1996(平成8)年 6月


1日■市バス・地下鉄 運賃値上げ案 原案通り可決へ 京都市会与党4会派 付帯決議で難航(京都)
  ■京阪宇治駅南ビル 建設計画まとまる(京都)
  ■近鉄が駅で販売 鉄道業界で初めて(京都)
  ■関西5私鉄決算 阪神と阪急、無配に 震災影響 京阪は大幅増益(京都)
  ■関西大手私鉄 3社増収増益 3月期決算(朝日)
  ■京都市バス・地下鉄運賃 値上げ案を委員会可決 3日成立 9月に実施方向 付帯決議で難航 徹夜の議会に(京都)
  ■市バス・地下鉄値上げ案可決 再建策積み残し見切り発車 京都市会委 むなしい議論、本音も(京都)
  ■新食糧法 きょう自由化 コメ駅でも売ります 有料道路も登録申請(朝日)
  ■列車が暴走 17人が死亡 西シベリア(朝日)
  ■夜汽車で眠りの国へ旅(朝日)
2日■市民の足を考える 京都市バス・地下鉄値上げ 桝本市長に聞く(京都)
  ■JR舞鶴線の電化・高速化へ促進大会 舞鶴(京都)
  ■根回し15時間 夜明け可決 京都市バス・地下鉄値上げ案委員会審議 賛成根拠示されず 「開かれた場」いつ(朝日)
3日■ホームから頭突き出し「肝試し」 広島 列車に接触、米兵重体(朝日)
  ■柴田新委員長選出へ JR総連大会(朝日)
  ■値上げ決定「審議が不十分」 京都市バス・地下鉄運賃 市民らに不満の声 赤字解消策、具体的に 行政に甘さ 企業努力を(京都)
4日■78歳女性がはねられ死亡 JR奈良線1300人に影響(京都)
  ■窓 バスは時刻表守る努力を 大津市・方山 直(教員・45)(京都)
  ■市バス・地下鉄値上げ案 市議会本会議 付帯決議付け可決(朝日)
  ■京都市バス・地下鉄値上げ可決 悪循環どう断ち切る 体質改善や乗客増対策 実行の監視が必要(京都)
  ■地下鉄サリン 松本被告、袋数も把握か 「実行役」林被告が証言(朝日)
  ■地下鉄サリン事件直前 防毒マスク密輸図る NYで2人達捕 オウム系会社発注(京都)
  ■電車にはねられ母子死亡 神戸・遮断機くぐる(京都)
  ■踏切で親子? はねられ死亡 神戸・東灘(朝日)
5日■オフピーク、12回分特急券が10回分料金 近鉄、新力−ド発売(京都)
  ■金田一少年の事件簿 ツアー第2弾発売へ JR西日本13日から(京都)
  ■旧国鉄債務だれが負担 運輸は「納税者」望む 大蔵「待ち」、政治家黙る(朝日)
  ■声 親切のリレー運転手に感謝 京都市 木村郁恵(主婦 33歳)(朝日)
6日■京阪淀駅周辺高架化へ 交通混雑の緩和図る 京都市・京阪・中央競馬会 本年度から調査 事業費は230億円 2002年完成目指す(京都)
  ■バス停へたどり着けない JR京都駅 案内標識が不親切? 八条口から烏丸口まで 迷う修学旅行生(京都)
  ■風洞に時速300`の風 技術センターしゅん工式 JR総研滋賀県に(京都)
  ■「新幹線ホーム間違えた」飛び降り線路渡る 妨害容疑 男性逮捕 列車一時ストップ 京都駅(京都)
  ■線路に降りて新幹線止める 京都駅、容疑で逮捕(朝日)
7日■来月20日から須磨まで普通電車延長 JR東海道・山陽線(京都)
  ■近鉄が割引切符2種 15日から発売(京都)
  ■窓 市バス・地下鉄値上げ(京都)
  ■地下鉄東西線内部を歩こう 30日「トンネルウォーク」開催 京都市交通局 参加者を募る 市内在住の小学生以上(朝日)
  ■声 変容が悲しい里帰りの車窓 高松市 高松博子(主婦 42歳)(朝日)
8日■JR梅小路駅で灯油火災だ! 化学車も出動、迫真の放水 下京消防署 消防訓練(京都)
  ■JR田辺駅 橋上駅に改築や周辺整備へ調査 市制控え町が予算案(朝日)
  ■JRはいま 10年目の民営ビジネス @ がれきの街で 復興でリード 私鉄圧倒(朝日)
  ■神戸発着電車 須磨まで延長 JR、来月20日から(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
9日■私鉄総連 97春闘、スト構えず 7月定期大会に提案 話し合い重視へ(京都)
  ■柏駅で異臭 16人病院へ 千葉、症状軽く(京都)
  ■JRはいま 10年目の民営ビジネス A ふるさと鉄道 廃線のつけ 地方に重く(朝日)
  ■京阪宇治駅 鳳凰堂風ビル 来夏オープン(朝日)
10日■天橋立駅で脱線 KTR、けが人なし(京都)
11日■北近畿タンゴ鉄道 天橋立駅で快速が脱線(朝日)
  ■声 欧州の電車は障害者に配慮 徳島市 勝瑞基補(無職 69歳)(朝日)
  ■1億6900万円JRに請求へ 「こだま」に引きずられ17歳死亡 きょうにも両親が提訴「速さ偏重が問題」(朝日)
  ■JRはいま 10年目の民営ビジネス B 古都の城 駅ビル開業へ地元”頭越し”(朝日)
  ■阪急神戸線に置き石 尼崎(京都)
  ■加悦SL広場引っ越しへ 丹後(京都)
12日■再生 阪神大震災 被災者用賃貸住宅を建設へ JR貨物が西宮に123戸(京都)
  ■昨年3月以来重体 サリン被害者死亡 埼玉の会社員(京都)
  ■新幹線 三島駅事故 1億7000万円賠償請求 死亡高校生の両親提訴 「危険ドア放置」(京都)
  ■西宮に被災者向けの賃貸マンション建設 JR貨物(朝日)
  ■地下鉄サリン 死者12人に(朝日)
  ■JRはいま 10年目の民営ビジネス C 讃岐ラーメン 全収入の1割りが関連収入(朝日)
  ■地下鉄で爆破 4人死亡 モスクワ 12人負傷 選挙妨害テロか(京都)
13日■京都市 東西線延伸促進 来年度の政府予算 72項目で要望(京都)
  ■近江鉄道創立100年 記念乗車券と入場券を発売(京都)
  ■京阪神の夏まつり 割引切符でどうぞ JR西日本 16日から発売(京都)
  ■地下鉄爆発 テロ行為と非難 エリツィン大統領 発火装置の破片発見(朝日)
  ■JRはいま 10年目の民営ビジネス D 300`のメンツ 新大阪挟む競争 ひずみも(朝日)
14日■国鉄跡地「一等地」2兆円届かず 鑑定士試算 事業団、海外募集も(朝日)
  ■地下鉄爆破の捜査「オウムも視野に」モスクワ放送報道(朝日)
  ■列車トイレ、明るく変身(朝日)
15日■17日から走行実験 リニアモーターカー(京都)
  ■朝は大阪、夜は北新地 JR東西線 定期券の乗客に便宜(朝日)
  ■大阪駅前のゴルフドーム 空気抜かれぺしゃんこに(朝日)
16日■窓 バス停留所に観光案内板を 上京区・河崎唯由(無職・81)(京都)
  ■空気抜かれぺちゃんこに 大阪のゴルフドーム(京都)
  ■綾部の牛乳販売店全焼 山陰線にも遅れ(京都)
  ■信号故障、電車一時ストップ JR丹波口駅、運休も(京都)
  ■記者ノート 「安全」削り取る時速300`(朝日)
  ■旧国鉄バス 民営後2500`廃止 過疎地の赤字路線中心(朝日)
  ■普通電車2本運休 JR山陰線で ポイント故障(朝日)
17日■併設型の保育所建設提言 女性の社会進出支援 駅ビルやマンション内に 子育て施設整備検討委(京都)
  ■爆破予告電話で列車5本が運休 JR播担線、異常なし(京都)
18日■新大阪駅に500系乗り入れ 新型新幹線試験走行(京都)
  ■外国人の京観光 宿は知人宅・民宿 足は市バス JR京都駅前の案内所が実態調査 人気の場所はやはり「金閣寺」 天橋立・美山も(京都)
  ■京都駅 ビル開発 社長に原氏(京都)
  ■窓 敬老乗車証使う父見たい 上京区・石崎陽子(内職・35)(京都)
  ■新型車両の騒音測定 尼崎市が新幹線沿線で(朝日)
  ■京都駅ビル開発 後任社長に原氏(朝日)
  ■強風で関空線 一時ストップ(京都)
  ■強風・強雨 朝の足乱す 運休や欠航 近畿で続出(朝日)
  ■線路に落石 列車が衝突 島根・JR三江線 けが人なし(朝日)
19日■JR西日本新型新幹線車両「500系」 時速300`営業へテスト着々 新大阪−博多間 年末にもデビュー 来月から「走り込み」(京都)
  ■京都市交通局 2運転手を戒告 市バスで乗客 無理に下車や降ろさず(朝日)
  ■北陸新幹線で意見交換 関経連と北陸経連が懇談(京都)
  ■風に弱い関空連絡橋、返上! 運休減らせ 線路部に柵(朝日)
  ■風で大迷惑 神戸でけが人(朝日)
  ■架線にビニール 片町線ストップ(朝日)
20日■御池通 京のシンボルに 整備事業中間報告 片側12bの歩道(府内一) 本年度中 沿道景観形成地区に指定(京都)
  ■鉄パイプ置きまた列車妨害 JR姫新線(朝日)
  ■車いすで自由に電車に乗る道は 福祉ナウ講演会(朝日)
  ■姫新線妨害で 17歳少年逮捕 線路に鉄片置いた疑い(京都)
  ■列車妨害容疑 17歳少年逮捕 JR姫新線に鉄板(朝日)
21日■JR西日本 株式上場を申請 10月にも実現見通し(京都)
  ■上場前、最後の「1人株主総会」 JR西日本(京都)
  ■53dSLソロリソロリお引っ越し 加悦 展示広場移転で 早朝に”大作戦”(京都)
  ■JR西日本が上場申請 東証・大証 8月にも競争入札(朝日)
22日■JR西日本の株式上場申請 好環境でも課題山積 売り出し価格、焦点 「東より1、2割安」の声(京都)
  ■北近畿タンゴ鉄道 損失4億1797億円に減少 95年度決算 電化で乗客微増(京都)
  ■JR西日本・東海・東日本株 来年度中に全株放出 清算事業団理事長方針(朝日)
  ■さよなら和風駅舎 JR長野駅新幹線開業で再開発(京都)
  ■なぜ? 男子トイレ 右側? 左側? ”水に流せぬ疑問” 決まりなし 設計者の好み(京都)
  ■”勉強しまっせ”東西線 私鉄より運賃安く JR「特定区間」導入で対抗(朝日)
23日■JR高架側面からコンクリート落下 神戸で男性大けが(京都)
  ■株主爽快控えたJR東日本  広がる”レール”のきしみ 「不採用」で労労対立 多発の列車妨害事故 内部犯行説で応酬(京都)
  ■窓 線路は続くよどこまでも(京都)
  ■窓 市バスに必要 心遣いの一言 下京区・山田善八(無職・78)(京都)
  ■赤字4億円余 2番目に多額 北近畿タンゴ鉄道決算(朝日)
  ■声 自動券売機のカードに注意 君津市 浅野百合子(客員研究員 75歳)(朝日)
24日■踏切警報機異常作動 通勤客4000人に影響 JR奈良線(京都)
25日■梅小路SL館リニューアル JR西日本 旧二条駅舎、近く移築作業 展示館など来夏は一新(京都)
  ■朝の御堂筋線乱れ 通勤の1万人影響(朝日)
26日■JR特急が脱線 落石と接触 16人けが 岐阜・高山本線(京都)
  ■横転車両 あわや川に JR特急脱線 夜の温泉街、騒然 豪雨の中、負傷者次々(京都)
  ■「地震かと思った」突然、2度の衝撃 乗客の話(京都)
  ■避難勧告やJR一部不通 新潟、長野(京都)
  ■ミステリーツアー 利用者1万3000人(京都)
  ■窓 敬老乗車証交付 社会参加に一層の活用を 崎山康治(京都市民生局 高齢福祉課長)(京都)
  ■JR特急脱線 16人けが 高山線 飛騨河近く 雨で落石、乗り上げ 河側へ傾く 百数十人は救出(朝日)
  ■脱線の衝撃 渦巻く悲鳴 通過直前、線路へ岩 やみの中、乗客ら脱出(朝日)
  ■時々刻々 300`超特急 被災地揺らす 試験走行に住民不安 減速要求、JRは口濁す(朝日)
  ■特急「ひだ」脱線事故 崩落の危険の中検証(京都)
  ■救出スムーズ パニック防ぐ 町と消防一体に(京都)
  ■県道を越え岩石落下か JR高山線事故(朝日)
  ■JR高山線事故 2年前から危険指摘 地元住民 町に通報 4月に県視察「安全」(朝日)
  ■「置き石犯」はカラス 市民の提供写真きっかけ 神奈川(朝日)
27日■JR高山線脱線事故 列車2両を撤去 復旧のめど依然立たず(京都)
  ■ロータリーの「交通広場」に 宇治・近鉄大久保駅東側(京都)
  ■信楽高原鉄道友の会発足へ(京都)
  ■北陸トンネル事故 損害賠償訴訟 京滋被災者らの請求棄却 福井地裁 後遺症「因果立証ない」(京都)
  ■給油栓なしでのぞみ走行 3000人に影響(京都)
  ■5時間半余りAGTを停止 関空南ウイング(京都)
  ■車両2台、引き上げ 高山線事故 復旧になお時間(朝日)
  ■関空の無人旅客輸送車停止 軌道欠け5時間半(朝日)
  ■のぞみに異常、遅れ(朝日)
  ■後遺症の賠償 全面的に棄却 JR北陸線列車火災(朝日)
  ■JR高山線 今夕開通めざし作業 斜面の岩、爆破し撤去(朝日)
28日■脱線から44時間ぶり JR高山線が復旧(京都)
  ■阪急バス停行き先表示 JR長岡京に駅名変更後も「JR神足」のままだけど…(京都)
  ■南北の広場自由に往来 JR山陽線 大久保駅 橋上駅舎が完成(京都)
  ■埼玉に「東京駅」? JR深谷駅 れんがで新築(京都)
  ■高山線が復旧(朝日)
  ■乗客、降り損ね非常ブレーキ JR大阪駅 東海道線などダイヤ混乱(京都)
29日■SL湖北走る 8月10日から土日8回(京都)
  ■窓 人中心に考え線路を高架に 能登川町・山田保則(建築デザイナー・32)(京都)
  ■窓 不便なバスの増便を考えて 亀岡市・山内二三代(無職・73)(京都)
  ■京阪奈新線 低利融資の実現望む 近鉄田代社長 早期建設に意欲(京都)
  ■JR高山線事故 10分前に「異常」連絡 110番受け警察が下呂駅へ 特急には伝わらず(京都)
  ■妖怪バスが山陰路に登場 日本交通定期路線(京都)



1日■市バス・地下鉄 運賃値上げ案 原案通り可決へ 京都市会与党4会派 付帯決議で難航
 京都市議会の自民党、公明、社民党、新進党・市民クラブの与党4会派は31日、市バス・地下鉄運賃値上げ案について、大きな赤字を抱える交通財政改善のためには「値上げもやむを得ない」として、最終的に原案通り認める方針を固めた。しかし、理事者側に一層の経営健全化努力を迫る付帯決議などをめぐって与党各会派間の調整が1日未明にまで続き、31日に予定していた交通水道委員会での採決は見送った。
 付帯決議を焦点にした与党4会派の協議は、自民党が30日に市理事者側に提示した合理化対策など10項目を軸に進められた。
 この中には▽超勤手当削減へ嘱託運転手の拡充▽市民本位のダイヤ作成委員会の設置▽国家公務員俸給表に基づいた職務内容の給料表見直し▽路線見直しの系統研究委員会の設置−などが盛り込まれている。
 他の3会派は「自民党の10項目には乗れない」として調整が難航、改めて与党4会派で一致できる付帯決議づくりを進めている。
 ただ、自民党は付帯決議とは別に「10項目は自民党独自で理事者側に実行を約束してもらう」としている。
 一方、値上げ案に反対している野党の共産党は「審議が十分尽くされていない」として3日に最終日を迎える今議会の会期延長か7月議会へ継続審議とするよう各会派に申し入れた。(京都新聞)
■京阪宇治駅南ビル 建設計画まとまる
 宇治市の玄関口の一つ、京阪宇治駅の南ビル建設計画がまとまり、京阪電鉄が31日、発表した。観光地・宇治の玄関らしく、平等院鳳凰堂をモチーフに、現代風にアレンジしたデザイン。駅のコンコースを兼ね、関西国際空港と結ぶリムジンバスセンターなども設けられる。今夏に着工、来年夏までの完成を目指す。
 同ビルは、宇治橋東詰めで整備が進められている駅前交通広場と、駅舎を結ぶ役割を果たす。(京都新聞)
■近鉄が駅で販売 鉄道業界で初めて
 近畿日本鉄道の子会社、近鉄観光(大阪市)は31日、6月1日から近鉄の駅売店でコメの販売を始めると発表した。許可制だったコメの販売を登録制にするなどの新食糧法が1日から本格的にスタートするのに伴い、同社は今年4月、関係府県の知事にコメ販売を申請、認可された。同社によると鉄道業界でコメ販売を手掛けるのは初めて。
 鉄道業界では、JR西日本の子会社「西日本キヨスク」(同)が既に認可申請済みで、駅以外の店舗でのコメ販売を計画している。ほかの関西大手私鉄には具体的な動きはない。(京都新聞)
■関西5私鉄決算 阪神と阪急、無配に 震災影響 京阪は大幅増益
 関西の私鉄大手5社の96年3月期決算が31日、出そろった。震災による鉄道被害と被災地の人口減少による影響が大きい阪神電鉄が大幅な減収減益、阪急電鉄も最終損失は6800万円の赤字となり、2社とも無配に転落した。他の3社も、乗客数の頭打ち傾向から咋秋の運賃値上げの効果を十分には利益に結びつけられなかった。
 震災に伴う損害額が481億円に上った阪神は、鉄道の乗客数(輸送人員)が2億600万人と前期に比べ10.1%減。これにより鉄道事業の営業利益は同70.3%の減少になり、最終損益は16億円の赤字となった。
 阪急は、鉄道の乗客数を3.8%減らしたが、運賃収入は2.9%伸びて993億円を確保。コンビニ事業など兼業部門も好調で、経常利益は30%増の54億円と、増収増益とした。しかし、震災による特別損失48億円を計上したことで、最終損益は前期に引き続き赤字となった。
関西私鉄5社の3月期決算
 売上高経常利益税引利益
近畿日本鉄道2472(▼2.7)129(17.0)107(▼13.1)
京阪電鉄1167(3.3)61(42.8)33(0.3)
南海電鉄1174(0.8)49(17.7)27(0.2)
阪急電鉄2069(16.7)54(30.0)▼0.6( -)
阪神電鉄689(▼2.6)4(▼92.3)▼16( -)
※単位億円。カッコ内は前期比伸び率%。▼はマイナス。
 近鉄は、志摩スペイン村の入場者が前期より約100万人減ったことなどが響き、鉄道の乗客数が0.2%落ち込んだ。バス事業も不振で、税引利益は13.1%減の107億円にとどまった。
 京阪は、震災の余波で京都競馬場の開催日数が増えたことなどで、鉄道乗客数の落ち込みが止まり(実数では7万人増加)、経常利益では42.8%の大幅増、税引利益も0.3%伸ばした。南海は、空港線開業の効果が続き、鉄道の乗客数を0.4%減らしたものの、旅客収入は669億円と7.9%伸ばし、全体では増収増益となった。(京都新聞)
■関西大手私鉄 3社増収増益 3月期決算
 関西の私鉄大手5社の1996年3月期決算が31日、出そろった。各社とも昨年9月1日に運賃を値上げしたことから、売り上げを伸ばしたところが多く、3社が増収増益となった。また、阪神大震災で大きな被害を出した阪急と阪神は、前期に続いて最終赤字を計上、無配となった。
 値上げによる増収分は、近鉄が122億円、阪急が51億円、南海が43億6300万円、京阪が39億円、阪神が17億7200万円だった。
 しかし旅客人員では、前期並みだった京阪を除き、4社が前期実績を割り込んだ。うち3社は4期連続の減。特に定期客は、雇用の回復が遅れていることや、就学人口の減少など、構造的な要因から減少に歯止めがかからない状態だ。
 また、阪急は地震災害損失として48億円を特別損失に計上したため、最終損益は6800万円の赤字となった。
関西大手私鉄5社の96年3月期決算
 売上高経常損益旅客人員
近鉄2472(▼2.7)129(17.0)7億8866万(▼0.2)
阪急2069(16.7)54(30.0)7億2996万(▼3.8)
南海1174(0.8)49(17.7)3億 263万(▼0.4)
京阪1167(3.3)61(42.8)4億 177万(0.0)
阪神689(▼2.6)4(▼92.3)2億 629万(▼10.1)
単位・億円、旅客は人、カッコ内は前期比伸び率%、▼はマイナス
 阪神も、83年度から黒字経営だった自動車部門が赤字転落するなど、震災の影響が色濃く残り、16億円の最終赤字となった。(朝日新聞)
■京都市バス・地下鉄運賃 値上げ案を委員会可決 3日成立 9月に実施方向 付帯決議で難航 徹夜の議会に
 京都市議会の交通水道委員会は1日早朝、市バス・地下鉄運賃値上げ案を自民党、公明、社民党、新進党・市民クラブの与党4会派の賛成多数で原案通り可決した。共産党は反対した。3日の最終本会議で可決成立する予定。これを受けて市は運輸大臣に値上げを申請し、9月1日から実施したいとしている。
 最終本会議では、与党は市に対し1999年度末での不良債務解消に向け、一層の経営健全化努力を求めるため「理事者は不退転の決意で取り組むこと」などを盛り込んだ付帯決議をつけることで一致した。
 市議会は、今議会最大の焦点だった運賃値上げ案の実質審議を29日に終え、31日の交通水道委で採決する予定だった。しかし付帯決議をめぐる与党4会派の調整が難航し、同委再開は1日午前4時45分と大幅にずれ込んだ。
 採決では、与党各会派は「公営交通を守るため、ぎりぎりの選択をした」などとし、原案に賛成した。
 一方、野党の共産党は「審議し尽くされていない。もっと議論すべきだ」と継続審議を求めたが否決され、採決では反対した。
 付帯決議は、与党会派間の調整がつかず、公明、社民党、新進見・市民クラブがそれぞれ独自に出すことになった。
 いずれも理事者に対し「一般会計による支援の根拠、年次計画を明確にする」「チェック機関の設置とサービス向上へ最大限の努力をする」「人件費の削減へ一層の努力をする」ことなどを盛り込んでいる。最終本会議では自民党を含む与党の賛成で、それぞれ採択される見通しだ。
 これとは別に、自民党は独自に理事者側に要求した人件真の削減など10項目の合理化対策の実行を求めていく。
 市バス経営は乗客減などで、本年度末には99億円もの不良債務が見込まれるとし、市は「利用者にも応分の負担を」と運賃値上げを提案した。
 しかし、市が議会に提出した不良債務の解消策や、路線の再編成、乗客増対策、公営交通のあり方など再建計画は具体性を欠き、審議の過程でも十分明らかにされなかった。
 値上げが申請通り実施されると、市バス(均一区間)は現行の大人200円が220円、地下鉄は1区が180円から200円など各区間で20円ずつ上がる。(京都新聞 夕刊)
■市バス・地下鉄値上げ案可決 再建策積み残し見切り発車 京都市会委 むなしい議論、本音も
 京都市バス・地下鉄の値上げ案は、徹夜議会の末、1日早朝の交通水道委員会を通過した。与党4会派が付帯決議をつけることで、値上げ賛成の形を整えようとしたが、決議の中身をめぐって調整で難航、すったもんだしたためだ。しかし、委員会審議を通じても市バスの不良債務解消策は不透明のまま。運賃値上げは「再建後回し」の形で見切り発車することになる。
 各会派の議員団室が並ぶ京都市役所2階では、31日午前から議員団会議や与党会派間の調整が延々と続いた。
●走る理事者
 30日に市理事者側に合理化対策など10項目の要求を出していた自民党の議員団室には、市幹部が何度も訪れた。「努力の結果を見せろ」。いらだちからか理事者を怒鳴る議員もいた。
 公明、社民党、新進党・市民クラブも議員団会議を断続的に開き、市が示した「市バス事業の今後の展望」について「具体的な再建の姿が見えてこない」との意見が続出、そのたびに市の担当者が説明に走り回った。
 「弱者への料金据え置きは考えられないのか」(公明)、「値上げ実施の先送りも検討すべき」(新進党・市民クラブ)、「市民に対して値上げの担保をどう取るか」(社民)など、お家の事情も縮み、結論を出せずに議論が続いた。
 野党の共産党は、31日昼過ぎに「重要案件なのに審議が不十分だ。会期延長か継続審議にするべきだ」と、各会派に申し入れていた。
●「長期戦や」
 「どうせ長期戦や」との声が漏れる中で、ようやく午後8時ごろから事態が動き始めた。自民党の10項目の要求に「市が1年以内に実現するよう努力すると回答した」との情報が飛び交った。それに合わせるかのように、3会派でも付帯決議をつけることで「値上げやむなし」の方向に傾いていった。
 ところが、その決議をめぐる与党4会派の協議の場で、自民党がたたき台として10項目の要求を提示すると、3会派は「何時だと思っているんや。内容もこれではのめん」と反発。一時は独自で付帯決議を模索する動きに出たが、4会派の代表が協議し「4会派で付帯決議をすり合わせる」ことになった。
 今度は、3会派それぞれの付帯決議案を見た自民党議員から「話にならん内容や」との声も漏れた。何度も協議を重ねた結果、社民党の1項目を除き、3会派の各付帯決議案に4会派が賛成することで折り合いがついたのは、委員会終了後の1日午前6時前、すでに東の空が明るくなっていた。
●約束実行を
 「金のない市バスにいくら要求しても出て来ない。それを分かりながら議論してもむなしい」と、徹夜で目をはらした議員から本音が漏れた。「出来レースとは言えないが、結果、そうとられても仕方ないなあ」と話す議員もいた。(京都新聞 夕刊)
■新食糧法 きょう自由化 コメ駅でも売ります 有料道路も登録申請
 米の小売り、卸売業が1日から自由化された。新食糧法が施行され、店舗の開設がこれまでの許可制から登録制に切り替わった。食料品販売店に加え、ガソリンスタンドや駅の売店といった異業種が、この日を境に一挙に参入。一方、食管制度に支えられてきた「町のお米屋さん」は激減し、米ビジネスは弱肉強食の「戦国時代」に突入している。
 大阪近郊で17のガソリンスタンドを経営する「関西中央石油」(本社・大阪府守口市)は、5月から「産地直送米のドライブスルーと路打って、全店で新潟産コシヒカリなどの販売を始めた。新潟県の仕入れ先の名義を借りての「試験期間」だったが、1日からは大阪府に店舗を登録しての「本番」となった。
 「持ち運びのいらない便利さをアピールしたい。今は月1500袋程度だが、月3000−4000袋の売り上げを目指す」と、同社の小山田健生社長は話す。
 駅ホームやコンコースの売店にも、米が並び始めた。近鉄グループの近鉄観光(本社・大阪市)は1日朝から、近鉄大阪線の布施駅や奈良線の学園前駅など近鉄の30駅にある36店舗で順次販売を開始。独身や単身赴任者に、学校や会社の帰りに立ち寄ってもらう狙いだという。
 持ち運びしやすいように2`グラム入り袋のみの販売で、「コシヒカリ」は1500円、「あきたこまち」は1000円。月に3000袋の売り上げを見込んでいる。
 スーパー大手のダイエー(本社・神戸市)は「お米が普通の食品になった」(同社広報)とみる。系列のコンビニエンスストア「ローソン」でも1日から、5750の全店舗で、1`の小袋に詰めたブランド米が並んだ。
 有料道路のサービスエリアでも米を販売する動きがある。日本道路サービス(本社・東京都)は、兵庫県内の姫路バイパスの別所、姫路の両サービスエリアでの販売を登録申請した。販売開始の時期は未定だが、「いつでも、どこでも販売できるのはいいことだ」と同社営業部。
 大阪府流通対策室によると、1日付で登録された府内の米小売店は1万2050店。昨年11月の5586店に比べ約2.2倍となった。半面、町のお米屋さんなどの米専門店は3236店から3042店へと、200店近く減った。「自由化の影響で廃業したケースも多い」と、同室はみている。
・迎える側も知恵
 新規参入を迎え撃つ側も知恵を絞る。京都市のデパート京都高島屋は、4月18日から売り場に小型の自動精米機を設置し、玄米を注文に応じて精米して販売するコーナーを設けた。販売価格は1`425円から800円まで幅広く、米の鮮度や客の健康志向を意識した、という。100パーセント精米のほか、3分づき、5分づき、7分づきと精米程度を指定できる。
 同店企画宣伝部は「競争が激化する前に、固定客をつかむねらいで始めた。百貨店の顧客は基本的に価格より品質と信頼を重視するので、価格はふつうだが質で勝負したい」と話している。
 産地でも新しい動きが出ている。JA福井市は今年から、コープこうべ(本部・兵庫県三木市)の組合員を招待し、田植えや稲刈りなどを体験してもらう交流活動を始めた。JA福井市販売課は「乱売合戦とは一線を画し、『顔の見える関係』を、時間をかけて築きたい」と説明している。
・「古い店には気の毒です」
 消費者の思いは複雑なようだ。米の販売を始めた近鉄上本町駅(大阪市天王寺区)の売店の前を通りかかった大阪市東成区の主婦海老くすえさん(74)は「こんなところでも米を売るようになったなんて。私は40年前から近所のお米屋さんから買っている。古くからの付き合いがあるから買う先は変えないけれど、今までずっと営業してきたお米屋さんはこれから気の毒ですね」と話していた。(朝日新聞 夕刊)
■列車が暴走 17人が死亡 西シベリア
 【モスクワ1日=塩原俊彦】インタファクス通信によるよ、ロシア・西シベリアのケメロボ州のリトビノボ駅で31日、客を乗せた列車と貨車が衝突し、少なくとも17人が死亡、45人が負傷した。
 緊急事態省の調べでは、貨物列車の連結器が突然はずれ、セメントを積んだ4両が暴走したところに、列車が突っ込んだ。(朝日新聞 夕刊)
■夜汽車で眠りの国へ旅
 夜汽車。夜走る汽車は人生の旅を乗せ、見知らぬ街の灯をながめながらどこへ行くのか。車中の人は何か必ずや訳ありで、乗客の顔には「希望」とか「絶望」とか書いてある。物見遊山で利用するのが場違いのような感じすらいたしますね。
 夜汽車でも寝台つきのをブルートレインと言うんだそうでございます。車体の色と夜空の色からの命名なんだとわかっていても、決断、潔さ、期待、あきらめ、夜明け前といった色としてのブルー。そんな気分が夜汽車にはあるじゃあありませんか、ねェ。
 今日は一寸(ちょっと)、そんな気分を楽しむため、寝台車で旅に出ようと思ったのです。目的地のない旅といっても目的はある。さすらいの寝台無宿の旅です。
 北海道・東北方面なら北斗星、あけぼの、はくつる。九州方面なら、あさかぜ、富士、さくら、はやぶさ、彗星(すいせい)、あかつき。う−ん、皆名前がイイじゃあありませんか。東京−大阪間に銀河というのがありますが、これは特急ではなく、全国でも珍しい寝台急行列車なのです。新幹線なら3時間で着いてしまうものを、睡眠時間をとるためにわざわざ急行にしたというわけ。せちがらい世の中にあって、何て悠長。またそれを楽しむ御仁(ごじん)がいると思うと、憩うというもの。
 実際に乗ってみると、その時間の長いこと。よっぼど時間が有り余っているか鉄道オタク、もしくはやむにやまれぬ事情がある人しか利用しないことを実感いたします。しかし、そこがまた命が延びるっていう旅の第一目的、ひいては憩をクリアしているということなのです」
 寝台車はやはり日暮れ前に乗るというのがよいのでしょう。たそがれて、夕陽でもながめながら早めの夕飯を食べ、空が薄暮から紫に変わるころ、床の準備をして寝入るというのが理想なんでございます。
 人によってはあの震動がダメということもありますが、なアに、規則正しいリズムに乗って時間と共に変化する、動く風景画にながめ入っていれば、ホントに至福の旅、眠りの国への旅情を誘うのです。もしあなたが車派で、車の旅が大好きであっても、寝ながら旅するなんざ、救急車か霊きゆう車ぐらいのもんでしょう。
 昼間からゴロゴロしている習性の人間にとって、ひじまくらで読書にふけりながら旅するなんて実に高級なる憩なわけでございます。(文/沼田元氣)(朝日新聞 夕刊)
2日■市民の足を考える 京都市バス・地下鉄値上げ 桝本市長に聞く
不良債務解消 必ず実行/民営化地域 ほぼ現行の路線確保/「展望」の進行 庁内にチェック機関
 京都市バス・地下鉄運賃の値上げ案が1日、市議会交通水道委員会を通過し、3日の本会議で可決される。値上げの理由や、市が不良債務の解消策を示した「市バス事業の今後の展望」の具体策、営業所の廃止に伴う民営化や路線の再編などについて、桝本頼兼市長に聞いた。この中で、桝本市長は「展望」は公約として必ず実行することや、民営化地域でもほぼ現行の路線を確保していく方針を強調した。また「展望」の進行状況を点検する庁内体制を本年度中に設置することを示した。
 −値上げの経緯と初乗りで20円値上げする根拠は。
 「市バスは慢性的な道路混雑などで乗客減が続き、今後も地下鉄整備で減少が予想される。本年度末の経常赤字は44億円、不良債務は99億円と見込んでいる。不良債務の増加を抑え、長期的に安定経営を図れるよう利用者にも応分の負担をお願いした。これでは単年度の経常収支すら黒字にならないが、経営健全化対策や一般会計からの支援で可能な限り上げ幅を圧縮し、20円をお願いすることにした」
 「現実に市バスには毎日44万1000人に利用してもらっている。市民の足を将来にわたって安定して確保しようと思えば、心苦しくても市民にきちんと説明し、運賃を改定することが、長い目でみて市民の福祉につながると確信している。もちろん交通局の『親方日の丸』的な体質や給料が高いとの批判は、その通りだが、本当の姿を示し、正すべきは正して社会的水準に持っていく。前回の運賃改定から4年がたち、いま改定しないとバス事業は完全に崩壊する」
 −市の交通事業の実態をどう見ているか。
 「基本的な枠組みの地方公営企業法は、1952年の制定だ。車社会の進化、交通手段の多様化、都心部から周辺部への人口流動などは想定していないものだ。赤字路線とか不採算路線と言われても、市民の足として維持しないといけない。赤字体質の原因は、定時性(時刻表通りの運行)が確保できないことや交通手段の多様化だ。社会のそうした大きな流れに対して、全国の自治体公営企業がついていけない状況になっている」
 −「展望」の実現へどう努力するのか。
 「(定数削減や給与制度の見直しなどを盛り込んだ)経営健全化計画に基づいて交通局自身の努力で230億円を生み出す。99年度末までに60億円を残して不良債務を解消する。『展望』は市民に約束したもので、実現するのが大前提だ。そのためには、交通局の労使も京都市全体としても精いっぱいの方策を講じて、何がなんでも必ず実行していく。独立採算性を度外視しても、市民の足を守ることに交通行政がある。パフォーマンスでなく着実にやる。今までやってきたことを土台にすれば必ずできる」
 −「展望」では、不良債務の解消へ一般会計から多額の繰り入れをするが、その理由は何か。財源の手当てはどうするのか。
 「バス、地下鉄合わせ毎日64万人に利用してもらっているのだから、これが破たんしないように、一般行政としても、とにかく市民の足を確保するために緊急、特例的な措置として決断した。もし繰り入れをしないと公営交通は完全に破滅し、市民や観光客が迷惑する。一般会計の単費か財政調整基金のどちらで出すか決めていないが、いずれにしても市民税で出すことになる。現在も市民1人当たり5500円の繰り入れをしている。その辺が一つの指標になる」
 −「展望」の進行を点検する体制が必要だ。
 「交通局任せにせず、オール京都市役所の専門家による体制をつくり、定時性確保から道路、橋の建設など都市交通問題まで原点に帰った議論をしながら点検していく。素案はまとまっており、本年度中には発足させたい」
 −醍醐営業所の廃止や南西部の新運営方式で民営化などされると、住民はバス路線がどうなるか大きな不安を持っている。
 「特に他の交通手段を持たない人が心配していると思う。南西部では新しい交通体系を考えるため協議中だが、関係する市民の足を守るため知恵を結集して本気で考えていく。指標はほぼ現行通りの足が確保できること。これがすべてで、基本的な路線は守っていかねばならない」
 「民営・第三セクター化でマジックのように何でも解決するとは思わないが、タブー視してはいけない。多様なメニューを考え、大量輸送機関の枠組みづくりを進める。要は市民のためによりよいものをつくることが必要で、大胆な挑戦もしていかないといけない」
 −今後の公営交通を幅広く考える機関を設置してはどうか。
 「国や地方の責任者、専門学者、マスコミなどの知恵を借りるのは当然で、役所中心主義では駄目だと思っている。これは京都市だけの問題でない。公営交通が危機にひんしている全国の自治体が集まって、真剣に取り組んでいかないといけない。日本の大都市交通の死命を決しかねない問題だから、幅広い意見を聞きながら考えていく」
 −市民は便利な交通を求めている。交通問題について市長の考えは。
 「市民の行動半径は広がり続けており、移動を保証し市民の足を守るのが、福祉国家における公営交通の役割だと思う。交通局の労使、市当局、市民が積極的に意見を出し合い、取り入れるものは取り入れる姿勢が必要だ。私も、市民の集まる場で交通行財政の現状を偽りなく話しており、ある程度の理解を得られていると思う。まず市バスに乗ってほしい。1台にあと6、7人乗ってもらうと赤字は出ない」(政経部 永島垂彦)(京都新聞)
■JR舞鶴線の電化・高速化へ促進大会 舞鶴
 JR舞鶴線電化・高速化促進大会が1日、舞鶴市民会館であり、鉄道近代化への熱い思いを確認した。
 大会はその現実を直視し早期電化を求める目的で、舞鶴、綾部両市でつくるJR舞鶴線電化・高速化促進協議会が主催。
 一昨年暮れ、府知事に同線の電化の必要を提言した府公共交通網整備研究会鉄道部会の天野光三部会長(京都大名誉教授)が「舞鶴のまちづくりと鉄道」のテーマで講演。これからの舞鶴に鉄道近代化が欠かせないことを強調した。(京都新聞)
■根回し15時間 夜明け可決 京都市バス・地下鉄値上げ案委員会審議 賛成根拠示されず 「開かれた場」いつ
 市バス・地下鉄の値上げ問題を審議する京都市議会の交通水道委員会は1日午前4時47分から開かれ、運賃条例改定案を賛成多数で原案通り可決した。同委員会は当初、5月31日午後2時からの予定だったが、各会派の根回しなどに手間取り15時間近くも開会が遅れた。5月17日に値上げ案が提案されて以来、委員会の場で議員同士が値上げ案の是非について討議した時間はほとんどなく、市民の目が届かない「密室での折衝」によるわかりにくい決着となった。3日の本会議でも原案通りに可決される見通しという。(津布楽洋一)
●審議3分
 窓の外が明るくなり始めた午前4時47分。ようやく開かれた交通水道委員会の審議時間は、わずか3分間だった。まず各会派が態度を表明した。自民は原案通り賛成。公明、社民、新市クは、「市民サービスの向上に努力する」などの付帯決議をつけて原案通り賛成。共産が継続審議を求めた。その直後に採決し、賛成多数で可決した。
 同委員会は5月31日午後2時の開会予定だった。だが、各会派間の意見調整がつかないとして、議員らはそれぞれの議員室に待機した。時折、各会派ごとの「議員会」や会派間の非公式の話し合いが持たれ、心配そうな表情の市交通局職員らが書類を抱えて廊下を行き交った。午前零時前、議会運営委員会理事会が開かれ、「午前2時開会への努力」を確認したが、実際にはさらに3時間近くずれ込んだ。
●討論少なく
 値上げ案を審議する同委員会は5月23日から計6日間、開かれた。このうち3日間は交通局に対する質疑に充てられ、交通局の資料提示・説明と、市長らに対する質疑が1日ずつ。提案者側との質疑は必要だが、最終日となった1日も実質審議は3分間で、委員の討論はほとんどなかった。
 今回の採決について、各会派はこう説明する。
 自民「このまま赤字が増えていったら京都市の将来は大変なことになる」
 共産「料金が日本一になることなどについて審議が十分つくされていない」
 公明「経営が危機的状況にあり、それを立て直そうという市長らの決意をくんだ」
 社民「今後の交通体系について提起があり、事業の存続という目的が明確になった」
 新進・市民ク「財政状況の厳しさを考え、改革の方向と展望が示きれた」
●傍聴却下
 委員会に先立って5月22日に開かれた本会議では、各会派とも市の姿勢を厳しく追及している。その後、なぜ、「賛成」を決めたのか。議論の経過を詳しく知りたいと願う市民は多いはずだ。
 同委員会の一連の審議の度に、市民から傍聴申請が出されたが、いずれも採決の結果、却下された。しかし、本会議と同様に審議公開を求める市民の声は強まっている。委員会を密室根敬回しの結果を認めるだけの「儀式」にしないで、開かれた議論の場とするためにも、実質的に公開すべき時期に来ている。
・地下鉄初乗り200円に 京都市パス・地下鉄の運賃改定案
 市バスの均一区間が200円から220円に、地下鉄の初乗りが180円から200円に上がる。実施されればどちらも政令指定都市の中で最も高い運賃になる。定期券も上がるが、市バス昼間割引回数券は値段を据え置いて割引率を上げるなど、新たな負担緩和制度もある。9月から実施予定。(朝日新聞)
3日■ホームから頭突き出し「肝試し」 広島 列車に接触、米兵重体
 2日午前6時16分ごろ、広島市西区己斐本町一丁目のJR山陽線西広島駅下りホームで、在日米軍岩国航空基地本部中隊のカーバン・J・バックストランド伍長(24)が、通過中の広島貨物ターミナル発新南陽行き貨物列車に接触して転倒。左側頭部を骨折しており、意識不明の重体。
 広島西署の調べでは、同伍長は同基地の米兵6人と日本人女性3人とで1日夜から広島市内で酒を飲み、岩国に帰る途中だった。その際、同伍長が「肝試し」と言ってホームから線路に向かって頭を突き出し、列車が来る直前に引っ込める遊びを始めたという。
 JR西日本によると、貨物列車は時速約85`のスピードだった。この事故で後続の貨物列車2本に数分の遅れが出たが、旅客列車には影響なかった。(朝日新聞)
■柴田新委員長選出へ JR総連大会
 JR総連(福原福太郎委員長、8万4000人)の第12回定期大会が2日、静岡県熱海市で始まった。今大会で退任する福原委員長は冒頭のあいさつで、約27兆6000億円にのぼる国鉄清算事業団の長期債務に触れ、「(JR発足直後に土地売却と株式の公開を規制した)政府の政策判断の誤りによるものだ」と指摘、政府の責任で処理するよう主張した。
 大会は最終日の3日、今年度の運動方針などを決めたあと、役員を改選する。福原委員長が新設の常任顧問に就任するほか、新委員長に柴田光治書記長(57)=JR北海道労組=、副委員長に小谷昌幸組織・運動局長(55)=JR東労組=、書記長に水沢隆組織・共闘局長(49)=同=が選出される見通しだ。(朝日新聞)
■値上げ決定「審議が不十分」 京都市バス・地下鉄運賃 市民らに不満の声 赤字解消策、具体的に 行政に甘さ 企業努力を
 京都市の市バス・地下鉄の運賃値上げ案が3日、市議会本会議で可決され、9月から値上げされる見通しになった。しかし、値上げを決めるのに市民の意見を聞く機会はほとんどなく、不透明な印象はぬぐえない。議会の審議でも、値上げの根拠や赤字解消策、乗客増対策など具体的な方策は十分示されたとは言いがたい。身近な「市民の足」の値上げ決定について市民や各界の声を聞いた。
 右京区・会社員三上泰法さん(38) 値上げはうれしくはない。市バスは運転が乱暴だし、がら空きのバスが「だんご運転」していたり、おかしいと思うことは多い。運行ダイヤを上手に組むなど改善する点があるのではないか。山科や南西部でのバス事業の再編成が考えられているようだが、市民の足が確保できれば、相互乗り入れや運行規模の縮小、ルートの変更など再編成するのは賛成だ。
 西京区・主婦木村和美さん(28) 赤字が解消されるならば、ある程度の運賃値上げも仕方がないかなという気はする。でも、事業全般の人件費削減など、これから赤字を出さないでやっていける対策が考えられていないならば、値上げは納得できない。議会で十分な論議がされて決まったのか、ちょっと疑問にも思う。
 中京区・京染呉服卸商平路和夫さん(44) いま業界は加工賃を上げるのが大変なのに、あまりにも安易な値上げだ。自ら身を削ることなく、取れるところから取ろうという「お上」意識がある。一般市民への説明が手抜きで、高額運賃を招いた不手際への反省があるのか実に疑問だ。市民の足として赤字路線こそ守っていくのが公共交通の本来の姿であり、姿勢が逆だ。
 南区・会社員川端智子さん(30) 値上げ幅20円は大きい。子ども連れで乗った時に、運転手に暴言を吐かれ、市バスには嫌な思い出がある。夏休みや土曜日は、土曜ダイヤで運行しているが、休みでない人からすれば本数が減って不便になるケースもある。こんな点を改めて増収策を考えるべきでは。第三セクターなどバス事業が改善されるのは賛成。便利なバスなら、市バスでなくともいい。
 中京区・無職鈴木一夫さん(70) 敬老乗車証を使って無料でバスに乗れるのはありがたく、基本的には値上げはやむを得ないと考えている。しかし、民間企業にいた者としての目から見ると、行政にはまだ甘い部分があるように思える。昔に比べ、運転手のマナー向上など企業努力はしているのだろうが、一般の市民にはなかなか見えてこない。
・悪循環断つ手だてはしい
京都市市バス・地下鉄運賃改定額
(バスは均一区間、カッコ内は子供)
 改定額現 行
◇バ ス◇
普通券220円(110円)200円(100円)
乗り継ぎ普通券350円(180円)320円(160円)
◇地下鉄◇
1区200円(100円)180円( 90円)
2区230円(120円)210円(110円)
3区260円(130円)240円(120円)
4区290円(150円)270円(140円)
◇バス・地下鉄連絡券◇
1区360円(180円)320円(160円)
2区390円(200円)350円(180円)
3区420円(210円)380円(190円)
4区450円(230円)410円(210円)
※バス・地下鉄連格券は、
バス運賃が均一区間の場合。
 京都消費者団体連絡協議会事務局長・原強さん なぜ赤字が膨らんだのか、再建にどういう手だてが必要なのかが、明らかにされないままだ。審議も傍聴できず、開かれた討議もなされず、市民は納得しないままだ。運営上の問題が多く残された。
 今回、民営化が議論されたが、京都市は市民の足を守る公的な責任から後退している。このままいくと「値上げ−経営悪化」の悪循環がますます続く。公営交通に都市交通の中で優先権を与えて定時運行を確保するなど、利用しやすい条件を検討すべきだ。
 京都商店連盟会長・大橋進也さん 値上げは場当たり的で、このままでは利用者が減り、経営が悪化するだけだ。私たち小売店なら、たとえ値上げしても客が来てくれるように死に物狂いで努力するが、当局はどこまで深刻に考えているのか。「いま値上げしないと公営交通は破たんする」というのは一種の脅しに見え、国会の住宅金融専門会社(住専)論議と共通したものがある。
 公営交通をどうするか本気で考えるには論議の時間が短すぎる。赤字が多少膨らむ結果になっても、議会はもっと審議を尽くすべきだった。
 連合京都会長・片山戈一郎さん 市バスの赤字は構造的なもので、ある意味では値上げもやむを得ない。ただ、十分議論を尽くし、今後の京都市のビジョンの中に公共交通をどう位置づけるか、という総合的なプランが必要だった。
 市議会の審議の中で、職員の手当や賃金をめぐっての批判もあったが、労働組合としてはこれまで真剣に議論し、人員削減やベースアップ凍結など「血を流す」努力をしてきた。しかし、市民感情から見てまだ甘い部分があるのなら、労使でさらに話し合い、透明度を高める必要はある。(京都新聞 夕刊)
4日■78歳女性がはねられ死亡 JR奈良線1300人に影響
 3日午後1時半ごろ、京都市伏見区桃山町伊庭のJR奈良線で、近くの無職山本たかさん(78)が、京都行き上り電車=奥田巌運転士(33)=にはねられ、全身を強く打ち間もなく死亡した。約150人の乗客にけがはなかった。
 電車は現場に約20分間停車、後続の上下普通電車2本が運休したほか、上下6本が4−14分遅れ、約1300人に影響が出た。
 伏見署の調べでは、奥田運転士は約100b手前で山本さんを発見、急ブレーキをかけたが間に合わなかったという。山本さんは線路をまたいで畑に、よくごみを焼きに行っていたという。(京都新聞)
■窓 バスは時刻表守る努力を 大津市・方山 直(教員・45)
 新興住宅地にあるわが家から駅までは、家人に車で送ってもらったり、あるいは時間のゆとりのある場合は、歩いたりもする。そのうち、最も多いのは住宅地を循環して駅まで行く、路線バスを利用することだ。
 しかし、問題なのはバスが最寄りの停留所には予定時間より3分程度遅れて到着、ということがよくあることだ。つまり駅にもそれだけ、遅く着く。
 なぜ必ずといっていいほど、バスは遅れるのだろう。交通渋滞に巻き込まれて、というなら分かる。だが、午前10時、11時のことであり、しかも静かな住宅地の中を走っているのだ。どうもそれが理由だとは思えない。
 おかげで、駅に着くと急いでホームを駆け上がらねばならないことが多い。お年寄りなら、次の電車を待たねばならない、という事態も十分起こり得る。時刻表にある時間を守るよう、努力はしてもらいたい、と思う。(京都新聞)
■市バス・地下鉄値上げ案 市議会本会議 付帯決議付け可決
 京都市議会本会議は最終日の3日、市バス・地下鉄運賃改定案を賛成多数で可決し、閉会した。運賃の値上げは、運輸省の審議を経て9月から実施される見込み。実施されれば、市バス均一区間は現行の大人200円が220円に、地下鉄の初乗りは同180円が200円になる。
 まず、議案を付託されていた交通水道委員会の北川明委員長が、「理事者は不良債務解消に向け不退転の決意で取り組む」などの付帯決議を付け、原案を可決したと報告。北山忠生議員=共産=が「値上げは不況と雇用不安に苦しむ市民生活を直撃する。市民の声を聞かない問答無用のやり方だ」と反対意見を述べ、二之湯智議員=自民=が「改革に真剣に取り組む桝本市政がどこまで本気か見守る。市長に改革の時間を与えようという趣旨で認める」と賛成討論した後、採決し、共産を除く賛成多数で可決した。
 各会派間の調整に手間取った付帯決議は、公明、社民、新市クの3会派から出された案を同委員会が17項目にまとめた。この日の本会議では、「東西線の洛西ニュータウンまでの延伸計画の具体化を図る」など5項目は全会一致で可決。「一般会計による支援の財政的な根拠、年次計画を明確にする」など11項目は共産を除く4会派、「人件費の削減に一層の努力を傾注する」は共産と社民を除く3会派の賛成多数でそれぞれ可決された。
 また秋山幸雄副議長の辞職が許可され、選挙の結果、小川利治議員=公明=を新しい副議長に選んだ。小川氏は「議長の補佐役として、市政の一歩前進のため微力を傾注していく」とあいさつした。(朝日新聞)
■京都市バス・地下鉄値上げ可決 悪循環どう断ち切る 体質改善や乗客増対策 実行の監視が必要
 京都市バス・地下鉄の運賃値上げ案が3日、市議会本会議で可決された。議会の審議では、これまでになく交通局の体質の抜本改革や今後の京都市の交通のあり方が問われた。しかし、市民が一番知りたい不良債務解消策を柱にした「市バス事業の今後の展望」の具体策は結局、最後まで明確にならなかった中で、値上げは発車する。市は赤字−値上げ−乗客離れ−赤字の悪循環を今度こそ断ち切れるのか。市民はそこを見ている。(政経部 永島宣彦)
 議会審議では「赤字だから値上げ」で、ほぼ3、4年ごとに繰り返す運賃改定のやり方について、批判が集まった。交通局の体質改善や、乗客を増やす意欲、どうしたら経営の健全化ができるかという建設的な議論、提言は少なかった。
 もちろん、過去の「悪しき労使慣行」(自民党議員)が、交通事業の今日の事態を招いたことや、過去に何度も「再建計画」を出しながら、その場しのぎの数字合わせに終わり、赤字体質が改善できなかっただけに、批判は当然で、正すべきは正す必要がある。
・必死に努力してる
 理事者側の姿勢にも問題がある。経営健全化計画に基づき「必死に努力をしている」(交通局幹部)のは分かるし、今議会では交通事業の実態を明らかにする資料が、従来になく多く出た。
 しかし、「展望」で示された99年度末での不良債務解消策にしても、抽象的な表現が多く「『展望』のもとになった数字を挙げた基礎資料があるはずだが、出ずじまいだった」(公明議員)。
 なぜ、理事者側はすべてを明確に示さないのか。もしないとすれば、それが悪循環のもとであり、値上げを申請する運輸省で問われるところだ。
 市が提示した市内を3区分する今後の交通体系のあり方は、非常に大きな問題を投げかけたと言える。中心部は公営交通を維持し、廃止になる醍醐営業所管内は民営化、横大路営業所管内は新たな運営方式を模索するというものだ。
 公営交通には、経済性と同時に公共福祉の役割があるのは言うまでもない。ところが、現在の公営交通事業は、時代に合わなくなった地方公営企業法の枠組みで運営されている。その中で「便利な市民の足」をいかに確保するかが最大の課題である。
・民営化論議もっと
 民営化で、不採算路線の切り捨てがあってはならないし、住民が一番心配するのも、この点だ。しかし、あえて言えば、現在の「市民の足」の確保を大前提に、社会、経済情勢を反映した将来の京都の交通体系を考えるうえで、民営化論議もあってはいいのではないか。
 にもかかわらず、3区分案は内容が具体性を欠いたこともあり、議会では、この問題や将来の公営交通のあり方が十分論議されたとは言いがたい。
 桝本頼兼市長は「市民に約束した『展望』は必ず実行する」と明言した。そのためにも、新たに打ち出した一般会計からの繰り入れの財政的根拠や年次計画を、市民に明示すべきだ。
・中長期的な展望を
 また、中長期的な交通体系のあり方をどう考えるか。市当局や議会だけでなく、市民も巻き込んだ真剣な議論が求められる。今回の値上げ問題の議論は、その出発点ととらえる必要がある。
 最終的に今回の値上げに賛成した与党各会派は「公営交通を守れるかで議論も白熱した」(公明議員)一方で、不良債務がますます膨らむ現状に「与党として泥をかぶらなければならならず、どう形を整えるか」(自民党議員)だったとも言う。
 このため市理事者に対し、自民党は、嘱託運転手の増員など厳しい合理化を柱にした10項目を求め、他の与党3会派も、福祉施設への記名式無料パス配布など6項目を要求、それぞれ「実行する」との回答を得たという。
 与党4会派は理事者との直談判でそれぞれ「努力の跡を残した」わけだが、こうした舞台裏の折衝は、市民には見えにくい形だった。今後、議会として市が「展望」をどう実行化していくか。厳しく監視しなければならない。(京都新聞)
■地下鉄サリン 松本被告、袋数も把握か 「実行役」林被告が証言
 地下鉄サリン事件の殺人罪などに問われているオウム真理教の元「諜報(ちょうほう)省」トップ、井上嘉浩被告(26)の第4回公判が3日、東京地裁で開かれ、地下鉄事件の実行犯とされる元教団「治療省」トップ、林郁夫被告(49)が検察側証人として犯行直前の謀議などについて証言した。林被告は、サリン発散役5人の中で林泰男容疑者(38)=特別手配中=だけが他の被告より1袋多い3袋のサリン入り袋を地下鉄車内に持ち込むことについてまで教団前代表の松本智津夫(麻原彰晃)被告(41)が予想していたことを示唆した。
 地下鉄サリン事件では、松本被告ら13人全員の公判が始まっているが、実行犯とされた被告が実質審理の中で証言・供述したのは初めて。
 この日の法廷で林郁夫被告は、地下鉄事件が起きた昨年3月20日の未明に、全部で11袋あったサリン袋を5人の発散役で分けた際、村井秀夫幹部(故人)が「だれかやってくれるか」と声をかけて、3袋を持ち込む役を募ったところ、林泰男容疑者が名乗り出たと証言。これに対して、村井幹部が笑いながら「予想通りだったな」と話したという。
 さらに、「松本被告と村井幹部が賭(か)けをしたような雰囲気があった」と証言。その理由を問われ、「村井幹部は『林泰男がやるだろうと言った。言った通りだろう』とニヤニヤした」と答えた。
 こうした予想をするためには、サリン袋が11袋あることが前提となるため、今回の証言は松本被告が犯行計画の詳細を知っていたことを示唆するものともいえそうだ。(朝日新聞)
■地下鉄サリン事件直前 防毒マスク密輸図る NYで2人達捕 オウム系会社発注
 【ニューヨーク3日共同】米連邦捜査当局は3日、オウム真理教の関連会社の注文を受けて、防毒マスク400個を輸出しようとした米ニューヨーク州ロングアイランドの軍余剰物資卸売り会社「ロスコ」の社長と副社長の2人を、米国務省・商務省規則違反の武器輸出の疑いで逮捕した。オウム真理教関連で米捜査当局が強制捜査に踏み切ったのは初めて。
 逮捕されたのは同社のミルトン・ソンバーグ社長(72)と息子のハワード副社長(44)。検察当局の発表によると、同社はイスラエル製の防毒マスク400個の輸出契約を結び、地下鉄サリン事件の直前の1995年3月2日に10箱に分けて東京に向けて出荷したが米税関当局が経由地のサンフランシスコ近郊で押収した。
 防毒マスクの輸出に際しては、米国務省、商務省の許可を受ける必要があるが、同社は手続きをしていなかった。
 捜査当局は95年3月の地下鉄サリン事件の直後に、オウム真理教と米国の武器密輸業者の関係についての告発を受け捜査していた。防毒マスクの注文はオウム真理教関連会社の代理をしているT・マキという人物からファクスで届き、ロスコ側は3月2日に代金3195j(1個当たり約8j)が振り込まれた後、出荷した。
 捜査当局は化学兵器防護服などの積み荷を4回押収、発注元を捜査している。(京都新聞 夕刊)
■電車にはねられ母子死亡 神戸・遮断機くぐる
 4日午前7時20分ごろ、神戸市東灘区住吉本町の阪急電鉄神戸線の岡本−御影間の踏切で、女性と女児が梅田発三宮行きの普通電車(8両)にはねられ即死した。
 東灘署によると、2人は同区住吉本町、主婦高島浩子さん(33)と長女の悠ちゃん(7つ)で、2男(10)は踏切の外にいて無事だった。
 東灘署などの調べでは、踏切は警報機、遮断機付きで、2人は下りていた遮断機をくぐり踏切内に入った。運転士が見つけ急ブレーキをかけたが間に合わなかったという。同署は無理心中とみている。(京都新聞 夕刊)
■踏切で親子? はねられ死亡 神戸・東灘
 4日午前7時18分ごろ、神戸市東灘区住吉本町三丁目の阪急神戸線有馬道西踏切で、梅田発三宮行き下り普通電車(8両編成)に中年の女性と小学生ぐらいの女の子がはねられ、死亡した。一緒にいた10歳ぐらいの男の子はけがはなかった。この事故で、電車は現場に約6分止まったほか、上下25本が最高9分遅れ、2万8000人の足に影響が出た。
 兵庫県警東灘署の調べでは、踏切は遮断機と警報機付き。電車の運転士によると、2人は遮断機をくぐり抜けて線路に入り込んだという。同署は、亡くなったのは近くに住む主婦(33)と小学校2年生の長女(7つ)とみて確認を急いでいる。(朝日新聞 夕刊)
5日■オフピーク、12回分特急券が10回分料金 近鉄、新力−ド発売
 近畿日本鉄道は、昼間時間帯の特急電車の利用者増大を図るため、今月から「時差回数特急券引き換え用カード」(オフピークビスタ)の発売を始めた。
 平日午前10時−午後4時の間の特急を利用する場合に、12回分の特急券が10回分の料金で買える仕組み。カードは、窓口で指定された電車の特急券と引き換える際に使い、特急券自動販売機にも使える。値段は、5000円(500円区間用)と8500円(850円区間用)の2種があり、特急の停車する主要駅で売っている。
 京都駅から利用する場合は、奈良駅(特急料金500円)や、橿原神宮前駅(同850円)へ行く場合には便利。(京都新聞)
■金田一少年の事件簿 ツアー第2弾発売へ JR西日本13日から
 JR西日本は、新しい旅行企画商品「金田一少年の事件簿ツアー」の第2弾として、6月13日から「岡山・倉敷ミステリーツアー」を発売する。
 小、中学生に人気の「金田一少年の事件簿」のオリジナルブック(JR西日本製作)を手に、本のストーリーに従ってなぞ解きをしながら旅行を楽しむ仕掛け。今回は、岡山県内で起きた殺人事件の犯人を追う筋立てになっている。
 ツアーの実施期間は7月13日−9月30日で、専用きっぷは、大阪市内や広島、米子など発着駅別に8種類を設定した。京都駅発の設定はないが、旅行各社が京都駅発の同ツアーを売り出す予定。専用きっぷ(山陽新幹線利用)の値段は、大阪市内発で大人1万4300円、こども7150円、大人こども1人ずつのペア2万500円。
 「金田一少年の事件簿ツアー」は、同社が今年3月から第1弾の「萩・津和野ミステリーツアー」を発売。先月末までに目標を約2000人上回る1万2000人の利用があった。(京都新聞)
■旧国鉄債務だれが負担 運輸は「納税者」望む 大蔵「待ち」、政治家黙る
 27兆6000億円に上る国鉄清算事業団の長期債務の処理をめぐり、債務を事業団から国庫へ移し、国債発行で調達した資金などで債務を返済しようとする運輸省と、大蔵省などの間で綱引きが始まった。閣議決定で事業団は1997年度末までに保有する土地などの売却を終えることになっているが、地価の下落などで事業団が持つ土地や株式の資産価値は7兆円を割った。残る20兆円余りは返済のあてもない。国鉄が残した「負の遺産」をだれがどういった形で負担するのか。整備新幹線建設などでは張り切る政治家も、「負担の論議」には腰がひけており、議論は迷走している。
●債権放棄難しく
 事業団の長期債務のうち15兆5000億円は、郵便貯金や年金を原資にした財政投融資によるもので、平均利率は5.35%、8%台のものも残っている。財投は、長期の固定金利が大原則で、災害など極めて特殊な場合を除いては、債権放棄はもちろん、金利の減免、低利の借り換え、一括返済など、条件の変更は認められない。住宅金融専門会社(住専)処理のように、貸手が債権を放棄するようなことは難しく、田波新治・大蔵省理財局長も国会の答弁で「応じられない」と明言した。
●一般会計で負担
 86年の閣議決定では、事業団が保有する土地などを売って残る債務は「国において処理する」とある。このため、運輸省は、早く残りの債務を一般会計に移し、「納税者の負担」で返済を始めることを求めている。
 年間1兆3000億円に上る利子の支払いのための借金で、さらに借金が膨らむ仕組みを止めるため、旧国鉄に投じられていた政府の助成金を復活させるべきだという意見や、「国債は財投より低利なので、期限がきた借金から、国債を発行して調達した金で返し始めるべきだ」(鉄道局)という主張もある。
 これに対して、大蔵省は「財源のあてもなく国債は発行できない。事業団の借金を国全体の借金にまぜこむだけだ。借金を右のポケットから左に移しても解決にならない」(主計局)と猛反発する。
 一方、JRグループなどからは「ドイツのように、道路財源となっている揮発油税をあててはどうか。交通整備は一体に考えるべきだ」(東日本)との声もある。同税の収入は年間2兆円あるが、建設省は「道路利用者が払った税金を国鉄の借金の返済に使えるわけがない」(道路局)とにべもない。
国鉄精算事業団の債務の借り入れ先
(1996年4月現在)
借り入れ先金額(兆円)平均利率(%)






資金運用部11.45.48
簡易保健0.75.71
政府保証費3.54.84
小 計15.55.35
民間借入金などで2.72.44
一般会計5.30.00
経営安定基金(注1)0.27.30
合 計23.83.84
将来かかる費用(注2)3.87.25
債務残高27.64.31
注1JR北海道、JR四国、JR九州の3社の経営を安
   定させるための基金
注2年金や恩給の負担など、今後発生する費用を
   試算して、年度ごとに割り戻した推計値
※ 金額の合計値が合わないのは、四捨五入で計
   算したため
●利用者へのつけ
 国鉄が残した借金なので、JRの利用者が負うべきだという意見もある。新幹線やJRの運賃や料金に税金をかける、という考え方で、国鉄改革時にも議論された。JRの売り上げ規模は年間約4兆5000億円で、一律3%の税金をかけれは1350億円。年間の利払いの10分の1にはなる計算だ。しかしJR各社は、「JRは旧国鉄の債務のうち15兆円を引き取り、返しつつある。政府の処理の遅れをJRに押しつけようとは暴論だ」と反発を隠さない。
 亀井善之運輸相は「利用者負担は考えていない」としているが、運輸省や大蔵省の一部には「一般会計などからの負担の金額が大きすぎて国民の理解を得られない場合、JR利用者の負担を全く否定できるかどうか」という声もある。
●腰引けた政治家
 財源のひねり出しには予算配分の見直しも伴う。政府全体の財政再建の議論の中で取り組まざるを得ない課題だ。にもかかわらず、政治家は距離を置いた姿勢が目立つ。整備新幹線の建設問題で連立与党は今年初めから検討委員会を設け、議論を始めた。だが、事業団の長期債務問題については「土地や株式が残っている間は事業団に一生懸命売ってもらうしかない」(与党議員)と逃げ腰だ。運輸省の幹部も「いずれ国民で負担するしかないと説明すると政治家は黙ってしまう」とぼや。大蔵省幹部も「選挙を控えた時期に議論を持ち出すのは難しい」と話す。
 事業団の土地を売り切るめどは97年度末。10年前と同じ保有資産の値上がりを期待した先送りは通用しない。97年度の予算の要求に向けて、運輸、大蔵両省で債務処理の議論を始めたはかりだ。大蔵省が住専問題への対応に追われている事情もあり、旧国鉄の借金の返済計画を示せるのは、債務残高がほぼ確定する来年度以降になる、という見方も強い。(朝日新聞)
■声 親切のリレー運転手に感謝 京都市 木村郁恵(主婦 33歳)
 長女が小2になり、少し自信をつけさせるためバスで15分ほどの英会話スクールまで、一人で通わせています。やっと慣れてきたと思った先日、彼女にとって「事件」が起きました。
 いつものように、5時すぎに駅からバスに乗り、一つ前の停留所を通り越し、次は降りる停留所です。しかし、その日に限って、娘以外に降りる人がいなかったようで、だれかが停車ボタンを押すと思い込んでいた娘が気付いた時には、自分の降りる停留所を通り過ぎてしまっていたのです。
 運転手の方に「ここで降りるんだったんです」と半ベソをかきながら言ったところ、その方は機転をきかせて、次の停留所で、反対方向から来たバスに事情を話して、娘を乗り換えさせて下さいました。乗り換えた方のバスの運転手さんも、娘が降りる停留所で、やさしく声をかけて、降ろして下さったということでした。
 次の日、市バスの営業所にお礼の電話を差し上げたところ、「ご丁寧にありがとうございます」と反対にお礼を言われてしまいました。停留所で待っていても、猛スピードで通り過ぎてしまいそうなバスや、走って行って乗ろうとすると、スッと出てしまうバスがある中、親切な運転手さんのバスでよかったと思います。(朝日新聞)
6日■京阪淀駅周辺高架化へ 交通混雑の緩和図る 京都市・京阪・中央競馬会 本年度から調査 事業費は230億円 2002年完成目指す
 京都市は5日、伏見区の京阪本線淀駅の高架化を中心に同駅周辺の整備に着手するため、本年度から調査を始めることを明らかにした。慢性的な交通混雑を緩和するのが目的で、7月市議会に提案する補正予算案に調査費3200万円を盛り込む方針。事業は、市と京阪電鉄、日本中央競馬会の3者の協力で進める。総事業費約230億円を見込み、2002年度の完成を目指す。
 淀駅周辺では、都市計画道路が未着工のままで、京阪本線と並行して走る府道京都守口線とつなぐ幹線道路が整備されていない。道路が狭いうえに、周辺に池上、下津、淀の3踏切があり、ラッシュ時に激しい交通渋滞が発生している。
 また、土、日曜も同駅のそばの京都競馬場に多くの競馬ファンが訪れるため、渋滞がひどい。このため、地元自治会などから渋滞緩和へ駅付近の高架化を求める強い要望が出ていた。
 市では、京阪電鉄、中央競馬会と協議を続けてきたが「事業化で基本合意が得られた」として、調査を始めることにした。
 計画では、池上踏切付近を中心に、延長約1.5`区間を高架にする。これに伴い、3踏切がなくなる。また、淀駅を現駅舎の北東に移動させ、高架中心部に新駅舎を新築、駅前広場も整備する。高架沿いには、約1750bの側道(幅約6b)を設ける。
 補正予算案が可決され次第、側道や駅周辺整備など都市施設調査に着手、98年度中に都市計画決定する方針。
 高架化については、地元の淀、淀南、納所の各連合自治会が長年にわたり京都市などに要望してきた。淀連合自治会の長谷川邦光会長(69)は「いつになったら高架ができるのかと住民の不満が募っていた。これまで大きな事故がなかったのが不思議なくらいだ。とにかく、やっと門が開かれた。一日も早く実現してほしい」と話していた。(京都新聞)
■バス停へたどり着けない JR京都駅 案内標識が不親切? 八条口から烏丸口まで 迷う修学旅行生
 JR京都駅八条口から駅東側の連路地下通路に入る入り口にある、市バス乗り場への案内標識が分かりにくく、修学旅行生が戸惑っている。標識は八条口側のバス乗り場しか示していないため、金閣寺や清水寺などへバスが出る烏丸口側の乗り場へたどり着けないからだ。
 標識は八条口から烏丸口への連絡地下通路に、八条口から入る階段を下りきった場所の天井に設置されている。「バスのりば」と南方向を示す矢印しかないため、修学旅行生らはアバンティ前にある八条口バス乗り場に出てしまうようだ。
 八条口バス乗り場は伏見、宇治など南方面に向かうバスしか出ていないため、金閣寺や清水寺、二条城など駅の北方面に行きたい修学旅行生が立ち往生しているという。同乗り場で空港バス案内をしている輪木寛治さん(55)は「一日に数グループは必ず、金閣寺に行くバスはどこで乗るんですか、と尋ねにくる。修学旅行生は烏丸口にも市バス乗り場があるのを知らずに来てしまうようだ。案内標識がちょっと不親切だね」と話す。
 案内標識を管理する市都市住環境局は「施設の破損などは毎月点検しているが、標識の内容にまでは目が届かなかった」と話している。(京都新聞)
■風洞に時速300`の風 技術センターしゅん工式 JR総研滋賀県に
 鉄道総合技術研究所(JR総研、東京都国分寺市)が滋賀県米原町梅ケ原のJR米原駅操車場跡地に建設していた「風洞技術センター」のしゅん工式が5日、現地で行われた。
 同センターは、時速350`以上の新幹線開発のため建設された。最高時速400`の風を起こし、車両模型の空気抵抗や騒音を測定する。鉄道専用の風洞は世界初で、規模も国内最大級という。総事業費は約80億円。
 しゅん工式は同研究所や地元の関係者ら約150人が出席して開かれ、同研究所の尾関雅則理事長が起動スイッチを入れると、風洞に時速300`以上の風が流れた。
 続いて長浜市内のホテルで記念式を行い、同研究所の八十島義之助会長が「騒音低減や空力問題解決のため技術開発に努力したい」とあいさつした。
 同センターは鉄道専用だが、自動車や電線などの空力研究にも使われる予定。(京都新聞)
■「新幹線ホーム間違えた」飛び降り線路渡る 妨害容疑 男性逮捕 列車一時ストップ 京都駅
 5日午後9時ごろ、京都市下京区、JR京都駅の東海道新幹線下リホームで、男が線路上に飛び降り、渡ろうとした。同ホームにいた駅員が発見、博多発東京行き上りひかり58号がホームに入ってきたため、列車にブレーキがかかる列車防護停止スイッチを押して、男をホーム上に引きあげた。男にけがはなかった。
 ひかり58号は発車が6分遅れたほか、東京発新大阪行きひかり265号が8分遅れで到着した。
 駅員は男を七条署に引き渡し、同署は新幹線特例法違反の現行犯で住所不定、無職の男(34)を逮捕した。
 調べによると、男は東京行きの列車に乗ろうとして駅員から「ホームを間違っている。入ってきた列車が最終なので急いでください」と言われ、駅員の制止を振り切って線路上を渡ろうとした。調べに対して男は「上り列車に間に合わないと思い、線路を渡った」と話しているという。
 新幹線特例法は新幹線の線路内にみだりに立ち入ることを禁止している。(京都新聞)
■線路に降りて新幹線止める 京都駅、容疑で逮捕
 5日午後9時ごろ、JR京都駅の新幹線上りホームに博多発東京行き「ひかり58号」が進入して停車する直前、下りホームから突然男性が線路に飛び降りた。ホームの案内係の職員が列車を緊急停止させる措置をとるとともに男性を取り押さえた。駆けつけた京都府警七条署員が「新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法」(新幹線特例法)違反の容疑で逮捕した。
 逮捕されたのは住所不定、無職水谷一人容疑者(34)。調べに対し、水谷容疑者は「上り列車に間に合わないと思って線路を横切ろうとした」と供述しているという。(朝日新聞 夕刊)
7日■来月20日から須磨まで普通電車延長 JR東海道・山陽線
 JR西日本は、東海道・山陽線の昼間輸送を充実するため7月20日から、神戸−高槻間で運転している普通電車を須磨(神戸から西へ4駅目)まで延長運転する。
 延長運転されるのは、午前10時から午後3時までの間に神戸と高槻・京都方面を結ぶ普通電車22往復。この結果、同時間帯に神戸−須磨間を走る普通電車は現行の26往復から48往復に増える。
 須磨駅周辺は、水族館や海水浴場、釣り公園など、多くのレジャー施設が集中している。JR西日本は、延長運転によリレジャー客や、神戸市営地下鉄との乗り換え客(新長田駅)の利用増大を見込んでいる。(京都新聞)
■近鉄が割引切符2種 15日から発売
 近畿日本鉄道は、奈良県の吉野・飛鳥方面への乗客獲得へ、6月15日から「吉野路マル得きっぷ4」と「飛鳥路マル得きっぷ4」の2種を発売する。
 2種ともに、大阪阿倍野橋から南大阪線と吉野線を利用して吉野駅、飛鳥・壷阪山駅へ向かう旅行客をねらっている。
 乗車券と特急券が一つになった片道券計4枚が1セットで、2人連れ客には便利。ともに割引率15%で、価格は「吉野路」が6050円、「飛鳥路」が4440円。大阪阿倍野橋駅、吉野神宮駅のほか、難波や上本町のテレメイトセンターで発売する。(京都新聞)
■窓 市バス・地下鉄値上げ
・使い勝手悪い市バスカード 左京区・安西 博(会社員・38)
 京都市バスの値上げに、一般市民のささやかな抵抗として一言申し上げたい。
 市バス料金の支払い方法として現金、回数券が広く知られている。そのほかに「市バスカード」なるものが回数券よりも割引率を高くして販売されているが、これを利用している客の少なさを交通局はどう分析されているのだろうか。
 利用者側から。第一に販売している所が少ない。次に整理券車に乗る時は入り口でまずカードを通さなければ乗車ができない。先日も、乗車時にカードが受け付けられずエラー表示が出たため、降車時にその旨を言ったところ運転手から「通るはず」と文句を言われた。まったく教育が不十分である。乗車時の段取りを知らない乗客への案内も不十分である。さらに降車時、カード処理時間が3秒ほどかかるため、後に続く人から嫌な顔をされる。朝などは特にそうだ。
 この利用頻度の少ない市バスのカードシステムは全車に設置されている。まったく税金の無駄遣いである。改良を行うか、全廃して経費削減の一助にされるべく再考願いたい。
・市民の足なら赤字でもよい 西京区・前田 正志(染色家・44)
 先日、長崎に行った際、市電に乗りました。運賃は100円でした。どこまで乗っても100円です。東京の地下鉄も初乗り運賃は140円です。ともに乗客は満員です。
 赤字だから値上げするという方式をやめて、京都市の場合も、地下鉄・市バス、どこまで乗っても100円にしてはどうでしょうか。不必要な1人乗り自動車も減り、乗客は満員になるのではないでしょうか。
 世の中、悪い方に向けば悪いことが重なり、良い方に向けば良いことが重なるものです。そもそも公共交通事業は、赤字でいいのではないのでしょうか。
 市民のため、府民のため、観光客のための交通機関でなくてはなりません。京都に来た観光客が、100円で乗れる市バス・地下鉄に感動し、家に帰って、私の長崎の時のように、家族、知人に京都の「よさ」を話すことでしょう。へんなイベントをするより、よっぽど京都のイメージアップにつながります。
 どうか地下鉄・市バスを、本当の意味において、市民の足、府民の足、観光客の足にしようではありませんか。
・一般会計からもっと支援を 左京区・芦田 和幸(無職・61)
 ついに京都の市バス・地下鉄の値上げが与党会派によって可決された。怒り心頭だ。またしても弱者切り捨てである。それも市議会で市民、利用者の納得のいく論議なしでの強行だ。われわれは類似の事態をJRに、地方中小私鉄に見てきた。
 値上げにより、多くの乗客は公共交通を見限って、マイカーを選ぶ。ますます道路事情は悪化し、渋滞が増え、市バス利用者は減少、赤字路線は廃止されていくだろう。泣くのは交通弱者、すなわち高齢者、障害者、幼児、少年、そしてマイカーを持てぬ貧困層である。過去の経験は生かされていない。市バスは自ら進んで衰滅への道を突き進んでいる。
 そもそも公営交通はその公共性からいって、赤字だから値上げしたり、廃止したり、縮小したりすべきものではない。公立学校経営や福祉施策を黒字か赤字かで論じられないのと同じだ。一般会計からもっと支援を行うべきは当然だ。他都市もヨーロッパの都市もみな、そうしている。
 一体、行政当局は道路や橋を建設する際、受益者負担だといって、運送会社や企業から建設贅を徴収するのか。そんなことはない。みな税金で賄う。建設会社の利潤追及や経済界の要請には大盤振る舞いをするが、庶民には日々の通学や買い物の交通費にも痛い負担増を強いる。これが京都市政の実態なのだ。
・老人や子供に やさしい術を 中京区・金岩真紀子(無職・61)
 退職して家にいる時間が多くなり、近所のお年寄りたちと話す機会も増えてきた。昨日も、いろいろ話している中で気が付いたことがある。近ごろは老人の方も外出されることが多い。それぞれに楽しみを求めて出ておられる。そんなとき、ふと困ることがたくさんあると言われるのだ。
 まず市バスの昇降口の段の高さである。私は今のところ何も感じないで、乗り降りしているが、その方が言われるには、とても高くて、手すりにつかまっても、上がりにくいということである。「外出はしたいけど、あの高さでは、とても一人ではね…」と言われる。
 それから京福電車の山ノ内駅の停留所の段である。これは私にも抵抗がある。タイトのスカートをはいて行った場合には、それこそホームへの上がり下りが大変という高さである。これは、以前から感じていたことである。
 私たちの税金は、やはり、もっとやさしい街づくりのために使われるべきではないのだろうか。山ノ内駅の停留所も、もう何十年も前から改築されてはいない。
 文化の発展にともなって変わっていく街の様子に反して、三条通だけは、昔と同じ狭い道幅に、高い停留所、忘れられた一角のようである。どうか行政はお年寄りや子供のために、やさしい街づくりを心がけてほしいものである。(京都新聞)
■地下鉄東西線内部を歩こう 30日「トンネルウォーク」開催 京都市交通局 参加者を募る 市内在住の小学生以上
 京都市交通局は、来年11月の開業を目指して工事を進めている地下鉄東西線の中を予定駅に沿って市民に歩いてもらう「トンネルウォーク」を30日に開く。
 コースは二条駅から二条城前駅を通り、京都市役所前駅で折り返して烏御地駅まで戻る約3.3`。職員から工事方法などの説明を受けながら、1時間半ほどで歩く。
 同局によると、10月から車両の試運転が始まると内部は見ることができなくなるという。
 京都市内在住の小学生以上の人が対象(小中学生は保護者同伴)。申し込みは官製はがき1枚に参加者2人までの住所、氏名、年齢を書いて、郵便番号604中京区壬生坊城町48番地 市交通局トンネルウォーク係へ。10日の消印有効。
 定員300人で応募多数の場合は抽選。(朝日新聞)
■声 変容が悲しい里帰りの車窓 高松市 高松博子(主婦 42歳)
 JR京都駅の高層化工事を中止してほしいという投書が、先日掲載されました。私も5月の連休に京都へ里帰りした折、近鉄電車の窓から見えた駅ビルの巨大なコンクリートの塊にぼうぜんとしました。巨大すぎて醜悪でさえあまりました。
 駅ビルの高層化には市民団体も反対していると聞いていたのに、経済効果が期待される大工事というものは、良識ある庶民とは無縁のところでどんどん進められていくものだな、と無力感すら覚えました。
 私は一度パリを訪れたことがありますが、一番感動したのはファッションやショッピングではなく、重厚な香りの漂う街のたたずまいでした。昔のままに保存されている石造りのビルは今も日常的に使われているのですが、窓の手すりは一つとして同じものはなく、修理するにも、街の景観を損なわないようにするため許可がいるとのことでした。文化遺産を大切にするパリは、街そのものが芸術でした。
 京都駅ビルも、古都にふさわしくせめて外観だけでも和風にするとか、木造にするとか、そんなアイデアはなかったのでしょうか。
 がっかりして車窓を眺めていると、懐かしい東寺の塔があかね色の空を背にシルエットとなって見えました。昔のままのその姿に、ああ京都に帰って来た、と何だかほっとしました。(朝日新聞)
8日■JR梅小路駅で灯油火災だ! 化学車も出動、迫真の放水 下京消防署 消防訓練
 下京消防署は危険物安全週間中の7日、同区梅小路頭町のJR梅小路駅(貨車専用駅)構内の油槽所で、灯油の荷降ろし中に火災が発生したとの想定で消防訓練を行った。
 同駅には市内で唯一、ガソリン、重油などを貯蔵する地下の油槽所があり、2つの会社合わせて約2000`リットルが貯蔵されている。万一の火災に備え、同消防署と自衛消防隊から約60人が参加し、合同訓練を行った。
 訓練は、貨車から地下タンクへつなぐ結合部から出火したとの想定でスタート。自衛消防隊が通報し、荷台に乗せた100リットル入りの大型消火器を使って火元へ向けて噴射した。続いて同消防署から化学車、ポンプ車などが到着し、けが人を救助しながら放水した。大事故につながりかねない油槽所だけに、参加者は真剣な表情で訓練に取り組んでいた。(京都新聞)
■JR田辺駅 橋上駅に改築や周辺整備へ調査 市制控え町が予算案
 田辺町は7日、JR学研都市線の田辺駅の改築や、駅周辺の整備に向けた調査を始めることを明らかにした。関西文化学術研究都市の開発などに伴って、同駅の利用者が増えているためで、6月町議会に提案する補正予算案に調査費として1400万円を計上した。今年度中には調査を終えて、なるべく早く工事に取り掛かる方針。来春の市制施行で「京田辺市」になることから、JRと協議して駅名を「京田辺」に変えることも検討している。
 町によると、1994年の田辺駅の利用者は、1日平均2328人。89年の827人と比べると、2.8倍になっている。しかし、現在の木造駅舎は1898年に建てられたもので、何度か改修されているが、屋根などの老朽化が進んでいる。また、改札口が一つしかないため、木津町方面へのホームへは構内の踏切を渡らなくてはならないなど、利用者から「不便で危険」との声が上がっていた。
 このため町では、線路をまたぐ「橋上駅」に改築し、東西に出入り口を設ける予定。また、駅の東西に駅前広場を造り、東側にはバスターミナルなどを設ける。
 町では「最近では、東側にある近鉄新田辺駅との乗り換えも盛んになっている。将来は、両駅間のアクセスをよくするなどしたい」と話している。(朝日新聞)
■JRはいま 10年目の民営ビジネス @ がれきの街で 復興でリード 私鉄圧倒
 阪神大震災から493日たった5月24日、大阪市北区のJR西日本本社4階の大会議室で、昨年度決算の発表があった。
 「大変よかった。胸を張って発表させていただきたい」
 井手正敬社長はこう言った。決算では震災前とほぼ同じ556億円の経常利益をあげた。特に、被災地の京阪神を中心にした大都市圏輸送(アーバンネットワーク)の収入はJR発足以来最高だった。
 5日後に阪神電鉄、1週間後に阪急電鉄が発表した昨年度決算はいずれも、震災の後遺症で2年連続の赤字。JRと、競合する2社は明暗を分けた。
・突然、振り替え廃止
 震災で、大阪と神戸の間のJR、阪急、阪神は、高架橋が崩れ、駅舎が倒壊し、鉄路は分断された。各社は不通区間をバスで代替し、振り替え輸送では、ライバル同士が手を結んだ。手持ちの定期券や回数券で他社の大阪−三ノ宮(梅田−三宮間を利用できる画期的なものだった。
 地震から56日後の3月13日、阪急は王子公園−三宮間の運転を再開した。不通区間は西宮北口−御影だけとなった。
 その2週間前のことだった。阪急の営業担当調査役は、これまで通りの振り替え輸送を続けてほしいとJR西日本に電話で要請した。三宮から梅田までは、御影で降りて最寄りのJR住吉まで歩けば、あとはJR線が利用できるからだ。
 ところが数日後、予想外の返事が返ってきた。「阪急の王子公園−三宮間の開通に合わせ、並行するJRの灘−三ノ宮間と、大阪−西ノ宮間の振り替え輸送を廃止したい」
 JRからの電話を受けた調査役は、「会社はひん死の重傷を負い、乗客に不便を強いているんです。こんなときにライバル意識をむき出しにする、その感覚が理解できません」。声を張り上げたことを覚えている。
・復旧早く50億円増
 結局、振り替え輸送は廃止された。阪急の定期券で利用できたJRの大阪−西ノ宮間と灘−三ノ宮間は、別に運賃が必要になった。
 それから間もない4月1日、JR東海道線は全線で運転を再開した。阪急と阪神の利用者の多くがJRの定期券に買い替えた。競合区間の全線開通は、阪急が2ヵ月半後の6月12日、阪神が同26日。JR西日本は、この間に阪急と阪神からJRに切り替えた乗客からの運賃収入を、約50億円と見積もっている。
・競合区で運賃逆転
 震災で寸断された鉄道・軌道網は去年8月23日、新交通システムの六甲ライナーを最後に、すべて復旧した。阪急、阪神を含む関西の私鉄大手は9月1日、一斉に平均14.1%の値上げを実漉した。
 夕刊各紙のテレビ欄の下半分を、JR西日本の広告が占めたのはその前日だった。「好きなドラマを見たあとはお手持ちの定期券のおねだんと所要時間をお確かめください」と、女優の賀来千育子さんが呼びかける。JRの方が私鉄より安くて速いことを訴える広告だった。
 競合区間の多くで、JRと私鉄の運賃は逆転した。
例えば、大阪−三ノ宮(梅田−三宮)間の1ヵ月通勤定期は、JRが1万1740円なのに対し、阪急と阪神は1万2250円になった。
 「2年くらいは、運賃を改定する必要はない」
 私鉄の運賃値上げから2ヵ月半たった11月21日、JR西日本の井手社長は記者会見し、こう宣言した。がれきの中でリードしたJRと、私鉄との競争は、復興に向かう阪神間や、大阪、京都の路線で続く。
・アーバンネットワーク JR西日本の大阪、京都、神戸の各支社管内の幹線で、主に三大都市への通勤、通学に利用されている線区。総延長は527`で、同社の営業線区の10.4%。並行して走る私鉄に対抗して、国鉄時代に「特定区間」が設定され、通常のJR運賃より2、3割安くなっている。運輸収入は毎年増加し、昨年度決算では3支社の合計で3150億円を記録。全体の38.2%を占め、山陽新幹線に匹敵する”ドル箱”になっている。(朝日新聞)
■神戸発着電車 須磨まで延長 JR、来月20日から
 JR西日本は7月20日から、東海道・山陽線の高槻−神戸間で運転している普通電車を、午前10時から午後4時までの間、すべて高槻−須磨(一部、西明石)間まで延ばす。
 このため、兵庫、新長田、鷹取の各駅は、1時間当たり上下8本(午後3時台は12本)から16本に増える。(朝日新聞)
■青鉛筆
 広島市の絵画数室に通う60人の子どもたちが車体の図柄をデザインした「絵画電車」が同市内に登場、9日に広島電鉄千田車庫と広島駅間を1往復して、お披露目する。
 絵画電車は、同車庫で9日に開かれる「第1回路面電車まつり」をきっかけに企画された。10日からは毎日走って、「市民に身近な路面電車」の存在をアピールする。
 広島では、大阪や京都をはじめ、海外からも譲り受けた電車が走り、昨年10月には路面電車サミットも開かれた。「今度はどんな電車が来るか」と待ち構えるファンに、一つ楽しみが増える。(朝日新聞)
9日■私鉄総連 97春闘、スト構えず 7月定期大会に提案 話し合い重視へ
 春闘の相場づくりに大きな影響力を持つ私鉄総連(池村良一委員長、18万5000人)は8日までに、97春闘で事前にストライキを構えないいわゆる「事後対処方式」を採る方針案をまとめた。7月の定期大会で正式提案する。
 事前にスト日程を定め、大手組合が中央集団交渉によってスト突入直前まで経営側に賃上げ回答を迫る従来の「対決型」から「話し合い重視」へと大きく戦術転換を図る内容。春闘全体のストなし傾向にも弾みがつきそうだ。
 また事前にストを構えないことにより、96春闘で大手15社のうち6社にとどまった中央集団交渉の参加社数を大幅に拡大、交渉力を高めたい考えだ。
 スト権そのものは交渉に入る前に確立するが、事前には構えない。
 また、事前にストを構える戦術に反発し、従来は中央集団交渉に未参加だった名鉄や西鉄など5社に対して、事後対処方式を採ることにより、春闘前から統一交渉に加わるよう呼び掛けていく。(京都新聞)
■柏駅で異臭 16人病院へ 千葉、症状軽く
 8日午後1時すぎ、千葉県柏市柏一丁目のJR常磐線柏駅職員から「駅の通路で悪臭がして、通行客がせき込んでいる」と110番があった。
 柏署の調べによると、駅の東口と西口を結ぶ自由通路のJR中央改札口周辺で、通行客が頭痛やのどの痛み、吐き気などを訴えた。
 男性1人と、乳児1人を含む千葉県と茨城県に住む主婦ら女性15人の計16人が救急車で病院に運ばれた。いずれも症状は軽く同日夕までに全員帰宅した。(京都新聞)
■JRはいま 10年目の民営ビジネス A ふるさと鉄道 廃線のつけ 地方に重く
 展望車があるJR西日本の団体専用列車「サロンカーなにわ」が5日、兵庫県城崎郡香住町のJR山陰線香注駅を出発した。車両のガラス窓には、「香住町民号」のステッカーが張られていた。177人の乗客は全員、香住町民だ。
 地元の駅をもっと利用してもらおうと、町が毎年催して13回目になる。今回は北陸への一泊旅行で、費用は1人3万9800円。計約700万円はすべて香住駅の売り上げになる。現在、1日平均の乗降客数は950人、運賃収入は87万円。JR発足当時の4分の3にまで落ち込んだ。
・町民に「試練の時」
 香住など城崎以西の駅は、3月のダイヤ改定で、山陰線を経由して京都まで乗り入れていた特急「あさしお」が廃止され、直通特急は寝台列車を除いてなくなった。大阪へは別ルートで姫路を経由する特急「はまかぜ」があるが、一昨年に1日3往復から2往復に減っている。京都−城崎間が電化され、新しい特急電車が走り始めたのとは対照的に、寂しくなった。
 「開通以来84年間走り続けて来た”ふるさとの鉄道”が、試練の時です」。4月に香住駅の利用を促すため、町が全戸配布したちらしには、こう書かれていた。町は昨年末、鉄道問題研究委員会を発足させ、今年度予算に54万円の鉄道問題対策費を計上した。「JRがいずれ城崎以西から手を引くのでは」との危機感からだ。
・移管で赤字に転落
 石川県能登地方を走っていた能登線は1988年3月から、第三セクター鉄道になった。県や市町村、地元の銀行などが出資して設立した「のと鉄道」が運営している。91年9月、JR七尾線が和倉温泉駅まで電化される代わりに、七尾−輪島間はのと鉄道に移管された。
 現在、和倉温泉駅までは大阪からJR西日本自慢の新型特急「スーパー雷鳥サンダーバード」が乗り入れている。その先を走る輪島駅までのディーゼルカーには、1両に1人か2人しか乗っていない。
 この移管は、のと鉄道が赤字に転落するきっかけになった。昨年度決算で、赤字は2億6000万円。これで赤字は5年連続になる。損失は、沿線の市町が線路などの固定資産税分を積み立てた基金で穴埋めしている。このほか、地元自治体から合わせて10億円を受け取り、値上げしない分を金利でカバーしている。
 「JRは大都市圏や新幹線で大きな利益を上げている。しかし、地方に還元しないばかりか、赤字ローカル線を地元に押し付けている。これでは、いいとこ取りと言われても仕方ない」。奥能登の小さな駅前にあるプレハブ造りの本社で、村隆夫社長はいった。
生徒に通学定期代
 大山のすそ野に位置する鳥取県東伯郡関金町。倉吉市から町内まで延びていた倉吉線は85年3月、廃止された。
 倉吉線の運賃は、関金駅から倉吉駅まで片道270円だった。民間のバスに代わり、運賃は390円になり、現在は530円まで値上がりしている。バスは朝夕、通学の高校生らでいっぱいになる。町は鉄道が廃止された年から」高校生や専門学校生を対象に定期券の3割を助成する制度を設けた。
 助成金は、今年度予算で779万円。JR発足のために切り捨てられた赤字ローカル線のつけが、人口4570人のこの町では、1世帯当たり約6000円の負担となって残っている。
・赤字ローカル線 国鉄改革時、利用者が1日4000人未満で、バス輸送への転換が難しい路線を除いた83線約3160`の特定地方交通線が廃止された。JR西日本管内では、信楽線や宮津線など11線約280`が対象になり、それぞれ第三セクター鉄道やバスに代わった。現在、管内のローカル線は、新幹線と大阪、京都、神戸の各支社管内を除く路線。営業キロは、全体の68.7%を占めるが、運輸収入の割合は昨年度で21.5%にすぎない。(朝日新聞)
■京阪宇治駅 鳳凰堂風ビル 来夏オープン
 宇治市は京阪宇治駅の南側で駅前交通広場の整備を進めているが、そこに京阪電鉄(本社・大阪市中央区)がビルを建設する。鉄筋コンクリート造りの地上2階、地下1階建てで、外観は平等院鳳凰堂をモチーフにしたという。総工費は約2億5000万円で、今年夏に着工し、来年夏のオープ針を予定している。
 計画によると、ビルの床面積は650平方b。地下1階には、駅前交通広場と駅への連絡通路を結ぶエスカレーターや階段が設けられる。1階には、中央部分に駅のコンコースを設けるほか、コンビニエンスストアの出店なども予定。2階には、関西空港と結んでいるリムジンバスの待合室などがつくられる。
 駅前交通広場は、1997年3月ごろに完成する見通し。路線バスのターミナルとなるほか、タクシーや一般車両も乗り入れられる。(朝日新聞)
10日■天橋立駅で脱線 KTR、けが人なし
 9日午後3時ごろ、宮津市文珠、北近畿タンゴ鉄道(KTR)天橋立駅構内で引き込み線から宮津線のホームに入ろうとした天橋立発京都行き臨時快速電車「レインボー」(4両編成)の最後部車両が脱線した。乗客を乗せる直前で幸いけが人などはなかったが、宮津−野田川駅間の上下線が不通となり、日曜日の天橋立観光客ら約1300人の足に影響が出た。
 徹夜で作業し、10日午前6時ごろ復旧し、始発から正常ダイヤに戻った。脱線事故は、平成2年4月のKTR開業以来初めて。宮津署で原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
11日■北近畿タンゴ鉄道 天橋立駅で快速が脱線
 宮津市文殊、北近畿タンゴ鉄道天橋立駅の構内で9日午後3時前、留置線からホームに入ろうとした快速レインボー(4両編成)の最後部車両が脱線し、本線をふさいだ。翌10日午前6時の始発からようやく復旧したが、宮福、宮津両線で後続の特急8本など上下24本が運休し、日本三景の一つの天橋立から帰る途中の観光客ら約1300人が影響を受けた。
 宮津署などの調べによると、レインボーは土、日だけに運行される臨時電車で、午後3時38分発京都行きの予定だった。最後部車両の後輪が左右とも脱輪して20bほどまくら木の上を走り、右に傾いて止まった。(朝日新聞)
■声 欧州の電車は障害者に配慮 徳島市 勝瑞基補(無職 69歳)
 戦後日本では、交通の妨げになる、と多くの路面電車がバスにとって代わられたが、ヨーロッパでは最近、公害のない電車が見直されている。ドイツやフランスでの模様を、先日NHKテレビで紹介していた。二酸化炭素の増加、地球温暖化に危機感を持つ国の人たちゆえだろうか。
 そして電車は、国連障害者の10年のテーマ「完全参加と平等」に沿った超低床式にし、乗りやすいように歩道側に軌道を設け、高さ10aほどのホームから、車いすもベビーカーも難なく乗降できる。車いす障害者の私は驚いた。
 四国の列車は30aもの段差があり、スロープも主要な数駅に備えられただけ。リフト付きや低床式のバスを導入する声も聞かない。経営の厳しい会社に要望できるものでもない。
 1990年に米国に「障害者法」が成立。大統領は障害者の革命と言った。国連障害者の10年は、アジア・太平洋のそれに引き継がれた。障害者が一人で通学、通勤できてこそ「自立と社会参加」であると思う。健常者もいつか障害者になり、障害者が乗りやすい乗り物が健常者にも乗りやすいことが分かるようになるだろう。(朝日新聞)
■1億6900万円JRに請求へ 「こだま」に引きずられ17歳死亡 きょうにも両親が提訴「速さ偏重が問題」
 東海道新幹線三島駅で昨年12月末、静岡県富士宮市の高校2年生川原崎祐輔さん(当時17)が下りの「こだま475号」に引きずられて亡くなった事故で、祐輔さんの両親は「安全よりもスピード化に重点を置く経営姿勢に問題があったために起きた」として、JR東海に対し総額約1億6900万円の損害賠償を求める訴訟を11日にも静岡地裁沼津支部に起こす。
 事故が起きたのは、昨年12月27日午後6時35分ごろ。
 三島駅で新幹線の停車時間にホームに降りた祐輔さんが発車ベルを聞いて列車に駆け寄った際、ドアに挟まれ、そのまま引きずられて線路わきに落ち、列車にひかれて郎死した、とされている。
 訴えによると、@ドアに挟まれたまま新幹線が発車するという事故が1985年以降、全国で4件起きており、今回の事故が発生する可能性、死に至る危険性が高いことは十分に予見できたAJR東海は、過去の事故例を教訓にドアの改良をすべきだったBドアを改良しないなら、これを補うために十分な駅員を配置し、挟まれた人がいないことを常に確認するための駅員教育を実施する義務があったのに、これらの措置を怠っていた、としている。
 また、「のぞみ号」の導入などスピード化を優先するあまり安全対策を怠り、旧式車両の欠陥の改良さえ行われなかった事実や、近年、過密化する東海道新幹線をダイヤ通りに運行することが、社員に対して安全教育よりも強く指導されていたことなど、安全に対する経営資勢に問題があった、と訴えている。(朝日新聞)
■JRはいま 10年目の民営ビジネス B 古都の城 駅ビル開業へ地元”頭越し”
 京都に巨大な城壁に似たビルの外観が姿を現した。高さ60b、東西480bの京都駅ビル。南西にある古都のシンボル、東寺の五重塔より2.8b高い。
 JR西日本が60%出資し、京都府、同市、地元経済界が加わった「京都駅ビル開発」が経営する。建設費は約1000億円。地上16階、地下3階のビルには、駅舎のほか、ホテルや百貨店、劇場、小売り店舗などが入る。1997年6月の完成をめざし、工事は急ピッチで進む。
・同業者「寝耳に水」
 「京都の玄関口として、みなさまに愛されるビルになると確信している」。5月中旬にあった上棟式で、JR西日本の井手正敬社長は胸を張った。同社の関連事業の中で、京都駅ビルは最大の事業に位置づけられている。
 商業施設の中核になる百貨店で、JR西日本は伊勢丹(本社・東京)と提携し、初の百貨店経営に乗り出す。関西に初めて進出する伊勢丹は「足場を築くためにも総力を上げる」と意気込む。売り場の延べ床面積3万2000平方bは、市内で4番目の規模になる。
 伊勢丹の進出が明らかになったのは90年秋。ある百貨店の幹部は「まったく寝耳に水だった」と釈然としない。昔からのしきたりが残る京都では、新たに店を出すとき、同業者に根回しするのが常識とされていたからだ。
 94年秋、市内の大丸と高島屋が売り場面積を約1.5倍、翌年には近鉄百貨店も1.4倍に増床した。京都一の繁華街、四条通の百貨店は、「客足が駅周辺に流れるのでは」と警戒する。市内の百貨店全部の売上高は計3050億円(95年)。ここ数年、頭打ち状態が続いている。
・正式発表後に知る
 駅ビルに着工した93年12月当時、完成は96年秋とされていたが、工事は遅れがちだった。阪神大震災でも、資材や建設作業員を鉄道復旧の応援に出すことはなかった。ビルの一日も早い完成をめざすJR側からの指示だった。
 「開業の時期を教えてほしい」。商店やホテルなどでつくる「京都駅前商業地区連絡協議会」の永田夏雄代表幹事は、JRから出向している京都駅ビル開発の幹部に質問した。今年3月25日、京都市内のホテルで開かれた両者の会合の席だった。JR側の明確な回答はなかった。
 永田さんが開業時期を知ったのは、2ヵ月後の上棟式に際してJRが正式発表したあとだった。
・新規テナント優先
 駅ビルの北側に、2階建てプレハブの仮設店舗がひっそりと立っている。飲食店や土産物店など約30店が入っている「京都駅観光デパート」。工事に伴って、以前は旧駅舎内にあった店舗が移転した。
 テナントの店長の一人は、新駅ビルの入店交渉の席でがく然とした。条件のよい場所は公募で集めた新規テナントが占め、自店は人通りの少ない場所だった。「条件が悪すぎる」と店長は改善を求めたが、「ここ以外は無理ですよ」との答えが返ってきた。
 京都駅の利用者はいま、一日平均で約50万人。駅ビル完成後は70万人以上と見込まれている。京都駅ビル開発の谷口紀久常務は「我々の使命は、京都を活性化させること。駅ビルはその機能を持っている。ひとつの街ができるわけだから、多少の驚きや戸惑いもあろうが、多くの人を集めることで、地元への還元になると思う」と話す。
・関連事業 JR西日本の昨年度決算では、関連事業収入は185億円で全営業収入の2%。会社発足時の1987年度は44億円で0.6%だった。昨年は、総事業費260億円のホテルグランヴィア岡山が3月に開業。9月には総事業費400億円の天王寺駅ビル(大阪市)が完成した。10月には同社が初めて手掛けたゴルフ場「グランベール京都ゴルフ倶楽部」が300億円かけて京都府丹波町にオープンした。(朝日新聞)
■阪急神戸線に置き石 尼崎
 10日午後9時半ごろ、尼崎市塚口本町七丁目の阪急神戸線塚口−園田間の踏切で、通過中の高速神戸発梅田行き特急電車(6両編成)が軽い衝撃を感じ、急停車。現場にはコンクリート片が残っており、尼崎北署は置き石による悪質ないたずらとみて、列車往来危険容疑で調べている。
 同電車は車体に大きな異常はなく、2分後に現場を発車。後続にも影響はなかった。(京都新聞 夕刊)
■加悦SL広場引っ越しへ 丹後
 加悦町の加悦SL広場が今秋に、同町滝、国道176号バイパスの「道の駅」そばに移転することになり、SL車両群が引っ越しを始めた。
 新しいSL広場には、国内に現存する車両で2番目に古い明治6年製造の2号蒸気機関車をはじめ日本各地で活躍した23台の鉄道用車両(SLは計5台)が展示される。待合室や資料展示室を兼ねた木造駅舎が大正15年当時のデザインで復元されるほか、客車の内部を改造した喫茶店も開設される。(京都新聞 夕刊)
12日■再生 阪神大震災 被災者用賃貸住宅を建設へ JR貨物が西宮に123戸
 JR貨物(本社東京)は11日、阪神大震災の被災者向けに、兵庫県西宮市の貨物集積用地に賃貸マンションを建設すると発表した。8階建て123戸が来年秋に完成の予定で、兵庫県住宅供給公社に貸し付けられる。
 建設予定地は、JR西ノ宮駅の東約300bの同市津門大塚町にある同社所有の約4870平方b。これまで運送業者に倉庫として貸していたほか、震災後は西宮市からの要望で今年5月中旬まで、ボランティア団体の基地として使われていた。
 同社は「ひょうご県民住宅制度」に基づき県住宅供給公社に申請、県知事の認定を受けた後、今年8月下旬から9月上旬に着工する。来年秋の完成後は土地、建物とも同公社に20年間貸し付け、公社が被災者向け住宅として家賃を決める。
 総事業費は約19億円でJR貨物に入る年間賃貸料は最終的に公社が決めるが、駐車場代も含め約2億5000万円弱になる見込み。同社は「何とか採算は合うし、震災復興に貢献することで被災地の方に喜んでもらえれば」と話している。(京都新聞)
■昨年3月以来重体 サリン被害者死亡 埼玉の会社員
 昨年3月に起きた地下鉄サリン事件で意識不明の重体になっていた埼玉県吉川市、会社員岡田三夫さん(52)が11日午前、入院先の千葉県松戸市の病院で死亡した。直接の死因は心不全という。警視庁が認定する同事件での死者は計12人になった。
 岡田さんは昨年3月20日、朝の通勤で乗り合わせた営団地下鉄日比谷線の車内で事件に巻き込まれた。築地駅から都内の病院に運ばれたが、意識不明の状態が続き、今年2月に転院、治療していた。(京都新聞)
■新幹線 三島駅事故 1億7000万円賠償請求 死亡高校生の両親提訴 「危険ドア放置」
 東海道新幹線の三島駅で昨年12月末、神奈川県小田原市の私立高2年川原崎裕輔さん=当時(17)=がこだまのドアに挟まれ、引きずられて死亡した事故で、川原崎さんの両親が「事故は構造上危険なドアを改善せずに列車を運行していたために起こった」などとして、JR東海に約1億6900万円の損害賠償を求める訴えを11日、静岡地裁沼津支部に起こした。
 また「職員に対する安全確認についての指導が不十分だった」として同日、業務上過失致死罪で同社の葛西敬之社長と田中宏昌新幹線鉄道事業本部長に対する告訴状を静岡地検沼津支部に提出した。
 訴状などによると、事故が起きた旧型車両のドアは閉まった直後に外側に押し付ける形になり、指などが挟まっても抜けない構造になっていた。しかし、JR東海はスピードを優先して安全対策を怠り、旧型車両を改善せず放置した上、ホームでの監視態勢も不十分だった。また安全よりもダイヤ通りの運行を優先するなど経営姿勢に重大な過失責任があるとしている。(京都新聞)
■西宮に被災者向けの賃貸マンション建設 JR貨物
 JR貨物(本社・東京)は11日、兵庫県西宮市に阪神大震災の被災者向けの賃貸マンションを建設する、と発表した。場所はJR西ノ宮駅東側約300bの旧貨物駅跡地(約4870平方b)。鉄筋コンクリート8階建て123戸で、平均72平方bの3LDKが主体となる。約19億円かけて、8月末に着工、来年9月に完成する予定。同社が住宅建設に乗り出すのは初めて。(朝日新聞)
■地下鉄サリン 死者12人に
 昨年3月20日の地下鉄サリン事件で被害を受け、意識不明のまま千葉県松戸市内の病院に入院していた埼玉県吉川市の会社員岡田三夫さん(52)が11日午前10時40分、亡くなった。地下鉄サリン事件での死者は12人になった。(朝日新聞)
■JRはいま 10年目の民営ビジネス C 讃岐ラーメン 全収入の1割りが関連収入
 JR四国が本社を置く高松市の中心部に、同社直営のラーメン店「麺(めん)小町・西宝町店」がある。「いらっしゃいませ」と、上原直人店長(34)は笑みを絶やさない。線路を離れて、10年が過ぎた。
・店長もチラシ配り
 旧国鉄時代、高松駅構内で列車の入れ替え作業をしていた。JR四国が発足する前年の1986年春、余剰人員に数えられ、関連事業に移る道を選んだ。最初は高松駅構内の喫茶店に勤務し、現在のラーメン店に来てから1年半になる。
 店は約100平方bで、35席ある。客層は会社員が中心。450円のしょうゆ味のラーメンにいちばん人気があるという。3人の社員と12人のアルバイトがローテーションを組み、午前11時半から午後11時まで営業している。
 93年12月にオープンした。JR直営の麺小町は県内に計6店。讃岐うどんの店がひしめく香川でも、ラーメンは人気があり、調理が比較的簡単なことなどから、選ばれた。
 店ごとに売り上げのノルマがあり、西宝町店は1ヵ月390万円から550万円まで。まだ赤字の同店は、3月に「すりばちラーメン大会」を催した。めん4玉、スープ1リットルという特大ラーメンを30分以内に食べたら無料。上原店長は参加を呼びかけるチラシを300枚配り歩いた。来年度中に収支を合わせることが目標だ。
・道路網に押されて
 JR四国は従業員4000人余り。四国の企業では、四国電力、松下寿電子工業に次ぐ3番日の規模だ。民営化後、88年に開通した瀬戸大橋の効果や、好景気にも後押しされ、業績は順調だった。87年度に306億円だった鉄道収入は、90年度には449億円に伸びた。
 しかし、94年度は、民営化で設けられた経営安定基金の運用益があるにもかかわらず、初の赤字5億円を出した。95年度も7億9000万円の赤字。今年1月には平均6.7%の運賃値上げに踏み切ったが、収支が合うのは今年度だけで、来年度以降は見込みが立っていない。
 一方で、ライバルの道路網は成長していく。3年後に四国は、3つのルートで本州と結ばれる三橋時代を迎えるが、鉄道は瀬戸大橋以外にない。2000年前後には、四国4県の県庁所在地が高速道路でつながる。
 「鉄道を取り巻く環境は厳しい。関連事業を伸ばしていく中で、鉄道はいくつもある事業部門の一つになっていくだろう」と、隠樹史朗・JR四国取締役(50)はいう。
 会社発足当時、4000万円だった関連事業部門の収入が、昨年度には47億5000万円。全収入のほぼ1割を占めたが、人件費などを差し引くと12億1000万円の赤字だ。社員約4000人のうち、延べ1500人に出向経験がある。いまも500人が出向中だ。
・「総合サービス業」
 今年5月16日、大阪市内で開かれた合同企業説明会に、入社2年目のJR四国人事課員植田博司さん(26)がリクルーターとして出席した。採用予定人数は昨年並みの10人前後なのに、就職氷河期を反映し、同社のコーナーには例年より1割多い約220人の学生が集まった。香川県出身の植田さんは、東京の大学を卒業した後、「鉄道のことはあまり知らないが、地元の総合サービス企業に」と、就職を決めた。
 大卒の採用を始めた88年からJR四国は、研修で新人を、ラーメン店やコンビニエンスストア、喫茶店などに立たせている。
・JR四国 JR北海道、九州とともに「三島(さんとう)会社」と呼ばれる。営業キロ856`。1日の平均収入は1億5000万円と大阪駅1駅の1億2000万円を少し上回る程度で、1日の乗車人員数は17万人と大阪駅の半分以下。分割民営化のときに設けられた経営安定基金約2080億円の運用益で収入を補っているる利率7.3%で運用益約150億円が出る前提で改定されたが、バブル崩壊後の金利低下で昨年度は約100億円に減った。(朝日新聞)
■地下鉄で爆破 4人死亡 モスクワ 12人負傷 選挙妨害テロか
 【モスクワ12日共同】モスクワ市内の地下鉄で11日夜(日本時間12日未明)、走行中の車内で爆発が起き、モスクワ市当局によると乗客4人が死亡、12人が負傷した。
 現場に駆け付けたルシコフ・モスクワ市長は、16日投票のロシア大統領選挙と、モスクワ市長選挙の防害を狙った爆弾テロの可能性が高いと述べた。
 爆発が起きたのはモスクワ中心部から南の路線で、車両は大破。窓ガラスが粉々に吹き飛び、煙が立ちこめた。車両はトンネル内で立ち往生したが、乗客らは最寄り駅から地上に避難した。インタファクス通信によると、モスクワ市内務局は、爆発は爆発物により引き起こされたとほぼ断定した。
 モスクワでは7日、ルシコフ市長と組んで出馬している副市長候補が自宅近くで爆弾テロに遭い、重傷を負う事件が起きている。市長は両事件は関連があるとの見方を示した。ロシアでは大統領選に向け治安当局が警備体制を強めており、モスクワ市内でも警官が増強される中で今回の事件が起きた。(京都新聞 夕刊)
13日■京都市 東西線延伸促進 来年度の政府予算 72項目で要望
 京都市は12日、来年度政府予算の概算要求に向けて要望事項をまとめた。この中には、地下鉄東西線の延伸計画の促進や、国が創設を検討している地球環境戦略研究機関の誘致などを盛り込んでいる。要望事項は72項目で、うち重点事項は28項目。
 地下鉄東西線の延伸計画促進は、来年11月に二条−醍醐間(12.7`)が開業するのに伴い、1989年の運輸政策審議会の答申に沿い、来年度以降の早期に延伸区間の事業認可が得られるよう求めている。
 延伸区間は、答申で「2005年度までに整備が適当な路線」とした醍醐−六地蔵間(約2.5`)と、二条−西大路間(約1`)、さらに「2005年度までに整備着手が適当な路線」とした西大路−洛西間(約9`)を挙げている。
 また、京都市への立地を目指す地球環境戦略研究機関は、文部省と環境庁が設置を検討しているもので、地球環境の総合的、実践的な研究を目的にしている。
 このほか、重点項目では▽新たな高齢者介護システムへの配慮▽リサイクル法に基づく分別収集への財政支援制度の整備拡充▽工場制限法の見直し▽地方分権の推進と地方財政への配慮−を要望する。
 桝本頼兼市長、各副市長は13日、東京で関係省庁、地元選出国会議員に実現を働きかける。地方分権が叫ばれている中で、市では従来行っていた局長の陳情は取りやめることにした。(京都新聞)
■近江鉄道創立100年 記念乗車券と入場券を発売
 近江鉄道(本社・彦根市)は16日から、会社創立100周年の記念乗車券と入場券を発売する。
 同鉄道は、1896年(明治29年)6月16日に創立され、2年後に滋賀県の彦根−愛知川間で営業を開始した。
 記念乗車券は縦8a、横17aで、26年(昭和元年)に米国から輸入された電気機関車ED141をカラー写真であしらっている。乗車区間は彦根−愛知川間で、6月30日まで有効。1枚440円で、1500枚発売する。
 記念入場券は、全29駅のうち18駅を路線ごとに分けた3種類で、同鉄道の歴史年表が添えられている。1セット(6枚)780円で、3セット計3000枚発売。発売当日のみ有効で、客車内への立ち入りはできない
 発売場所は、駅窓口と彦根、草津の同鉄道旅行センター。問い合わせは鉄道部運輸課 0749(22)3303へ。(京都新聞)
■京阪神の夏まつり 割引切符でどうぞ JR西日本 16日から発売
 JR西日本は、祇園祭や天神祭など京都、神戸、大阪の各夏祭りを楽しんでもらうための割引切符「三都夏祭りきっぷ」を16日から発売する。
 祭りのある最寄り駅までの運賃を割り引く企画で、複数の祭りきっぷを購入するほど遠方の割引率が高くなる。
 具体的には、1つの祭りを見学する場合、運賃は約1割引だが、これに別の祭りを1セットで購入すると遠方は約2割引となる。さらに、3つの祭りをセットにすると、1つ目は約1割引で変わらないが、2つ目と3つ目の運賃はそれぞれ約3割引となる。
 同きっぷの発売は、関西経済連合会や京都商工会議所などが展開している京阪神三都夏祭リキャンペーンにあわせた。7月16日、17日の祇園祭、同20日、21日の神戸まつり、同24日、25日の天神祭が対象で、京阪神の「みどりの窓口」のある主な駅などで7月15日まで発売する。(京都新聞)
■地下鉄爆発 テロ行為と非難 エリツィン大統領 発火装置の破片発見
 【モスクワ12日=塩原俊彦】ロシアのエリツィン大統領は12日、モスクワで11日夜に起きた地下鉄爆発について声明を発表した。
 それによると、爆発を「テロ行為」と言明。「(このような)選挙直前の野蛮な行為は首都における情勢の不安定化や、恐怖の雰囲気づくに向けられたものだ」と非難した。さらに、同大統領は16日に予定されている大統領選が「過激派の陰謀に対する我々の最良の答えだ」と強調した。
 インタファクス通信が連邦保安局のモスクワ市管轄責任者の話として伝えたところでは、モスクワの地下鉄爆発現場で、時限発火装置の破片が見つかった。手製の爆弾装置が爆発の原因とみられる。爆発の規模は、400−500cの火薬に相当するという。
 モスクワのルシコフ市長は同日の記者会見で、爆発は首都での選挙を妨害しようとする反動勢力によるものだ、と強調した。
 同市長は地下鉄爆発後、テロを続けるとの脅迫が警察に入ったことを明らかにした。4日後に迫った大統領選とモスクワ市長選を実施するため、市民の安全対策を強化する考えだ。
 同市長は記者会見で、爆発は11日午後9時13分に起き、16人が死傷したと述べた。4人が死亡し、11人が重傷、1人は軽傷だったという。(朝日新聞)
■JRはいま 10年目の民営ビジネス D 300`のメンツ 新大阪挟む競争 ひずみも
 JR西日本の新型超特急500系が、年末のデビューを目指して、山陽新幹線で試験走行を続けている。鋭くとがった先頭車、天井が丸い車内。ジェット機にも似た16両編成の列車は、フランスのTGVなどと並んで、世界最速の時速300`が出せる。東海道・山陽新幹線で最高速の時速270`を出す「のぞみ」よりも、新大阪−博多間を13分速く走る。
・見返りで乗り入れ
 500系が最初に公開されたのは、去年11月6日だった。このときまで、JR東海は「東海道新幹線はダイヤが込み合っている」「カーブが多く、270`以上は出せない」などと、500系の東京乗り入れに消極的だった。
 JR東海は「のぞみ」に使われている300系車両を開発。ポスト300系として、より高速で走る試験車両300Xを造り、実用化を進めていた。乗り入れを渋った背景には、JR西日本に先を越されたことがある。
 しかし、500系公開の翌日、JR東海は姿勢を一変させる。同社の葛西敬之社長が大阪市内で記者会見し、「実用運転を1年くらいやれば乗り入れできる」と表明した。
 実はこのころ、JR東海とJR西日本の間で、もう一つのプロジェクトが動きだしていた。仮称「N300」。NはNeWの頭文字だ。文字通り、ポスト300系の共同開発だった。
 2つの新型超特急の関係についてJR西日本の幹部は、こう打ち明ける。「東海は、500系を西日本から買うという屈辱を避けるため、N300計画に西日本を参加させた。その見返りが500系の東京乗り入れだ」
・ビデオ「放映終了」
 新幹線の博多−東京間を1日5往復している「グランドひかり」。2階建て車両が4両連結されているJR西日本自慢の列車だ。2階部分にあるグリーン車の座席では、ひじ掛けの中から折り畳み式の液晶テレビ(縦14a、横15a)を取り出すことができる。3チャンネルあり、映画やゴルフレッスン、NHKニュースなどのビデオ番組を放映している。
 「ただいまの時間をもちましてビデオ放映を終了させていただきます」。博多を出発して2時間50分。姫路を過ぎたころ、車内アナウンスとともに突然、画面が真っ暗になる。番組の途中でもお構いなしだ。その後、車掌が巡回してテレビをひじ掛けにしまい込み、取り出せないようにロックしてしまう。
 ビデオ放映は、JR西日本が1990年11月から始めたが、JR東海は「ビジネス客が多い東海道新幹線にはいらない」と拒否した。結局、JR西日本管内の山陽新幹線だけのサービスになっている。
・博多方面発券せず
 新大阪駅の新幹線中央改札口横には、「のぞみ」の回数券用指定券発行機がある。利用者が回数券を入れれば、禁煙、喫煙別の希望に応じ、自分で座席指定できる。ところが、新大阪から博多方面への回数券を入れると「お取り扱いできません」とはねられる。
 発行機はJR東海が設置した。JR東海管内の東海道新幹線の区間しか利用できない仕組みになっている。
 国鉄が分割・民営化され、一本につながっている東海道・山陽新幹線も新大阪駅を境に東西に分けられた。
 JR西日本とJR東海は、それぞれ独自の技術開発や自社の区間でのサービスを競う。JR各社間の競争はまた、ひずみも生み出している。
・新幹線 JRの発足にともない東海道はJR東海に、山陽はJR西日本に、東北、上越はJR東日本に割り振られた。当初、施設を保有する新幹線鉄道保有機構に3社がリース料を払って使用していたが、1991年10月に3社が総額9兆1767億円で買い取った。その後、東海は「のぞみ」を投入してスピードアップを図り、東日本はオール2階建て車両「Max」を走らせるなど、三者三様に運営している。(おわり)
 (このシリーズは、社会部・山崎靖、京都支局・西見誠一、高松支局・木元健二、写真部・青山芳久が担当しました)(朝日新聞)
14日■国鉄跡地「一等地」2兆円届かず 鑑定士試算 事業団、海外募集も
 国鉄清算事業団は17日からインターネットで内外の投資家への情報提供を始めるなど、保有する土地の売却に躍起になっているが、ある信託銀行の不動産鑑定士が試算したところ、バブルの最盛期にはやされた土地の価格は軒並み大幅下落している。例えば4兆円といわれた東京・汐留貨物駅跡地が4200億円から5200億円、1兆円とされた大阪・梅田駅北側が1500億円から1800億円程度だった=表。
 事業団の土地の売り上げは27兆6000億円に上る旧国鉄の長期債務を返す貴重な財源だが、地価下落の波に四苦八苦しているのが現実だ。
 事業団は1987年以来、全体の6割にあたる約5800fを売って、約4兆6000億円を稼いだ。残る3500fのうち2000fは資産価値が極めて小さい。
 運輸省などは残った土地の価値は合計4兆円弱とみている。だが、今回の試算で都心の「一等地」の合計が2兆円を切っており、「全部で3兆円に届くかどうか」(不動産関係者)という見方もでている。事業団はインターネットのホームページに、7月15日からは英語も加え、海外の投資家も募る。(朝日新聞)
国鉄清算事業団の主な土地と推定価格
 面積
(ha)
推定価格
(億円)
東京・汐留貨物駅跡地13.54200〜5200
JR本社(東京・丸の内)1.21600〜2000
東京駅八重洲側2.21800〜2200
東京・品川駅東口6.31500〜1900
東京・秋葉原駅前3.1650〜 850
神奈川・新鶴見信号場)30.6500〜 600
大阪・梅田駅北側20.31500〜1800
大阪鉄道管理局跡地2.01000〜1200
埼玉・武蔵野操車場81.0400〜 600
愛知・笹島駅8.4200〜 300
愛知・稲沢駅35.2150〜 200
■地下鉄爆破の捜査「オウムも視野に」モスクワ放送報道
 【RP=東京】13日のモスクワ放送によると、モスクワで11日に発生した地下鉄爆破事件を担当している捜査当局は、同事件に「オウム真理教」のメンバーが関与している可能性も考慮に入れて捜査を進めている。
 ロシア最高検察庁のスリャギンツェフ上級補佐官がイタル・タス通信に述べた。(朝日新聞 夕刊)
■列車トイレ、明るく変身
 くさい・汚い・暗い・怖い脱皮 女性の感性を意識した空間に
 ときには、あわただしい日常空間から離れてみたい。そのプロローグを演出してくれるのが列車。どこか「鉄人28号」を連想させる南海の「ラピート」のように、あっと驚く車両が各地に登場し始めている。
 けれど、外観はともかく、目的地に着くまでの高揚感に味付けしてくれるものに、トイレと洗面所がある。こざっはりときれいなトイレに巡りあうと、その日一日が気分よくなるから不思議だ。
 新しい車両を中心に、列車のトイレが進化を始めている。富山へ行くときに乗った「雷鳥サンダーバード」に、赤ちゃんをひょいと置けるベビーキープがあって、驚いた。おむつ交換台(ベビーベッド)は最近、よく目にするようになっていたが…。
 子連れの女性にとって、列車の旅は大変なものらしい。「赤ん坊を席に置いていくわけには行かないし、抱っこでは、しにくいし、…。『しょいこ』を持って乗ったこともあります」。そう話すのは、2人の子が今は小学生になった大阪府豊中市のフリーライター井上理津子さん(40)。「雷鳥サンダーバード」の変化や、洋式が増えたことを率直に評価している。
 列車のトイレはかつて、単なる「用足し」の空間に過ぎず、くさい、汚い、暗い、怖い…などのイメージがつきまとった。もとより、女性を意識したものではなかった。
 最近は特急などの看板列車を中心に鉄道各社は、ホテルや百貨店を意識した「公共空間」としての機能を持たせ始めている。車いす対応のトイレを設けるのはもちろん、照明などまで工夫を凝らす。
 JRと関西の主な鉄道会社に、自慢の列車トイレを回答してもらった=表。
 JR西日本は今夏から、紀勢線に走らせる新型特急「オーシヤンアロー」、に、女性専用を初めて置く。「並んでいる資を見られたくない」「おっちゃんの後はいや」といった女性の声が、アンケートなどで多かったためだ。
鉄道各社の列車トイレ自慢
●スーパーくろしおオーシヤンアロー(JR西日本)女性用設置。ベビーキープ、おむつ交換台あり
●タンゴディスカバリー(北近畿タンゴ鉄道)車いす対応、洋式。ベビーキープ、おむつ交換台
●スーパーはくと(智頭急行)男女共用。男子小用も。身障者対応の洋式あり
●伊勢志摩ライナー(近畿日本鉄道)大型化粧室におむつ交換台。真空式。床に天然石
●空港特急ラピート(南海電鉄)女性用洋式も。洗面所は全自動ユニット大鏡つき
●新幹線「のぞみ」型電車(JR東海)噴射式。センサー式手洗い。洋式におむつ交換台
●ソニツクにちりん(JR九州)男女別。洗面台と、着替え用の足置き台。真空式
●「しおかぜ」「いしづち」用電車(JR四国)広い間口の洋式と男子小用。洗面所は三面鏡つき
●2階建て新幹線Max(JR東日本)男女別。真空式。別に女性用パウダールームあり
●スーパー北斗(JR北海道)洋式に、洗面台、おむつ交換台。男子小用は別
すべて洋式・男女分離 におい吸収タイプも
 トイレ戦略に熱心なのは、JR九州のようだ。4年前に登場した「つばめ」から、トイレの考え方を一新。すべて洋式にして、飛行機と同じタイプの、においまで吸い込む真空式にした。身障者用を除いて男女は完全に分け、鏡つきの洗面台を内部に入れた。着替えやストッキングのはき替えに便利な足置き台もつけた。車両全体を設計したデザイナー水戸岡鋭治さんは言う。「列車の旅を楽しいと感じてもらうには、一番大事なところが水まわりなんです」
 とは言っても、肝心なのは掃除と整備だろう。日本トイレ協会幹事の坂本菜子さんは「飛行機のトイレが気持ちいいのは、時間さえあればスチュワーデスが入ってきれいにしているから」と指摘する。最近の鉄道各社の変化を評価しながら、「いい空間でもメンテナンスが不十分だとだめ。使う側のマナーも大切だけれど「質をよくするには手間も必要です」。
 ともあれ、快適さが重視される時代になった。さあ、この夏は、どの列車で出かけようか。(横川 修)(朝日新聞 夕刊)
15日■17日から走行実験 リニアモーターカー
 鉄道総合技術研究所(JR総研)のリニアモーターカー宮崎実験センター(宮崎県日向市)は14日、実験車両「MLU002N」を使った21回目の走行実験を17日から29日まで実施すると発表した。
 今回は人の体感による乗り心地を確認するほか、山梨実験線で使われる新型実験車両用のディスクブレーキを用い、路面がぬれた状態での性能をテストする。(京都新聞)
■朝は大阪、夜は北新地 JR東西線 定期券の乗客に便宜
 JR西日本は、片町線と福知山線を大阪の都心部でつなぐ東西線の開業(来年3月)に合わせ、大阪駅を起点とする「定期券」で、近接する北新地駅も利用できる運賃制度にする方針を決めた。福知山線と東海道線、片町線の各方面から大阪駅まで通う定期券客に限ったサービスだが、利用者にとってはどちらの駅からでも乗り降りでき、便利になる。すでに、JRと並行する阪神電鉄と阪急電鉄は、1枚のブリペイドカードで両社の駅を自由に乗り降りできるシステムを導入しており、特に阪神間でJRと私鉄の競争が激化しそうだ。
 JR西日本は、三ノ宮(神戸市)や宝塚方面から大阪の都心に向かう乗客のうち3分の2が東海道線で大阪駅を、3分の1が東西線で北新地駅を利用すると予想している。また、片町線からは4分の1が大阪駅、4分の3が北新地駅に流れるとみている。同社は、大阪駅と北新地駅が地下街でつながることなどから、両駅は一体とみなすことができるとして、一枚の定期券が両駅で使えれは便利になることから、利用者増にもっながると考えた。
 ただ、大阪駅と宝塚、三ノ宮方面を結ぶ区間の多くが「特定区間」になっており、運輸省に運賃改定の認可申請する必要があるという。(朝日新聞)
■大阪駅前のゴルフドーム 空気抜かれぺしゃんこに
 JR大阪駅北側の旧国鉄大阪鉄道管理局跡地に立っていたドーム形のゴルフ練習場「OSAKA梅田ゴルフドーム」が15日、解体された。午前6時半に作業が始まって約1時間、駅前の名物だった直径110b、高さ32bの巨大な半球は、空気が抜かれてぺしゃんこになった。
 跡地は甲子園球場の半分ほどの約2万平方b。所有する国鉄清算事業団が、27兆6000億円にも膨れ上がった旧国鉄債務の返済に充てるために売却する予定。すでに大手百貨店の三越が名乗りを上げている。
 同事業団は1994年に、この土地を子会社に貸し付け、その子会社が約1万800平方bをゴルフ練習場を経営する東洋不動産(本社・大阪市)に1日100万円の地代でまた貸ししていた。貸し出し前、公示価格でも約2500億円という高値が災いして買い手が付かなかったが、現在は1000億−1200億円まで下落しているという。(朝日新聞 夕刊)
16日■窓 バス停留所に観光案内板を 上京区・河崎唯由(無職・81)
 山越から市バス59号を利用して千本まで出る時ですが、仁和寺から乗る人もかなりあり、途中の龍安寺で降車する修学旅行生も相当あります。その日も10人ほどが降車されたのですが、龍安寺を通り過ぎているバス停のため、旅行生はきょろきょろしながら、北に向かって歩き出しました。
 車内から慌てて、バスのドアをたたいて南を示しましたが、通じませんでした。
 その次には、金閣寺のバス停で50b以上も手前で停車するので、門前のざわめきや人の行き交いは見えません。5、6人連れの学生たちは南を向いて行きました。
 観光都市の市バス停留所には、せめて矢印で所在地50bとか、南へ10bとか示した案内板を付けて、だれでも分かるようにしていただきたいと思います。早急にお願いしたいものです。(京都新聞)
■空気抜かれぺちゃんこに 大阪のゴルフドーム
 JR大阪駅の北隣に2年前に出現し、大阪の新名所になっていた「OSAKA梅田ゴルフドーム」の空気が15日に抜かれ、巨大な恐竜の卵のような形をしたドームがぺちゃんこになった。
 このドームは、大阪市内の不動産会社が旧大阪鉄道管理局跡地を国鉄清算事業団から借り受けて建設したゴルフ練習場。都会の一等地での24間営業で、2年間で約40万人が利用したが、今月末で契約切れになるため、9日で営業をやめ、15日に撤去作業が行われた。
 作業は午前6時から始まり、ドーム内に空気を送り込む送風機を停止し、出入り口を開放すると、広さ8000平方b、高さ32bのドームが約2時間ほどで完全にしぼんでしまった。
 返還後の利用についてはまだ決まっていないが、デパートの三越が出店を検討している。(京都新聞)
■綾部の牛乳販売店全焼 山陰線にも遅れ
 15日午後3時5分ごろ、綾部市若松町の牛乳販売業「佐々木商会」=佐々木四郎さん(67)経営=から出火。鉄骨2階建て延べ 297平方bを全焼して1時間後に消えた。けが人はなかった。
 綾部市消防本部と綾部署によると、建物は店舗兼住宅で佐々木さん夫婦が住んでいるが、出火当時留守だったといい、原因を調べている。
 佐々木さん方の南側に隣接してJR山陰線が走っており、消火活動のため列車は一時不通。京都発城崎行特急「きのさき7号」など上下4本が30分から13分遅れた。現場はJR綾部駅から東へ400b。(京都新聞)
■信号故障、電車一時ストップ JR丹波口駅、運休も
 15日午後2時ごろ、京都市下京区中堂寺南町のJR山陰線、丹波口駅構内の下り信号機が赤のまま変わらなくなり、園部行き普通電車(乗客約300人)が信号手前で停止した。手動でポイントを切り替えるなどして復旧、約25分後に運転を再開した。
 このため普通電車上下各1本が運休したほか、特急、普通電車計5本が11−22分遅れて約2100人に影響が出た。(京都新聞)
■記者ノート 「安全」削り取る時速300`
 JR西日本が開発した新型超特急500系の走行試験に試乗した。フランスの高速列車TGVなどと並ぶ世界最速の「時速300`」が売り物で、早ければ年末にも山陽新幹線にデビューし、その1年後には東京まで乗り入れる計画である。
 新下関駅を出発して5分で時速300`に達した。トンネル内の風切り音は車内では「のぞみ」並み。車体の振動を制御する新しい技術が働いているためか、左右の揺れは「のぞみ」より小さいように感じた。
 試乗の前日、小郡駅のホームで、500系が時速275`で通過する瞬間に立ち会った。ガーという轟音(ごうおん)とともに風圧で体がよろけそうになる。振動が足元にまで伝わってくる。沿線住民の耳にどう響くだろうかと考えた。
 新幹線の騒音基準は住居地域の場合70デシベル以下だ。しかし環境庁は、実現は難しいとして1985年に75デシベル以下を暫定目標にした。ところが一昨年秋、環境庁が住宅密集地で測定した結果、270`で走行した「のぞみ」は最高で76デシベルを記録した。運輸省はその後、防音壁を設けたりして75デシベル以下に抑えたと環境庁に報告しているが、兵庫県尼崎市や西宮市の沿線住民から「阪神大震災以前より騒音がひどくなった」との苦情が出ている。500系の走行中止を求める動きもある。
 一般に、時速が10`アップすると、騒音は1デシベル上がると言われている。JR西日本は「500系には低騒音型のパンタグラフを採用するなど環境に配慮した技術を投入し、走行試験でも基準は守れている」と説明するが、走行試験での測定結果は公表していない。
 JR西日本は500系を9編成導入する計画だ。費用は1編成(16両)当たり約46億円。全体で約400億円に上る。
 導入により山陽新幹線は新大阪−博多間で「のぞみ」より13分短縮される。しかし、東海道新幹線の方はカーブが多く、ダイヤが込んでいるため、運行に当たるJR東海は「270`以上は出さない」と明言しており、東京−新大阪間では「のぞみ」と変わらない。
 その程度の高速化に巨費を投じるよりも、いま急ぐべきは騒音対策であり、安全対策ではないかと、私は思う。
 JR西日本は今年1月から高架橋の柱に鉄板を巻く工事を進めている。阪神大震災と同規模の地震にも耐えられることをめざす補強工事だ。対象になる柱は新大阪−岡山間では、復旧工事ですでに補強ずみの柱などを除く1万4800本。これが岡山以西だと、対象になるのは2万500本のうち活断層が走る部分の500本だけ。残る2万本に補強の計画はない。
 阪神大震災で山陽新幹線は新大阪−西明石間で高架橋の橋げたが8ヵ所落下するなど大被害を受けた。博多行き始発の「ひかり」が新大阪駅を出るわずか14分前のことだった。
 もし走行中だったら?
 開業以来、30年余、乗客の死亡事故が起きていないという新幹線の「安全神話」は、地震で大きく揺らいだはずだった。その教訓を忘れたかのように、JR西日本は「時速300`」への道を突き進んでいる。
 高架橋の柱に鉄板を巻く工事費は1本当たり約150万円。岡山以西のすべての柱を補強してもざっと300億円で、新型超特急の導入に要する費用より100億円も少なくてすむ。
 沿線の環境対策や安全確保を後回しにして得る「13分」の高速化にどんな意味があるのだろう。新幹線が世界に誇ることのできる鉄道であるのは、何より安全だからではないのか。こんな当たり前のことが忘れられている気がしてならない。(朝日新聞)
■旧国鉄バス 民営後2500`廃止 過疎地の赤字路線中心
 国鉄の分割民営化にともなってJR旅客各社とJRグループのバス会社に引き継がれた旧国鉄バスの路線のうち、9年間で264区間2518.7`が廃止されたことが分かった。今年3月末現在の運行会社8社の状況をまとめた。廃止されたバスのほとんどは過疎地で運転されていた赤字路線で、民営化によって地方の交通網が切り持てられている現状が浮き彫りになっている。JRグループは国、自治体からの補助対象から外されているなど、旧国鉄から継承された制度が路線廃止の大きな要因とされる。
 国鉄バスは1987年4月、JR旅客6社のバス事業部門に移された。1年後、ジェイアールバス東北(本社・仙台市)、ジェイアールバス関東(同・東京)、ジェイアール東海バス(同・名古屋市)、西日本ジェイアールバス(同・大阪市)、中国ジェイアールバス(同・広島市)のバス会社5社が設立され、JR東日本、東海、西日本の3社のバス事業から路線を引き継いだ。この5社と、JR北海道、四国、九州の各旅客会社が運行している。
 廃止された路線キロが最も長いのは、ジェイアールバス東北で116区間760.7`。以下、関東、西日本、中国、四国、九州、北海道、東海の各社の順になっている。
 昨年度に廃止された主な路線は、秋田県の十和田南−大館間、栃木県の関谷宿−矢板間、島根県の津和野−日原間、鹿児島県の日ノ丸−蒲生町間など。
民営後廃止された旧国鉄バス路線
会 社廃止区間廃止キロ
JR北海道344.9
ジェイアール東北116760.7
ジェイアール関東72563.7
ジェイアール東海バス321.4
西日本ジェイアールバス18400.0
中国ジェイアールバス16377.0
JR四国26220.7
JR九州10130.3
 赤字のバス路線は、運輸省の地方バス路線維持費補助金交付要綱によると、原則として、1台当たりの平均乗車数が5人以上15人以下の路線は国と都道府県が赤字の半分ずつ、5人未満の路線は国が25%、都道府県が25%、市町村が50%補助することになっている。
 国鉄バスの場合、地方財政再建促進特別措置法で国、自治体の補助対象から除外されていた。分割・民営化によって同法は改定されたが、国会の付帯決議などでJRやJRバス会社に対しても旧国鉄同様、補助対象としないことが取り決められている。(朝日新聞)
■普通電車2本運休 JR山陰線で ポイント故障
 15日午後2時ごろ、京都市下京区中堂寺南町、JR山陰線丹波口駅の京都駅側の信号機が赤になったままとなり、京都発園部行き普通電車(6両、乗客約300人)が駅の手前約100bで止まった。ポイントが動かなくなったためだったが、駅員が点検中にポイントが再び動き、信号機も青に変わり、25分後に運転を再開した。このトラブルで、普通電車上下各1本が運休。特急「きのさき7号」を含む上下計5本が最大25分遅れるなどした。(朝日新聞)
17日■併設型の保育所建設提言 女性の社会進出支援 駅ビルやマンション内に 子育て施設整備検討委
 国土、厚生、建設3省庁でつくる「居住機能・まちづくりと連携した子育て施設整備検討委員会」(委員長・黒川和美法政大教授)はこのほど、保育所をマンションや駅、業務施設などに併設するよう提言した「子育てにやさしいすまい・まちづくりの整備方法の提案」(エンゼル・ハウジングスキーム)をまとめた。
 女性の社会進出を手助けし、少子化に歯止めをかける方策の一つにしようという狙いで、厚生省などが1994年末に子育て支援施策をまとめた「エンゼルプラン」の一環。
 しかし、具体化に当たっては保育所の認可基準の見直し、国や自治体の新たな助成制度など支援策が不可欠で、今後の各省の取り組みが注目される。
 国勢調査によると、東京都では20歳代後半の女性の就業率が70年の43.0%から90年には65.3%と大幅に増加。祖父母と子、孫が一緒に住む3世代世帯は90年で5.1%と少なかった。
 このため共働き世帯では、家庭内で子供の面倒を見る人がおらず、低年齢児の保育や夜間延長保育へのニーズが高まっている。
 大都市圏でこうしたニーズに合う保育所の整備は不十分で「ゼロ歳児を預かってくれる保育所を探して、その近くへわざわざ引っ越す人もいる」(厚生省保育課)ほどだ。
 このため3省庁は職住近接の都心居住型や、郊外から都心への通勤型などを想定し、住宅・まちづくりと連携した保育施設整備の在り方を検討する委員会を設け、約1年がかりで報告書をまとめた。
 具体的には保育所を@マンションA企業ビルB最寄り駅・駅周辺ビルC企業などが郊外に設けるサテライトオフィスの「テレワーク」拠点施設D高齢者用マンションや老人福祉施設−に併設するよう提言している。
 マンション併設型は、神戸市で保育所付き賃貸マンションや、埼玉県朝霞市の分譲マンションにベビーシッターのいる子供室を設けた例などが出始めている。厚生省は94年度から通勤途上で子供の送迎ができるよう駅近くのビルなどに併設する保育所に補助するモデル事業も実施中だ。
 しかし、いずれも民間の無認可保育所で、自治体の補助が受けられず、駅前ビルやマンションの賃貸料が跳ね返ることから保育料が高いのが難点。
 駅前ビル併設の保育所などを運営しているベネッセコーポレーション(本社・岡山市)の栗山正樹LPA事業部長は「周辺の認可保育所に比べ保育料は約2倍。今のままでは事業として成り立たない」と国などの助成措置を要望している。
 報告書は、集会室などの共用スペースを利用している現在のようなマンションや業務ビルへの併設では、十分な遊戯施設を置けず、外の遊び場が確保できないなど、保育施設として不備であることも指摘している。
 これに対し、厚生省はこれまで原則的に認めていない借地・借家でも認可保育所とできるよう認可基準を今年中に緩和する方針。建設省も市街地再開発ビルに保育所や老人ホームなどを併設する場合、廊下などの共用部分に対し補助する制度を97年度に拡充する考えで、共同住宅などとの併設型保育所づくりを支援する。
 しかし保育料を大幅に引き下げるには、自治体の新たな助成制度の導入、延長保育や一時預かりなど需要が多い併設型保育所運営のノウハウを普及する必要がありそうだ。(京都新聞)
■爆破予告電話で列車5本が運休 JR播担線、異常なし
 17日午前7時ごろ、兵庫県神崎郡大河内町鍛冶、JR播但線寺前駅に、男の声で「寺前−和田山駅間にダイナマイトを仕掛けた」と電話があった。JR西日本福知山支社は、両駅間の列車をストップさせ、JR社員や地元の福崎、和田山両署員ら約60人で同区間(36.1`)の線路などを3時間半にわたって点検したが、ダイナマイトは発見されなかった。
 この影響で、普通列車の上下5本が運休。大阪行きの特急「はまかぜ」が2時間20分遅れるなど、約1000人の通勤・通学の足が乱れた。JRは代替バスで対応した。(京都新聞 夕刊)
18日■新大阪駅に500系乗り入れ 新型新幹線試験走行
 国内最高速となる時速300`の営業運転を目指し、山陽新幹線姫路−博多間で試験走行を続けているJR西日本の新型新幹線「500系」(16両編成)が17日夜、初めて新大阪駅に乗り入れた。
 この日は、博多を午後5時55分に出発して、広島まで時速300`で走行、その後は同270`で新大阪へ。
 今年2月から試験走行を繰り返しており、6月末には新大阪−博多間、時速300`の通し運転を予定している。
 早ければ年末にも新大阪−博多間で営業開始の見通し。(京都新聞)
■外国人の京観光 宿は知人宅・民宿 足は市バス JR京都駅前の案内所が実態調査 人気の場所はやはり「金閣寺」 天橋立・美山も
 一番人気は相変わらず金閣寺。宿は料金が割安なのが一番−。京都市下京区のJR京都駅前にある外国人向けの無料観光相談所、ツーリストインフォメーションセンー京都案内所がこのほど、京都を訪れた外国人旅行者の実態調査をまとめた。利用交通機関は市バスが多く、宿泊先は民宿や友人、知人宅が人気。最近の円高の影響を受けて出費を抑えて旅行を楽しむ傾向が一層定着しているようだ。
 調査は85年からほぼ3年ごとに実施している。今回は昨年10月から今年2月末までに同案内所を訪れた650人にアンケートを行い集計した。
 宿泊では旅館が31%とトップだったが、民宿、ユースホステル、友人・知人宅も合わせて約35%にのぼった。「旅館」は低料金の手軽な所が多く「旅行で一番費用が掛かるだけに、窓口でも値段の安いところを望む人が多い」(同センター)という。
 利用交通機関は、高くつきがちのタクシーなどは敬遠されがち。市内を網羅している手軽なバスの利用が最も多く、約7割近くが利用。「1日乗車券や回数券などを使う人が多い」(同)という。
 センター利用者の国籍は米国が30%でトップ、年齢別では20−29歳までの旅行者が多かった。訪れた(訪れたい)場所のナンバーワンは前回と同じ金閣寺で、全体の約7割(重複回答)が希望し、2位の京都御所は前回の6位から急上昇。さらに二条城、清水寺、銀閣寺の順となった。少数ながら宮津市・天橋立、美山町と答えた利用者もあった。
 他都市との観光比較では75%が「抜群によい」「平均以上」と回答し、入洛後の印象についても76%が「期待通り」などと肯定的に答えた。同案内所は「センターを利用する人はパック旅行と違って自分で街を歩く人が多い。昨年は円高だったことも作用して、余分な費用を使わずに楽しむ近年の傾向がそのまま続いている」と見ている。(京都新聞)
■京都駅 ビル開発 社長に原氏
 京都駅ビル開発は17日、株主総会と取締役会を開き、新社長に原和安JR西日本常務を選任した。来年6月の駅ビル完成を控え、これまで非常勤だった社長職は常勤になる。また、新役員に立石義雄オムロン社長ら6人を選んだ。南谷昌二郎社長(JR西日本副社長)は退任した。
 原 和安氏(はら・かずやす)東京大法学部卒。64年日本国有鉄道に入社。JR四国常務、JR西日本東京本部長などを経て今年6月から同社常務。55歳。大分県出身。(京都新聞)
■窓 敬老乗車証使う父見たい 上京区・石崎陽子(内職・35)
 さる5日に父が倒れました。すぐに手術を受け、いま病院で人工呼吸器をつけています。一命は取り留めたものの意識ははっきりせず、集中治療室をいつ出られるか分かりません。
 父は69歳。もうすぐ敬老乗車証が頂けます。とても楽しみにしていました。いつも家族のための運転手役で、駅やデパート、病院の送迎を進んでしてくれていました。70歳になったら自分でバスに乗って買い物に行くのだ。自分のためにネクタイや靴下を選ぶのだ、と言っていました。
 病院へ通うとき、バスで敬老乗車証を見せて降車される方をお見かけすると、うらやましくなります。なかには乗客の方から「ありがとうございます」とおっしゃることもあって、運転手さんは戸惑ったように無言でうなずいたり「結構です」と応じられたりします。
 父がもし、もう一度バスに乗って出かけられるようになって、そして敬老乗車証を使うことができたら、その時には、どうかバスの運転手の皆さま、父に「おめでとう」と言ってやってください。父の名は中井祥夫。8月21日で満70歳になります。(京都新聞)
■新型車両の騒音測定 尼崎市が新幹線沿線で
 JR西日本が時速300`の営業運転を目指して開発した新型車両「500系」のテスト走行が阪神間でも始まり、兵庫県尼崎市は17日、沿線での振動・騒音を測定した。沿線住民も19日の走行テストで独自に振動を測定する予定だ。
 テスト走行は、この日夜から18日未明にかけて往復2本。尼崎市職員は武庫之荘八丁目で沿線住民も見守る中、振動と騒音を測定した。また、JR西日本も高砂−尼崎間の計15ヵ所で振動、騒音などを測定したが、データについては公表する予定はない、という。
 尼崎市の沿線住民でつくる「新幹線公害を考える会」が今年1月、258世帯にアンケートしたところ、6割近くの住民が「振動・騒音ともに震災前より悪化した」と答えたという。
 この結果を踏まえて「考える会」は今月10日、JR西日本に500系の走行テストの中止を求めていた。(朝日新聞)
■京都駅ビル開発 後任社長に原氏
 JR西日本の新しい京都駅ビルを建設している京都駅ビル開発(本社・下京区)は17日開いた株主総会後の取締役会で、南谷昌二郎社長(非常勤)が退任し、後任社長に原和安JR西日本常務が就く人事を決めた。原氏は20日開催のJR西日本の株主総会で取締役を退任する予定。(朝日新聞)
■強風で関空線 一時ストップ
 発達した低気圧が近畿地方を通過しているため、JR関西空港線と南海電鉄の空港線は18日未明、関西空港駅(大阪府田尻町)などに設置した風速計が25bを超える強風を記録し、始発から運転を見合わせた。
 同日午前6時すぎ、風が収まり両線ともにいったん運転を再開したが、同8時前に毎秒25bを超え、再び運転を中止。その後9時すぎに再開した。りんくうタウン−関西空港間でバスの振り替え輸送を行った。(京都新聞 夕刊)
■強風・強雨 朝の足乱す 運休や欠航 近畿で続出
 18日未明から降り続いた強い雨や風の影響で近畿地方では、鉄道の運休や船の欠航、道路の速度規制などが相次いだ。雨は所によっては、夜まで降る見込みという。
 和歌山市では、17日夜の降り始めから18日午前9時の雨量が55.5_、兵庫県では六甲山で24_、芦屋で22_となった。大阪では午前10時までに34_が降った。
 この風雨の影響で、関西空港連絡橋では18日始発から午前9時半ごろまで断続的に鉄道の運転がストップ。
JRは特急「はるか」など21本が運休、南海も特急「ラピート」など25本が運休して、約7400人が影響を受けた。
 JR阪和線は、和歌山市の紀伊駅の雨量計が40_に達したため、同7時15分ごろから約3時間にわたって和泉砂川−和歌山間で運転を見合わせ、その間、南海本線などに乗り換えるよう乗客を案内した。この影響で、特急「くろしお」など57本が運休し、約1万9000人の足が乱れた。
 また午前7時51分ごろ、大阪市住之江区にある地下鉄四つ橋線緑木検車場で、落雷によると見られる停電があり、検車場から電車が出られなくなった。同8時39分に復旧したが、4本の電車が運休して約6000人に影響が出た。
 道路では、阪神高速湾岸線の六甲アイランド北−大阪府県境間が午前9時から、最高60`に速度規制された。
 海上の交通も乱れた。神戸港内で海上バスを運航する神戸シーバスは、うねりが強いため、午前中の2便を欠航。和歌山−徳島を結ぶ南海最速船も午前6時40分から、雨と風の影響で一部の便が欠航した。(朝日新聞 夕刊)
■線路に落石 列車が衝突 島根・JR三江線 けが人なし
 18日午前6時過ぎ、島根県邑智郡川本町因原のJR三江線石見川本駅と因原駅間で、石見川本発浜田行きの上り普通列車(1両編成、金山一男運転士)が、レールの間に落ちていた岩(縦60a、横70a、厚さ44a)で、車体の腹をこすり、約90b走って止まった。列車は制動系統が壊れたが、乗客4人にけがはなかった。
 川本署の調べによると、現場は石見川本駅の南西約2.2`のカーブで、線路上とその周辺に、最大で約1b幅の岩計4個が落ちていた。同署は、17日朝からの雨で地盤がゆるみ、線路わきのがけから落ちたものとみている。(朝日新聞 夕刊)
19日■JR西日本新型新幹線車両「500系」 時速300`営業へテスト着々 新大阪−博多間 年末にもデビュー 来月から「走り込み」
 時速300`での営業運転を目指しているJR西日本の新幹線車両「500系」が、今週から山陽新幹線全線に走行試験の範囲を広げた。車内騒音や集電系など、改良すべき点が若干は残されているが、これまでの試験で基本性能の高さは確認済み。営業運転開始に大きな支障はないとみられ、年末にも臨時列車として新大阪−博多間に登場しそうだ。
 500系は、16両編成で座席定員1324人。先頭車には長さ15bのロングノーズを採用した。サイズは中間車で長さ25b(先頭車は27b)、幅3.4b、屋根高3.7bと、現行の「のぞみ」(300系、時速270`)に比べてひと回り小さい。営業運転が始まれば、新大阪−博多間を「のぞみ」より13分速い2時間19分で結ぶ。
 走行試験は今年2月から始まった。当初、博多−徳山間に限られていた走行範囲も順次、東へ延び今月17日からは博多−新大阪の全線に拡大された。7月からは総合的な性能をみる「走り込み」に移る。
 これまでの最高スピードは4月26日に記録した320`。高速区間の小郡−新下関間では常時300`走行が続けられている。同区間で5月末に行われた報道関係者試乗会での300`走行の印象は「のぞみに比べ、明らかに揺れが小さい」だった。
 「500系の開発モデル車両・WIN350で4年間にわたり、データを蓄積したのが大いに役立ちました。のぞみの走行試験で発生したトンネル突入時の衝撃音も、500系ではロングノーズの効果で解消しました」。試験実施部の岩本謙吾部長は、そう言って胸を張る。車外騒音は翼型パンタの採用で暫定基準の75デシベルをおおむねクリアしているが、まだ改良の余地がある。70デシベル以下を目指す室内音は、床下からの騒音カットが今後の課題だ。
 東海道新幹線への乗り入れは、葛西敬之JR東海社長がこのほど「早ければ来年秋か冬にも」と発言したことで、早期実現の見通しがついた。車両を含め500系システム全体には、中国政府が深い関心を示しているといわれ、その技術が外国の鉄道に役立てられる日が近いかもしれない。(京都新聞)
■京都市交通局 2運転手を戒告 市バスで乗客 無理に下車や降ろさず
 京都市交通局は18日、乗客へのマナーが悪いのは職員服務規程に反するとして市バスの運転手2人を戒告処分にし、冬のボーナス3割カットと1年間の昇給停止にしたことを明らかにした。
 同局によると、処分を受けたのは53歳と54歳の男性運転手。53歳の運転手は5月下旬ごろ、停車ボタンを誤って押したお年寄りの女性を無理やり下車させたという。女性は運転席の近くまで行って「間違いです」と告げたが、運転手は「停車ボタンを押した以上、降りろ」と降ろしたという。
 一方、54歳の運転手は4月下旬ごろ、目的の停留所で停車ボタンを押し忘れたお年寄りの男性から「降ろしてほしい」と頼まれたが、「停車ボタンを押していない」として降ろさなかったという。
 この2件は、市議会交通水道委員会での質問や、お年寄り本人からの投書で発覚。同局が運転手本人から事情を聴くなどして事実を確認し、14日付で処分した。同局は「市民に愛される市バス、地下鉄となるよう『乗客クレーム・ゼロ』を目指して、信賞必罰でいく意思表示と理解していただきたい」と話している。(朝日新聞)
■北陸新幹線で意見交換 関経連と北陸経連が懇談
 関西経済連合会と北陸経済連合会は18日、大阪市内で経済懇談会を開き、一部建設が進んでいる北陸新幹線の整備問題を中心に意見交換した。
 関経連の川上哲郎会長(住友電気工業会長)は「今後の経済発展は産業セクターごとではなく、地域の特性を生かすことが重要」とあいさつ。北経連の谷正雄会長(北陸電力会長)は「北陸地域の発展には高速交通体系、特に北陸新幹線の整備が不可欠」と強調した。
 自由懇談で北陸新幹線の整備問題について、関経連の井手正敬副会長(JR西日本社長)は「全線開通のルートは難所が多く、早期の全線開通は不可能。現状では、一部完成したルートを活用するスーパー特急方式が合理的」と説明した。
 米原に連結するルート案が浮上していることについても、井手副会長は「中央リニア新幹線ができれば、米原−大阪間のダイヤに余裕ができる。コスト面でも安くなる」と述べ、企業としてコストを考えざるを得ない事情について理解を求めた。(京都新聞)
■風に弱い関空連絡橋、返上! 運休減らせ 線路部に柵
 関西空港と対岸の大阪府泉佐野市を結ぶ空港連絡橋(長さ3.75`)で、強風による列車運休が相次いでいることから、JR西日本と南海電鉄、関西国際空港会社は18日、橋の線路部分の一部に防風柵(さく)を設置すると発表した。7月から工事を始め、来年2月に完成する予定。完成後は今年3月以前に比べて、運休回数は5分の1に減る見通し。
 柵は、列車が風を直接受ける連絡橋の両端2ヵ所に設置される。
 1994年9月の開港当初、連絡橋には風速計が4個設置され、いずれかが最大瞬間風速25b以上(台風の場合は23b以上)を観測すると列車が止まる仕組みになっていた。しかし、関空会社は今年3月、風下より弱い風上の観測値で列車運休を決めるよう規制の条件を緩和した。
 柵の完成後は、列車を止める最大瞬間風速の下限を、台風時に関係なく一律26bに引き上げる。関空会社によると、風速規制を緩和する直前の1年間(95年2月−96年1月)に運休した例をあてはめると、運休回数が40回から8回に、運休時間は52時間から14時間に減るという。(朝日新聞)
■風で大迷惑 神戸でけが人
 活発化した梅雨前線のため、西日本各地は大南や強風に見舞われ、神戸市や岡山市などでけが人が出たほか、瀬戸大橋が一時的に通行止めになった。関西空港と対岸を結ぶ連絡橋では電車の運転を断続的に見合わせた。
 神戸海洋気象台によると、この日午後5時32分、神戸市で最大瞬間風速30.1bという、6月では1937年の風速観測以来、2番目の強風を記録した。
 この強風で神戸市東灘区では午後5時55分ごろ、路上に落ちていたベニヤ板が風にあおられて女性(46)にあたり、顔に軽いけがをした。同市中央区では午後6時ごろ、5階建てマンション屋上の物置小屋のトタン屋根が落下、約1時間市道をふさいだ。
 さらに兵庫県明石市魚住町では午後4時55分ごろ、自動車販売会社の2階に設置していたテントが、8本の支柱ごと吹き飛ばされ、電柱1本を倒し、高圧電線3本を切断。国道2号の上り線が約40分間渋滞した。
 また、関西空港では25bを超える強風を記録したため、JR西日本と南海電鉄が空港連絡橋の運転を断続的に見合わせた。(朝日新聞)
■架線にビニール 片町線ストップ
 19日午前5時40分ごろ、大阪市城東区天王田のJR片町線放出−鴫野間で、下り線の架線にビニールがひっかかっているのを上り電車の運転士が発見。このため下りの放出−鴫野間で約1時間、運転を見合わせた。この影響で上下33本が運休するなど約3万5000人の足が乱れた。
 JR西日本によると、荷造り用のビニールシート(縦1b、横2b)で、風で飛んできて架線にひっかかっていたらしい。(朝日新聞 夕刊)
20日■御池通 京のシンボルに 整備事業中間報告 片側12bの歩道(府内一) 本年度中 沿道景観形成地区に指定
 京都市は19日、「御池通シンボルロード整備事業」実施計画の中間報告をまとめた。計画では御池通を京都の新しいメーンストリートにするため、片側12bの大きな歩道を設置し、電線類は地中化。河原町通−木屋町通間をシンボルゾーンとして中央緑地帯を設ける。また、周囲の建物との調和も考慮し、本年度中に一帯を沿道景観形成地区に指定する。2000年度の完成時には、堀川通から東山が望める通りに生まれ変わるという。
 桝本頼兼市長が同日の定例記者会見で明らかにした。
 整備するのは堀川通−御池大橋間の1.7`。道路幅は50b。現在、車道本線と歩道の間にある緩速車線を廃止し、片側3車線の車道(26b)と、現行の倍の幅に当たる片側12bの歩道を設置する。
 歩道の幅は府内一で、東京・表参道(幅8.1b)を上回り、国内でも有数の広さになる。歩道沿いには約290本のケヤキを植える。河原町通−木屋町通間(約100b)に設ける中央緑地帯は幅7−13bで、彫刻などを置き、市民が憩える空間にする。河原町通以西は祇園祭や時代祭の巡行ルートに当たるため中央分離帯は設けない。
 また、市街地景観整備条例に基づき本年度中に沿道景観形成地区に指定。同地区内では、総合的な景観づくりを進めるため、建物の高さをそろえたり、壁を落ち着いた色に抑えることなどを検討していく。
 御池通北側の高倉通−堀川通間(940b)と同南側の西洞院通−堀川通間(280b)に残っている電線も地中化し、すっきりとした通りをつくる。総事業費は約60億円。
 御池通では、来年5月に地下駐車場、同10月に地下街がオープンし、11月には地下鉄東西線が開業する。一体となり都心の活性化につながる「新たなにぎわい拠点」を目指している。桝本市長は「パリのシャンゼリゼ通に負けないような道路にしたい」と述べた。(京都新聞)
■鉄パイプ置きまた列車妨害 JR姫新線
 19日午後8時50分ごろ、兵庫県姫路市土山四丁目のJR姫新線で、線路上に鉄板(長さ約1.75b、幅約10a)と鉄パイプ(長さ1.15b)が置かれているのを余部発姫路行き上り回送列車(2両)の運転士が見つけ、急ブレーキをかけたが約100b過ぎて停止した。列車に異状はなかった。
 姫路署は、往来危険容疑で調べている。現場付近では同日午前9時ごろにも自転車が放置され、列車が巻き込む事件があった。(朝日新聞)
■車いすで自由に電車に乗る道は 福祉ナウ講演会
 駅にエレベーターがないのは、車いすの人たちの移動の自由を奪うものと、東大阪の障害者がJR西日本を訴えた裁判を通して、バリアフリー、リーガル・アドボカシー(法律を手段とした権利擁護)を考える講演会を開きます。
 ◇とき・ところ 7月6日(土)15時半〜17時半、アサコムホール(北区・朝日新聞大阪本社1階)
 ◇講師「エレベーター訴訟」原告の宮崎茂さん▽宮崎さんの代理人である池田直樹護士
 ◇定員100人(先着順)
 ◇聴講料 1000円(当日会場で)
 ◇申し込み・問い合わせ はがきかファクスで、住所(自宅か勤務先かを明記)、氏名、年齢、電話番号、職業、聴覚障害の有無を書いて、〒530・11(住所不要)朝日新聞大阪厚生文化事業団「福祉ナウ」係(電話06・201・8007、ファクス06・231・3004)
 主催 朝日新聞大阪厚生文化事業団(朝日新聞)
■姫新線妨害で 17歳少年逮捕 線路に鉄片置いた疑い
 姫路市のJR姫新線で19日、相次いで線路上に鉄パイプなどが置かれた事件で、姫路署などは同日夜、列車往来危険の疑いで、住所不定、無職少年(17)を逮捕した。
 調べでは、少年は同日午後8時40分ごろ、同市土山のJR姫新線の線路上に鉄片や鉄パイプを置いた疑い。約10分後に、余部発姫路行き回送列車が通過、ブレーキが間に合わず約100b引きずって停車。約50b離れた踏切でも同日午前9時ごろ、線路上に自転車1台が放置され、普通列車が巻き込んで約20b先で停止する事件が起きているが、少年はそれについても容疑を認めているという。
 調べに対し少年は「3日前に神戸市内の仕事先を飛び出し、所持金もなくなって、むしゃくしゃしてやった」と供述しているという。
 県警機動捜査隊員が同日午後9時40分ごろ、道路上にいた少年を見つけ、署に任意同行したところ、容疑を認めたという。(京都新聞 夕刊)
■列車妨害容疑 17歳少年逮捕 JR姫新線に鉄板
 兵庫県姫路市内のJR姫新線の線路上に19日、鉄板などが置かれていた事件で、同県警機動捜査隊は同夜、現場から約1`離れた同市土山二丁目の線路わきの路上をうろついていた住所不定の無職の少年(17)を見つけて事情を聴いたところ行為を認めたため、往来危険の疑いで緊急逮捕した。(朝日新聞 夕刊)
21日■JR西日本 株式上場を申請 10月にも実現見通し
 JR西日本は21日、本社のある大阪と、東京の両証券取引所に株式上場を申請した。同社は4月に仮申請しており、実質的な審査をほぼ終えている。順調に行けば、10月上旬にも上場できる見通し。
 JR西日本の株式上場は、株式市場の低迷や阪神大震災による収益悪化で2年続けて見送られてきた。96年3月期決算では売上高9362億円、経常利益556億円を確保。株式市況も平均株価が2万円台に安定しており、上場手続きに踏み切った。
 大阪証券取引所では、午前9時過ぎに南谷昌二郎副社長が杉尾嘉昭同取引所常務に申請書類を手渡した。南谷副社長は「民営化から10年の節目。次の時代に走り出すいい転機」と話した。
 7月下旬に入札・売出し公告を出し、8月上旬には入札で売出し価格を決定。10月上旬にも上場が実現する見込み。京都、名古屋など他の4証券取引所へは、24日に申請する。(京都新聞 夕刊)
■上場前、最後の「1人株主総会」 JR西日本
 JR西日本の定時株主総会が20日、大阪市北区のホテルで開かれ、議題の96年3月期決算と新役員の就任などが承認された。株主は国鉄清算事業団だけだが、JR西日本は今秋にも株式上場することがほぼ確定しているため、民営化以来9回目に当たる今総会が最後の「一人総会」となった。
 総会には、株主の国鉄清算事業団から西村康雄理事長、JR西日本からは井手正敬社長ら役員33人が出席、ほかに20日付で任命される新役員候補者8人が同席した。
 株主側からの質問事項は、96年3月期決算と今後の業績見通し、来年度からの固定資産税減免措置解除への対応策、株式上場の準備状況など5項目で、それぞれ井手社長らが答えた。
 懸案の株式上場に関しては、JR西日本側から「95年度決算の経常利益は556億円に達し、上場基準の400億円を上回った」と、とくに障害となる問題などはないことが強調された。
 株主総会後の取締役会で決まった新役員は、次の通り。
 ▽取締役 兵東勇(米子支社長)、工藤一能(京都支社長)、池田靖忠(神戸支社長)、谷口紀久(開発事業本部副本部長)、森竹浮(東京本部副本部長)、芝稔文(開発事業本部副本部長▽監査役 光山忠彦、山形毅章(京都新聞)
■53dSLソロリソロリお引っ越し 加悦 展示広場移転で 早朝に”大作戦”
 20日未明、京都府与謝郡加悦町で、SLの引っ越し大作戦が展開され、蒸気機関車の巨体がトレーラーに積まれ、朝もやの国道176号を走った。
 このSLは、加悦町の「加悦SL広場」に所属するC58型の390号機で、全長約11b、重量約53d。1946年生まれで、北海道を舞台に活躍、約30年間で185万1400`を走破した。75年から同町加悦の「SL広場」で子供たちやSLファンを喜ばせる第二の人生を送っている。今回、この広場が約2.5`離れた同町滝に移転することになった。
 同日午前4時半からのSL輸送は、回転灯をつけた自動車に前後を守られ、時速10`ほどでソロリソロリ。30分かけて作戦を終えた。21日にも大型のC57型SLが移動する。(京都新聞)
■JR西日本が上場申請 東証・大証 8月にも競争入札
 西日本旅客鉄道(JR西日本)は21日午前、東京、大阪両証券取引所に上場申請した。株式を保有している国鉄清算事業団は、8月にも一般競争入札を実施し、落札価格を考慮しながら売り出し価格を決める。上場は10月初めごろになる予定で、JRグループでは東日本に続いて2番目となる。JR西日本は、名古屋、京都、広島、福岡の各証券取引所にも、24日に同様の申請をする。
 清算事業団はJR西日本の上場申請後、7月中にも入札や売り出しのスケジュールなどを公告、入札までに事業団や運輸省、大蔵省などで売却株式数や入札比率を決める。
 JR東日本株やJT株の一次放出の際、応札が過熱気味になり、売り出し価格が高値になったとの反省から今回は、JR東日本株で30%、JT株一次放出時で34.5%だった入札比率を大幅に引き上げる。売り出し価格についても、落札加重平均や最多落札価格といった従来の基準に加えて、最低落札価格も考慮する。(朝日新聞 夕刊)
22日■JR西日本の株式上場申請 好環境でも課題山積 売り出し価格、焦点 「東より1、2割安」の声
 西日本旅客鉄道(JR西日本)が21日、大阪と東京で株式上場を申請した。これで、同社の3年越しの悲願が10月上旬にも実現の見通しとなった。上場は、阪神大震災による収益悪化などで過去2回見送られてきた。民営化から10年、旧国鉄の債務やローカル赤字路線を抱えるJR西日本は、その経営体質をどう改善するのか。上場後に残された課題も多い。また、株式市況が回復するなかで、政府放出株が市場に与える影響にも注目が集まっている。(大阪支社 井戸洋、吉川勝司)
 「上場の環境はここ数年で最もいいのでは」。大証で上場申請を終えたJR西日本の南谷昌二郎副社長は、表情を崩した。株価低迷で上場を見送った94年11月の東証の平均株価は、ぎりぎり1万9000円台。それがこのところ2万2000円台まで回復している。市場関係者の多くは「ベストのタイミング」とみる。
▽JTに続け
 強気をあおるもう一つの理由が、18日に二次放出された日本たばこ産業(JT)株。値段が81万5000円と手ごろだったこともあって、27万2390株を即日完売した。「JT株はいわばリトマス試験紙。うまくいき、ホッとしている」と大証上場部。
 今後は7月下旬に入札・売り出しを公告、8月上旬には入札で売り出し価格が決まる。93年のJR東日本株、翌年のJT株では予想外の高値で落札したあと、値下がりや売れ残りが起きた。乱高下を防ぐため、今回は最低落札価格を考慮して売り出し価格を決める。
 注目の売り出し価格について、大和総研の斉藤太研究員は「JR東日本の株価がベンチマーク(基準)になる」と指摘する。東日本と西日本は、1株当たり利益などの経営指標に大きな差はない。違いは、営業区域の経済力と発行株式数からくる株式の流動性。どちらも東が優位に立つ。
 21日のJR東日本株の終値は、57万9000円。「東日本より1、2割安が妥当な価格ではないか」と斉藤研究員は言う。
 JR西日本の株式上場に熱い視線を注ぐのが、来年度の上場を目指すJR東海。96年3月期決算で西日本を上回る売上高1兆1127億円、経常利益625億円を達成。「こちらもいつでも上場に対応できる態勢にある」(JR東海広報部)とライバル意識をのぞかせる。
 JR西日本の96年3月期決算は、売上高9632億円。経常利益は、民営化した87年当時の約7倍に当たる556億円だった。収益性を示す売上高経常利益率は5.9%と、震災による損失の影響から、わずか1年で脱却した。
 業績上は、上場基準(経常利益四百億円以上など)を完全に満たしたが、課題は山積している。
 総延長約5000`の線区は30%以上が赤字ローカル線で、好調の都市近郊路線も少子化などの影響で定期の乗客がさらに増えるとは考えにくい。頼みの新幹線収入は95年度で前々年度比91.7%と、伸び悩みの傾向が出ている。
 赤字線は、井手正敬社長が「廃止を考える線区もあり得る」としており、時が来れば決断が求められよう。新幹線は、時速300`での営業運転を目指す500系車両を今年末にも投入して売り上げ増をねらうが、東海道新幹線(JR東海)への早朝乗り入れを果たせるかどうかが、かぎになる。
▽債務は重く
 債務面では、旧国鉄から引き継いだ分と、91年の新幹線施設買い取りとで生じた長期債務残高が1兆4400億円ある。来年度からは、民営化以来続いた固定資産税減免措置(年間約100億円)が打ち切られ、新規開業するJR東西線の使用料負担(同140億円)も加わる。
 「待ち焦がれた日が近づいた。上場は、会社発展のうえでは一里塚にすぎないが、ここまでこぎ着けられ、ほっとした」。上場申請に当たり井手社長は、そう感想を述べたが、行く手を見渡せば、一息ついている余裕はなさそうだ。(京都新聞)
■北近畿タンゴ鉄道 損失4億1797億円に減少 95年度決算 電化で乗客微増
 国内有数の大規模第三セクター鉄道の北近畿タンゴ鉄道(KTR、本社・京都市)は21日、1995年度決算を発表した。経常損失は4億1797万円で、前年度に次ぐ赤字規模となった。24日の定時株主総会で承認される見通し。
 決算によると、営業収支は運賃など収入15億2710万円、人件費や修繕費、減価償却責など支出19億5930万円で、差し引き4億3220万円の赤字。
 だが、営業外損益を加味した経常損失は、過去最高だった前年度を約7870万円減少した。
 前年度の上半期、阪神大震災の影響で旅客が減ったが、今年3月の福知山−天橋立間の電化開業で持ち直し、輸送人員は前年度比1.7%増の295万人、運輸収入も3.4%増の13億8500万円に上ったことによる。
 国(2億826万円)や、府、宮津、舞鶴など関係18自治体が拠出する経営対策基金(2億8061万円)からの補助金収入などを加えると、当期収支は1億3529万円の黒字。
 KTRの赤字幅は前年度、全国の三セク鉄道(37社)で最大となるなど高い水準にある。線外旅客が60%を占め、唯一、特急列車などを運行しているためで、減価償却費を除くと赤字は2億4670万円まで圧縮され、「全国水準並みになる」(KTR)という。
 5年を限度とした国の補助金は、前年度で期限切れとなるため、KTRでは「今後、関係自治体の負担が増えることもあり得る」としている。
 KTRは新たに9600株(4億8000万円)を増資、府、関係市町に割り当て、新型特急「タンゴ・ディスカバリー」の購入費に充てる。(京都新聞)
■JR西日本・東海・東日本株 来年度中に全株放出 清算事業団理事長方針
 国鉄清算事業団の西村康雄理事長は21日、全株式を保有しているJR西日本が株式上場を申請したことを受けて会見し、「本州3社(東日本、東海、西日本)の株式はできるだけ早く処分したい。株式市況を考慮しながら来年度にはすべての保有株を売りたい」と述べ、1998年3月までに、本州3社の全株式の売り出しを目指す考えを明らかにした。JR株式の売却収入は、事業団が国鉄から引き縦いだ土地売却とあわせて、国鉄の長期債務の返済にあてる計画になっている。
 事業団では、93年度にJR東日本の全 400万株の6割強にあたる250万株を売り、約1兆円を得た。今回のJR西日本(全200万株)と来年度に計画されているJR東海(全224万株)の一次売却は、それぞれ180万株から190万株の売り出しが有力。
 運輸省や事業団は、本州3社の全株を売り切り、3社が完全に民営化する時期をそろえたいとしており、98年3月までに、JR東日本の残り150万株、西日本、東海の二次売却を行い、あわせて、2兆5000億円から3兆円弱の売却収入を見込んでいる。
 JR7社のうち、当面は上場基準に達する見込みがない北海道、四国、九州の3島会社、貨物の株式の売り出しについては、「経営を安定させる方が先決」(西村理事長)としている。(朝日新聞)
■さよなら和風駅舎 JR長野駅新幹線開業で再開発
 善光寺の玄関口として60年にわたり親しまれてきた長野市のJR長野駅の仏閣型駅舎が、来年秋の北陸新幹線の開業に伴う駅整備で役目を終え、22日新駅舎にバトンタッチした。
 駅舎は1936(昭和11)年の建築。屋根は銅板ぶきで、善光寺本堂を摸した和風の重厚な建物。しかし、駅周辺の再開発の一環として2年前に駅舎新築が決まった。旧駅舎は24日から取り壊しの準備作業に入る。
 和風の駅舎は全国的にも珍しく、ほかには平等院(京都府宇治市)をかたどったJR奈良駅や、島根県の出雲大社の門前町にあり、大社線の廃線後も保存されている大社駅などがある。
 22日から使用が始まった新駅舎は線路をまたぐ橋上型。ベージュの外壁で、ガラス張りのドーム型屋根から自然光を取り入れ、構内が明るくなるよう配慮した。駅の東西を結ぶ自由通路の壁には1998年開催の長野冬季五輪のエンブレムを飾る。
 JR長野支社の両角良昭広報室長は「特に文化的な価値のある駅舎ではなく、保存を求める声もなかった。ただ、長年親しまれてきたので屋根の装飾物の一部などの保存を検討している」と話している。(京都新聞 夕刊)
■なぜ? 男子トイレ 右側? 左側? ”水に流せぬ疑問” 決まりなし 設計者の好み
 京都駅の地下街で、急に腹の具合が悪くなり公衆トイレヘ。慌てて飛び込んだ先は女性用トイレ。「男性用は常に向かって右」と思い込んでいたのが、逆だった。罪悪感にさいなまれる中、一つの疑問が頭をよぎった。「男女のトイレの右左は一体、どうやって決まっているのか?」(社会部 広瀬哲裕)
 JR京都駅を調べた。同駅管理のトイレは構内外に計8ヵ所あるが、すべて向かって右が男性用、左が女性用という配置だった。中西一之・同駅庶務副助役にそのワケを尋ねた。答えは「?」。一方、私が間違えた京都駅地下街のポルタのトイレは4ヵ所とも左側が男性用で、JR京都駅とは逆。京都ステーションセンター管理部は「なぜと言われても」。
 「大阪駅や尼崎駅など左に男性トイレがある駅もあるが、別に左右の基準はありません」とはJR西日本建設工事部。ただ、通路が袋小路になっている場合、化粧直しの様子を見られたくないなどの声から、女性用トイレは奥側(向かって右)に設けるよう配慮しているとか。「あとは設計者の好みですワ」と。
 とはいえ、駅のほかホテルなどのトイレ、銭湯を「視察」したが、右・男性、左・女性が圧倒的だった。疑問は募るばかり。
《なるほど》 発想転換! 創業1664年を誇る京人形司「松屋」の守口文蔵さん(46)=京都市中京区=に助けを求めた。「ひな人形のお内裏様は向かって右、おひなさまは向かって左です」。「天子南面」という古代中国の故事をひき「天子が御所の紫宸殿から南を向いて左側、つまり太陽の昇る東の方角が上位にあたるんです」。
 男性上位?だった昔、天子から見て上位の左側に、内裏が当然のように置かれたということか。、広辞苑で「左」の項を引くと「古く日本では左は右より尊重された」とある。ただ、人形を向かって眺めた場合、内裏は右側になり、トイレと同じ配置にはなるが…。
《ほんと》ところが最近、向かって左にお内裏様、右におひなさまという並びが関東を中心に主流という。「敗戦後、洋服を着た天皇が(向かって)左側に立たれたのにならった」というのが業界の定説だとか。「お客さんに、どちらの並びが正しいのかとよく聞かれます」
 男女が一緒に並ぶといえば結婚式。「神前のお式ですと新郎は向かって左、新婦は右です」と都ホテル=東山区=。この揚合は、参列者側が上座となり、ひな人形と同様、「左」優位の発想は変わらない。
 ところが、披露宴は「英国式なので、式とは逆になります」との答え。同ホテルが参考にしている「プロトコール−国際儀礼に関する12章」(外務省編)には「騎士道が盛んだった中世ヨーロッパにおいて…婦人を男性の右側におき婦人を尊重した」とある。
 少し賢くなったような気はするが、トイレのナゾは一向に解けない。そんな中、京都市の新まちづくり要綱に「便所を男女別に設ける場合、向かって左側を女子用、右側を男子用とする」とあるのを見つけた。
 さすが京都市。ここで私の「なぜ?」が解けると思いきや、「どういう根拠でそうなったのか全く分からない」(市都市計画局)。だが、トイレを新設する場合には、この要綱で指導しているという。
《まさか》振り出しに戻り、混乱する頭をスッキリさせようと鴨川に足を向けた。ここでまた、若いカップルの並びが気になる。河原にいた十数組のうち、男性の右(向かって左)が3分の2を超えた。はて、これも、トイレの並びと何か関係あるんだろうか?
 最後の頼みの綱にしていた京都産業大の井上満郎教授(日本古代史)からの返事も「いろいろ調べたが、トイレの男女の左右の歴史的な根拠はよく分からなかった」と。読者のみなさん。だれか真相を教えてくださ《記者のひと言》ごくまれに女性と飲む機会が号ある。その時、私は左側に座りたくなる。単に私が左キキで、左の方が居心地がよいだけの話ですが。ところで「左」「右」とは、だれから見て、だれを基準にしての左右なんでしようか。また頭が混乱してきた!(京都新聞 夕刊)
■”勉強しまっせ”東西線 私鉄より運賃安く JR「特定区間」導入で対抗
 JR西日本は、片町線と福知山線を大阪の都心部でつなぐ東西線(京橋−尼崎)の来年3月の開業に合わせ、北新地−三ノ宮間や北新地−宝塚間を、大阪駅発着と同じ「特定区間」とし、通常の運賃より2二、三割安くする方針を決めた。並行する阪急電鉄や阪神電鉄に対抗するためで、これにより北新地−三ノ宮間の通勤定期は阪急、阪神の梅田−三ノ宮間より安くなる。JRはすでに、北新地駅と大阪駅を同一の駅とみなして1枚の定期券でどちらの駅からも乗り降りできるサービスを検討しており、私鉄にとっては”ダブルパンチ”になりそうだ。
 特定区間は、私鉄と並行する大都市圏の限られた駅間で、運賃を通常の区間より2、3割安く抑えている。
 京阪神地区で現在、大阪−三ノ宮間や大阪−宝塚間、大阪−京都間、天王寺−奈良間など85区間ある。例えば、大阪−三ノ宮間の普通運賃は通常運賃より140円安い390円。
 JR西日本は、北新地から三ノ宮、宝塚方面も私鉄との競合区間と考え、特定区間として運輸省に申請する方針。北新地−尼崎間は大阪−尼崎間の営等キロより約1`長いが、割引率を上げて北新地−三ノ宮間や北新地−宝塚間を大阪発着と同じ運賃にする考えだ。
 認可されれば、北新地−三ノ宮間の1ヵ月通勤定期は、阪急と阪神の梅田−三宮間より510円、北新地−宝塚間は阪急の梅田−宝塚間より1050円安くなる。
 特定区間については、私鉄各社から批判が上がっている。しかし、運輸省鉄道局は「不当な競争が出てくれば改善を求めることはあるが、現時点では制度として定着している」と話している。(朝日新聞 夕刊)
23日■JR高架側面からコンクリート落下 神戸で男性大けが
 22日午後2時ごろ、神戸市中央区元町高架通、古美術店「能阿弥」=岡田行夫さん(73)経営=の真上を走っているJR東海道線の高架側面からコンクリート片が落下した。
 コンクリート片は店のひさしに当たって2つに割れ、長さ約40aの一片が店前でいすに座っていた岡田さんの左太ももに落ち、岡田さんは1ヵ月の重傷を負った。生田署の調べでは、コンクリート片は長さ約75a、幅約15a、厚さ約15aで、約10bの高さから落下した。(京都新聞)
■株主爽快控えたJR東日本  広がる”レール”のきしみ 「不採用」で労労対立 多発の列車妨害事故 内部犯行説で応酬
 「国鉄分割・民営化」から10年目、JR7社の「長兄」であるJR東日本は27日、3回目の株主総会を迎える。JR西日本も上場を申請、東海もこれに続く予定で、本州3社は「官の呪縛(じゅばく)」を離れ、民間会社への道を順調に歩んでいるように見える。しかし、JR東日本で最大労組のJR東労組委員長が辞任に追い込まれたり、未解決の国労組合員ら1047人の不採用問題が尾を引くほか、JR東日本管内で多発する列車防害事件がJR内の”労労対立”に影を落とすなど”レール”のきしみが広がる気配。与党内には旧国鉄債務28兆円の一部負担を求める声もあり、JRは暑い夏を迎えようとしている。
 「社民党の村山富市党首が不採用問題の取りまとめに動きだした」との情報が今月中旬、関係者の間を駆け巡った。真偽のほどは不明だが、選挙に向け社民党を気遣った橋本竜太郎首相の意向との尾ひれまで付き、この問題に対するJR関係者の神経過敏ぶりが目立った。
 1987(昭和62)年4月、国鉄分割・民営化に最後まで反対した国労組合員ら1047人は解雇され、復職を求めて裁判闘争を続けている。これが不採用問題だ。民営化を受け入れ、会社側と2人3脚で「改革路線」を歩んできたJR東労組は、国労との間で対立を続けている。
 昨年7月には、当時の亀井静香運輸相が、国とJR、国労などが不採用問題について話し合うテーブル設置を提案した。JR東日本の松田昌士社長は「ゴネ得は許さない」と最後まで要請を突っぱねたが、背後には「広域異動に応じてきた組合員の気持ちを考えると受け入れられない」とするJR東労組の強い反発があった。
●労務政策の違い
 しかし「地元財界と事業を進める上で、いつまでも国労との紛争が続くのはまずいというのが箱根以西の経営側の本音」(JR九州幹部)という意見が強いのも事実で、経営側も箱根の山を境に労務政策をめぐり、2つに分かれているのが実情だ。
 JR東日本、北海道、JR貨物の3社はJR総連系と蜜月(みつげつ)を続けてきたが、JR東海、西日本、四国、九州の4社は、JR総連からの脱退組などでつくるJR連合系と手を携えてきた。
 そこに降ってわいた列車防害事件。盗んだ列車防護無線を使った運行防害や置き石などの事件はJR東日本の管内で既に百件を突破した。「犯人像に結びつくような目撃証言や遺留物はまったく出てこない」(捜査幹部)のが現状だが、JRの内側では、内部犯行説まで飛び出す激しい応酬が相次ぐ。
●”造反劇”に関与?
 不採用処分の撤回を求める国労は「列車の運行や鉄道施設を熟知した内部の関係者が縮む犯行と考えざるを得ない」と繰り返す。
 過激派の中核派は機関紙で「JR東労組幹部が指令している」とまで決め付けた。
 これに対し、JR東労組幹部は「われわれをつぶそうとする謀略。背後にはJRの利権を握ろうとする一部の政治家やJR他社の経営陣、御用組合がいる」と猛反発。
 JR東日本は「労働運動が乗客に危害を与えるような行為に走ったとは考えられない」と静観の構えだ。
 しかし、西の各社には「JR東日本の経営陣は労組側にすりより過ぎている」との声もあるなど、組合間の対立がJR各社間の反目につながっているのも事実。
 JR東労組では、旧鉄労系の一部組合員が脱退して新労組「JRグリーンユニオン」(283人)を結成、JR連合に加盟した。”造反劇”には東労組の現職委員長が関与していたとして、6月の大会直前に辞任に追い込まれる騒ぎにも発展している。一方の国労はJR東日本の株主総会に乗り込み「異常な労務政策を改めるべきだ」と一連の列車防害事件を軸に会社側に迫る。(京都新聞)
■窓 線路は続くよどこまでも
・昔の鉄道風景残す智頭急行 宇治市・松田憲生(会社員・25)
 私は趣味として鉄道旅行を続けているのですが、そんななか、ぜひ紹介したい個所があり筆を執りました。94年12月に開業し山陽・山陰間のバイパス的存在の智頭急行線。その智頭と鳥取・中国山地を通り、岡山県津山とを結ぶJR因実線が舞台です。
 陰陽連絡の線とはいえ急行はあるものの当然単線で、特に智頭・津山間は人家も少なく殺風景ななか、鉄道の原点が残っているのです。最近の自動化・合理化が、なぜか先送りされた個所の一つです。信号機は腕木と呼ばれる手動式のもので、羽が傾くと青(進行)を指示し、駅間での衝突を避けるため、タブレットという輪(通行手形)を交換しながら進む、この昔ながらのシステムが平成の今に残る貴重な風景の一つです。
 列車の高速化・過密ダイヤ化など、現代にそぐわなくなり地から姿を消し、ここも行く末は自動化されるものと思われます。
 安全・正確な輸送を行う鉄道、その原点、山間にたたずみ列車が消えて行くまで見守る駅長さん。そんたのどかな風景を肌で感じてはいかがでしょうか。
・タンゴ鉄道で温泉もいいな 橿原市・原田久夫(中学教員・50)
 温泉は寒いときのものと相場が決まっているけれども、今年の夏は、どうしても休みを利用して温泉にあちこち入ってみたくなった。私のような経済力では、豪華なホテルは無理。必然的に、日帰り入浴になってしまう。近場になると、近畿地方になる。
 同じ近畿でも日本海側は、意外に行かないものだ。まったく別の地方のような気持ちを持ってしまっている。だから、まずは、兵庫の城崎温泉へ。知名度は高く、知らないはずはない。ガイドブックだけでは物足りず、あちこちの観光協会へ、パンフレットも請求してみた。
 そんな資料あさりで知ったのが、北近畿タンゴ鉄道で行ける久美浜温泉。こちらは、露天ぶろのスケールと雰囲気がよさそうである。これは楽しみ。ついでに、天の橋立と宮津も見てから敦賀を回って、湖西線に乗って−と、小旅行はどんどん膨らんできてしまっていた。
 近場で何度も、そんな旅を続けて行きたいと思っている。
・懐かしの列車丹後路に再び 丹後町・川戸貞彦(農林業・56)
 加悦町教委は、旧加悦鉄道の加悦駅舎を町指定文化財に指定した。鉄道ファンならずとも、JR二条駅、この加悦駅保存はうれしいニュースだ。
 四十数年前、二条駅を朝7時前の下り普通列車に乗ると、10時ごろに丹後山田駅に着いたと思う。山田駅には、小さなSLが煙を吐きながら待機していた。私は、一度は乗りたいと思っていたのだが、11年前に廃線になってしまった。
 いま、線路があったところへ行って見ると、鉄橋、レールがかなり残っている。私はSLや線路も含めて、動く姿で保存できないかと考えている。英国では、ボランティアが金を出し合って廃止された鉄道を保存している。もちろん、営業はせず、休日に運転や整備をやるのだ。リタイアした老人や社会的地位の高い人たちが、弁慶号のような古いSLを運転している姿はほほ笑ましい。
 保津峡のトロッコ列車が高い人気を得ているそうだ。旧加悦鉄道が再び丹後路を走るようになれば、有力な観光資源としても期待できるのではないか。(京都新聞)
■窓 市バスに必要 心遣いの一言 下京区・山田善八(無職・78)
 京都市議会は市民を納得させる審議が尽くされないまま、市バスと地下鉄運賃の20円値上げを与党多数で可決した。
 この値上げに関しては、市民には何とも釈然としない結果が残る。付帯事項が付けられたものの、果たしてこれが完全に守られ実施されるかは大きな疑問だ。
 時を見はからっていたように「いけず市バス運転手厳罰」の記事。私も以前に一度間違ってベルを押したが、その時の運転手さんは「間違いはありますよ」と穏やかに言ってくださった。紙上のような仕打ちを受けていればと思うと、運転手さんの心の広さがしのばれて感謝するのである。
 老齢乗車証を交付されて、早くも9年目になる。ありがたく有意義に使用させてもらっているが、私は降車時、必ず「ご苦労さん、ありがとう」と一言申し添えているが、なかには「気を付けて」と、優しく笑みを返してくださる方もおられる。だが早く勝手に降りろといわぬばかりの態度の多いこと。一言の愛想が乗客とのつながりにもなるだろうと思うが、このような教育が今、一番求められているのではなかろうか。(京都新聞)
■赤字4億円余 2番目に多額 北近畿タンゴ鉄道決算
 府と沿線市町などでつくる第三セクターの北近畿タンゴ鉄道(KTR、本社・上京区)は21日、1995年度決算を発表した。経常赤字は約4億1800万円。過去最高の赤字を出して全国の第三セクター37社中ワースト1を記録した前年度より約8000万円減ったものの、過去2番目に悪い数字だった。
 運輸収入などの営業収入は、前年度比3.4%増の15億2700万円。人件費や修繕費などの営業支出は、0.4%減の約19億5900万円になった。支出の中には、特急、急行列車の減価償却費も含まれている。同社は「これらの減価償却費を除けば、第三セクターの全国平均並みの赤字額ではないか」と分析している。
 赤字が減った主な理由は、冬場に雪が多かったため自動車から列車へ乗り換えた旅客が増えたほか、3月からの電化で多くの観光客を誘致できたことが挙げられる。このため、年間輸送人員は約296万人と前年度比1.7%増を達成した。また、修繕費を切り詰めたことも効果があった。(朝日新聞)
■声 自動券売機のカードに注意 君津市 浅野百合子(客員研究員 75歳)
 JR上野駅での出来事です。買ったばかりの1万円のJRオレンジカード(額面1万800円)を入れ、押すべき金額を探していました。そこへ横から男の人の手が伸びてきて、私の入れたあとへ自分のカードを入れたのです。私は「ちょっと待って下さい」と言いながら、顔も見ずに、金額のボタンを押しました。カードが戻って来ました。私がそれを受け取ると、当然もう1枚カードが出て来ました。男はそれを受け取り、立ち去りました。
 その段階で私は、はっと気づいたのです。先に出るのは後から入れたカード、私のは後に戻った、男のカードです。つまり男は私の入れた1万円ほどのカードをまんまと手に入れたわけです。
 悔しがっても後の祭りでした。念のため、私の手もとに残った男のカードを機械に入れてみましたが、残額ゼロでした。年寄りの私がモタモタしているのを見ていた、計画的な犯行でしょう。
 オレンジカードをお使いの皆さん、ご用心を。(朝日新聞)
24日■踏切警報機異常作動 通勤客4000人に影響 JR奈良線
 24日午前7時半ごろ、城陽市観音堂東浦、JR奈良線長池駅−山城青谷駅間の観音寺道踏切で、踏切の異常を示す発光警報機が作動。京都発奈良行き普通電車の運転士が停車して、異常のないことを確認した。この異常作動で上下のダイヤ計11本が15分−3分間遅れ、通勤客ら約4000人に影響した。(京都新聞 夕刊)
25日■梅小路SL館リニューアル JR西日本 旧二条駅舎、近く移築作業 展示館など来夏は一新
 SLの博物館として親しまれているJR西日本の梅小路蒸気機関車館(京都市下京区)が来年夏、新しく生まれ変わることになった。現存する木造駅舎では日本最古の旧二条駅舎が敷地内に移されるのに伴い、SL車両の展示館やカフェテラスなども改築する予定で、近く駅舎の移築作業を始める。
 JR西日本の計画では、旧二条駅舎を同機関車館の入場口付近に移築。内部にSLの汽笛やブレーキ、ナンバープレートなど機関車に関する展示を行う。現在ある第一、第三両展示館は撤去する。
 また、機関車18両が保存、展示されている扇杉車庫の床をタイル張りにするなど、車庫内を明るい雰囲気に改装。SLを上から眺められるように、現在高さ約2bの観覧台を約6bにする。休憩所もカフェテラス風に模様替えする。
 旧二条駅は、1904(明治37)年に建造。和風と洋風の建築様式が見事に調和しており、今年4月には京都市の有形文化財に指定された。JR山陰線の高架化に伴い撤去される予定だったが、市民団体などの保存要望を受け、移築されることになった。
 同機関車館の大幅な模様替えは、72年10月の開館以来初めて。工事期間中も開館している。(京都新聞)
■朝の御堂筋線乱れ 通勤の1万人影響
 15日午前6時40分ごろ、大阪府堺市新金岡町一丁の大阪市営地下鉄御堂筋線の検車場を出たなかもず発千里中央行き電車が、一時立ち往生した。この日から導入した前後進切り替えハンドルのトラブルで、上下計16本が最高6分遅れ、約1万1000人の足が乱れた。大阪市交通局によると、進行方向を決める前後進切り替えハンドル(長さ12a、幅16a、厚さ7_)をなかもず駅方向の運転台の差し込み口に挿入しようとしたところ、入らなかったという。(朝日新聞 夕刊)
26日■JR特急が脱線 落石と接触 16人けが 岐阜・高山本線
 25日午後9時10分ごろ、岐阜県下呂町三原(さんばら)のJR高山線焼石−下呂間で、名古屋発高山行き下り特急列車ひだ15号=5両編成、纐纈(こうけつ)雪夫運転士=が「三原トンネル」を出たところで落石にぶつかり先頭2両が脱線し、1両目は進行方向右側に大きく傾いた。岐阜県警によると、ひだ15号には108人が乗車し、これまでに運転士を含む16人(男性7人、女性9人)が病院に運ばれた。いずれも軽傷という。同県警によると、ひだ15号は大雨による土砂崩れで落ちた約10dの岩石に接触。1両目が脱線して立ち木に寄り掛かるように斜めに傾き、2両目は軌道を外れたままになっている。後続2両はトンネル内に停車した。
 現場は下呂駅の南約4`で標高500−600bの山の谷間。三原トンネルは全長約300b。事故当時、強い雨が続いていたという。
 気象庁によると、事故現場から約40`離れた同県高鷲村では24日午前零時から25日午後3時までの雨量は244_に達している。
 中部電力の話では、土砂崩れで線路の山側の県道にある電柱2本が折れた。山からの土砂が県道を越えて線路に崩れ落ちたらしい。
 JR東海によると、下呂駅から北約9`の萩原駅の雨量計が1時間当たり35_以上を記録すると、列車は時速30`の減速運転に、40_以上で運転を見合わせることになっているという。
 岐阜県は事故対策本部を設置し、陸上自衛隊に出動を要請。陸上自衝隊第10師団司令部(名古屋)は初動部隊約30人を現地に派遣した。
 JR東海は乗客を輸送するため、高山駅から現地にバスを出した。(京都新聞)
■横転車両 あわや川に JR特急脱線 夜の温泉街、騒然 豪雨の中、負傷者次々
 特急列車が線路上に落ちた岩石に衝突、車内に悲鳴が上がった。土砂降りの雨の中、けがをした乗客が次々と近くの病院に運ばれ、夜の温泉街は騒然とした。25日夜、JR高山線で起きた特急ひだ15号の脱線事故は、楽しいはずの旅行を暗転させた。地元の岐阜県消防防災課などではけが人などをめぐり、情報が一時混乱した。
 岐阜県警によると、現場は三原(さんばら)トンネルの出口付近で飛騨川沿いの斜面。列車の先頭車両は線路上に落ちた岩石に乗り上げた後、斜面の竹やぶに引っ掛かった状態で止まった。2両目は線路の上で横倒しに。
 現場から約300b付近に住む松田未央さん(21)は「事故直後現場に行ったが、線路と並んで走る道路が土砂崩れで途切れ、線路に2bぐらいの石が落ちていた」と話した。
 けが人が収容された下呂温泉病院には次々と救急車が到着、看護婦らがけが人を病室に運び、医師を非常招集。職員は「救急車が3−4台到着しているが、詳しい状況は分からない」と話し、別の職員も「医師が着くまでみんなで手当てしている」と息を切らせながら話した。
 事故発生後間もなく現場に駆け付けた下呂町役場の土木課長今井実さん(58)は「幅4bぐらいの巨岩が線路わきに転がり、列車の1両目と2両目はこれに触れて脱線したようだ。列車から自分で飛び降りて脱出した人もいた。脱線した先頭車両は飛騨川に落ちかかっているが、立ち木に引っ掛かって止まっている」と現場の様子を生々しく語った。
 下呂町役場の対策本部によると、事故直後列車の中に残された乗客約100人は、全員下呂駅に避難したという。付近は夕方から雨が激しくなった。JR飛騨萩原駅の駅員は「事故と同時にJRの電話回線が不通になった。何も情報が入っていない」と動揺を隠せない様子。
 岐阜県消防防災課には、同日夜、大雨・洪水警報に対する警戒で職員4人が待機しているところに一報が入った。同課は課長以下約20人全員を呼び出した。職員の野々村優さんは「情報がさくそうしている。情報収集にてんやわんやだ」と対応に追われた。
・情報収集に追われる JR東海
 JR高山線の特急列車脱線事故で、名古屋市中村区の東海旅客鉄道(JR東海)本社広報部は25日夜、社員7人が事故の情報収集や報道関係者などからの問い合わせに追われた。
 午後9時15分に対策本部が設置されたものの、まとまった情報が入ったのは午後11時すぎ。「現場に駆け付けた社員が公衆電話で状況を知らせるなどしているが、情報がなかなか入ってこない」と社員らはいら立ちを募らせた。
・職員50人が緊急登庁 下呂町役場
 JR特急の脱線事故の知らせを受け、岐阜県下呂町役場では26日夜、50人以上の職員が緊急登庁、対策本部が設けられた。職員はJRや消防本部との電話連絡に追われ、慌ただしい雰囲気に包まれた。
 ある職員は「24日から雨が降り続いていたので心配していた」と話す。
・「落石警報は作動」JR側説明 原因解明の焦点に
 JR高山線で25日夜起きた脱線事故では、JR東海側は落石警報装置が作動した、と説明しているが、どのように作動し、なぜ事故を防げなかったかが、今後の原因解明の焦点となりそうだ。
 線路への落石は大きな事故につながる恐れがあるとして鉄道会社各社が警戒を続けている。警報装置は線路近くに張られていた検知網が、落石などで切れると最寄りの信号機で異常を列車に知らせる仕組み。今回の事故が起きた現場付近でも落石警報装置が設置されていた。
 JR東海によると、今回の事故でも警報装置は作動していたとしているが、列車が事故現場を通り掛かる直前に落石があった場合は事故は避けられない、という。また事故後に作動したことも考えられる。装置がどの段階で作動していたのかが問題となりそうだ。
 こうした警報装置がある所は少なく、JR各社は線路近くに斜面がある所を「要警戒個所」に指定。斜面が崩れないように補強工事を進める一方、梅雨時や台風の大雨が降った際は保線係員が巡回しているという。(京都新聞)
■「地震かと思った」突然、2度の衝撃 乗客の話
 「突然、ガクンガクンと2度衝撃があった。地震かと思った」。J 事故を起こした特急ひだ15号の4両目に乗っていた三重県松阪市の主婦伊藤久美子さん(52)は事故の様子をこう話した。
 伊藤さんは、夫ら家族と名古屋から岐阜県高山市に向かう途中だった。事故が起きたのは、三原トンネルを出る直前。当時外は土砂降りの雨だったという。「衝撃のあと急ブレーキがかかった。あとはみんな、何があったのかという感じだった」。車掌が間もなく乗客の間を走って「事故が起きました。無線が通じません。どなたか携帯電話をもっている人はいませんか」と大声で呼び掛けた。
 前の車両を見に行った夫が「2両目がひっくり返っている」。しばらくして到着した消防団員の誘導でドアから次々外へ脱出し、バスで下呂駅に搬送された。「ちょうどうとうとしかけた時の事故でした。家族みんな無事でよかった」と伊藤さんは動揺を隠せない様子だった。
 3両目に乗っていた岐阜県高山市内の紳士服販売業小林貞春さん(42)は「席でうとうと寝ていたら突然、『ドカーン』とトラックとぶつかったような音と衝撃があった。見ると2両目が右に大きく傾き、2両目の左に直径3、4bの赤茶けた岩があった」と興奮気味に語った。
 小林さんによると、外は土砂降りの雨。3両目には約20人がいて、自由席の1、2両目にいる乗客の様子をのぞき込もうとしたが、2両目の途中までが見えただけで、人影は見えなかった。すぐに車掌が「二次災害の危険があるので、すぐ車外に避難してください」と言いに来た。
 車外に出ると、3−5両目はトンネルの壁に接触していたようだった。
 避難した乗客同士で「何人か川に落ちていたら大変だ」などと話し合った。その後、近くの民家の電話を借りて、親類の家に避難した、という。
・線路の真ん中巨石ドカンと
 事故発生直後の25日午後9時半ごろ、岐阜県下呂町の現場に救援のため駆けつけた男性旅館従業員は「線路の真ん中に巨大な石がドカンと落ちていた。列車の1両目は切り離されて線路と右側の川の間に引っ掛かり、2両目は脱線、3両目はトンネルから頭を出した状態。列車は明かりがついたままで乗客が全員乗っていた」と話した。(京都新聞)
■避難勧告やJR一部不通 新潟、長野
 新潟、長野両県は25日、活発な梅雨前線の影響で大雨に見舞われ、新潟県糸魚川市や長野県小谷村で住民らに避難勧告が出たほか、JR信越線などが一部区間で不通となった。
 糸魚川市は災害対策本部を設置。増水した姫川流域の2地区に避難勧告を出し、約200人が近くの小学校に避難した。長野県小谷村でも、姫川沿いの旅館の宿泊客約70人に避難勧告が出た。住民のほか、昨年7月の集中豪雨災害の復旧工事に従事していた作業員も避難した。(京都新聞)
■ミステリーツアー 利用者1万3000人
 犯人当てクイズと旅行が楽しめる新商品として、JR西日本が今春発売した「金田一少年の事件簿、萩・津和野ミステリーツアー」の利用者が、目標を30%上回る1万3000人に達したことが、同社の最終まとめでわかった。6月13日には第2弾も発売され、同社では今後、シリーズ化することも検討している。
 ミステリーツアーは、漫画「金田一少年の事件簿」のオリジナルブック(JR西日本作製)を手に、本のストーリーに従って、殺人事件の犯人を推理しながら列車の旅を楽しむ仕掛け。
 第1弾の「萩・津和野ツアー」は、今年2月初旬に売り出された。旅行期間は3月−5月の84日間だったが、春休みと週末に、小中学生を中心に利用者が集中。総計1万3000人の利用があった。(京都新聞)
■窓 敬老乗車証交付 社会参加に一層の活用を 崎山康治(京都市民生局 高齢福祉課長)
 18日付当欄で、敬老乗車証の交付を心待ちにしておられるという石崎さんのお父さまのお話を読ませていただきました。病気の一日も早い回復をお祈り申し上げます。
 敬老乗車証は、京都市にお住まいの満70歳以上の方に、社会活動に参加していただくためにお渡ししている福祉制度です。私どもへも、同じように「交付時期が来るのを心待ちにしている」という声や、敬老乗車証を「趣味やサークル活動などに有意義に利用し、日常生活の大きな支えになっている」という喜びとお礼の言葉を市民の方からお寄せいただいております。
 ご存知のように、わが国は、長寿社会への道を歩んでおり、豊かで安心して暮らせる社会となるためには、高齢者だけでなくすべての市民の方が健康で生きがいを持って生活されることが必要であると考えており、本市におきましても、21世紀へ向けて「光輝く京都」を築き上げるため、敬老乗車証制度を始めとした施策の充実に取り組んでおります。
 敬老乗車証は、満70歳になられる誕生月の前月の1日以降に、お住まいの地域の福祉事務所にお越しいただき、交付しております。
 石崎さんのお父さまの場合は、今年の7月1日から交付が可能でございます。お元気になられて有効にご利用いただけることを願っております。
 なお、敬老乗車証は、今年9月が一斉更新の時期にあたります。
 新しい乗車証は、地域の民生委員・児童委員さんからお届けいたしますので、今後もこれまで以上に、多くの方にご活用いただき、さまざまな社会活動に参加していただきますよう、この場をお借りしてお願い申し上げます。(京都新聞)
■JR特急脱線 16人けが 高山線 飛騨河近く 雨で落石、乗り上げ 河側へ傾く 百数十人は救出
 25日午後9時10分ごろ、岐阜県益田郡下呂町三原(さんばら)のJR高山線で、名古屋発高山行き特急「ひだ15号」が線路上に落ちた岩に、5両編成の列車のうち前部の2両が脱線した。先頭車両は約10b下ののり面の竹やぶに突っ込んで止まったという。JR東海によると、列車はディーゼル車で約150人が乗っていた。15人がけがをし、ほかの乗客はバスで下呂駅に運ばれているという。
 岐阜県警、地元の益田地域救急医療情報センターによると、けが人は乗客ら16人で、下呂温泉病院に運ばれた。男性7人、女性9人でいずれも軽傷という。一方、けがのなかった乗客約100人は、JR下呂駅構内に待機している普通列車内で休んでいたが、萩原町役場によると、高山方面に臨時列車で運んだという。
 現場近くに住んでいる男性によると、山側から大きな岩が崩れて線路上に落ち、そこに列車がぶつかるような形だった。列車の一部は飛騨川側に傾いているという。
 現場は焼石駅と下呂駅の間の三原トンネル(長さ257b)を出たところ。付近では前日から大雨が続いていた。
 前から3両目に乗っていて脱出した乗客の話によると、3両目が傾いており、4、5両目はトンネルの中で止まった。1、2両目がどうなったかは、暗くて確認できないという。
 岐阜県萩原土木事務所に入った連絡では、現場には直径3−5bの岩が1つ落ちている。線路は川から15bほど上を走っているが、1両目が飛騨川に落ちかけている、という。
 JR東海は対策本部を設置した。
 事故現場は、東側に飛騨川が流れ、西側に山が迫る谷間。JR高山線は、川に沿って走っており、三原トンネルに入り、トンネルを抜けると再び川沿いをほぼ直線に走る。トンネルを抜けた線路の両側には、住宅が並んでいる。
 事故のあった高山線焼石−下呂間では1945年1月10日、飛騨川にかかる鉄橋から普通列車が脱線、転落し、45人が死亡した事故が起きている。
 発達した梅雨前線の活動で、岐阜県内はこの日、午前9時半に岐阜地方気象台が県全域に大雨洪水警報を発令していた。同県警などのまとめでは、正午前には国道156号や白山スーパー林道など20路線近くが通行止めになっていた。
 事故現場から約20`上流にある中部電力東上田ダム(岐阜県益田郡小坂町)の観測では、25日午前10時から午後11時までの雨量は168_。とくに午後7時から8時の1時間に21_と激しい降りだった。
 名古屋地方気象台によると、下呂町では24日の雨の降り始めから25日午後10時までの総雨量は131_、午後8時からの時間雨量は9_。
 25日午前9時半から、大雨洪水警報の発令に伴い、岐阜県消防防災課は、同日、各市町村に防災無線などを通じて、土砂崩れや河川はんらんへの注意を呼びかけていた。(朝日新聞)
■脱線の衝撃 渦巻く悲鳴 通過直前、線路へ岩 やみの中、乗客ら脱出
 100人を超える乗客を乗せた列車に巨大な岩石が立ちふさがった。暗やみの中で、「ドーン」という突き上げるような衝撃。列車は脱線、乗客の多くが座席から投げ出された。岐阜県下呂町のJR高山線で25日夜、脱線事故を起こした「特急ひだ」は、JR東海が6年前に導入した新タイプの車両で、豪華な内装と、カーブの多い高山線でも高速走行をできることが売り物だった。前日からの雨は土砂降りに変わり、大雨警報も出されていた。土砂崩れが起き、岩石が転げ落ちてきたのは列車の通過する直前だった。乗客らは取るものも取れず、雨の中を転がるように逃げ出した。防災対策は十分だったのか。事故は大きな疑問を投げかけた。
 高山市に住む危篤の姉を見舞いに行く途中だった美濃加茂市の主婦大塚日出子さん(59)は「3両目に乗っていた。突然、ドンという音がしたと思ったら、すぐドドーンというすごい音がして乗り上げた。立っていられないくらい傾き、生きたここちがしなかった。それでも、命は助かり、乗客で助け合って脱出した。前2両は真っ暗でどうなったかわからない。後の車両は大丈夫だったようだ」と話した。
 現場近くに住む会社員、熊崎隆之さん(30)の話では、午後10時前から消防車や救急車のサイレンで外が騒がしくなり、間もなく「脱線事故があったので消防団を招集する」との防災放送が流れた。現場は下呂駅と焼石駅の間で、線路は国道41号とともに飛騨川沿いの狭い谷間を走っているという。
 この日は朝から雨が降ったりやんだりしていたが、夕方から土砂降りになった。事故当時は傘をさしていても、はねかえりでズボンのすそが汚れるほどの降りだった、という。
最近の大きな鉄道事故
発生年月日事 故 名死者数負傷者
1980年2月20日京阪電鉄で急行が脱線0104
1984年5月5日阪急六甲駅で特急が衝突072
1984年10月19日西明石駅で寝台特急が脱線032
1985年7月11日能登線で急行が脱線729
1986年12月28日余部鉄橋で回送列車が転落66
1989年4月13日飯田線で正面衝突0118
1991年5月14日信楽高原鉄道がJRと衝突42614
1991年6月25日福知山線で電車が衝突0308
1992年4月8日山陽線で寝台特急が衝突020
1992年6月2日関東鉄道で駅ビルに衝突1181
1992年11月3日島原鉄道で正面衝突172
 事故現場の川をはさんで向かいに住む、下呂町小川のタイヤ販売、今井正義さん(58)は「ドドッとものすごい音がして驚いた。大きな岩が落ちて来て、高山線をふさいでいた」と話す。
 列車が岩にぶつかって、先頭車両の2両が脱線しているが、立ち木があるため、川には落ちてないという。3両目も脱線しかかっている。トンネルの中に一部車両が残っている。消防車や救急車が駆けつけて、担架で人が運ばれているという。歩ける乗客は、列車から降りて、雨にぬれなが古、近くの町営バスの倉庫に集まっている。朝から大雨警報が出ていて、中部電力による、川の増水サイレンが鳴っていた。
 飛騨川を隔てた向かいに住む男性は「ドドーンという音がして、何だろうと思った。霧が濃く、川が増水しているので、様子を見に行こうにもいけない」。
 また現場の東側に住む主婦(66)は「家族はけが人の救出の手伝いに行っている。怖くて足を震わせながら留守番をしている。こんなところで、事故があるなんて…」と話していた。
 現場近くに住む主婦今井訓世さん(30)は午後9時20分ごろ、子ども会の集会の帰りに、担架で運ばれるけが人一人を目撃した。顔を押さえていたが、意識はあったという。そのほかの乗客は、地元の消防団の人たちに付き添われ、近くのバス基地に避難していたらしい。
 この日は、警報が出たため、学校は午前中に休校になった。事故当時は、どしゃぶりで、視界はほとんどないくらいだった。
・高山線 渓谷美と車両人気 事故に遭った特急「ひだ15号」は午後9時ごろ、飛騨金山駅を発車し、同9時18分に下呂駅に着く予定だった。現場付近は、飛騨川に沿った下呂温泉郷の山間地。事故現場の焼石−下呂駅間は、9つのトンネルが続いている。
 JR高山線は、トンネルと鉄橋などが連続する渓谷美を車窓から眺められる観光路線で、鉄道マニアなどに人気が高いという。
 事故に遭った「ひだ」は、JR東海が1990年3月から導入した新しいタイプの車両で、豪華な内装などが乗客に人気を呼んでいた。また、エンジンの出力も以前より増し、カーブが多い場所でも高速走行が可能になったため、名古屋−高山間で所要時間は30分以上短縮された。
 高山線は、岐阜−富山駅間約226`をつなぐ単線で、全線非電化。
 現場付近は、飛騨川の屈曲が激しく、線路は何度も川を横切る形で走っている、という。
 下呂町少ケ野に住む女性(50)によると、高山線は地元の人たちの積年の願いで、難工事の末にできあがったもので、利用客も多かった。しかし、この地域は、梅雨時は国道や列車が通行止めになることも多く、数年前にもう少し名古屋よりで、線路が冠水し、脱線したことがあった、という。
 「今日はきのうから降り続いた雨がいっそう激しくなって、夕方にはワイパーを動かしても前が見えないぐらいだった。雨に弱いね。かわいそうだね」と話した。
・次々病院へ
 岐阜県立下呂温泉病院には、救急車や自家用車でけが人が運び込まれた。病院は、消防の要請をうけて、医師の緊急呼び出しをかけた。病院の職員によると、午後10時半現在、2、3人が搬送されて緊急治療室で治療を受けているが、容体は不明。
 現場から車で約40分離れている加茂郡白川町の白川病院は25日夜、消防署から「事故でけが人が出たので搬送したい」との連絡を受けた。撒送人数などは不明だが、受け入れの準備を進めている。
 同病院では、院長とスタッフの計3人が所有する救急車に乗り、現場に向かった。自主的な救援活動という。
 25日午前9時半から大雨洪水警報の発令に伴い、岐阜県消防防災課では同日、各市町村に防災無線などを通じて土砂崩れや河川はんらんへの注意を呼びかけていた。
・落石対策に不十分さ
 JRグループなどでは、線路上への土砂崩れや落石を防止する策として、崩れやすい斜面にコンクリート製の防護壁や金網のネットを設置して対応している。しかし、過去に事故が発生した場所など一部に限られている。また、線路に並行してワイヤを走らせ、石や土砂が当たると付近の信号機を赤にし、駅に非常ベルを鳴らせる落石警報装置を備えている線区もあるが、落石が発生して警報が働くまで時間がかかり、走行中に起きる落石などには対応できない。
 雨に対しては、各駅に設置している雨量計の1時間当たりの雨量が基準を超えると列車を徐行させたり、運転を取りやめたりしている。基準は線区によってまちまちで、一般に水はけがいい都市部の高架などではかなりの雨量でも通常運転させているが、山間部や川沿いのローカル線は数10_の雨量でも運転を見合わせている。例えば、JR関西線の山間部では25−30_で時速30`以下の徐行、35−40_で運転を停止させることになっている。(朝日新聞)
■時々刻々 300`超特急 被災地揺らす 試験走行に住民不安 減速要求、JRは口濁す
 最高時速300`。「のぞみ」より30`も速い新型超特急500系が走行テストで阪神大震災の被災地を走っている。開発したJR西日本は、早けれは年末にも山陽新幹線に登場させ、その一年後には東京への乗り入れをめざす。しかし、震災で住宅損壊などの被害を受けた沿線住民たちは、騒音、振動がさらに増すのではないかと、環境悪化を心配する。震災で高架橋が落下、倒壊したことも、高速化への不安をかきたてる。沿線自治体も騒音、振動を測定するなど波紋は広がっている。(神戸支局、阪神支局)
 JR西日本は走行テストを1月末から博多−姫路間で続けていた。17日夜に初めて被災地を走って新大阪まで乗り入れた。その後、未明に相生を出て新大阪で折り返すコースと、夜、岡山を出て新大阪で折り返すコースで25日までに計8往復走った。26日夜と27日未明にも同様の走行テストが予定され、計10往復となる。
 JR西日本によると、テスト走行では、新大阪−新神戸間の六甲トンネル以西は時速300`まで出すが、この間の高架橋部分は時速270`以下に抑えている。
 22日午前1時過ぎ、西宮市松籟荘の新幹線高架沿い。西へ走り去る500系を2人の西宮市職員が計器で計った。「5.3秒」「5.6秒」。16両編成、約400bの新幹線列車が5秒台半ばで通過するのは、この地点では初めてだ。
 走行テストが始まった17日には尼崎市が、19日には伊丹、神戸両市が、21日には西宮と尼崎、伊丹の3市が騒音と振動を測定した。
●防音壁なし
 神戸市西区の主婦板岡清美さん(49)は「のぞみ」が近づくと身構える。木造3階建ての自宅は、線路から5bしか離れておらず、風圧を受けて揺れる。付近の沿線約65bには防音壁がない。
 震災で自宅の壁に亀裂が入った。約1.5`西の高架橋が一部落ちた。板岡さんは2年前から防音壁の設置を求めているが、まだ設置されない。そこへ新型超特急。「速度と利益の追求は、環境を整えてからにしてほしい」と訴える。
 高架から約200b離れた西宮市上大市の男性(64)宅は震災後、新幹線が通るとカタカタと音を立てて揺れるようになった。「振動に家が耐えられるだろうか」と心配する。
 尼崎市の住民が震災後につくった「新幹線公害を考える会」(西村日出丸代表)などは、500系の導入は問題だとして、減速などをJR西日本に要望している。「考える会」のメンバーの一人は今年1月、JRに2階居間と駐車場で振動を測ってもらった。2階では、最高で国の指針70デシベルを超える76デシベルの振動を記録した。
●データ秘密
 西宮市社会福祉協議会甲東支部の新幹線公害対策部会は26日にも、減速措置と測定データの公表がない限り、500系の営業運転を認めないよう求める請願を西宮市議会に出す。
 走行テストのお知らせが住民に配られたのは、17日のテスト開始直前だった。甲東支部の新幹線公害対策部会の大蔭熊部会長代行(69)は「迷惑をかけるという断りがあるだけ。わびの文言はなく、ごう慢な姿勢を感じる」。
 地元自治会役員を務める主婦(62)も「地震でこの辺は、落橋という起きてはならないことが起きた。それでもJRは、落ちた理由を説明せず、減速もしない」と憤る。
 西宮市の野田市郎環境部長は「震災で、騒音や振動への市民の感覚は敏感になった。震災前と同様の測定値でも、影響が増したと感じてしまう。その不安に対し、自治体として何とかしなければ」と話す。
 JR西日本は5月末、住民団体が、500系の営業開始には沿線住民の同意を得るよう求めたのに対し、「環境対策には十分配慮していくが、確約はできない」と回答した。減速要求に対しては「震災前後で新幹線の騒音、振動が大きくなったという傾向は確認できなかった」としている。
 しかし、JR西日本はテストのデータを公表していない。兵庫県は17日、「沿線住民の生活環境の保全と被災地の住民の心情に配慮を」と、騒音対策や新型車両の速度低減に加えて、データ提供をJRに求めた。
 「のぞみ導入のときも試運転データは大したことがなかったのに、計器で把握できない異質音があり、営業が始まると苦情が出た」と兵庫県大気課の担当者はいう。
・500系 フランスの「TGV」などと並ぶ世界最速の時速300`が売り物。新大阪一博多間を「のぞみ」より13分短縮して2時間19分で結ぶ。1編成(16両)の製作費は約46億円で、当面9編成導入する計画。(朝日新聞)
■特急「ひだ」脱線事故 崩落の危険の中検証
 岐阜県下呂町で25日夜、JR高山線の特急「ひだ15号」=纐纈(こうけつ)雪夫運転士(49)=が線路上に落ちていた岩石に衝突して脱線、乗客ら16人がけがをした事故で、岐阜県警は26日早朝から、捜査員約150人で現場の検証作業を実施、本格的な原因究明に乗り出した。
 調べによると、落石は直径約3bで推定50−60d。雨による岩盤の緩みで、線路に沿って走る県道わきの斜面の高さ約50b付近から落下、県道を越えて線路内に落ちたとみられる。
 同県警の事情聴取に対し、纐纈運転士は「三原(さんばら)トンネルを出たところで大きな石を発見、急ブレーキをかけたが間に合わなかった」と話しているという。
 事故発生の約10分前に「斜面から倒れた木が線路沿いの県道をふさいでいる」との110番が岐阜県警に寄せられていたことも分かった。同県警は安全管理に落ち度がなかったか、JR東海関係者らから事情を聴いている。
 検証作業は午前5時から始まったが、さらに崩落の危険があるため、同8時ごろ一時中断。崩落防止のためのネットを張った後、作業を再開する。
 JR東海は、現場に約200人の作業員を配置。同県警の検証作業が終わり次第、岩石と列車の除去作業に入る予定だが、復旧の見通しはまだ立っていない。
 高山線は、同日朝から飛騨金山と下呂でそれぞれ折り返し運転し、両駅間はバスによる代替運転を実施したが、高山発名古屋行き特急ひだ2号など特急、急行9本が全区間、一部区間で運休した。
・たかやま1往復運休
 岐阜県下呂町のJR高山線で起きた特急の脱線事故で、JR西日本は26日、大阪−飛騨古川間の急行「たかやま」1往復を運休した。(京都新聞 夕刊)
■救出スムーズ パニック防ぐ 町と消防一体に
 岐阜県下呂町で25日夜起きた列車脱線事故は、温泉街に近かったことなどから消防、役場などが一体となってスムーズな負傷者らの救出作業を展開。これが乗客のパニック防止につながったことが26日、分かった。
 消防署に事故の一報が入ったのは、発生から約10分後の25日午後9時28分。直ちに救急車3台が出動。発生から45分足らずの10時1分には、最初のけが人が温泉街にある県立病院に搬送された。
 救急隊の到着時、脱線して川に向け大きく傾いた1両目の車両にも、かなりの乗客がいた。後続車両の乗客はトンネル内に取り残されたままだったが、列車内の電灯が事故後も消えなかったことや、非常招集された地元消防団員約150人がトンネル内での避難誘導に当たったこともあり、パニックのような状況はほとんどなかったという。
 乗客の搬送には、町役場のマイクロバスや、下呂温泉の従業員輸送用バスも活躍。消防からの出動要請に応じて、現場から駅などへの搬送に当たった。
 一方、高山線は26日も飛騨金山−下呂間が不通のまま。同温泉旅館協同組合では、「大きな事故で温泉のイメージダウンになっては大変」と同日朝から下呂駅前に案内スタッフを配置。バスによる代替輸送に混乱がないよう旅行客を案内していた。(京都新聞 夕刊)
■県道を越え岩石落下か JR高山線事故
 岐阜県益田郡下呂町のJR高山線の特急「ひだ15号」脱線事故で、岐阜県警は26日早朝から現場検証を始めた。また、別の岩の落下の恐れがあることから、高山線の復旧の見通しはたっていない。JR東海はこの日午前、幹部が名古屋市の本社で記者会見し、現場付近で大きな岩が落下することは想定していなかったことを明らかにした。
 同県警の調べでは、列車は線路わきに落ちていた縦、横、高さ各3bほどの岩(重さ約5、60`)にはじかれた格好で前方の2両が線路右側に脱線。線路の上方約55bの山肌に岩が崩れた跡があることから、岩石は線路の上方を走る県道を越えて落下したらしい。
 JR東海によると、現場近くが急なカーブなため、列車が速度を落としていた。そのことが、負傷者16人と比較的被害を小さくしたとみられる。(朝日新聞 夕刊)
■JR高山線事故 2年前から危険指摘 地元住民 町に通報 4月に県視察「安全」
 JR高山線の列車脱線事故で、落石したとみられる巨大な岩について、地元住民が約2年前から崩落の危険性を指摘し、地元の岐阜県益田郡下呂町側に改善策を申し入れていたことが26日、わかった。岐阜県萩原土木事務所が今年4月中旬、担当職員を現場に派遣し、調査。しかし、「すぐに落石する場所でなく安全と判断した」という。
 通報したのは、巨大な岩があった山の所有者で農林業中川裕之さん(74)。中川さんによると、脱線現場の真上を走る県道の数十b上の山中に、巨大な岩が地表からむきだしになっていた。岩の谷側の下の方が年々、えぐれてきたため、2年ほど前、付近の道路事業の説明会が開かれた際、町に改善策を申し出たものの、町からは具体策について連絡はなかったという。
 中川さんは今年2月の北海道・古平町のトンネル事故の後、心配になって町に再度申し入れると、県萩原土木事務所の担当者が中川さん立ち会いの下で現場を視察、写真撮影もした。その時、職員は「これは危険だ」という趣旨の話をして帰ったが、何の措置もとられなかったとしている。
 一方、同事務所によると、視察したのは今年4月17日。しかし、現場では「危険」という判断はしていないといい、JR東海にも連絡しなかった。理由について、「3、40年も落ちずそのままだったのだから、大丈夫と判断した」と説明している。視察の後も、週に1回、パトロールは続けていたが、特に異状はなかったという。ただ、同町の山口義郎助役は「住民からそういう指摘があったことは聞いていない」としている。
 岩のあった場所は県道・下呂小牧線から数十bの高さ。現場近くの集落から山道を200bほど入ったところで、急な斜面の上から下の県道まで数十b近く、幅4bにわたって木が谷側になぎ倒されていた。
 県道路維持課によると、1990年10月に行った5年に1度の総点検では、今回の事故現場の危険度ランクは最も低い4。「当分、落石、土砂崩壊の恐れは少ない」と認定されていた。
 同課の平田佳史課長は「道路わきの山側斜面は高さ約五bまでコンクリートブロックで覆われ、その上は植林されている。手入れの行き届いているところであり、崩落は想定外の場所だ」としている。(朝日新聞 夕刊)
■「置き石犯」はカラス 市民の提供写真きっかけ 神奈川
 神奈川県内で最近発生した21件の置き石事件を調べている神奈川県警は25日、横浜市栄区飯島町のJR東海道線で6月に起きた3件について「犯人はカラス」と断定した。
 22日早朝、電車撮影が趣味の横浜市港南区の会社員飯島芳明さん(30)が線路内で石をくわえたカラスを目撃、写真を撮って県警に提供したのが、事件解決のきっかけ。
 捜査員が「内偵捜査」を続け、ウズラの卵大の石をくわえた数羽のカラスが線路内に入る姿をビデオ撮影、動かぬ証拠となった。
 動機について県警は「人がやるのを見てまねしたのでは」。捜査幹部は「人でも鳥でもやっぱり犯人は真っ黒」。(朝日新聞 夕刊)
27日■JR高山線脱線事故 列車2両を撤去 復旧のめど依然立たず
 岐阜県下呂町で25日起きたJR高山線特急脱線事故で、JR東海は26日夕、線路上の岩石と脱線した車両の撤去作業を開始した。2台の大型クレーンで脱線した2両を1両ずつつり上げ、いったん線路上に戻した後、約30人の作業員が手で車体を押し、現場から約200b移動させ27日未明に撤去を終えた。岐阜県警は27日から線路などの実況見分を再開する予定で、高山線復旧の見通しは立っていない。
・負傷者17人に
 岐阜県下呂町のJR高山線特急脱線事故で、岐阜県警は26日、負傷者が1人増えて計17人になったと発表した。いずれも軽傷。
 新たに判明したのは岐阜県益田郡小坂町大島、今井友子さん(51)。事故後に帰宅したが、26日午前、下呂温泉病院で診断を受け、軽傷だったことが分かった。
・落石の危険性 事前に指摘 岐阜県に山林所有者
 JR高山線の特急列車脱線事故で、落石が発生した現場の山林所有者が、岐阜県萩原土木事務所に岩が崩落する危険性を指摘、同事務所は4月17日に調査したものの、緊急の対策は必要ないと判断していたことが26日分かった。
 現場の線路のすぐ西側に県道が走り」県道には落石のあった山の斜面が接している。県道を管理する同県道路維持課によると、山林所有者は特定の岩を指して危険性を指摘したが、この岩が今回落ちた岩であった可能性もあるという。同土木事務所は「少なくとも数十年間は現状のままだった。あの状懸なら危険はないと判断した」としている。
 この人は現場近くの同県下呂町少ケ野、中川裕之さん(74)。中川さんの家族によると、今回崩落した岩は傾斜約35度の杉林の急斜面にあった。周辺の杉の木が若く地面が固まっていないことから今年2月、死者20人を出した北海道の豊浜トンネル崩落事故後、不安を感じた中川さんが県事務所に「うちの山に危険はないか調べてほしい」と調査を依頼した。
 このため職員2人が調査に訪れ写真を撮るなどしたが、その後何の処置もされなかったという。
 中川さんの家族は「事故が起きた瞬間、ああやっぱりと慌てた。県の対応に不安が残る」と話している。(京都新聞)
■ロータリーの「交通広場」に 宇治・近鉄大久保駅東側
 宇治市は26日、新たに建設する近鉄大久保駅前広場の具体的な整備内容を明らかにした。広場が、駅から東側へ直接出入りできる玄関口となり、広場内にはタクシー、乗用車が進入できる道路やロータリー、42台収容の駐車場などを配置している。10月末の完成を予定している。
 同駅前広堤は広さ約3500平方bで、うち2240平方bを交通広場、1260平方bを駐車場として整備する。
 交通広場はタクシー、乗用車が進入する道路と右回りのロータリー、客待ち用のタクシープールを設け、この周囲を歩道がめぐる。バスなどの大型車両は進入できない。駅の通路とは間口43b幅で直接、歩道とつなぎ、玄関口として出入りできるようにする。
 駐車揚(有料)は乗用車42台(うち身障者用2台)を収容、無人管理システムを備えて24時間利用とする。
 また、同駅前広場への進入路となる府道城陽宇治線は幅を広げ、南行には右折レーンを設置。北行には現在、南約50bにある大久保バス停を移動するとともに、バスレーンを新設する。
 総事業費は約7000万円。7月末に着工し、10月末には完成する見込み。(京都新聞)
■信楽高原鉄道友の会発足へ
 鉄道への関心を高め、旅行業部門の強化を−と、来月から「信楽高原鉄道友の会」が発足する。滋賀県信楽町交通対策協議会(会長・杉森一夫町長)が中心になって呼びかけ、同鉄道内に事務局を置く。
 友の会は、同鉄道の側面支援を目指し、町内外を問わず、だれでも入会できる。年会費2000円で、機関紙送付や同鉄道を使う企画旅行の案内、人気の陶器製の干支(えと)切符優先販売の特典がある。また年会費は2000円分の旅行代金にも引き換えられる。
 信楽高原鉄道旅行センターでは、JRなどの切符を扱っており、一昨年7月には発券設備も備えた。しかしJRの売り上げ基準である年間3000万円の約半分しか売り上げがなく、昨年7月にJRが発券設備を撤去。旅行申し込み受け付けの度に、苦心の営業が続いている。(京都新聞)
■北陸トンネル事故 損害賠償訴訟 京滋被災者らの請求棄却 福井地裁 後遺症「因果立証ない」
 1972(昭和47)年11月、乗客ら30人が死亡、約700人が負傷した国鉄(当時)の北陸トンネル列車火災事故で、旧国鉄と和解後新たな後遺症が分かったとして京都、滋賀などの被災乗客10人が、国鉄清算事業団に総額約3億2000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、福井地裁であり、野田武明裁判長は「原告の主張する後遺症は、災害との因果関係について立証がない」として、原告の請求を棄却した。
 同裁判長は判決理由で「和解で考慮された後遺症でも、当事者の予測を超えて悪化した場合は、災害との因果関係が立証できれば賠償を請求できる」とした上で「症状は他の要因による可能性が大きい」などと述べた。
 訴えていたのは福井県小浜市の元同市議、山本肇さん(78)ら福井、石川など1府5県の10人。
 判決などによると、原告ら被災者は事故後、損害賠償を求めて旧国鉄を提訴したが、80年までに全員の和解が成立。原告には約36万−1813万円の和解金が支払われた。この和解条項には「列車災害が原因の新たな障害が発生、判明した場合、被告は誠意を持って補償する」という規定が盛り込まれた。
 原告らは和解後の肺機能検査で慢性気管支炎などの症状があることが分かったとして、和解条項に基づき損害賠償を求める訴訟を86年に起こし「後遺症は和解の対象には入っていなかった」などと主張。
 事業団側は「先の訴訟の和解ですべてに賠償がされている。症状は新たに発生、判明したものではない」などと反論。検査した医師を証人に呼ぶなどして約10年にわたって争っていた。(京都新聞)
■給油栓なしでのぞみ走行 3000人に影響
 26日午後3時20分ごろ、大阪府摂津市安威川南町の新幹線鳥飼基地(大阪第二車両所)で、JR東海の係員が新幹線の潤滑油給油栓を発見した。
 同社が車両運用を調べ、25日に同基地で定期点検を受けた車両と判明。同車両は博多発東京行きのぞみ22号に使われ、山陽新幹線新岩国−広島間を走行中で、広島駅到着後に点検した結果、7号車床下にあるモーターの動力を車輪に伝える「ギアボックス」の給油口の栓がはずれていた。
 JR西日本は同駅で車両を交換、後続を含め上り計5本が最高54分遅れ、約3000人に影響が出た。(京都新聞)
■5時間半余りAGTを停止 関空南ウイング
 26日朝、関西空港国際線の南ウイング本館駅近くで、無人運行システム「ウイングシャトル」(AGT)の軌道のつなぎ目のコンクリートブロック1個が割れているのが見つかった。このため関西国際空港会社は午前10時45分からAGTを本館駅−中間駅の約350b間で停止させた。午後4時20分に復旧したが、約1500人に影響が出た。
 関空会社によると、割れていたブロック(長さ20a、幅40a、高さ10a)は本館駅から約8bの所。午前5時ごろの試運転で振動があったため調査、鉄板に取り換えた。割れた原因を調べている。(京都新聞)
■車両2台、引き上げ 高山線事故 復旧になお時間
 岐阜県益田郡下呂町のJR高山線で、特急「ひだ15号」(5両編成)が線路わきの山の斜面から落下した岩にぶつかり脱線した事故で、JR東海は26日深夜までに、復旧作業を続け、脱線した2台の車両を斜面から引き上げた。しかし、雨で地盤が弱くなっていることなどから、作業は難航している。
 復旧作業には、JR東海の保線関係者ら約200人が当たった。線路西側の斜面の上の方にある3つの不安定な浮石に落石防護ネットを張ったうえで、先頭車両をクレーン車で引き上げた。2両目の車両は、落ちた岩にワイヤでつなぎ、転落を防止した。1両目の作業終了後、2両目に取りかかった。
 しかし、落ちるおそれがある浮石を処理し、レールを本格的に直す作業などが、まだ残っている。車両の下部の傷みが激しいことも作業を遅らせている。
 最も処理が難しいとみられる浮石は「発破による除却を最有力として検討している」という。
・けが人17人に
 25日夜、岐阜県益田郡下呂町のJR高山線で、特急「ひだ15号」が線路わきの落石にぶつかって脱線した事故で、岐阜県警は26日午後、けが人は1人増え、17人となったと発表した。地元の女性で、けがの程度は軽い。(朝日新聞)
■関空の無人旅客輸送車停止 軌道欠け5時間半
 26日午前10時46分ごろ、関西空港で、旅客ターミナル南ウイング本館と航空機発着口を結ぶ無人自動旅客輸送車「ウイングシャトル」(3両編成、定員234人)が、一部区間で運転を中止した。コンクリート製の軌道の一部が欠けたためで、補修工事の終わった午後4時20分に運転を再開した。この間、中間駅で乗降できず、到着と出発計6便の乗客約1000人は本館駅や先端駅まで、手荷物を持って歩いた。シャトルが停止したのは一昨年9月の開港後3回目で、約5時間半の停止はこれまでの最長だった。
 関西国際空港会社によると、軌道が欠けたのは本館駅−中間駅間で、本館駅から約8b南側。午前5時前の試運転で軌道上の小さな破損に気づいたが、安全性に問題ないとして運転を始めた。次第に揺れが大きくなったため運転を中止した。破損部の大きさは15a四方、高さ10aだった。破損部は鉄筋や鉄板がない部分だったため、補修工事で鉄板を敷いたという。(朝日新聞)
■のぞみに異常、遅れ
 26日午後4時20分ごろ、山口県岩国市の山陽新幹線新岩国−広島間を走行中の博多発東京行き「のぞみ22号」の車両に異常があるという連絡が、車両を所有するJR東海からJR西日本の東京指令所にあった。広島駅で点検したところ、床下にある潤滑油の給油栓がなくなっていたため、車両を交換して、約1時間遅れで出発した。この影響で後続の4本が最大8分遅れ、約3000人が影響を受けた。(朝日新聞)
■後遺症の賠償 全面的に棄却 JR北陸線列車火災
 1972年11月、現在のJR北陸線の北陸トンネルで起きた列車火災事故で被災した福井、石川など6府県の乗客10人が、和解後に後遺症が出たとして旧国鉄(国鉄清算事業団)を相手取り、総額約3億2000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、福井地裁であった。野田武明裁判長は「事故と後遺症の因果関係が立証されていない」などとして、原告の訴えを全面的に棄却した。(朝日新聞)
■JR高山線 今夕開通めざし作業 斜面の岩、爆破し撤去
 岐阜県益田郡下呂町のJR高山線で、特急「ひだ15号」(5両編成)が落下した岩にぶつかり脱線した事故で、JR東海は27日未明までに列車の移動作業をすべて終え、岐阜県は同日朝から、山側斜面に残っていた落石の危険のある岩の爆破作業をした。岐阜県警も、線路上での実況見分を再開。復旧作業は急ピッチで進む。同線は事故があった25日夜から飛騨金山−下呂間で不通になっているが、早ければ今夕にも開通する見通しになった。(朝日新聞 夕刊)
28日■脱線から44時間ぶり JR高山線が復旧
 岐阜県下呂町で特急ひだが25日夜、脱線事故を起こし、飛騨金山−下呂間で不通となっていたJR高山線は復旧工事を終え27日午後5時14分、事故から約44時間ぶりに運転を再開した。
 高山線は事故後、飛騨金山と下呂でそれぞれ折り返し運転を実施、両駅間をバスで代替輸送していた。
 事故後の初列車となった高山発名古屋行き上り特急ひだ14号は、脱線現場の手前でいったん停車した後、作業員約80人が見守る中を最徐行で通過した。JR東海では、28日始発から通常ダイヤで運行する。(京都新聞)
■阪急バス停行き先表示 JR長岡京に駅名変更後も「JR神足」のままだけど…
 −長岡京市で阪急バスをよく利用します。JRは「神足(こうたり)」から「長岡京」に駅名を変更したのに、阪急バスは停留所や行き先表示など「JR神足」のまま。市外から来た人の中には、同一の駅とは気づかず混乱するのではと心配しています。バス停留所の名称変更は計画されてないのでしょうか。(大山崎町・男性)
・秋のダイヤ改正に合わせ 変更する予定です
 本題に入る前に少し長岡京駅の歴史を振り返ってみましょう。
 この駅は、昭和6年に当時の新神足村の住民による請願駅として「神足駅」の名称で開設されました。
 昭和24年に同村を含む3村合併で「長岡町」が誕生。昭和47年には「長岡京市」になりましたが、最近になっても同市の玄関口に当たる神足駅の名前を知らない人が多く「かみあし?」などと呼ばれることもしばしば。そこで、市や地元住民が駅名変更を機会あるごとにJRに要望し、昨年9月1日、念願かなって「長岡京駅」に生まれ変わったわけです。
 さて、お尋ねの阪急バスの問題ですが、市では「駅名変更に伴い、阪急バスにも名称変更するよう頼みました。『近いうちに変更したい』との回答をもらっているのですが…」と話していますが、いまだに行き先表示など、すべての表示が「JR神足」のままです。
 阪急バスに聞きますと「名称の変更は行います。今すぐというわけにはいきませんが、秋のダイヤ改正に合わせて、バスの行き先表示や停留所の表示、車内アナウンスなどを変更する予定です。遅くとも11月までに着手したいと思っています。ダイヤ改正前に変更すれば二重に費用がかかるので」(運輸部企画課)とのことでした。(洛西総局・渋谷哲也)(京都新聞)
■南北の広場自由に往来 JR山陽線 大久保駅 橋上駅舎が完成
 JR山陽線の大久保駅橋上駅舎(明石市)が完成、8月8日オープンする。
 大久保駅では都市拠点総合整備事業の一環に、駅の南北にある広場をつなぐ歩行者専用の自由通路の整備が決定。これに合わせ2年前から地上にあった駅舎の橋上化が進められていた。
 新駅舎には、エレベーターとエスカレーター2基ずつを設置したほか、車いす専用トイレも備えた。
 駅の東西2ヵ所にあった鉄道院時代(1913年)からの跨(こ)線橋の橋脚は、貴重な歴史遺産でもあり、新駅舎に設置する時刻表の支柱に利用、後世に伝えられることになった。(京都新聞)
■埼玉に「東京駅」? JR深谷駅 れんがで新築
 赤れんがの重厚な外壁と白い窓枠、緑の屋根が青空に映える−。埼玉県深谷市のJR深谷駅で、東京駅をモデルにした新駅舎が27日までに、ほぼ完成した。7月10日から利用が始まる予定で、独特の洋風建築が市民らの注目を集めている。
 駅舎は高さ約20b、横幅60bで、高崎線をまたいでそびえ建つ。鉄骨3階建てで、外壁にれんが調のタイル約50万個が使われている。駅内部には市役所のサービス窓口や市民ギャラリーなども設置される。
 1914(大正3)年に完成した東京駅の赤れんが約833万個が、深谷市のれんが工場で製造されたことはあまり知られていない。同市は歴史的にゆかりの深いれんがで街をPRしようと、駅舎だけでなく、体育館や小中学校でも「れんが化」を進めている。
 建築費は約35億円で、深谷市とJR東日本が共同で負担。7月27日には落成記念式が行われる。(京都新聞)
■高山線が復旧
 岐阜県益田郡下呂町のJR高山線で、特急「ひだ15号」5両編成)が岩にぶつかり脱線した事故で、JR東海は27日午後5時過ぎ、事故によって不通となっていた区間の運転を再開した。44時間ぶりの全面復旧。(朝日新聞)
■乗客、降り損ね非常ブレーキ JR大阪駅 東海道線などダイヤ混乱
 28日午前7時40分ごろ、JR大阪駅構内で、東京発大阪行きの寝台急行「銀河」が到着後、回送のため同駅から約200b進んだ地点でブレーキがかかり急停車した。58分後に出発したが、この影響で午前8時31分野洲発姫路行きの新快速電車が、草津駅で運転を取りやめるなど、東海道線と宝塚線で計47本の電車が部分運休。ほかに上下70本が63分−3分遅れた。
 JR西日本では午前8時35分から同9時15分まで阪急神戸線で振り替え輸送を行った。影響は正午ごろまで続き、乗客5万4000人以上の足が乱れた。
 JR西日本の調べでは、回送になった「銀河」の車内で、トイレに入り大阪駅で降り遅れた女子大生(23)の乗客が、あわててデッキの非常ブレーキを操作したことがわかった。同社では女子大生に厳重注意した。(京都新聞 夕刊)
29日■SL湖北走る 8月10日から土日8回
 JR西日本は、季節限定で湖北を走る蒸気機関車「SL北びわこ号」を8月10日から9月1日までの土、日曜日に運行する。7月10日から各地のみどりの窓口で乗車券を発売する。
 JR北陸線の米原−木ノ本間(22.4`)をC56-160号(5両編成)が1日2往復する。米原発が午前9時10分と午後1時13分、木之本発が午前11時6分と午後3時6分。全車指定席で運賃は米原−木之本間890円(子供440円)、米原−長浜間690円(340円)。(京都新聞)
■窓 人中心に考え線路を高架に 能登川町・山田保則(建築デザイナー・32)
 去る16日、米原アミティ主催の「米原駅再生ドラマづくりを語る会」があり参加させていただいた。官民一体となり、今後の米原駅のあり方についてさまざまなプランが提出され、討議された。このように真剣に自分たちで考えるということ、行政もオープンに皆の意見を聞く姿勢は、大変好感がもたれ、他の自治体も見習う点が多々あると思う。
 ただし、残念なのは、大半の意見が集客中心であったことだ。駅舎の形がユニークであったり、展望台をつくったり等々…。それらも活性化には欠かせない大変重要なことではあるが、その前に、もっと根本的に鉄道駅と住民との関係を考える必要があると思う。
 現在、米原駅に限らず、琵琶湖線各駅の橋上化が進められているが、これほど不都合なことはないと思う。例えば電車に乗る人、単に駅を横断する住民がかならず階段を昇降しなくてはならない。これでは決して住民中心とはいえない。なぜ人が電車のために毎回、階段を昇降しなくてはならないのか大変疑問に思う。大都市や県内でも湖西線は、高架や地下に線路を設置し、本当に駅の利用客だけが階段やエスカレーターを昇降する。これが本来の駅の姿であると思う。今回、米原駅も、再生する機会なので、せめて駅付近だけは線路を高架、あるいは地下にして東西通路は地面を通す住民中心の駅づくりを考えてほしい。(京都新聞)
■窓 不便なバスの増便を考えて 亀岡市・山内二三代(無職・73)
 武蔵野市の「ムーバス」。駅と住宅を結ぶお年寄りの足。運転免許を持っていない私たち老人にはとてもうらやましい話題でした。
 われわれの住む地域は亀岡駅より14`の山間部で、路線バスはスクールバスを除いて、朝2便、午後3便、日曜日は朝1便、午後2便しかありません。午前中の会合などには、少し早く着いてしまうが間に合うのでよいとして、午後1時とか1時半とかの会合、催し物には、間に合わない運行時間になっています。そのうえ現在のバスの終点から5`の山間にも住宅がたくさんできていて、その住民の方々はマイカーがなければどうすることもできない状態です。千世帯にもなった畑野町、なんとか奥まで路線バスを乗り入れてほしいし、午後1時ごろにもう1便駅行きの便がほしいのです。
 利用者が少ないというのなら、能勢町で阪急バスが走らせているデマンドバスを本梅まで走らせてほしいと思います。
 生涯学習都市を宣言している亀岡市、学習意欲のある老人に足を提供してください。老人の足の確保に協力してください。(京都新聞)
■京阪奈新線 低利融資の実現望む 近鉄田代社長 早期建設に意欲
 関西学研都市と大阪方面を結ぶ鉄道として計画中の京阪奈新線について、近鉄の田代和社長は28日の記者会見で「次世代に残す遺産としても早期に実現させたいが、低利で安全な資金確保が前提になる」と、公的資金の低利融資実現を望む考えを強調した。
 鉄道の新線建設に私鉄が取り組む場合、日本鉄道建設公団に建設してもらい譲渡を受ける方式や、鉄道整備基金から融資を受ける方式などがある。しかし、鉄建公団方式は現在、年利5%で私鉄の負担が大きい。鉄道整備基金も、JRや都市の地下鉄が優先で、私鉄には事実上適用されていない。
 田代社長は「鉄建公団方式なら、年利3%以下が望ましい。鉄道整備基金は、原則的には民間も利用できるはずで、運輸省などに見直しを求めたい」と語った。
 京阪奈新線は、近鉄東大阪線生駒駅から同京都線高の原駅を結ぶ約12`で、運輸政策審議会は「2005年までに整備すべき新線」と位置づけている。1期工事として近鉄が単独で生駒駅から登美ケ丘まで8`区間を整備する方針がほぼ確定。同区間だけで総事業費約1000億円が見込まれている。(京都新聞)
■JR高山線事故 10分前に「異常」連絡 110番受け警察が下呂駅へ 特急には伝わらず
 岐阜県下呂町のJR東海高山線で起きた特急脱線事故で、住民からの110番を受けた萩原署が、事故発生の約10分前にJR下呂駅に異常発生を連絡していたことが、29日までに分かった。しかし、この連絡は事故を起こした特急に届かず、県警は連絡を受けてから事故発生までのJRの対応に問題はなかったか、関係者から事情を聴いている。
 萩原署によると、事故約10分前の25日午後9時9分に、同町の会社員(39)から「県道に木が倒れている」と110番があった。同署は現場に向かうよう近くの交番へ指示するとともに、県道が線路に近いことから、直後に下呂駅にも通報した。電話を受けた駅員は「現在のところ異常発生の連絡は受けていないが、確認する」などと答えたという。
 JR東海によると、下呂駅の駅員から名古屋市のJR東海総合指令所へ午後9時16分に連絡があったが、落石を確認する前に事故が起きたという。広報部は「連絡を受けた時点で列車は信号のある焼石駅を通過しており、現場は無線が届かない地域だったため、列車の停車措置を取ることは不可能だった」としている。(京都新聞 夕刊)
■妖怪バスが山陰路に登場 日本交通定期路線
 ゲゲゲの鬼太郎やねずみ男などを車体に描いた妖怪(ようかい)バスが7月12日から日本交通(本社鳥取市)の米子−大阪間の定期路線に登場する。
 米子市に隣接する鳥取県境港市は、鬼太郎の作者水木しげるさんの出身地で、商店街には水木さんにちなんで妖怪ロードが作られるなど、山陰路は妖怪人気が高まっている。
 妖怪たちは車体の左右と後部に鮮やかに描かれるほか、座席にもプリントされる。バスは当面1台を投入、引き続き東京路線や観光用にも広げたいという。(京都新聞 夕刊)