1995(平成7)年11月


1日■国鉄精算事業団 未処分地の活用を 京都府、市に協力依頼(京都)
  ■嵐山観光は車置いて 二条駅前に1500台収容→JR利用を 渋滞緩和へ決断 「規制」と誤解客減少懸念 効果も未知数? 京都市、今月下旬モデル実施(京都)
  ■トロッコ列車 全線で運転へ 黒部峡谷、今月18日(京都)
  ■バクーの地下鉄火災 有毒ガスで大量死 中毒性の神経麻痺物質(朝日)
  ■駅のゴミ箱とロッカー封鎖 大阪市営地下鉄(朝日)
2日■京都市バス地下鉄運賃 値上げ提案 見送りへ 交通局の経営体質 与党が反発(京都)
  ■京都市の11月補正予算案 過去最大の250億円 公共事業など柱(京都)
  ■地下鉄東西線 乗務員27人採用(京都)
  ■踏切事故の一掃を訴え JR西日本、駅などでPR活動(京都)
  ■けしからんパソコンネット 「地下鉄サリン」ゲーム 被害者弁護団 「不謹慎だ」抗議(京都)
  ■地下鉄・松本サリンなど 5事件認める陳述へ 遠藤被告 14日初公判(京都)
  ■JR山科駅前出店交渉 大丸が協議再開 今月から 京都市長も歓迎(京都)
  ■大丸出店で協議再開へ 山科駅前再開発ビル(朝日)
  ■オウム教 ガスマスク 400固注文 米議会公聴会 地下鉄事件前、米社に(朝日)
  ■地下鉄サリン事件直後 米で独自調査団組織 オウム(朝日)
  ■青酸ガス装置製造を認める 平田容疑者(朝日)
3日■園部−天橋立間電化 来年3月に一番電車 トンネル拡張難工事が完成(京都)
  ■「新宿青酸事件」で 3被告近く再逮捕(朝日)
4日■新宿の地下鉄 青酸ガス事件 捜査のかく乱狙った 豊田、富永被告を再逮捕(京都)
  ■青酸ガス事件で再逮捕 オウムの豊田・富永被告(朝日)
5日■車と市バス正面衝突 左京の国道 乗客ら8人けが(京都)
6日■井上、中川両被告を再逮捕 新宿駅青酸事件 殺人未遂容疑で(京都)
7日■「のぞみ」ニューフェイス公開 営業開始は来秋以降(京都)
  ■帰宅ラッシュ時、沿線でボヤ 1時間40分不通 JR環状線(朝日)
  ■闇の中、線路とぼとぼ JRストップ 満員電車内に怒声(朝日)
  ■戦闘機”顔”の新幹線、来秋デビュー(朝日)
8日■空港線一時ストップ(京都)
  ■声 女性トイレはまるで喫煙室 八尾市 中山直子(主婦 61歳)(朝日)
  ■金融不全C 第三部 大和銀ショック ブラックボックス 海外不良債券、見えぬ実態(朝日)
  ■強風 湖西線が速度規制 関西空港線は一時運転中止(京都)
9日■京都市バス地下鉄 運賃値上げ見送る 田辺市長が正式表明(京都)
  ■市バス・地下鉄運賃 値上げ案提出見送り 今議会へ田辺市長言明(朝日)
  ■床下で衝撃音 「のぞみ」停車(朝日)
  ■木枯らしに運休相次ぐ(朝日)
10日■京都市地下鉄運転士を募集 国籍問わず60人(京都)
  ■JR西日本上場見送り 売却益もあて外れ 旧国鉄債務 27億円 また膨らむ? 運輸省 穴埋め策に四苦八苦(京都)
  ■男性はねられ死亡 阪急神戸線(朝日)
11日■地下鉄青酸ガス事件 女装して仕掛けた 平田被告供述(京都)
12日■湖西線ポイント故障 8本遅れ1800人に影響(京都)
  ■窓 老人半額乗車証にしては… 宇治市・橋本静夫(無職・72)(京都)
13日■駅トイレに強盗 会社員切られる 朝の近鉄向島(京都)
  ■駅ロッカー使用停止に 大阪市営地下鉄(朝日)
  ■神戸の地下鉄 60本が遅れる ポートライナーも(朝日)
14日■男性はねられ死亡 JR河瀬駅近く(京都)
  ■遮断機に車 6人が死傷 兵庫・小野(朝日)
15日■チンチン電車走った なつかしの路線3`歩こう 鉄道友の会京都支部 23日、木屋町二条〜府庁〜堀川中立売 明治期の様子学ぶ 会員の説明付き 広く参加呼び掛け(京都)
  ■JR西日本、減収増益(京都)
  ■空港リムジンバス運賃値上げを申請(京都)
  ■運賃値上げを申請 大阪空港バス(朝日)
  ■車内禁電へ「注意カード」作戦 東海道新幹線 携帯対策「デッキでどうぞ」 電光掲示板やポスターも活用(朝日)
16日■JR尼崎駅の新駅舎完成(京都)
17日■窓 足弱い人には敬老パス重宝 中京区・藤原辰三郎(自営業・70)(京都)
  ■神戸市地下鉄ダイヤ乱れる 車両故障で一時不通(朝日)
  ■神戸電鉄が値上げ(朝日)
18日■窓 駅舎工事中といえ… JR京都駅 危険で不便 左京区・芦田 理(年金生活者・60)(京都)
  ■新幹線4本遅れる 運行表示盤に異常(朝日)
19日■黒部のトロッコ電車 4ヵ月ぶり全面開通(朝日)
20日■車で来られず花嫁は電車に(朝日)
  ■14%の値上げ申請 山陽電鉄(京都)
  ■山陽電鉄値上げ申請 平均14.7%(朝日)
  ■タイ首相、地下鉄を見学(朝日)
21日■赤字膨らむ市バス 横大路営業所 隣接市(向日・長岡京)乗り入れ検討 京都市会で答弁 抜本的改善策が必要(京都)
  ■JR「片福連絡線」の最経工程 淀川トンネル貫通へ 30日に発破、全長2.3`(京都)
  ■窓 バスの排ガス早急な改善を 吹田市・山崎太郎(元教員・73)(京都)
22日■2年間は運賃値上げ不必要 JR西日本社長見通し(京都)
  ■「緑の帯」で線路補強 神戸のJR山陽線(朝日)
  ■「97年度末まで 値上げしない」 JR西日本社長(朝日)
24日■新幹線 禁煙車優勢に 東海道・山陽来年3月から 16両中3両増え10両(朝日)
  ■災害時の誘導「任せて」 阪急の車掌が地図作り 宝塚線 震災教訓 電話など案内(朝日)
  ■長田「テント村」のベトナム人 地下鉄工事”立ち退き” 行き場なく、不安抱え(朝日)
25日■冬季と年末年始ダイヤ発表 KTR(京都)
  ■京都駅地下街「ポルタ」増床 石塀小路を伝建地区に編入 府都計審が15議案承認(朝日)
  ■窓 運転手さんの心遣いに感謝 右京区・安藤初音(無職・84)(京都)
  ■特急と衝突の運転手に有罪 脱線事故招く(朝日)
26日■線賂上にブロック 東海道線・茨木駅(京都)
28日■電車に車衝突、けが 東山の京阪・京津線(京都)
  ■大阪地下鉄 御堂筋ストップ 軌道から煙 20万人に影響 朝のラッシュ時(京都)
  ■御堂筋線ストップ ターミナルに長蛇の列 乗客 うんざり、ため息(京都)
  ■梅田でボヤ ラッシュ時の御堂筋線 57本運休 20万人迷惑(朝日)
  ■御堂筋線のボヤ 通勤直撃、商都の朝混乱 乗客「いつ動くんや」 沿線各駅にもあおり(朝日)
  ■帰省切符発売 ふるさとへ列 JR(朝日)
  ■72時間ストに突入 動労千葉(朝日)
29日■御堂筋線10両編成に 大阪の地下鉄(京都)
  ■年末の指定席券発売 JR西日本(京都)
  ■放置自転車ひきずる 宇治のJR奈良線(京都)
  ■地下鉄火炎瓶事件 オウム信徒ら起訴(朝日)
  ■通報後に9本通過 御堂筋線火災 安全優先徹底されず(朝日)
  ■鉄橋下に放火容疑者を逮捕 大阪の環状線運休(朝日)
30日■JR三ノ宮駅前 震災で全壊商店街 あす新たに再出発(京都)
  ■あすから初詣乗車券を発売 叡電と京阪(京都)
  ■山科川 白濁、魚200匹浮く 地下鉄工事の資材流入(京都)
  ■東京臨海新交通止まる ベニヤはね故障 100人1時間缶詰め(京都)
  ■山陰線の列車故障 JR京都駅(京都)
  ■淀川トンネルが貫通 片福連絡線つながる(京都)
  ■中労委が救済取り消しの逆転命令 国労役員不採用で(京都)
  ■ブレーキ異常 低速で運転 特急スーパーはくと(京都)
  ■来春闘賃上げ 2万円要求へ 私鉄総連が方針(朝日)
  ■難関の淀川下 トンネル貫通 片福連絡線工事(朝日)
  ■「処分理由の不採用は妥当」国労岡山で中労委命令(朝日)



1日■国鉄精算事業団 未処分地の活用を 京都府、市に協力依頼
 国鉄清算事業団が所有する土地の処分を進める地方連絡会議(近畿運輸局主催)が31日、京都市中京区の京都弥生会館で開かれた。近畿運輸局と事業団、京都府、京都市の関係者が、土地の有効利用について話し合った。
 同事業団は、国鉄が分割・民営化された1987年から、所有地の売却処分を進めている。
 連絡会議は、バブル期以降に民間企業の土地購入意欲が冷え込んだこともあり、自治体による土地利用を進めるため、92年に設置した。近畿では京都のほか、大阪府、兵庫県で開いている。
 京都府では、JR京都駅西側の0.8fのほか、舞鶴市の旧舞鶴港駅の跡地1.3fなど、23件、16fが未処分地として残っている。
 会議では、近畿運輸局の長光正純局長が「国鉄清算事業団が抱える債務問題は依然厳しい。土地処分に協力していただき、国民の負担軽減を図るとともに、駅周辺の用地利用で地域の発展を図ってほしい」とあいさつ。個別の未処分地を紹介しながら、府、市側に土地購入への協力を依頼した。(京都新聞)
■嵐山観光は車置いて 二条駅前に1500台収容→JR利用を 渋滞緩和へ決断 「規制」と誤解客減少懸念 効果も未知数? 京都市、今月下旬モデル実施
 マイカー観光客による交通渋滞を緩和するため、京都市は嵐山地域への観光客を対象に、JR二条駅前に駐車場を設ける「パーク・アンド・ライド」方式を、今月下旬にもモデル的に実施する方向で準備を進めている。これまでの「マイカー観光拒否宣言」と比べ、駐車場を用意するのが特徴だが、観光規制の色合いが濃くなると観光客が減る懸念もあり、一部地域だけの導入になりそうだ。
 同方式は、観光客が集中する季節の週末に特定の場所に駐車場を設け、そこから電車やバスで観光地に行ってもらう仕組み。
 市の構想では、JR二条駅前の再開発事業地内に約1万5000平方bの土地を借りて駐車場(有料)とし、1500台を収容。JR山陰線(嵯峨野線)で嵯峨、嵐山方面へ行ってもらう。
 昨年の京都への観光客3967万人のうち41.7%がマイカー利用者で、観光地だけでなく周辺の交通渋滞の原因になっている。嵐山へは、ふだんの週末は1日約3万人が訪れ、紅葉の季節などピーク時には約6万人になる。
 パーク・アンド・ライド方式は、金沢市が1988年から毎年5月の黄金週間中の2日間実施。北陸自動車道のインターのそばに臨時駐車場を設け、5分間隔でシャトルバスを運行している。昨年は2332台、今年も2062台が利用し「市内の交通渋滞緩和という効果は着実に出ている」(金沢市交通対策課)という。
 ただ、金沢の観光地は兼六園付近に限られているのに対し、京都は観光スポットが広く分布している。また、市内の観光関係者は同方式の導入が「観光規制」と誤解される恐れもあると言う。ただでさえ京都への観光客が減少傾向にあるだけに、市は警察や観光協会などと最後の調整をしている。
 全市的にこの方式を導入するには、大量の駐車が可能な場所を確保するのも難しく、お年寄りや幼児、障害者が一緒の人は車でないと不便なことも多い。また、同方式を導入しても実際にどれだけ利用されるか効果の面も未知数だ。
 市は「この方式が決め手にはなるとは思わないが、交通対策に手をこまねいているわけにはいかない」(平野勉観光部長)と、公共交通機関の利用を呼びかけながら、パーク・アンド・ライド方式導入の検討を進めてきた。(京都新聞)
■トロッコ列車 全線で運転へ 黒部峡谷、今月18日
 今年7月の集中豪雨の影響で一部区間に限って運転していた黒部峡谷鉄道(富山県下新川郡宇奈月町)は31日、11月18日から全線で運転を再開すると発表した。
 同鉄道は大雨による土砂崩れなどの影響で、7月4日から全線(宇奈月−欅平、20.1`)が運休し、8月6日から宇奈月−笹平間(約7`)に限り運転を再開していた。
 同社によると、今年春からの乗客数は10月31日現在、63万6000人で昨年の129万人に比べ激減している。今年の営業は11月末まで。(京都新聞)
■バクーの地下鉄火災 有毒ガスで大量死 中毒性の神経麻痺物質
 【モスクワ1日=塩原俊彦】インタファクス通信は31日、アゼルバイジャンの首都バクーの地下鉄火災で大量の死者が出た原因は、中毒性の神経まひ物質であると伝えた。法医学の専門家などの会議で、同日、明らかにされた。インサノフ保健相は同日、「被害にあった乗客の呼吸困難は複雑な構成の有毒ガスによって引き起こされた。現在、その物質が何であるか、究明している」とイタル・タス通信に語った。
 いずれも、テロによる大惨事の可能性を示唆しているが、最終的な原因究明は終わっていない。
 インタファクス通信は同日、火災の調査委員会の報告として、死者が288人に増加し、なお約90人が治繚中で、うち4人が重体であると伝えた。(朝日新聞 夕刊)
■駅のゴミ箱とロッカー封鎖 大阪市営地下鉄
 大阪市は1日、APEC大阪会議にあわせ、市常地下鉄の駅のごみ箱とコインロッカーを封鎖する安全対策を決めた。
 不審物が置かれないようにするためで、梅田、天王寺駅など、主にJR大阪環状線内の駅が対象。ごみ箱は10日から20日にかけて、50駅の計772個に紙を張って使えないようにする。この期間は駅の吸い殻入れも撤去する。コインロッカーは13−20日の間、30駅の計2412個を使用停止にする。(朝日新聞 夕刊)
2日■京都市バス地下鉄運賃 値上げ提案 見送りへ 交通局の経営体質 与党が反発
 京都市は、市バス・地下鉄の運賃値上げを11月定例市議会に提案する方向で検討していたが、1日までに提案見送りの見通しとなった。上下水道料金値上げが決まったばかりのうえ、交通局の経営体質をめぐり市議会与党の自民党などが提案に強く反発していることから、田辺朋之市長が政治判断したとみられる。しかし、京都市の交通事業は乗客減などで厳しい財政事情に陥っており、今回は見送りになっても、来年2月市議会への提案は避けられないとの見方が強い。
 田辺市長は1日の定例記者会見で「利用者に一定の負担をお願いすることも必要と考えている」と値上げを示唆した。ただ「11月市議会の提出議案の決定時期(来週)までに、市の財政状況や交通事業が抱えている問題を総合的に検討したい」と述べるにとどまり、提案見送りについては言明しなかった。
 市の交通事業は、1994年度決算の経常損益でバスが25億1400万円、地下鉄が110億3300万円の赤字を出した。市交通局は経営健全化計画で内部努力をする一方、運賃の値上げも必要として、10月中旬には運輸省から値上げ認可の内諾を得ていた。
 これに対し、市議会与党は「現在の交通局の経営体質では値上げしても抜本的な改善はできず、安易な値上げは認められない」(自民党議員)との立場から、11月市議会での提案に反対する姿勢を強めていた。(京都新聞)
■京都市の11月補正予算案 過去最大の250億円 公共事業など柱
 京都市の田辺朋之市長は1日の定例記者会見で、13日開会の11月定例市議会に提案予定の一般会計補正予算案が過去最大規模の総額250億円余りになる、と発表した。先月18日に成立した国の第二次補正予算に対応、公共事業などの経済対策と高齢者福祉対策が柱となっている。
 経済対策では、国の補正予算が各自治体へ配分されるのを受け、道路や街路、公園整備などの公共事業を行う。
 また、公営企業が来年度に予定している事業でも、可能なものは本年度に繰り上げて実施する、としている。高齢者福祉対策では、主に寝たきりの高齢者用の補助器具などに菰てる方針だ。財源は、大半が市債や国からの補助金で賄われる。
 今回を含め、京都市の本年度の補正予算は、防災対策を中心とした5月の12億8000万円、経済対策が柱の9月の92億9000万円と合わせ、補正総額355億7000万円になる。
 また、田辺市長は来年度の予算編成について「本年度の予算編成時に比べると、景気の悪さは来年度のほうが重い」と、財政状況の厳しさを指摘した。その中で「21世紀を目前に控え『平成の京(みやこ)づくり』を推進する重要な年になる。高齢者福祉や防災対策、地下鉄東西緯に関連する大規模事業を進め、完成へ導きたい」と意欲を示した。(京都新聞)
■地下鉄東西線 乗務員27人採用
 京都市交通局は1日、1997年11月に開業予定の地下鉄東西線の乗務員を初めて採用した。20−24歳までの男性27人で、辞令を受け、さっそく研修に入った。
 27人全員が運転士になる予定で、開業までに鉄道について学ぶほか、営業中の烏丸線に同乗、車掌業務や運転技術を研修したうえで、地下鉄運転士に必要な免許を取得する。
 交通局の経営健全化計画では、職員数を2003年度までに93年度末より475人削減する予定。東西線の乗務員はこの枠内で今後も採用していきたいとしている。(京都新聞)
■踏切事故の一掃を訴え JR西日本、駅などでPR活動
 踏切事故をなくそうと、関西の全鉄道会社が参加しての「踏切事故防止キャンペーン」(10日まで)が1日から始まり、各鉄道会社が駅や踏切などで各種啓発活動を繰り広げた。
 キャンペーン初日は、各鉄道会社が京都市や長岡京市、神戸市などの12駅でオープニングセレモニーを行ったほか、路線内の踏切で啓発活動を展開した。
 長岡京市のJR長岡京駅東口では、JR西日本が府内で唯一のオープニングセレモニーを開き、同社はじめ近畿運輸局、警察、長岡京市などの関係者約20人が出席した。くす玉割りとテープカットが行われたあと、長岡京市の開田保育所の園児約20人に、同社社員が腹話術をしながら踏切事故の現場写真を見せるなど、踏切事故の怖さを訴えた。(京都新聞)
■けしからんパソコンネット 「地下鉄サリン」ゲーム 被害者弁護団 「不謹慎だ」抗議
 今年3月の地下鉄サリン事件を題材にしたパソコンゲームが首都圏の複数のパソコン通信ネットで流通していることが分かり、地下鉄サリン事件被害対策弁護団(団長・宇都宮健児弁護士)は1日までに、ゲームを掲載しているパソコン通信の主宰者らに対し「遺族や被害者の気持ちを理解せず不謹慎極まりない」と、ゲームの削除を求める折議声明を出した。
 ゲームは「霞ヶ関−地下鉄サリンゲーム」というタイトル。サリンの散布でどれだけの被害を出せるかを争う内容で、事件の起きた営団地下鉄丸ノ内線、日比谷線、千代田線の路線図を画面に表示。霞ケ関駅など各駅の乗降客数やサリンの効力を参考にして、サリンをまく5つの駅を選ぶと、まいた駅から被害が広がる様子が出て死者1人につき10点、負傷者1人につき1点が加算されるという。
 パソコンネットの数は規模の小さいのを含めると少なくとも3000を超えるとされるが、掲載されるソフトの審査規定など基準がなく、倫理的に問題とされる内容も多いといわれる。
 このゲームを掲載しているパソコンネットの主宰者(22)は「折議は厳粛に受け止めたい。遺族や被害者の方の気持ちも分かるし、ゲーム自体は不謹慎だと思うが、表現の自由とのバランスの問題がおるのでしばらく検討したい」と話している。
 西垣通明治大学教授は「現在のパソコン通信などには都会で抑圧された欲望が暴発する場となる可能性があり、問題が多い。しかし法的規制をするには難しい問題もあり、当面は自主的な判断にゆだねるしかない」と指摘している。(京都新聞)
■地下鉄・松本サリンなど 5事件認める陳述へ 遠藤被告 14日初公判
 地下鉄サリン事件の殺人罪など5事件で起訴されたオウム真理教幹部遠藤誠一被告(35)と弁護人は1日までに、東京地裁で14日に開かれる初公判で、審理がスタートする犯人隠匿と麻酔剤チオペンタール密造の2事件だけでなく、今回は審理の対象となっていない地下鉄、松本両サリン事件などを含めた5事件すべての起訴事実を全面的に認める異例の意見陳述を行う意向を固めた。
 検察側が申請する教団幹部らの供述調書の証拠採用にもすべて同意した上で、これらの幹部を証人申請する法廷戦術も採用。「一連の事件の真相を積極的に明らかにしたい」としており、教祖の麻原彰晃被告(40)は一層苦しい立場に立たされそうだ。
 検察側証拠に全面的に同意した場合、弁護側立証は情状面に絞られるのが普通だが、遠藤被告の法廷ではオウム事件の全容解明のため被告・弁護側の立場から徹底的な立証を行うという異例の展開となる。
 弁護人によると、初公判ではまず、信者監禁の容疑者をかくまったとされる犯人隠匿事件と麻酔剤チオペンタール密造事件の2つについて起訴事実を認めた後、遠藤被告本人と弁護人が意見陳述し、当日審理入りしない地下鉄、松本両サリン事件と麻薬・覚せい剤密造事件についても麻原被告と共謀した事実を認めるという。遠藤被告は「他の被告をかばうことも、責任を他人に転嫁することもしたくない」と、ほう助犯の主張もしない考えだ。(京都新聞)
■JR山科駅前出店交渉 大丸が協議再開 今月から 京都市長も歓迎
 阪神大震災の影響で、JR山科駅前再開発事業の中核施設・再開発ビルB棟への出店交渉が中断していた大手百貨店・大丸(本社大阪市)と京都市との協議が今月から再開されることが1日、正式に決まった。
 大丸の下村正大郎社長が、田辺朋之京都市長に会い意向を伝えた。市は先月、B棟の起工式をしただけに「地元にとって大変喜ばしい」(田辺市長)と歓迎している。
 下村社長は、京都市中京区のホテルで田辺市長と会い「大丸の震災復興計画にも一定の明るさが見えてきた。地元の強い要請にこたえるためにも、交渉を再開したい」と述べた。
 大丸は、今年1月の震災で、神戸店が大きな被害を受け、約100億円の損害を出したため「山科への出店協議を中断したい」と京都市へ申し出ていた。
 しかし、施設の中核店舗としての役割を期待する京都市は態度を保留。先月26日には、大丸が入居する予定のB棟の起工式に踏み切った。
 また、大丸も中間決算で売り上げの減少幅が予想より少なく、見通しが立ったとして交渉再開を示唆していた。
 田辺市長は、この日の定例記者会見で「あくまでも交渉再開だが、双方の立場を理解しながら、一日も早く出店合意できるよう全力を挙げたい」と述べた。北里敏明助役も「震災までに、かなりの協議がまとまっていたので、交渉を再開すれば速やかに詰められるのではないか」との見通しを示した。(京都新聞)
■大丸出店で協議再開へ 山科駅前再開発ビル
 山科駅前再開発事業のテナントについて、大丸(本社・大阪市)の下村正太郎社長は1日、京都市に対して出店協議の再開を申し入れた。田辺朋之市長が記者会見で明らかにした。両者の話し合いは阪神大震災で中断していた。田辺市長も「一日も早く正式な出店を実現させたい」と語った。
 再開発事業は、JRと京阪の山科駅周辺の土地を整備し、新たに4つのビルを建設する。すでに商業施設などが入る「B棟」の建設に取りかかっている。
 大丸がB棟に出店することで両者は話し合いを続けてきた。出店仮契約をする寸前まで話は詰まっていたが、大丸は阪神大震災で打撃を受けた神戸店の復旧を理由に2月以降、協議中断を伝えていた。
 田辺市長は1日、下村社長らが京都市役所を訪れて「協議を再開したい」と語ったことを明らかにし、「地元も待ち望んでいる。一日も早く正式出店に全力をあげたい」と話した。(朝日新聞)
■オウム教 ガスマスク 400固注文 米議会公聴会 地下鉄事件前、米社に
 今年3月の東京地下鉄サリン事件の直前、オウム真理数が米国内の軍隊用品を扱う会社に、ガスマスク400個を注文していたことが、米上院調査小委員会の公聴会に提出された資料で分かった。
 報告書によると、ガスマスクの注文を受けたのは、ニューヨーク州内にある会社。今年1月、教団幹部からファクスで注文があった。この会社は前金として1906jの送金があった後、ロシア製と日本製など数種類のガスマスクを見本として日本に向けて送ったという。その翌月、見本と同じ品合計400個の注文があり、追加代金3195jが振り込まれたが、カリフォルニア州の運送会社の倉庫に保管中に、東京地下鉄サリン事件が発生、その運送会社が日本への運送を取りやめたという。(朝日新聞)
■地下鉄サリン事件直後 米で独自調査団組織 オウム
 東京地下鉄サリン事件直後にオウム真理教がニューヨーク支部を通じて、「事件の独自調査団に参加を」との内容の文書を、米国の不特定多数の化学や宗教の専門家にファクスで送っていたことが、現地時間で31、1の両日開かれていた米上院調査小委員会の公聴会に提出された同委員会の報告書で分かった。5月初めには、4人の研究者らが米国から来日、山梨県上九一色村の教団施設などについて教団から説明を受けて、記者会見も行っており、報告書による文書での呼びかけに応じたと見られる。
 報告書によると、この呼びかけ文は英文で五行。「関係者各位」で始まり、「東京地下鉄サリン事件の独自調査委員会は様々な分野での、中立な専門家を至急、必要としています」との内容。「興味がある人は電話を」として、ニューヨーク支部の電話番号を記している。文面ではオウム真理教とは名乗っていない。
 報告書では、この文書は「非常に多数の『専門家』あるいは『自称専門家』に送られた」としている。
 朝日新聞社の調べによると、呼びかけに応じたのは、カリフォルニア大学サンタバーバラ校研究員で民間団体・米国宗教研究所(カリフォルニア州サンタバーバラ)の所長や弁護士、化学薬品会社社長ら4人。5月3日に来日。教団の東京総本部などを訪問し、上九一色村の施設などの説明を受けたという。
 さらに同月7日に都内で記者会見を行い、「我々の調査では、オウム施設ではサリン製造は無理」「(微罪逮捕など)捜査に行き過ぎがあるのではないか」などと強調。また教団はチラシで、この一行を「アメリカの専門家がオウム真理教を調査」と紹介、「潔白」を訴えていた。
 記者会見の席上、これらの研究者らは「旅費の大半は教団が出してくれたが、調査内容の制約は受けていない」と話していた。(朝日新聞 夕刊)
■青酸ガス装置製造を認める 平田容疑者
 東京のJR新宿駅と営団地下鉄茅場町駅のトイレに今年7月、時限式の青酸ガス発生装置が仕掛けられた事件で、特別手配中に前橋市内で逮捕されたオウム真理教「諜報(ちょうほう)省」所属の平田悟容凝者(30)が2日までの警視庁の調べに対し、「自分が装置をつくった」と認める供述を始めた。
 調べでは、装置は希硫酸と青酸ソーダを別のポリ袋に入れ、時限装置のついたカッターのようなプロペラが回ると、混ざりあって青酸ガスが発生する仕組み。平田容凝者は調べに対し、2つの装置を逃走中に潜伏先のアジトでつくったことを認めているという。
 平田容疑者が一時潜伏していた栃木県栗山村のテントの近くからは、青酸ソーダ500c入りの瓶19本が見つかっている。(朝日新聞 夕刊)
3日■園部−天橋立間電化 来年3月に一番電車 トンネル拡張難工事が完成
 JR山陰線とKTR (北近畿タンゴ鉄道)宮福・宮津線の園部−福知山−天橋立間(89.1`)で行われている電化・高速化事業は、難関だったトンネル本体の改良工事がこのほど完成し、来年3月に一番電車が走る見通しがついた。京都−天橋立間は特急で1時間40分と大幅に短縮される。
 電化・高速化事業は、北部地域の活性化を目的に、電化が遅れていたJR山陰線の園部−福知山間(54.3`)と、KTR宮福・宮津線の福知山−天橋立間(34.8`)の両区間を対象に、93年7月に着工した。
 工事はトンネルや曲線の改良、駅構内の一線スルー化、信号保安設備などの整備で、難工事だったのがJR山陰線の船岡山などトンネル9ヵ所(全長1621b)の拡張。
 電化に伴いトンネルの高さを30−60a広げる工事が必要となったが、列車が毎日運行しているため、作業は最終から始発列車までの約4時間と限られた。
 近隣の民家への配慮もあり、一晩で1b前後しか進まない日もあった。
 トンネル拡張工事を含む総事業費は約160億円。府と沿線市町がJR西日本とKTRに半額を助成、残りを国の鉄道整備基金から無利子貸し付けされている。
 トンネル拡張工事の完成で、今後、信号の改良など保安設備の調整、来年1月から試運転に入り、電化開業に備える。
 所要時間は、京都−福知山間が特急で約1時間、京都−天橋立間が特急・急行で約1時間40分から2時間となり、現行より半時間から1時間ほど短縮される。
 府内の鉄道電化率は80%(94年末の全国平均53.9%)になる。(京都新聞)
■「新宿青酸事件」で 3被告近く再逮捕
 今年5月、東京・新宿の地下街のトイレに青酸ガスの発生装置が仕掛けられた事件に、オウム真理教幹部の井上嘉浩(25)、中川智正(33)、豊田亨(27)の3被告=いずれも殺人罪などで起訴=が関与していた疑いが強まり、警視庁公安部は近く殺人未遂の疑いで再逮捕する。3被告は東京都庁で青島幸男知事あての小包が爆発した事件でも、殺人未遂と爆発物取締罰則違反の容凝で逮捕されている。青酸ガス発生未遂事件で、教団信徒が逮捕されるのは初めて。(朝日新聞)
4日■新宿の地下鉄 青酸ガス事件 捜査のかく乱狙った 豊田、富永被告を再逮捕
 東京・新宿の地下鉄駅構内に5月5日、青酸ガス発生装置が仕掛けられた事件で、警視庁公安部は4日、殺人未遂の疑いでオウム真理教幹部豊田亨(27)、富永昌宏(26)両被告を再逮捕した。
 公安部は既に、両被告のほか同容疑で教団幹部井上嘉浩(25)、中川智正(33)2被告の逮捕状を取っており、都庁爆弾事件の刑事処分が決まり次第逮捕する。
 事件は教祖の麻原彰晃被告(40)の逮捕が間近に迫った時期に起きており、公安部は捜査かく乱を狙った組織的犯行とみて調べる一方、事件に関与した特別手配中の教団幹部林泰男(37)、信者菊池直子(23)両容疑者の行方追及に全力を挙げる。
 公安部によると、豊田被告は大筋で容疑を認め、富永被告は否認しているという。(京都新聞 夕刊)
■青酸ガス事件で再逮捕 オウムの豊田・富永被告
 今年5月、東京・新宿の地下街のトイレに青酸ガス発生装置が仕掛けられた事件で警視庁公安部は4日、豊田亨被告(27)=殺人罪などで起訴=と富永昌宏被告(26)=殺人未遂罪などで起訴=を殺人未遂容疑で再逮捕した。同事件にはほかに井上嘉浩(25)、中川智正(33)両被告の関与も明らかになっており、近く再逮捕する。また、地下鉄サリン事件などの殺人容疑などで特別手配されている菊池直子容疑者(23)も関与しているとみて、行方を追っている。
 調べによると、豊田被告らは5月5日夕、新宿区西新宿一丁目の地下街メトロプロムナードの男子トイレ内に、シアン化ナトリウム(青酸ソーダ)と希硫酸を別々に入れた2つのポリ袋を置き、コンドームを利用した時限発火装置で両物質を反応させて猛毒の青酸ガスを発生させ、無差別に殺害しようとした疑い。装置は通行人が反応前に発見したため青酸ガスは発生しなかった。
 2被告の供述によると、豊田被告らは4月中旬、麻原彰晃被告(40)の逮捕が近いことを察知した村井秀夫幹部(当時36)に捜査をかく乱するように指示されたという。
 村井幹部は同月23日に刺殺されたが、豊田被告らは同月下旬から八王子市内のアジトに移り、青酸ガス発生装置を製作。原料となった化学物質は菊池容疑者が山梨県上九一色村の教団施設から運び込んだ。
 当日、新宿の地下街のトイレに仕掛けたのは、中川被告ら数人と見られている。(朝日新聞 夕刊)
5日■車と市バス正面衝突 左京の国道 乗客ら8人けが
 4日午後1時50分ごろ、京都市左京区上高野北川原町の国道367号で、草津市野路町、大学院生小野一義さん(23)の乗用車がセンターラインを越え、対向の市バス=藤井信一運転手(50)=と正面衝突した。市バスは前部を中破、乗用車は大破した。市バスは左京区大原から北区の北大路バスターミナルに向かう途中で、三千院方面の観光客ら乗客11人が乗車。茨木市、草津市などの乗客5人と、藤井運転手、乗用車に同乗の女性会社員2人の計8人が顔、首、胸などに7−10日間の軽いけがをした。
 下鴨署の調べでは、大原方面に向かっていた乗用車が右カーブを曲がり切れず道路左側のガードレールに接触し、弾みで対向車線に飛び出したとみて調べている。市バスは現場で運転を打ち切り、乗客は途中下車した。
 大原・三千院の観光帰りに事故に遭った茨木市の会社員(50)は「外の景色を見ていると突然『ドーン』という衝撃があった。前に座っていたお年寄りの女性が通路に転げ落ちて『痛い、痛い』と言っていた。普通では考えられない事故だ」と話していた。(京都新聞)
6日■井上、中川両被告を再逮捕 新宿駅青酸事件 殺人未遂容疑で
 東京・新宿の地下鉄駅構内にことし5月、青酸ガス発生装置が仕掛けられた事件で、警視庁公安部は5日、殺人未遂の疑いでオウム真理教幹部の井上嘉浩(25)、中川智正(33)両被告を再逮捕した。公安部によると、両被告は容疑を認めているという。
 公安部は既に、同容疑で教団幹部の豊田亨(27)、富永昌宏(26)両被告を逮捕しており、同事件での逮捕者は計4人となった。
 地下鉄サリン事件で特別手配中の教団幹部林泰男(37)、信者菊池直子(23)両容疑者が関与していたことも判明しており、警視庁は2人の行方追及に全力を挙げている。
 調べでは、井上、中川両被告は豊田、富永両被告らと共謀し、東京都八王子市内のアパートでシアン化ナトリウム(青酸ソーダ)や硫酸などを使った時限式の青酸ガス発生装置を製造。不特定多数を殺害する目的で、5月5日午後、営団地下鉄丸ノ内線新宿駅構内の男性用トイレの個室内に仕掛けた疑い。装置は燃え上がったが、通行人らが消し止めたため被害はなかった。(京都新聞)
7日■「のぞみ」ニューフェイス公開 営業開始は来秋以降
 JR西日本が開発した「ポストのぞみ」の500系新型新幹線の顔となる先頭車両が完成し6日、神戸市兵庫区の川崎重工業兵庫工場で公開された。阪神大震災後の復旧工事の影響もあって車両全体(16両編成)の完成は当初予定より3ヵ月遅れとなり、営業開始は来秋以降になる見通し。
 先頭車両は、空気抵抗や騒音を軽減するため鳥のくちばしのような形をしており、「のぞみ」よりもスマート。車体はライトグレーで、営業開始時には窓枠などにブルーのストライプが施される。
 実験車両は新幹線で過去最高の時速350.4`を記録。営業速度は日本初の同300`の予定で、フランスの世界最高速特急(TGV)と並ぶ。新大阪−博多間を「のぞみ」より12分早い2時間19分で駆け抜ける。
 JR西日本は新型新幹線の愛称を一般から公募することも検討。「震災でダメージを受けたJRの希望の星に」と期待を寄せている。(京都新聞)
■帰宅ラッシュ時、沿線でボヤ 1時間40分不通 JR環状線
 6日午後6時25分ごろ、大阪市都島区中野町四丁目の大川にかかるJR大阪環状線の鉄橋下の廃材集積場から出火、段ボール箱や雑品などが焼けた。火は線路のまくら木にも燃え移り、28本のまくら木の表面が焦げるなどした。このため、大阪環状線は全線で運転を見合わせ、外回り10本、内回り11本が駅や線路に止まったままになった。約1時間40分後に運転再開したが、乗客の中には待ちきれず、線路を歩いて近くの駅に向かった人もかなりいた。ダイヤは同9時すぎまで乱れ、約7万5000人が影響を受けた。
 JRによると、止まった電車のうち、外回り普通電車(8両編成)は、天満−桜ノ宮間の線路上に立ち往生した。約30分後、乗客が3両目の非常用コックを使ってドアをこじ開けたため、乗客約400人が外に出て約200b離れた桜ノ宮駅に向かって線路上を歩いた。
 また、桜ノ宮駅のホームでは、環状線がストップしたため、待ち切れなくなった乗客が次々と線路に降り、京阪電鉄などの乗換駅である約1.8`離れた京橋駅まで歩いた。(朝日新聞)
■闇の中、線路とぼとぼ JRストップ 満員電車内に怒声
 6日夕、JR大阪環状線の鉄橋下で起きた火災は、帰宅ラッシュを直撃した。多くの乗客は止まった電車から次々と線路に飛び降り、闇(やみ)の中、鉄橋を渡って近くの駅まで歩いた。約1時40分後に運転は再開されたが、線路上には避難する乗客もいたという。
 午後6時半ごろ、JR天満駅−桜ノ宮駅間の大川にかかる鉄橋(長さ約191b)の手前で、環状線外回り電車(8両編成)が乗客約800人を乗せたまま立ち往生した。
 乗客らの話によると、電車が停車した時、車内は通路を行き来できないほどの混み具合だった。間もなく、火災で停車したことを知らせるアナウンスが数回繰り返された、という。
 停車して10分ほど経った時、「何やっとるんや」と、いらだったサラリーマン風の男性が大声を上げた。ジーンズ姿の若い男性2人は窓を開けて身を乗り出し、そのまま車外に飛び降りた。続いて、乗客らは非常用ドアコックを動かしてドアを開け、次々と線路に降り始めた。
 車掌は車内を回ってきたが、アナウンスの内容を繰り返すだけだった、という。
 線路に降りた乗客たちは、約200b東にある桜ノ宮駅へ向かい始めた。鉄橋を渡り、まくら木の燃えた現場を通った。現場検証していた捜査員たちも驚いた様子で線路を歩く人の列を見守った。
 桜ノ宮駅まで歩いた奈良市の女子短大生(19)は「客はみんないらいらしていた。線路に降りたら、鉄橋付近にいた保線の作業員が誘導してくれた」という。立ち往生した電車に残った大阪府寝屋川市の会社員(34)は「それほど不安はなかった。線路に降りては危ないと思い、車内に残った。でも、時間がとても長く感じられた」と疲れた表情で話した。
 桜ノ宮駅では、線路を歩いて来た乗客はいったんホームに上がったものの、再び線路に降りて京橋駅に向かう人も。ホームにいた駅員一人が「線路を歩かないで下さい」と注意を繰り返したが、線路を歩く人の列は絶えず、同駅の岡本秀夫助役は「電車の火事ではないのだから、本来、乗客に線路を歩かせるようなことはしない。人手が足らず、どうにもならなかった」と話していた。
 京橋駅に向かって、桜ノ宮駅から東約800bの地点で線路を歩いていた京都府の会社員笹雅子さん(26)は立ち往生した列車に乗り合わせていた。現場から約40分歩き通し、線路の土手下の約2bのフェンスを乗り越えてやっとアスファルト道路に降りた。
 「1.5`ほど歩いたと思う。鉄橋を渡るとき、下に川が見えて怖かった。車内アナウンスが最初はよく聞き取れず、1時間ほどして乗客が次々と降り始めた。こんな異様な体験はもちろん初めてです」
 笹さんの前後には数人の乗客が線路を歩いていたが、電車が午後8時5分すぎに運転を再開し、その側をゆっくりと通り過ぎた。京橋駅までの途中、電車は幾度か停車を繰り返し、車内で「線路を歩いている人がおりますので、確認のため停車します」とアナウンスされると、乗客が窓から外をのぞきこんでいた。
 JR西日本によると、運転再開時は、線路上に歩いている人がいないことを現場の職員が確認し、運転指令に連絡して、時速15`以下で徐行したという。(朝日新聞)
■戦闘機”顔”の新幹線、来秋デビュー
 JR西日本は6日、フランスの新幹線「TGV」と並ぶ世界最高の時速300`で走る新型超特急「500系」の製作途中の車両を公開した。空気抵抗や騒音を軽減するため、ボディーはアルミ製で、先頭の曲面部分が長さ15bもある。鋭くとがったデザインは、まるで戦闘機のよう。完成は来年1月末で、同9月以降に新幹線で営業運転を始める計画だ。
 500系は、「のぞみ」で2時間32分かかる新大阪−博多間を2時間19分で駆け抜ける。1編成16両で、定員は「のぞみ」とほぼ同じ1324人。(朝日新聞)
8日■空港線一時ストップ
 低気圧の接近に伴う強風で7日午後7時50分ごろ、大阪府泉南郡田尻町の関西空港駅で風速25bを観測した。空港島と対岸を結ぶ連路橋上を走るJRと南海電鉄の関西空港線が運行をいったん中止したが、午後9時10分ごろ風がやわらいだため、運行を再開した。上下線でJRが12本、南海電鉄は17本が運休し、計約3000人が影響を受けた。(京都新聞)
■声 女性トイレはまるで喫煙室 八尾市 中山直子(主婦 61歳)
 通勤時間帯に電車を利用したことはほとんどありませんが、先日、私用で午前8時ごろ大阪の地下鉄に乗りました。そして下車駅(日本橋)のトイレに入ったとたん、驚きました。洗面台の前に若いOLが3立ち、たばこを吸っているのです。煙がもうもうと立ち込め、気分が悪くなりました。
 用を済ませてから手を洗おうとして、またも不愉快な気分になりました。彼女たちは洗面台を灰皿代わりにしているので、中は黒い灰だらけです。
 駅が禁煙になっているからといって、トイレで喫煙されてはかないません。とかく喫煙のマナーを非難されるのは男性ですが、こうした非常識な若い女性もいるとは、嘆かわしい限りです。
 これが朝夕の光景だとしたら、どれほど多くの人が迷惑をこうむっていることでしょう。トイレの清掃員も腹を立てていることと思います。
 喫煙は他人に嫌われ、自分の健康も害するだけです。特に、やがて母となる女性たちの喫煙は慎んでほしいものです。(朝日新聞)
■金融不全C 第三部 大和銀ショック ブラックボックス 海外不良債券、見えぬ実態
 英国とフランスが昨春、英仏海峡トンネル(ユーロトンネル)でつながった。しかし、フェリーとの運賃競争に苦戦し、開業以来、営業赤字が続く。80億ポンド(約1兆3000億円)の借入金の金利負担に耐え兼ねて、経営主体のユーロトンネル社は今年9月、建設費を融資した銀行団に、向こう18ヵ月間の利払い停止を通告した。利払いは10月からストップしている。
 同社に邦銀は、37行が計2500億円を融資している。国別でトップだ。来春まで6ヵ月利払いが止まれは2500億円はそのまま不良債権に加算されることになる。
・審査の甘さ認める
 このトンネルは、1980年代半ばに、英仏両政府が音頭を取る民活事業として計画された。資金繰りが悪化した90年には、当時のサッチャー英首相が海部俊樹首相に書簡を送って邦銀の追加融資を求めるなど、極めて政治色が強いプロジェクトでもあった。
 約200億円の債権を持つ大手邦銀の担当者は当時の雰囲気を「政府主導ということで、右へ倣えで出ていった。リスク管理に甘さがあったかもしれない」と振り返る。ロンドン勤務の経験がある別の都銀関係者も「93年初めの欧州市場統合を前に、現地銀行として認めてもらいたい一心だった」と審査の甘さを認める。
 海外での不良債権の種はいくつもある。タイやフィリピンなど東南アジアやオーストラリアで、80年代末のバブル景気の真っ盛りに、日本の不動産会社が多くのリゾート案件を手がけた。その中に経営難に陥っているものがある。また、92、93年と中国で起きた空前の開発ブームに、邦銀は相次いで支店を開設し、低金利で融資競争を繰り広げた。しかし、とりわけ地方の投資信託公司が建設した豪華別荘が売れず、金利の返済が滞るケースが出始めているという。
・2、3兆円の計算に
 日本の金融機関の不良債権の総額は大蔵省の推定で約40兆円といわれる。大蔵省は、海外部門も含んだものと説明するが、その額ははっきりしない。
 邦銀では三菱銀行がただ一行、連結決算で海外の不良債権額を公表している。その95年3月期決算をみると、金利を減免している債権も含める米国基準ではじいた不良債権は1兆1228億円で、うち海外はその約6%の704億円だ。日興リサーチセンター事業調査部の笹島勝人主任研究員は、「大手銀行の海外でのロスが三菱と同じと仮定すれは、40兆円のうち海外の不良債権は2、3兆円という計算になる」という。
・「目疑う」極秘資料
 「海外の不良債権は峠を越えた」と大蔵省の首脳は話す。しかし、その根拠は「海外部門の役員の顔色が最近いい」といった程度のものだ。ある都銀系のシンクタンクの研究員は「海外の支店は、追い貸しで金利だけ払わせれば不良債権にはならない。海外での実態は本店もつかんでいないのが実情だ」という。海外での不良債権は「ブラックボックス」になっている。
 さらに、簿外の金融派生商品(デリバティブ)の存在が、海外での実態をわかりにくくしている。ある有力民間シンクタンクのエコノミストは「知り合いの米銀幹部から入手した極秘資料を見て、目を凝った」と明かす。
 その資料によれば、94年末に日本の大手21行が持つデリバティブの想定元本の残高合計は8.4兆j(約840兆円)に達している。デリバティブで失敗すると想定元本の最大10%のロスになる、と言われる。そう指摘したうえで、このエコノミストはこう予言した。「海外の業務はブラックボックスどころか、ブラックホールを生む可能性すらある」(坂井 俊彦)(朝日新聞)
■強風 湖西線が速度規制 関西空港線は一時運転中止
 8日朝から西日本一帯で高いた強い風の影響で、近畿のJR各線のうち関西空港線が一時、運転を中止するなど、午前中に3線区で影響が出た。
 関西空港線は午前6時55分ごろ、関西空港駅の風速計が25bを記録したため、空港連結橋上の運転を中止。りんくうタウン駅などで折り返し運転をしていたが、風が弱まった午前9時56分から運転を再開した。
 湖西線でも午前6時すぎ、比良−近江舞子間で30`の速度規制を行い(午前8時に解除)、特急「スーパー雷鳥12号」など上下14本の列車に5−1分の遅れが出た中山陽新幹線新幹線も午前7時半から、新大阪−新神戸間で170`の速度規制を行い、上下11本の列車が2−1分遅れた。(京都新聞)
9日■京都市バス地下鉄 運賃値上げ見送る 田辺市長が正式表明
 京都市は8日、市バス・地下鉄の運賃値上げについて、11月定例市議会に提案しないことを正式に決めた。田辺朋之市長はコメントを発表し「9月市議会で上下水道料金の改定が決まったこともあり、もう少し、市の財政状況や交通事業の抱える問題を総合的に検討したい」と、見送りの理由を説明した。しかし、「利用者に一定の負担をお願いすることも必要」との考えも示しており、来年2月市議会に提案する可能性が強い。
 これに関連して、北里敏明助役は同日、記者会見し「経営健全化に向け、今やっているものに加え何ができるかすべての分野で検討したうえで、市民の理解を得られるようにしたい」と述べ、経営努力を一層進める姿勢を強調した。
 また「来年4月に改定実施を予定していたが、これが3ヵ月ずれ込むと約5億円、赤字が増える」との見通しも示した。
 市バス・地下鉄運賃は1992年4月に値上げされたが、その後、乗客減などで財政事情が悪化。94年度決算の経常損益はバスで25億1400万円、地下鉄で110億3300万円の赤字を計上した。
 市は、経営努力する一方で値上げも必要として、11月市議会への提案を検討していた。しかし、市議会与党が「交通局の経営体質に問題がある」と提案に反対する動きを強めていた。(京都新聞)
■市バス・地下鉄運賃 値上げ案提出見送り 今議会へ田辺市長言明
 京都市の田辺朋之市長は8日、バスや地下鉄の運賃改定条例案を11月定例市議会に提案することを見送る、と発表した。
 この問題では、田辺市長が1日の定例会見で、「利用者に一定のご負担をお願いすることも検討中」と、値上げに含みを残す発言をしていた。しかし、市は、9月市議会で上下水道料金の値上げを決めたことなどから、今回の提案を見送ることにしたという。
 市バスは1994年度の経常損益で約25億円、地下鉄は同約110億円の赤字を出した。市は今後、人件費の抑制や路線の整備などを含めて検討し、値上げ時期を決める意向だ。(朝日新聞)
■床下で衝撃音 「のぞみ」停車
 8日午後9時28分ごろ、広島県福山市津之郷町付近を通過中の東京発博多行き「のぞみ25号」の床下で「ドーン」という衝撃音がした。運転士が急ブレーキをかけて停車、点検したが異常がなかったため、約15分後に再び運転を始めた。JR西日本によると、2200人が影響を受けた。(朝日新聞)
■木枯らしに運休相次ぐ
 六甲山頂と有馬温泉をつなぐ六甲有馬ロープウェー(神戸市)の有馬線(六甲山頂カンツリー駅−有馬駅)は、9日朝から最大瞬間風速18b以上の強風が吹いたため、午前9時の始発から一時、運休した。
 海の便は、大阪、神戸、洲本を結ぶ共同汽船のフェリーが、始発からストップしたが、順次運航を再開した。(朝日新聞 夕刊)
10日■京都市地下鉄運転士を募集 国籍問わず60人
 京都市交通局は、1997年11月の地下鉄東西線開業に合わせ、東西線や烏丸線の運行に当たる職員を募集する。
 募集職種は運転士で、採用予定人員は約60人。受験資格は71年6月2日から76年9月1日までに生まれた男子で国籍は問わない。来月10日に一次試験(筆記など)を同市北区の立命館大で実施、合格者に対し二次試験を行う。最終合格発表は来年3月の予定。
 受験申込書は、同市中京区の交通局壬生庁舎、市バス各営業所、地下鉄各駅で配布。申し込みは郵送で15日から24日まで(当日消印有効)。問い合わせは同市交通局管理本部総務部職員課 075(822)9118へ。(京都新聞)
■JR西日本上場見送り 売却益もあて外れ 旧国鉄債務 27億円 また膨らむ? 運輸省 穴埋め策に四苦八苦
 JR西日本の本年度内の株式上場見送りに運輸省が頭を抱えている。予定していた約3000億円の売却益が入らなくなり、穴埋め策となるJR東日本株の売却にも大蔵省が難色を示しているためだ。国鉄清算事業団の所有地もなかなか売れず、このままでは旧国鉄の長期債務約27兆円がさらに膨らみかねない。
 先月27日の上場見送り正式決定を受け、運輸省は売却益の穴埋め策を検討し始めた。今のところ浮上しているのは、JR東日本株の追加売却案。事業団が持つ150万株のうち約60万株を売れば、3000億円は確保できる。「売り出し方法も決まっているし、準備期間も短くて済む。一番現実的な方法」(同省幹部)というわけだ。
 しかし、これに難色を示しているのが大蔵省。JR西日本上場についても「市況が冷え込んでいる現段階では、株式の大量放出は困る」と主張、大型株の売り出しはとにかく避けたいのが本音だ。運輸省との話し合いでも「株価に配慮していただきたい」と追加売却に否定的な姿勢を続けている。
 東日本株の追加売却ができない場合、運輸省は清算事業団所有地の売却に力を入れる方針だ。
 100億円単位の大型物件が中心になるが、得意先の地方自治体に買い控え傾向が強まるなど状況は厳しい。(京都新聞)
■男性はねられ死亡 阪急神戸線
 10日午前5時5分ごろ、大阪市淀川区新高六丁目の阪急神戸線の十三−神崎川駅間の神崎川第一踏切近くで、梅田発新開地行きの下り線始発の普通電車(8両編成)に、線路を歩いていた男性がはねられ、死亡した。電車は現場に約9分間停車したが、後続の電車に遅れなどの影響はなかった。乗客は数人だった。
 淀川署の調べでは、現場は神崎川駅から約200b南側。男性は30歳から40歳くらい。身長155aから160a。(朝日新聞 夕刊)
11日■地下鉄青酸ガス事件 女装して仕掛けた 平田被告供述
 逮捕監禁致死罪と犯人隠匿罪で10日それぞれ起訴されたオウム真理教幹部平田悟(30)、教団信者松本小百合(36)の両被告が警視庁の調べに対し、今年7月、東京の地下鉄茅場町駅とJR新宿駅のトイレに青酸ガス発生装置が仕掛けられた事件の犯行を認める供述をしていることが分かった。装置を仕掛けた際、平田被告はかつらと松本被告の服で女装したという。
 供述によると平田被告らは7月4日、JR新宿駅に行き、平田被告が男子トイレ個室内にシアン化ナトリウム(青酸ソーダ)と硫酸などを使った青酸ガス発生装置を仕掛けた。
 その後、JR山手線に乗り高田馬場駅で地下鉄東西線に乗り換え茅場町駅で下車。女装した平田被告が同駅女子トイレにも青酸ガス装置を仕掛けたという。
 平田被告はこれまでの調べに対し「青酸ガス発生装置を作った」と供述していた。(京都新聞)
12日■湖西線ポイント故障 8本遅れ1800人に影響
 11日午後零時50分ごろ、滋賀県高島郡安曇川町のJR湖西線安曇川駅を新潟発大阪行き特急雷鳥26号が通過しようとした際、ポイントが切り替わらなくなり、同列車は駅直前で停車した。信号機室のヒューズが切れていたのが分かり、約25分後に運転を再開した。
 JR西日本によると、下りの雷鳥85号が30分遅れたのを最高に上下計8本が遅れ、乗客約1800人に影響が出た。(京都新聞)
■窓 老人半額乗車証にしては… 宇治市・橋本静夫(無職・72)
 72歳の女性が市バスの一停留所乗車について運転手に嫌味をいわれたとの投稿を拝読し、直観的に「ただより高い物はない」のことわざは現実に生きていると感じた。第二に、運転手の言動は許せないが、そんな運転手ばかりでない。敬老意識の高い「気をつけて」と声を掛ける人も少なくない。
 ところが、失礼だが大多数の運転手は多かれ少なかれ敬老乗車証の客に対して「ただの客か」という潜在意識がないといえばウソになる。
 交通局が黒字ならともかく、毎年大きな赤字を抱えている現状では、現場で働く運転手がそうした潜在意識を持たないように、当局は折にふれ敬老意識の教育を行うとともに、市バス利用の老人はエゴでなく、受益者負担の原則を考えるべきである。
 市当局はそうした事を考慮して現在の「ただより高い」無料の敬老乗車証を半額乗車証制に見直してはどうか。老人も「ただの客」と思われるのは不愉快だろう。市バス利用できる老人は、半額の敬老乗車証制度は肯定的で反対は少ないと思う。それが交通局の赤字解消と運転手の意識改革につながればと思う。(京都新聞)
13日■駅トイレに強盗 会社員切られる 朝の近鉄向島
 13日午前8時15分ごろ、京都市伏見区向島東定請の近鉄電車向島駅構内の男子トイレで、北区紫竹下岸町、会社員上松繁雄さん(35)が個室から出たところ、若い男が上松さんを個室に押し込み、カッターナイフを首筋に突きつけ「金を出せ」と脅した。上松さんが抵抗すると、男は何もとらずに走って逃げた。上松さんは右手首を切られ軽傷を負った。
 伏見署は強盗傷害事件として捜査。個室にカッターナイフが落ちており、指紋採取などをしている。男は身長約165a、20歳ぐらいで、黄色っぽいジャンパーとジーパン姿。上松さんは同駅で下車、歩いて宇治市内の会社へ出勤する途中だった。
 トイレは同駅2階の改札口近くにおり、事件当時、トイレ内にはほかに人はいなかった。約5分後、通勤客の男性が、手首から血を流して立っている上松さんに気づき、駅員に通報した。(京都新聞 夕刊)
■駅ロッカー使用停止に 大阪市営地下鉄
 大阪市は12日深夜から市営地下鉄の駅のコインロッカーを封鎖した。20日まで使用できない。
 梅田駅など30駅の計約2400個が対象で、職員が一つひとつカギを抜いて施錠した。中に入っていたものは、別の場所に移して保管した。大阪市は5月、東京で地下鉄サリン事件が起きたときにもコインロッカーを使用停止にした。(朝日新聞 夕刊)
■神戸の地下鉄 60本が遅れる ポートライナーも
 13日午前7時17分ごろ、神戸市西区学園西町一丁目の市営地下鉄学園都市駅で、停車していた西神中央発谷上行きの電車のブレーキが解除できなくなった。電車は応急処置を済ませて発車したが最大で15分の遅れとなり、上下線合わせて約60本の計約6万5000人の足に影響が出た。神戸市運輸局によると、電車の制御電源に過大な電流が流れたのが原因らしい。
 また13日午前8時33分ごろ、神戸市中央区港島中町六丁目のポートライナー市民広場駅で、駅を発車した車両が約100b進んで突然停止した。駅の係員が車両に乗り込んで次の駅まで手動で低速運転し、乗客約200人を降ろした。(朝日新聞 夕刊)
14日■男性はねられ死亡 JR河瀬駅近く
 13日午後6時45分ごろ、彦根市川瀬馬場町のJR河瀬駅近くの下り線で普通列車(長浜発−上郡行き、6両編成)に男性がはねられ、死亡した。
 彦根署の調べで、この人は線路の上に寝てはねられており、診察券などから京都市伏見区在住の男性(61)と分かった。現場は同駅北約30b。この事故で上下合わせて7本の列車が5分から30分遅れ、約1200人に影響があった。(京都新聞)
■遮断機に車 6人が死傷 兵庫・小野
 14日午前零時20分ごろ兵庫県小野市樫山町の市道で、同県美嚢郡吉川町上松、神戸学院大2回生藤田智彦さん(20)運転の乗用車が、神戸電鉄粟生線の踏切遮断機に衝突し、後部座席の小野市育ケ丘、同大2回生大須賀鉄平さん(20)が頭を強く打って約1時間後に死亡した。藤田さんと、同乗していた4人の計5人が足の骨を折るなど重軽傷を負った。(朝日新聞 夕刊)
15日■チンチン電車走った なつかしの路線3`歩こう 鉄道友の会京都支部 23日、木屋町二条〜府庁〜堀川中立売 明治期の様子学ぶ 会員の説明付き 広く参加呼び掛け
 鉄道愛好者で作る鉄道友の会京都支部(高山礼蔵支部長)は23日、日本初の電車が京都を走って100年になるのを記念し、当時チンチン電車が走っていた路線を歩く「チンチン電車の道ウォッチング」を開く。「今も、電車が走っていた時の名残のある場所もあり、当時の面影をしのんでもらえたら」と、会員以外の参加も呼び掛けている。
 日本の電車営業は、1895年2月に京都電気鉄道が、JR京都駅−伏見区下油掛間でチンチン電車を走らせたのが始まり。ウォッチングは、電車開業100周年の記念事業として企画した。
 歩くのは、1895年7月に同電鉄が3番目の路線として開業した、木屋町通二条から寺町通丸太町、府庁前を経て堀川通中立売に至る約三 。JR京都駅−木屋町通二条−南禅寺の木屋町線の枝線で、市電に買収され、1961年に廃止されるまで市内交通のかなめとして活催した。
 この区間には電車がスムーズに曲がれるよう堀川通下立売交差点の東北側が丸く造られていたり、二条通の木屋町−寺町間が線路用地を確保するため道路幅が広いなど、電車に合わせたまちづくりをかいま見ることができる。同支部の森俊朗事務局長=伏見区=は「明治期の京都のまちの様子も学べるのでは」という。
 当日は、会員らが京都の電車の歴史などを説明しながら、約3時間かけて歩く。同支部は「多くの人に京都の鉄道の歴史を知ってもらいたい」と話している。正午に、木屋町通二条東南角の歩道に集合。予約不要で、参加無料。雨天でも実施。(京都新聞)
■JR西日本、減収増益
 JR西日本が14日発表した1995年9月中間決算は、阪神大震災の影響が残ったため売上高は前年同福比0.6%減の4637億円だったが、経常利益は人件費の削減などで8.6%増の349億円と減収増益となった。
 96年3月期は、震災の影響が縮小することから売上高は前期比5.7%増の9240億円、経常利益は約2.6倍の530億円を見込んでいる。
 中間期の売上高は、新幹線の全線復旧が4月上旬に食い込み100億円余りの減収になった。利益面では社員出向やボーナス抑制による人件費削減などで、経費全体の約1%に当たる40億円を圧縮したことが寄与した。(京都新聞)
■空港リムジンバス運賃値上げを申請
 大阪空港交通(池田市)は14日、大阪空港(伊丹)と近畿の各地を結ぶリムジンバスの運賃について、平均23.7%の値上げを近畿運輸局に申請した。関西空港の開港に伴い利用客が半減、合理化を進めたが経営が厳しくなったため、としている。
 認可されると、約2年ぶりの値上げとなる。大阪空港と大阪駅前、なんば、あべの橋など大阪市の中心部との間が現行の510円から620円に、神戸三宮との間は830円から1040円に、京都駅南口との間は1040円から1290円となる。(京都新聞)
■運賃値上げを申請 大阪空港バス
 大阪空港交通(本社・大阪府池田市)は14日、大阪空港と大阪、神戸、京都、川西の各市内を結ぶ乗り合いバスの運賃を値上げするため、近畿運輸局に申請した。認可されれば12月中旬から、新運賃で運行する予定。
 申請によると、値上げ率は平均23.7%。大阪、なんば、近鉄上本町、あべの橋の各駅前までの区間は510円から620円に、神戸(三宮)は830円から1040円に、京都二条城前は1040円から1290円になる。
 同バスの利用者は、去年9月の関西空港開港の影響で激減し、今年6−8月の3ヵ月間は前年比半分以下の130万人。このため、現行の運賃では経営が厳しく、値上げに踏み切ったという。(朝日新聞)
■車内禁電へ「注意カード」作戦 東海道新幹線 携帯対策「デッキでどうぞ」 電光掲示板やポスターも活用
 「携帯電講のご使用はデッキでお願いします」−新幹線に乗ると必ず耳にするアナウンス。ところが、座席で掛ける人は減らず、ほかの乗客とのトラブルが絶えない。このためJR東海は、徹底した「禁電」作戦に乗り出した。座席で掛ける人を見かけたら、すかさず「注意カード」を手渡し、車内の電光掲示板でもデッキでの使用をアピールしている。新幹線の車内では、たばこ同様、携帯電話も肩身の狭い思いをしそうだ。
 携帯電話のデッキでの使用を呼びかける車内放送は1991年3月から、東海道新幹線の車内で続けている。しかし、「隣の座席で掛ける声がうるさい」「呼び出し音が鳴り続け耳障りだ」といった苦情が絶えない。8月には座席での使用を注意したのをきっかけに客同士がけんかになり、お互いがけがをする騒ぎも起きた。
 このため同社は今秋、デッキでの使用を徹底させる「禁電」作戦に乗り出した。その@は、座席で掛けている乗客に「ご面倒さまですがデッキでお願いいたします」と書かれたカードを手渡す作戦。口頭では通話中に割り込めないために考え出した策で、効果はほぼ100%。
 そのAは電光掲示板作戦。ニュースなどの文字放送の合間に、注意文を流し、乗客の目を引き付ける。そのBはポスター。500枚を作製し、16駅のコンコースなどに順次振り出している。
 同社運輸営業部は「新幹線はビジネスマンが6、7割を占め、携帯電話が普及していることを考えると、強制的に締め出すことはできなくなった。静かな空間で気持ち良く旅行してもらうためには、マナーを守ってもらうしかない」と話している。(朝日新聞 夕刊)
16日■JR尼崎駅の新駅舎完成
 JR西日本は15日、尼崎駅(兵庫県)の駅舎橋上化工事が終わり、25日からエレベーターなどを設置した新駅舎の使用を開始すると発表した。阪神大震災の影響で予定より1ヵ月遅れの完成。
 新駅舎は3階建て、延べ2800平方 。尼崎市に関係の深い近松門左衝門ゆかりのデザインが施され、ホームは従来の3面から4面になった。(京都新聞)
17日■窓 足弱い人には敬老パス重宝 中京区・藤原辰三郎(自営業・70)
 老人の市バス一停留所乗車について、私見を述べたいと思います。
 私は昨年より敬老乗車証を頂きましたが、車の運転をしますのて、バス利用は少なく、先方に駐車スペースの少ない場所に行く時のみ地下鉄を時々利用しております。
 健康な私にとって、一停留所乗車は奇異な感じがしましたので、最近足の不自由な人からお話を聞きました。自宅からバス停までと降車後の目的地までの道のりは、歩行不自由な老人には、たとえ一停留所でもバスを待って乗車したいという気持ちがよく理解できました。
 外見は健康そうに見えていても、歩行に悩んでいる人が意外に多いのです。また自分の足を鍛えようと京都御苑や二条城周辺を毎日歩きつづけている老人たちを多く見受けます。
 私の友人に、京都市生まれで長年、都心部へ通勤している人がいますが、住居地が他市のために乗車証がもらえず、この京都市の制度はせん望の的になっています。
 老人たちは朝夕のラッシュ時は敬遠し、通院や買い物に利用して「助かります」との感謝の言葉が絶えず口から出ています。市の福祉重視の施策に心からお礼申し上げる次第です。(京都新聞)
■神戸市地下鉄ダイヤ乱れる 車両故障で一時不通
 17日午前9時33分ごろ、神戸市中央区加納町一丁目の神戸市営地下鉄・新神戸駅で、発車しようとした谷上発名谷行き普通電車(6両編成)が、突然停止した。同10時20分ごろから運転を再開したが、ダイヤは大幅に乱れた。
 市交通局は今のところ、過電流によるトラブルとみている。JR山陽新幹線との接続駅で、約2万人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
■神戸電鉄が値上げ
 神戸電鉄(本社・神戸市)は17日、近畿運輸局へ運賃値上げの認可を申請した。平均値上げ率は15.4%。阪神大震災の影響や学生数の減少などを理由に挙げている。主な区間の申請運賃は次の通り。(カッコ内は現行運賃)
 湊川−鈴蘭台330円(290円)▽湊川−有馬温泉530円(470円)▽湊川−三田600円(540円)▽湊川−三木580円(520円)(朝日新聞 夕刊)
18日■窓 駅舎工事中といえ… JR京都駅 危険で不便 左京区・芦田 理(年金生活者・60)
 いかに新駅舎建設工事中とはいえ、JR京都駅の現状は利用者にとってあまりにひどい。第一に1番ホームの長い通路が歩行者、乗客にとって狭すぎるので、線路へ転落しそうになり、危険このうえない。
 次にメーンルートの東海道線、府民の足である山陰線に乗るのに、エレベーターもエスカレーターもないので、障害者、高齢者にはほとんど利用しがたい状況だ。また工事中の騒音で案内放送が十分聞き取れないし、出発ホーム変更の表示も不十分で見落とすのが普通の状態だ。間違えて何度も往復するうち、クタクタになってしまう。何しろ階段を上下しなければならないのだから。
 そして構内は、まるで迷路のようである。困って助けを求めて、ホームへの行き方を知りたいのだが、あたりに駅員というものが全然見当たらない。
 そもそも国鉄時代、あんなに親切に案内してくれた職員を、どうしてJRになって、こんなにも減員したのか。さらにいえば、トイレや電話を探すのにも大変な苦労がいる。極言すれば現京都駅は障害者等には、列車に乗るな、と言っているようなものだ。なんとか当面、臨時的でもいいから改善措置を望む。(京都新聞)
■新幹線4本遅れる 運行表示盤に異常
 18日午前8時すぎ、JR西日本東京指令所にある新幹線運行表示盤の山陽新幹線下り小倉−博多間の個所に、いないはずの列車が止っているような表示が表れた。指令所は表示が出た福岡市東区付近の送電を一時止め、別系統からの送電に切り替える作業をした。
 この送電停止にともない、博多発東京行き「のぞみ8号」など、上下4本が14分から3分遅れ、約1500人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
19日■黒部のトロッコ電車 4ヵ月ぶり全面開通
 この夏、富山県・黒部川上流部を襲った集中豪雨で線路や橋脚に大被害を受けた、黒部峡谷の観光名物トロッコ電車が18日、約4ヵ月ぶりに全線20.1`の運転を再開した。紅葉と白く冠雪した山々、渓谷の真っ青な川面を見ながら、ゴトゴト走る赤い電車に、観光客も思わず拍手、歓声…。宇奈月温泉など地元関係者もほっと胸をなで下ろしていた。(朝日新聞)
20日■車で来られず花嫁は電車に
 APECの厳戒態勢で、搭乗客以外の市民が車で来島することが禁じられている関西空港島のホテルで大安の19日、4組の結婚式があった。このうち、いずれも大阪府貝塚市内に住む会社員南河秀昭さん(29)と佐竹美佐代さん(28)のカップルは、羽織はかまと白無垢(むく)を着たまま、南海電鉄の特急「ラピート」に乗って空港島に入った。
 新婦の地元には、結婚式の前に白無垢姿で、新郎宅を訪ねるしきたりがあり、自宅で装って南海岸和田からラピートに乗った。
 秀昭さんは「5月に式を予約しました。まさか電車で来ることになるとは」。一方、美佐代さんは「大勢の人たちに、花嫁姿を見てもらって光栄です」。(朝日新聞)
■14%の値上げ申請 山陽電鉄
 山陽電鉄(神戸市長田区)は20日、平均14.7%の運賃値上げを運輸省に申請した。前回の改定は昭和61年9月。
 同電鉄は値上げの理由を「阪神大震災による沿線の旅客需要の減少で、経営状態の悪化が予想されるため」としている。
 申請では、初乗り運賃を現行の130円から150円に、主要区間では西代−明石間(15.7`)が現行の360円から430円になる。(京都新聞 夕刊)
■山陽電鉄値上げ申請 平均14.7%
 山陽電鉄(本社・神戸市)は20日、近畿運輸局に運賃値上げの認可を申請した。平均値上げ率は14.7%。阪神大震災で約60億円の被害を受け、地震前より10%以上も旅客数が落ち込んだことを理由に挙げている。
 主な区間の申請運賃は次の通り。(カッコ内は現行)
 西代−須磨180円(160円)▽西代−明石430円(360円)▽明石−姫路680円(590円)▽西代−姫路790円(720円)(朝日新聞 夕刊)
■タイ首相、地下鉄を見学
 アジア太平洋経済協力会議(APEC)で大阪を訪れたタイのバンハーン首相が20日午前、大阪市営地下鉄を視察した。
 首相は西尾正也市長に案内されて大阪市鶴見区の市交通局鶴見検車場で臨時電車に試乗し、鶴見緑地駅へ。鶴見緑地線の運転指令所で、運行システムの説明を受けた。
 タイの首都バンコクは交通渋滞がひどく、地下鉄建設も検討されている。当初の予定には入っていなかったが、「先進的なシステムを参考にしたい」と首相が希望し、見学が実現した。(朝日新聞 夕刊)
21日■赤字膨らむ市バス 横大路営業所 隣接市(向日・長岡京)乗り入れ検討 京都市会で答弁 抜本的改善策が必要
 11月定例京都市議会は20日、本会議を再開し一般質問を行った。答弁の中で田辺朋之市長は、21世紀の京都のまちづくりの基本方向を示すグランドビジョン(新京都市基本構想)について、「市民参加の方策も検討し、今世紀中に策定したい」と述べ、市民の声を幅広く反映していく意向を明らかにした。
 1983年に策定された現在の基本構想は2000年までが目標で、新基本構想を策定する必要があるため、本年度から基礎調査を始めている。田辺市長は、地方分権の推進も念頭に「街づくりに果たす市民の役割が大きくなっている」と述べた。
 赤字が膨らんでいる市バス横大路営業所について、北里敏明助役は「抜本的な改善策が必要で、隣接する向日市、長岡京市への乗り入れを含めた総合的な走行環境改善も検討していきたい」との方針を示した。
 同営業所は、南区のほぼ全域と伏見区の一部が営業エリアだが、乗客減などで大幅な赤字を出し経営の見直しが迫られている。一方で、向日市などから、市バス乗り入れを求める声も強く、事務レベルでの協議が行われている。
 また、JR奈良線の稲荷駅−桃山駅間で新設工事が進む「深草新駅」(仮称、伏見区大亀谷大山町)について、北里助役は97年3月に完成することを明らかにした。同駅は電車の行き違い施設を備えた橋上駅で総事業費約13億円。90年12月に駅の位置が決まったが、用地買収などが遅れ今年3月に着工した。
 このほか、都市計画道路の整備について、同助役は「一定の見直しが必要な時期を迎えている」とし、長期ビジョンの策定に早期に取り組む方針を示した。(京都新聞)
■JR「片福連絡線」の最経工程 淀川トンネル貫通へ 30日に発破、全長2.3`
 JR片町線と、同福知山線を大阪市内で結ぶ「片福連絡線」の建設工事のうち、最終工程に当たる淀川トンネル(2.3`)が、今月30日に貫通する。淀川の下を鉄道トンネルが通るのは、これが初めて。貫通式は30日朝、大阪市西淀川区の同トンネル坑内で行われ、関係者約80人が出席して最後の発破をかけ、完成を祝う。
 片福連絡線は片町線・京橋駅と福知山線・尼崎駅を結ぶ全長12.3`の鉄道で、平成元年から総事業費約400億円をかけ、工事が進んでいる。
 全線の約80%に当たる10`部分がトンネルで、これまで6つの工程に分け掘り進められてきた。
 淀川トンネルは、その最終工程部分で、区間は大阪市福島区の野田阪神から、西淀川区の歌島橋まで約2.3`。トンネルの直径は約7bあり、坑道は深いところで淀川の下約30bを走っている。
 淀川トンネルの貫通で、同連絡線工事は最後のヤマを越え、今後は平成9年春の開通を目指し、線路敷設などの施設工事に移る。(京都新聞)
■窓 バスの排ガス早急な改善を 吹田市・山崎太郎(元教員・73)
 ターミナルなどでバスを待っている時、発着する車からよく排気ガスを吹きつけられる。見ると排気管を左後ろにつけている車が多く、右後ろにつけている車よりもその分近くからバス停や歩道の人間に向けて排気ガスを吹きつけてくる。
 しかも排気中にNOxなどの有害物を多く含むディーゼル車の中に、特に左排気が多いようだ。もしこれが右排気であれば距離の2乗か3乗に比例して、吸わされる排気ガスが減り、日本でいま増加中だといわれる肺がんや循環器病をもっと減らせるのではないか。
 毎日バスターミナルで排気ガスを吸わされる通勤者は、将来がんや成人病にかかる危険にそれだけ余分にさらされることになり、早急にこの点を改善してほしいと思う。(京都新聞)
22日■2年間は運賃値上げ不必要 JR西日本社長見通し
 JR西日本の井手正敬社長は21日、当面の運賃値上げの可能性について「少なくとも来年度、再来年度の2年間は実施しなくても済む」との見通しを示した。
 JR各社では、北海道、四国、九州の3社が先月24日に値上げを申請。民営化以来、値上げを実施していない西日本などの動向が注目されていた。
 21日の記者会見で、この問題に触れた井手社長は「96年3月期の経常利益が530億円見込めるうえ、個人消費なども徐々に回復している。この調子で経営努力を続ければ、来年度から2年間は運賃改定はしなくてよいと思う」と述べた。
 ただ、同社は、97年度に、片福連絡線と京都駅ビル建設の二大事業が完成し、固定資産税など新たな支出負担を抱える。とくに片福連絡線は、経営主体の関西高速鉄道に、毎年約140億円のリース料を支払うことになっている。
 この日の会見で井手社長は「2年後は分からない」とも語り、98年度以降の早い時期の値上げに含みを残した。(京都新聞)
■「緑の帯」で線路補強 神戸のJR山陽線
 阪神大震災で被害を受けた神戸市長田区を横切るJR山陽線をはさんで、2本の深緑の帯が延びている。長さ約700b、面積約6000平方b。線路ののり面の盛り土を固めるこのグリーンベルトは、鉄道総合技術研究所が開発した「人工芝」だ。
 JR西日本神戸支社によると、従来のコンクリート製ブロックは、震災でほとんどが崩落した。「従来のままでは大地震に耐えられない」と、より軽く耐久性に優れた素材を求めた結果、人工芝に白羽の矢が立った。防水や防炎効果にも優れている。(朝日新聞)
■「97年度末まで 値上げしない」 JR西日本社長
 JR西日本の井手正敬社長は21日、大阪市北区の本社で記者会見し、1997年度末まで運賃値上げしない方針を明らかにした。9月中間決算で、通期で530億円の経常利益が見込まれるなど経営が上向いているため。関西の大手私鉄5社は9月に運賃を値上げしており、97年度末までに再び値上げすれば、私鉄よりJRの方が安くなる区間がさらに増える。
 井手社長はこれまで、運賃を据え置く期間を「今年度」としていたが、「2年くらいは運賃改定する必要はない」と話した。(朝日新聞)
24日■新幹線 禁煙車優勢に 東海道・山陽来年3月から 16両中3両増え10両
 東海道・山陽新幹線の禁煙車が、喫煙できる車両より多くなる。JR東海とJR西日本は来年3月のダイヤ改定時に、同新幹線の主な編成(16両)で現在7両の禁煙車を、3両増やして10両にする方針を固めた。喫煙できる車両の割合は約6割から4割弱に減り、両者の割合が開業以来30年余でついに逆転することになる。新幹線の禁煙化は嫌煙運動の象徴ともなっていただけに、公共の場から煙を閉め出す風潮が、さらに加速されそうだ。
 現在、「ひかり」の主な編成では、16両中7両が禁煙車だが、今回の改定では自由席、指定席、グリーン席それぞれ1両ずつ禁煙車を増やして10両にする。「のぞみ」「こだま」もほぼ同様にして、禁煙車を10両にする。
 「こだま」では、現在、グリーン車が1両しかない縮成が主で、半分の座席だけを禁煙にする「部分禁煙」にしているが、「煙が流れてくる」という苦情が相次いでいるため、今回、全面禁煙に踏み切ることにした。喫煙者には、デッキに喫煙コーナーを設置することを検討している。
 また、現在「ひかり」の自由席の禁煙車は1、2号車で、ホームの端まで歩かないと乗車できなかった。禁煙車を好む人は子ども連れ、女性、老人らが多いため、その点に配慮して、今回の禁煙車拡大では5号車を禁煙車にするという。
 東海道・山陽新幹線は、ビジネス利用客が半数以上に上ることなどから、JR東海、JR西日本では禁煙席の拡大に慎重な姿勢を見せていた。また、喫煙できる車両を減らすと、1車両当たりの喫煙者の割合が増えて、車内環境が悪化する可能性も懸念されていた。
 だが、ここ数年、車掌や駅員に「禁煙席が少ない」という苦情が多く寄せられるようになった。年末年始や夏休みの繁忙期には、禁煙車から先に予約が埋まっている。こうした乗客の禁煙席志向が無視できなくなり、「禁煙拡大」に踏み切ることにした。(朝日新聞)
■災害時の誘導「任せて」 阪急の車掌が地図作り 宝塚線 震災教訓 電話など案内
 阪神大震災の発生時に阪急電車に乗務していた車掌たちが、当時、乗客が必要とした情報を盛り込んだ「列車駅間停車時の乗客避難誘導マップ」をつくった。対象は阪急宝塚線で、沿線の公衆電話やトイレなどの位置を歩いて確認し、地図上に示した。日本鉄道運転協会(東京)によると、列車が駅間に立ち往生した場合を想定して作製された地図は全国の電鉄で初めてという。
 マップはA6判で、50部作製した。いざという時に備え、乗務員が制服の内ポケットに入れている。
 阪急宝塚線の車掌金岡克任さん(26)ら車掌15人でつくるグループ「車内放送研究会」は3月、震災発生時に阪急電車に乗っていた乗務員に聞き取り調査をし、乗客からどのような要望があったのかをまとめた。その結果、「電話をかけたい」「トイレに行きたい」「病院に行きたい」「おなかがすいた」などの内容が挙がった。
 沿線付近の道路を実際に歩き、公衆電話やトイレ、病院、コンビニエンスストアなど、要望にこたえるために必要な施設の位置を確認して地図に示した。同時に、崩壊や冠水の危険がある踏切や道路も調べた。聞き取り調査からマップの完成まで約半年かかった。
 震災発生時、阪急電車は35本が営業運転していたが、16本が駅間で立ち往生し、うち3本が脱線した。金岡さんは、宝塚線の梅田発宝塚行き普通電車に乗務し、川西能勢口駅の手前で地震が起きた。約50人の乗客を運転台から降ろし、ホームまで誘導した。「避難誘導は乗務員の判断にゆだねられており、大災害発生時における乗客のニーズが何であるかを考えなけれはならないと痛感した」と話している。(朝日新聞)
■長田「テント村」のベトナム人 地下鉄工事”立ち退き” 行き場なく、不安抱え
 阪神大震災の被災地で避難者が暮らす最大の「テント村」になっている南駒栄公園(神戸市長田区)の真下を通る市営地下鉄海岸線の工事が」年明けにも本格化することになり、避難生活を送ってきた日本人とベトナム人ら約50世帯の125人は、今後の生活に不安を募らせている。工事予定地に住んでいた約20世帯のベトナム人らは一部を除き、とりあえず公園内の別の場所にテントや小屋を移した。
 昨年から工事が始まった海岸線は、三宮−新長田間約8`を結ぶ。建設費は約1800億円で、1999年3月、開業予定だ。震災後、改めて市街地復興の起爆剤と位置づけられ、周辺に大規模な集客施設などの建設計画も盛り込まれた。約1万5000平方bの同公園の北西部約3000平方bは、変電所や「掘削基地」として、地表から十数b掘り下げられることになった。
 工事区域の約20世帯は、着工を前に立ち退くことで市災害対策本部と同意し、2、3世帯を残して、工事区域でない公園の南側半分に移動した。
 その中で、グエン・バン・チャウさん(34)一家3人は、工事区域の中の仮設小屋の「自宅」に残ったままだ。工事が本格化する来年にはいやおうなく立ち退きになるが、「今は、ぎりぎりの生活で費用が工面できないし、仕事は休めない」と考え込む。移った人たちも、着工後の騒音や振動などに不安を抱く。
 神戸市には震災前、関西では最も多い約740人の定住ベトナム人が住んでいた。その多くが長田区を生活の拠点にしていた。震災後、南駒栄公園に避難した多くのベトナム人が、そのまま公園で生活を続けている。彼らの主な職場となっているケミカルシューズ工場などが周辺に多く、ベトナム人コミュニティーがある長田から離れて、郊外の仮設住宅などに移れない事情があるからだ。
 チャウさんは、いったんは西区の仮設住宅に入居を決断していた。しかし、10月上旬、一人娘のチーちゃん(1つ)が風邪をこじらせ、高熱で意識不明となった。妻は日本語がほとんど話せず、職場の工場から駆けつけたチャウさんが、近所の病院に運んで、ようやく一命をとりとめた。
 「これが遠くの仮設住宅だったら、妻はどうしたらいいか分からず、娘の命も危なかった」と不安が募り、チャウさんは公園内で生活を続けることにしたという。
 市は空いている仮設住宅へのあっせんを続けているが、10月以降、公園からは3世帯が応じただけだ。
 前自治会副会長の渡部幹生さん(58)は「市が着工するというなら同意せざるを得ないが、他の工区の工事を先行させれば、公園内の工事は1年くらい延ばせたのではないか。生活が再建できるまで、もう少しそっとしておいてほしかった」と話している。(朝日新聞 夕刊)
25日■冬季と年末年始ダイヤ発表 KTR
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)=事業本部・宮津市は、冬季旅客輸送期間(12月1日−2月29日)と年末年始旅客輸送期間(12月28日ー1月8日)のダイヤを発表した。
 特急「タンゴ・エクスプローラー」は冬季期間中の土・日曜日にあわせ「味めぐり、タンゴ・エクスプローラー」として24本を増発する。下りは京都−久美浜、上りは豊岡−京都で、いずれも大阪経由。年末年始には、12月30日−1月5日(元日を除く)の間、京都発大阪経由の特急「タンゴ・エクスプローラー」を1往復増発する。
 問い合わせは、KTR宮津旅行センター0772(22)3308まで。(京都新聞)
■京都駅地下街「ポルタ」増床 石塀小路を伝建地区に編入 府都計審が15議案承認
 府都市計画地方審議会(会長、天野光三・京都大名誉教授)は24日、京高駅北口の地下街「ポルタ」の増床や、東山区の石餅(いしべ)小路地区の産寧坂伝統的建造物群保存地区への編入、桂川右岸の下水道の建設など、15議案を承認した。
 京都駅地下街「ポルタ」には、歩行者の利便を図るため、2本の地下道を新たにつくり、店舗面積は約2000平方b増やす(現在は約8000平方b)。
 東山区下河原町の石塀小路は古都らしい情緒で和られる。幅3.5−4bの石畳の小道に沿って、1.5bの高さに石塀が積まれていることから、この名がある。総延長約300bで、住宅、料理店、お茶屋が軒を連ねている。京都市の市街地の伝統的建造物群や周辺環境を保存するために編入する。産寧坂伝統的建造物群保存地区はこれまでの約5.3fから約8.2fに拡大する。
 雨水をためる下水道は急激な都市化で浸水被害が発生している京都市と向日市、長岡京市の桂川右岸で2本(延長約4960b、同約3770b)、伏見区で1本(延長約7170b)が決定した。
 このほか、亀岡市のJR並河駅西側の計約19.2fの土地区画整理事業▽ごみの分別をして再利用を図る舞鶴市リサイクルプラザの建設▽峰山町の下水道整備−などが認められた。(朝日新聞)
■窓 運転手さんの心遣いに感謝 右京区・安藤初音(無職・84)
 私は変形性膝(ひざ)関節症のため、退院後毎日通院している者です。13日午前9時30分発27号系統のバスに西ノ京藤ノ木町から乗るべくツエをたよりに、おぼつかない足取りでバス停にむかって歩いておりました。新二条通に出たとたん市バスが走って来ます。バス停まで20b余り、何とか乗車したいと思い、タクシーを止める時のように片手を上げてバス停に向かいましたが、乗客は2人しか持っておりません。一生懸命歩きましたが10b位の近さでバスが動き出しました。もうだめだと断念して歩くのをやめました。ところがバスの運転手さんが私の目の前で降り口のドアを開けてくださったのです。
 私はびっくりして、思わずありがとうございますと言って乗らせていただきました。車中の乗客もその親切さにびっくりなさったことと思います。
 二停留所先で降りましたのでお名前を見る間もなくお礼を言って降りましたが、運転手さんは丁寧に会釈して発車なさいました。運転手さん本当にありがとうございました。いつまでもこの感激は忘れることができません。(京都新聞)
■特急と衝突の運転手に有罪 脱線事故招く
 神戸市須磨区のJR山陽線で1992年4月、線路内に転落した大型トレーラーに、寝台特急「さくら」が衝突して脱線横転し、乗客ら15人がけがした事故で、業務上過失傷害罪などに問われた兵庫県姫路市飾磨区、トレーラー運転手長田英夫被告(52)に対する判決公判が24日、神戸地裁であった。吉田昭裁判官は「制限遠度や車間距離などの注意義務を怠った」として、禁固1年、執行猶予3年「罰金5万円(求刑・禁固1年、罰金5万円)を言い渡した。長田被告側は控訴する方針。(朝日新聞)
26日■線賂上にブロック 東海道線・茨木駅
 25日午後4時40分ごろ、茨木市のJR東海道線茨木駅付近で、姫路発米原行きの上り新快速電車(12両、乗客約500人)の運転士が走行中、異常音を感じ停車した。運転士らが確認したところ、線路上に砕けたコンクリートブロックの破片が散乱していた。
 電車に異常はなく約15分後に運転を再開した。上り電車計6本が遅れ、約2500人が影響を受けた。
 茨木署は何者かが線路にブロックを置いたものとみて調べている。(京都新聞)
28日■電車に車衝突、けが 東山の京阪・京津線
 27日午後9時48分ごろ、京都市東山区三条通川端東入ルの京阪電鉄京津線の軌道上で、伏見区醍醐外山街道町、美容師見習い沢田武さん(23)の乗用車と浜大津発京阪三条行き準急電車=掘口郁生運転士(39)=が衝突。沢田さんは顔などにけが。乗客約30人にけがはなかった。
 松原署の調べでは、沢田さんの車が軌道敷内を走行してくるのを掘口運転士が発見し、ブレーキをかけたが間に合わなかったといい、詳しい原因を調べている。準急電車は現場に22分間停車した。(京都新聞)
■大阪地下鉄 御堂筋ストップ 軌道から煙 20万人に影響 朝のラッシュ時
 28日午前6時40分ごろ、大阪市営地下鉄御堂筋線の梅田−淀屋橋間で、上り線の軌道の間から煙が出ているのを運転士が見つけた。連絡を受けた梅田駅員らが間もなく消し止め、乗客らにけがはなかった。
 このため同線は午前7時、相互乗り入れしている北大阪急行電鉄とともに千里中央−中百舌鳥(なかもず)間の全線で運転がストップ。8時半すぎに運転が再開されたが、上下線計57本が運休、通勤、通学客約20万人に影響が出るなど、朝のラッシュは大きく混乱した。
 同市交通局の調べによると、火災があったのは梅田駅南端から南へ約200bの地点。車輪がきしむ音をたてないようにレールに注油する「塗油器」付近から煙が出ており、塗油器に付着したほこりなどに何らかの火が引火し、軌道内のケーブルにも燃え移ったらしい。同市消防局などが原因を調べている。
 同線は大阪府北部と南部のベッドタウンを結び、大阪の2大ターミナルの梅田と難波を経由、1日約253万人が乗り降りする大阪の”大動脈”。梅田駅では地下鉄四つ橋線、谷町線など他の路線や、JR大阪環状線などに振り替えを案内したが、JRや私鉄から乗り換えようとした客で混雑。天王寺駅などもJRへの振り替え客でごった返した。(京都新聞 夕刊)
■御堂筋線ストップ ターミナルに長蛇の列 乗客 うんざり、ため息
 28日早朝に大阪市営地下鉄御堂筋線で起きた火災。朝のラッシュ時と重なったことから、梅田駅など大阪の各ターミナルは、会社や学校に急ぐサラリーマンや学生らで大混雑した。
 梅田駅は午前8時ごろからラッシュのピークに。続々と地下街に降りてきた乗客は「全線ストップ」の案内に「えっ?」「あーあ」と声を上げた。駅員らはJRなどへの振り替え乗車券や遅延証明書を配るなど対応に大わらわ。乗客数百人が改札の前に列をつくり、運転再開を待った。
 8時15分すぎに運転再開の放送があったものの、数分後に「間違いでした」と取り消され、乗客はまたため息。吹田市に通勤する京都市内の会社員(43)は「とにかく待つしかないですね」とあきらめ顔だ。
 8時半すぎにようやく運転再開、すし詰め状態の電車が次々発車したが、今度は乗り切れない人でホームは大混雑。混乱を避けるために改札口を一部制限したため、改札前には再び長蛇の列ができた。隣駅の淀屋橋へ向かう男性客(29)は「3本目でやっと乗れました」とやれやれといった表情で話した。(京都新聞 夕刊)
■梅田でボヤ ラッシュ時の御堂筋線 57本運休 20万人迷惑
 28日午前6時37分ごろ、大阪市営地下鉄御堂筋線梅田駅(大阪市北区角田町)の南約200bの上り線レール付近から出火しているのを、走行中の下り線電車の車掌が見つけた。運転指令所からの通報で梅田駅から職員が駆けつけ同56分ごろ消し止めたが、軌道内から伝わった煙が梅田、淀屋橋両駅にも流れ出し、御堂筋線はすべての電車が最寄り駅で止まった。大阪市交通局はほかの路線やJR大阪環状線で振り替え輸送をしたが、通勤・通学時間帯だったため、各駅は一時、大混雑した。御堂筋線は午前8時32分から運転を再開したが、上下計57本が運休し約20万人以上に影響が出た。午前11時45分に、同線は通常ダイヤに戻った。
 この影響で沿線の各駅は運休を知らずに次々にやってくる人や、延著証明書を求める通勤、通学客で大混雑。大阪市内の高校などでは遅刻者も続出、始業時間を繰り下げる学校も出た。
 火災現場に近い梅田駅には、白煙が駅構内まで流れ込み、ホームにいた約200人の乗客が一時避難した。
 大阪市交通局によると、出火場所は急なカーブで、車輪との摩擦や、きしみ音を抑えるためにレールに流す潤滑油の受け皿(幅40a、長さ2b)がレールをはさんで2個置かれている。この受け皿が2つとも燃え、カーブでの電気抵抗を調節するバランスワイヤ(直径約1.5a) の表面も約2bにわたって焼けた、という。
 消火に当たった梅田駅の職員によると、高さ1bほどの炎があがり、軌道内約50bにわたって白煙が充満し、奥が全く見えない状態だった。
 バランスワイヤの機能は損なわれていなかったが、表面の塩化ビニールがこげるなどしていたため復旧に時間がかかったという。
 潤滑油はレールの内側に取り付けられた「塗油器」から、電車が4本通過するたびに噴き出す仕組み。月に1回保線職員が約20−30リットルの油を取り換えるとともに、受け皿の清掃をしていて、27日午後に作業をしたばかりだった。塗油器は同線に計27台置いてあるが、これまで火災が起きたことはない、という。
 大阪市交通局はレールの外側約70aのところにある送電線から出た火花が受け皿付近の油やほこりに引火したのではないか、とみて原因を調べている。
 御堂筋線に乗り入れている北大阪急行の千里中央駅では、阪急バスが急きょ、並行して走る阪急千里線北千里駅までのバスを増便して振り替え輸送に協力。京阪、南海や近鉄の終点で御堂筋線への乗り換え客の多い淀屋橋、なんばの各駅などでは駅員らがほかの地下鉄への誘導に追われた。(朝日新聞 夕刊)
■御堂筋線のボヤ 通勤直撃、商都の朝混乱 乗客「いつ動くんや」 沿線各駅にもあおり
 地下鉄内の火事が通勤・通学客20万人以上の足を奪った。28日朝、大阪・梅田近くで発生した大阪市営地下鉄御堂筋線の火災。通勤ラッシュの時間帯と重なったため、沿線のターミナル駅では足止めを食った乗客があふれ、駅員にくってかかる人も。「事情が分からない」「いつになったら動くのか」。乗客は振り替えバスや他の交通機関に乗り換えたが、会社や学校に遅刻をする人が続出した。
 ◆ターミナル
 火災は現陽を通過した電車の運転士が煙を見つけて運転指令所に通報。連絡で、最寄りの梅田駅から駅員2人が現場に走った。
 煙の勢いが強かったため、いったん消火器を取りに戻ってから再び現場に駆けつけ、火を消したという。
 トンネル内には、ところどころに空気を地上に吸い上げる設備がある。それでも、火災発生直後には同駅ホームにも、たなびくような白い煙が流れてきた、という。
 出火場所に近い梅田駅の南改札口付近は一時、運行再開を待つ乗客ら2000人ほどで埋まった。駅は、非番者を呼び出し駅員を通常の2倍の約60人にして、案内や電話対応に当たった。
 電車が動き出しても、下り方面のホームはふだんの倍以上の混雑だった。
 御堂筋線に乗り入れる北大阪急行の緑地公園駅から本町駅まで通勤している豊中市の会社員中曽根勉さん(44)は、バスと私鉄を乗り継いで梅田に来た。ふだんの2倍の40分以上かかった。「この込み具合じゃ、あと2本は見送らなきゃ」と、あきらめ顔だった。
 梅田駅の1つ南、オフィス街のどまん中にある淀屋橋駅では、連絡する京阪電鉄が到着するたびに、駅員に説明を求める乗客らで混雑が広がった。駅員らは最寄りの地下鉄四つ橋線肥後橋駅や堺筋線北浜駅に誘導。通勤途中の会社員や通学途中の学生らは、足早に別の駅に向かった。
 駅構内で運転再開を待つ人も。枚方市の飲食店店長(28)は、江坂駅の近くにある本社に午前9時までに書類を届ける予定になっていた。午前8時前から30分以上待ち、やっと動き出すと「何とか間に合います」とホームに向かった。
 御堂筋線に乗り入れている北大阪急行千里中央駅では、午前8時ごろ、乗客がホームにあふれた。駅長室前に、延着証明の発給を受ける人たちで行列ができた。
 阪急北千里駅では、午前8時半ごろ、乗客はふだんの2倍にふくれあがった。
 ◆他の交通機関
 JR西日本では、午前7時25分ごろから、地下鉄御堂筋線の利用客を大阪環状線、阪和線、関西線、東海道線の各線に乗り換えるよう誘導した。この影響で、大阪駅や天王寺駅などは通常のラッシュ時より1−2割多い人で混雑、大阪環状線や阪和線で5分前後の遅れが出た。
 京阪電鉄は淀屋橋−天満橋間に乗客を誘導。阪急電鉄は梅田−北千里間と梅田−天神橋筋六丁目間で、阪神電鉄は梅田−野田間でそれぞれ振り替え輸送を実施した。このため、私鉄の各駅も混雑し、阪急淡路駅で普段の5−6割増となり、京都線で最大7分の遅れが出た。南海中百舌鳥(なかもず)駅も普段より5割多い人でごった返し、高野線で約5分の遅れがあった。南海難波駅や京阪天満橋、同北浜駅などでも通常より1−2割多かった。
 ◆学校
 地下鉄御堂筋線や、同線経由の路線が通学路となっている大阪市内の高校では、火事の影響で遅刻する生徒が相次いだ。
 御堂筋線我孫子駅の近くにある同市住吉区庭井二丁目の府立阪南高校は、1時問日の授業をカットした。
 同市中央区谷町六丁目の大阪市立南高校では、1学年につき十数人が最高で約1時間遅れた。授業が始まるのは午前8時半からで、多くの生徒が1時間目の途中から授業を受けた。(朝日新聞 夕刊)
■帰省切符発売 ふるさとへ列 JR
 年末の帰省ラッシュを1ヵ月後に控え、全国のJR駅の「みどりの窓口」には28日、ふるさとへの指定席を求める人たちの列ができた。
 午前10時に、来月28日分の指定席が一斉に発売された。大阪駅では発売開始前から約50人が並んだ。新幹線をはじめ、大阪と北日本や九州方面を結ぶ寝台特急や、北陸、山陰方面への特急の一部などが午前中で売り切れた。
 JR西日本は、12月28日から1月7日までで昨年より12万人多い312万人の利用を見込み、帰省は12月30日、Uターンは1月4日がピークになると予想している。(朝日新聞 夕刊)
■72時間ストに突入 動労千葉
 勤労千葉(中野洋委員長、約700人)は28日正午、来月1日正午までの72時間ストに入った。29、30の両日は全日ストの予定。勤労千葉は勝浦運転区廃止の撤回などを求めているためスト中止は困難とみられ、JR東日本では民営化以降、最大規模のストになる見込み。(朝日新聞 夕刊)
29日■御堂筋線10両編成に 大阪の地下鉄
 大阪市交通局と北大阪急行は28日、市営地下鉄御堂筋線と、相互乗り入れしている北大阪急行線の電車を現行の9両編成から10両編成にする、と発表した。
 12月9日から順次10両化を進め来秋には全電車が10両編成となる。
 これに伴い、御堂筋線では、平日朝ラッシュ時の2分間隔で運転している時間帯を拡大する一方、週休2日制の定着で利用者が少ない土曜日を休日に準じたダイヤに変更する。また北大阪急行は土曜日を休日ダイヤとする。(京都新聞)
■年末の指定席券発売 JR西日本
 JR西日本は28日午前10時から、全国の「みどりの窓口」などで12月28日分の前売り指定席券の発売を始めた。
 発売後すぐに、山陽新幹線ののぞみやひかり計19本が売り切れたほか、在来線も豪華寝台特急として人気の大阪発札幌行きトワイライトエクスプレスなど北海道、東北、九州方面へのブルートレインが軒並み完売となった。
 JR西日本は、12月28日から翌1月7日の年末年始期間に新幹線と在来線の特急・急行計738本の臨時列車を運転、312万人の利用を見込んでいる。
 帰省のピークは12月30日、Uターンのピークは1月4日と予想している。(京都新聞)
■放置自転車ひきずる 宇治のJR奈良線
 28日午後8時20分ごろ、宇治市開町、JR奈良線の桐生谷踏切北約180bのレール上に、自転車が放置されているのを、奈良発京都行きの普通電車=4両編成=の運転士が発見。ブレーキをかけたが、電車は自転車を巻き込み50b通過して停止した。自転車を取り除き、電車は10分後に発車。120人の乗客らにけがはなく、後続ダイヤに影響はなかった。
 宇治署では、往来危険罪の疑いで調べている。現場はJR新田駅から北へ600b。(京都新聞)
■地下鉄火炎瓶事件 オウム信徒ら起訴
 大阪市営地下鉄で10月に連続して起きた火炎瓶事件で、大阪地検は28日、大阪市中央区石町2丁目、オウム真理教信徒で元暴力団組員島袋拓也容疑者(21)=恐喝罪で起訴=を火炎びん処罰法違反の罪で追起訴し、同所、調理師上田晃弘容疑者(23)を同罪で起訴した。大阪府警に逮捕された少年2人については同日、大阪家裁に送致した。(朝日新聞)
■通報後に9本通過 御堂筋線火災 安全優先徹底されず
 28日朝、大阪市営地下鉄御堂筋線で起きた火災で、職員からの通報後も乗客の乗った電車計9本が出火現場を通過していたことが分かった。大阪市交通局はふだんから「異常があれは安全が確認できるまで車両を止める」と指導しているといい、同局幹部は「何よりも安全確保を優先すべきだった」と対応の誤りを認めた。また、軌道での火災への対処法は明文化されていないことも判明、同局は具体的なマニュアル作りなどを進める方針を固めた。
 市交通局によると、下り線の電車の車掌が煙に気付いて運転指令所に通報した午前6時37分ごろから火の手がほぼ収まった午前7時すぎまでに、上り4本、下り5本が現場を通過した。
 上り線のはじめの2本は、運転指令所が異常の場所、程度を確認するために徐行するよう指示していた。残る2本は火の手が収まったとして徐行運転。また下り線は影響がないとして平常通り運行した。その後、消防局の現場確認のため、全線で電車を止めた。
 列車を走らせるかどうかは同指令所が決めることになっている。今回は「発見時は煙という報告だった。駅からかけつけた職員は消火作業のため被害の報告ができなかった」として、停止が必要との判断をしなかった、という。
 記者会見した同局の大澤三千雄高速運輸部長は「これまでの経験から、現場では軌道上に燃えるものはないと判断したようだ。だが、地下鉄サリン事件もあったし、危険物がある可能性も考えられる。今回の措置は遺憾だ」と話した。
 東京の営団地下鉄は、異常があれはすぐにすべての電車をその場で止めることを決めている。28日朝、日比谷線人形町駅の手前で火災があったが、「1分もしないうちに電車は止まった」(広報課)という。同地下鉄では「状況が確認できるまでは、まず電車を止めるのが安全確保につながる」としている。
・火災の原因特定できず
 大阪市営地下鉄御堂筋線の梅田−淀屋橋間で28日早朝に起きた火災で、市交通局は同日午後、出火場所とみられるレール付近を調べたが、原因は特定できなかった。同局は、レール下にある潤滑油の樹脂製の受け皿の燃え残りを保管して、29日以降も、何の火が引火したのかを調べる。
 市交通局によると、付近には火の気がないため、レールの外側にある送電線からの火花か、レールと車輪の摩擦で出た火花が散り、受け皿付近の油に引火した可能性が強いとしているが、この日の検証では確認できなかった。
 また、市営地下鉄の7路線には、レールに潤滑油を流す塗油器が計115ヵ所に取り付けられている。出火場所を除く114ヵ所について再点検したが、異常は見つからなかった、という。
 出火場所の塗油器は28日の運転終了後に復旧させる。(朝日新聞)
■鉄橋下に放火容疑者を逮捕 大阪の環状線運休
 大阪市都島区中野町5丁目で6日夜、JR環状線のまくら木などが燃え、電車が運休した事件で、大阪府警都島署は28日、住所不定、無職山野祥光容疑者(32)を放火と往来危険の疑いで逮捕した、と発表した。
 調べによると、山野容疑者は6日午後6時ごろ、JR環状線の鉄橋下に積んであった段ボール箱にライターで火をつけた疑い。「腹が減り、寒くてむしゃくしゃしてやった」などと話しているという。(朝日新聞)
30日■JR三ノ宮駅前 震災で全壊商店街 あす新たに再出発
 阪神大震災で被害を受け休業していたJR三ノ宮駅西口のショッピングゾーン「ビエントさんのみや」(計10店舗、面積約700平方b)が、1日から装いを新たに再出発する。
 「ビエントさんのみや」にはこれまで雑貨や飲食など計7店舗が入居していたが、地震でほぼ全壊した。店舗スペースを提供、管理しているJR西日本開発会社が今夏以降、本格的な復旧工事に着手、新たに店舗の通路に広場を設けたり、店舗の入り口を広げるなどイメージ一新を図った。
 復興に当たり、新たに飲食店や宝くじ売り場など3店舗が加わることになり、再スタートに花を添えた。売り出しのキャッチフレーズは「日常密着型コンビニエンスショッピングゾーン」。1日は午前11時から一斉に店開きする。(京都新聞)
■あすから初詣乗車券を発売 叡電と京阪
 叡山電鉄と京阪電鉄は、12月1日から「初詣(もうで)乗車券」をそれぞれ発売する。いずれも、乗車した日に限って社寺参拝の途中下車が繰り返しできる。
 叡山電鉄の初詣乗車券は1月中に限り一乗寺、三宅八幡など7駅で途中下車できる。5社寺の朱印帳付き。
料金は大人800円、子供400円。出町柳、修学院の両駅と京阪主要駅で発売する。
 京阪電鉄の乗車券は京阪線は伏見稲荷など11駅、大津線は三井寺など10駅で途中下車できる。1月15日まで利用できる。通行手形の形をした乗車券に朱印帳付き。料金は、京阪線は大人900円、子供460円。大津線は大人600円、子供300円。主要駅で発売する。(京都新聞)
■山科川 白濁、魚200匹浮く 地下鉄工事の資材流入
 29日午後1時40分ごろ、京都市山科区椥辻番所ケ口町の山科川の番所橋から瀬戸河原橋にかけての約500bが白く濁り、小魚約200匹が死んでいるのを近くの住民が見つけ山科区役所に通報した。京都市衛生局と交通局が調べたところ、同区椥辻東潰の地下鉄東西線建設工事椥辻工区で使っているエアーモルタル(膨らむセメント)が流出。ディープウェル(地下水排水用の井戸)でくみ上げられ、雨水管と暗きょになっている岩屋川を通じて下流の山科川に流入したのが原因と分かった。
 市交通局によると、エアーモルタルは、地下鉄構築上部を埋め戻すために使われている。アルカリ性が強いが、人体には影響ないという。排水用パイプを通じにじみ出したとみられ、パイプを撤去するとともに、現場の指導監督を強めることにしている。(京都新聞)
■東京臨海新交通止まる ベニヤはね故障 100人1時間缶詰め
 29日午後6時20分ごろ、東京湾の「レインボーブリッジ」を通過中の有明発新橋行き臨海新交通システム「ゆりかもめ」(6両編成)が軌道上に落ちていたベニヤ板をはね、ブレーキ部分の一部を破損、緊急停止した。
 乗客約100人にけがはなかったが、1時間近く車内に閉じ込められた後、係員に誘導され、最寄りの芝浦埠頭駅まで約1.3`を歩いて避難した。
 トラブルは今月1日の営業開始以来初めて。
 軌道には障害物センサーが張ってあるが、障害物が直接触れなければ列車は停止しないシステムで、無人運転の落とし穴が表に出た形。運行している東京臨海新交通は「対策を緊急に検討する」としている。
 同社によると、ベニヤ板は縦約1b、横約2b。はねた際にエアブレーキのタンクに当たり、中のガスが漏れたため自動停止装置が作動したという。
 同社はベニヤ板を撤去、故障車両を引き込み線のある日の出駅まで動かし、午後8時40分すぎ全線復旧した。この間、30本が運休、約2600人に影響が出た。
 ベニヤ板がなぜ軌道上に落ちていたかは不明だが、レインボーブリッジでは軌道と平行して一般道路が走っていることから、トラックの積み荷の落下などが考えられるという。現場は海から高さ50数bで、上には首都高速道路が走っている。
 ゆりかもめは、高架軌道をコンピューター制御で走るゴムタイヤの列車。新橋−有明間2.9`を約23分で結んでおり、臨海副都心進出企業などの足となっている。(京都新聞)
■山陰線の列車故障 JR京都駅
 29日午後3時半ごろ、京都市下京区のJR京都駅山陰線ホームで、園部行き普通電車(4両編成)が、発車直前に前進後進を切り換える装置が作動しなくなり、発車できなくなった。
 約350人の乗客は別の電車に乗り換え、19分遅れで出発した。
 JR西日本によると、装置は先頭車両中央部にあり、故障の原因を調べている。
 このほか、京都−亀岡間で上下計2本が運休、約1000人に影響が出た。(京都新聞)
■淀川トンネルが貫通 片福連絡線つながる
 JR片町線の京橋駅(大阪市都島区)とJR福知山線の尼崎駅(兵庫県尼崎市)を地下で結ぶ片福連絡線(全長21.3`)の淀川トンネル=野田阪神−歌島橋(いずれも仮称)=間(2.325`)がつながり、30日貫通式が行われた。同連絡線はこれで全線がつながり、平成9年春の開業に向けて軌道整備などの工事を進める。
 片福連絡線は第三セクター方式で、大阪府など自治体とJR西日本など官民50%の出資比率で設立した関西高速鉄道が建設主体となり平成元年着工した。(京都新聞 夕刊)
■中労委が救済取り消しの逆転命令 国労役員不採用で
 国鉄の分割・民営化の際、国労岡山地本の役員がJR西日本に不採用になった問題で、中労委は30日、JR側の不当労働行為を認めて救済命令を出した岡山県地方労働委員会の命令を取り消し、同地本と役員の申し立てを棄却する逆転命令を出した。
 中労委は、JRへの採用に当たって処分歴の有無を選定基準にしたことは正当な行為と認定、不当労働行為ではない、と判断した。
 岡山県地労委は90年1月の命令で「活発な組合活動をしていた柴田元委員長を会社から排除して、組合側の弱体化を狙った」としていた。(京都新聞 夕刊)
■ブレーキ異常 低速で運転 特急スーパーはくと
 30日午前7時15分ごろ、JR東海道線山崎−高槻間で京都発鳥取行き特急スーパーはくと1号が110`で走行中、突然非常ブレーキがかかり停車した。
 JR西日本は同列車を茨木駅に臨時停車させ車両点検したが異常はなく運転を再開、新大阪駅でも点検し運転を続けた。
 ところが大阪−塚本間で速度が110`を超えると再び非常ブレーキが作動、停車した。乗客約80人にけがはなかった。この影響で同列車が約80分遅れたほか、東海道線の下り9本が12−2分遅れ7700人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■来春闘賃上げ 2万円要求へ 私鉄総連が方針
 私鉄総連(池村良一委員長、18万9000人)の中央委員会が30日、和歌山県田辺市で開かれ、執行部は連合加盟の主要産別のトップを切って、来春闘の賃上げ要求を今春と同額の組合員1人平均2万円(7%)とする方針を明らかにした。職場討議に諮り、来年2月の拡大中央委員会で、ストライキ日程などと合わせて正式に決める。
 要求案の内訳は、今年度の消費者物価上昇分や定期昇給相当分などを合わせた実質生活維持分が1万500円、生活向上分が9500円となっている。
 私鉄総連は、阪神大震災の影響で大手各社の中央集団交渉が関東、関西のブロックに分かれ、事前にストを設定しない展開となった今春闘を「緊急避難措置」だったとしている。このため、来春闘では、中央集団交渉を復活させ、従来通りストを構えて回答を迫る方針だ。(朝日新聞 夕刊)
■難関の淀川下 トンネル貫通 片福連絡線工事
 1997年春の開業を目指している片福連絡線で、最大の難関と言われた地下約40bの淀川下のトンネルが貫通、30日、大阪市西淀川区の歌島橋駅(仮称)近くで貫通式があった。これで、大阪の都心部を走る10.2`の地下トンネル部分がすべて貫通した。今後は、開業に向けてレールの敷設や架線工事などが進められる。
 片福連絡線は、JR片町線と福知山線を結ぶ新線。JR京橋駅から尼崎駅までの12.3`で、間に7つの地下駅を設置する。
 大阪府と大阪市、JR西日本などが出資して設立した第三セクター「関西高速鉄道」が89年3月に着工。当初、95年春の開業予定だったが、92年4月に野田阪神駅(仮称)の工事で地下水が大量に流出するなどで工法が変更されて2年遅れた。工事費は約3400億円。
 開業後は同社が施設を所有し、JR西日本が使用料を支払って列車を運行する。関西文化学術研究都市へ延びるJR片町線と、沿線で神戸三田国際・公園都市などのニュータウン開発が進む福知山線が大阪の中心部でつながる。(朝日新聞 夕刊)
■「処分理由の不採用は妥当」国労岡山で中労委命令
 国鉄の分割・民営化にからんで、JR西日本に採用されなかった国労岡山地方本部の元副委員長と同本部が不採用は組合間差別の不当労働行為だとして同社と争っている「岡山不採用事件」について、中央労働委員会(中労委)は30日、命令交付した。元副委員長が国鉄時代に受けた停職処分を理由とする不採用を「不当労働行為には当たらない」と述べ、採用を命じた岡山地方労働委員会(地労委)の救済命令を取り消している。
 命令によると、国鉄はJRの社員採用にあたって、1983年4月以降に停職6ヵ月以上か2回以上の停職処分を受けた者を採用候補者名簿に載せないという内部基準を作成。元副委員長は、順法闘争やストうイキなどを計画・指導したとして3回の停職処分を受けたため、この基準に基づいて名簿に登載されず、希望したJR西日本に採用されなかった。
 争点となった基準について、中労委命令は国鉄職員の争議行為が禁止されていたことなどに触れながら、「とくに不合理であるとはいえない」と述べ、基準に基づく不採用は不当労働行為に当たらないとして、地労委の判断を否定した。(朝日新聞 夕刊)