1995(平成7)年 4月


1日■JR東海道線 4日ぶり全面開通 住吉−灘間きょう再開(京都)
  ■大阪−天橋立 春の臨時便 KTR、休日に(京都)
  ■地下鉄サリン事件 最多の通勤労災に 数千人が申請へ(朝日)
  ■8日にも全通 山陽新幹線(朝日)
  ■東海道線、心躍る全通 被災地の動脈74日ぶり蘇生 はや乗車率200%(京都)
  ■復興へ加速 住吉−灘間開通 東海道線つながった 電車包む喜びと活気 通勤客ら満席 表情はホッと(京都)
  ■74日ぶり阪神間直通電車 JR東海道線全線開通(朝日)
2日■東海道線全線開通 客足集中、混雑続く きょうも一部車両を増結(京都)
  ■昼もラッシュ並み 開通JR線きょう増結(朝日)
  ■死者11人に 地下鉄サリン事件(京都)
  ■新幹線に脱線防止レール 運輸省 地震対策 検討を指示(朝日)
3日■東海道線 駅通過・台車と衝突・信号故障 全通の直後 トラブル続出(朝日)
4日■復興へ”のぞみ”全速運転 時速270`きょうから安全検査 新大阪−姫路 走行試験すべて終了 山陽新幹線(京都)
  ■駅コインロッカーの短銃1丁と実弾押収 男性の通報で府警(朝日)
  ■JR西大路駅ロッカーに銃 女性から電話(京都)
5日■駅舎ギャラリー人気 JR嵯峨嵐山駅 住民が絵など出品(京都)
  ■自動的に停止指示 JR東日本が震災対策 警報装置で揺れを検知(朝日)
  ■地下鉄問題まちづくり 別れた意見 アンケート回答を見る 議会情報 公開反対ゼロ 海外視察 改善して継続(朝日)
  ■電話連絡通り短銃1丁押収 JR西大路駅で(朝日)
  ■神戸市営観光バス「震災理由に解雇」ガイドが地位保全訴え(朝日)
  ■全線開通向け立ち入り検査 不通区間で運輪省(朝日)
6日■窓 投稿後戻った紛失の定期券 園部町・松本貞輔(無職・85)(京都)
  ■阪急 夙川−岡本 運転を再開 あす始発から(朝日)
  ■山陽新幹線トラブル 福岡、異音で緊急停止(京都)
  ■地下鉄サリンで検出の化学物質 オウム施設から押収 警視庁 製造残留物も発見(朝日)
7日■山陽新幹線あす異例の早期再開 安全論議は後退 JR巨額減収 運輸省歩み寄る(京都)
  ■山陽新幹線 あす完全開通 支柱1200本を補強 震災から81日ぶり(京都)
  ■近畿圏から出発 高速バスを綱羅 バス協会 時刻表を作製(京都)
  ■山陽新幹線 全面復旧 「活気戻って」観光地など期待(京都)
  ■夙川−岡本間きょうから運転 阪急・神戸線(京都)
  ■オウム教を装い「地下鉄に爆弾」容疑の大阪市職員逮捕(京都)
  ■市バスと乗用車衝突 伏見・5人重軽傷(京都)
  ■京阪電車にトラック接触 東山区・2人けが(京都)
  ■線路内に侵入はねられけが JR花園駅でお年寄り(京都)
  ■山陽新幹線あす全通(朝日)
  ■声 高速化よりも安全追求せよ 豊中市 野阪理男(会社員 67歳)(朝日)
  ■市バスと乗用車衝突 5人が重軽傷 伏見の府道交差点(朝日)
  ■「のぞみ」徐行 今日から解除 京都−新大阪間(朝日)
  ■夙川−岡本間 運転を再開 阪急神戸線(朝日)
  ■復旧 山陽新幹線(上)(朝日)
  ■佐賀、長崎も救済命令 中労委JR不採用問題で(京都)
  ■「地下鉄に爆弾」と 大阪市職員が110番 脅迫容疑で逮捕(朝日)
8日■山陽新幹線 きょう全通 震災前のダイヤで(京都)
  ■社説 1ヵ月も早い西の大動脈後活(京都)
  ■電化前に訓練運転 JR山陰線福知山−綾部間で実施(京都)
  ■「サリンをまくぞ」男性叫び快速運休 JR大阪駅で騒ぎ(京都)
  ■山陽新幹線きょう全通(朝日)
  ■大阪駅で「異臭」騒ぎ 乗客の男性「サリンだ」(朝日)
  ■復旧 山陽新幹線(中)(朝日)
  ■山陽新幹線81日ぶり全通 被災地へひかり 神戸復興望み乗せ(京都)
  ■山陽新幹線全通 被災地の春弾む 突貫工事への不安も… 東へ西へ希望つながる(京都)
  ■ポートタワー 大丸も再開(京都)
  ■新幹線81日ぶり全通 列島の大動脈が復活 震災前ダイヤに(朝日)
  ■観光地にも「ひかり」「再予約」の動き次々 自粛ムード解消へ望み(朝日)
  ■長かった…分断列島ホッと一息 復興に「のぞみ」加速 山陽新幹線81日ぶり全線復旧(朝日)
9日■疏水の魚100匹死ぬ 地下鉄工事の影響?(朝日)
  ■復旧 山陽新幹線(下)(朝日)
10日■コインロッカーを山手線内使用中止 JR東日本が「当分」(朝日)
11日■博多の車両所見学 親子50組無料招待 JR西日本(京都)
  ■阪急とJRの振り替え短縮 13日から西ノ宮−住吉間に(朝日)
12日■阪急電鉄も赤字転落 上場以来初 震災での減収58億円 3月期決算(朝日)
  ■英仏海峡つなぐユーロトンネル 開通1年、膨らむ赤字 列車開業の遅れ響く 株主への手紙で「今年は正念場」「危機説」流れ株急落も(朝日)
  ■「のぞみ」号で博多へ行こう JR西日本 小学生らを車両所に招待(朝日)
  ■強風で一時運休に 関空線のJRと南海(京都)
13日■山陽電鉄の須磨−須磨浦公園18日開通(京都)
  ■須磨−須磨浦公園間が18日に運転再開(朝日)
  ■JR客、3000人増加 震災前より(京都)
14日■窓 融通きかせて定期券売り場 上京区・河崎 明彦(高絞生・17)(京都)
  ■「キセル」は年間81億円 JR西日本が調査 収入の3%に相当(京都)
  ■京阪、近鉄線上に 自転車、バイク放置 けが人なし(京都)
  ■京阪と近鉄の線路に障害物 京都・伏見(朝日)
  ■「キセル」被害 年間に81億円(朝日)
  ■ニュートラム突然自動停車 南港東駅(朝日)
15日■JRの保線用工作車両 新型「マルタイ」配置 京都と神戸17日から稼働(京都)
  ■黄金週間は鳥取へ 「はくと」京まで延長(京都)
  ■地下鉄事件 通勤途中、サリン被害 初の労災認定(京都)
  ■地下鉄サリン事件 出張者も労災認定へ 霞が関には「危険性内在」 労働省 救済対象を拡大(京都)
  ■オウム教祖「予言」 2万人で東京厳戒(京都)
  ■バス乗客ら90人死傷 エジプト、列車と衝突(京都新聞)/a>
  ■地下鉄サリン事件 通勤労災初の認定(朝日)
16日■阪神大震災3ヵ月 まち再建本格化 「日常」徐々に…にぎわう都心 私鉄復旧は9月に(京都)
  ■死者12人に 地下鉄サリン事件(京都)
  ■地下鉄サリン事件 治療データ公表へ 聖路加国際病院 あす報告会開催(朝日)
17日■JRダイヤ 「ひかり」「こだま」きょうから平常に(朝日)
  ■女性が死亡 犠牲12人に 地下鉄サリン事件(朝日)
  ■(京都)
18日■低純度のサリンか 地下鉄事件治療報告会 早かった患者の回復(朝日)
19日■JR西日本が年俸制を導入 今夏まず部長級から(京都)
  ■主力社員死亡で損失 京の帯製造会社鉄道2社を提訴 信楽高原鉄道事故(京都)
  ■JR西日本 管理職一部に年報制 7月から参与・参事200人対象(朝日)
  ■「信楽事故で売り上げ減」社員死傷の会社訴え(朝日)
  ■ゴンドラが停止 5人一時缶詰め 谷川岳ロープウエー駅舎が全焼(京都)
20日■横浜駅、車内(京浜東北)で異臭 300人以上、手当て 患者 ホスゲン中毒症状 捜査本部サリン否定(京都)
  ■サリン連想 パニック 横浜の異臭事件 乗客ら「のど痛い」 駅騒然、広がる恐怖(京都)
  ■社説 地下鉄サリン事件から1ヵ月(京都)
  ■京滋にも衝撃 警戒強化求める声 不安、憤りの市民(京都)
  ■不審物、注意を 府警など呼びかけ(京都)
  ■時刻標衣替え JR京都駅 新ダイヤヘ作業(京都)
  ■GWの指定席半分強売れず JR西日本(京都)
  ■トロッコ列車 空きあります(京都)
  ■横浜駅などに化学物質まく 309人、目・のどに痛み 傷害事件で捜査 ホスゲンに中毒の疑い 東京消防庁発表(朝日)
  ■「もしや」襲った恐怖感 横浜の異臭事件 車内騒然「窓開けて」痛み・しびれ、訴え続々(朝日)
  ■避難路になる? 神戸で地下通路拡張構想 三宮−元町など総延長は5.5`に(朝日)
  ■横浜駅など異臭騒ぎ 駅など警戒を強化(朝日)
  ■横浜の異臭事件 発生源特定急ぐ 神東川県警 6000人体制で警戒(京都)
  ■横浜異臭事件 不審者確認 手間取る 捜査本部 有力情報なく(京都)
  ■地下鉄サリンから1カ月 深まるオウムの疑惑 袋密封 プレス機特定焦点に(京都)
  ■北陸線に新型特急デビュー JRがダイヤ改正(京都)
  ■地下鉄サリン事件1ヵ月 実行犯の特定いまだ迫れず 物証ナイロンポリ袋だけ 「オウム」包囲網続く(朝日)
  ■「サンダーバード」発進(朝日)
21日■特殊装置で散布か 横浜駅異臭事件(京都)
  ■塩素系で見方一致 横浜駅異臭事件残留物なく難航(京都)
  ■整備新幹線を耐震構造に 運輸省、補正で追加予算(京都)
  ■葵祭の観覧割引きっぷを発売(京都)
  ■大阪−宇都宮間バス 近鉄など申清(京都)
  ■大阪と宇都宮間を結ぶバス路線申請(朝日)
  ■異臭事件 3現場 同じ若い男目撃 複数が証言、確認急ぐ(京都)
  ■JR東海 新社長に葛西氏(朝日)
22日■きょうから230`運転に 山陽新幹線(京都)
  ■新幹線の徐行解除 新幹線−姫路 自治体・住民は継続要求(朝日)
  ■駅構内ビデオ分析 19日の横浜刺激臭事件 4台に容疑者像か(朝日)
24日■横浜駅の異臭事件 切符回収し指紋採取 4000枚 JRで逃走の可能性(京都)
  ■列島 強風で大荒れ 新幹線、空の便影響 台風並み 中止のプロ野球も(京都)
25日■29日から叡電に登場 車体に自然鮮やか(京都)
  ■声 窓開かぬ電車やはり危ない 鎌倉市 長谷川忠男 (無職 63歳)(朝日)
  ■ポイントに石 ダイヤ乱れる JR奈良線(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■ボンネットバス発車へ 瑞穂 観光客増狙う 29日から日・祝運行(京都)
  ■JR恐喝未遂 懲役6年判決 広島地裁(朝日)
26日■JR九州 数億円の赤字(京都)
  ■「のぞみ」人はねる(京都)
27日■田辺市長が現場視察 地下鉄東西線(京都)
  ■梅小路公園 29日から部分開園 オープン記念行事も(朝日)
28日■私鉄動脈復旧早まる 梅田−三宮 阪急は6月下旬 7月上旬に阪神(京都)
  ■ラッシュに対応 新型車両を尊入 東海道、山陽両線 8日から(京都)
  ■「三都物語」を来月下旬再開 JR西日本(京都)
  ■新幹線の予約鈍る(京都)
  ■全面復旧 2ヵ月余り早まる 工事を工夫し短縮 阪急神戸線 6月下旬 阪神本線 7月上旬(朝日)
  ■微動検知システム 今日から稼働開始 山陽新幹線 新大阪一姫路(朝日)
  ■ラッシュ時は大幅増発 6月復旧の阪急神戸線 座席なし車両も(朝日)
  ■チャレンジ ザ・仕事 名調子で乗客サービス 嵯峨野観光鉄道運輸主任 松本年雄さん(51) いつかSLを保津峡に(京都)
  ■ガス爆発 83人死亡 地下鉄工事の火花引火 韓国・大邸市(京都)
  ■韓国・大邱市 地下鉄工事でガス爆発 陥没、通勤バスなど炎上 79人死亡 181人けが(朝日)
  ■渋滞の車列 火柱襲う 韓国大邱のガス爆発 バスに中高生 鉄板、300bに散乱(朝日)
29日■阪急電車でも異臭騒ぎ 河原町駅 乗客避難、異常なし(京都)
  ■交通局で17人削減 京都市が−般職異動(京都)
  ■新車両内で「琵琶湖遊行」 1日から 京阪電車がポスター展(京都)
  ■京都駅ビル 高さ緩和は適法 市審査会裁決 住民側訴え退ける(京都)
  ■韓国・大邱の地下鉄爆発 安全管理に手落ち? 工事中にガス管破損 103人死亡、183人けが(京都)
  ■阪急京都線で異臭騒ぎ(朝日)
  ■黙ってかざせばスッと通れる 新型改札機 実験へ JR西日本(朝日)
  ■市民899人が高層化に反対 京都駅ビル建築確認取り消し請求を棄却(朝日)
  ■SLやまぐち号が5月から運転再開(朝日)
30日■厳戒GW 6万人動員 緊張の初日(京都)
  ■百貨店工事でガス管が破損 韓国の爆発事故(朝日)
  ■サリンの影?鈍い出足 山陽新幹線 乗車率、去年の3分の2(朝日)



1日■JR東海道線 4日ぶり全面開通 住吉−灘間きょう再開
 JR西日本は、阪神大震災で不通になっていた東海道線の住吉−灘間(4.5キロ)で1日、始発から旅客列車の営業運転を再開。同線は74日ぶりに全面開通する。開通後も六甲道駅付近に徐行区間が設けられるため、1、2日の両日は暫定ダイヤで、3日以降は震災前と同じダイヤで運転される。
 全面開通後の同線は、夜間寝台特急など長距離の都市間列車のほか、通勤通学のアーバンネットワーク電車ともに、すべて運転を再開する。
 アーバンネットワークについては、並行して走る阪神本線、阪急神戸線が依然、一部区間で不通になっていることから3日以降、この区間で朝のラッシュ時に新快速を6本、夕方には同2本を、それぞれ増発する。
 通常ダイヤヘの復旧に伴い、播但線や加古川線をう回していた「はまかぜ」などの長距離列車は運転を取りやめ。住吉−灘間など3区間で続けてきた代替バスの運転も31日で終了。
・4日から開業前検査 山陽新幹線
 運輸省は31日、不通になっているJR山陽新幹線(新大阪−姫路間)の開業前立ち入り検査を、4日から行う方針を決め、JR西日本に通知した。検査は4−5日間で終了する予定で、同線は早ければ8日にも全面開通する。
 同区間では、3月30日からJR西日本による自主検査(試験運転)が行われており、3日までにはこれが終了する。(京都新聞)
■大阪−天橋立 春の臨時便 KTR、休日に
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)は31日、春の臨時列車の追加分として1日から6月末までの土、日曜日と5月3−7日の連休に大阪−天橋立間に特急「エーデル丹後」を運転すると発表した。
 「エ−デル丹後」下りは午前10時5分大阪発、福知山線経由で運転され、上りは午後4時39分天橋立発で、終着駅は新大阪。全車指定席となっている。(京都新聞)
■地下鉄サリン事件 最多の通勤労災に 数千人が申請へ
 東京・地下鉄サリン事件で被害に遭った会社員ら計6人が、「通勤途中の労災」として申請を出したことが31日、分かった。この事件では、10人が死亡し、5000人以上が医療機関で治療を受けた。被害者のほとんどが通勤客だったことから、「通勤労災」の対象者は数1000人に上るとみられ、労働省は「過去最高の人数に達するのは確実」としている。1つの事件・事故で、100人以上が業務上労災の申請をした例はあるが、通勤労災については例がないという。
 労働省に通勤労災の申請をしたのは、日の痛みを訴えた女性会社員(57)ら6人。同省補償課では「今後、本人や企業、病院などから、請求が殺到するだろう」としている。
 霞ケ関駅での被害者が多く、国家公務員もアルバイト職員を含めて92人に上る。そのうち、19人が入院した。
 労働者災害補償保険法では、通勤途中の被災を労災と認めている。入院や治療費用は、ほぼ全額支給され、平均賃金の約8割の休業補償給付金も支給される。死亡した場合は、遺族特別支給金(300万円)のほか、その人の年齢や給与、家族構成で異なるが、遺族補償年金や葬祭料も支給される。アルバイトやパート社員、外国人にも適用される。
 事件の重大性から、浜本万三労相も「通勤の労災認定をなるべく幅広く行い、迅速な救済に努める」としている。
 国家公務員の場合、各省庁が被害実態を把握し、人事院補償課に申請すると、通勤途中の労災が認定される仕組みで、休業補償や治療費はサラリーマンなどと同様。人事院では「通勤の公務災害としては、過去最高の人数になる」(補償課)という。
 東京都も、通勤中の職員35人(このうち入院14人)と教育庁の教職員14人が被害に遭った。地方公務員の場合は、地方公務員災害補償基金(本部・東京)を通じて労災が認定されるが、補償額などは民間と同様となる。
 労働省によると、1993年度の労災保険の新規受給者数は約69万6000人で、そのうち交通事故や転倒などで死傷した約5万人が通勤労災と認定された。
 74年夏に死者8人と多くの負傷者を出した連続企業爆破事件では、記録が残っているだけで、死者6人に業務上の労災が認められた。しかし、事件発生が昼間で、通勤労災はゼロ。また、85年夏に死者500人以上を出した日航ジャンボ機墜落事故でも、174人が業務上の労災と認められたが、通勤労災の認定はない。(朝日新聞)
主な企業や官庁など
のサリン被害者数
日産自動車62人
イトーヨーカ堂14人
三菱商事14人
日本アイ・ビー・エム12人
日商岩井10人
日興証券8人
三 越5人
都 庁35人
都教育庁14人
郵政省29人
厚生省9人
文部省8人
通産省5人
国税庁5人
警察庁4人
外務省4人
人事院4人
法務省3人
運輸省3人
帝都高速度交通営団229人
(2人死亡)
■8日にも全通 山陽新幹線
 運輸省は31日、阪神大震災(兵庫県南部地震)で不通となっている山陽新幹線の新大阪−姫路間の「開業前検査」を4月4日から実施すると発表した。検査は4−5日間の予定であることから、山陽新幹線は早ければ8日にも全線開通する。
 同区間では30日から、JR西日本が自主検査を始めており、修復した高架橋のたわみや沈下量を調べている。線路や架線に異常はなく走行には支障がないことを確認したため、1日からは時速120−270`の速度向上試験に入る。(朝日新聞)
■東海道線、心躍る全通 被災地の動脈74日ぶり蘇生 はや乗車率200%
 阪神大震災(兵庫県南部地震)で住吉−灘間(4.5`)が不通になっていたJR東海道線は1日始発から、震災後74日ぶりに営業運転を再開した。震災以来寸断していた「東西の大動脈」が蘇(そ)生したことで、被災地の通勤、通学の足は確実に改善。貨物輸送の再開などで復興への大きなステップになる。
 JR西日本によると、同日午前10時現在、JR三ノ宮駅では大阪方面への電車が最高200%、大阪発の電車は同180%の乗車率の混雑となった。
 この日は午前5時12分、神戸発京都行きの始発電車が被災地中心部の六甲道駅上リホームに到着。工事関係者約40人が拍手で迎えた。
 JRでは一部区間で徐行運転を実施したが、週明けの3日からは平常運転に戻し、朝夕のラッシュ時に電車を増発するなどして混雑緩和に努める。
 震災で同線は、沿線で貨物を含む走行中の電車8本が脱練。駅舎の倒壊やホームの傾斜などが相次ぎ、最も被害が大きかった六甲道駅周辺では高架部分が約2`にわたり損壊するなど壊滅的な被害を受けた。
 同線は当初、5月の連休前後の復旧が見込まれていたが、資材調達などが順調に進み、連日3000人を超す工事関係者が24時間態勢で工事を進行。車両走行試験や運輸省の最終的な安全確認などを経て、開通にこぎつけた。
 この間、JR西日本は不通区間で代替バスを運行。68日間で、延べ13万本、計約557万人を輸送した。
 JRに対し、依然不通区間を抱える阪急、阪神の両私鉄は利用客が減少、JRに流れていることを裏付けた。震災前の土曜日と比べても利用客がめっきり減り、この日午前中の阪神梅田−御影間の乗車率は50%程度にとどまった。(京都新聞 夕刊)
■復興へ加速 住吉−灘間開通 東海道線つながった 電車包む喜びと活気 通勤客ら満席 表情はホッと
 阪神大震災で大打撃を受け、神戸市内で断たれていたJR東海道線が1日、全線開通した。阪神間の大動脈の74日ぶりのそ生。代替バスの行列、果てしない渋滞で30分−1時間もかかっていた住吉−灘間(4.5`)が、やっと通常の「普通電車で7分間」に戻った。車窓からはまだまだ震災の傷跡が痛々しいが、乗客や周辺の商店街には笑顔が広がる。復興の”つぼみ”がまた一つ開いた、車内や沿線をルポした。(社会部 柳原弘行、焼石文雄)
 午前5時過ぎ、仮設駅舎の休憩室で夜を明かしたJR六甲道駅(神戸市灘区)の中尾智俊駅長(49)は、震災後初めての京都行き普通電車の到着を待っていた。
 駅舎が全壊し、線路が高架ごと落下した同駅は、東海道線の中で最後まで復旧工事が遅れていた。震災後、1日平均4万2000人という乗降客の姿は消え、21人の駅員は隣の灘駅を拠点に代替バスの運行に当たっていた。
 同12分「六甲道、六甲道」のアナウンスとともに、修復したホームに電車が滑り込んだ。約40人の乗降客の安全を確認した中尾駅長は「感無量です。震災直後の光景は今も目に焼きついています。復旧まで半年はかかると思っていたが、みなさんの苦労のおかげです」。
・時間が読める
 午前7時、三ノ宮駅に乗客の姿が目立ち始めた。「きょうは職員を10人ほど増員したが、いつもの土曜日と比べると乗客は少なめ」と駅員。大阪行きのホームで徐々に乗客が並び始めた。灘区内の自動車販売会社の入社式に向かう青山一成さん(22)=神戸市西区=は「大学が大阪市内だったので、通学には泣かされた。代替バスは時間が読めず、2時間近くかかったことも。新快速も動き始めたし、いいスタートが切れました」とうれしそう。
 三ノ宮駅から午前7時半過ぎ、大阪方面行きの快速に乗った。座席は満席。通勤客にまじって、家族連れやお年寄りも目立つ。大阪市内の喫茶店に勤める北島節子さん(50)=同市中央区=は「早朝の仕事がある時は、大阪の同僚の家に泊まっていた。やっと自宅から通えるようになる」とホッとした表情だ。
・駅前でも開店
 六甲道駅で降りた。駅南側の高層複合ビル「メイン六甲」は、倒壊の恐れがあるため、1階のたばこ店や電気店、飲食店などは、今もシャッターを降ろしたままだ。ただ1軒、営業している喫茶店に「祝・開通関係者の皆様、ご苦労様でした」の張り紙があった。
 震災後、警備員のアルバイトを始めた夫に代わって店を切り盛りする今村久恵さん(44)=同市灘区=は「せっかく電車が走ったのに、駅前のお店が全部閉まってたら寂しいと思って」。同ビルは現在、建て直しが検討されている。今村さんは「思っていたよりも早く開通してよかった。5月になれば、ビルの取り壊しが始まり、開通祝いで店が開けられなかったでしょう」。
 六甲道駅周辺には、全壊した木造民家や大きく傾いたビルが今も手つかずの状態で残り、本格的な復興には、まだ相当の時間がかかりそうだ。駅南側の駐車場の仮設テントで出会った原田定男さん(73)=同市灘区=は「家が全壊し、今も近くで仮住まいしています。いろいろと大変だったが、今日はうれしいことが2つある。近くのふろ屋が営業を始めることと、電車の開通。すぐにでも吹田市に住む孫に会いに行けるから」と笑類を見せた。(京都新聞 夕刊)
■74日ぶり阪神間直通電車 JR東海道線全線開通
 阪神大震災の被災により、神戸市内の住吉−灘間(4.5`)で分断されていたJR東海道線が1日、全線開通した。大震災で、大阪と神戸を結ぶ東海道線、阪急神戸線、阪神本線の3線はいずれも線路の崩壊で部分運休に追い込まれたが、JRが先陣を切って74日ぶりに阪神間を走った。
 「再開一番電車」となったのは、神戸発午前5時2分発の京都行きの普通電車。不通区間の西端駅だった灘駅からは井手正敬JR西日本社長が先頭車に乗り込んだ。駅ビルが崩壊し、この日から仮駅舎で営業を再開した六甲道駅ホームでは、復旧工事の関係者ら約40人が一番電車を拍手で出迎えた。全線開通を待ちかねたように利用客も次第に増え、午前11時ごろは乗車率200%を超える電車もあった。
 1日夜には、分断から1本も運転されていなかった東京−九州間を結ぶ寝台特急も再開されるほか、東海道線に代わって大阪−岡山間を、山陰線や伯備線でう回していたJR貨物の列車も平常ルートに戻る。(朝日新聞 夕刊)
2日■東海道線全線開通 客足集中、混雑続く きょうも一部車両を増結
 JR東海道線が全線開通した1日、大阪−三ノ宮間は上下線とも始発から時間を追うごとに乗車率が上昇。午前11時すぎ、上り新快速電車が三ノ宮駅で乗車率230%を記録するなど、一時は通勤ラッシュ並みの混雑となった。
 JR大阪、三ノ宮駅などでは夕方の帰宅時間帯にかけて再び利用客の混雑が出始めた。一方、不通区間を抱える阪急、阪神の両私鉄は利用客がめっきり減少。両私鉄の利用客がJRに流れた形だ。
 JR西日本によると、混雑は午前10時すぎから午後1時すぎまで続き、JR三ノ宮駅では上り新快速が軒並み190−200%の乗車率となった。
 大阪発の下り電車も正午ごろから込み始め、午後2時台の新快速が180%程度の乗車率となった。
 JR西日本では、週明けの3日からは朝夕のラッシュ時に新快速9本を増発するなどして混雑緩和に努める予定だったが、初日からかなり混雑したため、急きょ2日の日曜日も一部の電車で車両を増結することを決めた。
 一方、阪神、阪急は震災前の土曜日と比べ利用客がめっきり減少。両私鉄は上下線とも終日20−50%程度の乗車率だった。(京都新聞)
■昼もラッシュ並み 開通JR線きょう増結
 阪神大震災で被災して神戸市内で分断され、1日に全線開通したJR東海道線は、大阪−三宮間を正午前後に走る新快速電車が朝のラッシュ時なみの混雑となった。このため、JR西日本では2日に限り、この区間を通る新快速、快速合わせて上下12本に4両増結して12両にすることを決めた。
 混雑が目立ったのは、午前11時から午後1時ごろにかけての、三ノ宮−大阪間の新快速電車で、乗車率が200%を超える電車もあった。増結される新快速電車は、下りが大阪発午前11時台2本、午後4時台1本、同5時台1本など。上りは三ノ宮発が午前7時台1本、午後1時台2本、同6時台、同7時台それぞれ1本。(朝日新聞)
■死者11人に 地下鉄サリン事件
 地下鉄サリン殺傷事件で、東京都千代田区の三井記念病院に重体で入院していた浦和市本太、会社員田中克明さん(53)が1日午後11時前、死亡した。
 死因はサリンの影響による急性腎(じん)不全。同事件の死亡者は計11人となった。(京都新聞)
■新幹線に脱線防止レール 運輸省 地震対策 検討を指示
 大地震が起きても新幹線が安全に走行できるよう、レールの内側へもう1本の脱線防止レールを設置することについての検討を、運輸省がJR3社に指示した。阪神大震災では在来線で走行中の列車が数多く脱線しており、新幹線が運転中なら脱線事故が起きた可能性が高いとみられるためだ。しかし、JR側は通常時の走行安全性や保守面で問題が多いとして、難色を示している。
 運輸省によると、新幹線は1973年に大阪運転所内で回送列車が脱線した事故が1件あるだけで、営業列車の脱線例はない。阪神大震災では、被災地付近を走行していた在来線89本の列車のうち、JR東海道線で8本、私鉄でも8本が脱線し、58人が重軽傷を負った。
 この中には、レールなどに大きな被害がなくても激しい揺れで瞬間的に脱線したと見られるものもあった。
 運輸省はJR西日本、東日本、東海の3社と鉄道総合技術研究所に脱線防止技術を研究開発するよう要請。現在あるレールの内側にもう1組、脱線防止レールを設置できないか、検討することにした。
 設置の仕方としては今のところ、@レールの内側約6.5aのところに設置して、車輪を両レールではさみ、脱線しにくくするA内側約18aのところに設置して、脱線しても車輪が防止レールに引っ掛かり、外へ飛び出すのを防ぎ、被害が大きくならないようにする−の2方式が候補に挙がっている。
 こうした脱線防止レールは、在来線では急カーブ区間など多くの場所に設置されているが、新幹線では鉄橋などごく一部にしか設置されていない。
 これに対しJR3社は、新幹線のような高速車両に、脱線防止レールがどの程度効果があるか分からないA防止レールとレールとの間に石や凍った雪などが詰まると、逆に危険B線路の保守に手間がかかる−などの問題点を指摘。全線への早急な導入には消極的だ。(朝日新聞)
3日■東海道線 駅通過・台車と衝突・信号故障 全通の直後 トラブル続出
 1日に全面開通したばかりのJR東海道線で、2日未明から早朝にかけてトラブルが相次いだ。
 2日午前1時2分ごろ、大阪市淀川区のJR東海道線淀川鉄橋の手前で、東京発西鹿児島行きの寝台特急「はやぶさ」(14両編成、乗客約250人)が急停車した。
 JR西日本によると、山陽新幹線が不通になっているため、「はやぶさ」は通常ダイヤでは停車しない新大阪駅に止まることになっていたが、そのまま通過した。運転士がすぐに気づいて約800b先で停車し、乗客に確認をしたところ新大阪駅で降りる人がいなかったので、5分後に大阪駅に向けて発車したという。
 同1時20分すぎ、神戸市中央区のJR東海道線灘−三ノ宮間で、東京発長崎・佐世保行きの寝台特急「さくら」(14両編成)が工事用台車と衝突。寝台特急は現場で22分間、停車した。約200人の乗客が乗っていたが、けが人はなかった。
 JR西日本によると、現場付近では作業員68人がロングレールの調整作業中。台車は幅約1.2b、長さ約1.2b、高さ0.14b、重さ約38`。2両編成で照明器具を載せていた。衝突で台車は近くに吹っ飛んだ。
 さらに、7時54分ごろ、神戸市灘区のJR東海道線灘−六甲道駅間にある東灘信号所で、出発信号機が赤のまま変わらなくなった。このため、西明石発高槻行きの普通電車(8両編成、乗客約300人)が4分遅れて手信号で発車するなど、上下線で計14本が3−9分間遅れ、乗客約4000人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
4日■復興へ”のぞみ”全速運転 時速270`きょうから安全検査 新大阪−姫路 走行試験すべて終了 山陽新幹線
 阪神大震災で新大阪−姫路間(91.7`)が不通になっている山陽新幹線で3日、震災後初めて「のぞみ」が不通区間で、最高時速270`で試験走行した。
 JR西日本は同日、5日間にわたる走行試験をすべて終了。4日からは運輸省が4日間の日程で最終的な安全検査に入る。
 検査結果に問題がなければ、山陽新幹線は8日始発にも震災以来81日ぶりに営業運転を再開する。
 検査初日の4日午後には、亀井運輸相が現地入りし、「新幹線電気軌道総合試験車」(通称・ドクターイエローによる検査に立ち会うほか、六甲トンネルの新大阪側入り口付近や、震災で橋げたが落下するなどの被害が出た高架橋の復旧状況などを視察する。
 試験最終日のこの日は、午前8時すぎから、「新幹線電気軌道総合試験車」や「ひかり」に交じり、「のぞみ」が走行。(京都新聞)
■駅コインロッカーの短銃1丁と実弾押収 男性の通報で府警
 府警保安課銃器対策室と山科署は3日、山科区のJR山科駅構内のコインロッカーから短統1丁と実弾5発を押収した。
 調べによると、短統は38口径の回転弾倉式真正銃でビニール袋に入っていた。この日午後4時半ごろ、同室の「けん銃情報110番」に40歳代の男性の声で「やくざが嫌になった」と電話があり、指定通りの場所から銃が見つかったという。(朝日新聞)
■JR西大路駅ロッカーに銃 女性から電話
 4日午前9時半ごろ、九条署に女性の声で「主人が組員をやめたいと言っている。駅のコインロッカーに銃を入れた」と電話があった。署員が指定された京都市南区の西九条児童公園トイレでロッカーのカギを見つけ、JR西大路駅のロッカーの中から短銃1丁を発見した。
 九条署の調べでは、短銃はチェコ・スロバキア製の25口径自動式で、茶封筒に入っていた。電話の女性は40歳ぐらいだった、という。(京都新聞 夕刊)
5日■駅舎ギャラリー人気 JR嵯峨嵐山駅 住民が絵など出品
 右京区嵯峨天竜寺のJR嵯峨嵐山駅で、地元の活性化を願う地域住民らの絵画や写真などを集めた作品展「ギャラリー嵯峨嵐山」(同駅主催)が開かれ、市民や観光客らの目を引いている。
 1904年に建てられ、いまも明治の面影を残す同駅舎の改装工事が完成したのを記念する催し。嵐山や嵯峨野といった観光地の玄関口として同駅が発展して、地域活性化の拠点となってほしいと願う嵐山保勝会や嵯峨商店街会などが開催に協力し実現した。
 会場の同駅待合室には、嵯峨美術短大の学生や北嵯峨高美術部の生徒らが描いた風景画、人物画をはじめ、地元の写真愛好家の作品や、ちぎり絵、磨きをかけた古木など計約70点が展示されている。
 観光シーズンを迎え、同駅では多い時で1万5000人近い乗降客がある。広尾正男駅長は「地元の人たちの協力で作品展が開け、喜んでいます。地元の期待に添えるよう、がんばりたい」と話している。この作品展は20日まで。無料。(京都新聞)
■自動的に停止指示 JR東日本が震災対策 警報装置で揺れを検知
 JR東日本は4日、首都圏で阪神大震災クラスの直下型地震が発生した場合を想定した新たな地震対策の概要をまとめた。在来線で、一定規模以上の揺れを検知すると自動的に列車に停止を指示する警報装置を年内に導入するほか、東京・丸の内の本社が大被害を受けた際には高崎支社を臨時本社とする態勢も整えるとしている。
 同社によると、現在、山手線や東海道線などの在来線は、沿線の地震計で測定したデータをいったん列車指令室に集約し、震度5以上に相当する揺れであれば指令員が列車無線で各列車に停車を指示している。しかし、人の判断や操作が絡むため、指示を出すまでには最低でも十数秒はかかる。
 新しいシステムは、基準を越える揺れを検知すると、都内に数ヵ所設置する基地局から自動的に緊急無線を発信し、列車の運転席の警報を鳴らす。地震発生から停止指示までは数秒ですむ。都心から半径30`程度を覆うという。
 また、本社が被災して機能を失ったり、社長との連絡ができなくなったりした場合には、高崎支社が本社機能を自動的に代行、救出や避難を指揮する。八王子や大宮など5ヵ所には救助中継基地を設けて食料や資材を備蓄し、災害時の救助・復旧拠点にする。
 さらに、首都圏には明治時代に建設された高架橋など古い構造物も多いため、5月半ばから総点検を実施し、耐震力などの診断をする。必要があれば、運輸省の鉄道施設耐震構造検討委員会に諮ったうえで補強をする。(朝日新聞)
■地下鉄問題まちづくり 別れた意見 アンケート回答を見る 議会情報 公開反対ゼロ 海外視察 改善して継続
 朝日新聞京都支局は、京都市議選候補者全員に、アンケートを実施した。@地下鉄建設費膨張をきっかけとする市の財政危機を有権者にどう説明するかA議会の情報公開と海外視察の是非Bまちづくりについての考え方−の3点についてたずねた。地下鉄問題やまちづくりについては意見が分かれたが、議会の情報公開では大半が賛成、海外視察は「改善を前提に継続」でほぼ一致した。
 アンケートは、市議選候補者77人中60人から直接回答があった。(無投票となった上京区、下京区の当選者10人の回答は割愛)。自民党公認のうち17人は、同党市議団代表幹事(奥山茂彦氏=伏見区)の一括回答となった。
・市財政危機
 市財政が危機にある点について見方はほぼ一致した。しかし、原因の一端となった地下鉄建設費の膨張については、「膨張は仕方ない。国がもっと支援すべきだ」と市の説明を追認する答えが目立った。
 少ない財政で何を優先するかについては、「福祉だけは削らせない」という声が圧倒的。「経済的な効果のあがる事業を優先する」「地場産業の振興」との声も目立った。
・議会
 議会情報の公開については、「プライバシー保護」や「人心をあおる」などの理由で「その他」とする候補者(6人)もいたが、反対はゼロ。71人が賛成だった。ただし、要望の強い委員会審議の公開については、大半が「賛成」または「原則賛成」としながらも、「スペースの確保」「特定団体の圧力がかからない方法」などを条件とする回答が目立った。
 一方、2期以上の議員に120万円の範囲で1回認められる海外視察費については、廃止が3人。「国際化時代に、海外視察は必要」などの理由で、74人が現行制度を改めることを条件に「原則継続」「継続」とした。改正点として「個人旅行は禁止し、団体で行く」「市民に成果を報告する」を挙げる人が多かった。
・まちづくり
 市が打ち出した北部地域は保存、都心部は再生、南部地域は開発という方針と、それに伴う各種のまちづくり施策については、おおむね評価する声が多かった。共産党の全候補者は、高速道路と建物の高さ制限緩和の反対などを訴えた。(朝日新聞)
■電話連絡通り短銃1丁押収 JR西大路駅で
 九条署は4日、南区のJR西大路駅構内のコインロッカーから短統1丁を押収した、と発表した。府警保安課銃器対策室によると、今年に入って府内で押収された短銃は計25丁で、昨年同期より13丁増えている。
 調べによると、短統は25口径のチェコスロバキア製真正銃で紙袋に入っていた。午前9時半ごろ、同署に40歳くらいの女性の声で「主人が極道をやめたいと言っている」と電話があり、指定の場所に銃があったという。(朝日新聞)
■神戸市営観光バス「震災理由に解雇」ガイドが地位保全訴え
 阪神大震災で業務がなくなったことを理由に不当解雇されたとして、神戸市営観光バスのガイドをしていた女性のパート職員3人が4日、観光バスを運行する神戸市の外郭団体「市交通局公済会」を相手取り、地位保全などを求める仮処分を神戸地裁に申請した。
 申し立てなどによると、15人の女性パートやアルバイトがバスガイドをしていたが、公済会は2月上旬、日給を時間給に変えて事実上の賃金カットをしたうえ、自宅から離れた場所への早朝出勤を命じた。このため、2月末までに15人のうち、4人が退職。
 さらに公済会は3月8日、代替バスに車掌が不要になったとして、1年につき2万円の退職金や一律30万円の慰労金を払うことなどを条件に退職するよう促し、残り11人のうち8人が退職した。3人は毎年3月末に行われる契約更新を求めたが、拒否された、という。
 仮処分を申請した3人は「3月末の契約更新は形式的なもので、更新を拒否するのは不当解雇に当たる」と話している。
 冨井昭博・神戸市交通局総務部長の話 震災でバスガイドの仕事がなくなったので、契約の切れる3月末までの条件で車掌の仕事をあっせんした。退職は通常の契約切れに伴うものだ。他にやめた人は円満に退職してもらった。(朝日新聞)
■全線開通向け立ち入り検査 不通区間で運輪省
 阪神大震災で不通になっている山陽新幹線の新大阪−姫路間で、運輸省は4日、立ち入り検査を始めた。検査は6日までで、7日に最終的判断を下し、検査結果が良好ならは8日にも全線開通する見通し。
 この日の検査には亀井静香運輸相も立ち会った。午後、新大阪駅から六甲トンネルの入り口まで総合試験車「ドクターイエロー」に乗車。鉄板を巻いて補修工事を終えた橋脚などを高架橋を下りて見た。(朝日新聞)
6日■窓 投稿後戻った紛失の定期券 園部町・松本貞輔(無職・85)
 3月30日付当欄で「孫娘の定期券届くよう願う」を投稿させていただきましたが、4月1日の夜おそく、JR園部駅から電話がかかって、「その定期券が届きました」とのことでした。電話口に出た孫娘の喜びようといったらありませんでした。
 じっとしてはおられぬらしく、時間がおそいのに無理やり母親を引っ張って近くの喫茶店へ。その気持ちよく分かります。近くの人が言っておられましたが、「私も6ヵ月定期を1ヵ月で紛失しましたが、戻って来ませんでした。これに懲りて、それ以来、1ヵ月定期にしています」とのことでした。
 当欄に載せていただいたのが紛失してから10日後ということもあって、これは淡い期待と、思っていたのでした。
 まさに起死回生の喜び、万死に一生を得る喜びといったところでしょうか。私宅の一同にとっては、それほど大きな喜びでした。ご配慮いただいた方々に厚くお礼申し上げます。(京都新聞)
■阪急 夙川−岡本 運転を再開 あす始発から
 阪急は7日始発から、神戸線の夙川−岡本間で運転を再開する。西宮北口−夙川間は8月末、岡本−御影間は7月中旬に再開する予定。代替バスはこれまで通り、西宮北口−御影間で各駅停車便のみ運行される。
・臨時高速バス運行を廃止へ 新幹線開通に合わせ
 山陽新幹線の新大阪−姫路間が8日にも開通する見通しになったことに合わせ、大阪と中国地方を結んでいる臨時高速バスを運行している各社は5日、運転を取りやめるなどの運行計画を発表した。各路線の運行期日は次の通り。
 大阪・梅田−新大阪−岡山間(阪急バス、下津井電鉄)は20日まで▽新大阪−岡山間(阪急バス、南海観光バス、下津井電鉄、両備バス、中鉄観光)は開通後1週間まで▽大阪・上本町−福山間(近鉄、井笠鉄道、中国バス、鞆鉄道)は開通後3ヵ月間続行▽新大阪−広島間(阪急バス、広島電鉄)は9日まで▽大阪・上本町−岩国−徳山−防府間(近鉄、防長交通)は開通前日まで(朝日新聞)
■山陽新幹線トラブル 福岡、異音で緊急停止
 6日午前6時すぎ、福岡県鞍手郡若宮町のJR山陽新幹線博多−小倉駅間の上り線で、博多発姫路行きひかり30号(乗客約110人、16両編成)の先頭車両床下付近から「ドーン」と衝撃音がしたのに運転士が気付き、緊急停止した。
 車掌が車両を点検したが異常が見当たらなかったため、現場を約5分遅れで発車した。後続列車が現場付近を徐行運転したが、特に異常は感じられなかったという。
 JR西日本は、ひかり30号を姫路駅で再点検する一方、小倉新幹線保線区が現場付近に異物がないか調べる。(京都新聞 夕刊)
■地下鉄サリンで検出の化学物質 オウム施設から押収 警視庁 製造残留物も発見
 死者11人を出した東京・地下鉄サリン事件で、警視庁は6日までに、押収して鑑定中のサリン溶液から、製造に必ずしも必要ない化学物質「ジエチルアニリン」を検出した。同じ物質は、山梨県上九一色村のオウム真理教(麻原彰晃代表)施設の家宅捜索で、使用前の状態で発見、押収した。また「化学工場」とみられる「第三上九・第七サティアン」の製造設備からは、サリン製造時の残留物が検出された。捜査本部は、オウム真理教が同村の施設で、ジエチルアニリンを使う独自の方法でサリンを製造し、地下鉄事件で使用したとの疑いを強めている。今後、製造設備で採取した指紋などにより、製造に関与した人物の特定を急ぎ、殺人罪の適用を検討する。
 営団地下鉄日比谷線など3路線、5本の電車内で3月20日朝に回収したサリンの成分を分析したところ、化学合成の試薬として大学、企業の研究室でよく使われるジエチルアニリンを検出した。
 この試薬は淡い黄色か褐色の液体で、化学反応の促進や強い酸を中和する機能を持つ。薬品メーカーからの入手は容易という。有機溶剤によく溶ける性質があり、地下鉄事件で使われたサリンが溶かし込まれていた溶剤アセトニトリルにも溶けていた。
 有機化学の専門家は、三塩化リンを出発物質としてサリンを製造する際、ジエチルアニリンは特に必要ではないという。しかし、初期段階で使えば、次段階の物質、亜リン酸トリメチルを早く作ることができ、最終段階で使うと、サリンと同時にできる不要な塩化水素を中和、除去する効果があるという。
 一方、製品のジエチルアニリンは上九一色村の教団施設に対するこれまでの捜索で、フッ化ナトリウムなどの薬品が大量に発見された中枢施設「第二上九・第六サティアン」で見つかった。
 捜査本部は、教団の「化学班」が製造実験を重ねる過程で、より早く確実にサリンを製造する方法としてジエチルアニリンの使用を探り当て、「オウム真理教型サリン」を製造していた可能性があるとみて、押収ずみの書類などに、こうした記述がないかどうか、調べている。
 また、6日までの捜索で、上九一色村の「第三上九・第七サティアン」の製造設備から、サリン製造時の残留物であるメチルホスホン酸ジイソプロピルエステルを新たに検出した。この物質は、昨年7月に同施設周辺で起きた悪臭騒ぎの後にも近くの土壌から検出され、地下鉄事件の現場でもすでに検出されている。
 警視庁は、製造施設の中から残留物が見つかったことによって、教団が主張する外部からのサリン攻撃ではなく、施設内部でサリンがつくられたことが明らかになったとしている。
 警視庁は、教団の上九一色村の施設で、サリンの製造に必要な二塩化リンなどの化学物質や製造設備を発見し、押収するなどしている。また、高度な化学知識をもった研究者が教団幹部にいることも確認している。ジエチルアニリンや施設内での残留物の発見により、教団が地下鉄事件のサリンを製造した疑いはより強まったとしている。
 ジエチルアニリン 一般に化学合成の途中で不要な塩化水素が出てきたとき、それを取り除くために使われる代表的な薬品。森謙治・東京理科大学教授によると、サリンを合成する場合、これを加えて塩化水素を取り除くと、反応が早く進む効果がある。これがそのまま最終生成物に混じることもありうる。(朝日新聞 夕刊)
7日■山陽新幹線あす異例の早期再開 安全論議は後退 JR巨額減収 運輸省歩み寄る
 阪神大震災で大きなダメージを受け、一部不通になっていた山陽新幹線は8日の始発から運転を再開する。当初予定していた「5月連休明け」を1ヵ月近く上回るペースだ。JR西日本が株式上場を控え早期復旧に拍車を掛けた一方で、運輸省は亀井運輸相がリーダーシップを発揮し「安全第一」を前面に掲げJRをけん制してきた。だが不眠不休のJR技術陣の動きに合わせるかのように、運輸省サイドはJRの意向に急速に歩み寄っていった。異例の早期運転再開は両者がぎりぎりの線で折り合いをつけた末の産物といえそうだ。安全性をめぐる論議が後退した感は否めず、運転再開までの動きを追った。
・技術陣がく然
 「地震発生があと19分遅れていたら、始発が通って…」。1月17日の震災で橋げたが落下してレールが宙に浮いたままの高架橋を前に、JR西日本の技術陣はがく然とした。新大阪−姫路間で「関東大震災クラスの地震に十分耐えられる」はずの橋げたは8ヵ所で落下。3日後の同月20日、同社幹部は「復旧は4、5ヵ月先。費用は新幹線だけで700億円」と悲痛な表情で見通しを明らかにした。
 運輸省は「今回と同レベルの地震にも耐えられるように耐震設計基準を見直す」との亀井運輸相のツルの一声で「鉄道施設耐震構造検討委員会」設置を決定した。
 ”安全大臣”を自認する同運輸相は「絶対的な安全が確保されない限りは運転再開は認めない」と事あるごとに繰り返した。
 一方、JR西日本の井手正敬社長は「日本が全滅しても新幹線の高架橋だけは残るように”バベルの塔”を造れというのか」と、図らずも胸の内を吐露した。
 株式上場に向けて減収を避けたい同社にとって、安全性を確保しながらも、早期の復旧が不可欠だった。
 早速、連日2000人を超す工事関係者を動員。損傷のないものも含め約1200本の高架支柱に鋼板を巻くなど、復旧作業が一時は24時間体制の驚異的なペースで進められた。
 2月初め、運輸相の頭越しにJR西日本幹部が「5月連休明け」と復旧見通しを1ヵ月早める強気の発言をした。これに対し運輸相は「早ければいいというものではない」とクギを刺したものの、3月初めには「工事は順調」と語り、発言内容が徹妙に変化するようになった。
 震災後、不通の影響でJR四国、九州などは、旅客収入が激減。JR西日本では在来の東海道線と合わせ600億円近い収入減となり、兵庫以西の地方経済に徐々に影響が出ていた。
 亀井運輸相の地元の広島県では、日本三景の一つの宮島の観光客がめっきり減り、連休の観光シーズンを前に観光協会から悲鳴も。
 「安全確保と早期開通は二律背反しない」
 亀井運輸相は3月11日、大阪市内で財界人を前に、4月初めにも同省が山陽新幹線の安全検査に入る見通しを突如ブチ上げた。
・検査を前倒し
 開業前検査の初日の今月4日に現地入りした同運輸柏は「3日程度で」とさらに当初の「4、5日間」の検査日程を前倒し。安全性最優先が後方に消えた構図になった。
 だが開業に事実上ゴーサインを与えた同省の検討委では、高架橋崩落の原因究明について「崩落個所の沿線で民家の損傷がそれほどひどくなかったのはなぜか」などの点には検討の余地を残し、沿線住民の不安が十分解消されたとはいえない。依然、不安と課題を背負ったまま、山陽新幹線は発車ベルを待つ。
・指定席券の発売始まる
 JR西日本、JR東海の両社は7日、阪神大震災で不通になっている新大阪−姫路間が8日始発から開通し、東京−博多間が81日ぶりに全通する東海道・山陽新幹線の指定席券の発売を開始した。この日は午前5時半から、14日までの指定席券を発売し、同10時からゴールデンウイーク期間中を含む5月7日までの分を発売る。(京都新聞)
■山陽新幹線 あす完全開通 支柱1200本を補強 震災から81日ぶり
 JR西日本は6日、阪神大震災で新大阪−姫路間(91.7`)が不通になっている山陽新幹線について、8日始発から全線で営業運転を再開する、と発表した。
 震災で開業以来の大きなダメージを受けた東海道・山陽新幹線は81日ぶりに全通。旅客需要が激増する観光シーズンを前に、東京−博多間が1本のレールで結ばれる。
 再開後、当分の間は震災で損傷した高架橋上など1部の区間で最高時速170`の徐行運転をするため新大阪−博多間で「のぞみ」が8分程度の遅れになるなど若干の遅れが出るほかは、すべて震災前のダイヤで運行する。
 JR西日本は7日から東海道・山陽新幹線の指定席券の発売を開始する。
 全線運転再開の発表に先立ち、運輸省は6日午後、普通区間で実施した開業前の安全検査を終了。同省の鉄道施設耐震構造検討委員会(委員長、松本嘉司・東京理科大教授)が検査データを分析した結果、橋げたのたわみ量などすべての数値が良好だったことから、「安全性に支障はない」と判断、JRに対し、営業運転の再開を承認した。
 震災で山陽新幹線は不通区間のうち六甲トンネル東側の兵庫県尼崎市などを中心に、8ヵ所で高架橋が落下した。
 JR西日本は「今回と同レベルの地震に耐えられる強度」として棟討委が示した復旧工法に従い、損傷のなかったものも含め約1200本の高架橋の支柱に鋼板を巻くなどの補強をした。
 震災直後、全裸後旧は「4、5ヵ月先」とみられたが、資材調達が順調に進み、落下した橋げたの再利用が可能になったことなどから工期が短縮。「5月の連休前後」を目標に連日2000人を超す工事関係者を動員した。
 JR西日本は、山陽新幹線の復旧費を約490億円と試算。運輸収入の減収は3月末現在で、在来線と合わせて約600億円に上り、本年度中の株式上場を目指す同社にとって、山陽新幹線の早期復旧は急務だった。(京都新聞)
■近畿圏から出発 高速バスを綱羅 バス協会 時刻表を作製
 京都府バス協会など加盟の日本バス協会は、京都、大阪など近畿圏から出発する高速バスの時刻表を小冊子にまとめた。
 冊子は97n。京都、滋賀、大阪、神戸、奈良、和歌山など主要都市から出発している高速バス全国45コースの時刻表、料金、バス停などを紹介しているほか、目的地に早朝到着した場合の休憩、入浴施設などの一覧も記載している。
 希望者には無料で配布(2000部)。申し込みは、はがきで〒612京都市伏見区打田向代町51ノ5、京都府バス協会075(691)6517へ。(京都新聞)
■山陽新幹線 全面復旧 「活気戻って」観光地など期待
 「以前の活気が戻ってくれたら」。阪神大震災後、一部で不通となっていた山陽新幹線の全面復旧の日程が6日、決まった。81日ぶりにつながる陸の大動脈。沿線の観光地や旅行代理店では、落ち込んでいた旅行需要の盛り返しに熱い期待をかけていた。
 JTB関西営業本部によると、1月17日の震災後、関西から九州方面への同社の旅行プランが軒並み中止に。2月に入り新幹線の開通部分を利用するプランなどが復活したが、例年に比べ旅客数は大幅に落ち込んでいたという。
 同社広報室の藤井秀之さんは「全面復旧で特に京阪神の旅行者の利便性が戻る。ゴールデンウイークを控えた時期だけに、これをきっかけに旅行需要が高まれば」と期待を寄せる。
 異人館街で有名な神戸市中央区北野町。普段は若い女性らでにぎわう街は今も観光客はまばらだ。
 同町でホテル、レストランを経営する光田祥五さん(49)は「地震で4月までの予約がすべてキャンセルになった。新幹線の復旧で全国から再びお客さまが足を運んでくれれば」と話す。
 年間約300万人が訪れる日本三景の一つ、広島県佐伯郡の宮島も新幹線の不通で観光客が激減していた。全面復旧の知らせに、宮島町観光協会の佐藤好生事務局長(59)は「ゴールデンウイーク前に開通してとてもうれしい。春の行楽シーズンに弾みがつく」という。
 東京や大阪に向かうビジネスマンの姿が目立つ同日夕の福岡空港。福岡県宗像市の自営業の男性(52)は「災前は主に新幹線を使っていた。予約もなく乗れる新幹線はやはり便利です」と喜んでいた。(京都新聞)
■夙川−岡本間きょうから運転 阪急・神戸線
 阪急電鉄は、阪神大震災のため不通になっていた神戸線の夙川−岡本間(5.5`)で、7日始発から運転を再開する。
 運転は普通電車のみで、12−20分間隔。西宮北口−御影間の代替バスは引き続き運行する。夙川−岡本間は、東芦屋地区で架道橋の擁壁が損壊し、修復する工事が続けられていた。
 同区間の運転再開で、阪急電鉄は84全駅が営業を再開。残る不通区間は、神戸線の西宮北口−夙川間(2.7`)=8月末復旧予定=と、岡本−御影間(2.2`)=7月中旬復旧予定=の2ヵ所となる。(京都新聞)
■オウム教を装い「地下鉄に爆弾」容疑の大阪市職員逮捕
 大阪府警高槻署は6日、オウム真理教関係者を装って「地下鉄に爆弾を仕掛けた」と電話をかけたとして脅迫の疑いで高槻市西町、大阪市建設局中央工営所日本橋出張所職員、古川勝治容疑者(27)を逮捕した。
 調べによると、古川容疑者は6日午前零時55分ごろ、高槻市富田町付近から携帯電話で「朝、7時半に地下鉄堺筋線に爆弾を仕掛ける。オウム」と110番した疑い。
 府警の調べで携帯電話の所有者が古川容疑者と判明。同署員が任意同行を求めて調べた結果、「間違いありません。ただ脅すつもりでした」と認めたという。同署は動機などを追及する。(京都新聞)
■市バスと乗用車衝突 伏見・5人重軽傷
 6日午後9時ごろ、京都市伏見区石田森東町の外環状線交差点で、四条河原町発醍醐車庫行き市バス=木下武雄運転手(58)=と、近くの工員相見忠弘さん(25)の乗用車が衝突した。相見さんが胸を強く打ち重傷、市バスの乗客15人のうち4人が足や肩などに軽いけがをした。(京都新聞)
■京阪電車にトラック接触 東山区・2人けが
 6日午後4時40分ごろ、京都市東山区西小物座町の三条通で、南区上鳥羽火打形町、運転手金山仁守さん(38)のトラックが、並走していた京阪電鉄京津線の四ノ宮発三条行き普通電車(2両編成)の1両目に接触した。電車には約100人が乗っており、うち2人が頭などに軽いけがをした。
 電車は、現場に6分停車したが、後続に影響はなかった。(京都新聞)
■線路内に侵入はねられけが JR花園駅でお年寄り
 6日午後11時半ごろ、京都市右京区花園寺ノ内町のJR山陰線・花園駅構内で、線路内に入った中京区の無職男性(82)が京都発園部行き下り普通電車(4両編成)にはねられた。男性は病院に運ばれ、軽傷。電車は急ブレーキをかけたが、約150人の乗客にけがはなかった。
 太秦署の調べでは、現場はホームから西約40bの地点。踏切はなく、電車が同駅を発車した直後だった、という。
 電車は現場に10分間停車し、後続の上下各1本が13−10分遅れた。(京都新聞)
■山陽新幹線あす全通
 山陽新幹線の新大阪−姫路間(91.7`)について、運輸省は6日、「開業前検査」によって修復した高架橋などの安全性が確認できたとして、営業運転の再開を許可した。JR西日本は8日始発から、ほぼ震災前の運転ダイヤで運行を再開する。阪神大震災で分断された東海道・山陽新幹線は81日ぶりに1本につながる。在来線と新幹線を合わせて、約1200億円の被害を受けたJR西日本の路線も、これですべて復旧する。
 運輸省は、JR西日本の自主検査後の4日から6日までの3日間、開業前検査を実施した。「のぞみ」型車両による時速270`の走行試験のはか、橋げたに約30`の重りを衝突させる衝撃度試験などを繰り返した。
 JR西日本の計画では、7日に最終の走行試験を実施し、8日始発からほぼ震災前のダイヤで運行する。(朝日新聞)
■声 高速化よりも安全追求せよ 豊中市 野阪理男(会社員 67歳)
 阪神大震災で一部不通となっていたJR東海道線が復旧し、阪神間の大動脈のうち、やっと一つのルートがレールでつながった。
 ところでJR各社は震災復旧後、またぞろ高速化にしのぎを削るのだろうか。震災で橋げたが落ち、橋脚にクラックが入り、これだけ長期間の不通になって、安全神話をくつがえす危険性を実感し、予想もしなかった不便さを体験した現状では、過度のスピードアップなど全くナンセンスと言わざるをえない。
 新幹線などの主要幹線は橋脚・軌条・架線など、施設の耐震強度増強の改修工事を全面的に行う必要があり、地震発生時、走行車両を緊急制動し、最悪でも脱線を防止するような新技術を開発するなど、安全性の飛躍的向上を図らねばならない。
 それと同時に、今後の想像を絶する大災害に備えて、大都市をう回するローカル線や、列島を縦断する路線の輸送力強化−複線化、電化、路盤・軌条の整備など−を推進する必要がある。
 ローカル線への投資は当該路線の採算性ではなく、災害リスク回避の国家的施策に位置づけなくては実現できない。狭い日本、災害(地震)国日本。スピードアップよりは安全性の向上を切望する。(朝日新聞)
■市バスと乗用車衝突 5人が重軽傷 伏見の府道交差点
 6日午後8時55分ごろ、伏見区石田森東町の府道交差点で、四条河原町発醍醐車庫行きの市バス=木下武雄運転手(58)=と同区石田大受町、会社員相見忠弘さん(25)運転の乗用車が衝突した。相見さんが胸を強く打って重傷。バスの乗客15人のうち、同区小栗栖北後藤町、飲食店員福智芳亮さん(19)ら4人が顔や手足に軽傷を負った。(朝日新聞)
■「のぞみ」徐行 今日から解除 京都−新大阪間
 JR東海は6日、東海道新幹線の京都−新大阪間で続けていた速度規制を7日から解除する、と発表した。現在「のぞみ」だけが最高時速230`の徐行運転を実施しているが、270`で運転される。(朝日新聞)
■夙川−岡本間 運転を再開 阪急神戸線
 阪神大震災で不通となっていた阪急神戸線の夙川−岡本間(5.1`)が7日始発から運転を再開する。これで阪急電鉄の全84駅が、震災から80日ぶりに営業再開される。ただ、高架橋が落下した西宮北口−夙川間(2.7`)と、住吉川の土止め用の壁が崩れた岡本−御影間(2.2`)は依然として不通で、復旧はそれぞれ8月末、7月中旬の予定。
 阪急によると、夙川−岡本間は普通電車だけの運転で、12−25分の運行間隔。西宮北口−御影間で運転中の鉄道代替バスは、引き続き同じコースで運転する。(朝日新聞)
■復旧 山陽新幹線(上)
不安 高架橋だけ崩れた 「なぞ」残るまま安全宣言
 その朝、公務員嶋谷勝さん(50) は兵庫県尼崎市食満六丁目の自宅で就寝中、突き上げられるような揺れで目を覚ました。玄関を飛び出して最初に見たのは、霧の中の青白い光だった。「山陽新幹線の高架橋が落ちとる」。目を凝らして事態がのみ込めた。高架橋は長さ約60bにわたって崩れ落ちていた。「光」は架線が切れた際の火花で、「霧」は橋げたや線路のバラスト(砕石)が落ちた勢いで舞い上がった土煙だった。
・鉄板巻き支柱補強
 地震から、80日が過ぎた。高架橋は、再び嶋谷さんの自宅前にそびえ、「ゴー」という聞き慣れたうるさい音も、試運転列車によって戻ってきた。変わった事といえは、運輸省の「鉄道施設耐震構造検討委員会」(松本嘉司委員長=東京理科大教授)の指示で、コンクリートの支柱に耐震力を高める鉄板が巻かれたことぐらいだ。
 阪神大震災で山陽新幹線は、新大阪−姫路間で高架橋が8ヵ所で落下した。尼崎市内でも2ヵ所の高架橋が計約120bに渡って落ちた。他の地点では近くの民家も倒壊しているのに、尼崎では周辺の民家がほとんど無事。その点が大きなナゾとして残っている。
 「20年以上も前の国鉄時代の工事がまずかったと片付けてしまえはそれまでだが、それだけでは高架橋は落ちない」。JR西日本の池田靖忠・大阪建設工事事務所長は首をかしげる。
・共振?施工ミス?
 3月29日、運輸省検討委は、山陽新幹線の高架橋の落下原因についての中間報告をまとめた。激しい横揺れで支柱がはさみで断ち切られたように「せん断」されたことを主因と指摘し、その激しい横揺れは、地震動の特定周波数と高架橋が同調する「共振現象」により、揺れ自体が増幅されて起こったと解析した。
 海砂の使用による塩害や鉄節の巻き方が不十分で強度不足があった、などの施工ミスも指摘されている。
 だが、この中間報告に尼崎市の「なぞ」を解く答えはなかった。尼崎市ではなぜ、高架橋だけが崩れ落ちたのか。
 山陽新幹線の高架橋を長年、研究している岡山大環境理工学部の竹宮宏和教授(耐震構造)は「高架橋のような連続した構造物と民家では揺れの受け方が異なる」と解く。民家は個々で揺れるが、高架橋は柱の立つ地盤ごとに違う揺れをいくつも受ける。このため、異なる揺れから発生するねじれに、柱が耐え切れなかったとみている。
・入り組む軟弱地盤
 尼崎市は岩盤の上に、粘土を含む軟弱地盤が複雑に入り組んでいる。周りの硬い地盤から伝わった振動が軟弱地盤に閉じ込められ、共振現象が起こって横揺れが3倍にも増幅された、とも分析している。竹宮教授は高架橋をすべて同じ基準でつくるのではなく、個々の地盤の特徴に合わせて設計する必要性を提唱。「その対策を講じなければ、再び同じ被害に見舞われる可能性もある」と心配する。
 「高架が落下し、甚大な被害が出た。列車走行中ならば想像を絶する被害を起こしかねない事態であり、沿線住民に与えた安全性に対する不安感は極めて大きい」。3月28日、尼崎市は、やはり市内で高架橋が落下した西宮市、伊丹市とともに、運輸省とJR西日本に原因究明と今後の安全対策の説明を求める文書を出した。
 復旧後の安全性についてJR西日本は「工事で、高架橋は再び同規模の地震があっても耐えられる構造になった」という。しかし、高架橋の落下原因については「運輸省におまかせしている」と繰り返すばかりだ。
 運転再開を発表した6日夜の記者会見で、井手正敬社長は「安全は従来以上に高まった」と強調し、こう言い切った。
 「不要の声以上に一刻も早い開通を願う声があり、我々はその使命に燃えた」
 阪神大震災で寸断された山陽新幹線の開通が8日に迫った。震災は、利用者に高速鉄道の利便性を改めて認識させるとともに、30年以上に渡る「安全神話」も揺るがした。山陽新幹線開通後の課題を検証する。(朝日新聞)
■佐賀、長崎も救済命令 中労委JR不採用問題で
 国鉄の分割・民営化の際のJRへの不採用問題で、中央労働委員会は7日、計408人が救済を申し立てた国労の佐賀、長崎両県の紛争について「採用手続きの一部に不当労働行為があった」と認定、JR九州などに対し、平成2年4月に国鉄清算事業団を解雇された組合員に限って、あらためて選考した上で採用することを求める救済命令を出した。
 命令は、国労の北海道、福岡などの紛争と同様の内容。中労委は救済対象者数を明らかにしていないが、国労によると、佐賀が113人(うち1人死亡)、長崎が57人という。
 九州では国鉄のなかった沖縄を除く各県の国労が救済を申し立てているが、今回の命令で、九州で残るのは大分だけになった。(京都新聞 夕刊)
■「地下鉄に爆弾」と 大阪市職員が110番 脅迫容疑で逮捕
 大阪府警高槻署は6日、大阪市の地下鉄に爆弾をしかけるなどと110番したとして、高槻市西町、大阪市建設局職員古川勝治容疑者(27)を脅迫の疑いで逮捕した。
 調べによると、同容疑者は同日午前零時55分ごろ、「朝7時半に地下鉄堺節線に爆弾を仕かける。オウム」などと110番通報し、大阪市交通局を脅迫した疑い。同署で通報の発信元を調査した結果、同容凝者所有の電話であることが判明。任意出頭を求め事情を聴いたところ、犯行の事実を認めたため逮捕した。
 調べに対し、同率凝者は「頭にくることがあったので、脅かしてやろうと思ってやった。酒を飲んでいた」などと話しているという。(朝日新聞 夕刊)
8日■山陽新幹線 きょう全通 震災前のダイヤで
 阪神大震災で不通になっていた山陽新幹線の新大阪−姫路間(91.7`)は8日始発から81日ぶりに営業運転を再開する。
 震災で分断されていた列島の大動脈、東海道・山陽新幹線は、ようやく東京−博多間が全線開通することになる。
 山陽新幹線は再開後は20日のダイヤ改正までの間は、震災前のダイヤで運行。JR西日本は、上下線合わせて1日215本(新大阪−姫路間で184本)を運転する。(京都新聞)
■社説 1ヵ月も早い西の大動脈後活
 阪神大震災で不通になっていた山陽新幹線の新大阪−姫路間が、きょう開通する。西日本の大動脈が回復するのは喜ばしいことだ。しかし一方では、一抹の不安をぬぐい切れない。
 JR西日本をはじめ技術陣が全力を挙げて復旧工事を行った成果という。運輸省も良好と判断しており、技術的には心配はないといえるのだろう。それでもなお、運転再開に当たっては、安全性には細心の注意を求めたい。
 山陽新幹線では、8ヵ所の高架橋が崩れ落ちた。当初は復旧に3−5ヵ月はかかるとされた。亀井運輸相が「安全が確保されない限り、運転再開は認めない」と再三クギをさす場面もあり、目標は5月の連休明けに設定されていた。
 それが、いつしか1ヵ月も繰り上がった。運輸相の発言も「早期開通と安全性は二律背反しない」とニュアンスが変わった。驚異的に工期短縮した技術陣の努力には敬意を表するものの、多客期への期待、さらには株式上揚への思惑がなかったかどうか気になるところだ。
 山陽新幹線は、運休中に20歳の誕生日を迎えた。博多まで全通して20年で4億5000万`、月まで750往復の距離を走り、約11億6000万人を運んだ。西の大動脈の面目躍如である。
 震災で不通になり、中国四国、九州への往来が極端に不便になって、その真価を再確認したわけだが、大動脈ならばこそ、安心して利用できる新幹線であってほしい。当面は徐行で数分の遅れは出るがほぼ平常運転するという。
 ひたすら経済効率を追い求めてきた日本の社会。阪神大震災は、効率優先主義に重い問いかけを残した。運転再開を歓迎しつつも、多少は遅れても安全を優先してほしい。開業時に京都−博多間で4時間余(現行ダイヤは3時間弱)かかったことを思えば苦にならないはずだ。
 沿線住民からは、住宅の損傷がほとんどない地域で新幹線の高架橋が崩落したのはなぜか、科学的説明の要求がある。トンネル付近の住民からは列車通過の際の衝撃振動で被災家屋に悪影響が出ないかとの不安がある。JRと運輸省は誠実にこたえてもらいたい。
 被災した結果、高架橋工事の手抜きが発見された。コンクリートに木材や発泡スチロールが混入していたり、鉄帯の巻き方が不十分だったりなど、新幹線の工事としては姿勢を疑わざるを得ない。
 設計強度も不十分との指摘がある。東海道新幹線には、東海地震に備えて強化された区間があるが、山陽新幹線には特段配慮はなかったこともわかった。
 運転再開は、あくまで仮の姿であり、本格的な安全対策はこれからである。(京都新聞)
■電化前に訓練運転 JR山陰線福知山−綾部間で実施
 JR山陰線福知山−綾部間(12.3`)で現在、4月20日の電化開業を前にした乗務員の訓練運転が営業列車の合間をぬって、行われている。
 訓練しているのは123人で、ほとんどがこれまでディーゼルカーなどを運転していた職員。今回の電化にあわせて、電車運転士の免許を取得、同区間用に新たに整備した113系電車を使用して、営業時の速度で1日9往復し、運転訓練のほか、ドアの扱い方やワンマン運転に備えた各機器の操作方法、注意事項などをベテラン運転士に教わっている。
 訓練は、16日までの予定。(京都新聞)
■「サリンをまくぞ」男性叫び快速運休 JR大阪駅で騒ぎ
 7日午後6時10分ごろ、大阪市北区梅田、JR大阪駅の8番ホームに網干発野洲行き快速電車(11両)が到着する直前、3両目に乗っていた西宮市の男(39)が女性に触ろうとして別の乗客に制止された。男は「サリンをまくぞ」などと叫んだため騒ぎとなった。
 ほぼ同時刻ごろ、2人の男性乗客から「変なにおいがする」と運転士に通報があり、この電車は同駅到着後、運転を中止。乗客約1500人を別の電車に振り替え、曽根崎署員などが車内を点検したが異臭はなく、不審物はなかった。
 騒ぎを起こした男は同署員に保護されたが、その後も意味不明の話をしている。
 この騒ぎで、乗客にけがはなかったが、後続の電車6本が最高6分遅れ、約6000人に影響が出た。(京都新聞)
■山陽新幹線きょう全通
 阪神大震災の被害で、新大阪−姫路間(91.7`)の運休が続いていた山陽新幹線が8日始発から、81日ぶりに全線で営業を再開する。分断された東海道・山陽新幹線も1本につながり、震災前の運転ダイヤに戻る。7日から発売されたゴールデンウイーク期間中の新大阪−博多間の指定席券も好調で、すでに一部の列車は「満席」となった。
 再開一番列車は、新大阪午前6時発の博多行き「ひかり131号」。以降、これまで新大阪や姫路で折り返し運転となっていた列車も震災前のダイヤに戻り、東海道新幹線との直通運転になるし当分の間、落下した高架橋の修復現場では時速170`に減速されるため、最大10分程度の遅れが出る見込みだ。(朝日新聞)
■大阪駅で「異臭」騒ぎ 乗客の男性「サリンだ」
 7日午後6時10分ごろ、JR大阪駅に着いた電車の乗客から「車内で異臭がする」との訴えがあり、警察や消防が駆けつけて不審物深しをする騒ぎがあった。大阪府警によると、乗客の男(39)が「この中にサリンをまいた犯人がおる。おまえがまいたんやろ」などとわめき始めたのがきっかけらしい。実際に異臭が漂ったかどうかは確認できていない。この騒ぎで電車7本に運休や遅れが出た。
 通報は東海道線の網干発野洲行きの上り快速電車の乗客男性3人から。大阪駅に到着直後に、運転士に「車内で異臭がする」と申告があった。JR西日本は、直ちに乗客約1500人をホームに降ろし、同列車の運転を打ち切るとともに警察と消防に連絡。大阪府警などが調べたが、不審物や異状はなく、体の不調を訴える人もいなかった。
 警察の調べでは、前から4、5両目に乗っていた男が「サリン」と言い始めて車内に騒ぎが広がったらしい。JR西日本によると、駅員らが駆け付けると、2つの車両のほとんどの窓が全開となっていたという。(朝日新聞)
■復旧 山陽新幹線(中)
正念場 減収のJR各社 失った客取り戻せるか
 「ぜひとも、お客さんを回していただきたい」。3月23日夜、広島市内の旅館の宴会場。香川県・琴平町観光協会の近兼孝休会長は、町長や町議会議長らと広島市周辺の旅行業者を招き、畳に額をこすりつけた。2日間、広島や山口県を回り、日中は駅前でさぬきうどん2000食を配った。
 琴平は「こんぴらさん」で知られる門前町。30軒ほどある旅館やホテルには、震災後、予約の取り消しが相次いだ。ほとんどが阪神以東の客。新幹線の高架橋が落ち、四国への交通路を断たれたためだ。
・初の赤字転落必至
 観光自粛ムードもあり、琴平町の3月末までの宿泊客は平年のわずか3割に落ち込んだ。減収は15億円を超え、パートを自宅待機させる旅館も出た。
 復旧をにらんだ琴平町の旅客獲得キャンペーンに負けじと、淡路島や愛媛県・道後温泉、島根県・松江市周辺の温泉街などの陳情部隊が、関西や中四国の旅行業者回りに懸命だ。「客の取り合いですよ」と近兼会長はため息をつく。
 JR四国は、3月まで約3ヵ月間の運賃収入が、前年同期よりざっと4割減った。岡山経由で大阪や東京と行き来する客が6割を占めるので、新幹線の分断はもろに響いた。
 JR九州も震災の影響を受け、減収は80日間で推定20億−30億円。JR四国、九州両社とも、赤字路線をかかえて経営基盤が弱いところに地震に追い打ちをかけられた格好で、1994年度は分割民営化後初の赤字転落が必至となった。東海道新幹線を管轄するJR東海は、「のぞみ」の乗客減などから、減収は350億円に達する見通しだ。
・株式上場に赤信号
 JR西日本は、念願の「株式上場」に赤信号がともった。在来線を含めた架線や駅舎の優旧費用は約1200億円。減収は600億円になる。1994年度決算の経常利益は150億円にとどまる見通しだ。上場基準となる400億円には及ばない。
 当初、5月中旬とされていた新幹線の開通時期はJRの努力で1ヵ月早まり、JR西日本はその増収効果を100億円とはじいている。設備投資や人件費を抑えるなどして95年度決算では410億円の黒字を確保し、上場に結びつけることを目指す。
 今、春の旅行シーズン。修学旅行も本格化する。JR沿線の観光地にとっても、黄金週間前の動脈復活は「ひとすじの光」(近兼会長)だ。JTBは、全面復旧を待ちかねたように、関西地区の特産品プレゼントなどを用意した関西キャンペーン「元気です 関西」を4月1日から始めた。
・空との競争し烈に
 新幹線の寸断で旅客は飛行機やバスを使い、空や海の臨時便、代行バスは満員になった。山陽自動車道や、四国、九州を縦横に結ぶ高速道路が開通し、割高なJRなど鉄道網の利用は押されぎみだ。
 かつては、ぜいたくな乗り物だった飛行機も、競争の激化や規制緩和の中で運賃は、同区間の新幹線運賃とほぼ並んできている。国内航空5社は、3月から、1ヵ月前に国内線の航空券を買うと、最大35%前後安くなる割引制度を導入した。「時間が惜しいので、東京−大阪の出張は原則として飛行機」(大手都市銀行)という企業も増えている。JRと航空会社の競争は、ますますし烈になりそうだ。
 JR四国の廣野八哉専務は「震災で、JR各社は1本のレールでつながっていると改めて感じた。これからは、他社やグループ全体で協力し合い、便利で安い商品を企画・開発する努力が必要になる」と話す。
 一度、失った旅客を再び取り戻せるか。正念場はこれからである。(朝日新聞)
■山陽新幹線81日ぶり全通 被災地へひかり 神戸復興望み乗せ
 阪神大震災(兵庫県南部地震)で新大阪−姫路間(91.7`)が、不通になっていた山陽新幹線は8日始発から営業運転を再開した。震災後81日ぶりに全線で開通。今月1日のJR東海道線に続き、東海道・山陽新幹線の東京−博多間が全通したことで、「列島の大動脈」は再生。被災地復興に拍車が掛かりそうだ。
 この日、JR西日本は、山陽新幹線上り線、下り線ともに始発から震災前のダイヤで運行。上下線合わせて1日で215本の列車を運転する。
 この日の一番列車は午前6時、新大阪発のひかり131号博多行き。乗客は150人と少なかった。出発前のホームでは安全を祈念した運転ハンドルが運転士に手渡された。
 JR西日本の井手正敬社長が乗り込み、定刻通りに発車。被災地中心部を通過、15分足らずで新神戸駅のホームに滑り込んだ。
 JR西日本によると、午前10時半現在、上下線とも一部のひかりで自由席が80%の乗車率になったのが最高で、全体では上りが10−60%、下りが10−40%程度。
 再開後、当分の間は震災で橋げたが落下した兵庫県尼崎市内の高架橋上など一部区間で最高時速170`の徐行運転。このため、のぞみで約8分、ひかりは約5−3分程度遅れた。JR西日本では、軌道の状態などを確認しながら、段階的に速度を上げる。(京都新聞 夕刊)
■山陽新幹線全通 被災地の春弾む 突貫工事への不安も… 東へ西へ希望つながる
 復興の願いを乗せてのぞみは西へ、ひかりは東へ。神戸の街にもう一つの春が訪れた。列島の大動脈、山陽新幹線が8日、震災から81日ぶりに復旧。桜が満開の山陽路に流線形の車体が走った。工事をやり遂げたJR関係者、子供の手を引く母親、自宅へ急ぐ出張帰りのビジネスマン…。慌ただしく列車を乗り降りする乗客の顔に喜びが戻った。一方で沿線の住民には複雑な表情が浮かぶ。騒音と振動が繰り返され、再び橋が落ちるのではという突貫工事への不安が首をもたげた。
 神戸市中央区のJR新神戸駅。駅前の桜並木は5分咲き。ホームには全面開通を知らせるアナウンスが繰り返し流れた。構内を明るく改装して営業再開初日を迎えたこの日、客足は鈍くホームの人影はまばらだったが、時間がたつにつれ徐々に利用客が増えていった。「復興のイメージアップにつながれば…」と、街にも活気を期待する声が聞かれた。
 駅前の新神戸オリエンタルホテルの高城康男営業企画部長(51)は「全国ニュースで神戸がきれいになったと思ってもらえる。波及効果に大いに期待したい」と開通を歓迎した。
 新大阪駅の博多方面行きホームでは、久々に開通した新幹線を利用しようと、土曜日の早朝にしてはやや多めの乗客。
 北九州市に単身赴任中の夫のもとに二男を連れて行く途中の奈良市の主婦岡西純子(あつこ)さん(40)は「福岡へ飛行機で行くつもりだったが新幹線が開通するというのでキャンセルした。子連れには乗り換えがないのが便利です」と話す。
 広島駅には始発から東京、大阪方面へ向かう旅行客などの姿が目立った。
 二女の結婚式のため神戸市へ向かう広島市安佐南区の主婦山口早苗さん(53)は「結婚式が8日と決まっていたため、祈るように開通を待ち望んでいた」とほっとした表情。
 安全性に対する乗客の不安に配慮してか、改札前に「運転再開には国の指導を受けるなど万全を期しています」などと書かれた看板を掲示した博多駅。午前9時からは開通を記念して乗客にピンクのカーネーションの花束などが配られた。(京都新聞 夕刊)
■ポートタワー 大丸も再開
 新幹線開通で観光客の増大が期待される神戸市で、8日、港のシンボル、中央区・中突堤の神戸ポートタワー(高さ108b)が営業を再開。神戸・元町でも百貨店、大丸神戸店が阪神大震災後初めて開店した。
 神戸ポートタワーは午前10時に開場、家族連れなど約40人が展望台までのエレベーターに乗り込んだ。
 人気の観光スポットも、地震によリエレベーターなどが被害を受けた。しかし、休業中の2月14日からはライトアップが復活、夜の神戸を演出していた。
 大丸神戸店では、売り場面積を3分の1にして再開。買い物客にせっけんや花などをサービスした。(京都新聞 夕刊)
■新幹線81日ぶり全通 列島の大動脈が復活 震災前ダイヤに
 山陽新幹線が8日午前6時の新大阪駅始発から、全線で運転を再開した。阪神大震災で新大阪−姫路間の高架橋が落下し、東海道新幹線と分断されてから81日ぶりに「列島の大動脈」が復活した。これで被災で運休を強いられたJR西日本の路線はすべて復旧し、運転ダイヤもほぼ震災前の状態に戻った。山陽新幹線の部分運休は、出張の取りやめや旅行の自粛などにもっながり、各方面に影響を及ぼした。全線開通は、被災地神戸の復興にも大きな弾みになりそうだ。
 再開一番列車は、新大阪午前6時発の博多行き「ひかり131号」。新大阪駅からの乗客は約150人と、震災前よりも少なかったが、JRの工事関係者ら約100人が拍手する中を定刻通り発車した。
 JR西日本によると、運転本数は震災前と同じで、1日上下合わせて215本。当分の間、高架橋が落下した区間などで時速170`の減速運転をするため、最大10分程度の遅れが出るという。午前中の平均乗車率は、新大阪−姫路間で上り約40%、下り約30%で、震災前に比べるとやや少なめだった。
 阪神大震災で、山陽新幹線は新大阪−姫路間の高架橋が8ヵ所で落ちた。約5200本の橋脚や支柱のうち、700本以上が折れたり亀裂が入ったりした。
 JR西日本は、震災直後に運輸省が学識経験者らで組織した「鉄道施設耐震構造検討委員会」(松本嘉司委員長=東京理科大教授)の指示に従い、損傷部分を補修、鉄板を巻くなどした。同社は「同規模の地震に見舞われても再び崩れることはない」(梅原利之鉄道本部長)と判断、運輸省も立ち入り検査で「震災前よりも耐震性が向上した」と見ている。
 全面復旧は一時、「6月上旬」としていたが、橋げたの再使用やJR各社からの応援要員の増加、周辺道路の24時間使用で資材や大型クレーン車の撒入が予想以上に順調に進んで、大幅な工期の短縮を実現した。
 ただ、復旧工法や工期の短縮で、高架橋が落下した周辺住民には不安の声もある。兵庫県西宮市など沿線自治体や市民団体などからも、今後の安全対策の充実や徐行運転の要望書などが寄せられている。新大阪−姫路間以外の区間の耐震強化策も未定で、課題を積み残した運転再開の一面もある。(朝日新聞 夕刊)
■観光地にも「ひかり」「再予約」の動き次々 自粛ムード解消へ望み
 ゴールデンウイークや春の修学旅行シーズンを前に山陽新幹線が全線開通したことは、震災で落ち込んだ西日本の観光地に回復への”のぞみ”になった。列島の東西を結ぶ大動脈の分断から2ヵ月半。キャンセルが相次いだ観光地の各施設には「再予約」の動きが出始めた。
 年間約60万人の修学旅行生が訪れる京都市の東映太秦映画村。震災以来、中国地方や四国、九州などの小中学校13校約1700人が予約をキャンセルした。ところが「早期開通」の見通しが強まった3月下旬、一度キャンセルしてきた学校から再び予約が入った。こうした「再予約」はこれまでに5校で約800人。映画村は「開通が修学旅行が集中する5月の前でよかった。徐々に盛り返しているので、今春は前年より1、2割減で済みそう」と見ている。
 関西や関東の宿泊客が多い愛媛県の道後温泉は、2月の宿泊客が前年に比べ35%も減少した。近畿地区で放映していたテレビ広告を中国、九州での放映に切り替えるなどして、観光客数の落ち込みを防いだ。同温泉旅館協同組合の兵頭勝久事務局長は「新幹線の開通で5月以降は速いピッチで客足が回優しそう」と期待している。
 今年、厳島神社が1400年祭を予定している広島県宮島町は、3月の観光客数が前年同月より約3万人減った。しかし、新幹線の早期開通で4月からは関東や関西からの予約も入り始めている。町観光協会の佐藤好生事務局長は「連休を前に新幹線が開通して行楽地が元気になれば、被災地を励ますことにもつながる」と言う。
 岡山県倉敷市の主な観光施設6ヵ所の入場者数は震災から2月末までで前年の約半分だった。美観地区に3軒のみやげもの店を出している光畑宏さん(60)は「売り上げは7割減。名古屋以東の遠方の人の方が買い物の量が多いので今後を期待したい」。
 しかし、一方で「動脈が通ったからといって、すぐ観光客が戻るか」という不安も残っている。別のみやげもの店主は「交通機関の問題ではなく、不況や震災など旅行を控える空気、世間の雰囲気の問題だ」と話す。
 一方、新幹線離れの動きもある。関西と関東からの客が36%を占める長崎県佐世保市のハウステンポスは、2月の入場者が前年比85%に落ち込んだ。しかし、3月はほぼ前年並みに戻り、4月には1割以上増えている。営業宣伝課は「新幹線の利用客の多くが飛行機に乗り換えたためではないか」と説明する。(朝日新聞 夕刊)
■長かった…分断列島ホッと一息 復興に「のぞみ」加速 山陽新幹線81日ぶり全線復旧
 阪神大震災で分断されていた日本列島の大動脈、東海道・山陽新幹線が8日、つながった。「やはり新幹線は便利」−在来線や代替バス、フェリー、飛行機を利用して急場をしのいでいた人たちに、ホッとした表情がにじむ。出張や旅行、見舞いと、さまざまな利用客が、得ち兼ねたように乗り込んだ。一方で、高架橋が落ちた被災地の沿線では、安全対策への不安の声も聞かれた。
出張・帰省 ホーム活気 各地の利用客
◆新大阪駅
 運休中はずっと使われていなかった20番ホームには、午前6時前から「一番列車」の乗客が姿を見せはじめた。
 出張からの帰りという北九州市の会社員山本雅行さん(42)は「たまたま開通の日にあたって助かりました」。震災後も何度か来阪したが、姫路から在来線と代替バスを乗り継ぐと7時間近くになった。
 大阪市生野区の主婦中西孝子さん(43)は、親類の見舞いで広島県福山市に行くため、3人の子どもを連れて乗り込んだ。「小さい子がいると乗り継ぎが大変。これまでは行きたくても行けませんでしたから、開通はやはりうれしい」
◆新神戸駅
 「復旧で遠方からの見舞い客が増えるかも知れない」(西崎芳実助役)と、駅員10人に加え応援の社員6人が案内にあたった。しかし乗降客の姿はまばら。
 「地震直後は神戸の自宅から大阪の会社まで通えず、ホテル住まいだった」という医療機器輸入会社経営、ジョン・ピアソンさん(57)は、新横浜への出張で利用した。「復旧は夏までかかると思っていたが、意外に早かった。ただ政府は他の私鉄をもっと支援して復旧を早めるべきだ」と話した。
◆姫路駅
 阪神大震災以来、山陽新幹線の博多方面への始発駅となった姫路駅。午前6時、姫路始発東京行き「ひかり号126号」がホームに入ると、この日を待ち兼ねたかのように乗客75人が乗り込んだ。
 出張でドイツに行く姫路市の会社員梶原康也さん(56)は「東京方面の出張は播但線を使ってう回するなど大変でした。5時間以上余計にかかり、体力も相当に使いました。全面開通で、ゆったりした気分で乗れます」と話した。
◆東京駅
 構内のあちこちで、張り紙や電子ニュースで東海道・山陽新幹線の全面運転再開を知らせていた。午前中から指定席ははぼ満席状態になった。
 「よかったねえ。予定より1ヵ月も早い開通だ。やれはできるんだねえ」と、埼玉県春日部市の会社社長大谷武司さん(59)は話した。この日は、大阪までの日帰り出張だが、神戸や岡山への出張もたびたびあり、これまでは飛行機を使ったり、電車を乗り継いでいたという。
◆一番列車
 午前6時、新大阪駅を出た「一番列車」の博多行き「ひかり131号」。乗車率は約20%で通常より少なめ。車内には、土曜日のせいか、実家に帰る人が多い。
 兵庫県内に入り、落下した高架橋の修理現場を通る。時速170`に減速されたが、それほど揺れない。新神戸駅に到着する時に、車体がガクッと少し揺れ、乗客の中から「あれっ」という声が出た。
 外の景色には、被害にあった家屋にかけられたビニールシートの青色がまだまだ目につく。神戸市灘区の自宅が全壊した郵便局職員古閑勲さん(34)は、窓の外を見ながら、「結構なおってきたのでしょうか。もっと被害が残っているのかと思いました」。新幹線の開通を復興の一つの象徴としてとらえたいという。
 新大阪−岡山を運転席に乗ったJR西日本の井手正敬社長は「貨物で物流が戻り、(今日の新幹線の全通で)人の流れと両方が通った。これで復興に弾みがつくかな、という感じだ。乗客に『安全かな』という気持ちがあれは申し訳ない」と話していた。
・やっと元の生活に 通勤客
 山陽新幹線の不通は、増え続ける新幹線通勤のビジネスマンにとってはつらい2ヵ月半だった。暫定的に勤務地を替えたり、単身赴任に踏み切ったり。京都から岡山まで在来線などで通勤した人もいた。
 「やっと元の生活に戻れる」と、岡山市の製薬・食品メーカー「林原」に勤める京都市伏見区の村川博信さん(50)は大喜びだ。京都−岡山間を新幹線で通っていた。地震後も、2人の娘の大学進学を前に「父親として支えたい」と通勤にこだわった。
 交通の便が改善された3月から、在来線や代替バスを乗り継いで毎日通った。片道5時間。フレックス制度を利用したが、それでも午前5時には家を出た。
 新神戸−岡山間を通勤していた同社員で神戸市中央区のモハマッド・ライースさん(51)=パキスタン国籍=は地震後、岡山市の社宅で単身赴任に。娘の進学のため今秋から家族を米国に移す予定だったのを早めた。
 ダイセル化学工業(本社・大阪府堺市)では、堺市の本社へ通う兵庫県姫路市在住の技術管理職2人のうち、一人を暫定的に姫路市の工場へ勤務地替え。もう一人は大阪市内の社宅に単身で仮住まいを続けた。
 JR西日本によると、新幹線定期は民営化後に発売され、利用は1993年度で約3万5600枚。新大阪−岡山間は3ヵ月で36万3870円、1日平均利用者は約240人で年々増えているという。
・壁に亀裂振動不安
 山陽新幹線の高架橋が落下した兵庫県尼崎市食満地区。線路の北約50bに住む無職寺本義三さん(74)は、8日から走り始めた列車をながめながら「JRは早期復旧ばかり目指して、私たち住民の姿が見えていない」と語った。
 木造2階建ての自宅は地震で屋根がわらが落ち、いまも防水シートをかけたまま。壁に入った亀裂は余震ごとに広がっている。列車が通過するたびに、ゴーッという騒音とともに振動で家が震えた。「地震で家が傷んだせいか、以前より振動が激しくなったようだ」
 寺本さんらは4月初め、JR西日本の担当者を招いて住民説明会を開いた。7日にはJR西日本本社を訪ね、高架橋落下の原因解明や実験データの公開、減速運転などを申し入れた。
 落下現場のすぐ南に自宅がある会社員佐野洋子さん(51)も「崩れた場所は震災前からひんばんに補修していた。欠陥があったのではないかとさえ思う。原因を明らかにして納得のいくよう説明してもらわないと安心できない。減速して通過するなどの配慮もほしい。一度崩れた新幹線のそばに住むのは不安」と話した。(朝日新聞 夕刊)
9日■疏水の魚100匹死ぬ 地下鉄工事の影響?
 8日午前10時半ごろ、左京区下鴨梅ノ木町の疏水(通称泉川)で、コイやナマズなど約100匹が水面に浮いて死んでいるのを近所の人が見つけ、下鴨署に通報した。
 調べによると、疏水は幅3.1b、深さ2.5a。薬物などを投棄した様子はなく、北山通りの地下鉄工事で水が溺ったためではないかとみている。(朝日新聞)
■復旧 山陽新幹線(下)
高速性 問われる安全性 営業運転には課題山積
 真夜中の山陽新幹線小郡−新下関間を、先頭がくさび形の列車が駆け抜ける。「WIN350」。JR西日本が開発中の新型超特急の試験車両だ。
 最高時速は300`。デビューすれば、フランスの新幹線「TGV」と並んで世界で最も速い営業列車となる。
 新大阪−岡山間で山陽新幹線が営業を始めたのは1972年。当時、210`だった「ひかり」の最高時速は、国鉄分割民営化の前年の86年に220`となり、93年3月の「のぞみ」登場で270`となった。新大阪−博多間を走る時間も、75年の全線開業時の3時間44分が、今は2時間32分に縮まった。
 ライバルの航空機には、速度こそ劣るが、輸送力では勝る。高速化は競争力アップの強力な武器となる。「WIN」の走行試験は震災直後も週3回のペースで続けられている。つぎ込んだ開発費は100億円を超える。
 「責任死亡事故ゼロ」。東海道新幹線が開業した64年以来続く新幹線の安全記録である。地震の発生が山陽新幹線の始発前だったため、その記録は今回の震災でも守られた。だが、もし、地震発生が営業時間帯だったら…。
 時速220`で走る「ひかり」はブレーキを掛けてから列車が止まるまでに70秒かかり、その間に2.4`走る。時速270`の「のぞみ」は90秒、3.8`も必要だ。300`のWINクラスの電車では、その数値は98秒、4.7`に跳ね上がる。仮に高架橋などに異常が生じて運転士がブレーキを掛けた場合、スピードが速い電車ほど停車までに時間、距離がかかる。
 JR西日本は「地震の初期微動を検知して列車を早期に停止するシステムも新たに導入する。高架橋も復旧工事で補強し、頑丈になった。とくに問題はない」(井手正敬社長)と言い切る。
 だが、阪神大震災ではこんな事故も起きている。
 東海道線の芦屋−摂津本山間では貨物列車が脱線した。線路には全く異常がなかった。貨物列車は強い地震の揺れによって、瞬時に線路から飛び出してしまったことになる。新幹線で同じ事故が起きないとは限らない。
 運輸省の「鉄道施設耐震構造検討委員会」(松本嘉司委員長=東京理科大教授)は、新幹線の脱線防止策の検討を進めている。在来線の急カーブに見られるような、線路の内側に脱線を防ぐレールを設置する案などが浮上しているが、今のところ決め手はない。
 兵庫県尼崎市の14自治会で組織する「園田社会福祉連絡協議会」の会長、西村日出丸さん(74)は「地震対策が万全といえない状態での高速化は反対だ。それに騒音問題もある」と話す。
 環境基本法に基づいて定められた新幹線騒音の環境基準は住宅地で70デシベル以下。昨年度、環境庁が62地点で調べた山陽新幹線の平均騒音は72.3デシベル。兵庫県高砂市今市では76デシベルとなり、70デシベル以下は10地点しかなかった。暫定基準(75デシベル以下)の達成率は98%だが、多くの地点で環境基準はクリアできていない。高速化で騒音は大きくなる恐れもあり、その対策が大きな課題だ。
 JR西日本は300`の新型超特急を一日も早く実現させたい考えで、来年夏ごろの営業運転を目指す。
 が、亀井静香運輸相は慎重で、「新型車は安全性や耐震性、騒音をチェックし、必要な見直しができなければ走らせない」と話す。そして、こう付け加えた。「それで計画が遅れたとしても仕方がない」(朝日新聞)
10日■コインロッカーを山手線内使用中止 JR東日本が「当分」
 JR東日本は9日、地下鉄サリン事件の再発防止のため、山手線と中央線東京−新宿間の各駅にある計約1万2000個のコインロッカーすべてを使用中止にした。
 警視庁からの要請によるもので、「期間は当分の間」としている。(朝日新聞)
11日■博多の車両所見学 親子50組無料招待 JR西日本
 JR西日本は「のぞみで行く博多総合車両所見学会」に抽選で親子50組(100人)を無料招待することを決めた。
 見学会は4月22日午前6時55分発の「のぞみ」で新大阪駅を出発。博多駅到着後、福岡市内の新幹線の車両検査を見学、太宰府天満宮を訪れる。新大阪駅帰着は午後6時半ごろの予定。
 当日は新大阪駅のほか、新神戸駅で乗降車できる。
 募集は小学生と保護者の2人1組に限り、応募方法は郵便はがきに保護者の住所、氏名、年齢、職業、電話番号と乗降車駅を記入。〒530-91 大阪中央郵便局私書箱678号DMD「のぞみで行く博多総合車両所見学会」係まで。
 縮め切りは4月15日必着分まで。(京都新聞)
■阪急とJRの振り替え短縮 13日から西ノ宮−住吉間に
 不通区間のある阪急神戸線の代替輸送として、阪急電鉄がJR西日本に対して要請していた「振り替え輸送」の区間が13日から変更となる。これまでの大阪−住吉間が西ノ宮−住吉間に短縮される。
 例えば、これまで阪急の梅田−御影間の定期、回数券客は、JR大阪駅から住吉駅まで利用できたが、13日からは大阪−西ノ宮間の運賃が必要になる。
 振り替え輸送は不通区間が発生した場合、他社にその輸送を補ってもらう制度。これまでは、震災による各社の鉄道網が寸断されたことから利用者の利便性を重視して、各社間で融通を利かせてきた。
 阪急はJR西日本に、神戸線が全面復旧する8月末までの継続を要請した。しかしJRは、4月1日に東海道線が全線開通したことなどから「JR運賃が阪急よりも高い場合があり、いつまでも融通を続けると、JR客に不公平感が生まれる」として断った。(朝日新聞)
12日■阪急電鉄も赤字転落 上場以来初 震災での減収58億円 3月期決算
 阪急電鉄は11日、1995年3月期決算の業績見通しを大幅に下方修正した。阪神大震災で鉄道に大きな被害が出たため、復旧費用などの特別損失などを織り込んだ当期損益は、黒字予想から一転して、67億円の赤字に転落する。
 当期赤字になるのは、49年の上場以来初めて。期末配当も見送る。
 修正した売上高は、昨年11月の中間決算発表時の見通しに比べ129億円減の1773億円。
 このうち震災による減収は、鉄道事業が24億円、レジャー施設など兼業が34億円の計58億円となる見通しだ。経常利益は、11月の見通しより53億円減り、39億円にとどまる。
 大きな被害を受けた神戸線は、全線開通が8月末になる見通しで、引き続き減収が続く。さらに、復旧工事に伴う費用の計上もこれから集中してくるため、阪急電鉄は、96年3月期についても当期赤字は避けられない、としている。(朝日新聞)
■英仏海峡つなぐユーロトンネル 開通1年、膨らむ赤字 列車開業の遅れ響く 株主への手紙で「今年は正念場」「危機説」流れ株急落も
 【ロンドン10日=杉浦信之】英仏海峡トンネルの運営会社、ユーロトンネル社は10日、去年5月のトンネル開通後、初めての1994年の決算を発表した。列車の運行開始の遅れから、年間の赤字額が3億8600万ポンド(約520億円)に達し、前年の190万ポンド(約2億5000万円)の赤字から、大幅に損失が膨らんだ。一方、決算内容を株主に知らせる手紙の中で、同社が「ユーロトンネルは危険にさらされている。今年は、存亡のかかった年だ」と記したため、同社の経営危機説が流れて株価が急落するひと幕もあった。
 大幅赤字となったのは、収入の主力となる旅客列車「ユーロスター」の営業開始が11月と、半年も遅れたのが最大の原因。当初、1億3500万ポンド(約180億円)の売り上げ見通しだったのが、346万ポンド(約4億6000万円)にとどまった。
 同社は昨年、約7億ポンド(約900億円)の新規融資枠の契約を銀行団と調印したが、その当時の経営状況と変わってきたため、融資の実行について、協議が続いていた。この日の発表で、このうち3億ポンド(約400億円)分について、銀行団も今年10月までは融資に応じることになった。
 しかし、残りの融資枠がすべて実行されても借金の利払いに消える計算になる。このため同社は、来年にも新たな資金調達が必要としている。今年は、年間を通じて営業運転収入が見込めるが、新たな資金調達のめどが年内にたつかどうかが、経営再建のかぎになっている。
 株主への手紙は、「今年は正念場」の決意を示し、銀行団などへの理解を得るためのものとみられるが、配当のめどもたたない中での刺激的な言葉だったため、株価が急落。夕刊タブロイド紙も一面トップで「ユーロトンネル、倒産に直面」との記事を掲載した。このため、あわてた会長が記者会員で「われわれは倒産しないし、この危機を克服する」と弁明する事態になった。(朝日新聞)
■「のぞみ」号で博多へ行こう JR西日本 小学生らを車両所に招待
 阪神大震災の被害から復旧した山陽新幹線の安全性を理解してもらおうと、JR西日本は22日に、小学生の親子50組100人を福岡県筑紫郡那珂川町中原の「博多総合車両所」に無料招待する。
 当日は新大阪を午前6時55分、新神戸を同7時9分発の「のぞみ501号」で出発、博多車両所では「のぞみ」の点検・整備や時速300`をめざす新型超特急の試験車両「WIN350」などの見学を予定している。その後、太宰府天満宮に参拝し、博多発午後3時23分の「ひかり138号」で、同6時半ごろに新神戸、新大阪に戻る。
 応募方法は、官製はがきに親子の住所、氏名、年齢、職業、電話番号と乗降駅を明記して、〒530-91 大阪中央郵便局私書箱 678号DMD「のぞみで行く博多総合車両所見学会」事務局係へ。縮め切りは15日到着分までで、応募多数の場合は抽選となる。問い合わせは、電話06-955-7465まで。(朝日新聞)
■強風で一時運休に 関空線のJRと南海
 12日午前六時すぎ、関西国際空港(大阪府泉南郡田尻町)と対岸を結ぶ連絡橋上の風速が規制値の秒速25bを記録したため、JR関西空港線と南海電鉄空港線でこの区間の運転を一時見合わせた。
 南海の特急ラピートを含め、両社合わせて上下計8本が運休。最高で13分遅れた。同6時38分から再開した。JRで約300人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
13日■山陽電鉄の須磨−須磨浦公園18日開通
 山陽電鉄は12日、阪神大震災による同電鉄本線の不通区間のうち、山陽須磨- 須磨磨浦公園間(1.4`)について、18日始発から運転を再開する、と発表した。
 須磨寺−垂水間で運行している代替バスは須磨浦公園−垂水間に区間が短縮される。
 残る不通区間の復旧は、須磨浦公園−滝の茶屋間(2.7`)が6月下旬、西代−板宿間(1.0`)が7月上旬ごろの見通し。(京都新聞)
■須磨−須磨浦公園間が18日に運転再開
 山陽電鉄の須磨−須磨浦公園間(1.4`)が、18日始発から運転を再開する。これにより、18日から鉄道代替バスの運転区間も須磨浦公園−垂水間に変更される。
 須磨浦公園発の始発電車は午前6時11分、最終は午後10時56分。残る不通区間は須磨浦公園−滝の茶屋間と西代−板宿間。復旧見通しはこれまで通り、須磨浦公園−滝の茶屋間が6月下句、西代−板宿間が7月上旬という。
 代替バスは、垂水発の始発が午前6時35分、最終が午後9時30分。須磨浦公園発が始発午前7時5分、最終は午後10時。午前7−9時と午後5−9時は15分間隔、そのほかの時間帯は20分間隔で運転する。(朝日新聞)
■JR客、3000人増加 震災前より
 今月1日に復旧したJR東海道線の乗客数が、震災前を上回っていることが13日、JR西日本の調査で分かった。阪神間を並行して走る阪急、阪神の両私鉄は今も一部区間が不通のため、客を奪った形。
 JR西日本によると、調査したのは10日の朝のラッシュ時。午前7時から9時までに、神戸方面から大阪駅に着いた電車の乗客は計約6万6000人で、震災前の平均より約3000人多かった。
 一方、阪急は岡本−御影間など2区間で、また阪神が御影−西灘間で高架部分が倒懐するなど被害が大きく、完全復旧はそれぞれ8月から9月になる見込み。
 両私鉄の神戸・三宮駅の乗降客は震災前、いずれも1日約11万人だったが、JR復旧後は3万人程度に落ち込んでいるという。
 「一部でも運行できない鉄道は商品として不完全」(阪急)、「バスによる代替輸送など、打てる手は既に打った」(阪神)と全線復旧に全力を挙げている。(京都新聞 夕刊)
14日■窓 融通きかせて定期券売り場 上京区・河崎 明彦(高絞生・17)
 希望に胸ふくらませて中高校生の学年始めの登校日は毎年、大抵4月10日です。私は通学開始に備えて前日の9日に京都駅まで、通学定期券を買いに行きました。ところが、近鉄は取り扱ってくれましたが、市バスと地下鉄の定期券売り場はお休みでした。
 地下鉄の駅員さんに尋ねると「日曜は休みです。月末と月初めの2日ずつは日曜でもやっています」とのこと。学校始めで初めて定期券を買う人も多いと思われますが、今年は、あいにく、前日が日曜日でした。
 念のため、北大路のバスタ−ミナルまで行ってみましたが、やはりだめでした。でも3人連れの女子生徒が「どうしよう。あした間に合わへん」と言っていました。
 市バスは蹴上のつつじ公開の日や北野天神さんの縁日には、係員が何人も出られます。学年始めの前日が日曜というのは数年に1回のことです。通学定期券購入の多い新学期のときは特に、あとで代休を取るなりしてでも取り扱いができないものでしょうか。
 融通のきかなさにはあきれてしまいます。お客の要望の多いときは臨時に取り扱うなど、臨機応変に対応してほしいものです。(京都新聞)
■「キセル」は年間81億円 JR西日本が調査 収入の3%に相当
 近畿のJR在来線での「キセル」などによる不正乗車額は、推定で年間約81億円に上り、JR西日本の収入の約3%に当たることが、13日、同社の調査で分かった。これまで実際に摘発された乗客の運賃請求額の年間総額などは明らかになっていたが、摘発を免れているものも含め不正乗車の全体像が把握されたのはこれが初めて。
 JR西日本では、昨年10−12月の間、鉄道本部・営業推進チームの約100人が、東海道・山陽線など近畿2府4県の主要10線区について、各列車の車内で抜き打ちの特別検札を実施。
 特別検札を実施した際の清算収入と通常時の精算収入の差額から、不正乗車の割合を算出。各線区の年間の総精算収入をもとに年間の総額を推定した。線区別では、東海道線大阪−三ノ宮間の約16億円が最高で、次いで山陽線三ノ宮−姫路間と大阪環状線が13億円、東海道線京都−大阪山間が11億円などだった。(京都新聞)
■京阪、近鉄線上に 自転車、バイク放置 けが人なし
 13日午後11時15分ごろ、京都市伏見区新町1丁目の京阪電鉄新町踏切で出町柳行き特急電車が、線路に置かれていた自転車をはねた。電車は車両前部の一部を破損、現場に約5分間停車した。
 約30分後、約1`南の伏見区向島津田町の近鉄京都線桃山2号踏切で、西大寺行き普通電車が、線路上のバイクをはねた。電車は現場に約20分間停車、後続の急行電車が17分遅れた。けが人はなかった。
 伏見署は、何者かが自転車やバイクを横倒しに線路上に放置した、とみて捜査している。(京都新聞 夕刊)
■京阪と近鉄の線路に障害物 京都・伏見
 13日午後11時15分ごろ、京都市伏見区新町一丁目の京阪電鉄新町踏切(警報機、遮断機付き)で、淀屋橋発出町柳行き特急電車(7両編成、乗客約170人)が、線路に置いてあった自転車をはねとばした。この事故で、特急は現場に約5分停車したが、乗客にけがはなかった。
 約30分後、この現場から南約1`にある同市伏見区向島津田町、近鉄京都線桃山二号踏切(警報機、遮断機付き)で、京都発西大寺行き普通電車(4両編成、乗客約400人)が、線路に置いてあったバイクをはねとばした。この事故で、電車は現場に約20分停車し、後続の急行電車に遅れが出たが、乗客にけがはなかった。
 伏見署は、電車往来妨害容凝で調べている。(朝日新聞 夕刊)
■「キセル」被害 年間に81億円
 JR西日本は13日、近畿圏の路線ごとに「キセル」などの不正乗車の年間被害額を初めて推計し、発表した。10路線の被害総額は年間81億円で、最も被害額が大きいのは東海道・山陽線(米原−姫路間)の49億円。次いで大阪環状線の13億円、阪和線の6億円の順になっている。同社は「キセル一掃」には、すべての切符や定期券を検札する自動改札機の設置が有効と考え、1998年ごろまでに近畿の全駅での導入をめざしているが、当分の間は、調査結果に基づいた取り縮まりを強化するという。
 調査は、昨年10月から12月までの間に10路線を対象に、約100人の社員が各列車で「特別車内検札」を実施。この際に乗車区間の切符や定期券を持たない客の数や精算金額などから、被害額を推計した。
 被害総額81億円は、10路線の年間運賃収入の約3%にあたる。ワースト1位の東海道・山陽線を区間別でみると、最も被害がひどいのは大阪−三ノ宮間で16億円。(朝日新聞 夕刊)
■ニュートラム突然自動停車 南港東駅
 14日午前7時48分ごろ、大阪市住之江区南港東二丁目の南海東駅を出発しようとした中ふ頭発住之江公園行きニュートラム(4両編成)が、約3b動いたところで、自動列車制御装置(ATC)が作動し、停車した。
 線路や列車に異常はなく、同駅の職員がこの列車に乗り込んで手動運転に切り替え、同7時53分に再出発。住之江公園で折り返し、中ふ頭駅へ着いたところで同列車の運転を中止した。
 この列車が南港東駅を再出発するまでの約5分間、運行中のほかの13本も最寄り駅で停車し、計約1500人の足が乱れた。
 大阪市交通局は、同列車のATC受信アンテナか、線路のATC発信装置に何らかの異常が生じたとみて、調べている。(朝日新聞 夕刊)
15日■JRの保線用工作車両 新型「マルタイ」配置 京都と神戸17日から稼働
 阪神大震災でも活濯した鉄道線路の保守用工作車両「マルチプル・タイタンパー」(マルタイ)の新型車が、JR西日本の京都、神戸両支社に1両ずつ配置され、今月17日から稼働する。
 マルタイは、線路下の道床のバラストを突き固めると共に、線路の狂いを調整するための専用車。車体下にある鉄のツメを地中に差し込み振動させたり、ツメで線路を両わきから抱えて動かす。
 導入された新型車両は、オーストリア製。全長35bで、従来型のマルタイに比べ、ほぼ2倍、高さも3.27bと、ひとまわり大きい。12気筒のディーゼルエンジン(1万9000cc)を備え、最大出力は320馬力。1時間に、距離にして700b間の道床(従来型は500b間)を突き固める能力がある。
 17日は、摂津市の吹田保線区で、鳥居興彦京都支社長ら関係者50人が集まって、出発式を行う。(京都新聞)
■黄金週間は鳥取へ 「はくと」京まで延長
 JR西日本は、智頭線経由で新大阪−鳥取・倉吉間を結んでいる特急「スーパーはくと号」を、ゴールデンウイーク期間中(4月29日−5月7日)にかぎり、京都まで延長運転する。
 延長運転されるのは上り2本、下り1本の計3本。ダイヤは次の通り。
 ▽スーパーはくと3号・京都発12時21分−倉吉着15時59分▽同2号・鳥取発7時10分−京都着10時21分▽同6号・倉吉発17時24分−京都着21時06分(京都新聞)
■地下鉄事件 通勤途中、サリン被害 初の労災認定
 11人の死者と5000人を超す被害者を出した地下鉄サリン殺傷事件で、東京労働基準局の中央労働基準監督署は14日、通勤途上に被害に遭った団体職員の女性(23)から出されていた通勤災害の労災申請を認めた。
 同事件では、13日現在で東京、神奈川、千葉の労働基準局管内で計45件(うち2件は業務上)の労災申請が出ているが、認定されたのは初めて。
 浜本労相は、同事件の被害者について「迅速な救済に努めたい」と話しており、申請から半月のスピード認定となった。
 事件発生が出勤時間帯のため被害者の多くが通勤客だった。労働省は「通勤労災として認定される人数は過去最多になるのではないか」とみている。
 労災認定された女性は3月20日午前8時10分ごろ、営団地下鉄日比谷線の電車に乗っていたが、異常発生の車内放送があったため、小伝馬町駅で途中下車したところ、気分が悪くなり倒れた。収容先の病院でサリン中毒による視力障害、下肢まひと診断され、同30日に労災申請した。
 労働者災害補償保険法によると、労災認定されると、入院や治療の費用がほぼ全額支給されるほか、休業した場合は平均賃金の約8割が休業補償給付金として支給される。(京都新聞)
■地下鉄サリン事件 出張者も労災認定へ 霞が関には「危険性内在」 労働省 救済対象を拡大
 地下鉄サリン殺傷事件で通勤途上、被害に遭った団体職員(23)の労災申請が認められたが、労働省は15日までに、出張中や既に出勤して仕事先に向かう途中、事件に巻き込まれた被害者についても、業務上の労災として認める方針を固めた。これまで、業務上の労災申請は2件にとどまっているが、今後被害者の中から申請が増えることも予想される。
 今回の事件で出張者らを労災認定する理由について、労働省は@過去に自民党、社会党の本部や官公庁を狙った事件が起きるなど霞が関周辺には危険性が内在していたA同じ事件で通勤災害だけ認めるのは均衡を失する−などを挙げている。
 業務上の労災は、業務との直接的な因果関係がまず問題となり、今回の事件では不審物処理に当たった地下鉄職員などは、無条件で認定される見通し。
 しかし労働着は、もう一つの要件である「危険性の内在」をできるだけ幅広く認めることで、救済対象者の枠を広げるなど認定基準の緩和も含めた見直しを検討したい、としている。
 これまでの例をみると、昭和49年の連続企業爆破事件では、爆破されたビルが過激派に狙われる危険性があったとして、巻き添えになった被害者に対し業務上の労災が認定された。
 しかし、今回のような事件では、これまで論議が分かれるケースも多く、認定基準が厳しすぎるとの批判が根強かった。(京都新聞 夕刊)
■オウム教祖「予言」 2万人で東京厳戒
 地下鉄サリン殺傷事件や警察庁長官銃撃事件など相次ぐ凶悪テロ事件を防ぐため警視庁は15日、機動隊員など約2万人の警察官を動員して霞が関の官庁街や新宿、渋谷の繁華街を中心に厳戒態勢を敷いた。
 オウム真理教の麻原彰晃教祖が「4月15日に東京で大変なことが起きる」と「予言」したためで、JR新宿駅ビル内の2つのデパートが店内改装などを理由に15、16の両日は臨時休業。営業を続けたJR渋谷駅周辺の各デパートには、制服警官が張り付き警戒に当たった。
 警視庁によると、この日は防弾チョッキや防毒マスクを準備。捜査や警備に携わらない総務、警務部門の警察官も投入する大警備態勢で万一の事態に備えた。
 特に、巨人−阪神戦が行われる東京ドームや映画館などでは、不審物が置かれていないか警戒。ターミナル駅や地下鉄、地下街などもパトロールを強化、電気、ガス、水道などのライフラインを中心に徴底的な安全チェックが実施された。
 羽田空港では不審者発見に全力を挙げ、各幹線道路でも検問が続けられた。
・京都でも警戒
 京都でも、不測の事態に備えて15日早朝から交通機関などで警戒態勢がとられた。
 京都府警は、JR京都駅のターミナルや駅前のポルタ地下街など、京都市内の人の出入りの多い施設に制服警官らを配置。不審な人物や物がないか、ごみ箱などに目を光らせた。
 市営地下鉄は、午前7時半から四条駅に連絡本部を置き、管理職以下のべ30人が警戒にあたっている。2人1組で駅構内の巡視や、列車への添乗を行い、不審物がないかなどを調べた。
 市水道局浄水部は「上水道施設に劇物などが投げ込まれる危険性もある」として、通常の土曜日体制に加えて、臨時のガードマンや応援の職員ら25人を増強。浄水場や疏水関連施設などで、パトロールを続けている。(京都新聞 夕刊)
■バス乗客ら90人死傷 エジプト、列車と衝突
 【カイロ15日共同】エジプトの警察当局によると、同国北部ミヌフィーヤ県のクウェイスナ近郊の鉄道で15日午前7時(日本時間同日午後2時)すぎ、踏切を渡ろうとしたバスが列車と衝突。バスの運転手や乗客を中心に少なくとも44人が死亡、45人が負傷した。
 事故が起きたのは、首都カイロと地中海岸の都市アレクサンドリアを結ぶ幹線。外国人観光客も多数利用しているが、警察やカイロの日本大使館によると、これまでのところ日本人の死傷者はないもよう。
 バスは直前に別の列車が通過したため踏切を越えようとしたが、もう1本の列車が反対方向から近づいて来るのに気付かず衝突したとみられる。(京都新聞)
■地下鉄サリン事件 通勤労災初の認定
 11人の死者と5000人を超える重軽傷者を出した東京・地下鉄サリン事件で、通勤途中に被害に遭った女性団体職員(22)に対して、労働省は14日、労働者災害保険法に基づき、「通勤労災」と認定し、労災保険の給付を決定した。サリン事件で通勤労災と認定されたのは初めて。同省は、被害者のほとんどが通勤客だったことから、一つの事件・事故による労災の対象者としては過去最高になるとみている。(朝日新聞)
16日■阪神大震災3ヵ月 まち再建本格化 「日常」徐々に…にぎわう都心 私鉄復旧は9月に
 阪神大震災の発生から17日で3ヵ月。ガス、水道はほぼ後旧、山陽新幹線やJR東海道線も開通するなど復旧への動きが活発化している。
 水道は、4月初めまでに99.9%が復旧。残りも「20日までには完全通水できる」(神戸市水道局)までに回復した。管に土砂が入るなどして作業が遅れていたガスは、復旧対象だった70万4000戸については、11日に供給可能になった。
 交通機関は、1日にJR東海道線が開通、大阪−神戸間が震災後初めて1本の線路で結ばれた。山陽新幹線も8日に運行を始め、東西の大動脈が回復。しかし、私鉄の復旧は、阪急が8月、阪神は9月の見込みで、通勤通学の足が戻るにはまだ時間がかかる。
 ピーク時には31万人を超えていた避難所暮らしの人もライフラインの復旧や仮設住宅の建設などに伴い減少。これまで仮設住宅と公営住宅合わせて約2万9000世帯が入居した。
 しかし現在、神戸市の約4万3000人ら計約5万2000人が663避難所での生活を強いられている。また、神戸市内では半数に近い商店が再開できていない。
 3月中旬に兵庫県内5市町で13地区の復興都市計画案が承認され、住民との話し合いが始められるのをはじめ、デパートやビルが倒壊した神戸市中心部の三宮地区の「町割り」も示されるなど、復興に向けた街づくりも本格的に始動した。
・デパート開店 おりから復活祭
 阪神大震災から3ヵ月の16日、最大の被災地神戸市の繁華街は、小雨の降る中、日曜日とあって買い物客らでにぎわった。デパートの営業再開、外国人向けのFM放送を開局、教会ではキリスト復活を祝う復活祭とがれきの残る街で「復興」への動きが目立った。
 同市中央区のJR三ノ宮駅前にあるそごう神戸店は、震災で大きな被害を受け、売り場面積を3分の1に縮小して営業再開。午前10時の開店前、早くも地下1階の入り口から地上の地下街出入り口まで買い物客があふれた。この1日で8万8000人に上った。
 宝塚市に住む会社員の女性(52)は「神戸に住んでいたころからよく来ていたので、再開が待ち遠しかった」とうれしそう。近くでは、5月末で雇用契約の切れるパート従業員が「私たちの立場を分かってほしい」と、更新を求めるビラを客に配っていた。
 カトリック鷹取教会(長田区)では、ベトナム人向けのミニ放送局「FMユーメン」が開局。ユーメンはベトナム語で「親愛」という意味。午前11時、敷地何の仮設スタジオで学生ボランティアが「シンチャオ(こんにちは)」と第一声、周囲から爆竹の音がわき起こり、スタートを祝った。
 長田区などで避難生活のベトナム人約250人に、日本語とベトナム語で、震災関連情報やベトナムのニュース、音楽を流す。スタッフの日比野純一さん(32)は「1周年を目標に、神戸に住む外国人同士や日本人との交流ができる局にしたい」と意気込む。
 創設以来、約110年の歴史を持つ神戸栄光教会(中央区)。午前10時半、この日から使用するテント張りの仮設礼拝堂で、北村宗次牧師が「この礼拝堂が復活祭の礼拝から始まるのは、本当に意義深い」と説教した。
 れんが造りの建物は全壊、信者2人も犠牲となった。仮設礼拝堂の約350の席は埋まり、信者は無事と再会を抱き合って喜んだ。(京都新聞)
■死者12人に 地下鉄サリン事件
 東京の地下鉄サリン事件で、都内の病院に入院していた埼玉県越谷市相模町、会社員伊藤愛さん(21)が16日、死亡した。同事件での死亡者は計12人となった。伊藤さんは入院時から危篤状態が続いていた。(京都新聞)
■地下鉄サリン事件 治療データ公表へ 聖路加国際病院 あす報告会開催
 死者11人、5000人を超す重軽傷者を出した東京・地下鉄サリン事件で、被害者の約640人を治療した財団法人・聖路加国際病院(東京都中央区・日野原重明院長)は17日、サリン中毒患者の診療結果についての報告会を開く。重症患者の治療方法や診療データを公表するほか、精神的な後遺症、医師や看護婦への二次災害の防止策などについても提言する。
 被害者の多かった地下鉄日比谷線築地駅に近い聖路加国際病院では、治療を受けた約640人のうち約110人が入院して、2人が死亡。現在も1人が入院している。
 17日午後5時から開かれる報告会には、今回の事件で患者を治療した都内の20の病院の救急担当医や医師会関係者、厚生省、保健所職員ら約150人が参加する予定となっている。
 松井征男副院長によると、重症患者の治療では、患者1人当たり10−15アンプル(1アンプル500_グラム)の解毒剤パムと、6−8アンプル(同0.5_グラム)の硫酸アトロピンが必要だった。病院全体では、パム約700アンプル、硫酸アトロピン約2800アンプルを使用した。
 当時、在庫として、パムが100アンプル、硫酸アトロピンが1310アンプルしかなく、パム3000アンプル、硫酸アトロピン5750アンプルを大阪の薬品会社から空輸するなどの方法で確保したという。
 報告会では、緊急時の解毒剤の調達方法や重症患者への使用量の指標のほか、全国の病院相互の医療情報の交換の重要性を提言。治療に効果のあった点眼液のデータも公表する。
 また、事件の際、運び込まれた患者の衣服に付着したサリンで気分が悪くなったり、入院する看護婦も2人出るなどの二次災害も明らかになった。報告会では、@治療現場の窓を開けて換気を図るA患者の衣服の付着物に十分注意するなど、医師や看護婦の「二次災害の防止策」を報告する。(朝日新聞)
17日■JRダイヤ 「ひかり」「こだま」きょうから平常に
 阪神大震災のため京都−新大阪間で徐行運転が続く東海道新幹線は、4日から「ひかり」「こだま」が最高時速220`の平常運転に戻る。「のぞみ」は230`まで速度を上げる。JR東海が3日、発表した。「のぞみ」は4、5日の夜間に試験走行をして270`の平常運転に戻すかどうか判断する。
 東海道新幹線は、損壊した高架橋の支柱を鉄板で巻くなどの復旧工事が終わり、1日から徐行運転の速度を120`から170`に上げていた。(朝日新聞)
■女性が死亡 犠牲12人に 地下鉄サリン事件
 3月20日に起きた東京・地下鉄サリン事件で、出勤途中に被害に遭った埼玉県越谷市相模町一丁目の会社員伊藤愛さん(21)が16日午後、入院先の都内の病院で亡くなった。犠牲者はこれで計12人となった。
 調べでは、伊藤さんは都内の商事会社に出動するため、日比谷線の電車に乗っていた。小伝馬町駅で降り、病院に運ばれ、治療を受けていた。この事件では5千数百人が病院に運ばれ、16日現在、まだ4人が入院している。(朝日新聞)
阪神大震災から約3ヵ月で、神戸市中心部にあった被災企業のうち7割以上が既に神戸市内で業務を再開していることが17日、賃貸ビルコンサルティングの生駒データサービスシステム(本社東京都)の調べで分かった。
 JRの全線開通や損壊ビルの復旧作業が順調で業務環境が改善、神戸市外に拠点を移した企業が戻りやすくなったのが理由と、同社は分析している。
 震災直後に神戸市外などに拠点を移した三宮・元町地区にある無作為抽出の203社のうち、約76%の154社が再び神戸市で業務を再開した。震災から約1ヵ月後の前回調査時には約40%の81社しか再開できなかった。
 依然、神戸市に戻れない企業のうち、40社が大阪市や兵庫県のほかの地区に仮移転したまま。2社が神戸市からの撤退を決めた。仮移転している企業のうち半分の約20社が「オフィスが見つからない」「取引先が被災している」などの理由で、復帰のめどが立っていないという。(京都新聞)
18日■低純度のサリンか 地下鉄事件治療報告会 早かった患者の回復
 東京・地下鉄サリン事件で使われたサリンについて、それほど純粋なものではなかったのではないかと、治療に当たった聖路加国際病院(東京都中央区、日野原重明院長)の医師らがみていることが17日、同病院が開いた診療結果の報告会で明らかになった。同病院は被害者約640人の治療に当たった。
 文献では、純粋なサリンにさらされると、神経末端から出るコリンエステラーゼの働きが低下して神経伝達が揖なわれ、自然回復はしないとされている。しかし、今回の事件では多くの患者の回復がかなり早いことから、使われたサリンそのものの純度が低かったことも考えられるという。
 サリン中毒の程度は、血清中のコリンエステラーゼの検査で分かる。正常値は100−250(国際単位)だが、多くの患者が、病院に運ばれてから解毒剤パムを与えたところ、5、6時間以内に正常値に回復した。3時間半の間に30から120、2時間半の間に25から130に回復した例もある。(朝日新聞)
19日■JR西日本が年俸制を導入 今夏まず部長級から
 JR西日本は18日、課長級以上の管理職約1250人に年俸制を導入すると発表した。年俸制はJRグループで初めて。
 まず部長級以上約200人を対象に7月からスタートし、約1050人いる課長クラスに順次広げていく。年俸は個人の能力・実績に応じて評価。これまでより査定を強化し、格差がつくようにする。(京都新聞)
■主力社員死亡で損失 京の帯製造会社鉄道2社を提訴 信楽高原鉄道事故
 死者42人を出した1991年5月14日の信楽高原鉄道事故で、社員2人が死亡、2人が負傷した京都市上京区の西陣帯製造販売会社「渡文」(渡辺隆天社長)と子会社が18日、「帯の意匠や業務全般を統括していた社員が死亡し、会社の売り上げ減少などの損失を受けた」として、JR西日本(井手正敏社長)と信楽高原鉄道(北川啓一社長)を相手に、総額1億円の損害賠償を求める訴えを京都地裁に起こした。
 訴えによると、同社は意匠室主任ら4人を、研修のため信楽町で開催中の世界陶芸祭に派遣。事故に遭い、同主任ら2人が死亡、2人が負傷した。
 訴えでは、事故原因について▽JR運転士が擦れ違い区間で待避しているはずの高原鉄道列車を確認せず進行した▽高原鉄道列車は信楽駅構内の出発信号が赤だったのに、進路の安全確認を怠り発車した−などとし、「事故は鉄道に対する信頼を失わせ、違法性は強い。帯の意匠の企画考案に携わる社員を失うなど損害は大きい」と主張している。
 同事故に関しては、93年10月に大阪、京都などの犠牲者9人の遺族が総額約11億3600万円の損害賠償を求める訴えを大阪地に起こしている。
・内容検討して対応
 別枝隆JR西日本総務部長の話 「渡文」側と補償交渉を続けてきたが、提訴され残念に思う。訴えの内容を十分検討して対応したい。(京都新聞)
■JR西日本 管理職一部に年報制 7月から参与・参事200人対象
 JR西日本は18日、管理職の一部を対象に年俸制を導入する、と発表した。部長・次長級に当たる参与・参事約200人を対象に今年7月から実施する。給与体系の変更とともに、人数も減らす方針。能力主義を強めることで、国鉄民営化から進めてきた合理化や生産性の向上をはかる。
 同社では、「年俸制の導入はJR各社間で初めて」といっている。年俸の基準や評価方式などは、現在社内で詰めを急いでいる。昨年、間接部門を1000人削減するなどの合理化計画をスタートしており、年報制の導入を加えることで引き締めをはかり、「国鉄時代のあしき平等主義」(井手正敬社長)からの脱却を目指す。
 阪神大震災で大きな被害を出し、株式上場が難しくなっている折から、企業体質を高める狙いもある。(朝日新聞)
■「信楽事故で売り上げ減」社員死傷の会社訴え
 滋賀県で4年前に起きた信楽高原鉄道事故で社員が死傷したため、その後売り上げが減少するなどの被害を受けたとして、京都市上京区浄福寺通上立売上ル、織物製造販売業「渡文」(渡辺隆夫社長)と同所にある子会社「加納工芸」が18日、事故を起こしたJR西日本と信楽高原鉄道を相手取り、計1億円の損害賠償を求める訴えを京都地裁に起こした。
 訴えによると、1991年5月14日、滋賀県甲賀郡信楽町で開かれていた世界陶器祭の研修に参加するため、渡文の社員ら4人がJR西日本の下り列車に乗り、事故に遭って死傷した。このため、売り上げが減少するなどの被害を受けたという。(朝日新聞)
■ゴンドラが停止 5人一時缶詰め 谷川岳ロープウエー駅舎が全焼
 19日午前9時半ごろ、群馬県利根郡水上町湯桧曽(ゆびそ)の谷川岳ロープウエーのふもとの駅舎から出火。2階部分をほぼ全焼し、ゴンドラが全面的にストップした。
 群馬県警によると、下りのゴンドラ(8人乗り)の中に乗客ら5人が閉じ込められたが、19日午後零時半、ロープを使って自力で全員脱出した。けが人はないもよう。
 ロープウエーは全長約2200b。乗客が確認されたゴンドラは下の駅舎から約100bの場所に止まっている。ゴンドラの高さは地上約15b。(京都新聞 夕刊)
20日■横浜駅、車内(京浜東北)で異臭 300人以上、手当て 患者 ホスゲン中毒症状 捜査本部サリン否定
 19日午後零時50分ごろ、横浜市西区のJR横浜駅地下の東西自由通路に刺激性の異臭がたち込め、通行人らが相次いで目やのどの痛みを訴え、病院に運び込まれた。ほぼ同時刻ごろ、同駅西口の駅ビルでも食事客らが異常を訴えた。また同日午後1時ごろ、大宮発大船行きのJR京浜東北線の車内でも悪臭が発生、横浜、関内、石川町の各駅で降りた1−3両目の乗客数十人がせき込むなどして病院に収容された。神奈川県警は、横浜駅構内周辺や電車内に何らかの毒劇物が仕掛けられ、有毒ガスが発生した疑いが強いとみて捜査本部を設置。原因物質の特定を急ぐとともに、複数の人物が同時多発を計画した可能性があるとして傷害容疑で本格的な捜査を始めた。
 政府は、古川官房副長官を中心とした緊急即応態勢を敷き、警察庁も警備局長を責任者とする警備連絡室を設置し情報収集を進めた。東京消防庁によると、東京都内の病院に入院している被害者がホスゲンガスの中毒症状を示しているという。捜査本部によると、同日夜までに、済生会神奈川県病院などで309人が治療を受け、うち18人が入院した。
 横浜市内では3月5日にも、市内を走っていた京浜急行の電車内で異臭が発生、乗客が目やのどの痛みを訴え11人が病院に運ばれる事件があり、捜査本部は関連を調べている。
 これまでの調べによると、被害者はのどや目の痛み、せきなどの症状のほか、肝機能障害や血中酸素濃度の低下などが見られた。
 サリン中毒特有の「縮瞳(しゅくどう=瞳孔の収縮)」が見られないことや、陸上自衛隊の調査で毒ガス反応がなかったことなどから、同県警は異臭の原因はサリンではないと断定。病院の医師も「別種の刺激性ガス」としている。
 目撃者の話では、手に荷物を持つた27、8歳ぐらいの男が自由通路を通り過ぎた後に、シンナーと除光液を混ぜたような刺激臭が漂い通行人が苦しみ出した。一方、同駅東口の郵便局付近で水のような液体が入った青いビニール袋が見つかり、捜査本部が内容物を鑑定している。京浜東北線電車では、先頭車両の乗客が「石川町駅に着く直前、車内に何かをまいたようなシューという音がした」と話している。
・サリンでなく ほっとした 村山首相が軽率発言
 村山首相は19日夜、首相公邸で横浜駅異臭事件について「サリンではなくてほっとしている」との感想を述べた。その上で政府の危機管理体制について「(阪神大震災)当時は批判されたが、体制そのものができていなかった。今後はきちんと対応していきたい」と強調した。
 今回の異臭事件では300人以上が治療を受けていることを考えると、不用意な発言とも受け取られそうだ。
・サリン防止法スピード成立 最高無期、来月から
 サリンおよびサリンに準ずる毒性の強い物質の製造や所持を禁止し、発散させた場合、最高無期懲役の罰則などを盛り込んだ「サリン等による人身被害防止法」が19日午後の参院本会議で全会一致で可決、成立した。先月20日の地下鉄サリン殺傷事件発生から1ヵ月後のスピード成立となった。
 政府は19日夕の持ち回り閣議で公示を決定。21日の公布と同時に施行するが、罰則の適用は公布から10日間の周知期間を置いて5月1日からとすることにしている。
 同法の罰則は 発散させた場合は無期または2年以上の懲役 製造や輸入、所持、譲渡などは7年(発散目的の場合は10年)以下の懲役 製造を目的とした原材料、資材、資金などの提供者は3年以下の懲役−と定めている。(京都新聞)
■サリン連想 パニック 横浜の異臭事件 乗客ら「のど痛い」 駅騒然、広がる恐怖
 電車や駅を飛び出した乗客たちが通路にしゃがみ込んだ。「サリンだ」と声が上がった。収容先の病院では被害者が放心したような表情を見せる。19日午後に起きた横浜駅異臭事件。防護服に身を包んだ自衛隊の化学部隊、消防隊員が駆け付け、買い物客らでにぎわう横浜の「表玄関」は一時、パニック状態に陥った。いったいだれが、何のために−。今回はサリン中毒ではないことがはっきりしたが、悪夢のような1ヵ月前の地下鉄サリン事件とどこかで関連があるのか。相手の見えぬ恐怖と不安が、再び首都圏に広がった。
 「のどが痛い」。地下の東西自由通路を飛び出して来た人たちが次々と救急車に運び込まれる。空気ボンベを背負った消防隊員や自衛隊の化学部隊も駆け付け、19日午後のJR横浜駅周辺は異臭事件に騒然となった。
 買い物客や乗降客でにぎわう横浜駅西口の派出所。異常を訴える人が相次ぎ、口にハンカチを当て、通路にしやがみ込んだ。
 「地下通路を夫婦で歩いていたら急にツンとしたにおいがした。むせてきて仕方がなかった」と中年男性。20歳代の女性は「耳がよく聞こえない」と訴えた。通路では「人が倒れた」「サリンだ」という声が上がった。
 フラフラと足取りがおぼつかず警察官に両わきを抱えられる女性や、背負われて救急車に乗せられる女子中学生も。
 自衛隊員がサリンの中和剤となるカセイソーダの袋を駅西口に積み上げ、一時は水を積んだタンク車も出動した。
 救急車のサイレンが鳴り響く。駆け付けた警察官が「有毒ガスが発生しているもよう」と叫ぶ光景も。しかし、サリン中毒の可能性がなくなり、夕方のラッシュ時には「異臭事件が発生しましたが、サリンではありません。落ち着いて行動してください」とマイクで通行人に呼び掛けた。
 横浜駅前で事件を伝える号外を手にした専門学校生(32)は「東京のサリン事件は朝のラッシュ時だったのに、今度は昼間の出来事。横浜で起きたのにも驚いた。とても怖い」と話した。
 世界に衝撃を与えた地下鉄サリン事件の記憶がまだ生々しいだけに、横浜駅周辺には欧米マスコミのカメラクルーやキャスターも駆け付け、取材に走り回っていた。
・うがいでも痛み取れず
 横浜市内の各病院では被害者が次々と運び込まれ、治療に追われた。
 中区山下町の横浜中央病院。午後1時半ごろ、最初に男性が収容された後も被害者が増え続け、4人が重症で入院した。
 神奈川県藤沢市の女子大生(21)は「京浜東北線の1両目に乗っていたが、関内駅を過ぎた辺りで2両目から『のどが痛い』という乗客の声が聞こえた。私ものどが痛く、石川町駅で降りてうがいをしたが、痛みが取れませんでした」とせき込みながら話した。
 中区山下町の警友病院の1階受付ロビーには、目を押さえたり放心状態の中年女性数人の姿も。ある女性は「目が痛くなってせき込んだ」と漏らしていた。
・旧日本軍も保有ホスゲンガス
 東京消防庁によると、横浜駅異臭事件の被害者が入院している東京都内の病院からの連絡では、患者はホスゲンガスの中毒症状を示しているという。
 ホスゲンガスは持久時間の短い毒ガスとして第一次大戦で大規模に使われた。旧日本軍も保有していた。主として鼻、のど、肺などの呼吸器系に傷害を与え、重度の場合呼吸障害で死亡する。別名を二塩化炭酸といい、低沸点で刺激臭がある。一酸化炭素と塩素を材料に活性炭触媒で合成する方法が一般的。工業的には染料や接着剤の原料として利用される。(京都新聞)
■社説 地下鉄サリン事件から1ヵ月
 きのう昼下がり、JR横浜駅構内ほかで異臭が発生し、のどの痛みを訴え、気分が悪くなるなどして300人以上が病院で手当てを受けた。その後の調べで、サリンとは関係がないとわかったが、異臭事件発生を知った一瞬、ほとんどの人は東京の地下鉄サリン殺傷事件を連想したに違いない。
 日本国内はもちろんのこと、世界各国に衝撃を与えた地下鉄サリン事件から1ヵ月になる。致死性の極めて高い毒ガスによる無差別テロという、事件の異常さもさることながら、こうした悪意ある攻撃に対して、わたしたちの社会が無防備であり、あまりにもろいことを露呈したのもショッキングだった。
 精力的な捜査が行われる一方、再発防止に向けて法令の整備も検討され、きのう「サリン等による人身被害防止法」が成立した。さっそく公布、施行の運びである。これまでわが国には毒ガスを規制する法律がなかった。毒ガス無差別テロなどという人倫に著しくもとる事態は想定していなかったためである。
 世界に冠たる安全性の高さで知られていた日本で、こうした法律が必要になったのは残念ではあるが、市民生活を脅かす凶悪な事件を封じるために役立ててほしい。同法はサリンなど猛毒物質の発散をはじめ、製造、輸入、所持、窪汲、原材料や資金の提供を禁じており、罰則が適用される5月1日までの間に、所持者の自発的届け出を定めている。
 その所在を知った者の通報も義務づけている。もともと市民社会にあってはならない物質である。法の趣旨を理解し、実効があがるよう努めねばならない。
 12人の死者、約5000人の重軽症者を出した地下鉄サリン殺傷事件の捜査は、まだ核心に到達していない。だれが何のために起こした犯行なのか、依然として明らかにならないままである。
 オウム真理教に対する警察の強制捜査の結果、40種類にものぼる大量の薬物や大規模な化学プラントが見つかった。警察庁刑事局長は、きのうの国会答弁で「サリンがつくられた疑いがある」と発言したが、製造の事実関係をはじめ、地下鉄事件とのかかわりは、今後の捜査をまたねばならない。
 関連施設の捜査で、細菌培養や銃器とのかかわりをうかがわせるものも見つかったとされる。宗教活動とは、およそ無縁な部分が明らかになるにつれ、同教団への疑惑は募るばかりである。関係者の弁明を聞いても疑いは晴れない。
 予断や偏見を抱くべきではないと思いつつも、例えば横浜の事件が発生した場合にも多くの国民が教団を連想するのも現実である。引き続き努めて冷静に捜査のあり方や行方を見守りたい。
 事件の異常さ、凶悪さに目を奪われてつい容認しがちだが、異例の捜査活動が目立つ。例えば警察当局が50万人分の国会図書館の利用記録を全部押収するなどはプライバシー侵害の疑義がある。捜査の端緒を得たいとの熱意はわかるものの、異例中の異例であるとの厳しい認識と行き過ぎは自制する節度がほしい。
 横浜の事件は、地下鉄サリン事件の恐怖と不安を新たにした。新法成立の日、低毒性ガスを用いた示威行為との見方もあるが、これもまた、だれが何のためにした犯行にせよ許されるものではない。(京都新聞)
■京滋にも衝撃 警戒強化求める声 不安、憤りの市民
 東京地下鉄サリン事件に続く、19日のJR横浜駅などでの異臭事件は京滋にも強い衝撃を与えた。「もっと警戒を強めてほしい」「電車に乗るのがこわい」など、憤りと不安を訴える声が相次いだ。
 京都市営地下鉄の京都駅で、電車待ちの会社員、川崎徴郎さん(29)=京都市右京区=は、横浜出張から帰ったばかり。事件直後、JR横浜駅にいた。川崎さんは「駅の東口から西口へ向かっている時、警察官が駆けつけてきて事件に気付いた。臭いは何も感じなかった。現場は、人も流れていて平静だったと思う。新幹線待合室のテレビで事件の報道を見て、大騒ぎになっていたのでびっくりした」と話した。
 JR京都駅の観光バス乗り場で観光中の無職吉原信次さん(69)夫妻=千葉県茂原市=は「15日朝、東京駅を出る時は、警戒の警察官の姿が物々しく、何も起こらないことを祈りながら関西に来たが、伊勢神宮、奈良駅でも警官の姿ばかり。京都の観光地でも、ゆっくりと春の気分に浸るわけにはいきそうにない」。
 阪急河原町駅ホームでは大学生岡俊克さん(23)=宝塚市=が「約1時間半かけて京都の大学に通っている。電車に乗るのが不安。いつ京阪神で起きても不思議ではない。主要駅では警戒を強めてほしい。一刻も早く事件解決を」と話した。
 京阪三条駅地下改札口で、主婦林八重子さん(55)=左京区=は「またか、という感じ。最近は毒ガスの話題ばかりで本当に怖い」と顔をくもらせた。(京都新聞)
■不審物、注意を 府警など呼びかけ
 JR横浜駅の地下通路などでの異臭事件を受け、京都府警は19日午後、府内の全警察署に対してJRや私鉄、市営地下鉄などの交通機関や地下街の警祓を強化するよう指示した。
 府警は、先月20日の東京地下鉄サリン事件以降、制服や私服の警察官が巡回して不審物の発見に努めている。この日は機動隊員を出動させ、ごみ箱などを入念に点検した。
 京都駅では、鉄道警察隊の村山武隊長がJR京都駅や地下鉄京都駅の事務室を訪れ、警戒強化を呼びかけた。JR京都駅の職員は「連休が近く、これからは観光での利用客が増えるので警察と協力して不審な物の発見など事件の防止に努めたい」と表情を引き締めていた。
 JR西日本、京都市交通局、近鉄は電車内などで不審物を発見したら触らずに届けるよう、乗客に引き続き呼び掛けていく。
・特異思想持つ組織の犯行か
 場知賀礼文(ばちか・れいもん)佛教大教授(社会学)の話 いわゆる犯罪というのは、社会化できなかった人間が、他人に対して敵対的な行為に出るものだ。サリン事件や今回のケースは組織的で科学的知識がなければ行えないもので、特異なイデオロギーや信仰を持った人間あるいは組織の意図的な反社会的行為だろう。大勢の人間を組織し、反社会的行為を組織内で「正当化」するところまで持っていくことは簡単ではない。しかし、リーダーの権威を重視して、組織を巧妙に動かしていく、とかく集団主義的になりがちな日本の社会のありようは、このような犯罪を犯すうえで便利かもしれない。(京都新聞)
■時刻標衣替え JR京都駅 新ダイヤヘ作業
 JRグループが20日から実施するダイヤ改正に伴い、京都市下京区のJR京都駅で19日夜から構内の時刻標を取り替える作業が行われた。
 JR西日本の今回のダイヤ改正は、綾部−福知山間(12.3`)に新しく電車が走る山陰線と、特急の「スーパー雷鳥」が増便されるとともに、同雷鳥に新型車両「サンダーバード」が走ってスピードアップされる湖西・北陸線(大阪−金沢間)などが中心。
 JR西日本管内で取り替え作業が行われたのは661駅。約3700枚が3億9000万円かけて新時刻標と入れ替わった。京都駅では午後5時半から未明にかけて、作業員が、中央改札口前の時刻標などをかけ替えていった。(京都新聞)
■GWの指定席半分強売れず JR西日本
 JR西日本は19日、4月28日から5月7日までのゴールデンウイーク期間中の指定席の予約状況(18日現在)を発表した。
 予約率は東海道・山陽新幹線が約40%(対前年比約80%)、在来線は約39%(同21%)で、指定席の半分以上が売れ残っている。
 同社は「阪神大震災の影響で新幹線の全線開通が『連休明け』とみられていた段階で旅行計画を立てた人が多いため、売れ行きが鈍っているのでは」と分析している。(京都新聞)
■トロッコ列車 空きあります
 京都・嵯峨と亀岡を結び、保津峡の渓谷美が楽しめることで観光客に人気の嵯峨野観光鉄道(京都市右京区)のトロッコ列車も大型連休を前に予約が相次いでいる。しかし、阪神大震災の影響で例年と比べると1割近く減っているという。
 トロッコ列車は連休中は休みなしに1日8往復運転する。5月3、4、5日の午前中の便を中心に予約は現在、7割近くになっている。「新緑の美しい保津峡を多くの人に楽しんでほしい」と同観光鉄道では話している。(京都新聞)
■横浜駅などに化学物質まく 309人、目・のどに痛み 傷害事件で捜査 ホスゲンに中毒の疑い 東京消防庁発表
 19日午後1時前、横浜市西区のJR横浜駅構内や京浜東北線の車両内で強い刺激臭が発生、横浜駅のほか、この車両が止まった沿線3駅などでのどの痛みなどを訴える人が続出し、神奈川県警と警視庁のまとめで同日午後10時45分現在、乗客や通行人ら計309人が病院で手当てを受け、うち18人が入院した。被害者の治療に当たった病院側によると、ひとみの小さくなる縮瞳(しゅくどう)などサリン特有の症状はみられず、症状は比較的軽い。神奈川県警は、何者かが不特定多数を狙ってサリン以外の化学物質をばらまいた、と断定、渡辺泉郎・県警本部長を長とする対策本部を設置、傷害容疑で捜査を始めた。同日夜までに、駅構内や車両内から不審物や原因物質の痕跡などは見つかっていない、という。東京消防庁は同夜、被害者の1人について「ホスゲン中毒の疑いがある」と発表した。
 東京地下鉄サリン事件が1ヵ月前の3月20日に起きていることから、長洲一二・神奈川県知事は自衛隊の出動を要請。化学防護隊二個小隊が派遣され、防護服姿で警戒に当たるなど、横浜駅周辺は一時、厳然となった。
 神奈川県警の調べによると、同日午後零時55分ごろ、横浜駅の東口と西口を地下で結ぶ「自由通路」内で突然、通行人が目の痛みなどを訴えた。この直前、同駅に到着した京浜東北線の南行電車の前から1−3両目付近で異臭が発生し、降車した乗客らが息苦しさや脱力感などを訴えて計26人が救急車で病院に運ばれた。
 さらに、桜木町や関内、石川町の各駅で、この車両から降りた乗客計20人も同じような症状を訴えた。
 同県警は、横浜駅自由通路と、この車両で化学物質がはらまかれた、とみている。このほか、同じころ横浜駅に止まった京浜東北線の北行電車や東急東横線の乗客の一部、さらに横浜駅から電車に乗り都内の田端、渋谷両駅で降りた乗客計3人も、のどや日の痛みを訴えたり、入院したりした。
 異臭が発生した車両にいた乗客らは事情聴取に対し、「トイレの消毒薬か、かび取り剤のようなにおいがした」と供述しているという。県警は、痴漢撃退用のスプレーのようなものが使われた疑いがあるとし、駅のホームから通路までの距離からみて、単独犯行の可能性もあるとみている。
 被害者約50人の治療に当たった警友総合病院(横浜市中区)の横山剛院長は、血液検査の結果、酵素コリンエステラーゼの低下などの症状はなかったとしたうえで、原因物質について、「粘膜が刺激されており、化学物質か薬品の可能性がある」と話している。
 神奈川県内では3月5日夜、京浜急行の品川発浦賀行きの普通電車が横浜駅を出発した直後に、車内に刺激臭が立ち込め、乗客11人が横浜市内の病院で手当てを受ける事件が起きている。(朝日新聞)
■「もしや」襲った恐怖感 横浜の異臭事件 車内騒然「窓開けて」痛み・しびれ、訴え続々
 横浜駅を通過した京浜東北線の車内で、横浜駅の地下通路で、乗客や通行人たちが次々とせき込んだ。のどの痛みを訴え、手がしびれた。東京の地下鉄サリン事件から1ヵ月。防護マスクをつけた警察官や自衛隊の化学防護隊員が駆けつける。19日の昼下がり、「もしや」の不安が人々の間に広がった。市内の公立校は下校を1時見合わせ、横浜駅周辺は夕方まで緊迫した空気が続いた。
・電車
 「窓を開けてくれ」。午後1時ごろ、JR京浜東北線の車両は、横浜駅付近で、のどの痛みを訴えてせき込む人が相次いだ。
 鶴見駅から乗った川崎市多摩区の主婦、八橋直美さん(30)は、横浜駅の次の桜木町駅を過ぎたところで、のどに痛みを感じた。「シンナーのような刺激臭だった」。同じころ、周囲の人が次々とせき込み出していた。
 東京都江東区の大学生(20)は、電車の前から3両目に乗っていた。横浜駅で乗客が次々と降りた。桜木町駅にさしかかったあたりで、ぜんそくのようなせきが出た。
 東京都府中市の学生中島弘展さん(21)は、真ん中近くの車両で、座ってうとうとしていた。一緒にいた2人が、横浜駅で突然、口を押さえて車両から降りた。残った6人のうちの1人は「鼻にツンときて、口が渇いた。すぐに窓を開けた」と話し、中島さんは「頭が少し重い」と感じた。
 横浜駅から乗った会社員(57)は「先頭の車両に乗っていたら、後ろの方でシューという音がして、次第に音が大きくなった」と話した。
 横浜駅の駅ビル「相鉄ジョイナス」付近では、不審な男が目撃された。
 その男と1階通路ですれ違った中年の女性が、シンナーのような刺激臭を感じて、せき込んだ。「男は26、7歳、身長170aぐらいのやせ形で左手に何か丸いものを持っていた」と話している。
・病院
 横浜市内の病院には、のどの痛みを訴える人が次々と運びこまれた。「サリンではないか」という恐怖が、不安を増した。
 神奈川区の済生会神奈川県病院。70人が治療を受けた。自分で歩いてきた人もいた。はぼ全員が、のどに痛みを訴え、次々と点滴を受けた。息苦しさや脱力感を訴えた9人が入院した。
 治療した医師によると、睡孔(どうこう)が小さくなる縮瞳などの症状は見られず、サリン系ガスの症状はなかった。記者会見した吉井宏・診療部長は「薬剤などを絞り込むのは難しい。硫酸のにおいがしたという人もいたが、まだ特定できない」と話した。
 保土ヶ谷区の市民病院で手当てを受けたのは60人。脈拍数が高まり、手の震えが見られる人もいた。血液中の白血球が少し増えた人もいた、という。病院側は「サリンではないが、ガスによる中毒症状に間違いない」と分析している。
 どの病院でも、痛みを訴えた人たちの症状は比較的軽かった。しかし、横浜駅の通路を歩いていた横浜市西区の主婦(63)は「東京のサリン事件がよみがえり、怖くなった」と話した。(朝日新聞)
■避難路になる? 神戸で地下通路拡張構想 三宮−元町など総延長は5.5`に
 神戸市は19日、三宮地区と元町地区を結ぶ地下道を新設するなど、市中心部の地下通路網を大幅に拡張する構想を明らかにした。災害時の避難路を確保するとともに、JRや私鉄、市営地下鉄の各駅をつなぐことで交通ターミナル機能の充実を目指す。完成すれば三宮を中心とした地域の地下通路の総延長は、現在の約3.5`から約5.5`になる。
 新設する主な地下通路は、1999年3月に開業予定の市営地下鉄海岸線の三宮駅と元町駅の間の東西約300b▽現在の地下鉄三宮駅から新設する海岸線元町駅方面への南北約300b▽海岸線元町駅とJR元町駅の間約150b▽海岸線三宮駅と阪神三宮駅の間約200b、など計約2`。
 神戸市によると、通路の幅や探さは、JR三ノ宮駅の南側に広がる地下街「さんちか」など既存の通路に準じ、幅4−6b、深さ5b程度にする。一部には震災で倒壊した地上のビルの再建に合わせて商店街も設けるという。(朝日新聞)
■横浜駅など異臭騒ぎ 駅など警戒を強化
 神奈川県のJR横浜駅などで異臭が発生し被害者が出た事件で、府警や京都市交通局などは19日、JR京都駅や地下鉄駅などの警戒を強めた。巡視の回数や人数を増やし、不審物のチェックに目を光らせている。駅や百貨店の管理者らにも引き続き自主的な警戒を求めていくという。
 府警は市内最大のターミナルの京都駅に30人以上の警察官を動員して警戒に当たった。鉄道警察隊員が構内を、七条署員や機動隊員が地下街をそれぞれ巡回。ごみ箱やロッカーを入念にチェックした。
 JRは午後2時すぎ、約10人の駅員が構内の点検に当たり、不審物を見つけた場合には、駅員に知らせるよう放送を流した。構内の清掃会社にも「危険物注意」を徹底。20日未明にかけて終夜、構内の照明をともし続けるという。
 観光客らでにぎわう地下街ポルタでも、巡回する警備員や警察官の姿が目立った。通勤客や買い物客のなかには、ものものしい警戒ぶりに「何があったのですか」とたずねる人も。
 管理に当たる京都ステーションセンターでは、3月20日に東京で起きた地下鉄サリン事件以降、通常1日3回だった警備員による巡回を随時行っているという。
 市交通局や近鉄などでも、構内と車内の巡視、ごみ箱の点検を強化。乗客らに危険物の持ち込み禁止、不審物を見つけたらすぐ連絡するよう構内放送で呼びかけた。
 通行人は「横浜で異臭騒ぎが起きたと聞いて、ひとごとではないと怖くなった」「早く犯人をつかまえてほしい」と話していた。(朝日新聞)
■横浜の異臭事件 発生源特定急ぐ 神東川県警 6000人体制で警戒
 横浜駅構内やJR京浜東北線車内などで19日発生した異臭事件で、神奈川県警の連合捜査本部は20日、現場検証の分析や患者の症状から異臭物質や発生源の特定を急ぐ一方、目撃された不審者の洗い出しなど本格的な捜査を始めた。
 捜査本部は現場付近で残留物や不審物がないか引き続き調べるとともに、事件当時不審者が目撃されなかったかなど聞き込み捜査に全力を挙げている。
 横浜市内では、3月にも京浜急行車内で同様の異臭騒ぎがあり、被害者が出ている。今回の事件の患者と症状も似ているため、県警は関連について調べるとともに、再発防止に備え横浜駅はじめ乗降客の多い駅周辺を中心に早朝から全県に6000人の警察官を配置し、最大級の態勢で警戒に当たった。
 一方、JRも横浜駅で駅職員の巡回を強化するなど、東京地域本社管内で1000人態勢で警戒した。
・ホスゲン中毒 撤回 「いん頭炎と結膜炎」に
 JR横浜駅などで起きた異臭事件で搬送された被害者の東京都世田谷区の女性会社員(51)について、いったん「ホスゲン中毒の疑いがある」と診断した国立東京第二病院は20日未明、症状名を一転「ホスゲン中毒ではなく、いん頭炎と結膜炎だった」と訂正、東京消防庁などに連格した。
 診察に当たった当直の若い医師が病院で作成した毒ガス別の中毒の症例マニュアルに基づき、一切の検査をしないまま女性の症状をホスゲン中毒に類似していると思い込んだのが原因という。
 東条毅・副院長は「検査を十分していない段階でホスゲン中毒と診断したのは軽率だった」と話している。
 病院側の説明によると、この女性は横浜で異臭騒ぎを30分ほど見て帰宅した後、気分が悪くなり、19日午後10時45分、救急車で運び込まれた。
 経験の浅い26歳の当直医師に対し女性は「目がしょぼしょぼし、のどが痛い」と訴えた。診察でのどにはれがあったほか、目に結膜炎の症状が認められた。ホスゲン中毒などの検査は一切しなかったという。(京都新聞 夕刊)
■横浜異臭事件 不審者確認 手間取る 捜査本部 有力情報なく
 昼下がりのターミナル駅で横浜異臭事件は起きた。発生直後から神奈川県警には数多くの不審者情報が寄せられたが、いずれも人物を特定するには不十分なものばかりで、捜査本部は確認作業に手間取っている。
 事件発生から約1時間半後の19日午後2時半ごろ、横浜市付近を走るタクシー無線を通じ、県警から4件の不審者情報が一斉に流れた。
 そのうちの1件は、発生現場のJR横浜駅から約11`の港南台駅改札で「警察がよく動いている」と公衆電話で話している男の目撃情報。しかし、40歳くらいで身長約165a、グレーのスーツ、茶色のバッグを持っていたこと以外は特定する手掛かりは全くなかった。
 市北部の東急東横線大倉山駅ではかつらにマスクをした女装の男が目撃されているが、その後の足取りはつかめていない。
 残りの2件のうち1件は無関係と分かったが、1件は人物像にこれといった特徴はなく、確認捜査は暗中模索の状態だ。
 これ以外にも、事件直前に横浜駅構内で手荷物を持った黒い上着姿の男や、事件の約1時間半後には京浜東北線の車内でビニール袋を持った不審な男が乗客に見られているが、事件に結び付く有力情報は出ていない。(京都新聞 夕刊)
■地下鉄サリンから1カ月 深まるオウムの疑惑 袋密封 プレス機特定焦点に
 死者12人、重軽症者5000人以上を出した地下鉄サリン殺傷事件から20日で1ヵ月。警視庁築地署捜査本部は、連日300人態勢で捜査を続けている。一方、別の逮捕監禁容疑で始まったオウム真理教施設の捜査で、サリンの残留物が検出されるなどし、教団がサリンを製造していたことが分かった。浮かび上がった教団に絡む疑惑を中心に捜査の焦点を探った。
 サリンは「ナイロンポリ」とみられる袋で電車内に持ち込まれた。袋は五角形で縦約20a、横約15a。一角が斜めに切り取られており、その部分からサリンを流し込んだとみられる。
 縁は電熱プレス機(シーラ−)で密封。接着面を見ればどのメーカーのシーラーが使われたかが分かるため、機種の特定は袋の素材メーカー割り出しとともに捜査の焦点となっている。
 オウム真理教がシーラー2台を入手し、サリン製造の中心人物とみられる教団「科学技術省大臣」(36)がもう1台の購入を計画していたことが判明した。教団側は「信者らに売る塩の袋詰めなどに使っている」と説明するが、「大臣」の購入計画については知らないとしている。(京都新聞 夕刊)
■北陸線に新型特急デビュー JRがダイヤ改正
 JR西日本は20日、阪神大震災の影響で約1ヵ月延期していた北陸線を中心とする春のダイヤ改正を実施した。同線の特急には、新型の「スーパー雷鳥・サンダーバード」がデビュー。また同社はこの日から全線で乗務員の制服を7年ぶりに一新した。
 当初、ダイヤ改正を3月17日に予定していたが、新型車両の発注先の神戸市内の工場が被災。車両の納入が間に合わなくなったため、改正を先送りしていた。
 「サンダーバード」は、車体の軽量化などで、在来線では国内最高レベルの時速130`での走行が可能で、大阪−金沢間を従来よりも8分短縮し、2時間29分で結ぶ。
 また、今回のダイヤ改正に合わせ、大阪−関西空港間を50分台で結ぶ「関空特快ウイング」が1日上下13本の運転をスタート。
 平成8年春に電化工事が完成予定の山陰線園部−福知山間のうち、綾部−福知山間では電車が運転を開始した。(京都新聞 夕刊)
■地下鉄サリン事件1ヵ月 実行犯の特定いまだ迫れず 物証ナイロンポリ袋だけ 「オウム」包囲網続く
 死者12人、重軽傷者五千数百人を出した東京・地下鉄サリン事件から、20日で1ヵ月がたった。事件の2日後の3月22日、オウム真理教施設への大掛かりな家宅捜索が始まり、原料となる化学物質が発見されるなど教団のサリン製造の難いは強まっている。関係施設への家宅捜索は続き、拉致、監禁や銃の密造、所持など、教団が関与した事件を立件し、さらに中枢に迫ろうと、全国規模の捜査を展開している。
・特殊素材使う
 地下鉄事件で現場に残された物証は、サリンが入った袋だけ。袋に使われていたナイロンポリの樹脂は、化学薬品関係の企業などが特注する特殊な素材で、不審な企業から注文がなかったか調べている。
 袋を包んでいた新聞は、都心で売られるものより締め切りが早く、東京近県で配達されたもの。販売地域に犯人グループの拠点があるとみている。
・製造の裏付け
 地下鉄にまかれた液体の分析で、化学合成を促進する化学物質「ジエチルアニリン」を検出した。サリン製造にも使われ、同じものが山梨県上九一色村のオウム真理教の施設でも見つかった。
 同村の教団施設では、三塩化リンなどのサリンの原料が大童に見つかるとともに、施設からサリンが存在したことを示す分解物も検出された。捜査本部はサリン製造の裏付けを進めるとともに、サリンそのものの発見に努めている。
・不審者は2人
 サリン入りの袋が置かれた日比谷、丸ノ内、千代田各路線のうち、日比谷線の恵比寿駅と入谷駅で1人ずつ不審な男が目撃されている。有力な目撃は、いまのところこの2人だけだ。
 このほかにも「丸ノ内線の本郷三丁目駅で、新聞紙の包みを置いて下車した2人組の女性がいた」など、約1200件の情報が寄せられているが、実行犯グループの全容はなかなか浮かび上がっていない。
・100人超す逮捕
 一連の事件の発端は、2月28日に起きた東京都品川区の公証役場事務長・仮谷清志さん(68)拉致事件。オウム真理数幹部の松本剛容疑者(29)が特別手配され、信徒2人が同容疑者を石川県内でかくまっていたとして逮捕されるなど、教団の関与が明らかになりつつある。
 一方、地下鉄事件の10日後に起きた警察庁の国松孝次長官銃撃事件の前日、捜査を批判する教団のビラが周辺にまかれていた。警視庁南千住署特捜本部は教団の関与も念頭に捜査を進めている。
 犯行には38口径の米国製短銑が使われた。事件後、逮捕された教団幹部の車から、自動小銃の部品が見つかり、警視庁が武器等製造法違反容疑で関連個所の家宅捜索を繰り返しているが、長官事件につながるものは発見されていない。
 この1ヵ月で、全国で逮捕された教団関係者は100人を超えた。拉致、監禁などに関与した非合法部隊の中心とみられる教団幹部も次々に逮捕、手配されている。捜査当局は今後、サリン製造疑惑を裏付け、製造にかかわった主要メンバーら、教団幹部に迫る捜査を進めるとみられる。
・通路のあちこちに物々しい警官の姿 横浜駅
 乗客や通行人ら300人以上がのどの痛みなどを訴えた横浜駅周辺は、一夜明けた20日朝、物々しい警戒態勢が敷かれた。通路のあちこちに警官の姿があり、会社員らは、不安そうに出勤した。横浜市内の各病院には新たに合わせて数十人が診察に訪れた。前日に入院した約20人の症状は回復に向かっているが、原因となった見えない化学物質の種類はまだ、特定できていない。(朝日新聞 夕刊)
■「サンダーバード」発進
 「サンダーバード3号が間もなく発車いたします」
 20日朝、JR大阪駅の11番ホームを流線形の列車がゆっくりと動き出した。
 JR西日本がダイヤ改定の目玉として北陸線にデビューさせた新型車両の特急「スーパー雷鳥サンダーバード」。大阪−金沢間を従来よりも8分短い2時間29分で結び、1日8往復する。ダイヤ改定初日のこの日、大阪駅で出発式が開かれた。往年のテレビ映画「サンダーバード」のテーマ曲が流れ、国際救助隊員にふんした職員も。今回の震災でメーカーの工場が被災し、3月17日からの運転予定が1ヵ月以上遅れた。(朝日新聞 夕刊)
21日■特殊装置で散布か 横浜駅異臭事件
 横浜駅異臭事件で、神奈川県警の連合捜査本部は20日、異臭は有毒ガスによるものとほぼ断定、ガスがまかれた場所を横浜駅通路やホームなど3ヵ所と特定した。有毒ガスが密閉されていない広い範囲でまかれ、被害者が多数出ていることから、捜査当局は、携帯型噴霧器のような特殊な装置が使われた可能性が高いとの見方を強めた。
 ガスの散布方法に直接結び付く遺留品は見つかっていないが、捜査本部は大量のガスが散布されたとみており、スプレーなどでの噴霧は困難と判断。
 携帯型噴霧器が入るようなバッグを持った不審者がいなかったかなどについて、目撃情報の分析を進める一方、3月15日に、東京の地下鉄霞ケ関駅で見つかった噴霧器入りのカバンとの関連に注目している。
 一方、捜査本部は20日、病院で手当てを受けた人のうち116人の被害場所を特定。内訳は横浜駅構内の自由通路59人、同駅西口の相鉄ジョイナスビル付近33人、JR京浜東北線の車内とホーム24人と判明した。
 病院で手当てを受けた人は20日も増え、同日午後4時までに509人に上った。しかし県警は20日の来院者の中には、事件後不安となり念のために診察を受けに来た人がかなり含まれているとみている。(京都新聞)
■塩素系で見方一致 横浜駅異臭事件残留物なく難航
 横浜駅異臭事件で、一時毒ガスのホスゲンが原因と診断した病院側が20日になって診断を訂正し、現場でも残留物が見つからないなど原因物質は依然分からない。都会を襲った姿の見えないガスの正体は何か。
 異臭が発生した現場の状況や被害者の証言を総合すると、原因物質は@蒸発しやすいA残留物がないB酸っぱいにおいC目や鼻に刺激を受け、せき込む−などが特徴。
 ホスゲンはこの特徴にほぼ当てはまる。しかし患者を診察した各病院は「ホスゲン中毒では肺水腫(しゅ)や肺炎が起きるなどどんどん症状がひどくなるが、今回はそれがない」とし、刺激性があるほかの塩素系ガスではないかとみている。
 東大薬学部の小田島和徳助教授(薬品製造化学)は「ホスゲン以外では塩化チオニルの可能性もある」と指摘する。塩化チオニルは医薬品などの合成過程に使われる塩素系の硫黄化合物(液体)で、空気中の水分と反応すると塩酸と亜硫酸ガスが発生し、刺激臭で鼻やのどの粘膜を傷める。
 複数の化学専門家は「塩化水素ガスではないか」と話す。無色、刺激臭のある気体で、周囲にいる人間は目や鼻を刺激される。(京都新聞)
■整備新幹線を耐震構造に 運輸省、補正で追加予算
 松尾運輸事務次官は20日の記者会見で、阪神大震災の復興と円高対策を兼ねた1995年度補正予算に、北陸新幹線高崎−長野など建設中の整備新幹線を耐震構造にするための追加予算を盛り込む方針を明らかにした。(京都新聞)
■葵祭の観覧割引きっぷを発売
 JR西日本は葵祭観覧割引きっぷを阪神間の主要駅などで20日から発売を始めた。発駅から京都駅までのJRと京都市地下鉄(京都−丸太町間)の各往復乗車券、京都御苑内での観覧席券がセットになっている。5月13日までの発売で、500席分。京滋では宇治、木津両駅のみどりの窓口で販売。料金は宇治から大人1人2720円、木津から3300円。大阪駅からは3260円。(京都新聞)
■大阪−宇都宮間バス 近鉄など申清
 近畿日本鉄道(大阪市)と関東自動車(宇都宮市)は20日、大阪−JR宇都宮駅間の夜行高速バスの運行を運輸省に申請した。
 申請によると、両社は共同で1日1往復を運転。大阪の「あべの橋」(阿倍野区)、「上本町六丁目」(天王寺区)とJR宇都宮駅間(片道約685`)をJR栃木駅経由で9時間50分で結ぶとしている。
 運賃は片道で大阪−JR栃木駅間が1万400円、大阪−JR宇都宮駅間が1万800円。申請が認可されれば、7月下旬に運行を開始、年間1万6000人の乗客を見込んでいる。(京都新聞)
■大阪と宇都宮間を結ぶバス路線申請
 近鉄と関東自動車は20日、大阪市と宇都宮市を結ぶ夜行高速バスを運行するため、運輸省に免許申請した。認可されれば7月下旬から運行を始める予定だ。停留所は大阪・あべの橋、大阪・上本町六丁目、JR栃木駅、JR宇都宮駅の4ヵ所。あべの橋−宇都宮駅間の所要時間は9時間50分で、1日1往復する。大阪−宇都宮駅間の運賃は片道1万800円、往復1万9400円。(朝日新聞)
■異臭事件 3現場 同じ若い男目撃 複数が証言、確認急ぐ
 横浜駅異臭事件で事件発生前後にJR横浜駅の自由通路など有毒ガスがまかれたとみられる3ヵ所で、同一人物とみられる長身の若い男性が目撃されていることが21日、神奈川県警の捜査本部などの調べで分かった。捜査本部はこの男がガス散布の実行犯の可能性もあるとみて、現場周辺での聞き込みを強化、所持品の有無など特徴の特定や事件後の足取りの割り出しを進めている。
 横浜駅構内には3つの改札口や自由通路などに合計35台の防犯カメラが設置されており、捜査本部はビデオテープにこれらの目撃証言と特徴が一致する男が写っていないか詳細に分析している。
 一方、これまでの調べで19日の事件発生時に横浜駅構内の自由通路で、手荷物を持った黒い上着姿の27、8歳の男が通り過ぎた直後にシンナーと除光液を混ぜたような刺激臭がした、との目撃証言があり、若い男性との関連を調べている。
・入院患者全員退院へ
 横浜駅異臭事件で、横浜市内などの3病院に入院していた患者6人は、いずれも症状が改善したため、21日午後までには全員退院する見通しとなった。(京都新聞 夕刊)
■JR東海 新社長に葛西氏
 東海旅客鉄道(JR東海)は21日、須田寛社長(64)が会長に就任し、葛西敬之副社長(54)が社長に昇格する人事を固めた。田中精一会長(83)は名誉会長になるとみられる。6月末に開く株主総会後の取締役会で正式に決める。
 須田社長は旧国鉄が民営化され、JR東海が誕生した1987年に社長に就任。経営を軌道に乗せ、株式上場への道節も整ったと判断、若返りを図る。
 葛西副社長は旧国鉄の分割民営化の先頭に立ち、井手正敬JR西日本社長、松田昌士JR東日本社長とともに「国鉄改革三人組」といわれていた。(朝日新聞 夕刊)
22日■きょうから230`運転に 山陽新幹線
 JR西日本は21日、阪神大震災から復旧し、一部区間で最高時速170`の徐行運転を実施している山陽新幹線新大阪−姫路間について、22日始発から同230`の徐行運転に移行する、と発表した。
 JRでは、落橋個所などについて「運転再開後に行った検査で異常は見当たらない」としており、今後、軌道の状態などを見ながら、ゴールデンウイークまでに同270`での通常運転に戻す方針。(京都新聞)
■新幹線の徐行解除 新幹線−姫路 自治体・住民は継続要求
 JR西日本は21日、時速170`の徐行運転をしていた山陽新幹線の新大阪−姫路間で、22日始発から時速230`までスピードをあげると発表した。これで、「ひかり」と「こだま」は通常の運転に戻り、「のぞみ」もゴールデンウイーク前に徐行を解除する予定。沿線の自治体や住民は「震災で壊れかけている家が、振動で影響を受けかねない」と、JR西日本に徐行の縦続を求めているが、同社は「環境が悪くなるとは考えていない」と話している。
 新大阪−姫路間は、震災で高架橋が8ヵ所で落下するなどの被害を受けた。運輸省の指導を受け、橋脚に鉄筋を増やし、鉄板を巻くなど耐震性を強化して復旧。今月8日から、最高時速270`のところを170`まで落として運転を再開した。このため、同区間では「のぞみ」で8分、「ひかり」で6分の遅れが出ていた。
 22日からは、安全が確認されたとして時速170`の運転区間を230`まで戻す。これで、「ひかり」と「こだま」は震災前のスピードに戻る。最高時速270`の「のぞみ」も同間の遅れは2分にまで短縮され、ゴールデンウイーク前までには270`に戻したいとしている。
 一方、兵庫県尼崎、西宮、伊丹の3市は「単に震災前の状況に回復するのではなく、より一層の騒音、振動対策をとり、沿線住民の生活環境を守ってほしい」とJR西日本に文書で申し入れている。尼崎市では、徐行の縦続を求める住民の声があることも同社に伝えている。
 これに対し、JR西日本環境対策室は「震災前より環境悪化するとは考えていないが、住民の理解が得られるようこれまで通り話し合いを続けていきたい」と言っている。(朝日新聞)
■駅構内ビデオ分析 19日の横浜刺激臭事件 4台に容疑者像か
 JR横浜駅構内などで19日に刺激臭が発生、約560人が手当てを受けた事件で、神奈川県警戸部署の捜査本部は22日、構内に設置されているモニターカメラに容疑者の姿が映っている可能性が高いとみて、録画したビデオテープの分析を始めた。容疑者は、同駅西口の駅ビル1階から地下の自由通路を通って京浜東北線ホームまで移動しながら有害ガスをまいたとみられ、ビデオテープが容凝者割り出しの有力な手がかりとなる、としている。
 JR東日本によると、横浜駅には、改札口周辺や自由通路、駅ビルの入り口など人の流れが多い場所を中心に約30台のカメラが設置されている。映像は駅事務室に一定の間隔で映し出され、改札での混雑具合などの点検に利用している。
 捜査本部は、これらのカメラのうち、同駅西口エスカレーター付近、東西自由通路の中央付近、南口改札付近、南口コンコースに備えられている4台が容疑者の姿をとらえている可能性が高いとみている。
 このため、4台がとらえた19日分のビデオテープ数本についてJR側から任意提出を受けた。同本部にはこれまで、「地下通路を歩いていて、すれ違った若い男からシンナーのようなにおいがし、急にむせた」「電車内で手提げカバンを持った不審な女性を見た」などという情報が50件近く寄せられている。
 同本部は不審者情報と一致する人物や、不審な動きをする人物の有無を念入りにチェックしている。
 容疑者は京浜東北線南行き電車に乗って逃げた疑いもあるため、横浜駅以降の桜木町、関内、石川町の各駅に設置してあるカメラの映像も分析している。
 また同本部は、横浜駅南口改札はじめ桜木町、関内、石川町の各駅で19日に回収された乗車券約20万枚についても任意提出を受けた。(朝日新聞 夕刊)
24日■横浜駅の異臭事件 切符回収し指紋採取 4000枚 JRで逃走の可能性
 横浜駅異臭事件で、神奈川県警の連合捜査本部は23日、有毒ガスをまいた人物が、最後に異臭が発生したJR京浜東北線に乗って逃走した可能性もあるとみて、後続の数本を含む各電車の発着する時間帯の切符約4000枚をJR横浜駅から回収、指紋の採取を始めた。今後別の駅でも回収する。
 同事件では大宮発大船行きのJR京浜東北線が19日午後零時52分に横浜駅に到着した際、1−3両目付近の乗降客が異臭を訴えた。JR東日本は同電車を石川町駅で約10分間停車し車両検査。異臭源らしい不審物は見つからなかったため終点の大船駅まで運行、2つ手前の港南台駅で乗客は全員降ろした。
 これまでの調べで、異臭は@横浜駅西口相鉄ジョイナスビルA駅構内の自由通路BJR京浜東北線のホームか電車内−の順で発生、単独犯の可能性が高まっている。捜査本部は、犯人が大船駅行き電車が駅に到着した際ホームか電車内でガスをまき、そのままこの電車か後続の電車に乗った可能性があるとみて切符の回収を決めた。
 一方、同捜査本部の調べでは、異臭を感じて診察を受けたのは計571人となった。(京都新聞)
■列島 強風で大荒れ 新幹線、空の便影響 台風並み 中止のプロ野球も
 低気圧の影響で日本列島の各地は23日、強い西風に襲われ、台風並みの強さを記録した所もあり東海道新幹線が一時、運転を見合わせるなど鉄道や航空などの交通機関が乱れ、プロ野球で一試合が中止された。
 JR東海によると、同日午後零時10分ごろ、東海道新幹線三島−新富士間で、最大瞬間風速が30`を超えたため、運転を約10分間見合わせた。さらに天候が回復するまで時速120`の速度規制を実施、最大で33分の遅れが出て1万2000人に影響した。
 JR東日本管内では常磐線で特急が14本運休したのをはじめ、東海道線、京葉線などで遅れがあった。
・関空アクセス 一時ストップ 連絡橋で規制
 JR西日本と南海電鉄は23日、関西国際空港と対岸を結ぶ空港連格橋で規制値の秒速25bを超える強風となったため、始発から正午過ぎまで空港線の関西空港−りんくうタウン間で運転を見合わせた。
 JRは空港特急はるか22本を含む計62本を部分運休。南海は特急ラピート25本が全面運休したほか空港急行など43本が同区間を部分運休した。両社ともバスによる代替運転をしたが、計2万人に影響した。
 徳島、淡路島と空港を結ぶ高速船も全便が初便から欠航するなど大きな乱れが出た。(京都新聞)
25日■29日から叡電に登場 車体に自然鮮やか
 叡山電鉄は29日から、環境と自然をテーマにデザインした新型車両「エコモーション環境列車」(愛称)を運行する。
 米国の著名なデザイナー、アレツクス・ボーイズさんが昨年4月、叡山本線に乗車し京都・洛北の自然に感動、電車へのペイントを申し出ていた。ボーイズさんは、横浜市で開催された「エイズ文化フォーマル」のボスターデザインを担当するなど、デザインを通じて環境保護活動を続けている。
 環境列車は、昨年11月に引退した旧式列車の代替用に導入した「デオ800系5次車」(2両1編成)で、車体を水色、緑、黄色、紫などで塗って草やシダを表現、乗客や沿線住民に環境の大切さを呼びかける。同社は、この列車を3年間以上、平常ダイヤの列車として運行するとともに、京都の環境団体「環境市民」(代表・柳田聖山さんら3人)と協力して自然観察会、環境体験学習、駅の緑化などのキャンペーンを繰り広げるという。
 同列車は25日から試運転に入り、29日午前11時半から叡山本線・出町柳駅で、ボーイズさんらを招いて発車式をする。
 また、デビュー記念乗車券(800円)、5000枚を主要駅で発売している。(京都新聞)
■声 窓開かぬ電車やはり危ない 鎌倉市 長谷川忠男 (無職 63歳)
 19日の横浜駅などの異臭事件の折、進行中の京浜東北線の車内では、せきこんだ乗客が窓を開けようとしたが窓が開かなかったそうである。
 新聞写真を見ると、このJRの車両は209系という最近の新型車で、窓は開かない構造になっている。どうしてこうなっているのか知らないが、多分、空調設備の完備、危険防止、製造工程の簡素化、スタイリングなどの理由ではないかと思われる。
 そこで提案だが、鉄道車両の客室窓はやはり不測の事態に備えて開けられるようにしておいて欲しい。
 昭和26年の桜木町事件の時、63型という車両が3段窓のため車内の乗客が脱出出来ず100人以上が焼死した。これを契機に窓が大きく開けられるようになった。この教訓を再び生かして欲しい。
 現在、JR在来線の特急、近郊、通勤型その他、大手私鉄の最新型の車両のほとんどは窓が開かない。もしも窓が開けば、今回のような事態が発生した場合、窓を開けて外の空気を入れることができ、結果はもう少し違ったものになっていたかも知れない。(朝日新聞)
■ポイントに石 ダイヤ乱れる JR奈良線
 24日午後5時10分ごろ、JR西日本天王寺指令所の係員が、城陽市長池のJR奈良線長池駅で、場内、出発の両信号が赤のまま変わらないのに気づいた。また、長池の踏切の遮断機が下りたままになり、近くの人が城陽署に通報した。
 JR係員と同署員が調べたところ、長池駅の南北両側にある線路のポイントで、こぶし大の石が割れているのが見つかった。いずれも割れた石がひっかかってポイントが作動しなくなっていたため、石を取り除き、午後6時過ぎに復旧した。この影響で、奈良発京都行き普通列車が隣の山城青谷駅で立ち往生するなど上下11本が1時間20分から3分遅れ、4本が宇治−奈良間などで部分運休、約4500人に影響が出た。同署は悪質ないたずらとみて調べている。(朝日新聞)
■青鉛筆
 叡山電鉄(京都市左京区)は、自然保護をテーマにデザインした新型車両「エコモーション環境列車」を29日から出町柳−鞍馬駅間で走らせる。 環境やエイズ問題をテーマに、建物や公園などのデザインを手がける米国のアレツクス・ボーイズさんが昨年、鞍馬を訪れ、深い緑に感動。ぜひ車体に描かせて、と申し出た。
 鞍馬で見たシダや鳥などを青、緑、紫の鮮やかな3色で表した。山では最近、珍種の植物を持ち去る不心得者が横行。「やさしい車体に揺られ、心もやさしく」とは叡電の願い。(朝日新聞)
■ボンネットバス発車へ 瑞穂 観光客増狙う 29日から日・祝運行
 京都府船井郡瑞穂町は、今月29日から町営バスを日・祝日も運行するのに併せて、昔なつかしいボンネットバスを採用する。定期路線でボンネットバスが走るのは全国的にも珍しい。
 このバスは奈良交通で活躍していたもので、1966年製。飛鳥や奈良市内で観光用「ボンネット号」の愛称で親しまれ、93年からは一線を退いていた。
 瑞穂町営バスでは、住民の足確保のため今月末から日・祝日の運行を決めたが、府内唯一の鍾乳洞「質志鍾乳洞」などへの観光客誘致も図ろうと、ボンネットバスを採用することにし奈良交通から30万円で譲り受けた。
 同町ではこのバスを日・祝日の戸津川線・小野線で1日4往復運行する。
 日本バス協会によると現在全国のバス会社が所有するボンネットバスは十数台。ほとんどが観光やイベント用で、定期路線として走るのは珍しいという。
 運行初日の29日は午前10時20分からJRバス桧山駅ホームで出発式を開く予定。(京都新聞 夕刊)
■JR恐喝未遂 懲役6年判決 広島地裁
 広島アジア競技大会中に「列車で大惨事を起こす」などとJR広島駅長を脅して現金を要求し、実際に列車を脱線させようとしたとして、列車往来危険罪と恐喝未遂罪に問われた広島市佐伯区皆賀一丁目、学習塾経営中村(旧姓・枡井)忠被告(53)に対する判決公判が25日、広島地裁であった。小西秀宣裁判長(異動により平私行裁判長が代読)は「犯行は綿密な計画にもとづくもので悪質」として懲役6年(求刑懲役8年)の実刑判決を言い渡した。
 判決によると、中村被告は昨年8月26日から9月26日までの間、JR広島駅長に対して計6回、「アジア大会期間中に2、300人の犠牲者が出る大惨事が計画されている」などと書いた脅迫状を郵送し、現金1億5000万円を金融機関の口座に振り込むよう要求した。(朝日新聞 夕刊)
26日■JR九州 数億円の赤字
 JR九州の石井幸孝社長は25日の会見で、1995年3月期決算に閑し「減収は阪神大震災の影響だけでも30億円近くで、数億円の経常赤字は必至」との見通しを示した。赤字になれば87年の分割民営化後初めてとなる。(京都新聞)
■「のぞみ」人はねる
 26日午前9時30分ごろ、静岡県焼津市五ケ堀之内を走行中の広島発東京行きのぞみ2号がゴトンという異常音を感じて緊急停車した。JR東海の係員が調べたところ、先頭車両の16号車前部に血痕と衣服の一部とみられる布切れが付着しており、現場周辺で人間の足一本が発見された。
 乗客らにけがはなく、約20分後に運転を再開。後続の上り4本が最高23分遅れ、約3000人に影響が出た。
 焼津署は「のぞみ」が人をはねたとみて調べている。(京都新聞 夕刊)
27日■田辺市長が現場視察 地下鉄東西線
 京都市の田辺朋之市長は26日、地下鉄東西線の工事現場を視察、工事の進み具合などについて説明を受けた。田辺市長の現場視察は建設費の大幅膨張が明らかになった昨年3月以来。
 視察には、担当の内田俊一助役や中谷佑一公営企業管理者(交通局長)、小浜本一理財局長らも同行した。田辺市長は御池駅工区と御陵東工区、醍醐車庫の3ヵ所の現場で、工事担当者から進ちょく状況や工事方法の説明を聞いた。
 このうち、烏丸線御池駅と交差する御池駅工区では、駅舎部分の本体工事が完成、近く軌道やレールの設置工事にかかることが報告された。また、京阪京津線と合わせて4本のトンネルを掘る工法で工事が進められている御陵東工区では、うち2本が昨年末に貫通、連休明けから内部に厚さ25aのコンクリートを巻き付ける工事を開始する。残り2本も、7月末までの貫通を目指して掘削していることが説明された。
 視察を終えた田辺市長は「工事はおおむね順調に進んでいるようなので、事故を起こさないよう予定通り完成させてほしい」と述べた。
 東西線は、開業予定が当初より3年遅れの97年秋にずれ込み、建設事業費も当初計画より倍増していることが、昨年の点検・推進委員会の調べで分かった。現在の土木工事の進ちょく率は、交通局が直接工事を行う部分(9.4`)が85%、第三セクター「京都高速鉄道」部分(3.5`)が71%となっている。市では今年夏に、完成時期などについて再度見直す予定。(京都新聞)
■梅小路公園 29日から部分開園 オープン記念行事も
 京都市が都心のオアシスとして整備を進めている「梅小路公園」(下京区大宮通七条下ル)が、黄金週間初日の29日午前9時から部分開園される。当日は花の鉢のプレゼントや施設の無料開放、琴の生演奏などのイベントもある。
 同公園は旧国鉄梅小路駅の貨物ヤード跡地で、昨年9月には「全国都市緑化きょうとフェア」の会場となった。フェアで建設された庭園などを取り込む形で、市が約35億円をかけて整備し、1997年には全体が完成する予定。
 今回オープンするのは公園全体約11.6fのうち約3.7f。季節の花を植え込んだ庭園や子ども向けの遊具がある「ふれあいの広場」、100年前の市電を走らせる「チンチン電車」(入場料300円)、回遊式の日本庭園などからなる「庭園・緑の館」(同200円)、200台収容の駐車場(2時間700円)などがある。
 7月下旬ごろには「芝生広場」(2.2f)が開放できるほか、ケヤキやエノキからなる「四季の森」(1.6f)の整備も進んでいる。
 29日に行われるオープン記念行事では、「庭園・緑の館」が無料開放され、緑の館前で先着1000人に花の鉢植え無料配布、子どもへの風船のプレゼントなどもある。(朝日新聞)
28日■私鉄動脈復旧早まる 梅田−三宮 阪急は6月下旬 7月上旬に阪神
 阪急電鉄、阪神電鉄の両社は27日、阪神大震災の影響で不通になっている鉄道線について、全面復旧が2ヵ月程度早まり、阪急神戸線は6月下旬、阪神本線は7月上旬になる−との見通しを発表した。
 阪神間の鉄道路線は、JR東海道線と、同山陽新幹線が4月初旬に相次いで全面開通。加えて阪神間の動脈である阪急、阪神の両線復旧が早まったことは、震災復興へ大きな弾みとなりそうだ。
 阪急神戸線の現在の不通区間は、岡本−御影間(2.2`)と、西宮北口−夙川間(2.7`)の2ヵ所。岡本−御影間は擁壁の崩壊、西宮北口−夙川間は高架橋の崩落があり、阪急電鉄は当初、復旧は7月中旬から8月末ごろ、としていた。
 しかし、高架の橋脚を強化して以前より本数を減らしたり、軌道敷面と橋脚部を並行して造り直すなどの工法を採用した結果、岡本−御影間は6月上旬に、西宮北口−夙川間は6月下旬に復旧できる見通しがついた。
 全面復旧と同時に、阪急電鉄では、神戸線のダイヤを42年ぶりに大改正して、午前のラッシュ時に新しく通勤特急や通勤急行を導入するなど輸送力を増強。5ヵ月以上に及ぶ空白と、JR線に奪われている乗客を取り戻すことにしている。
 阪神本線の不通区間は、御影−西灘間(3.1`)で、ここも高架の崩落などの被害が大きく、当初の復旧予定は9月末だったが、周辺住民の協力などもあって7月上旬に早まった。(京都新聞)
■ラッシュに対応 新型車両を尊入 東海道、山陽両線 8日から
 JR西日本は27日、東海道、山陽両線に8月から新型車両を導入、新快速、快速電車として運行すると発表した。
 阪神大震災で大きな被害を受けた両線が4月1日の全線開通後に利用客が殺到、混雑を緩和するための対応策。
 導入は48両。ラッシュ時の乗降をスムーズにするため出入り口のスペースを拡大。ラッシュ時以外は出入り口に1両あたり8席の折り畳み式の補助シートを設けている。(京都新聞)
■「三都物語」を来月下旬再開 JR西日本
 JR西日本は、阪神大震災後に中断していた利用客増加の営業キャンペーン「三都物語」を、復興への一助として、5月下旬から再開する。
 「三都物語」は京都、大阪、神戸の三都市の個性と歴史を売り物に、地元観光協会などと協力して、観光客(利用客)誘致を図る取り組み。TVコマーシャルを中心に、平成元年度から続けていた。
 阪神大震災で神戸が甚大な被害を受けたため自粛していたが、復興へ向け観光客誘致もこれから重要になってくる、と判断した。
 新キャンペーンでは、TVコマーシャルのメーンタレントに、女優の賀来千香子さんを起用して神戸の街を紹介。音楽には、神戸復興のキャンペーンソング「美(うま)し都、がんばろや、We Love KOBE」を使用する。(京都新聞)
■新幹線の予約鈍る
 大型連休が29日から始まる。阪神大震災、地下鉄サリン事件、急激な円高−と、大激動の中でのゴールデンウイーク。さて、あなたの連休作戦は?
 京都市内の企業で最長は29日から5月7日までの9連休。3−5連休の所も多く、何はともあれ絶好の行楽の機会だ。
 JR西日本によると、指定席の予約率は27日現在、東海道・山陽新幹線、在来線とも約40%。「新幹線は震災の影響で全線開通が連休明けと見られていたため、予約の売れ行きが大幅に鈍っている」という。ピークは新大阪発東京行きが5月3日と7日、東京発新大阪行きが5月3日となっている。
 一方、開港後初の大型連休を迎える関西国際空港は、連休前の27日午後から海外へ向かう旅行客でにぎわい出した。大阪入管関空支局によると、本格的な出国ラッシュは28日からで、連休中、同空港からは大阪空港を利用した昨年のほぼ倍の13万人が出国を予約している。(京都新聞)
■全面復旧 2ヵ月余り早まる 工事を工夫し短縮 阪急神戸線 6月下旬 阪神本線 7月上旬
 阪神大震災で被災した神戸−大阪間を結ぶ動脈、阪急神戸線と阪神本線の全面復旧が、2ヵ月余り早まる見通しとなった。阪急電鉄と阪神電鉄が27日に復旧計画を発表したもので、阪急神戸線は6月下旬に、阪神本線は7月上旬に全面復旧する。両線と並行して走るJR東海道線が全線開通した今月1日以降、客離れが深刻だったが、住民の協力や工事の工夫で工期を短縮できた、という。
 阪急神戸線は現在、西宮北口−夙川間(2.7`)と岡本−御影間(2.2`)が不通となっている。計画では、これまで7月中旬としてきた岡本−御影間を6月上旬に、8月末の予定だった西宮北口−夙川間を6月下旬に、それぞれ運転再開する。
 沿線住民らの協力で24時間態勢で修復工事ができたことや、高架橋の支柱数を減らすかわりに耐震力を高める設計を採用したことなどが功を奏した、という。
 阪急によると、JR東海道線の全線開通後、神戸線の運賃収入は約30%も落ち込んだ。この対策として、全面復旧時にダイヤ改定を実施する。平日朝のラッシュ時間帯の混雑緩和が主な狙いで、関西圏で初めて座席の無い車両を一部の列車に専入するほか、特急の停車駅などを見直す。
 不通になっている阪神本線の御影−西灘間(3.1`)は、当初の予定を2ヵ月余り繰り上げ7月上旬に開通する。当初、同区間で約2`に渡って崩れた高架橋の修復は、土中の基礎から造り直す予定だったが、調査の結果、損傷がなかったことからその分の工事が不要となった、という。
 阪神の運転ダイヤは車両が大震災で損壊したため約8割しか確保できず、来年3月ごろまでは時間帯によっては運転本数が減少する見込みだ。
 両社とも復旧工法は震災前に比べて耐震性を高める対策を講じており、工期の短縮で安全性が損なわれることはない、としている。
 武庫川−月見山間が不通となっている阪神高速神戸線は、全線開通が来年末の見通しだ。魚崎浜−六甲アイランドが不通の同湾岸線は今年10月ごろに開通の見通し。名神高速は今年8月上旬までに、尼崎−西宮が完全復旧できる予定だ。(朝日新聞)
■微動検知システム 今日から稼働開始 山陽新幹線 新大阪一姫路
 JR西日本は、地震の初期微動を検知して列車を早期に停止させるシステム「ユレダス」を28日から山陽新幹線の新大阪−姫路間で稼働させる。JR東海が東海道新幹線で導入しており、同社が設置している地震計を利用してスタートする。
 ユレダスは、予想震源域に置いた地震計が、地震の主要動である「S波」よりも速度が速い小さな振動「P波」を捕らえ、コンピューターで地震の規模や震源までの距離を算出。マグニチュード5.5以上で危険と判断すれは送電を止め、列車を「S波」到達までに減速、停止させる。
 JR西日本はこのシステムを、28日午後4時から、JR東海が舞鶴(京都府)、金剛山(大阪府)、新宮(和歌山県)の3ヵ所に設置している地震計を利用して、山陽新幹線の新大阪−姫路間でスタートさせる。また今年度中に、鳥取、浜田(島根県)、高知、福岡、延岡(宮崎県)の5ヵ所に地震計を設け、稼働の範囲を新大阪−博多間に広げる計画だ。(朝日新聞)
■ラッシュ時は大幅増発 6月復旧の阪急神戸線 座席なし車両も
 阪急電鉄は27日、阪神大震災で寸断されている神戸線が全面復旧する6月下旬に、ダイヤを改定すると発表した。平日午前のラッシュ緩和が狙いで、運転本数を大幅に増加するほか、関西圏では初めて座席が無い車両も登場する。神戸線の大掛かりなダイヤ改定は41年ぶりという。
 計画によると、最も混雑する午前7−8時台の上りの運転本数を震災前の1時間に10本から14本に増やす。また、塚口に停車する「通勤特急」を午前中に上下14本、武庫之荘に止まる「通勤急行」を上り5本新設するほか、これまで西宮北口、13にしか停車しなかった特急を新たに岡本に停車させる。
 さらに「通勤急行」の一部に、すべての座席が壁に収納される車両を2両、西宮北口から増結する。同様の車両は、JR東日本が1990年3月から混雑緩和対策で東京・山手線に導入している。
 阪急は、このダイヤ改定により、神戸線の平均混雑率は震災前の159%から、154%に下がるとみている。(朝日新聞)
■チャレンジ ザ・仕事 名調子で乗客サービス 嵯峨野観光鉄道運輸主任 松本年雄さん(51) いつかSLを保津峡に
 「せっかくトロッコ列車に乗ってもらうのですから『よかったなぁ』って、気分良く帰ってもらえれば最高に幸せですな」
 JR山陰線の嵯峨(現嵯峨嵐山)−馬堀間の新線化(複線電化)で不用になった保津峡沿いの旧線を利用し1991年4月に誕生した嵯峨野観光鉄道を開業当初から支える8人のひとり。JR西日本からの出向だが、トロッコ列車を牽(けん)引するディーゼル機関車の運転から、車掌、車両検査や修理、線路保守まで、なんでもこなすマルチ鉄道マンだ。
 「SL(蒸気機関車)機関士にあこがれ、国鉄に入ったのが昭和37年(1962)。電化の時代でしたが、夢の実現へ4年後には梅小路機関区でSLの機関助士になり、山陰線で釜たきをやっていたんです。ところが、機関士目前でSLが在来線から姿を消すことになって。で、梅小路の蒸気機関車館開設後、動態保存SLの構内限定機関士に挑戦ですわ。当時12人の最年少。うれしかったですよ。いま、運転できるのはJRの電車、気動車、電気機関車など、新幹線以外の全部。他に独力で一級ボイラー技士免許、趣味の詩吟で6年前に師範免許を碩きました」
 トロッコ列車も希望しての新天地だった。90年、大阪・鶴見緑地で開催の花の博覧会にSL義経号の機関士として活濯、「お客さんに喜んでもらえる仕事」の楽しさに魅せられたのが転身のきっかけだ。自宅のある綴喜郡井手町の老人会・詩吟クラブの指導をボランティアで20年近く。自慢のノドで車掌乗務の際には美空ひばりの「川の流れのように」などを披露、ひと味違ったサービスを心掛ける。鉄道マンの人間味がトロッコ人気を支える。
 「歌の選曲はその時の客層に合わせて。歌で心和んでもらえれば、ありがたい。安全第一が一番。次に、自分のやれることで地域に貢献すること。そして、トロッコをもっと有名にして、いつか、SLを保津峡沿いに走らせたいですね」(京都新聞 夕刊)
■ガス爆発 83人死亡 地下鉄工事の火花引火 韓国・大邸市
 【ソウル28日粟村共同記者】韓国南東部にある大邱市の地下鉄工事現場で28日午前、ガス爆発事故が起き、通勤バスなど車両約30台が陥没した現場に転落した。KBSテレビなどの報道によると、この事故で通勤、通学の市民、学生ら83人が死亡、155人が負傷した。
 昨年10月ソウル市で起きた聖水大橋崩落事故(32人死亡)を上回る惨事で、警察、消防隊が出動して救助活動を続けているが、死傷者数はさらに増加する見通しだ。
 大邱市は、ソウルの南東約300`にある人口230万の韓国第3の都市。
 聯合通信によると、事故が起きたのは同日午前7時50分(日本時間同)ごろ。慶尚北道にある同市郊外の達西区の工事現場で、大きな爆発音とともに火炎が数十b噴き上げ、工事中の道路が陥没して通行中の車両が次々に転落、現場一帯は大混乱に陥った。
 現場を覆っていた鉄製の覆いが吹き飛び、周辺のアパートや家屋の窓ガラスも粉々に破壊されたという。目撃した市民は「ボーンという大きな音がしてから、地下から火柱が高く上がった。近くにいたバスが火に包まれた」と語った。
 ソウルの日本大使館によると、同市には昨年10月現在で135人の邦人が居住しているが、これまでのところ、日本人の死傷者は確認されていない。(京都新聞 夕刊)
■韓国・大邱市 地下鉄工事でガス爆発 陥没、通勤バスなど炎上 79人死亡 181人けが
 【ソウル 日=清田治史】28日午前7時50分(日本時間同)ごろ、韓国慶尚北道大邱市達西区上仁洞の地下鉄工事現場で、ガス爆発事故が起き、火柱とともに鉄骨、鉄板で組んだ足場が大きく崩れた。爆発で崩落してできた穴に近くを走っていたバスやタクシー、乗用車などが次々と転落、炎に包まれるなどして、通勤、通学中の中高校生や会社員ら79人が死亡、181人が負傷した。
 同市事故対策本部などによると、事故現場は、大邱市南部の私立嶺南中高校前の地下鉄1号線第2工区。大きな爆発音とともに火柱が高く噴き上げ、鉄骨、鉄板で組んだ足場が長さ約400b近くに渡って崩壊した。鉄板などが空中5、60bまで吹き飛び、半径約100b以内のアパートや民家の窓ガラスや壁などが、壊れた。
 通学、通勤ラッシュの最中で、現場に差しかかった市内バスや乗用車60台余が次々と深さ約15b下の工事現場に転落、炎上したり、めくれ上がった鉄骨に衝突。歩道を歩いていた嶺南中高校生と、近くの機械工業高校生のかなりも、崩壊した工事現場に落ちた・ようだ。現場は折れ曲がった鉄骨や鉄板などが複雑に絡み合っており、救出活動が遅れている。
 死者の多くは地下の工事現場に転落、炎上したバスの乗客だったとみられている。死者のうち身元が確認された15人は、いずれも現場近くの嶺南中高校の生徒だった。負傷者も重症者が多く、死者数はさらに増えるもようだ。
 警察当局によると、爆発現場は交差点付近で、地下鉄工事現場に交差するガス本管が、20b余にわたって露出している。事故当時、すでにこの日の工事は始まっており、何らかの形でガス本管(直径20a)からガスが大量に漏れて引火したものと見ている。大邱地検は、地下鉄工事の施工関係者を呼び、事故原因を中心に事情聴取を始めた。
 大邱市は人口230万人、ソウル、釜山に次ぐ韓国第三の都市で、慶尚北道の道庁所在地でもある。人口増とマイカー時代の到来による交通難に対処するため、92年9月から地下鉄1号線工事に取り掛かり、ことし11月の完成、開通を目指していた。事故の起きた工区は9月完工予定だった。
 現場には李洪九首相がヘリコプターで急行した。韓国では昨年10月、ソウル市の聖水大橋が崩落し、バスや乗用車が転落し、32人が死亡するなど、大型事故が相次いでいる。(朝日新聞 夕刊)
■渋滞の車列 火柱襲う 韓国大邱のガス爆発 バスに中高生 鉄板、300bに散乱
 【ソウル28日=渡辺勉】地響きとともに火柱が上がり、満員のバスや自動車が吹き飛ばされた。韓国・南東部の大邱市で28日朝起きた地下鉄工事現場のガス爆発事故は、通勤、通学ラッシュの車がひしめく目抜き通りで発生し、死者約80人、負傷者180人以上を数える大惨事となった。現地では被害者の救出作業が進んでいるが、死傷者の数は増える一方だ。
 事故現場は大邱市達西区の高校の真ん前。犠牲者の多くは登校中の学生や通勤客とみられる。事故の瞬間、地響きとともに高く火柱が上がったという。
 KBS放送によると、地下鉄工事の路面を覆っていた厚さ20a以上の鉄板(重さ750`)が約300bにわたって爆風で散乱し、地下鉄工事の足場がむき出しになっている。
 乱れて重なる鉄板の上に乗用車やタクシー、バスなどが点在。道路に面する商店のシャッターはひしゃげ、ガラスも全壊、屋根が吹き飛んだ家もあり、爆風の強さを示している。乗用車は爆風で崩れた足場の鉄骨などにはさまれており、深さ約15bの工事現場まで落ちた車両もみられる。吹き飛ばされた大型鉄板の下敷きになった乗用車もある。
 爆発のショックで水道管も破裂し、地下の現場には水があふれ、排水作業も進められている。被害者の救出作業が懸命に続いているが、混乱状態で作業ははかどっていない。
 地元警察は、事故の原因を地下鉄工事現場で作業中に都市ガスが漏れた、とみて調査している。
 目撃者は、「ボンという爆音とともに火柱があがり、地下鉄の工事現場を覆っていた鉄板が10b近くはね上がった。工事現場に落ちたバスから火事がおこり、火に包まれた」といっている。現場付近の中学・高校がたまたま遠足を予定していたため、ふだんより約1時間早く通学してきた多数の中高校生がバスに乗っており、死者を増やす結果になったという。(朝日新聞 夕刊)
29日■阪急電車でも異臭騒ぎ 河原町駅 乗客避難、異常なし
 28日午後5時ごろ、阪急電鉄河原町駅から、走行中の河原町行き急行電車の中で異臭がする、との110番通報があった。五条署や京都市消防局が河原町駅に到着した電車を調べたが、異常はなく、体の変調を訴える乗客もなかった。夕方のラッシュ間近で、改札口や地上の四条河原町周辺の商店街は避難した乗客や買い物客らであふれたが、大きな混乱はなかった。
 阪急電鉄によると、午後4時57分に急行電車(8両編成)が西院駅に到着した直後、ホームに降りた男性の乗客が最後尾の車掌に「5両目で都市ガスのにおいがした」と話した。車掌は大阪・梅田駅の運転指令に無線で連格、同時にこの無線を聞いていた河原町駅の副駅長が府警に通報した、という。
 途中の大宮駅で、同駅の助役が車内を点検したが、異常がなかったため電車はそのまま運行。定刻通りの午後5時5分に河原町駅に到着、すぐに約160人の乗客をホームから避難させた。電車は6分遅れで折り返し発車した。
 河原町駅ホームの売店の女性店員(45)は「階段上へ避難してください、と大声で叫ぶ駅員さんの声がし、乗客は一斉に階段へ走って避難した」と興奮ぎみに話していた。
 この異臭騒ぎで、河原町駅では「不審物があるので入場できません」と放送を流すとともに、午後5時5分から15分間、構内の改札口3ヵ所を閉鎖。中央改札口の自動改札機前は利用者や百貨店からの買い物帰りの女性ら100人以上であふれた。
 また、市消防局は消防車など17台を出動させ、防毒衣や空気ボンベをつけた救助隊員らの姿もみられた。
・冷静にふるまった
 小田義彦龍谷大教授(社会心理学)の話 こういう世情だから、いま一般の人には、人込みに出かける時に、異常事態が起こるかもしれないという心理が強く働いているのは事実。逆に、そんな時にも冷静にふるまおうという心の備えができてもいる。今回は異常を感じる人が少なく、他の人が冷静にふるまったのでパニックにはならなかったのだと思う。(京都新聞)
■交通局で17人削減 京都市が−般職異動
 京都市は5月1日付で一般職員の定期異動を行った。異動規模は691人でほぼ前年並み。5年間で180人を削減する定員適正化計画の初年度に当たることから、新規採用者は71人(前年度122人)と大幅に抑制した。平安建都1200年事業の終了や事務の省力化に伴う部局で減員する一方、市税徴収や各行政区の事務を増員した。
 住民基本台帳などの電算化や全国都市緑化きょうとフェア、平安建都1200年事業の終了などで55人を減員した。一方、市税滞納者が増えていることから、左京区と伏見区役所の納税課に徴収担当の係員を3人ずつ増員した。
 また、交通局では経営健全化計画を進めるため、本年度から10年間で150人を削減するが、今回は交通局から17人を市長部局に異動した。交通局の人事異動は次の通り。
 【課長級】管理本部経営推進室担当課長(管理本部業務事務所長)宮田為徳
 【係長級】管理本部経営推進室担当係長(管理本部業務事務所担当係長)吉仲修宏▽自動車本部営業部醍醐営業所庶務係長(梅津営業所庶務係長)山本晏弘▽同梅津営業所庶務係長(昇任)池沢強司▽同五条営業所庶務係長(醍醐営業所庶務係長)樫徳男(京都新聞)
■新車両内で「琵琶湖遊行」 1日から 京阪電車がポスター展
 京阪電鉄は、5月1日から新型通勤用車両の営業運転開始に合わせて、各新車両(2編成16車両)の全広告掲出スペースを使い、「琵琶湖遊行ポスター展」を開催する。
 平成3年2月以来、琵琶湖の歴史と自然をテーマに、シリーズとして車内掲示してきたポスター(作家の若一光司氏の文筆、横川元亮氏の写真で構成)全44作品のうち38点を1車両ずつ、車内づりと扉横に展示する。
 38点の中には乗客の人気を集めた「竹生島」「浮御堂」「高島扇骨干し」などが含まれる。展示期間は14日まで。
 1日からデビューする新型車両は、より快適さを希求した通勤車両で、本線の急行から普通まで幅広く利用される。(京都新聞)
■京都駅ビル 高さ緩和は適法 市審査会裁決 住民側訴え退ける
 京都市下京区で建築中の新JR京都駅ビルを市が建築確認したことに対し、駅周辺住民ら約900人が、「京都の景観を破壊し、違法な都市計画を前提とする建築確認は違法」として、市建築審査会に建築確認の取り消しを求めた審査請求で、同審査会(乾達彦会長)は28日までに「建物の高さ規制の緩和を決めた都市計画決定は適法に行われて高り、重大かつ明白な違反はない」などとして、住民面の訴えを退ける裁決を出し、関係者に通知した。
 京都市は新京都駅ビル設計(高さ59.8b)の決定後、建物の高さ規制を緩和する特定街区制度を導入して都市計画を決定、1993年10月に駅ビル計画の建築確認を行った。
 住民側は同年10月と12月に「都市計画は超高層の駅ビルを合法化するためのもので違法」として審査請求した。
 裁決は、住民のうち請求資格を1人だけ認めた上で、▽都市計画は法律上の根拠に基づいて決定しており違法性はない▽住民側は駅ビル建築によって、京都の歴史的景観権が侵害されると主張するが、確立された権利かどうかは疑問−などとして請求を棄却した。(京都新聞)
■韓国・大邱の地下鉄爆発 安全管理に手落ち? 工事中にガス管破損 103人死亡、183人けが
 【大邱28日共同】韓国南東部大邱市の地下鉄工事現場で28日起きたガス爆発事故の犠牲者は、時間が経過するにつれて増加、通産省の事故対策本部によると、午後9時(日本時間同)現在、死者103人、負傷者183人に上った。
 警察が事故原因を捜査中だが、掘削作業中に直径20aのガス菅を破損し、漏れたガスに引火したとみられる。警察は安全管理に手落ちがあった人災との見方を強めており、工事関係者から詳しく事情を聴いている。
 金泳三大統領は大邱市からソウルに戻った李首相から事故の報告を受け、「機会あるたびに安全を最優先するよう指示してきたが、再び大型事故が起き、国民に申し訳ない」と謝罪した。
 一方、野党民主党の李基沢総裁らも同日、大邱市の現場を訪れ、「この事故は政権の国家管理能力の不在が招いた人災だ」と金泳三政権を批判した。
 韓国政府は、通商産業省に朴在潤・通産相を委員長とする中央事故対策本部を設置し、救助活動と事故原因の究明や、犠牲者の補償問題など総合対策に着手。李首相をはじめ、与党民自党の李春九代表らが大邱市入りし、事故の状況を調査した。
 また、同日夕、洪在馨副首相兼財政経済院長官や呉明建設交通相らが参加して、緊急関係閣僚会議を開き、事故対策を協議した。
・中高生60人も犠牲に
 【ソウル28日共同】韓国教育省によると、大邱市の地下鉄工事現場で起きた28日のガス爆発事故で、通学中の中学、高校生計60人が死亡、51人が負傷した。
 事故の死者数の6割近くを中高校生が占めたことで、国民は悲しみを新たにしている。
 同省によると、現場近くにある嶺南中で最も多くの犠牲者が出て、生徒45人が死亡、22人が重軽傷を負った。(京都新聞)
■阪急京都線で異臭騒ぎ
 28日午後5時過ぎ、阪急電鉄河原町駅(京都市下京区)から「電車の乗客から、ガスのにおいがするとの申告を受けた」という110番通報があった。京都府警五条署員や消防車や救急車など17台が駆けつけ点検したが、異常はなかった。現場は市内きっての繁華街。防毒マスクをつけた救助隊員も出て、一時騒然となったが、大きな混乱はなかった。
 調べでは、午後4時17分梅田発河原町行き8両編成の急行電車(広沢達雄運転士)が西院駅を通過したあたりで、30歳くらいの男性が最後尾の車掌室に「5両目で都市ガスのようなにおいがした」と告げた。大宮駅で駅助役が乗り込んで点検したが特に異常はなく、午後5時5分に河原町駅に到着後も、京都府警が不審物の捜索に当たったが異常はなかった。同府警はいたずらの可能性もあると見ている。(朝日新聞)
■黙ってかざせばスッと通れる 新型改札機 実験へ JR西日本
 JR西日本は28日、ICカードを自動改札機にかざすだけで改札や運賃計算ができる新システムを開発し、今年度中に実用化実験を始めると発表した。ICカードには定期券と運賃のブリペイド(前払い)カードの機能を持たせる。切符を買う手間が省け、乗り越し精算も自動的にできる。1998年3月をめどに実用化する考えだ。
 このシステムは、利用者がICカードを自動改札機にかざすだけで、ICカードに組み込まれた定期券の区間や期間、運賃の残高などを読み取る仕組み。
 改札機とICカードの間は電波が0.05秒間に2往復し、データーを交信。乗り越しの場合は自動的にブリペイドカードから運賃を引き落とす。定期入れに入れたままでも利用できる。ICカードはキャッシュカードなどと同じサイズにする。
 カードをかざすだけのシステムは、イギリスや香港の地下鉄、JR東日本でも研究中だが、実用化にはいたっていない。JR西日本は今年度中に新型自動改札機を近畿の駅に実際に設置して乗客にICカードを利用してもらう実用化実験を始める。(朝日新聞)
■市民899人が高層化に反対 京都駅ビル建築確認取り消し請求を棄却
 高さ約60bのJR京都駅ビル(京都市下京区)改築工事で、京都市が建築確認をしたのは違法だとして住民約900人が、処分の取り消しを求めて京都市建築審査会(乾達彦会長)に起こしていた審査請求で、同審査会は「市に重大な違法性は認められない」と、請求を棄却する裁決を出していたことが、28日わかった。
 京都市は、建物の高さが31bに制限されている同駅ビル周辺を60bまで緩和する都市計画決定を行い、1993年10月に建築確認をした。住民側は「駅ビルは京都の歴史的景観を侵害する。高さ制限を無視して超高層ビルを前提とした都市計画は違法で、これに基づく建築確認も違法」として同年12月、審査請求を起こした。
 裁決書によると、住民899人のうち1人を除いて「審査請求人適格がない」と訴えを却下。そのうえで残る1人の訴えに対しては「建築審査会は、都市計画決定に重大明白でない違法性までを審査することを予定していない」などと請求を棄却した。(朝日新聞)
■SLやまぐち号が5月から運転再開
 「貴婦人」の愛称で親しまれている蒸気機関車(SL)の「やまぐち号」(車体名=C57-1)が、JR山口線の小郡(山口県小郡町)−津和野(島根県津和野町)間に戻ってくる。定期点検で神戸市須磨区のJR西日本鷹取工場に入っていて阪神大震災に遭い、ボイラーが変形するなどの被害を受けた。このほど同工場内で修復が完了し、5月14日から運転を再開する。
 復活した「やまぐち号」は、11月26日までの休日などに計67日間違転する予定。5月3日から7日まで・京都梅小路蒸気機関車館で展示会と体験乗車会を開く。(朝日新聞)
30日■厳戒GW 6万人動員 緊張の初日
 ゴールデンウイークが初まった29日、首都圏の駅や行楽地は家族連れや観光客らで終日混雑した。地下鉄サリン事件などの影響で、全国の警察はターミナル駅や遊園地などに一日約6万人の警察官を動員、厳戒態勢をとるなど、緊張感に包まれた異例の大型連休初日となった。
 JR東京駅の「銀の鈴」広場周辺では待ち合わせするカップルらでにぎわう中、不審物などに目を光らせる警察官の姿が目立った。
 千葉県浦安市の東京ディズニーランドはいつもより50人多い150人の警備員で警祓に当たった。(京都新聞)
■百貨店工事でガス管が破損 韓国の爆発事故
 【ソウル29日=渡辺勉】28日に韓国慶尚北道大邱市内の地下鉄工事現場で起きたガス爆発事故を調べている合同捜査本部は29日、爆発現場に接して建設中の大邱デパートの工事現場で作業中にガス管が破損し、漏れ出たガスが近くの下水管をつたわって現場に流入したと断定し、作業員ら3人を業務上過失致死傷の疑いで身柄を拘束した。(朝日新聞)
■サリンの影?鈍い出足 山陽新幹線 乗車率、去年の3分の2
 大型連休が始まった。交通機関に大きな混雑はないものの、阪神大震災で客が減っていた西日本の観光地では、連休初日の29日、雨にもかかわらず、平年並みの人出になった。大阪管区気象台によると、期間中の初めと中ごろに気圧の谷が通り、天気の崩れる日が多いという。
 阪神大震災の影響で長く寸断されていた山陽新幹線は、ピーク時の乗車率は昨年の3分の2程度。飛行機もハワイ行きなど人気の路線で空席がみられた。「震災やサリン事件で外出を控える人が多かったのでは」と関係者はみているが、今年の連休は前、後半に分かれていることから「後半から出発する人も多いはず」と望みをつないでいる。
 新大阪駅では、午前10時6分発博多行き「ひかり33号」が乗車率130%になったのをはじめ午前中を中心に混雑がみられたが、200%に達することもある例年と比べると、人出は少なめ。「のぞみ」も最高で定員の9割しか埋まらなかった。一方在来線は、京都発新宮行き特急「スーパーくろしお7号」が140%の乗車率になるなど、北陸、南紀方面へでかける列車を中心に、例年並みの出足だった。
 開港以来初めての大型連休を迎えた関西新空港は、中国やヨーロッパ、香港、台北方面にでかける便で満席が目立ち、1日中にぎわった。しかし、人気の高いはずのシンガポールやサイパン、グァム、ハワイなどの路線で空席も出た。
 また大阪府警交通管制センターの調べでは、道路では午前11時過ぎ、西名阪自動車道下り線で天理インタチェンジを先頭に21`の車の列ができたのをはじめ、午前中を中心に名神、中国道などで渋滞したが、「例年よりは少なめ」という。(朝日新聞)