1994(平成6)年12月


1日■整備新幹線5路線 来年度の部分着工 与党委が大筋合意(朝日)
  ■またレール破損 高槻のJR東海道線(京都)
2日■社説 「新幹線」でごり押しを許すな(朝日)
  ■コンビニなど直営店開業へ 阪急流通部門へ新展開(京都)
  ■来春は2万円要求 私鉄総連(朝日)
3日■窓 ”デナ21形”に感謝の言葉を 東山区・今井祥子(主婦・34)(京都)
  ■ごくろうさん0系車両廃止 直通「ひかり」から(京都)
  ■智頭急行 シカの道切断? すでに4頭犠牲 救う策なく見切り発車(朝日)
  ■整備新幹線問題 大詰め 「部分着工」譲れぬ攻防 「数十億円ですむ」「なし崩し認めぬ」 地元の熱気いまひとつ(朝日)
  ■後ろ向き座席解消 東海道新幹線 ひかり「0系」引退へ(朝日)
  ■電車とトラック衝突 JR和歌山線踏切(京都)
  ■さびれる山陰線 列車も客も減り… のんびり海見ては昔話(朝日)
  ■智頭急行 発車 各駅でお祝い(朝日)
  ■トラックと衝突 乗客3人が軽傷 JR和歌山線(朝日)
4日■御堂筋線で停電 5本が一時立ち往生(京都)
  ■席ゆずり合う社会作りたい 峰山町・藤森容子(家事手伝い・18)(京都)
5日■「宮本武蔵号」が出発 智頭急行開通記念で(京都)
  ■大阪−徳島間高速バス申請 南海電鉄など3 社(京都)
  ■巻き添え3人けが 自殺か 特急接触の女性即死 南海・貝塚駅ホーム(京都)
6日■強風で運行一時休止 山陰線余部鉄橋 列車9 本に遅れ(京都)
  ■市内最大級の大型店 次々計画 南区商店主「死活問題」 JR駅ビル施設合わせ 既存の1.35倍規模(朝日)
  ■電車の色バラバラ 「ラインカラー」決めてますが… 利用客 大半は「知りまへん」 阪和線のカラーは「橙色」のはずが(朝日)
7日■地下鉄第三セクター 新規株主を開拓 京都市会委 事業費の膨張で(京都)
  ■JR京都駅南口 美観守れ ノー放置自転車 通勤時にアピール 南部土木事務所など 月1回、活動を展開(京都)
  ■ラピート1000万人突破 南海ホクホク 予想より25日早く(京都)
  ■ラピー卜乗客100万人(朝日)
8日■保線作業で電車接触 叡電鞍馬線、男性重傷(京都)
  ■駅周辺開発は共存を重点に 京都市助役が強調(京都)
  ■部分着工案にあくまで反対 整備新幹線で大蔵(朝日)
  ■JR踏切脱線事故 きょう書類送検ヘ ワゴン車の運転者を(朝日)
  ■京都市交通局 賃上げ見送り提案 地下鉄絡み財政危機 労組反発、越年へ(京都)
  ■関空−羽田 深夜便 全日空 空席に降参 苦闘3ヵ月…休止 設定時間半端 「新幹線と同じでは」(朝日)
9日■深夜の急転決着 京都市交通局ベア見送り 労組押し切られる(京都)
  ■報知装置いたずら? 電車が急停止 JR、太秦の踏切(京都)
  ■初日の出は関空で JRなど終夜運転(京都)
  ■今年度ベア見送り 京都市交通局、組合に提案 財政危機を理由に(朝日)
  ■変造1000円札都内で436枚 JR駅などで発見(朝日)
  ■京都市交通局は幹部職分を削減(京都)
  ■バスのカラー名鑑(京都)
10日■片福線の880b トンネル貫通 福島区の国道2号地下(京都)
  ■脱退工作は団結権の侵害 JR西労が会社提訴(京都)
  ■架線に児童縄投げ列車止める 城陽のJR奈良線(京都)
  ■JR西日本「組合やめねば転勤」「管理職が勧め」と労組が提訴(朝日)
12日■東京のJR 今朝も混乱 新宿変電所火災(朝日)
13日■ロッカーに短銃 京阪宇治駅(京都)
  ■京都市地下鉄 車いす用渡り板 全13駅 乗り降り便利に(京都)
  ■町かどのモニュメント 電気鉄道発祥の地記念碑(京都市下京区東洞院塩小路下ル) 日本初の快挙を今に(京都)
  ■地下鉄・高速道路・電線地中化… 国に京都市要望へ(朝日)
14日■車いす 地下鉄乗り降り 便利です 市交通局が渡り板 車両とホーム間の安全策(朝日)
  ■JR山手線平常に 別ルートで送電受け(京都)
15日■整備新幹線 東北はフル企画に変更 与党案 地元要望を重視(京都)
  ■激動1994 揺れた京滋 再検@ 地下鉄建設費の膨張 市民の不信も膨らむ(京都)
  ■整備新幹線 富山・熊本駅の着工合意 与党・運輸省 大蔵と最終調整(朝日)
  ■南海社長あこがれ提案 高野線→山手線 「名前変えイメチェン」(朝日)
  ■北陸線上りストップ 滋賀で電車故障(朝日)
  ■ぶらり週末 智頭急行 日本海の風物も身近に(朝日)
16日■ベトナム鉄道支援 JR西日本 技術者を派遣(京都)
  ■保線作業員4人はねられ即死 愛知・名鉄豊田新線(京都)
17日■JR深草駅 2年遅れ、来月着工 96年度末完成目指す(京都)
  ■市バスにはねられ重傷(京都)
  ■年末年始のJR西日本のぞみ予約84%(京都)
  ■窓 ”特急”含まぬ料金表示疑問 伏見区・足立隆夫(無職・61)(京都)
  ■旧国鉄一等地 郵政省が大量購入 郵貯資金官営ホテル計画(朝日)
  ■蹴上発電所102年現役 疎水を活用うなる水車(朝日)
  ■近鉄・東寺駅 装い新たに お年寄りらに配慮 ホームの幅を拡大 待合室は冷暖房(京都)
  ■帰省ピーク29・30日 U夕ーンは3・4日(朝日)
18日■JR山科駅前 自転車置き場パンク状態に 再開発工事に伴い約400台が集中 バス離合も困難 対策後手に(京都)
  ■窓 JRの乗客サービスに一言(京都)
19日■整備新幹線見直し案 駅整備事業を創設 きょう4閣僚折衝(京都)
  ■整備新幹線 2駅「着手」合意 閣僚折衝 5線フル規格化も(朝日)
  ■新幹線の座席予約システム 詰め込み型 30年ぶり解消 窓側優先の快適型に JR東日本、来年度提案へ(朝日)
  ■松江・一畑電鉄 電車から運転士転落 最後尾の車掌非常ブレーキ 無人走行300メートル(朝日)
  ■「はるか」にはねられ即死 堺市の踏切で男性(朝日)
20日■新駅舎、ヨットの帆と波形 JR東舞鶴駅 デザイン案を発表(京都)
  ■窓 乗り物のマナーに思う(京都)
  ■連絡乗車券発売へ 南海と大阪市営地下鉄(京都)
  ■初日の出楽しんで展望ホールを開放(京都)
  ■関空への共通乗車券 27日から発売開始(朝日)
  ■整備新幹線なし崩し着工 財源見通し 宿題残して見切り発車 地元・「光見えた」お祭り騒ぎ 運輸相・「着工そのもの」 蔵相・「着手にすぎない」(朝日)
  ■鹿児島・宮崎も一部救済命令 JR採用差別で中労委(朝日)
21日■またレールにひび 徐行で8000人影響  野洲のJR東海道線(京都)
  ■ハングルで案内パンフ 大阪市交通局 地下鉄や観光名所 来年早々 3万部を無料配布(京都)
  ■旧国鉄債務再び増加へ 西日本株上場延期で(朝日)
  ■大阪の地下鉄の乗り方 ハングルで説明します 案内パンフ作り 来月から全駅に 市交通局(朝日)
22日■NYの地下鉄で爆発 41人けが(京都)
  ■窓 山陰線の魅力忘れないで 大津市・斉賀ひろ子(公務員・40)(京都)
  ■窓 重いドア開閉 女性には困難 志賀町・大澤紀久子(パート・61)(京都)
  ■窓 温かい親切に不思議な感動 右京区・倉内源太郎(無職・81)(京都)
  ■カタカナ特急 大はやり 速く快適に JR西日本 新旧で同料金 格差に苦情も(朝日)
  ■地下鉄東西線 建設補助金、ほぼ満額 大蔵原案内示 迎賓館の計画費も 古都緑化事業満額 学研関係は「明暗」(朝日)
  ■NY 地下鉄で火炎爆弾発火 100人越す客、41人負傷(朝日)
  ■リレー器に接触不良 ニュートラム暴走 科警研が鑑定書 開業以来交換せず 関係者、書類送検へ(朝日)
23日■窓 バス路線変更車内でも声で 野洲町・高原有山(画 家・69)(京都)
  ■”カモノハシ”で時速350`挑戦 東海道新幹線 新型試験車 「300X」公開(京都)
  ■JR無料パス 全議員交付見送りへ 「行革に逆行」参院反対(朝日)
  ■記者席 列島から 西武撤退に頭痛い神戸(朝日)
  ■「サンターバード」北陸線に来春登場(朝日)
24日■整備新幹線建設 財源にJRの税減免分 運輸相が新構想 年間650億円規模に(京都)
  ■北陸線に新型特急を導入 JR西日本が来年3月(京都)
  ■声 高野線の名の何が悪いんや 神戸市 玉置元則(地方公務員 51歳)(朝日)
  ■電車に飛び込み(京都)
  ■居眠りで駅通過 大阪の地下鉄(京都)
25日■優先席の意味今一度考えて 左京区・松本美鈴(主婦・35)(京都)
  ■新幹線車内に包丁男 医大職員切られけが 京都駅で逮捕(京都)
  ■軌道敷で板焼ける 東山の京阪京津線(朝日)
  ■包丁男が暴れる 新幹線こだま 乗客1人切られげが(朝日)
26日■地下鉄東西線 三セクに財政支援 自治省京都市の起債認める(京都)
  ■声 国鉄の跡地は野の花の楽園 新宮市 東 貞千(自営業 61歳)(朝日)
  ■論壇 整備新幹線は本当にバラ色か 岩田薫(長野県軽井沢町議=投稿)(朝日)
  ■来年度予算 政府案 整備新幹線事業費 要求通り2200億円余(朝日)
  ■奈良線複線に、舞鶴線は電化 府の交通網研究会部会 知事に提言 JR西日本などへ府要請(京都)
  ■「ひかり」緊急停車 新倉敷−福山間(朝日)
27日■回送電車と車衝突 宇治の近鉄踏切 上下53本遅れる(京都)
  ■自転車はね非常ブレーキ 伏見・JR奈良線(京都)
  ■駅ロッカーに短銃 西成署に女性通報(京都)
  ■声 常識逸脱した新幹線の予算 横浜市 後藤 亘(会社員 31歳)(朝日)
  ■声 財政難の中でなぜ無理押し 豊中市 森田 啓三(団体役員 64歳)(朝日)
  ■新婚 愛の周波数 列車無線に迷惑コール 阪急宝塚線と一致 改造無線機2台を押収 「携帯電話より安い」(朝日)
  ■「奈良線を複線 舞鶴線は電化」 知事の私的諮問機関の部会 JR2線で提言(朝日)
  ■1万9000人影響 近鉄踏切で事故(朝日)
  ■改札口でかざすだけ 定期・切符代わりのICカード開発 検札省けてキセルも防止 来年度にも一般試験へ JR西日本(朝日)
28日■男性はねられ死亡 福知山のJR踏切(京都)
  ■カードかざして改札通過 3月から試用キセル防止も期待  JR 西日本(京都)
  ■清算事業団と国労が和解  スト権スト訴訟決着(朝日)
  ■激動の1年 官公庁などで仕事納め ふるさとへ 旅行へ JR京都駅 帰省スタート(京都)
29日■地下鉄東西線 設計変更多数、計画に甘さ 京都市監査委員が監査結果公示 入落札も問題視(京都)
  ■イノシシのヘッドマーク飾る 梅小路蒸気機関車館 還暦迎える蒸気機関車に(京都)
  ■臨時電車を多数増発 年末年始ダイヤ 大晦日に終夜運転 近畿の3社(京都)
  ■特急はるか100万人達成(京都)
30日■落ち葉で車輪空転 上下2本が運休 KTR宮津線(京都)
  ■トロッコ列車仕事納め 1、2月運休 3月2日から再開(京都)
31日■SLキラリ 迎春化粧 梅小路 鉄道ファンが飾り付け(京都)
  ■三陸沖地震 鉄道、水道復旧へ全力 八戸市 全面給水へまだ数日(京都)



1日■整備新幹線5路線 来年度の部分着工 与党委が大筋合意
 与党3党の整備新幹線検討委員会は30日、整備5路線の未着工区間について、亀井静香運輸相らが推している「来年度の駅やトンネルだけの部分着工」案を委員会としての結論に盛り込むことで、大節合意した。(朝日新聞)
■またレール破損 高槻のJR東海道線
 1日午前6時すぎ、高槻市のJR東海道線高槻−摂津富田間で信号が赤のまま変わらなくなった。現場に差し掛かった東京夕ーミナル発梅田行きの下り貨物列車が停車、新大阪総合指令室に無線連絡して走行に支障がないことを確認し、約10分遅れで運転を再開した。
 JR西日本が調べたところ、現場付近のレール1本が最大約2センチにわたり破損していた。後続の列車は現場付近を徐行運転し一時、約10分の遅れが出た。(京都新聞 夕刊)
2日■社説 「新幹線」でごり押しを許すな
 政治家は票の見返りとして、できるだけ地元に利益を誘導しようとする。道路、橋などの建設に限らず、鉄道の敷設も、てっとり早い人気とりの方法だ。
 地域の発展という点からは、政治家がこうした行動をとることが、一概に悪いとはいえない。しかし、財源や事業の採算性を度外視して、特定の団体や集票のためだけに狂奔するのは、政治家として無責任すぎる。旧国鉄が膨大な赤字を抱えたのは、こんな政治のせいだった。
 新幹線の整備計画の見直しで、連立与党の調整作業が最終段階に入った。近く結論を出すが、財源計画を棚上げしたままで、駅やトンネルの一部を着工する「見切り発車」をめざそうとしている。連立与党はどうも、「未着工区間に手をつけた」という既成事実をつくることで、すべての計画路線を東海道新幹線と同じフル規格に格上げする腹づもりらしい。
 政治改革がめざした柱の一つは、地元最優先、特定の利益団体最優先という古い政治体質からの脱却だったはずである。
 そう期待した国民は少なくない。しかし、先ごろ決めたコメの部分自由化対策とこんどの整備新幹線をめぐる動きを併せてみると、自民党を中心に、旧態依然の族議員が優活しつつあるようだ。
 これから本格化する来年度の予算編成の過程で、彼らの動きはますます勢いづくだろう。納税者の立場からの厳しい監視が、欠かせない。
 整備新幹線については今年2月、細川政権当時の政府・与党が財源難を理由に、「97年以降に新計画を策定する」と3年先送りで合意していた。それを村山政権になって亀井運輸相が突然、「白紙に戻す」と言明、連立与党が検討に乗り出した。
 浮上してきたのが、未着エ区間の一部事業を先食いする案だ。すでに工事中の「3線5区間」の建設費の一部を流用するのだから、とりあえずは財源にそれほど響かないという理屈である。
 こうしたやり方は問題がありすぎる。なによりも、新たな財源が確保できる見通しがないのに、つまみ食い的に将来の大事業に着手するのは、理解に苦しむ。
 着工済みの3線5区間にしても、建設費総額は当時の見込みの1兆6000億円がいまでは2兆2000億円に膨らんでいる。全線フル規格だと、さらに5兆円以上もの追加財源が必要になる。
 それに、当のJR各社が乗り気でない。整備新幹線は走れば走るほど赤字になるというというのだ。民間会社である以上、自らの経営判断にまかせるのが、筋である。政治が無理強いすることは避けたい。
 たしかに、地域の新幹線にかける熱意はきわめて強い。新幹線で東京など大都市との時間的な距離感が短くなることは、地域の振興に大きな役割を果たす。このため、財源や採算性の視点だけで新幹線問題を論議することに、地域からの反発は強い。その気持ちはよくわかる。
 しかし、整備新幹線は、総合的な視点に立った国土づくりに寄与すべきものだ。国や地元自治体、JRなどが、日本の将来像を見据えながら、建設の是非や具体化を考える必要がある。
 いま、連立与党がやるべきことは、採算性と財源難を踏まえたうえで、国民に説得力ある提案を示すことだ。すでに着工している3線5区間の工事進ちょく率が20%にすぎない段階で、全線フル規格の既成事実づくりの小細工に走り、目先の予算分捕りに血道をあげることではない。(朝日新聞)
■コンビニなど直営店開業へ 阪急流通部門へ新展開
 阪急電鉄の菅井基裕社長は1日の記者会見で、流通部門での短期回収型投資として、新たに梅田駅など阪神地区の4ヵ所に直営のコンビニ店やベーカリー店など8店を開業する方針を明らかにした。
 計画では、梅田駅2階でベーカリー、回転焼き、豚まんなど4店を来年3月末にオープン。十三駅(2、3号線ホームの間)には、コンビニ店とハンバーガー店(マクドナルド)の2店を同じく3月までに開設。
 また、今月中旬から来月末にかけ、武庫之荘駅前にレンタルビデオ店、梅田の阪急グランドビル29階に宝塚歌劇グッズショップをそれぞれ開業させる。
 同社は、他の民鉄と同様に鉄道部門の運賃収入が低迷を続けており、新たな事業展開が課題。菅井社長は「流通部門から提案される新しいアイデアを生かしていきたい」と述べた。(京都新聞)
■来春は2万円要求 私鉄総連
 春闘相場に影響力を持つ私鉄総連(池村良一委員長、組合員18万6000人)は1日、那覇市で中央委員会を開き、来春闘の統一賃上げ要求案を、今春闘より2000円低い平均2万円にすることを決めた。「実質は今春闘より積極的内容になっている」としている。2月3日の拡大中央委員会で正式に決める。(朝日新聞)
3日■窓 ”デナ21形”に感謝の言葉を 東山区・今井祥子(主婦・34)
 叡電のレトロ電車”デナ21形”が姿を消した。私はとりわけ、あのつり革同士のふれ合う音が好きだった。揺れに合わせてメトロノームのように、一定間隔のリズムでコツンコツンと、それは鉄琴のような金属音ではなく、木琴のくぐもったような温かい音だった。
 また、アメ色の窓枠も忘れられない。小さいころ母といっしょに乗った日、そこに手をかけ、外の景色を眺めていた。
 それもこれも今思えば、木造の持つぬくもりだったと気づく。
 叡電の線路に面した所で育った私にとって、朝な夕な当たり前のように見ていた電車。もう30年以上も昔の白黒写真を取り出してみると、父の好んだアングルだったのか、幼い私の背景によく”デナ21形”の姿が登場する。警報機も遮断機もなく、周囲は田畑ばかりだったあのころにタイムスリップしてしまいそうだ。
 京阪電車が出町柳まで延長されて以来、次々と新型車両が導入され、交通の便はよくなり、利用価値はあがったけれど、あののどかだった昔をふと懐かしく思う。
 65年の長きにわたり走りつづけた”デナ21形”に、いまはご苦労さまでしたと、ねぎらいの言葉を贈りたい。(京都新聞)
■ごくろうさん0系車両廃止 直通「ひかり」から
 JR東海、、西日本の両社は、東海道・山陽新幹線を走る直通の「ひかり」について、現在使っている旧式車両の「0系」を平成8年夏までにほぼ廃止、順次2階建て車両付きの「100系」と、のぞみ型の「300系」に変換する方針を決め、来年3月から着手する。
 0系車両は、新幹線が開通した昭和30年代から製造が始まり、昭和60年代まで造られた。旧式のため「100系」「300系」に比べ、座席の前後幅が6aも短いなど、乗り心地や設備に大きな差がある。
 直通の「ひかり」は、東京−博多、名古屋−広島のように、走る区間で6種類に分かれ、現在は1日に0系が20本、100系が58本走っている。(京都新聞)
■智頭急行 シカの道切断? すでに4頭犠牲 救う策なく見切り発車
 大阪−鳥取間を約2時間半で結んで3日開業する第三セクター鉄道「智頭急行」(社長・西尾邑次鳥取県知事)が思わぬ相手に頭を痛めている。中国山地を最高時速130`で突っ走るため、シカをはぬ飛ばす事故が頻発しているのだ。「山のけもの道を線路が切断したのかもしれない」と同社はシカにも同情。対策がないまま開業を迎える。
 智頭急行は鳥取県のJR因美線智頭駅と兵庫県のJR山陽線上郡駅間の56.1`。車両はカーブで遠心力を吸収する制御式自動振り子機構を備えた最新式で、山中を高速で走る。
 訓練運転中の11月に兵庫県佐用町内で計4頭のシカがはねられて死んだ。ほかに、運転士らは線路付近にシカが現れるのを頻繁に目撃している。事故が起きると、列車を一時止めて車体を安全点検しなくてはならない。目撃したら徐行。売り物のスピードが落ちる。
 兵庫県の1990年度の調査では、県内に約1万5000頭の野生シカがいると推計されている。
 智頭急行はネットでシカが線路に入らないようにする対策を検討しているが、ジャンプ力のあるシカに対しては高いネットが必要で、全区間設置は難しい。妙案はなく、「事故が起きないよう祈るしかない」と智頭急行は見切り開業する。(朝日新聞)
■整備新幹線問題 大詰め 「部分着工」譲れぬ攻防 「数十億円ですむ」「なし崩し認めぬ」 地元の熱気いまひとつ
 「整備新幹線については、着工を安易に先送りしてはいけない」−就任早々の記者会見で亀井静香運輸相がこんなひと言を発してから五ヵ月余り。細川政権当時、財源難から凍結されたはずの未着工区間の問題が、これで息を吹き返し、いま、着工をめぐる綱引きが大詰めを迎えている。「全体の計画は後回しにして、駅舎やトンネルだけでも着工したい」と連立与党や運輸省。とめどない歳出要求をはね返したい大蔵省。毎度おなじみの政治劇に、地元の気勢はいまひとつ盛り上がらない。
・与党・運輸省
 「未着工区間についても来年度に予算をつける。全線を(東海道新幹線と同じ)フル規格で整備する。この2大原則は絶対に曲げない」。亀井運輸相は2日午後、東京のホテルで開かれた沿線18都道府県による建設促進総決起大会で、知事らを前に断言した。「マスコミは財源をどうするんだというが、政府の公共投資10年計画630兆円の2%を取れば13兆円になる」。これまでは「1%」と言っていたのに、いつのまにか2倍に増えた。
 6月末の大臣就任会見で「細川政権の3年先送り方針は白紙に戻ず」とぶち上げたのを受け、与党は整備新幹線検討委員会を旗揚げして未着工区間の基本計画の検討を始めた。だが、新たに必要な5兆2000億円の財源に当てはない。このままでは掛け声倒れに終わりかねず、与党も運輸官僚も途方に暮れていた。
 「大臣がようやく折れてくれた」と、運輸省幹部が胸をなでおろしたのが10月末。亀井運輸相が「当面は財政事情が厳しいので、未着工区間にツメをかけるだけでいい」と言い出したからだ。
 部分着工なら、当初に必要な資金は年間数10億円ですむ。11月に入って運輸省幹部が大蔵省への根回しを始める一方で、亀井運輸相は自民党や社会党の議員と水面下で連絡を取り、与党を「部分着工」案でまとめるように頼んだ。
 本格着工を1997年度からとするのは、その年が節目の年だからだ。消費税が5%に上がり、JR各社の固定資産税軽減措置が切れて年600億円の税収増が見込めるなど、財源全体に余裕が生まれる。さらに北陸新幹線の高崎−長野間が完成し、他の路線の工事も本格化する…。
 それなら、なぜ「あと2」が待てないのか。亀井運輸相は「新幹線は全部つながっていないと意味がない。全線フル規格開業は、国民への公約だ」と譲らない。
・自治体
 亀井運輸相の威勢のよさとは裏腹に、2日の総決起大会は盛り上がりに欠けた。国会議員席に与党幹部の姿はなく、自治体職員ら約350人で埋まった地元席では、陳情疲れからか居眠り姿もちらほら。掛け声も出ず、鉢巻き、たすきといった小道具もない。主催者側の県職員が「毎年、予算編成の前に開いている恒例行事ですが、今年は去年より先生方の数がずいぶん少ない」と嘆くほどだ。
 整備新幹線の計画決定から21年。一部着工が決まって6年。大会で地元の要望を読み上げた青森県の北村正哉知事は、初めに「このような大会を開くのは、いくたび、いくとせか、感慨を覚えます」と切り出した。熊本県の福島譲二知事は大会後、「大臣があれだけ明快に言い切って実現しなかったら、政治に対する不信は高まるばかり。単なる大会での約束で終わらせないでほしい」とクギをさした。
 昨年度も一度は「着工」の方針を決めながら、財源難を強調する大蔵省の前に、着工が見送られた。自民党単独政権時代から同じパターンの繰り返しだけに「財源問題が解決していない現状では全くの空手形で、内容はない」(ある県の担当課)。
・大蔵省
 「財源から見て着工できるわけがないことは運輸官僚もわかっているはず。亀井さんが大臣でいる限り、あの役所に期待するのは無理だね」。大蔵省内ではここにきて、予算担当幹部の間でこんな声すら聞こえてくる。
 相次ぐ歳出拡大圧力のあらしに、大蔵官僚は頭を抱える日々だ。今年度の税収は4年連続の前年割れになるのが確実で、来年度の通常の予算編成にも苦慮している。ウルグアイ・ラウンド(ガットの新多角的貿易交渉)合意に伴う農業対策では、総額6兆100億円の事業をのまされた。最後で最大の問題が整備新幹線で、これだけは絶対に譲れないとの空気が強い。
 「着工済み区間の建設費として要求している2276億円の一部を、未着工区間に回したい」(自民、社会)
 「国の調査費でまかなうべきで、建設費を流用すべきではない」(新党さきがけ)
 11月30日の与党の検討委員会では、未着工区間に手をつけることでは大筋合意したが、数十億円の財源で意見が分かれた。「着工」とは、運輸相が工事実施計画を認可したうえ、調査費ではなく建設費で事業を始めることと理解されている。金額は小さくても、いったん「着工」となれは、数年後には建設費が大きく膨らむ。
 大蔵省は「着工するなら、まず財源や負担割合などの新しい基本計画を作るのが先決。なし崩し的に工事を始めるとは常識では考えられない」と主張。11月21日の財政制度審議会では「新たな線区の追加や規格変更は、財源、収支採算性、並行在来線等の問題から不可能」と、異例の強い口調の報告を出した。(朝日新聞)
■後ろ向き座席解消 東海道新幹線 ひかり「0系」引退へ
 東海道新幹線を走る「ひかり」から、30年前の開業以来の型式だった丸顔の0系が消えることになった。JR東海とJR西日本が2日発表したもので、1996年夏までにほとんどを100系や「のぞみ」に使われている300系に取り換える。不評だった後ろ向き座席は解消されるが、0系の食堂車は3日から先行して営業を取りやめる。
 東海道新幹線は3日から実施されたダイヤ改定により、1日百63本の「ひかり」が走る。このうち、東京−新大阪間だけを走る「ひかり」は、この日から0系が消えたが、博多、広島、岡山など山陽新幹線と東海道新幹線にまたがる列車には、JR西日本所属の20本の0系が残っている。
 JR東海は分割民営化南後から、「ひかり」の車両を設備の良い100系を中心に取り換えてきた。0系の「ひかり」に当たった乗客から「後ろ向き座席は不快。損した気分だ」「座席の間が狭く、足を伸ばせない」との苦情が出ていた。
 このため、今回のダイヤ改定でJR東海所属の0系が「ひかり」から完全に引退するのに伴い、両社で協議。車両の運用を融通し、名古屋−博多間の一部の列車を除いて順次、0系を減らすことを決めた。
 ただ、廃止される0系「ひかり」の食堂車のほとんどは、業者の都合もあり、一足先に3日から営業をやめる。乗客からは「サービスダウンではないか」との声も出そうだ。
 一方、「こだま」は0系が当分残る。(朝日新聞)
■電車とトラック衝突 JR和歌山線踏切
 3日午前9時20分ごろ、和歌山県那賀郡岩出町清水のJR和歌山線内村第1踏切(警報機、遮断機付き)で、立ち往生していた和歌山市出島、運転手西孝夫さん(47)の2トントラックに王寺発和歌山行き普通電車(2両)が衝突。電車の乗客3人が軽いけがをした。
 トラックは大破したが、西さんは逃げ出し無事だった。トラックには灯油約1500リットルが積んであったが、流出は少量だった。(京都新聞 夕刊)
■さびれる山陰線 列車も客も減り… のんびり海見ては昔話
 京都と山口県・幡生間を結ぶJR山陰線(673.8`)が年ごとにさびれている。新幹線で客の増えた山陽線と対照的に赤字続きで、日本海を眺めながらのんびり走った長距離列車は次々と消え、その発着に使っていた京都駅1番ホームは関西空港きの特急「はるか」に明け渡した。3日には、大阪−鳥取を2時間半で結ぶ第三セクター鉄道「智頭急行」(兵庫県・上郡−鳥取県・智頭)が開通し、さらに客が減りそう。沿線の兵庫県北部の自治体は「このままでは観光客も減り、取り残される」と危機感を探め、スクラムを組んでJR西日本に「これ以上列車を減らさないで」と訴えている。
 2日午後5時、京都駅。同駅発の米子行きの特急「あさしお9号」がディーゼルのごう音を響かせ、発車した。京都−米子まで(323`)を結ぶ山陰線唯一の昼間の特急だ。平均乗車率は70%だが、師走初めのこの日の同駅の乗客はわずか約150人。米子までの客は15、6人程度という。
 かつて、京都・大阪と米子以西の諸都市を結ぶ山陰線の昼間の特急・急行は5往復あり、特急「まつかぜ」は京都から終著駅の幡生を越え、博多まで走っていた。ところが、1972年に山陽新幹線が開通。岡山から伯備線経由で米子に向かう特急「やくも」も登場して、岡山経由がメーンルートになった。以来、山陰線は利用客が減り続けている。「まつかぜ」は85年3月から京都−米子に短縮され、翌86年11月のダイヤ改定で姿を消した。
 小野一也さん(56)は京都駅の山陰線ホームで弁当を売って30年余り。昔は、竹かごを背負って駅に降りる出雲の行商のおばさんをよく見かけた。「列車が次々に廃止され、弁当の売り上げも随分落ちたねえ」と寂しそう。最盛期に14人いた売り子は、今、4人しかいない。
 山陰線と、新幹線を利用するのでは、京都−米子間はどのくらい、時間差があるのだろう。改定前の2日までのダイヤでは、午後4時47分、京都発の「ひかり51号」に乗り、岡山駅で特急「やくも23号」に乗り換えると、米子着は午後8時25分。13分後に京都駅を出た「あさしお9号」は、新幹線にはかなわず、まだ兵庫・鳥取県境付近を走っている。米子に着くのは約2時間遅くなる。
 3日、智頭急行の開通で、特急「スーパーはくと」は大阪−鳥取を山陰線より1時間半も早く結ぶ。
 今、日本海はマツバガニのシーズン。近畿日本ツーリスト京都支店は、同線開通に合わせて智頭線で三朝温泉を訪れるパックツアーを売り出した。山陰線を利用して倉吉まで行くルートは時間がかかり、客数も伸び悩んでいた。「カニと温泉と智頭急行によるスピードアップを売り物に、鳥取の観光地へ京阪神の客を呼び込みたい」という。
 山陰線の地盤沈下に、兵庫県美方郡浜坂町や城崎郡香住町、竹野町の住民は危機感を抱く。
 JR西日本は3日のダイヤ改定で、播但線経由の特急「はまかぜ」(大阪−米子・倉吉・鳥取)3往復のうち1往復を廃止する計画だったが、沿線自治体は「お年寄りの足が奪われる。特急列車が減るとイメージが暗くなる」と反対。役場や観光団体、経済団体などが何度も大阪のJR西日本本社に足を運んだ結果、JR側は廃止予定だった1往復を臨時列車として当面は残すことを決めた。
 しかし先行きは明るくない。浜坂町は「カニという目玉商品があるシーズンが終われば、廃止されるのでは…」と悩む。
山陰線 歴史は1897年(明治30年)、京都市の二条−嵯峨の開通に始まり、1933年(昭手8年)に全線が開通した。京都、兵庫、鳥取、島根、山口の1府4県を縦貫し、東北線に次いで全国2番目に長い。(朝日新聞 夕刊)
■智頭急行 発車 各駅でお祝い
 鳥取−大阪を約2時間半で結ぶ第三セクターの智頭急行(JR因美線智頭駅−JR山陽線上郡駅、56`、社長・西尾邑次鳥取県知事)が3日開業、ブルー、赤、白で彩色されたスマートな列車がカメラを持った沿線の人たちが見守る中、中国山地を走り抜けた。
 JR大阪駅では午前7時20分から、新大阪発鳥取行き特急の下り一番列車「スーパーはくと1号」の出発式があった。中川和雄大阪府知事から西尾鳥取県知事にあてたメッセージが、田中健治・大阪府商業課長から河本義永・鳥取県出納長に渡された後、中川剛史・大阪駅長らがテープカットした。
 鳥取駅では、午前10時すぎに到着した「スーパーはくと1号」を、地元関係者のほか、保育園児や中学生のブラスバンドなど計約100人が出迎えた。この日の開業を機に、4年ぶりに鳥取港の「鳥取かに祭り」も復活、名物のマツバガニ(ズワイガニ)を求める市民らでにぎわった。
 智頭駅では午前10時からの開業式に約250人が出席。西尾社長が「先人の苦労をしのび、地域の発展と住民の期待にこたえたい」とあいさつした。
 智頭急行は、旧国鉄の路線として1966年、工事が始まったが、79年に国鉄再建に伴って工事中止が決定、翌年から工事が中断された。86年に鳥取、岡山、兵庫の3県や沿線自治体、民間企業が第三セクター会社を設立、87年から工事を再開していた。(朝日新聞 夕刊)
■トラックと衝突 乗客3人が軽傷 JR和歌山線
 3日午前9時20分ごろ、和歌山県那賀郡岩出町清水のJR和歌山線内村第一踏切(警報機、遮断機付き)で、王寺発和歌山行きの普通電車(2両編成、乗客150人)と、和歌山市小野町、大和商事のトラック=西孝夫運転手(47)=が衝突。電車の乗客3人が胸などに軽いけがをした。この事故で一時、和歌山−粉河間が不通となり、バスで代行運転した。
 県警岩出署の調べによると、トラックが踏切内でエンストしたらしい。西運転手は無事だった。(朝日新聞 夕刊)
4日■御堂筋線で停電 5本が一時立ち往生
 3日午後1時40分ごろ、大阪市営地下鉄御堂筋線の江坂−西中島南方駅間で電車への送電がストップ。約20分後に復旧したが、両駅間の電車5本が一時立ち往生するなど上下21本が最高22分遅れ、約6000人に影響が出た。
 大阪市交通局の調べでは、同市淀川区東三国の変電所からの送電用ケーブルが絶縁状態になり、送電がストップしたらしい。(京都新聞)
■席ゆずり合う社会作りたい 峰山町・藤森容子(家事手伝い・18)
 先月30日付当欄「マナー高めて車内を快適に」を拝見して、若い者の立場から一言いわせていただきます。
 若い者が年配の方に席をゆずるということはよいことだと思います。けれど、若い人も仕事などで疲れている時や病気の時もあります。そんな時に「若いくせに座っている」と言われることもあります。
 私自身、基本的には席をゆずるようにしています。荷物もひざにのせています。でも、車内を見渡すと、中年の女性が荷物を横において場所を取り、年配の方がいらしても知らん顔。「私だって疲れているのよ」って顔をされてる方も中にはいらっしゃいます。
 高齢化社会になる今、いろんな所でお年寄りのためにしてある事も多いです(バスにはシルバーシートという物もあります)。けれど、席をゆずる相手に対し、多少迷うこともあります。気をきかせて「どうぞ」と席をあけると「年寄り扱いいするな」と言われることもあります。これでは「せっかくどいたのに」と思います。親切を押し売りするわけではないのですが…。
 お互い相手のことを考え快く席をゆずり合うことができる社会へと、変えてゆきたいと思います。お互いの気持ちを思いやりの心で接していける環境になることを期待します。(京都新聞)
5日■「宮本武蔵号」が出発 智頭急行開通記念で
 宮本武蔵とお通のエスコートで、3日開通したばかりの智頭急行沿線の旅を楽しむ「宮本武蔵号」の出発式が4日、JR岡山駅ホームで行われた。
 宮本武蔵号は一般列車の先頭にイベント車両を連結、仮装した武蔵やお通がクイズを出題するなどして楽しんだ。
 乗客はJRの在来線を経由して智頭駅まで行って智頭急行に乗り換え、途中下車、武蔵の出身地といわれる岡山県大原町にある武蔵の資料館などをバスで回った後、同急行で岡山に戻った。(京都新聞)
■大阪−徳島間高速バス申請 南海電鉄など3 社
 南海電鉄(大阪市)と阪神電鉄(同)、徳島バス(徳島市)の3社は5日午前、大阪、神戸と徳島を直行で結ぶ(淡路島経由)共同運行の高速路線バスの事業申請を近畿運輸局に出した。
 申請路線はなんば高速バスターミナル(大阪市)−徳島駅前間で、大阪駅前、神戸、鳴門撫養(鳴門市)に停車、須磨港(神戸市)−大磯港(兵庫県・東浦町)間はフェリーを利用する。
 運行回数は1日4往復で、徳島駅前まで、なんばから4時間20分、大阪駅前から3時間55分、神戸から2時間55分。来年春からの運行を予定。
 運賃は徳島駅前まで、なんば、大阪駅前から4000円、神戸から3700円(いずれも片道)。(京都新聞 夕刊)
■巻き添え3人けが 自殺か 特急接触の女性即死 南海・貝塚駅ホーム
 5日午前8時40分ごろ、貝塚市海塚の南海電鉄貝塚駅上りホームで、中年の女性が通過中の和歌山港発難波行き特急の先頭車両に接触して飛ばされ、ホームで後続電車を待っていた同市清児、会社員田仲智美さん(30)ら3人に衝突した。
 女性は全身を強く打って即死。田仲さんらも頭や足などに軽いけがをした。
 貝塚署の調べでは、女性は泉佐野市の病院に長期入院中の交野市の女性旬(48)で、同日朝から病院を外出中だった。同署は女性が自殺を図ったとみている。
 電車は現場に14分間停車、後続の急行など6本が最大10分間遅れ、乗客約3500人に影響が出た。
 乗客らの話では、当時ホームは通勤ラッシュが終わりかけたところで、約100人の乗客がいた。女性は接触後、約20b飛ばされ、ホーム中央付近にいた田仲さんらに衝突したという。
 電車のフロントガラスは接触のショックで粉々に割れ、けが人の1人は飛び散った破片で左足を切った。
 同駅の洒谷芳雄助役(46)は「ラッシュ時だったら、もっとけが人が増えたはず。ぞっとしました」と話していた。(京都新聞 夕刊)
6日■強風で運行一時休止 山陰線余部鉄橋 列車9 本に遅れ
 5日午後7時30分ごろから、兵庫県城崎郡香住町のJR山陰線・余部鉄橋付近で20bを超す強風が断続的に吹いたため、JR西日本福知山支社は列車運転を一時やめるなどした。このため東京行き「出雲2号」など特急4本を含む上下9本に遅れが出た。(京都新聞)
■市内最大級の大型店 次々計画 南区商店主「死活問題」 JR駅ビル施設合わせ 既存の1.35倍規模
 南区で市内最大級の大型スーパー2店の出店計画が相次ぎ、地元商店街が戦々恐々としている。南、下京区境にあるJR京都駅ビルを合わせると、3施設で南区の全商店がそっくりもうひとつできるよりさらに広くなり、地元は「死活問題」と反発を強める。ただ京都市は全国的にも大型店が少ないため、消費者の中には「ありがたい」と歓迎する声もある。来春の統一地方選の争点のひとつにもなりそうだ。
 南区に出店するのは、ダイエー上久世店(久世、開店予定1995年11月)とジャスコシティ西大路(吉祥院、同97年3月)。さらにジェイアール西日本伊勢丹(JR京都駅、同96年度)が来る。計画では3施設の売り場面積は計約9万4000平方bに達し、南区の全商店(1539店、約6万9700平方b)の約1.35倍になる。
 ジャスコは年間売り上げ130億円、約3万8000平方bと、市内のショッピングセンターで最大、ダイエーも約1万9300平方bと最大級の規模。
 このほかJR西大路駅の約1.5`北にスーパーのチェーン店「ライフ壬生店」(約6300平方b、開店予定95年4月)、南区と向日市の隣接地にアメリカの玩具(がんぐ)チェーン「トイザらス」(開店日時未定)が出店を予定している。
 ところが、ジャスコ進出地の西約300bに「総合生活館エルティ」がある。年間売り上げ6、7億円で、売り場面積は400平方bにも満たない地元スーパーだ。
 91年6月に個人商店の集まりだった「吉祥院市場」の12店が、会社組織を作り生まれ変わった。各店が仕入れなどで協力しながらコストダウンを図り、おしゃれな店舗もあいまって売り上げは倍増、年10%の成長が続いた。
 今のところ市に借りた資金3億円の返済が、毎月二千数百万円もあるため利益は薄いが、7、8年後には楽になると期待していた。山本清理事長は「今でも同規模スーパーが10店ほどあり競争は厳しい。これだけ周囲に大型店が集中してくると、価格面での太刀打ちは不可能で、倒産しかない」と話す。
 地元はこれまでダイエーについては、大規模小売店舗審議会で計画の54%への縮小を主張。ライフの計画にも「実情に配慮した計画見直し」を求める請願を市議会に提出。11月16日に採択されるなど、縮小運動を展開中だ。
 京都市商業貿易課によると、市内の大型店(売り場面積500平方b)の占有比率は約34%(93年、全国平均は約51%)で政令指定都市中、最も少ない。
・消費者歓迎「でも共存共栄を」
 京都市地域女性連合会(滝川文子会長)の話 消費者の立場からは歓迎。ただ既存の商店街をつぶすのではなく、共存共栄を工夫してほしい。(朝日新聞)
■電車の色バラバラ 「ラインカラー」決めてますが… 利用客 大半は「知りまへん」 阪和線のカラーは「橙色」のはずが
 東海道・山陽線が「青」で、大阪環状線が「赤」。近畿圏の都市部を走るJR西日本の各線に「ラインカラー」が存在するのをご存じですか。同社は4年前、親しみやすく乗り間違いなどが起きぬようにと、駅名表示板や運賃表などに導入した。ところが、肝心の電車の色が全然合っていないことから、利用客の認知度は今いち。「狙いはいいんだが、このままでは自然消滅してしまう」。反省しきりの同社は定着へ向け、作戦を練り直し始めた。
 天王寺駅の阪和線ホーム。午前8時から9時の間、上下49本の列車が発着する。阪和線のラインカラーは「橙(だいだい)色」。ところが、ホームに入る電車は「銀」「青」「灰色」「白」「クリーム色」の5種類。橙色の電車は1本もない。
 大阪市阿倍野区のOL(22)は「ラインカラーがあるなんて知らなかった。乗るたびに色が違う電車なので、思わず行き先を確認してしまいます」。
 JR西日本は1990年4月、東海道・山陽線や大阪環状線など近畿圏の9路線にラインカラーを導入した(別表参照)。
◆各線のラインカラー
・東海道、山陽線大動脈なので、会社のイメージカラーと同じに。
・大阪環状線大阪のダイナミックさをイメージした。
・福知山線新しい開発エリアを示す  生き生きしたイメージ。
・山陰線京の優雅さをイメージ。
・片町線若緑これからの若いエネルギーを表現した。
・関西線新開発エリアのイメージと古都の落ち着き。
・阪和線陽光あふれ、大空につながるイメージ。
・奈良線日本の古都同士を結ぶ路線の落ち看着を表現。
 理由は大きく分けてふたつ。「国鉄時代の『全国一律』の印象をぬぐい、地域密着のイメージを確立する」と「路線が多いので、見分けしやすいようにする」だった。で、これまで駅の案内表示板や車内路線図、運賃表などに各線の「色」を織り込んできた。
 ところが、その認知度というと社員も即答できないほどで」鉄道本部の幹部も「ほとんど知られていない」という有り様。
 「何としても定着させたい」という同社だが、国鉄時代からの古い車両が多く、路線をまたいで運転される列車も多いことから、塗り替えもままならないのが実情だ。とりあえず、電車の側面にある行き先案内表示にラインカラーを入れたり、ホームの柱や乗換駅では連絡通路にもっとラインカラーを採り入れたりすることを考え始めた。
 同じような試みは、JR東日本でも実施されており、山手線が「黄緑」、総武線が「黄」、京浜東北線が「水色」といった色分けがされている。こちらの方は、車両にも採用されていることから「十分、認知されています」と胸を張っている。(朝日新聞)
7日■地下鉄第三セクター 新規株主を開拓 京都市会委 事業費の膨張で
 京都市の地下鉄東西線建設事業費の膨張問題をめぐる第三セクター会社「京都高速鉄道」の出資問題で、6日開かれた市会交通水道委員会で、小森浩市交通局理事(京都高速鉄道出向)は民間の出資額の確保について「新規株主を開拓したい」と述べ、現在の28社以外に新規出資を募る方針を明らかにした。
 また、中谷佑一管理者(交通局長)は、市の出資比率を80%まで引き上げに伴う財源確保について、国の予算編成との縮みを理由に「まだ申しあげる段階でない」と明言を避けた。
 東西線では第三セクター施工区間で、建設費が当初計画の2.54倍の1550億円に膨張すると見込まれている。市は建設費の20%を三セク会社の出資金として確保する方針で、点検・推進委員会で試算した51%から90億円増やし80%の248億円とする方針を示した。しかし、残る20%でも民間からさらに47億2000万円の出資を求める必要がある
 委員会で江草哲史管理本部長は「三セクの収支均衡を国から指導を受けている30年にするためには、出資金を市一般会計から増額し、無利子融資をいただく必要がある」と説明。小森理事も「予算段階までに一定のメドをつけたい」と民間などへの出資要請活動を行い、新規株主を募集してでも残る20%の出資の確保に取り組む意向を強調した。
 同日の委員会では東西線の工事進捗(ちょく)状況について、野嶋久暉建設部長が説明、山科駅工区の2ヵ月遅れなど一部で工事の遅れが見られるものの、全体的には点検・推進委でまとめた日程通り工事が進み始めたことを報告した。しかし、96年10月からの試運転開始時は駅設備工事などと同時に行わなければならず、駅工事ではホーム工事を優先、コンコース工事を後に回すなど厳しい日程となっているのを明らかにした。(京都新聞)
■JR京都駅南口 美観守れ ノー放置自転車 通勤時にアピール 南部土木事務所など 月1回、活動を展開
 古都の玄関口、JR京都駅南口(南区)の周辺から、通行の防げとなったり、まちの美観を損ねる放置自転車をなくそう−と、市南部土木事務所など関係する行政機関は、6日から毎月1回のペースで、朝の通勤時間帯に街頭啓発活動を行うことになった。初日のこの日は約30人が出動、自転車で同駅に来る人たちに啓発ビラを配り、放置自転車の追放を訴えた。
 京都駅南口周辺では、長期間、放置されたり、歩道や車道にはみ出て駐車された自転車が数多くあり、歩行者や救急車など緊急車両の通行に支障が出かねないほど。また、美観を台無しにして、京都を訪れた観光客を幻滅させることも心配されている。
 南部土木事務所は、こうした目に余る放置自転車の撤去作業に着手しており、今年2月から5回にわたって、300台近く処分した。しかし、その後も放置自転車は後を絶たない状懸。このため、単に撤去作業をするだけでなく、自転車の路上放置が市民の迷惑になることを定期的に強くアピールすることにした。
 街頭啓発に加わったのは南部土木事務所のほかに下京、南の両区役所と、七条、九条の両警察署。
 この日は午前7時半から、関係者が、放置自転車が特に多いアバンティの周辺を回り、東側の地下鉄と連絡する出入り口、西側の駐輪揚付近の3ヵ所で、「やめよう路上放置」「駅から近い人は自転車の利用を自粛して」などと書いたビラ約1000枚を1時間あまりかけて配った。
 南部土木事務所によると、この日も同駅周辺には、約320台の放置自転車があった。同土木事務所では「月に一度はこうした啓発活動を行い、将来的には住民組織も巻き込んで、放置自転車をなくしていきたい」と話している。(京都新聞)
■ラピート1000万人突破 南海ホクホク 予想より25日早く
 今年9月4日の関西国際空港開港と同時に走り始めた南海電鉄空港線の特急「ラピート」が6日、乗客累計100万人を達成した。スタートから94日目。記念の電車が到着した難波駅では、くす玉を割って記録達成を祝った。
 100万人目の乗客を運んだのは、午後2時5分空港発のラピートα16号。南海電鉄では、同16号の乗客183人全員を100万人目と認め、藤原良雄駅長らが難波駅9番ホームで待ち受けた。
 ラピートは、これまでに1日平均1万689人の乗客を輸送。100万人達成は、同社の当初予想より25日早い。ライバルのJR特急「はるか」は、先月末に乗客累計約80万人に達しているが、100万人達成は今月末になりそう−という。(京都新聞)
■ラピー卜乗客100万人
 大阪・難波と関西空港を結ぶ南海電鉄の特急「ラピート」の利用者数が6日、100万人を突破した。関西空港が開港した9月4日から走り始めた「ラピート」は、奇抜な車両デザインが話題を呼び、平均乗車率は約75%と好調で、ライバルのJR西日本の特急「はるか」より一足早く、営業運転94日目で大台に達した。
 100万人突破の「記念列車」になったのは、この日、関西空港を午後2時5分に発車した「ラピートα(アルファ)16号」。乗車した約180人の乗客全員に記念の乗車証明書とカレンダーが贈られた。
 京都や新大阪と関西空港を結ぶJR「はるか」は、11月末で利用者数は約80万人。大台達成は今月20日ごろの見込みという。(朝日新聞)
8日■保線作業で電車接触 叡電鞍馬線、男性重傷
 7日午前9時半ごろ、京都市左京区岩倉三宅町、叡山電鉄鞍馬線・八幡踏切近くの軌道敷内で、保線作業をしていた同電鉄技術課の菰田邦臣さん(53)=上京区小川通元誓願寺下ル=が、鞍馬発出町柳行き電車=2両編成=と接触して転倒、胸の骨を折るなど1力月の重傷を負った。
 電車には乗客40人がいたが、けがはなかった。電車は現場に約15分間停車したが、後続への影響はなかった。
 下鴨署によると、菰田さんは同僚ら5人で軌道敷内に敷設した砂利の地固め作業をしていた、という。(京都新聞)
■駅周辺開発は共存を重点に 京都市助役が強調
 1996年秋の完成を目指して工事が進んでいるJR京都駅の周辺活性化に関して、京都市の内田俊一助役は7日の市会普通決算特別委員会で「新駅の地上部分は東西に広場をつくるなど、お客にできるだけ駅ビルの外へ出てもらうよう工夫したい」と述べ、駅の利用客を周辺地域に誘導することを重点に整備を進めていく方針を改めて強調した。
 答弁で内田助役は、駅利用客の周辺への誘導策について「地下街ポルタの歩行者空間の拡大や、駅ビル地下から地下街への入り口を広く取ることも検討している」と、地下連絡通路の充実で誘導を図ることを表明した。さらに地上部分についても「歩行者が移動できる通路は誘導を促す色にしたり、木を植えることも検討している」と述べた。
 同駅周辺の活性化対策については、駅北側の商店街やデパート、旅館など51企業・団体で組織する京都駅前商業地区連絡協議会が、駅ビルとの共存について市と協議を重ねている。(京都新聞)
■部分着工案にあくまで反対 整備新幹線で大蔵
 連立与党の整備新幹線検討委員会は7日、運輸、自治、大蔵省の担当者を招き、未着工区間の一部の駅などを全体計画とは切り離して1995年度から部分的に着工する案を示した。また、国の財政事情が厳しいため、暫定的に地方負担分を先行投資する形で用地買収を始める案も出た。これに対して大蔵省は「基本計画を決めるのが先決であり、来年度は着工ずみの3線5区間の建設に全力を挙げるべきだ」として部分着工案に反対し、与党側と平行線をたどった。しかし、同委員会は部分着工案を軸とした報告を14日にまとめ、与党の政策調整会議に提出する見通しだ。
 検討委員会の提案は、95、96年度は駅舎の設計・工事や用地買収をする 現在の計画ではミニ新幹線とされている盛岡−沼宮内(東北新幹線)をフル規格に格上げする 財源の負担割合など基本計画の決定は97年度以降に先送りする、といった内容。(朝日新聞)
■JR踏切脱線事故 きょう書類送検ヘ ワゴン車の運転者を
 兵庫県尼崎市のJR東海道線池田街道踏切で5月、立ち往生したワゴン車に上り貨物列車と普通電車が相次いで衝突し電車が脱線した事故で、尼崎東暑は7日、ワゴン車を運転していた神戸市長田区高取山町二丁目、不動産業アルバイト山本憲さん(28)を過失往来危険の疑いで8日に神戸地検尼崎支部に書類送検する、と発表した。(朝日新聞)
■京都市交通局 賃上げ見送り提案 地下鉄絡み財政危機 労組反発、越年へ
 地下鉄東西線の建設事業費の大幅膨張で財政危機が深刻となっている京都市交通局は、本年度の給与改定で賃上げ見送りを提案、組合側の反発で、交渉の決着が越年する見通しになっている。今市会に7日に追加提案された補正予算案にも市交通局職員だけの給与改定分は見送られた。人件費削減で経営再建を図る当局に対し、組合は「同じ市職員なのに格差は認められない」と強く反発している。
 ベースアップ(定期昇給)の見送りは、市交通局が6月に策定した「経営健全化計画」で示した職員削減などリストラ(事業の再構築)の一環。10月17日、京都交通労働組合(政勝男委員長)に対して、交通局理事者側から「かつてない厳しい状況に直面し、徹底した行財政の効率化を進めなければならない」と給与改定の見送りが提案された。
 これに対し、同組合は「同じ京都市職員の間に格差が生じる」として受け入れを拒否。市長部局や水道局などの労使が、市人事委員会の勧告に基づいた1.2%の賃上げ案に合意した後も、交通局は調整が難航。8日夜には再度団体交渉を行うが、「年内決着は極めて厳しい見通し」(河村昭行書記長)としている。
 同労組はすでに50歳以上の職員について特例勧奨退職の実施を受け入れ、来春の退職には幹部職員を含め全職員の約4%の計121人が応募している。市交通局によると、管理職を含め2858人全職員のベアを見送った場合、約2億5000万円の経費が節約になる、という。
 同局では、市電の全廃に伴う再建計画で1978、79年度に賃上げを2年遅れで実施されたことがあるが、ベア見送りは過去に例がない、という。(京都新聞 夕刊)
■関空−羽田 深夜便 全日空 空席に降参 苦闘3ヵ月…休止 設定時間半端 「新幹線と同じでは」
 24時間使える関西空港の特色を生かして新幹線に対抗しようと、全日空が運航していた関空−羽田間の深夜便(午後9時発)が苦戦の末、今月から休止に追い込まれた。設定時間が中途半端で、空港と都心との距離などを考えると、必ずしも便利とはいえないためらしい。旅客が100人に満たない日も多く、全日空は「完全にもくろみがはずれた」と降参の白旗を揚げた状態だ。
 休止になったのは、同社が毎日4往復運航していた関空−羽田線のうち、最終便にあたる「149便羽田発関空行き」と「150便関空発羽田行き」。いずれも午後9時発、同10時15分着の便だった。
 午後9時が”門限”の大阪空港では運航できなかった深夜の時間帯を利用して、新幹線に押され気味のビジネス客獲得を狙ったが、全日空によると、単身赴任者が帰宅する週末の搭乗率は50−60%台になるものの、それ以外は30−40%台止まりで、288人乗りのジェット機に旅客が100人にも満たない日も多いなど、結果は散々だった。
 全日空は「新幹線の『のぞみ』に十分対抗できるくらい、利用客は多いと踏んでいたのだが…」とガッカリ。「京阪神地区に住む人たちにとっては、関空に着いてからの所要時間を考えると、かなり帰宅が遅くなってしまい、新幹線と変わらない。むしろ、早い便の方が好まれるのではないか」と分析する。
 これを裏付けるように、1便前の羽田発午後8時、関空発午後8時25分の両便は搭乗率が70−80%台と好調だった。「短時間のうちに2往復も設定したのが無理だった」との反省もある。
 深夜便は関空の売り物の「24時間空港」を実現するものだけに、全日空内には「休止は今月だけ。来月からは復活させたい」とする意見もあるが、「空箱を飛ばしているようなこれまでの状懸では、復活は厳しいのでは」との声も多いという。
 一方、全日空より遅い午後9時半に羽田と関空をそれぞれ出発する日本航空の深夜便は、同社の夜の関空−羽田便がほかにないこともあって、平均6割強の搭乗率という。日航は「全日空は設定時間が中途半端だったのでは。うちは予想通り好調。今月中旬からは、関空からの特急電車の終電も遅くなり、さらに利用価値が上がる」と強気だ。
 もっとも、ライバルの新幹線は「『のぞみ』は午後9時18分東京発の最終を含め、乗車率は前年より軒並み1割近く伸びている。関空の影響はない」(JR東海)と余裕をみせている。(朝日新聞 夕刊)
9日■深夜の急転決着 京都市交通局ベア見送り 労組押し切られる
 京都市交通局の給与改定交渉が8日深夜、決着した。地下鉄東西線の建設費膨脹による経営悪化の状況に、京都交通労組(政勝男委員長)が「本年度の給与改定は見送り、来年4月実施」で押し切られた。
 交渉は見送り提案に労組が反発、一時は越年の見通しとなったが、同日深夜になって決着した。給与改定(定期昇給は含まない)は完全実施の場合、決着時点から同年4月にさかのぼって差額が支給されていた。来年4月実施で本年度の交通局職員の給与改定は見送られることになる。
 中谷佑一管理者(交通局長)は「市民の足を守るため努力する職員には申し訳ない思いだじ職員一丸になって再建に努力したい」と話している。
 市の他部局では人事委員会勧告通り1.2%の給与改定が行われている。同局では市電全廃に伴う再建計画で1978、79年度に賃上げが2年遅れで実施されたが、差額が支払われており、年度中の見送りは今回が初めて。(京都新聞)
■報知装置いたずら? 電車が急停止 JR、太秦の踏切
 8日午後2時25分ごろ、京都市右京区太秦一ノ井町のJR嵯峨野線城北街道踏切で、踏切支障報和装置の特殊信号発光機が点灯しているのを、園部発京都行き上り普通電車の運転士(49)が発見、非常ブレーキをかけて踏切約500b手前で停車させた。
 現場近くに居合わせたJR西日本の保線係員が、踏切支障報和装置を確認したところ、押しボタンが押されていた。太秦署は車が交通事故や故障で立ち往生した形跡がないため、いたずらとみて調べている。
 電車は現場で約10分間停止したほか、急行など上下3本の電車が13−5分遅れ、乗客約700人に影響が出た。(京都新聞)
■初日の出は関空で JRなど終夜運転
 初日の出の新名所に、関西国際空港が立候補−。
 JR西日本と南海電鉄は8日、大みそかから元日にかけて関西空港に終夜運転の電車を走らせると発表。関西国際空港会社も展望デッキの早朝開放(有料)などを検討している。
 ダイヤは、JRが難波駅や日根野駅などから約40分間隔で普通電車を運転。南海は終電と始発電車の間に、30分間隔で難波−空港に普通電車を走らせる。両社とも終夜運転の利用客は約3000人ずつと見込んでいる。
 日の出は南東の和泉山脈からで、展望デッキからはほぼ連結橋の方角。
 関西空港会社は展望デッキを夜明け前から開放するほか、深夜は1階中央だけに制限されている旅客ターミナルビルの立ち入り範囲を拡大したり、早朝テナントを営業するなども検討している。(京都新聞)
■今年度ベア見送り 京都市交通局、組合に提案 財政危機を理由に
 地下鉄東西線の建設費膨張や累積するバス事業の赤字などで財政危機に陥っている京都市交通局が、今年度の賃上げ見送りを組合側に提案、組合側は反発したものの、8日夜、市側の要求をのんだ。京都市電の廃止に伴う財政再建のため、2年遅れでベアを実施したことはあるが、今回はまったく行わないという内容で、過去に例がない。労組側は「交通局だけが見送られるのは納得できない」としていたが、断続的な労使交渉で決着がついた。
 京都市の労使は、市交通局を除いて、市人事委が勧告した今年4月1日にさかのぼって1.2%賃上げする内容ですでに妥結。7日に市会に追加提案された補正予算案で給与改定分が盛り込まれた。しかし市交通局は今年度のベアを見送り、来年4月1日から実施すると労組に提案していた。
 給与改定の見送りは、今年6月にまとめられた「経営健全化計画」の中で提示され、10月17日に内容が労組に示された。2858人の職員全員で、約2億6000万円の経費節減になると試算している。
 これに対し京都交通労働組合(政勝男委員長)など交通局の2労組は「同じ市職員で格差は認められない。勧告の完全実施は譲れない」と追っていた。
 市交通局ではすでに、150人の職員を市長部局へ異動させる計画や、50歳以上の職員を対象とする特例勧奨退職に121人が応募するなど、強力な事業再構築(リストラ)が進められている。
・京都市赤字 98年度に536億円 試算「地下鉄東西線」響く
 京都市財政の収支は、1998年度に536億円もの赤字に陥る可能性があることが、8日、市の試算でわかった。新基本計画に基づく1兆5000億円にのぼる事業計画をこのまま進める一方、市税収入も過去5年間の平均的な伸びが確保できると仮定しての試算だが、市理財局は「厳しい台所事情の理解の一助に」と話している。
 それによると、地下鉄東西線の出資などが迫られる来年度には早くも313億円余りの赤字が発生。96年度約338億円、97年度約448億円と、増えていくと見込んでいる。
 また、1989年度から93年度までの五年間の実績から単純に割り出しているため、昨年、今年と市税収入の伸びがマイナスになっているにもかかわらず、今後5年間の伸びを4、5%台と見込んでいる。一方で、見直しが確実な新基本計画は計画通り進める前提になっており、収支の帳じりを合わせるためには、投資計画の見直しや凍結も表面化しそうだ。
 理財局では「リストラを進める一方、投資的経費を含め全体の支出を抑制するなどの努力で乗り切らないと、大変なことになるという現状を理解してほしい」と話している。(朝日新聞)
■変造1000円札都内で436枚 JR駅などで発見
 東京都内のJR駅券売機やゲームセンターで、1000円札の表と裏をはがし、それぞれに白い紙を張り合わせた変造札が計436枚使われていたことが8日、警視庁捜査三課の調べでわかった。同一犯による通貨変造、同行使、窃盗事件とみて捜査している。
 調べでは、9月11日に八王子市内にあるゲームセンターの両替機の中から、和紙を張り合わせた9枚が見つかったのをはじめ、JR新宿、池袋、原宿、上野などの各駅にある券売機などから相次いで見つかった。渋谷区の百貨店1階のテレホンカード販売機などからも発見されている。
 捜査三課はJRの各駅に捜査員を出して警戒している。(朝日新聞)
■京都市交通局は幹部職分を削減
 地下鉄東西緯の建設費膨張などで財政危機に直面する京都市交通局は、公務員ボーナス支給日の9日、中谷佑一交通局長(管理者)を含め部長級以上の幹部職員16人の年末手当てを 0.1ヵ月分削減することを決めた。
 幹部職員のボーナス削減は、職員の給与改定を本年度見送りを行うことで労使交渉が決着したのに配慮した。管理者ら局長級6人、部長級10人の計16人が対象で、本来の2.6ヵ月分を0.1ヵ月カットして2.5ヵ月分とする。節減総額は約130万円で、1人平均では8万1000円余りの減額となる。(京都新聞 夕刊)
■バスのカラー名鑑
 埼玉県大里村で旧型バスの保存などに取り組んでいるバス愛好家の団体「日本バス友の会」が国内のすべての路線バスをカラー写真で紹介した「日本のバスカラー名鑑」を発売した。
 北海道から沖縄、さらに離島まで国内各地を走る路線バスを車体の色別にまとめた。写真1219枚を収録。ボンネットバスや2階建てバスなども取り上げたほか、バスのカラーデザインの歴史や全国約450のバス会社の所在地や路線などのデータも掲載している。
 B5判、248nで、1冊1万7000円。問い合わせは同会事務局 03(3953)5791へ。(京都新聞 夕刊)
10日■片福線の880b トンネル貫通 福島区の国道2号地下
 関西高速鉄道が進めている片福連絡線建設工事のうち、大阪市福島区内の国道2号地下ルートにシールドトンネル(約880メートル)を敷設する工事が完成し、9日、現地で貫通式が行われた。
 片福連絡線は、JR片町線(学研都市線)京橋駅と、同福知山線(宝塚線)尼崎駅を結ぶ全長12.3`の新線。全線の大部分に当たる10.2`が地下線として予定され、平成元年から着工している。
 今回、トンネルが開通したのは、ちょうど阪神福島駅から同野田駅間の地下部分。直径7.1bのトンネンル2本が掘られ、内側は厚さ3.5aのコンクリートで覆われた。
 貫通式には、同社の芝田博社長ら関係者150人が出席した。野田、福島の両側から、工事に当たった作業員たちがトンネルの中央で出会い、握手して完成を祝った。
 工事はこれで全体のほぼ60%が完成した。平成9年春の完工を目指し、残り部分の工事も既に始まっている。(京都新聞)
■脱退工作は団結権の侵害 JR西労が会社提訴
 JR西労(奥島彰委員長、約3100人)は9日、JR西日本福知山支社の豊岡鉄道部や福知山運転所所属の組合員に対し、豊岡鉄道部総務科長が、転勤や出向をほのめかすなどの工作で一部組合員を脱退させたのは労働組合の団結権への侵害であるとし、JR西日本(井手正敬社長)と同総務科長を相手取り、総額1100万円の慰謝料を求める訴えを京都地裁福知山支部に起こした。
 訴えによると、会社側の意向をうけた同総務科長が昨年9月中旬から今年5月末にかけて「西労を脱退しなければ、篠山や大阪の転勤となる」などと語り、組合員18人に脱退を勧め、15人を脱退させた。
 JR西労が会社側を相手取り、団結権の侵害で損害賠償請求するのは、昨年12月に広島地裁に提訴したのに続き2件目という。
 石本修・JR西日本福知山支社次長は「訴状の内容をみてから検討したい」としている。(京都新聞)
■架線に児童縄投げ列車止める 城陽のJR奈良線
 9日午後2時20分ごろ、城陽市寺田のJR奈良線城陽駅構内の上り架線に、同駅の西隣の寺田小の児童の縄跳びの縄が引っかかったと、同小からJR奈良線宇治駅へ通報があった。JR西日本京都電力区が上下線をストップさせて、縄の取り除き作業を行い、約1時間後に復旧した。
 この事故で、城陽駅に停車していた京都行き普通列車が運転を見合せたのをはじめ、上下計4本が運休した。また、上り2本が45−25分遅れ、約900人に影響が出た。
 城陽署によると、児童が校舎横の空き地で縄跳びをしていて溝にはまり、これに腹を立て縄跳びの縄を投げ上げたところ、架線に引っ掛かったという。(京都新聞)
■JR西日本「組合やめねば転勤」「管理職が勧め」と労組が提訴
 組合員を脱退させ、組合の団結権を侵害したとして、JR西日本労働組合(JR西労、約3100人)は9日、JR西日本と福知山支社豊岡鉄道部の総務科長を相手取り、総額1100万円の損害賠償を求める訴訟を京都地裁福知山支部に起こした。
 訴状によると、同鉄道部の筆頭助役で管理職の総務科長が、昨年9月中旬ごろから今年5月までの間に、組合員を鉄道部長室に呼んだり、自宅を訪ねたりして「JR西労の組織率が高いと、運転業務を鳥取鉄道部に回される」「脱退しなければ転勤になる」などと脱退を勧誘。計15人を脱退させる不当労働行為を行ったとしている。
 JR西労の組合員は、1991年5月の結成当時約4300人だったが、約3100人に減っている。現在、大阪や石川などの地労委に9件の不当労働行為の救済申し立てをしている。(朝日新聞)
12日■東京のJR 今朝も混乱 新宿変電所火災
 JR東日本新宿変電所(新宿区歌舞伎町一丁目)で10日夜発生した火災の影響で、山手線は電力容量の不足から12日朝のラッシュ時も通常の6割程度の運転しかできず、主要駅ではホームヘの入場規制をするなど混乱が続いた。同社によると、自然災害を除くと、輸送への影響は、JR発足後最大になる見通しという。
 新宿変電所は遠隔操作による自動運転をしており、新宿駅を中心に渋谷、池袋、東中野、信濃町の各駅までの範囲の架線、信号、駅設備用の電気を供給している。JR東日本では、建物に外部から侵入した跡がないことから、機器のトラブルの可能性もあると見て新宿署、東京消防庁とともに原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)
13日■ロッカーに短銃 京阪宇治駅
 12日午前9時50分ごろ、宇治署に男性の声で「短銃を京阪宇治駅(宇治市宇治乙方)の改札口東側のコインロッカーに置いた」と電話があった。府警暴対二課と宇治署が調べたところ、38口径回転式短銃と実弾3発があった。男性は匿名で「暴力団が嫌になった」と話していたという。今年、匿名の通報で同署が押収した短銃は3丁。(京都新聞)
■京都市地下鉄 車いす用渡り板 全13駅 乗り降り便利に
 車いす利用者が地下鉄に乗り降りしやすいように、京都市交通局は電車とホームの間に置く渡り板を15日から、烏丸線の全駅13ヵ所に常備する。
 渡り板は長さ、幅各84a、厚さ2aの樹脂製で、表面に滑り止めのゴムが張ってある。通常は3つに折りたたんでホームの階段下の用具置き場に収納、車いす利用者の求めに応じて、車掌や駅員が車両とホームの間に渡す。
 交通局によると、ホームと電車の間には平均7、8aほどの段差がおり、車いす利用者の乗り降りは、駅員らが抱えて持ち上げるなどの介助をしていた。
 同局の調べでは、地下鉄の車いす利用者は、昨年だけで約4400人、1日平均12人。同局は「乗車の時に下車駅を教えてもらえれば、その駅でも渡り板を準備するよう手配したい」と話している。
 同様の渡し板は、京都市内では、JR京都駅の一部のホームにも備えつけられている。(京都新聞)
■町かどのモニュメント 電気鉄道発祥の地記念碑(京都市下京区東洞院塩小路下ル) 日本初の快挙を今に
 明治28年2月1日、京都駅の、レンガ造りの駅舎前では、いつものように人力車の車夫が客を待っている。ただ、異常に人出が多い。次々と東へ向い、ホームのはずれ、東洞院通の踏切を渡ったところにある京都電気鉄道の停車場をめざす。その日は一大イベントが始まろうとしていた。日本最初の電車(チンチン電車)の開通だ。
 「電気鉄道発祥の地記念碑」は、JR京都駅前を少し東へ入り、東洞院通と塩小路通のちょうど交差した場所にある。歩道の真ん中にあるためか「何だろう」と、見上げる人も多い。開通から80年後の、昭和50年2月1日に、鉄道友の会京都支部が、市や鉄道会社に呼びかけて建てた。「京都は、日本で最初に電車が走った場所なのに、記念するものが何もなかったから、いつも残念で」。高山礼蔵支部長は言う。
 明治28年に開通した伏見線の電車は、七条停車場から東洞院通、竹田街道を経て伏見町油掛まで、6.7`の道のりを走っていた。時速は10`とも伝えられ、決して早くはなかったが、物珍しさからか乗客は多かった。
同じ年の4月、今度は京都駅前から、枳殻邸、木屋町を経て岡崎まで電車が走った。終点では第4内国勧業博覧会が華やかに開かれていた。チンチン電車はいつも満員。博覧会の参加者からは「さすが京都は」の声が上がったという。
 大正7年、京都市が京都電気鉄道を買収後も、次々と新路線が開通したが、昭和3年に開業した京都市営バスも徐々に台数を増やし始めた。昭和36年の北野線廃止が、主役交代を告げた。昭和53年、市電路線はすべてなくなった。
 貌在も、お年寄りの間では「電車道」「市電通り」の言葉が残っているが、市電を知らない世代が増えた。高山支部長は「市電は自動車の波にもみけされてしまった。何らかの生き残り方法があったと思う」と残念がる。環境汚染が問題になってきた現在は、自動車の功罪が問われている。皮肉だが、なくなってから市電が見直されている。(京都新聞)
■地下鉄・高速道路・電線地中化… 国に京都市要望へ
 京都市は12日、1995年度の国の予算編成に際して、京都市として要望する内容を発表した。地下鉄と高速道路の建設財源、東山五条の国道1号線の地下駐車場と、祇園花見小路など狭い街路の電線類地中化を可能にする「C・C・BOX」など5項目を掲げ、田辺朋之市長ら市幹部が近く上京する。ただし、「要望活動の自粛」が閣議で議論になったことを踏まえ、市では「必要最小限の人員にする」という。
 要望は全部で77項目。このうち16を重点項目と位置付け、5項目を最重点とした。
 このほか、光ファイバー網の整備を目指す民間に無利子貸し付けする郵政省の新事業▽京都迎賓館の早期建設▽国民健康保険財政の確立、などを重点項目として掲げた。
 15日に地元選出の国会議員に要望するほか、大蔵省原案内示後は各省庁を訪れる。要望行動の自粛要請について企画調整局は「上京する人員を必要最小限にするよう各局に指示した。しかし今の制度下では、要望行動をなくすわけにはいかない」と話している。(朝日新聞)
14日■車いす 地下鉄乗り降り 便利です 市交通局が渡り板 車両とホーム間の安全策
 車いすの利用者にも、地下鉄の乗り降りがしやすくなります−。京都市交通局は15日から、市営地下鉄烏丸線の13駅全部に、「車いす用渡り板」を備え付ける。
 板はオーストラリア製で1枚4万8000円。縦、横84a、厚さ2aあり、表面に滑り止め加工を施した。京都駅と四条駅に2枚、他は1枚ずつ備え、改札口での求めに応じて駅員が準備する。
 北山駅のホームで約20a前後のすき間があり、重さ100`前後に達する電動車いすの場合、駅員が3、4人がかりで持ち上げていた。ラッシュ時には、対応し切れないこともあったという。
 車いすの利用者は昨年、約4400人、1日平均12人の利用があった。交通局では「障害のある人も、大いに地下鉄を利用して街に出てほしい」と話している。(朝日新聞)
■JR山手線平常に 別ルートで送電受け
 10日夜起きたJR新宿変電所の火災による停電事故の影響で、最後までダイヤが乱れていたJR山手線は、14日始発から別ルートからの送電を受け、平常運転に戻った。
 停電事故では山手線のほか、中央線、総武線など首都圏のJR各線が軒並みダウン。11日午前から順次、う回ルートで送電を受けて運転を再開したが、運転本数の多い山手線では最後まで必要な電力量が確保できず、3日間にわたり6割の運転率で間引き運転を続けていた。
 JR東日本のまとめでは、この停電のため10日夜以降、山手線など計約1200本が運休、延べ約35万人の足が乱れた。
 新宿変電所の出火原因はまだ分かっていない。(京都新聞 夕刊)
15日■整備新幹線 東北はフル企画に変更 与党案 地元要望を重視
 連立与党・運輸調整会議の整備新幹線検討委員会は14日、北海道新幹線など未着工区間・路線の建設計画について報告書をまとめた。
 焦点の来年度予算での事業に関連し、在来線の路盤を使用するミニ方式で着工中の東北新幹線盛岡−沼宮内など2区間を、東海道新幹線並みのフル規格に変更することで合意した。また難工事が予想される第2筑紫トンネル(九州)など3ヵ所で地盤調査を行うことや地域の負担による先行投資で富山駅舎などの整備を行うことなどを盛り込んでいる。
 運輸調整会議は検討委の原案を近日中に与党政策調整会議に諮った後、正式の報告書として公表する。
 来年度予算での事業については18日ごろに開く亀井運輸、武村大蔵、野中自治の3閣僚による事前折衝で決着する見通しだが、駅舎の整備に地域の先行投資だけでなく国の予算も充てるかどうかなどをめぐり運輸、大蔵両省でぎりぎりの調整が続いている。
 検討委で合意した東北新幹線盛岡−沼宮内、八戸−青森のミニ方式からフル規格への変更については青森、岩手両県など地元の強い要望と亀井運輸相の強い意向による。「規格の変更は着工中の3線5区間の整備を決めた現行基本計画の変更と同じ」と当初抵折していた大蔵省も容認に傾いている。検討委と運輸、大蔵両省との非公式折衝では東北新幹線分として認められる事業費を全額、既にフル規格で着工中の沼宮内−八戸間に集中投資する方向で調整している。
 規格変更が正式に決まった場合、日本鉄道建設公団はミニ方式の2区間をフル規格とする工事実施計画認可の申請を運輸大臣に申請することになる。これに伴って八戸駅も、将来フル規格に合うよう整備される。
 トンネルの地盤調査は、環境影響評価などに使っている整備新幹線建設推進事業費を充てる方針。(京都新聞)
■激動1994 揺れた京滋 再検@ 地下鉄建設費の膨張 市民の不信も膨らむ
 激動の1年が終わろうとしている。京都で繰り広げられた平安建都1200年記念事業や、近畿のいのちの水を支える琵琶湖の異常渇水、地下鉄建設費の膨張、サンガのJ リーグ昇格の挫折など京滋は揺れた。新たな年を前に、残された課題と展望を探った。
 地下鉄東西線の建設事業費の大幅膨張は京都市に大きな影を投げ掛けた。平安建都1200年記念のメーン事業となるはずが、その年にほころびを露見させる結果となった。建設財源の確保、交通局の経営健全化など東西線は、市の将来に及ぶ課題を積み残した。
・財政窮状さらに厳しく
 建設事業費の大幅膨脹は建設財源計画に誤算を生じさせた。膨張は当初に比べ公営区間で1.7倍の3160億円、第三セクター区間で2.5倍の940億円の巨額となった。
 公営分は国に25%を補助の要請を行い、残りは市一般会計からの出資金(20%)と補助金(25%)、それに企業債(借金)を充てる方針としている。これに対し、三セクの資金確保は景気の低迷で、頼りの民間資本の導入が難航し、一段と深刻度を増している。市は三セクの負担軽減のため、資本金を建設費の2割の310億円まで引き上げるほか、一般会計の無利子融資を検討している。
 しかし、この財源計画も11月には崩れる。内田俊一助役は民間資金導入の難航で「三セク出資金を八割に引き上げざるを得ない」と定例市会で表明した。出資比率の51%から80%への引き上げで、市出資額は試算より90億円増え248億円となる見込みとなった。一般会計からの総合支援は2500億円前後の巨額になり、市長部局も財政窮乏に陥ることになった。
 もともと市は94年度の予算編成段階で財政調整など基金の大幅取り崩しと廃止を行い258億円の財源を調達して、やり繰りした。基金残高は財政調整約20億円、都市計画約50億円などと底をつきかけており、来年度は本年度より厳しい予算編成となるのは必至の情勢だ。
 交通局では8月に再建の先頭に立っていた三浦貞義管理者(交通局長)が急逝する不幸を乗り越え、経営健全化への本格的な取り組みを始めた。121人の特例勧奨退職のほか、ベア見送り、部長級以上職員の年末ボーナスのカットなど懸命の対応を進めている。リストラ(事業の再構築)は交通局だけでなく、市全体の行財政改革の取り組みとなっている。重点事業の選択や職員定数の削減、課長級以上の管理職手当ての1割カットなど、市はかつてない厳しい取り組みとなっている。
・まちづくり大幅修正
 点検・推進委の作業後、東西線建設はようやく軌道に乗り始めた。一部工区で最高2ヵ月の遅れがあるが、「回復は可能」(野嶋久暉高速鉄道本部建設部長)と説明している。
 東西線の開通は都市機能の向上に大きな役割を果たす。市は点検・推進委の報告、7月の地下鉄臨時市会や市会交通水道委員会で、京津線電車を走らせながらの難工事や下水道管など地下埋設物の移設などを膨張の理由に挙げ、「進行管理に甘さがあった」と弁明してきた。だが、市会では「京津線、地下埋設物とも初めから分かり切ったこと」との指摘もあった。
 財政負担の増大で、市は来年度に21世紀のまちづくり指針である新基本計画の年次計画の大幅見直しを余儀なくされる。市民の不信感は膨らんだままとなっている。
〈メモ〉地下鉄東西線は京都市伏見区醍醐から市街地を経て洛西方面を結ぶ計画。醍醐・二条間12.9`は第一次事業区間。事業費は2450億円、1994年度の完成予定だった。交通局分(9.4`)と第三セクター「京都高速鉄道」分(3.5`)に分け、89年に起工した。
 昨春に完成の約2年遅れが報告されたが、今年2月には建設事業費の一挙1490億円の膨張が判明した。さらに6月には770億円の再膨張が判明、建設事業費は当初の約2倍の4710億円に、完成も97年秋に再延長した。(京都新聞)
■整備新幹線 富山・熊本駅の着工合意 与党・運輸省 大蔵と最終調整
 連立与党の整備新幹線検討委員会と運輸省は14日、1995年度には未着工区間のうち、北陸新幹線の富山駅と、九州新幹線・鹿児島ルートの熊本駅の工事実施計画を区間全体とは切り離して認可することで合意した。着工ずみの東北新幹線の盛岡−青森のうち、ミニ新幹線で計画している盛岡−沼宮内を、東海道新幹線と同じフル規格にすることも決めた。ただ、これらの着工財源について大蔵省との調整が残っており、今週末にも行われる大蔵、自治、運輸の3閣僚の折衝で最終的に詰める。
 同検討委員余はこの日の会合が今年最後で、閉会後、座長らが亀井静香運輸相に検討結果を報告し、大節で合意した。当初、全面着工を主張していた亀井運輸相は秋ごろから、「部分着工」に態度を軟化させていた。
 富山駅と熊本駅を前倒しで着工認可するのは、老朽化した駅舎の改築や線路やホームの高架化、駅の両側を結ぶ通路の整備などの早期着工を望む地元の声が強いためという。ただし、大蔵省は95年度からの国費投入による着工になお慎重だ。このため新幹線建設費とは別に駅緊急整備事業として支出することで、未着工区間の無制限な工事拡大に歯止めをかける妥協案も検討されている。また、同検討委員会は地元自治体が駅周辺の用地を先行して買収する方針も決めた。
 東北新幹線のうち、ミニ新幹線で計画している八戸ー青森の着工は白紙に戻し、この分の財源を盛岡−沼宮内のフル規格化に充てる。八戸−青森は97年度以降にフル規格で着工することにし、95年度は、この区間内にある八甲田トンネルの地質調査を始める。このほか九州の第2筑紫トンネルなどの調査も始める。
 また、与党検討委と運輸省は、21世紀初頭には5線全部をフル規格で開業することをめざす 未着工区間の財源を含む基本計画は96年度に決め、97年度から本格着工する−などの方針も確認した。(朝日新聞)
■南海社長あこがれ提案 高野線→山手線 「名前変えイメチェン」
 来年7月、大阪にも「山手線」が誕生するかもしれない。南海電鉄の川勝泰司社長は14日の定例記者会見で、田舎くさい印象をもたれがちの同社「高野線」の名称を変更すると発表、その候補としてこの名を挙げた。今後、社内で新名称を募集する計画だが、「実力社長」と言われる川勝社長の希望だけに社内からは早々と「これで決まり」の声が出ている。
 高野線は大阪・難波駅から堺市、河内長野市を経て和歌山県高野町の極楽橋駅までの約64`で、前身は大阪高野鉄道。1922年に同鉄道と南海が対等合併した時に、この路線名がついた。当時は、高野山の参拝客がほとんどだったが、最近は和歌山県橋本市など沿線の住宅開発が進んで、通勤通学客らで1日約14万人もの利用がある。
 川勝社長は「乗客からの苦情はないけれど、どうも田舎くさいし、どんな山奥に住んでいるのかと思われがち。私も沿線に住んでいるが、不快な思いをすることが多い」と、個人的な理由もあって、来年7月のダイヤ改定を機にイメージチェンジを図ることにした。
 「名称がいま風、都会風になれは、当社の住宅分譲などにも効果がでるだろうし、利用客が増えるかもしれない。それには山手線がいい」と、川勝社長の期待は膨らむ一方だ。
 新名称は今年度中に正式決定する計画だが、川勝社長の「山手線」への思いはかなりのもの。果たして、社内募集でこれに代わる妙案が生まれるか−。(朝日新聞)
■北陸線上りストップ 滋賀で電車故障
 15日午前8時ごろ、滋賀県坂田郡近江町のJR北陸線牧田駅で、木之本発米原駅行き普通電車(乗客約250人)が、パンタグラフの故障で停車した。約30分後、後続の特急「しらさぎ2号」が連結して米原駅まで遊んだ。
 JR西日本が調べたところ、長浜ー田村間で上り線の架線が垂れていて、長浜−米原間の上り電専の運転を一時見合せ、9台の臨時バスを代行運転した。(朝日新聞 夕刊)
■ぶらり週末 智頭急行 日本海の風物も身近に
 大阪−鳥取間を約2時間半に短縮するとの触れ込みで登場した、JR山陽線の上郡と因美線の智頭(ちず)を結ぶ第三セクター鉄道「智頭急行」。開業直後のある日、看板の新型特急「スーパーはくと」に大阪駅から乗り込んだ。
 新型車両は運転席に大きな後退角を持たせたスピード感あふれるデザインが特徴。銀色のボディーに青いラインが美しい5両編成の列車が鉄道マニアや一般客が待つホームに滑り込んだ。車両番号は「HOT7000」。HOTは列車が通る兵庫、岡山、鳥取3県の頭文字をとったものだ。
 車両ごとに設置されたテレビに運転席からの眺めが随時映し出され、山陽線を須磨、舞子から播州路へと走る。上郡からはいよいよ智頭線に入り、女性車掌が乗務につく。濃いピンクのスーツに白いかばんと靴といういで立ちに、わざわざ東京から駆けつけたという中年男性は「初々しいのがいい。車内放送をとちるのもご愛敬」と、まんざらでもない様子だった。
 やがて車窓からの眺めは紅葉の山々に。トンネルが続き、耳がツーンとする。それもそのはず、この車両は「制御付き振り子式」で最高時速130`。カーブの多い山間部でも、あまり減速せず、自動的に車体を傾かせ、単線のトンネルを突き進むからである。
 途中、剣豪・武蔵生誕の地にちなむ「宮本武蔵」、「恋山形」などユニークな名前の駅を過ぎ、智頭で因美線に入る。とたんに、これまでのスムーズな進行とは対照的にガタンゴトンと音と揺れが始まった。
 ここまで来ると鳥取駅はすぐそこ。播但線経由の特急「はまかぜ」で4時間以上もかかっていたのがうそのようだ。カニや温泉など日本海の風物がこんなに身近になると旅の実感がわかない、というのは少しぜいたくだろうか。(明)
 智頭急行 0858・75・2595。「スーパーはくと」は新大阪−鳥取・倉吉間に1日3往復運行。別に臨時特急1往復も。(朝日新聞 夕刊)
16日■ベトナム鉄道支援 JR西日本 技術者を派遣
 JR西日本は15日、べトナム国有鉄道の鉄道技術向上に協力する方針を明らかにした。17日にハノイ市の同鉄道本社で、研修生の受け入れやべトナムへの技術者派遣など、人的交流に関する契約を結ぶ予定。
 ベトナムの鉄道は古くて戦禍による傷みが激しいうえ、軌道の幅が一律でないなど大量輸送が難しい。経済成長のためには、輸送力強化が不可欠となっており、JR西日本に技術支援を求めてきた。
 具体的な協力方法は今後詰めるが、ベトナムの鉄道旅客輸送全体の八割、貨物の6割を占める幹線、ハノイ−ホーチミン間のスピードアップが課題になるとみられる。(京都新聞)
■保線作業員4人はねられ即死 愛知・名鉄豊田新線
 16日午前9時43分ごろ、愛知県日進市折戸町高松の名鉄豊田新線高松トンネルの手前約10bの線路で、豊田市発上小田井行き普通電車(6両編成、石川雅隆運転士)が、保線作業中の加藤降さん(54)ら4人をはね、加藤さんら3人が即死、1人が間もなく死亡した。乗客約150人にけがはなかった。
 死亡したのは同県豊田市の清水組の作業員、稲垣正美さん(62)、田原英哲さん(21)、清水鉦三さんつ(62)。
 愛知署の調べでは同日朝から5人で線路の下に敷いた石を固める作業中で、このうち4人がはねられた。(京都新聞 夕刊)
17日■JR深草駅 2年遅れ、来月着工 96年度末完成目指す
 用地買収の遅れで着工がずれこんでいたJR奈良線の深草駅(仮称)が、来月中にも事業着手されることになった。4年前に新駅設置が発表されてから一部地権者との協議が難航、着工が大幅に遅れていたが、工事計画を一部変更し、予定より約2年遅れの着工となった。完成は1996年度末を目指している。
 新駅は伏見区深草大亀谷大山町に設置され、行き違い施設を備えた有人駅で計画。同線の稲荷−桃山駅間(約4.5`)の駅間距離が長いため、89年地元住民からの新駅設置を求める請願を市会が採択、92年3月に市とJR西日本の間で建設に向け協定を締結、事業着手することになった。
 ところが、「生活環境が悪くなる」とする一部地権者との間で用地買収の話し合いが難航、3年近く協議を続けていたが、事業着手のメドが立たないため、市は工事用進入路の設置場所を変更して事業進捗(ちょく)の打開を図り、着工のメドをつけた。14、15日に開いた地元説明会で、年明けから周辺地域で家屋調査を始めることなどを伝えた。
 市都市計画局によると、計画変更により当初18ヵ月を予定していた工期は26ヵ月に延び、総事業費も当初の12億円より増える見通し。国井正之都市計画部参事は「事業が延びたことで地元住民には迷惑をかけたが、一日も早い完成に向け努力したい」と話している。(京都新聞)
■市バスにはねられ重傷
 16日午後6時20分ごろ、京都市北区千本通鞍馬口の交差点で、自転車で横断歩道を渡っていた同区紫野南船岡町のパート従業員松谷米奉さん(69)が、千本通を北行してきた京都市営バス=出村仲介運転手(29)=にはねられ、腰の骨を折る重傷。バスの乗客約20人にけがはなかった。
 西陣署で事故の詳しい原因を調べている。(京都新聞)
■年末年始のJR西日本のぞみ予約84%
 JR西日本は16日、関西を中心とした年末年始期間(28日−1月5日)の指定席発売状況を発表した。
 帰省では新幹線、在来線を合わせて38万人と予約率49%、Uターンは同48万6000人と同50%となっており、ほぼ昨年並み。ピークは帰省が29、30日、Uターンが来年1月3、4日で各列車ともほぼ満席となっている。
 帰省をみると、新幹線は山陽新幹線のぞみが予約率84%と高率。
 同京都支社によると、山陰線の特急・急行の指定席予約率は、下りの帰省(28日−31日)が56%、同上りのUターン(1月1日−5日)は64%で、ほぼ昨年並み。まだ、すべての列車で指定席が残っている、という。また、関西国際空港へのアクセス特急「はるか」の指定席予約率は、帰省の京都発が51%、Uターンの関空発が39%になっている。(京都新聞)
■窓 ”特急”含まぬ料金表示疑問 伏見区・足立隆夫(無職・61)
 ある私鉄の案内書を見て、伊勢志摩方面への得な年始割引切符のあることを知り、孫らを連れて行きたいと思い、娘を買いに行かせた。
 ところが、表示価格には特急券が含まれていなかったと言いながら、娘は帰って来た。「だから、安く目に映るんだ。不親切ね」
 案内書の発行先へ電話したところ、応対に出た係員の説明を聞いてあぜんとした。
 「皆が皆、決して特急を利用する人ばかりではありません。だから当然、特急料金は含んでいません。また発売額に特急料金が含まれていないことを表示する必要もありません」
 本当だろうか。いまどき、大阪や京都から志摩半島まで行くのに、特急を使わず、乗り継ぎ乗り継ぎして出かけるだろうか。
 この私鉄以外は特急料金は不要で便利だが、この応対に出た係員からうかがうと、この私鉄の特急料金は「別途当然」ということらしい。(京都新聞)
■旧国鉄一等地 郵政省が大量購入 郵貯資金官営ホテル計画
 郵政省が、郵便貯金の資金を使い、ホールなどを備えた会館やホテルの建設用地として、国鉄清算事業団が保有する旧国鉄の土地のうち、駅前などの一等地10ヵ所・計3万7300平方bを、相次いで購入していることがわかった。いわば「官営ホテル」などの建設のための土地大量購入で、来年度はさらに、旧国鉄用地を含む5ヵ所・計1万数千平方bの購入を計画している。しかし、こうした官営施設については、政府は、臨時行政調査会の最終答申(1983年3月)を受けて、「民間と競合する会館、宿泊施設等の新設を原則的に中止する」と閣議決定している。それに反するものであり、村山内閣が行政改革を旗印にしているなかで、同省の筆勢が問われることになりそうだ。
・民間と競合閣議決定に違反
 郵政省が購入したのは、昨年度が青森、千葉、長野、富山、名古屋、京都、山口の7市で、今年度が埼玉県大宮市、東京都町田市、兵庫県姫路市。名古屋を除き駅前の一等地ばかりだ。購入額について同省は、「周辺の地価に影響する」として明らかにしていない。
 名古屋市と長野市では、市内にある「郵便貯金会館」を移転し、拡張する計画。ほかの8ヵ所では、新しいタイプの「地域文化活動支援施設」をつくる予定で、地元の要望があれば「ホテルなどどの機能を持たせたい」としている。
 すでに全国に15ヵ所ある郵貯会館は、郵政省が用地を買って建物を建てたあと、認可法人の「郵便貯金振興会」に運営させており、これら施設も同じ運営方式になるとみられる。施設は郵貯の利用者にかぎらず、一般に使える。
 計画中の官営施設の用地費と建設費には、郵政事業特別会計を通じて、郵貯で集めた資金が使われている。施設の家賃は取らずに収益を振興会にプールしているため、貯金者にとっては、その分、預けた金が無利子で運用されている形になる。
 もし施設経営が悪化すれは、郵貯の資金で面倒をみざるを得なくなり、間接的に貯金者の負担になる。
 郵便貯金振興会は25年前に設立され、仕事のほとんどは郵貯会館の運営となっている。森本哲夫理事長(元郵政事務次官)をはじめ、理事は3人とも郵政OBで部長職の13人も、6人が郵政OB、4人が郵政省からの出向者で占められている。
 臨調が、特殊法人をはじめ政府関係の法人が、ホテルや結婚式場を備えた会館をもっていることに対し、施設の新設禁止を打ちだしたのは、民間の施設と競合するケースが増えてきたためだ。答申では、とくに郵便貯金振興会を名指しして「原則として館の新設を行わない」と指摘していた。
 臨調答申・閣議決定に反する点について郵政省は、「地域の要望にあった施設にするため、ホテルの隣にホテルを建てたりはせず、民間の事業と競合させることは考えていないので、閣議決定の趣旨は踏まえている」(貯金局総務課)と説明している。(朝日新聞)
■蹴上発電所102年現役 疎水を活用うなる水車
 赤れんがで親しまれてきた左京区栗田口鳥居町の蹴上発電所。世界で2番目の水力発電所として、日本初の市電や琵琶湖疏水のインクラインに電気を供給し、東京遷都による衰退から京都が復活する「原動力」となった。事業認可から102年を経た今も、水車がうなりを上げる。発電量こそ少ないけれど、立派な現役だ。
 蹴上発電所は、琵琶湖疏水の水力を活用しようと計画され、1892年に電力供給を始めた。最初の「お得意様」は、疏水の船を引き上げるインクライン。電力需要の増加に従ってパワーアップし、1936年には第3期工事が完成、出力は5700`ワットと当初の3.2倍になった。
 現在は水量の減少もあり、通常の発電は2000`ワット。府内の電力消費の0.1%に満たず、向かいの都ホテルの電気をまかなうのがやっとという。85年からは無人となり、車で約20分の荒神口制御所でコントロールしている。
 それでも「日本の電気事業の発祥の地」。設備の問題から子どもの見学は受け付けていないが、学者を中心に月3回は見学がある。「採算に合わない点もあるかも知れませんが、水力は純国産のエネルギーですから」と菊池資直・荒神口制御所長。引退はまだまだ先のようだ。(朝日新聞)
■近鉄・東寺駅 装い新たに お年寄りらに配慮 ホームの幅を拡大 待合室は冷暖房
 京都市南区の近鉄東寺駅で、一昨年から行われていた駅舎の改修工事がこのほど終わり、車いす用のトイレや改札口のほか、プラットホームの改良など、幅広い利用客により一層配慮した駅として、装いも新たに生まれ変わった。
 改修工事は、駅舎の老朽化に伴い、利用客へのサービス改善を図るため、近畿日本鉄道(本社・大阪市)が平成4年8月から、3期に分けて行っていた。
 同駅の1日平均の乗降客は1万2680人を数え、また、東寺で弘法さんの市が開かれる毎月21日には、さらに利用客も増加する。このため、乗降客の混雑緩和に配慮する大規模な工事となった。
 新装なった駅は、従来の木造2階建てから鉄骨造りとなり、上下ホームにつながるお年寄りや身障者用のエレベーターを設置。5台の自動改札機や障害者用のトイレが新設されたほか、通路幅の広い車いす用の改札口が設けられている。
 また、プラットホームには、冷暖房完備の待合室が設置されたほか、乗降客の混雑を避けるためホームの最大幅員が上りホームで4.6b、下りは8.8bと広くなった。ホームの屋根も上下とも約30b延ばすなど、雨天にも乗り降りの便を図った。
 このほか、高架橋がむきだしになっていた改札口付近の天井を整備し、床タイルの張り替えも完了した。総工事費は約10億円。
 近鉄では「一新した改札口やホームをゆったりと利用してもらい、多くのお客さまに親しんでほしい」と話している。(京都新聞)
■帰省ピーク29・30日 U夕ーンは3・4日
 JR西日本は16日、年末年始(12月28日−1月5日)の指定席の発売状況をまとめた。それによると、28日から31日までの「帰省」は予約率49%、1日から5日の「Uターン」は50%で、帰省のピークは29、30日、Uターンは3、4日としている。(朝日新聞)
18日■JR山科駅前 自転車置き場パンク状態に 再開発工事に伴い約400台が集中 バス離合も困難 対策後手に
 山科区のJR山科駅南側にある自転車置き場が最近、路上に自転車があふれるなどパンク状態になっている。京都市の進める同駅前再開発工事がこの秋から本格化したのに伴って、これまで駅周辺に不法駐輪してあった自転車が行き場を失い、集中したためだ。
 この自転車置き場は市が2年前の春に仮設。2階建てで、1400台の収容を見込んでいた。
 ところが、現在の利用台数は、2000台余り(京都市市街地再開発課の推計)。自転車がすき間なく並び、一度駐輪するとなかなか取り出せないほどになっている。
 特に晴天の日は道路にも自転車があふれ、バスやタクシーが離合する際に、歩行者が足止めされたり、バスが通れず同課の職員が自転車を移動しに行くこともある。
 京都市が金融機関などとともに設立した第三セクター「山科駅前再開発会社」でも、市とは別に不法駐輪自転車対策を進め、昨年夏からは、工事でできた空き地に有料駐輪場をつくるなどしてきた。
 しかし今年9月半ば、京阪京津線の下を通る地下道と駅地下の駐輪場の建設工事も始まったことから、周辺道路への駐輪はできなくなった。同社でも急きょ駐輪場を拡大、計1000台余りが収容できるようにした。
 しかし、工事に前後して市が不法駐輪の撤去勧告を重ねたため、同駅周辺の約4000台の自転車の多くが駅前の仮設自転車置き場に流れ込んだものとみられている。
 対策について、京都市の市街地再開発課では「自転車の受け皿をつくるなど、できるだけの対応はしてきた。今後も市民に指導を続けるが、新たに臨時の置き場をつくるのは場所的にも予算面からも難しい」と話している。(京都新聞)
■窓 JRの乗客サービスに一言
・弱者のために開閉ボタンを 野洲町・館 和佳(会社員・45)
 師走の声を聞くころ、湖西地方は比良おろしの冷たい風が吹き荒れますが、それにも増して冷たいのが湖西線を走る電車のドアです。
 毎年12月1日から翌3月末日まで、近江舞子駅以北は手でドアの開閉をしなければなりません。理由は車内保温のためだそうです。
 ドアを手で開閉するには、かなりの力を必要とします。利用者は健勝な人だけではおりません。身体にハンディのある人や病院通いのお年寄りもおられます。先日も、ホームで電車を待っておられたお年寄りが、ドアが開くと思って待っておられましたが、ドアは開かずに電車は発車。そんな話を耳にしました。
 新快速や東海道本線の新型普通車両には開閉ボタンがついていますし、山陰線の電車も改造され、開閉ボタンがついています。これらの車両を湖西線にも導入してほしいものです。導入されるまでは、近江舞子駅以北も自動扱いを。わずか30秒足らず、車内保温にそれほど影響があるとは思いませんが。
 車内保温と弱者へのいたわり、どちらが大切なものでしょうか。華やかなコマーシャルの裏で、弱者が泣いている事実をJR上層部の方々はご存じなのでしょうか。
・案内が不十分ワンマン列車 亀岡市・菱田 治(無 職・70)
 JRもサービスに日々努力しているようだが、山陰線のワンマン列車には問題があると思う。
 先日、園部駅で乗り換えて福知山行きの列車に乗った。同じく乗り換えた一婦人が「宮津へ行きたいが、これでよいか」とたずねてきたので「綾部と西舞鶴で乗り換えのコースと福知山から第三セクターの近畿タンゴ鉄道のコースがあるが、タンゴ鉄道の方が近いのでは。車掌が乗っていないことがあり、困ることがある」と答えた。婦人は、第三セクターのタンゴ鉄道が耳なれなかったのか、「西舞鶴経由にする」と答えた。
 乗務していないと思っていた車掌がきたので、「この線ではワンマン列車のことが多いが」と質問すると「2両編成の場合はいないが、これは4両編成なので」との答え。婦人は車掌の助言でタンゴ鉄道のコースを選ぶことにした。この列車が2両編成であったら、婦人は余分な時間とお金をかけて目的地に行くことになったのである。
 もちろん、2両編成でもテープを流して車内放送はしている。しかし、それは最低必要な案内だけで、質問に答えてはくれない。同一運賃を払っていても、列車によって乗客サービスに差があるのは不合理なことと思うが。(京都新聞)
19日■整備新幹線見直し案 駅整備事業を創設 きょう4閣僚折衝
 来年度予算で焦点の整備新幹線未着工区間の取り扱いに関連し19日に亀井運輸、武村大蔵、野中自治、五十嵐官房長官の四閣僚による事前折衝で合意する整備新幹線の見直し案が18日、明らかになった。
 東北新幹線盛岡−八戸を東海道新幹線並みのフル規格に変更、現行基本計画で整備すると明記した。来年度予算に関連して 北陸新幹線富山駅と九州新幹線熊本駅両駅の駅舎を整備するため「整備新幹線駅整備調整事業」(仮称)を創設 東北新幹線盛岡−沼宮内と八戸駅をそれぞれフル規格で着工する。北陸新幹線では小松、福井両駅の構想調査 同新幹線小松−南越間は環境影響評価が完了次第、工事実施計画の申請をすること−を盛り込んだ。
 未着工区間の建設に向け1996年中に新しい基本計画の「成案を得る」としているが、本格着工の時期は明示していない。
 東北新幹線の規格変更については「盛岡−八戸間を標準軌新線に変更し、八戸−青森間の暫定整備計画(新幹線直通線)は取り下げる」とした。同時に現行基本計画でミニ方式になっている盛岡−沼宮内間の並行在来線を、新幹線開業に合わせてJRの経営から分離することを「工事実施計画の認可前に確認する」ことも盛り込んだ。(京都新聞)
■整備新幹線 2駅「着手」合意 閣僚折衝 5線フル規格化も
 1995年度政府予算案の焦点の一つになっている整備新幹線の未着工区間について、大蔵、運輸、自治、官房の4閣僚折衝が19日午前に開かれた。富山駅(北陸新幹線)と熊本駅(九州新幹線・鹿児島ルート)について95年度に工事実施計画を認可し、駅舎や周辺の整備に着手することで合意した。国が「駅整備調整事業費」として約10億円の国費負担をして測量や設計を始めるほか、地元自治体が用地を先行買収する。末着工区間全体の財源の確保策や負担割合を含む基本計画は、96年中に決めることも確認した。
 大蔵省は基本計画が未定のまま着工することに強く反対していたが、新幹線建設費とは別枠で、駅の測量・設計に限定した新しい予算項目をつくることで妥協した。このため、4閣僚合意では「着工」という言葉は使わず、「整備に着手する」という表現にした。
 このほか閣僚折衝では、着工ずみの東北新幹線(盛岡−青森)のうち、ミニ新幹線で計画していた盛岡−沼宮内(岩手県)に東海道新幹線型のフル規格の新幹線を走らせる代わりに、八戸−青森のミニ新幹線計画は取りやめることにした。また盛岡−青森間をフル規格にすることを前提に、来年度に八甲田トンネルの試掘調査を始め、八戸駅をフル規格で着工することを決めた。
 さらに、未着工区間について、 北陸新幹線の小松駅と福井駅、飯山トンネル、九州新幹線の第二筑紫トンネルは将来の着工に備えて調査費を計上する 北陸新幹線の小松−南越の工事実施計画を作成し、南越−敦賀はルートを確定する 北海道新幹線と九州新幹線・長崎ルート(福岡−長崎)のルート確定に向けた調査を進めることなどを確認した。
 閣僚折衝の前に開かれた連立与党の政策調整会議では、整備新幹線を国家プロジェクトと位置づけ、政府の公共投資10年計画の進展に併せて、21世紀初頭に整備新幹線の5線全線をフル規格で開業させることを確認した。(朝日新聞)
■新幹線の座席予約システム 詰め込み型 30年ぶり解消 窓側優先の快適型に JR東日本、来年度提案へ
 車内はがらがらなのに一部の座席に乗客を詰め込む。後から買った人に窓側の良い席を指定する−こんなおかしな形になっている新幹線の座席予約システムが、30年ぶりに改良される見通しになった。コンピューターの指定券発券プログラムは、座席を効率的に埋めることを第一に考えた開業時そのままになっている。「乗客サービスの面で好ましくない」とJR東日本が来年度の旅客6社による会議の席で見直しを提案することにしたもので、遅ればせながら、よりくつろげる方向へ改められることになりそうだ。
 「みどりの窓口」で新幹線普通車の指定券を申し込むと、「マルス」と名付けられたコンピューターはまず、列車の中央寄りの車両の3列目のA席からB、C、D、Eの順に、次いで4列目のE席からD、C、B、Aへとジグザグに検索する。
 その方法で席の指定を進めたあと、後ろ寄り2列を残して次の車両へと移り、同じことを繰り返す。それで空席がなくなると、初めに避けた車両の前と後ろより2列の席を探す。両端の2列を後回しにしているのは、ドアに近く落ち着かないため、という。
 一般に人気の高い座席は、窓側のEとA、次いで通路側のDとC。最も評判の悪いのは3人掛けの真ん中のB。だが、このシステムでは、先に購入した人が必ずしも窓側のE、A席になるとは限らない。車両の途中で予約注文がなくなると、後ろの方はがらがらなのに両わきを見知らぬ人に挟まれてB席をあてがわれるケースも生じてしまう。
 コンピューターによる新幹線の座席予約は、東海道新幹線開業翌年の1965年から始まった。当時は乗客の快適性よりも、効率的な販売が優先されたため、順番に詰めて売る方式が採用された。
 このシステムでも、端末機の操作で本来の販売順序を変え窓側の空いている席だけを探すこともできるが、余分な操作が加わって発券に多少の時間がかかる。このため、混雑する駅の窓口では、JR職員は乗客の注文がない限り、禁煙、喫煙席の希望を聞くだけにとどめている。
 改良方法は空席の検索順を窓側→通路側→中央の順に改める案が有力。ただし、年末年始や夏休みなど年に4回設定されている「繁忙期」は除外される見通しだ。
 一方、グリーン車については、国鉄時代の末期、国鉄再建監理委員会のメンバーから「一部の座席に固めて座らせるのはおかしい」との苦情があり、改良された。3A→4D→5Aと窓側座席を選んで配置していくもので、東北、上越、山陽新幹線では閑散期に、東海道新幹線では早朝と夜間の一部の列車について実施している。(朝日新聞)
■松江・一畑電鉄 電車から運転士転落 最後尾の車掌非常ブレーキ 無人走行300メートル
 18日午前11時ごろ、松江市浜佐田町の一畑電鉄北松江線で、走行中の松江温泉発電鉄出雲市行き電車(4両編成)から運転士(31)が転落した。最後尾の車掌室にいた車掌(23)が手元の非常ブレーキをかけて停車させたが、電車は約300bを無人で走行した。運転士は転落の際に唇を切るなどしたが軽傷。乗客14人にけがはなかった。
 松江署の調べでは、運転士が転落したのは松江温泉駅を発車して間もなく。電車が加速しないため、運転士は左側の運転席を離れ、右側のドアを開けて車外に身を乗り出し、電車が横揺れして振り落とされたとみている。同電鉄は「運転士は運転席側の窓から身を乗り出してパンタグラフを確認していて転落した。一瞬、気を失い、すぐに気付いて電車を追いかけたが、追いつけなかった」と説明している。
 当時の電車のスピードは時速約20`。車掌は窓の外を見ていて線路わきに人が倒れているのに気付いた。車内電話で運転士に連絡しようとしたが、応答がなく電車を止め、運転士が転落したことを知ったという。(朝日新聞)
■「はるか」にはねられ即死 堺市の踏切で男性
 18日午後6時10分ごろ、大阪府堺市百舌鳥赤畑町のJR阪和線踏切(警報機、遮断機付き)で、男性が京都発関西空港行きの特急はるか45号(8両編成、約100人)にはねられ、即死した。
 堺東署の調べでは、男性は50−60歳ぐらい。自分で線路内に入り込んだらしい。はるか45号は現場に25分間停車、後続の列車9本が運転を取りやめ、28本に26−2分の遅れが出た。JR西日本によると、はるかの人身事故は9月4日の開業以来初めて。(朝日新聞)
20日■新駅舎、ヨットの帆と波形 JR東舞鶴駅 デザイン案を発表
 高架化に伴って来年度中に改築される予定の、JR東舞鶴駅(舞鶴市浜)の駅舎のデザイン案が19日、舞鶴市から発表された。出入り口のひさしの上に、ヨットの帆を表現したガラス製の三角錐(すい)の飾りがあるものと、ひさしが波状の形をした2通りの案。ともに1階外壁は赤れんが張りとなる。
 駅舎は現在地の約30b南側に建設の予定。JR西日本が市に示した案では、鉄骨一部コンクリート造りで、高架橋より下の1階部分は幅約60b、奥行き15.7b、南北に出入り口を設け、幅15bの自由通路で通り抜けできるようにする。プラットホームに続く階段と上りのエスカレーターを設けるほか、体の不自由な人向けのエレベーター設置も検討中。
 駅舎の外観は、出入り口のひさしの上に、ヨットの帆を表したガラス製パネルを組み合わせた三角錐の飾りを2つ置く案と、港舞鶴の象徴としてひさし自体を波状にする案の2通り作ったという。建物の南北側とも同じデザインにするか、南北で使い分けるか、今後、検討する。(京都新聞)
■窓 乗り物のマナーに思う
・気配りのある素敵な母親に 宇治田原町・丸山佐智子(パート・53)
 先日、久しぶりに通勤・通園時間帯に電車に乗り、京都の病院に行きました。車内に入ると、座席は「ゆずり合って、一人でも多くの人が座れるようにお願いします」と、車掌さんのアナウンスが流れていた。
 その声が聞こえないのか、若くて身なりはすばらしい2人のお母さん。子供の両サイドに座り、幼稚園に通園されている3人の子供さんは、座席を遊び場のように広々と取り、折り紙をいっばいに広げて遊んでいる。お母さんは何知らぬ顔をして、子供さんの自慢話に一生懸命。
 一人の老婦人が乗って来られたので、少し席をゆずってあげてくださいと声をかけると、「ここは、子供の座る場所です」とこわい顔。自分さえよければいいという姿勢。かわいい子を教育する前に若い母親の教育のし直しをと、ふと心の中でつぶやいていた。
 私たちの子育て時代は少しでも早く自立心をつけるようにと、電車に乗っても親子で立ち、人に迷惑をかけないようにと話し合ったように思います。毎日電車を利用されている若いお母さん、ちょっと周りに気を配れる良識豊かなお母さんになってください。
・高齢者の側も少しの心得を 北区・福田保夫(無職・71)
 当欄でよく「乗り物のマナー」を読ませてもらっているが、私は老人のその心得のようなものを一筆したい。
 老人とみられる人は、なるべく「老人優先席」に座るのがよいと思う。バスに乗ったとき優先席がみなふさがっていたり、車内がすいている時などはどこに座ろうと自由だが、込んできて、もし優先席が空いていたら(転ばぬように気をつけて)そこに変わるぐらいの心遣いがほしい。
 満員のとき、すぐ近くに老人席があいているのに、片側1人がけの普通席に平然と座っていられる老人も大した神経と思う(危ないし、簡単に移れぬこともあるが)。
 どうぞと言ってくれる若い人の好意にへ年寄りと見たと腹を立てるのなど、年の功もなく、かなしい。「老人優先席」など、本当はいらぬのが理想だが…。(京都新聞)
■連絡乗車券発売へ 南海と大阪市営地下鉄
 南海電鉄と大阪市交通局は19日、、南海空港線関西空港駅と同市営地下鉄、ニュートラム各駅間を連続乗車できる連絡乗車券を27日から発売すると発表した。
 同乗車券は大阪市内から関西国際空港を利用する乗客の利便性を高めるために、南海側が同市交通局に働き掛けていた。難波と関西空港間の運賃800円(大人)と、東梅田駅、鶴見緑地線を除く地下鉄、ニュートラム86の各駅−地下鉄難波間の運賃を合算。1枚の切符で南海、市営地下鉄の自動改札機を通過できるシステムになっている。(京都新聞)
■初日の出楽しんで展望ホールを開放
 関西空港会社は大みそかから元旦にかけ、空港内で新年を祝う「ハッピー・ニューイヤー・イベントIN KIX」を開く。新空港で初日の出を見ようと、多くの人が訪れると予想されるため、それらの見学者向けの催しを組んだ。
 元旦の午前零時から4時まで空港駅コンコースの南広場を会場に、ジャズコンサートと見学者が参加するビンゴゲームを実施する。
 また初日の出を見る見学者用に、展望ホールは午前6時から開く。ホールは同時に1000人しか収容できないため、午前4時から整理券を発行する。旅客ターミナルビル内の一部の飲食店や土産物店も終夜営業する。
 同日はJR西日本が「初日の出関空号」を午前4時20分草津始発(京都同4時44分発、空港同6時16分着)で運行するほか、南海も空港行きの電車を30分間隔でほぼ終日運転する。
 空港会社によると、初日の出は晴天なら午前7時−7時10分ごろに楽しめるという。(京都新聞)
■関空への共通乗車券 27日から発売開始
 関西空港と大阪の都心とを行き来する乗客の利便を考えて、大阪市交通局と南海電鉄は、大阪市営地下鉄と南海関西空港駅との連絡普通乗車券を27日から発売する。
 現在はほかの地下鉄各線と直結していない鶴見緑地線全線と谷町線東梅田駅を除く地下鉄、ニュートラムの駅で、南海なんば駅経由関西空港駅まで通しの普通乗車券が買え、南海の自動改札機も通れる。南海関西空港駅でも、なんば駅経由の地下鉄各線(鶴見緑地線を除く)への連絡普通乗車券が買える。
 ただし、なんば駅と関西空港駅を結ぶ南海の特急ラピートに乗る場合は、なんば駅か関西空港駅で、別に座席指定券を買わなければならない。
 南海なんば駅−関西空港駅の大人運賃は800円。地下鉄は区間によって180円−270円。連絡普通乗車券は980円−1070円となる。割引はない。(朝日新聞)
■整備新幹線なし崩し着工 財源見通し 宿題残して見切り発車 地元・「光見えた」お祭り騒ぎ 運輸相・「着工そのもの」 蔵相・「着手にすぎない」
 19日の関係閣僚の折衝で、整備新幹線でまだ着工していない区間のうち、富山駅と熊本駅の設計や用地の買収を始めたり、東北新幹線のうちミニ新幹線で計画していた区間を東海道新幹線型のフル規格にしたりすることが決まった。財源の見通しなど宿題を置き去りにしたままの「政治新幹線」の見切り発車だ。
 「光が見えた。大きな前進、万々歳だ」。東北新幹線の盛岡−八戸間のフル規格化と八戸駅の着工が決まったとの報に、青森県八戸市の中里信男市長は喜びをかみしめるように語った。
 さっそく決定記念式典が午後1時半から市役所で開かれ、さらにバス2台で移動して八戸駅前でも。まず打ち上げ花火の5連発。続いて紅白の綱が引かれると、「祝東北新幹線盛岡以北フル規格決定」の垂れ幕が下がった。市長のあいさつのあと、万歳三唱が北国の冬空に響いた。参加者からは「6−10年で営業開始になるのでは」など期待する声も。商店街では、お祝いセールの検討を始めた。
 一方、これまで富山名産「ますずし」を手に、関係官庁や与党議員に陳情してきた富山県の新幹線担当者は、県の東京事務所で「富山駅の整備が認可されれば、未着工の魚津−高岡間の着工を認可したのと同じになる」と皮算用。
 地元では中沖豊県知事が記者会見。「全線整備に向けて、大きな前進だ。しかし、整備日程や、建設財源などが明確化されず、重要課題が残されている」として、手放しでは喜べないといった様子。
 熊本県の福島譲二知事は記者会見で、「熊本駅の工事実施計画が認可されることで、長年の悲願であった真の意味での着工が実現することになった」と表情を崩した。
 区間全体の計画は2年後に先送りされたとはいえ、早速、広報課職員が今年の県政10大ニュースのトップ候補として担当課への原稿依頼に追われた。
 閣僚折衝のあと、亀井静香運輸相は喜色満面。「工事認可をして国費をつぎ込む。これを着工と言わずに何というのか。測量や設計を始めるということは、駅をつくるということだ」
 一方の武村正義蔵相も胸を張って言明した。「駅の建設に『ゴー』を出したわけではない。着工と言っている人がいるなら間違いです。ちゃんと合意にも『着工』ではなく『着手』と書いてある」
 建設費でも調査費でもなく、新しく「駅整備調整事業費」という名前の予算をつくることで、事実上の着工をベールにくるんだ。与党・運輸省が「既成事実」を取り、大蔵省は「言い訳」を取った。
 亀井運輸相が6月の就任直後に「来年度着工」をぶち上げたとき、運輸官僚でさえ「95%は無理」という反応だった。建設費の財源をどう確保するか、国と地元自治体とJRの負担割合をどう決めるか、JRから分離される並行する在来線をどんな形で残すか−といった難しい問題に答えを出さなけれはならないからだ。
 着工ずみの3線5区間でも、正式な着工前に調査費でトンネルを掘り始めたり、新幹線の開業前に新駅舎を完成させるため金沢駅と西鹿児島駅の工事を始めたことはあった。だが、着工前に区間全体の基本計画は決まっていた。それが今回は、基本計画が未定のまま一部前倒しで着工するという強行突破だ。
 運輸省内からは、「3線5区間の着工を決めたときだって、財源の見通しはついていなかった」「旧国鉄の長期債務26兆円の一部は既存新幹線の建設費。これもいずれは国民の負担になるだろうから、国民負担という点では同じだ」など、開き直りの声さえ聞こえてくる。
 連立与党はこの日、「総合的な交通体系を検証し、整備新幹線を積極的に位置づける」ための議論をこれから始めることを決めた。「従来の整備計画はすべて維持されることが前提」だという。
 高度成長末期の1973年に決まった全国5線の整備計画から21年。「沿線住民の夢をこわしたくない」という理由で、見直しがないまま、なし崩し着工が重なる。はっきりしているのは、そのツケがいずれ国民に回ってくることだ。(朝日新聞)
■鹿児島・宮崎も一部救済命令 JR採用差別で中労委
 1987年の国鉄の分割・民常化に絡むJRの採用差別事件で、中央労働委員会(中労委)は20日、鹿児島事件と宮崎事件について、国労とJR九州の関係労使に命令を交付した。昨年12月の北海道事件や今年10月の福岡・熊本事件に続く交付。命令の内容は、これまでとほぼ同じで、不採用に関して不当労働行為の使用者責任はJR側にあると判断、90年4月に国鉄清算事業団を解雇された組合員の「相当数」を87年にさかのぼって採用することなど一部救済をJR側に命じた。
 両事件で救済を申し立てているのは、鹿児島74人、宮崎66人。(朝日新聞 夕刊)
21日■またレールにひび 徐行で8000人影響  野洲のJR東海道線
 20日午後10時40分ごろ、滋賀県野洲郡野洲町内のJR東海道線上り線で、播州赤穂発米原行き快速列車の運転士が信号の異常に気づいた。草津保線区の係員が調べたところ、同町市三宅の上り線レールにひびが入っているのが見つかった。上り線は電車27本が守山−野洲間で徐行運転。最高40分遅れ、8000人に影響が出た。JR西日本で原因を調べている。
 JR東海道線では、今月16日にも能登川−安土間でレールにひびが入り、電車が徐行運転している。(京都新聞)
■ハングルで案内パンフ 大阪市交通局 地下鉄や観光名所 来年早々 3万部を無料配布
 大阪市交通局は、地下鉄の路線図や大阪周辺の観光名所などをハングルで案内するイラスト付きパンフレットをこのほど作製、来年早々にも地下鉄の各駅などで無料配布する。
 ハングル圏からのビジネス・観光客などが対象で、英語以外の外国語パンフレットは全国の地下鉄で初めてという。同交通局は「アジアに開かれた国際都市にふさわしいサービスを目指したい」としている。
 パンフレットは六つ折りで、縦約20a、横約10a。地下鉄路線図や自動券売機の利用法、大阪周辺の史跡や博物館、ホテルなどを図解入りで表示している。今年9月に配布された英語版に基づき作製した。
 同市では今秋開港した関西国際空港などを経由して大阪を訪れるハングル圏の観光客、ビジネス客が増加。また大阪府内に住む約18万人の在日韓国・朝鮮人の一部には、戦争で教育の機会を失い、日本語の読めない人もいるという。
 同交通局は年明けにも約3万部を市内6ヵ所の案内所や各駅で配布、「今後は中国語やタイ語版の作製も検討したい」としている。(京都新聞)
■旧国鉄債務再び増加へ 西日本株上場延期で
 運輸省は20日、国鉄清算事業団の抱える旧国鉄の長期債務の残高が、1995年度初めには26兆4000億円にのぼる見通しを明らかにした。94年度初めより4000億円増える。JR西日本の株式売却・上場を延期したことから、売却収入として見込んでいた3121億円を財政投融資から借り入れるためだ。さらに、赤字で苦しんでいる日本鉄道共済組合(JR共済)への負担金支払いが増えることも、残高を膨らませる要因となっている。
 旧国鉄債務は87年の分割・民営化時点で25兆5000億円あった。旧国鉄用地とJR株式の売却収入で返済しているが、借り入れの金利負担などで当初より膨らんでいる。93年度はJR東日本の株式売却収入があったため、94年度初めの債務残高は3年ぶりに減っていた。(朝日新聞)
■大阪の地下鉄の乗り方 ハングルで説明します 案内パンフ作り 来月から全駅に 市交通局
 ハングルで、大阪市営地下鉄での乗車券の買い方、乗り換え方、終電の時刻表などを説明したパンフレットを大阪市交通局がつくり、来年1月からすべての駅の案内所などに備えることになった。
 「大阪の地下鉄路線−大阪で一番便利で、一番忙しい運送システム」と題したパンフレットには写真や図入りで「乗車券購入と改札口通過方法」「梅田で別の路線に乗り換える方法」「出口を探す方法」など計17項目がハングルで記載されている。市営地下鉄各路線の終電の時間や観光バス案内所、大阪の観光名所なども説明している。
 すでに、ハングルで書かれた路線図のチラシはこの11月、各駅の案内両替所や駅長室などに置かれた。ハングルと日本語での表記が裏表になっており、JRや各私鉄の路線もいっしょに書かれている。
 ハングルの案内パンフを置くことになったのは在日韓国人と駅員とのトラブルがきっかけだった。千日前線鶴橋駅でこの7月19日正午すぎ、70歳代の在日韓国人女性が改札口を通る時、持っていた「敬老優待乗車証」の見せ方をめぐり駅員と口論になった。交通局の説明では、このとき駅員が「日本の国の(交通)ルールを守れないのなら、国に帰ったらどうか」などと言ったという。
 この女性が通う東大阪市立長栄中学内の自主学級「ウリ・ソダン」(私たちの寺子屋)=合田悟代表=では夜間中学を卒業した在日一世らが毎夜、「生涯学習の場」として日本語の読み書きなどを学んでいる。合田代表らが「口論の際とはいえ、言ってはならないことだ」と局側に訴えていた。
 各駅にはすでに英語で書かれた路線図や案内パンフがある。交通局側は「今回の件で『ウリ・ソダン』に見学に行った際、生徒のみなさんから、ハングルで書いた地下鉄案内図を作ってほしい、との要望があった。とりわけ大阪に多い韓国・朝鮮人の人たちに向けたハングル版がなかったのは理解を欠いていた。関西空海も開港したことだし、パンフの設置は足が地についた国際化にも役立つと思う」と話している。(朝日新聞 夕刊)
22日■NYの地下鉄で爆発 41人けが
 【ニューヨーク21日共同】21日午後1時半(日本時間22日午前3時半)すぎ、ニューヨーク市中心部のマンハッタン島南部で、走行中の地下鉄車両内で爆発が起き、少なくとも乗客41人が負傷した。うち4人は重傷。
 クリスマスを前に地下鉄は普段より込み合い、爆発が起きた車両には約50人の乗客がいた。当初、乗客1人が死亡したと伝えられたが、その後生存が確認された。
 ニューヨーク市警の発表によると、現場の状況から爆発したのは可燃性の液体を詰めた容器に発火装置を取り付けた爆発物とみられる。爆発物の所有者や詳しい背景は分かっていないが、地下鉄車内での爆発を狙った無差別テロの可能性は少なく、爆発物を運んでいる途中、偶発的に発火し、爆発炎上したもようだという。
 捜査当局は、重傷を負った乗客の一人から容体の回復を待って事情を聴く方針。(京都新聞 夕刊)
■窓 山陰線の魅力忘れないで 大津市・斉賀ひろ子(公務員・40)
 山陰方面へ新しい路線が開通して、山陰本線の影が薄くなっている、と聞きます。
 京都駅山陰線ホームも半分は関空行き「はるか」専用になってしまいました。私ども山陰が故郷である者にとっては心寂しい限りです。
 お盆やお正月には山陰線を利用して田舎へ帰りますが、保津川下りの船に手を振ったり、夜久野のあたりの深い谷をのぞきこんだり、楽しい旅です。最近は鈍行列車で鳥取の方へも足を延ばしますが、山陰線はとても魅力があります。
 残念なのは、以前は走っていた長距離の鈍行がなくなったことですが、旅はゆっくりも、またいいものです。山陰線がこれからも大切な路線として活性化されることを望みます。(京都新聞)
■窓 重いドア開閉 女性には困難 志賀町・大澤紀久子(パート・61)
 18日付当欄「弱者のために開閉ボタンを」に同感です。JR湖西線は12月1日から近江舞子から北は、手でドアを開けなげればなりません。
 私は8年も近江舞子から京都まで通勤しています。その間、重いドアの開閉で、腕に痛みが起こり、冬の間治らないことがあります。
 下車される方が多い時は、その後ろから降りるようにしていますが、夜になると、乗客が少なくなり、いやでも自分で開けなければなりません。今津行きの場合は仕方がないと思いますが、近江舞子止まりの場合まで、なぜ自動的に開けてもらえないのか不思議でなりません。
 こんな思いをしているのは、私だけではないと思います。女の方は50歳を過ぎると、50肩だとか腕の痛くなる方が多いものです。何とか、JRにご一考をお願いしたいものです。(京都新聞)
■窓 温かい親切に不思議な感動 右京区・倉内源太郎(無職・81)
 朝の通勤時間帯でした。停留所を発車したばかりのバスに乗ろうと、顔を真っ赤にそめた小学生らしい子が手を振って合図を送りながらバスに向かっていました。
 とめてやってほしいな、あの子を学校におくれないようにしてやってほしい、と心の中で願っていると、運転手さんは速度を落とし、手をあげて子供を呼んでいます。息をはずませ、やっとバスにたどりついた安心感からか、フラフラとして倒れかかり、ふと気を取り直してバスに乗り込みました。顔には汗がにじんでいました「ありがとう」と吐息まじりで言うと、運転手さんも手をふってこたえ、バスは発車しました。
 ちょっとした親切がみんなの心を温かくするものです。こうした光景にはよく出合いますが、なぜか今朝ほど感動したことはありませんでした。バスに乗りおくれ、追いかけて乗ろうとする少年の真剣さというか、がんばりと、運転手さんの人柄の根っからのやさしさとがとけ合い、ほんとに快感のひとときを味わいました。
 3つほど先の停留所で少年は降り、学校に行きました。きっと喜んで、この気持ちを一日もち続け、よい一日だったのではないでしょうか。(京都新聞)
■カタカナ特急 大はやり 速く快適に JR西日本 新旧で同料金 格差に苦情も
 「スーパー」「ニュー」「エーデル」−。カタカナを冠に付けた特急電車がJR西日本で大はやりだ。12月のダイヤ改定で2列車が仲間入りして7列車に増えた。冠の付かない特急に比べて車両は新しく、座席間隔も広くて最高速度も速い。ところが、同じ区間を冠付きと冠無しの特急が走るため、同じ料金なのに当たりはずれが出てしまう。「格差」は、所要時間で最高25分、座席間隔で同10aにもなる。年末年始の旅行には慎重な選択が必要なようで…。
 大阪駅11番ホーム。午後6時10分発の北陸線「雷鳥39号」は20年以上前に造られた赤とクリーム色の旧型電車。30分後に出発する「スーパー雷鳥9号」は白や青などを使った電車で、古くても3年半前の製造。いずれも富山行きだが、終着までの所要時間は「スーパー」が20分も早い。指定席車の座席と座席の間隔も「雷鳥」の91aに対して、「スーパー」は101aと10aも広い。グリーン車は「スーパー」が横1列に3席配置で、「雷鳥」の4席配置とは格段の差がある。もちろん、どちらに乗っても料金は同じだ。
 北陸線には、さらに「ニュー雷鳥」もある。座席間隔が「スーパー」と「雷鳥」の中間だ。これも料金は同じだ。
 こうした格差は、福知山線の「北近磯」と「エーデル北近畿」、紀勢線の「くろしお」と「スーパーくろしお」などでも生じている。12月のダイヤ改定からは伯備線の「やくも」と「スーパーやくも」、智頭線の「はくと」と「スーパーはくと」が加わった。名前は同じでも東海道・山陽新幹線の「ひかり」も車両は3種類もあり、座り心地はそれぞれ違うし、早さは全然違うのに「ひかり」も「こだま」も料金に差はない。
 JR西日本には「古い電車は狭い」や「到達時間が違うなら、料金を安くして」といった苦情が寄せられている。
 JR西日本では「新しい車両であることが分かりやすいように『スーパー』などの冠をつけた」と説明するが、時刻表などに座席間隔の表示などはなく、旅行者にとっては停車駅の違いくらいしか分からないのが実情だ。
 とはいえ、冠無しの特急料金を割り引くとなると、料金体系がおかしくなってしまうといい、同社の鉄道本部は「統一は、当面は無理。『スーパー』特急は、乗り心地などのサービスを上乗せしていると理解してもらえないだろうか…」と話す。
 だが、もうけに走るJR商法も見え隠れする。ある同社幹部は「急行料金よりも特急料金の方が高いから、昔の準急や急行を格上げしたものも多い。『スーパー』はいわば本当の特急だ」と打ち明ける。(朝日新聞)
■地下鉄東西線 建設補助金、ほぼ満額 大蔵原案内示 迎賓館の計画費も 古都緑化事業満額 学研関係は「明暗」
 国の1995年度予算の大蔵原案で、府関係では京都迎賓館の建設基本計画策定費が認められたのをはじめ、京都市が最も期待していた地下鉄東西線建設費の補助金増額や、京都高速道路・新十条通、東山五条地下駐車場の着工に見通しが立った。また、関西文化学術研究都市の勤労体験プラザ(仮称)がほぼ満額認められ、綾部市の雪対策砂防モデル事業も新規採択された。一方、国立国会図書館関西館(仮称)などはゼロ査定となり、府は「粘り強く訴えたい」と復活折衝に全力を挙げる。
 地下高速鉄道への補助金は建設省が全体枠として要求した約639億円に対し、約608億円が認められた。さらに同省は3000億円の公共投資重点化枠でも約37億円を要求しており、ほぼ満額認められる見通し。これで、京都市の地下鉄東西線への補助金の増額は、確実な情勢となった。京都高速道路・新十条通と、清水寺参観の車で渋滞する東山五条地下駐車場についての京都市への配分も確実視されている。
 このほか、吉田山(左京区)を乱開発から守るための土地買い上げ費などとして期待される「古都緑地保全事業費」(奈良、鎌倉を含め約33億円)は満額獲得。祇園など狭い小路での電線地中化の裏付けとなる建設省の電線共同溝(C・C・BOX)は大蔵原案内示で認められず、復活にかける。(朝日新聞)
■NY 地下鉄で火炎爆弾発火 100人越す客、41人負傷
 【ニューヨーク21日=佐藤吉雄】ニューヨーク・ウォール街近くの地下鉄駅で21日午後1時半(日本時間22日午前3時半)ごろ、車両の中で火炎性の爆弾が発火、少なくとも乗客41人がやけどや煙にまかれて病院に運ばれ、うち4人が重体になった。クリスマスを控えた買い物客で込み合う車内は突然の炎と煙でパニックになったが、乗り合わせた非番の警察官が消火器で消し止め、大惨事を免れた。
 現場は、ウォール街とニューヨーク市庁舎の中間にあるフルトン・ストリート駅。昨年2月にイスラム過激派の爆弾テロで1000人以上が死傷した世界貿易センタービルが通りをはさんでほぼ隣接している。
 記者会見したジュリアーニ市長らによると、10両編成の地下鉄の6両目で2度続けて爆弾が発火、オレンジ色の炎と煙が上がった。発火したのはガラス瓶に可燃性の液体を詰め、外側に着火装置を付けた手製の火炎爆弾とみられる。
 車内には100人を超す乗客がいたとみられ、多数の乗客が、車内に充満した煙を吸い込んだ。手にやけどを負い、別の駅に逃げた男の乗客が爆弾を所持していた疑いがある。在ニューヨーク総領事館によれば、邦人の被害者はいなかった。(朝日新聞 夕刊)
■リレー器に接触不良 ニュートラム暴走 科警研が鑑定書 開業以来交換せず 関係者、書類送検へ
 乗客215人が負傷した昨年10月の大阪市営「ニュートラム」の暴走事故で、大阪府警捜査一課の住之江署捜査本部は22日、コンピューターの減速指令をブレーキ装置に伝える中枢終電器盤内で、電気回路の切り替えスイッチにあたる「リレー器」などが一時的に接触不良を起こし、暴走につながったとする警察庁科学警察研究所(東京)の鑑定結果を発表した。今後、車両の整備、点検の方法や、無人運転に移行する際の安全対策に落ち度がなかったかなど事情を聴き、業務上過失致傷容疑で市交通局の関係者を書類送検する方針だ。
 調べでは、ニュートラムは軌道上の発信装置から信号を受け、自動列車運転装置(ATO)、自動列車制御装置(ATC)などのコンピューターで制御して運行する仕組み。事故当時は無人運転されていた。
 鑑定結果によると、トラブルが起きたのは減速指令をブレーキ装置に伝える中継継電器盤内で、ATO側の電源を遮断し、ATC側の回路をつなぐ「切り替え用リレー」とその周辺のスイッチ。ここに接触不良が起きて電気が通じない状態になった、としているが、詳しい原因は特定できなかった。
 事故が起きた車両は、1981年の開業時から使われていたが、「切り替え用リレー」は一度も交換されていなかった。また、事故にあった4両編成の車両のうち1両で、91年5月にATOのリレーの接触不良によるオーバーラン事故があったほか、スイッチの接触不良など電気系統のトラブルも2件、起きていた。
 捜査本部は、ニュートラムが91年10月から順次、無人運転に移行する際、過去の事故の原因究明や安全対策を適切に進めたかどうか、関係者から事情を聴く方針だ。(朝日新聞 夕刊)
23日■窓 バス路線変更車内でも声で 野洲町・高原有山(画 家・69)
 師走の道路は各所に工事中の立て札があり、交通規制されている。
 先日、野洲駅から近江富士団地行きのローカルバスに乗った。野洲高校前が道路工事のため、大型バスは国道をう回して三上経由の団地行きになっている。当然、駅前バス停付近には路線変更の表示がある。
 この日の夕方、老女が野洲病院へ行くべくこのバスを利用した。しかし病院も郵便局も経由せず真っすぐ国道に向かった。老女は様子が変なので運転手に尋ねて気がついた。信号待ちで慌てて下車した。動転していたのか財布の小銭が道路にバラまかれた。
 このようなとき運転手は、発車前に「このバスは道路工事のため、病院、郵便局の前は通りません」と親切に言うべきではないか。またバスの始動音で老女の耳には聞こえなかったのかもしれない。慌ただしい年の瀬。親切なひと声を大きくも、福祉のひとつではないだろうか。(京都新聞)
■”カモノハシ”で時速350`挑戦 東海道新幹線 新型試験車 「300X」公開
 東海道新幹線で、最高運転速度350`を目指しているJR東海は22日、新型試験車両「300X」を初めて公開した。カモノハシの口に似た「カスプ型」の先頭車両や、騒音や走行抵折を減らすための浴槽形パンクグラフカバーの採用などが特徴。来年1月に試験走行を始め、5月からは京都−米原間で350`に桃む。
 「300X」は、現在最高速度270`で走っている「のぞみ型車両」(300系)をさらに発展させ、次世代の新幹線車両開発に役立てるため計画された。
 6両1編成で、先頭車(1号車)が「カスプ型」、6号車は「ラウンドウェッジ型」と呼ばれる流線型の先頭形状になっている。車体は「300系」に比べても幅、高さとも30aほど小さく、重量も10%ほど軽い。
 実験は週2回程度、約2年間続けられ、この結果をもとにした次世代車両の登場は平成9年ごろになる。(京都新聞)
■JR無料パス 全議員交付見送りへ 「行革に逆行」参院反対
 JRか航空機かの選択制となっている国会議員の交通費の国費負担について、衆参両院の議院運営委員会の代表者は22日、1995年度予算案で全議員にJR無料パスを交付すべきかどうかを協議した。しかし、衆院側が制度変更を主張したのに対し、参院側は「行政改革に逆行する」などと反対して調整がつかず、制度の変更は見送られる見通しとなった。
 95年度の予算案要求にあたり、航空機を使用している議員から「航空機に限定されるのはおかしい」などの不満が出たため、衆院側は与野党一致で、全議員にJRパスを交付するよう要求する方針だった。(朝日新聞)
■記者席 列島から 西武撤退に頭痛い神戸
 旧国鉄跡地再開発の数少ない成功例として、2年前にオープンした神戸市の新街区「神戸ハーバーランド」の中核テナントの一つ、神戸西武が25日に店じまいする。次の入居予定は決まっておらず、JR神戸駅前の一等地に延べ約3万3000平方bの巨大な”空き家”が出現するのは確実だ。「未来型多機能都市(MFP)」の神戸版をめざした街のイメージダウンは避けられない。
 神戸西武は、年間売上高が目標の3分の1の72億円と低迷し、今年7月に撤退を表明した。西武側は「120万人商圏と騒がれたが、せいぜい80万人だった」と、街そのものの集客力不足を不振の一因に挙げた。これに対し、再開発を計画した神戸市の幹部が「西武と同時に出店したダイエーや阪急百貨店は健闘している」と応酬する一幕もあった。
 「次も商業施設を」という市の要望で、ビルを所有する住友生命は百貨店2社と交渉したが、構造的な不振にあえぐ百貨店側は「新しい発想の店舗形態でないと採算は合わない」と及び腰。市幹部にも焦りが見え始めた。
 新街区内には、ホテルや住宅用地として、民間や市が取得した土地4ヵ所、計1.9fが空き地で残っている。市の都市計画担当者は「将来の街の更新のために空き地は必要」と強気だが、商売上手で鳴らした神戸市も、遅々とした景気回復の足取りに打つ手がないというのが実情だ。(神戸支局・曹 喜郁)(朝日新聞)
■「サンターバード」北陸線に来春登場
 JR西日本は22日、北陸線の特急「スーパー雷鳥」に、「サンダーバード」と呼ぶ新型電車を来年3月17日から投入すると発表した。駅では1960年代にテレビ放映され人気を呼んだ英国人形劇の「サンダーバード」にあやかろうと、この愛称を連呼するほか、当時の人形に宣伝でも一役買ってもらうことを検討している。
 居住性や走行性能を高め、大阪−金沢間を今の「スーパー雷鳥」よりも8分短縮して、2時間29分で結び、1日8往復走る。
 同社によると、「サンダーバード」はアメリカンインディアンの伝説に登場する鳥で、スピード感や力強さが特急電車に通じるイメージがあり、直訳すれば「雷鳥」ともなるので採用したという。(朝日新聞)
24日■整備新幹線建設 財源にJRの税減免分 運輸相が新構想 年間650億円規模に
 亀井運輸相は23日までに共同通信社のインタビューに応じ、整備新幹線の建設財源問題について「平成8年度までのJRの固定資産税減免措置を継続、その減免分を財源の一部に充てる」とする運輸省独自の特定財源創設構想を明らかにした。財源規模は年間約650億円に上る見込み。
 運輸相はこれまで新幹線建設費の一部に公共事業予算を充てるよう主張していたが、新たな特定財源について異体的に触れたのは初めて。
 また仕手集団「コスモポリタン」の池田保次会長からの資金提供問題については「政治的意図があるでっち上げ」と強く否定した。
 整備新幹線の未着工区間については来年度予算で「駅整備調整事業」(10億円)を創設、富山、熊本駅などの駅舎を整備することが決まった。
 本格着工には財源の手当てや国、地方自治体、JRの負担割合の変更など新たな枠組みをつくることが条件となる。しかし国の負担増を求めるJR、自治体に対し、大蔵省は財政難からこれに難色を示している。
 このため運輸相も「予算は単年度主義だから、大蔵省も長期の財源保証にはなかなか応じない」との見通しの上で、昭和62年の国鉄民営化に伴う激変緩和措置として、JRの固定資産税を10年間半減する減免措置を利用して、建設費に回す構想を提起した。
 具体的には平成8年度で終了する減免措置を継続、減免分をプールして運用する構想とみられ、運輸相は「公共事業費からの配分と固定資産税の減免分を合わせ、建設を進めたい」としている。
 自治、大蔵両省とも今後協議する予定だが、運輸相は「節のいい話」と自信を見せている。実現すれば、現在1兆1000億円の資金で運用される鉄道整備基金と合わせ、新幹線建設のための特定財源は2つとなる。
 また国会でも取り上げられた池田会長からの資金提供問題については「これまでも姿を変えてあちこちに売り込まれた話で、完全なでっち上げだ。それを証明する関係者も出ている。政治的意図があるとしか思えない」としている。(京都新聞)
■北陸線に新型特急を導入 JR西日本が来年3月
 JR西日本はこのほど、京阪神地区と北陸方面を結ぶ特急スーパー雷鳥に、30年ぶりに新型特急サンダーバードを導入、大阪−金沢、富山間を現行より8分短縮するダイヤ改正を来年3月17日から実施する、と発表した。これで大阪−金沢間は2時間20分台となる。
 同社によるとサンダーバードは9両編成で、車いすを固定できる座席や身障者用トイレを設置。計66両を、特急スーパー雷鳥の一部に充てる。これに伴い、スーパー雷鳥は1日7往復から12往復に増える。
 新型車両は軽量化や地上設備の改良で、在来線では国内最高レベルの時速130`での走行を予定している。
 最も早い特急で大阪−福井間が現行より5分早い1時間46分、大阪−金沢間2時間29分、大阪富山間が3時間7分になる。(京都新聞)
■声 高野線の名の何が悪いんや 神戸市 玉置元則(地方公務員 51歳)
 南海電鉄が「高野線」の呼び名を変えるという。「南海社長あこがれ提案、高野線から山手線へ…」という本紙の記事を目を疑いながら読んだ。その理由は「田舎くさい、不快な思いをするから、今風、都会風にする」。私は高野線沿線の出身で、故郷の思い出はこの電車とともにある。朝は一番電車で目覚め、通過電車は昼食時や父親の帰宅時間の時刻さえも刻み、一日のりズムを作っていた。ほんの1駅か2駅のことであっても、高野線に乗って町の中心部まで行くのは、子供心にはまるで夢のような出来事であった。
 故郷を離れた今、高野線を利用するのは年に数回の墓参りだけだが、「こうやせんと口いでつぶやくだけで、ほのぼのとした感情が込み上げてくる。この言葉の響きと味わい深い語源は、カタカナまじりの今風の言い回しや、どんな都会風な地名より優れている。
 高野山は知名度としても最高である。固有名詞は具体的であるほどよい。固有名詞は歴史的重みを背負っている。なぜ高野線ではいけないのか、なぜ田舎くさいのか、なぜ不快な思いをするのか。私には何一つ納得出来ない。(朝日新聞)
■電車に飛び込み
 24日午前7時ごろ、奈良県宇陀郡室生村の近鉄大阪線室生口大野駅のホームから、高校生らしい男性が線路上に飛び込み、宇治山田発上本町行き快速急行にはねられ、死亡した。
 電車は約20分間停車し、運転を再開した。乗客約900人にけがはなかった。
 宇陀署によると、死亡したのは、定期券などから奈良県内に住む、大阪の私立高校2年生とみられ、家族らから確認を急いでいる。同署は男性が登校途中に自殺を図った可能性もあるとみて調べている。
 電車の運転士は「電車が駅を通過しようとしたところ、男性が上リホームの西端から突然飛び込み、ブレーキをかけたが間に合わなかった」と話している。
 この事故で、上下合わせて22本の特急を含む計79本が遅れた。ラッシュ時で、大阪方面への通勤客ら約3万3000人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■居眠りで駅通過 大阪の地下鉄
 24日午前6時ごろ、大阪市営地下鉄谷町線南森町駅(大阪市北区)で、大日発八尾南行き下り電車(西村幸信運転士)がホームで停車せずに通過、そのまま次の天満橋駅まで走行した。電車には約50人が乗っており、うち約15人が南森町駅で降りる予定だったという。
 大阪市交通局の調べでは、西村運転士は南森町駅の約270b手前でブレーキをかけ減速したが、その直後に居眠りをしてしまったらしい。同駅通過後、車掌からの連絡で気付いたが「気が動転してそのまま走ってしまった」と話しているという。(京都新聞 夕刊)
25日■優先席の意味今一度考えて 左京区・松本美鈴(主婦・35)
 先日、2ヵ月にもならないわが子を抱いて市バスに乗ったときのことです。車内は結構込んでいましたが、優先席が2人分空いており、周りの人から「座らせてもらったら」と声をかけていただき、子供を抱いたまま窓側につめて座りました。
 2停留所ほど過ぎたころ「あなた、若いし、老人の私に席を代わって!」と、通路側からおばあさんの声がしました。私は「えっ?」と一瞬思いましたが、子供を抱いて立ちました。
 すると、後ろの男性が「やや子をかかえてるのに、無茶な!私が代わっておげよう」との声。それで初めて気がついたのか、そのおばおさんは「あんたが若いと見ただけでそう言ったのや。ここは老人や障害者の人の席やし」と言い訳します。「ここは老人の席とは決まってないや」と周りの声。そのおばあさんはぶつぶつ言いながらきまり悪そうに、私が立った席には座らず、他の空いた普通の席に座り、私に元の席に座れと言いました。
 私は「もうすぐ降りますから結構です」と言うと「強情な女やな」。周りの人が「自分がどかしといて」と言うと「第三者はだまっとれ」−車内には気まずい空気が流れていました。
 優先席はだれのものなのでしょうか。優先席があるために変にそこだけポッカリ空いたり、どんな事情があろうと若い者が座ったら変な目で見られたり、有効に生かされていないのではないでしょうか。譲り合う気持ちがあれば、そんなもの必要ないのではないでしょうか。(京都新聞)
■新幹線車内に包丁男 医大職員切られけが 京都駅で逮捕
 24日午後5時15分ごろ、東京発新大阪行きのJR新幹線「こだま437号」の4号車で、乗客の大阪市東住吉区今林二丁目、関西医大職員武重幸夫さん(47)が突然、刺身包丁(刃渡り22.5a)を持った男に切りつけられた。JR東海から通報を受けた京都府警鉄道警察隊員が京都駅新幹線ホームに急行し、約10分後に到着した列車の車内で男を傷害と銃刀法違反で現行犯逮捕した。武重さんは石の額に10日間のけが。
 鉄道警察隊と七条署の調べでは、男は東京都大田区南蒲田、土木作業員秋葉武男容疑者(52)。同容疑者は東京から乗車し、名古屋駅を過ぎたころに、手に包丁を隠し持って4号車に入り、武重さんの2列前に着席。突然立ち上がり、「やあっ」と叫びながら切りつけてきた、という。
 武重さんは他の乗客1人とともに秋葉容疑者を取り押さえ、包丁を取り上げた。当時、4号車には8割程度の乗客がいたが、他にけが人はなかった。
 調べに対し秋葉容疑者は、「人に追われている」などと話しているという。(京都新聞)
■軌道敷で板焼ける 東山の京阪京津線
 24日午後7時50分ごろ、東山区三条通川端東入ルの京阪電鉄京津線軌道敷近くで、路面に敷いてあった板(縦30センチ、横250センチ)が燃えているのを通行人が発見。松原署に届けた。
 調べによると、燃えたのは木の枠の一部。原因を調べている。(朝日新聞)
■包丁男が暴れる 新幹線こだま 乗客1人切られげが
 24日午後5時15分ごろ、滋賀県栗東町のJR東海道新幹線を走っていた東京発新大阪行き「こだま437号」の4号車内で、中年の男が刺身包丁(刃渡り22.5a)を持って突然暴れ出し、2列後ろに座っていた大阪市東住吉区今林二丁目、関西医大職員武重幸夫さん(47)に切りかかった。武重さんは額に10日間の切り傷を負った。武重さんと乗客の京都府亀岡市宮前町猪倉、会社員池野守之さん(41)がこの男を取り押さえ、京都駅で京都府警鉄道警察隊に引き渡した。男は傷害などの疑いで現行犯逮捕された。
 調べでは、男は東京都太田区内の土木作業員(52)。東京駅から乗車し、名古屋駅を過ぎてから刺身包丁をちらつかせながら武重さんの前に座ったあと、突然、「やあ−」と叫びながら襲いかかったという。調べに対し、「人に追われている」などと話しているという。武重さんは神奈川県小田原市からの旅行帰りだった。(朝日新聞)
26日■地下鉄東西線 三セクに財政支援 自治省京都市の起債認める
 建設事業費の大幅膨張が問題となっている京都市の地下鉄東西線について、自治省は25日までに、市が第三セクターヘの新たな財政支技の起債を認める方針を固め、市に伝達した。起債は後年度に国が一定割合を支給する交付税措置が見込まれ、市の財政負担の緩和が期待できる。しかし、一般会計の起債は本年度当初で899億円と歳入の22.5%を占めており、新年度予算でも借金体質が強まるのは必至となっている。
 今回の自治省の新措置は公営の国庫補助事業と一体的に行う三セクの地下鉄事業に対し▽一般会計から一定の出資・補助などの支援を行う場合に出資起債を認める▽資金手当のために市が市債を出し会社に貸す転貸債についても一定の枠内で認める−の2点が中心となる。
 市はこれを受けて、これまでP 線資金(財政投融資資金を使った鉄道建設資金)に全面依存していた三セクの建設財源を、新年度から新措置を中心とした資金調達に切り替える。
 三セク部分は建設事業費が当初計画の610億円が2.5倍余りの1550億円に膨脹した。市は当初15億円だった三セクの資本金を建設費の20%の310億円まで増やし、一般会計から計248億円を出資するほか、無利子融資を行う考えを表明、一般会計を含め財源確保が懸念されていた。
 P線資金の公的補助制度は、利子の5%超過分を国と市で各2分の1補助するだけだった。今回の交付税措置率は未定だが、実質的には三セクは利子分以上の国の補助を受けれることになり、その分、市の負担は軽減される。
 三セク事業は1994年度からの新規事業に対して公営区間と同様の補助制度が発足し、埼玉、愛知の2件が適用を受けている。同制度の交付税措置は30%となっている。
 市は転貸債の枠を超える部分については民間機開からの借入金を当てる方針。また本年度までの執行見込み額約990億円はP線資金のルールで償却する。市は三セクの残り560億円の建設財源について、新措置を活用する。
 このほか公営区間は当初1840億円が3160億円に膨張しているが、「国庫補助をほぼ認められる情勢となった」(小濱本一理財局長)としている。
・工事進むメドついた 杉山篤史運輸省鉄道局財務課長の話
 京都市の地下鉄東西線建設は事業費膨張の幅が大きく、運輸省としても心配していた。新たな支援措置が認められ、ようやく工事が順調に進むメドがついたと思う。今後は事業費が増加しないよう計画通り工事を進めてほしい。(京都新聞)
■声 国鉄の跡地は野の花の楽園 新宮市 東 貞千(自営業 61歳)
 国鉄跡地がいつの間にか野原になった。それで2、3年前から子供たちのにぎやかな声が聞こえるようになった。小さな空き地なのに、子供たちはすぐに遊びを見つける。
 最初はみすぼらしい原っはだったのが、野の草でいっぱいになった。風に運ばれたか、遊びに来るノラちゃんたちが持ってきたのか…。夏場はヒメジョオンの花ざかり。地味なカヤツリグサやスゲに交じって昼顔もずいぶん咲いていたツユクサはコバルトブルーに黄色のおしべ。意にそまぬ名を持ったママコノシリヌグイのピンク。アカマンマのたぐい。
 今年の秋は、大量のアキアカネが原っはを飛び回っていた。チョウもバッタもすごく多かった。このごろは家の飼い猫が、ゴマ状、サヤエンドウ状、細い針状などの草の実をびっしり付けて帰ってくるようになった。今に我が家の畳からセンダングサやらアレチヌスビトハギが生えてくるかも知れない。来年の春も原っぱが残っていて雑草の花が咲いたらいいのにねえ。
 夫婦してとる飼い猫の草じらみ(朝日新聞)
■論壇 整備新幹線は本当にバラ色か 岩田薫(長野県軽井沢町議=投稿)
 整備新幹線は、まさに”穽眉(せいび)”新幹線である。
 北陸新幹線の工事が急ピッチで進む沿線住民の一人として、これが偽らざる心境だ。「整備」を「穽眉」と置きかえた理由は次の通りだ。
 まず、財源。国鉄改革後に建設が決まった整備新幹線の建設費は、JR50%、国35%、地元15%との割合で負担するのが前提だ。北陸新幹線では、この地元負担割合が、のちに20%以上まで増大し、1991年9月の着工時の予算が3874億円、地元負担は778億円だった。これは、沿線自治体である長野県と、駅の設置される4つの市町が負担するという約束であった。
 ところが、本年10月に運輸省は、高崎−長野間の工事費が8000億円にふくれあがった旨発表したのである。仮に8000億円の15%として地元の負担金を出すとなると、その額は1200億円である。わずか3年で、負担額は500億円も増大してしまったことになる。長野県では、この負担金を県と駅設置の4つの市町とで、9対1の比で分担して支出する旨決めている。とすると市町の負担金は、単純に見積もっても1200億円の1割、120億円であり、一つの市や町が30億円という巨費を工事費に出すという計算になる。
 前出の運輸省試算で最終的に高崎−長野間の工事費は、1兆2000億円程度になる予定という。沿線自治体にはまり込んでしまったのである。
 もう一つ、整備新幹線で忘れてならないのは、在来線の問題だ。着工の条件として、運輸省は在来線の経営の見直しを掲げている。つまり、赤字在来線はJR経営から分離するとの論理である。
 北陸新幹線高崎−長野間の着工を例にとると、信越線の横川−軽井沢とすれば、工事費の増大にスライドして負担金も出さねばならない”サラ金地獄”と似た状況に追いやられているのである。これがバラ色の未来を描くはずだった整備新幹線の現実だ。つまり、地域振興という錦の御旗に踊らされてフル規格新幹線着エに合意した沿線自治体は、大きな”陥穿”(かんせい=おとしあな)間の鉄路廃止、軽井沢−篠ノ井間の第三セクター化がすでに決定済みである。問題は鉄道資産だ。国鉄時代と同様にJRが、第三セクター会社に鉄道資産を無償で譲渡できるものなのかどうか。沿線自治体は、新幹線の工事負担金だけでなく、在来線を維持・管理するための資金も捻出(ねんしゅつ)させられることになったのである。
 この12月3日のダイヤ改定で、JRは朝と夜に上り下り各1本走っていた長野−高崎間の直通快速列車「信州リレー号」を廃止し、軽井沢駅止まりとしてしまった。すでに、在来線の一部廃止を先取りしたダイヤ編成が行われているのである。「今よりももっと便利になる」との言葉に引かれて整備新幹線着工を国に陳情してきた沿線自治体の、これがまぎれもない現実である。新幹線着工は”眉唾(まゆつば)物”としてとらえる必要があると言いたい。
 「全線をフル規格で整備する。この原則は絶対に曲げられない」−亀井静香運輸相が12月2日、沿線18道府県による新幹線建設促進総決起大会で、こう発言したと報じられている。それを受けて、25日に決定された95年度予算の政府案では、未着工区間の駅整備費がつき、また閣僚折衝で、盛岡以北の東北新幹線のフル規格化も認められた。武村正義蔵相が「着工でなく着手だ」と弁解しているが、どこか空々しい。なぜ、全線フル規格での着工にこれほど必死になるのか、沿線住民とすれは理解に苦しむと言わざるを得ない。
 新幹線の環境対策は、こうした予算獲得のかけ声の影で、全くなおざりにされている。環境基準の達成は全く絵にかいたモチであり、北陸新幹線に関していえは、私が運動を進めてきた軽井沢地区の立ち木トラスト区間について、土地収用法に基づく長野県収用委員会の裁決審理がこの11月24日から始まったところだ。国は根強い地権者の反対を無視し、計画をごり押しする考えのようだ。亀井氏のフル規格全線着工の発言を耳にし、”悲劇”は北陸新幹線だけにしてもらいたいとの思いでいっぱいである。(朝日新聞)
■来年度予算 政府案 整備新幹線事業費 要求通り2200億円余
 整備新幹線の建設事業費は、国の公共事業費269億円を含め、要求通り過去最高の2276億円が認められた。98年の長野五輪前の開業をめざす北陸新幹線の高崎−長野に全体の88%を重点配分するほか、東北新幹線の盛岡−沼宮内を東海道新幹線型のフル規格で着工する。未着工区間では、富山駅と熊本駅の駅舎用地買収に向けた測量・設計費用として「駅整備調整事業費」が10億円、トンネル試掘などに充てられる調査費が94年度と同額の30億円。
 地下鉄建設への補助金は5.7%増の627億円で、新たに福岡市3号線が対象に加わった。
 空港では、関西空港の計器着陸装置や進入灯などを64億円で買い取ることによって、国際線着陸料を95年7月から航空機1d当たり100円引き下げて2300円にする。また、神戸空港の「着工準備調査費」として2000万円が計上され、関西空港や大阪空港との役割分担を明確にしたうえで、95年度中に実施設計を始める予定だ。
・京都市の第三セクター支援 異例の起債も 地下鉄建設で自治省認める
 京都市は25日、建設中の地下鉄東西線の一部を担当し、建設費の膨張から資金不足に陥っている第三セクター「京都高速鉄道」(社長、依田満・市収入役)への助成措置を自治省が認めた、と発表した。同鉄道への援助資金を市が借金(起債)で調達することを認め、返済についても国が援助(交付税措置)する内容。京都市によると、自治体の第三セクター支支援に起債や交付税措置が認められた例はほとんどなく、「当面の財政危機が回避されそうだ」と喜んでいる。
 京都市のJR二条駅−醍醐を結ぶ地下鉄東西線(12.9`)は、市交通局が担当する区間(9.4`)と、京都高速鉄道の区間(3.3`)を同時に建設している。同鉄道の区間は1994年中に、建設費が当初の940億円増の1550億円に膨らんだ。
 不況で民間企業の増資が望めないため、京都市が出資金の増額と新たな資金の貸し付けで援助せざるを得ない状態に追い込まれた。市の負担は95年度から3年間で約550億円。自治省の支援がなけれは、その全額を一般会計の他の事業を削ってねん出しなけれはならず、「財政再建団体」転落の危機を訴えながら、リストラを進めていた。
 今回の自治省の決定は、第三セクターヘの出資、貸し付けの双方で、市に起債を認める▽起債の元利償還に、国が支援する▽会社の元利償還に出す市の補助金にも支援する、といった手厚い内容だ。(朝日新聞)
■奈良線複線に、舞鶴線は電化 府の交通網研究会部会 知事に提言 JR西日本などへ府要請
 京都府内の鉄道網整備のあり方を検討していた府の「公共交通網整備研究会」(知事の私的諮問機関)の鉄道部会(部会長・天野光三京都大学名誉教授)は26日、JR奈良線の複線化、舞鶴線の電化など高速化を求める提言をまとめ、荒巻禎一知事に提出した。これを受けて府は、同日午後、JR西日本などに早期実現を要請した。
 JR奈良線(京都−木津間34.7`)は、京都市の中心部から府南部地域へのアクセス路線。提言では関西学研都市などの整備促進で、「今後ますます輸送需要が増大する」と指摘、早期の複線化・高速化の実施が緊急課題とした。
 具体的な計画としては、複線化を柱に▽京都・奈良間のカーブなど軌道改良を進める▽山城多賀、木幡、黄檗、玉水、上狛の各駅を改良する▽宇治−新田間に新駅を設け、宇治駅の改築、線路増を図る▽朝夕、昼間の快速列車の運行−などを盛り込んでいる。
 一方、JR舞鶴線(綾部−東舞鶴間26.4`)は、丹後リゾート整備や環日本海諸国との交流をにらんだ鉄道として、将来の需要増を期待している。全線電化、軌道強化によるスピードアップを図るほか、京都、大阪からの直通優等列車の運行確保を求めた。また高速化に関連して西舞鶴駅の改築や周辺整備も求めている。
 府ではJR京都駅を要(かなめ)に府北部と南部を結ぶ奈良線、山陰線、舞鶴線とKTR(北近畿タンゴ鉄道)宮福線を「京都縦貫幹線鉄道」と位置づけ、一体的に輸送力増強を図る方針。すでにJR西日本では、山陰線(園部以北)とKTR宮福線(福知山−天橋立間)の電化・高速化工事を進めている。
 府はJR西日本に対し事業化の決定と運輸省への工事認可申請を要望し、園部−福知山−天橋立間の電化工事が完成する1996年春の着工を目指している。(京都新聞 夕刊)
■「ひかり」緊急停車 新倉敷−福山間
 26日午前9時52分ごろ、山陽新幹線岡山駅に停車していた名古屋発博多行きの「ひかり63号」の運転室にある事故表示灯が点灯した。列車はそのまま出発したが、表示灯が消えなかったため、同10時17分ごろ、広島県福山市内の新倉敷−福山間で緊急停車した。
 約30分間停車して、点検したが、10時50分過ぎ、徐行運転で福山駅に向かい、同駅で運転を打ち切った。乗客約600人は後続の列車に乗り換えた。岡山駅では、乗務員が確認し、運転に支障がないと判断して2分遅れで発車したという。後続列車が最高約1時間20分遅れた。(朝日新聞 夕刊)
27日■回送電車と車衝突 宇治の近鉄踏切 上下53本遅れる
 26日午後5時20分ごろ、宇治市伊勢田町大谷の近鉄京都線の踏切で、京都発西大寺行きの回送電車と、宇治市宇治矢落、自営業境誠二さん(28)の乗用車が衝突、乗用車は前部を大破した。けが人はなかった。約30分後に復旧したが、乗用車が線路をふさいだため、上下合わせて53本の電車が最高約32分遅れ、ラッシュ時の1万4000人に影響がでた。 宇治署は、境さんがたばこを買うため、遮断機が下りている間に、踏切西側に車を止め降りたところ、車が動き出し、線路内に入ったとみて、調べている。(京都新聞)
■自転車はね非常ブレーキ 伏見・JR奈良線
 26日午後2時45分ごろ、京都市伏見区桃山町西尾、JR奈良線山科川鉄橋の手前で、京都発奈良行き普通電車の運転士が、自転車が線路わきに置かれているのに気づき、非常ブレーキをかけた。電車は自転車をはね停車した。車内に約150人の乗客がいたが、けがはなかった。電車は約1分半停車、後続に影響はなかった。
 伏見署はいたずらとみて捜査している。(京都新聞)
■駅ロッカーに短銃 西成署に女性通報
 26日午前9時半ごろ、大阪府警西成署に中年女性の声で「だんなの短銃を駅のコインロッカーに入れた」と電話があった。同署は女性が告げた大阪市西成区萩之茶屋二丁目の阪堺電軌阪堺線今池駅南側のコインロッカーを捜索、同日夕、短銃1丁を押収した。
 調べでは、ドイツ製の38口径自動式短銃で、青色タオルに包まれ紙袋の中に入っていた。
 同署は銃刀法違反の疑いで捜査している。(京都新聞)
■声 常識逸脱した新幹線の予算 横浜市 後藤 亘(会社員 31歳)
 またひとつ村山政権に失望させられた。整備新幹線問題である。基本計画が未定のまま一部事業に着手するというのは、一般常識からはかけ離れた論理である。どう考えても順序が逆だし、なし崩し的にことを進めようとしているとしか思えない。
 厳しい財政事情の中から国費=税金を使って、大きな赤字路線を造ろうとしているのではないか。地方の活性化=新幹線という20年前の図式を見直すべきではないのか。着工ではなく着手だ、とは奇弁である。現実に将来像のはっきりしないものに我々の税金が使われるのだ。
 しかも、これが一大臣のメンツのためだとなると、あいた口がふさがらない。村山首相は「人にやさしい政治」を掲げた。規制緩和への対応を見てもこれは「役人にやさしい政治」だと思ったが、どうやら「政治家にやさしい政治」でもあるようだ。(朝日新聞)
■声 財政難の中でなぜ無理押し 豊中市 森田 啓三(団体役員 64歳)
 整備新幹線の一部着手が決まり、フル規格に格上げされるところもある。残る計画も21世紀初頭には全線フル規格で開業させるということのようである。
 在来線が満員でどうにもならないというならともかく、今の苦しい財政の中で無理に進める必要はないような気がする。
 この狭い国土に巨費を投じて縦横に新幹線を走らせ、1時間か2時間スピードアップしてみたところで、どれほどの意味があろう。さらに、今後はマルチメディアの時代だと言われている。遠からず業務上の会議や打ち合わせは、すべて高度化した通信で行われ、列車による出張は少なくなるのではなかろうか。巨費を投じてやっと完成した新幹線がガラガラで、借金が膨らみ旧国鉄の二の舞いになる危険性もある。
 世の先行きは分かりにくいが、高齢化社会に向かっていることだけは確かであり、この福祉には巨額のカネが必要となる。また、経済も国際化が進み、一時のような好景気も期待しにくいだろう。無駄なカネは極力使わないようにしなけれはなるまい。(朝日新聞)
■新婚 愛の周波数 列車無線に迷惑コール 阪急宝塚線と一致 改造無線機2台を押収 「携帯電話より安い」
 「晩飯なに食った?」「とうちゃんはもうすぐ帰るよ」。阪急電鉄の列車無線に2ヵ月ほど前から、新婚夫婦のこんな会話が流れるようになった。夫の仕事が忙しく、夫婦のコミュニケーションが途絶えがち。携帯電話も料金が高い。ならば手軽な無線機で、と考えた末に始めた無免許通話。周波数が偶然、阪急の無線と一致した。列車事故の場合に連絡が取れなくなる可能性もあり、大阪府警東淀川署は26日、電波法違反の疑いで事情を聴き、改造無線機2台を押収した。
 大阪市東淀川区内のトラック運転手(32)と妻(27)。調べでは、運転手は結婚間もない10月中旬ごろ、仕事中でも妻と会話できるようにと、郵政大臣の免許を受けずに出力40ワット程度の無線機を自宅に設置。同程度の出力の車載用無線機を自分の乗用車や仕事に使う大型トラックに載せ替えながら使い始めた疑い。
 ところが、選んだ周波数が阪急宝塚線の列車無線と同じだった。
 阪急電鉄によると、事故の通報、急病人の連絡、保線工事の情報通知などのため、各電車と運転指令とを無線で結んでいる。ここに10月下旬ごろから、「とうちゃん」「○ちゃん」と呼びあい、「買い物はなんぼしたんや」などという私的な会話が混じるようになった。出力10ワット程度の列車無線よりよほど高出力で、しかも会話は長い。業務連絡が聞き取りにくいなどの支障が出始めたため、同電鉄は近畿電気通信監理局に申告した。
 夫婦は11月上旬、列車無線と周波数が同じであることに気付いていたらしいが、自分たちの会話に没頭していたという。
 近畿電気通信監理局によると、無免許交信や使用できない周波数を使った交信はかなりあり、普通はまず、交信をやめるよう指導する。今回は重大な影響を与えかねず、申告に基づいて調査後、同署に告発した。
 2人は同署の任意の事情聴取に対して「仕事が忙しくて夫婦の会話が少なく、携帯電話は料金が高い。手軽で便利な無線を思いついた」と話しているという。一方、阪急電鉄広報室は「いざ列車から事故の連絡をしようとした時、夫婦の会話しか聞こえなくなる可能性が十分にあった。新婚さんの勇み足と笑っている場合ではない」。同署も「愛情こまやかなのはいいが、万一人命にかかわることになったら」と話している。(朝日新聞)
■「奈良線を複線 舞鶴線は電化」 知事の私的諮問機関の部会 JR2線で提言
 荒巻禎一知事の私的諮問機関「府公共交通網整備研究会」の鉄道部会(部会長=天野光三・京大名誉教授)は26日、「JR奈良線の高速化・複線化方策」と「JR舞鶴線の電化・高速化方策」と題した2つの提言書を知事に答申した。改良案を示すことで、早期実現に弾みをつけるのが狙い。府は提言書を同日、JR西日本に渡した。
 奈良線については、「関西文化学術研究都市など地域開発プロジェクトの進展で、複線化と高速化は緊急の課題」と位置づけている。完全複線化、高速化を目指す区間は京都駅と奈良駅間41.7`で、信号機の改良や待避線の増加などを求めている。
 宇治駅では、現在の3線から4線に増やし、通路や橋を設置するなどの改築を提言。また、木幡、黄檗(ともに宇治市)、玉水(井手町)、上狛(山城町)の4駅の改良や快速電車の増加を求めている。
 一方、舞鶴線(綾部−東舞鶴駅間26.4`)は、京阪神地域と環日本海地域の重要拠点である舞鶴市を結ぶ幹線鉄道と位置づけている。京都・大阪からの特急・急行列車の運行確保とスピードアップ、周辺整備に合わせた西舞鶴駅の改築のほか、丹後リゾート開発などを生かした利用促進を挙げている。
 また、96年春に完成するJR山陰線・北近畿タンゴ鉄道宮福線の園部−天橋立間の電化・高速化の効果を生かすため、綾部−東舞鶴駅間を電化し、山陰、福知山両線とのネットワークをつくる。(朝日新聞)
■1万9000人影響 近鉄踏切で事故
 26日午後5時20分ごろ、宇治市伊勢田町大谷の近鉄京都線小倉第二号踏切(警報機、遮断機付き)で、京都発大和西大寺行きの下り回送電車(田中満徳運転士、4両編成)が、同市宇治矢落、塗装店経営境誠二さん(28)運転の乗用車に接触した。けが人はなかったが、この事故の影響で下り電車34本、上り電車33本が5分から32分遅れ、約1万9000人に影響した。宇治署の調べでは、境さんが踏切そはのたばこ店前で停車、車から下りてたばこを買おうとしたところサイドブレーキが甘く、車がひとりでに動き出して踏切内に侵入。境さんはあわてて車に乗り、踏切外に出そうとしたが、間に合わなかったらしい。(朝日新聞)
■改札口でかざすだけ 定期・切符代わりのICカード開発 検札省けてキセルも防止 来年度にも一般試験へ JR西日本
 JR西日本は、定期券や切符に代わるICカードを改札機にかざすだけで、検札、運賃精算ができる乗車システムを開発を進めている。来年3月から、大阪駅と吹田駅に新型改札機を設置し、社員による実験を始め、来年度には一部の路線でも一般客による試験を始めたい計画だ。運賃を調べて切符を購入し、車内で検札を受けるという手間が省けるほか、JR側には「キセル防止」効果があるという。
 新しい乗車システムは自動改札機の最先端版で、利用者が持つICカードと、改札に置く読み取り機で構成されている。カードは定期券としての機能のほかに、5000円や1万円といったブリペイド(前払い)カードの機能を合わせ持ち、利用客はこのカードを読み取り機にかざすだけで改札が通過できる。カードと読み取り機の間には微弱な電波が交信しており、乗車区間を瞬時に判別。乗り越しの場合は、自動的にブリペイドカードから運賃を引き落とす。
 さらに、カードをポケットに入れたままでも通過できるようにしたり、カードと銀行口座を連動させて、旅行先のホテルや買い物の支払いもできたりするように発展させたいという。
 こうしたカードをかざすだけのシステムの開発は英国や香港の地下鉄、JR東日本でも研究中。JR西日本は、98年3月をめどに近畿圏約200駅への自動改札機の設置をめざしており、今回の実験が成功すれは、これを設置したい考えだ。
 ICカード プラスチック基板に集積回路(IC)を埋め込んだカード。銀行のキャッシュカードなどに使われている磁気ストライプカードと形状は似ているが、カード自体に大きな記憶容量と演算機能を備えている。(朝日新聞 夕刊)
28日■男性はねられ死亡 福知山のJR踏切
 27日午後10時20分ごろ、福知山市前田のJR山陰線赤所踏切で、出雲発東京行きの寝台特急「出雲2号」が、男性をはねた。男性は間もなく死亡した。
 福知山署の調べでは、運転士が踏切の約200b手前で、踏切内に立っている人影を発見、急ブレーキをかけたが間に合わなかった。列車は現場に34分間停車、乗客60人にはけがはなかった。(京都新聞)
■カードかざして改札通過 3月から試用キセル防止も期待  JR 西日本
 JR西日本は、乗客が改札口でICカードを機械にかざすだけで、簡単に乗り降りできる新しい出改札システムの開発に成功し、来年3月から試験運用を始める。近畿圏で年間約100億円と見込まれる不正乗車による損失防止への効果も期待している。
 新システムは、駅員と接触なしに改札を通れる意味から「フリーパス」と名付けられた。キャッシュカードと同じ大きさの電池入りICカード(8.5a×5.5a、厚さ0.76_)と、これを読み取るチェックマシン(40a×15a)で成り立っている。
 カードには、乗車券や定期券として用いるための情報(有効期間や、料金など)が入れてあり、改札口に設置したマシンの真上約20aの所にかざすと、双方の間に電波(短波)が飛んでカードの内容がチェックされ、改札通過の可否が判定される仕組み。
 乗客にとっては一度、カードを購入すれば、その後は現金を使わずに乗り降りできるうえ、乗車券と定期券の併用券として使うこともできる。乗り越しの精算もカード情報の中で行われる。
 チェックマシン1台のコストは約150万円と比較的安く、JR西日本は無人駅を含め管内のほとんどの駅に設置していく方針。来年3月から、大阪駅−吹田駅間で、自社社員を使って機能試験を始め、7年度中にはモデル線区を定め仮運用に移る。
 同社技術開発推進部では「新システムを使えば、キセル乗車を追放することができるし、お客さんも乗り降りが楽になる。将来は、カードに座席指定の情報なども入れ、より高度な運用を図りたい」と話している。(京都新聞)
■清算事業団と国労が和解  スト権スト訴訟決着
 旧国鉄を引き継いだ国鉄清算事業団が国労などを相手に東京・八重洲の国労会館の明け渡しを求めた訴訟が27日午後、東京地裁で和解した。和解の条件として、国労側が会館の明け渡しに同意し、清算事業団は1975年のスト権ストに絡んで国労などに202億円の損害賠償を求めた訴訟を取り下げた。これにより提訴以来18年に及んだ「スト権スト訴訟」が決着した。(朝日新聞)
■激動の1年 官公庁などで仕事納め ふるさとへ 旅行へ JR京都駅 帰省スタート
 28日、京都市下京区のJR京都駅ホームは、ふるさとへの土産をカバンに詰めた帰省客や、正月休みを海外や国内の観光地で過ごす旅行客らの姿が目立ち始めた。同駅では「帰省の分散化が進んだのか、出足はまだいまひとつだが、夕方から増え始め、29、30日にはピークを迎えそう」という。
 運行開始後、初の年末年始を迎える関西空港行きの特急「はるか」は、午前中の列車の指定券がほぼ売り切れ状態。京都駅の「はるか」乗り場でも、海外旅行用の大きなスーツケースを持った若者や「関西空港から北海道へスキーに行く」という家族連れ、外国人観光客らの姿が目立ち、昨年までにはなかった年末の光景を見せた。
 JR西日本は、年末年始に「はるか」の一部列車に2、3両の増結をして7、8両編成にしたり、Uターン客の増加が予想される1月3、4日に関西空港発京都行きの臨時列車を走らせるなどの対応をする。
 一方、山陰線などの在来線や山陽、九州方面の新幹線「のぞみ」、「ひかり」のホームでは、ピークを避けて一足早くふるさとを目指す家族連れや学生などの姿があちこちに。
 JR西日本では「Uターンのピークは1月3、4日ごろになるだろう」とみている。
・突貫工事もひと休み 地下鉄東西線建設
 京都市役所では、職員らは来年の予算編成に向けて通常通り仕事を行った。また、建設事業費の膨張と工期延長で、突貫工事が続く地下鉄東西線の建設工事現場では、ほとんどの工区で仕事納めとなった。来月4日ごろまで工事は休みとなるが、市交通局では工期への影響はない、としている。(京都新聞 夕刊)
29日■地下鉄東西線 設計変更多数、計画に甘さ 京都市監査委員が監査結果公示 入落札も問題視
 京都市の監査委員は、28日までに、建設事業費が大幅膨張となった地下鉄東西線工事を中心に市交通局の定期監査を実施、設計変更などの問題点について検討と注意を求める監査結果を公示した。監査では対象となった33件のうち、設計変更が行われたのは24件で、延べ59回にのぼり、当初設計に甘さがあった点や、工事が先行、変更契約が後追いとなっている事例など26項目について指摘した。
 報告では、とくに入札や契約事務、設計要領、積算基準、設計図の精査、設計内訳書の精査、設計変更の6分野の問題点を指摘。
 なかでも、工事契約の変更手続きを行わないまま、工事に着手、後から手続きが行われる後追い契約を指摘、「設計変更事前確認通知書による契約前の工事施工が見受けられ、後の変更手続き完了に長時間を要したものや完了していないもの」があるとしている。また、「発注段階での当初設計で、予測できる街路樹、交通信号機など道路上の支障物件移設の準備工を除外した設計」を指摘、「設計変更は最小限に行い、手続きも速やかに行うのが基本」と当初契約の甘さなどの疑問を提示している。
 さらに、入札で予定価格に対する落札率と再度の入札で「落札率の大半が高率で、再度の入札でも第1回目の第1順位業者が2回目、3回目でも1位を占めている」と問題視し、「入札参加業者が公正な競争の下に正確に見積りをした結果であるのかどうかの判断を下すまでには至らなかった」と談合とは断じてはいないが、問題を投げ掛けている。
 このほか、監査では設計図で完成年月の記載漏れや材料の主な部分の長さの誤り、過分な計上といった細部の数多い不備を指摘している。しかし、問題点は列挙しながら、監査全体としては致命的な問題点とはとらえず、「工事における設計事務、施工管理等はおおむね適切」としている。
 監査は6月から11月まで。津田幹雄、永嶋久仁朗(以上市会議員)、金井道雄、鈴木実(以上有識者)の各監査委員が行った。
 監査結果について、江草哲史・市交通局管理本部長は「今回の監査結果については厳正に受け止めている。すでに改善措置を講じており、適正な事業運営に努めたい」としている。(京都新聞)
■イノシシのヘッドマーク飾る 梅小路蒸気機関車館 還暦迎える蒸気機関車に
 梅小路蒸気機関車館(下京区)で28日、今年デビューした関空特急「はるか」の女性車掌らが、新春に還暦を迎える蒸気機関車にイノシシを描いたヘッドマークを飾り付けた。
 節目の年を迎える蒸気機関車の往年の姿を改めて知ってもらおう−と、JR西日本が実施した。機関車は昭和10年に作られたC11形64号機とC55形1号機で、昭和40年ごろまでそれぞれ東北地方や北海道で活催した。
 この日は、新年の年女になる車掌の今井はつみさんと福澤美幸さんが、速水三郎館長らとともに出席。外国人観光客らも見守る中、来年のえとイノシシをモチーフにした円形のマーク(直径約80a)を機関車の前部に取り付けた。
 今井さんらは「これらの機関車のように、皆さんに親しまれる車掌になりたいです」と話していた。(京都新聞)
■臨時電車を多数増発 年末年始ダイヤ 大晦日に終夜運転 近畿の3社
 日本民営鉄道協会は、大手16社の年末年始ダイヤの概要をまとめた。近畿地区では、大手3社がすべて大晦日(みそか)に終夜運転するほか、臨時電車を多数増発している。近畿の3社のダイヤ概要は次の通り。
 【近鉄】30日から3日まで休日ダイヤ。京都線では、大晦日から元日にかけ京都と伊勢・竪島方面間に臨時特急「初詣号」を15本、同じく橿原神宮前間に臨時特急「越年号」を12本、奈良間にも「越年号」を11本走らせる。
 元日から3日までは、京都−橿原神宮前間に急行を1日当たり上下15本ずつ増発する。
 【京阪】大晦日から3日まで全線特別ダイヤ。大晦日は、本線では上り特急(淀屋橋発出町柳行き)の運転時刻を零時50分まで延長、15−20分間隔で計6本増発する。元日朝までに、急行と普通電車を10−20分間隔で運転する。
 元日から3日までは、昼間時(午前10時−午後7時)に特急、急行、普通の各電車を10分間隔、その他の時間帯は15−20分間隔で走らせる。京津線の三条−四宮間と、石坂線の石山寺−近江神宮前間でも、計126本を増発する。
 【阪急】30日から3日まで日祝日ダイヤ。ただし、宝塚線は元日から3日まで臨時特急ダイヤ。4日は全線土曜ダイヤ。
 大晦日の終夜運転は、全線ほぼ30分間隔で普通電車を運転する。京都線はこれに加え臨時の特急3本、急行30本を午後10時−零時に集中して走らせる。(京都新聞)
■特急はるか100万人達成
 JR西日本は28日、京都−関西空港間を新大阪、天王寺を経由して結ぶ特急はるかの乗客が100万人を突破したと発表した。
 はるかは、ことし9月4日の関西国際空港開港とともに営業運転を開始。1日平均8700人の利用客を輸送し、この日午後2時18分、関西空港発京都行きはるか30号が100万人達成列車となった。南海電鉄の難波−関西空港間を運行する特急ラピートは今月6日、100万人を突破している。(京都新聞)
30日■落ち葉で車輪空転 上下2本が運休 KTR宮津線
 29日午後3時半ごろ、京都府熊野郡久美浜町馬路のKTR宮津線で、豊岡行き下り普通列車が、線路上の落ち葉で車輪が空転し前進できなくなったため、最寄りの久美浜駅に引き返し、運休した。この列車を含め、上下2本が運休したほか、京都行きの特急タンゴエクスプローラーなど上下3本が40ー15分遅れ、約150人に影響が出た。(京都新聞)
■トロッコ列車仕事納め 1、2月運休 3月2日から再開
 京都・嵯峨と亀岡を結ぶ観光列車トロッコは、29日が仕事納め。午後5時2分トロッコ亀岡駅(同市篠町)発を最終便に、1、2月は運休し、3月2日再開される。
 今年で開業4年目になる同列車は、亀岡観光の大きな柱に成長している。今夏、亀岡観光の名物・保津川下りが渇水の影響で延べ36日間運休になり、同列車も乗客減を心配した。だが、平安建都1200年事業の波及効果や、トロッコ嵯峨駅にオープンした観光ラン園「嵯峨野ランアート」が観光客を引きつけ、結局、例年より3%ほど多い約68万人を運んだ。
 この日、夕やみが迫る午後5時前、トロッコ嵯峨駅からの列車が亀岡駅に到着。約15人が降り立ち、駅員らと記念写真を撮る姿が見られた。折り返しの最終列車には、コートを着込んだ家族連れやカップルら10人ほどが乗車。列車はヘッドライトをともし、汽笛を冬空に響かせながらホームを後にした。
 嵯峨野ランアートもこの日で休業したが、新年は1月4日から再開する。(京都新聞)
31日■SLキラリ 迎春化粧 梅小路 鉄道ファンが飾り付け
 お正月を前に30日、京滋の鉄道ファンでつくる「鉄道友の会京都支部」は、京都市下京区のJR西日本梅小路蒸気機関車館で、蒸気機関車に、しめ縄などの正月飾りを取り付けた。
 この飾り付けは、同機関車館ができた直後から、同支部が続けている恒例行事で、今年で21年目を迎えた。
 この日は、支部長の高山礼蔵さん(66)ら30人余りが、来年で製造後60年を数えるC11形64号機など17両の蒸気機関車の前部にのぼって、煙室扉のハンドルなどに、「迎春」の文字の入った円形の看板やしめ縄を針金で結びつけた。
 約1時間の作業が終わると、黒光りした機関車の周りは、新春の雰囲気に包まれていた。(京都新聞)
■三陸沖地震 鉄道、水道復旧へ全力 八戸市 全面給水へまだ数日
 三陸はるか沖地震で大きな被害を受けた青森県八戸市では、被災から3日目の30日も早朝から鉄道や水道などの復旧に向け、懸命の作業が続き、政府の地震被害調査団も本格的な現地視察を始めた。地震の負傷者数は青森県で1人増え計286人になった。
 レールが宙づりとなった同市内のJR東北線八戸−陸奥市川間の路盤崩落現場では、約270人の作業員らが29日から徹夜の作業を続行。30日夕までに下り線が復旧した。全面復旧は来年1月2日ごろになる見込み。
 市中心部の約3万戸の断水対策も徹夜で続けられた。八戸圏域水道企業団の職員や工事業者ら約300人が破裂した水道管の修理などに奔走、30日までに半分が復旧した。全世帯の給水が元に戻るにはまだ数日かかる見込みで、前日に引き続き給水車97台が出動し、市内約370ヵ所で給水作業に当たった。
 国土庁など関係12省庁の担当官20人の地震被害調査団は、客2人が死亡したパチンコ店や一時ガス漏れが発生した現場、校舎が損壊した八戸東高校などを回り、実態把握を進めた。
 一行は午前9時ごろから約1時間、市役所で被害状況の説明を受け、中里信男市長は「これまでに分かっただけで八戸市内の被害額は176億円以上に上る。復旧に国の協力をお願いしたい」と要請した。(京都新聞)