1997(平成9)年 9月


1日■地下鉄東西線試乗いかが 交通局が募集(朝日)
  ■長野行新幹線の指定席券を発売 開業1ヵ月前(京都)
2日■列車妨害容疑で逮捕 JR柏原駅でカナダ人(京都)
  ■車両故障で特急遅れ JR虎姫駅構内(京都)
  ■京都駅で太陽光発電 JRなど12月から 駅舎では世界最大級(朝日)
  ■「あさま」始発指定券 発売1分で売り切れ(朝日)
  ■京津線軌道廃止を承認 三条−御陵間(京都)
  ■男性はねられ死亡 茨木、阪急京都線踏切(京都)
  ■京津三条−御陵間3.9`を廃止へ(朝日)
  ■遮断機越え踏切へ 男性はねられ即死 茨木の阪急京都線(朝日)
3日■開店に備え合同消防訓練 新京都駅ビルのJR京都伊勢丹(京都)
  ■盛り土流されJR列車運休 新宮−紀伊勝浦(朝日)
4日■新都心 京都駅ビル全面開業 1 ターミナル機能 集客力に期待高まる(京都)
  ■学研発関空行リムジンバス あす発車、けいはんなで開通式(京都)
  ■復旧には数日 盛り土流失 JR妃勢線(朝日)
  ■JR東海株 最終倍率3.79倍(朝日)
5日■新都心 京都駅ビル全面開業 2 商業新都市 商圏拡大で共存、競争(京都)
  ■「はるか」定期で乗車、自販機の夜間酒類販売禁止 申し出2件を取り上げへ 10日に京都オンブズマン会議(京都)
  ■地下鉄駅への展示楽しみに 清水焼にチャレンジ 東山 区民陶芸教室開く(京都)
  ■京都駅ビルに強盗犯!? 全面開業控え緊急配備訓練 府警(朝日)
  ■わくわく 人気7列車 JR西日本 駅ビル開業の11日(朝日)
  ■声 改札の自動化 車いすに不安 大阪市 中谷 敏昭 (自営業 39歳)(朝日)
  ■鮮やか 朱色鎧の舞人 JR京都駅ビル 新モニュメント(京都)
6日■新都心 京都駅ビル全面開業 3 新ホテル 幅広い層の顧客開拓(京都)
  ■市バスまたまた不祥事 確認せずドア閉め男性転倒 中京(京都)
  ■窓 お答えします 定期代について 京都市交通局経営推進課長 佐貫 眞一(京都)
  ■市バスドアに挟まれてけが 中京区の男性が転倒(朝日)
  ■政治短信 リニア新幹線を「目玉に」(朝日)
7日■新都心 京都駅ビル全面開業 4 コンベンション都市 会議呼び込む拠点に(京都)
  ■平成9年9月9日記念 近鉄カード 「銀河鉄道999」乗りに乗りました 1万枚完売で「サンキュー」(京都)
  ■窓 公共性考えて京都駅駐車場 東山区・長谷川 晃(大学教授・63)(京都)
  ■ニッポン現場紀行 京都駅ビル 牧野圭一さんと歩く 突出した巨大都市空間(朝日)
8日■新都心 京都駅ビル全面開業 5 新ビジネス街 周辺に企業進出相次ぐ(京都)
  ■社説 百貨店競合を地元の活性化に(京都)
  ■踏切事故ストップ 「敬老の日」PR作戦 JR西日本 トラブル対策 お年寄りに伝授(朝日)
  ■長距離列車トップ 新生JRの顔 快走 人気薄「はやぶさ」短縮されて棚ボタ 東京−熊本1314`(朝日)
9日■新都心 京都駅ビル全面開業 6 若者の街 遊び、集う場どう創出(京都)
  ■ポイントトラブル JR奈良線乱れる 東福寺駅(京都)
  ■”スリーナイン”の日 催し多彩に 「銀河鉄道」ちなむ記念グッズ発売も 京都中央郵便局(京都)
  ■運転士最後の姿、息子に見せたかった 6歳を同伴 地下鉄運転士 大阪市交通局処分へ(朝日)
  ■見上げれば エスカーレータ どこまでも 11日開店の京都伊勢丹(朝日)
  ■仏列車衝突 43人が死傷、 タンクローリーと(京都)
  ■「999」で記念切符鉄道会社(朝日)
10日■新都心 京都駅ビル全面開業 7 都心の壁 南北一体化へ課題残す(京都)
  ■社説 新京都駅ビルの全面開業を祝う(京都)
  ■あす全面開業 京都駅ビル 周辺道路拡幅めど立たず 渋滞の恐れ(朝日)
11日■JR京都駅ビル きょう全面開業(京都)
  ■京津線の一部廃止 運輸省と建設省許可(京都)
  ■子らの絵画展示 「ギャラリー電車」 京阪石坂線に登場(京都)
  ■トロッコ列車でけが人出た!? 嵯峨駅構内 救急救助訓練 息ピタリ(京都)
  ■「はるか」ではかる民営化 定期券で乗車望む 京都オンブズマン会議が結論(京都)
  ■地元関係者に披露 京都駅ビル「ザ・キューブ」(京都)
  ■新都心 京都駅ビル全面開業 8 更地目立つビル谷間 周辺整備(京都)
  ■京のデパート 店内美術館競う JR京都駅ビル内伊勢丹開店引き金 既存店、共闘も(朝日)
  ■声 乗客優先こそ赤字解消の道 豊中市 安達勝太郎 中小企業診断士 77歳(朝日)
  ■京都駅ビルから始まる、新しい歴史(全面広告)(朝日)
  ■未来への玄関口 新京都駅全面開業 都市機能を集約 記念式典開く(京都)
  ■古都のシンボル さあ発進 新京都駅ビル全面開業 出会い、にぎわい、魅力満載 奇抜な空間、店舗… 人の波、期待熱く 未来型に感嘆の声(京都)
  ■踏切で自転車はねる 山東町で貨物列車(京都)
  ■京都駅ビルが全面オープン 「伊勢丹」に人波(朝日)
12日■とれんど'97 新京都駅ビル全面開業 塗り変わる京の商業地図(京都)
  ■京都伊勢丹だけで20万人超 全面開業駅ビル 人、ひたひた(京都)
  ■世界歴史都市会議 記念碑が4年ぶり京都市役所前に(京都)
  ■乗用車の3人けが 京津線と衝突のはずみで2重事故(京都)
  ■旅・趣味・遊び 「動力源」はボランティア(京都)
  ■駅ビルに来た少女 2人現金奪われる 恐喝容疑で少女逮捕(朝日)
  ■有人走行421`達成 リニアモーターカー実験 山梨(京都)
  ■リニアモーターカー 国内最速421`記録(朝日)
13日■近鉄・興戸駅 ホーム北伸で調整 京田辺市会市長答弁 市道つけ替え検討(京都)
  ■総合交通税導入 蔵相が検討示唆 旧国鉄債務問題で(朝日)
14日■旧国鉄債務「総合交通税」示唆 増税なき財政再建 蔵相、どうします?(朝日)
15日■特急など7本に影響 JR山陰線、信号故障(京都)
  ■エレベーターに缶詰め 京都駅ビルホテル 45分後、19人を救助(京都)
  ■青鉛筆(朝日)
16日■列車が川に転落、81人死亡 インド(朝日)
17日■北朝鮮に観光列車(京都)
18日■新京都駅ビル開業1週間 予想上回る集客効果 大阪などから110万人 ターミナル機能生かす(京都)
  ■地下鉄東西線 全国初 中国語、ハングルでも表記 世界の京にふさわしく 烏丸線も順次変更(京都)
  ■東西線の開業に伴い 乗り継ぎ運賃申請(京都)
  ■小学生は無料 「バスの日」の20日、府協会 保護者同伴が対象(朝日)
19日■市バス運行管理委託も 赤字続く横大路・向日・長岡京 京都市会で理事者答弁 「合理化策の一つ 別会社で低い人件費」(京都)
  ■湖西線であすから 160`高速走行試験 JR西日本(京都)
  ■経済天気図 新京都駅情報センターに(京都)
  ■窓 「鴨川歩道橋」に物申す それよりもチンチン電車 山科区・山田 一夫(無職・67)(京都)
  ■シュプール号運転 12月から589本(朝日)
  ■京福嵐山線 初乗り1区間は180円 1日から値上げ 幅抑え10.2%に(京都)
  ■京福嵐山線値上げへ(朝日)
20日■通り初めに区内の三世代家族を募る 山科駅前地下道(京都)
  ■列車衝突、5人死亡 ロンドン(朝日)
  ■乗客収入25年ぶり減少 大阪市営地下鉄 累積赤字2388億円(朝日)
  ■さよなら都大路の京津線 東西線でき来月一部廃線 愛好家らカメラの列(京都)
  ■普通全線乗り放題切符発売 JR、鉄道の日記念で(京都)
21日■「ようこそ京都へ」 専用新幹線で今秋最初の入洛 修学旅行生を歓迎(京都)
  ■飛んできた台座に当たり 女高生2人けが 京都駅ビル10階でけんか(京都)
  ■死者は6人に 英の列車事故(京都)
  ■とうきょう物語 東方探見 長野新幹線 首都圏と交流期待 久々のフル規格 「北陸」への一歩(京都)
  ■とうきょう物語 山手下町 京都奈良観光案内所が人気(京都)
  ■とうきょう物語 トライあんぐる(京都)
  ■京日記(京都)
  ■窓 新京都駅ビル(京都)
22日■一度電車の運転してみたかった 疑似体験 ゲーム機やパソコンソフト オジさんも熱中する ほのぼの旅気分も…(京都)
  ■関東の私鉄大手 1社値下げへ 4社は値上げ申請(京都)
24日■JRバス、電柱衝突 京都市、乗客けがなし(京都)
  ■さよなら路面電車 京阪京津線 京の風情走って85年 ごくろうさん 最後見守るカメラの列(朝日)
25日■特急、快速105本増発 KTR秋の臨時ダイヤ 「みかん狩り列車」も(京都)
  ■窓 思い出乗せた京津線惜しむ 山科区・前川 文江(パート・59)(京都)
  ■観光コース59ヵ所紹介 阪急沿線各駅さんぽ出版(朝日)
  ■近江鉄道「石山駅前ビル」完成(京都)
  ■新空間 京都駅ビル発 1 うつろう光に渦巻く50万人(京都)
  ■のぞみ減速運転争議で JR東海へ救済命令 都労委(京都)
  ■組合員4人の脱退勧奨認定 JR東日本に救済命令(京都)
  ■東海道線内に陥没 快速電車緊急停止(京都)
  ■JR東海道線路盤一部陥没 大津(朝日)
26日■京都市バス もう乗客挟みません 全車両へドアセンサー設置(京都)
  ■男性飛び込み死亡 湖西線新旭駅ホーム(京都)
  ■南西部の市バス運行 民間委託を検討 赤字削減策の一環 今年度末にはメド(朝日)
  ■二条から洛西方面への延伸 地下鉄以外も検討 東西線開通後の交通機関(朝日)
  ■新空間 京都駅ビル発 2 見わたせば、アートな気分(京都)
  ■鉄道の歴史記す企画展 滋賀(京都)
  ■西梅田の旧国鉄跡地 再開発ビル29日着工(朝日)
27日■さよなら京津線 来月から記念電車など運行 京阪電鉄(京都)
  ■JR各社への再就職 国鉄清算事業団要求(朝日)
  ■超低床型路面電車 発車もうすぐ2ヵ月 熊本 車いすも楽々 まずはオーライ 障害者ら「初めて乗れた」 課題も 編成増や停留所の改善(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■新空間 京都駅ビル発 3 夜景が招く 2人のスポット(京都)
  ■700系新幹線を試運転(朝日)
28日■近鉄ダイヤ乱れる 停電で南大阪線(京都)
29日■羽田−成田に特急 便利 1時間 来年12月にも発車 運輸省検討(京都)
  ■吉野川沿いにトロッコ列車 JR四国が11月に運行(京都)
  ■新空間 京都駅ビル発 4 陰影に息づく伝統の美(京都)
30日■地下鉄東西線 利便ぐんと ラッシュ時運転密に/乗り継ぎしやすく 来月12日開業ダイヤ発表 醍醐−二条間120往復(平日) 京阪電車も改正します 浜大津−三条京阪21分(京都)
  ■地下鉄開業御輿で祝おう 11、12日に醍醐地区住民(京都)
  ■山科商店会はギャル御輿で(京都)
  ■長野新幹線 期待乗せ「あさま」 1時間半短縮 いよいよあすから(京都)
  ■平日で120往復 地下鉄東西線 ダイヤを発表(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■新空間 京都駅ビル発 5 大階段、たちまち野外劇場に(京都)
  ■さよなら「あさま」「白山」 信越線 横川−軽井沢廃止(京都)
  ■貨物列車にひかれ即死 JR長岡京駅構内(京都)
  ■長野新幹線あす開業 東京−長野間1時間37分(朝日)



1日■地下鉄東西線試乗いかが 交通局が募集
 地下鉄東西線が10月12日に開業するのを前に、京都市交通局は10月5日、市民を対象にした試乗会を開く。午前10時から午後4時まで、約10分間隔で二条駅−醍醐駅間を運行。参加者には改札口で試乗記念バッジが手渡される。
 募集は1万2000人。申し込みは9月1日から10日間受け付ける。往復はがきに住所、名前、年齢、電話番号、希望乗車駅を記入。あて先は〒604中京郵便局留め、地下鉄東西線試乗会係。小学生以下は保護者同伴が必要。多数の場合は抽選になる。詳しい応募方法は市交通局調整管理課(075・822・9165)まで。(朝日新聞)
■長野行新幹線の指定席券を発売 開業1ヵ月前
 長野行新幹線(北陸新幹線)のスタートを1ヵ月後に控え、開業初日の「あさま」の指定席券が1日午前、全国のJRや、旅行会社の窓口で一斉に発売された。
 指定席は10月1日に運行される定期のあさま56本と臨時あさま11本分。軽井沢止まりなど一部を除いて、1編成(8両)に普通車指定席が4両計339席、グリーン車が1両51席ある。普通車指定席とグリーン車にそれぞれ障害者がわきに車いすを置くスペースを設けた座席が1席ずつある。
 新幹線開業に伴い廃止になる信越線特急「あさま」の指定席は8月30日に発売。急こう配の碓氷峠越えで知られる横川−軽井沢間がバス輸送になることから、鉄道マニアらの人気を集め、最終列車となる9月30日の上り「あさま38号」と、下り同37号の指定席は発売後すぐに売り切れた。(京都新聞 夕刊)
2日■列車妨害容疑で逮捕 JR柏原駅でカナダ人
 1日午後7時半ごろ、滋賀県坂田郡山東町柏原のJR東海道線柏原駅で、停車中の黒崎(福岡県)行き貨物列車の運転席に、窓から外国人男性が侵入。駅からの通報で駆けつけた米原署員と鉄道警察隊員が、男を威力業務防害の疑いで現行犯逮捕した。同列車は20分遅れたが後続には影響はなかった。
 米原署によると、男はカナダ国籍のジェフ・カーペンター容疑者(28)。「東京で英語教師をしていた」と語っており、同署で詳しい事情を聴いている。(京都新聞)
■車両故障で特急遅れ JR虎姫駅構内
 1日午後6時55分ごろ、滋賀県東浅井郡虎姫町のJR北陸線虎姫駅で、米原発敦賀行き下り普通電車(3両編成)が、故障のため停止したまま動けなくなった。乗客約40人は同駅で降り、後続の電車に乗り換えた。故障した電車は、後続の下り特急「しらさぎ13号」が、北へ2駅先の高月駅まで運んだ。この影響で「しらさぎ13号」が約1時間50分遅れて発車したのをはじめ、後続の列車7本に遅れが出た。(京都新聞)
■京都駅で太陽光発電 JRなど12月から 駅舎では世界最大級
 照明や空調用の電源として、駅舎では「世界最大規模」という太陽光発電システムが、東海道新幹線・京都駅で12月から稼働する。上りホームの屋上に畳約490枚分の太陽電池を取り付け、同駅で使われる電力の5−7%をまかなう計画だ。クリーンなエネルギーとして期待される太陽光発電は、高い設置コストがネックとなって思うように普及が進んでおらず、実用化に向けた基礎データ集めとともに、駅利用者への「宣伝効果」もねらう。
 通産省の外郭団体である「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO・東京)と、新幹線・京都駅を管理するJR東海の共同事業。東西に細長い駅ホームの屋根に今月から、長さ112b、幅7.2b、総面積約800平方bの太陽電池を取り付ける工事に取りかかり、12月中に使用を始める。約1億円の経費は両者が折半する。
 最大時で100`ワットを発電し、新幹線のコンコースの照明や空調、券売機の電涙の一部に使うが、これで浮く電気代は年間300万円程度。投資額を考えれば、とても採算は合わないという。JR東海は「設置コストが高い現状ではほかの駅に導入することは難しいが、電力の大口利用者として新エネルギーの可能性を探りたい」と話す。(朝日新聞)
■「あさま」始発指定券 発売1分で売り切れ
 10月1日に開業する長野行新幹線「あさま」の初日分の指定席券が1日、全国のJR窓口などで発売された。JR東日本によると、上下一番列車の計505の指定席券は、午前10時の発売開始から1分以内ですべて売り切れた。(朝日新聞)
■京津線軌道廃止を承認 三条−御陵間
 運輸審議会は2日、京阪電鉄が申請していた京津線の京津三条−御陵間(3.9`)の軌道廃止について承認した。近く運輸、建設両省に許可される。並行する地下鉄東西線が10月12日に開業することに伴う措置で、開業日に廃止となる。(京都新聞 夕刊)
■男性はねられ死亡 茨木、阪急京都線踏切
 2日午前8時20分ごろ、茨木市天王の阪急京都線の踏切(遮断機付き)で、天下茶屋発高槻市行き普通電車が線路内に入ってきた男性(27)をはねた。男性は即死、乗客にけが人はなかった。
 電車は現場に約7分間停車。上下線の計18本が最大8分遅れ、約1万6200人に影響した。(京都新聞 夕刊)
■京津三条−御陵間3.9`を廃止へ
 運輸審議会は2日、10月12日に開業する京都市営地下鉄東西線の並行区間である京阪電鉄京津線の京津三条−御陵間(3.9`)の廃止を承認した。これを受けて運輸、建設大臣が近く廃止を許可する。廃止は東西線の開業と同時。(朝日新聞 夕刊)
■遮断機越え踏切へ 男性はねられ即死 茨木の阪急京都線
 2日午前8時19分ごろ、大阪府茨木市天王二丁目の阪急電鉄京都線の踏切で、天下茶屋発高槻市行き通電車(8両編成)に男性がはねられ、即死した。この事故で、同電車が現場に7分停車したほか、上下計17本が8−3分遅れ、通勤客ら約1万6200人に影響が出た。
 茨木署の調べでは、摂津市内の自営業の男性(27)とみられ、電車が通過する直前に遮断機をまたいで踏切に入ったらしい。(朝日新聞 夕刊)
3日■開店に備え合同消防訓練 新京都駅ビルのJR京都伊勢丹
 オープンを11日に控えた下京区の新京都駅ビル内の7事業所と下京消防署による初の合同消防訓練が2日、駅ビル内のJR京都伊勢丹で行われた。避難者も含めると約730人が参加する大がかりな訓練で、放水や避難誘導を繰り広げて緊急時に備えた。
 JR京都伊勢丹(11日オープン)の130人を中心に、ホテルグランヴィア(同)、JR京都駅、京都駅観光デパートなどの自衛消防隊員と下京消防署員、皆山消防分団員が参加した。
 訓練は「5階洋服売り場から出火」との想定で実施。従業員ら約500人が屋外に次々と避難するなか、伊勢丹の自衛消防隊員が放水銃などで初期消火に当たった。
 消防署の救急隊員が建物内に入って負傷者を救出する一方で、はしご車を使って4階ベランダに取り残された従業員2人を救出した。最後には、はしご車から放水を行った。
・客の避難誘導に気を引き締める
 訓練終了後、講評に立った下京消防署の山本隆一署長は「緊急時には、今日の訓練を生かしてお客さんをしっかりと避難誘導してください」と話し、参加者の気を引き締めた。(京都新聞)
■盛り土流されJR列車運休 新宮−紀伊勝浦
 3日午前4時10分ごろ、和歌山県新宮市のJR紀勢線新宮−三輪崎駅間で、台風による高波のため、線路わきの盛り土が幅約7b、長さ約30bにわたって削りとられた。このため、新宮−紀伊勝浦駅問は上下線計15本が運休または部分運休し、乗客約1150人に影響が出た(午前10時半現在、JR西日本調べ)。また、名古屋−紀伊勝浦駅を結ぶJR東海の特急も新宮駅で折り返し運転している。JRは不通区間の乗客をバス4台で代行輸送しているが、現場は高波が続き、復旧作業ができない状態。運休は終日続く見通しという。(朝日新聞 夕刊)
4日■新都心 京都駅ビル全面開業 1 ターミナル機能 集客力に期待高まる
 五山の送り火が京都市内に浮かび上がった8月16日。新駅施設が開業して1ヵ月の京都駅に降り立ったJR西日本の南谷昌二郎社長は、真新しい中央コンコースにあふれる浴衣姿の観光客らに目を奪われた。「昨年までと大きな変わりようで、新駅ビルの効果を実感した」
 国鉄民営化から10年、JR西日本は新京都駅ビルに過去最大の1500億円を投じた。百貨店やホテル、文化施設まで備えた巨大ターミナル。それは、新幹線や東海道線の乗降駅でしかなかった京都駅に、近郊鉄道網の結節点として新たな役割を求めた結果だった。
 効果は早くも数字に表れている。駅施設開業から1ヵ月、京都駅の近距離切符販売は前年同期の約1.5倍に増えた。南谷社長は「全面開業すれば駅施設のにぎわいがビル全体に広がる。まだまだ効果は序の口で、今後が楽しみだ」と自信を示す。
 その集客力を生かそうというのが9月1日のダイヤ改正だ。東海道線は京都−高槻間の普通ダイヤを1時間8本に倍増。奈良線も京都−宇治間の普通電車を城陽まで延長、嵯峨野線は百貨店の開店時刻に合わせた快速電車を設けた。
 「いかに京都駅に足を運んでもらうか、現在できる限りの努力をした」。作業にあたった京都支社運輸課の藤村美一担当課長は説明する。
 同時に奈良線、嵯峨野線の一部複線化にも余念がなく、京都駅へ集まる近郊路線の整備を着々と進める。
・新たな対応迫る
 JR京都駅の求心力の高まりは、京都一の繁華街・四条河原町周辺にアクセスしてきた競合路線にも新たな対応を求めている。
 開業直後に新京都駅を視察した京阪電鉄の伊藤貞男副社長は「ただちに影響はないが、将来は京都駅周辺に中心部が移る可能性が高いと感じた」という。6月の地下鉄烏丸線の北々伸に続き、10月の東西線開業など京都の交通環境は大きく変わりつつある。
 同社は、新京都駅ビルの全面開業に時期を合わせ、2階建て車両を連結した特急電車を増発。快適性を高め、沿線観光地への集客を図るのが狙いで、伊藤副社長は「今後の鉄道事業は行楽客をいかに増やすかだ」と力を込める。
 阪急電鉄は、旗振り役を務める関西私鉄間の共通改札システム「スルッとKANSAI」の拡充を急ぐ。現在、阪神間の5社が参加しているが、2年後には京阪線、京都市地下鉄を含む近畿全域の17社に網の目が広がる。「相互乗り換えが便利になれば京都駅周辺にも対応できる」(小森光昭鉄道営業部長)。
 マイカー利用や少子化などで、鉄道利用者が減少する中、鉄道各社は、多くの観光資源を持つ京都に新たな注目を寄せている。そして新しい駅ビルは、集客力のある都心型ターミナルの機能を高めた。
・少なくない課題
 しかし、駅施設面では、橋上の南北自由通路に西改札口を設けた以外は「目立った機能強化が見られない」との声も。
 在来線ホームのみならず、JR東海が管轄する新幹線ホームの基本設備も64年の開業時のまま。上下線に昇降各1基しかエスカレーターがないなど、観光客の受け入れ体制は貧弱だ。
 さらに、京都の空の玄関口として期待される京都駅構内のシティ・エア・ターミナル(CAT)も、新たな航空会社の参入はなく、日本航空と系列1社の航空便しか利用できない。日航は、CAT内で航空券販売を始めるなど旅行者への浸透に努め、「利用客は増えつつあるが1日80人程度」(藤田省治所長)と寂しい状況が続いている。
 国際観光都市・京都の新ターミナルの吸引力をいかに全国、世界に広げていくか、課題は少なくない。
 JR新京都駅ビルは11日、「ジェイアール京都伊勢丹」「ホテルグランヴィア京都」などの商業施設がオープンし、全館開業を迎える。7月の駅施設、8月の劇場「シアター1200」に続く新駅ビルの全館開業は、人々の流れに大きな変化をもたらし、京都の新たな都心形成の核として期待感が高まっている。全館開業を目前に、まちづくりや経済、暮らしに与える影響と、直面する課題を探った。(新京都駅ビル取材班)(京都新聞)
■学研発関空行リムジンバス あす発車、けいはんなで開通式
 学研都市のけいはんなプラザ前(精華町)などから、関西国際空港行きのリムジンバスを運行する奈良交通(本社・奈良市)は3日、けいはんなプラザで開通式を行った。関係者ら約50人が出席し、5日からの運行開始を前に、学研都市からは初めてとなる関空直通バスの開通を祝った。
 リムジンバスは、同交通が関西空港交通(本社・泉佐野市)と共同で運行するもので、北大和(生駒市)から、高山サイエンスプラザ(同)、けいはんなプラザ(精華町)などを経て、関空へ向かう。1日6往復で、うち2往復がけいはんなプラザを発着場所にしている。料金は均一で片道大人1800円(小人半額)。
 式では、同交通の国友正道社長が、「このリムジンバスは乗り換えなしで関空と直結する。学研都市の理想としている学術文化、産業に貢献できるのでは」とあいさつした。その後、リムジンバスを運転する運転手らに花束が贈呈され、開通を記念してテープカットが行われた。また、運行経路に沿ってバスの試乗も行われ、参加者は乗り心地を確かめていた。(京都新聞)
■復旧には数日 盛り土流失 JR妃勢線
 和歌山県新宮市広角のJR紀勢線で3日未明、線路の地盤が約30bにわたって高波に削られ、新宮−紀伊勝浦間が不通になっている災害で、JR西日本は同日、復旧までに数日かかる見通しを示した。復旧するまでの間、同区間はバスで代行輸送をする。(朝日新聞)
■JR東海株 最終倍率3.79倍
 国鉄清算事業団は3日、10月の上場に伴い売り出されるJR東海株の一般売り出し分(80万株)の申し込み倍率が3.79倍に決まった、と発表した。昨年上場したJR西日本の2.96倍は上回ったが、JR東日本の7.71倍は下回った。抽選による割り当て結果は18日に発表する。(朝日新聞)
5日■新都心 京都駅ビル全面開業 2 商業新都市 商圏拡大で共存、競争
 「駅ビルへの出店は、かねてからの熱望。真新しいビル、立地条件も良い。あとは皆さんの力次第」。先月25日、新京都駅ビル9階にオープンする無国籍料理店の入所式で、スター社(京都市中京区)の西村俊雄社長は、新店舗を担う若い従業員40人に気合を込めてあいさつした。
 京都市内でレストラン、ビアホール10店舗を展開する同社は先月中旬、11年続いた四条河原町店を「隣接ファッションビルの閉鎖や風俗営業店の増加で、商業環境が悪化した」として閉店、駅ビルに新規出店することにした。四条河原町から新しい商業集積地である新京都駅ビルへの移動である。「京都駅ビルは最高の立地。人のざわめきがBGMになるような店にしたい」。窓の外の五山の眺望を見渡し、西村社長は夢を広げる。
 11日、駅ビルに集まったさまざまな店がスター社同様、駅前の発展に夢を託し、一斉にスタートを切る。JR西日本の試算では、駅ビルの利用者数は、駅の乗降客を除き1日10万2000人。百貨店と専門店、ホテル、劇場の年商は計555億円に上る。毎日、甲子園球場満席の2倍近い人が訪れ、1.5億円を落とす計算になる。
・駅前まで誘導を
 「京都駅前が第二の都心として四条界隈(わい)以上に発展することを望んでいる」。先月下旬、駅前のホテルで開かれた京都駅前商業地区連絡協議会の会合。冒頭のあいさつで、樋口信一代表幹事は地域の思いを代弁し、「東西両本願寺や門前町ならではの店がある駅前は、社会経済的資産で他に引けをとらない。駅ビルに集まった消費者をいかに駅前へ引き出せるか。回遊性をどう高めるかにある」と指摘した。
 同協議会は昨年春、駅ビル完成に向けて「駅前商業地区活性化ビジョン」をまとめ、拠点間のルート整備や、各商店街の共同事業などの方策を挙げた。同ビジョンの多くは、まだ動き始めたばかりだが、駅前地下街「ポルタ」は、「夜のにぎわいを駅ビル内に止めてはならない」(奥田和男取締役)と、深夜まで営業する駅ビル内の施設に合わせ、営業終了時刻を1時間延長、午後10時にする計画。11月末の増床オープンを機に踏み切る。
 両本願寺や商店街、京都駅ビル開発会社、京都市などでつくる「にぎわいづくり推進連絡会」も準備世話人会2回を重ね、今月中にも正式発足する。両本願寺で門信徒計60万人の参詣(けい)を見込む来春からの蓮如500回忌法要などに合わせて、イベントを繰り広げ、地域新生のPRを目指す。
・新たな顧客開拓
 新都心の誕生に呼応し、京都の既存商業集積地、四条界隈も集客力アップへ動き出した。今年5月から、京都市中京区のレストランで、四条通沿いの4百貨店の幹部と四条繁栄会商店街振興組合の理事ら十数人が顔をそろえる「駅ビル対策会議」の会合。「四条通を歩行者天国にする日を設けたい」「花のあふれる通りにしては」など活発に議論し、四条の魅力を高める仕掛けを探り続けている。
 京都高島屋、大丸京都店の両店長とも、1994−95年の増床で達成した売り上げ増加の実績から、「ジェイアール京都伊勢丹の年商320億円のうち、京都商圏拡大による分は約120億円」とはじく。「残りは既存のパイから奪う」と読む。
 駅ビル開業に合わせ、高島屋と大丸両店はそれぞれ開く美術展で、14年ぶりに共通券を発行する。さらに10月の地下鉄東西線開業に向けて「東西へ商圏を広げ、パイの奪い合いで減る分を新たな顧客開拓で補う」(高島屋)と走り出した。狙いは、沿線の山科区をはじめ亀岡市や大津市へ。
 新京都駅の誕生を機に、京都経済圏拡大の動きは、一層勢いを増幅させる。(京都新聞)
■「はるか」定期で乗車、自販機の夜間酒類販売禁止 申し出2件を取り上げへ 10日に京都オンブズマン会議
 総務庁京都行政監察事務所が今春発足させた「京都行政苦情救済推進会議」(京都オンブズマン会議)は、10日に開く第2回会議で、JR西日本の特急「はるか」に定期乗車券で乗車できるようにしてほしい、との申し出と、自販機での夜間の洒類販売禁止を求める申し出の2件を取り上げる。
 推進会議は、千田哲朗京都経済同友会代表幹事を座長に、服飾研究家の市田ひろみ氏、木津川計立命館大教授ら委員6人で構成。同事務所に寄せられる行政への苦情や提案のうち、複数省庁にまたがったり規制にかかわる問題について検討し、意見を述べる。
 「はるか」の問題は、勤務先が大阪市内から関西空港にある事務所にかわった京都市内の男性会社員から申し出があった。「はるか」を利用したいが、大阪市内までの定期券を持っていても、特急料金以外に、全線の運賃を支払わなければならず、定期券の乗客にも便宜を図ってほしい、としている。JR西日本は、全車指定制の特急には定期券の使用を認めていない。
 自販機の方は、京都市など都市部の複数の市民から申し出があった。夜遅く自販機で酒を購入する未成年者をよく見かけるとして、夜間の販売禁止と、未成年が購入しないよう警告する方法を販売者に求めてほしい、としている。
 小売洒販組合中央会は、午後11時から午前5時までの販売自粛を申し合わせているが、同事務所が京都市や宇治市などの駅前や繁華街の洒販店百店、自販機243台について、7月下旬に調査したところ、午後11過ぎの時点で3割近い65台が稼働していたという。
 3月の初会議では、選挙の不在者投票所に、公示2日目から候補者名簿を掲元するよう府、京都市選管に求めた。(京都新聞)
■地下鉄駅への展示楽しみに 清水焼にチャレンジ 東山 区民陶芸教室開く
 10月に開業する地下鉄東西線の東山駅を、地元住民手作りの清水焼で飾ろうと4日、東山区役所で区民陶芸教室(東山区文化協議会主催)が開かれた。参加した区民は、プロの指導で作陶にチャレンジした。
 同教室は、地元の伝統産業である清水焼に親しんでもらうため、10年以上前から年1回開かれている。
 この日は、20歳から81歳までの男女20人が参加、同区在住の陶芸家堀尾農一郎さん(69)が指導にあたった。参加者は、ろくろを回したり、モミジやイチョウの葉を粘土に押し当てて模様を付けたりして、花瓶や皿、茶わんなど思い思いの作品を作っていた。
 作品は、堀尾さんの窯で焼き上げ、地下鉄東西線が開業する10月12日から21日まで、東山駅のコンコースに展示される。(京都新聞)
■京都駅ビルに強盗犯!? 全面開業控え緊急配備訓練 府警
 11日の京都駅ビル全面開業を前に、駅ビル構内で犯罪が起こった際に、犯人逮捕に向け適切な態勢を取れるようにと、府警は4日、緊急配備訓練を実施した。鉄道警察隊員や駅ビルを管内に持つ七条署員ら約60人の警察官が参加したほか、警備会社の警備員やJR職員約20人も加わった。
 駅北側の東洞院通塩小路の東側で、2人組の男が大学生にナイフを突きつけ、現金5万円を奪った。2人は駅ビルの地下街に逃げ込み、被害者から110番通報を受けた府警は緊急配備態勢を取り、強盗容疑で2人を追うが、そのさなかに駅ビル構内のトイレで強制わいせつ事件が発生した−という想定の訓練。
 サングラスをかけるなどして犯人にふんした警官2人組は、構内を逃げ回った後、大阪方面へ逃走しようと駅2階の改札口へ。発生から約30分後、緊急配備中の警官に職務質問されて囲まれると、怒鳴り声とともに短刀を振り上げた。駅利用者らから「きゃあ」という悲鳴もあがる中、無事、緊急逮捕された。同じころ、強制わいせつ事件の犯人も、地下街から駅ビル南側の階段を上って来たところを警官に検挙された。
 七条署の伊藤幸雄地域課長は「犯人の逃走経路としても駅の警備は今後も重要になる。安全な街づくりに努力していきたい」と話していた。(朝日新聞)
■わくわく 人気7列車 JR西日本 駅ビル開業の11日
 ホテルやデパートなどの新京都駅ビルの施設が全面開業する11日、新型新幹線「500系のぞみ」などJR西日本エリアを走る代表的な7種類の列車が同駅に集結する。京都市内観光などを盛り込んだ団体客らを運ぶ臨時列車として仕立てるもので、通常ダイヤでは見られない人気列車の勢ぞろいで駅ビルの全面オープンに彩りを添える。
 集結する列車は、紀勢線の「オーシャンアロー」▽智頭急行(第三セクター)の「スーパーはくと」▽関西空港線の「はるか」▽「500系のぞみ」▽北陸線の「サンダーバード」▽北近畿タンゴ鉄道(第三セクター)の「タンゴディスカバリー」と、新快速の223系、「500系のぞみ」は営業運転では京都駅に初めて乗り入れる。
 駅ビルとして最大級の新京都駅ビルは同日、「ジェイアール京都伊勢丹」と「ホテルグランヴィア京都」、専門店街の3施設が開店し、全面開業する。
 各列車はいずれも同日午前10時前に到着、蒸気機関車のC62-2型も登場して汽笛を響かせる。「500系のぞみ」と223系を除く5列車は、午後1時半から午後3時半まで同駅7、8番線で車内見学ができる。(朝日新聞)
■声 改札の自動化 車いすに不安 大阪市 中谷 敏昭 (自営業 39歳)
 JR西日本は、大阪環状線をはじめ、各駅の改札の自動化を進めています。キセル乗車など不正を防ぐためと説明されていますが、車いすを使用する私としては不安もあります。
 やはり車いすを使用する同僚が、仕事のために環状線のある駅を利用しようとしたところ、駅員さんから「秋からは付き添いの人を連れてこないと困る」と言われました。彼が理由を尋ねたら、自動改札化に伴い、駅員の定員減が見込まれるからだそうです。しかし、このように言われても、私たちは困るのです。
 ノーマライゼーションという言葉に代表されるように、障害を持つ人たちの社会参加は広く浸透し、社会に受け入れられています。電動を含め車いすユーザーも、仕事に、学校に、そして娯楽にと、日々、公共交通機関を利用する機会が増えています。もちろん、障害を持たない人と同じように、単独での安全かつ自由な利用を望んでいます。
 自動改札化に伴い、私たち車いすユーザーのJR利用が制限されるのではないかと不安が絶えません。(朝日新聞)
■鮮やか 朱色鎧の舞人 JR京都駅ビル 新モニュメント
 今年7月に開業した京都市下京区のJR京都駅ビルに5日、日本を代表する彫刻家の清水九兵衛氏が制作したモニュメントがお目見えした。
 鮮やかな朱色が映えるモニュメントは、駅構内の待ち合わせの目印として、京都の玄関口のシンボルとなりそう。
 モニュメントは、平安建都1200年の1994年に創立40周年を迎えた京都ライオンズクラブ(野村栄太郎会長)が、平安建都1200年記念協会に寄贈した。
 高さ約6bの鋳造アルミ鉄パイプ製のモニュメントは、駅ビルの大階段の踊り場となる4階の「室町小路広場」(11日から一般公開)に置かれた。「朱甲舞(しゅこうまい)」と名付けられ、かつて平安京の社寺を彩った朱色を基調に、鎧(よろい)で装った舞人をイメージしている。
 除幕式には、野村会長や清水氏、平安建都1200年記念協会、JR西日本などの関係者計約100人が出席した。出席者代表が幕を引いてモニュメントを披露、拍手で祝った。笛の名手・藤舎名生さんが記念演奏を行った。(京都新聞 夕刊)
6日■新都心 京都駅ビル全面開業 3 新ホテル 幅広い層の顧客開拓
 「黙ってあぐらをかいていては、何も始まらない。新京都駅ビルの開業を機に、生き残りをかけて大きな勝負に出たんです」。100年以上続く西本願寺前の団体旅館「和泉屋旅館」(下京区)のおかみ、木村登美子さん(53)は声を強める。
 京都市内の旅館は、経営不振や後継者難で転廃業が相次ぎ、この20年間で660軒に半減した。しかし、同旅館は厳しい環境の中、約4億円をかけて、木造2階の建物を鉄骨5階に建て替え、各客室に浴室を設けるなど、施設の充実を図った。
 「駅ビル開業は集客のチャンス。家庭的できめ細かなサービスや伝統体験などの企画でホテルにない魅力をアピールしたい」と意気込む。
・総客室数1.4倍に
 京都駅周辺では、1991年以降、新規ホテルの開業がなかったが、駅ビル開業と前後して、昨年4月から来夏までに4ヵ所がオープン。既存の11ヵ所と駅ビル内のホテルグランヴィア京都を合わせた総客室数は4755室と、これまでの1.4倍に膨れあがる。駅周辺は市内でも宿泊施設が多い地域だが、観光客中心からビジネス、会議参加者対応など多様化した新ホテル街へと様変わりしている。
 今年4月には、駅南側の八条口にビジネスホテルでは府内最大級の「エルイン京都」がオープン。シングル6800円という低料金を売り物に、「手ごろなビジネスホテルが足りず、やむなく市外で宿泊している出張族を引き込みたい」(大村康二総支配人)という。
 駅烏丸口では、来夏の開業に向けて、マンション一体型のホテル「信開ホテル京都駅前」の建設が進んでいる。北陸に拠点を置く信開グループの元谷外志雄代表は「新駅ビルの誕生による京都の都市機能の発展と将来性に魅力を感じた。ビジネス需要が最大のターゲット」と狙う。
 観光客が春秋に集中する京都のホテルは、客室稼働率が11月は95%を超えるが、12月、1月は50%台に落ち込み、繁忙期と閑散期の差が激しい。観光客数の伸び悩みに加え、オフシーズン対策などの課題が山積している。
 駅周辺の既存ホテルは、駅ビル開業による入洛者数全体のパイの増加をにらみ、設備投資やサービスの充実で、観光客だけでなく幅広い層の顧客開拓を狙っている。今年7月までに5つのホテルが大がかりな改装工事を行った。
・ビジネスマン狙う
 新都ホテル(八条口)は、約1年がかりで客室や宴会場など全館を改装。フロアに大理石を配するなど、「明るさ」をテーマに雰囲気を一新した。青井勝営業部次長は「観光客のほか、ビジネスマンにも利用してもらえるよう、机を広くするなど施設整備を図った。駅ビル開業を集客の契機としたい」と期待を込める。
 京都新阪急ホテル(烏丸口)も約1年半かけて全館を改装し、京焼の陶版画を客室に飾るなど京都らしさを演出するとともに、観光スポットや料亭紹介などの情報サービスを充実させた。「何度も泊まってもらえるリピーターの増加を目指し、団体客も積極的に受け入れていく」(西村元支配人)方針だ。
 京都市観光振興基本計画検討委員会座長を務める山田浩之・京都大名誉教授(経済学)は「パリやロンドンなど世界の観光都市の駅周辺にはホテルが集中し、都市機能に重要な役割を果たしている。京都駅周辺でのバラエティーに富んだ宿泊施設の集積は人を街中へと引き込み、観光振興をはじめ、都市の活性化につながる」と予測する。
 新たなホテル街の発展は、ホテル・旅館業界のみならず、京都の再生に影響を与えそうだ。(京都新聞)
■市バスまたまた不祥事 確認せずドア閉め男性転倒 中京
 5日午後零時5分ごろ、京都市中京区丸太町通七本松東入ルのバス停で、同区間之町通夷川下ル、無職奥村駿之さん(79)が九条車庫行き市バスに乗ろうとして後部ステップに足をかけたところ、突然、ドアが閉まった。奥村さんは弾みで後方の路上に倒れて頭や腕などを打ち、10日間のけがをした。
 西陣署は、業務上過失傷害の疑いで、この市バスの運転手(42)から事情を聴いている。調べに対し、運転手は「乗降客の有無をよく確認せずにドアを閉めた」と話している、という。
 市バスは今年4月以降、追突事故や接触事故が続発したほか、6月には左京区で乗車しようとした女性の腕をドアに挟んで約40bひきずる業務上過失傷害事件も起こした。
 市交通局は「市民にたび重なる迷惑をかけて大変申し訳ない。乗務員の運転マナー向上に努めているが、徹底できていない面がある。今後より厳しく指導する」(山川和彦・自動車本部業務技術部管理課長)と話している。(京都新聞)
■窓 お答えします 定期代について 京都市交通局経営推進課長 佐貫 眞一
 先月8日付「東西線開通で定期代に問題」についてお答えします。地下鉄東西線が開業しますと、従来の京阪大津線三条から御陵間が京都市営地下鉄となり、御陵以東が京阪大津線となります。このような事業者が異なる鉄道を乗り継いで乗車する場合、それぞれの運賃を合算するのが原則ですが、今回、それによる割高感などを緩和するために大幅な割引を実施します。
 まず、定期券は2段階の暫定期間を設け、大幅な割引措置を実施しますが、ご心配いただいております通学定期には、特に大幅な割引措置を講じます。例えば三条京阪から浜大津までの中・高校生の通学定期の場合、地下鉄区間分の定期代を70%割引し、現行運賃の1.35倍に抑えます。また、三条京阪から山科まで地下鉄のみをご利用の場合は、この区間を特定区間とし通学定期は57%割引となり、若干、現行運賃を下回ります。なお、乗り継ぎ定期券はへ暫定期間が終了するおおむね3年後からは、普通券に準じた割引制度を引き続き実施します。
 普通券の割引制度は、東西線開業からおおむね3年間の暫定期間を設け、区間に応じて地下鉄の運賃から60円から50円を割引、京阪大津線も30円から20円を割引ます。なお、暫定期間終了教は、地下鉄の割引額を30円から20円とします。
 このように、全国に例のない最大限の割引措置を行いますので、よろしくご理解いただきますようお願い申し上げます。(京都新聞)
■市バスドアに挟まれてけが 中京区の男性が転倒
 5日午後零時5分ごろ、中京区丸太町通七本松東入ルの京都市バス「丸太町七本松」停留所で、停車中の市バスに中京区間之町通夷川下ル夷町、無職奥村駿之さん(79)が乗ろうとしたところ、運転手(42)がドアを閉めた。奥村さんは右足をドアに挟まれて転び、頭や右ひじを打撲するなど10日間のけがを負った。
 西陣署の調べでは、奥村さんの後にも乗客は並んでいたが、運転手は「もういないと思って閉めた」と話しているという。同署は業務上過失傷害の疑いで運転手を書類送検する方針。(朝日新聞)
■政治短信 リニア新幹線を「目玉に」
 伊藤公介国土庁長官は5日の記者会見で、超伝導浮上式リニアモーターカーの実用化とリニア方式の「中央新幹線」計画を、策定中の次期全国総合開発計画の「一つの目玉にしたい」と語った。伊藤長官はリニアモーターカーの走行試験をしている山梨県都留市の実験センターを8日に視察する予定だ。(朝日新聞)
7日■新都心 京都駅ビル全面開業 4 コンベンション都市 会議呼び込む拠点に
 「1200平方bの大宴会場や同時通訳の設備も完備。新幹線や関西空港のアクセスも便利です」。真夏の太陽が照りつける東京丸の内のオフィス街。ホテルグランヴィア京都の南野均東京営業所長(61)は交通の便と会議機能を持つ駅ホテルの特徴を、連日汗だくで関西に営業拠点を持つ東京の企業へ売り込みに回った。
・経済効果大きく
 京都市は1966年、国立京都国際会館を誘致し、日本を代表する国際会議都市を誇ってきた。だが90年前後から他都市でも大規模な会議場建設が相次ぎ、京都の年間開催件数は93年4位、94年3位、95年4位とかげりが出始めている。
 特に大学の学会などはどこも資金難。例えば神戸市は国際会議で500万円を助成する制度を持つが、京都にはない。京都コンベンションビューローの梅原豊事業課長(39)は「コンベンションが産業だとの認識が行政や関係者に薄い」と2000年夏の「国際地形学会」の京都誘致失敗を分析する。
 国際観光振興会(東京)の試算によると、参加者2000人で4日間の会議が落とす消費支出は、宿泊費、飲食費など1億3800万円。国際会議の参加者は宿泊、交通費など1人1日平均7万円を消費し、大きな経済効果を呼ぶ。
 国立京都国際会館の橘正忠館長(75)は「会議後の京都観光も従来の神社仏閣だけでなく、ショッピングや娯楽施設といった新たな魅力が不可欠だ。新京都駅ビルの機能と京都の伝統文化をどう組み合わせ、もてなすか。その企画力が問われる」と強調する。
 新京都駅ビルにはJR線や地下鉄線、近鉄線が乗り入れ、1日の乗降客は約37万人。加えて京セラの100bビル建設など駅南部開発が本格化する。ホテルグランヴィアの増田貞冶総支配人(56)は「ハイテク企業などの誘致が進めば環境や技術といった先端分野の情報交流が進み、会議を京都で開く起爆剤になる」と見通す。
 新京都駅ビルはJR線で関西空港と直結。京都市地下鉄の北々伸で国際会館までわずか20分。ホテルには国賓級をもてなす専用客室も整えた。「劇場や百貨店といったモダンな機能と京の文化の接点が駅。2つの魅力を生かした独自の商品を提供していく」と戦略を練る。
・頼りは市民募金
 だが、京都が持つ「高級感」が逆にネックになると指摘する声もある。
 「途上国NGOの招待費捻出(ねんしゅつ)に市民の協力を」。12月京都市で開く地球温暖化防止京都会議に京都の民間団体「気候フォーラム」が途上国NGO代表を招待する計画が、資金難からピンチという。
 同NGO事務局長の浅岡美恵弁護士(50)は「会議は温暖化と密接にかかわるアジア・アフリカの代表者を呼ぶことに意義がある」と招待費用約3200万円の捻出に躍起だが、途上国NGOにとって航空運賃すら重い負担だ。航空会社など企業の協力は得られず、渡航費などは市民の募金に頼るという。「京都が国際会議都市を標ぼうするなら市民を受け入れる整備こそ必要。京都らしい温かいもてなしとは何か。町づくりとセットで考えるべきだ」と浅岡弁護士は主張する。
 着物姿の和装ボランティアが京都駅で海外からの観光客を出迎え、安い宿泊所情報は駅ビルの府国際センターが発信する−。裏千家の伊住政和副本部長(39)は国際都市の玄関像をこう描く。「ホテルでの野点や1泊2日の禅修養体験。市民ボランティアとの触れ合いを通し京の文化を感じてもらえれば」と市民レベルの組織作りを急ぐ。
 大競争時代に入ったコンベンション産業。小堀脩京都商工会議所専務理事笥もはいう。「産業都市の京都駅南、文化の市街地。この両輪どう連動させるか。新都心は駅ビルというハード、心というソフトの両輪をどう育てるかだ」(京都新聞)
■平成9年9月9日記念 近鉄カード 「銀河鉄道999」乗りに乗りました 1万枚完売で「サンキュー」
 数字の「9」が3つ並ぶ平成9年9月9日にちなんで、近鉄が人気漫画「銀河鉄道999」をデザインした記念プリペイドカードを発売したところ、9日を前に早くも売り切れた。ほかの鉄道会社も、日付入り特別入場券や記念カードを用意しており、当日はちょつとした「999」ブームが起きそうだ。
 近鉄が1日から発売した1000円の記念カードは、用意した1万枚が4日に完売となった。続いて沿線の大福、福神、黄金3駅の日付入り入場券2万セットを9日正午まで販売している。また9日の当日からは、JR西日本が昔の厚紙を使った日付入り入場券に、記念の台紙を準えて約15万枚発売するほか、阪急も「サンキュー(999)記念セサミストリートラガールカード」を河原町駅などで3万セット売り出す。(京都新聞)
■窓 公共性考えて京都駅駐車場 東山区・長谷川 晃(大学教授・63)
 JR西駐車場が11日からオープンする。便利になったと思うが、その料金を見て驚いた。JRの駅駐車場の料金は、送り迎えのJR利用客へのサービスを考え、新京都駅の工事が始まる以前は最初の30分は無料にしてあった。
 これは他の多くのJR駅でも適用されている。それが、新駅の新しい駐車場では最初からいきなり600円となっているではないか。いくら民営化したからとはいえ、これではお客へのサービスを無視するのも甚だしい。こんなことをすると、駅周辺での違反駐車を招き、交通停滞を引き起こすこと間違いなし。利用客へのサービスを考えるなら以前通り最初の30分は無料にし、そのあとの料金も30分おきにすべきである。
 JRは利益追求ばかりを考えず、その公共性も考えて運営してほしい。御池通に開設された駐車場についても同様の考慮がほしい。立派な駐車場ができても利用者がほとんどないのでは、駐車違反は減らないうえ、投資の回収は遅くなってしまうではないか。(京都新聞)
■ニッポン現場紀行 京都駅ビル 牧野圭一さんと歩く 突出した巨大都市空間
 ホームから真上を見上げても、視界の中にビル全体は入らない。新幹線で東京−京都間を毎週のように往復する牧野さんも、初めて中を歩いて回って、その広大さと多様さにうなり声を上げた。「私の万歩計は7000歩を超えましたよ」
 横幅400b、奥行き50b、高さ60bほどの巨大な直方体の中に、539の客室と一度に4組挙式できる結婚式場があるシティーホテル、百貨店、4つの商店・食堂街、ミュージカル劇場、美術館、イベント広場、空中廊下などが複雑に入り組んで配置されている。「まさにビル全体が都市ですね。今まで、こんな駅があったでしょうか」
 中央改札口の外の広大なコンコースは、高さ50bのガラス屋根に覆われ、ドーム球場の中にいるような解放感を味わう。屋上の広場へ続く171段、幅26bの大階段は、メキシコのピラミッドか、タカラヅカの大舞台を連想させる。
 「通過するだけだった若い人が時間を過ごすようになりました。一日いてもあきない空間ができたと思います」と西川浩光駅長。JR京都駅は新幹線のほか、在来線電車が大阪・神戸、関西空港、奈良、琵琶湖周辺、北陸、山陰方面へ発着しており、鉄路の交差点でもある。「開業に合わせて鉄道ダイヤも便利になり、100`圏内から大勢の人が集まっています」
 駅を出て、近くにある京都駅ビル開発会社を訪ねた。駅ビル全体の管理、運営をする第三セクターで、原和安社長は、親会社のJR西日本(本社・大阪市)の元常務。
 牧野 京都最大の繁華街である三条、四条の反応はどうですか?
 原 四条のデパートが気にしているという声は聞いています。ここに入った百貨店の「ジエイアール京都伊勢丹」は、東京の新宿をそのまま持ち込んで、これまで関西にはなかった全く新しい感覚が入ってきます。
 牧野 既存の繁華街などとの連携は?
 原 それぞれが魅力を出し合うことが相乗効果を生み、京都全体が発展するんだと思います。流れはお客さまがつくるのではないでしょうか。
 駅ビルは計画段階のときから「古都の景観を損なう」と、市民の間から反対の声が上がった。完成してみると、大きな建物の少ない平面的な京都の街で、ひときわ異彩を放って見える。「巨大空母が接岸したみたい」と、違和感を覚える市民も少なくない。
 原社長は「北の方の町並みは大切に保存し、駅から南は近代的なビルが立ち並ぶビジネス街にすべきです。京都が世界でもまれな1000年以上も続いた都市であるのは、伝統を守りながらも、常に新しいものをつくってきたからだと言われています。このビルの評価も後世の歴史が判断してくれます」。
 平安遷都1200年記念事業の一つに位置付けられたこの巨大な駅ビルは、京都の街をどう変えていくのだろう。文・寺田 憲二
《新しい京都駅ビル》
 1877年開業の初代京都駅から数えて4代目。JR西日本と京都府、市などでつくる第三セクターが1500億円を投じて建設した。16階建て延べ床面積約23万8000平方b。7月に駅施設、8月に文化施設が開業したのに続き、9月11日に百貨店とホテルなどもオープンする。
・人と金の一極集中が心配
 外から建物を見た感じは、人を拒絶する中世の城壁都市だったが、ひとたび中に入ると、高く突き抜けて空を見上げるコンコースなど若い人にアピールする魅力にあふれていた。この落差が新鮮な感動を呼んだ。パリの町並みに出現して市民を驚かせ、結局は認知されたボンピドーセンターのように、すぐに「新名所」になるだろう。
 外観から私が感じた城壁都市のイメージは、城壁の中に完結した機能を備えて、市民を吸収するという点では当たっていた。「城内」に足止めをして「利」を吸収するものが完ぺきに備わっている。
 血管とも言える鉄道が集中する駅に誕生した空間は、人と金を吸い寄せる「街の心臓」になるだろう。問題は、この心臓から末端にまで酸素や栄養を送りだせるか、京都の南、北端の商圏、文化圏まで好影響を与えるか、だ。
 JR西日本は巨額投資の回収に、全力を入れるだろう。駅長やビル会社の社長らと話してみて、その意気込みを感じた。既存の商店街との連携よりも、まず自分のところの発展を最優先するだろう。しかし、心臓の中だけで酸素も栄養も吸収してしまうと、京都全体はどうなってしまうのか。すべてを斜めに見てしまう風刺漫画家の心配だけで終われはいいのだが…。(朝日新聞)
8日■新都心 京都駅ビル全面開業 5 新ビジネス街 周辺に企業進出相次ぐ
 JR京都駅の中央改札口を出ると、正面左側の壁面に、髪を風になびかせる男女の巨大絵画が見える。ポップアート界を代表する米国の作家ロイ・リキテンスタイン氏の作品「車中にて」。額縁の隅に小さく「京セラ」の文字が入っている。ガラスと大理石で覆われた新駅ビルに彩りを添える14社の「アート広告」の一つだ。
・掲げることに意味
 今年3月、京セラの大庭晃夫広報宣伝部長(51)はリキテンスタイン氏が住む米国へ向かった。これまで京都駅内に広告がなく、昨秋、広告代理店から新駅ビルへの広告掲出の打診を受けた時から、京都賞受賞者でもあるリキテンスタイン氏の起用を決めていた、という。
 アート広告は製品宣伝が一切できないうえ、3年契約の掲出料だけで1000万円以上といわれるが、「京都企業として新駅ビルに掲げたことに意味がある」という。
 新京都駅ビルの誕生は、観光・商業のみならず、京都のビジネス界にも新たな変化を生んでいる。これまで京都市内では、烏丸四条かいわいに企業オフィスが集中、京都駅周辺は銀行すらまばらだった。しかし現在、伏見区内に高さ95bの新本社ビルを建設している京セラをはじめ、京都駅周辺や市南部に事業拠点を設ける動きが相次いでいる。
 「京都進出は積年の願いで、しかも絶好のタイミングで実現することになった」。宇治市から南区上鳥羽に本社の移転を進めている半導体製造装置メーカー、TOWAの坂東和彦社長は熱っぽく話す。
 取引先の6割を海外メーカーが占める同社にとって、商談や打ち合わせに訪れる顧客の足の確保や時間的ロスは長年の悩みだった。新本社・工場の新設費は100億円にのぼるが、坂東社長は「関空と直結し、ホテルなど複合機能を備えた京都駅周辺にいれば、的確にチャンスを生かせる」と狙いを明かす。
・新社屋が広告塔
 堀場製作所も先月、半導体関連子会社エステックの新本社・工場を南区上鳥羽に完成させた。当初、大津市など近郊地域も検討したが、堀場厚社長は「インフラがそろえば、京都が持つ国際的な知名度や大学、人材面のメリットは大きい」と説明する。
 両社の新社屋とも、新駅ビルから望める広告塔の役割も期待しており、京都企業としてのステータスを高める狙いもある。
 今月3日、キリンビールが、京都工場(京都市南区)を2年後に閉鎖すると発表、地元自治体や関係者らを驚かせた。過去10年間に京都市内から郊外へ流出した工場(1000平方b以上)は33件、計36万平方b。都市部での生産コストの高さに加え、工場等制限法をはじめ京都市内の厳しい立地規制が厚い壁となっている。
 島津製作所は、今年に入り島根、福井両県への新工場建設を相次ぎ決定した。大手企業が軒並み工場を地方移転する中、同社は、国内生産部門については京都一極集中を守ってきたが、「京都市内で工場の増築ができない以上、外に出ていかざるを得ない」(藤原菊男社長)という。
 京都市では、国に工場等制限法の見直しを求める一方、歴史都市の景観保存上「市南部に新たな産業集積を図るしかない」(産業振興課)と南部開発に望みを託す。それだけに、新京都駅ビルが企業進出の呼び水となることを期待している。
 京都駅周辺の企業立地について、駅烏丸口側に本社を置くオムロンの立石義雄社長は「東京−大阪を結ぶ横軸と関西学研都市へ延びる縦軸の十字路として、先端の技術、情報を集発信できる条件がそろっている」と新ビジネス街形成の可能性を示唆する。(京都新聞)
■社説 百貨店競合を地元の活性化に
 新京都駅ビルに11日、新しいデパートが開業する。これに対し、既存百貨店のリニューアルや草津市での新規オープン、商店街の新サービスなどが相次ぎ、京都の商圏は激しい競合の時代を迎えることになる。
 これは、大きな消費刺激になる可能性もあり、消費税率引き上げ後、回復感の鈍い個人消費を活気づける地元での明るい材料として期待される。
 個人消費の指標となる総務庁の家計調査では、7月の消費支出が4ヵ月ぶりに増加した。
 1世帯あたりの消費支出は、物価変動分を除く実質で前年7月を3%以上も上回っている。消費税率アップの駆け込み需要で膨らんだ3月を除くと昨年6月以来の高い伸びである。
 もっとも、調査の結果には特殊な要因がいくつかある。ボーナス支給が7月にずれこんだ家計が多かったり、昨年はO157の猛威で食料品を中心に低迷し反動で数字が膨らんだ、などだ。
 事実、ボーナス支給月の6、7月を合わせた支出は、前年同期より1%近く減り、家電製品など耐久消費財への支出も決して活発になっていない。総務庁は、消費税率引き上げの影響から脱したとみるのはまだ早い、と判断している。
 先に通産省が発表した7月の商業販売統計速報も楽観をいましめる。
 自動車や宝飾品など高額商品の店頭での動きは依然重く、エアコン、冷蔵庫など家電小売販売も大幅に落ち込んだ。自動車も低迷し、全体では4月から4ヵ月連続で前年を下回った。
 もちろん、季節要因が影響しており、消費低迷を過剰に言い募るべきでない。だが、消費税以外にも特別減税廃止や9月からの医療保険負担増など、消費意欲を鈍化させる原因には事欠かず、消費の先行きは相当に不透明だといえよう。
 京滋の個人消費も、全国同様に芳しくない。その中で他地域では見られない消費活性化の好材料と見られているのが新デパート進出による競合効果である。
 3万7000平方bという新デパートに対し、これを上回る売り場面積を確保した既存3百貨店はじめ各店が、ファッション部門の強化などで対折策を整えた。
 新旧百貨店の活発な競い合いは、消費意欲を刺激する一方で、地元商店などへのしわ寄せとなる懸念もある。単なるパイの食い合いに終わらせず、一段と商圏の拡大につながる競合でなければならないと考える。
 また、さまざまに負担感が増す消費者の立場に立つことはなにより大切だ。消費低迷をはねのけ、地元経済活性化の起爆剤となる競い合いを期待したい。(京都新聞)
■踏切事故ストップ 「敬老の日」PR作戦 JR西日本 トラブル対策 お年寄りに伝授
 高齢者の踏切事故の増加傾向に危機感を抱いたJR西日本が、15日の敬老の日に合わせて、お年寄りを対象にした異例の事故防止キャンペーンに乗り出す。管内の踏切事故は、ここ9年間で全体で4割以上減少したのに、事故当事者が65歳以上の割合は逆に2倍を超す。とくに自動車がからむと、脱線など被害が大きくなりがち。そこで、社員が各地の敬老会会場に出向くなどして、車のいったん停止や安全確認の徹底、立ち往生した場合に非常ボタンを素早く押すことなどを呼びかける。
 踏切事故防止については春や秋の交通安全運動で年齢層を限定せずに呼びかけているが、敬老の日に、高齢者に的を絞った啓発活動はJR各社では初めてという。視力や聴力、とっさの判断力と迅速性の衰えが指摘されながら、高齢ドライバーは増える傾向にあるため、「お年寄りへの啓発は踏切事故防止上、最重点課題」(JR西日本)と判断した。
 JR西日本管内の踏切事故は自動車、歩行者、自転車など全体で1987年度が144件(うち自動車は89件)だった。それが96年度は83件(同41件)と、42%減った。一方、65歳以上が占める割合は全体で14%から33%に、自動車事故に限ると6%から21%へ拡大した。
 踏切には警報機と遮断機のある「1種」、警報機だけの「3種」、どちらもない「4種」があり、JR西日本は計6552ヵ所を抱える。うち、信号を点滅させて列車の運転士に異常を知らせる非常ボタンは約5300ヵ所にあり、踏切の障害物を検知して信号を作動させる赤外線センサーも、1550ヵ所に取り付けられている。
 これらが機能すれば衝突が防げる可能性も高くなるが、ためらったり、自力脱出を試みてタイミングが遅れるケースも多い。最近でも奈良県内で、79歳の男性が運転する車が踏切内でエンストし、そのうちに遮断機が下りて列車と衝突した。「非常ボタンを早く押していれば、衝突しなかったかもしれない」という。
 踏切事故で脱線などした場合、復旧費や乗客の振り替え輸送費などの損害は事故当事者側に請求するのが一般的で、被害が大きいと億単位にもなる。
 「敬老の日作戦」は、9つの支社ごとに各地の敬老会の会場に出向き、最近の事故事例や踏切でのトラブル対処法を紹介したパンフレット計4万枚や、標語を添えた拡大鏡計2万枚を配る。遮断機が下りてから最低15秒後に列車が来ること、列車を無事に止められたら損害金は不要なことなども紹介。場所によって、社員が直接講習したり、模擬踏切を会場に持ち込んで実演したりする。
・高齢ドライバーの今年の踏切事故事例
@ 2月 3日、鳥取県東伯町の山陰線。72歳の男性が飲酒して軽トラックを運転、踏切でエンストして列車に衝突。男性は非常ボタンを押したが、間に合わず。けがなし。
A 2月17日、福井県坂井町の北陸線。65歳男性の軽トラックが、下りている遮断機を押しのけて踏切へ。男性は死亡。
B 4月18日、和歌山県岩出町の和歌山線。80歳の男性運転の軽乗用車が、前方が渋滞中なのに踏切に入り立ち往生。軽傷。
C 8月12日、奈良県新庄町の和歌山線。79歳男性のライトバンが踏切内でエンスト。手を挙げて列車を制止しようとしたが衝突。けがなし。(JR西日本調べ)(朝日新聞)
■長距離列車トップ 新生JRの顔 快走 人気薄「はやぶさ」短縮されて棚ボタ 東京−熊本1314`
 高級感のある「ゆったり旅」を売り物に、大阪−札幌間1502.6`(実走行距離)を結ぶJR西日本の寝台特急「トワイライトエクスプレス」が、国内で最も長距離を走る旅客列車になる。これまで最長だった東京−西鹿児島間の寝台特急「はやぶさ」の走行区間が、11月29日から東京−熊本間に約200`短縮されるためだ。熊本から先の利用率が極端に悪いことによる見直しで、トップの座が転がり込む。
 「はやぶさ」は1958年10月、東京と九州を結ぶ第3の夜行特急として登場した。名称には「速くて力強い」という意味が込められている。当時、東京−西鹿児島間を22時間50分で結び、走行距離1514.7`は国内最長距離列車だった。
 65年10月からは東京−西鹿児島間を大分、宮崎回りで結ぶ特急「富士」に日本一の座を奪われたが、「富士」の運転区間が80年10月に短縮されると再び最長の座についた。高度経済成長下の60年代後半が利用客の数がピークだったという。
 現在はJR九州が車両を所有。昨年度の平均実績によると、本州から「はやぶさ」に乗って九州に来た乗客数は 140人、乗車率は40%。客は九州各地で降り、熊本から先の八代−西鹿児島間は20人ほどしか乗っておらず、「空気を運んでいる」ともいわれていた。東京−鹿児島間の利用者の96%が飛行機なのに対し、鉄道は4%といい、秋のダイヤ改定時に熊本で打ち切ることにした。
 「はやぶさ」の走行距離の短縮で最長となる「トワイライトエクスプレス」は、国鉄の分割・民営化後の89年7月に登場した列車。大阪からは通常、月、水、金、土曜の正午に出発、北陸線、羽越線経由で札幌には約21時間後の翌朝9時過ぎに到着する。
 JR西日本によると、5月から10月までの下りは例年80%を超える乗車率で、スイートの2人用個室はなかなか切符が取れないほど人気があるという。(朝日新聞)
9日■新都心 京都駅ビル全面開業 6 若者の街 遊び、集う場どう創出
 改札を抜けた途端、多くの視線に射すくめられそうになった。昼下がりの京都駅烏丸中央コンコース。友人や恋人を待つ大勢の若者らが、改札口からはき出される人々の往来に、素早く目を走らせるからだ。
 初秋の青空を見通せる高さ約50bの吹き抜けの天井、広さ約1800平方bの広大な空間。「これまでに比べ、駅の出入口がずっと分かりやすくなった」。九州からの友人を出迎えに来ることが多い同志社大3年の中村紘子さん(20)=京都市中京区=は言う。
・秘められた可能性
 1日50万人が乗降する京都駅は、関西屈指の「交流の場」だ。特に、14万人の大学・短大生を抱える京都にとって、新駅ビルの誕生は、新たな若者スポットを創出する可能性を秘めている。
 劇場「シアター1200」や、百貨店「ジェイアール京都伊勢丹」はいずれも若者をターゲットにした企画や商品展開を図る。3年後には、京都の大学の共同利用施設「大学のまち交流センター」も完成、学びの「交流の場」としての期待も高まる。
 だが、こうした駅周辺の将来像に対して、当の若者たちは意外にクールだ。華頂短大2年の大林美帆子さん(20)=城陽市=は、「伊勢丹のファッションに興味はあるけれど、周りに雰囲気を楽しめる喫茶店も映画館もない。四条河原町と違い、買い物などの用が済んだら何もすることがない場所」と言い切る。
 確かに、四条河原町かいわいは、休日には11万人以上が訪れ、「歩道が狭く、窮屈」などの声とは裏腹に、いつも若者らでごった返している。「行き交う人が、どんな服装や髪形をしているか観察できる」と、アルバイターの築田裕子さん(24)=右京区=。
 そこにはファッションやグルメ、書籍などの店が集まり、待つ、会う、買う、食べる、飲む、歌うなど、若者を引き付ける「仕掛け」がそろっている。「近くの鴨川へ出れば、お金がなくてもジュース1缶で時間をつぶせる」(大林さん)利点もある。
・求められる工夫
 新京都駅ビルの開業は、こうした若者の目を向けさせることになるだろうか。20−30代前半の男女向けタウン誌「クラブ・フェイム」編集長の元橋一裕さん(38)は、「今のままでは、駅周辺に若者の『サロン』は形成されない」と、厳しい見方だ。「京都駅で待ち合わせても、楽しく食事や買い物ができる場所となると、やはり四条河原町へとなってしまう。駅周辺に多くの人が喜んで利用できる場がないと、どうにもならない」。
 こけら落とし公演「ジャニーズファンタジー」に全国から多くのファンが詰めかけたシアター1200。しかし、その半数以上が、実は北海道や沖縄など京都以外から、お目当ての歌手を追って来た少女たちである。
 三宅章介支配人(53)は、「彼女らは、公演を朝も昼も繰り返し見て帰るが、シアターに来ても、京都に来たことにはならない」と、指摘。街へ出て遊び、集う場づくりの必要性を強調する。
 毎日通学で京都駅を通る立命館大2年の高橋和美さん(19)=城陽市=は、駅の将来像にこんな夢を思い描く。「駅前には広場があって、中央の噴水で待ち合わせる。周囲には清潔なベンチや、雰囲気の良い喫茶店。ファストフードの店も選べるぐらいある…」。
 新しい京都駅には、確かに百貨店も劇場も待ち合わせ場所も誕生する。しかし、若者を決定的に引きつける空間とするためには、もう一ひねり、表玄関の舞台装置としての工夫が求められそうだ。(京都新聞)
■ポイントトラブル JR奈良線乱れる 東福寺駅
 8日午後3時半ごろ、京都市東山区本町のJR奈良線東福寺駅で、上り線の信号が赤になったまま変わらなくなった。京都行き普通電車が現場に18分間停車、3本が部分運休したほか、後続の上下計6本が最大18分遅れ、約1200人に影響した。
 JR西日本によると、同駅構内のポイントに鉄片(長さ10_)が挟まっているのが分かった。鉄片はブレーキをかけた際の摩擦で車輪から欠けたものではないかとみられる。(京都新聞)
■”スリーナイン”の日 催し多彩に 「銀河鉄道」ちなむ記念グッズ発売も 京都中央郵便局
 9が3つ並ぶ、平成9年9月9日。京都市内でも9日、「9」にちなんだ記念グッズの発売や電光掲示板での点灯などが行われる。「末広がりの888」だった昨年に比べ、催しなどは少ないが、アニメ「銀河鉄道999」をイメージした記念台紙などが人気を集めそうだ。
 京都中央郵便局(下京区)は、銀河鉄道をモチーフにした記念台紙を製作した。隣接するJR京都駅の全面開業も11日に迫っていることから、図柄の中央にはJR西日本の新幹線の新型車両「500系のぞみ」の写真をあしらい、背景には銀河系や惑星を描いた。
 裏面には、「平成9年9月9日は999(スリーナイン)の日」と書かれている。1部350円。同郵便局をはじめ、京都西ブロックの各郵便局や特定郵便局で計4000部を用意、日付印を押して販売する。
 このほか、河原町通三条北東角の電光掲示板「サクセスビジョン」では、9日午前8時から10日午前零時までの間、「感謝をこめて999(サンキュー)」のメッセージを9分に1回(9秒間)流し、通行人にアピールする。(京都新聞)
■運転士最後の姿、息子に見せたかった 6歳を同伴 地下鉄運転士 大阪市交通局処分へ
 大阪市交通局の地下鉄運転士(35)が8月中旬、自分の長男(6つ)を運転室に入れたまま、谷町線の約2`の区間を運転していたことが8日、分かった。市交通局が乗客からの指摘で調査。運転室への部外者の立ち入りを禁じた勤務規程に違反したとして、9日付で、この運転士を戒告処分にするとともに、運転士が所属する乗務所の所長に厳重注意する方針だ。
 市交通局によると、この運転士は、谷町線の谷町四丁目−大日間を運車中の8月16日午後2時45分ごろ、天神橋筋六丁目で乗車してきた妻と2人の子供を見つけ、窓越しに運転席を見ていた長男を室内に入れた。長男が運転室にいたのは、千林大宮駅から守口駅にかけての約4分間だったという。
 この運転士は、研修生の運転指導をする資格を持つ「指導高速運転士」で、今年度中に、駅助役など地下鉄幹部職員への昇格が内定していた。交通局の調べに対し、「運転士としての最後の姿を息子に見せたかった。軽率だった」と話しているという。
 大阪市交通局高速運輸部の山口節男部長の話 地下鉄運転士として公私を混同し、服務規程に違反する行為であり、誠に遺憾だ。今後、このようなことのないよう職員の指導に努めたい。(朝日新聞)
■見上げれば エスカーレータ どこまでも 11日開店の京都伊勢丹
 11日に開店を控えたJR京都駅ビルの百貨店「ジェイアール京都伊勢丹」で8日、取引先や地元の関係者を招いた内覧会が開かれた。店舗は駅ビルの西側部分を占め、地上11階、地下2階で、各フロアが階段状になった独特のデザイン。大きな吹き抜けがあり、2階から11階まで折り返しなしで一直線にエスカレーター9基が続く。総延長は177b。
 売り場面積は約3万2000平方bで、市内で4番目の規模。1階から7階までファッション関係のフロアが占めている。
 ファッションフロアの商品搬入はほぼ終了、地下の生鮮食品売り場は缶詰などの搬入が急ピッチで進められている。(朝日新聞)
■仏列車衝突 43人が死傷、 タンクローリーと
 【パリ8日共同】フランス南西部ボルドー近くの踏切で8日、フランス国鉄の旅客列車がタンクローリーと衝突し、警察当局によると、列車の乗客と運転士計12人が死亡、31人が負傷した。負傷者のうち18人は重体。衝突後、タンクローリーは爆発し炎上、客車2両と機関車も火に包まれ、黒こげとなった。
 現場はボルドーの東約60`のポールサントフォワにある信号機付きの無人踏切。午前11時55分(日本時間同日午後6時55分)ごろ、ボルドー発サルラ行きの列車が踏切上のタンクローリーに衝突した。
 衝突の弾みでタンクローリーの運転台とタンク部分が切り離され、タンクは列車に引きずられた後、爆発したもよう。タンクには30`リットルの燃料が入っていた。
 国鉄当局は、事故当時、踏切の信号が正常に働いていたかどうかまだ確認できていないとしている。(京都新聞 夕刊)
■「999」で記念切符鉄道会社
 きょうは「平成9年9月9日」。「9」の数字が3つ並んだことにちなみ、鉄道会社が、記念の入場券や切符を発売。郵便局には朝から、記念の消印を押してもらう人が並んだ。
 JR西日本は、人気車両「500系のぞみ」のイラストをあしらった記念台紙付きの入場券(都市部は120円)を、管内236駅で一斉に発売。大阪駅では、計6ヵ所に販売所を設け、早朝から出勤途中のサラリーマンらが列をつくって次々と購入した。
 JR大阪駅前の大阪中央郵便局では、押印済みの90円切手3枚を組み合わせた記念台紙を発売し、カウンターには記念押印のための特別コーナーを設置。午前9時のサービス開始時には約700人が列をつくった。(朝日新聞 夕刊)
10日■新都心 京都駅ビル全面開業 7 都心の壁 南北一体化へ課題残す
 新京都駅ビル全館開業を目前に、今春京都市を退職した小山選一氏(60)は、駅ビルの設計コンペの準備が進んでいた7年前の情景を思い出していた。
 当時、都市計画部長だった小山氏は、JR西日本の開発担当者に何度も要請した。「駅の改築で、将来、東海道線の高架化ができなくなるようでは困る。高架化が可能な設計にしてほしい」
 JR西日本は、「そうした要請を受けたかどうかはっきりしない」(広報室)というが、結果的に駅ビルは、将来の高架化に支障のないように、レールの上に建物がかからない形で建てられた。
 「巨大な壁」と揶揄(やゆ)される新京都駅ビルだが、京都は以前から、東海道線という「長大な壁」に悩まされてきた。
・先見えぬ高架化
 京都市民や経済界からの同線の高架化の要望は、明治時代からあり、戦後の1950年、火災による京都駅建て替えの際、高架化を求める声が一気に高まった。市議会は「国鉄高架促進委員会」を設置、国や旧国鉄に働きかけた。
 その後も活発な要望活動が続いたが、東海道新幹線の開業(64年)ごろから高架化の声は次第にトーンダウンする。ひかり号を京都に停車させる運動や、旧国鉄が赤字になったことなどが原因といわれる。今では駅周辺の商店街の間で、「あきらめの心境」といった声すら聞こえる。
 高架化のネックとなっているのは、2000億円とも3000億円ともいわれる事業費。しかも、対象域の高架化事業は、国の補助事業の対象からはずれるという難題がある。
 69年に始まった建設省の連続立体交差化事業は、事業費の1割を鉄道事業者が負担し、9割を国と自治体が折半する仕組み。京都市内では工事中を含め近鉄京都線、JR山陰線、京阪本線(地下化)の計5区間、延長計13`を計1229億円で実施している。
 しかし、こうした事業は踏切をなくすことが目的。東海道線の東山トンネル−桂川間では、道路はすべて陸橋、または地下化しており踏切がないため、補助対象にならないのだ。
 市都市建設局は「膨大な事業費をJRか京都市で負担しなくてはならず、JRに高架化をもちかける状況にはない」(西村伊久夫街路部長)という。
 現在、東山トンネル−桂川間で東海道線と交差している道路は、歩道橋を含め大小計18本。これだけで南北通行量をさばききれず、京都高速道路の堀川線と西大路線が計画されている。
 新駅ビル構想が持ち上がった時、京都の都市計画に関心を寄せる上田篤京都精華大教授は、高架化が検討課題に上らないことに業を煮やし、「京都南北一体化研究会」を結成、京都の将来像への危機感を訴えた。
 上田教授の思いは今も変わらず、「高架化による利益は一時的なものでなく、50年、100年と続く」と強調、市に決断を促す。
・周辺整備も宿題
 高架化を見送って建設された「巨大な壁」新京都駅ビルには、南北自由通路が設けられている。幅12b、長さ240b、歩行者専用ながら、総事業費は約59億円にのぼる。ほぼ半額を京都市が国庫補助を受けて負担した。
 しかし、その通路も駅構内を横断できるだけで、北側の商店街が求める駅前広場をまたぐ計画はない。「このままでは駅から人が流れてこない」(地元市会議員)との不満も出ており、駅ビルを核とした周辺整備が宿題となっている。
 東海道線の高架化のめどが立たない今、南北一体化へのステップとして新京都駅ビルの役割が、さらに注目されている。(京都新聞)
■社説 新京都駅ビルの全面開業を祝う
 JR新京都駅ビルがあす11日、全面開業する。国内最大規模の新駅ビルは、ターミナル機能とともに、商業施設、文化施設、観光拠点など、複合的で多彩な表情を持つ。21世紀へ向け、京都の「新しい顔」がはなやかにデビューする記念すべき日に祝意を表したい。
 高さ約60b、東西約470b、地上16階、地下3階の巨大な駅ビルは、平安建都1200年記念事業として、JR西日本と京都府・市、経済界が京都活性化の願いを込めて建設してきた。
 7月の駅施設、8月の劇場「シアター1200」の開業に続き、新たに百貨店やホテル、専門店街などの登場で、さまざまな波及効果が望めよう。
 期待したい第一は、新都心の創出だ。京の繁華街といえば、これまで四条河原町周辺に限られているが、駅ビルを核に新たな繁華街ができれば、都市のにぎわいや魅力は倍増する。
 駅ビルの登場は、それ自体でひとつの大きな街に見合うほどのインパクトを持つ。何しろ1日の乗降客が約50万人。7、8月の部分開業で駅の近距離切符が前年より1.5倍売れ、「シアター1200」には若者らが群がっている。新たにデパートや専門店街などの開業で、駅周辺も含めた一大繁華街が現出するのは間違いなかろう。
 四条河原町界わいと新京都駅ビル周辺という都心の二極化により、相乗効果が見込まれるのは言うまでもない。
 たとえば、四条通の商店街やデパートの代表らでつくる「駅ビル対策会議」の会合では「四条通を歩行者天国にする日を」「花のあふれる通りにしては」といった案が出ているという。買い物客らを大事にする姿勢が、美観や自動車公害などに目を向け、人にやさしい繁華街へと発展するなら、大いに結構なことだ。
 強力なライバルの出現に、既存の業界などはさまざまな対抗策を練ってきている。それぞれ懸命に生き残りを図っているわけだが、駅ビルと競いあい、刺激しあって、サービス充実や、特徴のあるにぎわいづくりなどができれば、近郊ばかりか阪神など周辺地域、さらには全国からの集客増を期待できよう。商圏拡大、経済界の底上げにもつながってくる。
 駅ビルにあわせた交通ネットワークの整備・拡充も、京都活性化への弾みとなる。JRがダイヤ改正などで輸送力アップを図るのに対し、私鉄側も充実強化を目指し、10月12日には地下鉄東西線が開通する。その結果、鉄道ネットの利便性が向上し、観光都市、コンベンション都市の基盤が強化されるわけだ。
 さらに駅周辺では、この機に地域のまちづくりを考える住民や地域団体などの動きもいくつか見られる。
 とはいえ、新駅ビルが京都の未来にとって決して楽観材料ばかりではない。商戦激化が京都の中だけでのパイの奪い合いに終わるなら、零細な商店や既存の商店街がしわ寄せを受ける心配が強い。
 駅ビルの「巨大な壁」が市内を南北に分断するのをいかに避けるかも、大きな課題だ。京都ならではの伝統や文化を生かしながらの活性化も命題であろう。
 計画当初から景観論争を呼んだ駅ビルだけに、完成を機に再び論議が起こることも予想される。あらためて景観のありようを考える機会にもしたい。(京都新聞)
■あす全面開業 京都駅ビル 周辺道路拡幅めど立たず 渋滞の恐れ
 百貨店やホテルが入る京都駅ビル(高さ約60b、京都市下京区)は11日に全面開業するが、京都市が進めていた周辺道路の拡幅工事は地権者との移転交渉が難航し、完成のめどもたっていない。開業後の交通混雑や防災上の不安を指摘する声もあり、京都市は「一刻も早く事業を終えたい」としているが、「古都の新玄関」完成の陰で課題を一つ積み残す形となった。
 京都駅周辺は高さ31bの制限区域に指定されていたが、JR西日本や京都市・府などが出資する駅ビル開発会社は1991年、設計コンペで高さ59.8bの作品を採用。その後、市は高さ制限をクリアするため、「特定街区」制度を適用して制限を60bまで擾和した。
 「特定街区」の適用にあたっては、建設省が通達で周辺道路の拡幅などについて指針を示しており、最大容積率600%の同ビルの場合、自治体に幅12bの周辺道路の整備を求めていた。このため市は92年末、駅ビル北西地区の区画整理事業に着手し、幅12bの道路(総延長350b)の整備を始めた。しかし、一部の地権者との交渉が移転先の問題で折り合わず、大通りとの交差点付近の50bが今も8b幅のままになっている。
 この拡幅道路は、同駅ビル駐車場の出入り口に面しており、京都府警交通規制課は「開業後は交通量が増えると予想され、当面、渋滞が起きないかどうか様子をみる。安全確保のため、拡幅を完了してほしい」としている。
 京都市の北里敏明副市長は「全面開業に間に合わなかったが、ただちに交通問題などが起きるとは考えていない」と話している。
 特定街区 大都市でのビルの大規模化、高層化に対応するため、61年の建築基準法改正で取り入れられた。一定幅以上の道路に囲まれた街区で、公共的な空地を整備しながら開発する場合、自治体は高さ規制や容積率を新たに決めることができる。(朝日新聞 夕刊)
11日■JR京都駅ビル きょう全面開業
 JR新京都駅ビルは11日、全面開業する。7月の駅施設、8月の文化施設の開業に続き、21世紀に向けた京都活性化への期待を担い、新たな商業集積と情報発信力を備えた国内最大の駅ターミナルビルのすべての機能が動き出す。
 新たにオープンするのは、ジェイアール京都伊勢丹、ホテルグランヴィア京都、専門店街「ザ・キューブ」。京都府旅券事務所、府観光情報センターなど観光、行政関連施設も移転して業務開始する。
 新駅ビルは、平安建都1200年記念事業として1984年に計画され、JR西日本と京都府、京都市、地元経済界が建設に全力を挙げてきた。景観論争を巻き起こした高さ約60b、東西約470bの新駅ビル建設は、全面開業によって13年間にわたる事業を完了する。
 11日は、京都駅改築事業完成記念式典が午前10時半から、駅ビル内の烏丸小路広場で開催。井手正敬JR西日本会長、荒巻禎一京都府知事、桝本頼兼京都市長、稲盛和夫京都商工会議所会頭らが出席して全面開業を祝う。
 駅ビル内の施設は、午前8時半にザ・キューブが開業、午前10時に京都伊勢丹、午後2時にグランヴィア京都がそれぞれオープン。午前10時前には、新幹線「のぞみ」や特急列車など8本の列車が西日本各地の見物客を乗せて京都駅ホームに集結、開業を盛り上げる。
 新駅ビルのシンボルの大階段は午前6時、空中経路は午前10時から一般開放され、正午からは駅広場でパフォーマンスや和太鼓演奏など多彩なイベントが催される。(京都新聞)
■京津線の一部廃止 運輸省と建設省許可
 運輸、建設両省は10日、京阪電鉄が申請していた京津線の京津三条−御陵間(3.9`)の10月12日の廃止を許可した。京都市地下鉄東西線(醍醐−二条)の開業に伴うもので、京阪は東西線御陵−京都市役所前間(3.9`)に乗り入れる。
 京津線は1912年から営業しており、同区間廃止後は御陵−浜大津間7.5`となる。(京都新聞)
■子らの絵画展示 「ギャラリー電車」 京阪石坂線に登場
 子どもたちの絵画を展示した「ギャラリー電車」が10日から、京阪電鉄石坂線に登場した。子どもたちが描いた浜大津周辺の風景が、乗客たちの目を楽しませている。17日まで1日約13往復運行される。
 8月に浜大津周辺で開かれた「第2回ぼくのわたしの浜大津−写生大会」(京都新聞滋賀本社主催、京阪電気鉄道、琵琶湖汽船協賛)で、参加した200人の作品の中から選ばれた入賞作40点を展示している。
 客船が停泊する大津港や疾走する電車を鮮やかな色彩で生き生きと描いた作品などが数多くあり、乗客らは車内でゆっくりと力作に見入っていた。
 25日から4日間は、大津市立図書館で展示される。(京都新聞)
■トロッコ列車でけが人出た!? 嵯峨駅構内 救急救助訓練 息ピタリ
 秋の観光シーズンを前に10日、京都市右京区天竜寺車道町の嵯峨野観光鉄道トロッコ嵯峨駅構内で、トロッコ列車を使った救急救助訓練が行われた。右京消防署のほか、地元消防団など約110人が参加した。
 ホームから人が転落し、駅に到着寸前だった列車が急ブレーキをかけたために多数の乗客が転倒、負傷したとの想定。素早くけがの程度を分類し、病院への搬送順位を選別する手順などの訓練を実施した。
 列車の大きなブレーキ音とともに、同鉄道職員らが素早く車内に入り、負傷者10人を確認、歩行可能な乗客を誘導した。重傷者は、消防隊と鉄道職員らが協力して運び出し、車輪に巻き込まれた乗客も救出した。
 駅前に搬出された負傷者は、けがの程度で選別され応急手当てを受けるなど、鉄道職員や消防隊員、消防団員らが息のあった連係ぶりをみせた。(京都新聞)
■「はるか」ではかる民営化 定期券で乗車望む 京都オンブズマン会議が結論
 総務庁京都行政監察事務所が、行政に寄せられる苦情や提案について有識者の意見を求めるため設置している「京都行政苦情救済推進会議」(京都オンブズマン会議)が10日、京都市上京区の会館で開かれた。
 京都市内の会社員が、JR西日本の特急「はるか」に定期乗車券で乗車できるよう求めていた件で、同会議は「JR西日本の内規を変えて、(定期券で乗車できる)立席特急券を発行し、空席があれば指定席への変更を認めるべき。将来的には、座席指定の特急券を買い足すだけで乗車できるのが望ましい」との検討結果を出した。
 また、京都市などの住民が自販機の夜間の洒類販売禁止を求めていた問題では「洒類は対面販売が原則のため、洒販店の閉店後には自販機での販売も取りやめるのが適切」とした。
 京都行政監察事務所では検討結果を踏まえて、JR西日本と上京、伏見両税務署に改善を働きかける。
 座長の千田哲朗京都経済同友会代表幹事は、会議で「特急はるかの問題は、JR西日本が本当に民営化できているかのリトマス試験紙だ」と指摘。また、会議終了後の会見で洒類販売のケースに触れ「規制緩和に並行して、治安や健康、環境にかかわる問題では規制を強化する部分も必要」と述べた。(京都新聞)
■地元関係者に披露 京都駅ビル「ザ・キューブ」
 新京都駅ビルに11日開業する京都駅観光デパートの専門店街「ザ・キューブ」が10日、地元関係者に披露された。従来の土産物店に加えファッション雑貨店が入り、売り場面積を2倍に拡充、イメージも一新した。
 ザ・キューブは、烏丸中央口西側の1階、地下1、2階とジェイアール京都伊勢丹11階の4フロアに分かれる。売り場面積は計4400平方b、店舗数68店で、面積、店舗数とも、これまでの2倍以上になる。既存の28店と新規の36店、観光デパート直営の4売り場で構成。
 1階は直営の京名菓店で、約80社の京菓子を扱い、地下1階は和装小物や漬物、清水焼などの20店と直営の弁当売り場。地下2階は10代、20代向けのファッション雑貨の37店。また京都伊勢丹11階には9飲食店が入る。
 いずれ京都伊勢丹からの入口を設け、地上1階から地下2階までは駅コンコースからも入店できる。初年度の売り上げ目標は97億円。仮設デパートは11月中に取り壊す予定。(京都新聞)
■新都心 京都駅ビル全面開業 8 更地目立つビル谷間 周辺整備
 地上約100bの京都タワーの展望台から、グレーの色調にずっしりと質感のある新京都駅ビルの威容が見下ろせる。駅前を出入りする大量の人々の流れ。ところが、少し東に目をやると、ビルの谷あいにポッカリと口を開けたように、いくつもの更地が目につく。
 「あそこはバブル時代に地上げで揺れた土地ですよ」。駅前の塩小路通と七条通にはさまれた材木町周辺を指して展望台案内人の一人が言った。
 1980年代後半から京の地価が急騰。京都駅周辺は地上げのターゲットとなった。「たった100坪で40億円。そんな話があちこちで聞かれた」と地元の住民が言う。
 しかし、暴騰した地価は、バブル崩壊とともに急落。駅をはさんで南北周辺地域は、一等地という恵まれた条件にもかかわらず、現在も「虫食い状態」のままだ。3000坪を超える材木町や駅南口周辺の更地には、駐車場などが目立つようになった。
・必要な”核”施設
 「新駅誕生で周辺のポテンシャルは高まっている。活性化のための核となる施設がぜひとも必要なのだが」。新駅が華々しくデビューする一方で、土地をうまく生かしきれていない現状を、京都タワーの竹中寛企画部長は残念がる。
 もともと、駅再開発に合わせ、周辺では高度利用の構想が京都市や民間レベルで進んでいた。京都市は86年度に「駅南口周辺地区都市総合再開発促進計画」をまとめ、駅前の八条通、九条通と油小路通、竹田街道で囲まれた約40fを、業務、住宅など活用別にゾーンニング、民間活力を導入した再整備を進める計画だった。
 3ブロックに区画した駅前には、84年に完成したアバンティに続き、観光拠点施設や京都商工会議所のツインタワービルなどの構想が浮上していた。
 ところが、バブル熱が冷え、民間の動きも低下した。駅南口には更地が目につき、駅北口の材木町も眠ったまま。周辺商店街も後継者不足で、七条商店街振興組合の樋口信一理事長は「店をたたむところも多い」と悩みを打ち明ける。
 駅の東側、鴨川沿いの崇仁地区(下京区)も、市の住宅地区改良事業計画(約25f)は、まだ進ちょく率約50%。京都市が住宅建設に取得した用地が「空き地となってあちこちに点在している」と、同区自治連合会の奥田正治会長は嘆く。
 新駅ビルの誕生とともに、北は「保全・再生」、南は「創造」の二面から都市整備が進むはずだった。現在のところ計画は十分に進まず、真新しく輝く新駅だけが目立つ。
・地域ごとに動きも
 しかし、新駅ビル開業を契機に、徐々にではあるがまちづくりに向けた動きも出てきた。
 北口周辺では商店街や東西本願寺が参加した「にぎわいづくり推進連絡会」が立ち上がったのをはじめ、南口でも自治連合会など地域団体が近く「山王まちづくり協議会」を発足せさる予定だ。崇仁地区も昨年7月に地域住民が結集した「崇仁まちづくり推進委員会」が、地域の再整備に向け11月にも計画構想案を市に提案する。
 こうした地域ごとの動きをどう体系づけ、再生につなげるか。京都市では「民間進出を促すため誘導策を検討している」(都市づくり推進課)が、まだ具体策は見えない。民間事業者からは「八条口以南は、高さ制限の緩和や事業所税の軽減など思い切った策が必要」の声も聞こえる。
 人口減少、商店街の低迷…。京都が抱える課題を凝縮しているように見える駅周辺。新駅ビルを核にした整備は「行政、民間、住民の一体化」という市政ビジョンの段階から、具体的なまちづくりを描く実行の時期にきている。(おわり)(京都新聞)
■京のデパート 店内美術館競う JR京都駅ビル内伊勢丹開店引き金 既存店、共闘も
 古都・京都で文化事業をめぐる百貨店の競争が激化している。JR京都駅ビルに11日開店する「ジェイアール京都伊勢丹」に、「美術館『えき』KYOTO」ができる。若者をターゲットに現代美術などを中心にした展覧会を進めるという。これに対し、既存の百貨店は美術館部分の増床を完了。京都高島屋と大丸京都店が両店で使える展覧会の割引共通入場券をつくるなど、共闘の構えもみせている。
 美術館「えき」KYOTOは百貨店7階にあり、展示面積400平方b。阪神大震災を教訓に耐震性を強め、最先端の消火ガスを導入した。防災面の強化は高価な美術品を展示できるかどうかのかぎを握っており、同館の売り物のひとつだ。駅ビル内の劇場との相乗効果も狙っている。
 最初の展覧会では茶道の表千家、裏千家、武者小路千家、薮内家などに伝わる茶道具類など約80点を集め、茶室も再現。10日の内覧会には2000人以上が詰めかけた。
 同美術館は東京・新宿の伊勢丹美術館にスタッフを派遣し、展覧会を販売促進に結びつけるノウハウをとり入れた。伊勢丹美術館で開かれる展覧会も巡回させる考えだ。来年3月まで洋画、写真、伝統工芸など幅広いジャンルの展覧会を開き、「将来的には、若者に人気の現代美術やタレントの作品を扱う美術館にしたい」とスタッフの鳴海千裕さん。
 一方、四条通にある京都高島屋と大丸京都店は、すでに美術館や美術画廊の面積を約1.5倍に広げた。作品が大型化する傾向に対応するため、作品の搬入口も大きくした。
 さらに、両店は11日からの展覧会を観覧できる共通入場券をつくり、対応する構えだ。エッシャー展、小磯良平展(ともに大丸京都店)と奥田元宋展(京都高島屋)の3つの展覧会のうち2つを選んで、割引料金で入場できる。
 京都高島屋の担当者は「美術に関心のある層は、百貨店にとって大切な顧客。京都は他都市に比べて展覧会を見る目が厳しく、新しい美術館ができたことで、これまで以上に文化事業の競争が激しくなる」とみている。(朝日新聞)
■声 乗客優先こそ赤字解消の道 豊中市 安達勝太郎 中小企業診断士 77歳
 本紙の報道によれば、大阪モノレールの3月末現在の累積赤字は173億円という。だが、その赤字解消策は残念ながら、記事中の総務課長さんの談話からは見えてこない。全線開通の遅れがあるとしても、赤字幅が大きすぎる。このままでは旧国鉄の二の舞いはほぼ確実な気がする。
 乗客が乗り物を選択する基準は、建設費用とは関係なく、他の交通機関に比べて乗りやすく、サービスが良く(従業員の接客態度、乗車駅への交通手段、駅の設備も含む)、目的地に早く着き、料金が適正なことである。モノレールの沿線には膨大な潜在乗客がおり、これをモノレールのファンにしたら赤字解消の道が見えてくるのに、その道筋は示されていない。
 一方、幾つかの駅の設備を見ても、切符売り場、改札口、プラットホームの設計は乗客の歩く距離、時間、労力が最小になるように連結されていない。プラットホームに上るのも、下りるのも、階段は広いコンコースの端にあり、改札口から離れてつくられている。階段の途中に踊り場をつくれば、改札口の前に階段をもってこられるのに。
 赤字解消の道はただ一つ。顧客の満足を経営の最優先にする顧客志向と企業家精神を全社員が持つことである。(朝日新聞)
■京都駅ビルから始まる、新しい歴史(全面広告)
 JR京都駅ビルが、今日、いよいよグランドオープンを果たす。ここは、駅としての機能だけでなく、ホテル、百貨店、レストラン、劇場など、多彩な要素を備えた、かつてないタイプの複合型駅ビルだ。都の歴史に新たなページを加え、街を彩る空間を、たおやかな女性リポーターがご紹介する。
 リポーター 守行京子さんもりゆき・きようこ/「初詣はいつも京都、と決めています。新しい京都駅ビルを訪ねて、もっともっとこの街に来たくなりました」
・新しい京都駅ビルは国内最大規模のスケール
 新しい京都駅に着いた途端、「なんてスケールが大きいんだろう!」と、私はびっくりしてしまいました。中央コンコースでは、降り注ぐ太陽の光を浴びながら、吹き抜けのガラス屋根を仰ぎ、見とれることしばし。西側の大階段は、巨大な神殿のようで圧倒されます。
 地上16階、地下3階、東西の長さが470bで、敷地面積は約3万8000平方b。京都駅は、平安建都1200年の記念事業として改築が進められ、国際的なコンペによって選ばれた原廣司さんの設計案をもとに、国内最大規模の駅ビルに生まれ変わりました。コンクリートのシャープな外観から想像できないほど、内部には広場や通路が数多くあり、一日、探検しても飽きないはず。新しさと古さが溶け合う街・京都の出発点にふさわしい、見どころいっぱいのステーションです。
・親子三代で買い物を楽しめるジェイアール京都伊勢丹
 京都駅ビル西側の「ジェイアール京都伊勢丹」は、家族そろって買い物を楽しめる、駅ビル内にある百貨店です。まず、地下2階から地上11階まで、婦人服をはじめとする豊富な品ぞろえに驚きました。しかも、随所にきめ細かい配慮がなされているのが特徴です。ベビー休憩所、子供用プレイエリア、車椅子対応のトイレやエレベーター、高齢者用ショッピングカートなどの貸出、目の不自由な方のエスコートサービス (要予約)も設けられ、大勢の人が、楽しく快適に過ごせる空間といえるでしょう。
・装い・京みやげ・食の専門店街 ザ・キューブ
 「ザ・キューブ」とは、英語で三乗という意味。それは、この専門店街が”ファッション・京みやげ・飲食“の三要素から成り、それぞれのよさがあいまって相乗効果を作りだす姿を、イメージした名前です。地下2階は、新しい感覚に満ちたファッション・ストリート、地下1階は京都の伝統的なお土産品、1階は京の和菓子をそろえた「おみやげ小路」、11階にはレストラン街が広がります。
・安らぎの時間が流れるホテルグランビア京都
 遥かな眺望を堪能できるのは、「ホテルグランヴィア京都」も同じ。烏丸通りが一望のもととなる部屋や、五山の送り火が見える部屋もあり、場所を変えて何度も泊まりたくなります。客室数は、539。大小12の宴会場やチャペル、神前式場もあって、結婚式にも最適。豪華なロビーに一歩入ると、たちまち淑女の気分になることうけあい。数々のレストランやカフェもあり、今度はぜひ、友人を連れてこようと思います。
・斬新な舞台や映像に出会えるシアター1200
 「シアター1200」は、すでに8月にオープンしている、駅ビル内の劇場です。4階層吹き抜けの空間では、現在、関西ジャニーズJr.らを中心としたファンタジー「KYO TO KYO」を、1日5公演、上演中。ミュージアム・シアター・ラテルナマジカは、歩きながら大型映像を楽しむ施設。コンピューターグラフィックスを駆使し、1200年の時空を超えた絵巻さながらの「平安幻想」を見ることができます。
 ビアダイニング&カフェ「Chaya Dos」やシアターレストラン「伊太利亜麦酒館」も寄ってみて。(朝日新聞)
■未来への玄関口 新京都駅全面開業 都市機能を集約 記念式典開く
 JR西日本と京都府、京都市、地元経済界を挙げて建設を進めてきた新京都駅ビル(京都市下京区)が11日、全面開業を迎えた。7月の駅施設、8月の文化施設に続いて同日午前、百貨店、専門店街などが次々にオープン。早朝から市民や観光客らが詰めかける中、完成記念式典が開かれ、京都駅改築事業の完成を祝った。
 新京都駅ビルは、平安建都1200年記念事業として総事業費1500億円を投じて建設。地上16階、地下3階、延べ床面積23万8000平方bは国内最大で、駅施設と商業、文化、情報発信などの都市機能を集約した巨大複合ビルに生まれ変わった。
 新駅ビルの全面開業は午前6時、シンボルの大階段や広場の一般開放から始まり、8時半に専門店街「ザ・キューブ」がオープンした。午前10時前には西日本各地からの特急列車など8本が京都駅ホームに結集。混乱を避けるため、予定より15分早い午前9時45分、ジェイアール京都伊勢丹が開店すると、早朝から並んだ買い物客らが一斉に店内へ向かった。
 JR西日本と京都府、京都市、京都商工会議所による完成記念式典は午前10時半、中央コンコースを見下ろす駅ビル4階の烏丸小路広場で開かれ、関係者や市民ら約300人が見守った。
 JR西日本の井手正敬会長は「歴史都市京都の未来への玄関口として愛され、末永く京都の発展に貢献できることを念願している」とあいさつ。京都府の荒巻禎一知事は「過去と未来が交差する京都を象徴する施設」、京都市の桝本頼兼市長も「世界に京都の存在を強力に発信する起爆剤に」と期待を込めた。
 羽織・はかま姿の井手会長らがテープカット、くす玉を割ると、中央コンコースの巨大な吹き抜けにしゃぼん玉が舞い上がり、駅ビルは、全面開業を祝う拍手に包まれた。
 午後から、ホテルグランヴィア京都の開業式典のほか、駅ビル内の広場では世界の大道芸人によるパフォーマンスやジャズコンサートなどで開業を盛り上げた。(京都新聞 夕刊)
■古都のシンボル さあ発進 新京都駅ビル全面開業 出会い、にぎわい、魅力満載 奇抜な空間、店舗… 人の波、期待熱く 未来型に感嘆の声
 伝統の雅楽とファンファーレ、そしてSLの汽笛に乗って11日、新京都駅ビルの扉がフルオープンした。早朝から次々と開業した専門店街や百貨店、行政関係施設、新名所の大階段に人の波が押し寄せ、20世紀の京都を締めくくる巨大プロジェクトの完成に熱い期待が高まった。
・店員「がんばるぞ」
■京都伊勢丹
 ジェイアール京都伊勢丹には開店前に約8000人が詰めかけ、混雑を避けるため、予定より15分早く開店した。午前5時半から開店を待った家事手伝い中川奈美さん(23)=京都市右京区=は「開店バーゲンが楽しみです」と小走りに店内へ。入り口でパンフレットを渡していた同社案内担当の高橋博美さん(26)=京都市東山区=は「開業に向け何度も店内をチェック、勉強を続けてきた。開店の瞬間の感激で、苦労も忘れました」と顔をほころばせた。
 伊勢丹が得意とする婦人服売り場は、若い女性客の熱気でいっぱい。早速、友人と買い物を楽しむOL山口保美さん(23)=大津市坂本=は「京都駅周辺は魅力が乏しかったが、これからは通うつもり」と新ファッションゾーンの誕生を喜んだ。
■ザ・キューブ
 約4年ぶりに仮店舗から、イメージ一新した京都駅観光デパートの専門店街「ザ・キューブ」に入店した珠数店経営の安田容造さん(47)は「ようやく駅に戻ってきた。百貨店などの集客力に期待したい」と店開き。
 同デパート勤務34年の松本房子さん(49)も「商品と共に京都の印象を売る施設。気を引き締めてがんばりたい」と決意を新たにした。
 一方、仙台市から観光に訪れ、同専門店街で土産に京扇子を買った高橋治久さん(65)は「構内の案内が分かりにくく、休憩所や喫煙所がどこにあるのか分からない」と注文していた。
・伝統演出 門出祝う
■式典
 新駅ビルの完成記念式典は、平安神宮雅楽の古式ゆかしい調べで開幕。JR西日本の井手正敬会長、稲盛和夫京都商工会議所会頭をはじめ、JR、地元関係者とも羽織・はかま姿で出席し、現代的デザインの新駅ビルの中で京都の伝統を演出した。式典に参加した駅ビル設計者の原廣司さんは「新駅ビルは、あらゆるものを受け入れるように設計した。式典も、同じように京都らしくていいと思う」と感想を述べた。
■大階段、広場
 駅ビルシンボルの大階段や大空広場では、観光客や通勤途中の会社員らが駅ビルの近代的な建築デザインに感動の声をもらした。金婚式記念に京都観光に訪れた上野一郎さん(71)、シゲヨさん(68)夫妻=青森市=は「伝統に新しさが加わり、京都のイメージが膨らんだ」と満足げの様子。
 駅の在来線、新幹線ホームには午前10時、「のぞみ」や「サンダーバード」など8本の人気列車が集結、一斉に警笛を鳴らしてムードを盛り上げた。
 必死にカメラのシャッターを切っていた大学生、小原章宏さん(20)=枚方市は「想像した以上に巨大で、興奮した」と話していた。
・福祉ショップ希望の出発
■行政施設など
 駅ビル9階にオープンした「京都授産振興センター」は、駅施設初の福祉ショップ。草木染や和紙封筒など500種類の商品が並ぶ中、開設記念式典が行われた。
 共同作業所成望館(京都市南区)の販売実習生藤岡健二さん(35)は「仲間の手づくり商品ばかり。多くの人に来てほしい」とメッセージ。
 一方、すでに業務を行っている府旅券事務所にも人の列ができた。この日事務所前にオープンした大手銀行窓口では旅行小切手を購入する姿もみられ、「関空の玄関口」の役割を発揮した。(京都新聞 夕刊)
■踏切で自転車はねる 山東町で貨物列車
 10日午後11時5分ごろ、滋賀県坂田郡山東町柏原、JR東海道本線の通称小野踏切で、名古屋貨物ターミナル発広島貨物ターミナル行きの下り貨物列車(25両)が、レール上の子供用自転車をはね、約100b引きずって停止した。けが人はなかった。
 この事故で、後続の寝台特急2本にそれぞれ19分、12分の遅れが出た。
 米原署は、何者かが故意に自転車を置き去ったと見て、悪質な列車防害事件として捜査している。(京都新聞 夕刊)
■京都駅ビルが全面オープン 「伊勢丹」に人波
 東京を中心に展開しているデパート「伊勢丹」の関西進出第1号店となるジェイアール京都伊勢丹が11日、京都駅ビルに開店した。開店を待つ女性客ら約8000人が詰めかけ、予定を15分繰り上げて午前9時45分に扉を開いた。午後からは駅ビルの東部分を占める「ホテルグランヴィア京都」も開業し、景観論争を巻き起こした駅ビルに入居する店舗、ホテル、劇場など全施設の使用が始まる。
 ジェイアール京都伊勢丹はJR西日本が67%、伊勢丹が33%を出資。地下2階、地上11階で、京都駅ビルの西側半分を占有する。売り場面積約3万2000平方b。10階は英会話スクールや娯楽施設が入り、11階はレストラン街。また、1階と地下1、2階では京都駅観光デパートがリニューアルした専門店街ザ・キューブが隣接する。
 京都市中心部の百貨店としては6店目となる。今後、京都駅前と四条河原町周辺とに商圏が分化し、商戦は激化しそうだ。
 この日は駅ビルの中央コンコース周辺もオープン。ガラス屋根の下を百貨店の壁面に沿って3階から11階まで一直線に連なる大階段(幅26b、171段)がお目見えした。「ホテルクランヴィア京都」(539室)側は、駅中央コンコース上を通るガラス張りの空中経路でジェイアール京都伊勢丹と結ばれる。高さ59.8b、長さ約470bの京都駅ビルは、駅ビルとしては日本最大級。
 また、営業運転では初めて京都駅に乗り入れる新幹線「500系のぞみ」などJR西日本エリアを代表する7列車が団体客らを乗せて午前10時までに集結、全面開業を盛り上げた。(朝日新聞 夕刊)
12日■とれんど'97 新京都駅ビル全面開業 塗り変わる京の商業地図
 JR新京都駅ビルは11日、ジェイアール京都伊勢丹、ホテルグランヴィア京都など全ての施設が始動し、初日から20万人以上の市民、買い物客を集めた。駅ビル内の立地条件に加え、商業、娯楽、情報発信の複合機能を備えた巨大ビルの出現は、京都に新たな人の流れを生み出し、商業地図に変化をもたらすことは必至だろう。新駅ビル初日のインパクトを追った。(新京都駅ビル取材班)
・四条界隈と綱引き 既存百貨店 顧客確保の対策を
 伊勢丹の関西初進出となったジェイアール京都伊勢丹の開店には、早朝から女性客ら約8000人が行列。店側は午前10時の開店時間を15分早めて対応したが、押し寄せる客は途切れず、終日の来店者約20万人、売上高約4億円(同店推計)の大入りとなった。
 川中英男社長は「予想を上回る成果。駅ビル内の条件を生かして広域的な集客を目指してきた店づくりが認められた」と自己評価。得意とする婦人服売り場には大阪、滋賀からも若い女性が詰めかけ「伊勢丹ブランド」の力を見せつけた。
 旧京都駅観光デパートの専門店街「ザ・キューブ」も約1万8000人を集め、ホテル、劇場を合わせた1日売上高は4億8000万円にのぼった。
・集客力に驚き
 新駅ビルの効果は、周辺の商業施設にも波及した。駅ビル北側の京都近鉄百貨店や駅前地下街ポルタでは、来店客が通常の約2倍に膨れ上がった。
 「これほど駅ビルに集客力があるとは…」。京都近鉄では、生鮮食料品コーナーやレストラン街に客があふれた。いずれも「伊勢丹対策」として力を入れてきた分野だけに、まずは笑みがこぼれた。
 駅八条口のアバンティも、昼食時を中心に通常より1−2割の集客アップ。しかし、七条通商店街までは客足は届かず、七条商店街振興組合の樋口信一理事長は「あれだけ人が集まったのに…」と残念そう。
・客は戻るはず
 一方、京都一の繁華街・四条通界隈(かいわい)は、平日に比べて人通りが減少した。藤井大丸は「入店者はふだんの8割程度だが、京都全体の集客力が増えれば」と鈍い客足に不安げ。四条河原町阪急も、来店客は少なめで、「駅ビル開業の騒ぎが落ちつけば、お客さんはもどってくるはず」と期待する。
 既存百貨店は、数年前から増床や改装で伊勢丹開業に照準を合わせてきただけに、大丸京都店は「1ヵ月ほど様子を見たい。今後は、地下鉄東西線やゼストの開業もあり、商業集積の高まる四条通に明るい材料は多いはず」と顧客確保の対策を急ぐ。
 バーゲンなど強力な販売促進キャンペーンを張った京都高島屋だけは「入店者数は昨年より15−20%増。駅ビルから回遊している分もあると思う」とほっとした表情だった。
・英語案内の充実図れ バス乗り場整備急げ
 塚本幸一京都南工会議所名誉会頭 平安建都1200年記念事業の最大プロジェクトが完成し、とても感慨深い。21世紀に向けて、京都活性化の起爆剤として期待している。市民がまず駅ビルを使いこなし、国内外にPRしていくことが重要だ。
 大橋進也京都商店連盟会長 四条通一帯と新駅ビルとの大きな商業集積によって、遠くからの客も呼び込み、京都全体の景気が良くなる可能性がある。しかし、駅周辺の整備をはじめ魅力ある京都づくりにはまだ課題が山積している。大変なのはこれからだ。
 橘正忠国立京都国際会館館長 駅ビルは交通網と人の接点。磁石のように人を引き寄せる魅力づくりを望む。府国際センターなど多様な機関があるが、英語案内を充実させ、電車での関西空港との所要時間を短縮できたら、外国人にも一層利用されるだろう。
 渡辺隆夫西陣織工業組合理事長 新駅ビルの集客力は大きいが、それを京都活性化に生かすには周辺の環境整備が大切だ。タクシーやバス乗り場の整備など駅ビルを訪れた観光客が、京都の街へ出ていく出発点となるよう工夫してほしい。
・解説 京活性化の使命になう 「巨大な壁」批判 どうかわす
 国内最大規模の新京都駅ビルが、全面開業した。JR西日本にとっては、1500億円の巨費を投じた国鉄分割民営化以来最大のプロジェクト、地元行政、経済界にとっては「平安建都1200年記念事業」。それぞれが威信をかけて完成を目指した。
 しかし、高さ約60b、東西約470bの駅ビルは、計画当初から景観論争を巻き起こし、完成した今も「巨大な壁」と批判する向きもある。
 それだけに、駅ビルには、単に民間企業としての機能だけではなく、「京都活性化」という公共的使命が求められている。
 駅ビル内の百貨店、ホテル、劇場を合わせた年商は550億円(試算)。新たに誕生した商業集積は、四条かいわいの繁華街を脅かしそうだ。
 駅ビル側は、草津市から高槻市までの広域商圏を想定するが、当面は既存の「パイ争奪戦」の模様。百貨店戦争に加え、量販店ラッシュにあえぐ地元商店街にとってはサバイバル時代に入る。
 「巨大な壁」は、京都のまちづくりの上にも立ちはだかる。京都の南北の交通は、現状のままでは駅ビルに遮断され、駅周辺もバブルの後遺症から、あちこちで虫食い状態のまま。駅ビルの威容が目立つ。
 新駅ビルは、商業、文化、情報発信などの都市機能を発揮しながら「京都活性化」の役割を果たせるのか。1200年の歴史と伝統を誇る京都に誕生した駅ビルの命題は、今始まったばかりだ。(政経部 直野 信之)(京都新聞)
■京都伊勢丹だけで20万人超 全面開業駅ビル 人、ひたひた
 11日に全面開業したJR新京都駅ビル(京都市下京区)は、午後からホテルがオープンし、全施設が勢ぞろい。ホームやビル内の広場では多彩なイベントが相次いで催され、買い物客や見物客が続々と詰めかけた。ジェイアール京都伊勢丹の入店者だけで約20万人に達した。
 「ホテルグランヴィア京都」は午後2時から、駅東側のホテル玄関で開業式典を行った。今月挙式予定のカップルも加わってテープカット。全面開業最後の式典とあって、ホテルロビーには多くの見物客が詰め掛けた。
 一方、駅ホームでは、鳥取、和歌山などから京都駅に到着した特急列車5本が展示公開された。「オーシャンアロー」や「スーパーはくと」などが2つのホームに整列する珍しい光景に、鉄道ファンや家族連れがホームに押し寄せ、記念撮影や車内見学を楽しんでいた。
 このほか、駅ビル内の広場や大階段では、英国のパフォーマンス集団3人の演技や、和太鼓演奏、ジャズコンサートなど多彩な記念イベントを展開。開業ムードを盛り上げた。(京都新聞)
■世界歴史都市会議 記念碑が4年ぶり京都市役所前に
 地下鉄東西線の建設に伴い、4年前に京都市役所前広場から一時撤去された世界歴史都市会議の記念碑が、東西線開業を間近に控えた11日、同広場の南東角に再び設置された。
 記念碑は縦1.1b、横2.1bのみかげ石製。1987年11月に、初めての世界歴史都市会議が京都で開催されたことを記念する京都宣言が、和文と英文で刻まれている。京都市中京区の石材会社「石留石材」(西村金三郎社長)が同市に寄贈した。
 その後、地下鉄の出入り口工事が始まったため、93年に市交通局が一時撤去し、保管していた。
 久しぶりに「復帰」した記念碑を見て、西村社長は「東西線開業に合わせたように設置されて光栄。皆さんに歴史都市の誇りを感じてほしい」と話している。(京都新聞)
■乗用車の3人けが 京津線と衝突のはずみで2重事故
 11日午後11時40分ごろ、京都市東山区西小物座町の三条通の蹴上交差点で、京阪京津線の浜大津行き普通電車(2両編成)と宇治市小倉町堀池、京都市消防局職員橋本均さん(43)の乗用車が衝突。はずみで橋本さんの乗用車が対向車線に飛び出し、山科区西野山射庭ノ上町、建材店手伝い用皆敦さん(29)の乗用車に衝突した。橋本さんの車に同乗していた妻弥生さん(40)、用皆さんと妻の礼子さん(22)の計3人が顔や頭に軽傷を負った。電車には乗客約80人が乗っていたが、けが人はなかった。現場で約7分間停車した。松原署で原因を調べている。(京都新聞)
■旅・趣味・遊び 「動力源」はボランティア
 世界で最初に営業運転を始めた英国の鉄道も、押し寄せるモータリゼーションの波には勝てず、その路線距離は今や全盛期の半分に減ってしまった。しかし、さすがは鉄道好きの国民。老若男女が各地で資金と労力を出し合って経営を建て直し、観光客に人気だ。SLを動かすシニアたちも、大いに生きがいを感じているという。英国南西部に、そんな”ボランティア鉄道”を訪ねた。
 ロンドンから北西へ直線で約300`。スノードニア国立公園の海岸部、ポートマドツグの町から、建材のスレートの産地、ブライナイフェスティニオグへと通じているのが、フェスティニオグ鉄道だ。1832年の開業というから、スティーブンソンが蒸気機関車を発明してから18年後のこと。以来、スレートの積み出しに活躍したが、今ではすっかり観光路線に変身。約20`、標高差にして200bをSLが元気に走っている。
 「1000人以上のボランティアが、この路線にかかわっています」とPRするように、先頭のかわいい機関車には、立派なひげのおじいさんに交じって、若い女性の機関助手の姿もあった。
 この路線の特徴は、普通の客車ばかりでなく、本格的なランチやディナーを出せる「食堂車」も連結していること。優雅に食事を楽しみながら、英国らしい沿線の風景が楽しめる。食堂車の担当は、ロバート・クーパーさん(50)。「食堂だけはすべてボランティアでとはいかず、近くのホテルが主体になって営業しているけど、SLの引く列車で働けるなんて、こんな楽しいことはない。年を取ってもずっと乗っていたい」と言う。
 列車は、羊が草をはむ緑の牧場、カシの木の森と美しい渓谷、そして小さな湖のそばを走り抜ける。途中のすれ違いの駅では、機関車の撮影タイムもちゃんと取ってくれる。トンネルに入ると、窓からあの懐かしいばい煙の「香り」とすすも飛び込んできた。約1時問で終点へ。
 英国には、こんな観光鉄道が無数にあるという。そしてほとんどがボランティアの手で運営されている。日本では最近、JRなどによってトロッコ列車が運転されているが、あくまでも事業の一環。日本でも、貴重な歴史遺産を守る主人公は、シニアたちになると確信した。(京都新聞)
■駅ビルに来た少女 2人現金奪われる 恐喝容疑で少女逮捕
 11日午後零時45分ごろ、南区東九条西山王町のアバンティビル地下駐車場で、神戸市内に住むアルバイトの少女と女子短大生(ともに18歳)が複数の少女に顔などを殴られ、現金計約8万6000円と携帯電話などを奪われた。通報を受けた九条署員が駆けつけ、現場付近にいた少女に職務質問したところ犯行を認めたため、同署は恐喝容疑でこの少女を緊急逮捕し、一緒にいた少女5人の行方を追っている。
 調べでは、逮捕されたのは大阪市都島区に住む無職少女(19)。被害にあった神戸市内の少女2人は、京都駅ビル内にある劇場「シアター1200」での人気アイドルグループ公演を見るために来ていたという。(朝日新聞)
■有人走行421`達成 リニアモーターカー実験 山梨
 JR東海と鉄道総合技術研究所(JR総研)が山梨実験線(先行区間18.4`、山梨県都留市−大月市)で開発を進めている超電導磁気浮上式リニアモーターカーが12日午前、有人走行として最高の時速421`をマークした。1995年1月に宮崎実験線(宮崎県日向市−都農町)で記録した411`を上回った。
 この日最高速を記録したのは3両編成の「MLX01」。計測員ら16人が乗り組み午前10時48分、まず416`を達成。さらに同11時15分、421`を記録した。
 無人での世界最高速記録は宮崎実験線での517`。山梨実験線では97年中に500`、年度内には550`を目指し、徐々に速度を上げていく予定だ。
 山梨実験センターの関秋生所長は「記録更新は喜ばしいが、今後は技術的に厳しい領域に入っていく」と表情を引き締めていた。(京都新聞 夕刊)
■リニアモーターカー 国内最速421`記録
 山梨県の実験線(都留市−大月市間18.4`)で、超伝導浮上式リニアモーターカーの浮上走行試験を進めているJR東海と鉄道総合技術研究所は12日、時速421`を記録した、と発表した。鉄道総研によると、これまでの国内最高速度は1995年に同総研が宮崎実験線で記録した時速411`で、これを破った。(朝日新聞 夕刊)
13日■近鉄・興戸駅 ホーム北伸で調整 京田辺市会市長答弁 市道つけ替え検討
 京田辺市の久村哲市長は12日、同志社大の進出(1986年)以来の懸案となっている近鉄京都線興戸駅のホーム延伸間題について、「ホームを北側に伸ばす方向で、近鉄や府と調整している」と明らかにした。9月定例市議会の本会議で、議員の質問に答えた。
 同駅は1日平均1万6000人(96年)の乗降客があり、同大田辺キャンパスに近いことから、朝夕の通学時にはホームから人があふれそうになるほど。しかし、ホームの延長が電車4両分しかなく、輸送力増強のネックとなっている。
 同駅の南北両側に踏切付きの市道が線路を横切け、ホームの延伸を阻んでいるほか、北側には天井川の防賀川(水路)が通っている。これまで、市道の高架化や地下化、駅の移転などの構想が浮上しては立ち消えになっていた。
 この日の本会議で、議員が「計画が二転、三転している。本当にできるのか」とただしたのに対し、久村市長は「工事の安全性、経済性、現実性などから(北側の市道をう回させて)ホームを北に伸ばすのが最も適当」と答弁。久村市長は「市道のつけ替え工事は来年の秋に着手できないか、検討している」とした。(京都新聞)
■総合交通税導入 蔵相が検討示唆 旧国鉄債務問題で
 三塚博蔵相は12日、朝日新聞社などとの記者会見で約28兆円にのぼる旧国鉄の長期債務問題について、「いろいろ返済財源として検討されているなかに、総合交通税があるが、そのことについて国民や政府で議論が行われることと思う」と述べ、JRや私鉄も課税の対象にする総合交通税等入の検討を示唆した。
 旧国鉄長期債務問題は、運輸省が1998年度予算の概算要求で、国債の利払いなどに充てる国債費で返済することを求めた。これに対し、大蔵省は「単なるツケの先送りで、個別の財源を示すべきだ」と強く反発している。(朝日新聞)
14日■旧国鉄債務「総合交通税」示唆 増税なき財政再建 蔵相、どうします?
 約28兆円の旧国鉄長期債務問題で、三塚博蔵相が12日の朝日新聞社との会見で、鉄道や航空などの利用者に負担を求める「総合交通税」導入の検討を示唆したことをきっかけに、返済財源を巡る論議が本格化しそうだ。その際、三塚蔵相が強調してきた「増税なき財政再建」の方針と矛盾しないかどうかが、大きな問題になる。
 三塚蔵相は、今年3月25日の閣議後の記者会見で、「2005年まで行財政改革を断行して取り組むということで、増税を視野に入れた論議はしない」と明言した。消費税率の引き上げを控えて、新たな増税を否定することで、国民の痛みを伴う財政再建に理解を得ようとしたのだ。
 だが、旧国鉄債務問題では「なんらかの返済財源が必要だ」というのが大蔵省の立場。債務処理が遅れると、金利負担でかえって債務が膨らむからだ。来年度の概算要求で、返済財源を示さなかった運輸省に対し、三塚蔵相は9日の記者会見で「将来世代へのつけ回しだ」と批判した。
 「財源」として、JR各社に負担金を求めることや、道路財源の一部を充てることも考えられたが、いずれも反発が強く、後退している。ところが、三塚蔵相が総合交通税の可能性に言及したのに続き、新しく就任した藤井孝男運輸相も「新税の論議まで否定できない」と述べるなど、ここにきて新税導入が現実味を増している。
 「増税なき財政再建」を表明した蔵相としては、軽々と「増税」を口にできないでいるが、「総合交通税の導入」は本音がもれたともいえる。しかし、政府内からは、政府の失敗のつけを国民に求める前に、公共事業費の一層の削減など取り組むべきことがある、との指摘が出ている。
 10月から、政府・与党の政策担当者らが参加する財政構造改革会議(議長・橋本首相)で旧国鉄債務問題が話し合われる。激しい議論になるのは確実だ。(朝日新聞)
15日■特急など7本に影響 JR山陰線、信号故障
 14日午前10時ごろ、JR山陰線和田山駅(兵庫県朝来郡和田山町)構内の出発信号機が、突然点灯しなくなった。JR福知山支社が信号を手動に切り替え、約2時間半後仮復旧した。
 このため、京都発の特急「きのさき1号」が豊岡−城崎間で部分運休するなど、山陰線と播但線で特急、普通列車合わせて7本が部分または全面運休。同支社が原因を調べている。(京都新聞)
■エレベーターに缶詰め 京都駅ビルホテル 45分後、19人を救助
 14日午後6時15分ごろ、京都市下京区の京都駅ビルに開業したばかりの「ホテルグランヴィア京都」で、ホテルの利用客ら19人が乗ったエレベーターが突然停止した。約45分後に救助され、全員無事だった。
 七条署と市消防局によると、停止したエレベーター(20人乗り)は最上階の15階で大人18人と子供1人が乗り、3階へ降りる途中に6階付近で突然止まり、ドアが開かなくなった。閉じ込められた人からの警報に気づいたホテルの従業員がエレベーター管理会社に通報、機械室から操作して3階までエレベーターを降ろし、外側からドアを開け、閉じ込められた人たちを助け出したという。同署は、ホテル側から故障の原因について聞いている。
 滋賀県長浜市から見学に訪れ、閉じ込められた河村吉弘さん(45)は「エレベーターの中は空調が効かず、暑くて苦しかった。新しいホテルでこんなことがあるなんて」と疲れた様子だった。
 同ホテルは11日に開業したばかり。15階は飲食店街で、この日も多くの利用客でにぎわっていた。(京都新聞)
■青鉛筆
 64年間にわたり、福井県嶺北地方を走った福井鉄道(本社・福井県武生市)の「160型」車両のお別れ運転が14日、あった。「ごくろうさま」のマークをつけて、福井−武生市間約20.9`を往復した。
 死者3700人以上を出した1948年の福井震災で車体が焼けたが、モーターや車輪などが残り、修復された。その後、2両連結、ワンマン車両に改造された。老朽化が激しく、近く解体される。
 鉄道友の会福井支部が呼び掛け、京阪神からの鉄道愛好家らも含めて延べ約130人が乗り込んだ。来年は福井震災50周年。乗客の男子大学生(26)は「震災を風化させないためにも、保存してほしい」。(朝日新聞)
16日■列車が川に転落、81人死亡 インド
 【ニューデリー15日=宇佐波雄策】インド中部のマドヤプラデシュ州チャムパ駅付近で14日夕、橋を渡っていた急行列車の車両5両が脱線し、川に転落した。落ちた車両には乗客約300人が乗っており、15日夜までに死者81人、負傷者234人が確認された。非公式情報では死者は100人を超す可能性があるという。
 急行列車はアーメダバードからカルカッタ行き。(朝日新聞 夕刊)
17日■北朝鮮に観光列車
 【ソウル16日共同】韓国の聯合通信は16日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が外貨獲得のために先月下旬から、中国の図們から北朝鮮の自由経済貿易地帯である羅津へ向かう観光列車を週1回運行していると報じた。
 北朝鮮情報を収集するためこのほど中国の延辺地域を訪問した韓国政府当局者の話として報じたもので、北朝鮮と中国は最近、観光列車運行に関する協定を締結し、先月22日から週1回、観光列車の運行を開始していることを確認したという。(京都新聞)
18日■新京都駅ビル開業1週間 予想上回る集客効果 大阪などから110万人 ターミナル機能生かす
 新京都駅ビルの全面開業から17日で1週間が経った。ジェイアール京都伊勢丹、ホテルグランヴィア京都などの商業施設には、この1週間で、京都市はじめ滋賀や大阪などから110万人以上の買い物客、市民らが訪れ、予想を上回る集客効果を発揮している。京都に新しく誕生した複合施設は、京都の商業地図をどのように塗り替えようとしているのか。1週間の動きを追った。(新京都駅ビル取材班)
 京都伊勢丹はこの1週間、東京・新宿の伊勢丹本店を上回る連日20万人前後の人出でにぎわった。初日に約4億円を売り上げ、うち定評ある婦人服が約4割を占めるなど、前評判通りの強さを発揮している。
 4万人を突破したカード会員は、府内一円をはじめ滋賀、大阪など京都市外が3分の1以上を占めており、関根純常務は「予想以上に好調な滑り出しで、ターミナル機能を生かして広域から集客できている」と自信を深める。
 駅ビル内の専門店街「ザ・キューブ」も、以前の駅観光デパート時代に比べ来店者が2.5倍となり、若者層の姿が増えたという。
 駅周辺の商業施設では、地下街ポルタの来店客数は昨年実績の1.5倍、駅八条口のアバンティもレストラン街などで3割増と新駅ビル効果で客足が伸びた。
 しかし、京都近鉄百貨店では、来店客は3割以上増えたが、売上高は前年並み。伊勢丹と競合する婦人服が伸び悩んでおり「売り上げは思ったほどでなかった」。近くの七条商店街も、東西本願寺などを回るスタンプラリーを開催したが、予想の4分の1、300人の参加者だった、という。
・相乗効果も
 これに対し京都の繁華街・四条通かいわいでは、週末の人通りが通常より約1割減少(四条繁栄会調べ)。四条通木屋町の通行人数は1日11万人と京都伊勢丹の入店者数に抜かれた。
 大丸京都店、京都高島屋など既存百貨店は、新駅ビル全面開業に先行して改装セールを展開したものの来店客数、売上高とも前年並み。いずれも連休中の売り上げが伸び悩み、京都高島屋は婦人服などで一部影響が出たという。大丸京都店の田丸成彦副店長は「当初の予想より落ち込みは少ない。午後からの来店者は伸びており、相乗効果もあったのでは」という。
 一方、ホテル分野では、ホテルグランヴィア京都は、15日までの5日間に合計3万1000人が利用し「まずまず堅調なスタート」(増田貞冶総支配人)。
 これに対し、リーガロイヤルホテル京都(下京区)は「開業景気で婚礼や年末年始の宴会がとられている」と警戒。駅八条口の新都ホテル(南区)は「現状は変わりはないが、今後は宴会、レストラン部門で新企画を打ち出さないと」と対折策を計画する。
・乗降客3割増
 JR京都駅の乗降客数は、新駅ビルの全面開業で3割以上アップ。駅の自動改札を通過した乗降客は、11日の32万4000人を最高に1日平均25万人前後で推移しており、駅施設だけが開業した7月12日から1ヵ月間の平均19万7000人を大きく上回った。中でも近距離切符の売り上げは、前年実績の1.5−2.3倍に達しており「広く近郊から集客している」(JR西日本広報室)としている。
 京都市地下鉄では、11日の京都駅の乗降客数が1週間前の8万9000人から12万7000人に大幅増。初の日曜日となった14日も約1.5倍の9万2000人に伸びており、「新駅ビルの集客力が市内全体に好影響をもたらしている」(市交通局電車課)という。(京都新聞)
■地下鉄東西線 全国初 中国語、ハングルでも表記 世界の京にふさわしく 烏丸線も順次変更
 京都市交通局は、10月12日に開業する地下鉄東西線(醍醐−二条間、12.7`)の駅出入り口表示板や乗り換え案内板に、全国の地下鉄では初めて中国語とハングルの表記を導入する。従来の日本語、英語に加えた4力国語の案内で、外国人観光客や居住者の多いアジアの人にも喜ばれそう。
 表示板や案内板は3種類あり、駅出入り口の表示(縦1.3b、横0.9b)と、精算所や出口番号などの駅構内案内、地下鉄烏丸線への乗り換え表示の計120枚を4ヵ国語表記とする。
 例えば、乗り場案内の場合は、日本語の「地下鉄のりば」や、英語の「SubWay Gates」のほか、中国語やハングルでも同じ意味の案内を表示。今月末までに設置を終えることにしている。
 交通局では、烏丸線の案内表示も、4ヵ国語表記に順次変更していく方針で、「国際観光都市にふさわしく、外国人にも分かりやすい案内にしたい」としている。
 京都市を訪れる外国人数(宿泊者数)は、年間39万6000人(96年)。このうち、台湾や中国など中国語圏からは年間12万6000人、韓国からは4万8000人にのぼっている。(京都新聞)
■東西線の開業に伴い 乗り継ぎ運賃申請
 京都市交通局は17日、地下鉄東西線開業に伴う地下鉄と京阪バス、市バスと京阪バスとの乗じ継ぎ運賃を運輸省にそれぞれ申請した。
 東西線開業と同時に、山科・醍醐地域の市バス路線(13系統)が廃止され、京阪バスに運行が引き継がれるのに伴う措置で、従来の市バス利用者の運賃が激変するのを緩和させる。
 申請によると、地下鉄と京阪バスの乗り継ぎは、各区間の運賃から地下鉄30円、京阪バス20円の計50円を一律に割り引く。それぞれ1区間で乗り継いだ場合の運賃は、360円となり、現行の地下鉄と市バスの乗り継ぎ額と同額になる。また、定期券の割引額は地下鉄が通勤2100円、通学1500円で、京阪バスが通勤900円、通学770円となっている。
 一方、山科・醍醐地域を運行する京阪バスと市バスを乗り継ぐ場合に限り、定期券の割引を行い、両バスの割引率は通勤が20%、通学が35%となる。(京都新聞)
■小学生は無料 「バスの日」の20日、府協会 保護者同伴が対象
 府バス協会(伏見区)は「バスの日」の20日、保護者同伴の小学生を対象にした恒例の無料乗車サービスを実施する。協会加盟10社が運行する各バスの車内につり下げられた「バスの日乗車券」で乗り合いバスを利用できる。
 このほか、当日は府内の各バスターミナルで、乗り合いバス回数券(1000円分)が当たる抽選番号を印刷したパッケージにガーゼ付きばん創こう4枚を入れ、2万5000パッケージ配布する。22日に各営業所、案内所で当選番号を発表し、回数券の引き換えは25日から始める。
 京都から金沢や新潟、東京方面など5コースの高速バスの無料招待(8ペア16人、往復)も実施。希望者ははがきに乗車する2人の氏名と住所、電話番号、希望するコースなどを書き、〒612伏見区竹田向代町51の5 府バス協会(075・691・6517)へ。10月1日締め切り(当日消印有効)。
 1903年9月20日に京都で国内で初めて乗り合いバスが営業をスタートしたことから、日本バス協会(東京)が9月20日を「バスの日」とし、毎年各地で記念行事を催している。(朝日新聞)
19日■市バス運行管理委託も 赤字続く横大路・向日・長岡京 京都市会で理事者答弁 「合理化策の一つ 別会社で低い人件費」
 京都市の9月定例議会は18日再開、一般質問を行った。答弁で理事者側は、慢性的な赤字が続く市バス横大路営業所(伏見区、南区の一部)と向日、長岡京両市域の将来のバス運行について、運行管理などを別会社に委託する新たな合理化策を検討していることを明らかにした。また、老朽化し手狭になっている京都市美術館(同市左京区)については、増設も含めた同館の基本計画策定に向け、調査中と述べた。
 このうち、中谷佑一副市長は、京都市と向日、長岡京両市のバス運行の今後の見通しについて、「道路運送法の規定にある『管理の受委託』も選択肢の一つ」と述べ、委託による経営合理化もあり得るとの考えを示した。
 管理の受委託は、バスの運行や労務管理、整備業務を別会社に委託。車両や運賃体系は市バスの制度を適用し、事業免許や路線権、収入も市交通局が受け持つ仕組み。交通局は、人件費などの経費を支払う。
 委託する会社は、嘱託や交通局などの退職者を運転手として雇うことになるとして「現行より低い人件費でバス路線が運営できる」(市交通局)という。運輸省などとも協議、実現できるかどうか、さらに検討していくことにしている。
 3市域のバス路線は、苦しい経営が続いており、運行にあたる市交通局と阪急バス、京阪バスは昨年5月に「京都南西部交通問題協議会」を組織し、経営改善や利便性向上について協議。第三セクター方式の導入も検討していた。(京都新聞)
■湖西線であすから 160`高速走行試験 JR西日本
 JR西日本は、20日から湖西線で将来的に在来線でも時速160`程度の営業運転を実現するため、681系電車「特急サンダーバード」の高速走行試験を行う。681系電車の走行試験は、5年前に続き2回目。今回は、最高速度時速170`で、ブレーキ性能やトンネル内での安定性を確認する。(京都新聞)
■経済天気図 新京都駅情報センターに
 JR京都駅が新装された。大きさやデザインに付いていろいろ物議をかもしだした。確かに新幹線のホームから東山や愛宕山をみることはできなくなったし、これも議論になった京都タワーも隠されてしまった。南北を分ける建築物である。都市遺産としての北の京都と新産業都市としての南の京都との区分点になるのであろうか。
 外観も印象的で少し奇抜にも見えるが、建物も木々と同じように時間とともに周りに同化し落ち着きを持つものかも知れない。その建物の中に入ると巨大な空間が新しい世界をつくりだしていて、京都の新たなスタートを感じさせる。駅は多くの人の集散の場所であり、その規模・機能とともにアメニティと意外性を必要とする。京都の駅に着いた観光客はその空間に圧倒され、京都の印象を強いものにするであろう。
 インターネットが発達し、仮想の世界が構築されて来ている。しかし観光がテレビの中の世界に置き換わるものではなく、観光の前に仮想の世界で行きたいところを確認し、より憧(あこが)れを強くしてその地を訪れるのであろう。京都駅の人の流れは計算されているであろうが、情報の流れはどうなっているのであろうか? アメリカの空港でよくみられるように、到着するとパソコンを計算機につないで仕事の確認をできるような環境があるのであろうか? 観光客がインターネットにつないで、その日の京都の催しものを確認できるのであろうか?
 情報化は物流に取って代わるものではなく補完的なものである。駅という人間と物の流れの中心は、情報の流れの中心でもなくてはならない。新しい京都駅は建物の斬(ざん)新性と同様に情報化についても斬新な試みがされていることを期待する。(阿呼)(京都新聞)
■窓 「鴨川歩道橋」に物申す それよりもチンチン電車 山科区・山田 一夫(無職・67)
 鴨川にフランスのシラク大統領お声がかりの橋をかけるとのこと。本当に必要なのか、はたしてこれで観光客が呼べるのか。財政難の折、6億円必要というが、それよりも京都に最古の電車を走らそうではありませんか。子供のころ、よく乗ったチンチン電車。堀川通の戻橋から四東通くらいまで。
 堀川通は大変広いですし、支障はないと思います。先日「レトロバス京都にマッチ」羽田春子さんの投稿に同感です。これに乗りたい人は多いです。電車の件も、協賛市民が例えば1口1000円の協賛金を出して、市民でチンチン電車を走らせようではありませんか。
 また、堀川に水を戻すことも市長さんに意見書を出しました。ご返事では平成4年に観光客誘致策として復活の話も出たが、道路混雑に拍車をかけるということで立ち消えになったとのこと。何事もはじめからスムーズにいきません。ぜひ実現に向けて努力してほしい、と思います。(京都新聞)
■シュプール号運転 12月から589本
 JR西日本は18日、信州や上越、福井方面などへのスキー列車「シュプール号」を12月19日から来年3月29日まで、延べ569本(約23万席)運転する計画を発表した。
 過去2シーズン、名古屋から中央線を経由していた白馬・栂池方面への直通列車は、豪雨災害で不通だった大糸線が11月末に開通するため、北陸、大糸線経由に戻る。長野冬季五輪の開催に合わせ、信州方面は2月6日から同22日まで別ダイヤの臨時列車になる。(朝日新聞)
■京福嵐山線 初乗り1区間は180円 1日から値上げ 幅抑え10.2%に
 近畿運輸局は19日、京福電鉄が申請していた嵐山線(嵐山本線、北野線)の運賃値上げを認可した。同社は10月1日から平均10.2%運賃値上げする。嵐山線の値上げは6年10ヵ月ぶり。
 値上げ後の初乗りの1区間は現行160円から180円になり、四条大宮−嵐山間など3区間は同210円から230円となる。
 定期は通勤が平均10.1%、通学が同9.8%の値上げ。営業キロ数1`までの1ヵ月定期は、通勤が現行4330円から4770円に、通学が同2860円から3150円になる。
 京福電鉄は先月末、消費税率引き上げ分を含め平均15%の上限運賃値上げを申請したが、実施運賃は上限よりも平均で4.8ポイント低く設定した。
 嵐山線は、観光客の減少や通勤客の鉄道離れなどから旅客数が年々減少、赤字路線となっており、同社は「急激な値上げは、さらに鉄道離れを進める恐れもあり、値上げ幅を抑えた」としている。(京都新聞 夕刊)
■京福嵐山線値上げへ
 京福電気鉄道(本社・京都市)は19日、京都・嵯峨野観光の足になっている嵐山線(11`)について、約10%の運賃値上げを近畿運輸局に届け出た。1区聞から3区間までが現行より20円上がって180−230円となり、4区間が10円アップの230円になる。同社の運賃改定は6年8ヵ月ぶり。10月1日から実漉する。
 値上げで四条大宮−嵐山間は230円となる。同区間の1ヵ月の通勤定期旅客運賃は9400円、通学定期運賃は6800円となる。(朝日新聞 夕刊)
20日■通り初めに区内の三世代家族を募る 山科駅前地下道
 地下鉄東西線開業に先立って開通する「山科駅前地下道」の通り初めが10月7日に行われ、市は山科区に住む三世代家族3組を募集している。
 同地下道は、JR山科駅から東西線山科駅までをつなぐ全長約110b。音声で地元を案内する観光案内板や、電子音でピアノやバイオリン演奏を楽しめる「シンフォニーホール」などがある。当日は午前9時半からの式に続いて、東西線駅の改札前からJR駅前までを歩いてもらう。
 希望者は25日までに、往復はがきに全員の氏名、年齢、性別、職業と代表者の住所、電話番号を記入し、〒607 山科区竹鼻竹ノ街道町加ノ2町塚ビル4階の市都市住宅局管理部市街地再開発課「駅前地下道通り初め」係、(593)4295へ。通り初めの日が平日のため、小中学生は除く。応募多数の場合は抽選する。(京都新聞)
■列車衝突、5人死亡 ロンドン
 【ロンドン19日=岸善樹】ロンドン西部のサウスホール駅近くで19日午後1時半(日本時間同日午後9時半)ごろ、ウェールズのスワンジーからロンドンのパティントン駅に向かう列車が貨物列車と衝突した。地元テレビなどによると、この事故で5人が死亡、約150人がけがをした。その後も10数人が列車に閉じこめられたままという。(朝日新聞)
■乗客収入25年ぶり減少 大阪市営地下鉄 累積赤字2388億円
 大阪市営地下鉄で乗車人員と乗客収入がともに減少し、過大な設備投資が収支をさらに悪化させている実態が19日、同市交通局がまとめた交通事業の1996年度決算で明らかになった。乗客収入のダウンは、万博が開催された翌年の71年度以来25年ぶり。バス事業の赤字幅も膨らんでおり、交通事業全体の累積赤字額は、過去最悪の2388億円に上る。地下鉄の開通区間が延びても、建設費がかさむだけで乗客増につながらない経営体質が明確になったことは、将来の市の新線計画に影を落としそうだ。
 交通局によると、地下鉄の1日当たりの乗車人員は264万6400人で、前年度比0.9%の減。1日当たりの乗客収入も、前年度比0.2%減の4億700万円に落ち込んだ。同局経理課は「長引く景気低迷で行楽客が減ったほか、郊外でもショッピングができるようになったため」とみている。
 一方で、昨年12月と今年8月に相次いで一部区間が開業した長堀鶴見緑地線の建設費用や御堂筋、谷町両線での車両購入などによって、減価償却費は約46億円の増。この結果、乗客収入が微増した新交通システム、ニュートラムを合わせた経営収支は、247億2200万円の損失となり、赤字幅は前年度より約18億円拡大した。
 バス事業でも、長堀鶴見緑地線の区間開業などによって、1日当たりの乗車人員が前年度比2.9%減(32万600人)。経営収支で12億4000万円の損失となった。交通事業全体の累積赤字は前年度に比べ約260億円増え、91年度以降、膨らみ続けている。
 交通局は、7月に実施した運賃値上げや、5年計画で進めている人員削減に伴う人件費圧縮で地下鉄の収支改善を図る考えだ。(朝日新聞)
■さよなら都大路の京津線 東西線でき来月一部廃線 愛好家らカメラの列
 来月12日の地下鉄東西線の開業に伴い、京阪電鉄京津線の一部区間が85年の歴史に幕を下ろす。廃線の日が近づくとともに、京都市東山区の蹴上駅周辺には連日、鉄道愛好家が詰めかけ、京の町並みと溶け合った路面電車の風情を惜しみながら、カメラのシャッターを切っている。
 京津線(京阪三条−浜大津)は1912(大正元)年に運行を始めた。三条通(府道四ノ宮四ツ塚線)の軌道を走る路面電車の風情が乗客や市民に親しまれてきた。地下鉄開業により、京阪三条−御陵間(3.9`)は10月11日を最後に廃止される。存続する区間を除くと、京都市内で路面を走る電車は京福電鉄嵐山線(嵐電)だけとなる。
 カメラを手にした鉄道ファンは今月初めから目立ち始めた。京阪神だけでなく関東など遠方から訪れる人も多い。週末には蹴上駅周辺をはじめ、東山三条駅などに十数人が陣取る。
 電車が近づくと、路面のプラットホームから身を乗り出し、カメラを構える。三条通のイチョウ並木や東山の緑を背景に、電車をアップで写そうと、交差点や軌道上にファンがはみ出す過熱ぶりも見られる。
 3月にも下見に来たという東京の会社員塚田晃さん(26)は「中学の修学旅行で初めて京津線を見て以来、ずっと印象に残っていた。思い出を刻み込んだ写真が撮れました」と顔をほころばせた。4年前から撮影に訪れている岐阜市の会社員加納健二さん(26)は「車両のレトロな雰囲気に引かれていた。地下鉄になると道路は走りやすくなるが、景色は寂しくなりますね」と残念そうに話していた。(京都新聞 夕刊)
■普通全線乗り放題切符発売 JR、鉄道の日記念で
 10月14日の鉄道の日を記念して、JR旅客6社はこのほど、全国のJR普通、快速列車の普通車自由席で乗り降り自由の「乗り放題きっぷ」を発売すると発表した。
 発売期間は10月1−20日で、利用期間は10月4−20日。価格は大人9180円、子供4590円。
 新幹線を含む特急や急行、普通列車グリーン車、JRバスは利用できない。広島県の宮島航路普通船室は利用可能。
 乗り放題の乗車券は期間中1枚で3日分使え、利用日は連続、分散どちらでもいい。1日に3人で利用する方法もある。グループ利用の場合は同一行程となる。
 発売場所はJRの主な駅、旅行センター、営業支店や主な旅行会社支店、営業所で。(京都新聞 夕刊)
21日■「ようこそ京都へ」 専用新幹線で今秋最初の入洛 修学旅行生を歓迎
 秋の修学旅行シーズンを迎えた20日、京都市や市観光協会などでつくる京都観光客誘致対策協議会は、下京区のJR京都駅で修学旅行生の歓迎式を催し、今秋最初の団体専用新幹線で京都入りした東京の中学生たちを京都らしい趣向で出迎えた。
 京都を訪れる修学旅行生が減少するなか、修学旅行の誘致作戦を強化しようと、今春の修学旅行シーズンから始めた。今回も多数の修学旅行生が入洛する関東方面の中学、高校を対象に歓迎行事を企画した。
 この日は同誘致対策協の会員ら50人余りが「ようこそおいでやす」と染め抜いた紫色の法被姿で新幹線コンコースに並び、午後1時前の列車で京都入りした東京都内の公立中10校の生徒計約1000人を琴の生演奏と拍手で迎えた。
 歓迎式では、西口光博京都市産業観光局長や町娘、侍姿の映画村の俳優、バスガイドらが修学旅行生たちに笑顔で語りかけ、「いい思い出を」との願いを込めて京人形や絵はがきを各校の代表者に手渡した。(京都新聞)
■飛んできた台座に当たり 女高生2人けが 京都駅ビル10階でけんか
 20日午後五時ごろ、京都市下京区の京都駅ビル内大階段の7階と8階の間に座っていた向日市の高校1年の女子生徒(16)の頭と、亀岡市の同級生の女子生徒(16)の腕に「飛んできた円盤のような物が当たり、けがをした」と、119番通報があった。女子生徒は頭頂部を約3aを切り、腕に当たった女子生徒も軽い打撲を負った。
 七条署の調べでは、飛んできたのは、10階に設置されている消火器の台座(金属性で直径26a、重さ1`)。10階の踊り場でけんかをしていた少年たちの1人が棒付きの台座を振り上げた際に、台座だけが飛んで約30b下にいた女子生徒に当たった、という。
 同署は、過失傷害の疑いもあるとして、けんかをしていた少年たちの行方を捜している。
 大階段は、駅ビル西側の4−11階部分にあり、幅約30bで計171段。午前6時から午後11時まで自由に入れ、気軽に座って休憩できるため、事故当時も多くの人でにぎわっていた。けがをした2人は他の同級生の女子生徒2人と計4人で駅ビルを訪れ、並んで階段に座っていた。
 大階段を管理する駅ビル開発株式会社は「まさか消火器の台座が事故につながるとは思わなかった。マナー良く楽しんでほしい」と話している。(京都新聞)
■死者は6人に 英の列車事故
 【ロンドン19日共同】英国の交通警察当局者は19日、ロンドン西部サウソールで起きた列車衝突事故の死者は、6人になったと発表した。また、負傷者のうち13人が重傷、約150人が軽傷だという。(京都新聞)
■とうきょう物語 東方探見 長野新幹線 首都圏と交流期待 久々のフル規格 「北陸」への一歩
 来年2月の「長野冬季五輪」に合わせて建設が進められてきたJR東日本の「長野(北陸)新幹線」(東京−長野間222.4`)が、10月1日に開業する。財政難の中で五輪という世界最大のイベントに後押しされて、久々に誕生したフル規格の新幹線。地元・長野は首都圏との人の交流や経済効果に大きな期待を寄せる。また、近畿にとっては「北陸新幹線」(東京−大阪間、690`)のワンステップになる。
 長野新幹線は、東京−高崎間が上越新幹線(東京−新潟間)の線路を利用。新たに建設された高崎−長野間(117.4`)ルートは、群馬・長野県境の難所・碓氷峠を通り、半分がトンネル。長野に向かって安中榛名、軽井沢、佐久平、上田の4駅が設けられる。
 運行計画によると、新型のE2系車両を用いた8両編成の「あさま」が1日28往復(うち4往複は東京−軽井沢間)する。最高時速260`で、東京長野間を平均1時間37分で結ぶ。在来線特急に比べ半分に短縮される。
 長野新幹線は、計画から四半世紀を経ての開業だけに地元・長野の期待は大きい。
 建設促進の旗振り役だった長野市は「県民の悲願がようやく実現した。今後は東京への出張が楽になるなどして人的交流が進む。いずれ新幹線通勤も出てくるのでは」(新幹線高速道対策課)と開業にはずむ。
 地元地銀系の長野経済研究所(長野市)は、研究リポートで、利用者が東京往復で節約できる3時間を生産活動に振り向けたとすると、県内の年間所得は総額で105億円アップするとはじき出した。
 一方、同リポートは地域経済や社会の変化にも言及。避暑地で知られる軽井沢は「訪問客増加で俗化し、イメージが低下し掛ねない」と危ぐしている。在来線を利用しないフル規格の新幹線の開業は、82年の東北・上越新幹線以来15年ぶり、JR発足以後では初めて。
 JR東日本は、呼称を「長野行新幹線」と決めたが、本来の名称は運輸省が73年に策定した整備計画に基づく北陸新幹線だ。今回の長野新幹線の開業は、北陸新幹線の一部である「高崎−長野間の営業開始」(運輸省幹線鉄道課)と位置づけられている。
 北陸新幹線の全体では、現在、新潟、富山、石川各県内の糸魚川−魚津間(39.7`)、石動−金沢間(23.6`)で、建設工事が始まっているが、福井県小浜市付近を通る敦賀−大阪間は、着工どころかルートも決まっていない。
 こうした状況の中で、北陸新幹線を「東海道新幹線の代替え補完機能を確保するためにも緊急の国家的課題」と位置づける京都府は、敦賀−大阪間の駅、ルートについて「整備計画通り、決定、建設されるよう引き続き要望していく」(交通対策課)と冷静な構えを見せている。(京都新聞)
■とうきょう物語 山手下町 京都奈良観光案内所が人気
 東京駅の八重洲口にある「京都奈良観光センター」は、秋の京都に思いをはせるOLや実年の女性らが、ガイドマップや紅葉だよりなどタイムリーな情報を求めて訪ねている。
 オープンして9ヵ月。JR東海が東海道新幹線の利用者増を狙った開設が図に当たり、連日、350人から400人が足を運ぶほどの盛況だ。
 センター(約100平方b)は京情緒があふれる和風づくりで、職員は4人。切符や旅館の手配、さらに「旅のスケジュールやフリータイムの相談などにきめ細かに応じている」(栗原章所長)。年に3回、企画する京都観光ツアーの募集も2日ほどで満杯という。(京都新聞)
■とうきょう物語 トライあんぐる
 東京に地下鉄が走り出して今年でちようど70年。その最も古参の銀座線(上野一渋谷間15.6`)に、溜池山王駅が30日開業する。新駅誕生は58年ぶり。虎の門と赤坂見附両駅の中間に位置し、国会や官庁、ビジネスビルなどが集積しているところ。新駅は延伸する南北線ともドッキングし、都心の利便牲は一段と向上。帝都高速度交通営団では、1日の乗降客を約8万人と見込んでいる。(京都新聞)
■京日記
 ◇…京都市の地下鉄東西線開業(10月12日)を前に、市バス・地下鉄キャラクターの市長賞表彰式が20日、中京区のホテルで行われた。キャラクターも披露され、式典を盛り上げた。
 ◇…公募で、市長賞に選ばれたのは佐賀市のグラフィックデザイナー、永石繁信さん(53)の作品。市バスのキャラクター「京ちゃん」は女性をイメージし、地下鉄の「都くん」はモグラをもとにデザインした。
 ◇…式では、制帽をかぶった都くんと、市の花ツバキのリボンを付けた京ちゃんの2人が愛きょうをふりまいた。永石さんは「今度、京都を旅行する時は、必ず東西線に乗ります」と喜んでいた。(京都新聞)
■窓 新京都駅ビル
・驚く巨大空間 要は活用次第 甲西町・鈴木 強(事務員・46)
 新京都駅ビルがグランドオープンした11日の夜、大階段を上がり、空中回路を歩いてきた。確かに月が近くに見えた。毎日通勤している駅の頭上に、こんな広大な空間が作られていたとは驚きであった。
 駅ビルが建って、それを前にした実感は、駅という公共建造物を作ることを「利用した」形で、左右にホテルとデパートを造った。当然、駅施設は巨大な施設は不要だから、真ん中は巨大空間というがらんどうになったのか−。多分、ホテルとデパートを造るといったら、京都ホテル建設を超える批判が出ただろう。新たな巨大デパートの進出は地元商店街を直撃する。だから駅が利用されたのだろうか。しかし、これもそこに住む市民の選択だ。駅ビルの全体を眺めて、これまでの京都の町並みに抱いていたイメージとほど遠いところで、この建物は出発した。
 でも、建造物は、そこに住む人々に迎えられ、空間にしっとりと落ちつく必要がある。果たして、そのあたりはどうなるか。遅い時間だというのに、若者が数多くいた。京都は若者の町。しかし、これまで都心に広場がなかった。それが提供された。今後の活用次第だ。
・新鮮さは観光客にも誇れる 山科区・塩田ミヱ子(主婦・66)
 ひょんな会話で知り合った私たち老人3人は、新京都駅ビルやジェイアール京都伊勢丹も開店日だよ、ということで急きょ京都駅ビルに行った。どうせ古都にこだわっての建設だから大して期待はしていなかったが、バスが駅に近づくにつれて周辺は人の大洪水に。
 まず表玄関を見上げる。半円形をしたいぶし銀の大きな塊が幾重にも重なって大胆。見ていると、大寺院の大屋根が幾重にも重なりあっているようで京を思う。余分な飾り気のない金属性だけの吹き抜け天井に反り返った。長い行列の後にもつきエスカレーターで大喜び。まるで外国旅行気分にしてくれる。
 そんななかで、なぜか殺風景な感は草花が少ないせいかも。連れの2人の男性は、生粋の京都人。京都のイメージがあまりないので嘆くかと思ったが「これだけの大改革をよくもした。京都もこれくらいやらないと」と絶賛。今後は、京都の新文化に、訪ね来る人々は感嘆するであろう。そして古都の歴史散歩に一段と新鮮さを覚えるのではなかろうか。
・駅の機能低下防ぐ対策必要 茨木市・山本 岳彦(自由業・32)
 新しいJR京都駅ビルが全館オープンとなった。京都市にお住まいの方々にとって便利なのだろうかと思ったのが、私の疑問である。デパートや劇場、美術館などがあり、一見便利のように思える。しかし、あの人の多さを見ると、駅の中にあらゆる施設を集中させたのには無理があるように思う。
 規模の大きい大阪や東京の駅には、新しい京都駅のように施設は多くないが、駅周辺にデパートや劇場がある。駅を中心に人々が自分の必要に応じて必要な場所に行くのである。新しい京都駅の場合、人の流れがなくて滞留している。
 今後、開発や道路事情の整備によって、京都駅の利用者が増えていくと思う。そうなると、今以上の混雑が予想される。駅としての機能の低下を起こさないような対策を考える必要がある。
・明るい接客の態度で心和む 大津市・川元ますこ(主婦・56)
 新京都駅ビルやデパートの開業日、従来の好奇心も手伝って用事にかこつけて出かけてみた。よく利用していた以前の京都駅の思い出が遠くに去り、巨大な新しい近代的駅ビルの中に、いつのまにか違和感を感じず溶け込んでいく自分に、これも時代の流れだなと感じる。
 予想通りの人出の多さに歩き疲れて、ちょっと休憩をとお茶を飲む所を探したが、まあ、どこもかしこも行列ができている。それでもとある店で少し並んでやっと席に座れた。注文を聞きにきた若い女の子のハキハキとした明るい口調に疲れがいっぺんに吹き飛んだ。本当に聞いていて気持ちがいいほど。にこやかに明るく人に接し、てきぱきと手早く行動し、遅れている人の注文にもその理由を感じよく説明していた。
 その日は混雑のため、あちこちで対応の悪さが目立ち、イライラの募るときもあったが、この女の子の明るさに救われた感じがしてほっとし、とても気持ちがよかった。そのお店の印象が一度に良くなったことはいうまでもない。人に接する時の心がけ次第で人の気持ちも変わり、大事なことだ、と痛感する。
・初の清掃の日美化継続誓う 南区・西山 彰(無職・66)
 新京都駅ビルの全面開業で南区一帯は京の表玄関口としてにわかに注目されだした。美しい街にしなければとの思いから、毎月第2日曜日を「南区一斉清掃の日」として各学区ごとに美化活動に取り組むことになりました。初日の14日は、区内のあちこちで、ごみ袋を片手に各家庭の周辺や近くの公園などの清掃に汗を流しました。
 久世橋通から南は出先機関や街工場、トラック基地も多く、よそから勤務先や仕事に来る人が多く、居住者は少ない。ごみの散乱もひどい。家庭ごみ、大型ごみ、車のナンバーを外した放置車両など。駐車禁止もお構いなし。
 こうした散乱地区が、第1回の「清掃の日」で見違えるほどきれいになった。今後も引き続き、この活動が続けられるようだ。どうか、よそからごみの持ち込みによるポイ捨てや、車の放置はやめてください。京都の表玄関口です。河原町や四条烏丸付近にも負けない、きれいな街にしたいと思っています。
・亡き母の古里 大江よ輝いて 横浜市・山内 博(建設業・66)
 私の母は大江町の出身である。昭和4年12月、23歳で横浜の父に嫁いだ。もしもいま、健在ならば90歳になるはずだ。しかし、残念ながら20年ほど前に70歳でこの世を去っている。
 母の実家には、小学生のころにつれていってもらった。いまは廃線になったが、北丹鉄道の河守駅に降りたのをおぼろげに覚えている。大きな川(たぶん由良川)と、広い田んぼ、吹き抜けるさわやかな風。その程度だが幼かった頭に思い出として残っている。
 町おこしの話題づくりに、町の商工会青年部が主催して、KTR大江町駅前の鬼瓦(かわら)公園で、さる7日に「大江山薪能」が行われ、戦国時代に築城を祝って演じられた「大江山」が、414年ぶりに披露されたという。心にかけている母の里での催し、飛んで行きたい気持ちでいっばいだったが、この催しが盛会にと、横浜からただただ念ずるのみであった。(京都新聞)
22日■一度電車の運転してみたかった 疑似体験 ゲーム機やパソコンソフト オジさんも熱中する ほのぼの旅気分も…
 電車の運転を疑似体験できるゲーム機やパソコンソフトが人気を集めている。「一度運転してみたかった」という鉄道ファンをはじめ、殺伐とした対戦型などのゲームと違って、ほのぼのとした旅気分を味わえるところが、中年層や女性にも受け入れられているようだ。
 人気に目を付けたJR西日本が、10月1日発売の1日乗り放題切符にパソコン用運転体験ソフトをおまけに付けたところ、郵便による先行予約初日に早くも約1000件の申し込みがあったほどだ。
 3月からゲームセンターに登場したのがタイトー(本社・東京)の「電車でGO!」。巧みに加速、減速しながら電車を正しい位置に停止させ、ダイヤ通りに運転できるかどうかで得点を競う。
 急制動するとつり革につかまった女性客が悲鳴を上げ転倒し、減点。警笛も決まった場所で鳴らさなければならない。臨場感ある風景が運転席の画面を流れてゆく。
 レーシングゲームなどの場合、約3ヵ月で数百台も売れれば注文が一段落するといわれるが、「電車で−」は8月末で1000台以上売れ、今も注文が絶えないという。
 「東京・秋葉原の交通博物館で、平日の昼間にサラリーマンが運転体験コーナーに熱中しているのを見て、これはいけると考えた」(同社広報宣伝部)のが開発のきっかけ。
 ブームの先駆けとなった「音楽館」(東京)のパソコン用ソフト「トレインシミュレータ」は、2年前の発売からこれまでに、JR東海道線など8路線計約20万本が売れた。電鉄会社ごとに異なる運転士の安全確認の合図などを実写映像で忠実に再現している。(京都新聞)
■関東の私鉄大手 1社値下げへ 4社は値上げ申請
 東京急行電鉄、東武鉄道、西武鉄道、小田急電鉄の関東私鉄大手4社は22日、平均1.9−8.5%の運賃値上げを運輸省に認可申請した。4社の値上げは、今年4月の消費税引き上げ分の転嫁を除くと1995年9月以来。
 一方、京王帝都電鉄は平均9.1%の値下げを申請した。大手私鉄の運賃値下げは戦後初めて。
 各社とも今年12月28日から実施する予定。
 今回の運賃改定は、ラッシュ時の輸送力増強の工事資金を前もって運賃に上乗せする「特定都市鉄道整備積立金制度」の10年間の期限が、今年12月下旬で切れるため。
 期限切れで上乗せ分などを解消することになっているが、東急など4社は、輸送力アップを中心とした今後の設備投資に伴う金利負担などのコスト増から、値下げ要因を相殺して結果的に値上げとなった。京王は同制度による設備投資が終わり値下げする。申請によると、京王は10円の値下げで120円となる。(京都新聞 夕刊)
24日■JRバス、電柱衝突 京都市、乗客けがなし
 24日午前9時45分ごろ、京都市北区中川北山町の国道162号で、京都駅行きの西日本ジェイアールバス=田中弘運転手(45)=が、道路わきのコンクリート製電柱に衝突、電柱はひびが入って傾いた。乗客10人にけがはなかった。
 太秦署によると、現場は幅が6bで、バスは前から来た大型トラックと離合するためにバックしたところ、後部左側が電柱に当たったといい、田中運転手から事情を聴いている。(京都新聞 夕刊)
■さよなら路面電車 京阪京津線 京の風情走って85年 ごくろうさん 最後見守るカメラの列
 京都市内を横断する市営地下鉄東西線が10月12日に開業するのにあわせ、古都の街並みを縫って85年間走り続けた路面電車が、姿を消すことになった。京都と大津を結ぶ京阪電鉄京津線(11.1`)の一部区間で、東西線開業後、京津線は新型車両に更新して地下鉄に乗り入れる。「京の風情」となった路面電車は近年、環境にやさしい乗り物として脚光を浴びるだけに惜しむ声も多く、愛好家のカメラの列に見守られてあと半月、街に溶け込んで路面を走る。
 廃止されるのは、京津線の京津三条(東山区)−御陵(山科区)間の3.9`で、そのうち三条通など2.3`が路面区間。地下鉄東西線が二条(中京区)−醍醐(伏見区)問で開業すると、京津線は御陵から地下鉄に乗り入れて市中心部の市役所前(中京区)までつながる。地下鉄開業にあわせ、京阪電鉄は2両編成の古い車両30両を廃棄処分し、4両編成の新車両を導入する。
 軌道跡は、京都市が右折レーンを新設するなどして渋滞緩和に役立てる。大津市内から通勤する京都市職員(49)は「渋滞で電車が前に進まず、随分いらいらした。これからはゆっくり家を出られます」と喜ぶ。
 一方で、惜しむ声も少なくない。路面区間の東山三条駅前で生まれ育った時計店主(69)は「生活の一部だった電車のゴォーという音が聞かれなくなるし、車が増えるのはかなわない」と漏らし、「鉄道友の会京都支部」の高山礼蔵支部長は「地下鉄は車窓からの景色がなく、街との一体感に欠ける。毎年秋、時代祭の行列とともに走る姿も見られなくなる」と話す。
 運輸省によると、路面電車は全盛期、国内43都市で走り、年間乗降客数26億5700万人(1961年)を誇ったが、今は19都市に残り、乗客数は2億5100万人(94年)に。京都では市電が78年に全廃されており、京津線の地下鉄乗り入れで京福電鉄嵐山線に1`余り残るのみとなる。
・軌道跡どう使うか
 内藤正明・京大大学院教授(環境地球工学)の話 路面電車がなくなるのは地下鉄ができた以上、仕方ないが、問題は軌道跡をどう使うか。渋滞緩和の名目で車道を広げるのではなく、自転車道を新設するなど、交通体系の見直しにつなげてほしい。(朝日新聞 夕刊)
25日■特急、快速105本増発 KTR秋の臨時ダイヤ 「みかん狩り列車」も
 北近畿タンゴ鉄道(KTR、事業本部・宮津市)は24日、秋の臨時ダイヤ(10月1日−11月28日)を発表した。秋の観光、グルメシーズンに合わせて、京都、大阪から臨時の特急、快速を上下合わせて計105本増発するほか、豊岡と福知山から「みかん狩り列車」を丹後由良まで、それぞれ1往復運行する。
 臨時特急は、日帰り客の利用を見込んで「タンゴ・エクスプローラー」を、11月1日から3日まで、下りは京都−網野間、上りは豊岡−京都間で1往復。宿泊客には「味めぐりタンゴ・エクスプローラー」を、下りは京都−網野間(11月15、22日の両日)、上りは豊岡−京都間(同16、23日の両日)で運行、大阪方面からも新大阪−久美浜間で「タンゴディスカバリー」を、期間中の週末を中心に増発する。また、11月1日から28日まで、木津温泉、丹後神野に特急列車を臨時停車する。
 企画列車では、「タンゴ・エクスプローラー」の車両を使用した「みかん狩り列車」を、10月26日に豊岡から、11月9日に福知山から、丹後由良に向けそれぞれ1往復運行する。(京都新聞)
■窓 思い出乗せた京津線惜しむ 山科区・前川 文江(パート・59)
 地下鉄東西線の開通も間近。その喜びの陰で京阪電鉄京津線の京阪三条−御陵間の路面電車(3.9`)が姿を消す。この春ごろから沿線では、カメラやビデオカメラを構えた人が目立つ。家族や友人たちと、また通勤、通学、行楽にと、思い出を乗せて走ってくれた車両。そして曲がりくねった線路とも、いよいよお別れ。
 今、最後のご奉公と、力いっぱい2両編成の準急、普通電車は走る。沿線に住まいがあるので息子たちは、すっかり電車マニアになったものだ。折しも、いま他県では路面電車復活の兆しがあるとか。そう思うと寂しい限りだ。先ごろ、息子は思い出ひた走る京津線をビデオに収めた。私は通勤でお世話になっているので、テープレコーダーに音を収録した。
 直接電車に携わっておられる方、長い歴史をご存知の方には語り尽くせない思い出、寂しさがあることでしょう。あの車両は、仕事が終わったらどうなるのでしょうか。京都市電のように、よそで活躍してほしいものです。私にとっては35年の思い出。ありがとうございました。(京都新聞)
■観光コース59ヵ所紹介 阪急沿線各駅さんぽ出版
 京都マンガ会代表のイラストレーター永井ひろしさん(63)=右京区太秦安井辻ノ内町=が、阪急沿線付近の観光コース59ヵ所をイラストつきで紹介した「阪急沿線各駅さんぼ−京都・大阪・千里」を出版した。本を片手に名所・旧跡を訪ね、買い物や食事なども楽しめそう。
 うち京都線関係は41ヵ所。大宮駅周辺は6ヵ所。「壬生」のページを開くと、壬生狂言や新選組隊士の墓どころで知られる壬生寺を中心に紹介している。イラストには「かつては京の伝統野菜、壬生菜(みぶな)の産地だった」と説明文つきで描いた壬生菜や、新選組隊士らの絵も飾り、楽しい絵図に仕上げている。
 本書は阪急電鉄の情報誌「TOKK」に11年間連載した内容に数本追加してまとめた。来春、続編として「神戸・宝塚・大阪」を出版の予定。四六判。176n。本体1400円。創元社(06・231・9010)。(朝日新聞)
■近江鉄道「石山駅前ビル」完成
 近江鉄道(彦根市)が、大津市粟津町のJR石山駅前に建設していたテナントオフィスビル「石山駅前近江鉄道ビル」が完成、10月1日オープンする。
 地上6階・地下1階、延べ床面積3419平方bで、同鉄道の貸しオフィスビルでは最大。OA機器に対応したフロア、光フアイバー電話回線を採用したほか、34台収容のタワーパーキングを併設している。(京都新聞)
■新空間 京都駅ビル発 1 うつろう光に渦巻く50万人
 高さ約60bの巨大空間を上へ下へと、人がうごめく。エスカレーターで、階段で。思わず立ち止まり、頭上の空を見上げる人がいる。避けるように、周囲の人波が渦巻きをつくる。
 JR京都駅の1日の乗降客は平均25万人いる。ホテルと百貨店の利用者を合わせると、50万人近くが新京都駅ビルを行き来する。初物見物の人たちを差し引いても、京都最大の集客力を見せつける。秋の観光シーズン本番は、さらに数字が膨らむだろう。
 壁面のガラス越しに届く自然光は、時間とともにうつろう。やがて、夕暮れが建物を包み、明かりがともる。家路を急ぐ人の流れが太くなる。
 新京都駅ビルが、京都の新しい名所になっている。連日、人々を引き寄せる巨大な駅ビルを、さまざまな角度からのぞき見る。(京都新聞 夕刊)
■のぞみ減速運転争議で JR東海へ救済命令 都労委
 新幹線「のぞみ」を減速運転する争議行為をめぐり、JR東海(葛西敬之社長)が、組合所属の運転士の乗務を拒否したり賃金をカットしたとして、JR東海労働組合(JR東海労、掘拓二委員長)が起こした不当労働行為救済申し立てで、東京都地方労働委員会は25日、会社側の不当労働行為を認め、JR東海に救済命令を出した。
 命令書によると「のぞみ」は1993年4月、岐阜羽島駅などで走行中に砂利をはね上げる事故を2度、起こした。
 JR東海労は「のぞみ」の安全確保などを申し入れたが、会社側が抜本的な対策を実施しないため、93年5月21日から岐阜羽島駅など三駅の通過時に最高時速270`を230`に減速運転することを決め、会社側に通告した。
 減速運転を指示された運転士に対し、会社側は「のぞみ」への乗務を拒否したり、乗務時間分の賃金・手当をカットしたとしている。
 都労委は「会社側は減速運転の争議を回避する方策を講じておらず、ダイヤへの影響を考慮しても、組織的に乗務を拒否させたのは過剰反応で正当ではない」と判断。組合員にカットした賃金や手当を支払うよう命令した。
 会社側は「就労拒否は当然許容されるべき権利の行使で、不当労働行為ではない」と主張、命令に対し、「主張が認められなかったのは遺憾。内容を十分に検討した上、必要な措置を講じたい」としている。
 争議は93年9月14日まで続けられたが、会社側の乗務拒否で減速運転は行われなかった。(京都新聞 夕刊)
■組合員4人の脱退勧奨認定 JR東日本に救済命令
 組合を脱退するよう上司から勧奨を受けたとして、国労(高橋義則委員長)が起こした不当労働行為救済申し立ての再審査で、中央労働委員会(山口俊夫会長)は25日、組合員4人については「上司の発言は組合への支配介入だ」とし、JR東日本(松田昌士社長)の不当労働行為を認定する救済命令を出した。
 しかし神奈川県地方労働委員会命令で救済対象になったもう1人の組合員については「上司の発言は組合活動に言及していない」として、脱退勧奨とは認められないと判断した。
 命令書によると、国鉄分割・民営化後の1987年9月、神奈川県の大船保線区に勤務していた組合員4人に対し、上司が「国労は会社の方針に反対している」「あしたからあなたはこの席にいられるか分からない」などと発言。「国労の方針を批判し、不利益を示唆して脱退を勧奨した」として、JR東日本側の不当労働行為を認定した神奈川地労委の判断は相当とした。(京都新聞 夕刊)
■東海道線内に陥没 快速電車緊急停止
 25日午前10時15分ごろ、大津市月輪一丁目のJR東海道線上り線で、軌道の盛り土が陥没しているのを巡回中の施設係員が見つけ、無線連絡で走行中の野洲行き快速電車を緊急停止させた。同電車は瀬田駅へ引き返し、乗客約200人を後続電車で輸送した。上りは別の外側線路を使い徐行運転、陥没部分は約1時間半後に仮復旧させた。同電車が約1時間半遅れたのを最高に後続の電車12本が遅れ、約4000人の乗客に影響が出た。JR西日本によると、陥没は直径1b、深さ約2b。盛り土の地下にあった古い空洞が、何らかの原因で陥没したのではないかと見て、調べている。(京都新聞 夕刊)
■JR東海道線路盤一部陥没 大津
 25日午前10時16分ごろ、大津市月輪一丁目のJR東海道線の瀬田−南草津駅間で、上り内側線の線路の路盤が直径約1b、深さ約2bにわたって陥没しているのを巡回中の係員が見つけた。瀬田駅を出発していた上り快速電車(11両編成、乗客約200人)は連絡を受け現場の約1`手前で停車、同駅に引き返した。乗客は後続電車に乗り換えた。
 JR西日本によると、現場は瀬田駅から南草津駅寄り約1.2`の地点。上り内側線は不通になったが、上下合わせて4本の線路が走る複々線のため、上り外側線で列車を走らせたが、同11時40分ごろ、仮復旧した。(朝日新聞 夕刊)
26日■京都市バス もう乗客挟みません 全車両へドアセンサー設置
 京都市交通局は、発車間際の市バスのドアに乗客が挟まれる事故が相次いでいることから、年末までに市内を走るすべてのバスのドアにセンサーを取り付け、乗客の保護を徹底する。
 設置されるセンサーは、ドアの縁のゴム部分に埋め込まれ、異物を挟み込むと、感知してドアを開ける仕組み。エレベーターなどにも利用されている。
 交通局では、すでに観光用のチンチンバスなど11台にセンサーを取り付けているが、ドアの開閉時に乗客を挟むトラブルが続いていることから、所有する約840台のバスすべてに設置することにした。他都市では、大阪市が市バス全車のドアにセンサーを設置している。
 費用は取り付け工事も含め約4000万円となるが、交通局では、整備費など他の予算から支出し、新たな補正などは行わない、としている。また、ドアが閉まる際に鳴らしていたブザー音を、言葉によるアナウンスに換え、乗客に注意を促すことにしている。
 京都市バスで、乗客をドアに当てたり挟んだりする事故は、昨年度だけで13件発生。今年6月には女性をドアに挟み40b引きずる事故が起きている。交通局では、「センサー設置に加え、乗務員による安全確認もさらに徹底させる」と話している。(京都新聞)
■男性飛び込み死亡 湖西線新旭駅ホーム
 25日午後4時10分ごろ、滋賀県高島郡新旭町旭のJR湖西線新旭駅上りホームで、通過中の金沢発大阪行き特急「雷鳥34号」に男性が飛び込んだ。男性は間もなく死亡。フロントガラスが割れ、中村政美運転士(41)も顔などに軽いけが。このため、JR湖西線は上下線合わせて6本が、7分から29分遅れ、約1500人の足に影響が出たほか、「雷鳥34号」は近江舞子駅で運転を取りやめ、乗客300人は後続の特急「サンダーバード36号」に乗り換えた。(京都新聞)
■南西部の市バス運行 民間委託を検討 赤字削減策の一環 今年度末にはメド
 京都市交通局は25日開かれた市議会事業決算特別委員会で、赤字削減策の一環として、市バスの運行業務を市南西部地域に限り民間に委託する方針を明らかにした。同交通局と京都市、向日市、長岡京市、京阪バス、阪急バスの6者で検討を進めており、「今年度末には委託のめどをつけたい」としている。
 対象になるのは、南区や伏見区などに12路線をもつ横大路営業所の管内。時刻表通りの運行が難しく、列車との接続が悪いなどの理由で利用客が年々減少。昨年度の市バス営業収支の赤字35億2600万円のうち、半分近い14億7000万円の赤字を出し、9営業所の中で最高だった。今後も毎年約15億円の赤字が見込まれている。
 民間委託の方針を打ち出した理由として、江草哲史管理本部長は、人件費を交通局と民間バス会社で比較すると、民間の方が2、3割安く、経費節減できることを挙げた。また、民間委託することで、京都市外の向日市や長岡京市にも路線を拡充し、便利にしたいという。
 民間委託は、道路運送法上の「管理の受委託」方式に基づく。免許権、運賃決定権、路線決定権などは市交通局がもち、運行管理業務、運転業務、整備業務などを民間に委託することになる。これまで同方式では民間が民間に運行委託した前例しかなく、運輸省と協議をしながら詰めていきたいとしている。(朝日新聞)
■二条から洛西方面への延伸 地下鉄以外も検討 東西線開通後の交通機関
 地下鉄東西線(二条−醍醐間、12.7`)開通後の延伸間題で、京都市の下薗俊喜・交通局長は25日、市議会事業決算特別委員会で、二条から洛西方面(10.0`)への延伸を「地下鉄以外の交通機関も念頭に入れて検討したい」と述べた。
 東西線は現在、東南方向の延伸計画が先行し、市は醍醐−六地蔵(宇治市)間(2.5`)で1998年度の事業免許の取得を目指している。洛西方面は、地下鉄工事に先行する地上の道路整備ができていないとの理由で具体化を見送ってきたが、需要の高まりを背景に、費用のかさまないほかの交通機関での実現可能性を検討したい、としている。(朝日新聞)
■新空間 京都駅ビル発 2 見わたせば、アートな気分
 携帯電話が鳴る。「いま、改札口を出たところ。赤いモニュメントの下でしょ? 行くわ」。電話の相手は、おそらく大階段の4階踊り場にある室町小路広場にたつ朱色のモニュメントの下で待っているはず。目立つ色と形が、待ち合わせの目印にちょうどいい。
 北の壁を見上げると、14枚の巨大な絵画がかかる。天才画家・ピカソに負けじと、世界の子どもたちが描いた作品展「キッズゲルニカ」だ。中央コンコースの壁面には、現代アートの壁画が建物に違和感なく溶け込んでいる。企業がスポンサーになった広告だ。小さく入った企業名が、きらりと光る。
 見わたせば、そこにアートがある。京都駅ビルは、巨大な現代美街館でもある。(京都新聞 夕刊)
■鉄道の歴史記す企画展 滋賀
 彦根市馬場町の滋賀大経済学部付属史料館で、企画展「滋賀県における鉄道の発達と地域社会」が、このほど始まった。
 同館は、建物を新築した一昨年から毎年秋に企画展を開催。今回は、県内の先人たちが鉄道を敷くまでの苦労や鉄道の歴史が分かる史料、写真など約100点を紹介している。
 同館長の小川功教授は「鉄道は地域発展に欠かせない。先人が鉄道開通を強く求めていたことがよく分かる」と話している。(京都新聞 夕刊)
■西梅田の旧国鉄跡地 再開発ビル29日着工
 国鉄清算事業団近畿支社は25日、安田生命など5社が共同で落札したJR大阪駅南西の旧国鉄貨物駅跡地(1.57f)に建設する「ガーデンシティタワーズ」(仮称)を、29日に着工すると発表した。31階と23階のオフィスビル2棟、健康保険組合連合会大阪中央病院(13階)、ホテル(14階)の計4棟からなり、2000年6月未完成の予定。(朝日新聞 夕刊)
27日■さよなら京津線 来月から記念電車など運行 京阪電鉄
 京阪電鉄は、10月12日に京津線の京津三条−御陵間を廃止し、京都市地下鉄東西線に乗り入れるのを記念して、同月1日からイベントや記念品販売をする。
 廃止区間の四季折々の写真約50点を車内に展示する「京津線ギャラリー電車」は、1日から11日まで京津線内で運行。11日には、車両を装飾した「さよなら電車」を走らせる。
 また、新たに運行する800系車両と廃車になる80形車両をデザインした2種類の記念プリペイドカード(1枚1000円、2万枚限定)と、廃止区間の6駅などのさよならステーション絵はがき(7枚組1セット500円、5000セット限定)を1日から主要駅や京阪交通社営業所で発売する。(京都新聞)
■JR各社への再就職 国鉄清算事業団要求
 国鉄清算事業団の西村康雄理事長は26日の記者会見で、職員の再就職問題について、「JR各社に1000人強求めるのを中心に1600人弱の雇用を各方面にお願いしていく」と述べた。(朝日新聞)
■超低床型路面電車 発車もうすぐ2ヵ月 熊本 車いすも楽々 まずはオーライ 障害者ら「初めて乗れた」 課題も 編成増や停留所の改善
 新しい都市交通機関をめざし、熊本市で全国初の超低床型路面電車が営業を始めてそろそろ2ヵ月。「この電車を待って移動する車いすの方もいる」(熊本市交通局電車課)といい、滑り出しはまずは好調。いまのところ車両費が割高になるはか、停留所の改善など課題も多いが、欧州では超低床式が高速路面鉄道の主力になりつつあり、広島電鉄も来年度から導入を決めている。
・1日平均1人が利用
 「お年寄りや障害者から、初めて市電に乗った、という声が寄せられている。北海道や仙台からも視察に来た。都市づくりの一環としても、市電の役割は大きい」
 8月9日、熊本市内で開かれたシンポジウム「都市交通会議・熊本」で、熊本市交通局の行徳健次交通事業管理者は胸を張った。
 全国で路面電車が残っているのは、10月に路面部分の大半が廃止になる京阪電鉄を含め19地域、20路線。熊本市でいち早く導入できたのは、「新しいもの好きの県民性だろうか」と電車課はいう。
 外観はスマートな近未来感覚。台車をドイツ、車体を国内のメーカーが受け持った。従来型が地面から床までの高さが80aあり、ステップを持つのに対し、超低床型はわずか35a。4つの乗降口は30aで、うち2つは可動式。地面から18aの電停の高さまで下りてくるから、車いすでも段差をほとんど気にせずに乗り降りできる。
 4月末の搬入後、深夜の試験運転を繰り返し、8月2日に営業開始。電車課によると、同月29日現在の1日平均利用者は1172人で、車いすは1人。通常の車両を対象にした昨年度の統計では809人、車いすはもちろんゼロだった。
・1時間半に1本だけ
 欧米では自動車に代わる都市交通システムの担い手として路面電車が再び見直され、次々と生まれ変わっている。高齢化社会に対応できるだけでなく、車による混雑の緩和、駐車場不足などで空洞化している都市の活性化にも役立つという。環境にも優しいし、建設コストも地下鉄の10分の1ほどと安上がりだ。
 都市交通研究家の服部重敬さんは「日本でも、車より移動に便利、という環境づくりが必要だ」と話す。
 課題はある。熊本の場合まだ1編成なので、1時間半に1本しか来ない。価格は2億2000万円と、通常車両のほぼ2倍。車いすで利用するには電停にスロープや十分な幅がなくてはならないが、35の電停のうち、その条件を満たすのは10ヵ所しかない。
 佐賀医科大の斉場三十四教授(社会福祉)は「今回の導入は、市が障害者の意見を聞いた結果で、これからの自治体のあり方を示すものとして評価できる」といい、「編成を増やし、路線も延長してほしい」と注文をつける。
・広島でも来年度導入
 乗客数で国内トップの広島電鉄の場合、来年度から3年間にわたって市内線用に2両連接の超低床車を毎年4編成、計12編成導入するほか、来年度以降に宮島線直通用に3年で計10編成運転する予定の新型車両も超低床車にすることを検討している。
 ただ、超低床車の場合、機器や車輪部分が客室内に張り出す分、1両当たりの輸送力が不足するため、今年度導入する宮島線の6編成はこれまでの低床車両の改良型だ。
 こうした車体改善やデザイン一新による路面電車見直しの動きは各地にあり、国も「軌道系の都市内公共交通機関は、大都市の地下鉄や新交通システムなどと地方都市のバスとの間に位置づけ、施設の整備の補助を進めている」(建設省街路課特定都市交通施設整備室)としている。(朝日新聞)
■青鉛筆
 「祖谷(いや)のかずら橋」を抱える四国の秘境・徳島県西祖谷山村で、1962年式のボンネットバスが運行される。地元のホテルが紅葉シーズンに合わせて導入した。
 24人乗りで、長さ8.3b、高さ2.8b。岡山の路線バスとして10年余り働き、長年、倉庫がわりになっていた。兵庫県姫路市の整備会社がポロポロのボンネットやドアなどを取り換えて復元した。
 かずら橋の近くに日本三大秘境の祖谷渓もある。11月運行の予定で、「お客さんの送迎以外に、渓谷巡りも検討中」といい、レトロバスの活躍に期待をかける。(朝日新聞)
■新空間 京都駅ビル発 3 夜景が招く 2人のスポット
 鴨川の三条や四条あたりの河原に座り込むカップルの数が最近、減ったという。代わって、京都駅ビル西側屋上の大空広場が、夜のデートスポットとして急浮上している。
 大都会の夜のまばゆいばかりの光の渦、とまではいかないが、しっとりとした古都の夜景が一望できる。
 夜景は、北側よりも南側の方が美しいかもしれない。マンションや工場、ホテル、多目的ホール…。窓から柔らかな光がもれ、街灯が路面を照らす。派手なネオンの明かりは少ない。
 夕やみの中に、ぽつりぽつりと明かりがともり始める。人恋しさのつのる時刻。恋人たちは、たった二人の世界に入り込む。広場を訪れた人は、少し困惑してしまう。(京都新聞 夕刊)
■700系新幹線を試運転
 JR東海と西日本が共同で開発した「700系新幹線」の試作車が26日深夜、東海道新幹線を走った。
 700系は、「のぞみ」に使われている300系車両に代わる次世代新幹線。時速300`で営業運転を始めた西日本の500系新幹線と、試験車両として国内最高の443`を記録した東海の「300X」の技術を生かしている。車両の先端は「エアロストリーム形」で、空気抵抗を減らしした。
 テスト走行を続け、1999年度の営業運転を目指す。(朝日新聞 夕刊)
28日■近鉄ダイヤ乱れる 停電で南大阪線
 27日午後2時15分ごろ、大阪府藤井寺市沢田の近鉄南大阪線の踏切近くで、西名阪自動車道の防音壁の改良工事をしていた作業車が誤って高圧線を切断した。近鉄によると、同線全線などで約3時間にわたり停電、信号系統への送電がストップし、普通電車のみの徐行運転となった。
 特急列車など上下計80本が運休、急行など計40本が最大約1時間半遅れ、約2万人に影響が出た。(京都新聞)
29日■羽田−成田に特急 便利 1時間 来年12月にも発車 運輸省検討
 国際線の空の玄関・成田空港と羽田空港とを結ぶ特急電車を走らせようと、運輸省は28日までに、千葉県などと委員会を設置して検討を始めた。実現には克服しなければならない問題もあるが、早ければ来年12月にも運転を開始する可能性もある。
 特急が走れば成田−羽田空港間は1時間余りで結ばれることになり、地方から海外に出掛ける旅行者には、重い荷物を持って電車を乗り換える必要がなく、便利になりそうだ。
 羽田から成田へのアクセスは主に高速道路をリムジンバスで移動するか、モノレールで都心に出てJRか私鉄に乗り継いでいる。バスの所要時間は最短で1時間15分だが、渋滞に巻き込まれることも多く、JRや私鉄を乗り継ぐと2時間余りかかる。
 同省は成田空港の平行滑走路と羽田空港の沖合拡張工事が完成すれば、航空需要が伸びると見込んでおり、6月に千葉県と「アクセス交通に関する検討委員会」を設置。運行に当たっての技術的な問題点を詰め、2000年代初めの実現を目指したいとしている。
 ルートとしては、京浜急行、都営地下鉄浅草線を経由して、既に成田空港に乗り入れている京成電鉄と結ぶ。このほか京浜急行と地下鉄浅草線に乗り入れている北総開発鉄道を成田空港まで延伸やJR京葉線などの利用の案が浮かんでいる。
 このうち京浜急行の空港線が来年12月に羽田空港の旅客ターミナルの地下駅に乗り入れることから、同社は「これを機会に直通電車を走らせたい」としている。
 しかし地下鉄浅草線の区間には待避線がないため、特急が普通電車を追い越すことができないのがネックになっており、東京都交通局や京成電鉄などが協議会を設置、検討している。(京都新聞)
■吉野川沿いにトロッコ列車 JR四国が11月に運行
 JR四国は、土讃線のうち吉野川の渓流沿いを走る大歩危(おおぼけ)−阿波池田(ともに徳島県)間21.6`で11月、週末などに「おおぼけトロッコ列車」を走らせる。大また歩きだと危ないという大歩危や、小またでも危ないという小歩危など、見どころが続く吉野川の紅葉をのんびり楽しめそうだ。
 特急型気動車にトロッコ車両1両(定員61人)を連結し、11月の週末や祝日の計10日間、1日1往復する予定で、所要時間は35分。
 乗車券のほかに無料の乗車指定券も必要で、10月1日から全国のみどりの窓口や旅行センターなどで受け付ける。同社は、吉野川の支流・祖谷川に架かり日本三大奇橋の一つとされる「祖谷のかずら橋」など、付近の観光名所を巡る無料バスも運行する予定で、大阪や徳島などからのツアーも企画している。問い合わせはJR四国広報課、0878(25)1626。(京都新聞)
■新空間 京都駅ビル発 4 陰影に息づく伝統の美
 巨大オブジェではない。中央コンコースの西側、2階インフォメーションプラザ内の楽器のティンパニにも似た鉄製の物体のことだ。実は建物の一部で、照明と空調の機器が組み込んである。
 ほかにもある。中央コンコース東側の烏丸小路広場から下をのぞくと、黄色い円盤が目に入る。真下にあるホテルのカフェを照らす。よく見ると、壁や階段からも光が出ている。駅ビルそのものが巨大な照明器具として設計されている。
 照明を担当した設計事務所は、公共建築に多い均一的な照明を排した。「陰影のある駅」を目指したそうだ。
 暗やみが、逆に明るさをひきたてる。日本の伝統的な知恵が生きている。(京都新聞 夕刊)
30日■地下鉄東西線 利便ぐんと ラッシュ時運転密に/乗り継ぎしやすく 来月12日開業ダイヤ発表 醍醐−二条間120往復(平日) 京阪電車も改正します 浜大津−三条京阪21分
 京都市交通局は29日、来月12日に開業する地下鉄東西線(醍醐−二条間、12.7`)のダイヤを発表した。起終点間を24分で結ぶとともに、朝のラッシュ時には一部区間で、烏丸線より運転間隔を縮めて2分半−5分半ごとに走らせる。また、始発、最終ともJR山陰線や京阪本線とも連絡して乗り継ぎの利便を図った。
 主要駅への所要時間は、醍醐−山科間が8分、山科−三条京阪間が9分、三条京阪−烏丸御池間が3分、烏丸御池−二条間が4分でそれぞれ結ばれる。
 平日の運転本数は、醍醐−二条間で120往復。京阪電車が乗り入れる御陵−京都市役所前間は203往復となる。朝ラッシュ時は、醍醐−二条間で1時間に12本(5分間隔)、御陵−京都市役所前間は同18本(2分半−5分半間隔)で運行。昼間時も醍醐−二条間は10分間隔で走らせる。
 醍醐からの始発は午前5時19分で、三条京阪で京阪本線の大阪方面行き急行の始発電車に、二条でJR山陰線の園部行き始発電車にそれぞれ接続。最終は午後11時37分で、三条京阪で淀屋橋発出町柳行き特急の最終前電車からの連絡を、二条でJR山陰線の園部行き最終電車への乗り継ぎをそれぞれ行う。
 二条からの始発は午前5時25分で、JR山陰線の園部発京都行き始発電車から乗り継げるほか、三条京阪では京阪本線大阪方面行き始発急行に間に合う。
 一方、東西線に乗り入れる京阪電鉄も大幅なダイヤ改正を実施。浜大津−三条京阪間が従来より3分短い21分で結ばれる。
 朝タラッシユ時を10分間隔、昼間時を15分間隔で運行するほか、浜大津発の始発を13分繰り上げた。電車は京都市役所前まですべて各駅停車し、これまでの準急は廃止となる。(京都新聞)
■地下鉄開業御輿で祝おう 11、12日に醍醐地区住民
 地下鉄東西線の沿線にある伏見区醍醐地区と山科区の住民が10月12日の開業目前後に、樽御輿(みこし)やギャル御輿などを繰り出し、地下鉄の開業を祝う。住民らは「地域の活性化の起爆剤に」と長年の悲願だった地下鉄の開通を喜んでいる。
 伏見区醍醐地区の住民や団体で作る「地下鉄東西線開業祝賀記念事業実行委員会」は、開業前日の10月11日に記念行事を計画。醍醐10学区でそれぞれ一斗樽を活用して樽御輿を作り、10学区から東西線醍醐駅近くの折戸公園まで地元の小学生らが樽御輿を担いで練り歩く。12日の開業当日の式典にも御輿を担いで参加する。
 日野学区では、地元小学生や少年補導委員会のメンバーらが木と段ボール製の台座(縦2b、横1.3b)の上に洒樽を乗せた御輿作りに挑んでいる。台座に地下鉄の車両を描き、洒樽は子どもたちの人気漫画「ポケットモンスター」をあしらった。
 日野小の5、6年生25人が11日に担ぐ予定で、同委日野支部長の丸岡文麿さん(65)は「華やかな模様を工夫し、子どもに夢を持たせるような御輿にしたい」と張り切っている。(京都新聞)
■山科商店会はギャル御輿で
 山科駅周辺の商店主らでつくる「山科商店会」(武村允巳会長)は10月12日、女子大生らの「ギャル御輿(みこし)」を繰り出して開業を祝う。
 近くの京都薬科大の女子学生ら約30人が参加。同日午後1時から、山科駅近くの旧三条通から渋谷街道までの醍醐街道約450bで、子ども用の御輿2基を担いで1時間かけてパレードする。
 また、一般募集した82店のフリーマーケットが商店会一帯に出店。近くの幼稚園児約70人もパレードに加わり、華やかに東西線開業を祝うという。同商店会の武村会長は「商店会の活性化を呼びかけるのに絶好の機会と思い、企画した。人目を引くような祝賀行事にしたい」と話している。(京都新聞)
■長野新幹線 期待乗せ「あさま」 1時間半短縮 いよいよあすから
 長野(北陸)新幹線が10月1日、開業する。フル規格の新幹線としては1982年の上越新幹線以来の新規路線となり、東京−長野間の所要時間は平均で1時間37分、信越線特急より1時間半短縮される。
 長野新幹線は、来年2月に開催される長野冬季五輪の大会役員や観客の輸送手段の柱として、大会運営に大きな役割を果たすとみられている。
 急こう配の碓氷峠越えで知られる信越線横川−軽井沢間は30日限りで廃止になり、バス輸送に転換。軽井沢−篠ノ井間は第三セクター「しなの鉄道」に引き継がれ、信越線はJRから分離、分断される。
 列車の愛称は現在の特急と同じ「あさま」で、秋田新幹線の「こまち」と連結する東北新幹線「やまびこ」と同じE2系車両が使われる。8両編成で定員630人、最高速度は時速260`。
 東京−長野間は臨時列車を除くと1日24往復、ノンストップの列車だと1時間19分で結ばれる。運賃は特急料金と合わせて7970円。
 新たに建設された高崎−長野間は総延長117.4`。このうち54%がトンネルで、トンネル区間の多さは山陽新幹線並み。安中榛名−軽井沢間には難所の碓氷峠があり、両駅の標高差は約650bに。
 長野新幹線は89年、整備計画決定から16年ぶりに着工。建設費は約8400億円に上る。(京都新聞)
■平日で120往復 地下鉄東西線 ダイヤを発表
 京都市交通局は29日、10月12日に開業する地下鉄東西線のダイヤを発表した。平日は醍醐−二条間を120往復し、京阪京津線も御陵で乗り入れて京都市役所前まで83往復する。
 運転間隔は、京津線も乗り入れる御陵−京都市役所前間が朝のラッシュ時で2分半から5分半、夕方のラッシュ時で2分半から7分。醍醐−二条間の市営地下鉄は朝が5分間隔、夕方が7分から8分間隔で運行する。
 醍醐発の始発は午前5時19分、終電は午後11時37分。JRや京阪各線との接続も考慮され、始発は三条京阪で京阪の淀屋橋行き急行の始発(5時38分)と、二条でJR山陰線の園部行き始発(5時46分)に接続する。終電は、淀屋橋発午後11時の特急が三条京阪駅でそれぞれ、11時53分発の二条行きと11時57分の醍醐行きに接続する。
 二条発は始発が午前5時25分、終電が午後11時51分。(朝日新聞)
■青鉛筆
 パソコンで列車の運転シミュレーションが楽しめるCD-ROMをセットにした「西日本一日乗り放題きっぷ」(4000円)が、来月1日からJR西日本の150駅で発売される。
 同14日の「鉄道の日」に合わせ、20日間の期間限定販売。東海道線長岡京−京都間の4駅3区間の実写映像を見ながら、運転士になった気分でブレーキや加速レバーを繰作し、停止位置や時間を守れなけれは減点される。主要な6車両を紹介するコーナーもある。
 列車の運転ゲームは各種市販されているが、切符とセット販売は全国初。現実に時々起こる駅の通り過ぎも、画面の中ならだれも文句は言いません。(朝日新聞)
■新空間 京都駅ビル発 5 大階段、たちまち野外劇場に
 弾んだボーカルとギターの音が響きわたる。「どこから聞こえるのだろう」。人の移動が始まる。中央コンコース西側の室町小路広場へ、大階段へ。171段ある階段がたちまち人で埋まる。そこに、野外劇場が出現する。
 広場では、週末ごとにライブコンサートや漫才など各種イベントが開かれる。案内板には掲載されないが、平日には小さなグループが演奏や街頭芸を披露することも多い。
 ハンバーガーをほおばる若者やカップル、人ごみに疲れて座り込む大人たち、大階段は終日、人の姿が絶えない。
 新しい京都駅は、まるでテーマパークのように、次々と人をのみ込み続ける。(写真部 吉田情景、社会部 松田規久子)(おわり)(京都新聞 夕刊)
■さよなら「あさま」「白山」 信越線 横川−軽井沢廃止
 長野(北陸)新幹線の開業で廃止されるJR信越線横川−軽井沢間が最後の日を迎えた30日、東京・上野駅などには鉄道ファンらが集まり、この日限りで姿を消す特急「あさま」「白山」との別れを惜しんだ。
 横川−軽井沢間は同日午後9時上野発長野行きあさま37号と、機関車の回送を最後に、急こう配の碓氷峠を克服して1893年に開通して以来、104年の歴史に幕を閉じる。廃止後はバス輸送に転換され、軽井沢−篠ノ井間は第三セクターに引き継がれる。
 上野駅には午前4時半ごろから熱心なファンが集まり始め、撮影や場内アナウンスを録音する人垣ができた。
 午前8時半に出た最後の下り白山の自由席はほぼ満席。会社を休んだという東京都文京区の笹沼章良さん(41)は「車窓からゆっくり景色を楽しめなくなるのは寂しい」と話していた。(京都新聞 夕刊)
■貨物列車にひかれ即死 JR長岡京駅構内
 30日午前2時すぎ、長岡京市のJR長岡京駅構内で、高槻市内の男性会社員(22)が、梅田発札幌行の貨物列車=中村光孝運転士(22)、20両編成=にひかれ、即死した。
 向日町署の調べによると、男性は同駅ホームの線路上で正座していたところを中村運転士が見つけ、非常停止しようとしたが、間に合わなかったという。
 男性は29日、大阪市内で会社の同僚らと午後11時ごろまで洒を飲んだ後、1人で高槻市内の寮に帰る途中だったという。貨物列車は現場で約20分停車したが、他の列車運行に影響はなかった。
 同署では、男性が洒に酔って誤って線路内に入った可能性もあるとみて自殺と事故の両面で関係者から詳しい事情を聴いている。(京都新聞 夕刊)
■長野新幹線あす開業 東京−長野間1時間37分
 長野新幹線が1日開業する。最高時速は260`。東京−長野間222.4`を直行で走ると、下り1時間19分、上り1時間21分で結ぶ。平均到達時間は1時間37分で、現在の半分に短縮される。
 開業にともなって廃線となるJR信越線横川(群馬県松井田町)−軽井沢(長野県軽井沢町)間では、最後の列車の姿を見ようと、連日鉄道ファンでにぎわっている。発着駅となる東京駅では、開業を祝う横断幕が掲げられた。
 長野新幹線の正式名は「北陸新幹線」。1970年に成立した「全国新幹線鉄道整備法」により整備計画が決定している「整備新幹線」の中で最初の開業になる。
 レール幅や路盤は従来の新幹線とほぼ同じ「フル規格」で、89年8月に高崎−軽井沢間が着工された。98年2月開催の長野冬季五輪に向け、全線がフル規格となった。(朝日新聞 夕刊)