1996(平成8)年11月


1日■街走るペイント市バス 大阪 五輪招致運動盛り上げ(京都)
  ■窓 バス利用は気持ちよく 伏見区・久保田直子(パート・32)(京都)
  ■京阪宇治交通 路線バス運賃の9.9%値上げ申請(京都)
2日■長野がぐーんと近くに 新型特急を公開 JR東海(京都)
  ■我詰める、故に席在り JR西日本のマナー語録 大賞には神戸の男性(京都)
  ■街かど探検 怒ってます 笑ってます 「駅守れ」地元は涙の努力 JR和知駅 ダイヤ改正で不便に 早朝や深夜は無人に 利便悪く収入も減る 定期券更新まで代行(京都)
3日■JR発券端末故障 京都駅でも一時混乱(京都)
  ■府南部−関西国際空港 リムジンバス利用者10万人に 大江のOLに記念の花束(京都)
  ■JR発券機が 一時機能停止 西日本など2300台(朝日)
4日■社説 奈良線の複線化に地元協力を(京都)
  ■男性はねられ死亡 高槻、JR22本に遅れ(京都)
5日■レールへの置き石 えさ隠しの習性 東大調査 「でも…例外的ケース」 ”カラスのいたずら”ではありませんでした(京都)
  ■線路の置き石 「エサ」が関係 東大教授ら分析 カラスなぜ置くの かくすのに便利でしょー(朝日)
6日■専用プリンター設置 点字の大量注文これで大丈夫です 北区・京都ライトハウス内に ニーズにこたえ 鉄道情報本を製作へ 点訳サークル「点友会」(京都)
  ■3セクの大阪外環状鉄道 延長20`、駅数は13 JR西日本など発表(京都)
  ■はねられ女性死亡 阪急西京極駅(京都)
  ■三セク21日に設立 大阪外環状線計画(朝日)
  ■東海道線踏切に土砂 能登川町、24本に影響(京都)
  ■女性はねられ死亡 高槻、JR50本に遅れ(京都)
  ■死亡女性の身元判明(京都)
  ■金剛自動車・水間鉄道 バス運賃値上げ申請(朝日)
  ■高槻の踏切ではねられ死亡 JR通勤ダイヤ乱れ(朝日)
  ■踏切上に土砂 快速が急停車 滋賀・能登川のJR(朝日)
7日■ゴンドラの乗客救出を?! 比叡山でロープウエー停止想定 高さ25b慎重に綱張り 左京消防署などが訓練(京都)
  ■窓 対応りりしい市バス運転手 中京区・林  昇(無職・69)(京都)
  ■JR東海道線 高槻−山崎間新駅を設置へ 2000年開業予定(朝日)
8日■大阪貫くJR線 検測列車、初乗り入れ 来年3月開業向け 軌道状態調べる(京都)
  ■オウム真理教 松本被告公判やりとり要旨 「これは幻覚なんだ」・松本被告 地下鉄サリン「救済のため」(京都)
  ■停車あれれホームない 快速、通過線路に JR芦屋(朝日)
9日■線路真っ逆さま そこへ列車が衝突 10b飛ばされ 転落車 奇跡の宙返り 運転手は無事脱出 東広島・JR山陽線(朝日)
12日■14日に試運転 北陸新幹線高崎−軽井沢間(京都)
  ■新閣僚に聞く 三塚博蔵相 行革の一番列車になる(朝日)
13日■建設基本スキーム 自民独自で策定へ 整備新幹線問題(京都)
  ■鳥取−京都間すべて「スーパーはくと」に 智頭急行(京都)
  ■旧国鉄債務で自民が検討委(朝日)
  ■声 車内の空き缶拾った後は… 東京都 田中実希子(主婦 34歳)(朝日)
14日■JR西日本3月期決算 売上高9500億円の見通し 旅客増で過去最高 旧国鉄債務 今期限りで完済へ(京都)
  ■上場来初めて営業利益増加 JR東日本の中間決算(京都)
  ■主要閣僚に聞く 古賀誠運輸相 旧国鉄債務、まず利子分(京都)
  ■窓 電車でめぐり紅葉を楽しむ 橿原市・原田久夫(中学教員・50)(京都)
  ■新幹線の議論 自民党単独で 19日に促進委(朝日)
  ■中間決算は 8.6%の増益 JR西日本(朝日)
  ■臨時列車は 272本 「味めぐり」運行 JR福知山支社(朝日)
  ■次は「森小路大和川線」 大阪市営地下鉄98年着工目指す(朝日)
  ■大阪市地下鉄次期路線決定 採算危ぶむ声も 市民負担巡り議論必要(朝日)
15日■窓 「ありがとう」バスの運転手 北区・松田正恵(無職・72)(京都)
  ■ノック知事が南海沿線視察 関空特急騒音問題(朝日)
16日■旧国鉄債務 利払いだけでも年1兆円超なのに 抜本処理策、先送り 自民党特別委 来年3月末めどに(京都)
17日■神戸ホットライン 再開のめど立たず 摩耶ケーブルとロープウェイ 乗客滅で赤字(京都)
  ■となりの客はよく席食う客だ シャカシャカに説法 JR西日本がマナー標語 全国から応募4500通、54を厳選(朝日)
18日■車いす男性 踏切事故死 神戸 療護施設から外出中(朝日)
  ■声 終点まで眠る列車通学の子 上野市 乾 いさお(小学校教員 52歳)(朝日)
  ■鉄道マニアら逮捕 防護無線盗んだ疑い 運行妨害も認める(朝日)
  ■大阪中央区でガス漏れ 避難勧告、地下鉄一時止まる(京都)
  ■ノンステップ やさしいバス 全国初、京都市交通局が2月運行 お年寄り、障害者らに朗報(京都)
  ■ビジネス街でガス漏れ通報 大阪、地下鉄も停止(朝日)
19日■近畿のJR駅も不正防止改札へ 来春から東西線など(朝日)
  ■1時間半後に避難勧告解除 大阪のガス漏れ(朝日)
  ■JRの資産税 軽減分財源に 新改線建設で自民委(朝日)
20日■京都市 市バス耐用年数を延長 本年度 50台、 9億円節減(京都)
  ■鉄道運賃、上限価格制に 運輸省発表 年明けから 値下げなど多様化図る(京都)
  ■JR東海は増収増益(京都)
  ■消費税分は転嫁 JR西の社長 運賃1.94%アップへ(京都)
  ■JR側責任 容認 滋賀県警部補証言 「幹部が共述した」(京都)
  ■鉄道運賃 上限制を導入 以下なら変更自由(朝日)
  ■増税分は運賃に転嫁 JR西日本社長(朝日)
  ■新型などバス20台購入 京都市交通局(朝日)
  ■JR奈良線複線化「早期に着手」 府議会委で知事(朝日)
  ■六甲ライナー5000万人(朝日)
21日■地下鉄サリン 冒頭から尋問 豊田被告が証言(朝日)
22日■99年度の経常 黒字化目指す JR貨物が新長期計画(京都)
  ■地下鉄サリン事件 松本被告公判 やりとり要旨(京都)
  ■整備新幹線 JR固定資産税 軽減分を活用へ 自民委発表(朝日)
  ■5年計画で 社員23%減 JR貨物(朝日)
23日■地下鉄サリン事件 松本被告公判やりとり要旨(京都)
  ■「納付金に反対」JR3社表明 整備新幹線財源問題(朝日)
24日■鎌倉市 車置き電車乗って 観光客に切符配布 渋滞解消に秘策(京都)
  ■列車にはねられ? 茨木の男性死亡 JR山科駅(京都)
  ■窓 女子トイレにもっと配慮を 園部町・馬場 忠孝(会社員・55)(京都)
  ■男性が電車にひかれ?死亡 JR山科駅(朝日)
25日■特急と回送列車が接触 長野駅構内、4人けが(京都)
  ■貨物列車ただ乗り高校生7人を補導(朝日)
  ■さよなら讃岐丸 瀬戸内海から引退(朝日)
  ■列車がゴロン(朝日)
26日■長池駅スタジアム公園線 都市計画道路に JR木津駅前を区画整理 府都計審が23件可決(京都)
  ■東海道区間で来月試験走行 JR西の新型新幹線(京都)
  ■JR西日本は年末年始に臨時列車753本(京都)
  ■第5次京都21会議公開シンポ 京の都市環境と未来像 市民交え活発に討議(京都)
  ■地下鉄駅整備など承認 府都市計画審 W杯会場への道路も(朝日)
  ■愛煙家、駅でも煙たがられ 禁煙車待つホームに喫煙コーナー 苦情相次ぎ移設・撤去 JR西日本(朝日)
27日■三条京阪−御陵間の軌道敷 道路として整備へ 地下鉄東西線開業に伴い 98年度着工 京都市(京都)
  ■ラッセル車試運転 JR北陸線(京都)
  ■税軽減分拠出 JRに求める 整備新幹線で自民委(朝日)
  ■JR山陽新幹線全線で早期地震警報システム(朝日)
  ■試運転始まる 工事進捗は90%越す 京都市営地下鉄東西線(朝日)
28日■近鉄京都線に越年特急増発 年末年始の臨時列車(京都)
  ■電車の点検作業を見学 南区の園児らJR総合運転所へ 「はるか」にも乗車(京都)
  ■私鉄の昼間/土・休日回数券 売れ行きさっぱり 各社、PRに及び腰(朝日)
  ■大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線 心斎橋行き一番電車、来月11日発車(朝日)
29日■税減免分充当 JRが反発 自民整備新幹線特別委(京都)
  ■地下鉄東西線と烏丸線北々伸 すでに地中工事完了 進ちょく状況 京都市明かす(京都)
  ■JR西日本がユレダス導入 山陽新幹線をカバー(京都)
  ■「スルットKANSAI」7社が参加検討 利用路線700`に 京阪、南海3 年後メド(京都)
  ■車道部分が完成しバスなど初乗り入れ 京阪宇治駅前広場(京都)
30日■旧国鉄用地 早期処分を要請 会計検査院 異例の指摘 「累積債務膨らむ」(京都)
  ■心斎橋ー京橋間210円 長堀鶴見緑地線の運賃(京都)
  ■窓 高速の出口に駐車場造って 左京区・長谷川 晃(大学教授・62)(京都)
  ■来春開業を心待ち「こまち」が試運転 秋田新幹線(京都)



1日■街走るペイント市バス 大阪 五輪招致運動盛り上げ
 ○…2008年の夏季五輪開催を目指す大阪市で、5弁の花びらをクリーム色の車体一面に描いた市バスが市内を走り出した。
 ○…招致運動を高めるため市交通局が新車にペイントした。花びらは、赤、黄、青など五輪の色にし、真ん中に「2008年 オリンピックを大阪に!」と書き入れた。
 ○…ペイントバスはまず4台が市南西部や東部の路線を運行し出した。市交通局は、来年3月までにさらに18台を導入する計画で、計22台の五輪PRバスが市内をくまなく巡る。(京都新聞)
■窓 バス利用は気持ちよく 伏見区・久保田直子(パート・32)
 先日、市バスを利用した時のこと、停車ボタンを押し忘れた2人連れの女性客がいた。扉が閉まり、わずかにバスが動いた後に気付いて運転手に申し出たが、聞いてはもらえなかった。結局、次の停留所で降り、同時にそこで乗務員が交代した。ところが、今度は乗客がボタンを押したにもかかわらず、バスが止まらないという事態が。この運転手は決して感じの悪い人ではなかったが、憤慨する乗客にわびる言葉は何も聞けなかった。
 この場合、素直に謝るべきであったと思う。前者の件も少々の融通を利かすか「悪いけど、次の停留所にしてください」のひと言を付けるのが親切ではないだろうか。私だったらそうする。本人の不注意とはいえ、行き過ぎた、かなりの距離を歩いて戻るのだから気の毒である。
 運転手を非難するつもりもサービス改善を唱えるつもりもない。だけど、バスに乗る方も乗せる方も、お互いに気持ちよく−、が大切なことだと思う。バスを利用する機会が少ないだけに、印象に残った出来事だった。(京都新聞)
■京阪宇治交通 路線バス運賃の9.9%値上げ申請
 宇治、城陽、八幡などで路線バスを運行する京阪宇治交通(本社・枚方市)は1日、運賃を平均9.9%アップ、最低運賃を10円増の160円とする運賃改定を運輸省に申請した。
 今回の申請は、1994年12月1日に平均4.8%、最低運賃を10円増の150円に値上げして以来1年11ヵ月ぶり。
 申請では、区間運賃は、京阪宇治−宇治市役所間など最低運賃が6.7%の値上げにとどまったが、近鉄大久保−京阪淀間で30円増、値上げ率13.6%とするなど、遠距離ほど引き上げ幅は大きい。定期券は1ヵ月30%割引など現行通り。同社は来年1月実施を希望している。(京都新聞 夕刊)
2日■長野がぐーんと近くに 新型特急を公開 JR東海
 JR中央線に12月1日から本格デビューする383系新型特急「ワイドビューしなの」(6両編成)が1日、報道陣らに公開され、東海道線の大阪−京都間を往復した。
 同特急は、現行の381系特急「しなの」の後継車両としてJR東海が開発した。運行区間は名古屋−長野間が主だが、大阪−長野間も1日1往復する。
 カーブ時での高速走行技術や車体の傾斜を滑らかにするシステムを採用、最高時速130`を可能にし、大阪−長野間で最大12分短縮し、所要時間は4時間52分となる。また、窓の広さを「しなの」の5割増しにし、座席間隔も広げて開放感を持たせたり、乗り心地を良くした。
 JR東海によると、「ワイドビューしなの」は中央線で今月18日に走行し始め、19日からは大阪−長野間でも運行する予定。(京都新聞)
■我詰める、故に席在り JR西日本のマナー語録 大賞には神戸の男性
 JR西日本は1日、さわやかマナーキャンペーンの一環として募集した「みんなのマナー語録」の審査結果を発表した。京阪神を中心に全国から4516通の応募があり▽座席の譲り合い▽携帯電話の使用法▽整列乗車−をテーマにしたのが上位を占めた。
 大賞は神戸市垂水区、劉運毅さん(25)の「我詰める、故に席在り」で、このほか特別賞1人、佳作4人、入賞48人が選ばれた。
 佳作の一人は、京都市伏見区、奥野吉博さん(39)の「小さい『空き』、小さい『空き』、小さい『空き』見つけた 誰(だれ)かさんが、誰かさんが、誰かさんが座れるよ」だった。
 入賞以上の作品は同社の97年マナー語録習慣(週間)カレンダーに掲載する予定。(京都新聞)
■街かど探検 怒ってます 笑ってます 「駅守れ」地元は涙の努力 JR和知駅 ダイヤ改正で不便に 早朝や深夜は無人に 利便悪く収入も減る 定期券更新まで代行
 JR線を利用する住民のために、定期券の更新手続きを代行してくれる行政サービスがあるのをご存じですか?「定期券なら最寄りの駅で買えばいいじゃないか」という指摘はごもっともですが、人口減に悩む山村地域では、そうはいきません。ただでさえ停車本数が少なく駅員も常駐していない地元駅では、行政と住民が一体となって、売り上げを伸ばす涙ぐましいまでの努力をしているのです。(園部支局 斎藤英之)
 京都府の中部に位置する船井郡和知町。9月からJR定期券の更新手続き代行を始めた。人口4300人余の山村地域を通る唯一の鉄路がJR山陰線で、町内には町中心部の和知駅のほか、無人駅2駅がある。町の表玄関の和知駅には特急が1日上下各2本、普通電車が同各19本停車するが、「ダイヤ改正のたびに、通勤の利便が悪くなる」と評判はかんばしくない。今春の山陰線電化高速化に伴うダイヤ改正でも「特急ばかりを優遇、沿線の通勤客にはかえって所要時間が長くなった」=和知−京都駅間を利用する会社員(51)=などから怒りの声が噴出した。
 こうした利用客の怒りを何とか収め、和知駅の売り上げ減をストップしたい狙いで始めたのが、定期券更新手続きの代行である。和知町が、登録してもらった町在住利用客の定期券を一括して購入、送付する仕組みで、有効期限の2週間前から新しい定期券の更新ができる時間差を利用しているのがミソ。手間はかかるが、同町が編み出した苦肉の策だ。これもひとえにJR西日本が運行ダイヤや駅員配置を変更する際、各駅の売上高の増減を重要な基準にしているからだ。
 JR西日本は1991年春、それまで和知駅に24時間配置していた駅員を、午前7時から午後7時までに変更した。通勤時間帯の前後に駅員がいなくなり、同駅での定期券購入者が園部、亀岡、福知山駅などに流れた。「タマゴが先かニワトリが先かではないが、駅員の配置をはじめ駅の利便が悪くなるから、駅の収入が落ちていく現実もある」と野間靖隆和知町長は、売り上げ重視のJRに不満を隠さない。
 この町の懸命な対策も、住民への漫透の点で今ひとつのよう。代行業務を始めて2ヵ月たった10月末の時点で登録者は12人。うち、他の駅からのくら替え組は2人。さらに思わぬ強敵もいた。園部駅で発行している磁気定期。和知−園部駅間を利用する府立高校生(17)は、「友だちの間では、自動改札がなくてもカッコイイと、人気がある」と話す。手書き定期発行の和知駅は、この点でも苦戦続き。同町の担当者は「親の心、予知らずですな」と笑い顔もひきつる。
 ただ、町の調査で、”和知駅の危機”が住民に理解されたのか、9月の通勤定期購入者数は微増。代行購入の利用者、そうでない人を含めた合計で、前年同月比11人増の33人、購入額も同約20%増の約77万5000円に。苦心の増収策に一節の光明が…。
 がんばれ和知の駅!−住民の応援団「和知町の駅を守る会」は貢献大だ。年1回はイベント電車を借り切って200人以上が1泊2日の温泉旅行、婦人会や老人会も、観光バスからJR利用中心に切り替えた。ちょっと出掛けるにも往復券を和知駅で買うなど、住民あげて和知駅バックアップに懸命なのだ。それでもJRは、経営効率優先を貫くのか。和知町では増えるマイカー通勤者にも「定期は”地元産”が一番」とPRしているというのに。住民と鉄道の幸福な関係はもう、昔の映画や歌謡曲の世界でしか見られないのかも知れない。(京都新聞 夕刊)
3日■JR発券端末故障 京都駅でも一時混乱
 2日午後5時18分ごろ、JRの指定券などを発券するコンピューターシステム「マルス」の一部端末が使用不能となった。1時間後には復旧したが、京都駅や東京駅をはじめ全国の駅の「みどりの窓口」では一時、指定券の発売ができなくなった所もあった。
 システムを管理している鉄道情報システムによると、全国にある端末約5000台のうち、使えなくなったのはMR型と呼ばれる約2300台。同社が故障の原因を調べているが、回線に障害があったらしい。JR西日本の京都駅では、15台ある端末の一部が使用できなくなり、急ぐ乗客にはキップなしで乗車し、降車駅で払ってもらうなど対応した。(京都新聞)
■府南部−関西国際空港 リムジンバス利用者10万人に 大江のOLに記念の花束
 京都府南部と関西国際空港を結ぶリムジンバスの利用者が2日、10万人に達し、綴喜郡田辺町のリムジンセンター「Uハウス」で10万人目の利用者に花束などの記念品が贈られた。
 バスは関空の開港に合わせ京阪宇治交通と関西空港交通が昨年9月4日から運行を始めた。「京阪宇治」など宇治市内4ヵ所と田辺町「学研山手」の計5停留所と関空を直結している。当初は1日4往復だったが現在では1日7往復、1日平均約150人が利用している。
 京阪宇治交通の佐々木浩司社長はこの日の記念式で「予想以上に早く(利用客10万人を)達成した。便利さを定着させたい」とあいさつ。10万人目となった「学研山手」から乗車した加佐郡大江町の会社員田中真紀さん(21)に佐々木社長から花束が贈られた。(京都新聞)
■JR発券機が 一時機能停止 西日本など2300台
 2日午後5時20分ごろ、JRの指定券や乗車券を発券するコンピューターシステム(MARS)の一部が機能しなくなった。全国の各駅や旅行会社などに置いてある端末機約7000台のうち、JR東日本とJR東海、JR西日本などの約2300台が1時間ほど使えなくなった。
 JR西日本などでは、乗車券は自動券売機で購入するか、着駅や車内で精算するよう呼びかけ、指定席を希望する乗客には車内で車掌が発券するようにした。(朝日新聞)
4日■社説 奈良線の複線化に地元協力を
 京都府内の鉄道網整備が、また一つ進展する。JR奈良線(京都−奈良間41.7`)が、段階的に複線化される運びとなった。
 奈良線は、京都と奈良を結ぶ大都市圏の幹線鉄道である。が、1984年に電化されたとはいえ全線単線のままだ。
 関西文化学術研究都市や木津川右岸地域の整備などによる将来の輸送需要増を見込んでの複線化工事の着手である。JR西日本の決断を歓迎する。
 新たに複線化されるのは、京都市内の京都−京都教育大前(仮称)間5.1`と、宇治市内の宇治−新田間3.2`の2区間である。
 来年度から着工し、2001年度の完成を目指すという。一日も早い部分開業を待ちたい。
 同時に、府内の全区間(京都−木津間34.7`)で、信号設備の改善や行き違い設備の設置、宇治駅の2面4線化、曲線、分岐器の改良、さらに宇治−新田間の新駅設置などが進められる。
 いずれも高速運転の実現にとって欠かせない工事である。完成すればラッシュ時の快速列車で9分から16分短縮される。運行本数(現在122本)も大幅に増える。
 大きな前進である。スピードアップと輸送力の増強で、地域住民の利便性は飛躍的に高まるのは間違いない。
 府南部地域の鉄道では、奈良線と並行して走る近鉄京都線、京阪本線・宇治線が、複線でスピードも早く圧倒的に優位に立っている。
 複線化が完成すれば、ようやくJRが肩を並べるところまでくる。利用交通機関の選択肢も広がる。いい意味で互いに競い合い、利用者へのサービス向上につながることを期待したい。
 府内の鉄道網整備は、荒巻府政の公約である。特に、奈良線の高速化・近代化は、残されていた最大の懸案事項であり、地元住民の念願でもあった。
 ただ、JR西日本はかつての国鉄ではない。民営鉄道会社である。採算のとれない路線への莫大な投資となるだけに、地元自治体の協力なくして予定通りの完成は望めない。
 複線化の事業費は概算160億円にのぼる。JR西日本と京都府、京都市など沿線自治体が分担することで最終調整に入っている。奈良線は京都市民の足でもある。京都市は、この認識のもとに協力していく必要がある。
 交通網の整備は、地域振興にとって欠かせない行政施策である。新田以南の残り区間の複線化も地元自治体の姿勢にかかっている。駅前整備など街つくりを含め積極的な対応が求められる。(京都新聞)
■男性はねられ死亡 高槻、JR22本に遅れ
 3日午後7時半ごろ、高槻市安満新町のJR東海道線踏切で、米原発網干行き快速電車に中年の男性がはねられ、即死した。電車は現場に1時間余り停車し、さらに後続の新快速など6本が部分運休、合わせて22本の電車が最高1時間20分遅れ、約9000人に影響が出た。
 高槻署の調べでは、亡くなったのは同市内の無職の男性(40)で、自殺とみて調べている。(京都新聞)
5日■レールへの置き石 えさ隠しの習性 東大調査 「でも…例外的ケース」 ”カラスのいたずら”ではありませんでした
 横浜市内のJR東海道線で相次いだレールへの置き石は、カラスのいたずらではなく、拾ったパンくずなどを敷石のすき間に隠す行動の一つであることが、東大農学部野生動物学研究室の樋口広芳教授らの調査で分かった。4日、同大学で開かれる日本動物行動学会で発表された。
 レールへの置き石は今年6月、神奈川県警が「カラスのいたずら」と発表して話題となった。
 樋口教授らは、カラスが置き石をしていた横浜市栄区飯島町付近で、6月下旬から断続的に延べ100時間、双眼鏡などでカラスの行動を観察した。
 その結果、現場付近の線路を縄張りとするハシボソガラスの一羽がえさのパンくずを拾ってくると、レール近くの敷石をくわえて動かし、すき間に隠した後、石でふさいで隠す行動を約50回線り返すのを確認。
 樋口教授は「このカラスは石がくわえにくい形だったりすると、いったんレールの上に置いてくわえ直していた。置き忘れたり、列車が来て逃げた場合が、置き石事件になったのではないか」と分析している。
 カラスにはえさを蓄える「貯食」の習性があるが、同教授は「カラスがみんな置き石をするわけではなく、例外的なケース」と話している。(京都新聞)
■線路の置き石 「エサ」が関係 東大教授ら分析 カラスなぜ置くの かくすのに便利でしょー
 横浜市内のJR東海道線でことし6月に見つかったカラスによるレールへの「連続置き石事件」は「食べ物を敷石の間にかくす行動の一環」であることが、東大農学部野生動物学研究室の樋口広芳教授(48)らの研究で明らかになった。4日、同大学で開かれた日本動物行動学会で発表された。貯食(ちょしょく)行動とよばれる本能的な行為の過程で起きた現象で、樋口教授は「別にカラスにいたずら心があるわけではない」と、最大のなぞとされていた「犯行の動機」に、学問的解釈を示した。
 樋口教授らは6月−7月、「事件」の舞台となった横浜市栄区飯島町の線路付近を、のべ100時間にわたって観察した。一羽のハシボソガラスが、パンくずなどを敷石の間にしまいこみ、それをかくすために別の石をくわえてかぶせるくせがあることを見つけた。
 その過程で、くわえにくそうであったり、重そうな石の場合はレールのうえにいったん置いたりして態勢を整えることがあった。ちょうど電車が来て逃げたり、ときによって、そのまま忘れて置き去りにしたりしていたという。
 線路内には石がたくさんあり、人が入り込まないため、食べ物をかくす場所として最適だったらしい。レールは平らで物を置くのにちょうどよく、カラスにとっては高さも適当という。
 樋口教授は「生きていくうえで必要な行動であり、いたずらとは言えない。ただ、なぜ置いた石を忘れてしまうのかは、よく分からない」としている。(朝日新聞)
6日■専用プリンター設置 点字の大量注文これで大丈夫です 北区・京都ライトハウス内に ニーズにこたえ 鉄道情報本を製作へ 点訳サークル「点友会」
 「これで、点字の大量注文にもこたえられる」。点訳サークル「点友会」(石津利幸会長、160人)にこのほど、強力な助っ人が加わった。パソコンを使って、点訳書物を印刷できる専用の「点字プリンター」を購入し、メンバーは早速、プリンターを生かして鉄道情報本の製作に取りかかっている。
 点字プリンターは1台約80万円し、日本財団ボランティア支援部(本部東京)などの援助を受けて購入。活動拠点にしている京都ライトハウス(北区紫野)のコンピューター室に設置した。
 同会ではこれまで、ライトハウスがボランティアグループのために設置した点字プリンターを利用していたが、他のグループとの共用のため、活用したい時に使えなかったり、使用できる用紙が決まっていたりと、不便な面もあった。
 点字プリンターは、パソコンで入力した点字を毎秒100点字を打ち出せ、用紙の大きさや種類も自由に選べる。手作業やタイプに比べて点訳者の負担が軽く、修正もしやすいうえ、速く大量に印刷できるという。
 会員らは現在、新しいプリンターを使って、「JR全線全駅」の点訳に取り組んでいる。メンバーの一人は「プリンターの購入で点訳作業の能率も上がる。視覚障害者のニーズにどんどんこたえていきたい」と、意欲的だ。(京都新聞)
■3セクの大阪外環状鉄道 延長20`、駅数は13 JR西日本など発表
 大阪市の外周部に建設が予定されている大阪外環状鉄道について、JR西日本と大阪府などは5日午後、建設主体となる第三セクターの「大阪外環状鉄道株式会社」や事業計画の概要を明らかにした。
 大阪圏で延長20`以上の鉄道が新たに整備されるのは戦後初めてで、JR西日本などは「完成すればJR関西線や近鉄線など、大阪市内から放射状に伸びる鉄道の混雑緩和や、新大阪駅へのアクセス利便化が図れる」としている。
 計画によると、環状鉄道は、新大阪−久宝寺間約20.3`を結ぶ。駅数は13駅。
 1998(平成10)年度をめどに着工。JR城東貨物線を複線、電化し、旅客線として利用できるようにする。開業後は最も多い駅で1日9万人の利用を見込んでいる。
 新会社は、6日の設立発起人会などを経て21日に正式に発足。社長に関西高速鉄道常務取締役の足立悦雄氏が就任するほか、役員や社員は、JR西日本や沿線の大阪、吹田、東大阪、八尾の各市からの出向となる。
 資本金(設立時1600万円)の負担割合は、府や大阪市など沿線4市が7割、JR西日本や民間が3割。総事業費(約1200億円)の約5割は、自治体や金融機関からの借り入れで賄う。(京都新聞)
■はねられ女性死亡 阪急西京極駅
 5日午後1時半ごろ、京都市右京区西京極西池田町、阪急電車西京極駅の上り線で、河原町行き特急電車に女性がはねられ、全身を強く打ち死亡した。
 桂署によると、女性は40−60歳で身長約150a。茶色の毛糸カーディガンに紺色のジーンズ姿。運転士らがホームから線路に飛び降りたのを目撃しており、同署は自殺とみて身元の確認を急いでいる。
 特急電車は現場に約7分間停車した。(京都新聞)
■三セク21日に設立 大阪外環状線計画
 大阪府と大坂市、JR西日本は5日、大阪外環状線(新大阪−久宝寺、約20`)計画の事業主体となる第三セクター、「大阪外環状鉄道株式会社」(仮称)を21日に設立すると発表した。6日に設立発起人会を開く。
 同線は大阪市北部と大阪府八尾市を通るJR城東貨物線を複線、電化して旅客線化するもの。第三セクターの本社は大阪市西区に置き、社長には関西高速鉄道常務が就任する予定。資本金は1600万円でスタートし、事業の進み具合に合わせて増資し、最終約には総事業費(約1200億円)の20%にあたる 240億円程度に増やす予定
。最終時点での出資比率は、大阪府、大阪市、東大坂市、吹田市、八尾市の沿線自治体が70%を、残る30%をJR西日本と民間企業が出資する。1998年度中に着工、2005年度の開業をめざす。(朝日新聞)
■東海道線踏切に土砂 能登川町、24本に影響
 6日午前9時25分ごろ、滋賀県神崎郡能登川町垣見のJR東海道本線垣見踏切に約0.1立方bの土砂が散乱しているのを姫路発米原行き普通電車の運転士が発見。急ブレーキをかけたが、電車は土砂を跳ねて約200b通過して止まった。
 この事故で同電車は現場に約35分停車。また上下5本が部分運休したほか上下19本が52分から3分遅れて、乗客約5000人の足に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■女性はねられ死亡 高槻、JR50本に遅れ
 6日午前6時5分ごろ、高槻市安満東の町、JR東海道線の踏切で、宇都宮ターミナル発大阪ターミナル行き貨物列車が同市内の女性(49)をはねた。女性は全身を強く打って即死した。
 京都−大阪間を中心に上下線7本が運休、約50本が最高43分遅れ、通勤客ら約4万6000人の足が乱れた。ダイヤは午前10時、ほぼ復旧した。
 運転士の話では、女性は降りている遮断機をくぐって線路にうつぶせに倒れ込んだという。高槻署は自殺とみて家族らから事情を聴いている。(京都新聞 夕刊)
■死亡女性の身元判明
 京都市右京区の阪急電車西京極駅で5日午後、特急電車にはねられ死亡した女性は、桂署の6日までの調べで、西京区の主婦(68)と分かった。(京都新聞 夕刊)
■金剛自動車・水間鉄道 バス運賃値上げ申請
 大阪府南部で路線バスを営業している金剛自動車(本社・大阪府富田林市)と水間鉄道(同・同府貝塚市)は6日、バスの運賃値上げを運輸省近畿運輸局に申請した。認可されれば、来年1月から実施したい、としている。
 申請内容によると、金剛自動車は平均値上げ率8.5%で、最低運賃が140円から150円に。水間鉄道は平均3.5%の値上げで、最低運賃は150円から160円に上がる。両社とも値上げの理由に、利用者の減少や人件費などの経費の増加を挙げている。(朝日新聞 夕刊)
■高槻の踏切ではねられ死亡 JR通勤ダイヤ乱れ
 6日午前6時5分ごろ、大阪府高槻市安満新町のJR東海道線安満第3踏切(警報機、遮断機付き)で、字都宮ターミナル発大阪ターミナル行き貨物列車(25両編成)に女性がはねられ、即死した。高槻署によると、同市内の49歳の女性で、自殺とみられる。現場に停車した貨物列車は1時間15分後に運転を再開したが、朝のラッシュ時間帯と重なってダイヤが大幅に乱れ、上下7本が運休、50本が最高43分遅れ、約4万6000人が影響を受けた。(朝日新聞 夕刊)
■踏切上に土砂 快速が急停車 滋賀・能登川のJR
 6日午前9時23分ごろ、滋賀県神崎郡能登川町垣見のJR東海道線の踏切に、土砂が落ちているのに姫路発米原行き快速電車(11両編成)の運転士が気づいて急ブレーキをかけ、約200b通過して停車した。乗客約150人にけがはなかった。列車は現場に約30分停車、後続のダイヤが乱れた。
 八日市署などの調べによると、踏切上には土砂約0.1立方bが落ちていた。踏切を通った車が落としたらしい。(朝日新聞 夕刊)
7日■ゴンドラの乗客救出を?! 比叡山でロープウエー停止想定 高さ25b慎重に綱張り 左京消防署などが訓練
 左京消防署と京福電鉄などは6日、比叡山の山頂と山腹を結ぶロープウエーで、合同の救助訓練を実施した。地上25bの高さに止まったゴンドラから乗客を降ろす訓練が、本番さながらに行われた。
 比叡山の西側斜面約500bを結ぶロープウエーは、秋の紅葉シーズンがもっとも乗客が多く、ピーク時で1日約1000人の利用があるという。運営する京福電鉄は年2回、職員らが点検を兼ねて救助訓練をしているが、消防隊員との連携を高めようと、5年ぶりに合同で行われた。
 この日は、救急・救助隊員と同電鉄職員ら約30人が参加。乗客を乗せたゴンドラが故障のため、ロープウエーの中間付近で止まった−との想定で、ゴンドラから垂らしたロープを登り、乗客をかごで降ろす救出訓練と、斜面に沿ってロープを張り、担架を搬送する訓練を実施した。
 25bの高さでゆらゆら揺れるゴンドラから、慎重に乗客をのせたかごを降ろす隊員の表情は真剣そのもの。雨でぬかるんだ斜面に足をとられそうになりながらも、互いに声を掛け合い見事な連係プレーを見せていた。(京都新聞)
■窓 対応りりしい市バス運転手 中京区・林  昇(無職・69)
 先月31日、午後8時半ごろ、東山二条から祇園回り壬生行きの201系統の市バス。乗車口のドアが開くなり「長らくお待たせ致しました。このバスは祇園から四条大宮、壬生までまいります」とマイクから女性の肉声が流れました。一瞬、車掌さんが乗っているのかと思いましたが、祇園で最前列の席が空いたので腰をおろして見ると、小柄な女性の運転手さんです。最近、宅配便のトラックやミキサー車にも、時々、女性運転手を見かけますが、市バスでは初めてお目にかかりました。
 この運転手さん、実に愛想よく丁寧な応対。降車客に対しては「四条河原町でございます。お忘れ物のないようお気をつけください」と呼びかけ、一人ひとりに「ありがとうございます」とくり返し、乗車客に対しては必ず「お待たせしました。○○行きです」の案内のあと「ドアが閉まります」「発車致します」を忘れず、静かにスタート。運行中は、常に四方を見定め、注意信号では無理に通過せず、早目にブレーキを路んで確実に停止線で止まるという運転ぶり。
 これらは、取りたてていうほどの事ではなく、ワンマンバスの運転手としては基本だと思います。だが、これまでには見られない動作であり、あえて取り上げました。服装も、婦人運転手用の白いあごひものついた制帽をきちんとかぶり、りりしく感じました。このような立派な運転手さんばかりなら、市バスの利用客はもっと増えることでしょう。(京都新聞)
■JR東海道線 高槻−山崎間新駅を設置へ 2000年開業予定
 JR西日本は、東海道線高槻−山崎間の大阪府三島郡島本町に新駅を設置する方針を固め、近く同町と協議を始める。事業費の負担割合などの合意ができれは、1998年に着工し、2000年に開業する予定。新駅予定地の南東約500bには阪急京都線の水無頼(みなせ)駅があるが、JRの高槻−山崎間は7.5`も離れていることや同町で住宅開発が期待できることなどから、JRは需要が見込まれると判断した。
 駅舎は半地下式で、ホームは上下線の間につくる。開業後は1日上下160本以上の普通、快速電車を停車させる。現在のダイヤに当てはめると、大阪駅まで快速で24分。阪急の水無頼駅から高槻市駅で急行に乗り換えて梅田駅まで行くより7分早い。同町では、新駅には1日約1万2000人が乗降すると想定している。阪急水無瀬駅の乗降客数は現在、1日当たり約1万6600人。
 新駅については、同町が旧国鉄時代から設置を要望してきた。駅舎建設と線路改修などにかかる費用は20億−25億円で、うち駅舎分の約10億円はJRの負担になるが、残りの負担割合については今後、同断と協議を進めていく。(朝日新聞)
8日■大阪貫くJR線 検測列車、初乗り入れ 来年3月開業向け 軌道状態調べる
 大阪市内を東西に貫き来年3月8日に開業するJR東西線(京橋−尼崎、延長12.3`)に7日、初めて列車が乗り入れた。レールのこう配や架線の具合、軌道の状態などを調べる検測用列車で、まる1日かけて往復し、きめ細かに検査した。
 検測用列車は両端にディーゼル機関車をつないだ6両編成。各車両が、プラットホームなど建築物が列車に触れないかどうかを調べる限界測定、架線の高さや列車との接続具合を調べる軌道検測などに分かれ、列車には約80人が乗り込んだ。
 尼崎を発着し京橋を折り返す検測は、この日1日だけ。それだけに時速15`−45`で走行し、午前10時前から約6時間もかけるなど入念に行われた。JR西日本では12月には旅客車両を乗り入れ試運転を始める予定。(京都新聞)
■オウム真理教 松本被告公判やりとり要旨 「これは幻覚なんだ」・松本被告 地下鉄サリン「救済のため」
・広瀬被告
 東京地裁で7日午後、続けられたオウム真理教の松本智津夫被告(教祖名麻原彰晃)の第14回公判でのやりとり要旨は次の通り。(呼称、敬称略)
 (午後1時15分、公判再開。松本は当初、被告席で証人広浦健一の尋問やりとりを聞く)
 松本 (1時18分ごろ、突然)いい加減にしろ。
 裁判長 静かに。
 松本 あなた方に従う魂ではない。
 裁判長 そんなことはどうでもいい。
 松本 なぜ炭痕(そ)菌の話を…。
 裁判長 静かにしなさい。ちゃんと裁判を受けなさい。駄々っ子みたいなことを言わないで。ほかの被告はちゃんとしてますよ。かつての弟子の前で…ちゃんとしなさい。
 松本 弟子であるかないか関係ない。わたしはこれから修行したいんだ。
 裁判長 じゃあ、そこで静かに修行してなさい。
 松本 洗脳やレーザー銃をやめてくれ。電撃をやめてほしい。イニシエーンョンもやめてほしい。あなた方とは生き方が違うんだよ。
 裁判長 静かにしなさい。
 松本 (弁護人が炭痕菌生成について尋問を再開すると)ここは地下鉄サリンのはずだ。どう関係あるんだ。
 裁判長 関係するから聞いてるんでしょ。関係なければ制限します。
 松本 いつも制限しているじゃないか。これは幻覚なんだ。目に見えない人間に幻覚を使った。
 裁判長 幻覚じゃありません。
 松本 射殺したければすればいい。幻覚は幻覚だ。
 裁判長 いい加減にしなさい。尋問を続けてください。
 松本 (証人が尋問に答えると、広瀬に向かって)あなたは女性だ。ちゃんと女性の声を出しなさい。わたしを精神病院に入れるためにやってるんだな。超音波を出している。早くやめてほしい。
 裁判長 静かにしなさい。
 松本 超音波だ。あらゆる方法の批判や脅しは通用しない。わたしの体をレーザーで焼いている。洗脳や、でたらめな情報はやめてほしい。電撃もやめてくれ。
 裁判長 いい加減にしなさい。みんな笑ってますよ。発言をやめなさい。
 松本 これは裁判ではない。いい加減にしろ。
 裁判長 裁判です。
 松本 あなた方は必ず報いを受けるだろう。裁判所は事件をつくって、でたらめな事件にした。
 裁判長 裁判所はそんなことはしてません。
 松本 では話をしよう。これは言い切っていい。わたしを温めたり冷却したり、いじめ殺して…。
 裁判長 やめなさい。退廷させますよ。
 松本 弱肉強食だ。退廷させて死刑場に連れて行くなら、オーケーだ、そうしなさい。こういう状態で生き続けることは拒否する。わたしを狂わせるか殺すことを考えている。ギロチンの音がしたり、飛び降りる音がしたり、洗脳から始まるめちゃくちゃな情報がある。
 裁判長 発言を禁止します。従わないと退廷させます。
 弁護人 (松本に)やめなさい。
 松本 従わない。もともとここには国選弁護人も検察官も存在しない。特別捜査本部がやっている。連れて行くなら、連れて行け。
 裁判長 退廷させなさい。
 (午後1時23分、松本が両わきを抱えられるようにして退廷。15分間休憩)
 (松本不在で尋問続行)
 弁護人 炭疽(そ)菌は噴霧器でまき散らす計画だったのか。
 広瀬 はい。
 弁護人 飛行船プロジェクトにも関与しているのか。
 広滴 はい。教団の宣伝に使うため飛行船を作る計画。初めは50bから100bの鳥形の飛行船をつくると聞いた。
 検察官 異議。主尋問でも出ていない。
 裁判長 簡単に済ませて。
 弁護人 どうなった。
 広瀬 説法会で使った。
 弁護人 オーストラリアにウランの調査に行ったのは。
 広瀬 平成5年9月下旬。
 弁護人 核兵器製造計画が立ち消えになった理由は。
 広瀬 技術的な問題だったと思う。
 弁護人 ポツリヌス菌から自動小銃まで手掛けて、結局どれも成功しなかったことで内部批判は。
 広瀬 聞いたことはある。
 弁護人 なぜ、ボツリヌス菌散布計画や自動小銃の製造が地下鉄サリン事件の動機に結び付くのか。
 広瀬 松本が言うヴァジラヤーナ(金剛乗)の救済のため。
 弁護人 平成7年3月17日、小銃部品を隠す作業をしているが、強制捜査はいつあると聞いたか。
 広瀬 3月17日には「いつ」という話はなかった。
 弁護人 近々か。
 広瀬 そうだ。
 弁護人 小銃部品を隠す指示はだれからだと思うか。
 広頼 指示は村井秀夫や松本からと思う。
 弁練人 地下鉄サリン事件に加わったのは3月17日深夜と述べているが、3月18日かもしれないか。
 広瀬 (18日)午前1時か2時に小銃の片付けが終わり、部屋でまどろんでいたら村井が来た。
 弁護人 村井が「やってもらいたいことがある。どうだ、うれしいだろう」と興奮した様子だったというが、どういう点から判断したのか。
 広瀬 顔つきと落ち着かない様子。出たり入ったりし同じようなことを言っていた。
 弁護人 (3月18日の朝、村井の部屋で)村井はどう言っていたのか。
 広瀬 いきなり地下鉄にサリンをまくと切り出した。
 弁護人 村井はギラギラして不気味だった。
 広瀬 はい。
 弁護人 強制捜査の見通しを村井は言ったか。
 広瀬 私たちがサリンをまいている時にも(強制捜査が)来ているかもしれない、という話だった。
 弁護人 村井が霞が関を狙うと言ったことには。
 広瀬 松本が日ごろから国家権力に反感を持っているから官庁街になるのかなと思った。
 弁護人 サリンをまくような重大な行為をステージの高い村井自身が先頭に立ってやるべきだと思わなかったか。
 広瀬 思ったが口に出していない。指示したのが松本だと思っていたので。どういう考えで指示したのか理解に苦しむことはあった。
 弁護人 村井はどのように指示を出したのか。
 広瀬「やるか」と一人ひとりに答えを聞いた。私は「やります」と言った。
 弁護人 ほかの3人は。
 広瀬「承諾する」と。
 弁護人 松本は村井の行動が見えたと思うか。
 広瀬 見えなかったと思う。
 弁護人 村井がこの事件について積極的という印象を受けたか。
 広瀬 受けた。
 弁護人 村井は通勤時間帯を指定した理由は言わなかったか。月曙日という趣旨は。
 証人 理由は特に話していないが、飛び石連休に挟まれているので通勤客は少ないかもしれないな、という話は出ていた。
 弁韓人 村井と井上(募浩)の関係は。
 広瀬 通常のワークでは井上は松本の直属。村井から井上に勝手に指示することはない。
 弁護人「桜田門にまけばいいのになあ」という話はどこから出たか。
 広瀬 警視庁を狙うため近くの駅を狙う。しかし(桜田門駅がある有楽町線の)路線が1本なので、霞ヶ関の方がいいという話になった。村井が独り言的に言った。
 (4時59分、尋問終了)(京都新聞)
■停車あれれホームない 快速、通過線路に JR芦屋
 8日午前7時50分ごろ、兵庫県芦屋市のJR芦屋駅で、米原発播州赤穂行き快速電車(8両、乗客約1500人)が、通過用の線路に誤って入線して停車した。ホームから離れていたためドアは開かず、そのまま7分間停車した後、運転を再開した。同駅からこの快速に乗車する予定だった約150人は後続まで待たされ、降車予定の約30人は住吉駅で芦屋方面行きに乗り換えた。
 JR西日本によると、快速が7分遅れで運転していたため、同駅で信号を取り扱っていた駅員が、この時間帯に同駅を通過する予定だった特急と勘違いし、快速を通過用の線路に進入させてしまったらしい。(朝日新聞 夕刊)
9日■線路真っ逆さま そこへ列車が衝突 10b飛ばされ 転落車 奇跡の宙返り 運転手は無事脱出 東広島・JR山陽線
 8日午前1時半ごろ、広島県東広島市西条町吉行の市道の陸橋上で、東広島市高屋町高美が丘五丁目、会社員上田屋裕之さん(22)運転の乗用車がガードパイプを壊して転落、土手の斜面に激突した後、約8b下のJR山陽線の線路上に仰向けになった状態で止まった。広島県警西条署によると、車が仰向けになっていたため、上田屋さんは脱出できずにいたが、数分後に来た貨物列車(20両編成)が車の右後部に衝突、車はさらに約10b横の草むらにはね飛ばされて元に戻って着地し、上田屋さんは脱出することができたらしい。
 上田屋さんは頭に擦り傷を負ったほか、両足などを打ったが、大事には至らなかった。車は右後部と天井が破損した。
 同署の調べでは、上田屋さんがスピードの出しすぎでハンドル操作を誤ったらしい。
 JR西日本広島支社によると、貨物列車の運転士は車の約150bほど前で気付き、ブレーキをかけたが間に合わず、衝突後、200bほど行きすぎて停車した。貨物列車は現場に約1時間停車した後、出発した。後続の貨物列車1台に約1時間の遅れがでた。
 上田屋さんは「気が動転していて事故当時のことは、はっきりとは覚えていない。気がついたら、車の外にいた」と話していた。(朝日新聞)
12日■14日に試運転 北陸新幹線高崎−軽井沢間
 1998年2月の長野冬季五輪前の開業を目指す北陸新幹線長野−高崎間(117.4`)の建設工事が仕上げの段階に入っている。14日には工事が完了した高崎−軽井沢間(41.8`)で営業用車両を使った試験運転が行われ、残る軽井沢−長野間でもレールの敷設はほぼ終了。着工から8年の来年秋には、一番列車が東京駅をたつ予定だ。
 北陸新幹線は89年に整備新幹線として初めてフル規格での事業が認可され同年、高崎−軽井沢間が着工。冬季五輪開催が決まり、91年からは長野までの工事となった。延長約15.2`の五里ケ峯(みね)など54%がトンネルで、中間には軽井沢など4つの駅を設置した。
 浅間山ろくの高原地帯を走る北陸新幹線の特徴はアップダウンの激しさ。走行試験を行う高崎から軽井沢間の標高差は約850bある。ルートを確保するため最急こう配の設計基準を従来の新幹線の2倍まで緩めた。車両も急こう配の上り下りの速度をコントロールしやすくするためモーターを強化し、ブレーキも改良を加えた。
 一方、建設工事は大型機械の導入などで順調に進み、住民の反対運動で遅れていた軽井沢−長野間もトンネル、橋などは完成している。(京都新聞)
■新閣僚に聞く 三塚博蔵相 行革の一番列車になる
 −旧派閥のリーダーである三塚さんが、行革の最大の標的ともいえる大蔵省のトップに就任しました。
 「橋本政権の行革に対する強い意思表示だ。行革は総選挙での公約であり、天の声、国民の声だ。これが成果を上げないと自民党としても内閣としても極めて深刻な事態になる。行革のレールが敷かれ、列車が走り出せば、国民からさらに頑張れということになる」
 −大蔵省が率先して行革の範を示すと。
 「そうだ。他の省庁は息をつめて大蔵省の行革の行方を注視している。金融3局の統合をはじめ、約束したことはちゃんとスタートする。そうすれば、政府行政機関の在り方の議論、省庁全体の統廃合に結び付いていく」
 −総選挙前に与党3党は金融機関に対する検査・監督部門を大蔵省から分離、独立性の強い公正取引委員会型にすることで合意しましたが、大磯省はもっと緩やかな改組を希望しています。「私自身は迅速、的確で責任ある行政にできれは、どちらでもこだわらない。ただ、公取委型を基本にするという与党チームの提案があるわけだから、真摯(しんし)にとらえていく。これを基本に早急に検討を進め、法案を通常国会に提案できるようにしたい」
 −検査・監督部門を外に出すと、機構や定員が絡むため、予算措置が必要です。年末の予算編成に間に合いますか。
 「それを前提に予算を組む覚悟でやらないといけない」
 −国債残高が240兆円に達する財政をどう立て直しますか。
 「赤字が赤字を生むのをストップさせ、歳入と歳出のバランスをとることを目指さないといけない。必要なものは必要で、一度に歳出は切れないが、1997年度予算を再建元年にするには96年度に21兆円だった国債発行額を何としてでも減らさないといけない」
・補正規模は景気見て
 −自民党内には大型の補正予算を求める声があります。
 「厳しい財政事情や景気の基調がそれなりにいい方向に動いている状況を踏まえる必要はある。一方で、景気を確実にするための補正が必要だという声も聞いている。補正は97年度予算と同時編成になると思うが、成長率などが目標に達していなければ、公共事業の追加を合む一定の景気対策を引き続きとらざるを得ない。党幹部とも協議し、規模などを決める」
 −かつて運輸相として国鉄改革にかかわりました。旧国鉄債務の処理をどう進めますか。
 「27兆円の債務があり、利払いだけで年1兆3000億円。この支払いのために、借金が膨らむ悪循環になっている。放置するのは財政再建の基本命題に沿わない。まず利払いを凍結できるかどうか。(貸し付けている側の)財投運用の基本から言えば、(金利の減免、借り換えなどの条件変更は)困るということになる。新たな税をつくることも不可能だし、どんな方法が国民の理解を得ることができるのか、悩ましい問題だ」整備新幹線は難問だ
 −整備新幹線建設促進の立場をとってきました。不採算路線は、財政悪化につながります。建設促進か抑制か、蔵相としてはどう考えますか。
 「どちらがいいか、スイカ割りみたいにスパッと決めることはできない。(建設促進は)党の公約なんだよ。国民の側から熱烈な要請もある。一方で、財源をどこに求めるかという問題がある。どう進めるか、政治的に非常に深刻な問題だが、財政構造改革元年でもあり、年末までに冷静に分析し、財源のあり方を考えたい」
 −所得・住民税の特別減税は景気を配慮して続けますか、財政再建の立場からやめますか。
 「これは2年間続け、3年目に入っている。財政再建の観点を優先すれば、やめることについて理解を得ることになると思う」(朝日新聞)
13日■建設基本スキーム 自民独自で策定へ 整備新幹線問題
 自民党は12日までに、九州・長崎ルートなどの整備新幹線未着工区間(4線7区間)の建設基本スキーム(枠組み)づくりについて、これまでの自民、社民、さきがけ3党による検討委員会ではなく、自民党独自の整備新幹線建設促進特別委員会(委員長・三塚博蔵相)で策定する方針を固めた。
 また三塚蔵相に代わる新委員長には小里貞利氏の就任が有力視されている。
 同特別委は来週中にも会合を開き、懸案である財源の確保や建設費の負担方法、着工順位など基本スキームの重要点について論議を進め、12月中旬までに取りまとめる予定。
 前政権では、自民、社長、さきがけ3党の協議機関である整備新幹線検討委員会が基本スキームを検討してきた。今回、自民単独政権になったことで、3党による検討委員会は設置されず、自民党政務調査会の指導の下で基本スキームづくりを急ぐことになった。
 しかし、これまでの経緯や社長、さきがけが橋本内閣への閣外協力を表明していることから、同党は特別委での結論などを2党に伝え、協力を得る考えだ。
 基本スキームが自民党1党によって策定される方針が固まったことについて、運輸省や関係自治体では「3党調整という煩雑さがなくなり、着工の可能性が高まった」と歓迎する声がある。
 だが、大蔵省が28兆円にも及ぶ旧国鉄長期債務問題との同時決着を求めているうえ、特別財源をどう確保するかを含め難題が多く残されており、着工決定までには曲折がありそうだ。(京都新聞)
■鳥取−京都間すべて「スーパーはくと」に 智頭急行
 第三セクターの智頭急行(鳥取市)は12日、鳥取−京都間を新車両と旧車両の2タイプで運行している特急6往復を、全車新車両の「スーパーはくと」にすると発表した。スーパーはくと3両を新たに注文し、今年5月に発注済みの10両と合わせて2編成とし、全4編成で来年9月にも運行を開始する予定。(京都新聞)
■旧国鉄債務で自民が検討委
 約28兆円に上る旧国鉄の長期債務の処理問題について、古賀誠運輸相は12日の閣議後の定例記者会見で、自民党内に財政部会長、交通部会長らが参加する検討委員会を設置する考えを明らかにした。委員長には亀井善之前運輸相が就任する予定で、早ければ今週から議論を始める。
 事業団が負担している年間1兆3000億円に上る金利をどうまかなうかが、年内の焦点となる見通しだ。(朝日新聞)
■声 車内の空き缶拾った後は… 東京都 田中実希子(主婦 34歳)
 先日、地下鉄に乗っていて下車する際、中学生くらいの少年が、車内に置いてあった空き缶3本を拾って降りた。
 一緒にいた母親から「汚いわね。何でそんなの拾ってくるの」と言われていたが、「いいんだよ」と答え、ゴミ箱まで持って行く様子だった。しかし、地下鉄サリン事件の後遺症か、ホームはおろか改札をぬけて地下街に行ってもゴミ箱はない。母親からはまた「そんな余計なことするからよ」と責められていた。
 以前、私も地下鉄に乗ったとき、娘が床に置いてあった空き缶に気付かず、けって転がしてしまい、そのまま放置も出来ず、ゴミ箱まで持って行こうとした。が、どこまで行ってもゴミ箱はなく、幼い子供を2人連れて、荷物も持って、そのうえ空き缶まで持っていたら、切符を通すのも容易ではなく、とても困った経験があったのだ。
 子供と共にその少年たちの様子を見ていた私は「あのお兄ちゃん偉いね」と子供に言ったものの、今後、車内に空き缶があっても、拾ってゴミ箱まで運ぶ自信はない。(朝日新聞)
14日■JR西日本3月期決算 売上高9500億円の見通し 旅客増で過去最高 旧国鉄債務 今期限りで完済へ
 JR西日本が13日発表した97年3月期決算予想によると、旅客収入の順調な伸びで売上高は、過去最高の9500億円となる見通しとなった。87年の発足時に旧国鉄から引き継いだ1兆円を超える長期債務も今期限りで完済する。
 上場後の初決算となった9月中間では、売上高が前年同期を3.6%上回る4795億円、経常利益は同8.6%増の379億円と増収増益を確保した。
 輸送量で在来線がやや減少したが、収益の柱である旅客収入は新幹線、在来線合わせて同3.8%増の4238億円。阪神大震災の影響がなかった2年前の中間期と比べても、輸送量は1.9%増、旅客収入が2.9%増と順調な伸びをみせている。
 負の遺産として引き受けた日本国有鉄道改革法に基づく連帯債務1兆158億円は、中間期時点で前期末残高684億円を返還、残る借入金12億円についても今期中に返済する。
 JR西日本では「経常利益は550億円と前期を下回るが、来年3月開業の東西線、京都駅ビルなどの大型プロジェクト関連の投資がかさむため。来期はこれらが寄与し、更に収益は伸びる」(高橋宏彰専務)としている。(京都新聞)
■上場来初めて営業利益増加 JR東日本の中間決算
 JR東日本が13日発表した1996年9月中間決算は、景気の回復傾向や阪神大震災で不振だった前年同期の反動などにより、売上高は1.2%増の9869億円となった。営業利益も2.1%増の2138億円と、93年の上場以来、初めて増加に転じた。
 経常利益は、長期債務と金利負担を減らす目的で行った高金利の社債の期限前償還により、200億円を超す償還損が出るなどしたため、3.3%減の659億円となった。
 鉄道運輸収入は新幹線が2.5%増の2140億円、在来線が1.2%増の6563億円だった。全体的には堅調だが、在来線の定期収入は伸び悩んだ。
 旧国鉄から引き継いだ長期債務残高は前年同期に比べ約1960億円減り、4兆7189億円となった。
 97年3月期は売上高1兆9600億円(前年同期比0.1%増)、経常利益1030億円(0.8%増)の増収増益を見込んでいる。(京都新聞)
■主要閣僚に聞く 古賀誠運輸相 旧国鉄債務、まず利子分
 −約28兆円の旧国鉄債務処理策を年末までにまとめる計画だが。
 「金利が年間1兆3000億円に上り、放置できない。住専のように(私企業の)不始末によって生まれたものではないので、年内に利子分だけでもきちっとしたい。元本は額が膨大で中長期的な処理方法を取らざるを得ないが、その枠組みくらいは今年できないものかと考えている」
 −整備新幹線未着工区間建設問題への取り組みは。「社民、さきがけも入れた3党の検討委員会をつくっていただき、早急に成案を得たい。財源と着工手順の兼ね合いを考慮しつつ推進する」
 −日米航空交渉が夏以来、棚上げ状態にあるが。
 「何としても協議の場を持ちたい。9月の日米首脳会談で橋本首相が次官級協議の開催提案というボールを投げている。今は返答を待っているところ。再開すれば、便数など航空権益の平等、均衝などを求めている日本の基本姿勢を貫いていきたい」
 −米軍基地問題と縮んだ沖縄振興策の一つとして沖縄−本土間の航空運賃引き下げが検討されている。
 「重要課題だ。協議会を作って検討中。空港使用料の軽減など特例処置によって運賃を下げることが必要だ。ただ、使用料は空港の整備財源なので、その分の手当ては(一般財源などで)きちっと詰めるべきだ」
 −規制緩和は。
 「国内線航空事業は、基本的に新規参入をどんどん広げていくべきだ。しかし安全性は厳重にチェックしたい。タクシーは経営内容に応じた多様な運賃がいくつか出てきやすい指導が必要だと思う」
 −成田空港の拡張問題への取り組みは。
 「この2、3年、急速に話し合いが進んできた。『共生』という考えを基本に、私も早急に話し合いの場を設けたいと思う」(京都新聞)
■窓 電車でめぐり紅葉を楽しむ 橿原市・原田久夫(中学教員・50)
 今月上旬、京の紅葉が見たくて、夫婦で出かけた。まずは、京都駅から一駅の東福寺へ。駅から歩いて数分だが、驚くほど静かなたたずまい。旅行雑誌に載っていた紅葉は抜群だった東福寺。これにひかれて、初めて訪れた。寺への出入りは無料。紅葉で有名な回廊だけは料金を払って入る。今年の見ごろは少し遅れているとの事だが、はっと息をのむあでやかさであった。
 もう一つの目的地は鞍馬。叡電沿線は、精華大学前あたりから山里の雰囲気。貴船口の周辺は、紅葉と黄葉の織りなす絵模様の連続。満足する景色だ。だが、鞍馬はひと味違った。紅葉というよりは敬虔(けいけん)な信仰の山。うっそうとした杉桧(ひのき)に囲まれた参道はひんやりしていた。紅葉見物には場違いな気もした。
 帰りの近鉄沿線にも、名もない田畑の間に点在する雑木林が深紅の葉で心を引きつける。存分に楽しめる私鉄沿線であった。(京都新聞)
■新幹線の議論 自民党単独で 19日に促進委
 自民党は13日、整備新幹線建設促進特別委員会を19日に開くことを決めた。総選挙後、初めての会合になり、委員長は三塚博蔵相から小里貞利議員(鹿児島4区)に交代する。連立政権では、3党で作る連立与党整備新幹線検討委員会で議論を進めてきたが、財源を含め、ほとんど何も決まっていない。新政権では「さきがけ、社民のご意見もきく」(古賀誠運輸相)ことにとどめ、自民党単独で議論する。
 未着工区間1050`の建設費は最低5兆2000億円と試算されており、財源の確保が焦点。「整備新幹線の促進は党の公約。積極的に取り組む」(村田吉隆交通部会長)としている。(朝日新聞)
■中間決算は 8.6%の増益 JR西日本
 JR西日本が13日発表した1996年9月中間決算は、売上高が前年同期に比べて3.6%増え、経常利益は8.6%増えた。阪神大震災の影響で落ち込んだ山陽新幹線の利用客が震災前の水準に近づくまで回復したことなどから、運賃収入は4239億円と3.8%増えた。山陽新幹線は9.9%伸びたものの、在来線は0.3%減少した。
 昨年度後半に導入した早期退職優遇制度による退職金の支払いや大型プロジェクトに伴う修繕費の前倒しなどがかさみ、営業利益は減益となったが、借入金の減少や金利低下で支払利息が減り、経常増益となった。
 97年3月期の売上高は過去最高の9500億円、経常利益は当初計画を30億円上回る550億円と見込んでいる。
・東日本は3.3%減
 JR東日本が13日発表した9月中間決算によると、売上高は前年同期比1.2%増の9869億円、経常利益は同3.3%減の659億円だった。通勤、通学客の減少で、在来線の定期収入は前年同期をやや下回ったが、新幹線や定期外の在来線は好調だった。経常利益が減つたのは、金利の高い社債を期限前に償還したため。通期では、売上高はほぼ前年並みの1兆9600億円、経常利益は前年比0.8%増の1030億円の見通しだ。(朝日新聞)
■臨時列車は 272本 「味めぐり」運行 JR福知山支社
 JR西日本福知山支社は12月1日から来年2月28日までの間、グルメファン向けの「味めぐり」列車や、年末・年始の臨時列車を272本運行する。定期列車への格上げや見直しで、本数は前年の4分の3程度となっている。
 「味めぐり」列車は、大阪方面から丹後へ直通する福知山線の電車特急「味めぐり文殊」を1、2月の週末などに初めて運転する。特急「味めぐり北近畿2、3号」の発着駅を、これまでの城崎から香住に延長する。
 特急列車の混雑緩和のため、週末を中心に福知山線で「タンゴディスカバリー81、82号」や「北近畿81号」を新設。播但線では「はまかぜ3、6号」を城崎から浜坂まで延長する。山陰線は「たんば4号」を福知山−天橋立間で延長運転する「はしだて80号」にする。
 年末・年始は京都方面から但馬、丹後へ直通する特急「きのさき81、82号」、「はしだて81、82号」、京都−東舞鶴間の急行「舞鶴」、大阪方面から但馬への特急「はまかぜ82、83号」を新設する。
 ヤング層向けの大阪−江原間の急行「シュプール神鍋・鉢伏」は、金曜の夜に大阪を出て、日曜の夜に戻る1泊半コースに時刻を変更して、1、2月に運転する。
 初もうでは、1月2、3日に香住−京都間で快速「初詣(はつもうで)開運号」を1往復。同5日から6日にかけては、豊岡−出雲市間に列車泊タイプの快速「大社初詣の旅」を出す。(朝日新聞)
■次は「森小路大和川線」 大阪市営地下鉄98年着工目指す
 大阪市は、市営地下鉄の次期着工路線を市東部を南北に通る「森小路大和川線」とする方針を決めた。年内にも正式に発表する。1998年の着工を目指し、完成に10年前後かかる予定。総工費は数千億円程度の見通し。ただ、市中心部をはずれており十分な利用者が見こめないおそれも高く、採算を危惧する声が市役所内部にも出ている。
 市交通局によると森小路大和川線は、同市東淀川区上新庄から東住吉区湯里まで約15`。放射線状に伸びる中央線や千日前線などの地下鉄とつながる。
 市交通局は89年、運輸大臣の諮問機関である運輸政策審議会の答申を受け、森小路大和川線など4路線を建設することを決めた。現在、進行中の鶴見緑地線の延伸工事(京橋−大正、鶴見緑地−門真南)が来年8月までに完了することから次期着工路線の検討を進めていた。建設を予定している4線のうち沿線に人口が密集し、乗車人員も比較的多く見込める森小路大和川線を最初に選んだ。98年度予算に計上されるよう政府に働きかける。
 ただ、市営地下鉄については利用者がのび悩んでいることや、約1400億円の累積債務をかかえていることから、新線建設を疑問視する声があがっている。
 これに対し市交通局は「今後の事業では、地下鉄を小型のものにしたりし、コスト削減を徹底してはかる。市の中心部以外にも多くの市民が住んでおり、バスだけでは不十分。市民の利便性を高めるのは公益企業の使命で、今後も整備事業を進める」と話している。(朝日新聞 夕刊)
■大阪市地下鉄次期路線決定 採算危ぶむ声も 市民負担巡り議論必要
 利用者が頭打ちの中で過去最悪の累積赤字を抱える大阪市交通局が、市営地下鉄の次期着工路線を「森小路大和川線」とすることを決めた。乗客の多い市中心部をはずれているうえ、並行してJRの新緑も建設が予定されている。市交通局は「市民のため」を強調するが、専門家の間には採算を疑問視する声がある。経営悪化は運賃値上げという形で市民の負担にはね返ってきかねないだけに、建設の是非については幅広い議論が必要だ。(天野剛志)
 市交通局によると、市営地下鉄の昨年度の収益は運賃を中心に約1626億円。これに対し、費用は人件費789億円や、負債の利息418億円など計約1843億円で、217億円の赤字となっている。累積赤字も1387億円にふくらんだ。
 こうした赤字体質を支えているのが財政支出。昨年度、国や市の一般会計などから建設費や利息の補助などのために支出された助成金は約800億円にのぼる。ところが、今後の見通しは必ずしも明るくない。乗車人員は90年の275万人(1日平均)をピークに頭打ちの状態。一方で、相次いで開通を予定している区間の工費の利息返済が始まる。
 財政危機にある政府から助成の上積みは期待しにくい。市交通局が進めているリストラの効果も当面は年間80億円ほど。乗車人員の急増も難しい。このため、市役所内には運賃値上げが必要との声が出ている。
 赤字増−運賃値上げ、という関係を断つには新規の着工をやめるのが最も効果的と市関係者も認める。しかし、市交通局は「新路線を造れば周辺開発も進み、新たな利用者も生まれる」「車公害もあるなか、地下鉄整備は環境面でもプラス」などと主張する。
 市営地下鉄の初乗り運賃は現在180円。建設費の膨張が問題となった京都市は200円だが、神戸市は180円で、東京の営団になると160円。また、JR西日本は87年の民営化以来、大阪周辺で120円と値上げをしておらず、差は開く一方だ。
 大阪市営地下鉄に詳しい大阪市立大の伊勢田穆教授(交通経済)は「地下鉄は後につくる路線ほど採算が取りづらい。また鉄道の環状線は道路と違ってバイパス的に利用することが少なく、さらに森小路大和川線はJRなどが進める外環状と競合する面もあり、一層採算を取るのは難しい。社会が成長期から成熟期に変わりつつある現在、過去に決めた計画にこだわる必要はない。経営の見通しを広く市民に公開し、幅広く議論したうえで決めてもよいのではないか」と話している。(朝日新聞 夕刊)
15日■窓 「ありがとう」バスの運転手 北区・松田正恵(無職・72)
 先月25日、天神さんの夕暮れ7時ごろのことです。私と友達の2人で千本北大路の信号が青なのでバスに乗るため一生懸命走っていると、66系統深泥池行きのバスが停留所から動いたので、もう駄目だと思いつつも青なので走っていると、運転手さんが手招いてくれているのです。そして前のドアを開けて私たちを乗せてくれたのです。「ああよかった、ありがとう」と言ったものの胸のドキドキが止まらない始末。
 下車する際に「おかげさまで」と、お顔をのぞくと、若い方なのでびっくり。子供のように喜んで、バスを降りてから手を振ると、運転手さんが帽子を少し上げてあいさりしてくださったのです。本当に気持ちのよい一時でした。
 このごろ、運転手さんの苦情がよく聞かれる折、こんな親切な方もいられると、うれしい感激でした。今にして思うことですが、私ども二人が、そのバスに乗りたくて走り、渡っている姿をよく運転手さんが見抜いてくださったものです。お名前を見る余裕もなかったので、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。(京都新聞)
■ノック知事が南海沿線視察 関空特急騒音問題
 関西空港に乗り入れている南海電鉄とJR西日本の「関空特急」による騒音・振動問題で、大阪府の横山ノック知事は15日午前、騒音値が特に高い堺市と泉大津市の南海本線沿線を初めて視察した。大阪府や沿線自治体は両社と協議のうえ、年内に騒音・振動対策を打ち出したいとしている。
 視察したのは、堺市浜寺昭和町五丁と泉大津市助松二丁目で、横山知事は説明を聞きながら、特急「ラピート」が通過する際の騒音と振動を体験した。両地点は、府の実態調査で、騒音が新幹線の環境基準70デシベル(住居地)を大幅に上回り、80デシベルを超えていた。
 横山知事は「深刻に受け止めている。早急に話し合ってできることから実行していきたい」と話した。(朝日新聞 夕刊)
16日■旧国鉄債務 利払いだけでも年1兆円超なのに 抜本処理策、先送り 自民党特別委 来年3月末めどに
 自民党の国鉄長期債務問題特別委員会(委員長・亀井善之政調会長代理)は15日、初会合を開き、国鉄清算事業団が抱える約28兆円の債務処理策について、年内は1997年度予算で必要となる3兆円余の返済財源や金利軽減対策にとどめ、全体の抜本処理策は来年3月末をめどにまとめる−との方針を決めた。政府、与党が目標にしてきた年内の抜本処理策策定は事実上、来年(98年度予算)以降に先送りされた。
 亀井委員長は会合後の記者会見で、97年度予算が決まる年末まで1ヵ月程度しかないことから「すべての結論を出すことは難しい。年内は当面やらねばならない問題に絞り、そのあとで抜本処理策と、2段階に分けて検討していく」と述べた。
 当面の問題としては@97年度の元利払い約4兆9000億円に対し、事業団の土地、株式売却収入を充てても不足する3兆円余の財源A97年度から元本の返済が始まる予定の一般会計からの無利子貸付金の返済据え置きB年間1兆3000億円に上る利払いの軽減措置−などを挙げた。
 特別委は年末まで週1回のペースで開催し、当面の問題に結論を出す予定だが、利子分だけでも1兆円を超す巨額の財源が必要になるため、難航が予想される。並行して東日本はじめJRの本州3社、清算事業団、運輸、大蔵両省などに対するヒアリングなどを通し、抜本処理策に向けた議論も行っていくが、結論は早くても来年3月末になる、と見込まれている。(京都新聞)
17日■神戸ホットライン 再開のめど立たず 摩耶ケーブルとロープウェイ 乗客滅で赤字
 阪神大震災で被災し、運休中の六甲山系・摩耶ケーブルと摩耶ロープウェイは、震災から1年10ヵ月近くたった今も再開の目途(めど)が立っていない。慢性的な乗客減で、採算の見通しが立たないためだが、新たな観光施設の開発など打開策も見いだせずにいる。
 同ケーブルは、摩耶山ろくと中腹900bを結ぶ1925年開業の老舗路線。55年には利用客は年間55万人を超えたが、山頂付近の遊園地閉鎖やマイカーの普及などで、震災前に13万人にまで落ち込んでいた。地震で駅舎やレールなどが損壊し休業中。「修復に数億円かかり、再開の余力はない」と、経営する六甲摩耶鉄道は話す。
 摩耶ロープウェイは同山中腹と山上間の約860bを結ぶ。市都市整備公社の経営だが、震災前は10万人台に落ち込み、累積赤字も5億円を超えている。駅舎やゴンドラの一部が壊れ、修復には約1億3000万円かかるという。
 神戸市観光交流課は「地元運輸・観光業者の協議会で、摩耶・六甲山上に巡回バスを導入し、回遊化してはという意見も出たが、規制などがあって実現は難しい」としている。(京都新聞)
■となりの客はよく席食う客だ シャカシャカに説法 JR西日本がマナー標語 全国から応募4500通、54を厳選
 「シャカシャカに説法」「乗れんのに腕押し」「となりの客はよく席食う客だ」…ことわざや歌詞、有名人の言葉などをもじって列車の乗車マナーを訴える標語をJR西日本が駅などで募集したところ、全国から4516通が集まった。同社はこの中から54作品を選び、来年の週間カレンダーに掲載する。
 「シャカ−」はことわざの「釈迦(しゃか)に説法」が原典。満員電車の中、ヘッドホンから漏れ聞こえるシャカシャカという音がうるさくて注意しても本人には聞こえない、という意味。「となり−」は座席の譲り合いを訴えている。
 このほか「イスで踊る子」、「ちゃんと持って!無礼バッグ 無礼バッグ」、「ふゆかいや耳に飛び込む携帯音」、「のどもと過ぎれは空き缶忘れる」など。同社広報室は「笑いながらマナーを確認してほしい」と話している。(朝日新聞)
18日■車いす男性 踏切事故死 神戸 療護施設から外出中
 17日午後4時半ごろ、神戸市北区有野町二郎の神戸電鉄中島第一踏切(警報機、遮断機つき)で、車いすに乗った、近くの身体障害者療護施設「二郎苑」に入所している後藤謙児さん(60)が、新開地発三田行き下り準急電車(4両編成)にはねられ、即死した。
 兵庫県警有馬署の調べでは、踏切は幅5.3b。運転士は約150b手前で後藤さんに気づき、警報を数回鳴らしてブレーキをかけたが、間に合わなかったという。
 後藤さんは若いころに精米店で仕事中に事故に遭って、後遺症で下半身が不自由なうえに難聴という。1992年10月に二郎苑に入所した。この日は付き添いなしで、一人で行動していたらしい。同署は、何らかのトラブルで動けなかったのかどうかなど、原因を調べている。
 現場は二郎苑の南東で、直線で約200b離れている。踏切付近はまっすぐな区間で、見通しはよい。電車は現場に5分間停車した。
 二郎苑の黒田博之施設長によると、後藤さんは事故に遭う10分ほど前に二郎苑を出たという。黒田施設長は「遠出の時は外出届を出してもらっているが、付近の散歩は本人の意思に任せていた」と話している。(朝日新聞)
■声 終点まで眠る列車通学の子 上野市 乾 いさお(小学校教員 52歳)
 私は大阪までの遠距離通勤をしています。それは基本的にはつらいものでありますが、いろいろと楽しみも見つけだすものです。その一つは車内の人間模様の観察です。
 通勤通学列車というだけあって、通勤者以外はほとんど高校生のようで、若い世代の様子をいろいろとスケッチさせてもらっています。そんな中にわずかに交じるのが小学生です。一つは辺地ゆえ、隣町の学校に通うグループです。彼・彼女らは、わいわいがやがやとひとしきりしゃべり騒ぎ、周りの乗客の笑みを誘いながら、ひと駅かふた駅で降りていきます。
 それに比べ、私立や国立に通っているらしい小学生は、たいてい単独で静かに本などを読んでいる場合が多いようです。ところが帰路になると眠り込んでしまう子も時々見かけます。何度かあったことですが、終着駅に着いても起きないので起こしてあげました。かなり揺すらないと起きません。
 そして折り返しの列車を教えて別れるのですが、その子の後ろ姿を見ていると、なぜか気が重くなります。決して晩秋のせいばかりでもなさそうです。(朝日新聞)
■鉄道マニアら逮捕 防護無線盗んだ疑い 運行妨害も認める
 東京都三鷹市のJR東日本三鷹電車区の車両から今春、非常時に周辺の列車を緊急停止するための「防護無線」用の無線機が盗まれ、その後防護無線の発信が相次いだ事件で、三鷹署の捜査本部は18日までに、鉄道愛好家の少年ら3人を窃盗の疑いで逮捕した。無線機が盗まれた直後、首都圏を中心に列車の運行を妨害する事件が発生しており、捜査本部で少年らから事情を聴いているが、運行妨害の一部について犯行を認めているという。
 逮捕されたのは、東京都東久留米市、自称専門学校生の少年(18)、千葉県市川市平田四丁目、元タクシー会社無線係で無職中島和哉容疑者(29)、埼玉県三郷市谷口、職業不詳青山真吾容疑者(25)の3人。いずれも鉄道愛好家で、東京・神田の交通博物館や鉄道や無線の愛好者雑誌などで知り合ったという。
 調べに対し、3人は防護無線を盗んだことを認めており、「盗んだ無線機で何回か発信したが、その後騒ぎが大きく、怖くなったので1ヵ月後に荒川などに無線機を捨てた」などと供述しているという。
 調べでは、3人は今年4月6日午前1時半ごろ、三鷹市上連雀三丁目のJR東日本三鷹電車区に停車していた中央線の臨時快速列車内から「防護無線」の無線機4台などを盗んだ疑い。
 捜査本部によると、同月8日に千葉県内の京葉線と総武線で、計11回にわたって発信元不明の防護無線を受信したのをはじめ、9月末までにJR東日本東京地域本社管内の中央線や京浜東北線、山手線などで計197回の防護無線を受信し、列車が止まるなどの騒ぎが続いた。(朝日新聞 夕刊)
■大阪中央区でガス漏れ 避難勧告、地下鉄一時止まる
 18日午前11時ごろ、大阪市中央区安土町、大和銀行本店の噴水付近のマンホールからガスのにおいがすると110番があった。大阪ガスがガス漏れとして点検、修理作業を急ぐとともに、大阪市消防局はガスの濃度が高く、危険だとして同銀行本店や周辺ビルに対し一時的に避難するよう勧告した。
 消防局などによると、本店の行員全員が避難したが、体の不調を訴える人や被害などは出ていない。
 消防局は、消防車や救急車計17台を出動させ警戒するとともに、現場近くを通る地下鉄堺筋線の運行見合わせを要請し、1時間以上にわたって全線ストップ。現場から半径約100b以内の周辺道路でも通行止めなど交通規制をした。
 ガス漏れは大和銀行本店敷地内の噴水の北東約10bの地点で発生したとみられる。大阪ガスなどは正午すぎから歩道を掘り返す作業を始めた。地上では噴水付近の10bの範囲内でガス臭がするという。
 現場は、金融機関や商社などが集中するビジネス街。(京都新聞 夕刊)
■ノンステップ やさしいバス 全国初、京都市交通局が2月運行 お年寄り、障害者らに朗報
 京都市交通局は来年2月から、乗降ステップのない新型バスを運行する。「ノンステップバス」は欧米では一般的だが、日本にはまだなく、京都市や東京都などがメーカーに特注し、仕様がほぼ固まった。京都市での導入は当面2台だが、順次増車する考えで、お年寄りたちに喜ばれそうだ。
 今の市バスは低床車とはいえ、乗降口に床部分を含め3つのステップがあり、路面から床までの高さは88aにもなる。1段目だけでも路面から34aあって、お年寄りや障害者、妊婦らが乗り降りに不便な構造になっている。
 これを解消しようと、東京都と京都、大阪、名古屋の3市が本年度、運輸省から補助金を受け、メーカー2社に統一仕様車の開発を発注した。
 新型バスは、路面から床までの高さが30aと低く、空気圧を利用した特殊構造で車体が上下するのが特徴。バス停に着くと車体が7a下がり、路面と床との差が23aになるうえ、車体がやや左に傾き乗りやすくなる。発車すれば傾きと「7a」が戻る。
 難点は値段の高さ。従来型は1台1900万円前後だが、新型バスは3000万円もかかる。このため、市交通局では国と市からそれぞれ4分の1の補助を受け、とりあえず2台だけ購入することにした。
 また、乗降口がこれまでの左側前後と異なり、中央部が乗車口となるため、乗降別に安全棚を設けているバス停と仕様が合わないケースもある。市交通局では「増車計画と並行してバス停調査なども進めたい」と話している。(京都新聞 夕刊)
■ビジネス街でガス漏れ通報 大阪、地下鉄も停止
 18日午前11時ごろ、大阪市中央区安土町二丁目の大和銀行本店敷地内の舗道にあるマンホール付近からガスのにおいがしているのに、通行人が気付き、110番通報した。
 東署によると、マンホールの周囲約10bでガスのにおいがしていたという。署員を出して付近を警戒する一方、大阪ガスの係員8人が原因を調べている。府警は同銀行を中心に約400b四方を車両通行止めにした。引火、爆発の危険があるため、大阪市交通局は、近くを通る大阪市営地下鉄堺節線を午前11時28分からストップし、各電車は最寄りの駅で待機した。
 市消防局は周辺のビルなどに避難勧告を出した。大和銀行本店では店内放送で、客や行員に避難するよう伝え、一部の行員を除き、建物の外に避難した。(朝日新聞 夕刊)
19日■近畿のJR駅も不正防止改札へ 来春から東西線など
 JR西日本は18日、京阪神を中心とする約200駅に、不正乗車を防止する機能を備えた自動改札機を設置し、来年3月から一部稼働させる、と発表した。自動改札機には、連続する切符と定期券や2枚の定期券を一度に投入することができる新しい機能「1(ワン)・2(ツー)・スルー」も全国で初めて導入する。
 不正防止機能は、自動改札機を通って乗車するとき、定期券や切符に乗車場所や日時の情報が磁気入力され、降車するときにこの情報を自動改札機が読み取って扉を開ける仕組み。
 「1・2・スルー」は、例えば、三ノ宮−大阪間の切符と大阪−京都間の定期を使って三ノ宮駅から京都駅に行く場合、三ノ宮駅の自動改札機に切符を投入して乗車し、京都駅の自動改札機に切符と定期を重ねて投入すれば出ることができる仕組み。精算機を使う手間が省けるメリットがある。同じように連続する2枚の定期や2枚の回数券でも使える。
 同社は来年3月8日の東西線開業に合わせ、同線の全駅と片町線の京橋−松井山手間の各駅、大阪環状線の大正駅の計25駅で使用を開始する。さらに来年度から2年間で、東海道・山陽線(米原−姫路)、大阪環状線など約200駅に設置していく計画。(朝日新聞)
■1時間半後に避難勧告解除 大阪のガス漏れ
 大阪市中央区安土町二丁目の大和銀行本店前で18日午前、マンホール付近からガスのにおいがしたため周辺のビルなどに出された避難勧告は同日午後1時すぎ、約1時間半で解除された。
 大阪ガスが埋設された低圧ガス菅の一部に破損を見つけ、応急修理した。現場周辺のオフィスで働く約4500人に避難勧告が出された。また、近くを通る地下鉄堺節線が上下計34本を運休するなど、阪急千里線と合わせて約2万2000人の足に影響が出た。(朝日新聞)
■JRの資産税 軽減分財源に 新改線建設で自民委
 自民党の整備新幹線建設促進特別委員会の小里貞利委員長は19日、総選挙後の初会合後の記者会見で、今年度末で期限がくるJR各社の固定資産税の軽減を来年度以降も続け、その分を整備新幹線の未着工区間を建設する財源の一部としてJRから別に徴収する方針を明らかにした。軽減分は東日本、東海、西日本の3社合計で年約600億円で、建設費の試算は最低でも5兆2000億円。
 運輸、大蔵、自治各省は検討に前向きだが、3社とも「政治的な理由で増額を迫られたり、固定資産税との二重取りに発展しかねない危険がある。固定資産税として来年度からきちんと支払う」として拒否する意向を示している。(朝日新聞 夕刊)
20日■京都市 市バス耐用年数を延長 本年度 50台、 9億円節減
 経営再建に取り組んでいる京都市交通局は19日、本年度に新車へ更新予定の市バスの耐用年数を1年延ばし、経費節減を図ることを明らかにした。整備による「延命車両」は50台で、節減効果は約9億円という。また、運行から7、8年目の「熟年バス」の手入れを充実し、耐用年数をこれまでの原則11年から「5年以上延ばしたい」としている。
 市バスは、利用者の減少で厳しい経営状況になっており、前年度は14億円の赤字を計上、累積赤字は64億円にのぼっている。このため、市交通局では運賃値上げを市議会に提案した5月、経営再建計画「今後の展望について」を策定し、職員削減や不採算営業所の廃止、一部路線の民営化などを進めている。
 今回の措置も経費削減の一環。車両の性能向上も相まって、市交通局の整備工場(伏見区)などでの年3回の法定点検と月2回の定期点検で、1年の更新延長は可能、と判断した。
 バスは年1回の車検に通れば運行できるが、市ではこれまで運行11年を目安に新車に替えていた。毎年の更新台数は約70台にのぼるが、この措置で本年度は20台に抑える方針。新車の購入費は1台約1900万円で、整備・改修費約200万円の差額が節減できるという。また、運行7、8年目のバスは、内・外装の整備やエンジンのオーバーホールなど早めに行うことにしており、本年度は約30台を対象にする。
 一方、本年度の新車両20台には、停車中は自動的にエンジンの止まる低公害機能を全車に装備するほか、車いす用リフト付きや乗降口にステップがなく乗り降りがしやすい「ノンステップバス」も導入する。(京都新聞)
■鉄道運賃、上限価格制に 運輸省発表 年明けから 値下げなど多様化図る
 運輸省は19日、来年1月から鉄道運賃に上限価格制度を導入すると発表した。
 普通運賃や定期で上限運賃を認可し、これ以下の水準なら、各鉄道会社が届け出だけで実際の運賃の変更ができるようになる。申請時に、各社ごとに諸費用や適正利潤を積み上げる総括原価方式と、各社のコスト差が反映される仕組みを採用したため、鉄道会社の経営努力が促されるほか、路線や時間帯によって異なる運賃の多様化も進みそうだ。
 運賃改定を申請する鉄道会社から順次適用する。実際には、来年4月の消費税率引き上げに伴い予想される運賃改定時からの適用になるとみられている。
 コスト差については、大手私鉄、JR、地下鉄の場合、各グループごとに、これまで大手私鉄の原価計算に使われていたヤードスティック(基準比較)方式を強化した上で適用する。支出の約50%を占める人件費、物件費について、基準コストを算出。実際のコストが基準コストを上回る場合、差額は原価に算入できないため、値上げ幅は小さくなる。下回る場合は、差額を値下げと鉄道会社の利益に半分ずつ回す。同様の査定を前回申請時とも比較し、二重に行う。
 これにより鉄道会社は間接的に効率化を競い合い、合わせて値下げも起きる可能性が大きくなるという。(京都新聞)
■JR東海は増収増益
 JR東海が19日発表した今年9月中間決算は、売上高が前年同期比4.9%増の5737億9200万円、経常利益は55.9%増の491億2400万円と、中間決算を導入した1991年以来初の増収増益になった。
 前年同期は阪神大震災の影響で不振だったため、今年中間期は収入、利益とも伸びた。東海道新幹線の「のぞみ」の利用客が16%増、在来線も「ワイドビューシリーズ」などのキャンペーン効果により2%増で、客単価が上がったことも大幅増益に寄与した。97年3月期は、売上高が前期比0.9%増の1兆1224億円、経常利益は3.5%増の647億円を見込んでおり、葛西敬之社長は「上場基準を満たすことができる」と述べた。(京都新聞)
■消費税分は転嫁 JR西の社長 運賃1.94%アップへ
 JR西日本の井手正敬社長は19日の記者会見で、消費税が来年4月に5%に引き上げられれば、その相当分を運賃に転嫁する考えを明らかにした。
 同社は、1989(平成元年)4月の消費税導入の際、3%分を運賃に上乗せしており、今回、改定すれば87(昭和62)年の民営化以来2度目の運賃改定となる。
 井手社長によると、運賃の改定率は、現在の運賃がすでに3%分が含まれているため102分の105で、1.94%アップになる見込み。来月下旬か来年1月上旬に運輸省に改定申請を行う方針。
 ただ、京阪神の特定区間では入場券(120円)などが3%の消費税分を上乗せをしていないものもあり、すでに閣議決定されている鉄道運賃の上限価格制に触れた井手社長は、「先に据え置いたのをベースにされては困る。これらをどうするのか、今後、JR東日本などJRグループで相談したい」と話した。(京都新聞)
■JR側責任 容認 滋賀県警部補証言 「幹部が共述した」
 1991年5月の信楽高原鉄道事故で業務上過失致死罪に問われた元同鉄道社員ら3人の公判が19日、大津地裁(中川隆司裁判長)であった。事故の捜査や関係者の取り調べにあたった森築平滋賀県警警部補の証人尋問が行われ、当時、JR西日本幹部からも事故に対するJR側の責任を認める供述があった、と証言した。
 証人尋問は弁護側の申請で行われた。森警部補は、事故当時、JR西日本で信号システムを統括する立場にあった鈴木勝・元電気部長に対して行った取り調べの内容を証言した。
 証言によると、鈴木元部長は▽列車の行き違いを制御する「方向優先てこ」設置が、列車の運行体制が変更される「運転整理」にあたるとして、信楽高原鉄道に設置を連絡する義務があったにもかかわらず、連絡しなかった▽JR西日本社内でも安全性のチェツクのための会議を開くことが定められていたのに会議が開かれなかったなどと供述していたという。
 弁護団によると、検察側が証拠請求している鈴木元部長の調書にこうした供述はないといい、県警の捜査段階ではJR側からも責任を認める発言があったことが明らかになった、としている。
 この事故では、JR西日本の幹部ら12人が遺族から告訴、告発されたが、大津地検はいずれも不起訴処分とした。(京都新聞)
■鉄道運賃 上限制を導入 以下なら変更自由
 運輸省は19日、鉄道運賃について、同省が査定した認可運賃を上限に、それ以下なら鉄道会社が自由に運賃を決められる方式に変える、と発表した。来年度以降、新しい運賃の申請があった時点から適用する。鉄道会社は上限より安い運賃なら、路線や時間帯、季節などによって違う運賃を届け出だけで決められるようになる。ただ、鉄道事業は独占色が強いうえ、「混雑を緩和する工事費の負担が大きい」(大手私鉄各社)という事情もあり、利用者が期待する値上げ率の抑制や値下げにつながるかどうかは、未知数だ。
 運賃の査定方法も変える。JR7社、大手私鉄15社、地下鉄10社と経営基盤が似る3グループに分けて基準となるコストをはじき、それより実績が良い会社はもうけが大きく、悪い会社はもうけが小さくなるよう認可運賃を設定する。(朝日新聞)
■増税分は運賃に転嫁 JR西日本社長
 JR西日本の井手正敬社長は19日の定例記者会見で、来年4月から消費税率が3%から5%に引き上げられるのに伴って、増税分を運賃に転嫁する考えを明らかにした。ただ、具体的な上げ幅については「消費税導入時に据え置いた区間への上乗せが、(来年度から導入される運賃の)上限価格制のもとで、どう認められるか不透明」として、今後JR各社や運輸当局との話し合いが必要とした。(朝日新聞)
■新型などバス20台購入 京都市交通局
 京都市交通局は19日、乗降部分の階段を取り外した新型の「ノンステップバス」など、市バスの新造車両20台を購入する、と発表した。費用は総額で約4億8600万円。更新対象車両は70台あるが、経費節減のために新車購入台数を抑えたという。
 購入するのは、普通低床広窓車10台、低公害車5台、車いす用リフト付き車3台、ノンステップ車2台。これらにはすべて、信号やバス停などで停車すれば、自動的にエンジンが止まって排ガスの量を減らすアイドリング・ストップシステムが搭載されている。
 ノンステップ車は、メーカーに特注してつくられ、来年2月に購入の予定。空気圧を利用した特殊構造になっていて、バス停に着くと車体が下がって路面と車内の床との差が23aになり、一歩上がるだけで乗車できる。スロープも設けるため、車いすでも乗降しやすくなるという。(朝日新聞)
■JR奈良線複線化「早期に着手」 府議会委で知事
 府議会決算特別委員会の総括質疑が19日開かれ、各会派の代表ら7議員が質問に立った。この中で荒巻禎一知事は、懸案となっているJR奈良線の高速・複線化について「何としても来年度早期に着手したい」と話し、2002年サッカーワールドカップ(W杯)までに同線の部分複線化を実現させる方針を改めて示した。しかし、建設費の地元負担についての質問には、「鉄道整備には地元の積極的な取り組みが不可欠」と答えただけで、具体的な負担額などを明らかにしなかった。(朝日新聞)
■六甲ライナー5000万人
 神戸市東灘区のJR住吉駅と六甲アイランドを結ぶ新交通システム「六甲ライナー」(4.5`)の乗客数が20日午前、1990年2月の開業以来、5000万人を突破した。この日、住吉駅と魚崎駅の改札口で、乗客1400人に記念のプラスチック万年筆が配られた。(朝日新聞 夕刊)
21日■地下鉄サリン 冒頭から尋問 豊田被告が証言
 オウム真理教前代表・松本智津夫(麻原彰晃)被告(41)の第16回公判が21日、東京地裁で開かれ、地下鉄サリン事件の実行犯の1人とされる元教団幹部の豊田亨被告(28)が検察側証人として出廷した。この事件の共犯者として5番目に証言に立った豊田被告に対し検察側は、入信の経緯などに関する尋問を省き、冒頭から事件の核心に迫った。豊田被告は日比谷線の車内でサリンを散布したことを認めたうえで、「松本被告の指示があると思った」などと証言した。(朝日新聞 夕刊)
22日■99年度の経常 黒字化目指す JR貨物が新長期計画
 JR貨物は21日、新しい長期経営計画「新フレイト21」(1997−2001年度)を発表した。経営不振で破たんした現在の計画(94−2003年度)に代わるもので、人員削減や関連事業の拡大などにより99年度以降の経常黒字化を目指すとしている。
 新計画によると、収入は95年度の1962億円に対し、2001年度は2060億円と約100億円の増収を見込む。トラックなどとの競争激化に伴う運賃低下中輸送量の伸び悩みで鉄道事業部門は1800億円と横ばいだが、倉庫やホームセンターなど関連事業を140億円から260億円に拡大する。(京都新聞)
■地下鉄サリン事件 松本被告公判 やりとり要旨
 東京地裁で21日開かれたオウム真理教の松本智津夫被告=教祖名・麻原彰晃=の公判のやりとり要旨は次の通り。(敬称・呼称略)
 (元幹部豊田亨被告が検察側証人として出廷)
 検察官 証人は地下鉄サリン事件で何をしたか。
 豊田亨 日比谷線の車内でサリン散布の実行をした。
 検察官 きっかけは。
 豊田 村井(秀夫)からの指示だった。1回目は昨年3月17日夜から翌日未明にかけて。「近々ワークをしてもらう」と。2回目の指示は3月18日夜。
 検察官 2回目の指示場所と、その内容は。
 豊田 第6サティアンの村井の部屋。サリンをまき、井上(嘉浩)らと同じ行動を取れと言われた。
 検察官 だれがまくと考えたか。
 豊田 林泰男、林郁夫、自分、広瀬(健一)、横山(真人)。井上は村井の詳細な指示を伝える役だった。
 検察官 サリンがどういうものか知っていたか。
 豊田 強力な毒物と認識していた。平成6年3月ごろ、松本が説法の中で「教団が毒ガス攻撃を受けている。それはサリンという化学兵器だ」と言っていたからだ。
 検察官 サリンをまくことは村井の独断と思ったか。
 豊田 松本の指示と思った。村井は常々グルの指示はその通り実行しなければいけないと強調していたからだ。
 検察官 サリンをまく話に何と答えたのか。
 豊田 承諾した。多数の被害者が出ることが頭をよぎったが、何か深遠な意味がありそれが救済だと考えていた。
 検察官 その後の動きは。
 豊田 3月19日午前9時から10時の間に林泰男に呼び出され、東京・杉並の一軒家に向け出発した。同行したのは林泰男、広瀬、横山、平田信、杉本(繁郎)ら。寺島(敬司)もいたかもしれない。
 弁護人 松本が熱があって体調が悪いので退席させてほしい。
 裁判長 もうちょつと我慢しなさい。
 検察官 一軒家でどんなことをしたか。
 豊田 翌日の実行行為のため変装用の服などを買う必要があることなどを相談した。
 検察官 その後は。
 豊田 新宿に行って食事をした後、洋服やかばん、眼鏡、かつらなどを買った。午後六時ごろ戻り、各人が担当する路線、乗車駅、降車駅など実行行為に関する話をした。
 弁護人 我慢できないくらい調子が悪いので、松本を退席させてほしい。
 裁判長 立って話を。
 松本 少し体調が悪いもんですから。
 裁判長 我慢しなさい。気持ちを入れて。
 (松本、刑務官に座らせられる。10時57分ごろ弁護人が再び松本の退廷を申し出、尋問中断)
 裁判長 正午まで我慢しなさい。
 検察官 上九一色村に着いたのはいつか。
 豊田 3月20日午前2時か3時ごろ。第7サティアンの小部屋に行った。村井もいた。
 検察官 村井は何か言ったか。
 豊田 ビニール袋に入ったサリンを鈍くとがらせた傘でつつき発散させるなどと説明した。
 検察官 ほかに村井は。
 豊田 教団大阪支部に強制捜査が入った。これは宗教弾圧だ」と言った。
 検察官 それについてどう思ったか。
 豊田 その通りだと思った。(サリンをまくのは)そうした宗教弾圧に対する対折策だと思った。
 検察官 村井と実行犯以外にだれかいたか。
 豊田 遠藤誠一が来て、錠剤を配り、私の袋にサリンを詰めた。
 弁葎人 先ほども申し上げたように(松本は)体調が悪い。
 裁判長 我慢しなさい。後45分で(午前中は)終わりますから。
 松本 (立ち上がり)今まで4回、5回お願いしたが…。明日もあるので退廷させてほしい。
 裁判長 駄目です。
 (松本、返す言葉なく、一瞬ぼう然)
 検察官 地下鉄でサリンの袋を突いた時の気持ちは。
 豊田 何も考える余裕がなかった。
 検察官 上九一色村に戻って何をしたか。
 豊田 自室で休んでいると村井が来て「尊師に報告に行こう」と言われた。報告すると松本は「そうか」と言った後「『偉大なるグル、シバ大神、すべての真理勝者にポアされてよかった』というマントラを一万回唱えろ」と言った。
 検察官 その時どう思ったか。
 豊田 亡くなったり、被害に遭った人がそれによって救済されていると考えた。
 検察官 本当のことを話す気になったきっかけは。
 豊田 検事の取り調べで、被害者のことを聞き、人間として自分のやったことに耐えられなくなったからだ。今は凶悪な犯罪と思っている。
 検察官 松本についてどう思っているか。
 豊田 かつて説法で「自分の宗教的確信は不動である。自分が断頭台に立つことがあっても揺るがない」と言っていた。初公判の言動に期待していたが、失望、落胆した。かつての発言と一貫性がない。きょうの態度は怒りや憤りを通り越して悲しい。
 検察官 現在の気持ちは。
 豊田 取り返しのつかないことをしてしまった愚かさをいくら後悔してもしきれない。この世に生きていることを申し訳ないと思っている。 検察官 何か付け加えることは。
 豊田 かつて松本は「宗教の指導者は責任が重い。弟子を誤った方向に導いてはいけない」と言っていた。本当のことを話してほしい。
 松本 これについては私が…。
 裁判長 静かに。
 (正午、休廷)
 (午後1時15分再開。広瀬健一証人への2回目の反対尋問続行)
 弁護人 (昨年3月18日に)豊田が村井からどんな話を聞いたのか尋ねたか。
 広瀬 記憶はない。
 弁護人、東京に行く時、強制捜査の情報を得ていたか。
 広瀬 得ていない。
 弁護人 本人(松本)が体調不良を訴えている。
 裁判長 いや、このまま我慢しなさい。
 弁護人 渋谷のアジトを出るまで教団への強制捜査のことは聞いていたか。
 広瀬 大阪(の監禁事件の強制捜査)のことは第7サティアンで村井から聞いた。
 弁護人 途中で地下鉄を一度下車しているが、実行をやめようと思ったのか。
 広瀬 はい。
 弁護人 どうしてやめなかったのか。
 広瀬 実行することがオウム真理教で言っていた救済につながり、教団を守ることになると考えたからだ。
 弁護人 その前にはやめようと思ったことはないか。
 広瀬 村井とのミーティングの後、ほかの人に代わってもらおうかなという考えがほんの少し浮かんだ。
 弁護人 事件後、松本に報告に行ったことを検察官の取り調べの際、話したか。
 広瀬 話していない。
 弁護人 理由は。
 広瀬 まだ松本に帰依していたので、不利なことを言いたくなかった。
 弁護人 その時の様子は。
 広瀬 4人で行って(先頭の)村井がドアを開けて入った時、松本の姿が見える前に声がした。
 弁護人 松本が「ポアは成功した」と言ったのは、亡くなった方が転生したという意味か。
 広瀬 サリンで人を殺した意味も含まれていると思う。
 弁護人 逮捕から1週間ぐらいして自白したということになっているが、きっかけは被害調書を見たからか。
 広瀬 はい。
 弁護人 テレビや新聞を見て何か感じなかったか。
 広瀬 その時は教団の考えに染まっていたので、早く救済されてほしいとは思ったが、普通の人が考えるようなことは考えなかったと思う。
 弁襟人 オウム真理教の在り方は方法の間違いか。
 広瀬 方法も内容も間違っていたと思う。
 弁津人 人を殺すことで修行を積めると思っていなかったか。
 広瀬 ヴァジラヤーナ(金剛乗)の修行という点では積めたと思っていた。
 弁津人 マントラは何のために唱えるか。
 広瀬 自分の中で教義を定着させるため。被害に遭った人の救済や、松本が罪の意識を薄めさせるために唱えさせたと思う。
 弁襟人 精神的なダメージをケアしようとしたということか。
 広瀬 はい。
 弁護人 松本から「おれはお前らにこんなことをやらせるつもりはなかった」と言われたことはないか。
 広瀬 なかった。
 弁護人 松本に罪から逃れる姿勢は感じられなかったか。
 広瀬 私が報告に行った時点では、なかった。
 弁護人 逃亡はだれが決めたのか。
 広瀬 自分で決めた。
 弁確人 松本の指示は。
 広瀬 無論受けている。
 弁鵠人 直接か。
 広瀬 はい。
 松本 すみません。広瀬君、そんなに悪い立場ではありませんから。
 裁判長 静かにしなさい。
 弁護人 来年の期日は、1月3回、2月4回、3月4回と決められたが、月4回は過酷だ。せめて月3回に減らしてほしい、どうしても期日を増やさないといけないのなら、1月と3月は3回にしてほしい。3月については4日は無理だ。
 弁護人 松本の疲労状懸も考慮してほしい。被告は心身ともに疲れている。部屋の出入りにも人の手を借りなければならず記録も読めない状態だ。いろいろな不安な状態に置かれている。心やさしき訴訟指揮をお願いする。
 裁判長 検察官の意見は。
 検察官 月3、4回の期日では少ない。弁護人の反対尋問を聞いたが、もっと工夫して短くできるのではないか。
 裁判長 (午後4時37分)次回はあす22日。閉廷する。(京都新聞)
■整備新幹線 JR固定資産税 軽減分を活用へ 自民委発表
 自民党の整備新幹線建設促進特別委員会の小里貞利委員長は21日、運輸省で記者会見し、整備新幹線の未着工区間(1050`)の財源について、今年度末で期限がくるJRの固定資産税の軽減措置を約20年間延長し、JRに対しその分を建設費として国に納付させる方針を正式に表明した。JR東日本、JR西日本、JR東海の本州3社が対象で、軽減分は年間で計約600億円になる。(朝日新聞)
■5年計画で 社員23%減 JR貨物
 3年連続の経常赤字に苦しむJR貨物は21日、人件費など経費の削減や資産の売却、自動車輸送との連携の強化によって、2001年に30億円の黒字を達成する経営改善5ヵ年計画を発表した。運輸省も、国鉄清算事業団が保有するJR貨物株を日本通運など物流事業者に買ってもらうよう働きかけ、連携を支援する。
 計画によると、1997年度からの5年間で、新規採用の抑制や早期退職制度の継続により、社員数を現在より23%減らして8900人にする。国鉄から引き継いだ債務を減らすため、所有する土地を売って1000億円を稼ぐ。(朝日新聞)
23日■地下鉄サリン事件 松本被告公判やりとり要旨
 東京地裁で22日開かれたオウム真理教の松本智津夫被告=教祖名麻原彰晃=の公判のやりとり要旨は次の通り。(敬称、呼称略)
 (検察側証人の元幹部井上嘉浩被告が出廷)
 弁護人 平成7年3月17日に(東京・杉並の飲食店で)あった食事会の時、どういう指示があったのか。
 松本 (突然立ち上がり)立場をはっきりさせたい。
 裁判長 座っていなさい。防害しないように。
 松本 検察側の意見はどうなのか。
 裁判長 座って。
 弁護人 食事会はだれの主催か。
 井上 村井(秀夫)から「来い」と言われただけなので分からない。
 弁護人 食事会の内容は。
 井上 食事が出てくるかこないかという時に、Xデー(予想される強制捜査)の話を聞いた。松本が帰る時、ジーバカ(遠藤誠一の教団名)、マンジュシェリー(村井の教団名)とか四人の名前を挙げて「話があるから(車に)乗れ」と言った。私は呼ばれなかったが、「指紋除去の件で話がある」と言ったら、「お前も乗れ」となった。
 (松本が突然立ち上がる)
 裁判長 座ってなさい。
 松本 今の話を聞いてまして…。
 裁判長 証言を防害するもんじゃありません。
 (主任弁護人が被告席の前に回り打ち合わせる)
 松本 (着席したまま主任に)この地下鉄サリンの背景状況とか、教団がどんな立場に追い込まれていたかを含め話す必要がある。直ちに尋問を中止していただいて…。
 弁護人 別の機会にでも。
 松本 これはしっかり話しておかないと弟子たちの立場を含めて悪くなると思う。
 裁判長 次回以降認否の機会を与えるから。
 松本 主任はいつでも発言ができると言ったが、機会が与えられていない。今発言しないと裁判がどんどん進んでいく。でも何を言ってもだめでしょうから…。
 弁護人 Xデーの話をしたというが。あなたは「私の情報では三月二十日か二十二日に強制捜査が入る」とその場で言ったのでは。
 井上 全く言っていない。
 弁護人 リムジンに乗るメンバーはどういう経緯で指定されたのか。
 井上 上九一色村に帰ろうとする時に指定した。
 (松本立ち上がる)
 裁判長 座って。
 松本 この裁判は私のために行われている。訴訟手続きの進行を私がチェックする。
 裁判長 静かにしなさい。
 弁護人 リムジンの中でどういう順に話が進んだのか。
 井上 主尋問でも話したが、うたた寝していた時期もあったので分からない。
 弁護人 調書にうたた寝は出てこない。
 井上 十月段階の調書ではすべて思い出せなかった。
 弁護人 都合の悪いことはできるだけしゃべらないようにしたのでは。
 井上 そんなことはない。
 弁護人 リムジンの中のことにうそはないか。
 井上 趣旨に違いはない。
 弁護人 松本が「サリンじゃないと駄目」と断定した重要な話だ。どうして調書に出てこないのか。
 井上 心に引っ掛かっていたことがあったからだ。「この方法(サリン)でいけるか」と言われ「また、僕がやらなくては」という悲しみがあった。嫌だと思ったが、嫌とは言えない。それで硫酸ぐらいだといいかなと思った。そう言うと「もういい」と突き放されたような感じで「村井、お前が総指揮でやれ」と。悔しさ、悲しみが残っていた。
 松本 わたしが言いたいのは…。
 裁判長 勝手な発言をするもんじゃない。
 弁護人 リムジンの中での話は。
 井上 はっきり言うと、「こうやれ」と指示されたものはなかった。地下鉄にサリンをまくこと、火炎瓶、爆弾の話も出たが決まらなかった。
 弁護人 レーザー照射器はだれの担当だったのか。
 井上 村井。詳しいことは分からない。
 弁護人 仮谷(清志)さん(監禁致死)事件でレーザー銃を使ったのか。
 井上 レーザー銃というか、少し細工したものは使ったが成功しなかった。
 (松本が立ち上がる)
 裁判長 座ってなさい。
 (松本着席)
 松本 (尋問中の弁護人に向かって)地下鉄サリン事件と(尋問は)どういう関係があるのか。
 弁護人 関係ある。聞いていれば分かる。
 裁判長 やめなさい。
 弁護人 ボツリヌス菌の噴霧装置については最初どこに置こうとしたのか。
 井上 マスコミ。大きな新聞社のトイレに仕掛けられないかという話だった。
 弁護人 だれから。
 井上 松本と村井だ。
 弁護人 そこにあなたはいたのか。
 井上 お布施を持って行くと、村井と松本が話をしていて初めて指示された。村井が六法全書をもじった「六法煙書」を持っていた。煙が出て、その中のボツリヌストキシンをまきちらすものだ。
 弁護人 地下鉄の霞ヶ関駅に置くことになったのはなぜか。
 井上 結局「マスコミには置けない」と報告したから。
 弁護人 ボツリヌストキシンの量は。
 井上 はっきり分からないが、アタッシェケース三つしか作っていなかった。
 弁護人 松本に失敗の報告をしたのは。
 井上 三月十五日午後。やるだけやったので失敗したという印象はない。
 弁護人 捜査段階の調書では、村井とあなたが「都会にサリンをまけば強制捜査がなくなるんですかね」と言ったとなっている。
 井上 趣旨はその通り。
 松本 こういう展開は現実とは違う話で意味がない。わたしの部屋に帰りたい。
 裁判長 尋問中の不規則発言はいけない。
 松本 アーナンダ(井上の教団名)はなんでこんなことを言うんだろう。
 裁判長 やめなさい。退廷させますよ。
 松本 退廷ですか。それはありがたい。もともとサリンなどなかったのに、サリンの話が出てくるのか。
 裁判長 証人にしやべられて何か都合の悪いことが。
 弁護人 それは言い過ぎでは。
 松本 主任はもともと「この裁判は黙秘しろ。わたしたちが防御する」と言った。でも地下鉄事件の証人尋問なのに、関係のない別の証拠がどんどん提出されている。
 裁判長 静かに。警告する。
 松本 あなた方がやりたいことが何であるかはっきりすれば、わたしは愛する者のために従う。こんなばかな裁判やってもしょうがない。
 裁判長 やめなさい。
 弁護人 法廷と捜査段階の供述ではどちらが正確か。
 井上 法廷だ。
 松本 なぜ、そんなうそがつけるのか。
 裁判長 静かに。
 松本 もともと裁判長はわたしの発言を聞きたいと…。
 裁判長 やめなさい。
 (弁護人が反対尋問を続行しようとするが)
 松本 愛する者のために…。
 裁判長 退廷を。
 (午後一時五十七分、職員に抱えられ松本退廷)
 弁護人「村井、おまえが総指揮でやれ」とは何をさすか。
 井上 地下鉄にサリンをまくこと。
 弁護人 まくことは決まっていなかったのか。
 井上 車中では最終的には決定していない。
 弁護人 地下鉄にサリンをまくという話は車に乗ってどれくらいで出たか。
 井上 最後の方ではなかった。
 弁護人 あなた自身が「サリンがある。これを警視庁に使ったらどうか」と言ったのでは。
 井上 その可能性はある。
 弁護人 村井から爆弾と火炎瓶攻撃の自作自演の指示を受けたのか。
 井上 はい。
 弁護人 地下鉄サリン事件とレーザーを積んだトラックとは関係あるか。
 井上 (レーザートラックは)四d車にレーザーを積み、発射するというものだ。松本がそれで警察官の目をつぶせないかということで横浜で神奈川県警を調査した。
 弁護人 一種の武器か。
 井上 一回も照射していないので効果は分からない。
 弁護人 林泰男と一緒にサリンをまきに行ったことは。
 井上 ない、ない。
 弁護人 サリンをまくという指示は林泰男から聞いたか。
 井上 はい。
 弁護人 地下鉄とは。
 井上 断言できない。
 弁護人 あなたはまく予定ではなかったのか。
 井上 違う。
 弁護人 地下鉄サリン事件で松本の部屋に行ったという話はどうして捜査段階で言わなかったのか。
 井上 昨年六月の時点では自分の弁護士からも黙秘しろと言われていた。しかし被害者の調書を見せられて葛藤(かっとう)して、自分の役割は言ってもいいと思った。ただ松本氏のことについては隠そうとした。
 弁護人 軍隊を作ろうと言う考えがオウムにあったか。
 井上 そこまではないが、自衛隊員を増やしたいというのが当時あった。(京都新聞)
■「納付金に反対」JR3社表明 整備新幹線財源問題
 整備新幹線の未着工区間(1050`)の財源として、自民党の整備新幹線建設促進特別委員会(小里貞利委員長)が打ち出した「納付金利度」について、JR東日本の松田昌士社長は22日記者会見を開き、JR本州3社を代表して、強く反対する見解を表明した。
 新幹線整備のための財源を3社に強制的に拠出させる合理的理由がなく、当初納付金と同額の固定資産税が減免されたとしても、将来も減免されるとの保証がない、と批判している。
 さらに、@国鉄の財政破たんの主な原因が外部からの投資の押し付けにあり、その反省に基づいて行われた国鉄改革の趣旨に反するA今年度で期限の切れる固定資産税の減免という特例措置を延長することは、JR3社の完全民営化の障害にもなる、としている。(朝日新聞)
24日■鎌倉市 車置き電車乗って 観光客に切符配布 渋滞解消に秘策
 湘南海岸や鶴岡八幡宮など観光名所で知られる神奈川県鎌倉市で、休日の慢性的な渋滞を解消しようと、観光客の乗用車を同市七里ガ浜の駐車場に止めてもらい、代わりに電車の一日フリー切符を渡す「パーク&レールライド」の実験が22日、始まった。
 実験は、渋滞がひどい同市中心部への流入車両を減らすため鎌倉市が建設省の支援を受けて実施。観光客の乗用車を国道134号沿いにある4ヵ所の駐車場(計450台収容可能)に誘導し、車を置いて最寄りの江ノ島電鉄七里ケ浜駅から市内観光をしてもらう。
 駐車場の利用時間は午前9時から午後6時。駐車料金として1台1000円を徴収するが、代わりに乗り降り自由な同電鉄の一日フリー切符が人数分配布される。
 初もうでや夏のピーク時には鎌倉市の中心部から湘南海岸一帯が大渋滞となることから、同市は「渋滞解消に少しでも効果があれば」と期待している。(京都新聞)
■列車にはねられ? 茨木の男性死亡 JR山科駅
 23日午前7時ごろ、京都市山科区安朱北屋敷町のJR山科駅で、下り線の線路とホームの間に、男性が倒れているのを乗客が見つけ、駅員が110番通報した。山科署の調べで、茨木市春日の会社員長内正雄さん(39)と分かったが、頭を強く打ち死亡していた。
 同署によると、長内さんは山科区内にある会社の同僚と同区内で飲食後、22日午後11時半ごろ、1人で駅に向かったといい、何らかの原因でホームから落ちて列車にはねられたとみて、該当列車の特定を急ぐなどして調べている。(京都新聞)
■窓 女子トイレにもっと配慮を 園部町・馬場 忠孝(会社員・55)
 過日、JR南草津駅構内のトイレを利用したときに感じたことがある。それは、女性用トイレの便器(ブース)の数は、男性用に比べて少ないのではないかということである。ここでは、男性用は小便器4個と大便ブース2室があり、女性用はブース3室だけである。床面積も女性分は、男性分の3分の2程度である。
 ある調査によると、排尿時の便器の占有時間は女性は、男性の2.3倍だそうであるので、トイレが混雑しているときは「大は小を兼ねる」ことを考慮すると、女性用トイレの順番待ち時間は、男性用の5倍程度になる。他の公衆用トイレの状況も似たようなものではないかと思う。その証拠に映画館の封切り日や、イベント行事の仮設トイレなどの女性用トイレでは、いつも長い順番待ちの列ができる。
 そこで、提案であるが、公衆用トイレなどを新設したり、改築したりする際には、便器の男女比をもっと女性に配慮したものにしたらどうだろうか。カップルで行動するときに、連れである妻や彼女が、トイレの順番待ちでつらい思いをすることは、男性側にとっても本意ではあるまい。(京都新聞)
■男性が電車にひかれ?死亡 JR山科駅
 23日午前6時55分ごろ、山科区安朱北屋敷町のJR東海道線山科駅で、線路上に男性が倒れているのを乗客が見つけた。同駅職員がかけつけたところ、男性は左頭部などを強く打って死亡していた。
 山科署の調べでは、この男性は大阪府茨木市春日、会社員長内正雄さん(39)。電車が長内さんに気付かず通過したらしい。長内さんは22日夜、会社の同僚と居酒屋などに行き、午後11時半ごろ1人で山科駅に向かったという。同署は長内さんがホームから転落し、電車にひかれたものとみて調べている。(朝日新聞)
25日■特急と回送列車が接触 長野駅構内、4人けが
 24日午後5時5分ごろ、長野市のJR信越線長野駅構内で、長野発上野行き上り臨時特急あさま88号(9両)が待避線から出ようとした回送列車と接触した。
 長野中央署によると、特急には乗客二百数十人が乗っており、うち4人が前の座席に手や足をぶつけ、軽い打撲などを負った。
 同署の調べでは、現場は特急が信越線の本線に入るためホームを出て、約100b走った地点。午後5時18分発の長野発上野行き上り特急あさま32号となる回送列車の先頭部が待避線からはみ出し、あさま88号の後部4両の左側面に接触した。
 JR東日本長野支社によると、特急の出発信号は青で、回送列車が出発列車の通過まで停止しなければならない待避線の信号は赤だった。また電気系統など信号システムには異常はなかった。
 JR信越線は下り線が約1時間半、上り線は約2時間にわたり運転を中止。特急など4本が運休、後続の列車に影響が出た。(京都新聞)
■貨物列車ただ乗り高校生7人を補導
 滋賀県大津市晴嵐一丁目のJR東海道線石山駅付近で、23日午後11時半ごろ、播州赤穂発米原行き快速列車の運転士が、並行して走っていた大阪ターミナル発東京ターミナル行き貨物列車(24両編成)の5、6両目の荷台に男性数人が乗っているのを見つけ、JR西日本指令室に連絡した。
 貨物列車は直後に、草津市渋川一丁目の草津駅に臨時停車。駅員と連絡を受けた県警鉄道警察隊員が駆けつけると、列車から少年数人が走り去った。県警機動捜査隊が24日午前3時半ごろ、ひと駅隣の同市野路町、南草津駅周辺で少年7人を発見。職務質問したところ、貨物列車に乗っていたことを認めたため補導した。
 草津署などの調べによると、7人は大阪府摂津市などに住む同じ府立高校の2年生。23日午後10時ごろ、同市安威川南町の大阪貨物ターミナル駅から午後10時10分発の同列車の屋根のないコンテナ車両に乗り込んだらしい。「あてはなかったが、遠くに行って写真を撮ろうと思った」などと話していたという。(朝日新聞)
■さよなら讃岐丸 瀬戸内海から引退
 本州と四国を結んだ宇野−高松航路の連絡船で、瀬戸大橋開通後は観光船となった讃岐丸(3087d)が24日、高松港から瀬戸大橋周辺を巡る航海を最後に、22年間続けてきた瀬戸内海での仕事にピリオドを打った。
 讃岐丸は1974年7月に就航し、瀬戸大橋開通で宇高航路が廃止された88年4月までに約2000万人を運んだ。JR四国は4隻あった連絡船を次々売却したが、讃岐丸は観光船として残した。
 しかし、毎年約2億円にのぼる赤字に耐えかねて手放すことを決め、2ヵ月前から瀬戸内海の各港で「さよならキャンペーン 想(おも)い出航海」をしてきた。
 讃岐丸の第二の人生はまだ決まっていない。(朝日新聞)
■列車がゴロン
 米ニュージャージー州で23日早朝、ワシントンからボストンに向かう列車が橋を渡ったところで脱線転覆、機関車など数両が沼地に転がり落ちた=ロイター。脱線した際、反対側の線路にいた列車にも衝突したが、幸い死者ははく、約30人がけがをした(朝日新聞)
26日■長池駅スタジアム公園線 都市計画道路に JR木津駅前を区画整理 府都計審が23件可決
 京都府都市計画審議会(会長・天野光三京都大名誉教授)が25日開かれ、城陽市のJR長池駅と木津川右岸スタジアム公園を結ぶ市道を都市計画道路に指定するなど23案件を可決した。
 都市計画道路に指定された城陽市の「長池駅スタジアム公園線」(延長350b)は、スタジアム整備に伴い、大勢の観客のスムーズな移動を図るため、市道を拡幅し、両側にそれぞれ幅10bと3.5bの歩道を設置する。
 同線と交差する都市計画道路「東城陽線」には右折レーンを設け、通行車両が円滑に流れるようにする。
 また、関西文化学術研究都市の整備が進む木津町のJR木津駅前の区画整理を進めるほか、周辺の国道別号など4路線で道路拡幅などの改良を行う。
 さらに、地下鉄烏丸線の国際会館駅開業(来年7月)に合わせ、国際会館駅前交通広場(4200平方b)を整備し、同駅地下に駐輪場(3000台収容)を設置する。
 このほか、田辺町の近鉄三山木駅周辺の特定区画整理事業で、地元地権者33人から「減歩に納得できない」などとして提出されていた意見書については、不採択とした。(京都新聞)
■東海道区間で来月試験走行 JR西の新型新幹線
 JR東海とJR西日本は25日、新型新幹線500系の走行試験を来月2日深夜から24日にかけて、東海道新幹線区間(東京−新大阪)で行うと発表した。来月13日未明には初めて東京駅に乗り入れる予定。
 JR西日本の500系は今年2月から、山陽新幹線区間(新大阪−博多)で走行試験を繰り返しており、来月からの試験は東海道新幹線区間での運行に向け、地上設備とのシステムの整合性、騒音などをチェックするのが目的。
 山陽新幹線区間で、来年3月に世界最高速のフランスのTGVと並ぶ最高時速300`での営業運転開始を目指し、JR東海と調整がつけば秋にも東海道新幹線区間に乗り入れる。
 東海道新幹線区間ではJR東海が最高速度を「のぞみ」の時速270`に設定しているため、試験走行で300`の運転は行わない見通し。(京都新聞)
■JR西日本は年末年始に臨時列車753本
 年末年始の混雑期(12月26日−来年1月5日)のJRの指定席券が、26日午前10時から全国の「みどりの窓口」などで一斉に発売される。
 JR西日本は、同期間中に山陽新幹線264本、在来線489本の臨時列車を設定。期間中に前年より8万人多い 307万人の利用を見込み、帰省のピークは12月28−30日、Uターンのピークは来年1月5日と予想している。(京都新聞)
■第5次京都21会議公開シンポ 京の都市環境と未来像 市民交え活発に討議
パネリスト
 清水泰博氏(きよみず やすひろ)環境建築家 京都21会議委員
 平井義久氏(ひらい よしひさ)京都商工会議所まちづくり問題特別委員会委員長
 宇土純子氏(うど すみこ)京都芸術短大ランドスケープ デザインコース専任講師
 小山選一氏(おやま せんいち)京都市都市計画局長
コーディネーター
 佐和隆光氏(さわ たかみつ)京都大経済研究所所長 京都21会議座長
・思い切った実験を 清水さん 伝統作業を見せる 平井さん 「まちの成長」育む 宇戸さん
 京都活性化の道を採ろうと、4月から論議を展開している「第五次京都21会議」(京都新聞社主催、座長・佐和隆光京都大経済研究所所長)の公開シンポジウムがこのほど、京都市中京区の京都新聞文化ホールで開かれた。テーマは「京都の都市環境を考える−まちづくりの進むべき方向を探る」。佐和座長をコーディネーターに、4人のパネリストがそれぞれ持論を披露。「御池通を京のシンボルロードに」「今出川通に電車を走らせて京の東西を結び、観光開発と交通緩和を」など具体的な提言も出され、市民も交えて京都の未来像について活発な討議を繰り広げた。
・嵐電と叡電をジョイント 平井義久さん
 21世紀の京のまちづくりは、地場産業の振興と経済への波及効果の大きい観光が一番大切な問題だ。
 伝統産業、近代産業、先端産業を一括した地場産業の推進が必要。仕事と暮らしが調和できるまちづくりでなければならない。職住近接による、まちの賑(にぎ)わいが大切だ。まちの中で仕事をし、観光客にも見てもらう。残っている町家を利用し、この職住近接したまちを歩いて見て回る観光ルートも考える必要がある。
 交通問題も重要だ。かつて京都市は「マイカー拒否宣言」をした。客に車で来るなというのは非常に失礼だ。ただ住民が車で迷惑することも確かで、そのあたりが知恵比べだ。パーク・アンド・ライドを活用、京都市内の三山の麓(ふもと)の旧市電ルートに、循環バスを走らせることはできないか。
 嵐電と叡電の接続は考えられないか。出町と白梅町でストップしている。これを今出川通でジョイントすれば、大原、三千院、乾馬寺から嵐山、渡月橋まで、全部電車で行けることになる。その沿線には観光名所が枚挙にいとまがないほどある。現在は、みんな車で行っている。電車やバスがジョイントして乗りやすくなれば、観光サービスができ、京都市民も交通渋滞から逃れられる。私鉄延長を3`ぐらい考えてもらえれば、21世紀の京都観光はゆっくり見てもらえ、昔の京都らしさも出てくる。
 御池通を京都のシンボルロードとして、21世紀の中心的な道路としなくてはならない。パリのシャンゼリゼ通のようにできないか。御池通は二条城と鴨川を結んでおり、途中にある京都市役所は移転させ、そこに伝統的なもの、ハイテクのもの、歴史的文化ゾーンの殿堂的なものをつくればいい。シャンゼリゼには有名ブランドの店が多いが、御池通などに国内外から有名ブランドを誘致する。京都産業の実演で、京の文化にふれてもらい、御池界隈(かいわい)が賑わうようにすべきだ。
・御池通をシンボル道路に 溝水泰博さん
 京都というまちは日本の中でも非常に特殊で、もっと個性を打ち出してもいいと思う。室町も祇園も五条坂もみんな性格が違い、小さなものが集まってできている。都市の中にローカリティーがたくさんある。
 公共空間というのは、道路や河川や公園であったりというもので、そのようなものが都市の骨格であり、それが魅力をもっている都市は住みやすい。今は建築物が主で、残ったところが道になっているような錯覚がある。オープンスペースが魅力をもつことで、都市は長生きしていける。
 京都のシンボルロードになる御池通に、たくさん木を植えたい。京都市の計画案では、街路樹は一列だけだが、京都の環境を考えた場合、もっと日影をつくるべきだ。水を加え、空間彫刻作品を置く。京都の文化の庭園、石庭などは空間彫刻といえるもので、普通のモノ的な彫刻ではなく、空間彫刻といえるものを道路にはめ込んでいくような形でつくる。木を植えることは、防火効果もある。
 京都の本当の魅力は、都心に人が住んでいることではないのか。都心に人が住むための道路も考えてみた。現状道路網は碁盤目状で、一方通行が交互にある。これで本当にいいのか。二重道路網を考え、歩行者や自転車専用の道とし、車が通る道を半分に減らす。居住に適した空間になる。交差点の辻々(つじつじ)に広場を設けて、辻々に駐車スペースを置く。車止めを設置し、ここの街区に住んでいる人は入っても構わないとする。要は、通過交通が入ってくるのを防ぐことだ。さらに辻広場の地下には防火水槽をもってくる。200bおきぐらいにこういう施設ができる。神戸の震災でわかったが、大災害が起きると消防車は来ようにも現実には来られない。集中コントロールで災害に対応するのは無理で、区域、区域で少なくとも、初期消火ができるような施設がいるが、そういうスペースになる。地上部は公園化する。
・環境は五感で感じるもの 佐和隆光さん
 環境、特に地球環境という言葉が最近は頻繁に登場しているが、都市環境という言葉は、それほど耳慣れていないと思う。
 日本で環境問題が問われ始めたのは1960年代末。68年、日本のGNPがイギリスと西ドイツを追い抜き、アメリカに次ぐ世界第2位になった。戦後われわれ日本人、日本の企業も日本の政府も、欧米諸国に追いつけ追い越せで頑張っていた。68年(昭和43年)というと戦後23年を経て、日本は追いつけ追い越せの目標をひとまず達成。ところが、昭和43、4年ごろは京都もそうだが、東京や大阪では大気は汚染し、川は魚も住めないほど水質が汚濁していた。そういう状況が経済成長の影で見えなかった。
 それが一段落ということで、環境の汚染に気がついた。当時、特に都市公害、産業公害はおびただしかったが、こういった都市公害、産業公害は、一応個々人や企業も努力して、それなりに克服してきた。当時は公害イコール環境問題と思っていたが、実は環境問題というのはもっと広い概念で、公害だけが環境汚染、環境破壊の元凶なのではなく、環境とは結局われわれ人間、個々人が五感で感じるものに他ならない。
 例えば京都での景観問題だが、景観問題も環境問題の一つであることはいうまでもない。したがって本日は、パリストの方々には、いい都市環境とはいったい何なのかを論じてほしい。地球環境問題を論じるときに、「シンク・グローバリー、アクト・ローカリー」という言い方をする。つまり地球的な規模で物事、環境問題を考えよう、しかし、地球環境をどうするかという問題に取り組み、行動しようとするときは、実はローカリー、身の回りのことをきちんとやろう、自分の住むまちをきれいにしよう、その環境をよくすることが、地球のためにもなるということなのだ。
・市民と進める身近な計画 小山選−さん
 行政マンの立場から、何かをやる場合の行政機構や制度上の問題を。
 事業化は都市計画決定という手続きを経る。ここ5〜6年、京都市の土地利用の問題、周辺の三山の保全の問題、いろいろな景観問題などについて制度を全面的に改正、創設したが、それを都市計画決定する際、縦覧とか市民に知らせて意見を問う機会をつくった。市民の関心は非常に低かった。都市計画が市民自らのものになっていない。そういう意味でワークショップを活用していきたい。市民に身近な計画等については、関係する市民と一緒に考えていく立場を広げていく必要がある。
 京都の特性を生かしたまちづくりは当然だが、これを進めるために何か問題はないのか。全国どこへ行っても、同じようなまちばかりといわれるが、都市計画とか建築は、国の法律によって、その範囲内でしかできないという仕組みになっている。技術的基準や手続きは法律で決められており、同じ運用、同じメニューを食べていれば、同じまちになっていくという、これも当然のことだ。地方分権が叫ばれている昨今、それを実のあるものとしていくためには、法律そのものを仕組みから変えていく必要がある。特色を出すため、地域の人々と地域の行政が一体となって、やりたいことをやれるような枠組みにしてほしいと議論をしている。地方分権や権限委譲など、単に権限を移すだけではなく、地方の特色が出せるような法律の枠組みにというのが、切なる願いだ。
 都市環境ということでは、環境という言葉を使うときには、いまや地球環境を前提に考えないといけない。来年12月、COP3という、国連主催の全世界の環境問題に関する国際会議が京都で開かれる。マスコミとかNGO団体、その他も含め、約5000人ぐらいの国際会議になるだろう。環境を考える京都のこれからのまちづくりを進めるうえで非常に大きな契機となりうるのではないか。
・庭園文化の価値生かそう 宇戸純子さん
 京都はガーデンシティ、庭園文化都市を目指すべきだ。人口150万人もの都市で、水や緑、鳥などの自然や生き物の存在を身近に実感する。このような環境は、点在する小公園、京都御苑や糺ノ森、植物園や鴨川、宮内庁の陵墓、二条城や修学院離宮などの庭園や社寺の境内地、双ヶ岡や船岡山、吉田山などの緑地と、三山の存在によって生み出されている。
 京都の自然環境を支えているのは公共の緑よりも、民有の緑である庭園とか社寺の境内地であり、三山だということを認識し、それら数多くの庭園や社寺境内地などの緑や水、生き物の実態というものを把握し、それらが何によって、だれによって、どのような仕組みで育まれているのか、評価しておくべきだ。こうした都市特性から、庭園に内在する多様な価値観、例えば芸術的、文化財的、歴史的、観光的、環境的な価値観を京都の都市づくりに投影できないか。
 南禅寺の周辺の道路沿いには、きれいな水の小さな水路がある。その水は琵琶湖疏水から引きこまれ、この界隈の庭園の水として使われている。寺院や私的な別荘の庭園の滝や流れ、池などに使用された後、下流部の庭園で、二次、三次利用されている。今夏にこれらの庭園の水系ごとに、取水口と中の池で水質調査を行ったが、庭園を通過することで、わずかだがきれいになっていた。京都の水環境に、寺院や別荘の庭園が役割を果たしている。
 最近、環境用水という言葉が出てきた。阪神大震災後の調査で、生活用水の確保は切実な問題だった。建設省は阪神大疏水構想を発表。平常時は地域の環境向上のために修景的に使い、緊急時には、生活用水や防火用水として使う、そのような水路、水がますます求められる。が、このような水の流れを、ただつくればいいわけではなく、どのように維持、管理するか、地域にどのようになじませていくかが非常に大切だ。
 佐和 清水さんの提案は素晴らしいアイデアだ。御池通に二重の並木をつくるとか、あるいは京都のまち中を車の通れる道と通れない道と交互の網の目にして、そして各交差点のところに広場をつくるとか。ただ、これは本当に実現可能なのか。実現するためにはどういう障害があるのか、その障害を乗り越えられるのかについて聞きたい。
 清水 実験をしてみることはできる。歩行者専用道を設定し、ある程度やってみて、効果がどうか、どういううことが起こるのかを調べるのは、今のままでもできる。今の都市計画のやり方だと、完全に決まったものでないと実現できない。そういう考え方をしている限りは、思い切ったことは一つもできない。
 御池通の方は、今の計画案では別に京都でなくてもいいものが、できていっているのではないかという印象を受ける。
 佐和 平井さんは、地場産業の振興と観光の両立をいわれたが、地場産業の振興のためには、何をすればいいのか。
 平井 伝統産業はまだたくさん、まちの中で生業としてやっている。家の奥の方でものをつくっている。その作業を道路の方に出して、観光客らに見せる。京都の産業を、まず全国の人たちや海外の人に知らせることが先決問題だ。
 商工会議所で食文化プラザの構想を発案した一人だが、京都の産業といえば、どうしても室町、西陣の繊維関係が主。プロジェクトチームがつくられ計画段階だが、食文化の殿堂をこのまちのなかのどこか、小学校の跡地とかを利用してつくり、そこを発信基地にしてアピールする。
 食が売れると食材が売れる。農産物にも影響してきて、京野菜なども振興していくだろう。器にも関連してくる。清水焼とか京漆器とか、客は体験と同時に味わいもする。京料理、京菓子、全国の食の最たるものはすべて京都にありながら、その殿堂がないことは、大変残念だ。
 佐和 宇戸さんの提案した庭園都市だが、庭園都市ときくと、きれいな庭園があちこちにあるような都市のことかと思ったが、「庭園に内在する価値観を投影したまちづくり」と定義した。これを、やさしく解説してほしい。
 宇戸 造園の分野で、植物を使わない庭もあるが、ほとんどは植物など生き物がベースにある。庭園をつくる段階で、工事が終了しても、庭は完成ではない。生き物は成長していく。それを育(はぐく)む力、行動が必要になってくる。京都のまちで、池やホテル、道をつくる、そういうつくるという行為のあと、そこからどのように育んでいくかという、育む思想だ。
 佐和 疏水の水を寺とか別荘の庭に引き込み、庭の中を流すと、入り口と出口の水を比べると、出口の水の方がきれいになっているといわれたが。
 宇戸 流れるということと、池というのが非常に重要な役割を果たしている。流水は滝によって酸素を供給されるという効果もあるが、流れて池で溜(た)まり沈澱(でん)して、上澄みが次に流れていく。庭園の管理者はそこで泥をさらう。そうやって、人が自然に積極的に働きかけることによって維持されている。自然という定義も難しいが、野性的な、原生的な自然よりも、人がつくった、そういう自然という意味で、人とのかかわりとの重要性を感じる。
 佐和 今世の中は規制緩和の時代だといわれるが、規制は緩和すれば世の中はよくなるとは限らない。緩和すべき規制も山ほどあるのと同時に、残すべき規制、より強化すべき規制はあると思う。建物を建てる際、京都は非常に規制がきつい。それで京都は京都らしいまちをつくっていこうとしているようだが。
 小山 行政マンとしてはいいにくいが、同感だ。京都の特性を生かすためには規制が必要だ。
 佐和 地球環境問題、地球温暖化問題とは何なのかというと、二酸化炭素の空気中の濃度が高まると、大気が熱を逃がさなくなり、地球が温暖化するといわれている。二酸化炭素だけではなく、メタンもフロンも地球温暖化効果がある。われわれは自動車に乗るたび、電気をつけるたびに、間接的には二酸化炭素を排出している。
 この二酸化炭素の排出量を2000年以降、特に2005、2010年という時点で、90年レベルの10%削減するという、国際約束というものが先進諸国に課せられる可能性がきわめて高い。「気候変動枠組条約第三回締約国会議(COP3)」が京都で開かれるが、そこでそういう国際約束がなされる可能性がある。そのためには、何をすればいいかを、後半の一つのテーマにしたい。
 一番効き目があり手っ取り早いのは、自動車を減らすことだ。減らすには自動車を不便にすることだ。アムステルダムでは、自動車を全部まちの中に入れない。まちの中は全部自転車だということまで真剣に考えている。ドイツのあるまちは、28年ぶりに市電を復活させた。それほどヨーロッパの人々は環境保全に対して大変熱心だ。
 日本では、本気になって自らが二酸化炭素の排出量を減らすことに、力を尽くす人はなかなかいない。
 清水さんの提案のように、碁盤目状の道路の一つおきに自動車の通れない道をつくったらどうか。自動車を不便にする一つのやり方だ。平井さんからはバスとか電車、公共的な交通機関をもっと発達させて、自動車を減らそうではないかとの提案があった。
 来年12月のCOP3では、二酸化炭素の削減目標が定められる。達成するのは並大抵のことではないが、日常生活で自動車に乗る機会を極力減らすことが一番効果がある。電気の節約も効果がある。
 われわれのライフスタイル自体、あるいは都市空間というもののあり方自体を変えることによって、思いきってつくり変えることで、来年京都で決定される国際規約に、日本がその約束を守ることができるようにすることを、私はこのシンポジウムの参加者にお願いしたい。京都はそういった面で、先進的な都市になる必要がある。
・観光に自動車不要 清水さん 循環バス走らせよ 平井さん 忘れたもの大きい 小山さん 豊かさの質が必要 佐和さん
 佐和 自動車を極力減らす必要があるということは、この4人は異論はないと思う。市民や観光客に無理強いしてはだめなので、無理なく自動車を減らす何かいい提案がないか。
 溝水 外から入ってくる人には無理を強いていいと思う。京都に観光に来るならそれぐらいの覚悟がいると。上高地は通年の規制だ。まったく車は入れない。駐車場からバスに乗り換えていく。荷物をたくさん持たねばならず、大変だと思っていたが、全然違う。車がないことがこれほど快適なことなのかと、別天地のような印象を受けた。
 平井 21世紀の京都のまちづくりは観光客の迎接が第一であると思うので、京都に観光に来るなら少々辛抱して来いということは、客に対し失礼だと思う。
 観光客に京都に来てもらってこそ、京都の産業は活性化する。パーク・アンド・ライド方式は言い古されたが、再度考える必要がある。だれが乗ってもわかりやすいバスを走らせ、バスで京都を循環してもらう。できれば東西南北にうまく行く簡単なバスの運行、そして乗り換え自由ということにすれば、市民もバスを利用すると思う。
 観光客は市内にはほとんど入ってこず、周辺で固まっている。東山通、嵐山行きの西大路界隈、堀川通の南の方とか、三山の麓と幹線道路が土・日曜・祭日に固まっているというのが実情だ。出町柳や白梅町、四条大宮からうまく次をジョイントすれば、嵐山界隈の土・日曜・祭日の交通混雑、大原街道の大渋滞はすべて解決する。
 宇戸 私たちのライフスタイル、仕事であるかと、その他のいろいろなことが非常に忙しすぎる、時間に追われる。私自身の体験からも、単に車の使い方を変えると覚悟を決めても、周りがそうさせないというところに追い込まれることもある。例えば物流のことでも、私の父は郵便関係の仕事だったが、郵便物の輸送に鉄道ではなくてトラックを使うことに変更したといっていた。そういう荷物の輸送が、鉄道からトラック輸送に変わるということもあるし、人々が北海道の珍味がほしいとか、遠いところの農産物とか加工品やいろいろな品物を得たいという欲望もある。そういうこととも関連しており、非常に根の深い問題だ。
 佐和 今鉄道とトラックの話があったが、かつて荷物を送るときは近所の最寄りの昔の国鉄の駅まで持っていって、そこから鉄道小荷物とか、手荷物で送っていた。70年代の半ばごろから宅配便が猛烈な勢いで普及しはじめた。ところが同じ重さ、仮に1`の荷物を移動させるのに必要なエネルギーは、トラックと鉄道を比べると、15倍もトラックのほうがエネルギーを消費する。宅配便というのは軽油のエネルギーを多消費して、さらに二酸化炭素も大量に出している。
 ついでにいうと人間1人が1`移動するのに必要なエネルギーを自家用自動車と電車で比較すると、10倍の差がある。自家用自動車で移動するときには、鉄道で移動するのと比べると10倍もエネルギーを消費するということなのだ。
 小山 無理なくというが非常に無理な話だと思う。例えばパーク・アンド・ライド、理論的には非常に効果的だが、嵐山でシミュレーンョンをした結果、効果が出にくいという結論が出た。局部的な地域対策、その都市のそれを必要とする場所が限定されていれば、パーク・アンド・ライドは効果的だが、それが複数、回遊性のある地域ということになると非常に難しい。京都市のように使い方も複合的、行く場所もかなり散在しているという状況からは、パーク・アンド・ライドを効果的にするのは技術的に難しい。続けて研究してはいるが、現時点では非常に実施困難だ。
 佐和 自動車というのは麻薬のようなところがある。いったん常用すると、なかなかやめられない。その結果、二酸化炭素の排出で、世界の二酸化炭素の排出量のうち、アジアの排出量は約25%だが、アメリカは一国で世界の25%の二酸化炭素を出している。アジア全部で30億人、アメリカは人口2億人だ。その2億のアメリカ人が人口が15倍のアジア全体と同じだけの二酸化炭素を排出しているというのは、恐るべき数字だ。
 最後に京都の都市環境についてそれぞれの結論、あるいは結びを。
 満水「京都21会議」のメンバーの一人、京都市立芸術大学の中川さんが「環境は感性の産物である」といった。いい環境はつくろうと思っても、できないのではないかという気がするが、極端にいってしまえば、人間が鈍感になってきているせいではないか。汚いと思わなくなってきている。雑音だと思わなくなってきている。それが産業化、都市化ということで進んできたのだろうと。
 感性に訴えかけるようなものをつくっていく、日本人はもともと感性をもっていたと思うので、そういうことを呼び戻すようなデザインを街中にいくつもつくっていく。それを見ることによって少しずつ直っていくのではないか。そういう心の部分、個人のところから直していかない限りはだめなのではないか。
 平井 都市環境を考える上で、職住同一、仕事をするところと住むところは同じが一番いいのではないか。交通問題も、同一に住んでいれば通うこともないし、いろいろ面が解決できる。それと生業をきちんと知らせることのできるまち。仕事がきちんと客や市民に理解してもらえるまちづくり。職住同一であり、京の町家を活用しながら、京都らしさをつくっていく。それが京都の都市環境ではないかと思っている。
 宇戸 京都の都市環境を「育む」というキーワードで考えたい。人生の先輩である高年齢者に、その知恵とかをもっと若い世代の人たちに伝えていってほしいと思う。私たちの世代は子育てなどでも、高年齢者の方の知恵というものを非常に求めている。
 もう一つは子どもの環境。感性を育むという意味において、子どもの環境にとって、京都はどうなのか、そのあたりを考えてほしい。学校の建築なども含めて、行政には子どもを本当に育んでいけるまちなのかということを、改めて考え直していってほしい。
 小山 これからの時代は、人間革命の時代ではないかと思う。工業革命、産業革命などによっていろいろな物理的な生産性、経済性が発展してきたが、それに溺(おぼ)れすぎたきらいがある。日本は特に戦後50年の間に、非常な勢いでいろいろなことを成し遂げてきた。その間に、忘れ去ったものがあまりにも大きいのではないか。
 別に昔に返ればいいという意味ではなく、それがつくられたものの使い方を考える時代ではないだろうかと思う。自動車しかり、家具その他の材料も、もう少し大事に使えば、国民総生産は若干減るだろうが、豊かな生活が可能になってくると思う。
 佐和 最後に私から一言コメントを。本日の話題になった自動車だが、専門の経済学の立場から一言。自動車というのが一家に1台普及した。それで日本経済は非常に成長した。いま携帯電話が普及している。携帯電話が一家に1台になったら、経済は飛躍的に成長するかというと、そうでもない。NTTをはじめとする電気通信の会社が儲(もう)かるという意味で、経済はそれなりに成長はするが、自動車の一家に1台というのは、これはすさまじい経済に対する影響力をもった。いろいろな材料を使い、関連産業が幅広い。部品メーカーからガラスの会社、プラスチックの会社などたくさんある。
 自動車がどんどん売れれば経済全体は盛り上がる。ガソリンも売れるということで、さらに経済は成長する。今日のいわゆる先進国の経済が成長するには、自動車生産が一番手っ取り早かった。日本もその道を歩むことで、経済的な成功を納めたわけだ。それが今、環境問題ということで自動車をどうするかということが、日本のみならず世界で問われている。世界で環境意識のレベルの高い国は、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーの北欧三国、それからデンマーク、オランダ。この北西ヨーロッパの5つの国に共通していえることは、有名な歴史家のポール・ケネディによると、一つは環境問題について、十分考えるに足るだけ豊かであること。今いった5つの国は、一人当たりのGNPが日本ほどではなくても十分高い。豊かでないと環境のことを考えろといっても無理だ。もう一つは、環境問題に対して、きちんと発言することのできる中産階級がいること。
 日本は一人当たりのGNPは今や世界一で、世界一豊かな国だ。教育水準もきわめて高いはずだ。ところが環境問題に対しては、日本人は今日の都市環境の問題もそうなのだが、非常に不熱心、無関心な人も多い。二酸化炭素の排出量削減のために、政府が炭素税とか環境税という税金を導入しようとか、規制をしようとすると、産業界は大声をあげて反対をする。これはどういうことなのか。
 答えは要するに本当は豊かではないということだ。その意味で、これから国民の生活を、単に量的に豊かにするというのではなく、質的に豊かにし、本当の意味での教育の水準を高くするということが、必要ではないかということが私の結論だ。
 佐和 会場内からの質問に答える。まず、「全体の論議が、いわゆる洛中に限られたと思う。京都南部(京都駅以南)についてどのようなまちづくりを考えているか」という質問に。
 溝水 これからの都市の中心機能を、南へもっていくということだろう。洛中が住める環境でなくなってきているのは、北にばかり集まっているからで、オフィス機能などをもっと南に出し、北に集まらないようにするべきだろう。ただ、都市はオフィス機能だけが集まるのは、非常に不健全だ。住宅もあるべきだが、住宅だけを移すのでは、北はそのままになってしまう。オフィス機能を優先的にもっていくべきだろう。
 平井 洛中の賑(にぎ)わいがなければ、南部の開発や新しいまちづくりもなくなるということだ。市役所移転の話をしたが、京都駅の南側の方に、市役所と府庁と会議所の三つが一体になった大きなものが必要ではないか。南にトリプルビルのようにできれば、活性化もして、いいまちづくりが可能だろう。
 宇戸 京都のまち、特に京都駅を中心とする南部の方は、都市化した結果の矛盾が集積しているのではないか。道路ひとつとっても、名神高速道路や国道1号線があり、いろいろな物流の機能が最優先され、環境を考えた場合、非常にしわ寄せがいっている。
 南には鳥羽離宮跡とか、たくさんの遺跡もある。城南宮を中心としたあたりの雰囲気は、今でもいいものが残っている。歴史的な背景を踏まえる必要がある。
 佐和 小山さんに。「市役所移転に賛成、私は京都市南進論者だ。JR京都より南に環境を配慮した第二京都市をつくり、学研都市につなぐ都市づくりを考えているか」と。
 小山 いろいろな用途地域、その他も見直し、京都市の方針として保全、再生、創造のまちづくりを一つの方針として出した。
 創造の区域は南部ということだが、今整理しているのは、高度集積地区は現在の京阪国道と新たにつくられる油小路通、この周辺区域。南といっても、伏見の旧市街地というのは秀吉の築城以来の歴史性もあり、酒蔵などの貴重な建物も点在しており、保全対象に該当する部分もある。南部は創造の区域としながら、部分的にはモザイク模様のまちだ。モザイク模様は残しつつ、基本的には新しいものをつくりあげていく場所だと整理している。
 市役所自身が南進するかどうかは、まだ結論が出てないので、コメントは差し控える。文化機能とかアメニティのいろいろな快適空間が、公共的空間では極めて少ないのは衆知している。新しいビル、高層ビルが軒を連ねるだけが新しいまちではない。京都の特性を生かした新しい機能が集積するまちをつくっていくと同時に、周辺の歴史的な環境は、きちんと守っていくというスタンスがいる。
 佐和 清水さんに。「現在の自動車の交通量を減らすことなしに二重道路網や、平井氏案の今出川通に電車を通せば、他の道路での渋滞はさらに深刻になると思う。自家用車の大幅な通行規制を行い、原則として外部からの自家用車の市内乗り入れは禁止し、周辺部に大規模駐車場をつくり、そこからバス等で市の中心部に入るようにすればいい。市中心部には市電を復活させる。バスよりも早く確実で、環境にもやさしい公共交通機関だ」。
 満水 パーク・アンド・ライド方式で、車は駐車場に置き、そこから別の交通機関を使う。地下鉄が南にいっているのと東にいっているのとがあるが、あれなどをうまく結び付けられないか。南インターと東インターの近くに駐車場を設置し、地下鉄で都心部まで入り、そこからは自転車で行く。自転車での観光は、京都にふさわしい。
 理想的には地下鉄だ。地下鉄を少なくとも北大路、東大路、九条、西大路と、山手線のような、これがあることで、非常に変わってくるだろう。そのうえで、まちの真ん中へは自転車で行けるようにする。
 佐和 小山さんへ。「京都市内に高速道路が走り、その換気塔が3ヵ所もできると聞いている。京都にとって、市民にとって必要な道路なのか。都市環境はどうなるのか不安だ」。これは、堀川通の地下に高速道路をつくるという考えに対する懸念だろう。あの計画はまだ生きているか。
 小山 生きている。北山まではなく五条までだ。高速道路ということだが、専用道路という位置づけの方が強い。
 道路や自動車は公害を発生しない。乗ってスイッチを入れ、アクセルを踏む人が公害を発生させている。車の使い方を考える時代だといったのは、そういうことだ。そこのところを基本的に自分の問題として考えないと、この問題は絶対に解決しない。だが、車社会の現状を全面否定するつもりもない。物質の輸送、工業製品の輸送、大量の人々の輸送、長距離間の輸送能力は自動車と高速道路が必要だ。その意味では、道路の整備は必要だが、それを使うわれわれの心を改革しないとだめだ。少しの不便を耐え忍ぶというとおかしいが、不便を楽しむぐらいの心のゆとりをもつ社会をつくらないと、今の地球環境を含めた公害問題の基本的な解決はない。
 そういうことを基本におきながら、道路計画そのものも必要な道路もありうる。質問の高速道路は、神戸、奈良、名神高速道路との連絡、大量の輸送、長距離の輸送、物資の輸送等のために、京都が必要とする道路だと考えている。計画段階では五条から以北、北大路まで入れろという議論もあった。しかし、五条以北には入れないとストップした。しかも十条通〜五条通間は地下へ潜らせる。都市景観の問題などから、高架にしないということも、長年の折衝の経過からそういう形になっている。
 佐和 次は平井さんに。「御池通を観光道路に、という案はビジネスビル街のために無理だと思う。四条通や河原町通を徴底的な観光道路として、24時間眠らない東京の新宿のようなまちにしたほうが、より現実的ではないか」と。
 平井 シンボルロードといったつもりだ。伝統的な町家があって、近代的なビル街があってということでいいのではないか。歩く観光ルートとそれを結べば、観光客も京都市民も御池通へどんどん来てもらい、利用するということをいいたかった。ちょつと入れば高級ブランドの店、上がった細い道路、歩行者道路のようなところに伝統的な商品もまじえながら、町家のなかで何か楽しいショッピングができる店もある。そのように考えて現在の御池通を楽しくリニューアルすれば、まだ間に合うのではないか。
 佐和 これは宇戸さんと清水さん。「京都は学生のまちといわれ、人口の10分の1を学生が占めている。学生は日本全国各地から集まっており、京都こそ現代文化の交差点といっても言いすぎではないと思うが、そのような学生たちが京都の活性化に携わっていくとしたら、どのような役割を果たせるか」と。
 宇戸 大学のまち京都は、いろいろな分野の大学がある。ランドスケープデザイン、造園のような分野から、建築もあれば文化人類学のようなものまである。学生たちはまず京都のまちを歩いて、まちのよさをたくさん知ってほしい。
 他大学の学生と交流しながら、いろいろなまちを回る。京都だけではなく、京都近郊のまちを回って京都を知るといったことをやっている者もいる。体験を積み重ねていって、その中から各自の分野に得た蓄積を生かしている。
 満水 学生は入ってくるが、また出ていってしまう。しかし、京都のよさを知って地方に行き、今後の京都をどうするべきだという意見をいってくれる人になればいいかとも思う。
 学生時代に10年ぐらい東京にいたが、東京にいるときに一番京都を見ることができたという印象をもっている。外にいるとよく見える、まち自体がよく見えるのではないかと思う。
 佐和 小山さんに対する質問。「清水さんの御池通にあのような並木道をつくるという提案と、来年11月、地下鉄東西線開通後の御池通の整備とは関連しているか」と。
 小山 御池通はいずれ道路として作り直さないといけないが、その機会を利用して、御池通はどんな道路がいいのだろうかということで発想して、清水案とまではいかないが、緑溝い道、歩道空間の広い道というスタンスでいろいろと研究会等で案をつくっている。彫刻の話、アメニティ空間、歩行者が快適に通れる緑濃い道路ということで、そういうスタイルで計画をつくっているところだ。(京都新聞)
■地下鉄駅整備など承認 府都市計画審 W杯会場への道路も
 府都市計画地方審議会が25日開かれ、来年7月に延伸開業が予定されている京都市営地下鉄烏丸線の国際会館駅の整備や、2002年サッカーワールドカップ(W杯)会場に計画されている城陽市の京都スタジアム(仮称)と最寄りのJR長池駅を結ぶアクセス道路建設など、22議案が原案通り承認された。
 計画によると、国際会館駅にはバス、タクシーなどの乗降スペースとなる約4200平方bの駅前広場を設けるほか、地下1階に駐輪場を建設する。駐輪場は4300平方bで、約2500台の自転車と500台のミニバイクを収容する。
 また、JR長池駅前からのアクセス道路は延長約350b、幅員22.5b。市が事業主体となり、近く測量工事が始まる。
 なお、田辺町が計画している三山木地区の土地区画整理事業(総面積31f)について、減歩率などの条件に不満を持つ地元の地権者33人が提出していた意見書は、審議の末、不採択となり、事業が着手される見通しとなった。(朝日新聞)
■愛煙家、駅でも煙たがられ 禁煙車待つホームに喫煙コーナー 苦情相次ぎ移設・撤去 JR西日本
 「禁煙車両に乗ろうとホームで待っていたら、近くに喫煙コーナーがあって嫌な思いをした」−こんな苦情が相次いだため、JR西日本は駅のホームやコンコースにある喫煙コーナーを撤去したり、人通りの少ない片隅に移設したりし始めた。同社は一昨年3月から、全駅を終日禁煙にして喫煙コーナーを設ける「分煙」を実施している。ところが、禁煙車両の増加に伴って喫煙コーナーへの風当たりも強くなった。愛煙家は車内だけでなくホームでもますます肩身の狭い思いを強いられている。
 大阪市の天王寺駅では、先月末、特急「くろしお」の2号車が到着するホームにあった喫煙コーナーをホームの端に移した。2号車は3月から禁煙車両になり、利用者から苦情が寄せられたためだ。
 広島駅の新幹線ホームでも4月に、同様の理由で2ヵ所の喫煙コーナーを移設している。また大津市の膳所(ぜぜ)駅では、利用者の要望で、ホーム下の地下道にあった喫煙コーナーを1月に撤去した。
 JR西日本によると、喫煙コーナーの撤去や改善を求める苦情は去年4月からこの10月末までに66件寄せられた。車両の禁煙率が一昨年3月に45%だったのに対して現在は60%まで上がっており、喫煙コーナーのある場所に禁煙車両が到着するケースも増えている、という。
 このため、同社はこれまでに天王寺駅など5駅で喫煙コーナーの撤去や移設をした。さらに京橋駅や姫路駅など11駅でも今後、撤去、移設を検討している。同社運輸部は「愛煙家には我慢してもらうことななるが、たばこが周囲の迷惑になっているのも事実。喫煙コーナーが少なくなっても、ポイ捨てなどをしないようマナーを守ってほしい」と話している。(朝日新聞)
27日■三条京阪−御陵間の軌道敷 道路として整備へ 地下鉄東西線開業に伴い 98年度着工 京都市
 京都市は26日、来年11月の地下鉄東西線(二条−醍醐間)開業に伴い、三条通(府道四ノ宮四ツ塚線)の路面など地上軌道が撤去される京阪電鉄京津線の三条京阪−御陵間(3.85`)の軌道敷を、道路として整備することを明らかにした。このうち、同通と平行する蹴上−日ノ岡間(1.6`)は京阪から軌道敷を買収し、現在の3車線を4車線に拡幅する計画で、2002年度までに完成させる。
 この日開かれた市議会普通決算特別委員会で、山口幸秀市議(社民党)の質問に中村浩都市建設局道路部長が答えた。
 京阪京津線と地下鉄東西線は、川端通−御陵間で軌道を共用する。市の計画では、東西線開通後、京阪がレールを撤去、98年度から市が道路整備に取りかかる。
 蹴上−日ノ岡間では、三条通沿いの軌道敷(幅90b)を京阪から買い取り同通を拡幅、現在の3車線(幅12b)から歩道も含み最大幅22bの4車線とする。
 市では、すでに現地測量や交通量調査を行っており、今後、京阪側と軌道敷の買収交渉に入る。
 また、これに合わせて99年度には三条京阪−東大路間の550bで電線の地下埋設も実施することにしている。
 同決算特別委ではこのほか、地下鉄東西線関連の二条駅周辺整備のうち西口駅前広場(0.7f)について、市が「民家の移転の遅れから、当初予定の98年度完成から2年程度遅れる」と説明した。(京都新聞)
■ラッセル車試運転 JR北陸線
 冬の到来に備え、JR北陸線の米原−敦賀駅間(45.9`)で26日、ラッセル車の試運転が行われた。
 試運転したのは、ディーゼル機関車の前後に除雪車を連結した「DE15」型。昼すぎに敦賀駅を出発し、除雪板の作動状態や、線路に障害物がないかなどを点検しながら3時間半ほどかけて往復した。ラッセル車は来年3月まで同駅に3台が配備され、北陸、湖西、小浜のJR各線で積雪が20a以上になると出動する。(京都新聞)
■税軽減分拠出 JRに求める 整備新幹線で自民委
 自民党の整備新幹線建設促進特別委員会(小里貞利委員長)と交通部会(村田吉隆部会長)は26日、今年度で期限がくるJR東日本、東海、西日本の固定資産税の軽減措置を継続し、軽減分の年間600億円を整備新幹線の未着工区間(1050`)の建設費の一部として自発的に拠出させる制度を設けることで合意したと発表した。27日の党税制調査会に要望する。
 ただ、固定資産税を本来なら徴収する自治体と、新幹線の沿線にあたる自治体が異なることから、自治省は慎重な態度。自民党内にも異論がでている。
 未着工区間の建設費は最低5兆2000億円と試算される。財政難のなか自民党は、すべてを政府や自治体の負担でまかなうのは困難と判断、JRにも負担を求めることにした。
 これに対して、JR3社は、固定資産税の軽減措置は予定通り今年度で打ち切り、来年度から納税する意向を示している。
 白川勝彦自治相は26日の会見で「(軽減措置を廃止すれば)地方の固定資産税が増えるので、原則に基づいてやるべきだ」と述べ、JRに理解を示した。さらに同日の自民党役員連絡会でも「建設される自治体が負担するならともかく、別の自治体が負担するのはとんでもない」(野中広務幹事長代理)という筋論が出ている。(朝日新聞)
■JR山陽新幹線全線で早期地震警報システム
 JR西日本は26日、阪神大震災後に設置を進めていた新幹線の早期地震検知警報システム「ユレダス」を28日から山陽新幹線の全線で稼働させる、と発表した。
 ユレダスは、地震の主要動(S波=横波)が到達する前に、初期微動(P波=縦波)を検知し、停電させて列車を減速、停止させるシステム。すでにJR東海が1992年3月から東海道新幹線で稼働させているほか、山陽新幹線でも去年4月から新大阪−姫路間で運用を始めている。今回、鳥取や高知、福岡など5ヵ所に地震検知装置を設置し、全線のカバーが可能になった。(朝日新聞)
■試運転始まる 工事進捗は90%越す 京都市営地下鉄東西線
 工事費の膨張や工期の大幅な遅れで問題となった京都市営地下鉄東西線(醍醐−二条駅間、12.7`)で、いよいよ来年11月の開業に向けて車両の試運転が始まり、26日、運転の様子が公開された。烏丸線との乗換駅となる烏丸御地駅(中京区)はすでに工事がほぼ終了するなど、東西線全体の工事進捗(しんちょく)率は90%を超しているという。来年夏まで車両の安全性や走行の点検を繰り返し、開業を目指す意向だ。
 この日は桝本頼兼市長ら市幹部が始発の醍醐駅から試運転中の6両編成の車両に乗車した。計画では東西線は最高速度75`で、醍醐−二条間を約24分で結ぶことになっているが、まだテスト中とあって最高45`に抑えた徐行運転で1時間弱かけて二条駅へ到着した。
 折り返して烏丸御地駅でいったん下車し、完成したホームを視察した。東西線で使用する車両は、長さ16.5b、幅2.4b、高さ3.5bと烏丸線の車両より一回り小さいが、初乗車の感想について桝本市長は「思いのほか揺れも少なく、快適でした」と話した。
 東西線の全13駅は、烏丸線と異なり、中央にホームがあり、両側に線路がある「島方式」。ホームドアを設置しているのが特徴で、車両が到着すると、車両のドアに連動してホームドアが開くしくみ。転落事故防止などの安全対策のほか、列車風を防いだり、冷暖房の保温効果なども期待できるという。
 東西線・烏丸御池駅は烏丸線駅のさらに下の地下3階に建設され、ホームは長さ105b。すでに10月末で工事を終え、階段、エレベーター、エスカレーター、時計など設備がほぼ完成している。
 東西線は5月末から車両搬入が始まった。車庫内で走行試験をした後、10月から一部区間で信号チェックなどが始まり、今月25日からは本格的に1日3−4往復の走行テストに入っている。また、建設中の各駅の工事も電気・空調施設の整備やタイルはりなどを残すだけとなっている。
 市交通局は「来年8月まで車両の試運転を続けるが、そのころまでには具体的な開業日を発表できるはず」と話している。(朝日新聞)
28日■近鉄京都線に越年特急増発 年末年始の臨時列車
 近畿日本鉄道は27日、年末年始の臨時列車を発表した。12月31日から1月5日までと、12日、15日の7日間に増発する臨時列車(区間延長を含む)は延べ916本。大みそかから元旦にかけては、伊賀線を除く全線で終夜運転する。
 京都線関連では、大みそかから元旦にかけて、越年臨時特急京都−伊勢・賢島間に下り(京都発)9本、上り(京都行き)6本、京都・西大寺−橿原神宮前間に下り7本、上り5本を各1時間ごとに運転する。また、京都−西大寺・奈良間にも下り2本、上り9本の臨時特急と、上下あわせて27本の普通電車を増発する。
 1日から4日までの年始は、京都−橿原神宮前間で1日上下15本の急行を増便する。
 越年臨時特急を含めた初詣(もうで)用特急券は12月1日午前10時半から発売する。(京都新聞)
■電車の点検作業を見学 南区の園児らJR総合運転所へ 「はるか」にも乗車
 南区内の保育園児たちが27日、向日市鶏冠井町四ノ坪のJR京都総合運転所を訪れ、特急電車の体験乗車ほか、電車の洗浄や点検作業などを見学。電車内の「新発見」に大喜びだった。
 同運転所がJR発足10周年記念事業の一環として施設を公開。近隣の保育園児らを招待した。
 この日は、南区内の久世西、久世南、築山、殿城、石原の5ヵ所の保育園児たち約100人が訪問。
 特急「はるか」の体験乗車では、園児たちの歓声が響くなか発車し、車内からさっそく電車の洗浄作業を見学。作業が始まると、次々と両サイドから吹きつけられる水と洗剤のシャワーにびっくりしたり、窓ガラスに顔をくっつけながら興味深げに見入っていた。
 また降車前、園児らは運転席に座って「運転士」気分も味わい未知の眺めに大喜び。約3`の「旅」を楽しんで一味違う乗り心地に感激しきりだった。(京都新聞)
■私鉄の昼間/土・休日回数券 売れ行きさっぱり 各社、PRに及び腰
 全国の私鉄大手が発売している昼間用と土・休日用の新型回数券がさっぱり売れていない。普通の回数券より割安だが、発売後1年たっても回数券全体に占める割合は昼間用が3.6%、土・休日用が4.8%にすぎない。利用時間帯が通勤客の実態に合わない、土・休日だけでは十分利用できないなどの問題点が指摘されているが、「割引率が高く、売れてももうからない」と各社がPRに及び腰になっていることも根底にあるようだ。
 新型回数券は、平日の午前10時から午後4時までの「オフピークチケット」と、土曜日と休日用の「サンキューチケット」。割引率はオフピークが16.7%、サンキューが28.6%といずれも普通の回数券の割引率9.1%よりかなり大きい。関西や関東の私鉄大手14社と営団地下鉄(東京)が昨年9月1日の運賃値上げ実施に合わせて発売を始めた。
 日本民営鉄道協会(東京)によると、今年8月末までの1年間の15社全体の回数券利用者約5億人のうち、オフピークの利用者は約1800万人、サンキューの利用者は約2400万人だった。両方合わせても回数券全体の8.4%にすぎない。
 売れ行きが伸び悩んでいる理由については「午前10時から午後4時までの間に毎回、通勤、帰宅する客は少ない」(阪急電鉄)「土日だけのために、わざわざ回数券を買う気にならない」(南海電鉄)などと分析している。
 新型回数券については、阪神電鉄が折り込み広告やポスター、パンフレットでPRしているものの、阪急や南海などは時刻表や沿線情報の片隅に掲載している程度。
 ある社の幹部は「もともと運賃値上げの免罪符。PRにも力が入らない」と打ち明ける。一方、阪神電鉄広報課は「積極的にPRすればもっと需要を掘り起こせるはず」と話している。(朝日新聞)
■大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線 心斎橋行き一番電車、来月11日発車
 大阪市営地下鉄・鶴見緑地線の京橋−心斎橋間の廷伸工事が完成し、28日、報道陣に公開された。12月11日の開通と同時に路線名も長堀鶴見緑地線に変更し、「都心直結」を売り込んで利用客の拡大を狙う。
 延伸区間の駅は、「大阪ビジネスパーク」「森ノ宮」「玉造」「谷町六丁目」「松屋町」「長堀橋」「心斎橋」の7ヵ所。路線は、京橋から玉造までJR環状線とほぼ並行して南下、国道308号(長堀通)を西に折れて心斎橋にいたる延長5.7`、地下鉄の中央、谷町、堺筋、御堂筋、四つ橋の5路線と接続する。総建設費は1555億円。
 各駅は地域の特性にあわせてデザインした。心斎橋駅は「夕日と心斎橋」をテーマに、ホームの天井に流れる川のレリーフがある。大阪城公園につながる森ノ宮駅は通路の壁面を城壁や石垣に模した。
 来年の国体にあわせて開通を目指す心斎橋−大正間(2.8`)、鶴見緑地−門真南間(1.3`)が完成すると、同線の総延長は15`になる。
 同線は花の万博にあわせて1990年3月、京橋−鶴見緑地間(5.2`)が開業したが、1日の利用客は4万人と見込みの半分の赤字路線。市交通局は「都心に乗り入れ、他の路線とつながることで利用客は1日20万人に伸びる」とはじいている。(朝日新聞 夕刊)
29日■税減免分充当 JRが反発 自民整備新幹線特別委
 自民党の整備新幹線建設促進特別委員会(小里貞利委員長)は28日、未着工区間(4線7区間)に関係する北海道、熊本など5道県知事とJR東日本など5社の社長らから財源問題や建設費負担などについて意見を聴いた。
 同特別委がまとめたJR東日本など3社の固定資産税減免分(約600億円)を建設費に充てる考えに対してそろって反発。
 東日本と西日本は「民間会社になったJRに(市町村税である)固定資産税減免分を建設費として拠出させる合理的な理由がない。減免分は(税法に従い)市町村に支払う」「(建設費負担は)受益限度である施設貸付料のみ」と主張した。
 また、経営が苦しいJR北海道、九州も「受益以上の負担は無理」と説明。JR貨物は「経営安定のため在来線から新線に乗り入れ可能な方式」などを要望した。(京都新聞)
■地下鉄東西線と烏丸線北々伸 すでに地中工事完了 進ちょく状況 京都市明かす
 京都市は28日、地下鉄東西線(醍醐−二条駅間12.7`b)と、同烏丸線北々伸(北山−国際会館駅間2.6`b)の建設工事の進ちょく状況を市議会交通水道委員会で明らかにした。両線ともに地中の土木工事を完了しており、東西線は来年11月、烏丸線北々伸は同7月の開業に向けて「非常に順調に進んでいる」としている。
 東西線は今年3月に本体のコンクリート工事を終え、9月末にはレールと架線工事を完了。13ヵ所の駅の建築工事を来年5月に終え、予定通り同10月に完成、11月開業することにしている。
 現在、信号テストも終えて、来年8月まで京阪電鉄の32両を含む116両を搬入し、車両性能テスト実施。同7月から職員の習熟・総合訓練を実施し、開業に備える。
 建設費は、88年の事業免許取得時の2450億円から大きく膨らんだが、94年7月の見直し後の4664億円内で完成できるとしている。
 烏丸線北々伸については、今年8月にコンクリート工事、9月にレール敷設を完了。架線や駅の工事は来年4月までに完成させる。来年1月から信号、車両性能のテスト、習熟・総合訓練を行い、予定通り6月完成、7月に開業する。
 建設費は、95年12月に見直した470億円(92年事業免許取得時・421億円)以内になる見通し。
 また、市交通局は両線開業に伴い、岩倉を中心とした洛北地域と山科・醍醐地域の市バス路線を廃止し、民営化する方針で、民間バス会社による新バス路線については、洛北地域は来年四月、山科・醍醐地域は同6、7月に「住民に説明できるようにしたい」と述べた。(京都新聞)
■JR西日本がユレダス導入 山陽新幹線をカバー
 JR西日本は28日午後、早期地震検知警報システム「ユレダス」の運用を、新大阪−博多間の山陽新幹線全線で開始した。阪神大震災で高架橋崩落などの被害を受けた同新幹線の地震対策として完成を急いでいた。
 ユレダスは、P波と呼ばれる地震の初期激動を検知し、地震の規模(マグニチュード)と発生位置を算出。被害が予想される場合には、大きな揺れが到達する前に変電所の送電を止めて列車をストップさせるシステム。1990年、JR東海が東海道新幹線に導入した。(京都新聞)
■「スルットKANSAI」7社が参加検討 利用路線700`に 京阪、南海3 年後メド
 南海電気鉄道と京阪電気鉄道は、1枚のプリペイドカードで他社の電車を利用できる「スルッとKANSAI」に1999年をめどに参加する意向を明らかにした。
 圧倒的な広域鉄道網で京阪神地区でのシェアを拡大するJR西日本に対折するのが狙い。京阪神地区の残る電鉄など5社も参加を検討しており、7社が出そろえば、利用できる路線は全体で約700`と現在(約314`)の2倍以上と一気に拡大する。
 「スルッとKANSAI」は阪急電鉄、阪神電気鉄道と能勢、北大阪急行の両電鉄、大阪市交通局が今年3月に導入した。
 カードは1枚1000円から5000円。切符を買う手間がない手軽さが受けて、今年9月末までの累計発売枚数は640万枚になった。
 南海は関西空港の利用客で、京阪はJR東西線の開通に伴う京都−大阪間の乗客でJR西日本と競争関係にあり、両社とも「JR対策を強化したい」としている。
 ほかに参加を検討しているのは神戸電鉄、山陽電気鉄道、神戸高速鉄道、北神急行電鉄(神戸市)、泉北高速鉄道(大阪市)。阪急バス(大阪府豊中市)も「前向きに参加を検討している」という。
 ただ、自動改札の新設や改良などにかかる費用の問題や、「既に独自のカードを販売しているため、相互乗り入れしている神戸市営地下鉄が参加に難色を示している」(北神急行電鉄)などの事情から、参加時期にはばらつきが出そう。(京都新聞)
■車道部分が完成しバスなど初乗り入れ 京阪宇治駅前広場
 宇治市が施工している京阪宇治駅前交通広場の車道部などが完工、28日、タクシーやバスが初乗り入れした。タクシープールのそばには、由緒ある十三重の塔をイメージした宇治らしい時計塔も設置され、時を刻み始めた。
 同駅前交通広場の面積は2900平方b。昨夏の同駅移転後、本格的に着工し、今春、東側の歩道部分ができた。今回は、バスやタクシーなどが乗り入れする車道部と、時計塔やタクシープールのある中央部が完成した。
 時計塔は高さ5b、縦横各50aの四角柱で、アルミ鋳物製。時計が4面に付いている。宇治橋周辺の豊かな自然や歴史に調和する端正で古典的なデザインが特徴。
 この日は午前10時ごろから市職員らが誘導し、西側の仮タクシー乗り場に並んでいたタクシーやバスが車道部に初乗り入れ。乗客待ちをしていた。
 今後は西側の歩道工事を本格的に行い、来年3月末に完工の予定。(京都新聞)
30日■旧国鉄用地 早期処分を要請 会計検査院 異例の指摘 「累積債務膨らむ」
 約28兆円の巨額債務を抱える国鉄清算事業団が売却を進めている旧国鉄用地について、会計検査院は29日、「計画通り処分が進んでおらず、現状のままでは債務が一層膨らむ」として、関係自治体と協議して土地整備を進めたり、新たな方法を検討するなどして早期の処分を促進するよう、来月中旬に首相に提出する「決算検査報告」で指摘することを決めた。
 検査院は国有林野事業についても既に「再建計画が事実上破たんしている」と指摘する方針を決めており、検査報告は行財政改革が大きな政治的焦点となる中、巨額の累積債務にあえぐ二つの”事業”の現状に警鐘を鳴らす異例の形となる。
 旧国鉄から引き継いだ債務の償還を進めている事業団は、総額約3兆円と見込まれている土地の実質的な処分を1997(平成9)年度末までに終えることになっている。
 検査院は、事業団の金利負担が1兆3000億円に上り、長期債務が一層増大している実態を指摘した上で、重要な資産とされる約400ヵ所、計約2400fの保有地の現状を7種類に分けて分析した。処分の前提となる貨物駅の移転に関係自治体が反対して計画がストップしている大阪市の「梅田駅北」(約20f)など、区画整理や基盤整備工事などを今後必要とする土地が延べ約360fに上ることが分かった。
 また神奈川県鎌倉市の「大船車両工場跡地」(約8f)のように地方公共団体は随意契約で購入を希望しているが、財政事情などから売却が遅れているケースが計約340f、兵庫県高砂市の工場跡地(約40f)のように地形上の制約などで処分計画が進んでいないケース計約200f。このほか貸し付けていた土地が返還されず財産整理が遅れている土地も計約20fあった。
 検査院は、こうした結果から、期限の97年度末を目前に控え、現状のまま土地の早期処分ができなければ金利負担のため債務がさらに膨らむと指摘。関係する地方公共団体に区画整理の早期実施を要請するべきだとしている。(京都新聞)
■心斎橋ー京橋間210円 長堀鶴見緑地線の運賃
 近畿運輸局は29日、来月11日に開業を予定している大阪市地下鉄第7号線「長堀鶴見緑地線」の心斎橋−京橋間(5.7`)の運賃を申請どおり認可した。
 設定運賃は現行と同様に最初の3`までは180円で、4`増すごとに30円ずつ加算される方式。
 新たに開業する区間は、両端の駅を含めて全8駅で、心斎橋−長堀橋、松屋町、谷町六丁目、玉造間が180円、心斎橋−森ノ宮、大阪ビジネスパーク、京橋間が210円となる。
 同線は京橋−鶴見緑地間(5.2`)で既に営業運転しており、大阪市交通局は来年8月の全線開通を目指し、心斎橋−大正間(2.8`)、鶴見緑地−門真南間(1.3`)の工事を進めている。(京都新聞)
■窓 高速の出口に駐車場造って 左京区・長谷川 晃(大学教授・62)
 毎年、春と秋の観光シーズンになると、京都市内は市外の車でいっぱいになり、動きがとれなくなる。京都市は「マイカーでの観光をご遠慮ください」という標識を出すようになってから数十年になるが、状況は悪化の一方である。
 私は以前、市外に住んでいた経験から、ヨーロッパの都市が行っているように、高速道路の出口に大規模な駐車場を建設することを主張してきた。ちょうど来年には地下鉄の東西線が完成する。これを機に、地下鉄南北線の竹田駅の近くと東西線の山科駅の近くに、また名神高速道路の南インターチェンジと、東インターチェンジを出たところに大規模な駐車場を建設し、地方からの車を収容するようにすべきだと考える。そして、駐車料金と地下鉄の切符をセットにした割引切符を発行する。
 金利が安く、地価が下がっている今が絶好のチャンスである。また、これで地下鉄の利用者が増えると、市の財政にとっても良策である。ぜひ市当局の一考を促したい。(京都新聞)
■来春開業を心待ち「こまち」が試運転 秋田新幹線
 来年3月末に開業予定の秋田新幹線「こまち」の試運転が30日、JR奥羽線、田沢湖線の秋田−大釜間で始まった。新幹線用に軌道の拡幅工事をした在来線の区間を使っての初の試運転。
 秋田県内は前日から大雪に見舞われ、時折激しくふぶく荒天。5両編成の「こまち」は全面改築中のJR秋田駅を予定通り午前8時に発車。駅員らに見守られ、「ファン」という汽笛と共にゆっくりと一面の銀世界に滑り出した。
 試運転は来年の開業直前まで続けられ、線路のチェックや信号、沿線の遮断機など電気設備の点検と確認、乗員の訓練などが行われる。
 ホームで見送った萬屋民男副駅長は「2年以上苦労してやっとこの日がきた。開業後はお客さんを温かく迎えたい」と話していた。(京都新聞 夕刊)