1998(平成10)年 6月


1日■モノレール駅に彫刻 大阪府が収集の35点(京都)
  ■新幹線停止装置押す 容疑の塗装工逮捕 酔って線路に侵入 浜松(京都)
  ■新幹線一時ストップ(京都)
  ■東海道新幹線 停止スイッチを押す 浜松の線路内 妨害容疑で男を逮捕(朝日)
  ■新幹線で停電 のぞみ止まる 山口、2500人に影響(朝日)
3日■リッチに自然と一体 嵯峨野 トロッコ列車に新車両(京都)
  ■JR不採用問題で自民が和解へ提案(京都)
  ■女子高生が痴漢突き出す JR京都駅、容疑者逮捕(京都)
  ■窓 教育の在り方列車内で再考 草津市・竹原 信次(会社員・53)(京都)
  ■和解働きかけ自民党が提案 JR不採用問題(朝日)
4日■独高速鉄道 時速200`で脱線 70人死亡、200人重軽傷 陸橋の橋脚に激突(京都)
  ■東山区のJR架道橋 タクシー後部直撃、けが人なし(京都)
  ■まるで墜落現場 ドイツの列車脱線 つぶれた客車、無残(京都)
  ■東北・上越新幹線 早朝に乗れば半額 夏トク切符、来月21日から(京都)
  ■東山の鉄板落下 間一髪、歩行者も… JR 同種の橋を点検へ(京都)
  ■ドイツ高速列車脱線 70人死亡200人死傷 落ちてきた車と衝突 時速200`(朝日)
  ■悪夢 積み重なる車両 ドイツ事故 原形とどめず 多数まだ中に(朝日)
  ■鉄板落下、タクシー間一髪 腐食でボルト抜け落ち? 京都(朝日)
  ■独新幹線脱線 死者100人超える 車落下情報運転士否定 原因なお不明(京都)
  ■独の新幹線脱線 機関車は無傷で通過 なぞ多い原因 「障害物なかった」 運転士証言 高い安全性揺らぐ(京都)
  ■トラック接触ボルトが緩む 鉄板落下でJR発表(京都)
  ■先頭車輛は無傷 ドイツ超特急の脱線事故 2両目以降大破 死者78人に(朝日)
  ■独超特急惨事 なぞ深まる脱線原因 自動車転落 橋崩壊後の可能性(朝日)
5日■独新幹線脱線 原因究明、長期化か 確認の死者92人に 異常振動の証言も(京都)
  ■独の新幹線脱線 専門家ら 高速化がはらむ危険に警鐘 軌道、車両…どこに異常(京都)
  ■社説 日本でこんな事故はごめんだ(京都)
  ■「SL北びわこ号」今夏の運転日決定 JR西日本(京都)
  ■窓 朝のバス停にすがすがしさ 北区・原田 玲子(会社員・58)(京都)
  ■独の超特急脱線 後続車両に急制動? 原因究明本格的に 死者90人越す(朝日)
  ■社説 独列車事故 高速化への警告だ(朝日)
  ■上海−香港1991`直通列車乗車率6割 宣伝効果あるはずなのに… 広告主は乗ってこず 中国の不況も影響?(朝日)
  ■独新幹線事故 車輪の破損確認 「車体、線路の異常」浮上(京都)
  ■独超特急脱線 車輪破損が原因か 安全管理に問題も(朝日)
  ■独の列車脱線 「速く安全」揺らぐ信頼 車輪破損の疑い 出発5時間前に点検(朝日)
6日■死者96人確認 ドイツ新幹線事故(京都)
  ■これが京の初期の鉄道 梅小路蒸気機関車館 来月4日から展示会(京都)
  ■来年12月に開業早まる 山形新幹線の延伸(京都)
  ■東静岡駅と正式決定 JR東海道線の新駅(京都)
  ■死者は96人に 独列車事故 原因究明に重点(朝日)
  ■車輪、金属疲労か ドイツ新幹線脱線事故 直前点検で見逃す?(京都)
  ■独列車事故死者98人に(京都)
  ■線路に車放置 電車緊急停止 姫路の山陽電鉄(朝日)
7日■死者102人に 独の新幹線事故(京都)
  ■ドイツ特急事故 死者102人に(朝日)
8日■列車爆破 23人死亡 パキスタン(京都)
  ■国労控訴へ JR不採用訴訟で(京都)
  ■国労単独でも控訴へ JR不採用事件判決(朝日)
  ■死者98人に 独鉄道事故で修正(朝日)
  ■パキスタン 列車で爆発、23人死亡 外務省声明「インドの機関絡む」(朝日)
9日■トロッコ列車サミット 自然と鉄道 共生目指し 来月、釧路で開催(京都)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■バスと鉄道値下げ申請 遠州鉄道、初乗り100円(京都)
  ■新幹線の保守車両が脱線 ポイント切り替えミス(京都)
  ■市バス発車の弾み 女性が転倒し重傷 左京のバス停(京都)
  ■新幹線、保守車が脱線 小田原駅 ポイノトミス? 一時不通(朝日)
10日■地下鉄の証明書発行コーナー 利用に明暗 四条駅・オフィス街 予想越す87件(1日平均) 竹田駅住宅街(京都)
  ■列車妨害予告で再逮捕 脅迫容疑の男を富山県警 京都駅など追及へ(京都)
  ■JR京都駅ビルで男性飛び降り死亡(京都)
  ■此花臨海駅は帆船の雰囲気 JR桜島線の新駅(京都)
  ■今日的遺跡探検 1964 21世紀まで936日 0系新幹線 栄光1番 地球150周(朝日)
  ■信号変わらず阪急電車遅れ 宝塚線の車庫内(朝日)
11日■窓 快適な乗車に皆が努力を 大津市・笹井 由美(主婦・36)(京都)
  ■故障で立ち往生の列車に 救援車衝突、38人けが 高知の三セク(京都)
  ■走行中の新幹線 ドア開き緊急停止 岡山(京都)
  ■土佐くろしお鉄道 救援車と衝突、38人けが 故障で立ち往生中(朝日)
  ■走行中にドア開く 山陽新幹線(朝日)
12日■リニア 初のすれ違い実験 200`で風圧など調査(京都)
  ■高知の列車衝突事故 停車位置を誤認? 重軽傷40人に 運転士から聴取(京都)
  ■岡山の路線バス 全国初の値下げ 3社に認可、7月実施(京都)
  ■窓 JR新幹線の安全対策は? 東山区・松本栄次郎(無職・67)(京都)
  ■「700系」新幹線 試走中に停止 西明石、ダイヤ乱れる(朝日)
  ■ドイツの高速列車事故 疑惑の的は「弾性車輪」 振動防ぐが強度で不利(朝日)
13日■JR新快速 室内灯消える 高槻駅、8000人に影響(京都)
  ■緊張の中、従業員訓練 JR梅小路駅構内事業所など 危険物の消火・救助(京都)
  ■伝説乗せて出発進行 叡電内に写真と絵展示(京都)
  ■「そうだ京都、行こう」 JR東海 関東で観光PR(京都)
  ■車内の携帯電話 禁止・容認 関西の鉄道各社足並みそろわず(京都)
  ■絶景かな 五山送り火 京都駅ビルの空中径路を開放 地上45b 招待者募る(京都)
  ■私はジェニー 新幹線へようこそ(朝日)
  ■救援運転士に連絡不徹底か くろしお鉄道事故(朝日)
  ■独で また列車事故 乗客ら37人けが(京都)
  ■またドイツで… 列車正面衝突 37人がげが(朝日)
14日■時々刻々 跡地再開発の構想停車中 国鉄清算事業団 売り込みに意欲的(朝日)
16日■ビジネスホテルに本格参入 来月、大阪にオープン JR西日本グループ(京都)
  ■声 日本の新幹線大丈夫なのか 東京都 細野 耕司(公務員 47歳)(朝日)
17日■新幹線 本当に大丈夫? 急激な高速化・過密ダイヤ・施設老朽化 安全コスト公表し 利用者含め議論を(朝日)
  ■男性飛び込み死亡 JR西大路駅ホーム(京都)
  ■列車にひかれ男性が死亡 JR西大路駅(朝日)
18日■市バスに自転車接触 中国人留学生がけが 左京の交差点(京都)
  ■窓 若者のルール無視にあきれ 八日市市・大塚 三郎(無職・77)(京都)
  ■車輪破損が脱線の原因 独の超高速列車事故(京都)
  ■「車輪原因」認める ドイツ特急事故調査委 客車の外輪が破損(朝日)
  ■こだま快走中「短距離ランナー」に変身 運転区間を細分化 乗客伸び率「のぞみ」を超えた(朝日)
19日■電車とホーム間に男性が挟まれ死亡 山陽電鉄東垂水駅(朝日)
  ■声 車内の通路にすわる高校生 高砂市 水王 央子(表具師 65歳)(朝日)
  ■近畿で大雨(朝日)
  ■市バスと衝突 客ら5人けが 朝、大阪で(朝日)
20日■JR二条駅再開発訴訟 住民の訴え棄却 京都地裁 土地価格言及せず(京都)
  ■海水浴、盆シーズン 臨時列車を163本運行 KTR、特急の臨時停車も(京都)
  ■RACTO山科PR 車体ペイントバス登場(京都)
  ■府南部で大雨被害(京都)
  ■「はるか」など乱れ(京都)
  ■関西線は一部運休(京都)
  ■住民側が敗訴 二条駅周辺再開発 土地購入価格訴訟(朝日)
21日■声 弱者に朗報の低床バス助成 中村市 福留 正友(農業 74歳)(朝日)
22日■京滋ら大雨 山中越が通行止め 大津駅通路に浸水(京都)
  ■東海道線の一部不通(京都)
  ■地下道に雨水 300人立ち往生 JR大津駅(朝日)
  ■声 「ない」づくし 乗り物マナー 柏市 津久井 正美(英会話講師 50歳)(朝日)
23日■JR東海道線乱れる 米原駅で信号故障2回(京都)
  ■新社長に筧氏 ジェイアール西日本伊勢丹(京都)
  ■社長に筧氏 ジェイアール西日本伊勢丹(朝日)
  ■独鉄道社長らを告発 lCEの脱線事故(京都)
24日■三都夏祭りにいらっしゃい 阪急など乗車券発売へ(京都)
  ■地下鉄カード変造で5倍に 大阪、4容疑者逮捕(朝日)
  ■独、超特急脱線事故 鉄道社長らを弁護士が告発(朝日)
  ■今日的遺跡探検 1955 21世紀まで922日 ボンネットバス 可愛い姿次々消え(朝日)
25日■京都駅ビル開発 新社長に市川氏(京都)
  ■元JR東海会長 田中精一氏が死去(京都)
  ■新社長に市川氏 京都駅ビル開発(朝日)
26日■マイカー規制 やっぱり切り札 京のCO2 14%の大幅削減 北村京大教授 人の移動を分析(京都)
  ■新幹線が一時停車 京都駅、40分遅れる(京都)
  ■京都駅1周年でイベント多彩 ミニSL運転、舞妓の1日駅長、写真展など 7月11、12日(京都)
  ■新社長に竹内氏 シアターアーツ1200(京都)
27日■KTR8期連続の赤字 97年度決算 不況で旅客減る(京都)
  ■特急はるか遅れる 貨物列車、誤って進入(京都)
  ■8年連続でKTR赤字 97年度決算を発表(朝日)
29日■コインロッカーに短銃2丁 JR山科駅で発見(京都)
  ■JR相次ぎ遅れる 停電や安全確認作業(京都)
  ■JR東海道線 故障が相次ぐ 滋賀、約1万人に影響(朝日)
30日■けん銃2丁を押収 JR山科駅のコインロッカー(朝日)
  ■声 無遠慮で迷惑 電車での電話 神戸市 梶原 登喜子(アルバイト 51歳)(朝日)
  ■JR株主総会 新幹線の安全生を強調(朝日)



1日■モノレール駅に彫刻 大阪府が収集の35点
 大阪府は、6月1日から大阪モノレール(大阪空港−門真市)の14駅のコンコースに、現代美術の彫刻作品計35点を展示する「モノレール美術館」を開設する。
 展示されるのは、府立美術館建設のために収集したが、計画がとん挫して倉庫に眠ったままだった作品の一部。
 約8年間かけて国内外から収集した作品は計約6700点(評価額計約50億円)に上る。大阪市内の民間倉庫に保管され、年間約3000万円の費用がかかっていた。
 駅への展示は、府文化課が「利用客に鑑賞してもらえば」と働き掛けたのがきっかけ。保管費用が高くつく彫刻作品を駅に展示することで、年間で約450万円の節約になるという。(京都新聞)
■新幹線停止装置押す 容疑の塗装工逮捕 酔って線路に侵入 浜松
 31日午前4時10分ごろ、静岡県浜松市渡瀬町の東海道新幹線線路内に設置された列車を自動的に停車させる「防護スイッチ」が何者かに押されたと、JR東海の新幹線静岡地区指令から浜松東署に通報があった。同署が捜査したところ、現場近くの住民に「線路を歩いてきた」と話している男が浮かび、同署は新幹線特例法違反の疑いで、同県浅羽町諸井、塗装工知念善勝容疑者(26)を逮捕した。
 調べでは、知念容疑者は同時刻ごろ、新幹線の線路敷地内に入り、電柱に設置してあった防護スイッチを押した疑い。
 同容疑者は敷地内に入ったことは認めているが、防護スイッチを押したことについては「洒を飲んでいてよく覚えていない」と供述しているという。
 JR東海によると、この時間帯に新幹線は運行しておらず、付近の安全が確認されたため、新幹線は始発から上下線ともダイヤに影響はなかった。
 知念容疑者は調べに対し、「現場近くの線路わきに車を止め、31日未明まで浜松市内で仲間と洒を飲んでいた」と話している。近所の人の話では、同容疑者は靴をはいておらず「かぎをなくした」などと話した後、タクシーで自宅方向に向かったという。
 同署はこれらの目撃証言などから、飲酒後に車を取りに行く途中で道に迷い、線路の北側から南側に抜けたのではないかとみている。(京都新聞)
■新幹線一時ストップ
 1日午後4時37分ごろ、東海道新幹線の豊橋名古屋間が地震のため、上下線とも停電となり、運転がストップした。その後、安全を確認し送電を開始、午後4時50分から上下線とも運転を再開した。岡山発東京行きのひかり166号など、上下9本に最大14分の遅れが生じ、約6500人に影響が出た。(京都新聞)
■東海道新幹線 停止スイッチを押す 浜松の線路内 妨害容疑で男を逮捕
 31日午前4時12分ごろ、静岡県浜松市内の東海道新幹線、浜松−掛川間の上り線路内で、列車を緊急停止させる防護スイッチが押され、JR東海の新幹線総合指令所などが異常を感知した。新幹線妨害特例法違反容疑事件として捜査していた浜松東署は同日午後8時25分、同県浅羽町諸井、塗装工知念善勝容疑者(26)を同容疑で逮捕した。始発列車の発車時刻前だったため、運行に影響はなかった。
 調べによると、知念容疑者は、浜松市渡瀬町の東海道新幹線の線路内に侵入し、防護スイッチのボタンにかぶせてあったアクリル板を押し破って装置を作動させた疑い。知念容疑者は31日未明まで、同市内の飲食店で友人と酒を飲んでおり、「侵入はしたが、ボタンを押したのは覚えていない」と言っているという。現場付近でタクシーに乗って帰ったことなどから知念容疑者が浮かんだ。
 JR東海によると、同日午前6時8分、施設係員が専用のかぎを使って防護スイッチを解除した。周辺に異常はみられず、始発から平常通りの運行を始めた。
 現場はJR浜松駅から東へ約2.5`。東海道線と新幹線の合流点近くで、線路の南北両側には、高さ約2bの有刺鉄線がついた金網が設置されている。(朝日新聞)
■新幹線で停電 のぞみ止まる 山口、2500人に影響
 2日午前7時50分ごろ、山口県内の山陽新幹線の徳山−新下関間で上下線共に停電があり、博多発東京行き「のぞみ8号」が4分間ストップした。約15分後に再度停電し、約1分間止まった。この影響で、一部で徐行運転をしたのぞみ8号が21分遅れたのを最高に、上下計12本で遅れが出て、約2500人に影響が出た。JR西日本が原因などを調べている。(朝日新聞 夕刊)
3日■リッチに自然と一体 嵯峨野 トロッコ列車に新車両
 嵯峨野トロッコ列車を運行する嵯峨野観光鉄道(京都市右京区)は7月19日から、新車両「ザ・リッチ」号を導入する。床と側面を鉄格子にして、自然の風や光を体感できるユニークな車両。同社は「自然との一体感でリッチな気分になるはず」とPRしている。
 ザ・リッチ号は、JRの貨車を改造し、側面と床を鉄格子にしたほか、屋根の3分の2をガラス張りにして、嵯峨野の四季や保津峡の自然を肌で感じられるようにしている。
 運転区間はトロッコ嵯峨−トロッコ亀岡間の7.3`。運行するすべての列車に同車両を増結し、1日に8往複する。同車両の定員は62人。雨よけがないため、予約は受け付けず、乗車券は当日、駅で販売する。運賃は従来と同じ大人片道600円。
 トロッコ列車は3月1日から12月末まで運転し、年間70万人近くが利用している。同社は「消費低迷で観光客が減少傾向にある中で、このおもしろ列車を起爆剤に乗客の1割増を目指したい」と期待している。(京都新聞)
■JR不採用問題で自民が和解へ提案
 自民、社民、さきがけ3党の政策責任者は2日、国労組合員のJR不採用問題について協議した。
 山崎拓自民党政調会長は、国労が中労委の救済命令取り消し訴訟で控訴しないことなど3条件を受け入れれば、3党で不採用問題に関する和解のテーブルを設置するよう働き掛けることを提案した。秋葉忠利社民党政審会長は国労に対し、直ちに条件を伝える考えを示した。
 残る条件は@国労が国鉄改革の趣旨を認めることを機関決定するAJR総連、JR連合の理解を得る努力をする−で、さきがけも基本的に賛成した。秋葉氏は「時間が経過して事態も進んだ。柔軟に対応するのではないか」と国労が条件をのむ可能性があるとの見方を示しており、国労側の出方が焦点になる。(京都新聞)
■女子高生が痴漢突き出す JR京都駅、容疑者逮捕
 2日午前9時40分ごろ、大津市内を走行中のJR東海道線の加古川行き普通電車内で、守山市の高校3年の女子生徒(17)が男に体を触られた。女子生徒は下車駅をわざと乗り越し、男と一緒に京都駅で降り「あんたが触ったんでしょ」などとホームで詰問。近くでこれを聞いた男性が男を取り押さえ、京都府警鉄道警察隊が強制わいせつ容疑で現行犯逮捕した。
 七条署によると、男は草津市のたばこ店店員(55)で、女子生徒は「以前、電車で痴漢に遭った時、先に降りて犯人を捕まえられなかったので、今日は犯人が降りるまで一緒にいた」と話していた、という。(京都新聞)
■窓 教育の在り方列車内で再考 草津市・竹原 信次(会社員・53)
 先日、出張でJR新大阪駅から博多行き新幹線に乗車。午後一番の「ひかり」指定席ですいていると思ったが、京都の修学旅行から帰る九州の中学生で満席。昼食弁当の時間とあって、その騒々しさは楽しげで大変な状況。それでも在りし日の自分の中学修学旅行を思い出し苦笑。岡山を過ぎて一人の女生徒がうっかりスナック菓子の袋を破り、座席や床に大量の菓子をばらまいてしまった。感心したのは、その女生徒のみならず、周りの男女生徒が冷やかすことなく、その散らかったお菓子を片付けだしたことだ。男子生徒の一人は新幹線備え付けのゴミ袋をもらって来るし、当人はティッシュで床をきれいにふいた。小倉で中学生が下車した後は、座席がきっちり戻され、どの席もゴミ一つない素晴らしいマナーぶり。先生のご指導のたま物とはいえ、昨今の中学生問題からは想像外。
 ところが、私の同列席に同中学校長とおぼしき人がおられたが、修学旅行帰りの疲れか終始居眠り。下車時には、並んで降りる生徒とは違うデッキから早々と降りてしまう。その人の座席の跡は、飲み差しの缶ジュース、コップ、ゴミが放置されたままだった。この中学生徒と校長先生の行状を対比しつつ、教育の在り方を、考えさせられた。(京都新聞)
■和解働きかけ自民党が提案 JR不採用問題
 自民、社民、さきがけ3党の政策責任者は2日、国会内で会い、国鉄の分割・民営化に伴って国労組合員がJRへの採用を拒まれた問題について協議した。自民党の山崎拓政調会長は、国労に対し@国鉄改革の趣旨を認める機関決定をするA中労委の救済命令を取り消した東京地裁の判決について控訴しないBJR総連とJR連合の理解を得る努力をする−の3点を求めたうえで、3党として関係者が和解の席に着くよう働きかける、とする提案を行った。国労側との窓口になっている社民党の秋葉忠利政審会長が国労に提案内容を伝えることになった。(朝日新聞)
4日■独高速鉄道 時速200`で脱線 70人死亡、200人重軽傷 陸橋の橋脚に激突
 【エシェデ(ドイツ北部)3日共同】ドイツ版新幹線の超高速列車ICE(インターシティー・エクスプレス)が3日午前11時(日本時間同日午後6時)ごろ、ドイツ北部ニーダーザクセン州エシェデで脱線、線路と交差する陸橋の橋脚に激突した。現地の州当局によると、少なくとも70人が死亡、約200人が重軽傷を負った。DPA通信によると、救援当局は、現地入りしたウィスマン運輸相に、死者が100人以上になる可能性もあると報告しており、ICEが1991年に開業して以来、初の大惨事となった。
 目撃証言によると、乗用車が橋のガードレールを突き破って線路に転落。走ってきた列車がこの車に衝突して脱線、橋脚にぶつかったという。一方、警察当局のスポークスマンは、列車が橋脚に衝突し、陸橋が車と一緒に崩れ落ちたとの見方を示しており、事故原因には不明な点が多い。
 列車は機関車2両、客車14両の16両編成で、多くの車両は大破した。
 ドイツ鉄道によると、この列車の総座席数は759。300人以上を乗せてミュンヘンからハノーバーを経てハンブルクに向かう途中だった。現場はハノーバーの北方約50`の地点。救助隊員や80人の国境警備隊員らが駆け付け、車両の中に閉じこめられた乗客を救出し、16機のヘリコプターでけが人らを最寄りの病院に搬送した。
 この路線の最高時速は200`で、事故時も200`程度で走っていたとみられている。日本人乗客がいたかどうかは不明。
 DPA通信によると、ドイツでは戦後、45年6月にミュンヘンで102人が死亡した列車事故があった。今回の事故は41人の死者と100人の負傷者を出した75年以来の規模。
・死者80人の情報も
 【エシェデ(ドイツ北部)3日共同】ドイツの超高速列車事故で、現地の赤十字当局者は3日、死者数は80人以上になる見通しと語った。
・ICE 1991年6月にデビューしたドイツ版新幹線。シーメンスを中心とする企業連合が、技術の粋を集め10年以上かけて開発した高速旅客列車で、営業速度は時速250`。実験走行での最高速度は400`を超える。フランスのTGVと並ぶ欧州の代表的な特急の一つで、ICEはインターシティー・エクスプレスの頭文字。
 日本の新幹線のような電車式ではなく、編成の両端にある電気機関車が客車をけん引する方式で走る。専用軌道のほか一部区間では在来線の軌道上も走行する。96年に第2世代の機関車を導入、第3世代への改良で時速300`での営業運転を目指していた。
 営業開始以来、1億人以上を輸送したが、事故による死者はゼロだった。96年の輸送人員は2360万人。国内主要都市間を4路線で結び、ミュンヘン−ハンブルク間は823`を5時間40分で運行している。(共同)(京都新聞)
■東山区のJR架道橋 タクシー後部直撃、けが人なし
 3日午後零時半ごろ、京都市東山区本町9丁目、JR東海道線の「野本架道橋」で、線路下に設置してあった防塵(じん)用の鉄板(約8b四方、厚さ約3_)が約3.9b下の市道に落下し、橋の下を走行中の京都近江鉄道タクシー=村上実雄運転手(66)=の後部を直撃した。鉄板は一辺を残して垂れ下がり、折れ曲がる形で道路をふさいだ。
 タクシーの後部窓ガラスやトランクが壊れたが、空車だったため、けが人はなかった。市道は午後4時に鉄板を撤去するまで通行止めになった。東海道線の運行に支障はなかった。
 松原署は、架道橋の管理などについて、JR西日本から事情を聴いている。
 JRによると、鉄板は線路内の粉塵や貨物列車の車輪にかける砂が落ちないように、1977年に設置した。約200個のボルトで固定してあるが、たまった土砂などが最近の雨で重みを増し、耐えきれず落下したことなどが原因とみられる。1年前の点検した時は異常がなかったといい、詳しく原因を調べている。
 現場は、JR京都駅の東約1`の住宅地。市道は北行きの一方通行で、交通量は少ない。(京都新聞)
■まるで墜落現場 ドイツの列車脱線 つぶれた客車、無残
 【エシェデ(ドイツ北部)3日共同】線路をまたぐ陸橋は完全に崩れ、列車を押しつぶし、がれきとなって覆いかぶさっていた。線路わきには、前半分が引きちぎられたかのような無残な姿の別の客車が横たわり、血に染まった乗客のかばんが散乱する。3日、ドイツ北部のエシェデで起きた列車事故の現場は、時速200`を超える高速での衝突のすさまじさを見せつけていた。
 「現場は大混乱です。恐ろしい光景です」。現場上空を飛ぶヘリの爆音が響く中、地元ラジオ局の記者が上ずった声で伝える。初夏の緑が広がる田園地帯は、列車事故というよりも巨大な旅客機の墜落現場のような惨状だ。
 オレンジ色の制服を着た救急隊員たちが、遺体を乗せた担架を次々と運び出す。がれきの上の隊員たちは、どこから手を付けたらいいのか分からないといった様子。ぼうぜんとした表情だ。「犠牲者の数はわからない。とにかく救出が先だ」。地元警察官が叫んだ。
 客車は1両ごとにばらばらに吹き飛び、林の中に突っ込んだまま無残な姿をさらしている車両もあった。(京都新聞)
■東北・上越新幹線 早朝に乗れば半額 夏トク切符、来月21日から
 JR東日本は3日、東京からの往復利用客を対象に、早朝のすいている時間に乗れば運賃が半額になる割引制度を東北、上越両新幹線で始めると発表した。期間は7月21日から9月30日までで、10月以降は売れ行き状況を見ながらあらためて検討するとしている。
 対象の下り列車は両新幹線とも午前6時台の2本に限定されるが、上り列車は席が空いていればどんな時間でも自由に選べる。座席はすべて指定席。
 同社によると、午前6時台の下りは乗車率が約3割。「空気を運んでも仕方がない」という状態で、割引制度で乗車率を約7割まで高めたいとしている。
 秋田、山形、長野(北陸)新幹線は早朝でも乗車率が5割を超えているため対象から外れた。
 新割引制度「夏トク切符」の往復運賃・料金は普通席の場合、東北新幹線が一律1万4300円で、乗り降りできる範囲は郡山から盛岡まで。通常期は東京−盛岡が計2万7680円、東京−仙台は2万1180円なので、盛岡まで利用すると現行のほぼ半額になる。
 上越新幹線は乗り降りできる範囲が上毛高原から新潟までで、往復の運賃・料金は一律1万700円。東京−新潟は通常2万540円。
 下りで利用できるのは東北新幹線が午前6時3分東京発9時25分盛岡着のやまびこ35号と、午前6時15分東京発8時52分仙台着のやまびこ201号。上越新幹線は午前6時11分東京発8時30分新渇着のあさひ401号と、6時36分東京発9時6分新潟着のあさひ403号。(京都新聞)
■東山の鉄板落下 間一髪、歩行者も… JR 同種の橋を点検へ
 突然、ごう音を立てて大きな鉄板が落ち、生活道路をふさいだ。「けが人が出なかったのが不思議なくらいだ」。京都市東山区で3日午後、JRの架道橋から鉄板が落下した事故は、一歩間違えば惨事につながりかねないものだった。
 110番通報した近くの山本千代さん(65)は「『バシーン』という物すごい音がした。タクシーのガラスが粉々になり、若い女性が『助かった』と必死の形相で橋の下から飛び出して来た」と、事故直後の様子を振り返った。後部を大破したタクシーの村上実雄運転手(66)は鉄板が直撃した瞬間、車の前部が浮いたといい、「何が起きたのか、まったく分からなかった。お客さんが乗っていなくて本当によかった」と話していた。
 近所の人の話では、これまでからパワーシヤベルを乗せたトラックなどがたびたび線路の下に取り付けてある鉄板に接触していたといい、「もし、歩道に歩行者がたくさんいたら…」と、不安そうに鉄板の撤去作業を見つめていた。
 JR西日本は、鉄板上にたまった土砂の重みが原因ではないかとみているが、鉄板に車と接触した跡があるほか、ボルトの老朽化の可能性もあるとみて、原因解明を急いでいる。JRは「思いがけない事故で、市民に多大な迷惑をかけ申し訳ない。早急に同種の構造の橋を点検したい」と謝罪している。(京都新聞)
■ドイツ高速列車脱線 70人死亡200人死傷 落ちてきた車と衝突 時速200`
 【ベルリン3日=桜井元】3日午前2時(日本時間同午後6時)ごろ、ドイツ北部のニーダーザクセン州のエシェデで、ミュンヘン発ハンブルク行きのドイツ鉄道(旧国鉄)の超高速列車「インターシティー・エクスプレス(ICE)」が脱線、一部の車両が橋脚に激突した。地元当局などによると70人以上が死亡、約200人の負傷者が出ている。大破した車両に人が残っており、犠牲者は増える恐れがある。1991年に開業したICEでは初の大惨事となった。
 地元テレビなどによると、ハノーバー駅を出発しエシェデ駅に時速約200`で近づいていた列車が、線路の上で交差する自動車道路のガードレールを突き破って落ちてきた自動車と衝突。列車は14両編成でそのうち12両が脱線、一部が橋脚に激突した。
 これによって橋が完全に崩れ落ち、そこにさらに後部車両が次々と折り重なった。
 前寄りの4両はめり込んだ状態。列車の定員は759人。約300人が乗っていたという。地元の警察は、「前の4両で生存者はいない模様だ」と話している。
 在ハンブルク日本総領事館によると、日本人乗客がいるかどうかは不明だ。
 救急車数十台、ヘリコプター十数機が出動し、300人を超える救助隊が現場に入り、列車の中に閉じこめられた乗客の救援作業を続けている。
・欧州の代表的な特急
 ICEは、シーメンスを中心にする企業連合が10年以上かけて開発した超高速旅客列車。最高時速250`で、ハンブルク−ミュンヘン間などの主要都市を結ぶ。
 在来線の軌道を使っているが、一部で専用軌道でも走っている。フランスのTGVと並ぶ欧州の代表的な特急だ。
 1991年6月にオープンした当時は「世界一の高速技術と世界最高の快適空間」をうたい文句にし、故障個所を自動的に探知して直す自動診断システムで安全性をアピールした。(朝日新聞)
■悪夢 積み重なる車両 ドイツ事故 原形とどめず 多数まだ中に
 【ベルリン3日=桜井元】大破し、原形をとどめていない車両の周りに、遺体や負傷者があちこちに見える。ビジネスマンが多く乗ったドイツが誇る超高速列車を、一瞬にして悪夢が襲った。3日、ドイツ北部のニーダーザクセン州で起きた高速列車脱線事故は救援作業にもかかわらず、犠牲者は増えていく模様だ。旧国鉄時代の1975年に41人が死亡した南部バイエルン州で起きた特急の正面衝突事故以来、最悪の大惨事になりそうだ。新しい高速鉄道システムの開発を目指す日本や欧州各国でも事故原因の解明に注目している。
 ドイツのテレビが伝えたところによると、脱線した車両が橋脚にぶつかったショックで、高く山のように積み重なっており、原形をとどめていない。フレームが折れ曲がり、列車の中が見える。線路の上にかかっていた橋が完全に崩れ落ちて、列車を直撃した形だ。乗客のものと見られる荷物が散乱する。車両の下には、衝突したとみられる自動車がはさまっている。現場は大混乱しており、地元の報道記者は「恐ろしい光景だ」と声を震わせた。
 線路にかかっていた橋は自動車道路で、線路沿いには数軒の民家がある。事故にあった列車はミュンヘンからハンブルクに向かう路線で、多くのビジネスマンが乗っていた。
 100人以上の救助隊が現地に入った。列車の中にはまだ多くの人が閉じこめられている模様で、車体を切断して、列車の中にいる人を助け出す作業も行われている。
・対策迫られる日本
 技術の粋を集めて開発され、世界有数の高速を誇るドイツの「新幹線」が3日脱線し、多数の死傷者が出た。最高時速280`の列車が走行中に線路を外れる例のない事故に、現場は混乱をきわめている。原因や状況は詳しく分かっていないが、日本の新幹線で同じような事故が起きたらどうなるのか。岐阜県関ケ原町では4月、東海道新幹線のレールのボルトが抜き取られる事件があった。運輸省やJRなどの関係者は、安全対策の見直しを迫られている。
 JR東海などによると、東海道・山陽新幹線の上を道路や鉄道が立体交差している場所では、防護さくが設けられている。
 この防護さくには「限界支障報知装置」と呼ばれる特殊な装置が取り付けられ、自動車などが防護さくを破るとATC(自動列車制御装置)が働き、列車を止める仕組みになっている。突然の落下であれば、非常ブレーキがかかり、緊急停車する。
 新幹線は時速270`の速度で走行中に非常ブレーキをかけても、止まるまでには約4`は走る。そのため、新幹線の先頭部分の下には「スカート」と呼ばれる防護板をもうけ、障害物をはじきとはすようになっている。
 在来線の一部には、何かが線路に落ちた場合に列車の運転士に信号で知らせる装置を取りつけているところもある。
 新幹線では今回のような事故はないが、在来線では1992年4月、神戸市須磨区の国道2号で乗用車とトレーラーが衝突、はずみでトレーラ」が道路わきのJR山陽線の線路上に転落した事故がある。通りかかった寝台特急(12両編成)がぶつかり、機関車が脱線、乗客ら十数人がけがをした。(朝日新聞)
■鉄板落下、タクシー間一髪 腐食でボルト抜け落ち? 京都
 3日午後零時半ごろ、京都市東山区本町九丁目、JR東海道線の「野本架道橋」で、橋の下部を覆っていた防じん用の鉄板が突然落ち、約4b下の市道を走っていたタクシーの後部に当たった。タクシーは後部ガラスが割れるなどしたが、空車で走っていたため、けが人はなかった。
 松原署やJR西日本の調べでは、鉄板は、長さ8.3b、幅7.6b、厚さ3_で重さは約1.5d。線路からの粉じんが道路に落ちるのを防ぐため、橋の下部分を覆うようにボルトで取り付けられていた。
 同署などによると、鉄板は195本のボルトでとめられていたが、腐食が進み、ボルトで固定する部分が一部抜け落ちていたという。また、JR側によると、鉄板に大型車が通過した際に接触してできたと思われる亀裂もあったという。
 タクシーの運転手(66)は「ドーンという音と衝撃で、最初は追突されたのかと思った。間一髪で命拾いした」と話していた。(朝日新聞)
■独新幹線脱線 死者100人超える 車落下情報運転士否定 原因なお不明
 【エシェデ(ドイツ北部)4日共同】ドイツ北部で起きた新幹線ICE (インターシティー・エクスプレス)の脱線事故は徹夜で乗客の捜索が続けられる一方、地元警察などによる事故原因の本格的究明が4日、始まった。救助当局者は3日夜(日本時間4日午前)、死者は100−120人、負傷者は200人を超える見通しと発表、ドイツの鉄道事故としては戦後最大規模の大惨事となった。地元の事故対策本部は同日夜、「現段階で(犠牲者や負傷者の中に)日本人は確認されていない」と述べた。ICEは日本人ビジネスマンや観光客なども利用することから、ハンブルクの日本総領事舘などで確認を急いでいる。
・児童、生徒多数か
 捜査当局によると、先頭の機関車は現場から約2`先で止まり、運転士は無事だった。捜査当局は運転士らから本格的な事情聴取を始めたが、事故原因に結び付く有力な手掛かりは得られていない。
 当初、陸橋から転落した乗用車にICEが衝突したとの目撃情報もあったが、機関車の運転士は事故当時、「衝撃を感じたが、線路には障害物はなかった」と証言。事故原因についてはなぞが多い。
 事故当時、線路の周囲でドイツ鉄道の係員が作業中で、現場ではドイツ鉄道のものとみられる大破したワゴン車も見つかっているが、事故との関係は不明。
 対策本部などによると、事故を起こしたICEの先頭の機関車を除く後列の客車が脱線、線路と交差する陸橋の橋脚に次々と衝突した。列車は時速約200`の猛スピードで走行していたとみられ、陸橋は原形をとどめないほど崩れ落ち、5、6両の客車が折り重なるように大破した。
 特に崩れた陸橋の下敷きになった2両の客車の捜索活動を続けているが、二次災害の危険もあり、作業は難航している。救助担当者は「生存者は期待できない」と語った。2両の客車の中に児童や生徒らが多数閉じ込められているとの情報もある。収容された犠牲者の遺体の損傷がひどく、身元確認作業も難航している。
 現場には警察や消防、国境警備隊など1000人以上が動員された。
 コール首相は3日夜、イタリア訪問を切り上げ、急きょ帰国した。(京都新聞 夕刊)
■独の新幹線脱線 機関車は無傷で通過 なぞ多い原因 「障害物なかった」 運転士証言 高い安全性揺らぐ
 【エシェデ(ドイツ北部)4日共同】戦後ドイツの鉄道事故で最大級の惨事となった新幹線ICE(インターシティー・エクスプレス)の事故は、4日未明までの現場検証にもかかわらず事故原因は依然多くのなぞに包まれている。
 事故当初、「ICEが陸橋から転落した車と激突した」との情報が流れ、列車が障害物に衝突して起きた「偶発的な事故」かと思われた。
 ところが無事だった運転士が「線路に障害物はなかった」と証言し、捜査当局も「車落下説」を否定。事故原因をめぐる究明は振り出しに戻った。
 現場では陸橋が大破、客車も陸橋付近に折り重なるように脱線しているが、先頭の機関車部分だけが後続の客車部分とはずれ、2`も先に切り離されたように停車していたこともなぞを深めている。
 運転士は「陸橋を通り過ぎた直後に軽いショックを感じたが、スピードを出していたので何が起きたのか分からない」と話しているという。
 事故対策本部によると事故当時、現場周辺でドイツ鉄道の職員が作業中で、現場にあったドイツ鉄道のものとみられるワゴン車が事故に関係しているとの見方も出ているが、事故原因と結び付く手掛かりは得られていない。
 また、運転士が事故発生の前後に「異常」を感じたとの情報もある。ドイツ鉄道はICE の高い安全性を売り物にしていたが、技術的な問題が事故を引き起こした可能性も否定できない。
 事故現場には国境警備隊、警察、消防隊などが大勢入り、情報が混乱している面もあるようだ。
「生存者はいないのか」 徹夜の捜索続く
 【エシェデ(ドイツ北部)4日共同】3日にドイツ北部エシェデで起きた新幹線ICE(インターシティー・エクスプレス)の脱線事故現場。事故から16時間以上が過ぎた4日未明(日本時間同日午前)も徹夜で懸命の救出作業が続いた。
 事故から11時間半後に10歳の少女が壊れた車両の中から助け出された。「まだ生存者が中にいるかもしれない」。だが、客車の残がいには遺体の一部や荷物ばかりが残るだけだ。(京都新聞 夕刊)
■トラック接触ボルトが緩む 鉄板落下でJR発表
 京都市東山区のJR東海道線の架道橋で3日午後、線路の下に設置されていた約8b四方の鉄板が落下した事故で、JR西日本は4日、架道橋の下の市道を通るトラックの積み荷などが鉄板に何度か接触した衝撃で、取り付け部分のボルトが緩んだのが主な原因とみられる、と発表した。
 JRによると、撤去した鉄板を調べた結果、数ヵ所に車が接触したとみられる傷があった。この接触の衝撃で、鉄板を固定するボルトが緩んだり、ボルト部分に取り付けられている防振ゴムがはがれ、鉄板が落下したとみられるという。(京都新聞 夕刊)
■先頭車輛は無傷 ドイツ超特急の脱線事故 2両目以降大破 死者78人に
 【エシェデ(ドイツ北部)4日=桜井元、大塚誠】ドイツ北部ニーダーザクセン州エシェデで3日起こったドイツ鉄道の「インターシティー・エクスプレス(ICE)」の脱線事故は、4日未明(日本時間同日朝)までの警察当局などのまとめで、死者78人、重軽傷者約200人となった。犠牲者がさらに増える恐れもある。ハンブルクの日本総領事館などによると、4日未明の段階で日本人乗客は確認されていない。原因はなお調査中だが、先頭車両がほとんど無傷で事故現場を通過、2両目から後ろが大破していることがわかった。ICEでは1991年の開業以来初の大惨事となった。
 調べによると、定員は795人で、乗客数は約500人とみられている。犠牲者の遺体は、州都ハノーバーの医療機関に運ばれ、身元の確認作業が行われている。大破した車両内になお取り残されている乗客がいるとみられるうえ、けが人のうち90人が入院、うち12人が重体となっている。
 現場では警察や消防、国境警備隊など1000人以上が動員され、被害者の救助にあたっている。犠牲者の遺体の損傷がひどく、身元の確認作業は難航している。
 一方、捜査当局は先頭の機関車にいて無事だった運転士から、本格的な事情聴取を始めた。
 ハンブルクの日本総領事館からは担当者1人が現場に入り、日本人乗客がいなかったか調べているが、今のところ情報はない。外務省邦人保護課では、「日本人団体客が乗っていた形跡はなく、おそらく被害者はいないのではないか」と見ている。
・コール首相急きょ帰国
 【ボン支局4日】イタリアを訪問中だったドイツのコール首相は列車事故の知らせを受け、急きょ帰国した。コール首相はイタリアのプロディ首相との夕食会の席で「とても多くの死者が出た。悲劇だ」と語り、4日には首脳会談が予定されていたにもかかわらず帰国することに理解を求めたという。
 また、ドイツ野党の社会民主党(SPD)も事故現場に近いハノーバーで開かれる予定だった経済会議を取りやめた。同党の次期首相候補のシュレーダー氏は事故のあったニーダーザクセン州首相でもあり、急きょ現場に向かった。(朝日新聞 夕刊)
■独超特急惨事 なぞ深まる脱線原因 自動車転落 橋崩壊後の可能性
 時速200`で疾走していた超高速列車が、先頭車両の後ろで断ち切られた−。3日におきたドイツ鉄道の「インターシティー・エクスプレス(ICE)」の脱線事故は、先頭の機関車は現場を無事に通りすぎ、後ろの13両が、線路と高架で交差する自動車道路の橋脚に激突、橋も崩れて大惨事になった。当初いわれていたように、道路から何らかの理由で自動車が転落してきたのが原因なのか、ほかにも原因が考えられるのか。技術大国ドイツが誇る最新鉄道が見舞われた大惨事のなぞは深まるばかりだ。
 現地からの報道を総合すると、先頭車両はほとんど無傷で現場から数`先で止まった。運転手は「ガタンという感じがして、自動ブレーキがかかり、初めて後ろに客車がないことに気づいた」と話している。ブレーキは、次のエシェデ駅の駅長が、後続車両なしの機関車だけが通り過ぎるのを見て手配したという。
 英国のBBC放送は、道路からガードレールを破って落ちてきた自動車が列車にあたり、先頭車両はわずかに左右に振られるだけですんだが、後ろの車両ほど振られる幅が大きくなり、脱線したとの推測を報じている。
 2両目の客車に乗っていた男性によると、事故の2分前に列車ががたがたと大きな音をたてて揺れるのを感じたという。
 また、無事だった乗客の一人は「不快ながたがたという音がして、線路に何かが置かれていたのかもしれないと感じた。車内の人たちはお互いに顔を見合わせたが、その後はもう終わったかのようだった。再び、音が始まり、空中に投げ出される感じがした」と、現地のテレビに語った。事故当時、線路の周囲でドイツ鉄道の係員が作業中だった。現場で同鉄道のワゴン車が大破しているのが見つかっているが、関連はわかっていない。
 列車の運転手は「障害物はなかった」と語り、落下する自動車を目撃していない。列車の脱線・衝突が先で、自動車は橋が崩れたために後で落ちてきた、との見方もある。自動車が落ちてきたのが、ちょうど先頭車両だけが通過した後だったという可能性もある。
 そのほか、線路に何かが置かれていたのではないか、テロではないか、との見方もあるが、決定的な材料は見つかっていない。
 事故を起こした列車は14両編成で、先頭と最後尾の機関車の間に12両の客車がつながれている。車両の重さは機関車が約80d、客車は約55d。各車両にモーターを分散してつけている日本の新幹線と違い、機関車がけん引する方式になっている。
 鉄道評論家の川島令三さんは、先頭車の損傷の軽さと、客車が覆いかぶさるように脱線している状況を、「何らかのトラブルで先頭側の客車が脱線して、橋脚に衝突。残りの客車は、最後尾の重い機関車に押されるような形になったのではないか」と推測する。
 橋はなぜ崩れたのか。東京大工学部の岡村甫教授(コンクリート工学)の話では、巨大地震でも揺れの速さは毎秒1bから2bで、橋の設計はそれに耐えるようにしている。ドイツ鉄道の列車が橋脚にぶつかったのが時速200`ならは、秒速60b近くになる。しかも振動ではなく、一瞬の衝撃だ。橋を、このような衝撃に耐えるように造るのは不可能で、想定外の事故だという。(朝日新聞 夕刊)
5日■独新幹線脱線 原因究明、長期化か 確認の死者92人に 異常振動の証言も
 【エシェデ(ドイツ北部)4日共同】ドイツ北部エシェデで3日起きた超高速列車ICE(インターシティー・エクスプレス)の脱線事故で、現地対策本部は4日、本格的な原因究明に乗り出したが、大破した車両と橋の残がいが折り重なっており、事故原因を究明する現場検証は難航、同本部は「原因調査は長期化する」としている。
 ドイツ運輸省スポークスマンは4日、事故原因について「これまでのところ手掛かりはない」と発表した。
 乗客からは「事故の10分前に、車両がガタガタと振動した」とする証言も出ており、同本部は強い関心を示しているもようだ。
 現地対策本部は4日午前(日本時間同日夕)、記者会見し、確認された死者が92人になったと発表した。救出作業は同日いっぱいかかるとしており、死者はさらに増える見通し。現段階では、日本人乗客とみられる者はいないという。
 これまでの調べでは、先頭の機関車が橋を通過した直後に、列車後部が橋脚に激突しており、脱線の衝撃で後部が切り離されたのか、車両がなんらかの原因で切り離された後に、脱線したのかは不明だ。
 事故の10分前に、線路の上に何か置いてあるような揺れを感じ、いったん振動は収まったが、直前に再びガタガタという音がしたという乗客の証言もあり、捜査当局は乗客からも詳しい事情を聴いている。鉄道当局は「事故につながる技術的問題があったたは承知していない」としている。
 列車の乗客数も依然、確認されていないが、380人以上が乗っていたとする見方が強い。数十人の児童グループが乗っていたとする情報については、鉄道当局は「団体客の予約はなかった。両親からの照会もない」と指摘し、否定的な見方を示している。
・車の転落が原因ではない 独鉄道幹部
 【フランクフルト4日共同】ドイツ鉄道のミュンヒシュワンダー取締役は4日、ICEの事故についてZDFテレビに「事故担当の検察当局者の話では、ICEの先頭の動力車には何かに接触した痕跡がないため、ドイツ鉄道の車が橋から転落してICEに衝突したのではないようだ」と語った。さらに「事故直前に現場で信号の定期点検作業をしていた2人の作業員が行方不明になった。2人は線路の中ではなく、そばで作業していた」と述べた。(京都新聞)
■独の新幹線脱線 専門家ら 高速化がはらむ危険に警鐘 軌道、車両…どこに異常
 死傷者300人以上を出す大惨事となったドイツの超高速列車ICE(インターシティー・エクスプレス)の脱線事故。先頭の機関車だけが無傷で2`も走っていたことが分かった4日、事故原因について日本の専門家の間ではレールに問題があった可能性や高架落下説、車両欠陥説などさまざまな見方が出ている。ドイツ版新幹線に何が起きたのか。
 曽根悟東大工学部教授(交通システム工学)は現場の状況から2つの事故原因を指摘する。曽根教授は「列車が走行中、レールに横方向の荷重がかかってレールが横にずれる『張り出し事故』の可能性がある」と話す。レールが十分に固定されていなければ起こりうる事故で、日本の在来線でもこの種の事故は何度も発生しているという。
 もう一つは橋が落下したケース。「ヨーロッパの橋は日本の橋のように地震による荷重を考えていないので頑丈にできていない。大地震がなくても落下事故は起こる可能性がある」と、高架橋の問題点を挙げた。
 科学評論家の桜井浮さんは車体の構造的な問題があった可能性を指摘し「台車部や車輪部分に亀裂などがあり、見落としていたことも考えられる」と話す。
 さらに桜井さんは「高速鉄道は脱線を想定した車両設計をしていない。対策を厳重にすれば重くなり高速運転できないため軽くしており、脱線すれば多数の死傷者が出る。高速鉄道はそうしたリスクをはらんでおリ、日本の新幹線でも同じことが起きうる」と、警鐘を鳴らしている。
・線路の道床の欠陥が原因か 独の専門家
 【フランクフルト4日共同】ドイツ・ブラウンシュワイク工業大学の鉄道・交通安全問題専門家のパヘル教授は4日のDPA通信とのインタビューで、超高速列車ICEの事故原因について「列車自体の問題よりも、線路の基盤である道床に欠陥があった可能性の方がやや大きい」と指摘、だれかが故意に道床を損傷した疑いも排除できないと述べた。
・JR3社緊急点検
 大惨事となったドイツ版新幹線ICEの脱線事故について、日本で新幹線を運行するJR東日本、東海、西日本の各社は4日、事故原因などについて情報収集を急いでいる。
 JR東日本は同日、パリ駐在の社員1人を現地に派遣した。
 また3社は同日、新幹線と陸橋が交差している地点の緊急点検を始めた。対象は東北新幹線が25ヵ所、上越6ヵ所、長野(北陸)28ヵ所、東海道196ヵ所、山陽58ヵ所の計313ヵ所。JR東海はこの日に、作業を終了したが、東日本は5日、西日本は10日までかかるという。(京都新聞)
■社説 日本でこんな事故はごめんだ
 ドイツ北部のエシェデで、ドイツ版新幹線の高速列車ICE (インターシティー・エクスプレス)が死傷者多数を出す大事故を起こした。
 事故の原因ははっきりしないが、脱線した車両が、線路と交差する陸橋の橋脚に次々に衝突し、橋脚は原形をとどめないほど崩れ落ちた。いくつかの客車は折り重なるように大破し、いくつかは崩れた陸橋の下敷きになったという。
 世界的にもあまり例のない事故である。恐らくは世界中の鉄道関係者が「なぜ」といぶかっているのではないか。当局は事故の原因を徹底的に解明し、その結果を速やかに公表してほしい。
 安全には万全の策を講じているはずの交通機関であっても、時に信じられないような事故が起きる。今度の事故がそれに当たる。ICEといえばシーメンス社を中心とした企業連合が、技術の粋を集めて10年以上かけて開発した高速旅客列車である。
 1991年6月の営業開始以来、1億人以上を輸送したが、事故による死者はゼロだった。技術力を誇るドイツ自慢の鉄道でもあるのだ。
 この事故は、いくら技術が向上しても絶対の安全はあり得ないということを、あらためて見せつけたかっこうだが、利用者の立場からすれば、列車が橋脚に衝突するなど絶対にあってはならない事故なのである。
 ひるがえってこの日本でも信じられないような鉄道事故は起きている。91年5月、滋賀県の信楽高原鉄道で列車同士が正面衝突し42人もの人が死亡した事故は記憶に新しい。
 幸いにも新幹線では死傷者をだす大きな事故は起きていない。それでも新幹線を陸橋でまたぐ道路は全国で約300ヵ所あるというし、幹線道路と並行して走行する区間もあるのだ。似たような事故が絶対に起こらないという保証はない。
 怖いのは新幹線よりもむしろJRの在来線、私鉄かもしれない。軌道あるいは道路が高架になっている所は無数にある。車が軌道上に落ちてくる可能性だってゼロではない。
 日本の鉄道は自動車におされ利用者が伸び悩んではいるが、今もJR、私鉄合わせ年間226億人を運ぶ重要な交通手段なのである。
 一方、列車事故は75年には3794件、死傷者2597人(うち死者928人)もあったが、以後漸減傾向にあり、昨年は974件、死傷者965人(同336人)に減っている。
 道路や鉄道を高架にしたり地下化して踏切事故を減らしてきたことが、列車事故の減少につながったのは間違いない。
 今度の事故が立体交差がらみの大惨事というのは皮肉だが、立体交差化そのものを見直す必要はあるまい。踏切の立体交差化は今後も進めていかねばならない事業である。
 ただ、立体交差の安全性に不備はないか、思わぬ落とし穴はないか、いま一度、厳しく点検することは大事だろう。ドイツの事故を教訓にしたい。(京都新聞)
■「SL北びわこ号」今夏の運転日決定 JR西日本
 JR西日本は、米原−木ノ本間で臨時運行している季節列車「SL北びわこ号」の、今夏の運転スケジュールをこのほど発表した。湖北名物の、びわ町ぶどう園、伊吹山お花畑、木之本地蔵の三つをテーマに、乗り継ぎの観光コースも設定。「湖北の夏はSLで」と、PRにつとめている。
 スケジュールによると、運転日は8月15、16、22、23日の計4日間。1日に下り2本(米原発木ノ本行き)、上り1本の計3本を走らせる。列車は従来通り、C56型機関車が客車5両(定員424人)を引っ張る。料金は米原−木ノ本間が、指定席料金を含め910円(こども450円)。
 詳細はJR京都支社=075(682)8023へ。(京都新聞)
■窓 朝のバス停にすがすがしさ 北区・原田 玲子(会社員・58)
 数十年もの間、バス通勤をしていると、実にさまざまな人たちの行動を知る。ほほ笑ましい光景に出会うこともあれば、その何倍もの腹立たしい光景も目にする。バス停の人々の前をスピードを出した自転車が、わがもの顔で通る。「前を失礼します」といった態度はみじんもない。
 そんな中で、毎朝、市バス1系統を待つバス停ですが、すがすがしいN中学校の女子生徒二人に出会う。バス待ちの人々の前を、さりげなく会釈して足早に行かれる。心の中で「行ってらっしゃい」と声をかける。きっと、お二人とも素晴らしい家庭のお嬢さんだろう。いつまでも、この心を忘れず成長されることを願うのである。(京都新聞)
■独の超特急脱線 後続車両に急制動? 原因究明本格的に 死者90人越す
 【エシェデ(ドイツ北部)4日=大塚誠、山本敦子】ドイツ北部のニーダーザクセン州エシェデで3日起きたドイツ鉄道「インターシティー・エクスプレス(ICE)」の事故で、同州政府は4日、専門家による事故調査特別委員会を設置し、本格的な原因究明を始めた。
 発表によると、死亡した人は92人に達した。重傷で病院に運ばれたあと死亡した人も含まれている。客車2両が大破したまま現場に残っており、この中に乗客が残っている可能性もある。死者の数は最終的には100−120人に達するとみられている。
 ドイツ鉄道当局によると、大破した列車から航空機のブラックボックスに当たる「列車走行記録装置」を回収した。走行データを分析して異常発生の時刻を特定する方針だ。ドイツ鉄道のスポークスマンは、「何らかの原因で後続車両にブレーキがかかったようだ」と話し、突然の減速で先頭の動力車両と客車の連結がはずれたことが事故につながったとの見方を示した。
・JR関係者 関心持ち情報収集
 ドイツの「インターシティー・エクスプレス(ICE)」の脱線事故は、ドイツ鉄道が4日、線路上への自動車の転落が事故の発端になったとの見方を否定したことから、原因は車両など高速列車のシステムにかかわる可能性が強まってきた。日本の鉄道関係者も解明に神経をとがらせている。
 高速列車の交通システムに詳しい曽根悟・東大教授は、車両側の原因として、左右の車輪を結ぶ金属製の車軸が折れたケースを指摘する。過去の高速列車の脱線事故例では、目には見えない小さな傷が、高速走行の衝撃で亀裂を広げて軸を折ったり、ゆがめたりしてしまったことが多いという。
 一方、線路側で想定される原因には、レールの間隔が広がってしまう「張り出し」をあげる。一般的にはレールが温まって膨張し、ずれが生まれて脱線につながる現象だが、ICEの場合は先頭車両が客車より重い機関車で、これがレールに荷重をかけて横に膨張させ、「張り出し現象」を起こしてしまうという見方だ。
 こうした指摘に対しJR側は「日本ではまず起こらない現象」と話す。車軸に関しては、東海道新幹線の開業直後の1966年4月に折れているのが定期検査で確認されて以降、新幹線では「1件もない」と話す。現在は、2日に1回、係員が車両の床下を目で点検し、30日に1回の割合で車軸に超音波を当て、「ひび割れのもとになるきずをミクロン単位でチェックしている」という。また、異常走行の前兆となる車軸の温度上昇をセンサーで見張り、140度に上がると自動的に緊急ブレーキが作動するシステムも導入している。
 張り出しについても、JR東日本は、東北など3新幹線の約90%は長さ5b、重さ5dずつに区切られた、コンクリート製の「スラブ軌道」を採用。レールの伸びを抑え込む方式をとっていることをあげる。
 一方、各社は事故の状況の把握さえ難しい状態が丸1日以上続いた。山陽新幹線を運行するJR西日本は4日、安全対策室が緊急会議を開いた。しかし、事故が起きた場所と同じような立体交差部分の緊急点検を決めただけで、今後の対応策については原因が分かった段階で再度会議を開いて協議することにした。同社は「車両構造がドイツICEとは違っているとはいえ、山陽新幹線は一部で最高時速300`で走っており、こちらでも起こりうる事故原因の可能性もあるため、情報収集するなど感心を持って見守っている」と話している。(朝日新聞)
■社説 独列車事故 高速化への警告だ
 超特急の車体が、橋げたの下敷きになって原形をとどめない。ドイツで、すさまじい事故が起きた。
 知らせを聞いて、JR東日本は、パリ事務所の職員を現地に派遣した。
 当然のことだろう。
 時速300`時代に入った日本の新幹線にとって、高速列車の開業以来、大きな事故を起こしていないことを自慢していたドイツで「安全」がもろくも崩壊したことは、ひとごとではないからだ。
 鉄道と立体交差する道路が落ちる。事故との因果関係は不明にせよ、JRにとっては想像を超える事態である。
 鉄道事故の半数は踏切事故だ。その踏切事故を避けるために、立体交差を進めており、踏切事故は減る傾向にある。
 だが、そこにも大きな危険があったわけだ。JR各社は、新幹線と立体交差する個所の緊急点検に取りかかった。
 見逃せないのは、事故の直前に、がたがたという音や揺れを感じた乗客が何人もいたことである。
 日本の鉄道関係者の間では、車両か線路に異常が発生していたのではないか、との見方も出ている。車両の部品がはずれていたり、線路が損傷を受けたりしていたのではないかというのだ。
 車両や線路の異常をいち早く察知して、速度を落とし、列車を止める。鉄道の安全対策の基本は、それにつきる。
 地震対策として、初期微動を検知して地震の規模や震源を算定し、大きな揺れの来る前に列車を減速、停止させるシステムが新幹線に導入されている。
 「早期察知、早期停止」は、土砂崩れや妨害工作に対しても適用される考えだ。
 だが、鉄道が高速化するにつれ、かりに危険を検知しても、減速、停止に長い時間がかかる。世界の高速鉄道は、この深刻な問題に直面している。
 山陽新幹線の開通した1975年当時、東京−博多間は、7時間近くかかった。最高速度は210`だった。
 いま、最も速い新幹線は、この間を4時間49分で結ぶ。最高時速は300`になった。非常ブレーキをかけても、停止するまでに約4`走ってしまう。
 早く目的地に到着して便利になるのと引き換えに、危険な要因が少しずつ増えているといえる。
 世界の鉄道、とりわけ日、仏、独の技術陣は、互いに高速化を競ってきた。
 国内では航空機との競争が、高速化を駆り立てる。たとえば、東京を起点にすると、広島への利用者は鉄道と航空機が半々だ。列車のスピードを上げれば、航空機から客を取れる、という期待がある。
 「もっともっと速く」は、リニアモーターカー開発の大きな理由のひとつだ。
 いまの新幹線でも、技術的には、300`を超える速度を出せる。だが、速くなれば、危険性が増すだけではない。騒音や振動もひどくなる。
 新幹線は、営業運転で衝突や脱線事故を起こさず、それによる乗客の死者も出していない。だが「安全神話」は、大事故につながる死角も増やしかねない。JR幹部は「これまで事故は、起きるはずがないと思っているところで起きた」という。
 今回のドイツの事故は、「鉄道の復権」をもたらした高速鉄道の巨大技術システムに、立ち止まって反省をうながす貴重な警告と受けとめたい。(朝日新聞)
■上海−香港1991`直通列車乗車率6割 宣伝効果あるはずなのに… 広告主は乗ってこず 中国の不況も影響?
 香港返還からまだ1周年もたたないのに、本土と香港のきずなを誇示して鳴り物入りで開通した上海−香港直通列車が見放されつつある。乗車率は6割と悪くはないのだが、上海鉄道分局が広告を取ろうとしたところ、企業から反応はなし。陰りが見え始めた中国経済のせいなのか。返還されてしまえばもう関心がなくなったのか−。(上海=清水勝彦)
 香港返還前の昨年5月19日に運行を始めた。隔日運行で1991`を29時間で結ぶ。上海鉄道分局としては初めての豪華コンパートメント付き12両編成だ。定員は442人。これまでの平均乗車率は6割で利用者は約8万9000人に上っている。
 同列車の賀国範・列車隊長は「香港に住む高齢の上海出身者が里帰りなどに乗車するケースが多い。お年寄りのためのきめ細かなサービスが自慢です」。車内放送も香港人の話す広東語と標準語(北京語)と英語を使っている。
 香港の今日の経済発展を支えてきたのは、中国革命の混乱などで上海から香港に逃げた実業家たちだった。そのためもあり、二つの都市の関係はいまも深い。
 上海鉄道分局はゆかりの両都市を結ぶ列車だけに広告媒体としても大いに期待出来ると、列車の行き先表示板に企業名を付けられる「冠列車」の権利や車内広告を競売にかけることにした。ところが、上海の各紙でも宣伝した昨年11月から半年も過ぎたというのに、競売を始めるめどが立たない。
 委託を受けた上海国際商品競売会社は「他にもっと効果的な広告媒体を持つ大手企業にはそう魅力がない。狙いは中小企業だが広告費が高いと見ているのではないか」とあきらめ顔だ。同分局は、不人気の原因について「ノーコメントです」。(朝日新聞)
■独新幹線事故 車輪の破損確認 「車体、線路の異常」浮上
 【エシェデ(ドイツ北部)5日共同】ドイツ運輸省は4日、ドイツ新幹線脱線事故で先頭に近い客車の車輪一つが破損していることを確認、事故原因との関連を調べていることを明らかにした。列車が陸橋に衝突する直前に車輪を含む車体や線路に何らかの異常が起きた、との見方が急浮上し始めた。
 連邦鉄道局のシュツフリ局長は同日「車輪の損傷が原因だった可能性がある。捜査はこの方向で進んでいる」と明らかにし「車輪の一部が壊れ、事故があった陸橋の手前300b付近のポイントで脱線したとの見方が、重みを増してきている」と述べた。
 局長は一方で「運転士の対応に不審な点はない。最終的に車輪の損傷が原因と確定したわけではなく、外部要因の可能性もある」と指摘。運輸省はまた、事故現場の5、6`手前で車体の破片などが見つかり、事故との関連を調べていることも明らかにした。
 事故原因を調査している検察当局によると、列車の運転士が、陸橋に衝突する直前に異常を示す「シグナル」を感知している。運輸省は事故原因として、いたずらなど第三者によって引き起こされた可能性も否定していない。
 地元テレビ局によると、生存した乗客の一人、ズザンネ・クラインブラームさんは「急に車体が揺れだし、衝撃音とともに身を投げ出された」と事故当時の模様を語っている。
 事故対策本部は4日、前日に続き徹夜で行方不明者の捜索活動を続けた。同本部は5日中に崩れ落ちた陸橋の下敷きになった最後の客車の捜索作業を終え、数日中に車体などの本格的な検証に入る方針。
 しかし、車体の破損が予想以上にひどいことなどから、事故原因の解明は早くても数週間程度かかるとの見方が出ている。
・5` 手前に損傷
 【フランクフルト4日共同】ドイツのDPA通信は4日、超高速列車ICEの事故について「鉄道警察は4日午後、事故現場から5`手前の道床やレールに損傷があるのを確認。これが脱線の原因かどうか調査中」と報じた。
 また、5日付のライニシャー・メルクール紙は「鉄道当局は事故現場の橋から6`手前の道床で列車の破片や痕跡を発見、ここで脱線した可能性がある」と伝えた。(京都新聞 夕刊)
■独超特急脱線 車輪破損が原因か 安全管理に問題も
 【ボン5日=桜井元】ドイツの超高速鉄道「インターシティー・エクスプレス(ICE)」の脱線事故をめぐり、ウィスマン独連邦運輸相は4日、「原因として、車輪の破損を排除できない」と述べた。安全維持の面で欠陥があった可能性もあり、当局は車輪部の構造や、点検の実態について調べ始めた。死者は5日未明までに93人が確認され、なお遺体捜索活動がニーダーザクセン州エシェデの現場で続いている。
 運行責任者であるドイツ鉄道のルデウィヒ社長も、車輪破損が惨事の引き金になったとする見方が有力であることを認めた。陸橋との激突現場の5、6`手前の線路に、新しい傷跡があった。さらに、その近くから、機関車につづく客車の1号車の車輪のまわりに取り付ける鋼鉄製の輪の一部が見つかった。
 この外側の輪は運行により消耗するため、定期的に取り換えることになっている。破損したのは金属疲労や、耐久・点検面での問題、線路の異状といった外的な力による場合などが考えられるという。
 原因究明にあたる連邦鉄道庁のシュトゥヒ長官は、断定は避けつつも「車輪破損が原因となり、現場の約300b手前のポイント部分で大きく脱線した可能性がある。調査はこの方向で進める」と明言した。
 事故車両は1991年のICE開通当時につくった「第1世代」で、以後の車両と車台の構造が違う。ドイツ鉄道は、この世代に属する60本のICEを運行停止とし、総点検することを決めた。(朝日新聞 夕刊)
■独の列車脱線 「速く安全」揺らぐ信頼 車輪破損の疑い 出発5時間前に点検
 【ボン5日=橋本聡】ドイツ技術の粋をあつめた超高速列車の惨事の原因に、走行中の車輪の破損の疑いが浮上した。4日夜、ドイツ鉄道社長は国営テレビのカメラに向かって、苦い表情で「欠陥」を口にした。激突から2日たった現場では、なお遺体収容作業が続く。「より速く、より安全に」を合言葉にすすめてきた最新プロジェクトの信頼性が、根元から揺らいでいる。
 「車両支持部の欠陥が、事故を引き起こしたのかも知れない」。ドイツ鉄道のヨハネス・ルデウィヒ社長は、国営テレビ報道番組のインタビューに語った。
 原因の解明は、この日夕方から急展開した。まず、折りかさなるように陸橋に突っ込んだ現場から南西に5、6`手前のレール付近で、真新しい傷あとが見つかった。さらに、ドイツ通信社は「近くに落ちていた部品は、事故列車の車輪の一部だった」と速報した。
 乗客たちは「事故の2分ほど前、ガタガタと大きな音がして車体が揺れた」と証言している。時速200`前後で疾走していたとすれば、時間と距離の関係ははぼ符合する。
 午後7時、連邦政府のウイスマン運輸相は「客車の車輪が壊れた可能性を排除できない」と発言した。鉄道庁幹部も、客車の一部が異常を抱えたまま、脱線していない機関車に引きずられ、陸橋に近づいたのではないか、と述べた。
 「そして、橋から約300b手前のポイント切り替え地点で、車体の振れが大きくなり、線路からはみ出して橋脚にぶつかった」。そんな惨事のプロセスも考えられるという。
 事故列車は3日早朝に出発する約5時間前、「2日に1回の割合」といわれる日常点検を受けたばかりだった。超高速で走っている最中に、車輪の破損が起きるとは、だれも想像していなかった。
 ルデウィヒ社長は、まだ最終結論が出たわけではないとしながらも、「非常に深刻に、この状況を受け止めなければならない」と話した。
 日本やフランスと、しのぎをけずって開発したインターシティー・エクスプレス(ICE)は、1991年に開業。事故列車は、この時に導入された「第1世代」であり、同種の列車60本は安全点検のため、運行ダイヤから外される。
 94年から追加した「第2世代」の44本は、そのまま営業を続けるというが、1日に6万5000人を運ぶ欧州有数の鉄道ネットワークが大きな打撃を受けることは、まちがいない。
・開発の、ンーメンス社 「コメント出せぬ」
 【ボン5日=橋本聡】インターシティー・エクスプレス(ICE)事故で、車両の「欠陥」説が浮かんだことは、メーカーに衝撃を与えそうだ。
 超高速運輸システムを開発してきた主役は、大手電機会社のシーメンス、自動車会社ダイムラー・ベンツ、スイスに本拠を置く多国籍企業ABBの3社だった。
 1991年に就業した「第1世代」の列車に続いて、94年から今春までに「第2世代」の車両を製造、配備した。さらに、いまは最高時速330`の「第3世代」にとりかかっている。シーメンス社は「事故原因が判明するまで、コメントは出せない」といっている。
・技術的な問題なら致命的−安全装置働かない重要部
 東京農工大工学部の永井正夫教授(車両工学)の話 車輪のどの部分がどう外れたのか分からないが、点検の見落としがあったのかもしれない。純粋に技術的なことだとすれば致命的な問題だ。数年前、フランスの新幹線TGVが走行中に脱線する事故が起きたが、転覆には至らなかった。この時は線路の地盤の陥没が原因だった。今回の事故は何らかの要因が重なったと言える。
 慶応大理工学部の清水真佐男教授(材料強度学)の話 見つかったのが車輪か、(左右の車輪をつなぐ)車軸かはっきりしないが、車輪はブレーキをかけた際の熱でヒビが入ることはあるが、破損に進展する例はほとんどない。車軸は車輪に押し込む「圧入部」に亀裂が入りやすく、日本の新幹線では超音波を使った定期的な検査を行っている。いずれにしても、「壊れたら止まる」というフェイルセーフが働かない重大な部分で、破損すれば脱線につながる可能性が高い。(朝日新聞 夕刊)
6日■死者96人確認 ドイツ新幹線事故
 【エシェデ(ドイツ北部)5日共同】ドイツ北部エシェデで起きた超高速列車ICE(インターシティー・エクスプレス)の脱線事故は5日朝(日本時間同日夕)、崩れた陸橋の下敷きとなった客車の捜索作業をほぼ終了、事故対策本部が確認した犠牲者数は合計96人となった。同本部によると、乗客の正確な数は判明していない。犠牲者の遺体の損傷がひどいため身元確認が遅れており、最終的に犠牲者数が確定するにはさらに時間がかかる見通し。
 ハンブルクの日本総領事館によると、5日現在、日本人が事故に巻き込まれたとの情報は入っていない。(京都新聞)
■これが京の初期の鉄道 梅小路蒸気機関車館 来月4日から展示会
 JR西日本の梅小路蒸気機関車舘(京都市下京区)は、京都の初期の鉄道を資料や写真で紹介する展示会「京都の鉄道の創業」を、7月4日から8月31日まで開く。
 旧二条駅舎の移転に伴うリニューアルの一周年を記念して企画した。1877(明治10)年、京都−神戸間に東海道本線を開業した官設鉄道(のちの国鉄)、1895年から京都−伏見間に市電を走らせた京都電気鉄道、その2年後に二条−嵯峨間を開通した京都鉄道に焦点をあて、創業時の駅舎の写真や時刻表、模型などの貴重な資料約70点を陳列する。
 開館は午前9時半から午後5時まで。入館料は大人400円。7月6日と13日は休館。問い合わせは同館 075(314)2996へ。(京都新聞)
■来年12月に開業早まる 山形新幹線の延伸
 山形新幹線(東京−山形)を山形から新庄まで乗り入れる延伸工事をしているJR東日本は5日、2000年4月の開業予定が1999年12月に早まる見通しだと発表した。工事が早く進んでいることや、踏切の統廃合などについて地元自治体との協議が進んでいるためだという。
 新庄延伸計画はJR奥羽線の山形−新庄間(約61.5`)の軌道を新幹線と同じ幅に改良するもので、すでに山形駅などで一部工事が行われている。
 同社によると、10月に山形−羽前千歳間の線路工事に着手。来年3月には、奥羽線全線の運転を休止し、バスの代行運転を開始する。仙山、左沢の両線は通常通り運行される。
 山形−新庄間の運行本数は現在の特急列車と同じ9往復を予定しており、停車駅はこれから決定するという。開業で東京−新庄間は約20分短縮される。
 同計画は97年2月に正式決定され、総事業費は351億円。(京都新聞)
■東静岡駅と正式決定 JR東海道線の新駅
 東海道線の静岡−草薙駅間に新駅の建設を進めているJR東海は5日までに、駅名を東静岡駅と正式に決めた。東静岡駅は今年10月30日から営業する予定。
 東静岡駅は静岡駅から2.5`の静岡市長沼に建設され、普通列車の停車駅になる見込み。付近には静岡県が新しくホールを建設中で、同県などがJR東海に新駅設置を要望していた。(京都新聞)
■死者は96人に 独列車事故 原因究明に重点
 【ボン5日=桜井元】ドイツ北部のエシェデで起こった高速鉄道「インターシティー・エクスプレス(ICE)」の脱線事故で、現地の対策本部は5日、崩れた陸橋に押しつぶされていた客車内の捜索作業を6日午前で打ち切り、それ以後は原因究明に重点を移す方針を明らかにした。収容先の病院で死亡した人を含め、96人の犠牲者が確認された。強い衝撃のため損傷がひどく、身元確認の遅れている遺体もある。
 4日には連邦運輸相らが事故原因に関連して、機関車に連結された客車の先頭車両が現場の手前約5`の地点で車輪の破損を起こし、これが事故につながったとの見方を示した。欠陥の可能性もとりざたされているが、事故調査委員会は5日、事故原因の最終結果が出るまで少なくとも3ヵ月かかる、との見解を明らかにした。
 ドイツ鉄道は104本あるICE列車のうち、事故車両と同じ時期に製造された60本の運行をとりやめ、点検に回したほか、ほかのICEも時速160`に制限した。このため、5日は全国の幹線で特急の運休や大幅な遅れが出ている。
・足まわり点検強化を指示 JR、新幹線で
 ドイツの「インターシティー・エクスプレス(ICE)」の脱線事故で、「車輪の破損が原因」との見方が浮上してきたことを受け、新幹線を運行するJR各社は5日、定期検査内での車両の台車関係などの点検強化を指示した。
 足回りの損傷は事故に直結するため、東海道、山陽新幹線を運行するJR東海と西日本は通常の車両検査でとくに車輪、車軸など台車関係の車検の強化を指示。東北、上越新幹線を運行するJR東日本は同日、車両の一斉点検を始めた。
 JR西日本によると、新幹線の車両の定期検査では2日に1回、車輪の変形などの異状を目で調べるほか、30日に1回、超音波をあてて車軸内部の傷を見つける検査をする。1年に1回は、台車部分を解体点検することになっている。
 JR西日本は「ICEの車輪の形状や構造がよく分からないため比較はできないが、車輪の破損は新幹線ではまず起きない。仮に車輪が破損したら、脱線は避けられないだろう」と話している。(朝日新聞)
■車輪、金属疲労か ドイツ新幹線脱線事故 直前点検で見逃す?
 【エシェデ(ドイツ北部)6日共同】ドイツ北部で起きた超高速列車ICE(インタシティー・エクスプレス)の脱線事故は、6日までの捜査当局などの調べで、事故原因とみられている車輪の破損は金属疲労が原因だった可能性が出ている。
 ドイツ運輸省などによると、先頭の電気機関車のすぐ後ろの客車の車輪が破損していることが分かり、事故現場の5、6`手前で車体の破片や線路の損傷も見つかった。
 このため、列車が高速で走行中にこの客車の車輪に異常が発生し、陸橋直前のポイントで脱線、その衝撃から機関車部分が客車と分離し、客車が次々と陸橋に激突、大惨事となった可能性が高まっている。
 事故を起こした列車は、事故直前にミュンヘンで車体の定期点検を実施していたことが明らかになり、ドイツ鉄道が、直前の点検で車輪の亀裂などの異常を見逃していたことも考えられる。(京都新聞 夕刊)
■独列車事故死者98人に
 【エシェデ(ドイツ北部)5日共同】ドイツ北部で起きた超高速列車ICE(インタシティー・エクスプレス)の脱線事故で、5日夜(日本時間6日午前)までに計98人の死亡が確認された。
 エシェデの警察当局者によると、事故現揚での遺体収容作業は5日ほぼ終了したが、その後、重傷を負って病院に収容されていた乗客2人が死亡した。(京都新聞 夕刊)
■線路に車放置 電車緊急停止 姫路の山陽電鉄
 6日午前零時5分ごろ、兵庫県姫路市的形町の山陽電鉄岩鼻踏切の西約30bの線路敷地内に乗用車が放置されていると、同電鉄姫路駅に通報があった。同駅の運転指令室が近くを走っていた新開地発姫路行き普通列車(4両編成、乗客16人)に無線連絡し、同列車は現場から東約100bで緊急停車した。けが人はなかった。
 飾磨署の調べによると、現場の線路わきにはフェンスが張られてあり、乗用車は踏切から線路内に入ったとみている。車のナンバーなどから、運転していたのは姫路市内の少年(18)とみて、往来妨害罪の疑いで事情を聴いている。(朝日新聞 夕刊)
7日■死者102人に 独の新幹線事故
 【フランクフルト6日共同】ドイツ新幹線脱線事故の現地救援対策本部は6日、事故現場で新たに1人の遺体を発見、死者数が計102人になったと発表した。(京都新聞)
■ドイツ特急事故 死者102人に
 【ボン8日=桜井元】ドイツ北部のエシエデで3日に起きた高速鉄道インターシティー・エクスプレス(ICE)の脱線事故で、現地の対策本部は6日朝、新たに4人の遺体を車両の残がいなどから見つけ、収容した。病院で死亡した人も含め、事故の犠牲者は102人となった。
 現場では、事故調査委員会や捜査当局が必要としないがれきの撤去作業が続いている。同日から原因究明が本格的に始まったが、現場の約5`手前で車輪が破損したとされる先頭客車の車台付近の調べが焦点となる。ICEの車輪は、鋼鉄製の外輪部が自動車のタイヤのように取り付けられ、内輪部と外輪部の間には薄い特殊ゴムなどがはさみこまれている二重構造となっている。車輪が摩耗した場合、外側だけを交換すればよいので、コスト削減にもなる。今回の事故で、破損したとされるのは外輪部で、特殊な構造に問題がなかったかどうかが問われそうだ。(朝日新聞)
8日■列車爆破 23人死亡 パキスタン
 【イスラマバード7日ロイター=共同】パキスタン鉄道当局者によると、7日朝、南部シンド州のハイルプル近くで、走行中の急行列車に仕掛けられた爆弾が爆発し、乗客ら少なくとも23人が死亡、75人が負傷した。
 犯行声明は出されておらず、犯人に結び付く手掛かりも得られていない。列車は、南部の港湾都市カラチから北部国境地帯のペシャワルに向かっていた。
 パキスタンでは、4日に北部ラホールで映画館が爆破され3人が死亡するなど爆弾テロが続いていた。(京都新聞)
■国労控訴へ JR不採用訴訟で
 国労(高橋義則委員長)は7日、中労委、国労側の実質敗訴となった5月28日のJR不採用訴訟の東京地裁判決を受け、弁護団などと対応を協議、被告の中労委が控訴しなくても単独で控訴する方針を決めた。
 自民党は、社民、さきがけとの政策担当者会議で、国労側が控訴しないことなど3条件を受け入れれば、政府に対して不採用問題解決に向けた関係者の話し合いの場をつくるよう働き掛けることを提案。これを受けて国労の動向が注目されていた。
 JRの不当労働行為責任を認めた中労委命令の取り消しをJR側が求めていた同訴訟で、国労は中労委命令を支持する立場で補助参加人として訴訟参加。判決は命令を取り消したため、中労委、国労側の敗訴となった。(京都新聞)
■国労単独でも控訴へ JR不採用事件判決
 国労と国労弁護団は7日、JRの採用差別事件に関する中央労働委員会(中労委)の救済命令を取り消した5月28日の東京地裁判決について、中労委が控訴する場合は補助参加し、控訴しない場合にも国労単独で控訴する方針を確認した。中労委は、控訴期限前日の10日に公益委員会議を開いて、控訴するかどうかについての結論を出す見通しだ。(朝日新聞)
■死者98人に 独鉄道事故で修正
 【ボン7日=桜井元】ドイツ北部のエシェデで3日に起きた高速鉄道インターシティー・エクスプレス(ICE)の脱線事故で、地元の警察当局は7日夕、事故の死者数を102人から98人に修正した。ドイツ通信が伝えた。当初は別々とみられた遺体が、同一の人とされた例があるという。(朝日新聞 夕刊)
■パキスタン 列車で爆発、23人死亡 外務省声明「インドの機関絡む」
 【イスラマバード7日=古山順一】7日未明(日本時間同日午前)、パキスタン南部シンド州のスックル市近郊を走行中の急行列車の中で爆弾が爆発し、少なくとも23人が死亡、30人が負傷した。犯人は捕まっていないが、パキスタン外務省は、インドの情報機関が絡んだテロだとする非難声明を発表した。
 この列車事故についてBBC(英国放送協会)放送は同日、「パキスタン政府筋が、インドの情報機関(RAW)の犯行である証拠を握っていると語った」と伝えた。サイード情報相は、最近パキスタンで発生した一連の爆発事故にRAWが関与している可能性を指摘し、「インドはパキスタンの核実験にショックを受け、今度は一連のテロでわが国に圧力をかけようとしている」と述べた。
 これに対して、インド外務省は「根拠のない誤りだ」と否定している。鉄道関係者によると、列車はカラチ発で、北西部のペシャワルに向かう途中だった。5日にも北東部のラホールの映画館で爆弾が爆発し、3人が死亡する事件があった。(朝日新聞)
9日■トロッコ列車サミット 自然と鉄道 共生目指し 来月、釧路で開催
 観光客が沿線の景色を眺められるように車両の側面などを取り払ったトロッコ列車を運行する全国の鉄道会社が集まる初の「全国トロッコ列車サミット」が来月10日、北海道釧路市のホテルで開かれる。JR北海道が8日、発表した。
 「自然と鉄道の共生」を目指すトロッコ列車の運行方法や観光振興の事例の情報交換が目的。全国13社の約150人が参加する。
 全国各地のトロッコ列車の様子をVTRで紹介した後、わたらせ渓谷鉄道(栃木、群馬)や嵯峨野観光鉄道(京都)など4社が現況を報告。沿線の美化に社員が取り組んでいるJR四国予土線(高知)の事例などを聞く。最後にサミット宣言を採択する予定。
 サミットは13社でつくる全国トロッコ列車協議会などが主催。昨年7月、四万十川沿いの高知県西土佐村で第1回を開催する予定だったが、台風9号の影響で中止となった。(京都新聞)
■青鉛筆
 京都・保津峡にトロッコ列車を走らせる嵯峨野観光鉄道(本社・京都市)は貨車を改造した新車両「ザ・リッチ号」をつくり、7月からトロッコ嵯峨−亀岡間(7.3`)を1日8往復で運転を始める。
 開業8年目のトロッコ列車は、郷愁を誘うのか利用者は増える一方。新しい車両は尾根の3分の2にガラスを張りつめ、床や側面を格子にするなど一層自然を体感できるように工夫した。
 クーラーも扇風機もない。明かりは裸電球で、雨風は吹き込み放題の「ザ・ビンボー」ともよびたい列車だが、同社は「自然との一体感がみなさまをリッチな気分にします」とPR。(朝日新聞)
■バスと鉄道値下げ申請 遠州鉄道、初乗り100円
 静岡県西部を中心に運行する遠州鉄道(本社・浜松市)は9日までに、路線バスと鉄道の初乗り運賃をともに100円に値下げする料金改定を運輸省に申請した。
 路線バスは全59路線が対象で、暫定措置でない恒久的な料金値下げは、近距離では全国初のケースという。認可されれば7月1日から実施する。
 割高との批判の多かった近距離の運賃を見直し、利用客を増やすのが狙い。近距離利用客で現在の1.5倍増を目指す。
 同鉄道は利用客増などで2年目には増収に転換できるとしている。(京都新聞 夕刊)
■新幹線の保守車両が脱線 ポイント切り替えミス
 9日午前4時半ごろ、神奈川県小田原市の東海道新幹線小田原駅構内で、線路の安全点検用の保守車両(6両編成)が脱線した。乗っていた作業員2人にけがはなかった。
 同新幹線は始発から上下線とも新横浜−熱海間で運転を見合わせた。午前7時すぎに運転を再開したが、下り始発ののぞみ1号など上下9本が45−12分遅れ、約6000人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■市バス発車の弾み 女性が転倒し重傷 左京のバス停
 9日午前9時5分ごろ、京都市左京区浄土寺東田町の「銀閣寺道」バス停で、金閣専行きの市バスに乗車した同区浄土寺石橋町、無職富田千代子さん(72)が、発車の弾みで転倒し、右足の骨を折る2ヵ月の重傷を負った。ほかの乗客12人にけがはなかった。
 川端署によると、富田さんが車内を前に歩いている最中にバスが動き出したといい、運転手(49)から乗客の安全確認をしたかどうかなどについて事情を聴いている。
 市交通局は「急発進が原因ではなく、バスの揺れで転倒されたと聞いている」としている。(京都新聞 夕刊)
■新幹線、保守車が脱線 小田原駅 ポイノトミス? 一時不通
 9日午前4時半ごろ、東海道新幹線の小田原駅(神奈川県小田原市)構内で、保守用車両(6両編成)の4両が脱線し、上下線が不通になった。車両をジャッキで持ち上げ、午前7時すぎに復旧したが、東京発博多行きのぞみ1号の45分を最高に、上下合わせて9本に遅れが出た。作業係員ら、保守用車に乗っていた2人にけがはなかった。JR東海によると、車両は入れ替え作業中で、ポイントが開通していない方向に進んだため、脱線したとみられる。
 JR東海によると、保守用車は同日未明、新横浜−小田原駅間の上り線でまくら木の交換をし、両駅間の下り線側にある鴨宮保守用基地に戻るため、小田原駅構内のポイントを使って入れ替えをしていた。時速約10`で、営業運転とは逆方向で同駅構内に向かう途中、下り線にわたるポイント付近で、先頭のモーターカーと、4、5、6両目の貨物車が脱線した。ポイントは「わたり線」側になっていたという。
 営業用新幹線の速度や信号の切り替えは、自動列車制御装置(ATC)でコンピューター管理されており、入れ替え作業もATCの信号で行われるが、保守用車は手動運転されている。現場に応じ、上下どちらの線上でも、前進や後退ができるようになっている。
 保守用車の進行やポイントの切り替えは、運転士と小田原駅の係員が事前に打ち合わせて行う。最終的には、駅構内のポイントにさしかかる手前に「トークバック」と呼ばれる電話が設置されている場所でいったん停止し、運転士が車両から降りて、駅側に入れ替えを始める連絡をする。この後、ポイントが進行方向に開通しているかどうかを確認しながら、運転することになっている。
 今回のケースについて同社は、連絡が不十分だったか、ポイントの操作ミスとみている。人為ミスをバックアップし、緊急ブレーキが自動的に作動するようなシステムはない。(朝日新聞 夕刊)
10日■地下鉄の証明書発行コーナー 利用に明暗 四条駅・オフィス街 予想越す87件(1日平均) 竹田駅住宅街
 こちら4分の1の21件 ”立地”に差 活用呼びかけPR 京都市の5月まとめ 京都市は先月11日から地下鉄駅に新設した「証明書発行コーナー」の5月の利用状況(11日−29日)をまとめた。オフィス街の四条駅(下京区)が1日平均87件と予想以上に利用が多かったのに対し、住宅街の竹田駅(伏見区)は、その4分の1以下となる21件に止まっていることが分かった。
 四条駅(乗降客1日約4万9000人)では、開設当初から、サラリーマンや買い物客の利用が目立ち、最高で1日に143件も殺到したという。
 これに対し、竹田駅(乗降客1日約2万6000人)は、バスターミナルと反対の東口にあるため人の流れが少なく、多い日でも32件、少ない日は10件に満たない。伏見区役所では「竹田付近の住民でも、区役所に来られる方もある」と話している。このため、所管する市民生活部では、駅構内に張り紙をするなど、PRに務めており、「まだ場所などよく知られていないよう。即時発行できますので、ぜひご利用下さい」と呼びかけている。
 住民票の写しや印鑑登録証明書などの証明書発行コーナーは、四条、竹田両駅に先月11日開設された。交通ターミナル型としては初めて。来年度は山科駅を予定している。(京都新聞)
■列車妨害予告で再逮捕 脅迫容疑の男を富山県警 京都駅など追及へ
 JRの駅長あてなどに列車防害を予告する手紙が届いた事件で、富山県警捜査一課と高岡署は9日、JR金沢駅など2駅に脅迫文を送ったとして脅迫の疑いで住所不定、元工員青木利夫容疑者(49)を再逮捕した。
 脅迫文はJR金沢駅など2駅以外に東京、新潟、名古屋、京都、大阪、博多のJR6駅と小田急電鉄新宿駅にも送られ、すべて筆跡などが似ていることから、同県警は同容疑者が送ったとみて今後追及する。
 調べでは、青木容疑者は4月下旬、JR金沢駅と富山地方鉄道富山駅の駅長あてに「連休中に新幹線などの列車を転覆させる。死傷者2000人以上になる」などという内容の手紙を送った疑い。
 同容疑者は列車防害予告文について、犯行をほのめかす供述をしているという。青木容疑者は4月下旬に高岡市内で、駐車中の覆面パトカーから自動車電話の受話器を盗んだとして窃盗の現行犯で逮捕された。(京都新聞)
■JR京都駅ビルで男性飛び降り死亡
 9日午後3時50分ごろ、京都市下京区のJR京都駅ビルで、男性が7階のバルコニーから同ビル3階の「南遊歩道」に飛び降りた。男性は頭などを強く打ち、約30分後に死亡した。
 七条署によると、死亡したのは、大津市のJR京都駅員(37)で、同署は目撃情報などから自殺とみている。男性が転落した現場は、京都駅ビル南側を東西に走る470bの遊歩道中央付近。当時はほとんど通行人はいなかった、という。(京都新聞)
■此花臨海駅は帆船の雰囲気 JR桜島線の新駅
 2001年春に大阪市此花区で開業予定のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)の最寄り駅となるJR桜島線の新駅「此花臨海駅」(仮称)の外観デザインが、10日までに決まった。
 建築家の安藤忠雄さんが設計。同駅は海に近いことから、テントのような屋根で駅舎やホームを覆い、帆船の雰囲気を出す。
 今年中には巨大な屋根が駅の上にかけられる予定。実際に使用が始まるのはUSJの開業に合わせて2001年春になるという。
 屋根の材質は東京ドームの屋根と同じ表面が特殊樹脂で覆われたもので、長さ約100b、幅約30b、最も高い所で地上26.5b。夜間にはライトアップする計画もあるという。
 設計した安藤さんは「来るだけで明るく元気になれるような駅を目指した」と話している。(京都新聞 夕刊)
■今日的遺跡探検 1964 21世紀まで936日 0系新幹線 栄光1番 地球150周
 新幹線の一番列車は1964年10月1日午前6時、東京駅と新大阪駅を出発した。ひかり1号とひかり2号。それぞれ2人の運転士が乗務し、午前10時、定刻通終着駅のホームに滑りこんだ。
 「試運転中は故障が多く、時間通り走れるか、不安と緊張でいっぱいだった」。新大阪発のひかり2号に乗務した大石和太郎さん(65)=埼玉県久喜市=は、緊張の4時間を振り返る。
 その心配をよそに、ひかり2号は快調に走った。浜名湖近くで運転を引き継いだ関亀夫さん(64)=神奈川県山北町=は、運転席の舞台裏を思い出し、笑った。
 「時間を稼ごうと、とにかく速めに走ったので、品川あたりで5分ほど早くなった。仕方なく、調整のためにスピードを落としたが、そばを走る山手線の電車に追い抜かれ、ちょっと格好が悪かった」
 同じ時刻、東京から大阪へ向かったひかり1号の山本幸一、井月正司両運転士はすでに亡くなり、34年という歳月の長さを物語る。山本運転士の妻初子さん(68)はいま、夫婦がともに育った故郷の高知市に住む。
 開業の日、初子さんは大津市の自宅で、早朝からテレビにかじりついていた。インタビューにこたえる幸一さんの制服の左のそでに、ちらりと「運転士」のワッペンが映った。「どうぞ無事、到着しますように…」。2日前、一針一針に祈りを込め、縫いつけたワッペンだった。翌日、帰宅した幸一さんは「到着が1秒くらい狂ったかな」と上機嫌だったが、ほおがゲッソリ落ち込んでいた。
 開業時から走る「0系」は、85年に登場した後継車両の2階建ての100系をはじめ、相次いで登場する新型車両に主役の座を譲り、次々と引退している。
 その0系のうち、「栄光の1番」の製造車両が、大阪市港区の交通科学博物館に展示されている。形式番号「21-1」と「22-1」(先頭車)、「16-1」(グリーン車)、「35-1」(食堂車)の4両で、走行距離は約600万`。地球をざっと150周した計算になる。
 4両は78年4月、大阪府東大阪市の車両工場で化粧直しをした後、大型トレーラーで運び込まれた。最高時速210`。”夢の超特急”の最後の旅は、時速6`だったという。(喜田 洋)
 新幹線 0系は63年から86年まで約3200両が製造された。現在、JR東海とJR西日本に合わせて約540両が残る。後継車両として100系に続いて、92年にのぞみ型の300系、97年には時速300`を誇る500系が登場している。(朝日新聞 夕刊)
■信号変わらず阪急電車遅れ 宝塚線の車庫内
 10日午前6時49分ごろ、兵庫県宝塚市平井の阪急宝塚線平井車庫内で、雲雀丘花屋敷発川西能勢口行き上り電車が、始発駅の雲雀丘花屋敷駅に向かおうとしたところ、信号が赤のまま変わらなかったため、4分遅れで発車した。
 このため、宝塚線は全線で約2時間にわたってダイヤが乱れ、上下計41本が最大11分遅れたほか、計2本が運休し、通勤客ら約5万4500人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
11日■窓 快適な乗車に皆が努力を 大津市・笹井 由美(主婦・36)
 過日、「マナー向上命令は不愉快」を拝見して、一言書かせていただきます。私は不愉快だとは思いません。私が不愉快だと思うのは、あのような電車の乗客マナー啓発ポスターが掲示されているにもかかわらず、座席に荷物を置く人。前の席に足を投げ出して座る人。子供が靴のまま座席に上がったり、人の服を汚してもしからない親など、いっぱいあります。
 「マナー向上…」のポスターに書かれてあることは当たり前のことではないでしょうか。当たり前のことなのにできなくなってきているから、みんなにお願いしているのではないでしょうか。私自身も決してマナーがいいとは言い切れませんが、電車やバスを利用する時は「マナー向上」を心掛けております。「命令」とは思わず、快く「お願い」されようではありませんか。皆が快適に乗車できるよう一緒に努力しましょう。(京都新聞)
■故障で立ち往生の列車に 救援車衝突、38人けが 高知の三セク
 11日午前9時40分ごろ、高知県大方町上田の口の土佐くろしお鉄道中村線西大方−古津賀間で、故障のため停車していた窪川発宿毛行き普通列車=中島正樹運転士(22)、1両=に、救援に向かった列車=山岡岳運転士(24)、1両=が正面衝突した。
 同県警によると、停車していた列車の乗客ら38人がけが、うち同県十和村の堀内俊さん(73)が足を骨折して重傷を負った。中村市内の病院に入院した2人も重傷との情報があり、確認を急いでいる。
 現場は下り坂で見通しも悪く、救援列車がスピードを出し過ぎた可能性もあるとみて、運転士から事情を聴いている。
 四国運輸局は調査のため3人を派遣。この事故でJR四国土讃線で高知−高松間のダイヤが大幅に乱れた。
 同鉄道などによると、2列車ともディーゼルカー。故障した列車には乗客約40人と運転士1人、救援列車には運転士と作業員ら4人が乗務していた。燃料漏れで動けなくなった列車のけん引のため、近くの中村駅にいた普通列車を現場に向かわせたところ衝突したという。
 土佐くろしお鉄道は国鉄民営化後に路線を引き継ぐ形で、高知県や沿線自治体などが出資し、1988年に開業した第三セクター。現在、宿毛−窪川間の約66`で営業し、全線とも単線。(京都新聞 夕刊)
■走行中の新幹線 ドア開き緊急停止 岡山
 11日午前9時半すぎ、岡山具備前市の山陽新幹線岡山−相生間で、博多発東京行きひかり102号(16両編成)の運転席にドアが開いている表示が出たため、運転士が緊急停止した。
 車掌が点検したところ、前から2両目の左側ドアが約5a開いていた。JR西日本で原因を調べている。けが人などはないもよう。
 ひかり102号は現場に約14分間停車。上下計6本が16−9分遅れ、計約3600人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■土佐くろしお鉄道 救援車と衝突、38人けが 故障で立ち往生中
 11日午前9時40分ごろ、高知県幡多郡大方町の「土佐くろしお鉄道」中村線の西大方−古津賀駅間で、故障のため立ち往生していた窪川発宿毛行きの下り普通列車(1両)と、けん引するため現場に向かっていた救援列車が正面衝突した。普通列車には乗客約40人が乗っていたが、うち38人が足や腕などにけがをして病院に運ばれた。骨折などの重傷者も出ている模様。
 土佐くろしお鉄道によると、現場は単線区間で、普通列車は午前9時15分ごろ、エンジントラブルとみられる故障で動かなくなった。9時半すぎに救援列車が近くの中村駅から急行したが、止まりきれずに衝突したとみられる。同鉄道は「救援列車がスピードを出し過ぎたのではないか」と話している。
 現場は西大方駅の約800b西で、緩いカーブになっている。
 土佐くろしお鉄道(本社・高知市、上岡英朗社長)は高知県や周辺市町村などが出資して設立した第三セクターで、中村線(中村市−高岡郡窪川町)と宿毛線(中村市−宿毛市)を運行している。中村線は1988年4月に営業を始めた。
 事故現場の近くに住む主婦(40)は「ドーンという音がして、5分ほどして救急車が来た。列車から乗客が次々に降りてきて、最後に救急隊員に背負われた女性や担架に乗せられた2、3人の人が見えた」と話す。(朝日新聞 夕刊)
■走行中にドア開く 山陽新幹線
 11日午前9時半ごろ、岡山県備前市の山陽新幹線岡山−相生駅間で、走行中の上り東京行き「ひかり102号」(16両編成、乗客約1100人)が緊急停止した。ドアが閉まっていることを示す運転台の表示灯が消えていたためで、車掌がドアを点検したところ、15号車の博多寄りのドアが約5a開いていた。車掌がドアを閉め、14分後に運転を再開した。(朝日新聞 夕刊)
12日■リニア 初のすれ違い実験 200`で風圧など調査
 JR東海と鉄道総合技術研究所(JR総研)は11日午後、山梨リニア実験線(山梨県都留市−大月市、先行区間18.4`)で、超電導磁気浮上式リニアモーターカー2編成によるすれ違い実験を実施した。
 車両が約3bの距離ですれ違う際、風圧や振動などが車体に与える影響を調べるのが目的。この種の実験は今回が初めて。
 実験に使われたのは、昨年12月に鉄道では世界最高の時速550`を達成した先頭車両を使ったA編成(3両)と、今年2月に走行実験を開始した車両を使ったB編成(同)。この日は、A編成が北側、B編成が南側のガイドウエー(車両走行路)を使い、まず同一方向に並走実験をした後、A編成、B編成いずれも200`ですれ違った。
 今後、速度を上げてすれ違い実験を続けるとともに、並走しながら追い越す際の風圧、振動などを調べる実験も順次、実施していく予定だ。(京都新聞)
■高知の列車衝突事故 停車位置を誤認? 重軽傷40人に 運転士から聴取
 高知県大方町の土佐くろしお鉄道列車衝突事故で、高知県警は11日、事故対策本部を設遺し、現場検証と運転士らの事情聴取を行った。
 故障で停車中の列車に衝突した救援列車の運転士は「もっと列車が遠くにあると思った」と話しており、県警は停止位置を誤認してブレーキをかけるのが遅れ衝突した可能性があるとして、業務上過失傷害事件として捜査。故障列車の位置についての指示内容や、列車の速度などを詳しく調べている。
 けが人は40人で、6人が骨折や打撲で入院したことが分かった。
 衝突した運転士は「自分の予想より手前に列車が止まっていた。ブレーキはかけたが間に合わなかった」と話しているという。同鉄道によると、故障列車の位置は、救援列車の乗務員に50b単位で伝えてあったという。故障の原因は燃料漏れではなく機関故障だった。同鉄道は12日は始発からほぼ平常に運転する予定。(京都新聞)
■岡山の路線バス 全国初の値下げ 3社に認可、7月実施
 岡山市のバス会社の3社が中国運輸局に申請していた路線バス運賃の一部値下げが10日、認可された。値下げ幅は10−30円で7月31日から実施される。運輸省によると、路線バス運賃の値下げは全国で初めて。乗客のバス離れを食い止めるための思い切った対策で、中国運輸局は「値下げで新たな需要を呼び起こせるか見守りたい」と話している。
 認可されたのは宇野自動車、岡山電気軌道、両備バスの3社。5月にまず宇野自動車が岡山市内区間の一部値下げを申請。他の二社も宇野自動車との競合区間で同一賃金となるよう申請した。
 先行した宇野自動車は「利用者の減少を食い止めるには値下げしかない」と積極的だが、追随した両備バスと岡山電気軌道は「収入減は必至で、赤字路線廃止などのサービス低下につながりかねない」と厳しい表情だ。(京都新聞)
■窓 JR新幹線の安全対策は? 東山区・松本栄次郎(無職・67)
 ドイツの超高速列車ICE(インターシティー・エクスプレス)で起きた大事故は、同様の新幹線が走るわが国も他人事ではない。
 原因について、車輪の金属疲労による破損が脱線事故を引き起こし、機関車の連結部分がはずれ、客車が陸橋に衝突、大事故に至ったのでは、と言われている。1991年にデビュー以来、営業時速250`の高速運転で、死亡事故ゼロ。1億人以上を輸送している自信が、定期点検での見落としに結びついたのではないか、との見方もある。
 日本のJR各社も線路や陸橋との交差場所などを緊急点検し始めたようだが、もし万一、同様の事故が起きた時、乗客の安全はどうなのか。自動車にはシートベルトやエアバッグが備えられ、最近は飛行機でもエアポケット事故に備えてベルトを常時着用するように指導されている。新幹線の乗客に対する保護対策はどうなのか? JR各社からの説明を、ぜひ聞きたい。(京都新聞)
■「700系」新幹線 試走中に停止 西明石、ダイヤ乱れる
 11日午後1時半ごろ、兵庫県明石市小久保二丁目、山陽新幹線西明石駅構内で、岡山から新大阪に向かって試験走行中だった次世代新幹線「700系」の試運転列車(16両編成)が、後続列車を先に通すために同駅の待避線に入ろうとしたところ緊急停止した。車両を点検し、約30分後に運転を再開したが、上下線計6本の列車が28−2分遅れ、乗客約2100人に影響が出た。(朝日新聞)
■ドイツの高速列車事故 疑惑の的は「弾性車輪」 振動防ぐが強度で不利
 100人近い死者を出した独インターシティー・エクスプレス(ICE)の事故から1週間余がたった。この国自慢の高速列車に何が起こったのか。原因はまだ不明だが、ICEが使っていた「弾性車輪」と呼ばれる特殊な車輪が注目されている。
 事故後、陸橋との衝突現場から5`ほど手前で、機関車に続く1両目の客車の車輪の一部が見つかった。これが弾性車輪のタイヤの一部と見られている。
 弾性車輪は、外周の鋼鉄製タイヤと車輪中央部の間にゴムをはさんだもので、振動を抑え、騒音を下げる効果がある。
 列車の振動を吸収するばねは、車体と台車の間、台車と車軸の間の2ヵ所にあるが、ばねの役をするゴムが、よりレールに近い場所にあれば、その下にある質量が小さくなり、レールの凹凸によく追随して上下し、車体の振動を防ぐ。
 ICEは当初、新幹線と同じ鋼鉄製で一体型の車輪を使っていた。鉄道総合技術研究所の手塚和彦・主幹技師によると、まず食堂車に弾性車輪を採用、ほかの客車にも広げた。
 調理場がある重い食堂車で一体型の車輪が多角形に摩耗し、騒音や振動が問題になったからという。ICEは新幹線と違って2両の機関車が12両の客車を動かす。モーターのない客車が静かなのが自慢だ。
 弾性車輪は、タイヤがリング状で、強度面では一体型より不利だ。タイヤにできた亀裂が広がったとの見方も出ている。
 AP通信によると、独運輸省は「壊れた車輪は、周りの鉄製タイヤをゴムで付けた構造」と説明している。ウィスマン運輸相は「車輪の破損が原因である可能性を排除できない」と認めた。手塚さんは「タイヤが壊れれば、その直後ではなくてもいずれ脱線するだろう」と話す。
 弾性車輪は、国内では一部の路面電車と名古屋市の地下鉄に使われているぐらいだ。
 JR東日本は、最高時速425`を記録した試験車両STAR21を使い、1994年に仙台−盛岡間などで弾性車輪の高速走行試験をした。しかし、実際の新幹線車両への採用は見送った。「値段が高く、点検の手間がかかる半面、騒音低減の効果は小さかった」。耐久性は、期間が短くテストできなかったという。
 宮本昌幸・明星大教授(機械工学)は「弾性車輪はゴムが繰り返し圧縮されて発熱するためゴムの耐久性にも不安があった。でも、ドイツはそういった点も検討のうえ採用したはず。一体何が起こったのか」と調査の行方を見守っている。(朝日新聞 夕刊)
13日■JR新快速 室内灯消える 高槻駅、8000人に影響
 12日午後10時ごろ、JR京都線の米原行き新快速(8両編成)が高槻駅を出て間もなく、後部4両の室内灯が消えていることに乗務員が気づいた。京都駅で車両を検査したところ、室内灯用の電源装置の故障と分かり、同駅で運行を打ち切った。
 乗客約1100人が後続の電車などに乗り換えた。また後続の12本に11−3分の遅れが出、計約8100人に影響が出た。(京都新聞)
■緊張の中、従業員訓練 JR梅小路駅構内事業所など 危険物の消火・救助
 全国一斉の「危険物安全週間」にちなみ12日、下京区のJR梅小路駅で、貨物の軽油が燃える危険物火災を想定した消火、救助訓練が行われた。
 貨物の中継専用の梅小路駅では、駅構内に事務所を置く13の会社が、火災などが起きた時に協力し、対応する相互協力協定を結んでいる。
 訓練は、同協定に基づき、同駅と下京消防署も参加して、7日から始まった「危険物安全週間」行事として実施された。
 訓練は「軽油6000リットルが入ったコンテナがフォークリフトで運ばれる途中に落下。流出した軽油から出火し、従業員2人が負傷している」という想定で、午前10時から始まった。
 「火事だ」という声に応じて、はじめに駅員でつくる自衛消防隊と、駅構内の会社の消防隊員約30人が出動し、けが人の救出や消火器での初期消火にチャレンジした。
 その後、下京消防署から化学車、ポンプ車、救急車など5台が駆けつけ、約10分で消し止めた。
 駅構内の会社の従業員たちは、緊張した表情で真剣に訓練に取り組んでいた。(京都新聞)
■伝説乗せて出発進行 叡電内に写真と絵展示
 叡山電鉄(京都市左京区)はこのほど、電車内の吊(つ)り広告の代わりに写真や絵画などを展示する「ギャラリー電車」で、沿線の貴船神社や鞍馬寺などの言い伝えを絵と文で紹介する「叡電沿線の伝説」を始めた。9月30日まで。
 同社は3年前、米国の芸街家アレツクス・ボーイズがデザインしたシダなどを描いた車体をつくり、ギャラリーに見立ててきた。
 「沿線の伝説」シリーズは2年前、京都精華大職員の中島聡子さん(28)らが企画。何気なく通りすぎる場所にドラマチックな物語が眠っている−と、沿線の歴史、言い伝えを、社寺やお年寄りから取材して作成。今回が3回目で最終となる。夢のおつげで授かったという光明寺の阿弥陀仏や、てんぐになった上人の物話など10話を紹介している。
 同社は「途中下車で訪ねてみると、見慣れた土地が新鮮に感じられるのでは」と話している。ギャラリ電車は出町柳−鞍馬間を1日7、8往復する。(京都新聞)
■「そうだ京都、行こう」 JR東海 関東で観光PR
 「そうだ京都、行こう」。JR東海は今、関東地域で大がかりな京都観光キャンペーンを展開中だ。今夏のテーマは茶道。京都市北区の大徳寺・黄梅院を舞台に、お茶を楽しみながら奥深い京の魅力に触れる旅をアピールしている。
 JR東海の京都キャンペーンは93年から実施。清水寺、三千院からスタートし、昨夏からは伝統芸能編として「能」をテーマに相国寺を紹介した。
 今夏はその第2弾。茶道ゆかりの大徳寺・黄梅院で、茶道のもつ哲学、「わび」の美学、「もてなし」の心、禅の思想などに触れてもらう体験型の旅だ。先月下旬から始まった。
 JR東海は、旅の売り込みに懸命で、「その喫茶店は四畳半です。花が一輪だけ」のナレーションで始まるテレビCMは、東京キー局で1日10本以上も放映。週刊誌の広告は延べ22誌、駅や車内吊(つ)りのポスターも約6000枚にのぼり、首都圏の人々を夏の京都に誘っている。
 黄海院の特別拝観は7月31日まで。拝観料は抹茶つきで2000円。予約制。申し込みは同拝観事務局 075(213)3463へ。(京都新聞)
■車内の携帯電話 禁止・容認 関西の鉄道各社足並みそろわず
 「着信音や話し声がうるさい」と問題になっている電車内での携帯電話の使用をめぐり「原則禁止」が大半の首都圏の鉄道各社に続き、関西の鉄道でも原則禁止を打ち出す動きが広がっている。それでも「おしやべり好きな関西人は関東より携帯の会話に寛容では」と容認したままの会社もあり、禁止か容認かで各社の足並みが乱れている状態だ。
 今年4月、車内放送を従来の「携帯電話の使用は控えめにお願いします」から「使用はご遠慮ください」と原則禁止に変更したのは阪神電鉄。京阪電鉄も2月に同様の放送を始め、5月からは駅構内や車内のポスターでも使用自粛を呼び掛けている。
 京阪総務部は「社内で『受信まで禁止するのはどうか』という声もあったが、最近かなり耳につき『もっと厳しい内容に』との苦情もあって変更を決めた」と説明。
 阪急電鉄は今年のゴールデンウイーク期間中、試験的に「ご遠慮を」と全線で車内放送した。従来のアナウンスは「乗客のモラルを信用する」として携帯電話に一切触れていなかったが、今後はお盆や正月などの放送を検討中。
 一方、JR西日本の在来線の車内放送は従来通り「控えめにお願いします」と柔らかなトーン。
 乗客約1万3000人へのアンケートで「迷惑にならない使用は認める」が約7割を占めた点を根拠に「もともと大声でしゃべる人が関東より多く、混雑度や気質の違いで寛容なのでは」(広報室)としている。
 近畿日本鉄道と南海電鉄の放送も「(周囲の)迷惑にならないように」と個人の判断に任せている。
 電話会社など134社でつくる電気通信事業者協会は「各社のアナウンス内容が違うためマナー向上に取り組みづらい。満員電車では電源を切るなどの統一ルールを作るべきだ」としており、JRや日本民営鉄道協会と協議していく方針だ。(京都新聞)
■絶景かな 五山送り火 京都駅ビルの空中径路を開放 地上45b 招待者募る
 京都駅ビルの空中径路から大文字五山送り火を眺めませんか−。京都駅ビル開発は8月16日、五山送り火の絶好の鑑賞ポイントとなる京都市下京区のJR京都駅ビル空中径路を市民に開放することを決め、招待者を募集している。
 駅ビルは昨年秋に全面開業し、五山送り火を迎えるのは今夏が初めて。地上45b、長さ150bの空中径路からは京都市街を一望でき、東山如意ケ嶽の「大文字」から、嵯雌鳥居本茶羅山の「鳥居形」まで五山に順次点火される精霊送りの火を鑑賞できる。
 送り火当日、空中径路の開放は午後6時から9時までで、招待者用の入場整理券が必要。招待者の公募は200人。申し込みは、7月15日までに官製はがき(住所、氏名、年齢、電話番号を明記。1枚で2人まで応募可)で、〒600-8799 京都中央郵便局留「京都駅ビル大文字五山送り火鑑賞」係=075(361)4394へ。応募多数の場合は抽選する。(京都新聞)
■私はジェニー 新幹線へようこそ
 「新幹線版スチュワーデス」として車掌の手助けや車内販売をする女性パーサーの乗務が始まって、10年。これを記念して、パーサーの服を着た着せ替え人形「ジェニー」が、7月から東海道新幹線「のぞみ」の車内で売り出される。
 ジェニーは、おもちゃメーカーのタカラの人気商品で、同社の「リカちゃん」のお姉さん格。1990年には日本航空の「JALジェニー」、97年には全日空の「ANA'Sリカちゃん」が機内で売り出されたが、鉄道は初めて。
 値段は5000円と、ちょっと高め。女の子がお小遣いで買うというより、ビジネス客が娘への土産として買ったり、若い女性が乗車の記念にしたりすることを期待している。(朝日新聞)
■救援運転士に連絡不徹底か くろしお鉄道事故
 高知県幡多郡大方町の「土佐くろしお鉄道」中村線で、故障で立ち往生した普通列車と現場に向かった救援車両が衝突し、乗客39人が重軽傷を負った事故で、救援車両の運転士が事前に故障車両の正確な停車位置を指示されていなかったことが12日、分かった。記者会見した同社の上岡英朗社長は「安全教育が不十分だったことから生じた人為的事故」と話し、安全確認体制が不備だったことを認めた。高知県警はこの日、業務上過失傷害などの疑いで中村市の同社事務所など2ヵ所を捜索し、業務日誌や運行日誌を押収した。(朝日新聞)
■独で また列車事故 乗客ら37人けが
 【ボン12日ロイター=共同】ドイツ南部カールスルーエ近くで12日、列車の衝突事故があり、警察によると、乗客ら37人が負傷した。
 現場は単線で、反対方向から来た列車同士が正面衝突した。詳しい事故の状況はまだ明らかでないが、衝突当時に列車のスピードはあまり出ておらず、1人が重傷を負ったが命に別条はないという。ドイツでは今月3日、北部エシェデで超高速列車ICE (インターシティー・エクスプレス)か脱線し98人が死亡する大惨事があったばかり。(京都新聞 夕刊)
■またドイツで… 列車正面衝突 37人がげが
 【ボン12日=ロイター】ドイツ南部カールスルーエ近くで12日、列車が正面衝突し、乗客ら37人がけがをした。
 警察によると、詳しい事故の状況は明らかになっていない。現場は単線で、反対方向から来た列車同士が衝突した。衝突時に列車のスピードはあまり出ておらず、けが人のうち1人が重傷だが、命に別条はないという。(朝日新聞 夕刊)
14日■時々刻々 跡地再開発の構想停車中 国鉄清算事業団 売り込みに意欲的
 JR大阪駅北側に広がる梅田貨物駅(大阪市北区、約20f)の移転問題がようやく動き始めた。旧国鉄吹田操車場跡地(大阪府吹田、摂津両市、約50f)へ、同貨物駅の年間取扱量の「半分」を移すという国鉄清算事業団の提案を、今年3月、地元の両市が条件付きで認める方針を出したからだ。11年間も宙に浮いた形になっていた移転問題にめどがついたことで、焦点は跡地の再開発をどう進めるかに移る。しかし残りの「半分」の移転先確保などの課題もあり、青写真はすんなりと描けそうもない。(社会部・塚本 和人)
●意気込み
 「やっと処分のめどが立った。早急に売り込みの宣伝を始めたい」。梅田貨物駅処分のスタートラインに立つことができ、同貨物駅を所有する国鉄清算事業団の大林祥泰・近畿支社長は意気込む。
 同貨物駅はコンテナやトラックなどによる年間取扱量が約200万dと、関西最大の鉄道物流の拠点だ。ほぼ売却を終えた東京・汐留貨物駅跡地や品川駅東側地区と並び旧国鉄の資産の中で、「超一等地」と言われてきた。だが、国鉄が分割民営化された1987年に示された吹田操車場跡地への機能移転に対し、吹田、摂津両市は「騒音などで環境が悪化する」などを理由に強く反対した。
 昨年6月、事業団側は事態打開のため、「全面」から「半分」に移転規模を縮小する方針に転換し、操車場跡地のなかの再開発用地を広げるなど譲歩案を提示した。両市は今年3月、条件付き受け入れへ方向転換した。この間、1兆円を超すと言われた梅田貨物駅敷地の資産価値は、バブル経済崩壊で大幅に落ちた。それでも数千億円と見込まれる。
「残りが未定」と慎重 大阪市
●水面下で
 これまで梅田貨物駅敷地の再開発計画は、大阪市を中心に進んできた。84年から市長の諮問機関「大阪駅ターミナル問題懇談会」が財界や専門家で組織され、89年に「整備構想の中間報告」がまとまった。また運輸、建設、国土の3省庁は同年から、「総合整備計画調査」を実施し、大まかな方向は示されてきた。
 中間報告では、JR新大阪駅から梅田貨物駅跡地の地下を通って難波駅を結び、関西空港のアクセス路線ともなる「なにわ筋線」を第三セクター方式などで新設。東西南北に走る幹線道路を造り、情報発信などの都市機能を集めた西日本を代表する新都心を目指すとしている。だが移転問題が塩漬けになっていたことで、構想も止まったままだ。
 東隣の大阪鉄道管理局跡地は昨年3月、量販店の「ヨドバシカメラ」(本社・東京)が1010億円で落札。40階建て事務所棟と9階建て商業棟を建設する計画を示しているが、梅田貨物駅跡地がどうなるかで大きな影響を受けるとして、着工を先送りする方針だ。
 大鉄局跡地の入札でヨドバシカメラに敗れた大手百貨店「三越」(本店・東京)は依然、立地条件のいい場所への進出意欲を見せており、移転後をにらんでいる。ゼネコンや開発業者らも水面下の動きをみせているという。
 吹田操車場跡地にも、目が集まっている。吹田市は再開発可能な用地の利用計画をつくる調査費として、2300万円を予算化。摂津市も調査費を計上する予定だ。7月から大阪府も交えて計画づくりを始める予定で、梅田貨物駅より一足早く青写真ができそうだ。
●分散方針
 残された最大の問題の一つは、梅田貨物駅機能の残った「半分」の移転先だ。事業団は大阪市内の別の貨物駅へ分散させる方針で市などと協議に入りたいというが、大阪市は「再開発は全面移転を前提に考えているが、だからといって市内への貨物移転は決まっていない」と慎重な構えだ。
 事業団は今年10月に解散が閣議決定している。解散後はその業務を、日本鉄道建設公団(鉄建公団)がそのまま引き継ぐ。
 事業団の大林支社長は「残った機能の移転先が決まれば、もう先は見えたようなものだ。何より関係者同士の信頼関係が大切で、もうひと踏ん張りです」と話している。(朝日新聞)
16日■ビジネスホテルに本格参入 来月、大阪にオープン JR西日本グループ
 JR西日本グループは、ビジネスホテル事業に本格参入する。JR西日本の南谷昌二郎社長が15日の定例会見で明らかにした。来月には西日本キヨスクが新大阪駅に近い大阪市東淀川区に「ヴィアイン新大阪」をオープン、今後は沿線の遊休地などを活用してチェーン展開したい考えだ。
 JR西日本グループは、西日本キヨスクの子会社が96年から下関市で「ヴィアイン下関」を経営、立地案件や低料金システムで高収益を上げている。大阪や京都で展開している都市型ホテルが厳しい競争にさらされるなか、ビジネスホテル分野の需要の伸びを見込んで本格参入を決めた。
 ヴィアイン新大阪は、総客室数228室。193室あるシングルの朝食付き1泊6500円(税別)の低料金がセールスポイント。維持管理コストを極力切り詰めたヴィアイン下関の経営ノウハウをそのまま導入する。
 JR西日本グループは、このところコンビニエンスストアや人材派遣、企業向け清掃事業など関連事業を急拡大している。南谷社長は「建設費や運営費も安上がり。本体にもいい遊休地があれば、チェーンホテルを建てたい」と新事業に意欲的だ。(京都新聞)
■声 日本の新幹線大丈夫なのか 東京都 細野 耕司(公務員 47歳)
 ドイツの高速鉄道で脱線事故があり、多数の犠牲者を出した。原因究明がおこなわれているところだが、車両の金属疲労などの可能性が指摘されている。
 さらに、レールの間隔が広がる現象の可能性もあるともいわれているが、これに関し、JRは「日本の新幹線では、まず起こらない現象だ」と話したと報道されている。その発言を聞き、阪神大震災の1年前に、米国カリフォルニア州のノースリツジ地震で、高速道路の高架が崩壊したことを思い出した。その被害に対して、日本の技術者は「日本では起きない」と自信を持って発言したのに、わずか1年後に、その発言になんらの根拠もないことが判明した。
 今、ドイツの事故に関して同じ発言を聞いて、大丈夫だという根拠がどこにあるのか、とても不安である。技術者はもっと謙虚になるべきだと思う。その発言からは謙虚さは見えてこない。ドイツの事故を他山の石として、日常のささいな異常を見逃さず、安全に輸送をおこなえるよう努めてもらいたい。(朝日新聞)
17日■新幹線 本当に大丈夫? 急激な高速化・過密ダイヤ・施設老朽化 安全コスト公表し 利用者含め議論を
 最高時速300`の新幹線が脱線したら、どれだけの惨事になるのだろうか。その答えが想像を超えたものであることは、ドイツの超高速特急「ICE」の脱線事故が見せつけた。新幹線が開業して34年、営業運転中の脱線事故はないが、ここ数年での急激なスピードアップと、過密なダイヤ、さらに施設の老朽化が、高速列車の運行にどんな影響を与えるのかはわからない。予期できない事故に備え、どこまで投資するかの線引きは難しい。利用者も含めて「安全のコスト」を考える時期に来ているのではないか。 大久保 泰・上村義夫(社会部)
●高まる危険
 ICEの事故後、JR各社の担当者は「車輪の破損は、日本では考えられない」と自信をみせた。ドイツとは違う検査網と、安全確保のための設計思想があるからだ。
 新幹線は走行中、車軸の温度と車輪の回転数をセンサーで監視している。事故の前兆となる異常は、運転台に表示される。
 さらに、JR東日本が1995年11月に導入した「ニュー新幹線総合システム(コスモス)」には、列車の運行管理などとともに、新幹線の部品の管理機能がある。
 1000を超す部品は、一つずつ、いつ製造され、どの車両に装備されているか、過去の検査、故障の履歴などが、コンピューター管理されている。
 このデータに走行データを連動させて、3万、45万、90万`ごとの定期点検を予告する。検査の精度は、車軸や車輪の金属疲労を探るケースではミクロン単位という。
■1990年代の新幹線の主なトラブル■
92年5月東海道・名古屋−三河安城間を走行中の「のぞみ」型車両で、モーターを台車に固定するボルトが落下。93年春まで故障が相次ぐ
93年  6月から11月にかけて、東海道・岐阜羽鳥−米原間のレールにワイヤロープやチェーンが巻かれるなどの列車妨害が3件発生
 8月東海道・浜松駅付近の本線上で早朝、保守用車同士が衝突して脱線、5人が負傷
95年12月東海道・三島駅で高校生が「こだま」のドアに挟まれ、ホームから線路上まで引きずられて死亡
97年5月岡山新幹線運転所構内で回送列車が車止めを越えて脱線
 11月上越での車両停電をきっかけに東日本の新幹線管理システムが乱れ、2日間で193本が運休
98年4月山陽・新関門トンネルで天井のコンクリート片が落下、流れ込んだ海水の影響で送電がストップ
 東海道・岐阜羽島−米原間の下り線で、レールをまくら木に固定するボルト25本が外されているのが見つかる
 しかし、新幹線は64年の開業持とは環境が大きく違っている。最高時速210`は、97年3月の「500系」の登場で300`になった。
 しかも東京−新大阪間は開業時、1時間に2本だったダイヤは、11本になった。15本態勢への整備も進む。脱線した場合には、対向列車との衝突、沿線住宅への被害が懸念される。農村部を走るドイツとは比べものにならない危険が潜んでいる。
●侵入や故障
 最近起きた事件、事故も気になる。
 山陽新幹線の新関門トンネルで天井のコンクリート片が落下したり、岐阜県関ケ原町内の東海道新幹線でレールをまくら木に固定するボルト25本が外されたりした。
 線路内への侵入は、落下物とともに新幹線の運行で最も心配される。JR東海は「1000人単位」での線路巡回など、侵入後の対策が中心となっているが、その理由として「赤外線カメラなどは、現段階では高価なため」(JR東海幹部)という。
 東日本の新幹線でも東京−大宮間で、車両とポイントの故障が続いた。東北、上越、長野の3線が1本に合流し、ほぼ4分に1本の割合で列車が通過する区間で一つ故障が起きると、新幹線網全体に影響する構造的な弱点が浮かび上がった。
●人員は削減
 JR各社は、機機化による人員削減で、コストを減らしてきた。東海道新幹線の運転士は開業時の2人が1人に、車掌は4人だったのが3人になった。
 新幹線で唯一の死亡者を出した東海道新幹線三島駅での事故(95年12月)は、高校生がドアにはさまれたままひきずられた。車掌は別の乗客の対応で気づかなかった。人員削減が、死亡事故につながったとも見ることができる。
 安全への投資の線引きはあいまいで、どこを手厚くし、どこを削るかはJR任せになっているのが現状だ。サービス面からいっても、人員削減が利用者の要望と必ずしも一致しているとは思えない。
 速度向上に伴う安全性の根拠も利用者には見えない。走行安定性や台車の強度、ブレーキ性能などについて試験走行はするが、データは公表されない。
 高速化の申請は、特に専門の機関に図ることもなく認められる。施設の老朽化、過密ダイヤをどこまでふまえているのか、疑問が残る。
 米国には、鉄道や航空、船舶などの事故原因を究明し、再発防止策を勧告する国家運輸安全委員会(NTSB)があり、事故には至らないトラブルなどの情報もインターネットに流す。利用者はそれを見て、事業者の安全への姿勢を読みとる。
 日本でも、運輸相の諮問機関である運輸技術審議会が、今後の鉄道技術行政のあり方についてまとめる答申に、「利用者に必要な情報を公開することで利用者自らが的確に判断できるようにするための環境整備」を盛り込む見通しだ。
 JR各社は民営化後の十年余りの間、消費税をのぞけば値上げはしてこなかった。利用者の負担増がなかったことは、評価したい。
 しかし、そのために切り捨てられたものはないのか。JRには積極的に安全のためのコストを公表してもらいたい。そのうえで運賃の値上げや、国の補助が必要なら、利用者の理解を求めたらどうだろうか。
 世界に誇る「安全神話」を守るのは、事業者だけではない。(朝日新聞)
■男性飛び込み死亡 JR西大路駅ホーム
 17日午前7時35分ごろ、京都市南区のJR西大路駅の下リホームを通過中の大阪行き快速電車に男性が飛び込み、即死した。
 九条署によると、所持していた免許証から大津市の会社員(62)とみられ、自殺とみて、身元の確認を急いでいる。この事故で、快速電車が現場で11分停車したほか、後続の下り電車5本が3−7分遅れ、通勤通学客ら計約6000人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■列車にひかれ男性が死亡 JR西大路駅
 17日午前7時38分ごろ、京都市南区唐橋平垣町のJR東海道線西大路駅下りホームで、男性が鉄の鎖のさくを乗り越えて飛び降り、通過中の近江今津発大阪行きの快速列車にひかれて即死した。
 九条署の調べでは、男性は持っていた運転免許証から、大津市の62歳の男性とみられ、身元の確認を急いでいる。事故のためこの快速が現場に約10分間停車し、後続列車に一時、3−11分の遅れが出た。(朝日新聞 夕刊)
18日■市バスに自転車接触 中国人留学生がけが 左京の交差点
 17日午前7時35分ごろ、京都市左京区田中北春菜町の東鞍馬口通の交差点で、東進中の銀閣寺行き市バスと、同区田中西浦町、中国人留学生張潤欣さん(25)の自転車が接触した。弾みで張さんは転倒し、手や足に10日間のけがを負った。バスの乗客約30人にけがはなかった。下鴨署は事故の原因を調べている。(京都新聞)
■窓 若者のルール無視にあきれ 八日市市・大塚 三郎(無職・77)
 先日、大津に用事があり、JR近江八幡駅で階段を上っていたら背中に何か当たる衝撃があった。後ろを振り向くと、高校生の一団が大きなバッグを肩にかけており、それが当たったのでした。その高校生は謝りもしません。
 恐らくスポーツの対外試合に行くのだろうと思いました。やがて電車が入ってきたので乗りました。混雑した車内の入り口近くで大きなバッグを各自が自分の足元に置き、網棚を利用する者は一人もおりません。これでは次の駅で降りる人、乗る人に大変迷惑がかかります。しかし、一向に意に介しておらず引率の教師も全く素知らぬ顔です。
 日ごろ、一生懸命練習して試合に行くのならば、どのスポーツにも厳格なルールがあるように、人間社会にも人に迷惑が掛からないようにするルールがあるはずです。そのルールを守ることこそクラブ活動の勉強であり、最終目的だと思います。
 大きなバッグを持って乗った高校生たちの迷惑な行為に配慮がほしかったように思いました。(京都新聞)
■車輪破損が脱線の原因 独の超高速列車事故
 【フランクフルト17日共同】ドイツ連邦鉄道局は17日、約100人の死者を出したドイツの超高速列車ICE(インターシティー・エクスプレス)の事故について「車輪の破損が原因だったのは明白」とする報告書を連邦議会運輸委員会に提出した。報告は「事故現場の6`ほど手前で(先頭機関車の後ろの)旅客車両の車輪が破損。車輪が欠けたまま5.5`ほど走ってから脱線した」としている。(京都新聞 夕刊)
■「車輪原因」認める ドイツ特急事故調査委 客車の外輪が破損
 【ボン17日=桜井元】ドイツ北部のエシェデで今月3日におこった高速鉄道インターシティー・エクスプレス(ICE)の脱線事故について、事故調査委員会は17日、連邦議会の運輸委員会で中間報告を行い、「外から力がかかったのではなく、車輪の構造的な破損が事故原因だった」と正式に認めた。車輪破損が材質・設計の欠陥によるものか、使用回数が多いと避けられない金属疲労によるものか、の特定にはなお時間がかかるとしている。事故による死者は100人となった。
 壊れたのは、電気機関車のすぐ後方に連結された客車の右後方台車の前側の車輪。ICEの車輪は内輪と外輪がゴムをはさむ二重構造。報告によると、現場の約6`手前で外輪が破損して外れ、内輪部分が残った。これが現場手前200bのポイントで引っかかったため、車両は進行方向に向かって右側に脱線。後続の3両目が回転して後方が橋脚に激突したという。(朝日新聞 夕刊)
■こだま快走中「短距離ランナー」に変身 運転区間を細分化 乗客伸び率「のぞみ」を超えた
 東海道・山陽新幹線を走る各駅停車の「こだま」が元気だ。とくに山陽区間での健闘が目立ち、今春の乗客の伸び率では、最高時速300`を誇る「のぞみ」を追い抜いた。一時は「車両が古い」「時間がかかり過ぎる」など評判が悪く、乗客も落ち込んだが、運転区間を細分化して「短距離ランナー」に変身。のぞみとの接続をスムーズにし、後続列車に追い抜かれる回数を減らして所要時間を短くするなどの改革が功を奏した。一方、高度経済成長期を疾走してきた「ひかり」は、のぞみとこだまの間で精彩がない。
 JR西日本によると、今年3月14日から5月末にかけて、山陽新幹線の新大阪−西明石間で、こだまの1日乗車人数は1万2500人。前年同期に対して108%となった。同新幹線では昨年11月から、新大阪以西で各駅停車となるひかりを無くし、その通過駅を埋めるため上下計8本のこだまを増やした。
 この増発とともに乗客増に貢献しているのは、こだまの運行体系の大幅な見直しだ。新大阪−博多間直通だと、所要時間は約4時間20分で、のぞみより約2時間、ひかりより約1時間遅い。そこで直通運転を減らし、運転区間を細かくぶつ切りにして短距離列車として特徴づけた。
 運転区間は新大阪−岡山、岡山−広島、広島−小郡、広島−博多、新下関−博多、小倉−博多など計13パターンと多彩だ。
 途中駅での、のぞみとの接続時間を6分−10分に短縮したほか、後続列車に追い抜かれる回数を減らすなどで所要時間を5分程度短くした。6両編成を基本に、4両編成や全車自由席編成もつくるなど在来線感覚で乗れるようにし、近距離客の利用増を狙った。通勤客の利用が多い新大阪−広島、小倉−博多間は上下線計28本ずつ走らせ、朝夕の混雑率が高いという。
 一方、のぞみの1日乗車人数は2万7700人(こだまのケースと同区間、同期)で前年比105%だが、ひかりは前年比94%と落ち込んだ。ひかりが上下計102本から96本に減ったことも響いているが、山陽新幹線全体の乗車人数が前年比98%と落ち込んでいる中、こだまとのぞみに乗客を奪われたことが大きいとみられる。
 こだまの車両は、ほとんどが開業以来走り続けている「0系」だ。最も新しくても製造から10年以上たち、座席を固定式から回転式にするなどの模様替えを順次始めている。加速・減速能力を高めたこだま専用の新型車両も研究中で、0系の寿命が来る5−10年先の後継車両としてひかりのお古の「100系」か、新型車両を導入するか検討しているという。
 JR西日本運輸部は「乗客の利用しやすいダイヤに変えたことが、こだまの乗客増につながった。短距離を短時間で結ぶ役割を高め、並行する山陽自動車道と対折し、需要を開拓したい」と話している。
 東京−新大阪間を結ぶ東海道新幹線では、今年4月から5月19日までのひかりの1日乗車人数が前年比95%に対し、こだまは同98%とほぼ横ばい。山陽新幹線のような区間運転は少ないが、JR東海などは数種類のこだま限定の割引切符を販売。約3割引きの格安切符は毎年20万人以上に利用されており、のぞみやひかりとの料金格差がこだまの利用客をつなぎとめる大きな要因とみられる。(朝日新聞 夕刊)
19日■電車とホーム間に男性が挟まれ死亡 山陽電鉄東垂水駅
 18日午後9時10分ごろ、神戸市垂水区平磯2丁目の山陽電鉄東垂水駅の構内で、姫路発新開地行き普通電車(4両)が発車しようとしたところ、車掌が電車とホームの間に同区泉が丘4丁目、会社員松尾和洋さん(35)が挟まれているのを見つけ停車した。松尾さんは約30分後、駅員らに救出されたが全身を強く打っており間もなく死亡した。電車は約35分遅れで出発した。(朝日新聞)
■声 車内の通路にすわる高校生 高砂市 水王 央子(表具師 65歳)
 十数年ぶりにJRの姫路行きに乗り、そこで考えられないような光景を目にした。通路をさえぎる形で床にカバンを投げ出したり、座り込んだりしている高校生がいた。そこへ大きな荷物を持たれたご婦人が入ってこられたが、通路の高校生はちょっとひざを寄せ、身をよじっただけ。
 慣れ親しんだ車内を自分の部屋のようにして振る舞っているのは、とても恥ずかしい姿に見えた。親は、先生は、子供たちのこんな様子をご存じなのだろうか、これは親がしつける基本的なことではないか、などと思うのは、私が高校生の孫を持つ年代の人間だからだろうか。
 見回せば、高校生と高齢者ばかり。こんな時が、おじいちゃん、おはあちゃんの出番。自信を持って若者と対話すべきだとは思ったが、やはり勇気がなかった。車社会の中で、JRを利用することがなかった十数年の間に、車両は1両きりになり、無人駅ばかりが目立ち、高校生たちも変わった。時代の移り変わりやその年月の重みを思いながら、黙って座っていた。
 そして、少しさびしい思いの向こうに、遠い日のことを懐かしく思い出していた。朝、駅に入ってくる汽車と一緒に野道を走り、裏道からホームに上り、大急ぎで乗ったりしていた高校時代のことを。(朝日新聞)
■近畿で大雨
 梅雨前線や低気圧の影響で、近畿地方では19日朝から強い雨が降り始めた。大阪管区気象台などによると、午前7時ごろの降り始めから午前11時までに、高知県室戸市で55_、和歌山市で51_、神戸市で27_の雨量を記録した。
 同日夕から深夜にかけても雷をともなった強い雨が降る恐れがあり、雨量は、20日朝までに近畿南部の多い所で150_に達する見通し。所により1時間に50_前後の強い雨が降る恐れがあり、同気象台は河川の増水やがけ崩れなどへの注意を呼びかけている。
 梅雨前線上の低気圧が東シナ海を東北東に進んでおり、19日中に山陰沖を通過する見込みで、近畿地方の大気の状態が不安定になっているという。
・関空連絡列車 一時運転休止
 JR関西空港線と南海空港線は19日午前10時22分から、風速26bを超える強風のため、関西空港連絡橋(りんくうタウン−関西空港)で運転を見合わせた。1時間15分後に再開した。一時、両駅間でバス代行運転をした。(朝日新聞 夕刊)
■市バスと衝突 客ら5人けが 朝、大阪で
 19日午前8時25分ごろ、大阪市淀川区十三元今里2丁目の交差点で、京都市山科区上花山坂尻、飲食店員藤田康志さん(30)運転の乗用車が大阪市東成区中本5丁目、会社員吉田重幸さん(28)運転のワゴン車に追突され、反対車線を走ってきた大阪駅前発神崎橋(淀川区加島)行き市バス=山下和弘運転手(41)=と衝突した。バスは乗客約70人で満員で、このうち同西淀川区の女性会社員(32)ら4人と藤田さんの計5人が胸などをけがした。(朝日新聞 夕刊)
20日■JR二条駅再開発訴訟 住民の訴え棄却 京都地裁 土地価格言及せず
 京都市のJR二条駅地区土地区画整理事業をめぐり、市が不当に高い価格で土地を購入したとして、地元住民ら28人が前京都市長を相手に約37億6000円の返還を求めるなど3件の訴訟の判決が19日、京都地裁であった。大出晃之裁判長は購入価格が適正かどうかについては判断せず、「公金支出について前市長に義務違反があったとは言えない」として訴えを棄却した。
 判決によると、市は1991年に旧二条駅貨物ヤード跡地を含む周辺を土地区画整理する事業計画を決定し、90年に市土地開発公社が国鉄清算事業団から土地を先行取得した。市はその後、公社から約1万2000平方bを約85億円で購入した。
 判決で大出裁判長は、前市長は土地の売買契約と経費支出を助役らに代決させていたと認定した。その上で「市長に準ずる助役の地位に照らすと、代決させたことが公金支出に対する市長の指揮監督上の義務に違反すると言うこともできない」などと判断した。
 京都市は1平方b当たり71万円で土地を買ったが、住民は独自の鑑定で適正価格は約39万円だと主張し、90年5月から3次にわたり差額分の返還などを訴えていた。(京都新聞)
■海水浴、盆シーズン 臨時列車を163本運行 KTR、特急の臨時停車も
 北近畿タンゴ鉄道(KTR=事業本部・宮津市)は19日、夏の海水浴、盆シーズン(7月18日−8月17日)の臨時列車の運行計画を発表した。京阪神の海水浴客の利用を見込んだ臨時列車を、上下163本運行するほか、海水浴場の最寄り駅に特急を臨時停車させる。
 直通の臨時特急は、京都−網野間(西舞鶴経由)に「マリンタンゴ・エクスプローラー」(上りは豊岡発)、新大阪−久美浜間(宮福線経由)に「マリンタンゴ・ディスカバリー」を7月18日から8月9日まで、それぞれ1日1往復。ほかに、8月10日から17日のお盆期間にも、京都−天橋立・網野間や、新大阪−久美浜間に特急列車を上下合わせて1日2本から7本増発する。京都−天橋立間の快速は、7月18日から8月9日までの土、日、祝日のみ運行する。
 海水浴場の最寄りの丹後神崎駅には上下合わせて4本、丹後由良駅に2本、木津温泉駅に10本、丹後神野駅に5本の特急列車を、期間中臨時停車させる。(京都新聞)
■RACTO山科PR 車体ペイントバス登場
 今年10月3日の街開きを前に、山科区の山科駅前の再開発地区(愛称・RACTO山科)をPRしようと、車体に再開発地区を描いたボディーペイントバスが登場。19日から、山科区と伏見区醍醐地区で運行が始まった。
 市と、第三セクター「山科駅前再開発株式会社」の企画。同地域を走る京阪バス約80台のうちの2台に描いた。白地の車体側面に、紫色で4つの再開発ビルをデザイン化して描き、施設や付近の交通アクセスも記した。車体後面には、街開きの日付けや「RACTO山科」などの文字を書いて、市民に印象づけるようにした。
 市市街地再開発課は「街開き後も、絵柄を変えるなどしてPRしていきたい」としている。ボディーペイントバスは京阪バスの山科営業所管内で2年間、運行する予定。(京都新聞)
■府南部で大雨被害
 梅雨前線の活発化に伴い、京都地方は19日夜、府南部を中心に大雨に見舞われ、民家の床下浸水や、道路の冠水、土砂崩れなどの被害が相次いだ。
 京都市消防局、府消防防災課などによると、京都市右京区の阪急・京都線ガード下の国道9号で一時、冠水したほか、左京、右京、西京区で側溝などの水があふれ、民家3戸が床下浸水した。また、左京区北白川琵琶町で山の土砂が流出したり谷川がいっ水して民家2戸が床下浸水。亀岡市東別院町など同市内2ヵ所で土砂崩れが起き、近くの道路に土砂があふれた。
 名神高速道路は西宮インター−岐阜県境間で同日、50`に速度規制されたほか、北陸道や京都縦貫道でも夕方から夜にかけ、速度規制された。
 京都地方気象台によると、日本海の梅雨前線に向かって南から温かく湿った空気が流れ込んでおり、20日未明までの総雨量は京都府南部で100_前後に達する見込みという。降り始めから午後10時までの各地の総雨量は次の通り(単位_)。
 京都市64▽花背峠108▽長岡京市67▽京田辺市54▽園部町53▽丹波町須知18▽京北町30
・府が災害警戒本部
 京都府は19日午後7時25分、府南部への大雨・洪水警報発表に伴い、本庁内に災害警戒本部を設置した。また向日町、宇治、田辺、木津、亀岡、京北、園部の各地方振興局に支部を置いた。(京都新聞)
■「はるか」など乱れ
 梅雨前線に伴う強風のため、JR西日本と南海電鉄は19日午前10時半ごろから、関西空港連絡橋を走る列車の運行を断続的に見合わせ、バスによる代替輸送を行った。
 午後8時半までに運休したのはJRの特急「はるか」(日根野−関西空港間)、南海電鉄の特急「ラピート」(難波−関西空港間)など計約170本で、乗客約1万7000人に影響が出た。(京都新聞)
■関西線は一部運休
 19日午後9時ごろ、京都府相楽郡笠置町、JR関西線・笠置駅で、雨量警報装置が1時間に35_以上警戒雨量を記録したため、JR西日本は加茂駅(加茂町)−伊賀上野駅(三重県上野市)間で、上下計4本の普通列車の運転を見合せ、約150人に影響した。(京都新聞)
■住民側が敗訴 二条駅周辺再開発 土地購入価格訴訟
 京都市が進めているJR二条駅周辺の再開発事業で、市が不当に高く土地を買ったとして、周辺住民が田辺朋之・前市長を相手取り、適正価格との差額約37億5700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、京都地裁であった。大出晃之裁判長は「原告の請求はいずれも理由がない」などとして、住民側の主張を退けた。土地の購入価格が適正かどうかについては判断しなかった。
 原告側の代理人は「京都市に損害があったのか、価格が妥当だったのかどうかの判断はしてほしかった。控訴については検討中」と話している。(朝日新聞)
21日■声 弱者に朗報の低床バス助成 中村市 福留 正友(農業 74歳)
 先日のテレビで、運輸省が全国の業者から要望のあった低床バス約180台について助成をするという報道があった。大賛成である。私も時折路線バスを利用するが、利用者はほとんど高齢者、障害者で、病院へ行く人たちである。
 この人たちには、高いステップのバスでの乗り降りは大変であり、特に足に障害のある人にはなおさらのことである。
 そこで、最近は、超低床のノンステップバスが開発され、少しずつ普及しているとも聞くが、特に高齢者の利用が多い過疎地域の路線に一台でも多く、早く優先的に導入されるように、運輸省をはじめ業者のなお一層の配慮を願いたいと思う。
 低床バスが運行されるようになれば、高齢者や育児中の母親たちも無理をして車を運転することも少なくなり、バスの利用者も増えると思うし、なお、交通事故の減少にもつながると思う。また、これは単にバスだけの問題ではなく、列車や電車などのステップについても検討してほしい課題である。(朝日新聞)
22日■京滋ら大雨 山中越が通行止め 大津駅通路に浸水
 活発化した梅雨前線の影響で、京滋地方は21日、終日、雨が降り続き、JR大津駅(大津市)では地下通路が一時、水びたしになったのをはじめ、京都では左京区の府道・山中越で倒木が道路をふさぎ、東山区では石垣が崩れて一世帯が避難するなど被害が出た。
 21日午後5時15分ごろ、京都市左京区北白川琵琶町の山中越で、高さ約8b、幹回り30−50aのクヌギの木が倒れ、幅約8bの道路をふさいだほか、枝の一部が電話線に引っ掛かり、電柱1本が傾いた。
 この事故で同府道は午後6時前後から京都側、滋賀県側とも通行止めになり、電話も十数戸が不通になった。下鴨署などの調べでは、雨の影響で地盤が緩み、根元部分から木が倒れたとみられる。
 また同日午後8時ごろには、東山区栗田口三条坊町、会社員藤井登さん(55)方南側の石垣(高さ約5b)が崩れ、石垣の上に建っていた空き家のコンクリート塀が幅約10bにわたり落下した。崩れ落ちた土砂などは藤井さん宅の手前で止まったが、安全のために一家は近くの親せきに避難した。
 妻の節子さん(52)は「知人と電話中に落雷のような音がした。外に出ると、裏の石垣が崩れ、塀が落ちていた」と驚いていた。
 市消防署員約10人が崩れた個所にナイロンをかけるなど応急措置をした。
 21日午後5時55分ごろ、大津市のJR大津駅で、改札口からホームに通じる地下通路南側の扉から同通路(長さ32b、幅8b)に濁水があふれ出ているのを利用客が気付き、駅員に届けた。駅員らが備え付けの簡易ポンプで排水したが、水は勢いを増し、同駅は20分後に市消防本部に届け出た。濁水は一時、深さ40aまで達し、通路は池のようになった。
 市消防本部は、ポンプ車3台を出動。約1時間がかりで排水を終えた。JRによると、電車のダイヤに影響はなかったが、乗降客は、駅員がベンチで作った仮設の「橋」を渡ったり、駅員に背負われたりして通路を渡った。この騒ぎで約300人に影響が出たという。
 同本部によると、濁水があふれ出た地下通路の南側は現在、再開発の工事中で、濁水は駅ホームに沿って仮設された側溝(幅約1b)からあふれ出たらしい。(京都新聞)
■東海道線の一部不通
 梅雨前線の活発化による大雨のため22日午前零時ごろ、東海道線の新所原(静岡県湖西市)−西小坂井(愛知県小坂井町)間で列車の運転を見合わせた。
 JR東海によると、普通列車2本が付近の駅で止まった。愛知県の二川駅と豊橋駅の雨量計が1時間当たりの規定雨量を超えたための措置。(京都新聞 夕刊)
■地下道に雨水 300人立ち往生 JR大津駅
 21日午後6時ごろ、大津市春日町、JR大津駅構内のホームと改札を結ぶ地下通路(幅8b、長さ32b)に雨水があふれ、乗降客が通れなくなった。駅員が板で通路を作ったり乗客を背負って運んだりしたが、構内では一時、列車約24本の客約300人が乗り降りできなくなった。
 水位は最大40aになり、大津市消防本部がポンプ3台で排水作業をし、同7時半ごろ水が引いた。同本部によると、駅南側のマンション工事現場にたまった雨水が通路に流れ込んだらしい。
 彦根地方気象台によると、大津市内ではこの日午前8時から午後6時までに46.5_の雨が降った。(朝日新聞)
■声 「ない」づくし 乗り物マナー 柏市 津久井 正美(英会話講師 50歳)
 よけない、どかない、譲らない。
 待たない、詰めない、謝らない。
 電車が止まり、降りる人たちがドア付近に集まっているのに、出口をふさいで微動だにしない。ホームでは、開いたドアの前に立ちはだかって道をあけようとしない。降りる人を待たずにドアが開くなり乗り込む。
 年配の人が前に立っても席を譲らない。七人掛けに六人ゆったり座り、込み合ってきても詰めようとしない。靴先がコツンと当たったり、たとえギュツと踏んづけてしまっても表情を変えず謝らない。こうした光景は珍しいものではありません。今では、ごく当たり前のこと。これが多くの日本人のやり方、マナーになっています。
 お年寄りに席を譲ったり、すき間をあけずに座ったり、つい、ひじがぶつかってしまって「ごめんなさい」と言ったりすることこそ、珍しくなってきています。これは大都市とその周辺の乗り物内でのことですが、その他いろいろな場面で似たような観察ができることはいうまでもありません。
 知人同士は、至極ていねいで細かい気づかいをする日本人。他人に対してはなぜ、無礼、失礼、不親切なのでしょう。(朝日新聞)
23日■JR東海道線乱れる 米原駅で信号故障2回
 22日午後、滋賀県坂田郡米原町米原のJR東海道線米原駅構内で、同じ信号機が2度にわたって赤信号のまま変わらなくなり、いずれも止まっていた下り電車を駅職員が手信号で出発させ、一部電車に遅れが出た。
 1回目は午後6時19分ごろ赤信号のまま変わらず、播州赤穂行きの新快速電車が21分遅れで発車、後続の5本が21分から7分遅れ、1300人に影響が出た。2回目は午後8時10分ごろで、網干行きの快速電車が5分遅れたが、後続に影響はなかった。
 JR西日本によると、信号機はいずれも自然復旧し、信号機やレールに異常は見つかっていないという。信号機は、2本のレールの間が通電状態になれば、電車がその区間にいるとみなして赤信号になる仕組み。(京都新聞)
■新社長に筧氏 ジェイアール西日本伊勢丹
 ジェイアール西日本伊勢丹は22日、株主総会後の取締役会で、新社長に筧元則伊勢丹理事(54)を決めた。川中英男社長(55)は退任した。
 川中氏は93年6月、西日本伊勢丹社長に就任。昨年9月、ジェイアール京都伊勢丹開業にこぎつけた。今月26日に伊勢丹取蹄役を退任するのに伴い西日本伊勢丹社長も退任した。
 筧氏は今年4月まで伊勢丹吉祥寺店長を務めるなど営業畑を歩み、今月26日に伊勢丹取締役にも就任する。西日本伊勢丹について「これから真価が問われる」と話し、本年度の売上高460億円を目指す。
 寛 元則氏(かけい・もとのり)慶応義塾大経済学部卒。66年伊勢丹に入社。婦人服第3部長、新渇伊勢丹常務などを経て今年4月から伊勢丹理事。54歳。神奈川県出身。(京都新聞)
■社長に筧氏 ジェイアール西日本伊勢丹
 JR京都駅ビルにある「ジェイアール京都伊勢丹」を経営するジェイアール西日本伊勢丹は22日、川中英男社長が退任し、後任に伊勢丹の前吉祥寺店長(東京)で、現在理事の筧元則氏(54)が就く人事を決定したと発表した。同日付。
 ジェイアール京都伊勢丹は昨年9月の開業以来、半年あまりで目標額を6割以上上回る売り上げを達成するなど、京阪神間の百貨店業界で「一人勝ち」の様相を呈している。(朝日新聞)
■独鉄道社長らを告発 lCEの脱線事故
 【ボン22日共同】ドイツ北部からの報道によると、約100人が死亡した超高速列車ICE(インターシティー・エクスプレス)の脱線事故で、ハンブルクの弁護士が22日までに、ドイツ鉄道のルーデウィク社長らを業務上過失致死容疑などで検察当局に告発した。
 この弁護士は告発でドイツ鉄道は経済性を優先するあまり、列車の安全確保の義務を怠ったとしている。
 連邦鉄道局などは、事故の引き金となった客車の車輪破損の原因を中心に調査。事故原因の全容解明は、9月ごろまでかかるとみられるが、専門家の間からはICE の安全システムの問題点が指摘されている。(京都新聞 夕刊)
24日■三都夏祭りにいらっしゃい 阪急など乗車券発売へ
 祇園祭、天神祭り、神戸まつりの京阪神三都市の夏祭リシーズンに合わせ、阪急電鉄と大阪市交通局は「98三都夏祭りチケット」を7月10日から駅の売店や案内所などで発売する。
 大阪市交通局の地下鉄、ニュートラム、バスの1日間乗降フリー乗車券を封筒状にして、その中に阪急電鉄(神戸高速を除く全線)の2日間乗降フリー乗車券1枚が入っている。1セット2000円。通常の1日フリー乗車券(市交通局850円、阪急700円)よりも割安で、通天閣などの観光施設の入場券割引サービスもある。
 祇園祭は宵山が7月16日、山鉾巡行が17日、天神祭が23日から25日の3日間、神戸まつりが18日から20日の3日間の日程で開かれる。三都夏祭りキャンペーンは96年から自治体や関係団体が展開しており、昨年は期間中に200万人を超える集客実績があった。(京都新聞)
■地下鉄カード変造で5倍に 大阪、4容疑者逮捕
 大阪市営地下鉄のブリペイドカード「レインボーカード」の磁気情報を書き換えて回数カードをだまし取ったとして、大阪府警南署は23日、大阪府東大阪市角田二丁目、コンピューターソフト開発業須山穣治容疑者(35)を変造有価証券交付の疑いで、大阪市浪速区塩草二丁目、飲食店経営池崎茂容疑者(34)ら3人を窃盗などの疑いで逮捕したと発表した。
 ほかに逮捕されたのは、同市西淀川区出来島三丁目、会社員大橋善治(34)と奈良市大宮町一丁目、無職平野仁史(48)の2容疑者。
 調べでは、須山容疑者は磁気情報の変造機を手作りして、額面1000円の「レインボーカード」の磁気情報を、1枚500円の手数料で5000円用に書き換え、池崎容疑者らに渡した疑い。
 池崎、大橋両容疑者は、変造カードを使って地下鉄の駅の券売機から定価2000円の回数カード(額面3300円)数枚を取った疑い。平野容疑者は駅員に気づかれ未遂に終わった疑い。回数カードは、定価の約9割で金券ショップで換金したという。(朝日新聞)
■独、超特急脱線事故 鉄道社長らを弁護士が告発
 【ボン23日=桜井元】北ドイツのエシェデで今月3日にあった高速鉄道インターシティー・エクスプレス(ICE)脱線事故で、ハンブルクのベルント・ローゼンクランツ弁護士が23日までに、ドイツ鉄道のルデウィヒ社長らを業務上過失致死などの疑いで検察当局に刑事告発した。100人の死者を出したこの事故での告発第1号となった。
 同弁護士の説明によると、告発状では、ICEの「弾性車輪」は外輪と内輪の間にゴムをはさんだ二重構造で、日本の新幹線のような一体型の車輪よりも慎重な点検が求められる、と日本の学者の談話をもとに指摘した。そのうえで、ドイツ鉄道首脳陣は経営効率を重視し、安全確保を怠ったとして刑事責任を追及している。
 事故調査委員会は17日、事故の引き金は客車の車輪破損だったと連邦議会に中間報告した。しかし、破損を招いたのは、材料・設計上の欠陥なのか、使用回数が多いと避けられない金属疲労によるものか、という詳しい原因の特定には、さらに2、3ヵ月の調査が必要だと説明している。(朝日新聞)
■今日的遺跡探検 1955 21世紀まで922日 ボンネットバス 可愛い姿次々消え
 田舎のバスはオンボロ車 でこぼこ道をガタゴト走る…。『田舎のバスで』は1955年、中村メイコさんが歌って大ヒットした。バス全盛の時代。主役は鼻の突き出たボンネットバスだった。大量輸送に適した箱形バスの登場で次々に姿を消した。
 「はっきりいって乗り心地は最新のバスにはかなわない。でも、鼻の突き出た格好が可愛いでしょ」。いまでもボンネットバスを運行する数少ないバス会社の一つ、四国交通(徳島県井川町)のバスガイド太田由美さん(29)は、魅力をこう話す。
 ボンネットバスはJR池田駅から奇勝・大歩危小歩危(おおぼけこぼけ)などを巡る定期観光コースを走る。「車体のサイズが狭い道を走るのにぴったり。いまや会社のシンボルです」と同交通。
 車体の前部にエンジンを置いたボンネットバスは、乗り合いバスの運行が始まった明治以来、ずっと主役だった。だが、騒音が直接、客席に響くこと、車体の大きさの割に定員が少ないことなどから、60年代に入って箱形バスに取って代わられた。最後まで製造していたいすゞ自動車も、67年には生産を中止。70年代後半のレトロブームで浴びた脚光も、本格的な復活にはつながらなかった。
 いまも現役のボンネットバスの多くは、いすゞのBXDシリーズ。生みの親の一人、いすゞエンジニアリングの中山勝蔵さん(57)は「つくった側から見ても、丈夫で扱いやすい孝行息子でした」。
 広島県福山市にある福山自動車時計博物館の能宗孝副館長(54)もボンネットバスの魅力に取り付かれた一人だ。「全体に丸みを帯びた姿、形がたまらない」と目を細める。
 市内の建設業者が廃車にしていた63年式のボンネットバスを譲ってもらったのをきっかけに、あちこちから5台を集め、修復して展示している。5台とも、ちゃんと整備し、立派に走る。4月には、明石海峡大橋の渡り初めパレードをやってのけた。
 一方で、維持管理の難しさなどから、定期運行を引退していく仲間も多い。「廃車にして大切に保存」(奈良交通)「観光キャンペーンなどで使用」(広島県呉市交通局)「運行を予約制に変えた」(京都府瑞穂町)−など、「ガタゴト走る」姿を見る機会は、めっきり少なくなった。(喜田 洋)
 ボンネットバス いまでも乗れる主な路線は次の通り。岩手県北自動車=松川温泉線(冬季のみ)▽西東京バス=高尾山、陣馬高原(春、秋の日、祝日)▽国際興業=西武飯能駅、名栗潮(春、秋の土日、祝日)▽東海バス=天城峠越え(日、祝日。夏季は運休)(朝日新聞 夕刊)
25日■京都駅ビル開発 新社長に市川氏
 京都駅ビル開発は24日、株主総会後の取締役会で、新社長に市川静夫・京都ステーションセンター社長(66)を決めた。原和安社長(57)は退任し、日本電設工業監査役に就任する予定。
 原氏は96年6月、京都駅ビル開発社長に就任。昨秋の京都駅ビル開業に尽力した。筆頭株主のJR西日本の人事に伴う異動。
 市川氏は88年6月から、京都ステーションセンター社長を務め、駅前地下街ポルタを経営。駅ビル改築に合わせて同地下街の増床・改築にも取り組んだ。「文化拠点、情報発信基地として、京都駅ビルの役割を果たしたい」と抱負を述べた。
 市川 静夫氏(いちかわ・しずお)東京大経済学部卒。1957(昭和32)年旧国鉄に入り、金沢鉄道管理局長、事業局長などを経て88年から京都ステーションセンター社長。66歳。東京都出身。(京都新聞)
■元JR東海会長 田中精一氏が死去
 JR東海会長、中部電力会長などを務めた田中精一(たなか・せいいち)元中部経済連合会会長が24日午後5時1分、心不全のため名古屋市の病院で死去した。87歳。東京都出身。自宅は名古屋市昭和区高峯町107ノ2。葬儀・告別式は密葬で近親者だけで行う。中部電力の社葬の日取り、喪主などは未定。
 慶大法学部を卒業。1934(昭和9)年に東邦電力(現中部電力)に入り、取締役、常務、副社長などを経て77年に社長に就任。85年に会長、91年から相談役。
 82年から91年まで中部経済連合会の会長を務め、この間、90年には中部新国際空港建設促進協議会の代表理事に就任、中部国際空港建設の基礎固めに尽力した。中経連会長退任後は、93年から95年までJR東海会長を務めたほか、91年からJ リーグの名古屋グランパスエイト会長、96年からナゴヤドーム会長なども歴任した。(京都新聞)
■新社長に市川氏 京都駅ビル開発
 京都駅ビル開発(下京区)は24日、株主総会と取締役会を開き、同日付で新社長に京都ステーションセンター社長の市川静夫氏(66)を選任した。市川氏は旧国鉄出身。前社長の原和安氏(57)は退任する。(朝日新聞)
26日■マイカー規制 やっぱり切り札 京のCO2 14%の大幅削減 北村京大教授 人の移動を分析
 京都市中心部へのマイカーの流入を規制すれば、自動車からの二酸化炭素(CO2)排出を大幅削減できる。京都大工学部の北村隆一教授(交通工学)が、市民や観光客ら約3万人の行動をコンピューター分析し、有効なCO2削減策を検討した結果、マイカー規制が最も効果的なことが分かった。北村教授は「流入規制は厳しい対策に違いないが、今こそやる気が問われている」と話している。
 京都市内のCO2年間排出量は約190万d(1990年)で、そのうち約2割に当たる35万dが自動車から排出される。
 北村教授は、人々の移動を追跡した総務庁のパーソントリップ調査(1991年)から、市民約2万1000人と市外からの来訪者約8000人のデータを利用。朝に外出してから、夜に帰宅するまで、人々がいつ、何をしに、どこへ、どんな交通手段で行くか、細かな行動パターンを入力し、市内の主要道路の交通状況をコンピューター上に再現した。
 地球温暖化の一因である車からのCO2排出を減らすため、▽東大路、西大路、北大路と九条の各通に市電の環状線を復活▽川端、御池、堀川、五条の各通に囲まれた市域を「中心部」とし、500−1000円の駐車税を徴収▽中心部へのマイカー流入を終日規制−の3案を比較した。その結果、市電復活で2.5%、駐車税徴収で1.3%しか削減が見込めないのに対し、流入規制を行えば14.4%削減できると予想した。
 さらに、家族切符など電車やバスを安く使える制度や、自転車利用を奨励するための駐輪場の増設、車の燃費改善などを合わせて行えば、より一層のCO2削減が見込める、という。
 北村教授は「ヨーロッパでは、歩行者天国化した繁華街が人気を集めており、商業へのマイナス影響は少ないだろう。車は都心ではむしろ不便で非効率的で、発想を転換を」と話している。検討結果は、27日、京都アスニーで開かれるシンポジウムで発表する。(京都新聞)
■新幹線が一時停車 京都駅、40分遅れる
 25日午後10時20分ごろ、京都市下京区のJR京都駅新幹線下リホーム東端の線路へ下りる階段付近に男性がいるのを、ホームに入ってきた東京発新大阪行き「ひかり267号」の車掌が発見、ホームにある列車防護スイッチを押した。直後に男性の姿が見えなくなったため、駅員らが停車車両付近を捜索したが、発見できず、列車は同駅を約40分遅れて発車した。後続4本もダイヤが乱れ、3000人に影響が出た。
 京都府警鉄道警察隊は何者かが階段の手前の高さ約1bの防護さくを越えて侵入したとみて調べている。(京都新聞)
■京都駅1周年でイベント多彩 ミニSL運転、舞妓の1日駅長、写真展など 7月11、12日
 JR西日本は7月11、12の両日、京都駅開業1周年記念イベントを同駅構内で繰り広げる。
 京都駅は昨年7月12日、駅施設が開業した。最近1ヵ月間の乗降客は23万3000人で、開業当初と比べて18%増えている。
 開業1周年に合わせて、12日は駅前広場でミニSLの運転、上七軒の舞妓さんによる1日駅長などのイベントのほか、新京都駅完成までの写真展などを開催する。11、12の両日とも駅ビル東広場で祇園ばやしの演奏、1番ホームでの宇治茶のサービスなどを行う。
 また12日から、烏丸中央コンコース北側に「ビッグキヨスク」(売り場面積39平方b)を開業するほか、京都駅観光デパートのザ・キューブに土産物売り場を新たに開設、西口改札口にベルギーワッフル店を開く。(京都新聞)
■新社長に竹内氏 シアターアーツ1200
 JR京都駅ビル内のシアターアーツ1200の新社長に竹内佑一オムロンパーソネルクリエイツ社長が25日までに就任した。園隆社長(68)は退任し、オムロンコミュニケーションクリエイツ顧問に就任した。
 園氏は94年2月、シアターアーツ1200の設立と同時に社長に就き、昨年8月の開業公演を成功させた。園社長は「若い世代へのバトンタッチ」と話している。
 竹内 佑一氏(たけうち・ゆういち)京都大教育学部卒。1967(昭和42)年立石電機(現オムロン)に入社。秘書室長などを経て96年からオムロンバーソネルクリエイツ社長。57歳。大阪府出身。(京都新聞)
27日■KTR8期連続の赤字 97年度決算 不況で旅客減る
 第三セクターの北近畿タンゴ鉄道(KTR、本社・京都市)は26日、1997年度決算を発表した。景気低迷による旅客の減少などで、営業収益は対前年年度比7.4%減の15億9600万円となった。電化・高速化に伴う設備投資の減価償却がかさんだことなどから、経常損失は1.2%減の5億9100万円で、会社創設の90年度以降、8期連続の赤字決算となった。
 KTRは、宮津−福知山間(30.4`)と西舞鶴−兵庫県・豊岡間(83.6`)を営業区間にしている。
 営業収益の大半を占める運賃収入は、景気低迷による観光客の減少や台風などの天候不順などから8.1%減の14億400万円。一方、人件費など営業費用は減価償却費(3億9100万円)の減少や経費節減などで5.3%減の22億1400万円となった。営業外利益を加えた経常損失は微減したが、「依然高い水準」となっている。
 このため、京都府や沿線市町村でつくる経営対策基金や国などの補助金の受け入れによる特別利益4億2200万円を充て、実質当期損失は1億7600万円。前期繰り越しの赤字を含め、累積赤字は3億4700万円となった。
 同社は「景気低迷で旅客が減少傾向にあり、厳しい環境。経費節減に努めながら、経営改善策を検討している」としている。決算は29日の定時株主総会で承認される見通し。(京都新聞)
■特急はるか遅れる 貨物列車、誤って進入
 26日午後零時50分ごろ、京都市下京区のJR東海道本線の梅小路貨物駅の構内に東京貨物ターミナル行きの貨物列車が誤って進入、急停車した。15分後に、貨物列車を構内の安全な場所に移した。
 梅小路貨物駅を通過ルートとする京都発関西空港行き特急「はるか29号」が20分遅れるなど、特急5本を含む計8本が遅れ、計2000人に影響した。
 JR西日本によると、同日午前10時20分ごろ、神戸市内の山陽本線で人身事故があった。この影響で、東海道本線のダイヤにも乱れが出ていたのに、駅間の電話連絡を誤り、梅小路貨物駅に列車の遅れが伝わっていなかった。このため、貨物列車の接近を知らない信号係員が、ポイントを切り替えず、貨物列車が構内に進入した、という。(京都新聞)
■8年連続でKTR赤字 97年度決算を発表
 第三セクターの北近畿タンゴ鉄道(KTR、本社・京都市)は29日、1997年度決算を発表した。新造車両導入などに伴う減価償却費の影響が続き、経常損益は約5億9200万円の赤字となった。赤字は、同社が営業開始した90年度以来、8年連続になる。
 運賃収入は、重油事故の影響や天候不順がひびき、上期で対前年比88.5%に落ち込むなど年間でも同91.9%の14億400余万円だった。(朝日新聞)
29日■コインロッカーに短銃2丁 JR山科駅で発見
 29日午前零時すぎ、山科署に男の声で「JR山科駅のコインロッカーにけん銃を入れている」と、匿名の電話があった。山科署員が京都市山科区の山科駅の改札付近のコインロッカーを調べたところ、かばんに入った短銃2丁と実弾15発が見つかった。山科署の調べでは短銃は1丁が自動式、もう1丁は単発式、実弾は4種類あるといい、鑑定を急いでいる。(京都新聞 夕刊)
■JR相次ぎ遅れる 停電や安全確認作業
 29日午前4時55分ごろ、滋賀県野洲郡野洲町のJR車両基地で、25分間にわたって停電。このため野洲行き新快速電車など上下線計3本が運休、2本が最大22分遅れた。車両の発電機故障が原因とみて調べている。
 また、同日午前7時25分ごろ、大津市粟津町のJR石山駅内の踏切の障害物検知装置が作動。安全確認作業などのため、姫路行き新快速電車など上下線計7本が最大13分遅れた。
 両事故で、計約9600人の足に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■JR東海道線 故障が相次ぐ 滋賀、約1万人に影響
 29日午前4時50分ごろ、JR東海道線の車両基地になっている滋賀県野洲郡野洲町の京都総合運転所野洲派出構内が停電になり、東海道線の上り回送電車が出発できなくなった。約30分後に運転を始めたが、下り3本が運休、下り2本が最大22分遅れた。
 また、午前7時25分ごろには大津市粟津町の東海道線石山駅構内にある盛越川踏切で、障害物検知装置が作動し、近くを通っていた上り快速電車が緊急停止した。約10分後に運転を再開したが、上下線計7本が最大13分遅れた。この2件の故障で乗客計9600人に影響が出た。
 JR西日本によると、停電は回送電車の電気系統に何らかの故障があったためらしい。また、踏切故障は障害物検知装置のレンズが割れていたためで、原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)
30日■けん銃2丁を押収 JR山科駅のコインロッカー
 29日午前零時ごろ、山科署に男性の声で「JR山科駅のコインロッカーにけん銃を入れている」と電話があった。同署員が山科区安朱桟敷町の同駅構内のコインロッカーを調べたところ、中からけん銃2丁と実弾15発が見つかり、押収した。
 同署は、銑と実弾鑑定を急ぐとともに、銃刀法違反の疑いで捜査を始めた。府警銃器対策課によると、今年に入って府内で押収されたけん銃は13丁になった。(朝日新聞)
■声 無遠慮で迷惑 電車での電話 神戸市 梶原 登喜子(アルバイト 51歳)
 今日もまた、である。走行中の電車の快い揺れを感じつつ、車窓の景色を見ていると、隣席から「ワタシ。アンタ元気? 何も用事ないねんけど、今電車に乗ってて暇やから…」と大きな話し声。携帯電話である。何も用事がないと言ってるのだから、すぐ終わるだろうと思いきや、目的地まで20分間やむことなく、その後も乗車中の彼女は話し続けていただろう。
 昨日も同じことがあった。深夜であった。座席に腰を下ろし、まどろんでいたら、隣席の彼は”携帯魔”であった。大阪から神戸までの40分近く、彼は休むことなく4人に電話した。彼の話し声は大きくて、周りの人たちの耳に容赦なく飛び込んでいく。深夜の車中で話すべき内容とも思えない、とりとめない雑談のみであった。
 文明の利器の携帯電話は「いつ、どこで、何を、どのように、どれほど」話そうと勝手なのかも知れない。が、反対に「あなたのプライバシーを聞きたくない権利」もあるはず。車窓を眺めながら、ボーツと座席にいたり、本を読んでいる折に、声高の、無遠慮な携帯電話は、誠に迷惑である。ご一考いただきたい。(朝日新聞)
■JR株主総会 新幹線の安全生を強調
 JR西日本は午前10時から、大阪市北区のリーガロイヤルホテルで、昨年の株式上場から2回目の株主総会を開いた。計約950人の株主が出席した。
 決議事項などについての報告に続いて、金井耿・常務取締役が株主から事前に提出されたドイツ高速鉄道(ICE)の脱線事故からみた日本の新幹線の安全対策についての質問に、「現段階では車輪の破損が事故原因とされており、新幹線とは車輪構造が異なり、同様の事故は発生しないと確信している」と説明。国鉄清算事業団の長期債務の追加負担問題については「すでに決着済みで、強く反対する」とした。
 昨年10月に株式の上場をしたJR東海の、上場後初の株主総会は、名古屋市西区のホテルで開かれた。証券会社を舞台とする総会屋絡みの事件が相次いだことや、岐阜県関ケ原町で東海道新幹線の線路の国定ボルトが外された事件があったことなどから、愛知県警からも警備の担当者ら約50人が警戒にあたった。総会開始時の出席者は940人だった。(朝日新聞 夕刊)