1996(平成8)年 8月


1日■窓 満員電車では思いやりの心 栗東町・加藤由紀子(主婦・35)(京都)
  ■東海道線新駅 駅名は甲南山手 10月1日に開業予定(京都)
  ■けが人なし JR奈良線踏切 乗用車と列車衝突(朝日)
  ■甲南山手駅10月開業(朝日)
  ■私鉄5社のダイヤ お盆は土曜並みに(朝日)
  ■列車立ち往生 特急など運休 KTR宮津線(京都)
  ■神戸高速鉄道運賃 引き上げ4社申請(朝日)
2日■タクシー・バス・地下鉄 休日はどれで市内観光? 京都市が交通体系調査 今秋実施 振興策に活用(京都)
  ■神戸市に向上跡地売却 JR西日本 10f、震災復興に協力(京都)
  ■JR鷹取工場跡地10f 復興街づくりへ買収 神戸市(朝日)
4日■新快速にはねられ 保線の3人即死 彦根のJR踏切で作業中(京都)
  ■最高速度どうしょう? 次世代新幹線 共同開発のJR2社綱引き 東海270`「安定走行できる」 西日本300`「航空機に対抗を」(朝日)
  ■はねられ3人即死 彦根のJR 踏切で保線作業中(朝日)
5日■彦根、JR保線員死亡事故 現場責任者ら逮捕 業務上過失致死の疑い(京都)
  ■現場責任者ら2人を逮捕 彦根のJR事故(朝日)
6日■京都市の95年度決算槻要 3年ぶりに税収増 市債1000億円突破 市債残高 市民1人49万円(京都)
  ■帰省客らに「お帰りなさい」サービス JR府北部主要駅(京都)
  ■清算事業団職員 JR、一部受け入れ 北海道を除く各社 人数・時期を協議へ(朝日)
7日■西梅田再開発あす着工 国鉄精算事業団 東半分に大規模ビル(京都)
  ■JRとの協議内容 城陽市長が報告 奈良線複線化で(京都)
  ■窓 お答えします 案内放送は正確にします JR西日本京都支社 総務企画課長・伊藤 孝(京都)
8日■京都市バス・地下鉄運賃 値上げ適当と答申 運輸省(京都)
  ■「バス系統研究委」発足 京都市交通局 地下鉄東西線開業に合わせ 路線再編で提言へ(京都)
  ■JR西日本株 投資家は冷めた反応 きょうから入札 40万円台前半を予想(朝日)
  ■市バスの系統再編成へ 市交通局が研究委設置(朝日)
  ■昨年の京都市の観光客 前年より10.9%減(朝日)
  ■京都市営地下鉄・バスが値上げへ(朝日)
  ■大阪モノレール 運賃値上げ申請(朝日)
9日■鞍馬寺の山門と山腹つなぐ ケーブルカー新調 待望の運行を再開 「年若丸三世」 お年寄りらの参拝 ぐーんと楽に 定員の5割増の32人に(京都)
  ■JR西日本株 購入受け付け出足いまひとつ 投資家は反応鈍く(京都)
  ■窓 JRの乗降時手助けに感謝 水口町・菊地 滋美(共同作業所生・30)(京都)
  ■旧国鉄の長期債務 国債発行? 先送り? 土地値上がりで、返せるはずだった… 政府・与党妙案なし(朝日)
  ■京都市のバス 民間6社値上げ追随 来月実施 「市営と調整」理由(朝日)
  ■御利益あるかな? 「888」切符完売(朝日)
  ■路線バスの「旅」はいかが ”京阪版”エッセー集が刊行(朝日)
  ■関東から中部東海 広い範囲で地震 JR中央線18本運休(京都)
  ■通勤列車の67人死傷 ロンドン近郊 回送車と衝突(京都)
  ■列車衝突(朝日)
10日■関空特急 騒音緊急対策を 環境監視機構 JR、南海に要望(京都)
  ■レトロな作り観光客に人気(京都)
  ■大阪環状線などで土曜を休日ダイヤ 10月5日から(京都)
  ■急行にはねられ死亡 城陽の近鉄踏切(京都)
  ■ふるさとへ渋滞乗り越え 帰省ピーク(朝日)
12日■東北で強い地震続発 宮城で震度5 3回 12人けが(朝日)
13日■障害者に小さな旅を 「ひまわり号」参加者 ボランティアを募る 10月、京都発(京都)
14日■窓 表示間違った市バス非常識 下京区・藤田史郎(無職・71)(京都)
  ■地ビール紀行 5 座敷列車に揺られ一杯 静岡県・浜名湖(朝日)
  ■台風12号 熊本に上陸 中国地方に接近(京都)
  ■九州の交通ストップ 台風12号熊本上陸(京都)
  ■利き過ぎて「寒い電車」 JR西日本 苦情、「暑い」を上回る 過剰冷房緩和へ走る私鉄も(朝日)
15日■山陽新幹線など乱れる 空の便も終日(京都)
  ■高潮警戒で 阪急など運休(京都)
  ■関西空港が「孤島」に(京都)
  ■レトロ機関車で湖東路の旅を 近江鉄道100周年 来月イベント列車 参加者募る(京都)
  ■旧国鉄債務でチーム 与党3党(京都)
  ■モノレール南伸/コスモポリス計画… 行革へ見直し219項目 大阪府 推進計画案が判明(朝日)
  ■湖北路のSL運行開始(京都)
  ■新幹線がベタ遅れ(朝日)
16日■窓 利便性重視の市バス路線を 上京区・松本晃一(無職・68)(京都)
17日■JR西日本株人気薄 購入申し込み締め切り(京都)
  ■JR高槻駅西口で分譲マンション販売 国鉄清算事業団支社(朝日)
  ■JR西日本 車掌が割引特急券不正使用 24人処分 帰宅の足に利用(京都)
  ■踏切で列車にはねられ小学生死亡(京都)
  ■車掌、特急に不正乗車 JR西日本、24人を処分(朝日)
18日■東方探見 旧新橋駅の復元 歴史的遺産を継承 人の流れ吸引 活性化期待も(京都)
  ■国鉄精算事業団 「格安」103物件最終売り出し 自然の中広々人気 過去平均1000倍(朝日)
19日■夏休みの思い出づくりに写生楽しんだ 蒸気機関車 親子で絵筆 JR梅小路 展示物の見学も(京都)
20日■建設中断の旧国鉄軌道 有効利用に知恵を 奈良・西吉野村アイデア公募(京都)
  ■JR西日本 夏の利用状況 期待の海水浴振るわず 前年の3%滅 遊具大型化、車利用へ(京都)
  ■電化の願い”花”開く 市民がまいた草花の種 一面に彩り競う 西舞鶴駅東側広場(京都)
  ■O157騒ぎで出控え JR西日本利用減(朝日)
  ■JR特急・急行 利用前年の91% 福知山支社管内 海水浴・盆期(朝日)
21日■京都駅ビル、来秋”始動” 文化施設・8月 ホテル デパート・9月中旬開業(京都)
  ■新京都駅ビル来秋誕生 活力源か競争激化か 波及効果カギに 集客力生かす「南部将来像を」(京都)
  ■地下鉄東西線 山科駅前の再開発事業 ホテルと分譲住宅 A・Cの2棟 きょう着工 98年7月完成予定 計画の4棟出そろう(京都)
  ■またJR西職員不正発覚 乗車証で急行通勤 6人処分(京都)
  ■整備新幹線の全額公費負担 さきがけ、反対へ(朝日)
  ■さらに6人の不正乗車発覚 JR西日本が処分(朝日)
  ■関西線で車両故障(朝日)
22日■社説 新京都駅ビルをどう生かすか(京都)
  ■汐留跡地に41社 土地購入や入居応募 国鉄精算事業団売却(京都)
  ■大物−福駅間高架下り線完成 阪神電鉄西大阪線(京都)
  ■窓 乗りたい客も乗せないバス 右京区・大前健三(会社員・65)(京都)
  ■JR西日本株 一般投資家の予約は約3倍(朝日)
  ■JR西日本株と汐留跡地売却 投資家の意欲盛り上がらず 市場評価は計1兆円以下か(朝日)
  ■25日、叡電鞍馬駅 駅コン向けて2校が仕上げ(朝日)
  ■茨木の高校生はねられ死亡 JR湖西線(朝日)
  ■値上げ申請を承認(朝日)
23日■鉄道車両の保存探る 交通科学博物館で写真展 歴史的動態保存車両写真展(9月10日−29日)大阪市港区の交通科学博物館(京都)
  ■整備新幹線 旗振り自民 さきがけ慎重 全額公費か 採算配慮か 財政再建の試金石に(朝日)
  ■京都市バス・地下鉄値上げ 申請通り運輸省認可 1日から実施(京都)
  ■寅さんが旅立った この駅で 追悼電車 笑顔のせ 柴又駅のある京成金町線走る(京都)
24日■JR固定資産税、東日本除き6社軽減継続を 運輸省要求へ(京都)
  ■「のぞみ」に乗り維ぐ新幹線回数券を発売(朝日)
  ■バス均一区間220円に 京都市バス・地下鉄 来月1日から運賃改定(朝日)
  ■30年ぶりに様式を変更 京都市バス定期券(朝日)
  ■ビジネス戦記 官の論理 民の知恵 JR東日本最高顧問 住田正二 D 宿命か、JR東日本社長に 安全問題には頭痛める 好況も味方、株上場達成(朝日)
25日■窓 青春18切符で身軽な旅体験 園部町・内山てる子(主婦・47)(京都)
  ■「神話」崩れ投資家慎重 29日に売り出し価格決定 民営化株で最低か 10月上場のJR西日本株(京都)
  ■駅ビル、コンクリ塊が落下 横浜(朝日)
  ■駅のエスカレーター 正し乗り方は? 歩くか止まるか 「歩いて」の西 混雑かなわん 「止まれ」の東 事故防止優先(朝日)
26日■動きだす旧国鉄債務処理 国民負担20兆円 1人16万円 秋にも政治問題化 政府 概算要求で検討(京都)
  ■丹波路 町営バスで満喫を 5町がスタンプラリー 特産品の賞品も(京都)
  ■汐留跡地に76社が応募 精算事業団用地売却で(京都)
  ■新幹線ホームから飛び降り男性主体 JR京都駅(京都)
  ■残額あっても通せんぼ 印字満パイで”アウト” 関西鉄道共通カード システムに”欠陥”発覚(京都)
27日■汐留駅跡地購入 64社が応募(朝日)
  ■JR旅行センター店長 回数券を換金 着服し懲戒免(京都)
  ■神戸高速値上げ答申(朝日)
28日■神戸高速の値上げ答申(京都)
  ■運輸省 旧国鉄債務処理盛る 総額3.3%増の9802億円 来年度予算概算要求(京都)
  ■落札平均35万7000苑 JR西日本株の競争入札(京都)
  ■JR貨物株 日通が購入方針 「輸送の手段を多重化」(朝日)
  ■96新社長 感覚すまし変化に対応 西武鉄道 戸田博之氏(60)(朝日)
  ■国鉄長期債務処理 返済可能分を分離へ 運輸省案 残る22兆円、別に検討(朝日)
  ■JR西日本株落札価格 35万7000円と低調(朝日)
  ■小雨一転 大雨に泣く 鴨川、警戒水位越す 園部200_突破 JRダイヤ混乱(京都)
29日■豪雨 京滋の交通乱れる 渡月橋が通行止め 日吉で落雷 930戸が停電 園部で300_越す(京都)
  ■近畿に大雨 列車運休相次ぐ(朝日)
  ■片町線停電 全線止まる 夕方の混雑時(朝日)
  ■JRなど混乱続く 京滋、大雨は峠越す(京都)
  ■JR関西線止まる 大雨被害なお続く(朝日)
30日■JR西日本株 売り出し価格35万7000円 不人気、当初予想下回る(京都)
  ■JR西日本株 発売価格35万7000円(朝日)
  ■投資家、踊らず冷静 JR西日本株35万7000円に 旧国鉄債務も響く?(朝日)
  ■京都タワーがもうひとつ 駅ビルに映る(京都)
  ■オウム信者に懲役3年求刑 大阪地下鉄火炎瓶事件(京都)
31日■JR奈良線 複線化、来年度にも着手 まず京都−京教育大前間 地元負担調整へ(京都)
  ■国労 JR7社に解決要請 不採用問題 西日本は前向き姿勢(京都)
  ■「横領金1500万返せ」 京都市交通局協力会 元経理部長を訴え(京都)
  ■国労 労使正常化申し入れ JRとの対決姿勢を転換(朝日)
  ■大雨で運休や遅れ JR関西線(朝日)
  ■シュプール倶楽部新設し会員募集へ JR西日本(京都)
  ■ビジネス戦記 官の論理 民の知恵 JR東日本最高顧問 住田正二E(朝日)



1日■窓 満員電車では思いやりの心 栗東町・加藤由紀子(主婦・35)
 先日、入院している祖母の見舞いに行くため、子供たちを夫にまかせ、一人で新幹線に乗りました。夏休みが始まったばかりだというのに、プラットホームは大きな荷物をひきずった家族連れでいっぱい。行きはなんとか座ることができましたが、帰りは朝の通勤電車状態。私もOL時代を思い出し、出入り口近くの通路に立って行きました。
 連結部分は乗客でぎゅうぎゅうですが、車両の中心あたりは空いています。乗務員さんが「もっと中に詰めてください」と叫んでも、だれも一歩も動こうとしません。「すいません」と、少し強引に中に入って行こうとすると、露骨に嫌な顔をする若い女の子。反対に、次の駅で降りるつもりの人が早めに出入り口に向かって進んでくると「チッ」と舌打ちする中年男性。どこか向こうの方で、ずっと続く小さい子の泣き声。しょうすいした親の顔が目に浮かび、座れてたらいいなと思いました。
 この日の私は自分の身ひとつなので気楽だけれど、子供連れでベビーカーなど引いていると、あからさまに迷惑がられることがたびたびあります。皆、暑いのと疲れているのでイライラする気持ちはよくわかりますが、せっかくの楽しい旅行の思い出に”シミ”をつけないように、もう少しお互いを思いやりたいものです。(京都新聞)
■東海道線新駅 駅名は甲南山手 10月1日に開業予定
 JR西日本は31日、東海道線の芦屋−摂津本山間に建設を進めている新駅の名称を「甲南山手」と決めた。開業予定日は10月1日で、ホーム1面・線路2線の半地下式駅舎となる。
 新駅は、各駅停車の電車(1日上下308本)に対応する構造で、エスカレーター1基のほか、車いす用トイレ、絵画展などが開けるギャラリーも備える。
 周辺には、甲南女子大、神戸薬科大などがあり、開業後は学生を中心に1日約9600人の乗降客が見込まれている。
 芦屋−摂津本山間は、2.9`と駅間距離としてはやや長く、JR西日本が単独で新駅設置を決め、一昨年から工費約10億円で着工していた。(京都新聞)
■けが人なし JR奈良線踏切 乗用車と列車衝突
 伏見区桃山町のJR奈良線第一御陵踏切で30日午後10時半ごろ、奈良発京都行きの普通列車(6両編成)が、同踏切内で立ち往生していた同区深草加賀屋敷町、主婦水谷久美さん(30)の乗用車に衝突した。車は大破したが、乗っていた水谷さんと次男の翔哉ちゃん(5つ)は、いずれも外に出ていて無事だった。この事故で、同列車は1時間ほど停車した。
 伏見署の調べでは、水谷さん運転の乗用車が踏切を横断中、翔哉ちゃんが泣き出し、気をとられているうちにエンストを起こしたという。(朝日新聞)
■甲南山手駅10月開業
 JR西日本は31日、東海道線の芦屋−摂津本山間の神戸市東灘区森北町一丁目に建設している新駅の名前を「甲南山手」と決め、10月1日に開業すると発表した。当初は11月開業の予定だったが、地元の要望を受け工事を急いだ。停車は普通電車だけで、運賃は大阪−甲南山手間が370円、甲南山手−三ノ宮間が160円になる。
 建設費は約10億円。開業後は1日約1万9200人の乗降客を見込んでいる。(朝日新聞)
■私鉄5社のダイヤ お盆は土曜並みに
 阪急電鉄、阪神電鉄、神戸高速鉄道、山陽電鉄、神戸電鉄の5社は31日、お盆期間の8月14日から16日まで、土曜日ダイヤで運転すると発表した。この時期は利用客数が普段の平日の半分以下になるため。土曜日ダイヤは、平日ダイヤに比べて1日当たりの本数が7%少なくなる。(朝日新聞)
■列車立ち往生 特急など運休 KTR宮津線
 1日午前6時50分ごろ、京都府中郡大宮町口大野の北近畿タンゴ鉄道(KTR)宮津線丹後大宮駅の北方400b付近で、宮津行きの普通列車(ディーゼルカー)が動かなくなった。
 このため天橋立行き特急「タンゴディスカバリー12号」を含む4本が運休し、京都行きの特急「タンゴエクスプローラー2号」と普通列車5本が部分運休した。後続の列車など10本が、最高約1時間20分から20分遅れ、約630人に影響が出た。正午ごろ復旧した。(京都新聞 夕刊)
■神戸高速鉄道運賃 引き上げ4社申請
 阪急、阪神、山陽、神戸の私鉄4社は1日、乗り入れている神戸市中心部の神戸高速鉄道線の運賃について、平均13.4%引き上げるよう運輸省近畿運輸局に認可申請をした。
 申請によると、現在110円の三宮−新開地間や湊川−元町間が120円、120円の三宮−西代間や湊川−西代間が140円に、それぞれ値上げされる。(朝日新聞 夕刊)
2日■タクシー・バス・地下鉄 休日はどれで市内観光? 京都市が交通体系調査 今秋実施 振興策に活用
 京都市は今秋、「休日交通体系調査」を実施する。観光客や市民が休日にどんな交通手段を使って市内を移動しているかを調べ、交通問題の現状を洗い出し、観光振興につなげるのが狙い。市内の交通体系見直しにも活用していく。
 京都市では、これまで市内の自動車流出入調査は実施しているが、移動理由や目的地などについては調べていなかった。
 特に、観光客が市内を移動する場合に、どんな交通手段を使っているか、観光地へ行く際にバス、地下鉄、タクシーの利用状況や動きなどの実懸をつかんでいない。
 このため、観光客が多い休日に絞って流動調査を行い、観光地における交通ネックの現状を調べる。さらにバス運行の見直しや観光用のシャトルバスが必要かどうかなどについて検討する資料に活用する。
 調査は、観光客の入洛が多い11月ごろに、JR京都駅など主要ターミナルや市内の主な観光地数ヵ所で実施する。観光客に直接アンケートなどを行い分析、来年度中に結果をまとめる。
 調査は、国の補助金も受けて行うため、京都市では「市内全体にわたって調査するのは全国でも初めてで、他の観光地にも参考になるよう調べたい」(文化の京推進室)と話している。(京都新聞)
■神戸市に向上跡地売却 JR西日本 10f、震災復興に協力
 JR西日本は1日、阪神大震災の復興事業に協力するため同社の鷹取工場(神戸市須磨区)を移転、跡地(18f)のうち約10fを売却することで神戸市と合意した、と発表した。
 今後、同市が進める都市計画に基づき売却額、時期などを詰める。売却予定の跡地北側3、4fについては、同市側が復興住宅建設用に早急な整備を希望しており、本年度中か来年度初めに明け渡す方針だ。
 工場の移転先としては兵庫県揖保郡太子町の網干電車基地(12.6fが有力で、一部は京都市下京区の梅小路運転区などに機能を分配。来年度中に新工場建設に着手、工費は約250億円で、完成には3年ほどかかる見込み。
 鷹取工場の残り8fについてもJR西日本は「都市計画事業に参画、有効に活用したい」としている。
 鷹取工場は1690両のメンテナンスを受け持つ最大級の車両工場で、1900(明治33)年創立、と同社の工場で2番目に古く、「今回の移転で旧態依然の施設を見直す機会になる」という。
・買収の跡地に住宅1000戸建設 神戸市、利用計画発表
 JR西日本からの買収が決まった神戸市須磨区の鷹取工場跡地について同市は1日、買収する約10fのうち約7fを阪神大震災の被災者向け住宅建設に充てるなど利用計画を明らかにした。
 神戸市は跡地購入後、住宅・都市整備公団に売却、同公団が家賃軽減の対象となる震災復興住宅300戸を含む1000戸の住宅を建設する。来年度早々にも建設着手の予定。
 残る3fのうち、2fは公園用地、1fを同市長田区と須磨区内で進めている区画整理事業の換地用地とする。(京都新聞)
■JR鷹取工場跡地10f 復興街づくりへ買収 神戸市
 神戸市とJR西日本は1日、神戸市須磨区のJR鷹取工場の土地を市が買収し、阪神大震災の被災者住宅の建設や復興まちづくりとして整備することに合意したと、発表した。市は、18fの土地のうち10fを買い取り、隣接する震災復興土地区画整理事業区域の「新長田・鷹取地区」を拡大する形で整備し、被災者向け復興公的住宅など約1000戸を段階的に建設する。一方、96年の歴史をもつJR西日本最大の車両工場は兵庫県揖保郡太子町の網干電車区(12.6f)に移転する。買収費用は百数十億円にのぼる見通しで、国鉄の分割民営化以来、JRグループ最大規模の土地売却になる。
 住宅区域を約7f確保し、被災者向け公的住宅など1000戸を建設する。線路沿いの約1fは、新長田・鷹取地区の復興区画整理の換地(代替地)用地にする。区域内の道路は幅8−27bで、西側の川沿いには防災機能を備えた約2fの公園を作る。南側のJR鷹取駅前と約100bの地下通路で結び、駅前は商業地として整備する。市は5年で整備を終えたい考えだ。
 市は、復興区画整理に位置づけることで国の補助金を積極的に取り入れ、住宅・都市整備公団に市からの土地買い取りと住宅建設を要請している。住都公団は、1000戸のうち被災者向け公的住宅の300戸について了承しており、来年度にも着工し、賃貸住宅として供給する方針だ。最終的に、市の土地は、公園や道路など公共用地だけになる予定。
 JR西日本は残りの土地約8fを所有したまま、地権者として区画整理事業に参加する。この土地について市は、鉄道博物館の建設を要望している。
 震災で大きな被害を受けた市西部の長田区や須磨区などでは、入居希望1万1200戸に対し、供給の見通しは8800戸と2400戸の落差がある。このため市は5月、同工場の土地買い取りについてJR西日本に打診。同社は、同工場が1900年創立と古く、新型車両に対応できる新しい設備が必要だったことなどから売却を決めた。契約は来年度の見通し。(朝日新聞)
4日■新快速にはねられ 保線の3人即死 彦根のJR踏切で作業中
 3日午後8時45分ごろ、彦根市川瀬馬場町うず池のJR東海道線・河瀬駅北側の日夏踏切(警報器・遮断機付き)付近で、保線作業をしていた作業員3人が、姫路発米原行き上り新快速電車=山本惣太郎運転士、8両=にはねられ即死した。
 彦根署の調べでは、死亡したのは福井市和田中二丁目、谷口土建の従業員桃山光義さん(47)=福井市若杉浜二丁目=、同竹本浩司さん(25)=福井県武生市安養寺町=、同高島進さん(48)=大阪市生野区中川西二丁目=の3人。3人は近江八幡市内にある大鉄工業近江八幡出張所の下請けとして、他の8人とともに同日夜から同踏切付近で、下水管敷設に伴うレールの計測作業中だった。電車の運転士が路切の手前で3人を発見し、非常ブレーキをかけたが、間に合わなかったという。新快速電車には約200人の乗客がいたが無事。電車は現場の北約600bで午前零時近くまで停車した。
 JR西日本によると通常、保線作業をする場合は踏切監視員、軌道工事管理者などの有資格者を配置し、現場には通過列車の見張り員を置く決まりになっているといい、同署が現場検証して詳しく調べている。
 大鉄工業近江八幡出張所では、年間、数十件から多い年には100件近い保線工事を発注しているという。
 現場はJR河瀬駅の北約100bの同踏切近く。同線は河瀬−米原駅間で上下線とも不通となり、野洲、草津両駅で折り返し運転。下り線は午後11時10分ごろ、上り線は午後11時50分ごろ運転を再開した。この事故で上下線の列車計13本、1万6000人の足に影響が出た。
 事故現場の踏切付近では、ヘルメットや血のついたシャツが散乱し、けたたましい警報器が鳴りっぱなし。事故を知って飛び出してきた近くの住民ら約10人が夜間照明に照らし出された現場の惨状と警察の検証を不安そうに見守り、作業員らが電話をするなど、あわただしい雰囲気に包まれた。(京都新聞)
■最高速度どうしょう? 次世代新幹線 共同開発のJR2社綱引き 東海270`「安定走行できる」 西日本300`「航空機に対抗を」
 JR東海とJR西日本が共同開発し、来年秋に完成する予定の東海道・山陽新幹線の新型超特急車両「N300系(仮称)」の最高速度が決まらない。JR西日本が管内の新大阪−博多間で時速300`近くでの走行を求めているのに対し、JR東海は現行の「のぞみ」と同じ時速270`でと難色を示しているからだ。背景には、それぞれの縄張り意識が見え隠れしている。
 N300系は、「のぞみ」に使われている300系車両に代わる新型車両。来年秋に完成し、1999年に東京−博多間で営業運転を始める計画だ。「のぞみ」と同じ16両編成で、価格も1編成43億円程度になる見込み。JR東海とJR西日本が、お互いの技術を生かし、コスト削減を図るため、共同開発を進めている。
 一方、JR西日本は、世界最高の時速300`で営業運転する新幹線の新型車両「500系」を独自に開発し、早ければ年末にも新大阪−博多間にデビューさせることが決まっている。最大のライバルである航空機に対抗するためにも、N300系も新大阪−博多間で時速300`近くで運転したい。
 これに対し、JR東海側は最高時速270`でいいとの立場だ。同社管内の東京−新大阪間はカーブが多く、列車が込み合っていることから時速270`以上の運転は難しい。このため、時速270`で安定走行できる能力の車両で十分と考えているからだ。
 N300系車両は、東京−博多間を走るが、運賃収入は東京−新大阪間がJR東海に、新大阪−博多間がJR西日本に分けられる。このため、新大阪−博多間のスピードアップは、JR東海の収入には大きく影響しないが、JR西日本にとっては直接収入に結び付く。両社は先月25日に共同開発の覚書を締結。最高速度については「時速270`を標準にするが、新大阪−博多間については可能な限り速度向上に取り組み、走行試験などの結果で判断する」という表現にとどまっている。(朝日新聞)
■はねられ3人即死 彦根のJR 踏切で保線作業中
 3日午後8時46分ごろ、滋賀県彦根市川瀬馬場町、JR東海道線河瀬駅北約200bの日夏街道踏切(警報機、遮断機つき)付近で保線作業をしていた福井市和田中二丁目、谷口土建の従業員3人が、姫路発米原行きの新快速電車(8両編成)にはねられ、即死した。乗客200人を乗せた電車は現場に停車、野洲−米原間で上下合わせて13本が運休、約1万6000人の足が乱れた。
 彦根署の調べでは、はねられたのは、谷口土建の秋山光義さん(47)=福井市若杉浜二丁目▽竹本浩司さん(25)=福井県武生市安養寺町▽高島進さん(48)=大阪市生野区中川西二丁目=の3人。11人で作業していなが、何らかの理由で3人の退避が遅れたらしい。3人は数日前から、この区間の下水道管理設に伴う保線作業をしていた。
 JR西日本の調べでは、電車の運転士が、同駅を通過中、約200b先に3人を見付けたが間に合わなかったという。(朝日新聞)
5日■彦根、JR保線員死亡事故 現場責任者ら逮捕 業務上過失致死の疑い
 彦根市川瀬馬場町のJR東海道線日夏踏切で3日夜、保線作業中の3人が列車にはねられ死亡した事故で、彦根署は4日、現場責任者の谷口土建(福井市)土木課長、牧田一雄容疑者(57)=福井県坂井郡春江町=と、現場見張り員の同社員、宮本進美容疑者(64)=福井市光陽町=の2人を業務上過失致死の疑いで逮捕した。調べによると、牧田容疑者は作業員7人らとともに、同踏切下に下水菅を埋設する工事に伴うレール計測などを行っていたが、見張り員が2人必要なのに、宮本容疑者を置いただけで適切な指示も怠った疑い。宮本容疑者は下り列車に気をとられ、作業員に上り列車接近を伝えず作業員を退避させなかった疑い。(京都新聞)
■現場責任者ら2人を逮捕 彦根のJR事故
 滋賀県警彦根署は4日、彦根市川瀬馬場町のJR東海道線で3日夜、保線作業をしていた福井市和田中二丁目、谷口土建の従業員3人が新快速電車にはねられ死亡した事故で、同社土木課長牧田一雄容疑者(57)=福井県折井郡春江町=と、同社員宮本進美容疑者(64)=福井市光陽=の2人を、業務上過失致死の疑いで逮捕した。
 調べによると、現場責任者の牧田容疑者は、見張り員として宮本容疑者1人をおいただけで適切な指示を怠り、宮本容疑者は、下り電車に気をとられて上りの新快速が近づいていることを見落とした結果、同日午後8時46分ごろ、従業員3人が電車に気付かず、はねられ即死した疑い。(朝日新聞)
6日■京都市の95年度決算槻要 3年ぶりに税収増 市債1000億円突破 市債残高 市民1人49万円
 京都市は5日、1995年度一般会計決算の概要をまとめた。景気の回復基調を受け市税収入が3年ぶりに増加に転じるなどで、実質収支は26億円の黒字となる見込み。黒字決算は83年度以来13年連続。しかし、基金残高が少ないうえ、借金に当たる市債の発行額が初めて1000億円を突破、市債残高も市民1人当たりにすれば49万円にのぼって過去最高になり、市財政はなお厳しい状況にある。
・実質収入は黒字26億円
 95年度の歳入総額は7220億円で、前年度比3.8%増えた。歳出は7079億円で、同4.5%増となる見込み。いずれも7000億円台に乗るのは初めて。差し引き141億円から繰越財源115億円を引いた実質収支は26億円の黒字となる。
 歳入は、市税収入のうち個人市民税と法人市民税がいずれも4年ぶりに増加に転じ、全体では前年度比4.6%(111億円)増の2521億円となる見込み。市では、市税徴収率が0.9ポイント上がり25億円の増収につながったうえ、景気が緩やかな回復基調にあるのが原因、とみている。
 市債は、1133億円で前年度比21.0%の増。市債残高も7192億円と同13.1%増となり、市民1人当たりでは前年度より5万円増えた。
 歳出は、阪神大震災を受けて防災対策に積極的な補正予算を組んだほか、高齢者保健福祉計画を進めたことなどで、前年度を上回る伸び率となった。
 基金残高は、33基金の総額では1265億円、前年度比56億円の増加となった。しかし、96年度予算で、財政調整基金の残高76億円のうち32億円、都市計画基金も残高135億円のうち55億円を取り崩す方針で、厳しい状況になっている。
 京都市では、市債償還のための公債費が今後増えるうえ、多額の財政需要が見込まれることから「行財政の効率化を進める一方、経済活性化で財政基盤を強めることなどが必要」としている。
・交通の赤字幅減少 市バス 経営収支は改善 京都市の公営企業
 京都市は5日、1995年度各公営企業の決算概要をまとめた。地下鉄の赤字は94億3900万円、市バスの赤字は14億3700万円で、前年度より赤字幅は減少しているが、赤字基調は続いている。今年1月に値上げした水道、下水道もそれぞれ13億7900万円、21億3200万円の赤字。外来患者の増加などで収支が均衡している病院を除き、軒並み赤字になる見込みだ。
 【市バス】乗客数は1日平均で前年度比6000人減の44万1000人。総収入額は用地貸付費の増加などで前年度より2億1700万円増の293億8200万円になる。
 一方、支出総額は308億1900万円。職員削減などで前年度比8億6000万円の減少。単年度赤字は前年度より10億7700万円減となり、経常収支は改善している。しかし、累積赤字は44億3600万円、不良債務(資金不足)も63億4000万円に膨らむ。
 【地下鉄】乗客数は1日平均20万6000人で、前年度より3000人増。運輸収入127億5900万円を含めた総収入は134億9500万円で前年度に比べ2億4100万円の増。
 総支出は、地下鉄建設費の支払利息減少などで前年度より13億5300万円減の229億3400万円。単年度赤字は初めて100億円を割った。
 【水道】節水や大口需要の減少で年間給水量は前年度比1.6%減の2億4979万立方b。
 料金値上げで給水収益を含め総収入は4億2500万円増の309億7100万円だったが、人件費や支払い利息の増加で総支出も6億9900万円増の323億5000万円となる。赤字も前年度比2億7400万円増。
 【下水道】年間流入下水量は8.7%増の3億8750万立方b。平均使用者件数も4.0%増の約57万件になる。料金値上げで総収入は557億1200万円と前年度比55億5300万円の増になる。
 しかし、人件費や減価償却費の上昇に伴い総支出は578億4400万円で3年連続の赤字。累積赤字は82億2200万円。
 【病院】高度医療機器の導入などで患者数が増え、一般診療の入院患者数は延べ18万3247人と前年度より942人増、外来患者数も同約1万1500人増の36万人。
 この結果、診療収入は前年度に比べ6億1400万円増の109億6200万円。うち入院収入が67億6400万円、外来収入が41億9800万円となる。(京都新聞)
■帰省客らに「お帰りなさい」サービス JR府北部主要駅
 JR福知山支社は、お盆で帰省する入らに府北部の主要駅で「お帰りなさい、ふるさとへ」と題したサービスを行う。
 同支社によると、帰省のピークは13日、Uターンのピークは17日という。
 福知山駅は15日に、帰省の子供にかき氷を先着100人にプレゼント。西舞鶴駅と東舞鶴駅、綾部駅では、15日から18日まで、駅コンコースにスズムシとカブトムシを展示。先着50人にスズムシをプレゼント。西舞鶴駅と綾部駅では麦茶のサービスも。
 また、末広がりの8が並ぶ平成8年8月8日を記念して、記念台紙付きの入場券を綾部、福知山、西舞鶴、東舞鶴各駅で8日から31日まで発売する。(京都新聞)
■清算事業団職員 JR、一部受け入れ 北海道を除く各社 人数・時期を協議へ
 数年内に解散することになっている国鉄清算事業団の職員の再就職問題で、北海道を除くJR各社は、職員の一部を受け入れる方針を固めた。事業団と各社が個別に協議し、受け入れる人数や時期を決める。旧国鉄の土地やJR株式などを売却して長期債務の処理にあたってきた事業団は、土地処分の期限とされる1997年度末が近づいたため、今年5月から、JRなどからの出向者を除く職員約1700人の再雇用対策を始めていた。JRの受け入れが固まったことで、私鉄や自治体などの受け入れに弾みがつくと期待している。
 JR各社のうち業績が好調の本州3社は「積極的に採りたいわけではないが、事業団の整理は国鉄改革時から決められたことでもあり、ある程度引き受けざるをえない」(井手正敬・JR西日本社長)として、関係会社を含め受け入れる考えだ。
 経営基盤が弱く、人員削減に取り組む他のJRも「優秀な技能を持つ人もおり、前向きに考えたい」(貨物)、「一定数は受け入れる」(四国、九州)との姿勢を明らかにしている。
 こうした中で、最も赤字額が大きい北海道だけは「厳しい経営状況で受け入れる余力はない」と主張している。
 事業団はJR各社のほかに、日本鉄道建設公団、私鉄、全国の第三セクターの鉄道会社や東京都など自治体に受け入れを要請している。
 事業団の職員は、55歳以上が4割を占め、平均年齢が52歳と高い。事業団で定年を迎える職員が増えることが予想され、実際に雇用対策が必要とされるのは、1700人のうち半数弱とみられる。(朝日新聞)
7日■西梅田再開発あす着工 国鉄精算事業団 東半分に大規模ビル
 国鉄清算事業団近畿支社が、大阪市北区の旧国鉄コンテナヤード基地跡で進めている西梅田再開発のうち、用地の東半分1fに計画されていた「ガーデンシティ西梅田ビル」(延べ床面積9万4000平方b)が、8日から着工する。同事業団の建物提案方式による用地処分の一つで、同方式による開発では最大規模となる。
 着工するガーデンシティ西梅田ビルは、大和ハウス工業本社ビル(23階)、大阪モード学園&コンピューター総合学園ハル(21階)、ハートンホテル(18階)の計3棟のビルで構成(延べ床面積合計9万4000平方b)される。
 工事は同事業団系のレールシティ西開発会社が発注。総事業費は約200億円で、平成11年春に完成。
 建物提案方式は、同事業団の土地処分方式の一つで、購入者から事業団が土地代金を借り入れ、別の会社が建物を完成させたうえで、購入者に土地と一緒に引き渡す仕組み。今回の用地では9件の提案(応募)があり、昨年3月のコンペで、大和ハウス工業などのグループが落札した。
 西梅田再開発では、今回の着工分のほかに、西半分の用地(1.57f)も建物提案方式で、安田生命など5社・4グループが落札。病院やテナントビルを建てる計画が決まり、来秋にも着工する。(京都新聞)
■JRとの協議内容 城陽市長が報告 奈良線複線化で
 6日開かれた城陽市議会の全員協議会で、これまで進展がみられなかったJR奈良線の複線化問題について、今道仙次市長は「JRが検討していると聞く。複線化への第一歩として喜んでいる」と報告した。
 それによると、府は平成6年に府公共交通網整備研究会鉄道部会が知事に提出した「JR奈良線の高速化・複線化方策 提言」(京都・木津両駅間全線複線化の順次実施など6項目)の早期実現をJRに要望。JR側は「提言通りの実施を前提に、複数の案を検討しているが、結論には達していない」「実施にあたっては地元自治体の負担が前提」などと回答したという。(京都新聞)
■窓 お答えします 案内放送は正確にします JR西日本京都支社 総務企画課長・伊藤 孝
 7月27日に掲載されておりました「駅名の放送はまちがいなく」の投書につきまして、回答させていただきます。
 平素はJR西日本をご利用いただきまして誠にありがとうございます。当社におきましては、日ごろから車内放送については、お客さまにわかりやすい正確な放送に努めており、社員教育にも取り組んでいます。ご指摘のような間違った案内放送を行い、お客さまにご迷惑をおかけいたしました。
 今後さらに社員の指導の徹底を図り、お客さまの立場に立ったわかりやすく、正確な車内放送を行うよう努力して参りますので、よろしくお願いいたします。(京都新聞)
8日■京都市バス・地下鉄運賃 値上げ適当と答申 運輸省
 運輸審議会(石山陽会長)が8日午前開かれ、京都市バス・地下鉄の運賃値上げを申請通り認めるのが適当との答申を、亀井善之運輸相に提出した。今月下旬に予定される物価問題関係閣僚会議での了承を受け、正式に認可される見通し。京都市では9月1日から実施する方針。
 申請では、市バス(均一区間)は大人で200円が220円に、地下鉄は初乗り(1区)が同180円から200円になる。
 市バス・地下鉄の値上げは1992年4月以来。京都市では、値上げによりバスは年間14億4000万円、地下鉄は同11億8000万円の増収を見込んでいる。
 しかし、累積赤字の解消にはほど遠く、京都市では「経営健全化計画」や「市バス事業の今後の展望」に基づき一層の経営努力を進める、としている。(京都新聞)
■「バス系統研究委」発足 京都市交通局 地下鉄東西線開業に合わせ 路線再編で提言へ
 京都而交通局は7日、来年7月の地下鉄烏丸線の北北進、同11月の東西線開業後の市バス路線の再編、見直しを行うため、有識者ら15人による「バス系統研究委員会」を発足させた。今後、3−4回の会合を開き、効率的な運行系統を検討し、12月までにバス系統再編のための基本方針をまとめて提言する。
 交通局では、同委員会の提言に加え、7月に実施した市民アンケート調査結果なども踏まえ、来年11月をめどに運行系統を再編する方針。市内全域を対象にした大幅な系統再編は、1981年の烏丸線開業時以来になる。
 これまで市バス系統の見直しは交通局独自で行ってきたが、各界各層から幅広い意見を反映させるため、同委員会を設けた。
 委員会のメンバーは、学識経験者をはじめ、社会福祉、経済・観光、警察、労組、民間バスなどの関係者。この日の初会合で、委員長に天野光三京都大名誉教授を選んだ。
 会合では、市交通局から88系統ある市バスの現状について説明があった。この中で、特に地下鉄東西線が開業するのに伴い民営化される山科・醍醐地域などの赤字路線や、民間バスと競合している路線の実態などが報告された。
 これを踏まえ、委員からは「少系統の多便型に見直すべきだ」との意見が出る一方、「お年寄りのために多系統を残すほうがいい」などの声もあった。また、地下鉄の駅周辺にゾーンバスの新設や「目的地に応じて色分けしたバスを走らすべき」などの意見も出た。(京都新聞)
■JR西日本株 投資家は冷めた反応 きょうから入札 40万円台前半を予想
 東京証券取引所などに上場申請したJR西日本株は8日、銀行の増資などで市場での需給悪化が懸念される中、入札と売り出しの受け付けが始まる。過去の政府保有株の放出では、上場後に株価が急落した経緯もあり、投資家の反応は冷めている。売り出し価格を決める前に予約を締め切る方式を採ったため、売り出し価格の決定後、キャンセルが続出する恐れもある。
 西日本株は、75万株が入札で、95万株が一般売り出しで売却されるが、両方の手続きが同時並行で進むのが特徴だ。入札終了後、国鉄清算事業団は落札価格の加重平均を参考に、一般向けの売り出し価格を発表する。証券会社に購入を申し込んだ投資家は、価格が高すぎると判断すれば予約を取り消せる。
 同事業団株式対策室では「価格決定から上場までの時間を短くすることで、上場までの変動幅を小さくするのがねらい」という。ある証券会社の営業担当者は「価格によっては取り消しが殺到して売れ残るかもしれない」と話す。
 JR西日本の株価について、市場では「JR東日本の8割程度、40万円台前半が妥当」との見方が支配的だ。QUICK総合研究所が証券会社と投資家を対象に実漉したアンケートによると、売り出し価格の予想は平均41万円。市場での初値は44万7000円だった。
 日興リサーチセンター投資調査部の佐々木隆文氏は「一般投資家には、過去の失敗から政府保有株の売り出しに嫌悪感がある。年度内は転換社債の発行や銀行の増資など需給面のマイナス材料もあり、JR西日本株が予想を超えるような高値を呼ぶことはない」という。(朝日新聞)
JR西日本株の売却日程
 入札一般売り出し
7月23日公 告
8月8日受け付け開始
(13日まで)
予約受け付け開始
(16日まで)
 27日落札・・・
 29日・・・価格決定・発表
 30日・・・予約取り消し期間
(9月3日まで)
10月8日上 場
■市バスの系統再編成へ 市交通局が研究委設置
 京都市交通局は7日、市バス系統の再編成について有識者らから提言してもらう「バス系統研究委員会」を設け、第1回会議を市内のホテルで開いた。委員会はこれから3、4回の会議を持ち、12月末をめどに提言をまとめるという。
 会議には15人の委員のうち13人が出席した。市側から中谷佑一副市長が「市バスは1981年5月の地下鉄烏丸線の開業時以来、現在まで大きな系統再編成は行っていない。社会経済状況の変化、地下鉄東西線の整備などにあわせて、旅客の流動に対応した効率的なバス系統を目指した再編成を行う必要がある」とあいさつした。
 この後、会議は非公開にされた。同局によると、市側から市バスの現況と課題を説明した後、委員から「便利に乗ってもらうための路線とはどうあるべきか」「系統を分かりやすくする必要がある」などの意見が出されたという。(朝日新聞)
■昨年の京都市の観光客 前年より10.9%減
 京都市産業観光局が発表した1995年の観光調査結果によると、京都市を訪れた観光客は3534万人で、前年より433万人、10.9%の大幅減となった。市はこの年の1月に起きた阪神大震災の影響や、前年の建都1200年の反動などが理由とみている。
 観光客数の減少で、観光客が市内で消費した額も前年より18.5%減り、4256億円となった。観光客の男女別は男性が36.9%、女性が63.1%。10年前の85年は男性47.7%、女性51.3%で、女性の割合が高くなってきている。年齢別では男性が50歳代(31.4%)、女性が40歳代(24.4%)が最も多い。85年は男女とも20歳代の割合が最も高かった。
 外国人観光客(宿泊施設利用)は、円高の影響で前年より10万人減の30万人。修学旅行生も、生徒数の減少や海外旅行などの多様化で14万人減って101万人となった。修学旅行生は83年に現在の調査方法になってからは最も少ない人数という。
 訪問先は例年どおり清水寺が最も多く(26.7%=複数回答)、続いて嵐山、平安神宮の順。土産品は菓子類が93.2%(複数回答)で、うち八ツ橋と生八ツ橋が46%を占めた。交通機関はJR利用者が58万人増えて1021万人になったのが目立っている。
 市は、今年は4月までの観光関連施設の利用状況からみて観光客数は回復するとみているが、来年度までに観光振興基本計画を作り、京都観光が今後どんな特色を出していくかなどについて検討するという。
 調査は交通手段ごとの入市者数や観光客のアンケート、観光関連施設の利用状況などを元にしている。(朝日新聞)
■京都市営地下鉄・バスが値上げへ
 運輸審議会は9日午前、京都市営の地下鉄、バスの運賃値上げについて、申請どおり認める答申を出した。運輸省は23日に認可する見通し。実施予定日は9月1日。いずれも政令指定都市で最も高くなる。
 地下鉄は初乗りが180円から200円に上がる。平均値上げ率は9.9%。バスは均一区間の運賃が200円から220円になる。平均値上げ率は8.3%。いずれも1992年4月以来の値上げになる。
 市営バスに同調して値上げを申請している京阪バス、京都バスなど京都市内を走る民間バス6社の運賃値上げも認可される見通し。同じ9月1日実施で、均一区間運賃が200円から220円になる。(朝日新聞 夕刊)
■大阪モノレール 運賃値上げ申請
 大阪高速鉄道(本社・大阪府豊中市)は8日、大阪モノレール(豊中市・柴原−南茨木、10.2`)の普通運賃を一律20円値上げし、定期も平均8.2%値上げする申請を、運輸省近畿運輸局に出した。認可されれば、9月1日から実施したい、としている。大阪空港の国際線廃止や沿線人口の増加率低迷などで利用者数が伸び悩み、赤字経営が続いているため。値上げは、1990年6月の開業以来初めて。
 同モノレールは現在、延伸工事中で、大阪空港−柴原間(3.1`)が来年4月に、南茨木−門真市間(7.9`)が来年9月の「なみはや国体」前に開業する予定。(朝日新聞 夕刊)
9日■鞍馬寺の山門と山腹つなぐ ケーブルカー新調 待望の運行を再開 「年若丸三世」 お年寄りらの参拝 ぐーんと楽に 定員の5割増の32人に
 京都市左京区鞍馬の鞍馬寺で、山門と山腹をつなぐケーブルカーが新調され、8日から運行を始めた。工事の期間中は運休になって、頂上付近の本殿まで険しい山道を歩くルートしかなく、参拝客も昨年より3割も減っており、同寺は「ようやくお年寄りにも気軽にお参りしてもらえる」と喜んでいる。
 鞍馬寺は、標高420bの本殿までつづら折りの山道が約1`続いている。このため1957年、お年寄りや足の悪い人が楽に参拝できるように、山門から特に道の険しい途中の多宝塔まで約200b(標高差120b)の区間にケーブルカーの運行(有料)を始めた。75年からは2代目が走り観光シーズンの夏には40分も待たなければならないほどの人気だったが、老朽化のために今年5月から運休、改修工事をしていた。
 このため、工事期間中は山道を歩くしかなく、参拝客が激減。「山門に掲げた運休の看板を見て、そのまま引き返した人が多かった」(同寺)といい、6、7月に信徒以外で参拝した人は3万6000人と、昨年同期より1万2000人も減り、鞍馬の観光に思いもよらない形で響いたという。「牛若号三世」と名付けられた新しいケーブルカーは定員が先代の5割増の32人、15分間隔で山門−多宝塔間を約2分で結ぶ。
 運行初日の8日は、早速ケーブルカーに乗り込む人が列を作る人気で、運行担当の池端重吉さん(66)は「スムーズに参拝できるよう、より多くの人に利用してほしい」と話していた。(京都新聞)
■JR西日本株 購入受け付け出足いまひとつ 投資家は反応鈍く
 10月に東京、大阪など全国6証券取引所に上場するJR西日本株の一般投資家への購入予約の受け付けが8日、全国の証券会社で一斉に始まったが「市況が低迷しているだけに投資家の反応は鈍い」(大手証券)と出足はもうひとつのようだ。
 予約期間は16日までだが、肝心の売り出し価格は予約受け付けと並行して行われる入札の結果を基に、今月29日に決定される。予約した投資家はこの価格を見てから解約することができるため「何とか予約だけは集まっても、株価次第ではキャンセルが相次ぐのでは」(大手証券)との懸念も出ている。
 大蔵省と日本証券業協会は、このところ政府保有株の売却が投資家に不人気なため、今回から民間のアナリストが企業内容を分析したリポートを投資家に提供することを解禁した。これを受けて野村、大和など大手証券各社はJR西日本の詳細な紹介リポートを出して売り出しに力を入れている。
 株式を新規上場する際の資料としては、これまで企業の事業内容、業績などを形式的に記述した「目論見(もくろみ)書」しか認められていなかった。
 ただ、各社が作成したリポートは「公表されたデータを整理した内容にとどまり、アナリスト独自の投資判断はできるだけ避けた」(大手証券系アナリスト)のが実情。「政府が売り出す株に対してはやはり無言の圧力があり、否定的な分析内容を書きづらい」「判断を加えた場合、投資に失敗した顧客からの訴訟が心配」といった声が現場のアナリストにあるためだ。
 また、メリルリンチ証券やゴールドマン・サックス証券など外資系の証券会社の大半は、リポートを作っておらず「価格もまだ決まっていない株式を積極的に販売できるわけがない」と冷めた対応ぶりが目立っている。(京都新聞)
■窓 JRの乗降時手助けに感謝 水口町・菊地 滋美(共同作業所生・30)
 私は、幼い時から手足に障害を持っています。地域の共同作業所に通っていますが、休日には、時々、JRを利用して外出しています。
 でも、車いすに乗っていると、自力でできないことがあまりにも多すぎます。まず階段の昇降が無理なのでホームまで行くことができません。最寄りの駅には、幸い、専用入り口があり、ボタンを押すと駅員さんが対応してくださいます。
 次に切符の購入をお願いします。さらに、下車駅で降ろしていただけるように、連格してもらわなくてはなりません。そして、電車が到着すると、車いすごと抱えて乗せてもらいます。このように、多くの方の力をお借りして、やっと「電車に乗る」という行動が果たせるわけです。
 エレベーターやスロープなど身体障害者用設備が整った駅は、滋賀県内には数ヵ所しかありません。少ない人員の中で、いつも優しく、親切に対応してくださるJRの職員のみなさんに、感謝の気持ちでいっぱいです。(京都新聞)
■旧国鉄の長期債務 国債発行? 先送り? 土地値上がりで、返せるはずだった… 政府・与党妙案なし
 JR株式や国鉄が残した土地を売って25兆円余りの旧国鉄の長期債務を返してきた国鉄清算事業団。手持ちの土地は3兆円分しか残っていはい。土地の値上がりで、債務は消えると期待されていたが…
 27兆6000億円にのぼる国鉄清算事業団の長期債務の処理問題で、亀井善之運輸相は8日、事業団が土地や株式を売っても返せない20兆円余りについて、「来年度末が土地処分のめどとなっている。(連立与党で)広く議論をしてもらい、年末までに債務処理のあり方を決めたい」と述べた。国民に負担を強いる問題だが、総選挙の話がちらつく中で、連立与党の腰は重い。年末の予算編成までの政府・与党間の調整は難航しそうだ。
 事業団を所管する運輸省は、債務問題が整備新幹線の建設など他の運輸行政の足を引っ張りかねないこともあって、国債の発行で財源を調達し、事業団の債務返済につぎこむことを希望している。大蔵省は国債の増発には二の足を踏んでいるが、「巨額の債務の処理なので政治の決断が必要」とする点では運輸省と一致。今月末の来年度の概算要求には具体的な処理策を示さず、「永田町」にボールを投げた。
 しかし、受け手の政治家は及び腰だ。「選挙前に結論など出せない。先送りしかない」(運輸相経験者)という声が強い。亀井運輸相の旗振りにもかかわらず、年末の予算編成までに、具体的な手立てを示せるかは不透明だ。
 最大の難関は財源問題。1987年の国鉄改革時には「土地が高く売れるから、借金は残っても数兆円」とみて、残る債務の返済財源を「国において処理する」としか決めていない。
 運輸雀内には「債務は一般会計で面倒をみるのが筋。国債で手当てし、その償還財源は増税で」とする意見が強い。しかし、国鉄とは縁もない次の世代にツケを回すのは無責任、との批判は必至。連立与党の検討チームが9月下旬から論議を始める予定だが、結論は容易に出そうもない。(朝日新聞)
■京都市のバス 民間6社値上げ追随 来月実施 「市営と調整」理由
 運輸審議会が8日、京都市営バスの運賃値上げを申請通り認める答申を出したことで、9月1日から値上げが実施されるが、同日、値上げされるのは市営バスだけではない。同市内を走る民間バス6社も追随して均一区間運賃を200円から220円に引き上げる見通しだ。市営バスは利用者減少による経営悪化を申請理由にしているが、民間バスが一斉値上げするのは、運輸省が掲げる「同一路線同一運賃」の原則に従ったためで、経営上の理由はない。公正取引委員会は「各社がそれぞれ競争していくことが基本。運賃を一本化するのは好ましくない」といっている。
 追随するのは、京都バス(15路線)▽京阪バス(12路線)▽京都交通(6路線)▽阪急バス(1路線)▽近畿日本鉄道(同)▽西日本ジェイアールバス(同)。6社とも、すでに京都市内を走る均一区間運賃の値上げ申請を近畿運輸局に出している。
 市営バスが独自の理由で値上げするのに比べて、6社の申請理由は「市営バスの値上げにともなう運賃調整」と主体性がない。運輸省の「同一路線同一運賃」原則について、近畿運輸局は「バスは大量輸送交通機関で、公共性が高い。同一運賃でなければ利用者に混乱が起きる」(自動車部)と説明する。運輸省は、ほかの事業者と運賃を調整するよう通達を出しているが、運賃の認可などを規定している道路運送法には「同一路線同一運賃」は明記されていない。
 この原則に基づく行政指導は全国で実施されており、同一地域で複数のバス会社が営業していれば、1社が値上げすれは自動的に全社が追随する仕組みになっている。京都でも昨年10月、京都交通がまず値上げ申請し、その後市営バスも追随、同じ日に競合路線を値上げした。
 規制緩和の流れのなかで、タクシーの運賃自由化が具体化しつつあるが、バスの運賃制度については「具体的な検討はあまりされていない」(公正取引委員会)という。法律に基づく根拠のない公共料金の値上げが迫っている。
 政令指定都市のなかでバス、地下鉄運賃が最も高くなる京都市では、エムケイグループを除く法人タクシーも値上げを申請している。こちらの値上げも年末までには実施される可能性が高く、市民の足に与える影響は大きい。(朝日新聞)
■御利益あるかな? 「888」切符完売
 平成8年8月8日と末広がりの8が3つ並んだ8日、JR西日本の各駅では記念台紙付き入場切符が発売された。切符の端には日付を示す「8-8-8」が印刷されている。
 大安とも重なり、大阪駅に設けられた臨時発売所には「幸運を授かりたい」と朝から通勤客ら約100人が列をつくった。用意していた4万枚は、午前中ですべて売り切れた。(朝日新聞)
■路線バスの「旅」はいかが ”京阪版”エッセー集が刊行
 毎日、通勤や通学で使う路線バス。そんな、あまりに日常的なバスにも、ロマンの旅があることを教えてくれるエッセー集「京都路線バスの旅」「大阪路線バスの旅」が刊行された。イラストレーターや作家、大学教授ら多彩な顔ぶれが、各バス路線にからむ青春の思い出などを軽やかにつづっている。運賃わずか数百円で旅気分を満喫できる内容は、地元の住人のみならず、観光客として現地を訪れる人も楽しく読むことができる。
 好評だった「東京編」に続いて企画されたもので、観光ルートとは無縁の、日常生活に密着した路線バスが各文の出発点。京都、大阪編ともに、20数人の執筆者が今春から初夏にかけ、それぞれに思い入れのある各路線に、実際に乗車した。
 執筆者はいずれも達者な筆致で車窓から景色を措いているが、それにも増して魅力的なのは、多感な時代の体験を踏まえた心象風景の描写だ。
 例えば「京都編」では、大阪大学文学部教授の鷲田清一さんが「勉強し、遊び、恋愛し、喧嘩(けんか)もした」京都大学在学中に欠かせなかった京都市営バスの206系統に乗り、沿線の縁切り祈願神社の強烈な稔馬だの、「あぶり餅(もち)」の味だのを紹介。この路線には「人生がぜんぶあった」と結ぶ。三千院のある大原へと至る京都市営・北6系統を選んだ朝日放送テレビ制作部長の松本修さんは、全国からやって来た旅の乙女たちを温かく迎えた往時の「現地男子」の歓待精神を、「だれでもあの『ローマの休日』のグレゴリー・ペックたり得た時代があったのだ」と論じた。
 また、フリーライターの吉村智樹さんは、中学時代の同級生が大阪市営バスの運転手になっていたことを発見。制服姿の友人に中学時代の面影をだぶらせながら、勤務中の彼が運転する市バス路線をはしごし、大阪市内漫遊の旅を楽しんだ一日について「大阪編」で語っている。
 「大阪編」「京都編」いずれもA5判、1650円。トラベルジャーナル刊。(朝日新聞)
■関東から中部東海 広い範囲で地震 JR中央線18本運休
 9日午前3時16分ごろ、関東地方から長野、山梨、静岡県にかけて地震があり、小田原などで震度3を記録した。気象庁によると、震源地は山梨県東部で震源の深さは約20`。マグニチュード(M)は4.7と推定される。
 JR中央線は山梨県大月市の地震計が規制値に達し安全点検のため四方津−塩山駅間で約5時間半にわたり運転を見合わせた。JR東日本によると普通列車18本が運休したほか、特急列車など23本が最大4時間以上遅れ、約8000人が影響を受けた。(京都新聞 夕刊)
■通勤列車の67人死傷 ロンドン近郊 回送車と衝突
 【ロンドン8日共同】英ロンドン北西部に隣接するハートフォード州で8日午後5時半(日本時間9日午前1時半)ごろ、約400人の乗客を乗せた通勤列車と、回送列車が衝突し、女性の乗客1人が死亡、66人が重軽傷を負った。
 目撃者などによると、正面衝突したもよう。警察当局や鉄道会社が信号の制御装置に故障がなかったかなど事故原因を調べているが、英衛星放送のスカイ・ニュースは、列車妨害を狙った犯行の可能性も否定できないとしている。
 事故はロンドンとの境界に近いワットフォードジャンクション駅の付近で起きた。
 当初は約60人が列車に閉じこめられたが、消防、救急隊員などに救出された。負傷者のうち、4人が重傷。(京都新聞 夕刊)
■列車衝突
 8日夕、英ロンドン郊外のハートフォード州で通勤列車と回送列車が衝突した。事故現場で乗客の救出活動にあたる救急隊員ら。この事故で少はくとも1人が死亡、80人以上が負傷した=ロイター(朝日新聞 夕刊)
10日■関空特急 騒音緊急対策を 環境監視機構 JR、南海に要望
 JR西日本と南海電鉄の関空特急による沿線騒音・振動問題で、関西国際空港環境監視機構(会長・横山ノック大阪府知事)9日、両社に対して緊急の対策を要請した。
 要請は、同監視機構の事務局を兼ねる府環境管理室の吉田誠宏室長と、堺市役所の職員ら6人が、南海本社、JR本社の順に訪問。「騒音・振動の低減対策を早急に実施されたい。必要に応じ監視機構への情報提供などをお願いしたい」とする要請書を担当者に手渡した。両社は、即答せず要請書を受け取るに止めた。
 関空特急の「はるか」や「ラピート」などによる騒音・振動問題では、今年5月に大阪府が測定調査を実施。両特急とも、平均で84−85デシベルと、新幹線の基準を上回る高い騒音を出していることが確認され、府が7月9日、両社に改善を申し入れていた。
 両社は、遮音壁設置などの改善策は検討しているが、社会的使命達成やサービス維持などを理由に、列車の減速、ダイヤ変更などはしない方針を示している。(京都新聞)
■レトロな作り観光客に人気
 京福電鉄嵐山駅(右京区嵯峨天竜寺造路町)のホームに9日、60年間走り続けた木造車両が登場、モニュメントとして展示された。外側は鉄板で覆われているものの内装はヒノキとチーク材といったレトロな作りで、さっそく鉄道ファンや嵐山の観光客の注目を集めている。
 展示された車両は1936年製。今年6月末まで現役で走っていたが、老朽化が進み廃車になった。全長13.7bのうち、前部の運転席と左側ドアの約3bが切り取られ、駅ホームのコインロッカーコーナーを囲むように置かれた。
 京福電鉄の木造車両は昭和10年代から40年代まで活躍したが、火災の危険などから徐々に不燃性の鉄、アルミなどの車両に変わり、これが最後の1台。60年間、何度もニスを塗り直してアメ色になった木材には金属にはない温かみがあり、ファンからは「このまま廃棄されてしまうのはもったいない」と惜しむ声が多数寄せられていた。
 乗降客は、ホームに突然現れたレトロな車両に、興味津々。親子連れなどが運転席をのぞき込んでは「すごいね」「これが今まで走ってたんやなあ」などと、しみじみ見入っていた。(京都新聞)
■大阪環状線などで土曜を休日ダイヤ 10月5日から
 JR西日本は9日、現在土曜日に平日と同じダイヤで運転している大阪環状、関西、阪和、関西空港、桜島の7線を10月5日から休日用ダイヤにする、と発表した。
 同社管内ではすでに京阪神地域の東海道・山陽線、福知山線などで1994(平成6)年9月から土曜日に休日用ダイヤを実施している。
 これで京阪神地区ではJR在来線のほとんどが休日用ダイヤとなる。(京都新聞)
■急行にはねられ死亡 城陽の近鉄踏切
 10日午前6時25分ごろ、城陽市平川東垣外の近鉄京都線久津川2号踏切(遮断機付き)で、踏切内を歩いていた男性が橿原神宮前行き急行にはねられ、頭部などを強く打ち、3時間半後に死亡した。
 城陽署などの調べでは、男性は電車が近づくのをみながら、下りていた遮断機を持ち上げて踏切内に入ったという。亡くなったのは京都府田辺町内の男性ではないかとみて、身元の確認などを急いでいる。急行は現場に13分停車、後続の準急も10分遅れ、約450人の乗客に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■ふるさとへ渋滞乗り越え 帰省ピーク
 お盆休みをふるさとや観光地で過ごす人たちの「帰省ラッシュ」が10日、ピークを迎えた。
 9日夜から始まった中国自動車道の渋滞は10日朝、滝野社(兵庫県)を先頭に吹田(大阪府)まで約60`に達した。名神高速道路も草津(滋賀県)を先頭に京都南まで約25`の渋滞。
 東海道・山陽新幹線は「ひかり」のほとんどが乗車率100%を超え、午前中から混雑が続いた。下りの東京発博多行き「ひかり31号」の自由席の混雑率は新大阪出発時で150%になった。
 JR東海によると、新幹線の上りは指定席が残っている電車もあるが、下りは終日満席になっている。JR西日本の在来線は大きな混雑はみられないという。
 関西空港でも夏休みを海外で過ごそうという若者や家族連れなどで午前10時ごろからロビーがにぎわった。関西国際空港会社によると、この日1日で国際線、国内線合わせて約2万4000人が利用するという。(朝日新聞 夕刊)
12日■東北で強い地震続発 宮城で震度5 3回 12人けが
 宮城県北部を中心とした広い範囲で、11日未明から12日にかけ、強い地震が相次いだ。仙台管区気象台は、宮城県栗原郡栗駒町沼倉で震度5が3回、震度4が4回など、12日正午までに体に感じる地震を80回観測した。宮城、山形各県で、割れたガラスなどで計12人がけがをしたほか、宮城県では家具が倒れたり柱が傾くなど約250戸が被害を受けた。宮城県玉造郡鳴子町では余震が続く中、約100人が町の施設に避難し一夜を明かした。道路に亀裂や段差ができて通行止めになるところも出た。同気象台などは、しばらく余震が続くとみて注意を呼びかけている。
 観測によると、一連の地震の震源は、いずれも宮城、秋田の県境付近で、深さは約10`、地震の規模は最大でマグニチュード5.9と推定される。
 初めの揺れで、鳴子町の実家に息子2人と帰省していた神奈川県相模原市上鶴間、主婦尾崎玲子さん(43)が、驚いて寝ていたわきの障子戸のガラスに右手を突っ込み、動脈を切る大けがをした。
 その後の余震で、家族らと鳴子町の吹上キャンプ場に来ていた仙台市青葉区鷺ケ森二丁目、教員鈴木努さん(41)の長男(4つ)が、沸かしていたやかんの湯を浴びて両ももや左手にやけどをした。同町鬼首、理容業の女性(48)も、電話中に落下物で右手をはさまれ、小指を切断した。
 同町のオニコウベスキー場従業員(40)が厨房(ちゅうぼう)で調理中、揺れを感じてガスを消そうとした際、誤って油を右足に浴び、軽いやけど。町立鬼首中の3年生2人がガラスなどで軽いけがを負った。
 山形県警新庄署によると、同県内でもこれまでに、最上町堺田の小学5年生が、たんすの上から落ちた貯金箱代わりのしょうちゅうのペットボトルが額に当たり軽いけが。同町の女性(59)は、立ち上がった際に居間のガラス戸にぶつかり、破片で左腕に軽いけがをした。
 宮城県によると、鳴子町で旅館や民家約250戸で壁が崩れるなどした。また、一部の水道が破損し約200世帯が断水、12日朝まで町が給水車で各家庭に水を配った。
 同町の国道108号では少なくとも5ヵ所で最大30aの段差が生じ、町内から秋田県雄勝町にかけて計7道路が通行止めになり、温泉に向かう車などで付近は一時渋滞した。
 JR山形支店によると、最初の地震の影響で、JR奥羽線、陸羽東線、陸羽西線の3線の計10本が最高で2時間11分遅れた。また11日朝の余震で、奥羽線と陸羽西線の計10本が運休、上下計17本に最高で6時間16分の遅れが出た。
 宮城県北部では、昨年末ごろから、浅い震源の「内陸型地震」が相次いでおり、栗駒町沼倉に4月に震度計を設置した。だが、今回の震源に近い鳴子町鬼首とは約20`離れており、同気象台は緊急に鬼首地区に震度計を設置した。
・各地の震度
 今回の一連の地震による各地の最大の震度は次の通り(12日午前9時現在)。
 震度5=栗駒町沼倉▽震度4=新庄▽震度3=一関、男鹿、酒田、金山、新潟▽震度2=盛岡、仙台、秋田、山形、福島▽震度1=青森、白河(朝日新聞 夕刊)
13日■障害者に小さな旅を 「ひまわり号」参加者 ボランティアを募る 10月、京都発
 障害者に小さな旅を楽しんでもらおうと、市民らが取り組んでいる専用列車「ひまわり号」が、今年も10月27日にJR京都駅から長浜市に運行されることになり、「ひまわり号を走らせる京都実行委員会」(竹下義樹委員長)が参加者やボランティアを募っている。
 ひまわり号は「列車に乗って旅がしたい」との障害者の願いをかなえようと、1982年に東京で始まり、全国に広がった。京都でも83年から運行されており、取り組みを通して「障害者らが安心して利用できる公共交通の確立」などを訴えている。
 14回目の今年は「秀吉」ブームにちなみ長浜に向かう。長浜城のある豊公園で奈良のひまわり号のメンバーらと交流するコースと、「北近江秀吉博覧会」会場など長浜市内をのんびりと散策するコースの二手に分かれ、秋の一日を楽しむ。また、列車は往復で琵琶湖を一周し、車内でもさまざまなイベントを行うことにしている。
 募集するのは障害者100人と、同伴者・ボランティア200人。参加費は大人3000円、小学生1000円、学生ボランティア2500円(弁当希望者は別に500円)。募集要項と申込書希望者は、障害者か同伴者・ボランティアの別を明記し、はがきかファクスで同実行委連絡先の森川さん方=〒601 京都市南区西九条比永城町10大宮サンコーハイツ27号 075(691)6924(ファクス兼用)へ。申し込みの締め切りは8月31日。(京都新聞)
14日■窓 表示間違った市バス非常識 下京区・藤田史郎(無職・71)
 7月24日正午過ぎのことでした。所用の帰りに高野橋(西行き)バス停から北大路バスターミナルを経て、地下鉄で京都駅方面に行く予定でバスの時刻を見ると7、8分で来るらしいので汗をふきふき待っていました。
 やれ来たと一歩踏み出したところ、目に飛び込んできたのはバスの行き先表示の文字。なんと北5白川通岩倉でした。一瞬、ぎくっとして頭の中が混乱し、次の一歩が出ませんでした。とたんにバスの乗車口は閉まり、なにごともないように発車。後部の行き先表示も岩倉でした。炎天下、さらに15分ほど次のバスまで待たされたのです。
 これまで数多くの交通機関を利用しましたが、行き先表示を間違えて走っているのは初めてでした。運賃値上げをするというのに…。もっと乗客を大切に、一人でも多く利用してもらう努力をすべきです。文化遺産も多い観光都市京都。観光客も多いのではないでしょうか。街中を走る交通機関としては、常識以前の問題だと思います。(京都新聞)
■地ビール紀行 5 座敷列車に揺られ一杯 静岡県・浜名湖
 黄色く色づき始めた稲穂の中を、天竜浜名湖鉄道の「お座敷地ビール列車」は走る。単線に1車両。静岡県天竜市から浜名湖を望む三ケ日町までの26`を往復する、約2時間の旅だ。
 車中に特別な演出はない。通路に敷かれた9枚の畳が「お座敷」。車両の長いすを背もたれに、ひたすら地ビールの「浜名湖ビール」を味わう。ガタンゴトンと左右に揺られ、苦みの利いた一杯が心地よくまわる。この日は線路の保線作業員一行の納涼会。計30リットルを豪快に飲み干した。
 浜名湖ビールは、同県浜北市で包装こん包業を営む山崎慎吾さんが「中身も自社製品、と言える何かを作りたい」と、仕事場の向かい側の土地で5月から製造を始めた。ビールメーカーとは技術提携せずに、社員を先発の地ビール店で修業させた。
 工場兼ビアレストランの「浜名湖ブルワリー」があるのは駅から離れた住宅や田畑のまん中。「地ビールは地場産業。へんぴなところで初めて良さが出る」。63歳で念願の「自社製品」を手にした山崎さんのこだわりだ。
 お座敷列車の企画者は同鉄道の新入社員、長渕勇一さん(23)だ。学生時代の旅行研究会の経験を生かした。
 沿線に、浜名湖ブルワリーが開業したのを聞き、早速、入社あいさつを兼ねて企画を売り込みに。交渉を重ね、6月から始めた。
 「地ビール列車が人気を呼べば、この鉄道を本当に必要としている人の足も守れる」。同鉄道は赤字に悩む第三セクター。鉄道好きの若者の意気込みも乗せて走る。(斉藤泰生)(朝日新聞)
■台風12号 熊本に上陸 中国地方に接近
 大型で強い台風12号は14日午前10時すぎ、熊本市付近に上陸した。九州全域が暴風域に入り、昼前には四国西部と中国西部も暴風域に入る。台風は今後、九州北部を横断して同日昼すぎに瀬戸内海から中国地方を通過して午後6時ごろ日本海に抜け、15日午前中に東北地方に再上陸する見通し。
 14日朝に鹿児島市で最大瞬間風速58.5bを記録したほか、長崎県千々石町で午前9時までの1時間で112_の激しい雨を観測した。九州北部や中国の瀬戸内海側では、今夕の満潮時に大潮と重なるため高潮に警戒が必要。そのほかの西日本から東日本の沿岸では3−4bのうねりや高波が打ち寄せる見込み。
 台風の北上に伴い、九州から中国地方では1時間に50−60_の強い雨が降り、15日昼までの予想雨量は九州北部で350_、中国と四国の南斜面で300_、九州南部で250_、近畿や東海で150−200 _、北陸で100−150_に達する見込み。
 気象庁の観測によると、台風12号は14日午前11時現在、態本市付近の北緯32度55分、東経130度40分にあり、時速35`で北北東に進んでいる。中心気圧は960ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は40b。中心から半径190`以内は風速25b以上の暴風域、中心の南東側800`以内と北西側560`以内は風速15b以上の強風域。
 台風は14日午後9時には鳥取市北約110`の北緯36度30分、東経134度を中心とする半径110`の円内に達し、15日午前9時には秋田市の西南西約100`の北緯36度30分、東経139度を中心とする半径220`の円内に達するとみられる。
 16日午前9時には千島近海の北緯42度30分、東経148度30分を中心とする半径370`の円内に達する見込み。
・山陽新幹線ストップ
 台風12号の影響で、14日午前11時ごろ、福岡県内の山陽新幹線小倉−博多間で風速30bを超える強風を記録、JR西日本は同区間で上下線とも運転を見合わせた。
 さらに午前11時35分ごろ、山口県の徳山−小郡間でも30bを超える強風のため運転を見合わせ、同社は、東京、新大阪方面からののぞみとひかりを広島駅で折り返し運転とした。(京都新聞 夕刊)
■九州の交通ストップ 台風12号熊本上陸
 台風12号の風雨の影響で、九州の交通機関は14日午前、ほぼまひ状態になった。
 JR九州によると、日豊線の早朝の一部列車を除き、午前8時までに鹿児島線など九州全域の全区間で始発から運転を見合わせている。
 日本道路公団福岡管理局によると、高速道では宮崎自動車道が全面通行止め、九州自動車道も午前8時から八女インター(福岡県)以南が通行止めとなり、博多−宮崎便など福岡と九州南部を結ぶ高速バスがストップしている。
 九州電力によると、鹿児島県の14万8000世帯など5県で計約15万2000世帯が停電した。
 船舶も、博多と韓国を結ぶ国際便のほか、九州と全国各地を結ぶ国内長距離フェリーで欠航が相次いだ。(京都新聞 夕刊)
■利き過ぎて「寒い電車」 JR西日本 苦情、「暑い」を上回る 過剰冷房緩和へ走る私鉄も
 真夏でもスーツ姿のサラリーマンにとって冷房の利いた電車はありがたい。しかし、薄着の女性には寒すぎる場合も−。JR西日本が、6、7月に寄せられた通勤電車や新幹線の冷房についての苦情の内容をまとめたところ、「利きが悪く暑い」より「利き過ぎて寒い」の声が多かった。利用者からも「過剰冷房はさまざまな病気の原因になっている」と、交通機関に対策を求める動きも起こっている。
 JR西日本に寄せられた車内の冷房への苦情は、6、7月の2ヵ月間で「暑い」が16件、「寒い」が23件あった。猛暑で空調の故障が相次いだ一昨年の6月から8月までの3ヵ月間は「暑い」が28件あったのに対し、「寒い」は14件。去年の同時期は「暑い」「寒い」とも33件だった。
 電車内の設定温度は、鉄道会社によってまちまちだ=表。  JR西日本によると、電車内の冷房は25度を目安に設定している。通勤電車の3分の1を占める弱冷車の場合は26度だ。しかし、通勤電車全体の64%がスイッチを入れたり切ったりするだけの旧国鉄時代からの古いタイプの冷房で、温度の調節は乗務員任せになっている。このため、外気が下がったり、乗客数が少なくなっても冷房を入れたままにしていると、車内の温度が設定温度より下がることもあるという。
■電車内の設定温度■
JR西日本25℃(弱冷車は26℃)
近鉄23.9−26.2℃(特急は23.5−25.8℃)
南海28℃
京阪26−27℃(梅雨期・初夏は23−24℃)
阪急26℃(弱冷車は27−28℃)
阪神27℃(弱冷車は28℃)
大阪市営地下鉄28℃
 過剰冷房の対策に取り組み始めたところもある。阪急電鉄は去年夏、一般の冷房車より設定温度が1−2度高い弱冷車を2倍近く増やした。京阪電鉄は、新型車両に冷気を車内の空気と混合させてから吹き出す間接冷房を採り入れている。南海電鉄は、7段階の温度調節ができる冷房を備えた車両の新造を進めている。
 しかし、「暑い寒いは列車の込み具合や時間、個人の感じ方によって大きな差があり、苦情はなくならない」というのが各社の共通した意見だ。
 「自分で治す冷え症」(マガジンハウス)の著者で針きゅう師の田中美津さんは、過剰冷房をなくす運動に取り組んでいる。今年、冷え性の人たちのネットワーク「冷え症撃退VIVA'96」を旗揚げした。
 「冷え性はストレスなどが原因で、体温を調節する自律神経のバランスが崩れて起きる。特に夏場は毛穴が開いているため、きつい冷房の冷気が皮膚に当たると、冷えが皮膚の内部に入り込みやすくなる。体が冷え過ぎると、子宮や腎臓、肝臓、消化器官の疾患を引き起こす原因にもなる」と指摘している。
 5月には東京で「『冷え症』撃退フォーラム'96」を開き、参加者を対象に冷房がきついと感じる場所についてのアンケートを実施した。結果は、@JR 55.6%Aスーパー 53.2%B百貨店 44.0%C私鉄 39.8%D銀行 36.6%E新幹線 33.3%F地下鉄 31.0%G図書館などの公共施設 30.1%H映画館 26.4%Iバス18.1%−の順で、鉄道が多くを占めた。
 田中さんたちは現在、電車内の床の温度や、乗客の皮膚温度などを測定し、過剰冷房の実態を調査している。「冷えは女性だけの問題ではありません。乗務員の体にも悪い影響を与えています。JRや私鉄には、過剰冷房に対して自分たちの問題としての意識を持ってほしい」と話している。(朝日新聞 夕刊)
15日■山陽新幹線など乱れる 空の便も終日
 台風12号の影響で14日、山陽新幹線は各地で区間運休となり、東海道新幹線も新大阪で折り返し運転をした。空の足も大きく乱れ、九州地方は午前から午後3時ごろまで、中国、四国地方も午後から大半の空港で発着ができず、513便が欠航、7万人以上の乗客が足止めされた。
 一方、まひ状態だった九州の交通機関は、同日夜までに、JR各線が運転を再開するなど全域でほぼ復旧した。JR西日本によると午後10時現在、山陽新幹線は70本が運休。東京発博多行きひかり49号など172本が最高4時間21分遅れ、約10万人の乗客に影響が出た。空の便は、全日空が九州、四国路線のほか広島、宇部(山口)、岡山、鳥取の各路線など155便の運航を見合わせたのを最高に、航空6社で計513便が欠航、足止めされた乗客は約7万2000人に上った。
 さらに夜になって関西空港も発着が困難となり、ロサンゼルスからの日本航空69便など13便が成田空港に臨時着陸した。
 14日夜は飛行機が台風の影響がない空港に避難するため、路線によっては15日の始発便にも欠航や遅れが出る見通し。(京都新聞)
■高潮警戒で 阪急など運休
 台風12号の影響で、阪急電鉄は14日午後6時すぎから神戸線(梅田−三宮間)の全線で一時運転を見合わせた。高潮に備え神崎川に架かる鉄橋の防潮扉を閉めるよう大阪府から指示を受けたため。午後11時までに全線で運転を再開したが、110本が運休、約3万4000人に影響が出た。
 阪神電鉄西大阪線(西九条−尼崎間)も同日夕以降全線でストップした。(京都新聞)
■関西空港が「孤島」に
 台風12号による強風のため14日夜、関西空港と対岸の泉佐野市を結ぶ空港連絡橋が鉄道、道路ともに通行止めとなった。関西空港は神戸などと結ぶ船便も欠航したため、文字通り「孤島」となった。(京都新聞)
■レトロ機関車で湖東路の旅を 近江鉄道100周年 来月イベント列車 参加者募る
 滋賀中部地域観光振興協議会は9月23日、近江鉄道が今年創業100年を迎えるのを記念して、臨時イベント列車を走らせる。彦根駅から日野駅間の64`区間を、電気機関車ED14とED31が牽引する特別仕立てで、乗車希望者を募集している。
 ED14は、1926(大正15)年に旧国鉄が米国から輸入、その後同社に払い下げられ、昭和40年代まで貨物輸送車として活躍した。ED31とともに、動ける状態のまま保存されているのは珍しく、鉄道ファンの間で根強い人気があるという。
 当日は、午前9時半に近江鉄道彦根駅集合。列車内では、万葉歌人や戦国武将にふんした会員が中部地域9市町の観光PR。五個荘駅で途中下車し、非公開の近江商人屋敷などを見学する。参加費は1996円(乗車代、弁当代込み)。定員は100人。希望者は往復はがきに住所、氏名、年齢、電話番号を記し、〒527八日市市東今崎町5ノ33 滋賀中部地域観光振興協議会「イベント列車」係へ。締め切りは22日。(京都新聞)
■旧国鉄債務でチーム 与党3党
 与党三党は27兆6000億円に上る旧国鉄長期債務の最終処理策を検討するため、3党の政策担当責任者と大蔵、運輸調整会議メンバーなどで構成するワーキングチームを設置する方針を固めた。9月上旬にも発足させる。旧国鉄債務問題では大蔵、運輸両省の調整が難航しており、与党側が政治解決に乗り出すことになった。
 ワーキングチームでは、国鉄清算事業団が資産を売り切っても残る長期債務について@赤字国債で賄うA歳出をカットするB増税に踏み切る−などの選択肢を比較し、結論を出す見通しだ。
 旧国鉄の債務については、1989年12月の閣議決定で「土地は97年度までに実質的な処分を終える」と期限を設定しており、これに先立つ88年1月の閣議では「土地処分収入などの自主財源を充ててもなお残る債務は、最終的に国が処理する」として、国民負担による穴埋めの方針が決まっている。
 ただ、新たな国民負担は、近づく衆院選にマイナスになるため「ワーキングチームの結論は選挙の終わった来年になってから」(自民党幹部)というのが実情だ。(京都新聞)
■モノレール南伸/コスモポリス計画… 行革へ見直し219項目 大阪府 推進計画案が判明
 深刻な財政難に陥っている大阪府が策定中の「行政改革推進計画」の原案が14日、明らかになった。主要プロジェクトの見直しや、経営悪化した第三セクターの廃止、外郭団体の統廃合など219項目を盛り込んでいる。特に、大阪モノレールの延伸や関西空港対岸に計画中の和泉、泉佐野、岸和田3市のコスモポリス計画など8事業は、1997年度中に計画中止や大幅縮小を検討し、病原性大腸菌O(オー)157の対応に追われる保健所も再編対象とした。人件費抑制のため職員の退職勧奨の年齢も引き下げる方針。府はこの案を9月定例府議会に提出し、議会の了承を得て97年度以降の予算案で具体化する。
 「推進計画」は、今年1月に府が行政改革の総論を示した「行政改革大綱」を具体化した。府は、数百億円の歳出抑制を図る「財政健全化方策」と今後進める「重点政策」を合わせた「3点セット」で財政難を乗り切りたい考えだ。原案では、バブル経済の影響から抜け出すため、「行政運営を基盤から見直す」とし、外郭団体のあり方、事業の見直し、経費削減方法などを柱に検討している。
 主要プロジェクトについては、特に巨額な事業費がいる鉄道網の整備と広域開発について、府が出資している第三セクターなどの推進母体を緊急に経営診断し、役職員の入れ替えや引き上げなどで大幅なテコ入れを図ったうえで、事業を見直す。
 門真市から堺市まで南伸する大阪モノレールの建設は、JR西日本が2005年までの開業をめざす「大阪外環状線」(大阪市−八尾市)との競合が予想され、凍結が確実。またハイテク企業や研究雄設などをつくる「コスモポリス計画」は推進する第三セクターの清算も検討している。文化、スポーツ施設や緑地などと住宅地を融合させたニュータウンを建設する茨木市の「国際文化公園都市」や箕面市の「水と緑の健康都市」、羽曳野市の「南河内・健康ふれあいの郷」なども事業中断や見直し対象になる。
 また、既存施設についても、養護施設「いずみ学園」「菊水学園」の再編や、自閉症児施設「松心園」の運営改善などを挙げている。また、保健所については、22保健所や7支所の統廃合を検討する。
 一方で、人件費や経費を抑えるため、「特別退職勧奨制度」の対象を55歳から50歳以上に拡大。府所有の土地や建物を売却する。97、98年度の予算編成では、連続して全項目の伸び率を抑える方針だ。
 府に対する各種の申請書類についても、必要部数を少なくしたりフロッピーディスクの届け出を認めることなどを検討する。(朝日新聞)
■湖北路のSL運行開始
 JR北陸線の米原−木ノ本駅間で、このほど「SL北びわこ号」の運転が始まった。
 昨夏から季節運転され、5期目。今回は来月1日までの毎土、日曜の計8日間、1日2往復する。「ポニー」の愛称で知られるC56型蒸気機関車が湖北路を走行、夏休みの親子連れは、力強い乗心地を楽しんでいた。
 発車時刻は米原が午前9時10分と午後1時13分、木ノ本が午前11時6分と午後3時6分。全席指定で運賃は米原−木ノ本間が指定料も含めて大人890円(こどもは半額)。(京都新聞 夕刊)
■新幹線がベタ遅れ
 東海道・山陽新幹線は、台風12号の影響でダイヤが大幅に乱れ、14日夕方から夜にかけて博多駅などを出発した列車7本が、15日未明に東京駅に到着した。10時間以上も車両に缶詰めとなった乗客も多く、疲れきった様子でJR東海が用意した仮眠用の「列車ホテル」などへ向かった。
 15日午前3時半、約400人を乗せた「のぞみ24号」が、約6時間遅れで東京駅に着いた。
 JR東海によると、14日は強風のため、新大阪−新神戸駅間など山陽新幹線区間で断続的に運転が一時見合わされた。この影響で、52本が遅れ、最後の列車の東京駅到着は、15日午前4時52分となった。
 始発列車を待つ間、「列車ホテル」を利用した人は、東京駅や新大阪駅などで合計約2200人いた。(朝日新聞 夕刊)
16日■窓 利便性重視の市バス路線を 上京区・松本晃一(無職・68)
 さる8日付本紙に市バス路線再編で「バス系統研究委」発足の記事を読んで、少系統多便型を望む声と、多系統を望む声とがありました。どちらに見直しするにしても地域人口や利便性を重視して偏らないようにすべきと私は思います。
 私は市内の幹線道路を循環運行している現在の循環系統路線は、やめた方がいと思います。具体的には約半分に分断して往復運行とする。バス路線の一番よい方法は一方の起終点を鉄道の主要駅に結びつけたらよいのです。そして一方の起終点のバス方向転換スペースを確保条件に、住宅地と住宅地を結ぶなど、京都の場合であったなら車庫と車庫を結ぶとか。
 次に行き先表示幕の件ですが、往復運行路線で、復路の一部違う路線は往路終点に着かないうちに復路の行き先表示幕「上賀茂神社」「岩倉」などに巻きかえないこと。市バスに乗る人は地理に詳しい市内の人だけではない。県外の人や老若男女が利用するのですから、行き先表示幕は万人向きにすべきです。久我殿城町行きも私は「コガ」とは読めません。
 いま一つ、17号系統は錦林車庫まで客扱いするのになぜ銀閣寺道とするのですか。同じようなことが他系統にもあり、お尋ねします。最後に運賃も距離制に改めたらよいと思います。(京都新聞)
17日■JR西日本株人気薄 購入申し込み締め切り
 10月8日に上場されるJR西日本株式の購入申し込み予約が16日に締め切られた。証券関係者によると「投資家は3年前のJR東日本株売り出しに比べると、極めて冷静な対応をしている」(大手証券)ようで、人気は盛り上がらなかった。13日に締め切られた入札申し込みでの低調な応札数などから売れ残りの可能性の声も出ている。
 JR西日本株は上場に先立って、国鉄清算事業団が保有する200万株のうち、170万株が売却される。売却株数の45%弱に当たる75万株は大口投資家向けに入札に掛け、残る95万株は一般投資家向けに売り出す。
 入札による落札者の決定は27日。売り出し価格は落札価格を参考に29日に決まる。売り出し価格決定前に購入申し込みが締め切られるため、30日から来月3日までに申し込みの取り消しもできる。(京都新聞)
■JR高槻駅西口で分譲マンション販売 国鉄清算事業団支社
 国鉄清算事業団近畿支社は、JR高槻駅西口に建設する分譲マンション「レールシティ高槻ビゴレ」の購入登録申し込みを、8月31日から9月7日まで現地販売センターで受け付ける。
 同支社が旧国鉄用地を利用して手がける3番目のマンションで、販売戸数は計25戸。価格は、3LDK(住居専用面積80−83平方b)が3700万円台から4300万円台。4LDK(同88−97平方b)が4100万円台から5100万円台。
 全戸公庫融資付き。JR高槻駅から徒歩9分。抽選は9月8日、引き渡しは来年7月上旬を予定している。問い合わせ先は、同支社開発企画課 06(304)2985。(朝日新聞)
■JR西日本 車掌が割引特急券不正使用 24人処分 帰宅の足に利用
 JR西日本大阪支社の大阪車掌区所属の車掌が、車内で同僚に割引特急券を不正に発行してもらい、通勤に繰り返し利用していたことが分かり、同社は17日までに、不正使用していた11人を出勤停止処分に、発行していた13人を減給処分にした。
 不正乗車は確認できただけで16件に上るが、割引特急券の車内発行の記録は今年3月以前は残っておらず、いつから不正が行われていたのかは不明。
 同社は「大変残念。今後注意を喚起するとともに、車内発行の割引券の記録を毎日調べるなど再発防止に努めたい」としている。
 同社によると、今年4月から6月にかけて計16回、車掌13人がJR福知山線の特急北近畿などの車内で、同僚の車掌11人に対し、新幹線と在来線特急を同じ日に乗り継いだ場合に在来線特急券が半額になる割引特急券を発行。
 11人は新幹線を利用していないのに、半額料金だけ支払って帰宅の足に特急を利用していた。
 6月19日、JR福知山線市島駅の臨時改札員が、車内で発行された割引特急券とJR社員用定期券を見せた車掌を不審に思い、事情を聴いた結果、不正が発覚した。
 同社は不正使用の11人に、キセルなどの不正乗車同様、通常の3倍の料金計4万710円を支払わせた上、7日間の出勤停止処分に、発行した13人を減給0.5日に、大阪車掌区長も戒告処分にした。(京都新聞 夕刊)
■踏切で列車にはねられ小学生死亡
 17日午前8時13分ごろ、長野県諏訪市大和二丁目のJR中央線の中大和踏切で、同市上諏訪、会社員上原清二さん(33)の長男晃生君(9つ)=同市立高島小4年=が明科発甲府行きの普通列車にはねられ即死した。
 現場は諏訪湖近くの、遮断機がなく警報機が設置されているだけの踏切。諏訪署の調べによると、晃生君は自転車を押して踏切を横断していた。事故当時は警報機が鳴っていたという。(京都新聞 夕刊)
■車掌、特急に不正乗車 JR西日本、24人を処分
 JR西日本大阪支社の車掌11人が特急電車で帰宅する際、車内で同僚の乗務車掌から「乗り継ぎ割引券」を不正に発行してもらい、特急料金を半額しか支払っていなかったことが17日、明らかになった。同支社は今年4月からの2ヵ月間で計16件の不正使用を確認。割引券を発行した乗務車掌13人を含め計24人を出動停止などの社内処分にした。
 「乗り継ぎ割引券」は、新幹線と一部の在来線特急などを特定駅で同じ日に乗り継いだ時、在来線特急料金が半額になる。今回の不正はJR福知山線であり、同線大阪−福知山間の特急自由席料金1340円は、割引を受けると670円。通常は出発前の両特急券の同時購入が条件だが、乗務車掌が車内でも販売している。不正使用した車掌は、新幹線を利用していないのに、同僚の乗務車掌に頼み込んで割引券の発行を受けていた。
 悪用した11人は大阪−篠山口・福知山間などで特急「北近畿」を利用して帰宅していた。6月19日、無人駅の改札で、JR社員用の定期券と割引券を見せて出ようとした車掌を臨時改札員が追及したことから発覚した。
 処分は、割引券を悪用した11人が出勤停止7日間。通常の不正乗車にならって、通常の特急料金の3倍の計4万7100円も支払わせた。不正を知りながら割引券を発行した13人は半日分の減給処分とした。また、大阪車掌区の区長2人を戒告処分にしている。(朝日新聞 夕刊)
18日■東方探見 旧新橋駅の復元 歴史的遺産を継承 人の流れ吸引 活性化期待も
 「汽笛一声 新橋を」と鉄道唱歌にうたわれた旧新橋駅(東京・汐留)が復元されることになりそうだ。同駅は、明治の文明開化の玄関口として重要な役割を果たした。同地に残る国指定の史跡「旧新橋・横浜間鉄道創設起点跡=0哩(ゼロマイル)地点」を核に駅舎が復元される見通しで、貴重な鉄道資料の保存・継黎の拠点となる。同時に、周辺地域の再活性化の起爆剤にもなりそうで都民の期待を集めている。
 旧新橋駅の跡地は、国鉄清算事業団が売却手続きを進めている汐留貨物駅跡地(約10f)の北西部の一角。
 1869(明治2)年、東京・横浜間の鉄道建設が決まり、測量が始まった。翌年3月25日、東京側の第一杭が打たれたところが「0哩地点」で、国鉄道創設の起点として知られる。
 2年後の72(同5)年9月に鉄道が開通、均整のとれた対称形の新橋駅舎は、横浜に上陸した西洋文明を全国に発信するいわば「文明の集散地」となり、文明開化のシンボル的存在となった。
 1914(大正3)年、新橋駅は西方の烏森へ移転、残された旧新橋駅は貨物専門の汐留駅と名を変えた。その後、駅舎は関東大震災によって倒壊したが、0哩標識はなんとか生き残り、65(昭和40)年、わが国鉄道史の貴重な資料として、国の史跡に指定された。
 そして今回、物流の変化で遊休地化してしまった汐留貨物駅跡地は、国鉄清算事業団によって売却されることになり、史跡の保存問題が浮上した。
 こうしたなかで、地元の港、中央両区の町内会や企業・個人でつくる東京都臨海地域開発研究会(73年発足)は、独自に汐留地区周辺のまちづくり計画を作成、清算事業団や港区などに提案してきた。
 そのひとつが旧新橋駅を復元し鉄道資料記念館とするアイデア。史跡の0哩標識を核に、ほぼ原型のまま残る旧駅舎の基礎やプラットホームの石組みを生かして駅舎を復元、館内に日本の鉄道史に関する資料や現場の発掘で出てきた出土品などを展示し、貴重な歴史遺産を保存・継示していこうという提案だ。
 同時に、臨海副都心からの人の流れを復元駅舎の魅力で吸引し、汐留と隣接する銀座、築地方面へ誘導することで、地域経済の活性化を図ろうという狙いもあるようだ。
 一方、文化庁、東京都教育委員会、港区教育委員会、清算事業団など関係機関は、こうした歴史的資源を保存・活用する民間からの提案も含めて、史跡の取り扱いについて協議してきた。
 これまでに駅舎の土台となった石組みやプラットホーム跡など0哩標識周辺(約1800平方b)も国の史跡としての追加指定を受け、一帯を保存していくとの基本的な方向を確認している。
 事業団内に保存整備のための検討委員会を設け、復元計画を策定していくことになりそうだ。
 ただ、復元となるとその範囲や程度、費用のねん出、大震災で散逸している資料の収集、復元後の管理などクリアしなければならない課題も多い。
 史跡指定については、10月にも予定される文化財保護審議会で審議される見通しで、そのころまでに計画、手法などを詰めていくことにしている。
 臨海地域開発研究会の椎葉一二代表常務理事は「汐留貨物駅が閉鎖される前から、0哩標識などを保存するよう要望してきたが、やっと実りそうだ」と話す。
 勝又康雄常任理事も「西洋文明が船で横浜に着き、鉄道で新橋駅に下ろされて、全国に伝播(ば)していく。汐留は文化の出入り口だった。ぜひ、鉄道資料記念館を実現させたい」と一層、意気込んでいる。(京都新聞)
■国鉄精算事業団 「格安」103物件最終売り出し 自然の中広々人気 過去平均1000倍
 自然環境に恵まれた広々とした土地が300万円以下で手に入ると人気を呼んだ、国鉄清算事業団の格安物件の販売が10月初旬で最後を迎える。6回目にあたる今回は北海道を中心に、東北、九州などの約100件を売り出す。電気や水道がない土地も多く、実用性が薄いわりに、過去250件の平均倍率は約1000倍と高かった。「事業団の原野商法」とも皮肉られたが、今回も都市生活者の気持ちをとらえ、応募が殺到しそうだ。
 国鉄から引き縦いだ事業団の土地は、1997年度末までに実質的な処分を終えると閣議で決められている。残る約3500fのうち、格安物件は今回で売り切る。土地の売り上げは、27兆6000億円の国鉄債務の返済に充てられるが、合計4億円ほどの格安物件による収入は、債務の大きさに比べたら「焼け石に水」ではある。
 今回売り出す物件は、北海道が54件、青森、盛岡など東北が35件、九州が8件のほか、中部など合わせて103件。10月初旬に発売し、抽選は同月下旬の予定だ。郵便で申し込める。価格や敷地面積は算定中だが、いずれも300万円以下だ。旧国鉄の土地だけに、駅から歩いて数分という「好立地」は多いが、特急や急行が止まらない無人駅だったり、周辺に民家がない所もある。
 これまでもっとも人気が高かった土地は、北海道七瀬町のJR函館本線・銚子口駅から徒歩8分の約6300平方b。価格は48万円とあって、約8500人の応募があった。(朝日新聞)
19日■夏休みの思い出づくりに写生楽しんだ 蒸気機関車 親子で絵筆 JR梅小路 展示物の見学も
 母子・父子家庭対象の「夏休み親子写生大会」(市母子福祉センター米岡荘主催)が18日、下京区のJR梅小路蒸気機関車館で開かれた。
 仕事などの事情で、触れ合う時間を多く取りにくい家庭の親子に、夏休みの思い出をつくってもらおうとの催し。毎年、8月後半に行っている。
 今回は、市内の母子ら6組・15人が参加した。日展会員の洋画家西岡義一さん=相楽郡山城町=の指導を受け、参加者らは展示中の蒸気機関車のスケッチに取り組んだ。
 学校の授業などで、絵を描くのに慣れているためか、子どもたちはスラスラと写生。母親らも子どもたちに負けないように、懸命に絵筆を運んでいた。また、親子で館内の展示物を見学するなど、楽しいひと時を過ごした。(京都新聞)
20日■建設中断の旧国鉄軌道 有効利用に知恵を 奈良・西吉野村アイデア公募
 奈良県西吉野村は、旧国鉄が建設を中断したままの状態で残っている五新鉄道の軌道敷約5`の有効利用について、アイデアを一般募集している。
 五新鉄道は、奈良県五条市−和歌山県新宮市間約120`を結ぶ単線鉄道として戦前に計画され、1920年に着工。しかし、敗戦や国鉄の経営悪化、自動車の普及などで80年に中断。今年4月、軌道敷の一部が国鉄清算事業団から村に無償譲渡された。
 軌道敷にはトンネルが4ヵ所、橋脚が4ヵ所ある。村は「ユニークなアイデアがあればぜひ採用したい」という。ただし、幅が狭く、自動車道としての利用は困難。それにトンネルが多いため、景色を楽しむといった利用法も難しいとか。
 今のところ、トンネル内の低温と湿度に着目したキノコ栽培やワインの貯蔵といった案が出ている。応募方法は、400字詰め原稿用紙2枚にまとめ、同村企画財政課に送る。縮め切りは11月30日。(京都新聞)
■JR西日本 夏の利用状況 期待の海水浴振るわず 前年の3%滅 遊具大型化、車利用へ
 JR西日本は19日、今夏のお盆期間を含む1ヵ月(7月19日−8月18日)の列車利用状況をまとめた。お盆が終わっても、まだ休んでいる人が多いことや、海水浴客の出足が振るわなかったことなどから、新幹線、在来線を合わせた総乗車人員は807万人と、前年同期を3%下回った。乗車人員のうち、お盆期間中(8月9日−18日)の総数は318万人で、前年比2%ダウン。帰省期間中(9日−14日)とUターン期間中(15日−18日)に分けると、帰省期間中の181万人に対し、Uターン期間中は137万人と少なく、まだ休みの続いている人が、かなりの数いることがうかがわれる。
 海水浴客を運ぶマリン列車は、6万6000人と低調で、前年比21%ダウンと大幅に落ち込んだ。
 JR西日本では、お盆休みの長期化に伴い、海外旅行へ出掛ける人が増えた分、列車の乗車人員が減った、と推定。海水浴客の減少は「海のレジャー多様化で、ボートなどの大型遊具を使う機会が多く、運搬のための自動車利用が増えたのでは」と分析している。(京都新聞)
■電化の願い”花”開く 市民がまいた草花の種 一面に彩り競う 西舞鶴駅東側広場
 舞鶴市のJR西舞鶴駅東側市有地(旧国鉄用地)で、市民らの手でまいた草花の種が、一面に色とりどりの花を咲かせ始め、市民や乗客の目を楽しませている。
 JR舞鶴線電化促進のムードを高める目的で、今年4月初め、舞鶴のまちづくり団体の人たちでつくる実行委員会が、4800平方bにコスモスやルドベキアなどの種をまいた。呼びかけで約300人の市民が手伝った。
 その後の雨不足で枯れてしまう株も多かったが、ようやくうす紫やオレンジ、黄、白などさまざまな色の花が開花。真夏の熱い風に揺れながら、さわやかさを運んでくる。
 咲き始めた草花は、先月にJR西日本側が舞鶴線電化の意向を表明した朗報を祝っているようでもある。(京都新聞)
■O157騒ぎで出控え JR西日本利用減
 JR旅客6社は19日、夏の繁忙期(7月19日−8月18日)の輸送実績をまとめた。JRの主要な46線区、52区間で特急、急行を利用した人は、上下合わせて約3414万人で、昨年より約20万人減り、5年連続の減少となった。
 JR東日本は約8万人、JR東海は約4万人、それぞれ昨年より増えたが、他の4社が減った。とりわけJR西日本が約22万人減っており、同社は「台風12号の影響のほか、海水浴場などへ向かう列車の利用が落ちており、O(オー)157騒ぎで出控える傾向があったのではないか」と分析している。
 在来線では、京阪神から南紀や若狭方面への臨時の「マリン列車」の利用者数が約6万6000人で前年比88%。海、湖水浴場に近い須磨駅(神戸市)や近江舞子駅(滋賀県志賀町)での近距離切符の発売枚数も前年の2割減だった。
 逆に、白馬や立山への「山のリゾート列車」の利用者数は前年比187%と好調だった。(朝日新聞)
■JR特急・急行 利用前年の91% 福知山支社管内 海水浴・盆期
 JR西日本福知山支社は19日、管内の福知山、播但、山陰線での海水浴・盆期間中(7月19日−8月18日)の旅客利用状況を発表した。海水浴期間中は天候に恵まれたものの、O(オー)157による食中毒の影響もあって海水浴場への客が減少。さらに台風12号の通過も響いて、全期間中の特急・急行の利用は前年の91%にとどまった。普通を含めた全体では対前年比1%増だった。
 各線別の期間中の輸送量(同じ曜日で比較)をみると、福知山線は、特急・急行、普通ともにほぼ前年並みだったが、播但線は特急・急行が前年の78%に落ちたことで、全体として4%の減。山陰線は特急・急行が前年より12%下回った半面、普通の利用が10%伸びて全体では6%増。とくに、京都から下りの普通列車を利用する人たちが増えたという。
 北近畿の各海水浴場で、利用客数が前年を上回ったのは琴引浜(網野町)だけだった。海水浴関係駅の降車人員をみると、但馬海岸のきりはまビーチ(対前年比3%増)と若狭海岸の若狭高浜(同1%増)以外の各駅では前年実績を下回った。
 また、特急で乗車率が高かったのは、いずれも盆期間中で、12日の「タンゴエクスプローラー1号」は180%に達した。(朝日新聞)
21日■京都駅ビル、来秋”始動” 文化施設・8月 ホテル デパート・9月中旬開業
 JR西日本、京都駅ビル開発会社は20日、建設を進めている新京都駅ビル(京都市下京区)の開業時期を発表した。駅ビルに入る文化施設は来年8月に、商業施設の核となるホテルやデパートは同9月中旬にそれぞれ開く。景観論争を巻き起こした国内最大規模の駅ビルは、来秋、京都の新たな商業・文化情報の発信拠点としてスタートする。
 原和安京都駅ビル開発社長らが京都市内のホテルで共同記者会見し、明らかにした。
 交通ネットワークの拠点となる駅は、これまでの方針通り来年7月中旬以降に稼働し、8月1日から京都で開かれる全国高校総体に合わせる。
 駅ビルに入る「ホテルグランヴィア京都」は来年9月11日に開業する。地上16階、地下3階で、延べ床面積約7万平方b。客室数は539室あり、京都で2番目の規模になる。
 売り場面積約3万3000平方bのデパート「ジェイアール京都伊勢丹」と専門店街の「京都駅観光デパート」は同9月中旬に営業を始める。
 両デパートは複合商業施設として駅ビルに入り、観光デパートは同施設のうち4フロア約4500平方bに飲食、土産、衣料などの63店が入店する。
 文化施設(名称未定)は同8月に開館する。ミュージカルなどを上演するメーンホール(1000席)、京都の四季、芸能などを特殊効果で表現するミュージアムシアター(70人収容)などを備え、新しい「遊びの空間」を提供したいという。
 駅ビルは、平安建都1200年を記念して93年12月に着工。東西約470b、高さ59.8bで、地上16階、地下3階、延べ床面積23万8000平方bという府内最大規模の建物。総事業費は約1500億円。
 原社長は「京都の商業、観光の活性化に役立つ施設を目指したい。完成すれば街になじんだ建物になると期待している」と述べた。(京都新聞)
■新京都駅ビル来秋誕生 活力源か競争激化か 波及効果カギに 集客力生かす「南部将来像を」
 「京都駅ビルが完成すれば、広範な地域から人が集まり、都市の活力を生み出せる。京のまちづくりの一時代を画することになる」
 北里敏明京都市副市長は、市南部と北部の接点となる駅ビルに、南部発展の起爆剤として大きな期待を寄せる。
 しかし、京都のまちを囲む三山の保全など「北部保存」に向けた施策が進んでいるのに対し、南部地域の具体的な将来像は依然として描けていない。
 バブル経済の崩壊で、本社機能の南部移転方針を打ち出している企業は、京セラなど数えるほどしかない。
 北里副市長は「高度集積地区の構想を絵に描いたもちに終わらせないよう誘導策に力を入れたい」と駅ビルの集客力を生かすことを強調する。
 だが、駅ビル効果に対する過度の期待を戒める声もある。まちづくり審議会の会長を務めた堀内三郎京都大名誉教授は「駅ビル内の百貨店やホテルに客が集まるだけでは、南部発展にはつながらない」と言い切る。
 集客力を南部の発展に結び付けるには、明確な都市計画が必要との考え方で、「ビルばかりでは街はさびれる。公園や住宅、文化施設をそろえ、ゆとりある地域を創り出してこそ、活気が生まれる」と提言する。
 駅ビルの完成は、百貨店やホテル、劇場などが入居する複合施設の出現でもある。工場出荷額の低迷や事業所の流出、観光客の落ち込みなどさまざまな課題を抱える京都経済だけに、地元経済界から巨大施設誕生に期待を託す声は多い。
 「地盤沈下が目立つ京都にとって、駅ビルの完成は大きな刺激。直接の経済効果はもちろん『新生京都』の象徴として、京都市民や経済界の士気も上がる」と石田隆一京都経済同友会代表幹事は歓迎する。
 地元の商業関係者も「これまで四条や河原町に集中していた京都の商業地図を塗り変える」との期待を漏らす。
 実際、京都の代表的な繁華街である四条や河原町に比べると、京都駅周辺の売り上げ規模は「10分の1ほど」(京都近鉄百貨店)と大きな開きがある。京都駅の利用者は1日平均約50万人と市内一を誇るが「大半が駅を降りるとすぐ次の場所に移る『通過場所』」とも言われてきた。
 それだけに巨大施設の出現は「計り知れないプラス効果をもたらす」(辻俊京都近鉄百貨店専務)。駅ビル完成後は「乗降客数も70万人以上に増える」(JR西日本)と見込まれ、ジェイアール京都伊勢丹も「滋賀県や山陰線を含め他の百貨店より広い商圏を目指す」と意欲的だ。
 その一方、京都高島屋は「市内の百貨店の総売上高は頭打ち。京都郊外に大規模店が次々と出店している現状で、果たして商圏自体が膨らむのか」と疑問を投げかける。
 ホテル業界も、京都市内で2番目の規模の客室数を持つホテルの出現に危機感を募らせる。すでに全面改装に路み切ったり、顧客向けに大幅な値下げ料金を示すホテルも多く、「もし観光客数が増えなければ共倒れになる」(下京区のホテル)と不安をのぞかせている。(政経部 大橋晶子、道又隆弘)(京都新聞)
■地下鉄東西線 山科駅前の再開発事業 ホテルと分譲住宅 A・Cの2棟 きょう着工 98年7月完成予定 計画の4棟出そろう
 京都市が地下鉄東西線の建設に合わせて進めている山科駅前再開発事業で、JR、京阪両山科駅の正面にできるA棟(仮称)=山科区安朱桟敷町=と、住宅施設の入るC棟(同)=竹鼻竹ノ街道町=が21日に着工される。いずれも1998年7月完成の予定。これで再開発事業で計画しているビル4棟すべてが着工することになる。
 A棟は地上8階、地下2階建て、延べ床面積は約8400平方b。地上2階を除く地上部分にブライトンホテル(客室100室)、地下と地上2階に店舗が入る。総事業費は約43億円。
 C棟は地上9階、地下2階建て、延べ床面積約1万2200平方b。地上4−9階は4DKを中心とした家族向け分譲住宅67戸。地下1階から地上3階は信用金庫の店舗や事務所になる。総事業費約42億円。
 再開発事業は、駅前約2.8fにビル4棟と公園、地下駐輪場などを整備し、京都の「東の玄関口」とする計画で、街開きは98年10月の予定。娯楽施設のD棟が昨年3月に完成しているほか、核となる商業施設のB棟は昨年10月に着工(98年6月完成予定)、大丸が出店を決めている。(京都新聞)
■またJR西職員不正発覚 乗車証で急行通勤 6人処分
 割引特急券の不正使用で車掌24人が処分されていたJR西日本で、職員6人が昨年9月、内規で禁じられている職務乗車証を使った通勤時の急行列車利用をして処分を受けていたことが20日、新たに分かった。井手正敬社長が、同日の記者会見で明らかにした。
 不正があったのは、昨年9月6日から11日にかけて。大阪駅を午前8時前に発車する急行「たかやま」(飛騨古川行き)が京都駅に停車した際、改札口で職務乗車証を示して通過しようとする職員がいるのを、張り込んでいた不正乗車防止チームの職員が発見した。降りて来た職員はいずれも京都地区の勤務で、大阪方面から通勤中であることが分かった。
 JR西日本の職務乗車証に関する内規では、通勤時の急行列車利用は禁じられており(公務や、個人旅行では可)、同社は関係した職員6人全員を訓告や、1ヵ月−1年間の職務乗車証使用禁止などの処分にした。
 記者会見で事実を明かした井手社長は、先の割引特急券の不正使用問題とも合わせ「職員の甘えから起きたことだと思う。今後、何らかの監視の仕組みが必要だろう。組合サイドのチャンネルも使ってみるなど、再発防止に努めたい」と述べた。(京都新聞)
■整備新幹線の全額公費負担 さきがけ、反対へ
 22日に開かれる連立与党整備新幹線検討委員会で、新党さきがけは、「未着工区間(延長1050`)の建設費全額を国と地方自治体の公的資金で整備する」とした若林正俊・自民党交通部会長案に同意しない方針を固めた。国全体の交通整備の青写真がない中で整備新幹線の建設を急げは、国や地方の財政負担が大きくなる恐れがあり、各区間の収支見通しを公開した上で、財源の負担割合や着工の優先順位などを検討すべきだ、と主張する。
 財政再建が大きな政治課題となるなか、社民党も若林座長案への全面的な同意には消極的で、連立与党案の一本化は難しい情勢になった。(朝日新聞)
■さらに6人の不正乗車発覚 JR西日本が処分
 JR西日本は20日、社員に支給される「職務乗車証」を使って急行列車に不正乗車したとして、社員6人を訓告などの社内処分にしていたことを明らかにした。
 同社は、車掌11人が職務乗車証を使って特急に不正乗車していたとして、加担した車掌を含む社員26人を先月、出勤停止などの処分にしている。JR社員の特権といえる職務乗車証の乱用が相次いだため、同社は使用方法の見直しを検討する。(朝日新聞)
■関西線で車両故障
 21日午前8時45分ごろ、大阪市天王寺区のJR関西線天王寺駅近くで、奈良発JR難波行き普通電車(6両編成、約200人)の4つのモーターが突然動かなくなった。同駅で点検したが回復しなかったため、傾斜のきつい天王寺−JR難波間の運転を打ち切った。後続の普通電車1本が運休した。(朝日新聞 夕刊)
22日■社説 新京都駅ビルをどう生かすか
 いよいよ新京都駅ビルがほぼ1年後にオープンすることになった。すでに外壁工事が進み、威容が望まれる。
 景観論争を巻き起こした約60bの高さと東西約470bに及ぶ長さは、建ち上がるといかにも巨大だが、新駅の真骨頂は大きさではない。
 鉄道駅に加え、ホテルとデパート、さらに劇場を備えた複合機能を新たな京都の魅力としてどう位置づけ、生かしていくか、が最大のポイントになる。
 新京都駅建設は、12年前に平安建都1200年記念事業に指定され、JR西日本、京都市、京都府、京都商工会議所など「オール京都」の形で取り組んできたものである。
 経済活性化のシンボル的意味合いで、当初からあまりに高層化がテーマになり過ぎた感があるのは残念だが、狙いの一つは四条河原町周辺に偏り過ぎた京都の繁華街を広げ、都市の活力を高めることであったと思う。
 京都駅は1日平均約50万人が利用するが、ほとんど通過するだけである。
 駅周辺にデパート、大手スーパーや地下街、京都タワーなど一定の集客施設はあるものの、売り上げ規模は中心部の10分の1程度だという。何かの魅力が欠けているのだ。
 人が繁華街に出かけるのは、楽しいという期待感があるからだろう。同じ買い物でも単に品物を購入するのではなく、あちこち見て回るのも大切な要素だ。娯楽には施設集積の効果が大きい。
 その意味で、既存の駅周辺業者が新駅ビルの商業・宿泊施設などを競争相手と見るより、相乗効果に大きな期待をもっているのはしごく当然である。
 特にミュージカルの上演や映像を駆使した劇場など文化施設の存在が果たす役割は大きいであろう。
 もう一つの目的は「北部保存・南部開発」構想の起爆剤である。宿命である歴史的風土保全と経済発展の二律背反的課題克服へ南部開発は欠かせない。
 これまで東西に延びる鉄道の存在が道路網など南北分断の原因となり、南部の発展を阻害してきたことは否めない。新京都駅を南北の接点、扇のかなめとして役立てる方策を進めたいものだ。
 さらに海外からの窓口として関西空港のアクセス機能と受け入れ態勢の一層の拡充、整備が必要である。
 京都全体の地盤低下がいわれる中で、少ないパイの取り合いにとどまりはしないか、との懸念があるのは確かだ。
 そうした側面は避けられまい。だが、競争が創意工夫を生み、新たな活力の源になるのも事実だ。全体として京都の魅力を高めることが肝要である。(京都新聞)
■汐留跡地に41社 土地購入や入居応募 国鉄精算事業団売却
 国鉄清算事業団(西村康雄理事長)は21日、旧国鉄債務返済の主要財源となる汐留貨物駅跡地(東京都港区)の一部(3街区、5.3f)について、土地購入やテナント入居の希望者が計41社あったと発表した。5月30日から今月20日まで購入希望者らを応募していた。
 事業団は「現在の経済情勢を考えれば、少ない応募ではない。何とか完売したい」としている。
 事業団によると、自社名で土地購入のための本登録をしたのは7社、代理人を通じて準登録したのが25社、テナントへの入居希望者は9社だった。
 応募した41社では、建設・設計が13社、ホテル・商業が8社、不動産・商社が7社と目立った。シンガポールなど外国の会社も3社含まれている。土地購入希望者のうち8社は1f以上の面積を希望したが、大半の会社は小規模の土地を希望した。
 同事業団は今後、入札の具体的条件などを10月に示し、正式の入札を年明けにも実施する予定。(京都新聞)
■大物−福駅間高架下り線完成 阪神電鉄西大阪線
 阪神電鉄が進めている西大阪線大物駅−福駅間(2.4キロ)の高架化工事のうち、下り線部分がこのほど完成。同区間は31日から高架を使った上下単線運転に切り換える。
 高架工事は、大阪府などの高潮対策事業と大阪市の都市計画事業にも組み込まれ、総工費280億円で平成5年1月から始まっている。今回の高架化で電車は上り下りとも、地面から約5メートル上を走ることになり、2ヵ所の踏切が不要になる。
 また、同区間にある左門殿川と神崎川にかかる橋梁がかさ上げされるため、これまでのように高潮時に防潮鉄扉を閉鎖する必要も解消する。平成10年末ごろには高架上で上下の複線運転を再開する予定。(京都新聞)
■窓 乗りたい客も乗せないバス 右京区・大前健三(会社員・65)
 さる9日、市バス80号系統、午前9時過ぎ西京極から乗車しました。孫2人が五条高倉から乗って西大谷へお参りに行く途中です。バスは高倉の停留所で孫が待っているのに、降りる客がなかったので通過した。慌てて止めてください、と大声で叫びましたが、知らん顔。
 私は運転手の横へ行き、子供が乗るのになぜ止めないのかと聞きましたところ、運転手は「だれが乗るんや、どこにおったんや、だれもおらへんわ」と同じ暴言を繰り返すばかり。私は、しかたなく河原町で下車、高倉まで走って迎えに行きました。
 たびたび新聞紙上をにぎわしている市バス。乗りたい客も乗せない運転手。利用客が少ないために収入がない。赤字だから運賃値上げをするというのは、もってのほか。もっと乗客を大切にして、1人でも多く気持ちよく利用できるように改善するのが先決問題だと思う。観光客の多い京都。もっと親切に対応して気持ちよく、楽しい旅のできる運転手の指導を切望します。(京都新聞)
■JR西日本株 一般投資家の予約は約3倍
 国鉄清算事業団は21日、近く売却するJR西日本株のうち、一般投資家向け95万株に対する購入予約の申し込みが、291万件、707万株(いずれも速報値)あったと発表した。申し込み件数の売り出し予定株数に対する倍率は約3倍。1993年10月に売り出されたJR東日本株が7.5倍あったのと比べると、低調だった。
 ほとんどが個人の申し込み。一般投資家向けの売り出し価格は、75万株を対象に大口投資家が入札した落札価格の加重平均をもとに、29日に決める。(朝日新聞)
■JR西日本株と汐留跡地売却 投資家の意欲盛り上がらず 市場評価は計1兆円以下か
 国鉄清算事業団が近く売り出すJR西日本株と東京・汐留の貨物駅跡地の購入申し込みで、投資家の慎重な姿勢が目立った。旧国鉄から引き継いだ27兆6000億円もの債務を抱える事業団にとって、西日本株と汐留の土地は債務を減らす頼みの網だが、今回売り出す分についての市場の評価は、合計で1兆円に届きそうにない。
・「神話」消えて
 JR西日本株に対する大口投資家の入札や一般投資家の予約申し込みが低調だったことについて、大手証券会社の営業担当者は「『民営化株は上がる』という神話は売全に消えた」と分析する。
 また、JR西日本はJR東日本に比べて赤字路線が多く、収益性が低いことから「東日本もあるのに、わざわざ西日本株を買う必要はないというムードも強い」(外資系証券会社のアナリスト)との指摘もある。
 大口投資家の落札価格の加重平均を参考に29日に発表される売り出し価格は当初、1株40万円ぐらいと予想されていたが、証券関係者の間では、JR東日本の売り出し価格の38万円を下回る、との見方が強い。
 75万株を予定していた入札では約10万株が売れ残る見通しで、一般投資家向けの95万株がすべて売れたとしても、売却株式数は約60万株。38万円とすると、合計で約6000億円にとどまる。
・人気薄に反発
 JR西日本の井手正敬社長は20日の記者会見で「(過去の民営化株が)ブームにあおられて売り出し価格が高めになり、上場後に下がったことを考えれば、上場後の株価や投資家の利益という点で、初めて『成功』する政府放出株になるだろう」と強調した。
 ただ、ある役員は「JR株売却一号として新鮮味のあった東日本と比べられたくない」ともらす。JR西日本は、安定株主の獲得に向け早くから水面下で金融機関や取引先、関連メーカーなどに働きかけてきたが、銀行や生保は慎重だ。「予定している資金の一部で入札して、残りは市場に出てから様子をみて買う、という感じだ」と井手社長もいう。
・購入希望57社
 一方、汐留地区も5月末の説明会に200社が押し寄せたわりには、購入の申し込みは57社にとどまった。ただ、締め切り日の20日の消印分を含めると60社は超える見通しだ。
 今回、売却するのは東京・銀座に近い3街区(合計約5.3f)で、全体のほぼ半分にあたる。57社から情報の非公開を求める25社を除いた32社のうち、購入面積が1社で1fを超すのは九社で、1街区全体を単独で申し込んだのは3社だけだった。今後、各社で調整して、街区ごとに数社でグループを作って開発計画をまとめ、年明けの入札に参加する。
 汐留地区は都心に残る大型物件として、バブル最盛期には全体で4兆円を超えるとはやされた。しかし、大手信託銀行によると、汐留地区全体の現在の評価は4200億円から5200億円。今回売り出される分は3000億円程度という。
 運輸省や事業団は「経済環境を考えると、申し込みは少なくないし、購入に真剣な多いので、売却に不安はない」という。しかし、不動産業界め見方は、もっと厳しい。複数社でグループを組む開発は、企業間の利害調整に手間取る場合が多いが、10月まで事業団が評細な売却条件を示さないことも重なり、調整が間に合わず入札直前になって辞退する企業が出る恐れもあるという。(朝日新聞)
■25日、叡電鞍馬駅 駅コン向けて2校が仕上げ
 「自然とのふれあい」と題した駅コンサート(関西吹奏楽連盟、朝日新聞、朝日放送主催)が25日午後3時、鞍馬山ふもとの叡山電鉄鞍馬駅で開かれる。市立近衛中学、府立北稜高校の両吹奏楽部員計約60人が出演する予定で、仕上げの練習に打ち込んでいる。
 演奏曲は、近衛中が「ヤングマン」「空も飛べるはず」など。北稜高が「イタリアン・フェスタ」「トップ・オブ・ザ・ワールド」など。両校合同の演奏も予定している。
 北稜高校音楽室での合同練習では、同高校の羽野浮教諭(33)の指揮で、テンポの合わせ方などを何度も確認。パーカッションを担当する北稜高校吹奏楽部部長の民谷史雄さん(16)は「いい演奏を目指しています。ぜひ聴きに来て下さい」と話している。(朝日新聞)
■茨木の高校生はねられ死亡 JR湖西線
 22日午前零時35分ごろ、滋賀県滋賀郡志賀町木戸、JR湖西線志賀駅で、下りの線路上にいた大阪府茨木市東太田一丁目、会社員梶原龍彦さん(44)の長女で、府立高槻南高校2年優美子さん(16)が、大阪貨物ターミナル発札幌貨物ターミナル行き貨物列車(21両編成)にはねられ、即死した。
 堅田署の調べでは、梶原さんは同級生4人と近くの水泳場にキャンプに来ており、同日午前零時半ごろからこのうち3人と線路に下りていたが、貨物列車が来たため、ホームに上がろうとして間に合わなかったらしい。貨物列車は現場に約40分間停車、後続の貨物列車1本が約55分遅れるなどした。JR西日本によると、同駅は高架式で、事故が起きた時は改札口が閉められ、駅員も帰っていて無人だったという。(朝日新聞 夕刊)
■値上げ申請を承認
 運輸審議会は22日、大阪高速鉄道(本社・大阪府豊中市)から申請されていた大阪モノレール(柴原−南茨木、10.2`)の運賃値上げを承認した。普通運賃は一律20円、定期は平均8.2%値上げされる。23日に認可、9月1日から実施される。
 また、京都バス(本社・京都市)が申請していた乗り合いバスの平均6.7%の運賃値上げについても承認、9月1日から実施される。京都市内の特定路線の区間運賃は、現行より10−20円引き上げられる。京阪バス、京都市営、江若交通の乗り合いバスの競合区間の運賃も同調して値上げされる。(朝日新聞 夕刊)
23日■鉄道車両の保存探る 交通科学博物館で写真展 歴史的動態保存車両写真展(9月10日−29日)大阪市港区の交通科学博物館
 SLなど、動く状懸で保存されている全国の鉄道車両の写真を通じて、鉄道の変遷を振りかえると共に、文化遺産としての車両の保存方法を探る。
 主催は日本鉄道保存協会で、日本鉄道写真作家協会が協力して、海外を含め計58点を集める予定。展示写真の中には、JR九州が「あそBOY」号として運用しているSL「8620型」(ハチロク)や、JR西日本・梅小路蒸気機関車館の「C61型」などがある。(JR大阪環状線弁天町駅下車)。06(581)5771。(京都新聞)
■整備新幹線 旗振り自民 さきがけ慎重 全額公費か 採算配慮か 財政再建の試金石に
 22日に開かれた連立与党の整備新幹線検討委員会は、未着工区間の建設費の負担方法について、自民党と新党さきがけの意見が対立してまとまらず、年末までに結論を出すことになった。総選挙が近いとみる国会議員の間には、公費負担を多くして早く着工を決め、票集めの有力材料にしようとする動きが高まっている。240兆円の国債残高を抱え、政府・与党が打ち出している「財政再建」が本物なのかどうか。年末までの予算編成の過程で試される。
・年末に結論の方針 与党
 前回の委員会で、自民党の若林正俊交通部会長が、「国が2、地方自治体が1の割合で、建設費の全額を公費で負担する」という案を示している。運行が始まったらJRから貸付料をとるが、金額は決めていない。
 現在建設中の区間は、国35%、地方15%、JR50%の割合で建設費を負担している。JRからの貸付料の水準が未定なので、建設費負担に置きかえるとどの程度になるかわからないが、いずれにせよ公費の負担率は急増する。
 未着工区間を東海道新幹線と同じ規格で建設した場合、5兆2000億円かかると運輸省は試算している。このため22日の委員会では、新党さきがけが「国の厳しい財政事情や、運行したときの採算性に配慮して、答えを急がず、検討を重ねていくべきだ」(高見裕一委員)として自民党・若林案に同意せず、新たに高見私案を出した。
 高見私案は、新しい負担の枠組みを決定するには、健全な経営のためJR各社の同意を要件とするといった注文をつけており、若林案を否定した内容になっている。
 社民党も、27兆円を超える旧国鉄の長期債務問題など国の財政事情を背景に、全額公費による建設には消極的だった。自民党はこの日、若林案についてできれば大節で合意を得たいと考えていたが、各党とも財政再建を共通した政治課題に掲げているだけに、さきがけの「正論」を受けて、自民党も力で押し切れなかった。
 公費に頼る若林案には、大蔵省や自治省の反発が強いだけでなく、自民党内でも、問題区間の沿線を選挙区とする議員を除けば、異論が多い。着工推進派にとってさえ、「連立与党の委員会で全額公費と決めれば、国家プロジェクトと位置づける決意表明にはなるが、政府・与党の最終決定では変更され、そのまま実行される可能性は少ない」という見方が一般的だ。それでも総選挙を控えて「決意表明」が必要だ、と提案されたものだった。
 さきがけの高見委員は、「整備新幹線の建設自体は否定していない。沿線の住民だけでなく、国民全体の合意を得るには、採算性などの情報を示して検討する必要がある」と主張する。だが運輸省は、「採算性を出せば、着工の優先順位がおのずと見えてくる。悪い数字が出た沿線の議員は困るはずだし、どこを優先するか政治判断がないうちは出せない」としり込みする。
 総選挙を控えて、永田町も霞が関も落ち着かない状態だが」、委員会を来月からも毎月2回ずつ開き、年末までに連立与党案をまとめる方針だ。(朝日新聞)
■京都市バス・地下鉄値上げ 申請通り運輸省認可 1日から実施
 運輸省は23日、京都市バス・地下鉄の運賃値上げを申請通り認可した。9月1日から実施される。運賃値上げは1992年4月以来となる。
 値上げで、市バス(均一区間)は現行の大人200円が220円に、子供は100円が110円になる。地下鉄は初乗り(1区)が同180円から200円になるほか、4区まで各区間とも20円(子供は10円)ずつ上がる。
 京都市は、この値上げでバスは年間14億4000万円、地下鉄は11億8000万円の増収を見込んでいる。しかし、それでも多額の不良債務が残るため、5月議会で示した「市バス事業の今後の展望」に基づいて事業再建に取り組み、99年度末での不良債務解消を目指す、としている。
 また、京都バス(京都市右京区)の運賃値上げも申請通り認可された。(京都新聞 夕刊)
■寅さんが旅立った この駅で 追悼電車 笑顔のせ 柴又駅のある京成金町線走る
 亡くなった俳優の渥美清さんをしのんで京成電鉄(本社東京都墨田区)が23日、寅(とら)さんゆかりの柴又駅のある京成金町線などで渥美さんの似顔絵や写真で飾った特別電車を走らせた。25日まで運行する。
 追悼電車は4両編成で、先頭と最後尾の車両に似顔絵を付けた。車内の中づりの広告は、映画「男はつらいよ」シリーズのポスターや写真約100枚に入れ替わり、どこを見ても寅さんの笑顔でいっぱい。
 乗り込んだ通勤客らはいつもと違う電車に最初びっくりした様子だったが、やがて写真などを感慨深げに眺めていた。
 追悼電車は主に京成金町線の京成金町−京成高砂間を20分間隔で運転、朝夕の一部時間帯に千葉中央−京成上野間でも運行する。
 寅さんが妹さくらに見送られて旅立つシーンで度々舞台になった柴又駅では期間中、シリーズ全48作のポスターが展示されている。(京都新聞 夕刊)
24日■JR固定資産税、東日本除き6社軽減継続を 運輸省要求へ
 運輸省は23日、1997年度の税制改正で、87年の国鉄分割、民営化時に始まって本年度で終了するJR7社に対する固定資産税軽減措置を、東日本を除く6社については継続するよう要求することを決めた。延長期間などの詳細は今後詰める。
 この軽減措置により、JRが旧国鉄から引き継いだ資産の課税評価額は半分以下に抑えられ、JR全体の固定資産税は年間で600億円軽減され、このうち東日本分が最大の約300億円を占めている。自治省は「(採算が悪い)ローカル線を持つ北海道、九州、四国の3社については検討対象となるが、他社については難しい」との考えで、調整は難航しそうだ。
 軽減措置の継続については、西日本、東海は「全額支払うことも可能だが、できれば延長を認めてもらいたい」との立場。経営基盤の弱い北海道、九州、四国の3社と貨物は延長を強く希望している。東日本は、経営が安定しているため、自社に関しては「ルール通り軽減措置を終えるべきだ」(松田昌士社長)との考えだ。(京都新聞)
■「のぞみ」に乗り維ぐ新幹線回数券を発売
 JR西日本は23日、山陽新幹線の「のぞみ」が停車しない駅から「のぞみ」に乗り継いで東京まで利用できる回数券を9月1日から発売すると発表した。発着駅は新倉敷、福山、新尾道、三原、徳山、小郡の6駅で、それぞれ普通車用とグリーン車用がある。6枚つづりで通常の運賃より平均7%の割引きになる。同社は、東京出張などのビジネス客を中心に年間約2万4000人の利用があると見込んでいる。(朝日新聞)
■バス均一区間220円に 京都市バス・地下鉄 来月1日から運賃改定
 京都市交通局は23日、市バスと地下鉄の運賃を9月1日から改定すると発表した。この日、運輸省の認可を得たためで、京都バスとの調整路線についても併せて改定するという。7月に市バスと京都バスの2事業者が申請して始まった京都市内のバス運賃値上げは、京阪バス、京都交通、阪急バス、近畿日本鉄道、西日本ジェイアールバス、江若交通の6社も追随し、結局計8事業者が9月1日に一斉値上げすることになった。
 新しい運賃は、市バスの均一区間が大人220円(現行200円)、地下鉄の初乗り運賃が大人200円(現行180円)となる。
 現在の市バス普通回数券は差額を添えて使用できる。地下鉄回数券は有効期間中はそのまま使える。市バス昼間割引回数券、市バス専用一日乗車券カードなどは12月1日以降は無効になり、払い戻しもできなくなるものもある。運賃や乗車券についての問い合わせは、市交通局の案内所「075・801・2561)などへ。(朝日新聞)
■30年ぶりに様式を変更 京都市バス定期券
 京都市交通局は23日、市バスの定期券の様式を9月1日から変えると発表した。コンピューターの導入に伴うもので、様式の全面的な変更は約30年ぶり。8月31日までに発行した定期券は、有効期間中はそのまま使える。
 新しい定期券はコンピューターで印字される三つ折りタイプ。記載内容がバーコードでも表示されており、継続で定期券を買う場合の発行時間が大幅に短縮されるという。端末機は市内13ヵ所の定期券発売所に計19台設けられる。
 従来の定期券の発行は、発売所ごとに主な停留所名や系統番号などのゴム印が350個、金額別などの台紙が90種類あり、職員が手作業で作っていた。コンピューター化によって、売上集計なども自動化できる利点があるという。(朝日新聞)
■ビジネス戦記 官の論理 民の知恵 JR東日本最高顧問 住田正二 D 宿命か、JR東日本社長に 安全問題には頭痛める 好況も味方、株上場達成
 国鉄の分割民営化を目前にした1987年2月、運輸大臣の橋本龍太郎さんに呼ばれました。新聞はすでに、私がJR東日本の社長になると書いていまんた。橋本さんはあの独特な言い回しで、「もう逃げられませんよ」と言われました。国会、航空、国鉄の「3K」には行かないはずでしたが、行き先は「J」に変わっていました。
・常務以上を大部屋に
 ぼくらが作った再建計画がうまくいく保証はないし、本音を言えば、そろそろ自由の身になりたかった。ただ、どうせ失敗するなら自分で責任取ったほうがいいとは思いました。他人に任せ、計画が悪いから挫折したと言われてはかないません。
 私はJR東日本の組織図を事前に見せられ、運転部と車両部、施設部と電気部を一緒にさせました。そしてもう一つ、私を含む常務以上の全役員を大部屋にまとめました。そのほうが話が早いし、一体感が持てる。私もよく通った昔の国鉄本社は、常務理事の個室が馬小屋みたいに並び、各部屋の入り口に男女一人ずつの秘書が控えていた。縦割り、系統別組織の象徴です。そうならないよう、突貫工事で壁をぶち抜きました。
 社長公用車の番号は「4988」。四苦八苦の一歩手前です。ただ、それほど悲観はしませんでした。なにしろ、国鉄時代とすべて反対のことをやればいいんです。
 4月の月次決算は好調でした。5月、6月もよく、いけるというムードになった。実はJR発足の直前から、その後4年半も続く戦後2番目の大型景気が始まっていたのです。初年度は計画の3.6倍の経常利益が出ました。バブルで東京の地価が急騰し、首都圏のサラリーマンが郊外に分散したことも売り上げの追い風になりました。
・投資抑制が基本姿勢
 国鉄時代にしみついた中央集権の風潮を一掃するため、現場第一主義を掲げ、初年度に全路線約7500`を見て回りました。3年目の夏、秋田の土崎工場で植樹を求められたときのことです。直径20aほどに育った傍らの木に、第5代国鉄総裁、石田礼助さんの名を見つけました。以来、20年以上もトップが来ていなかったのです。
 民間会社となり、8万人の社員がいつも私を見ていると感じました。89年11月、福島県の常磐線で貨物列車の接触事故が起きました。上下の線路間隔が狭かったためで、現場からの報告ミスが原因でした。記者会見で「たるんでいるからだ」と言われた私はつい気色はみ、「みんな一生懸命やっている。どこがどうたるんでいるのか」と言い返し、「こんな会見、もうやめましょう」と席を立ちました。数日後、福島の保線区長から「よくかばってくれた」と手紙をもらいました。
 88年12月に起きた中央線東中野駅の死傷事故はつらかった。第一報は、月曜日の常務会の最中でした。すぐ病院に向かいましたが、最初の安全総点検月間の直後で、安全問題の難しさを思い知りました。
 経営面で気をつけたのは、投資を減価償却の範囲内に抑えることです。その投資も新線や複々線化ではなく、ホームを延ばして車両を増結するとか、安全、サービス向上面に集中させました。国鉄が悪くなった原因は労使関係にもあるが、やはり野放図な投資です。採算に不安のある海浜幕張(千葉市)の百貨店、上野駅の超高層ビル計画は途中で撤退しました。運輸省から頼まれた常磐新線建設への参加も断りました。
・次の目標は増配実現
 JR東日本の経営は、謙そんして95点。正直言って120点と自負しています。国鉄末期の13年間には、計11回、都合4倍近い運賃値上げがありました。JRの本州3社は、消費税導入時を除き一度も上げていません。景気の波にも恵まれ、90年に1割配当を達成し、93年には株式の上場を果たしました。この先10年くらいで、1割5分から2割の配当を実現したい。それも、運賃を上げないことが前提です。
 義父の山崎種二(山種証券の創業者)は、最後の相場師と呼ばれました。彼の相場観は「いいことは長続きしない。悪いことも長くは続かない」でした。業績がいい時は気を引き締め、悪いときは悲観しないことが大事だと思います。
 幸い、国鉄時代の政治圧力は影を潜めました。政治家も分割民営の精神を理解したからでしょう。理解してないのは役人です。ぼくは古巣に嫌みをいうから評判悪いんだが、いまの関係省庁がJRの自主性を十分尊重しているとは思えません。(朝日新聞 夕刊)
25日■窓 青春18切符で身軽な旅体験 園部町・内山てる子(主婦・47)
 大学へ行っている息子が合宿先から青春18切符で帰ってきた。5人で使えば1日乗り放題。1人で使えば5日間乗り放題のその切符を、ちょっと拝借して、久しぶけに鉄道の旅に出てみた。手には時刻表とほんの2、3000円が入った財布があれば十分。
 朝4時41分の始発電車に乗り込むところからスタート。目的はあってないようなもの。今日一日どんな旅ができるか、それが楽しみ。とりあえず日帰りで広島まで行ってみよう。京都、姫路、岡仙、倉敷、尾道とテレビドラマの舞台になったところばかりを次々と通り過ぎていく。午後零時14分広島到着。300`は来ただろうか。そんなに遠くへ来た気がしない。それが広島という町の雰囲気なのかもしれない。
 原爆ドームヘ行って見た。初めて自分の目で確かめた戦争の傷跡だ。山のように積まれた千羽づるに多くの人々の広島に寄せる思いが感じられ、胸が熱くなる。もう帰ろう、今日の旅はここまでにしておこう。午後3時25分広島を後にする。夜11時6分スタート地点に帰って来た。良い旅ができた。(京都新聞)
■「神話」崩れ投資家慎重 29日に売り出し価格決定 民営化株で最低か 10月上場のJR西日本株
 JR西日本が10月、NTT、JR東日本、日本たばこ産業(JT)に次ぐ民営化株として、株式を上場する。政府保有株の放出をめぐる「値上がり神話」は既に崩れ、投資家の慎重な姿勢が目につく。8月29日に決まる売り出し価格は、4つの民営化株で最低に落ち着きそうだ。「要するに普通の株になったということです」。証券関係者はJR西日本株について、一様に指摘する。かつては民営化株といえば値上がり期待が先行、「政府の放出株だから必ず上がる」という根拠のない言葉に投資家は踊らされた。注目の売り出し価格は、入札が低調だったこともあり、かなり低くなりそう。「JR東日本の8割ぐらい」(市場関係者)として、一時は1株40万円程度(5万円額面)との予想が多かった。しかし今は「東京電力と比較して配当利回りを基準に算定すると、理論的には27万円」(外資系証券アナリスト)との見方も出ている。
 証券会社からは「低めに価格が決まって徐々に上昇するのが理想的」との本音が聞かれる。「30万円ぐらいの低価格で売り出される方が個人投資家が買いやすく、市場活性化のきっかけになる」(準大手証券)との声もある。
 NTT株は1987年に上場。バブルの初期だったこともあり、119万8000円の売り出し価格が、上場後3ヵ月足らずで318万円に急騰した。しかしピーク後は下落傾向が続き、92年8月には45万3000円にまで落ち込んだ。
 JR東日本は上場後の初値が60万円と、売り出し価格の38万円を大きく上回ったものの、その後は失速。JTは上場後、第一次の売り出し価格143万8000円を上回ったことがない。売り出しで購入した投資家は、もうける機会が全くなかったことになる。
民営化株の推移
 上場年月売り出
し価格
上場
初値
売出し
後高値
売出し
後安値
8月23日
終わり値
NTT第1次87年 2月11916031816081
 第2次(87年11月)255-275196
 第3次(88年10月)190-19745
JR東日本93年10月3860613853
JT第1次94年10月1431191207180
 第2次(96年 6月)81-8780
JR西日本96年10月????
(注)単位万円、万円未満切り捨て。NTTの第2次と第3次、JTの第2次は売り出し年月。
売り出し後の高値、安値はNTT、JTの場合、次回売り出しまでの期間の株価。
 民営化株の上場では、価格が過度に上下動しがちなため、「入札方式を改め、引き受け方式にすべきだ」との主張が出ている。JR西日本の売り出し価格の決定方式をめぐって昨年開かれた「JR株式の売却懇談会」で、大手証券会社が強く求めた。
 一般企業の上場同様、証券会社が価格決定、販売の責任を負うようにすれば、市場実勢に見合った価格が形成されるとの主張だ。
 しかし、証券会社がいったん引き受け、売却価格を自ら設定することになれば、証券会社間で競争が激化するため、多くの証券会社が反対。加えて「国の財産の処分になるため、価格決定の透明性、公正さを重視」(国鉄清算事業団)との方針から、入札方式が踏襲された。
 ただ「引受証券会社が価格に責任を負ってこそ、投資家は納得して購入できる」(証券アナリスト)との指摘は根強い。来年以降、JR東海の上場などで再び論議される可能性がある。(京都新聞)
■駅ビル、コンクリ塊が落下 横浜
 24日午後2時20分ごろ、横浜市西区高島二丁目のJR横浜駅東口の駅ビル「横浜ルミネ」の吹き抜け屋根のガラスが大きな音を立てて割れ、その下の地上踊り場に重さ約12`の円柱形のコンクリート塊1個が落下、吹き抜け屋根の枠に同形の別のコンクリート塊1個がひっかかった。けが人はなかった。23日にも同駅西口近くで、石うすが落下する騒ぎが起きている。神奈川県警捜査一課と戸部署は、23日の落下との関連を含め捜査している。県警などによると、コンクリート塊の大きさは高さ約30a、直径約15a。塊が落ちた踊り場は通行人がさほど多くないところだった。
 現場の1階踊り場と、その下の地下通路を吹き抜け屋根が覆っている。塊はこの屋根を突き破って、踊り場の手すりにぶつかり内側に落ちた。地下通路側に落ちれば、買い物客を直撃、惨事を招きかねなかった。
 横浜ルミネによると、同店ビルの高さは約43b。落下した側の壁面の窓ははめ込み式で開閉はできないという。屋上にはビアガーデンがあり、この日は天候不順のため閉店していたが、一般客は自由に出入りできたという。屋上の周周は高さ約3bのフェンスで囲まれていて、工事などは行われていなかった。県警では、何者かが屋上から投下した可能性もあるとみて、調べている。(朝日新聞)
■駅のエスカレーター 正し乗り方は? 歩くか止まるか 「歩いて」の西 混雑かなわん 「止まれ」の東 事故防止優先
 駅のエスカレーターは、急ぐ人のために片側を空けるべきか、それとも安全のため動かずにいるべきか。悩んでしまうが、鉄道会社の対応もところによって違う。事故防止などを優先するところは「歩かないで」と張り紙をし、混雑緩和重視派は「左側を空けて」などと放送している。実際は、利用者のその場その場での対応に任せているのが現状だ。
 東京都千代田区の営団地下鉄有楽町駅は、歩行を制止する張り紙を出している。手書きで「エスカレーター内での歩行は思わぬ事故のもとになりますのでおやめ下さい」という文面。
 「歩いている人に突き飛ばされて危ない思いをした」「片側を空けろと怒鳴られた」といった乗客の苦情を受けたためだ。「歩行で大きな負荷がかかるとエスカレーターが停止することもあり、安全のためには歩かない方がいい」と菅原教行助役。
 ただ効果はあまりない。特にラッシュ時は、左側に寄って立つ人と、右側を歩く人に一斉に分かれるという。菅原助役は「歩くのが当たり前だ、という意見もあるだけに、指導まではできません」。
 営団地下鉄自体、歩くことは危険、という見解だ。「ぶつかった、肩が触れたと、いざこざが起きやすい。お年寄りや体の不自由な人は、片側を歩かれるとバランスを崩したりして危ない」
 だが、実際に歩いている人については「お客様が自分の判断でやっていることですから、歩くなと強制するのも…」と利用者の自覚に任せるという形だ。
 都営地下鉄は「利用客の間でも歩きたいという人と、危険だからすべきでないという人で意見が分かれているのでどぢらとも決められない」と、何も掲示はしていない。
 一方、大阪の私鉄、京阪電鉄はプレートをはって、「お急ぎの方に左側を空けましょう」とエスカレーターの片側通行を呼びかけている。
 利用者からの意見で、「エスカレーターの流れが悪い」といった意見が多いため、京橋などいくつかの駅で片側通行を試した。急停止などの事故もなく、1993年から本格的に始めた。
 すんなりと定着、流れがよくなった、と利用者からは好評だという。「無秩序に並んでいる中を強引に歩かれるより、この方が危険が回避できてよいのでは」と同社。
 同じく大阪の阪急電鉄も、テープで「左側を空けて下さい」と放送している。ただ、走ることは危険との判断で「走って上り下りしないで下さい」という放送も。「かきわけて他の乗客の迷惑にならない限り、片側通行は住み分けのルールとご理解いただいている」と同社は説明する。
 JR東日本は、エスカレーターには特にないが、東京駅構内の動く歩道に「急ぎの方は右側をお通り下さい」と表示している。こちらは右側が歩行用。表示は「お互いにスムーズに使ってもらうための目安」だが、「歩くと、他の人とぶつかったり、降り口でつんのめったりするので、難しい面もある」と話す。
メーカー困る 結局自分の判断と責任 欧州では「片側空け」が定着
 メーカーは片側通行に困惑する。三菱電機は、立ち止まって乗るのを想定して、エスカレーターを設計している。
 だが、歩くことを前提にして設計を変更するとなると、歩行可能な新しいエスカレーターと従来のエスカレーターの2種類ができてしまい、混乱が生じかねない。「だからといって、全く歩くな、というのは今や実態と離れすぎている。私たちにとってもジレンマなんです」
 交通評論家・岡並木さんの話 ロンドンでは駅のエスカレーターの手すりのわきに「右側に立て」と書いてありましたし、一般にヨーロッパでは片側空けのルールが定着しているようです。日本では、万一の事故の際、管理責任を強く問われるために制限してしまいがちですが、私は片側空けのルールに賛成です。立ち止まることも、歩くこともできる。ただし、歩いて事故が起こっても、それは自分の責任と考えるべきです。(朝日新聞)
26日■動きだす旧国鉄債務処理 国民負担20兆円 1人16万円 秋にも政治問題化 政府 概算要求で検討
 旧国鉄の負の遺産、国鉄清算事業団に残された長期債務の処理案策定作業が今月末の来年度予算概算要求を機に動きだす。運輸省が資産売却で賄いきれない債務を分離する方針を正式に打ち出すのを受け、政府、与党は年末にかけて検討を進めるが、国民1人当たりの負担額は16万円、住宅金融専門会社(住専)処理を大きく上回ることから、今秋以降の最大の政策課題として政治問題化するのは必至だ。
 1987年4月、国鉄分割、民営化に伴って発足した国鉄清算事業団は、土地やJR株などとともに37兆1000億円に上る国鉄や鉄建公団の長期債務などのうち、25兆5000億円(元本)を受け継いだ。その上で、資産を売っても返済し切れない13兆8000億円は、閣議で「最終的には国が処理する」ことを確認した。以来、事業団は合計13兆円余を返済してきた。しかし、そのほとんどは現行で年間1兆3000億円に上る利払いに消えた。逆に収入不足を補うため新規の借入金が発生し、債務残高はことし4月末で27兆6000億円に膨れ上がった。
・バブルの不運
 利子補給など国の助成策が不十分だったという構造的要因に加え、バブル期には「地価高騰をあおりかねない」として土地売却を中断。その後はバブル崩壊に直撃され、JR株を含めて逆に売りたくても売れないという不運に見舞われたのが主因だ。
 事業団が全国に保有する3500fの土地処分は実質来年度中に終えることとされている。運輸省はこれに合わせ、JR東、西日本に続く東海株の売却も来年度中には実現したい考え。
 大蔵省は、従来「財源が未定の現状では時期尚早」(主計局)と、処理策策定に慎重だった。しかし、最近では「結果として処理のスキームが得られるようにしたい」(主計局)として来年度予算編成作業の中での検討に前向きの姿勢に転じた。
 政府は、9月にも設置される連立与党の旧国鉄長期債務処理ワーキングチームの審議と並行して、大蔵、運輸両省を中心に検討作業に着手する。
・利用税構想も
 長期債務返済の財源となる資産は今後の地価や株価にも左右されるが、ことし4月末時点で7兆4000億円。必要額の4分の1程度しかない。
 残り20兆円程度の返済期間を10年に設定すると、単年度の返済額は約2兆6000億円、20年間では約1兆6000億円と推計されている。
 今のところ、赤字国債に頼らない根本的解決手段としては@JRの運賃に上乗せして徴収する「鉄道利用税」などを設けるA消費税率を引き上げるB歳出削減で資金をねん出する−などの案が浮上している。
 ただ「鉄道利用税」は、JR各社が「既に国鉄分割、民営化の際、応分の債務を負った。これ以上の負担増は、運賃の値上げを通して経営悪化を招く」と強く反発しているほか、仮にJR全社の売上高約4兆円の10%を徴収しても4000億円で、財源の柱にはなり得ない。
 消費税率を引き上げれば、1%で2兆円弱の税収増となるが、来年4月の5%への税率引き上げの後、早期の再引き上げを当てにできる状況にはない。
 歳出削減については、大蔵省が整備新幹線の未着工区間計画棚上げや建設費圧縮の可能性をほのめかしている。運輸省に国費負担の「代償」を求めるものだが、建設推進派国会議員の反発は必至だ。
 衆院解散をにらみ、各党とも国民に新たな負担を求めることになる債務処理問題に及び腰といわれる。このため、当面は赤字国債発行で返済資金を手当てしながら、中・長期的な観点から増税と歳出全体の削減を組み合わせて財源を確保する道を探ることになりそうだ。
・返済の不足分 切り離し提起 運輸省
 運輸省は来年度予算概算要求に当たり、事業団の旧国鉄長期債務から自己資産売却で返済し切れない不足分を分離する、という案を大蔵省に提示する。
 「国鉄清算事業団の自己資産をすべて処分しても残る債務は最終的に国が処分する(国民負担)」という政府方針をベースに「これ以上、債務処理の先送りをしても事態は好転しない。逆に利払いや新規借り入れなどで、一段の債務累増を招くことになる」(同省首脳)との危機感から問題提起の口火を切るものだ。
 運輸省案は、現時点で20兆円程度の不足額を97年度の予算で事業団の会計から国の一般会計などに移し、98年度に事業団を整理、残務を運輸省が所管する他の特殊法人に引き継がせることを想定している。
 その財源について、亀井善之運輸相は「9月に発足する予定の連立与党のプロジェクトチームなどの場で検討してもらいたい」としている。20兆円という巨額の債務処理額は、年間予算1兆円弱の運輸省予算の一部を投入したとしても焼け石に水。財源を決める能力は財政当局と政府、与党全体の判断にゆだねるしかないとの判断からだ。
 運輸省の案に対しては「一刻も早く厄介な問題を放り出したいからだ」(政府関係者)との批判もある。しかし、運輸省鉄道局の幹部は「事業団の資産処分が終わるまで先送りする方法もあるだろうが、いずれは手をつけなければならない。早めに問題を提起し、国民の合意形成に時間をかけるべきだ」と反論している。
・期限を決めて悪循環なくせ 藤井弥太郎慶応大商学部教授
 債務が膨張したのは、土地などの資産売却が遅れ、金利負担が大きくなったためだ。この間、国は金利軽減などのバックアップをしてこなかったが、これは国鉄が公費助成がないまま借入金で建設を行い、経営を悪化させたローカル線や貨物事業と同じ構図だ。
 ただ、国鉄の分割、民営化当時から、事業団資産の売却収入では債務を返済し切れず、国民負担が必要になることは分かっている。先延ばしすれば利払いがかさみ、これまでの悪循環を再び繰り返すだけだ。たとえ不人気でも、政治家や政府は国民に呼び掛ける責任がある。
 財源問題については、やれることはすべてやるしかない。赤字国債を発行するなら、その償還期間内に最終的な負担の在り方をはっきりさせる必要がある。国の歳出削減努力は債務問題があろうとなかろうと行わなければならないが、その合理化のメリットを旧国鉄債務処理にも配分し、それでも残る部分は、増税などにより国民全体で長い時間をかけて負担する。一つの手法だけでは不可能なので、財政当局が知恵を出し、バランスのとれた組み合わせを考えていくべきだ。(談)
・国鉄溝算事業団の債務償還に関する基本方針(88年1月26日閣議決定) 土地処分収入などの自主財源を充ててもなお残る事業団などの債務は最終的には国が処理する。それに必要な「新たな財源・措置」は雇用対策、土地処分の見通しがおおよそつく段階で、歳入・歳出の全般的見直しと合わせて検討、決定する。(京都新聞)
■丹波路 町営バスで満喫を 5町がスタンプラリー 特産品の賞品も
 丹波の緑豊かな景観を町営バスに揺られながら楽しみませんか−。京都府船井、北桑田両郡の日吉、和知、瑞穂、京北、美山町の五町が、来月1日から「バスの日」の同月20日まで、各町営バスのスタンプラリーを実施する。
 スタンプラリーは、年々、住民や観光客の利用が減っている町営バスの利用促進を狙いに、5町が共催で初めて企画した。期間内に5町のバスを利用すれば、各町自慢の特産品などを抽選で計25人にプレゼントする。
 所定のラリーカードを持って各町営バスに乗車、バスの運転手に乗車証明となるスタンプを押してもらう。5町すべてのスタンプがそろえば、最寄りの町のバス担当課に提出する。
 瑞穂町で日祝日に定期運行されている昔懐かしいボンネットバス(桧山−質志鍾乳洞公園など2路線)を含め、丹波の初秋の沿線風景をゆったりとバスに揺られながら楽しむ企画となっている。また、抽選以外で期間内に最も早く5町のバスを利用した人に、早回り賞を贈る。ラリーカードは各町営バスの車内に置き、カード提出者には参加賞も用意している。(京都新聞 夕刊)
■汐留跡地に76社が応募 精算事業団用地売却で
 国鉄清算事業団(西村康雄理事長)は26日、旧国鉄長期債務返済の財源となる汐留貨物駅跡地(東京都港区)のうち銀座に近い3街区(5.3f)について、土地購入やテナント入居の応募が郵便による申し込みを含めて最終的に計76社あったと発表した。
 今回の募集は来年早々にも行う入札参加の前提となるもので、事業団は5月30日から今月20日まで土地購入希望者らの登録を受け付けていた。
 汐留跡地は国鉄債務返済の主要財源として期待されたが、現在の評価額は数千億円程度。事業団は「現在の経済状態を考えれば、まずまずの応募」としている。(京都新聞 夕刊)
■新幹線ホームから飛び降り男性主体 JR京都駅
 26日午前8時40分ごろ、京都市下京区のJR京都駅の東海道新幹線ホームで、男性が下り線のホームから降りて線路を横切り、南側の防音壁のすき間(約70a)から駅の外に飛び降りた。男性は約12b下の八条中央口近くの道路に停車中のタクシーの後部トランクに落ち、頭の骨などを折り、意識不明の重体。タクシーの運転手らにけがはなかった。
 七条署によると、男性は50歳ぐらいで名古屋駅から新大阪駅までの自由席の切符を持っており、京都駅に到着した博多行き下り「ひかり」を下車直後に飛び降りたという。
 同署は自殺ではないかとみて身元確認を急いでいる。
 JR東海によると、駅員は男性が線路に降りたのを見て、駅構内の列車防護スイッチを押し、発車を止めた。この事故で、上下計3本が約10分遅れた。(京都新聞 夕刊)
■残額あっても通せんぼ 印字満パイで”アウト” 関西鉄道共通カード システムに”欠陥”発覚
 関西の私鉄4社と大阪市営の地下鉄、バスで共通利用できるプリペイドカードシステム「スルッと関西」で、カードに印字される利用記録がいっぱいになると、残額があっても自動改札機を通れない”欠陥”があることが分かった。
 気付かずにカードを入れると、警報ブザーが鳴り扉がぴしゃり。会社側は、残額分の新しいカードと交換できるとしているが、切符を買う以上の手間が掛かるだけに、利用者から「何がスルッとや」との不満も漏れる。
 このシステムは今年3月に導入された。1枚のカードで各交通機関の自動改札機を通って乗り継げ、残額が運賃に足りなくても降車駅で精算すれば済むという便利さで、利用者を増やしてきた。
 ところが、カードは1回利用するごとに、降車駅の改札機で区間と料金の記録が自動的に印字されるが21回分のスペースしかない。このため5000円のカードで、短い区間を頻繁に使えば記入し切れず、残額があっても改札機を通れない。
 阪神電鉄では6月の実績で定期以外の利用の約10%をカードが占め、記録がいっぱいになったケースでの交換は1日平均100−180枚あるという。
 しかし「特に苦情はない」(阪神)「印字のおかげで利用者は常に残額が分かり便利」(阪急電鉄)などといずれも「システムの変更は考えていない」としている。(京都新聞 夕刊)
27日■汐留駅跡地購入 64社が応募
 国鉄清算事業団が売り出す東京・汐留貨物駅跡地の購入に応募した企業64社の内訳が26日、事業団が関係者に限定して閲覧させた資料で明らかになった。森ビル、オリツクス、十字屋など18社が自社購入に名乗りを上げたほか、銭高組、竹中工務店、三菱商事、安田信託銀行など23社が購入希望者の代理人として申し込んだ。これらの中には、不動産開発会社、ファー・イースト・コンソーシアム・インターナショナルなど香港企業が日本法人を含め3社あった。残りの23社は匿名を希望しているため、社名は明らかにされなかった。今後、各社は相互に情報を交換しながら調整し、数社でグループを作って開発計画をまとめ、年明けの入札に参加する。
 事業団が今回、売却するのは銀座に近い3街区(合計約5.3f)で、全面積のほぼ半分にあたる。運輸省・事業団は「この経済環境の中での申込数としてはまずまず。売却には自信がある」としている。
 一方、応募したアジア企業やその現地法人は企業名を非公開にしている23社の中にも、複数社含まれている、とみられる。アジアの経済成長と都心の地価下落が、この背景にあるようだ。運輸省や事業団は「開発に意欲を持つ企業なら国は問わない」と歓迎している。
 汐留地区は、都心に残る最後の大型開発用地として、バブル経済のピーク時には全体で4兆円ともいわれた。大手信託銀行などの試算では、現在は8分の1から10分の1近くに値下がりしている。(朝日新聞)
■JR旅行センター店長 回数券を換金 着服し懲戒免
 JR西日本Tis 岡山旅行センター(岡山市)の元店長(52)が、不正に新幹線回数券を金券ショップに売って約2800万円を着服していたことが、27日までに分かった。同センターの元社員(37)が約300万円を着服していたことも判明し、同社は7月末付で2人を懲戒免職にした。
 JR西日本の調べによると、元店長はTis福山(広島県福山市)、岡山の両旅行センター店長だった1994(平成6)年11月からことし6月にかけ、新幹線回数券を勝手に持ち出し、福山市内の複数の金券ショップで換金し、計2814万円を着服した。元店長は換金した回数券を事業所に売ったとして架空の売掛金伝票を作成、決済日には別の回数券を売って穴埋めしていた。(京都新聞 夕刊)
■神戸高速値上げ答申
 運輸審議会は27日、阪急電鉄、阪神電鉄、山陽電鉄、神戸電鉄の私鉄4社が乗り入れている神戸市の神戸高速鉄道線の運賃について、4社の申請通り平均13.4%の引き上げを認める答申をした。運輸省は28日に認可し、新運賃は9月5日から実施される予定。
 普通運賃は、現在110円の三宮−新開地間や湊川−元町間が120円、120円の三宮−西代間や湊川−西代間が140円になる。定期は平均14.1%値上げされる。(朝日新聞 夕刊)
28日■神戸高速の値上げ答申
 運輸省は27日の運輸審議会で、神戸高速鉄道(本社神戸市)が阪急、阪神、山陽、神鉄の私鉄4社と共同で申請していた車両乗り入れ区間(計7.6`)の運賃値上げについて、申請通り認める答申を出した。28日運輸大臣に認可され、9月5日実施される予定。
 平均値上げ率は13.4%で、三宮−新開地間など現行110円の区間が120円、三宮−高速長田間など現行120円の区間が140円になる。
 神戸高速は値上げ理由として、阪神大震災で全壊した大開駅の復旧費総額が約140億円に上ることなどによる経営悪化を挙げている。(京都新聞)
■運輸省 旧国鉄債務処理盛る 総額3.3%増の9802億円 来年度予算概算要求
 運輸省は27日、1997年度予算の概算要求をまとめた。国鉄清算事業団が抱える旧国鉄長期債務のうち、土地やJR株式など事業団の資産売却で返済できない分は事業団から分離、その具体的な処理策は年末までに決定するという国鉄改革の総仕上げに向けた債務の本格処理着手の方針を打ち出している。
 概算要求の総額は96年度当初比3.3%増の9802億円。旧国鉄関係以外では、整備新幹線の未着工区間の着工を要求しているが、金額は明示しない「事項要求」。成田空港の未買収の用地費100億円なども盛り込んだ。
 旧国鉄の債務残高は来年4月で28兆3000億円に達し、分離する債務元本は20兆円強に達するとみられる。
 事業団の資産は、来年10月をめどに特殊法人の鉄道整備基金に移管。整備基金が移管資産に見合う額の元本部分を償還していく。それ以外の元本と利子分は国の会計に移し、財源問題は今後大蔵省と詰める。事業団は98年度中に廃止するため職員の再就職対策を97年度から始める。
 経営基盤が弱いJR北海道、四国、九州の三島会社対策としては、鉄道整備基金が財政投融資資金などの代わりに97年度から5年間、87年の国鉄分割・民営化時に設けられた3社の経営安定基金から計約8000億円を借り入れる支援策を要求。
 金利は、3社の安定基金の最近の運用利回りの年平均3.2%を上回る4.99%(過去10年間の長期国債の平均利回り)の固定利率を適用することで、金利差分の利子収入を5年間で約450億円確保。3社の合理化努力と併せて経営を好転させ、数年後には株式の上場を目指す。
 JR貨物も97年度に発行株式の一部を物流業者などに割り当てて営業力を強化、将来は株式の上場も検討する。(京都新聞)
■落札平均35万7000苑 JR西日本株の競争入札
 国鉄清算事業団は27日、10月に上場されるJR西日本株式の公開競争入札の落札結果を発表した。落札価格は加重平均で約35万7000円と、JR東日本の市場価格に比べ約70%の水準。入札にかけられた75万株に対し競争倍率がほぼ1倍と低調だったため、市場関係者は「妥当な価格に落ち着いた」とみており、9月の一般売り出し分もスムーズに進む見通しとなった。
 落札されたのは67万5100株で、落札総額は2412億6520万円。あらかじめ設定されていた最低入札価格28万2000円未満の価格で申し込まれた7万4900株は、来年度以降の2次売却に回される。
 最高落札価格は50万円、最低落札価格は28万2000円。1万円刻みの価格帯で見ると、35万−36万円が9万1650株で最も多かった。主な落札者は第一勧業、住友、大和の都銀3行が3万株でトップとなり、上位10社は大手金融機関が占めた。
 落札結果について、株式市場関係者は「一般売り出し価格も安く決まりそうで、順調にさばけるだろう。上場後も株価の値上がりが期待できる」とみている。
 今回売り出されるJR西日本株式は計170万株で、入札以外の一般売り出し分は95万株。売り出し価格は落札価格を基に、29日に決まる。予約段階の抽選倍率は約3倍。(京都新聞)
JR西日本株売り出し・上場日程
8月27日落札者決定
8月29日一般売り出し価格決定
8月30日一般売り出しの購入意思を
〜 9月 3日確認
9月17日落札者の代金払込期限
9月20日一般売り出しの割当者発表
 (代金払込期限は9/27まで)
10月 8日東京証券取引所など6 市場に上場
■JR貨物株 日通が購入方針 「輸送の手段を多重化」
 日本通運は27日、国鉄清算事業団が保有するJR貨物株(全38万株)の一部を購入する意向を明らかにした。運輸省はトラック輸送に押されているJR貨物を立て直すため、株式上場はあきらめて、株式の一部を物流会社や荷主、金融機関などに持ってもらい、協力関係を深めて営業力を強化する方針を打ち出している。株式取得に名乗りをあげたのは日通が初めてだ。
 経営不振のJR貨物株の取得を疑問視する声もあるが、「鉄道とトラックを組み合わせれば効率的になる。災害時を考えれば、手段の多重化も必要。将来はトラックの運転手不足も予想される」としている。
 取得する株数は「価格や売却する株数が分からないので何ともいえない」としている。また、購入の条件として、JR貨物が各地のJRに支払う線路使用料の算定基準の明確化などをあげている。JR貨物は昨年度の決算で、経常利益は過去最悪の89億円の赤字だった。赤字は3年連続で、人員削減など合理化を進めている。(朝日新聞)
■96新社長 感覚すまし変化に対応 西武鉄道 戸田博之氏(60)
 野球の西武ライオンズが初めて日本一となった14年前の感激が、入社以来の一番の思い出だ。ところが、ピーク時には12万人いた子供ファンクラブの会員が、サッカーなどに押されて、半分以下になった。
 「スポーツもレジャーも多様化している。アンテナを張りめぐらして、時代の変化を感じとるようにしたい」
 私鉄の環境も変わった。景気の低迷や沿線人口の伸び悩みから、旅客が減りつつある。住宅開発や球場、遊園地、ホテルなどの観光、といった関連事業が売り上げの6割を占めるが、それも頭打ちだ。
 このため昨年は、混雑緩和のため新宿線の一部を複々線化する計画を中断した。運輸省から認定を受けた混雑緩和計画を中断したのは、私鉄で初めてだった。毎年の運賃収入の4割を占める設備投資をまかなうため、国や沿線自治体からの助成も求めている。
 沿線には「混雑緩和や立体交差への投資を渋る」といった不満もあるが、「計画した10年前には、客が減るとも、工事費が倍増するとも思わなかったので」。
 社内では、賃金制度の見直しや分社化による合理化を検討している。「鉄道会社はつぶれない、という人ばかりでは困る。厳しさを自覚してほしい」
 40歳で役員になり、20年目で社長に。「青天のへきれきではなかった」と本人も認める「本命」の登板。曲がり角にきた「私鉄商法」をどう立て直すか、試されている。(朝日新聞)
■国鉄長期債務処理 返済可能分を分離へ 運輸省案 残る22兆円、別に検討
 運輸省は27日、27兆6000億円に上る国鉄清算事業団の長期債務について、事業団の土地や株式など約6兆円の資産と、それに対応する同額の債務分を1997年度中に鉄道整備基金に移し、残る財源の裏づけのない20兆円あまりの債務については返済方法を今年末までに決める処理方針をまとめた。返済のあてがある債務とそうでない債務を明確に分けることで、長期債務の実態をわかりやすくし、その処理を進めやすくする狙い。全体の処理計画が年内に決まれば、事業団は98年度中に解散する方針という。
 鉄道整備基金はJR東海などへの新幹線の売却代金や国の補助金で、鉄道の建設に補助金などを出す特殊法人。
 運輸省の試算では、事業団の長期債務は97年4月には28兆3000億円になる。
 これに対して、来年4月時点での事業団の資産は、土地が2兆2000億円、株式が1兆8000億円、鉄道整備基金への債権が1兆9000億円とみられる。運輸省案では来年度中に、この資産と、同額の債務の元本分のみを鉄道整備基金に移す。残る22兆4000億円の財源や返済計画は、連立与党の検討を受けて、年内に決める、としている。
 運輸省が同基金に国鉄清算事業団の資産とその見合いの債務だけを取り出して移す案を打ち出したのは、残りの債務の返済が、現在の仕組みでは解決できないことを強調し、一般会計から返済財源を確保するのが狙い。だが、総選挙を控えて政治家は、負担の議論には消極姿勢が目立ち、運輸省の計画通り年内に、事業団の解散時期も含め、債務全体を返す時期や財源などを決めることは難しそうだ。(朝日新聞)
■JR西日本株落札価格 35万7000円と低調
 国鉄清算事業団は27日、秋に上場を予定しているJR西日本株の落札結果を発表した。売却予定株数75万株に対し、落札されたのは67万5100株で、約1割が売れ残った。一般売り出し価格決定の目安になる「加重平均価格」は約35万7000円で、市場関係者の予想を下回った。
 国鉄清算事業団によると、入札への応募は3102件、計75万7000株余。ただし、このうち約8万株は事前に設定された最低予定価格を下回り、落札されなかった。落札価格の最高は50万円、最低は28万2000円で、大口落札者は第一勧銀、住友銀、大和銀(各3万株)など銀行、生保が上位を占めた。
 一般投資家向けの売り出し価格は29日、同事業団が発表する。過去の政府保有株放出では、落札価格の加重平均近くに設定されており、今回は35万−36万円程度になりそうだ。(朝日新聞)
■小雨一転 大雨に泣く 鴨川、警戒水位越す 園部200_突破 JRダイヤ混乱
 近畿地方に停滞した秋雨前線の影響で、京滋地方は27日から28日午前にかけて、京都市や亀岡市、園部町を中心に大雨が降り続き、28日早朝、京都府南部、滋賀県に大雨・洪水警報が出された。京都市内で、土砂崩れや道路冠水などの被害が出たほか、JR新幹線、山陰線などのダイヤが大きく乱れた。
 京都地方気象台によると、総雨量は28日正午現在、園部町の219.5_を最高に、花背峠163.5_、京北町171_、京都市115_を記録した。
 この雨で、JR東海道新幹線は米原−京都間で午前11時23分から約30分間、上下線の運転を見合わせたほか、徐行運転で大幅にダイヤが乱れた。JR山陰線も園部−船岡間で一時、運転見合わせや徐行運転を行い、上下線が40−10分の遅れが出た。
 名神高速道路・京都東インター−天王山トンネル間と舞鶴自動車道の全線でも一時、50`の速度規制が行われた。
 また、同日早朝、京都市北区鷹峯堂ノ庭町の京見峠で土砂崩れがあり、土砂約15立方bが流出、府道西陣杉坂線が一時、片側通行規制された。北区西賀茂北鎮守菴町の正伝寺では、枯れ山水の庭園(市指定の名勝)が水浸しになったほか、同区大宮釈迦谷の尺八池付近の水路の水が道路にあふれ、民家2戸の庭が漫水。
 鴨川は午前9時に荒神橋付近で水位が184aに達し、警破水位(120a)を上回った。三条大橋の下流では、鴨川西側の通称・みそそぎ川があふれ、鴨川との間の河川敷が水漫しになった。
 同気象台は「府南部では29日朝にかけて、雷を伴った激しい雨が降る恐れがあり、総雨量は多いところで350_に達する」と、警戒を呼びかけている。
・構内冠水運行できず 福知山線・古市駅
 28日午前7時20分ごろ、JR福知山支社管内の兵庫県多紀郡丹南町、福知山線・古市駅で、時間雨量20_を記録。駅構内冠水のため同線で、列車が運行できなくなり、新大阪行き特急「北近畿2号」などがストップするなどダイヤが大幅に乱れた。また、舞鶴自動車道は、午前10時半からは兵庫県の三田西−丹南篠山口間を土砂崩れの恐れのため、通行止めとした。
・湖西線は徐行運転
 滋賀県内でも27日夜から雨脚が強まり、JR湖西線の堅田駅で午前6時20分、時間雨量が20_を超えたため、比叡山坂本−蓬莱駅間で15−30`の徐行運転を実施、午前11時までに新快速など上下16本の列車が運休、17本が6分−56分遅れ、通勤客ら約5000人が影響を受けた。
・保津川下りは運休
 亀岡市と京都・嵐山を結ぶ保津川下りは、豪雨の影響による保津川の増水のため、28日の運航を休止した。29日以後については川の水位状況を見て判断する。(京都新聞 夕刊)
29日■豪雨 京滋の交通乱れる 渡月橋が通行止め 日吉で落雷 930戸が停電 園部で300_越す
 秋雨前線の停滞に伴い、京滋に降った大雨は28日午後も続き、JR山陰線が午後3時50分ごろ、吉富駅(船井郡八木町)付近の土砂崩れで4時間余り不通になったほか、各地で土砂崩れなどの被害が出た。京都府内の降り始めからの総雨量(29日午前零時現在、京都地方気象台、舞鶴海洋気象台調べ)は、園部町の301_を最高に、京北町で242_、福知山市で172_、京都市で159_を記録した。
 この雨の影響で、府のまとめでは、京都市山科区、亀岡市、瑞穂町などで9棟が床下漫水、京都市北区の京見峠付近など3ヵ所でがけ崩れがあったほか、日吉町では落雷により930戸が約2時間停電した。
 また、鉄道ではJR湖西線が徐行運転の影響で上下計32本の列車が運休、終日ダイヤが乱れた。道路では、舞鶴自動車通が土砂崩れで上りの春日−三田西間、下りの三田西−丹南篠山口間が、また国道372号も園部町天引峠から兵庫県にかけ通行止めになった。京都市右京区の渡月橋も午後7時20分ごろから、桂川の増水で通行止めとなった。
 京都地方気象台は、29日朝までに府南部ではさらに100_−150_、府北部でも70−100_の雨が降り、多い所では総雨量が400_を超す、と警戒を呼びかけている。
 滋賀県内では、近江八幡市内で降り始めから午後9時半までに244_を記録したほか、滋賀郡志賀町で220_、高島郡今津町で199_、大津市で171_の雨が降った。
 この雨で、長浜市で民家1戸が床上漫水したのをはじめ、近江八幡市、八日市市、草津市などで計58戸が床下浸水した。
 道路では、湖西道路のほか、国道306号など主要道路の山間部で通行止めが続出。名神高速道路、北陸自動車道、京滋バイパスは全線50`規制。草津市では湖周道路が約100bにわたって冠水、車3台が立ち往生した。
・八木で土砂崩れ 山陰線4時間不通
 28日午後3時50分ごろ、京都府船井郡八木町室河原のJR山陰線山側斜面が高さ5b、幅10bわたり崩れ落ちた。土砂約10立方bと倒木十数本が線路を約15bふさぎ、同線は4時間余り不通になった。
 JR西日本などによると、土砂崩れが起きたのは、JR吉富駅から園部駅寄り約500bの地点で、国道9号沿いにある線路西側の急傾斜地。
 雑木1本が線路上の電線にもひっかかったため、送電を止めて復旧作業に当たり、同7時58分から運転を再開した。この間、特急9本など部分運休を含め上下計22本の列車が運休した。
 JR西日本は、亀岡駅−園部駅間でバスによる代替輸送を行ったが、通勤客の帰宅時にあたり、亀岡駅前はバスを待つ人でごった返した。一時は、バスに乗り切れない人が駅前にあふれて長い列をつくり、乗客はうんざり顔だった。(京都新聞)
■近畿に大雨 列車運休相次ぐ
 西日本に停滞する前線の影響で、近畿地方は28日、大雨になり、各地に大南・洪水警報や雷注意報が発令された。この雨の影響で交通が混乱した。
 大阪管区気象台によると、秋雨前線が近畿地方の中・北部に停滞し、雨量は兵庫県、京都府の山間部などに特に多く、27日午前零時から28日午後11時までで、兵庫県篠山町後川で284_、京都府園部町で301_に達した。また、兵庫県姫路市で午後8時までの雨量が159_、京都市でも141_を記録した。
 近畿地方での雨は29日昼過ぎまで続き、午前中は70_から100_、多いところでは150_程度の大雨が予想されるという。局地的に雷を伴った激しい南が降る恐れもあり、河川の増水やがけ崩れなどに警戒を呼びかけている。
 近畿の大雨の影響で、JR福知山線は28日、兵庫県内の宝塚−柏原間で道床が流されて線路が宙づり状態になり、変電所への浸水で停電するなどしたため、早朝から午後9時半ごろまで断続的に不通になった。また、京都府内の山陰線亀岡−船岡間でも線路に土砂が流れ込むなどしたため、正午前から午後8時ごろまで断続的に運転を見合わせた。兵庫県内の加古川線と播但線、滋賀県内の湖西線もダイヤが乱れた。(朝日新聞)
■片町線停電 全線止まる 夕方の混雑時
 28日午後6時半ごろ、大阪市城東区のJR片町線京橋駅で片町発松井山手行き普通電車(7両)が同駅に入ったところ突然、停電し、停車した。同線は片町−四条畷間で送電が止まり、片町−木津間の全線で運転をストップした。上下41本が運休、同15本が最大1時間40分遅れ、帰宅のラッシュ時間と重なって約2万9000人の足が乱れた。
 運転士が調べたところ、電車の6両目のパンタグラフが壊れていた。パンタグラフの上の部分が架線からつり下がり、架線も垂れ下がっていた。JR西日本は、架線からパンタグラフを取り除き、架線を張り直して約1時間40分後に、運転を再開した。(朝日新聞)
■JRなど混乱続く 京滋、大雨は峠越す
 3日連続で京滋地方などで降り続いている大雨は29日、次第に雨脚が弱まり、京都府南部などの大雨・洪水警報は同日朝、解除されたが、京都府中部・南部と滋賀県で床下浸水、土砂崩れなどの被害が出たほか、JR東海道線などでダイヤの混乱が続いた。
 京都地方気象台などによると、降り始めからの総雨量は同日正午現在、園部町で313_、京都市で164_、舞鶴市で166_、福知山市で172_、長岡京市で188_に達した。
 この雨で、JR東海道線は山科−京都間と草津−石山間で同日午前、徐行運転し、京都駅での車両故障も重なって、正午現在で上下線13本が運休、62本が最高約30分の遅れが出た。湖西線では16本が運休、32本が最高約25分遅れたほか、関西線、奈良線などでも運休やダイヤの遅れが相次いだ。
 また、京都市左京区静市付近など府道2路線で規制雨量を超え、通行止めが続いている。相楽郡精華町では新たに床下浸水3戸の被害が出た。
 京都地方気象台は「大雨の峠は越したが、大気はまだ不安定なので、29日は雨が降ったりやんだりの天気が続くだろう」と話している。(京都新聞 夕刊)
■JR関西線止まる 大雨被害なお続く
 秋雨前線の影響による雨は29日朝、前線の南下に伴って近畿地方中部で一時的に強く降り、大阪市などで床上、床下浸水などの被害が出た。
 大阪管区気象台によると、大阪市で午前零時から1時間に49_、大津市では同4時からの1時間に43_の強い雨が降った。午前零時から同9時までの各地の雨量は大津市78_、大阪市61_、滋賀県蒲生町55_、京都府長岡京市52_など。
 大阪府のまとめによると、大阪市内ではマンホールから水があふれるなどして午前8時までに8戸が床上浸水したのをはじめ、418戸で床下浸水した。堺市でも2戸が床下浸水。滋賀県内でも長浜市内などで計66戸の床下浸水があった。
 一方、兵庫県のまとめによると、大雨で土砂崩れが起きた多紀郡丹南町などで29日午前9時現在、18世帯63人が避難生活を続けている。今回の大雨で県内の床上浸水は計28棟、床下浸水は計449棟に上った。
 京都府内では、27日未明から29日午前8時までの総雨量が園部町で307_、京都市北区で305_に達した。名勝・嵐山では桂川が増水し、渡月橋が一時通行止めとなった。
 大阪管区気象台によると、29日午後には雨雲の活動は弱まるという。
 JR関西線では京都府南部から三重県にかけての加茂−島ケ原間で29日朝から運転を見合わせた。東海道線は京都府から滋賀県にかけての京都−能登川間で早朝から部分的に徐行運転。滋賀県内の湖西線、京都府内の奈良線、大阪府から奈良県にかけての関西線でも一部区間で徐行し、最大30分程度の遅れが出た。
 また、兵庫県姫路市御国野町のJR山陽線御着駅では午前5時ごろ、落雷のため構内の信号機が作動しなくなった。約1時間半後に復旧したが、上下2本が運休し、20本が最大12分遅れて約4500人が影響を受けた。(朝日新聞 夕刊)
30日■JR西日本株 売り出し価格35万7000円 不人気、当初予想下回る
 国鉄清算事業団は29日、10月8日に上場されるJR西日本株の一般売り出し価格は35万7000円になると発表した。基準となる落札価格が、人気の低さを反映して安値となったため、40万円程度とみられていた当初予想を下回った。
 この結果、一般売り出しで一部の売れ残りが予想されていることもあり、売却収入は運輸省の当初見込みに比べ、1000億円程度下回る見通しとなった。
 清算事業団は「落札株式数が35万円台を頂点に正常な分布をしている」とし、加重平均の35万7377円の100円単位以下を切り捨てて売り出し価格を決めた。
 JR西日本株は既に、入札分75万株のうち67万5100株、2412億円を売却した。残りは来年の二次売却に回される予定。一般売り出し分95万株がすべて売れれば、清算事業団が抱える27兆6000億円(今年4月時点)の旧国鉄長期債務の返済に充てられる売却収入は約5800億円となる。
 運輸省は、来年度予算概算要求で旧国鉄債務の早期処理方針を打ち出したこともあり、利子負担による借金累増を防ぐため「高く売るより確実にさばく」(鉄道局幹部)ことを優先してきた。
 JR西日本株が一般売り出しで順調に消化されれば、市場への影響を少なくする目的で1年をかけて練り上げた、入札・売り出し公告から上場までの期間短縮、入札比率のアップなどの売却方式を、来年度のJR東海株上場に踏襲できる。これにより運輸省は「JR本州3社の全株を1997年度内に売り切るめどが立つ」としている。
 一般売り出しの申し込み予約の倍率は3倍。予約者が9月3日までに正式に購入を申し込み、同20日に割り当てが決まる。(京都新聞)
■JR西日本株 発売価格35万7000円
 国鉄清算事業団は29日、秋に上場を予定しているJR西日本株の売り出し価格を35万7000円と発表した。大口投資家向けに実施した入札で落札した価格の加重平均近くに設定した。売り出しの予約申し込みは16日に締め切られたが、30日から9月3日まで、キャンセルを受け付ける。上場は10月8日になる見通し。
 現在の購入申込数は291万件で、実質競争率は3.1倍。(朝日新聞)
■投資家、踊らず冷静 JR西日本株35万7000円に 旧国鉄債務も響く?
 JR西日本株式の売り出し価格が29日、35万7000円に決まり今秋の上場を待つばかりとなった。過熱気味だったJR東日本株式とうって変わって、JR西日本や運輸省が期待していた「40万円程度」を下回った。証券市場では「投資家をまどわしてきた政府株に投資家が冷静に判断するようになった」(証券アナリスト)との受け止め方が多いが、最近クローズアップされた旧国鉄の債務処理問題にはカゲを落とした。
・「買い材料」出せるか
 「投資家の判断が反映された適正価格」。JR西日本は売り出し価格決定についてこうコメントした。社内では、JR東日本を引き合いに「不人気」「低調」と言われることについて、「会社の評価として言われるなら心外」(JR西日本幹部)との声もあるが、「資本金も利益も東(JR東日本)の半分なのだから、株価に差が出るのは仕方がない」と受け止めている。
 JR西日本の売り出し価格は、JR東日本の株価51万3000円(29日終値)の7割。しかし、2社を比べると、今年3月期の経常利益は東日本の1021億円に対して西日本は556億円。JR東日本に比べて、大都市圏輸送の規模が小さく、ローカル線の負担は重い。
 JTJR東日本JR西日本
売却株式数43万株140万株95万株
申し込み数796万件1048万件291万件
実質競争率18.2倍7.5倍3.1倍
売り出し価格143万円38万円35万円
初   値119万円60万円・・・・
現在の株価79万円51万円・・・・
JTは第一次放出分。実質競争率を除き千の位以下切り捨て。現在の株価は29日の終値。
 営業収入は頭打ち。今月はじめ、今後10年間のプロジェクトを考える役員勉強会を開いたが、これといった案が出ず、井手社長をがっかりさせた。株式市場の低迷や阪神大震災で上場が延期され、待ちに待ったJR西日本だが、自らの「買い材料」を見つけるのが課題だ。
・追加負担の憶測も
 JR西日本株の売却収入5800億円は、27兆6000億円に上る国鉄清算事業団の長期債務の返済にあてられる。運輸省や事業団は「少しでも高く売って、債務を減らしたい」というのが本音。ただ、今後もJR株の売却が予定されているため、「売り出し価格が実態とかけ離れた高値になり、一般の投資家にそっぽを向かれるよりは、よほど良い」(運輸省幹部)と話している。
 運輸省は、今年度中にJR東日本株の二次売却、97年度にJR東海の新規上場、98年度中にJR東日本、JR西日本、JR東海の残りの株式を売却する予定だ。JR株の売却は、事業団の長期債務の処理と時期が重ならざるをえない。市場関係者には「旧国鉄の債務問題や整備新幹線の話題はJR株の売り出しにはマイナス。追加負担がJRに課せられるのではないかという憶測を呼ぶからだ」という見方がある。
・「低価格」でも好意的
 これまでの、政府保有株上場は過熱相場や上場後の乱高下を招くケースが多かっただけに、「予想」より低かったJR西日本の価格について、証券界はおおむね好意的に受けとめている。30日から購入の「意思確認期間」が始まるが、予約のキャンセルは少ないとみる市場関係者が多い。
 94年秋に上場された日本たばこ産業(JT)株は、23万株の入札枠に135万株以上の応募が殺到し、落札価格が高騰。一般売り出し枠に申し込んだ個人投資家は高すぎて手が出なくなり、半分以上が購入を辞退した。
 JR西日本株の売り出しは、すでに予約が締め切られた。このため割安感が広がっても、売り出しの競争率が上がることはない。大和証券営業企画部は「売り出しは締め切ったのに、電話で申し込んでくるお客さんが増えている」と対応に苦労している。(朝日新聞)
■京都タワーがもうひとつ 駅ビルに映る
 京都市下京区で建設中の「京都駅ビル(仮称)」のガラス窓に、向かいの京都タワーがくっきりと映っている。とくに夜間はライトアップされた姿が色鮮やかに浮かび上がり、家路を急ぐ通勤客らが見ほれている。
 ”鏡”になっているのはホテル施設部分のガラス窓(高さ約25b、幅約10b)。工事を担当している京都駅ビル開発会社によると、ビルの圧迫感をやわらげようと、空を映す反射ガラスにしたという。「でも、タワーがこんなにきれいに映るとは、設計者も考えてはいなかったでしょう」
 塩小路通烏丸の交差点付近から見ると、タワーの上部3分の1が窓ガラスにすっぽり。烏丸通を行き来するに従って映る部分が変わるため、通勤客らは後ろを振り向きながら映りばえを楽しんでいる。(京都新聞 夕刊)
■オウム信者に懲役3年求刑 大阪地下鉄火炎瓶事件
 大阪市営地下鉄の駅で火炎瓶を炎上させたなどとして、火炎瓶処罰法違反と恐喝の罪に問われたオウム真理教信者島袋拓也被告(22)の論告求刑公判が30日、大阪地裁(滝川義道裁判長)であり、検察側は「APEC(アジア太平洋経済協力会議)大阪会合前に混乱を起こして大阪府警の失態を招こうと、国家権力への報復を意図した悪質な犯行だ」として懲役3年を求刑した。判決は10月4日に言い渡される。
 論告によると、同被告は友人の調理師(24)=有罪確定=と共謀、昨年10月17日午前3時半ごろ、大阪市中央区の谷町四丁目駅の階段踊り場でガソリンの入った瓶に点火し、破裂、炎上させた。また同日午後11時半ごろ、同区の天満橋駅につながる階段でも火炎瓶に点火したが着火に失敗、炎上しなかった。(京都新聞 夕刊)
31日■JR奈良線 複線化、来年度にも着手 まず京都−京教育大前間 地元負担調整へ
 JR西日本は30日までに、奈良線(京都−木津間、34.7`)の京都教育大前駅(仮称・京都市伏見区)が来春開業するのを控え、懸案だった同線の複線化に着手する方針を固めた。97年度中にも、京都−京都教育大前間などで取りかかり、最終的には京都−長池間の完全複線化を目ざす。総事業費は数百億円と見込まれ、同社では今後、京都府など地元自治体との間で負担割合や、実施線区の調整を進める。
 奈良線は1984年に電化が完成。大都市圏の幹線として利用増が期待されたが、全線単線のうえ、競合する近鉄奈良線や京阪本線に押され、乗降客数はそれほど伸びていない。
 乗降客は95年度の1日平均では6万4400人(東福寺−上狛間)。城陽駅の場合、1日に4400人の乗降客で、同じ城陽市内の近鉄寺田駅の1万3300人に対し約3分の1しかない。
 複線化は、これら私鉄に対抗し輸送力を増強する狙いだが、一度に急激な乗客増は望めないことから、当面は1面1線構造(ホーム1面に線路1本)になっている駅の、行き違い線敷設と改修を中心に進める。
 行き違い線設備が整備済みの駅は、隣接駅との区間視線化を順次進める。
 初年度となる97年度は、稲荷−桃山間に新しく京都教育大前駅が開業するのに合わせ、同駅と京都駅まで約5`の区間複線化に着手する方針。
 乗降客数が、他を大きく下回る山城青谷駅以南については、区間複線化の対象からは除外。工期は数度に分け、最終的に京都−長池間の複線化を実現させる計画だが、状況により京都−城陽間または新田間になる可能性もある、という。
 奈良線の視線化は、89年の運輸政策審議会答申に盛り込まれ「2005年までに京都−長池間を完成させることが望ましい」とされた。
 京都府では、長池駅近くに、サッカーの2002年ワールド杯開催に向けたスタジアムの建設計画があることや、沿線の都市開発進行などに伴い、複線化早期実現、列車本数増加などを働きかけている。(京都新聞)
■国労 JR7社に解決要請 不採用問題 西日本は前向き姿勢
 国鉄の分割・民営化の際、北海道、九州を中心とした国労組合員ら1047人が地元JRに不採用になった問題で、国労(永田稔光委員長、3万1000人)は30日、JR7社に対し、健全な労使関係を築くことなどを条件に全面解決するよう申し入れた。
 これに対し、JR東海は「労使関係にとって意味のあること」、西日本は「拒否しない」などと、解決に向け前向きに取り組む姿勢を示した。
 しかし、JR北海道は申し入れ書の受け取りを拒否、JR貨物は「趣旨に応じられない」と答えるなど、各社の対応に大きな違いが出た。
 申し入れを受け、永井孝信労相が双方の和解に向けた調整案づくりに乗り出すとみられるが、「裁判で決着をつけたい」と難色を示すJR東日本、北海道などをどのようにして説得するかが今後の課題になりそうだ。
 国労は7社に、9月10日ごろまでに具体的な回答をするよう要求。受け取りなどを拒否したJR北海道や貨物に対しては、再考を促したいとしている。
 申し入れで国労側は@JR各社の発展に寄与するA健全で正常な労使関係の構築を図るB全面和解の方向が明確になれば、直ちに訴訟や労働委員会への申し立てを取り下げる−ことを表明。この上で「不利益、差別を一切排除した労使関係を築き、人道上の観点と関係改善の立場から問題を早急に解決する」ことを求めている。(京都新聞)
■「横領金1500万返せ」 京都市交通局協力会 元経理部長を訴え
 京都市の外郭団体・市交通局協力会(京都市中京区、中田琢治代表理事)で1987年、巨額の使途不明金が発覚した問題で、同協力会は30日、発覚直後に失踪(しっそう)し、昨秋姿を現した同会の元経理部長(80)を相手に、「会の預金を横領した」として約1500万円の損害賠償を求める訴えを京都地裁に起こした。
 訴状によると、元経理部長は86年4月から翌年3月にかけ40数回、本来は同会の銀行預金を払い戻すのに必要な会長らの決裁を得ずに、払戻請求書を偽造して銀行に提出し、同会の普通預金から約1500万円の払い戻しを受け、自己の用途に充てたとしている。
 協力会では87年に約1億2000万円の使途不明金が発覚、元経理部長は直後に失踪した。同会は当時、被疑者不詳のまま業務上横領罪などで告訴したが、93年11月に刑事事件としての時効が成立した。
 ところが、昨年11月、元経理部長が約8年ぶりに自宅に戻っていることが判明。このため同会が事情を聴こうと申し入れたが、元経理部長は応じなかったという。(京都新聞)
■国労 労使正常化申し入れ JRとの対決姿勢を転換
 1987年の国鉄分割・民営化の際、国労組合委員を中心に1047人が地元JRに不採用となった問題で、国労はこれまでの会社側との対決姿勢を転換し、正常な労使関係を築く中で話し合いによって解決できるよう30日、JR7社に申し入れた。
 申入書について、受け取りを拒んだJR北海道以外の6社は受理した。国労の方針転換をある程度評価した会社はあるものの、不採用問題については7社とも、司法の場などで決着をつける方針を変えない、としている。
 国労は8月26日の臨時中央執行委員会で、@JR各社の発展に寄与するA正常な労使関係の構築を図るB一連の係争中の不採用問題などで和解の方向が明らかになれば、申し立てなどを取り下げることを確認した。この方針に基づいて、JR側に対して話し合いのテーブルにつくよう申し入れることにした。(朝日新聞)
■大雨で運休や遅れ JR関西線
 30日午後6時ごろ、奈良県北葛城郡王寺町のJR関西線王寺駅で1時間に40_の雨量を観測したため、同線の柏原−王寺間で約1時間40分にわたって運転を見合わせた。このため、上下46本が運休、27本が最大55分遅れた。帰宅のラッシュ時とも重なり、約3万3000人が影響を受けた。(朝日新聞)
■シュプール倶楽部新設し会員募集へ JR西日本
 JR西日本は、毎年12月から3月(一部4月)に走らせるスキー列車「シュプール号」やスキー場の施設を割安で利用できる「シュプール倶楽部」を新設、9月1日から会員を募集する。
 入会費は1人300円、大人子供の区別はない。京阪神や和歌山などの主な駅や旅行代理店で受け付け、顔写真を添え申し込む。
 特典としてシュプール号の切符が300円程度割引になるほか、白馬・信越方面のスキー場でのリフト、スキーレンタル、食事なども割引に。また大阪府内11のスポーツメーカー直営店でスキー用品が1割引で購入でき、1回の利用で十分元が取れるという。
 来年2月28日まで5万人を目標に募集。会員カードは発行日から1998(平成10)年3月末まで有効。(京都新聞 夕刊)
■ビジネス戦記 官の論理 民の知恵 JR東日本最高顧問 住田正二E
・JR東海との「兄弟げんか」 「官」抑えて規制緩和を 「民」も既得権死守やめよ
 JRが発足してほどなく、私の呼びかけでグループの社長会を年に何度か開くことにしました。私は年長だし、国鉄改革のレールを敷いた当事者の一人でもあります。だから、最低5年ぐらいは各社が助け合い、分割民営を成功させてほしかったのです。ところが2年目くらいからかなあ、JR東海が勝手なことをやりだした。
・リニアで対立深まる
 東海の現社長の葛西敬之さんは、初めは私に低姿勢でしたが、だんだん態度が変わりました。いつだったか、葛西さんが突然、当社の役員大部屋に「や、どうも」という感じで入ってきた。昔の仲間を訪ねたつもりでしょうが、非常識です。私の席に来たから「おい、よその会社の社長に面会するときは受付を通すなりしろよ」と、退室してもらいました。その後、東海が熱心だったリニアモーターカーについて、私が「民間がやる話じゃない」と批判したりして、疎遠になりました。
 東海とのいざこざは兄弟げんかとか言われたが、先方の真意は分かりません。健全な競争意識と、自分さえよければというのは違います。新幹線の増発を狙う東海は1990年、新品川駅構想を勝手にぶち上げた。結局、うちの頭越しに運輸省に働きかけたことをわびたが、すべては当時常務から副社長になった葛西さんの知恵でしょう。
 JRの本州3社は91年、新幹線鉄道保有機構のリースだった新幹線を買い取りました。言い出しっぺの東海が払った約5兆円は、私にはとても理解できない金額でした。あとで葛西さんから「住田さんも以前、買い取りを勧めた」と言われたが、「リニアをやるくらいなら」と比較論を言ったまでです。
 国が金を失うと書いて国鉄、JRはゼニ(銭)アールだから大丈夫などと社員を励ましたものです。実際、日本の鉄道事業はきちんと経営すれば採算がとれるようになっている。人口が密集し、欧米より輸送密度は高い。しかも、国鉄は土台こそ腐っていたが、正確なダイヤという支柱は残っていました。
・「母体行」は日本政府
 国鉄は、いずれ黒字が出ることにしないと国会でたたかれるので、収入見積もりを増やし、経費を過小評価した。再建策が何度も失敗した背景です。この教訓から私は、会社の収入は少なく、経費は多く見積もり、予算に余裕を持たせました。
 公社体制は、どうしても無責任経営になる。政治の介入を許したのも、労使関係がまずかったのも、親方日の丸の経営のせいです。組合が悪くてつぶれた企業はありません。よく国鉄一家といいますが、実際はもっと細かい系統別一家でした。保線とか土木とか、系統ごとにファミリー会社を作り、天下る。
 親方日の丸のツケがいま、国鉄清算事業団が抱える27兆円もの累積債務になっています。国鉄にどんどん貸した「母体行」は日本政府です。返すあてがないことがはっきりしちゃうとまずいから、先送りしてきた。結局は国民の負担です。
 私はあちこちにきついことを言ってきました。物事をはっきりしておかないと前には進めない。いま声を大にして訴えたいのは、性善説に立って規制を緩めることです。
 自由にすれば何か悪いことをするという考え方は、国民や企業を信頼していない証拠です。日本の経済成長を支えた自動車、電機、精密機械などの産業は自由競争で技術を磨いてきたのに、電力や交通は、公共性の名の下に規制だらけです。
・官僚は勝ち馬に乗る
 規制緩和は、どうせ無理だと思った時点でもう半分挫折しています。不沈艦と思われた国鉄が解体され、出直すことになったのは、いわゆる天の時、地の利、人の和がよかったからです。あれより5年早くても、5年遅くても改革は実現しなかったでしょう。逆に言えば、規制緩和も天地人に恵まれれば相当なことができるはずです。
 私が言うのもなんだが、日本の役人は頭がいい。名を捨てて実を取るとか、骨抜きにするとかは大の得意です。しかし一方で、政治指導者がしっかりし、世論が後押しすれば「官」は必ず折れる。抵抗してたら出世に響くから勝ち馬に乗る。
 「民」の側の性癖にも問題はあります。行革や規制緩和に総論賛成、各論反対で、既得権を守りたがるのです。官はそこにつけ込んで骨抜きにする。いまこそ、民は自己責任の原則を確認し、官はそれを尊重すべきです。21世紀に日本が生きる道は、これしかありません。(おわり)(朝日新聞 夕刊)