1996(平成8)年 9月


1日■京都市バス・地下鉄 きょうから運賃値上げ(京都)
  ■名前もすっきり 短く「サンダーバード」「オーシャンアロー」 来春から JR西日本の特急(朝日)
  ■死亡は奈良の高校生 近鉄南大阪線の事故(朝日)
2日■北京−香港 返還の夢乗せ1番列車 2536` 当面は深■まで 大動脈、京九鉄道が開業(京都)
  ■地下鉄サリン 7億9000万円を賠償命令 東京地裁 松本被告らに判決(京都)
  ■防災の日 救援ボランティアも参加 京都市防災会議桂川公園で「訓練」 大地震へ6000人連携 市バス地下鉄 発生時の運転”予習”(朝日)
  ■オウム裁判 被害者無視許せぬ 地下鉄サリン損害請求判決 遺族ら怒りつのる(京都)
  ■地下鉄サリン 約8億円の賠償命令 東京地裁 松本被告ら3人に(朝日)
3日■JR片町線の停電 パンクの緩み原因(朝日)
4日■職員再就職へ対策本部設置 国鉄清算事業団(京都)
  ■国鉄精算事業団 職員転職へ推進本部設置(朝日)
  ■JR不採用問題 和解へ環境整備 労相が姿勢示す(朝日)
  ■ホームから転落、重傷 JR環状線寺田町駅(京都)
5日■JR東西 ダイヤ綱引き 北越北線の開業きっかけ 上越新幹線越後湯沢−東京 西日本・時間短縮に直行運転 東日本・自社路線短く減収に(朝日)
  ■地下鉄サリン 松本被告公判 ホームに高橋助役… 同僚が証言、とつとつと(京都)
  ■地下鉄サリン事件 「初めてのにおい」 松本被告の第7回公判 一時重体の駅助役証言(京都)
6日■地下駐輪場や駅前広場 地下鉄烏丸線 国際会館駅整備計画を承認 地下通路で会館と直結(京都)
  ■京阪三条駅で救急救助訓練 地下コンコースから出火!? 煙が立ち込め 救出テキパキ(京都)
  ■窓 バス停は必ず減速停車して 左京区・前田隼人(会社員・42)(京都)
  ■窓 運転手さんの優しさに感謝 上京区・吉村美知江(老人会役員・79)(京都)
  ■窓 納得いかないJR特急料金 栗東町・吉田 博(団体役員・76)(京都)
  ■労相と運輸相で和解案 JR不採用問題 国労の要請で着手へ(朝日)
  ■地下鉄サリン 密室謀議、再現へ 松本被告公判 師弟対決が焦点に(朝日)
  ■地下に駐輪場 地下鉄国際会館駅周辺(朝日)
  ■A棟・C棟で起工式 山科駅前再開発事業(朝日)
7日■床下から煙 湖西線止まる 比良駅で列車故障(京都)
  ■スリ容疑で店員逮捕 JR京都駅(京都)
  ■窓 JR奈良線の複線化(京都)
  ■JR西日本株 抽選2.96倍(朝日)
  ■「不採用問題協力に努力」 国労に運輸相(朝日)
  ■酔って運転、線路20b 阪和線40分止まり男は逮捕 岸和田(朝日)
8日■客乗せたまま休憩 TVで「競輪」観戦 京都市バス運転手 5ヵ月停職処分(京都)
  ■バスの時刻表 最寄りの3停留所 地元のお年寄りに配布 待ち時間これで解消 今月から外出スムーズに 東山・修道民児協(京都)
10日■特急にひかれ即死 伏見の京阪本線で男性(京都)
  ■長堀鶴見緑地線に 地下鉄の愛称変更(京都)
  ■あっ女性転落地下鉄来た線路間に押し込み救出 大阪で会社員機転(京都)
  ■ホームから女性転落−会社員、飛び降り体ずらし”救出” 線路にまたがり倒れ レールの間に動かず 四つ橋線本町駅で(朝日)
  ■元社員が阪急電車の歴史出版 エピソードを交え 古き良き時代描く(朝日)
  ■左利きにもっと愛を 改札機・ビデオ 世の便利は「しゃくの種」(朝日)
11日■JR3社は和解を拒否 国労の不採用問題(朝日)
  ■バスの日 保護者同伴の小学生 「乗り合い」無料に(朝日)
  ■「乗り降り自由」廃止へ 英の2階建てバス(朝日)
  ■運転士、2分居眠り 地下鉄、停車駅を通過 車掌も動揺 ブレーキ忘れる 大阪・なんば(京都)
  ■JR2線故障 ダイヤ乱れる 片町・山陽線など(朝日)
12日■城陽市のJR長池駅 「W杯」へ周辺整備を見直す(京都)
  ■窓 待ってくれたバスに感謝 宇治市・飯室かずゑ(無職・64)(京都)
  ■JR西日本 広島駅副助役も不正乗車 新幹線特急券 割引券借り半額購入(朝日)
  ■駅副助役も不正乗車 JR広島駅 同僚の割引券で購入(京都)
  ■JR、5人追加処分 不正乗車、さらに4件発覚(朝日)
13日■JR奈良線 宇治−新田間新駅 小倉町中畑地区に 宇治市とJR西日本が大筋合意 1日の乗降客 9000人見込む 複線化念頭に、駅は相対式(京都)
  ■阪急百貨店、境に出店 5年後開業へ(朝日)
  ■阪神電鉄が配当見送り 9月中間期(朝日)
14日■新型新幹線 デビューは来春に「のぞみ」二の舞い避け(朝日)
15日■地道にバス停清掃 お年寄り 30人余も 朝に夕に もっとモラルを 京都市内(朝日)
17日■窓 車掌さん親切 心楽しい旅に 大津市・小坂由以子(主婦・63)(京都)
  ■御堂筋線一時停電 乗客8000人に影響(京都)
  ■居眠り運転士ら2人を停職処分(京都)
18日■阪神電鉄 地震発生を自動通報 25日から新システム 走行中の電車に(京都)
  ■窓 地下鉄開通で思い出の地へ 中京区・藤原辰三郎(自営業・71)(京都)
  ■地震自動通報 阪神も稼働へ(朝日)
  ■わいせつ容疑 痴漢男を逮捕 近鉄京都線の電車内(朝日)
19日■窓 市バスへの注文(京都)
  ■オウム裁判 林被告「麻原は表裏二面性」 松本被告公判商人尋問 教祖厳しく批判 身ぶり交えきっぱり(京都)
  ■林被告「麻原」と呼び捨て 地下鉄事件で師弟対決 東京地裁 松本被告公判 サリン散布名言 犯行指示命令と認識(京都)
  ■サリン散布 「麻原指示と認識」 林郁被告が検察側で証言(朝日)
  ■オウム法廷 かつての「絶対者」呼び捨て 林郁被告、覚悟の”対決”(朝日)
20日■入賞者決まる JR西日本、絵日記コンクール(京都)
  ■通勤定期券、相互利用に 大阪−神戸来月から阪急、阪神(京都)
  ■窓 お答えします バスの日行事 京都でも実施 京都市交通局自動車課長  中西 忠(京都)
  ■地下鉄サリン 麻原は完ぺきに間違っている オウム法廷 林被告延々4時間陳述(朝日)
  ■梅田−三宮含む通勤定期 阪急でも阪神でも 相互利用OK 来月から 途中下車には条件(朝日)
  ■松本被告「テロしかない」 地下鉄事件で井上被告証言 東京地裁 事件関与認める(京都)
  ■井上被告 対決 小声、震える手… 師の呪縛の中で苦闘 車中謀議は生々しく(京都)
  ■サリン93年から準備 松本被告の第9回公判 井上被告が証言(朝日)
21日■バスもっと利用して ガイドら50人啓発活動 記念日で府協会(京都)
  ■鼻先2b長くシャープ 新型は快適性を追求しのぞみます 騒音低減 99年度、営業運転の見通し JR東海、西日本が車両性能発表(京都)
  ■オウム法廷 サリンじゃないとだめ 井上被告陳述「松本被告が指示」 地下鉄サリン(朝日)
  ■船上うどんの味、さらば あすから最後の航海 宇高連絡船「讃岐丸」(朝日)
22日■地下鉄運転士ら 71人野球とばく 大阪市交通局(京都)
  ■野球とばくで運転士処分へ 大阪市交通局(朝日)
  ■阪和線に投石 ガラス割れる(朝日)
  ■窓 お答えします 回数券交換は1冊単位で 京都市交通局経営推進室 担当課長 佐貫眞一(京都)
23日■台風17号 京滋もあたふた 足止め最長4時間 新幹線や湖西線混乱 修学旅行も”直撃”(京都)
  ■回送中ATS誤作動 特急48分遅れ発車(京都)
  ■スリ常習グループ 3人を現行犯逮捕 阪急高槻市駅で京都府警(京都)
  ■郵貯カードで電車バスも 郵政省 IC化実験、札幌で(朝日)
25日■望見KANSAI 梅田の旧大鉄局跡地2.1f 超一等地売れ行きは? 国鉄精算事業団、11月に購入者募集 百貨店。はや名乗り 説明会に42社参加 周辺開発へ期待(京都)
  ■南海電鉄「ラピート」天下茶屋駅に停車へ(朝日)
  ■北新地駅内でレール締結式 来春開業のJR東西線(京都)
  ■朝の地下鉄でまくら木に炎 大阪・今里駅(朝日)
26日■特急「しなの」高速化(朝日)
  ■新京都駅ビルの文化施設名「シアター1200」に 来年8月 こけら落とし 森光子さんら出演 ミュージカル公演(京都)
27日■容疑の課長ら2人書類送検 彦根のJR事故(朝日)
  ■ニュートラム止まる 送電異常で計6本(朝日)
28日■「阪急」と「京阪」 定期券相互利用も 京都−大阪間検討へ(京都)
  ■JR東西線は3月8日開業 田辺から北新地へ43分(京都)
  ■あえぐ三セク鉄道 「地域の足」火の車 赤字脱却妙案なし 国策のツケ嘆く地元(京都)



1日■京都市バス・地下鉄 きょうから運賃値上げ
 京都市のバスと地下鉄運賃が1日から値上げされる。値上げを翌日に控えた31日、市内各地の定期券発売所には旧運賃で定期券を買い求めて自衛する会社員や高校生らが終日、並んだ。
 新運賃は、バス(均一区間)は大人220円(旧運賃200円)、子供110円(同100円)。地下鉄は初乗り(1区)が大人200円(旧運賃180円)、子供100円(同90円)になる。運賃値上げは4年ぶり。
 一方、バスは乗車区間2`以下の短距離定期券を新設して現行運賃に据え置くほか、地下鉄にも昼間割引回数券が設けられる。
 新運賃で通勤定期(1ヵ月)はバス(均一区間)、地下鉄(初乗り)とも840円の値上げとなるため、31日、JR京都駅前の定期券発売所では普段は少ない6ヵ月定期の発売枚数が全体の約3割に上った。
 また、期限切れを控えた定期を払い戻して買い換えたり、地下鉄の券売機で、3ヵ月間有効の回数券を買いだめする市民も目立った。(京都新聞)
京都市バス・地下鉄の新運賃
(バスは均一区間、カッコ内は子供)
◇バス◇新運賃旧運賃
普通券220円(110円)200円(100円)
乗り継ぎ普通券350円(180円)320円(160円)
◇地下鉄◇  
1 区200円(100円)180円(90円)
2 区230円(120円)210円(110円)
3 区260円(130円)240円(120円)
4 区290円(150円)270円(140円)
◇バス・地下鉄連絡券◇  
1 区360円(180円)320円(160円)
2 区390円(200円)350円(180円)
3 区420円(210円)380円(190円)
4 区450円(230円)410円(210円)
※バス・地下鉄連結券は、バス運賃が均一区間の場合。
■名前もすっきり 短く「サンダーバード」「オーシャンアロー」 来春から JR西日本の特急
 正式名称と愛称が合わさって長い呼び名にならているJR西日本の新型特急「スーパー雷鳥サンダーバード」と「スーパーくろしおオーシャンアロー」について、同社は来年3月のダイヤ改定時に、愛称を正式名称に格上げして、それぞれ「サンダーバード」「オーシャンアロー」とすっきりした名前に統一する。
 「スーパー雷鳥サンダーバード」は去年4月20日に北陸線にデビューし、1日16本運転。「スーパーくろしおオーシャンアロー」は7月末に紀勢線に登場し、1日6本運転している。いずれも特徴のある先頭形状で、はかの「雷鳥」「くろしお」より、乗車率もかなり高い。このため同社は、「雷鳥」「くろしお」の正式名称よりも「サンダーバード」「オーシャンアロー」の愛称の方が定着していると判断。時刻表や駅での呼び名に、愛称だけを使うことにした。
 「雷鳥」と「くろしお」の名前は、30年以上前の国鉄時代から特急に使われ、親しまれてきたが、同社は「愛称で切符を購入する人が多く、抵抗はないと思う」と話している。(朝日新聞)
■死亡は奈良の高校生 近鉄南大阪線の事故
 奈良県橿原市西池尻町、近鉄南大阪線橿原神宮西口駅近くの線路内で31日朝、電車にはねられて即死した男性は橿原署の調べで、同県吉野郡内の県立高校2年生(16)と分かった。(朝日新聞)
2日■北京−香港 返還の夢乗せ1番列車 2536` 当面は深■まで 大動脈、京九鉄道が開業
 【北京1日共同】北京と香港・九竜とを結ぶ中国の新たな南北幹線、京九鉄道(約2536`)が1日、営業運転を正式に開始した。当面、運行されるのは北京−深■間だが、来年7月の香港返還後には首都と香港とを直接結ぶ大動脈として大きな役割を果たすことになる。
 北京西駅では同日朝、鄒家華副首相や韓杼浜鉄道相らが出席して記念式典が行われ、特急一番列車が深■に向け出発した。
 京九鉄道は第8次経済5ヵ年計画(1991−95年)の重点プロジェクトとして総工費400億元(約5200億円)を投じて93年4月に着工された。昨年11月に全線開通した後、駅舎など付属施設の整備や試運転が行われていた。
 現在、中国の南北を結ぶ幹線としては、北京−広州間の京広鉄道、北京−上海間の京滬鉄道があるが、いずれも輸送密度が極めて高い。
 第三の幹線鉄道の営業開始は、中国と香港の一体化を促進するとともに、南北間の輸送力増強に役立つと期待されている。(京都新聞)
■地下鉄サリン 7億9000万円を賠償命令 東京地裁 松本被告らに判決
 地下鉄サリン事件の遺族や被害者計38人がオウム真理教の幹部15人に損害賠償を求めていた訴訟で、答弁書などを提出しなかった松本智津夫(41)=教祖名麻原彰晃、幹部土谷正実(31)、元幹部林郁夫(49)の3被告の判決が2日、東京地裁で言い渡された。山崎恒裁判長は「口頭弁論に出席せず書面も提出しないため、争わないものと見なす」として、3被告に原告の請求通り計約7億9000万円を連帯して賠償するよう命じた。
 訴えによると、松本被告ら15人は共謀して昨年3月20日朝、東京都心の地下鉄3路線5電車でサリンを発散させ、11人を役害し3796人に重軽症を負わせた。これは教団に対する警察の捜査かく乱と、教義のハルマゲドン実現を目的とした明らかな共同不法行為に当たる、としている。松本被告ら3人は、昨年10月に提訴されて以来、代理人を通じて反論するなどの手段を全く取らず、答弁書を提出した被告や逃走中の容疑者とは分離され先に判決言い渡しとなった。
 3被告はそれぞれ殺人罪などに問われ公判中。地下鉄サリン事件について松本被告は罪状認否を留保、土谷被告は黙秘を続け、林被告は全面的に認めている。(京都新聞 夕刊)
■防災の日 救援ボランティアも参加 京都市防災会議桂川公園で「訓練」 大地震へ6000人連携 市バス地下鉄 発生時の運転”予習”
 防災の日の1日、京都市右京区の桂川公園で、市防災会議(会長・桝本頼兼市長)が大地震を想定して総合防災訓練を実施した。関係機関や市民ら約6000人が参加し、人命救助訓練などに取り組んだ。阪神大震災の教訓を生かし、救援ボランティアも参加するなど新たな取り組みも採用。市バスも想定された地震発生時に一時停止し、非常時の心構えを再確認した。
 訓練には府警本部、京都市消防局、陸上自衛隊のヘリコプター計4機と車両125台が出動。右京区役所や企業、日本赤十字社など関係機関約1000人と、右京区の住民ら約5000人が参加した。会場では午前9時、「ゴー」という地震の効果音を合図に訓練を開始。震源が京都市南西部地下約10`、マグニチュード6.8、京都市の震度が6から7の直下型地震を想定し、避難、救出訓練や情報収集、ライフラインの応急復旧訓練などに取り組んだ。走行中の市バスも、地震発生の無線連絡で運転を一時停止してパニック防止訓練。地下鉄でも地震発生時の運転処置訓練などをした。
 参加した住民らは、消防局員や警察とともに倒壊家屋や傾いたビルの模型から負傷者を救出したり、燃えさかる炎をバケツリレーで消火したりする訓練に参加。5月に運用を開始した大型救助工作車や画像深索機を使用し、ファイバースコープで倒壊家屋の人命を検索するなど臨場感あふれる訓練が展開された。(朝日新聞)
■オウム裁判 被害者無視許せぬ 地下鉄サリン損害請求判決 遺族ら怒りつのる
 地下鉄サリン事件損害賠償請求訴訟の2日の判決で請求通り約7億9000万円の支払いが認められ、勝訴した遺族、被害者は判決後に記者会見。オウム真理教への怒りをあらためてあらわにするとともに、国による被害者の救済を訴えた。
 事件犠牲者の営団地下鉄職員高橋一正さん=当時(50)=の妻シズヱさん(49)は「裁判では悲惨な事件の真相究明と教団、被告の謝罪を求めてきた。欠席裁判を受けたことは(松本智津夫被告ら)三被告が犠牲者、被害者を無視したとしか受け取れず人道的に許せない」と厳しい表情。「オウムの信者の社会復帰の問題が指摘されているが、点滴を受けながら働いている被害者もいる。オウムの就職より被害者の救済が第一と思うので国に救済を求めていく」と話した。
 被害者の野口乗織さん(26)は、後遺症のためサングラスを掛けて会見に臨み「被告本人たちに資産がないので勝訴をもらっても全く意味がない。国にオウムの資産を買い上げてほしいというと『なぜ』といわれるが、訴訟の費用などで私たちはむしろ経済的にマイナスになっている」と訴えた。
 また犠牲者岩田孝子さん=当時(33)=の父文次郎さん(64)は「勝訴になったが、娘は帰ってこない」と震える口元を手で押さえた。(京都新聞 夕刊)
■地下鉄サリン 約8億円の賠償命令 東京地裁 松本被告ら3人に
 昨年3月の地下鉄サリン事件をめぐり、被害者と遺族の計38人が起こした民事裁判で、東京地裁は2日午前、オウム真理教前代表の松本智津夫(麻原彰晃)被告(41)ら3人に対し、請求通り総額7億9000万円余りの支払いを命じる判決を言い渡した。松本被告ら3人は「犯行を指示、実行した」として訴えられたが、ともに答弁書を出さず、何の意思表示もしなかったため、山崎恒裁判長は「自白したものとみなす」と述べた。松本被告は刑事裁判で罪状認否を留保したままだが、民事裁判では、地下鉄サリン事件の首謀者と認定された。
 損害賠償を命じられたのは、松本被告と、地下鉄でサリンを散布したとされる元教団「治療省」トップの林郁夫被告(49)、サリンを生成したとされる元教団「化学班」キャップの土谷正実被告(31)。刑事裁判で犯行を認めたのは林被告だけで、土谷被告は黙秘している。
 松本被告はこのほか、教団が起こしたとされる刑事事件や信徒から受けた布施などに関して、民事裁判を起こされている。いずれの訴えにも態度を明らかにしておらず、「自白」を理由に損害賠償を命じられた額の累計は、この日の判決で11億円を超えた。しかし、松本被告の個人財産は極めて乏しいといわれ、勝訴した原告側への損害賠償は進んでいない。
 地下鉄サリン事件をめぐる民事裁判では、判決を受けた3人のほか、教団と幹部信徒ら12人が総額7億9000万円余りの賠償を求められている。この請求額は被告会員の「連帯債務」となるため、賠償を命じられた被告のいずれかが全額を支払えば、他の被告は賠償を免れる。
 元教団「科学技術省」幹部の林泰男容疑者ら逃走中の3人も、被告側が法廷に姿を現さないまま、原告勝訴の判決が近く言い渡される見通し。教団に対する訴えについての裁判は破産に伴って中断しているが、破産管財人が原告たちの破産債権を認めれば、この部分の裁判は終了する。残る9被告は争う姿勢を見せており、審理が続く。
 原告は、サリンの包みを地下鉄の車両から取り出した後に死亡した霞ケ関駅助役、高橋一正さん(当時50)の妻シズヱさん(49)ら犠牲者7人の遺族16人と、負傷者22人。原告側は口頭弁論で「訴えを正面から受け止め、謝罪を」と訴えてきたが、結局、松本被告からは一切の返答がないままだった。(朝日新聞 夕刊)
3日■JR片町線の停電 パンクの緩み原因
 大阪市城東区のJR片町線京橋駅で8月28日夕、松井山手行き普通電車のパンタグラフが壊れ、同線が停電して全線ストップした事故で、JR西日本は3日、パンタグラフが緩んでいたため、架線と激しくぶつかり合って破損した可能性が高いと発表した。(朝日新聞 夕刊)
4日■職員再就職へ対策本部設置 国鉄清算事業団
 国鉄清算事業団(東京、西村康雄理事長)は三日、1997年度末に旧国鉄用地の売却など業務の大半を終了することから、事業団本社内に西村理事長を本部長とする「職員転職対策推進本部」を設置した。
 今後、本社、支社にいる1800人余りの職員の再就職先を確保するため、JRや特殊法人、民間企業などに受け入れを働き掛ける。(京都新聞)
■国鉄精算事業団 職員転職へ推進本部設置
 国鉄清算事業団は3日、職員の転職対策などを検討する「職員転職対策推進本部」を新設し、第1回会議を開いた。清算事業団が1998年度中に解散することが確実になったために設けられたもので、約1700人の職員の再就職先深しなどにあたる。
 清算事業団によると、定年退職予定者を除き、転職対策の対象になる職員は約1700人で、平均年齢は約51歳。すでにJR各社や特殊法人、第三セクターなど31事業者に対して受け入れを打診したが、対象者が高齢であったり、事業者自体がリストラ対策を推進していたりしていることから、どこからも確答は得られていないという。(朝日新聞)
■JR不採用問題 和解へ環境整備 労相が姿勢示す
 永井孝信労相は3日の閣議後の記者会見で、国鉄分割・民営化に絡み、国労組合員を中心に1047人がJRに採用を求めている問題で、国労が対決姿勢を転換してJR各社に和解を申し入れたことに関連して、労相としても和解の「環境整備」に努める考えを示した。具体的な方策は明らかにしなかった。
 この問題について、永井労相は「10年間の争いを打開する糸口についたとの認識だ。労組の関係改善の申し入れを会社側が拒否するのはどらか。トゲを抜くのは(労相の)責務であり、行政として放置できない」と述べた。(朝日新聞)
■ホームから転落、重傷 JR環状線寺田町駅
 4日午前7時50分ごろ、大阪市天王寺区大道のJR大阪環状線寺田町駅で、30歳前後の女性がホームから線路に転落、入ってきた大阪発天王寺行き普通電車(8両編成、乗客約1200人)にひかれた。女性は手足を切断されるなど重傷。
 電車9本が運休となったほか、15本が10−2分遅れ、通勤通学客を中心に約2万2000人に影響が出た。
 阿倍野署で女性の身元確認を急いでいる。(京都新聞 夕刊)
5日■JR東西 ダイヤ綱引き 北越北線の開業きっかけ 上越新幹線越後湯沢−東京 西日本・時間短縮に直行運転 東日本・自社路線短く減収に
 上越新幹線のダイヤをめぐり、JR西日本とJR東日本が綱引きを繰り広げている。北陸線と上越新幹線を結ぶ北越北線(開業後は、ほくほく線)が来春、新潟県内に開業することを受けて、JR西日本が北陸−東京間の時間短縮のため、上越新幹線の越後湯沢−東京間のノンストップ運転を要望している。これに対し上越新幹線を持つJR東日本は「増収にならない」と及び腰だ。背景にはJR各社間の運賃収入の配分割合に直結する自社路線の距離をできるだけ長く確保したいという思惑がある。国鉄の分割民営化から10年目。各社が独自のサービスを展開する半面、こうした利用者そっちのけの縄張り争いも目立ってきた。
 北越北線は、新渇県などが出資の第三セクター「北越急行」(本社・新潟県六日町)が建設。JR信越線の犀潟(さいがた)駅と上越線の六日町駅の間59.4`を結ぶ。金沢、富山方面からは北越北線経由で上越新幹線の越後場沢駅まで乗り入れることができる。現在の長岡経由に比べ、北陸−東京間の距離が約60`短くなるため、JR西日本は時速130`の新型特急を金沢−越後湯沢間に1日10−12本直通運転させ、北陸−東京間を時間短縮させる計画だ。
 現在、金沢−東京間は最速で3時間58分だが1日1往復可能なだけで、多くの場合は4時間半前後かかる。北越北線ルートでは上越新幹線の長岡−越後湯沢間がカットされるため、その分の約20分の時間短縮が見込まれる。JR西日本は、越後場沢−東京間のノンストップ運転でさらに約20分の時間短縮が図れると考え、JR東日本に要望している。
 これに対し、JR東日本側は「営業距離が短くなり、運賃収入の取り分も減る」と難色を示している。
 現在の長岡ルートでは、信越線の直江津−長岡間と上越新幹線の長岡−東京間の計約344`はJR東日本管内。これが北越北線ルートになると、管内は信越線の直江津−犀潟間と上越線の六日町−越後湯沢間、上越新幹線の越後場沢−東京間の計約224`になり、約120`も短くなり、収入減に直結するというわけだ。
 また、来年末までには北陸新幹線の高崎−長野間が開業する予定で、同時に上越新幹線のダイヤが大幅に見直されることになることから、同社は「ダイヤをひんぱんに変えたくない」とも話している。
 ノンストップ運転が実現すれば金沢−東京間は約3時間40分で結ばれる。航空機の小松−東京間は約1時間だが、JR西日本は「空港までの交通手段や待ち時間を考えると、航空機利用者が鉄道に流れることも期待できる」とみている。
 上越新幹線のダイヤ改定の決定権はJR東日本にあるため、西日本は「東京から北陸方面への需要の喚起につながり、減収にはならない」と東日本を説得中。来春のダイヤ改定の内容は今年10月に概要を決めなけれはならず、両社の攻防は大詰めを迎えている。(朝日新聞)
■地下鉄サリン 松本被告公判 ホームに高橋助役… 同僚が証言、とつとつと
 「ホームに急行すると、丸柱の根元に不審な物があった。近くで高橋助役がホームをふいていた…」。5日、オウム真理教松本智津夫被告=教祖名麻原彰晃=(41)の公判に証人として出廷した営団地下鉄助役豊田利明さん(53)は紺の背広姿。証言席のいすに座り、小柄な背中を真っすぐに伸ばして、昨年の地下鉄サリン事件直後の緊迫した状況をとつとつと証言した。
 豊田さんは当時地下鉄霞ケ関駅助役で、事故の犠牲になった故高橋一正さん=当時(50)=の同僚。傍聴席では高橋さんの妻シズヱさん(49)がいすから身を乗り出して聞き入った。
 「3月20日午前8時10分ごろ、千代田線霞ケ関駅の事務室にいると、運転指令所から列車内の不審物を確認するよう電話があり、事務室から真上のホームに急行した。代々木上原駅寄りの先頭車両の2番目の扉付近に高橋助役の姿があり、ホームをふいていた」。シズヱさんは初め熱心にメモを取っていたが、証言が進むと顔に手をやって厳しい表情になった。
 豊田さんは、高橋さんが電車内から持ち出したサリンの入った袋を駅事務室まで運び、直後にサリン中毒で倒れ、数日間入院した。事件後は「自分の代わりに高橋が犠牲になった」と漏らしていた。
 松本被告はこの日、これまでと同じような紺の上着姿。証言の間、目を閉じてうつむいたまま。時折口元を動かした。(京都新聞 夕刊)
■地下鉄サリン事件 「初めてのにおい」 松本被告の第7回公判 一時重体の駅助役証言
 オウム真理教松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の第7回公判が5日、東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれ、地下鉄サリン事件の検察側証人として、事件発生当時、千代田線霞ケ関駅助役で、一時重体に陥った豊田利明さん(53)=現三越前駅務区助役=がサリンの入った袋をホームから駅事務室に運んだ状況を証言。一緒にサリン袋を処理し、その後死亡した同駅助役高橋一正さん=当時(50)=は「目を開けたまま、声をかけても反応がなかった」「(サリン袋からは)生まれて初めて体験するにおいがした」などとと述べた。
 豊田さんに続き、警視庁銃器対策課巡査部長(41)=事件当時丸の内署巡査部長=ら捜査員4人が初動捜査に当たった当時の状況などを証言する。
 第7回公判は午前10時に開廷。弁護側は目の不自由な松本被告に証言内容を確認させるため、尋問を録音するように求めたが、阿部裁判長は認めなかった。
 証言によると、豊田さんは昨年3月20日午前8時すぎ、運転指令所から不審物が千代田線車内にあると連絡を受け、ホームに急行したところ、柱のわきに油がにじんだ新聞紙に包まれた四角い物と、丸められた新聞紙があり、高橋さんが床をふいていた。四角い物の中には液体が入っており、油がにじんでいた。生まれて初めて体験するにおいがした。(京都新聞 夕刊)
6日■地下駐輪場や駅前広場 地下鉄烏丸線 国際会館駅整備計画を承認 地下通路で会館と直結
 来年7月に開業予定の地下鉄烏丸線北北進の国際会館駅(京都市左京区)整備のための都市計画変更が5日、京都市都市計画審議会(会長・北里敏明副市長)で承認された。地下駐輪揚や駅前広場のほか、隣接する国立京都国際会館との地下連絡通路を設けることにしており、1999年度内の完成を目指す。
 計画では、駅西側にタクシー、市・民間バスの乗降スペースを備えたターミナル機能を持つ駅前広場(約4200平方b)を整備。広場の地下(約4300平万b)には3000台(うちミニバイク約500台)収容の駐輪揚を設ける。駅南北と中央など計5ヵ所に出入り口を設置するほか、京都国際会館前への地下連結通路(120b)も会館との共同事業として整備する。
 事業費は用地取得費を除き駅前広場に約4億円、地下駐輪揚に約31億円を見込む。工事完成までは、仮設の駐輪場(約1600台収容)やバスターミナルを設置する。
 この日の審議会では、駅前広場予定地を用途変更し、北側の都市計画道路(修学院幡枝線)に組み入れたほか、松ケ崎駅と宝池公園を散策道で結ぶため、公園南側の民有林(約0.8f)を追加指定した。
 工事は、京都府都市計画地方審議会での正式決定を受けて、来年夏ごろをめどに着工する。
 地下駐輪場は、烏丸線北北進で松ケ崎駅(1200台)に設けるほか、来年11月に開業予定の東西線で山科駅(1900台)、東野駅(900台)、椥辻駅(800台)、醍醐駅(1000台)にも設置する。(京都新聞)
■京阪三条駅で救急救助訓練 地下コンコースから出火!? 煙が立ち込め 救出テキパキ
 救急医療週間(8−14日)を前に5日、秋の行楽シーズンに乗降客が増える京阪三条駅(東山区)で大規模な「救急救助訓練」が行われた。
 訓練は、東山消防署と京阪電鉄が合同で実施した。同駅地下2階コンコースの店舗から出火したとの想定で、救助車や消防車など車両計8台が出動、消防署員や同電鉄の自衛消防隊員、地元の消防団員ら約60人が参加した。
 この日午後1時、出火の合図とともに、電鉄職員が119番通報し、消火器や屋内消火栓で初期消火を行った。続いて、コンコース内には煙が立ち込めたとの想定で、消防署員や消防団員らが逃げ遅れた負傷者約20人を救出した。
 救出された負傷者は、地上のバスターミナル内に設置された応急救護テントで骨折、やけど、一酸化炭素中毒などの手当てを受け、次々に救急車で病院に搬送された。
 同駅では1日平均約5万5000人の乗降客があり、災害が発生した場合、大きな被害も予想されるため、乗降客らも訓練を真剣に見守っていた。(京都新聞)
■窓 バス停は必ず減速停車して 左京区・前田隼人(会社員・42)
 「乗りたい客も乗せないバス」という投書と、「市バス利用者も意思明確に」という投書を読ませていただきました。
 私は、市バスの定時運行には皆の協力が必要だと思います。車内では、自分の下車するバス停が近づけば早めに出口へ進んでおくとか、釣り銭の手間をかけないよう普段の心得も必要かと思います。そして投書の方の「バスが近づくと、必ず手を挙げ乗車の意思表示をする」というのも、そんな一つの方法かもしれません。
 しかし、これらは理想論であり、現実にはかなり難しい面があります。バス停での意思表示にしても、若い方や健常者ばかりが乗車されるのではありません。病院通いしているお年寄りは、バス停でも歩道の隅の壁にもたれて立っておられることもよくあります。ようやく待ち望むバスが近づき歩き始めたら、バスは減速もせずに素通りすることさえあるのです。また、弱視や全盲の人は早めの意思表示も簡単にはできません。
 バスは、バス停の人の意思表示にかかわりなく、バス停では減速したり停車するのが本来の姿だと思います。また、停車したことを前提にバスの時刻表を組み立てるものであり、遅延しないためにバス停を素通りするのは本末転倒です。市バス利用者の多くは、むしろ弱者であり、行政の姿勢が問われる問題です。(京都新聞)
■窓 運転手さんの優しさに感謝 上京区・吉村美知江(老人会役員・79)
 8月30日午後2時過ぎ、203号系統の市バス。私は今出川浄福寺から乗り、堀川で降りるため、前方へ移動する途中、足もとに扇子が落ちているのに気づき、近くの方々に聞くと「私らと違う。いまのおばさんや」ということで、運転手さんに届けて、ふと外を見ると、降りて7、8歩のところで探し物をされている様子の婦人の姿が目に入りました。
 思わず「忘れ物や、とめて」と叫んで降ろしてもらい「これでしょう」とご本人に手渡し、大急ぎでバスに戻りました。皆さんが「よかったね」と運転手さんにお礼を言ってくださいました。びっくり顔のおばさんを残してバスは何もなかったように走り出しました。次の堀川で降り白峯さんへ参拝して、バスの乗客の方の安全と、親切な運転手さんの健康を心から祈願させていただきました。
 感謝しながら優待券を使わせてもらい、時には走ってきていま一歩でバス停を離れたバスに乗せてもらえない時が多いのに、勝手なことをきいてくださり、2、3分でも待っててくださった皆さんありがとう。心からお礼申します。親切な運転手さんは「牧田さん」でした。(京都新聞)
■窓 納得いかないJR特急料金 栗東町・吉田 博(団体役員・76)
 先日、富山県高岡市に急用ができ、午前10時9分京都発特急スーパー雷鳥(サンダーバード)自由席を利用した。ところが、この雷鳥金沢止まりだった(午後零時24分着)ので、同駅で8分後の同零時32分の長岡行き「かがやき」に乗り換えたら、発車直後に車掌が検札にきて特急券を取り上げ「金沢高岡間の特急自由席料金をいただきます」という。
 「君に渡した特急券は高岡行きだ。特急券の途中下車前途無効は改札口を出た場合と承知しているが、私は改札口を出ていない。それなのに料金を払えとはなぜだ。乗車券、そして関西始発への乗り換えならいいのか」というと、「乗車券と関西始発はいいのですが金沢−高岡間の特急料金は規則ですからいただきます」と。「規則なら払うが特急券の金沢−高岡間は二重取りではないか」「そうなりますが規則です」。同じ車内で富山に行くという老夫婦が私同様徴収され「不愉快ですなあ」と嘆息した。
 取られた金額は、腹立ち紛れだったので正確に覚えていないが1300円ほどだった。時刻表を見ると同じ被害にあいそうな乗り換えケースが幾つかある。明らかに二重取りと車掌も認めている「乗客いじめ」のこの「規則」を、JRは即刻改正すべきで、できないのなら納得できる理由を説明してほしい。(京都新聞)
■労相と運輸相で和解案 JR不採用問題 国労の要請で着手へ
 国労(3万1000人)の永田稔光委員長らは5日、労働省に森井孝信労相を訪ね、国鉄の分割・民営化でJRに採用されなかった国労組合員ら1047人の問題など、JR各社との一連の労使紛争を話し合いで全面解決するため、労相として指導、協力してほしいと文書で要請した。6日には、亀井善之運輸相に同様の要請をする。
 要請を受けて、労相、運輸相は近く協議し、和解のための調整案づくりに乗り出す。「国鉄改革の負の遺産」ともいわれる不採用問題は、これを糸口にJR発足10年目でようやく解決へ向けて動き出した格好だが、JR北海道などすでに話し合い拒否を明言している会社もあり、厳しい道のりが予想される。
 国労との会談後、記者会見した、水井労相は、「橋本龍太郎首相からも指示されており、亀井運輸相とよく連携をとりながら、話し合い解決を促進する環境づくりに努めたい」と述べた。また、「JR各社の対応には温度差があるが、いつまでもかたくなな態度ではなく、真しに話し合いに応じてほしい」と語った。(朝日新聞)
■地下鉄サリン 密室謀議、再現へ 松本被告公判 師弟対決が焦点に
 松本智津夫被告の審理は次回19日の第8回公判から、松本被告と、実行犯として起訴された信徒被告らとの間でどんな共謀・指示関係があったかをめぐる攻防に入る。最も注目されるのは、20日に予定される元教団「諜報(ちょうほう)省」トップの井上嘉浩被告(26)の証人尋問で、地下鉄サリン事件の直前に松本被告と幹部信徒らとの間で行われたとされる事前謀議の状況が明らかにされる公算が大きい。
 検察側は、地下鉄サリン事件決行の謀議は、事件2日前の1995年3月18日未明、山梨県上九一色村の教団施設に向かう松本被告の乗用車内で行われた、と主張している。同乗していたのは6人。井上被告はそのうちの1人だった。
 検察側冒頭陳述によると、松本被告はこの場で故村井秀夫・元幹部に「お前が総指揮でやれ」と指示したとされる。村井元幹部が刺殺され、車中でサリン生成を促されたという遠藤誠一被告が証言を拒否する可能性が強い現段階では、井上被告の存在は極めて大きな意味を持つ。
 「松本智津夫氏に立ち向かい事実を明らかにする」と宣言した井上被告は、検察側の尋問に正面から答える意向を固めているとみられ、密室の謀議の状況が法廷で初めて再現される可能性が高い。
 これに対し、「指示が実行行為にどう結び付いたかが問題で、単に『総指揮でやれ』という言葉だけでは共謀があったとはいえない」とする弁護側も、井上被告には重大な関心を寄せている。(朝日新聞)
■地下に駐輪場 地下鉄国際会館駅周辺
 来年7月に開業する地下鉄烏丸緑国際会館駅周辺の整備計画が、5日開かれた京都市都市計画審議会で決まった。
 同駅は烏丸線の起点駅で、バスが接続する洛北地域のターミナル駅になるため、駅前に約4200平方bの交通広場を設置。地下には自転車とミニバイク計3000台が置ける駐輪場ができる。整備計画は年内に府の審議会にかけられ、知事の決定・承認を受けて1997年度の着工、99年度の完成を予定している。(朝日新聞)
■A棟・C棟で起工式 山科駅前再開発事業
 山科区安朱桟敷町の山科駅前市街地再開発事業で5日、ホテル施設などが入る「A棟」(延べ床面積約8400平方b、地上8階、地下2階)と、事務所や住宅が入る「C棟」(約1万2200平方b、地上9階、地下2階)の起工式があった。
 同事業は山科駅前の約2.8fを対象区域として4棟の建物や道路、公園などの公共施設を建設している。まちびらきは1998年10月の予定。4棟のうち「B棟」は昨年10月に着工、「D棟」は完成している。(朝日新聞)
7日■床下から煙 湖西線止まる 比良駅で列車故障
 6日午後2時ごろ、滋賀県滋賀郡志賀町北比良のJR湖西線・比良駅で、停車中の永原発京都行き普通電車(4両編成)の前から2両目の床下から煙が出ているのに運転士が気づいた。点検したが電車はそのまま動かず、上り線が不通となった。JR西日本では故障車両を移動し、午後3時半に運転を再開した。
 この間、堅田−京都間と近江今津−永原間で折り返し運転し、近江今津と堅田の間に代替バスを運行した。上り特急は北陸線米原経由に経路を変更して運転したが、上下13本が運休、9本が1時間10分から5分の遅れを出し、約2800人の足に影響が出た。(京都新聞)
■スリ容疑で店員逮捕 JR京都駅
 京都府警捜査三課は6日、窃盗の疑いで京都市南区唐橋花園町、店員尾野藤治郎容疑者(64)を逮捕した。調べでは、尾野容疑者は同日午後5時ごろ、JR京都駅に停車中の姫路行き新快速列車内で、神戸市東灘区の男性(74)のズボンの後ろポケットから現金9000円などが入った財布を抜き取った疑い。警戒中の府警捜査員がホームで尾野容疑者の不審な行動に気づき、車内で犯行に及んだところを取り押さえた、という。(京都新聞)
■窓 JR奈良線の複線化
・地域の発展へ早期完工願う 山城町・柴田 修(無職・79)
 先日の新聞報道によれば、沿線住民の長年の願望であったJR奈良線の複線化が、いよいよ来年度にも着工されるという。誠にありがたく喜びにたえない。
 来春の京都教育大前駅(仮称)の開業にからみ、まず、京都から同駅までを複線化するという。私も先日、この場所を通ったが、すでに駅の工事は進められている。そして、最終的には長池まで延長していくという。私も、京都や奈良に出る機会が多く、近鉄京都線とくらべて不便だ、と痛切に感じてきた。今回の計画を知り明るい希望がわいてきた。
 京都府、関係市町村の力強い働きかけがようやく実を結んできたのであろう。サッカー・ワールド杯の城陽市への誘致にからんでの成果であろう。木津川右岸地域の開発、発展の展望が開けてきたといえよう。予算、用地などさまざまな問題はあろうが、京都−木津間の複線化を一日も早く実現し、活気あふれた明るい町への発展を首を長くして待っている。
・ルート変更し古墳保存望む 大津市・大橋 清三(僧りょ・72)
 JR奈良線の複線化計画の沿線にある「椿井大塚古墳」(山城町)が、四十数年前に旧国鉄拡幅工事で削ったところ「三角縁神獣鏡」が三十数枚も出土し、全国的に有名になった。
 私はかねてから複線化の暁には、ルートを変えて古墳の調査、保存を念願していた。こんどの複線化着手への朗報は、喜ばしいことで今後の複線化計画推進に拍車をかけてほしい。
 当面は長池以北に着手されるそうだが、長池−木津間の複線化計画には、ぜひ一部ルートの変更を実現して「椿井大塚古墳」の学術的、観光的事業の促進を京都府、地元文化財保護関係者とJR当局に熱望する次第である。(京都新聞)
■JR西日本株 抽選2.96倍
 国鉄清算事業団は6日、JR西日本株の一般売り出しの抽選倍率を「2.96倍」と発表した。予約申し込みは約291万件あったが、このうち3日までのキャンセル期間に取り消されたのは約17万件。売り出し予定株式数(社員持ち株会への割り当てを除き約92万株)を上回ったため、抽選になる。結果発表は20日。複数株を申し込んでいても、抽選は1人1株になる。(朝日新聞)
■「不採用問題協力に努力」 国労に運輸相
 国鉄民営化の際、国労組合員1047人がJRに採用されず、労働委員会に救済を求めている問題で、永田稔光・国労委員長らは6日、亀井善之運輸相に問題解決に向けての協力を要請した。これに対し、亀井運輸相は「本来的には労使間の問題であり、JR各社の対応を見守りたい。お手伝いすることがあれば努力したい」と述べた。(朝日新聞)
■酔って運転、線路20b 阪和線40分止まり男は逮捕 岸和田
 6日午後11時ごろ、大阪府岸和田市額原町のJR阪和線線路内に乗用車が侵入した。岸和田署は運転していた同市額原町、健康食品販売員米永裕二容疑者(29)を道路交通法(洒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕した。同線の上平列車2本が現場に約40分停車するなど、上下線計24本が遅れ、約4000人に影響が出た。
 調べによると、米永容疑者は、踏切を通過する際、道を誤り、踏切内で右折して和歌山向きの線路に約20b侵入したらしい。(朝日新聞 夕刊)
8日■客乗せたまま休憩 TVで「競輪」観戦 京都市バス運転手 5ヵ月停職処分
 運行中なのに途中の営業所で乗客を乗せたままバスを離れ、休憩室のテレビで競輪中継を見ていた京都市バスの運転手を、市交通局が5ヵ月間の停職処分にしていたことが7日までに分かった。この間、市交通局は処分を明らかにしておらず、その理由について「処分はかなり厳しいものだが、処分内容は釣り銭抜き取りなど極めて悪質なものを除いてこれまでから公表していない」としている。
 市交通局によると、この運転手(40)は今年3月21日午後4時20分ごろ、京都市北区の北大路バスターミナルで、運行中なのにバスに乗客数人を待たせたまま、休憩室でテレビを切り替えて十数分間、競輪中継を見ていたという。
 職員の通報で市交通局がこの運転手らから事情を聴き、服務規程違反で、運転手を4月27日から5ヵ月間の停職処分にした。
 市バス・地下鉄は今月1日から運賃が値上げされたが、その審議が行われた5月市議会では、議員から一部運転手のマナーの悪さが指摘されていた。(京都新聞)
■バスの時刻表 最寄りの3停留所 地元のお年寄りに配布 待ち時間これで解消 今月から外出スムーズに 東山・修道民児協
 「バスの時刻を正確に知って、利用してもらおう」と、東山区修道学区の修道民生児童委員協議会は、最寄りのバス停の時刻表を掲載した冊子を作製、今月からの敬老乗車証の更新に合わせ、お年寄り宅へ配布を始めた。
 同学区の敬老乗車証の対象となる70歳以上のお年寄りは約650人、ほとんどの人が日常生活に市バスを利用しているという。
 これまで、同協議会の委員が2年に一度の更新時に高齢者宅を訪れると、「バスの時刻が分からず、バス停に着いたらすでに発車していた」などの体験談が多くのお年寄りから寄せられた。そこで、時刻表を作り、時間のムダなくバスを利用してもらうことにした。
 出来上がった冊子は、B5判、24n。地元の馬町、清閑寺、五条坂の3つのバス停の時刻表を計22系統分掲載したほか、忘れ物の連絡先、民生児童委員の名簿なども合わせて記した。
 今月始めから、各委員が高齢者宅を回り、敬老乗車証とともに、冊子を配っている。同協議会の西尾明泰総務は「この冊子で、お年寄りの外出機会が増えれば」と話している。(京都新聞)
10日■特急にひかれ即死 伏見の京阪本線で男性
 9日午後10時54分ごろ、京都市伏見区横大路千両松町の京阪本線で、男性が淀屋橋発出町柳行きの特急にひかれ即死した。
 伏見署は、飛び込み自殺とみて調べている。男性は年齢50歳ぐらい、短めの頭髪で、服装はグレーの長そでスウェットの上下、サンダルばき。
 特急は現場で約10分停車したが、後続の列車にはほとんど影響はなかった。(京都新聞)
■長堀鶴見緑地線に 地下鉄の愛称変更
 大阪市交通局は9日、現在延伸工事中の心斎橋−京橋間(5.7`)が今年12月に開業するのに合わせ、現在の市営地下鉄鶴見緑地線(京橋−鶴見線地間、5.2`)の愛称を長堀鶴見緑地線と変更する、と発表した。
 新たに開業する区間の駅名を心斎橋、長堀橋、松屋町、谷町六丁目、玉造、森ノ宮、大阪ビジネスパークと決定した。(京都新聞)
■あっ女性転落地下鉄来た線路間に押し込み救出 大阪で会社員機転
 9日午前10時半ごろ、大阪市西区西本町一丁目の大阪市営地下鉄四つ橋線本町駅で、同市住吉区の飲食店アルバイトの女性(21)が、下り電車の入ってくる直前、ホームから線路に転落した。
 近くにいた同市西区境川、会社員山本有秀さん(45)が線路内に飛び降り、機転を利かせて女性をレールとレールの間に寝かせたため電車は約5b通過したが、女性にけがはなかった。山本さんもホームの下に身を隠し無事だった。
 西署などの調べでは、女性は、アルバイト先に向かう途中。ホームの先頭から2両目付近で電車を待っていたところ、立ちくらみを起こし転落、意識を失ったらしい。
 お手柄の山本さんは「電車が近づいて来たので、とっさに飛び降りた。ホームの下に引っ張り込もうとしたが、体の向きを変えるのが精いっぱいだった。女性が無事でほっとしている」と話している。
 同署は10日、山本さんに感謝状を贈ることにしている。
 四つ橋線は上下10本が最高11分遅れ、西梅田駅で一時改札を制限するなど、乗客約2500人に影響が出た。(京都新聞)
■ホームから女性転落−会社員、飛び降り体ずらし”救出” 線路にまたがり倒れ レールの間に動かず 四つ橋線本町駅で
 9日午前10時半ごろ、大阪市西区西本町一丁目、市営地下鉄四つ橋線本町駅ホームで、大阪市住吉区長居西二丁目、飲食店アルバイト、末永実恵さん(21)が約1b下の線路に転落した。その場に居合わせた大阪市西区境川二丁目、会社員山本有秀さん(45)が飛び降り、末氷さんの体をずらした。直後に入ってきた西梅田発住之江公園行き列車(5両編成)が、末氷さんの上を5bほど通過。末永さんは線路と車両の高さ約40aのすき間に入り、けがはなかった。
 大阪府警西署の調べによると、ホームを歩いていた山本さんは、6、7b離れた線路にまたがる形で、末氷さんが倒れているのを発見し、飛び降りた。列車はすでに30−40bまで迫っており、「レールとレールの間に動かした方が安全だ」と判断し、体を押し戻した。山本さんはホームの下に逃げ込んだ。
 列車の左前車輪が線路上の末氷さんの体に接触したはずみで、線路からはみ出していた下半身がレールとレールの間(幅1.4b)にすっぽり入って助かったという。
 山本さんは「自分でもよく飛び降りたと思う。無事で本当によかった。奇跡としか言いようがない」と話している。末永さんは立ちくらみがして落ちた、と話しているという。(朝日新聞)
■元社員が阪急電車の歴史出版 エピソードを交え 古き良き時代描く
 阪急電鉄の元社員橋本雅夫さん(71)=大阪府池田市=が「阪急電車青春物語」(草思社)を出版した。明治、大正、昭和初期の阪急の「古き良き時代」を描き、大阪市内などの書店で人気を呼んでいる。
 橋本さんは1945年、当時の京阪神急行電鉄に入社、電車の車掌や事業部で宣伝などを担当した後、宝塚歌劇団に出向した。本は自らの体験や先輩、同僚らからの取材を基に書き上げた。
 本文は約40編からなり、明治40年(1907年)に箕面有馬電気軌道としてスタートした阪急が関西を代表する鉄道会社の一つへと成長していく過程を、エピソードを交えて紹介している。
 昭和初期の出来事として紹介されている「事件」に十三の踏切事故がある。神戸線と宝塚線が複々線になっている「大踏切」を渡っていた汚物を運ぶ荷車を電車がはね、乗客の多くが窓から入ってきた汚物をかぶった。十三駅で乗客を降ろし、近くの銭場を貸し切りにし、乗客が入浴中に駅員が総出で、自宅から着替えを運ぶ大作戦を展開したという。
 大阪−神戸間での阪神電鉄との激しい競争も取り上げている。1920年に阪急神戸線が開通して間もなく、阪神が乗車記念としてハンカチを配ると、阪急は対抗してタオルを配ったという。
 「阪急電車青春物語」は四六判、 262n。1854円。(朝日新聞)
■左利きにもっと愛を 改札機・ビデオ 世の便利は「しゃくの種」
 首都圏や京阪神で急速に普及してきた駅の自動改札機。すばやく多人数の人が通れる効率的な機械だが、左利きの人たちにはどうも使い勝手が悪い。「便利」や「楽しみ」をうたい文句に、新たに生活に入ってきた自販機やビデオカメラなども、左利きに冷たい。長年使われてきた道具類には専用のものが作られ始めたものの、人口の1割を占めるといわれる「少数派」の不便は簡単には解消しそうにない。(大村美香)
 日常生活はすべて左手を使うという東京都港区の団体職員(40)は、通勤で駅の自動改札口を通るたびに、いらだたしい思いをさせられる。ラッシュ時、右手でスッと定期を入れて通り抜ける人の間で、体をひねり左手を伸ばすと、タイミングがずれて、流れをさまたげてしまうのだ。
 「大きな荷物がある時は、さらにバランスを崩しやすい。こんな不都合を毎日味わっているんです」
 自動改札機は、1990年代に入って急速に普及した。日本民営鉄道協会によると、加盟社の自動改札機の設置駅数は92年には548駅だったのが、95年にはほぼ倍増の1030駅、全体の53%に達している。すべて投入口が右側にある機械だという。
 横浜市の会社員藤田祐子さん(28)は「左右両方に投入口をつけるとか、たくさん自動改札機があるなら、一台の投入口を左側にしてもらえれば、楽なのですが」と言う。
 しかし、「両方作ってしまうと利用客が混乱する」(名古屋鉄道)「設置台数は限られているので…」(小田急電鉄)。鉄道会社は消極的だ。「現在の機械が右利き専用というわけではないが、お客様は右利きが多数。左利きの方には慣れていただくしかない」(営団地下鉄)と、左利きの努力を求める。
 家庭用ビデオカメラも事情は似ている。片手で持つタイプははとんどが右手用だ。
 ソニーは、国内で発売している約17種類のビデオカメラすべてが右手で支えて操作する形。「左利きの方に使いづらいのは衆知しているが、慣れの問題。ボタンを押すだけだし、さほど支障はないのでは」と同社広報室。左手用の開発予定はないという。
 だが、東京都渋谷区の会社員森仁士さん(32)は「カメラは結構重く、左利きの私にとっては右手だけで持つと不安定。右手の指で操作するズームも徹妙な調整は難しい。我慢して使わせていただきますという感じです」と話す。
 その一方で、利き手を選ばない製品も現れた。日本ビクターが昨年12月に発売した新方式のデジタルビデオカメラは、縦長で左右両方で持つことができ、利き目も選はない。「テープが小さくなった利点を生かした」と同社。左利きばかりではなく、発売後、右手を失った人から「すぐ注文した」というはがきが来たこともあるという。
 自動改札機にも多少の工夫が出てきた。阪急電鉄は、左手でも入れやすいように、投入口を左に5度傾けた機種をすべての駅に置いている。東急電鉄でもすべての自動改札機がこの形式。JR東日本も95年3月から設置を始め、今後は新規導入や機械の取り換え時に改善していく予定にしている。(朝日新聞)
11日■JR3社は和解を拒否 国労の不採用問題
 不採用問題など一連の労使紛争を話し合いで解決したいという国労の先の申し入れに対し、JR7社のうちJR九州を除く6社が10日、国労へ回答した。回答内容は大別して、「話し合いの余地なし」とするJR東日本、北海道、貨物の3社と、「国労の対応を見守る」という、話し合いに応ずる含みを持たせたJR西日本、東海、四国、九州(11日回答)の4社に2分された格好だ。(朝日新聞)
■バスの日 保護者同伴の小学生 「乗り合い」無料に
 府バス協会(30社加盟)は「バスの日」の20日、府内の乗り合いバス10事業者の路線で、保護者同伴の小学生に限って運賃を無料にする記念行事を実施する。
 当日、小学生運賃が無料になるのは京都市交通局、京阪バス、京都バス、京都交通、西日本ジェイアールバス、阪急バス、京阪宇治交通、丹後海陸交通、カヤ興産、近畿日本鉄道の府内全路線。保護者の運賃は規定通り有料で、定期観光バスや高速バスなどは対象外になっている。小学生は乗り合いバスに備え付けられるPRチラシの「バスの日乗車券」を降車時に出せば、無料になる。このほか、高速バス乗車券のプレゼントもある。京都−金沢など5コースで8ペア16人に抽選で贈られる。
 1903年(明治36年)9月20日に京都の二井商会が日本で初めて乗り合いバスの営業を始めたことから、日本バス協会(東京)はこの日を「バスの日」としており、全国で記念行事が実施される。府バス協会の高速バス乗車券プレゼントなどの問い合わせは同協会(075・691・6517)へ。(朝日新聞)
■「乗り降り自由」廃止へ 英の2階建てバス
 ロンドン名物として日本人観光客にも人気のある、乗降口にドアのない赤の旧型2階建てバスが、5年以内に姿を消すことになった。
 市バス当局が9日明らかにした。このタイプのバス600台の老朽化が進んだため、自動開閉のドアが前に付いたワンマン(乗員1人)型の新型バスに順次切り替えていくという。
 旧型バスは約40年前にお目見えしたが、走行中にも乗り降りができるため、新型と比べて乗客の絡む事故件数が4倍も多く、安全対策上、ドアのないバスの新規製造は法律で禁止されている。
 ロンドンっ子は「自由に乗り降りできるから好きだったのに…」と愛着のあるバス廃止に不満顔。市バス当局スポークスマンも「ロンドン市民だけでなく、観光客からも愛されていたのは事実」と残念がる。しかし、法律に立ち向かう手は今のところなさそうで、旧型バスは惜しまれつづも姿を消す運命のようだ。(時事)(朝日新聞)
■運転士、2分居眠り 地下鉄、停車駅を通過 車掌も動揺 ブレーキ忘れる 大阪・なんば
 11日午前7時20分ごろ、大阪市中央区難波一丁目の市営地下鉄千日前線なんば駅で、野田阪神発南巽行き電車(4両)が停車するはずの同駅を通過、そのまま行き過ぎ次の日本橋駅で停車した。
 大阪市交通局によると、運転士(36)がなんば駅手前で居眠りしスピードを落とさず駅に進入。車掌(27)が進入速度が速すぎるのに気付き、車内電話で何度も連転士を呼んだが応答せず、車掌自身も動揺し非常ブレーキをかけるのを忘れたという。
 運転士は約2分間居眠りしたまま約1.5`走り、日本橋駅ホームに差し掛かったところでようやく目が覚めたという。なんば駅では約100人が電車を待っていた。
 後続に影響はなかったが、車内放送や構内放送は一切なく「どうなっているんだ」との苦情が駅に寄せられた。
 運転士ら2人は10日夜から泊まり勤務で、11日午前1時まで勤務した後、仮眠。運転士は「同僚と午前2時すぎまで話し込んでしまった。言い訳のしようがない」と話しているという。
 大阪市営地下鉄では、1994(平成6)年11月にも、地下鉄谷町線南森町駅で今回と同様に運転士が居眠りし、車掌もブレーキを忘れ駅を通過するトラブルがあり、運転士と車掌が停職処分を受けている。
 同市交通局の山口節男高速運輸部長は「誠に遺憾。再発防止を徹底するとともに、関係者には厳しい処分で臨む」と話している。(京都新聞 夕刊)
■JR2線故障 ダイヤ乱れる 片町・山陽線など
 11日午前3時55分ごろ、大阪府大東市住道二丁目、JR片町線住道駅構内にある全信号機8台が赤のまま変わらなくなり、駅員が手信号で対応した。また同7時半ごろ、神戸市兵庫区のJR山陽線神戸−兵庫間で、姫路発草津行き快速電車のモーターが故障し一時、架線が停電した。
 このため、片町線と山陽線のほか東海道線、湖西線、福知山線などのダイヤも大きく乱れ、計上下13本が運休、同68本が最高22分遅れた。通勤ラッシュ時間とも重なって約6万4000人が影響を受けた。(朝日新聞 夕刊)
12日■城陽市のJR長池駅 「W杯」へ周辺整備を見直す
 城陽市は11日、同市議会の都市建設常任委員会で、2002年サッカーW杯の候補予定地である木津川右岸スタジアム公園への玄関口となるJR長池駅の周辺整備について、指針となる「基本構想・計画」を示した。
 基本構想は、同市が昭和59年に市内6駅について策定した「駅周辺整備構想」の長池駅部分を基礎に、同公園の建設決定や長池駅西側での大規模店舗の進出、都市計画道路の整備など新たな背景を加味した。
 駅北側を従来のバスターミナルから、大量動員に対応できる歩行者向けの広場の整備に変更するなど”W杯”に照準を合わせた見直しが特徴となっている。
 基本構想・計画では、整備内容に伴い段階的に目標年を設定。
 W杯対応となる短期整備(2000年まで)としては▽駅北口の新設や駅の橋上化を含めた駅南側・北側広場連絡通路の設置▽大量動員に対応できる歩行者広場の整備▽北側駅前広場と同公園を結ぶアクセス道路の整備−などを掲げている。
 また、長期的(2010年まで)には、駅南側を商業拠点として整備するとともに、バスやタクシーに対応できる広場や新規アクセス道路の整備を盛り込んでいる。(京都新聞)
■窓 待ってくれたバスに感謝 宇治市・飯室かずゑ(無職・64)
 私は、その日、とてもルンルン気分。春でもないのに私の心はバラ色。その理由は親切な京阪バス−。
 私は週1回、京阪バスを利用して平等院の近くまで通っています。ところがバスの回数があまりなく、乗り遅れると3、40分待たなければなりません。
 この日も、少しけいこが長引き、先生の宅を辞した時、しまったと思いました。そして宇治橋を私の方に向かってくるバスが目に入りました。それこそ、いちるの望みをかけて走りました。そしてバス停で、しばし動かないバスを見た時、私に「頑張れ」とまるでエールを送っているように思え、全力疾走で走り込みました。座靖に腰を下ろした時、うれしさがこみ上げてきて、胸の鼓動も忘れていました。
 もちろん、下車の際は、ありがとうございましたと素直にお礼の言葉が出ました。運転手さん、ありがとうございました。(京都新聞)
■JR西日本 広島駅副助役も不正乗車 新幹線特急券 割引券借り半額購入
 JR広島駅の副助役が、ほかの駅員の「割引購入券」を使って新幹線特急券を半額で購入し、自分で持っていた無料パス「職務乗車証」と合わせて新幹線に乗車していたとして、半日分の減給処分を受けていたことが11日、明らかになった。副助役に割引購入券を渡した駅員と、特急券を販売した駅員も戒告処分を受けた。JR西日本では、社員に支給される無料パスや割引購入券を使った不正乗車が相次いでいるため、「社員特典」の使用を一部制限し、正しい使い方を徹底するよう全社員に指導文書を流した。
 無料パスはJR旅客6社の社員に支給されている乗車券。JR西日本の場合、社員の等級に応じて管内路線の一部あるいは全部の区間を自由に乗り降りできる。社内規程では、パスは職務上の必要性に基づいて支給されるとなっているが、通勤やプライベートでの使用は禁止されていない。
 割引購入券は、乗車券や特急券などが半額で購入できるチケットで、社員の勤続年数などに応じて一定の枚数が支給されている。本人と家族以外の使用は禁止されている。
 広島駅の副助役は、割引購入券を持ち合わせていなかった6月6日、山口県の自宅に帰るため、ほかの駅員の割引購入券を使って広島−新下関間の新幹線自由席特急券を通常料金の半額の1180円で購入。同9日、無料パスと合わせて使用し、新幹線に乗車していた。処分は3人とも7月9日付。
 同社では7月、車掌11人が無料パスを使って特急に不正乗車していたとして、加担した車掌や上司を含む社員26人を出勤停止などの処分にした。また去年9月には、社員6人が通勤のためパスを使って急行に乗車した。規程ではパスによる急行の通勤利用は禁止されており、同社は6人を訓告などの処分にした。
 社員特典について井手正敬社長は「一般の人から見たら異常な特権だ。使い方には節度がなければならず、徹底的に再発防止に取り組みたい」と話している。(朝日新聞)
■駅副助役も不正乗車 JR広島駅 同僚の割引券で購入
 JR広島駅の副助役(46)が、本人とその家族しか使えない社員割引購入券を同僚から譲ってもらって新幹線特急券を購入、使用し、JR西日本が副助役を減給0.5日、譲った同僚と特急券を販売した駅員の2人を訓告の処分にしていたことが12日分かった。
 また、1994(平成6)年から今年の3年間でほかに、他人名義の使用や無資格者に貸すなど購入券の不正使用が4件あり、計5人を戒告や5年間の購入券支給停止の処分にしたことを明らかにした。
 同社では7月、大阪車掌区の車掌11人が同僚から不正に特急券を半額で発売してもらい通勤に使っていたとして、関係者26人が出動停止などの処分を受けた。昨年9月にも職務乗車証で急行をただ乗りした社員6人が処分を受けている。
 「不正乗車一掃」を力説する一方で、相次ぎ明るみに出る社員の「特権悪用」の実態に非難の声が高まりそうだ。
 同社によると、社員は本人と家族が特急券や乗車券を半額割引で購入できる「購入券」を、勤続年数に応じ毎年一定数支給される。
 副助役は6月6日、たまたま自分名義の購入券を持ち合わせていなかったため、広島駅で同僚(48)名義の購入券を使い、広島−新下関間の自由席特急券を半額の1180円で購入。9日に運賃が無料になる本人の職務乗車証と併せて使い、下関市の実家に帰ったという。
 同社は7月9日付で処分。「社員特典については厳正に使用するよう徹底しており、残念」としている。(京都新聞 夕刊)
■JR、5人追加処分 不正乗車、さらに4件発覚
 JR西日本は12日、社員に支給される「割引購入券」を使った不正乗車が1994年4月以降さらに4件発覚し、合わせて5人を処分したと発表した。割引購入券については、JR広島駅の副助役がほかの駅員の購入券を使って新幹線特急券を半額で購入していたとして、7月9日に半日分の減給処分を受けたほか、副助役に割引購入券を渡した駅員と、特急券を販売した駅員も戒告処分を受けたことが明らかになっている。
 割引購入券は乗車券や特急券が半額で買えるチケットで、本人と家族以外の使用は禁止されている。社員一人当たり年間数十枚支給されている。今回、新たに処分が公表された5人はほかの社員の割引購入券を使用したり、自分の購入券を家族以外の親族に使わせたりしていた。処分内容は2人が戒告、3人が訓告。
 このほか、同社は7月、車掌11人が社員に支給される無料パス「職務乗車証」を使って特急に不正乗車していたとして、加担した車掌や上司を含む社員26人を出勤停止などの処分にした。また去年9月には、社員6人が通勤のためパスを使って急行に乗車した。規程ではパスによる急行の通勤利用が禁止されており、6人を訓告などの処分にした。
 このため同社は、通勤以外でも、パスを使って急行に乗り降りできない区間をこれまでの西明石−京都間から姫路−米原間に拡大し、去年10月から全社で実施した。先月末には全社員を対象に総務部長名で指導文書を出し、パスの正しい使い方を徹底するよう促した。10日からは、割引購入券の使用時に社員証か社員家族証明書を提示することを新たに義務づけている。(朝日新聞 夕刊)
13日■JR奈良線 宇治−新田間新駅 小倉町中畑地区に 宇治市とJR西日本が大筋合意 1日の乗降客 9000人見込む 複線化念頭に、駅は相対式
 宇治市は12日、懸案となっていたJR奈良線の宇治−新田駅間新駅の建設予定地を同市小倉町中畑地域に決めたと発表した。JR西日本と大筋合意したもので、今後、財政負担などを含め府やJRと詳細を協議するとともに概略設計の策定を急ぎ、地元調整に入る。着工年度は未定だが、完成は着工から約2年後。JRが来年度にも着手の方針を固めている奈良線複線化とあいまって、地元住民のメリットは大きい。
 予定地は、宇治駅から約1.4`、新田駅から1.8`の両駅のほぼ中間。広範な地域の人々に利便性があり、地元の要望が特に強い場所となっている▽線路の両側に宇治市の公共用地の広場があり、地下通路や駐輪場など交通アクセス施設の整備をしやすい▽線路をはさんで北側の小倉地域と南側の南陵地域の人がともに利用できる−の3点の理由で選ばれた。
 将来の複線化を念頭に、駅は相対式にする。また、予定地は線路をはさんで約8bの高低差があるため、駅舎を地下に置くなど近鉄伊勢田駅によく似た構造を予定している。
 新駅設置に関しては、平成3年6月に議会や地域住民から要望が上がり、6年9月に8000人の署名を市に陳情、提出。同年12月、設置請願を全会一致で採択した。同月、府公共交通網整備研究会が必要性を提言、5年目で予定場所の設定にこぎつけた。
 設置請願書が8000人に上っていることや、すでに平成4年開業のJR六地蔵駅の利用者が4年間で1日あたり約9000人に達していることなどから、新駅にも同程度の乗降客が見込まれる。宇治市内のJRの駅は新駅で6つ目。(京都新聞)
■阪急百貨店、境に出店 5年後開業へ
 阪急百貨店は12日、大阪府堺市の地下鉄御堂筋線北花田駅前で新日本製鉄が進めている、社宅跡地再開発事業の商業施設に出店する、と発表した。延べ床面積が約9万平方bの商業施設を新日鉄から一括して借り受け、5年後の開業を目標に、百貨店を核店舗にアミューズメント施設なども含めた滞在型商業施設を目指すという。阪急百貨店としては計画中を含めて関西では8店目となるが、近畿南部への出店は初めて。
 再開発地区は約12.9fで、うち6.5fに商業施設、オフィスビルを建設する計画。核となる百貨店は売り場面積約1万5000−2万平方bと、兵庫県川西市の川西阪急2万5500平方b)と同程度の規模を検討中。専門店やスーパー、飲食店などを組み合わせ、「神戸・ハーバーランドの複合商業施設『モザイク』と郊外型百貨店の両方のノウハウを合わせたものにしたい」という。
 阪急百貨店は約7年前にも堺市内に出店を計画したことがあり、「当時から南への意欲はあった」(井上弘一常務)という。そのような経緯もあって、新日鉄が6年前に出店を打珍し、協議が続けられていた。
 北花田駅前は堺市の北端に当たり、大阪市と隣接している。阪急百貨店では「梅田店の顧客で大阪府南部に住んでいる人は多いし、大阪市内からの客も期待している」と話している。(朝日新聞)
■阪神電鉄が配当見送り 9月中間期
 阪神電鉄は12日、1996年9月中間期の配当を見送ると発表した。運賃値上げなどで9月中間期の経常損益は約10億円の黒字という期初の予想をほぼ達成する見通しだが、阪神大震災の影響で利用客の伸び悩みが続いており、経営体力の回復を優先するためだ。
 下期は人件費の負担がかさみ、97年3月期通期の経常損益の黒字幅は7億円程度になる見通しで、期末配当も見送る公算が大きいとみられる。(朝日新聞)
14日■新型新幹線 デビューは来春に「のぞみ」二の舞い避け
 世界最速の時速300`で営業運転するJR西日本の新型新幹線車両「500系」について、同社は13日、来年3月末に山陽新幹線にデビューさせることを決めた。これまで同社は「年末に登場させたい」としていたが、JR東海の「のぞみ」(300系)が1992年3月のデビュー直後に故障を繰り返したため、その二の舞いを演じたくないと判断。走行試験を3ヵ月延長し、降雪の体験もさせることにした。
 500系は、新大阪−博多間を「のぞみ」より13分早い2時間19分で結ぶ。1編成(16両)の製作費は約46億円で、当面9編成を導入する計画。
 しかし、「のぞみ」のような初期故障を発生させないためには、台車を車体から外して解体検査することが義務付けられているレベルの40万−45万`の走り込みをさせ、その後に最終検査をする必要があると判断した。(朝日新聞)
15日■地道にバス停清掃 お年寄り 30人余も 朝に夕に もっとモラルを 京都市内
 来る日をいとわず、バス停に捨てられたたばこの吸い殻、弁当の空き箱を拾い、掃き清めるお年寄りたちがいる。朝から家の前を掃除する「かど掃き」を続けているうちに停留所のゴミが気になりだし、掃除を始めた。ゴミは年々増え、ゆううつは消えないけれども、淡々と日課は続く。15日は敬老の日。
 京都市中京区の長井咲子さん(81)。毎日、午前9時ごろ、ほうきと大きなピンセットを持って家を出る。家の真正面のバス停「二条駅前」は、吸い殻や新聞を捨てていく人が絶えない。行楽シーズンになると、弁当の空き箱を捨てて行く人がいる。放置された自転車のかごに、ゴミがねじこまれていることもある。
 「掃除しても掃除しても追いつかないぐらい。注意しようと思うけど、いつの間にか捨ててあるんです」と苦笑する。吸い殻はにおいが強く、火事が心配なので、寝る前にも掃除を欠かさない。雨が降っても、掃除を休んだことはない。
 長井さんは大正4年(1915)、京都市に生まれた。22歳で結婚したが、長男を生後3日で病気のため失った。兄1人と弟2人がいたが、兄は若いころ病死。弟も1人はジャワで戦死し、もう1人は引き揚げ時に病死した。今、夫と次男夫婦、高3、高1、小6の孫と暮らす。
 家の前にバス停ができたのは、45年ほど前だった。次第に捨てられるゴミが多くなり、放っておけなくなった。若いころから続けてきた「かど掃き」の延長で、バス停の掃除が始まった。しかし、今でもバス停にゴミが落ちているのを見ると、ゆつうつになる。「バス停はゴミ捨て場と違う。もっときれいに使えへんのやろか」と思うからだ。
 バス停の掃除をしているのは長井さんだけではない。同市西京区の徳桝祐治さん(85)も、自宅の裏に面した通りのバス停「南福西町二丁目」の掃除を続ける。朝6時に起きてラジオ体操をした後、家の裏からバス停までの道を掃く。腰をいため、最近は週2回ぐらいのペースだ。
 「お菓子の包み紙や吸い殻、段ボールやビニールの切れ端まで落ちています。気がついた時に捨てていますけど、モラルがないんでしょうかね。近ごろは」と残念そうに話す。
 京都市交通局には、バス停の前に住んでいる市民からゴミの苦情が絶えず、停留所を撤去してほしいといわれることもある。そんな中、長井さんは「バス停のお客さんに、ほこりっぽい思いをさせてもあかんしね。掃除を始めるのは、通勤・通学ラッシュが終わってからです」といって、ほうきを握る。
 市内のバス停留所の掃除をしているお年寄りは、市交通局が分かっているだけで約30人いる。(朝日新聞)
17日■窓 車掌さん親切 心楽しい旅に 大津市・小坂由以子(主婦・63)
 息子の買って来た時刻表(9月号)の表紙は、初秋の静けさを味わう旅へ…と、越美北線・市波−小和清水間と記され、朝霧に包まれた山あいを1両のディーゼル車が小さな明りをつけて走っている風景の写真だった。ひと目見てここへ行こうと心に定めた。期限の迫った青春ほ切符を消化するための旅である。
 早速、息子に予定を組んでもらい姉と2人でいそいそと出かけた。11時6分長浜発金沢行きに乗り込んだ。昼食をすませ、例によって旅日誌のノートを開けた途端、はさんであった切符が細いすき間に落ち込んだ。どんなにしても切符は動かない。困りはて車掌さんに事情を話した。すぐにかけつけ現場を見て困った様子で「どこまで行くの」と聞かれ「福井までです」と答えた。すると「福井駅で何とかしますから」と言って慌ただしく業務に戻られた。
 福井駅につくと長いドライバーでいすの下の鉄板をはずし、やっと切符が取り出せた。ほっとしてお詫(わ)びとお礼を言って列車を降りた。だが、越美北線のホームがよく分からない。特急待ちで停車している金沢行き列車から、迷っている私たちを見た車掌さんが走って来られ「越美北線九頭竜湖行きは、あっちの端にとまっている車両ですよ」と教えてくださった。
 私はその時、車掌さんの胸の名札を見ていた。Tさんとおっしゃる車掌さんです。ほんとにありがとうございました。おかげで楽しい旅ができました。(京都新聞)
■御堂筋線一時停電 乗客8000人に影響
 17日午前8時10分ごろ、大阪市営地下鉄御堂筋線(江坂−なかもず)で非常停電装置が作動、全線で停電した。
 約3分後に運転を再開、上下35本が最高3分遅れ、約8000人に影響が出た。
 大阪市交通局で原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■居眠り運転士ら2人を停職処分
 今月11日、大阪市営地下鉄千日前線で運転士が居眠り運転し、なんば駅を通過した問題で、大阪市交通局は17日、運転士(36)を5日間、車掌(27)を2日間の停職処分にした。
 また2人が所属する阿波座乗務所の所長も口頭で厳重注意した。(京都新聞 夕刊)
18日■阪神電鉄 地震発生を自動通報 25日から新システム 走行中の電車に
 阪神電鉄は17日、震度4(中震)以上の地震が起きた場合、走行中の各電車に列車無線で地震発生を自動通報する新気象情報システムを25日から稼働させる、と発表した。自動通報システムの採用は近鉄に次いで2例目。
 同電鉄ではこれまで兵庫県尼崎市の運転指令所に設置した地震計が震度3(弱震)以上の地震を感知した場合、列車指令が口頭で各電車に徐行などを指示することにしていたが、阪神大震災をきっかけに防災設備の見直しを行い、新システムでは神戸市東灘区の石屋川車庫にも地震計を新設、震度4以上では録音した音声が3秒以内に流れ、運転停止を指示する。
 このほか新気象情報システムでは、電車運行区間の阪神地区に風速計や雨量計、水位計を新増設、例えば5分間の平均風速が15b以上になった場合には注意報、25b以上では警報を出し、運転停止や徐行を指示する。(京都新聞)
■窓 地下鉄開通で思い出の地へ 中京区・藤原辰三郎(自営業・71)
 来年7月に市営地下鉄国際会館駅が開業する。そのとき、私だけの記念すべきイベントを実行しようと思っている。妻には「かねてから地下鉄が延伸したら三宅八幡宮が近くなり、散策が可能になるので一度行こうと話していた。現在は叡電で簡単に行けるが私にとっては遠い昔、思い出に満ちた場所である。
 いま手元にあるセピア色した一枚の古写真は、昭和3年の春、草深い山里の八幡宮を家族連れでお参りした時、戦死した兄と2人で境内で写したものである。兄は小学校へ入学した時で学童服、私は着物でげたばき。当時は珍しくない幼児スタイルであった。父は2人に手をつなぐように言い、写真屋のおじさんは何度も「こちらを向いて」と声をかけたが、私は母のいる傍らの茶店に用意されたごちそうが気になり、撮影に時間をとったことを覚えている。
 その後、八幡宮に行った記憶はない。来年、妻に敬老乗車証が交付される。その機会に、この年まで健康でいられた喜びと感謝をかねて70年ぶりにお参りしようと思う。境内の様子も随分と変わっただろうが、茶店のあった場所を探して、私たちの写真を撮ろう。いまは、ただそっとそのまま思い出を封じ込め、来年に、ささやかな私の心のイベントを地下鉄開通とともに楽しみに残している。(京都新聞)
■地震自動通報 阪神も稼働へ
 阪神電鉄は17日、地震発生時に走行中の全列車を一斉に安全な位置に止めるよう無線で自動通報するシステムを25日から稼働させる、と発表した。これまでは、観測データをもとに指令員が口頭で各列車に無線連絡していたが、新システムでは観測から3秒以内に乗務員に知らせることができるという。
 新システムは、沿線の地震計が震度4以上を観測した場合、兵庫県尼崎市の尼崎車庫内にある運転指令室から全列車に「安全な位置に停止してください」と音声で一斉通報する。連絡を受けた乗務員は非常ブレーキをかけ、橋の上などの危険な場所を避けて列車を緊急停止させる。同様のシステムは、近鉄が3月から稼働させている。(朝日新聞)
■わいせつ容疑 痴漢男を逮捕 近鉄京都線の電車内
 府警鉄道警察隊は17日、近鉄電車内で痴漢行為をしたとして大阪府枚方市長尾西、会社員日野義一容疑者(49)を強制わいせつの疑いで現行犯逮捕した。
 調べによると、日野容疑者は同日午前7時40分ごろ、近鉄京都線の伏見−竹田間の車内で、伏見区の女性会社員(22)に痴漢行為をした疑い。
 同警察隊によると、京都駅内に設置した同警察隊の「レディース相談所」に、この女性会社員から今月5日、「通勤電車内で同じ中年男性から痴漢行為を受けて因っている」と相談を受け、隊員が女性会社員と同じ車両に乗るなどの警戒をしていた。(朝日新聞)
19日■窓 市バスへの注文
・回数券の交換 不可解な拒否 北区・田中幸一(商店主・63)
 定期券入れやバッグ、ポケットなどから回数券の残りが出てきたので、束ねて交通局の案内所で「差額を支払うから新回数券と引き換えてほしい」と申し入れたところ、100円券がなければダメだという。別に100円は現金で出すと言うのだが「100円券でなければ現金では交換できない。20円添えて使ってくれ」という返事。
 降車時に慌てて両替するような事のないように、新しい回数券と交換しておこうという当方の意図は全く無視されてしまった。
 スムーズな市バスの運行にご協力ください、なんてセリフは二度と言わぬことだ。当方も回数券は買わずに、降車時に両替して迷惑をかけることにしよう。満員の市バスで両替機まで行くのがどれほど大変なことか、交通局の職員は知るまいから。
・運賃の値上げ 正確に示して 左京区・宇野典子(主婦・68)
 徹底しなかった市バス運賃改正の表示について一言申し述べたい。私は通院のために、度々、市バスを利用しているが、今回の運賃値上げの表示に従って、昼間割引回数券(午前10時から午後4時)に値上げ分20円を添えて乗降してきた。
 そんなある日、いつもの通り運賃を支払って降りようとした際「11月末までは追加料金は不要ですよ」と、20円が私の手元に返ってきた。バスの中でこの事を問いただすには他の客にも迷惑と思い、交通局に問い合わせてみたところ昼間割引回数券に限り、11月いっぱいは追加の20円は不要とのこと。運賃改正の表示板には、その事は表示されていなかったのではないかと言うと、やはり表示はなく「降りられる際に、この券に限り20円はお返しすることにしていますが、ラッシュの時は見落とすこともあります」という返事だった。
 私のバスを利用する時間帯は、ラッシュと全く関係なく、この運転手さんに会うことがなければ、私はずっと往復40円という無駄なお金を払い続けたことになる。200円のバス代に20円の値上げは痛いと思いつつ、交通局の赤字補てんに協力してきたつもりだが、なんともやりきれないものが残る。表示がない以上、同じような人が、ほかにもおられるのではないだろうか。
・「バスの日」に現状見直そう 園部町・馬場忠孝(会社員・55)
 過日、所用があり、草津市の「近江鉄道バス」に乗車した。車内で、ふと前を見るとチラシがぶらさがっていたので1枚もらって読んでみると、こう書かれてあった。9月20日は「バスの日」です。この日を記念して全国各地でいろいろな行事が行われます−。
 さらに、滋賀県のバス事業者は、小学生のみなさん方に、乗り合いバスに親しみと理解をもっていただくために、原則として保護者同伴の場合、バスに無料で乗車していただくことといたしました。社会勉強のひとつとしてこの日、バスに乗車していただくよう心からお待ちしています、と。続いて、最近は道路が混雑したりして少し走りにくくなりましたが、これからも「みなさんの足」として、「いつでも、どこでも、みんなのバス」を合言葉に、みなさんに愛されて、バスは走りつづけてまいります、と。そして、終わりに、民営バス会社6社の名前があった。
 京都市は「乗り合いバス発祥の地」である。「バスの日」を記念して何か行事を予定しているのかどうか寡聞にして知らないが、京都市のバス事業の現状には「走行環境」の悪化というだけでは片付けられない何かがあるように感じた…。公営では、もうだめかな、という思いも…。(京都新聞)
■オウム裁判 林被告「麻原は表裏二面性」 松本被告公判商人尋問 教祖厳しく批判 身ぶり交えきっぱり
 「尊師」と仰いだ人を、繰り返し「麻原」と呼び捨てにし、非難する元幹部。初の師弟対決となった19日のオウム真理教松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の公判。元幹部林郁夫被告(49)は、救済のためと信じて松本被告の指示に従った自分を悔い、裁判でありのままを証言することが「人間の責任」と言い切って対決の法廷に臨んだ。はっきりした声、時に身ぶりも交える。地下鉄サリン事件は「麻原が指示したと認識した」と教祖の指示を明言。わずかに首を振り、口元をゆがめる松本被告。地下鉄サリン事件の公判は、事実審理のヤマ場を迎えた。
 「地下鉄サリン事件は肺原の指示だと認識した」。かつて服従を誓った教祖を弟子は呼び捨てにして厳しく批判した。オウム真理教の松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の公判に出廷した元幹部林郁夫被告(49)。「麻原の考えていることには表と裏の二面性があった」と時折動作を再現しながらきっぱりと証言した。松本被告は首を動かしたり深く息を吐くなどして聞き入っていた。
 午前10時5分、白いワイシャツにグレーのスーツ姿の林被告が裁判長の前に。右側の被告席に座る松本被告との距離は約2b。耳がやや不自由な林被告は、検察側席に体を少し傾け、一つひとつはっきりした声で身振りも交えて証言した。「麻原彰晃は、この法廷にいる松本被告ですか」と聞かれると、初めて松本被告の方を振り向いて「そうです」ときっぱりと答えた。
 「麻原は、表では科学技術を救済に役立てるとしながら、裏側では小銃の製造、サリンプラントの設計をやっていた」。これまでの自分の公判で「麻原のまやかしといわれるゆえんについて、だれはばかることなく話す決意だ」としていた林被告は教祖の二面性を強調。地下鉄にサリンをまくのが松本被告の指示だ、とした証言では、村井秀夫元幹部が「これは…だからね」と上から下を見下ろした動作を再現。松本被告はこのとき、首をわずかに横に振って口元をゆがめた。
 これまでの公判でほとんど動きのなかった松本被告は目や口に手をやり、座り直して顔の向きを変えたり、ひざの上に組んだ手の親指を小刻みに動かした。林被告の証言が地下鉄サリン事件の動機に及び「真理を実践するオウムと麻原を守りたかった」と述べると、松本被告の顔がわずかに紅潮したように見えた。
 元幹部が松本被告の前で証言するとあって、朝早くから2229人が傍聴券を求めて長い列をつくった。また放送各社は裁判所駐車場の特設のテント村で法廷の様子を速報した。(京都新聞 夕刊)
■林被告「麻原」と呼び捨て 地下鉄事件で師弟対決 東京地裁 松本被告公判 サリン散布名言 犯行指示命令と認識
 オウム真理教の松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の第8回公判が19日、東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれ、地下鉄サリン事件の実行犯の一人とされる元幹部林郁夫被告(49)が「千代田線の車中でサリンをまいた。村井(秀夫元幹部)から指示を受け、(その時のしぐさなどから)それは麻原の指示と認識した」と、犯行の指示から実行までの経緯を明確に証言した。証言では、松本被告を終始「麻原」と呼び捨てにした。松本被告の公判で元幹部が証言する「師弟対決」は初めて。林被告は検察側証人で、公判は検察側の主尋問だけ。林被告の尋問後、丸ノ内線と日比谷線での事件発生状況について、営団地下鉄職員ら3人が証言する。
 第8回公判は午前10時に開廷。林被告は松本被告を見ないまま、証言台に立った。松本被告は表情を変えず、じっと証言を聞いた。
 林被告は入信や出家の経緯、教団での地位などの尋問に続き、地下鉄でのサリン散布を証言。村井元幹部からの指示について「事件2日前の昨年3月18日に指示された。村井は首を上げ下げして『これは…からだからね』と言った」とし、犯行の指示が松本被告の命令と認識したことを明らかにした。その上で、林被告は「麻原の指示であり、私には断るという選択肢はなかった」と証言した。
 またサリンの毒性について「1993(平成5)年12月、創価学会の池田大作名誉会長殺害を狙ったテロが失敗して、新実(智光被告)が呼吸困難になり、教団付属医院に運ばれた時に知った」と述べた。
 地下鉄サリン事件の検察側冒頭陳述によると、松本被告は昨年3月18日未明、会食後の車の中で村井元幹部に犯行を指示。村井元幹部は同日早朝、林被告ら実行犯とされる5人に指示を伝えた。
 林被告は19日から20日未明にかけて、東京都渋谷区のアジトで事前の謀議に加わった後、山梨県上九一色村の教団施設でサリン入りの袋を受け取り、20日午前8時すぎ、地下鉄千代田線にサリンを散布したとされる。
 20日の第9回公判では地下鉄事件の共謀状況と教団の組織、教義の概要などについて、元幹部井上嘉浩被告(26)を証人尋問。井上被告も主尋問だけの予定で、林、井上両被告に対する弁護側の反対尋問は10月17日、18日の公判で行われる。(京都新聞 夕刊)
■サリン散布 「麻原指示と認識」 林郁被告が検察側で証言
 地下鉄サリン事件で殺人罪などに問われたオウム真理教の前代表・松本智津夫(麻原彰晃)被告(41)の第8回公判が19日午前、東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれた。サリンをまいたことを認めている元教団「治療省」トップの林郁夫被告(49)が検察側証人として出廷、罪状認否を留保したままの松本被告との「師弟対決」が始まった。林被告は、林被告らに犯行を指示した幹部の言動などから、松本被告を呼び捨てにして「麻原の指示だとわかった」と述べ、松本被告を首謀者とする検察側の主張に沿う証言をした。
 地下鉄サリン事件は、松本被告が故・村井秀夫元幹部に「総指揮でやれ」と命じ、続いて村井元幹部が林被告ら5人にサリン散布を指示した、とされる。林被告は、千代田線の車内でサリンの入った袋を傘の先で突き刺してサリンを散布し、乗客や地下鉄職員を殺傷したとして殺人罪などに問われている。検察側は共犯とされる幹部被告らを今後、次々と証人尋問し、松本被告の指示や共謀の立証を目指す方針だ。
 この日、元信徒として初めて松本被告の前に立った林被告は、検察側の尋問に答えて「地下鉄にサリンをまきました」と改めて実行行為を認めた。そのうえで、事件直前の1995年3月18日未明、第6サティアンの村井元幹部の部屋に呼ばれ、「君たちにやってもらいたいことがある。強制捜査の矛先をそらすため地下鉄にサリンをまく」と言われた、と証言した。
 その時の様子について林被告は、村井元幹部が「これは…から、だからね」と言って上の方を向いたと明かし、サリン散布が「麻原の指示と認識した」と述べた。そう思った理由として、「村井の上には麻原しかおらず、『科学技術省』の大臣である村井が別の省の大臣の私を、麻原の指示なしに使うことはあり得ない」などと説明した。(朝日新聞 夕刊)
■オウム法廷 かつての「絶対者」呼び捨て 林郁被告、覚悟の”対決”
 19日、東京地裁で開かれたオウム真理教前代表、松本智津夫(麻原彰晃)被告(41)の第8回公判に、地下鉄サリン事件の「実行犯」であった教団幹部として初めて検察側証人として出廷した元教団「治療省」トップ林郁夫被告(49)が選んだ役柄は、かつて「絶対者」としてひれ伏した相手を告発することだった。自分の法廷で、「なぜもっと早く麻原の『まやかし』に気づかなかったのか」と述べてきた悔恨を込めて、事件を「麻原の指示」と語る林被告。証言台からわずか2b10aの被告席で、無表情にそれを聞く「教祖」との間に広がるみぞは、あまりに深くて、暗い。 編集委員 降幡賢一
 東京地裁で一番広い104号法廷の入り口から被告席にまで行くには、証言台の後ろを通って、7bほどを歩かなけれはならない。午前10時の開廷前、いつもの紺の作務衣(さむえ)を着て松本被告が歩いたその同じ廷内を、開廷後、濃いグレーのスーツと白いワイシャツ姿の林被告が、証言台まで早足で歩いた。被告席を見ようとせず、ややうつむき気味に、しっかりと口元を引き縮めているのは、「対決」を前にした決意の姿勢である。
 逮捕後弁護士を通じて教祖が黙秘を指令して来たのを受けて自殺まで考えたとき、突然、「麻原は間違っている。ポアなどに何の意味があるか」と気づいた、と述べてきた林被告が、この日、当の本人の面前で、どんな口調でその名を呼び捨てにするか。私はそれに最初に注目した。それは、彼が万感の思いを込めて、直接相手にぶつける決別の言葉になるわけだからである。
 その機会は、証言が始まって間もなくやってきた。冒頭、教団の代表者はだれですか、と検察官に聞かれた林被告は、「麻原彰晃です」と答え、さらに「麻原とは被告人松本智津夫のことですか」と聞かれると、証言席の右側の松本被告を初めてじっと見て、「そうです」とうなずいた。
 その返答をするのには、やはり一つの思いがあったのだろう。検察官が続いて、教団内の自分の地位について質問したとき、一瞬その意味を聞き直さなけれはならないほどだった。
 事件を「教祖の指示」と語るとき、林被告は何度かせき払いをした。
 サリンを発散させる地下鉄の電車を待つ間、林被告は、地下鉄には女性も子どもも普通の人が乗るのだ、という当たり前のことに初めて気づいた、と述べたことがある。そのとき感じた葛藤(かっとう)をも押して犯行に及んだ自分。
 これまでの法廷で、ときに激し、何度か言葉をつまらせて泣いたのは、「最終解脱者」を名乗った教祖に、かつては高名な心臓外科の医師であった自分の信仰心そのものが利用された悲しさ、悔しさであり、その教祖のために懸命に働いて、ついには無差別大量殺人にまで手を貸した、自分のふがいなさなのだろう。「私はふっきれたですからね」と最近、周囲にもらしたという林被告の語り口は、この日、その覚悟を支えに、思った以上に落ち着いていた。(朝日新聞 夕刊)
20日■入賞者決まる JR西日本、絵日記コンクール
 JR西日本は19日、小学生と幼児を対象に行った「96夏休み絵日記コンクール」の入賞者を発表した。
 コンクールは、「君と列車と夏休み」をテーマに7月1日から9月8日まで募集。審査の結果、金、銀、鋼など各賞の入賞者を決めた。佳作以外の受賞者は29日、大阪市港区の交通科学博物館で表彰する。京滋の入賞者は次のみなさん。
 【低学年の部】のぞみ賞=三輪高祐(滋賀・五個荘町)▽佳作=稲葉安希(滋賀・浅井町)清水亜衣(京都市東山区)今井陽(京都市北区)
 【高学年の部】銀賞=山田翼(京都市伏見区)▽佳作=横川かおり(京都市北区)梅田育実(綾部市)渡辺香(滋賀・野洲町)
 【団体賞】藤尾小(大津市)(京都新聞)
■通勤定期券、相互利用に 大阪−神戸来月から阪急、阪神
 阪急電鉄、阪神電鉄、神戸高速鉄道は19日、大阪・梅田−神戸・三宮間と神戸高速線三宮−神戸高速間で、通勤定期券に限り相互利用を10月1日から開始すると発表した。鉄道定期券では全国で初めて。
 今年春には阪急、阪神など関西の5交通機関と東京の営団、都営地下鉄がそれぞれ共通のブリペイドカードを導入しており、今後、路線が平行する私鉄間などでこうした相互利用が広まりそうだ。
 通用区間は阪急神戸線、阪神本線の梅田−三宮間と、接続している神戸高速線。神戸市営地下鉄などとの連絡定期も使えるが、梅田−三宮間での途中下車はできない。
 また、割引率の高い通学定期券や一般乗車券は相互利用の対象外。
 収入は改札機の記録に基づき各社間で精算することにしており、今後、乗客の利用状況をみながら、通学定期券の扱いや途中下車をどうするかなどを検討する。
 阪急神戸線、阪神本線は昨年1月の阪神大震災でずたずたに寸断され、部分開通した両線を使っての振り替え乗車が行われた。これをきっかけに協力の動きが強まり、「乗客サービスにつながる」として相互利用に踏み切った。
 大阪−神戸間はJRの輸送力強化で阪急、阪神とも1991(平成3)年度をピークに通勤定期客が減り、現在、1日当たり2社計約7000人だが、10月以降は利用できる電車の本数が倍増するため、乗客も増加すると両電鉄はみている。(京都新聞)
■窓 お答えします バスの日行事 京都でも実施 京都市交通局自動車課長  中西 忠
 日ごろは市バス・地下鉄をご利用いただきましてありとうございます。19日付当欄の「バスの日に現状見直そう」についてお答えします。
 毎年9月20日の「バスの日」を記念して、日本バス協会を中心に全国各地でいろいろな行事が催されます。乗り合いバス発祥の地の京都市では、市バスを含む京都府バス協会加盟の各社が「いつでも どこでも みんなのバス」をテーマに「バスの日の小学生の乗り合いバス無料招待」を行います。
 これは平成2年の「バスの日」から全国に先駆けて実施して以来、毎年行っており、今年も定期観光バスなどの一部のバスを除いて、保護者同伴の小学生の皆さまに無料でバスをご利用いただくものです。詳しくは、9月上旬から掲示しておりますバス車内のチラシ・ポスター等をご覧ください。
 ご承知のように、京都の市バス事業は、交通混雑などにより、旅客数が減少し、極めて厳しい経営となっているため、職員の削減など大幅な経営健全化策を実施してきました。今後、京都市あげて走行環境の改善に取り組み、地下鉄と連携した効率的で利用しやすいバスとなるよう努めてまいりますので、皆さまの積極的なご利用をお願いいたします。(京都新聞)
■地下鉄サリン 麻原は完ぺきに間違っている オウム法廷 林被告延々4時間陳述
 地下鉄サリン事件で殺人罪などに問われたオウム真理教前代表・松本智津夫(麻原彰晃)被告(41)の第8回公判は、19日午後も続き、「師弟対決」の一番手として証言した元教団「治療省」トップの林郁夫被告(49)は、サリン散布の後に松本被告から「(被害者が)ポアされてよかったね」と1000回暗えるよう言われたと述べた。検察側は、林被告の証言を一連の事件をめぐる松本被告の本格的な有罪立証に向けた第一歩と位置づけている。弁護側の反対尋問は来月17日に予定されている。
 林被告は証言で、事件が松本被告の指示に基づいていたとの認識を一貫して示し、自らの実行行為についても詳細に語った。
 この日の証言によると、林被告は昨年3月20日朝、地下鉄千代田線の車内でサリンを散布し、同日夜、山梨県上九一色村の教団施設に戻って松本被告に事件を報告した。
 林被告は、この報告の際に松本被告から「シバ大神とすべての真理勝者方にポアされてよかったね、と1000回唱えろと言われた」と述べた。さらに、「この言葉をメモしようとしたが、麻原に『書くな』と怒鳴るように言われ、ボールペンでグシュグシュと消した」などとも証言した。
 検察側は、幹部信徒の証人尋問を重ねる方針で、20日は松本被告らとともに地下鉄サリン事件の事前謀議に加わったとされる元「諜報(ちょうほう)省」トップの井上嘉浩被告が検察側証人として出廷する。
 「麻原は完ぺきに間違っている」。地下鉄サリン事件の「実行犯」の一人として19日、オウム真理教前代表松本智津夫(麻原彰晃)被告(41)の前で初めて証言した元教団「治療省」トップ林郁夫被告(49)が声を張り上げたとき、いたたまれなくなったかのように松本被告が一瞬、のっそりと体を持ち上げた。昼食をはさんで、約4時間。「本来なら麻原が自分の責任で語るべきだ」と「教祖の犯罪」を目前で指弾するかつての弟子の厳しい言葉を、問われた17の事件について今なおだんまりを決め込む「教祖」は、被告席で終始不機嫌そうに聞くだけだった。
 この日、途中まで冷静に語り続けていた林被告の口調が、一気に感情的になったのは、教団からの脱会を決意したときの心境を聞かれたときだった。
 逮捕後、黙秘を指示されて自殺を決意したとき、せめてひとこと、自分の存念を家族や世話になった人に残したい、と考えた。そう思うと、「自分たちが殺してしまった人たちが、自分が死んでいくことさえ分からなかったのではなかったか、無念だったろうな、と思うと…」。
 これまでの法廷でも涙を流した場面である。こみ上げるものがあるのだろう。鳴咽(おえつ)をこらえるようにしてコップの水を飲み、両ももに置いた腕に力を込めるが、涙は止まらない。眼鏡をはずし、ハンカチで顔をふいてから、林被告は、「私たちは亡くなった人に慈愛を施したと思っていたが、実際には無限大の悲しみを広げてしまった。麻原は完ぺきに間違いだと分かった」と声を強めて言った。
 その瞬間、それまで不機嫌そうではあるが、目を閉じてじっとめい想するかのように見えた松本被告が、体を持ち上げるようにして、そこに座り直した。「教祖」の心の中がかいま見えたように思えた一瞬だった。
・松本被告は「事実と違う」 弁護団が会見
 松本智津夫(麻原彰晃)被告の公判閉廷後の19日夕、弁護団は記者会見し、林郁夫被告の証言について、松本被告が「根本的に事実と違う」と語っていることを明らかにし」「本人は怒っているといえる」と述べた。林被告の証言について弁護団は、「共謀関係を裏付ける証拠としての値打ちのあるものはない」とし、「林被告の述べた教義の内容も、事実と違う」などと批判した。(朝日新聞)
■梅田−三宮含む通勤定期 阪急でも阪神でも 相互利用OK 来月から 途中下車には条件
 阪急電鉄か阪神電鉄の梅田−三宮間の通勤定期を持つ人は来月から、この区間でどちらの電車も利用出来るようになる。また、三宮−高速神戸間の通勤定期利用者は、同区間内の両社の駅のどこでも乗り降りが可能になる。双方が乗り入れている高速神戸駅以西の各駅からは、梅田方面行きならどちらの電車にも乗れるようになる。
 例えは、阪急梅田−新開地間の通勤定期を持っていれば、阪神梅田−新開地間も利用でき、阪神三宮、元町、西元町の各駅からも乗り降りできる。ただ阪神梅田−阪神三宮間の途中駅での乗降は出来ない。また、山陽電鉄、神戸電鉄、神戸市営地下鉄などとの連絡定期券でも、同様のサービスが受けられる。阪急と阪神の電車が乗り入れている高速神戸−須磨浦公園間の各駅では、梅田方面行きの両方の電車が利用できる。
 阪急と阪神は約4000万円かけて自動改札機を改良し、両方の定期券で対応できるようにした。運賃収入は利用区間に応じて両社で分配する。両社は震災後、不通区間が残る時期に、梅田−三宮間の駅で、定期券と回数券の相互利用を可能にした実績があり、今回のサービスに結び付いたという。(朝日新聞)
■松本被告「テロしかない」 地下鉄事件で井上被告証言 東京地裁 事件関与認める
 オウム真理教松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の第9回公判が20日、東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれ、元幹部井上嘉浩被告(26)が地下鉄サリン事件について「関与しています」とした上で、散布された毒物は「教団で生成したサリンだと思う」と証言した。また松本被告が2年前に「これからはテロしかない」と述べていたことを明らかにした。
 井上被告は松本被告を見ないまま証言台に立ち、手を震わせながら宣誓書を読み上げた。証言はこれまでの自分の公判とは異なり、ほとんど聞き取れないほどの小声で、松本被告を「松本智津夫氏」と呼んだ。
 第9回公判は午前10時に開廷。井上被告は証言で、地下鉄事件への関与と教団でのサリン生成を認め「サリンは土谷正実(被告)さん、遠藤誠一(被告)さん、中川智正(被告)さんが生成していた」と証言した。
 井上被告は、松本被告が村井秀夫元幹部=死亡当時(36)=に犯行を直接指示した際に同席、実行グループを現場指揮したとされ、検察側は実行グループの林被告と井上被告の証人尋問で、事件の共謀から実行までを立証する方針。
 地下鉄事件の共犯として起訴された遠藤被告の供述などによると、松本被告は事件2日前の昨年3月18日未明、井上被告らが同乗していた車の中で、村井元幹部に対し「お前が総指揮でやれ」と犯行を指示したという。(京都新聞 夕刊)
■井上被告 対決 小声、震える手… 師の呪縛の中で苦闘 車中謀議は生々しく
 「地下鉄にサリンを」と提案する幹部に「お前が総指揮をやれ」と指示する教祖。オウム真理教松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の20日の公判で、元幹部井上嘉浩被告(26)は、地下鉄サリン事件の車中謀議のもようを生々しく証言した。宣誓では宣誓書を持つ手が震えた。声も小さい。「修行の天才」と評され、多数の信者を集めた井上被告。「事実を明らかにすることが償い」と宣言して法廷に臨んだ。なお残る師の呪縛(じゅばく)と闘っているようにみえる。だがかつての師を「松本智津夫氏」と呼び、事実を明確な口調で徐々に明らかにしていった。
 「(地下鉄サリン事件に)関与しています」。オウム真理教の松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の公判に出廷した元幹部井上嘉浩被告(26)。高校生時代に入信、松本被告に心酔して影のように寄り添っていたかつての愛弟子は「グル(尊師)」が説いた教義の過ちを震える声で証言した。
 午前10時、入廷した井上被告は白いワイシャツに紺色のスーツ姿。かつての教祖の前に立った緊張からか、宣誓書を持つ手は震え、声はか細い。弁護側から「もう少し大きい声を出して」と注意を受けた。
 検察側が、地下鉄サリン事件と教団とのかかわりを質問すると「(オウム真理教が)関与しています。教団で精製されたサリンだったと思う」と、小さな声だがはっきりと答えた。
 続いて、16歳の時に教団の前身「オウム神仙の会」に入信してから、昨年10月に脱会するまでの経緯を証言。
 「グルに帰依して自分を空っぽにして、グルからのエネルギーを受け取って…」「松本智津夫氏は説法の中で、自分がキリストだと宣言した」。信者時代の熱心な信仰姿勢をうかがわせるように、修行の内容になると、声も大きくなり、よどみがない。
 井上被告の宗教名は釈迦の高弟で「修行第一」といわれる「アーナンダ」。信者獲得に活躍、教団の裏の活動を担当したとされる「諜報(ちょうほう)省」のトップ。
・教団の暗部を熟知 井上被告
 オウム真理教元幹部井上嘉浩被(26)は「松本智津夫氏に立ち向かい、事実を明らかにすることが償い」と宣言し、かつて最終解脱者と信じた男を批判し続ける急先鋒(ぽう)だ。信者を最も多く勧誘するなどして異例の若さで出世し、教団の暗部も熟知していた井上被告は、逮捕後担当検事らから諭され、態度を一変させた。法廷では教団の裏側を次々に明らかにしている。
 高校2年だった1986年「空中浮揚」に興味を持ち入信し、88年に出家した。「世の中がバブル景気に浮かれ始め、井上被告は社会に漠然と不安を抱いた。松本被告は『この世は悪』と言い切り、分かりやすい回答を与えた」(関係者)という。
 仏教やヨガの知識に詳しく、体の修練にも熱心で「修行の天才」といわれた。信者勧誘では、絶対視した松本被告の口調をまねた。幹部クラスでは最年少の24歳で「諜報(ちょうほう)省」のトップに抜てきされた。
 しかし、自分以上に井上被告を信奉する信者がいることを知った松本被告は重用する半面、警戒心を持っていたという。松本被告の妻知子被告(38)に逆らった際、松本被告から「腐れ切った根性をたたき直してやる」と何度も棒で打たれた。
 次第に盗聴や信者を強引に連れ戻すなどの裏の仕事に手を染め「エリートならこんなことはやらない」と悩んだが、仮谷清志さん監禁致死、地下鉄サリンなど起訴されただけで10事件に関与した。
 地下鉄事件では、松本被告が犯行を指示したとされる車中の謀議に同席。実行犯にサリンの散布場所を説明し、サリン袋を破る傘を用意したなどとして、検察側は「現場指揮役」と位置付けた。
 逮捕直後は、取り調べに激しく抵抗したが、検事や警察官から事件の被害の重大さを教えられ、昨年12月に教団を脱会。今年3月の初公判からは「尊師」を「松本智津夫氏」に呼び変えた。(京都新聞 夕刊)
■サリン93年から準備 松本被告の第9回公判 井上被告が証言
 オウム真理教前代表・松本智津夫(麻原彰晃)被告(41)の第9回公判が20日午前10時から、東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれた。松本被告が地下鉄サリン事件の決行を教団幹部に命じた際に同席していたとされる元教団「諜報(ちょうほう)省」トップの井上嘉浩被告(26)が検察側証人として出廷し、同事件への関与を改めて認めた上で、教団内では1993年8月ごろからサリン生成の準備が進み、その後、松本被告が「東京にサリンをぶちまくしかない」などと話していた、と証言を始めた。
 検察側の冒頭陳述によると、松本被告は、地下鉄サリン事件2日前の1995年3月18日未明、都内から山梨県上九一色村の教団施設に向かうリムジンの中で、故・村井秀夫元幹部に「おまえが総指揮でやれ」と命じたとされる。検察側はこの車中で同事件の事前共謀が成立したと位置づけている。井上被告はリムジンに同乗し、犯行に当たっては現場指揮をしたとされ、検察側はその法廷証言から松本被告の指示や、謀議の経過を引き出す考えだ。尋問は午後まで続く。
 証言に立った井上被告はまず、地下鉄サリン事件への自らの関与を認め、散布されたものについて、「教団で生成されたサリンだと思っている」と答えた。そのうえで、教団の武装化の経緯に触れ、「サリン生成は93年8月ごろから準備が進められた」と証言。94年3月、教団幹部らとともに沖縄に行った際、松本被告が「これからはテロしかない」と言い出し、これがきっかけとなって信徒を兵士として訓練するようになり、その具体策としてロシアへの射撃ツアーが企画されたと明かした。
 他被告の公判で明らかにされた関係被告の供述などによると、地下鉄サリン事件の事前謀議があったとされるリムジンの車内で、松本被告は教団に迫りつつあった警察の強制捜査の矛先をかわすための対策を村井元幹部らと話し合い、サリン散布を決意、村井元幹部に「総指揮」を命じたほか、同乗していた元「厚生省」トップの遠藤誠一被告に「サリン作れるか」とサリン生成を促した、とされる。(朝日新聞 夕刊)
21日■バスもっと利用して ガイドら50人啓発活動 記念日で府協会
 「バスの日」の20日、府バス協会(事務局・京都市伏見区、10社加盟)は、JR京都駅や舞鶴駅、近鉄大久保駅など府内10ヵ所のターミナルでバスの利用を呼びかける啓発活動を行った。
 JR京都駅前には、バス会社の役員や制服姿のバスガイドら50人余りが参加。午前8時半過ぎから、通勤途中の市民らにティッシュや傷用テープを配りながら「バスはみなさんの乗り物。どしどし利用してください」とPRした。
 バスの日は、乗合バスが全国で初めて京都で走った(明治36年9月20日)を記念し制定された。啓発活動は今年で9年目になり、この日は保護者同伴の小学生に限って、路線バスの乗車を無料にした。
 府内のバス利用者は年間延べ約2億5000万人で、減少傾向に歯止めがかかっていない。同協会の木下守専務理事は「さらに、サービス向上に努力しながら、乗客を増やしていきたい」と話している。(京都新聞)
■鼻先2b長くシャープ 新型は快適性を追求しのぞみます 騒音低減 99年度、営業運転の見通し JR東海、西日本が車両性能発表
 のぞみは快適性を追求しますー。東海道・山陽新幹線の次期のぞみ型車両を共同開発するJR東海とJR西日本は20日、新型車両(仮称N300)の基本性能やイメージ図を発表した。
 スピードアップより、乗り心地や騒音の低減を目指しているのが特徴。JR西日本は来春にも500系と呼ばれる新型新幹線の山陽区間での営業運転を計画しているが、N300はそれと並行して開発される。
 両社によると、次期のぞみは現在ののぞみよりも先頭車両の鼻先が2b長く、シャープなスタイル。空気抵抗を減らすため、車体の表面は凹凸の少ない滑らかなものになるという。
 最高速度は東海道区間(東京−新大阪)は現行ののぞみ並みの270`程度、高速運転が可能な山陽区間(新大阪−博多)では270`以上。JR西日本は「できる限り、速度向上を目指す」としている。
 開発に当たっては、空気抵抗を少なくしたスタイルで周辺への騒音を減らすほか、車体のアルミ素材の構造を工夫するなどして車内の騒音も減らす。また、台車と車体の間に電子制御のクッションを導入することで乗り心地を改善するという。
 量産先行試作車(16両編成)は1997年秋に完成予定。その後、走り込みを繰り返し99年度末には営業運転を開始する見通し。(京都新聞)
■オウム法廷 サリンじゃないとだめ 井上被告陳述「松本被告が指示」 地下鉄サリン
 オウム真理教前代表・松本智津夫(麻原彰晃)被告(41)の第9回公判は、20日夕方まで東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれ、検察側証人の元教団「諜報(ちょうほう)省」トップ、井上嘉浩被告(26)に対する主尋問を終えた。井上被告は、教団に迫りつつあった警察の強制捜査の矛先をかわす手段として、松本被告が「サリンじゃないとだめだ」と言ったなどと、地下鉄サリン事件の決行指示の様子を詳細に述べた。さらに、事件前日に松本被告が、サリンをまく実行犯と、実行犯を運ぶ運転手の組み合わせも決めた、などと証言した。
 検察側の冒頭陳述によると、松本被告は地下鉄サリン事件2日前の昨年3月18日未明、都内から山梨県上九一色村の教団施設に向かうリムジンの中で、故・村井秀夫元幹部に犯行の総指揮を命じたとされる。検察側はこの車中で事前共謀が成立したと位置づけており、井上被告の証言はへ地下鉄サリン事件での松本被告の有罪立証を進めるうえで極めて重要なものとなった。
 この日の法廷で井上被告は地下鉄サリン事件への自らの関与を認めたうえで、事前謀議が行われたとされるリムジンには、運転手のほかに、松本被告と井上被告ら6人が乗っていたと証言した。
 この場で松本被告は教団に対する強制捜査の可能性について問いかけ、同乗していた元「法務省」トップの青山吉伸被告が「 デーがくるんじゃないでしょうか」と返答。松本被告は、捜査をかく乱する方法として、「サリンじゃないとだめだ」と言い、「アーナンダ(井上被告の宗教名)、おまえ、もういい。マンジュシュリー(村井元幹部の宗教名)、おまえが総指揮だ」と命じたという。
 実行犯の選定をめぐっては、村井元幹部が「今度、正悟師になる4人を使いましょう」と提案。松本被告が「クリシュナンダ(林郁夫被告の宗教名)を加えれはいいんじゃないか」と言ってメンバー5人が決まった、と井上被告は述べた。
 さらに証言によると、松本被告は事件前日の昨年3月19日午後1時ごろ、教団施設内の自室で、村井元幹部と井上被告を前に、実行犯を送迎する運転手5人を自ら指名し、実行犯との組み合わせを決めた。事件当日の未明には、用意されたサリンに松本被告が霊的エネルギーを込める儀式が行われたという。
・「側近の秘密」淡々と 教祖前に大きな声で「解脱者いらない」 編集委員 降幡賢一
 側近にしか知り得ない「事実」がある。20日、東京地裁で開かれたオウム真理教前代表松本智津夫被告の第9回公判に検察側証人として出廷、その「事実」を次々に証言した元教団諜報省トップ井上嘉浩被告(26)を支えたのは、逮捕されてから懸命に考えて自分で結論を出した、という次の言葉だったろうか。教団の「若き陰の指揮官」と言われた青年は、証言の最後にこの日一番大きな声を出してこう述べた。「最終解脱者なんていらない。救済者も階級も教団も組織も、必要ない。解脱はグルのコピー人間になることではないんだ」。それはたぶん、かつての信徒たちに向けた言葉である。
 「絶対的権威」としてひれ伏した人の前でその犯罪を告発する。それは、相手を断罪するだけでなく、同時に自分がしてきたことをも断罪する意味を持つ。
 いつもは、おなかに力を込め、背中の節肉を震わせて叫ぶように意見を述べる井上被告の声が、この日最初、「教祖」の前で何か自信を失ったかのように、小さく、語尾がはっきりしなかったのには、その緊張やおそれの気持ちもあったろう。
 前日の元教団「治療省」トップ林郁夫被告(49)とは立場が違う、教祖の最も信頼を得た側近だからこそ知り得た秘密である。その秘密を「しゃべらないでおけば、むしろその方が悔いが残る」との決意を漏らして被告は証言に臨んだ、と被告の周辺はいう。
 そこに自分の公判に不利にならないように、という計算がないとは言えないだろう。しかし、彼のいう「松本智津夫氏」との謀議を初めて明かす場面になると、井上被告の声は、やっと落ち着きを取り戻した。「サリンをまいたら、パニックになるかもしれないな」「サリンじゃないと駄目だ」と松本被告が述べ、実行犯を指名したリムジンの中の会話。
 地下鉄にサリンがまかれた日の夜明け前、元教団厚生省トップ遠藤誠一被告(36)が持ってきたサリン入り袋の入った段ボール箱に、松本被告が自室で大まじめに「修法」を施す場面。
 それによって引き起こされる悲劇や被害者のこともまったく考えないこの教団の、まるで「戦争ごっこ」について話し合っているかのような会話を語るとき、井上被告はむしろ淡々としていた。
 しかし、やはり彼は理想を追い求める若い青年なのだ。最後に検察官から脱会を決意するまで時間がかかりましたか、と聞かれ、声を落として「かかりました」と答えた後、その心境を語るとき、さすがに泣き出しそうな口調になった。「自分たちがしたことで、人々に与えた悲しみ、苦しみを目の当たりにしたとき、いつも自分をごまかしていた。結局自分のことしか考えない、修行者として駄目な人間なんだ、とはっきりと気づきました。教団は結局、多くの人を救済しなかった」
 証言を終えて法廷の出口まで進んだ井上被告はそこで振り返って、深々とおじぎをし、初めてまっすぐに正面から「教祖」の方を見た。だがこの日、ほとんど動かずに被告席に座り続けていた松本被告は、そのとき後ろの弁護人の方を振り返っていて、もうその気配を追ってはいなかった。(朝日新聞)
■船上うどんの味、さらば あすから最後の航海 宇高連絡船「讃岐丸」
 瀬戸大橋が開通するまで本州と四国を結ぶ海の動脈だった宇高航路の連絡船、讃岐丸が、22日から瀬戸内海を巡る航海を最後に、母港の高松港から姿を消す。所有者のJR四国が赤字負担に耐えられなくなり、手放すことを決めたからだ。大橋開通の1988年以降、4隻あった連絡船は次々と売却され、讃岐丸は最後の1隻だった。まだ買い手が見つかっていないこともあり、「歴史の証人として残してほしい」という声も強い。
 最後の航海は、JR四国が「讃岐丸をいつまでも忘れないで」と計画した。11月24日まで計17回、高松、今治、松山、新居浜、西条、徳島の各港からファンを乗せ、宇高航路や瀬戸大橋周辺を3時間ほど巡る。
 讃岐丸は3087d、定員2350人で、74年7月に就航した。土佐丸、阿波丸、伊予丸とともに高松港−宇野港(岡山県玉野市)を1日26往復。約4万回の航海で、延べ計9000万人を運んだ。
 デッキの讃岐うどんが名物だった。船上で売店を経営していた高松駅弁当(当時)の四宮正雄さん(59)は「片道で570杯売ったこともある。1人ではまかないきれず、お客さんまで手伝ってくれた」と振り返る。
 東京で大学生活を送った増田昌三・高松市長(54)は帰郷のつど連絡船に乗った。「うどんを食べながら、高松の夜景や玉藻公園の松を船から見ると、ほっとしたのを覚えている」と懐かしむ。
 宇高航路廃止で、ほかの3船は売却された。しかし、JR四国は一番新しい讃岐丸にレストラン、スカイラウンジなどの設備を加え、結婚式やイベントができる観光船に改造。「第二の人生」を歩ませた。
 しかし、年間の利用客は5、6万人にとどまり、昨年2億円の赤字。このため、JR四国は今春、船舶事業の打ち切りを決めた。
 高松市は宇高速絡船の歴史を展示する施設として讃岐丸を残せないか検討した。だが、青函連絡船を青森、函館港にそれぞれ1隻係留し、レストランや歴史展示場などを備えた観光施設にしている青森県、北海道双方の第三セクターの実情を調査したところ、経営は赤字続きと分かった。「維持には膨大な資金が必要で、断念した」という。(朝日新聞 夕刊)
22日■地下鉄運転士ら 71人野球とばく 大阪市交通局
 大阪市交通局は、市営地下鉄の運転士と車掌71人が今夏の高校野球大会期間中に野球とばくを行っていたとして、21日までに、上司を含む計72人を処分することを決めた。
 同交通局によると、大会前の8月上旬、天神橋乗務所所属の運転士(31)が出場49校を割り振り、枠順表を作成。1口500円で同僚らに、優勝校と準優勝校の予想をかけさせていた。約20万円集まったという。
 この運転士は8月22日に曽根崎署の事情聴取を受けた。(京都新聞)
■野球とばくで運転士処分へ 大阪市交通局
 大阪市交通局は、今夏の第78回全国高校野球選手権大会で市営地下鉄の運転士ら71人が勤務中に野球とばくをしていたとして、近く、中心となった運転士(31)と監督責任のある乗務所長(58)を懲戒処分に、参加した他の70人に厳重注意する。
 交通局によると堺筋線を管轄する天神橋乗務所の運転士と車掌で、出場49校を8つの枠に分け、優勝校と準優勝校を1口500円で予想していた。かけ金は約20万円に上ったが、呼びかけた運転士が決勝戦翌日の先月22日に曽根崎暑に呼ばれて注意され、すでに全額返却されている。(朝日新聞)
■阪和線に投石 ガラス割れる
 21日午後7時ごろ、大阪府の貝塚、泉佐野両市内のJR阪和線の和泉橋本−東佐野間で、走行中の関西空港行き快速電車(6両編成)の最後部車両の右側窓ガラスに、こぶし大の石が当たって穴が開いた。5分後には、同区間を走行中の和歌山行き通勤快速「はんわライナー1号」(7両編成)の前から3両目の車両の右側窓ガラスに同じような石が当たって穴が開いた。
 いずれも、乗客にけがはなく、列車の遅れはなかった。貝塚暑は、悪質ないたずらとみて調べている。(朝日新聞)
■窓 お答えします 回数券交換は1冊単位で 京都市交通局経営推進室 担当課長 佐貫眞一
 市バス・地下鉄をご利用いただき、ありがとうございます。また、貴重なご意見を賜り、ありがとうございます。
 まず、昼間割引回数券のご使用についてですが、改定前にお買い求めの昼間割引回数券は、11月30日までは差額を支払うことなく、そのままご使用いただけることとしております。また、普通回数券につきましては、使用期限がなく、現行運賃額との差額を足していただくことで、いつまでもご使用いただけることから、新券との交換は未使用券(1冊単位)に限り交換させていただいております。よろしくご理解くださいますようお願い申し上げます。
 これらのお客さまへのPRにつきましては、車内つりや、案内所等に掲出のポスター、ちらしなどで案内させていただいておりますが、お客さまに十分ご理解いただけていない面もあり、あらためて、局職員に周知徹底するとともに、お客さまには交通局ニュースなどによりPRの周知を図ってまいりたいと考えております。今後とも、ご意見を踏まえながらサービスの改善に努めてまいりますので、市パス・地下鉄をご利用いただきますようお願いいたします。(京都新聞)
23日■台風17号 京滋もあたふた 足止め最長4時間 新幹線や湖西線混乱 修学旅行も”直撃”
 大型で強い台風17号が通過した22日、京滋でも新幹線などのダイヤが乱れ、乗客の足に影響が出たほか、琵琶湖では水上バイクに乗っていた男女2人が行方不明になった。
 JR京都駅では、東海道新幹線が静岡県内でストップしたのに伴い、上りが午前11時半ごろから、下りは正午ごろから列車が止まった。午後6時半までに全線で運行が再開されたが、観光客や修学旅行生らが最長4時間近く、足止めされた。
 駅2階のコンコースは、運転再開を待つ修学旅行生らであふれ、トランプをするなどして運行を待った。東京都・王子中学の古川和夫校長は「生徒の帰宅が遅れると、学校を通じて各家庭に連格してもらった。軽食は用意していますが、早く動いてほしい」と話していた。
 ホームでは、動かない列車から降りて、自宅などに連絡を取る姿があちこちにみられた。
 また、JR湖西線は堅田−近江今津間で、午前9時10分から5時聞半にわたり運転休止した。特急「雷鳥85号」と普通列車上下48本が運休したほか、普通列車で最大5時間35分遅れ、乗客1万6000人に影響が出た。JR西日本は運休区間で代替バスを手配し、乗客を運んだ。午後2時35分に運行を再開した。
 JR西日本の滋賀郡志賀町の比良川風速計では22日午前に風速25bを記録した。
 一方、秋の行楽シーズンも幕開けしたが、行楽客の姿は少なかった。
 京都市内有数の観光地・嵐山では時折、小雨の降る天気に、渡月橋周辺の河川敷などでも弁当を広げる家族連れらの姿はちらほら。竹林が美しい嵯峨野では、強風で竹数十本が折れる被害も出た。(京都新聞)
■回送中ATS誤作動 特急48分遅れ発車
 22日午前8時ごろ、向日市鶏冠井町四ノ坪のJR西日本京都総合運転所で大阪駅に向けて発車した下り回送電車(10両編成)のATS(列車自動停止装置)が作動し、停車した。運転士が点検したが、直らないためATSのスイッチを切って2人乗務に切り替え、53分遅れで発車した。
 この回送電車は、大阪発8時50分の長野行き特急「しなの15号」として運転予定だったため、大阪を48分遅れで発車。約400人の足に乱れが出たが、他の列車に影響はなかった。(京都新聞)
■スリ常習グループ 3人を現行犯逮捕 阪急高槻市駅で京都府警
 京都府警捜査三課と向日町署は22日、スリの常習犯グループ3人を大阪府内で現行犯逮捕した。
 逮捕されたのは、住所不定、無職富森博(62)、同、南橋實(65)、京都市東山区今熊野南日吉町、無職梅井清(54)の3容疑者。
 調べによると、3人は、阪急京都線高槻市駅の自動券売機前で、大阪市内の女性(83)のかばんの中から現金6000円入りの財布などが入った巾(きん)着袋を抜き取った疑い。この日午前、捜査三課でスリの常習グループを警戒していたところ、JR石山駅で3人を発見。尾行し、3人が高槻駅で下車後、阪急高槻市駅に移動して午後零時半すぎ、犯行に及んだため逮捕した。(京都新聞)
■郵貯カードで電車バスも 郵政省 IC化実験、札幌で
 集積回路(IC)を入れた次世代の郵便貯金カードを使って、電車やバスの運賃まで支払う初の実証実験を、来年度から札幌市で始める方針を郵政省は決めた。自動改札機やバスの運賃箱にカードを通すと、その人がいつ、どれだけ乗ったかを記録、後日一括して郵貯の口座から引き落とす仕組みだ。小銭を用意せずにすむほか、交通機関側も会計処理を効率化できる。
 札幌市の同意を得ており、郵政省は来年度に約4億円の予算を要求。運輸省の協力を得るため、今週中にも両省間に連絡協議会を設ける。郵貯ICカードには所有者の名前や住所、口座番号などを記録、改札機などがカードの情報を読み取って、郵貯にまとめて請求する。札幌市では数千枚のICカードを発行し、市営の地下鉄とバスで使い勝手や改良すべき点を探る。
 これと並行して、郵政省は札幌市の行政手続きの電子化に協力。郵便局や市の出先機関約100ヵ所に専用のパソコンを置き、市民が役所に出向かなくても、パソコン通信で住民票を取り寄せたり公共施設を予約したりする実験も始める。
 ICカードを現金代わりに買い物で使う「電子マネー」の実用化が欧米で進んでおり、日本でも通産省の音頭で今春から実験が始まっている。実験に参加している金融機関は民間だけなので、郵政省は動きに乗り遅れないように、「お役所同士」のつながりを生かしてまず自治体と組む作戦だ。
 そのために、自治体と共用の郵貯ICカードを普及させて、行政手続きの電子化という自治体側にとっての魅力を増やす方針で、市営の交通機関のある大阪市や神戸市などにも参加を呼びかけていく。(朝日新聞)
25日■望見KANSAI 梅田の旧大鉄局跡地2.1f 超一等地売れ行きは? 国鉄精算事業団、11月に購入者募集 百貨店。はや名乗り 説明会に42社参加 周辺開発へ期待
 JR大阪駅の北側に位置した国鉄清算事業団の所有地が民間に売却されることになり、同事業団は今秋、購入者の募集を始める。国道はじめ、地下鉄、阪急電鉄の各駅もすぐそばにあって、交通利便に極めて恵まれた土地。すでに東京に本社のある大手百貨店が進出に意欲を示しており、膨大な債務を抱える同事業団も「本年度中に処分したい」としている。しかし、超一等地だけに期待通り売却できるかどうか関心を集めている。
 処分される土地は、大阪市北区大深町の面積約2.1fの角地。南側にはJR大阪駅北口があり、国道176号に面した東側には、地下鉄御堂筋線梅田駅の出入り口のほか、新阪急ホテル、阪急電鉄梅田駅もある。現在は、周りが人の背丈の2倍ほどの高さの鉄板でグルッと囲まれている。
 同地には以前、大阪鉄道管理局があった。1987(昭和62)年の分割・民営化後は、JR西日本の本社が置かれていたが、92年に同本社が現在の北区芝田二丁目に移転して更地となった。国鉄清算事業団はその後、大阪市内の不動産業に敷地の約半分を賃貸、ゴルフドームとなっていたが、今年6月、2年間の契約期限が終わり売却処分にすることにした。
 JRの発足時、旧国鉄債務の約70%、25兆5000億円を引き継いだ同事業団は、土地の売却やJR株の売却などで債務を減らす予定だった。しかし、95年度末までに全国で売却できた土地は50%強といわれ、近畿支社でも対象面積493fのうち58.8%にとどまっている。半面、毎年の支払い利息は大きく、債務は減るどころか逆に増え、現在は27兆円にものぼっているといわれる。
 近畿支社は、こうした債務の圧縮に向け本年度も32ヵ所の土地を売却する方針をたてているが、旧大鉄局の跡地はその1ヵ所。公開競争入札で売却する他の多くの土地と異なり、商業地域で資産価値が高い土地だけに、京都・二条駅前などの土地と同じく、購入者に建設計画を提出してもらう建物提案方式で処分する。
 同方式は、購入者の建設計画に沿って、事業団の出資会社・レールシティ西開発大阪本社が建物を建て、完成した時点で建物と土地を購入者に引き渡す方式。昨年夏、同事業田近畿支社が開いた同方式による売却の説明会には、42社の参加があったという。
 JR大阪駅の北側では、国鉄の民営化当初から、約20fもある梅田貨物駅とその周辺を吹田市へ移転させたい計画もある。しかし、同計画は吹田市の反対で暗礁にのりあげたまま。今回、売却される予定の旧大鉄局跡地も、その一帯にあるが、同事業団では貨物地区とは完全に切り離して処分する。
 同事業団によると、購入者の募集は11月下旬に行い、入札は来年2月下旬の予定。大手百貨店は「有力な候補地のひとつ」と話している。同事業団では「同地が、梅田北地区の将来像を示すパイロット的な役割を果たせれば」と期待している。(京都新聞)
■南海電鉄「ラピート」天下茶屋駅に停車へ
 南海電鉄は24日、ダイヤ改定を発表した。南海線は10月26日から、高野線は11月24日から実施する。
 南海、高野線とも、大阪市西成区の天下茶屋駅に、特急「ラピート」や空港急行、区間急行、準急行を停車させる。同駅は現在、普通電車しか止まらないが、地下に大阪市営地下鉄堺筋線が乗り入れており、同線につながっている阪急電鉄京都線や千里線への乗り換えを便利にするため。合わせて、関西空港駅で阪急への連絡切符を発売する。
 南海線では、午後6時以降4本あった難波発関西空港行きノンストップ特急「ラピートα」をすべて、途中4駅に停車する「ラピートβ」に切り替える。関西空港を午後11時5分に出発する最終の「ラピートβ」の運転を取りやめる。(朝日新聞)
■北新地駅内でレール締結式 来春開業のJR東西線
 来年3月開業予定のJR東西線(京橋−尼崎、全長12.3`)のレール締結式が25日午前、新たに開業する大阪市北区梅田の北新地駅構内で行われた。
 式には関係者約100人が出席、井手正敬JR西日本社長や長光正純・運輸省近畿運輸局長らが最後の区間でレールをまくら木に据え付ける作業をした後、テープカットを行った。
 同線は大阪府などが出資する関西高速鉄道が建設主体になり1989(平成元)年に着工、開業後はJR西日本が運営する。
 JRでは首都圏以外で初の本格的な地下路線。開業後は片町線と福知山線が一本で結ばれ、関西文化学術研究都市や兵庫県三田市のニュータウンと大阪市中心部とのアクセスとして1日約20万人の利用が見込まれている。(京都新聞 夕刊)
■朝の地下鉄でまくら木に炎 大阪・今里駅
 25日午前8時31分ごろ、大阪市東成区大今里三丁目の市営地下鉄千日前線今里駅で、駅員が線路のまくら木から炎と煙が出ているのを見つけ、バケツの水で消し止めた。この影響で同線の電車14本が最高8分止まり、約3000人の足が乱れた。
 市交通局によると、まくら木を止めているボルトと、線路を固定する金属板の間にある絶縁体のゴムが劣化。ボルトと金属板の接触で火花が出たらしい。(朝日新聞 夕刊)
26日■特急「しなの」高速化
 JR東海とJR西日本は25日、中央線などのダイヤ改定を12月1日に実施すると発表した。大阪、名古屋と松本、長野方面を結ぶ特急「しなの」を新型電車に切り替え、最高速度を現行の時速120`から130`に上げる。これにより、名古屋−松本間の所要時間は5−16分短縮される。(朝日新聞)
■新京都駅ビルの文化施設名「シアター1200」に 来年8月 こけら落とし 森光子さんら出演 ミュージカル公演
 新京都駅ビルの文化施設を運営するシアターアーツ1200(園隆社長)は25日、施設の名称を「シアター1200」と決めた。来年8月以降、最新の劇場システムで、京都の歴史と文化をテーマにした独自のミュージカルなどを公演する。
 中核施設のグランドシアター「シアター1200」(925席)は、3−6階まで吹き抜けの劇場。空中にバルコニー席を設けるほか、照明や音響などを1人で操作できる日本初の総合制御システムを導入する。
 こけら落としのミュージカル「KYO TO KYO」には、京都出身の森光子さんや若い女性に人気のジャニーズ事務所の若手タレントらが出演。祇園祭や五山の送り火、源氏物語など、京都の祭事や物語を現代風に演出し、歌と踊りと映像で紹介する。1ステージ45分で、1日5回公演を予定している。
 このほか、吉本興業やホリプロの新喜劇やミュージカルを順次催し、年間200万人の入場を見込んでいる。(京都新聞)
27日■容疑の課長ら2人書類送検 彦根のJR事故
 滋賀県警彦根署は26日、彦根市内のJR東海道線で8月3日夜、保線作業をしていた福井市和田中二丁目、谷口土建の従業員3人が新快速電車にはねられて死亡した事故で、元請けの大鉄工業近江八幡出張所線路課長の寺村弘茂容疑者(57)=彦根市鳥居本町=と、谷口土建取締役基礎部長の赤澤重久容疑者(58)=福井県武生市塚町=の2人を、業務上過失致死の疑いで大津地検に書類送検した。(朝日新聞)
■ニュートラム止まる 送電異常で計6本
 27日午前4時40分ごろ、大阪市営「ニュートラム」南港ポートタウン線のポートタウン東駅から住之江公園駅までの区間で送電ができなくなった。このため、午前5時17分の中埠頭駅発住之江公園駅行きの始発から上下計6本が運休。同市交通局は代行バス6台を運行した。午前5時47分にニュートラムの運行を再開したが、約70人に影響が出た。同市交通局によると送電の制御装置に異常が起きたらしく、原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)
28日■「阪急」と「京阪」 定期券相互利用も 京都−大阪間検討へ
 阪急電鉄の菅井基裕社長は27日の記者会見で、大阪−京都間での京阪電鉄との定期券相互利用の可能性について「話がまとまればやる考えはある」と述べた。
 大阪側の阪急・梅田駅と京阪・淀屋橋駅が離れていることについては「システム的には対応が可能ではないかと考えている」と述べた。
 阪急、阪神両電鉄は10月1日から、大阪・梅田−神戸・三宮間で通勤定期の相互利用をスタートさせる予定。(京都新聞)
■JR東西線は3月8日開業 田辺から北新地へ43分
 JR西日本は27日、片町線と福知山線を結ぶ東西線(京橋−尼崎、全長12.3`)を来年3月8日に開業すると発表した。
 東西線には片町、福知山両線のほか、東海道線(神戸線)からも電車が乗り入れる予定。JR西日本によると、東西線では開業後、快速、普通合わせて1日約160本の電車を運転。大阪市北区梅田に新設される北新地駅までの所要時間は片町線田辺から43分となる。北新地など4駅では大阪市営地下鉄などに乗り換えることができる。(京都新聞)
■あえぐ三セク鉄道 「地域の足」火の車 赤字脱却妙案なし 国策のツケ嘆く地元
 国鉄改革から10年目に入り、新しい枠組みの中で文化を運び、弱者の足として貢献するはずの地方鉄道がいま、あえいでいる。第三セクター鉄道は採算に苦しみ、旧国鉄時代から引きずる鉄道建設問題を抱え込んだままの自治体もある。総選挙後には27兆円の国鉄長期債務も焦点として浮上する。鉄道再生はどうあるべきかを、地方の視点から再検証した。
 「鉄道体系整備の見直しを国政レベルで話し合ってもらう必要がある」と話すのは北海道置戸町の斉藤誠町長(68)。置戸町は北海道ちほく高原鉄道が運営する第三セクター鉄道「ふるさと銀河線」に沿線自治体として出資するが、銀河線の経営は火の車。北見市から中川郡池田町までの140`を走る銀河線は1995年度末決算で、全国三セク鉄道中最大の4億7000万円の赤字を出した。
 「このままでは基金に手を付けざるを得ない」。同鉄道の熊谷祐三専務(64)は危機感を募らせる。設立時に道や地方自治体から支出された約84億円の基金を運用し赤字に対応する予定だったが、当初5.4%を見込んだ運用益は現在1%。95年度決算を受けて沿線の1市6町は今年6月@新たな基金の積み増しA金利好転までの一時援助などを話し合ったが妙案はない。
 第三セクター鉄道等協議会によれば、全国37の三セク鉄道で黒字を維持しているのは観光地を抱えるほんの数社で「バラ色の三セク」というイメージをつくった三陸鉄道でさえ既に赤字に転落している。
 「一番列車で通う高校生たちも多い。子供たちの足は銀河線しかないわけだから」。運転士の三浦順一さん(60)は57年に国鉄入社以来列車のハンドルを握り続け「鉄道がなくなった町は火が消えたようになってしまう」と使命感を語るが、救済の処方せんは社会資本としての鉄道の在り方を大きな枠組みでとらえ直す以外に見えてこない。
 「国策のツケを背負うことになった」と嘆くのは宮崎県高千穂町。水田には高架のコンクリート支柱が廃虚のようにたたずむ。
 国鉄清算事業団が町に「跡地活用についてご検討ください」と通知したのは4年前。同町と熊本県高森町の22.7`を結び、熊本市と宮崎県延岡市を一つのレールでつなぐ「九州横断鉄道」の総仕上げとなるはずだった高千穂新線建設用地は、この時点から「跡地」となった。
 跡地に立った橋脚は田畑を荒廃させ、トンネルは落盤の危険で放置できない。96年4月、町が4年の議論を経て絞り出した結論は@土地はいらないA橋とトンネルは事業団の責任で撤去する−という「苦渋の決断」(興棺保明助役)だった。「裏切られた」関係者の憤りの声は強いが、長期債務にあえぐ事業団に「廃虚」を撤去できる見通しはなく、町に再考を求めている。
 「生きている間は開通しないさ」。高知県南国市と奈半利町間の43.6`を結ぶはずの阿佐線を、地元の人たちは半ばあきらめの表情で眺める。
 国鉄時代に計画された阿佐線は地元の期待を集め65年に工事が始まり、曲折の末、県西部の中村線を経営する三セク、土佐くろしお鉄道(本社中村市)が引き継いだ。
 「ローカル鉄道は小川のせせらぎだが、ターミナル駅を経由し、JRという大河に乗客を送り込んでいるんです」。同社社長の上岡英朗さん(63)は地方鉄道マンとしての気概を見せるが、残る建設費265億円に対し国からの建設予算は年間わずか8億円だ。
 沿線の11市町村でつくる阿佐線促進建設協議会は今年、沈滞感を一掃しようと、地元企業などに総額1億5000万円の民間出資を呼び掛けたが、集まったのは3000万円。それでも上岡社長は「鉄道は文化を運び、子供やお年寄りなど弱者の足にもなる。高齢化社会に向けて見直される時が必ず来る」と希望を捨てない。橋脚は立ったまま連結を待っている。(京都新聞 夕刊)