1997(平成9)年 6月


1日■路面電車発展へ宣言 岡山でサミット(京都)
2日■社説 地下鉄開通で会議都市に弾み(京都)
  ■京には「路面電車」が似合う… 復活へシミュレーション計画 温暖化防止委(朝日)
3日■一番電車 国際会館へ 地下鉄北々伸 きょう開業(京都)
  ■地下鉄東西線 三条京阪−山科の定期券 割引運賃を認可(京都)
  ■住民の足にバス復権を 渋滞の解消 高齢者に活用 オムニバスタウン構想、実施要綱を発表(京都)
  ■交通市渋滞の解消に期待 7年遅れ きょう開通 左京・岩倉の都市計画道路地下道 難航の拡幅工事終わる 地下鉄新駅へも便利に(京都)
  ■新幹線に自動改札機 JR東海、静岡駅に(京都)
  ■京都市地下鉄烏丸線 北山−国際会館 6月3日開業(京都)
  ■えき・ひと・まち 新福島駅 将棋博物舘やホテル 名所旧跡こと欠かず(朝日)
  ■一番電車 北へ 地下鉄烏丸線 国際会館−北山間開業 楽補区と都心結ぶ(京都)
  ■都心と郊外 待望の直結 期待乗せ発車 地下鉄烏丸線北々伸(京都)
  ■眠気防止ガム 鉄道総研とロッテ試作 列車運転士用 植物エキス混ぜた特製(京都)
  ■北山−国際会館 北進区間が開業 地下鉄烏丸線(朝日)
4日■人気の山陽新幹線「500系」 11月から「東海道」乗り入れ カーブ多く、時速300`は出せません(京都)
  ■京都市地下鉄烏丸線北々伸 初日まずは好”発車” 変わる人の流れ 商店主ら不安 タクシー「厳しい」(京都)
  ■懐かしのあの建物 いま再び 梅小路蒸気機関車館に旧二条駅舎の移築終了 来月から玄関として 鉄道ファンを「明治」へ(朝日)
  ■新幹線で生ビール 夕方中心に新商法(朝日)
  ■地下鉄北々伸 バス利用者に不満も ラッシュ時すし詰め 京都バス引き継ぎ 岩倉、大原地域 便少なく(京都)
  ■67本運休 京田辺の片町線連結トラブルで(京都)
  ■ラッシュ時のダイヤ乱れる JR片町線など(朝日)
5日■JRからバスまで網羅 学研3市町の時刻表を作製(京都)
  ■窓 地下鉄北伸 バス再編 不便です(京都)
  ■来月開業 総仕上げ 新京都駅ビルで定礎式(京都)
  ■新幹線に烏衝突 一時停止で遅れ(京都)
  ■朝のJRで連日乱れ(京都)
  ■飛び込み男性死亡 尼崎のJR立花駅(京都)
  ■近鉄電車に車当て逃げ 大和郡山(朝日)
  ■JR阪和線 故障で運休 快速電車発車できず(朝日)
6日■JR京都駅ビル 開業控え定礎式(朝日)
  ■早期退職者の優遇制度 全社員に対象拡大 阪急電鉄方針(朝日)
  ■落雷で信号機故障(京都)
7日■長浜以北直流化を積極推進 JR西日本 京都支社長が表明 琵琶湖環状線期成同盟総会(京都)
  ■退職促進案 労組に提出 国鉄清算事業団(朝日)
  ■声 バスの乗降口 段差改良して 相模原市 西村 典子(学生 20歳)(朝日)
8日■座談会 商店街 元気が一番 工夫で勝負 魅力を売りたい(京都)
  ■小動物シリーズ発売 近鉄プリペイドカード(京都)
  ■窓 優先席は満員 優しさどこに 北区・福田保夫(無職・73)(京都)
9日■京都市・交通政策懇話会が報告書 企共機関、利用者増やすには− 鉄道網もっと整備を ノーマイカーデー設定も(京都)
10日■京阪宇治交通申請 けいはんな→JR松井山手駅 関空行きバスと連絡(京都)
  ■JR東西線またストップ 800人、30分間缶詰め トンネル内(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■えき・ひと・まち 祝園駅 バラの花が浮かぶ駅前広場「華時計」(朝日)
  ■学研−関空 初の直通バス 奈良交通など免許申請 9月上旬”発車”へ(京都)
11日■大阪地下鉄値上げ 7月から初乗り200円(京都)
  ■窓 地下鉄北々伸 早速乗りました(京都)
  ■学園前・学研都市−開空バス路線を申請(朝日)
  ■タイでの再登板へ JR旧車両船積み(朝日)
12日■整備新幹線の新規区間 着工は先送りも 政府与党方針(京都)
  ■市バス 乗客引きずる ドアに腕挟み40b 女性けが 発進前、確認怠る 出町柳バス停(京都)
  ■叡電社長に浅田氏(京都)
  ■危険物の事故に備え火災想定、大がかり訓練 JR梅小路駅(京都)
  ■交通の要で交流活発に 府国際乱田ー 新駅ビルに移転 広さは現在の7倍 9月11日オープン サロンや教室併設(京都)
  ■リニア実験線 未着工区間を凍結 JR東海 先行区間だけで実用化(朝日)
  ■和歌山のJR駅に 海洋生物研究所(朝日)
  ■バス運転 女性に任せて 「男と同じ条件」進出急増 トイレ・ふろ場 施設改善に一役(朝日)
  ■ドアに腕挟み女性引きずる 京都市バス(朝日)
  ■4色の鉛筆で定期券偽造 出来栄え カラーコピー機顔負け 改札気づかず 駅で落とし発見 JR東海道 3ヵ月ただ乗り(朝日)
13日■市バスまた不祥事 強引にドア閉め乗客の足挟む 謝罪せず走り去る 和久峻三さん夫人 2週間のけが 上京の停留所(京都)
  ■経済天気図 新京都駅ビルに期待(京都)
  ■高額カードの利用停止へ JR、偽造防止対策(京都)
  ■窓 お答えします バス運行について 京都市交通局計画課長 中川 嘉博 京都バス 運輸部長 入江 恆(京都)
  ■市バス不祥事 幹部への報告遅れる 京都市会委 交通局長陳謝 近く関係者処分へ(京都)
14日■環境保全と都市交通 考えるフォーラム 京都交通労組、21日に(京都)
  ■所長”ブレーキ”効かせすぎ 京都市バス西賀茂営業所 「信じられない」市会で追及 「表現行き過ぎ」釈明 「酒のにおいさせ出勤」と実際ないのに警告張り紙(京都)
  ■京都市バス 乱暴運転”ブレーキ”効かず 昨年3月、ひきずられ重傷 今も女性、後遺症(京都)
  ■京都市バス 人身事故、昨年度126件 今月2件 処分検討と局長(朝日)
15日■国鉄清算事業団 収入不足は4兆円 98年度 国民負担拡大も(京都)
  ■京都市交通局 6353円の減給処分 人身事故市バス運転手 「見直し検討」(朝日)
  ■市バス、また人身事故 右京で乗用車に追突(朝日)
17日■乗客けがなしでバス事故届けず 京阪宇治交通(京都)
  ■電車内で痴漢容疑 京都市消防局員逮捕(京都)
  ■総体中、JR京都駅に 北山杉の案内所 生徒が浴衣で出迎え(京都)
  ■えき・ひと・まち JR伊丹駅 古い酒蔵利用の施設「鬼貫」ゆかりの文庫(朝日)
  ■ひと 新駅担当し気配りがモットー(朝日)
  ■線路は続く〜よ4000` JR6社が秋に初の全国ツアー(朝日)
18日■陶板レリーフ移設し復元 京都駅(京都)
  ■JR西日本 自動改札の導入拡大 99年3月まで 45駅を新たに追加(京都)
  ■京阪宇治ビル 駅前に8月5日オープン 平等院鳳凰堂イメージ(京都)
  ■清算事業団は除外 財投改革で資金運用審(京都)
  ■窓 京阪の定期券購入でひと言 宇治市・木俣 肇(医師・44)(京都)
  ■底冷え電車NO 調査員100人募集 大阪・東京・名古屋で(朝日)
  ■普通社債引き受け 阪神電鉄が野村除外(朝日)
19日■梅田貨物駅の再開発始動へ 事業団、移転申し入れ(京都)
  ■京都駅北口広場 緑いっぱいに 5LCが樹木寄贈(京都)
  ■相互乗り入れ区間変更へ 阪急、阪神、山陽の3社(京都)
  ■中労委も和解を受諾 国労不採用問題(京都)
  ■京都市交通局って どうなってるの!? 本来業務に手当て上乗せ 市バスや 地下鉄乗務員 「運転」「出勤奨励」など運行回数に応じ(京都)
  ■市バス乗客負傷 管理者ら5人処分(京都)
  ■窓 事故続きの市バス マナー向上に全力を(京都)
  ■事業団、地元に譲歩案を提示 JR梅田貨物駅移転計画(朝日)
  ■京都市バス事故 交通局長ら処分 運転手の完走手当 今後、見直し検討(朝日)
  ■梅田−姫路間 私鉄も乗り換えいりません 山陽・阪神 直通特急新設へ(朝日)
  ■渋滞・排ガス 減量作戦 世界の都市で観光地で 発想変えて あの手この手(抜粋)(朝日)
  ■新会長に吉野氏 JR連合(朝日)
20日■窓 京都駅開業に思う(京都)
  ■ポスターでプール人気回復を 4電鉄会社、きょう掲示(京都)
  ■時代を映す忘れ物 携帯電話”置き去り”激増 JR西日本「たまごっち」も飼い捨て(京都)
  ■もしもし 忘れ物ですよ 携帯電話 激増7877台 引き取りわずか4割 JR西日本 96 年度まとめ(朝日)
  ■都市交通考えよう 京都交通労組があすフォーラム(朝日)
  ■京都市バスの運転手書類送検 女性客ひきずり事故(京都)
  ■京都市バス運転手 区検に書類送検 乗客にけが負わす(朝日)
21日■京阪神直通など180本 KTR夏の臨時列車(京都)
  ■手作りの偽造定期は計5点 元会社員を書類送検(京都)
  ■紅葉くっきり 展望電車登場 10月から 叡山電鉄(京都)
  ■京都市バス 組合幹部運転せず 労使合意 増える時間外手当(京都)
  ■JR山陰本線・嵐山駅 信号故障で立ち往生(京都)
  ■強風で湖西線に乱れ(京都)
  ■JR東日本株 二次売却は野村を外す 清算事業団(朝日)
  ■Q急究 インサイドニュース 近づく駅ビル開業 新商業圏誕生へ 京のデパート迎撃態勢 食品やめ女性衣料強化 地元の商店街を味方に(朝日)
24日■名古屋官庁街など一時停電 地下鉄もストップ(京都)
  ■座席に向かう途中発進 市バス内で転倒けが 京都(朝日)
  ■修学旅行生恐喝される 近鉄東寺駅6人が2人組に(京都)
25日■JR東海 10月上旬上場へ 30日に4取引所に申請(京都)
  ■環状線が一時運休 新今宮駅で女性はねる(京都)
  ■ご難相次ぐ修学旅行生(朝日)
  ■観光客呼び込め「パノラマカー」 出町柳−鞍馬今秋デビュー 叡山電鉄が新型車導入 窓の高さ天井まで−渓谷美楽しんで(読売)
  ■運賃収入10.3%増だが… KTR9年連続赤字 車両新造が費用押し上げ(読売)
  ■チカン学生はスリ常習犯 財布70個”保管”リュックの女性狙う 警視庁再逮捕(読売)
26日■JR新京都液舞台に 広告の芸術性競う 内外著名14作家 来月12日から(京都)
  ■島根県増田で震度5強 M5.9 JR脱線、民家に被害(京都)
  ■島根県増田で震度5強 M5.9 JR脱線、民家に被害(京都)
  ■島根・益田で震度5強 西日本広域で揺れ 広島のJR 落石で脱線(朝日)
  ■横揺れ 夕食時ドキッ 西日本一帯で地震 島根で停電、電話普通 新幹線も一時ストップ(朝日)
  ■紅葉たっぷり楽しんで 叡山電鉄 秋からパノラマ電車(朝日)
27日■JR東日本 電気事業に参入計画 株主総会できょう定款一部変更 駅ビルなどに安価で供給(京都)
  ■次世代新幹線デザイン公表 JR東海・西日本(京都)
  ■ほのぽのとした恐竜の像 北新地駅に新シンボル(京都)
  ■窓 雷鳥の男性が今も気掛かり 新潟県・高野八千代(会社員・34)(京都)
  ■700系新幹線はこんな顔(朝日)
  ■上場をアピール JR西日本(京都)
  ■オウム信者の控訴棄却 火炎瓶事件で大阪高裁(京都)
  ■大阪モノレール 延伸は8月22日(朝日)
  ■オウム信徒 控訴審も実刑 地下鉄火炎瓶事件(朝日)
28日■京都市バス 人身事故の割合高い 過去5年間交通局調査 96年度は総数の42%(京都)
  ■東西線との乗り継ぎ 京阪も20−30円割引、運賃確定 それでも40−180円割高に(京都)
  ■走るビアホール 来月24日から近江鉄道(京都)
  ■えき・ひと・まち 新京都駅開業(1) 一筋 出会いを刻む手りしわ(京都)
  ■大阪ドーム近鉄戦 JRが割引きっぷ(朝日)
29日■電車転覆16人けが 和知町のJR山陰線 大雨で路盤崩れる(京都)
  ■レーレが宙に浮く 和知のJR事故(京都)
  ■えき・ひと・まち 新京都駅開業 2 一線 輝くビルは愛娘のよう(京都)
  ■JR脱線 15人けが 京都・和知町(朝日)
  ■台風8号、西日本を直撃 米兵2人、川で不明(朝日)
30日■復旧あすにも 和知のJR脱線事故 懸命の作業続く(京都)
  ■貨物列車が横転 JR比良駅 けが人はなし(京都)
  ■駅前広場の完成を祝う JR鍼灸大学前駅と胡麻駅(京都)
  ■えき・ひと・まち 新京都駅開業 3 自負 「駅前」の再生にかける(京都)
  ■JR山陰線脱線 復旧見通し立たず 軟弱地盤、難航する作業(朝日)
  ■声 高齢者に光明 赤字バス歓迎 大阪市 三好 桂子(主婦 61歳)(朝日)
  ■けが人増え計24人に JR山陰線脱線転覆(京都)
  ■脱線の負傷者24人に 台風禍のJR山陰線(朝日)



1日■路面電車発展へ宣言 岡山でサミット
 路面電車を都市の公共交通機関として再評価する「路面電車サミット97」の本会議が31日、岡山市内のホテルで開かれ「路面電車は人にも環境にも優しい乗り物。これからの時代にふさわしいシステムの創造とその発展に向け積極的に活動する」などとする宣言を採択した。
 会議の冒頭、主催団体の一つ「路面電車と都市の未来を考える会」(岡山市)の岡将男会長が「欧米の例をみれば、都市の諸問題を解決するウルトラCが路面電車の復活であることは明らか」とあいさつした。(京都新聞)
2日■社説 地下鉄開通で会議都市に弾み
 京都市民が待ち望んでいた地下鉄烏丸線の北山−国際会館間が、あす開業する。当初計画の竹田−北山間の着工以来23年目にして、ようやく市内を南北に貫く烏丸線全線の開通となる。
 今秋10月12日には、地下鉄東西線醍醐−二条間も開業する予定だ。烏丸線と東西線は烏丸御池駅で接続することで、市民生活の利便性は飛踏的に高まる。経済活動への波及効果も計り知れない。
 烏丸、東西両線は、市内の市街地を十文字で結ぶ大動脈である。この相次ぐ地下鉄開業を50年、100年先を見越した京都のまちづくりの飛躍台にしたい。
 今度の開業区間は2.6`と短い。国際会館駅から少し離れた岩倉地域の市民にとっては「もう少し伸ばしてほしい」というのが、率直な気持ちであろう。が、これまでの北山駅どまりに比べて、足の便はずっとよくなるはずだ。
 特に、会議都市を標ぼうする京都市にとって、宝ケ池の国立国際会館と市中心部が直結する意義は大きい。関西国際空港とJR京都駅での乗り換えでつながり、近鉄の利用で関西文化学術研究都市との時間的距離も縮まる。
 京都は国際会議の開催件数で首座を明け渡し、4位に後退している。それだけに地下鉄の延伸は、約1200人収容の会議場を備える同会館の新棟建設と相まって、会議の誘致活動で京都開催の優位性をさらにアピールできよう。
 慢性的な交通渋滞にあえぐ大都市では、大量輸送機関である地下鉄は欠かせない都市基盤だ。ところが、京都の地下鉄整備は他の都市に比べて遅れている。これで一段落とはいかない。
 東西線には延伸計画がある。京都市では醍醐−六地蔵間を優先して整備し、2005年の完成を目指す方針を示している。しかし、人口急増の洛西ニュータウンに向かう二条駅以西の計画路線は、いまだめどが立っていない。
 近鉄と接続する烏丸線竹田駅から分岐して西南部に伸ばす路線も検討課題だ。この路線は京都府総合見本市会館などが立地する十条通以南、油小路通沿い一帯を通る。市基本計画で高度集積地区に位置づけられた地域で、京都の新しい都市整備の拠点としての期待もある。
 京都の地下鉄計画は、北大路、山科、醍醐など都市再開発と連動して進められてきたのが特色だ。都市構造を変える起爆剤の役割を担ってきたといえる。
 とはいえ、地下鉄建設にはばく大な投資が必要だ。烏丸、東西両線合わせた建設費は7700億円にものぼる。脆(ぜい)弱な財政構造の京都市は、市民の合意を得ながらどう事業を推進していくのか。難しい選択を迫られよう。(京都新聞)
■京には「路面電車」が似合う… 復活へシミュレーション計画 温暖化防止委
 地球温暖化防止策を決める「気候変動枠組み条約第三回締約国会議(COP3)」を12月に控え、開催地の京都市で、19年前に全廃された「市電」復活に向けた検討が始まった。市の温暖化防止行動計画を検討する委員会が、温暖化物質の二酸化炭素(CO2)を車両から排出しない路面電車に注目した。開発の進む市内を循環する軌道を敷き、郊外に延びる私鉄に連結する案などが浮上している。検討委は、併せて都心部への車の乗り入れを規制すれば渋滞も緩和でき、温暖化防止の効果を倍加できるとみており、7月中にまとめる行動計画に検討課題として盛り込む方針だ。
 路面電車の復活は、@低騒音、低床型の路面電車が仏・グルノーブル、英・マンチェスターなど欧州の各都市で普及しているA国内他都市では民間企業が路面電車を黒字で経営する例があるB建設省が今年度から軌道建設への補助制度を始めた−などの理由から、実現可能性が論議された。
 この結果、路面電車を復活させると人や車の流れがどう変わるか、CO2の排出量や生活の利便性にどのような影響が及ぶかなどについて、専門家にシミュレーションを依頼し、効果的な復活路線の検討を進めることにした。北大路通、東大路通、九条通、西大路通を結ぶ以前の「外郭線」(一周約22`)を復活させた場合などを想定してシミュレーションする方針。
 検討委員長を務める内藤正明京大大学院教授(環境地球工学)は「世界や国内のすう勢からして、反対する理由はないはず。復活の方向で模索すべきだと思う」と話している。
 検討委事務局を務める京都市環境保全室は「新しい京都をどうつくるかという観点で議論を始めたい」と前向きだが、市電を廃止した交通局などとのすり合わせがなお必要とみられる。
 京都市には1895年、国内で初めて路面電車が走り、全盛期には総延長が約75`と都大路に縦横に軌道が延びた。しかし、都心部の人口減や乗用車の増加で乗客数が減少し、1978年に全線が廃止された。
 検討委は昨年10月、温暖化防止のための市、市民、事業者の行動計画「京のアジェンダ(議題の意味)21」を定めるため、京都市長が環境問題の専門家ら約30人に委嘱して発足。交通、生物などの作業部会で具体案を話し合っている。(朝日新聞 夕刊)
3日■一番電車 国際会館へ 地下鉄北々伸 きょう開業
 京都市の地下鉄烏丸線北々伸(北山−国際会館間、2.6`)が、いよいよ3日に開業する。一番電車は、国際会館駅での記念式典の後、上りが北山駅を午後零時1分、下りは国際会館駅を同2分に、それぞれ出発する。
 喜びの開業を前に、市交通局は2日、最後の準備作業に追われた。新設の国際会館、松ケ崎両駅など烏丸線各駅では、新しい料金表や時刻表、ホームの案内表示から、新設2駅を覆っていたシールがはがされ、開業を待つばかりとなった。
 また、東西線(醍醐−二条間、10月12日開業)との関連で、「烏丸御池」に駅名が変わる御池駅では、ホームの柱や壁面の駅名表示板が取り換えられた。
 国際会館での式典は午前9時半から行われ、市関係者や地元住民ら約450人が出席。発車式で開業を祝い、一番電車に先立ち試乗電車が国際会館−北山間を往復する。
 烏丸線北々伸開業に伴う岩倉・大原地域の市バス廃止と京都バスへの運行移行は4日から実施される。(京都新聞)
■地下鉄東西線 三条京阪−山科の定期券 割引運賃を認可
 運輸省は2日までに、10月12日に開業する京都市の地下鉄東西線(醍醐−二条間、12.7`)のうち現在、京阪京津線が走っている特定区間(三条京阪−山科)の定期券の割引運賃を認可した。
 割引率は、10月から1年間は通勤9−20%、通学57−65%、その後2年間は通勤4−10%、通学39−45%。開業後は、特定区間内の御陵から京阪が乗り入れ、地下鉄と京阪の初乗り運賃が二重になり現行の京阪の運賃よりかなり高くなるため割引率は通常より大きくなっている。
 しかし、10月から1年間の場合でも、三条京阪−山科の通勤定期(1ヵ月)は、現行の7310円が8820円になる。さらに、御陵から並行する京阪を利用し、地下鉄山科駅と隣接する京阪山科駅に向かう場合は、特定区間の割引が適用されないため、1万960円となる。
 市交通局では「特定区間内はできるだけ東西線を利用してほしい」と話している。(京都新聞)
■住民の足にバス復権を 渋滞の解消 高齢者に活用 オムニバスタウン構想、実施要綱を発表
 バスを住民の足にして人と環境に優しい町づくりを目指す「オムニバスタウン構想」が本年度から事業化されるのに伴って、運輸、建設、警察の3省庁は2日、地域指定の要件などを定めた実施要綱を発表した。
 オムニバスタウン構想は、マイカーの増加などで利用者が年々減っているバスを地域ぐるみで活用し、都市交通の足として「復権」させるとともに、交通渋滞の解消や高齢者対策、環境対策に役立てるのが狙い。「オムニバス」は「何にでも役に立つ乗り物」という意味のラテン語。
 要綱によると、事業化を希望する市町村、都道府県、バス事業者などが地域ごとに協議会を設立して計画案を策定。計画案が3省庁から「適当」と判断されると、地域指定され、国から事業費の3分の1が補助される。
 指定要件として@バス専用レーンやバスターミナルなどの整備Aリフト付きバスや低公害バスの導入など福祉と環境などに対する配慮−などがある。
 運輸省は「初年度は5、6の自治体を指定したい。既に金沢市、奈良市、静岡県浜松市などから(事業化の)問い合わせがきている」と説明している。
 ただ構想の実現には、マイカー通勤の削減策や道路整備への財源確保、省庁の縦割り行政の解消などが課題とされている。(京都新聞)
■交通市渋滞の解消に期待 7年遅れ きょう開通 左京・岩倉の都市計画道路地下道 難航の拡幅工事終わる 地下鉄新駅へも便利に
 左京区岩倉地域の交通渋滞解消のため、叡山電鉄岩倉駅西側に建設されながら、約7年間通行止めになっていた都市計画道路の地下道(同区岩倉西河原町)が3日正午、開通する。地下道から北の道路で、難航していた拡幅工事がようやく終わったため。同日開業予定の地下鉄国際会館駅へのアクセス道路としても活用される。
 地下道は、叡電の線路の下を通る片側1車線。線路をはさんで南北をスムーズに行き来できるよう、市が都市計画道路として1990年に建設した。
 しかし、地下道北側の道路の三差路部分の拡幅工事が、用地買収の難航で大きく遅れた。このため地下道自体も通行止めとなり、地元住民らが市に三差路部分のルート変更などを求める運動を起こしていた。
 市はこのほど、一時的な措置として拡幅部分のルートを数b北へずらし、仮の道路を整備。本来のルートにかかる民家が移転した後、再び工事を行って修正することにした。
 この結果、約7年遅れで地下道がくぐり抜けられるようになり、三差路までの約460bも通行できるようになった。地下鉄国際会館駅から岩倉実相院方面へ行く京都バスも、4日からこの地下道を通る。地元の岩倉自治連合会長の安原英さん(76)は「地下道の開通は、広い道路が少なく、ラッシュ時の渋滞に悩まされていた住民の念願だった。これで地域の交通環境がよくなる」と話している。(京都新聞)
■新幹線に自動改札機 JR東海、静岡駅に
 JR東海は東海道新幹線静岡駅に自動改札機を導入し、11日から運用を始める。同社によると、東北、上越、山陽を含め新幹線の駅改札口に自動改札機を本格的に導入するのは初めてで、来年3月までに東京−新大阪間の東海道新幹線全駅に順次設置するという。
 設置される自動改札機は、磁気処理された乗車券、新幹線特急券、指定席券など違う種類の切符を4枚まで重ねて投入でき、切符投入口にカラー画面でエラーなどの案内を表示、切符に入場日時、駅名を記入する。(京都新聞)
■京都市地下鉄烏丸線 北山−国際会館 6月3日開業
・新時代開く 北進 財団法人「千里文化財団」専務理事 湯浅 叡子
 ”歌は世につれ…”というが、国際会議も世につれ変貌(ぼう)を重ねていく。
 1966年、日本で最初の国立国際会議場が建設された当時、設計者を含め人々の頭にあった国際会議場のモデルは、ニューヨークの国連本部ビルであった。各国政府代表がそれぞれの威信と国益を背負っていながらも、世界平和への強い希求を凝縮させた殿堂であった。
 しかし京都の国際会議場は、国連本部ビルとは違う性格のものであることは明らかであった。国連本部ビルは、いわば”会員制”の入れものであり、京都は広く開かれた会議場である。昼食のとり方や交通手段など、国連とは全く違う条件に対応するため、京都は増改築をして今日の姿に成育した。
 京都に集う人々は大統領や元首、各国政府高官ばかりではない。むしろ大多数の参加者は若い学究の徒や企業人たち、ごく普通の人たちである。20世紀後半の文化がそうであるように、国際会議も多様化し大衆化した。
 国際会議場はその立地条件によって、都心型と郊外型に分けられる。交通至便、一歩外に出ればレストランや商店街のにぎわいがあるというのが都心型である。一方、郊外型は深い緑に包まれた広い敷地にゆったりとした建物がひろがり、会議の合間には池を散策し訪れる小鳥に心をなごませる。しかし、アクセスは不便でネオン恋しい人たちは夜の静寂がものさびしい。
 京都の国際会議場は郊外型に分類されていた。小さな山々はアメリカ人が「マンメイド(人工)か」と聞くほど美しく、四季折々にうつろうやさしい自然は人々を魅了した。建物は日本的な特徴を現代に生かして個性的である。しかしアクセスについては車か貸し切リバスに頼らざるを得ないのが弱点であった。
 本日の地下鉄延伸開通によって、この郊外型会議場は京都の表玄関である京都駅と直結することになった。広い庭園と豊かな自然の魅力と、公共交通機関で都心と結ばれた便利さとの両方の魅力と機能性とを兼ね備える会議場となる。
 30年前、国立京都国際会館の開館当初から運営にたずさわった一人として、地下鉄の開通は、待ちに待った朗報である。こころから喝采(さい)をおくりたい。
 ゆあさ・えいこさん 1950年同志社大英文学料卒。国連協会京都本部、京都市観光局国際担当、米国での雑誌記者を経て、66年から77年まで国立京都国際会館館長室長兼業務部長。83年から現職。著者に「私の外国語」「母たちの特代」(共著)など。京都府出身。
・洛北の新しい拠点 南北を貫く大動脈
・都市基盤充実へ 京都市長 桝本 頼兼
 待望の地下鉄烏丸線の北山−国際会館間の開通を、146万人の京都市民の皆さまとともに心から祝福します。これもひとえに沿線住民や多くの市民の皆さま、関係各位のご理解、ご協力のたまものであり、厚くお礼を申し上げます。
 本市では、21世紀においても光り輝く京都を創造するため「ひと」「まち」「産業」「文化」「自然」の5つの京都元気策を柱とする「もっと元気に・京都アクションプラン」を策定し、新たなまちづくりに鋭意取り組んでいます。
 とりわけ、市民の皆さま一人ひとりに暮らしの豊かさを実感していただき、京都が一層の発展を遂げるためには、地下鉄をはじめとする都市基盤の充実が不可欠であり、このたびの開通はその着実な一歩です。
 また、国立京都国際会館への交通アクセスが大幅に向上することは、世界が注目する本年12月の「地球温暖化防止京都会議(COP3京都)」の円滑な運営、さらには、本市の国際コンベンション都市としての大いなる発展に資するものと確信しています。
 地下鉄烏丸線は、昭和56年の開業以来、市民の皆さまに親しまれ、大いにご利用いただいていますが、このたびの開通を契機に、一層安全で快適な交通機関として愛され続けるよう努めます。
 本年は、7月に新しい京都の玄関口となる新京都駅ビルがオープンし、10月12日には地下鉄東西線の醍醐−二条間が開業するなど、21世紀の飛踏への礎となる都市基盤整備事業が大きく実を結ぶ年です。
 今後とも、夢とロマンあふれる「元気な京都」の実現を目指し、全力を挙げますので、温かいご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。
・積極的に会議誘致 財団法人国立京都国際会館理事長 川勝 堅二
 地下鉄烏丸線北山−国際会館間の開通、誠におめでとうございます。今回の開通は、洛北地域の利便性を高め、快適な都市生活の実現や地域発展と活性化に極めて大きな効果をもたらすものであり、住民の方々のお喜びは並々ならぬものがありましょう。
 国立京都国際会館としても、地下鉄が延長されたことにより、市内各地の主要ターミナルと直結され、交通事情が飛躍的に向上しました。また、関西国際空港とは90分で鉄道連絡が可能になり、当会館のコンベンション機能が一段と高まるものと心から喜んでいます。
 今年は、地球温暖化防止問題が討議される「気候変動枠組み条約第3回締約国会議」が開催されます。約5000人という日本最大規模の国際会議の参加者に、さっそく地下鉄を利用していただけるものと、大変うれしく思っています。
 当会館としてはこの開通を契機に、これまで以上に積極的な国際・国内会議の誘致に取り組み、関西全体のコンベンションネットワークの中心的役割を担うことにより、皆さまのご期待にこたえていきたいと思います。
・コンベンション都市 飛躍へ広域化さらに促進
 地下鉄烏丸線の北々伸は、北山駅から松ケ崎駅を経由して国際会館駅に至る2.6`。わずか4分の距離だが、国際コンベンション都市・京都の中核ともいえる左京区宝池の国立京都国際会館と洛北地域を、ぐっと都心部に引き寄せることになる。
 もともと烏丸線(竹田−北山間11.1`)は、1968年の京都市交通対策審議会で「市電」にかわる交通機関として東西線とあわせて提言された。
 74年11月に着工し、まず京都−北大路間(6.5`)が81年5月に開通。続いて竹田−京都間(3.4`)が88年6月、北伸といわれた北大路−北山間(1.2`)が90年10月に開業した。
 そして、国際会館へのアクセス機能を高め、洛北地域の輸送需要の増加に対応するため、北々伸が計画された。89年5月に運輸政策審議会で計画路線として認められ、92年4月に事業免許を受け、93年7月に着工した。工事は、地元調整に手間取ったが、完成は当初計画より2ヵ月遅れにとどまった。
 総工費は、現在の見込みで470億円。地下水対策などで、予定より49億円膨らんだ。
 開業後は、京都駅から国際会館駅までをわずか20分で結ぶ。これまでの北大路駅での地下鉄・バス乗り換えでは、乗り換え時間を含めて約40分かかっており、一気に20分短縮する。
 府南部の関西学研都市との時間的距離もぐっと縮まる。烏丸線に乗り入れる近鉄の普通電車なら新田辺駅(京田辺市)から国際会館駅まで56分、急行だと竹田で乗り換え48分だ。21世紀にむけて文字通り京都市と府南部をつなぐ大動脈となる。
 31年前に国内初の国立の国際会議場として建設された国際会館は、95年の阪神大震災前後から利用の低迷に悩んでいる。
 同会館での国際・国内会議開催件数は、震災以前の10年間、毎年、300件前後を数えていたが、95年度は215件、96年度は206件と減少傾向にあり、地下鉄延伸に大きな期待を寄せている。
 小松宣弘営業部長は「コンベンションをめぐり激しい都市間競争が行われている。烏丸線の延伸と10月の東西線の開通で、洛北地域が京都の市街地の中に入り、京都全体がコンベンションのステージとなる条件ができた」と、市内の観光地や会議・宿泊施設との連携と相乗効果に期待する。
 都市交通工学が専門の天野光三大阪産業大学長(京都大名誉教授)は、北々伸で「洛北地域が市街地に連携され、東西線で山科地域も近くなるほか、JRや阪急で阪神地区ともつながる。市域の一体化と広域化が促進される」と指摘する。
 そのうえで「国際会館と京都駅ビルという特徴のある施設が南北にバランス良く配置されることになり、京都の発展が期待できる」と話す。
 北々伸開業によって、豊かな自然が残る洛北地域は、改めてクローズアップされそう。京都市では、新京都基本計画で、住居と文化・学術・コンベンション・レクリエーション機能の充実を図る地域と位置づけ、地域の振興を図っていく。
 豊かな自然と文化・文教施設が並ぶ洛北地域と都心部を結ぶ京都市の地下鉄烏丸線北々伸(北山−国際会館間、2.6`)が3日、開業する。中でも左京区宝ケ池の国立京都国際会館が京都駅、さらに府南部の関西文化学術研究都市と直結。国際コンベンション都市・京都の発展に大きな期待が寄せられている。烏丸線北々伸の開業に続き、7月から9月にかけて、JR京都駅ビルの駅機能や文化施設、ホテル、百貨店が相次いでオープンし、10月には京都市の東西を結ぶ大動脈・地下鉄東西線(醍醐−二条、12.7`)も開通、21世紀に向けた京都の新しい都市基盤が整うことになる。
・文化・文教ゾーン 深泥池は市公有化
 烏丸線北々伸で京都市内の都心部と直結する洛北地域は、国立京都国際会館をはじめ、京都工芸繊維大、ノートルダム女子大、同志社高校、宝が池公園スポーツ広場、宝が池球技場などが集まる文化・文教ゾーンだ。
 豊かな自然に恵まれた地域でもあり、国の天然記念物・深泥池(北区上賀茂)では市が公有化に着手、宝が池公園こどもの楽園(左京区上高野)でも再整備構想が動きだそうとしている。
 氷河時代からの動植物が多数生息する池として知られる深泥池(周囲1.5`、面積約9fでは、市が総額約15億円をかけて池を買収、散策道や展望スペースを設ける計画。完成は2000年の予定だ。
 一方、宝が池公園では、市が昨年秋、「新・こどもの楽園」構想をまとめた。対象面積は約25fで、「動物との触れ合いの場」「すべての子どもが利用できる遊び場」などを理念に、「子どもの家」「遊具ランド」「監察園路」などを整備する考え。
 この中で、京都府警が「平安騎馬隊」の厩(きゅう)舎や馬場などの整備に取りかかり、来年度の完成を目指している。
・ターミナルに整備 地下駐車場と改札口一直線
・国際会館駅
 烏丸線北々伸で、洛北の新しい拠点になる国際会館駅(左京区岩倉大鷺町)。開業に伴って岩倉・大原地域の市バスが廃止され、代わって京都バスが運行を引き継ぐが、国際会館駅を経由するのはこれまでの2系統から8系統に増加し、停留所からターミナル”格上げ”。市交通局は1日平均1万6000人の利用客を見込んでいる。
 しかし、京都市のターミナル化工事は着手が遅れている。タクシーやバスの乗降スペースを持つ約4200平方bの駅前広場と自転車2500台、ミニバイク500台の計3000台収容の地下駐輪場の建設はこれからで、完成は2年半後の99年度後半になる見通し。
 そこで、1600台収容の仮設駐輪場を設置して当座をしのぐ。
 また、京都国際会館方面への地下通路約120bは現在、懸命の突貫工事。今年12月1日、国内外から約5000人が参加して開かれる地球温暖化防止京都会議(気候変動枠組み条約第3回締約国会議)には、なんとか間に合う予定だ。
・松ケ崎駅
 五山の送り火「妙法」の「妙」のちょうど南側に設けられた松ヶ崎駅(左京区松ケ崎六ノ坪町)は、1日の利用者を平均7500人と見込む。
 売り物は、自転車を降りて階段を使わず改札口に行ける地下駐輪場(1200台収容)。烏丸線の市直営駐輪場は竹田(1140台)、くいな橋(200台)、北山(600台)にあるが、その中でも最大規模で、初の一体構造となる。
・装い
 国際会館、松ケ崎の両駅は、「駅を間違えないように」とホームの柱や側壁などに初めて色をつけた。烏丸線の既存の13駅が白が基調なのに対して、国際会館駅は北山の森の緑をイメージしたよもぎ色、松ケ崎駅はほのかな桜色。ちなみに10月開業する東西線は朱色を基調に、13駅すべて色を変えている。
・化粧室
 力を入れた施設の一つがトイレ。これまで車いすで使えるのは、男女兼用の1ヵ所だったが、男女トイレ内に一つずつ設けた。床の高さも、既存駅では配管のため90a必要だったが、技術の進歩で15a程度となり、車いすが使えるスロープとした。
 個室内にはベビーチェアーとベビーシートをつけ、ユニークなのは「公営地下鉄では初めて」という男子トイレ内への設置。子供連れのお父さんには、ありがたい施設だ。
・多彩に記念イベント
 烏丸線北々伸開業を記念して、地元の「左京区民ふれあいまつり」(同実行委員会主催)が、8日午前10時から左京区の宝が池公園「こどもの楽園」で開かれる。
 同まつりは今年で7回目。毎回、模擬店や市民らがコーラスや演奏を披露する舞台コーナーなどで交流を図っているが、今回は烏丸線延伸を祝って内容を充実。参加者も例年より1000人以上多い約6000人を予定する。
 模擬店は昨年の2倍となる約40店。乗車できるミニSLコーナー、烏丸線北々伸の工事の様子を紹介するパネル展示や地下鉄での忘れ物傘(1本100円)を販売、さらは市北部地域の持産である山菜加工品や京野菜、アマゴの塩焼き、花苗販売コーナーなども設けられる。
 4日午後6時からは国立京都国際会館で、京都商工会議所、京都和装産業振興財団など和装業界が中心になった開業記念の着物ショー「ファッションカンタータ from KYOTO」が開かれる。
 このほか、市交通局は記念乗車カード(額面1000円)を3日から発売し、開業ムードを盛り上げる。
・利用者数
 烏丸線の乗客数(1日平均)は、北々伸の開業で3万3000人増え、24万4000人になると市交通局は予想している。烏丸線の京都−北大路間が開業した1981年当時は、11万7800人だったことから、その2倍に増えることになる。
 今年10月12日の東西線開業後は、さらに2万人増え、26万4000人にのぼると見ている。
・運賃
 主な駅から国際会館駅まで運賃は、北大路駅からは2区230円、四条駅、京都駅からはそれぞれ3区260円、竹田駅からは4区290円、近鉄新田辺駅からは620円となる。
 東西線開業後は、二条、市役所前、三条京阪、蹴上各駅などは3区の260円。山科駅からは4区の290円で、醍醐駅からは5区の320円となる。(京都新聞)
■えき・ひと・まち 新福島駅 将棋博物舘やホテル 名所旧跡こと欠かず
 JR東西線とともに3月8日に開業した新福島駅。この一帯は、源平合戦のころは海岸線だったが、淀川が運んでくる泥でしだいに陸地が西に進んだ。大阪の街なからしく、名所旧跡にことかかない。
 NHK連続テレビ小説「ふたりっ子」に登場した関西将棋会館の4階には、将棋博物館があり、将棋の起源とされる「チャトランガ」を展示している。
 3月にはハービスOSAKAがオープン。ショッピング街やホテル、ミニFM局のほか、レンタルオフィスも入り、出張のビジネスマンらが利用するという。
 中之島には2000年春に大阪国際会議場(仮称)が開業する予定。関西で最大規模の2754席の大会議場を備える。関係者は「近くに一流ホテルが多数あり、主要国首脳会議など国際会議の招致を実現したい」と抱負を語る。(朝日新聞)
■一番電車 北へ 地下鉄烏丸線 国際会館−北山間開業 楽補区と都心結ぶ
 京都の洛北と都心部を結ぶ市の地下鉄烏丸線北々伸(北山−国際会館間、2.6`)が3日、開業した。国際コンベンション都市・京都の中核である国立京都国際会館(左京区)が、京都駅と20分で結ばれ、府南部の関西文化学術研究都市とも近鉄京都線を経て直結する。7−9月にはJR京都駅ビルの各施設が順次オープンし、地下鉄東西線(醍醐−二条)も10月に開業する。「新世紀の京都」を担う三大事業の序章を飾って、北々伸の一番電車が正午すぎ発車した。
 烏丸線北々伸は、京都国際会館へのアクセス向上と洛北地域の輸送力増強のため、93年7月に着工した。建設費は松ケ崎、国際会館両駅の新設を含め約470億円。これで、烏丸線の総営業キロ数は13.7`となる。
 記念式典は午前9時半から国際会舘駅で行われ、桝本頼兼京都市長や荒巻禎一京都府知事、北々伸と東西線建設に打ち込んだ田辺朋之前京都市長ら約450人が出席。桝本市長が「多くの方々の協力で完成した。京都の文化首都としての地位を高めるものと確信している」と喜びを述べた。
 この後、市消防音楽隊の演奏の中、地元の明徳幼稚園児らがホームでくす玉を割り開業を祝い、式典出席者らとともに、同駅と北山駅を1往復する試乗電車に乗り込んだ。
 国際会館駅には、午前11時45分の改札開始前から市民や鉄道ファンが並び、午後零時2分発の下り一番電車で新線の乗り心地を楽しんだ。これに先立ち、上り一番電車は同1分、北山駅を出発した。
 烏丸線北々伸開業で、国際会館駅から京都駅、近鉄・新田辺駅(京田辺市)までの所要時間は、バスと地下鉄を乗り継いだ従来に比べ約20分間短縮される。また、東西線の10月12日開業で、古都は地下鉄で東西南北が十文字に連結する本格的な地下鉄時代を迎えることになる。(京都新聞 夕刊)
■都心と郊外 待望の直結 期待乗せ発車 地下鉄烏丸線北々伸
 「洛北のまちがグンと近づいた」。京都市の地下鉄烏丸線がさらに北へ伸びた3日、市民に喜びの輪が広がった。新設の国際会館(左京区岩倉)、松ケ崎(同区松ケ崎)の両駅では、正午すぎの一番電車に、乗客たちが期待に胸ふくらませて乗り込んだ。京都駅方面からの電車も、次々と真新しいホームにすべり込む。地下鉄新時代の幕開けに、沿線は活気に彩られる一方で、市バス路線の民間移行などによる影響を不安視する声も聞かれた。
・沿線、活気に彩られ
・真新しい駅
 国際会館駅では、改札開始の約30分前から、乗車券を求める約100人の列ができた。出入り口の建物を背景に、友人同士で記念写真に収まる光景も目立ち、開業の期待と活気が漂った。
 駅前でバスを待っていた化粧品販売業筧下滋子さん(55)=左京区岩倉中在地町=は「京都駅まで私鉄とタクシーを使っていたが、これからは地下鉄1本。外回りの仕事には、強い味方です」とうれしそう。
 コンコースでの開業記念式典に参加した明徳幼稚園(同区岩倉忠在地町)の東圭子園長(53)は「園外保育には、私鉄やバスを乗り継いでいたが、地下鉄が通って子どもの安全面からも心強い」。岩倉自治連合会の藤木慶文副会長(56)=同区岩倉木野町=も「子どものころは、ここまで地下鉄が来るとは夢にも思わなかった。田舎というイメージが強かったが、やっと京都の仲間入りをした気がする」と声を弾ませた。
 松ケ崎駅の出入り口で、午前9時から改札開始を待っていた学生中村尚弘さん(20)=同区山端川岸町=は「沿線に住んでいるので、一番電車に乗りたかった。なんとか発券番号1番の乗車券を手に入れられそう」と話していた。
・商店街の期待
 地下鉄の北々伸で、付近の商店街では活性化への期待が高まっている。
 北山駅近くの北山街協同組合(北区)では、8日に府立植物園北門前で野外コンサートを開き、若者らにも街の魅力をアピールする。同組合副理事長の福本秋彦さん(36)は「秋には東西線も開業する。洛北への観光客、買い物客が確実に増える」。
 北大路通に面した洛北葵商店街組合、下鴨商店街(ともに左京区)でも地下鉄のプリペイドカード300枚を買い物客の景品にし、「地下鉄効果」に熱い期待を寄せている。
・「やっぱり速いね」乗客ら
・一番電車
 洛北住民の期待を担う地下鉄の新しい一番電車が午後零時2分、薄縁色の国際会館駅から華やいだ空気に包まれ発車した。
 赤ちゃんを抱いて一番電車に乗り込んだ主婦中村明美さん(31)=左京区岩倉=は「3ヵ月前に女の子を出産し、記念にと思って乗りました。子どもを抱いて立っていても揺れが少なく、乗り心地がいいですね」とにっこり。
 2歳の孫と一緒の久世隆一さん(61)=北区上賀茂=も「大阪にいた長男が地下鉄延伸の開業に合わせて岩倉に転居してきました。孫が大きくなった時の記念に」とほほえみ、比較的ゆったりとした車内で「やっばり速いね」と和やかな会話が弾んでいた。
 一方、新駅の松ケ崎駅で降りた京都工芸繊維大3年作本ももさん(20)=上京区仁和寺街道御前=は「通学時間は半分に短縮されました」と時計をみながら喜んでいた。
・複雑な思い
 国際会館駅。近くを散歩していた姉川貞彦さん(77)=左京区岩倉南三宅町=は「地下鉄は御池まで通院するのに、本当に助かる。ただ、駐輪場が駅と離れているのが不便」といい、駅周辺での不法駐輪を心配する声も聞かれた。
 あす4日からは、岩倉周辺をキメ細かく走っていた市バスは京都バスに運行が引き継がれ、走行本数が激減する系統もある。記念乗車券を購入するために列に並んでいた依田スミ子さん(77)=同区岩倉西五田町=は「一番電車に乗ったことがなく、楽しみにしていた。京都バスに代わり、今後の運行がどうなるか心配」と、バス路線への不安を語った。
 運賃は国際会館−京都駅間で260円。山本欣弥さん(72)=同区岩倉中町=は「少し高い気がする。若い人には結構、負担になるのではないか」と話していた。(京都新聞 夕刊)
■眠気防止ガム 鉄道総研とロッテ試作 列車運転士用 植物エキス混ぜた特製
 列車運転士の眠気防止に、脳活動を高める成分を配合した特製ガムが役立つことが鉄道総合技術研究所(鉄道総研)とロッテ中央研究所の共同調査で3日分かった。6月8日名古屋市で開かれる日本交通医学会で報告する。
 ロッテ中研が試作した特製ガムは、中枢神経を興奮させ、集中力を高める作用のあるイチョウの葉とキクの花のエキスを使ったのが特徴。カフェインも通常の市販ガムより多くしている。
 鉄道総研の倉又哲夫主任研究員(47)らがJR貨物関東支社と東海支社の運転士約1200人にこのガムを6枚ずつ渡して運転中に眠くなった時にかんでもらう調査を昨年、1ヵ月間実施。アンケートで効果を調べた。
 有効回答約840のうち、「非常に大きな効果があった」「かなりあった」が計約34%、「ややあった」も約16%に。「効果はなかった」はわずか約7%だが、「判断できない」も約43%あった。また市販ガムとの比較では「よじ効果があった」との回答が約60%に達した。
 運転士は眠くなった場合、窓を開けて外気を入れたり、立って運転するなどさまざまな方法を工夫しているが、特製ガムも眠気対策の一つとして有効と研究グループは評価している。
 ただ、エキスは漢方薬の成分で、苦味が強いのが難点だ。「今後も特製ガムを使っていきたいか」との設問にイエスとしたのは約40%しかなく、味の改善が今後の課題になっている。
 倉又さんは「特製ガムはかみ続けても効果が薄れない」としており、車の運転にも役立ちそうだ。(京都新聞 夕刊)
■北山−国際会館 北進区間が開業 地下鉄烏丸線
 京都市が建設を進めていた地下鉄烏丸線の北進区間(北山−国際会館、2.6`)が3日、開業した。午前10時半過ぎ、関係者約500人を乗せた特別試乗列車が左京区の国際会館駅を出発し、正午から一般営業が始まった。同駅に隣接する国立京都国際会館で12月に地球温暖化防止策を探る「気候変動枠組み条約第3回締約国会議」(COP3)が予定されていることなどから、市は延伸により同線の利用者は1日あたり約3万2000人増えると見込んでいる。
 JR京都駅から南北に走る烏丸線(竹田−北山、11.1`)は1981年に一部が開通し、95年度には1日平均約20万6000人の利用があった。今回の北進区間は、市北部への交通の利便性を強化するため93年に着工し、総事業費470億円をかけて工事が進められていた。
 今回の延伸によって、国立京都国際会館とJR京都駅は20分で結ばれる。(朝日新聞)
4日■人気の山陽新幹線「500系」 11月から「東海道」乗り入れ カーブ多く、時速300`は出せません
 JR東海の葛西敬之社長は3日、大阪市内で記者会見し、今年3月からJR西日本が山陽新幹線を最高時速300`で営業運転している新型車両「500系のぞみ」について「今年11月下旬から東海道新幹線に乗り入れ、東京−博多間を結ぶ」ことを明らかにした。この乗り入れで、人気の「500系」が、京都駅でも利用できるようになる。
 「500系」は、3月22日から新大阪−博多間を、従来の「のぞみ」の所要時間より15分短い2時間17分で結び、現在、臨時列車を除き、1日1往復している。
 東海道新幹線への乗り入れについては、JR東海とJR西日本が協議を続けていたが、このほど4編成(1編成16両)の列車を使い、1日3往復することで合意した。
 ただ、東海道新幹線の区間は、カーブが多く安全上、時速270`が最高速度となるため、新大阪−東京間は従来通り2時間30分かかり、所要時間は短縮されない。ダイヤなどは今後、両社で検討する。
 また、葛西社長は現在の「300系のぞみ」の後継車両となる「700系」について「9月下旬に完成するので、試運転ののち、2年後の1999年度から営業運転を開始する」と述べた。
 「700系」は、東海道、山陽新幹線の直通用車両で、両社が昨年9月から共同開発している。山陽区間の高速運転にも対応できるよう設計されている。(京都新聞)
■京都市地下鉄烏丸線北々伸 初日まずは好”発車” 変わる人の流れ 商店主ら不安 タクシー「厳しい」
 京都市の地下鉄烏丸線が、北へぐっと足を延ばした。北山−国際会館間(2.6`)が開業した3日、バス頼りだった洛北地域の市民らは、新設の松ケ崎、国際会館両駅(左京区)で乗り降り。地下鉄の延伸初日は、まずまずの滑り出しとなった。一方、これまで起終点だった北山駅(同)周辺では、客待ちタクシーが減り、付近の店舗も人の流れの変化にちょつぴり気をもんでいた。
 松ケ崎、国際会館両駅では夕方、会社員や学生たちが次々に降り立った。
 市交通局によると、正午すぎの一番電車から午後9時までの乗降客は、国際会館駅約1万1600人、松ケ崎駅約4800人。同局では、1日の予想乗降客をそれぞれ1万6000人、7500人としており、まずは順調なスタートとなった。
 国際会館駅で下車し、帰宅途中のブティック店員田中ますみさん(34)=左京区岩倉幡枝=は「毎朝、タクシーで北山駅まで出ていた。家から駅まで歩いて20分かかるが、早起きして地下鉄に乗りたい」
 松ケ崎駅で降りた会社員佐藤金三郎さん(65)=同区松ケ崎堂ノ上町=は「駅か家までは徒歩で7、8分。丸太町駅以北は混雑しないようだし、大助かりです」とうれしそうだった。
 起終点が北山駅から国際会館駅に代わったことで、北山駅周辺を拠点にしてきたタクシーや地元商店では「人の流れが変わり、売り上げに響くのでは」と心配する向きも少なくない。
 国際会館駅前で客待ちしていたタクシー運転手(56)は、国際会館駅前で「影響は大きい。北大路駅から北山駅に延伸された時も売り上げが落ちた。いっそう厳しくなる」別の運転手(45)も、国際会館から岩倉方面などへの短距離客や、三千院など洛北への観光客増への期待の一方、「会議出席者ら京都駅から国際会館への長距離客は確実に減る」と顔を曇らせる。
 「若者通り」で知られる北山駅近くの商店街も不安感を漏らす。ジーンズショップ店員の村上佐矢香さん(23)は「松ケ崎や岩倉周辺のお客が多かったが、河原町に流れそう」
・市バス4系統 運行にピリオド
 烏丸線北々伸で、京都バスに路線を引き継ぎ廃止される市バス「北4」(北大路−岩倉実相院)、「北6」(北大路−大原)など4系統が、3日夜の最終便で17−34年の運行にピリオドを打った。
 北大路ターミナルでは、「北6」のサヨナラ便(午後9時15分発)の佐々木瞭一運転手(61)に、市交通局の佐々木輝寿・北部自動車運輸長が花束を贈呈。駆けつけた立命大鉄道研究会の学生10人ら乗客21人から温かい拍手を受けた。同研究会副会長の谷森真一さん(23)は「廃止は仕方ないのだろうが、やっぱり寂しい」と話していた。(京都新聞)
■懐かしのあの建物 いま再び 梅小路蒸気機関車館に旧二条駅舎の移築終了 来月から玄関として 鉄道ファンを「明治」へ
 明治時代の本格的な木造和風建築の駅舎で、京都市有形文化財に指定されたJR山陰線「旧二条駅舎」を梅小路蒸気機関車館(下京区)へ移築・復元する工事がほぼ終了した。かわらぶき入り母屋づくりの風格ある姿がよみがえった駅舎は今年7月、SLの歴史や機関車の仕組みを紹介する展示室・資料室として再び鉄道ファンらを招き入れる。
 旧二条駅は1904年(明治37年)、当時の京都鉄道会社が駅舎兼本社社屋として建てた。木造2階建て延べ約620平方bで、左右対称のどっしりとした構え。当時の駅舎はほとんどが洋風だったが、近くの二条城の景観などに配慮して和風建築を選んだという。
 山陰線二条−花園駅間の高架化工事にともない、一時、保存か、撤去かが論議を呼んだ。日本建築学会などの保存運動もあり、95年末になって保存が決定。昨年4月、京都市の指定有形文化財になった。
 工事は昨年6月に始まり、解体された白壁の美しい駅舎は約1年かけて同機関車館に移転、復元された。総事業費は約6億7000万円。建物は、機関車館の敷地の都合で横幅が約7b矩くなったが、柱材やかわらなどは、可能な限り再利用したという。
 今後は、内装工事が始まり、実物大の蒸気機関車「C11」の乗務員室などの展示物が据え付けられる。7月5日からは、同機関車館の玄関として使われる。(朝日新聞)
■新幹線で生ビール 夕方中心に新商法
 勤め帰りに冷えた一杯いかが。東海道新幹線の車内で、生ビールの販売が3日から始まった。出張帰りのビジネスマンをあてこんだ新サービス。夕方の時間帯を中心に9月末までの問、東京と新大阪を出発する新幹線のうち、1日16本の「のぞみ」や「ひかり」で販売される。
 東海道新幹線の車内販売を手がける「ジェイダイナー東海」(本社・東京都中央区)が始めた。これまで缶ビールがよく売れていた時間帯や列車を基準に選んだという。中ジョッキ相当(550_リットル、500円)で46杯分の生ビールが入ったたるを特注のワゴンに積載。氷を詰めた冷却装置を使い、飲みごろとされる5度前後の生ビールがコップに注がれる。(朝日新聞)
■地下鉄北々伸 バス利用者に不満も ラッシュ時すし詰め 京都バス引き継ぎ 岩倉、大原地域 便少なく
 京都市の地下鉄烏丸線北々伸(北山−国際会館)の開業に伴い、4日から左京区岩倉、大原両地域の市バス4系統が廃止され、運行が京都バスに引き継がれた。この日の朝は小雨になったこともあり、ラッシュ時に一部バス停で乗客の積み残しが出たほか、新ターミナルの国際会館駅前バス停の案内表示などに不満が出ていた。
 両地域では、烏丸線延伸でバス利用客の大幅減が予想されるため、市バスが撤退し、競合していた京都バスが系統を再編成して引き継いだ。運行本数は変わらないが、バス停によっては便数が少なくなる所もある。
 国際会館駅前バス停には、午前6時半すぎから通勤・通学客を乗せた京都バスが続々と到着した。ラッシュのピークの同7時50分前後のバスはすし詰め状態で、途中のバス停を満員通過するケースもあった。
 乗客らの印象は、バス−地下鉄の乗り継ぎで「通勤時間が短くなった」(26歳・女性会社員)、「少し遅く出勤できる」(48歳・男性公務員)と全体的に歓迎の声が多かったが、「便数が減った」(54歳・大学教授)という指摘や、すし詰め状態への不満も聞かれた。
 また、「今まで会社まで市バス1本で行けたが、地下鉄の乗り継ぎが必要となり、往復200円も高い」(45歳・男性会社員)との声もあった。
 京都バスでは、国際会館駅前に社員2人を出して乗客数や運行状況を点検した。同社によると、運行コースの変更が周知せず、ラッシュ時でも空席が目立つバスもあったといい、マイクロバスを5日から一回り大きい車両に代えるとともに「新系統のPRに努めたい」と話している。(京都新聞 夕刊)
■67本運休 京田辺の片町線連結トラブルで
 4日午前6時ごろ、京田辺市のJR片町線松井山手駅で、木津発新三田行き普通電車が3両を増結した際、電車の連結を示す運転台のランプが点灯しないトラブルがあった。増結をやり直すとランプは点灯。電車は同駅を15分遅れで発車した。上下67本が運休、上下45本に最大1時間31分の遅れが出て、約5万人の乗客に影響があった。JR西日本が原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■ラッシュ時のダイヤ乱れる JR片町線など
 4日午前6時ごろ、京都府京田辺市山手中央のJR片町線松井山手駅で、停車中の木津発新三田行きの普通電車(4両)に別の3両を増結する際、運転席にある連結完了を示すランプが点灯せず、作業をやり直した。同電車は16分遅れて発車した。この影響で、片町線をはじめ、接続する東西線、福知山線、東海道・山陽線でダイヤが乱れた。午前11時現在、各線の上下計67本が運休したほか、同45本に最高1時間半の遅れが出るなど通勤・通学客ら計約5万人に影響した。
 JR西日本大阪支社の調べによると、車両の連結器を作動させるための電源が、何らかの原因で作動したブレーカーで切断されたらしい。列車の遅れは午後まで続く見込み。(朝日新聞 夕刊)
5日■JRからバスまで網羅 学研3市町の時刻表を作製
 学研都市3市町でつくる「京田辺・精華・木津・学研都市行政連絡会」(会長・大崎鉄平精華町長)はこのほど、それぞれの市町ごとに「関西文化学術研究都市時刻表」を作製した。JRだけでなく近鉄や路線バスの時刻も一目で分かり、住民への公共交通機関の利用に役立ててもらう。
 連絡会では、多くの住民に公共交通機関を利用してもらうことで、バス路線の増便や急行電車の停車など、学研都市への交通の利便性が高まればと、持ち運びに便利な時刻表を作製した。
 時刻表は定期券サイズで、各市町内にあるJRと近鉄の駅ごとに急行や普通電車の時刻が掲載されているほか、精華町の時刻表には、町内を運行するすべての路線バスも載っている。
 時刻表は市町ごとに2万部ずつ作り、今月中旬までに各戸に配布するほか、学研都市の研究員らにも配って利用してもらう。大崎会長は「行政も協力して、利用しやすい交通機関にしていくことが必要。ダイヤ改正があれば、時刻表も改訂していきたい」と話している。(京都新聞)
■窓 地下鉄北伸 バス再編 不便です
・定時制通学に支障と負担増 北区・松田 薫(高校教諭・40)
 「先生、うちら学校に来れんようになる。帰りのバスがなくなんねん。どないしょう」という数人の生徒(岩倉村松、実相院方面より通学)の声を聞き、先日、他の教諭と市交通局を訪問。市バス北4の廃止にともなう京都バスの運行事情などを問い合わせたうえ、地下鉄ダイヤを調べると、岩倉村松、実相院、大原方面から洛北高校定時制に通うには、やはり京都バスで国際会館駅に出て地下鉄を使わざるをえないことが分かった。
 地下鉄の北伸で、もちろん便利になった面もあるが、国際会館駅発の京都バスの最終が午後9時50分(実相院行き)、午後9時40分(大原行き)。これでは放課後、午後9時5分以降に補習や面談を受けたり、自主活動をする機会が困難になる。また洛北高校前の京都バス(村松行き)の最終は午後8時37分とさらに早い。通学費用の負担増加、安易に自動二輪利用を勧められないこと、また国際会館駅から深夜に自転車利用も心配が多い。
 生徒たちは今、通学手段に苦渋の選択を迫られている。今春からの定時制の募集停止へのわだかまりや寂しさを抱きつつも健やかに通学する生徒たちは、定着している通学路や通学仲間のリズムを乱されることで二重の疎外感を味わっている。せめて本校存続の間、暫定措置により運行への善処を関係者に切望する。
・大原行き路線までなぜ廃止 左京区・山本かおる(主婦・27)
 3日から市営地下鉄が国際会館駅まで延長され、便利になるものと期待しておりました。ところが、大原北部地区に生活する私たちにとっては、不便なことばかりとなってしまいました。
 地下鉄延長とは関係のない大原行きの市バスは廃止され、私たちの地区を通る1時間に1本の京都バスも途中で乗り継ぎが必要となったり、最終バスは2時間も早くなり(午後6時着)、不便でなりません。確かに乗客は少なく、不経済な路線だったのでしょうが、なくてはならないバスなのです。1時間に1本だけでも通っていてくれる京都バスに住民は感謝していました。小さい子供を持ち、車を運転できない私にとっては、その1本のバスだけが頼りです。今後、子供が病気をした時など不安でなりません。
 開通に尽力された方々のご苦労に感謝しつつ、このように不便になり困っている者もいることを知っていただきたいのです。少数の者の便利は望んではいけないのかもしれませんが、今回の地下鉄延長に伴うダイヤ改正は残念でなりません。(京都新聞)
■来月開業 総仕上げ 新京都駅ビルで定礎式
 完成が間近に迫っているJR新京都駅ビル(京都市下京区)で、5日午前、定礎式が行われ、いよいよ7月12日の駅施設開業に向け、総仕上げの段階に入った。
 4代目となる新京都駅ビルは、高さ59.8b(地上16階、地下3階)、延べ床面積23万8000平方bで、府内最大規模の建物。総事業費は約1500億円。高さ規制の緩和をめぐって起きた景観論争さ中の93年12月に着工した。
 ほぼ外装工事は終わり、開業のトップを切る駅施設に続いて、8月9日には文化施設「シアター1200」、9月11日にはホテルグランヴィア京都、ジェイアール京都伊勢丹などがオープンする予定。
 この日の定礎式は午前9時半から駅中央コンコースで、関係者ら約50人が出席して開かれ、建設工事の順調な進捗(ちょく)を祝った。
 あいさつしたJR西日本の井手正敬会長は「旅客の安全を確保しながらの工事で大変だったが、無事故でこの日を迎えられたことを感謝し、完成まで気を引き締め安全を期したい」と述べた。同駅ビルを設計した原広司氏も「この建物が末長く人々に親しまれることを期待したい」と話した。(京都新聞 夕刊)
■新幹線に烏衝突 一時停止で遅れ
 5日午前8時25分ごろ、福岡県直方市の山陽新幹線博多−小倉間で、博多発新大阪行きのひかり174号の先頭車両で「ドーン」という音がしたため、一時停車した。
 このため上り線の5本の列車が12−3分遅れ、約1600人に影響があった。
 JR西日本は烏と衝突したのが原因とみて調べている。(京都新聞 夕刊)
■朝のJRで連日乱れ
 5日午前6時7分ごろ、和歌山市美園町のJR阪和線和歌山駅で、御坊発天王寺行き快速電車の車両連結後、ブレーキが緩まなくなった。点検後、約20分遅れで運転を再開した。
 JR西日本によると、作業員が連結操作を誤ったのが原因という。
 上下計59本が運休、部分運休したほか、計95本が最大1時間2分遅れ、約6万4000人に影響が出た。
 JR西日本では、4日早朝にも片町線で車両連結のランプが点灯しないトラブルがあり、約6万人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■飛び込み男性死亡 尼崎のJR立花駅
 5日午前8時5分ごろ、尼崎市立花町のJR西日本東海道線の立花駅で、姫路発草津行きの快速電車が通過する直前に男性が線路内に飛び降り、電車にはねられ即死した。
 この事故で上下線の快速と新快速電車合わせて11本が8−2分遅れ、約1万7000人に影響が出た。
 尼崎西署は自殺とみて男性の身元を調べている。(京都新聞 夕刊)
■近鉄電車に車当て逃げ 大和郡山
 奈良県大和郡山市豊浦町の近鉄橿原線郡山川号踏切(遮断機付き)で、4日午後11時57分ごろ、西大寺発橿原神宮前行き普通電車(4両、乗客約60人)とライトバンが接触、ライトバンはそのまま走り去った。郡山署が捜査していたところ、約3時間後に同県天理市の男性会社員(36)が名乗り出たため、過失往来危険などの疑いで事情を聴いている。けが人はなかった。(朝日新聞 夕刊)
■JR阪和線 故障で運休 快速電車発車できず
 5日午前6時7分ごろ、和歌山市美園町五丁目のJR阪和線和歌山駅で、御坊発天王寺行きの快速電車(4両編成)に4両を増結し、出発しようとした際、ブレーキが緩まず、発車できなくなった。点検後、19分遅れて出発したが、午前10時までに、阪和線の上下25本が運休し、同53本が最高で約1時間遅れるなど、計約5万5000人に影響があった。
 JR西日本は前日のJR片町線に続くトラブルを重視しており、「原因を調べて、再発防止に努める」としている。(朝日新聞 夕刊)
6日■JR京都駅ビル 開業控え定礎式
 高さやデザインをめぐって景観論争が広がったJR京都駅ビル(下京区)の建設工事がほぼ完成し、5日午前、定礎式があった。
 中央コンコースで神事があり、井手正敬JR西日本会長らが出席。設計図などが入った定礎箱を壁に埋め込んだ後、礎石を据え付け、安全を祈念した。(朝日新聞)
■早期退職者の優遇制度 全社員に対象拡大 阪急電鉄方針
 阪急電鉄の菅井基裕社長は5日の定例記者会見で、これまで管理職以上を対象にしてきた早期退職優遇制度を全社員に広げていく考えを明らかにした。今年度中にも労働組合に提案する。同社は、阪神大震災をきっかけに経営基盤の強化を目指し来年度を最終年度とする3ヵ年の事業の再構築計画を進めており、今回の方針もその一環。
 計画では、現在、約5000人いる社員の1割にあたる500人を、来年度までに削減する。自然減で200人前後、残りを早期退職で削減する方針だ。
 同社は1995年8月から管理職を対象に退職後の生活を支援する狙いで、通常の退職金に年俸の一定割合を上乗せする優遇措置を設けている。(朝日新聞)
■落雷で信号機故障
 6日朝、近畿地方は上空に流れ込んだ寒気の影響で大気が不安定になり雷が発生、落雷のため大阪府内や京都市で停電や電車の信号故障などの影響が出た。
 大阪府内では大阪、吹田、豊中、守口、門真、大東各市で午前8時前、送電線への落雷のため企業や一般家庭で停電、間もなく復旧した。大阪市中央区の大阪府警本部では停電が約20分間続いたが、業務に影響はなかった。
 京都市下京区のJR東海道線梅小路駅では午前7時20分ごろ、信号機が落雷で故障。駅員の手信号で運行を続けたが、最大約15分の遅れが出た。(京都新聞 夕刊)
7日■長浜以北直流化を積極推進 JR西日本 京都支社長が表明 琵琶湖環状線期成同盟総会
 JR北陸線の長浜以北直流化問題で、JR西日本の工藤一能京都支社長は6日、木之本町で開かれた「琵琶湖環状線促進期成同盟会総会」の席上、今月から支社内に発足させた「線区検討チーム」で、直流化を重要課題に取り組んでいることを明らかにした。JR西日本が直流化積極推進の姿勢を公式に表明したのは、これが初めて。地元では「計画の一歩前進」と、期待が膨らんでいる。
 総会には、期成同盟に参加している長浜市など湖北1市12町と、マキノ町など湖西6町村の首長ほか、山田新二副知事、JR関係者ら約100人が出席。97年度の事業計画案などを審議した。
 議事に先立つあいさつの中で、工藤支社長は「京都駅の改築も間近で、滋賀県内のJR線利用客の増加率が拡大している。直流化問題には、専門チームをつくっている。地元の期待にこたえられるよう頑張りたい」と述べた。
 京都支社によると「線区検討チーム」は、京都支社次長をトップにメンバー4人。管内各路線についてダイヤ改正、施設改修などによる乗客増加の有効策を探るのが目的で、中でも北陸線長浜以北の直流化は、中心案件として調査を進めている、という。
 県交通政策課は、同検討チームの発足に合わせ、湖北地区での利用客拡大を図るため、JR西日本、同東海両社と連携。本年度中に3者による滋賀PRキャンペーンに乗り出す方針を決めており「これで地元と県、JRの足並みがそろった」としている。
 期成同盟の97年度事業計画では、直流化のほかに長浜−近江今津間の直通電車増便、「SL北びわこ号」の運行拡大などを要望することが盛り込まれ、いずれもこの日の総会で承認された。
 JR北陸線長浜以北直流化 現在、交流電車区間の長浜駅から湖西線永原駅まで約30`間を直流電車区間に改修する計画。実現すれば新快速電車などが乗り入れられ、結果的に琵琶湖環状線が完成。湖北と京阪神が1本につながる。改修事業費は40億円以上と見込まれ、現在までに県が24億円を積み立て、地元市町も計10億円を目標に積み立てている。(京都新聞)
■退職促進案 労組に提出 国鉄清算事業団
 国鉄清算事業団は6日、1999年3月末までの職員の早期退職や転職などの促進案を各労組に提出した。旧国鉄の長期債務の返済財源になっている旧国鉄用地やJR株の売却が進み、業務内容も減りつつあることから、約2400人の定員を半減することが閣議決定されている。
 国鉄清算事業団労働組合(鉄清労)や国労などに提案した内容によると、対象者は運輸省やJRなどからの出向を除く事業団職員。99年3月末までに60歳の定年を迎える人は含まれない。最長1年間、有給で休職でき、休職期間満了をもって退職する。希望退職に応じた場合は、8ヵ月か10ヵ月分の給与を乗じた特別給付金が支給される。この場合、事業団は再就職先をあっせんする。(朝日新聞)
■声 バスの乗降口 段差改良して 相模原市 西村 典子(学生 20歳)
 私は、通学にバスを利用しているのだが、バスについて疑問に思うことがある。それは、乗降口の段差が大きいことである。
 バスは、通学や通勤にも利用されるが、お年寄りや体の具合の悪い人にとっては、足代わりともいえるものである。私が乗るバスは学生が多いが、つえを使用しているお年寄りも乗り込んでくる。その時に見ていると、両手で必死に手すりにつかまり、背をかがめて階段を上がろうとするのだが、見ていて危なっかしい。時には、足がつかえて転びそうになった人を見たこともある。
 お年寄りだけでなく、階段は、雨の日には若者にとっても危険である。雨で滑りやすくなっているために、足を滑らせて階段から落ちてしまった人もいる。
 こうした乗客のようすを、運転手はそはで目撃しているだろうに、どうして改善されないのだろうか。バスを設計する時に、数多く利用するだろうお年寄りや病気の人、妊婦さんなどのことを、まず念頭においてほしかった。
 現在、走行中のバスを改善するのは困難だろうから、今後、改善する時には、ぜひ、だれもが安全に乗り降りできるようにしてほしい。(朝日新聞)
8日■座談会 商店街 元気が一番 工夫で勝負 魅力を売りたい
 今月3日の地下鉄烏丸線北々伸につづき、今夏から秋にかけては、新しい京都駅ビル各施設がオープン、地下鉄東西線の開業などで、従来の京都市内の商業地図は大きな変容が予想される。さらに、市内では大手・中堅スーパーなどの出店攻勢も続き、既存商店街は生き残りをかけて地域密着型のさまざまな取り組みを始めている。面的な広がリを持ち、コミュニティーの核ともなってきた商店街は今後、どのように存在して行くべきか。西陣千本商店街振興組合の塚本貞二会長、新大宮商店街振興組合の大野博史理事長、伏見大手筋商店街「あてらの会」の村上陽子会長の3人に、商店街の現状と将来像について話し合ってもらった。(敬称略)
・商いの発想大事に・大野さん/出町柳−白梅町 路面電車もう一度・塚本さん/店が特色ださねば・村上さん
・おかみさんカギ/一体の取り組み/要は店主の力量
 −京都市内の商店数は、1982年のピーク時に比べて2割も減っている。この現状をどうみるのか。
 塚本 商店街の衰退は、大型店に顧客が吸い寄せられたことのほか、駐車場の不足や個々の店の近代化の遅れ、店舗規模の過小、空き店舗の増加、情報化時代への対応遅れなどが挙げられる。市内の人口や所得がほとんど変わらない中で、パイの奪い合いになっている。路面商法には限界がある。1ヵ所で全部の買い物ができるワンストップ・ショッピングを求める消費者のニーズに合っていない。
 村上 伏見大手筋では商店街振興組合がしっかりしており、常に10年先のことを考えている。いまの問題点は、お客さんの買い控えが定着したこと。人通りが多くても、店の中まで入ってもらえない。女性や主婦の立場で言えば、魅力ある商店がたくさんできたら、と願う。
 大野 商店街が生まれた歴史を考えると、人が住み、自然発生的に店が集まり商店街が構成された。大型店と小売りの商店街とは、いままで競争相手としてしかとらえておらず、被害者意識しかなかった。しかし、いまは商店街のスペースがまちづくりの中でどの程度必要なのか、を考え商店街という産業を構築すべきだ。
 −大型店への対応に追われ、商店街自体が活性化策をあまり考えてこなかったのでは。
 塚本 自助努力もさることながら、消費者からの支持が得られなくなってきている。消費者の支持という点での問題意識が足りなかったと思う。
 −これまで各商店街では、どういう取り組みをしてきたのか。
 村上 大手筋の太陽光を採り入れたアーケードは、短期的には老朽化のためでした。30年前に地域冷暖房を考えたが、採算的に無理だったので、今回、ソーラーシステムにしたのです。この6月から購入のたびに加算されるポイントカードシステムを導入しました。どのようなサービスを提供したらいいのか、工夫して行きたいですね。
 大野 新大宮商店街として、20年前からコミュニティーと商店街の活性化を考えてきた。ハードばかりでなくソフト面が問題だ。地域の人に支えられた商店街でなければならない。商店街に働く人間は、地域の文化を育て、伝える担い手だったはず。ところが、商人は、ある時から京都の地域文化を伝えることを忘れてきたのではないか。商店街のコミュニティー道路は2年前に完成したが、これで即活性化となるわけではない。商店街が良くなるためのステージ(舞台)はつくった。あとは、個々の店が再投資してステージに立たないといけない。朝は「おはよう」の声掛けから始まり、商人同士が仲良く、働き暮らして行く中から面的な広がりが出来てくる。新大宮では、井戸端会議のできる商店街を実現しようと、取り組んでいる。
 塚本 西陣千本は4年前、老朽化したアーケードを撤去し、石張りの舗装道路にした。統一看板や植木などで通りをきれいにし、光と緑にあふれ、文化性のある歩行者空間をつくった。今年2月には、長野県松本市の商店街と姉妹提携したが、この商店街は町内会が商店街という分かりやすさです。5月下旬に2日間、現地で合同セールをやったが大盛況だった。町内会ぐるみで、商店街が一体となった取り組みの重要性を痛感した。
 −京都駅ビルも開業するが、市内には、楽しめる商店街がまだ少ないのではないか。
 村上 伏見大手筋もアーケードが完成した当初はたくさんの人が見物を兼ねてきてくれた。でも、一日ごとに古くなるのも事実。お客さんにきてもらうためには個々の店が魅力ある店にならないといけません。人と人との触れ合いでは、店の経営者とお客さんとの触れ合いで来られることも多い。お客さんがどんなものを求めているか、それをいつも考えないと…。店の中に閉じこもっていると、自分の枠から離れられなくなる。もっと外に出て、いろいろなモノを知り、世の中の動きを吸収するといいと思います。
 大野 商店街発展のカギを握るのは、商店街のおかみさんだろう。日本も戦後、お金を使うことの楽しさを覚えたころに、大型店が出てきた。レジャーの過ごし方で、レジャーが買い物になっている人も多い。生活のお手伝いをするのが商店街です。商店街には人恋しさで出てくるので、人間関係の面白さを出せるのが商店街ではないか。
 村上 お客さん同士のコミュニケーションを図れるコミュニティーホールがあれば、と思います。最近、伏見で唯一の映画館の協力を得て商店街主催の映画会を上映したのですが、好評でした。その時、聞いたのは「もっと映画館がほしい」という要望でした。
 塚本 秋には新しい京都駅ビルに大型百貨店ができ、地下鉄東西線が開通する。これで京都の商業集積地図が大きく塗り替わる。近隣型の商店街である西陣千本としては、お客さんがよそへ逃げないように、大型店の真似のできない経営をやり、少子化や高齢化の時代に対応したい。アフターケアを含めて、高齢者への心配りのできるやさしい店づくりが大事になってくるはずだ。高齢化社会に適応できる商店街づくり、店づくりをやらねば…。
 大野 いま、必要なのは、経営者が先頭になって店に立つ姿勢だ。「あのオヤジの話は面白い」と呼ばれるようになればいいわけだ。
 −地域にある拠点の商店街として今後、どのようにかかわっていくか。
 村上 アーケード完成を記念して作製した伏見紹介の冊子を、昨年、京都で開いた全国おかみさんサミットで配り、その後、参加者に観光で伏見にきてもらった。その時に思ったのは、土産は伏見のものを、とつい考えがちだが、よく考えれば伏見も京都なのだし、京土産を伏見で売ることに何の不思議もない。
 塚本 地域に根ざした商店街は元気にならないといけない。大型店同士の争いで中小スーパーがつぶれる事態も起こる。スーパーは進出しても駄目ならすぐ立ち退いてしまう。その結果、クギ1本買うためにバスで遠くまで買いに行くという不便も起こりかねない。よく規制緩和と言われるが、交通や環境問題などは、高齢者への配慮の視点から自治体の手である程度の規制はしてもらいたい。大規模小売店舗法(大店法)改正後、京都市内の店舗面積で大型店の占める割合は徐々に増えつつあり、いまや、京都は大店法で守られているまちではないと思う。
 −今後、望まれる商店街の将来像は。
 村上 一つの商店街が一つのデパートのような存在になることが求められている気がする。同じ業種の店であっても、それぞれが特色づくりに励み、横のコミュニケーションを図る。大手筋商店街ではこうした取り組みを始めています。店舗改装などで、上の階をアパート化し、階下を貸し店舗にするとき、情報を集めてガラッと若者向きの店舗を並べるとか、よく考えた選択をしたい。
 大野 最近、近くの大型店も増床が認められたが、商店街の戦略としては、生活の中に入り込む、生活密着型、人恋しさのあふれる商店街になることだ。新大宮商店街の周囲1`四方にも4万人の人が住む。昔は米屋や薬屋さんは、まちの情報の発信役だった。地域の中に地域の情報を発信する、地に足のついた商人の発想をもう一度、大事にしたい。商いの心の持ち方一つで、打開できることは多い。
 塚本 最近、地元にファストフードの店と音楽関係の店が出店し、若い人がどっと出入りするようになった。空き店舗も一割ほどあるので、これまでにない業態の店を中心に、商店街の不足業種を補い、高齢者から若者まで幅広く集える商店街にして行きたい。白梅町から出町柳までを結ぶ路面電車を走らせ、京福電車と相互乗り入れしてほしい。そうすれば、観光、交通対策とともに今出川通に隣接する地域の商店街活性化などにもつながる。
 大野 インドや中近東にある、バザールこそ、商いの原点。商店街も小ぎれいになりすぎた面もある。商店は雑踏の中で生きているのが本来の姿だ。その中で地域の特色を出したい。
 村上 老舗(しにせ)ののれんにしがみつくだけでなく、考え方を変えてみるのもいいのでしょうね。(京都新聞)
■小動物シリーズ発売 近鉄プリペイドカード
 近鉄は10日から、沿線の遊園地や観光スポットにいるラッコなど小動物をデザインしたプリペイドカード「パールカード小動物シリーズ」を、毎月1種類ずつ計8種類、各主要駅で発売する。
 若い女性や子供連れの家族がターゲット。初回は、海遊館(大阪市港区)のコツメカワウソが登場。この回のみ、専用カードホルダーが付いている。鳥羽水族館(鳥羽市)のラッコは、3回目の8月10日に発売される。1枚1000円。各限定1万枚。(京都新聞)
■窓 優先席は満員 優しさどこに 北区・福田保夫(無職・73)
 白線の内側までお下がりください−。アナウンスが流れて、地下鉄のホームに電車が入ってくる。降りる人がまだ済まないのに、わらわらと人々は勇ましく乗りかかる。大腿(だいたい)部の骨を折って人工の骨を入れる手術を受けた私は、先を争わず、一番後にする。つえをついていても、はね飛ばされ、転ぶのを恐れるためだ。
 シルバシートはたちまち満員。普通の席もゆとりはない。いじいじ見回すのが嫌で、入った奥側の取っ手につかまって私は立つ。すると、髪の白さと、つえやリハビリ靴を見てか、そっとひじのあたりをたたき、座れと言ってくださる人がある。買い物の紙袋などを下げた婦人だ。一応、辞退するが、素直に一般席に座らせてもらう。
 それにしても、銀色の「優先席」に気がつかれない人が多い。それとも、外見では分からなくても、病気や故障があったり、若くても疲れている人々が多いのだろうか、と思ったりもする。(京都新聞)
9日■京都市・交通政策懇話会が報告書 企共機関、利用者増やすには− 鉄道網もっと整備を ノーマイカーデー設定も
 京都市内の交通施策を考える「交通政策懇話会」(座長・山田活之京都大名誉教授)がこのほど、公共交通機関の利用促進に関する報告書をまとめた。ハード面では、10月に開業する地下鉄東西線(醍醐−二条)の延伸など鉄道網の整備や、市バスの走行環境の改善を指摘。ソフト面では、「ノーマイカーデー」の設定、交通機関の効率的な利用法を探る協議会の設立などを求めている。
 市では、昨年9月の地下鉄・市バス運賃改定の際、市内の交通体系の改善について、民間シンクタンクに委託。同社が、識者や行政関係者、市民団体代表ら10人を委員に同懇談会を発足させた。
 同懇談会では、96年度のテーマを「公共交通機関の利便性向上」とし、計6回会合を開き、今回の報告書にまとめた。
 報告書によると、90年の国勢調査では京都市内の公共交通機関の利用者は43.8%で、大阪市より23ポイント、神戸市より14ポイント低かった。その背景として、地下鉄の営業キロ数の短さなど、鉄道網整備の不十分さを挙げている。
 これを踏まえ、報告書では、市が来年度の事業免許取得を目指している地下鉄東西線の宇治市・六地蔵方面の延伸に加え、計画が具体化していない二条駅以西の整備方針の早期確立や、JR奈良線と同山陰線単線区間の複線化への協力を市に提言している。また、公共交通の利用促進のために、ラッシュ時以外での割引運賃制の導入や、大阪市などで実施している月1回の「ノーマイカーデー」などを提案している。
 さらに、鉄道やバスなど民間輸送事業者と行政で交通対策協議会を設立し、交通需要に合わせて交通機関の連携を深める交通需要マネジメント(TDM)にあたることも必要、としている。
 具体的な施策展開では、特定地域で試験的に実施し、その効果を見ながら、拡大を図るよう提唱している。(京都新聞)
10日■京阪宇治交通申請 けいはんな→JR松井山手駅 関空行きバスと連絡
 府南部から関西国際空港へリムジンバスを運行している京阪宇治交通(本社・枚方市)は、学研都市の京都府相楽郡精華町光台のけいはんなプラザ前から、関空行きリムジンバスに連絡する直通バスの運行を目指し、近畿運輸局にこのほど免許を申請した。学研住民らからの要望が高まってきたためで、7月10日の運行開始を予定している。
 申請したのは、けいはんなプラザ前から、京田辺市のJR松井山手駅前にある学研山手停留所までの直通バス。同社が3年前から宇治車庫や京阪宇治、JR宇治、近鉄大久保駅を経由している関空行きのリムジンバスが、同停留所にも停車するため連絡させて利便の向上を図る。1日にけいはんなプラザ発を5本、学研山手停留所発を4本運行、京奈和自動車道を通って約30分で到着する。
 このほか、JR京都駅から京阪宇治駅行き、滋賀県のJR石山駅や京阪楠葉駅からJR松井山手駅行きの路線バスも路線変更し、リムジンバスに連絡するよう計画しており、府南部や周辺地域を網羅する輸送体制の整備を目指す。
 早ければ今月末にも免許が下りる予定で、同社の佐々木浩司社長は「学研都市と関空の二大国家プロジェクトを、交通面でつなぐのは重要。学研住民だけでなく、府南部全域を網羅していきたい」と話している。(京都新聞)
■JR東西線またストップ 800人、30分間缶詰め トンネル内
 9日午後5時40分ごろ、大阪市福島区福島五丁目のJR東西線新福島駅で、松井山手発西明石行き普通電車(7両編成、乗客約350人)が発車できなくなり、東西線の下り線が一時、全面的にストップした。このため、一つ手前の北新地駅(大阪市北区)をすでに発車していた木津発宝塚行き快速電車(7両編成)が、北新地−新福島間の地下トンネル内で立ち往生し、乗客約800人が約30分間、車内で缶詰め状態になった。
 立ち往生した快速電車は午後6時10分ごろ新福島駅に到着し、乗客は後続電車に乗り換えた。運行ダイヤは午後10時前にほぼ正常に戻ったが、同線の電車が乗り入れる片町、福知山、東海道・山陽線を含め21本が運休、4本が最高1時間遅れ、帰宅客ら約1万8000人の足が乱れた。
 立ち往生した快速電車内は座席が全部埋まり、立っている乗客が1両当たり50−60人いた。停電にはならず、車内灯やエアコンには影響はなかった。
 東西線(京橋−尼崎間12.5`)は大阪市の地下を東西に貫き、新設の7駅を含め路線全体の約8割が地下にある。3月8日に開業して以来、同線が原因で運行がストップするのは初めてだが、他路線でのトラブルの影響で4日にダイヤが乱れたばかり。(朝日新聞)
■青鉛筆
 京都市内を横断する地下鉄東西線が今秋開業するのにあわせ、京都市が市民に路線を歩いてもらう「トンネルウォーク」を企画した。対象は1000人で実施は8月下旬。
 区間は、京都市役所前駅−三条京阪駅間往復の約1.2`で、所要時間は約40分。鴨川の地下約17bを掘った工区378bも含まれる。
 鴨川は、源義経ら多くの武将や公家が渡ったとされ、平家物語にも登場する。「鴨川を渡った著名人は大勢いるが、川底を歩いて渡った人はいないはず。最初で最後の貴重な体験を」と京都市。(朝日新聞)
■えき・ひと・まち 祝園駅 バラの花が浮かぶ駅前広場「華時計」
 駅前広場の「華時計」が目を引く。1時間ごとに、音楽とともに約500本のバラの花が文字盤から浮かび上がる仕掛け。3年前、東隣の近鉄新祝園駅と長さ約150bの連絡通路で結ばれた新駅舎の完成と同時にできた。
 駅の開業は1898年。地元の青物野菜を大阪などへ送る集荷駅としてにぎわうなど、古くから町の中心地だった。しかし、現在、最先端の研究施設や新興住宅街の建設が進む「関西文化学術研究都市」の中心地は、西へ3`以上離れた丘陵地にあり、通勤などに奈良市内の私鉄駅を利用する住民も多い。
 このニュータウン住民を祝園駅に呼び込もうと、更地が目立つ駅西地区約17fでは区画整理事業が進んでいる。2000年には、地元精華町では初めてとなる大現模商業施設が開店する計画で、関係者は「新旧住民の交流の場になれば」と期待する。(朝日新聞)
■学研−関空 初の直通バス 奈良交通など免許申請 9月上旬”発車”へ
 奈良交通(本社・奈良市)と関西空港交通(同・泉佐野市)は10日、関西文化学術研究都市のけいはんなプラザ(京都府相楽郡精華町光台)と関西国際空港を直結するリムジンバス開設の免許申請を、近畿運輸局に行った。学研都市−関空間の直通リムジンバスは初めてで、両社は9月上旬からの共同運行を予定している。
 申請した路線は、北大和(生駒市)から、高山サイエンスプラザ(同)、けいはんなプラザ(精華町)、東登美ケ丘(奈良市)などを経て、今春開通した第二阪奈道路や近畿自動車道を通り関空に至るコース。1日6往復、うち2往復はけいはんなプラザを発着場に、午前11時20分と午後17時40分発を予定している。
 すべて予約制で、料金は大人1800円、子ども900円。けいはんなプラザからの所要時間は95分となっている。奈良交通では「沿線住民はもちろん、学研都市への来訪者の利用も大いに期待している」とし、年間6万6000人の利用客を見込んでいる。(京都新聞 夕刊)
11日■大阪地下鉄値上げ 7月から初乗り200円
 運輸審議会が10日、大阪市営の地下鉄とバスの運賃改定を申請通り認める答申をしたことで、地下鉄は、初乗り区間が180円から200円に上がるほか、区間によっては最高40円の値上げとなる。乗合バスは、均一運賃で180円から200円になる。
 また運輸省が同日、京阪バス(京都市南区)の大阪地区の運賃改定申請についても値上げを認可したことで、1区210円が220円に、2区230円が250円に、3区250円が270円になる。
 地下鉄、バスとも7月から値上げを実施する予定。(京都新聞)
■窓 地下鉄北々伸 早速乗りました
・新旧が交じる京の一面見た 亀岡市・六嶋 賢治(無職・73)
 名所旧跡が多く、楽しむことのできる京都。田舎住まいの小生にとって、あまりにも知らないことが多い。しかし、できるだけ京都になじむ機会を作るよう心掛けている。地下鉄烏丸線の北山−国際会館の開通を楽しみにしていた。さっそく4日に、家内と一緒に京都駅−国際会館駅まで乗車してみることにし、希望に胸を膨らませて出掛けた。
 地下鉄京都駅に立ち、しばし電車の到着を待つ。電車がすべり込んで来た時は胸がわくわく。静かに乗り込んだ。地下鉄独特のきしむ音を聞き、時間のたつのも忘れて感激にひたった。宝ケ池終点のアナウンスが聞こえ、ホームにすべり込んだ。すがすがしい気分で真新しい駅に降り立ち、よくぞ開通したものだ、と気分も新たに出口へ。モダンな駅に心がはずんだ。
 国際会館の建物をあおぎ、遊園地へ。手持ち弁当を食べ、別れをおしみながら国際会館駅に戻り、もう一度駅を見回し、銀閣寺へと足を運んだ。気分は新と旧が入り乱れ、古都京都の不思議な面を見た気持ちであった。帰途は市バスで京都駅へ。新しいJR新京都駅の開業には、なにをおいても来てみたいという気分にかられた。
・進歩的な京都さらに躍進を 左京区・仲上 義男(無職・85)
 開業した地下鉄国際会館駅から京都駅まで早速乗ってみた。つくづく長生きしていてよかったという感想をもった。北東の入り口から3段に分かれた階段を下りていったが、地下道がはるか下に見え、その規模の大きさに感嘆させられた。
 地下鉄の特徴は、古都の最も大切にする景観破壊がないこと、早くて時間が短縮されることではなかろうか。電車もゆったりしていて、その快適さは申し分がなかった。このような工事を事故もなく完成させた工事関係者の皆さんに感謝とお礼を申し上げたい。鞍馬、市原など北部地域に繁栄と便利さを提供し、大きな貢献をするのではなかろうか。間接には、地上の路線バス、タクシーなど交通渋滞緩和にも寄与すると考えられる。いずれにしても、南北の烏丸線に、近く開通する東西線とともに進歩的な古都京都の一面が全国に紹介され、さらに躍進することを期待する。
・敬老乗車証で初乗車に感激 伏見区・佐藤 満子(主婦・70)
 先日、敬老乗車証を受け取った。主人のときと違い、これは自分だけのものという重みと実感で胸にグッとくるものがあった。この敬者乗車証は紛失しても再交付は1回だけと言われ、お金に代わる大切なものであることをいま一度確認した。これから大事に使わせていただこうと誓った。
 早速、主人と地下鉄烏丸線で国際会館へ行った。初使用で改札のたびに胸がドキドキ、まるで新しい1年生のように思った。老人1年生になったのだ。真新しいホームには長いエスカレーターがあり、工事の深さを知り大変だったのだな、と思った。通路には宝ケ池の四季の写真パネルが並んでいた。一つ一つがとても美しく、北の京都を見事に写し出していて楽しく見ながら地上に出た。曇り空だけど、ひんやりと洛北のおいしい空気を吸い込んだ。
 国際会館を見るのは、これが初めて。立派だ。右手のホテルも、もう一度来て泊まってみたいななどと思いを巡らした。帰りは市バスで四条まで。木々のこずえがすがすがしく美しい。乗り換えて大手筋まで戻った。その度に敬老乗車証を見せて、市の配慮に温かい心を感じた。座席も遠慮せずに座ることができて、何だが幸せな気分となった。(京都新聞)
■学園前・学研都市−開空バス路線を申請
 関西空港交通と奈良交通は10日、共同運行方式による関西空港へのリムジンバス「近鉄学園前・学研都市線」の路線開設を近畿運輸局に申請した。申請内容は、北大和一丁目(奈良県生駒市)発着が1日4往復、学研けいはんなプラザ(京都府精華町)発着が1日2往復で、2系統とも近鉄学園前駅などにも停車する。運行開始は認可後の9月上旬の予定。運賃はいずれも大人1800円、小学生900円。(朝日新聞)
■タイでの再登板へ JR旧車両船積み
 日本での「現役」を終え、異国のタイで再び活躍することになったJR西日本の引退車両、計54両の積み出し作業が11日、大阪港で始まった。
 タイ国鉄の要請に応じて無償譲渡される車両で、山陰線などを走っていた気動車(ディーゼル車)26両と、客車が28両。大阪市此花区のJR桜島線安治川口駅の貨物線に回送した重さ30d前後の客車を、クレーンでゆっくりつり上げ、隣の艀(はしけ)に載せた。作業は1日数両ずつで7月まで続き、沖合で大型貨物船に積み替えてタイへ運ばれる。(朝日新聞 夕刊)
12日■整備新幹線の新規区間 着工は先送りも 政府与党方針
 政府、与党は11日までに、今月中にも発足させる整備新幹線検討委員会で、年内に新規区間(北海道新幹線など7区間)の着工順位を決めても、財政構造改革が軌道に乗るまでの間、着工は先送りすることを十分視野に入れて議論を進める方針を固めた。
 参院選を来年に控え財政構造改革を急ぎたい官邸筋の強い意向を反映した。新規区間の着工が先送りされた場合、本年度初めて計上された新規区間整備費(100億円)は東北新幹線盛岡−八戸間など建設中の5区間の整備費(1635億円)に転用されることになりそうだ。
 ただ新規区間の着工先送りには、自民党整備新幹線建設促進特別委員会はじめ、並行在来線のJRからの経営分離の同意を関係市町村から既に取り付けている青森県など関係自治体から「採算性の高い順に本年度から着工することは自民党の政治公約」などと反発が出ることは必至で、官邸の思惑通りに結論が出るかどうかは微妙な情勢だ。
 新規区間の建設については、財政構造改革会議が最終報告の中で「集中改革期間を設けて財政構造改革の流れに矛盾させない」との視点に立ち、各区間ごとに@収支採算性とJRの同意A並行在来線のJRからの経営分離と地元の同意−などを着工条件として盛り込んだ。(京都新聞)
■市バス 乗客引きずる ドアに腕挟み40b 女性けが 発進前、確認怠る 出町柳バス停
 京都市の市バスが今月2日、左京区のバス停で乗車しようとした同区の女性(25)の腕をドアに挟んだまま発車、女性を引きずって約40b走行し、女性に2−3週間のけがを負わせていたことが、11日分かった。下鴨署は運転手を業務上過失傷害の疑いで調べており、近く書類送検する。
・「助けて」聞こえず
 下鴨署や市交通局によると、土日午後4時50分ごろ、左京区川端通今出川上ル、出町柳駅前のバス停で、女性が岩倉操車場行き市バス=矢沢敏男運転手(47)=に乗車しようとして後部乗車口の手すりに左手をかけたところ、ドアが閉まり左腕を挟まれた。市バスはそのまま時速約20`で川端通を北進し、女性は約40b引きずられた。矢沢運転手は、後方の車にクラクションを鳴らされ、ようやく女性に気づいて止まったという。
 女性は病院で手当てを受けたが、ろっ骨にひびが入ったほか、腕や足に打撲を負った。女性は「とても怖かった。引きずられながら何度も『助けて』と叫んだが、だれも気付いてくれなかった」と話している。
 市バスには約25人の乗客がいた。
 市交通局の説明では、市バスのドアには、物が挟まれば閉まらなくなる安全装置が付いている。しかし、幅が3a以下の場合は安全装置が作動しないケースもあるという。
 矢沢運転手は下鴨署の事情聴取に対して「発進前の乗車口の確認を怠った」と話している。
 市バスは今年4月9日と17日に追突事故、5月14日には自転車との接触事故を起こしている。市交通局は4月18日から1ヵ月間を「緊急事故防止月間」に指定して、事故防止に努めていた。
・全員に再度注意する
 菅沼光年・市交通局自動車本部長の話 乗務員が十分に注意していれば防げた事故だ。ご迷惑をかけたことをおわびしたい。乗務員全員に再度注意を呼びかける。(京都新聞)
■叡電社長に浅田氏
 叡山電鉄は11日、新社長に浅田統史専務が昇格、伊藤貞男現社長が代表権のある取締役に就任する人事を発表した。伊藤氏は京阪電気鉄道副社長に就任する予定。
 浅臼 統史氏 (あさだ・もとふみ)同志社大商学部卒。1965年、京阪電気鉄道に入社。95年に叡山電鉄に入り、常務を経て96年から専務。55歳。京都市出身。(京都新聞)
■危険物の事故に備え火災想定、大がかり訓練 JR梅小路駅
 危険物安全週間中の11日、下京区のJR梅小路駅で、化学薬品や油などの危険物を取り扱う事業所などが参加して大がかりな合同訓練が行われ、万一の事故に備えた。
 訓練には、同駅構内で営業する13事業所の自衛消防隊員40人をはじめ、下京消防団大内消防分団員や下京消防署員ら計約90人が参加した。この日、参加した各事業所は先月16日に、「相互応援協定」を締結している。消火栓の位置や建物の見取り図などを相互に交換、災害が発生した時には協力し合える体制を取っている。合同訓練は同協定に基づいて行われた。
 訓練は「同駅構内の荷物積み降ろし場で、軽油を積載したタンクコンテナにフォークリフト2台が衝突。火災が発生し、運転者2人が挟まれた」との想定で始まった。
 自衛消防隊員らが初期消火し、続いて消防団員や消防署員らが消火、けが人の救出に当たった。ポンプ車や救助車などの車両7台も出動し、迫真の訓練を展開した。訓練後、参加者らは連絡体制のチェック、消火や救護方法などについて細かく確認し、事故防止への意識を新たにしていた。(京都新聞)
■交通の要で交流活発に 府国際乱田ー 新駅ビルに移転 広さは現在の7倍 9月11日オープン サロンや教室併設
 新京都駅ビルが今夏開業するのに合わせ、京都府庁旧館にある府国際センター(京都市上京区)が同ビルに移転、9月11日から業務を始める。同センターは地域の国際化を進めるための中核的な組織として、各都道府県と政令指定都市に設置されているが、駅などターミナルビルに事務所を置くのは全国的にも珍しい。同センターでは「交通の要(かなめ)の場所になるので、多くの府民に利用してほしい」としている。
 移転先は、京都駅ビル9階部分で、面積は現在の約7倍の約550平方b。府民や留学生などがくつろいで交流できる「府民交流サロン」や、日本語教室、外国語教室などのセンター事業を行う「会議室兼研修室」、パソコン通信、インターネットなどを活用して情報提供する「情報提供コーナー」などを設ける。
 また、駅ビル8階に移転する予定の府旅券事務所に隣接して、印紙・証紙などの販売やパスポート用の写真撮影を行う「印紙等販売コーナー」を設け、いっそうのサービスを図る。
 同センターによると、駅ビル内に事務所を設けているのは、徳島県(JR徳島駅)と奈良県(近鉄奈良駅)だけで、京都府は3番目となる。
 開館日は毎月第2・4火曜日と年末年始(12月29日−1月3日)を除く毎日で、開館時間は午前10時−午後6時。(京都新聞)
■リニア実験線 未着工区間を凍結 JR東海 先行区間だけで実用化
 最高時速550`を目指す超伝導磁気浮上式リニアモーターカーの走行試験で、山梨県内の実験線のうち未着工となっていた区間(24.4`)の建設が凍結されることが11日、わかった。運輸省や事業主体のJR東海などによると、凍結期間は3年間というが、その後の着工についても明らかでない。
 今年4月3日から3年間の日程で始まった先行区間(都留市−大月市間18.4`)の走行試験だけで、リニアの実用化のめどは立てられるとJR東海などは考えている。だが、この区間での走行距離は最長でも計十数万`にしかならない。車両の長期的な信頼性や故障率を調べるには60万`は必要とされることから、専門家の間には、走行試験の成果を疑問視する見方もある。
 山梨県の実験線は総延長42.8`ある。総事業費約3040億円は、JR東海、鉄道総合技術研究所、国の3者が分担するが、1990年11月の着工から97年3月末までの先行区間の工事だけで約7割を支出。未着工区間の用地取得率も約7割と滞り、「事業全体の見直しが必要な情勢」(JR東海)となった。
 試験走行では5月30日に最高時速257`での浮上走行に成功した。2000年3月末までの3年間で営業運転できるかどうかめどをつけたいという。
 だが、先行区間の18.4`では、時速500`以上を連続して出せるのは1分程度しかない。試験は2週間かけて走行し、データを調べるのに1週聞かかる。このペースでいくと、走行距離は3年間で最長十数万`しかならないという。(朝日新聞)
■和歌山のJR駅に 海洋生物研究所
 目の前に太平洋が広がり、12年前に無人化された和歌山県すさみ町のJR紀勢線見老津(みろづ)駅に11日、ミニ水族館を持つ海洋生物研究所がオープンした。
 地元漁協が興した会社とJRが設立した。9つの水槽にハナミノカサゴ、ウミシダなど沿岸の魚や生物30種を展示。地元の人も見ることのない貴重な種もある。(朝日新聞)
■バス運転 女性に任せて 「男と同じ条件」進出急増 トイレ・ふろ場 施設改善に一役
 「男の職業」といわれてきたバス運転手に女性が進出し、大阪や東京、名古屋などの公営バスで活躍を始めている。賃金に男女差がなく、労働条件も変わらないことが背景にある。乗客からも好評だ。男女雇用機会均等法が強化され、女子保護規定の撤廃を盛り込んだ改正労働基準法も成立した。仕事の内容によっては男性がうかうかできない時代になりつつある。
 大阪市交通局の高木千香代さん(24)=京都府八幡市=は、4月から守口営業所に配属され、守口車庫前と大阪駅前を結ぶ路線などを運転している。中学生のころ大型トラックの運転手にあこがれた。短大卒業の時には女性を採用する会社がなく、銀行で2年間働いた。だが、運転手の夢があきらめきれず、大型二種免許を取るため教習所へ。女性にも門戸を開いている同交通局の募集をそこで知り、今年2月に受験し、採用された。2ヵ月の研修を終え、独り立ちした時は不安だったが、「気持ちよく乗せてもらってありがとう」と乗客から声をかけられ自信がついた。
 大阪市営バスの女性運転手は8人おり、公営バスでは全国最多。トラックや送迎バスの運転手、教習所教官などからの転職だ。30歳代は1人で、ほかの7人は20歳代。子どもがいる人もいる。同交通局は「女性採用のきっかけは均等法。男性に限っていた資格条件を削除した。深夜勤務ができない以外、労働条件は男性と同じだった。法改正で将来的には深夜勤務についても解除する方向で検討している」と話す。
 日本バス協会によると、昨年の調査で女性のバス運転手は全国で239人。一昨年の199人から40人増えた。大阪交通労組の調べでは、東京都と大阪、京都、横浜、名古屋の4政令指定都市だけで28人いる。応募者も、東京都が5年前の1人から昨年は13人に、大阪市が一昨年の3人から今年は10人にそれぞれ増えた。
 女性の進出で男性も職場改善の恩恵を受けている。大阪市交通局では女性がいる営業所で専用のロッカーやトイレが設置され、ふろ場も改修された。防犯の面から、バスや停留所に、無線や非常用ブザーの取り付けも検討されている。女性が「怖い」と率直に訴えたことがきっかけだ。がまんしていた男性からも「助かった」という声が出ている。
 大阪交通労組特別執行委員の山口百合子さんは「女性ははっきりと意見をいうので、営業所と組合との風通しがよくなった。法改正は歓迎だが、問題は女性が出産した後の子育て期間をどうするかだ」という。トラック運転手や航空管制官など男性の職域で活躍する女性を追ったビデオを作った大阪府豊中市の市立働く婦人の家館長の武井順子さんは「女性の職場進出の結果、男性にとっても働きやすい職場になってきている」と話している。(朝日新聞 夕刊)
■ドアに腕挟み女性引きずる 京都市バス
 京都市交通局の市バスが今月2日、乗車しようとした女性(25)の腕を後部ドアに挟んだまま約40b引きずって走り、ろっ骨を折るなど2−3週間のけがを負わせていたことが12日、わかった。下鴨署の事情聴取に対し、バスの運転手(47)は「乗降口の確認を怠った」と話しており、同署は業務上過失傷害容疑で運転手を書類送検する方針。
 下鴨署の調べでは、2日午後4時50分ごろ、京都市左京区田中下柳町の「出町柳」バス停で、同区内に住む女性が市バスに乗ろうと乗降口の手すりに左手をかけていた際、ドアが閉まり、左腕を挟まれた。運転手は女性に気付かずそのまま発進。女性は体を車外に残したまま、時速約20`で約40b引きずられたらしい。後ろの乗用車の運転手がクラクションを鳴らして事態を知らせた。(朝日新聞 夕刊)
■4色の鉛筆で定期券偽造 出来栄え カラーコピー機顔負け 改札気づかず 駅で落とし発見 JR東海道 3ヵ月ただ乗り
 紙と色鉛筆で巧みにJRの通勤定期券を偽造し、約3ヵ月間、東海道線をただ乗りしていた滋賀県の男性会社員が、滋賀県警に摘発された。精巧な手作り品で、改札係の目をくぐり抜け、捜査員も瞬時には本物と見間違う出来栄えだったが、大阪駅で定期入れを落とし、駅事務所に届けられて発覚した。会社員はJR西日本から追徴金約100万円を請求され、全額支払うはめになった。
 調べでは、会社員は大阪市内に勤務。東海道線の滋賀・能登川−大阪駅間の通勤代(3ヵ月分で11万7640円)を浮かすため、白っぽい紙に黒や水色など4色の色鉛筆を使って6ヵ月間有効の定期券を偽造し、昨年11月から約3ヵ月間にわたって無賃乗車していたらしい。
 今年2月中旬、大阪駅事務所に落とし物として会社員の定期入れが届けられた。中に偽造定期券と運転免許証があり、県警が本人に事情を聴いたところ、偽造を認めたという。自宅からは失敗作4、5点も見つかった。会社員は「つくるのに、いずれも3、4時間かかった」と供述しているという。県警では有価証券偽造・同行使、詐欺の疑いで調べている。
 JR西日本の詣では、カラーコピー機による偽造を防ぐため、定期券をコピー機にかけると文字が浮き出る仕掛けなどを採用しているが、古風な手書きの偽造は想定外だった。同社はさっそく、手作り品の対策の検討を始めた。(朝日新聞 夕刊)
13日■市バスまた不祥事 強引にドア閉め乗客の足挟む 謝罪せず走り去る 和久峻三さん夫人 2週間のけが 上京の停留所
 京都市の市バスが、10日にも上京区のバス停で、女性客が降車しようとしている時に故意にドアを閉めて足を挟み、2週間のけがを負わせていたことが12日、分かった。市バスは女性客の腕をドアで挟んで約40b引きずって走り、2−3週間のけがを負わせた事故が発覚したばかり。相次ぐ不祥事に、市交通局は「運転手は女性客がまだ降りていないのを知りながら、強引にドアを閉めた。接客の心構えを欠き、安全運転以前の問題。理解に苦しむ」と頭を抱え、平謝りしている。
 けがをしたのは、「赤かぶ検事奮戦記」などの小説で知られる左京区上高野、作家和久峻三=本名、古屋峻三=さん(66)の妻の陽子さん(45)。
 市交通局や陽子さんの話によると、10日午後零時50分ごろ、上京区今出川通河原町西入ルのバス停で、陽子さんが松尾橋行き市バスから降りようとしたところ、運転手(39)が突然ドアを閉め、降車ステップにいた陽子さんは足を挟まれた。
 陽子さんは降車して注意したが、運転手は何も答えず、そのまま発車したという。
 陽子さんはすぐ市交通局に連絡するとともに、病院で手当を受け、右足の指のねんざなどで全治2週間の診断を受けた。
 運転手と上司は12日午後、和久さん方を訪れ「ダイヤより7、8分遅れ、あせっていた。安全に対する配慮が欠けていた」と陽子さんに謝罪したが、陽子さんは「謝りもしないで走り去ってしまうなんて、怒りがおさまらない」と憤っている。
 また、和久さんも「お客さんが降りるのを確認せずにドアを閉めるのは、サービス以前の問題。交通局の体質そのものを見直さないといけない。赤かぶ検事も怒っている」と、市バスの運転手のマナーの悪さにあきれ返っていた。
・運転手の教育見直したい
 菅沼光年・市交通局自動車本部長の話 事故防止のために最も大切な「お客さまへの思いやり」が欠けていた。心からおわびしたい。今回のことは事故として警察に届ける。2年前からモラル向上に努めているが、依然、事故が後を絶たない。運転手の教育の方法を根本から見直したい。(京都新聞)
■経済天気図 新京都駅ビルに期待
 京都駅ビルの竣(しゅん)工が間近になった。これが京都観光や消費需要拡大の起爆剤になる可能性があり大いに楽しみにしている。筆者が新駅ビルが成功すると思うのは次の3つの理由による。
 第1は、日本人は新しいもの好きということである。新宿高島屋にしても博多キャナルシティーにしても、大型の集客施設は大体どこも成功している。
 第2は、若い人を惹(ひ)きつける装置を配したことである。先日、京都駅に行った折り、女子中高生が長蛇の列を作っていた。その時はなぜか分からなかったが、翌日の京都新聞で、それが新駅ビル内にできるシアター1200のこけら落とし公演のチケット入手のためで、徹夜の行列だったと報じられていた。もともと中高年には魅力ある京都ではあったが、これでようやく若者を吸引する力が備わったことになる。
 第3は、伊勢丹に対する期待である。関西では初めての店舗になるが、伊勢丹の婦人服を中心としたマーケティング力には定評があり、ファッション感覚の新しさがもたらすその集客力は予想以上のものがあると思う。(筆者は伊勢丹とは何の関係もありません)京都の人は買い物などで四条よりは下がらないと聞いたことがあるが、そうした定説は伊勢丹で覆されるのではないか。
 新駅ビルが成功するということは、既存の商業施設から顧客がシフトするということも意味しよう。滋賀県を含めて交通アクセスが悪かったり、中途半端な規模の商業施設が苦戦を強いられることは必至だろう。商圏がある程度四条から移動することも避けられまい。しかし、駅周辺と四条とが切磋環磨(せっさたくま)して集客努力を行い、結果として京都に来てくれる人が増えることが大事なのであり、こうした競争は大いに歓迎したい。(V)(京都新聞)
■高額カードの利用停止へ JR、偽造防止対策
 JRグループ旅客6社は12日、オレンジカード偽造対策としてすでに販売をやめている1万円、5000円のオレンジカードについて、来年1月から利用も停止すると発表した。同月から、全国の主な駅でカード残額分の低額カードとの交換を始める。
 高額カードが使用できなくなるのは来年1月21日から。駅での交換の取り扱いも同日からで、残額分は3000円、1000円のオレンジカードの組み合わせで返還、1000円未満の端数は現金で精算する。
 6社のうちJR東日本だけは未使用のカードに限り、今年10月21日から交換を開始する。(京都新聞)
■窓 お答えします バス運行について 京都市交通局計画課長 中川 嘉博 京都バス 運輸部長 入江 恆
 5日付の当欄に掲載されました「地下鉄北伸バス再編不便です」についてお答えします。岩倉・大原地域のバス再編は、地下鉄延伸に伴う乗客の減少により、市バス・京都バスの2事業者での運営が難しくなることから京都バスに一元化し、その路線については、地下鉄延伸で変わる乗客の流れに対応して、国際会館駅や北大路バスターミナルヘ連絡する系統の新設や経路変更など、バスと地下鉄の連絡をより良くするものとしました。
 また、運行回数とダイヤは、ご利用状況に見合うものとして計画しました。これらの結果、運行回数が減少した系統もありますが、ご利用状況を今後とも十分見極めてまいりたいと考えておりますので、ご理解いただきますようお願いします。
 さて、ご指摘の件のうち、まず、洛北高校前から岩倉方面へは、直通の最終便発車後は、21時36分発出町柳行きをご利用いただきますと、高野橋東詰めで大原方面、岩倉方面のバスに接続しますので、乗り継ぎでご面倒をおかけしますが、こちらのご利用もお願いします。
 次に、大原方面の京都バスは61回から72回に増便しましたが、大原北部への最終バスにつきましては、これまでのご利用状況から午後6時以降は大原止めといたしましたので、ご理解いただきますようお願いいたします。(京都新聞)
■市バス不祥事 幹部への報告遅れる 京都市会委 交通局長陳謝 近く関係者処分へ
 京都市バスで、乗客をドアにはさんだまま発車したり、強引にドアを閉めて乗客にけがをさせる不祥事が続いたが、市交通局幹部への報告がいずれも極めて遅かったことが、13日午前の市議会・交通水道委員会で明らかになった。
 下薗俊喜公営企業管理者(交通局長)らの答弁によると、乗客をはさんで発車した今月2日の事故は、市バス部門の責任者の菅沼光年自動車本部長には当日夜に報告されたが、交通局トップの下薗管理者には、新聞報道の前日の11日夜になった。ドアを強引に閉めた10日の不祥事は、12日夕方に管理者、本部長に報告されたという。
 議員からは「(報告のない)隠れた事故も多いのではないか」などの批判が出された。
 委員会では、冒頭に下薗管理者が陳謝したうえ、「今後、組織の管理責任も明確にしたい」と述べ、近日中に幹部を含めた処分を行う考えを示した。(京都新聞 夕刊)
14日■環境保全と都市交通 考えるフォーラム 京都交通労組、21日に
 京都市交通局職員でつくる京都交通労働組合は、21日午後1時から、左京区の京都会館で、「COP3と京都の都市交通を考える市民フォーラム」を開く。
 12月に開催される地球温暖化防止京都会議(気候変動枠組み条約第3回締約国会議)を踏まえ、環境保全などの観点から路面電車やノンステップバスの導入を進める欧米の先進都市の交通システムを紹介し、今後の京都の交通体系について考える。
 当日は、岡並木・武蔵野女子大教授が「京都市民の足とCOP3」と題して講演するほか、参加者からの意見も募る。定員350人、参加無料。(京都新聞)
■所長”ブレーキ”効かせすぎ 京都市バス西賀茂営業所 「信じられない」市会で追及 「表現行き過ぎ」釈明 「酒のにおいさせ出勤」と実際ないのに警告張り紙
 京都市交通局の市バス西賀茂営業所で、所長(57)が運転手向けに「酒のにおいをさせて出勤する者がいる」という張り紙を掲出していたことが、13日の市議会・交通水道委員会で明らかになった。所長は「実際に飲酒出勤があったわけではない。注意の意味で言葉を強めた」と釈明。交通局は「誤解を招く」として撤去したが、追及した議員は「こんな警告をすること自体、信じられない」と同局の体質にあきれている。
 議員や所長によると、張り紙はB4判で、同営業所1階の掲示板に、運転手に事故防止を呼びかける印刷物と一緒に掲示していた。
 「飲酒について」との標題で「注意指導しているにもかかわらず、最近、洒の匂(にお)いをさせて出勤してくる者がいる。懲戒処分対象になる」と警告し、末尾に「所長」と記されていたという。
 同営業所では、これまでからも飲酒の機会が多い年末年始や盆などに注意を呼びかける張り紙を掲示してきた。所長は95年10月に同営業所に着任し、問題の張り紙は花見シーズンの今年4月から掲出していた。指摘に対し所長は「張り紙を目立たせようと行き過ぎた表現になった。今後は気をつけたい」と話している。
 交通局によると、運転手が乗務する際には、各営業所の運行管理者が健康状態などをチェックする。洒のにおいがした場合は、乗務禁止を命じ、洒酔い状態を同局の懲戒委員会に報告し、事実関係を把握後、処分を決めるが、「これまで飲酒が原因で乗務禁止を命じた例はない」という。(京都新聞)
■京都市バス 乱暴運転”ブレーキ”効かず 昨年3月、ひきずられ重傷 今も女性、後遺症
 マナーの悪い事故が相次いでいる京都市の市バスが昨年3月にも中京区のバス停で、女性の乗客が降車中にドアを締め、女性のコートをドアに挟んだまま、約10b引きずって走行し、女性に1ヵ月半の重傷を負わせていたことが13日、明らかになった。女性は事故で腰痛などの後遺症が残り、現在も不自由な生活を余儀なくされているという。
 堀川署と市交通局の調べによると、昨年3月1日午前8時50分ごろ、京都市中京区堀川通二条下ルのバス停で、乗客の北区北野東紅梅町、弁護士秘書高根照子さん(54)が京都駅行き市バスから降車しようとしたところ、運転手(54)がドアを締め、高根さんのコートがドアに挟まった。バスはそのまま発車、高根さんは路上で転倒して頭を強打し、仰向けの状態で約10bひきずられたという。
 すぐ運転手が気付いて停車したが、高根さんは頭や腰の打撲で全治1ヵ月半の重傷を負い、25日間、入院した。現在も腰痛の後遺症に苦しみ、1時間以上立ったり、正座することができないという。
 市交通局によると、運転手はその後、刑事処分と減給処分を受けたという。
 高根さんは「今でも、毎日のリハビリを欠かせず仕事は午後からしかできない。運転手が謝罪に来たとき『二度とこのような事故を起こさない』と約束したのに、市バスの運転手はそれが守れていない。悔しくて仕方がない」と怒っている。
 菅沼光年・市交通局自動車本部長は「事態を深刻に受け止めている。運転マナーの向上にどのような対策がとれるのか、考えているが、悩んでいるのが現状だ」と苦慮している。
・市バスの事故 1日1件発生 京都市交通局が報告
 京都市交通局は13日、市議会・交通水道委員会での答弁などで、市バスの事故が95年度で321件、96年度は295件と、1日に1件近い割合で発生していることを明らかにした。
 このうち、人身事故は95年度が108件・負傷者133人で、いずれも軽傷だった。96年度は126件で、死亡1人、負傷者141人(重傷1人)だった。
 同局は「事故防止に全力をあげたい」とする一方、事故発生率では「営業10万`当たり0.87件で、東京都・12政令指定都市の中では東京(0.8件)に次いで低い」と説明している。(京都新聞)
■京都市バス 人身事故、昨年度126件 今月2件 処分検討と局長
 京都市バスが6月に入り2件の人身事故を相次いで起こした問題が13日、市議会交通水道委員会で取り上げられ、議員の間から責任を追及し、業務改善を求める声が相次いだ。下薗俊喜・交通局長は「私としては、管理上の責任を明確にしないといけない」と述べるとともに、運転手に対しても減給・停職などの比較的重い処分を検討していることを明らかにした。また、市バスは昨年度、有責事故を295件起こしており、うち人身事故が126件を占めた、とのデータも公表された。
 下薗局長は冒頭、「まさにバス事業の存亡をかけて健全化に取り組んでいる中での事故で、市民のみなさまに深くおわびしたい」と頭を下げた。菅沼光年・自動車本部長は「2件とも基本的な動作確認を怠ったことが原因で、申し開きできない」と釈明した。
 一方、議員の間からは「事故が頼発するのは処分が軽すぎるためではないか」との指摘のほか、「被害者は2人とも女性で、弱者に対する配慮が足りない」「命にかかわる仕事との自覚が管理者にも運転手にも欠けている」など、市バス事業への批判が相次いだ。
 「事故を隠匿しているのではないか」との指摘には、「被害者のプライバシーや交通局自体が当事者ということもあり、積極的な公表はしない」との従来の立場に終始した。(朝日新聞)
15日■国鉄清算事業団 収入不足は4兆円 98年度 国民負担拡大も
 旧国鉄の長期債務を抱える国鉄清算事業団の1998年度の収入不足額は、前年度より約1兆円膨らみ最大4兆円前後に達する見通しであることが14日明らかになった。旧国鉄の土地売却がほぼ終了して資産売却収入が減る一方、来年度の債務の元本返済と利払いは約4兆8000億円に上ることなどが原因だ。
 来年4月時点で約27兆8000億円と予想される旧国鉄債務の本格処理が遅れた場合、同事業団は不足分の4兆円を財政投融資や民間金融機関からの借入金で穴埋めしなければならず、債務残高はさらに膨れ、国民負担の拡大につながるのは必至だ。
 98年度の支払いの内訳は、有利子債務の元本約3兆4000億円、利子分6600億円、無利子債務3800億円、年金負担などの将来費用3700億円となっている。
 清算事業団の収入源である土地やJR株式の売却は97年度中に実質的に終了することになっており、本年度約1兆4000億円の資産売却収入は、98年度以降、年間2300億−2800億円程度まで落ち込むと試算。
 この結果、ほかの収入を勘案しても来年度の収入と支出のギャップは、本年度の約3兆円から約4兆円になる見通しだ。
 自民党の国鉄長期債務問題特別委員会などが長期債務の処理策を年内にまとめることにしており、本格処理の実施を受けて清算事業団を98年度中にも整理する方針。
 しかし、債務処理策の取りまとめは債務返済の財源論などが決まらず難航するのは必至。「いつ本格的な債務処理に入れるかによって清算事業団の整理時期が決まり、収入の不足分が確定する」(国鉄清算事業団)としており、当面の収入不足には財政投融資や民間金融機関からの借り入れを充てることになる。(京都新聞)
■京都市交通局 6353円の減給処分 人身事故市バス運転手 「見直し検討」
 京都市バスが昨年3月、女性客をドアにはさんだまま引きずり重傷を負わせる事故を起こしたが、運転手には「日給10分の3」(6353円)の減給処分ですませていたことが14日、明らかになった。市議会交通水道委員会の委員の一人は「事故の続発を断つには一罰百戒の姿勢で臨むべきなのに、処分に厳しさがない」と指摘。市交通局は「条例に照らして処理したが、批判があるのも事実。市民感覚や他都市の例などに照らし、処分のあり方を検討している」と説明している。
 市交通局によると、昨年3月1日午前8時50分ごろ、中京区の二条城前停留所で、北区の女性(54)が市バスから降りようとしたところ、閉まったドアにロングコートのすそがはさまった。しかし、運転手(54)が気づかずに発車したため約10b引きずられ、この女性は頭や腰、手首などを打つ6週間の重傷を負った。
 この事故で、運転手は業務上過失傷害罪で10万円の罰金刑を受けた(すでに確定)が、交通局は日給10分の3の減給処分にした。
 市条例では、処分には戒告、減給、停職、懲戒免職の4種類があり、公営企業の職員の減給は、日給の半日分以内で月給の10分の1以内と定められている。(朝日新聞)
■市バス、また人身事故 右京で乗用車に追突
 14日午後6時35分ごろ、右京区梅津後藤町の四条通交差点で、回送中の京都市バス=内藤美喜雄運転手(28)=が、同区梅津構口町、会社員山口博史さん(29)の乗用車に追突した。山口さんは首に軽いけが。太秦署の調べでは、内藤運転手が、左折のため減速していた山口さんの車との車間距離を十分とっていなかったらしい。
 京都市バスは6月に入り、乗降客2人をドアで挟むなどしてけがを負わせており、市交通局は市議会で13日、管理責任を追及されたはかりだった。(朝日新聞)
17日■乗客けがなしでバス事故届けず 京阪宇治交通
 宇治市内の天ケ瀬ダム近くで、京阪宇治交通バスが走行中、突然ハンドル操作が不能になり、道路わきの山側に当たる事故があったことが、16日分かった。反対側は深いダム湖で惨事は免れたが、同社は事故を警察に届けていなかった。
 同社乗合課によると、今月10日午後1時40分ごろ、宇治市の府道大津南郷宇治線で、宇治車庫行きの同社バス=亀岡準一運転手=が右折しようとしたところ、ハンドルがきかず、直進。ブレーキをかけて停車させたが、車は道路沿いの山の斜面に当たり、方向指示器が壊れた。乗客7人は代替バスなどで運んだが、16日までにけがの申告はないという。同社では「始業点検で異常はなく、事故後、ハンドルから車輪への伝達装置の一部がはずれていたことが分かった」といい、メーカーに調査を依頼した。事故は担当課(乗合課)には報告したが、警察へは届けていなかった。同課は「これまでも乗客にけががある場合を除いて、ケース・バイ・ケースで対応している」と説明している。(京都新聞)
■電車内で痴漢容疑 京都市消防局員逮捕
 大津署は16日、滋賀県暴力的不良行為等防止条例違反の疑いで、京都市中京区、京都市消防局員(36)を逮捕した。
 調べでは、同局員は同日午後4時ごろ、JR湖西線の堅田行き普通電車内で通勤中の女性の体を触った疑い。被害者の叫び声に驚いて逃げ出した局員を、被害者と乗客数人が取り押さえ、大津署員に引き渡した。
 調べに対し局員は「触った覚えはない」と容疑を否認しているという。(京都新聞)
■総体中、JR京都駅に 北山杉の案内所 生徒が浴衣で出迎え
 京都府の全国高校総合体育大会(インターハイ・京都総体)推進室は16日、総体期間中にJR京都駅構内に京都産の北山杉でつくった総合案内所を開設し、京都を訪れる選手を迎えることを明らかにした。
 総合案内所は、京都駅の中央改札口前と新幹線八条口2階のコンコースに開設する。中央改札口の案内所は直径約4.4bの八角堂をイメージ、北桑田高校の森林リサーチ科の生徒が組み立てまでを担当する。
 地元産の北山杉を用い、和風の建築技法を使ったログハウス風の建物にする。新幹線の案内所も北桑田高生徒の設計で、カウンター形式にする。設計はほぼ終わり、来月17日に生徒たち約30人で組み立てる。
 案内所は、総体を前に選手や役員が入洛する7月28日から競技が一段落する8月10日まで開設する。案内所には府立北嵯峨高校や鳥羽高校、京都橘高校生ら60人が交代で詰め、選手団の出迎えや地理案内、競技結果を知らせるほか、市内各市町村の観光資料も手渡す。京都和装産業振興財団の協力で、男子を含め全員が浴衣姿でサービスすることにしている。(京都新聞)
■えき・ひと・まち JR伊丹駅 古い酒蔵利用の施設「鬼貫」ゆかりの文庫
 JR伊丹駅から少し歩くと、高さ約13bのクスノキがある。市の保存樹木になっているこの木は樹齢300年以上といわれ、「歴史のまち」を予感させる。
 伊丹は清酒発祥の地とされる。白壁と黒がわらの酒蔵がところどころに残る。大通りに面した「白雪ブルワリービレツジ長寿蔵」は、古い蔵を使った地ビールレストラン。創業450 年近い小西酒造が、おととしオープンさせた。蔵の中で造ったビールや搾りたてのにごり洒が飲める。2階には、昔の酒造りの道具や資料が並べてある。
 俳句のまちでもある。地元出身の俳人上島鬼貫(おにつら)はあまり知られていないが、「東の芭蕉」に対し「西の鬼貫」とも言われた人物だ。日本の3大俳諧文庫に数えられる柿衛(かきもり)文庫は、俳人の自筆の掛け軸や短冊約1万点を所蔵する。空港が目立つまちだが、そればかりではない。(朝日新聞)
■ひと 新駅担当し気配りがモットー
 地下鉄烏丸線の国際会館駅(京都・宝が池)が開業して10日余りが過ぎた。同駅の責任者、京都市交通局運輸事務所担当係長の池田敬三さん(47)は、国際会館の予定を毎日確認する。
 大きな催しがある時は、少ない日の約2倍の2万人を超す人が駅を利用。改札から約100bの長い列ができるときもある。池田さんは「予想していたことだが、これほど多いとは思っていなかった」という。
 近くの宝が池公園を利用するお年寄りや、遠方から来るお客さんが多いのも駅の特徹だ。「駅に不慣れな人や地理に詳しくない人が多いが、駅員としてはやりがいがある。気配りをモットーに、親切で思いやりのある対応をしたい」(朝日新聞)
■線路は続く〜よ4000` JR6社が秋に初の全国ツアー
 日本列島の長さを満喫し−てJR線などを乗り継いで、北海道、本州、四国、九州をめぐる「日本縦断列車紀行」が今年秋に実現する。国鉄からJR6社に分かれて4月で10周年。「線路はひとつ」とJRグループが初めて全国ツアーを企画した。
 13泊14日で全行程は3942`になる。ツアーは6回に分かれ、9月20日から10月25日までの毎週土曜日に札幌市のホテルに集合。翌日曜日に札幌駅を出発し、各地をめぐりながら、最終日的他の鹿児島市を目指す。
 JR6社を代表する計15の人気列車に乗る。線路が走っていない区間などはバスや船を利用する。
 4人1部屋を利用した場合、代金は1人あたり63万9100円になる。「JR6社サンキュー10周年」に引っかけたという。
 募集人員は各回とも40人。JRの各旅行窓口などで7月1日から一斉に発売される。(朝日新聞 夕刊)
18日■陶板レリーフ移設し復元 京都駅
 JR旧京都駅中央改札口上の壁面を飾っていた信楽焼の陶板レリーフ壁画「京洛東山三十六峯四季」が、新しい京都駅の30番ホーム(関西空港特急「はるか」ホーム)に移設・復元され、7月10日、除幕式が開かれる。
 陶板レリーフは、京都駅開業100年記念として1977年2月、日本芸術院会員の故西山英雄画伯の原画をもとに、造形家のルイ・フランセン沖縄県立芸術大教授が制作した。縦2.7b、横22bの大作で、京都の四季を銀閣寺、鴨川などの名所、旧跡を織り交ぜながら表現。20年近く、乗降客に親しまれてきた。
 レリーフが壁面に直接張り付けられていたため、新京都駅の建設で取り壊しも検討されたが、地元企業、関係者の保存要望が高まり移設することにした。
 移設・復元は3年がかりで行われ、制作者のルイ・フランセンさんが総指揮、西山画伯の門下生ら延べ700人が協力。元のレリーフを8つに分けて取り外し、ホームに衝立状に3分割して復元した。復元費用は約1億3500万円。
 除幕式に合わせ、7月10日から新京都駅開業の12日まで、同ホームで福本達雄画伯や西山画伯門下生らの記念絵画展を開く。(京都新聞)
■JR西日本 自動改札の導入拡大 99年3月まで 45駅を新たに追加
 JR西日本は17日、自動改札システム「Jスルー」を、2年後の1999年3月までに、当初予定していた約200駅から245駅に拡大して導入、さらにプリペイドカードで直接、自動改札機を通れる「ストアードフェア(SF)」システムも、同じ時期をめどに利用できるようにする、と発表した。
 Jスルーの拡大策は、乗客の流動調査の結果、当初の見込みより利用の範囲が広がると判断したため。SFシステムについては、阪急電鉄など5つの私鉄が共同で昨年3月から始めた同システム「スルッとKANSAI」が、利用者に漫透していることを受けて、これまで98年度以降としていた導入時期を早めることにした。
 新たに追加された45駅には、京滋では山陰線の並河−園部間、学研都市線の大住−西木津間、奈良線の新田−上狛間、草津線の手原−貴生川間、北陸線の坂田−長浜間の各駅が含まれている。
 Jスルーは、乗り継ぎの際などに、複数の定期券や切符が同時に使えるのが特徴。設置は、昨年から学研都市線の松井山手−京橋間などで進んでいる。本年度は、京都駅の烏丸東、八条東の各改札口で今月28日に、烏丸中央、南北自由通路の西口、シティエアターミナル(CAT)で来月12日に使用開始するなど、本格的に導入される。
 今回の対応に関連して、「スルッとKANSAI」に参加するかどうかについてJR西日本は「わが社独自のシステムを構築するのが先で、まだよく検討しないと分からない」(村山繁樹取締役)としている。(京都新聞)
■京阪宇治ビル 駅前に8月5日オープン 平等院鳳凰堂イメージ
 宇治市の京阪宇治駅前に、京阪電鉄(本社・大阪市)が建設中の京阪宇治ビルが間もなく完成、8月5日にオープンすることになった。平等院の鳳凰などをイメージさせるステンドグラスの壁画がビル正面に設置される。同社は「観光・宇治の玄関口にふさわしい姿になる」とPRしている。
 同ビルは、地上2階、地下1階の鉄筋コンクリート造り、延べ650平方bで2年前に完成した京阪宇治駅のコンコースを兼ねる。工事は昨年夏から約1年がかりで完成、8月5日から使用を始める。
 ビルは、地下1階から地上1階にかけては、宇治駅連絡通路から駅前交通広場を結ぶ階段と、エスカレーターが設置される。地上1階、2階の450平方bは、グループの京阪宇治交通に賃貸され、1階部分は、コンビニエンスストア、ドーナツショップ。2階は、関西空港行きリムジンバスなどの待合室を兼ねた旅行営業センターとなる。
 デザインは、平等院鳳凰堂をモチーフにして、両サイドに楼閣を配置した。正面には鳳凰や国宝の雲中供養仏を連想させるステンドグラスの壁画「飛翔」を、上段(幅6.3b、縦2.35b)と下段(幅5.05b、縦2b)に設置する。原画はニューヨーク在住の野田正明氏(48)、制作は京都在住のステンドグラス作家の岡本喜十郎氏(43)が担当した。同電鉄は「ステンドグラス製の壁画としては国内最大級」としている。(京都新聞)
■清算事業団は除外 財投改革で資金運用審
 財政投融資制度の改革を検討している資金運用審議会(蔵相と郵政相の諮問機関)懇談会は17日の会合で、巨額の累積債務を抱える国鉄清算事業団と国有林野事業に対する投融資を対象から除外すべきだとの意見で一致した。
 財投の思い切った圧縮を盛り込む年内がめどの最終報告と7月中にまとめる来年度の財投計画に反映する。(京都新聞)
■窓 京阪の定期券購入でひと言 宇治市・木俣 肇(医師・44)
 通勤で京阪電車(桃山南口から黄檗の間)を使っているが、本数が多く、とても重宝している。しかし、定期券を更新しようとすると、この両駅の間では買えず、桃山南口の2つ向こうの中書島でしか買えないという。
 つまり、桃山南口から定期を買うために、わざわざ切符を買って中書島まで行き、また切符を買って戻らなければいけない、と思って実際に一度目の定期券更新時にはそうした。しかし、これはどうみても定期券使用者としてはふに落ちない。
 例えばJRはどこの駅でも定期が購入できる。定期券購入のため、余分な料金を払うのは何か不便なシステムではないか。金額の多寡ではなく、素朴な疑問がわいた。
 そこで、2度目の更新時に、係員に聞くと、何と特別の切符をくれて、桃山南口から中書島間は無料で往復できた。これは当然かもしれないが、ありがたいサービスであった。しかし、このサービスは定期券を購入する時も教えてくれないし、掲示がない(あるいは分かりにくい)。誠に良いサービスだが、利用者に分かりやすいように、定期券購入時に、そのことを記載したパンフレットでも窓口に置いておいたらどうでしょうか。(京都新聞)
■底冷え電車NO 調査員100人募集 大阪・東京・名古屋で
 交通機関や職場などで、冷房のきき過ぎが気になる季節だ。こうした過剰冷房は、健康の大敵「冷え」と密接な関係があり、体調も崩しがちだ。
 冷えに関心の深い針きゅう師や医師たちを中心に「元気な私を取り戻そう」と活動する「冷え症撃退VIVA'97」(事務局・東京)が、交通機関の過剰冷房の実態を調べようと、100人の協力者を募集している。
 調査期間は7月20日から8月20日まで。東京、名古屋、大阪の各都市で、通勤や通学などのため定期的に、1回20分以上、電車や地下鉄、バスなどを利用する人に、事務局で用意した温度計を渡して、冷え具合を調べてもらう。結果を分析し、冷え過ぎの場合は、交通機関に改善を申し入れる予定だ。
 協力の申し込みは、氏名、年齢、住所、電話、交通機関の利用区間と時間を明記の上、はがきで、〒112 東京都文京区小石川3の25の4の108 「冷え症撃退VIVA'97」へ。
 問い合わせは、電話03-3813-5863。ファクス03-3632-3144。(朝日新聞)
■普通社債引き受け 阪神電鉄が野村除外
 阪神電気鉄道は17日に募集した国内普通社債の引き受けシンジケート団メンバーから野村証券を外した。この日に募集したのは、期間がそれぞれ7年、10年、15年の普通社債で、発行額は計450億円。発行日はいずれも25日。(朝日新聞)
19日■梅田貨物駅の再開発始動へ 事業団、移転申し入れ
 国鉄清算事業団は18日、JR貨物梅田駅(大阪市北区)で取り扱う貨物量の半分を、大阪府の吹田市と摂津市にまたがる旧国鉄用地に移転する計画を両市に申し入れた。
 これまでの全面移転の計画を大幅に縮小して譲歩することで、地元の同意を引き出すのが狙いだ。残る貨物施設は他のJR施設に吸収してから更地にする。同意が得られれば、約20fの土地の再開発が10年ぶりに動き出す。(京都新聞)
■京都駅北口広場 緑いっぱいに 5LCが樹木寄贈
 来月12日にJRの駅機能が開業する新京都駅ビルの北口広場を、緑あふれる空間にしてもらおうと、京都ライオンズクラブ(山田昌次会長)など5クラブが樹木を寄贈することを決め、桝本頼兼京都市長に18日、目録を手渡した。
 新駅ビルは、8月にシアター、9月にデパートやホテルが完成し全面開業する。JR西日本ではその後、市などの補助を受け、現在、バスターミナルやタクシー乗り場などになっている同広場(約2.3fの整備に着手し、98年度末までに「観光都市の表玄関にふさわしい広場」に仕上げる。
 樹木を寄贈するのは京都、京都南、京都洛南、京都京洛、京都烏丸の5ライオンズクラブ。現在「同広場を緑いっぱいに」と2000万円を目標に募金活動を行っており、広場の整備計画づくりに合わせて、JRや市と樹種などを検討し、贈ることにしている。(京都新聞)
■相互乗り入れ区間変更へ 阪急、阪神、山陽の3社
 阪神、阪急、山陽の電鉄3社は18日、特急の神戸高速鉄道を経由した相互乗り入れ区間見直しを発表した。阪神は距離を延長、阪急は乗り入れをやめる方向で、遅くとも来年早々に実施する。
 阪神は「梅田」(大阪市北区)から山陽「須磨浦公園」(神戸市須磨区)までの特急を、山陽「姫路」(兵庫県姫路市)まで延長。約30分に1本の間隔で運行し、所要時間は1時間27分。
 阪急は「梅田」から山陽「須磨浦公園」までの特急を、神戸高速「新開地」(神戸市兵庫区)までに短縮。その代わりに、これまでの6両編成をすべて8両編成にする。輸送力は約10%上がる見込み。山陽の区間ではホームの長さが足りないため、阪急は乗り入れの場合は6両編成で運行していた。(京都新聞)
■中労委も和解を受諾 国労不採用問題
 国労組合員の不採用問題で、東京地裁が和解勧告したことを受け中労委は18日、公益委員会議を開き、和解に応じることを決めた。
 東京地裁は5月末、国労組合員の救済を命じた中労委命令の取り消しを求めた訴訟の最終弁論で、JR、国労、中労委、国鉄清算事業団の四者に対し、和解の席に着くよう勧告した。
 国労は既に和解受諾を文書で回答しているが、JR側は、最終弁論の場で和解を拒否した。残る国鉄清算事業団は、近く結論を出す方向で検討している。(京都新聞)
■京都市交通局って どうなってるの!? 本来業務に手当て上乗せ 市バスや 地下鉄乗務員 「運転」「出勤奨励」など運行回数に応じ
 京都市交通局が、市バスや地下鉄の乗務員に、一回勤務するごとに「運転業務」などの現業手当を支給していることが、18日分かった。本来業務に手当を上乗せしているわけで、市民らから批判の声が上がりそうだ。
 現業手当のうち「運転業務」では、市バス運転手が均一区間内を運行した場合は1回250円、多区間では同420円が、1日の運行回数に応じて支給される。地下鉄の運転士は、同200円、車掌は「車掌手当」として同150円、市バスの整備・修理の当たる職員には「技術関係業務」として同350円を出している。
 また、「出動奨励手当」もあり、1ヵ月に有給休暇を取得しなければ1万5000円、有休2日以内ならば1万円、11日以上乗務した場合は2500円などとなっている。
 交通局によると、「運転業務手当」などは30年以上前から続いており、金額は年々増額、「出勤奨励手当」は昨年4月から新設したという。
 これらの手当について、交通局では「運転手の確保などのため手当化した。手当の中には減額したものもあるが、時代の流れを踏まえ、見直すべき点があれば改善したい」としている。(京都新聞)
■市バス乗客負傷 管理者ら5人処分
 京都市の市バスが乗客をドアにはさんで発車したり、ドアを強引に閉めてけがをさせた問題で、市は18日、経営責任と管理監督責任を問い、交通局の下薗俊喜公営企業管理者(局長)ら幹部五人に、厳重訓戒と夏期期末手当の3−1割減額の処分を行った。
 処分を受けたのは、下薗管理者のほか、江草哲史管理本部長、菅沼光年自動車本部長、自動車本部業務技術部長と同営業部長。全員を厳重訓戒とし、管理者は夏期期末手当を3割、本部長2人は同2割、部長2人は同1割をそれぞれカットする。
 交通局によると、管理者の期末手当3割減額は、市バスの乗客34人が重軽傷を負った89年8月の右京区内でのJR山陰線踏切事故以来という。
・運転手も1週間停職
 京都市交通局は18日、今月2日に左京区で乗車しようとした女性客の手首をドアではさんだまま発車し、約40b引きずってけがをさせた市バス運転手(47)を、同日から1週間の停職処分とした。
 10日に市バスのドアを強引に閉めて、降車中の女性客にけがをさせた事故は、「調査中」として処分を持ち越した。(京都新聞)
■窓 事故続きの市バス マナー向上に全力を
・期待はずれた改善への努力 南区・林 由香(主婦・34)
 連日の市バス事故の記事を読んで「やっぱり…」と思われた方は多いのではないだろうか。配慮ある運転手もいるが、それほど乗客無視を繰り返す者は目についている。
 昨年1月、私は市バス乗車拒否について投稿し、掲載していただいた。市バスの苦情に対して新聞紙上で回答はされているが、本当に改善されているのかと訴えた。紙上に再び回答が載り、加えて担当の方が自宅へ来られ「乗車拒否ではなく、うっかリミスであった」「現在、指導を徹底、改善中である」と応じられた。医師や看護婦は、うっかりミスでは通らないという思いはあったが、改善への努力を期待した。だが、現実は乗客を傷つけるところまできてしまった。2年前からのモラル向上努力は残念ながらすべて徒労であったと評価されてもやむを得まい。努力の方向が間違っていたか、程度が足りなかったのだ。
 大きな出来事の前には小さな合図が繰り返されるものだ。その合図を市バス当局は見逃し続けた。死者が出るまでいかなくては、何が起こっているのか分からないのだろうか。
・講じた対応策どうなってる 南区・小原 弘至(市非常勤職員・76)
 マナーの悪い事故が相次いでいる京都市の市バス。いつも、その度ごとに服務の厳正とモラルの向上、乗務員の指導研修など対応策が講じられるようだ。一体どうなっているのかと尋ねたくなる。
 交通局の内情というのは確かにひどい。よく、立てばパチンコ、座ればマージャンなどといわれる。それくらい毒されているということだ。もちろん乗務員の95%以上はまじめだろう。しかし、わずかだろうが、中にとんでもない従業員がいて、それが悪影響を及ぼしていると思われる。京都市には市バスや地下鉄が走っている。この交通局の赤字は100億円を超えるそうだ。
 市は路線を減らし、そこで人間が余ってくるから配置転換をしなければならない。しかし労務事情からスムーズに配転ができないまま、仕事のない職員を多数かかえているのではないだろうか。民間会社でこんなことをしていた日には、たちまち会社自体がつぶれてしまう。それに、やはり幹部職員自らが防止策を検討して市民の信頼回復と運転マナーの向上に全力を尽くしてほしい。同じ公務員として切に望む。
・無理なダイヤが事故もたらす 福岡県・末次 賢治(通訳・30)
 先ごろ、京都市バスで、運転手が強引にドアを閉めたため、降車しようとした女性客の足がドアに挟まれる事故があった。また、この事故の少し前にも乗車しようとした客の手がドアに挟まったまま、ひきずるという事故も起きている。バス運転の基本である乗客への気配り、安全確保ができていない。
 思えば、京都市バスは運転が荒いほうで、客への留意も粗雑な面が感じられる。学生時代に住んでいた京都での悪い印象の一つだ。郷里の福岡の地元バスと比較すると、このことがよく分かる。
 先のような事故の原因は、市バスが、いつも時間どおりに来ていないことにあると思う。私の印象では、市バスは大体、時間どおりでない。2、3分遅れならまだしも、平均10分以上の遅れが多い。ゆえに、運転手も気持ちがあせるのではなかろうか。それが乗降客への気配り不足になると考える。今後のためにもバスダイヤの見直しと、バス運行をスムーズにする交通状況の見直しが急務である。
・適切な扉開閉 運転手の”仕事” 左京区・鹿島 義夫(無職・62)
 先日の和久峻三夫人の京都市バス事故では、新聞を読んでいささか頭にきた。事故そのものも論外であるが、交通局幹部のおわびの言葉にひっかかった。「お客さまへの思いやりが欠けていた」とは、どういうことなのだろうか。
 京都市バスでは、扉の開け閉めは、乗務員の当然の仕事としてではなく、思いやりという、あいまいなものでされていることになる。厳然とした仕事としてではなく、ばく然とした思いやりでバスを走らせ、乗客を乗り降りさせているならば、事故の頻発もむべなるかなと思った。
 それにしても左折・右折時に横断歩道で一時停止しない車。老人や子供をベルでけちらして、わがもの顔に歩道を走る自転車。並んで待つ人を意に介せず、さっさと横から先頭に割り込むバス待ちの人。
 京都の町の交通マナーの悪さが、市バスの乗務員の方々をきっとイライラさせているに違いない。幹部はいざ知らず、第一線の方々は思いやりなどといったあいまいな気持ちではなく、当然の仕事としてバスを運行されていると信じたい。
・批判する前にわが身を正せ 中京区・竹内 大雄(高校生・17)
 ここ数日間の報道で、相次いで市バスの不祥事が報告されていた。ほとんど1日に1件の割合で何らかの事故を起こしているという。この欄でも運転手に対する苦情を拝見しており、乱暴な運転、接客態度など、僕も不快な思いをさせられたことは数多くある。しかし、扉に乗客を挟んだまま走るなどという事故は論外として、すべてのケースで市バスだけが一方的に責められるのは少しおかしいような気もする。
 停留所の前に平然と駐車違反。バスレーンもどこ吹く風で進路防害も当たり前。こんな中を走らされ、市バスの運転手はダイヤも気にしなければならず、運転や接客が乱暴になったり、安全確認に落ち度ができたりすることもあるだろう。数年前、広島で(広島では市電が活躍していて、メーンストリート上でも悠々と走っている)見たものは、たとえ道路が渋滞していても線路内は走行しないという、公共交通を優先するドライバーのモラルの高さであった。京都でも一人ひとりが交通マナーを守り、少しでもバスが走りやすいよう、まずは協力すべきではないだろうか。交通マナーも守れないような市民に、とやかく言う権利があるとは思えない。もちろん、市バスに問題がないわけではないが。(京都新聞)
■事業団、地元に譲歩案を提示 JR梅田貨物駅移転計画
 国鉄清算事業団は18日、JR大阪駅北側の梅田貨物駅(約20f)の移転計画について、大阪府、吹田市、摂津市と会談し、吹田操車場跡地(吹田市、摂津市)にすべてを移すとしてきたこれまでの案を修正し、移転する貨物の機能を約半分にする譲歩案を提示した。
 同駅の移転計画をめぐっては、事業団が1987年の発足以来、地元と協議を進めてきたが、吹田市などが反対してきた。事業団は、この10年を節目とみて、今回の修正案で、地元の了解が得られしだい、残る約半分を他の大阪市内にある貨物駅に移す方向で、大阪市、JR貨物などと協議し、1兆円規模の用地売却にめどをつけたい考えだが、曲折も予想される。
 梅田貨物駅は、すでに売却された東京の汐留貨物駅跡地や品川駅東口などと並ぶ超一等地の大規模物件とされるが、移転先の吹田市などがトラックの排ガス・騒音問題などから反対、暗礁に乗り上げていた。
 今回、提示した修正案は、移転先となる吹田操車場跡地の貨物用地を、JR西日本の旅客線に隣接する南側の約27fとし、地元が開発できる用地を従来の約13fから約22fに積み増した。(朝日新聞)
■京都市バス事故 交通局長ら処分 運転手の完走手当 今後、見直し検討
 京都市バスで今月に入り人身事故が相次いだ問題で京都市は18日、下薗俊喜公営企業管理者(交通局長)の管理監督責任と経営責任を問い、厳重訓戒と夏期期末勤勉手当30%(66万5903円)減額の処分にし、その他の管理職4人と事故を起こした運転手1人にも減給や停職などの処分をした。
 桝本頼兼市長が記者会見して明らかにした。桝本市長は「安全運転の基本にもとる事故を起こした。市バスの安全性に対する市民の信頼を著しく損ない、まことに残念。今後とも実効性のある取り組みを徹底するようさらに強く督励した」と述べた。その他の処分内容は、江草哲史・哲理本部長と菅沼光年・自動車本部長に厳重訓戒・夏期期末手当20%減額▽山本義夫・自動車本部業務技術部長と平田嘉輝・自動車本部営業部長に厳重訓戒・夏期期末手当10%減額▽女性客にろっ骨を折るけがをさせた運転手(47)に停職7日間。
 また、京都市交通局はこれまで、市バスの運転手が通常業務をこなすと1日あたり250円支給される通称「完走手当」を、人身事故を起こした運転手に対しても支給してきたが、今後は事故発生日はたとえ業務をすべてこなしても手当の対象から外すなどの措置を検討していることを明らかにした。(朝日新聞)
■梅田−姫路間 私鉄も乗り換えいりません 山陽・阪神 直通特急新設へ
 兵庫県内で相互乗り入れしている阪神、阪急、山陽の電鉄3社は18日、阪神梅田−山陽姫路間の直通特急を新設するなど、この冬から乗り入れ区間を大幅に変更すると発表した。大阪と姫路方面を結ぶ直通列車はJR西日本の新快速と快速だけで、電鉄3社は途中で他社の車両に乗り換えなければならなかった。阪神大震災などを契機にJRに奪われた旅客を取り戻したいとしている。
 阪神、阪急の列車は現在、神戸高速鉄道路線を経由して山陽電鉄の須磨浦公園駅まで乗り入れている。山陽は逆に、阪神の大石駅、阪急の六甲駅まで列車を運行している。
 今回の見直しは、@阪神と山陽が乗り入れ区間を延長し、それぞれ山陽姫路、阪神梅田まで直通特急を走らせるA阪急は乗り入れ区間を新開地駅までに短縮、山陽も阪急三宮駅までとし、接続を簡素化する−の2点。阪急は乗り入れ区間の短縮で、一部6両編成だった神戸本線の列車をすべて8両編成にする。
 阪神と山陽の直通特急(6両編成)は1時間当かり双方向2本が運行し、朝夕のラッシュ時にはさらに増発する。乗り換えがなくなったことで、阪神梅田−山陽姫路間の所要時間は最速87分と、数分の短縮になるという。実施は遅くても来年早々の予定。
 3社の相互乗り入れが始まった1968年以来、区間の大幅変更は初めて。平走するJR西日本の新快速や快速に乗り換える人が多かった山陽電鉄は「これで旅客の3割増が見込める」と期待している。(朝日新聞)
■渋滞・排ガス 減量作戦 世界の都市で観光地で 発想変えて あの手この手(抜粋)
・乗り換え促す郊外駐車場
金沢
 城下町の面影を残す金沢市中心部から南に約6`。隣の石川郡野々市町の大型スーパー駐車場入り口に、「K・Park」と書かれた立て看板がある。朝、ここで乗用車を降りた人たちは、歩いて約3分の所にあるバス停留所でバスに乗り、金沢市内に向かう。
 このパーク・アンド・ライド(P&R)方式は昨年11月から始まった。都心への車の流入を抑え、地球環境にも配慮した社会へ一歩踏み出そうとする試みだ。
 売り物の一つが費用の節約だ。マイカー通勤の場合、市中心部の駐車場代を月1万2000円とすれば、往復の燃料費3000円を加えて計1万5000円になる。一方、K・Parkでは、利用者はスーパーの商品券を5000円分買って駐車場の権利を確保する。往復のバス代は月1万1600円だから、このバス代と、マイカー通勤用との差額3400円がお得という計算だ。
 K・Parkは野々市町内に2ヵ所あり、計90台が駐車できる。
 しかし、利用者の反応はいまひとつだ。バスは専用レーンを走るものの、時間の節約に結びついていないのが理由らしい。最近の調査では、出勤時の所要時間は、利用前の平均56分に対し、利用後は平均58分だった。
 金沢市は、1988年から5月の連休中、北陸自動車道の金沢西と金沢東南インター近くにある公共施設の駐車場約1300台分を開放、名勝「兼六園」のある市中心部にシャトルバスを走らせる観光客向けのP&Rを展開し、中心部の渋滞緩和に成功している。しかし、通勤者向けのP&Rは、市中心部に入る車が1000台は減らないと混雑緩和の効果は表れない、との予測もあり、市民に浸透するところまでいっていない。今年度はとりあえず、野々市町のP&Rを150台分に増やす計画だ。
 木村実・市交通対策課長は「環境にやさしい、と訴えても、利用者にメリットがないと普及しない」と話す。
鎌倉
 休日のたびに、神奈川県鎌倉市の市民は、激しい渋滞に悩まされる。古都の観光名所に、観光客の車が集中するからだ。
 観光客に郊外の駐車場でマイカーから電車に乗り換えてもらおうと、市は昨年11月23、24の両日、「パークアンドライド交通実験」をした。
 市中心部と江の島の間にある七里ケ浜の民間駐車場(433台分)を無償で借り、駐車した人からは協力金として1000円を支払ってもらう代わりに、江ノ島電鉄の自由乗降1日券(1人570円)を渡した。2日間で737台、1811人が利用した。
 市交通政策課は「車抑制とともにCO2の削減が期待できる」と前向き。今後は駐車場の確保などについて、検討が必要という。
 鎌倉市が昨年作った環境基本計画では、2005年までに1人当たりのCO2排出量を、92年に比べて20%削減する目標を掲げている。車については、市民にもマイカーの使用を控えることを求めたり、市役所も水曜日をノーカーデーにして公用車の利用を控えたりしている。
 鎌倉地域交通計画研究会は、混雑時に有料道路のように料金を徴収して、バスや電車などの公共交通への乗り換えを促す、新しいシステムの研究もしている。
・路面電車が復活 ストラスブール
 約43万人が暮らすフランス東部、アルザス地方の中心都市ストラスブールは、増える車の抑制策として2年半前、路面電車を復活させた。利用客は予想を上回り、さらに21世紀初頭を目標に新線の建設を目指している。復活した路面電車は中心部を貫き、南北の新興住宅地約10`を約30分で結ぶ。
 5月中旬の週末。流線型の車体が、中心広場近くのプラス・ド・ロム・ド・フェー停留所に静かに滑り込んできた。大きなドアは車いすなどへの配慮。ホームと電車に段差もない。
 郊外から夫婦で買い物にやって来た会社員(36)は「渋滞がないから気に入っている。通勤でも使っているから、運転する機会が減ったよ」と話す。「数分おきに来るから、大変便利。時々、ちょっと読書するのにも電車に乗ったりするわ」と話す主婦もいる。運賃は7フラン(約140円)。バスとの共通乗車券で、1時間以内なら何回でも乗り降り可能だ。
 8年前、中心部を通過する車は1日24万台に達した。ロラン・リス市長は「深刻な渋滞と大気汚染で、街は耐えられなくなっていた」と振り返る。
 市が打ち出した車の抑制策は、中心部に駐車場を増やさない▽車が中心部を通り抜けできないよう交通規制する▽公共交通機関を充実させる−だった。そして、総工費19億4000万フラン(約388億円)と、地下鉄の約3分の1ですむ路面電車の建設を決めた。34年ぶりの復活だった。
 現在、1日の乗降客は当初見込みを2割余り上回る6万8000人。車の流入は2割余り減った。
 リス市長は「車に乗るのが当たり前という常識を変えなければ、市民が出会い、交流するという街本来の機能を取り戻すことができない。街を大気汚染に苦しむロサンゼルスのようにしたくない」という。(朝日新聞)
■新会長に吉野氏 JR連合
 静岡県熱海市で開かれていたJR連合(8万3000人)の定期大会は2日目の19日、今年度運動方針などを決めて閉会した。役員改選では、出井勝彰・前会長が退任し、新会長に葛野(かどの)和明氏(JR西日本労組副委員長)、事務局長に明石洋一氏(再、JR東海ユニオン)らを選んだ。(朝日新聞 夕刊)
20日■窓 京都駅開業に思う
・主役は利用者 忘れないで 西京区・前田 正志(染色家・45)
 先日、何年かぶりで京都駅正面(七条側)に行く用事があり、新しい駅ビルを間近に見てきました。なにか立派過ぎて、私たち京都の一般市民にとって遠い存在のように感じました。何か、このビルが一般国民、一般市民のためのものではなく、JR西日本という一企業の持ち物のように感じたのです。
 そもそも、JR西日本という企業は、旧国鉄から、巨大な赤字を国鉄清算事業団に置いてきて、いいとこだけを受け継いだ企業です。つまり、旧国鉄の物、国民の物をそっくり頂いて大きくなった企業です。その結果できた新京都駅は、決して一企業の物であってはなりません。例えば、お年寄りが一日中憩える場所であってほしいのです。もちろん旅行者の駅、通勤者の駅であることは言うまでもありません。
 この新京都駅の主役は、一企業のJR西日本ではなく、一般市民、一般府民、ひいては一般国民であるということを忘れないでほしいのです。この新京都駅を、あの東京駅や大阪駅のようにしてほしくないのです。JR各社は、その企業発足当時の特殊事情を決して忘れることなく、駅の主人公は、一般国民であるということを肝に命じてほしいのです。駅開業まであと少し。外見だけ立派な京都駅になるのか。それとも、内も外も立派な京都駅になるのか、楽しみな数ヵ月です。
・味気ない高層ビルは寂しい 橿原市・原田ひとみ(主婦・48)
 私の子供のころなら、いざ知らず、奈良から京都までの車窓には、久しくお目にかからなかった麦畑が点在しています。しかも、田植えをした水田と、収穫前の茶色の麦畑ですから、色合いもくっきり。きれいです。
 でも麦畑が増えたのは、なぜなのでしょう。夫とあれこれ当て推量。結局は、はやりの缶入り麦茶との関係かもしれないと言いながら、京都駅へ。そして、完成間近の駅舎のそばを通ると、のんびり歩いていられない慌ただしさ。京都へのイメージは一変してしまう。何か複雑な気持ちにさせる建築物。まるで関空に迷い込んでしまったかのような天井の高さ。しかも、駅周辺にも、ビル建築があちこちで進行しています。
 私は、景観論争にも無関心な一人です。でも、心安らぐ山や古い町並みが、視界から消え去ってしまう高層ビルは、いまいましい気持ちしか起こりません。ほかの新幹線都市と何一つ変わらなくなってしまった味気ない駅舎。寂しく感じました。(京都新聞)
■ポスターでプール人気回復を 4電鉄会社、きょう掲示
 ○…近鉄、京阪、阪神、南海の各電鉄会社は、病原性大腸菌O157の影響で昨夏、客足の落ちたプールの人気を回復しようと、20日からプールの安全性を訴えるポスター2000枚を、沿線の各駅などに掲示する。
 ○…咋シーズン、4社とその関連会社か沿線で経営する8つのプールの入場者数は、通年営業の1施設を除き、いずれも前年を大きく下回り、中には例年の3分の1にまで落ち込んだところもあった。そこで、来月中旬ごろの営業開始に先立ち、各社共同でプールの安全性を利用者に理解してもらうことにした。
 ○…ポスターは、「プールの努力」をキャッチフレーズに、「徴底した水質管理と衝生管理に努めています」と訴えており、4社の広報担当者は「これで今年のプールの人出は例年並みに戻る」と話している。ただ、関西の大手私鉄の中ではただ1社、ポスターへの参加を見送った阪急電鉄は「安全性の確保には十分、配慮している。あえて強調しなくてもよいのでは」としている。(京都新聞)
■時代を映す忘れ物 携帯電話”置き去り”激増 JR西日本「たまごっち」も飼い捨て
 JR西日本は19日、1996年度の電車や駅での忘れ物状況をまとめた。持ち主にせっかく連絡しても受け取りに来ないまま”置き去り”になった携帯電話が激増。いまだに入手困難な携帯用電子ゲーム機「たまごっち」も忘れ物として初登場していることが分かった。
 忘れ物は全体で、95年度より1%増の約46万1000件。現金も3%増の約9億2800万円に達している。例年通り、最も多かったのは傘で、約14万5000本と全体の3割以上を占めた。
 忘れ物の中で急に増えたのは携帯電話で、前年度の3倍近い7877台。そのほかポケットベルや電子手帳、パソコン、ワープロなどの電子機器や、流行のリュックサックなどが増えたのも特徴。「たまごっち」も3個が忘れ去られた。
 携帯電話の場合、電話番号や製造番号を基に、ほとんどすべての持ち主が分かるのが普通。前年度までは約8割の持ち主が受け取りに来たが、今回は4割足らずの人しか現れなかった。
 同社は「安売じが増えて、使い捨て感覚の人が多くなったからではないか」と嘆いている。(京都新聞)
■もしもし 忘れ物ですよ 携帯電話 激増7877台 引き取りわずか4割 JR西日本 96 年度まとめ
 携帯電話機の忘れ物が、JR西日本の駅や列車内で激増している。同社が19日発表した1996年度の忘れ物状況によると、拾得物として届けられた携帯電話機は7877台と、前年度の2.7倍に膨らんだ。持ち主に連絡しても引き取られたのはわずか4割足らずで、同社の担当者は「本体価格ゼロといった安売り競争が影響しているのでしょうか」と驚いている。
 携帯電話機を忘れる場所は列車内が一番多く、88%を占めた。次いで駅のホーム、待合室の順。乗務員や乗客が見つけて駅などに届けられると、電話番号から、加入電話会社で所有者を調べて連絡するが、引き取りにきたのは7877台中3141台だけだった。
 忘れ物の台数は94年度が981台、95年度2901台と急増してきたが、持ち主が受け取りにくる率は94年度の77%、95年度の82%から一気に39%台に落ち込んだ。引き取られない電話機はほかの物品同様、約6ヵ月間保管された後、古物商に売却処分されるという。
 JR西日本での96年度の忘れ物全体の件数は46万1000件で、過去10年間では3番目の多さ。「たまごっち」が初登場(3件)した。(朝日新聞)
■都市交通考えよう 京都交通労組があすフォーラム
 気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)を12月に控え、京都市交通局の職員でつくる京都交通労働組合(約2480人、政勝男執行委員長)は21日午後1時、左京区岡崎の京都会館で「COP3と京都の都市交通を考える市民フォーラム」を開く。公共交通に詳しい岡並木・武威野女子大教授(比較都市論)が、海外の先進例を引き合いに出しながら「京都市民の足」について講演し、会場からの意見も募る。
 問い合わせは同労組内の運営事務局(075・841・0948)。(朝日新聞)
■京都市バスの運転手書類送検 女性客ひきずり事故
 京都市左京区で今月2日、市バスに乗ろうとした女性客がドアに挟まれたまま約40b引きずられた事故で、下鴨署は20日、業務上過失傷害の疑いで、市バスの矢沢敏男運転手(47)を書類送検した。
 調べでは、矢沢運転手は2日午後4時50分ごろ、左京区川端通今出川上ルのバス停で、市バスに乗ろうとした女性(25)の左腕をドアに挟み、約40b引きずりながら走行して、女性の胸や足などに2−3週間のけがをさせた疑い。
 調べに対し、矢沢運転手は「ドアを閉めた後の安全確認を怠った」と容疑を認めている、という。(京都新聞 夕刊)
■京都市バス運転手 区検に書類送検 乗客にけが負わす
 京都市交通局の市バスが今月2日、同市左京区のバス停から乗車しようとした女性の腕を後部ドアに挟んだまま走り、けがを負わせた事故で、下鴨署は20日、市バス運転手(47)を業務上過失傷害の疑いで京都区検に書顛送検した。(朝日新聞 夕刊)
21日■京阪神直通など180本 KTR夏の臨時列車
 北近畿タンゴ鉄道(KTR=事業本部・宮津市)は20日、夏の海水浴、盆シーズン(7月18日−8月17日)の臨時列車の運行計画を発表した。京阪神からの海水浴客をターゲットにした臨時列車を上下180本運行するほか、海水浴場の最寄りの駅に特急を臨時停車させる。
 直通の特急は、京都−網野間(西舞鶴経由)に「マリンタンゴ・エクスプローラー」(上りは豊岡発)を、新大阪−久美浜間(宮福線経由)には「マリンタンゴディスカバリー」を7月19日から8月10日まで、それぞれ1日1往復させるほか、8月11日−18日のお盆期間にも、京都−天橋立・網野間や新大阪−久美浜間に特急列車を上下合わせて1日5本から7本運行。
 昨年毎日運行していた京都−天橋立間の快速は、土曜、休日だけ「天橋立ホリデー」として走らせる。
 また、海水浴場の最寄り駅にあたる丹後神崎駅には上下合わせ4本、丹後由良駅に2本、木津温泉駅に10本、丹後神野駅に5本の特急列車が、期間中臨時停車して利用客の便宜を図る。(京都新聞)
■手作りの偽造定期は計5点 元会社員を書類送検
 色鉛筆やコピー用紙などでJRの通勤定期券を偽造し、約3ヵ月間、東海道線の無賃乗車を繰り返していたとして、滋賀県警鉄道警察隊と八日市署は20日、滋賀県神崎郡能登川町の元会社員(56)を有価証券偽造・同行使、詐欺の疑いで書類送検した。
 調べでは、元会社員は大阪市内への通勤のため、能登川−大阪駅間の定期代をうかそうと、コピー用紙に色鉛筆やカラーペンで駅名や有効期間などを書き込み、さらにカラーコピーで本物に似せるなどして、6ヵ月の通勤定期券(21万8650円)などを偽造。昨年11月から約3ヵ月間余り、無賃乗車を繰り返していた疑い。
 調べでは、元会社員はJRの6ヵ月定期や3ヵ月定期4点のほか、大阪市営地下鉄の通勤定期券1点も偽造。能登川駅には自動改札機がなく、ラッシュ時の乗客の集中する改札口を狙って、定期券を指で隠すようにして通過していたという。
 元会社員は無賃乗車した分の3倍の賠償金(約130万円)をJR西日本に支払っているという。(京都新聞)
■紅葉くっきり 展望電車登場 10月から 叡山電鉄
 叡山電鉄(京都市左京区)は10月1日をめどに、天井の一部までガラス張りになった展望電車を走らせる。窓に面した座席も設けており、乗客は開放感あふれる車内で沿線の風景を楽しむことができる。
 展望電車は、2両連結。窓を大きく取ったうえ、窓の上部に続く斜めの天井部分もガラス張りにしている。1人掛け、2人掛けの席が計29席あり、2人掛けの計8席は窓に向かって座るようになっている。
 市原駅−鞍馬駅沿線の名物となっている紅葉にちなみ、車体は赤を基調にした。叡山本線と鞍馬線を1日7−8往復走らせる予定。(京都新聞)
■京都市バス 組合幹部運転せず 労使合意 増える時間外手当
 京都市交通局で、市バス運転手が組合幹部になると運転業務を離れて特別の勤務につく労使合意があることが20日、分かった。しかし、運転手が不足する朝のラッシュ時には、恒常的に時間外手当を受けて運転する変則的な勤務体制を続けている。
 市交通労働組合は同局の管理職以外の約2500人全員が加入しており、特別の勤務に就いているのは、9ヵ所の市バス営業所ごとにいる支部長ら。
 同局によると、支部長は、ダイヤによって勤務時間が変動する運転手勤務から離れて、事務職と同じ午前8時半から午後5時15分まで勤務。臨時便などの運転は行うが、原則として職員の福利厚生や事故処理などにあたっている。
 しかし、朝のラッシュ時に運転手が不足するため、19年前に早朝に乗務することに改め、現在は毎日約2時間半運転。始業時間が固定されているため、1人1日平均約1時間の時間外手当を受けている。
 同局では「特別扱いはおかしいという指摘もあり、組合と改善を協議している」と話している。(京都新聞)
■JR山陰本線・嵐山駅 信号故障で立ち往生
 20日午前11時50分ごろ、京都市右京区嵯俄車道町のJR山陰本線嵯峨嵐山駅で、京都発亀岡行きの普通電車が、場内の信号機が赤のまま変わらないため停車した。約1時間後に信号機は正常に戻ったが、この間、普通電車が立ち往生し、上下6本の後続列車が運休したほか、13本が6分から約1時間の遅れ、約3800人の乗客に影響が出た。JR西日本では、信号機器内の部品が故障していたのが原因としている。(京都新聞)
■強風で湖西線に乱れ
 20日正午過ぎ、滋賀県滋賀郡志賀町のJR湖西線で、台風7号の接近に伴って2ヵ所の風速計が25b以上を記録したため、大阪発金沢行き下り特急「雷鳥25号」などが30`の徐行運転を行い、特急、快速、普通電車の上下線計30本が最高8分遅れ、約5000人の足が乱れた。(京都新聞)
■JR東日本株 二次売却は野村を外す 清算事業団
 国鉄清算事業団は20日、今年度中にも行われるJR東日本株の二次売却の主幹事証券を決める作業に入った。国内外の総合証券50社に対して説明を始めたが、野村証券は「刑事処分、行政処分が予想されるため」(株式対策室)、対象からはずした。各社の実績や具体的な売却方法についての提案を審査したうえで、7月中旬までに選定する。(朝日新聞)
■Q急究 インサイドニュース 近づく駅ビル開業 新商業圏誕生へ 京のデパート迎撃態勢 食品やめ女性衣料強化 地元の商店街を味方に
 景観論争を巻き起こしたJR京都駅ビル(京都市)の開業まで1ヵ月を切り、古都のデパートやホテル、商店街が防衛・対折手段を急いでいる。駅ビルは、国鉄民営化から10年を迎えたJR西日本グループが威信をかけた大プロジェクトで、デパートや劇場など商業施設が集積する。最大の繁華街・四条河原町には「客が奪われる」と警戒感がひろがり、デパートがファッションフロアを増やしたり、商店街がカードを使った共通サービスに乗り出したりするなど生き残りに懸命だ。商圏の二極分化も予想され、古都のサービス産業は本格的な競争時代を迎えた。(京都支局・冨田 悦央)
・売り場は4倍
 高さ約60b、東西約470bの駅ビルは、街を南北に分断する「壁」のように見える。
 「夏の風物詩の五山送り火もすべて視界に入ります」
 原和安・京都駅ビル開発社長は、ガラス張りの中央コンコースにある空中経路(廊下)や屋上からの眺望を売り込む。駅の乗降客を除く年間の入場者は約3000万人を見込んでいる。
 駅ビルの核店舗になるJR京都伊勢丹は9月に開業する。ビル西側の地下2階−11階に入り、1−5階を婦人服や婦人雑貨を中心にした売り場にする計画だ。初年度の売り上げ目標は320億円。小西寿総務部マネージャーは「京都だけでなく広い地域から集客したい」と話す。
 「食料品売り場を廃止し、ファッション専門の店づくりに徹したい」
 5月23日、大阪市内であった阪急百貨店の決算発表で、野田宏専務は「四条河原町阪急」が食料品から撤退することを明らかにした。JR京都伊勢丹が開業するまでに、地下1階の食料品売り場をファッションフロアに改装する。工事に約11億円かける。
 京都駅ビルで関西初進出を実現する伊勢丹は首都圏で「若い女性向けファッションに強い」と評価される。同じように女性ファッションをセールスポイントにしてきた阪急にとっては、強力なライバルの出現になる。
 阪急の店舗面積は約8700平方b。これに対し、伊勢丹は約3万2000平方bで、阪急の4倍近い。
 総合的な百貨店では太刀打ちできないー。特徴がよく似た大型店との競争で埋没しかねないという危機感が、「百貨店」の看板へのこだわりを捨てさせた。
・新設のポスト
 京都の商業機能は、これまで四条河原町の「一極集中」だった。しかし、駅ビルの開業後は、京都駅前と四条河原町の「二極構造」に変わりそうな気配だ。その変化を見越して、新たな動きも出ている。
 四条河原町交差点にある京都高島屋(約4万6000平方b)は今春、地元の商店街などと連携し、地域ぐるみで京都駅前に対折する戦略を練る「営業統括担当」を設けた。その新ポストに就いた企画宣伝部の中治彦次長は「人の流れがどう変わるか読み切れないが、エリア間競争が激しくなるのは間違いない」とみる。
 また、藤井大丸(約1万6000平方b)は、地元の商店街などが始めたクレジットカードの共通システムに参加することを決めた。特典や特別サービスを受けられる共通のポイントカードも導入し、大型店と商店街が一体になった販売促進活動をする計画だ。
・ホテルも激戦
 一方、駅ビルにホテルグランヴィア京都(539室)が開業することで、周辺のホテルも迎え撃つ準備を進めている。
 駅のすぐ南側にある新・都ホテル(714室)は、開業以来22年ぶりに本格的に改装。白い大理石をふんだんに使った明るいロビーにするなどイメージチェンジを目指した。駅西側のリーガロイヤルホテル京都(498室、旧京都グランドホテル)も、ロビーやスイートルームの改装を済ませた。ともに「駅からの近さでは、グランヴィアに勝てない」とし、改装などで競争力を維持しようとしている。
・購買力は低迷 地域に不便も
 岡田知弘・京都大大学院経済学研究科教授(地域産業論)の話 京都駅ビルの開業で消費者の選択の幅は拡大するが、京都全体の購買力は低迷していて、パイの奪い合いになるのではないか。百貨店などの競争は激化し、地域の商店街がそのあおりを受ける。商店街の空き店舗が増えることになり、高齢者など地域の消費者にとっては、逆に不便になる可能性もある。
・JR京都駅ビル 地上16階、地下3階建て、延べ床面積は約23万8000平方bで、国内最大級の駅ビル。総工費は約1500億円。駅施設が7月12日に先行開業し、8月9日にミュージカル劇場、9月11日に残る百貨店やホテルなどがオープンする。当初は平安建都1200年の1994年完成を目指したが、計画段階から約60bの高さやデザインをめぐり景観論争を巻き起こし、93年12月に着工した。(朝日新聞)
24日■名古屋官庁街など一時停電 地下鉄もストップ
 23日午後2時ごろ、名古屋市中心部の中区と東区で数分間にわたり停電が起き、愛知県庁、同県警本部、名古屋市役所などの官公庁や企業本店を含む約4万7000戸に影響した。
 名古屋市営地下鉄東山線藤ケ丘−栄間で信号機が停止、電車計12本が約7分間停車したが、混乱はなかった。(京都新聞)
■座席に向かう途中発進 市バス内で転倒けが 京都
 23日午前9時半ごろ、左京区丸太町通川端東入ル東丸太町の停留所を出発したばかりの京都市バス内で、近くの無職の女性(76)が転倒し、左ひじを打撲する軽傷を負った。
 川端署の調べでは、女性は後部入り口から乗り込み、車内前部の座席に座ろうとして移動中に、バスが発進したため足を滑らせたという。同署は業務上過失傷害の疑いで運転手(47)から事情を聴く方針。
 京都市バスは今年4月以降、これまでに人身事故を含む計6件の事故を起こしている。京都市交通局によると、昨年度に市バスが起こした人身事故は126件で、うち半数以上の66件が車内転倒事故だったという。市交通局は「車内事故の撲滅を通年目標にしており、さらに注意を呼びかけていきたい」としている。(朝日新聞)
■修学旅行生恐喝される 近鉄東寺駅6人が2人組に
 京都市南区の近鉄東寺駅下りホームで22日午後、修学旅行中の神奈川県藤沢市の市立中学の男子生徒6人が、2人組の男に言いがかりをつけられ、一人が足をけられたうえ「金出したら許したる」と脅されていたことが24日、警察への届けで分かった。うち5人は1人2−3000円ずつ計1万1000円を脅し取られていた。
 九条署の調べでは、2人組はいずれも18歳くらい。1人は身長約180aで茶髪に赤色の半そでシャツ姿、もう1人は身長約170a、長髪で左耳にピアスをしていた、という。
 同中学は22日から奈良、京都方面に修学旅行に来ていた。事件の当日は班別行動で、6人は東寺を見学した後、旅館に戻るために電車を待っていた。(京都新聞 夕刊)
25日■JR東海 10月上旬上場へ 30日に4取引所に申請
 JR東海の葛西敬之社長は24日記者会見し、30日に東京、名古屋、大阪、京都の4証券取引所に株式の上場を正式に申請すると発表した。JR株の上場は1993年10月のJR東日本、昨年10月のJR西日本に次いで3社目。本州の旧国鉄の旅客鉄道会社すべてが上場することになる。
 葛西社長は「本日の株主総会後の取締役会で決定した。スケジュール的にはJR西日本と同様の進め方で、今年10月上旬ごろ上場できると考えている」と話した。
 同社の発行済み株式224万株は国鉄清算事業団が全株保有しており、今後は同事業団による入札で売り出し価格が決まる。上場時の売り出し株数は「9月中に詰める」(葛西社長)としているが、すでに上場している2社の例にならって全体の60−70%程度になる見通しだ。
 JR東海は今年3月期決算で663億円の経常利益を計上し、上場基準の448億円を上回った。葛西社長は「株主が(国鉄清算事業団理事長)一人の株主総会は今回で最後。上場を果たした来年は一般企業と同じような形になるので、気を引き締めて取り組みたい」と語った。(京都新聞)
■環状線が一時運休 新今宮駅で女性はねる
 24日午後5時14分ごろ、大阪市浪速区恵美須西のJR環状線新今宮駅で、到着した電車が女性をはね、女性は即死した。
 西成署の調べでは、女性は同市西成区の主婦(39)。精神病院に通院しており、同署は自殺とみて調べている。
 JR西日本によると、運転士がホームから線路に入る女性を発見、非常ブレーキをかけたが間に合わなかったという。
 同線は、午後6時の運転再開までに外回り、内回り合わせて18本が運休したほか、外回り8本が最大46分遅れ、帰宅ラッシュ時の約3万人の足が乱れた。(京都新聞)
■ご難相次ぐ修学旅行生
 修学旅行で京都を訪れる中学生や高校生の姿が町をにぎわせている。そんななかの24日、修学旅行生が被害者の交通事故が発生したり、金を脅し取られたりしていたことが、相次いで明らかになった。
・バイク突っ込み5人けが 北区
 24日正午ごろ、北区衣笠馬場町の市道で、同区の大学生(19)運転のバイクが直進中、右折しようとした弥栄自動車(下京区)のタクシー=桑江三天運転手(47)=に接触し、転倒した。バイクははずみで滑走し、歩道を歩いていた埼玉県朝霞市立朝霞第三中学校3年生の生徒たちの列に突っ込んだ。
 西陣署の調べでは、生徒たちは修学旅行中で、一緒に歩いていた5人全員がひじを打つなどのけがをした。
五人は高田慎子さん、間島利倫さん、塔下敬之さん、青木陸典さん、田中里美さん。同署で原因などを調べている。
・現金脅し取られる 近鉄駅ホームで5人
 南区西九条蔵王町の近鉄東寺駅のプラットホームで、22日午後4時50分ごろ、修学旅行中の神奈川県藤沢市の中学3年生6人が、2人組の若い男に言いがかりをつけられ、1人が足をけられ、「金を出したら許してやる」と脅された。6人のうち5人が、計1万1000円を脅し取られた。
 九条署の調べでは、2人組はいずれも18歳ぐらい。一人は身長180aぐらいで、茶髪に赤い半そでシャツを着ていた。もう一人は170aぐらいで、黒い長髪、左耳にピアスをしていた。犯行後は奈良方面行きの電車で逃げたといい、同署で行方を追っている。
 中学生6人は東寺を見学後、宿泊先の旅館に戻るため、電車に乗ろうとしていた。引率教諭に報告し、同署に届け出た。(朝日新聞)
■観光客呼び込め「パノラマカー」 出町柳−鞍馬今秋デビュー 叡山電鉄が新型車導入 窓の高さ天井まで−渓谷美楽しんで
 叡山電鉄(京都市左京区)は、窓の大きな「パノラマカー」(900形)を新しく造り、今秋から出町柳−鞍馬間(12.8`)に走らせる。親会社の京阪電鉄が、同時期に2階建て車両を組み込んだ特急を6編成に増やすのに応じた措置。両社は「新型車で大阪からの洛北観光客を呼び込みたい」と話している。
 新型車は、従来の車両よりひと回り大きく、窓の高さを天井まで伸ばした。また座席の一部は、窓に向けて固定し、鞍馬川の渓谷美など沿線の景色を存分に楽しめるように設計したという。車体の色は、鮮やかな秋の北山の紅葉に合わせてもみじ色とベージュのツートンカラーにした。
 古くなった600形6両の置き換え用で、とりあえず1編成2両を新造する。1日に8往複する予定。
 大阪と京都を結ぶJR西日本、阪急、京阪両電鉄は新型車の投入やダイヤ改正で速度や乗り心地の向上に努めており、叡山電鉄のパノラマカー導入もこの競争の一つ。(読売新聞)
■運賃収入10.3%増だが… KTR9年連続赤字 車両新造が費用押し上げ
 府と兵庫県、沿線市町などで作る第三セクターの北近畿タンゴ鉄道(KTR)は24日、1996年度決算を発表した。経常損益は5億9800万円の赤字。同社の赤字はこれで開業以来9年連続となった。昨年3月に福知山−天橋立間が電化され、大阪や京都からの直通特急が増えたため、長距離利用客による運賃収入が増加した傍ら、特急車両の新造などで減価償却費も増え、営業費用を押し上げたという。
 同社によると、乗客数は95年度より 2.8%減って約287万5600人だった。しかし、運賃収入額は15億2800万円と、10.3%も増えた。
 運賃収入を月別でみると海水浴シーズンの7、8月は病原性大腸菌O157騒ぎ、カニの季節の1−3月はロシアタンカーの重油流出事故と、それぞれ大きな影響を受けて落ち込んだ。一方、4、5月は電化の効果で対前年を30%近くも上回り、これにJR西日本から入る車両使用料などを含めると営業収益は17億2400万円になった。
 反面、特急「タンゴ・ディスカバリー号」を10両製造するなどしたために、減価償却費や人件費、燃料費などを含めた営業費用が23億3600万円に膨れ上がった。この結果、沿線各自沿体からの補助金などを加えても単年度で7200万円の赤字を計上。
 累積赤字も1億7000万円と、前年の9800万円を大きく上回った。26日に京都市内で株主総会を開き報告する。(読売新聞)
■チカン学生はスリ常習犯 財布70個”保管”リュックの女性狙う 警視庁再逮捕
 チカンの現行犯で逮捕された横浜市緑区内の男子私立大生(18)が、若い女性ばかりを狙って満員電車の中でスリを繰り返していたことがわかり、警視庁世田谷署は24日までに、この学生を盗みの疑いで再逮捕した。スリの余罪は約200件とみられ、同署で裏付けを急いでいる。
 再逮捕の容疑は、今月17日午後9時20分ごろ、JR横浜線の町田−淵野辺駅間の電車内で、女子大生(18)が背負ったバッグから3500円と学生証などが入った財布を盗んだ疑い。
 学生は今月18日、東急新玉川線の電車内で、女性会社員(28)の胸などを触り、都迷惑防止条例違反の現行犯で逮捕された。他人名義の身分証明書が入った財布やコインロッカーのかぎを持っていたことから、追及したところ、「高校2年の時からスリを姑め、盗んだ財布は全部コインロッカーに保管していた」と供述。コインロッカーから財布70数個が見つかった。
 リュックサック型かばんを背負った若い女性ばかりを狙って約200件のすりを自供した。(読売新聞)
26日■JR新京都液舞台に 広告の芸術性競う 内外著名14作家 来月12日から
 JR新京都駅の駅施設が開業する7月12日、駅ビル内に国内外の芸術家が手掛けた広告14点が登場する。京都の企業や大学、神社などが駅ビル用に特別に制作を依頼したイメージ広告で、ガラス屋根の下の中央コンコース付近でその芸術性を競う。
 広告は、いずれも商品宣伝ではなく、企業の姿勢やイメージを表現している。生の喜びを人々の姿で表した写真芸術家、ロバート・ロンゴ氏(米国)をはじめ、車中の男女を描いた京都賞受賞者のポップ・アーティスト、ロイ・リキテンスタイン氏(同)、茶を楽しむ人物を墨絵で表現した上田ミユキ氏らの14作品を、フィルムにして内側から照明を当てて見せる。
 大きいものは縦約8b、横約9bもあり、中央コンコースの壁面などに設置する。
 企画した広告会社は「少なくとも3年間は、こうした芸術的な広告を掲げ、京都から世界に情報発信していきたい」と話している。(京都新聞)
■島根県増田で震度5強 M5.9 JR脱線、民家に被害
 25日午後6時50分ごろ、中国地方を中心に九州から近畿にかけての西日本全域で強い地震があり、島根県益田市で震度5強、松江市や出雲市、山口市、山口県萩市、広島県三次市、福岡県久留米市などで震度4を記録した。
 大阪管区気象台の観測によると震源地は山口県北部で、震源の深さは約20`、地震の規模はマグニチュード(M)5.9と推定される。
 山口県警によると、同県阿東町では主婦一人が倒れた家具で頭に軽傷、民家1軒が傾いたほか約30軒で窓ガラスが割れるなどの被害が出た。
 JR西日本によると、午後9時前、広島市のJR可部線安芸亀山−毛木間で、普通列車(1両)が地震による落石に乗り上げ脱線した。乗客7人にけがはなかった。
 山陽新幹線は新岩国−小郡間で地震直後から上下線ともストップしたが、同7時すぎから徐行運転を開始。上下計23本が最高76分遅れ、約6000人に影響した。在来線も山口、島根県内を中心に一時運転を見合わせ、山陰線で特急など48本が遅れ、約2800人に影響するなどダイヤが乱れた。
 中国、山陽自動車道の一部区間が一時速度規制をした。中国地方建設局は災害対策本部を設置したが、中国地方の国道に被害はなかった。
 島根県鹿島町の中国電力・島根原発や愛媛県伊方町の四国電力・伊方原発の運転に影響はなかった。
 また同日午後6時58分ごろから山口県北部などを震源にM4以下の余震が断続的に続き、益田市で震度2−1を観測した。
・震度3以上は次の通り。
 震度5強=益田▽震度4 松江、出雲、島根大東、三次、萩、山口、下関、久留米▽震度3=豊岡、鳥取、鳥取岩美、米子、境港、松江西生馬、浜田、大田、落合、岡山山陽、鴨方、広島千代田、豊平、上下、西城、三原、広島、呉、倉橋、黒瀬、土庄=小豆島、今治、松山、高知、防府、岩国、田布施、宇部、山口豊田、福岡、福岡志摩、北九州、苅田、飯塚、福岡夜須、佐賀、熊本、中津、国東、大分、佐伯、日田(京都新聞)
■島根県増田で震度5強 M5.9 JR脱線、民家に被害
 25日午後6時50分ごろ、中国地方を中心に九州から近畿にかけての西日本全域で強い地震があり、島根県益田市で震度5強、松江市や出雲市、山口市、山口県萩市、広島県三次市、福岡県久留米市などで震度4を記録した。
 大阪管区気象台の観測によると震源地は山口県北部で、震源の深さは約20`、地震の規模はマグニチュード(M)5.9と推定される。
 山口県警によると、同県阿東町では主婦1人が倒れた家具で頭に軽傷、民家1軒が傾いたほか約30軒で窓ガラスが割れるなどの被害が出た。
 JR西日本によると、午後9時前、広島市のJR可部線安芸亀山−毛木間で、普通列車(1両)が地震による落石に乗り上げ脱線した。乗客7人にけがはなかった。
 山陽新幹線は新岩国−小郡間で地震直後から上下線ともストップしたが、同7時すぎから徐行運転を開始。上下計23本が最高76分遅れ、約6000人に影響した。在来線も山口、島根県内を中心に一時運転を見合わせ、山陰線で特急など48本が遅れ、約2800人に影響するなどダイヤが乱れた。
 中国、山陽自動車道の一部区間が一時速度規制をした。中国地方建設局は災害対策本部を設置したが、中国地方の国道に被害はなかった。
 島根県鹿島町の中国電力・島根原発や愛媛県伊方町の四国電力・伊方原発の運転に影響はなかった。
 また同日午後6時58分ごろから山口県北部などを震源にM4以下の余震が断続的に続き、益田市で震度2−1を観測した。
震度3以上は次の通り。
 震度5強=益田▽震度4 松江、出雲、島根大東、三次、萩、山口、下関、久留米▽震度3=豊岡、鳥取、鳥取岩美、米子、境港、松江西生馬、浜田、大田、落合、岡山山陽、鴨方、広島千代田、豊平、上下、西城、三原、広島、呉、倉橋、黒瀬、土庄=小豆島、今治、松山、高知、防府、岩国、田布施、宇部、山口豊田、福岡、福岡志摩、北九州、苅田、飯塚、福岡夜須、佐賀、熊本、中津、国東、大分、佐伯、日田(京都新聞)
■島根・益田で震度5強 西日本広域で揺れ 広島のJR 落石で脱線
 25日午後6時50分ごろ、島根、山口両県など中国地方西部を中心に強い地震があり、九州から東海・北陸にかけた広い範囲で揺れを感じた。島根県益田市で震度5強を観測したほか、松江市、出雲市、広島県三次市、山口市、山口県萩市、下関市、福岡県久留米市で震度4を記録した。大阪管区気象台によると、震源地は山口県北部で、震源の流さは約20`。マグニチュード(M)は5.9と推定される。広島市北部のJR可部線では地震によるとみられる落石で列車が脱線し、山口県阿武郡阿東町でけが人が出るなどの被害があった。午後11時半現在で、益田市で震度1以上の余震が9回観測された。
 気象庁によると、全国で震度5強以上の強い揺れを感じたのは5月13日の鹿児島県北西部の地震以来。
 島根県西部では、1872年(明治5年)に、推定M7.1の「浜田地震」があり、約550人が亡くなったほか、1676年(延宝4年)に今回とほぼ同じ震源で死者7人を記録する地震が起きている。
 気象庁地震火山部は「発生直後の余震の発生状況などをみる限り、特に変わったメカニズムとは思えない。しかし、M6に近い地震の場合、震度4や5弱の余震は珍しくなく、しばらくは警戒が必要だ」と注意を呼びかけている。
 JR西日本広島支社によると、広島市安佐北区可部町勝木のJR可部線安芸亀山−毛木間で25日午後9時ごろ、加計発可部行きの普通列車(1両)が線路上にあった直径1bの落石にぶつかり、脱線した。乗客7人が乗っていたが、けが人はなかったという。
 山陽新幹線などが一時運転を見合わせたり、徐行運転になったりした。中国地方の高速道路はすべて50`に速度制限された。中国管区警察局によると、この地震によって山口県阿武郡阿東町で民家一棟が傾く被害があり、同町内で主婦(58)が倒れてきた食器棚で頭を打ち軽いけがをした。
・各地の震度
 震度5強=島根県益田市▽震度4=松江市、島根県出雲市、大東町、広島県三次市、山口市、山口県萩市、下関市、福岡県久留米市▽震度3=兵庫県豊岡市、鳥取市、鳥取県米子市、境港市、島根県浜田市、大田市、広島県三原市、呉市、広島市中区、愛媛県今治市、松山市、高知市、山口県防府市、岩国市、宇部市、福岡市中央区、北九州市八幡東区、福岡県飯塚市、佐賀市、熊本市、大分県中津市、佐伯市、日田市、大分市(朝日新聞)
■横揺れ 夕食時ドキッ 西日本一帯で地震 島根で停電、電話普通 新幹線も一時ストップ
 25日夕、島根、山口県境で起きた地震は、西日本一帯を揺るがした。最大の震度5強を記録した島根県益田市周辺では、停電や電話の不通、棚から物が落ちるなどの被害が相次いだ。ちょうど夕食時。突然の地震は住民らを驚かせたが、火事や死者などの被害はなかった。一方、広島市北部で一両の列車が脱線したほか、山陽新幹線が一時、運転を見合わせるなど交通機関にも乱れが出た。
・5強
 震度5強を記録した島根県益田市。同市常盤町二丁目の小川晃さん(56)経営の酒店では、棚から酒瓶1本が床に落ちたほか、重ねてあった、たばこのケースが崩れ落ちた。小川さんは「ガタガタと音がしたあと、横に強く5、6秒揺れた。益田でこんな揺れは経験したことがない」と話す。
 同市東町の市立益田東中学では、教師の丸橋定夫さん(36)が鉄筋3階建て校舎の2階にある職員室にいた。「突然横に大きく揺れたので、とっさに机の下に潜り込んだ。揺れている時間がとても長く感じた」。
 同県津和野町で陶器店を営む岸田典(ふみ)さん(51)は「初めて体験した大きな地震だった。細長い花瓶などがかなり棚から落ちた」という。
 島根県警のまとめでは、浜田市内でプロパンガスの安全装置が作動し、市内120世帯でガスが一時、止まった。津和野町の津和野小学校体育館のモルタル外壁が約16平方bはげ落ちた。また、県内7ヵ所で落石や土砂崩れがあった。
・交通
 JR西日本によると、山陽新幹線は、山口県内の感震器が57ガルの揺れを感知、規制値(40ガル以上)を上回ったため、小郡−新岩国間で上下線とも運転を一時、見合わせた。午後7時すぎ、安全確認をしながら運転を再開したが、深夜にかけ下りの「こだま」1本が運休、上下23本に最高1時間16分の遅れが出て、約6000人に影響があった。
 在来線では山陰線の出雲市−長門三隅間、山口線の三谷−益田間で一時、運転を見合わせたほか、山陽線の防府−厚狭間などで徐行運転した。
 JR西日本広島支社の西本剛総務課長は「かなり揺れた。揺れた瞬間に広島駅のホームを見たら、新幹線が止まらずに入ってきたので、安心した」と話していた。
 日本道路公団中国支社(広島市)によると、地震発生後、中国管区警察局と協議、午後6時50分に管内の中国道、山陽道、広島道などすべての高速道路で時速50`の速度制限を実施した。点検の結果、道路の損壊やがけ崩れなどの異常がなかったため、同7時49分に制限を解除した。
・電話
 益田市と周辺の六町村では、地震直後の約30分間にわたって電話が不通状態になった。NTT益田支店によると管内の電話加入者数は約3万2000。地震直後、一斉に被害確認の電話がかかってきたり、かけようとしたりしたため、交換機の受容量が満杯になり、自動的に交換業務が規制されたためという。
 一方、中国電力によると、地震直後、島根県出雲市と大社町の一部の計1400戸が1、2分間停電した。同社は「強い揺れを感じ、安全装置が一時的に作動したため」と説明している。
 山口県北部を震源とする地震で、震度2以下の地域は次の通り。
 震度2=福井市、長野県諏訪市、滋賀県彦根市、近江八幡市、大阪市西淀川区、大阪府豊中市、寝屋川市、神戸市東灘区、長田区、兵庫県尼崎市、芦屋市、伊丹市、加古川市、宝塚市、相生市、鳥取県倉吉市、岡山市、岡山県津山市、新見市、倉敷市、備前市、広島県福山市、徳島市、高松市、香川県観音寺市、愛媛県新居浜市、宇和島市、八幡浜市、高知県安芸市、須崎市、宿毛市、土佐清水市、山口県下松市、福岡市早良区、福岡県大牟田市、佐賀県唐津市、長崎県佐世保市、平戸市、熊本県八代市、人吉市、大分県別府市 震度1=福井県敦賀市、三重県四日市市、鈴鹿市、上野市、京都府舞鶴市、京都市中京区、大阪府高槻市、神戸市灘区、兵庫区、中央区、西区、兵庫県明石市、三木市、洲本市、奈良市、和歌山市、香川県坂出市、高知県室戸市、長崎県諌早市、熊本県玉名市、本渡市、大分県臼杵市、宮崎県延岡市、宮崎市、鹿児島市(朝日新聞)
■紅葉たっぷり楽しんで 叡山電鉄 秋からパノラマ電車
 叡山電鉄(本社・左京区)は、今秋の紅葉シーズンから初の展望電車(2両編成)を等入する。座席が窓に向いたパノラマ車両で、同社は「沿線の美しい紅葉をたっぷり楽しんでもらえる」としている。
 新車両は紅色のボディーの片側に大窓をとり、車窓の景色を正面から眺められる4人掛けシートを1両に一つずつ取り付ける。鞍馬寺や比叡山の玄関口である八瀬などを結ぶ同電鉄の沿線は、自然環境に恵まれている。とくに、二ノ瀬駅近くには、紅葉が線路の両側からトンネルのようにおおう場所があり、秋の観光シーズンには、さらに景色を楽しんでもらえるという。
 現在、24両ある同電鉄の車両の座席はすべて、乗客が窓側を背にして座る一般的なロングシートのため、新車両は趣がだいぶ変わる。同電鉄は、紅葉が見ごろになる今年11月までに新しい展望電車を登場させる方針。(朝日新聞)
27日■JR東日本 電気事業に参入計画 株主総会できょう定款一部変更 駅ビルなどに安価で供給
 JR東日本は電気事業に参入するため、27日に開く株主総会で定款の一部を変更する。1995年12月に施行された改正電気事業法で、電力会社以外の企業が特定区域に電力を供給する「特定電気事業」が解禁されたのを受けたもので、同社は駅ビルなどに現在より1、2割安い料金で送電する。
 JR東日本は現在、川崎火力発電所(川崎市)と信濃川水系の3ヵ所の水力発電所を所有しており、首都圏の電車や信号機、駅構内で使用する電力を自前で調達、同社の総電力需要の半分以上を賄っている。
 このうち川崎火力発電所の施設の更新工事が終了する1999年春には出力が現在より1、2割アップすることが予想される。このため余剰電力を同社の子会社が運営する駅ビルに供給する方針で、定款の事業に電気事業を加えることにした。
 このほか、定款にはケーブルカー事業なども追加。山の斜面を利用した住宅分譲地やリゾート地と最寄りの駅をケーブルカーでつなげる事業にも参入する。(京都新聞)
■次世代新幹線デザイン公表 JR東海・西日本
 JR東海は26日、JR西日本と共同開発している次世代新幹線「700系」の試作車両の外部デザインを公表した。
 現在ののぞみ(300系)より先頭車両の鼻先が2.5b長く、あひるのくちばしのようなスタイル。空気抵抗を減らすため、車体の表面は凹凸が少なく滑らかになっている。塗装は白地に車体わきには青いラインが入り、現在の新幹線とほぼ同じ。
 700系は、JR東海所有の300X新幹線試験車両と、JR西日本が山陽新幹線に導入した500系新型車両の技術開発の成果を活用して共同開発を進めている。9月に試作車両1編成(16両)を完成させ、試運転を経て1999年度から東京ー博多駅間で営業運転を始める予定。(京都新聞)
■ほのぽのとした恐竜の像 北新地駅に新シンボル
 ○…今年3月に開業したJR東西線の北新地駅(大阪市北区)に、このほど、新しいシンボルモニュメント「キクノザウルス」が登場した。恐竜なのにほのぼのとした姿をしており、せっかちな浪速っ子たちの心に安らぎを与えている。
 ○…大阪広告協会が、創立50周年記念事業の一つとして、大阪・キクの新しい玄関口に、若い男女が待ち合わせできる目印をつくろうと、同駅に寄贈した。高さ約2.2bのブロンズ製で、デザインは人気イラストレーターの佐藤邦雄さん。
 ○…天下の台所と称され、昔は米問屋が軒を並べた駅の周辺にちなんで、米俵を背負いながら、首を長くして人を待つ様子がなんともほほ笑ましい。通勤客や北新地で遊ぶ人たちは、キクノザウルスを見ては「かわいい」「待ち時間も苦にならない」と話し合っている。(京都新聞)
■窓 雷鳥の男性が今も気掛かり 新潟県・高野八千代(会社員・34)
 さる15日の午後6時過ぎのことでした。日本海1号(午後6時20分京都駅発)を駅の1番ホームで待っていた時、60代後半の男性が1番線にはいってきた電車を指さして私に何かを聞こうとしていました。その方ののどに穴があいていたため、声を失っていることは察することができました。私が持っていた紙とペンを差し出すと「敦賀へ行って、小浜線に乗り換える」と書かれました。私は料金精算所で事情を説明したところ、駅員の方が「同六時三十九分発の雷鳥39号に乗って」と、丁寧に書いてくださったので、その紙をその男性に渡しました。その方はその紙を読んで分かったというようにうなずき、私に頭を下げられ、何度も辞退する私のカバンに500円を入れてくださいました。
 そのうち私が乗る日本海1号が入線したので、この電車に3号車から乗り込みました。そしてその男性にお別れのあいさつをしようと思いデッキに向かいましたら、なんと2号車から乗り込まれていたのです。私の身振りで勘違いされて、自分の電車が来たと思ったのでしょう。私は慌てて閉まりかかっているドアに体を差し入れ電車が発車するのを止め、その方を降ろしました。気づいてくれた駅員に身振りでその方をお願いしましたが、その後、その方は目的地に無事に着くことができたのでしょうか。
 私に時間の余裕があれば、しかるべく目的地までたどりつけるよう要所要所で気を配ってくれる方の手配を駅員さんにお願いできたかもしれません。その方の無事をなんらかの方法で知りたいと思い、投書することにしました。運よく載せていただくことができ、何らかの知らせをこの「窓」欄で読むことを期待して、新潟の図書館で京都新聞を閲覧しようと思っています。(京都新聞)
■700系新幹線はこんな顔
 JR東海と西日本は26日、東海道・山陽新幹線での営業運転に向けて共同で開発する700系新幹線」の外部デザインを発表した。試作車(16両)は9月に完成し、1999年度の運転をめざす。
 先頭車両は空気抵折を少なくするため「エアロストリーム形」といわれる鳥のくちばしのようなデザインにした。「のぞみ」に使われている300系と比べ、先端部分は2.5b長い8.5bとなっている。試作車の製作費は40億円程度。試験走行で改良し、98年度から量産に移る。(朝日新聞)
■上場をアピール JR西日本
 株式上場後、初めて開かれたJR西日本の株主総会は、国鉄清算事業団の理事長一人だけが出席した昨年までとは打って変わり、約1400人の株主が参加した。また、会場に入りきれない株主や報道陣に総会の模様がモニター画面を通じて公開され、「開かれた総会」を演出、上場企業として生まれ変わった姿をアピールした。
 JR西日本は、昨年のJR東日本の総会に、約1700人もの株主が押し寄せたことを参考にして、大阪市北区のホテルに4部屋で3500人が収容できるスペースを確保、職員約150人を動員した。
 それでも総会の始まる午前10時前には、受付に株主が集中し、長蛇の列ができた。また会場のホテル周辺で、民営化時の雇用問題と関連して労組関係者が街頭宣伝を行い、騒然とした雰囲気に包まれた。
 議長を務めた南谷昌二郎社長は冒頭、「上場企業としての社会的責任を果たしたい」とあいさつ。国鉄債務から駅駐輪場の問題まで幅広い株主の質問が相次ぎいだが、混乱もなく午後零時半ごろ終了した。(京都新聞 夕刊)
■オウム信者の控訴棄却 火炎瓶事件で大阪高裁
 大阪市営地下鉄の駅で火炎瓶を炎上させたなどとして、火炎瓶処罰法違反と恐喝の罪に問われたオウム真理教信者島袋拓也被告(23)の控訴審判決公判が27日、大阪高裁で開かれた。
 田崎文夫裁判長は「国家権力への報復として行った犯行は悪質。指導的立場で犯行に臨んだ責任も軽くない」などとして、懲役2年6月とした一審の大阪地裁判決を支持、島袋被告の控訴を棄却した。
 判決によると、同被告は友人の調理師=有罪確定=と共謀、1995年10月17日午前3時半ごろ、大阪市中央区の市営地下鉄駅の階段踊り場でガソリン入りの瓶に点火して破裂、炎上させた。同日午後11時半ごろにも、同区の別の地下鉄駅への連絡通路の階段で火炎瓶に点火しようとしたが失敗した。(京都新聞 夕刊)
■大阪モノレール 延伸は8月22日
 大阪高速鉄道は27日、大阪府北部を走る「大阪モノレール」の南茨木−門真市間(7.9`)の開業予定日を8月22日と発表した。両駅間の所要時間は13分で、途中に沢良宜(さわらぎ)、摂津、南摂津、大日の4駅がある。大阪モノレールはすでに大阪空港−南茨木間(13.3`、9駅)が開業しており、新区間の開業により摂津、守口、門真の各市から30−40分程度で大阪空港に到着することができる。(朝日新聞 夕刊)
■オウム信徒 控訴審も実刑 地下鉄火炎瓶事件
 アジア太平洋経済協力会議(APEC)大阪会議を控えて警戒にあたっていた大阪府警を混乱させようと大阪市営地下鉄の駅に火炎瓶を投げ込んだなどとして、火炎びん処罰法違反などの罪に問われたオウム真理教信徒で元暴力団組員の島袋拓也被告(23)に対する控訴審判決が27日、大阪高裁であった。田崎文夫裁判長は「オウム真理教が弾圧されていると考えて、国家権力に報復し、社会不安を招こうとした悪質な犯行だ」と述べて懲役2年6月を言い渡した一審判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。
 判決によると、島袋被告は一昨年10月17日午前3時半ごろ、大阪市営地下鉄谷町四丁目駅の階段踊り場で、1.8リットル瓶にガソリンを入れた火炎瓶を炎上させるなどした。(朝日新聞 夕刊)
28日■京都市バス 人身事故の割合高い 過去5年間交通局調査 96年度は総数の42%
 京都市交通局は27日、市バスの過去5年間の事故発生件数と賠償費、事故費などを明らかにした。他都市と比べて事故発生率は低いものの、人身事故の割合が高く、同局では「車間距離の確保や発進時の安全確認に力を入れたい」としている。
 この資料は、市バス事故が相次いでいるため、市議会交通水道委員会が提出を求めていた。92−96年度までの事故件数と損害賠償費や医療費などの事故費を、同様の資料のある東京都と札幌、横浜、名古屋、大阪、神戸各市の6自治体と比較した。
 京都市バスの事故件数は、この5年間では94年度の363件を最高に各年度300件前後で推移している。96年度は295件で、総数では7自治体中6番目、走行10万`当たり0.83件と最も少なかった。
 しかし、人身事故は96年度126件で、10万`当たり0.35件と、神戸市の0.6件、大阪市の0.53件に次いで多かった。事故総数に占める割合は、42%で、他都市(18−34%)より高い。
 事故費は92−95年度は4−6000万円だが、96年度は89年の左京区でのJR踏切事故(バス乗客34人負傷)での賠償金など約7000万円を支払ったため、神戸市に次ぐ8176万円にのぼった。(京都新聞)
■東西線との乗り継ぎ 京阪も20−30円割引、運賃確定 それでも40−180円割高に
 今年10月12日開業の地下鉄東西線と京阪大津線の乗り継ぎ運賃が27日、決まった。京阪と地下鉄の初乗り運賃が乗り継ぎ区間で二重となるため、双方とも運賃を割り引くものの、京都市山科区の御陵駅を越えて乗車すると現行より40−180円高くなる。
 東西線の開業で、京阪大津線の起点は京津三条駅から御陵駅に変更され、京阪が東西線の御陵駅- 京都市役所前間に乗り入れる。このため御陵駅を越えて乗車する場合、二つの鉄道を乗り継ぐことになり、運賃が割高になる。
 京阪電鉄はこの日、乗り継ぐ場合の運賃を20−30円割り引くことを決め、近畿運輸局に報告。京都市交通局が、すでに地下鉄側の割引額(最高60円)を報告していることから、乗り継ぎ運賃が確定した。京阪電鉄は「二つの鉄道を乗り継ぐ場合、両鉄道が初乗りに限り10円ずつ割り引くのが一般的だが、これまで京阪一本で京阪三条まで行けた利用者の負担感に配慮し、割引額を拡大した」としている。
 この結果、三条京阪からの新運賃は京阪山科まで320円(現行230円)、浜大津まで390円(同310円)、京阪石山520円(同340円)となる。
 大津線−東西線−京阪線のルートで乗車する場合、京阪の定期運賃は従来通り大津線と京阪線の営業キロ数を通算する。普通運賃は、現在、区間によって実施している20−80円の割引を廃止、京阪線の運賃と、東西線・大津線の乗り継ぎ運賃を合算する。(京都新聞)
■走るビアホール 来月24日から近江鉄道
 近江鉄道(本社・彦根市)は、夏の名物「近江ビア電車」を7月24日から1ヵ月運行する。すでにチケット販売を始め、予約も受け付けている。
 同鉄道は滋賀県犬上郡多賀町のキリンビール滋賀工場と提携し、昨夏、路線電車を利用して走るビアホールを運行、人気を集めた。
 ビア電車は、2両連結で、定員は1両各40人。毎夕午後6時半ごろ、彦根駅発で八日市往復、八日市駅発で米原往復の2コースある。所要時間は、ともに2時間弱。料金は1人2900円(運賃・生ビール・おつまみ・税金込み)。
 お盆の8月13〜18日は運行休止。チケットは同鉄道各駅で販売する。予約は予約センター=0749(22)2111=へ。(京都新聞)
■えき・ひと・まち 新京都駅開業(1) 一筋 出会いを刻む手りしわ
 古都の玄関、JR京都駅が来月12日、新しい装いで発車する。1877(明治10)年に初代の京都駅が誕生してから、今年でちょうど120年。出会いと別れ、喜びと悲しみ、そして、往来する人々のさまざまな人生を映し出しながら、年輪を重ねてきた。駅舎は新しく生まれ変わっても、駅と人とのドラマは途切れることはない。(社会部 宮部真典、長尾康行 写真部 木原貞男、熊谷修)
 「よいしょ」。太い二の腕に力がこもる。足早に行きかう乗客の間を縫うように、重い荷物を手に新幹線のホームに駆け上がる。トレードマークの赤い帽子がひときわ輝いた。
 66歳になる中村輝雄さん=宇治市=が、客の荷物を運ぶ「赤帽」の仕事に就いたのは25歳の時だった。
 「いろいろな人と出会いたくてね、この仕事を始めたんだ」。頼まれたトランクを電車に運び、バッグを八条口の改札まで持っていく。客との出会いはわずか数分。短い触れ合いを積み重ねてきた。ジョン・ウェイン、マーロン・ブランド…。往年のスーたちも、出会いの中に刻まれている。
・信用までは10年
 茶道、華道、花柳界など京都ならではのお得意さんも多く、数百万円もする道具を預かることも。「ただ荷物を運べばいいというもんじゃない」。はた目から見る以上に責任は重い。
 赤帽は個人営業。運搬の注文が入らなくては、仕事にならない。「信用を得るまで、10年はかかる」。常連客の多さが中村さんの信用の証(あかし)。
 昭和30年代の京都駅では、30人以上の赤帽が働いていた。大阪万博のころは、とにかく忙しかった。中村さんは腕を見込まれ、赤帽が足りなかった近鉄から「上本町駅で働いてみては」とスカウトされた。「京都駅ほど、さまざまな人と出会える駅はない。ここを離れようとは思わなかった」
 蒸気機関車が電車、新幹線へとスピードアップするとともに、旅装も軽くなった。赤帽の活躍の場も次第に減り、今では中村さんと同世代の男性の二人だけが伝統ある駅の仕事を受け継いでいる。「駅が新しくなっても、やめないで」との激励が届く。「ありがたいねえ。元気でいられるのもこの仕事のおかげ。体が続く限り、続けたい」
 手に刻まれた深いしわが、長い赤帽人生を物語った。
・わずかな空間で
 深いしわは、烏丸口タクシー乗り場前で、乗客の靴を磨き続けてきた洒向星路さん(71)=大津市=の手にも浮き上がっていた。
 3代目の駅舎が完成した直後の1953(昭和28)年から、構内で靴磨きを始めた。駅の改築などで、店の場所は移ったが、広い駅に設けられたわずか5、6平方bのスペースが、かけがえのない人との触れ合いの舞台にもなった。
 ある日、若い米兵が店に立ち寄った。朝鮮戦争中のころだ。無言で靴を磨く洒向さんに、立派な体格の米兵が悲しい目をしてぽつりと漏らした。「もう帰れないかもしれない」。1週間後、この米兵が出征した朝鮮半島で戦死したことを伝え聞いた。「辛い思い出の一コマ」と洒向さん。
 人が集い、語り合う駅。楽しいドラマばかりではない。多くの兵士が肉親らと別れ、戦地に赴いたのも駅だった。
 昔、洒向さんの店には常に10人以上の客が並んでいたという。大量生産、大量消費の時代をへて、今では靴も使い捨て感覚に。客は最盛期の一割前後にまで減った。「寂しいねえ。でも、人数をこなすのが精いっぱいだった昔に比べ、今は時間をかけて磨けるようになった」
 出張サラリーマンらの靴磨きにかける時間は4分余り。きれいになった靴を見て、ホッとした表情で店を後にする客に、「頑張って」と無言で背中に声をかけるという。
 新しい駅舎では洒向さんの店は地下に移り、40年以上見慣れた街の風景も消えてしまう。赤帽の中村さんも、新幹線ホームから見える京の山並みに疲れた体をいやしてきた。大きな新駅ビルで、もう見えなくなる。
 「時代の流れとはいえ、楽しみが減ってしまったな」。駅舎を仕事場にする二人の思いは、一つに交じわった。(京都新聞)
■大阪ドーム近鉄戦 JRが割引きっぷ
 JR西日本は近畿日本鉄道とタイアップして、大阪ドームでのプロ野球・近鉄バファローズ戦の観戦券とJRの往復切符をセットにした「大阪ドーム割引きっぷ」を、京阪神の主要駅で7月1日から発売する。
 大阪ドーム(大阪市西区千代崎三丁目)でのバファローズ戦の観戦券は現在、近鉄主要駅の旅行案内所や一部のコンビニエンスストアなどで販売している。球団の本拠地が藤井寺球場から大阪ドームに移り、JR大阪環状線大正駅が徒歩7−10分と一番近い駅になったことから、JR側が観戦券の割り当てを要請していた。
 今シーズンは7月8日の対西武戦から9月24日のドーム最終戦まで計31試合分で、京阪神地区110駅のみどりの窓口で販売する。観戦券(4000−1300円)の割引はないが、最寄り駅から大正駅までの往復運賃が1割程度安くなるうえ、帰りの切符を買う手間も省ける。
 当面、JRの販売分は1試合当たり指定席、自由席の計104席のみだが、好評なら来シーズン以降、増やしていきたいという。
 JR西日本が自社駅でプロ野球観戦券を販売するのは、広島市民球場の広島カープ戦に次いで2例目。(朝日新聞 夕刊)
29日■電車転覆16人けが 和知町のJR山陰線 大雨で路盤崩れる
 28日午後7時10分ごろ、京都府船井郡和知町広野宮ノ前、JR山陰線の安栖里−立木間(単線)で、園部発福知山行きの下り普通電車=塩見義一運転士(55)、4両編成=が脱線し、転覆した。乗客、乗務員計51人のうち、16人が打撲などで負傷、救急車で和知町や園部町内の病院に運ばれた。綾部市青野町、会社員三浦浩文さん(37)が腰の骨を折り重傷。乗客は近くの広野公民館に一時、避難した。JR西日本福知山支社は現地対策本部を設直したが「復旧のメドは立っていない」という。
 園部署や京都府消防防災課などによると、現場は台風8号の大雨で線路の路盤付近の土砂が崩れて流出、レールが笛つりの状態になっていた。電車は4両全部が脱線、1、2両目は右側に80−45度傾斜、3両目は横倒しになり、4両目の後部は右側4b下の水田に転落した。
 園部署の調べに対し、塩見運転士は、線路が浮き上がっているように見えたため、ブレーキをかけて減速しようとした、と話しているという。現場は宮ノ前踏切から東へ150b。安栖里駅も立木駅も無人駅。
 山陰線は一部不通となり、園部−胡麻間と綾部−福知山間で折り返し運転し、綾部−胡麻間はバスで代行運転している。後続の特急電車は運休した。(京都新聞)
■レーレが宙に浮く 和知のJR事故
 レールわきの水田などに横転した車両。激しい雨が打ち続ける中、乗客のうめき声がもれる。28日夜、京都府船井郡和知町のJR山陰線で起きた事故は、電車四両が脱線し、乗客、乗務員16人が負傷する惨事となった。現場は線路下が大きくえぐられ、レールが宙に浮いていた。
 宮ノ前踏切から東へ150b地点で、台風による大雨で線路の路盤の土砂が流出し、園部発福知山行きの普通電車(4両編成、乗客ら51人)の4両目の後部は線路わきの水田に転落、3両目が横倒しとなり、1両目と2両目も右に大きく傾いていた。事故の瞬間、乗客は車内で体などを打ちつけた。琵琶湖であった国体京都府予選のボート競技帰りの東舞鶴高校の部員13人も乗っていた。
 和知病院で右手や肩の治療を受けた、インターハイ府代表メンバーの同高3年波多野友美さん(17)=舞鶴市田中町=は4両目に乗っていた。「座席から飛ばされ、窓ガラスで手を切った。見上げると、車両の入り口から空が見えた。乗客同士で一人ずつ持ち上げて、田に脱出した」と雨にぬれて泥に汚れた服のまま疲れた表情で話していた。
 3両目に乗っていた福知山市堀、会社員伊藤敏さん(49)も自力で脱出。「急にゴトゴト縦揺れしたと思った途端、車両全体が大きく右側にひっくり返った」と語っていた。
 先頭車両に乗っていた有馬寛貴さん(17)は「バスケ部、ボート部員など12人で乗っていたら、突然体が跳びはねるようにガタガタと振動し、車両全体が大きく右に倒れた。無我夢中で手すりを握った。車両から夢中ではい出すと、額から血を流している人もいた」という。(京都新聞)
■えき・ひと・まち 新京都駅開業 2 一線 輝くビルは愛娘のよう
 「愛娘(まなむすめ)」の嫁ぐ日が近づいた。
 京都駅ターミナルJV工事事務所の前田年久・総括所長(61)=奈良県橿原市=は、八条口西側の事務所で、仕事を成し遂げた喜びと、一抹の寂しさをかみしめている。「駅ビルには、精根を傾けた。堂々と送り出してやりたい」
 前田さんは、工事にあたる協力会社の約200社、延べ115万人の作業員を指揮してきた。現場の最高責任者。左腕に「現場代理人」との黄色い腕章が光る。4年前の冬に、ゼネコンの大林組から着任した。先代駅舎の解体工事が始まったばかりだった。
・設計図見て闘志
 地上16階、地下3階。東西は約470b、南北約60b。延べ約23万平方b。新駅ビルの設計図を初めて見たときには、驚いた。一般的な設計図はA1判サイズだが、駅ビルのそれは長さが2bもあった。「普通のビルの5、6個分。これを建てるのか」。闘志がわいた。
 現場は、年中無休の「京都駅」。1日の乗降客は約30万人を数える。広範囲で工事を進めるのに、周辺の道路事情から、工事用車両の搬入路は5ヵ所に限られた。通常の工事現場に比べ、厳しい作業条件だった。「世間から注目されている建物。小さな事故、失敗が大きく影響する」。毎日2回は現場に入り、危険個所のチェックを怠らなかった。
 駅ビルの工期は、1994年2月から約3年半。規模からいえば、長くはない。時間を節約するため、地階と地上階を同時に組み立てる「逆(さか)打ち工法」など、特殊な作業の工夫を重ねた。それでも「できるか、できないかの瀬戸際だった」。約1割の工事は、最終電車が出てから、未明の作業となった。
 京都市右京区に生まれた。地元の高校を卒業後、大林組に入社し、設計部門に5年ほど在籍した。その後は、近畿各地の百貨店やホテルの建設現場で、陣頭指揮を執ってきた。京都駅前では、中央郵便局や新阪急ホテルを建てた。
 「もう年だから、京都駅ビルがたぶん最後の仕事になる。生まれ育った街で、最も大きな建物をつくった。工期も守れた。建築屋にとって、これ以上の喜びはない」
 梅雨の晴れ間に輝く駅ビルは、手塩にかけた「愛娘」。台風が襲来した深夜、かっぱを着込んで自宅から駆けつけ、まっ暗なビル内を懐中電灯で照らしては、角材にシートをかぶせ、小さな部品が飛ばないように固定した。風雨が収まる夜明けまで、見守った。家族から「私たちより、駅ビルが大切みたい」と言われたのも、今は思い出だ。
・通路変わるたび
 駅ビルの工事中、乗降客が行き来する構内の仮通路は10回ほども変わった。工事・設備担当の八木光悦・京都駅副助役(45)=船井郡瑞穂町=は、通路の案内板の設置や乗客の誘導を担ってきた。
 工事の進ちょくに合わせて素早く掲示板を用意し、仮通路が変わる前日の夜、一斉に張り替えた。夜間の工事には、翌朝の始発列車に影響しないよう、泊まり込みで工事の安全に気をつかった。
 高校卒業後、旧国鉄に入ってから、ずっと京都駅に勤めている。「駅には、青春時代からの思い出がしみ込んでいる。わが家のように思う駅が、生まれ変わるのに立ち会えたのは、とてもうれしい。新しい駅がどんな歴史を刻むのか。今からわくわくする」
 家庭では、あまり仕事の話をしたことがない。駅ビル全体がオープンする9月には、妻を構内のレストランに誘うつもりだ。2人でにぎわう駅頭を眺め、少しだけ自慢話をしようと思っている。
 前田さんは、JRに駅ビルを引き渡す前夜、とても眠れそうにない。「遅くまで駅ビル内で、手すりをふいたり、通路を清掃したりするでしょう」(京都新聞)
■JR脱線 15人けが 京都・和知町
 28日午後7時10分ごろ、京都府船井郡和知町広野のJR山陰線安栖里−立木間で、園部発福知山行きの下り普通列車(4両編成)が脱線、前の2両が右に大きく傾き、後部2両が横転した。当時、乗客約50人が乗っており、綾部市内の会社員三浦浩文さん(37)が腰の骨を折る重傷を負ったほか、高校生ら14人が軽いけがをした。
 JR西日本や園部署などによると、3両目が横転、4両目は線路数b下の田んぼに転落した。台風8号の影響で降り続いた雨のため線路下の地盤が幅5b、長さ約30bにわたって流失し、線路が宙づり状態になっていたらしい。乗客は町立公民館に収容され、けがを負った乗客は町内などの2病院に運はれた。
 京都地方気象台によると、和知町では台風8号による雨がこの日未明から降り始め、午後7時までに同町で計約70_の雨量を記録、大雨洪水暴風警報が出ていた。
 JR西日本によると、同日午後9時現在、復旧の見通しは立っていない。(朝日新聞)
■台風8号、西日本を直撃 米兵2人、川で不明
 28日、九州南西部に上陸して近畿地方を直撃した台風8号は、各地に被害をもたらした。気象台は、雨への警戒を呼びかけている。
 JR山陰線の京都府の山間部で起きた脱線事故は、あふれ出した水が線路の路肩を削り取ったのが原因だった。激しい風雨の中、乗客らが次々と横転車両からはい出した。漕艇の試合で琵琶湖から舞鶴市内の自宅に帰宅する途中だった東舞鶴高校2年生の田中美香さんは、後部車両の真ん中あたりの座席で、友人と話している最中に事故にあった。首や腰を打つ軽傷を負った。
 また同日午後4時45分ごろには、山口県警岩国署に「岩国市二鹿の二鹿谷川で川遊びしていた米兵3人が川に飛び込んだまま上がってこない」との通報があった。同署などの調べでは、3人は同市内の米海兵隊岩国基地所属で、うち1人は自力ではい上がったが、2人は行方不明になった。同川はふだんは深さ30aほどだが、当時は約1.5bに増水していた。
 大阪管区気象台の観測では降り始めから28日午後9時までに降った雨は、兵庫県生野町で141_、奈良県十津川村の風屋で114_などとなった。総雨量は、近畿地方の北部と中部の多いところで150−200_、南部で200_前後になる見込み。台風は近畿地方を通過した後、関東−東北南部から太平洋に抜け、29日昼前には温帯低気圧に変わると、予測されている。
 同気象台によると、6月に2つの台風が上陸したのは、本州東方海上の高気圧の勢力が平年より強く、真夏の時期のように張り出して、台風が北上しやすくなっているためという。
 28日午前11時45分、東京・霞が関の海上保安庁通信所が、和歌山県潮岬の南110`付近の太平洋上から出された船船の非常信号を受信した。第五管区海上保安本部の小型機などが出動、午後6時ごろに現場付近で救命ボートが浮いているのを確認した。(朝日新聞)
30日■復旧あすにも 和知のJR脱線事故 懸命の作業続く
 京都府船井郡和知町広野のJR山陰線で28日夜、列車が脱線転覆し乗客乗員16人が重軽傷を負った事故で29日、JR西日本が現場で復旧作業に当たる一方、京都府警が現場検証を行った。復旧作業は、雨で地盤が緩んでいるため難航し、同線は綾部(綾部市)−胡麻(船井郡日吉町)間で終日不通となった。JR西日本によると、復旧は1日午前中になる見通し。
 復旧作業では、大型クレーン車2台を使い、脱線した車両4両を撤去した。その後、路盤の土砂が崩れて宙に浮いたり、事故で大きく曲がった線路100b余りを取り除き、盛土して原状に戻す作業を進めている。
 京都府警の現場検証は、塩見義一運転士(55)に立ち会いを求めて実施した。同運転士から線路の異変に気づいた場所など、事故時の模様を詳しく聞いた。今後、路盤が崩れた原因も調べる。
 JR西日本によると、同社の防災基準では1時間雨量が25_を超すと、作業員が線路の安全確認をする規定になっているが、事故当時は現場近くの雨量計で23_と基準以下だったため、作業を行わなかった、という。
 山陰線が現場で不通になったのに伴い、一部の特急が福知山線経由でう回運行したが、特急と普通列車計55本が運休し約8600人に影響が出た。JR西日本は不通区間で代替バスを運行し、乗客の輸送に当たった。(京都新聞)
■貨物列車が横転 JR比良駅 けが人はなし
 29日午前零時10分ごろ、滋賀県滋賀郡志賀町北比良のJR湖西線比良駅構内の下り線で、停車中のJR貨物の貨物列車=20両、浜小倉発金沢行き=の後ろから3、4、5両目が脱線、横転しているのを運転士が見つけた。同列車は台風8号による強風を避けて停車中で、非常ブレーキがかかったため運転士が気付いた。けが人はなかった。
 横転した車両が線路をふさいだため、レッカーで車両を取り除くなどの復旧作業をしたが、湖西線は同日正午過ぎまで約12時間半にわたって堅田−安曇川間が上下線とも通行できなくなった。この間、堅田−京都間と、安曇川−近江塩津間で折り返し運転した。堅田−安曇川間は復旧するまで代行バスを運行した。
 この事故で、普通電車37本、新快速8本が運休した。また同線を走る「雷鳥」など特急17本が北陸線、東海道線経由のう回を余儀なくされたほか、新快速、普通の計6本が、最大43分遅れ、約1万人に影響した。
 堅田署とJR西日本によると、同日は台風8号の接近、通過に伴い、最大瞬間風速が毎秒25b以上を記録したため、28日午後10時半から、湖西線の和迩−北小松間の運行を見合わせており、同列車も比良駅で退避していた。同署などで原因を調べている。
 彦根地方気象台によると、県内には当時、大雨、強風、洪水注意報が発令されていた。(京都新聞)
■駅前広場の完成を祝う JR鍼灸大学前駅と胡麻駅
 船井郡日吉町が整備を進めてきたJR鍛灸大学前駅(同町俣野田)と胡麻駅(同町胡麻)の駅前広場しゅん工式が29日、JR鍼灸大学前駅の「駅前広場」で行われ、住民ら約250人が完成を祝った。
 鍛灸大学前駅は、明治鍼灸大学と同付属病院の西側に昨年3月開設された。完成した広場は、敷地約1万1000平方bに、幅6bのロータリーや植樹スペースのほか、60台収容の駐車場などを備えている。胡麻駅前広場は、約150台分の駐輪場や鉄骨平屋建てのコミュニティーセンター(約170平方b)など約1800平方bを整備した。総事業費は合計4億400万円。
 しゅん工式では、芦田四郎日吉町長が「国道が通っていない町では、鉄道の重要性は高く、両駅前の整備が新たな活性化につながる」とあいさつ。このあと来賓らとともに、広場正面で記念植樹を行った。(京都新聞)
■えき・ひと・まち 新京都駅開業 3 自負 「駅前」の再生にかける
 「駅ビルは大き過ぎて、影響の予測がつかない。でも、商店街が生まれ変わる契機にしなければ」。京都駅から北へ、200bほどの七条商店街。山口隆さん(57)=下京区七条通烏丸西入ル=の喫茶店は、その中ほどにある。
 商店街には洋服、洒類、仏具、ろうそくなどを扱う約60軒が並ぶ。「駅前」の華やかさはなく、人通りはそれほど多くはない。
 「最後のチャンスかも知れない。対応に失敗すれば、商店街はどんどん衰退する。『駅前』の商売人として、個々の店が勝負に出るときだ」
 喫茶店は、山口さんの母親が戦後すぐに始めた。先々代の駅舎のころだ。中学生のころから、店を手伝った。出前を届けるとき、市電を待つ女子学生に出会うのが恥ずかしく、「店は継がない」と決めていた。
 父親が戦死したあと、3人の子を育ててくれた母親の願いは断り切れず、30年ほど前に店を引き継いだ。
 不明門(あけず)通は、烏丸通の一筋東。駅ビルの威容が目と鼻の先にある。約200bの間に、こぢんまりした旅館8軒が並ぶ。西居亮さん(72)も35年前から、ここで旅館を営んできた。
・懐かしい光景も
 道幅は4bほど。表通りの車の騒音も聞こえない。夕方、立ち話の人の輪のそばを、自転車がベルを鳴らして通る。どこか懐かしい光景がある。西居さんは、「裏通り」のたたずまいを愛してきた。
 商店街、旅館街と京都駅は、密接な関係を保ってきた。ともに京都の玄関口を彩っている。そんな自負もあった。
 七条商店街も、不明門通も、戦後から昭和40年ごろまでが光り輝いた時期だった。市電の停車場には人があふれ、歳末は迎春用品などを求める客で埋まった。各旅館の番頭さんは、次々に訪れる観光客の応対に一日中、追われた。山口さんは「活気なんてもんやない。正月は忙しくて、7日まで雑煮も食べられなかった」と振り返る。
 その後、人の流れが変わった。市電が廃止され、四条河原町などに押されるようになった。ポルタやアバンティのオープンも、商店街には脅威だった。商売を諦(あきら)める店が出て、今は空き店舗も目立つ。
・共存共栄を図る
 駅ビルは、延べ約23万8000平方bの複合商業施設でもある。百貨店に加え、衣料や土産品店、飲食店など約70店の専門店街が入る。約540室のホテルもできる。
 商売上の大敵となる駅ビルに、山口さんたち商店街は当初、反対だった。だが、放っておいても、じり貧は目に見えていた。駅ビルの集客力に、期待が持てた。「駅ビルに人を集めてもらい、あふれ出てくるのを待つ。これしか生きる道はない。いい方向に変わるきっかけにしたい」
 駅ビルとの「共存共栄」を方針にした。新しい百貨店は、商店街の一員に加わった。
 不明門通の西居さんは、駅ビルの開業で、「裏通り」の良さが逆効果になるのではと心配する。「電線がクモの巣のように張りめぐらされ、道路はでこぼこ。駅だけが立派になり、この通りが際立って見労りするのでは困る」。旅館街は市に、道路整備などを要望している。
 かつて、烏丸通にあった10軒ほどの旅館は姿を消したが、ここの旅館は生き延びてきた。「駅前の旅館は、長い歴史に裏打ちされている。通りがさらに魅力を増せば、駅ビルのホテルにだって負けはしない」
 山口さんの商店街は、駅ビル全体の開業を待って、記念の売り出しに打って出る。新駅が吉と出るか、凶と出るか、客足が今後の試金石になる。「『駅前』の誇りは捨てていない。きっと、再生してみせる」(京都新聞)
■JR山陰線脱線 復旧見通し立たず 軟弱地盤、難航する作業
 JR山陰線の和知町で起きた普通列車(4両編成)の脱線、横転事故は、昨年3月に同線が電化・高速化して以来初めての大事故となった。29日朝から本格的な復旧作業が始まったが、現場付近の地盤が軟弱で作業は難航し、まだ復旧の見通しは立っていない。復旧作業は朝から作業員約340人が出て、園部署の現場検証と並行して進められた。事故現場は、脱線した車輪が約84bにわたってまくら木の上を走ったため、まくら木の鉄骨がむき出しになるなど衝撃の大きさを見せつけていた。
 大型クレーン2基で大きく傾いた列車の撤去に当たったが、雨のためまだ地盤がゆるく、横転した列車の撤去に手間取った。約17bにわたり盛り土が流出した線路地盤の復旧には大量の土砂が必要で、復旧には相当の時間がかかる見通しだ。
 JR西日本福知山支社によると、現場付近では総雨量が200_を超えると運転を取りやめることになっているが、当時現場付近の雨量は28日未明の降り始めからで約70_だった。さらに、1時間当たりの雨量も約15_で、徐行運転などの必要はなかったとしている。また、事故の約15分前に豊岡発京都行き上り特急が現場を通過したが、異状はなかったという。
 JR西日本はこの日、特急「きのさき」「はしだて」「たんば」の一部計17本を東海道、福知山線にう回させたほか、福知山線経由の「北近畿」など特急14本を新大阪発着から京都発着までに延長した。普通列車は胡麻、綾部駅でそれぞれ折り返し運転し、胡麻・綾部間はバスで代行輸送をした。
 事故車両に乗り合わせていた舞鶴市の府立東舞鶴高校漕艇(そうてい)部の選手と引率教諭の計14人は、琵琶湖であった国体府予選の帰りで、3人が軽い打撲を負った。水田に落ちた最後尾に乗っていた3年松岡宏明君(17)は「突然、車体が右に倒れ、何が起きたのかわからないまま、上になった窓を開け、よじのぼって脱出した」と話した。(朝日新聞)
■声 高齢者に光明 赤字バス歓迎 大阪市 三好 桂子(主婦 61歳)
 11日付家庭面の「赤字でも走る地域住民の足」を、関心を持って読んだ。人に優しい住みよい町に、少しずつでも近づいてきている、と感じた。
 また、海南市では、きっかけが市長に届いたお年寄りからの手紙であることに心を動かされた。意図して声を上げられたわけではないと思う。が、結果として市を動かしたのであるから一通の手紙の果たしたものは大きい。
 住民の高齢化が進む中で、これまでは採算性を重視するあまり、赤字路線は廃止に追い込まれていた。今回の海南市や他地区での取り組みは、公共性を重視したものであり、全国に普及してほしいと思う。
 不便な山村での暮らしには、車は欠かせない。しかし、その車を持たない、運転もできない高齢者は、バスがなけれは外出の機会を奪われることになる。
 先日の天声人語に、JR東日本が電車の優先席表示を変えるとあった。この表示の対象となる人々のためにも地域住民の足となるコミュニティーバスを歓迎したい。
 目を覆いたくなる昨今の社会情勢の中で、この記事はさわやかで一筋の光明をもたらしてくれた。(朝日新聞)
■けが人増え計24人に JR山陰線脱線転覆
 京都府船井郡和知町広野のJR山陰線で列車が脱線転覆した事故の負傷者は、JR福知山支社のまとめでさらに8人増え、30日現在24人になった。8人のうち1人が腰の骨を折って入院。これで入院は2人になった。
 事故現場では復旧作業が続いている。「1日の始発列車までには復旧できる見込み」(同支社)という。(京都新聞 夕刊)
■脱線の負傷者24人に 台風禍のJR山陰線
 京都府船井郡和知町広野のJR山陰線の地盤が台風8号による雨で流出、普通電車4両が脱線した28日夜の事故で、JR西日本は30日午前、当初15人としていた負傷者は9人増え、計24人になったと発表した。負傷者のうち、男性会社員(37)と女性(27)の2人が腰の骨を折って入院し、ほかの人は軽傷という。
 線路の地盤が約30bにわたって削られた現場では、土を盛り直すなどの作業が続けられており、1日の始発までには復旧する見込み。(朝日新聞 夕刊)