1998(平成10)年 1月


1日■ブルーからワインレッドへ JRが新型寝台車 夏から運転(朝日)
3日■路線バス支援 予算重点配分 建設省が方針(朝日)
  ■元日の新幹線混乱 東北など約80運休(朝日)
4日■身も心もリフレッシュ! Uターンの混雑始まる ピークは今夕まで(京都)
  ■Uターンきょうピーク(朝日)
  ■地下鉄にひかれ死亡 大阪・堺筋線扇町駅(朝日)
  ■覚悟の時代3 家庭にきた規制緩和 トイレなし列車 無人駅 障害者に追い打ち(朝日)
5日■京都駅ビル 人の配置が不十分 チャイムわからぬ 視覚障害者が問題点指摘 音声案内の充実を 白杖安全実行委(京都)
6日■JR山陰線、乱れる 特急に男性が接触(京都)
  ■走るSLレンタルします 「C11」の現役復帰に向け修理中 栃木の真岡鉄道 赤字解消策で(京都)
7日■遠距離は遠慮 近畿圏 年末年始の鉄道、高速道 JR京都駅 乗客、大幅に増加(京都)
  ■JR3線の年末年始客 近距離を中心に24%増加(朝日)
  ■遠出減り近郊客増加 年末年始のJR利用(朝日)
8日■年末年始の乗客7%滅 KTRが発表(京都)
  ■チンチン電車がんばる@ 都電荒川線 高層ビルを背に快走 生き残って再び脚光(京都)
  ■整備新幹線 3区間とも年度内着工へ 政府・与党認める方針 収支改善明らかに(朝日)
  ■出控え響き乗客7%減 KTRの年末年始(朝日)
  ■大阪の助成殺害容疑者 電車で遺体を運ぶ 正月三が日 神社の参道通り(京都)
9日■整備新幹線の3区間 本年度着工が確実 運輸省が収支効果 採算見込める(京都)
  ■「朝焼け」イメージ JR西日本・東海 新型寝台特急電車 デザイン決まる(京都)
  ■チンチン電車がんばるA 長崎電気軌道 他都市の廃車再利用 全国一安い運賃100円(京都)
  ■3区間の年度内着工で一致 整備新幹線検討委(京都)
  ■整備新幹線 政府・与党検討委 3区間の年度内着工確認 「収支改善効果」理由に(朝日)
  ■雪に泣く首都 線路をゾロゾロ 満員電車、缶詰め数時間 JR東海道線 2`進むのに6時間半も(朝日)
10日■郷愁誘うプレート並ぶ 梅小路蒸気機関車館 写真や模型添え展示(京都)
  ■チンチン電車がんばるB 高知・土佐電鉄 全国から視察が相つぐ 行政と世論の支持訴え(京都)
11日■無人バスで旅客輸送 トヨタ 新システムを開発(京都)
  ■チンチン電車がんばるC 函館市電 術並みに映える車体 経営難で維持に懸命(京都)
  ■福島交通グループ4社 所得隠しなど6億円 仙台国税局 3億円を追徴課税(朝日)
12日■上越、長野新幹線 列車22本が運休 架線にビ二−ルひも(京都)
  ■チンチン電車がんばるD 愛知・豊橋鉄道 市民が復活を支援 延伸工事が始まる(京都)
  ■関西経済同友会 代表幹事に南谷JR西社長(京都)
13日■騒音環境基準達成は46% 長野新幹線(京都)
  ■ストップ・ザ・列車事故 再発防止へ世界に学ぶ 官民連携の取り組みなど 信楽鉄道事故の関係者 オランダの会議出席へ(京都)
  ■平和と養蚕 新駅で表現(京都)
14日■エスカレーターとエレベーター設置へ JR草津駅、近く着工(京都)
  ■窓 お答えします 優先席表示続けます 京都市交通局 整備課長 西村 新一(京都)
  ■コンビニ店をFCで展開へ JR西日本(朝日)
15日■現地説明会の日に臨時快速電車運行 JR西日本(京都)
16日■トレーラーとJR電車衝突 神奈川、脱線し5人けが(京都)
  ■オウム裁判「わたしは無罪」 松本被告 意味不明発言も(京都)
17日■バス経路を変更 京阪宇治交通、京田辺市で 21日からダイヤ改正も(京都)
19日■ガスボンベ2本 列車66本止める JR関西線線路に(京都)
  ■ガスボンベ線路に置く 奈良のJR関西線(朝日)
  ■列車事故!場所? 衛星で瞬時に把握 カーナビの鉄道版 JR西日本 99年度実用化めざす(朝日)
  ■線路に置き石 電車緊急停車 垂水・JRと山陽電鉄(朝日)
  ■丹後−京阪神に行楽便 JR福知山支社発表 春の臨時列車計画(京都)
20日■除雪中はねられ4人死亡 吹雪のJR東青森駅 通過の臨時列車 通過の臨時列車(京都)
  ■障害者の立場で 僕らが 見た 考えた やさしい駅 大阪の中3ら130駅調査結果発信(朝日)
  ■最新700系新幹線 関西にお目見え(朝日)
  ■駅除雪の4人死亡 吹雪の青森 列車はねる(朝日)
  ■民営化での全動労配属 不当労働行為と認定 JR西日本へ救済命令(京都)
  ■架線停電でJR乱れ 通勤客ら8万人影響(京都)
  ■全動労91人の救済命令 中労委 JR西日本配属差別(朝日)
  ■JRが停電8万人影響 尼崎−大阪間(朝日)
21日■ポートライナー 高架上で止まる(朝日)
  ■東北、九州を優先 整備新幹線検討委が決定 事業費配分へ(京都)
  ■整備新幹線 東北・鹿児島ルート 重点配分 政府・与党検討委 3区間の年度内着工を決定(朝日)
22日■JR東海道線 新快速 さらに速く 最高130`運転へ 京都−草津間 24日から試験走行(京都)
  ■8月18〜31日の2週間 東舞鶴〜綾部間を運休 JR舞鶴線の電化工事(朝日)
  ■整備新幹線「着工決定」3区間 単独黒字、九州だけ 開業の20年後(朝日)
  ■JR奈良線、高速・複線化 待望の起工式祝う(京都)
23日■JR奈良線部分複線化 着手祝い式典 知事や京都市長、出席(朝日)
  ■朝の近鉄 5万人の足乱れる 踏切事故とポイント故障(京都)
  ■洛中洛外(京都)
  ■信号トラブル 近鉄線乱れる(朝日)
24日■あれ!ドア開かずに発車 100b先でバック 山陰線丹波口駅(京都)
  ■林被告調べ経え 3月2日に求刑 地下鉄サリン実行で初(京都)
  ■JR花園駅の自転車駐車場 3月1日にオープン 780台OK(京都)
  ■ドアを開かず発車 バックし6分遅れ JR丹波口駅で(朝日)
25日■JR山陰線遅れる 架線にビニール付着(京都)
  ■京滋、北部に大雪 新幹線など交通機関乱れる(京都)
  ■窓 車内の親切に感謝いっぱい 山城町・前田 幸枝(無職・73)(京都)
  ■東京都 地下鉄駅に防災倉庫計画 体育館並み 医療品など備蓄(朝日)
  ■路線バスが民家塀壊す 亀岡の国道で(朝日)
  ■近畿でも雪交通に乱れ(朝日)
26日■「今は鉄軌道急げ」 滋賀知事選出馬の吉沢氏 空港「いずれ必要」(京都)
  ■ポイント凍結防止作業中はねられ死亡 JR黄檗駅構内(京都)
  ■検証 瀬戸大橋の10年 期待外れの経済効果 瀬戸内三橋新時代へ 交通量低迷打破を(京都)
  ■凍結防止の作業中に電車にはねられ死亡 宇治のJR(朝日)
  ■回送電車がトラブル JR西日本(京都)
27日■旧国鉄債務 追加負担反対を確認 JR7社 強制なら法的手段も(朝日)
  ■阪急京都線乱れる 千里線で電車故障(京都)
  ■ドア閉まらず遅れ 阪急千里線など(朝日)
  ■「市バス急停車で親族けが」 暴力団資金源 企業は不景気 自治体に照準 大阪府警 中止命令や講習会(朝日)
28日■JR追加負担を明記 旧国鉄債務処理法案の要綱(京都)
  ■阪急京都線沿い グルメ店を紹介 阪急、ガイドブックあす出版(京都)
  ■利用客200万人突破 秋田新幹線こまち(京都)
  ■政治短信 国鉄債務のJR負担反対(朝日)
  ■新幹線トラブル 兵庫県内相次ぐ(朝日)
  ■日吉駅構内で火事 JR山陰線 一時不通、2500人影響(京都)
  ■日吉駅で火事 特急など運休 JR山陰線(朝日)
29日■3月17日から 近鉄京都線 快速急行運行へ(京都)
  ■VIPは48%も割引 JR東日本 長野五輪関係者に(京都)
  ■あす午前まで一部運休続く JR山陰線日吉駅火事(京都)
  ■国労が拡大中央委開催(朝日)
  ■仮復旧運転続く JR日吉駅火災で(朝日)
  ■近鉄の京都−奈良 快速急行を新設へ(朝日)
30日■快速がオーバーラン JR向日町駅(京都)
  ■着工「格上げ」京阪社長、要求 中之島新線計画で(朝日)
  ■舞鶴のKTR踏切 乗用車と列車衝突 運転者重体(京都)
  ■山陰線平常ダイヤに(京都)
  ■新技術を路面電車にも 続々登場、新型列車(朝日)
31日■警察に追われ?踏切にバイクで進入 中二3人はねられる 岸和田(朝日)



1日■ブルーからワインレッドへ JRが新型寝台車 夏から運転
 JR西日本とJR東海がこの夏登場させる新型寝台特急電車の外観の色調が決まった。国鉄時代から「ブルトレ」の愛称で呼ばれてきた定番の青色をやめ、薄いワインレッドとベージュの二色に金色のラインという「さわやかな朝をイメージした」(両社)列車になる。
 新型車両は外観だけでなく、住宅メーカーとの共同開発による木目調の内装に一新。2階建て、個室中心の「ビジネスホテル並み」の快適さが売り物だ。利用客が低迷している「瀬戸」(東京−高松間)、「出雲」(東京−出雲市・浜田間)の後継車両として、7月ごろ運転を始める。(朝日新聞)
3日■路線バス支援 予算重点配分 建設省が方針
 都市部の渋滞解消に取り組んでいる建設省は、マイカーから路線バスへ住民の”足”の転換を進めるため、1998年度から路線バスの利用環境を改善する方針を決めた。予算額は未定だが、事業期間を3年間程度に限定して重点的に配分する。路線バス会社の多くは赤字で、バス会社に代わって収益性の高い路線でバス停などの設備を整え、利便性向上を図る。
 バス停については、ベンチや風雨を防ぐシェルター、道路照明などを設置するほか、高齢者や身体障害者の乗り降りを楽にするための段差解消、次の便の到着までの待ち時間を表示するロケーションシステムの設置などを行う。(朝日新聞)
■元日の新幹線混乱 東北など約80運休
 1日年前9時半すぎ、栃木県河内町の東北新幹線宇都宮−那顔塩原間で、東京発仙台、山形行き「やまびこ・つばさ115号」が列車自動制御装置の停止信号を受け、緊急停車した。近くの変電所からの送電線が切れて停電したためで、列車は約700人の乗客を乗せたまま現場に立ち往生した。このため、東北新幹線は復旧作業が終わる午後1時まで全線が止まったはか、同新幹線と一部路線を共有する上越、長野新幹線にも運休が出るなど、ダイヤは終日混乱した。
 JR東日本のまとめでは、運休したのは東北新幹線の上下55本、上越新幹線19本、長野新幹線6本。やまびこ・つばさ115号の3時間27分を最高に、3新幹線で計131本に遅れが出た。影響を受けたのは約10万人。(朝日新聞)
4日■身も心もリフレッシュ! Uターンの混雑始まる ピークは今夕まで
 年末年始をふるさとや行楽地で過ごした人たちのUターンが3日、始まった。JR京都駅や幹線道路では午後から混雑し始め、Uターンの混雑は4日午後まで続く見通しだ。
 JR京都駅では、この日の午後から、ふるさとの土産を抱え帰省先か戻る家族連れの姿が目立ち始めた。新幹線は、上りを中心に最高で160%の乗車率となった。在来線は、午後4時51分京都着の「きのさき8号」が乗車率200%となるなど、山陰や北陸方面からの列車を中心に混雑した。JR京都駅は「5日から仕事が始まる所が多いので、4日もほぼ同じ込み具合になるだろう」と話している。
 一方、道路では、名神高速道路下り線が午後から渋滞し、午後6時ごろには、天王山トンネルを先頭に草津市まで約37`、上り線も高槻市内で約13`渋滞した。国道9号では、京都市内方面行きが京都縦貫自動車道丹波口インター付近で最大約4`混雑した。
 また、空の便も昼前から夜まで混雑が続いた。航空各社によると、羽田へ向かう国内線は朝から全便ほぼ満席の状態。全日空福岡発羽田便のキャンセル待ちは午後6時までに計409人に上った。北海道の千歳空港発着便は雪の影響で大幅に遅れ、同空港は乗客などでごった返した。(京都新聞)
■Uターンきょうピーク
 3日、年末年始を帰省や旅行で過ごした人たちのUターンラッシュが始まった。高速道路は渋滞、列車や空の便も満席が相次ぎ、明石海峡大橋の今春開通で廃止が見込まれる関西−四国間のフェリーも、四国からの便が軒並み満車となった。いずれも、日曜日の4日が混雑のピークとみられる。
 日本道路公団大阪管理局によると、3日夕方、名神高速道路下り線で天王山トンネルを先頭に40`、中国自動車道上り線で宝塚西トンネルを先頭に23`、渋滞した。4日も、中国自動車道吹田ジャンクションを先頭に35`など、各地で渋滞が続くと予測している。
 新幹線は、上りがグリーン車、指定席とも予約で満席。JR新大阪駅の新幹線上りホームでは自由席の各出入り口付近に約20bの列ができたが、博多方面から到着した列車はどれもすし詰め状態。「ひかり」を3、4本待っても乗車できず、あきらめて「こだま」に乗り込む人も。神戸の実家で妻子と5日間過ごし、横浜へ戻る会社員(37)は「のんびりできた分、5日から会社かと思うとうんざり」と話していた。
 空の便は、全日空によると、九州方面から関西・大阪両空港への到着便が臨時便も含めて全便満席。四国方面から関西へのフェリーは、淡路島・大磯−須磨間(淡路フェリーボート)が午後からこみ始め、5時間待ちも。共同汽船、共正汽船、関西汽船が共同運航する徳島−大阪も、この日の8便すべてが満車状態だった。(朝日新聞)
■地下鉄にひかれ死亡 大阪・堺筋線扇町駅
 3日午後2時20分ごろ、大阪市北区天神橋四丁目の地下鉄堺筋線扇町駅構内の線路上で、男性が電車にひかれて死んでいるのを、到着した天下茶屋発北千里行き電車(8両編成)の車掌(24)が見つけた。曽根崎署は事故か自殺でひかれたとみて、男性の身元を調べている。(朝日新聞)
■覚悟の時代3 家庭にきた規制緩和 トイレなし列車 無人駅 障害者に追い打ち
 島根県江津市と広島県三次市を結ぶJR三江線(108`)の杉山正夫運転士=仮名=は乗務中、異様なにおいに気づいた。浜原駅で5分間停車したとき、車内を見まわった。最後尾の運転席のわきに水たまりがある。車両は前後に整理券発行機がある路線バスのようなワンマンカーで、トイレがない。客が「我慢できなく」なったのだ。
 トイレのないキハ120系気動車は、軽いためスピードアップができ、冷房もきく。「サービス向上」をかかげ、JR西日本が1992年に導入した。ワンマン運行で、人員の合理化も図れる。だが94年に三江線や山陰線の出雲市−益田間(130`)に登場すると、沿線住民から反対の声があがった。
 都市部と違い、トイレのために途中下車したら次の列車まで1時間以上待たねばならない。93年以降はトイレを撤去された駅もある。女子高校生がトイレのある駅まで我慢できないという「事件」も起きた。
 民営化でサービスは向上した、という声は少なくない。しかし、トイレのような直接お金につながりにくい設備は、なおざりにされがちだ。
 山陰線の仁万駅(仁摩町)を利用する視覚障害者の寺本秀吉さん(47)も、トイレのない列車に困っている。JRは途中駅でトイレのための停車時間を設けたが、数分間では駅舎の便所まで往復できない。乗る前は水分を控えるようにしているが、便所のためにいったん下車し、1時間後の列車まで待つこともある。
 こうした悩みに追い打ちをかけたのが、駅の無人化だ。6年前の秋には、仁万駅から列車に乗ろうとして、ホームから線路に転落した。夜は駅員はいない。耳をすまして列車が近づいてこないことを確かめ、自力ではいあがった。
 近辺の駅はほとんど無人化している。心配なので、以後、近場はタクシーを利用する。やむを得ず無人駅を利用するときは、つえでホームのへりを確認しながら歩く。「職員は国鉄のころより丁寧になったけど、利用しにくくなりました。せめて点字ブロックや点訳時刻表がほしい」
 JR西日本米子支社は、自治体などの利用希望がない無人駅の駅舎は、トイレと待合施設を除いて撤去する方針を固めている。すでに地域の自治会に譲渡され、公民館などに利用される駅も現れた。JR発足後10年間減額されていた固定資産税が、97年度から一般企業なみになったことが背景にある。
 JR西日本岡山支社管内の在来線の駅のホーム要員は岡山駅以外はすべて廃止された。
 脳性小児まひで車いす生活の岡山県中央町の清水博さん(49)は昨年9月、年金をはたいて携帯電話を手に入れた。ホームで急にトイレに行きたくなっても、駅員の姿がない。事務室まで電話しなければ身動きが取れないからだ。
 最寄りの亀甲駅は民間委託され、普段は女性が一人いるだけ。乗降のときは、列車の運転士と車掌が介助する。清水さんが亀甲駅で下車することを、うっかり車掌が忘れたことも一度あった。ホームにいあわせた女性が「車掌さん、ここで車いすの人が降りますよ」と叫んでくれて、下車できた。「ちょっとした外出でも、駅への事前連絡が必要になりました」
 新幹線のホームでは、乗降客や列車の状況の監視を義務づける運転規則があり、ホーム要員が残っている。だが、在来線にはそうした「規制」がない。同支社は「監視カメラも設けており、要員がいないからといって安全が損なわれるわけではない。障害のある方には、事前に連絡をもらえれば責任をもって対応します」と説明する。
 国労西日本本部では、民営化前には駅への要員配置や安全面の施策などの「規制」は、団体交渉で獲得してきたと振り返る。「今は、効率化の声に押されっぱなしです」
・私の自己責任論 効率化行きすぎも レイルウェイライター種村直樹さん
 JR発足後、新幹線も在来線も大幅にスピードアップし、車内設備も充実しました。関西などの都市圏輸送も、運賃据え置きなどの努力で「国鉄は高い」という構図が消えつつあります。
 ただ、私企業のJR東日本と公的な営団地下鉄の自動改札のあり方の違いは民営化を象徴するように思えます。JRは不正乗車防止で有人改札部分を狭くしたため、荷物を持って通るのは不便で混雑します。営団は広々としていて、窓口に相談者がいても後ろを楽に通れます。また東北地方では国鉄時代には客車を何両も連結していたのが、都市型の2、3両しかない電車の導入で、座れないことも出てきました。効率化は当然ですが、行きすぎた例です。
 国鉄時代は安全な列車運行だけに力を入れたから「親方日の丸」と呼ばれました。JRは経営面への社員の自己責任意識を高めました。それは結構だけど、大月や河津の事故を見ると、安全面への配慮が相対的に減っているのでは。利用者が自力でカバーしきれない部分だけに、不安も感じます。
・運輸の競争促進 1995年には競争を促すため、一定の範囲で航空会社が自由に運賃を決められる「幅運賃」制度が導入された。各路線への参入や撤退も徐々に自由になってきた。だが96年の運賃改定では「早割り」などの割引制度はできたが、往復割引の廃止などで実質的な値上げになった。
 JRも96年、運輸省が許可した運賃以下なら各会社が自由に運賃を決められるようになった。線路や車両の点検作業の周期も徐々にのばされている。
 競争激化はコスト競争も招く。規制緩和の手本とされる米国では、不採算の地方航空路線の廃止が進んだ。「契約客室乗務員」などの労働問題や、安全面の問題も指摘されている。(朝日新聞)
5日■京都駅ビル 人の配置が不十分 チャイムわからぬ 視覚障害者が問題点指摘 音声案内の充実を 白杖安全実行委
 京都府視覚障害者協会、京都ライトハウスなどで組織する「第31回白杖安全デー実行委員会」はこのほど、京都駅ビルのオープンに伴って点検した駅ビルの安全対策や設備面の調査結果をまとめた。視覚障害者の立場から、人の配置やエスカレーターへの誘導ブロックの敷設などが不十分であることや、誘導チャイムが何を合図しているのか分からない−などの問題点が指摘された。
 調査は京都駅ビルがオープンした翌日の昨年9月12日から30日まで、同実行委が府視協の京都市内や府南部、中部地域の計15支部に依頼して行った。
 各支部ごとに全盲者1人、弱視者1人、ボランティア2人の計4人1組で調査。JR線、近鉄、地下鉄、バスなど交通アクセス別に14コースを設定、誘導ブロックや点字ブロック、アナウンスなどの状況を「点検カード」に記入してもらい、視覚障害者の立場でプラットホーム、通路、百貨店、専門店などの設備や安全対策を点検した。
 この結果、視覚障害者から▽ホームに人が常に配置されていない▽エスカレーターが増えたにもかかわらず、誘導ブロックが完全に整備されていない▽誘導チャイムが何の知らせか分からないので、音声による情報に切り替えてほしい▽点字案内板だけでなく音声情報も流してほしい▽階段の設置場所を色彩表示するなど弱視者対策も強化してほしい−など数々の問題点や要望が挙げられた。
 同実行委は今後、調査結果を詳しく分析し、府視協生活環境改善委員会を通じて各関係機関に改善を要望する方針。事務局の渡辺昭一さんは「他府県からの初めて訪れた視覚障害者の人たちにも利用しやすい環境づくりが大切。音声案内や弱視者対策が遅れているのではないかと感じた」と話している。(京都新聞)
6日■JR山陰線、乱れる 特急に男性が接触
 5日午後8時35分ごろ、京都市右京区嵯峨野清水町のJR山陰線で、京都発西舞鶴行き特急「タンゴエクスプローラー3号」が男性に接触、男性は右足骨折の重傷を負った。特急の乗客130人に、けがはなかった。
 特急は現場に43分間停車。特急、普通の上下計6本が50分−7分遅れたほか、普通電車の上下2本が運休し、計約1800人に影響が出た。
 太秦署によると、現場は東清水踏切から西側へ約100bの軌道敷内。男性はアルコール臭がしていたといい、事故状況を調べている。(京都新聞)
■走るSLレンタルします 「C11」の現役復帰に向け修理中 栃木の真岡鉄道 赤字解消策で
 週末などに蒸気機関車(SL)を走らせている第三セクター「真岡鉄道」(本社栃木県真岡市)が真岡駅構内に展示していたC11の現役復帰に向け、解体修理中だ。過去にJRからSL貸し出しの要請もあり、所有者の真岡市は「赤字解消の財源に」とレンタル事業にも乗り出す。
 真岡鉄道は栃木、茨城両県と沿線市町などが出資しているローカル線(栃木県茂木町−茨城県下館市、約42`)。
 1994年3月からSL川俣号(C12)の運行を始めたが、乗客の伸び悩みで毎年約2000万円の赤字が続いている。「打開するには首都圏からのアクセスが容易なJR東北線小山駅への乗り入れが不可欠」。会社側はこう戦略を立てた。
 しかし、現行の川俣号は途中で燃料を補給しないと小山−茂木間を往復できない。このため、補給のいらない大型のC11を探し、真岡市が96年3月、新潟県水原(すいばら)町の中学校が展示していたC11を譲り受け、水原号と名付けた。
 真岡駅での展示を経て、解体修理がスタートしたのは昨年11月。会社側は運輸省や労働省の認可を得て、今年11月に真岡市で開かれる「全国ふるさとレールフェスタ」でお披露目し、その後、JR側と小山駅乗り入れを交渉する傍ら、レンタル事業に着手する意向だ。
 真岡市企画課は「1週間のレンタルで数百万円の収入を見込んでいる。条件さえそろえば全国に貸し出したい」と意気込んでいる。(京都新聞 夕刊)
7日■遠距離は遠慮 近畿圏 年末年始の鉄道、高速道 JR京都駅 乗客、大幅に増加
 近畿圏の年末年始の鉄道、高速道路の利用状況が6日まとまった。JR西日本と電鉄大手5社、高速道路の利用者がどこも前年を下回る中で、JR京都駅の乗客が大幅に増加、近郊の遊園地が人気を集めるなど、景気低迷による遠距離の出控えと、近場でお正月を過ごす傾向がくっきりと浮かび上がった。
 JR西日本の昨年12月26日から今月5日までの状況は、新幹線と在来線の特急・急行の利用者が、帰省で137万人、Uターンで144万人の計281万人。前年同期より3%減少した。
 阪急、京阪など電鉄5社の31日から4日までの乗客も横ばいだった近鉄以外の4社で前年割れとなり、同2.3%減の1199万人にとどまった。
 日本道路公団大阪管理局が調べた12月26日−1月4日の名神、中国など各高速道路の交通量は合計36万5000台で、前年を3.2%下回った。お陰で10`を超える渋滞が、前年より3回少ない25回に減少した。
 一方、JR西日本の京阪神近郊路線の正月3ヵ日は、近距離切符の発売枚数が主要駅で軒並み増加した。
 駅ビル人気にわく京都は、15万枚(前年同期比81%増)に達した。私鉄沿線の5遊園地には、同15%増の計7万7000人が訪れ、ひらかたパーク(京阪)は同58.4%増、あやめ池遊園地(近鉄)は同26.5%増の入場者を数えた。
 JR西日本では「不景気を反映して遠距離を敬遠し、日帰りでお正月を楽しむ人が多かったのでは」(運輸部)と分析している。(京都新聞)
■JR3線の年末年始客 近距離を中心に24%増加
 JR福知山支社は6日、管内の年末年始(12月26日−1月5日)の旅客利用状況をまとめた。前年に比べ、新しい京都駅ビルの完成や福知山線の複線化、JR東西線開通などの効果で乗客は増えたものの、特急や急行の利用は2年連続で減少し、普通への乗り換えが目立った。
 福知山線、播但線、山陰線3線の全体の利用客数は145万6900人(前年比124%)と伸びたが、特急・急行は16万3600人(同95%)と前年に続いて減少した。特急・急行の上下線合わせた帰省のピークは30日の1万5000人(同97%)、Uターンのピークは3日の2万人(同97%)だった。
 期間中に利用が多かった定期列車の下りは、31日の「北近畿11号」(乗車率146%)と30日の「タンゴEXP1号」(同145%)、「同3号」(同144%)。上りは2日の「タンゴEXP2号」、「同4号」(以上167%)と4日の「北近畿16号」(145%)だった。
 同支社は「景気の低迷で、帰省も含めた遠距離客が出控え、近距離の普通列車利用へ移ったのではないか」と分析している。(朝日新聞)
■遠出減り近郊客増加 年末年始のJR利用
 JR西日本は6日、年末年始期間中(12月26日−5日)の利用実績をまとめた。山陽新幹線は142万人(対前年比1%減)、在来線の特急・急行は139万人(同4%減)と、ともに前年を下回った。同社は「景気低迷の影響からか、泊まりがけの中長距離客が減り、近郊への日帰り客が増えたのではないか」と話している。(朝日新聞)
8日■年末年始の乗客7%滅 KTRが発表
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)=事業本部・宮津市=は7日、年末年始(先月26日−今月5日)の旅客輸送実績を発表。期間中の乗車人員は4万3800人で前年同期に比べ7%減少、景気低迷による遠距離客の出控えが大きく影響した。
 帰省は30日、Uターンは3、4日がピーク。乗車率は、3日の新大阪行き特急「タンゴ・ディスカバリー16号」の171%を最高に、京都行き特急「タンゴ・エクスプローラー4号」の129%と続いたものの、他の特急に大きな混雑はなかった。KTRは、輸送力の増強とともに帰省、Uターンの分散傾向が強まったことで、スムーズな輸送ができたとしている。
 また、日本三文殊の一つ智恩寺のある宮津線天橋立駅の乗降人員は、1万5100人と前年比3%減少。温泉とカニ料理の宿が集中している同線木津温泉駅でも、2650人と前年比で8%減少し、カニツアーの観光バズとマイカーに苦戦を強いられた結果となった。(京都新聞)
■チンチン電車がんばる@ 都電荒川線 高層ビルを背に快走 生き残って再び脚光
 マンションがぎっしり立ち並ぶ東京都豊島区。サンシャインシティの超高層ビルを遠くに見ながら、快走するチンチン電車−。大都市・東京にまだ路面電車が走っている。早稲田(新宿区)−三ノ輪橋(荒川区)間、12.2`を走る都電荒川線だ。
 荒川線の歴史は1911年、王子電気軌道の開業にさかのぼる。太平洋戦争中の41年に東京市に統合。しかし戦後のモータリゼーション時代の到来とともに、都電は「自動車の邪魔者」として消えてゆく。荒川線も廃止予定になったが、路線のほとんどが専用軌道だったため、たまたま廃止を免れた。
 他の路線はバスと地下鉄に置き換わったが、都心に張り巡らされたかつての路面電車網には及ばない。地下鉄は建設費の高騰で完成が遅れがち、ハスは慢性的な渋滞…。公共交通網に対する利用者の不満は一向に消えない。
 そこに登場したのが路面電車復活諭。環境に対する影響の少なさや、老人や子供も安心して乗れる点などから、都も延伸や新設の検討を始めた。都交通局の橋本勲電車部長は「1年で1万人が交通事故死するというのはやはり異常な事態だ。安全な路面電車は、私たちの豊かさを考え直す交通機関になるのではないか」と意欲を見せる。
 沿線で生まれた映画監督の実相寺昭雄さんにとって、荒川線は小学校の通学に毎日使った愛着ある電車だ。「路面電車の廃止は愚かな施策でした。だいたい車のために人が歩道橋を上り下りしなければならないなんておかしいと思いませんか。路面電車復活をトレンディーなものとして東京から発信すれば、日本全体が変わっていくんじゃないかな」と期待を込めた。
 夕方のラッシュが始まった。車で込み合う大通りを横目に、都電は専用軌道をスイスイ走る。「またお前の時代が来たナ」、そう声を掛けたくなった。
 高度経済成長期に次々と消えていった路面電車が見直されている。京都では市電の復活を望む声もある。チンチン電車が生き残った地を訪ねて「市民の足」として活催する姿にエールを送る。(京都新聞)
■整備新幹線 3区間とも年度内着工へ 政府・与党認める方針 収支改善明らかに
 政府・与党は7日までに、新規着工を検討していた東北(八戸−新青森)、北陸(長野−上越)、九州・鹿児島ルート(船小屋−新八代)の整備新幹線3区間について、3区間とも1997年度内に着工を認め、着工費として3区間にそれぞれ10億円を配分する方針を固めた。運輸省が試算していた新幹線建設による収支改善効果が3区間とも見込まれ、地元自治体や経営主体となるJRの同意が取り付けられると判断したためだ。
 収支改善効果は、開業する区間の収支と、関連する線区の収支、さらに開業にともなって切り離す並行在来線の赤字解消分を足し合わせ、現行の在来線を維持するより収支が良くなるかどうかを試算した。明らかになった試算では、1日1`当たり7500人から8000人の需要があると見込まれる八戸−新青森は、開業後10年で年間60億−75億円、3000人から350人の需要がある長野−上越は同0−1億円、1万5000人から1万6000人の船小屋−新八代は同40億−50億円の改善効果があるとしている。九州より需要の小さい東北の収支改善効果が大きいのは、並行在来線を廃止するかどうかなどで差があるためだ。20年後になると、3区間とも需要の増加などで改善幅が大きくなると見込んでいる。3区間の総事業費は1兆2400億円を見込んでいる。
整備新幹線3区間の見通し
 
収支改善効果
(年平均、億円)
経済効果
30年累積
(兆円)
開業後10年同20年
東北(八戸−新青森)60−7570−903.6
北陸(長野−上越)0−10−22.7
九州(船小屋−新八代)40−5050−607.7
 運輸省では、開業にともなう時間短縮による地元への経済波及効果も試算し、開業後30年の累積で、八戸−新青森は3兆6000億円、長野−上越は2兆7000億円、船小屋−新八代は7兆7000億円の経済効果があるとはじいている。
 長野−上越間の経営主体と想定されているJR東日本は当初、同区間の単独開業では赤字になるとして、建設に同意しない方針を示していたが、昨年末に与党が「北陸まで延伸することを配慮し、引き続き検討する」方針を決めたことから、収支が改善する見込みが立ったとして、建設に同意する方針に転換した。
 それ以外の区間については、JR、地元とも着工に同意している。
 運輸省ではこの試算を9日に開かれる政府・与党整備新幹線検討委員会に提示する。(朝日新聞)
■出控え響き乗客7%減 KTRの年末年始
 北近畿タンゴ鉄道(KTR=事業本部・宮津市)は7日、宮津・宮福線管内の年末年始(昨年12月26日−1月5日)の旅客利用状況をまとめた。それによると、期間中の乗客は4万3800人で、前年に比べて7%下回った。同鉄道は「景気の低迷で長距離客の出控えが大きく影響した」とし、「近距離客も雪がなくてマイカー利用した」と分析している。
 帰省のピークは昨年12月30日で、Uターンは3、4日に集中したが、全般に分散傾向が強まったのが特徴。乗車率の最も高かったのは、3日の新大阪行き「タンゴ・ディスカバリー16号」の171%と、京都行き「タンゴ・エクスプローラー4号」の129%。駅別の乗降客では、天橋立が1万5100人で3%減、木津温泉が2650人で8%減だった。(朝日新聞)
■大阪の助成殺害容疑者 電車で遺体を運ぶ 正月三が日 神社の参道通り
 大阪市生野区の飲食店経営木下栄子さん(79)が奈良県当麻町の山中でバラバラの遺体で見つかった事件で、大阪府警生野署捜査本部に強盗殺人容疑などで逮捕された無職石田芳夫容疑者(51)が、8日までの調べに対し「自宅から電車を乗り継ぎ遺体を運んだ」と供述していることが分かった。
 遺体が発見されたのは同町加守にある神社の境内奥の雑木林。数ヵ所に分けて穴を掘り、埋められていた。石田容疑者は「正月三が日に毎日現場に通って遺体を埋めた」と供述しており、捜査本部は同容疑者らが初もうでの参拝客に紛れて遺体を運んだとみて、足取りの裏付けを進めるとともに、まだ見つかっていない遺体の一部の発見を急ぐ。
 これまでの調べでは、石田容疑者は内縁の妻の岡畑千鶴子容疑者(53)=逮捕と昨年12月30日、木下さん方で木下さんを殺害。翌31日に切断し、いったん港区の自宅に移した後、1月1日から3回に分けて遺体を運び埋めた疑い。
 供述によると、運んだのはいずれも日中で、遺体の入った袋を持ってJRと私鉄を乗り継ぎ当麻町まで行き、神社の参道を通って雑木林まで運び込んだ。2人はいずれも運転免許を持っていなかったという。(京都新聞 夕刊)
9日■整備新幹線の3区間 本年度着工が確実 運輸省が収支効果 採算見込める
 運輸省は8日、東北、北陸、九州の整備新幹線3線の新規着工区間について、新青森−八戸など3区間すべてで採算性が見込めるとの収支改善効果をまとめた。9日に開かれる政府、与党の整備新幹線検討委員会に示す。
 着工に向けて最も重要な条件がクリアされたことで、同日の検討委の議論は3区間の本年度内着工の方向で一致とすることが確実となった。区間ごとの事業費は与党の要望を受け10億円ずつ配分される見通しだ。
 収支改善効果は新幹線区間と関連線区の収支から、新幹線を建設しなかった場合の並行在来線と関連線区の収支を差し引いた数値で、プラスとなれば黒字が見込めることを意味する。
 運輸省の試算によると、東北新幹線新青森−八戸(需要予測1日1`当たり7500−8000人)が、開業20年で年間70億−90億円。北陸新幹線長野−上越間(同3000−3500人)が同0−2億円、九州新幹線船小屋−新八代(同1万5000−1万6000人)が同50億−60億円と3区間ともに改善効果が見込める結果となった。
 着工の条件の一つであるJR各社の同意に関しては、JR東日本が長野−上越についてこれまで難色を示していたが、与党が「北陸までの延伸を配慮し、引き続き検討する」としたため、最終的には同意するとみられる。
 九州新幹線より需要が少ない東北新幹線の方が収支改善効果で上回ったのは、JR九州が経営コストのかかる並行在来線を分離せず存続させる意向のためだ。
 また同省は地元経済への波及効果についても試算。開業後30年間の累積で新青森−八戸が3兆6000億円、長野−上越が2兆7000億円、船小屋−新八代が7兆7000億円に上るとしている。
 検討委はこうした試算から着工の条件が満たされたと判断。さらに昨年末に与党が合意した@本年度内に3区間を着工するA本年度予算の新規着工分30億円を10億円ずつ配分する−などの内容に沿い3区間着工を決定する段取りだ。(京都新聞)
■「朝焼け」イメージ JR西日本・東海 新型寝台特急電車 デザイン決まる
 JR西日本とJR東海が共同開発、今夏に登場する新型寝台特急電車の外観デザインが、このほど決まった。旧国鉄時代のブルートレインがつくった「夜」のイメージを一新、ワインレッドとベージュを基調した配色で「朝焼け」の雰囲気を演出した。ユニークな外観は、民営化後、初の新型寝台車両となるため、これまでの寝台列車の印象をぬぐい去ることを狙った。車体側面には、金色のラインが水平に走っており、軽快でスピーディーなスタイルにも仕上がっており、鉄道ファンの人気を集めそう。
 新型寝台は、東京と高松、出雲の2方面を結ぶ寝台特急「瀬戸」と「出雲」の後継車両として、ことし7月ごろに投入する。寝台は全室個室、座席でも横になれるように設計するなど、多様なニーズにこたえる工夫がこらされている。第1号は3月中に完成する。運行計画は未定。(京都新聞)
■チンチン電車がんばるA 長崎電気軌道 他都市の廃車再利用 全国一安い運賃100円
 「何で行くと?」
 「通がこんどるけん。電車に乗るばい」
 長崎市民の会話に登場する「電車」は、長崎電気軌道のチンチン電車のこと。「安い、早い、便利」と三拍子そろった市民の足として、路線バスやタクシーに負けない人気を誇り、国際観光都市ナガサキの「顔」になっている。
 「運賃は均一の100円。全国の路面電車の中で最も安い。今どき、缶ジュス1本より安いなんて、信じられないでしょう。『電車』は長崎市民の自慢の種です」
 「長崎路面電車の会」副会長の鮫島広さんは、1984年の値上げ以来、100円に据え置かれている運賃にこう胸を張った。
 チンチン電車が長崎市民に愛されているのには、ちょっとした訳がある。
 市の中心部は四方を山と海に囲まれ、その7割が斜面地だ。バスやタクシーの進入できない狭小な地区が多く、車庫スペースの確保も難しい。「マイカー保有率は2世帯に1台という低水準」(長崎市交通政策課)にとどまり、車のメリットは小さい。さらに、市内を走る幹線道路は1本。片側2車線でバスレーンはなく、朝夕には交通渋滞が発生。タクシー運転手がチンチン電車への乗車を勧めることが珍しくない、という独自の交通事情がある。
 「長崎市の地熱が『電車』の生き残りに有利に働いたのは確か。11.5`の営業路線は、市民の生活密着地域と観光名所をカバーし、利用価値は高い。何よりも、経営努力で実現した『運賃100円』の効果は絶大」と長崎電気軌道の佐藤竜太郎常務。
 その経営努力の中でユニークなのは、他都市で廃車になったチンチン電車を安く買い入れ、リサイクルしてきた点だ。「リサイクル車は新造車の導入に比べ半分の経費で済む。今後、路面電車の人気が高まると、廃車も手に入りづらくなるでしょうね」と佐藤常務は少し心配顔だ。(京都新聞)
■3区間の年度内着工で一致 整備新幹線検討委
 整備新幹線の新規着工区間の優先順位を協議する政府、与党の整備新幹線検討委員会は9日、首相官邸で10回目の会合を開き、東北、北陸、九州の3区間について1997年度内に着工し、区間ごとの事業費はそれぞれ10億円とすることで一致した。
 この席で運輸省が示した「3区間すべてで収支採算性が見込める」とする収支改善効果の試算などを踏まえた判断で、検討委は沿線自治体やJRの同意を得て、月内に開く最終会合で正式決定する。(京都新聞 夕刊)
■整備新幹線 政府・与党検討委 3区間の年度内着工確認 「収支改善効果」理由に
 政府・与党整備新幹線検討委員会は9日朝開いた会合で、新規着工を検討している東北(八戸−新青森)、北陸(長野−上越)、九州・鹿児島ルート(船小屋−新八代)の整備新幹線3線3区間について今年度中に着工する方針を確認した。この日公表した、3区間が開業した場合の在来線の収支なども含めた「収支改善効果」が、現在の在来線だけを運営するより向上すると見込まれるため、検討委は「着工に向けての最重要条件が満たされた」と判断した。新規着工費として3区間に10億円ずつ配分する。
 来週中に、着工に向けて経営主体となるJRの同意と、並行する在来線を経営分離することなどについての地元自治体の同意を正式に取り付け、20日前後に開かれる次回の検討委で、3区間の年度内着工を正式決定する見通しだ。
 収支改善効果は、開業する区間の収支と、関連する線区の収支、さらに開業にともなって切り離す並行在来線の赤字解消分を足し合わせ、現行の在来線を経営しているより収支が良くなるかどうかを試算する。開業20年後で、八戸−新青森(需要予測1日1`当たり7500−8000人)は年間70億−90億円、長野−上越(3000−3500人)は0−2億円、船小屋−新八代(1万5000−1万6000人)は50億−60億円、今より収入が良くなる。
 長野−上越間を経営するJR東日本は、当初建設に同意していなかったが、与党が「北陸までの延伸に配慮し、引き続き検討する」と決めたことを受け、同意に転換する方針だ。これで、地元、JRはすべて同意することになり、着工への障害は取り除かれたことになる。
 政府・与党は1996年末に「線区ごとの収支採算性の見通し、在来線の経営分離についての地元の同意、JRの同意」など基本条件が満たされれば着工することを申し合わせていた。
・またバラマキ論理で見切り発車
解説 整備新幹線三区間の年度内着工の方針が確認され、新規着工問題は1年以上の時間をかけてようやく結論を得ることになった。しかし、1996年末の政府・与党合意では「優先順位に従い着工するとともに事業費の配分を行う」となっていたのに、ふたを開けてみれば、収支改善効果に大きな差がある3区間を同列に扱い、事業費配分も同額という横並び決着となった。
 「数字の違いだけで、三つの地元に差をつけるわけにはいかない」(自民党幹部)という、公共事業のバラマキの論理がまたもやまかり通り、「政治新幹線」の汚名から抜けきれなかった。
 たとえは、長野−上越間の工事費は3000億円。それに対し、年間の収支改善効果が最大で2億円程度という数字が、着工にゴーサインを出すにふさわしいものかどうか、真剣に議論した形跡は全くない。
 開業時期が未定であることや、工事費が当初見込みより膨れ上がる例が多い新幹線建設につきまとう財源問題など、クリアしなければならない課題を積み残したまま、収支改善効果や経済波及効果を頼りに、着工を見切り発車したと批判されても仕方がない。(経済部・畑川 剛毅)(朝日新聞 夕刊)
■雪に泣く首都 線路をゾロゾロ 満員電車、缶詰め数時間 JR東海道線 2`進むのに6時間半も
 関東甲信地方で8日午後から降り出した大雪は9日朝までにほとんどの地域であがった。最大積雪量は、東京15a、横浜20a。雪国ではたいしたことのない積雪だが、家路を急ぐ勤め帰りのサラリーマンの足を直撃した。夜どおし、すし詰めの車内に閉じ込められ、いらだつサラリーマンたち。気分が悪くなって車内で泣き出す妊婦もいた。
 JR東海道線の川崎−横浜駅間では、8日夜から9日未明にかけて、計4本の電車が立ち往生し、乗客約4000人が数時間にわたって缶詰め状態になった。約2`を進むのに6時間半かかった電車もあった。
 横浜市西区の会社員、大井純子さん(25)がJR川崎駅で東海道線の普通電車に乗ったのは8日午後10時ごろ。「今乗らないと、次の電車はいつになるか」と急ぐ乗客を、駅員が背を押して詰め込んだ。
 動き出してから3分後、電車が止まった。車内のあちこちで携帯電話の呼び出し音が鳴った。帰りを心配する家族からの電話だった。
 日付が変わり、込み合う車内は、いらだちが募った。「いいかげんにしてよ」と20歳代の女性が叫んだ。「駅でタクシー券だけはもらおう」と、中年のサラリーマンがみんなに呼びかけた。午前1時過ぎ、20代のスーツ姿の男性が非常用のドアコックを使ってドアを開けた。「よくやった」と声が飛ぶ。我も我もと80人近くが降りた。
 午前2時、20代の妊婦が突然泣き出した。「おなかが痛いんです」。周りの人がコートをかけたり、タオルを持ち寄ったりした。車掌が乗客の携帯電話で救急車を呼んだ。乗客5人ほどが手助けして妊婦を救急隊員の担架に乗せた。
 「買い出し行ってきます」。サラリーマン風の男性が停車中の電車から飛び降り、コンビニエンスストアヘ走った。戻った男性が両手にぶらさげたポリ袋には、缶ビールとおにぎりが詰まっていた。10人ほどで分け合って食べた。
 JR東日本によると、電車の立ち往生が続出した原因は、架線から集電するパンタグラフが雪の重みで下がったためという。
 東海道新幹線は9日も朝から東京−三島間で徐行運転をした。JR東海のまとめによると、午前中だけで上下76本が最高53分遅れ、約6万7000人の足が乱れた。徐行運転による遅れは夕方まで続く見込みという。(朝日新聞 夕刊)
10日■郷愁誘うプレート並ぶ 梅小路蒸気機関車館 写真や模型添え展示
 蒸気機関車の所属機関区を示す区銘板を集めた資料展「プレートで見る蒸気機関車」が、下京区の梅小路蒸気機関車館内の資料展示館で開かれている。古びたプレートの数々が、同館で保存中の機関車の現役時代をしのばせている。
 区銘板は、運転室の窓枠の下に取り付けられたもの。自動車で言えばナンバープレートにあたり、鉄やガラスなどで造ったA5版ほどの板に所属機関区の頭文字が書かれている。
 展示しているプレートは47枚。「ハチロク」の愛称で親しまれ、大正時代の旅客用機関車だった8630号機と、1932年に製造された小型軽量機関車C11 64号機が使用したものが中心。梅小路を示す「梅」や鹿児島の「鹿」、熊本県・人吉の「人」などの文字が、半世紀以上もの間、全国を転々としながら走り続けた2台の歴史を伝えている。
 懐かしい現役時代の写真22枚や模型7点も添えられ、訪れる市民らの郷愁を誘っている。3月1日まで。月曜休み。有料。(京都新聞)
■チンチン電車がんばるB 高知・土佐電鉄 全国から視察が相つぐ 行政と世論の支持訴え
 「私が入社した30年前、会社の幹部でさえ『(路面電車は)あと10年もたない』と言っていた。客も何だか白い目で私たちをみているようでつらい思いをしました」
 高知市の路面電車、通称「とでん」の呼び名で親しまれる土佐電鉄の電車課長・石元茂さんは振り返る。
 「でも、モータリゼーションが行き詰まり路面電車が見直されたヨーロッパの流れが、必ず日本にも及ぶと信じてきました。当時、社内ではだれも信じてくれなかったけど」とも。
 土電の歴史は古い。開業は1904(明治37)年5月。京都や大阪などに続いて全国11番目だった。戦後、各地の路面電車は自動車交通の波にのまれ、次々と姿を消した。土電はとうとう、営業運転している路線の中で最古参となった。
 「四国山地のために高知は地理的に狐立しており、土電はすべてを自前で作る技術を持たざるを得なかった」(石元課長)。その技術力を背景に、土電は生き残った。
 90年代、欧州の電車を相次いで移入した際の改造にも、この技術力が生きた。今ドイツ、ポルトガルなどの電車が市内を走り回り、町のアクセントに。
 それでも経営的には大変苦しい状況が続く。年間乗降客数はピーク時(48年)の4分の1以下、780万人に落ち込んだ。減少に歯止めはかからない。
 土電の市民応援団「電車を愛する会」の代表、小椋克己さんは「欧州では行政が町づくりの中にしっかり路面電車を位置づけている。そして、それを支える市民がいる。車両だけでなく、そうした動きをそのまま高知に持ってこれれば」と、行政と世論の支持を訴える。
 二酸化炭素排出削減の流れの中で、今ようやく路面電車見直しの機運が高まる。土電にも全国から視察が相次いでいる。石元さんは「ようやく重い扉が一つ開いた」と目を輝かせた。(京都新聞)
11日■無人バスで旅客輸送 トヨタ 新システムを開発
 トヨタ自動車はこのほど、高度道路交通システム(ITS)技術の応用で一定のルートをバスが無人走行する新交通システムを開発したことを明らかにした。2005年に開港予定の中部新国際空港(愛知県常滑市沖)内での採用を視野に、国内外の自治体などからの受注活動にも力を入れていく。
 同システムは専用レーンが必要だが、既存の道路を利用でき、レーンの幅も運行するバスの車幅程度で済むという。新たにルートを敷設する場合でも、設備投資は鉄道の3分の1で維持管理費や人件費を抑えられるのが最大のメリットだ。エンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッド方式や電気自動車などクリーンな低公害バスを使用、道路のこう配やカーブなどルートのデータを記憶したナビゲーションシステムを組み込んだコンピューターが運行する。路面やバスのセンサーが感知する路面の状態や障害物、先行車との車間距離といった情報に基づいて速度などを自動制御する仕組みだ。
 それぞれの車間距離を数十a程度にまで隣接させて増車、列車のように縦列走行することも可能で大量輸送にも対応できる。軌道が不要なことからきめの細かいルートの設定、変更も容易という。
 最寄り駅から旅客ターミナル、搭乗デッキなどへと、短時間での旅客の大量輸送が必要な空港や、一定の地域内を循環する公共交通のほか、無人トラックによる物流システムへの応用なども可能としている。
 ITS事業を統括する中川哲トヨタ常務は「ニュータウンを開発したいが、巨額の初期投資が必要な鉄道までは引くことができないといった自治体に最適。地方の発展に寄与するこれからの交通システムの本命にしたい」と話している。(京都新聞)
■チンチン電車がんばるC 函館市電 術並みに映える車体 経営難で維持に懸命
 カタタン、コトトン。心地よい振動に身を任せていると、気持ちまで穏やかになる。北海道函館市のメーンストリートを走る市電の中は、ゆったりとした空気が流れていた。
 つえにすがった老婦人が、ゆっくりステップを下りる。「気を付けてね」。運転士が声をかけた。後ろに続く乗客も気長に待っている。
 函館の路面電車の歴史は古い。1922(大正2)年以来、市民の足として親しまれてきた。明治大正期の面影が残る街並みに映え、観光客の人気も高い。市郊外への路線延長の要望も出ている。
 しかし経営は苦しい。64年をピークに慢性的乗客減が続く。マイカーの普及に、市中心部の人口減少が追い打ちをかけた。93年までに、路線の4割近くをカット。残るは約11`だ。
 「寂しいです。函館から電車をとったら何が残るんですか」。高島勝子さんは語気を強める。44年から終戦にかけ、徴兵された男性に代わって運転士を務めた。89年、当時の女性乗務員が集まり、高島さんを会長に「チンチン電車を走らせよう会」を結成、古い電車の復元運動を始める。
 道外にも支援の輪が広がり、93年夏、除雪車に改造されていた明治期の客車を元の姿に戻した「函館ハイカラ号」が走り始めた。会では第2号実現に向け活動中だ。
 利用者を増やそうと、市交通局も懸命だ。市電と市バスの乗り継ぎ割引。カード乗車券や一日乗車券などの発売。カラオケ電車の運行。道内外の小中学校に、修学旅行の誘致にも出掛ける。スポンサーに車体の塗装デザインを任せ、広告料を得る「カラー電車」も23年目に。
 「路面電車は高齢者や環境に優しい市民の足。営業努力で守り続けたい」と市交通局営業課の伊藤郁夫企画係長。
 雪の函館は寒い。停留所で震えていると、のろのろと地をはうような車の群れを切り裂いて、無彩色の中にカラフルな市電が浮かび上がる。心がほっと温まる。頼もしいね、チンチン電車。(京都新聞)
■福島交通グループ4社 所得隠しなど6億円 仙台国税局 3億円を追徴課税
 小針美雄前社長が解任された福島交通、福島民報など福島交通グループ4社が、小針社長時代に3年間で計6億円余の申告漏れや所得隠しをしていたとして、仙台国税局が重加算税を含めて3億円余を追徴する処分をしていたことが、10日分かった。
 処分を受けたのは、福島民報、ラジオ福島、福島交通、福島交通観光の4社。関係者によると、同国税局は昨春、4社の過去3年分の申告内容について調査した結果、4社では、小針社長の海外旅行や高額な飲食費約2億円を必要経費として申告していたという。また、グループの東京営業所の運転手らが社長の私用にも使われており、これらの経費は源泉所得税や法人税の対象になると判断した。
 福島交通グループは、「東北の政商」と言われた故小針暦二氏が築いた。暦二氏の死後に長男の英雄氏が継いだが、昨年12月、「経営方針について社長と役員に考え方の相違があった」として解任されている。福島交通の岡本正蔵社長は「国税当局から指摘があったことは事実。経費の処理の仕方について見解の相違もあり、現在、調整を進めている段階だ。額などが確定すれば適正に対応するが、まだそこまではいっていない」と話している。(朝日新聞)
12日■上越、長野新幹線 列車22本が運休 架線にビ二−ルひも
 11日午前7時半ごろ、埼玉県岡部町の上越新幹線熊谷−高崎駅間の上り線の架線にビニールのひもが引っ掛かっているのを下り列車の運転士が見つけた。
 連絡を受けた上り列車の運転士が現場付近に列車を止めてビニールひもを除去、約1時間後に運転を再開した。このため上越新幹線が上下11本、長野(北陸)新幹線も上下11本の計22本が運休した。また上越新幹線13本、長野新幹線7本の上下計20本に最大約1時間の遅れが出て、約1万4000人に影響が出た。(京都新聞)
■チンチン電車がんばるD 愛知・豊橋鉄道 市民が復活を支援 延伸工事が始まる
 ダッ、ダッ、ザーザー。掘削機の昔とショベルカーが土をすくう音が交互に響く、愛知県豊橋市のJR豊橋駅前。今年3月の完成に向け、豊橋鉄道市内線の延伸工事が真っ最中だ。
 伸びる距離はわずか150b。同線駅前停留所をJR豊橋駅の駅前広場まで延ばし、JR利用客の乗り換えを便利にしようというもの。しかし全国の路面電車ファンからは「路面電車復活に向けた象徴的な意味がある」と、大いに注目されている。
 延伸実現の背景として、電車存続と発展のために活動を続けてきた市民団体「とよはし市電を愛する会」の役割は欠かせない。
 同会は、自動車の排ガス問題の解決に路面電車を軸にした街づくりなどを提唱して7年前に結成。以来、募金活動や子ども電車の運行、レトロ電車の車体の塗り替え、市電唱歌の制定など多くのイベントを主催。市、県や同鉄道と歩調を合わせ、駅の屋根の設置や分離帯の整備などさまざまな事業を推進してきた。「延伸が実現して、われわれの運動にもやっと展望が見えてきた感じですね」
 こう語るのは、同会副会長伊奈彦定さんだ。「欧州では路面電車が復活した。高齢化、都市環境、建設コストなどを考えると、公共の足として路面電車の役割はますます重要になるのでは」
 次の目標として会が掲げているのが、低床電車の導入と郊外にある市民病院までの新線建設だ。「新線を是非という声はかなり強いし、具体化に向けて市、鉄道会社に働きかけたい」と伊奈さんらは意気込む。
 さらに”夢”は公設民営での運行へ、と膨らむ。豊橋鉄道側も「市電を生かした街づくりを、さらに市に要望していきたい」と、会のビジョンに期待する。
 全国の路面電車愛好団体が集う「第四回路面電車サミット」は、来年同市での開催が決まっている。=おわり(京都新聞)
■関西経済同友会 代表幹事に南谷JR西社長
 関西経済同友会は12日、鳥井信一郎代表幹事(サントリー社長)に代わり、次期代表幹事に南谷昌二郎西日本旅客鉄道(JR西日本)社長を選任する人事を発表した。5月の定時総会で正式決定する。任期は2年間で、小林幹司代表幹事(日本生命保険副会長)とともに関西経済の復権へ向け活発な意見提言などに当たる。
 南谷氏は「当社は関西を中心とした西日本で営業していることからも財界人として少しでも地域へ恩返ししたい」と抱負を述べた。
 南谷 昌二郎氏(なんや・しょうじろう)東大経済学部卒、64(昭和39年国鉄入社、国鉄職員局労働課長、JR西日本取締役、常務、専務を経て耶(平成9)年4月から社長。56歳、名古屋市出身。(京都新聞 夕刊)
13日■騒音環境基準達成は46% 長野新幹線
 環境庁は12日、昨年10月に開業した長野(北陸)新幹線沿線の騒音測定結果をまとめた。国が定めた新幹線騒音の環境基準を達成したのは調査24地点のうち、11地点(約46%)にとどまっており、同庁は住宅防音工事の推進や宅地開発の抑制などを運輸、建設両省と沿線の長野、群馬両県に要請した。
 環境基準には住宅地域が70デシベル以下、商工業用地域が75デシベル以下の2つある。県知事が地域の土地利用に応じ基準を設定し、新幹線開業時に達成するよう求められていた。
 測定は沿線で基準が設定された代表的な24地点を選び、昨年10月に実施。群馬県では住宅地域の6地点すべてが未達成で、商工業用地の3地点はすべて達成した。長野県では住宅地域の14地点のうち半数で達成、1地点だけだった商工業用地は達成した。
 両県合わせた環境基準達成率の約46%は、東海道の16%、山陽の10%(いずれも1985年測定)、上越と東北の16%(87年測定)に比べ高かった。環境庁は「車両の改善など音源対策が進んできた成果だが、まだ改善の余地がある。新幹線沿線での住宅開発を抑えたりするなど、土地利用を考えてほしい」としている。(京都新聞)
■ストップ・ザ・列車事故 再発防止へ世界に学ぶ 官民連携の取り組みなど 信楽鉄道事故の関係者 オランダの会議出席へ
 信楽高原鉄道事故の遺族や学識者でつくる「鉄道安全推進会議」(事務局・京都市右京区、臼井和男会長)のメンバーが、来月にオランダで開かれる国際運輸安全連合(ITSA)主催の第2回運輸安全世界会議にオブザーバーとして一般参加することを決め、準備を進めている。
 参加するのは、副会長の安部誠治関西大学教授や事務局長の佐藤健宗弁護士、秋田真志弁護士の3人。
 国際運輸安全連合(本部・オランダ)は、事故の情報や調査方法を共有して再発防止に役立てるのを目的に1993年に発足した。運輸省などから独立した事故調査機関を持つ米国やカナダ、ニュージーランド、スウェーデンなど7ヵ国の連絡組織となっている。
 世界会議は2月18日から20日までの3日間、オランダ・デルフト市のデルフト工業大学で開かれる。事故調査機関の役割や安全性を高めるための官民の連携などがテーマで、7ヵ国の関係者が情報交換し論議を深める。
 鉄道安全推進会議メンバーは、ヴァン・ヴォレンホーヴェン国際運輸安全連合委員長ら参加者と懇談するほか、会議の傍聴を通して再発防止の取り組みを学ぶことにしている。
 日本には、航空機の事故に関する運輸省航空事故調査委員会があるが、鉄道や高速道路などの事故調査機関はなく、国際運輸安全連合にも加盟していない。鉄道安全推進会議は、事故時には運輸省も責任を問われることがあるとして運輸事故全体の独立した調査機関の設置を求めている。
 佐藤事務局長は「国際運輸安全連合と交流を深め、日本でも独立した事故調査機関設置の機運をいっそう高めたい。99年上期にはオランダや米国などの関係者を招き、関西で国際シンポジウムを開くことを計画している」と話している。(京都新聞 夕刊)
■平和と養蚕 新駅で表現
 JR西日本福知山支社は、4月から建設する綾部駅の新しい駅舎のデザインコンセプトと、完成予想図をこのほど発表した。
 409平方bの橋上駅と南北の自由通路で構成、駅正面の屋根はハトと繭をモチーフにした曲線で、壁は綾部に伝わる黒谷和紙をモチーフにグレーにするという。自由通路は長さ36.5b、幅5bで、高さ5.3b。南北側にそれぞれエレベーターを一基備える。総事業費約10億7500万円で、市のほかJRが一部員担する。来年秋完成の予定。(京都新聞 夕刊)
14日■エスカレーターとエレベーター設置へ JR草津駅、近く着工
 乗降客が滋賀県内一多いJR草津駅の西口にエスカレーターとエレベーターが設置されることになった。昨年末に、草津市とJR西日本が建設で合意し、今年7月末の完成を目指して、近く着工する。同駅の1日の乗降客は約5万6000人。県内のJR各駅では石山(約5万人)、大津(約3万8000人)などよりも多く、県内一を誇っている。しかし、改札口が2階にあるにもかかわらず、駅の東・西口にはエスカレーターなどがなく、市民の間から設置要望が強かった。
 事業費は約2億4000万円。国、県の補助金約1億900万円を除いた残り全額を市が負担する。(京都新聞)
■窓 お答えします 優先席表示続けます 京都市交通局 整備課長 西村 新一
 先月24日付「優先席の表示廃止に不安」にお答えいたします。市バス・地下鉄では従来から、お年寄りや体の不自由な方の優先席表示をしてまいりましたが、今後も表示は廃止いたしませんのでご安心ください。
 表示の方法ですが、市バスにつきましては平成9年度分の新車から、優先席の表示方法を、シートの色分けによる方法をあらため、より分かりやすい新しいデザインの優先席表示を車内の窓ガラス2箇所に掲示するようにしました。これはお年寄りや体の不自由な方、妊娠されている方、乳幼児をお連れの方など座席を必要とされる方々に、座席の位置に関係なく、どの席でもお譲りいただけるようにしたいとの考えから、このようにいたしました。地下鉄は従来どおりです。
 優先席のご案内につきましては、これらの表示のほか、車内放送にも努めてまいりますので、市バス・地下鉄をご利用の皆さまには、どうかこの趣旨をご理解いただき、譲り合いのこころで気持ちよくご利用いただけますよう、ご協力をお願い申し上げます。(京都新聞)
■コンビニ店をFCで展開へ JR西日本
 JR西日本は13日、子会社のジェイアール西日本リーテックスを通じて、コンビニエンスストアのフランチャイズ(FC)展開に乗り出す、と発表した。同社は駅構内などに85の直営店を持つが、FC方式で大阪市内など都市部での出店に本腰を入れる。
 モデル店は大阪市西区江戸堀にあるオフィスビル1階に開店する。とりあえず、JR側が運営し、1日50万円程度の売り上げのメドが立ったところで、オーナーを募集して、FC1号店とする。来年度末までにあと5、6店を都市部に出店する計画だ。(朝日新聞)
15日■現地説明会の日に臨時快速電車運行 JR西日本
 邪馬台国論争を揺るがす三角縁神獣鏡が出土した黒塚古墳(天理市)の現地説明会が開かれる17、18の両日、JR西日本は沿線の桜井線の奈良−桜井(一部高田)間に臨時快速電車を走らせ、世紀の発見を一目見ようという考古学ファンの足を確保する。
 黒塚古墳は、同線・櫟本駅から東へ徒歩約5分の場所にある。同駅には、奈良方面から30分に1本しか便がないためJR西日本は、午前8時−午後3時台に13往復の臨時快速を投入し、約15分間隔で電車を発着させる。京都駅からは奈良駅で乗り換え、早ければ1時間10分程度で柳本駅に到着できる見込み。
 現地説明会は、両日の午前10時から午後3時まで開かれる。(京都新聞)
16日■トレーラーとJR電車衝突 神奈川、脱線し5人けが
 16日午前8時20分ごろ、神奈川県山北町向原のJR御殿場線の村雨踏切で、立ち往生していた大型トレーラーに国府津発沼津行き普通電車(6両編成)が衝突、先頭車両が脱線した。電車には乗客約600人が乗車し、うち5人が軽いけがをした。(京都新聞 夕刊)
■オウム裁判「わたしは無罪」 松本被告 意味不明発言も
 オウム真理教松本智津夫被告(42)=教祖名麻原彰晃=は16日、東京地裁で開かれた第62回公判で、地下鉄、松本両サリン事件について「わたしは完全に無罪だ。無実です。裁判長も既に無罪を宣告しているのに拘置が続くのは異常だ」と意見陳述した。
 初めて起訴事実の認否を明らかにし、無罪を主張した昨年4月に続く2回目の陳述は、あらためて無実を強調する内容となったが、前回と同様に英語で話したり「釈放された」と意味不明の発言をしたりした。
 この日の意見陳述は殺人未遂罪に問われている地下鉄、松本両サリン事件の重軽症者3938人を18人に絞り込んだ検察側の訴因撤回に伴うもので、阿部文洋裁判長が撤回を許可し、新たな起訴事実に対して認否を求めたのに答えた。
 松本被告の陳述に先立ち、国選弁護団が訴因撤回に対し「異議はないが、内容、形式ともに極めてずさんな証拠だった。今後はあいまいな主張を整理、明確化してほしい」と述べた。(京都新聞 夕刊)
17日■バス経路を変更 京阪宇治交通、京田辺市で 21日からダイヤ改正も
 京阪宇治交通(本社・枚方市)は21日から、京田辺市の北部住宅地と近鉄新田辺駅を結ぶバス路線の経路を変更するとともに、新しいバス停の新設やダイヤ改定を実施する。
 大住ケ丘方面からのバス路線はこれまで、茶屋前から府道(一休寺道、田辺本町)を経由していた。21日以降、往復合わせて1日146本のうち、96本は府道を通らずに昨年11月に開通した市道経由に変更する。
 府道などの渋滞区間やJR片町線の踏切(2ヵ所)を回避し新田辺駅に直行できるため、同社によると、これまで17分以上かかっていた大住ケ丘−新田辺間が10分に短縮されるという。
 さらに、同社は市道に「稲葉」バス停を新設し、茶屋前、JR京田辺両バス停を増設した(一部は昨年から)。新路線を利用するバスのうち昼間(午前10時−午後4時)は、大型スーパー前のロータリーに停車し、通勤時間帯は市道沿いのバス停にとまる。(京都新聞)
19日■ガスボンベ2本 列車66本止める JR関西線線路に
 18日午前5時ごろ、奈良市三条本町のJR関西線で、奈良駅を発車した直後の難波行き普通列車(4両編成)が、線路上に放置してあったプロパンガスのボンベを発見、急ブレーキをかけたが間に合わず、列車下に巻き込んで停止した。乗客2人にけがはなかった。
 JR西日本と奈良署の調べによると、現場は瀬無川踏切近くで、線路のまくら木の上に20`のボンベが横にして置かれ、近くの上り線にも同様に10`のボンベが放置されていた。
 この影響で関西線と奈良−京都間の奈良線で上下合わせて66本が運休、44本が遅れ、約1万7000人に影響が出た。(京都新聞)
■ガスボンベ線路に置く 奈良のJR関西線
 18日午前5時ごろ、奈良市三条本町のJR関西線瀬無川踏切付近で、奈良発難波行き普通電車(4両編成)が下り線の線路上に置いてあったプロパンガスの20`ボンベ(高さ約85a、直径約30a)を巻き込み、緊急停車した。運転士らが調べたところ、上り線にも10`ボンベ(高さ約58a、直径約28a)が立った状態で置かれていた。奈良署は往来危険の疑いで調べている。
 同署によると、ボンベには2本ともガスが入っており、20`ボンベはまくら木と平行に置かれていた。(朝日新聞)
■列車事故!場所? 衛星で瞬時に把握 カーナビの鉄道版 JR西日本 99年度実用化めざす
 人工衛星を使って列車の位置をつかみ、衝突・脱線事故を起こした際、運転指令所に設けた地図画面上に発生場所や列車番号が瞬時に表示されるシステムを、JR西日本が開発している。乗務員の無線連絡に頼っていたのを自動化し、正確な位置の把握を瞬時に可能にすることで、救助・復旧作業の迅速化と二次災害の防止につなげる。3年前の阪神大震災では脱線事故が同時多発し、現状把握に手間取った。事故・災害時の素早い情報収集に加え、列車の位置がリアルタイムで分かるこの機能を応用すれは、大雨や大雪などによるダイヤ混乱時のスムーズな旅客案内も可能になるとして、1999年度の実用化をめざす。
 開発しているのは、複数の人工衛星から電波を受けて自分の位置を割り出す全地球測位システム(GPS)を利用した「列車位置自動検知通報システム」。現在地や目的地への進み方を示すカーナビゲーションの、いわは鉄道版だ。
 事故発生の連絡は現在、運転士や車掌が、運転席の列車無線か、約500bおきにある沿線電話を使って運転指令所に口頭で通報している。これだと、駅の間隔が長い山間部では大まかな位置しか分からないうえ、乗務員がけがをした場合などには、連絡自体ができなかったり遅れたりする。
 自動通報システムは、衛星からの電波を常時受信する装置を各列車に搭載し、衝突・脱線などで大きな衝撃を受けた場合、その位置情報を自動的に発信。各運転指令所に設ける地図画面上に表示して事故発生を知らせる仕組み。同時に、復旧作業を担当する最寄りの保線区からの道路の最短ルートも表示し、現場到着を早める。
 阪神大震災では、JR東海道・山陽線の西ノ宮−須磨駅間を走行していた8本(貨物含む)の列車が脱線した。列車からの通信手段も断たれ、本社の担当者が正確な場所を確認できたのは地震発生から約5時間後だった。同社は「単発の衝突・脱線事故だけでなく、こうした大規模な自然災害でも、早期救助・復旧に有効なシステム」と説明している。
 GPSを使った列車位置検知システムは、自社路線を持たないJR貨物が荷主に対する情報サービスを目的に、一昨年10月から東海道・山陽線を走る車両に導入している。JR西日本は99年度中の一部実用化をめざして、98年度中に開発を終える予定だ。(朝日新聞)
■線路に置き石 電車緊急停車 垂水・JRと山陽電鉄
 18日午後10時40分ごろ、神戸市垂水区西舞子五丁目、山陽電鉄の山田川西踏切で、阪急六甲発姫路行き普通電車(4両編成)が下りの線路上に置かれていた小石をはね、緊急停車した。その直後、北側を並行して走るJR山陽線の西川下踏切でも、西明石発放出行き普通電車(7両編成)が上り線路上にあった小石をはね、緊急停車した。(朝日新聞 夕刊)
■丹後−京阪神に行楽便 JR福知山支社発表 春の臨時列車計画
 JR福知山支社は16日、春の臨時列車(3月1日−6月30日)の運転計画を発表した。今年は5月3日から5日の3連休などに、丹波・丹後の観光地と京阪神を結ぶ行楽列車を運転する。
 京都−天橋立間を結ぶ快速「天橋立ホリデー」を3月21日から5月5日まで、福知山−京都間の特急「たんば4号」を天橋立まで延長し「はしだて80号」として、期間中の土曜・休日に運行。3月1日から6月末まで、「エーデル北近畿」は東舞鶴−福知山間に運転する(下りは土曜・休日に浜坂行き)。
 ゴールデン・ウイーク中は、京都−網野、豊岡−京都間の特急「タンゴエクスプローラー」を、舞鶴線経由で運転する。また、5月中、下旬に予定されている世界的ピアニスト、エルンスト・ザイラー氏の公演時間に合わせて、特急3本を胡麻駅に停車させる。(京都新聞)
20日■除雪中はねられ4人死亡 吹雪のJR東青森駅 通過の臨時列車 通過の臨時列車
 19日午後7時10分ごろ、青森市古館安田のJR東北線東青森駅のホームから東に約100bの上り線路付近で、除雪作業中の同市大野山下、渡辺博さん(73)ら男性作業員4人が、山形県鶴岡駅から青森県三沢駅に向かっていた臨時団体列車=小笠原一連転士(41)、6両編成=にはねられた。
 渡辺さんが即死したほか、病院に運ばれた青森市大野山下、斎藤邦雄さん(69)、同市大野笹崎43、渡辺晴美さん(63)、同市戸山赤坂、斉藤幸雄さん(62)の3人が全身を強く打ち間もなく死亡した。列車の乗客、乗員にけがはなかった。
 青森署で事故原因と、見張りの有無や作業員が臨時列車の通過を知っていたかなど安全管理について、JR側から事情を聴いている。同署は20日午前、実況見分する予定。
 JR東日本盛岡支社などによると、4人はJR貨物の臨時作業員で、ポイントの除雪作業をしていた。19日朝から20日朝までの24時間勤務で、雪が積もると断続的に除雪する予定だったという。
 青森地方気象台によると、事故当時、大雪、風雪などの注意報が出ており、現場付近は風速約8bの風が吹く横殴りの吹雪で、視界が悪い状況だったという。
雪の現場に長靴など散乱 高齢者ばかり夜の作業
 強い寒気の接近で雪が降りしきるJR東青森駅構内で19日夜起きた除雪作業員と列車の接触事故は、作業員4人全員が死亡するという惨事になった。犠牲者は60−70代の高齢者たち。JR貨物の委託を受け夜の作業をこなしていた。安全対策は十分だったのか。家族らは突然の悲報に、駆け付けた病院でぼうぜんとなった。
 現場には死亡した4人のものとみられる長靴などが散乱。雪がぐちゃぐちゃの状態にかき乱されていて、事故のすさまじさを物語っていた。(京都新聞)
■障害者の立場で 僕らが 見た 考えた やさしい駅 大阪の中3ら130駅調査結果発信
 大阪教育大学付属天王寺中学校(大阪市天王寺区)の3年生が、関西のJRや私鉄、大阪市営地下鉄の130の駅について、障害者や高齢者が楽に利用できるかどうかを調べ「障害者アクセスマップIN関西」として、同校のインターネットのホームページに公開した。生徒たちは「調べてみて、いろんなことがわかった」と話す。指導した先生も「全国の学校が同様の調査をしてホームページでつなげは、すばらしいデータベースとなる」と夢を広げている。
 同校では、1990年に廃棄された車いすを修理して再生し、海外の障害者に贈る活動を始め、92年からは技術科の授業として取り組んでいる。今年は3年生全員が上田学教論(41)と神田朋成講師(26)の指導で、車いすで実際に街に出てみたり、目かくしをして歩いてみたりして、障害者の立場にたった優しい街について考えた。2学期から約25台の廃棄車いすを修理し、フィリピンとベトナムに贈った。上田教諭は「モノを作った人、使う人の意図や目的を生徒に知ってほしい」と言う。
 夏休みには、全員でそれぞれの自宅近くの駅について、障害者や高齢者にとって使いやすいかどうかを調べ、その結果をインターネットで発信することにした。1人が一つの駅を担当、トイレ、スロープやエレベーターなど車いす用の設備の有無、点字の表示、放置自転車の状態などを調べて写真に撮り、感想を書いた。
 集まったのはJR39、近鉄35、南海20、京阪8、阪神2、阪急1、大阪市営地下鉄・北大阪急行25の計130の駅。
 調査はすべてがスムーズだったわけではない。親切に応対してくれた駅がある一方で、駅員から「そういうことをしてくれては困る」と言われた生徒もいた、という。一部の電鉄会社からは「公開を防げるものではないが、公開前に一度見せてほしい」との”注文々もついた。このため、各社にはページのコピーを郵送し、ホームページでは、調査は生徒個人の考え方や感性に頼った主観的なものであることを明記したうえで、広く意見を求め公開した。
 地下鉄の駅を調べた辻教子さんは「自分で調べた後は、施設が障害者や高齢者に使いよいものかどうか気になるようになった」と話す。また、JR芦屋駅を調べた家鋪将之君は「ぼくたちの調査が、多くの人の助けになればうれしい」と話している。(朝日新聞)
■最新700系新幹線 関西にお目見え
 東海道・山陽新幹線の次世代車両としてJR東海とJR西日本が共同開発している「700系」の第1号車(16両編成)が19日深夜、走行試験のため新大阪駅に初めて乗り入れた。昨年10月の完成後、静岡−浜松駅問で基本性能試験を続けていたが、この日から米原−京都駅間でも走行試験に入った。(朝日新聞)
■駅除雪の4人死亡 吹雪の青森 列車はねる
 19日午後7時10分ごろ、青森市古館のJR東北線東青森駅構内で、線路の除雪作業をしていた同市大野渡辺活さん(73)ら臨時作業員4人が、山形県・鶴岡発八戸行きの団体臨時列車=小笠原一連転士(41)=(6両編成、167人)にはねられた。渡辺さんは即死状態で、ほかの3人も病院に運ばれたが間もなく死亡した。
 青森署によると、死亡したのは渡辺さんのほか、青森市大野、斎藤邦雄さん(69)▽同市大野、渡辺春美さん(63)▽同市戸山、斉藤幸雄さん(62)。
 青森地方気象台によると、事故当時は風速7.4bで、大雪、風雪注意報が出ていた。
 駆けつけた救急隊員によると現場はかなりふぶいており、見通しは悪かったという。(朝日新聞)
■民営化での全動労配属 不当労働行為と認定 JR西日本へ救済命令
 国鉄の分割・民営化の際、組合員91人が鉄道業務から駅売店の業務などに配属されたのは組合差別として、全国鉄動力車労働組合(全動労)西日本地方本部(福岡孝洋委員長)が起こした不当労働行為救済申し立ての再審査で、中央労働委員会は20日、JR西日本の不当労働行為を認定する救済命令を出した。
 分割・民営化時の配属差別をめぐっては、国労組合員の救済を命じる3件の中労委命令が出ているが、全動労についての救済命令は初めて。命令はJR西日本に対し、退職者などを除き、あらためて公正な方法で配属を見直すよう求めている。
 命令書によると、91人は旧国鉄時代、運転士や車両技術係などだったが、1987年4月1日のJR発足で、JR西日本が経営する駅売店店や喫茶店などに配属された。こうした職場への配属は、同社近畿圏運行本部エリアでは全動労組合員の42%に上り、鉄労、動労の各3%と比べても高く、全動労の弱体化を狙った支配介入で不当労働行為に当たると認定した。
 大阪府地方労働委員会は89年12月、全動労側の申し立てを認める救済命令を出し、JR側がこれを不服として中労委に再審査を申し立てていた。(京都新聞 夕刊)
■架線停電でJR乱れ 通勤客ら8万人影響
 20日午前7時58分ごろ、JR東海道線尼崎−大阪間の上り線の架線が停電、同区間を走っていた列車3本が停車し、約30分後に運転を再開した。
 JR西日本によると、東海道線に接続する山陽、福知山、東西、片町線などにダイヤの乱れが波及し、上下計24本が運休、上下計78本に最大32分の遅れが出て、通勤時の約7万9000人に影響した。停電区間を走っていた回送列車の電気系統が故障したのが原因とみられる。(京都新聞 夕刊)
■全動労91人の救済命令 中労委 JR西日本配属差別
 国鉄の分割・民営化の際に、JR西日本で全動労傘下の西日本地方本部所属の組合員91人が配属差別を受けたとする再審査申し立て事件で、中央労働委員会(中労委)は20日、組合員を本来の職務へ復帰させることなどを会社に命じた。
 命令書によると、近畿圏運行エリアにおいて、全動労の組合員は42%が運転や車両技術など本来の職務から、売店などへ配属させられた。一方で同様の異動になったのが、動労や鉄労の組合員は3%だった。
 このため中労委は、この配属を「全動労組合員であることを理由にした不利益扱いで、全動労の弱体化を図った支配介入にもあたる」とし、労働組合法違反の不当労働行為であると指摘した。91人については、すでに本来の職務に復帰したり退職したりした人を除いたうえで、改めて配属を公正に見直し、「復帰すべきと判定した者」を本来の職場・職種に相当する職務に戻すよう命じている。
 全動労西日本は「会社は命令に従って速やかに配属を是正するとともに、過去の非を認めて組合に謝罪すべきだ」と見解を発表。一方、JR西日本は坂田正行人事部長名で「命令は事実を誤認し、誤った判断をしており、到底承服しかねる。今後の対応は命令の内容を十分検討して決める」との談話を出した。(朝日新聞 夕刊)
■JRが停電8万人影響 尼崎−大阪間
 20日午前7時58分ごろ、JR東海道線尼崎−大阪駅間の上り外側線が停電し、同区間を走行中の新快速など2列車が立ち往生した。約30分後に運転を再開したが、東海道線のほか尼崎駅で接続する福知山線、東西線でも列車のダイヤが乱れ、計24本が運休、78本が最高32分遅れ、通勤客ら計約7万9000人に影響した。
 JR西日本によると、立ち往生した2列車のうち、大阪駅発の特急「雷鳥5号」となる回送電車(9両編成)に一時的に過電流が流れ、これが原因で架線が停電したらしい。(朝日新聞 夕刊)
21日■ポートライナー 高架上で止まる
 20日午後3時4分ごろ、神戸市中央区の神戸新交通ポートアイランド線(ポートライナー)の貿易センター−三宮間で、高さ約10bの高架上を走行中の上り電車(6両編成)が三宮駅の手前約50bのところで突然停止した。自動運転から手動運転に切り替えたが、運転を再開できなかったため、乗客約150人は24分後に先頭車両から幅50aのコンクリート製の軌道上に降り、職員の誘導で三宮駅まで歩いた。電車は午後3時53分に運転を再開した。(朝日新聞)
■東北、九州を優先 整備新幹線検討委が決定 事業費配分へ
 政府、与党の整備新幹線検討委員会は21日、首相官邸で会合を開き、整備新幹線新規着工3区間の優先順位について、東北新幹線八戸−新青森と九州新幹線(鹿児島ルート)船小屋−新八代の2区間を1位とし、北陸新幹線長野−上越を2位とすることを正式に決めた。今後、この順位に従って各区間に事業費が配分される見通し。
 新規着工区間以外の北海道新幹線や九州新幹線長崎ルートは「駅、ルートの公表を速やかに行う」とし、計画を一歩進めることにした。「検討委における検討結果」として同日公表した。
 検討委は当初、3区間の優先順位は収支改善効果や投資効果を基に判断するとしていたが、試算の結果、収支効果は八戸−新青森、投資効果は船小屋−新八代がトップとなったため「両区間に差を付けられない」として同列に扱う。
 検討結果はまず、この日出された並行在来線の経営分離についての沿線自治体とJRの同意を踏まえて、新規着工3区間について「収支採算性など基本条件が確認されたため建設に着手する」とした上で、事業費は「優先順位に従い配分する」と明記。ただ、既に新規着工分として30億円が計上されている1997年度は各区間に10億円ずつ配分し、3区間とも97年度内に着工することにした。(京都新聞 夕刊)
■整備新幹線 東北・鹿児島ルート 重点配分 政府・与党検討委 3区間の年度内着工を決定
 政府・与党の整備新幹線検討委員会は21日、最終会合を開き、東北(八戸−新青森、フル規格)、北陸(長野−上越、フル規格)、九州・鹿児島ルート(船小屋−新八代、スーパー特急)の整備新幹線3線3区間について、いずれも収支改善効果が認められたうえ、地元とJRの同意が得られたとして、1997年度内の着工を認めることを正式に決定した。この決定を受け、運輸省は3月半はまでに工事実施計画の認可を行う見通しだ。
 検討委は3区間の優先順位について、開業後10年目の収支改善効果が60億−75億円の八戸−新青森と、40億−50億円の船小屋−新八代を同列の1位、0−1億円の長野−上越を2位とし、優先順位に従って事業費を配分することも決めた。97年度と98年度は、建設費が30億円と制限されているため、3区間に10億円ずつ均等に配分するが、その後は東北、九州・鹿児島ルートに重点的に事業費が配分されることになる。
 北海道(新青森−札幌)、九州・長崎ルート(武雄温泉−新大村)については、97年度内にも駅・ルートを公表し、環境影響評価に着手することを決めた。駅・ルートが決まっていないと、需要や収支改善効果も予測できないためで、将来見通しのための前提を整える意味がある。
 また、北陸新幹線が将来延伸されるのを見越して、富山駅、小松駅、福井駅について、駅の整備事業の調査を始めることも決めた。(朝日新聞 夕刊)
22日■JR東海道線 新快速 さらに速く 最高130`運転へ 京都−草津間 24日から試験走行
 JR西日本は、東海道線を走る新快速電車のスピードアップを図るため、今月24日から1ヵ月間、京都−草津間で試験運転を実施する。最高速度を現在の時速120`から10`引き上げるのが狙い。2年後の2000年春から130`運転を開始する計画だ。
 新快速として使われている電車は「223系1000代」。本来なら時速130`で走る運転性能を持っているが、安全輸送を確保するため、JR西日本は営業速度の上限を時速120`としてきた。
 東海道・山陽本線の米原−網干間に、従来より安全性の高い自動列車停止装置を導入するうえ、電車の横揺れを和らげる新型の緩衝装置が開発され、速度向上が可能になった。
 今回の試験では、同電車の1編成(8両)を用いて、カーブ通過時の速度や緩衝装置の性能を厳しくチェックする。試験時は、最高時速135`を達成する予定。
 130`運転が実現すれば、これまで最短で29分かかっていた京都−大阪の所要時間が2分早い27分に、彦根−大阪間は82分から5分早い77分に短縮できる。(京都新聞)
■8月18〜31日の2週間 東舞鶴〜綾部間を運休 JR舞鶴線の電化工事
 JR福知山支社は21日、JR舞鶴線の電化に伴うトンネル改良工事のため、8月18日から31日までの2週間、東舞鶴−綾部問の全区間(26.4`)を運休する、と発表した。バスが代行運転する。工事による全線休止はJR西日本管内では国鉄時代を含めて初めて。舞鶴市は電化の早期実現のためにはやむを得ない措置としている。
 トンネル工事では地盤を30a掘り下げ、架線を取り付けるようにする。6ヵ所あり、総延長は621b。代行バスは全区間を利用した場合、鉄道の倍の約1時間かかる。停留所は各駅に見合うように設ける。
 京都駅に直通の特急タンゴエクスブローラーだけは宮福線をう回して運転する。(朝日新聞)
■整備新幹線「着工決定」3区間 単独黒字、九州だけ 開業の20年後
 運輸省は21日、年度内の着工が決まった整備新幹線3線3区間の収支改善効果の詳細を発表した。それによると、開業後20年の時点で、東北(八戸−新青森)、北陸(長野−上越)、九州・鹿児島ルート(船小屋−新八代)の3区間のうち、新幹線の単独区間が黒字で、関連線区も含めた全体も黒字になるのは船小屋−新八代だけで、残る2区間は新幹線区間が赤字で、関連線区が黒字になるという構造だ。
 八戸−新青森は、在来線のまま経営していけば、年間113億円の赤字になるが、在来線を分離し、新幹線を開業すると赤字は73億円まで減少する。東北新幹線(八戸−東京)など関連線区の収支の黒字が50億円増えるため、全体として収支が改善する幅は90億円。
 長野−上越は、単独区間だけでみれば、新幹線を開業した方が在来線を維持するより赤字幅は膨らむものの、関連線区の黒字幅がわずかに大きく、収支が2億円改善する。
 在来線を分離しない船小屋−新八代は、新幹線が開業すると、それまで黒字だった在来線が赤字に転落するが、新幹線区間の黒字幅と関連線区の黒字幅が大きく、60億円の収支改善となる。(朝日新聞)
整備新幹線の開業20年後の収支(単位・億円、▲はマイナス、−はなし)
 新幹線区間の収支関連線区の
収支改善
収支改
善効果


未開業開 業
新幹線在来線
東北(八 戸−新青森)▲113▲73▲7350904,600
北陸(長 野−上 越)▲65▲71▲71823,000
九州(船小屋−新八代)2944▲53950604,800
■JR奈良線、高速・複線化 待望の起工式祝う
 JR奈良線の高速化・複線化起工記念式が22日、京都市下京区のホテルで催された。京都府や沿線自治体、住民、JR西日本など関係者が、待望の事業着手を祝った。
 この日、JR京都駅構内で安全祈願祭が行われたあと、記念式に移った。荒巻禎一知事は「奈良線の高速化・複線化がJR西日本の英断で事業着手されることになり、260万府民を代表してお礼申し上げる。高速化・複線化により輸送力の増強や時間短縮が実現し、21世紀を展望した沿線自治体の発展にもつながる」とあいさつ。京都、宇治、城陽など沿線3市4町の首長らとともにくす玉を割り、事業着手を祝った。
 複線化されるのは京都−JR藤森間(5.1`)と宇治−新田間(3.2`)の計8.3`。1969年以来、沿線自治体が、単線で未電化だった奈良線の複線電化を当時の国鉄に要望、14年前に単線電化が実現。複線化着手までは、約30年を要した。
 総事業費は162億6000万円を見込み、2001年の完成を目指している。完成後は、主要駅間の所要時間は、ラッシュ時の快速の場合、京都−宇治間で現行23分が14分に、京都−木津間で同52分が33分に、短縮される。(京都新聞 夕刊)
23日■JR奈良線部分複線化 着手祝い式典 知事や京都市長、出席
 JR奈良線(京都−木津駅間、約34.7`)の部分複線化などの着工を控え、22日、JR京都駅ビル内のホテルで同事業を記念する式典が開かれた。
 荒巻禎一知事や桝本頼兼・京都市長、南谷昌二郎・JR西日本社長ら関係者が出席。沿線自治体や府南部地域鉄道整備促進協議会などが要望してきた複線化工事にこぎ着けたことを祝った。参加した汐見明男・井手町長は「今後も奈良線の全線複線化を目指して要望活動を続けたい」と話した。(朝日新聞)
■朝の近鉄 5万人の足乱れる 踏切事故とポイント故障
 近鉄京都線は23日朝のラッシュの時間帯に、京都市南区の踏切付近で起きた交通事故と奈良市の西大寺駅構内のポイント故障が重なり、ダイヤが乱れて通勤通学などの乗客約1万5000人に影響が出た。
 23日午前7時50分ごろ、京都市南区札ノ辻通西堀川の交差点で、宇治市伊勢田町南遊田、教員平明真理子さん(24)の乗用車と近くの会社員金田利恵さん(26)の乗用車が出合い頭に衝突、弾みで2台はすぐ東側の近鉄京都線の踏切内に入って止まった。通行人が踏切の非常ボタンを押し、接近中の新田辺行きの準急電車が踏切の手前で停止した。駆けつけた人たちが車2台を押して踏切内から出し、準急は約10分後に発車した。平明さんと金田さんは、頭や足に軽いけがを負った。
 九条署が事故の原因を調べている。
 近鉄京都線は、この事故と同日午前7時前に奈良市の西大寺駅構内でポイント故障があった影響で、正午までに上下線130本が5−15分遅れ、他線を含めると約5万2000人の足に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■洛中洛外
 ◇…バス好きの人たちでつくる日本バス研究会(本部・京都市右京区)はこのほど、全国各地のバスの写真を収めたカレンダーを作製した。郷愁を誘うボンネットバスなど12台を紹介している。
 ◇…カレンダーの写真は会員が手分けして撮影した。山間部の村を走るボンネットバスや水田に姿を映しながら走るバスのほか、京都市バスなど、各地の風景に溶け込んだバスが登場する。
 ◇…22年前に結成した研究には現在、北海道から沖縄まで約200人が所属している。昨年、バス同好会と合併したのを機に、10年ぶりにカレンダーを作った。限定1000部、定価は600円。希望者は同会事務センター 030(842)9687へ。(京都新聞 夕刊)
■信号トラブル 近鉄線乱れる
 23日午前6時50分ごろ、奈良市西大寺国見町一丁目、近鉄奈良線大和西大寺駅構内にある車庫出入り口の信号が故障した。信号は約10分後に復旧したが、京都線でも踏切内のトラブルがあり、奈良発難波行き快速急行など奈良、京都、橿原の3線で午前11時までに計244本の電車が10−20分遅れ、朝の通勤客約4万7000人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
24日■あれ!ドア開かずに発車 100b先でバック 山陰線丹波口駅
 23日午後6時20分ごろ、京都市下京区中堂寺南町のJR山陰線丹波口駅で福知山発京都行き普通電車(6両編成)が、ホームに停車後、ドアを開かずに発車した。約100b進んだところで、車掌が非常ブレーキをかけて停車、バックして同駅で客を乗降させた。電車は約6分遅れで発車した。後続電車には影響はなかった。
 JR西日本によると、車掌が最後尾車両の乗務員室内の奥の部分にいたところ、右側にある運転士席のドアが振動で開き、外側からカギ(固定装置)がかかり閉じ込められた。約20秒間の停車時間が過ぎたため、運転士は各車両のドアの開閉が終了したと思い込み、発車したらしい。車掌は、乗客に外側からドアを開けてもらい、運転士席のブレーキをかけたという。
 乗客は約350人で、同駅での乗降客は約40人だった。電車に乗っていた大津市内の会社員(59)は「ホームに停車したが、いつまでたってもドアは開かず、そのまま発車したので驚いた。機械の故障ならともかく、うっかりミスなら許せない」と憤っていた。
 JR西日本広報室は「めったにないケースだが、ドアの開閉を確認してから発車するのが運転士の義務。明らかに運転士のミスであり、乗客に大変ご迷惑をおかけした」と話している。(京都新聞)
■林被告調べ経え 3月2日に求刑 地下鉄サリン実行で初
 オウム真理教元幹部林郁夫被告(51)の公判が23日、東京地裁(山室恵裁判長)で開かれ、昨年10月から続いた被告人質問が終わり、すべての証拠調べを終結した。次回3月2日の公判で、検察側が求刑する。地下鉄サリン事件の実行グループに対する求刑は初めてとなる。
 検察側は林被告が地下鉄事件を最初に自白した調書を証拠申請し「自首」を主張する弁護側と争わない姿勢を示してきたほか、極刑を望まない被害者の遺族も検察側証人として尋問したことなどから、求刑では極刑以外を選択する可能性もあるとみられる。
 林被告の求刑と今年前半にも予想される判決は地下鉄事件にとどまらず、殺人罪で起訴された他の被告に大きな影響を与えそうだ。
 この日の公判では、被告人質問に先立ち、林被告がサリンを散布した千代田線の駅で死亡した営団地下鉄職員の妻菱沼美智子さん(53)が「一生刑務所で罪の償いをしてほしい」と証言した。(京都新聞)
■JR花園駅の自転車駐車場 3月1日にオープン 780台OK
 右京区のJR山陰線・花園駅に、市が建設中の有料自転車駐車場が3月1日、オープンする。自転車730台とミニバイク50台が止められる。
 自転車駐車場ができるのは、花園駅西側の高架下。広さ約1100平方bの敷地に、自動ゲートを設け、自転車用の2段ラックを設置する。建設費約9000万円。
 市は花園駅の高架化に伴い、駅前広場(広場約2600平方b)など周辺一帯を整備しており、自転車駐車場の設置もその一環。全体の整備が完了するのは3月末。自転車駐車場の設置に合わせて、現在、同駅の東側に設けている仮設の駐輪揚(約700台駐車)は2月末で閉鎖する。
 自転車駐車場は市駐車場公社が管理を受け持ち、利用時間は午前5時から翌日の午前1時まで。料金は、自転車が1回150円、1ヵ月定期で一般2700円、学生2500円。ミニバイクは1回250円、1ヵ月定期は一般、学生とも4500円。(京都新聞)
■ドアを開かず発車 バックし6分遅れ JR丹波口駅で
 23日午後6時20分ごろ、下京区中堂寺南町のJR嵯峨野線丹波口駅で、福知山発京都行きの普通列車(6両編成)がドアを開かないまま発車し、約百b進んで非常ブレーキで停止した。いったんバックして乗客を降ろしたが、このトラブルで6分の遅れが出た。
 JR西日本によると、普通列車の運転士がドアの開閉を終えたと思いこみ、発車してしまったという。当時、350人の乗客がいた。(朝日新聞)
25日■JR山陰線遅れる 架線にビニール付着
 24日午後2時55分ごろ、京都府船井郡八木町木原のJR山陰線で、京都発城崎行き下り特急電車が、八木駅と吉富駅間の架線にビニールが付着しているのを発見、停車した。車両に異常がないのを確認して運転を再開したが、吉富駅付近の架線でもビニールが付着していたため、再び停車。次の園部駅まで運行して、パンタグラフの下部にも付着していたビニールを同駅で除去した。
 この事故で、同線の普通電車上下4本が亀岡−園部間を部分運休したほか、同特急の54分を最高に特急や普通計4本が10分以上遅れ、約1500人に影響が出た。(京都新聞)
■京滋、北部に大雪 新幹線など交通機関乱れる
 強い冬型の気圧配置となった日本列島は24日、北陸地方から九州にかけての日本海側を中心とした広い範囲で強風を伴う雪となり、空の便に欠航が出るなど交通機関に影響が出た。京滋北部でも、24日夜から京都府の中丹、丹後地方や滋賀県北部で風雪が次第に強まり、東海道新幹線が京都駅−名古屋駅間で徐行運転している。25日朝にかけ、京滋北部を中心に10−40aの大雪となる恐れがあるため、各気象台は大雪に関する情報や注意報を出して警戒を呼びかけている。
 京都府北部では、24日夕方から山間部で降雪が本格化した。中郡峰山町では午後10時現在で25a、山間部の宮津市上世屋で75a、竹野郡弥栄町野中で65aの雪が積もった。舞鶴市内では午後10時現在で13aの積雪を記録、福知山市内でも12aの積雪となり、国道などで車のノロノロ運転が続いている。雪不足のため、今シーズンはまだ営業日のなかった宮津市の大江山スキー場にも30aの積雪があり、初めて「スキー可」となった。
 京都市内中心部でも午後8時前後から小雪が降り始めた。週末の買い物や食事を楽しむ人たちを震え上がらせ、市中心部も夜半前にうっすら雪化粧した。
 JR東海道新幹線は24日夜、大阪から京都、愛知、滋賀の各府県の雪のため、三河安城−新大阪間で時速170`の徐行運転した。新大阪、名古屋の両駅では列車の雪落とし作業を行い、同日中に上下線計58本に10−23分の遅れが出て、計3万5000人の足が乱れた。25日も始発から徐行運転する。
 道路では、名神高速道路が滋賀県内で50`の速度規制が行われているほか、舞鶴自動車道も全線で50`の速度規制。滋賀県内の北陸自動車道や国道8号、161号でも走行時のチェーン規制が行われている。(京都新聞)
■窓 車内の親切に感謝いっぱい 山城町・前田 幸枝(無職・73)
 先日、主人と2人で南座へ行って、帰りのことです。近鉄丹波橋から西大寺行きに乗りました。ところが座席は満席でした。私と80歳を超えた主人は、体調もよくありませんので、座っておられる女子生徒さんに「済みませんが席を譲っていただけませんか」と言いますと、3人の方が笑顔で気持ちよく「どうぞ」と、立ってくださいました。うれしくて何とお礼を言ってよいやら言葉もありませんでした。そして立った後もニコニコしておられるし、うれしさのあまり車内が急に明るくなったように思え、乗っておられる方々も皆笑顔をなさっておられるように見えました。女子生徒さんらは降りられる時も「気をつけて」と言ってくださいました。
 以前、JR奈良線に病院からの帰りに乗りましたところ、女生徒さんが座席の横に小さな紙袋を置いておられるだけでしたので、主人は「ここだれか来られるのですか」と声をかけました。すると、何も言わず、納得いかない顔つきで袋を自分のひざの上へ置かれました。私は座らせていただきましたが、その方はジュースの空き缶も置いたまま降りて行かれました。
 その数ヵ月後、電車に乗り、偶然にも外人さんの前に立ちました。すると、その方がすぐ「どうぞ」と譲ってくださったので「結構です」と言うと、次の駅で降りますからということで、降りられるとき「バイバイ」と言って、手を振ってくださいました。十人十色、人さまざまだとつくづく思いました。私は感謝の気持ちでいっぱいです。(京都新聞)
■東京都 地下鉄駅に防災倉庫計画 体育館並み 医療品など備蓄
 東京都は、2000年の開通予定で「地下の山手線」と呼ばれる都営地下鉄12号線に地下備蓄倉庫をつくることを決め、近く具体的な設計に入る。震度7の地震にも耐えられる12号線の特長を生かし、麻布十番(港区)と清澄(江東区)の2駅に、小、中学校の体育館並みの規模で併設する。食料や医薬品を用意し、万一の時は地下鉄で避難所などに運ぶ。阪神大震災並みの地震が発生した場合、371万人と予想される「帰宅難民」の支援にも利用。都交通局によると、地下鉄の駅に防災備蓄倉庫が併設されるのは初めて。
 地下備蓄倉庫は、駅の上に重ねた形でつくる。水道管などの地下埋設物が障害にならないことなどから2駅を選んだ。
 倉庫は一フロアだけだが、床面積は、麻布十番駅で約1300平方b、清澄駅で約800平方b。建設費はそれぞれ10億円前後が見込まれている。都営地下鉄12号線が全線開通した後、1年以内に完成させる。
 駅の建設工事は、地上から地面を掘り込んで進めるため、駅が完成した後、埋め戻す際に倉庫を建設すれば、割安に倉庫ができるという。倉庫には、食料品、医薬品を始め、スコップやヘルメットなど救助活動に使う道具も収める。
 万一大震災が発生した時には、この倉庫の備蓄品を持って、救助・復興活動をする医師、都区の職員、自衛隊員などが、各地の避難所などに急行する。
 近畿で市営地下鉄のある大阪市、京都市では今のところ、同じような計画はない。京都市の下薗俊喜・交通局長は「京都は街のつくりが小ぶりで地下鉄も2路線だけだが、参考になるアイデアだ」と話す。
 神戸市は、倉庫以外の方法で地域の災害対策にあたる。1999年春の開業をめざす地下鉄海岸線(7.9`)は、10駅のうち5駅で、駅舎につくる貯水槽の容量を当初計画から増やした。構内火災のための施設だが、地上で起こる火事にも備えるという。
・都営地下鉄12号線 都営地下鉄12号線は、新宿から練馬を経て光が丘に至る放射部の約13`と、都庁前を起点として飯田橋、両国、築地、浜松町、六本木を経て新宿に至る環状部約28`からなる。(朝日新聞)
■路線バスが民家塀壊す 亀岡の国道で
 24日午後3時ごろ、亀岡市西別院町柚原の国道423号で、「京都交通」の路線バス(JR亀岡駅前発余野行き)が道路左の岡本友子さん宅のブロック塀に衝突。バスの左前部が大破し、ブロック塀が約4bにわたって崩れた。事故当時、バスに乗客はおらず、けが人はなかった。
 亀岡署の調べでは、普通乗用車が対向してきて、バスの運転手(37)がハンドルを切りすぎて脱輪したらしい。(朝日新聞)
■近畿でも雪交通に乱れ
 この冬一番の強い寒気が日本付近に南下し強い冬型の気圧配置となった24日、西日本では山間部を中心に広い範囲で断続的に雪が降り続いた。航空便の欠航が相次いだほか、各地の高速道路は一部区間で通行止めや速度規制が出た。同日深夜からは、京都市内など近畿地方の内陸部でも雪が降った。
 各地の気象台によると、午後9時現在、福井県和泉村で積雪107a、滋賀県余呉町で44a、兵庫県豊岡市で25aを記録した。大阪管区気象台では、厳しい寒さは25日夕方まで続くと見ている。
 この雪で大阪空港を発着の18便が、関西空港でも6便が欠航した。JR北陸線では青森発大阪行き特急「白鳥」が1時間41分遅れたのを最高に、特急27本に遅れが出た。山陽新幹線は広島−新下関間で大雪のため、午後8時ごろから上下線とも徐行運転となり、のぞみが約1時間遅れた。東海道新幹線も米原駅付近の雪の影響で、午後6時ごろから上下線とも15分から20分遅れた。
 中国自動車道では、兵庫県の福崎−佐用インター間で午後7時から全面通行止めとなったのをはじめ、名神高速道路の一部区間でも速度規制された。(朝日新聞)
26日■「今は鉄軌道急げ」 滋賀知事選出馬の吉沢氏 空港「いずれ必要」
 今夏の滋賀県知事選に向け、準備を進めていた前大阪府副知事の吉沢健氏(54)が25日、大津市内のホテルで開かれた後援会発会式で、支援者の要請にこたえる形で立候補を表明した。発会式後の記者会見で、県政課題になっている「びわこ空港計画」について「いずれは必要だが、いま急がれるのは、鉄軌道ではないか」などと見解を述べた。
 発会式には、昨年11月に発足した大津地区後援会の支援者や、大津、草津、守山、栗東など7市町の地方議員ら2330人(後援会発起人会発表)が出席。吉沢氏は「本年7月の滋賀県知事選へ立候補するよう要請をいただいた。各界各層の支援をうけるなか選挙に挑戦する決意を固めた」と述べた。
 終了後の記者会見で吉沢氏は、「びわこ空港計画の推進は、地元の反対があれば難しいと思う」などと話し、知事選に向けた活動については「考えていた以上に運動が広がり、今後は個人後援会を基盤に各地での小集会や街頭演説を行いたい」と意欲を示した。
 同知事選では、稲葉稔知事が、まだ四選立候補への態度を明らかにしていないなか、県労連議長の谷本善弘氏(58)が正式立候補を表明、元通産官僚の八幡和郎氏(46)が政治団体の届け出を行うなど意欲を見せている。このほか、県会議員や県内出身の中央官僚、さらに現職国会議員の名も水面下で取りざたされている。
 吉沢氏の表明を受け、今後、県議会知事与党会派や政党の動向、さらに稲葉知事の進退表明なども絡み、同知事選へ向けた動きは一層活発化しそうだ。(京都新聞)
■ポイント凍結防止作業中はねられ死亡 JR黄檗駅構内
 24日午後11時20分ごろ、宇治市五ケ庄、JR黄檗駅構内の奈良方面ポイント付近で、同駅勤務の委託社員早川保民さん(55)=三重県亀山市=が倒れているのを、JR職員が発見した。早川さんは頭を強く打っており既に死亡していた。
 宇治署の調べで、早川さんは同日午後6時40分ごろから、現場でポイントの凍結防止のため、火で暖める作業を1人でしていた。約5分後に現場を通過した奈良発京都行き普通電車の車両先頭部分に血痕がついていたことから、同署は早川さんはこの電車にはねられたのではないかと見て調べている。現場は直線で見通しは良いが、普通電車や後続電車の運転士たちは早川さんに気付かなかったという。(京都新聞)
■検証 瀬戸大橋の10年 期待外れの経済効果 瀬戸内三橋新時代へ 交通量低迷打破を
 「本州と四国が初めて陸続きになる」という興奮に包まれて瀬戸大橋が開通してから、4月で満10年。瀬戸内経済圏の発展や地域間交流の増大など、ばら色の未来を描いた国家プロジェクトも、今や交通量の低迷にあえぎ、1兆1000億円に上る建設費の償還が危ぶまれる事態にひんしている。「夢」はなぜ期待通りに膨らまなかったのか。4月の明石海峡大橋、来年の尾道−今治ルートの全通で始まる本四間の「三橋新時代」を前に、最初の動脈となった瀬戸大橋の10年を検証した。
 「鉄道利用者は年間1000万人を超え、マーケットも広がった。四国が身近になり、人やモノの交流が増えた」。岡山県の定金聡副知事は「架橋効果」をこう強調する。
 本四を結ぶ唯一の鉄道であるJR瀬戸大橋線の利用者は、1日平均約2万8000人。連絡船時代の2倍以上になった。定期券利用者も開通直後の約6倍と順調な伸びを見せている。四国への人の流れも増え、香川大では、岡山県からの入学者が香川県出身者を上回る年もあった。
 一方、経済圏の一体化は進んだのか。岡山経済同友会の小島光信代表幹事は「結局、緩やかな交流で終わってしまった」と総括する。
 「面積は全国の5%、人口は4%なのに、総生産は3%」−。四国の経済力を象徴するといわれる「1%ギャップ」。架橋効果でこの解消が期待されたが、1994年時点で人口は3.3%、総生産も2.7%に低下し、格差はむしろ拡大した。岡山、香川の経済界関係者は「経済効果は思ったほどなかった」と口をそろえる。
 事実、香川県内の工場立地は88年が62件で前年の約3倍に上ったが、94年は16件、95年は12件と低迷。開通当初は1000万人を突破した観光客も、700万人台にまで落ち込んだ。
 このギャップ拡大の理由を岡山大の中村良平教授は「(開通当時は)瀬戸内の時代といわれたが、経済は生産拠点のある関東や九州が相対的に発展した。四国では自動車や情報などの産業が生まれなかった」と分析する。
 本四間の交流阻害の最大の原因とされてきたのが、瀬戸大橋の料金。橋を含む区間約16`が普通車で片道5770円と、他の有料道路に比べ大幅に高い。開通直後から本州四国連絡橋公団の予測交通量(1日約2万5000台)を6割近くも下回る状態が続き、岡山、香川両県は料金見直しを求めてきた。
 「おまえは地元出身なのに、何でそんなことばかり言うのか」−。同公団の諮問機関の経済委員会が料金体系の見直しを進めていた昨年春、委員を務める井原健雄香川大教授は、地元関係者にかみつかれた。
 「料金を下げろと言うが、開通後の効果や将来の需要見込みなど、県は根拠となるデータを持っていなかった。過去に何も検証してこなかったことの表れだ。これでは地域エゴと言われても仕方ない、と言ったら怒られたよ」
・巨大インフラ活用 求められる青写真
 公団は従来より海上部分で約16%安い新料金を申請、昨年12月に認可された。明石海峡大橋開通後5年間は、特別措置でさらに2割引となった。
 一方で、3ルートで3兆円超のコストを料金収入でまかなう償還計画は、当初の33年間から50年間に延長。地元負担も増え、1998年度の岡山、香川両県の公団への出資金はそれぞれ約29億円で、97年度に比べ47%増となった。
 厳しい財政事情の中、両県とも出資を継続する方針だが、井原教授は「地元は短期的なフィーバーに酔い、中長期的な見直しを怠った。あぐらをかいているだけでは駄目」と、この10年間の無策を指摘する。
 三橋時代の到来で、瀬戸大橋が先行して架橋のメリットを得ることができた時代に幕が下りる。それだけに「地域特性に合った異業種間の連携で経済圏拡大を」(香川経済研究所)「モノを定期的に運ぶ工場を誘致すべきだ」(岡山商工会議所)−などと提言は多い。
 岡山、香川両県も、高速道路が南北に走る鳥取、島根、徳島、高知各県を巻き込んだ「西日本中央連携軸構想」を推進。イベント割引などの架橋利用促進策や情報インフラ整備などを検討しているが、「緩やかな交流」の域は依然出ていない。
 巨大インフラをどう有効活用し、地域の発展を図っていくか。この十年間、瀬戸大橋の前にあった課題は、明石海峡大橋の完成で全線開通する神戸−鳴門ルートと、尾道−今治ルートにもそのまま突き付けられる。
 これ以上の負担増が難しい自治体からは「料金値下げは、地元にとってもかけ。交通量が本当に増やせるのか、大きな実験だ」(岡山県幹部)との本音も漏れる。
 本四公団の累積赤字は約7200億円で、財政は破たん寸前。料金収入だけでは借入金の利息も払えないという厳しい現状を見据えた三橋時代の確かな青写真が求められている。(京都新聞)
■凍結防止の作業中に電車にはねられ死亡 宇治のJR
 24日午後11時20分ごろ、宇治市五ケ庄平野のJR奈良線黄檗駅南側の線路内で男性が倒れているのをJR宇治駅員がみつけた。男性は頭を強く打つなどして死亡していた。
 宇治署の調べによると、死亡したのはJR西日本の駅業務などの委託を受けている近畿交通事業社員、早川保民さん(55)=三重県亀山市和田町=。早川さんは同日午後6時40分ごろから、勤務している黄檗駅の南北にある線路のポイント凍結防止のため、カンテラに火をつける作業を始めた。約5分後に同駅を通過した奈良発京都行き普通電車の左前部に人と接触した跡がみつかったため、同署は凍結防止作業中の早川さんが同電車にはねられたものとみている。
 現場はJR黄檗道踏切の南約150bのJR奈良線と、京阪電鉄宇治線が並行して走る線路内。早川さんから作業終了の報告がないため、JR宇治駅の助役らが点検していた。(朝日新聞)
■回送電車がトラブル JR西日本
 26日午前5時35分ごろ、兵庫県太子町のJR西日本網干電車区の構内で、姫路駅までの回送電車が発車できなくなった。
 JR西日本によると、回送電車の電気系統が故障、架線が停電状態になったという。(京都新聞 夕刊)
27日■旧国鉄債務 追加負担反対を確認 JR7社 強制なら法的手段も
 28兆円にのぼる旧国鉄債務の一部をJRに負担させようとする政府・与党の方針について、JR7社の社長は26日都内で協議し、追加負担を強制する法案に強く反対していくことを確認、反対の文書をまとめ、公表した。強制的に負担させられることになれば、法的手段を検討していくことも明らかにした。
 政府・与党は元国鉄職員の年金支払い費用の一部3600億円をJRに負担させる方針を固めており、この日の7社の協議は、強行突破を目指す政府・与党の動きをけん制したものだ。JR西日本の南谷昌二郎社長は「仮に強制負担の法案が成立すれば、提訴することも十分、考えられる」と述べた。法的対抗措置については、東日本の松田社長が先に表明している。(朝日新聞)
■阪急京都線乱れる 千里線で電車故障
 27日午前7時40分ごろ、吹田市垂水町の阪急千里線・豊津駅で、梅田行き普通電車のドアが閉まらなくなった。同電車は約15分、現場に立ち往生した後、乗客約1000人は後続電車で振り替え運行した。
 この故障で、同線と接続する京都線のダイヤが大幅に乱れた。午前11時までに、149本が最高15分遅れ、約7万人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■ドア閉まらず遅れ 阪急千里線など
 27日午前7時40分ごろ、大阪府吹田市垂水町一丁目の阪急電鉄豊津駅で、北千里発梅田行き普通電車(8両編成)が発車しようとしたところ、ドアが閉まらなくなった。乗客約1000人は後続の電車に乗り換え、普通電車は同駅で運転を打ち切った。このため午前11時現在、阪急の千里線と京都線、大阪市営地下鉄堺筋線の列車149本が最高15分遅れ、通勤客ら約7万人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
■「市バス急停車で親族けが」 暴力団資金源 企業は不景気 自治体に照準 大阪府警 中止命令や講習会
 暴力団が、不景気で金払いの悪くなった民間企業から自治体へ狙いを変える恐れがある−と大阪府警が警戒している。「市バスが急停車し、乗っていた親族がけがをした」と、大阪市交通局へ治療費支払いを要求した暴力団組長に府警が中止命令を出したケースもある。府警はこれまで民間企業を対象にしてきた「不当要求防止責任者講習」を新年度から府内の市町村にも実施することにした。
 府警が昨年出した中止命令は342件。うち暴力的要求行為が251件、組への加入強要と脱退防害が計91件だった。暴力的要求行為のうち、水道料金支払いの猶予を求めるなど、自治体などの公務員への要求行為が4件あった。その一つ、大阪市交通局のケースはこうだ。
 府警によると、昨年7月30日、大阪市平野区で市バスが自転車を避けようと急停車した。8月8日になって、バスに乗っていたという中年の女性が、「3週間のけがをした」と市交通局に補償を要求。いったん示談金18万円で話がまとまったという。
 ところが10月に示談金が女性の銀行口座に振り込まれると、女性の親族の男から「まだ首が痛いといっている。示談は破棄せい」などという電話があった。11月7日には、この男が市交通局を訪れ、暴力団関係者を連想させるような名刺を出し、「わしの名刺見てもの言うとるのか。誠意みせたらんかい」などと金を要求したという。
 通報を受けた府警が調べたところ、男は大阪市浪速区内に事務所を持つ指定暴力団山口組系の組長(50)。暴力団対策法で禁止されている暴力的要求行為にあたると判断し、中止命令を出した。
 府警は、府内の全市町村に対し、窓口業務をしている担当課に「不当要求防止責任者」を置くよう1月中にも要請する方針だ。来年度から、この責任者を対象とした講習会を定期的に開く予定。講習では、暴力団対策課の警察官が、新たに作成した公務員用のマニュアルやビデオなどを使って、暴力団組員への応対方法などを伝授する。
 中止命令 暴力団の反社会的な行為のうち、刑事事件にならなかった行為を1992年3月施行の暴力団対策法で、行政命令によって取り締まれるようにした。都道府県公安委員会が指定した暴力団の構成員が組織の威力を利用して同法が定める禁止行為をした場合、警察が中止命令を出す。命令に従わないときは、懲役や罰金などが科せられる。
 禁止行為は、暴力的要求行為、組への加入強要と脱退妨害、指詰めの強要、少年に対する入れ墨の強要など。暴力的要求行為には、用心棒代などのほか、下請け参入や地上げ、債権取り立て行為などが含まれる。(朝日新聞 夕刊)
28日■JR追加負担を明記 旧国鉄債務処理法案の要綱
 28兆円近くに上る旧国鉄長期債務を処理するため政府が2月上旬に通常国会に提出する予定の「国鉄清算事業団債務処理法案」(仮称)の要綱が27日、明らかになった。長期債務のうち年金債務の一部をJR各社負担とすることを明記。今年10月1日、清算事業団が持つ15兆8000億円の有利子債務は一般会計に継承させ、8兆3000億円の無利子債務は一般会計への返済を免除することも盛り込まれた。
 JR負担についてはJR東日本などJR7社が反対している。運輸省は28日、自民党交通部会に法案を示し議論する予定だが、与党内にもJR負担に反対する強い声があり調整の難航は必至だ。
 法案によると、今年10月1日に事業団の有利子債務を一般会計に継承する。このうち資金運用部から借り入れた高金利の財政投融資資金については、1999年3月末までに繰り上げ償還する。
 また、4兆3000億円の年金債務のほとんどは、運輸省の特別法人である日本鉄道建設公団が特別勘定を設けて引き継ぎ、清算事業団から承継する旧国鉄用地やJR株式の売却処分を行って債務返済に充てる。
 年金債務のうち、鉄道共済年金が昨年4月に厚生年金に統合したことに伴う移管金債務約8000億円については、87年4月の国鉄の分割・民営化でJR社員になった職員分はJR各社負担とし、年約240億円の負担を求めている。(京都新聞)
■阪急京都線沿い グルメ店を紹介 阪急、ガイドブックあす出版
 阪急電鉄は、京阪神の若いOL2000人を対象にしたアンケートをもとに、京都線沿線のグルメスポットを紹介するガイドブック「阪急沿線京都なお店」を29日に出版する。
 神戸線沿線の飲食店を網羅した「神戸なお店」、宝塚線の「宝塚・北摂なお店」に続く第3弾で、沿線グルメガイドの完結編。京都線の河原町から南方(大阪市淀川区)までの各駅ごとに、京料理だけでなくフレンチやイタリアンなど多彩な136店を掲載している。B6判、152n。800円。(京都新聞)
■利用客200万人突破 秋田新幹線こまち
 JR東日本秋田支社は27日、昨年3月22日に開業した秋田新幹線こまち(盛岡−田沢湖間)の利用客が開業から約10ヵ月の今月20日に200万人を突破したと発表した。
 同支社によると、1995年から昨年にかけての同時期に同じ区間で運行した特急と比べて約54%の増で、1日平均の利用客は約6570人、平均乗車率は上下線とも約79%だった。
 同支社は、一時的ブームではなく、利用客数は安定してきていると分析。5両編成だったこまちを今秋からすべて6両編成に増強する。(京都新聞)
■政治短信 国鉄債務のJR負担反対
 旧国鉄債務を強制的にJRに負担させることに反対する自民党有志議員の会(代表・小此木八郎代議士)が27日、衆院議員会館で会合を開き、「JR各社の経営悪化や株価下落を招き、債務処理フレームが崩壊する恐れがある」とするアピールを採択した。税金など他の財源での措置を検討するよう党執行部に求めていく方針だ。国会議員30人が出席した。(朝日新聞)
■新幹線トラブル 兵庫県内相次ぐ
 27日午後1時すぎ、兵庫県姫路市の山陽新幹線姫路駅で、停車中の上り「ひかり138号」(16両編成)の13、14号車の連結部分の無線用ケーブル(直径約5a)がはずれているのを車掌が見つけた。ケーブルを着け直すのに約1時間10分停車し、乗客約400人は後続列車に乗り換えた。
 また同時刻ごろ、同県加古川市の山陽新幹線姫路−西明石駅間の上り線を走行中の「ひかり162号」の運転士が高架式の線路内で人影を発見、緊急停止させた。
 このトラブルで、2本の列車以外にも上下の22本が最高24分遅れ、乗客約8500人が影響を受けた。(朝日新聞)
■日吉駅構内で火事 JR山陰線 一時不通、2500人影響
 28日午前3時ごろ、京都府船井郡日吉町保野田のJR山陰線日吉駅構内の継電器室から出火、内部を焼いて約50分後に消した。
 日吉駅と、隣接の船岡、胡麻各駅の線路のポイントと信号機をコントロールする電器制御装置が焼け、信号機などが作動しなくなった。
 このため同線は船岡−胡麻間が不通となり、園部と胡麻駅で折り返し運転、この区間をバス8台で代替輸送した。午前11時に復旧したが、城崎行「きのさき1号」など特急が上下合わせて8本、普通列車17本が運休、通勤通学者ら約2500人に影響が出た。ダイヤの乱れは、終日続く見込みという。
 JR日吉駅は、早朝から復旧作業に当たる作業員やバスを待つ通勤通学者らでごったがえした。乗客らは、JR社員の誘導で、園部駅に向かう代行バスにすし詰め状態で乗り込んだ。
 園部署などが現場検証して調べているが、出火した同継電器室付近で、午前零時すぎから信号制御器の配線工事と高圧ガス開閉器の取り替え工事をしており、JR福知山支社の電力通信指令から遠隔操作で試験送電中に出火したらしく、原因を詳しく調べている。(京都新聞 夕刊)
■日吉駅で火事 特急など運休 JR山陰線
 28日午前3時ごろ、京都府船井郡日吉町保野田のJR山陰線日吉駅で、ホーム端の継電器室内の信号制御器付近から出火、継電器室約30平方bが全焼し、約50分後に消えた。JR西日本福知山支社によると、この火事で同駅構内の信号機やポイント切り替えなどが不能となり、同線は船岡−胡麻間で午前11時すぎまで不通となった。このため上下線合わせて特急8本、普通17本の列車が運休(部分運休含む)し、約2500人の足に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
29日■3月17日から 近鉄京都線 快速急行運行へ
 近鉄は28日、今年3月17日のダイヤ改正に合わせ、京都線の京都−奈良間に新たに快速急行を運行する、と発表した。土、日と休日に限り、1日4往復する。両駅間の所要時間は、従来の急行の43分から35分に8分間、短縮される。
 土、休日の行楽客の需要にこたえるとともに、平行するJR西日本・奈良線に対しスピード面で優位に立つ狙い。
 同区間の急行は途中、9つの駅に停車していたが、快速は停車駅を竹田、丹波橋、西大寺の3駅に絞って、時間短縮を実現した。京都発は、午前の9時10分と10時10分、午後の3時10分と4時10分に設定されている。
 現在、京都−奈良間は、別料金が必要な近鉄の特急が32分、JR西日本の快速が最短44分で結んでいる。
 また、このダイヤ改正を機に近鉄は、京都発などの特急の禁煙車両を、奇数号車に固定する。これまで、同じ車両が禁煙と喫煙の両方に使用され、たばこの臭いが残る場合があったが、車両の運用を変更して改善する。(京都新聞)
■VIPは48%も割引 JR東日本 長野五輪関係者に
 長野冬季五輪組織委員会が大会関係者の長野(北陸)新幹線の無料での利用を求めていた問題で、JR東日本は28日までに、在来線も含め運賃・料金を最高で48%割り引くことを決めた。これまでは国体での約2割引が通例で、4割以上は初めてという。
 割引切符は計800−1000人分で、使えるのはサマランチ国際オリンピック委員会(IOC)会長や各国大臣らVIPクラスに限られる。利用区間は東京都区内−長野、軽井沢−長野の新幹線と開、閉会式会場のある篠ノ井−長野の在来線。いずれも割引率は4割台。
 長野新幹線を利用した場合、東京−長野は運賃・指定席特急料金の合計が通常は7970円のところ、4割引で4780円になる。(京都新聞)
■あす午前まで一部運休続く JR山陰線日吉駅火事
 28日未明、JR山陰線日吉駅構内の継電器室が焼けた火災で、信号などの仮復旧後も同線はダイヤの乱れが終日続き、新たに特急「たんば4号」と普通列車10本が運休、これで運休は特急10本、普通列車27本になった。その他の各列車にも遅れが出て、合わせて7600人に影響があった。
 JR福知山支社が復旧を急いでいるが、完全復旧は30日午前中の見込みという。29日は特急はすべて運転、普通列車は福知山−園部間で一部運休し、その分は7台のバスで代替輸送する。(京都新聞)
■国労が拡大中央委開催
 国労(2万8000人)は28日、東京都内で拡大中央委員会を開き、当面の闘争方針を決めた。冒頭のあいさつで高橋義則委員長は、国鉄の分割・民営化にからむJRの採用差別問題など一連の労使紛争について、政治的にも裁判の面でも解決の機が熟しつつあると述べ、「年度末を節目として、今年を紛争の全面解決の年にするため全力をあげる」と話した。(朝日新聞)
■仮復旧運転続く JR日吉駅火災で
 JR山陰線日吉駅で28日未明に起きた火災で、信号機などの電気系統の復旧工事は、30日まで続く見通しとなった。JR西日本福知山支社によると、手信号などによる仮復旧運転は29日も続き、福知山−園部駅間で普通列車の一部運休や遅れなどが見込まれるという。(朝日新聞)
■近鉄の京都−奈良 快速急行を新設へ
 近畿日本鉄道は28日、京都−奈良間で土曜と休日に限り、快速急行を新設(1日4往復、所要時間35分)するなど、3月17日実施のダイヤ改定の内容を発表した。京都−奈良間の最速列車は特急の32分があるが、乗車券とは別に特急料金500円が必要。乗車券だけで乗れる列車としては現在の急行より8分短縮される。長距離列車の改定では、難波−名古屋間の特急「アーバンライナー」を土曜と休日に2往復増発する。(朝日新聞)
30日■快速がオーバーラン JR向日町駅
 29日午後10時10分過ぎ、向日市寺戸町のJR東海道線向日町駅で、野洲行き快速電車(12両編成、乗客約350人)が、所定停車位置を約250b行き過ぎ、最後部車両がホームを約5bはみ出して停車した。電車は所定の停止位置まで後退して客約70人を乗降させ、10分遅れで発車した。
 JR西日本によると、快速電車の運転士が駅の手前で、電車の故障を示す表示に気付き、本当に故障かどうか確認する一連の作業に気をとられて、ブレーキをかけるのが遅れたためという。この影響で後続の京都行き普通電車も6分遅れ、合わせて約500人の乗客に影響が出た。(京都新聞)
■着工「格上げ」京阪社長、要求 中之島新線計画で
 京阪電気鉄道の金馬昭郎社長は29日記者会見し、大阪市中心部を東西に結ぶ中之島新線(天満橋−玉江橋、3.1`)の早期着工のため、京阪神地区の公共交通網整備の基本計画である運輸政策審議会の答申で位置づけられた同線の優先順位の”格上げ”を求めていく考えを明らかにした。
 答申は、地区内の新設路線について、2005年を目標に「同年までに整備」「同年までに着工する」などの優先順位をつけ、中之島新線は後者に位置づけられている。(朝日新聞)
■舞鶴のKTR踏切 乗用車と列車衝突 運転者重体
 30日午前8時ごろ、舞鶴市野村寺のKTR(北近畿タンゴ鉄道)宮津線高野踏切で、豊岡発西舞鶴行き普通列車=吉岡晴雄運転士、1両=と、近くの会社員宗和美さん(29)の乗用車が衝突。宗さんは全身を強く打ち、意識不明の重体。列車の乗客約90人にけがはなかった。(京都新聞 夕刊)
■山陰線平常ダイヤに
 28日未明の鉄道施設火災で、仮復旧後も一部列車が運休していたJR山陰線は、火災発生から約50時間ぶりの30日午前4時50分、平常ダイヤに戻った。(京都新聞 夕刊)
■新技術を路面電車にも 続々登場、新型列車
 東北・上越新幹線が開業したときの興奮は今も覚えている。実家の最寄りの大宮駅(埼玉県)に並んだ緑の帯のピカピカの車両は、東海道新幹線よりずっと洗練されて見えた。あれから16年、のぞみ、つばさ、こまち…と新車両が次々に登場し、昨年は時速300`の「500系のぞみ」がデビューした。
 大阪市港区の交通科学博物館は1月末まで、歴代新幹線車両のパネル展を開いた。1964年に開発された0系から500系まで、9種類の写真パネルが並んだ。
 82年に東北・上越新幹線にデビューした200系の形は従来の0系と同じ。国鉄時代は85年の100系だけが、一部2階建てという斬新(ざんしん)なデザインを誇った。「当時は国鉄のシェアが最低の時代。高度成長時代の大量・高速輸送だけでなく、設備の質を追求したようです」と、同博物館学芸課の楠原一輝係長は説明する。
 JR発足から10年たち、地域ごとの特徴が際立ってきた。JR西日本の特徴は500系に象徴される高速化という。大阪−博多間は航空機への対抗が至上命題だからだ。
 東日本は通勤客に対応するため、高速化よりも大量輸送に力を入れた。東北・上越新幹線では、総2階建てで自由席を3×3列にして定員を4割増やした車両を導入した。在来線に乗り入れるための新車両も秋田・山形新幹線に登場した。
関西で見られる主な新型車両
500系のぞみ 先頭は飛行機のよう。時速300`を達成。
はるか 関西空港利用客用に荷物置き場が充実。
サンダーバード 在来線で時速130`を実現。160`走行も可能。
オーシャンアロー コンピューター制御でカーブを走行するとき車体を傾け、揺れを感じさせない。先頭はイルカの顔をイメージ。
新快速の223系 間もなく、サンダーバード並みの時速130`走行に。
叡電の900系電車 京都市内と鞍馬方面を結ぶ。大きなガラス窓と外向きの座席を備えた観光電車。
近鉄L/Cカー ラッシュ時はロングシートに、それ以外はクロスシートになる座席。
南海ラピート 大阪市内と関西を結ぶ。円窓で航空機のような独特の容姿。
 東海道新幹線は、線路などの設備が古く、ダイヤも過密なため、これ以上の高速化は難しい。JR東海が西日本と共同開発中の700系は、乗り心地やコストを重視し、最高速度は東海道区間は270`、山陽区間でも285`程度を想定している。「『速い』だけではなく、高級感や通勤などの付加価値がついて、新幹線の性格は多様化してきています」(楠原さん)。
 在来線の特急も、スタイルや塗装が画一的だった国鉄時代とちがい、バラエティーに富んでいる。北陸への「サンダーバード」、関西空港への「はるか」、南紀の「オーシャンアロー」が関西では目立つ。
 楠原さんが楽しみにしているのはJR西日本と東海が開発中の電車寝台特急だ。複数の電動車を持つため機関車のつけかえの必要がなくスピードアップできるうえ、2階建て構造の全室個室化で高級化を図る。「かつて花形だった夜行列車の復権につながることを期待してます」
 戦前からの鉄道ファンである鉄道友の会京都支部の副支部長、大西卓さん(64)は「高速化などの技術は行き着くところまできた」と見る。最近の新車両は新技術を導入するよりも、着席率を上げるために2階建てにするなど、使い勝手の工夫に力を入れているという。楠原さんと大西さんに、関西で見られる主な新型車両をあげてもらった=表。
 では、今後どんな分野で最新技術を駆使した車両が出てくるのか。
 大西さんは「路面電車です」と言う。環境にやさしくヨーロッパで主流になりつつある超低床車両ならば車いすも利用しやすい。各地で路面電車を復活させる動きも出ている。「超低床車両の技術はヨーロッパより2、30年は遅れています。さらに大切で大変なのは、自動車の流入を制限したり同一地域の共通運賃を設けたりするなどのソフト面の施策です」と話す。
 最先端技術は、時速20`の世界で必要とされていたのである。(藤井 満)(朝日新聞 夕刊)
31日■警察に追われ?踏切にバイクで進入 中二3人はねられる 岸和田
 30日午後5時ごろ、大阪府岸和田市下松町にあるJR阪和線の小土野踏切で、天王寺発和歌山行き普通電車に男子中学生3人が乗ったミニバイクが接触した。3人ははね飛ばされ、1人が意識不明の重体、2人も頭などに大けがをした。ミニバイクは盗難車で、3人は事故の直前、警察官に追跡され、逃げようとして踏切に入った可能性が高いという。電車には約200人の乗客がいたが、けがはなかった。
 岸和田署の調べでは、少年たちは和泉市内の同じ中学の2年生で、2人は和泉市、1人は岸和田市に住んでいる。3人ともヘルメットをかぶっていなかった。
 同署によると、ナンバープレートのないミニバイクが岸和田市内を走っているのを、バイクで巡回していた署員が発見。問いただそうとしたところミニバイクは逃走した。間もなく踏切近くで衝突音が聞こえ、署員が駆けつけると、踏切内に3人が倒れていたという。3人は下りていた遮断機を押し上げて入ったとみられる。
 ミニバイクは22日に岸和田市内の駐車場から盗まれたものだった。
 電車は現場に34分間停車し、計34本約1万5000人に影響が出た。(朝日新聞)