1996(平成8)年10月


1日■女性相談、週5日に 京都駅で府警鉄警隊(京都)
  ■飛び降り?新幹線にはねられ男性重体 JR京都駅(京都)
  ■窓 夫婦で楽しむ秋の電車の旅 松阪市・志田 俊(高校講師・61)(京都)
  ■ユーロトンネルの株取引を一時停止 債務交渉大詰め(朝日)
  ■甲南山手駅が開業(朝日)
2日■奈良線2区間複線化 府とJRが合意 97年度着工、2001年完成 府議会で知事答弁(京都)
  ■JR奈良線 部分複線2001年完成へ 知事表明 宇治−新田間に新駅(朝日)
3日■京都市内交通あり方を探る 政策懇が発足(京都)
  ■森光子さんら出演「シアター1200」 来夏のこけら落とし(朝日)
  ■声 通勤時の電車 男女を分けて 名張市 広沢 明彦(自由業 62歳)(朝日)
  ■オウム裁判 遠藤被告が証言拒否 地下鉄事件 「尋問順番、後に」 松本被告公判(京都)
  ■工事の遅れで24本が運休 早朝のJR福知山線(京都)
  ■線路工事遅れ9500人影響 JR福知山線(朝日)
  ■遠藤被告、証言せず 松本被告公判(朝日)
4日■鉄道ファンに人気の電気機関車など展示 12、13日に近江鉄道(京都)
  ■女性はねられ死亡 近鉄竹田駅で急行に(京都)
  ■地下鉄サリン「犯行は教義の実践」 松本被告公判 広瀬被告が証言(朝日)
  ■駅に火炎びん被告に実刑 大阪地裁(朝日)
5日■JR西日本株 27%売れ残る 予想上回る低調ぶり 国鉄精算事業団 一般売り出し結果(京都)
  ■時代祭で割引きっぷ JR西日本が発売へ(京都)
  ■JR西日本株 27%売れ残る 代金未払いで(朝日)
  ■朝の山陰線で運休 ブレーキ故障で(京都)
6日■行革策、競い合うものの… 新幹線は「推進」合唱(朝日)
7日■列車に接触し死亡 JR瀬田駅で会社員(京都)
  ■新幹線下り線 ダイヤ乱れる 三河安城で信号故障(京都)
8日■窓 JR奈良線の複線化に期待 城陽市・斉藤 訓(団体職員・49)(京都)
  ■踏切で女性が重傷 宇治、JR奈良線(京都)
  ■初値36万円 JR西日本株上場(朝日)
9日■JR西日本株上場 終値は36万7000円 売り出し価格1万円上回る 先行き慎重論(京都)
  ■民営化株神話消える JR西日本株の上場 東証 小幅な値動きで推移(朝日)
  ■JR西日本株 小幅37万円 東証(朝日)
10日■旧国鉄債務 国民負担に86%反対 世論調査 当事者責任を指摘(京都)
  ■SLの精密模型販売(京都)
12日■JR貨物の経営考える懇談会が発足 株売却方針に反発も 輸送網維持にも異論 来春にも活性化策(朝日)
  ■「ブルトレ止まれ」偽無線 容疑の高1 書類送検へ(朝日)
14日■線路を横断の女性 列車に接触、死亡 井手町のJR奈良線(京都)
  ■転落の女高生 会社員が救山 地下鉄南森町駅(朝日)
15日■JR西日本株 京証でも上場(京都)
  ■地下鉄工事の現状紹介 写真パネル展 北区で始まる 「鉄道の日」ちなみ(京都)
  ■浜大津、再生へゴー 起工式 関係者らが無事祈り(京都)
  ■ラピート2000万人突破 謝恩きっぷ発売へ(京都)
  ■JR鷹取工場跡18f 区画整理区域に 神戸市 復興住宅1000戸建設(朝日)
  ■阪神・阪急 通勤定期相互利用で珍現象 客は「お得」 両社は静観(朝日)
17日■JR東海株 来年10月ごろ上場(京都)
  ■グルメに味めぐり文殊便 JRが臨時列車(京都)
  ■品川駅東口地区 来年2月入札 国鉄清算事業団(朝日)
  ■JR冬の臨時ダイヤ 受験やグルメ列車も(朝日)
  ■新幹線遅れる 草津で送電トラブル(京都)
  ■新幹線遅れ 4000人影響 送電できず 京都−米原(朝日)
18日■「仏の攻防」EU各国注視 公務員ら大規模スト 通貨統合へ赤字削減を・政府 失業率最悪、雇用を守れ・労組(朝日)
  ■松本被告「事件を背負う」 地下鉄サリンで初陳述 東京地裁(京都)
  ■オウム裁判 慈悲深い「グル」を演出 地下鉄サリン ”無実”強調の松本被告(京都)
  ■地下鉄サリン「事件、私が背負う」 松本被告が公判で発言 休廷語には「無実」(朝日)
  ■オウム法廷 「今朝、神の啓示」 松本被告、大声で 編集委員 降幡賢一(朝日)
22日■関空特急騒音問題で対策協議会が初協議(京都)
23日■紅葉の信濃路にデゴイチ 長野−軽井沢 最後の雄姿(京都)
  ■旧盛鉄野球部が復活 9年ぶり「JR盛岡」に(京都)
  ■JR東西線の割安運賃 三ノ宮−北新地390円 JR西日本申請の方針(朝日)
  ■環状線故障、15本運休 JRラッシュ時 5万人影響(朝日)
24日■「こまち」が初お目見え 来年開業の秋田新幹線(京都)
  ■高崎−軽井沢 29日から試験 北陸新幹線(京都)
  ■窓 変ぼう遂げる京都駅に期待 宇治市・松田憲生(会社員・25)(京都)
  ■大阪外環状線着工へ 設立準備委 来月に発足(朝日)
  ■バス7社が値上げ申請 大阪・兵庫 平均で2.8−5.9%(朝日)
  ■ベルギ−王室を迎賓 9年ぶりお召し列車(朝日)
  ■阪急バス、近鉄など3社 路線バス値上げ申請(京都)
25日■市バス昼間割引券などの交換 1枚単位、3月末までに 京都市交通局(京都)
  ■国労組合員配属差別で中労委 196人に救済命令 JRの当事者適格認定(京都)
26日■京都市バス運賃値上げ案 赤字20億円、課題に積算 市会委で明るみ(京都)
  ■陶版製の干支乗車券発売へ 信楽高原鉄道(京都)
28日■琵琶湖線など乱れる 京都駅ポイント故障(京都)
  ■市バスが車と衝突 乗客ら5人が軽傷 中京の交差点(京都)
  ■市バス乗客ら5人がけが 中京でタクシーと衝突(朝日)
29日■地下鉄乗り入れの京津線「新型車両」 鮮やか水色に(京都)
  ■窓 1日楽しんだJR乗り放題 伏見区・植野 文子(主 婦・66)(京都)
  ■古都の伝説 絵物語に 叡山電鉄「動くギャラリー」に点字 左京・中島さんら11人の女性グループ 観光客にらに人気 「作品まとめ出版を」の声(朝日)
  ■地下鉄へ乗り入れ新型車両デザイン 京阪電鉄(朝日)
30日■新幹線の建設中止など提言 労組らの研究会(京都)
  ■岩倉使節団も運んだ私です(朝日)
  ■瀬戸大橋線乱れる(京都)
  ■「地下鉄」後も捜査情報入手 オウム井上被告 法廷で初の証言(朝日)
31日■近鉄でポイント故障(京都)
  ■芸能ワイド JR京都駅の「シアター1200」 演劇通し京都活性 修学旅行生を狙え! 若手人気タレントのミュージカル ジャニーズ、8ヵ月超す公演(京都)
  ■「禁煙」の次は「禁男」!? 女性専用 ゾクゾク列車に トイレ・座席 車両丸ごと JR各社に急増 「プライバシー守って」の声に(朝日)
  ■近鉄ダイヤ乱れる ポイント部品を交換(朝日)



1日■女性相談、週5日に 京都駅で府警鉄警隊
 京都府警鉄道警察隊は、JR京都駅八条口(京都市下京区)の同警察隊南警備詰所で開設している「レディース相談所」の相談受け付けを1日から、毎週月曜−金曜日の5日間に増やす。時間は従来通り午後1時から8時まで。
 9月の人事異動で同隊に婦人警察官が1人増員されたのに対応、従来週2日だった相談日を週5日に増やした。同隊によると、7月1日の相談所開設以来、電車内の痴漢などについて月10件前後の相談があり、これまで4件の検挙につながったという。(京都新聞)
■飛び降り?新幹線にはねられ男性重体 JR京都駅
 30日午後2時40分ごろ、京都市下京区、JR京都駅の新幹線上り線で、東京行きの「ひかり」が線路上にいた男性をはねた。男性は頭などを強く打ち、意識不明の重体。
 京都府警鉄道警察隊や七条署によると、男性は岡山県邑久郡の建設作業員(52)とみられ、確認を急いでいる。運転士や駅員が、ホームから線路に飛び降りたのを目撃しており、府警は自殺しようとしたとみている。
 当該の「ひかり」は同駅に36分停車し、後続の上下計7本が27−7分遅れた。(京都新聞)
■窓 夫婦で楽しむ秋の電車の旅 松阪市・志田 俊(高校講師・61)
 秋、老骨は、どこかに出かけたいという気持ちにかられる。9月28日は保津川ライン下りのトロッコと、京都名庭のコース。泉仙(いずせん)の昼食を楽しんだ。10月10日はシカの角切りとマツタケ料理で、これは奈良ということになる。近鉄が募集しているものだが、年配の人が多く、旅程に無理がないのでカミさんも楽だという。
 また10月、そして11月初めは上京で多忙でもある。東京六大学野球リーグ戦の観戦−とはいっても、私は応援部の応援のためなのである。前任校の卒業生が今、早大応援部主将、なんともすごい大役を務めている。三重県くんだりから出ていって、「フレーフレー」とやってんだから立派なものじゃないか。神宮球場での雄姿がなんともいえないのだ。
 さて、話を戻して電車の旅をカミさんは喜ぶ。腰が悪く、座席の広い電車が体にはいいというわけである。子供の教育や結婚やらが終駕(しゅうえん)、そして私が38年間勤務した公立高を退いたから、つい一日旅行をということになったのである。(京都新聞)
■ユーロトンネルの株取引を一時停止 債務交渉大詰め
 【ロンドン30日=杉浦信之】英仏海峡の海底を鉄道で結ぶユーロトンネルの運営会社、ユーロトンネル社は30日、英仏などに上場している株式の取引を一時停止する措置を取った。銀行に対する88億ポンド(約1兆5000億円)の債務の軽減交渉に当たっている調停人の任期が同日中に切れるのを前に、同社が銀行団に対して、最終的な提案をするためとみられ、昨年9月から利払い停止を宣言しているユーロトンネル社の経営は、重大な局面を迎えている。(朝日新聞)
■甲南山手駅が開業
 JR西日本が東海道線の芦屋−摂津本山間に建設した新釈「甲南山手駅」(神戸市東灘区森北町一丁目)が1日始発から営業を始めた。午前5時19分、神戸発京都行き普通電車が初めてホームに止まり、約100人が乗り込んだ。同9時半からは、同駅が最寄り駅になる甲南女子大の学生を一日駅長に迎えて記念式典を開いた。建設費は約10億円。普通電車のみが停車し、運賃は大阪−甲南山手間が370円、甲南山手−三ノ宮間が160円。1日約1万9200人の乗降客を見込んでいる。(朝日新聞 夕刊)
2日■奈良線2区間複線化 府とJRが合意 97年度着工、2001年完成 府議会で知事答弁
 京都府は1日、JR奈良線の京都−京都教育大前(来春開業、5.1`)、宇治−新田(3.2`)2区間の複線化工事について、97年度着工、2001年完成でJR西日本と合意したことを明らかにした。
 この日の府議会答弁で、荒巻禎一知事が表明した。
 この中で、荒巻知事は「全区間(京都−木津、34.7`)の複線化が将来目標」としたうえで、当面の整備事業として「両区間の複線化と全区間の信号設備の全面改良、宇治−新田間の新駅設置などが予定されている」と説明した。
 また、一区間の複線化などは2002年のサッカー・ワールド杯開催までの完成を目指すとし、「97年度の早い時期に着工したい」と述べた。
 両区間が複線化されると、現在は日中のみの快速電車を、朝夕の通勤・通学時間帯にも運行できるほか、普通電車の大幅増発が可能になる。また、京都−木津間の所要時間は、通勤・通学時間帯に快速電車を利用すると現在(51分)より14−16分、日中の普通電車(63分)も6−8分短縮される。
 JR奈良線では、稲荷−桃山間に京都教育大前駅(仮称、京都市伏見区)の建設工事を進めている。宇治−新田間の新駅は、宇治市小倉町中畑地区への設置が決まっている。事業費はJR西日本と地元自治体で負担することになっており自治体分は府と京都市など沿線8市町で分担する。(京都新聞)
■JR奈良線 部分複線2001年完成へ 知事表明 宇治−新田間に新駅
 府がJR西日本に複線化を要望していたJR奈良線(京都−木津間34.7`)のうち、京都−京都教育大前(仮称)駅間5.1`と、宇治市の宇治−新田駅間3.2`を先行して複線化する見通しになったと、荒巻禎一知事が1日、明らかにした。来年度早々に着工し、2001年の完成を目指すという。
 この日の本会議代表質問で議員の質問に答えた。
 荒巻知事は「全区間の複線化が将来目標」としつつも、JRと協議した結果、段階的にまず2区間計8.3`で進めることで合意できた、とした。また、複線化に合わせて、宇治−新田駅間に新駅を設置するとともに、奈良線全区間で高速運転が可能な信号設備に切り替えるとした。
 奈良線の複線化については以前から地域住民の強い要望があるうえ、沿線に2002年サッカーワールドカップ(W杯)の国内会場候補に挙がっている木津川右岸スタジアム(城陽市)の建設が計画されており、複線化の実現で輸送量の増強やスピードアップを図ることにした。
 府によると、2区間の複線化が実現した場合、京都−木津間が現在ラッシュ時で平均51分かかっているのが14−16分短縮されるほか、日中でも平均63分が、6−8分短縮される見通し。また、現在、運転を日中に限っている快速列車を朝夕の通勤時間帯に運転することも可能になるという。
 事業費は100億円を越すとみられるが、JR西日本と府、京都市、沿線市町村などがそれぞれ分担する予定。現在、負担率について協議しているという。京都教育大前駅(仮称)は稲荷−桃山駅間に建設しているもので、来年3月に開業する。(朝日新聞)
3日■京都市内交通あり方を探る 政策懇が発足
 京都市は2日、市内交通のあり方を探るため、学識経験者や女性団体代表ら10人の委員による交通政策懇話会を発足させ、市内のホテルで初会合を開いた。
 同懇話会は、9月の市バス・地下鉄の運賃値上げの際に、桝本頼兼市長が「今後、市内の交通政策全般について幅広く意見を聞きたい」と設置する方針を明らかにしていた。
 委員に委嘱したのは出田浩之京都大名誉教授(交通経済学)、市地域女性連合会の滝川文子会長ら、研究者や市民団体代表、警察、行政担当者10人。月1、2回のペースで会合を持ち、本年度内に公営交通事業や道路事情など、市内の交通問題の改善策を提案する。
 この日は、座長に山田名誉教授を選んだ後、市の担当者が市内の交通事情について説明。市バスの乗り継ぎの改善などについて話し合った。今後は市の交通事業の経営課題などを論議のテーマに取り上げる。(京都新聞)
■森光子さんら出演「シアター1200」 来夏のこけら落とし
 JR京都駅に来夏完成予定の文化施設の運営会社「シアターアーツ1200」(下京区)はこのほど、大劇場「シアター1200」(925席)の興業計画を発表した。
 8月のこけら落とし特別公演はオリジナルミュージカル「KYO TO KYO(キョウ・ト・キョウ)」(45分)と、京都市出身の女優森光子さんやキンキ・キッズなど人気タレントが出演するライブショー。9月以降はオリジナルミュージカルのロングラン公演や、お笑いの吉本興業が時代ものに挑戦する京都版「新・吉本新喜劇」やコンサートなどが催される。
 こけら落とし公演を除くオリジナルミュージカルの料金は3500円。高校生以下は2500円。文化施設の入場者は年間200万人を見込んでいる。(朝日新聞)
■声 通勤時の電車 男女を分けて 名張市 広沢 明彦(自由業 62歳)
 週に何回かあちこち見知らぬところへ電車で出張する者として感じることを述べ、鉄道会社にお願いしてみたいと思います。
 一、最近、禁煙車が増えて大変ありがたいのですが、通勤時間帯には「男性車」と「女性車」に分けていただけないでしょうか。そうすることにより、車内での性犯罪を未然に防げるのではないでしょうか。男性としても、男女一緒では電車が揺れて女性の体に触れた場合に痴漢と誤解されかねず、それでとがめられでもしたらまず救われないと懸念されるからです。
 二、老人優先席は廃止していただきたい。老人に席を譲るか否かは、優先席を設置する以前の国民の意識の問題です。優先席を設けてあることから、かえっていろいろ摩擦が起こり、口論の原因となったりしていると思われます。
 三、車内アナウンスは、次の停車駅名を告げるとき、その次の駅名も告げていただくとともに、その駅までの所要時間も告げてください。地下鉄や大阪のJR環状線では次の駅まで2、3分で着くことは常識的に分かっていますが、長距離電車では所要時間を伝えていただくと、落ち着いて乗っておれますし、下車の準備もしやすいと思います。(朝日新聞)
■オウム裁判 遠藤被告が証言拒否 地下鉄事件 「尋問順番、後に」 松本被告公判
 オウム真理教松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の第10回公判が3日、東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれ、地下鉄サリン事件の検察側証人として出廷した元幹部遠藤誠一被告(36)は事件に関する尋問に対し「きょうは証言を拒否します」と述べた。
 拒否の理由は「私の主任弁護人が病気療養中で証言についての話ができていない。尋問の順番をもっと後にしてほしい」と説明した。
 「師弟対決」は元幹部林郁夫(49)、同井上嘉浩(26)両被告に続き3人目。松本被告の公判で証言拒否は初めてだが、遠藤被告は弁護側から「松本被告の面前でも証言できますか」と尋ねられ「いずれ証言はするつもりでいます」と答えた。
 第10回公判は午前10時に開廷。遠藤被告は松本被告を見ないで証言台に立った。検察側の教団への入信時期などの尋問には証言したが、尋問が地下鉄事件に及ぶと証言を拒否した。
 検察側はその後も尋問し、供述調書の署名の確認を求めた。阿部裁判長も証言を促したが、遠藤被告は「きょうは無理です。検事さんには弁護人と話をしてからにしてほしいと言ったが、理解を得られなかった」などと繰り返し退廷した。
 その後、営団地下鉄職員と警視庁捜査員が地下鉄事件の発生状況などについて証言した。午後も捜査員の証人尋問が続く予定。(京都新聞 夕刊)
■工事の遅れで24本が運休 早朝のJR福知山線
 3日早朝、兵庫県三田市広野のJR福知山線広野−相野間で、JR西日本大阪建設工事事務所が行っていた夜間の複線化切り替え工事が予定通りに終了せず、篠山口−宝塚間などで電車の運転が一時止まった。工事を続行し、午前8時10分までに全線で運転を再開したが、午前5時24分ごろに工事区間を通る普通電車など上下線合わせて24本が運休、大阪行き急行「だいせん」など同計18本に5時間10分から10分程度の遅れが出た。約9500人が影響を受けた。
 JR福知山支社によると、工事は2日午後10時45分から始まり、レール締結などの作業を3日午前4時52分までに終了の予定だった。(京都新聞 夕刊)
■線路工事遅れ9500人影響 JR福知山線
 兵庫県三田市広野のJR福知山線広野駅構内で、複線化の切り替え工事が遅れ、福知山線は始発から宝塚−横山口間で運転を取りやめ、篠山口−福知山間で一部の電車を運休した。午前7時50分ごろに宝塚−新三田間が開通し、同8時10分ごろ、全線開通した。
 この影響で、上下24本が運休、倉吉発大阪行き急行「だいせん」が5時間10分遅れるなど上下18本の列車が遅れ、約9500人の足が乱れた。
 同社によると、工事は線路のポイントを撤去、新設する内容。約380人の作業員で、2日午後10時45分に開始し3日午前4時52分に終了する予定だったが、約2時間半遅れて同7時35分ごろまでかかった。工事の遅れによる影響としては、民営化でJR西日本となった後最大という。(朝日新聞 夕刊)
■遠藤被告、証言せず 松本被告公判
 オウム真理教前代表・松本智津夫(麻原彰晃)被告(41)の第10回公判が3日午前10時から、東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれ、地下鉄サリン事件で散布されたサリンを生成したとされる元教団「厚生省」トップの遠藤誠一被告(36)が検察側証人として出廷した。遠藤被告は自身も同事件で殺人罪などに問われていることや、自分の主任弁護人との打ち合わせが不十分であることを理由に、「今は証言できない」と述べた。
 検察側はこれを証言を拒否したものと位置づけ、犯行を自白したとされる捜査段階の調書8通の署名が遠藤被告本人のものであることの確認を求めた。将来、これらの調書を証拠として提出するために必要な手続きだが、弁護側は「現時点では証言できないと言っているだけで、証言拒否ではない。安直に供述調書の提出を急ぐべきでない」と反論。遠藤被告も署名の確認に応じなかった。
 地下鉄サリン事件では、松本被告から直接指示を受けた信徒は、村井元幹部と遠藤被告の2人しかいないとされ、村井元幹部が死んだいま、松本被告の関与を立証するうえで遠藤被告の供述は大きな意味を持つ。(朝日新聞 夕刊)
4日■鉄道ファンに人気の電気機関車など展示 12、13日に近江鉄道
 近江鉄道(本社・彦根市)は、14日の「鉄道の日」にちなみ、12、13の両日、「ガチャコンまつり」を彦根市高宮町の同鉄道高宮駅で開く。
 鉄道ファンに人気の高い電気機関車ED14=1926年、米国のゼネラル・エレクトリック社製=や、同31、同4001など4種の車両が展示される。
 このほか、運転席での記念写真撮影(有料)や近江鉄道の年表・写真・記念乗車券の展示、鉄道模型の運転や鉄道関係の小物、ジグソーパズル、文鎮(レール・トロリー・車輪)の販売、高宮−多賀間のイベント列車運行、フォトコンテストなどもある。問い合わせは同鉄道鉄道部運輸課 0749(22)3303へ。(京都新聞)
■女性はねられ死亡 近鉄竹田駅で急行に
 3日午後5時20分ごろ、京都市伏見区の近鉄竹田駅で、女性が京都発橿原神宮前行き急行にはねられ、全身を強く打ち、間もなく死亡した。
 伏見署の調べでは、女性は京都府相楽郡内のパート従業員(43)。電車に飛び込むのをホームにいた乗客らが見ており、自殺とみて、調べている。この事故で、急行と後続の特急が10分前後遅れ、約1800人に影響が出た。(京都新聞)
■地下鉄サリン「犯行は教義の実践」 松本被告公判 広瀬被告が証言
 オウム真理教前代表・松本智津夫(麻原彰晃)被告(41)の第11回公判が4日午前10時から東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれ、地下鉄サリン事件の実行犯の一人とされ、起訴事実を認めている元教団「科学技術省」幹部の広瀬健一被告(32)が検察側証人として出廷した。広瀬被告は地下鉄車内でサリンの入った袋を刺して散布したことを認めたうえで、「犯行は松本被告から日ごろ言われていた教義の実践と考えた」と述べた。
 検察側冒頭陳述によると、同事件は松本被告が故・村井秀夫元幹部に「お前が総指揮でやれ」と命じ、村井元幹部が広瀬被告ら五人の実行犯にサリン散布を指示。広瀬被告は地下鉄丸ノ内線の電車内でサリンをまいたとされる。
 証言に立った広瀬被告は、事件2日前の1995年3月18日、他の実行犯らとともに村井元幹部の部屋に呼ばれ、「村井から『強制捜査の矛先を変える。サリンをまく。君たちにやってもらいたい』と言われた」と述べ、犯行の指示があった時の状況を証言した。
 さらに、「人を殺生することへの本能的な抵抗と、松本被告が説いている教義の実践であるとの思いとの葛藤(かっとう)があったが、結局、承諾した」と証言した。
 松本被告の裁判では先月19日の第8回公判に同じく実行犯の一人とされる林郁夫被告(49)が検察側証人として出廷し、村井元幹部から実行犯グループへの指示を証言。村井元幹部の言動などから「(サリンの散布は)麻原の指示とわかった」と述べている。(朝日新聞 夕刊)
■駅に火炎びん被告に実刑 大阪地裁
 アジア太平洋経済協力会議(APEC)大阪会議の開催を控えて警戒に当たっていた大阪府警を混乱させる目的で大阪市営地下鉄の駅に火炎びんを投げ込んだなどとして、火炎びん処罰法違反などの罪に問われたオウム真理教信徒で元暴力団組員の島袋拓也被告(22)に対する判決公判が4日、大阪地裁であった。瀧川義道裁判長は「反社会性が強く、社会に与えた影響も大きい」などと述べ、懲役2年6月(求刑懲役3年)の実刑を言い渡した。
 判決によると、島袋被告はオウム真理教への警察の捜査などを国家権力による弾圧と考え、報復することを計画。1995年10月17日午前3時半ごろ、大阪市中央区の市営地下鉄谷町四丁目駅の階段踊り場で、一升びんにガソリンなどを詰めてつくった火炎びんに点火してけり倒し、炎上させた。さらに同日午後11時半ごろ、同区の市営地下鉄天満橋駅の階段で火炎びんに火をつけてけり倒したが、着火しなかった。(朝日新聞 夕刊)
5日■JR西日本株 27%売れ残る 予想上回る低調ぶり 国鉄精算事業団 一般売り出し結果
 国鉄清算事業団は4日、JR西日本株の一般売り出し結果を発表した。95万株に対し約3倍の申し込みがあったが、実際に購入代金が払い込まれたのは約69万株にとどまり、27.3%が売れ残った。
 運輸省が想定していた10%程度の売れ残り率を大幅に上回り、民営化株の不人気ぶりや、株式市場の先行き不透明さに対する投資家の警戒感の強さを示す結果となった。
 JR西日本株の売却実績が低調に終わったことは、8日の上場時の初値の動向や、来年度に予定されるJR東海の上場にも影響を及ぼしそうだ。
 JR西日本株は今回、先に行われた入札分(売れ残り率10%)を合わせ計170万株を売りに出した。しかし、実際に売れたのは136万5000株と、全体の80.3%にとどまった。売れ残った分は来年度以降の二次売却に回される。
 また、売却収入は約4878億円で、運輸省の当初見込みを2000億円程度下回った。国鉄清算事業団が保有するJR株の売却収入は、27兆6000億円に上る旧国鉄債務の返済に充てられる。
 ただ、本年度の目玉とされていたJR西日本株の売却実績が低調だったことを受け、運輸省は早ければ来年1月にも比較的人気の高いJR東日本株の二次売却を実施、一方で人気が未知数のJR東海株の上場(一次売却)株数抑制の検討に入る。(京都新聞)
■時代祭で割引きっぷ JR西日本が発売へ
 JR西日本は、10月22日の時代祭の観覧指定席券(御池通)とJR、京都市地下鉄の往復乗車券をセットした割引きっぷを7日から発売する。発売席数は800席で、有効期間は当日限り。大阪駅発着が大人3340円、宇治駅発着が2800円など。近畿圏のJR主要駅・Tisで販売する。(京都新聞)
■JR西日本株 27%売れ残る 代金未払いで
 国鉄清算事業団は4日、8日の上場に向けて売り出したJR西日本株95万株のうち、27.3%にあたる約26万株が当選者の代金未払いによって売れ残ったと発表した。民営化株への投資家の冷めた見方が影を落とした形で、事業団は「予想以上に売れ残った」と困惑している。
 今回の売り出し価格は、1株あたり35万7000円で、1993年に上場したJR東日本の38万円よりやや安い。約273万7000件の申し込みがあり、倍率は2.96倍だった。(朝日新聞)
■朝の山陰線で運休 ブレーキ故障で
 5日午前7時40分ごろ、京都府船井郡園部町のJR山陰線園部駅で、園部発京都行き上り普通電車(8両編成)のブレーキが解除できなくなった。JR西日本が調べたが、原因は分からず、運転を取りやめた。乗客約300人は次発の電車に乗り換えた。この影響で、上下2本の普通列車が9−2分遅れた。(京都新聞 夕刊)
6日■行革策、競い合うものの… 新幹線は「推進」合唱
 各政党は公約で行政改革を競い、無駄な予算の削減を叫ぶ。しかし、巨額の国費を投じて造っても採算がとれないといわれる整備新幹線の未着工区間沿線の選挙区では、立候補予定者らが相変わらず「建設推進」を訴えている。予算配分に独自の提案を示したり、在来線重視の姿勢を打ち出したりする声もあるが、まだ小さい。
 「ほかのことは言わなくてもいいから、『新幹線については県民の長い間の熱望はしかと理解している』と言え、といわれましてね」。9月8日に青森県八戸市で開かれた自民党県大会で、橋本龍太郎総裁(首相)は大島理森氏(青森3区)と津島雄二氏(青森1区)から「厳命を受けた」と冗談めかしながら、未着工区間の建設に含みを持たせた。
 青森県と北海道では、八戸まで着工済みの東北新幹線を札幌まで延ばすかどうかが焦点だ。
 大蔵省は整備新幹線に難色を示しているが、そのOBの津島氏も「行政改革と新幹線を造ることとは矛盾しない」と言い切る。
 青森3区で大島氏と競う新進党の田名部匡省氏も「日本は借金だらけ。公共事業費を一律1割カットするぐらいのことをやらないと、子孫の負担は膨大になる」と財政危機を訴えて回る一方で、新幹線となると「東海道新幹線などは国費で造ったのに、財政力がない地域に建設費の負担を求めるのは不公平だ」とトーンが変わる。
 民主党も例外ではない。大蔵政務次官を務める鉢呂吉雄氏(北海道8区)は、地元の函館市で9月30日に開いた記者会見で「青森−函館間は採算がとれる。(着工区間に)函館までを組み込むよう全力投球する」と言ってみせた。
 しかし、ひと昧違う主張も。函館などを地盤にする民主党の金田誠一氏(北海道比例区)は「運輸省だけで造らず、北海道開発庁の予算を使うなど、地方からの声で省庁の縦割りを崩せないものか」と、行革にからめた提案をしている。
 博多から熊本、長崎両県への着工が焦点の九州では、新進党の細川護煕一元首相(熊本1区)が地元経済誌のインタビューで「(在来線を活用する)ミニ新幹線の方が現実的だ」と発言。県議会が、抗議文を採択する騒ぎになった。(朝日新聞)
7日■列車に接触し死亡 JR瀬田駅で会社員
 6日午後11時10分ごろ、大津市大萱一丁目、JR東海道線の瀬田駅下りホームで、堺市三国ヶ丘御幸通、会社員小西順二さん(29)が、南宮崎行き特急列車に接触、小西さんは頭を強く打って死亡した。
 運転士の話では、同駅を通過中、何かが当たったような音がしたため、急ブレーキを踏み停車したが、小西さんがホームに倒れていたという。同特急が23分停車しほかは後続に影響はなかった。(京都新聞)
■新幹線下り線 ダイヤ乱れる 三河安城で信号故障
 6日午前11時10分ごろ、東海道新幹線三河安城駅構内の下り線で、信号系統の故障が発生。下り線の運転ができなくなった。
 JR東海は約20分後、2系統ある下り線のうち、1系統を使って運転を再開したが、東京発博多行きひかり49号など34本が1時間半−20分遅れ、乗客約2万5000人が影響を受けた。上り列車に影響はなかった。原因を調べている。(京都新聞)
8日■窓 JR奈良線の複線化に期待 城陽市・斉藤 訓(団体職員・49)
 JR奈良線の複線化計画の一部が決定した。新しい駅の増設と複線化計画の具体化は、利用者にとって大変喜ばしいことである。将来は全線複線化を目指しつつも、部分区間の複線化の効果は、非常に大きなものが期待できる。また、信号設備の全面改良も実施され、高速化が図られ利便性は、さらに高まるであろう。
 しかし、競合する京阪・近鉄に比べると、より利用しやすいJRを目指すためには、さらに改善が必要である。そのひとつは車両の老朽化である。現在は、かつて東海道線や山陽線の幹線を走っていた車両の寄せ集めで、列車編成がされている点である。競合する私鉄2社は省エネの新型車両を投入し、高速運転にしのぎを削っている。JRもこの機会に省エネの新型車両を投入して、都市間交通のイメージを一新していただきたい。
 もうひとつは運賃である。2私鉄に対抗するためには現行の運賃体系ではなく「電車特定区間」の運賃体系を適用し、運賃面での競争も必要と思われる。JRをもっと利用者が増えるような具体的な対策を、自らがつくる体質が必要ではないか。(京都新聞)
■踏切で女性が重傷 宇治、JR奈良線
 7日午後3時55分ごろ、宇治市五ケ庄のJR黄檗駅南側の踏切で、遮断機が下りた線路内に同市内の女性が入り、奈良行き普通電車に巻き込まれ、両足切断の重傷を負った。この事故で、上下合わせて18本の電車が1時間12分から7分遅れ、約2400人の足に影響した。(京都新聞)
■初値36万円 JR西日本株上場
 JR西日本の株式が8日午前、東京、大阪、名古屋の3証券取引所第1部に上場された。長期低迷を続ける株式市場の今年最大の山場として関係者が注視する中、東証では午前9時34分に、公募価格の35万7000円を3000円上回る36万円ちょうどの初値がついた。午前の終値は36万6000円だった。
 1987年2月のNTT、93年10月のJR東日本、94年10月の日本たばこ産業(JT)に次ぐ大型民営化株。今回はJR西日本の全株式200万株の約7割に当たる約136万株を、入札方式と公募方式で売却した。
 公募では95万株が売り出されたが、民営化株の新規上場に対する投資家の期待感が薄れたことや、相場全体の先行き不透明感から人気が盛り上がらず、27.3%が売れ残った。
 JR西日本株は8日午前、大阪証券取引所、名古屋証券取引所でも36万円ちょうどの初値がついた。(朝日新聞 夕刊)
9日■JR西日本株上場 終値は36万7000円 売り出し価格1万円上回る 先行き慎重論
 東京、大阪、名古屋の3証券取引所に8日上場されたJR西日本株(額面5万円)は、東証第1部では午前の引値36万6000円を1000円上回る36万7000円で、初日の取引を終えた。出来高は8万3333株。終値は一般売り出し価格の35万7000円を1万円上回り、比較的無難な立ち上がりとなった。同株は15日には京都、広島、福岡の取引所にも上場される。
 ただ上場前は、初日の株価は40万円前後との予想が多く、これに比べるとやや低めの水準となった。最近の株式市場が低迷しているため「値下がりする前に売却益を狙う売りが出たため」(証券アナリスト)とみられる。「市場の低迷を打破する起爆剤には程遠く、期待外れ」との厳しい声も聞かれ、先行きには慎重な見方が多い。
 JR西日本株は、午後に入ってからも売り買いが交錯し、株価は小動きで推移。一時売りが増えて値を下げたが、引け際に盛り返し、この日の高値で取引を終えた。
 今後の展開については慎重な予想が多い半面、初日の株価が売り出し価格を下回る懸念があったことや、50万円強のJR東日本株に比べると割安感があることから「初日としてはまずまずの値動き」との評価もある。かつてのJR東日本など民営化株上場で見られた過熱感もないため「じっくり育ってほしい」と期待する声も出ている。
・「株価、謙虚に受け止める」 井手JR西日本社長
 JR西日本の井手正敬社長は8日、同社の株式が東京、大阪、名古屋の3証券取引所に上場されたことについて東証で記者会見し「国鉄改革の関所を越した感じだ」と感想を述べるとともに、同日の初値など株価の動きや出来高については「株価は市場が判断することで、こちらとしては謙虚に受け止めるしかない。」と語った。
 井手社長は「国鉄改革は永遠の課題。JR西日本のスタートから見て、今日の上場段階での点数は75点。100点になるまでには、いろいろやることがある。まだ役所的な発想が多すぎる」と今後も社内の改革を進めていく意向を示した。
 また、大証で記者会見した南谷昌二郎副社長は「株式上場は完全民営化の出発点でもあり、今後、株主や利用者の期待に応えられるよう努力を重ね、1割配当を安定して続けたい」と話した。
 同株は15日に京都、広島、福岡の各証券取引所に上場される。(京都新聞)
■民営化株神話消える JR西日本株の上場 東証 小幅な値動きで推移
 東京、大阪、名古屋の3市場に8日上場したJR西日本株は、売り出し価格を少し上回る水準で小幅な値動きで推移した。東証の終値は36万7000円、出来高は8万3333株だった。値上がり期待の買いが殺到したJR東日本や、逆に上場直後から売りが先行した日本たばこ産業(JT)のような過剰な反応はなく、民営化株をめぐるマネーゲームの様相はまったく見られなかった。
 この日の東証の取引は、一般向けの売り出し価格だった35万7000円を上回る36万円の初値がついた。
 売買代金は約302億円で、東証1部全体の約2%を占めた。JR東日本の売買代金が1993年10月の上場初日、東証1部の6割を占めたのに比べると、静かなスタートになった。
 野村証券の黒川達夫・投資情報部次長は「36万円の初値には不満が残るが、これまでの民営化株のように市場のかく乱要因にならなかったことは良かった」という。
主な民営化株の値動き(単位円。カッコ内は日付)
企業名売り出し価格初 値最高値最安値8日の終値
JR東日本38万
(93・10・26)
60万
(93・10・27)
61万4000
(93・11・29)
38万900050万9000
J T143万8000
〈1次放出T〉
119万
(94・10・27)
120万
(94・10・27)
71万
(95・ 6・14)
80万4000
JR西日本35万7000
(96・10・ 8)
36万36万7000
 JR西日本株の大阪証券取引所での出来高は8663株、終値は36万4000円。久々の大型地元銘柄の上場だけに、北浜の証券界では出来高が東証の1割強だったことに対し、「多少期待外れ」という声もあった。が、「日ごろの東西の出来高の差と変わらず、大阪としてはまずまずの実績では」(大証市場部)という見方が多かった。
・長期債務の償還へ前進 清算事業団が評価
 JR西日本の全200万株を保有していた国鉄清算事業団は8日、「旧国鉄の長期債務の償還が大きく前進するとともに、JRの完全民営化へ向けて前進した」と評価する西村康雄理事長の談話を発表した。運輸省も、「政府株にありがちだった大きな乱高下がなく、安定した値動きだった。次に続くJR東海の上場にも好材料だ」(鉄道局)と受け止めている。
 ただ、当初170万株を放出する予定だったが、入札分の約1割、一般売り出し分で約3割が売れ残った。売り上げ4878億円は、事業団の長期債務の返済にあてられるが、1年間に必要な利払いの4割に満たない。
・「小さく産んで大きく育てる」 JR西日本社長
 JR西日本の井手正敬社長は8日の株式上場後、記者会見し、株価水準について「市場原理で決まるので、評価は避けたい。小さく産んで大きく育てたいと思う。(株価に差がでた)JR東日本の経営陣とそん色はないと思う。会社の内容を投資家に知らせるよう情報公開に努力したい」と話した。(朝日新聞)
■JR西日本株 小幅37万円 東証
 JR西日本株は上場翌日の9日午前、小口の買いが入り、じりじりと値を上げた。東京証券取引所での午前の終値は、前日の終値に比べて3000円高の37万円だった。一方、株式市場全体の取引は、選挙の行方を見極めたいとの気分が強まり、買いが手控えられた。東証第1部の平均株価の午前の終値は、前日比76円96銭安の2万961円57銭だった。出来高は約1億2800万株。(朝日新聞 夕刊)
10日■旧国鉄債務 国民負担に86%反対 世論調査 当事者責任を指摘
 京都新聞社加盟の日本世論調査会は9月28、29の両日、旧国鉄債務処理と整備新教線建設問題について全国世論調査を実施した。
 国鉄清算事業団が抱える長期債務のうち、土地や株式などの資産売却後に残る20兆円余りを「広く国民全体の負担に移す」との政府の方針には86%が反対、行財政改革の徹底による財源確保や運輸省に一層の自助努力を促す声が強かった。財源難から凍結されている整備新幹線四線七区間の着工問題では賛成、反対、賛否いずれとも決めかねるとの回答に3分、国民的合意形成の難しさを浮き彫りにした。
 旧国鉄債務処理は財政改革の一環として、政府与党内で衆院選後に本格的検討作業が始まるが、国民1人当たりの負担が約16万円にも上るだけに、国民的論議を呼ぶのは必至だ。
 資産売却後の旧国鉄の長期債務を国の一般会計に移し、国民に新たな負担を求めることに対しては、55%が「反対」と回答。「どちらかと言えば反対」を加えると、国民の86%が反対した。「どちらかと言えば賛成」を加えた賛成は11%にすぎなかった。
 清算事業団の長期債務が約28兆円(ことし4月現在)にも膨らんだ原因(複数回答)としては「国鉄や事業団の経営努力不足」が43%、「政府が有効な手だてを打たなかった」が39%を占め、当事者の責任を指摘する声が多かった。
 国民の負担に反対した人に、債務の処理方法を聞いたところ「行財政改革を徹底」が35%、「整備新幹線の凍結など運輸省が対応すべきだ」が31%、「JR各社の負担」が28%だったのに対し、「利用者の負担」と回答した人はわずか2%だった。
・解説
・債務処理策 積極公開を
 旧国鉄債務処理と整備新幹線建設問題について実施した全国世論調査で、巨額の旧国鉄債務処理に対し、86%もの人が新たな国民負担に異議を唱えた。債務累増の原因が、主に政府や旧国鉄の努力不足にあると考えているためだ。
 住宅金融専門会社(住専)の不良債権処理問題では、バブルに酔った官民の不手際のつけを国民に転嫁しようとして国民の非難が集中した。その二の舞いを演じないようにするには、今後の処理策策定に当たり、行財政改革の徹底と検討状況を積極的に公開していくという政府の基本姿勢が求められる。
 国鉄が分割、民営化された翌年の1988年に「国鉄清算事業所の土地処分収入などの自主財源を充ててもなお残る債務は、最終的に国が処理する」と閣議決定。この時点で、政府は最終責任が自らにあることを宣言した。
 しかしその後、借金を減らす努力を怠り、バブル崩壊以前の好況時までは税収が大きく伸びていたにもかかわらず、事業団が背負う借金の利払い軽減などの処置をとらなかった。その結果、これまでの事業団の資産売却収入11兆円余が利払いに消えただけでなく、収入不足を補う新たな借り入れで債務が累増する結果を招いた。
 「負の遺産」を先送りしてきたつけは、将来の整備新幹線建設にも影を落としている。「着工すべきでない」と答えた人の多くが、過去の反省から計画線の採算性や国、自治体の財政赤字を懸念材料に挙げている。
 政府は衆院選後に本格的検討作業に着手するが、歳出削減や予算配分の在り方を見直す姿勢を明確に示さない限り、国民の協力を得るのは不可能だろう。
・ガソリン税の転用に警戒感 建投省
 今回の世論調査で、国鉄清算事業団の債務処理の新たな財源として道路財源であるガソリン税の転用が上位となったことについて、建設省は「納税者は道路を整備するため税負担をしており、旧国鉄債務の償還のための転用は理解を得られない」(道路局)と警戒している。
 同省は旧国鉄債務の原因は「過大な投資や減量経営の努力を怠ったことにあり、道路利用者に責任転嫁することは筋が通らない」と指摘する。
 国道クラスの道路が片側2車線以上となっている整備率は、米国が26.4%、フランスが20.4%なのに対し、日本は9.6%にとどまっていることなどを挙げ「日本の道路整備水準は依然として立ち遅れており、(ガソリン税転用の)余裕はない」と主張している。
・東北、北陸九州で期待 整備新幹線
 整備新幹線問題は、年末の来年度予算編成作業で大きな争点になっているが、世論調査では、財源難のため未着工になっている区間について、着工推進論と反対論、「どちらとも言えない」にほぼ3分、地域開発と密接に縮むプロジェクトでの国民的合意形成の難しさがあらためて示された。「着工すべきだ」が「着工すべきでない」を上回ったのは、東北、北陸、九州の3地域。いずれも一部区間の建設が始まっている地域で、自治体の建設推進策もあるが、全線開通への期待が大きいことがうかがえる。
 東北は、未着工の八戸(青森)以北について「着工すべきだ」が49%と、「着工すべきでない」(15%)、「どちらとも言えない」(35%)を上回った。
 北陸は、長野冬季五輪を間近に控え、最も建設に積極的で、「着工すべきだ」が57%と全地域で唯一、過半数を超え、「着工すべきでない」(28%)、「どちらとも言えない」(15%)を大きく上回った。
 九州は、八代(熊本)−西鹿児島間で既に工事が進んでいるが、残る福岡−八代間について「着工すべきだ」が40%と、「着工すべきでない」(26%)を上回ったものの、「どちらとも言えない」も32%あった。
・旧国鉄債務と整備新幹線調査結果
問1旧国鉄債務問題についてお伺いします。国鉄清算事業団は28兆円に近い巨額の債務を抱えています。あなたは、この債務が膨らんだ原因は何だと思いますか。次の中から2つまでお答えください。
 赤字ローカル線を数多く抱えるなど、公共性を重視したから33.9
 高速道路や空港の整備が進むなど、他の交通手段が発達したから31.6
 国鉄や清算事業団の経営努力が足りなかったから42.6
 政府が有効な手立てを打たなかったから39.2
 バブル崩壊などで資産売却額の見込みが狂ったから25.9
 その他1.3
 分からない・無回答6.3
間2旧国鉄の長期債務は、土地やJR株などの資産を売り切っても20兆円余り残り、国民1人当たりに直すと約16万円になります。この債務を国民が新たに負担する考えがありますが、あなたは賛成ですか、反対ですか。
 賛成1.9
 どちらかと言えば賛成8.6
 どちらかと言えば反対31.2
 反対54.8
 分からない・無回答3.5
問3(問2で「賛成」「どちらかと言えば賛成」と答えた人に聞く)賛成する最も大きな理由は何ですか。次の中から一つだけお答えください。
 放置すれば、さらに金利で債務が膨らむから57.6
 国の財政には返済するゆとりがないから12.7
 他の交通手段が発達したあおりで赤字になったから8.0
 赤字路線でも、地域の足として役立っているから20.3
 その他0.0
 分からない・無回答1.4
間4(問2で「どちらかと言えば反対」「反対」と答えた人に聞く)では、あなたは、この債務問題をどう処理するのが最もよいと思いますか。次の中から一つだけお答えください。
 運輸省は整備新幹線の凍結など、自らの責任で対応すべきだ31.3
 JR各社に負担を求めるべきだ27.7
 行財政改革を徹底し、返済に充てるべきだ35.1
 利用者に負担を求めるべきだ1.9
 その他0.2
 分からない・無回答3.8
問5債務処理の新たな財源としてさまざまな考えがありますが、あなたが適切と思う案は、どれですか。次の中から二つまでお答えください。
 道路財源になっているガソリン税を充てる33.3
 JR利用者だけに「鉄道利用税」などをかける27.7
 他の公共交通機関の利用者にも新しい税金をかける25.2
 消費税の引き上げで賄う13.0
 返済のめどがつくまでつなぎで赤字国債を出す29.2
 その他4.4
 分からない・無回答17.1
間6整備新幹線についてお伺いします。北海道、東北、北陸、九州の四つの新幹線の七区間については、整備計画が決まっていながら、財源難で未着工になっています。あなたは、これらの区間について、着工すべきだと思いますか、そうは思いませんか。
 着工すべきだと思う28.0
 着工すべきでないと思う32.5
 どちらとも言えない37.3
 分からない・無回答2.2
間7(問6で「着工すべきだと思う」と答えた人に聞く)着工すべきだと思う最も大きな理由は何ですか。次の中から一つだけお答えください。
 全国を高速鉄道で結ぶ計画だから20.8
 地域間の格差是正に役立つから47.6
 地元の要望が強いから6.0
 仕事や観光に便利で大量輸送ができるから24.2
 その他0.5
 分からない・無回答0.9
問8(問6で「着工すべきだと思う」と答えた人に聞く)着工する場合、建設費はどうするのがよいと思いますか。次の中から一つだけお答えください。
 国が負担する18.1
 地元が負担する0.5
 JRが負担する2.7
 国と地方で分担する15.3
 国、地方、JRの三者が分担する46.3
 利用者も国や地方、JRとともに負担する14.4
 その他0.2
 分からない・無回答2.5
問9(問6で「着工すべきでないと思う」と答えた人に聞く)着工すべきでないと思う最も大きな理由は何ですか。次の中から一つだけお答えください。
 開業しても赤字になるのが目に見えているから32.9
 高速道路など、他の交通手段の整備に力を入れるべきだから7.5
 在来線の活用で対応できるから28.8
 国も自治体も赤字財政で、新幹線をつくるゆとりがないから29.0
 その他1.2
 分からない・無回答0.6
(注)複数回答では、比率の合計は100%を超える。
 ▽調査の方法=調査は層化二段無作為抽出法により、約9700万人の有権者の縮図となるように全国250地点から20歳以上の男女3000人を選び、9月28、29の両日、調査員が調査対象者にそれぞれ直接面接して答えてもらった。転居、旅行などで会えなかった人を除き、2700人から回答を得た。回収率は66.9%で、回答者の内訳は男性48.8%、女性51.2%だった。
 ▽日本世論調査会=共同通信社とその加盟社で組織している世論調査機関。調査は同会の委託を受け、共同通信調査センターが担当している。(京都新聞)
■SLの精密模型販売
 日本車両製造は、創立100周年を記念して「8620形蒸気機関車」の精密模型を製作、一般向けに販売する。
 8620形は1922年に当時の鉄道省に初めて納入した蒸気機関車(SL)で、55両製造したうち58623号の実物を現在でも豊川製作所に保存している。模型は現役最後の姿を復元したもので、化粧煙突を復活させ製造当時のメーカーズプレートも取り付けている。全長38aで実物の45分の1。
 価格は7万円で、販売台数は500台。問い合わせは同社100周年記念品チーム 052(882)3316。(京都新聞 夕刊)
12日■JR貨物の経営考える懇談会が発足 株売却方針に反発も 輸送網維持にも異論 来春にも活性化策
 赤字続きのJR貨物の経営を考える懇談会(座長・諸井虔日本経営者団体連盟副会長)が11日、運輸省の呼びかけで発足した。同省は営業基盤を強化するため、来年度中にJR貨物の株式の一部を、物流事業者に売却する方針。だが、貨物会社に線路を貸すJR東日本など旅客会社が反発し、経営活性化の方法を改めて議論することになった。来年5月にも意見をまとめる。
 国内貨物輸送量に占める鉄道貨物は、高速道路の整備などによるトラック輸送に押されて、1975年度の13.1%から94年度には4.5%まで下がった。
 JR貨物の業績は、87年の分割・民営化から4年間は、バブル景気の中で59億円から74億円の経常黒字を維持した。しかし、輸送量の減少に対して人員削減などの合理化が追いつかず、阪神大震災による被害が追い打ちをかけ、93年度から経常赤字に転落し、95年度は89億円と最大の赤字となった。
 運輸省は、物流の多様化や環境問題などから、全国に広がる鉄道貨物の輸送網を維持する必要があると判断。進まぬ合理化へのいらだちもあり、国鉄清算事業団が保有する全38万株の一部を、JR貨物の取引先である荷主や物流業者に買ってもらって、連携を深める方針を決めた。将来、予想される運転手不足や輸送手段を多く持つ必要性から、日本通運が株式の取得に前向きな姿勢を示している。
 ところが、線路を貸す旅客会社が「JR貨物の経営を配慮して、十分な線路使用料をもらっていないのに、新たな株主に配当をするなら、線路使用料の値上げをお願いする。先に株式売却ありきの議論には応じられない」(井手正敬・JR西日本社長)などと反対した。
 JR貨物は年間200億円前後の線路使用料を支払っている。旅客各社によると、必要な経費は5倍以上で、使用料は大幅に減額している。運輸省は、この減額措置は国鉄改革時に決まった枠組みのため、基本的に現行使用料金の維持を主張している。
 また、貨物の輸送網のあり方についても、旅客会社の中には「全国網を維持するのは無理。札幌から博多までの幹線輸送に絞るべきだ」(ある首脳)とする意見も強い。今後は、こうした異なる意見の調整をはじめ、株主構成などについて議諭する。次回はJR貨物が提出する合理化案をたたき台に、意見交換する予定だ。(朝日新聞)
■「ブルトレ止まれ」偽無線 容疑の高1 書類送検へ
 東京都品川区のJR東海道線・品川−川崎駅間で10日夜、東京発下関行きの寝台特急「あさかぜ」の列車無線に「止まれ、止まれ」という音声が入る事件があり、警視庁捜査一課と蒲田署などが同夜、自転車の前かごに無線機を入れて近くの公園にいた15歳の高校1年生2人から事情を聴いたところ、容疑を認めた。同課などは、近く2人を偽計業務妨害などの疑いで東京地検に書類送検する方針。
 調べでは、高校生2人は、鉄道マニアで、東京・神田の交通博物館で知り合ったという。無線雑誌を購読して、今年1月ごろから列車無線を傍受していた。さらに8月、東京・秋葉原の電気街で「受発信機」を4万3000円で購入。今月1日から計15回にわたって、ブルートレインといわれる寝台特急ばかりに「止まれ、止まれ」などと妨害電波を発信していたという。(朝日新聞)
14日■線路を横断の女性 列車に接触、死亡 井手町のJR奈良線
 13日午後2時ごろ、京都府綴喜郡井手町井士、JR奈良線棚倉−玉水駅間で、線路を横断しようとした同町井手の無職松本政子さん(72)が、奈良発京都行き快速電車に接触、病院に運ばれたが頭などを強く打ち間もなく死亡した。
 田辺署の調べでは、松本さんを見つけた運転士が、急ブレーキをかけたが間にあわず電車と接触、転倒して頭などを打ったらしい。乗客にけがはなかった。この事故で上下4本の電車が21分から10分遅れ、約700人の足に影響した。(京都新聞 夕刊)
■転落の女高生 会社員が救山 地下鉄南森町駅
 14日午前7時48分ごろ、大阪市北区南森町二丁目の市営地下鉄谷町線南森町駅で、ホームにいた近くの高校2年の女子生徒(16)が線路上に転落した。同市西成区天下茶屋東一丁目の会社員山内敏雄さん(49)が線路上に下り、高校生をホーム下の待避口に運び、近づいてきた電車に手を振って止め、駅職員らとともに助けた。高校生は病院に運はれたが、額に約10日間のけが。
 天満署の調べによると、高校生は立ちくらみで倒れたらしい。山内さんは「電車が来るのは見えていたが、何とかしなくてはと無我夢中だった」と話していた。(朝日新聞 夕刊)
15日■JR西日本株 京証でも上場
 JR西日本株が、8日の東京、大阪、名古屋証券取引所に続き、15日に京都証券取引所に新規上場され、売買取引を開始する。広島、福岡証券取引所でも同時上場する。上場株式数は200万株。
・株主センター設置
 JR西日本は、大阪市北区の本社総務部内に「株主センター」を設置、15日から専属の社員が問い合わせや相談に応じる。
 株主センターは、株式に関する諸手続きや株主優待の取り扱いなど各種問い合わせや相談に応対する部門。これまで株式事務を担当していた6人を配置し、祝日を除く月曜から金曜の午前9時から午後6時まで対応する。専用電話は06(376)6060。(京都新聞)
■地下鉄工事の現状紹介 写真パネル展 北区で始まる 「鉄道の日」ちなみ
 「鉄道の日」の14日、建設中の地下鉄東西線工事の現状などを紹介した写真パネル展が、北区小山北下総町のキクオオジタウン・センタープラザで始まった。
 パネル展は、市交通局が来年11月開業にむけて工事が進む東西線(二条−醍醐間21.9`)の工法などを広く理解してもらう目的で企画した。
 会場には、工事現場の写真パネル23枚を展示。地上から掘るオープンカッ卜工法、掘進機を使ってトンネルを掘り進むシールド工法などを分かりやすく説明している。また、東西線を走る銀色の車体に朱、赤紫の2色のラインが入った新型車両も写真で飾っている。
 同展は20日までで、最終日の正午から午後2時半まで同プラザで、市バス、地下鉄にちなんだクイズ大会やお笑いタレントのショーも開かれる。入場無料。(京都新聞)
■浜大津、再生へゴー 起工式 関係者らが無事祈り
 京阪電鉄の京阪浜大津再開発事業の起工式が14日、大津市浜町の京阪レークセンター跡の建設予定地で行われた。総事業費200億円を投じ、12階建てホテルや映画館を含むアミューズメント棟を建設する計画で、完成はアミューズメント棟が98年春、ホテルは同年秋の予定。
 同事業は琵琶湖観光の玄関口である浜大津の活性化の一環。同グループ経営の京阪レークセンターを全面撤去し、その跡地(約3万8000平方b)に、ホテル棟(地上12階、延べ3万4000平方b)、アミューズメント棟(地上4階、延べ2万4000平方b)を建設する。
 ホテル棟には、同グループの琵琶湖ホテル(大津市柳ケ崎)が移転し、客室171室、宴会場、レストランなどを備えたシティーリゾート型ホテルとなる。アミューズメント棟には、5スクリーンをもつ東宝シネマコンプレックス(複合映画館)、セガ・エンタープライゼスの大型テーマパーク、ボウリング場、飲食、物販が入居する。
 起工式には、来賓や工事関係者ら約80人が出席、京阪電鉄の宮下稔会長、金馬昭郎社長がくわ入れし、工事の無事完成を祈願した。(京都新聞)
■ラピート2000万人突破 謝恩きっぷ発売へ
 南海電鉄は、関西空港線の利用者が開港いらい2000万人を超えたのを記念して26日から、割引乗車券「ラピート謝恩きっぷ」を発売する。
 同きっぷは、難波と関西空港間の割引き乗車券と、「ラピート」の特急券引換証を各2枚セットにし、通常より240円安い1部2500円で売り出す。
 「ラピート」のスーパーシートの場合は引き換え時に別に300円が必要。割引き乗車券の発売は12月20日まで。(京都新聞)
■JR鷹取工場跡18f 区画整理区域に 神戸市 復興住宅1000戸建設
 神戸市都市計画審議会は14日、同市須磨区のJR鷹取工場跡地18.6fを震災復興土地区画整理事業区域に指定することを承認した。隣接する同区域の「新長田・鷹取地区」(約69.2f)に編入する形をとる。市は工場跡地のうち10fを買収する予定。31日の兵庫県都市計画審議会に諮った後、正式決定する。
 鷹取工場跡地については併せて、公共施設工事費や区画整理事業の用地買収で国の補助が受けられる「被災市街地復興推進地域」への指定も承認した。幅8−27bの道路4本と防災機能を備えた公園2ヵ所(計約2f)、駅前広場(約5000平方b)の建設も認めた。
 神戸市は買収する10fに、被災者向け復興住宅など約1000戸を建設。残りの約8fに鉄道博物館を建設するようJR側に要望している。市は、工場跡地を区画整理事業に編入すれば、地権者の換地の幅が広がるなどの利点を生むとしており、早期着工につなげたい考えだ。
 市都計審はこのほか10地区についても、被災市街地復興推進地域の指定や市街地再開発事業の決定を承認した。(朝日新聞)
■阪神・阪急 通勤定期相互利用で珍現象 客は「お得」 両社は静観
 阪急電鉄と阪神電鉄が1日から始めた、梅田−三宮間の通勤定期でどちらの電車も利用できるようにしたサービスで、乗客にとってはお得な、電鉄会社にとってはちょっと困った現象が起きている。相手社の通勤定期での乗車は、梅田、三宮両駅だけの利用を想定。システム上、途中駅での乗車はできないが、途中下車は精算磯で精算すれば可能だ。ところが、精算機はいったん梅田駅か三宮駅まで行って折り返した場合の不足運賃と比較して、自動的に安い方を請求してしまう。最大で160円得になる利用者にとってはうれしい「誤算」。厳密にいえば不正乗車になるが、阪急と阪神は「機械の限界として割り切るしかない」と話している。
 例えば、阪急の三宮−梅田間の通勤定期を使って、阪神の三宮駅で乗車し福島駅(大阪市福島区)で降りた場合、通常は三宮−福島間の普通運賃300円が必要だが、精算機に定期を入れると不足運賃が140円と表示される。精算機が、そのまま阪神の梅田駅まで行き、折り返して福島駅で降りたと判断。三宮−梅田間は「定期利用」なので料金は請求せず、梅田−福島間の普通運賃140円だけを請求するためだ。
 同じ定期で、阪神の梅田駅から春日野道駅(神戸市中央区)まで利用した場合も、普通運賃は290円だが、精算すると不足運賃は三宮−春日野道間分の140円と計算される。同様の現象は、梅田起点と三宮起点の運賃が同じになる阪急の西宮北口駅と阪神の鳴尾−香炉園間の7駅を除く、梅田−三宮間のすべての駅で起きる。
 阪急と阪神によると、現行の自動改札、精算システムには利用経路まで認識させることができないため、2種類の経路が考えられる場合は客にとって有利な経路を自動的に選んでいる結果、起こる現象だという。
 両社は「お客さんの立場ではきちんと精算しているわけだから取り締まることはできない。かといってサービスでもないのでPRもできない」とし、当面は見て見ぬふりをする構えだ。(朝日新聞 夕刊)
17日■JR東海株 来年10月ごろ上場
 国鉄清算事業団の西村康雄理事長は16日の定例記者会見で、来年度に予定されているJR東海株の上場について、既に上場したJR西日本株の上場を参考にして「ほぼ同じスケジュールで実施する」と述べ、株式市況の悪化など波乱がなければ来年10月ごろに上場する見通しを示した。
 西日本株は今年4月の上場仮申請、6月の本申請を経て、10月8日に東京証券取引所などに上場された。株価は当初見通しを下回ったものの、上場後は安定した値動きを続けている。東海株についても西日本株上場の日程や手法を基本的に踏襲することにした。
 しかし、西日本株は民営化された企業の不人気を反映し、売れ残りが約20%も出た。このため運輸省と事業団は、西日本株では発行済み株式数に対する売却比率が85%だったが、東海株(発行済み株式数224万株)については、引き下げるなど売り出し方法を若干修正することを検討している。(京都新聞)
■グルメに味めぐり文殊便 JRが臨時列車
 JR西日本は16日、冬の臨時列車の運転について発表した。年末年始(12月26日−1月5日)期間中、山陽新幹線と在来線の特急、急行合わせて、前年より18本多い計753本の瞼時列車を運転する。
 同社によると、京阪神地区から各地への年末の帰省ラッシュは12月28日から30日まで、年始のUターンのピークは1月5日になる見込み。
 このほか近場でのレジャーブームに対応して、グルメ旅行用に大阪−天橋立間に特急「味めぐり文殊(もんじゅ)」などを運転するほか、山陽新幹線では帰省客向けに、新大阪−博多間に臨時の「のぞみ」を1日1−2本運転する。
 同社は、年末年始の期間中新幹線、在来線合わせて、対前年比3%増の約307万人の利用を見込んでいる。(京都新聞)
■品川駅東口地区 来年2月入札 国鉄清算事業団
 国鉄清算事業団は16日、所有する高額物件の一つ、東京・品川駅東口地区(5.3f)の入札を来年2月に行う、と発表した。入札希望者はいまのところ、購入者本人の申し込みが21件、代理人によるものが38件ある。不動産、商社、建設、設計会社などが8割を占めている。今月末にも説明会を開く。この土地について、ある大手信託銀行では1500億円から2000億円と試算している。(朝日新聞)
■JR冬の臨時ダイヤ 受験やグルメ列車も
 JR旅客6社は16日、冬期間中(12月1日から来年2月28日まで)の臨時ダイヤを発表した。JR西日本は鳥取大学の試験日に合わせ、京都から、智頭線回りの特急「ビクトリーはくと」を走らせる。受験生のために特別列車を仕立てるのは、同社では初めての試み。
 「ビクトリーはくと」は来年2月24日朝に京都駅を出発し、午後に鳥取大学前駅に到着、帰りは同25日夕に鳥取大学前駅を出る。去年の試験日に、定期の特急「はくと」が受験生で満員になったため設定した。同大によると来春は約6200人が受験する見込み。
 このほか、東海道新幹線は月−金曜日の朝と金曜日の夜にそれぞれ臨時の「のぞみ」を1日2往復運転する。山陽新幹線は年末年始に臨時の「のぞみ」を1日2往復運転、子供用の遊戯スペースを設けた「ファミリーひかり」を冬休みに1日2往復走らせる。
 京阪神方面から但馬、丹後、若狭方面へは「味めぐり号」を運転。京阪神から信越、北陸、但馬方面へのスキー列車「シュプール号」も、12月20日から来年4月6日までに延べ約960本走らせる。
 6社は、年末年始のラッシュのピークを帰省が12月28−30日、Uターンが1月5日と予想している。問い合わせは、JR西日本・大阪テレホンサービス(06・345・8001)へ。(朝日新聞)
■新幹線遅れる 草津で送電トラブル
 17日午前5時20分ごろ、JR東海道新幹線上り線の京都−米原駅間で、送電がストップ、上り列車が同区間で運転を見合わせた。1時間半後に復旧し、運転を再開したが、始発の新大阪発東京行き「ひかり200号」が京都駅で40分停車するなど上りの計8本が43−8分遅れ、約4000人に影響した。下り線に遅れはなかった。
 JR東海は、線路と並行して走る上り線用の送電保護線2本が草津市内で接触しショートしたのが原因とみて調べている。(京都新聞 夕刊)
■新幹線遅れ 4000人影響 送電できず 京都−米原
 東海道新幹線の京都−米原間の上り線で17日、午前5時すぎから同6時53分まで送電ができなくなった。このため、同6時に新大阪駅を出た始発から計8本が最高43分遅れ、約4000人に影響が出た。
 JR東海によると、同区間で16日夜に2種類の電線を張り替えており、送電を再開した際に接触、ショートしたらしい。(朝日新聞 夕刊)
18日■「仏の攻防」EU各国注視 公務員ら大規模スト 通貨統合へ赤字削減を・政府 失業率最悪、雇用を守れ・労組
 フランス全土で17日、緊縮予算や人員削減などに反発する公務員らが大規模な24時間ストに突入し、鉄道、道路などに大きな影響が出ている。しかし、政府は欧州通貨統合参加に不可欠な財政赤字の削減を、強行する構えを崩していない。同じ事情を抱える欧州連合(EU)諸国は、「フランスの攻防」を注視している。3週間以上にわたった昨年暮れのストに続く今回の抗議行動が、どれほどの広がりを見せるかは、欧州統合にも大きな影響を与える。(パリ=増田隆、磯松浩滋)
 国鉄は16日夜からすでにダイヤが乱れ始めた。17日運行している幹線はふだんの3分の1。空の便も、管制官やエールフランス職員らのストで、欧州線や国内線は通常の3分の1から5分の1しか運航していない。教職員組合によると、全国の公立学校の半数以上が休校状態で、郵便など公共サービスが大きく乱れている。
 主要労組は昼前から、パリ市内で大規模なデモ行進を行うほか、各地でも集会やデモが予定されている。ただ、パリ周辺の近郊線や地下鉄、バスは比較的スムーズな運行で、朝のラッシュ時に大混乱はなかった。
 事前の予測より平静とはいえ、17日の状況だけで今後の展開を見通すのは、時期尚早だ。昨年は10月中旬の1日ストのあと、労組の現場活動家に突き上げられる形で、11月から12月にかけての長期ストに入った。
 昨年の場合、社会保障の水準切り下げという国民全体にかかわる問題に対する反対だったのに対し、今回は公務員削減が中心で、民間労組が同調する可能性は小さい。昨年のストで小売業者などは大きな打撃を受けており、再度の長期ストに対する業者の不安を公務員労組も無視できない。共産党系労組が、11月にも大規模抗議行動の構えをみせているのに対し、社会党系労組は慎重な姿勢で、足並みも乱れている。
 しかし、政府に対する国民の反発・不信は昨年以上に強い。17日付のパリジャン紙が掲載した世論調査によると、今回のストに対する国民の支持は64%。昨年同時期のストに対する支持率57%を上回っている。
 経済状況を見ても、第二次世界大戦後の混乱期を除くと過去最高の12.6%の失業率にあえいでいるところだ。民間企業も従業員削減を軸とする経営再建計画を打ち出している。先行き不安から国民は財布のひもを縮め、それが景気の足を引っ張るという悪循環に陥っている。
 こうした閉塞(へいそく)状況のなかで、政府が厳しい財政再建策を打ち出したことが今回のストの引き金になった。審議中の1997年予算案には、公務員の約5600人削減、中期的に5万人から7万人の雇用に影響するとされる軍事費の大幅抑制などが盛り込まれている。
 仏政府は「財政赤字削減は、金利低下などを通じた経済の活性化につながり、失業問題解決のためにも必要」と説明しているが、短期的には雇用の悪化につながる。
 だが、財政赤字削減はシラク政権が最優先課題としている欧州通貨統合への参加のために必要な条件だ。通貨統合が99年にスタートする時の最初の参加国は、97年の財政赤字の状況などに基づいて決まることになっており、来年の予算が政府案のまま通れば、通貨統合の展望が開ける。ドイツと並んで統合の中心となっている仏政府としては、緊縮予算の旗は降ろすわけにはいかない。
 社会福祉削減に抵抗して散発的なストが続くドイツやイタリア、スペインなどでも政府は国民の不満を押し切って厳しい予算案を組もうとしている。
 シラク大統領、ジュペ首相は昨年5月の就任に当たって「雇用の確保」を最優先課題に掲げた。しかし、5ヵ月後、政府は最優先政策を財政赤字の削減にシフトし、社会保障費の削減、国鉄改革などを次々に打ち出した。政府の「公約違反」に対する反発が、昨年のストだった。
 緊縮財政を押しつける首相の支持率は低下を続け、今は3割を切った「危機的状況」(仏各紙)だ。ジュペ首相の辞任説がたびたび流れ、与党内にも、この状況では98年に予定される総選挙を戦えないとのムードが広がっている。13日の南仏での下院議員補選で、与党候補は共産党と極右の候補に敗れ、幹部らはショックを隠せなかった。
 今回のストにどう対応するか、ジュペ首相にとっても、EUにとっても正念場だ。(朝日新聞)
■松本被告「事件を背負う」 地下鉄サリンで初陳述 東京地裁
 オウム真理教松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の第13回公判が18日、東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれ、地下鉄サリン事件の現場指揮をしたとされる井上嘉浩被告(26)に対する反対尋問で松本被告は冒頭、発言を求めて「井上嘉浩(被告)は元わたしの弟子です。偉大な成就者です。事件につきすべてわたしが背負うことにするので、反対尋問を中止してください」と意見陳述した。松本被告が法廷で事件の責任にかかわる発言をしたのは初めて。
・井上被告尋問中止を要求
 公判はいったん休廷となり、国選弁護団が松本被告と打ち合わせたが、再開後も松本被告は「わたしは全面無実だが、井上さんのような偉大な魂を苦しめたくない」として、重ねて尋問中止を求めた。しかし、阿部裁判長は予定されていた井上被告に対する弁護側の反対尋問をするように命じた。
 第13回公判は午前10時の開廷予定だったが、弁護団が松本被告との打ち合わせを求め、開廷は20分遅れた。松本被告の意見陳述は井上被告が入廷した直後だった。
 松本被告は「事件はわたしが背負う」として、反対尋問の中止を求めたが、阿部裁判長が井上被告を証言台に呼んだので、松本被告は「けさ裁判所で女神の啓示を受けた。いまの井上さんには尋問をすべきでない。精神に悪い影響を与えないようしてほしい。裁判長の寛大な温かい慈悲に感謝している」と述べた。
 4月から始まった公判で、松本被告は「いまは話すことはありません」などとして、起訴された17事件の起訴事実の認否をいずれも留保し、事件にかかわる発言はしていなかった。
 井上被告は9月の検察側主尋問で、地下鉄事件2日前の車中で、村井秀夫元幹部=死亡当時(36)=が「地下鉄にサリンをまけばいい」と提案し、松本被告が「それはパニックになるな。お前が総指揮でやれ」と犯行を指示した、と初めて事前謀議などの内容を証言した。(京都新聞 夕刊)
■オウム裁判 慈悲深い「グル」を演出 地下鉄サリン ”無実”強調の松本被告
 「井上嘉浩は成就者、偉大な魂を苦しめたくない。この事件につきすべてをわたしが背負うことにいたします」
 18日、東京地裁で開かれた公判でオウム真理教松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=は、証人として出廷した井上嘉浩被告(26)の尋問開始直前に突然、意見陳述を開始した。しかし、直後に「わたしは全面無実」とあらためて強調し、慈悲深い「グル」を印象付けた。
 この日の法廷は10時の予定が20分遅れて開廷。黒のスーツの井上被告が緊張した表情で証言席に着くと松本被告がいきなり「ひとこと言わせてください」と切り出した。
 「井上嘉浩は完全なるマハームドラー(修行)の成就者です」「彼に悪い影響がある」「今日の朝、裁判所で女神の啓示を受けた」として尋問の中止を求めた。さらに「今の井上さんには(尋問を)絶対やるべきではない。先生たち(弁護人)も死ぬんですよ」などと話したため、法廷は一時休廷に入った。
 井上被告は目を閉じてやりとりを聞いていたが、休廷間際には松本被告を身動き一つなく見つめ続けた。
・弁護方針裏切る発言
 18日の公判で松本智津夫被告(41)が突然、事件の責任にかかわる発言を始めたことは「当面罪状認否は留保する」としてきた弁護方針を裏切り、弁護団を混乱させる結果となった。
 これまで国選弁護団は一貫して「刑事裁判の原則を重んじ、証拠の精査から始める」とし、まず検察側主張の疑問点や矛盾点を突くとの姿勢を堅持してきた。しかし舞台裏では松本被告が「事件について法廷で話したい」と主張するのを抑える努力が続いていたといわれる。松本サリン事件の罪状認否があった5月の第3回公判でも、開廷直前になって松本被告が方針に異を唱えたため、弁護団が罪状認否の直前に休廷を求め、裁判が一時止まる異例の事態があった。
 事情をよく知る関係者は「この事件の弁護人にとって一番大変なのは、検察や裁判所、世論との戦いではなく、被告人本人との戦い」と論評する。
 しかし松本被告があえて弁護団の方針に逆らって反対尋問の中止を求める行動に出ても、井上嘉浩被告はこれに動じず冷静に証言を始めた。結果的には、松本被告の教祖としての威厳がもはや脱会信者には通じないことを公の場で明白に印象付けることになった。(解読)
・麻原らしい巧妙手口 ジャーナリストの江川紹子さんの話
 「アーナンダ嘉浩」などという普段使わないような言い方をして、二人の関係を想起させ、動揺させることを狙った、麻原(松本智津夫被告)らしい巧妙なやり方だ。彼はこれまでもそうやって弱いところを突いたり、「成就者」と持ち上げたりして人心をつかんできた。麻原にとっては、それだけ井上証言は怖く、何とかやめさせたいといろいろ考えたのだと思う。弁護団としてもこうした言動はもう抑えきれなかったのだろう。
・井上被告へのけん制 永岡弘行・オウム真理教家族の会(旧被害者の会)代表の話
 肺原(松本被告)が席を立った時、ああ、やるなと思った。人の嫌がることをやりましょうということ。間違いなく井上嘉浩君に対するけん制。一般常識では考えられないことだが、麻原はああいうやり方を再三やってきた。それを見てきた井上君なら分かったはずだ。追い詰められると「それがどうした」と開き直り、できもしないことを平気で言う。麻原は罪を引き受けるなどという気はさらさらないと思う。(京都新聞 夕刊)
■地下鉄サリン「事件、私が背負う」 松本被告が公判で発言 休廷語には「無実」
 オウム真理教前代表・松本智津夫(麻原彰晃)被告(41)の第13回公判が18日午前10時から、東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれた。地下鉄サリン事件で松本被告の指示を受けたと証言した元教団「諜報(ちょうほう)省」トップ・井上嘉浩被告(26)に対する弁護側の反対尋問が始まったが、これに先立つやり取りの中で、松本被告は「私は全面無実です」と述べた。これまで松本被告は、起訴された17事件すべての罪状認否を留保しており、起訴事実についての懸度を明らかにしたのは初めて。
 この日の公判の冒頭で、松本被告は、発言を求めた。
 同被告は「証人井上嘉浩は、もと私の弟子です。この事件については私が背負うことにします」と、自らの刑事責任を認めるとも受け取れる発言をして、反対尋問の中止を求めた。このため、公判はいったん休廷したが、弁護人と相談した松本被告は審理再開後、無実を主張した。
 反対尋問の中止を求めた理由については、「井上嘉浩さんのような偉大な成就者の魂を形の上で苦しめるだけでも、(井上被告の反対尋問を)見る、聞くすべての人が苦しみの業火にさらされる」などと説明した。
 弁護側は「被告の意思を無視して尋問するのは望ましくない」と、反対尋問の延期を求めた。これに対し検察側は「予定通り、反対尋問をすべきだ」と主張。裁判長は検察側の意見を受け入れて、約1時間20分遅れで井上被告に対する反対尋問が始まった。
 井上被告は、先月20日の松本被告の公判に検察側証人として出廷。地下鉄サリン事件の2日前の1995年3月18日未明、山梨県上九一色村の教団施設に向かうリムジンの車中で、松本被告が予想される強制捜査をかく乱する方法について、「サリンじゃないとだめだ。マンジュシュリー(故・村井秀夫元幹部の宗教名)、お前が総指揮だ」と命じた、などと証言していた。
 検察側は、この証言を、地下鉄サリン事件の事前謀議での松本被告の指示を裏付けるものと位置づけている。これに対し、弁護側は「証言には弁解や矛盾が多い」と批判し、詳細な反対尋問で信用性を崩したい、としていた。(朝日新聞 夕刊)
■オウム法廷 「今朝、神の啓示」 松本被告、大声で 編集委員 降幡賢一
 オウム裁判が突然に動き出した。弟子の井上嘉浩被告(26)への反対尋問が予定されていた18日の東京地裁の第13回公判で、オウム真理教元代表松本智津夫(麻原彰晃)被告(41)が突然に発言を求め、井上被告への証人尋問を中止するように求めたのだ。「今朝、神の啓示があった。この事件は私が背負います。だから反対尋問をやるべきではないと思います」。被告席から証言台に立ち、裁判長に向かって、さらに自分の「無実」を主張する松本被告の声が、少しうわずり、そして、少し震えているように思えた。
 午前10時開廷予定だったこの日の公判は、開廷直前に弁護人から申し出があって、突然20分間、開廷が遅らされた。
 やっと開廷された冒頭、井上被告が証言台につくと、突然松本被告が大きな声で怒鳴るように、裁判長に発言を求めた。
 「アーナンダ、井上嘉浩は私の弟子。完全な成就者です。この事件については私が背負うことにします。従って、井上の反対尋問は、中止してください」
 証言台に立って、話し始めるかつての「尊師」の声を、井上被告が目をつぶって聞いている。
 発言が終わって、裁判長が井上被告を証言台につけさせると、松本被告がさらに発言を求めて、反対尋問中止を求める。かつての弟子、井上被告が宗教上の成就者であるのだから、反対尋問は相手に失礼になる、というのだ。
 それは、松本被告が地下鉄サリン事件の全責任を負うと、認めたことになるのかどうか。弟子を気遣う教祖の立場を、再び誇示しようとするのかどうか。裁判長が、「本当に反対尋問をしなくていいのですか」と重ねて聞くと、松本被告は、「そのことにつきましては、もともと私は神と主任弁護人を信じています。以上です」とぶっきらぼうに大声で話すだけだった。
 「神の啓示」はこの朝、裁判所に着いて拘置されているときにあったという。自分が光り輝く中にいると感じたからだ、という松本被告の説明が続く。しかし、それはあまりに突然で、弁護人にも混乱を引き起こしているようだった。主任弁護人が立って、「反対尋問をやるべきではない理由は何か」と尋ねると、松本被告は「弁護人の先生たちが、カルマ(業)を受け取ることになるからです」。
 松本被告は今も信仰の世界の中でこの裁判を見ている。(朝日新聞 夕刊)
22日■関空特急騒音問題で対策協議会が初協議
 関西空港へ乗り入れている関空特急の騒音・振動問題で、近畿運輸局とJR西日本、南海電鉄、大阪府や地元自治体をメンバーとする対策協議会が発足し、22日午前、大阪市内で初会合が開かれた。今後、専門部会を置き、同運輸局が近く取りまとめる中・長期改善策などを検討する。
 JRの「はるか」と南海の「ラピート」の騒音・振動は、沿線住民からの苦情が寄せられるなど深刻化。府が5月に行った実態調査でも、2社の関空特急の騒音は平均86デシベルと、地下鉄の車内並みだった。 知事の改善要請に対し、両社とも防音対策は約束したが、減速運転はしない方針を明らかにしていた。(京都新聞 夕刊)
23日■紅葉の信濃路にデゴイチ 長野−軽井沢 最後の雄姿
 「デゴイチ」の愛称で知られるD51型蒸気機関車(SL)が22日、紅葉で色付き始めた長野県のJR信越線長野−軽井沢間74.9`を客車6両をけん引して走った。
 同区間をSLが走るのは、電化が完成した1963(昭和38)年以来33年ぶり。10月26、27両日と11月1−4日の計6日間、JR東日本長野支社のイベント「秋色信州キャンペーン」の目玉として一般客を乗せて毎日1往復する予定で、22日は関係者の試乗会。
 期間中は往復を4区間に分け、全席指定で運行される。
 信越線は97年秋の北陸新幹線開業と同時に、軽井沢−篠ノ井間65.6`が第三セクターの「しなの鉄道」に経営移管され、1893(明治26)年に開通した横川−軽井沢間2.2`も廃線となり大きく姿を変える。
 同支社によると、信越線長野−軽井沢間をSLが走るのは今回が最後になりそうだという。(京都新聞)
■旧盛鉄野球部が復活 9年ぶり「JR盛岡」に
 旧国鉄時代に「盛鉄野球部」として親しまれ1987年の国鉄分割民営化とともに廃部になった旧盛岡鉄道管理局野球部が「JR盛岡」野球部として9年ぶりに復活することになった。
 JR東日本盛岡支社が22日明らかにした。
 「盛岡での硬式野球の灯を消すな」と、旧盛鉄時代の選手たちの熱心な要望が実った形で、企業チームの休廃部が続く中での「復活」に、地元ファンの激励の言葉が寄せられている。
 部員は杉山定義監督(49)以下23人で、大半は30歳を超えたベテランぞろい。29日に社会人野球連盟へ加入申請するが、廃部とともに専用グラウンドもなくなったため、当面は地元企業のグラウンドを借りて練習するという。
 会見に同席した杉山監督は「最終目標は(全国大会が開かれる)東京ドーム」と、早くも名門復活へ意気込みを見せた。
 旧盛鉄野球部は1927年に創設され、都市対抗全国大会に10回出場するなど活躍した。阪神タイガースの白坂長栄選手をはじめプロ野球にも選手を輩出した。(京都新聞)
■JR東西線の割安運賃 三ノ宮−北新地390円 JR西日本申請の方針
 JR西日本は、来年3月8日に開業する東西線の運賃申請にあたって、大阪駅の南側にできる新駅北新地と、東西線に乗り入れる宝塚線・宝塚、神戸線・三ノ宮のそれぞれの区間について、通常の体系より運賃を低めに抑える特定運賃の適用を運輸省、近畿運輸局に求めていく方針を固めた。私鉄と競合するためで、適用されれば、宝塚−北新地間は320円に、三ノ宮−北新地間は390円になる見通し。
 東西線は尼崎−京橋間を結び全長12.3`。第三セクターが建設主体となり、総事業費は約3400億円。開業に伴い、JR西日本は年間140億円程度の線路使用料を第三セクターに支払う。
 特定運賃制度は、国鉄時代に導入された運賃格差是正措置で、私鉄と競合する区間では運賃を安くして価格競争力を残すのが狙い。特定運賃が適用されても、2区間の運賃は競合する私鉄に比べ割高になるが、通勤定期は割安になる。開業後の輸送人員は1日約20万人、年間90億円の増収を見込んでいる。
 また、JR西日本では、北新地駅ができることで、大阪中心部に直結する拠点駅が大阪、北新地の2つになる。このため大阪駅を利用する通勤定期の利用客も、北新地駅で乗り降りできるようにする。(朝日新聞)
■環状線故障、15本運休 JRラッシュ時 5万人影響
 23日午前7時ごろ、大阪市城東区新喜多一丁目のJR大阪環状線京橋駅で、外回り線のポイントが転換できなくなった。このため、同区森之喜一丁目の森ノ宮電車区から電車が出られなくなり、京橋発大阪行き普通電車が運転を取りやめた。また、外回り線の出発信号機が青と赤を繰り返す異常を示し、駅員が手信号で電車を誘導した。信号機は同8時ごろ復旧したが、これらの影響で外回りと内回りの計15本が運休、18本が最高11分遅れ、朝のラッシュ時間帯とも重なって約5万人が影響を受けた。
 JR西日本によると、レールをまくら木に固定するボルトが折れて飛ばされ、2つのレールの間に接触、電流が誤って流れたらしい。同社でボルトが折れた原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)
24日■「こまち」が初お目見え 来年開業の秋田新幹線
 来年3月に開業予定の秋田新幹線「こまち」が23日、開業に併せて全面的に改築中のJR秋田駅に初めて姿を見せた。
 白を基調にピンクのラインの入った車両は1編成5両で、定員270人。仙台−北上間などで試運転された車両が順次、秋田に送られてくるが、今回はその第1弾。この後、開業まで、南秋田運転所で入念なチェックを受けるという。
 この日午後4時すぎ、6番ホームにスマートな車両が現れると、子供たちから「かっこいい」との声が上がり、しきりにシャッターを切る鉄道マニアも。
 「こまち」は東京−盛岡間の東北新幹線部分では最高時速275`、在来線を使う盛岡−秋田間は130`で走り、東京−秋田間を4時間以内で結ぶ。(京都新聞)
■高崎−軽井沢 29日から試験 北陸新幹線
 運輸省と日本鉄道建設公団は23日、建設中の北陸新幹線高崎−軽井沢間(41.8`)で、初の車両を使った走行試験を29日未明から始めることを決めた。
 走行試験には「ドクターイエロー」と呼ばれる検査用車両を使い、軌道の完成具合や高速走行での安定性などを調べる。期間は12月20日までの予定で、高崎駅で午前零時半ごろから早朝まで行う。(京都新聞)
■窓 変ぼう遂げる京都駅に期待 宇治市・松田憲生(会社員・25)
 生まれも育ちも京の都。若干25歳ですが、何するにも起点は「京都駅」。しかし、巨大な鉄骨が姿を現し、営業を行いながら工事が着々と進んでいき、やがては完成するわけです。そこで、古い写真を整理していると懐かしい姿が見られました。
 自宅と結ぶ奈良線も、当時は非電化で本当にローカルな雰囲気でした。昭和53年9月、市電の最後を見送りに行ったのも京都駅。また、最も印象に残っている山陰線ホーム。いかにも遠くまで行きますよ、といわんばかりの風景。青や茶色の客車が蒸気(暖房)を上げ、ホーローの行き先表示板には米子や出雲、本当に行くのかな? と思いました。
 時は過ぎ、いまや、関空特急「はるか」が出入りし、奈良線は電化され、ベッドタウンとを結ぶ通勤路線に、様変わり。
 国鉄という名称が消えて間もなく10年がたとうとし、JRという響きにも全く抵抗を感じなくなった。小さいころから慣れ親しんできた京都駅。昔の風景は思い出としてしまっておき、新しく生まれ変わる京の玄関「京都駅」の今後に期待したいところである。(京都新聞)
■大阪外環状線着工へ 設立準備委 来月に発足
 大阪市北部と大阪府八尾市を通るJR城東貨物線を複線、電化して旅客線化する大阪外環状線(新大阪−八尾、20.4`)計画の事業主体となる第三セクターの設立準備委員会が11月6日に発足する。同線は1981年に旧国鉄が運輸省から事業許可を受けたが、国鉄財政再建問題のあおりを受け凍結。その後、JR西日本と大阪府、市などが事業化に向け協議を進め、今年度予算で着工費として計1000億円が計上されていた。
 JR西日本の井手正敬社長が23日の定例記者会見で明らかにした。
 第三セクターには沿線自治体や関西電力、金融機関などが加わり、2004年の開業を目指す。総事業費は当初見通しでは約1390億円。大都市圏の貨物線を旅客線化する事業に助成する「鉄道活性化事業補助制度」の適用などで、着工のめどがついたとしている。(朝日新聞)
■バス7社が値上げ申請 大阪・兵庫 平均で2.8−5.9%
 大阪府と兵庫県を中心に営業している阪急バス(本社・大阪府池田市)、近鉄(同・大阪市)、南海電鉄(同)、阪神電鉄(同)、神姫バス(同・兵庫県姫路市)、淡路交通(同・同県洲本市)、西谷自動車(同・同県宝塚市)の7社は24日、路線バスの運賃値上げを近畿運輸局に申請した。
 申請内容によると、平均値上げ率は2.8−5.9%。各社とも、値上げの理由に、週休2日制や少子化による定期利用者の減少、阪神大震災による旅客数の減少、人件費などの経費の増加といった点を挙げている。値上げと同時に、阪急バスが北大阪急行千里中央駅やJR芦屋駅などの主要駅を中心にした半径1`以内の地域で利用できるミニ定期の新設を申請。近鉄が駅を中心とした一定区間内の停留所で自由に乗り降りできるゾーン定期の新設を申請した。各社は、新しい運賃を来年1月から実施したいとしている。(朝日新聞 夕刊)
■各社の値上げ案■
バス会社平均値上げ率主な申請内容
阪急バス4.6%1区200円を210円に
近  鉄2.8%1区を4`240円から2`220円に
南海電鉄3.7%1区220円を230円に
阪神電鉄4.6%1区200円を210円に
神姫バス5.1%最低運賃150円を160円に
淡路交通5.9%最低運賃140円を150円に
西谷自動車5.0%最低運貨150円を160円に
■ベルギ−王室を迎賓 9年ぶりお召し列車
 秋色濃い栃木県の田園地帯を24日、天皇、皇后両陛下と国賓のベルギー国王一家を乗せて、「お召し列車」が走った。JR両毛線沿線には地元の人々や鉄道マニアらが詰め掛けた。天皇の専用列車の運行は9年ぶりで、しかも天皇が賓客と同乗して地方を案内するのは初めて。格別の親交を結ぶベルギー王室への、「平成流」のもてなしだ。
 来日中のベルギーのアルベール国王、パオラ王妃、フィリップ皇太子はこの日朝、JR東北新幹線で小山駅に着き、前日から栃木入りしていた両陛下と「お召し列車」(6両編成)に同乗して足利駅までの約38`の旅を楽しんだ。(朝日新聞 夕刊)
■阪急バス、近鉄など3社 路線バス値上げ申請
 阪急バス、近鉄、南海電鉄の3社は24日、路線バスの運賃値上げを近畿運輸局に申請した。平均値上げ率は阪急4.6%、近鉄2.8%、南海3.7%で、来年1月初めの実施を見込んでいる。認可されれば1993年10月以来3年2ヵ月ぶりの値上げとなる。
 申請によると、阪急バスは最低運賃を現行140円から150円にする。大阪市街地(特殊区間制)は1区200円が210円になる。
 近鉄と南海電鉄は、現行150円の最低運賃を160円にする。近鉄は、大阪市街地で現行の半区2`までを1`まで、1区4`までを2`までなどと区界を短縮。半区200円(現行と同じ)、1区220円(現行240円)などと実質値上げする。
 南海は、関西空港島内(均一制)で現行180円が190円となる。3社は値上げ理由を「週休2日制の浸透や阪神大震災による利用客の減少」などとしている。(京都新聞 夕刊)
25日■市バス昼間割引券などの交換 1枚単位、3月末までに 京都市交通局
 先月1日からの京都市バス・地下鉄運賃値上げに伴い、市交通局では11月30日を期限に回数券などの新旧交換を行っているが、昼間割引回数券の利用者から「交換期限が短すぎて使いきれない」との苦情が相次いだ。このため交通局は24日までに、期限を来年3月31日まで4ヵ月間延ばすことを決めた。
 市バスの昼間割引回数券(1冊13枚つづり、2000円)は、午前10時から午後4時までに限って利用できる。割引率は30.1%で、使用期限はなく、今回の値上げでも対象にならず料金は据え置かれた。
 一方、市交通局では回数券などの新旧交換を「11月30日まで」とし、さらに交換の対象は「回数券1冊単位に限る」とした。
 ところが、昼間割引回数券の利用者から、市交通局に「交換期間が3ヵ月ではすべて使いきれない」「交換が1冊単位というのはおかしい。1枚でも行うべきだ」などの苦情や不満が寄せられた。
 このため、市交通局ではこのほど方針を変更し、昼間割引回数券のほか、市バス間乗継普通券、バス・地下鉄連終着通券、市バス一日乗車券カードも含め、交換期限を来年3月末まで延ばすとともに、1枚単位でも交換することに決めた。
 市交通局は「3ヵ月で使いきってもらえると思っていたが判断ミスだった。交換期限の延長は市の広報紙『市民しんぶん』などで市民に知らせたい」としている。(京都新聞)
■国労組合員配属差別で中労委 196人に救済命令 JRの当事者適格認定
 国鉄の分割・民営化の際、長野と神奈川の国労組合員計252人がJR東日本から不当な配属差別などを受けたと申し立てていた問題で、中央労働委員会(萩沢清彦会長)は25日、配属などの際に不当労働行為があったと認定、既に本来業務に復帰した者や退職者を除く196人について、あらためて公正な方法で選考をやり直した上で配属などを行うよう求める救済命令を出した。
 命令は、JRと旧国鉄の関係について「不当労働行為の責任はJRに帰属する」と断定、中労委が配属問題に絡む国労紛争でJRの当事者適格を認めたのは初めて。
 命令によると、252人は当時、国労長野地方本部に属していた219人と同東京地方本部の33人で、旧国鉄時代は電車の運転や車掌、車両検査などを担当。ところが1987年4月1日のJR発足時、長野の組合員は弁当やオレンジカード販売の職揚に配属され、神奈川の組合員は車両の天井掃除などに担当替えとなった。
 命令は「配属や担当替えで、国労組合員であることを理由に不利益に取り扱っている」とし、「会社が国労の弱体化を狙った支配介入に当たる」と認定。他組合と差別することなく国鉄当時の本来業務に相当する職務に就かせるようJR側に求めた。
 この問題をめぐっては神奈川県と長野県の両地方労働委員会が89年、国労側の申し立てを全面的に認め、組合員全員の原職復帰などを求める救済命令を出したが、JR側がこれを不服として中労委に再審査を申し立てていた。
承服できない
 佐々木信幸・JR東日表広報部長の話 中労委命令は、国鉄や当社が勤務状況などを勘案して行った人事異動、勤務指定に、事実を誤認、不当労働行為であると誤った判断をしており、到底承服しかねるものだ。
 さらに長野配属事件の命令は、東京高裁などで認められている司法判断の大勢を無視、当社に責任を負わせたもので、極めて遺憾だ。
 命令の内容を十分検討した上で、今後の対応を考えていきたい。(京都新聞 夕刊)
26日■京都市バス運賃値上げ案 赤字20億円、課題に積算 市会委で明るみ
 今年5月の京都市議会で、市バス・地下鉄運賃値上げ(先月1日実施)を審議した際、市が議会に示した市バス事業の95年度の赤字見通し額が、過大に見積もられていたことが25日、市議会の事業決算特別委員会で明らかになった。決算によると経常赤字は14億円で、5月の市の説明より20億円も少なかった。市側は市バス事業の赤字基調を運賃アップの理由にしており、経営体質が改めて問われることになりそうだ。
 市バスは、均一区間運賃が220円に20円アップされたが、これを審議する5月定例議会で、市側は、2003(平成15)年度までに不良債務の解消を目指すとした市バスの経営再建計画「今後の展望について」を発表。経費削減と運賃値上げ、一般会計からの補てんで2003年度で黒字に転換する方針をまとめた。
 この日の決算特別委で問題になったのは「展望」で示された95年度収支見込み。それによると、経常赤字を34億円と見込み、累積赤字64億円、不良債務83億円としていた。
 ところが、今議会に提案された決算では、経常赤字は14億3000万円で、累積赤字44億3000万円、不良債務63億3000万円と、いずれも約20億円ずつ減少していた。
 市交通局によると、赤字幅が圧縮したのは、業務委託やバス運行の効率化、94年度の勧奨退職による職員減少などで、より一層経費削減できたほか、受け取り利息も増加したためという。
 しかし、特別委では日置文章議員(公明)ら委員から「『展望』が示されたのは決算月(3月)の2ヵ月後だ。企業意識が薄い」との批判が相次いだ。
 これに対して、桝本頼兼市長は「申し訳ないと言うに尽きる。5月には確定数字が出ておらず、2月現在の見込み数字を出した。今後は厳しくチェックしたい」と陳謝した。(京都新聞)
■陶版製の干支乗車券発売へ 信楽高原鉄道
 来年の干支(えと)のウシをレリーフにした信楽高原鉄道の「陶版製・うし年親子乗車券」の発売が、来月3日から甲賀郡信楽町の同鉄道信楽駅で始まる。1枚1200円で、信楽−貴生川駅間を大人と子どものペアで乗車できる。
 干支乗車券は、地元産の信楽焼で同鉄道をPRしようと、8年前にスタート。毎年、心待ちにしている鉄道ファンや陶芸愛好家らも多く、毎年、この時期になると全国各地から問い合わせがあるという。
 今回の乗車券は、縦13a、横17a、厚さ1a。信楽陶苑(信楽町牧)社員の鈴木雄一郎さん(27)がデザインを担当した。車窓から親子のウシが仲良く顔を出した絵柄で、先月から制作作業が急ピッチで進められている。1万枚販売する。
 問い合わせは、信楽高原鉄道 0748(82)3391へ。(京都新聞)
28日■琵琶湖線など乱れる 京都駅ポイント故障
 27日午後7時半ごろ、京都市下京区のJR京都駅構内の東海道線上り線のポイントが変わらなくなった。駅員が手動でポイントを切り替え、約40分後に復旧した。ホーム手前で大垣行きの快速電車が13分間停車するなど、琵琶湖線と湖西線の上り電車計14本が遅れ、乗客約4600人に影響した。JR西日本によると、ポイントはホーム手前約20bの地点にあり、ポイントとまくら木の間に小石がはさまりレールが動かなかったのが原因とみて調べている。(京都新聞)
■市バスが車と衝突 乗客ら5人が軽傷 中京の交差点
 27日午前9時40分ごろ、京都市中京区御池通室町の交差点内で、三条京阪行き市バス=冨田宗次運転手(41)=と中京区壬生川通五条上ル、「弥栄自動車」のタクシー=加藤光男運転けがをした。
 中立売署によると、市バスには約20人が乗っていた。同署は、市バスが赤信号を無視して交差点に進入したのではないかとみて、冨田運転手から詳しい事情を聴いている。
 負傷した乗客の一人、中京区の無職の男性(81)は「最後部に座っていたが、衝撃で通路の真ん中まで転げた」と話していた。(京都新聞)
■市バス乗客ら5人がけが 中京でタクシーと衝突
 27日午前9時40分ごろ、中京区御地通室町の交差点で、立命館大前発三条京阪行きの京都市バス=冨田宗次運転手、乗客約20人=と、下京区中堂寺櫛笥町、弥栄自動車のタクシー=加藤光男運転手=が衝突した。この事故で、バスに乗っていた中京区西ノ京北聖町、無職田中新七さん(82)ら4人と、タクシーの加藤運転手が腕や足などを打ち、病院で手当てを受けた。
 中立売署の調べでは、市バスが赤信号を見落として交差点に進入したらしい。(朝日新聞)
29日■地下鉄乗り入れの京津線「新型車両」 鮮やか水色に
 京阪電鉄は28日、来年秋に開通予定の京都市営地下鉄東西線への乗り入れに伴う京津線の新型車両を公開した。湖都・大津をイメージしたパステルブルーを基調に、白と黄色を加えたデザイン。浜大津駅を起点に御陵駅から東西線に乗り入れ、京都市役所前駅まで運行する。
 地下鉄への乗り入れによる乗客増を見込み、1編成の車両数を現行2車両から4車両に倍増する。うち1両目と4両目は、通路をはさみ座席が2列と1列に並ぶクロスシート型となっている。
 車両の長さを現行車両より約1.5b長い16.5bにしたほか、車内に次の停車駅名などを知らせる電光表示板をつけた。8編成32両を製造する。(京都新聞)
■窓 1日楽しんだJR乗り放題 伏見区・植野 文子(主 婦・66)
 絶好の欲目和に恵まれた16日、私たち7人グループは山陽路に行ってきました。それも「鉄道の日」にちなんだJR西日本1日乗り放題3300円という催しがあることをテレビで知り、思い立ったが吉日で、たちまち話がまとまりました。
 京都駅から新快速で姫路まで行き、それから山陽線で倉敷へ。白壁の街を散策する。次に、少し足を延ばしては尾道へ。駅前からバスで3つ目の停留所で降り、ロープウエーで山上まで。ロープウエーの右手には文学の小径が見えます。林芙美子、正岡子規、志賀直哉などの詩が刻まれた石が木陰から見えがくれ。あけぼの像の所より展望台に上がって瀬戸内を一望すると、はるか彼方に遊覧船や島々が見えました。
 時間の都合で大原美術館に入館できなかったことと、文学の小径を歩くことができなかったのが残念でしたが、鈍行の旅も良いものだと思いました。また尾道でのバス代130円と安いのにはびっくり。来年もこのような企画があることを、願いつつ、スケジュールを今から考えています。(京都新聞)
■古都の伝説 絵物語に 叡山電鉄「動くギャラリー」に点字 左京・中島さんら11人の女性グループ 観光客にらに人気 「作品まとめ出版を」の声
 京都にまつわる不思議な伝説を取材し、楽しいイラストと文章で表現した手づくりの絵物語をつくっている女性グループが活躍している。小野小町を慕った深草少将の悲恋や、源頼光の盗賊退治などを題材にした力作で、来年2月末まで左京区を走る叡山電鉄のギャラリー電車「エコモーション号」(2両編成)の車内で展示している。自作のガイドマップもつけているため、観光客などに好評で、「作品をまとめてぜひ出版してほしい」との声も出ている。
 組物語を創作しているのは左京区修学院馬場脇町の通訳、中島聡子さん(25)ら11人の女性たち。イラストが好きで、大学で日本史を専攻した中島さんは、休日などを使って伝説の舞台となる寺社や古跡を歩き、古老から話を聞くなど取材を重ねてきた。京都の伝説を絵物語にまとめることを思いたち、プランを措いていたとき、同電鉄が実施している電車のギャラリーを知った。
 幼なじみや大学時代に知り合っイラスト仲間らに声をかけたところ、作業を分担しながら制作することになった。会員が学生時代に絵画など美術を勉強しており、イラストの腕前もプロ級であることから同電鉄での展示も内定した。本格的な作業は8月になって始まり、中島さんが書いた文章をもとに中島さんを含む9人がイラストを措いて、9月までに10作品を仕上げた。
 選んだ伝説は市原駅近くにある小町寺ゆかりの「小町と深草少将」や、京都精華大前駅そばで盗賊退治があったとされる「鬼同丸と頼光」など。作業は当初なかなかはかどらなかったというが、中島さんが金沢市の仲間の自宅に泊まり込んで題字やレイアウトを整え、完成にこぎつけた。
 女性らしいやわらかなタッチで、美しい着色のイラストばかり。作品がエコモーション号に展示されると、乗客に好評で、乗務員や駅員に「コピーをほしい」「出版してほしい」などの要望が数多く寄せられているという。予想以上の反響に同電鉄は、今後も沿線の伝説を主題にした作品をこの女性グループにつくってもらうことにした。
 中島さんらは今後2回に分けて10点ずつ制作して「沿線の伝説」シリーズを完結させる計画で、同電鉄は現在展示している作品と合わせて30点がそろった段階で出版などの具体的な検討に入るという。(朝日新聞)
■地下鉄へ乗り入れ新型車両デザイン 京阪電鉄
 京阪電気鉄道(本社・大阪市)は28日、来年秋に開業する京都市の地下鉄東西線(醍醐−二条駅)の一部区間に京津線(京津三条−浜大津駅)から直接乗り入れる新型車両のデザインを発表した。新型車両(4両編成、定員386人)は琵琶湖の水面をイメージしたパステルブルーを基調に、車窓の周囲に白っぽい灰色を配色、鮮やかな黄色のラインも引かれている。
 東西線開業と同時に、浜大津駅を起点に、新しく地下駅になる御陵駅から京都市役所前駅まで直通運転する。(朝日新聞)
30日■新幹線の建設中止など提言 労組らの研究会
 運輸関係の労働組合や学識経験者らでつくっている交通運輸政策研究会(会長・平井都士夫宝塚造形芸術大教授)は29日までに、原則として整備新幹線や地方空港の新設を中止し、今後の交通体系を投資的な「幹線高速型」から、身近な交通手段を重視する「生活中心型」へと転換させることを求める提言をまとめた。
 研究会は、提言を労組などで議論を深めてもらい、労組を通じ関係省庁に交通施策の転換を働き掛ける。
 提言では新幹線、空港、高速道路の整備で関係地域は便利になったものの、経済の地域格差が生じたり、高齢者や障害者らが利用しにくい面が出たりしていると指摘。
 このため@着工済み以外の整備新幹線の建設を中止し、JR在来線の改良や第三セクター鉄道への公的助成を強化するA需要の多い関東と関西圏以外の空港建設を中止するB高速道路は新たな建設を中止し、一般道路の整備を急ぐ−ことなどを求めている。
 また研究会は、政府が推進している運輸行政の規制緩和について「公共性が高い交通事業を市場原理にゆだねると、需給のバランスの関係から過当競争や労働条件の切り下げ、サービスの低下が起こりやすくなる」と批判している。(京都新聞)
■岩倉使節団も運んだ私です
 スイス・ルツェルンに近いリギ山(1798b)に造られたヨーロッパで最初の登山鉄道「リギ登山鉄道」が今年開業125周年を迎えた。線路には創業当時の素朴な蒸気機関車が復活し、観光客を楽しませた。
 開業は1871年。2年後の73年にリギ山頂の「リギ・クルム」まで売成した。この落成式の時、維新後の日本建設のため米欧を視察していた岩倉具視使節団がたまたま居合わせ、当時のスイス大統領の案内でリギ鉄道を使って山頂に登った。明治6年のことだった。
 復活した蒸気機関車は博物館に展示されていた。(文=田中 英也)(朝日新聞)
■瀬戸大橋線乱れる
 30日午前7時ごろ、岡山県都窪郡早島町前潟のJR頼戸大橋線早島駅のポイントが故障した。特急列車など計31本が最高59分遅れたほか、快速列車など計6本が運休、通勤客ら約1万6000人に影響が出た。約1時間後の午前8時すぎに復旧した。(京都新聞 夕刊)
■「地下鉄」後も捜査情報入手 オウム井上被告 法廷で初の証言
 「国松孝次警察庁長官を統撃した」と供述している警視庁の現職巡査長(31)から捜査情報を得ていたとされるオウム真理教の元幹部・井上嘉浩被告(26)が30日、別の信徒被告の公判に検察側狂人として出廷した。弁護側の反対尋問に対し、井上被告は「一昨年12月の終わりごろから信徒の警察官から情報が入るようになり、昨年3月の教団への強制捜査後も情報を入手していた」と証言した。この警察官が問題の巡査長であるかどうかについては触れなかったが、井上被告はこれまで関係者に対し、巡査長から情報を得ていたことを認めている。
 井上被告が警察関係者からの情報入手やその内容について、法廷で具体的に証言したのは初めて。
 証言によると、井上被告は昨年1月2日か3日、東京杉並区の教団関連の飲食店でこの警察官と会った。元日に「サリン残留物を検出」と報じられたことが話題になると、警察官は「うわさ話だが、山梨・長野両県警が(サリン生成に必要な)薬品ルートについてかなり調査しているらしい、と公安内部で聞いた」と話した。
 この警察官は古くからの信徒だったが、前年秋に松本智津夫(麻原彰晃)被告(41)の指示で、教団「諜報(ちょうほう)省」トップの井上被告が受け持つようになり、12月終わりごろから「ちょっとした情報」が入るようになった。井上被告が担当していた警察官はこの一人だけだった、という。
 井上被告は「この警察官は地下鉄サリン事件の捜査本部に組み込まれたので、その範囲内で捜査情報も入っていた」と証言。周辺の信徒にも、「逃走資金はたくさんあるし、捜査本部にオウムの公安警察官もいて情報が入ってくるので捕まらない」と説明していた。ただし、強制捜査後は警察官と直接会うことはなく、井上被告が持っていた携帯電話に連絡があった、と述べた。(朝日新聞 夕刊)
31日■近鉄でポイント故障
 31日午前5時18分ころ、奈良県宇陀郡榛原町の近鉄大阪線榛原駅構内でポイント故障が発生し、同駅発上本町行き準急が運転を見合わせた。
 このため上下線とも一時運転を見合わせ、午前7時45分に全面復旧したが、上下線合わせて83本が運休したり遅れ、約5万人に影響が出た。
 近鉄で事故原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■芸能ワイド JR京都駅の「シアター1200」 演劇通し京都活性 修学旅行生を狙え! 若手人気タレントのミュージカル ジャニーズ、8ヵ月超す公演
 来年8月、新しいJR京都駅ビルに「シアター1200」がオープンする。着々と進む駅ビル建設のつち音に合わせ、新劇場の公演準備にも拍車がかかる。人気タレントを数多く擁するジャニーズ事務所(東京)を軸にお笑いの吉本興業(大阪)とミュージカルにも力を入れるホリプロ(東京)の3社が、これを機に京都へ本格的に進出する。「シアター1200」は、南座が唯一の商業劇場という京都興行界の活性化の起爆剤になるのだろうか。
 「京都は若い子たちに忘れられ始めていますよ。実際、修学旅行の人気は落ち込んでいる。京都の文化財は世界的な遺産だし素晴らしい。これを永遠に保存するのはもちろん大切。でも、新しい魅力を創り出し、もっと京都を盛り上げていかないと」。熱っぽく語るのはジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長だ。
 喜多川社長は、京都駅建て替えの計画段階から駅ビル内に新しいタイプの劇場構想を持ち、積極的にかかわってきた。だからこそ新駅ビルの文化施設の運営会社シアターアーツ1200(園隆社長)へ地元企業に交じって、吉本興業やホリプロとともに出資。興行面でも、柿落(こけらお)とし特別公演をはじめ、年間8ヵ月以上を受け持つ。ただ本格的な劇場の運営にまで参加するのは初めて。南座の新装開場式にミュージカルを企画するなど従来から京都に縁はあったが、「京都進出」と言われるのはこのためだ。
 中、高校生らにいま人気抜群のKinK-Kids(堂本光一、堂本剛)は関西出身。実は京都の新しい劇場のために秘蔵していたタレントだったそうだ。ところが、京都駅ビル建設が大幅に遅れ、結局、ひと足早くデビュー。こんなところからも同事務所の新劇場に対する準備周到さと意気込みがうかがえる。
 先月25日、京都駅近くのホテルで、新駅ビルの文化施設の概要について記者発表会が行われた。園社長は席上、「新しい京都の玄関口にふさわしい文化施設。”ミュージカル・イリュージョン(幻想体験)”をテーマにした劇場空間を提供したい」と緊張気味に語った。最新の舞台装置を備えた劇場でオリジナル・ミュージカル公演を繰り広げると披露。言葉で説明できない「新しさ」を用意したイラスト類で補足した。
 ジャニーズ事務所が、目玉にするのが「KYO TO KYO」と銘打つミュージカル。修学旅行生をターゲットにする。「京都を百倍楽しむための道しるべになるミュージカル。見れば、きっとびっくりしますよ」と喜多川社長。「京都へ修学旅行でやってきた若い子たちに夢を与える仕事をしてみたい。冷やかに見る人もあるが、歌舞伎など日本の芸能はすべて京都がルーツです。京都で理解されてこそ意味があるんです」と語り、出演者のオーディションも始めている。
 しかし、こうした動きを「若手タレントたちを売り出す関西の拠点を作りたいのでは」と指摘する興行関係者は多い。また、「修学旅行生を当て込むとは、日の付けどころがいい」との見方もある。地方に住む中高校生が実際にアイドルに接する機会はほとんどない。「ジャニーズはかつて、東京で修学旅行生が集まる皇居の広場へ売れ始めたタレントを顔見せに出掛けさせていた。結構、効果はあったはず」と分析する。
 一方、吉本興業は、本拠のなんばグランド花月など大阪や東京の直営劇場のほか、金沢や静岡、仙台などにもフランチャイズ方式の劇場を設け、全国展開を図る。京都では1987年の廃止まで、京都花月が吉本興業の拠点だった。いまはKBS京都と協力して「吉本はまぐり御門劇場」を催しているが、新喜劇など2ヵ月にわたる本格的な常打ち公演は11年ぶりとなる。
 イベントプロデュース部の河井泉チーフプロデューサーは「ジャーニーズが8ヵ月、うちとホリプロが2ヵ月ずつ。当面はこんなところです。吉本はお笑いが基本だし、京都にこだわって、吉本新書劇のテンポを生かしたチャンバラ時代劇をぶつけてみます」とプランを明かす。また、野山雅史企業情報室長は「持ち味の違う3社が互いにライバル心を持って得意分野で責任を果たせば、お客さんも集まり、客層も広がるはずです」と期待を寄せる。(京都新聞 夕刊)
■「禁煙」の次は「禁男」!? 女性専用 ゾクゾク列車に トイレ・座席 車両丸ごと JR各社に急増 「プライバシー守って」の声に
 「プライバシーを守りたい」「周りに気兼ねなく旅をしたい」という女性客の声を反映して、女性専用の車両、座席、トイレを設けたJRの列車が急増している。夜行列車だけでなく、一般の特急や新幹線にも「女性専用」が目立つようになった。女性のひとり旅やグループ旅行が増えているためで、JRグループは今後も女性をターゲットにした商品を増やしていく方針だ。
 JR東日本は、来年1月10日から運転を始めるスキー列車「シュプール号」のすべての列車に1両ずつ女性専用車両「レディースカー」をつける。合わせて、レディースカーを利用した女性向けの宿泊プランも企画した。1990年10月に登場した寝台特急「あけぼの」(上野−青森)と「はくつる」(同)も1両がまるごと女性専用だ。
 東北、上越新幹線では、一昨年7月から総2階建て新幹線「Max」に、今年7月からは200系車両に女性用トイレを設けた。
 JR西日本は、7月に紀勢線にデビューした新型特急「スーパーくろしお・オーシヤンアロー」に女性用トイレを設置した。同線を走る特急の乗客を対象にしたアンケートで、約3割が女性用トイレを希望したためだ。90年3月には、京都と長崎を結ぶ寝台特急「あかつき」の1両の約半分に女性専用の座席や化粧室、更衣室をつくった。(朝日新聞 夕刊)
■近鉄ダイヤ乱れる ポイント部品を交換
 31日午前5時20分ごろ、奈良県宇陀郡榛原町の近鉄大阪線榛原駅で、榛原発上本町行き準急(6両)が出発直後にポイントで異昔を感知し、運転を取りやめた。ポイントの一部が変形していたため部品を交換した。この作業のため、大和朝倉−名張間で約2時間半運転を見合わせた。この影響で、午前11時現在で40本が運休、117本が最大1時間遅れ、約7万人の足が乱れた。(朝日新聞 夕刊)