1994(平成6)年11月


1日■列車内で爆発 乗客7人死亡 10人負傷 ポト派のテロか カンボジア(京都)
  ■京都駅でポーターサービス はるか利用客中心に(京都)
  ■強風、湖西線止まる(京都)
  ■嵯峨野観光鉄道 トロッコ列車開業1000日 あすから多彩に記念イベント ランのプレゼント 花の特価販売 クイズラリーも(京都)
  ■京都駅ポーターサービス「青帽」登場に「赤帽」ピンチ JR西日本 バイト使い(朝日)
  ■関西の鉄道設備 優しさをもっと 3社98駅、車いす調査 関学高等部の鉄道研究部員ら 問題点まとめる(朝日)
2日■東海道新幹線2 時間不通に 豊橋駅でポイント故障(朝日)
3日■窓 弱者に便利な”立派”な駅を 栗東町・中井義男(無職・68)(京都)
4日■どっと緑化フェア 5万人 バラの香り乗せ花電車走る 家族連れ、秋の一日楽しむ(京都)
  ■窓 市バスの良さ感じつつ注文 上京区・平田由紀子(会社員・47)(京都)
  ■JR系ホテル「ターミナル」やめ次々改称 「終末」のイメージ 駅前に似合わぬ!?(朝日)
5日■梅小路公園 来年7月部分オープン フェア後一時閉鎖 整蒲し夜間も開放(京都)
  ■旧国鉄梅田コンテナヤード 跡地に高層ビル3棟 三和銀行グループ 優秀案決まる 精算事業団の利用計画募集(京都)
  ■列車脱線、乗客を避難 JRが夜間訓練 踏切事故に備え 向日(京都)
  ■大阪市の地下鉄とバス 運転の門戸、女性に開放(朝日)
  ■声 エレベーター 全駅に設置を 大阪市 中辻ミサヲ(主婦 54歳)(朝日)
  ■文化 韓国鉄道に今なお「京城」の名残 路線名変更で新時代築け(朝日)
6日■交通危険個所を点検 京阪九条山駅 廃止を想定 通学路を主婦ら(京都)
8日■京都市交通局 勧奨退職で労使合意 東西線建設財政危機 50歳以上対象に(京都)
  ■JR東海の次世代新幹線 時速450` 米原−京都で来春から試験 騒音・振動?(朝日)
  ■事故表示点灯 ひかり停車 山陽新幹線に乱れ(京都)
  ■東京行きひかり 新大阪で運転中止 事故表示、原因不明で(朝日)
9日■比叡山・坂本観光 パスポートを発売 JR西日本あすから(京都)
  ■やんわりPR 車内マナー守ろう JR西日本・私鉄・地下鉄 ポスター合戦(朝日)
10日■文春が謝罪、和解 JR東日本批判記事「事実に反した」(京都)
  ■のぞみ・東京−岡山、広島間 割引回数券で航空機と競争(京都)
  ■文春が謝罪、和解へ、JR東日本批判の記事(朝日)
  ■のぞみ・飛行機 値段も時間もほぼ互角 割引回数券で競争だ 東京−岡山・広島 JRも来月発売(朝日)
  ■新快速ドア開かず 京都駅・4本に遅れ(京都)
11日■JR西日本株上場 来年度に延期方針 株式市況悪化で運輸省(京都)
  ■JR西日本株の上場 今年度は見送り(朝日)
  ■JR日東日本が「文春」と和解(朝日)
12日■JR西日本は減収減益(京都)
  ■いのししキップ 信楽鉄道発売へ(京都)
13日■京都市バスが乗用車に追突 乗客ら5 人軽傷(京都)
15日■チンチン電車が衝突、出火! 梅小路の緑化フェア会場 消防訓練やパレード(京都)
  ■特急にはねられ死亡 雄琴駅で男性自殺? 運休含め7000人に影響(京都)
  ■お伊勢さんへ橿原へ 近鉄の初詣切符 きょうから発売(京都)
  ■ユーロスター運行開始 安全チェック空港並み(朝日)
  ■JR西日本株 上場見送り正式に発表 運輸相(朝日)
  ■チンチン電車から出火! 梅小路公園で消防訓練(朝日)
16日■整備新幹線未着工区間 来年度から暫定工事 与党方針 トンネル掘削など(京都)
  ■窓 バス運転手の心和む気配り 左京区・佐藤加津美・薬剤師・30(京都)
  ■「のぞみ」一部列車で年末年始に割引切符(朝日)
17日■JR山陰線とKTR 電化・高速化 ほぼ5割完成 進トンネル拡張 4ヵ所完成 4ヵ所工事中 電柱も85%設置(京都)
  ■来年度の早い時期に JR西日本株上場 井出社長が強調(京都)
  ■景気の低迷響き2年連続減収減益 JR東日本中間決算(京都)
  ■整備新幹線 与党・運輸省に妥協案浮上 未着工区間 今の建設費流用し着工 財源決定先送り(朝日)
  ■線路に車転落 関西線乱れる 阪和線にも影響(朝日)
18日■井原三津子 こだわり紀行 走る高級ホテル−E&O 列車の旅 列車とは思えない豪華さ グルメもうなる美食の宴(京都)
19日■窓 駅の落書きは京都の名折れ 西京区・澤田邦雄(無職・72)(京都)
20日■整備新幹線 見直し大詰め 来年度から”見切り発車” 本格着工は97年度以降に(トンネル掘削・駅舎建設(京都)
  ■窓 駅のベンチ もっと増加を 広島市・芹川誠治(会社員・49)(京都)
22日■緑化フェアで人気の 「SLスチーム号」 運転は継続します(京都)
  ■依然1200台の自転車放置 3割が750b(半径)圏内 7・8分徒歩での通勤・通学訴え 阪急桂駅周辺 クリーン作戦1年(京都)
  ■第3セク智頭急行 来月3日に開業 鳥取と大阪2時間半(京都)
  ■JR本州3社 鉄道収入前年下回る(朝日)
23日■御池地下街 建設費37億円増 工法変更響く 開業延期も検討(京都)
  ■ラピートもてもて 乗客アンケート 「乗るため空港へ」半数(京都)
  ■銅版画の明治の京 よみがえる 三条大橋など51景 いわれなども盛り込む 歴史グループ・京を語る会 石田有年の「名所図」写真集に(京都)
24日■融雪器燃えダイヤ乱れ JR近江塩津駅(京都)
  ■電車にはねられ若い男性が即死 近鉄大阪線(朝日)
25日■市バス急停車、転倒し後遺症 京都市に賠償命じる 京都地裁判決(京都)
  ■ラッセル車 冬へばく進 京滋で試運転(京都)
26日■叡山電鉄のデナ21型 親しまれ65年 あす引退 ぬくもり惜しむファン(朝日)
  ■来週土曜発車オーライ「智頭急行」 鳥取へ 100年の夢乗せ 温泉・カニ 大阪から90分も早く 「宮本武蔵」「恋山形」…こんな駅も(朝日)
27日■「整備新幹線フル規格で」 亀井運輪相が強調(朝日)
28日■新公共交通を調査 過疎地バス路線確保へ(京都)
  ■ご苦労さま”デナ21形”叡電のレトロ車両 鉄道ファンらお別れ式 65年、最後の運行(京都)
  ■カラー複写で定期券偽造 正規の券は払い戻し(京都)
  ■京のレトロ電車 現役65年で引退(朝日)
  ■ラッシュ時JR山陰線止まる 嵯峨嵐山−京都駅間 18本運休、1万7000人に影響 最高2時間の遅れ 寒さでレールにひび(京都)
  ■地下鉄工事事務所に発砲 山科勧修寺 未明、窓に2発(京都)
  ■JRさくら転覆事故 4駆運転手に有罪判決(京都)
  ■年末の指定券 14本が完売 JR西日本売り出し(京都)
29日■地下鉄東西線 事務所発砲 工事でトラブルない 関係者ら「騒音」では苦情も(京都)
  ■アクセス交通10月輸送まとめ 利用客13.7% 見学者数 落ち着きで ラピートは8.8%減(京都)
  ■京都駅周辺 活性化へ検討会 京都市旅館業界など10委員(京都)
  ■山陰線レールひび割れ 寒さ主犯説「専門家?」 温度差原因なら 多発するはず(京都)
  ■ダイヤの乱れ 1万9000人影響(京都)
  ■ひかりに衝撃音 明石、10分間停車(京都)
  ■電車でビートルズ 陽気に演奏、乗客も乗る 英国のペア 足でリズム みんな元気に(京都)
  ■京都の地下鉄 工事事務所に銃弾(朝日)
  ■阪急・阪神共通カード JRから客呼び戻せ 自動精算、乗り換え自由 96年春から導入へ 地下鉄とも連携を協議(朝日)
30日■窓 マナー高めて車内を快適に  山城町・前田幸枝(主婦・69)(京都)
  ■10日から京阪宇治交通バス運賃 均一10円アップ(京都)
  ■京阪宇治交通など中小の値上げ認可「年内凍結」の例外 運輸省(朝日)
  ■路面電車 米で復活 京のカメラマン報告(京都)



1日■列車内で爆発 乗客7人死亡 10人負傷 ポト派のテロか カンボジア
 【プノンペン31日共同】31日付のカンボジア紙ラスメイ・カンプチアによると、10月28日午前、西部の主要都市バタンバンから北西部シソフォンヘ向かっていた列車の客車内で、ポル・ポト派が仕掛けたとみられる時限爆弾が爆発し、7人が死亡、多数の負傷者が出た。うち10人は重傷。
 ポト派は列車へのテロを激化させており、10月15日にもバタンバン駅構内で爆弾事件があったばかり。
 また同紙によると、バタンバン州西部で10月22日、船で移動していた村人59人がポト派に連行された。逃げ帰った村人によると、このうち少なくとも40人が射殺されたという。(京都新聞)
■京都駅でポーターサービス はるか利用客中心に
 JR西日本は31日、関西空港−京都を結ぶ特急はるかの利用客を主な対象に、京都駅で荷物1個を200円で運ぶポーターサービスを、11月3日から実施すると発表した。
 駅改築でエレベーターなどが設置される8年秋までの暫定措置だが、JR東海が新幹線ホームを中心に1個400円で同様のサービスをしており、競合する格好となる。
 営業時間は午前6時から午後8時までで、荷物の受け付けは、はるかの乗り場など2ヵ所。新幹線ホームを含む駅構内が搬送範囲。
 JR西日本は「関西国際化の玄関駅としてはるか利用客の利便性を高めるサービスと位置付け、料金を設定した」と話している。(京都新聞)
■強風、湖西線止まる
 JR湖西線は31日午後9時ごろ、滋賀県磁賀郡志賀町の比良川の風速計が25bを記録したため、堅田−近江今津間の運転を見合わせ、京都−堅田間、近江今津−永原間で折り返し運行。近江今津−堅田間はバスによる代行運転をした。
 風が弱まった同日午後10時53分、運転を再開したが、大阪発育森行き特急「日本海3号」が1時間45分遅れるなど、特急、普通列車ともにダイヤが大幅に乱れた。(京都新聞)
■嵯峨野観光鉄道 トロッコ列車開業1000日 あすから多彩に記念イベント ランのプレゼント 花の特価販売 クイズラリーも
 風光明美の保津峡などを走り、多くのファンに親しまれている嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車「ロマンチックトレイン嵯峨野」は、3日に開業1000目を迎える。同鉄道では、これを記念して2日から6日までの5日間、「トロッコ&ランまつり」を開催、利用者に対する感謝のイベントを行う。
 ロマンチックトレイン嵯峨野は1991年4月、JR山陰線の複線化に伴い、使われなくなった旧線を利用、右京区嵯峨天竜寺のトロッコ嵯峨駅と亀岡市のトロッコ亀岡駅の7.3`を結んで開業した。
 赤、黄、黒の配色で山の緑に映える車体のデザインが広く支持されたうえ、道中に嵐山、保津峡の両駅を設け、これまでに260万人近い乗客に利用されている。
 加えて、今年3月には、平安建都1200年を記念してトロッコ嵯峨駅前に、800種5000鉢を集めた観光ラン園「嵯峨野ランアート」を開設、これも観光客らに高く評価されている。
 トロッコ&ランまつりは、開業1000日を機に、こうした乗客、観光客に感謝する催し。期間中、嵯峨野ランアートに入場した先着50人に、ランの切り花をプレゼントするほか、カトレア、コチョウランなどを特価で販売。さらに園内で、「ランの花クイズラリー」も行い、正解者に賞品を贈る。
 また、開業1000日当日の3日には、地元の嵯峨小1年の市村貴俊くん(7つ)に一日駅長を委嘱、トロッコ嵯峨駅を午前9時27分に発車する1号列車内で、記念品を配布してもらう。(京都新聞)
■京都駅ポーターサービス「青帽」登場に「赤帽」ピンチ JR西日本 バイト使い
 JR西日本は31日、京都駅で旅行者の荷物などを運ぶポーターサービスを、3日から始めると発表した。すでに京都駅の東海道新幹線ホームには、JR東海が営業を認めた国鉄時代からの「赤帽」さんが3人いる。平均年齢は65歳。新たに登場するポーターは20代の学生アルバイト中心で、料金も「赤帽」の半値。対抗するように青い帽子をかぶる。「青帽」の登場に「赤帽」の1人は「しんどくなるなあ」とつぶやいた。
 JR西日本の計画では、3日から京都駅の烏丸中央口と、関西空港へ向かう特急「はるか」が発着する1番線ホームに受付を設け、駅内のホームやタクシー乗り場、私鉄、地下鉄の改札口などに荷物を運ぶ。料金は1個200円で、常時、学生アルバイトら4人に担当させる。
 「青帽」サービスを始めるのは、「はるか」が走り始めて海外旅行客が増え、身軽な移動を望む声が多くなってきたことや、京都駅にはエレベーターがなく、エスカレーターも少ないことから実施を決めた。
 同じ京都駅で同じ営業内容なのに、2通りのサービスや価格ができてしまうのは、在来線がJR西日本、新幹線がJR東海という具合に駅の管理体制が分かれているためだ。(朝日新聞)
■関西の鉄道設備 優しさをもっと 3社98駅、車いす調査 関学高等部の鉄道研究部員ら 問題点まとめる
 兵庫県西宮市の関西学院高等部鉄道研究部員ら約20人が、JR西日本、阪急、阪神3社の計98駅の障害者用設備を車いすで調査し、冊子『人に優しい鉄道づくり−鉄道と社会福祉』にまとめた。車いす用のトイレや改札口など基本的な設備はかなり整備されてきているものの、車いすに乗ったままでも買える券売機が少ないことや、ホームによってはスロープがないなどの問題点もまだあることが分かった。調査結果は3日の文化祭で展示する。
 調査のきっかけは、障害を理由に市立尼崎高校への入学を拒否された同学院高3年生、玉置英人君(18)との出会い。鉄道研究部長の東中綱利君(17)は昨春の遠足で、車いすに乗る同じクラスの玉置君を介助しながら、阪急−大阪地下鉄−京阪を乗り継いで宇治へ行った。出発駅の阪急仁川駅では、ホームに通じるスロープが宝塚方面行きにしかなく、いったん逆方向の宝塚駅まで出て引き返す格好になったため、宇治まで通常の2倍近い時間がかかったという。同駅は今年1月にスロープを設置した。
 この体験から、同部員10人は図書サークル8人と合同で今年8、9月にかけて、通学で利用する阪急の全駅84駅のほか、JR西日本(新大阪−神戸間)の4駅、阪神(梅田−三宮間)の10駅を調べた。
 阪急の場合、車いす専用改札口と障害者用トイレは全駅にあった。しかし、車いす用の券売機が少ない▽地下駅なのにエレベーターがない(大宮)などの問題点が浮かんだ。JRは、ホームと車両のすきまが広過ぎるうえ、段差がある▽車両内の通路が車いすには狭かった。阪神は、大半の駅でホームの幅が狭く、傾斜もある▽地下駅が多いなど駅の設計自体に問題があると指摘している。
 これに対し、阪急広報室は「一部の駅については、構造上の問題で技術的にも困難な場合があります。それらの駅では駅員によってきめ細かい対応に努力しています」と話している。阪神広報課は「指摘の点については検討したい」、JR西日本広報室は「改善が可能な個所から順次、取り組みたい」としている。(朝日新聞 夕刊)
2日■東海道新幹線2 時間不通に 豊橋駅でポイント故障
 2日午前5時44分ごろ、東海道新幹線豊橋駅構内でポイントが故障し、CTC(列車集中制御装置)による自動切り替えができなくなった。このため、東海道新幹線は始発から同駅付近が不通になり、約2時間後にポイントを固定して運転を再開したが、東京発新大阪行き「のぞみ301号」が約58分遅れるなど上下38本のダイヤが乱れ、約3万人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
3日■窓 弱者に便利な”立派”な駅を 栗東町・中井義男(無職・68)
 この間、海外旅行に行くので老妻と、京都駅に降り立った。大きなトランクを持って空港バスに乗るため、片手にトランク、片手に手すりを持って階段を降りようとしたが、怖くて一歩がどうしても路み出せない。エレベーターもなく困っていたら、若い男の方が持って降りてくれ、助けてもらったことがあった。老人や障害のある方や妊婦の方は、階段が大変に怖い手すりは、どこの駅にも付いているが、昇り・降りのエスカレーターやエレベーターのある駅は少ない。
 京都の地下鉄もかなり深い所を走っている。四条烏丸で阪急電車の下を走るためであるが、これも階段が多い。所々の駅にエレベーターが付いてるが、地上まで出られる駅は少ない。
 今度、京都駅が全面改修されるが、立派な駅を造ってほしい。そこで、第一条件として弱者に便利な駅に心がけてほしい。昇り・降りのエスカレーターをたくさん付けてほしいと心より願う。(京都新聞)
4日■どっと緑化フェア 5万人 バラの香り乗せ花電車走る 家族連れ、秋の一日楽しむ
 「全国都市緑化きょうとフェア」が開かれている下京区の梅小路公園は3日、好天気の祝日とあって約5万人の入場者でにぎわった。花電車の運行や花とモデルの操影会など多彩な催しもあり、家族連れらが秋の一日を満喫していた。
 「平成の花電車」は、会場内を走るチンチン電車を、3000本のバラの生花で飾り付けた特別企画。同電車を「平成に復活した明治時代からの贈り物」と見立て赤、白、ピンクと色とりどりのバラで車体にリボンの図柄を描き出した。
 午前9時半の開場と同時に家族連れらが電車に乗り込み、車内のレトロな雰囲気を味わったり、折り返し場所で電車をバックに記念写真を撮るなど大喜び。運転間隔を約10分に短縮しても、乗り場には順番待ちの長い列ができていた。花電車の運行はバラがもてば吉日まで続けるという。
 また、みどりの広場など会場一帯では、来場した95ミス・インターナショナル日本代表・近藤由夏さんらをモデルに、府写真材料商業組合主催の「花とモデルの大撮影会」が開かれた。詰めかけたアマチュアカメラマンらが、コスモスなど秋の花を背景にポーズをとる女性モデルにカメラを向け、盛んにシャッターを切っていた。(京都新聞)
■窓 市バスの良さ感じつつ注文 上京区・平田由紀子(会社員・47)
 通勤はおろか、市内どこへ行くにもバスに乗る便利さをありがたく思う。市電を失って、市バスと地下鉄が主流となった京都の都心。白くま君のマークを小さくつけた京都の市バスは、小型車両の間を首をすくめるようにして走る。四条通、河原町通の渋滞はひどく、今や丸太町通も同様の感が強くなっている。
 冬は暖かく、夏は涼しいソフト車両。音楽サービスに電光掲示板、英語のアナウンス付きといたれりつくせりのサービスぶりは、朝夕のラッシュや雨の日の満員の不快さを解消したとはまだまだ言えない。
 しかし、車掌はなくなり、ワンマンカー。老人席と70歳以上の無料パス。そして車両は広く、窓も観光バスなみの大きさと、その変遷を折々に見てきただけに、私には感慨無量でもある。
 市バスの主役は運転手さん。彼のちょつとした心づかいで、車内は明るくも暗くもなるが、乗降客のマナーも年々低下し、子供は車内で一層かしましい。他人より少し早目の出勤ひとつで、実に快適な一日を送ることができる。
 学生が減ったための赤字、その他もろもろの交通事情での市バスの運営のまずさが、市の交通局を年々苦しめていく。市バスの真ん前の一人席に座っていると、交通事故が起こらないのが今や奇跡と思えてくる。迷惑駐車や横入り、バイクの無暴運転に自転車や人の飛び出し、急停車等々、大きい車体のバスは身を縮めるようにひたすら走っている。
 市バスの優先道路上だけでもマナーを守ってほしい。時刻通りの運行こそは、市バスの安全弁でもある。(京都新聞)
■JR系ホテル「ターミナル」やめ次々改称 「終末」のイメージ 駅前に似合わぬ!?
 西日本は「グランヴィア」に統一 外国人の指摘きっかけ 旧国鉄、JRグループのホテルの名の中に使われてきた「ターミナル」という言葉が次々と姿を消し、「メトロポリタン」などに変わってきた。「ターミナル」には「終着駅」のほか、末期がん患者の治療で知られ始めた「終末」の意味があり、最近は後者の語感が強まっているようだ。JR側は改称の理由を「高級感を狙った演出の一つ」などと説明しているが、「ホテルのイメージダウンを避けよう」と、名称変更に踏み切った面もあるようだ。
 話は1989年にさかのぼる。JR仙台駅前に建つJR東日本グループの「仙台ターミナルホテル」を、当時のアマコスト駐日米国大使の一行が訪れた。歓待する従業員に、随員の一人がささやいた。「『ターミナル』には、『終末』という意味があるんですよ」
 情報はすぐ、JR東日本本社に伝えられた。
 旧国鉄が戦後、駅ビルなどを利用して開業したホテルの名には、たいてい「ターミナル」の5文字が入っていた。駅のすぐ近くにあって、便利なこともすぐにわかる。北海道の旭川、仙台、静岡、名古屋、大阪、広島など全国に11の「ターミナルホテル」が誕生し、87年の分割・民営化後は、各旅客会社の傘下に入った。
 当時は、ターミナルホテルの名前で特に問題はなかったようだ。ところが、がんや難病への関心の高まりとともに、「ターミナル」という言葉の持つ語感が変わってきた。「ターミナル」の一語だけだと「(バスや電車の)終着駅」といった意味にとられることが多い。しかし、末期がんの患者への終末医療が「ターミナルケア」と呼はれるように、他の単語を修飾する形容詞として用いられると「終末の」「終点の」という意味に解釈され、死が連想される場合もある。「ターミナルホテルだと、入ることはできても生きて出られない、という感じがする」という日本在住の30代のアメリカ人男性もいる。
 仙台からの報告を受けたJR東日本の対応は早かった。ビジネスホテルなどに似通った名前が多く、ちょうど改称を検討していたこともあり、東京・池袋のホテルに使っていた「都会人」を意味する「メトロポリタン」に名称を統一することに決定。90年7月に仙台、一年後に盛岡を「ホテルメトロポリタン」と変更した。
 JR西日本は京都、岡山駅前に建設中の新ホテルを「グランヴィア」と名付けた。「大きな道」を意味するラテン語の造語で、併せて大阪、広島の両ターミナルホテルも来年3月に「グランヴィア」に統一することを決めた。
 同社は「新名称については、京都など外国人のお客様が多いこともあって『ターミナル』の採用は避けた」という。
 一方、JR東海は今年7月から、名古屋、静岡の両ターミナルホテルに、新しく「アソシア」を冠したが、「ホテルアソシア名古屋ターミナル」などと、「ターミナル」を残した。
 同社広報部は「日本では『(終着)駅』という意味の万が一般的で、開業以来親しまれてきたこともあってあえて残した。ただ、現在建設中の名古屋駅のツインタワーに入るホテルは、グレードを高くすることもあり、名前に『ターミナル』が入ることはないと思う」と話している。(朝日新聞 夕刊)
5日■梅小路公園 来年7月部分オープン フェア後一時閉鎖 整蒲し夜間も開放
 京都市下京区の梅小路公園が、来年7月に部分開放となることが明らかになった。4日開かれた市会都市公園等整備促進特別委員会で荻野靖也建設局公園緑地部長が「緑化フェア後はいったん閉鎖して、平成7年(1995年)7月からできているものから開放したい」と述べた。また、入場有料としている緑化フェア・梅小路会場の収支状況について、前売り券の発売が予定の60%以下にとどまり、予定の10億円達成が厳しい状況に陥っている、との報告も行った。
 同委員会では9月23日から今月20日まで59日間を会期に開催中の緑化フェアのうち、梅小路会場の状況について質疑を行った。緑化フェア会場となっている梅小路公園の今後の利用見通しについて、荻野部長が時期を明らかにした。
 公園の利用は既に出来上がっている施設や緑地が中心となる。入園料は無料とする予定だが、「緑の館」や「シンボル庭園」などの施設では、料金を徴収する方針としている。
 フェアで人気のチンチン電車は、動態保存を継続し、「遊戯施設として置きたい」(荻野部長)との意向で、運営方法の異体化を煮詰める。再整備では夜間の開放を前提に施設の充実を検討する。
 また、委員会では10億円を目標としている入場料収入に関連して、「前売り券を造園業者などへ押しつけているのではないか」などとの質問が出た。これに対し、荻野部長は「フェアの趣旨を理解のうえ、お願いし、強制にならないよう努力してきた」と強調した。前売り券の売れ行き状況は、旅行会社のツアー組み入れ分などまだ集計できていない部分があるものの、「当初予定していた60万枚に対し、35万枚にとどまっている」(荻野部長)で、予定達成は厳しい状況となっている。(京都新聞)
■旧国鉄梅田コンテナヤード 跡地に高層ビル3棟 三和銀行グループ 優秀案決まる 精算事業団の利用計画募集
 JR大阪駅南西側の、旧国鉄梅田貨物駅コンテナヤード跡地(2.57f)について、国鉄清算事業団が募集していた土地利用企画案の審査がこのほどおり、優秀企画案(1点)には、三和銀行などの企業グループが提出した高層ビル三棟を建てる案が選ばれた。
 コンテナヤード跡地は、旧国鉄から清算事業団が受け継ぎ、有利な売却先を探していた。今年7月、売却方式を不動産変換ローンと、建物提案の2方式に絞ったうえで、土地利用の企画案を募集したところ9件の応募があり、4日までに優秀案1件と、佳作案3件が決まった。
 優秀案は、三和銀行を代表に、大和ハウス、モード学園など計4社による企画案。それによると、用地の東側1fの部分に、15階建てのオフィスビル、24階建ての大和ハウス自社ビル、それに18階建ての専修学校ビル(モード学園経営)を建設。どのビルも地下でつなぎ、地下2、3階には300台収容の駐車場を設ける−となっている。
 国鉄清算事業団では、応募案のうち8案までが、建物提案方式をとっていたことから、この方式で今年度中に跡地を売却する方針。とくに支障がないかぎり、今回、優秀案を提案した三和銀行などのグループが落札することになりそうだ。(京都新聞)
■列車脱線、乗客を避難 JRが夜間訓練 踏切事故に備え 向日
 「列車が脱線! 復旧にかかれ」一。踏切事故防止キャンペーン期間中(1−10日)の4日夕、JR西日本京都支社は、向日市鶏冠井町のJR京都線向日町運転所構内で、踏切での列車脱線事故を想定した総合事故復旧訓練を実施した。
 JR西日本では、事故復旧体制の充実と技術力の向上を図るため、毎年1回、総合事故復旧訓練を行っている。夜間に踏切事故が発生すると、復旧活動に時間がかかることが多いため、今年は初めて夜間に実施した。
 訓練は、路切に乗用車が突入し、通りかかった電車が脱線したとの想定で行われ、職員約150人が参加。運転所構内に設けられた架設路切の手前で、実際に4両編成の先頭車両が前輪を脱線させた。
 まず、運転士と車掌が、乗客を車外に避難させたあと、復旧班が列車や踏切を取り囲み、脱線車両の復旧や踏切警報機の修復作業をテキパキと行った。照明が当てられた現場では「ジャッキを用意しろ」などの指示が飛び交うなど、本番さながらの訓練が繰り広げられた。
 また、脱線復旧作業では、油圧ジャッキで脱線車両をゆっくりと持ち上げ、約1時間がかりでレールに車輪を乗せた。訓練開始から約1時間半後には、すべての復旧活動を終えた。(京都新聞)
■大阪市の地下鉄とバス 運転の門戸、女性に開放
 大阪市交通局は来年度の職員採用試験で、地下鉄運転士、バスの運転手などについて初めて女性の受験を受け付ける。地下鉄の運転士について女性に門戸を開くのは、関西の公営交通では大阪市が初めて。
 交通事業は労働基準法に基づく女子保護規定の適用除外に入っておらず、女性は午後10時以降の深夜の仕事が禁止されている。このため運転士、運転手の採用を見送ってきたが、東京都や名古屋市など他都市で女性を採りはじめていることもあり、今回、採用に踏み切った。
 試験は20日。7日まで大阪市交通局で受け付ける。女性だけの枠は設けない。(朝日新聞)
■声 エレベーター 全駅に設置を 大阪市 中辻ミサヲ(主婦 54歳)
 夏の終わりごろ、サンフランシスコに9日間滞在し、障害者と健常者とで運営されている施設を見学する機会に恵まれました。
 とっても親切に、また熱心に自分たちの活動の在り方を話してくれました。アメリカという民族性と、それが反映されているのであろう行政に少しだけ歩み寄れたような気がして帰国しました。
 先日、大阪のJR環状線・森ノ宮駅付近で友人と会うことになりました。その方は街を車いすで元気に動き回っている人ですが、定刻になり、すごく汗だくで現れました。
 彼が言うには、2つ手前の駅で降り、30分かかって来たそうです。理由を聞きますと、森ノ宮駅までの2駅には障害者・老人用のエレベーターがないためだというのです。
 「駅員さんに頼めは快く降ろしてくれるのではないの」と聞きますと、彼は「まだ若いから恥ずかしい」というのです。
 他人の手を借りない生き方は素晴らしいかも知れません。そんなことに気づかず、待ち合わせ場所で平然としていた自分がとても悪人のような気がしました。
 同時に、もっと各駅にエレベーターが設置できないのかと、権力の奪い合いはかりに熱中しているように見える政治の在り方に腹が立ちました。福祉福祉と言われているその後ろで、一生懸命に生きている人が多くいることを考えていただきたいものです。(朝日新聞)
■文化 韓国鉄道に今なお「京城」の名残 路線名変更で新時代築け
 韓国の首都ソウルは、1394年10月に高麗の都・開城から遷都して600周年を迎えている。当時の首都名・漢城は、日本帝国による侵略後、「京城(日本名けいじょう)」に改称され、敗戦後「ソウル」になって今日に至っている。侵略以前には、都を意味する普通名詞として京城が使われることもあった。この「京城」用語に関連して、このほど私は、ソウルで韓国交通部の呉明長官と会見し、「京釜線、京仁線などの名称改称に関する要望書」を提出した。
 ことの起こりは昨年1月、天理大学で発生した民族差別集団暴行事件にある。一韓国人学生が十余人の日本人学生から全治2週間のけがを負わされた。天理教の創立になる宗教系大学で、なぜこのような事件が起きたのかを調べるうちに、天理教の体質にもその一因のあることがわかった。旧天理外国語学校の設立は、「大東亜共栄圏」構想に相乗りし、侵略に加担しながら布教した形跡があり、敗戦後も警察治安関係者を「選科制度」で特別教育した経緯がある。
 天理教本部が植民地時代に許可した「京城大教会」を京都市東山区に再建し、奈良県天理市にも「京城詰所」名で「京城」を温存している。これは韓朝鮮人(注)に日帝の侵略を彷彿とさせる。すでに大韓天理教本部( 洙鉉教統)は、筆者の指摘を受けて10月3日、「京城」を改称し謝罪せよとの抗議文を日本本部に送った。
 また、韓国交通部がたとえ普通名詞として京城を鉄道路線名に使用したとしても、一般的に京城は主権喪失時代のソウルをあらわす日帝用語としての認識が強い。交通部の説明で「路線名は始発駅と終着駅の都市名を基準として国民が使用しやすく、覚えやすいように制定」されるのであれば、なおさら改廃を検討してほしい。
 ところで、韓朝鮮鉄道の第一号、京仁線(京城〜仁川間)は、日本が米国人モースから敷設権を買収して1899年に開通した。京城〜釜山間の京釜線が1905年に、翌年には京城〜新義州間の京義線が開通した。路線名も日本人がつけたと思われる。
 当時、日清戦争に勝利を収めた日帝の勢力はすこぶる強大で、軍用地と鉄道用地にかこつけた土地の無償収用による国土の略奪は、史上類例のないものだった(趙機濬著『韓国資本主義成立史論』=徐訳『近代韓国経済史』高麗書林を参照)。これらの鉄道が、日帝によるアジア大陸・韓朝鮮侵略期における主要幹線として敷設されたことはいうまでもない。
 交通部の説明によると、「1910年の国権侵略以前から使用された”京”の字は日帝の残滓とは別である」としているが、それは形式論であって、事実認識としては誤っている。19世紀後半における列強勢力の濠透、とりわけ1875年の日本軍艦・雲揚号のからむ江華島事件、95年の三浦楼公使による閔妃暗殺、1904年、日露戦争突入とその威嚇の下での日韓議定書、翌5年の日韓協約強要の歴史を顧みれば、事実上の国権侵奪は日韓併合より20年以上さかのぼるのが妥当である。
 韓国政府はこの際、鉄道路線名の変更に伴う一時的な不便、財政損失などを顧慮すべきではない。日帝残滓の温存は、韓朝鮮人はもとより、天理教のように日本人の精神構造に不測の歪曲をもたらすことは必至であり、むしろ民族の将来のためにも、遷都600年に際会して光復(解放)50年の意義を再確認すべきである。
 このような問題提起には韓日間の微妙な政治問題もからんでいることは、呉長官への要望書にも付記している。65年の国交樹立以来、日本の高官による度重なる妄言は、植民地支配や侵略戦争への反省のない、軍国主義美化の復古主義・新国家主義の台頭を示す。日本人自らが戦争責任を追及してこなかった歴史認識を批判することは簡単であるが、ここで韓国人として考えるゆとりがほしい。
 屈辱外交ともいうべき韓日条約にみる外交上の失敗のことである。軍警の圧力で反対の民意を封殺し、有償無償5億jの「独立祝賀金」(賠償にあらず)の経済的魅力に幻惑され、日帝との諸条約を「もはや無効である」としたのみで、侵略の事実を認めさせることができなかった。その痛恨事が今日まで尾を引き、高官らの妄言につながり、在日韓朝鮮人の基本的人権の確立にまで悪影響を及ぼしている。真の21世紀志向の韓日関係は、文民政権にふさわしい新韓日友好条約の蹄結に始まると主張するゆえんである。
 《注》「韓朝鮮(人)」は徐教授の造語。慣用の「韓国・朝鮮(人)」より、いっそう統一に近づけたいとの考えから。
 徐 龍達(桃山学院大学教授・会計学)ソ・ヨンダル 1933年韓国釜山市生まれ。神戸大学院博士課程修了。71年から現職。在日韓国奨学会理事長、国際在日韓国・朝鮮人研究会会長。編著に『定住外国人の地方参政権』など。(朝日新聞 夕刊)
6日■交通危険個所を点検 京阪九条山駅 廃止を想定 通学路を主婦ら
 山科区の京阪九条山駅周辺に住む主婦ら約20人が5日、市営地下鉄東西線開通で同駅が廃止された場合、想定される子どもたちの通学路を歩いた。メンバーには、子どもたちが通う陵ケ岡小や花山中の教員も加わり、交通危険個所などをチェックした。
 同駅周辺から小、中学校までは約1.2`だが、交通量が多く、起伏も激しいため、児童や生徒らは、2駅先の御陵駅まで京津線を利用して通学している。東西線が開通すると、九条山駅は廃止される計画で、同駅がなくなると、約1`北西の地下鉄蹴上駅まで歩くか、バスを利用するしかないうえ、バス便の減少も懸念されるという。
 この日、歩いたコースは九条山駅−蹴上駅の街道沿い、蹴上から住民らの住む地域への山道、さらに陵ケ岡小までの往復路。
 京津線に平行する道路では、自動車からの排気ガスに顔をしかめる参加者が目立った。歩行者用信号のない車道の横断時には「危なくて、子どもらに歩かせたくない」との声も。街灯の少ない住宅地付近の山道では「クラブで遅くなった時が心配」などと、送迎のマイクロバスの必要性を指摘していた。(京都新聞)
8日■京都市交通局 勧奨退職で労使合意 東西線建設財政危機 50歳以上対象に
 地下鉄東西線の建設事業費の大幅膨張で財政危機に直面している京都市交通局は、7日までに、50歳以上の職員を対象に特例勧奨退職を行うことで労組と合意した。来春の退職にはすでに全職員の約4%の計121人が応募している。うち係長級以上の幹部職員が18%の45人含まれており、市交通局は経営健全化へ厳しい歩みを進めることになった。
 特例勧奨退職は60歳の定年を前に職員に対し早期の退職を勧める制度。市交通局は東西線の建設費膨張などを原因とする交通事業の財政危機に伴い、今年6月末にまとめられた東西線建設事業点検・推進委員会でリストラ(事業の再構築)への取り組みを表明し、10月17日には京都交通労組(政勝男委員長)に対し正式に提案した。
 交通局では労使で協議を進めるとともに、先月末まで募集を行ってきたが、これまでに局長級1人、部長級5人、課長級18人を含め、係長以上の幹部職員計45人と一般職員で76人の計121人が応募した。幹部職員では58歳以上の35人全員が募集に応じた。
 交通局では9月末にも9人の幹部職員が来春の定年を半年間早める形で退職している。中谷佑一交通管理者(局長)は「60歳定年制の中で、人生設計をされていた職員の方に、経営健全化の推進に協力いただくことになった。深く感謝し、申し訳なくも思っている。残る職員で交通事業の再建のために頑張りたい」と話している。(京都新聞)
■JR東海の次世代新幹線 時速450` 米原−京都で来春から試験 騒音・振動?
 JR東海は7日、次世代新幹線の試験車両として開発中の「300X」の最高時速を450`に設計し、来年5月から2年間、東海道新幹線の米原−京都間(67.7`)で走行試験する計画を明らかにした。すでに滋賀県や京都府などの沿線自治体に対して、試験の概要説明を始めた。450`が達成されれば、鉄道の日本最高速度記録となるが、「のぞみ」を200`近くも上回る高速運転だけに、自治体側からは「騒音や振動の予測がつかない」と困惑の声が上がっている。
 「300X」は、高速鉄道システムづくりをめざすJR東海が開発中の試験専用車両で、来月完成する。これまで同社は、最高時速を350`以上とだけ公表し、試験走行区間や時期について検討を進めてきた。
 同社によると、「300X」の設計上の最高時速は450`。空気抵抗の小さい車両を開発するため、形を変えた2台の先頭車両をつくり実験する。風切り音を低くするパンタグラフカバーや上下左右の揺れを制御する油圧装置などを備えている。
 走行試験は比較的直線の多い米原−京都間とし、営業運転が終了した午後11時ごろから午前零時半ごろまでの深夜に実施する。1週間に2日程度、1日当たり1往復を予定している。当面は時速350`での安定走行をめざすが、徐々に最高速度を上げていく計画で、1997年夏ごろまで続ける。
 試験計画の決定に伴い、同社は滋賀、京都、大阪各府県の30市町村に、「沿線の環境保全については極力配慮する」と説明を始めた。
 最高速度での通過が予想される滋賀県近江八幡市や栗東町は「どの程度の振動や騒音が発生するのか想像がつかない。とりあえず、自治会の了承を得たうえで実施して欲しいと申し入れた」と困惑気味だ。草津市も「過去の苦情を洗い直し、沿線自治体とも協議してJRに要望書を出すなどしたい」と話している。
 鉄道の世界最高速度は、フランス国鉄の「TGV」が記録した515.3`。日本では、JR東日本の試験車両「STAR21」が昨年12月に上越新幹線で記録した425`が最高だ。(朝日新聞)
■事故表示点灯 ひかり停車 山陽新幹線に乱れ
 8日午前8時半ごろ、岡山県備前市の山陽新幹線を走行中の広島発東京行きひかり84号の運転席にある事故表示灯が点灯、運転士が非常用ブレーキをかけて停車した。
 その後、表示灯がすぐに消えたため同列車は運転を再開したが、同9時すぎ、姫路市内の姫路−西明石間を走行中、再び表示灯が点灯したため停車した。
 異常を知らせるモニター画面に示された4号車の床下を乗務員が調べたところ、走行中にブレーキがかかったという誤表示が出たため、事故表示灯が点灯したことが分かった。
 同列車はブレーキ回路の電源を一部切って午前9時27分に運転を再開、1時間4分遅れで新大阪駅に着いた。
 JR西日本はブレーキ回路の電気系統の故障とみて、同列車を新大阪駅で運転を打ち切り乗客約808人をほかの新幹線に移し、故障原因を調べている。
 上りの新幹線9本が1時間4分から5分遅れ、約4500人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■東京行きひかり 新大阪で運転中止 事故表示、原因不明で
 8日午前8時31分ごろ、岡山県備前市付近を走行中の広島発東京行き上り「ひかり84号」(16両編成)運転席の事故表示灯が点灯したため、運転士が非常ブレーキで列車を止めた。自然にランプが消えたため、10分後に発車したところ、9時1分ごろ、兵庫県姫路市付近で再び表示灯がつき、停車した。乗務員が異状を示していた4号車を点検したが原因がわからず、9時27分に運転を再開し、新大阪で乗客を降ろし、運転をとりやめた。
 JR西日本の調べでは、この事故で、84号は新大阪へ1時間4分遅れで着き、乗客約800人が影響を受けたほか、後続の列車8本が最高41分遅れた。(朝日新聞 夕刊)
9日■比叡山・坂本観光 パスポートを発売 JR西日本あすから
 JR西日本は10日から、大津市坂本地区の社寺の拝観料や比叡山のケーブル乗車賃を組み合わせた「比叡山・坂本観光パスポート」を発売する。
 パスポートは大人2400円、小人1000円。同地区の西教寺、日吉大社、旧竹林院、延暦寺(一部除く)の各拝観料と、比叡山鉄道のケーブル往復運賃が含まれ、大人で通常より550円お得。1日限り有効で、比叡山坂本駅までの運賃は別。
 10月30日まで、京阪神のみどりの窓口と比叡山坂本駅で発売される。
 今年9月の駅名変更を記念して、JR西日本と坂本観光協会が共同で企画した。同協会では「新しい駅を利用する観光客が増えて、坂本の知名度アップにつながれば」と話している。(京都新聞)
■やんわりPR 車内マナー守ろう JR西日本・私鉄・地下鉄 ポスター合戦
 ウルトラマンや漫画などで乗車マナーの向上を呼びかけるポスターが、関西の電車や地下鉄、駅で競うように張り出されている。通勤時の割り込み乗車、ホームの喫煙、シルバーシートの占拠…。エチケットに欠ける乗客にやんわり働きかける作戦だ。
 JR西日本の11月のポスターのテーマは「終日禁煙」。くずかごのわきで、たばこをふかす怪獣の腕をウルトラマンがつかみ、喫煙を戒めている。電車内と駅構内に張っている10月は、割り込み乗車をしようとする宇宙人に、ウルトラマンが思わずのけぞるシーンだった。
 ポスターは毎月作り替えており、年間製作費は約5000万円。ドア付近の一般広告料は、近畿圏で1件当たり年間約9000万円だから、合わせて約1億4000万円を「投資」する計算になる。
 ウルトラマンが流行した昭和40年代前半からの子供がいま成人になっているので、このシリーズを採用した。
 地下鉄などを抱える大阪市交通局は動物シリーズ。9月は座席のヒョウが立ち上がって「どうぞ」のポーズ。横には「席をゆずりまヒョウ」のコピー。7月は、割り込み乗車をするサルのわきに「こんなこと、やめてくだサル」。
 マナー向上のポスターは、従来から各社が取り組んできた。JR西日本と同市交通局、関西の大手私鉄5社が歩調を合わせることになり、今年5月は「ポイ捨て防止」、9月は「座席の譲り合い」を共通のテーマにキャンペーン。アイデア合戦に拍車がかかっている。
 「他社の二番せんじにならぬよう、ポスターを毎月、交換し合っています」と阪急広報室。その阪急は、関西空港開港で増える外国人客を意識して、初めて英語のコピーを採用した。9月は「Please」。隣の男性から花束を差し出された婦人が、目もくれずに荷物を抱えたお年寄りに席を譲ろうとするイラストで「思いやり」を訴えた。
 阪神は「プロゴルファー織部金次郎」で知られる漫画家、高井研一郎さんを起用し、漫画で割り込み防止を呼びかけている。同社広報課は「ユーモラスなタッチでお客さんのご理解を頂くのが狙いです」と説明している。
 「広告批評」発行人の天野祐吉さんの話 最近の乗車マナー広告が、ポスターとして質的に向上しているのは確かだが、客の機嫌を気遣うあまり、ソフトさばかりを押し出し過ぎていないか。悪いマナーについては、だめなものはだめ、とストレートに訴えかける仕掛けも必要だ。(朝日新聞 夕刊)
10日■文春が謝罪、和解 JR東日本批判記事「事実に反した」
 文芸春秋(田中健五社長)発行の週刊文春が6月にJR東日本の労務体質などを批判した連載記事掲載したことにJRが反発値駅売店での販売拒否や名誉毀(き) 損の裁判が行われていた問題で、文春側が10日発売の週間文春誌上で「事実に反したため取り消します」という「お詫(わ) び」を載せる形で謝罪し和解する、と9日午後、文春、JR東日本両社が相次いで発表した。
 まず午後1時半から東京都千代田区の文芸春秋本社で同社の安藤満専務が会見し、週刊文春に掲載した記事のうち、JR東日本が総会屋対策費として数十億円用意したなど、3点の記述について「事実に反し、JR東日本の名誉、信用を毀損したので取り消します」とおわび文を読み上げた。
 同専務は「JRに販売ルートを握られているための謝罪か」という質問に対し「販売と名誉毀損とは別。誤りがあれば正していくのが文春の姿勢だ」と説明した。
 これに続き、午後3時半からは東京・丸の内のJRビルでJR東日本の花崎淑夫総務部長が会見し「文芸春秋が謝罪し、名誉回復という所期の目的が達せられたので、この問題は終結させたい」と声明文を発表した。
 「JRの気に入らない記事が出ればまた販売拒否するのか」という質問に「仮定の話には答えられないが、(親会社として)キヨスクなどに感想を述べるケースはあり得る」と答えた。
 また同総務部長は「今回の文春との交渉の中では販売の問題は切り離して行った」と販売ルートを握っている強みをバックに謝罪を勝ち取ったのではないと強調した。(京都新聞)
■のぞみ・東京−岡山、広島間 割引回数券で航空機と競争
JR東海と西日本は9日、東海道・山陽新幹線にまたがる「のぞみ」の東京−岡山、広島間で来月から割引回数券を導入すると発表した。同区間は先月、航空各社が割引運賃を設定したばかり。新幹線と航空機の運賃割引競争が激化した形だ。
 JR東海と西日本は昨年12月から東京−新大阪や大阪−博多など5区間でのぞみに割引回数券を導入。好評だったため、今回はさらに2区間増やした。
 従来と同様6枚つづり。普通車で1枚当たり東京−岡山間が1万6150円、東京−広島間が1万7985円で通常の片道運賃に比べ1000円以上、往復割引運賃より200円安くなる計算。
 両区間では、新幹線に押され航空利用者が落ち込んでいる。航空各社は需要掘り起こし策として10月1日から来年の2月まで、東京−岡山、広島間などで新幹線を利用するよりも割安な割引回数券「音速きっぷ」を導入した。4枚つづりで1枚当たり東京−岡山間が1万5000円。東京−広島間が1万6000円。(京都新聞)
■文春が謝罪、和解へ、JR東日本批判の記事
 文芸春秋(田中健五社長)は10日発売の「週刊文春」11月17日号で、同誌が6月から7月にかけて連載したJR東日本の経営体質などを批判する記事の一部に誤りやいき過ぎがあったとする趣旨の「おわび」を掲載する。JR東日本はこの記事を巡り、文芸春秋や筆者を相手取って1億円の損害賠償講求訴訟などを東京地裁に起こしているが、両者は近く和解することで9日までに合意した。
 同誌の記事「JR東日本に巣くう妖怪」は6月23日号から4週にわたって連載され、JR東日本の労使癒着の経営体質を批判する内容だった。JR東日本の荻野洋広報部長は「解決に至る可能性はあると思う」と話している。(朝日新聞)
■のぞみ・飛行機 値段も時間もほぼ互角 割引回数券で競争だ 東京−岡山・広島 JRも来月発売
 「のぞみ」で行くか、飛行機に乗るか。JR東海とJR西日本は9日、東海道・山陽新幹線「のぞみ」の東京−岡山、東京−広島の割引回数券を12月1日から発売すると発表した。通常の片道料金に比べて、それぞれ1200円、1315円安い。2区間は新幹線と航空便との最激戦区となっており、航空会社は10月から「音速きっぷ」と名付けた割引回数券を売り出している。これで、値段も時間もほぼ互角になった。さて、あなたはどっちに乗る?
 JRが新たに売り出すのは、「のぞみ」を利用できる6枚つづりの回数券。普通車用とグリーン車用の2種類があり、有効期間は購入日から3カ月間。料金は普通車用の場合、東京−岡山は9万6900円、東京−広島は10万7910円。1券当たりの料金はそれぞれ1万6150円、1万7985円で、「のぞみ」の通常片道料金に比べて約7%安い。
 昨年3月、山陽新幹線を「のぞみ」が走り始めてから、空の便は軒並み乗客を奪われた。東京−広島線では昨年10月、空港が広島市の中心から遠い所に移転したことも響いた。全日本空輸は12月1日から同線を1便減便することを決めている。
 こうした中、同社は客離れに歯止めをかけるため、10月から東京−岡山片道1万5000円(割引率29%)、東京−広島片道1万6000円(同26%)となる回数券「音速きっぷ」を発売。日本航空や日本エアシステムも10月から東京−広島線で同料金の切符を売り出した。
 JRが今回、2区間で割引回数券を発売するのは、航空会社の「安売り」を意識したものだ。これで東京−広島間は、4時間弱の「のぞみ」で1万7985円。航空便も空港と都心とのバスやモノレールの運賃、時間などを加味すると、約4時間で1万7810円。東京−岡山間も、空港をつなぐバスなどの運賃、時間を含めると、いずれも所要時間は約3時間15分で料金は1万6200円前後となる。(朝日新聞)
■新快速ドア開かず 京都駅・4本に遅れ
 10日午前9時半ごろ、JR東海道線京都駅に到着した長浜行きの上り新快速電車(12両編成)の4両目から10両目の右側乗降用ドアが開かなくなった。このため駅員らが手動でドアを開け、約600人の乗客を降ろした。この事故で、後続の上り電車4本が12−4分遅れ、計2300人に影響が出た。JR西日本で原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
11日■JR西日本株上場 来年度に延期方針 株式市況悪化で運輸省
 亀井運輸相は11日の閣議後記者会見で、本年度中の実現を目指していたJR西日本株の上場について「市場関係者の意見からみて条件は難しくなっている」と延べ、事実上来年度に延期する方針を明らかにした。
 先行上場した日本たばこ算木用(JT)株の株価が売出し価格約140万円を大きく下回り100万円前後の水準で推移しているほか、NTTやJR東日本の株価も低迷していることから、JR西日本の新規上場を強行すれば株式市場の需給悪化を招くとの判断に傾いた。
 同相は「来週くらいには決断する。(上場に至る手続きの)仕組みを変えないといけない。環境を整備して売り出すことを検討しなければ、今直ちに上場するのは難しくなる」と語り、JT株上場の失敗を参考に、売出し前の入札比率の引き上げや入札から売出しまでの期間短縮などの上場手続きの改善が必要との考えを示唆した。また、上場を延期する場合でも「延ばすとしても丸1年にはならないだろう」として、来年度前半の上場実現への期待を表明した。(京都新聞)
■JR西日本株の上場 今年度は見送り
 JR珠を保有する国鉄清算事業団と運輸省は10日、大蔵省との調整の結果、JR西日本の株式を1994年度中に売却・上場することを断念した。
 10月27日に上場した日本たばこ産業(JT)株大量に売れ残ったうえ、上場後も株価が下がり続けていることから、政府保有株を連続して上場すれば、低迷する株式市場に悪影響を与えると判断した。入札や売り出しの方法を見直したうえで、95年度前半の売却・上場をめざす。
 計画では、発行ずみ株式200万株のうち百数十万株を売却、1995年1月ごろに上場する予定だった。(朝日新聞 夕刊)
■JR日東日本が「文春」と和解
 「週刊文春」の記事で経営体質を批判されたJR東日本(松田昌士社長)が、「名誉と信用を傷つけられた」として、発行元の文芸春秋(田中健五社長)や筆者などを相手に1億円の損害賠償と謝罪広苫の掲載を求めていた民事訴訟が11日午前、東京地裁で和解し、JR東日本はこの訴えを取り下げた。
 文芸春秋側が今月17日号の「週刊文春」に謝罪広告を掲載したことを受けての決着で、和解条項は、原告と被告の双方は、被告側が謝罪文を掲載したことを確認する 原告側は訴えを取り下げるB双方は問題とされた記事に関し、この和解案項に定めること以外債権・債務が存在しないことを確認する−となっている。(朝日新聞 夕刊)
12日■JR西日本は減収減益
 JR西日本が11日発表した1994年9月中間決算は、売上高が前年同期比0.7%減の4655億円、経常利益が5.8%減の321億円と減収減益だった。定期外の運輸収入が、前年を下回ったため。山陽自動車道が整備され、短い距離の利用者が減ったことなどで、新幹線の収入が大幅に減少したことが響いた。
 亀井運輸相が本年度中の株式上場は難しいとの認識を示したことについて、佐々木隆之財務部長は「審査をお願いしている立場で、何の連絡も受けておらず、特に申し上げることはない。一刻も早い上場を願っている」と語った。仮に来年度に延期された場合にも「来年3月期はもちろん1996年3月期も、上場基準を満たすための目安となる経常利益400億円の達成は全く心配ない」と問題ないとの見方を示した。
 1995年3月期は、売上高が1.2%減の9260億円、経常利益が4.9%減の520億円と、初の減収を予想している。(京都新聞)
■いのししキップ 信楽鉄道発売へ
 信楽高原鉄道(本社・信楽町)が、来年のえとのイノシシをデザインした陶板切符「いのしし年親子キップ」を4000枚作製、21日から信楽駅で発売を始める。毎年えとをあしらった陶板切符を製作発売、人気を呼んでいる。
 今年は、地元の信楽高3年島田雅華さんがデザイン。縦14.7a、横12a、厚さ1a、重さ300c。信楽焼独特の炎(ひ)色地に、親イノシシが列車を上から飛び越え、子イノシシがそのあとを一生懸命追いかけている図柄で、壁かけにも利用できる。
 値段は1枚1200円。申し込みは現金または郵便為替で〒529-18滋賀県甲賀郡信楽町長野192 信楽高原鉄道総務課。問い合わせは0748(82)3391へ。(京都新聞)
13日■京都市バスが乗用車に追突 乗客ら5 人軽傷
 12日午後10時5分ごろ、京都市山科区東野片下り町の外環状線国道1 号交差点で、四条河原町発醍醐車庫行き市バス=岩井譲運転手(45)=が、右折しようとしていた宇治市木幡須留、公務員小川和彦さん(20)の乗用車に追突した。小川さんとバスの乗客9人のうちの4人が腕や首を打ち軽傷を負った。
 山科署の調べでは、市バスは小川さんの車に続いて右折しようとしていたといい、詳しい事故原因を調べている。(京都新聞)
15日■チンチン電車が衝突、出火! 梅小路の緑化フェア会場 消防訓練やパレード
 第11回「全国都市緑化きょうとフェア」会場の京都市下京区・梅小路公園で14日、下京消防署主催のチンチン電車消防訓練と防火パレードが行われた。
 9日から始まった「秋の火災予防運動」の一環として、より多くの市民らに防火をPRしようと、緑化フェア会場でのイベントを企画した。
 消防訓練は、会場内を走って連日、入場者の人気を集めているチンチン電車が、折り返し地点で車両止めに衝突、車両下部から出火したとの想定。コンパニオンを含む自衛消防隊3人が消化器を使って初期消火活動を繰り広げた後、消防、救急車各1台が到着、消防・救護活動を行った。
 これに先立つ午後2時からは、みどりのステージ横から、会場コンパニオン「ドンナ・ヴェルディ」を先頭に、消防音楽隊、花と緑をイメージしたフロート車、ミニ消防車などがスタート、にぎわい小路までの約800bを、防火を呼びかける横断幕を掲げて、華やかに行進。消防署員がふんした猿やウサギのぬいぐるみが、子供たちの人気を集めた。(京都新聞)
■特急にはねられ死亡 雄琴駅で男性自殺? 運休含め7000人に影響
 14日午後4時ごろ、大津市雄琴三丁目のJR雄琴駅上り線で、新潟発大阪行き特急「雷鳥32号」に男性がはねられ即死した。この事故で湖西線は上下線合わせて4本が運休、16本が最大約1時間遅れ、約7000人に影響が出た。
 大津署によると、亡くなったのは京都市内の無職男性(35)で、自殺とみて調べている。(京都新聞)
■お伊勢さんへ橿原へ 近鉄の初詣切符 きょうから発売
 近畿日本鉄道は15日から、恒例の伊勢神宮と橿原神宮への初詣(もうで)割引往復切符を売り出す。同時に、初参りと志摩スペイン村のテーマパーク・パルケエスバーニマ観光を兼拍た「伊勢神宮初詣&パルケエスパーニャ割引きっぷ」も新発売する。初詣割引切符は、通常料金より区間によっ10−22%安く、正月らしい特別のデザインになっている。
 三輪、春日、信貴山、生駒聖天、石切の5社寺への初詣割引切符は、来月15日から売り出される。
 京都駅からの切符の値段は「伊勢神宮参り」が3200円(小児1600円)、「パルケエスパーニャ」は入園券付きが6860円(中高生5960円、小児3430円)、乗り物などが何回でも楽しめるパスポート付きは8210円(7310円、4780円)。「橿原神宮参り」は、1360円(小児680円)。(京都新聞)
■ユーロスター運行開始 安全チェック空港並み
 【パリ14日=清水弟】英仏海峡トンネルを使ってパリ−ロンドン間を約3時間で結ぶ、TGV型の高速列車ユーロスターの営業運転が14日、始まった。パリからは、定刻より1分早く午前8時6分(日本時間同日午後4時6分)、パリ北駅から一番列車が出た。794の席は「初乗り」の予約客で満席。英国時間午前10時13分の定刻にロンドン・ウォータールー駅に着いた。
 ユーロスターの乗客は、発車時刻より20分以上前に、駅に着かなくてはならない。手荷物の安全チェックやパスポートなどの検査があり、空港の国際線並みの扱いだからだ。
 ユーロスターは18両編成で1等が6両。パリ−ロンドン間は3時間6分だが、「ドア・ツー・ドア」ではパリ−ロンドン1時間10分の飛行機よりかなり有利になる。
 料金はパリ−ロンドン往復が1等で1620フラン(約3万2000円)で食事付き、2等は1290フランだが、2週間前までの予約なら割引切符もある。
 ユーロスターは英仏海峡トンネルを時速160`、約20分で通過する。当面の運行は月曜から土曜まで、パリ、ロンドン、ブリュッセルから1日2往復、日曜は1往復。この日は、ロンドンを午前8時20分に出たユーロスターも、フランス時間の午後零時19分、パリ北駅に着いた。(朝日新聞)
■JR西日本株 上場見送り正式に発表 運輸相
 亀井静香運輸相は15日の閣議後の記者会見で、1994年度中に予定していたJR西日本の株式の売却・上場を見送ることを正式に発表した。今後の予定については「日本たばこ産業(JT)株の売り出し方法の問題点などについて株式市場関係者の意見を聴き、入札や売り出しの方式を大幅に改善したい。新しい仕組みのもとで、株式市況を見ながら、来年度のできるだけ早い時期に上場したい」と述べた。
 亀井運輸相はJR西日本株の上場を延期した理由について、 株式市況に悪影響を与える可能性がある 上場を強行しても株価や売れ行きの面で正当に評価されない可能性がある、の2点を挙げた。
一日も早い上場願う 井出社長コメント
 JR西日本の荘司胱夫副社長は15日、大阪市内の本社で会見し、「早期上場を目指し、全社挙げて取り組んできただけに、誠に残念だ。引き続き、1日も早く株式上場が達成できるよう強く念願している」との井手正敬社長のコメントを読み上げた。また、荘司副社長は「上場見送りで経営に特段の影響はない。来年度はできるだけ早く上場をお願いしたい」と述べた。(朝日新聞)
■チンチン電車から出火! 梅小路公園で消防訓練
 秋の火災予防運動期間中の14日、下京消防署は、下京区の梅小路公園で開かれている「全国都市緑化きょうとフェア」の会場で消防訓練などを行った。同フェアのコンパニオンやマスコット「めばえちゃん」もたすきをかけて防火を呼びかけた。
 市消防局音楽隊によるパレードの後、明治時代の路面電車を復元した「チンチン電車」で消防訓練。停車しきれずに車輪止めに衝突、車両下部から出火という想定。
 たまたま電車に乗っていた亀岡市の私立千代川幼稚園の園児約40人も、口をハンカチで覆いながら車外へ避難して訓練に参加した。(朝日新聞)
16日■整備新幹線未着工区間 来年度から暫定工事 与党方針 トンネル掘削など
 連立与党の整備新幹線検討委員会は15日、未着工区間の建設について東北新幹線の八甲田トンネル(青森)など3ヵ所の難工事トンネルの掘削や北陸新幹線・富山、九州新幹線・熊本の両駅舎の整備など、来年度にフル規格で暫定着工する路線別の主な事業内容を固めた。1995、96年度は現行の基本計画に基づいて工事を進め、97年度からは新しい枠組みで本格着工する2段階方式で全線完成を目指すとした見直し計画を12月初旬の報告書に盛り込むことでも合意した。ただ、大蔵省は工事中の北陸新幹線高崎−長野など3線5区間以外の着工に強く反発しており、来年度予算編成作業ではぎりぎりまで難航しそうだ。
 これまでに固まった事業内容は、東北新幹線では在来線在来線の路盤を使うミニ方式で着工した盛岡−沼宮内などを全ルートフル規格に改めるとし、来年度はミニ方式を前提に概算要求に盛り込んだ事業費を八甲田トンネルの掘削工事に振り替える。同トンネルは全長26`、完成すると陸上では世界最長になる。
 北陸新幹線は長野、新潟両県にまたがる飯山トンネルの掘削と富山駅の駅舎整備のほか、環境影響評価が終了している小松−南越間(68`)の工事認可申請を行う。また敦賀までの環境影響評価を実施するとしている。
 九州新幹線は福岡、佐賀両県の第2筑紫トンネルの掘削工事と熊本駅整備を行う。第2筑紫トンネルは同新幹線の長崎、鹿児島両ルートで共通使用する線区に当たる。
 一方、10月下旬に函館設置場所の決定など、地元調整がほぼ終了した北海道新幹線は札幌−函館のルート公表や環境影響評価に入るとしている。来年度に未着工区間の事業に数十億円の事業費は概算要求に盛り込んだ2276億円の3線五区間の建設事業費から振り替える方針。(京都新聞)
■窓 バス運転手の心和む気配り 左京区・佐藤加津美・薬剤師・30
 最近、バスの運転手さんに関する投稿が多いですが、先日、私がバスの中で経験したことをお話したくペンをとりました。
 その日は、子育てが一段落した私が、職場復帰する第一日。少々緊張ぎみにバスに乗りました。すると、遠足にでもいくのでしょう、保育園の園児たちと一緒になりました。ワイワイガヤガヤしているうちに、目的地に着いたのでしょう、みんな元気に降りて行きました。
 再びバスが走り出し少し行くと、保母さんが一人全速力でバスを追いかけて来て呼び止めました。すると運転手さんはバスを端に寄せて止め、ドアを開いて「何か忘れ物ですか」と、やさしく声をかけられました。急いでバスの中にかけ上がって来た保母さんの忘れた物は、何と二人の園児でした。後ろから2番目の1人掛けの座席にちょこんと2人で腰掛けていたのです。
 2人の手を握ると、その保母さんは「どうもありがとうございました」とお礼を言って降りて行きました。その後のバスの中には、ほっとした空気が流れていました。
 これも周りに気を配り、ちょっとした心遣いをしてくれた運転手さんのおかげ。その後、私も「どうもありがとう」と声をかけ、すがすがしい気持ちで新しい職場に向かうことができました。(京都新聞)
■「のぞみ」一部列車で年末年始に割引切符
 JR西日本は15日、年末年始に山陽新幹線「のぞみ」の一部に、「ひかり」の自由席並みの料金で乗車できる割引切符を12月1日から発売すると発表した。
 発売するのは「冬休み帰省きっぷ」で、往路が12月24日から1月1日、往路が1月4日を除く1日から8日までの間に利用できる。大阪市内と広島、北九州、福岡の各市内を結ぶ往復切符で、料金(大人)は大阪−広島が1万8600円、同−北九州、同−福岡とも2万6000円。「ひかり」の自由席料金に比べてそれぞれ60円、40円、220円高いが、JRが指定した夜遅い「のぞみ」(全車指定席)3列車の普通席に乗車できる。また、すべての「ひかり」の自由席にも利用できる。(朝日新聞 夕刊)
17日■JR山陰線とKTR 電化・高速化 ほぼ5割完成 進トンネル拡張 4ヵ所完成 4ヵ所工事中 電柱も85%設置
 JR山陰線とKTR(北近畿タンゴ鉄道)宮福・宮津線の園部−天橋立間(89.1`)で行われている電化・高速化工事が、ほぼ5割まで進んできた。96年4月の完成を目指していて、京都−天橋立間が片道1時間半程度で往来できることになる。
 事業は、昨年7月から京都府の中、北部地域の活性化を狙いに、非電化区間のJR山陰線園部−福知山間(54.3`)と、KTR 宮福・宮津の福知山−天橋立間(34.8`)で行っている。
 総事業費は約160億円で、府と沿線市町がJR西日本とKTRに半額を助成し、残りを国が無利子で2社に貸し付けている。
 これまでの工事で、電化のためのトンネル拡張工事は、13ヵ所のうちKTR分の4ヵ所が完成し、JR分も4ヵ所が本体工事にかかっている。電柱の立て込みは約85%(1560本)完了した。また、高速化のためのカーブ改良をすべて終えたほか、変電所設置工事や信号機の改良も進んでいる。
 完成すれば、府内の鉄道電化率は約8割になる。所要時間は現在、京都−天橋立間で特急・急行が2時間3分から2時間50分かかっているのが、30分から1時間余り短縮される。(京都新聞)
■来年度の早い時期に JR西日本株上場 井出社長が強調
 JR西日本の井出正敬社長は16日、同本社内で行った定例貴社会見で、前日に決まった株式の売却・上場見送りにふれ「入札のあり方を含め、大蔵省などが慎重になるのはわかるが、時間がかかり過ぎるのも困る」と、来年度の早い時期に上場上場されるべき−との考えを示した。
 井出社長は、「先の中間決算で、通期の経常利益は520億円が見込まれており、上場に関して経営内容上の問題はなかったはず」と指摘。「政府の所有株だから、公平、オープンにという建前はわかるが、何が公平かという問題もある。社員の多くが、上場は遅れても半年、という気持ちを持っている」と述べた。
 JR西日本株の上場は、今年8月に申請され、順調にいけば来年2月にも上場される見込みだった。しかし、10月に上場されたJT株が予想外の値下がりになったのを受け、運輸省が15日、今年度内の上場断念を発表した。(京都新聞)
■景気の低迷響き2年連続減収減益 JR東日本中間決算
 JR東日本が16日発表した9月中間決算は、景気低迷による観光客やビジネス客の利用減が響き、売上高は前年同期比0.7%減の9886億円、経常利益は1.9%減の722億円となった。減収減益は中間決算としては2年連続。(京都新聞)
■整備新幹線 与党・運輸省に妥協案浮上 未着工区間 今の建設費流用し着工 財源決定先送り
 整備新幹線の未着工区間について、新しい財源計画の決定は1997年度以降に先送りし、とりあえず現行の財源の中で部分的に着工する妥協案が、連立与党や運輸省内に浮上してきた。財政事情が厳しいため、すでに着工している3線5区間の建設費を流用して、「未着工区間に手をつけた」という既成事実をつくろうという考えだ。しかし、大蔵省などは「全体の財源計画を決めないままの見切り発車だ」などと反対。年末の予算編成にかけて大蔵省との攻防が激しくなりそうだ。
 妥協案は亀井静香運輸相や自民党の一部が打ち出した。対象は北陸、九州新幹線の未着工区間で、来年度から一部の駅舎建設やトンネル調査などを始めるとしている。さらに東北新幹線のうち、現在はミニ新幹線の予定の盛岡−沼宮内をフル規格に格上げし、その代わりに、同じくミニで計画している八戸−青森を先送りするなどして、将来は盛岡−青森をすべてフル規格にする案も出ている。
 3線5区間の建設費はミニ新幹線などを活用する今の計画では全部で2兆2000億円だが、仮に未着工区間を含めて5線すべてフル規格でつくると5兆2000億円の追加財源が必要になる。しかし、妥協案では「着工」といっても当初は設計や調査にとどまるため、「建設費」は年数十億円ですむ。このため来年度は、3線5区間の建設費として要求している2276億円の一部を回すという。
 昨年11月、当時の連立与党は、@21世紀初頭には全線フル規格で開業するA東北はすべてフル規格に格上げするB九州・鹿児島ルートの未着工部分はスーパー特急で着工する、などの方針を決めた。しかし、政府は財源難から今年2月、計画決定を1997年以降に先送りした。
 6月に就任した亀井運輸相は「先送りの方針は白紙に戻す」と言明。現在の連立与党は九月に整備新幹線検討委員会をつくり、12月7日をめどに新しい財源計画の決定をめざしている。
 3線5区間の負担割合はJR50%、国35%、地方15%だが、未着工区間では国の負担を大幅に増やすことが必要になる。しかし、亀井運輸相は「国の財政事情が厳しいので、当面は現行の負担割合を変えるのは難しい」といい、現行の財源の中で未着工区間の工事を始めたい考えだ。
 与党の新幹線検討委メンバーの間では「現行の財源は3線5区間の建設で目いっぱい。未着工区間に回してしまっては、工事が2割しか進んでいない3線5区間の完成が遅れてしまう」という異論も出ている。
・大蔵省は強く反発
 大蔵省は、今回急浮上した末着工区間の駅やトンネルの一部を着工する案に強い拒否反応を示している。「JRが50%もの負担に耐えられるはずがない」(主計局)という。
 与党の一部や運輸省が「駅舎整備くらいなら、国の財政負担も大きくない」としている点については「額はともかく着工が決まっていない区間の駅に、なぜ国や地方の金をつぎ込む必要があるのか」(同)と反発する。確かに駅舎の整備程度なら着工初年度の財政負担は数億−数十億円で済むが、それを突破口に本格着工となれば、数年先には数百億円から1000億円単位の財政負担がのしかかることを警戒する。
 亀井運輸相は「公共投資基本計画に重点項目として『高速鉄道』を入れさせた。630兆円の1%でも6兆3000億円がひねり出せる」とし、財源は障害にはならないと主張する。これについては「『高速鉄道』とは整備新幹線の未着工区間の建設を意味したものではない」(主計局)とクギを刺す。「整備新幹線だけは何としても政治圧力をかわしたい」というのが本音だ。
・整備新幹線 現在建設中または今後着工する予定の新幹線五路線で、全長1500`。北海道(青森−札幌)、東北(盛岡−青森)、北陸(高崎−長野−金沢−大阪)、九州の鹿児島ルート(博多−西鹿児島)と長崎ルート(博多−長崎)。このうち3路線の5区間(東北の全区間、北陸の高崎−長野、糸魚川−魚津、石動−金沢、九州の八代−西鹿児島)の計501`については1988年に基本計画が決まり、建設中。ただし、すべてが東海道新幹線と同じ「フル規格」ではなく、在来線の線路に新幹線用の線路を敷く「ミニ新幹線」や、フル規格の路盤に在来線の線路を敷く「スーパー特急」を組み合わせて、建設費を抑えている。(朝日新聞)
■線路に車転落 関西線乱れる 阪和線にも影響
 17日午前1時半ごろ、大阪府柏原市青谷、国道25号青谷バイパスを通っていた同市法善寺二丁目、会社員福井良至さん(26)運転の四輪駆動車が鉄さくを破り、約7.5b下を交差して走るJR関西線の線路に転落した。福井さんは軽傷だが転落の際、車が架線を傷つけたため、関西線は柏原−法隆寺間が不通となった。午前7時ごろに復旧したが、ダイヤは正午すぎまで乱れた。天王寺駅で接続する阪和線のダイヤも混乱し、両線で上下57本が運休、約8万4000人に影響が出た。
 柏原署の調べでは、スピードの出しすぎでハンドル操作を誤ったらしい。(朝日新聞 夕刊)
18日■井原三津子 こだわり紀行 走る高級ホテル−E&O 列車の旅 列車とは思えない豪華さ グルメもうなる美食の宴
・有能なスチュアードたち
 ウィーラ君は私の乗っていた車両担当のタイ人のキャビン・スチュアード(客室乗務員)だった。英国の伝統的なホテルにいるバトラー(執事)のような、いわば世話係を兼ねている。最初に私の個室となるキャビンまで案内してくれ、丁寧なあいさつに始まって、フレッシュなマンゴジュースのサービス、しばらくしておいしいケーキと香り高い紅茶のアフタヌーンティーサービスヘと続く。
 いつもニコニコ、てきぱきと手際よく、なおかつ心のこもったサービスのできる彼は、「紅茶はストロング(強いの)がお好みでしたね」などと2度めからは完ぺきに私の好みを把握している。そんな心憎いサービスぶりに感心していたら、案の定、この列車の開通と同時にバンコクの某高級ホテルから引き抜かれてきた優秀なスタッフのひとりだと後でわかった。
 E&Oはヨーロッパのオリエント急行のアジア版である。バンコク・シンガポール間、約1900`を2泊3日で走る超豪華列車だ。
 22両編成で定員132人。満員でも132人の乗客に対してスタッフは48人。ということは3人にひとりの割合でスタッフが付くわけだ。しかもウィーラ君のような逸材ぞろいで、タイ人やシンガポール人といったアジアらしいフレンドリーなサービスで和めるのである。E&Oがサービス面で特に評価されるのも納得できる話だ。
・思わず出たため息
 今回私のE&Oの旅はペナン島の近くのバターワス駅を午後4時発、翌朝9時半にシンガポールに着く1泊2日の部分乗車であった。
 自分の個室に足を路み入れると、そこにはアジアの列車とは無縁のごとき優雅なムードが漂い、思わずため息が出てしまう。マホガニーの壁、アンティークなカーテンにビロード張りのソファやクッションと、何もかも豪華で格調高い贅沢(ぜいたく)なつくりだ。
 専用のトイレもシャワールームもあり、列車の中で好きな時にホットシャワーが浴びられる快適さを初めて期った。大理石づくりの洗面台には英国王室御用達のアメニティーやE&Oのマーク入りの真っ白でふかふかのタオルが置かれている。そして小皿に盛られたジャスミンの花々が、タイらしい甘い香りをバスルームいっぱいに放っている。
 ゆったりと大きな窓から眺める風景は変化に富み、退屈しのぎに持ってきた文庫本を読む暇もない。ウィーラ君の入れてくれたおいしいミルクティーを飲みながら英国貴族のマダムのような気分に浸っていた。
・英国人シェフの芸術品
 上質のハウスワインと共に味わうフランス料理のフルコース。待ちに待ったディナータイムである。食前洒はバー車両で京劇のショーを見ながらゆっくり楽しんだところだ。さて、今宵(こよい)イギリス人シェフの生み出した芸術品は、カモの炭火焼きのアミューズ、フォアグラとロブスターの前菜、アジア風スパイスが効いたフィレステーキなどなど。これが列車の中でどうやって?と不思議になるほどのすばらしい出来栄えだった。
 ほろ酔い加減でキャビンに戻る私のために、ウィーラ君が心地よいベッドメーキングを済ませてくれているはずだ。(文・写真とも)(京都新聞 夕刊)
19日■窓 駅の落書きは京都の名折れ 西京区・澤田邦雄(無職・72)
 先日、保津峡方面へハイキングに出かけた。すでに眼下の川原は、若者たちや家族づれでにぎわい、あちらこちらで焼き肉の煙がもうもうと川霧のように山すそを包んでいる。時折、顔を出す日差しは、色づき始めた木々の葉を、黄、赤、緑色にほんのりと染めている。
 適度に酔いも回り、天へも昇る心地で、そぞろ歩きでJR保津峡駅までやってきた。一瞬、冷水を浴びたような衝撃を受けた。見るも無残な「落書き」がいっばい。道路、石垣、駅舎内に至るまで。数色のマジックインキを使って描いてある。恐らく駅員の不在時をねらっての悪さだろう。
 行楽シーズンでもあり、他府県からのハイカー客も大勢乗り降りされている所で、まさに「無法地帯」の様相は、平安建部1200年、観光都市、京都の名折れではないか。対岸を走っているトロッコ列車の警笛が、いたずらをやめて!と叫んでいるようだった。(京都新聞)
20日■整備新幹線 見直し大詰め 来年度から”見切り発車” 本格着工は97年度以降に(トンネル掘削・駅舎建設
) 連立与党”2段構え”で推進 厳しい財政 大蔵省は猛反対
 整備新幹線の建設計画について、連立与党の整備新幹線検討委員会の見直し作業が大詰めを迎えている。北海道新幹練(青森−札幌)など未着工区間の建設で、財源確保策など新たな基本計画の作成による本格着工は1997年度以降に後回しし、来年度から現行の枠組みのまま数十億円の事業費で一部トンネル掘削や駅舎建設などに取りあえず着手するという2段構えの推進策を、12月初めの報告書に盛り込む方向で合意した。これに対し、厳しい財政事情に悩む大蔵省は”見切り発車”の方針に猛反発、現在工事中の3線5区間以外の着工は認められないと、連日与党の政策担当幹部や検討委員会のメンバーらに説得工作を繰り広げている。
 検討委員会が来年度に予定している主な事業内容は@在来線の路盤を走る「ミニ新幹線方式」で工事中の東北新幹線盛岡−沼宮内間などをフル規格に差し替えるA難工事が予想される八甲田トンネル(東北)など3ヵ所の掘削調査に着手B富山(北陸)、熊本(九州・鹿児島ルート)など数駅の駅舎建設C北海道新幹線で環境影響評価を実施−など。
 こうした当面の事業計画は書き込まれるものの、5兆2000億円に上る財源確保策や国、地域、JRなどの負担割合など新たな基本計画は96年度中に作成、97年度から本格着工に入るとして、見直し作業の核心部分をほぼ先送りする内容の報告書が12月7日に正式決定される見通し。
 運輸省は報告書を受けて来年度概算要求に盛り込んだ着工中の3線5区間の事業費2276億円から数十億円を未着工区間の事業費として差し替え要求する段取りだ。
 未着工区間の計画見直しと、着工を97年以降に先送りした細川内閣当時の申し合わせに比べると、来年度からの着工開始を強く印象付ける内容になっている。しかも特定の路線に事業が偏るのではなく、地元の実情や要望を酌んで各路線に事業を振り分けしており、来年春の統一地方選、夏の参院選を意識して「つめ跡をしっかり付ける」(検討委メンバー)ことを狙ったものだ。
 検討委員会の動きが伝えられると、整備新幹線を抱える地元では「来年度着工」への期待をにわかに高めている。
 北海道、青森、岩手の3道県の東北・北海道新幹線建設促進3道県協議会が今月16日、東京で緊急会議を開き、知事らが加藤紘一自民党政調会長ら連立与党の国会議員に、建設促進を要請して回った。12月早々には、整備新幹線18都道府県協議会の陳情行動なども予定されている。
 大蔵省はこうした動きを抑えるのに必死。当面の事業費は数十億円でも、本格着工に入ると毎年数千億円に膨れ上がるのは目に見えているだけに「新しい財源がないのに、新たに着工するわけにいかない。与党の先生方のことだからそんなに無責任なことは考えていないはず」(主計局)と強くけん制する。
 政府予算編成作業で、恒例行事のようになった整備新幹線をめぐる攻防は今年もぎりぎりまで続きそうだ。(京都新聞)
■窓 駅のベンチ もっと増加を 広島市・芹川誠治(会社員・49)
 週末を利用して京都を旅し、嵐山、嵯俄野辺りを歩き回った。まだ紅葉までにもう少しであったが、それでも渡月橋からの嵐山の眺めは素晴らしく、また天竜寺の庭や落柿舎辺りの風情など、ただただ感嘆させられるばかりであった。
 ところで、JR新幹線や山陰線を利用したのだが、京都駅などベンチがみつからず、大変な人込みの中を終始立ちっばなしで疲れてしまった。見つかったベンチに立ち寄るとすでに先客が座っていた。みんなが空きを待っているようだ。
 とにかく50歳近くなると体力が急激に落ち疲れやすくなる。しかも2日間もおびただしい観光客の中を歩き回ったのだ。足が痛いやら、肩がこるやらで、くたくたになってしまった。
 仕方なしに一度改札を出て、地下街の喫茶店で一服して疲れをいやして、新幹線で帰宅した。
 JRの駅にベンチがあまりないのは、過激派のテロ対策か、それとも忘れ物防止のためであろうか。
 だが、旅客にはお年寄りも多いのだ。透明なプラスチックを使用すれば、テロなどの対策も万全となるはずだ。JRはお客のためのサービスにもっと細やかさがほしい。(京都新聞)
22日■緑化フェアで人気の 「SLスチーム号」 運転は継続します
 JR西日本は全国都市緑化きょうとフェア会場で人気を集めた梅小路蒸気機関車館の「SLスチーム号」の運転を22日から継続することにした。
 SLスチーム号は、フェア期間中に同機関車館所属の18両の機関車の中で最古参の「8600型」蒸気機関車がトロッコ客車2両を引き、構内特設の片道400bの線路を往復、20日までの会期中に約8万人の利用者を数えた。
 JR西日本は好評だったことから、同フェアの終了後も、運転継続を決めた。同機関車館入場は有料で、乗車料金は大人200円、小人100円(3歳以下無料)。午前11時、午後1時半、午後3時半の3回運転する。月曜休み。(京都新聞)
■依然1200台の自転車放置 3割が750b(半径)圏内 7・8分徒歩での通勤・通学訴え 阪急桂駅周辺 クリーン作戦1年
 阪急桂駅周辺の不法駐輪を解消するため、市西京土木事務所などが展開している「駅前クリーン作戦」開始から、すでに1年以上が過ぎたが、依然、1200台近い自転車が路上などに放置されている実態が同事務所の調査でわかった。同事務所は「自転車利用者の3割を占めると推計される徒歩7、8分圏内の人に歩いて通勤、通学してもらうしか解決策はない」と、お手上げの状況になっている。
 同事務所は西京区役所や桂署、地元の自治連合会などと協力、昨年8月から「駅前クリーン作戦」を展開。月に2回、50人近くが早朝から、ちらしなどを配って駐輪マナーの向上を訴えており、より効果的な方法を探るため、今年9月中旬に同事務所が自転車の実態を調べた。
 それによると、調査日に桂駅周辺に放置されていた自転車は1180台。市が同駅に駐輪場を増設したことや、クリーン作戦の効果もあって、昨年6月の2000台余りからは半減したものの、依然、路上を占領している状態だった。
 その放置分について所有者の住居を調べたところ、駅から半径750b以内に住んでいる人が全体の31%。500以内の人も8%いた。
 駐輪スペースは、市が本年度中に200台増やすほかは、阪急電鉄には増設の計画はなく、同事務所は「駅まで750b以内の徒歩圏内の人が自転車利用をやめれば、現在の駐輪場でほぼ足りる」と分析、今後も根強く市民に訴えていく方針だ。
 しかし、周辺は市バスなど市民の足が十分確保されている状況ではなく、「仕方なく自転車に乗っている」と不満を漏らす市民もおり、抜本的解決への道のりは厳しそうだ。(京都新聞)
■第3セク智頭急行 来月3日に開業 鳥取と大阪2時間半
 第三セクターの智頭急行(本社鳥取市)が運営する智頭線が12月3日、開業する。鳥取と大阪が約2時間半で結ばれ、山陰と関西圏との交流促進や地域振興に大きな役割を果たすと期待されている。
 智頭線は兵庫県上郡町を起点に岡山県大原町などを経て鳥取県智頭町までを全14駅(うち11駅は無人)で結び、延長56.1`。
 この区間で普通列車を運行するほか、特急列車がJR因美線と山陽線に乗り入れて鳥取と新大阪を直結する。
 特急列車は1日に智頭急行が3往復、JRが1往復運行し、目玉は智頭急行の新型特急「スーパーはくと」(5両編成)。流線形のスマートな車両は国内の在来線では最高レベルの時速130`の速度を誇り、鳥取−大阪間が在来線経由の特急に比べ最高1時間37分短縮される。
 総事業費442億円を投じた智頭線は昭和41年に当時の国鉄が着工。しかし経営悪化のあおりを受けて55年に工事は全面中止に。このため早期開通を願う鳥取、岡山、兵庫3県や沿線市町村などが61年に第三セクターを設立し工事を再開していた。(京都新聞)
■JR本州3社 鉄道収入前年下回る
 JR東日本、東海、西日本の九月中間決算が21日、出そろった。売上高は東日本と西日本が減収となり、東海は土地売却でかろうじて増収となった。経常利益は3社とも2年連続で減益となった。
 JR東海の増収は、愛知県にある分譲用地の一角を大学に売却した収入を計上したためで、鉄道収入は3社とも前年中間期を下回った。売上高の内訳をみると、3社とも遠距離通勤の増加で定期券収入が増える一方で、定期券以外が減るという傾向が前年から続いている。景気低迷や海外旅行ブームで、長距離の旅行客やビジネス客が減ったのが響いた。
 JR東日本と東海は、新幹線に回復傾向が出てきて前年なみを維持したが、在来線が落ち込んだ。一方、西日本は在来線が前年なみだった一方、高速道路との競合もあって新幹線の回復が遅れている。
 各社とも売上高が伸び悩む一方で、人件費を中心に営業費用が増えて、本業でのもうけを示す営業利益が前年中間期から5−7%程度落ち込んだ。(朝日新聞)
JR本州3社の9月中間決算
 売土高経常利益旅客運輸収入
定期定期外
東日本9886
(▼0.7)
722
(▼1.9)
2533
( 0.1)
6150
(▼1.2)
東 海5614
( 0.3)
425
(▼0.5)
216
( 2.7)
5069
(▼0.5)
西日本4655
(▼0.7)
321
(▼5.8)
729
( 1.8)
3388
(▼2.1)
<注>単位は億円、カッコ内は前年中同期比増滅%、▼はマイナス
23日■御池地下街 建設費37億円増 工法変更響く 開業延期も検討
 京都市の「御池地下街」の建設費が工法の変更などで当初の見込みより16%、約37億円増え267億円となることが22日の市会普通決算特別委員会で明らかになった。
 御池地下街は京都市役所前の御池通に地下駐車場と一体で1997年春の完成を目指して、建設を進めている。地下3階、延べ面積約3万2000平方bで、地下1階にショッピング街、同2階に駐車場、同3階に地下鉄東西線プラットホームを整備する計画。
 91年2月の着工時は一括施工する計画だったが、その後、下水道管などの地下埋設工事に困難が伴うことがわかり、南北に分割する工法に変更した。その結果、約230億円の当初建設事業費に地下埋設管移設費約18億円など計36億7800万円の追加費用が必要となった。
 また地下街の開業時期について、内藤俊夫都市整備局都市建設部長は「地下街の成功にとって開業時期は重要な要素。96年度末には完成するが、東西線の開通する97年秋の同時オープンを含めて、時期を検討したい」と地下街の機能発揮のためオープンを延期することも検討していることを明らかにした。
 同地下街は約70店の専門店が入る予定で、開業をを半年遅らせた場合、金利や人件費などで計約1億5000万円の負担増になる、という。
 同委員会ではこのほか、山科駅前地区市街地再開発事業では98年度オープンに向け立ち退き交渉が順調に推移、出店の計画がある大丸とも仮契約の時期について協議段階に至っていることを説明した。(京都新聞)
■ラピートもてもて 乗客アンケート 「乗るため空港へ」半数
 南海電鉄の空港特急「ラピート」を利用する乗客のほぼ半数が、ラピートに乗りたいために空港に行くのに南海電鉄線を選んでいることが、同社の乗客アンケート調査でわかった。運転開始から、2ヵ月半。並走のJR特急「はるか」をしのいで、1日当たり1万1300人を運ぶラピートの人気ぶりが、裏付けられた形だ。
 調査は9月と10月に、1回ずつ行われ、計2580人から回答を得た。
 鉄道、バス、船など数ある空港アクセスのうち、南海電鉄を選んだ理由として最も多かったのが「ラピートに乗りたかった」で、48.1%。「所要時間が短い」「運賃がやすい」などを20%以上引き離している。
 乗車目的では、空港旅客が57.5%(国際線26.2%、国内線31.3%)。次いで空港見学が26.5%あり、「ラピートに乗って、新空港で遊ぶ」という行動が、レジャースタイルになって定着していることをうかがわせる。
 乗客の住所地(または勤務地)は、大阪市内が47.1%。残りも東大阪、奈良、京都、北摂などで、大阪近郊が全体の約90%を占めている。
・年末年始など増発
 南海電鉄は来月18日から、空港特急「ラピート」を上下1本ずつ増発する。早朝と、夜間時間帯の需要にこたえるためで、下りは午前6時半なんば発のラピートα(ノンストップ便)。上りは、午後11時5分空港発の同β(泉佐野、岸和田、堺、新今宮停車)。
 これとは別に、繁忙期向けの季節運転として、下り2本、上り2本の増発も決めた。運転時刻は下りが午後零時17分発と、午後2時17分発。上りは午後1時42分発と、午後3時42分発(すべてラピートα)。運転期間は年末年始(12月23−1月8日)、春休み(3月25−4月9日)、GW(4月29−5月7日)、夏休み(7月21−8月31日)(京都新聞)
■銅版画の明治の京 よみがえる 三条大橋など51景 いわれなども盛り込む 歴史グループ・京を語る会 石田有年の「名所図」写真集に
 円山公園や三条大橋、七条停車場など明治時代の京都を描いた珍しい銅版画が、歴史グループ・京を語る会(田中泰彦会長)の手で写真集にまとめられた。銅版画家・石田有年(1845−1916年)の作品集「京都名所図51景」を撮影したもので、1世紀を経てよみがえる古都の姿が話題を呼びそうだ。
 写真集は「石田有年の銅版画 明治の京都名所51景」。石田有年は、幕末期に京都で生まれた。8才で狩野派の絵を習い、その後、銅版画の道へ。精密な描写と独特の構図で知られた。商家の店先と庶民の暮らしを描いた作品集「都の魁(さきがけ)」は代表作とされる。
 「京都名所図51景」は、1895年(明治28)の平安建都1100年記念の内国勧業博覧会に出展された50点に、京都ホテルの1景を加えた作品集。現在では、わずかに古物商で取り扱われているだけという。
 田中会長の知人が、銅版画51点のすべてを持っていたことから、同会は「平安建都1200年を祝い、後世に素晴らしい作品を残そう」と写真集の制作を企画、2年がかりで発刊にこぎつけた。
 写真集はA4判、120nで。紹介されているのは、三条大橋や六角堂などの名所のほか、明治時代に生まれた琵琶湖疏水のインクライン、七条停車場、それに建勲神社、平野神社など。それぞれの場所のいわれや現在の写真なども盛り込んでいる。
 田中会長は「51ヵ所すべて歩いたが、銅版画とずいぶん変わったところも多い。100年前にタイムスリップして、歴史を味わってみては」と話している。
 400部印刷。問い合わせは田中会長(393)7918 。市内の書店でも定価1万円で近く発売される。(京都新聞)
24日■融雪器燃えダイヤ乱れ JR近江塩津駅
 23日午後6時15分ごろ、滋賀県伊香郡西浅井町余、JR近江塩津駅で、構内のポイント軌道内に設置されている融雪装置が燃えているのを同駅員が見つけ、大阪発金沢行き特急雷鳥35号を現場手前で停車させた。消防車が出動し火を消した。
 同列車は9分後に運転を再開したが、上下線とも安全確認のため約50分間運転を見合わせ、金沢発大阪行き特急雷鳥40号が同駅に約35分間停車したのをはじめ、湖西線と北陸本線の上下線合わせて11本の列車、約2300人に影響を出し、午後8時ごろ平常運転に戻った。
 同駅の話では、燃えたのは灯油を燃やした熱風で雪を溶かす装置で、この日は使っていなかったという。木之本署などで出火原因を調べている。(京都新聞)
■電車にはねられ若い男性が即死 近鉄大阪線
 24日午前7時2分ごろ、奈良県宇陀郡室生村大野の近鉄大阪線室生口大野駅で、上りホーム西端から高校生らしい男性が線路跳下り、通過中の宇治山田発上本町行き快速急行(10両編成)にはねられ、即死した。乗客約2000人にけがはなかった。電車は同駅に約20分停車し、後続の上下線の電車約90本が最高45分遅れた。
 宇陀署によると、電車の運転士は同駅の手前で男性が飛び降りるのを発見し、急ブレーキをかけたが間に合わなかったという。同署が身元を調べている。(朝日新聞 夕刊)
25日■市バス急停車、転倒し後遺症 京都市に賠償命じる 京都地裁判決
 京都市バスでの転倒事故で左腕に後遺症が残ったとして、京都市北区の会社員の女性(28)が、市を相手に損害賠償を求めた訴訟の判決が24日、京都地裁であった。岡健太郎裁判官は「左腕のけがは転倒事故によるものと認められる」として、市に約400万円の支いを命じた。
 判決によると、女性は1989年2月4日、下京区塩小路通高倉交差点で、市バスに乗車中、バスが急停止したため満員の乗客に押され転倒、背中などを打って全治10日間のけがを負った。女性は、左腕の痛みも訴えて通院、手術などを受け、筋力低下や痛みなどの後遺症が残った。
 市は、左腕の傷害の部分については事故との因果関係を否定したが、岡裁判官は「事故の形態や医師の診断などから事故が原因と認められる」と判断した。(京都新聞)
■ラッセル車 冬へばく進 京滋で試運転
 京都府北部で気温2度と冷え込んだ24日、本格的な冬に備えたラッセル車の試運転がJR西日本福知山支社管内の舞鶴線でも始まった。
 同試運転は、山陰線ではすでに実施。福知山駅を早朝発車するラッセル車は、朝もやのなか、時速約30`でゆっくり走行。山々の紅葉の中にオレンジ色の車体を輝かせ、雪を線路外にかきだすウイングを開閉するなど、慎重にチェック。同支社管内の試運転は30日まで続く。
 JR北陸線の米原−敦賀間でも同日、試運転が行われた。同区間は線路除雪の南限区間で、積雪20a以上の場合に除雪を行う。(京都新聞)
26日■叡山電鉄のデナ21型 親しまれ65年 あす引退 ぬくもり惜しむファン
 温かみのある木造の内装と、独特のまるみを帯びたマスク。昭和初期から市民に親しまれてきた叡山電鉄の電車「デナ21型」が27日、引退する。紅葉に彩られた谷間を走る「花電車」をひと目見ようと、鉄道ファンや観光客が押しかけ、連日超満員。5000枚刷った記念切符はほぼ売り切れた。スクラップにするのは忍びなく、同電鉄はいま、引退後の受け入れ先を探している。
 「デナ21型」は、1929年(昭和4年)にデビューし、左京区の出町柳−鞍馬間(12.6`)を約30分間かけて結んできた。長さ14.5b、幅2.6bの車両は、外装は鋼鉄、内装は木造。真ちゅう製の網棚には、手づくりならではの凝った飾り付けもある。
 照明は白熱灯で、急な登り坂でモーターをフル回転させると暗くなり、スイッチを切るとパアッと明るくなる。78年に暖房装置をつけてからは、木造独特のホカホカしたぬくもりで、冬場はとくに運転手の人気が高かったという。
 デビュー当時、あまりに新しくて立派な車両に、沿線のお年寄りが裸足になって乗ったというエピソードもあるほどだ。
 しかし、寄る年波には勝てない。冷房設備はなく、加速性能は低い。最盛期には10両あった同型の車両も、89年からは年々新型に切り替えられ、今年3月からは1編成2両だけになっていた。
 かつての運転手は「窓のすき間から雪が舞い込んだりするけど、こいつのがっちりした体に比べたらアルミ製の今の車両なんて貧弱なものです。思い出深い電車をどこかで残してくれれはよいのですが」と話す。
 27日午後2時からは出町柳駅で、「鉄道友の会」の会員が運転手に花束を贈る。最終は出町柳発午後7時12分の修学院行き。(朝日新聞)
■来週土曜発車オーライ「智頭急行」 鳥取へ 100年の夢乗せ 温泉・カニ 大阪から90分も早く 「宮本武蔵」「恋山形」…こんな駅も
 「大阪−鳥取、約2時間半」をうたい文句に、兵庫県上郡駅と鳥取県智頭駅の56.1`を結ぶ第三セクター鉄道「智頭(ちず)急行」が12月3日、開業する。JRの路線をほぼ直線で結び、現在よりも1時間半も短縮できる。建設の声があがってから約1世紀、旧国鉄時代の工事着手から28年。やっと開業にこぎつけた鉄路の上をスマートな列車が走る。沿線には「宮本武蔵」「恋山形」など旅心を誘う駅名が並び、温泉や冬の松葉ガニ、夏の海水浴がぐっと近くなる。「ちょっと遠い」と思われていた山陰・鳥取のイメージ一新をと、地元の期待はふくらむ。
 特急「スーパーはくと」が鳥取−大阪間と倉吉−鳥取−大阪間を1日に各2往復する。最高時速130`。カーブで遠心力を吸収する制御式自然振り子機構をもち、「ガタン、ゴトン」という振動や音もほとんどない。智頭線区間では女性車掌が乗務する。車内は座席間も広い。
 「姫路−鳥取間に鉄路を」と、運動が始まったのは1892年(明治25年)ごろ。1966年には、当時の国鉄「智頭線」として工事が始まったが79年、国鉄経営再建の波を受け、路盤工事をあと約7%残して工事中断に追い込まれた。
 このため、沿線の鳥取、岡山、兵庫の3県や地元市町村、民間企業が出資して、86年に第三セクターの「智頭鉄道」(現在の智頭急行)を設立、事業費 442億円をかけて軌道を完成させた。
 それだけに、地元の期待は大きい。鳥取市は開業の12月3日、「かに祭り」を開く。親ガニ(メス)のみそ汁約3000食分を無料で振る舞い、ゆでガニ、カニ飯なども格安で即売する。
 この催し、鳥取県の「山陰路観光キャンペーン」の一つとして毎年開かれていたが、カニ資源の枯渇で休止していた。だが、「京阪神に鳥取を強烈にPRするにはカニに登場願うのが一番」(鳥取市観光課)と、4年ぶりの復活となった。
 沿線の鳥取県智頭町は宅地造成をもくろむ。「通勤、通学圏が開通で広がる」と、智頭駅周辺を姫路方面への通勤者向けにベッドタウン化する構想。さらに近隣の町村と連携、新たな観光ルートのバス路線を走らせることも検討中だ。
 特急が乗り入れる鳥取県中部も意気込む。三朝温泉など4つの温泉旅館組合と倉吉市旅館組合は「鳥取県中部温泉郷旅館組合連絡会」を結成し、京阪神の旅行代理店などへの売り込みを始めた。浜村温泉で知られる気高町では、観光協会が中心になって平日なら1泊2日1万2000円でカニすき食べ放題という格安の宿泊券をつくった。
 智頭線の駅は14。宮本武蔵の生誕の地とされる岡山県大原町の「宮本武蔵」駅や鳥取県智頭町の「恋山形」駅は、地元住民から公募した駅名で、観光客を招こうと狙う。
 指定席で特急を利用した料金は、鳥取−大阪で6770円。在来のJR播但線、福知山線経由より料金(指定席利用)は220円安い。競合する高速バスよりは3220円高いが、時間で45分ほど速くなる。
 問題は、これからの需要。智頭急行では特急の1日当たりの利用者数を1354人とみて、98年度には黒字になるとはじいているのだが…。
 智頭急行の社長である西尾邑次・鳥取県知事は「かなりの努力が必要だろう。京阪神の人たちに鳥取のもつ温泉やカニ、豊かな自然などの観光資源を知ってもらい、どんどん利用してもらわねば」と話す。運輸省によると、国鉄を引き継いだ第三セクターなど36社(民営2社を含む)の93年度決算で、経常損益が黒字なのは6社にしかすぎない。(朝日新聞 夕刊)
27日■「整備新幹線フル規格で」 亀井運輪相が強調
 亀井静香運輸相は26日、青森県八戸市で記者会見し、整備新幹線建設について「基幹部分はフル規格とし、3線5区間以外の末着工部分についても来年度から着工に踏み出す」との方針を改めて示した。また、財源問題で難色を示している大蔵省を「いいかげん、分からず屋の態度は引っ込めるべきだ」と批判した。
 亀井運輸相は、着工区間の追加や規格の変更は財源や採算面で不可能、との判断を大蔵省が示している点に触れ、「これは国家的プロジェクトであり、最終的な決断は運輸大臣がやる。大蔵省が決めることではない」と述べた。
 財源についても、「公共投資基本計画の630兆円から引っ張ってくればいい。大蔵にはそれをだめ、という権限もないし、立場にもない」と述べた。(朝日新聞)
28日■新公共交通を調査 過疎地バス路線確保へ
 過疎地域の赤字バス路線が次々と廃止になる中、いかにして「住民の足」を確保していくかを探ろうと私鉄九州地連(本部福岡市)は、最近一部で行われている自治体や住民主導のバス路線運営など新しい「公共交通」の試みについて実態調査を始めることにし、28日から事例を募集する。
 同地連には、バス会社の労組が多数加盟。九州には過疎地を走るバスも多く、路線廃止は労組としても働く場を失うことになるため、今回の調査で「住民などから自然発生的に編み出された知恵を参考にし、広い視野でバス交通の活性化、生き残りにつなげたい」という。
 同時に都市部における「高齢者に優しい交通の事例」も募る。事例は電話かファクスで同地連まで。092(741)0040、ファクス092(711)1872。(京都新聞)
■ご苦労さま”デナ21形”叡電のレトロ車両 鉄道ファンらお別れ式 65年、最後の運行
 「65年間ご苦労さま」。昭和の初めから京都・洛北を走り続けた叡山電鉄の電車「デナ21形」が27日午後7時12分、出町柳駅発を最後に、引退した。別れを惜しむ鉄道ファンらがお別れ式を開き、電車は満員の客を乗せながら最後の仕事を終えた。
 デナ21形は1929年(昭和4年)に登場し、ぬくもりのある木造の内装が人気だった。多い時で10両が活躍した。しかし、老朽化などで新しい電車に取って代わられ、今年からは1編成、2両が残るだけになっていた。
 最終日は、京都市左京区の出町柳−鞍馬駅間を9回往復した。ファンや観光客で毎回満員になり途中の駅では乗れないほどだった。午後2時すぎには、鉄道友の会京都支部による式典が出町柳駅であり、会員の子どもたちが「長い間ありがとう」と運転士の松本年数さん(45)、車掌の今井健夫さん(21)に花束を贈った。
 友の会京都支部長の高山禮蔵さん(66)は「古さでは全国でも10指に入り、よく知られた名車でした。窓の隅が丸みを帯びていたり、京都らしい優雅さが魅力だった」と話していた。車両を譲ってほしいとの引き合いも数件あり、叡山電鉄は引退後の身の振り方を考えている、という。(京都新聞)
■カラー複写で定期券偽造 正規の券は払い戻し
 JR武蔵野線の駅で、会社員が通勤定期券をカラー複写機でコピーし、コピー券を使って不正乗車をしたうえ、正規の券の払い戻しを受けていたことが27日までに発覚した。正規の券の払い戻しで受け取ったのは約10万円だが、不正発覚後に割増料金も含めJR東日本から約80万円を徴収されたという。
 JR東日本によると、ことし7月、埼玉県の武蔵野線南越谷駅に落とし物として届けられた自動改札用の6ヵ月定期券がカラーコピーされたものだったことが判明。調べたところ、正規の元券は払い戻しされていたことが分かった。(京都新聞)
■京のレトロ電車 現役65年で引退
 京都・洛北を65年間走り続けた叡山電鉄「デナ21形」電車(2両編成)のさよならセレモニーが27日、京都市左京区の出町柳駅であった。昭和4年(1929年)に登場、丸みを帯びた「顔」や車内の木の内装が人気で、鉄道ファン約250人が別れを惜しんだ。
 「鉄道友の会」京都支部会員、島本由紀さん(39)の長女由布子ちゃん(9つ)と次女真希子ちゃん(7つ)が、「デナ21形」の橋本年数運転士(45)と今井健夫車掌(21)に花束を手渡した。
 デビュー以来、出町柳−鞍馬間(12.6`)を走り続けてきた。車体は深緑とクリーム色のツートン・カラー。全国でも10指に入る古さというが、冷房設備もなく、部品の入手も難しいことから廃車が決まった。(朝日新聞)
■ラッシュ時JR山陰線止まる 嵯峨嵐山−京都駅間 18本運休、1万7000人に影響 最高2時間の遅れ 寒さでレールにひび
 通勤通学ラッシュアワーの28日早朝、JR山陰線・丹波口駅−二条駅間で、レールに急激な寒さが原因とみられるひび割れが発生、同線は約1時間半にわたって不通となった。単線のため、JR西日本は復旧工事を行うとともに、京都駅−嵯峨嵐山駅間に代替バスを走らせるなどしたが、約1万7000人に影響が出、沿線各駅で乗客があふれるなど混乱した。
 同日午前8時ごろ、京都市下京区中堂寺南町のJR山陰線丹波口駅で、同駅に到着した京都発園部行き普通列車が発車しようとしたところ、信号機が停止を示す赤のまま動かなくなった。
 JR西日本の嵯峨野保線区が調べたところ、同駅から二条駅寄り約1`付近で、園部方面に向かって右側のレールに、約10_の折損個所が見つかった。
 この故障によって、丹波口駅に停車した列車は、約700人を乗せたまま立ち往生。また京都駅方面に向かう園部発の普通列車も、二条駅で停車した。応急措置の終わった約1時間半後、手信号で故障区間を通過した。
 その後、午前10時半から復旧作業を再開、復旧の午前11時半までに上下18本の普通列車などが部分運休、また、園部発京都行き普通電車が約2時間遅れたのを最高に上下20本の遅れが出た。
 故障発生後、JRは、嵯峨嵐山駅以北については同駅で折り返し運転を行うとともに、午前9時すぎには、京都駅と亀岡駅から計5台の代替バスを走らせた。
 丹波口駅や花園駅など沿線各駅では、大勢の通勤通学客らが、一時プラットホームに足止めになったり、故障が知らされてからは、勤務先に連絡しようとして電話の前に長い列ができるなど、混乱が見られた。
 この日の京都市内は、最低気温が3.7度と、平年を0.7度下回るこの秋一番の冷え込みとなった。JRは、レールがひび割れた詳しい原因について調査している。(京都新聞 夕刊)
■地下鉄工事事務所に発砲 山科勧修寺 未明、窓に2発
 28日午前8時半ごろ、京都市山科区勧修寺縄手町、地下鉄東西線小野駅工区工事事務所に出社した事務員渡辺華世さん(28)が、2階事務所南側窓ガラスに短銃で撃たれたような跡があるのを見つけた。
 山科署の調べでは、同日午前零時20分ごろ、事務所に泊まり込んでいた当直員(25)が、パンパンという短銃の発砲音らしき音を聞いていたという。2発の銃痕が見つかっている。同署は発砲事件と見て捜査している。けが人はなかった。(京都新聞 夕刊)
■JRさくら転覆事故 4駆運転手に有罪判決
 平成4年4月、神戸市須磨区の国道2号で4輪駆動車とぶつかった大型トレーラーが、わきのJR山陽線の線路に転落、寝台特急「さくら」が衝突し転覆、さらに普通電車に接触して乗客ら15人がけがをした事故で、4輪駆動車を運転し業務上過失傷害罪などに問われた神戸市須磨区高倉台、会社員大路学被告(22)の判決公判が28日、神戸地裁で開かれた。
 吉田昭裁判官は「交通量の多い道路で、トレーラーとの事故の可能性は予見できた。電車を運休させるなどした責任も重い」などとして、禁固1年、執行猶予3年(求刑禁固1年)を言い渡した。
 判決によると大路被告は、平成4年4月8日午前零時ごろ、神戸市須磨区一ノ谷町の国道2号で、4輪駆動車をUターンさせ、姫路市飾磨区英賀乙、運転手長田英夫被告(51)=道交法違反の罪で分離公判中=の大型トレーラーと衝突、山陽線上に転落させた。(京都新聞 夕刊)
■年末の指定券 14本が完売 JR西日本売り出し
 JR西日本は28日午前10時から、年末年始の休暇が始まる12月28日の列車指定券を売り出した。山陽新幹緯のひかりなど14本の指定席券が発売直後に売り切れた。
 完売となったのは午前9時7分東京発の博多行きひかり1本のほか、在来線の京都発関西空港行き特急はるか、大阪発札幌行き寝台特急トワイライトエクスプレスなど特急、急行13本。
 同社は来年1月8日までの年末年始休暇期間中に309万人の利用者があるとみており、帰省のピークは12月30日、Uターンのピークは1月4日と予想している。(京都新聞 夕刊)
29日■地下鉄東西線 事務所発砲 工事でトラブルない 関係者ら「騒音」では苦情も
 京都市山科区勧修寺縄手町、地下鉄東西線小野駅工区の共同企業体の建設事務所で28日未明に起きた発砲事件は、その後の京都府警暴対二課と山科署の調べで、撃ち込まれたのは計3発だったことがわかった。府警は、工事をめぐるトラブルがなかったかどうか捜査している。
 府警によると、2発は2階の窓ガラスを貫通して天井や給茶器に当たり、室内から鉛製とみられる弾丸が見つかった。他の1発は窓の外枠サッシに当たった跡があるが、弾丸は見つかっていない。
 府警は、1階にいた宿直員(25)が短銃を発射したような音を聞いた午前零時20分ごろ、事務所南側の駐車場から2階窓ガラスに向け撃ち込まれたとみて、不審な人物や車を目撃した人がいないか付近の聞き込みをしている。現場には薬きょうは落ちておらず、回転式短銃とみて口径など弾丸の鑑定を急いでいる。
 共同企業体は鉄建建設、森本組、横田建設の3社で構成。建設事務所の松川勉次長(45)は「短銃を撃ち込まれるような心あたりは何もないし、仕事上のトラブルもない」と驚いた様子で話していた。
 現場は小野小学校の南約50bで、住宅地の一角。
 市交通局によると、小野駅工区は延長315b、オープンカット工法で掘り進められている。1991年7月着工、事業費約27億6400万円。工期は来年12月までで、現在、約60%の進ちょく状況。
 市交通局は「大規模な工事なので騒音などの苦情はあるが、工区に関する大きなトラブルは聞いたことがない。事件の影響で工事が遅れることはない」と話している。(京都新聞)
■アクセス交通10月輸送まとめ 利用客13.7% 見学者数 落ち着きで ラピートは8.8%減
 近畿運輸局は28日、関西国際空港の10月分アクセス交通輸送実績をまとめた。鉄道、バス、船による輸送人員総数は224万9000人で、前月より13.7%ダウンした。開港直後は多かった空港見学者の数が落ち着いてきたためで、人気を呼んでいる南海電鉄の特急「ラピート」の乗客数にも、ややかげりが出てきたようだ。
 輸送人員のアクセス別内訳は、鉄道182万9000人、リムジンバス26万1000人、旅客船15万9000人(タクシーは除く)。このうち、鉄道はJRが89万1000人、南海電鉄が93万8000人で、南海の優位に変わりはない。
 「ラビート」と「はるか」の実績でも、「ラピート」が33万2000人と「はるか」より約4万6000人多かった。しかし、前月比実績でみると「ラピート」の8.8%ダウンに対し、「はるか」は0.1%ダウンにとどまっている。
 リムジンバスの前月比実績では、神戸線、奈良線、和歌山線、南港線が客数を伸ばしたほかは、残り8路線ともダウン。旅客船は4ルートのうち、淡路ルートが47.9%増と大幅な伸びになったのが目立っている。(京都新聞)
■京都駅周辺 活性化へ検討会 京都市旅館業界など10委員
 新築工事が進んでいるJR京都駅の周辺地区の活性化を目的に京都市は28日、観光客の駅周辺への誘導策をまとめた行動計画を作る京都駅国際活性化推進検討会(会長・端信行国立民族学博物館教授)の発足を明らかにした。同日の市会普通決算特別委員会で西脇尚一議員の質問に答えた。
 検討会は市商店連盟や東西本願寺、旅館業界など地元を含む10人の委員で構成、1995年度末までに観光客らを駅周辺に誘導するソフト事業を含めた行動計画を民間シンクタンクの三和総合研究所とともに検討、意見やアイデアを交換する。先月31日に初会合を開いた。
 具体策としては、駅周辺に一定のコースやルートを整備し、駅の客が待ち時間の合間を利用して駅周辺を歩けるプランを想定。「用地取得などを伴わず、自然な形で利用客を誘導するような空間」(市企画調整局活性化推進室)を目指す。
 新駅については、今回発足した検討会と同名の組織が、92年2月に京都の未来と新京都駅のかかわりを報告書にまとめている。報告書では新京都駅を国際文化観光都市の玄関口と位置づけ、▽情報関連施設の集積▽京都紹介機能の充実▽国際的イベントの創造−などを提言している。今回の検討会は、同報告をふまえ駅周辺の活性化への道を探るのを目的とする。
 新京都駅は地上16階、地下3階建て(高さ59.8b、東西480b、南北80b、延べ床面積24万平方b)の巨大ビル。ホテルや複合商業関連が入居する予定。
・地下鉄東西線第三セク会社 民間資金確保に全力 京都市交通局「相当の無利子融資も」
 京都市の地下鉄東西線建設事業の第三セクター会社「京都高速鉄道」に対する出資増額問題で、中谷佑一管理者(交通局長)は28日に開かれた市会交通水道委員会で残る民間資金の確保に全力を挙げる決意を表明した。また、中谷管理者は市一般会計から三セクに対し、出資金の増額だけでなく、相当の無利子融資が必要との認識を重ねて示した。
 東西線建設事業では、三セク部分の建設費1550億円のうち、20%の310億円を三セク出資金として確保する計画としている。市は同事業点検・推進委員会の試算で出資金の51%負担としていたが、11月定例市会で市出資を90億円増やし、一挙に8割まで増額する方針を明らかにした。
 同日の委員会での8割増額についての質問に対し、中谷管理者は「9月の第一次増資で民間の厳しさがよく分かった。現実的な判断で、思い切って市の姿勢を示し、残る20%を民間株主の協力を得たい」と決意を述べた。市は京都府に対しても、補助金の継続と三セクヘの新たな出資を求めるが、出資比率について江草哲史管理本部長は「知事、市長のトップ会談もある。まだ具体的な話はこれから」と明言を避けた。
 このほか、中谷管理者は建設費の膨張による三セクが厳しい経営を迫られる点に言及、「一般会計からの無利子貸付の財源措置をキチッとしなければならない。起債対象として認めてもらうだけでなく、償還の財源措置を含め、二段の措置が必要」と三セク支援へ市が一般会計で国への起債認定とともに、償還財源の措置という二段の措置を求めていることを明らかにした。(京都新聞)
■山陰線レールひび割れ 寒さ主犯説「専門家?」 温度差原因なら 多発するはず
 28日朝、京都市内のJR山陰線がレールにひび割れが生じて不通となり、通勤通学の足に大きな影響を与えた騒ぎで、レールのひび割れについて「この秋一番の急激な寒さが原因ではないか」とするJR西日本側に対し、工学や金属の専門家の聞から「寒さだけが原因なら、厳冬期にはもっとレールのひび割れが起きているはず」と指摘する声もあり、真相はなぞに包まれたままだ。
 ひび割れは、丹波口駅から二条駅に向かって約1`の地点で、右側のレールを約10_幅でやや斜めに横断する格好で、見つかった。
 JR西日本広報室によると、こうしたレールのひび割れはJRグループ全体で年に数例みられるという。問題のレールは1976年に敷設され、18年が経過した。しかし、最長で60年程度の使用に耐える設計になっており、寿命とは考えにくいという。
 同日朝の京都市内の最低気温は3.7度、レール付近に置いた温度計では零度まで冷え込んでおり、これが直接の原因となったのではないかと説明している。
 これに対し、京都大工学部の大谷隆一教授(材料強度学)は、「線路は敷設する時に曲げることができるほど弾力もあり、日本の夏や冬の温度変化だけで割れたり、欠けたりすることは通常考えられない」と反論。
 また、同学部の柴田俊忍教授(材料力学)も、現場を調査しないと原因は特定できないとしながら「冷え込みが原因なら、冬期にはレールのひび割れが多発するはず。材料に欠陥がなかったか、強度のばらつきはどうか、当初より加重な負担がなかったかなど、総合的に判断すべき」と指摘している。(京都新聞)
■ダイヤの乱れ 1万9000人影響
 28日午前、京都市下京区の京都駅と右京区の嵯峨嵐山駅間で不通となったJR山陰線は、原因となったレールのひび割れに対する応急措置を終え、列車の運行を再開したが、午後になっても列車の遅れが続いた。同日夕方までに、運休は上下20本、列車の遅れは同43本に及び、影響も午前中より2000人多い1万9000人に広がった。
 JR西日本は、ひび割れが発見された約1時間半後、いったんは手信号で運転を再開したが、レールの折損部分の両側に補強の鉄板を当ててボルトで締める応急措置を行うため、午前11時15分ごろから15分間、再び両駅間の運転を見合わせた。このため、列車の運行への影響は午後になっても残り、ダイヤは同6時ごろ平常に戻った。(京都新聞)
■ひかりに衝撃音 明石、10分間停車
 28日午後7時13分ごろ、兵庫県明石市内のJR山陽新幹線を走行中の東京発岡山行き下りひかり119号(16両編成、乗客約650人)の運転士が先頭車両前部で「ドーン」という衝撃音がしたのに気付き、急停車した。
 車掌らが先頭車両にある障害物よけのスカート部分などをチェックしたが、異常がなく、約10分後に運転を再開した。
 JR西日本で、動物などが当たった可能性もあるとみて、調べている。
 上下計5本が10分から3分遅れ、計約2700人の足が乱れた。(京都新聞)
■電車でビートルズ 陽気に演奏、乗客も乗る 英国のペア 足でリズム みんな元気に
 京都と大阪を結ぶ電車の中などで、ビートルズの曲を演奏する外国人の男女がお目見えしている。乗客の意表を突く陽気なパフォーマンスのペアは、英国出身で今秋から京都に滞在、京都市動物園や繁華街にも登場し、市民らを楽しませている。
 男性はスコットランド生まれのクッキーさん(32)、女性はウェールズ生まれのレイさん(26)で、9月下旬に来日、現在は京都市左京区に滞在している。クッキーさんはロンドンでポップグループ「イモーション・スパイス」のドラマーだったといい、レイさんが歌、クッキーさんがギターを担当する。
 顔を白く塗った2人が演奏を始めると、車両の雰囲気は一変する。乗客はおおむね好意的で、数曲の演奏の後には若者らが拍手を送ったりしている。眠ったり読書中の人がいる時は演奏を控えるそうだが、京都市営地下鉄では駅員に演奏禁止を言い渡されたという。「乗ってる人にとって、いつも同じ電車が少し変わるのは、いいことだろうに」とクッキーさんは肩をすくめる。
 音楽が大好きなことが、2人が公衆の前で演奏する第一の理由だ。さらにクッキーさんは「電車の中ではみんな、他人と目を合わせないよう頭を垂れている。それが演奏を始めると、途端に目を輝かせ、足でリズムを取り始める。みんな元気になる、それがいい」という。レイさんも「音楽は国際的な言葉。私たちは日本語はあまりできないが、音楽を通して話をし、友人もできる」とほほえむ。
 2人は旅行経験が豊富で欧州やインド、東南アジア、中国のほかクッキーさんは中南米、レイさんは北米も訪れた。来日は2度目だが「一番好きな国は日本」と口をそろえる。「特に京都は美しい。自転車で市内を巡り、お寺や神社で思いにふけるのが楽しい」とクッキーさん。12月下旬まで滞在する予定という。(京都新聞)
■京都の地下鉄 工事事務所に銃弾
 28日午前8時半ごろ、京都市の地下鉄東西線の建設工事をしている鉄建・森本・横田共同企業体事務所=同市山科区勧修寺縄手町=の2階南側の窓ガラスに、銃で撃たれたような穴が2つ開いているのを出勤してきた事務員が気づき110番した。
 京都府警山科署の調べでは、事務所2階の天井と書類棚から鉛の弾が見つかったほか、窓のサッシ部分に弾丸のはねた跡があり、短銃で撃たれたらしい。同事務所には前夜から1階に宿直員が泊まり込んでおり、同日午前零時20分ごろ、「パン、パン」という音を聞いていた。
 同企業体は山科区小野西浦−同区小野河原町間の約3150bの工事を担当しており、「撃たれるような心当たりはない」としている。(朝日新聞)
■阪急・阪神共通カード JRから客呼び戻せ 自動精算、乗り換え自由 96年春から導入へ 地下鉄とも連携を協議
 「このままではJRにやられ放し」。こんな思いから、日ごろはライバル関係にある阪急電鉄と阪神電鉄が、旅客争奪戦で手を組むことになった。ドル箱の梅田−三宮間の通勤定期券が割安でスピードも早いJR西日本に客を奪われているため、阪急、阪神どちらの電車にも乗れ、自動改札機で運賃精算もする共通のブリペイド(前払い)カードを作る作戦。1996年春をめどに導入する。両社は大阪市交通局とも協議中で、カードは地下鉄とも共通化される見通しだ。使い勝手の良い1枚のカードが、巻き返しにつながるか−。
 3者で協議しているのは「ストアードフェア」と呼ぶカードシステムの共通化。このシステムは利用客に一定の金額のブリペイドカードを販売し、乗降の都度、そのカードを自動改札機に投入してもらえば、利用区間に応じた運賃を自動的に引き落とす仕組み。阪急は「ラガールカード」の名称ですでに実用化しており、いわば、このシステムを阪神や大阪市交通局でも導入しようというものだ。
 このカードは定期券や回数券のように乗車区間の指定がない。このため、阪急、阪神、大阪市営地下鉄で利用できるようになれば、乗り換えのたびに切符を購入する手間が省け、「行きは阪急、帰りが阪神」といった使い方もできる。
 阪急と阪神の今年度上半期(4−9月)の輸送人員は前年同期に比べ、それぞれ1.7%、3.6%減少した。両社とも並行して走るJR西日本に客を奪われたのが大きいとみている。
 梅田−三宮(JRは大阪−三ノ宮)間を例にとると、運賃は阪急、阪神が280円でJRの390円より110円安い。しかし、6ヵ月間有効の通勤定期券は割引率などの違いから阪神の6万480円、阪急の6万1020円に対して、JRが5万6360円と4000円以上も安くなってしまう。この逆転は91年11月の大手私鉄の値上げで生まれた。その後、JRのスピードアップ戦略もあって同区間の利用客は、阪急、阪神とも減り続けている。
 同じ悩みを持つ両社は、定期券よりも使い勝手の良いカードを作ることで意見が一致。カードの価値を高めるため、ストアードフェアシステムの導入を検討している大阪市交通局にも「参加」を呼びかけた。
 鉄道業界では今、不況や休日増による出勤日数の減少で、定期券離れが進んでいる。運輸省鉄道局がまとめた93年度の鉄道利用形態調査によると、1ヵ月の出勤日数が20日の場合、定期券よりも回数券やプリペイドカードの方が割安になるケースが多い。とくにプリペイドカードの販売額は89年度に比べ、3倍以上伸びているという。
 JR西日本は自動改札機の導入が遅れており、当分の間、ストアードフェアシステムは実用化できない。それだけに阪急、阪神は共通カードに大きな期待をかけている。(朝日新聞 夕刊)
30日■窓 マナー高めて車内を快適に  山城町・前田幸枝(主婦・69)
 私は出かける時はよくJRを利用します。列車の中では、いろいろな体験をいたします。
 京都駅から帰る奈良行きの列車は満員で、私たち夫婦はつり革を持って立っていました。すぐ前に大学生くらいの女性が自分の横の座席に紙袋をおいてられました。だれか来るのかと思っていましたが、一向にその気配がありません。主人が見かねて「だれか来られるのですか」と声をかけると、ようやく紙袋は自分のひざの上へ。その方は降りられるときジュースの空き缶を置いたままでした。
 それから1ヵ月ほどして、京都からの帰り、私が乗り込むなり、高校生らしい男の子が「どうぞ」と言って立ってくださいました。
 また1週間ほど前には、外国人の男性が、しかも私よりも年上とお見受けしましたが、「どうぞ」と言って立ってくださいました。遠慮していると「すぐ降りますから」と言います。その方が降りられるときお礼を言うと、笑類で軽く会釈して降りて行かれました。
 人さまざまですが、同じ座るにしても、気分が違います。皆さんもこんな経験がおありではないでしょうか。(京都新聞)
■10日から京阪宇治交通バス運賃 均一10円アップ
 近畿運輸局は29日、京都府南部を主な営業地域とする京阪宇治交通(本社枚方市)が今年9月に申請していたバス運賃値上げを認可した。値上げ幅は平均4.8%で、来月10日から実施する。
 初乗り運賃が現行の140円から150円になるなど、いずれの区間も均一10円の値上げとなる。この結果、近鉄大久保−久御山団地が150円(現行140円)、近鉄大久保−京阪淀220円(同210円)、京阪宇治−宇治田原工業団地410円(同400円)となる。通勤・通学定期の割引率は現行通り。
 京阪宇治交通は一昨年10月に平均8%の値上げをしたが、この2年間に利用客が6.3%減少、収益悪化により値上げを申請していた。
 また、同様に値上げ申請していた京阪バス、奈良交通の競合区間(京阪淀−北川顔、新田辺−茂ケ谷など)も現行140円から150円の値上げが認可された。(京都新聞)
■京阪宇治交通など中小の値上げ認可「年内凍結」の例外 運輸省
 運輸省は29日、近距離航空の日本エアコミューター、バス12事業者、函館市電、旅客船4社、タクシー3地区から申請の出ていた運賃値上げを認可した。値上げ実施は12月6日から14日にかけて。政府は公共料金の年内値上げを凍結しているが、物価問題関係閣僚会議がこの日「いずれも中小の事業者で、収支が悪化して経営の維持が著しく困難になっており、凍結の例外に当たる」として、サービス改善や経営合理化を条件に値上げを了承した。中小事業者の例外値上げは8月のタクシーとバスに続く2回目。
 日本エアコミューターは日本エアシステムの子会社で、西日本の離島路線を中心に運航している。値上げは12月14日から15路線で実施する。平均値上げ率は29.7%で、申請の35.2%より圧縮された。大阪−隠岐が1万5370円から1万7850円になる。
 日本エアコミューターのほかに値上げする事業者、平均値上げ率、実施予定日は次のとおり。
 【旅客船】共同汽船(兵庫県)など4社(8.7−24.3%、12月6日)【タクシー】宮城県郡部、和歌山県橋本地区、和歌山県紀南・三重県紀宝地区(7.4−8.1%、12月7日)【バス】京阪宇治交通(京都府)など12事業者(4.8−22.1%、12月10日)【市電】函館市営(9.9%、12月10日)(朝日新聞)
■路面電車 米で復活 京のカメラマン報告
 アメリカで近年、自動車公害の防止などをねらいに、いろんな都市で路面電車が復活している。京都のフリーカメラマンがこのような最新の米国の路面電車事情をまとめた。
・米で路面電車復活 渋滞緩和の切り札 公害防止 80年代から見直し
 京都では1978年に京都市電が廃止になって16年たつが、自動車大国のアメリカで路面電車が見直され今、次々と新設されている。京都市左京区山端川岸町、フリーカメラマン中田安治さん(59)が、このような最新の米国路面電車事情をリポートにまとめた。ライトレールと呼ばれる米国での路面電車の復権は懐古主義のようにも思えるが、中田さんによると「自動車公害の防止とマイカー」の都心乗り入れ抑止を狙った作戦」という。米国でのこのような動向は車公害に悩む世界の関心を集めそうだ。
 中田さんは子どものころから電車に関心があり、これまでに路面電車をテーマに何度も世界各地を巡っている。「路面電車」「ヨーロッパ鉄道の旅」などの著書があり、今回は6月にサンフランシスコ、サクラメント、サンノゼの3都市を訪問した。
 自動車社会の米国では、車に押されて、次々と路面電車は消えていった。しかし、大都市では渋滞や大気汚染など自動車公害が深刻化。この対抗策として、近年、クリーンで安全度が高く、大量公共交通の役割も果たせる路面電車に再び注目が集まってきた。
 中田さんによると、1981年にサンディエゴで路面電車が復活したのを皮切りに、全米各地で路面電車が走りだした。90年に入りロサンゼルスでも30年ぶりに復活している。
 今回リポートにまとめた3都市でも、「市民の足」としての役割を確立している。サンフランシスコでは市内の交通渋滞緩和を狙い、ウォーターフロント再開発事業の動脈として新設されることになり、工事が進められている。また、既成路線ではクラシック車が走り、観光の目玉になっており、その中には神戸市電などの姿もあるという。
 また87年から路面電車が復活したサンノゼでは、ラッシュ時に10分間隔で走る。今のところ、営業距離は33`だが、今後も延長の予定。
 サクラメントでもドイツ製の高性能電車が走り出している。いずれも、最高時速は90`近くで、揺れも少なく、かつての「チンチン電車」のイメージはない。
 中田さんは「アメリカでは路面電車を道の一部としてとらえ、無料の区間もあるなど、運賃は非常に安い。日本でも用地獲得などが問題になるが、米の方針を見習う必要がある。特に、交通基盤が弱く渋滞が続く京都市内では路面電車にもっと注目してもよい」と提案している。(京都新聞 夕刊)