1997(平成9)年 1月


1日■今年の京都 こんな年(抜粋)(朝日)
  ■列車爆破で数百人死傷 インド ゲリラか(朝日)
3日■石鎚山のロープウエー止まる 客800人、歩き下山 愛媛(朝日)
4日■Uターン混雑始まる(朝日)
5日■男性、飛び込み即死 阪急・西京極駅(京都)
  ■時速350` 新超特急 新大阪−博多1時間50分 JR西日本 開発を決定 2007年運用めざす(朝日)
6日■京都市地下鉄 北々伸と東西線開業 市バスの民間への移行 今月にも基本方針まとめる 山科・醍醐・岩倉地域 敬老制度、存続へ(京都)
  ■レール横断中のスリップ事故 完封 昨夏、痛ましい死亡事故も 滑り止めへ改修 段差なくし信号も設置 右京の三条通(京都)
7日■二条駅駐輪場 来月オープン 自転車1060台を収容 京都市営で3番目の規模(京都)
  ■大阪湾に夢構想 神戸−関空40分で直結 水中トンネル造ろう 神戸大教揺らグループ研究 ミニ地下鉄通す 水深20b、免震装置も(京都)
  ■関西私鉄5社 年末年始の旅客 前年より減少(京都)
  ■JR西日本は前年並みに(京都)
  ■御池地下街 愛称はゼスト(京都)
  ■年末年始の利用状況 平年並み JR福知山支社(朝日)
  ■のぞみ利用客10%増(朝日)
  ■通勤・通学客増やせ 新幹線一新 JR西・東日本が開発へ 「こだま」新型/総二階建て(朝日)
8日■整備新幹線 検討委設置 早くて3月 運輪相が示唆(朝日)
  ■前年より8000人減る 年末年始利用客 KTR(朝日)
  ■中国−ベトナム縦断4700` 改革開放とドイモイを行く ”統一”に揺られ冬から夏へ(京都)
  ■線路に転落 ひかれ重体 御堂筋線梅田駅(朝日)
9日■国鉄清算事業団 2400人定員を半減 98度中 JRにも採用要請(朝日)
10日■声 国鉄知る総理 愚を重ねるな 武生市 荒田 冨士男(無職 71歳)(朝日)
11日■「向こう10年値上げせず」 JR東日本社長(朝日)
  ■環境庁責任者 はねられ重体 東京で地下鉄に(朝日)
12日■声 安全確保こそ新幹線の使命 茨木市 岩山善郎(無職 81歳)(朝日)
13日■電車内で財布盗む 容疑の男性を逮捕(京都)
  ■伊の特急脱線 死者は8人に(朝日)
  ■送電トラブル新幹線遅れる 静岡−新富士間(朝日)
14日■山陽新幹線の窓にひび入る 計3本、標識が脱落(京都)
  ■JR奈良線「京都教育大前駅」の講じ順調 3月8日開業へ 「仕上げ」に入ろ(京都)
  ■「ひかり」に標識が落下 神戸のトンネル(朝日)
  ■ポリティカにっぽん 新幹線は改革のリトマス紙 早野 透(編集委員)(朝日)
  ■あの日から止まったまま 再び発車いつ 摩耶ケーブル 赤字線、復旧阻む(朝日)
15日■窓 バスに忘れ物 無事戻り感謝 右京区・小川きよ子(主婦・67)(京都)
  ■満10歳の児童らを琵琶湖周遊に招待 JR西10周年記念(京都)
  ■500系のぞみ 地震対策の新ブレーキ 300`走行時 停車距離1`短縮(朝日)
17日■新駅名は「JR藤森」奈良線の桃山−稲荷間 片町線田辺は「京田辺」 上田辺「JR三山木」に 3月8日のダイヤ改正から(京都)
  ■改札に札束 集札箱に400万円−これで7度目、1050万円に 職員1人千葉の駅(朝日)
  ■JR奈良線の新駅 藤森駅3月8日開業(朝日)
  ■駅の集札箱に400万円 千葉(京都)
18日■大阪環状線の今宮駅開業へ(京都)
  ■在来線など2119本を増発 JR西日本 春の臨時列車を発表(京都)
  ■JR春の臨時ダイヤ 姫路−関空に直通も(朝日)
  ■今宮駅環状線ホーム 3月8日に営業開始(朝日)
  ■スルッとKANSAI めざせ電車のネットワーク 参入呼びかけへ(朝日)
19日■窓 JRで消えた長距離の普通 長岡京市・薮田 秀一(元国鉄職員・73)(京都)
  ■新宿ガス事件で 林容疑者再逮捕(朝日)
20日■赤信号10分変わらず JR長岡京駅(京都)
  ■男性をはね阪和線乱れる 2万人に影響(朝日)
  ■サラリーマン JRマン10年 トロッコ列車社長 1 ミニ鉄道での再出発(読売)
21日■阪急、3月2日からダイヤ改正 「桂駅」停車快速急行と快速新設 「高槻市駅」特急、終日停車に(京都)
  ■120周年を記念 写真や絵展示 JR京都駅(京都)
  ■東西線乗り入れの新型車両を試運転 京阪電鉄京津線(京都)
  ■阪急京都線に快速(朝日)
  ■サラリーマン JRマン10年 トロッコ列車社長 2 経営者の自覚強く(読売)
22日■空、陸の便乱れる 近畿各地で雪や強風(京都)
  ■フレックスタイム制導入 JR西日本が本社で(京都)
  ■京滋スッポリ冬将軍 福知山で積雪15a 臨時休校も(京都)
  ■日本海側中心に大雪 新幹線ダイヤ乱れる(朝日)
  ■車いす楽々乗車 リフト付きバス 中心部の循環系統で初 27日から 京都市(朝日)
  ■京都市内40年ぶり大雪 「動かない」電車、バス… 雪見上げ嘆く乗客ら 道路、10`以上渋滞も(京都)
  ■京都市内、40年ぶり大雪 積雪17a 京滋の交通網、混乱(京都)
  ■雪 朝のラッシュ直撃 交通、大幅に乱れる(朝日)
  ■白衣の街 白紙のダイヤ 近畿に大雪 ホームも「大渋滞」 スキー場は一安心(朝日)
  ■次世代鉄道 どこまで速く? 走り出す 500系新幹線・リニアモーターカー ともに空気抵抗軽減がカギ(朝日)
  ■サラリーマン JRマン10年 3 苦労実り黒字発進(読売)
23日■京滋に大雪 交通網は終日乱れ 幹線道、断続的に渋滞(京都)
  ■京滋に大雪 ”遠い家路”うんざり(京都)
  ■京阪、コンビニ進出 京都市内の駅を中心に 5年で50店目指す(京都)
  ■京都の市電いまどこに 保存状態などを冊子に 愛好家が1年かけ調査(朝日)
  ■通勤電車 イス増やせます 6扉なら最大5割増 4扉でも2割増 東大生産研が提案(朝日)
  ■大雪 終日交通乱れる(朝日)
  ■京阪が3月22から枚方市駅に特急停車(朝日)
  ■新幹線は徐行 交通乱れ残る 京滋、雪の影響(京都)
  ■なお雪影響 新幹線遅れ(朝日)
  ■サラリーマン JRマン10年 トロッコ列車社長 4 客との触れ合い重視(読売)
25日■JR、3月に試乗会 新型新幹線と東西線(京都)
  ■大阪市営地下鉄 民営化も視野に 審議会答申 新線見直しも迫る(朝日)
  ■大阪市営地下鉄やバス 値上げ容認の答申 公営企業審議会(朝日)
  ■街かど探検 怒ってます 笑ってます 旧式あかん!!高架に踏み切れ JR奈良線の新田辺駅周辺 開かずの踏切 イライラ 増発で渋滞に拍車 朝夕のラッシュ時は20−30分待つことも(京都)
  ■シティーライフ 異界へようこそ 鉄道趣味の復活 トンネルを抜ける日はいつ(朝日)
  ■サラリーマン JRマン10年 トロッコ列車社長 5 全員で会社支える(読売)
26日■京都市バス地下鉄運賃 消費税転嫁せず 市、当面据え置き方針(京都)
  ■雪に弱い通勤電車 床下に付着、ショート 22日の寒波 故障5件 JR西日本と阪神・阪急調べ(朝日)
27日■サラリーマン JRマン10年 トロッコ列車社長 6 やんちゃ坊主を貫く(読売)
28日■障害者らの生活圏さらに広がる 市中心部循環205号系統 リフト付き市バス発車(京都)
29日■サラリーマン JRマン10年 トロッコ列車社長 7 多彩な仕事が役立つ(読売)
30日■体験しよう世界最速 JR西日本が「のぞみ」試乗会(朝日)
  ■京都市バス 少系統多便型に研究委提言 地下鉄開業で再編(京都)
  ■近畿北部で雪 新幹線遅れる(朝日)
  ■女性はねられ?死亡 高砂のJR山陽線(朝日)
31日■「パセオ・ダイゴロー」西館 3月15日しゅん工 地下鉄醍醐駅上 市南東部発展の核に(京都)
  ■「市バス」提言に抗議 共産党京都市議団(京都)
  ■近鉄がダイヤ改正 3月18日から全線で(京都)
  ■バス路線を大幅に縮小 地下鉄東西線開通で京都市(朝日)
  ■近鉄、ダイヤ改定 土曜を日曜同様に(朝日)
  ■開業前にJR東西線で訓練 地下での火災に対応(京都)
  ■東西線で火災訓練(朝日)
  ■サラリーマン JRマン10年 トロッコ列車社長 8 地域と共に夢売る(読売)



1日■今年の京都 こんな年(抜粋)
 1997年が明けた。春の京田辺市誕生から、夏の京都総体、秋の京都大創立100周年記念式典…。ことしも府内で多彩な行事が催される。締めくくりとなる12月の「気候変動枠組み条約第3回締約国会議」(COP3)まで、さまざまな話題が目白押しだ。この1年間に予定される行事から主なものを紹介する。
 ●京都駅ビル開業(7月中旬) 京都の玄関口に姿を見せる高さ59.8b、地下3階地上16階建て、延べ約23万8000平方bの駅ビル(下京区)が開業する。総工費1500億円の大プロジェクト。駅施設が7月中旬にまず開業し、その後、劇場やホテル、百貨店などが次々にオープン。京都の商業機能は百貨店などが集まる四条河原町との二極構造になる。93年12月の着工前から、景観やデザインの是非をめぐって論議を呼んでいた。
 ●京都市地下鉄東西線開通(11月) 工事の遅れと工費の膨張などで話題になった京都市地下鉄東西線(伏見区醍醐−JR二条駅間、12.7`)が開業にこぎ着ける。工費は当初計画の2倍近い4660億円になりそうだ。地下鉄工事にともない、御池通に新しい地下街と地下駐車場(930台分)ができる。地下街は約70店舗の入居を見込んでいる。一方、地下鉄烏丸線の延伸区間(北山−国際会館間、2.6`)は7月に開業予定。(朝日新聞)
■列車爆破で数百人死傷 インド ゲリラか
 【ニューデリー31日=宇佐波雄策】インド北東部のアッサム州コクラジャルで30日夕、デリーに向かっていた急行列車が反政府ゲリラに爆破され、数百人が死傷した模様。32遺体が発見され、80人以上が重軽傷を負った。
 死者は300人以上、との情報もある。
 治安当局は、現地一帯を拠点にするボド族反政府ゲリラの犯行と見ている。(朝日新聞)
3日■石鎚山のロープウエー止まる 客800人、歩き下山 愛媛
 愛媛県・石鎚山中腹のスキー場や神社とふもとを結ぶ「石鎚登山ロープウェイ」(全長1815b、高低差約850b)が1日午後2時20分ごろ、突然ストップした。復旧の見込みが立たず、石鎚神社成就社の初もうで客や石鎚成就スキー場のスキー客ら計約1000人のうち約800人は、日が暮れて雨が降り出した約4`の登山道を歩いて下山した。3時間以上かかった人もいた。下山途中に女性1人が足にけがをした。
 ロープウエー会社によると、ロープウエーの動力の電圧が急に上下したため、緊急停止させた。ロープウエーは標高約1300bの山頂駅とふもとの下谷駅を上りと下り各1台のゴンドラで、約7分間で結んでいる。止めたのは両駅までそれぞれ約120bのところで、上りには38人、下りには45人乗っていたが、予備動力で両駅まで運んだ。しかし、復旧の見通しが立たず、午後3時すぎ、子どもやお年寄りら約200人は片道約40分間かかる予備動力を使ってロープウエーで降ろし、あとの約800人は登山道を歩いておりてもらうことにした。
 四国電力西条営業所によると、変電所からロープウエーへの配電線3本のうち1本が切れていた。1日午後10時20分すぎに復旧した。同営業所は、風で飛ばされた木の枝などが当たって切れたのではないかとみている。(朝日新聞)
4日■Uターン混雑始まる
 4日、休暇を帰省先や旅行先で過ごした人たちのリターンラッシュが始まった。ラッシュは分散化しているものの、高速道路は渋滞し、列車や空の便も満席が相次いだ。
 近畿管区警察局によると、3日夕方から4日未明にかけ、名神高速道路(下り)の伊吹パーキングエリアと八日市間で33`、高槻バスステーションと瀬田西の間で37`渋滞した。4日朝には解消され、昼ごろから再び混雑し始める見通し。
 JR西日本によると、新幹線の上りは、午前9時ごろから午後9時すぎの東京行きの最終列車まで、指定席とグリーン席は予約で満席。自由席も、午前9時ごろには乗車率が100%を超え、ホームには荷物を持った家族連れなどが並ぶ姿が見られた。
 空の便でも、関西空港と大阪空港は、鹿児島、宮崎など九州方面からの到着便が満席になるなど、大阪に戻る使は終日、予約でほぼ満席。
 海外からの帰国者もピークを迎えた。日本航空は臨時便3便を含む19の到着便がほぼ満席。正月休みをホノルル、シンガポールなどで過ごした人らが次々と到着。空港内は出迎える人らで朝から込み合った。大阪入国管理局関西空港支局のまとめでは、予想される帰国者は1日で約2万4000人。混雑は5日も続くという。(朝日新聞 夕刊)
5日■男性、飛び込み即死 阪急・西京極駅
 4日午後2時45分ごろ、京都市西京区西池田町、阪急電車西京極駅の下り線で、梅田行き特急電車に右京区内の無職男性(53)がはねられ、全身を強く打って即死した。
 桂署によると、電車が駅に到着する直前に、男性が線路に飛び下りるのを運転士やホームにいた乗客らが見ており、自殺と見て調べている。
 この事故で特急電車は現場に約9分間停車し、後続の特急や急行など計7本が最高約12分間遅れた。(京都新聞)
■時速350` 新超特急 新大阪−博多1時間50分 JR西日本 開発を決定 2007年運用めざす
 JR西日本は、山陽新幹線を最高時速350`で走り、新大阪−博多間を1時間50分で結ぶ新型超特急の開発を決定、今年からプロジェクトチームを始動させる。座席を「のぞみ」などの5列から4列に減らすなどで徹底的に軽量化を図り、カーブでも速度を落とさない新技術を採り入れる。最速列車は岡山、広島を通過させ、航空機から利用客を奪う狙いだ。10年後の2007年の運用を目指す。
 同社は3月22日、世界最速の時速300`で営業運転する新「のぞみ」(500系)を山陽新幹線にデビューさせる。新型超特急は500系に採り入れた環境対策などの技術を生かし、さらに50`スピードアップする。
 最速列車の到達時間は、新大阪−博多間で「のぞみ」より42分、500系より27分短縮される。
 車体の素材にはアルミの部分を増やして、軽量化を進める。車体の断面を500系より小さくすることで、騒音、振動対策も強化する。
 同社は、JR総研と合同で車体の形状や傾斜システム、時間短縮のシミュレーションなど基礎的な研究を始めている。(朝日新聞)
6日■京都市地下鉄 北々伸と東西線開業 市バスの民間への移行 今月にも基本方針まとめる 山科・醍醐・岩倉地域 敬老制度、存続へ
 市バスの経営再建に取り組んでいる京都市は、今年7月の地下鉄烏丸線北々伸、11月の東西線開業に伴い、市バス運行を廃止し、民間バスに移行する左京区岩倉を中心とした洛北地域と、山科・醍醐地域での路線や敬老乗車制度などの継承について、今月にも民間バス会社との間で基本方針をまとめる。地下鉄を中心とした路線網づくりを基本にしており、地元要望などとの調整を進めている。
 市バスは、交通事情の悪化などから乗客減少が続いており、95年度の経常赤字は14億3000万円、累積赤字44億3000万円、不良債務63億3000万円にのぼる。さらに、今年7月の地下鉄烏丸線北山−国際会館間、同11月の東西線の開業で、乗客はいっそう減ると見込まれている。
 市交通局では運賃改定を市議会に提案した昨年5月、2003年までに不良債務を解消するため「市自動車運送事業の今後の展望」を示し、人員削減などと併せて▽山科・醍醐地域の市バス廃止と京阪バスへの一元化▽洛北地域の路線再編成▽市南西部路線(横大路営業所管内)の民間会社との新運営方式の検討−などを打ち出した。
 地下鉄東西線開業で乗客減が必至の山科・醍醐地域では、昨年10月、京阪バスへの市バス事業の一元化について基本協定を締結した。
 同地域では「ドル箱」の山科駅−外環状線経由の路線が地下鉄と競合するため採算性が問題となっている。住民はきめ細かな路線整備や市中心部への直接乗り入れなどを要望しており、市と京阪バスで今月中に大筋で協議をまとめ、6、7月には地元に対し具体的な新路線を提示する。
 70歳以上が対象の敬老乗車制度(無料パス)は存続する方向で、市の負担額や利用範囲などを今月中に詰めることにしている。
 地下鉄烏丸線の延伸で影響を受ける洛北地域では、京都バスに一元化する方針で、今月中に基本協定を結び、具体的な路線などは来年4月ごろに決める。
 一方、不採算路線が多い南、伏見両区など横大路営業所管内については、すでに市と交通局、向日市、長岡京市、阪急バス、京阪バスの6者で京都南西部交通問題協議会を設置。現状分析をはじめ、第三セクター方式や委託方式など全国の事例を研究しており、97年度中には方向性を打ち出すことにしている。(京都新聞)
■レール横断中のスリップ事故 完封 昨夏、痛ましい死亡事故も 滑り止めへ改修 段差なくし信号も設置 右京の三条通
 雨にぬれた路面電車の軌道で車のスリップ事故が多発している京都市右京区の三条通の一部区間が近く、大幅に整備されることになった。滑り止め舗装やレール改良工事を施す計画で、事故防止につなげる。
 整備されるのは、右京区太秦森ケ前町の京福電鉄・嵐山線蚕ノ社駅東側の三条通約80bの区間。
 三条通を西へ向かう車が軌道上を斜めに横切るため、雨の日にはスリップ事故が多発している。昨年7月20日には、母親と姉と一緒に三条通を歩いていた小学生の兄弟2人が、スリップしたトラックにはねられ死亡する事故もあった。
 京都府と京福電鉄の計画によると、車道とレールの段差をなくし、スリップしやすいゼブラゾーン一帯に滑り止めの舗装を施す。また、軌道のレールも6a幅2本を並べて1本として使用しているのを6a幅1本に改良するほか、横断歩道や押しボタン式の信号機、自動発光装置、注意喚起の看板を設置する。今月中にも整備工事に着手、3月末までに完成させる。
 昨年7月の児童の死亡事故を契機に「蚕の社交通事故対策委員会」を結成し太秦署へ対策を呼びかけていたすし店経営若山隆志さん(35)は「これで忌まわしい事故がなくなってほしい」と話している。(京都新聞 夕刊)
7日■二条駅駐輪場 来月オープン 自転車1060台を収容 京都市営で3番目の規模
 京都市が、JR二条駅(中京区)の駅舎南側の高架下に整備していた市営駐輪場が今月20日に完成、2月1日からオープンする。
 この駐輪場は、JR山陰線の連続立体交差化の関連事業で、昨年10月に着工した。約1100平方bの敷地に、2段のラック式の施設を設け、1060台を収容する。事業費は約1億2000万円。市営駐輪場としては、山科駅前、阪急桂駅西口に次いで3番目の規模となる。
 二条駅舎の改築前には駐輪場がなく、歩道に自転者があふれていた。高架化工事に合わせて設けられた2ヵ所の仮設自転者置き場(計800台)は、新駐輪場の開設に伴い廃止される。
 新駐輪場の利用時間は、午前5時−深夜1時で、始発電車から最終電車の乗客に対応する。料金は1日1回150円。回数券、定期券は21日から同駐輪場管理事務所で発売する。問い合わせは市駐車場公社 075(361)7431へ。(京都新聞)
■大阪湾に夢構想 神戸−関空40分で直結 水中トンネル造ろう 神戸大教揺らグループ研究 ミニ地下鉄通す 水深20b、免震装置も
 神戸−関空間を水中トンネルで直結−。神戸大の桜井春輔教授(トンネル工学)や民間企業の技術者らのグループが、2004年10月の開港を目指して計画中の神戸空港と関西空港を、大阪湾を横断する水中トンネルで結ぶ研究を進めている。
 構想では、トンネル内に地下鉄を走らせ、神戸市都心部から関西空港までを約40分でつなぐ。桜井教授は「通常の地下鉄と違うのは囲んでいるのが水か土かの違いだけ。安全面でも問題ない」と話している。
 研究を進めているのは土木学会関西支部内の研究グループ。心理的な抵折もあって現在、世界で水中トンネルの実現例はないという。
 海底に打ち込んだ鋼管の支柱に、最大幅約14b、高さ約6bのトンネル本体を載せる計画。延長約30`で、船舶の障害とならないよう水深は20bを確保、内部には6両編成のミニ地下鉄上下2線と避難路を通す想定。
 トンネルと鋼管を一体化すると地震などの影響が大きいため、現在、トンネル本体の浮力を利用した免震装置も研究中という。
 海底トンネルでは1兆円以上かかり、海底に溝を掘って敷設する沈理工法型は環境への影響が深刻。桜井教授は「建設費は約3900億円で、大阪湾横断には水中トンネルが最も現実的」と話す。(京都新聞)
■関西私鉄5社 年末年始の旅客 前年より減少
 近鉄、南海、京阪、阪急、阪神の関西大手私鉄5社は6日、12月28日から1月5日までの年末年始の旅客輸送実績を発表した。
 各社とも前年実績を下回り、5社を合わせた旅客数は前年比8.5%減の約2123万人で、期間中の輸送収入も8%減。
 5社は今回の実績について「長かった休暇に伴う、帰省などの長期化で都市部の移動が低調だった。加えて、新年は2日以降の冷え込みで利用客の出控えがあったのでは」としている。
 また私鉄系列の遊園地などへの入場者数は、改装後初の年末年始営業となった「ひらかたパーク」(京阪、枚方市)の36%増をはじめ、「宝塚ファミリーランド」(阪急、宝塚市)、「六甲山人工スキー場」(阪神、神戸市)が前年同期を上回った。(京都新聞)
■JR西日本は前年並みに
 JR西日本は6日、年末年始(昨年12月26日−1月5日)の旅客輸送実績を発表した。
 期間中の利用客は、山陽新幹線が前年と比べ3%増の144万人、在来線が2%減の145万人で、合わせて前回と同じ289万人だった。移動のピークは、関西地区から各方面は12月30日、その逆が1月4日。
 主な線区、列車の利用は、山陽新幹線で「のぞみ」が31万人(対前年比20%)と好調、「ひかり」「こだま」はほぼ前年並みだった。
 関西空港線は「はるか」が前年並みの11万人。しかし快速などはやや振るわず、合計約30万人で、前年比3%減に終わった。
 JR西日本では「休暇が長かったことから飛行機の国際線や国内線、高速道路に利用客が流れたのではないか」とみている。(京都新聞)
■御池地下街 愛称はゼスト
 京都市の地下鉄東西線の関連事業で、今年10月にオープンする御池地下街(中京区)の愛称が6日、「Zest(ゼスト)御池」に決まった。ゼストは英語で「興味、喜び」の意味。若者に親しまれる新名所に、との願いを込め選定された。
 同地下街(河原町通−御幸町通間、315b)は、市などが出資する第三セクター「京都御池地下街株式会社」が、89年から総事業費280億円をかけて建設している。特に若者層の集客をめざしており、婦人服や雑貨の専門店、レストランなど60店舗が入る予定。今年11月に開業する地下鉄東西線の京都市役所前駅に接続する。
 愛称は、昨年8月下旬から9月まで募集し、国内外から8041件が集まった。作品を絞ったうえで20−30代の女性会社員ら150人にアンケート調査を行い、最終的に大学教授ら10人が選考にあたった。
 選ばれた「ゼスト」は、「趣を与える」の意味もあり、「多彩な店舗が並び、京都のまちに新しい趣をもたらす地下街の特徴を表している」と、アンケート調査で一番人気が高かった。「ゼスト」は3人から提案があり、抽選で樹山菜保さん(23)=船井郡丹波町に記念品が贈られることになった。(京都新聞)
■年末年始の利用状況 平年並み JR福知山支社
 JR西日本福知山支社は6日、管内の年末年始(12月26日−5日)の利用状況を発表した。豪雪でスキーやカニすきなどで利用が多かった前年よりは下回ったものの、ほぼ平年並みの利用となった。
 福知山線、播但線、山陰線の3線の全体の利用人員は117万6000人(対前年比93%)、特急・急行は17万3000人(同89%)だった。帰省のピーク日は31日で1万人(同79%)、Uターンは4日の1万3000人(同86%)。
 期間中、利用が多かったのは、定期列車の下りが30日の「北近畿11号」と31日の「同13号」で、乗車率は130%以上。上りは3日の「同10号」と4日の「同14号」、「同16号」、「はしだて8号」がいずれも150%を超えた。臨時列車では、京都−東舞鶴間に新設した急行「舞鶴」が、30日の乗車率が85%とまずまずだった。(朝日新聞)
■のぞみ利用客10%増
 JR旅客6社と私鉄大手は6日、年末年始(12月26日−1月5日)の利用者数を発表した。
 JR6社の主要路線(特急、急行)を利用した人は約1166万人で、前年より1%増えた。東海道・山陽新幹線では臨時列車の本数を大幅に増やした「のぞみ」が前年より10%増。逆に、特急「はるか」などの関西空港線利用者が前年より3%減った。JR西日本は、関空へのアクセスにバスやマイカーを使う人が増えたため、と見ている。
 関西の私鉄大手5社は前年より平均8%も減少した。各社とも、休暇が長期になったため都市部を移動する人が減ったことや、1月2日以降の天候が悪かったことなどを理由にあげている。(朝日新聞)
■通勤・通学客増やせ 新幹線一新 JR西・東日本が開発へ 「こだま」新型/総二階建て
 速さと快適さを売り物に新幹線での通勤、通学客を増やそうと、JR西日本とJR東日本がそれぞれ独自に、新型車両の開発を進めている。西日本は、老朽化した山陽新幹線の「こだま」の車両を一新し、利用者を呼び込む狙い。東日本は、東北、上越新幹線の混雑解消の切り札に、新たに総2階建て車両を造る。
 JR西日本によると、山陽新幹線の定期券発売枚数は昨年度で約5万5000枚。JRが発足した翌年、1988年度の3倍になっている。しかし、「こだま」は平均乗車率が昨年4月から9月までの上半期で37%と、空席が目立っている。
 並行して走る在来線のJR東海道・山陽線がスピードアップし、大阪−姫路間は新快速で61分。新大阪−姫路間を33分で結ぶ新幹線を利用しなくても、通勤、通学時間は余裕があるため、と同社はみている。
 現在、「こだま」の多くは新幹線で最も古い0系車両で、製造から20年以上たっている。このため、快適さを重視した新型車両を開発し、「ゆったりと通勤、通学」を売り物に新幹線利用者を掘り起こす。
 新型車両にはアルミより割安な鉄を使ってコスト削減を図ることや、総2階建てにして車両数を減らすことなどを検討している。2000年までに営業を始める予定だ。
 一方、JR東日本の新型車両は8両編成で、定員は約800人。ラッシュ時には16両編成に連結する。同社は98年春のダイヤ改定から本格的な運用を見込んでいる。
 同社によると、昨年度の東北、上越新幹線の定期券発売枚数は約21万5000枚で、88年度の6倍。その結果、両新幹線ともに、午前8時台から同9時前後に東京駅へ到着する列車の多くは定員を超えている。
 同社で、最も輸送定員の多い総2階建ての「Max」(12両編成)や、H編成の「200系」(16両のうち2両が2階建て)でも、約1230席しかなく、ピーク時の乗客千四、五百人全員は座れない。新型の総2階建て車両(E4系、仮称)を連結して16両編成にすると定員は約1600人となり、ピーク時でも全員が座れる、という計算だ。(朝日新聞 夕刊)
8日■整備新幹線 検討委設置 早くて3月 運輪相が示唆
 古賀誠運輸相は7日の閣議後の記者会見で、整備新幹線の新規着工区間の建設の優先順位を決める政府・与党の検討委員会について、「財源の確保が重要な問題なので、(1997年度の)予算が成立した段階で設置したい。構成メンバーなどはまだ考えていない」と述べた。検討委の設置は早くても3月下旬ごろになりそうだ。(朝日新聞)
■前年より8000人減る 年末年始利用客 KTR
 北近畿タンゴ鉄道(略称KTR、事業本部=宮津市)は7日、年末年始(12月26日−5日)の利用客状況を発表した。比較的、好天に恵まれたため、近距離ではマイカー利用が目立ち、豪雪で利用客が多かった前年より約8000人下回った。
 宮津線と宮福線を合わせた全体の利用客は4万7300人で対前年比85.5%だったが、長距離客が多い特急では電化や49%増の輸送力アップが功を奏し、2万6300人と47.8%伸びた。一方で、近距離客が多い普通列車は2万900人で、前年の55.9%だった。(朝日新聞)
■中国−ベトナム縦断4700` 改革開放とドイモイを行く ”統一”に揺られ冬から夏へ
 北から南へと線路は国境を越え、延々と続く。「改革・開放」「ドイモイ(刷新)」の下、過去のおん念を振り切って国交を正常化した中国とべトナムを縦に貫く大動脈だ。北京−ハノイ間3000`の「中越鉄道」とハノイ−ホーチミン間1700`の「統一鉄道」。総延長4700`、冬の北京からほとんど夏のホーチミンまで5泊6日の旅をした。
 国際列車「特快五次」は深夜、北京西駅を出発した。戸外では吐く息が白く見える。軟臥(が)車両(ソフトベッド)の中は暖かく、清潔な4人部屋のコンパートメントは快適だ。料金はハノイまで1502元(約2万円)。中国人の平均給与からすると非常に高額だ。同室の中国共産党幹部の2人が「自分の給料では乗れないよ」と笑った。
 白っぽく寒々とした畑を黙々と耕す北の農民。南では肥沃(よく)な黒土の畑で作業の手を休め、列車に手を振る農民たちがいた。山水画でおなじみの奇岩が広がる。車窓からの光景は夜が明けるたびに変化した。
 3日目の午後10時、国境の■祥(ピンシャン)駅に着いた。すぐ出国検査。車内で国境警備隊員らがパスポートをチェックする。あっという間に終わった。終始笑顔で「また来てください」とミカンを一つ手渡してくれた。19両から3両に短縮された列車はやみの中、国境を越えた。隣の部屋から拍手と歓声が聞こえた。
 30分でべトナム側の国境のドンダン駅に到着。乗客は8人、ほとんどは欧米からの観光客だ。昨年2月、鳴り物入りで再開した国際列車にしては、ちょつと寂しい。
 中国側と違って入国検査は入念だった。警備隊員らの表情は険しい。無言で一つ一つの荷物を調べる。中国とべトナムではレール幅が広軌、狭軌と異なるため、ここでべトナム側の列車「M2」に乗り換える。このインド製の列車は中国側と比べ旧型で、窓も完全に閉まらなかった。国力の違いは明らかなようだ。
 4日目の朝、北京から約60時間でハノイ駅に到着。色彩に乏しい灰色の駅。北京西駅と同じような重苦しさを覚えた。ハノイからホーチミンまでは「統一鉄道S3」を利用した。119万ドン(約1万2000円)で食事付き。
 列車は8分の乗車率と幾分ゆったり。北部から中部へ下る途中、ふと気付いた。ベトナム戦争の痕跡がほとんどないのだ。「ドイモイ以降、戦車やヘリの残がいを外国に売ってしまったんです。だから…」と同行の外務省職員が言いにくそうに説明してくれた。かつて北と南を分けたベンハイ川を過ぎハイバン峠を越えると、それまでの雨ばかりの天候と風景が一変した。
 青い空、白い砂浜にヤシの群生。「峠を越えるとほっとするんだよ。”北”は天気も人も暗いからね」と隣に座る南部出身のベトナム人男性がポツリと言った。車内の雰囲気もがらりと変わった。ベトナム人は洋楽嫌いだと思っていたが、突然、米国のロックが流れ出し、乗客の笑い声が飛び交うようになった。
 ホーチミンのサイゴン駅のホームに降り立つと、真夏を思わせる太陽と都市のけん騒が身を包んだ。(文、共同 原田浩司)(京都新聞 夕刊)
■線路に転落 ひかれ重体 御堂筋線梅田駅
 8日午前7時ごろ、大阪市北区角田町、大阪市営地下鉄御堂筋線梅田駅構内で、大阪市旭区の工員の男性(59)が上り線ホームから線路上に転落。到着した電車にひかれ、両足を切断するなどして重体。この事故で上下計28本が最高で8分遅れ、2万人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
9日■国鉄清算事業団 2400人定員を半減 98度中 JRにも採用要請
 政府は、国鉄清算事業団の職員の人員削減を1997年度から本格化させ、99年3月までに約2400人の定員を半減する。早期退職や転職を進めるため、公務員や特殊法人の職員としての採用を検討するほか、JR各社にも受け入れを求める。旧国鉄が残した長期債務の返済財源になっている土地やJR株式の売却が進み、業務が残りわずかになってきたことから、人員削減と職員の再就職対策に本格的に取り組む。
 事業団の職員は96年4月時点で2017人。計画では、99年3月までに800人余り減らして1200人とする。97年度中に四国支社を廃止するほか、本部の組織も合理化する。
 再就職対策では、総務庁や運輸省は、事業団の職員から希望の強い政府内や、日本鉄道建設公団、住宅・都市整備公団、関西国際空港会社などの特殊法人での再雇用を軸に調整を進めている。しかし、公務員や特殊法人の職員数の削減が迫られる中での全面的な受け入れは難しい状態だ。このため、JR各社へも協力を要請しており、各社とも応じる姿勢を示している。(朝日新聞)
10日■声 国鉄知る総理 愚を重ねるな 武生市 荒田 冨士男(無職 71歳)
 橋本総理、あなたは第三次中曽根内閣の運輸相として旧国鉄の破産整理をおこない、民鉄JR社を誕生させた直接責任者であったと記憶します。そのあなたが総理大臣として整備新幹線の着工を新年度予算案に盛り込まれたことに納得できないものを感じます。
 かつて国鉄再建監理委員だった加藤寛氏は「国鉄改革の考え方は(中略)新生JRを身軽にする徹底的な合理化により効率的な経営を行わせる。新たな借金を生むような投資は行わせないというのが基本だった」と述べられています。
 今回の整備新幹線問題についてJR3社は終始、反対しております。「採算性に問題あり」としているからです。だが、与党議員の中には「あくまで反対するなら、再分割してやろうか」などと暴言を吐いた者さえいたそうです。
 国鉄破産の原因は、あなたの先輩議員たちが「我田引鉄」に走り、不採算線区を無計画につくったことです。再び、同じ愚を繰り返そうとしているにもかかわらず、過去の経緯をご存じのあなたが、なぜ指導力を発揮されないのですか。
 「財政構造改革元年」を言われるのですから、せめて、そのお金を国鉄清算事業団の累積赤字削減に有効利用されるよう、お願いするものです。(朝日新聞)
11日■「向こう10年値上げせず」 JR東日本社長
 JR東日本の松田昌士社長は10日の定例会見で、「向こう10年間は値上げをやらないでやれる強い経営体質を作りたい。よほどの異常物価にならない限り値上げは考えない」と述べた。消費率車引き上げの転嫁を除くと、旧国鉄の長期債務の返済財源の負担を求められるなど外的な要因がない限り、値上げしない考えを示したものだ。(朝日新聞)
■環境庁責任者 はねられ重体 東京で地下鉄に
 10日午前8時40分ごろ、東京都千代田区神田淡路町一丁目、営団地下鉄丸ノ内線淡路町駅の1番線ホームから男性客が落ち、電車にはねられたと119番通報があった。神田署の調べで環境庁海洋汚染・廃棄物対策室長(50)とわかり、病院に運ばれたが重体。
 環境庁によると、室長は、重油対策の担当責任者として、現地との連絡や海鳥の保護対策に追われ、ここ数日は深夜や未明の帰宅が続いていたという。(朝日新聞)
12日■声 安全確保こそ新幹線の使命 茨木市 岩山善郎(無職 81歳)
 本紙によれば、JR西日本は山陽新幹線を最高時速350`で走り、新大阪−博多間を1時間50分で結ぶ新型超特急の開発を決定し、10年後の2007年の運転を目指すという。同社は3月22日に世界最速の時速300`で走る新「のぞみ」を山陽新幹線にデビューさせる。今の「のぞみ」より新大阪−博多間は15分早くなるが、今度の新型超特急は更に27分短縮するらしい。そのために、10年の歳月と多大の費用をかけるわけだ。
 目的は航空機から利用客を奪うことにあるというが、この超特急は岡山、広島を通過するそうだから、沿線の利用客の不満を招くことは間違いない。
 新幹線と航空機はそれぞれ特長がある。特長を生かすべきで、27分短縮は無駄であり、必要ない。必要なのは安全確保である。新幹線は1964年10月の東海道新幹線の開業以来30年以上経過しているが、多少のトラブルはあったものの、無事故といってよい。称賛に値する。全従業員の団結と努力の成果であろう。新幹線は日本の自慢の一つと言っても過言ではあるまい。
 しかし、油断は禁物である。高速であるが故に事故は大惨事となる。まさかは許されない。安全確保に全力を尽くすべきである。(朝日新聞)
13日■電車内で財布盗む 容疑の男性を逮捕
 京都府警捜査三課と松原署は12日、窃盗の疑いで、住所不定、名田則彦容疑者(42)を逮捕した。
 調べによると、名田容疑者は1995年12月8日、京阪電車の車内で、帰宅途中の寝屋川市の女性会社員(24)のショルダーバッグから現金5万5000円などが入った財布を抜き取った疑い。この日午後、京都市伏見区の京都競馬場内でスリを警戒中の捜査員が名田容疑者を発見、逮捕した。(京都新聞)
■伊の特急脱線 死者は8人に
 【ローマ12日=共同】イタリア・ピアチェンツァ駅付近で12日午後、ミラノ発ローマ行きの特急列車が脱線した事故は、ANSA通信などによると、機関士や乗客ら8人が死亡、29人が負傷して病院に収容された。在ミラノ日本総領事館によると、死傷者に日本人は含まれていない。(朝日新聞 夕刊)
■送電トラブル新幹線遅れる 静岡−新富士間
 13日午前5時すぎから午前7時41分まで、東海道新幹線の静岡−新富士間で送電ができなくなり、同区間の上り線の運転が止まった。このため、東海道新幹線は静岡発車京行き「こだま520号」など上り10本が最高1時間14分遅れ、約1万人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
14日■山陽新幹線の窓にひび入る 計3本、標識が脱落
 13日午前11時5分ごろ、神戸市内の山陽新幹線「高塚山トンネル」(3.2`)を通過中の新大阪発広島行きのひかり141号(12両編成)の9号車屋根付近で「バラバラ」という異常な音がしたと、車内を巡回中の車掌から、新幹線の運行を一元管理している東京指令所に連絡があった。
 岡山駅到着後に点検したところ、8、12号車の窓ガラス2枚にひびが入っていたため、テーピングによる応急処置をして定刻通り広島まで運転した。
 JR西日本が他の列車についても調査したところ、先発の東京発岡山行きひかり101号と東京発博多行きのぞみ5号とで計13枚の窓ガラスにひびが入っていた。
 ひかり141号からの連絡後、同トンネル内で上下線とも4時間にわたり徐行運転を行い、調査したところ、トンネル壁面に6本のボルトで固定されているアルミ製の距離標識(縦60a、横20a、重さ5`)1枚が落ちているいるのが見つかった。
 3本の列車とも同トンネル通過後に窓ガラスのひびが発見されており、標識がはね上げられるなどして当たった可能性が高いとみている。
 標識はトンネル内に500b間隔で設置され、昨年12月の点検で異常はなかったという。JR西日本は「珍しい事故」として標識脱落の原因などを調べている。
 高塚山トンネル内での徐行運転のため、上下計46本が最高10分遅れ、1万8000人に影響が出た。(京都新聞)
■JR奈良線「京都教育大前駅」の講じ順調 3月8日開業へ 「仕上げ」に入ろ
 JR奈良線の稲荷駅−桃山駅間に建設中の新駅「京都教育大前駅(仮称)」=京都市伏見区深草大亀谷=の工事が順調に進み、全工程の8割が終わり、ホームや駅舎が姿を見せ始めた。
 同駅は稲荷−桃山間約4.5`の中間地点に、95年3月から総工費12億8000万円をかけて建設が進められている。
 6両編成の車両に対応できる長さ125bのホーム2本のほか、鉄筋平屋建て駅舎の外壁工事がほぼ終わり、停車位置表示や照明、電気系統などの内装工事に入っている。
 JR西日本によると、2月下旬には駅舎が完成し、間もなく正式名称が決まる見通し。新駅は3月8日に開業し、1日約1500人の乗降客が見込まれている。
 京都市に新駅設置の請願を出すなどの運動を続けてきた藤ノ森学区自治連合会の村岸啓三郎会長(71)は「10年来の念願がかない、ようやく駅が形になって現れてきた。これで買い物や旅行など日常生活が一層便利になる」と開業の日を待ちわびている。(京都新聞)
■「ひかり」に標識が落下 神戸のトンネル
 13日午前11時ごろ、神戸市須磨区の山陽新幹線の高塚山トンネル(3.2`)で、新大阪発広島行き「ひかり141号」(乗客約500人)の屋根でバラバラという音がし、8号車と12号車の窓ガラスにひびが入っているのが見つかった。同列車より前に同トンネルを通過した東京発博多行き「のぞみ5号」と東京発岡山行き「ひかり101号」の窓計13枚にもひびが入っていた。JR西日本の調べでは、同トンネル内に東京からの距離を示すアルミ製の標識が落ちていた。(朝日新聞)
■ポリティカにっぽん 新幹線は改革のリトマス紙 早野 透(編集委員)
 新年になって、株価が急落している。年末に編成された1997年度予算案が景気対策はハンパ、財政改革も不確かだと失望しての、いわば「日本売り」なのだと解説されている。ほんとならは、ただごとではない。
 4月から消費税率が上がる。所得税の特別減税は中止。納税者のふところを苦しませる7兆円の負担増も、そこに構造変化へのくっきりした意図がみえるなら納得もする。
 だが公共事業の分捕りシェアは変わらず、あげくに整備新幹線着工へ動く。ペルーの事件で予算編成には頭が回らなかったという橋本龍太郎首相の言い草では、切り抜けられないだろう。
◎新幹線音頭も披露
 それにしても昨年12月、新幹線建設の予算獲得への熱気はすごかった。例えば、都内のホテルで早朝から開かれた九州新幹線促進の総決起大会では、こんな「九州新幹線音頭」が披露された。
 おらが熊本 日本一の名産地/すいか みかんに お茶どころ/いちご メロンにげんばくなすよ−
 食べにきなっせ九州へ/新幹線でひとっ飛び−/ハ来なっせ来なっせ九州へ/新幹線でひとっ飛び−
 このあと、福岡、佐賀、鹿児島のご当地ソング風に4番まで続く。もうひとつ、「早くコイ九州新幹線音頭」というのもある。
 やはり4番まで「僕と彼女は新幹線に乗って/ハネムーン旅行で心が騒ぐ」とか「知事さんも市長さんも新幹線に乗って/国会陳情に出かける予定」とか、無粋な歌詞をソレソレと盛り上げる。
 いまから25年前の田中角栄氏の「日本列島改造論」には、東北、九州はむろん、日本海側を青森から山口までつなぎ、中国四国を松江から高知まで縦貫し、四国九州の海をくぐり、さらには北海道を十字形に走る全国計9000`メートルの「新幹線網計画」が盛られていた。
 地域開発への先行投資、過密過疎の同時解消、全国一日行動圏…。昨年来の高揚は角栄氏死してなお、大ぶろしきの高度成長の夢を捨て切れないということなのであろう。ましてや「フル規格の新幹線が来ないなら核燃料再処理工場も断りたい」という青森の心情となると、基地集中に抵抗した沖縄のそれに似て、なだめにくいものがある。
◎「凍結の細川」弾劾
 新幹線建設に批判的であることがいかに大変か、この9日の新進党の「基本政策に関する全議員会議」で、かつて熊本県知事もつとめた細川護煕氏がこう発言した。
 「熊本県の最大の要望事項だった新幹線に、私は水をかけてきた。知事のときも距離を置いた。首相のときは凍結した。総選挙前の昨年9月、熊本県議会で私への弾劾決議が通った」
 細川氏への弾劾とは、県内雑誌のインタビューで「現在の新幹線誘致は利益誘導以外の何ものでもない」「フル規格よりミニ新幹線の方が現実的」などと発言したのに、県議会の「自社さ」議員が抗議の決議をしたものだった。いま細川氏はこう結論する。
 「改革というと、とかく新しくやることにアイデアを競う。むしろ大事なことは、何をやめるか、やらなくていいことは何か、ということなのだと思う」
 が、実は、新幹線ルートの新進党の幹部級議員も着工の陳情に名を連ねる。小沢一郎党首が会議で「国民が新進党の政策に対して、あんたほんと、というのは、あんたたち本気でやるのかという問いかけなのだと思う」と繰り返し述べたのもわかる。
 民主党でさえ例外でなく、菅野久光氏ら北海道選出の8人の議員が予約なしで自民党本部に飛び込み、「北海道ルートは長年の悲願」と加藤鉱一幹事長に訴え出た。「権力にすりよらない」はずの民主党がどうしたことか。
 新幹線建設が未来永劫いけないというのではない。だがいまは、こんな上っ調子に進めるときではあるまい。今後、政府と与党3党で、採算性や着工順を詰めるという新幹線問題は、財政再建に向けて日本政治に自らの身を切る改革能力があるのかどうか、そのリトマス試験紙なのかもしれない。
 日本の進路に危機脱出のシナリオはあるか、通常国会の開幕はまもなくである。(朝日新聞)
■あの日から止まったまま 再び発車いつ 摩耶ケーブル 赤字線、復旧阻む
 亀裂が入った乗り場に、とまったままのケーブルカー。さびついた線路のわきに雑草がはえ、木が倒れたままだ。阪神大震災からまもなく2年。摩耶山(神戸市灘区)へ向かう「摩耶ケーブル」(六甲摩耶鉄道)は今も復旧できないでいる。
 山頂にはケーブルカーの名前にもなっている摩耶山天上寺がある。現在参拝者は震災前の半分ほどだ。地元の市民団体「摩耶山を守ろう会」(伊藤あや子会長)などが約1万5000人の署名を集めて復旧などを要望したが、震災前から年間数千万円の赤字だったことや、復旧費用に約4億円かかることが、再開を遠のかせている。
 伊藤会長(74)は「昔から親しんできた山に入りづらくなってさみしい。山に入る人もどんどん少なくなってしまう」と残念そう。預上への公共交通機関は春から秋の日曜、祝日にかけて走るバスだけだ。(朝日新聞 夕刊)
15日■窓 バスに忘れ物 無事戻り感謝 右京区・小川きよ子(主婦・67)
 昨年暮れ、29日の午後、市バス15号系統に乗って白梅町で降りましたが、そのさい、手提げバッグを車内に置き忘れました。ほかにも袋を手に提げていたのでバッグを忘れたことに気がつかず、買い物をしようとして初めて手提げバッグの無いことに気付き慌てました。
 バッグの中には、現金はもとより、カード類、その他大事なものを入れていましたので、真っ青になりました。年末のこと、とても戻らないだろうと半ばあきらめつつ市バス営業所へ問い合わせたところ、衣笠操車場で保管しているからと聞かされ、夢かとばかり驚き、喜びと感謝の気持ちがいっぱいになって涙が出ました。
 バスのお客さんが見つけて運転手さんに届けていただいたのでしょう。押しせまった年末、また、いろいろ嫌なことが多い今日このごろなのに、すぐに届けていただいた親切なお客さん、そして、きちんと処理してくださった運転手さん、本当にありがとうございました。紙面をお借りして、心からお礼を申し述べさせていただきます。このことで私の人生、正直と親切についてお教えいただいたものと思い、これから精進せねばと心に誓った次第でございます。(京都新聞)
■満10歳の児童らを琵琶湖周遊に招待 JR西10周年記念
 JR西日本は会社設立10周年を記念し、今年満10歳を迎える児童と保護者150組(300人)を3月30日、観光船「ビアンカ」での琵琶湖クルージングに無料招待する。
 クルージングは、第1便が午前10時半、第2便は午後1時に大津港を出発、いずれも2時間かけて琵琶湖を巡る。船内で食事を楽しむほか、子供にはプレゼントもある。
 申し込みは、官製はがきに住所、名前、子供の生年月日と性別、電話番号を書いて〒601京都市南区西九条北ノ内町5ノ5、JR西日本京都支社人事課クルージング係へ。応募の受け付けは20日から2月10日(消印有効)まで。応募多数の場合は抽選し案内状を発送、当選発表に代える。(京都新聞)
■500系のぞみ 地震対策の新ブレーキ 300`走行時 停車距離1`短縮
 JR西日本は、3月から世界最速の時速300`で山陽新幹線を走る新「のぞみ」(500系)に、直下型地震対策として新しいブレーキ装置を備える。非常ブレーキと同時に車輪とレールの間にセラミックス粒子(直径0.3_)を噴射する仕組みで、300`走行の場合、通常の非常ブレーキより1000b手前の約4`で停車できる。鉄道総合技術研究所(JR総研、東京都国分寺市)が開発した。JR西日本は今後生産する新しい新幹線車両に順次、設置していく計画だ。
 新しいブレーキ装置は、車輪にセラミックス粒子を噴射するノズルと、粒子を入れるタンクを設置する。地震の発生で架線が停電した場合などに作動する非常ブレーキと連動し、車輪とレールの間に約1分間、自動的に直径0.3_の粒子30グラムを噴射する。粒子によって車輪とレールの摩擦が増える仕組みだ。実験では、現在の「のぞみ」の最高速度である時速270`で走行した場合、ブレーキをかけてから停車するまでの距離が3900bから3000bになる。時速300`では4900bから3900bになるという。(朝日新聞)
17日■新駅名は「JR藤森」奈良線の桃山−稲荷間 片町線田辺は「京田辺」 上田辺「JR三山木」に 3月8日のダイヤ改正から
 JR西日本は、ことし3月8日のダイヤ改正に合わせ開業する奈良線の桃山−稲荷間新駅の駅名を「JR藤森」とするとともに、4月1日から京田辺市に市制移行する綴喜郡田辺町内の学研都市線(片町線)の田辺駅を「京田辺」、上田辺駅を「JR三山木(みやまき)」と改称する。
 奈良線の新駅=京都市伏見区深草大亀谷大山町は、桃山−稲荷駅間(約4.5`)のほぼ中間にある。同地域が「藤森」と呼ばれていることから駅名に採用したが、近くの京阪電鉄の藤森駅との混同を避けるため「JR藤森」とした。
 新駅は、京都府と京都市、JR西日本が一昨年3月から約12億8000万円をかけて建設している。ホームは上下線が向かい合う相対式で、長さ125b。1日約1500人の乗客を見込んでいる。
 田辺駅=田辺町田辺、明治31(1898)年開業=は、同町の玄関口であることから、市名と同じ名称に改めた。
 上田辺駅=同町三山木、昭和27(1952)年開業=は、同町南部と学研都市の北部の玄関口に当たり現在、駅周辺の約31fを対象に、副都心化を目指す土地区画整理事業が進められている。このため、地域名と同一にして地元密着を図る一方、並行する近鉄線に三山木駅があるため「JR三山木」とした。
 学研都市線では、3月8日開業のJR東西線(京橋−尼崎)経由で、木津・精華・田辺方面−大阪・神戸方面の利便性が一段と向上する。(京都新聞)
■改札に札束 集札箱に400万円−これで7度目、1050万円に 職員1人千葉の駅
 千葉県警富津署は16日、富津市金谷のJR内房線浜金谷駅で15日午後2時ごろ、改札口の集札箱に現金400万円が投げ込まれているのを職員が見つけたと発表した。浜金谷駅では昨年5月以来、今回も含めて計7回、集札箱から現金が見つかっており、総額は約1050万円になる。
 集札箱(縦40a、横30a、奥行き23a)は夜間、職員がいないときなどに列車から降りた客が乗車券を入れるためのもので、改札口の中央に常設されている。15日は職員がのぞいてみたところ、千葉県外の地方銀行の帯封に包まれた100万円の束が4つ入っていたという。職員はこの日午前7時に集札箱内を確認しており、それ以降に投げ込まれたとみられる。
 浜金谷駅の集札箱からは、昨年の5月と7月に2回ずつ、それぞれ数十万円が、12月には約100万円と約300万円が見つかっている。これらには帯封がなく、無造作に入れてあったという。
 浜金谷駅は通常、1人の職員が午前7時から午後7時まで勤務しており、夜間は無人。(朝日新聞)
■JR奈良線の新駅 藤森駅3月8日開業
 JR西日本は16日、奈良線の桃山−稲荷間の京都市伏見区深草に新設する駅名をJR藤森(ふじのもり)駅にすると発表した。藤森は古くからの地名で、近くに藤森神社もあることから選んだ。3月8日に開業し、1日上下 107本の普通電車が停車する。
 また、京都府綴喜郡田辺町が4月1日から京田辺市に市制施行されることに合わせ、同町にある片町線の田辺駅と上田辺駅の駅名を3月8日から、それぞれ京田辺駅、JR三山本駅に変更する。(朝日新聞)
■駅の集札箱に400万円 千葉
 千葉県富津市金谷のJR浜金谷駅で、改札口の集札箱に現金400万円が入っていたことが16日までに分かった。
 富津署の調べによると、地方銀行の帯封で100万円ずつ4つに束ねられた現金を、駅員(46)が15日午後2時ごろに見つけた。集札箱は駅員がいない夜間などに切符を入れる箱で、縦3a横10aくらいの入れ口があり、ここから現金を入れたらしい。15日午前7時ごろ、駅員が集札箱を点検したが現金はなかったという。
 同駅では昨年5月から12月にかけても、計6回、合わせて約650万円の現金が集札箱に入っているのが発見されており、富津署が関連を調べている。(京都新聞 夕刊)
18日■大阪環状線の今宮駅開業へ
 JR西日本は17日、大阪環状線の芦原橋−新今宮間に新駅「今宮」駅=大阪市浪速区大黒三丁目=を3月8日に開業すると発表した。環状線はこれで19駅となる。
 今宮駅は、昨春完成した関西線の今宮駅にホームなどを新たに設けた。外回り(天王寺→大阪)は現在の駅とホーム続きで、内回り(大阪→天王寺)はエレベーターを利用して乗り換えるようにした。1日3600人の乗降客を見込む。(京都新聞)
■在来線など2119本を増発 JR西日本 春の臨時列車を発表
 JR西日本は17日、春(3月1日−6月30日)の臨時列車の運転計画を発表した。期間中、2700万人の利用を見込み、新幹線634本、在来線1485本の計2119本を増発する。
 山陽新幹線では、3月8日のダイヤ改正から新大阪−博多間でデビュー(1往復)する新型新幹線「500系」を、春休みと5月のゴールデンウィークはさらに1往復増発する。また「こどもサロン」を連結した「ファミリーひかり」を2往復運転する。
 在来線では、ゴールデンウィークに京都−鳥取・倉吉の特急「はくと」を米子まで1往復延長。3月22日からの土曜、休日に大阪−網野の特急「タンゴディスカバリー」を久美浜まで1往復、延長運転する。また、通常、大阪からの特急「サンダーバード」を姫路−富山で1往復する。近郊列車では、3月22日からの土曜、休日に指定席車両を連結した直通の快速列車「嵯峨野・嵐山ホリデー号」(園部−箕島、園部−姫路)、「丹後路ホリデー号」(福知山−柘植)、「天橋立ホリデー号」(京都−天橋立)などを運転する。このほか、東海道線、湖西線の新快速のうち、網干・姫路−長浜の「湖北レジャー号」(3往復)は途中、安土に臨時停車。また、網干・姫路−近江今津・永原の「湖西レジャー号」(5本)は途中、比良駅に臨時停車する。(京都新聞)
■JR春の臨時ダイヤ 姫路−関空に直通も
 JR旅客6社は17日、春の臨時ダイヤ(3月1日−6月30日)を発表した。期間中、主要路線で新幹線と在来線特急・急行を計約1万2000本増発する。
 このうちJR西日本は、3月22日に山陽新幹線にデビューする新「のぞみ」(500系)を1日1往復臨時運転し、期間中は定期と合わせて1日2往復になる。北陸線には特急「サンダーバード」を姫路−富山間で1日1往復運転。関西空港に午前7時37分に到着する姫路発の直通電車「ウエスト関空」も走らせる。(朝日新聞)
■今宮駅環状線ホーム 3月8日に営業開始
 JR西日本は17日、関西線の今宮駅(大阪市浪速区大国三丁目)に建設中の大阪環状線用のホームが完成し、3月8日に開業すると発表した。(朝日新聞)
■スルッとKANSAI めざせ電車のネットワーク 参入呼びかけへ
 1枚のブリペイドカードで他社の電車、バスを利用できるシステム「スルッとKANSAI」を導入した阪急電鉄、阪神電鉄、大阪市交通局、能勢電鉄、北大阪急行は18日、5者で協議会を設立し、他の交通機関にも参加を呼びかけていくことを決めた。3月にも初の総会を開く。「スルッと」にはすでに京阪電鉄と南海電鉄、泉北高速鉄道が1999年度から、阪急バスが今年秋からの参加を表明。他に山陽電鉄、神戸電鉄、神戸高速鉄道、北神急行、神戸市交通局、京都市交通局が99年度参加に向けて準備を進めており、関西の一大ネットワークになりそうだ。
 「スルッと」は去年3月20日にスタート。各社が発行する1000円から5000円のプリペイドカードを自動改札機に通すだけで、運賃が自動的に引き落とされる仕組み。
 協議会は、新規参入の窓口となるほか、技術的なアドバイスもする。また、自動改札機の改造費の一部を負担して整備を促すことも検討している。事務局は阪急電鉄。(朝日新聞 夕刊)
19日■窓 JRで消えた長距離の普通 長岡京市・薮田 秀一(元国鉄職員・73)
 旧国鉄は「乗せてやる」だったが、JRになってからは「乗っていただく」精神で、サービスが良くなったので、黒字になったと。なるほど大都市周辺では、快速や新快速とサービスがいい。しかし、国鉄時代運転されていた長距離普通列車は一本もない。
 国鉄時代の夜行列車などは小さな駅に停車しても乗り降りはないし、職員配置を節約するため、大きな駅しか停車しなくても普通列車であった。ところが、今は高齢化社会というのに、乗り降りなしの直通の普通長距離列車は一本もない。高くつく特急ばかり。
 大体、急行、特急券の徴収理由は国民が思っているような「速いから」ではなく、「迅速」は運賃の中に含まれていて▽小駅旅客を排除する▽線路(架線)、車両の一層の整備のためで、それを競争線のない区域は、ほとんど運賃と同額ほどの料金を払わねば乗れないような営業。とても国鉄時代よリサービスが良くなったとはいえない。ここにも反国民的運輸族・官・業の癒着がある。(京都新聞)
■新宿ガス事件で 林容疑者再逮捕
 東京・新宿駅の地下街のトイレに1995年5月、青酸ガス発生装置が仕掛けられた事件で、警視庁公安部は18日、オウム真理教元幹部の林泰男容疑者(39)を殺人未遂の疑いで再逮捕した。林容疑者はこれまで、地下鉄サリン事件と松本サリン事件で、殺人、殺人ほう助などの罪で起訴されている。
 調べでは、林容疑者は教団元幹部の井上嘉浩被告(27)=殺人罪などで公判中=らと共謀し、95年5月5日午後4時50分ごろ、東京都新宿区の営団地下鉄丸ノ内線新宿駅の地下街のトイレに、シアン化ナトリウムと希硫酸を反応させて青酸ガスを発生させる時限式の装置を仕掛け、駅利用者を無差別に殺害しようとした疑い。
 林容疑者は事件の計画段階から加わり、事前の下見や、当日の現場の見張りをしていたとされる。(朝日新聞)
20日■赤信号10分変わらず JR長岡京駅
 20日午前5時55分ごろ、長岡京市のJR長岡京駅で、構内の手動信号が赤のまま変わらず、大阪行き下り回送電車が発車できなくなった。約10分後に駅員が信号機を操作し、正常に戻ったが、大阪発上郡行き快速電車が約12分遅れ、乗客約250人に影響が出た。JR西日本では、駅員が信号操作を忘れたことが原因、と説明している。(京都新聞 夕刊)
■男性をはね阪和線乱れる 2万人に影響
 20日午前8時25分ごろ、大阪市住吉区のJR阪和線杉本町駅で、天王寺発鳳行き区間快速電車が通過時に、ホームから線路に入ってきた男性をはねた。男性は全身を強く打って即死。電車は現場に19分停車後、運転を再開した。この影響で上下10本が運休、38本が最大19分遅れ、ラッシュ時間帯と重なり約2万人が影響を受けた。(朝日新聞 夕刊)
■サラリーマン JRマン10年 トロッコ列車社長 1 ミニ鉄道での再出発
 京都の嵯峨から亀岡までの7.3`をトロッコ列車で結ぶ嵯峨野観光線は、年に65万−70万人の乗客を運ぶ人気路線だ。1日8往復、ディーゼル車がけん引する4両編成、定員252人のミニ列車だから、春や秋の観光シーズンには順番待ちの人波でごった返す。
 春は桜や新緑、夏にはせみ時雨、秋は紅葉、冬には雪景色…。所要時間23分で、保津川沿いを縫い、渓谷をくぐる8つのトンネルを抜ける。京都でも指折りの景勝地を、平均時速20`でのんびりと走っている。
 運行するのはJR西日本の関連会社、嵯峨野観光鉄道。社長の長谷川一彦さん(50)はJR西日本鉄道本部運輸部担当課長から90年11月、京都市にあるこの会社の社長に転出した。
「あんなおんぼろ会社に行きたくない」。長谷川さんは当時、そう思った。
 今でこそ、国鉄民営化の成功例の一つとして脚光を浴びる嵯峨野トロッコ列車だが、社長就任から約5ヵ月たった91年4月27日、一番列車が走り出した当初は不安がいっぱいだった。
 開業の記念式典で、JR西日本の角田達郎社長(現会長)が「こんな小さな鉄道会社は見たことがない」とスピーチした。社員は長谷川さんを含めて8人。資本金2億円は駅舎の整備や車両購入費の一部に充当して、残った手持ち資金はわずかに100万円。
 71年に旧国鉄に入って以来、鉄道を見続けた目には、トロッコ列車は遊園地の電車のように頼りなく、ちっぽけに映った。純観光路線のため、宣伝しないと客が集まらないのも心配のタネだ。
 JRが見捨てた路線だった。山陰本線の複線電化で山を貫く幹線が新たにでき、89年に保津川渓谷をう回するこの区間の廃線が決まった。難工事の未、明治32年(1899年)に開通した区間で、美しい景観で知られた路線だったが、民営化で一段と加速した高速輸送を目指す時代の波に取り残されたのだ。
 地元自治体から再利用を求める声が強まり、ミニ鉄道として生き延びることになったものの、JR西日本の社内では反対論が多く、「高くつく”遊び”かもしれない」「やってみてダメならやめたらいい」という声も出ていた。
 開業から間もなく6年。苦労の連続だったが、楽しかった。「何とか軌道に乗った」と思う。長谷川さんは今、鉄道マンというより、経営者になったと自覚している。そして、「もうJR本体には戻りたくない」と言うほど、洛西をゴトゴト走る小さな鉄道にほれ込んでいる。
 かつての国鉄が87年4月に分割・民営化されJR各社がスタートしてから間もなく満10年を迎える。JR社員らの道のりを振り返るとともに、今を追った。(読売新聞)
21日■阪急、3月2日からダイヤ改正 「桂駅」停車快速急行と快速新設 「高槻市駅」特急、終日停車に
 阪急電鉄は20日、京都線のダイヤ改正を3月2日から実施すると発表した。新ダイヤは、高槻市駅に特急を停車させるほか、新たに桂駅停車の快速急行や快速電車を運転する。改正は93年2月以来4年ぶり。
 特急の高槻市駅停車は曜日を問わず終日で、現在の通勤特急は廃止する。この結果、平日の特急は梅田行きは55本、河原町行きは49本になり、午後8時台の梅田発河原町行きは現在の30分間隔を15分間隔にする。
 新設する快速急行は、午前7時台と午後9時以降の梅田発河原町行きの5本。梅田、十三、高槻市、桂、大宮、烏丸、河原町の7駅に停車する。快速は、昼間運転で上下26本を運転する。停車駅は梅田、十三、淡路、茨木市と高槻市から河原町間の各駅。
 このほか、急行は午前6時台に長岡天神発梅田行き、午後10時台に梅田発河原町行きを各1本増発する。嵐山線は上下1本ずつ増発し、最終発車時刻を各21分延長する。(京都新聞)
■120周年を記念 写真や絵展示 JR京都駅
 新駅ビルの工事が進むJR京都駅(下京区)でこのほど、開業120周年を記念する作品展が始まった。初代駅舎などの写真や小学生の絵画などが展示され、乗客らが足を止めて見入っている。同駅は、明治9年2月5日に開業した。
 記念展示はJR西日本が120年の歴史を振り返ってもらい、節目の年を盛り上げていこうと企画した。
 展示場所は駅構内の西陸橋の一角。山科区・大宅児童館の児童たちが梅小路蒸気機関車館で描いたSLの絵画をはじめ、開業当時の制服姿の職員、中央に時計台を配置したモダンなムードの漂う初代駅舎、SLが走る風景など25点の写真を並べている。
 また、JR西日本のイベント列車のヘッドマーク12枚や、昨年秋の京都まつりで登場した長さ4bほどのSLの模型なども飾られ、展示品をバックに記念振影する見学者もみられた。ヘッドマーク以外は来月11日まで展示される。(京都新聞)
■東西線乗り入れの新型車両を試運転 京阪電鉄京津線
 琵琶湖をイメージした明るいブルーを基調に、白と黄色のラインの入ったスマートな車体。今秋の京都市地下鉄東西線の開業に伴って、京阪電鉄の京津線に導入される新型車両が、早々と試運転を開始した。
 新型車両は、東西線開業と同時に、浜大津を起点に、御陵駅から東西線に乗り入れ、京都市役所駅まで直通運転する。
 現在の車両より1.5b長い16.5b。編成を現行の2両から4両で運行するため、1編成の定員も386人(現行190人)に倍増するほか、各先頭車両には特急車両並みの2人プラス1人掛けのクロスシートを採用している。
 最終的には8編成(32両)で運行するが、すでに2編成が完成、性能テストや機器の調整などのための試運転も始まった。4両編成化に伴う各駅の改修も進んでおり、「これで朝夕のラッシュも緩和するのでは」と利用客の期待も高まっている。(京都新聞)
■阪急京都線に快速
 阪急電鉄は20日、京都線で3月2日にダイヤ改定を実施し、快速を新設すると発表した。梅田−高槻市間は急行停車駅に、高槻市−河原町間は各駅に停車して1時間に3本走らせる。
 上牧、水無瀬、大山崎の各駅から梅田まで乗り換えなしで最速電車に乗れ、淡路、茨木市、高槻市の各駅は実質的に急行の停車本数が増えて便利になる。逆に梅田−高槻市間の普通電車しか止まらない駅は停車本数が1時間当たり9本から6本に減る。(朝日新聞)
■サラリーマン JRマン10年 トロッコ列車社長 2 経営者の自覚強く
 「24時間ビジネスタイム」。京都でトロッコ列車を運行する嵯峨野観光鉄道社長の長谷川一彦さん(50)は、こんな気持ちで社員とともに「おんぼろ会社」を育て上げてきた。
 JR嵯峨野線の嵯峨嵐山駅の近くにある会社で仕事を終え、兵庫県加古川市の自宅に帰るのは深夜になることもしばしば。どんなに遅くなっても、その日の売り上げや経営指標などに必ず目を通す。「自分は経営者」と自覚している。
 「親方日の丸」と批判された放漫経営で国鉄は傾いて民間企業に生まれ変わり、国鉄マンとして20年近く過ごしてきた長谷川さんも民営化の大波にもまれた。だが「ビジネス」や「経営者」という言葉を、実感を伴って言えるようになったのは最近のことだ。
 加古川で生まれ、神戸大学に進んだ。工学部で機械工学を専攻、修士課程を終え、71年に国鉄へ。蒸気機関車が好きで、男くさい職場にあこがれていた。「広域のでかい仕事だ。社会頁献ができる」とも考えた。
 キャリア組だ。主に「運転畑」を歩んできた。列車の運行全般を担当するほか、補修などの「研修」、事故の際の復旧作業も管理する。岡山鉄道管理局で運転部車務課長、名古屋で列車課長や列車計画課長を歴任。秋田県大館、静岡県沼津で機関区長も務めた。
 大館時代の75年、10日間続いた「スト権スト」を経験した。沼津では機関区の750人のうち、国労所属が550人、動労は150人。24、5人の管理職のトップとして、機関区長室の窓を取り払って団交に臨み、入りきれない組合員が外まであふれた。そして、怒号の中で処分を発令した。国鉄末期に最後の経営健全化計画の策定にもかかわった。
 民営化と同時にJR西日本金沢支社運転所長に。去って行った仲間、辞めざるを得なかった人。様々なことがあり、大きな犠牲を払った。だが、「みんな燃えていた」と言う。長谷川さんは「これで堂々とした会社になれる」と思った。
 金沢から大阪の本社に戻り、関連事業本部流通課長として西日本全域に飲食、物販を中心に230店舗を創設。大きな赤字を出したり、トラブルを経験したり、波乱万丈だった。
 しかし、嫌々赴任した嵯峨野観光鉄道で、経営者としてリスクを背負う本物の苦労が始まった。それだけに、会社を成長させる喜びは大きく、強烈だ。(読売新聞)
22日■空、陸の便乱れる 近畿各地で雪や強風
 強い冬型の気圧配置による大雪や強風などの影響で、西日本各地は21日、空や陸の便が大きく乱れた。
 関西空港ではホノルル発の日本航空77便が強風で着陸できず大阪空港に着陸したほか、新潟便など国内線6便が欠航。大阪空港でも計20便が欠航した。
 東海道新幹線は雪のため、下りが岐阜羽島−新大阪間で、上りが京都−名古屋間で徐行運転。山陽新幹線も夕方以降、三原−広島間、徳山−新下関間で徐行運転を始め、ともに25−10分程度の遅れが出た。
 京滋でもほぼ全域で雪が降り、京都府北部を中心に舞鶴自動車道の閉鎖や高速道路、国道など幹線道路の速度・チェーン規制が敷かれたほか、学校の下校時間を繰り上げたり、夜間定時制高校が臨時休校するなどの影響が出た。
 気象庁によると22日も西日本から北日本の広い範囲で、最大風速が陸上で15−25b、海上で20−30bの北または北西の非常に強い風が吹き、海上は波の高さが4−7bの大しけになるとみられる。(京都新聞)
■フレックスタイム制導入 JR西日本が本社で
 JR西日本の井手正敬社長は21日、大阪市内で記者会見し、始業と終業の時間を自由に選ぶことができるフレックスタイム制度を3月8日から本社の大半の部門で導入することを明らかにした。業務を効率化することが狙い。JRの鉄道会社でこの制度を導入するのはJR西日本が初めて。
 対象は本社にいる社員2000人のうち、24時間体制で電車の運行管理を担当する指令部門などの社員を除く1400人。
 始業時間を午前7時から午前10時、終業時間を午後4時から午後10時の間で自由に選ぶことができる。業務が集中する午前10時から午後4時の間は必ず勤務時間とする。井手社長は「将来は支社などにも制度を拡大したい」と話している。(京都新聞)
■京滋スッポリ冬将軍 福知山で積雪15a 臨時休校も
 日本上空に強い寒気が流れ込み、京滋各地は21日午後から断続的に激しい雪に見舞われた。福知山市で15a、綾部市10a(午後8時現在)、滋賀県伊香郡余呉町柳ケ瀬20a、高島郡今津町20a、彦根市5a(午後9時現在)の積雪を記録した。突然の積雪に各地の主要道路などで通行止めや速度規制が相次いだ。京都地方気象台などでは「22日朝は冷え込みが厳しく、午前中は北部を中心に大雪の恐れもある」と、警戒を呼び掛けている。
 京都市内でも午後5時ごろから断続的に雪が降り、約1aの積雪となった。夕方のラッシュ時と重なったため、幹線道路で渋滞の列が伸び、民家の屋根もうっすらと雪が積もった。
 この雪で、京都府内の道路では、22日午前零時現在、舞鶴自動車通が舞鶴西−三田西間が上下線とも通行止めになっている。京都縦貫自動車道でも千代川−丹波間が上下線とも通行止めになり、沓掛−千代川間は50`規制された。名神高速道路は京都南から愛知県一宮市までの上下線、京滋バイパスも全線で夕方から50`規制になった。府北部の国道や府道など主要道路は積雪のため、タイヤチェーンの装着が必要となっている。
 JRでは兵庫県香住町の山陰線余部鉄橋が午後2時半ごろから強風のため列車の通行がストップ。同9時までに特急4本、普通11本が部分運休するなど約1600人に影響が出た。京都府乙訓郡大山崎町のJR東海道線長岡京−山崎間では午後9時ごろ、線路わきの竹が雪の重みで上り線の架線に倒れかかったため、金沢行き貨物列車が現場に約30分間停車した。この影響で、野州行き新快速など上り列車5本が38−9分遅れ、約2700人に影響が出た。
 京都府北部の学校では、大雪のため午後から授業を中止したり、下校時間を繰り上げるなど計48校で授業の変更が相次いだ。
 府教委によると、授業に影響が出た小中学校は、丹後、中丹地域の小学校22校、中学校5校。府立盲学校と聾学校の各舞鶴分校も給食後に幼稚部と小学部の児童を下校させた。
 高校も綾部高など全日制15校が5時限目か6時限目で授業を中止し、西舞鶴高定時制など夜間定時制4校が臨時休校した。
 滋賀県内では、午後から湖北や湖西で雪が舞い始め、夕方までに南下し、全域に広がった。坂田郡近江町の北陸自動車道で4台の玉突き事故などがあったほか、国道1、8号などでは、車の渋滞も見られた。
 この雪の影響で、各地の道路で交通規制が行われた。同夜の県内の主な交通規制は、チェーン規制が北陸自動車道、国道8号(びわ町以北)、同161号(大津市横木以北)、同303号、同365号(木之本以北)、同367号、同477号(大津市真野以北)、湖西道路。北陸自動車道の上りは、同9時に木之本福井県武生が通行止めになった。(京都新聞)
■日本海側中心に大雪 新幹線ダイヤ乱れる
 西日本上空に氷点下45度の強い寒気が入り込んだ21日、日本海側を中心に大雪や暴風の荒天となった。JR東海道線では強風で竹が倒れかかり電車が立ち往生したほか、新幹線のダイヤも乱れた。悪天候は22日いっぱい続く見込み。
 大阪管区気象台によると、21日午後9時までに兵庫県村岡町で27a、京都府美山町で22aの積雪。京都市内や神戸市内でも、午後4時ごろから断続的に雪が降った。22日夕までに、北陸や近畿北部、山陰では、多いところで50aの積雪となる見込み。また北西の風が強く、日本海では最大風速20−25bになる見込み。
 JR東海道線では午後9時ごろ、京都府大山崎町で強風のため竹が架線に倒れかかり、新快速電車などが現場に最大40分間立ち往生した。また東海道・山陽新幹線は雪の影響で、午後4時から名古屋−京都間などで断続的に速度を落とし、ダイヤが乱れた。(朝日新聞)
■車いす楽々乗車 リフト付きバス 中心部の循環系統で初 27日から 京都市
 京都市交通局は27日から、市中心部の循環系統バスでは初めて、沿線に公共施設や医療・福祉施設の多い「205号」系統に車いすなどの昇降用リフト付きバスを導入する。3両のバスで1日12回運行する。
 205号系統は九条車庫前から京都駅前、四条河原町、洛北高校前、北大路バスターミナル、金閣寺前、西大路七条を経由、京都駅前に戻り、九条車庫を終点とする路線。沿線の主な施設には市役所、府立医大、市立病院、市北合同福祉センター、市心身障害児福祉会館などがある。
 昇降用リフトはバスの前部出口に装備している。リフト付きバスは従来どおり、車両の前と後ろに車いすマークと「ふれあい号」という愛称を表示するという。(朝日新聞)
■京都市内40年ぶり大雪 「動かない」電車、バス… 雪見上げ嘆く乗客ら 道路、10`以上渋滞も
 京都市内で40年ぶりの大雪を記録した22日朝、京滋では、朝から鉄道、バスの運休や遅れが相次ぎ、道路では車がノロノロ運転。通勤、通学の足が大きく乱れた。市民らは雪に足を取られながら職場や学校へ急いだ。
・JR京都駅
 JR京都駅の在来線ホームは、列車の遅れなどの影響で大混雑、一時、乗客がホームから落ちそうになる危険な状態となった。乗客が押し合いとなり、悲鳴を上げる女性客も。
 新幹線ホームも、どの列車も大幅に遅れて到着。乗客が乗り口に長い列をつくった。東京へ帰る男性(35)は「雪を考えて早めに旅館を出たのに…」と降りしきる雪を見てぼやいていた。
 駅前のバスターミナルやタクシー乗り場にも、通勤客らの長い列ができた。草津市の男性(50)は「家を出る時からまともには動いていないとは思ってましたが…。もう30分待っているがバスが来ない」と話していた。駅構内などの公衆電話も、会社に出社の遅れを知らせるサラリーマンやOLらが殺到していた。
・鉄道・バス
 JRは新幹線、在来線とも始発から大きくダイヤが乱れた。東海道新幹線は京都駅の発着で、上下線とも一時間以上遅れている。山陽新幹線も始発から上下とも1時間半から1時間40分の遅れが出ている。在来線も始発からダイヤが大きく乱れ、各列車が1時間から1時間40分遅れている。一部で運休した列車も出た。
 京都を走る私鉄も、阪急京都線の特急が運休、急行と普通電車だけの運行となった。各駅では乗客があふれ、混乱を避けるため改札制限を行った駅もあった。近鉄や京阪電車も10−30分程度遅れた。
 京都市内などのバスも運休したり、大幅に遅れた。京都市バスは醍醐営業所管内のバスが、渋滞した道路に営業所からバスが出られなくなり、始発の一部を除き運休。市中心部でも運休や40分程度の遅れが出た。
・道路
 道路関係では、名神高速道路は午前2時10分から京都東−西宮間が上下線とも通行止め。さらに、通行止めは正午までに上下線とも竜王まで伸び、大型トラックが滋賀県内で数珠つなぎとなって一時、立ち往生した。
 京都市周辺では、国道367号が積雪で通行不能となったほか、外環状線などで10`以上渋滞するなど市内各地でノロノロ運転が続いた。京都府北部や山間部の道路でも、チェーンを装着するドライバーらで混雑した。
 京都府警交通企画課によると、午前9時半現在で、21日夜からスリップなど降雪による交通事故は計326件発生、うち追突などの人身事故が25件あった。森敏雄・交通企画課次席は「降雪による事故は、宇治市や向日市など、雪に不慣れな府南部で多発している。スリップに十分注意してほしい」と話している。
・四条烏丸
 京都市のビジネス街・下京区四条通烏丸周辺は、ふだん多い通勤のマイカーや商用車が少なく、ガランとした雰囲気。
 反面、地下鉄四条駅や阪急烏丸駅は電車の運休や遅れの影響も加わり、早朝から大混雑した。とくに地下鉄駅では、午前9時を回っても駅員が満員の車両に乗客を押し込む姿も見られた。地上の雪道を避けて、地下通路を利用する人も多く、駅で配られた延着証明を手に足早にオフィスに駆け込む人が目立った。右京区の会社員の女性(41)は「早めに家を出たが、バスも電車も満員。もう出社時間ギリギリです」と会社に向かった。
・地下鉄北大路駅
 京都市北区の地下鉄・北大路駅前。いつもは通勤の車で込み合う北大路通も、雪のために車がまばらで、ノロノロ運転の市バスが目立つくらい。駅前で雪かきをしていた同駅の警備員(53)は「雪が凍結してはかどらない。車の事故がないか心配だ」と汗をぬぐいながら話していた。
 同駅南側のタクシー乗り場にも車は1台もなく、タクシーをあきらめた通勤客らが地下鉄乗り場に急いでいた。タクシー待ちの女子高生(17)2人は「バスは満員で乗れないし、タクシーも20分以上待っても全く来ない。1時間目に遅れる」と心配そうに通りを眺めていた。
・暖冬一転 暮らし直撃 休校や遅れ相次ぐ 水道管も凍結続出
・学校
 学校関係でも臨時休校中始業時間の繰り下げが相次いだ。府教委と京都市教委によると、府内の小、中学校では船井郡以北を中心に18校が臨時休校し、63校で始業時間を繰り下げたり、下校を早める措置を取った。
 高校では、京都市伏見区の洛水高が通学路が凍結したため休校となったのをはじめ、府北部を中心に計17校が休校、32校が始業時間を遅らせたり、授業をカットした。私立高校でも交通機関の混乱で休校したり、朝の授業を自習に切り替える学校があった。
 盲・ろう・養護学校も、スクールバスが運行不能になったことなどから、10校が休校した。
 学生の学期末試験を予定していた龍谷大では午前中の1、2時限の試験を中止した。同志社大や立命館大、京都産業大などでも試験の開始時間を遅らせるなど影響が出た。
 また、入学試験を予定していた京都市東山区の京都第一赤十字看護専門学校では、午前10時からの試験に遅刻する受験生が続出、開始を1時間遅らせた。
 滋賀県では、最低気温は氷点下4.5度と、今冬一番の冷え込みとなった。学校関係では、北大津養護学校が休校、石山高、東大津高、高島高など県立36校が1時間目をカットしたり、短縮授業に切り替えた。伊香郡木之本町でも町内の2中学、3小学校が始業を1時間繰り下げた。
・生活
 急激な冷え込みで、ガスや水道管の凍結が続出、京都市水道局には午前10時までに「水が出にくい」などの問い合わせが263件寄せられたほか、大阪ガス京滋事業本部にも350件の連絡があり、職員らは対応に追われた。京都市消防局では救急車25台が出動(正午現在)、骨折や打撲などの患者を病院に運んだ。
・京都市内17aは観測史上6位
 京都地方気象台によると、今回の京都市内の積雪(正午現在17a)は、各年の最高積雪量のランキングで、40年前の18a(史上5位)に次ぐ観測史上6位に入るという。(京都新聞 夕刊)
■京都市内、40年ぶり大雪 積雪17a 京滋の交通網、混乱
 この冬一番の強い寒気に覆われた西日本は22日、各地で大雪に見舞われ、京滋の鉄道、道路網などの交通機関は朝からまひ状態となった。京都市内の積雪は正午現在で17aに達し、1957(昭和32)年3月の18a以来、40年ぶりの大雪を記録した。最低気温は京都で氷点下5.5度、舞鶴で同4.8度、彦根で同4.5度と厳しく冷え込んだ。
 この雪のため、JR東海道新幹線は、新大阪駅構内のポイント故障や、豊橋−小倉間の徐行運転で、JR京都駅で上り線が最大90分、下り線が同110分の遅れが出た。在来線はJR東海道線、山陰線で最大110−90分の遅れ、私鉄の近鉄、阪急、京阪、京福のダイヤも運休や遅れが出て通勤、通学の足が大きく混乱した。
 高速道路は、名神高速道路が同日未明から滋賀県内などで通行止めが広がり、正午現在、上下線とも竜王−西宮間で通行止めとなったのをはじめ、舞鶴自動車道、京都縦貫自動車道、京奈和バイパス、京滋バイパスも同日未明から全線通行止めとなった。路線バスでは、阪急バスが一時、乙訓地域で運転を見合わせた。
 京都地方気象台などによると、西日本の上空5000bに氷点下40度の強い寒気があり、同日午後にかけて京都府南部の平野部で5−10a、山間部では20aの積雪があるが、23日には寒気は緩むとみている。
 京滋各地の主な積雪量は次の通り(午前9時現在、京都・彦根地方気象台調べ、単位a)
 ▽京都15▽京北28▽長岡京7▽田辺8▽丹後町間人2▽宮津17▽綾部市故屋岡20▽福知山21▽舞鶴16▽余呉町柳ケ瀬30▽今津17▽伊吹町春照16▽彦根9▽虎姫15▽志賀町南小松17▽土山8▽信楽14▽近江八幡5▽蒲生10▽大津5(京都新聞 夕刊)
■雪 朝のラッシュ直撃 交通、大幅に乱れる
 第一級の寒気が日本上空に流れ込み、西日本各地は22日朝、この冬一番の冷え込みに見舞われ、各地で雪が降った。大阪の最低気温はマイナス3.8度と、この冬最低だった。交通機関を中心に混乱が続き、通勤、通学の足が大幅に乱れた。また小、中学校の休校も相次いだ。大阪管区気象台によると、この雪は22日夜には峠を越え、近畿地方の天気は次第に回復に向かうという。
 同気象台によると、午前9時現在の積雪は、京都15a、大阪5a、神戸2a、奈良3aなど。京都府や滋賀県北部では30a近い積雪となった。ロシアのタンカー、ナホトカの重油流出事故で、油の回収作業が続く日本海は北西の風が非常に強く、大シケの状態が続いている。
 この雪と強風のため、北陸、中国、山陽の各自動車道、名神高速道路などが一部区間で通行止めになったほか、阪神高速道路神戸線と湾岸線、北神戸線がいずれも全面通行止めになった。
 新幹線は、東海道・山陽新幹線が始発から豊橋−小倉間で速度を落として運転したため、各列車が1時間近く遅れるなどダイヤが大きく乱れた。阪急、阪神、近鉄、京阪の各私鉄も10−30分遅れた。
 空の便も鳥取、広島、徳島など10の地方空港で、発着が難しくなり、午前10時までに計36便が欠航、約3600人の足が乱れた。
 最低気温は北海道の倶知安でマイナス19.9度を記録したほか、山形県新庄市マイナス9.7度、栃木県日光市マイナス14.2度、富山マイナス6.1度、名古屋と京都がマイナス5.5度、松江マイナス5度、高知マイナス2.9度、鹿児島1.4度で、いずれもこの冬最低だった。(朝日新聞 夕刊)
■白衣の街 白紙のダイヤ 近畿に大雪 ホームも「大渋滞」 スキー場は一安心
 西日本上空に流れ込んだこの冬一番の寒波の影響で、22日朝、近畿地方はすっぽりと白い雪に覆われた。通勤の足であるバスや電車は運休やのろのろ運儀が相次ぎ、ダイヤは大幅に乱れた。長靴をはいたサラリーマンたちは吹きつける北風に首をすくめながら、雪に足をすべらせないよう、そろそろと出勤した。
 22日午前9時ごろ、阪急京都線の河原町発梅田行き普通電車が高槻市駅手前でストップ。満員状態のまま約40分にわたって立ち往生した。
 電車は徐行運転をしていたが突然、「ばちっ」という衝撃音がした後に停車、車内の電気も消えた。「この列車は車両故障のため停止しています。しばらくお待ちください」との車内放送が繰り返された、乗客らは手持ちの携帯電話で急いで、「どうなっているのか事情が分からない。会社に遅れる」などと連絡をとっていた。
 21日夜から降り続いた雪で、近畿のJRや私鉄では車両故障や乗用車との接触事故が相次ぎ、徐行や運休が相次いだ。
 JRの在来線は東海道・山陽線が上下とも30分から1時間、福知山線が約30分遅れ、片町線では雪による車両故障で一時、木津−四条畷間で運転を見合わせた。私鉄も、阪急電鉄が京都線の踏切で自動車との接触事故が発生するなど約20分遅れ、阪神電鉄が雪による車両故障で約20分遅れた。近鉄、京阪電鉄も10分から30分の遅れが出て、通勤、通学客に大きな影響が出た。
 東海道・山陽新幹線も雪の影響で、始発から豊橋−小倉間で断続的に速度を落として運転した。このため、新大阪駅では各列車とも40分から1時間遅れで発着するなど、ダイヤが大きく乱れた。
 大阪市中央区の南海難波駅では、運動靴にダウンジャケットの通勤客や学生が目立った。大阪市北区内の職場に向かう途中という大阪府河内長野市大矢船南町、病院職員甲藤満里子さん(47)は「いつもならバスで20分の駅が、1時間15分もかかった」と疲れ切った表情だった。
 西宮市の阪神電鉄甲子園駅では、ダイヤの乱れのため、電車に乗りきれない人たちがホームから階段にまであふれた。
 道路も通行止めや規制が相次いだ。西名阪自動車道や湾岸線の一部を除く阪神高速道路、名神高速道路の豊中−京都東間、中国自動車道の吹田−佐用間などが降雪と凍結のため、22日未明から相次いで通行止めになった。
 一方、各地のスキー場では年末以来の本格的な積雪があり、雪不足に悩んでいた関係者もほっとした表情。京都府・弥栄町のスキー場では「これで一息つけます。落ち込みをばん回なければ」。宮津市の大江山スキー場でも「今シーズンは4日間しか営業できなかった。助かります」と話していた。
・各地で休校
 雪の影響で、各地の学校で休校や始業時間の遅れが相次いだ。
 22日午前9時半現在までに兵庫県の阪神間6市1町に入った連絡によると、公立小学校は大半の62校、中学校は18校、高校1校、幼稚園23園、養護学校1校が休校になっている。
 阪神電鉄甲子園駅の改札口では午前9時過ぎ、近くの武庫川女子大付属中高の教諭が電車を降りてきた生徒に「学校は休みになりました」と声をかけていた。生徒たちは「いつもの3倍、時間をかけてきたのに」とうんざりした表情だった。(朝日新聞 夕刊)
■次世代鉄道 どこまで速く? 走り出す 500系新幹線・リニアモーターカー ともに空気抵抗軽減がカギ
 今春、次世代の高速鉄道が次々と走り出す。3月、最高時速300`の「500系」車両が山陽新幹線で営業運転を始め、4月からは超伝導磁石を使う浮上式リニアモーターカーが世界最高時速550`以上(営業運転では500`)を目指す。車輪とレールを使う従来の摩擦式鉄道と浮上式鉄道は、それぞれどこまで速度を伸ばすことができるのだろうか。
●摩擦式は
 JR西日本は3月22日のダイヤ改定から、新大阪−博多間で500系「のぞみ」の運転を始める。ライバルの航空機との時間差を少しでも縮めようと、10年後には後継車両で350`の営業運転を計画している。
 レールの上を車輪が転がる摩擦式は、1804年に英国のトレビシックが最初の蒸気機関車を走らせて以来、基本は変わっていない。列車の車輪は、車両の重量(40d程度)に比例する「ころがり摩擦」でレールをとらえて進む。
 ころがり摩擦は、車両速度が大きくなるにつれて小さくなり、空転を起こし、モーターの推進力がレールに伝わりにくくなる。もうひとつの障害は空気抵玩で、速度の2乗に比例して大きくなる。空気抵抗と摩擦との兼ね合いで、摩擦式鉄道の理論的な最高速度が決まる。
 空気抵抗を減らすために、車両断面積を小さくしたり、表面を滑らかにしたりする。現行の300系「のぞみ」の理論的最高速度は455`。 300系の改良型試験車300Xは、昨年7月に443`を記録、現在これが国内最高速記録だ。
 従来の空転防止策は砂をまくことだが、JRグループの鉄道総合技術研究所はレールと車輪の間に非常に硬いセラミック粉末をまく実験を進めている。セラミックを車輪が踏むと、車輪とレール双方の表面に細かい傷がつき、転がり摩擦のアップにつながる。高速化への壁はパンタグラフにもある。高速になるとバタつきが激しくなり、架線から電力を受け取る効率が下がってしまう。フランスのTGVの試験車は90年5月、515`の世界最高速を記録したが、集電の限界点だったようだ。
 鉄道総研で高速化プロジェクトを担当する熊谷則道主幹は「実用的にも摩擦式で500`にかなり近づけるのではないか」という見方だ。
●浮上式は
 車両と軌道、架線との接触がなければ、摩擦と集電の壁はなくなる。これが浮上式鉄道だ。
 JR東海と鉄道総研、鉄道建設公団は、山梨県で磁気浮上式リニアモーターカーの走行試験を4月から始める。超伝導磁石の反発力で約10a浮上する日本独自のものだ。宮崎県の単線・直線の試験線で試験を続けてきたが、山梨の実験線は複線で、トンネルやカーブもある。99年度に実用化のめどをつける。
 リニアモーターカーの速度は軌道上の電磁石にかける交流電流の周波数で決まる。周波数さえ上げれは「理論的には時速1000`、2000`も可能で、むしろ高速の方が制御しやすくなる」(鉄道総研浮上式鉄道開発本部の高井肇副本部長)。
 だが、実験での目標は550`だ。「それより高速になると空気抵抗が急に増え、必要電力が膨大になる。速度の6乗に比例する騒音レベルも急に高くなってしまう」と高井副本部長。
●究極は
 摩擦式でも浮上式でも空気抵抗が壁になる。それなら、走行ルートの空気を減らせばよい。そんなアイデアをスイスがまじめに検討している。地下トンネルを掘って駅の間の空気を抜き、4分の1気圧まで下げる。そこに磁気浮上式列車を走らせるというものだ。
 企業約20社の資金で運営される「スイスメトロ社」がすでに調査に入っている。国内どこでも90分以内で行けるようにするのが狙い。空気を抜くのはエネルギーの利用効率を上げるためで、目標速度は450`程度に抑えている。自動車の13分の1、摩擦式鉄道の3分の2のエネルギーで輸送ができるというが、高井副本部長は「私なら1000`の列車を走らせてみたいですけどね」と話す。(朝日新聞 夕刊)
■サラリーマン JRマン10年 3 苦労実り黒字発進
 嵯峨野観光鉄道社長の長谷川一彦さん(50)は、トロッコ列車が開通した当時を思い起こすと、冷や汗が出てくる。「みんなと一緒によく頑張ってきた」と思う。かいた汗の量だけは自慢できる。
 開通当初は現在の京都寄りの始発駅トロッコ嵯峨駅はまだなく、嵐山、保津峡、亀岡の3駅でのスタートだったが、駅舎は普請中。机やイスなど会社の備品はほとんどがJR西日本からの借り物だ。
 トロッコ列車が走るのは、山陰本線の複線電化で廃線になった区間。レールは残っているが、主役の列車が通らなくなって2年たち、鉄路はさび付いて、美しい景観の沿線には雑草が生い茂る。そして、おもちゃのような列車。あとは何もない。足りないものを数え上げると切りがない、見切り発車だった。
 「片道大人600円、小人300円」の日銭収入が頼り。1両に乗客5人というガラガラの日もあった。「3年くらいしかもたないかもしれない」。不安は強くなる一方だ。
 昼の弁当を食べながらの改札業務。初めての便所掃除では手が震えた。社員総出で沿線の車刈りや潅木(かんぼく)整理もした。ロープに命綱で、自ら山の斜面の草を刈ったが、本社の役員に「けがをしても、だれもほめないぞ」としかられた。でも、業者に頼む金がもったいなかった。仕事が山ほどあった。
 当時44歳。肩書は社長だが、作業服で沿線のゴミ拾いや草取りをした。くじけそうになったこともある。が、「国鉄からJRへ、色々曲折はあっても恵まれた人生だったなあ」と思い返すと、宿題山積の中、気持ちを前向きに保つことができた。
 最大の不安だった旅客成績が、開業直後のゴールデンウイークにグンと伸びた。観光シーズンは終わっても、行列は途切れない。「人が人を呼ぶ」好循環が突然始まり、今度は忙しさに追われる日々になった。
 沿線は京都でも指折り、というより日本有数の景勝地。「高速輸送、効率重視で見切りをつけた廃線区間だが、お客さんは見捨てなかった」と思った。国鉄時代も、JRになっても、鉄道業務の金科玉条は「旅客輸送」。だが、そこに”遊び”の要素は少なかった。「住民の足」の役割が小さくなっても、観光という別の照明をあてれば大きく育つ。遅ればせながら、そう確信した。
 初年度に22万人を見込んでいた乗客は、結局67万7000人も来てくれた。1億1200万円が目標だった収入も、3億8000万円に。6年目のはずだった単年度黒字を1年で達成してしまった。(読売新聞)
23日■京滋に大雪 交通網は終日乱れ 幹線道、断続的に渋滞
 第一級の寒波が上空に流れ込んだ西日本は22日午後も断続的に雪が降り続き、京滋のJR新幹線や在来線、道路などの交通網は終日、乱れた。40年ぶりの17aの積雪(正午現在)を記録した京都市内は、最低気温で氷点下5.5度、日中も気温が上がらず最高で平年を5.2度も下回る3.1度にとどまり、厳しい冷え込みとなった。
 鉄道は、午後もダイヤの混乱が続き、JR新幹線は、山陽新幹線で2本が運休したのをはじめ、東海道新幹線を含め夜になっても上下線で各列車が軒並み遅れた。在来線も山陰線の特急が1時間、湖西線が30−20分遅れるなど、各線に影響が残り、この日新幹線を合わせた全体で53万人余り(JR西日本管内)の足が乱れた。
 近鉄や阪急など私鉄も最大30分程度遅れたが、各社とも午後3時までに平常ダイヤに戻った。
 道路では、22日未明から通行止めだった名神高速道路が、下り線の彦根−一宮間を除き同日午後4時半に上下線とも開通した。通行止めだった舞鶴自動車道も午後2時、舞鶴西−春日間が50`の速度規制を付けて開通、京滋バイパスと京奈和バイパス、北陸自動車道なども夕方までに全線開通した。京都縦貫自動車道は積雪で21日夜からの通行止めが続いている。
 一般道路では、国道1号(五条通)の東行きが五条掘川付近から滋賀県境まで9`渋滞、京都市南部の外環状線も10`渋滞するなど、名神の規制に伴い京都市内の幹線道路でノロノロ運転が断続的に見られた。
 また、大阪空港では約40便が欠航するなど、空の便にも大きな影響が出た。
 京都地方気象台などによると、冬型気圧配置は緩んできているが、日本海からの雪雲が京都府南部にも入り込んできており、23日までにさらに平野部で5a、山間部では10−30aの積雪があるという。
 京滋各地の午後9時現在の主な積雪は次の通り。(京都・彦根地方気象台調べ、単位a)
 ▽京都9▽美山28▽峰山14▽舞鶴12▽余呉町柳ヶ浦36▽彦根12▽今津24▽伊吹町春照14(京都新聞)
■京滋に大雪 ”遠い家路”うんざり
 大雪の影響で京磁の鉄道や道路など交通機関が大混乱した22日、京都市内の各駅やバス停、タクシー乗り場などでも、帰宅する人たちの長い列ができ、朝に続いて夕方も混乱が続いた。
 JR京都駅の在来線ホームでは、午後5時ごろから帰宅ラッシュとなり、乗客らの列がホームいっぱいに伸び、駅員は遅れて到着する電車の名前を大声でアナウンスするなどホーム周辺は騒然とした。
 守山市の会社員(62)は「いつもは午後8時ぐらいまで働いているが、雪で仕事にならず、今日は早く帰ります」と言い、満員電車に乗り込んだ。大津市内のアルバイト女性(48)は「20分も待っているのに電車が来ない。夕食の準備もあるのに」とイライラした様子だった。
 ビジネス街にある阪急烏丸駅でも、午後5時過ぎからコート姿の人たちが足早に改札口を通り抜けた。西京区の会社員玉垣勲さん(55)は「いつもより30分早く仕事を切り上げた。滋賀や奈良方面に帰る同僚らも、終業時間になると急いで駅に向かっていた」と話した。
 名神高速道路の通行止めで京都市山科区内の外環状線や国道1号が渋滞のため、一部の市バスはコースを変えて運行した。JR京都駅前のバス停では、東京から観光で来た主婦(54)が「バスは遅れて来たり、ノロノロ運転で大変だった。こんな天気だからしょうがないけど」とうんざりした表情。タクシー乗り場にも100bを超す長い行列ができていた。
・スリップ事故相次ぐ
 雪の影響で、道路ではスリップ事故などが相次いだ。
 京都府警交通企画課によると、京都府内では22日午前9時から午後3時半までに、雪が原因とみられる交通事故が 132件発生し、5人が負傷した。雪が降り始めた21日午後五時から合わせると、事故は計458件、負傷者は計30人にのぼった。(京都新聞)
■京阪、コンビニ進出 京都市内の駅を中心に 5年で50店目指す
 京阪電鉄の金馬昭郎社長は22日の記者会見で、97年度からコンビニエンスストア事業に進出すると表明した。5年程度で直営、フランチャイズあわせて50店舗を計画、直営の1号店を4月に樟葉駅改札口外(枚方市)にオープンさせる。
 経営の中心となっている運輸、不動産部門に新たにコンビニエンスストア事業を手掛けることで「流通部門も柱にする」(金馬社長)のが狙い。1号店は営業面積130平方b。弁当などの食品、飲料、日用雑貨品のほか店内で軽飲食できるコーナーも設ける。年間の売上見込みは2億5000万円。店名は未定。
 同電鉄は京橋駅に2号店を予定しているほか、5年程度で直営店15店、フランチャイズ店35店を計画。丹波橋、四条、三条、出町柳など1日の乗降客が4万人以上の駅を中心に今後、出店計画を練る。金馬社長は「フランチャイズは複数の会社になりそう」と話している。(京都新聞)
■京都の市電いまどこに 保存状態などを冊子に 愛好家が1年かけ調査
 1978年9月末に廃止された路面電車「京都市電」が第二の人生を送っている各地へ京都市内のファンが訪ね、約1年間かけて調べた車両の保存状態などをこのほど、冊子にまとめた。最後まで走っていた56両のうち、42両の現在の姿を写真におさめて確認しており、貴重な資料になりそう。
 「京都市電北々南々」(B5判、79ページで、伏見区深草池の内町の会社員小島正和さん(25)が愛好家の協力を得て、編集した。京都市電の前身である京都電気鉄道が1895年(明治28年)に走り出してからちょうど100周年を迎えた一昨年7月から、調査を開始。京都市内の公園をはじめ、展示保存されている大阪、徳島、鹿児島・奄美大島や現役で乗客を乗せている広島、松山にも足を運んだ。
 その結果、市電を譲り受けた保育園や学校、遊園地では保存状態の格差が大きいことが明らかになった。徳島県阿南市の個人が所有している車両は、車内のつり広告も当時のまま保存されるなど「静かな余生」を送っていたが、滋賀県甲西町の廃園になった遊園地では、草に覆われ、塗装がはげ落ちるなど「無残な姿」をさらしていた。
 また、松山市の伊予鉄道や広島市の広島電鉄、下京区の梅小路公園のイベント列車など第二の職場で働く姿を紹介。市電愛好家の仲間がアメリカの電車博物館などで撮影した京都市電や京都を走る現役当時の写真など、小島さんが確認した42両を含む計78両の写真が掲載されている。
 小島さんは「引き取られた市電は半永久的に保存されると思っていたが、廃車にされるものもあり、扱いがバラバラ。愛された市電もその後の運命はさまざまだ」と話している。冊子は500部を発行、希望者には一部1500円で販売する。問い合わせは小島さん(075・647・1359)へ。(朝日新聞)
■通勤電車 イス増やせます 6扉なら最大5割増 4扉でも2割増 東大生産研が提案
 乗車定員や乗降性をほとんど変えずに、座席数を最大5割まで増やせる、という快適な新型通勤車両を、東京大生産技術研究所の須田義大助教授らのグループが22日、提案した。5人掛けのボックス席や背中合わせの座席を従来型の座席と組み合わせた。森田助教授は「実用化に向け鉄道各社に働きかけたい」としている。
 研究は、JRや私鉄の定員120人の車両を対象にした。乗車率100%のときの快適性と、乗客の半数が降車するのにかかる時間を独自の計算方式ではじき出し、いろいろな座席配置を比較した。
 標準型の片側4扉の場合、片側を5人掛けのボックス型にすると1車両当たりの座席数は2割増えた。さらに、JR山手線などで取り入れられている片側6扉では、片側だけ背中合わせの6人掛けにすると、5割も増やせた。一方、扉から最も遠い席の客が降りるのにかかる時間は、4扉では1割増になるものの、6扉は全く変わらなかった。
 車両の一部の実物大模型を作り、約30人が参加して実験をした。扉付近の空間をとるように座席が配置されているため、立ち席の快適さに問題はなかった。また、ボックス席の場合、4人掛けだと窓際の奥の席に座りたがらない傾向があるが、5人掛けにすると、奥の席の着席率が高くなった。(朝日新聞)
■大雪 終日交通乱れる
 西日本各地に流れ込んだ寒気は、22日午後になって緩んだものの、交通網の混乱は終日続いた。大阪管区気象台によると、天気は23日朝にかけて次第に回復に向かうが、路面凍結などに注意を呼びかけている。
 同気象台によると、積雪量は22日午後9時現在で、滋賀県余呉町で36a、彦根、舞鶴12a、京都9aなど。近畿地方の日本海側や山間部などではなお雪が続き、23日夕にかけて多いところで30aの降雪量になるという。
 東海道・山陽新幹線のダイヤの乱れは終日続き、博多発「のぞみ6号」が東京駅に3時間13分遅れて到着するなど、上下318本に運休や遅れが出て、計17万人が影響を受けた。新大阪駅には、こだまの車両を使った「列車ホテル」が準備された。JRの在来線も、東海道・山陽線や福知山線、関西線などで深夜まで最大30分程度の遅れが続いた。空の便は、関西空港で北海道や新潟を結ぶ13便が悪天候のために欠航。大阪空港では滑走路上の多いところで約3aの積雪になり、滑走路を一時閉鎖して除雪作業をした。(朝日新聞)
■京阪が3月22から枚方市駅に特急停車
 京阪電鉄は、3月22日に京阪本線、鴨東線、宇治線、交野線でダイヤ改定を実施し、平日朝の通勤ラッシュ時に淀屋橋行きの特急6本を新たに枚方市駅(大阪府枚方市)に停車させると22日、発表した。平日朝の通勤ラッシュ時に天満橋行きの準急1本、休日の昼間時に淀屋橋行きの準急3本も増発する。
 また、特急用の新型車両(9000系)を5編成新造し、ダイヤ改定と同時に、平日朝の通勤ラッシュ時に淀屋橋行きの特急として運転する。9000系は現在の特急より1編成多い8両編成で、扉の数が多く、幅も広い。(朝日新聞)
■新幹線は徐行 交通乱れ残る 京滋、雪の影響
 京滋地方は23日朝、冬型の気圧配置は緩んだものの、前日の雪の影響で、新幹線の遅れや道路の通行止めが続くなど、交通機関の乱れが残った。
 JR東海道新幹線はこの日朝、始発列車から上下線とも名古屋−新大阪間で徐行運転。JR京都駅では、下りの発着が15−20分遅れた。JR在来線や私鉄各線は、ほぼ正常通り運行した。高速道路では、全線通行止めだった京都縦貫自動車道のうち、沓掛−千代川間がこの日午前6時半に開通したが、千代川以北は通行止めが続いている。名神高速道路は滋賀県内で50`の速度規制、上り線が八日市インターを先頭に最長で70`近く渋滞。
 京都府警によると、22日午後3時半から23日午前8時までにスリップなど雪による事故が64件発生、うち2件が人身事故だった。(京都新聞 夕刊)
■なお雪影響 新幹線遅れ
 寒波に見舞われた西日本では、23日朝も一部の交通機関の運行が乱れた。
 東海道・山陽新幹線は沿線に積もった雪のため、名古屋−新大阪間と姫路−岡山間で始発から速度を落とし、新大阪駅や名古屋駅では車体についた雪を落とす作業をした。東京方面からの列車が新大阪駅に30分遅れで到着するなどダイヤが乱れた。
 阪神高速北神戸線の箕谷−藍那間が午前10時半現在路面凍結のため通行止めになるなど各地の道路でも規制が続いた。(朝日新聞 夕刊)
■サラリーマン JRマン10年 トロッコ列車社長 4 客との触れ合い重視
 「どうして、こんなにお客さんが来てくれたんだろう」。嵯峨野観光鉄道社長の長谷川一彦さん(50)は、初年度に予想の3倍以上にあたる67万人余りの乗客が殺到し自信を深めたものの、半面で戸惑いも大きかった。
 しかし、経営者として分析してみると、景勝地を走る地の利や利用客の観光志向だけではなく、企業努力が実を結んだことが分かってきた。成算があって打った手ばかりではない。五里霧中で懸命にやってきたことや、資金不足からやむなく導入した作戦が当たった。運も味方したと思う。
 例えば、車両。トロッコ列車に乗ってくれたベトナムの留学生グループに「母国の列車より乗り心地が悪いですね」と言われたことがある。
 確かに座席クッションにはふわふわする空気バネでなく、固い板バネを使っているから、座り心地はいたって悪い。照明は裸電球。冷暖房もない。何しろ、4両のうち2両は窓もないのだ。お客さんたちはそれを喜んでくれる。
 「あえておんぼろにして、『非日常』の空間に身を置いてもらっては」「自然を体感して、大気を思いきり吸い込んでもらおう」−。開業前の戦略会議で、列車のコンセプトに知恵を絞った結果だが、デラックスにしようにも金がないのが実情だった。
 車内で車掌が歌を歌うサービスを導入、長谷川さんもマイクを握る。「ありがた迷惑かもしれない」と迷ったが、「楽しかった」とお礼の手紙をよくもらう。不器用でもいいからお客さんと一生懸命触れ合い、サービスしようと思う。通勤電車ではなく、観光列車なんだから、乗客と一緒に大声で笑ってもいい。
 沿線を山桜や紅葉でいっぱいにしようと植樹にも熱心だ。開通直後から植え始めて約1600本になった。手入れが大変だが、すくすく育ち、将来は桜や紅葉のトンネルになる。乗客の目を楽しませ、地域頁献にも役立つはずだ。
 開業から予想外の黒字続きで、蓄えた7億円は投資に回した。トロッコ嵯峨駅に観光ラン園を併設、保津峡駅にオランダから輸入した100万円の鈴を12個付けた「カリオンタワー」と呼ぶ塔を造り、亀岡駅にはベルが童謡を奏でる「ベルツリー」を設けた。
 国鉄時代は「安全に時刻通りに乗客を運ぶ」のがサービスだと威張っていた。民営化してサービスは多彩になったが、やるべきこと、考えるべきことはまだ沢山ある。
 本社の偉い人に「調子に乗り過ぎじゃないか」と苦笑いしながらたしなめられる時だけ、「JR西日本の出向社員だったんだ」と思い出すほど、社長になりきっている。(読売新聞)
25日■JR、3月に試乗会 新型新幹線と東西線
 JR西日本は、山陽新幹線で3月22日にデビューする新型新幹線「500系のぞみ」と、3月8日に開業するJR東西線(京橋−尼崎)の試乗会をそれぞれ開く。
 「500系のぞみ」は新大阪−博多間を時速300`で走行する新型車両。試乗会は、近畿、広島、岡山、福岡の4地区で行う。
 近畿地区は3月9日で、試乗は新大阪−広島間の往復。新大阪を午前10時に出発し午後2時前に到着する。募集人数は、2人1組で計300組・600人。希望者は、はがきで代表者と同乗者の住所、氏名、年齢、職業、電話番号を書き、27日から2月3日までに〒550-91大阪西郵便局私書箱10号、「500系のぞみ」試乗会事務局 06(562)5979へ。応募者多数の場合は抽選。
 JR東西線の試乗会は3月2日。午後零時からと同2時からの2時間ずつ2回に分けて行い、それぞれ2人1組、計1000組・2000人を募集する。
 当日は、大阪城北詰−尼崎間を15分間隔で運転、希望の駅で乗降でき、各駅の見学も自由。希望者は、はがきに2人連記し、住所、氏名、性別、年齢、電話番号、希望時間、乗車希望駅を書き、〒530-91大阪中央郵便局私書箱338号MH、「JR東西線試乗会」応募受付係 06(532)4744へ。締め切りは31日。(京都新聞)
■大阪市営地下鉄 民営化も視野に 審議会答申 新線見直しも迫る
 大阪市から市営の地下鉄やバスなどの経営改善策を諮問されていた市公営企業審議会(会長、坂本長作・大阪市工業会連合会長)は24日、これ以上の赤字増加を避けるため、地下鉄の新線建設などについて慎重な対応を要請するとともに、民営化を視野に入れた経営形態の見直しなどを柱とする答申を磯村隆文市長に提出した。大阪市は既定の新線建設計画などの見直しを迫られることになりそうだ。
 答申では市営地下鉄やバスの今後について「民間事業者が参入してくる可能性が高まっている」と指摘。乗客についても「不透明な景気動向を考慮すると大幅な増加は見込めない」とし、「依然、大きな経営赤字が続く」と悲観的な予測をしている。その上で、市が昨年暮れに建設を打ち出した「森小路大和川線」(約4400億円)の新線計画などへの慎重な対応を求めた。
 さらに「市営という経営形態自体の見直しまで含めた検討の必要性が浮かび上がってくる」とした。
 答申の内容について審議会小委員長の山田浩之京大名誉教授は「答申の『経営形態の見直し』には民営化も含んでいる。新規の森小路大和川線については予定地は『民間だったら採算面でまず造れない』という意見もあった」と話している。(朝日新聞)
■大阪市営地下鉄やバス 値上げ容認の答申 公営企業審議会
 大阪市公営企業審議会は24日、市営地下鉄やバス、水道料金の値上げを容認する答申を磯村陸文市長に渡した。市はこれを受けて3月市議会に値上げを提案し、今夏に地下鉄、バス、ニュートラムの初乗り運賃を180円から200円に引き上げる方針。水道料金も平均で2割近く引き上げたい考えだ。
 値上げはいずれも4年ぶりで、交通は7月、水道は6月の見込み。答申では、交通事業は建設費の負担が増える一方、乗客は伸び悩み、昨年度決算の累積赤字は2128億円に上る。このため、当面の財政危機をしのぐ措置として今回の値上げはやむを得ないとした。
 一方、水道事業は昨年度決算で赤字に転じ、今年度も28億円の赤字の見通しだ。今後も使用量が伸び悩むのに対し、震災対策や高度浄水処理で経費は増大すると予測、経営努力を前提に値上げを認めた。
 また、水の使用量が多いほど料金単価が上がる逓増制の見直しを提言した。このため平均2割近く上がれは、1ヵ月20dを使う平均的な一般家庭で現在1520円の料金が、500円近くアップし、少量使用者の負担増が割合的に高くなる公算が大きい。(朝日新聞)
■街かど探検 怒ってます 笑ってます 旧式あかん!!高架に踏み切れ JR奈良線の新田辺駅周辺 開かずの踏切 イライラ 増発で渋滞に拍車 朝夕のラッシュ時は20−30分待つことも
 列車がなかなか来ないのに、踏切が閉まったまま。警報機の音が頭にガンガンと響く。線路の高架化が進められている京都市内とは裏腹に、府南部を走るJR奈良線は、単線で遮断機の開閉システムが旧式の踏切ばかり。時には、列車が通らないのに遮断機が下りることもある。このため幹線道路と交差している踏切では、交通渋滞がしばしば。ダイヤ改正で列車が増発になるたびに増える遮断機の開閉。イライラが余計につのる。(南部支社・二松啓紀)
 JR奈良線新田駅(宇治市広野町)北側約100bにある踏切。宇治と大久保を結ぶ幹線道路の府道宇治淀線と鉄道が交差する。時間は帰宅途中の高校生が目立つ午後4時半ごろ。京都行き(上り)の普通列車が視界に入ると、警報機が鳴り始めた。
 ところが、遮断機が下りたのは、列車が駅を出発する時ではなく、停車する前。乗客がホームで乗り降りしている間も、じっと待たなければならない。このため道路ではたちまち5、600bもの交通渋滞が発生した。
 さらに、最悪な時は、すれ違い列車を待ち合わせる場合。列車が駅に近づくといったん遮断機が下りる。待つこと約1分。が、列車は通らないまま突然、遮断機が上がる。「なんだ、これは」と思っていると、しばらくして反対側の列車が近づき、また遮断機が下りる。ラッシュ時には踏切を渡るまで、2、30分もかかることも珍しくない。
 JR西日本(本社・大阪市)によると、踏切から数百bから1`の地点に識別装置があり、この上を列車が通過すると、踏切の遮断機が自動的に下りるシステムという。列車1本が通り過ぎるまでの遮断時間は、約30秒から40秒だが、通過する列車、停車する列車を識別しない。このため、新田駅付近の踏切では、列車が駅に入る前から遮断機が下り、長く待たされることになる。このような踏切が奈良線(京都−木津間、33`)には79ヵ所もある。
 これに対して、近畿日本鉄道(本社・大阪市)は1970年3月、普通、急行、特急を識別する列車種別装置を全線に導入した。走行中の列車が発する電波に装置が反応し、速度や停車の有無によって、遮断機が下りるタイミングが決まる。「踏切が道路を遮断する時間を最短時間になるよう、注意を払うのも、お客様へのサービスの一つ」と近鉄広報室は話す。同社だけでなく、私鉄のほとんどでは、当たり前のように取り入れられているという。
 それよりも、踏切が無くなってくれる方がありがたい。新田駅から西約300bにある近鉄大久保駅付近では、87年10月に高架化工事を終えて以来、絶え間なく発生していた渋滞は激減した。
 しかし、高架化もなかなか進まない。わずか2`、3`の高架化を行うだけでも2、300億円ものお金がかかるのがネック。多くは、都市計画事業として、7、8割が地元自治体の税金で賄われるケースがほとんど。
 「巨額な工事費がかさむと、運賃にはね返ってしまう。やりたいけど、なかなか進められない。やはり踏切に頼らなければ」(近鉄)と言うのが実情。
 鉄道は確かに安全で便利な乗り物だが、自動車も今やこれに並ぶ存在だ。鉄道の創業当時は、今とはあべこべに鉄道をストップする形で遮断機が設けられ、道路の通行を優先していたという。
 「鉄道がまだ普及していなかった時には、汽車の方が人に遠慮していたんですよ」と交通科学博物館(大阪市)の谷澤正信学芸員。「止まれ」と言わんばかりのJR奈良線の踏切。なんとかして−。(京都新聞 夕刊)
■シティーライフ 異界へようこそ 鉄道趣味の復活 トンネルを抜ける日はいつ
 切手収集と並び、昔は男の子の趣味の王道だった「鉄道」が衰退している。大学の鉄道研究会の会員は減り、鉄道模型など、関連した産業も停滞している。自分の鉄道趣味を「人に言えない」という鉄道マニアまでいる。なぜ、こんな状況になったのか。
●知人に言えない
 昨年秋、大阪市立大学鉄道同好会の小竹雅行さん(21)は、関西学生鉄道研究会連盟(学鉄連)の会員を対象に、あるアンケートを実施、117人から回答を得た。
 「あなたは鉄道を趣味にしていることを、耶ずかしく思ったことはありますか」
 回答では「よくある」「たまにある」が52%と過半数を占めた。「あなたは知人に、鉄道趣味サークルに属していることを堂々と言えますか」という質問には、「言えない」という答えが36%を占めた。
 「鉄道趣味は子どもっぽいと思われる、とおそれている人が多いようです」と小竹さんは理由を分析する。
 小竹さんがこのアンケートをした背景には、大学の鉄道サークルの衰退がある。小竹さんの同好会の会員は、昔は20人以上いたが、現在の実動会員はわずかに4人。
 大阪市大だけではない。学鉄連の加盟サークルは、昔は20校以上あったのが、今は10校前後に減っているという。
 小竹さんたちも手をこまねいているわけではない。大阪市大のサークルはもともと「鉄道研究会」という名前だった。しかし「研究会ではイメージが硬くて新入生が入りづらい」と昨年春から「同好会」に変えた。もっとも改革は功を奏さず、昨年の新入生はゼロ。改革の過程では、OBから「社民党になった社会党みたいだ」という批判もあったという。他大学のサークルでも、鉄道を前面に出さず、旅行サークルなどの装いで会員を募集するところもあるという。
●鉄道模型も沈滞
 沈滞しているのは大学のサークルだけではない。大阪・弁天町の交通科学博物館の年間入場者数は、1970年代後半のブルートレインブームのころには50万人を超えていたが、今は30万人程度に減っている。客層も変わり、昔は中高校生も多かったが、今は幼稚園までの子どもたちとその家族が多い。
 同博物館の内田哲夫さんは「小学校高学年くらいの年齢層が、もう少し増えてほしい」と話す。少し上の層を狙い、93年の全面改装では展示内容を少し難しくした。
 低年齢化は鉄道模型業界も同じだ。おもちゃメーカーのトミーによると、幼稚園までを対象にした「プラレール」は好調だが、小学校高学年以上が対象の鉄道模型「トミックス」の売れ行きは「良く言えば安定」悪く言えは停滞している」という。
 幼稚園までは通過儀礼のように鉄道で遊ぶが、それ以降が続かない、という構図が浮かび上がる。
 なぜ、衰退したのか。大坂市大OBの森口誠之さん(24)は「さよなら鉄道マニア」というミニコミ誌で、鉄道趣味の衰退を論じている。森口さんは、@鉄道趣味の高尚化A旧国鉄の分割民営化B大学の文化系サークル全体の衰退C子ども人口の減少、などを挙げる。
●ロマンが減った
 「子どもっぽいと思われるのが嫌なあまりに、鉄道趣味全体がアカデミックな方向に走ってしまい、初心者には敷居が高くなってしまった」と指摘する。確かに、最近の鉄道雑誌に目を通すと交通政策などが論じられ、門外漢には、とっつきにくい。
 また、旧国鉄の分割民営化でロマンの対象だったローカル線が減ってしまった。昔は「国鉄全線踏破」を目標とする鉄道マニアも多かったが、今は簡単に全線乗れてしまうという。「SLもなくなり、これからどうすれはいいんだ、と途方にくれたものです」と森口さんは振り返る。
 今のところ、鉄道趣味の現状が好転するきざしはない。最近はJR西日本やJR九州で新型車両が次々に登場しているが、マニアの盛り上がりは見られない。「マニアの間には、昔のものの方がいい、という気持ちがあるようです」と森口さんは言う。
 鉄道趣味がトンネルを抜ける日は遠そうだ。(朝日新聞 夕刊)
■サラリーマン JRマン10年 トロッコ列車社長 5 全員で会社支える
 社員8人でスタートした嵯峨野観光鉄道の社員は今、アルバイトを含めて52人になった。社長の長谷川一彦さん(50)は、所帯が大きくなっても「何事も全員参加」を会社運営の基本に置いている。
 とにかく仕事が多い。トロッコ列車は小さいながら、運輸大臣の認可を受けた鉄道だ。JRや大手私鉄と同様、多様な駅務がある。
 安全は鉄道事業の基本中の基本。事故を起こせば会社がつぶれてしまうのが、ミニ鉄道の宿命だ。事故防止の最新設備を導入しても、車両、線路、沿線の保守点検には人手と時間をかけた細心の注意が欠かせない。
 乗客サービスの大切さは通勤列車の比ではない。おまけに、経営者自らが「社員全員エンターテイナー」が口癖だから、車内でのカラオケやパフォーマンスなど、サービスも密度は普通の鉄道会社よりずっと濃いはずだ。
 草むしり、掃除、沿線に植えた樹木の管理など、仕事は次々わいてくる。ラン園をはじめ物販店、喫茶店、レンタサイクル、花の宅配といった関連事業も大きく広がって、むしろ人手は足りない。
 厳密な役割分担をしていては運営できないし、社員の自主性も欠かせない。手の空いた人が今必要な仕事を即座にこなす。休みの日にマイカーでお客さんに花を届けたり、線路を巡回する社員がいる。国鉄やJRの大組織で育ってきた長谷川さんには、この連帯感が新鮮で、楽しい。
 「国鉄時代は上役にあいさつもしなかった」と言う若手社員がいる。「大きい声では言えないけど、『月夜ばかりじゃないぞ』と上司を脅したこともある」と打ち明けた社員も、頑張っている。
 嵯峨野観光鉄道は給与や休日など、労働条件はJR西日本本体より悪い。でも、社員が一生懸命働いているのは、みんなが「自分の会社」だと思っているからだろう。「この会社に来たのは出向ではなく、『展進』なんだ」。こんな造語ではっぱをかけることもある。
 一国一城の主(あるじ)でも、率先垂範で取り組み、会社を良くしたい。
 「今度はどこに行くんだろう、ポストはどうなるのか」。国鉄時代も民営化した後も、こんなことばかり気にしていた。今はかつて気にかかって仕方がなかった次の人事のことは全く念頭にない。
 「宮仕え」の身だから、異動の辞令には従わざるを得ないが、「一生この会社にいたい。せめて、会社が完全に一人前になるまでは」と切望している。「ずっとトロッコ列車にかかわっていたい」と言い切る社員が多いのも、離れがたい理由だ。(読売新聞)
26日■京都市バス地下鉄運賃 消費税転嫁せず 市、当面据え置き方針
 京都市は25日までに、今年4月から実施される消費税率の2%引き上げについて、市バス・地下鉄運賃に転嫁しない方針を固めた。昨年9月に値上げしたばかりであるうえ、2%分では端数処理しても「10円単位の引き上げができない」と判断した。
 市交通局では、昨年9月に市バスと地下鉄運賃の各区間でそれぞれ20円の値上げを実施。現在、市バスの均一区間が220円、地下鉄が一区間200円となっている。
 消費税率の引き上げ分の2%を転嫁すると、市バス均一区間は4円40銭、地下鉄一区間は4円となり、四捨五入しても10円単位の引き上げにならない。地下鉄では、3区間(260円)、4区間(290円)で10円アップは可能だが、「値上げしたばかりで、利用者の理解は得にくい」として、定期券や回数券を含めて見送ることにした。
 交通局の運輸収入(敬老乗車証を除く)は年間約310億円。転嫁しなければ約6億円の減収になる見込み。「当面、内部努力でしのいでいくが、いずれ転嫁しなければならない」として、1998年度以降の値上げに含みを残している。ただ、車内広告料は2%アップする。
 市によると、他の政令指定都市では、仙台市が消費税引き上げと同時に転嫁、大阪市も消費税分を含めて運賃改定を予定する一方、名古屋市では当面、転嫁を見送る方針。神戸市も阪神大震災の影響もあって、転嫁は困難とするなど、対応はさまざまだという。
 89年の消費税(3%)導入に伴い、京都市では92年4月に市バス・地下鉄運賃や市立病院、第一・第二中央卸売市場の使用料を消費税分を含めて値上げした。(京都新聞)
■雪に弱い通勤電車 床下に付着、ショート 22日の寒波 故障5件 JR西日本と阪神・阪急調べ
 この冬一番の寒波が近畿地方を襲った22日に、JR西日本、阪神、阪急で計5件の車両故障が発生し、いずれも雪が車体の床下にある機器類に侵入して付着し、配線などがショートしたためであることが、3社の調べで分かった。京阪神を走る大半の電車は、同様の故障が発生しやすい構造になっており、通勤電車の雪に対する弱さが露呈した。
 22日は朝から近畿地方が雪に覆われ、JRや私鉄のダイヤが大幅に乱れた。電車の遅れに車両故障が重なり、通勤、通学客を中心に約140万人が影響を受けた。
 JR西日本では午前7時半ごろ、片町線で車両が故障し、架線が停電した。車両床下にある、電流をモーターに送る装置に雪が付着し、ショートしたためと分かった。同10時10分ごろには関西線でも同じような車両故障が起きた。
 同社によると、約2500両の車両のうち、床下機器類への雪の侵入を防ぐなどの耐雪構造になっているのは、3月に開業するJR東西線を走る新型車両や、湖西線、福知山線に乗り入れている353両だけだという。
 阪神は午前7時と8時に車両故障が発生。いずれも、モーターの回転数を変える床下の装置に雪が付着し、配線がショートした。1昨年11月以降に導入した新型車両は雪が侵入しにくい構造になっているが、314両のうちまだ38両しかない。
 阪急は午前9時に京都線で発生。モーターのある床下の装置に雪が舞い込んだ。モーターの付いている533両のうち80両が、故障した車両と同じような構造で、同社は再発防止のため配線部分に防水用のテープを巻くことを決めた。
 3社とも、近畿地方では珍しい低温の粉雪が降ったため、舞い上がって床下の機器類部分にまで侵入して発生したと判断。JRと阪神も対策を検討している。(朝日新聞)
27日■サラリーマン JRマン10年 トロッコ列車社長 6 やんちゃ坊主を貫く
 トロッコ列車を運行する嵯峨野観光鉄道社長の長谷川一彦さん(50)は、国鉄時代もJRになってからも、「やんちゃ坊主」を通してきた。
 血気盛んな性格だと思う。体力派を自負してもいる。なにより「まず行動」をモットーに鉄道マン街道を走ってきたつもりだ。だから仕事に全力投球した結果とはいえ、よく上司や部下とぶつかった。言いたいことは直言したから、あつれきもあった。
 91年11月、44歳で嵯峨野観光鉄道の社長になった時、人事に不満だった。長谷川さんに白羽の矢を立てた当時のJRの上司とは、しばらく口を利かなかった。
 小さな鉄道会社の運営を軌道に乗せて、今は「いい経験をさせてもらった」と感謝している。この上司とも”和解”した。しかし、小さな子会社とはいえ、経営者の立場になって本社を眺めると、言いたいことは沢山ある。
 まず、意思決定が遅い。身動きが取れない「巨象」に例えられ、すぐできるはずの制度の改善にも時間がかかった。分割されスリムになっても、この体質が残っている。ミニ会社の経営では即断即決を求められる場面が多いから、余計にそう見える。
 トロッコ嵯峨駅始発便は当初1日3便しかなく、他のトロッコ嵐山駅始発使を利用するには乗客は、最寄り駅となるJR嵯峨嵐山駅から1`近く歩かなければならない。
 長谷川さんは開業当初から「8便全部を嵯峨駅発にしてほしい」と本社に頼み込んだ。嵯峨−嵐山間は山陰線と一部乗り入れているため、幹部は「生活路線に観光列車をそう頻繁に通すのは難しい」と難色を示した。鉄道マンとして理屈は分かるが、長谷川さんは粘りに粘った。結局8便すべてが嵯峨駅始発になったのは、開業から5年近くたった96年3月だった。
 頭の固さも気になる。駅舎改装の際、本社から「ぜいたくではないか」などと注文が付く。「経営上の最終決断は、自分の権限と責任で」が原則だが、その過程で本社との相談が欠かせず、煩わしい。本社に内証にして海外へ社内旅行に出かけたのが発覚、冷や汗をかいた経験もある。
 とはいえ、まだ本社にお世話になっていることに変わりはない。黒字は投資に回していて、本社への配当はできないでいる。「この会社はまだ親不孝。孝行息子に育てなければ」と思う。
 「向こう傷を受けた場合は、なめてでも治してやる」。親会社のトップはよくこう言って、社員を鼓舞する。最近までJR西日本の関連会社で一番若い社長だった長谷川さんは、実はこうした本社の包容力の下だからこそ、「やんちゃ」でいられるのかもしれないとも思う。(読売新聞)
28日■障害者らの生活圏さらに広がる 市中心部循環205号系統 リフト付き市バス発車
 車いすのままで乗り降りできるリフト付き市バスが27日から、市中心部を循環する205号系統の路線で運行を始め、南区の九条車庫前で出発式が行われた。1日に12便運行される。
 バスは前部出口に昇降用リフトを設け、地上と車両の床面の間を水平に移動できるようにした。価格は1両当たり2900万円。
 市交通局は1991年12月から計12台を順次導入し、洛西地域や南部方面などの6系統で運行している。今回、九条車庫から西大路通、北大路通、河原町通、四条通などを循環し、沿線に公共施設や医療、福祉施設も多い同系統に、新たに3台導入した。
 出発式には、同型バスの導入を求めてきた障害者団体「日本自立生活センター」の身障者ら約30人が出席。長橋栄一同センター代表が「リフト付きバスで生活圏が広がる。バスを生活の手段として利用し、素晴らしい人生づくりに役立てたい」とあいさつし、同センターの須賀幸男さんから一番バスの飯田忠運転手に花束が贈られた。(京都新聞)
29日■サラリーマン JRマン10年 トロッコ列車社長 7 多彩な仕事が役立つ
 嵯峨野観光鉄道社長の長谷川一彦さん(50)は鉄道マンにあこがれて国鉄に入った。JRになって10年がたとうとする今、小さな子会社で社長を務める自分が、ビジネスに目覚め、経営者に転身するきっかけは、やはり国鉄の分割・民営化だった。
 民営化後JR西日本に入社して、最初の赴任地は金沢支社。運行現場の統括責任者である運転所長になり、「ビジネスマン」として最初の”手柄”を立てた。新生JRの誕生で戸惑いや混乱もあったが、社員は勇み立っていた。
 富山県高岡市の工場に頼んで、国鉄時代の特急のプレートを銅の鋳物で作らせた。原価500円、販売価格は1500円。車内販売が中心だったが、約6000万円を売り上げた。「前例がない商売」で、「本社からにらまれるぞ」と周辺はハラハラしたが、大当たりだった。
 「こういう仕事に向いているかもしれない」。自分の意外な適性を発見した。
 金沢の後は、本社に戻って事業本部流通課長。西日本全域で約230社の会社をつくった。設置した自動販売機は約1200台。「一から始める」仕事がほとんどで、2年半にわたって駆け回った。
 見るもの聞くものすべてが新しかった。「収益につながるなら、何でもやってみよう」の号令の下、雑貨や宝石の店、中華料理店、薬局、コンビニエンスストア…。社外の多種多様なビジネスマン、経営者との取引や付き合いは、刺激約で楽しかった。旧国鉄やJRの看板の威力を実感できたのも収穫だった。
 民営化の洗礼を受けてきたはずの長谷川さんだったが、「びっくりするようなことの連続」だった。もちろん失敗もあった。駅の火事で店舗が被災して後始末に追われたり、暴力団とのトラブルも経験した。累積債務21億円の大赤字の会社もあって、「再建できなかったら会社ならクビだ」と大目玉を食った。
 流通課長時代、関西生産性本部が主催する「企業家塾」を受講させてもらい、経営者の基本を学び、人脈も広がった。関西の有力企業の経営者の講義を聴き、視野も開けてきた。当時は子会社の社長になるとは予想もしなかったが、「経営者には責任と権限がある。厳しいがやりがいもある」と魅力を感じた。
 嵯峨野を走るトロッコ列車を運行する会社の社長になるよう命じられ、「左遷だ。おんぼろ会社に行きたくない」と思ったが、今は「多彩な仕事をさせてもらったことが、経営者として役立っている」と振り返ることが多い。(読売新聞)
30日■体験しよう世界最速 JR西日本が「のぞみ」試乗会
 JR西日本は、世界最速の時速300`で3月22日から山陽新幹線を走る新型「のぞみ」(500系)の一般向け無料試乗会(軽食、記念品付き)を計画している。
 近畿地区は3月9日で、新大阪駅を午前10時に出発して広島駅で折り返し、新大阪駅に午後1時59分に帰着する。
 募集は2人1組(12歳以下の子供同士は不可)で、定員は300組。希望者は、官製はがきに2人の住所、名前(ふりがな)、年齢、職業、電話番号を書いて、〒550・91 大阪西郵便局私書箱10号「500系のぞみ」試乗会事務局まで。締め切りは2月3日(消印有効)。応募者が多い場合は抽選になる。問い合わせは平日に同事務局(06・562・5979)へ。(朝日新聞)
■京都市バス 少系統多便型に研究委提言 地下鉄開業で再編
 京都市の「バス系統研究委員会」(委員長・天野光三京都大名誉教授)は30日午前、地下鉄東西線の開業などに伴う路線系統のあり方について報告書をまとめ、市交通局に提出した。市バス利用客の大幅減少が予想されることを踏まえ、特に市内中心部では系統数を減らし便数を増やす「少系統多便型」を求めている。同局では、報告書を踏まえて系統の再編に着手し、7月までに具体的な運行計画をまとめる。
 7月の地下鉄烏丸線の延伸(北山−国際会館間)と、東西線(二条−醍醐間)の11月開業に伴い、系統研究委は昨年8月から市バス路線の見直しを検討していた。
 再編に当たっては▽利用客が1日500人以上か10%以上減少する▽民間バスとの競合率が60%以上−など7項目を基準にした。
 この結果、市内中心部では、地下鉄開業時に1日当たり約2万8500人の利用客減が見込まれることを踏まえ、現在の58系統数は「多くて分かりづらい。多くのバスが必要となる」と指摘。シミュレーションに基づき、最大25系統まで整理できるとして「少系統多便型」への改善を打ち出した。
 ただ、具体化に当たっては、利用者の乗り継ぎ回数の大幅増につながるうえ、運賃加算も増えることから「順次、移行するのが望ましい」としている。
 一方、東西線の影響で利用客が約6割減になると見込まれる醍醐・山科地域(13系統)では、現在、民営化に向けて京阪バス(31系統)と協議中だが、山科、醍醐新駅をターミナルとする系統を基本にするよう求めている。また、同地域と市内中心部を結ぶ系統の存続も必要としている。
 懸案の民営化地域の敬老乗車証(70歳以上への無料パス)は、京都バスに業務移管する岩倉・大原地区を含めて、市バスと民営化される区域に限り民間バスでも使用できる共通乗車制度にするよう求めた。(京都新聞 夕刊)
■近畿北部で雪 新幹線遅れる
 冬型の気圧配置が強まった30日朝、近畿地方では北部を中心に降雪があった。各地の積雪は午前10時現在で滋賀県余呉町で84a、伊吹町36a、京都府峰山町で29aなど。京都市でも北山周辺は10−15a、中心部でも午前9時で1aの積雪だった。
 この雪の影響で東海道新幹線は浜松−新大阪間で徐行運転。午前11時までに、東京発博多行き「のぞみ3号」など上下69本が最高46分遅れた。(朝日新聞 夕刊)
■女性はねられ?死亡 高砂のJR山陽線
 30日午前6時半ごろ、兵庫県高砂市阿弥陀町魚橋のJR山陽線で、上下線路の間に女性が倒れているのを下り貨物列車の乗務員が見つけた。女性は頭の骨が折れており、間もなく死亡した。貨物列車は現場に19分停車し、新快速電車など上下4本が運休、長崎発京都行き寝台特急「あかつき」など上下21本が23分−4分遅れ、約1万1000人に影響が出た。高砂署の調べでは、高砂市内の無職女性(67)で、30日未明に自宅を出たという。線路内を歩いていて別の列車にはねられたらしい。(朝日新聞 夕刊)
31日■「パセオ・ダイゴロー」西館 3月15日しゅん工 地下鉄醍醐駅上 市南東部発展の核に
 京都市の第三セクター、京都醍醐センターは30日、地下鉄東西線醍醐駅の上に建設中の大型複合施設「パセオ・ダイゴロー」の西館が3月15日にしゅん工すると発表した。館内の各施設はしゅん工式の後、4月初めにかけて順次オープンを予定しており、東西線開業に先立って市南東部発展の核となる施設が誕生する。
 パセオ・ダイゴローは、同市が市営住宅の建て替えを進めている醍醐団地総合再生事業の中核施設で、外環状線をはさむ東西の2棟から成る。
 今回完成する西棟は地上6階、地下3階建てで、延べ床面積は約4万6000平方b。一般図書のほかビデオやCDを備えた市内初の映像・音響対応型の図書館をはじめ、イベントホール、地域体育館、老人福祉センター、児童館などの公共施設が入る。
 民間施設としては、核店舗の平和堂(売り場面積約5000平方b)や専門店など商業施設のほか、プールを備えたスポーツクラブ、文化教室ができる。総事業費は155億円。
 東西線沿線では現在、市が山科・二条駅前の再開発や御池地下街の建設など5つのプロジェクトを進めており、同施設のオープンは事実上、最初の立ち上げとなる。東棟は今春着工の予定で、99年春の完成を目指す。(京都新聞)
■「市バス」提言に抗議 共産党京都市議団
 京都市議会の共産党議員団は30日、市の「バス系統研究委員会」が地下鉄東西線開業と烏丸線延伸に伴い、系統数を減らし便数を減らす「少系統多便型」への再編を提言した報告書を市交通局に提出したことに抗議する声明を発表した。
 声明では、同報告書に盛り込まれた山科・醍醐地域と岩倉・大原地区の市バス廃止と大幅な系統の統廃合などについて、「市のバス事業の廃止・民営化路線に従ったものでしかない」と批判している。(京都新聞)
■近鉄がダイヤ改正 3月18日から全線で
 近畿日本鉄道は30日、京都線など全線で3月18日からダイヤ改正を行うと発表した。
 主な改正は、現在の休日ダイヤに土曜を加え「土、休日ダイヤ」を新設する。しかし、土曜の通勤、通学対策として朝のラッシュ時に休日ダイヤより1割程度、運行本数は増やす。
 京都線では、平日の朝ラッシュ時に京都駅午前8時20分着の高の原発急行1本を増発、宮津(田辺町)発奈良行きの普通を1本増発し混雑解消を図る。
 大阪線では、上本町(大阪)−青山(三重県)に急行を平日2往復、土、休日に3往復それぞれ増発する。(京都新聞)
■バス路線を大幅に縮小 地下鉄東西線開通で京都市
 京都市交通局は30日、地下鉄東西線(伏見区醍醐−JR二条駅間、12.7`)が11月に開通するのにあわせ、山科・醍醐地域からの撤退、市内中心部の路線の統廃合などで、市バス路線を大幅に縮小すると発表した。
 市交通局によると、市内中心部にはバス系統が58系統あるが、@系統数が多すぎてわかりにくいA便数が少なく待ち時間が長くなるB多くのバス台数が必要で経常収支が悪くなるとの欠点がある。
 東西線の開通で人の流れが大幅に変わることが予想されるため路線を再検討し、系統数を減らして便数を増やし、将来的に半分以下の25系統を目指す。
 また、東西線の開通で13系統ある山科・醍醐地域の路線の乗客は約3分の1に減ると分析。バスの運営を民間に一元化、市は撤退するという。敬老乗車証と福祉乗車証は民営バスでも使える制度にする見込み。
 7月までに改正の概要をまとめ、11月から実施する予定。地下鉄烏丸線の延伸区間(北山−国際会館間、2.6`)も7月に開通するため、岩倉・大原地区からは7月に撤退し、民間に一元化するという。(朝日新聞)
■近鉄、ダイヤ改定 土曜を日曜同様に
 近鉄は30日、東大阪線を除く全線で3月18日にダイヤ改定を実施すると発表した。「土・休日ダイヤ」を導入し、土曜日を日曜、休日と同じダイヤにする。
 大阪線では上本町−青山町(三重県名賀郡青山町)間で急行を平日に2往復、土・休日に3往復増発。京都線では朝の通勤ラッシュ時に京都行き急行1本と奈良行き普通1本を増発。奈良線では難波発奈良行き特急を平日の夜に2本増発する。
 上本町−賢島間で毎日運転している特急4往復を春休み、黄金週間、夏休み、年末年始の4期間と土・休日のみの運転に変更。代わりに、上本町−鳥羽間の特急2往復を賢島まで延長する。(朝日新聞)
■開業前にJR東西線で訓練 地下での火災に対応
 JR東西線(兵庫・尼崎−大阪・京橋間)の3月8日開業を前にJR西日本は31日午前、大阪市西淀川区の御幣島(みてじま)駅構内で、地下での列車火災などを想定した訓練をし、警察、消防を含む約250人が参加した。
 東西線12.5`のうち10.2`が同社にとって初の地下構造の鉄道となるため、乗務員や駅係員らが異常時の対応に習熟することが目的。
 訓練は、まず淀川を地下で横切る海老江−御幣島間を走行中の下り電車の1両目から火災が発生したと想定し、運転士は御幣島駅まで列車を運転。同駅で車掌や駅員が負傷者を救出し、乗客を誘導した。また発煙装置からの煙を火に見立てた初期消火の訓練も行った。
 トンネル内での異常漏水発生も想定し、鉄製の止水扉を手際よく開閉できるかなどを確認した。(京都新聞 夕刊)
■東西線で火災訓練
 3月8日に開業するJR東西線で31日、電車火災と漏水を想定した訓練があった。JR西日本の職員や大阪府警、大阪市消防局の署員ら約250人が参加。地下21bにある大阪市西淀川区の御幣島(みてじま)駅では煙を出しながら到着した電車から乗客を救出し、ホームの消火栓を使って放水した。(朝日新聞 夕刊)
■サラリーマン JRマン10年 トロッコ列車社長 8 地域と共に夢売る
 1年目は「意外な僥倖(ぎょうこう)」と思った黒字は、その後も続いている。137社あるJR西日本の関連会社の中で、「経営約に文句なくトップクラス」と本社のお墨付きをもらい、無事故表彰も受けた。嵯峨野観光鉄道社長の長谷川一彦さん(50)は、やや甘い採点かもしれないが、「今後10年は今のままで大丈夫」と考えている。
 だが、惰性で事業を展開するのでは夢がない。小さな鉄道会社を「ナンバーワンでなくてもいいから、オンリーワン企業」に育てたい。
 観光は21世紀に日本の基幹産業になる可能性を秘めている。12月未から2月いっぱいトロッコ列車は休業するから、オーストラリア、ハワイのトロッコ列車やスイスの登山鉄道などを視察した。全国の人気施設や展示会のチェックも欠かせない。
 阪神大震災の際、活躍したボランティアの姿に感動して、96年2月、タイとラオスに旅立ち、学校建設のボランティアに携わった。奉仕の精神は仕事にも役立つ。今後も続けていくつもりだ。
 京都は町全体がディスニーランドのようなテーマパークだと思う。「地域に溶け込み、集客能力の高いソフト、ハード両面でさらに知恵を絞っていきたい」と思う。
 4月27日の開業6周年記念事業で、トロッコ嵯峨駅を全面改修する。オーストラリアから買った3b以上の巨大シャンデリアを飾る。多分日本一の大きさだ。大自然を描いたカナダの「ワイルドライフ・アート」と呼ぶ細密画も買った。全国にない美しい駅舎に変身させて、お客さんに夢を売りたい。
 地域貢献も大きな宿題だ。京都の円山公園の桜守、16代佐野藤右衛門氏の指導で始めた沿線の植林もその一つ。50年100年先に、もしトロッコ列車が消滅しても素晴らしい自然が残るから、「害虫に負けずに大きくなれ」と幹をさすって励ましている。
 地元の自治体や警察、企業、住民…。すべての協力で、トロッコ列車は成り立っている。大きな鉄道を動かしていた時代には、どれほど真剣に地域のことを考えていただろうかと、よく自問する。
 高齢者や身障者の採用も増やす計画だ。「嵯峨野観光鉄道は京都の会社だ」とみんなが思ってくれる、地域と共生する企業に育てたい。
 国鉄からJRへ、その間鉄道現場のことは頭を離れなかった。経営者として様々な戦略を練っていても、やはり根っからの鉄道マンだ。長谷川さんは「自分で自分に『終身パス』を発行して、退職してからもトロッコ列車にかかわっていたい」と思っている。(読売新聞)