1995(平成7)年12月


1日■コンビニ「アズナス」阪急さらに4店展開 夙川駅など構内に(京都)
  ■電化の福知山−天橋立 KTRが走行テスト(京都)
  ■JR三田駅前に 阪急百貨店進出 2000年完成予定(朝日)
  ■地下鉄御堂筋線でまた出火 一時全線ストップ(京都)
  ■”痛勤”少しは緩和(朝日)
2日■大震災の教訓 京でも生かせ 地下鉄東西線 駅や変電所の柱44本 耐震補強が必要(京都)
  ■智頭急行1年 温泉客増えた、赤字は減った 震災なんの、平均乗車率は61%(朝日)
3日■交通まひ、週明けも 国鉄労組がスト続行決定 フランス(京都)
  ■鉄道の再開で中越原則合意 共同コミュニケ発表(京都)
  ■窓 交通局職員は乗客に配慮を 北区・杉下晃一(高校3年・18)(京都)
  ■シカはね列車止まる 日吉のJR山陰線(京都)
  ■「ゆりかもめ」またトラブル 乗客100人かんづめ(京都)
  ■震災で落下の新幹線高架 「旧河道」と一致 立命館大助教授調査(朝日)
  ■予想外の事件が起こる昨今… 電車「開かずの窓」怖い 新型車両に続々と 不安訴える乗客も(朝日)
5日■南海電鉄 沿線110駅 レトロ調入場券入り 記念アルバム発売(京都)
6日■JR円町駅 97年度中に着工 京都市 二条−花園間、来秋高架化受け 西大路通交差西に(京都)
  ■窓 市バス優先のルール導入を 大山崎町・寺川 理(会社員・61)(京都)
  ■タヌキをはね?のぞみ10分停車 新岩国−徳山間(朝日)
7日■京阪の特急に2階建て登場(京都)
  ■御池地下街地下駐車場 建設費7億円アップ(朝日)
  ■来年3月から テナント募集 御池地下街(朝日)
8日■阪急今津駅の高架化が完成 16日から運行(京都)
  ■大阪−関空リムジンバスの新路線を申請(京都)
  ■大阪環状線乱れる 早朝、男性飛び込み(京都)
  ■信楽高原鉄道が安全車両導入へ 18日から(朝日)
  ■御堂筋線でまた煙 あびこ駅そば全線で5分止まる(朝日)
9日■JRで学研アクセス 3ヵ所で新駅検討 木津町(京都)
  ■窓 利用しやすい公共交通願う 伏見区・橋本誠子(養護学校教諭・35)(京都)
  ■雪害防止へ 監視装置新設 山東町などにJR東海(京都)
  ■衝撃を緩和 新車両完成 信楽高原鉄道(京都)
  ■新幹線、降雪で遅れ 京都−岐阜羽島間(京都)
  ■車両故障で阪和線遅れ(朝日)
10日■3万人の足混乱 阪急河原町駅 ポイント故障で(京都)
  ■車両に巻き込まれ会社員が足に重傷 京阪日ノ岡駅(京都)
  ■鉄骨荷崩れ、死亡 地下鉄工事で作業員(京都)
  ■オウム裁判 地下鉄サリン事件 豊田被告 ばらまき認める 実行グループ初公判 「罪の重さ感じる」(京都)
  ■豊田被告「弁解の余地ない」 地下鉄サリン 実行犯への初審理(朝日)
12日■地下鉄助成など重点 大蔵原案内示控え 75項目の予算要望 京都市(京都)
  ■窓 京都駅改築、安全案内に最善の努力 JR西日本京都支社 総務企画課長 坂本英治(京都)
  ■地下鉄工事現場きょう安全点検(朝日)
  ■運転士不在で電車遅れる JR大阪駅(京都)
  ■国鉄合理化を凍結 仏首相が譲歩策 ス卜打開へ糸口(京都)
15日■京阪奈新線に慎重姿勢 近鉄の田代社長 資金面の見通し立たず(京都)
  ■帰省ピークは30日 年末年始のJR指定席(京都)
  ■指定席の発券システム故障 JR(京都)
  ■発券システム故障 全国のJR駅 1700台動かず予約不能(朝日)
16日■JR京都駅 新築現場をパト 労基局長ら 安全管理徹底訴え(京都)
  ■新神戸停車「のぞみ」5本に 3月から(朝日)
  ■発券システム7時間で復旧(朝日)
  ■新二条駅舎 円盤くぐり故郷へ(京都)
17日■仏交通スト収拾へ 政府の譲歩案 主要労組受け入れ(京都)
  ■窓 循環市バスは入庫の表示を 左京区・河島智子(主婦・32)(京都)
  ■急行も特急に JR山陰線電化で来春ダイヤを改定(朝日)
18日■京阪電車に飛び込み 自殺か、男性死亡(京都)
  ■駅エレベーター設置進まず 「交通ボランティア」育成へ 運輸省が窮余の一策(朝日)
  ■駅の信号故障上下18本運休 JR阪和線(朝日)
  ■視覚障害学生転落で改善要請 大阪市営地下鉄 「不備ない」市拒む ホームの端 見えない 怖い 友ら、全駅歩き点検(朝日)
  ■来月から7%台値上げ JR北海道、四国、九州 本州と運賃格差(京都)
  ■大阪地下鉄火炎瓶事件 「権力への報復目的」 検察側冒頭陳述 島袋被告は一部否認(京都)
  ■オウム裁判 地下鉄火炎瓶投げ込み事件 島袋被告、「自分が命令」(朝日)
19日■本州以外のJR各社 来月中旬から 7%台値上げ(京都)
  ■パリ地下鉄全線再開 仏スト 国鉄も6割運行(京都)
  ■新型新幹線 1月に試運転 JR西日本(京都)
  ■聖夜に弦楽四重奏はいかが 会場は駅のコンコース 24日に京阪三条 特設ステージで2回公演(京都)
  ■札幌で50年ぶりの大雪 積雪84a、交通混乱(京都)
  ■旧国鉄債務28兆円に 今年度末土地・株売却進まず(朝日)
  ■御堂筋線でまた煙騒ぎ 一時全線ストップ(京都)
  ■たき火の煙が御堂筋線を通せんぼ また全線ストップ 路上生活者、電線燃やす(朝日)
20日■SL北びわこ号 湖北路に雄姿再び 来月27日から臨時運転へ 米原−木ノ本駅間(京都)
  ■望見KANSAI 片福連絡線工事 難関のトンネルが貫通(京都)
  ■地下鉄サリン 3700人に労災認定 労働省 オウムに3億円請求へ(朝日)
  ■トイレに「差別落書き」 京都駅 構内では人権啓発展(朝日)
21日■大阪外環状鉄道、10年後開業へ 新大阪−八尾20` 着工費1000万円盛る 大阪府・市とJR西日本の第3セクター(朝日)
  ■大阪市地下鉄 1ヵ月にボヤ騒ぎ4件 火花やたばこ 着火実験空振り 交通局 煙に過敏反応も(朝日)
  ■JR北海道・四国・九州 来月10日値上げ 運輸審議会 認可を答申(朝日)
  ■解説 JR3社値上げへ 見えぬ「将来像」 収支改善狙い早期実施(朝日)
  ■JR値上げ 本州3社見送りで珍現象 同区間で新幹線割安(朝日)
  ■JR3社の値上げ答申 運輸審、平均約7%(京都)
  ■JRのドアの事故で和解(京都)
  ■朝の近鉄線でスリ 男を現行犯逮捕(京都)
22日■地下鉄烏丸線 延伸開業4ヵ月遅れ 総事業費 40数億円増える(京都)
  ■大震災から1年のその日… 大開駅再開 神戸高速鉄道 被災駅すべて復旧(朝日)
  ■神戸高速 大開駅 1月17日に営業再開 震災で全壊から丸1年(京都)
23日■京阪に2階建て特急 試乗会の評判上々 25日から運転(京都)
  ■空路もJRも議員さん無料 お手盛り予算(朝日)
  ■難工事の連続 作業員も懸命 JR京都駅ビルようやく全工程の3割(朝日)
24日■JR東労組脱退の1000人 新労組結成 旧鉄労系中心に(京都)
  ■JRパス配布拡大やめよう 自民総務会で異論(朝日)
25日■年の瀬に強風 鉄道網乱れる 近畿(京都)
  ■中越鉄道 17年ぶり再開へ テト前にも 経済交流拡大に期待(京都)
  ■各地で強風 交通乱れる 西日本(朝日)
  ■声 満員電車内の騒音公害不快 八幡市 小見田 吉男(会社員 63歳)(朝日)
  ■4年ぶり京で大雪 市内8a 交通渋滞続く(京都)
  ■Xマス寒波 通勤の足すくう 鉄道遅れ、車ノロノロ スリップ続出 府内で交通事故106件(京都)
  ■新快速と車衝突 彦根のJR踏切(京都)
  ■ポイントに雪ダイヤ乱れる JR草津線石部駅(京都)
  ■ブレーキ故障も JR近江八幡駅(京都)
26日■建設費49億円増 地下鉄烏丸線の北北進区間 開業は3ヵ月遅れ 京都市が正式発表(京都)
  ■96年度政府予算案の内容(抜粋)(京都)
  ■通勤客イライラ バス延着 電話で遅刻の連絡(京都)
  ■Xマス大雪 ”京滋の足”混乱続く 名神(一宮−茨木間)通行止め 新幹線も軒並み遅れ 列車ホテルも(京都)
  ■列車一時立ち往生 JR桃山駅、計2本(京都)
  ■列車3両が脱線 兵庫のJR福知山線(京都)
  ■地下鉄烏丸線の延長区間 開業3ヵ月遅れる(朝日)
  ■ブレーキ故障? 駅通過し脱線 JR福知山線(朝日)
  ■交通乱れて 23万人影響(朝日)
  ■2日連続、京滋に大雪 朝の交通大混乱 名神上下ストップ 京の警報解除 JR軒並み遅れ(京都)
  ■年の瀬ドカ雪 生活直撃(京都)
  ■湖西線 回送電車が脱線 ラッセル車に追突 原因は指令員のミス(京都)
  ■トラックと雷鳥が衝突 虎姫、乗客250人は無事(京都)
  ■手取り足取りもうやめや 放送減らし快適鉄道 音の量は半分に 駅・車内 欧州の静かさ見習う 阪急、新年から(朝日)
  ■Xマス寒波 道路・列車に大影響 依然、大雪の恐れも(朝日)
  ■回送電車脱線 一部が不通に JR湖西線(朝日)
27日■記録的な大雪 京滋ツメ跡 JR運休相次ぐ 29日から再び冬型気圧配置(京都)
  ■雪で交通網大混乱 道路渋滞 市バスに運休や遅れ(朝日)
  ■300`運転の新型新幹線 先頭車両完成祝う JR西日本(京都)
  ■大雪小康 なお交通乱れ 通勤客らうんざり 電車遅れ道路渋滞 名神2日ぶり開通(京都)
  ■横山被告は傷害罪を主張 地下鉄サリンで初公判(京都)
  ■線路上に枕木 元警官を逮捕 愛媛・往来危険の疑い(朝日)
28日■二条駅舎保存で合意 京都市とJR西日本 梅小路公園横に移築(京都)
  ■JR二条−花園間高架 来年3月16日から(京都)
  ■新幹線に引きずられ?死亡 三島駅で若い男性(京都)
  ■停電で電車ストップ JR福知山線 丹波大山−古市間(京都)
  ■窓 守ってほしい見えない契約 栗東町・松田健忘(会社員・40)(京都)
  ■声 窓を密閉した電車は危ない 堺市 深田 浩嗣(学生 19歳)(朝日)
  ■振り落とされ線路に転落死? 新幹線三島駅で男性(朝日)
  ■パンクグラフ故障 福知山線17本運休(朝日)
  ■明治の木造駅舎保存(朝日)
  ■新幹線三島駅 高校生死亡事故 安全に気配っていた JR東海が釈明会見 原因究明も本格化(京都)
  ■三島駅の事故 新幹線がひきずる 転落死は高2 生(朝日)
  ■分散したの 目立つ空席 帰省ラッシュ?(朝日)
29日■信楽列車事故 最後の示談交渉成立 係争中の9人除き 4年半ぶりに解決(京都)
  ■駅の放送減らさないで 視力障害者ら阪急に要望(朝日)
  ■新幹線ドア改良 JR東海 高2死亡で緊急対策(朝日)
30日■トロッコ列車は 3月に運行再開(京都)
  ■帰省客、大混雑なし 近畿地方(京都)
  ■終夜運転や臨時電車 年末年始のダイヤ案内(朝日)
  ■時速300`ニュー新幹線(朝日)
  ■28遺族示談成立 9遺族は係争中 信楽高原鉄道事故(朝日)
31日■分散型すっかり定着? 帰省ピーク 混雑なく穏やか(京都)
  ■JR福知山線 脱線事故原因 雪で車輪の摩擦力低下(京都)
  ■被災の独り暮らし老人 電車に飛び込み死亡 神戸のJR駅(京都)
  ■京日記(京都)
  ■86歳被災者が 飛び込み即死 神戸のJR駅(朝日)



1日■コンビニ「アズナス」阪急さらに4店展開 夙川駅など構内に
 阪急電鉄は、駅構内などに今春から出店を始めたコンビニュンスストア「アズナス」が、売り上げ好調なことから、今後さらに4店の展開を進める。30日の記者会見で、菅井基裕社長が明らかにした。
 アズナスは、駅の構内や駅に付設する形で設置する同社直営のコンビニエンスストア。店舗面積は50平方b前後、従業員は3−5人で、おにぎりやサンドイッチなど品ぞろえを図っている。
 これまでに開設した2店のうち、十三駅に4月オープンした十三アズナスは、一般コンビニの約2倍に当たる1日約100万円を売り上げる好調ぶり。こうした状況から、さらに夙川、山田など計4駅に開設していく方針を決めた。(京都新聞)
■電化の福知山−天橋立 KTRが走行テスト
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)と日本鉄道建設公団が、宮福線と宮津線の福知山−天橋立間34.8`で進めていた高速・電化工事がこのほど完了。営業運転を前に、現在、試運転を重ねている。
 1993年7月の着工以来、これまでに2ヵ所の変電所や架線など地上設備の新設工事のほか、曲線部分を高速で走行できるように外側のレールを高くする軌道改良工事を終え、運輸省の検査にも合格。さる29日から深夜に、電車を走らせての軌道やホームの安全性確認のほか、信号や踏切など保安設備の点検などを続けている。
 30日未明の試運転ではJR西日本の最新鋭特急電車681系に、KTRと鉄建公団の職員約60人が乗車。福知山、荒河かしの木台、大江、宮津、天橋立の各駅に停車し、車両とホームの間隔や、屋根上に設置したテレビカメラによるパンタグラフと架線の集電状態を確認。1日までの試験中に、130`走行テストも行う。
 4日からは乗務員の習熟運転を繰り返す。来年3月の電化開業時には、天橋立−京都間が現在より約25分短縮され、1時間25分前後になる。(京都新聞)
■JR三田駅前に 阪急百貨店進出 2000年完成予定
 兵庫県三田市は30日、市の玄関口となるJR三田駅前に、阪急百貨店(本社・大阪市)を誘致したと発表した。2000年に完成する予定で、三田市に百貨店が進出するのは初めて。
 市は1990年に、駅前の再開発を目指した都市計画を決め、約5万5000平方bの敷地を再開発地区に指定し、4ブロックに分けて、商業ビルや駐車場、ホテルなどを整備する計画を進めている。
 97年度までに民有地の用地買収を済ませる。(朝日新聞)
■地下鉄御堂筋線でまた出火 一時全線ストップ
 1日午後零時15分ごろ大阪市営地下鉄御堂筋線本町−心斎橋間の軌道付近から出火したが間もなく職員が消し止めた。同線は約10分間全線でストップした。(京都新聞 夕刊)
■”痛勤”少しは緩和
 JR東日本のダイヤ改定の目玉として1日、栃木県の東北新幹線那須塩原駅と東京駅を70数分で結ぶ近距離新幹線「なすの」がデビューし、那須塩原駅で発着する新幹線は上下合わせて1日16本から30本にほぼ倍増した。この朝、送電系統の故障でセレモニーの対象となった午前7時23分発の「Maxなすの」が15分遅れで発車するなど東北・上越新幹線で計5本が遅れるハプニングもあった。
 東北新幹線は、朝の通勤時間帯に宇都宮−東京間が込み合い、ピーク時の混雑率は 216%だった。今回の改定で、JRは「東京、上野駅に午前7時18分から9時24分までに着く新幹線が10本から11本に増え、座席数も約15%増加する。座れる確率が上がり、便利になる」と売り込む。(朝日新聞 夕刊)
2日■大震災の教訓 京でも生かせ 地下鉄東西線 駅や変電所の柱44本 耐震補強が必要
 京都市が建設中の地下鉄東西線で耐震性調査をした結果、4駅と2変電所でコンクリート柱44本を補強する必要があることが、1日分かった。同日の市議会交通水道委員会で市交通局が公表した。交通局は、柱に銅板を巻く耐震補強の措置を早急に行う。これで「阪神大震災規模の地震に耐えられる構造になる」としている。
 阪神大震災で、これまで安全とされてきた地下鉄に陥没などの被害が出たため、運輸省は今年7月、耐震基準強化を盛り込んだ緊急の補強措置を打ち出した。これに基づき、東西線と建設中の北々伸部分を含む烏丸線の全線のコンクリート柱計4402本を対象に調査した。
 その結果、醍醐、小野、椥辻、東野の4駅と醍醐、山科の2変電所で、計44本のコンクリート柱で補強が必要と分かった。烏丸線は営業中の路線、北北進工事を含め地盤が固く、補強の必要はなかった。
 補強が必要な44本については、厚さ6_の銅板を巻き付けてボルトと樹脂で固定し、柱の粘りを増す予定。交通局は今年3月、未完成の柱を対象に、柱の主鉄筋に巻き付けて束ねる帯鉄筋の数を増やして補強する独自の措置を取っており、震災後2度目の補強策となる。(京都新聞)
■智頭急行1年 温泉客増えた、赤字は減った 震災なんの、平均乗車率は61%
 中国山地を抜け、特急「スーパーはくと」で大阪−鳥取間を約2時間半で結ぶ第三セクター、智頭急行(社長・西尾邑次鳥取県知事)が3日、開業1年を迎える。1日4往復する特急の1年間の平均乗車率は61%。阪神大震災の影響で一時客が激減したのをはね返す大健闘。同じ京阪神と鳥取を結ぶJR山陰線より約1時間短縮したのが成功した。鳥取県・三朝温泉は京阪神からの客が大幅に増えて「智頭線効果だ」と喜んでいる。
 「智頭線」区間は兵庫県・上郡−鳥取県・智頭間56.1``。あとはJR山陽線などに乗り入れる。スマートな車体が自慢の「スーパーはくと」が京都−鳥取間を1日2往復、京都−倉吉間1往復。ほかに特急「はくと」が新大阪−倉吉間を1往復している。
 開業直後の去年12月の智頭急行の特急乗車率は70%。1月の阪神大震災で、姫路駅までの折り返し運転が3月末まで続き、この間の乗車率は20%台に落ち込んだ。通常ダイヤに戻った4月以降は回復し、8月には85%を記録した。
 吉田順一郎専務は「今年度の赤字は、見込みより約2億円減らせそう。これからも需要は落ちないはず」と強気だ。
 三朝温泉の8月の客数は昨年より8000人増え、2割以上の伸び。その後も順調で、同温泉旅館協同組合の米増徴事務局長は「智頭急行あればこそです」。
 鳥取商工会議所の平野昌男理事は「京阪神と鳥取の交流人口は確実に増えている。今後は本数をもっと増やしてもらいたい」と話す。
 ただ、智頭線も普通列車の乗車率は10%程度。「山間部の過疎地なので対策が難しい」と智頭急行はいう。(朝日新聞 夕刊)
3日■交通まひ、週明けも 国鉄労組がスト続行決定 フランス
 【パリ1日共同】フランスの社会保障制度改革をめぐる先月24日以来のストは、全土の交通まひが週明けまで続く見通しが強まり、1986年以来最悪の事態となっている。
 国鉄の主要労組は1日、政府の国鉄改革案に関するボンス運輸相との交渉で進展がなかったとしてスト続行を決定。地下鉄やバスもストを継続する可能性が高く、フランスの公共交通網は週末もまひ状態が続くことは確実となった。
 有力労組「労働者の力派」の一部は同日からの無期限ゼネストを呼び掛けており、政府と労組の緊張はさらに高まっている。
 設備改善などを求める大学生のデモも全土で発生しており、シラク大統領の補佐官らによると、大統領は財政赤字縮小のための社会保障制度改革を依然、断行する構え。(京都新聞)
■鉄道の再開で中越原則合意 共同コミュニケ発表
 【北京2日共同】中国とベトナムは2日、ド・ムオイ・ベトナム共産党書記長の訪中終了に当たって共同コミュニケを発表、両国を結ぶ鉄道の運行再開問題で原則合意に達したことを明らかにするとともに、係争中の南沙諸島(ベトナム名チュオンサ)の領有権など領土問題については、今後も平和的な話し合いで解決を図っていくことを確認した。
 中越両国を結ぶ鉄道は1979年の中越戦争ぼっ発以来、運行が停止されているが、両国はこれまで運行再開について協議を続けてきた。しかし両国の陸上国境線が確定していないため、どこを国境の駅にするかなどの対立点が残っていた。(京都新聞)
■窓 交通局職員は乗客に配慮を 北区・杉下晃一(高校3年・18)
 先日、市バスに乗ったときのことです。あるバス停に3時半に来るはずのバスが、雨のせいか15分ほど遅れてきました。急用があったのですが、バスの遅延では仕方ないので気にしませんでした。そして、私が降りるバス停に着いたのは4時10分。本来なら3時台に着いているはずなので、私は4時まで使える昼間回数券を使ってしまいました。
 気付かず降りたその瞬間、クラクションを鳴らされ、呼び止められて車内に戻ると、突然強い調子でお説教。釈然とせぬまま家に帰り、交通局に問い合わせたところ「昼間回数券はダイヤ通りの時間で使っていただいてよい」とのこと。おかげで大事な用事に遅れるわ、バスのお客さんの前で恥をかくわ−。
 公共交通離れが進んでいる、ということをよく耳にしますが、職員が一人でも間違った認識を持っているような体制が、自らの首を絞める結果になっているのではないでしょうか。そしてそれ以上に私は交通局に対し、もう少し乗客への配慮、特にお年寄りやまだ社会経験の浅い青少年たちへの配慮がなされてもよいのでは、と思いました。(京都新聞)
■シカはね列車止まる 日吉のJR山陰線
 2日午後7時22分ごろ、京都府船井郡日吉町のJR山陰線・殿田−胡麻間で、豊岡行き急行「丹後9号」がシカをはねた。同列車はブレーキ菅が損傷したため現場に約35分間停車、自力で胡麻駅まで走行し、運転を打ち切った。乗客にけがはなく、同駅で後続の列車に乗り換えた。
 この事故で園部発福知山行き普通列車など特急2本普通列車1本の計3本に約1時間10分から10分の遅れがでた。(京都新聞)
■「ゆりかもめ」またトラブル 乗客100人かんづめ
 2日午後5時20分ごろ、東京湾の臨海埋め立て地の臨海新交通「ゆりかもめ」の有明駅手前で、新橋発有明行きの車両(6両編成、無人運転)が軌道上でストップ。ドアが開けられず、乗客約100人が約50分間にわたり車内に閉じ込められた。
 東京臨海新交通によると、同駅手前のポイントで絶縁体のがいしが割れたため停電したという。係員が応急処置をし、約1時間後に復旧した。
 ゆりかもめは先月29日にも、東京湾のレインボーブリッジ上でベニヤ板をはね、約2時間停止する事故を起こしたばかり。(京都新聞)
■震災で落下の新幹線高架 「旧河道」と一致 立命館大助教授調査
 阪神大震災の際のJR山陽新幹線の高架橋落下地点や、家屋の倒壊の激しかった地点が、弥生時代前後に川が流れていた地点(旧河道=きゅうかどう)とほぼ一致していたことが、立命館大理工学部の高橋学助教授(環境考古学)の調査でわかった。被災地の旧河道は地表から約3−4b以内に埋まっており、これまでの発掘調査や航空写真から概要はわかっている。高橋助教授は、復興に向けた今後の防災計画にぜひ役立ててほしいと話している。
 高橋助教授は2日、大阪市内で開かれた「考古学から災害と復興を考える」シンポジウムでこの調査結果を発表した。阪神地区の旧河道は縄文時代晩期(紀元前数百年)から古墳時代後期(6世紀)にかけてのものが多い。地形の変化で埋まってしまったため、表面上はどこにあるか分かりづらくなっている。
 阪神大震災の際、山陽新幹線では兵庫県尼崎市内で3ヵ所、西宮市内で4カ所、神戸市内で1ヵ所の計8ヵ所で高架橋が崩れ落ちた。高橋助教授が古代の環境復元図と比較したところ、旧河道と落下現場が重なった。同様に、西宮市内で倒壊家屋の下敷きになって犠牲者が出た現場を照合したところ、旧河道上に被害が集中していた。
 旧河道と被害地域が一致したことについて高橋助教教授は、もともと川が流れていたため、地盤は湿気が多く軟弱で、揺れの影響が大きかったとみている。
 通産省地質調査所の寒川旭・地域地質研究官(地震考古学)の話 旧河道と地震の被害がこれほど一致していたとは驚きだ。各地の発掘調査の結果をまとめれは、かなりの精密な古環境復元図ができるはず。行政をはじめ関係者は復興や防災にぜひ生かしてほしい。(朝日新聞)
■予想外の事件が起こる昨今… 電車「開かずの窓」怖い 新型車両に続々と 不安訴える乗客も
 窓が開かない通勤電車が増えている。大阪近郊を走るJR電車では全体の4割に達し、大手私鉄でも特急を中心に新型車両のほとんどが開かない窓を採用している。いずれも空調効果を保つためだが、乗客からは「いざという時、逃げたり、換気できないので怖い」といった不安の声も寄せられている。
 JR西日本によると、国鉄時代の通勤電車はすべての窓が開いた。しかし、車両の冷暖房化が進み、気密性を高めて空調効果をアップさせる必要が出てきたため、1989年以降に登場した新型車両には固定窓が使われている。
 同年にデビューした東海道・山陽線の新快速電車「221系」や、91年に片町線に導入された「207系」、昨年から関空快速などに使われている「223系」はいずれも、片側に5−10ある窓のうち2つが半分程度開くだけで、残りは開閉できない固定窓。93年から関西線を走る「120系」は片側7つの窓がすべて固定窓だ。こうした車両は、11月末までに、京阪神を中心に走っている通勤電車の4割に増えた。
 阪急電鉄と京阪電鉄は、89年から固定窓を使った車両を導入。阪神電鉄も11月から営業を始めた普通電車で初めて採用した。また、近鉄と南海電鉄は特急車両のすべての窓が固定されている。
 列車の窓については、51年に横浜市の国鉄桜木町駅で起きた車両火災事故で、窓粋が狭すぎて乗客が脱出できずに100人以上が焼死したため、大きく開けられるよう改造された。現在は、鉄道営業法に基づく普通鉄道構造規則で窓の基準について定められているが、強制換気装置があればいいことになっている。
 ところが、乗客からは「空気の入れ替えができない」といった要望や苦情が続いている。4月にJR横浜駅などで発生した異臭事件では、走行中の京浜東北線の車内でせきこんだ乗客が窓を開けようとしたが開かなかったことがあり、「不測の事態に備えて開けられるようにしてほしい」という声もあった。
 JR西日本によると、こうした声は今年度は11月末までに3件あった。
・安全万全期す JR西日本が説明
 JR西日本車両部は「車内は、強制的に換気する機能を取り付けるなどしている。緊急時には車内放送で非常出口を案内するなど乗客の安全確保には万全を期している」と話し、今後も新車両には固定窓を採用していく方針だという。(朝日新聞 夕刊)
5日■南海電鉄 沿線110駅 レトロ調入場券入り 記念アルバム発売
 南海電鉄は、創業110周年を記念して、このほど沿線110駅の入場券を収納した「記念アルバム」(縦26a、横17a)を売り出した。
 今年は、同社の前身・阪堺電鉄が難波−大和川間で開業してちょうど110年。アルバムに収められた入場券はいずれも、この長い歴史に配慮して、大正時代のレトロ調デザインを採用。材質も「硬券」と呼ばれる厚手の紙を使った。
 アルバムには、主要駅の昔の写真や、最新型車両の紹介、社の歴史年表なども掲載した。
 全部で2000冊を発刊、1冊1万6490円で、今月末まで難波、堺、河内長野など主要19駅と各営業所に置く。
 郵送の申し込みは大阪市中央区難波5丁目、南海電鉄営業部 06(644)7165へ。(京都新聞)
6日■JR円町駅 97年度中に着工 京都市 二条−花園間、来秋高架化受け 西大路通交差西に
 JR山陰線の二条駅−花園駅間(約2.8`)の中間に計画されている円町駅(仮称)について、京都市は5日、「1997年度に着工し、99年度末に完成する」ことを明らかにした。同日の市議会普通決算特別委員会で中野代志男都市計画局都市企画部長が答えた。
 二条−花園間は現在、連続立体交差化事業が行われている。来年秋に高架に切り替わるのを受け、中京区西ノ京円町の西大路通交差部の西側に、現在の線路を撤去したうえで、高架下駅舎を新設する。
 行き違い施設がある有人駅で、長さ165bの島式ホームにする。1日の予想乗降客は約1万3000人。高架下には、約2000台収容の駐輪揚も設ける。
 予定地の北側にある京都西陣公共職業安定所円町労働分室の敷地を二条駅周辺再開発地域の隣接地と交換し、駅前広場(約760平方b)にする。(京都新聞)
■窓 市バス優先のルール導入を 大山崎町・寺川 理(会社員・61)
 最近、京都市内を愛車で駆け抜けたり、市バスを利用することが多いが、河原町通や四条通を通って、おまりにも「駐、停車」の自動車が多いのに驚かされる。
 市バスがそれを縫うようにして走行するが、蛇行する乗用車や商用車に邪魔者扱いをされているようだ。バスの乗客のいらだちも増すというものだ。
 APEC期間の大阪市や周辺のような交通規制までしてほしくはないが、観光都市・京都の名に私じない「交通ルール」を打ちたてられないものだろうか。
 例えば、御池から五条までの河原町通や祇園から大宮までの四条通、JR京都駅を囲む地域などでは、バスや営業車を除く一般自家用車の乗り入れを時間制限することに踏み切ってはどうだろう。その地域の住民用のステッカーを発行しての識別はやむを得ないだろう。もちろん、終日その区域は「駐車禁止」の措置が望ましい。
 修学旅行を楽しむ学生たちのスケジュール確保にも、学会や国際会議などで入洛する人たちの便宜を図るためにも、何とか打つ手は無いものか。交通行政関係者の奮起と英断を促したい。
 駅伝やマラソンの時には協力を惜しまない京都府・市民のご理解も期待したい。(京都新聞)
■タヌキをはね?のぞみ10分停車 新岩国−徳山間
 山口県下松市の山陽新幹線新岩国−徳山間で5日午後9時10分ごろ、東京発博多行き「のぞみ23号」(16両編成)が走行中、「ドーン」という衝撃音がした。停車して、乗務員が床下などを点検したが異常はなく、約10分後に運転を再開した。この影響で、上下4本が4分から10分遅れた。
 JR西日本広島支社の調べでは、現場付近にタヌキの死がいがあったことから、これをはねたらしい。
 現場は両側が山林。線路外側に防音壁があるが、約500b西側に作業員らが出入りする金網の扉がある。扉と地面との間に5aほどのすき間があり、小動物が入ったとみている。新幹線車両はこれまでにもタヌキをはねて一時停車することが、同支社管内で月に1度ほどある、という。(朝日新聞 夕刊)
7日■京阪の特急に2階建て登場
 京阪電鉄の、出町柳−淀屋橋間を走る特急電車に、今月25日から、2階建て車両1両が登場する。輸送力増強と電車のイメージアップがねらいで当面、1日9往復を運行する。
 2階建て車両は、「ダブルデッカー車」と呼ばれ、現在使われている「3000系」の特急用車両を改修して造った。2階席は通路をはさんで両側2席ずつ、階下席は2席と1席の変則配置。座席定員はこれまでより11人増えて69人になる。車体の両サイドには、京都・時代祭の行列風景が描かれ「京都を走る京阪電車」をアピールする。(京都新聞)
■御池地下街地下駐車場 建設費7億円アップ
 地下鉄東西線建設工事と同時に進めている御池地下街と地下駐車場建設工事の事業費が7億円アップすることが、6日の京都市議会で明らかになった。御池通の歩道を現行の2倍に広げる構想に伴い、地下への出入り口の場所を移す必要が出てきたためだという。これで総事業費は約287億円になる。
 東西線が完成した後、市は御池通を「歩いて楽しめる道路」にしようと、片側6bの歩道を12bに広げる構想を打ち出した。このため、6b幅の歩道で設計していた10ヵ所の出入り口と、車の出入り口を変えることになった。地下に埋めてある電話線の移設工事が必要になり、経費が膨らんだという。(朝日新聞)
■来年3月から テナント募集 御池地下街
 京都市は6日の市議会で、中京区の京都市役所前で進めている御池地下街のテナント募集を、来年3月から始めることを明らかにした。この地下街は10代後半から30代の女性をターゲットにしており、ファッション関係の店を数多く出店させたいという。
 御池地下街は現在、土木工事の約7割が終わった段階。地下鉄東西線の完成に合わせて1997年10月にオープンする予定になっている。店舗数は約70。うち10店舗は飲食店にして、残りはファッション関係の店にしたいという。テナント希望者を対象にした説明会を来年3月に開くという。
 内藤俊夫・都市住環境局管理部長は「四条通や河原町通などとは違った個性的な地下街をめざしたい」と話した。(朝日新聞)
8日■阪急今津駅の高架化が完成 16日から運行
 阪急電鉄が、今津線(西宮市)の今津駅付近約630b間で進めていた下り線の高架化工事が完成、今月16日の始発から運行を始める。これに伴い現在、地上にある今津仮駅は、新築の高架駅に切り替えられる。
 今津線は、西宮北口駅−阪神国道駅−今津駅間の全線のうち、国道2号から今津駅まで約650b間で、県道など7本の道路と平面交差しており、高架工事による立体交差化が待ち望まれていた。
 工事は、総事業費91億円で1990年に始まったが、これに伴い複線だった線路は阪神国道駅−今津駅間で単線に切り替えられていた。今回の高架化では、再び複線に戻し、97年度中には、上下線の高架化が完成する。(京都新聞)
■大阪−関空リムジンバスの新路線を申請
 近畿日本鉄道、関西空港交通の2社と大阪市交通局は7日、現在建設中の大阪シティエアターミナル(大阪市浪速区)が来年3月に開業するのに合わせ、共同運行で同ターミナルと関西空港との間をノンストップで結ぶリムジンバスの新路線の認可を近畿運輸局に申請した。(京都新聞)
■大阪環状線乱れる 早朝、男性飛び込み
 8日午前6時半ごろ、大阪市天王寺区のJR大阪環状線鶴橋駅で、線路内に入った男性が内回り電車にはねられ、即死した。
 JR西日本によると、同電車は現場に14分停車後、運転を再開したが、途中での運転打ち切りを含め12本が運休し、約7000人に影響した。
 天王寺署の調べによると、男性は40−50歳。ホームから電車に飛び込んだらしく、自殺とみて身元を調べている。(京都新聞 夕刊)
■信楽高原鉄道が安全車両導入へ 18日から
 1991年5月、滋賀県甲賀郡信楽町で死者42人、重軽傷者600人以上を出した列車衝突事故を教訓に、信楽高原鉄道(北川啓一社長)は8日、車両の前後に衝撃をやわらげる装置を取り付けるなどの安全対策を施した新車両を導入し、18日から運転を始めると発表した。
 新車両は、事故の犠牲者の遺族らでつくる鉄道安全推進会議(臼井和男会長)の提言などを受け入れた。衝撃をやわらげる装置のほか、腰掛けの握り手を樹脂製に変え、機器類を保護ゴムで覆うなど、随所に改善を加えた。また、身障者のための車いすスペースも設けた。価格は従来型に比べると約3割高い9500万円。
 同鉄道には4両の車両があったが、衝突事故で大破した2両は廃棄され、残る2両を修理して91年12月から運転を再開した。(朝日新聞 夕刊)
■御堂筋線でまた煙 あびこ駅そば全線で5分止まる
 8日午前8時17分ごろ、大阪市住吉区苅田7丁目、市営地下鉄御堂筋線あびこ駅の南約200bで、引き込み線と本線のポイント付近から白い煙が上がっているのを、別の引き込み線から本線に入ろうとした中津行き上り電車の運転士が見つけ、運転指令所に連絡した。同駅の職員2人が現場に駆けつけ調べたところ、かすかに煙は残っていたが、燃えた跡はなかったという。
 御堂筋線は同20分から5分間、全線で電車が止まり、上下計40本が最高で5分遅れ、1万9000人が影響を受けた。
 同線は11月28日と12月1日に相次いで火災やボヤが起きてダイヤが乱れた。市交通局は2日から7日まで、中津−天王寺駅(8.5`)の軌道上の清掃をしたが、今回の現場は対象区域外だった。(朝日新聞 夕刊)
9日■JRで学研アクセス 3ヵ所で新駅検討 木津町
 京都府相楽郡木津町は8日、関西文化学術研究都市の交通網整備の一環として、JR片町線と同関西線の町内域合わせて3ヵ所に、新駅の整備を検討していくことを決めた。
 検討委託料として、12月定例町議会に提案される今年度の」般会計補正予算に約500万円を計上した。
 新駅整備の候補地にあがっているのは@片町線の祝園−西木津駅間で、学研都市「精華・西木津地区」東側A関西線の加茂−木津駅間で「木津北地区」と、町が京都大第三キャンパスの誘致を進めている「木津中央地区」の中間に当たる地点B同線の木津−平城山駅間の「木津南地区」西側。
 学研都市の各地区への交通アクセスを強化するため、新駅整備に加え、これらと連動した道路計画などを立てるのが町のねらいだ。
 調査はJRの関連企業のコンサルタントに委託して行われる。
 新駅の立地条件や利用者数の予想をもとに、新駅設置の可能性の有無を探る方針。(京都新聞)
■窓 利用しやすい公共交通願う 伏見区・橋本誠子(養護学校教諭・35)
 先日、生徒と2人で校外学習の集合地へ向かうため、近鉄向島駅から京阪三条駅までの切符を買うとき、大変な不便さを感じました。療育手帳を持っている生徒と介添人としての私の割引切符を求めるために、窓口で尋ねると「時間がかかりますよ」と、なかば迷惑そうな返事が返ってきました。自販機では買えないのかと尋ねると「買えません」という返事。朝の通勤時間帯とはいえ、窓口には1人の客が立ち去った後であり、まだ、私の後ろには客も並んでいないため「待ちます」と告げると、ぶぜんとした態度で手続きを始めました。5分ほどで切符を手渡されましたが、なにか釈然としないものが残りました。
 京阪電車では障害者用のボタンのある新型の自販機もあります。近鉄電車との連絡切符でも利用できるかどうかを問い合わせると、他社との連絡が徹底していない様子でした。
 障害者が健常者と同様に街に出やすく、積極的に社会参加できる体制を、ぜひともつくっていってほしいと願います。(京都新聞)
■雪害防止へ 監視装置新設 山東町などにJR東海
 JR東海は東海道新幹線の雪害防止へ、今冬から滋賀県内など2ヵ所に着雪監視装置を新設するほか、新型除雪機(ディーゼル車)を1編成増やす。
 東海道新幹線では、車両の床下に付着した雪が固まり、線路上に落下する結果、砂利をはね上げ床下機器を傷めたり、沿線民家に被害を及ぼすケースがある。
 JR東海は、こうした被害を未然防止するため、これまで岐阜羽島−京都間に約4000基のスプリンクラーを取り付けているのをはじめ、融雪器116基、降雪検知器12基などを設置している。
 今回増設する着雪監視装置は、線路のわきに置いて、走って来る車両の着雪状態をカメラで線影。雪量を電算機で即時に割り出し、その数値を中央指令に送る。
 これまでは、滋賀県・野洲町と京都市東山区に1基ずつあったが、今冬は新たに大垣市と、滋賀県・山東町に一基を新設する。
 新型除雪機は、ロータリーブラシ式で、レール面より下に積もった雪をかき出すことができ、威力が期待されている。(京都新聞)
■衝撃を緩和 新車両完成 信楽高原鉄道
 死者48人を出した信楽高原鉄道事故の惨事から学び、安全性を追求した同銑道の新型車両が完成、18日から運行を始める。8日、同鉄道の北川啓一社長が発表したもので、車両には遺族たちの提言も生かされ、衝突時の衝撃を緩和する国内初の”バンパー”など安全策が随所にこらされている。
 新型車両は全長15b、幅3.2b、高さ4.01b。従来型と同じ大きさだが、先頭部位に車のバンパーにあたる油圧式緩衝器(ダンバー)を取り付けているのが特徴。メーカーによれば、列車車両にバンパーをつけた例がないため、他の機械などで使われている衝撃緩衝装置を参考に部品メーカーと協議を重ねて製作。理論上は踏切上に立ち往生している乗用車(1d)に時速30`で衝突してもショックを吸収できるとしている。(京都新聞)
■新幹線、降雪で遅れ 京都−岐阜羽島間
 東海道新幹線は9日の始発から午前8時20分まで、米原周辺での雪のため京都−岐阜羽島間で徐行運転した。
 JR東海によると、上り列車2本が5分から10分遅れた。(京都新聞 夕刊)
■車両故障で阪和線遅れ
 9日午前6時24分ごろ、大阪府和泉市池上町1丁目のJR阪和線信太山駅で、天王寺発和歌山行き区間快速(4両編成、乗客約40人)が、運転士が発車のためのレバー操作をしても発車しない状態になった。操作台などを点験したが原因がわからず、この電車は後続の天王寺発和歌山行き快速に連結し、約20分後に同駅を発車した。
 JR西日本によると、このトラブルで京都発関西空港行き特急「はるか81号」が12分遅れたのを最高に、下り3本の電車に遅れが出た。遅れや運休による影響人員は約300人。同社は原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)
10日■3万人の足混乱 阪急河原町駅 ポイント故障で
 9日午後3時40分ごろ、京都市下京区の阪急電鉄京都線河原町駅で、梅田発河原町行き上り普通電車(7両編成、乗客400人)が、駅構内の2号線に進入しようとしたところ、1号線と2号線を切り替えるポイントが転換しなくなった。普通電車はポイント手前で停車、駅員が手動でポイントを固定し、20分後に3号線に入り、乗客を降ろした。
 同電鉄は特急の運転を取りやめ、3号線を使って普通と急行を運転したほか、京都−大阪間の乗客をJR京都線に振り替えた。
 同駅の調べで、ポイントを切り替えるアームの部分が折れており、部品を交換して午後5時50分に復旧。特急も午後6時39分から運転を再開し、すべてのダイヤは午後7時半に平常に戻った。この間、上下合わせ特急22本が運休したのをはじめ、急行、普通が上り35本、下り25本に最大20分の遅れが出て、約3万人の足が乱れた。しかし、土曜日の昼間とあって各駅とも大きな混乱はなかった。(京都新聞)
■車両に巻き込まれ会社員が足に重傷 京阪日ノ岡駅
 9日午後10時40分ごろ、京都市山科区日ノ岡の京阪電鉄京津線日ノ岡駅で、四ノ宮行きの普通電車(2両編成)を降りた上京区寺町通丸太町上ル、会社員平滑水二郎さん(35)が発車しようとした電車にふれ、車両に巻き込まれた。平清水さんは足首をはさまれるなどの重傷。同電車は約40分遅れて同駅を出たほか、後続の準急が20分遅れるなど、上下線合わせて7本に影響が出た。(京都新聞)
■鉄骨荷崩れ、死亡 地下鉄工事で作業員
 9日午後11時50分ごろ、京都市山科区御陵原西町の市営地下鉄東西線御陵駅の地下工事現場で、地上から地下へ鉄骨を移動中、積んであった約1dの鉄骨が荷崩れし作業をしていた山科区日ノ岡鴨土町、根建組従業員古川和美さん(41)が鉄骨で頭などを挟んで間もなく死亡した。山科署で原因などを調べている。(京都新聞)
■オウム裁判 地下鉄サリン事件 豊田被告 ばらまき認める 実行グループ初公判 「罪の重さ感じる」
 地下鉄サリン事件でサリンばらまきを担当したとして殺人、殺人未遂の罪などに問われたオウム真理教元幹部豊田亨(27)、 同広瀬健一(31)、同杉本繁郎(36)の三被告の初公判が11日、東京地裁(大谷剛彦裁判長)で開かれた。
 豊田被告は「犯罪の重さを感じている。弁明の余地がない。一連の事件について事実を明らかにするようにするしかない」などと意見陳述。罪状認否でばらまきの実行を認めた。
 杉本被告については、元信者落田耕太郎さんリンチ殺人事件でも、既に初公判が開かれているが、地下鉄サリン事件では他の2被告とともに、この日から審理入りとなった。同事件のサリンばらまきに対する審理は初めて。
 起訴状などによると、3被告は教祖麻原彰晃被告(40)らと共謀。不特定多数の人を殺害する目的で、3月20日午前8時ごろ、地下鉄3路線5電車でサリン入りの袋を傘で突いて発散させ、11人を殺害、3796人に重軽症を負わせた。
 ばらまき実行にかかわったのは、指揮にあたった幹部井上嘉浩被告(25)のほか、豊田被告らを含むサリン発散役5人と車の運転役5人。
 これまでの他被告の公判で検察側は、実行グループが3月18日早朝、村井秀夫元幹部=死亡当時(36)=に指示され、下見や予行演習を重ねた後、2人ずつ5組に分かれ実行したことを明らかにしている。(京都新聞 夕刊)
■豊田被告「弁解の余地ない」 地下鉄サリン 実行犯への初審理
 地下鉄サリン事件の実行役として殺人などの罪に問われたオウム真理教信徒、豊田亨(27)、広瀬健一(31)、杉本繁郎(36)の3人の被告に対する第1回公判が11日午前、東京地裁で始まった。最初に立った豊田被告は「自分の犯罪は弁解の余地がない」と起訴事実を認めた。広瀬被告も起訴事実を認めた。豊田被告は、事件後、教団代表の麻原彰晃被告(40)に、広瀬被告と事件の報告を行った際、麻原被告から「ポアされてよかった」とねぎらわれたことを明らかにした。地下鉄サリン事件の実行役が麻原被告の関与を認めたのは初めて。
 地下鉄サリン事件の実行役の審理は、一連のオウム裁判の中で、この日が初めて。
 起訴状などによると、今年3月20日、豊田被告は営団地下鉄日比谷線、広瀬被告は同地下鉄丸ノ内線の車内で、それぞれサリン入りのビニール袋を傘の先で突き刺し、サリンを車内に発散させたとされる。また、杉本被告は、地下鉄日比番線の車内でサリンを発散させ逃亡している林泰男被告(37)の運転手役を務めた、とされる。
 罪状認否で豊田被告は「事件から半年以上たって、罪の意識が徐々に重くなっている。今、私にできることは、事実について知っていることを申し上げ、全体像を明らかにすることだ」と述べた。
・「真相の解明に教義の審理を」 広瀬被告の弁護団
 11日、東京地裁で開かれた地下鉄サリン事件の実行犯に対する初公判で、広瀬健一被告の弁護団は「刑事裁判は行為を裁くもので、思想、信条を裁く場ではない」としながらも、宗教的真理の名の下に起こされた事件の特殊性から、「真相解明には、あえて教団の教義そのものを審理することが不可欠だ」と訴えた。
 弁護側は意見陳述の中でこの事件を「宗教的確信に基づいて行われた無差別殺人」と分析した。起訴事実の大半を認めたものの、殺意については「被害者がより高い世界に転生することを信じ、その救済を強く願う気持ちがこめられていた」と主張。共謀についても「教祖である麻原に対する絶対的帰依を中核にしていた点で、一般的な刑法上の共謀とは性格を異にしている」とした。
 こうした立場から、「救済のためには手段を選ばない『タントラヴァジラヤーナ』という教義が、なぜ教団の最高教義となったのか」「最高水準の科学的知識を持つ被告が、なぜ出家し、『輪廻(りんね)転生』を求めたのか」などを審理の対象とするよう求めた。(朝日新聞 夕刊)
12日■地下鉄助成など重点 大蔵原案内示控え 75項目の予算要望 京都市
 政府予算大蔵原案の内示を前に京都市は11日、国に対する75項目の予算要望をまとめた。新規項目はないが、地下鉄東西線の建設財源確保や京都高速道路・新十条通の整備、京都迎賓館の早期建設などを重点にしている。
 重点項目は▽調和のとれたまちづくり▽歴史都市京都再生のためのまちづくり▽健康でやすらぎのある福祉のまちづくり▽災害に強い安全なまちづくり−が柱になっている。
 具体的には、地下鉄建設をはじめ、山科駅前再開発事業を推進するための助域制度の拡充、電線類地中化事業の促進、梅小路公園整備事業費の確保、高齢者福祉行政への財政援助の拡大などを挙げている。大地震対策では公共施設の耐震診断・補強工事への財政支援などを求めている。(京都新聞)
■窓 京都駅改築、安全案内に最善の努力 JR西日本京都支社 総務企画課長 坂本英治
 11月18日付に掲載されておりました「駅舎工事中といえ…JR京都駅危険で不便」の投書につきまして、回答させていただきます。平素はJR西日本をご利用いただきまして誠にありがとうございます。ご指摘のとおり、駅改築工事で大変ご迷惑をおかけしておりますことをおわび申し上げます。
 特に1番ホーム側は新駅舎、コンコース部分にあたり、工事も長引きますため長期間ご不便をおかけし、誠に申し訳ございません。ただし、工事完成後は十分な幅員が確保できます。
 当社としましても、エスカレーターの増設、大型手荷物運搬用のベルトコンベヤーの設置、駅構内案内図などの案内掲示類の整備、さらに駅社員はもとより工事関係者もふくめ、誘導案内や案内放送などできる限りの努力をしてまいっております。
 完成までの間、工事中の安全はもちろんのこと、お客さまへのご案内方につきましても万全を期してまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。(京都新聞)
■地下鉄工事現場きょう安全点検
 京都市と第三セクター「京都高速鉄道」は12日、市内の地下鉄工事の全工区で緊急の安全点検をする。9日に山科区の地下鉄工事現場で作業員1人が死亡する事故が起きたためで、地下鉄工事現場での事故は今年だけで7件を数えており、京都労働基準局は「工期が長引き、安全管理に気の緩みがでているのでは」と指摘している。(朝日新聞)
■運転士不在で電車遅れる JR大阪駅
 11日午後11時40分ごろ、大阪市淀川区木川東のJR東海道線宮原操車場から回送、新三田行きになる予定の下り電車の車掌から、運転士が乗っていないと連絡が輸送指令にあった。別の運転士を手配して、回送電車は21分遅れて大阪駅に到着、この大阪発新三田行き快速電車など2本が22分と3分遅れ、約600人に影響が出た。
 乗務員に事情を聴くたどして、原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■国鉄合理化を凍結 仏首相が譲歩策 ス卜打開へ糸口
 【パリ12日共同】2週間半にわたり公共機関をまひ状態に陥れてきたフランスの長期・大規模ストで、ジュペ首相は11日、国鉄の主要労組に書簡を送り、国鉄の赤字再建を目指した合理化計画の凍結を発表。またバロ労相に対し、労組側が求めていた労組と雇用者側が一堂に会する円卓会議の準備を命じるなど、事態打開へ向けた一連の譲歩策を明らかにした。
 これに対し、有力労組の一つフランス・キリスト教労働者同盟(CFTC)は、18日間にわたり運休が続いていた国鉄の運転再開について検討を開始。教員組合なども、首相の発表に満足感を表明した。
 ストを主導した労働総同盟(CGT)と「労働者の力派(FO)」は慎重姿勢を示しており、直ちにスト終結につながるかどうかは予断を許さない情勢だが、政労対立のこう者状態打開の糸口とはなりそうだ。
 国鉄の再建計画凍結は、書簡によると「労組側と(計画)内容を論議するのに必要な時間を取る」のが理由。政府側の大幅な譲歩であり、政府側は最も強硬姿勢を示していた国鉄労組に妥協した上で、財政赤字削減政策の中心である社会保障制度改革については、譲歩の対象とせず守り抜く構えだ。
 円卓会議は、労組側が首相とのトップ会談で主張していた「包括交渉」「社会サミット」開催の要望にこたえたもので、来週にも開かれ、失業問題、若年者雇用への特別措置、労働時間の短縮など広範な問題を話し合う。
 ジュペ首相は11日午前から夕方にかけて各労組指導部と断続的に会談、スト収拾の糸口を探っていた。(京都新聞 夕刊)
15日■京阪奈新線に慎重姿勢 近鉄の田代社長 資金面の見通し立たず
 関西学研都市と大阪を結ぶ鉄道として計画されている「京阪奈新線」について、実施主体となる近鉄の田代和社長は14日、「今後、私鉄の運賃値上げが従来のような方式では、認められなくなる。資金的な見通しが立てにくい現状のまま、新線建設には踏み込みにくい」と述べ、これまでにない慎重な姿勢を明らかにした。
 京阪奈新線は、近鉄京都線の高の原から、同奈良線の生駒を結ぶ延長12`の鉄道。建設費は約1600億円と見込まれている。
 京都府と奈良県、運輸省、近鉄の4者でつくる京阪奈新線整備研究会の今夏の会合で、建設・運営は第三セクターでなく、近鉄が主体となることがほぼ決定。しかし、採算性に問題で、当面は部分開通とすることなどが検討されていた。
 田代社長は「私鉄は輸送力増強で毎年、原価償却を上回る投資を続けている。今まで通りの値上げができないとなれば、新線着手が社の将来に禍根を残すことになりかねない」と指摘。建設費融資の方法にもふれ「無利子の鉄道整備基金が私鉄には適用されない、という制度を改善してほしい」と注文をつけた。(京都新聞)
■帰省ピークは30日 年末年始のJR指定席
 JRグループ旅客6社は14日、ふるさとへの帰省客らで混雑する年末年始期間(28日−1月7日)の指定席の予約分を含めた発売状況を発表した。帰省ラッシユのピークは30日、Uターンラッシュは1月3、4日ごろの見込み。
 発表によると、前売り指定席券の39%の約335万席が13日までに売れた。今年は増便などで指定席数は昨年より3%増えたが、予約・発売済み席数は2%減り、景気低迷を反映した格好だ。
 東海道・山陽新幹線の東京発下り列車は長距離の博多行きを中心に「のぞみ」「ひかり」とも28日から31日午前までほぼ満席。上り列車は1月2日午後から込み始め、7日まで混雑が続きそうだ。(京都新聞)
■指定席の発券システム故障 JR
 JR各駅のみどりの窓口などに置かれている指定席予約システム「マルス」の端末の一部機種が15日早朝から全国で一斉に故障し、窓口での指定券などの発券ができなくなった。全国の各駅窓口では、職員が携帯用の発券機で販売するなどして対応、東京駅、新宿駅などでは大きな混乱はなかったという。
 システムを管理しているJRの関連会社「鉄道情報システム」は端末を動かすソフトのトラブルとみて調べていたが、午後零時20分すぎ復旧し、JR各社は窓口での発券業務を再開した。JR東日本などによると、マルスはこの日午前4時半、通常通リシステムの稼働を開始したが、約1時間後に端末の一部が使えなくなった。
 マルスの端末は全国のJR各社や大手旅行会社に約7000台あり、故障したのは平成4年4月に導入された最新のMR型とME型2機種約1700台。うち1000台以上がJR東日本管内の駅や旅行代理店にある。端末は動いたりダウンしたりする状態が続いていたという。
・京都駅も8台動かず
 JR京都駅では「みどりの窓口」にある発券端末計21台のうち8台が動かなくなった。しかし、機種の違う13台は正常に作動。帰省など年末年始の指定券の発売ピークが過ぎていることもあり、大きな混乱はなかったという。(京都新聞 夕刊)
■発券システム故障 全国のJR駅 1700台動かず予約不能
 15日午前5時半ごろ、全国のJRの駅の窓口や旅行代理店などでJRの乗車券や指定券を発券するコンピューターシステム(MARS)を制御する鉄道情報システム(東京都千代田区)の中央システムセンター(東京都国分寺市)のプログラムの一部が機能しなくなった。このため、約7000台ある端末機のうち約1700台がほとんど使えなくなった。午前11時現在、復旧の見通しは立っていない。
 同社によると、ダウンしているのは、MARSのうちMR型、ME型という最新の2機種。1992年4月に導入され、同じプログラムで動いている。このシステムは、毎日午後11時55分に停止させ、午前4時半に作動を始める。この日も午前4時半に作動を始め、当初順調に動いていたが、約1時間後に情報が確実に送れないようになった。M型やL型といった他の機種は動いている。
 JRの各駅では、駅員が携帯端末機を使って、乗車券や特急券を売り、座席の指定は乗車後、車内で車掌が行う形で対応している。JR西日本によると、大阪や新大阪、天王寺、関西空港などの主要駅では他の機種で対応したが、三ノ宮や芦屋などの駅はMR型しかなく、他の売り場を紹介したり、とりあえず自由席に乗ってもらって車内で指定券を購入するよう案内したりした、という。
 大手旅行代理店5社はほかのシステムも備えているため、発券にほとんど支障はない、という。
 鉄道情報システムは、87年の国鉄の分割・民営化時に誕生、JR7社が100%出資している。(朝日新聞 夕刊)
16日■JR京都駅 新築現場をパト 労基局長ら 安全管理徹底訴え
 年末の労災事故防止を訴えるため、京都労働基準局の小平敏弘局長が15日、労基署幹部と合同で京都市下京区のJR京都駅ビル新築工事現場をパトロールし、安全管理の徹底を関係者に要請した。
 小平局長は「京都府内では昨年に続き今年も労災死亡事故が多発し、憂慮すべき事態になっている。事故を起こさないよう職場一体となって安全対策を」と、集まったクレーン作業班など現場責任者や共同企業体職員ら約100人に注意を促した。
 このあと工事担当者から工法や安全対策などの説明を受け、急ピッチで鉄骨の組み立てが進む駅ビル内部の工事現場を見て回った。
 京都府内では15日現在、死亡労災事故44件発生(前年同期43件)。過去5年で年間最多だった昨年と91年の発生件数と同数となっている。(京都新聞)
■新神戸停車「のぞみ」5本に 3月から
 JR旅客6社とJR貨物は15日、来年3月16日から実施するダイヤ改定を発表した。
 東海道・山陽新幹線では、「のぞみ」を毎週金曜日の夜に東京−新大阪間で1往復増発する。「のぞみ」の新横浜駅停車を現行の1本から2本に、新神戸駅停車を4本から5本に増やす。また、「こだま」、「ひかり」、「のぞみ」とも、禁煙車両を、16両のうち今の7両から10両に増やし、禁煙席の割合を4割台から6割台に拡大する。(朝日新聞)
■発券システム7時間で復旧
 JRの切符などを発券するコンピューターシステム(MARS)の故障は、発生から約7時間後の15日午後零時20分ごろ回復した。約1700台の各端末機も、午後3時ごろまでにはすべて使えるようになった。(朝日新聞)
■新二条駅舎 円盤くぐり故郷へ
 見上げれば大天幕、ビルから目線を落とすと宇宙円盤のよう。京都市中京区、JR二条駅西側で進められている山陰線高架化(同駅−花園駅)新二条駅舎の屋根だ。
 ドーム屋根の大きさは南北約60b、東西約28b。広さ1050平方bで、最も高い所は地上18.4bになる。全体を木で覆い、来年3月までに濃いグレーの亜鉛合金板をすっぽりかぶせる。
 デザインは京都市が行い、周辺の町並み景観と、検討中の都市再開発計画の「両方に調和するよう苦心した」とか。モダンな銀屋根は、木で外装した12本の鉄骨で支える。
 地上7.5bの高架化は来年完成する。次の年末、山陰線の帰省列車はこのドームをくぐって、笑顔を郷里に運ぶ。(京都新聞 夕刊)
17日■仏交通スト収拾へ 政府の譲歩案 主要労組受け入れ
 【パリ16日共同】政労の対立から泥沼化していた交通を中心とするフランス公共部門のストは、政府の譲歩案を主要労組が受け入れ、突入から23日目の16日には国鉄や首都圏の地下鉄などが部分的ながら運転を再開、長期ストは収拾に向かいだした。
 今後各労組はさみだれ式にスト終結を決め、クリスマス直前までには交通部門のまひ状態は回復するとみられている。
 しかし、今回のストで最強硬派だった「労働者の力派」(FO)は依然、政府に社会保障制度改革案の全面撤回を求めており、16日午後には他の労組も加えた統一行動で大規模なデモを予定している。
 スト収拾を打ち出したのは今回の長期ストの中心となった労働総同盟(CGT)傘下の国鉄組合員らで、政府当局側の国鉄再建案棚上げ、年金受給資格年数変更の凍結などを評価した。
 これを受けてベルグニュー国鉄総裁はジュペ首相に辞表を提出、受理された。
 CGTの決定を受けて16日の国鉄はパリ−リヨン間の新幹線やパリ近郊路線が動きだした。また、パリの通勤の足となる地下鉄も13路線のうち6路線で運転再開、一部には完全に復旧した線もある。郵便、電話など交通部門以外でもスト参加者は減ってきているという。(京都新聞)
■窓 循環市バスは入庫の表示を 左京区・河島智子(主婦・32)
 京都市交通局様。市バスで市内周辺部をぐるぐる回っている路線、いわゆる循環系統についてお願いがあります。それは車庫止まりの場合、○○車庫入庫、あるいは○○バスターミナルまで、とバスの前部の行き先に明示していただきたいのです。
 先日、東山通から202系統に乗り、羅生門まで行こうと思っていたところ、そのバスは九条車庫が終点でそこで降りなければなりませんでした。てっきり循環するものと思っていましたのでやむなくそこから歩きました。私と同じように思っておられた方がほかにもいらっしやつて「車庫入りするならアナウンスするか、はっきり表示してほしい」といっておられました。
 私の場合、乗る前に時刻表を確認し、※印のついた時間のものは九条車庫入庫と知っていました。ところがバスが来たのは※印の時間よりほんの少し早かったため、前のバス(無印)が遅れたのかと思ったのです。
 バスの間隔が7、8分だったため、どちらのバスか判断がつきにくく、行き先を見ると”九条車庫”となっていて”九条車庫入庫”となっていなかったので、車庫を経由して行くのだと勘違いしてしまったのです。ほかの路線で入庫表示している例もあり、統一をお願いします。(京都新聞)
■急行も特急に JR山陰線電化で来春ダイヤを改定
 JR西日本福知山支社は15日、山陰線の電化・高速化の完成に合わせて来年3月16日に実施するダイヤ改定について発表した。山陰線の特急、急行は全列車が特急電車化され、京都−城崎間の20分を最高に、所要時間が現行より大幅に短縮される。
 山陰線は、特急「あさしお」と急行「丹後」がなくなり、「きのさき」(京都−城崎間)、「はしだて」(京都−天橋立間)、「たんば」(京都−福知山間)に愛称が変わる。本数は京都行きが1本増発され、上下各14本となる。福知山駅を着発する特急は上下計11本の増となる。(朝日新聞)
18日■京阪電車に飛び込み 自殺か、男性死亡
 17日午後3時ごろ、京都市東山区本町の京阪電鉄東福寺駅で、通過しようとした淀屋橋行き急行電車に男性がはねられ、即死した。
 松原署の調べでは、男性は60歳前後で、茶色のジャンパーに薄い紫色のズボン姿、黒色ブーツをはいていた。電車の運転士と乗客が下り線ホームから飛び込むのを目撃しており、自殺ではないかとみて身元確認を急いでいる。
 当該電車は現場に8分間停車したが、後続に大きな影響はなかった。(京都新聞)
■駅エレベーター設置進まず 「交通ボランティア」育成へ 運輸省が窮余の一策
 身体障害者が「外出したい」と電話などで言ってくれば、自宅から駅まで付き添ったり階段で車いすの上り下りを手助けしたりする−こんな「交通ボランティア」の育成に向けて、運輸省が動き始めた。鉄道会社や障害者団体の関係者などが調査検討委員会をつくり、来年3月をめどに具体化の指針をまとめる。駅で障害者用のエレベーターなどの設置が、一向に進まないことから考え出された窮余の一策でもある。
 運輸省は、車いす使用者らが外出の際に介添えできるボランティアを全国の駅周辺などに待機してもらい、電話一本で送り迎えする態勢を想定している。さらに「交通ボランティア」には、一目で分かるバッジなどをつけてもらい、駅などで障害者らが気軽に依頼できるようにすることも考えている。
 この実現に向けて運輸省は、財団法人交通アメニティ推進機構と協力して、日本民営鉄道協会やJR東日本、日本身体障害者団体連合会、日本盲人会連合などの担当者らと「交通ボランティアに関する調査検討委員会」を今月中旬につくった。検討委では、身体障害者にとって駅舎や電車内での不都合な点を洗いだして、どういった支援や運営方法が望ましいかの報告書をまとめる。
 一方、既存のボランティア組織などと連携して、車いすの誘導や階段の上り下り、視覚障害者の介添え方法などを理解してもらう「交通ボランティア育成講座」を開くなどして、社会環境づくりにも努める考えだ。
 総理府の今年の「障害者白書」は、障害者の社会参加を妨げる第一の関門は乗り物や建物などの物理的な障害だと指摘している。運輸省でも1993年、1日の乗降客が5000人以上の駅にエレベーターやエスカレーターなどを設置するよう整備指針を定めたり助成制度を設けたりしている。
 だが、昨年度の調べでは、全国6932駅のうちエスカレーターの設置率は13.6%、エレベーターはわずか5.7%に過ぎない。視覚障害者への思いやりも、券売機の点字表示が49.4%、誘専警告ブロックが66.3%となっており、不備な駅がまだ多い。
 運輸省は「障害者が一人で自由にどこにでも行けるように、エレベーターなどの普及は引き続き推進するが、その実現にはかなりの時間が必要。少しでも円滑な移動を可能とするために今回の構想を考えた」としている。(朝日新聞)
■駅の信号故障上下18本運休 JR阪和線
 17日午前8時20分ごろ、大阪府和泉市府中町一丁目のJR阪和線和泉府中駅で、下り線の場内信号機が赤になったまま、変わらなくなった。約1時間20分後に正常に戻ったが、天王寺発和歌山行きの快速列車(6両編成、乗客約180人)がホームの手前350bで約30分立ち往生するなど、上下合わせて18本が運休、24本に3−35分の遅れが出て、約6000人の足に影響した。
 JR西日本によると、下り線の信号電流を伝えるため、ホーム近くのレールのポイントの継ぎ目につながれた線が外れ、安全装置が働いたためという。(朝日新聞)
■視覚障害学生転落で改善要請 大阪市営地下鉄 「不備ない」市拒む ホームの端 見えない 怖い 友ら、全駅歩き点検
 大阪市営地下鉄御堂筋線の天王寺駅で今年10月、目の不自由な大学生がホームの端から転落し、電車に引きずられて大けがをする事故があった。ホームの突き当たりの壁に、さくのない40aのすき間があった。学生の母親や友人らは、市交通局にさくの設置を求めたが、同局は「事故は通常、人の通らない所で起きた。施設に不備はなく、改善する考えはない」と、かたくなに拒む。地下鉄だけでなく、JRや他の私鉄のホームの危険性はこれまで、幾度も指摘されている。この学生が参加する点訳サークルの仲間たちは市の対応に疑問を持ち、大阪市営地下鉄の全駅を歩いて危険個所を詳しく調べた。それをもとに「危険な駅ワースト10」をまとめ、具体的な資料を作って市に設備改善を再度要望する。
 けがをしたのは、神戸市外国語大学三年生の佐木理人さん(22)=大阪市阿倍野区。府警阿倍野署の調べによると、事故は10月21日午後10時5分ごろ、同駅1番ホームで起きた。佐木さんは神戸市内の下宿から実家に帰宅途中で、同駅で電車を降り、近鉄に乗り換えるため、白いつえを突きながらホームを歩いていた。
 ホーム端の壁に突き当なり、柱だと思って少し右に寄ったところ、時速約40`で走行中の電車に接触、1.3b下の線路面に転落した。車掌が気づいて非常ブレーキをかけたが、佐木さんは約16b引きずられ、左足と左腕を骨折、頭を33針縫う全治6ヵ月の大けがをした。
 同駅は現場以外のすべてのホーム端に転落や侵入防止用の鉄さくを設けている。佐木さんの母位子(たかこ)さん(53)は市交通局に「現場だけさくがなかったのは市の過失。補償の問題ではなく、再発が心配なだけだ。早急に改善してほしい」と要望した。
 しかし、同局は@局のホーム建設規定で、車両から30a以上離れないと工作物を置けないA現場は通常人が通らない場所で、壁の手前約5bで誘専用の点字ブロックが途切れ、行き止まりを示す「危険」の点字ブロックもあるのだからホームの端に近づいているのはわかるはず−と説明。「佐木さんも電車の風圧を感じたはずで、市の過失はなく、新たにさくを設ける必要はない」と話す。
 今後の対策についても、「障害者が乗車駅の改札口を通る時に声をかけて下車駅に連絡するよう徹底するが、ラッシュ時や混雑する路線では完全な対応は難しい」という。
 佐木さんら神戸市外大や京都大などの視覚障害者、点訳ボランティアでつくるサークル「関西スチューデントライブラリー」は「視覚障害者の立場を無視している」と批判する。メンバーの約40人は今月10日、市営地下鉄7路線、全99駅のホームや階段を実際に歩いて、さくの有無や点字ブロックの敷き方などを点検した。結果を持ち寄って近く報告書にまとめ、危険な駅ワースト10も選ぶ。改善が必要と思われる個所については交通局に申し入れるという。
 大阪市営地下鉄では今年6月にも谷町線天王寺駅で目と耳の不自由な男性が線路に転落、電車にはねられて亡くなる事故があった。
・さく、まだ不十分
 日本ライトハウス盲人情報文化センターの川越利信館長の話 大阪周辺の駅ホームは、安全対策が進みつつある。点字ブロックはひととおり済んだが、さくはまだまだ不十分だ。今回の事故もさくさえあれは防げた。鉄道事業者は現状に満足せず、さくを増やすよう配慮してもらいたい。(朝日新聞)
■来月から7%台値上げ JR北海道、四国、九州 本州と運賃格差
 運輸省は18日、JR北海道、JR四国、JR九州の旅客鉄道3社が申請していた値上げを22日にも認可し、1月中旬から実施する方針を明らかにした。3社の値上げ率は、平均7%台となる。
 1987年の旧国鉄の分割・民営化以来、消費税導入時を除くと初の値上げ。新幹線などの収益部門を抱えて値上げしないJR東海、JR東日本、JR西日本の本州旅客3社との経営力格差が、国鉄時代の料金体系を崩し、運賃格差となって地域の利用者にはね返る。
 値上げする3社は、北海道が平均7.0%、四国が8.0%、九州が7.8%の値上げを10月中旬に申請、運輸審議会が内容を検討している。運輸省は、値上げを認める答申が出され次第、認可する方針だ。(京都新聞 夕刊)
■大阪地下鉄火炎瓶事件 「権力への報復目的」 検察側冒頭陳述 島袋被告は一部否認
 大阪市営地下鉄の駅で火炎瓶を炎上させたとして火炎瓶処罰法違反などの罪に問われたオウム真理教信者島袋拓也(21)と友人の調理師上田晃弘(23)の2被告の初公判が18日、大阪地裁(滝川義道裁判長)であり、起訴事実について島袋被告は、火炎瓶を炎上させた点は認めたが「上田被告には強制しただけ」と共謀を否認した。上田被告は全面的に認めた。
 冒頭陳述で検察側は動機について「(島袋被告は)破防法適用の動きなど国家権力が教団を弾圧しているとして一人で警察や検察庁などに報復しようと考え、APEC(アジア太平洋経済協力会議)大阪会議を控えた警備中に事件を起こすことで、大阪府警本部長の失態を招こうとした」などと述べた。
 起訴状によると、両被告は知り合いの少年と共謀、10月17日午前3時半ごろ、大阪市中央区の谷町四丁目駅の階段踊り場でガソリンの入った1.8リットル瓶に点火し、破裂、炎上させた。また同日午後11時半ごろ同区の天満橋駅につながる階段踊り場でも火炎瓶に点火したが、着火に失敗した。
 また島袋被告は、9月に知人から時価1万6000円相当のネックレスを脅し取ったとして恐喝罪にも問われており、「借りただけ」と起訴事実を否認した。(京都新聞 夕刊)
■オウム裁判 地下鉄火炎瓶投げ込み事件 島袋被告、「自分が命令」
 大阪市中央区の市営地下鉄で10月17日に発生した2件の火炎瓶投げ込み事件で、火炎びん処罰法違反の罪などに問われたオウム真理教信徒で元暴力団組員島袋拓也被告(21)=同区石町二丁目=と、調理師上田晃弘被告(23)=同=に対する初公判が18日、大阪地裁(瀧川義道裁判長)であった。両被告が共謀して火炎瓶事件をひき起こしたとする起訴事実に対し、島袋被告は事実関係を大節で認めたうえで、「自分が命令しただけで共謀はしていない」と主張、上田被止は起訴事実を全面的に認めた。
 冒頭陳述で検察側は、島袋被告が一連のオウム真理教にかかわる事件での信徒の逮捕や破壊活動防止法の適用論議などを、国家権力による教団への弾圧ととらえ、アジア太平洋経済協力会議(APEC)で警戒にあたっていた大阪府警に対するいやがらせのため、火炎瓶事件を起こしたと指摘。警察の施設などへ火炎瓶を投げこむことも計画していたことを明らかにした。
 冒頭陳述などによると、2人は10月17日午前3時半ごろ、中央区の市営地下鉄谷町四丁目駅の階段踊り場で、ガソリンを入れた一升瓶に新聞紙を詰めた火炎瓶1本に点火してけり倒し、壁などを焦がした。しかし、新聞報道などの扱いが小さかったため、同日午後11時半ごろ、天満橋駅階段で、同様に火炎瓶に点火したが、燃え上がらなかったとされる。
 さらに、島袋被告は9月24日、別の事件で逮捕、起訴された教団信徒のための嘆願署名を集めていた同市中央区の路上で、知り合いの少年を脅して、ネックレス一本(時価1万6000円相当)を奪ったとされる。
 島袋被告は恐喝罪については「脅していない」と否認した。(朝日新聞 夕刊)
19日■本州以外のJR各社 来月中旬から 7%台値上げ
 運輸省は18日、JR北海道、四国、九州の旅客鉄道3社が申請していた運賃の値上げを22日に認可し、1月中旬から実施する方針を明らかにした。3社の値上げ率は平均7%台になる。
 JRグループの値上げは1987年の旧国鉄の分割・民営化以来、消費税導入時を除くと初めて。値上げ申請をしていない東日本、東海、西日本との間で運賃格差が生じ、民営化以来の「全国一律運賃体系」の原則が崩れることになって、地域の利用者にはね返る。
 3社が10月に申請した平均値上げ幅は、北海道7.0%、四国が8.0%、九州が7.8%。いずれも特急、急行料金は据え置き、通勤・通学客が多い近距離区間を中心に引き上げている。3社とも初乗り運賃は今の140円から160円になる。今月21日の運輸審議会で値上げを認める答申が出る見通しで、運輸省は翌日認可し、1月中旬にも実施する方針。北海道など「三島会社」は過疎地を多く抱え、ドル箱路線の新幹線を持つ本州3社に比べ経営体力が弱かった。(京都新聞)
■パリ地下鉄全線再開 仏スト 国鉄も6割運行
 【パリ18日共同】3週間以上にわたリフランスの公共部門をまひ状態にしてきたストライキで、主要労組が政府側の譲歩を受け入れたことを受けて、週明けの18日、13路線あるパリの地下鉄全線が運転を再開した。
 地下鉄当局によると、このうち運転が完全復旧したのは3路線で、残りは依然間引き運転の状態。パリ市内の路線バスも一部が運転を再開した。地下鉄、バスともに利用客に無料でのサービスを行っている。
 国鉄は、パリの郊外路線が半分、遠距離路線が50−60%の再開。海底トンネルでパリとロンドンを結ぶユーロスターと、パリ−ブリュッセル線の運行は完全に正常化した。
 主要労組の中で最強硬路線の「労働者の力派」(FO)は依然、政府側の譲歩に不満を表明した。
 ボルドーやマルセイユなど地方都市では、地下鉄、バスなどがまだ完全にストップしている所もある。(京都新聞)
■新型新幹線 1月に試運転 JR西日本
 JR西日本は18日、時速300`の営業運転を目指す新型新幹線500系の車両搬入スケジュールを明らかにした。
 それによると、新型車両は今月下旬までに神戸市の川崎重工業など全国4ヵ所の工場で4両ずつ完成。年末から来年1月上旬にかけて船で福岡市の博多港まで運ばれた後、博多総合車両所へ運送する。
 1月11日にはドッキングして16両のフル編成が誕生、その後構内で試験を繰り返し同月31日、完工検査の本線受け取り試運転を山陽新幹線の博多−小郡間で実施する予定。
 同社は2月以降本格的な試験走行を重ね、来秋以降のできるだけ早い時期に新型新幹線を導入したい考えだ。(京都新聞)
■聖夜に弦楽四重奏はいかが 会場は駅のコンコース 24日に京阪三条 特設ステージで2回公演
 今年のイブの夜は、駅のコンコースのコンサートホールで楽しんで−。京阪電鉄は24日、三条駅(東山区)で弦楽四重奏団がクリスマスソングなどを演奏する「京阪 駅コン・エクセレント」を開催する。
 同社は今春、主要駅8ヵ所を会場に関西吹奏楽連盟の演奏会を実施した。この時の参加者から、ジャンルの違うプロの演奏を聴きたい、との強い要望おり、初めて企画した。
 演奏するのは、京都芸大出身の女性4人で構成するプロの弦楽四重奏団、ローザ・ストリング・カルテット。
 当日は、同駅の中央改札付近に特設ステージを用意し、午後4時半と6時半からの2回、各1時間ほどのステージを行う。
 曲は、モーツァルトの「ディベルティメント」をはじめ、クリスマス特集として、おなじみの「ジングルベル」や「ホワイトクリスマス」、ラブソングの「白い恋人たち」や「愛のファンタジー」などを、イブのムードいっぱいに演奏する。
 観客席以外での鑑賞は自由。問い合わせは、同電鉄運輸部営業課 06(944)2522へ。(京都新聞)
■札幌で50年ぶりの大雪 積雪84a、交通混乱
 北海道地方は18日、強い冬型の気圧配置の影響で札幌、小樽など道央地方を中心に大雪となり、札幌の午後3時から午後9時までの6時間の降雪量は29aに上り、午後9時現在の積雪量も84aに達した。
 日本気象協会北海道本部によると、札幌の午前9時の積雪量は63aで、12月18日としては1945年の67aに次ぎ、戦後2番目の記録。
 雪の影響で交通機関に支障が生じた。新千歳空港では滑走路の除雪のため羽田−新千歳間などで発着便の欠航が相次いだ。
 JR北海道の札幌圏の各線は、雪のためポイントの切り替えができなくなり、札幌圏で午後8時までに、普通列車38本が運休。札幌発上野行き特急北斗星4号が40分遅れのほか、札幌圏の各列車に遅れが出るなどダイヤが乱れた。(京都新聞)
■旧国鉄債務28兆円に 今年度末土地・株売却進まず
 旧国鉄の債務が今年度末には28兆円に届きそうだ。土地、株式などの資産は時価で推定7兆円強しかないので、資産の処分で返せない債務は20兆円を超える。国民1人あたりで20万円以上の負担だ。膨らむ国民の「借金」をどうするか−。土地売却のメドとされた1997年度が迫り、改めて議論が必要な時期になってきた。
 債務処理を担当する国鉄清算事業団は、今年度の株式売却収入を約3000億円と見込んでいた。しかし、株式市況の悪化を懸念して、JR西日本株の上場、JR東日本株の追加売却が両方ともできず、株での収入はゼロ。
 土地は今年度、約1兆円分を売る予定だが、東京・汐留地区などの大型物件の売却がすすまず、昨年なみの5000億円前後にとどまりそうだ。金利負担とその他の費用が約1兆5000億円もあるので、収入がまったく足りない。このままでは債務が減るどころか、今年度は1兆円強増える見通しだ。増加は2年連続。
 事業団が発足した87年当時の債務は、25兆5000億円。旧国鉄の土地で7兆7000億円、株式で1兆2000億円などを返し、返済できないまま国民全体の負担として残る分は13兆8000億円とされていた。ところが、バブル崩壊で、そのもくろみが狂った。残っている土地の評価額は4兆4000億円。株式は、JR東日本とJR西日本、JR東海の株をすべて売却したところで、JR東日本の株価から推定すると3兆円を割る。仮に土地と株を完売しても7兆円強にしかならない。
 さらに債務には、年間1兆円ずつの利息と、5000億円の年金費用などが上乗せされていく。これではふくらむばかりだ。約2000人の事業団職員の離職にかかる費用もある。
 このため運輸省は、債務処理や清算事業団の存廃などについて議論を始めた。「27兆円もの債務を消す魔法のツエはない」(同省幹部)という状況だ。(朝日新聞)
■御堂筋線でまた煙騒ぎ 一時全線ストップ
 19日午前9時5分ごろ、大阪市北区の大阪市営地下鉄御堂筋線・西中島南方−中津駅間の軌道付近から煙が出ているのを運転士が見つけ、同線は一時、千里中央−なかもず駅間の全線でストップした。
 職員らが現場に駆け付けたところ、軌道に異常はなく、煙も上がっていなかったため約15分後に運転を再開した。朝のラッシュ時間帯と重なったが、梅田駅などでも大きな混乱はなかった。
 大淀署などの調べでは、高架になっている軌道下の淀川河川敷で、ホームレスの男性(56)が燃やした廃材の電線の煙が原因らしい。
 上下37本で最高13分遅れ、約3万人に影響した。
 同線は先月28日と12月1日にも軌道内のほこりが燃えるなどして運行が一時ストップしている。江坂駅の改札口では、足止めされた乗客約20人から「またか」「どうなっているんだ」との声も聞かれた。(京都新聞 夕刊)
■たき火の煙が御堂筋線を通せんぼ また全線ストップ 路上生活者、電線燃やす
 19日午前9時6分ごろ、大阪市北区の市営地下鉄御堂筋線中津駅北約500bの鉄橋で、煙が漂っているのを、走行中の電車の運転士が見つけ、運転指令所に連絡した。同線の運行をストップして、中津、西中島南方両駅の駅員ら14人が駆けつけたが、煙は消えて電車や鉄橋に燃えた跡がなかったため、運行を再開した。この事故で上下合わせ37本が最高13分遅れ、約3万人が影響を受けた。
 大阪市営地下鉄では、この1ヵ月間に発煙により電車の運行が止まったトラブルが4件あり、今回で5回目。うち、朝の通勤時間帯は3回目となる。
 大淀署の調べによると、煙は路上生活の男性(56)のたき火。同日午前7時ごろから、淀川左岸の河川敷の鉄橋下で、直経約50a、太さ約20aに束ねたケーブル電線を燃やしていた。中の鋼線を取って廃品回収業者に売るためだったという。外側のビニールがくすぶって、大量の黒煙が出たらしい。同署は、この男性に厳重注意した。
 大阪市消防局などの調べでは、現場はトンネルから約250b離れた地上部分で、長さ約850bの鉄橋が淀川に架かっている。
この1ヵ月で大阪市営地下鉄が止まったトラブル
11月28日午前8時37分御堂筋線梅田駅南約200bのレールで塗油器の受け皿付近から出火。20分後に消しとめたが、上下57本が運休。ラッシュ時で約20万人に影響。
12月1日午後0時14分御堂筋線本町−心斎橋駅間の軌道上から煙が上がり、駅員が消しとめたが、上下31本が最高10分遅れ、約3万人に影響。
12月8日午前8時17分御堂筋線あびこ駅南200bの引き込み線付近で白煙が上り、上下40本が最高5分遅れ、約1万9000人に影響。
12月14日午後7時20分谷町線天王寺駅で、到着した電車のブレーキ付近から煙が上がり、上下17本が一時運転を見合わせた。
 この事故の影響で、新大阪、梅田、淀屋橋、天王寺各駅の券売機が約10分間にわたって停止した。
・このひと月 通勤時3度 乗客らうんざり
 19日朝、大阪の地下鉄が発煙騒ぎでまた止まった。朝の通勤時間帯に電車がストップしたのは、このひと月で3回目。駅の混雑がひどくなり、乗客らは「またか」と苦々しい表情だった。
 御堂筋線梅田駅では午前9時7分ごろ、停車中の電車の車内や駅構内のアナウンスで「発煙事故のため、出発制限をしています」と流れた。車内でじっと待っていた乗客は、他の地下鉄へ乗り換えるようすすめる案内に促され、次々降り始めた。
 ホームの混雑を緩和するため、駅では発券機や改札機もストップ。改札口には、運転再開を待って約100人が並んだ。
 午前9時20分ごろ、「まもなく運転再開」と案内があると、ホームで改札口に向かいかけた乗客があわてて電車に殺到した。電車に乗り込もうとしていた男性会社員(50)は「止まった時間が短かったので、とくに支障はなかったが、またか、という感じだ」と話した。
 40歳代の女性は「ここのところひんぱんに起きている。朝の忙しいときなのに、迷惑やわ」と、半ばあきれ顔。梅田に着いた電車から降りてきた豊中市の会社員塩崎徹さん(27)は「朝は5分、10分でも大きい。こう何度もあっては困るね」。(朝日新聞 夕刊)
20日■SL北びわこ号 湖北路に雄姿再び 来月27日から臨時運転へ 米原−木ノ本駅間
 JR西日本は19日、北陸線の磁賀・米原−木ノ本駅間(22.4`)で蒸気機関車「SL北びわこ号」を1月27日から臨時運転すると発表した。
 機関車は従来の「C56」型に加えて「貴婦人」の愛称を持つ「C57」型も登場。両型を連結した重連運転も近畿で初めて行う。全席指定で、指定券は各運転日1ヵ月前の午前10時から全国のみどりの窓口などで売り出す。
 運転は1月27日から3月10日までの土・日曜と振り替え祝日計15日間。今年夏、秋に次いで3回目だが、今回はダイヤが一部変更されたほか、下りが1本運休して1日上下3本の各駅停車運転となる。2月18日までは「C57」の単独運転で、重連運転は同24日から3月3日まで。
 いずれも客車8両で、定員688人。3月9、10両日は「C56」が客車5両(定員424人)を引っ張る。
 乗車には指定料金500円が必要で、米原−木ノ本間片道は普通運賃と合わせて890円(こども半額)。ダイヤは米原発が午前10時11分、木ノ本発が午後零時10分と同3時25分。3月9、10両日は米原発が午前10時10分に変更される。(京都新聞)
■望見KANSAI 片福連絡線工事 難関のトンネルが貫通
・平成9年春に開通へ
 大阪市内の中心部を、東西に結ぶ新しい鉄道線として工事が進む「片福連絡線」(JR京橋−尼崎間、12.3`)のうち、淀川の下を走る淀川トンネルがこのほど貫通。これで同線の90%を占めるトンネル部分がすべて完成し、地上部を含めルートが1本につながった。軟弱地盤と出水に悩まされ、当初の計画から2年遅れた工事も、ようやくヤマを越した。今後、線路の敷設工事などを経て、平成9年春には開通する見込みだ。トンネル全通までの経過をふり返ってみた。
 片福連絡線は、JRの片町線と、福知山線を大阪市内で結ぶことにより、関西学研都市方面から神戸・宝塚方面までの直接的なアクセスを確保するねらい。大阪をはさんで関西の新しい核がつながれることになり、社会的、経済的効果は大きい。
 昭和63年に運営主体の第三セクター「関西高速鉄道会社」が設立され、ルートと駅(計7ヵ所)の位置が確定。翌年から工事が始まった。トンネル部分については地下を掘り進むシールド工法、駅部分は地上から掘り開ける開削工法を採用して、平成元年から始まった。
・大出水で工事が遅れ
 ルート上の地中には、他の地下鉄や、既設のガス、水道管などが錯綜(さくそう)しているため、トンネルは地下10−30bの最深部分を掘り進んだ。
 ところが、平成4年4月に野田阪神の地点で思いがけない大出水が起きた。一帯の地盤は、粘土と砂の層が幾重にも重なり、砂の層を掘るとたまっている水が勢いよく吹き出すのだ。これで工事は8ヵ月遅れ、さらに軟弱地盤の補強などに手間取り結局、全体では2年遅れた。工事費も当初より21%(約500億円)増え3380億円にまで膨らんだ。
 工事の最後の難関が、このほど貫通した淀川トンネルだった。野田阪神−歌島橋間の全長2325bで、淀川の下を通る初の鉄道トンネル。安全に配慮して地下40bまで掘り下げ、直径7bの単線トンネル1本ずつを並列で掘り進めた。
 川の底とあって、土中の水圧は1平方b当たり45dという大きさ。対策には、シールド掘進機の回転刃の後ろに隔壁を設け、裏から泥水を注入して圧力をかけ、水を押し返しながら進んだ。毎分ほぼ3aずつ前進し10月初め、ついにトンネルが抜けた。工期は13ヵ月と、予想を上回る短期間で終わった。
・技術陣の健闘を強調
 「地下水の層がいくつにも分かれ、どこを掘っても水が出ました。硬い岩石には、あらかじめ回転刃の並べ方を工夫していたので、最後まで刃の交換なしで掘れた。これでうまく進みました」。工事を担当した鉄道建設公団大阪支社では、技街陣の健闘を強調している。
 歌島橋近くの現場で11月30日に行われた淀川トンネル貫通式には関係者80人が出席。シールド工法だけに、発破を使う場面はなかったが、くす玉割りや、鏡開きでにぎやかに完成を祝った。
 トンネル内では、その後線路床や、ダクトを乗せるコンクリート台などの工事が進行中で、来年4月からは、いよいよ線路敷設工事が始まる。(京都新聞)
■地下鉄サリン 3700人に労災認定 労働省 オウムに3億円請求へ
 通勤途中のサラリーマンやOLら約5500人の死者や重軽症者を出した地下鉄サリン事件で、労働者災害補償保険法に基づく労災認定者数が約3700人に達したことが、労働省のまとめでわかった。ひとつの事件・事故としては、申請者、認定者数、給付金額とも過去最高。国がオウム真理教の破産を申し立てた時点では被害者の労災給付金として約1億8000万円を算定していたが、同省は最終的な労災給付金は約3億円にのぼると見ている。19日にオウム解散命令が確定したのを受け、同省は年明け早々にも、教団に対する約3億円の債権届を清算人に提出する。
 労働省補償課によると、地下鉄サリン事件での労災申請は通勤労災が3330人、業務災害が372人の計3702人になった。そのうち、認定されたのは通勤労災が3311人、業務災害が371人の計3682人にのぼった。死亡者の認定は9人だった。
 労災保険法では、通勤途中の被災を労災と認めており、入院費や治療費のほか、休業した場合は平均賃金の約8割の休業補償給付金も支給される。死亡した場合は遺族特別支給金(300万円)のほか、遺族補償年金や葬祭料金が支給される。労働省は事件の重大性から、労災処理としては異例のスピード認定をするとともに、幅広い認定作業を進めてきた。労災保険法は、労災事故が第三者によって生じた場合、国が第三者に対し、すでに支払った給付金の揖害賠償を請求できると定めている。(朝日新聞)
■トイレに「差別落書き」 京都駅 構内では人権啓発展
 JR京都駅八条口にある男性トイレの壁に19日、部落差別の落書きがあるのを清掃作業中の会社員が見つけた。同駅構内では、この日から京都市が人権啓発のポスター展を始めていた。
 市同和対策室などによると、会社員が午前10時から4つある個室を順番に清掃した時は何もなかった。その10分後、最初に清掃した個室に入ったところ、落書きを見つけたという。
 同駅のトイレでは去年7月から差別落書きが相次いでおり、部落解放同盟府連合会は「京都市が人権啓発の催しをしたとたんにこのような落書きをするとは、差別を許さない取り組みに挑戦するものだ」と話している。(朝日新聞)
21日■大阪外環状鉄道、10年後開業へ 新大阪−八尾20` 着工費1000万円盛る 大阪府・市とJR西日本の第3セクター
 大阪市北部と大坂府八尾市を南北に結ぶ大阪外環状線鉄道(20.4`)計画が来年度から事業着手されることが決まった。20日内示された大蔵省原案に着工費1000万円が盛り込まれた。現在のJR城東貨物線全線を複線化、電化してJR新大阪駅と久宝寺駅(八尾市)を結び、大阪環状線などの混雑緩和をはかる。大阪府と大阪市、JR西日本が第三セクターをつくり事業を進め、2005年までの開業を目指す。
 大阪外環状線は、総事業費約1390億円。大阪市中心部から放射状に延びるJR関西線、同片町線、阪急京都線、京阪本線、近鉄奈良線、市営地下鉄中央線、同御堂筋線などと接続し、計13駅となる。1日の利用者は17万5000人程度を見込んでいる。用地はJR城東貨物線を複線、電化して利用するため、大阪府は「すでに大半は確保されている」としている。
 また、大阪府などは沿線開発も同時に進める計画。JR久宝寺駅周辺で大型商業施設や文化施設、オフィスビル建設を含む大規模な再開発をして新たな拠点都市を目指すほか、大阪市はJR放出駅や阪急淡路駅の周辺部で駅前のアクセス道路や広場などの整備を進める。
 大阪外環状線計画は1981年に国鉄城東貨物線の複線化工事として大臣認可されたが、国鉄民営化のあおりでいったん頓挫(とんざ)した。87年に大阪府と大阪市、JR西日本が調整会議を発足させて再び事業化を目指していた。今回、貨物専用鉄道の旅客化事業に対する国庫補助制度が新設されたことに伴い予算がついた。
 JR西日本は、「利用者数は片福連絡線より少ない。沿線再開発の行方が収支に大き絃影響を与える」と話している。(朝日新聞)
■大阪市地下鉄 1ヵ月にボヤ騒ぎ4件 火花やたばこ 着火実験空振り 交通局 煙に過敏反応も
 大阪の大動脈、市営地下鉄がボヤ騒ぎに振り回されている。この1ヵ月間でトンネル内での発煙が4件にのぼり、運輸省は「聞いたことがないケース」と驚く。大阪市交通局は出火原因を突き止められず、当面は煙を見つけたら電車を止める措置を取った。しかし、煙に過剰反応して電車を止めることもあって通勤客らへの影響は広がっている。
 一連のボヤ騒ぎで燃えたのは、レール用潤滑油と、乗客の服が擦れ合ってできた綿ぼこりとみられている。交通局は「軌道上の送電レールと接触する集電器か、車輪とレール、あるいは車輪とブレーキから出た火花が引火した」との見方を強め、今月1、6両日に着火実験をした。
 小型の電動研削器で鉄片を削って出る火花を、潤滑油や綿ぼこりに直接当ててみた。しかし、一向にくすぶる気配がない。今度はたはこの火や、燃やした紙を付けてみると、少し煙が出る程度だった。
 同交通局の藤田昭治工務課長は首をひねる。「電車などから出る火花はパチパチと出る程度。仕掛け花火のように大量に火花を散らしても、うちわであおいでもボヤに至らなかった」
 過去10年間で発煙トラブルで電車を止めたケースは、車両が9件で、トンネル内は1988年の1件だけ。潤滑油の受け皿を月1回、軌道上の側溝を年1回掃除し、15年ごとのレールとまくら木の交換の際、敷き詰めた砕石を取り換える決まりになっている。
 ところが、2日から1週間、御堂筋線中津−天王寺駅間(8.5`)のトンネル内の清掃をした結果、綿ぼこりが駅に備え付けのごみ箱330個分(約80立方b)も出た。「トンネル内には燃えるものはない、というのがわれわれの常識だった」と運転課は話す。
 大阪市交通局はトンネル内のボヤを想定しておらず、最初のボヤのときは鎮火前に電車を9本走らせて近畿運輸局から注意を受けた。原因がはっきりするまでは「煙を見たらすぐに電車を止める」との方針を出した。
その後、大事を取って運行を見合わせた8日のケースも重なり、足が乱れた乗客は約25万2000人。
 大澤三千雄・高速運輸部長は「職員は煙に対して過敏になっている。そう簡単に電車を止めるなと言われるかもしれないが、安全第一で取り組むしかない」と複雑な表情だ。
 一方、帝都高速度交通営団(東京)では11月28日にレールのポイント部分から煙が出る騒ぎがあった。しかし、「今年初めての事故。これまでほとんどなかった」(広報課)という。札幌市交通局や名古屋市交通局でも「開業してからトンネル内のボヤは記憶にない」と話す。
 運輸省は今回のボヤ騒ぎを受けて、煙が出たら運行をやめるよう、各運輸局を通じて事業者に伝えた。同省保安車両課は「きちんと掃除をしていなかったためではないか。まだ原因がわからない以上、とにかく燃えるものを取り除くしかない」と指摘する。(朝日新聞 夕刊)
■JR北海道・四国・九州 来月10日値上げ 運輸審議会 認可を答申
 JR北海道、JR四国、JR九州が申請していた運賃値上げについて、運輸審議会(会長=石山陽・元福岡高検検事長)は21日、北海道が7.0%、九州が7.8%と申請どおり、JR四国が申請から1.3ポイント圧縮した6.7%の値上げを認める答申をまとめた。これを受けて、平沼赳夫運輸相は22日、物価問題関係閣僚会議の了承を得て、認可する。来年1月10日から実施する。
 1987年の旧国鉄の分割・民営化後、JRとしては初めての値上げとなる。この「三島会社」は民営化当初から、事業収入だけでは赤字が予想されていたので、合計で1兆3000億円にのぼる「経営安定基金」が渡され、基金の運用益で赤字を補ってきた。しかし、乗客の伸び悩みに加え、低金利時代で運用益が減ったため、値上げに追い込まれたとしている。
 「三島会社」は、北海道は値上げ後も赤字が続くほか、九州、四国も97年度以降は再び赤字になる可能性が高い。「本州3社」は当面は値上げを予定していない。国鉄時代からの「距離に応じた全国一律の運賃体系」が崩れることについて、平沼運輸相は「国鉄改革をおこなったときに想定されたものであり、ご理解いただきたい」とコメントを発表した。(朝日新聞 夕刊)
■解説 JR3社値上げへ 見えぬ「将来像」 収支改善狙い早期実施
 JR北海道、JR四国、JR九州の「三島会社」が発足して初めての値上げが22日認可される。申請から認可まで2ヵ月、実施まで3ヵ月足らずだ。実施まで8ヵ月近くかかった大手私鉄とは対照的な、スピード値上げである。
 「三島会社」は今年初めから、値上げを念頭にコンピューターシステムの調整などの準備を進めていた。しかし、物価が安定しているなかで9月の私鉄値上げに抵抗が強かったことから、申請に踏み切るまでには、上げ幅や時期について運輸省を含め議論があった。それだけに早期実施は予想外だが、それにはいくつかの理由がある。
 採算のとれない「三島会社」は発足時、毎年6%ほどの値上げを前提にしていたにもかかわらず、バブル期で旅行客が伸びたことと、「経営安定基金」の運用利率が高めに保証されていたことにより、8年間も運賃を据え置いてきた。また今回の値上げ幅を、赤字が残る範囲にとどめた。このため、他の値上げと比べて、政治家や公聴会で「やむをえない」との意見が多かったことが、第一の理由だ。
 ただ、マイカーや高速バスと競う各社にとって、値上げは必ずしも増収を呼ぶ打ち出の小槌(こづち)にはならない。
 「経営安定基金」の運用益が低金利になって目減りしたことが赤字化の主因だけに、低金利が続き合理化も進まなければ、値上げのサイクルが短くなる危険性もある。利用者にとって「やむを得ない」では済まされない。
 運輸省は今回、「三島会社」が要望する支援策については触れず、「完全民営化へのゴールへ向けた議論を始めなければならない」とかわした。スピード値上げで当面の収支は改善されるものの、だれも「三島会社」の将来像を描き切れないままでの値上げ劇だった。(朝日新聞 夕刊)
■JR値上げ 本州3社見送りで珍現象 同区間で新幹線割安
 北海道、四国、九州のJR3社の運賃が、来年1月10日から一斉に値上げされる。JR東日本、JR東海、JR西日本の本州3社は、当面は値上げの予定はない、という。旧国鉄時代から続いていた全国一律運賃制度が崩れるため、値上げする社としない社にまたがって利用する場合の運賃計算がややこしくなり、おかしな現象が続出しそうだ。
 例えば、福岡県の小倉−博多間。ここは、JR西日本の山陽新幹線とJR九州の鹿児島線が並行して走っている。このため、新幹線を利用した場合の運賃(特急料金含まず)は、値上げ実施後も現行と同じ1090円なのに対し、在来線では140円高い1230円。同じ区間なのに新幹線の方が運賃が安いという珍現象が起こる。
 JR西日本は「新幹線は乗車券だけでは乗れないので、特急券と合わせたセット料金で発売するため混乱はない」と言うが、先に新幹線の特急指定券を購入した場合などは、どちらの乗車券を買うかで、損得が分かれそうだ。
 もっとややこしくなるのが往復割引乗車券。往復乗車券で片道601`以上ある場合、帰りの運賃が2割引きになる制度だ。例えは、片道9170円の大阪−博多間を往復した場合は、帰りが7330円になり、合計で1万6500円。新幹線で行って在来線で帰っても適用される。
 ところが、JR九州の値上げで、また珍現象が発生。大阪から新幹線で行って在来線で帰ると、値上げ分が加算された運賃に割引が適用されて1万6610円だが、逆に在来線で行って新幹線で帰ると値上げ分がそのまま加算されて1万6640円と30円高くなる。
 「それでは不公平」とJR西日本などは、割引制度を見直し、行きと帰りをそれぞれ1割引きにするよう変更することを決めた。この計算だと1万6620円で同じになる。新制度は、3社の値上げと同時に全国で適用する予定だ。(朝日新聞 夕刊)
■JR3社の値上げ答申 運輸審、平均約7%
 運輸審議会は21日、JR北海道、四国、九州の3社から出ていた運賃値上げ申請について、四国は値上げ率を圧縮、北海道、九州は申請通り認める答申を出した。平均値上げ率は6.7−7.8%で、初乗り運賃は3社とも今の140円か160円になる。
 運輸省は22日の物価問題関係閣僚会議に諮り同日、答申通り認可する。3社とも来年1月10日から実施する。
 答申によると、普通運賃と定期を合わせた平均値上げ率は、北海道7.0%、四国6.7%(申請は8.0%)、九州7.8%。四国は経営努力の余地があるとして、値上げ率が圧縮された。(京都新聞 夕刊)
■JRのドアの事故で和解
 電車のドアに挟まれてけがをしたのはJR九州の責任だとして北九州市門司区の女性(67)が同社に約317万円の損害賠償を求めていた裁判が21日までに福岡地裁小倉支部で和解した。JR九州によると、和解の条件は、JRが支払い済みの治療費95万円とは別に和解金として50万円を支払う。
 訴えでは、女性は平成5年5月20日、北九州市門司区のJR門司駅ホームで電車に乗ろうとしたところ、ドアが閉まり、左肩挫傷などのけがをした。(京都新聞 夕刊)
■朝の近鉄線でスリ 男を現行犯逮捕
 京都府警捜査二課と伏見署は21日午前、窃盗の現行犯で住所不定、露天商大西敏夫容疑者(67)を逮捕した。
 府警の調べでは、大西容疑者は同日午前8時5分ごろ、京都・宇治市境の近鉄京都行き急行電車車内で、久世郡久御山町の女性会社員(21)のショルダーバッグから財布(現金約4万7000円など在中)を盗み、桃山御陵駅で下車したところを、警戒中の府警捜査三課の捜査員に捕まった。(京都新聞 夕刊)
22日■地下鉄烏丸線 延伸開業4ヵ月遅れ 総事業費 40数億円増える
 京都市の地下鉄烏丸線を北山駅から国際会館駅まで約2.6`b延伸する北北進区間の開業が、当初の予定より4ヵ月遅れて、1997年夏になり、総事業費も40数億円増えることが、21日までに明らかになった。市交通局は市議会与党各派に説明に入っている。
 北北進区間は当初の予定では97年4月開業だった。93年7月に着工したが、今年8月末の段階では土木工事が55%しか進捗(ちょく)していない。
 市交通局はこれまで「地元調整の遅れで着工が7ヵ月遅れたが、当初の開業予定に間に合わせたい」として、計画変更をせず、9月市議会でも同様の答弁をしていた。
 総事業費は当初計画では421億円だった。
 市交通局の説明では、事業費増は左京区宝ケ他の下をシールド工法で掘り進む松ケ崎工区でトンネル内に水が入らない構造に設計変更をしたことなどが要因。
 京都市の地下鉄建設をめぐっては、東西線も当初2450億円の建設費が4710億円に膨張したうえ、開業が当初予定より3年遅れの97年11月になっている。(京都新聞)
■大震災から1年のその日… 大開駅再開 神戸高速鉄道 被災駅すべて復旧
 阪神大震災でトンネルの天井が崩れたため閉鎖されていた、神戸高速鉄道の地下駅「大開駅」(神戸市兵庫区)が、震災から1年となる来年1月17日の始発から再開する。21日、同鉄道が明らかにした。地表から掘り返して駅をつくり直す大がかりな復旧工事だったが、24時間態勢で工事ができたことなどから当初目標より2ヵ月ほど早まった。一部に仮駅舎はあるものの、これで震災で被害を受けたすべての鉄道駅が再開する。
 神戸高速鉄道は阪神、阪急、神戸、山陽の4私鉄を接続し、この4私鉄の車両が走っている。全長7.6`のほとんどが地下トンネル。震災で大開駅は、コンクリートの支柱35本がつぶれ、天井が長さ120bにわたり「く字」形に崩れ落ちた。地上を通る国道28号も大きく陥没した。
 地震で地下構造物がこれほど崩壊した例は世界でもなく、同鉄道は修復は不可能と判断。総工費約90億円をかけ、もう一度地表から掘り返して新しい駅舎を建設することにし、夏までに支柱や側壁など駅舎の構造物を取り除いた。線路部分は比較的被害が小さく、8月13日にこの区間を含め同鉄道は全線開通したが、大開駅は工事が続き、今も電車が通過するだけで止まらない。
 新しい駅は、支柱を震災前の鉄筋コンクリート製から鋼管にコンクリートを流し込む構造に変え側壁の鉄筋を多くするなど、耐震性を向上させたという。一方、地上の国道28号の復旧は3月末になる見込み。
 震災直後、兵庫県内を中心にマヒ状態になった鉄道網は、8月23日に全線が復旧した。ただ、JR山陽線の新長田、阪急の伊丹、山陽の塩屋の3駅は、今も本来の位置から100−400b離れた仮駅舎で営業している。
・耐震性向上、目標より2ヵ月早く 既存駅に教訓生きず
《解説》震災を機に、既存の地下鉄も耐震性を高める補強工事に取りかかっているが、大開駅の教訓が十分に生かされているとは言えない。
 開削トンネルは、東京の営団地下鉄で路線の66%、大阪市営地下鉄で65%を占めている。このため、運輸省は開削トンネルを、新幹線の高架橋とともに「緊急耐震補強の対象とする構造物」に位置付け、全国の開削トンネルの柱5000本を5年かけて補強する計画を打ち立てた。
 ところが、補強方法は、同省の鉄道施設耐震構造検討委員会が「せん断(ずれで断ち切られる)耐力、じん性(粘り強さ)を強化し、大規模な地震に耐えうるように補強する」と提言しているだけで、具体的な工法は事業者任せになっている。
 大阪市営地下鉄は、山陽新幹線の高架橋の復旧工事で採用された柱に鉄板を巻く方法で補強することを決め、来年着工する。営団地下鉄も今月から柱に鉄板を巻く作業を始めたが、「地上と違って時間とコストがかかる」と、炭素繊維や布を巻くやり方も検討しているという。
 しかし、地下トンネルは、地上の高架橋とは構造も破壊原因も異なる。同委も中間報告で、開削トンネル特有の揺れが被害を大きくしたことを指摘している。
 実際、大開駅の柱の復旧には、鋼管を3本重ねて中にコンクリートを流し込むという、新幹線の高架橋より強化された工法が用いられた。しかし、既存の地下構造物の補強工事には、鉄板を巻くという、高架橋と同じ方法しか用いられていない。(朝日新聞)
■神戸高速 大開駅 1月17日に営業再開 震災で全壊から丸1年
 阪神大震災で、ほぼ全壊した神戸高速鉄道・大開(だいかい)駅の復旧工事が完成、震災からちょうど1年に当たる来年1月17日から営業を再開する。
 大開駅は地下駅(長さ120メートル)で、阪神大震災により上の国道28号ごと天井が陥没。天井を支える中柱35本がすべて折れ曲がり、線路床部分を除いて壊滅した。
 復旧工事は、線路床だけを残して、中柱や天井、側壁などをすべて造り直す方法で行われた。折れた中柱は、鋼管3本を束ねて1本とし、その中に鉄筋コンクリートを入れ、以前に比べ2倍以上の強度を持たせた。総工費は約100億円。
 営業再開後は、震災以前と同じく山陽電鉄の特急を除く他の電車が停車する。地上の国道部分の後旧は3月末の見込み。
 大開駅は8月13日に軌道が復旧。電車はすべて同駅を通過運転していた。(京都新聞)
23日■京阪に2階建て特急 試乗会の評判上々 25日から運転
 京阪電鉄が、出町柳−淀屋橋間の特急に初めて導入する2階建て車両(ダブルデッカー車)の試乗会が22日、天満橋駅−寝屋川車庫間で行われた。
 2階建て車両は、輸送力増強と電車のイメージアップをねらって、同社が今年3月から造り始めた。「3000系」と呼ばれる特急電車1編成(7両)のうち、1両を2階建て構造に全面改修。座席定員を58人から69人に増やし、インチリアも一新。今月25日から、1日9往復の運転を始める。
 試乗会には、鉄道友の会京都支部のメンバーや報道関係者ら約100人が招かれ、天満橋駅から約40分間の往復で乗り心地を試した。
 2階席に座った鉄道友の会の会員たちは「やっぱり見晴らしがいい」「シートが座りやすくなった」…と、感想を話していた。車体の両側に描かれた京都・時代祭の行列絵(西脇友一・大阪芸術大教授作)にも関心が集まり、シャッターを切る人が多かった。(京都新聞)
■空路もJRも議員さん無料 お手盛り予算
 JR無料パスか航空機クーポン券の選択制だった国会議員への交通費支給が、来年度からは航空機を利用する議員にもJRパスが配られることになった。来年度の国会予算をめぐって、大蔵省の佐田玄一郎政務次官と谷垣禎一衆院議院運営委員長が22日折衝した結果、この「お手盛り」が決まった。
 現行はJR無料パスか、往復で月4回の航空機クーボン券かの選択制で、年間の国費負担は10億円余。これに対して、衆院を中心に航空機を利用している議員から、「政治活動にはJRパスも必要だ」との要求が出ていた。
 来年4月からは航空機は往復3回に制限するかわりに、JRパスは全議員に配る。従来通り月4回の航空機利用を望む場合は、JRパスは交付しない。国費負担は年間数千万円程度増える見込み。
 記者会見した谷垣委員長は「議員が選挙区に帰り有権者と接触する活動は保障していくべきだ」と説明。「行政改革に逆行する」と難色を示した参院側の村上正邦自民党幹事長は「お手盛りとか特権ではない。ただ、住専問題がこんな状況で、国会議員も身を削る思いをすべきだが…」と歯切れが悪かった。(朝日新聞)
■難工事の連続 作業員も懸命 JR京都駅ビルようやく全工程の3割
 キリンのような形をした13基の巨大クレーンが、うなりを上げて鉄骨を組みげていく。下京区塩小路町のJR京都駅ビルの建設現場。1993年12月の着工以来、ようやく全工程の3割が終わった。
 地上16階、地下3階、高さ59.8b。ホテルや劇場、デパートなどを備えた新しい駅ビルは、当初、94年度の完成を目標にしていた。しかし「埋蔵文化財の調査が長引いたことに加え、工事の見通しの甘さもあった」(京都駅ビル開発企画課)などのため、大幅に遅れている。完成目標とし再設定した「来年秋」よりさらに遅れ、97年度までずれ込みそうだという。
 曲面を多用した複雑な構造に加え、1日約30万人が利用する京都駅に隣接しているため、作業は困難の連続だ。とくに、山陰線と北陸線の真上にあたる建物南側の鉄骨の組み立て工事は、安全のため、終電と始発との間の約3時間に限られている。作業用地が少ないのも悩みのタネだ。
 現在、約1000人の作業員が働いているが、ピークとなる来年8−12月には、3000人近くまで膨れ上がるという。(朝日新聞)
24日■JR東労組脱退の1000人 新労組結成 旧鉄労系中心に
 JR総連傘下のJR東労組(菅家伸委員長、5万6000人)から一部の組合員が脱退、23日に都内で新労組「JRグリーンユニオン」(古川吉男委員長)の結成大会を開いた。組合員は旧鉄労系を中心に約1000人という。
 大会には新潟、東京、千葉、盛岡、秋田などの地方本部から代議員ら約100人が参加。あいさつの中で古川委員長は「国鉄の分割・民営化の際、改革のために複数の組合が大同団結して新組合を作ったが、今のJR東労組の中身は目指したものと違ってきた」と強く批判。「組合運動を民主主義に基づく路線に戻すためにがんばろう」と訴えた。
 同ユニオンは、JR総連と対立関係にあるJR連合への加盟を目指す。当面の運動方針として、93年12月にJR東労組を脱退した旧鉄労系組合員でつくるJR東新労との組織統一を、できれば来年6月の定期大会までに行うことなどを決めた。
 同ユニオンはすでに、JR東労組と協調路線を取る会社側の圧力が強まったとして新潟市で22日夜、予定を繰り上げ新潟地本を旗揚げ。組合員数では新潟地本の約850人が最も多く、次が東京地本の約120人という。(京都新聞)
■JRパス配布拡大やめよう 自民総務会で異論
 航空機を利用する国会議員にもJRの無料パスを配布するため来年度予算で国費負担を増額することが23日の自民党総務会で取り上げられ、「お手盛りなので、取り消したらどうか」、「住専の問題で国民は厳しい目で見ている。撤回してもらいたい」などの異論が相次いだ。このため、村岡兼造国会対策委員長が谷垣禎一衆院議院運営委員長に、凍結や廃止も含め再検討を申し入れることになった。(朝日新聞)
25日■年の瀬に強風 鉄道網乱れる 近畿
 近畿、中国、四国地方は24日、この冬一番の強い低気圧に覆われ各地で強い風が吹いたため、JR関西空港線や瀬戸大橋線、山陽新幹線が一時止まるなど鉄道網に影響が出た。瀬戸内海や和歌山では高波で狐立した釣り人の救出が相次いだ。
 クリスマスや年末年始を海外で過ごす旅行客の出国ラッシュが続く関西空港に乗り入れるJR関西空港線や南海電鉄は24日、強風で対岸との連絡橋が閉鎖されるなどしたためダイヤが乱れた。
 JRは特急はるかなど24本、南海も特急ラピートなど20本がそれぞれ運休し計9100人に影響が出た。両社はバスによる代行輸送を実施、航空機のダイヤなどに影響はなかった。
 JR瀬戸大橋線も午前10時前、強風のため香川県坂出市の岩黒島付近の瀬戸大橋上で高松発岡山行き快速マリンライナー14号が立ち往生。その後も運転再開、見合わせを繰り返し、午後1時ごろには平常ダイヤに戻った。
 また、兵庫県城崎郡香住町のJR山陰線余部鉄橋でも午前11時ごろ風速22bを記録。その後も断続的に20b前後の強風が吹いたため、JR西日本福知山支社は同鉄橋を通過する列車の運転をその都度、見合わせた。
 この影響で、浜坂行き普通列車の49分を最高に、特急6本、普通9本の計15本が49分から4分遅れ、約1000人が影響を受けた。
 一方、西日本各地の海では24日、高波で釣り人の孤立が相次ぎ、海上保安部のヘリコプターや救助艇が出動して計11人を無事救出した。(京都新聞)
■中越鉄道 17年ぶり再開へ テト前にも 経済交流拡大に期待
 【ランソン(ベトナム北部)24日共同】1979年の中越戦争で破壊されて以来、約17年にわたり不通だった中国・ベトナム間の鉄道が再び連結されようとしている。中越国境ドンダン駅のグエン・タイン・ビン駅長(41)は24日「来年2月19日のテト(旧正月)前の再開を期待している」と語った。
 再開により、北京−ハノイ間約3000`が鉄道でつながる。当面は週1本の旅客列車を相互乗り入れさせる予定だが、ベトナム側は「中国、ロシアを経由して東欧、西欧とも結ばれる」と期待を膨らませている。
 ランソン省は、91年の両国関係改善以来、国境貿易で潤ってきた。昨年8500万jだった省の国境貿易額は今年1億3000万jを記録する見通し。
 ベトナムからはトウモロコシ、ゴムなどのほか、食用の犬や猫なども中国側へ運ばれ、中国からは衣類などの日用品が輸入されている。鉄道再開で物流がさらに拡大、ハノイ近郊のハイフォン港を通じるなどして第三国への輸送も容易になると、ベトナム側は期待している。
 中越鉄道は55年に開通。ベトナム戦争中は中国からの重要な物資補給ルートとなったが、ベトナム軍のカンボジア侵攻に怒った中国のベトナム侵攻で始まった中越戦争で断絶した。国境線が確定していないが、国境問題は事実上棚上げしての再開となる。(京都新聞)
■各地で強風 交通乱れる 西日本
 低気圧が発達しながら日本海を通過した24日、西日本も各地で強風が吹いたり、雪が降るなど荒れ模様の天候になった。このため、瀬戸大橋で列車が立ち往生したのをはじめ、各地の鉄道が一時運転を見合わせた。広島では、強風と高波で孤立した釣り客がヘリコプターで救出された。
 大阪管区気象台によると、大阪は午前9時すぎから風速10bを超える強風が吹きはじめ、午後3時半ごろには最大瞬間風速で21.1bに。兵庫県南部でも昼過ぎから夕方にかけて風速20b近い強風が吹いた。
 JR瀬戸大橋線は午前9時50分ごろ、高松発岡山行きの快速(6両編成)が瀬戸大橋の岩黒島高架橋で立ち往生。約300人の乗客が約2時間車内に閉じこめられた。
 山陽新幹線でも姫路駅構内で架線にビニールシートが付着し、午後3時5分から7分間、西明石−相生間の上下線が停電。上下5本が最高18分遅れた。
 空、海の交通も乱れた。大阪空港でも大阪−隠岐間など発着6便が強風や雪のため欠航した。
 広島県の呉海上保安部には午前11時ごろ、同県豊田郡豊浜町の瀬渡し船業者から「強風と高波のため尾久比島と近くの二窓島の釣り客7人を迎えに行けない」と救助要請があった。第六管区海上保安本部のヘリコプター1機が出動、約25b西の呉市内へ運んだ。また、和歌山県西牟婁郡すさみ町の沖合約200bの小島でも正午ごろ、しけで戻れなくなったいそ釣りの会社員3人が携帯電話で同県警串本署に連絡、串本海上保安署の職員にゴムボートで救助された。(朝日新聞)
■声 満員電車内の騒音公害不快 八幡市 小見田 吉男(会社員 63歳)
 通勤、通学の電車は、毎日身動きもできないありさまである。その満員電車の中で、イヤホンをつけた人を多く見かける。
 音楽を楽しんでいようと、ラジオを聞いていようと、他人に迷惑をかけなけれはよいのだが、若者の中には、大きな音量にし、同じ音の繰り返しで周囲に不快感を与えている者がいる。音楽が好きだからといって他人も同じとはいえない。
 嫌な音を長時間聞かされると気持ちがイライラしてくるのは私だけだろうか。聞く自由があれば、聞きたくない権利だってある。
 こんなことを多くの乗客も感じているのだろうが、だれも言葉にしない。音量を下げるように注意する勇気のある人はいない。
 朝からトラブルを避けたい私もその一人である。自分が聞きたいから聞く、これは悪くない。ただし他人に迷惑をかけない聞き方で楽しんでもらいたいものだと思う。(朝日新聞)
■4年ぶり京で大雪 市内8a 交通渋滞続く
 クリスマスの25日、日本付近は低気圧の影響で冬型の気圧配置が強まり、西日本、北日本、東日本の広い範囲がこの冬一番の寒気団に覆われ、日本海側を中心に大雪となった。京都、滋賀地方でも同日未明からの本格的な降雪で、京都地方気象台などによると午前9時現在、京都市内8a、舞鶴市内33a、彦根市内24aなどの積雪となり、12月としては舞鶴で19年ぶり、京都では4年ぶりの大雪となった。この雪で京磁でも名神高速道路が一時閉鎖されるなど幹線道路がストップしたほか、京都市内などでは雪のために交通渋滞が続きスリップ事故が相次いだほか、通勤の足に影響が出た。
 各地の気象台によると、最低気温は京都で氷点下0.4度、大阪で1.2度、神戸で氷点下0.5度を記録、それぞれこの冬一番の冷え込みとなった。
 この寒波で日本海側を中心に大雪が降り、京都府美山町で40a、同峰山町で16a(午前9時現在)となり、京都府は183路線で128台の除雪車を出動させて除雪にあたった。
 この雪で舞鶴自動車道は25日午前7時過ぎから舞鶴西−吉川間で上下線ともに全面通行止めに。名神高速道路も24日午後9時から上り栗東−大垣、下り一宮−栗東間で25日午前9時半まで通行止めとなり、その後京都東インターから岐阜県境まで50`規制が続いた。北陸自動車道は上りが米原−福井県境で通行止め。京滋バイパスは50`規制、湖西道路は通行止めとなった。
 京都市周辺では国道9号老ノ坂峠などでチェーン規制。花背峠は午前8時から通行不能になった。京滋では雪によるスリップ事故が相次ぎ、25日午前9時までに滋賀県では102件発生、人身事故は10件にのぼった。
 鉄道関係では、新幹線は浜松−新大阪間で徐行運転となり、午前11時までに上下合わせて54本に最大54分の遅れが出た。在来線でも、兵庫県の山陰線余部銭橋で風速20b以上を記録したため列車の運転を見合わせ、山陰線列車に10−30分の遅れ。琵琶湖(東海道)線では24本が運休、44本に遅れが出たほか、草津線でも2本が部分運休した。私鉄は阪急がポイントが雪に埋まり、午前10時ごろまで、3−10分の遅れとなった。
 この朝、京都市内はすっぽり雪におおわれ、雪は午前中断続的に降り続いた。電車やバスの遅れで通勤にも影響が出て、サラリーマンやOLらがコートの襟を立てて会社へと急ぐ光景が見られた。
 京都地方気象台によると、寒波は25日午後には一時緩むものの、同日夜から次の寒気が入り、再び雪になるといい、警戒を呼びかけている。今後の積雪量は府南部で25日夜にかけて平野部で5−10a、山間部で30−50aに達する見込みという。
・京滋各地の積雪量
 京都府、滋賀県各地の25日の積雪量は次の通り(単位はa、京都府、京都・彦根地方気象台調べ)
 ▽京都市8▽京北町上弓削60▽美山町鶴ケ岡49▽和知町大廉45▽綾部市老富48▽福知山市法用40▽舞鶴市大山35▽宮津市背甲峠40▽野田川町岩屋38▽久美浜町河梨25(午前8時現在)
 ▽大津市3▽近江八幡市10▽彦根市24▽志賀町南小松31▽蒲生町17▽信楽町5▽土山町15▽伊吹町香照25▽虎姫町20▽今津町18▽余呉町柳ケ瀬17(午前9時現在)(京都新聞 夕刊)
■Xマス寒波 通勤の足すくう 鉄道遅れ、車ノロノロ スリップ続出 府内で交通事故106件
 京滋は24日夜から25日朝にかけて今冬一番の雪が降り「ホワイト・クリスマス」になった。12月としては4年ぶりの本格的な降雪となった京都市内では、積雪の影響に加え、今年最後の「5・10日」と重なったため、市内の幹線道路は商用などの乗用車や通勤バスで渋滞、ノロノロ運転が続いた。スリップによるとみられる事故も相次いだ。また、鉄道にも遅れが出るなど通勤の足が大幅に乱れた。突然の「大雪」に市民らは長靴をはき、玄関先をスコップで雪かきをする姿があちこちでみられ、「今年は雪の多い年になりそう」と、本格的な冬将軍到来に肩をすぼめていた。
 京都市の市バスも、雪による道路渋滞でノロノロ運転が続いた。学校が冬休みのため、車内の混雑は少なかったが、腕時計を気にしながら出勤する会社員らの姿も目立った。中でも、市南部の国道1号は名神高速道路の通行止めに伴う渋滞で、午前7時ごろから南区南工業団地前−伏見区横大路車庫前を結ぶ路線などが約1時間の遅れとなった。五条通も混雑し、四条河原町−醍醐間の路線も約40分遅れた。
 京阪バスは、山中越えを走る京都市内−大津市・比叡平団地間でチェーンを装着して走行し、30分ほどの遅れが出た。
 この雪の影響で京都市下京区のJR京都駅八条口の新幹線総合案内所では午前5時半から、列車の遅れなどを問い合わせる電話が殺到。駅構内でも放送を切れ目なしに流したり、改札口に掲示板を出すなどの対応に追われた。
 在来線では、滋賀県側から到着するどの列車も屋根に真っ白の雪を積みホームへ。ホームで列車を待つ利用者はコートの襟を立て寒そうに見入った。また、雪の影響を気遣い整理にあたっていた駅員に行き先を確認する光景もあちこちで見られた。
 雪によるスリップ事故も相次いだ。25日午前6時20分ごろ、京都市右京区梅ケ畑栂尾町の国道162号で、軽乗用車がスリップし、対向車線のトラックと正面衝突。軽乗用車の男性(72)が腹部打撲で軽傷を負った。
 京都府警交通企画課によると、24日夜から25日午前8時までに把握した雪の影響とみられる府内の交通事故は106件で、うち死亡事故1件、負傷事故16件、物損事故が89件だった。
 また、国道1号が伏見区内や山科区内などで1.5`以上渋滞するなど、幹線道路で渋滞が続いた。(京都新聞 夕刊)
■新快速と車衝突 彦根のJR踏切
 25日正午ごろ、彦根市岡町のJR東海道線神宮踏切で、長浜発姫路行の下り新快速電車と雪で立ち往生中の乗用車が衝突、乗用車は大破した。新快速電車には乗客約150人が乗っているが、けが人などは不明。この事故のため、東海道線は上下線とも南彦根駅−彦根駅間で不通になっている。(京都新聞 夕刊)
■ポイントに雪ダイヤ乱れる JR草津線石部駅
 25日午前9時20分滋賀県甲賀郡石部町のJR草津線石部駅付近で、雪の塊が切り換えポイントに挟まったため、9時15分草津発柘植行きの列車が手原駅で44分間運転を停止した。この影響で後続のダイヤが20−30分遅れた。
 東海道線でも、午前8時ごろから、草津−米原間で、路切の障害検和装置に雪が付着、発光機が作動した。大阪発米原行きの快速電車が米原に約40分遅れて到着したほか、上下線で50分遅れた。(京都新聞 夕刊)
■ブレーキ故障も JR近江八幡駅
 25日午前7時10分ごろ、近江八幡市鷹飼町のJR近江八幡駅に停車中の大垣発網干行き下り快速電車(7両、乗客約600人)の運転士から大阪の運行管理室に「ブレーキの効きが悪い」と通報があった。同列車は平常通り運転、京都駅で検査係が同乗して調べたところ、ブレーキのエアが漏れていることがわかり、大阪駅で運転を休止した。
 このため後続の下り列車4本に13分−8分の遅れが出て約2300人の足を乱した。原因は調査中。(京都新聞 夕刊)
26日■建設費49億円増 地下鉄烏丸線の北北進区間 開業は3ヵ月遅れ 京都市が正式発表
 京都市交通局は25日、地下鉄烏丸線の北北進区間(北山駅から国際会館駅まで約2.6`)の開業が、当初予定より3ヵ月遅れの1997年7月になり、設計変更や工期をできるだけ短縮するため夜間工事を行ったことで、建設費も49億円増える、と発表した。
 北北進区間は、当初計画では97年3月未完成、4月開業の予定だった。しかし、土木工事は11月末現在で約65%しか終わっておらず、完成が3ヵ月遅れの6月末になった。
 市交通局では「電気系統など地下埋設物についての関係機関との調整が遅れたため市の設計も遅れ、当初92年12月の予定だった着工が7ヵ月遅れの93年7月になった。その遅れを取り戻し切れなかった」と説明している。
 また、発表がこの時期にずれ込んだことについては「当初予定通りの完成を目指してきたが、土木工事の進ちょく率が約70%に達するまで、遅れがどの程度になるかめどが立たなかったため」と述べた。
 建設費の増額は、宝ケ池工区のトンネルの構造を地下水を通す排水型にしたところ、同池の水位が約20a下がったため、防水型に変えたのが主な原因。
 工期短縮のため夜間工事などの費用や、プリペイドカードが使える出改札設備への変更などを合わせ、合計66億円の増加となる一方、バブル経済の崩壊で用地買収費が約17億円下がり、差し引き49億円のアップとなった、としている。(京都新聞)
■96年度政府予算案の内容(抜粋)
・構造改革は看板倒れ? 予算自体の改革が必要
 96年度政府予算案は、経済社会の構造改革を始める初年度にもかかわらず、メリハリのない内容に終わった。公共事業の配分比率でも新しい経済社会に向けて抜本的な対応は取られていない。これでは構造改革は看板倒れになりかねない。
 政府は12月2日の閣議で2000年度までの経済運営の指針となる「構造改革のための経済社会計画」を決めた。経済社会の構造を抜本的に改革することを最重要課題として掲げ、政府研究開発投資の倍増、官民の分担による情報通信基盤の整備など新産業の創出につなげるための基盤整備を打ち出した。
 確かに政府案では、国の研究開発費である科学技術振興費は、先端的な基礎研究を推進するため大学などを活用した公募方式の開発制度を導入するなど95年度当初比で高い伸びをみせた。また、先端産業分野を担う人材育成のための人材高度化助成金を新しく盛り込むなど、経済計画との整合性をとろうとの苦心の跡は見える。次世代光ファイバー網などの研究開発も認められた。
 だが、このような措置も「予算案書をひっくり返してやっと見つけられる程度にしかすぎない」(民間エコノミスト)のが実態で、中期的な課題である構造改革や新産業を育成するための大胆な布石とはいい難い。
 背景には、経済フロンティアの開拓について「米宙を除き、特段の予算措置を講じている国はない」(財政制度審議会)とし、新産業創出への国のかかわりについて消極的な姿勢を見せたことや、公共事業の配分比率の見直しが事実上掛け声倒れに終わったことも影響している。
 経済界からもこのような予算案に対し「構造改革に結び付ける配慮が欲しかった」(稲葉興作・日本商工会議所会頭)などと批判の声が強い。日本経済を活性化させるための構造改革を達成するためには、まず予算編成自体を改革する必要がありそうだ。
・新幹線は連続満額 鉄道・空港
 東北、北陸、九州の各整備新幹線の公共事業関係費は305億円と4年続けて満額獲得。リニアモーターカーの技術開発補助に48億円、地方幹線鉄道の建設費補助に147億円が認められた。
 96年度からの第7次空港整備5ヵ年計画には総額3兆6000億円。初年度は成田空港整備の公団事業費として763億円、羽田空港の新滑走路建設事業費に1916億円がついた。関西空港の平行滑走路着工には、会社事業費として27億円。中部、首都圏の両新空港の調査費に3億円、1億4000万円がそれぞれ付いた。(京都新聞)
■通勤客イライラ バス延着 電話で遅刻の連絡
 京阪三条駅(東山区)では、早朝から京津線のダイヤが乱れ、軒並み遅れて到着。ラッシュ時には、ホームを駆け、急いで改札口を抜ける通勤客の姿が目立った。公衆電話から、会社に遅刻の連絡を入れるサラリーマンも多かった。
 バスも延着が続き、バス停には長い列ができた。京都バスを待っていた伏見区の会社員柚木紘史さん(52)は「もう10分以上待っている。ここまで待ったら、意地でも待ちたくなる」。冷たい風に目をしばたかせながら、首を伸ばして真っ白い道路を見つめていた。
 京都市北部の北大路通や北山通などではこの朝、雪が分厚いシャーベット状になり、チェーンをつけた車がノロノロ運転。市バスは間引き運転こそなかったが、相次いで遅れ、通勤の足が大きく乱れた。ただ車の量がふだんの半分ほどで目立った渋滞はなかった。
 キタオオジタウン(北区小山)では、タクシー待ちの通勤客が10人以上歩道にあふれた。大津市の会社員(34)は「20分以上待ってもタクシーが来ない。いつもは車だが、けさは電車で早めに出たのに結局遅刻」とうらめしそう。(京都新聞)
■Xマス大雪 ”京滋の足”混乱続く 名神(一宮−茨木間)通行止め 新幹線も軒並み遅れ 列車ホテルも
 大雪警報が出された京都、滋賀地方は25日午後も断続的に雪が降り続き、JR新幹線、在来線、名神高速道路などの交通網は大きく混乱。積雪で野小屋が倒壊し死亡する事故や河川への転落死、スリップ事故などが相次いだ。京都市内では、市民が厳しい大型の寒波に震えながら帰路を急いでいた。
 JR京都駅では、同日夕になっても新幹線上下線で軒並み20−10分近く遅れて発着した。乗客らはコートのえりを立て寒さに震えながらあきらめ顔で列車の到着を待っていた。在来線の東海道線、山陰線も遅れが続いた。
 新幹線の遅れで、JR東海は同日深夜、新幹線から在来線に乗り継ぎが間に合わない乗客のために、新大阪駅に「列車ホテル」を設けた。同駅では21番線に「こだま」回送列車のグリーン車を止め、乗客に仮眠場所を提供した。
 一方、JR西日本によると、正午ごろに彦根市内の東海道線の踏切で起きた新快速電車と乗用車の衝突事故で上下線が一部不通となっていたが、午後3時半に復旧。事故の影響などで東海道線は快速や普通電車上下52本が運休した。山陰線は兵庫県城崎郡香住町の余部鉄橋で強い風雪のため運転を見合わせ、バスの代行運転をし、11本が運休または部分運休、29本が最大2時間40分遅れた。
 名神高速道路は同日午後11時半、上り線の茨木−関ケ原間、下り線の一宮−茨木間で通行止めとなり、北陸自動車道も長浜−米原間で通行止めになった。舞鶴自動車道は午後も一部区間を除き通行止めのままで、京滋バイパスも午後6時から凍結や事故のため全線通行止めになった。京都縦貫自動車道、湖西道路もチェーン規制が続けられた。
 一般道路では、国道9号の老坂峠や丹後地方の国道などでチェーン規制が行われた。京都市内の幹線道路でもチェーンを装着し慎重に運転するドライバーが目立った。
 京都市交通局の市バスは午前中、事故や名神高速の規制のため最長で1時間遅れたが、午後は大きな遅れはなかった。26日早朝には、凍結防止のために融雪剤をまいて、運行に備える、という。(京都新聞)
■列車一時立ち往生 JR桃山駅、計2本
 25日午後11時半ごろ、京都市伏見区のJR奈良線桃山駅で、下り電車が約1時間立ち往生するなど計2本が立ち往生し、乗客が缶詰め状態となった。JR西日本の調べでは、積雪でポイントが動かなくなったためと見ている。(京都新聞)
■列車3両が脱線 兵庫のJR福知山線
 25日午後5時半ごろ、兵庫県三田市藍本のJR福知山線藍本駅構内で、大阪行き快速電車(4両編成)が車止めを乗り越え、前3両が脱線した。先頭車は田んぼに突っ込み、車体が傾いたが、乗客10人や乗務員2人にけがはなかった。
 JR西日本福知山支社によると、同電車は停車駅の藍本駅で停車するはずが所定位置で止まらず、延長165bのホームを通り過ぎ、そのまま待避線(112b)に進入し、砂利の車止め(高さ約50a)を乗り越えて脱線した。事故当時、現場は20−30aの積雪。行き違いの福知山行き快速電車は向かい側ホームに停車中だった。
 この事故で、JR福知山線篠山口−新三田間は運転中止となり、午後6時50分から代行バスを走らせた。また、同支社は、午後7時52分、現地対策本部(本部長・藤原博一安全対策室長)を設置し、復旧にあたった。(京都新聞)
■地下鉄烏丸線の延長区間 開業3ヵ月遅れる
 京都市は25日、地下鉄烏丸線の延長区間(北山−国際会館間の2.6`)が当初計画より3ヵ月遅れの1997年7月に開業する、と発表した。また建設費は工期短縮などのため当初より約1割増の470億円になる見通しという。
 市支通局によると、工事は計画より7ヵ月遅れて93年7月に始まった。現在の進ちょく率は65%で、97年3月には試運転を始める予定という。夜間工事などで約4ヵ月の工期短縮を図る。
 建設費のうち、土木工事費が23%増の274億円に膨らんだ。夜間工事など工期短縮費用(5億円)のほか、宝ケ池の水位が20a低下したことからトンネル構造を変更するなどしたためという。
 開通すると、北山−国際会館間が約4分で結ばれ、乗降客は日に4万人ほど増える見込みという。(朝日新聞)
■ブレーキ故障? 駅通過し脱線 JR福知山線
 25日午後5時半ごろ、兵庫県三田市藍本のJR福知山線藍本駅構内で、篠山口発大阪行き上り快速電車(和田勝運転士、4両編成)が駅で止まり切れずに本線から安全側線に入って約110b走行、車止め用の高さ約50aの小石に乗り上げ、前3両が脱線して止まった。乗客10人にけがはなかった。
 和田運転士は「手前の草野駅でブレーキの利きが悪くなり、藍本駅には非常ブレーキをかけながら入ったが、止まらなかった」と話しているといい、詳しい原因を調べている。(朝日新聞)
■交通乱れて 23万人影響
 JR東海道・山陽新幹線は、積雪による徐行運転が終日続き、東京発博多行き「のぞみ3号」が1時間14分遅れるなど、約23万人が影響を受けた。滋賀県彦根市の東海道線の踏切では、乗用車がスリップして立ち往生し、新快速電車と衝突。後続の30本が運休した。高速道路は、名神高速道路や中国自動車道の一部区間で深夜まで通行止めになった。関西空港は、国内線の到着11便、出発9便が欠航した。(朝日新聞)
■2日連続、京滋に大雪 朝の交通大混乱 名神上下ストップ 京の警報解除 JR軒並み遅れ
 日本列島を襲っている歳末寒波は2日目に入り、京滋地方は26日朝、前日から降り続いた雪が午前6時現在で京都市内15a、舞鶴市42a、彦根市30aに達するなど記録的な大雪となった。12月としては京都市内は69年ぶり、舞鶴市内でも19年ぶりの積雪量。積雪は交通機関を直撃、湖西線でラッセル車と回送電車の追突事故が発生したほか、JR各練、新幹線が軒並み遅れた。また、名神高速道路が上下線ともに通行止めになったほか、京都市内などでは路面が圧雪状態となりスリップ事故が続出、長い渋滞が続いた。大雪警報は京都府南部が26日午前10時20分、同北部は同40分に解除されたが、京都地方気象台は山間部を中心に引き続き大雪になる恐れがあるとして注意を呼びかけている。
 この雪の影響で、道路関係は名神高速道路が25日午後10時40分から、上り線西宮−関ケ原間と下り線一宮−吹田間が通行止めとなったほか、北陸自動車道も長浜−米原間がストップ。舞鶴自動車道と京滋バイパスは25日からの全線通行止めが26日も続くなど、軒並みマヒ状態となった。
 国道は京都府船井郡瑞穂町の国道173号で25日午後8時、大型トレーラーがスリップして道路をふさいだ。事故処理のため国道173号は綾部市から瑞穂町間26`が26日午前10時現在、通行止めに。京滋バイパスは側道が路面凍結のため、25日午後10時35分から宇治市槙島−三室戸間で全面通行止めとなったほか、国道9号沓掛の西行車線、湖西道路などでタイヤチェーン規制が実施されている。
 京都府警交通企画課によると、25日午前零時から26日午前8時までに雪が原因とみられる交通事故は223件発生。内訳は死亡事故1件、負傷事故40件、物損事故182件となっている。滋賀県ではスリップ事故が39件あった。
 鉄道では東海道新幹線が前日に引き続き、始発から掛川−新大阪間で徐行運転を行ったことから、上下とも遅れが出た。午前9時、掛川−名古屋間で徐行運転は解除されたが、午前11時現在で66本が81分−40分遅れた。
 在来線は、嵯峨野線で午前6時15分ごろに園部駅でポイント切り替えができなくなり、60−30分の遅れが出たほか、湖西線でラッセル車と回送車の追突事故で一部区間で不通となった。福知山駅関係では山陰線など各線で特急12本、普通41本が運転を取り止め、北近畿タンゴ鉄道も3本が運休した。私鉄は、京阪が滋賀県・浜大津付近の路面部分で一般車の渋滞の影響で8−7分の遅れとなった。阪急、近鉄の京都線は始発から平常通りで運行している。
 京都市内は26日朝、北部や西部を中心に所によっては20aを超える積雪となった。道路は圧雪状態となり、ノロノロ運転が続き、京都市バスなどもマイカー組が詰め掛けたほか、遅れが出て混雑、通勤の足が大きな影響を受けた。
 京都地方気象台によると、強い冬型気圧配置は次第に緩んでくるが、雪は26日午後8時ごろまで断続約に降り続き、明朝6時までの降雪量は平野部で5−10a、山間部で20−30aに達する見込み。(京都新聞 夕刊)
■年の瀬ドカ雪 生活直撃
 ドカ雪が暮らしを直撃−。近畿地方などに居座った寒波で26日朝、京都の市街地で15aの雪が積もるなど、京滋各地で師走としては記録的な大雪となった。列車は軒並み遅れ、道路も渋滞が続くなど、通勤の足がマヒ状態。卸売市場で鮮魚を中心に生鮮食料品の確保にも支障が出始めるなど、市民生活に大きな影響が出た。
・食料入荷遅れ高値気味 通行止め 高齢者の安否も懸念
●鮮魚は半分程度
 「市民の台所」京都市中央卸売市場への生鮮食料品の入荷は、交通網の乱れで大幅に遅れ、鮮魚類では値上がり傾向も見られた。
 この日の水産物の入荷量は、鮮魚がふだんの170dの半分程度。しけで出漁できない北陸方面のほか、九州方面からの入荷が遅れ、ハマチやブリ、ヨコワなどが品薄となり、前日に比べ2割方高値をつけた。
 青果の入荷もふだんの1100dの2、3割減となり、セリ値はホウレンソウなど軟弱野菜の一部で高値気味。正月用野菜の扱いのピークを過ぎたところで、大きな値上がりはなかった。市場関係者は「数日の入荷減では、小売り値に大きな影響はなさそう」と話している。
●到着はいつに?
 京都市内の幹線道路は、名神高速道路の通行止めの影響で、う回のため走行する他府県ナンバーのトラックが目立った。五条通では26日午前10時半現在、営業用とみられる京都ナンバーの乗用車も加わり、滋賀県境から西京区の千代原口付近まで東行きが13`渋滞した。
 五条通堀川交差点では、東行きの車線に岡山や鳥取などのナンバープレートを付けた大型トラックやトレーラーなどが数珠つなぎとなり、車内で居眠りをしたり、外に出て他の運転手と会話する姿も見られた。
 また、五条通川端交差点付近にいた大型トラックの運転手(33)は「堀川通交差点を午前零時ごろに通過したが、1時間に100bぐらいしか進まない。仕事にならない。新潟市への到着はあすになるかも…」と、うんざりした様子だった。
●遅れるのは覚悟
 JR京都駅の新幹線待合所では乗客があきらめ顔で列車の到着を待った。同僚と東京へ向かう公務員、稲本佳孝さん(33)=京都市左京区=は、「遅れるのは覚悟していたが、いつになることやら。予定の日帰りができるかわからない」と困惑顔。駅前のタクシー乗り場も長蛇の列。待機所にはまったくタクシーがなく、時おり到着する車に、疲れた表情で乗り込む通勤客らが見られた。また、同駅八条口では、スキー旅行の若者や家族連れらが出発を待ったが、バスがいつ到着するのかも分からない状態。通路に新聞紙などを広げ、座り込む光景もあった。
●救急車入れない
 瑞穂町質志で積雪90aを記録するなど大雪となった船井、北桑田郡では、生活道路の一部で積雪のために車両の通行ができない所も出て、バスの運行や高齢者の安否確認などに影響が出ている。
 和知町では、一部道路で救急車が入れない恐れがあるため、万一を考えて町職員や町社協などが手分けして町内の約150人の独居老人宅を訪問し、直接安否を確認することを検討している。美山町でも社協などが民生委員を通じて独居老人の安否確認を始めた。(京都新聞 夕刊)
■湖西線 回送電車が脱線 ラッセル車に追突 原因は指令員のミス
 26日午前零時50分ごろ、滋賀県高島郡新旭町北畑のJR湖西線安曇川駅−新旭駅間の上り線で、除雪作業中のラッセル車=堤誠治運転士(41)=に、回送電車=4両、松田清運転士(49)=が追突、回送電車の先頭車両が脱線した。松田運転士ら3人が頭を打つなど軽いけがをした。原因についてJR西日本は同日、記者会見し「運転指令員が回送電車にラッセル車が作業中であることを知らせる措置を怠ったため」と人為的ミスによる事故を認めた。
 今津署によると、追突した電車は近江今津行きで、降雪やポイント故障のため予定より1時間17分遅れて午前零時37分に近江今津駅に到着。乗客全員を降ろしたあと5分後に京都に向け回送したが、新旭駅を通過して約500bの地点で、除雪作業中のラッセル車に追突した。松田、堤両運転士と、回送電車の川口貴志車掌(20)の3人が軽いけがをした。
 この事故で、後続の下り電車は近江舞子駅で折り返し運転となり、乗客約20人を代替バスで今津駅まで輸送した。湖西線は26日午前11時現在も近江今津−近江舞子間で上下線とも不通となっており、それぞれ折り返し運転している。(京都新聞 夕刊)
■トラックと雷鳥が衝突 虎姫、乗客250人は無事
 26日午前9時35分ごろ、滋賀県東浅井郡虎姫町大寺のJR北陸線虎姫駅北200bの正若踏切(警報器、しや断機付き)で、福井県吉田郡松岡町神明、松岡輸送のトラック=伴眞一運転手(30)=に、金沢行き下り特急雷鳥11号(橋本哲雄運転士、9両、乗客250人)が衝突した。伴運転手は車外に脱出し無事、列車の乗客にけがはなかった。下り線は午前11時現在、長浜−木ノ本間で不通となっている。(京都新聞 夕刊)
■手取り足取りもうやめや 放送減らし快適鉄道 音の量は半分に 駅・車内 欧州の静かさ見習う 阪急、新年から
 「お待たせしました。特急梅田行きでございます」「間もなく十三に到着いたします」−こんな車掌のアナウンスが1月1日から、阪急電鉄の車内やホームでほとんど聞かれなくなる。ヨーロッパの鉄道並みの静けさを実現させようと、同社は全線で「音環境」を見直し、必要最小限の放送だけをすることにした。音の総量は最大で今の半分近くになるという。日本民営鉄道協会(東京)によると、こうした試みは全国で初めて。
 1日から実施する内容は−。
 @車掌がホームで、電車の行き先や到着駅を知らせる放送(『お待たせしました。特急梅田行きでございます。次は十三まで止まりません』など)をラッシュの時間帯について原則廃止する。
 A車掌が、到着した駅を知らせる車内放送(『十三、十三でございます』など)を平日の普通電車について原則廃止する。
 B車掌が、次の駅を知らせる車内放送(『間もなく十三に到着いたします』など)を、京都線の特急・通勤特急を除いて廃止する。
 C車掌が出発直前に、ドアが閉まることを知らせるために笛を吹くことを廃止する、など。
 4日からは、駅員によるマイク放送(『3列に並んでお待ちください』など)も原則廃止する。
 これで、ラッシュ時の普通車の車内放送は半分近くに、ホームでの放送は3分の2くらいの量になる、という。さらに、テープによる自動案内放送や出発合図のブザー、BGMなどについても今後、削減を検討していく方針。
 昨年夏、ヨーロッパの鉄道に乗った同社の菅井基裕社長が車内やホームの静かさに感動し、「音境境」を見直すよう指示。同年9月に放送案内検討会が設置された。阪神大震災で活動が中断していたが、今年5月に「快適な音境境を、最小限の放送によって提供する」と答申し、社内で具体的な内容を検討してきた。
 同社広報室は「必要最小限の案内と緊急時の放送は続けるので、耳の不自由な人に対してもサービス低下になるとは考えていない」と話している。(朝日新聞 夕刊)
■Xマス寒波 道路・列車に大影響 依然、大雪の恐れも
 寒波の影響で近畿地方は、26日も交通渋滞や列車ダイヤの乱れが続いた。大阪管区気象台によると、冬型の気圧配置はいくらか緩むものの、北部や中部の山沿いは大雪の恐れがあるという。
 大阪管区気象台などによると、雪はこの日も日本海側を中心に断続的に降り続き、午前9時現在の積雪量は鳥取県・大山で116a、石川県・白山ろくの白峰村で75aを記録した。
 近畿地方では京都府・美山町41a▽舞鶴市41a▽兵庫県豊岡市29a▽滋賀県彦根市30a−など。また最低気温も大阪市(0.5度)、京都市(零下1.4度)、彦根市(零下1.6度)など各地でこの冬一番の冷え込みを記録した。
 名神高速道路は26日未明から路面凍結による規制が始まり、午前9時までに上下線ともほとんどの区間が通行止めになった。
 このほか、近畿自動車道が上りの大東鶴見−吹田間と下りの吹田−門真間、中国自動車道は吹田−津山の上下線、舞鶴自動車道は全線、山陽自動車道は姫路東−竜野西の上下線、北陸自動車道は上りの長浜−米原間でいずれも通行止め。四国横断自動車道は一部で速度規制をしている。
 東海道・山陽新幹線は、前日からの降雪のため、掛川−小郡間で始発から断続的に徐行運転。午前中だけで約8万3000人が影響を受けた。JR西日本は新大阪−博多間に臨時列車を出して対応した。JR東海道線や山陽線、山陰線、福知山線などでも積雪でポイントが転換できなくなるなどし、運休や遅れが出た。
 近鉄も、三重県四日市市付近の雪のため徐行運転し、名古屋発難波行き特急などが最大20分遅れた。(朝日新聞 夕刊)
■回送電車脱線 一部が不通に JR湖西線
 26日午前零時55分ごろ、滋賀県高島郡新旭町のJR湖西線で、回送電車(4両編成)が走行中のロータリー式除雪車に追突、回送電車の先頭車両が脱線。双方の乗務員3人が軽いけがをした。この影響で、同線の近江今津−近江舞子間が不通になり、JR西日本は特急「雷鳥」など北陸方面の列車を東海道線経由にするなど対応した。(朝日新聞 夕刊)
27日■記録的な大雪 京滋ツメ跡 JR運休相次ぐ 29日から再び冬型気圧配置
 この冬一番の寒波は26日も終日続き、京滋は断続的に激しい雪に見舞われ、福知山市で65a、近江八幡市で40aの積雪を記録、京都市内でも積雪8aと2日続きの師走の大雪となった。この雪で、名神高速道路が京滋の区間を中心に通行止めとなるなど幹線・主要道路の足が終日乱れた。東海道新幹線やJR各線も運休やダイヤの乱れが相次いだ。京都市左京区では降り積もった雪の重みでひさしが落下し、男女2人が重軽傷を負う事故があった。京都地方気象台などでは、冬型気圧配置は27日午後には緩み、晴れ間も期待できるという。しかし、29日午後からは、再び冬型気圧配置に戻りそうで、引き続き警戒を呼びかけている。
 12月の積雪としては69年ぶりの大雪を記録した京都市内では、午後からも時折激しく雪が舞う荒れ模様の一日となった。四条河原町周辺の繁華街では店内に吹き込む雪に迷惑顔。夕方からはタクシーが雪道を敬遠して数少なくなり、乗り場にはタクシー待ちの長い列ができた。府北部では、大雪のため船井郡丹波町の農家で、アオトウやアスパラガスのビニールハウス約20棟のパイプが曲がるなど被害が相次いだ。亀岡市でも野菜栽培のハウス10棟が倒壊する被害が出た。
 この雪の影響で、東海道・山陽新幹線は26日午後も名古屋−新大阪間で徐行運転が続き、終日運転ダイヤが乱れ、上下線合わせて236本が1時間21分−40分遅れた。JR在来線では、未明に起きたラッセル車と回送電車の追突脱線事故で不通となっていた湖西線近江今津−近江舞子間が午後4時半すぎに全面復旧したが、北陸方面の特急が一部米原経由となったほか運休が相次いだ。琵琶湖線や嵯峨野線もポイント故障などで運休や大幅な遅れが出た。山陰線では兵庫県・香住町の余部鉄橋で風速20b以上の強風に伴い、通過列車の運転を再三見合わせたため、特急などが運休した。
 一方、名神高速道路は26日午後11時半現在、上り線は尼崎−関ケ原間で、下り線は一宮−栗東間で通行止めとなっている。全面通行止めだった舞鶴自動車道は、午後2時すぎに吉川−福知山間が時速50`の速度規制を付けて開通した。京滋バイパスは通行止めのまま。高速道路の出入り口につながる国道や幹線道の渋滞は依然として続いている。高速道路を利用する「京都ドリーム号」など東京方面へ向かうJR夜行高速バスも運休した。
 京都府警交通企画課によると、雪が原因とみられる交通事故は26日午前8時から午後3時までに79件起き、8人が負傷した。降り始めの25日午前零時からの合計は302件で、死者1人、負傷者は62人となった。(京都新聞)
■雪で交通網大混乱 道路渋滞 市バスに運休や遅れ
 府内は26日も強い寒気の影響で雪が降り続き、交通機関などが大きな打撃を受けた。名神高速道路が通行止めになったため、長距離トラックが国道1号、9号など代替路に流れ込み、大渋滞が発生した。丹波地方以北では積雪のため、ビニールハウスが損壊する被害が出た。
 交通関係では大雪や道路の凍結のため、名神高速道路が25日夜から通行止めとなり、京滋バイパスや舞鶴自動車道も全面通行止めとなった。この影響で、ふだん名神高速などを走る長距離トラックが国道1号、9号、171号や京都外環状線などにどっと流入し、道いっぱいに車があふれた。中には疲労のため、道路わきにトラックを止めて仮眠を取る運転手らの姿もあり、渋滞に拍車がかかった。
 このあおりを受け、京都市バスは正常な運行ができなくなり、運休や遅れが相次いだ。京都市交通局によると、醍醐車庫(伏見区)−三条京阪(東山区)を結ぶ路線で、普段なら25日午後11時には車庫に戻っているバスが26日午前6時40分に帰ってきたという。洛西方面では国道9号の渋滞の影響で、バスが大幅に遅れ、買い物に出掛ける主婦らから「予定が立たなくて困る」との声も聞かれた。
 列車では山陰線が始発から25本運休したほか、東海道線にも10分から15分の遅れが出た。北近畿タンゴ鉄道も宮津線で5分から10分、宮福線では30分−40分遅れた。
 積雪は瑞穂町質志で90a、京北町上弓削で80a、福知山市篠尾で65a、舞鶴市寺田で57aなどとなり、府北部を中心に除雪車118台が出た。また、雪の重みでビニールハウスが壊れ、丹波町、日吉町、瑞穂町などで計83件の被害が出た。
 京都市北部の高雄地区と北山地区では26日、北山杉が雪の重さで折れないようにと、森林組合がヘリコプター3機を飛ばして、回転翼の風圧で除雪作業をした。(朝日新聞)
■300`運転の新型新幹線 先頭車両完成祝う JR西日本
 JR西日本が300`運転の新型新幹線として開発した500系車両の先頭6両(1−6号車)がこのほど神戸市内の工場で完成、27日関係者が完成を祝った。
 ブルーとグレーの外装が鮮やかな新型車両は関係者が見守る中、敷地内の試験軌道を100bほどゆっくりと走行。
 トレードマークの長いノーズがある1号車は、先頭寄り2列分の座席が4人掛けで、標準(5人掛け)より1席少なく、車内からも先細り具合が実感できる。走行中の騒音への配慮から、車内電話が個室ボックス式になるなどの改善も。
 全国4ヵ所の工場で製造。今後陸と海から輸送され、年明けの1月11日、福岡市の博多総合車両所で1編成16両がつながる。(京都新聞 夕刊)
■大雪小康 なお交通乱れ 通勤客らうんざり 電車遅れ道路渋滞 名神2日ぶり開通
 師走寒波に襲われた京滋地方は27日朝、雪はようやく小康状態となった。名神高速道路は2日ぶりに全線開通したものの、一般道路も含めて依然渋滞が続き、JRなどの交通機関にも乱れが残った。京都市の市街地などでは、長引く雪の影響に、サラリーマンらがうんざりした表情で通勤の道を急いでいた。
 京都市内ではこの日朝、最低気温が氷点下0.9度(京都地方気象台調べ)と冷え込み、未明から午前にかけて雪がちらついた。市街地で7aの積雪が残り、市バスや地下鉄の車中は、マイカー出勤を避ける会社員らで混雑した。
 JRでは、東海道新幹線が名古屋−新大阪間で徐行運転し、上りが名古屋で、下りが新大阪で、それぞれ1時間程度遅れた。東海道・山陽線は午前5時45分から同6時ごろにかけて茨木駅と草津駅の下り線でポイント故障が発生。両駅を通過する下り列車の計3本が2−14分遅れた。福知山線でも、上下とも10−20分の遅れ。
 名神高速道路は、上り線の大垣−西宮間、下り線の一宮−栗東間が通行止めだったが、27日午前8時半に上下線とも開通した。同11時40分現在、上り線は栗東を先頭に60`渋滞している。舞鶴自動車道は、通行止めだった福知山−舞鶴西間が午前9時15分までに上下線とも開通。京滋バイパスも午後零時半に開通した。
 一般道路では午前11時40分現在、国道1号の東行が名神高速京都東インターを先頭に9`、同1号の南行が名神高速京都南インターを先頭に5`、北行も同インターを先頭に10`以上渋滞している。
 京都府警交通管制センターによると、名神高速の京都東、南インター付近が混雑しており、名神高速の渋滞が解消されない限り、一般道路の渋滞も終日続くという。(京都新聞 夕刊)
■横山被告は傷害罪を主張 地下鉄サリンで初公判
 地下鉄サリン事件でサリンばらまきを担当したほか、自動小銃の密造を指揮したとして殺人、殺人未遂、武器等製造法違反の罪に問われたオウム真理教幹部横山真人被告(32)の初公判が27日、東京地裁(大谷剛彦裁判長)で開かれ、地下鉄サリン事件が審理された。
 罪状認否で横山被告は「サリンの袋に穴をあけたことは認めるが、麻原彰晃被告(40)らと実行を共謀したことはなく、殺害目的はなかった」と殺意を否認。「多数の方が被害に遭われ、本当に申し訳ない気持ちでいっばいです」とわびた。
 弁護人は「被告に殺意はなく、担当した電車で死者が出なかったため傷害罪に当たる」と主張、逮捕直後に警視庁の取調官が横山被告の顔を殴り、歯を3本折るなどの違法捜査があった、と指摘した。(京都新聞 夕刊)
■線路上に枕木 元警官を逮捕 愛媛・往来危険の疑い
 愛媛県警伊予署は26日夜、愛媛県伊予郡双海町上灘、無職上田宏容疑者(37)を往来危険の疑いで逮捕した。
 調べによると、上田容疑者は同日午前5時ごろ、伊予郡双海町串のJR予讃線下灘駅構内の線路上に長さ88aと52aの2本の枕木(まくらぎ)を置いた疑い。
 JR予讃線では18日から22日にかけて同県北条市から喜多郡長浜町の間の駅構内や踏切の5ヵ所に、角材や鋼材が置かれ、列車がはねて停車するなどの被害が出ていた。
 同署員らが警戒していたところ、同駅付近で車に乗り込もうとしていた上田容疑者を発見。車のナンバーから同容疑者を割り出し、任意で調べていた。
 調べに対し、上田容疑者は「うっぷんを括らすため」と供述しているという。同容疑者は1977年から8年間、愛媛県警の警察官。半年前まで建設会社の大型トラック運転手をしていた。(朝日新聞 夕刊)
28日■二条駅舎保存で合意 京都市とJR西日本 梅小路公園横に移築
 京都市とJR西日本は27日までに、現存する和風の駅舎では日本最古のJR山陰線の二条駅(中京区)を移築、保存することで合意した。新駅舎建設で撤去が必要になったためで、梅小路公園(下京区)横のJR敷地内にある蒸気機関車館付近に移築する予定。保存の前提となる市文化財に指定したうえで、来年度中に移築工事を始める方針だ。同日の記者会見で田辺朋之市長が明らかにした。
 田辺市長は「現在、移築方法や手順などJR側と検討を進めている」としたうえで「同駅舎は歴史的に京都市民との接点であり、末永く保存し広く市民に利用願いたい」と述べた。今後利用方法を検討する。
 これに関連し、薦田守弘助役は「移築予定地は準防火地域のため、文化財指定をしないと建てられない」と、近く市文化財保護審議会に指定を諮問することを明らかにした。また、市の公共事業により撤去するため、市も移築、保存の費用を負担する方針を示した。
 二条駅舎は、1904年(明治37年)に、景観に配慮しながら平安神宮を模して造られた。木造2階建て1312平方bで、大屋根の鶴尾(しび)や貴賓室の繊細な造りが明治建築の優雅さをしのばせる。
 二条駅−花園間では、90年から高架化工事が始まり、現二条駅は撤去し、その跡地を駅前広場に整備、新駅舎を造ることが決まった。このため、日本建築学会や京都市文化財保護審議会有志らが「明治のかけがえのない建築物」と、JR西日本に保存を強く要望しこいた。(京都新聞)
■JR二条−花園間高架 来年3月16日から
 京都市が進めているJR山陰線二条駅−花園駅間(4.1`b)の連続立体交差化事業に伴う高架線への切り替えが、来年3月16日のJR西日本のダイヤ改正と同時に行われることになった。27日の市長会見で明らかにした。
 高架化で12ヵ所の踏切が撤去されることになり、交通渋滞が解消し、線路で分断されている地域の都市機能が高まるとしている。高架橋の工事はほぼ終わっており、現在、進めている軌道、電気工事が終わりしだい、運輸省の検査を受けて高架線に切り替える。
 連続立体交差化事業は1990年3月に着工。92年3月に仮線に切り替え、高架本体の工事に取り組んでいた。側道整備も含めた総事業費は277億2000万円。(京都新聞)
■新幹線に引きずられ?死亡 三島駅で若い男性
 27日午後6時40分ごろ、静岡県三島市一番町、JR三島駅の東海道新幹線ホームから西側に約30b離れた下り線路上で、男性が頭から血を流して死んでいるのを、見回りをしていた同駅員が見つけた。
 男性は新富士−東京間の新幹線定期券を持っており、三島署は、死亡していたのは持ち主の少年(17)ではないかとみて身元の確認を急いでいる。
 調べによると、この男性がホームで電話をかけているところや、発車しようとしている東京発名古屋行きこだま475号のドアをたたいている姿を目撃していた人がいた。同署は、この男性が電話中に、列車が発車しようとしたため、慌てて飛び乗ろうとして列車に引きずられ、緯路に転落したのではないかとみている。
 この影響で同新幹線は下り列車14本が最高47分遅れ、1万人に影響が出た。(京都新聞)
■停電で電車ストップ JR福知山線 丹波大山−古市間
 27日午前11時50分ごろ、JR福知山線丹波大山−古市間で、大阪行き快速電車のブレーカーが飛び、同区間が停電、電車の運転ができなくなった。JR西日本福知山支社は、福知山−篠山口間と新三田−大阪間で一部電車を折り返し運転、篠山口−新三田間はバス7台による代行運転をした。この影響で、新大阪行き特急「北近畿8号」が3時間30分遅れたほか、特急3本、普通13本が一部区間で運転を取りやめた。(京都新聞)
■窓 守ってほしい見えない契約 栗東町・松田健忘(会社員・40)
 JR栗東駅のキオスクの営業姿勢に疑問を感じている。私は月に2回、月曜日の昼に、京都に出るため栗東駅を利用する。その際、駅の売店で月曜日にしか発行されない新聞を買って乗車するのを楽しみにしている。
 ところが、キオスクは開いている時もあれば閉まっている時もある。その日もシャッターが閉まっていたので、張ってある営業時間を何度も読み返した。朝は8時から12時まで。昼は午後1時から、となっていた。私が栗東駅に着くのは決まって11時50分ごろである。まだ営業中のはずなのに、なぜキオスクが閉まっているのか、駅員さんに尋ねてみた。「さあ、うちとは関係おませんさかいになあ。休憩ちゃいまっか」との返答しかもらえなかった。
 お客との見えざる契約を守れないのなら、商売をやる資格はない。栗東駅のキオスクには営業時間を次のように書き換えてほしい。「営業時間はいちおうの目安です。その日の気分によって前後します」(京都新聞)
■声 窓を密閉した電車は危ない 堺市 深田 浩嗣(学生 19歳)
 先日の本紙で、開け閉めのできない固定窓の通勤電車が増えているという記事を見たが、安全性を考えれば、やはり開閉窓にすべきである。
 JRは固定窓化の理由に空調の効率化を挙げていたが、通勤車両はドアの開閉が多いのだから、たいして効果はない。開閉窓でも最近のものは気密性が高く、特に支障はないはずだ。それに、空調の故障や緊急避難の場合はどう対応するのか。不幸な前例もある。眺望に関しても、継ぎ目のない一段式の開閉窓なら不都合はなかろう。
 固定窓化の真の理由は清掃と整備のコスト削減にあると思う。JRの通勤車両でドアの横の「戸袋窓」を撤去する改造が行われているのはその一例であろう。
 公共交通機関は安全性が第一だ。国定窓化はこの原則に反している。「万一の事故」が起こってからでは遅いのだ。コスト削減を見越して実施しているとすれば、本末転倒である。鉄道各社の再考を求めたい。(朝日新聞)
■振り落とされ線路に転落死? 新幹線三島駅で男性
 27日午後6時50分ごろ、静岡県三島市の東海道新幹線三島駅下りホームの線路わきで、男性が倒れている、と駅員から市消防本部に通報があった。
 三島署によると、20歳前後の男性で、頭にけがをして死亡していた。目撃者によると、男性がホームで公衆電話をかけていたところ、午後6時34分発の名古屋行き「こだま475号」のドアが閉まり、発車した。男性はあわててかけ寄り、ドアをたたいていた、といい、列車に振り落とされた可能性もある。(朝日新聞)
■パンクグラフ故障 福知山線17本運休
 27日午前11時45分ごろ、兵庫県多紀郡丹南町のJR福知山線丹波大山−古市駅間で、架線が突然停電した。その後、広野駅に停車した福知山発大阪行き快速電車(6両編成、約100人)のパンタグラフが壊れていることが分かった。電車は同駅で運転を打ち切り、広野−條山口駅間で運転を見合わせ、架線点検をした。
 異常のないことを確認して午後5時に運転再開したが、城崎発大阪行き特急「北近畿10号」など17本が運休し、約3500人が影響を受けた。(朝日新聞)
■明治の木造駅舎保存
 全国でただ一つ残っている明治期の本格的な木造和風駅舎、京都市中京区のJR山陰線二条駅が移築保存されることになった。27日に京都市が発表した。同駅では、周辺の都市基盤整備に伴って現代アート風の新駅舎の建築が進んでいる。
 木造駅舎は入り母屋造りのどっしりとした構えで、1904年(明治37年)に建築された。当時の主要駅は赤れんがの洋風建築が主流で、木造駅舎は珍しかったという。
 新駅舎が完成する来年3月以降は不要になるため、日本建築学会などが保存を要望。JR西日本と同市が協議の結果、同駅から南へ約3`離れたJR京都駅西側の梅小路公園に移築することで合意した。同市は近く、駅舎を文化財に指定する方針。(朝日新聞)
■新幹線三島駅 高校生死亡事故 安全に気配っていた JR東海が釈明会見 原因究明も本格化
 東海道新幹線三島駅ホーム付近の下り線路上で27日、列車のドアに挟まれて引きずられたとみられる私立高校2年川原崎祐輔さん(17)=神奈川県小田原市栄町=が死亡していた事故で、静岡県警三島署は28日、名古屋市中村区橋下町にあるJR東海の車両基地に捜査員数人を派遣、収容された事故車両を検分するなど本格的な事故原因の究明を始めた。
 三島署などによると、川原崎さんはホームで電話中、乗車予定の列車が動き出そうとしたため慌てて飛び乗ろうとして事故に遭った。しかし、川原崎さんが列車に引きずられた状況など不明な部分が多く、同署は列車が発車する間際の川原崎さんの行動を中心に駅員やホームにいた利用客ら目撃者から事情を聴いている。
 一方、JR東海は同日未明、石塚正孝取締役と新幹線鉄道事業本部の建守猛運輸営業部長が記者会見し「まったく責任がないとは言えないが、ホームに駅員を配置して安全には気を配っていた」と釈明。川原崎さんがドアに挟まれていることに駅員が気付かなかった点については「原因ははっきりしない。よく調べて対策を考えたい」と述べた。
 「ホーム上で安全確認する駅員が少なかったのではないか」との質問には「事故当時、発車間際の安全確認は1人でやっていた。三島駅程度の規模なら、基本的にホームの駅員は1人」と答えた。
 川原崎さんをひいた後、こだま475号が1回も停車せず、名古屋まで通常の運転を続けたことについて「後続の列車を止めることに神経が集中していた」などと述べた。(京都新聞 夕刊)
■三島駅の事故 新幹線がひきずる 転落死は高2 生
 静岡県三島市の東海道新幹線三島駅で27日、下り線ホームの線路わきで男性が頭などを打って死亡していた事故は、新幹線のドアに挟まれたまま引きずられ転落した可能性の高いことが、JR東海の調べでわかった。男性は東京都千代田区の私立高校に通う神奈川県小田原市栄町の2年生川原崎祐輔君(17)と、三島署が確認した。
 JR東海によると、同日午後6時34四分ごろ、東京発名古屋行き「こだま475号」が三島駅を発車した直後、ホームにいた人から「客がドアにはさまれたようだ」と駅員に通報があった。
 当時、ホームには駅員が1人いたが、事故には気づかなかったという。6号車の停車位置からホームの端までは約130b。川原崎君は、ホームの端から30b離れた線路わきに倒れていた。
 家族の話などによると、川原崎君は、静岡県富士宮市にいる家族と、次の駅の新富士駅で待ち合わせるため、三島駅ホームに降りて電話をかけていたが、発車直前に列車に乗ろうとして事故にあったらしい。
 三島署で事故の状況を調べているが、東海道新幹線でドアに人がはさまれて死亡したケースはこれまでない。
 JR東海は28日未明に記者会見をし、石塚正孝取蹄役は「結果として事故を起こしてしまったのだから、何か打つべき手があったのかもしれない」と述べ、早急に対策を検討する方針を明らかにした。
 また、乗客から通報を受けた駅員が直ちに列車を止める措置をとらなかった点について、「そうした場合、どのように対応するかのマニュアルはない」と述べた。(朝日新聞 夕刊)
■分散したの 目立つ空席 帰省ラッシュ?
 年末・年始の帰省ラッシュが28日始まった。27日までの雪による規制が解除され、大型車が集中した高速道路は名神の渋滞が60`を超すなど各地で混雑したのに対し、鉄道は分散帰省が進んで空席が目立った。
 名神高速は28日午前、春日井インタ付近下り線で65`の渋滞になったのをはじめ、栗東インタ付近下り線で20`、西名阪自動車道の松原料金所付近の上り線で14`、近畿自動車道の摂津南インタ付近上り線で9`となった。
 東海道・山陽新幹線は、午前中、東京発博多行き「ひかり33号」が乗車率120%になったほかは、自由席でも立つ人は少なかった。北陸方面行きの新型特急「スーパー雷鳥サンダーバード」など在来線特急も多くが60%前後の乗車率。
 JR西日本によると、最近は指定席を直前に購入する人が増え、予約状況からもピークの分散化がいっそう進んでいるという。帰省は30日、Uターンは4日がピークになるとみている。(朝日新聞 夕刊)
29日■信楽列車事故 最後の示談交渉成立 係争中の9人除き 4年半ぶりに解決
 1991年5月に滋賀県甲賀郡信楽町でおきた信楽高原鉄道列車衝突事故で、高原鉄道とJR西日本でつくる「信楽高原鉄道事故ご被災者相談室」(大津市)と示談を進めていた最後の遺族との交渉が28日、成立した。これで亡くなった乗客37人のうち、損害賠償裁判を起こした9人を除く犠牲者すべての示談が事故発生以来4年7ヵ月を経て成立した。
 この事故で、乗員5人を含め42人が死亡。相談室では乗客を対象に、事故発生から49日が過ぎた91年7月に示談交渉をスタート。同年12月に最初の示談が成立し、その後も遺族個人や遺族団と交渉を続けてきた。示談額について相談室は「遺族の感情を害するおそれがあり、公表できない」としている。
 9犠牲者の遺族は一昨年10月、鉄道両社を相手取り、総額11億3600万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴。これまでに15回の口頭弁論を重ねて争っている。また、事故による重軽傷者612人のうち28日までに、607人について示談が成立している。
 衝突事故は91年5月14日午前10時35分ごろ、信楽町黄瀬の信楽高原鉄道単練区間で、同町で開催中だった「世界陶芸祭」に向かうJR西日本の下り臨時快速列車=3両編成=と、高原鉄道の上り普通列車=4両編成=が正面衝突。乗客乗員合わせて654人が死傷した。(京都新聞)
■駅の放送減らさないで 視力障害者ら阪急に要望
 阪急電鉄が車内やホームでの放送を1月1日から大幅に減らす計画を打ち出したことに対し、大阪府内の視力障害者らでつくる「大阪視力障害者の生活を守る会」(堀部光雄会長、213人)のメンバーと大阪市立盲学校の職員が28日、同社の本社を訪れ、「放送を減らさないでほしい」と計画の変更を要望した。訪れた堀部会長らは「視力障害者は耳だけが頼り。安心して電車に乗れなくなる」と訴えたが、同社は「安全上、支障はない」と計画通り実施することを伝えた。
 阪急電鉄が1日から実施する内容は、到着した駅を知らせる車内放送を平日の普通電車について原則廃止する▽ドアが閉まることを知らせるために吹く笛を廃止する−など。
 堀部会長らはこれについて、@到着駅の車内放送がないと、どこの駅に着いたのか分からず、手前で降りたり、乗り越すケースが出てくるA出発前の笛がなくなると、電車が止まっていても出発間際なのか余裕があるのか分からないB沿線ガイドなど、不必要な放送はほかにもっとあるはず、などと計画変更を求めた。
 これに対し、阪急電鉄は@普通電車は駅間が2−3分と短く、到着駅を省略しても次の駅を知らせる放送でカバーできるA笛は駆け込みを誘うことにもつながり逆効果の面もある。停車時間が長い始発駅はブザーが鳴るBイベント案内の放送も、朝のラッシュ時間帯には廃止するなど整理統合を考えている、と説明した。(朝日新聞)
■新幹線ドア改良 JR東海 高2死亡で緊急対策
 東海道新幹線三島駅で高校2年生の川原崎祐輔君(17)が死亡した事故で、JR東海は28日、事故原因の一つと見られる新幹線のドアの全面的改良をはじめ、緊急時に駅構内の列車をすべて止める「列車防護スイッチ」の取り扱いの変更、ホームで緊急事態が起きた場合の駅員らの行動マニュアルの作成といった対策を発表した。同社は、1964年の東海道新幹線開業以来31年間で、初めて起きた鉄道事業者側に責任のある死亡事故を重く受け止め、緊急に措置を決めた。
 同社によると、新幹線のドアは、気密性を高めるために閉まった後、外に向かって押し付ける構造になっている。比較的新しい「100系」や「300系」の新幹線は、ドアが閉まっても、速度が5`以上にならないと押し付けないため、何かがはさまっても発車直後なら抜きやすい。
 ところが、事故を起こした「こだま475号」など「0系」というもっとも古い型の新幹線は、ドアが閉まるやいなや押し付けられるため、容易に引き抜けないという。このことが事故の一因になったと同社は判断した。「0系」を約500両保有しているJR西日本も、JR東海が考えている改良の必要性を認め、技術的な検討を始めた。
 またJR東海は今回、客から事故の通報がありながら、直ちに列車を止める措置がとられなかったことを重視し、ホームで異常が発生した場合、駅員や乗務員がどのような行動をとるべきかを異体的に定めたマニュアルを作成する。これまでは、一般的な対応マニュアルしかなく、不十分と判断した。(朝日新聞)
30日■トロッコ列車は 3月に運行再開
 京都・嵯峨と亀岡を結ぶ観光列車トロッコは29日、午後5時2分発の最終便をトロッコ亀岡駅から京都方面へ送りだし、今年の運行を終えた。
 今年の前半は阪神大震災の影響で大阪、神戸方面の客足が遠のき低調なスタートとなった。だが後半に好天に恵まれたこともあり、年間の乗降客数は延べ約66万人と平年並みの業績を収めた。
 1、2月は休み、3月1日から運行を再開する。これまで1日につきトロッコ嵐山駅から5本、トロッコ嵯峨駅から3本を発着させていたが、来年3月からは、JRとの連絡がスムーズになるよう、すべての列車をトロッコ嵯峨駅発着とする予定。来年は開業5周年のイベントも企画しているという。
 夕やみが迫るなか、ヘッドライトを灯してトロッコ亀岡駅に滑り込んだ最終便は、コートを着込んだカップルらを乗せ、汽笛を響かせながら京都方面へと折り返していった。(京都新聞)
■帰省客、大混雑なし 近畿地方
 正月をふるさとで過ごす人たちの近畿地方の帰省ラッシュは29日午後、九州方面に向かう新幹線などで多少混雑がみられたものの、年々帰省の分散化が進み、客の流れはスムーズだった。
 JR西日本によると、山陽新幹線は午前10時42分新大阪発の博多行きひかり139号の自由席の乗車率が160%となるなど、博多方面へ向かうひかりは軒並み100%前後で、通路まで客で埋まる列車も。一方、こだまは空席が目立ち、中には定員の半数にも満たない列車もあった。
 在来線も、午後4時5分に大阪駅を出た新大阪発城崎行き特急北近畿13号が130%となるなど一部で定員を超えたが、ほとんどの列車に空席があった。
 同社は、30日が帰省のピークで、Uターンは1月3日、4日がピークと予測している。
 空の便も、全日空の下り路線の予約率が約95%。羽田空港発の便は軒並み満席状態で、鹿児島など九州方面の一部路線では空席待ちをしても乗れない人が出た。
 高速道路は夕方、名神高速道路の下り線が京都・大阪の境にある天王山トンネルを先頭に約50`の渋滞となった。日本道路交通情報センターは「午後になって帰省やレジャーの車がどっと繰り出した」と話していた。(京都新聞)
■終夜運転や臨時電車 年末年始のダイヤ案内
 JR西日本と関西の大手私鉄5社は、年末年始に特別ダイヤで終夜運転や臨時電車を運行する。概要は次のとおり。
 【JR西日本】大みそかの午後11時ごろから元日の午前5時ごろまで、西明石−京都−奈良間と大阪環状線、阪和線、関西線、桜井線、福知山線、片町線で終夜運転する。初日の出に合わせ、志賀と西明石、姫路行きの大阪発の快速電車を臨時運転する。
 【近鉄】30日から3日までは休日ダイヤ。大みそかは臨時特急を難波、上本町、京都から伊勢方面や、あべの橋から橿原神宮前などへ運転。急行や普通も路線ごとに10分−1時間おきに終夜運転する。
 【南海】30日から3日まで休日ダイヤ。大みそかは難波−関西空港、難波−河内長野間を約30分間隔で終夜運転。1−3日は午前10時から午後5時まで、急行が住吉大社駅に臨時停車する。
 【京阪】1日から3日までは正月ダイヤ。大みそかは淀屋橋−出町柳間を急行と普通が10−20分間隔で、交野線と宇治線は普通が約20分間隔で終夜運転する。
 【阪急】30日から3日までは日・祝日ダイヤ。4日は土曜ダイヤ。大みそかは京都線、神戸線、宝塚線とも20−30分間隔で終夜運転する。また、天下茶屋−北千里間も大阪市営地下鉄堺筋線と相互直通運転する。1−3日は宝塚線で臨時特急を運転する。
 【阪神】30日から3日までは休日ダイヤ。4日は土曜ダイヤ。大みそかは梅田−高速神戸間、尼崎−西九条間で約30分間隔で普通電車が終夜運転する。
 【京都市営地下鉄(烏丸線)】 1日午前零時前から同1時半まで、約30分おきに運行。
 【京都市バス】特201A号(四条大宮−北野天満宮前−出町柳駅前−京都会館美術館前〈平安神宮前〉)、特201B号(四条大宮−北野天満宮前−出町柳駅前)、特50号(京都駅前−四条大宮−北野天満宮前−四条大宮)の3系統が、31日深夜から1日午前5時40分ごろまで増便。各系統とも約15分に1本。(朝日新聞)
■時速300`ニュー新幹線
 JR西日本が開発した東海道・山陽新幹線の新型超特急「500系」の車両が完成した。フランスの新幹線「TGV」と並ぶ世界最高の時速300`で走る。空気抵抗や騒音を軽減するため、ボディーは経いアルミ製で、先頭の曲面部分が長さ15bもある鋭くとがったデザイン。来年9月以降に山陽新幹線で営業運転を始める計画だ。(朝日新聞)
■28遺族示談成立 9遺族は係争中 信楽高原鉄道事故
 滋賀県甲賀郡信楽町で1991年5月に起きた信楽高原鉄道列車衝突事故で、犠牲になった乗客の遺族と「信楽高原鉄道ご被災者相談室」(大津市)との間で進められていた示談交渉のうち、最後に残っていた大津市内の1遺族との交渉が29日までに妥結した。これで、亡くなった乗客37人のうち、損害賠償訴訟を起こした9人を除く28人の犠牲者について、すべて示談が成立した。(朝日新聞)
31日■分散型すっかり定着? 帰省ピーク 混雑なく穏やか
 大みそかを前に30日、新年を古里で過ごす人たちの帰省がピークを迎えた。しかし、鉄道、道路とも大きな混雑はなく、穏やかな帰省風景を見せていた。
 東海道、山陽新幹線は下り「ひかり35号」が午前10時19分に新大阪駅で乗車率160%になったのをはじめ、下り「ひかり」が軒並み100%を超えた。しかし、上りは各車両とも100%に達せず、JR東海・京都駅助役室は「例年になく乗客は少なめ」と話していた。
 在来線は、湖西線経由の「雷鳥」が最大130%の乗車率となり、北陸方面の車両で乗車率100%を超えたほか、山陰線でも120−100%に。こちらも他の路線は大きな混雑はなく、「分散型が定着したのでは」(JR西日本・京都駅)という。
 道路も帰省による目立った渋滞はなかった。日本道路交通情報センターによると、名神高速道路が同日午後6時現在、梶原トンネルを先頭に下り6`渋滞した程度。一般道路は京滋とも終日、目立った渋滞はなく、ゆったり型の帰省風景となった。(京都新聞)
■JR福知山線 脱線事故原因 雪で車輪の摩擦力低下
 兵庫県三田市藍本、JR福知山線藍本駅構内の待避線で25日、大阪行き快速電車(4両編成)が車止めを乗り越え、前3両が脱線した事故で、JR西日本は30日までに、車輪に接触してブレーキの働きをする制輪子と車輪の間に、雪が入り込んで摩擦力が低下し、電車を止めるブレーキ力が得られなかったのが事故の原因、と発表した。
 事故当時、現場付近は20−30aの積雪で、電車の運転士は「事故現場の約1`手前から非常ブレーキを使用したが、思うように速度が低下せず、そのまま待避線に突っ込んだ」と証言。その後の事故車両の検査で異常は認められず雪のためにブレーキの摩擦力が低下したと、判断した。
 事故を起こした車両は、JR西日本が1991年12月に学研都市線に本格的に導入した最新鋭の207系通勤型電車で、もともとは雪のない地域向けの車両。93年3月から、利用者の増加が著しい福知山線の大阪−篠山口駅間にも乗り入れを始めたが、降雪地帯向けの対策は特にしていなかった。
 JR西日本は今回の事故を重視。今後、豪雪地帯の特急電車などで効果をあげている耐雪ブレーキ装置を順次、福知山線や嵯峨野線(山陰線、京都−園部)など降雪地帯を走る車両にも装備していくことにした。(京都新聞)
■被災の独り暮らし老人 電車に飛び込み死亡 神戸のJR駅
 30日午後3時20分ごろ、神戸市東灘区岡本一丁目のJR摂津本山駅で、大阪発網干行き快速電車が通過中、男性が下リホームから線路上に飛び降り、電車にはねられ即死した。
 この快速電車が現場に約1時間停車したほか、後続の上下計58本が54−2分遅れ、約4万8000人に影響が出た。
 東灘署の調べでは、死亡したのは兵庫県加古川市志方町細工所、無職中西常太郎さん(86)。同日午前10時ごろ、入所先の老人ホームから外出していたという。
 中西さんは阪神大震災で東灘区内のアパートが全壊、身寄りがなく、2月中旬からこの老人ホームに移っていた。(京都新聞)
■京日記
 京都市下京区の梅小路蒸気機関車館で30日、鉄道友の会京都支部のメンバーが同館の16両のSL機関車にしめ縄飾りを付けるなどして正月準備を整えた。
 同館開設1年後の83年以来続く恒例の行事。毎年、同市北白川の農家で特別にしめ縄を作ってもらい、「あけましておめでとう」などと書いた手作りのヘッドマークと一緒に飾る。
 この日は会員40人が参加。ずらり並んだSLの顔の煙室扉に手分けして、しめ縄飾りと、96年にちなみ「96」と、おなじみの「D51」の2両にヘッドマークを掛け、新春の顔になったSLに満足そうに見入っていた。開館は来月4日。(京都新聞)
■86歳被災者が 飛び込み即死 神戸のJR駅
 30日午後3時25分ごろ、神戸市東灘区岡本一丁目のJR東海道線摂津本山駅のホームから、阪神大震災で被災し、兵庫県加古川市志方町の特別養護老人ホーム「鶴林園」に身を寄せている無職の男性(86)が、野洲発網干行き下り快速電車(10両、乗客約500人)に飛び込み即死した。
 東灘署の調べでは、男性は神戸市東灘区のアパートで1人暮らしをしていたが、震災でアパートが全壊したため、2月中旬から鶴林園に入っていたという。
 この事故で電車は44分間停車し、後続の下り電車など上下計24本が運休。計58本が2分から54分遅れ、約4万8000人に影響が出た。(朝日新聞)