認める 富山地裁支部で初公判(京都)
  ■宮福線10周年 児童と合同「お誕生会」(京都)
  ■御堂筋線 地下鉄天井に穴 配水管工事 ドリル、列車に接触(朝日)
  ■鉄道ペーパークラフトブック(京都)
  ■新幹線三島液の高校生死亡事故 駅輸送主任を略式起訴(朝日)
19日■阪和線一時乱れる 故障や操作ミス(京都)
  ■世界乗りもの事情 路面電車とケーブルカー ポルトガル・リスボン 丘の街、元気に駆け抜ける(京都)
20日■気持ちいいね 暑さ忘れる新車両 トロッコ列車(京都)
  ■ホーム 今度、わたしは 鉄道少年の心は今も 横浜国際総合競技場長 西田善夫(62)(京都)
21日■泥棒追って 列車で武勇伝 インドで邦人女性(京都)
22日■窓 乗り心地良い京都のバスに 竜王町・松浦 弘美(塾経営・43)(京都)
  ■別の列車にもドリルの損傷 大阪市営地下鉄(朝日)
  ■神戸市交通局 超勤手当 地下鉄も「違法」と提訴(朝日)
  ■府北部に激しい雨 JRなどダイヤ乱れ(京都)
  ■JR山陽線の信号機 落雷で故障続き ダイヤ大幅乱れ(朝日)
23日■航空機値引きに対抗「のぞみ」大幅割引 25日発売 回数券と往復特急券(京都)
  ■京の鉄道歴史ひと目 梅小路の資料展示館 1周年で「創業」展(京都)
  ■洛中洛外(京都)
24日■「京都元気大賞」PR あすから京都市 チンチンバスで”東海道五十三次” 洛衣姿の京娘ら応募を呼びかけ 東京皮切り7都市で(京都)
  ■ツインビルなど整備 未来都市なにわ新都(京都)
  ■お盆のJR 予約は低調(京都)
  ■祝園駅近くでJR線路冠水 大雨、400人に影響(京都)
  ■騒音公害 小田急に賠償命じる 調整委裁定 住民に総額956万円(朝日)
  ■小田急騒音巡る公調委責任裁定(要旨)(朝日)
  ■小田急騒音裁定 「自前の対策、限界も」 鉄道各社に戸惑い(朝日)
25日■ホテル一元化 バスは分離へ 近鉄が再編計画(京都)
  ■役員報酬をカット(京都)
  ■市バスと接触 幼い兄弟けが 北区(京都)
  ■阪急京都線で故障 乗客6万5000人影響(京都)
  ■近鉄 赤字事業をリストラ ホテル・バス 別会社化で再建狙う(朝日)
27日■駅ホーム突き落とし 元警備員に実刑(朝日)
  ■線路に置き石容疑で男逮捕 阪急今津線(朝日)
28日■地下鉄大阪港駅で火災、15本に遅れ(京都)
  ■社説 在来線騒音にも心を配りたい(京都)
  ■文化 時代と共に歩んだ鉄路 126年の歴史 鉄道考古学で車窓楽しむ(京都)
  ■旧国鉄債務処理 先送りも 不良債務処理を最優先 自民・森幹事長に聞く(朝日)
  ■リニアモーターカー 「実用化、問題なし」 運輸省評価委中間報告へ(朝日)
  ■地下鉄の大阪港駅で電気配線など焼ける(朝日)
29日■地下鉄、40分ストップ 烏丸線の今出川駅近く 線路上で男性死亡(京都)
  ■社説 鉄道騒音 沿線環境に目を向けよ(朝日)
  ■はねられ死亡 地下鉄線路上で上京の男性自殺?(朝日)
  ■名鉄 深紅のパノラマカー廃車へ 先頭車両に運転席 61年にデビュー 子らに親しまれる(京都)
  ■電動三輪車 電車と接触 川西の踏切、男性重傷(朝日)
30日■雨で一部徐行運転 JR関西本線と奈良線(京都)
  ■線路にバイク 乗客1人けが 神戸電鉄(朝日)
31日■市バスと自転車衝突 左京、主婦軽いけが(京都)
  ■新閣僚の課題(抜粋)(朝日)



1日■路線転換なら国労に協力 労使紛争でJR連合
 JRグループの有力単産、JR連合(葛野和明会長、約8万2000人)の定期大会が30日、東京都内のホテルで開かれた。
 冒頭のあいさつで葛野会長は、国労組合員らのJR不採用問題に触れ「国労が分割・民営化を認めることを具体化するなど、自ら身を削る努力をすれば協力は惜しまない」として、国労の明確な路線転換を条件に、労使紛争の解決に協力する意向をあらためて表明した。
 不採用問題をめぐる訴訟で東京地裁が5月28日、国労側実質敗訴の判決を言い渡したことについて、葛野会長は「労働委員会の権威は維持されねばならないが、国鉄改革法の法理からは判決は当然」と評価。その上で「国労が真に問題解決を求めるとすれば最後の機会は今しかない」と述べ、国労に路線転換への決断を促した。(京都新聞)
■脅迫罪で追起訴 列車転覆予告容疑者
 JRや私鉄などの9駅に列車転覆を予告する脅迫文が送り付けられた事件で、富山地検高岡支部は30日、脅迫罪で住所不定、元工員青木利夫容疑者(49)を追起訴した。
 起訴状によると、青木被告は「5月の3、4、5の連休中に列車を転覆させる。これからは毎月1回列車転覆させる」などと手書きした脅迫文計9通を4月28日に高岡市内のポストから郵送。脅迫文はJRの東京、新潟、金沢、名古屋、京都、大阪、博多駅の計7駅、小田急電鉄新宿駅、富山地方鉄道電鉄富山駅に5月2日までに到着した。(京都新聞)
■市バス後部にはさまれ重傷 北区、バイクの男性
 30日午後10時15分ごろ、京都市北区平野上柳町の市交通局西賀茂営業所衣笠操車場内で、オートバイで帰宅しようとした中京区西ノ京東月光町、市交通局協力会大島雅一さん(63)がバックした市バス=森口平生運転手(37)=と接触して転倒、オートバイごとバス後部にはさまれた。大島さんは約15分後に救出されたが、足などに重傷を負った。
 西陣署は、運行を終えた森口運転手が操車揚の駐車スペースにバスを入れる際に後方の確認を怠ったのが原因ではないかとみて、調べている。(京都新聞)
2日■京都駅ビル−地下街ポルタ 地下通路12日開通
 JR西日本は、新しいJR京都駅開業1周年の12日に、京都駅ビルと地下街ポルタを結ぶ地下通路を開通させる。夏の観光シーズンを前に、駅周辺の回遊性を高めるのが目的で、同駅や地下街関係者は「一層のにぎわいを」と期待している。
 地下通路は、駅ビル内のザ・キューブ地下2階とポルタの中央通りを結ぶ。長さ8.7b、幅5−6b。工費約6億円。
 これまで駅ビルとポルタを直結する通路がなく、京都駅周辺の買い物客の回遊性が不十分だったため、直結通路を開設することにした。
 開通記念式典は12日午前9時40分から、同通路前で開催する。駅、ポルタ関係者らが参加して開通を祝う。また、開通に合わせて、ポルタは8日から、ザ・キューブは10日から、それぞれバーゲンセールを始める。(京都新聞)
3日■4地点で80デシベル越す騒音 JRと南海の関空特急調査 以前よりは低減
 大阪府は2日、関西空港に乗り入れている南海電鉄とJR西日本の特急電車の騒音・振動問題で、防音壁など対策を取った沿線の7地点で騒音や振動を測定した結果、数値は以前に比べ低減したと発表した。ただ、騒音レベルは76−89デシベルで、地下鉄の車内騒音とされる80デシベルを4地点で超えた。
 府は同日までに測定結果を両社、運輸省、沿線市町でつくる協議会に提示。一部自治体からはさらに対策を求める声も上がり、府は「周辺住民の受け止め方や、1999年度まで続く対策などを見極めて、今後の対応を協議する」としている。
 2−4月に調査し、防音壁を設置した南海本線北助松駅(泉大津市)付近では、騒音レベルが設置前の昨年9月の89デシベルから77デシベルに減少。レールの継ぎ目をなくす「ロングレール化」をしたJR阪和線東岸和田駅(岸和田市)付近では、更新前の今年1月と比べ騒音レベルは4デシベル減の89デシベルだった。
 開港後、周辺住民から苦情が相次ぎ、昨年度から3ヵ年の対策に乗り出した。(京都新聞)
■窓 思い出に残る駅スズメたち 舞鶴市・奥水あき子(無職・75)
 友人と列車の旅でJR福知山駅で時間待ちをしていた。どこからかスズメが飛んできてホームの端に下り、あっちこっちと歩きはじめた。30人ほど待っている人に驚く様子もない。最近、あまり見かけないスズメのこの行動は、とてもかわいい。夫婦なのか、とても人なれしている。試しにおやつのポッキーを小さく折ってやると食べ始めた。
 虫だけかと思ったのに、お菓子を食べるのに驚いた。ホームに列車が入るとパッと上のハリに舞い上がり、また下りてくる。「おいで、おいで」と、思わず声をかける。おなかがいっばいになったのか、どこかへ飛んで行った。甘いお菓子でおなかをこわさないかと気にしながら、豊岡行きの列車に乗った。
 私のように食べ物をやる人があるのだろうか。よくなれていた。帰りも同じホームで時間待ち。やっぱり来てくれた。覚えていてくれた。お菓子をやる。手から食べてくれたらもっとうれしかったが、それでもスズメがハトのように人の傍らでえさを食べるなんて。友人はカメラに収めてくれたし、かわいいスズメとのコミュニケーションで心温まる列車の旅でした。また会いたい。福知山駅ホームのスズメたち。(京都新聞)
■チンチン電車オーバーラン 堺で阪堺電気軌道
 2日午後2時25分ごろ、大阪府堺市浜寺公園町二丁で、阪堺電気軌道の路面電車(1両、川北哲夫運転士)が阪堺線終着駅の浜寺駅前停留所構内で約5bオーバーランし、レールの先を曲げてつくった車止め(高さ60a)を押しつぶして脱線、鉄さくや看板などを押し倒して停止した。電車正面のガラスが割れるなどしたが、乗客3人と川北運転士にけがはなかった。(朝日新聞)
■乗客1人、けが判明 阪堺電気軌道脱線
 大阪府堺市浜寺公園町二丁、阪堺電気軌道の浜寺駅前停留所構内で2日、路面電車がオーバーランして脱線した事故で、乗客3人のうち同市内の女性(21)が足に軽いけがをしていたことが、堺南署の調べでわかった。(朝日新聞 夕刊)
4日■学研・関空間のバスを増便へ 奈良交通が18日から
 奈良交通(本社・奈良市)は3日、関西空港交通と共同運行している学研都市と関西空港を結ぶリムジンバスを、18日から現在の1日6往復を9往復に増便し、運行時刻を変更する、と発表した。
 北大和(奈良県生駒市)を発着点に、けいはんなプラザ(京都府相楽郡精華町)を経て関空に向かう便を、従来の4往復から1往復減らし、けいはんなプラザ発着の便を2往復から6往復に増便する。
 関空に向かう便のダイヤは、けいはんなプラザ前をそれぞれ午前6時、6時50分、7時50分、10時50分、11時50分、午後1時10分、3時50分、4時50分、5時50分に出発する。
 所要時間、料金は従来と同じ95分、片道1800円。問い合わせ・予約は奈良交通バス予約センター0742(22)5110へ。(京都新聞)
■車いすの男性はねられ死亡 大阪の近鉄踏切
 3日午後7時半ごろ、大阪府松原市西大塚の近畿日本鉄道南大阪線河内松原第3号踏切で、車いすの男性が橿原神宮前発阿倍野橋行き上り急行電車にはねられ、間もなく死亡した。
 松原署などの調べによると、死亡したのは近くに住む無職男性(47)とみられ、踏切内に突然入り、線路上で立ち止まった。運転士が急ブレーキをかけたが、間に合わなかったという。乗客約250人にけがはなかった。同署は自殺と事故の両面から調べている。(京都新聞)
■KTRが納涼列車 18日と来月8日
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)は、「タンゴディスカバリー」の車両を使った「納涼ビール&カラオケ列車」を企画、18日に西舞鶴駅から、8月8日に福知山駅からそれぞれ1本ずつ運行する。
 いずれも午後5時35分に出発。西舞鶴駅発は途中丹後神崎に停車し、網野駅まで往復。福知山駅発は厚中問屋、荒川かしの木台、牧、大江、宮津に停車し、東雲駅まで往復する。どちらも奈具海岸や由良川鉄橋からの眺めが楽しめる。カラオケ機器も設置し、時間内は自由に歌える。弁当に缶ビール5本、海産物のおみやげもある。
 料金は西舞鶴駅発が7200円、福知山駅発が7000円。
 定員各90人。申し込み、問い合わせは北近畿タンゴ鉄道宮津旅行センター0772(22)3308へ。(京都新聞)
5日■一部の列車を来月運転変更 タンゴ鉄道
 北近畿タンゴ鉄道(事業本部・宮津市)は、JR舞鶴線の綾部−東舞鶴間の電化工事に伴う一部列車の運転変更を発表した。
 それによると、8月18日から31日まで、京都駅を発着する舞鶴線経由の特急「タンゴ・エクスプローラー」4本が福知山を通る宮福線経由となり、到着時間が変わる。綾部行の特急「タンゴ・ディスカバリー」4本も西舞鶴までで、代行バスに乗り換えることになる。普通列車の一部も発着時間が少し変わる。(朝日新聞)
6日■京の街ウォッチング 増えた長〜い階段 空間、色、目標で疲労感は異なる
 汗ばむ季節なのに、街を歩いていると、長い階段が目につく。JR京都駅ビルや地下鉄東西線など、最近、階段に出合う機会が増えた。できれば避けたいが、利用しなければならない所も多い。一体、上りやすい階段があるのか、街へ「階段」ウォッチングに出掛けた。(社会部 二松啓紀)
 市内では、昨年10月の地下鉄東西線開通以降、階段が急増した感がある。東西線が地下鉄烏丸線と交差する烏丸御池駅や、京阪本線と交差する京阪三条駅では、乗り換える際、階段を上ったり下りたりと、息切れがするほど多い。
 地下鉄を仕事で利用することがある社会福祉施設職員木村節子さん(54)=伏見区=は「表示が分かりにくいため、不案内な駅で乗り降りする場合、エレベーターのある場所に行き着けず、結局、しんどい階段を利用してしまう」と駅の不便さを指摘する。
・最多は蹴上駅173段
 市交通局によると、地下鉄駅の場合、ホームから地上までの階段の段数平均が東西線(13駅)28.6段、烏丸線(15駅)96.8段という。一番段数の多い蹴上駅が173段、最少の北山や十条駅でも83段ある。
地下鉄各駅の階段の段数(上位5駅)
駅名深さ(b)段数
@蹴上25.8173
A三条京阪24.1167
B御陵21.3143
C烏丸御地20.5137
D東野20.1136
※出口によって、数段の誤差がある。
 そこで、蹴上駅に出向き、ホームから蹴上浄水場方面の出口まで歩いてみた。改札口まで88段。ここまでは楽勝だったが、残る地上までの85段に苦労した。殺風景な灰色の壁を見ながら、ひたすら上り、やっとの思いで地上にたどり着いた。要した時間は、休みなしで2分32秒だった。
・奥行きと高さ考慮
 疲れる地下鉄の階段は、1段当たり踏面(奥行き)30a、蹴上げ(1段の高さ)15aで、こう配30度が基準。「こう配を緩くすると歩く距離が長くなり、急にすると危険が増します。双方の兼ね合いで、今の基準に落ちついたよう」(市交通局建設室)と言う。
 一方、新たな京都の観光名所となったJR京都駅ビル。地上59.8bにある屋上を目指し、4階から11階まで続く大階段も上ってみた。段数は、蹴上駅より2段少ないだけの171段。残る11階から屋上までの28段を合わせると、合計199段に及ぶ。蹴上げは17aあり地下鉄駅よりも2a高く、さらに疲れるだろうと覚悟した。
・駅ビルは意外に楽
 下から見上げると、ビラミッドのよう。休みなく、上っていくと、汗が噴き出した。広々とした駅ビルの風景を見ながら、駅の時より約30秒早い2分5秒で屋上に到着した。意外に楽に上れた気がする。広々とした視界と、屋上という目標がはっきりしているためかもしれない。
 しかし、反対に下りる時は怖かった。真下が谷底のように見え、目まいがしそう。しかも、階段の幅が26bと広く、手すりが遠いため、安定感がない。上るには良いが、雨の時など、下りるのは避けたい。
 伏見区の一級建築士山領正さん(40)は「上る時の運動量は同じでも、階段の空間、色、目標の明確さによって、疲労感が異なる。広々とし、明るい色、目標がはっきり分かる階段は、疲労感は少ない」と説明する。このため、駅ビルの大階段の方が心理的に楽なのかもしれない。
 公共施設に限らず、最近は、3階建て住宅の人気から、家庭内でも階段が増えている。理想は、1段の高さが18a−20a、奥行きが23a−25a、こう配40度程度という。が、建築時には部屋の広さを優先するため階段は後回し。建築基準ぎりぎりの急な造りが多い。
 エスカレーターなどがどれだけ普及したとしても、階段が無くなることはない。生活の快適さや安全面から、階段設計について、再考してみる余地があると思う。(京都新聞)
■JR奈良線玉水駅構内 線路に金庫、列車衝突 事務室から盗み放置 4本運休、2500人影響
 6日午前5時ごろ、京都府綴喜郡井手町井手辻垣内のJR奈良線玉水駅構内で、線路上に放置されていた金庫(高さ70a、幅50a、奥行き50a、重さ200`)に京都行き普通列車(4両編成)が衝突した。列車はホームに入るため減速中で、金庫を先頭車両の下部に巻き込んで停車した。乗客6人にけがはなかった。
 田辺署によると、金庫が置かれていた同駅事務室のガラス窓が割られ、金庫の電子ロックのコードが鋭利な刃物ようのもので切断されていた。
 同署は何者かが事務室に侵入して、ホームに面した出入り口からキャスター付きの金庫を運び出し、約30b離れたホームから落としたと見て、列車往来危険と窃盗の疑いで調べている。
 金庫には5日の売上金約40万円などが入っていたが、現金自体は無事だった。同駅職員によると、駅はふだんから、午後8時から午前7時まで無人で、同署で犯行時間などを調べている。
 この事故のため、同線は上下合わせて4本が運休、2本に遅れが出て約2500人に影響した。JR西日本は、近鉄や京阪電鉄で乗客を振り替え輸送した。(京都新聞 夕刊)
■複雑混雑 7色電車 JR宝塚線 乗客急増で「黄」断念
 JR宝塚線(福知山線の大阪−篠山口間)で、5タイプ、7色の車両が行き来している。沿線人口の急増で輸送力の増強が迫られ、よそでお古になった車両をかき集めたり、他路線と乗り入れたりしたためだ。JR西日本は関西の各路線にラインカラーを専入し、宝塚線は「黄色」に決めた。しかし、肝心の黄色の電車がそろわず、色の統一をあきらめた。黄色の電車は青に塗り番え、2000年9月までに同本社管内からすべて姿を消す。
 JR西日本によると、宝塚線は1日に快速191本、普通173本が走っている。篠山口と大阪を結ぶ本線のほか、尼崎から奈良方面に向かう東西線、大阪を経由して京都方面に向かう東海道線にも乗り入れる。
 車両の型は通勤型の「207系」「201系」「103系」、近郊型の「117系」「113系」の5種類。色は「黄色」「青色」「銀色に青色ライン」「ベージュ色に茶色ライン」「ベージュ色に緑色ライン」「ベージュ色に茶色と緑色ライン」「緑とオレンジ色」の7種類と多彩。一番多いのは東海道線の普通電車と同じ青色系統だ。
 宝塚線は1981年に塚口−宝塚間、86年に宝塚−福知山間で電化。人口の伸びが著しい兵庫県三田市などを通ることから、ここ数年で乗客も急増した。
 89年度には1日で最も混雑する午前7時半から8時半までに上り電車は4両編成が7本、乗客数は計約5500人だった。それが、昨年度の同じ時間帯を走る上り電車は8両編成が4本、7両編成が10本の計14本。乗客数も計約1万8200人と3倍になった。混雑率は最大189%、年平均の乗客伸び率は同社管内で最大という。
 新造車両を一部入れたが、多くは東海道線などからお古の車両を持ち込んだ。ほかに、他路線で余った車両を混雑する時間帯だけ「アルバイト」させて急場をしのいでいる。
 同社は90年から、親しみやすく乗り間違いなどが起きないようにと、大阪環状線など近畿の10路線にラインカラーを導入。宝塚線を黄色と決めて黄色の電車が約10年間走ってきた。
 しかし、今後も乗客の伸びが予想され、新造車両導入が経営的に難しいとして車両の色の統一は断念。現在13本と少数派になった黄色の電車は、乗り入れ先で違和感があるなどの理由で、青色に順次塗り番えることにした。その代わりに電車の側面の行き先表示に黄色いアンダーラインを引くことで、ラインカラーを強調する。
 同社運輸部は「電車の色や形がごちゃごちゃなのが宝塚線というイメージは、しばらく続くだろう」と話している。(朝日新聞 夕刊)
■線路に金庫 JR奈良線の列車ぶつかり運転中止
 6日午前5時5分ごろ、京都府綴喜郡井手町井手のJR奈良線玉水駅で、ホームに入ってきた奈良発京都行き普通列車(4両編成)が、線路上に放置されていた金庫(縦70a、横50a、重さ約200`)を車体の下に巻き込んで停車した。列車は約1時間後に運転を再開したが、途中の宇治駅で運転を中止した。乗客6人と乗務員にけがはなかった。後続の列車3本が運休するなど約2500人に影響が出た。
 田辺署によると、玉水駅事務所の入り口のガラスが破られており、何者かが事務所内にあった金庫を盗んで線路に放置したらしい。事故で金庫はゆがんだが、中にあった売上金など約40万円はそのままだった。(朝日新聞 夕刊)
7日■山陰線ポイント故障 丹波口駅、800人に影響
 6日午後9時40分ごろ、京都市下京区のJR山陰線丹波口駅で、上下線を切り換えるための北側ポイントが故障し、上りの場内信号機が赤のまま変わらなくなった。園部発京都行き普通列車が構内に入れなくなり現場で停車。駅係員が手動でポイントを切り替えて、約50分後に運転を再開した。上下合わせ計5本が最高50分から25分遅れ、約800人の足に影響が出た。
 JR西日本によると、ポイントの切り換え制御は新大阪駅総合指令室で行っており、原因を調べている。(京都新聞)
■ポイント信号変わらず 列車5本800人影響 JR丹波口駅構内
 6日午後9時40分ごろ、下京区のJR山陰線丹波口駅構内でポイントの信号が赤のまま変わらなくなった。このため、園部発京都行き普通列車が同駅の手前で約50分間停車したのを含め、上下計5本の800人に影響が出た。JR西日本が原因を調べる。(朝日新聞)
8日■大阪市交通局協力会の職種変更 女性差別認める 大阪高裁逆転判決
 大阪市の外郭団体「市交通局協力会」を定年退職させられた大阪市天王寺区の山根福枝さん(63)が「女性であることを理由に65歳定年の職種から60歳定年の不利な職種に変えられた」として、協力会に職員としての地位確認と未払い分の給与の支払いなどを求めた訴訟の控訴審判決が7日、大阪高裁であった。山本矩夫裁判長は「職種の変更は性別を理由とした合理性のない差別で無効」と述べ、請求を棄却した一審を変更して職員の地位を確認したうえで月約52万円の支払いを命じる逆転判決を言い渡した。
 判決によると、協力会は就業規則で職員を制度上、第1種と第2種に分け、第1種を市交通局退職者の受け皿にしていた。両職種ではそれぞれ定年に男女で差をつけていたが、1986年4月、男女雇用機会均等法の施行に伴って職種ごとに定年を統一。第一種職員は男女とも65歳に、第2種は55歳(88年から60歳)にした。
 山根さんは67年に市交通局を当時の「若年定年制」によって退職したため、協力会に第1種職員として再雇用された。しかし、定年が職種ごとに統一されてからは第2種職員として扱われ、60歳を迎えた94年10月末に退職させられた。
 一審の大阪地裁は去年3月、山根さんが職種変更に異議を唱えなかった点をとらえ「黙示の同意があった」として請求を棄却し、山根さんが控訴していた。
 判決は、山根さんの職種変更が、第1種の女性職員に65歳定年を適用せず、男女格差のある定年を維持するための措置だったと認定。「定年の格差を合理的に説明できるだけの事情はなく、極めて不合理な措置には黙ったままでも同意したとは認められない」と述べた。
 大阪市交通局協力念の川崎治理事長の話 一審判決に反して主張が認められず、極めて残念な判決だ。今後、判決文を見たうえで弁護士とも協議して適切に対応したい。(朝日新聞)
■'98 参院選 JR西労組・一部が自民支援 連合・「原則違反」いらいら
 参院選で民主支援を打ち出している連合傘下のJR西労組(森正暁委員長)で、地方組織の一部が自民支援に回り、これに反発する連合との間で関係がこじれている。旧総評系労組が社民を支援したり、旧新進との関係で公明や自由を支援したりする例は各地にあり、連合は「容認しないが理解はできる」と寛容な態度を示してきた。しかし、JR西労組の場合、「非自民非共産」の大原則に明らかに反する。鷲尾悦也・連合会長は「断固認められない」と、JR西労組に厳重注意したが、現場にブレーキは利かなくなっている。
 広島駅近くにあるJR西労組広島地本(橋本節男委員長、組合員5525人)の事務所には、民主党の菅直人代表の写真の横に、地元選出の自民代議士の実兄で、広島選挙区(改選数2)に立候補している自民新顔のポスターが並ぶ。別室では連日、女性組合員が2人ずつ交代で電話作戦。組合員の全家庭に自民候補支持に理解を求める文書を郵送し、約4000人分の支持者カードも集めた。
 広島地本は社民公認、民主推薦の2俣補も並列で支持したが、事実上は「重点候補」として自民新顔1人に絞っている。理由は、JR各社に追加負担3600億円を求める、政府の旧国鉄長期債務処理法案への反発だ。候補の弟の代議士は、法案反対派の旗頭。候補とは「法案反対」の政策協定を結んで支持を決めた。
 JR西労組は公示前に広島市内で決起集会を開き、自民候補と弟の代議士をそろって招いた。森委員長は「現実的な選択として、自民党内に反対派を作るのが先決だ」と説明した。だが組織内には「30年以上の組合活動で自民を推すのは初めて。正直、戸惑いはある」(竹内豊明・地本副委員長)との声もある。
 米子地本(重田紀生委員長、組合員2355人)も同様に、鳥取選挙区(改選数1)で、政策協定を交わして自民現職の支持を決めた。
 一方、連合大阪は公示直前に、JR西労組大阪地本(組合員6163人)の太期靖一委員長から「事情聴取」した。大阪選挙区(改選数3)に立候補する自民現職の事務所開きに委員長が出席し、「JRの労組も応援してくれることになりました」と紹介されたからだ。委員長は連合大阪の副会長でもある。
 大阪地本の組合員のうち駅助役などの管理職は、会社側の呼びかけで自民で動いているが、組織としては民主一本だ、というのが委員長の説明だった。事務所に行ったのは「自民候補が処理案に反対すると聞いて確認にいっただけで、うまく利用された」。
 連合傘下の単産では、全郵政で、郵政事業民営化阻止で協力することを条件に、九州の一部組織が自民支持で動いている。(朝日新聞 夕刊)
9日■スリ未遂の疑いで逮捕 新幹線内で2人 府警鉄警隊
 8日午後3時25分ごろ、名古屋市内を走行中の東京行き新幹線「ひかり」車内で、男が後ろの座席の窓際に掛けてあった東京都杉並区の会社役員(61)の背広のポケットから名刺入れを抜き出そうとしているのを、京都府警鉄道警察隊員が見つけ、隣に座っていた見張り役とみられる男とともに、窃盗未遂の疑いで現行犯逮捕した。
 調べに対し、2人は「中国人の顧金良(38)と馬国富(35)」と名乗り、容疑を否認している、という。
 七条署によると、2人は約1ヵ月前から新大阪−名古屋間の新幹線によく乗車し、車内をうろついたり、上着を掛けている乗客の近くに座るなどの不審な行動をしていたため、鉄警隊員が警戒していた。(京都新聞)
■盆も正月も割引切符OK JR西日本 ただし…新幹線回数券や他社またぐ切符はだめ
 JR西日本は8日、これまでお盆や年末年始などの最繁忙期には使えなかった割引切符について、使用制限を撤廃すると発表した。JR九州と協力しての新サービスで、対象はJR西日本管内と大阪地区から九州方面の観光に便利な山陽新幹線と在来線の割引切符計22商品。ただし、新幹線回数券や東京、名古屋など他のJR各社とまたがる切符は対象外という。
 割引切符の使用制限がなくなる期間は、8月11日から同20日と12月28日から1月6日まで。
 同社発行の割引切符は新幹線、在来線合わせて26種類あり、いずれも5−40%の割引率を設定している。このうち、大阪市内から九州主要駅間の「のぞみ割引きっぷ」や、「ハウステンポス割引きっぷ」、「北陸線グリーン特急回数券」など同社管内と九州方面の山陽新幹線、在来線を使った計22種類が今回の措置の対象となる。
 「新幹線指定席特急回数券」など4種類の新幹線割引切符については、ビジネス客の利用が多いなどで対象外となるほか、JR東日本やJR東海などが制限を続けるため東京や名古屋、四国方面などJR他社とまたがる割引切符にも適用されない。(朝日新聞)
■電車屋根で5人感電 少年ら全身やけど1人重体 大分のJR駅
 9日午前2時15分ごろ、大分県佐賀関町神崎のJR日豊線幸崎駅から、大分市内の高校2年の女子生徒(16)が「電車に上った友達が燃えている」と110番した。
 佐賀関署で調べたところ、同駅のホームで大分市内の無職女性(16)が全身にやけどを負って重体、同市や同県臼杵市などに住む16−19歳の高校生や会社員の男女4人も1−3ヵ月のやけどを負っていた。約2万ボルトの高圧電流が流れている架線に触れたとみられる。
 調べによると、男女6人は遊び仲間で、近くの海岸で遊んだ後、始発電車に乗るため駅の待合室にいた。通報者の女子生徒と仲間の男性(19)がジュースを買いに行っている間に、「バーン」という音がしてホームから明かりが見え、戻ると4人が停車中の普通電車(3両編成)の屋根の上で火だるまになったり周囲に倒れたりしていた。さらに、仲間を助けようとした男性も感電した。
 JR九州によると、同駅は夜間は無人。車両にはパンクグラフの検査で屋根に上るためのステップが付いていた。(京都新聞 夕刊)
■電車の屋根 少女ら感電 大分、1人重体
 9日午前2時10分ごろ、大分県佐賀関町神崎のJR日豊線の幸崎駅構内で、大分市内に住む無職の少女(16)ら5人が、停車中の普通列車(3両編成)の屋根の上で次々に感電した。少女は全身やけどで意識不明の重体。ほかに少年2人、少女2人も1ヵ月から3ヵ月のやけどをした。
 県警佐賀関署とJR九州大分支社によると、少女たちは電車の屋根の上に乗って遊んでいたところ、1人が電車の上の架線に触れて感電。助けようとしたほかの4人も次々に感電したらしい。架線には、2万ボルトの電圧がかかっていたという。(朝日新聞 夕刊)
■見たい知りたい出会い隊 ゆったり地域振興の期待乗せ
 島根県奥出雲地方のJR木次線に、この4月、トロッコ列車「奥出雲おろち号」が登場した。木次駅(島根県)−備後落合駅(広島県)の60.8`。ディーゼル機関車が雨よけ用の客車1両と客車を改造して木のベンチをつけたトロッコ車両1両を引っ張る。開通から、満席が続く。6月末、松江市から来た佐々木直吉さん(72)、延子さん(71 )は、3回目の予約で切符が取れた。「夏休みに孫が来るので、下見です」。復路の停車時間が30分ある出雲坂根駅は構内にわく延命水が有名だ。乗客は水を飲み、地元の人が売っているそはなどのお土産を買っていた。JRの担当者は「京阪神からのお客さんには、海潮温泉に泊まり、奥出雲を観光してもらいたいですね」と話す。
 京都の嵯峨野トロッコ列車を始め、JR四国には「清流しまんと号」に続いて昨夏、「おおぼけトロッコ列車」が登場した。ゆっくり走る列車から自然を満喫してもらいたい。去年7月、トロッコ列車を運行する各社は観光振興、地域活性化を掲げ、協議会を設けた。10日に釧路市で2回目の会合を開く。
 「奥出雲おろち号」の運転は土、日曜、祝日の1日1往復。夏休み期間は毎日運転。木次鉄道部0854・42・5457
◇各地の主なトロッコ列車◇
 【くしろ湿原ノロッコ】釧路−塘路27.2`【富良野・美瑛ノロッコ】旭川−富良野54.8`。JR北海道011・700・5783 【JR左沢線】北山形−寒河江15.4`。JR東日本仙台支社022・266・9629 【黒部峡谷鉄道】宇奈月−樺平20.1`。0765・62・1011 【トロッコファミリー号】豊川−中部天竜53.7`。中部天竜駅0539・65・0003長良川鉄道】美濃市−郡上八幡−美濃白鳥48.4`。美濃市駅0575・33・1862 【嵯峨野観光鉄道】トロッコ嵯峨−トロッコ亀岡7.3`。075・861・7444 【清流しまんと】土佐大正−江川崎25.1` 【おおぼけトロッコ】阿波川口−大歩危10.4`。JR四国087・825・1635 【ゆうすげ号】立野−最森17.7`。南阿蘇鉄道09676・2・1219 【島原鉄道】島原−深江9.1`。0957・62・4705(朝日新聞 夕刊)
10日■近距離切符 年間販売額5割増に JR京都駅 12日で開業1年 商業施設とも相乗効果 乗降客13%増(1日平均)
 JR京都駅ビルの新京都駅が開業して、12日で1年を迎える。1年間の近距離切符販売額は、前年同期に比べ5割増と「新駅効果」を発揮、昨秋同駅ビルにオープンした百貨店、ホテルなどの商業施設も、消費不況をよそに好調を持続している。
 JR西日本によると、この1年間の近距離切符販売額(6月末現在)は、前年同期比54%増となった。開業当初の昨年7月は、前年に比べ19%増と好調な滑り出し。8月からの全国高校総体(京都総体)の影響もあって、その後も順調に推移し、商業施設オープンの9月には同65%増と伸びた。
 駅ビル全面オープンに合わせたダイヤ改正で、京都−高槻間、嵯峨野線などを増発。京都への集客を強化したこともあり、最近1ヵ月間の1日平均の自動改札通過人員は22万3000人と開業当初に比べ22%増えた。JR西日本京都支社は「ホテルや百貨店との相乗効果も大きい」と分析している。
 京都伊勢丹の売上高は、昨年9月から今年6月までの10ヵ月間で約400億円。1年を待たずに初年度売り上げ目標320億円を約3割上回り、今年度の売り上げ予想を460億円に上方修正した。
 またホテルグランヴィア京都の平均客室稼働率も66%とまずまずの出足。宿泊客の35%が関東地区からで、「駅ビルという立地の有利さが広域からの集客につながっている」(同ホテルの沢田潤之営業企画部長)という。シアター1200も、現在までに54万人と予想通りの入場数。「季節によって変動はあったが、全国からの集客があった」と話している。
 同駅ビル内の京都シティエアターミナル(京都CAT)は、関西空港に特急「はるか」で直結することから、利用増が期待されているが、開業後の1日平均利用客数は63.5人で、開業前と比べ約5人の伸びに止まっている。日本航空と系列1社の航空便しか利用できないことが影響しているとみられ、同航空京都支店は、1周年記念イベントを企画して知名度アップに懸命になっている。(京都新聞)
■阪急電鉄金融業進出へ 社長表明 参入時期、規模を検討
 阪急電鉄の菅井基裕社長は9日の定例記者会見で「これまでのビジネスで培った資金調達力を武器に法人向けの金融業進出する」と話し、日本版ビッグバン(金融制度改革)を機に金融業に新規参入する考えを明らかにした。関西の電鉄会社の金融業進出は初めて。
 同社はすでに、先月26日に開いた株主総会で、有価証券の運用や金銭の貸し付けなどの金融業を新たに事業目的に加える定款の一部変更を決定している。今後は、今年3月に新設した総合開発本部を軸に、事業参入の時期や規模など詳細について検討を進める。
 菅井社長は、金融業参入の狙いとして「信用力と保有資産を背景にした資産調達力を武器に、デベロッパーとして事業をプロデュースしたり、コーディネートできる」と述べるとともに「単なる融資事業ではなく、開発事業への当社の参画も絡めた融資や不動産リースなど総合的な事業展開を目指したい」と話した。(京都新聞)
■「駅を爆破」300万円要求 東大阪 恐喝未遂容疑で男逮捕
 近鉄奈良線の八戸ノ里駅(大阪府東大阪市小阪3丁目、城笠雄駅長)に爆破を予告する電話をかけ、300万円を脅し取ろうとしたとして、布施署は9日、東大阪市西岩田3丁目、無職中垣内和夫容疑者(29)を恐喝未遂の疑いで逮捕した。中垣内容疑者は容疑を認め、「パチンコ代が欲しかった」と供述しているという。(朝日新聞)
■土・日曜日の地下鉄駅周辺 路上駐車OKです 電車利用すすめ混雑解消へ 名古屋市内で愛知県警実施 整備追いつかず 禁止施策見直し
 都市の中心部につながる地下鉄の沿線4地域で、駅周辺道路の駐車禁止規制を土・日曜に限って解除する方針を愛知県警が固め、名古屋市内で実施することにした。1200台分の路上駐車場ができることになり、中心部に車で向かう人たちに地下鉄へ乗り換えてもらい、混雑や違法駐車を解消しようという狙いだ。道路を利用した「パークアンドライド方式」ともいえ、全国でも例のない試みという。今月末から2ヵ月間を試行期間としたうえで、今年度中に新たに名古屋市内数ヵ所を含む県内20ヵ所ほどで同様の方式を導入する方針だ。
 同県警駐車対策課は「車の増加に対し、中心部の駐車場整備は追いつかない。車は走れば止めるのは当然で、駐車禁止一辺倒の従来の施策では問題は解決しないと判断した」としている。
 10日の愛知県公安委員会で正式決定し、25日から実施される。県警は、今回の方式を「ミニ・パークアンドライド方式」と位置づけている。中心部の栄地区への流入を抑えるため、これまで同地区周辺の幹線道路や官庁街の規制を緩和してきたが、これを全県規模に広げることになる。
 規制を解除するのは、名古屋市の中心部・栄地区から東西南北に伸びる地下鉄沿線の駅周辺道路。栄地区からは約4−9`、地下鉄だと5−9駅離れている。いずれも片側2−3車線で、延長5.5`に及ぶ。
 栄地区は、百貨店や専門店、飲食店、芸術関係施設のほか、名古屋テレビ塔など行楽施設も集中している。土、日曜は駐車場がほぼ満車状態で、順番を待つ車で渋滞する。主な大通りだけでも違法駐車も数百台規模になる。
 このため、周辺部から車で訪れる家族連れや買い物客らに、この4地域に車を置いて、地下鉄に乗り換えてもらおうという考えだ。
 さらに、この4地域の内側の住人にも地下鉄への乗り換えを勧めるため、栄地区に近接する地域でも新たに駐車禁止規制を併せて解除し、数百台分の駐車スペースを確保する。
 県警は今年初め、これらの地域の土、日曜の交通量を調べた。平日に比べ、土曜は8−15%、日曜は17−29%少なく、駐車を認めても交通の流れや安全性には問題ないと判断した。
 パークアンドライド方式 自宅から最寄りの駅やバス停までマイカーで行き、駐車場に止めて公共交通機関に乗り換えて都心の目的地へ向かう方式。都市部の渋滞緩和策としても注目され、運輸省、建設省、警察庁は1996年度、モデル事業として札幌、宇都宮、金沢、広島、北九州など12都市を指定。一部で公共駐車場を整備したり、民間駐車場を活用したりして実施している。駅前の一等地に土地を確保するのが困難で経費もかさむため、採算性の問題を指摘する自治体も多い。今回の愛知県警の措置は、駐車場を整備する代わりに路上駐車を認めるもので、同県警は「ミニ・パークアンドライド方式」と名付けた。(朝日新聞)
■新幹線輸送量、落ち込む 6月調査
 東海道、山陽、東北の各新幹線の輸送量が落ち込んでいる。9日までにまとまった6月の「断面輸送量」の集計によると、前年を100とした場合、東海道は94、山陽は93、東北は95で、5月に比べて4、5ポイントの落ち込みとなった。不況に加え、「選挙時期は出控え傾向が強まる」(JR東海)といった見方も出ている。
 断面輸送量は実際の乗客数を一定区間で数えて集計した値で、全線の乗客数とは異なるが、利用動向をはかる指標になる。
 JR東海によると、東海道(小田原−静岡間)は前年同月を 100とした値で4月が99、5月が98の微減だったが、6月は減少幅が広がり、前年同日比で80台の日が複数あった。
 東海道新幹線の年間輸送人員は約1億3400万人(1997年度)で、数ポイントの変動でも実数は多く、経営への影響は大きい。
 同社の葛西敬之社長は「(民営化後の)10年来、見たことのない数字で、バブル崩壊直後以上の落ち込み」と分析。原因については、景気の低迷で出張の回数や人員を減らすなど、ビジネス需要が落ち込んでいることや、「選挙の時期には、なぜか、出控えが起きる」ことをあげている。
 同社の集計では、前回の参院選が行われた95年7月と、96年10月の衆院選の時にも、断面輸送量は前後の月より2、3ポイント下がっている。(朝日新聞)
■奈良のJR関西線沿線 誤ってケーブル切断 草刈り中 運休など1万人影響
 10日午前7時半ごろ、奈良県大和郡山市天井町のJR関西線郡山−大和小泉駅間の下り線で、信号機が赤のまま変わらなくなるトラブルが起き、加茂発天王寺行き快速列車など12本が約1`先の信号機まで徐行運転した。
 職員が調べたところ、故障した信号機の約860b手前の線路わきで、信号の制御器と信号機を結ぶケーブルが切断されており、約2時間後に復旧した。あぜ道の草刈りをしていた近所の男性が、ケーブルを電動草刈り機で誤って切ったという。
 関西線から大阪環状線に乗り入れた3本が部分運休、関西線は下り23本が最大9分遅れ、乗客約1万1800人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■JRの夜行列車、女性のプライバシーに配慮したけど… 専用席よりゴロ寝人気「隔離なんてもう古い」?
 女性客獲得を狙うJRが、その心理を読みあぐね、振り回され気味だ。「近くに知らない男性がいると安心して眠れない」との声を受け、夜行列車に女性専用席を設けたが、JR西日本の寝台特急「あかつき」(京都−長崎)の女性専用席は1日平均の利用率が2割程度と空席が目立つ。一方で、カーペットを床に敷いただけの「ゴロ寝車」はプライバシーが薄まるのに、予想以上に若い女性の人気を集めている。このため、10日から運転を始める新型寝台電車にも男女共用ゴロ寝車をつけた。目下、JR西日本は「女性を隔離する時代ではなくなったのでは」と分析するが、利用状況から目は離せない。
 「あかつき」に寝台特急で初めて女性専用席が設けられたのは1990年。夜行列車はスピードで新幹線や飛行機に、料金で深夜バスにかなわず、利用客が減り続ける中、JR各社は女性客増で盛り返そうと女性専用車を次々に導入した。
 「あかつき」の女性専用席は、リクライニングする横3列の座席車の一部。女性専用化粧室や更衣室も備え、「リーズナブルな値段でゴージャスな夜の旅が体験できる」と売り込んだ。
 6300円の寝台料金を払わずに済み、当初は1日平均6割の利用率だったが、今では1日平均2−3人の利用しかなく、平日はゼロの日も多い。JR西日本は、個室寝台が相次ぎ登場し、他人の目を気にする人は高くても個室を使い、気にならない人は安いバスなどに流れて、専用席は中途半端な存在になった、と分析する。
 一方、京都と高知を結ぶ夜行快速列車「ムーンライト高知」や、北海道を走る一部の夜行列車にあるフェリーの2等船室のようなカーペット車の人気は、背の低い間仕切りを付けただけだが、手足を伸ばして横になれることなどから7割前後は埋まるようになった。JR四国は「20−40代の女性グループの利用が多い。長時間の夜行列車では、ゆったりとわいわい楽しめる方が良いのでは」とみる。
 こうした状況に、JR西日本とJR東海が共同開発し、10日から運転を始める「サンライスエクスプレス」(東京−高松、出雲市)には女性専用席を設けるのはやめ、寝台を個室にする一方、ゴロ寝型の「ノビノビ座席」を特急で初めて設けた。
 JR西日本は「女性を隔離することが本当のサービスなのかどうか。女性の求めるサービスは時代とともに変わり、もう女性を隔離する時代ではなくなったのでしょう」と話している。(朝日新聞 夕刊)
■信号線誤切断 関西線乱れる 3本運休、23本遅れ
 10日午前7時半ごろ、奈良県大和郡山市天井町、JR関西線郡山−大和小泉間で、加茂発天王寺行き下り快速電車(8両編成、乗客約900人)が走行中、信号が赤のまま変わらなくなったため時速15`以下の減速運転となった。約2時間後には復旧したが、下り3本が運休、下り23本が最大9分遅れ、乗客約1万1800人に影響が出た。
 JR西日本の調べでは、現場近くで近所の人が草刈りをしており、地中に埋まっている信号制御用ケーブルを誤って切断したためという。(朝日新聞 夕刊)
11日■豪華新型寝台特急が発車 東京−高松、出雲間
 「ホテル並みの快適さ」を目指してJR西日本とJR東海が共同開発、東京−高松、出雲(島根県)を結ぶ新型寝台特急「サンライズエクスプレス」が10日夜、営業運転を開始、出雲市、高松、東京の各駅で一番列車の出発式が行われた。
 プライバシーに配慮してすべてのベッドを個室にしたのが特徴で、木目調の内装の室内には目覚まし時計やラジオ、テーブルなどを設置。塗装も従来の寝台特急「ブルートレイン」の青から、朝焼けをイメージした赤とベージュの明るいツートンカラーに一新した。
 2路線とも毎日上下1本ずつ運行。旅客機の最終便より遅く出発し、ほとんどの目的地に始発便より早く着くというのが売り物。A寝台を利用しなければ値段は空の便より1割程度割安という。(京都新聞)
■自然と鉄道共生を トロッコ列車サミット開く
 観光客が自然豊かな景色を眺められるよう車両の側面を取り払ったトロッコ列車を運行する全国の鉄道会社が集まって初の「'98全国トロッコ列車サミット」が10日、北海道釧路市のホテルで開かれ「感性鉄道を創造しよう」とのサミット宣言を採択した。鉄道13社でつくる全国トロッコ列車協議会が「自然と鉄道の共生」を掲げて開催。関係者約150人がサミットに臨んだ。
 参加者らは会議に先立ち、釧路湿原を眺めて走るJR釧網線のトロッコ列車「ノロッコ号」を試乗した。
 嵯峨野観光鉄道(京都)は「91年の開業以来、沿線に約1600本を植樹した。将来は山紅葉や山桜を眺めながらトロッコ列車を走らせたい」などと観光客を寄せ集めるための取り組みを語った。
 次回のサミットは京都で開かれる。(京都新聞)
■山科・醍醐−市中心部 京阪バス新設路線など認可 近畿運輸局
 近畿運輸局は10日、京阪バスが申請していた山科・醍醐地域から市内中心部に乗り入れる路線の新設や系統の変更を認可した。7月21日から実施する。
 新設されるのは、京阪六地蔵から四条河原町を経由して三条京阪、四条烏丸、四条大宮にそれぞれ直通する系統(市内行き1日22本)。うち9本は新十条通を通る。
 このほか、大宅から四条大宮を結ぶ系統も市内行き1本を新設する。
 また、醍醐−四条河原町間の一部路線を三条京阪まで延長、大宅−四条大宮間も同様に四条河原町まで延長し、連絡強化を図る。
 山科・醍醐地域内では蚊ケ瀬から旧奈良街道を経由して山科駅、石田を結ぶ系統について、醍醐北団地経由を増やす。九条山地区のほか、小金塚から音羽中への通学に合わせたダイヤ調整も行う。
 さらに、市中心部へ乗り入れる路線の始発繰り上げなど計5系統の始発・終発ダイヤを変更する。
 山科・醍醐地域は、昨年10月の東西線開業で市バスが撤退。営業は京阪バスに引き継がれたが、市中心部へ乗り入れる路線が計4系統に縮小し住民から不満が出ていた。(京都新聞)
■特急「サンライズ」出雲へ四国へ 新型寝台がデビュー
 JR西日本と東海が開発した新型寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」が、10日夜から運転を始めた。ブルーの客車を機関車が引っ張るブルートレインと違い、朝焼けをイメージさせるベージュを基調にした車体カラーと電車方式を採用した。寝台特急の新造は旧国鉄時代の1980年以来。
 サンライズ出雲は東京−出雲市間を約12時間で、サンライズ瀬戸は東京−高松間を9時間半ほどで結ぶ。車両は2階建ての7両編成で、東京−岡山間は出雲と瀬戸を連結して走る。
 1編成はいずれも個室のA寝台(6室)とB寝台(112室)、フラットシートの「ノビノビ座席」で構成され、定員は150人。コインシャワーなど、「ビジネスホテル並みの居住性を整えた」という。
 料金は東京−高松間でA寝台が2万7510円、寝台料金のかからないノビノビ座席が1万4670円など。10日の初便4列車の切符は発売から3分で完売し、今後も週末に売り切れが出ているという。
 寝台車については、JR東日本も来年夏をめどに、北斗星の1編成(12両)をオール個室、オール2階建ての新車両にする計画だ。(朝日新聞)
■JR京都駅ビル開業1年 古都の駅若者の波 切符・定期売り上げ急増 さびれる周辺商店街嘆きの声
 古都の新たな玄関口・JR京都駅ビルが開業し、12日で1年を迎える。駅ビル内にできた百貨店やホテルの相乗効果で、同駅の切符売り上げは好成績。個性的な設計のビルは若者の心をとらえ、京都の新名所として定着してきた。多くの観光客や買い物客らを吸い込む駅ビルを横目に、周辺の商店街からは、折からの不況も重なり「駅が栄え、街はさびれる」との嘆きも聞こえる。
 高さ約60b、幅約470bの京都駅ビルは、景観論争の末に開業した。ガラスの大屋根や約200段の大階段、地上45bの高さでビルの東西をつなぐ長さ150bの通路など、原広司氏の設計が開業当初から話題を呼んだ。
 京都駅人気をはっきり示すのが、100`未満の近距離切符の販売額。JR西日本によると、1997年度下半期(昨年10月−今年3月)は1日当たり約2000万円。前年同期比62%増を記録した。定期券や中・長距離切符の売り上げも約15%増えた。
 JR西日本全体の切符販売が前年を割り込むなか、京都駅の優等生ぶりは際立つ。京都から100`以内には大阪、神戸、奈良がすっぽり入り、JR西日本は「近畿の主要都市から広く集客した」。自動改札機を通過した人は1日あたり22万3000人。1年前に比べ3万人近く増えた。
 駅ビル人気を支える年齢層は10代の若者たち。週末の大階段は、グループで腰をかける中学生や高校生らで埋め尽くされる。大階段の踊り場ではミニコンサートが行われることも多い。
 6月にはドイツ人の美術家が、駅ビルの通路に映像を投影する美術作品を発表した。企画した京都市内のギャラリー経営者、松尾恵さんは「新たな美術表現が駅ビルを舞台に繰り広げられるだろう。ただ、景観論争を知る京都の美術家の関心は低いが…」。
 駅ビル側も古都の新名所にとPRを続ける。空中の通路からは8月16日夜の「大文字五山送り火」が全部見えることに注目。当夜は抽選で200人を招く。「眺望の防げになる」との批判をかわす狙いもある。
 華やかな駅ビルの陰に埋もれてしまったのが、周辺の商店街だ。駅から徒歩5分の七条商店街(約110店)では、毎年数店の小規模店の廃業が続く。
 駅前地下街が開業した1980年ごろから、買い物客が駅から出てこなくなった。そこに駅ビルの開業。みやげ物店や飲食店の打撃が大きいという。
 七条商店街振興組合の樋口信一理事長は「いまや客足はJRグループの独占状態だ。こちらは商店主の高齢化も進んでいる。駅の繁栄をよそに商店街は衰退していくばかり」。(朝日新聞 夕刊)
12日■社説 新京都駅の1年を見据えよう
 JR京都駅ビルの新京都駅が、きょう12日で開業1年を迎えた。百貨店やホテルなどのオープンは2ヵ月後だったが、スケールがひときわ大きい「京の新玄関口」のデビューに、多くの市民や利用客が胸を弾ませたものだ。
 1年たった京都駅は、若者からお年寄りまでが集う新名所として定着し、集客力も開業当初から衰えていない。だが、駅ビルに期待される「京都再生」の夢はかなうのだろうか。折しも全国を覆う深刻な不況のもと、どこまでが駅の功罪か見分けは難しいが、京都活性化を託し続けるためにも、この1年をしっかり点検、分析することが欠かせない。
 京都駅の新名所ぶりは、週末などの人波をみれば明らかだ。コンコースや南北自由通路、名物になった大階段などには、旅行者や観光客、若者グループ、買い物客らがあふれかえっている。
 にぎわいを裏付けるように、同駅のこの1年の近距離切符販売額は前年同期比54%増、最近1ヵ月の1日平均の乗降客は新駅開業当初比13%増という。
 駅ビルの中核施設であるジェイアール京都伊勢丹は昨年9月の開業からことし6月までの10ヵ月間の売上高が、初年度売り上げ目標を3割も上回る約400億円に達したといい、ホテルグランヴィア京都やシアター1200も予想を裏切らない好調を持続しているようだ。
 問題は、こうした駅ビルの好況が駅の周辺部や京都市内の観光地、繁華街などに、どれだけ波及効果、相乗効果を及ぼしているか、という点にある。
 平安建郡1200年記念事業としてJR西日本、京都府・市、地元経済界が一体となって新京都駅ビルの建設を進めたのは、そうした起爆剤としての役割を見込んでのことだった。新たな商圏、繁華街の創生や観光客の呼び戻し、国際都市としての飛躍、さらなる文化発信などに京都再生を期したわけだ。
 駅ビルが京都の商業界に競争を持ち込んだのは間違いない。一例を百貨店にみると、既存店が改装やイメージアップなどで対抗し、サービス合戦にも力が入った。その結果はどうか。
 さる5月の売上高は、市内7百貨店全体で前年同月比11.7%増えた。しかし、駅ビルの京都伊勢丹を除く既存6店ベースでは同4.1%減という。この消費不況下で全体のパイが増え、既存店でもマイナスを少なく抑えたのは、駅ビルの相乗効果−とみるか、それとも駅ビル内の京都伊勢丹の一人勝ち−とみるか、判断は分かれよう。
 一方、駅前周辺では駅ビルのにぎわいとは裏腹に人通りがまばらなところが目立つ。周辺商店街からは悲鳴も聞こえるほどで、少なくとも商圏拡大、繁華街の二極化という願いは果たせていない。
 また、観光地や繁華街などへの影響も気になるが、まず客らの人の流れや交通機関の利用状況、お金の落とし方などを綿密に分析することが必要だ。
 新京都駅を共存共栄のかてにしていくためには、この1年を見据えたうえでの取り組みが、商店街などの当事者はもとより経済団体や行政にも望まれる。(京都新聞)
■駅で貸自転車 JRが新商売
 駅までレンタサイクルで通いませんか−。JR西日本は今夏から、都市部の通勤、通学客を対象にしたレンタサイクル事業に乗り出す。JR各社では初めての試み。利用者は自分の自転車と違って駐輪場を確保する必要がなく、駅周辺の不法駐輪問題の解消効果も期待される。多くの駅に店舗を設置して、駅と自宅と勤め先を自転車で結ぶ計画だ。
 JR西日本によると、設置するレンタサイクル店の名称は「駅リンくん」。1店目は、大阪府大東市のJR片町線住道駅から徒歩2分の地に設ける。総事業費は1000万円。8月21日から営業を始め、同駅での利用実績をみながらJR各線に店舗を広げる。
 都市部の駅周辺では、自治体や民間がつくった有料の自転車置き場が整備されつつあるが不法駐輪が絶えない。同社開発事業本部は「貸出期間中は、買い物などにも自由に使ってもらえる。社内ベンチャー制度の第一号で、成功すれば提案者を社長にした子会社をつくりたい」としている。(朝日新聞)
13日■満1歳 多彩に祝う JR京都駅 地下通路開通式も
 新しいJR京都駅が開業して1周年となる12日、同駅では記念イベントで節目を祝った。また京都駅ビルと地下街ポルタを結ぶ地下通路の開通式典もあり、周辺は終日にぎわった。
 京都駅では、午前7時30分の記念列車の出発式で満1歳メーンイベントがスタート。舞妓さんが1日駅長を務めて花を添えたほか、駅前広場ではミニSLの運転が子どもたちの人気を集め、新駅が完成するまでの記録写真を並べたコーナーが通りかかる人々の関心を引いていた。
 一方、駅ビル内地下2階のザ・キューブとポルタの中央通りを結ぶ地下通路(長さ8.7b、幅5−6b)もこの日開通。式典には、関係者ら約200人が参加した。くす玉が割られオペラカーテンが開くと、双方の地下街がお目見え。京都橘女子高ブラスバンド部が華やかな演奏行進を行い、祝賀ムードを盛り上げた。(京都新聞)
14日■列車事故へ備え固める KTRとJR西日本 60人が合同訓練
 KTR(北近畿タンゴ鉄道)とJR西日本は13日、京都府境に近いKTR宮津線の豊岡−但馬三江間で、ディーゼルエンジンのトラブルを想定した合同訓練を実施、両社の計60人が参加して万一の事故への備えを固めた。
 午後1時15分、下り普通列車の2両目が但馬三江駅付近でエンジントラブルとの想定。故障車両を切り離し、豊岡駅から救援列車を出して連結、同駅構内に収容した。
 先月11日、高知県大方町で、土佐くろしお鉄道の列車がエンジントラブルのため、カーブ地点で停車中、救援に向かった列車が正面衝突し、重軽傷者44人を出したことから、参加した職員らは真剣そのもの。本番さながらに、故障車両の位置の連絡を綿密に取り合い、両社間の連絡体制や異常時の運転取り扱いなどをチェックしていた。(京都新聞)
■倉庫爆発 新幹線止まる 50分間、30本に遅れ 大阪・摂津
 13日午後5時ごろ、大阪府摂津市鳥飼上、ミリオン化学(小川正則社長)摂津倉庫で大きな爆発音が起き出火、倉庫兼工場約1500平方bを全焼した。倉庫内には従業員ら約15人がいたが、けが人はなかった。
 倉庫わきには東海道新幹線が通っており、黒煙が立ち込めたため、京都−新大阪間で約50分にわたり、上下線とも運転をストップした。
 この影響で、JR京都駅の新幹線では岡山行きと博多行きの「ひかり」2本がホーム内で約50−40分間ストップした。運転再開後も東海道新幹線の上下線計30本が約1時間−10分遅れ、ホームには疲れて座り込む行楽客や携帯電話で連絡をとる会社員ら数百人の長い列ができた。(京都新聞)
■工場火災、新幹線止まる 京都−新大阪間 30本に遅れ 大阪・摂津
 13日午後5時ごろ、大阪府摂津市烏飼上4丁目、化学製品卸売業「ミリオン化学」(小川正則社長)摂津倉庫付近から出火、鉄筋3階建ての同倉庫兼工場約1485平万bが全焼した。摂津市消防本部などは化学消火車など26台を出動させ、約1時間40分後に消し止めた。出火当時、工場や事務室内に従業員ら約15人がいたが、けがはなかった。この火災の影響で、工場北側を走る東海道新幹線の京都−新大阪駅間が一時不通となり、上下30本が最高57分遅れるなど約1万7000人に影響が出た。
 摂津市消防本部によると、同工場内にはフッ酸など毒劇物や危険物が無届けで保管されていたため、消防法違反の疑いでも調べている。
 同本部の調べによると、出火当時、同工場1階で従業員数人が乗用車用の固形ワックスを製造しており、貯蔵タンクから液化したワックスが漏れだし、何らかの原因で引火したらしい。
 同工場内には、フッ酸、トルエンなどの危険物や毒劇物約15種類が保管されていたほか、ガラスクリーナーやフロンガスのボンベ約2000本があり、一部が焼失した。(朝日新聞)
■京阪奈新線の三セク設立発起人会を開く
 大阪都心部と関西文化学術研究都市を鉄道で結ぶ京阪奈新線(奈良県生駒−奈良市・高の原12.2`)のうち、生駒−奈良市・登美ケ丘8.7`の建設をする、奈良県や近畿日本鉄道などによる第三セクター会社の設立発起人会が13日、奈良市内で開かれた。
 名称は「奈良生駒高速鉄道」(本店・生駒市)。資本金は2億4000万円で、奈良県と近鉄が30%、日本間発銀行が20%、生駒市が15%、奈良市が5%を出資する。(朝日新聞)
■守山駅で信号”異常” 朝の東海道線 11本乱れる
 14日午前6時13分ごろ、守山市勝部町のJR東海道線守山駅構内で、姫路行き快速電車が同駅を発車したところ、出発信号が突然赤に変わったため急停車した。電車は同駅に引き返し、駅員らが信号などを調べたが異常が見つからず、25分後に運転を再開した。乗客約400人らにけがはなかった。
 JR西日本では、直前に構内の踏切を遮断機が降りたままで誰かが渡り、障害物感知器が作動し、信号が変わったのではないか、とみている。この影響で、同快速と後続列車10本の計11本が最大29分遅れ、約9000人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
15日■線路にコンクリート板 名古屋の東海道線 16枚外され散乱 ボックスふた用 列車妨害で捜査
 14日午後9時45分ごろ、名古屋市熱田区新宮坂町のJR東海道線で豊橋発大垣行き下り快速電車(4両編成)の運転士が異常音を聞き停車。車両点検で異常がなかったため電車は6分後に運転を再開したが、巡回した保線係員が同日午後11時半ごろ、線路わきのコンクリート製の板16枚が外され、一部が電車の通過で破損しているのを見つけた。
 コンクリート製板は長さ50a、幅21a、厚さ6aで重さ22.5`。配線などを入れるボックスのふたとして使われていた。愛知県警熱田署は何者かが線路に入り込み、ふたを外しレールに置くなどした列車防害事件とみて捜査している。
 調べでは、ふたが外されていたのは姥子(おばこ)踏切近く。線路上で4枚が破損して見つかり、現場近くでも1枚が見つかった。
 JR東海によると、下り線の現場付近を約5分前に別の列車が通過したが、異常は感知していなかったという。
 快速電車の乗客270人にけがはなく、後続の普通電車が7分遅れた。
 JR東海の営業路線では、4月末、岐阜県関ケ原町の東海道新幹線でレールのボルトが抜き取られたほか、名古屋市中川区のJR関西線で5月と6月に自転車が線路内に放置されるなどした。(京都新聞 夕刊)
17日■「SLやまぐち号」PR ミス・JR広島ら来社
 夏休み期間に増便する「SLやまぐち号」をPRする山口県SL運行対策協議会の一行が16日、京都市中京区の京都新聞社を訪れた。
 一行は山口県の山口市、小郡町、阿東町と島根県の津和野町の観光協会などで構成。
 同SLは「貴婦人」の愛称で知られ、小郡−津和野間を片道2時間かけ、毎日1往復する。沿線には俳人・種田山頭火が数年滞在した小郡町や、詩人中原中也の生まれた山口市などが点在する。
 この日、同行した「ミス・JRひろしま」の池本美恵子さん(19)と、「ミス山口」の宮本マキさん(23)らは「沿線は文化の香りが高く、懐古調の雰囲気が漂う町をレトロなSLと合わせて楽しんでみては」とアピールしていた。そのあと一行はJR京都駅でリーフレツトなどを駅利用者に配った。(京都新聞)
■保津峡の紅葉もバッチリ トロッコ列車の天井ガラス張り 新型車両 19日から運行
 保津峡の美しい眺めで人気がある嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車に、天井をガラス張りにした新型車両「ザ・リッチ号」が登場し、16日、披露された。19日から運行する。
 秋の紅葉シーズンには座ったまま景色を楽しんでもらおうと、天井の3分の2をガラス張りにしたのが特徴。自然の風を取り入れるため、壁も格子状にし、「自然を満喫してリッチな気分になって」と名付けられた。これまでの客車4両に「ザ・リッチ号」を1両連結して運行する。
 嵯峨野観光鉄道によると、客足は3年前の年間約72万人に対して昨年は約65万人と、やや落ち込み気味。「新型車両の導入で話題をつくり、客足を回復させたい」と意気込んでいる。(朝日新聞)
18日■工事のドリル地下鉄と接触 冷房機破損、乗客は無事 大阪・御堂筋線
 17日午前10時40分ごろ、大阪市北区曽根崎新地の国道25号の市の配水管改良工事現場で、地盤改良のため地中に薬液を注入していたドリル(直径4a)が真下にある地下鉄トンネルのコンクリート製の天井(厚さ約50a)を突き抜け、先端部が市営地下鉄御堂筋線の千里中央発中百舌鳥行き電車(10両編成、乗客約900人)と接触。1両目と2両目の天井部にある冷房機の覆いが破損した。運転士は接触に気付かず走行を続け、乗客らにもけがはなかった。
 大阪市交通局によると、乗客から「天井で異音がした」と通報があり、職員がトンネルの天井部を調べたところ、穴を2つ確認。付近のトンネル側壁やレール近くに2本のドリル片(重さ約5`、直径約4a、長さ約30a)が落ちているのが見つかった。
 薬液注入作業は、下請け業者のモリテクニカル(富田林市)の作業員が地上からドリルを継ぎ足す方式で行っていた。業者側は「現場の真下に地下鉄が走っているとは思わなかった」と話しているという。
 御堂筋線は午後2時半すぎまで、梅田−淀屋橋駅間で徐行運転した。
 市水道局は事故調査委員会を設置、安全管理体制などについて請負業者から事情を聴く。(京都新聞)
■日本一運転手めざせ「電車でGO!2」 来月に初の全国大会
 タイトーは、ゲームセンターで幅広い層に人気の電車運転シミュレーションゲーム「電車でGO!2」の高得点を競い、「日本一運転手」を決める初めての全国大会を8月に東京で開く。
 「電車でGO! 」は電車の正確な運転技術を競うもので、特に中高年のサラリーマンに人気が出たシリーズ。「2」は新幹線の運転も体験できるようにしたゲーム。
 全国大会は、すでに各地のゲームセンターで予選中。7月31日までに各店で最高得点した人の中の上位者が全国8都市で開くブロック代表者決定戦に進み、その後8月23日に東京のJR新宿駅前のイベントスペースで「日本一」を決定する。(京都新聞)
■京都駅などに脅迫状 刑起訴事実を認める 富山地裁支部で初公判
 京都、大阪など全国の主要各駅長あてに列車防害を予告する手紙を送ったなどとして、脅迫罪に問われた福井県武生市出身、住所不定、無職青木利夫被告(49)の初公判が17日、富山地裁高岡支部(村上久一裁判官)で開かれ、青木被告は「すべて間違いありません」と述べ起訴事実を認めた。
 意見陳述で同被告は「列車転覆させるつもりは全くなかった」と述べ、弁護人も「JRに恨みはなく、世間を騒がせることが目的で脅迫罪は成立しない」などと主張した。(京都新聞)
■宮福線10周年 児童と合同「お誕生会」
 北近畿タンゴ鉄道(KTR、事業本部・宮津市)の宮津と福知山をむすぶ宮福線が、今月16日に開業10周年を迎えたのを祝って、17日、10歳になる児童を一日駅長として宮津駅に招いて「お誕生会」が開かれた。
 宮福線は1988年、第三セクターの宮福鉄道として開業、沿線住民や観光客の足として、この10年間で約784万人を運んだ。
 お誕生会は午前9時から始まり、市やKTR関係者、10周年記念列車「市民号」の乗客ら約100人が出席した。徳田敏夫市長らが「明治以来の悲願が実って、実現した宮福線。経営状況は厳しいが『乗って守ろう』を合言葉に、大切にしていこう」とあいさつ。18日に誕生日を迎える一日駅長の小山花純ちゃん=宮津小4年=とともに、ケーキカットをして、10歳の誕生日を祝った。
 このあと市民らは列車に乗り込み、花純ちゃんの合図で宝塚歌劇観劇の旅に出発した。(京都新聞)
■御堂筋線 地下鉄天井に穴 配水管工事 ドリル、列車に接触
 17日午前10時40分ごろ、大阪市北区曽根崎新地一丁目の国道25号(御堂筋)で、配水管の付け替え作業中に工事用の二連式ドリルが、真下を走る地下鉄の天井の壁を突き抜け、先端部2本が走行中の列車に接触。折れた先端部がトンネル内に落下した。約900人の乗客に影響はなかったが、復旧作業で列車数本が数分遅れた。現場の作業員が地下鉄の上とは知らずに掘り進めたらしい。
 市によると、事故があったのは、市営地下鉄御堂筋線の梅田−淀屋橋間。市水道局発注の地下約3bに配水管を埋め込む工事で、ドリルで地面に穴を開け、地上からドリルを継ぎ足す方式で先端部から地盤を固める薬を注入していたところ、地下3.4bにある地下鉄のコンクリート製天井(厚さ約50a)を貫通した。天井から突き出たドリルは、直後に通過した千里中央発なかもず行き列車(10両編成)の屋根に接触し、1両目と2両目の冷房機の一部が損傷した。(朝日新聞)
■鉄道ペーパークラフトブック
 夏休みに親子で紙工作しませんか−。JR西日本は「500系のぞみ」など人気列車が簡単に作れる鉄道ペーパークラフトブック(A4判カラー)を22日から発売する。列車の写真やデータを収録したCD-ROM付きで2000円(税込み)。
 ミシン目に沿って切り離し、のぞみのほか7月から運転を開始した新型寝台特急「サンライズエクスプレス」「SLやまぐち号」など15列車の模型作りが楽しめる。問い合わせは電話044(813)7030。(京都新聞)
■新幹線三島液の高校生死亡事故 駅輸送主任を略式起訴
 JR東海道新幹線の三島駅ホームで1995年12月、静岡県富士宮市の高校2年生川原崎祐輔さん(当時17)が「こだま」のドアに挟まれ、引きずられて死亡した事故で、静岡地検沼津支部は17日、三島署から書類送検されていた当時の同駅輸送主任(52)を業務上過失致死罪で三島簡裁に略式起訴(求刑罰金50万円)した。「こだま」の車掌長(54)と、両親から刑事告訴されたJR東海の当時の社長(57)ら2人については、不起訴処分とした。(朝日新聞)
19日■阪和線一時乱れる 故障や操作ミス
 18日正午ごろ、貝塚市橋本のJR阪和線和泉橋本駅構内で、天王寺発日根野行き電車(4両編成)が電気系統の故障で動かなくなった。JR西日本は、故障した電車を後続の関空快速とつないで日根野駅に移し、約1時間後に運行を再開した。
 また同日午後2時10分ごろ、同線天王寺行き電車(4両編成)が天王寺駅に入る直前に新大阪指令室の操作ミスで信号が赤に急変。駅員の誘導で同駅に入った。(京都新聞)
■世界乗りもの事情 路面電車とケーブルカー ポルトガル・リスボン 丘の街、元気に駆け抜ける
 ローマ人の開発した欧州の都市で「七つの丘の街」の呼び名を持つ都市は数多い。ローマ、パリ、アテネ、そしてテージョ川を渡ってくる風の絶えることのない街、リスボン。テージョ川の北岸に広がるこじんまりとした街並みの中に、ローマ人が疫病の発生しやすい湿った低地を嫌って住んだともいわれるバイロ・アルト地区とサン・ジョルジュ城の二つの頂点がくっきりとしたアクセントを付ける。
 丘の街リスボンは、世界一、路面電車とケーブルカーの発達した都市でもある。起伏が激しく、細い通が入り乱れる市街を7路線の市街電車と3路線のケーブルカーが縦横に走る。直線距離にすれば1.5`ほどと短いのだが、バイロ・アルト地区など、丘の上に上がるのにとても重宝するケーブルカーが作られたのは1892年だった。
 当時の動力は、水の重さ。ケーブルの両端に車両を結びつける。丘の上の駅を支点にして、ケーブルを引っかける。片一方の車両が丘の上にあるときは、もう一方の車両は丘の下。丘の上に着いた車両に水を注げば、その重さで丘の下の車両が引き上げられるという仕組みだ。
 1896年には蒸気機関を利用するようになり、1914年に電化され現在に至っている。ケーブルカーはリスボンの観光資源であると同時に、街に多く住む高齢者の日常生活の大切な交通手段でもある。
 丘の下に買い物に行った帰り、大きな野菜の荷物を抱えていたアデリーナ・カンポス・サルバドールさん(79)は「毎週金曜日に丘の下で市が立つの。ケーブルカーがなかったらとても下ったり、上ったりできない」と話してくれた。バイロ・アルト地区の場合、駅は丘の下と上の2ヵ所になってはいるが、途中好きな所で客は降りて行く。
 一方、路面電車の前身、鉄道馬車がリスボンの街を走り始めたのは1874年、1901年に電化され街の重要な交通手段となる。車2台が擦れ違うのがやっとのような坂道を、元気に走り回る路面電車は、ヴィム・ヴェンダース監督の映画「リスボン物語」(95年)で大衆音楽のファドと並んで、リスボンの特徴的な風物として描かれていた。1927年製の時代ものの車両から、流線型の最新型の車両までが、思い思いの塗装を身にまとって街中を走り回っている。
 路面電車、ケーブルカー、バスなどを運営する公営企業「カリス」の支配人、レイス・シモンエスさんは「路面電車は、全然時代遅れではないし、狭い坂道の多いリスボンという街には最適なシステムだと考えている。70年前の車両をいまだに使っているのは、観光の目玉にしようというのではなく、単に今も使えるから使っているだけ。22世紀になっても街の重要な交通手段であることに変わりはないでしょう」と説明する。毎年、街が姿を変え、30年前の街の写真を見せられるとどこの街なのか分からなくなる日本とは、根本的な発想が違う。
 街の中心地、シアード地区から28番の路面電車に乗ってアルファマ地区の古い街並みで降りる。人2人が擦れ違うのがやっとの狭い路地は、アパートや住居が雑然と建ち並ぶ中を抜けていく。「リスボン物語」で美しいファドの歌姫、テレーザが歌っていたアパートもそのままだ。
 丘を登り詰めれば、サン・ジョルジュの城さいが姿を現す。5世紀に西ゴート人によって建設され12世紀になってポルトガル人の手に落ちた城跡はリスボンの歴史を静かに語り掛けてくる。その後、ポルトガルは大発展を遂げ世界各地に進出していく。インドのゴア、マカオ、長崎…。ポルトガル人が進出した街の多くが、丘の多い街だったのは偶然なのだろうか。
 城からはテージョ川に沿って広がる街の姿が一望できる。坂と、あずき色に統一された建物の屋根、そして建物と建物の間を元気よく走り抜ける路面電車がリスボンをリスボンたらしめている。
【メモ】日本からポルトガルへの直行便はなく、パリやロンドン、ローマなど欧州の他の都市から乗り継ぐことになる。パリへはエールフランスが成田から週12便、関西国際空港から9便、名古屋から3便を運行。所要時間は約12時間。パリ−リスボンは所要時間2時間半で毎日4便を運行している。予約・問い合わせはエールフランス、03(3475)1511。(京都新聞)
20日■気持ちいいね 暑さ忘れる新車両 トロッコ列車
 保津峡の景観に包まれて走る嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車に、ガラス屋根や格子の側面を取り入れた新車両が加わり、19日に運行を始めた。夏休み最初の日曜日、家族連れや女性グループの乗客たちが、吹き込む涼風にしばし暑さを忘れて、車窓の外を流れる景色を楽しんだ。
 新車両は床や側面を格子とし、ガラス張りの天井と合わせて開放感を増した。定員は62人で、トロッコ列車に1両を連結、1日に8往復する。
 午前9時からトロッコ嵯峨駅(京都市右京区)で運転開始記念式典があり、乗客で山科区に単身赴任中の武石肇さん(53)や妻の尚子さん(56)=埼玉県坂戸市たち8人が除幕した。
 友人と新車両に乗り込んだ高室浩子さん(28)=右京区=は「以前に乗ったトロッコ車両に比べ、明るくていい」と話していた。(京都新聞)
■ホーム 今度、わたしは 鉄道少年の心は今も 横浜国際総合競技場長 西田善夫(62)
 スポーツ番組でおなじみだった四角い顔がぱっとほころんだ。もし生まれ変わったら?。「電車の運転士です」と西田善夫さんは身を乗り出した。低い声がよく響く。
 幼いころ、祖父の家でそろばんをひっくり返し、東京の市電に見立てて走らせた。山手線の駅名を覚え、駅の構内放送をまねては、大人たちを喜ばせていた。
 鉄道少年の心は、60代になった今も健在だ。2人の孫と東京駅へ遊びに行ったり、自宅近くを駆け抜ける新幹線を飽きずにながめたり…。
 「1時間くらい見ていても何ともないんですよ」。最近は、新型車両の名前を孫から教わるようにもなってきた。
 「運転するなら普通の電車ですね。新幹線もいいけれど運転していてあのスピードは怖いと思いますよ」
 西田さんが体を折り曲げるようにして運転席に収まっているところを想像する。ちょつぴりユーモラスではある。
 スポーツアナウンサーとして数々の名場面に立ち会い、オリンピックには実況やキャスター役などで12回かかわった。1996年にNHKを退職してからも、部外解説委員としてマイクに向かう。
 その傍ら、大学の教壇で「スポーツとメディア」「生涯スポーツ」を論じ、この春オープンした横浜国際総合競技場の場長に就任した。
 同競技場に通うために、山手線と新幹線を乗り継げる。鉄道好きにとっては「夢のよう」とおどけた。
 「スポーツを伝えていた人間が、今度はスポーツに仕え、場をつくる。定年後、こんなにいろいろやるとは思わなかったですね」
 生まれ変わった自分の姿としてスポーツ選手は挙げなかった。一流選手は並の人間とセンスが違うのだ、という。「最初から決まっちゃうんですよ。努力でカバーできる部分はほとんどないんじゃないでしょうか」
 スポーツは大いに楽しむもの。勝ち負けに固執し過きることには首をかしげてきた。それは人生観にも色濃く表れる。いわく「人生には引き分けが似合う」。
 「人生最後の時に『勝った』って言う人は、たいてい悪いことをしたり背伸びしたりしているに違いなくてね。引き分けだったら立派じゃないでしょうか」(京都新聞)
21日■泥棒追って 列車で武勇伝 インドで邦人女性
 【ニューデリー20日共同】インドを列車で旅行中に荷物を盗まれた日本人女性が、犯人の男2人組を追って走行中の列車から飛び降りる事件があった。犯人は取り逃がしたが、サリーをまとったインド女性にはとうてい考えられない「武勇伝」。19日付のインドの英字紙が大きく報じた。
 女性は東京在住の「マキさん」で、20歳代。父親がニューデリーに駐在しており、今月12日から友人とインドに遊びに来ていた。マキさんと友人は18日朝、バラナシ発ニューデリー行きの列車がデリー首都圏に差し掛かった際、客室を離れたが、そのすきに現金など貴重品が入ったスーツケースを男2人組が盗み出そうとした。
 取り返そうとするマキさんともみ合いになった2人組は、マキさんを突き飛ばし、列車から飛び降りた。マキさんも2人を追って、ジャンプ。
 犯人は見失ったが、幸い列車が減速していたため、マキさんにけがはなく、やがて、友人の通報で現場付近を捜索した地元警察に保護された。(京都新聞 夕刊)
22日■窓 乗り心地良い京都のバスに 竜王町・松浦 弘美(塾経営・43)
 京都の大学で講義を受けるために、この春までバスを利用していた。細かい路線網のおかげで助かったのだが、運転する人によって、対応や乗り心地が違うので、はっきり言ってあまり好きではなかった。
 降りるバス停を尋ねても無視、マイクを使って修学旅行生をしかりとばす人、足の不自由なおじいさんが降りるのを待ちきれずに声を荒だてる人…そんな人に限って急発進、急停車が多い。
 京都のバスは、いつ乗ってもたいてい満員である。道路は違法駐停車が目立ち、自家用車の運転マナーも決してよくない。時間を気にしながらのバスの運転が大変なのはよく分かる。けれど、利用者あっての仕事であるし、その多くは車を運転できない高齢者、子供らの交通弱者であることを忘れてほしくない。
 もちろん乗客もマナーを守らねばならないが、サービス精神をもって、ハンドルを握れるゆとりのある勤務体制や職員教育を願う。
 一方で、とても優しく親切な運転手もたくさんおられるのは事実である。そんなバスに乗り合わせた日は、一日を本当にすがすがしく送れる。
 ”公の車”として恥ずかしくない対応を切にお願いする。(京都新聞)
■別の列車にもドリルの損傷 大阪市営地下鉄
 大阪市北区の国道25号(御堂筋)で17日、水道工事中の業者が誤って二連式ドリルで市営地下鉄御堂筋線の天井壁を貫通させ、走行中の列車が損傷した事故で、別の列車でもドリルが原因とみられる損傷が見つかった、と21日、市交通局が発表した。市はドリルの穴2ヵ所は同時に開けられたと説明していたが、その後の調べで、約1時間後にもドリルが天井を貫き、後続の列車に接触していたことが分かった。(朝日新聞)
■神戸市交通局 超勤手当 地下鉄も「違法」と提訴
 神戸市交通局の市営地下鉄乗務員に対する違法な超過勤務手当の支給で市に損害を与えたとして、神戸市民オンブスマンの白川貞雄さん(64)らが21日、笹山幸俊市長と市交通局幹部らを相手取り、1994年度から4年間の超過勤務手当などに相当する総額約16億5000万円を市に支払うよう求める住民訴訟を神戸地裁に起こした。白川さんらは、市バス乗務員の超過勤務手当について同様の訴訟を起こしている。
 訴状によると、市交通局の規定では乗務職の勤務時間は1日平均8時間45分とされている。電車に乗務する場合は、「基準乗務時間」を6時間2分(97年度)として、それを超えた乗務時間は超過勤務時間とする規定がある。
 白川さんらは「45分の休憩時間を除いた8時間が正規の実働勤務時間なのに、それより短い『基準乗務時間』を超えて乗務した乗務員に超過勤務手当を支給するのは違法」と主張。4年間に支給された超過勤務手当(約8億円)などの支払いを求めている。(朝日新聞)
■府北部に激しい雨 JRなどダイヤ乱れ
 京都府北部は22日午前、激しい雨に見舞われ、舞鶴海洋気象台は午前8時半、北部に大雨洪水警報を発令した。
 綾部市内で1時間に50_を超える雨のため、舞鶴自動車道の綾部インター−舞鶴西インター間、京都縦貫道(綾部宮津道路)の舞鶴大江インター−綾部ジャンクション間で、午前8時50分から同10時まで上下線とも相次いで通行止めになった。
 JRも、午前8時10分から山陰線綾部−山家間、舞鶴線綾部−淵垣間でおよそ2時間、運転を見合わせた。兵庫県内でも、山陰線や福知山線で運転見合わせや徐行運転が続き、ダイヤが乱れた。雨はその後おさまり、警報は午前10時40分、解除された。(京都新聞 夕刊)
■JR山陽線の信号機 落雷で故障続き ダイヤ大幅乱れ
 22日午前3時45分ごろ、岡山県倉敷市西阿知町、JR山陽線西阿知駅構内の信号機器室に落雷があり、駅構内の信号が変わらなくなった。応急処置し、約2時間後には復旧したが、長崎、佐世保発京都行き上り寝台特急「あかつき」と、南宮崎発新大阪行き上り寝台特急「彗星」が3時間20分−2時間遅れたため、一部乗客を岡山駅から新幹線へ振り替えた。
 さらに午前6時20分から同35分ごろにかけて、兵庫県赤穂郡上郡町、JR山陽線上郡駅と東隣の同県相生市本郷町、相生駅で、両駅構内のすべての信号が相次いで落雷を受けたため故障。このため、同線網干−上郡間で一時運転を見合わせたが、約15分後、手信号で運転を再開した。
 相生駅の信号は同7時15分に復旧したが、智頭急行線経由の鳥取発岡山行き上り特急「いなば」など上下線で計17本が運休。上郡始発の上り新快速が最大約50分遅れ、網干から西へ向かう下り普通列車が最大約50分遅れるなど上郡着発となる上下線で大幅にダイヤが乱れた。(朝日新聞 夕刊)
23日■航空機値引きに対抗「のぞみ」大幅割引 25日発売 回数券と往復特急券
 JR西日本は、山陽新幹線の新大阪−博多間を走る「のぞみ」に事前購入を条件に大幅な割引が受けられるビジネス用「カルテットきっぷ」と観光用「往復特急券」を25日から発売する。同区間で競合する航空機の値引き運賃に対抗するため、大胆な割引に踏み切ることを決めた。
 カルテットきっぷは、のぞみの普通車指定席を利用できる4枚つづりの回数券で、実際に乗車する前月の購入が条件。1冊5万1200円、片道1回当たり1万2800円。割引率は従来の回数券(6枚つづり)の倍の約18%。同区間の航空機の最低運賃1万3100円より安くなる。
 また、往復特急券は、乗車日の25日前から7日前までの限定発売。往復1万1700円で割引率は6%。周遊きっぷなどの乗車券との併用もできる。
 どちらも当面は年内の利用分に限って販売し、お盆と年末の帰省客らを狙う。年間で13万人の利用と14億円の売り上げを見込んでいる。
 大阪−福岡間の旅客は、5年前まで山陽新幹線の利用者が7割を超えていたが、近年は航空機に押され6割程度に落ち込んでいる。南谷昌二郎社長は「本来は便利なダイヤとサービスで対抗するのが基本だが、シェアがこれ以上ダウンしないよう今回は防御策をとる」と話している。(京都新聞)
■京の鉄道歴史ひと目 梅小路の資料展示館 1周年で「創業」展
 京都の鉄道のれい明期の様子を資料や写真でいまに伝える「京都の鉄道の創業」展が、下京区の梅小路蒸気機関車館資料展示館で開かれている。
 JR二条駅の旧駅舎を移築、保存して昨年、開館した同館の1周年を記念して企画した。
 会場は「京都電気鉄道」「官設鉄道」「私鉄」の3つのコーナーからなり、1800年代末期の鉄道路線図や、運転系統図、写真など資料71点を展示している。
 1895年に京都市の中心部と伏見を結んで始まった京都電気鉄道の紹介では、電車の前を走りながら「電車が来ました」と告げる、12歳から15歳までの「先走り少年」を写した珍しい写真などが展示されている。
 会場では、鉄道が走り始めた時代の京都の街の写真を、現在の同じ地点で撮影した写真と並べて展示している。
 訪れた人たちは約百年の街の移り変わりをじっくり確かめるように見ていた。
 8月31日まで。月曜休館。大人400円、子ども100円。(京都新聞)
■洛中洛外
 ◇…京都市電の廃止20年を記念し、鉄道ファンでつくる鉄道友の会京都支部(片山礼蔵支部長)は24日から広島市と松山市を訪れ、現役で走り続けている懐かしい元京都市電の車両に再会する。
 ◇…節目の年に、市電が走る風景を思い起こそうと企画した。廃止と同時に、京都市電の車両26両が地方の鉄道に売却されたが、今も広島電鉄(広島市)で15両、伊予鉄道(松山市)で5両が使われている。
 ◇…一行25人は2泊3日で両市を回り、元京都市電の車両に乗車する。同支部の森俊朗事務こ局長は「京都時代になかった冷房も取り付けられて、手厚い整備のおかげで元気いっぱいのよう。かつての雄姿を確かめたい」と声を弾ませている。(京都新聞 夕刊)
24日■「京都元気大賞」PR あすから京都市 チンチンバスで”東海道五十三次” 洛衣姿の京娘ら応募を呼びかけ 東京皮切り7都市で
 京都市は、自治100周年記念事業の一環として全国募集している「京都元気大賞」のPRに向け、キャラバン隊を派遣、25日から東京でキャンペーンを始める。浴衣姿の京娘たちが、レトロ調のチンチンバスに乗り込んで、東京から京都まで7都市を駆けめぐり、はんなりとPRする。
 同賞は、京の魅力を再発見し、まちの活性化に生かそうと、全国の京都ファンから「私を元気にしてくれる京都」をテーマに、愛着を持つ人物や風景、体験談、未来への提案を6月から9月4日まで募集している。
 キャラバン隊は、浴衣姿の女性3人をはじめ、自治百周年を記念したマスコットのぬいぐるみや、市職員ら12人のメンバーで構成。JR東京駅八重洲中央口をスタート地点に、横浜、静岡、名古屋、岐阜、彦根、京都の順に31日まで、1日1都市ずつ訪問する。
 街頭でのキャンペーンでは、あぶら取り紙やにおい袋など京の特産品をプレゼントし、作品の応募を呼びかけるほか、さきごろ完成した自治100周年テーマ曲「京の旅人」を流し、関心を高めてもらうという。
 また、各都市の地元ラジオ局でも、同賞のPRと募集の呼びかけを行う。(京都新聞)
■ツインビルなど整備 未来都市なにわ新都
 南海電鉄は23日、大阪市中央区難波地区の再開発事業「未来都市なにわ新都」の計画概要を発表した。南海グループと高島屋が共同で旧大阪球場周辺の3万7000平方bに屋上公園のある複合商業施設やツインオフィスビルなどを整備、2003年から2008年までに順次開業する。総事業費は1050億円。
 地上11階、地下3階の複合商業施設にはレストラン街、ファッション専門店などのほか、ゲームを中心にした都市型テーマパーク、シネマコンプレックス、劇場、多目的ホールなどが入る。
 同社はナムコや東宝と出店交渉を進めている。複合施設の屋上や開口部分には緑地、滝などを配した自然空間を整備する。一対のオフィスビルは30階建て、高さ149bで、情報通信などのインテリジェント機能を備えている。
 難波地区の建設予定地は、大阪球場が88年に幕を閉じて以来、ミナミの中心地にある再開発エリアとして注目を集めてきた。ことし11月には球場の取り壊しに着手、来夏に工事にかかり2003年から3期に分けて開業する。
 南海電鉄は「2007年には関空に2本目の滑走路もできる。難波を大阪の新たな発展の核にしたい」(川勝泰司社長)と意欲的だ。(京都新聞)
■お盆のJR 予約は低調
 JR西日本は23日、お盆期間中(8月7日−18日)の山陽新幹線と在来線の指定席予約状況を発表した。
 22日現在の予約済み席数は昨年比1%減の約206万席、定員に対する予約率も同1%減の40%にとどまり、「景気低迷の影響で低調になった」とみている。
 予約のピークは下りが12日と13日で予約率は57%、上りは16日で予約率70%。下りの予約は8日から14日の7日間に分散しているが、上りは15日から17日に集中し新幹線で満席が目立っている。
 在来線の各方面の予約状況は、関西地区から北陸が44%、山陰が28%となっている。東京と高松、出雲を結ぶ新型寝台特急サンライズエクスプレスは上下線とも既に満席。
 JR西日本は期間中に328万人の利用客を見込んでおり、新幹線、在来線合わせて824本の臨時列車を運行する。(京都新聞)
■祝園駅近くでJR線路冠水 大雨、400人に影響
 23日午後3時半ごろから約1時間、京都府相楽郡などで局地的な激しい雨に見舞われた。同郡精華町祝園幸田で中溝川があふれ、JR片町線祝園駅から南約百bの線路が2ヵ所で冠水した。
 このため木津駅と同志社前駅間で、宝塚発木津行き快速電車など上下4本が部分運休した。午後5時半ごろに正常ダイヤに戻ったが乗客400人に影響が出た。
 また、祝園駅近くやJR下狛駅付近の民家12戸も床下漫水した。(京都新聞)
■騒音公害 小田急に賠償命じる 調整委裁定 住民に総額956万円
 東京都世田谷区内を走る小田急線の騒音問題で、公害等調整委員会(委員長=川嵜義徳・元東京高裁長官)は24日、小田急電鉄に対して、沿線住民に総額956万円の損害賠償を支払うよう命じる責任裁定をした。公調委は「住民らは生活被害を受けており、小田急側の責任の有無は騒音・振動の程度が社会生活上の受忍限度(我慢の限界)を超えているかどうかで決まる」としたうえで、受忍限度の基準を屋外で測定した等価騒音レベルで70デシベルまでと設定、これを超える騒音の違法性を認定した。在来線の鉄道騒音について違法性を認定した初の準司法判断で、鉄道各社の騒音対策などに影響を与えそうだ。
 新幹線騒音については損害賠償を認めた裁判例があるが、在来線で現に走っている列車の騒音については直接規制する法律も国の指針もなく、公調委の判断が注目された。今回の裁定は、川嵜委員長のほか、元総理府次長の文田久雄委員、医師で元東京都衛生局技監の長崎護委員の3人による合議で行われた。
 交通騒音の受忍限度をめぐっては、大阪空港訴訟や国道43号訴訟の最高裁判決を通じて、「騒音発生の状況や被害の性質、侵害行為の公共性に加え、事案の経過や防止措置などを総合的に考察して違法性を判断する」という手法が定着している。今回の裁定もこうした手法を踏襲した。
 公調委の測定では各戸で等価騒音レベルで36デシベル−73デシベルの結果が出ている。裁定はこうしたデータをもとに、建物などの物的被害については小田急線の騒音・振動との関係は認められないが、生活妨害の被害は容易に認定できると指摘。
 そのうえで、総合的に考察すると、等価騒音レベルが70デシベル以上の騒音にさらされた住民と、この基準には該当しないがピーク騒音レベルが85デシベル以上となっている住民について、小田急に賠償責任があると判断した。
 この結果、申請人224人のうち、34人については1人当たり14万4000円−31万8000円の損害賠償を認めた。一方、将来分の請求については不適法として却下した。
 今回の責任裁定は小田急線の高架化に反対し、地下化を望む沿線住民ら325人が1992年5月に申請した。住民らは「現状の騒音や振動は社会通念上の受忍限度を超え、違法だ」と主張。公調委の測定結果をもとに、各世帯の騒音が受忍限度を超えているかどうかが争われた。小田急側は「騒音は受忍限度を超えていない」と反論していた。
 公調委は審問終結後の今年4月、民事訴訟の和解にあたる職権調停の案を示した。この調停案は@測定結果が68デシベルを超えた47世帯77人に総額約3000万円の住戸対策費を支払うA住民、小田急と学識経験者でつくる協議会に小田急が2000万円の協力費を出すB騒音を65デシベル以下にすることを目指す−などの内容。対策費支払いの対象となった住民12世帯19人を含む78人が受け入れたが、残る住民は裁定を求めていた。(朝日新聞 夕刊)
■小田急騒音巡る公調委責任裁定(要旨)
 24日、小田急線騒音問題で公害等調整委員会が示した責任裁定の要旨は次の通り。
 (1)侵害行為
 小田急線では、1日に800本近くの列車が午前5時から翌日午前1時過ぎまで運行されており、列車の走行による騒音・振動が沿線の相当範囲の地域に到達している。このような騒音・振動が申請人らに及ぼす影響を評価するには、申請人らの居住地等の屋外における騒音・振動レベルを、騒音については観測時間を24時間とした場合の等価騒音レベルの値と、ピーク騒音レベルの値を用い、振動についてはピークレベルの値を用いるのが相当である。この方式に従い算出した結果、観測時間を24時間とした場合の等価騒音レベルの値は36−73デシベル、ピーク騒音レベルの値は51−90デシベル、振動については41−74デシベルであった。
 (2)被害及び因果関係
 認定事実によれば、申請人らが睡眠妨害等の生活妨害の被害を受けたことは容易に推認することができるが、建物被害等の物的被害については、被害の存在あるいは被害と小田急線の騒音・振動の関係を是認するに足る証拠はない。
 (3)受忍限度
 申請人らが受けた被害に対する被申請人の責任の有無は、その騒音・振動の程度が、社会生活上受忍するのが相当といえる限度を超えているかどうかによって決せられるものというべきである。その判断をするに当たっては、@侵害行為の態様とその程度A被侵害利益の性質とその内容B侵害行為の公共性の内容と程度C侵害行為の開始とその後の継続の状況Dその間に採られた被害防止に関する措置の有無E公法上の基準等諸般の事情を総合考慮すべきものと考える。
 本件における受忍限度は、屋外における騒音レベルにより画するのが相当であり、前記@ないしEについて認定判断したところを総合して考察すると、屋外騒音レベルで、等価騒音レベルの値が70デシベル以上の騒音に暴露された申請人ら及びこの基準に該当しないがピーク騒音レベルの値が85デシベル以上の騒音に暴露された申請人ら(居住者に限る)が受忍限度を超える被害を受けたものと認めるのが相当である。
 (4)損害
 本件における慰謝料額は、侵害行為の態様とその程度、被侵害利益の性質とその内容等諸般の事情を考慮し、月額3000円が相当と認め、これに居住等の期間に応じて算出した額とする。
 (5)結論
 以上のことから、被申請人は、申請人のうち34人に対し、1人あたり14万4000円〜31万8000円、合計956万3400円を支払うよう裁定する。(朝日新聞 夕刊)
■小田急騒音裁定 「自前の対策、限界も」 鉄道各社に戸惑い
 公害等調整委員会が、在来線の騒音対策の目安を初めて数字で示したことに、全国の鉄道各社や運輸省は「一律に、今以上の対策を求められれば、運賃にはね返るかもしれない」と戸惑っている。
 運輸省によると、鉄道会社が独自に騒音抑制の目標値を設定している例はなく、鉄道会社には「住民からの苦情に個別に対応するよう指導してきた」(鉄道局環境対策室)。
 具体的な対策は車両の軽量化や低騒音モーターの採用、レールの重量化といった車両・設備の改良のほか、レールのつなぎ目を車輪が通る際の音を減らすため、レールを溶接して200b以上のロングレールにする▽車輪の円形やレール表面の滑らかさを保つため、削ったり、磨いたりするなど、日常的な手当てが中心だ。
 小田急電鉄は、急カーブなどを除く計約170`の区間についてロングレール化をほぼ完了し、1995年からは表面が波打った形の防音車輪を新車などに採用した。
 申請住民らが反対した高架化に伴って防音壁が設けられ、狛江駅付近のある地点では、騒音が工事前の72デシベル(ピーク騒音レベル)から64デシベル(同)に低下したと、同電鉄は説明する。
 ただ、「苦情に対応」とはいっても、経費のかかる防音壁の建設などが行われる例はごくまれだ。
 関西空港の開港に合わせ、大阪市内と空港を結ぶ特急の大幅増発などで深刻化した南海電鉄本線、JR阪和線の騒音・振動問題では、大阪府や沿線自治体などが2年前に両社を交えた協議会を設けた。両社は防音壁の設置や継ぎ目の少ないロングレールの更新など在来線では異例の緊急対策を講じている。しかし、対策の取られていない場所では80デシベルを超える高い測定値があり、住民たちはさらに有効な対策を求めている。
 南海電鉄広報部は「対策はすべて自前でしなければならず、限界があるのも事実。裁定をきっかけに苦情などが増えなければいいのですが」と言う。
 沿線住民ら300人でつくる「南海羽衣浜寺沿線生活環境を守る会」の代表、会社員田村正志さん(49)は「ぼくらは静かな環境を取り戻して欲しいだけだ。在来線の環境基準を新しくつくるなど、行政を含めて根本的な対策を目指すきっかけになって欲しい」と話している。(朝日新聞)
25日■ホテル一元化 バスは分離へ 近鉄が再編計画
 近畿日本鉄道は24日、業績悪化が目立つ事業分野立て直しのため、ホテル事業での一元的経営やバス事業を分離する再編計画を発表した。
 ホテル事業では、「近鉄・都ホテルチェーン」として個別に運営されてきた国内17のホテルについて、出資比率が高い9つをそれぞれ清算し、30日に全額出資で設立する「近鉄ホテルシステムズ」(大阪市、資本金130億円)が営業を引き継ぐ。
 残る京都の都ホテルや新都ホテルなど8つのホテルも新会社と運営契約を結び予約や顧客情報の管理システムを統一、運営・営業の一体化によるコスト削減を図る。
 バス事業は来年10月に本体から切り離し、新設予定の路線バス会社と貸し切りバス会社に営業を移す。利用者のバス離れなどによって83年以降、赤字続きで、累積の赤字は120億円に達している。(京都新聞)
■役員報酬をカット
 近畿日本鉄道は24日、最大10%の役員報酬カットを実施し、管理職を対象にした早期退職優遇制度を導入すると発表した。
 1998年3月期で鉄道収入が前年同期比4.1%も減少するなど厳しい経営環境を考慮。報酬カットの削減率は正副会長と社長が10%、副社長が6%、専務と常務は5%。今月の支給分から実施する。
 早期退職優遇制度は勤続20年以上で、45−58歳の課長職以上が対象。対象人員は431人。バブル期の業容拡大で増加した管理職の削減が狙い。(京都新聞)
■市バスと接触 幼い兄弟けが 北区
 24日午後4時ごろ、京都市北区廬山寺通西大路西入ルで、道路を横断しようとした北区平野宮西町、公務員吉田和生さん(35)の長男で衣笠小1年の健人君(6つ)と二男で幼稚園児の浩紀ちゃん(4つ)が、西進してきた市バス=市原祥雄運転手(46)=と接触した。2人は、顔などに軽いけがをした。
 西陣署によると、市バスは停留所に近づいていたため低速度で走行していたといい、原因を調べている。兄弟は近くのスーパーマーケットから帰る途中で、手をつないで歩いていた、という。(京都新聞)
■阪急京都線で故障 乗客6万5000人影響
 24日午後5時ごろ、大阪市東淀川区の阪急京都線上新庄駅−淡路駅間で回送中の電車が故障した。
 故障した電車を車庫に回送するなどしたため、後続の京都線の特急と急行計5本が運転を取りやめたのを含め、約3時間にわたってダイヤが乱れ、特急など計156本の列車が21−3分遅れた。乗客約6万5000人に影響が出た。(京都新聞)
■近鉄 赤字事業をリストラ ホテル・バス 別会社化で再建狙う
 近畿日本鉄道は24日、バス事業を分離し、来年10月から別会社にするとともに、現在20ある「近鉄・都ホテルチェーン」のうち、資本関係の深い国内9ホテルを統括運営する全額出資の新会社を今月30日付で設立すると発表した。バス、ホテル事業とも赤字経営が続いており、リストラ(事業の再構築)で、赤字脱却をねらう。
 近鉄は大阪府内や京都府の一部でバス事業を展開しているが、1984年3月期から赤字が続いている。新会社設立にあたって、社員の1割を削減するとともに、新規採用者には本体より低い賃金体系を適用して運行コストを圧縮する。同時に、現在30ある路線のうち、5−8路線を休・廃止する予定。
 ホテル事業の赤字は、98年3月期で47億円(連結対象ベース)にのぼる。新会社の資本金は130億円。向こう2年間をめどに、ホテルの土地、建物などの資産を近鉄本社に引き継ぎ、新会社は各ホテルを統括して運営する。従業員は新会社の子会社に移す。(朝日新聞)
27日■駅ホーム突き落とし 元警備員に実刑
 大阪府枚方市の京阪本線牧野駅で去年4月、同市内の会社員(当時67)をホームから突き落とし、電車にひかせて死亡させたとして、傷害致死の罪に問われている元警備員松村宏美被告(57)に対する判決公判が27日午前、大阪地裁であった。横田信之裁判長(転任のため西崎健児裁判長代読)は「責任は重大だが、突発的な行動であり、傘で顔を突いてきた被害者にも落ち度があった」と述べ、懲役3年6月(求刑懲役7年)の実刑を言い渡した。
 判決によると、松村被告は去年4月3日午後3時10分ごろ牧野駅の下りホームで、いすの使用をめぐってもみあいとなった会社員の胸を殴ったうえ、右肩のあたりを突いて約1.3b下の線路上に突き落とした。会社員は、特急電車にひかれて即死した。
 松村被告は公判で、もみあいになったことを認めたが、「気づいたら会社員が転落しており、押したかどうか覚えていない」などと否認していた。
 判決は、目撃証言などから、松村被告がけんかをして酒に酔っていた会社員を突き落とした、と認定。「過剰防衛にあたる」と指摘した。(朝日新聞 夕刊)
■線路に置き石容疑で男逮捕 阪急今津線
 27日午前2時40分ごろ、兵庫県西宮市北口町の阪急電鉄今津線の甲風園第一踏切近くの線路で、しゃがみ込んで石を置いている男を、約25b南の西宮北口駅のホームで清掃中の作業員が見つけた。駅の警備員と一緒に男を取り押さえ、110番通報で駆けつけた西宮署員が往来危険容疑で男を現行犯逮捕した。終電後で電車への影響はなかった。
 調べによると、男は同県川西市美園町、無職家門昇容疑者(46)。直経5aほどの約50個の石が、西宮北口駅に向かう分岐点近くの、交差する線路のすき間部分に詰められており、このまま電車が通過すれば脱線の恐れもあったという。調べに対し、家門容疑者は「むしゃくしゃしてやった」と供述しているという。(朝日新聞 夕刊)
28日■地下鉄大阪港駅で火災、15本に遅れ
 27日午後6時半ごろ、大阪市港区築港の地下鉄中央線大阪港駅(高架駅)の2階コンコース部の拡幅工事現場から火が出ているのを乗降客が気付き、駅員に連絡した。約10分後に鎮火し、3階ホームにいた乗客約100人に混乱はなかった。この間、中央線は運転を停止し、電車15本に最高14分の遅れが出て、約6000人に影響した。
 大阪市消防局の調べでは、現場は朝から工事中で、溶接の火花が原因とみて調べている。(京都新聞)
■社説 在来線騒音にも心を配りたい
 東京・世田谷区の小田急電鉄沿線住民が同電鉄線の騒音をめぐって国の公害等調停委員会に裁定を求めていた問題で、同委員会は先週、一定以上の騒音にさらされている住民に対して慰謝料を支払うよう同電鉄に求めた。在来の鉄道騒音では最初の判断となった。
 公共性のきわめて強い鉄道であっても沿線住民に一方的な犠牲を強いるわけにはいかない。当然のことをはっきりと示した裁定である。電鉄会社はもちろんのこと、国や自治体、鉄道の利用者も含めて被害の痛みを理解するとともに、その軽減をめざさねばならない。
 鉄道騒音への取り組みは遅れている。新幹線騒音については環境基準が1975年に定められた。開通後10年以上たっていた。各地で騒音被害が深刻化し、博多開業のこの年までに、目標値としての環境基準の設定を迫られたものだ。
 住宅地で70デシベル(dB)商工業地で75dB。JR各社は防音壁を設けたり、路盤や車両の改善など工夫を重ねて長野新幹線では基準を達成したが、そのほかの各線では住宅密集地を除けば、未達成のところが多い。京都府内でも測定地点の7−8割で基準を超えているのが現状である。速度や車内の快適さの向上はめざましいものの、沿線の環境対策は残念ながら今一歩である。
 在来線では95年に新線をつくったり高架化など大規模な改良をする場合に限って適用する環境庁指針が定められた。一定時間内の騒音レベル平均を昼間60dB以下、夜間55dB以下とするやや踏み込んだものだが、既設線路は「全国一律にはできない」との理由で対象外とされ、在来線については、強制力のない基準や指針すらない状態で、これといった判例もなかった。従って、今回公調委が示した慰謝料支払いを相当とする基準が初の判断となるわけだ。
 裁定によれば、一日の屋外騒音レベルの平均が70dB以上か、列車通過時の最も高い騒音が平均85dB以上の住民を補償対象とした。一日の平均値だけでなく最大値をも問題にしたため多面的な基準となった。実態をより正確に反映するとされる測定方式を先取りして採用したこととあわせて注目したい。
 70dBは目安として「騒々しい事務所や静かな工場」の騒音レベルに相当する。新線建設の場合に比べれば緩めであり、論議を呼ぶところであろう。ただし従来、規制するものがなかった在来線の騒音に警鐘を鳴らした意味合いは大きいといえよう。
 鉄道の公共的使命はいうまでもない。だからといって、在来線をいつまでも例外扱いとするわけにはいくまい。今後、各地の実態に即した検証に基づき、まず努力目標としての指針または環境基準値の設定が行われるべきと考える。
 関西地区でも、関空特急の新設に伴い南海線やJR阪和線で騒音問題が問われた例がある。在来各線が住宅地を縫うようにして走る場所も多い。それぞれ過去からの経緯もあり、一律性急に対策を迫るのは無理としても、鉄道各社には沿線の痛み軽減に努める姿勢が求められる。(京都新聞)
■文化 時代と共に歩んだ鉄路 126年の歴史 鉄道考古学で車窓楽しむ
 日本の鉄道はこの秋、10月14日で創業126周年を迎える。
 通勤や通学あるいは旅行などで、だれもが日常的に鉄道を利用しているが、あらためて自分が乗っている路線の歴史を振り返る機会など、なかなかないだろう。
▼歴史を物語る
 話は少しずれるが、報道の世界には「5W1H」という考え方がある。「いつ」「だれが」「どこで」「何を」「どうして」「どんなふうに」ということを伝えよ、という原則のことだ。
 ただ、漫然と列車や電車に乗るばかりでなく、この鉄道はいつ、だれが(あるいは国が)、どういう目的で建設し、どのように発展してきたのかを、前述の「5W1H」式に考えてみると、日本の鉄道は、必ずその時代の政治、経済、文化、国防、地域開発、社会現象などと関係を持ちながら発展してきたことがわかる。
 そして、その鉄道史を語る証言者として、古い構造物(駅舎、ホーム、トンネル、鉄橋など)が今も残っていることが多い。古い構造物を見たり、線路が建設されたルートを見たりするところから鉄道史を探る手法を「鉄道考古学」と勝手に命名したが、この学問?には、だれでも自由に、身近なところから参加できる。その例をいくつか挙げてみよう。
▼洗面台にも注目
 ホームを支える柱に、よく古いレールが使われているのを見ることがある。これには、ドイツ語や英語で製造会社名が刻まれていることが多い。また、製造年も入っているので、これを見ると、鉄道草創期である19世紀末には、レールがほとんど輸入品だったことがわかる。同時に「NTK」(日本鉄道会社)のように発注者名も入っているが、これは、レールが注文生産だった証拠である。
 鉄橋の形状も面白い。トラス橋、ガーダー橋などいろいろあるが、この違いは、どこの国の技師が手がけた仕事か、あるいは、日本人技師が担当したとしても、どこの国の影響を受けたか、ということに関連がある。
 日本の鉄道橋は、明治中期までは英国人の手による「ポーナル桁(けた)」というタイプが多かったが、後には米国流の設計が主流になった。しかし、九州の鉄道はドイツの技術指導を受けて建設されたため、初期の鉄橋はドイツ流のものが多かったという。
 変わったところでは、東海道、信越、鹿児島などの主要幹線で見られる、ホームの洗面台も注目すべき存在だ。SL(蒸気機関車)が主力だった時代、停車時間の長い駅で乗客がホームに降り、すすで汚れた手や顔を洗った名残である。電化が進み、ほとんどの車両が冷房車になった今では笑い話のようだが、かつては市販の「時刻表」に洗面台設置駅が記号で標示されていたほど、なくてはならないものだった。
▼知恵の集積
 そのSLに給水するための給水塔や、方向転換するための転車台(ターンテーブル)なども、車窓から注意深く見ていると、今も随所に残っている。
 また電灯が普及していない時代、ランプ用の燃料を収納するために設けられた、レンガ造りの危険品庫なども多くの駅に残っている。
 時代は変わってゆく。だが、時の流れを超越して残っているものを見ることで、人の知恵の積み重なりを感じ取ってほしい。鉄道が日本経済を支える基幹産業だったことも、理解することができるだろう。
 夏の旅行シーズンがやってきた。みなさんも、鉄道を利用する時、車窓を「鉄道考古学」的に見ていると、より旅が楽しくなるのでは、と思っている。(鉄道・商船ライター)
浅野 明彦 あさの・あきひこ氏 1966年横浜市生まれ。JR関連会社勤務を経て、95年からフリーで活動、旅行誌を中心に執筆している。著書に「鉄道考古学を歩く」。(京都新聞)
■旧国鉄債務処理 先送りも 不良債務処理を最優先 自民・森幹事長に聞く
 自民党の森喜朗幹事長は27日、朝日新聞などのインタビューに答え、30日に召集する臨時国会を「経済再生国会」と位置付けたうえで、不良債権処理関連法案の成立を最優先する考えを強調した。臨時国会での成立を目指してきた旧国鉄債務処理法案などは、先送りすることもやむを得ない、との認識を示した。また、参院自民党が大きく過半数割れしていることに関連し「金融システム再生のため、野党にいい案があれば採用するぐらいの気持ちで話し合う」と述べ、法案修正に向けた与野党協議に柔軟に対応する姿勢を示した。
 森氏は「臨時国会では、旧国鉄債務処理法案、新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)関連法案、情報公開法案など、重要案件が数多いが、まず、金融を含めた経済の再生をやる」と述べ、ブリッジバンク制度の創設を柱とする不良債権処理関連法案の成立に全力をあげる方針を示した。
 約28兆円にのぼる旧国鉄債務の処理法案成立が遅れた場合、国鉄清算事業団が予定通り10月1日に解散できず、事業団が借金を重ねるか税金を投入するしかなくなるが、この点について森氏は「今の段階で10月のことを言っている状況にない」とし、必要な歳出は容認する考えを示した。
 野党との政策協議については、「民主主義の原則からも、まず野党第一党の民主党から話し合う」と指摘。衆院の解散・総選挙については、「いまの経済状況の中で政治空白を作るべきでない」と否定した。(朝日新聞)
■リニアモーターカー 「実用化、問題なし」 運輸省評価委中間報告へ
 山梨県で試験走行が続く超伝導磁気浮上式リニアモーターカーについて、運輸省の実用技術評価委員会は「実用化に向けて基本的な問題は認められない」とする中間報告を30日の委員会でまとめる。走行システムを高く評価し、今後は長期耐久性やコスト削減などに重点を置くよう求める。
 委員会は、昨年4月から始まった山梨リニア実験線での試験結果を検討。目標だった最高時速550`までの走行が安定し、相対速度が時速800`になる2編成でのすれ違いや、時速450`での追い越しも順調だった。沿線の振動(70デシベル以下)や磁界(20ガウス以下)も目標を達成していた。
 山梨リニア実験線 リニアモーターカーの実用化をめざしてJR東海と鉄道総合技術研究所などが昨年4月、実験線(山梨県大月市−都留市)で走行試験を始めた。昨年12月には無人走行で時速550`、有人走行で時速531`の世界最高時速を記録。「中央新幹線」(東京−大阪間)をリニア方式で1時間で結ぶ構想がある。(朝日新聞)
■地下鉄の大阪港駅で電気配線など焼ける
 27日午後6時半ごろ、大阪市港区築港三丁目の市営地下鉄中央線の高架駅「大阪港駅」の外壁から出火、ベニヤ板や電気配線などが焼けた。このぼやの影響で中央線の全列車が14分間運転を見合わせ、帰宅客を中心に6000人の足が乱れた。
 同駅では2階のコンコース部分を拡幅工事中だった。同市交通局と消防局は、溶接の火花がベニヤ板に燃え移ったとみて調べている。(朝日新聞)
29日■地下鉄、40分ストップ 烏丸線の今出川駅近く 線路上で男性死亡
 28日午後2時35分ごろ、京都市上京区の市営地下鉄烏丸線今出川駅から北約35bのトンネル内で、駅を発車した直後の国際会館駅行き電車の運転士(25)が線路上で男性が死亡しているのを発見、駅を通じ110番通報した。
 中立売署の調べでは、死亡していたのは上京区の無職の男性(83)。発見した電車の8本前の午後1時半ごろに今出川駅を出発した電車が男性をはねたとみられる。同署は、男性がトンネル内に入り込んでいたのではないかとみて、さらに調べている。
 市交通局は、事故処理のために、地下鉄烏丸線の全線で約40分間、電車の運行を中止した。上り下り計14本が運転を取りやめ、約7000人に影響が出た。市交通局は烏丸線と東西線の全駅で、構内放送を通じホームの乗客たちに事故を説明して、乗車券の発売を一時停止したほか、計約1400人分の乗車券を払い戻した、という。(京都新聞)
■社説 鉄道騒音 沿線環境に目を向けよ
 公害等調整委員会が小田急線の騒音について「等価騒音レベルで70デシベル以上は沿線住民の受忍限度を超える」と裁定し、会社に損害賠償を命じた。
 在来線の騒音には、新幹線と違って環境基準が設けられていない。住民側は裁定の内容を不十分として裁判所に提訴する方針だが、裁定は各地の在来線で騒音対策を促す際の目安としての意味を持つだろう。
 鉄道会社は輸送力を高めることに力を入れるだけでなく、沿線の環境にも十分目を向ける必要がある。そのうえで騒音を減らす方策を早急に取らなけれはならない。
 小田急線は東京・新宿から郊外へ延びる私鉄だ。首都圏の大動脈といっていい。朝のラッシュ時には2分間に1本の割合で電車が走る。それでも混雑解消にはほど遠く、複々線化工事を進めている。
 裁定は、一定時間内の騒音をエネルギーとしてとらえる等価騒音レベル方式を指標として用いたほか、「ピーク騒音レベルで85デシベル」も受忍限度の基準とした。裁定を求めた約200人のうち34人が損害賠償の対象になった。
 在来線の騒音問題は長い間、新幹線被害の陰に隠れていた。注目されたのは、JR瀬戸大橋線や青函トンネルの開通に伴い、被害の訴えが相次いでからだ。
 環境庁は1995年、新たに建設する在来線について、昼間は60デシベル、夜間は55デシベル以下に抑えるという指針値を示した。生活環境を守るには、このくらいの騒音に抑えなければならないという目標だった。
 ところが、すでにある在来線については指針値をつくらなかった。「列車の種類や本数、路線の成り立ち、沿線との関係など事情がさまざまで、一律の基準づくりはむずかしい」という理由による。
 この発想は変だ。環境を改善するには、まず達成すべき基準を示すのが鉄則だ。そのうえでさまざまな対策を考える。目標となる基準がなければ、鉄道会社は騒音減らしに真剣に取り組まないだろう。住民も自治体も対策を迫る手がかりを欠く。
 手をこまぬいてきた環境庁の責任は重い。置き去りにしてきた在来線の環境基準づくりに早急に着手すべきである。その際、沿線住民の意向を聞きながら作業を進めるべきであることはいうまでもない。
 今回示された受忍限度を超える路線は、小田急線だけではあるまい。大都市の鉄道は列車本数や車両編成が増え、騒音がますますひどくなる要因を抱えている。住民の苦情を受けて防音壁の設置やまくら木の改良に取り組んでいる路線もある。
 鉄道各社はまず、今回の受忍限度を超えないよう対策を講じるべきだ。それには沿線の騒音の状況を調べることが先決だ。さらに新線建設の指針値である昼間60デシベル、夜間55デシベル以下をめざす必要がある。
 大体の感じでは、60デシベルは静かな乗用車内や普通の会話をしている状態にあたる。裁定で受忍限度とされた70デシベルは電話のベルや騒々しい事務所の中に相当する。沿線住民にとって、その違いは大きい。エネルギーの節約や地球温暖化対策を進めていくうえで、鉄道の役割はいっそう重要になる。だからこそ、鉄道会社は地域住民とともに歩んでほしい。
 公害等調整委員会は、小田急線が沿線住民にとって不可欠な交通手段であり、公共性を持つことを十分認めたうえでなお、受忍限度を超えていると指摘した。
 その重みを忘れてはならない。(朝日新聞)
■はねられ死亡 地下鉄線路上で上京の男性自殺?
 28日午後2時30分ごろ、上京区烏丸今出川、京都市営地下鉄烏丸線今出川駅の国際会館行きホーム北端から35b離れた線路上に、人間の遺体らしいものがあるのを運転士が見つけ110番通報した。中立売署の調べでは、死亡したのは上京区内の男性(83)で、通院の帰りだったという。男性はこの日、ホームのさくを乗り越え線路に入り、約1時間前に現場を通過した電車にはねられたらしく、同署は自殺とみている。地下鉄烏丸線は全線で約40分間停車し、約7000人の足に影響が出た。(朝日新聞)
■名鉄 深紅のパノラマカー廃車へ 先頭車両に運転席 61年にデビュー 子らに親しまれる
 最前部の客席から運転士気分が味わえ、深紅の車体が子どもや鉄道ファンらの人気となった名古屋鉄道の「パノラマカー」。この7000系車両の廃車が進み、解体が1998年度から本格化している。
 この車両は61年、名鉄の特急用車両としてデビュー。運転席を2階に上げた先頭車両に展望席を設置。踏切や駅を通過する際の「ピーポーパーポー」というメロディーの警笛でも親しまれ、優れた車両に贈られる鉄道友の会ブルーリボン賞も受賞した。
 当時としては珍しい冷房を備えた車両で、新岐阜−豊橋間を82分で直結。同社の「看板電車」として東海地方の高速輸送に活躍した。
 7000系は75年までに計116両が製造されたが、1両約40dと最近の車両に比べ約10d重いほか、消費電力も約3割多く、現在はごく一部を除き花形の特急の座を新型車に明け渡し、急行や普通として通勤通学客の足となっている。
 同社車両部によると、98年度は18両を解体、約10年かけほぼ全部を解体する見込み。「今のところ車両を保存する具体的な計画はない」(同社広報宣伝部)という。
 名古屋市に住む男性団体職員(32)は「子どもの時、パノラマカーがホームに入ると、展望席の一番前の席に座ろうと走ったものです」と懐かしげに話している。(京都新聞 夕刊)
■電動三輪車 電車と接触 川西の踏切、男性重傷
 29日午前7時25分ごろ、兵庫県川西市平野一丁目、能勢電鉄の上平野踏切(遮断機付き)で、電動三輪車で横断中の近くの無職野村捨松さん(82)が山下発川西能勢口行き普通電車に接触して転倒し、右足骨折などの重傷を負った。
 川西署の調べなどによると、野村さんが線路に入ろうとした際、遮断機はすでに下りており、障害物の検知装置や自動列車停止装置(ATS)なども働いたが、間に合わなかったという。野村さんは腰痛の治療のため、自宅から病院に行く途中だった。
 電動三輪車は足が不自由な人や高齢者用で最高時速は6`以下とされており、バックもできる。運転に免許はいらず、道路交通法では歩行者あつかいになる。(朝日新聞 夕刊)
30日■雨で一部徐行運転 JR関西本線と奈良線
 29日午後7時40分ごろ、京都府相楽郡笠置町、JR関西本線の笠置駅に設置されている雨量計が、1時間に25_の降雨量を記録したため、同7時43分から、大河原−加茂駅間で30`の徐行運転。また、綴喜郡井手町、同奈良線の木津−山城青谷駅間でも、同10時12分から同様に徐行運転し、深夜までダイヤが乱れた。(京都新聞)
■線路にバイク 乗客1人けが 神戸電鉄
 29日午後9時35分ごろ、神戸市北区鈴蘭台西町一丁目、神戸電鉄の中畑山踏切(遮断機、警報機つき)で、新開地発志染行きの下り普通電車(4両編成、乗客約280人)が線路上に置いてあったミニバイクにぶつかり、約17b引きずって止まった。この事故で、乗客の男性(56)が腰を打つなどして救急車で病院に運ばれた。後続のダイヤに乱れはなかった。(朝日新聞)
31日■市バスと自転車衝突 左京、主婦軽いけが
 30日午後4時45分ごろ、京都市左京区下鴨宮崎町の交差点で、右折しようとした深泥池行き市バス=村田豊秋運転手(57)=が、横断歩道を渡っていた同区田中馬場町、主婦間瀬美津子さん(28)の自転車に衝突。弾みで間瀬さんは転倒し、右肩などに軽いけが。市バスの乗客約60人にけがはなかった。
 下鴨署は、村田運転手が前をよく見ていなかったのではないかとみて調べている。市交通局は「横断歩道前の一旦(たん)停止を怠ったとすれば、運転手の過失で大変申し訳ない」と話している。(京都新聞)
■新閣僚の課題(抜粋)
 「経済再生」を最重要課題に掲げる小渕恵三政権が30日、発足した。長引く厳しい不況の下、国民と内外の市場がその経済運営に厳しい視線を送るなかでの船出だ。「経済失政」で倒れた前政権の後だけに、新しい経済閣僚には差し迫った課題が待ち受けており、その解決は時間との勝負ともなっている。
・運輸相 旧国鉄債務待ったなし
 川崎二郎運輸相が手がけることになる旧国鉄債務処理法案は、10月1日に予定通り国鉄清算事業団を解散するためには、「成立のタイムリミットは9月11日」(運輸省)。しかし、JR各社は追加負担を拒否したまま。野党各党も反対でほぼ足並みをそろえている。JR負担に代わる野党側の対案はまだ明確ではないが、難しい国会対応を迫られる。(朝日新聞)