1996(平成8)年 1月


3日■ケーブル故障  135人がヒヤリ 能勢・妙見(朝日)
  ■時々刻々 スピードVS乗り心地 「次」の新幹線開発戦略に差 西日本 飛行機への切り札 東日本 サービスまず重視(朝日)
4日■窓 湖西線の増発住民には朗報 高島町・上山 惟裕(会社員・52)(京都)
  ■Uターン道路も座席も悠々 分散化定着 大混雑なく(京都)
  ■赤字に苦心の”すき間広告” 大阪市営地下鉄 構内の円柱やクーラー提供(朝日)
  ■Uターン 渋滞、一部30`以上 空と列車は分散化進む(朝日)
  ■電車4本の窓 相次ぎ割れる 明石のJR山陽線(朝日)
  ■Uターンラッシュ続く(朝日)
5日■京都商議所の移転先 二条駅周辺が最有力 旧国鉄用地 来年にも着工(京都)
  ■関西私鉄5社 正月ほぼ好調 輸送実績を発表(京都)
  ■JR舞鶴線・小浜線2.3`間 高架工事、今夏に完成 東舞鶴駅舎新築も着手へ(京都)
  ■窓 エレベーター 位置は統一を 島本町・草鹿佐恵子(無職・35)(京都)
  ■窓 掛け額字まで左書きとは… 野洲町・高原 有山(画家・70)(京都)
  ■「こだま」今世紀中に一新 JR西日本独自開発へ 速さより快適さ重視(朝日)
  ■湖西線特急など遅れ(京都)
  ■雷鳥13号 立ち往生 湖西線(朝日)
6日■窓 各駅停車の旅 残念なマナー 大津市・方山 直(教員・44)(京都)
  ■阪急中津 列車にはさまれ死亡 狭いホームから男性転落(朝日)
  ■電車に挟まれ 男性が死亡 阪急・中津駅(京都)
7日■JR西日本 今秋上場か 株価回復、業績も好調(京都)
  ■レンタカーに価格破壊の波 JR系の「半額」機に 各社、知恵絞る 「乗り捨て料金」タダ/身障者割引/季節・曜日料金…(朝日)
8日■券売機前に硫酸まく? JR新宿駅 2人が転倒・やけど(朝日)
  ■列車にはねられ幼女が死亡 綾部(朝日)
  ■京都市バスに追突 乗用車の男性死亡(京都)
  ■始業式の朝に自殺? 電車にはねられ死亡 神戸で高1女生徒(朝日)
9日■年末年始乗客 前年比4%増 JR西日本まとめ(京都)
  ■強風で運転見合わせ JR山陰線余部鉄橋(京都)
  ■よみがえれ神戸 私の提言 199 阪急の再出発@ 困難乗り越え車両復線 三津澤 修(京都)
  ■山陽新幹線 地震に備え高架補強 岡山以西は一部に限る(朝日)
  ■年末の大雪が幸い? JRの利用客増える(朝日)
  ■関空連絡橋 強風でストップ(朝日)
10日■田辺京都市政6年半の軌跡 景観・健康に個性発揮 地下鉄で巨額借金 緊縮財政。事業に足カセ(京都)
  ■定期券の不正使用許しません 来月から新改札システム 京阪電鉄が導入(京都)
  ■よみがえれ神戸 私の提言 200 阪急の再出発A使命感燃え大劇場再開 久保 孝満(京都)
  ■府南部発 関空直行バス 乗客数大幅に増 年末年始輸送まとめ 前年比14%も 1便当たり3割アップ トップは5日の232人(京都)
  ■「のぞみ」がブレーキ故障 京都駅などで(朝日)
  ■ユーロトンネル融資、邦銀撤退か(朝日)
  ■サラエボ 路面電車にロケット弾 市民20人死傷 和平に暗雲(京都)
  ■交通網、混乱続く 寒波居座り 余呉で積雪73a(京都)
  ■JR四国など 3社が値上げ 初乗り160円に(朝日)
  ■ロケット弾 市電に命中 サラエボ、7人死傷(朝日)
11日■地下鉄を防災倉庫に 東京都 食料や医薬品備蓄(京都)
  ■架線切れ一時停電 東海道線に影響 JR・米原操車場(京都)
  ■名神・北陸道通行止め解除 日本海側など大雪続く(京都)
  ■私の提言 よみがえれ神戸 201 阪急の再出発B 復旧へ住民と「格闘」も 柿木 浩一(京都)
  ■耐震補強の工事始まる 山陽新幹線高架橋(京都)
  ■神戸電鉄・山陽電鉄 20日から値上げ(朝日)
12日■震災後「新幹線の振動悪化」 沿線住民の7割 尼崎の市民団体が調査 JR西日本に改善を要望へ(京都)
  ■私の提言 よみがえる神戸 202 阪急の再出発C 拙速を避けて全線開通 中川 喜博(京都)
  ■鉄道運賃 「物価を目安」見送り 運輸省方針 値上げの上限設定(朝日)
  ■ダンプと列車衝突47人けが 北海道、凍結の踏切(京都)
13日■よみがえれ神戸 私の提言 203 阪急の再出発D 新駅舎再建、弱者対策も 石井康夫(京都)
  ■懐かしい蒸気機関車から関空特急まで 京の男性撮った30年 写真集に 市電見下ろす高架… 宮津線を走る列車も(京都)
  ■ブレーキヘの 水浸入が原因 「のぞみ」の故障(朝日)
  ■廃線の旧国鉄トンネル 宇宙物質の観測基地に変身 空中の放射性物質など 「影響受けにくい」と着目(京都)
15日■鉄道の耐震強化 本格化 高架橋やトンネル 補強支柱は5万本(朝日)
16日■激震烈震にどう備える(抜粋)(朝日)
  ■関空連絡橋で運転ストップ 強風でJRと南海(朝日)
  ■声 電車の遅れを説明せぬJR 明石市 宮城 環(主婦 37歳)(朝日)
  ■神戸高速 大開駅あす営業 大震災1周年前に 復旧工事が完成(京都)
  ■工事が完了 安全を祈る 神戸高速大開駅(朝日)
  ■JR姫新線にトラック転落 運転手が病院で自殺(朝日)
17日■新型新幹線 年末デビュー JR西日本が方針(京都)
  ■国鉄清算事業団の貸与地 仮設住宅1672戸 来年4月撤去も 買い取りへ「覚書」 昨春同意した兵庫県と2市 「意思・財源なし」(朝日)
  ■声 駅に奉仕の花 飾り続け15年 生駒市 後藤 恵子(主婦 49歳)(朝日)
  ■朝から営業再開 新ホームに人波 神戸高速大開駅(京都)
  ■JR西日本が警笛(京都)
  ■地下鉄事件も黙秘を続ける 土谷被告(朝日)
  ■レール下に穴 新幹線に遅れ(朝日)
18日■臨時ダイヤで2269本を増発 JR西日本(朝日)
  ■被災者、電車にはねられ死亡 阪神西灘駅(朝日)
19日■列車に女性用トイレ JR西日本 紀勢線 今夏から新型特急に(朝日)
20日■ガラス割った犯人は「木片」 JR山陽線列車(朝日)
  ■東海道新幹線 雪で20分遅れ(朝日)
21日■窓 放置自転車を防ぐ妙薬は? 右京区・池田 均(地方公務員・28)(京都)
  ■ゆったり気分で湖北路 ときめき乗せ「ポニー」走る 鉄道用品即売も人気(京都)
22日■オウム裁判 遠藤被告 地下鉄も認める 被害者に謝罪 3人でサリン製造(京都)
  ■麻原被告の指示詳述 地下鉄サリンで検察側(朝日)
23日■地中飛行機で時速600` 大都市間結ぶ 機体の形状を決定 ”夢”前進へ支援要請 研究集団が実験(京都)
  ■運転士なし列車600b”暴走” 踏切事故通報で下車 乗客3人飛び降り(京都)
  ■6系統目リフトバス 京都市交通局 梅津営業所で発車 障害者団体の要望実る(京都)
  ■座席切り替え”変身” ロングとクロス 近鉄が新車両(京都)
  ■窓 お答えします 営業時間について 西日本キヨスク総務課長 菊川 弘(京都)
  ■朝はロング 昼はクロス シートくるり通勤電車 輸送力保ちゆったりと 来月から近鉄導入(朝日)
  ■「のぞみ」殺人事件 加害男性に賠償命令(朝日)
24日■イベント列車に参加しませんか 山陰線の電化など記念 福知山(京都)
  ■京阪電鉄 集団交渉離脱を検討 春闘 会社側が労組に打診(朝日)
  ■新宿駅西口 動く歩道着工 ホームレス強制退去 東京都 抵抗の3人逮捕(京都)
  ■信楽鉄道義援金に感謝状(京都)
  ■水間鉄道値上げへ(朝日)
  ■軌道内に男性地下鉄乱れる 大阪市営四つ橋線(朝日)
24日■JR山陰線 KTR 宮福・宮津線 これが特急の新車両(京都)
  ■ポイントの故障で 新快速「立ち往生」 JR近江舞子駅(朝日)
26日■新型新幹線 ノーズ長く 近く走行試験 JR西日本が公開(京都)
  ■”パークアンドライド”で観光スイスイ 実現へ右京に市民委 30日、独自案を市に提示 「駐車場は市中心部に」(京都)
  ■市バス接触、主婦けが(京都)
  ■メーターなし 500系新幹線 JR西日本公開(朝日)
  ■麻原被告 4月18日初公判 地下鉄サリンなど3件 東京地裁(朝日)
  ■外崎被告殺意を否認 地下鉄サリン実行グループ 関与は認める(京都)
  ■雪で新幹線乱れる(京都)
28日■丹後の魅力 乗って満喫 KTRに新型車両 座席広く景色一望(京都)
  ■私鉄春闘 2年連続 スト構えず 関東の大手合意(京都)
  ■踏切内で男性倒れ近鉄にはねられ死亡 精華町の狛田駅付近(京都)
  ■新幹線乱れて10万人に影響 東北、上越(京都)
  ■丹後路 新型特急 タンゴ・ディスカバリー 3月16日運転へ受渡し式(朝日)
  ■電車にはねられ死亡 吹田市の東海道線(朝日)
29日■地下鉄サリン事件 被害者の会が発足(朝日)
  ■新型点字ブロック「凹凸小さく危険」 新型・安上がりでも薄め 従来型・突起丸くデコボコ 障害者ら JR西などに改善求める(朝日)
  ■情報を市民にD 公開法制定の論点 過去文書「施行日前」理由に拒む(朝日)
30日■私鉄総連 スト設定せず交渉へ 震災響き 阪神離脱、阪急も検討(朝日)
  ■このまちで 96京都市長選E 住民不在 説明 後回しの事業推進 募らす市政への不信(朝日)
  ■南海電車に車あて逃げ 大阪・忠岡の踏切(朝日)
  ■私鉄中央闘争委 春闘戦術決定先送り 関西各社 震災の後遺症残る(京都)
  ■阪神電鉄の新型車両完成 震災被害の代替(京都)
  ■「のぞみ」異常 京で2度停止 4000人の足乱れる(京都)
31日■京都駅ビル発掘調査 「工事遅れ発言」で”対立” 京都市埋文研・JR西日本と開発会社 怒る技師、反論会見 両社が撤回 全面対決は回避 文化財と開発 京の悩み深く(京都)
  ■ごみ大幅削減へ20駅で分別回収 JR西日本(京都)
  ■窓 京都市バスへ”激励”と”怒り”の思い(京都)
  ■高速道・地下鉄は整備 京都市長選 桝本氏が公約を発表(朝日)
  ■京都駅ビルの工期の遅れ 文化財調査と無関係 「保護行政にマイナス」 埋蔵文化財研が反論(朝日)
  ■山陽新幹線の駅でも ごみの分別収集開始(朝日)
  ■ニュートラム全線停止 乗客ら徒歩で駅まで誘導 コンピューター故障か(京都)
  ■「500系」顔見せ 新幹線 新型車両の試運転(京都)
  ■ニュー山陽新幹線、試運転開始(朝日)
  ■ニュートラム停止 大阪・南港ポートタウン線 バス代替輸送(朝日)



3日■ケーブル故障  135人がヒヤリ 能勢・妙見
 2日午後1時17分ごろ、兵庫県川西市黒川の能勢電鉄妙見ケーブル(全長660b)の中間付近の下り線で、車両を引くワイヤが滑車から外れかけているのに係員が気づき、手動でケーブルカーを止めた。上下両線の車両には初もうで客計135人が乗っており、約15分後に上下の駅まで徐行運転し、全員無事に降りた。
 同電鉄によると、直径3.2aのワイヤをまくら木上の滑車が支えているが、滑車の留め金具にひびが入っていたという。3日は午前9時35分の始発から通常運転する予定。(朝日新聞)
■時々刻々 スピードVS乗り心地 「次」の新幹線開発戦略に差 西日本 飛行機への切り札 東日本 サービスまず重視
 「より速く、より静かな車両を」という共通の目標を掲げ、JR本州3社が進めてきた次世代新幹線の開発競争が、岐路にさしかかっている。国内最高速度の300`で営業運転できる新型車両を完成させたJR西日本は、早ければ年内の運行を目指す。JR東日本は、速さより輸送量の増大や乗り心地に重心を移した。JR東海は、西日本を上回る高速走行をにらんで、400`台での試験に突入する。開発が始まって5年、営業戦略の違いが各社の開発目標に変化を促した。(社会部・松崎幸治)
◆時間短縮決め手◆
 昨年12月27日、神戸市にある川崎重工業の工場でJR西日本の新幹線車両500系の完成式が開かれた。西日本の南谷昌二郎副社長は「阪神大震災で新幹線が不通となった期間中に航空機などへ移った乗客を呼び戻すのに、非常に苦心している」と話しながらも、満足そうだった。昨年は震災の影響で新幹線の売り上げが落ち込んだ。それだけに、500系の完成が年内に間に合い、巻き返しの足がかりができたとの思いがあったようだ。
 西日本が試験車両WIN350の開発を始めたのは1991年1月。時速350`に勝つという愛称に、スピードアップの期待がこめられた。新大阪−博多間で航空機との客の奪い合いは激烈だ。所要時間の短縮が競争の決め手になる。
 WIN350が92年8月に、当時としては国内最高速度の350.4`を達成し、速度面から騒音対策などへ研究の比重が移り出したころ、西日本は早くも営業用車両500系の開発に取りかかった。試験と並行させ、その成果を取り込みながら、一刻も早く実用化させたかったからだ。
 当初の計画では96年春から営業運転を始め、新大阪−博多間を今より13分短い2時間19分で駆け抜けるはずだった。震災で半年以上遅れそうだが、西日本の切り札の登場は現実的になってきた。
◆ピンチヒッター役◆
 JR東日本も、当初は300`での営業運転を目標に、低騒音高速試験車STAR21を製造した。93年12月には西日本の記録を塗り替え、世界第2位となる425`を達成した。
 両社の動きをしり目に、新幹線の本家ともいえるJR東海は、表面的には動きが鈍かった。300Xの走行試験が始まったのは、昨年1月のことだ。「最新最良の新幹線システム」をテーマに、試験車の製作よりも個別の技術開発に力を注いだからだと説明する。
 92年3月に「のぞみ」が営業運転を始めたばかりのうえ、急カーブの多い東海道新幹線の構造上、時速270`がほぼ限界の速度という事情もあった。
 より大切なのは中央新幹線の実現である。収入の8割以上を新幹線に依存するだけに東海道のバイパス作りは悲願ともいえる。時速500`で東京−大阪を1時間で結ぶリニアモーターカーがけん引車となった。
 しかし、技術開発が一時難航したため、万一、予定通り進まない場合のピンチヒッターとしての役割が課せられたのが、300X。最高450`前後の速度が出せるよう設計された。
 昨年9月、WIN350の記録を3.7`上回る速度を出した。昨年12月、JR東海の葛西敬之社長は「スピード競争をする気持ちはまったくない」と断りながらも、400`帯でのテストの見通しについて、「430`くらいまではいくのではないか」と国内記録の更新を示唆した。
◆300`運転断念◆
 JR東日本側の反応は冷静だ。「フランスの新幹線TGVが500`以上を出しており、しょせんはその範囲内での話。STAR21はかなり使いこんだため、かつてのスピードを出すのは無理だ。新たな投資をしてまで競争をするつもりはない」と、石田義雄・取蹄役運輸車両部長は語る。
 300`での営業運転を早々と断念。技術面では可能だが、騒音対策などに金がかかり、利点が小さいからだという。新幹線通勤者の増加に対応して94年7月から、総2階建てのMaxをデビューさせた。
 東日本の重点は、乗り心地やより多くの人が座れるといったサービスの向上、省エネによる経費節減に移っている。現行の240`(一部区間最高275`)という速度のままでも「航空機との競争で当面、負けることがない」(石田取締役)という読みもある。
 ほぼ役目を終えたWIN350は今春には引退し、老朽化の目立つSTAR21も今年いっぱいで試験を終える予定だ。その後はリニアの実用化が可能かどうかを決断する99年度まで、300Xだけが、ゴールの見えないレースを続けることになる。(朝日新聞)
4日■窓 湖西線の増発住民には朗報 高島町・上山 惟裕(会社員・52)
 湖西地方の半分しか走らない普通電車が多くて”湖西半線”と呼称していたJR湖西線に、3月のダイヤ改正で、一部の新快速が快速化され、近江今津まで延長運転され、増発されることは、沿線住民にとって朗報である。
 私は3年任期の地元高校PTA役員に就任した昨春、湖西線の通勤、通学時間帯の増発、増結を要望しようと提唱したが、先輩の役員から「JRは営利第一主義だから、実現不可能だ」と一蹴(しゅう)され、落胆していた矢先である。
 これで快適な最新車両に乗車できることや、時間短縮化と阪神や播州方面へも乗り換えなしで往復できる利便性から、当地方への観光客の増加や、宅地開発化にも拍車がかかる。
 課題は、取り残された感のある湖西北部と湖北西部の活性化を図るため、北陸線の長浜・敦賀間の直流化であるが、それが当面不可能であれば、交直両用電車を投入し、湖西線経由で京都・長浜間や、京都・敦賀間に普通ダイヤを編成するべきである。
 そうすれば沿線や小浜線の利用者が増加し、京都と若狭が短縮化され、人の往来で湖西地方も活気づくであろう。発展への期待に夢がふくらむ新春である。(京都新聞)
■Uターン道路も座席も悠々 分散化定着 大混雑なく
 正月休みを故郷などで過ごした人たちのUターンが3日、ピークを迎えた。JR京都駅でも家族連れなどが次々と降り立ったが、分散化の影響で大きな混雑はなかった。高速道路も一部で渋滞したものの車の流れは比較的スムーズだった。
 JR京都駅では、午前中から列車が着くたびに故郷の土産など大きな荷物を抱えた人たちが到着した。新幹線は午後から上りが込み始め、同3時45分着「ひかり90号」、同59分着「ひかり116号」が乗車率160%になるなど計9本が150%以上になった。「こだま」には目立った混雑はなかった。
 在来線では北陸方面から午前11時37分に着いた「雷鳥20号」の180%を最高に、特急や急行などがほぼ100%の乗車率だった。同駅では「Uターンは5日ごろまで続くのでは」とみている。
 名神高速道路は大阪方面へ向かう下り線で夕方、草津市・草津バス停を先頭に30`と渋滞したが、同8時には5`と緩和した。一方、大山崎町・天王山トンネルからは26`の渋滞となった。上り線は同時刻に草津パーキングエリア周辺で数`渋滞したほかは順調だった。一般道路では、国道9号で京都方面に向かう車が園部町・河原町交差点で夕方、やや渋滞したものの夜になって解消した。(京都新聞)
■赤字に苦心の”すき間広告” 大阪市営地下鉄 構内の円柱やクーラー提供
 コンコースの円柱も、エスカレーターの側壁も、広告に利用できます−。こんな広告増収作戦を、大阪市交通局が始める。不況の影響で、市営地下鉄は乗客が減って4年連続の赤字。累積赤字は1200億円にのぼる。広告収入は収入全体の4%だが、増収策の妙案がないだけに、「増収の可能性があれはなりふりかまっていられない」と懸命だ。
 現在の地下鉄広告の利用率は車内が96%、駅の看板86%、駅のホームや壁70%。同市交通局でまだ広告用に使っていない場所を深したところ、難波や淀屋橋など主要駅のコンコースの円柱(直径60−80a)やホームの真ん中にある据置型クーラー(高さ2b、幅1.3b)、エスカレーターの側壁に気がついた。
 円柱広告は営団地下鉄(東京)で採用している缶ビール広告を参考にした。クーラーは現在5、6駅にあり、今後も設置が増えることから活用を思い立った。
 同市では、97年に大阪ドームの完成や片福連絡線の開通、なみはや国体の開催などを控えている。広告需要が伸びる要素はあるだけに、現在の広告利用率を十数%上げれは2億円以卜の増収につながると、そろばんをはじいている。(朝日新聞)
■Uターン 渋滞、一部30`以上 空と列車は分散化進む
 ふるさとや海外からのUターンラッシュも冬休みの分散化が進み、駅や空港が人と荷物でごった返す、かつての光景が影を潜めた。とはいえ、大阪方面に向かう高速道路の渋滞は一部で30`以上に。マイカー族のイライラ解消だけはまだ先のようだ。
 大阪方面に向かうJR各線では、3日午後から混雑が始まった。
 新幹線は、博多発東京行き「ひかり42号」が岡山発の時点で自由席の乗車率が170%、「ひかり48号」も140%に。全席指定の「のぞみ」は早朝、探夜を除いてほぼ満席の状態が続いた。
 しかし、JB各線はこの3、4年でUターンラッシュの分散化が定着。新大阪駅でもかつての大混雑はみられず、午後、新大阪駅に到着する新幹線の中には60%程度の列車もあった。
 関西空港は、大きなスーツケースやお土産を手にした乗客で混雑した。
 国内線では、3日午後からの関西空港への到着便のうち、日本航空の札幌や福岡、大分からの便がほぼ満席。また、全日空では夜間に関西空港を出発する東京行きや福岡行きの便が満席になった。
 近畿方面に向かう高速道路は、昼ごろから交通量が増え始めた。名神高速道路は午後6時ごろ、下りが天王山トンネルを先頭に26`の渋滞となったのをはじめ、滋賀県の瀬田付近で20`、彦根付近で10`と渋滞は断続的に続いた。同じころ、中国道上り線では、宝塚西トンネル付近で35`に達した。(朝日新聞)
■電車4本の窓 相次ぎ割れる 明石のJR山陽線
 3日午後4ごろ、兵庫県明石市のJR山陽線土山駅と魚住駅の間で、長浜発姫路行き下り新快速電車(8両、乗客約500人)の前から5両目の右側ガラス10枚と、この電車とすれ違った姫路発野洲行き上り新快速電車(8両、乗客約600人)の前から5両目のガラス9枚が相次いで割れた。
 ほかに上下線各1本の電車の窓ガラスが計5枚割れる事故があった。この事故で、上り新快速に乗っていた同県加古川市加古川町、会社員西川誠さん(22)ら2人が顔などに軽いけがをした。(朝日新聞)
■Uターンラッシュ続く
 Uターンラッシュは4日午前も続き、東海道・山陽新幹線は、午前中、博多発東京行き「ひかり30号」が乗車率120%に達するなど、新大阪駅は帰省客でにぎわった。在来線でも北陸方面からの魚津発大阪行き特急「雷鳥16号」が120%の乗車率だった。同社によると、ピークの分散化がいっそう進んでおり、Uターンラッシュは日曜日の7日まで緩やかに続きそうという。(朝日新聞 夕刊)
5日■京都商議所の移転先 二条駅周辺が最有力 旧国鉄用地 来年にも着工
 京都商工会議所の移転計画が4日、明らかになった。移転先としてJR二条駅周辺の国鉄清算事業団所有地が最有力候補に挙がっている。テナントや関連施設が入居する総合オフィスビルとして今年中に設計、用地の確保を終え、早ければ来年にも着工する。
 京都市中京区の京都商工会議所ビルは、1964年に建設された。地上6階、地下1階延べ約9000平方bの建物は老朽化が激しく、塚本幸一前会頭時代、JR京都駅南に「京都経済センター」を建設、移転する計画だったが、資金難などで断念した経過がある。
 昨年1月に就任した稲盛和夫会頭は、「京都経済センター」構想の抜本的見直しを指示。その過程でJR二条駅周辺の国鉄清算事業団所有地が有力候補として浮上してきた。
 同事業団所有地は3000平万b規模のものが2ヵ所あり、どちらも現在の京都商工会議所の敷地約2500平方bよりも広い。買収費用は両敷地とも約20億円とみられる。都市計画上の用途は商業地であり、容積率も600%と高度利用が可能だ。
 稲盛会頭は「オフィス機能を持った総合ビルとして年内に設計したい」としている。用地確保ができれば、来年秋の地下鉄東西線の開業までに着工したい考え。
 移転に伴い、現在の京都商工会議所ビルをどうするかなどはまったく白紙。また、用地買収のための費用についても検討を進めている。(京都新聞)
■関西私鉄5社 正月ほぼ好調 輸送実績を発表
 関西の私鉄大手5社は4日、昨年12月31日から正月3日までの輸送実績を発表した。昨年9月の運貨改定もあり各社とも対前年より収入増となりおおむね好調だった。
 輸送人員は、南海電鉄が前年比約2%減、また阪神大震災の影響で阪神電鉄もわずかながら昨年実績を下回ったが、阪急、近鉄、京阪各社は増加した。
 各社とも、期間中に好天が続き初もうでや行楽客が増えたためと分析している。また南海は輸送人員減について、前年の関西空港開港フィーバーが通常に戻ったためとみている。(京都新聞)
■JR舞鶴線・小浜線2.3`間 高架工事、今夏に完成 東舞鶴駅舎新築も着手へ
 京都府とJR西日本の手で進められいる舞鶴市東地域の舞鶴線・小浜線高架工事が、今年の夏に完成する。
 東舞鶴駅を中心に、西側の舞鶴線と東側の小浜線合わせて2.3`を、高架と盛り土の上に乗せ、鉄道による市街地の南北分断を解消するのが目的。4ヵ所の踏切をなくし、高架下に道路を設ける。平成4年6月に着工した。
 工事は、一部地盤の軟弱な部分を盛り土から高架方式に変更したことなどから数ヵ月間遅れている。それでもすでに、高架部分など構造物の多くが目に見えるかたちになった。高架事業のポイントのひとつとされた府道七条陸橋取り壊し工事も進行中。
 合わせてこれから、東舞鶴駅の新駅舎建設も行う。新しい駅舎は現在位置より30b南の高架部分に建てられる。鉄骨一部コンクリート造りで、外装にはレンガ調の建材を使うほか、出入り口のひさしの上にはヨットの帆をアレンジした大きな三角錐(すい)の飾りを置き、舞鶴らしい感じを出す。出入り口は南北両側に設け、自由に通り抜けできるようにする。
 府舞鶴土木事務所は「駅舎を含め夏には高架事業が完成するが、詳しい開業の日取りはダイヤ改正との関連もあり、今後JRと相談する」と言っている。
 東舞鶴駅前では、21.5fにわたる市の区画整理事業も進行中で、高架の完成とあいまって一帯は面目を一新する。(京都新聞)
■窓 エレベーター 位置は統一を 島本町・草鹿佐恵子(無職・35)
 実家へ行ったり、植物園などへ遊びに行くのに、よく京都の地下鉄を利用する。ベビーカーを押し、上の子の手を引いての移動なので階段は大変だが、地下鉄にはエレベーターがあるのでありがたく利用させてもらっている。
 ところが困るのは、エレベーターの位置が駅によって異なっていることだ。乗った駅と降りる駅とで違っていると、エレベーターを求めてホームの端から端まで、階段へ向かう人の群れに逆らって歩かなければならなかったりする。私たちならともかく、真にエレベーターを必要とするのはお年寄りや足の不自由な人など、歩くのがつらい人のはずだが、そうした人にホーム上での移動を強いるとは「人に優しく」ない設計である。
 私鉄やJRではエレベーターのない駅の方が多いのだから、各駅にエレベーターを設置している地下鉄は「まし」ではあろう。だが、利用する人の使いやすさというソフト面は考慮せず、とりあえず施設というハードだけ造ればいいだろうという発想はいかにも「お役所」的である。高齢化社会がキーワードとなる21世紀をひかえ、利用する人の立場に立った、真に「人に優しい」街づくりを、ふるさと京都にはぜひお願いしたいと思う。(京都新聞)
■窓 掛け額字まで左書きとは… 野洲町・高原 有山(画家・70)
 戦後の国語、漢字は日本文化を駄目にしてしまった。英語や仮名文字を使わなければ、文化人の仲間に入れてもらえないような錯覚さえ覚える。その上掛け額の字までが左書きが見られるようになった。
 このほど、JR比叡山坂本駅に関係宗の管長さまが「忘己利他」(己を忘れて他を利するは、慈悲の極みなりの前段らしい)を左書きで揮ごうされ、除幕されたと聞いた。英語ならいざ知らず、まして仏教の母体・比叡山のひざもと、掛け額字は右から揮ごうすべきでしょう。
 テレビ番組の茶化(ちゃか)した額字は別として、額の字はすべて縦書きである。縦書きのため最初の一字からすぐ次の字へ移るので横書きのように見えるが、立派な縦書きである。まして落かんが右下にあることはナンセンスとも言うべきである。(京都新聞)
■「こだま」今世紀中に一新 JR西日本独自開発へ 速さより快適さ重視
 JR西日本は1996年度から、新幹線「こだま」に代わる新型車両の独自開発に乗り出す。老朽化した車両を一新し、高速バスやマイカー、他社の在来線などから通勤通学客を奪い返す狙い。「速くなくてもいいから、より多くの乗客が快適に移動できる」が開発にあたっての考え方で、航空機に対抗してスピードばかりが求められてきた新型新幹線のイメージを打ち破る車両になりそうだ。2000年までに山陽新幹線で営業を始める予定。
 現在、「こだま」は山陽新幹線で1日上下81本が運行し、1日平均で片道約5400人が利用している。81本のうち77本は新幹線では最も古い0系と呼ばれる型の車両で、多くが製造から20年以上たっている。このため新しい車両の製造が求められていた。
 また新幹線の場合、阪神大震災で不通が3ヵ月間続いたことや、関西空港の開港で空路に客が流れたことなどから運賃収入が減り続けている。加えて、「こだま」の福山−広島間は高速バスやマイカーに、小倉−博多間はJR九州の在来線に乗客を奪われ、乗車率は低迷しているのが実情だ。
 新型車両の開発は96年度から開始し、97年度から設計作業に取りかかる。新しい「こだま」は、「のぞみ」などの車体に用いられているアルミより割安な鉄を材料にしてコスト削減を図ることや、JR東日本が開発した新幹線「Max」のような2階建てにして乗車定員を増やす方向で検討される。
 JR西日本は、「のぞみ」を超える時速300`の新型新幹線車両500系を開発し、今年秋以降に営業運転を始める予定で、21世紀には山陽新幹線の様子が一変しそうだ。(朝日新聞)
■湖西線特急など遅れ
 5日午前9時ごろ、滋賀県滋賀郡志賀町のJR湖西線近江舞子−北小松駅間で、大阪発新潟行き特急雷鳥13号が、突然電源が切れたため停車した。運転士が調べたところ、6両目のパンクグラフを伸ばす圧縮空気のパイプにエア漏れが見つかったため、安曇川駅で故障を修理し、約1時間遅れで発車した。(京都新聞 夕刊)
■雷鳥13号 立ち往生 湖西線
 5日午前9時5分ごろ、滋賀県滋賀郡志賀町のJR湖西線近江舞子−北小松駅間で、大阪発新潟行きの特急雷鳥13号(9両編成、乗客350人)の電源が切れ、突然停車した。6両目のブレーキが故障しており、応急措置をしたうえ運転を再開。安曇川駅で検査を受け、63分遅れで同駅を出発したが、金沢駅で運転を打ち切った。この事故で、後続の特急など3本も6分から19分遅れ、1200人の乗客に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
6日■窓 各駅停車の旅 残念なマナー 大津市・方山 直(教員・44)
 冬休みの一日「青春18きっぷ」を利用して、日帰りで静岡県まで行ってみた。各駅停車の電車に乗り、ゆったりした気分で景色を楽しみながらの旅であった。
 普通や快速電車なら、1日乗り放題で1枚あたり2000円ちょっと、という安さの切符は、若者を中心に結構人気の商品のようだ。一刻も早く目的地に着くためではなく旅のプロセスを楽しむ、この切符を利用して若者たちが日本列島を旅して回るのは、とてもよいことだと私も思う。
 事実、今回も若者たちが大きな荷物を持ちながら、この切符を見せて駅の乗り降りをしているのを見た。しかし、残念だったのは電車の中が混雑していても、荷物を網棚に乗せることもなく、平気で座席に置いたまま、という者もいたということだ。せっかくすばらしい旅をしているのだから、すばらしい旅のマナーも心がけてほしい、と思った。(京都新聞)
■阪急中津 列車にはさまれ死亡 狭いホームから男性転落
 5日午後7時8分ごろ、大阪市北区中津三丁目の阪急中津駅の神戸線ホームで、神戸市北区有野町唐櫃、会社員橋本広幸さん(32)がホームから約1.3b下の線路上に転落し、入ってきた三宮発梅田行き普通電車(8両編成、乗客約100人)の1両目とホームの間にはさまれた。大阪市消防局の救助隊が約20分後に助け出し、病院に運んだが、橋本さんは胸などを強く打って、間もなく死亡した。
 大阪府警大淀署の調べによると橋本さんは、ホームの南端から約20b付近で線路上に落ちた後、自力ではい上がろうとした。入ってきた電車は急ブレーキをかけ、停止しようとしたが、間に合わなかったという。同署は、橋本さんが誤って転落したのではないかとみて、調べている。
 ホームは幅3.1b。事故当時、ホームには乗客がほとんどおらず、駅員もいなかったという。(朝日新聞)
■電車に挟まれ 男性が死亡 阪急・中津駅
 5日午後7時10分ごろ、大阪市北区中津三丁目の阪急電鉄神戸線中津駅上りホームで、停車しようとした三宮発梅田行き普通電車(8両編成)とホームの間に男性が挟まれた。約20分後、大阪市消防局のレスキュー隊員が男性を救出したが、収容先の病院で死亡した。大淀署の調べでは、男性は神戸市北区有野町唐橿、会社員橋本広幸さん(32)で、橋本さんはホームを歩いているうちにふらつき線路上へ転落、自力ではい上がろうとホームに手を掛けているところに電車が接近。運転士が急ブレーキをかけたが、間に合わなかったらしい。
 事故当時、ホームにはあまり乗客はいなかったという。電車は約35分停車。この間、神戸線は十三駅と神戸方面で折り返し運転をしたが、大きな混乱やトラブルはなかった。(京都新聞 夕刊)
7日■JR西日本 今秋上場か 株価回復、業績も好調
 阪神大震災の影響や株価低迷で見送られていたJR西日本の株式(発行済み200万株)の上場が、今年10月以降に実現しそうだ。
 業績好調で上場基準を満たす可能性が大きい上、株式市況も回復の兆しが出てきたため。約27兆円の旧国鉄長期債務を抱える国鉄清算事業団と運輸省は「このチャンスに株を売って少しでも債務を減らさなければ」と意気込んでいる。
 JR西日本は1995年度中に上場する予定で準備していた。しかし昨年1月の阪神大震災で大打撃を受け、95年3月期決算は経常利益が204億円と上場基準の400億円を大きく下回った。しかも株式市況の低迷で大蔵省も難色を示し、今年3月末までの上場は見送られた。
 しかし昨年末ごろから平均株価は上昇、最近は2万円台に回復した。運輸省は「市況はもう大丈夫。今度こそ売る」(鉄道局幹部)と強気だ。業績も震災復旧後は好調で井手正敬社長は「基準は必ず達成できる」と自信を深めており、10月以降の上場を目指す。
 ただ、大蔵省は「株価の回復基調が定着したのかどうかは分からない」(証券局)と慎重姿勢を崩していない。証券界にも慎重論はあるが、一方で「久々の大型株なので投資家の意欲を引き出す効果がある」との期待の声も強い。
 株価について市場関係者は「JR西日本は安定しているが、利益水準が高いわけではなくやや面白みに欠ける。極端な高値は付かない」と分析している。(京都新聞)
■レンタカーに価格破壊の波 JR系の「半額」機に 各社、知恵絞る 「乗り捨て料金」タダ/身障者割引/季節・曜日料金…
 海外に比べて割高なレンタカー料金を半額に−。国内旅行の不振のばん回策にと、JRグループが、駅前で扱うレンタカー料金の「価格破壊」に乗り出し、レンタカー業界が揺さぶられている。JRに刺激を受けた各社は、伸び悩む市場のテコ入れに価格やサービスでの競争に動き始めた。
 JRグループの駅レンタカーでは、大衆車のカローラ、サニークラスの貸出料金を1995年4月から、1日乗り放題で6800円と、従来の料金のほぼ半額にした。2日目以降も6000円と2400円値下げ。JRの乗客に限るが、発売後、ここ3年ほど微減だった貸出台数が、前年比15%増と盛り返した。
 JRの担当者は「米国に比べれば3倍以上の料金を何とか安くするのが課題。車種を限った値下げだったが、話題を呼び宣伝効果もあった」。今後、人気の高いアウトドアタイプのRVやワゴン車も値下げを検討している。
 JR自体は車を持たず、レンタカー会社から車の提供を受ける取次店。JRの攻勢に、レンタカー大手のトヨタレンタリース、ニッポンレンタカーサービス、日産カーリースの3社は、値下げの対象となっている大衆車の提供を拒んだ。「今は限定した車種での引き下げだが、これが引き金となって価格破壊につながるのは困る」(ある大手レンタカーの担当者)というのが本音のようだ。
 しかし、JRの「価格破壊」の余波は業界に広がっている。マツダレンタリースは業界で初めて、96年4月から10月に限って北海道で、これまで借りた地点からの距離が100`あたり6000円かかっていた乗り捨て料金をタダにする。運輸省が15日以内で出発地に戻すという規制を廃止したのがきっかけだ。
 JRへの提供を拒む業者も独自のサービスに知恵を絞る。日産カーリースは冬の閑散期の需要を掘り起こすため、2月末まで優良ドライバーを2割引きにした。ほかにもインターネットを使った予約制度、体の不自由な人への35%割引を始めた。
 業界第2位のニッポンレンタカーはきめ細かな料金体系を作るため、96年9月をめどにコンピューターシステムを見直す。航空業界で行われているように、早めに予約した人やリピーターに対する割引制度を充実させる。地域や季節、曜日、時間などに応じて、「すいている時は安く」を徹底させる料金制度を検討している。(朝日新聞)
8日■券売機前に硫酸まく? JR新宿駅 2人が転倒・やけど
 7日午後6時55分ごろ、東京都新宿区のJR新宿駅東口改札近くの自動券売機の前で、切符を買おうとした女性(55)が転倒し、手や足に軽いけがをした。近くにいた会社員の男性(35)も足にけがをした。券売機の前の床には、茶色の液体が幅約3bにわたってまかれており、この液体に触れたために軽いやけどをおったり、かぶれたりしたらしい。東京消防庁と新宿署は、液体は硫酸とみて傷害事件として調べている。
 調べでは柱のかげに清涼飲料水のビンが倒れていた。液体はこの中に入っていたらしい。同署などは何者かがこのビンに入っていた薬品をまいて立ち去った可能性が高いとみている。女性らがけがをする直前には、50歳ぐらいの男性が巡回中のガードマンに「切符売り場の前でガラスビンが倒れ飛び散った液体でズボンに穴があいた」と訴えたという。
 両足に軽いやけどを負ったという都内の男性の会社員は「友人と待ち合わせのために券売機の前にいったところ地面がぬるっとして転倒しそうになった。その際、ズボンのひざのあたりに液体がはね、しばらくすると、ズボンに穴が開き、ひりひりとした痛みが出てきた」と話した。(朝日新聞)
■列車にはねられ幼女が死亡 綾部
 7日午後4時10分ごろ、綾部市野田町下赤谷のJR山陰線で、同市野田町上赤谷、会社員大槻菊夫さん(44)の長女文香ちゃん(2つ)が、園部発福知山行きの普通列車にはねられ、全身を強く打って死亡した。
 綾部署の調べでは、文香ちゃんは、母親(35)と長男(5つ)といっしょに3人で、隣の家に犬を見に行っていた。母親と長男が自宅に戻った後のわずかな間に、約70b北の線路まで1人で歩いて行き事故にあったらしい。
 現場は地元の人たちが線路を横切る際に利用するあぜ道で、遮断機などはなかった。(朝日新聞)
■京都市バスに追突 乗用車の男性死亡
 8日午前7時5分ごろ、京都市東山区五条通川端東入ルのバス停前で、宮崎県西臼杵郡高千穂町岩戸、建設作業員佐保瀏さん(52)の乗用車が、醍醐車庫行きの市バス=永井信好運転手(49)=に追突した。佐保さんは頭などを強く打ち、間もなく死亡した。バスの乗客8人にけがはなかった。
 松原署によると、市バスはバス停に停車し、乗り込んだ乗客が座席についた直後だったといい、佐保さんが前をよく見ていなかったのではないかとみて原因を調べている。
 乗客は後続のバスに乗り換えた。(京都新聞 夕刊)
■始業式の朝に自殺? 電車にはねられ死亡 神戸で高1女生徒
 8日午前7時40分ごろ、神戸市須磨区須磨浦通二丁目のJR山陽線須磨−鷹取間の西天神踏切(警報機、遮断機つき)で、兵庫県立高校1年生(16)の女子生徒が、網干発野洲行き新快速電車にはねられ、即死した。兵庫県警須磨署は、所持品の中から家族にあてた遺書らしきメモが見つかったことから、自殺の可能性があるとみて調べている。この日は始業式で、女子生徒は制服姿だった。
 調べでは、女子生徒は、線路北側から踏切内に入り、うつぶせになった。電車の運転士が非常ブレーキをかけたが間に合わなかったらしい。メモはノートの1ページを切り取って表と裏に書かれていた。
 同校は「最近変わった様子はなく、自殺の原因になるようなことは思いつかない」と話している。
 この事故で、新快速電車など計23本が23−3分遅れ、3万7000人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
9日■年末年始乗客 前年比4%増 JR西日本まとめ
 JR西日本は8日、年末年始期間中(12月28日−1月7日)の列車利用状況をまとめた。天候に恵まれ、初参り客の出足が好調だったことなどから、在来線、新幹線を合わせた乗客総数は、298万人と前年を4%上回った。
 期間中の乗客総数は、新幹線が144万7000人(前年比101%)、在来線が153万6000人(同107%)。在来線では、年末の大雪で車を利用しにくかったローカル線区で利用者が増え、智頭線の姫路−上郡間では12月28−1月1日に、前年比34%増を記録。同じく山陰線は15%増、湖西線も9%増だった。
 正月3が日の近距離切符の発売枚数は、大阪駅24万9000枚、京都駅8万8000枚、稲荷駅2万枚など。(京都新聞)
■強風で運転見合わせ JR山陰線余部鉄橋
 8日午後5時半ごろ、兵庫県城崎郡香住町余部、JR山陰線余部鉄橋の風速計が22bを記録、その後も強風が吹き荒れたため、JR西日本福知山支社は、同鉄橋の運転を見合わせた。
 この影響で鳥取発大阪行き特急「エーデル鳥取」などが区間運休したほか、京都発米子行き特急「あさしお7号」が1時間20分遅れるなどダイヤが乱れた。(京都新聞)
■よみがえれ神戸 私の提言 199 阪急の再出発@ 困難乗り越え車両復線 三津澤 修
 今回の地震で、駅ビル、橋りょう、高架橋の崩壊や本線・車庫での車両脱線など想像を絶する被害を受けました。1月17日の地震直後より、脱線や駅間で停止した車両の状況把握に奔走し、その後は踏切上に停止した車両を移動するとともに、翌日始発からの梅田−西宮北口間運転再開の準備に当たりました。施設関係の復旧状況を見ながら、車両関係の本格的復旧作業を開始しました。
 また、伊丹駅では倒壊した駅ビルの中に閉じ込められた警察官の救助を最優先し、ビル屋上ホーム部で脱線した2列車をクレーンでつり上げ、撤去していきました。三宮付近の高架上では脱線した列車の全車輪を1ヵ所ずつ復線させる作業を行いました。
 一方、宝塚南口付近の高架上でも列車が全車脱線していましたが、復旧用に手配したクレーンが交通渋滞のため翌日に到着し、1日遅れで復旧作業にかかりました。あと残すところ1両という時にクレーンのアームが届かず、緊急用脱線復旧機で復線することになりました。急こう配、急カーブで脱線し横転しそうな車両を復線するのは技術的にもかなりの難度で、遅れに対する焦燥感と不眠不休の疲労感とが重なり、作業が思うようにはかどりません。ようやく復線できたのは開始後3日目でした。
 当面の車両復旧作業も一段落した2月初め、御影−王子公園間の部分開通区間の運行車両として西宮車庫から正雀工場を経由して40両を搬入することになりました。御影駅以西は線路は分断されたままで、一般道路を通っての搬入となりました。車両を積んだトレーラーは深夜に正雀工場を出発し、途中、道路の陥没や橋脚崩壊のため、う回路を取り、数時間かけ王子公園駅横の搬入場所に到着しました。分離して送ってきた台車と車体をクレーンで一つずつつり上げ、一段上の高架上に降ろし、その場所で台車と車体を組み立てます。作業は寒風、雪まじりの中、昼夜を徹し組み立てた車両を次々と本線へ送り込みました。車両は架線が送電されていないため自力走行ができないので、偶然その区域に留置してあった砕石運搬用気動車を急きょ流用し六甲駅へけん引しました。
 各所で行った被災車両の移動方法だけをみても軌道走行用クレーン車や携帯用手動式ウインチ、電動式ウインチなど、平常では考えられない機材を次々と採用しました。追いつめられると現場の知恵はどんどんわいてくるものです。部分開通後には安全確保のため、設備のない現地で過酷な条件のもと、車両の検査を昼夜を問わず行いました。また、乗客のみなさんに少しでも気持ちよく乗車いただくために近くの自衛隊から分けてもらった水をバケツリレーで運んで車両清掃を続けました。
 早期の全線開通に向けての情熱と使命感、それに乗客のみなさんの熱い期待が復旧作業者の体力、精神力を支え続けたのだと思います。時間の経過とともにこのかけがえのない経験や教訓が過去の事として忘れ去られないように次代へつなげていきたいと考えています。
 みつざわ・おさむ氏 1951年生まれ。75年、阪急電鉄入社。運輸部宝塚線運輸課長を経て、現在、車両部管理総括調査役(車両関係設計管理者)。(京都新聞)
■山陽新幹線 地震に備え高架補強 岡山以西は一部に限る
 JR西日本は8日、山陽新幹線で、阪神大震災で被災しなかった既存の高架橋の耐震補強工事に1月中旬から取りかかると発表した。運輸省の計画に基づくもので、3年間で高架橋の柱1万5300本に鉄板を巻き、1700基の橋脚で橋げたが落ちないよう工事する。同社は、補強した部分は阪神大震災と同規模の地震に耐えられる、としているが、新大阪−岡山間ではほとんどの柱に鉄板を巻くのに対し、岡山以西はごく一部に限られており、全体的な耐震補強は今後の課題に残された。
 柱の補強は厚さ6_の鉄板を巻いて間にモルタルを注入するやり方で、震災の復旧工事と同じ工法。落橋防止工事は橋脚1基につき、4ヵ所で橋げたと固定する。鉄板巻きは3年間、落橋防止は2年間で工事を完了させる計画で、工事費は約300億円。
 鉄板が巻かれる柱は、新大阪−岡山間では、1万8200本のうち、すでに復旧工事で鉄板を巻いているものなどを除いた1万4800本。岡山−博多間では2万500本のうち4つの活断層が走る部分の500本。同社は「岡山以西は新大阪−岡山間より柱の帯鉄筋を太くするなど厳しい耐震設計で造られており、これ以上補強個所を増やすことは考えていない」という。(朝日新聞)
■年末の大雪が幸い? JRの利用客増える
 年末年始のJRや空の便の利用客は、いずれも前年を上回ったことが8日、わかった。
 JR旅客6社によると、年末年始(12月28日−1月7日)期間、新幹線を含む全国の主要50線区の特急、急行の利用者は約1179万人で、前年より2%増えた。年末年始の旅客数が前年を上回ったのは、2年ぶり。
 JR西日本では、1年前に開業した智頭急行線を走る山陰へのアクセス特急「スーパーはくと」や関西空港特急「はるか」などが好調で、新幹線と在来線を合わせて、前年より4%増の約298万人が利用した。同社は、年末の大雪でマイカーでの帰省をあきらめた人が多かったことと、3が日が天候に恵まれたことが主な原因とみている。(朝日新聞)
■関空連絡橋 強風でストップ
 年明けの穏やかな天気が一転し、西日本を8日、強い風や雪が見舞った。瀬戸大橋を通る自動車道は通行止めになり、JRや空のダイヤも乱れた。9日は雪の影響が一段と広がりそうだ。
 関西空港では雪などの影響で北海道方面を中心に日航と日本エアシステム(JAS)の関西空港離着陸計7便が欠航。日航、全日空、JASの関空着陸計14便に2時間半から20分の遅れが出た。兵庫県豊岡市の但馬空海でも強風のために但馬−大阪の1往復が欠航した。
 関西空港と対岸のりんくうタウンを結ぶ連絡橋では、午後3時50分ごろと、8時20分ごろの2回にわたって、風速25b以上を観測したため、同橋を走るJR西日本と南海電鉄が一時、運転を見合わせた。このため、JRは特急「はるか」など上下18本が運休、南海も特急「ラピート」など上下23本が運休し、合わせて約5150人が影響を受けた。(朝日新聞)
10日■田辺京都市政6年半の軌跡 景観・健康に個性発揮 地下鉄で巨額借金 緊縮財政。事業に足カセ
 「健康都市づくり」を掲げた京都市の6年半にわたる田辺市政が、幕を閉じることになった。三山保全など景観行政に力を注ぎ、一定の成果を挙げた半面、前市政から引き継いだ地下鉄東西線の建設費膨張が任期中に明らかになるなど、膨大な借金を抱え込み、財政危機に陥った。緊縮財政下で独自の政策を打ち出すのに苦労し、リーダーシップを発揮する場面も少なく「市長の顔」の見えにくさを指摘する声もあった。
 1991年11月に立てた健康都市構想は、田辺朋之市長が医師としての思いを街づくりの総合的指針として具体化したものだった。
 「人が主役、健康が尺度」を理念とし、保健や医療、福祉など「人の健康」や、人権など「地域と社会の健康」、景観や防災、リサイクルなど「都市と自然の健康」まで視野に収めた構想だった。が、その幅広さのために分かりにくさを伴ったことも否定できない。
 「人の健康」に関しては、93年6月に京都市健康増進センター(南区)を完成。昨年3月には高齢者や障害者も安心して生活できる施設、交通機関などの整備基準を定めた「人にやさしいまちづくり要綱」を策定した。現在、中京区にこころの健康増進センターの建設も進めている。
 「市長になってから、山に囲まれた京都の街が一層好きになってくる」。そう話していた同市長が格別の思い入れをみせていたのが景観保全行政だった。
 バブル経済さなかの89年12月、大文字ゴルフ場に慎重姿勢を示して業者を開発断念に追い込んだ。比叡山の乱開発に対して行政代執行も決断した。
 まちづくり審議会による三山保全の答申を受けて、ポンポン山のゴルフ場開発にも「ノー」を突き付け、93年10月にはゴルフ場開発を全面禁止に持ち込んだ。
 さらに昨年3月には、市街地から見える山並みの景観を守る「自然風景保全条例」を制定。同7月には送り火五山の凍結的保存へ全山を歴史的風土特別保存地区に指定する素案をまとめた。都市計画決定は今年6月ごろだが、三山保全への道筋をつけたといえる。
 91年1月には、市北部を保存、南部を開発重視型とするまちづくり試案を発表した。高度集積地区の整備方針はまだ出ていないが、まちづくりについての市民の合意形成へ一石を投じた。
 一方「モヒカン刈り」とされた一条山の乱開発や、JR西日本による小倉山への残土放置を追認するなど、違法行為に対して毅(き)然とした態度を取り切れないもどかしさも見せた。
 前市長から引き継ぎ、平安建都1200年記念事業の目玉として94年度の完成を目指した地下鉄東西線建設では、就任以前の見積もりの甘さがあったとはいえ、度重なる設計変更で約2270億円もの建設費膨張を許した。
 建設費は当初の約2倍にも上ったうえ、開業は97年11月にずれ込み、自らを含む特別職4人に半年間、10分の3の減給処分を課した。
 「地下鉄建設では本当に苦労をした」。財政的なめどをつけるのに走り回った田辺市長はかねがねそう述懐していたが、辞任を表明した9日の記者会見でも6年半で最も印象深かったこととして「東西線を来年11月に開業する見通しを昨年8月に市民のみなさんに報告できたこと」を挙げた。
・陛開かれた市政、道半ば
 建設費膨張の影響で、市債残高は本年度末には7000億円に達する見通しとなるなど、京都市は深刻な財政危機に陥り、独自の事業を展開しにくい事態となっている。
 下水道事業もやはり建都1200年をめどに市街化区域の100%敷設を目指し、実現を果たしたものの、急ピッチの建設工事によって5105億円(昨年度末)もの未償還企業債を抱え込んだ。
 バブル経済は任期中にはじけた。92年1月に観光基本構想、昨年5月には製造業を軸とした産業振興ビジョンを策定した。だが、地元経済はなお円高不況にあえいでおり、産業の高度化など振興策の具体化までには至っていない。
 文化行政では、昨年10月、京都コンサートホールを開館、市民待望の文化施設を誕生させた。
 田辺市長は、庁外出身者として「市民に開かれた清新な市政」「分かりやすい市政」を掲げて当選、市役所に新風を吹き込むことを期待された。
 91年6月には公文書公開条例を制定。今年の年頭訓示でも「市民と目線を合わせ、心を通わせた市政の実現」を訴えるなど、機会あるごとに口にしたが、市民と市役所の距離を縮めるという市政の重要課題は、後任の市長に残された。
・市長退職日は29日
 9日に辞任した田辺朋之京都市長は、地方自治法の規定により、実際の退職は今月29日となる。同法によると「退職しようとする日の20日前までに議長に申し出る」ことになっている。また、退職に合わせ29日付で職務代理者を告示、同代理者は次の市長の当選が決定する日まで務める。(京都新聞)
■定期券の不正使用許しません 来月から新改札システム 京阪電鉄が導入
 京阪電鉄は、定期券を使った不正乗車を完封する新しい改札方式「定期券入・出場確認システム」を来月1日から大津線(京津線、石坂線)を除く全線で導入する。
 新システムは、乗客が定期券を入場駅の自動改札機に入れた際に、裏面に入場日と時間、駅名などの情報を磁気入力する。出場駅の自動改札機でこの情報を調べて、定期券が正しく使われたかどうかを判定する。不正が分かると赤ランプとチャイムが作動し、シャッターが閉まる。
 出場時には、入場情報のチェックと共に出場時間や出場日などの情報が同時に入力されており、次の入場の際にまたチェックされる。
 新システムの運用開始にあわせ、入場券の使用条件も変更、「入場から2時間以内」に制限する。
 京阪電鉄では、定期券や入場券を使った不正乗車による損失は、年間に5−6億円と試算しており、今回のシステム導入でそのほとんどを防げる、とみている。(京都新聞)
■よみがえれ神戸 私の提言 200 阪急の再出発A使命感燃え大劇場再開 久保 孝満
 1995年5月5日の夜−。それは、私にとっては、あの地震の瞬間に次ぐ忘れ得ぬ晩となりました。震災当時、宝塚大劇場は花組公演『哀しみのコルドバ』&『メガ・ヴィジョン』を上演中でした。これは、折しもそれまでトップスターを務めていた安寿ミラと森奈みはるコンビの退団に伴うさよなら公演でもありました。
 そこに起きた大震災。宝塚も激震の震度7を記録し、2年前に新築が成った大劇場も回り舞台やセリが大きくゆがみ、大道具をつるす鉄枠は曲がり、スプリンクラーの破損により貴重な衣装群の多くが水浸しとなりました。
 数多くのタカラジエンヌたちは幸い全員が無事でしたが、宝塚バウホールの細川支配人らが亡くなりました。ライフラインの復旧や劇場の再開の見通しが立たないため、全生徒を一時的に自宅へ帰宅させることとなりました。トップスターまでもが十数`の道を徒歩で帰っていきました。その後ろ姿は今でも忘れることはできません。
 その一方では、各施設の震災で受けた被害状況の把握とその復旧作業が連日、夜を徹して進められました。しかしながら劇場や遊園地というのは一般的な建築物ではなく、すべてが特殊な特注品ばかりで構築されており、非常時下での作業は困難を極め、大劇場の再開が何ヵ月先になるか誰(だれ)にも予測できませんでした。
 劇団としてはこのような時期だからこそ「歌劇の火」を絶やしてはならないという使命感とトップスターのさよなら公演を成就させてやりたいという思いが交錯していました。こんな折、細川たかし氏から自分の公演期間を折半してもよいという、ありがたい申し出があり、大阪の劇場飛天での引っ越し特別公演が3月18日から実現しました。
 また、本拠地宝塚では2月28日からは、被災の軽かったバウホールが花組公演で再開し、続いて遊園地が3月1日から、さらには、いよいよ大劇場が同月31日に開場しました。各部署での苦闘による震災後74日目のスピード復旧でした。
 私たちの事業は、基本的には衣食住が満ち足りて初めて成り立つものであり、今回のような非常時では、その存在自体に疑問を持ったことも少なからずありましたが、劇場の再開初日に被災地から駆けつけてくださったお客様が涙して観劇されている様子を垣間見てその思いも払しょくされました。
 宝塚歌劇という世界の中でも独特の文化は、苦難に遭遇した愛すべき阪神間や震災で亡くなった人々を悼むだけでなく、これから生きていく人たちへのエールにしてゆきたいと思います。
 5月5日の夜に、ようやく大劇場で安寿ミラらの特別さよならショーが開催されました。これまでの選択はベストではなかったかもしれませんが、震災後の混乱の中でトップスターの退団という花道をやっと用意できたとの思いでいっぱいでした。
 くぼ・たかみつ氏 1959年生まれ。82年、阪急電鉄入社。事業宣伝畑を経て、現在は宝塚歌劇団プロデューサー。いままでに「ブラックジャック危険な賭け」「火の鳥」「エデンの東」などの22作品やロンドン公演を担当。(京都新聞)
■府南部発 関空直行バス 乗客数大幅に増 年末年始輸送まとめ 前年比14%も 1便当たり3割アップ トップは5日の232人
 京阪宇治交通は9日、府南部と関西国際空港を結ぶリムジンバスの年末年始(昨年12月23日−1月7日)の輸送実績をまとめた。総輸送人数は2725人で前年同期比14%増、1便当たりでは約3割増の17人と好調な結果となっている。
 まとめでは、期間中の輸送人数は関空行き1284人(前年同期1165人)、宇治行き1441人(同1217人)といずれも増加し、計2725人に。1日平均でも170.4人(同148.9人)に増えた。
 運行本数は、前年は臨時便を増発して182便だったが、今夏、定期便を増やしたため臨時増発は行わず160便に減少した。
 しかし、乗客数が増えた結果、1便当たりでは17人(同13.1人)、29.8%の大幅アップとなった。
 期間中、利用が多かったのは5日の232人がトップ、次いで7日の216人、3日の214人となっており、旅行からの帰途に乗車する人が目立っている。また、前年は空港見学に出掛ける人の乗車も多かったが、今年は実際に空港を利用する旅行者がほとんどだったという。
 同社は好調の要因を▽電車の場合は乗り換えがあるが、バスは直接空港へ行ける▽手荷物を持って移動しなくて済む−など便利さが認められてきたと分析している。(京都新聞)
■「のぞみ」がブレーキ故障 京都駅などで
 9日午前9時半ごろ、東海道新幹線で、東京発博多行き「のぞみ3号」が京都駅に到着する直前、緊急ブレーキが作動した。このため、同駅で乗客約600人を降ろし、後続に乗り換えるよう案内した。列車は新大阪駅で車両を交換し、55分遅れで発車した。
 また、同日午後3時5分ごろ、博多発東京行き「のぞみ14号」が、岐阜羽島−名古屋間を走行中にブレーキがかかったままになった。名古屋駅に56分遅れて到着し、運転を打ち切った。乗客約500人は後続に乗り換えた。(朝日新聞)
■ユーロトンネル融資、邦銀撤退か
 【ロンドン9日=時事】9日付の有力紙ガーディアンは、日本の銀行団が英仏海峡トンネルの事業体ユーロトンネル社に対して所有している債権を売却する方針だと報じた。これが事実とすれば、再建を目指しているユーロトンネルにとって大打撃になる。
 不良債権を専門に取引している英クレッシュ社が明らかにした。債権銀行団(220行)に参加している日本長期信用銀行や東京銀行など邦銀は、日本国内での資金繰りのひっ迫に対処するため、対ユーロトンネル債権を3月末までに売却する方針とみられる。邦銀は債権総額80億ポンド(約1兆3000億円)の25%、20億ポンド(約3300億円)前後を占めている。(朝日新聞)
■サラエボ 路面電車にロケット弾 市民20人死傷 和平に暗雲
 【サラエボ9日共同】ボス二ア・ヘルツェゴビナの平和履行部隊(IFOR)などによると、首都サラエボ中心部のイスラム教徒支配地域で9日午後5時半(日本時間10日午前1時半)ごろ、停車中の路面電車にロケット弾が命中して爆発し、乗客1人が死亡、子供3人を含む市民計19人が負傷した。ロケット弾は現場から数100b離れたセルビア人勢力支配地域グルバビツァ地区から発射されたものとみられ、付近を警備中の平和履行部隊のフランス軍装甲車が20_機関砲などで応戦した。ボスニア和平の調印後、サラエボで多数の市民が死傷したのは今回が初めて。今後両勢力の間で緊張が高まることが懸念されている。
 今回の事件は、今週末に予定されているクリントン米大統領のボスニア訪問に反対するセルビア人勢力側の「意思表示」との見方も出ている。
 地元テレビ局が9日夜伝えた乗客の話によると、電車はほぼ満員で、停留所で乗客が乗降している際、ロケット弾が命中したという。現場は、ボスニア紛争中に多数の市民が狙撃された通称「狙撃手通り」に面した博物館付近の停留所で、壊れた電車の窓ガラスが散乱し、履行部隊の装甲車などが周囲を厳重に警戒している。
 グルバビツァ地区は、和平協定でボスニア政府側に引き渡されることになっており、多くのセルビア人が移住や引っ越しの準備をするなど混乱が続いている。
・関与否定の声明発表 セルビア人勢力
 【ベオグラード9日共同】ボスニア・ヘルツェゴビナのセルビア人勢力政治拠点パレの同勢力指導部は9日夜、サラエポで路面電車にロケット弾が撃ち込まれた事件について、同勢力の関与を強く否定、平和履行部隊(IFOR)に対し早急かつ徹底した調査を実施するよう求める声明を発表した。(京都新聞 夕刊)
■交通網、混乱続く 寒波居座り 余呉で積雪73a
 強い冬型の気圧配置が続き9日から10日午前にかけ、北日本の日本海側や北陸地方、長野県北部や東海地方北部など広い範囲で大雪や暴風となり、交通機関などに影響が出た。荒れた天気は11日朝ごろまで続く見通しで、気象庁は暴風や大雪、波浪に関する警報を出し、警戒を呼び掛けている。
 京都府北部は、10日朝も断続的に雪が降り、舞鶴市街地で42a、福知山市街地で28a、山間部の多いところで75a前後の積雪を記録した。
 京都市内でも昨夜から断続的に小雪となり、この日朝には1aの積雪が路上や屋根を白く覆った。京都地方気象台によると、11日も冬型の天気で寒さが続き、山間部では雪になる所もあるという。
 滋賀県内でも午前9時までに、彦根市29a、余呉町柳ケ瀬73a、伊吹町春照52a、虎姫町40a、今津町37aの積雪。
 この雪で、舞鶴自動車道は前日から、舞鶴西−丹南篠山口間で冬用タイヤ規制と50`速度制限などが続いている。
 またJR山陰線は、この日未明から兵庫県城崎郡香住町の余部鉄橋で、断続的に風速25b前後の強風を記録。JR福知山支社は、同鉄橋を通過する列車の運転を見合わせ、上り特急が遅れるなど影響が出た。
 名神高速道路は上りが栗東以北、下りが八日市以北で通行止め。北陸自動車道は米原から県境まで上下とも通行止めとなっている。国道も湖東、湖北、湖西方面の各線でチェーン規制が続いている。
 彦根、舞鶴海洋気象台によると、滋賀県北部を中心にした降雪のピークは今夜半ごろまで続く見通し。府北部でも10日夜までに10−20aの積雪、回復は12日になる見込み。(京都新聞 夕刊)
■JR四国など 3社が値上げ 初乗り160円に
 JR北海道、JR四国、JR九州は10日、1987年4月に分割・民営化して以来初めての値上げを実施した。値上げ率は北海道が7.0%、四国が6.7%、九州が7.8%。初乗り運賃は、いずれも140円が160円になる。
 不採算路線を多く抱える3社は赤字が予想されたので、民営化時に合計で1兆3000億円の「経営安定基金」が渡され、その運用益で赤字を補てんしてきた。しかし、低金利時代で運用益が減ったうえに、乗客数が伸び悩んだため、値上げに追いこまれた。値上げをしても北海道は赤字が続き、97年度以降は他2社も再び赤字になる可能性が高く、再値上げする恐れもある。
 一方、東日本、東海、西日本のJR本州3社が当面は値上げを予定していないので、国鉄時代からの「全国一律の距離に応じた運賃体系」が崩れた。値上げを繰り返せば客離れをおこしかねず、さらなるリストラが求められているが、将来は経営安定基金の一部を取り崩す案も浮上しそうだ。(朝日新聞 夕刊)
■ロケット弾 市電に命中 サラエボ、7人死傷
 【ローマ10日=宮川政明】ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボで9日夕、市電に小型ロケット弾が命中し、乗客の市民1人が死亡、少なくとも6人が負傷した。昨年12月に北大西洋条約機構(NATO)軍主体の和平実施部隊(IFOR)がボスニアに展開を始めてから、最悪の惨事になった。
 ボスニアのIFORスポークスマンは同日、「グルバビツァ地区から発射された」と述べ、セルビア人勢力支配地域からの砲撃であることを確認した。同勢力側は否定している。市電はスナイパー(狙撃者)通りと呼ばれた大通りを走り、事件当時は多数の乗客を運んでいた。
 ロケット弾が撃ち込まれたあと銃撃が続き、現場近くにいたフランス部隊が応戦した。
 また、ボスニアからの報道によると、サラエボ北部のセルビア人勢力支配地域で、同勢力が自派陣地などを破壊した。目撃者によると、煙が立ちのぼり、爆発音も聞こえたという。
 ボスニア和平協定によって、サラエボ周辺のセルビア人勢力支配地域(人口約12万)がボスニア連邦(モスレム人、クロアチア人の両勢力で構成)の管轄に入ることに、セルビア人勢力側は不満を募らせている。(朝日新聞 夕刊)
11日■地下鉄を防災倉庫に 東京都 食料や医薬品備蓄
 東京都は10までに、現在建設中の地下の「山手線」と呼ばれる都営地下鉄12号線を、震災時の食料などの保管場所や輸送のための防災ネットワークとして活用する構想をまとめた。
 地下鉄の駅ホームの上にある地下空間を活用し、食料や医薬品などを備蓄するほか、被害の出た地区に地下鉄を利用して救援物資を輸送する。地下鉄などの地下構造物は地震に比較的強いとされていることや、12号線が都心部を一周していることに目を付けたもので、都は1996年度から拠点となる駅の選定などの調査をする。
 構想によると地下鉄の建設の際に、地下を掘った後に通常は埋め戻す穴をそのまま残して、防災空間として整備。その中に食料のほか、救出のための資材を保管し、緊急時には人も避難できるようにする。
 防災空間をつくるのは環状部に計画されている26駅のうち、各区ごとに1ヵ所とし、計7ヵ所程度の拠点駅を設ける。
 都は現在、見直し作業を進めている地域防災計画の中に、救援体制の新しいルートとして地下鉄の利用を盛り込むことにしている。
 12号線は東京の北西部、都心部、下町地区、山手地区をつなぐ環状線。環状部は28`で、放射部を含めると総延長は約43`になる。用地確保が難航したことなどから全体の約4%しか工事が進んでおらず、開業時期を当初予定の1997年から2000年中に延期することを決めている。(京都新聞)
■架線切れ一時停電 東海道線に影響 JR・米原操車場
 10日午後零時20分ごろ、滋賀県坂田郡米原町のJR西日本東海道本線米原操車場で、貨物列車の入れ替え中に下り線の架線が切れ、醒ヶ井−河瀬駅間の下り線が停電した。約30分後に送電を再開したが、上下線合わせ計18本の快速、新快速電車が河頼駅や野洲駅などで折り返し運転して部分運休、下り5本が1時間−3分遅れた。この事故で乗客約4000人に影響が出た。
 JR西日本京都支社で断線の原因を調べている。(京都新聞)
■名神・北陸道通行止め解除 日本海側など大雪続く
 日本列島は10日も強い冬型の気圧配置が続き、北日本の日本海側や東海、近畿地方の山間部で大雪となった。寒気のピークは越えたが、この天気は11日まで続く見込みで、気象庁は大雪や暴風、波浪に関する警報を出し、警戒を呼び掛けている。
 気象庁の観測によると、低気圧は北海道の北東にあり東へ進んでいる。12日からは移動性の高気圧が西日本に張り出し、天気は回復しそう。
 10日午後9時までの24時間の降雪量は北海道・下川で35a、山形県・向町で59a、福島県・南郷で45a、滋賀県・柳ケ瀬で34aなど。
 東海道新幹線は、滋賀県米原地方の雪の影響で10日午後も名古屋−新大阪間で徐行運転、上り列車は30−40分遅れて東京駅に到着した。JR東海によると、同区間の徐行運転により上下線合わせて約230本が最大1時間以上遅れ、約11万人の乗客が影響を受け、9日に続き東京、新大阪駅に列車ホテルを用意した。
 雪の影響で一部区間が通行止めとなっていた東名・名神高速道路は同日午後には全線が開通、一部で除雪作業などが続いた。中央、北陸自動車道なども午後には全線が開通した。空の便はこの日、大手4社で計31便が欠航した。(京都新聞)
■私の提言 よみがえれ神戸 201 阪急の再出発B 復旧へ住民と「格闘」も 柿木 浩一
 激しい振動と衝撃が阪神地区を襲いました。阪急電鉄も甚大な被害を受け衝撃的な映像を全国に送り出した伊丹駅の崩壊をはじめ1.6`の西宮高架橋の倒壊や住吉川付近の高擦壁の圧壊、三宮駅ビルの崩壊など被災個所は神戸線を中心に阪急全線に及びました。
 被害規模から当初は全線復旧までに半年とも1年とも思われましたが、阪急電鉄を応援してくださる沿線住民の協力と復旧工事に携わった社員や施工会社の不眠不休の努力によって早期復旧を果たすことができました。その一方で、沿線住民の多くは、震災によって甚大な被害を受けられており、現場は自らの生活を守りたい人々と鉄道の早期復旧により社会的責任を果たしたい鉄道マンの使命感との「格闘」の場でした。
 復旧にあたっては「安全で安心できる電車が最大のサービス」と考えて、被害の大きかった個所は一から新たに作り替えることとし新構造物は従来の構造物の1.5−3倍の耐力を持たせました。地震に強い鉄道に一日でも早く復旧させるためのカギは、新構造物の材料や機材の調達と被災構造物の短期間撤去でした。材料や機材の調達は施工会社の機動力によって解決しました。早期撤去は、西宮、住吉、三宮の復旧工事現場に1日あたりダンプカー約200台、構造物破砕機など約60台という想像を絶する量と規模の重機を全国から投入することによって果たしました。
 約1ヵ月の撤去期間は24時間態勢で臨んだため、沿線住民に辛抱、協力をお願いすることになりました。夜中に眠れないとの意見が来れば現場付近に設けた仮眠所に宿泊してもらったり、ホテルや親せき、知人宅への仮住まいをお願いするなどの対応をとりました。
 また、水道が復旧していなかったため水まきが十分できず、沿線住民にマスクを配布したり洗濯乾燥機を設置して自由に利用していただきました。沿線住民からとりわけ感謝されたのが、「共同震災風呂」の提供でした。
 住吉擁壁付近では2月末まで水道が、3月末までガスが供給できなかったため、自宅や避難所のお風呂(ふろ)が利用できませんでした。給水車を手配し、プロパンガスを利用したお風呂は2、3人がゆったり入れるくらいの広さで、家族や近所の知り合い同士で入浴に来られた人が多く、延べ1500人以上の人が朝10時から深夜2時まで利用されました。
 昼夜を問わず天候を問わず、必死で早期復旧に取り組む鉄道マンや施工会社の作業員の姿から、私利私欲を超えた「なんとかしたい」という気持ちが沿線住民にも十分伝わったものと確信しています。
 現場での「格闘」の積み重ねによって、当初予定より早い6月12日に全線復旧となりましたが、今も沿線には震災のつめ跡が深く残っており、鉄道の早期復旧によって震災復興が加速されることを切に望んでいます。
 かきのき・こういち氏 1947年生まれ。73年、阪急電鉄入社。鉄道土木技術者として連続立体交差化、新線建設工事に携わる。現在、鉄道施設部管理総括調査役(鉄道設計管理者)。(京都新聞)
■耐震補強の工事始まる 山陽新幹線高架橋
 JR西日本は11日、岡山市内で、阪神大震災を教訓に山陽新幹線の高架橋の安全性を高めるため、橋柱と橋げたの連結を強化するなど耐震補強工事を始めた。今後、京阪神地域の高架橋について在来線も含めて順次工事し、約3年後の補強完了を目指す。総工費は約320億円。
 山陽新幹線では、橋げたのずれを防ぐ落橋防止工事を約7000ヵ所で行うほか、橋柱約1万5000本に厚さ6_の鋼板を巻く。
 同日午前10時、岡山市雄町の山陽新幹線・八軒屋高架橋で、作業員ら約20人が高さ約2bの足場から、ドリルで橋柱に鉄筋を差し込むための穴を開けるなど、補強工事が始まった。
 震度6の地震を想定して建設された同新幹線は、阪神大震災で高架橋の橋げたが落下するなど大きな被害を受けた。その後の同社の調査で、一部橋柱の鉄筋の施工方法が当初設計と違うことが判明。高架橋などの耐震性を全面的に見直す作業を進めていた。(京都新聞 夕刊)
■神戸電鉄・山陽電鉄 20日から値上げ
 神戸電鉄(本社・神戸市)と山陽電鉄(同)の運賃値上げ申請を審議していた運輸審議会は11日、申請通り、神戸電鉄で平均15.4%、山陽電鉄で同14.7%の値上げを認める答申を運輸相に提出した。初乗り運賃は神戸電鉄が150円から170円に、山陽電鉄が130円から150円になる。運輸相はこの答申を12日に認可し、実施は20日の予定。
 両電鉄は阪神大震災で大きな被害を受け、約5ヵ月間不通になった。神戸電鉄は約100億円の損害を被り、約4億円が減収。山陽電鉄も被害額は約60億円で減収は約20億円にのぼった。国と兵庫県、神戸市から補助金を受けているが、収支のバランスを図るためにはやむを得ないとして運賃値上げを申請していた。
 被災地ではこのほか、神戸市内を走るバスや、神戸・阪神間地区と淡路島地区のタクシー会社が相次いで運賃値上げに乗り出している。運輸省は「結果的に、被災者の負担が増すことになるが、今、無理をすると将来にもっと大きな負担を強いることにもなりかねず、必要最小限の値上げは認めざるを得ない」と話している。(朝日新聞 夕刊)
12日■震災後「新幹線の振動悪化」 沿線住民の7割 尼崎の市民団体が調査 JR西日本に改善を要望へ
 阪神大震災で新幹線の高架橋が落下した尼崎市食満地区の住民らによる「新幹線公害を考える会」(西村日出丸代表)は11日、沿線住民に対するアンケートの結果をまとめ発表した。約7割が振動公害の悪化を訴えており、同会はJR西日本に運行速度の減速や防音工事の補助など改善策を求める方針だ。
 調査は昨年10月、沿線50b以内の住民を対象に実施、258人から回答を得た。調査結果によると、回答者の69%が震災後、新幹線の通過にまる振動が大きくなり環境が悪化したと回答。振動だけでなく、騒音公害も悪化したと答えた人は57%に上った。
 振動で壁の傷の幅が広くなったなど、具体的な回答も多く寄せられ、新幹線の運転については52%が「減速すべきだ」と答えた。
 西村代表は「震災で地盤が緩み、建物もガタがきているので、振動も大きくなっている。前以上に揺れないよう配慮してほしい」と訴えている。(京都新聞)
■私の提言 よみがえる神戸 202 阪急の再出発C 拙速を避けて全線開通 中川 喜博
 昨年1月17日に発生したみぞうの大震災は、当社の鉄道事業に甚大な被害をもたらしました。ことに震源地に近い神戸線では沿線の各所で高架橋や軌道が損壊し、長期間にわたり不通区間が存在しました。
 震災発生直後、本社に災害対策本部を設置し、翌日には梅田−西宮北口間の運転を再開しました。西宮北口以西は被害が特に大きく全線の復旧までには、かなりの期間を要することが予想されたため、運行可能な区間から安全を確保し、順次営業運転を再開していく方針を確認しました。
 今回の震災では当社線のみならず、阪神間の主要な鉄道と道路が軒なみ大きな被害を受けたため、最初に運転を再開した梅田−西宮北口間は、しばらくの間大変混雑しました。特に震災後最初の日曜日である1月22日には、各列車とも救援物資を手に神戸方面へ向かう人であふれかえり、臨時列車を何本出しても追いつかないほどの混雑であったことが思い出されます。
 今津線では、山陽新幹線と国道171号の高架橋が当社線上に落下したため西宮北口−門戸厄神間を単線で運転再開しました。この区間の踏切道には神戸線のみならず宝塚線や京都線から応援に駆けつけてくれた係員が厳寒の中、終日遮断桿(かん)の開閉と警戒を行うなど、まさに人海戦術による部分運転となりました。
 また、御影−王子公園間の折り返し運転では、普段は中間駅である両駅が終端駅となり、朝夕のラッシュ時を中心に平常時の数十倍の旅客でホームが膨れあがりました。このため反対車線の線路上に板張りのホームを仮設するとともに臨時出口を数ヵ所設け、みなさんのスムーズな乗降とホームの安全を確保しました。
 震災の翌日から全線開通日までの約5ヵ月間にわたり実施された代替バス輸送は、『バス対策本部』を別途組織し、鉄道部門以外も含めた全社的な動員態勢をもって対応しました。しかしバスの輸送力には限界があり、バスをお待ちの長い列を見るにつけ大量輸送機関としての鉄道の効率性と社会的使命の大きさをあらためて思い知らされました。
 沿線住民のみなさんの理解と協力と昼夜を分かたぬ全社員の努力で、6月12日に念願の全線開通を迎えることができました。復旧期間中、沿線の多くの方々から温かい励ましやねぎらいの言葉をかけていただいたことをうれしく思うとともに当社が地域住民のみなさんに育てていただいた鉄道であることをあらためて感じました。
 とりわけ、最後の不通区間となった西宮北口−夙川間の試運転の時、沿線のマンションから多くの方々に手を振っていただいた感激は忘れられません。他社に比べ全線開通は若干遅れたものの、復旧にあたっては拙速を選ばず完成品をお届けするという当社の考え方が間違っていなかったことが、その乗り心地で実感できました。
 『新生阪急』をスローガンに新たなスタートを切った当社が、より多くのみなさんに愛されるよう今後とも努力をしてまいる所存です。
 なかがわ・よしひろ氏 1953年生まれ。76年、阪急電鉄入社。神戸線運輸課長を経て現在、創遊営業部劇場担当課長。(京都新聞)
■鉄道運賃 「物価を目安」見送り 運輸省方針 値上げの上限設定
 鉄道運賃の設定方式の見直しを進めていた運輸省は11日、人件費など原価を足し算したコストに適正なもうけを加えて運賃を決める、現行の「総括原価方式」を基本に、値上げまでの期間を長くしたり、合理化に努力した会社には有利になるように改善する方針を固めた。来年度以降の値上げから新方式が用いられる見通しだ。
 コストに関係なく、消費者物価の上昇率を上限の目安とする「プライスキャツプ(PC)」制の等入は見送られる見通しとなった。
 鉄道運賃の設定方式の見直しは政府の規制緩和推進計画にも盛り込まれ、運輸省は昨年8月、鉄道会社や学者らを集めた「旅客鉄道運賃ワーキンググループ」を作り、議論してきた。新しい設定方針案の一つは、現行の「総括原価方式」の改善案。もう一つは消費者物価上昇率を基準に経営の合理化に取り組んだ「努力率」を勘案した上限を設けて、それ以下なら自由に値上げができるPC制。
 鉄道運賃制度で初めて取り上げられたPC制については、JR東日本とJR西日本は「運賃水準の基準が分かりやすいし、値上げが物価上昇程度に抑えられる。コストとは無関係に運賃が決められるため、運輸省の規制が減る」と導入を支持した。これに対して、私鉄などは「『努力率』の決め方が不透明。この程度の値上げでは私鉄は混雑を緩和する工事ができない」などと反対していた。(朝日新聞)
■ダンプと列車衝突47人けが 北海道、凍結の踏切
 12日午前9時ごろ、北海道勇払郡厚真町浜厚真のJR日高線勇払−浜厚真間の踏切で、様似発苫小牧行きの普通列車(2両編成)と苫小牧市勇払、運転手前田敏孝さん(52)のダンプカーが衝突、ダンプカーは炎上した。
 苫小牧署によると、前田さんが大やけどなどで意識不明の重体のほか、乗客の女性もやけどで重傷。そのほか45人が打撲ややけどなどの軽いけが。
 JR北海道によると、列車には乗客約200人が乗っていた。列車は脱線しなかった。ダンプカーは土砂を積んでいた。
 同署によると、現場は見通しのよい原野地帯で、踏切は警報機と遮断機付きだった。雪は降っていなかったが、アイスバーン状態になっていたという。同署で詳しい事故原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
13日■よみがえれ神戸 私の提言 203 阪急の再出発D 新駅舎再建、弱者対策も 石井康夫
 今回の大地震による伊丹駅倒壊の原因は設計力をはるかに超えた鉛直方向の地震力の作用、硬・軟両地層の境界に位置したこと、伊丹断層の影響など複数の要因が重なったものと考えられ、震源の浅い直下型地震の恐ろしさをまざまざと見せつけられました。新駅舎はボーリングによる詳細な地質調査を実施の上、耐震性に優れた構造とする予定です。
 一方、新駅構築は1年以上かかるため、急きょ400bほどの塚口方に仮駅舎の設置が決定されました。突貫工事でわずか40日間で完成させることができました。仮駅とはいえ乗降3万5000人の駅ができるため、歩行者の交通安全と駅構造には最大限の配慮を払いました。
 まず駅への寄りつきを良くするため、阪急タクシーを移設し、仮駅舎前高架下を全面駐輪場に割り当てました。仮駅舎は1面ホームで、擁壁と盛り土を撤去し、レールは地上と同一レベルにして歩道からホームまで直接スロープで行けるシンプルで使いやすい駅とし、鉄骨上屋、売店、身障者用トイレなども完備しました。
 新駅舎は、伊丹市の駅前広場再整備計画との連携を図る必要があり、早期復興を目指し現在検討中です。
 次に、三宮の神戸阪急ビル東館の解体工事については最大の課題は工期の問題でした。本線の大ターミナル駅であり、神戸高速、JR、地下鉄、阪神、新交通との接続駅で、一刻も早い復旧が必要でした。このため解体工法をめぐり激論が戦わされました。
 昭和11年にしゅん工した神戸阪急ビル東館は、鉄道と映画館、百貨店、店舗などが一体となった地下1階地上4階建ての大アーチ空間を有する複合ターミナルビルとして三宮のシンボルとなっていました。
 鉄骨が貴重な時代に鉄骨鉄筋コンクリート造りとし、エスカレーター、エレベーターまで備えた建設当時最先端ビルでした。駅との一体ビルのため撤去範囲、残す躯(く)体の補強方法、耐震壁の設計、鉄骨を切断しながらの解体工法、JR高架橋に影響を与えない防護工など技術的に数多くの課題が出てきました。
 結局、工期最優先に工法変更し、地下室に解体殻を埋めて補強した後、上に超ロングブームの重機を載せ、殻を積み込みながら順次撤去を行いました。
 駅の復旧は、旅客動線を切り替えながら部分しゅん工を繰り返し、その都度通路幅員、見通し、案内看板の出し方、誘導方法など綿密な検討を加えておかないとラッシュ時には大混乱を招くため、社内関係部署と深夜に及ぶ打ち合わせが何度となく続きました。
 工事は24時間態勢の突貫で、3月13日には震災からわずか2ヵ月弱で開業できました。今回の震災により、人々の日常生活における鉄道の重要性を身をもって痛感しました。当社の駅施設は全国でもトップクラスと自負していますが、今後とも顧客第一主義をモットーにハード面では耐震構造の強化、ソフト面では高齢化社会に備えたきめ細かい弱者対策、利便性充実などさらなるサービス向上に努めたいと思います。
 いしい・やすお氏 1951年生まれ。76年阪急電鉄入社。鉄道土木技術者としてグループ他社の新線建設に従事し、震災時は鉄道企画室調査役。現在、都市統括室調査役。(京都新聞)
■懐かしい蒸気機関車から関空特急まで 京の男性撮った30年 写真集に 市電見下ろす高架… 宮津線を走る列車も
 京都市左京区の鉄道ファンの男性がこのほど、30年間にわたって振り続けてきた鉄道写真を1冊の本にまとめ、自費出版した。タイトルは「国鉄からJRへ古今東西」。田植えのそばを黒煙あげて力走するSL(蒸気機関車)、近代的な列車の関空特急「はるか」など、京都を中心に撮影した写真からは、列車のスタイルの変遷だけでなく、町の風景の移り変わりもうかがえる。
 左京区岩倉花園町、会社員村上成之さん(56)。子どものころからの鉄道ファンで、「白川女をしていた母の花売りの手伝いで、昔は市中へ行っては、東山を抜けて走る蒸気機関車の力強さに見とれてましたね」という。中学生のころからカメラで汽車を追うようになり、家では模型を作った。
 一時期、興味が薄れた時期もあったが、結婚後に再び鉄道ファンにカムバック。休日にはバイクに乗って関西一円を駆けめぐり、シャッターチャンスを狙った。「桜を背景に列車を操るため、3週続けて同じ場所で花見をしたこともある」と振り返る。
 写真は、これまで鉄道専門誌などに投稿してきた。しかし、知人らに見せると「ええなぁ、懐かしいわ」と評判は上々。「たくさんの人に喜んでもらえるなら」と、独自で写真集を出すことにした。
 表紙には、美しい飾りアーチがあったかつての京都駅1番ホームの写真を使用。A4変形判180ページに、1963年から94年までに撮影した写真約250点を掲載した。
 市電を見下ろしながら高架を行く中京区円町の蒸気機関車、丹後・奈良海岸沿いの崖をのんびり走る宮津線(現北近畿タンゴ鉄道)の列車など、貴重なカットがたくさん盛り込んである。また、写真を通じて町の歴史や風景そのものが楽しめるのも特徴になっている。村上さんは「人にはそれぞれ、鉄道の思い出があると思う。写真を見て、ゆっくり昔を振り返って、楽しんでほしい」と話している。
 1500部を作製。1部3500円(送料込)で希望の人に送っている。購入などの問い合わせは、鈴木松風堂の村上さん 075(211)5641(土、日、祝日休み)へ。(京都新聞)
■ブレーキヘの 水浸入が原因 「のぞみ」の故障
 東海道新幹線で9日、2本の「のぞみ」が相次いでブレーキ故障を起こし、乗客が途中下車させられたトラブルで、車両を所有しているJR西日本は11日、故障原因について、車両の床下にあるブレーキ制御装置に水が浸入したためと発表した。ブレーキ制御装置の箱のすき間を埋めている防水用のシリコーンゴムに亀裂が入ったらしい。同社は全車両の一斉点検を始めるとともに、亀裂が入った原因を調査している。(朝日新聞)
■廃線の旧国鉄トンネル 宇宙物質の観測基地に変身 空中の放射性物質など 「影響受けにくい」と着目
 奈良県吉野郡大塔町の地下約500bを走る旧国鉄の廃止線のトンネルが、宇宙の「暗黒物質」を研究する最先端の観測基地へ今年6月にも生まれ変わる。
 トンネルは同村の天辻トンネル。旧国鉄の分割民営化で不採算部門として切り捨てられた同県五条市と和歌山県新宮市間の五新鉄道・阪本線の一部。日本鉄道建設公団が1967年から5年間かけて掘り、幅約4.6b、高さ5.2bで総延長5bの規模。廃止決定時、同線は9割方完成していたという。
 ”無用の長物”となっていたのを大阪大学核物理研究センター(江尻宏泰センター長)が、宇宙線や空中の放射性物質の影響を受けにくい場所として目を付け、国鉄清算事業団や同村などと交渉、手続きを進めている。
 観測基地は「大塔コスモ観測所」と名付けられる予定で、順調にいけば4月にも着工、6月からは観測岸開始する。
 計画では、トンネルのほぼ中央の観測所に、同大理学部が開発した素粒子望遠鏡「エレガント5、6号」を設置、ヨウ素やフッ素の化合物をフィルム代わりに使い、宇宙から飛んできた未知の素粒子などを観測する。
 観測データは茨木市にある同研究センターの解析装置に送り、未知の素粒子が構成すると考えられている宇宙の暗黒物質を探る。(京都新聞 夕刊)
15日■鉄道の耐震強化 本格化 高架橋やトンネル 補強支柱は5万本
 阪神大震災級の大地震に見舞われても、高架橋や地下トンネルの支柱が崩れないようにするための耐震強化工事が鉄道会社で本格化してきた。運輸省が昨年7月、大都市圏の鉄道を対象に打ち出した緊急耐震補強対策に伴うもので、朝日新聞社の集計では、大手24社(公営地下鉄を含む)のうち、阪神電鉄や営団地下鉄など7社がすでに着工し、JR西日本など10社が今年度中に工事を始める。24社すべての工事は2001年3月に完了する予定。支柱の数は合計5万本で、総工費は1230億円にのぼる。
 阪神大震災では山陽新幹線で高架橋が崩れるなどの被害が相次いだことから、運輸省は震災直後に「鉄道施設耐震構造検討委員会」(委員長・松杢寿司東京理科大数授)をつくり、新たな設計基準づくりを進めている。
 ただ、新基準がまとまるのは1998年になる見通しであることから、昨年7月、それまでの緊急措置として、高架橋や地下トンネルを支える柱に鉄板を巻いて補強する対策を決めた。そのうえで、新幹線を運行するJR3社と主要鉄道会社に実施を要請した。
 新幹線の場合、山陽、東北、上越で今月中、東海道で来月から鉄板巻き工事が始まる。完成は山陽が98年3月、東海道が同年8月、東北と上越は99年3月となっている。4線合計で補強する支柱は約2万5300本、総工費は490億円にのぼる。
 JR在来線の工事は、東日本が今月下旬から、西日本と東海は来年4月から始める。大手私鉄や公営地下鉄では、阪神電鉄、南海電鉄、京阪電鉄、営団地下鉄、東京都交通局、名古屋鉄道、名古屋市交通局が鉄板巻きに着手した。中小の鉄道会社でも山陽電鉄や湘南モノレールが補強工事を始め、神戸市交通局などが来年度中の実施を決めている。
 鉄板巻きの具体的なやり方は各社任せだ。山陽新幹線の復旧工事に用いられた、厚さ6_の鉄板を巻いて間にモルタルを注入する工法がほとんどだが、京阪電鉄では、一部の支柱で、鉄筋コンクリートを重ねて太くしたうえに鉄板を巻いている。
 運輸省はこの補強工事で、震度7の地震でも支柱は折れたりつぶされたりはしないとしている。(朝日新聞)
主な鉄道会社の高架橋やトンネル支柱の耐震計画
 工 事 期 間総工費
(億円)
支柱数
JR東日本 (新幹線)今年 1月 −1999年 3月603000
(在来線)今年 1月 −2001年 3月1406100
JR東 海 (在来線)今年 2月 −1998年 8月1307000
(在来線)1997年 4月−2000年 8月301000
JR西日本 (新幹線)今年 1月 −1998年 3月30015300
(在来線)1997年 4月−2000年 3月371100
東武鉄道今年 3月 −2001年 3月15600
西武鉄道1996年度中−2001年 3月算定中200
京成電鉄1996年度中−2001年 3月23300
京王帝都今年 2月 −1997年 3月13600
小田急電鉄今年 2月 −2001年 3月6.9300
京浜急行今年 2月 −2001年 3月21900
東急電鉄今年 4月 −2001年 3月20600
相模鉄道今年 2月 −2001年 3月10300
営団地下鉄1995年10月−2001年 3月131.45800
名古屋鉄道1995年12月−2001年 3月301000
近畿日本鉄道今年 4月 −2001年 3月22.6600
南海電鉄1995年10月−2000年10月13300
京阪電鉄1995年 9月−2001年 3月20400
阪急電鉄1997年 4月−2001年 3月16500
阪神電鉄1995年10月−2000年 3月22600
西日本鉄道1996年度中−2001年 3月3調査中
仙台市交通局今年 4月 −2001年 3月13200
東京都交通局1995年10月−2001年 3月20600
横浜市交通局今年 3月 −1998年 3月8200
名古屋市交通局1995年11月−1998年 3月351100
大阪市交通局今年 2月 −2001年 3月902100
〈注〉総工費には、高架橋の橋げたが落ちないようにする
「落橋防止工事」を含む。
16日■激震烈震にどう備える(抜粋)
・鉄道 31電鉄で緊急策、課題も
 JRの新幹線や在来線、私鉄、地下鉄など全国の鉄道施設でも、高速道と同じ補強工事が始まった。
 JR西日本は、震災の1ヵ月後、土木工学の専門家や鉄道各社の技術者らによる「鉄道施設耐震構造検討委員会」の判断をもとに、損壊した柱に鉄板を巻き、水平方向の帯鉄警増やす工法を決め、復旧工事を急いだ。鉄板を巻くと柱の耐震性が2.5倍に高まり、今回と同規模の地震でも問題ないとして、私鉄や地下鉄の高架橋や支柱の復旧工事にもこの工法が使われた。
 運輸省は、被災していない鉄道施設についても耐震補強対策に乗り出した。対象は新幹線や在来線、私鉄、地下鉄など31電鉄。5年がかりで高架橋の柱約4万6000本と、裏男の営団地下鉄、大阪市営地下鉄などの開削トンネルの中柱約5000本を補強する。
 ところが、具体的な補強方法は事業者任せで、実際には構造や損壊原因が異なる地上の高架橋と地下トンネルが、同じ鉄板を巻く工法で進められている。しかも、今回は利用者の多い幹線に限った緊急策で、全国規模の本格的な補強対策は今後の課題として残された。
 運輸省は一方で、鉄道施設の高架橋や地下トンネルについて新しい耐震基準作りを進めており、年度内には基本方針ができる予定だ。(朝日新聞)
 >鉄道の耐震基準
現行鉄道構造物等設計標準・同解説(91年改正)
関東大震災など、過去に起きた地震には耐えられる想定
見直し新基準を作成中。年度内に基本方針ができる予定
補強の動き今回の地震で被害が大きかったタイプの鉄筋コンクリートの高架橋46000 本、地下鉄トンネルの柱5000本、落橋防止工事11000ヵ所などを補漁。新幹線は3年以内、在来線は5年以内に 工事する。事業費は概算で1300億円。今回程度の大規模な地震でも崩壊しないような強さにする
■関空連絡橋で運転ストップ 強風でJRと南海
 15日午後10時半ごろ、関西空港と対岸を結ぶ連絡橋で風速25b以上の風が観測されたため、同橋をわたるJR西日本と南海電鉄が運転を見合わせた。JRは快速電車など上下8本、南海電鉄は特急「ラピート」など上下7本をそれぞれ運休、計約1000人が影響を受けた。両社は代替バスで対岸のりんくうタウン駅に乗客を運んだ。(朝日新聞)
■声 電車の遅れを説明せぬJR 明石市 宮城 環(主婦 37歳)
 去年の暮れに小学生のおいが、2人で京都から高砂の祖父の家まで帰省した時のことです。JR京都駅から加古川駅まで新快速、そこから普通に乗り換えて最寄りの駅まで来ます。
 待ち合わせ時間に駅まで祖母が出迎えていたのですが、電車は到着しても2人は降りてきません。30分以上たったところで、祖母は大雪のニュースを思い出して、遅延の有無を駅員に問い合わせました。すると「聞いていません」の一言。
 加古川駅は支線もあり、電車によっては上りと下りが同じホームから出ます。祖母としては孫が乗り間違えなかったかが心配で、さらに駅員に事情を説明しましたが、年寄りを疎ましく思ったのか、横を向いたまま話を聞いてさえくれなかったそうです。
 後で知った話ですが、やはり雪で新快速が大幅に遅れたそうです。しかし、その情報を駅員が知らなかったとはあきれます。最寄り駅は新快速の停車駅ではないが、通過駅ではあるのです。衝突事故が起きないとも限りません。
 また駅員の態度もあんまりです。加古川駅に一言、遅延確認の問い合わせをしてくれてもいいではありませんか。ねえ、JRさん、ちょっとひどいんじゃありません。どう思われます。(朝日新聞)
■神戸高速 大開駅あす営業 大震災1周年前に 復旧工事が完成
 阪神大震災で道路が陥没し地下の駅構内が崩壊、閉鎖していた神戸高速鉄道・大開駅(神戸市兵庫区)の復旧工事が終了、16日午前、安全祈願式が行われた。同駅は震災1年の17日、始発から営業再開の予定。
 復旧工事で、路面を支える支柱35本を、鉄板を巻き付けたり太くするなどして震度7(激震)にも耐えられるよう強化したという。同高速鉄道(7.6`)は昨年8月に全面開通したが、同駅だけが復旧工事のため閉鎖されていた。
 式は午前10時に始まり、同高速鉄道の中田善司社長をはじめ、会社と工事関係者、住民の代表ら約40人が出席。地元の長田神社の宮司が無事故と利用者の安全を祈願し出席者が次々と玉ぐしをささげた。
 萩原正雄総括駅長(47)は「ようやく再開にこぎ着けて感慨深い。今後、多くの人に利用してもらい、駅周辺の復興の弾みになってほしい」と話した。(京都新聞 夕刊)
■工事が完了 安全を祈る 神戸高速大開駅
 阪神大震災で天井が崩れ、閉鎖されていた神戸高速鉄道「大関駅」(神戸市兵庫区)の復旧工事が完了し、16日、関係者による「安全祈願式」があった。17日の始発から営業を再開する。
 阪神、阪急、神戸、山陽の4私鉄の車両が乗り入れる神戸高速鉄道は地下トンネルが多く、地震の被害も大きかった。線路は8月から開通したものの、大関駅はコンクリートの支柱35本がつぶれるなど修復不能となったため、総工費約90億円をかけ、新たに駅舎を建設した。
 震災を教訓に、新型蛍光灯をホームなどに採用した。電源が切れる前に約10分間点灯していれば、停電で電気が切れても「残光蛍光体」の働きで約1時間、字が読める程度に光り続ける。大開駅は「長い道のりでしたが、ようやく復旧できた。この光を絶やさないよう営業を続けていく」と話していた。(朝日新聞 夕刊)
■JR姫新線にトラック転落 運転手が病院で自殺
 16日午前零時ごろ、兵庫県揖保郡新宮町相吸坂国道179号の相坂陸橋で、鳥取県米子市石州府、日野運送の大型トラック=鳥取県日野郡江府町、末次千秋運転手(49)=が約15b下を通るJR姫新線の線路上に転落した。末次さんは軽いけがをして新宮町内の病院に入院したが、同8時15分ごろ、病院内で首をつって死んでいるのが見つかった。
 龍野署の調べでは、末次さんは病院6階の屋根裏倉庫で、スプリンクラーの留め金にバンドをかけて首をつっていた。同署は、事故を苦に自殺したと見ている。
 事故当時、姫新線の最終列車は通過したあとで、JR西日本がレッカー車を出し、午前3時20分ごろ、線路上からトラックを撤去した。始発列車の運行に支障はなかった。(朝日新聞 夕刊)
17日■新型新幹線 年末デビュー JR西日本が方針
 JR西日本は16日、ポスト「のぞみ」として日本鉄道史上最高の時速300`で営業運転を計画している新型新幹線車両(500系)について「性能や走行試験を十分重ね、できれば今年の年末から年始にかけ臨時列車として走らせたい」との意向を明らかにした。
 同社は、今月末から山陽新幹線で走行試験を開始。導入時期については「のぞみ導入時にトラブルが相次いだ教訓から、早くて今秋以降」と明確な時期を明らかにしていなかった。(京都新聞)
■国鉄清算事業団の貸与地 仮設住宅1672戸 来年4月撤去も 買い取りへ「覚書」 昨春同意した兵庫県と2市 「意思・財源なし」
 阪神大震災の仮設住宅用地として、兵庫県と神戸、西宮の両市が昨年春、国鉄清算事業団(本社・東京都千代田区)の所有地を無償で借り受けた際、来年4月1日以降も仮設住宅を解消できず土地を使用し続ける場合、土地を自治体側が買い取るとする「覚書」を交わしていたことが16日わかった。売却見積額は計150億円にのぼる。しかし、震災の被害が予想を超え、仮設住宅について「2年間での解消」が困難な情勢となる中、ほとんどの土地について自治体側は買い取る意思も財源もない、としている。この用地に立つ約1700戸に住む被災者の住まい確保が新たな問題になりそうだ。
 事業団側が「旧国鉄の債務返済のために売る土地で、長期貸与は不可能」として覚書を提示し、仮設住宅用地の確保に追われていた自治体側が同意した。
 事業団によると、兵庫県と2市が事業団から借りている用地は8ヵ所、計約16.6f。県が神戸市中央区や加古川市など4ヵ所、計約14.6f▽神戸市が灘区の1ヵ所、約0.9f▽西宮市が3ヵ所、計約1.1f。いずれも昨年1月下旬から3月までに、期間1年で契約された。
 覚書はA4判1枚で、同事業団近畿支社長と、兵庫県知事、神戸、西宮両市長の名義で借地契約と同時に交わされた。「(自治体が)貸付契約の更新を必要とする場合であっても、平成9年(1997)4月1日以降は貸し付けできない」「同4月1日以降も使う必要があるときは(自治体が)土地を購入する」などの点を両者が確認している。
 契約後、これらの土地には計1672戸の仮設住宅ができ、現在、ほぼ全戸に被災者が暮らしている。
 事業団近畿支社は「債務返済のための土地売却は、89年の閣議決定によって97年度中に終えることとなっており、無期限に貸し続けると売却できなくなる」と説明している。
 借りた土地のうち、自治体が地震前から買い取りを検討していたのは、神戸市灘区の約0.9fと、西宮市大谷町の約0.5fの土地の一部だけ。兵庫県や西宮市は残りの土地については利用計画もなく、買い取る意思や財源はないとしている。
 仮設住宅は建築基準法などで完成から2年間しか使用できないのが原則。兵庫県内全体で現在も約4万7000世帯が入居しているが、笹山幸俊・神戸市長が「2年間での解消は困難」と表明するなど、来年春までに、仮設住宅を解消するのは難しい情勢になっている。
 兵庫県住宅建設課は「震災直後は被災者の救援に必死で、とにかく使える土地を探して借りた」としている。神戸市調整課は「将来、買い取りの考えもあるが、まだ利用計画はない。期間延長を求めることになるだろう」と話している。
 事業団近畿支社の大林祥泰副支社長は「土地の返還から売却まで、1年は必要と考えている。『売却は97年度中』という期限がある以上、貸付期限の延長はできない。仮設住宅の住民移転や解消の問題は自治体の責任だと思う」と話している。(朝日新聞)
■声 駅に奉仕の花 飾り続け15年 生駒市 後藤 恵子(主婦 49歳)
 お正月休みも終わり、仕事始めで出勤する娘に、朝、私は頼みました。「今日はどんなお花が生けてあるのか見て行ってね」と。
 最寄りの駅はローカル線です。この駅の券売機のそはと、駅員室の入り口の2ヵ所には、一年中さりげなくお花が飾られているのです。季節を思わせてくれるお花でもあります。その時々に小さな花瓶もそっと変わっています。どなたが生けているのだろう。ずっとそう思っていました。
 その方の存在が分かる日がきました。私の拙文がこの欄に掲載されたのがきっかけでした。駅を挟んで私は東側に住まいし、Tさんといわれるその方は西側にお住まいです。でもまだ一度もお会いせずにいます。
 毎朝早く、最寄りの駅にお花を飾り続けて15年余りがたつというTさん。お花代は自腹。奉仕の精神を持った人たちが、社会には必ずのようにいて下さるのですね。
 昼間、買い物に出たついでに券売機のそばを通ってみました。お正月らしく、松と千両、白く小さな洋ランが生けてありました。(朝日新聞)
■朝から営業再開 新ホームに人波 神戸高速大開駅
 この朝から営業再開した神戸高速鉄道・大開駅(神戸市兵庫区)。午前5時6分、一番電車が真新しいホームに到着、1年ぶりに人波が帰ってきた。
 震災で地下トンネルが崩壊、同駅も天井などが陥没する被害を受け、運行再開した8月以降も、通過駅になっていた。完全復旧には数年かかるといわれていたが、急ピッチの工事で復旧にこぎつけた。
 「待ち望んでいました」「これで便利になった」。通勤、通学客らは懐かしいホームを行きかいながら、復興をかみしめた。営業再開の記念乗車券を求める人も多く、明るさが戻った。(京都新聞 夕刊)
■JR西日本が警笛
 阪神大震災から1年の17日、線路が寸断されるなど大きな被害に遭ったJR西日本など鉄道各社は、特別な行事は行わず、社員の黙とうや警笛を鳴らすなど犠牲者のめい福を祈った。
 JR西日本は、正午に東海道線と福知山線を走る電車計35本が追悼の意を込めて一斉に約4秒間警笛を鳴らした。阪急電鉄、阪神電鉄でも黙とうした。(京都新聞 夕刊)
■地下鉄事件も黙秘を続ける 土谷被告
 オウム真理教「化学班」キャップの土谷正実被告(31)に対する第3回公判が17日午前、東京地裁であった。この日は地下鉄サリン事件の殺人・殺人未遂と幻覚剤PCP(フェンシクリジン)製造の麻薬及び向精神薬取締法違反について審理され、土谷被告は罪状認否でいずれも「黙秘します」と述べた。すでに審理が始まっている麻酔剤や覚せい剤の密造事件などの公判でも、土谷被告は黙秘している。
 起訴状などによると、土谷被告は猛毒のサリンを教団内にある専用実験棟で製造したうえ昨年3月20日、東京の地下鉄車内で発散させ、多数の死傷者を出した。さらに、強力な幻覚作用をもつ麻薬PCP約7cを密造したとされる。(朝日新聞 夕刊)
■レール下に穴 新幹線に遅れ
 17日午前5時ごろ、岡山市中尾の山陽新幹線の下り線で、レール下の盛り土に穴(縦2b、横1.5b、深さ1b)が開いているのを、線路点検の保守用車が発見した。JR西日本は同6時半から7時20分まで穴に砂利を入れて埋める作業をし、その間、相生−岡山間で運転を見合わせた。このため、下り一番列車の新大阪発博多行き「ひかり131号」が相生駅に臨時停車して42分遅れたのを最高に、後続の下り2本が22分から20分遅れ、約700人の乗客に影響した。
 同社によると、下り線の海側のレールの下の盛り土が、すり鉢状に陥没していた。陥没の原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)
18日■臨時ダイヤで2269本を増発 JR西日本
 JR西日本は17日、春の臨時ダイヤを発表した。3月1日から6月30日までの期間中に新幹線571本を含む2269本を増発する。
 新幹線は、子供サロン付きの「ファミリーひかり」を、春休みとゴールデンウイークに新大阪−博多間で1日2往復運転する。在来線では、京都−天橋立間に快速「レインボー」を、岡山−松江間に新幹線への乗り換えが便利なビジネス用特急「アタッシュやくも」をそれぞれ新設する。(朝日新聞)
■被災者、電車にはねられ死亡 阪神西灘駅
 17日午後10時半ごろ、神戸市灘区都通五丁目の阪神電鉄西灘駅の下り線路で、同市垂水区本多聞七丁目、新多聞第三仮設住宅に住む会社員(52)が、梅田発高速神戸行きの特急電車(6両編成)にはねられ、即死した。電車は約8分後に運行を再開、後続列車に影響はなかった。
 灘署の調べによると、ホームから下りて線路上に横たわる男性を運転士が発見、急ブレーキをかけたが、間に合わなかったらしい。同署では自殺と事故の両面で調べている。
 男性は震災で、住んでいた同市長田区の文化住宅が全壊し、昨年6月ごろから仮設住宅で一人暮らしだった。この日もいつも通り出勤し、午後6時ごろ退社していた。(朝日新聞 夕刊)
19日■列車に女性用トイレ JR西日本 紀勢線 今夏から新型特急に
 「列車のトイレも男女別にしてほしい」という声を受け、JR西日本は初めて、この夏に紀勢線でデビューする新型特急に、女性専用トイレを設置することを決めた。乗客にアンケートしたところ、約3割から要望があったためだ。同社は、ほかの車両にも増やしていく方針だが、JR九州やJR東日本はすでに設置を始めており、遅ればせながら、の対応となった。
 きっかけになったのは、乗客へのアンケート。今年7月に登場する紀勢線の新型特急の車両の参考にしようと、同線を走る特急に社員が乗り込み、乗客一人ひとりに、列車内に欲しい設備は何か、をたずねた。その結果、814人のうち236人が「男女別トイレ」と答えた。また、最近、南紀方面への若い女性の旅行客が増えていることから、新型特急は女性を意識した車両にすることにし、女性専用トイレの設置を決めた。
 新型特急は6両編成で、4つの車両にトイレを設ける。うち先頭車両と最後尾の車両のトイレを女性専用にする。女性専用トイレには幼児用のいすを備え、内装も女性らしい雰囲気にする予定。また、おむつ替えができるベッドを置いた多目的室もつくる。新型特急は2編成が7月に完成する予定で、京都−新宮間を走る。
 JRグループでは、1992年7月、JR九州の特急「つばめ」に初めて女性専用トイレが備えられた。その後、JR東日本の総2階建て新幹線「Max」や、去年デビューしたJR九州の新型特急「ソニックにちりん」にも設置されている。しかし、北海道、東海、西日本、四国の各社のトイレは、男性の小用を除くと男女兼用しかない。
 JR西日本車両部は「トイレは、女性にとって大きな問題だった。男性は気にしなくても女性は気になることはほかにもあるはず。これからも女性を意識した車両づくりを進めていきたい」と話している。(朝日新聞 夕刊)
20日■ガラス割った犯人は「木片」 JR山陽線列車
 兵庫県明石市のJR山陽線で3日夕、列車の窓ガラスが相次いで割れて乗客がけがをした事故で、JR西日本は19日、現地の線路上で発見された木片(縦20a、構4a、厚さ2a)が原因と推定される、と発表した。
 同社によると、木片は、土山−東加古川間で、姫路発野洲行き新快速電車に跳ね飛ばされ、レール下の小石を巻き上げた。小石は、この電車とすれ違った下り快速電車の窓ガラスを割った。さらに、割れたガラスがすれ違いざまに風圧で飛び散り、新快速電車の窓ガラスを割った。こうして、大久保−東加古川間を通過した上下5本の列車の窓ガラス計25枚が次々に割れた、という。
 これまでも、すれ違いざまに列車の窓ガラスが割れる事故は発生しているが、5本もの列車にまたがった例はない、という。同社は、木片が落とされたか、投げ込まれたとみている。(朝日新聞)
■東海道新幹線 雪で20分遅れ
 20日未明から、関東地方は今冬初めての本格的な雪に見舞われ、千葉市で5a、東京で2aの積雪があった。この影響で新幹線が東京−小田原間で徐行運転したため、始発から下りを中心にダイヤが乱れ、新大阪駅で最高20分から数分の遅れが出た。(朝日新聞 夕刊)
21日■窓 放置自転車を防ぐ妙薬は? 右京区・池田 均(地方公務員・28)
 JR嵯峨線に乗ったとき、電車が駅に停車するたびに駅前の放置自転車が目に入る。駅前に自転車があるのは、駅を利用する人が自宅から駅まで乗ってきていると考えるのが当然である。ということは、少なくとも夜には自転車は少なくなるはずである。しかし、夜にも自転車はたくさんある。不思議である。駅前の自転車は動いているのだろうか。動いていない自転車はなんなのか。
 ひと昔前は、駅前に自転車置き場というものはなかった。年々自転車の利用者が増えてきたために、自転車置き場が設置されるようになった。そして今では、自転車置き場をはみ出し、道路にまであふれ、歩行者や自動車の通行の障害になっている。特に車いすを利用している人や、目の不自由な人には通行しにくく危険な状態である。
 放置自転車は放置する人のマナーが悪いと言ってしまえばそれまでだが、自転車を放置させない方法はないものだろうか。(京都新聞)
■ゆったり気分で湖北路 ときめき乗せ「ポニー」走る 鉄道用品即売も人気
 あの汽笛と煙が胸ときめかせる。北びわ湖観光の決め手にと長浜市と周辺各町で組織する湖北観光連盟が、昨夏からひんぱんにSL「北びわこ号」を走らせ、人気を呼んでいる。「ポニー」の愛称を持つSLが米原−木ノ本駅間22.4`を行く。毎回、あの懐かしい姿と乗り心地を楽しむ人たちで満員だ。途中長浜駅で曳き山まつりのしゃぎり(おはやし)を聞かせるなど、沿線の市町あげての歓迎ぶり。ポーツ、ポッと鳴らす汽笛もすっかり定着してきた。
 木ノ本駅での鉄道用品即売もおおにぎわい。地元では、「北びわこ号」を湖北の名物にするため、常時運行を目指しJRと熱心に協議を重ねている。
 一方、日本最古の盆梅展の開かれている慶雲館前にある旧長浜駅舎鉄道資料館裏の北陸線沿いに、SL「D51」が昨秋お目見え。列車の乗客にアピールしている。豊公園内に置いていたものを昨年末、ここへ移動させた。手で触れられるのも人気で、旧駅舎見学に新しい魅力が加わった。(京都新聞)
22日■オウム裁判 遠藤被告 地下鉄も認める 被害者に謝罪 3人でサリン製造
 オウム真理教の元幹部遠藤誠一被告(35)の第3回公判が22日、東京地裁(山田利夫裁判長)で開かれ、元幹部中川智正被告(33)、幹部土谷正実被告(31)とともにサリン製造を担当したとして殺人、殺人未遂罪に問われた地下鉄サリン事件の罪状認否で、遠藤被告は「私、中川(被告)、土谷(被告)の3人でサリンを製造したことは間違いありません。このサリンが地下鉄で散布されたと思います」などと起訴事実を全面的に認めた。
 検察側は冒頭陳述で、昨年3月15日に地下鉄霞ヶ関駅構内でボツリヌス菌噴霧を試みた体験から遠藤被告が「今回のサリン散布は都内だ」と判断した上でサリン生成を承諾。生成後、逃走しようとした土谷被告に「東京の方には行かないほうがいい」と注意したことを明らかにした。
 遠藤被告は意見陳述で「被害者、遺族の方々、社会の人たちの私やオウムへの怒り、憎しみ、疑問は当然で、どのような言葉でも弁解できませんが『申し訳ありません』とおわびしたい」と謝罪、共犯者との共謀について「共謀は相互の間で大なり小なりあったと思います」と述べたが、教祖麻原彰晃被告(40)の名前には触れなかった。
 弁護人は「宗教に対する寛容さにつけ込んだ前例のない卑劣な無差別テロだが、動機については首謀者の弁明が不可欠だ」と意見を述べた。
 冒頭陳述によると、麻原被告は警察組織に打撃を与え、首都を混乱させようとサリン散布を決意。昨年3月18日、東京から山梨県上九一色村に帰る車中で遠藤被告に新たなサリン生成が可能かどうかを確かめた上で製造を命じた。
 遠藤被告は中川被告が隠していたサリン直前物質を使い、土谷被告の助言を受けながら中川被告らとともに同月サリン混合液を生成した。直後に遠藤被告から「できました。ただし混合物です」などと報告された麻原被告は「いいよ。それで」と了承した。(京都新聞 夕刊)
■麻原被告の指示詳述 地下鉄サリンで検察側
 オウム真理教「厚生省」トップ、遠藤誠一被告(35)に対する3回目の公判が22日、東京地裁であり、この日は地下鉄サリン事件が審理された。遠藤被告は起訴事実を全面的に認めたが、教団前代表、麻原彰晃被告(40)から直接サリンの製造を指示されたとされる点については言及しなかった。一方、検察側は冒頭陳述で、麻原被告の指示の模様を詳しく述べた。
 罪状認否で遠藤被告は「私、中川(智正被告=『法皇内庁』トップ)、土谷(正実被告=『化学班』キャップ)とでサリンを作ったことは間違いない。地下鉄で使われたと思う」と述べた。
 弁護士は「遠藤被告らがなぜ無批判に犯行にかかわったのか、松本サリン事件がありながら、どうして警察は地下鉄サリン事件を防げなかったかなど、どうしても了解できない疑問が残る」と指摘。「警察の捜査を混乱させるために地下鉄サリン事件を起こしたとされているが、合理的に了解できるものではなく首謀者の弁明が不可欠」と、麻原被告の証人尋問などによって、事件の全容解明をしたいとの姿勢を示した。
 検察側冒頭陳述によると、遠藤被告は中川被告からサリン製造の中間生成物を受け取り、土谷被告からサリンの製造法を聞いていたが、地下鉄サリン事件前日の昨年3月19日、麻原被告から「早くやれ。今日中に作れ」と指示され、中川被告とサリンを製造した。このサリンが教団「諜報(ちょうほう)省」トップ、井上嘉浩被告(26)と、発散役と運転手役の信徒計10人に渡され、都内の営団地下鉄3路線の車内に散布された。
 地下鉄サリン事件では、捜査当局の調べで、遠藤被告が麻原被告からサリン製造の直接指示を受けたとされており、遠藤被告の捜査段階での供述が、麻原被告の逮捕、起訴の決め手の一つになった。(朝日新聞 夕刊)
23日■地中飛行機で時速600` 大都市間結ぶ 機体の形状を決定 ”夢”前進へ支援要請 研究集団が実験
 大都市間をつなぐ地下の巨大トンネルの中を、時速600`で飛ぶ「地中飛行機」構想の実験・研究が進み、注目されている。
 約5年前から共同研究している総合建設のフジタと学者の流体研究グループ「ながれ研究集団」が、機体の最適な形状をこのほど決定。飛行機を制御する研究も今年3月までに終了する見込み。
 今春以降は、小型模型を使った実験から実物に近い飛行機とトンネルによる実験に移る必要があり、国やJR各社などに不足している資金の援助や研究への参加を求めていく考えだ。
 構想によると、地中飛行機は胴体が全長50b、高さ4b、幅2.4bの流線形。翼は当初の台形を長方形に変更、さらに同じ大きさの翼を胴体の前と後ろに付け、胴体の末端に垂直尾翼も取り付ける。客室は上下2段で400人乗り。
 時速300`までは車輪で走り、それ以上は1bまで浮上して、時速600`で飛ぶ。主翼のジェット噴射で飛行姿勢を保つ。
 東京と大阪の都心部の地下50b以上の深い部分に、空港ターミナルを建設。空港間は直径50−56bの巨大トンネルで結ぶ。トンネル内は上下2層に分かれ、飛行機が上と下を行き来する。東京−大阪間の片道所要時間は約50分。
 トンネル内には、ほかに光ファイバーケーブルや水道管、ガス管、電線などを入れ、鉄道も併設して情報と物流の幹線機能を持たせる。巨大トンネルは、現在の土木技術で十分に建設可能という。
 飛行機の運航は、これまでのように天候に左右されず、墜落の危険がなく安全で、空港へ行く時間も短縮される。空港周辺の騒音や振動の問題も解決され、空港用地も不要などのメリットがある。
 トンネルの建設費は約40兆円と見込んでいる。(京都新聞)
■運転士なし列車600b”暴走” 踏切事故通報で下車 乗客3人飛び降り
 22日午後2時20分ごろ、岐阜県本巣郡本巣町神海の第三セクター樽見鉄道の踏切(警報機、遮断機ともになし)で、岐阜市大福町、会社員富山和生さん(23)の軽トラックが、樽見発大垣行きの普通列車(1両編成)=五島孟運転士(57)=と衝突した。富山さんは病院に運ばれたが、全身を強く打って間もなく死亡した。運転士と乗客3人にけがはなかった。
 現場は緩やかな下り坂で、事故後、運転士が通報のため列車を降りた間に、乗客3人を乗せたままゆっくりと動き出した。運転士が追い掛け、約600b先の上り坂に差し掛かったところで停車しているのを見つけた。列車がひとりでに動き出したことに驚いた乗客は途中で飛び降りたが、けがはなかった。
 同鉄道関係者が列車を調べたところ、衝突でエアブレーキが壊れているのが分かったという。
 列車にはエアブレーキのほか、車のサイドブレーキに当たる「手ブレーキ」があるが、運転士は手ブレーキをかけずに降りたらしい。同鉄道運輸部によると、エンジンがかかっているときはエアブレーキが利くため、車両を離れるときも手ブレーキは使わなくてもよいという。
 北方署は、運転士がエアブレーキの故障に気付かず、手ブレーキをかけずに降りたため、下り坂で車両が動き出したとみて事情を聴いている。(京都新聞)
■6系統目リフトバス 京都市交通局 梅津営業所で発車 障害者団体の要望実る
 京都市交通局は22日から、車いすで乗り降りできるリフト付き市バスの運行を31号系統(海津営業所)でも新しくスタートさせた。同系統は、右京区の京都外大前から四条通、祇園、東大路通を経由して左京区の岩倉操車場前までで、リフト付きバスは1日9往復する。
 沿線には、市身体障害者リハビリテーションセンター(中京区)や市障害者スポーツセンター(左京区)などがあり、障害者団体から運行の要望が出ていた。
 リフト付き市バスは6系統目で、平成6年度は延べ1276人が利用している。(京都新聞)
■座席切り替え”変身” ロングとクロス 近鉄が新車両
 朝のラッシュ時は通勤電車のようなロングシート、乗客が少ない時には向かい合わせとなるクロスシートでゆったり−。近畿日本鉄道は、時間帯により2パターンの座席(デュアルシート)を併用できる車両を開発、22日報道関係者に公開した。2月初旬から大阪線の急行電車として試験導入する。
 車両は、普通電車用の通勤電車4両を約1億3000万円かけて改造。朝のラッシュ時はロングシートで、定員は340人。午前10時をめどに実施するクロスシートでは立つスペースが狭くなり、定員は290 人。2人掛け1組を横に並べて作るロングシートが係員の操作で自動的に1組ずつ順番に回転、50秒でクロスシートに早変わりする。(京都新聞)
■窓 お答えします 営業時間について 西日本キヨスク総務課長 菊川 弘
 平成7年12月28日当欄に掲載されました「栗東町・松田健志様」からの「守ってほしい見えない契約」で、当社の栗東駅売店の営業時間についてご指摘を受けました。さっそく現地調査および指導をしてまいったところです。
 ご指摘に対する回答を致します。営業時間は店舗右肩上部に表示していましたが、改札口外から見えにくいため、シャッターに両面テープで平日と日曜・祝日の「営業時間」と「休憩時間」表示を取りつけていましたが、シャッターの開閉により平日の「休憩時間」表示が取れ、休日の「休憩時間」表示のみとなったためにお客様に対して不案内となりました。
 さっそく、店舗右肩上部の「営業時間」表示を変更し、お客様に不案内にならないようにいたしました。今後とも、ご指摘のようなことが発生しないようにするとともに、お客様本位のサービスに努めてまいりますので、ますますのご愛顧を、お願い申し上げます。(京都新聞)
■朝はロング 昼はクロス シートくるり通勤電車 輸送力保ちゆったりと 来月から近鉄導入
 近鉄は22日、窓を背にしたロングシートから進行方向を向いた4列のクロスシートに、座席が自動的に変わる新しい通勤用車両を公開した。朝のラッシュにはロングシートにして多くの人を運び、昼間はクロスシートに変えてゆったりとしてもらう。2月から大阪線で運転する。関西の私鉄では、阪急電鉄の座席なし車両や京阪電鉄の2階建て車両など、混雑緩和のためのアイデア車両が続々登場している。
 近鉄の新型車両は、運転席のボタンを押すと、座席が自動的に回転し、1分前後でロングシートからクロスシートに、クロスシートからロングシートに変わる。約1億3000万円かけて、従来の通勤用車両4両を改造した。同じような車両は、1992年にJR東日本が山手線に使われた古い車両を改造して試作しているが、実用化しておらず、近鉄は特許を出願した。
 営業運転は、大阪線に続き3月中旬から名古屋線で、特急を除く通勤車両として始める。最も混雑した時の定員はロングシートで1両当たり340人なのに対し、クロスシートで290人。午前10時ごろまではロングシート、それ以降はクロスシートとして使う。
 通勤の混雑緩和策としては、阪急電鉄が去年6月、梅田−西宮北口間に座席なし車両を導入した。同社広報室は「デビュー当初は賛否両論があったが、今は苦情がなくなり、定着したと思っている」という。
 また、京阪は昨年12月から、2階建ての新しい特急車両を淀屋橋−出町柳間で走らせている。「『乗りたいので駅と時間を教えてほしい』という問い合わせが絶えない」(広報課)といい、好評であることを強調する。
 対する近鉄広報室は「うちは、ロングシートにしても1人当たりの占有できる幅が49aで従来より6aも長くなっており、ラッシュ時でもゆったりと通勤できる。乗客を詰め込む発想とは違う」と自信を見せる。
 一方、JR西日本は去年9月、東海道・山陽線に新型で速い新快速車両を導入した。同社は「できるだけ多くの電車を走らせ、スピードアップを図ることが混雑緩和への一番の早道だ」と話す。(朝日新聞)
■「のぞみ」殺人事件 加害男性に賠償命令
 東海道新幹線「のぞみ」の車内で1993年8月、ナイフで刺し殺された会社員の遺族が、刺した男性を相手取り、慰謝料などの支払いを求めていた損害賠償訴訟の判決が22日、浦和地裁であった。大喜多啓光裁判長は、犯行当時、男性は責任能力があったとして遺族の主張を全面的に認め、男性に遺族の請求通り総額2200万円を支払うよう命じた。
 訴えていたのは、亡くなった会社員松野定哲さん(当時40)の妻で、埼玉県春日部市備後西二丁目、恵子さん(39)ら遺族3人。(朝日新聞)
24日■イベント列車に参加しませんか 山陰線の電化など記念 福知山
 福知山市鉄道利用増進協議会(会長・中村稔福知山市長)は、3月16日のJR山陰線の京都−福知山間やKTR宮福線などの電化開業を記念して、イベント列車「福知山市民号」を企画、参加者を募集している。
 4月21、22日の1泊2日の日程で、愛知県へのツアー。JR福知山駅を午前9時に出発し山陰線、東海道線を経て午後2時半ごろ愛知県・岡崎着。バスで岡崎城など観光後、三谷温泉に泊まり、翌日は観光と常滑焼体験の二コースに分かれて過ごし、21日午後8時ごろ福知山駅帰着の予定。
 列車は7両編成のサロンカー。福知山市出身の歌手村尾亞起さんが同行する。定員200人(先着順)。旅行費用のうち同協議会が1人当たり5000円を補助するため、参加者負担は3万4000円。対象は福知山市在住、在勤、在学者。申し込み受け付けは2月1日から、Tis福知山 0773(23)8631で。3月末締め切り。(京都新聞)
■京阪電鉄 集団交渉離脱を検討 春闘 会社側が労組に打診
 関西私鉄大手の京阪電気鉄道が、1996年春闘で、私鉄総連大手15社による中央集団交渉から離れ、独自に春闘交渉を進めることを検討していることが23日、明らかになった。多角化を進める京阪電鉄では、鉄道事業だけで賃金水準を決めることには無理がある、という意見が労使双方にあるため。同じ私鉄大手の阪急電鉄などでも同様の動きがあり、96春闘では統一交渉の形が崩れる可能性が出てきた。
 京阪電鉄の従業員は3842人で、鉄道事業本部の人員は、全体の約60%を占める。しかし売上高では、95年3月期決算で鉄道事業は600億円と全体の53%にとどまっている。鉄道事業は今後、沿線不動産開発の飽和や関西圏の産業の長期低迷などを背景に、大幅な伸びは見込めず、京阪電鉄では流通事業やレジャー・文化事業などに力を入れる方針だ。
 このため、従業員の賃金を鉄道事業で決めることに対する抵抗が強まっている。しかし、京阪電鉄出身者が私鉄総連の委員長であることなどから、同社が統一交渉から抜けるかどうかは、なお曲折が予想される。
 この日は、夕方から労使協議が開かれ、会社側が独自交渉での春闘を打診。これに対し、組合側は「即答はできない」と、結論を先送りした。(朝日新聞)
■新宿駅西口 動く歩道着工 ホームレス強制退去 東京都 抵抗の3人逮捕
 東京都が新宿駅西口地下通路に計画している「動く歩道」設置問題で、都は24日午前、警察官の厳重警備の中、予定地で路上生活者(ホームレス)が寝泊まりしていた100個余りの「段ボールハウス」を撤去、ホームレスを”強制退去”させた。
 ホームレスと「新宿連絡会」など支援団体のメンバーらは「都は話し合いに応じず、強制退去は路上生活者の権利を奪う非人道的な行為」と強く抗議。約200人が通路にバリケードを作り、座り込むなどして抵抗したが、警察官に全員排除された。この際もみ合いになり、公務執行防害などの現行犯で支援者3人が逮捕され、ホームレス1人と都のガードマン1人が頭のけがなどで入院するなど混乱した。
 都は直ちに、動く歩道の設置工事に書手する予定。退去させられた路上生活者らの一部は、都が港区に建設した臨時保護施設に収容されたが、同施設の開設期間は工事中の約2ヵ月間だけ。「ホームレス問題の本質的な解決にはならない」という批判が根強いほか、13億円の予算をかけた動く歩道の必要性をめぐる論議もあり、問題は今後も尾を引きそうだ。
 この日の撤去作業には都建設局職員約170人とガードマン400人、警察官約250人が動員された。(京都新聞 夕刊)
■信楽鉄道義援金に感謝状
 厳しい経営の続く信楽高原鉄道(北川啓一社長)に義援金を−と、4年間、チャリティーコンサートを続けてきた産能大学(神奈川県伊勢原市)の竹重達人教授(60)=奈良県御所市=と教え子の学生たちが、このほど信楽町から感謝状を受けた。
 竹重教授はかつて国鉄信楽線で通勤していたことがあり、事故後、同社の経営状態に胸を痛めていたことから思い立った。平成3年の学園祭にコンサートをスタートさせ、同町への義援金は総計130万円を突破している。(京都新聞 夕刊)
■水間鉄道値上げへ
 近畿運輸局は24日、大阪府貝塚市内を走る水間鉄道(5.5`、本社・同市)の運賃値上げを申請通り認可した。平均値上げ率は9.2%。各区間でそれぞれ20円アップし、貝塚−貝塚市役所前間は150円から170円に、貝塚−水間間は250円から270円になる。2月1日から実施する予定。(朝日新聞 夕刊)
■軌道内に男性地下鉄乱れる 大阪市営四つ橋線
 24日午前9時18分ごろ、大阪市北区の市営地下鉄四つ橋線西梅田駅から南約150bのトンネル内で、上り線の軌道内に男性がいるのを、下り電車の運転士が見つけて運転指令所に連絡した。全線の運行を見合わせる一方、駅職員が約10分後にトンネル内で男性を保護した。このため、上下計14本が最高10分遅れ、約4000人に影響が出た。
 曽根崎署によると、35歳の無職の男性で、「自殺したかったが、怖くなって座り込んだ」と言っているという。(朝日新聞 夕刊)
24日■JR山陰線 KTR 宮福・宮津線 これが特急の新車両
 3月16日のダイヤ改正や、JR山陰線(園部−福知山)とKTR宮福・宮津線(福知山−天橋立)の電化開業に伴い、新しく導入されるJR特急の先頭車1両がこのほど、福知山市半田の福知山電車基地にお目見えした。
 JR西日本福知山支社によると、車両は福知山線の特急北近畿と同じ「183系」、北陸本線の特急雷鳥を使い、直流用車両に改造した。
 車両の長さは1両21b、重さ43d、定員72人(先頭車は64人、グリーン車は36人)。色はアイボリーホワイトで、車窓部分が茶色、その下にブルーのラインが入っている、座席はブルーに黒のふちどり。
 大阪府の吹田ほか2工場で改装し、3月上旬までに全42両が順次到着する。
 特急たんば(京都−福知山)、同はしだて(京都−天橋立)、同きのさき(京都−城崎)の車両として、6両もしくは4両編成で走らせる。(京都新聞)
■ポイントの故障で 新快速「立ち往生」 JR近江舞子駅
 25日午前9時10分ごろ、滋賀県滋賀郡志賀町のJR湖西線近江舞子駅で、ポイントが動かなくなり、姫路行き新快速電車が発車できなくなった。約1時間後に復旧し、電車は54分遅れで発車。後続の特急「雷鳥」など3本が12分から7分遅れた。JR西日本で原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)
26日■新型新幹線 ノーズ長く 近く走行試験 JR西日本が公開
 JR西日本が日本の鉄道史上最高の時速300`営業運転を計画している新型新幹線(500系)の全16両の車両編成が終わり、博多総合車両所(福岡県・那珂川町)で25日、運転席など車内が報道関係者に公開された。
 新型新幹線は1月末から走行試験などのため山陽新幹碑に登場。順調に行けば年末から年始にかけ臨時列車として走行する。
 新型新幹線の横には、新型車両のベースとなった走行試験車両のWIN350、のぞみなど歴代の新幹線が並び、世代交代を印象付けた。
 さまざまな騒音対策を施した新型新幹線は、先頭車両の流線型の長いノーズが大きな特徴。運転席は戦闘機のコックビットのように盛り上がり内部はかなり狭くなっている。
 グリーン車の車内はベージュ系の色を基調とした落ち着いた雰囲気で、座席に可動式のまくらが付くなどのぞみより座り心地が向上しているという。車内電話も個室となった。(京都新聞)
■”パークアンドライド”で観光スイスイ 実現へ右京に市民委 30日、独自案を市に提示 「駐車場は市中心部に」
 嵐山・太秦観光の交通渋滞を緩和しようと25日、京都市の右京区役所で「パークアンドライドの実施を求める市民委員会」が結成された。右京の交通問題を考える懇談会が呼び掛けて発足したもので、ゴールデンウイーク時のパークアンドライド試行案も発表された。
 パークアンドライドは、観光などの際、周辺の特定の駐車場で車を降り、電車やバスに乗り換えて最寄りの観光地へ移動する交通システム。
 同懇談会では、7年前から右京区の交通問題を考えてきたが、奈良のシルクロード博などで実績があるパークアンドライド方式に絞って市民に広く実施を呼び掛けようと、委員会を結成した。
 同委の独自案では、下京区の四条烏丸市営駐車場(380台)とJR二条駅南側の空き地(約600台)を同方式の専用駐車場とし、四条烏丸・四条大宮・JR二条駅・北野白梅町を巡回するシャトルバスを運行する。嵐山などの観光地へは、そこから電車やバスで移動する。
 シャトルバス、市バス、京都バス、京福電鉄、JRは、共通一日乗車券を発行し、観光地の飲食店、レンタサイクル、土産物店での割引や、観光案内などの特典をつけて利用を促す。
 この日の結成集会では、委員会代表に真田是立命館大名誉教授、事務局長に渡辺洋・右京の交通問題を考える会代表を決めた。
 同委では、30日に同市役所で産業観光局や企画調整局と懇談、独自案を提示することにしている。市長選挙に出馬表明している3人にも、パークアンドライドヘの意見を尋ねる公開質問状を送る予定。(京都新聞)
■市バス接触、主婦けが
 25日午後5時45分ごろ、京都市上京区烏丸通丸太町上ルで、立命館大学行き市バス=山口忠幸運転手(26)=が、平行して車道を走っていた自転車の上京区の主婦(56)と接触。転倒した主婦は頭を打って軽いけがを負った。市バスには乗客15人がいたが、けがはなかった。(京都新聞)
■メーターなし 500系新幹線 JR西日本公開
 山陽新幹線で年内にも営業運転が始まるJR西日本の新型車両「500系」が25日、福岡県那珂川町の博多総合車両所で報道機関に公開された。2月下旬から新下関−小郡間で本格的な試運転を始める。
 空気抵抗や騒音を抑えるために、先頭車両は戦闘機を思わせるシャープなデザイン。運転席からメーター類はほとんど消え、正面のパネルが走行データをデジタル表示する。客車の電話は個室になり、サスペンションも改良されたが、座席間隔は「のぞみ」より2a縮まった。
 500系は、博多−新大阪間を2時間19分で結ぶ。4つのメーカーが製作を分担し、現在、JR側への引き渡しを前に内装作業が急ピッチで進んでいる。(朝日新聞)
■麻原被告 4月18日初公判 地下鉄サリンなど3件 東京地裁
 東京地裁は25日、殺人罪などで起訴されているオウム真理教前代表の麻原彰晃被告(40)=本名・松本智津夫=の初公判を4月18日午前10時から開くことを決めた。さらに7月まで毎月2回の期日を指定し、この8回の公判の間に、麻原被告が起訴されているすべての事件の罪状認否や検察側冒頗陳述、証拠採用された書証の調べを終えることも決めた。これで、昨年10月の私選弁護人解任以来揺れ続けていた麻原被告の初公判問題は、ようやく決着した。この日午後にあった非公式協議で、東京地裁、東京地検、国選弁護団の三者が合意した。
 公判期日はいずれも木曜日で、毎回午前10時から、東京地裁で最も広い104号法廷で審理される。初公判では、地下鉄サリン、元信徒落田耕太郎さんリンチ殺害、麻酔薬チオペンタールナトリウム密造の3事件が審理されることになった。第9回公判以降には、検察側申靖の証人を集中的に尋問することも決まった。
 初公判期日をめぐっては、裁判所と検察側が年度内に初公判を開くことを主張し、国選弁護団と対立していた。弁護団が提案した「4月25日」開廷を軸に調整に入り、最終的に弁護団が1週間の繰り上げを受け入れることで合意に至った。
 この日の期日指定は、刑事裁判とは別に進められている破壊活動防止法の弁明手続きへの麻原被告の出席問題にも、微妙に影響しそうだ。出席を求める教団側と反対する警察側の対立から、第2回弁明期日さえ決まっていないが、警察も「初公判後の出席」には柔軟姿勢といわれるからだ。(朝日新聞)
■外崎被告殺意を否認 地下鉄サリン実行グループ 関与は認める
 オウム真理教信者外崎清孝被告(31)の第2回公判が26日、東京地裁(田尾健二郎裁判長)で開かれ、実行グループの1人として殺人、同未遂罪に問われた地下鉄サリン事件が審理された。罪状認否で外崎被告は事件への関与を認めたが「だれも殺そうとは思わなかった」と殺意を否認。弁護側は「地下鉄で混乱を起こす手伝いをしたのであり、暴行、威力業務妨害罪のほう助犯に当たり、殺人罪には当たらない」と主張した。(京都新聞 夕刊)
■雪で新幹線乱れる
 東海道新幹線は米原付近の雪のため、26日の始発から新大阪−名古屋間で徐行運転をしており、午前8時現在、名古屋駅で上り線に20分程度、新大阪駅で下り線に25分程度の遅れが出ている。
 彦根地方気象台によると、米原付近は25日深夜から雪が降り続き、26日午前8時の時点で9aの積雪となっている。(京都新聞 夕刊)
28日■丹後の魅力 乗って満喫 KTRに新型車両 座席広く景色一望
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)の新型ディーゼル特急車両「タンゴ・ディスカバリー」(丹後再発見号)が26日、京都市下京区のJR西日本梅小路蒸気機関車館で製造した富士重工業からKTRに引き渡された。
 タンゴ・ディスカバリーは、丸みのある先頭部や青緑とグレーの2色の外装を採用し、丹後の海と山を表現している。ゆったりした座席と、乗務員室の後ろに外の景色を一望できるフリースペースを設けた豪華特急。トイレにはベビーベッドを設置、車いすにも対応できるよう配慮している。
 受け渡し式では、製造する10両のうち4両がお目見え。谷岡豊次KTR社長に松崎一男富士重工業社長からハンドルキーが手渡され、谷岡社長が「その名どおり丹後の再発見に活躍してほしい」とあいさつ。出席者がテープカットした。
 タンゴ・ディスカバリーは2両1編成で、最高時速は120`。京都−天橋立間の電化に合わせ、3月16日から運行を始める。天橋立や綾部で京都、大阪からの電車特急と接続するリレー号となるほか、新大阪から福知山線経由で網野、久美浜へ直接乗り入れる。(京都新聞)
■私鉄春闘 2年連続 スト構えず 関東の大手合意
 春闘の相場づくりに大きな影響力を持つ私鉄総連(池村良一委員長)に加盟する労組のうち、関東大手の労組は27日までに、96春闘では事前にストライキを構えずに賃上げ交渉する「事後対処方式」を採用することで合意した。
 関西の大手私鉄は阪神大震災による打撃からの回復が遅れていることから、ストを設定しての統一闘争は組めないと判断したとみられる。これにより震災に伴う「緊急避難的措置」だった昨年に続き、私鉄大手春闘は2年連続で「ストなし」交渉となることがほぼ確実の情勢。
 私鉄総連はこれを受け、「ストを背景に中央集団交渉で闘う」とした96春闘の戦術を再検討中。29日に予定される大手労組の委員長会議で引き続き討議するが、「ストなし」の流れは変わりそうもない。
 96春闘では、従来中央集団交渉に参加していた9労組のうち、阪神はすでに離脱を決定した。阪急と京阪についても会社側が労組に個別交渉を打診している。
 こうした事情から関東の大手労組は「関東と関西の大手労組による中央集団交渉を維持することが第一。今回はスト設定見送りは仕方がない」との認識で最終的には一致した。
 95春闘では震災の影響で、被害が大きかった阪神、阪急が個別交渉。関東の大手4社と関西の大手3社の計7労組も東西2つのブロックに分かれて交渉した。
 このため私鉄総連は、96春闘では「春闘再生」を掲げ、ストを構えた大手9労組による中央集団交渉で臨む、とする運動方針を決めていた。(京都新聞)
■踏切内で男性倒れ近鉄にはねられ死亡 精華町の狛田駅付近
 27日午前11時27分ごろ、京都府相楽郡精華町菱田の近鉄京都線狛田駅北寄りの宮津3号踏切で、同町下狛、無職小池清さん(73)が、京都発天理行き急行(中島文彦運転士)にはねられ、全身打撲で死亡した。
 木津署によると、踏切内で倒れているところを、通りかかった近くの主婦2人が見つけ助けようとしたが、遮断機がおり電車が接近してきたため救助できなかった。また、中島運転士は270b手前で小池さんを発見、急ブレーキをかけたが間にあわなかった。(京都新聞)
■新幹線乱れて10万人に影響 東北、上越
 27日、JR東北、上越新幹線でポイント故障や停電、架線異常が重なり、両線は87本が運休、202本が最高3時間40分遅れるなどダイヤが終日乱れ、乗客約10万人に影響が出た。
 同日午後1時25分ごろ東北、上越新幹線の上野−大宮間で停電、上下線とも約25分間列車がストップした。
 午後3時半ごろには、東北新幹線小山−大宮間の上り線で架線の一部が細くなる異常を発見、同新幹線の上野−小山間、上越新幹線の上野−熊谷間を一時止め復旧に当たった。
 JR東日本によると、同日朝に大宮駅構内で起きたポイント故障で列車に遅れが出て復旧後に運行が集中。架線に電流が流れ過ぎ、安全器が作動して停電したほか、架線の一部が溶けて細くなったのではないかとみて調べている。(京都新聞)
■丹後路 新型特急 タンゴ・ディスカバリー 3月16日運転へ受渡し式
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)の新型特急車両「タンゴ・ディスカバリー」が完成し、車両を作った富士重工業から同鉄道への受け渡し式が27日、下京区のJR西日本梅小路蒸気機関車館であった。山陰線の園部駅からKTRの天橋立駅間の電化・高速化に伴い、3月16日から運転が始まる。
 タンゴ・ディスカバリーは、JR電車の特急と天橋立駅で接続し、丹後地域の未電化区間を走る「リレー特急」として、また、乗り換えなしで阪神地域と丹後地方を結ぶ特急として、運行する。
 外観は、海と山を表す緑色と、砂を表すベージュグレーの2色が、波形の路線の上下に配されている。運転席のすぐ後ろには、乗客がくつろげるよう、カウンターテーブルと大きな窓がある約10平方bの「フリースペース」を設けた。
 車内は禁煙で、車両の出入り口に喫煙コーナーがある。トイレは、車いすの人も使えるよう自動ドアの幅広い出入り口があり、収納式ベビーベッドもついている。
 この日の受け渡し式で谷岡豊次・KTR社長は、富士重工業の松崎一男副社長から金色の「ハンドルキー」を渡され、「ゆったりと優雅に乗車して、丹後の再発見をしてほしい」とあいさつ。テープカットの後、車両が関係者らに初めて披露された。(朝日新聞)
■電車にはねられ死亡 吹田市の東海道線
 27日午後6時12分ごろ、吹田市芝田町のJR東海道線の線路に入っていた男性が長浜発姫路行きの下り快速電車にはねられ、頭を打って即死した。
 吹田署の調べでは、男性は50歳くらい。身長約170aで茶色のジャンパーに青いジーンズ姿だった。同署で身元を調べている。JR西日本によると、この事故で下り2本が部分運休、3本が11−7分遅れ、1400人が影響を受けた。(朝日新聞)
29日■地下鉄サリン事件 被害者の会が発足
 「地下鉄サリン事件被害者の会」が28日、都内で被害者ら約30人が参加して発足した。被害者の幅広い救済を目指す。(朝日新聞)
■新型点字ブロック「凹凸小さく危険」 新型・安上がりでも薄め 従来型・突起丸くデコボコ 障害者ら JR西などに改善求める
 JR西日本が、乗降客の少ない管内の駅で設置を進めている新型の点字ブロックに、視覚障害者が「これまでの点字ブロックに比べ凹凸感に乏しく、危ない」と、不満を募らせている。新型は、従来だと1ヵ月かかる敷設工事が1、2日で完了し、費用も半分ですむため、JR西日本は今後も設置を進めていく方針で、障害者グループは同社や運輸省、自治体に改善を求めている。
 JR西日本は、新型について1日の乗降客が3000人未満の駅を対象に、1昨年8月から設置し始めた。現在まで山陽線や紀勢線、北陸線など約60駅に取り付け、来年度にはさらに30駅に設置する予定だ。
 新しい点字ブロックは、従来のコンクリートブロックとは違い、合成樹脂でできている。敷設工事は、道路のセンターラインを引くのと同じやり方で、溶けた状態でホームの上に張り付け、点字の型を押し付けて固める。従来型では、1日の工事で約5、6bしか敷設できなかったが、この方法だと300bまで可能。費用も従来が1b当たり1万円なのに対し、5000円ですむ。
 ところが、従来型が30a四方に32個か36個の半球型の突起が付いているのに対し、新型は突起の数が25個と少ない。しかも形が正方形で平らな部分が多くなっている。
 このため、実際に使用した視覚障害者らが「足裏に触れたとき、不安定な感じがなく、周囲のアスファルトと区別しにくい」と指摘。和歌山県内の視覚障害者らでつくる「和歌山視力障害者の生活を守る会」が去年9月、県とJR西日本に新型を設置しないよう申し入れたのをきっかけに、関西の障害者グループが改善を求めている。
 運輸省が1994年3月に作成した、駅の点字ブロックのガイドラインでは、30a四方の中に32個か36個の半球型の突起を設けることになっている。JR西日本施設部は「新型は自治体からも了解を得ている。早く、多くの駅に整備することが必要で、当面、このやり方で進めていく」としている。
 JR側の効率優先の姿勢に対し、「和歌山視力障害者の生活を守る会」の加藤守一副会長は「安くて簡単という理由だけで、十分な検証がないまま設置されているような気がする。新型では事故にもつながりかねず、従来型に戻してほしい」と訴えている。(朝日新聞 夕刊)
■情報を市民にD 公開法制定の論点 過去文書「施行日前」理由に拒む
 神戸市の新交通システム「六甲ライナー」は、阪神大震災で橋げたが落ちたり、高架を支える鋼製の橋脚がねじれたりした。全面復旧までに7ヵ月余りかかった。
 「私たちが指摘していたことが当たった。市がもっと情報提供していてくれたら、とことん論争できたのに」。灘区の自宅がほぼ全壊した大阪工業大助教授の中田作成(57)は、六甲ライナーの安全性をめぐって市と裁判まで起こして争った。
 神戸市は1985年、住吉川の西岸に高架式の六甲ライナーを建設する計画を発表した。六甲アイランドに住む人の通勤の足だ。当時、川のそばのマンションに住んでいた中田は、周辺住民とともに「住吉川の環境を守る会」をつくり、反対運動に乗り出した。
 「細雪」の舞台になった旧谷崎潤一郎宅も移転を迫られていた。六甲山を望む景観が台無しになる。それとともに、中田たちが問題にしたのは、橋脚を立てる川岸の地盤だった。軟らかい粘土層が含まれており危険だと指摘した。だが、市側は86年9月に工事を始めた。
 市の公文書公開条例が、その年12月1日に施行された。中田らは施行日に企画立案資料や環境影響評価書など、21件の公開請求をした。
 ところが、部分公開も含めて請求が認められたのは、工事業者との契約書などわずか6件。条例の付則では、施行日前に作成された文書は「保存期間が10年以上と定めるもののうち、整理を終了したもの」だけが公開対象とされている。ルート地域のボーリングデータやルート策定に関する資料など、最も欲しかったものは対象外とされた。
 「工事の真っ最中に、文書が過去のものだからなんて、びっくりした」。市の対応に不信感が募った。
 87年4月、六甲ライナー建設に対する公金の支出差し止めを求めて提訴。何とか公開にこぎつけた設計図面などを頼りに、危険性を訴えた。市は「安全に問題はない」の一点張り。90年2月、六甲ライナーは開通する。訴えを公金支出差し止めから損害賠償請求に切り替えたが、その1年後の判決は「却下」だった。
 それから4年−。大震災で六甲ライナーは、護岸用のコンクリート壁が崩れ、地中に埋め込んだ橋脚はむき出しになりかけたり、傾いたりしていた。昨年5月、市に被害状況と原因について公開請求した。駅舎や橋のほか、164本の橋脚のうち、20本に被害が出ていることが分かった。しかし、原因については「該当する公文書はない」だった。
 昨年4月、石川県で情報公開条例が施行された。金沢市の「原子力防災を考える石川県民の会」世話人の中庭たか子(45)は、環境保護団体がその1ヵ月前、原発を抱える各県に出したアンケートの回答書の公開を求めた。だが、「施行日前の文書」を理由に拒否された。
 中垣は92年にできた「情報公開を考える会」のメンバー。生命、健康や環境保全にかかわる情報は施行日以前の文書でも公開するよう申し入れてきた。ほかの自治体の条例でも、この「施行日前の文書」規定が、情報公開の壁の一つになっていたからだ。だが、できた条例は「永年保存で検索に必要な資料が作成されているもの」に限られた。
 回答書を求めて、中垣は直接、原子力安全対策室に問い合わせたが、「任意に出す性格のものでもない」と断られた。中垣はいう。「いくら情報公開条例をつくっても、市民に情報を出そうという姿勢が役所側になければ意味がないことがよく分かった」(敬称略)
〈論点〉管理の仕方まちまち 条例施行前に作られた文書をどの範囲まで公開するかは、各自治体でばらつきが見られる。福岡県と栃木県だけが文書の作成時期に関係なく、すべてを公開対象としている。そのほかは文書の保存期間によって何らかの制限がある。神奈川県は生活や生命、環境にかかわる文書はすべて公開の対象にしている。福井県などは任意の公開に努めるよう明記している。
 しかし、多くの道府県では10年間以上または、永久保存の文書だけを対象としており、目録が作成されていることを条件にするところもある。膨大な過去の文書は管理、整理するのに相当な時間がかかる、というのが自治体側の言い分だ。
 施行日前には任意の公開に応じていた文書が、条例ができたためにかえって、公開対象外となるケースも出かねない。公開したくない情報について、目録作成を遅らせるといった恣意(しい)的な運用の恐れもある。
 国レベルでは、省庁ごとに文書管理規定が設けられているが、供覧できるとする文書の範囲や管理責任者もまちまちだ。行革委の行政情報公開部会は、中間報告のたたき台となる検討方針で、文書管理の仕組みを「情報公開法の基盤」として重視する姿勢を打ち出した。文書の保存期間や廃棄の基準などをはっきりさせることによって、情報公開制度が十分に機能するよう狙っている。(朝日新聞 夕刊)
30日■私鉄総連 スト設定せず交渉へ 震災響き 阪神離脱、阪急も検討
 春闘の相場づくりに大きな影響力をもっ私鉄総連(池村良一委員長)は29日、東京都内で中央闘争委員会を開き、ストライキの設定など今春闘の戦術を協議したが、「阪神大震災の後遺症をぬぐい切れない」として、結論を来月16日の中闘委に先送りした。関西私鉄大手の阪神電鉄が中央集団交渉から離脱するほか、ストを設定して回答を迫る「事前対処方式」に経営側がそろって強い抵抗を示していることから、昨年に続き、事前にストライキの設定をしない「事後対処方式」をとる公算が大きくなっている。
 私鉄総連は、今春闘では従来通りの中央集団交渉を復活させる方針を決め、18日に経営者団体の日本民営鉄道協会に要求した。だが、阪神電鉄の経営側は「阪神大震災の被害が残っており、各社一律の賃金交渉はできない」と労組に個別交渉を打珍し、組合側も受け入れた。阪急電鉄も経営側が労組側に個別交渉を強く求めている。
 このため、中央集団交渉に何社が参加するかはまだ不明で、経営側の意向次第では昨年と同様、関東、関西のブロック別交渉になる可能性もある。また、関東の大手組合の間でも、ブロック別交渉を避けるためには、過渡期の対応として「事後対処方式もやむを得ない」という声が出ている。
 昨年の私鉄大手の春闘は、阪神大震災の影響から、組合側が回答を受ける前にストを構えず、関東と関西のブロックに分かれて交渉する異例の事態になった。被害の大きかった阪神電鉄と阪急電鉄の組合は、ブロック別交渉にも参加せず個別の交渉に追い込まれた。(朝日新聞)
■このまちで 96京都市長選E 住民不在 説明 後回しの事業推進 募らす市政への不信
 山科区勧修寺柴山の西野山団地内の道路には、違法駐車の車がずらりと並ぶ。ラッシュ時、2`も離れていない五条バイパスまで30分かかることもある。バスはいつも遅れる。だからマイカーがさらに増えるというイタチごっこだ。
 6年前。市営地下鉄東西線建設の計画を知った同団地の無職川口辿郎さん(58)は、そんな悪循環が断たれると喜んだ。
 しかし、市は昨年9月になって、東西線の開通に合わせて山科区と伏見区北部で市バスの運行をやめる方針を打ち出した。この地域の市バスの基地となっている醍醐営業所も1997年秋の地下鉄開通時に廃止するという。開通で減るバス利用者を、京阪バスと奪い合うのを防ぐためだ。
 川口さんは車を持っていない。市バスが廃止されたら、地下鉄の駅まで歩いて30分かかる。仮に京阪バスが現在の市バスと同じ路線を走るとしても、市バスの敬老パスの利用者はどうなるのか。
 東西線の建設費が当初計画の2倍に膨らむことが明らかになった94年。市交通局は「赤字バス路線の再編成」を打ち出した。醍醐営業所の94年度の赤字は7億3000万円。「具体的な廃止路線や敬老パスのあり方は協議中だが、採算面なども考慮して決めることになる」としている。
 川口さんの記憶では、東西線の着工前の地元説明会で、市側は「住民の足を確保するため、地下鉄の各駅からムカデの足のように多くのバス路線を出す」と説明していた。「反発を受けそうなことは隠し続け、完成間近になって結論だけを押しつける」と、川口さんは感じている。
 右京区西院清水町の平井年男さん(33)は92年3月、人づてに「高速道路建設の地元説明会がある」と聞いた。会場の市立西院中学校体育館に出かけた。
 夕方、会場には女性を中心に3、40人が集まっていた。担当の市職員が「将来の交通量を見通して、円滑な交通網を実現するためにも高速道路は必要…」と説明し始めた。建設中の地下鉄東西線は、いずれ西院の近くを通って洛西、長岡京方面へ延伸される。高速道路の整備で、周辺道路の渋滞は緩和するという。
 京都高速道路は、新十条、堀川、油小路、西大路、久世橋の5路線計約20`。総事業費は4000億円以上の見込み。市中心部は、堀川通と西大路通の地下に高速道を通す−。
 平井さん宅からわずか数百bの西大路五条の交差点には、高さ35bの排気塔が立ち、歩道の一部が約60a削られることもわかった。どれも初めて聞く話ばかりだった。「大気汚染が心配だ」「今より車が増えて渋滞はひどくなるのでは」。会場から質問が相次いだ。
 市の広報紙に、この地元説明会の案内はなかった。案内のチラシも平井さん宅には配られなかった。
 市の説明はこうだ。「建設省の環境影響評価の技術指針で、大気汚染や騒音が考えられる範囲は沿線から100−150b以内としており、その区域には案内チラシを全戸配布した。法で義務づけられていない素案段階での説明会も開き、周知には努力した」
 説明会の後、疑問を抱いた平井さんは近所の人たちと手分けし、周辺の300軒を回った。説明会で聞いた内容を伝えると、多くの人が「いつの間にそんなこと決まったの」と驚いた。
 平井さんらは、住民の意見を反映するよう求める署名運動を展開したが、93年3月、高速道路建設は都市計画決定された。
 「ビジョンは豪華なパンフレットで紹介するのに、問題点が指摘されそうな説明会は、地域の住民にほとんど知らせずに開く。事業は、こんなふうに進められていくのでしょうか」。平井さんの市政への不信感は募るばかりだ。(朝日新聞)
■南海電車に車あて逃げ 大阪・忠岡の踏切
 29日午後10時15分ごろ、大阪府泉北郡忠岡町忠岡東一丁目、南海電鉄忠岡駅−春木駅間の踏切(警報機、遮断機つき)で、難波駅発和歌山市行きの普通電車(4両)と乗用車が接触した。乗用車はそのまま逃げた。乗客約150人にけがはなかった。
 この事故で後続の特急や急行電車計6本が最高25分遅れ、約1300人に影響が出た。
 泉大津暑の調べでは、乗用車が遮断機を突っ切って踏切に入ったらしい。(朝日新聞)
■私鉄中央闘争委 春闘戦術決定先送り 関西各社 震災の後遺症残る
 春闘の相場づくりに影響力を持つ私鉄総連(池村良一委員長)は29日、東京都内で大手労組の委員長が参加する中央闘争委員会を開いたが、ヤマ場でストを設定するかどうかなど具体的な戦術の正式決定は先送りした。
 関西の大手私鉄労組は阪神大震災による打撃からの回復が遅れ、ストを背景にした交渉は困難な情勢。私鉄春闘をめぐっては、関東の大手労組が、事前にストライキを構えずに交渉する「事後対処方式」を採ることで合意している。
 このため阪神大震災に伴う「緊急避難的措置」だった昨年に続き、2年連続で「ストなし」交渉となることがほぼ確実な情勢。私鉄総連は、2月16日の中央闘争委員会までに最終的な結論を出したい、としている。
 この日の会議では、震災による後遺症が残る阪神の労組について、私鉄総連は「中央集団交渉に加わるのは難しい」と中央集交からの離脱を報告。阪急の労組も中央集交への参加は厳しいとみられている。
 会社側から個別交渉を行うよう打診を受けていた京阪の労組は従来通り中央集団交渉に参加する方向で検討しているが、会社側が個別交渉を強く求めており流動的な要素も残っている。(京都新聞)
■阪神電鉄の新型車両完成 震災被害の代替
 阪神電鉄は29日、阪神大震災で被害を受け廃車となった車両の代替として、新たに製造した特急、急行用の新型車両(9000系)の一部が完成したと発表した。
 新型車両は同社では19年ぶりのステンレス車で、銀色のボディーに赤のライン。従来の赤とクリーム色のツートンカラーとは違った新鮮な印象。
 31日に内装を含め3両が完成。約40億円をかけ、30両(5編成分)を製造し、特急、急行用として3月中の営業運転を目指す。
 震災で同電鉄は、神戸市東灘区におる高架式の石屋川車庫で橋脚が倒壊するなどし、保有車両314両のうち126両が被害を受け、うち41両が廃車に追い込まれた。
 昨年11月に、震災復興の第1号として普通電車用の新型車両(5500系)を導入したが、現在も震災前と比べ32両足らず、ラッシュ時の運転は1時間に26本で3本減の状態。今回の新型車両で、3月には元の保有車両数を回復できそうだという。(京都新聞)
■「のぞみ」異常 京で2度停止 4000人の足乱れる
 29日午後2時10分ごろ、JR東海道新幹線の東京発博多行き「のぞみ13号」が、京都市山科区を走行中、台車の異常を示すランプが点灯したため自動停止した。すぐに運行を再開したが、東山区に入崩し再び停止した。運転士らが車両点検をしたが異常がなく、16分後に運転を再開し、約30分遅れで新大阪駅に到着。同駅で別の車両と交換、乗客580人に乗り換えてもらう処置をとった。
 この影響で、後続の5本が最高31分から10分の遅れ、約4000人の足が乱れた。JR東海は原因を調べている。(京都新聞)
31日■京都駅ビル発掘調査 「工事遅れ発言」で”対立” 京都市埋文研・JR西日本と開発会社 怒る技師、反論会見 両社が撤回 全面対決は回避 文化財と開発 京の悩み深く
 建設工事中の京都駅ビル(京都市下京区)の発掘調査を担当している京都市埋蔵文化財研究所は30日、記者会見で「駅ビルの完成が半年遅れになった原因は、発掘調査ではない」とする異例のコメントを発表した。建設主体のJR西日本、京都駅ビル開発会社が昨夏に「工事の遅れは発掘調査のため」と発言したことへの反論だ。両社はその後、「工期の見通しの甘いさが原因だった」と発言を撤回したため全面対決は回避されたが、発掘技師の怒りは収まらず、この日の会見となった。文化財保護と開発のはざまに揺れる京都の「深い悩み」を垣間見せた格好だ。(社会部 藤岡博之)
 対立は昨年6月から始まった。京都駅ビル開発(社長=南谷昌二郎・JR西日本副社長)が記者会見で、新駅の完成時期に関連し「発掘調査は93年6月から10ヵ月を予定していたが、平安京の工房跡など重要遺構が出土し、さらに10ヵ月後の今春(昨年2月末)まで延びた」と発言した。
・市民から批判も
 その後の新聞報道でも発掘調査が遅れの原因としてクローズアップされ、同研究所に市民から「調査のせいで京都駅の完成が遅れるのか」といった批判がいくつか寄せられた。
 同研究所は、発掘調査途中の94年3月、両社を交えた三者間で協議し、95年4月末の調査完了予定という合意ができており、「1年10ヵ月という調査期間は建設スケジュールに組み込まれているはず」と反論。昨年末、建設主体の両社に「文化財保護に否定的側面を与える」と、発言の撤回を求めて折議した。
・正式な訂正は拒否
 これに対し両社は「わが社の工事の見通しの甘さが原因。遅れの責任を研究所に背負い込ませる気はない」(山本正幸京都駅ビル開発企画課長)と非を認めたものの、「一連の発言は公式見解ではなく、マスコミ報道が先走ったもの」として正式な発表は拒否した。その結果、名誉回復の機会を失った同研究所は、経過説明の形で30日の記者会見を開くことを決めた。
 京都市埋蔵文化財研究所の鈴木久男調査課長は「約4200平方bの調査地は8区域に分けて旧駅舎の解体前から調査し、工事中も進ちょくに支障がないよう空き地を選んだ。厳しいスケジュールの中、銅製仏具の鋳型が見つかり、平安時代、手工業者の町として栄えたことが分かる貴重な資料が得られた」と話す。
 この日の同研究所の会見について、駅ビル開発では「以前に研究所側に回答した通りで、非は当方にある」と話している。
・常に工期の”圧迫”
 しかし、これで発掘担当者らが胸のつかえをおろしたか、といえばそうではなさそうだ。ある調査員は「地下鉄東西線の遅れも発掘調査が原因にされかかった」と不満を漏らす。
 技師らには、常に開発側のスケジュールに押されて調査がやりにくいという嘆きがつきまとっているからだ。
 開発と文化財保護のせめぎ合いは、全国各地で起こっている。その背景として、開発側に文化財発掘を「厄介者」視する傾向があるのも事実だ。今回の”騒動”の根っこにもそれがあったのではないか。同研究所が会見で本当に言いたかったのは、そのことだろう。(京都新聞)
■ごみ大幅削減へ20駅で分別回収 JR西日本
 JR西日本は、資源リサイクルと滞瀦な駅づくりを目指して、在来線の京都、米原、新大阪と、山陽新幹線全駅の計20駅で2月1日からごみの分別回収を始める。
 回収は、新聞・雑誌、瓶・缶、一般ごみ(駅弁くずなど)の3種に分け、それぞれ専用のごみ箱(3種1組)を設けて乗客の協力を呼びかける。総経費は約8000万円。
 ごみ箱の配置や、協力ポスターの張り出しなど、一部の駅では若干の準備が必要だが、3月1日までには完全分別回収の体制を整えるという。
 分別を始める20の駅から出る1日のごみの量は、一般家庭の約5500世帯分に当たる1日約17d。これまでは、一括して廃棄物業者に渡していた。JR西日本は、分別回収でごみの量は約30%減ると見込んでいる。(京都新聞)
■窓 京都市バスへ”激励”と”怒り”の思い
・うれしいリフト付きの増便 左京区・六方 乙彦(学校講師・61)
 今度、リフト付き市バス(31号系統)が増便された。小生宅にも車いす常用者がいるので助かる思いである。それは時刻表でそのバスに乗れば、リハビリセンターなどにも通所できる。そして経済的にも、気持ちの上でも少し肩の荷が下りる思いである。
 たまに利用させていただく者の一人ではあるが、このようなバスは、たとえば割引料金を払わせていただいてもよいので、もっと増やしていただきたい気持ちである。車いすで京都観光をしていただけることは一市民の願いでもある。それは今でも自家用車やレンタカー、タクシーで可能なのだが、市バスがこれに一枚加わるなら「人権を重くみる京都市」の決意にさらなる広い信用と協力がみられるだろう。
 古いタイプの人間としての独り言かもしれないが、無料でなければ福祉でないとも思わない。現に敬老乗車券利用の方々は、市バスから降りるとき必ずといってよいほど、深々と頭を下げている。彼らはただ権利意識一点ばりの欠礼者ではない。皆いつか車いすででも市バスに乗せてもらいたいと思っている。
・待っても釆ない苦情の回答 南区・林 由香(主婦・33)
 もう1ヵ月以上になります。その日、私と子供を含めた10人以上が待つバス停で止まったバスは、降りる客だけ降ろして、後部ドアを開けようとしませんでした。私たちは乗るつもりで並んでいましたし、バスはガラガラに空いていました。回送バスでもありません。
 乗車拒否としかとれず、納得できないまま交通局に電話しました。バスの番号と停留所名、時間を告げて、どういうことか説明してほしいと訴えました。担当の方が「時間はかかるが返答します」と、当方の電話番号をきかれ、その場の話は終わりました。以後、事情説明の電話はかかってきません。
 当欄でも度々市バスについての問題が取り上げられています。それに対してしかるべき筋から回答もあります。しかし、そのことばは本当に守られているのでしょうか。乗車拒否にあい、それに対しての苦情を個人レベルで訴えても答えない状況では、世間体を考えての口先だけのものと取られても仕方がないのではありませんか。市バス利用客が減ったため運賃を値上げするとの記事を読んだことがありますが、その主な原因はどこにあるのか考えてしまいます。(京都新聞)
■高速道・地下鉄は整備 京都市長選 桝本氏が公約を発表
 京都市長選で、市議会与党4会派(自民、公明、社会、新進市民クラブ)が擁立した前市教育長の桝本頼兼氏(55)が30日、10大基本政策(公約)を発表した。「京都経済の活性化」「災害に強いまちづくり」「同和行政の是正」など。市民の賛否が割れる京都高速道路計画は「整備する」としており、「計画凍結」を訴える京都住民運動交流センター代表の井上吉郎氏(50)=共産推薦=と真向から対立する。
 京都経済の活性化では、「地下鉄や京都高速道路を整備し、京都に人を集める。伝統産業、地場産業、先端産業などの底上げを推進する。先頭に立って京都の物産を世界に売り込みたい」という。同和行政については、「同和施策は真の差別解消に役立つか、市民の理解が得られるかなどを考えなければいけない。人権問題を政争の具にしてはならないが、市の同和行政は問題がある。運動団体との関係を改革したい」とした。行政サービスの向上と財政の健全化では、「旧国鉄がJRになり、体質が変わった点を市も見習いたい。強いリーダーシップを発揮すれば、変えることができる」と訴えている。
 このほか、福祉の向上▽生涯学習の振興▽子どもたちの健全な育成▽魅力ある都市空間づくり▽快適で美しいまちづくり▽男女共同参画型社会の実現−をあげている。(朝日新聞)
■京都駅ビルの工期の遅れ 文化財調査と無関係 「保護行政にマイナス」 埋蔵文化財研が反論
 建設中のJR京都駅ビルの完成がずれ込むのは埋蔵文化財の調査が長引いたため、と昨年末相次いで報道されたことに対し、調査を担当した京都市埋蔵文化財研究所は30日、調査は計画通りで工期に影響していない、と反論する会見を開いた。研究所の山田宏晃専務理事は「このような誤解は、文化財保護行政にマイナスであると同時に、職員の士気の低下にもつながる」と話した。
 この駅ビルはJR西日本と京都駅ビル開発が共同で改築している。京都駅ビル開発は昨年12月、完成が当初計画の1996年秋から97年へ半年前後ずれこむことを明らかにした。
 研究所によると、調査期間は93年6月から95年3月。着手した時にはまだ旧ビルの解体も始まっていなかったという。さらに、93年9月に出した計画案で、95年3月までの発掘予定を示した。94年3月には95年4月末までに調査を終えるという最終的な契約を交わし、両社も承知しているはずだ、と説明した。
 これに対し、JR西日本と京都駅ビル開発は「工期の遅れが文化財調査が長引いたためとは一度も正式発表していない。こちらの工期の見通しめ甘さが原因と思っている」と話している。
 発掘調査地は平安京の遺跡に指定されている。また、一帯は鎌倉時代から室町時代にかけて、東寺に年貢を納めていた手工業者が多数暮らしていた地域。94年10月には鎌倉時代に作られたとみられる仏具の鋳型も見つかっており、当時の職人たちの暮らしがよくわかる遺跡を多数発掘したという。(朝日新聞)
■山陽新幹線の駅でも ごみの分別収集開始
 JR西日本は30日、2月5日から山陽新幹線の各駅で順次ごみの分別収集を始め、3月には全駅で実施すると発表した。ごみ箱を2月5日から1ヵ月間で取り換え、「新聞・雑誌」「空き缶・瓶」「その他のごみ」の3種類に分ける。同様の分別収集は、すでに東北、上越、東海道の各新幹線で実施しており、新幹線では全国で一番遅れた開始となった。(朝日新聞)
■ニュートラム全線停止 乗客ら徒歩で駅まで誘導 コンピューター故障か
 31日午前9時44分ごろ、大阪市住之江区内を走る市営新交通システム「ニュートラム」が全線でストップした。大阪市交通局は全線を停電させた。
 運行中だった10列車の乗客約800人のうち、駅間で停車した8列車の乗客は、添乗員らの誘導で軌道わきの点検路を徒歩で最寄り駅まで移動。午前10時すぎからバスによる代替輸送を行った。
 大阪市交通局によると、中ふ頭駅に隣接する南港検車場で行っていた空調工事の際、誤ってコンピューターと空調関係の電線が接触、中央指令所のコンピューターがシステムダウンを起こした。
 ニュートラムは住之江区の住之江公園−中ふ頭間の6.6`を運行。運転はコンピューターによる自動制御だが、1993年10月に無人運転で暴走事故を起こし200人以上が負傷、各列車に瀦乗員が乗っている。
・乗客ら沈着に行動
 「どうか落ち着いて指示に従ってください」−。31日朝、全線がストップした大阪市営ニュートラムの中ふ頭駅では事故当時、住之江公園行きの列車が出発したばかりだった。
 同駅の竹田清二郎助役(59)によると、中央指令所の指示で職員が列車まで走り、添乗員らと一緒に、乗っていた乗客5、6人を降ろし、軌道のわきにある点検路を通って中ふ頭駅まで誘導した。職員らが「代替バスで振り替え輸送しますので、安心してください」と案内すると、文句を言う人もなく、落ち着いて指示に従ったという。(京都新聞 夕刊)
■「500系」顔見せ 新幹線 新型車両の試運転
 フランスの高速列車TGVと並ぶ時速300`の営業運転を計画しているJR西日本の新型新幹線車両(500系)が31日、山陽新幹線に初乗り入れし、博多−小郡間で試運転が行われた。
 グレーとブルーの車体が鮮やかな新型新幹線の1編成(16両)は午前9時15分、JR博多駅の新幹線ホームにゆっくりと車体を滑り込ませ、反対ホームののぞみと並び停車。さらにスリムになった車体を披露した。
 ホームにいた京都から出張中の会社員(50)は「流線形の先頭車両が印象的。のぞみと同じ運賃だったら乗ってもいいかな」と話していた。
 試験走行は同日午後まで。今回は時速230`まで徐々に速度を上げ、山口県の新下関−小郡間を3往復する。終了後、車両がメーカーからJR西日本へ正式に引き渡される。(京都新聞 夕刊)
■ニュー山陽新幹線、試運転開始
 山陽新幹線で年内にも営業運転が始まるJR西日本の新型車両「500系」の初の試運転が、31日午前、福岡県の博多総合車両所と山口県の小郡駅の間で始まった。メーカー4社とJRが共同で実施し、走行データなどを調べる。試験終了後、JR側は車両の引き渡しを受け、2月下旬から年末にかけて独自の試験走行を繰り返す。(朝日新聞 夕刊)
■ニュートラム停止 大阪・南港ポートタウン線 バス代替輸送
 31日午前9時44分ごろ、大阪市住之江区の市営ニュートラムの南港ポートタウン線で、走行中の電車10本が突然止まった。うち2本は南港口駅と住之江公園駅で止まったが、残り8本は8駅の間で立ち往生。駅員が駆けつけて乗客約640人を誘導し、高さ9−12bの軌道内にある通路(幅約70a)を歩いて最寄りの駅に避難させた。乗客はバスで代替輸送している。
 全線がストップしたのは、1993年10月のオーバーラン事故後、9件起こっている。
 大阪市交通局の調べでは、ニュートラムはコンピューター制御で無人運転する新交通システムで、コンピューターのトラブルとみて調べている。
 大阪市住之江区の住之江公園駅では午前9時45分、故障の和らせを受けて改札口を閉鎖した。ホームに止まっていた電車の乗客約160人に事情を説明し、降ろした。駅員は代行バスの手配や問い合わせの電話などの対応に追われた。
 改札口閉鎖後も残った約30人の乗客の中には「なんで動かんのや」と声を荒らげる人もいた。住之江署員らが警戒にあたり、大きな混乱はなかった。
 1993年10月のオーバーラン事故はいまだに原因が分かっておらず、市は、すべての車両に添乗員を乗せる有人運転を続けている。
 同事故後も、同線では故障が相次いだ。94年1月19日朝には南港東駅近くで、同駅を出発した住之江公園駅行き列車が信号装置の故障で突然止まり、約1800人が影響を受けた。
 また、同6月9日午前7時ごろ、走行中の電車が、緊急の停止信号で止まった。住之江公園駅の自動列車制御装置(ATC)機器室にある電車の走行位置を検知する装置のヒューズ切れが原因だった。このほか、車両故障で止まるなど、同線の故障は10件以上に上っている。
・ニュートラム 1981年3月、大阪南港と大阪市の中心部を結ぶ路線として、中ふ頭−住之江公園駅間の6.6`で開業した。(朝日新聞 夕刊)