1994(平成6)年10月


1日■京都高速鉄道 三セクに局長級派遣 京都市交通局 地下鉄で連携強化(京都)
  ■東海道新幹線30年展 19日から(京都)
  ■東海道新幹線きょう30歳 成長にしみじみ 時速200`に興奮 試運転担当の鉄道マン感慨(京都)
  ■30歳 新たな挑戦 東海道新幹線(朝日)
  ■新幹線開業30周年 28億人運び 乗客死亡ゼロ 一番列車で記念出発式(京都)
  ■30歳祝う東海道新幹線(朝日)
2日■窓 車内空席状況放送で教えて 綾部市・中瀬正直・農業・79(京都)
  ■窓 バスの中にも英語掲示必要 左京区・木俣 肇・医師・41(京都)
  ■窓 急ぐ人たちは階段使うべき 大山崎町・大島 豪・無職・65(京都)
  ■ニュートラム暴走事故から1年 原因不明、「有人運行」続く 39人治療中、赤字も更新(朝日)
  ■時々刻々 中国へ走る「トップ3」 高速鉄道商戦で日仏独 新幹線30周年記念国際会議 しのぎ削る舞台に(朝日)
4日■ロシア人との触れ合い綴る 旧満鉄の思い出を本に 京都市内の元国鉄マン(京都)
  ■文化の風土(81) 京都はいま1986〜1994B 写真家集団KYOTO EYE(京都)
  ■声 注意もせずに怒鳴る運転手 京都市 倉田 美喜子 (無職 85歳)(朝日)
  ■九州でも救済命令 JR不採用で中労委 和解交渉進展か(京都)
  ■衝突現場など裁判官が視察 信楽事故で大津地裁(京都)
  ■「相当数」採用中労委が命令 JR「福岡事件」など(朝日)
5日■チンチン電車図柄の”絵はがき”大人気です 緑化フェア会場などで発売 郵便局長さんの写真で作製(京都)
  ■窓 京の表玄関は旅行者に冷淡 北区・浅井 清・会社役員・63(京都)
  ■北海道沖地震 JRは一時全面ストップ(京都)
  ■関空の足 南海に軍配 開港から1カ月間 「ラピート」が好調(朝日)
  ■JR一部除いて 運転を再開 ダイヤ大幅に乱れ(朝日)
6日■CD-ROMソフト TIME TRIP TRAIN 沿線の歴史や変遷を収録 ゲーム感覚で車窓の旅 阪急電鉄(京都)
  ■週末にはピストン チンチン電車 人気 緑化フェア 「懐かしい」「かっこいい」乗車の老若大喜び(京都)
  ■乗車率41%、苦戦 滋賀−関空のリムジンバス(京都)
  ■停電で新幹線停車 2000人に影響(京都)
  ■好評につき全線で 大みそか終夜運転 大阪市営地下鉄など(京都)
7日■珍しい明治の汽車時間表見つかる 左京の男性宅 京都←→東京なんと30時間余 ポスター型、商店などが作製?(京都)
  ■京都駅CATカンタス航空が参加 10日から 難波と神戸でも(京都)
  ■窓 無事故で走る新幹線が好き 向日市・岩井菊枝・無職・73(京都)
8日■東西線の建設費膨張資料公開求め声明 共産党市議団(京都)
  ■リフト付きバス 民間にも導入を 京の障害者会議 生活実態理解呼びかけ あす初の懇談会(京都)
  ■市バス・地下鉄まつり 京で30日開催(京都)
  ■窓 ああ 看板倒れの関空(京都)
  ■窓 席を占領され不愉快な旅に 向日市・長谷川洋子・主婦・27(京都)
  ■西村京太郎さんら 「鉄道の日」で表彰(京都)
  ■「はるか」など乱れる 高槻駅でポイント故障(京都)
9日■窓 席譲らぬ学生もいずれ気付く 城陽市・皿谷 牧(主婦・44)(京都)
  ■ホームに行楽客殺到、列車動けず 6 本運休し40本遅れ JR京都駅 嵯峨野駅(朝日)
10日■線路横断女性はねられ死亡 精華、JR臨時電車に(京都)
  ■リフト付きバス 民間路線にも導入を 障害者会議 6社に改善求める(朝日)
11日■カラスが架線に触れ 停電、新幹線乱れる(京都)
  ■山陽新幹線が臨時便(京都)
  ■カラス感電ダイヤ乱れる 東海道新幹線(朝日)
12日■東京−広島間にものぞみに割引回数券 導入を検討へ(京都)
  ■安全運行へ初の記念行事 鉄道の日の14日、信楽高原鉄道(京都)
  ■山陽新幹線乱れる 強風影響、15本運休(京都)
  ■連絡橋の鉄道運休 関西空港(京都)
  ■通産省は「はるか」に軍配!? 「ラピート」Gマーク落選 南海に”厳しい”審査 「理由は企表せず」/「輸送実蹟も関係なし」(朝日)
  ■大原の里にロープウェー似合うか 比叡山間に京阪電鉄計画 地元二分 観光業者・客呼び戻す 寂光院など(朝日)
13日■「未着工」含め7兆4000億円 整備新幹線の建設費試算 全線フル規格で 運輸省(京都)
  ■関空への鉄道強風で止まる(京都)
  ■高松−松山間などで 特急割引きっぷ発売(朝日)
  ■整備新幹線の総建設費 5線で7兆4000億円 運輸省が試算(朝日)
  ■JR高架駅のエレベーター 「未設置は遺憾」 大阪 車いす利用者が提訴(京都)
  ■ドア表示異常 山陽線遅れる(京都)
14日■第1回鉄道の日記念 102歳一日駅長 きんさん、ぎんさん(京都)
15日■鉄道の日 SL写生や歴史学ぶ 大阪の交通科学博物館 無料開放で大盛況(京都)
  ■トヨタ 電気バス新開発 ハイブリッド方式 2年後に実用化へ(京都)
  ■京都市 「市長室」の廃止を検討 財政難でリストラ推進(朝日)
  ■列車にはねられ死亡 JR南草津駅ホーム(京都)
16日■上海列車事故あす判決 高知地裁(朝日)
17日■列車爆発、50人以上死傷 中国で先月末 台湾紙が報道(京都)
  ■2両脱線11人けが 会津若松 トレーラーと電車衝突(京都)
  ■特急など12本遅れ 山陽線、神戸で停電(京都)
  ■電車にひかれ京の公務員即死 JR南草津駅(京都)
  ■UAE選手団 新幹線に乗り遅れ(京都)
  ■上海列車事故訴訟 「死、うやむやにさせぬ」 遺族 究明願い6年半(朝日)
18日■上海修学旅行 列車事故訴訟 学校への賠償請求棄却 予見は不可能 下見の不十分さ批判 高知地裁判決(京都)
  ■秋の京観光PRへ「現代版時代祭」 20日、阪急梅田駅前で(京都)
  ■高知学芸高・上海列車事故 学校は予見できず 地裁決定 遺族の請求棄却 「下見不十分」は認める(朝日)
19日■「初日の出関空号」も JR西日本 冬の臨時ダイヤ発表(京都)
  ■速度計など阪神電車グッズどうぞ 来月5 日に即売会(京都)
  ■窓 車内もなごむ親切な対応 伏見区・広瀬清一 (無職・76)(京都)
  ■窓 20円にこもるとっさの助力 山科区・大沢米子(主婦・71)(京都)
  ■泰緬鉄道建設の悲劇軸に 平和の意義訴えテレビ映画 BBC 倉敷で撮影開始(朝日)
20日■近鉄三山木駅の改良工事始まる(京都)
  ■JR京都駅構内 中世の仏具鋳型 完形出土 るつぼ、工房、町屋跡も(京都)
  ■年内に2便増発へ 南海「ラピート」(朝日)
  ■広島駅長恐喝未遂事件 列車転覆未遂の疑い 塾経営の男性再逮捕(朝日)
  ■満員市バス 追突され電柱に(京都)
  ■非常ドアでやっと脱出 満員車内に悲鳴(京都)
  ■市バス事故 通勤客ら18人けが 今出川大宮 440世帯、一時停電(京都)
  ■東京−京都間日帰り割引 「のぞみ」季節限定で(京都)
  ■ホーム転落 女性あわや 新幹線急停止、重傷 岡山(京都)
  ■京都市バス 事故で18人けが トラックのアームと接触(朝日)
21日■京でチンチン電車の道ウォッチング 鉄道友の会 最古の路線 面影しのぶ 伏見線と木屋町線 29日、6日に 京滋の愛好者ら(京都)
  ■阪急電車にワンマンカー 97年発車オーライ 甲陽・今津線に 合理化の一環 事故防止目指し 車両改造を検討(朝日)
22日■地下鉄烏丸線 松ヶ崎駅(97年完成)構内に 1200台規模駐輪場−京都市方針 面積1500平方b 地域環境に配慮(京都)
24日■界隈 京阪淀駅周辺 旧城下町 今や”競馬の町”(京都)
  ■手づくり「列車の旅」 個人チャーター 若狭路ゆったりと 山科の佐竹さん企画 障害者ら170人乗せ(朝日)
  ■新大阪駅 現金運ぶ行員に洋弓 強盗傷害容疑 階段で転び逮捕(朝日)
25日■東京・京浜急行駅 医師撃たれて重体 改札ラッシュ時 男は逃走(京都)
  ■ポイント故障で通勤通学に影響 地下鉄竹田駅構内(京都)
  ■阪急電車23本遅れる 西京の交通事故で(京都)
  ■チンチン電車 絵はがきで発売 郵便局長の川本さん、北野線を写真に収め 往時の姿ほうふつ 京みやげに 鉄道ファンも(朝日)
  ■JR西日本株 上場を延期も 亀井運輪相示す(朝日)
  ■短銃で撃たれ医師重体 東京品川 ラッシュの駅改札で(朝日)
  ■JRの貨物列車に男性はねられ死亡 近江八幡、後続に遅れ(朝日)
26日■品川の駅発砲事件 医師は死亡 患者を手配(京都)
  ■智頭線開業で鳥取をPR(京都)
  ■医師射殺事件 銃はトカレフか 手配の元会社員 組員に入手依頼(朝日)
27日■京阪32本が停電で遅れる(京都)
  ■列車で火災 27人が死亡 インド(朝日)
28日■京浜急行駅 医師射殺事件 手配、異例の公開に 警視庁「元会社員に責任能力」(京都)
29日■車間にスキなし 98年目標 転落防止装置を全車両に 視覚障害者らを保護 阪急(朝日)
  ■線路のボルト外れる 朝のJR奈良線混乱(京都)
  ■転落防止装置 試作品が完成 阪急電鉄が開発(京都)
  ■一刻も早く上場をして JR西日本社長(朝日)
  ■声 旅人に不親切 JR駅の設備 池田市 東中稜代 (大学教授 54歳)(朝日)
  ■レールのボルト外れ24本に遅れや運休 JR奈良線(朝日)
30日■若者集まれ! 活性化めざし屋台村 JR草津駅前 第3セクターが音頭 遊休地を活用 12月オープン(京都)
31日■上海列車事故の賠償訴訟 遺族側が控訴断念(京都)
  ■線路わきの竹林焼く 片町線4本が運休(京都)
  ■ユーロトンネル試走記 英仏間35分 快適な旅 揺れ少なく静か 開業迫る シャトル全長775b(京都)
  ■関空鉄道競争”春の陣” JR「特別快速」逆転願い導入へ 大阪駅から55分 3月改定新ダイヤ 現行より11分短縮(朝日)



1日■京都高速鉄道 三セクに局長級派遣 京都市交通局 地下鉄で連携強化
 京都市交通局は30日、浅賀博理事(局長級)ら管理職9人の退職と1日付けで小森浩高速鉄道本部副本部長を同局理事として、第三セクター「京都高速鉄道」に派遣とする人事異動を発令した。局長クラスの京都高速鉄道への派遣は初めてで、建設費が大幅膨張した地下鉄東西線の建設工事の中で、とくに増加が目立つ三セクと市交通局との緊密な連携体制を確率する。
 その他人事は次の通り。
 【部長級】経営推進室長事務取扱 理事原田輝美▽管理本部総務部長事務取扱 管理本部長江草哲史▽高速鉄道本部建設部長兼建設二課長事務取扱(高速鉄道本部建設二課長)野嶋久暉
 【課長級】自動車本部業務技術部自動車整備工場長兼整備係長事務取扱(自動車本部業務技術部自動車整備工場長補佐)物部喜弘
 【退職=30日】浅賀博(理事)、奥田博章(高速鉄道本部建設部長)、藤川優(管理本部総務部研修所担当課長)、宅間耕一郎(自動車本部業務技術部管理課担当課長)、松本利一(自動車本部業務技術部自動車整備工場長)、川崎威(高速鉄道本部管理部計画担当課長補佐)(京都新聞)
■東海道新幹線30年展 19日から
 JR東海は、東海道新幹線が10月1日に開業30周年を迎えたのを記念し、19日から大阪・梅田の大丸梅田店で「東海道新幹線30年展」を開催する。
 展示は「東海道新幹線のプロフィル」「超高速に挑む」「新幹線グラフィティ」「次世代への加速」など6ゾ−ンで構成。
 会場では0系、100系、300系の初期から現在までの車両模型、この30年の歩み、出来事をまとめた年表、記念切手、記念乗車券、次世代の車両開発状況をまとめたパネル展示のほか、大型ジオラマを作って、のぞみ、ひかり、こだまの模型電車を走らせ、「新幹線の24時間」を紹介する。
 また市川昆監督監修による30周年記念ビデオの放映、車窓から見える景色を収録したハイビジョン映像を使い、実際にのぞみの運転席に座ったときと同じ感覚が味わえる疑似体験コーナーなどもある。来場者には、新幹線30年記念トランプのプレゼントも。
 入場無料。 日まで。(京都新聞)
■東海道新幹線きょう30歳 成長にしみじみ 時速200`に興奮 試運転担当の鉄道マン感慨
 東海道新幹線が開業して1日で丸30年。この日をひときわ感慨深く迎えた人がいる。開業前の2年間、テストパイロットとして試作列車の運転に携わった福知山市かしの木台、福鉄開発専務桐村博之さん(64)。テスト走行で、時速200`を達成した当時の思い出などを聞いた。
 「よくここまで成長したと、誇りを覚えます」。桐村さんは、旧制福知山中学(現・福知山高)を卒業後、1947年、国鉄入り。福知山機関区を振り出しに、62年、新幹線総局モデル線管理区に配属された。神奈川県内の鴨宮−綾瀬間40`の新幹線先行路線で開業に向けて試運転をするためで、当時、テストパイロットとなったのは7人。
 時速70`から始めたテストは110、160と徐々にスピードを上げ、時速200`の試験走行に成功したのは、配属から半年後の62年10月31日。
 200`達成時の模様を、桐村さんは当時の国鉄機関紙に「運転台も異様な熱気で、ハンドルをもつ手に思わず力が入った。中略(達成瞬間には)だれかれなく『おめでとう』の連発」と興奮ぶりをつづっている。
 その後、開業前の最高速度記録となる時速256`も運転席で達成した。64年10月1日の開業日、東京駅を午前6時に発車した一番列車「ひかり1号」を見送った際は「無事に大阪に着いてくれ、との思いに尽きた」としみじみ。
 国鉄マンとしての38年間のうち、新幹線にかかわったのは10年。「創成期の仕事に参画できたのは幸せ。一生忘れられない宝です」と言う。「スピードも大切だけれど、成熟期に入ったこれからは安心をかっていただく乗り物に育っていってほしい」。我が子の成長を見守る親の願いだ。
・安全神話、次世代へ 高速鉄道国際会議 可能性を探る
 東海道新幹線の開業30周年を記念した「高速鉄道国際会議」が30日、京都市東山区の郡ホテルで開かれた。英国、ドイツなど世界11の国と機関から約400人が参加。21世紀の高速鉄道の可能性について話し合った。
 会議は、1964年10月1日に開業した東海道新幹線の歩みを振り返り、これから世界各国が協力し合って、鉄道技術をさらに発展させよう、というねらい。あいさつに立ったJR東海の須田寛社長は「30歳を迎えた新幹線は、乗客の死亡事故ゼロという誇るべき記録を持っている。この誇りと、30歳の活力を永遠に維持したい。会議を機会に各国で情報交換しよう」と呼びかけた。
 各国代表のプレゼンテションに先立つ基調講演では、天野光三京都大名誉教授が、高速鉄道による経済、文化への波及効果について解説。「東海道新幹線の建設事業費は当時、3700億円だったが、地域経済への効果は1年で約600億円に及び、6年で元をとった。次世代の新幹線も当時のような画期的技術の高速鉄道であるべきで、リニアモーターカーの実用化こそ、ぜひ必要だ」と強調した。
 プレゼンテーションには、フランス国鉄のジェラール・マチュー高速新線建設本部長や、ドイツ鉄道のローランド・ハイニッシ専務ら4人が立ち、各国の実情を報告。
 会議は1日も引き続き行われ、JR西日本の梅原利之常務らのプレゼンテーションのほか、「高速鉄道の過去、現在、未来」をテーマに、田中真一鉄道総研専務理事ら6人によるパネルディスカッションがある。(京都新聞)
■30歳 新たな挑戦 東海道新幹線
 開業以来、10月1日で30年。東海道新幹線は、東京−新大阪間で約28億人を運んだ。「乗客の死傷事故ゼロ」の記録を更新する一方、より速くより快適さを求め続けてきた。新たな「壁」に挑戦しながら次世代に向かって走る。
 64年10月、最高時速210`の丸顔の0系車両「ひかり」が世界の高速鉄道時代の幕間けを告げた。2階建て100系車両で220`にスピードアップしたのは86年11月。92年3月に初登場した「のぞみ」は、東京−新大阪を最高時速270`で走り2時間半で結んだ。アクセス時間を含めて航空機を初めて抜いた。「のぞみ」の車体には比重が鉄の3分の1というアルミ合金を使い、モーターなど周辺の電気機器も軽くした。1両の重さを100系車両の約60dから約45dにした。1編成(16両)の定員もほぼ同じ約1300人。天井の空調などを床下に下げて重心を低くし、カーブが多い東海道のスピードアップを実現した。
 JR東海技術本部の木俣政孝副本部長は「当時の技術の総合的集積だ」と話す。21世紀初頭にはJR東海の0系は姿を消し、「のぞみ」型が主流となる。
・騒音 静けさ なお遠く
 JR東海は、「のぞみ」の後継として「300X系」試験車両を年末に完成させる。騒音対策は大きな課題だ。
 新幹線の環境基準の達成状況調査が、環境庁によって9月から沿線220ヵ所で始まった。うち東海道区間は120ヵ所。
 環境庁が19年前に定めた70デシベルという住居地の騒音基準は達成できず、住宅密集地での暫定基準の75デシベルを新たに設定。91年3月までに達成するようにJR各社に勧告したが、東海道は22%が未達成で、暫定期間をこの3月まで再延長した。今回は、これが達成されたかどうか調べる。
 3年前の東海道区間の平均値は73.4デシベル。
 最大の難関は、車両の風切り音だ。「のぞみ」は、パンタグラフなどを減らした。開業時に比べて騒音を10−15デシベル減らしたが、それでも270`で75デシベルの騒音が出る。
 今の高速車両の開発での目安は、実は75デシベルに抑えること。5デシベルの差が「永遠の課題」になりそうだ。
・リニア 乗客数頭打ち計画足踏み
 「東京−大阪を時速500`、1時間で結ぶ」。21世紀初頭の実現を目指すJR東海の「中央リニアエクスプレス」構想。この東海道新幹線のバイパス計画がいま、実現への展望を見いだせないでいる。
 民営化直後の87年7月、JR東海はリニア開発本部を設け、リニアモーターカーによる中央新幹線の実現に向けて動き出した。超伝導磁気浮上方式のリニアという新技術開発を含め巨額の費用がかかる。
 その必要性の最大の論拠は、東海道新幹線の輸送力不足問題だった。
 バブル経済による好況で輸送人員は87年の1億200万人から91年までに31%も増え1億3400万人に。
 21世紀初頭には輸送力の限界が訪れると予想した。
 しかし、バブル崩壊で乗客の伸びは止まり、92年からは徹減傾向に転じた。さらに、東京都の都市計画決定待ちとなっている品川新駅が実現すれば、1時間に最大15本のダイヤを組むことが可能で、輸送力は3割増える。当面バブル期のように乗客の伸びる可能性は少なく、輸送力増強の緊急性が薄らいでしまった。
 JR東海は最近、@首都機能を新幹線沿いに分散させることにより東京一極集中の是正が可能A二酸化炭素排出対策上からも自動車や飛行機に比べて有利で地球環境保全に役立つ−の2点を新たに前面に出した。
 しかし、「10兆円」ともいわれる巨額の建設費を要する事業を、国家プロジェクトとして推進するための財源問題の具体的な収支見通しなどは明らかにされていない。
 並川邦陸・中央新幹線計画部長は「費用などは全国新幹線鉄道整備法に基づき運輸省の指示を受けて調査することになっている。運輸省には早く調査指示を出してもらえるよう要望しているのだが…」と話す。
 一方、リニア技術の開発で最大の問題とされた、超伝導状態が一瞬に失われて磁力を失うクエンチ現象については、原因解明が進み、対策もほぼめどがついたという。
 鉄道総合技術研究所の高木肇・浮上式鉄道開発本部計画部長は「残るのは経済性の問題だが、解決可能だと思う」と言う。
 しかし、実用化試験を行う山梨実験線の使用開始は、用地買収の遅れなどから今年8月、3たび延期された。
 JR東海はリニアの実現が難しい場合に備え、現行の新幹線方式も選択肢に加え、次世代新幹線車両「300X系」も開発している。
 JR東海は財源確保の方策として、沿線自治体が新幹線による開発利益の一部を還元する形で拠出する新しい仕組みを提唱しているが、具体的な議論までには至っていない。
 須田寛社長は「リニアでできると確信している。最大の課題はコスト問題。国家的決断が必要だ」と強調する。
・車内 快適さ求めて改良続く
 新幹線の車内設備は、この30年間で大きく変化した。中でも、乗客に最も影響したのが、普通車のいすの改良だった。
 最初に登場した0系のいすは「横型背ずり転換形式」。背もたれを前後に転換させて向きを変える。しかし、リクライニングの機能やテーブルがなく、座った時の体重がおしりと腰の一部に集中的にかかり、長時間座ると「痛くなる」との苦情もあった。
 このいすが初めて変更されたのは82年。座面と背もたれが連動して動く「ずり出し式」と呼ばれるリクライニングを採用した。いまも「こだま」の自由席では主流だ。シートの間隔は従来より4a広げて98a。人間工学を応用して疲れにくい形状と硬さを工夫した意欲作だったが、意外に評判は良くなかった。
 JR東海の伊藤順一車両課長は「テーブルを取り付けるための座席後部のカバーを必要以上に大きくしすぎたため、足元に余裕がなくなった」と残念がる。3人がけ座席の方向が固定され、半分は進行方向に背を向ける形になるのも「気分が悪くなる」と嫌われた。
 85年に登場した2階建ての100系のいすは、改良型の一つの到達点を示した。座席の間隔を1b4aに広げ、背もたれも31度まで倒れるようになった。ゆったり足を伸ばせるようになったのも長距離客から喜ばれた。半分以下に軽量化された「のぞみ」型(300系)のいすより座り心地が良いという声も多い。
 100系では、いすのほか初めて内装にインテリアデザイナーの意見を採り入れた。内装パネルを固定するねじ穴にふたをして無粋なねじが見えないよう工夫。連結器のほろ部分も0系ではむき出しだったが、内側からプラスチックのカバーで覆った。300系では茶色のシートを中心に、壁、床も含めた全体の色彩のバランスを配慮、新幹線では初めての間接照明と合わせて落ち着いた雰囲気を演出している。
 伊藤課長は「車内設備は評価、好みが分かれるケースが多く、最適の答えを見つけるのは難しい。批判や意見があれは謙虚に採り入れて、より良い設備を実現したい」と話している。
のぞみ 山陽で環境変化 故障克服へ努力
 新幹線は、走り始めてから90万`以内か、3年以内に車両を解体して調べる「全般検査」をJR東海浜松工場で行う。
 92年3月に登場した「のぞみ」は1年半後の昨年9月、約60万`で検査に入った。
 「のぞみ」は、東海道新幹線を走る仕様で設計され、まず東京−新大阪間で営業運転を始めた。
 山陽新幹線の区間(新大阪−博多)で3ヵ月半の試験走行を繰り返し、昨年3月に山陽での営業に入った。
 ボルトの脱落、床下側坂の亀裂、空調故障、窓ガラスのひび…。
 山陽区間への乗り入れ後、様々なトラブルが目立ってきた。
 安全性の面から、アルミ製車両の一部を鉄製に戻しもした。
 ボルトの締め具合のチェックを強化するなど、そのつど様々な対策をとってきた。
 トラブルの主な原因は、東海道と山陽の環境の違いとみられている。風圧はトンネルの中や、すれ違いの際に強くなる。
 東海道区間のトンネルが延べ69`に対して、山陽区間は281`もあった。
 線路も東海道は振動を吸収しやすい砂利敷きだが、山陽は半分がコンクリート敷きだ。
 当初は早朝と深夜の1日2往復でスタートした。それが、山陽区間に乗り入れると同時にほぼ1時間に1本の運行体制になり、高速の「のぞみ」型同士や、ほかの旧型車両と「のぞみ」がトンネル内ですれ違う回数が増えたのも原因とみられている。
 「設計で想定したのとは違う力がかかっているようだ」
 「のぞみ」の部品の傷みが、予想より早く出ているのを指摘する浜松工場のあるベテラン検修作業員は、まだ十分使える部品でも念のため新しいものに交換するようにしている。
 JR東海は「多くは車両が成熟するまで避けられない初期故障。遅れが出るような本来の故障は少なく、安全に問題はない」(技術本部)とみる。工場や車両所などでの検査体制も強化して、早めに傷んだり壊れたりした個所を見つけたり、ミスをなくすようにもしている。JR東海が「車両故障」とみなすのは、運行が10分間以上遅れた場合だ。
 同社の車両では92年に19件、93年に13件、今年は8月末までで5件と減ってきている。
 「のぞみ」がもたらす「未知の世界」との葛藤(かっとう)が続く。(朝日新聞)
■新幹線開業30周年 28億人運び 乗客死亡ゼロ 一番列車で記念出発式
 東京五輪開幕直前の昭和39年10月1日、「夢の超特急」として登場した東海道新幹線が1日、開業30周年を迎えた。これまでに運んだ乗客は約28億人で、運行距離は10億 443`と、地球と月の間を約1300回往復した計算になる。
 この日午前6時、JR東京、新大阪の両駅で、記念出発式がそれぞれ、一番列車で簡素に行われた。
 JR東海によると、同新幹線は現在、1日の運行本数は282本(開業時60本)で平均の利用客数は約36万人(同6万人)、年間で約1億3000万人を運ぶ。最高時速も開業当初に比べ60`アップした。列車事故による乗客死者は出ていない。(京都新聞 夕刊)
■30歳祝う東海道新幹線
 東海道新幹線が1日、満30歳を迎えた。「夢の超特急」として、東京五輪開幕直前の1964年10月1日に開業した新幹線がこれまで運んだ旅客は約28億人。死亡事故ゼロの記録も更新中だ。運常にあたるJR東海ではこの日、「初心に帰り安全、安定輸送に取り組む」と、新大阪駅と東京駅で始発電車の「出発式」を行った。
 開業当時の運転本数は、1時間に「ひかり」「こだま」が各1本。今では「のぞみ」などが1時間に最大11本走り、1日上下282本が運転される。1日約36万人の利用があり、1年間では日本の人口に匹敵する約1億3000万人を運ぶ勘定だ。
 JR東海によると、30年間の走行距離は約10億4000万`といい、地球を2万6000周したことになる。
 次世代新幹線車両としては、同社が開発を進める時時速350`の「300X」や、JR西日本が山陽新幹線からの乗り入れを待望する時速300`の「500系」があるが、安全や騒音面の課題は多い。
 混雑緩和も大きな課題だ。JR東海が昨年度発売した新幹線定期券は約8万700枚。朝夕のラッシュ時の乗車率は130%にもなるといい、運転本数の増加が期待されている。(朝日新聞 夕刊)
2日■窓 車内空席状況放送で教えて 綾部市・中瀬正直・農業・79
 先日、同窓会出席のため京都へ出かけた。帰りは二条駅18時6分発の急行丹後9号に間に合うよう、タクシーをとばし、やっと乗車することができた。綾部駅で下車するので、どの車両に乗車してもよいと思い、6号車の北近畿豊岡行きに乗車した。
 日曜日とあって、既に京都駅から満員で、十数人が立っていた。次の停車駅は亀岡で、下車する人はなく、ここで団体と思われる20人ほどが乗車した。満員のためいちと゜車内に入ったがデッキへ出ていく人も数人あった。
 亀岡を発車して間もなく車掌が検札に来たので、福知山行き車両の状況を尋ねてみると、空席があるとのこと。早速5号車(グリーン車)、4号車(指定席)を通り抜け、3号車に入って見ると、まだ空席がかなりあった。
 立ったままの多数の滋養客の中には、好んで立っている人があるかもしれないが、座席につきたいのがほとんどではないかと思われる。前3両にはまだ空席があるのならば、車内放送で誘導できないものだろうか。もっと乗客に新設なJRであってほしい。(京都新聞)
■窓 バスの中にも英語掲示必要 左京区・木俣 肇・医師・41
 先日、京都駅から市バスに乗った。祝日の夜のためか、込み合っていた。回数券を取り出して、降りる準備をしていると、外国人が運転手に支払おうと英語で尋ねているのに気がついた。
 彼は1000円札を出して2人分支払おうとしているだが、当然、先に両替しなくてはならない。しかし、掲示は日本語のみで、両替を早めにしなくてはならないということは、外国人にはわからない。バスの運転手さんは、慣れているのか、1000円札を受け取り、自分で両替をしてやった。
 その場はそれで済んだが、問題は次の停留所である。今度は外国人女性2人連れが1万円札を出して支払おうとしたのである。運転手さんは両替のお金がなかったので、われわれ乗客に尋ねたが、私を含めだれもくずせなかった。気まずい時間が過ぎていき、外国人の女性たちは困り切っていたが、その時「これをつかってください」と申し出た方がいた。その乗客の好意で無事支払えて、女性たちの目はうるんでいたようであった。善意の方の機転と勇気には関心させられたが、外国の方はさぞかしほっとしているところであろう。
 京都にこれだけ外国人が増えている近年、バスのいろいろな説明も英語の表示が必要ではないだろうか。また、お金値歌が下がっている今日、そろそろ1万円札用の両替機もひつようなのではないだろうか。(京都新聞)
■窓 急ぐ人たちは階段使うべき 大山崎町・大島 豪・無職・65
 9月29日付本紙夕刊に、駅のエスカレーターを利用するとき、急ぐ人のため左右どちら側を空けるかの表示が、京都と大阪では違っており、利用者が混乱して危険を招きかねないという問題が取り上げられていた。
 私は東京出身で、兄弟親類が東京周辺に済んでいるので、よく訪れるが、東京では駅のエスカレーターでは、ほとんどの人が静止していて、駆け上がったり、駆け降りたりする人はまったく見られなかった。もちろん急ぐ人のために片側を空けるようになどという表示はない。
 同じ日本の大都会でありながら、こんな大きな違いがあるのに驚いたが、私はこの現象は、関西人と東京人の性格の差だけでなく、交通機関の対応にも一因があるように思う。
 ときどき大阪に行くが、阪急の梅田駅のエスカレーターや動く歩道では「急ぐ人のために左側をお空け下さい」という放送や表示が絶えずあり、なんとんなくせきたてられているようで、急用もないのにつられて歩いてしまう人が多いような気がする。
 エスカレーターや動く歩道は本来、じっと止まったままで乗り降りするもので、歩いたり走ったりするのは使用目的から逸脱している。とくに体の不自由な人や高齢者が安心して利用できなければならないと思う。従って、急ぐ人のために、どちら側を空けるか統一することよりも、追い越しを禁止し、急ぐ人は階段や普通の通路を使用するようにルールを改め、利用者に呼びかけるようにすべきではないだろうか。(京都新聞)
■ニュートラム暴走事故から1年 原因不明、「有人運行」続く 39人治療中、赤字も更新
 乗客217人が重軽傷を負った大阪市営の新交通システム「ニュートラム」の暴走事故は5日、発生から1年を迎える。コンピューター制御による「無人運行」を売り物にしていたが、事故以来、添乗員を乗せた「有人運行」が続いている。専門機関による事故原因の究明作業も、結論は出ていない。いまなお、39人が治療中だ。
◇不安に配慮◇
 ニュートラムが運行を再開したのは事故の45日後。「乗客の不安を解消しきれない」と、いまも全列車の運転席に1人ずつ添乗員を乗せている。
 開業以来の累積赤字が250億円を超す「不採算路線」。開業から10年後の91年から段階的に無人化を進め、事故当時は3本に2本を無人にしていた。
 しかし、無人化による経費の節減どころか、事故後の減収分や安全対策費、負傷者への慰謝料などこれまでに市が出費したのは9億5000万円にのぼる。
◇原因究明◇
 大阪市交通局は事故原因について、コンピューターの減速指令をブレーキ装置に伝える中継継電器盤内の「リレー器」にトラブルが起きたと推定。鉄道総合技術研究所(東京)に事故調査と、車両の設計変更についての安全診断を依頼した。
 しかし、鉄道総研の実験では、交通局側が想定した「リレー器」のトラブルは再現できていないという。警察庁科学警察研究所(東京)の鑑定作業も遅れている。
◇新車両◇
 市交通局は6年度予算に2編成分(8両)の車両購入費など約11億6000万円を計上した。今春のアジア太平洋トレードセンター開業などで利用客が増加し、現行の17編成では対応できなくなるためだ。
 これと並行して市交通局は9月5日、新規に導入する車両の設計変更認可を近畿運輸局に出した。運行再開時に改善した中継継電器盤、ブレーキシステムなどに加え、「列車情報モニタ」も改良し、事故が発生した際の原因究明に役立てるという。
◇波紋◇
 ニュートラム事故は、無人運行の各地の新交通システムにも影響を及ぼした。
 関西国際空港会社は、関西空海で国際線の乗客を運ぶ「ウイングシャトル」の安全性を高めるため、約5億円かけて重要回路などの改善策を施した。
 横浜新都市交通と神戸新交通はいずれも事故後の一時期、有人運行に切り替えた。横浜新都市交通の幹部は「うちは開業5年の後発組。他都市のシステムを参考にしてきただけに、事故は他人ごとではない」と話し、事故原因の調査の行方を見守っている。(朝日新聞)
■時々刻々 中国へ走る「トップ3」 高速鉄道商戦で日仏独 新幹線30周年記念国際会議 しのぎ削る舞台に
 超高速化と路線拡大にひた走るフランス、ドイツ、輸送システムの熟成に力を入れる日本−。東海道新幹線の開業30周年を記念して1日までの2日間、京都市内で開かれた「高速鉄道国際会議」は、世界の鉄道高速化をリードする「トップ3」の違いを浮き彫りにした。11の国、地域から400人余りの鉄道関係者らが参加した会議や、その舞台裏では、焦点になっている中国への高速鉄道売り込みをめぐって、3国がしのぎをけずった。その一方、名古屋では、新幹線の「影」の部分を検証するシンポジウムも開かれた。(社全部・井手雅春、長典俊)
◇時速360`
 「営業速度で時速360`の新世代車両が研究段階にある」。白と赤のツートンカラーの車両のイラストをスクリーンに映しながら、フランス国鉄のジェラール・マチュー高速・新線建設本部長が説明した。
 フランスのTGVは現在時速300`で、世界最速を誇る。すでに「第三世代」と呼ばれる総2階建て車両を開発済みで、こちらは近く時速320`の運転を予定しているという。
 一方、ドイツ鉄道のローランド・ハイニッシュ技術開発担当専務も、2000年までに時速300`の新線を1000`建設する計画を発表。「ヨーロッパの高速鉄道網の重要部分を担う」と、フランスへの対抗意識を見せた。
 これに対し、「スピード競争」では、騒音問題もあって立ち遅れ気味の日本は、もっぱら、開業以来約28億人を運びながら一度も乗客の死亡事故を起こしていない実績を強調。将来計画については、JR西日本が1996年春から新型車両1編成を使って時速300`の営業運転を始めると紹介、JR東海が試験車両「300X」やリニアモーターカーを開発していると、触れるにとどまった。
◇竜の顔
 1日目の会議終了後、日本側は沈之介・中国鉄道部総工程師をホテル内のレストランに招いて約2時間、歓談した。社団法人海外鉄道技術協力協会幹部や運輸省の沢田諄・技術参事官らが同席。「のぞみ」の運転台試乗なども組まれ、他の海外招待客とは一線を画した扱いだった。
 中国は経済成長のネックといわれる輸送力不足解消のため、北京−上海間(約1300`)に高速鉄道建設を計画。総事業費は約80億jといわれ、「トップ3」が激しい売り込み合戦を展開している。
 早くから動いている欧州勢に比べ、日本は6月に初めて北京でセミナーを開いたばかり。昨年の韓国の高速鉄道入札ではフランスに敗れただけに、官民挙げて巻き返しに必死だ。
 「省内では、『竜の顔』をした新幹線でもよいではないか、といっている。つまり、中国の風土、国情に合わせた高速鉄道建設をお手伝いできれはいいと思っている」(沢田参事官)。
 ところが、今回の会議の演壇にJR東日本関係者の姿はなかった。会議が東海、西日本の共催となったのが理由だが、6月の北京セミナーでは、3社がそろって参加、新幹線をPRしていただけに、奇異な印象を与えた。
 JR東海の須田寛社長は「他意はない」と説明するが、関係者の間では、東海側が労務問題などで対立する東日本を入れるのを避けた、という見方もある。
 「足並みの乱れ」とも取られかねないだけに、取りまとめ役の運輸省は5日の中国側接待を東日本に依頼。寺西達弥・鉄道局国際業務企画官は「中国への売り込みは、JR3社のうちどの1社が抜けてもうまくいかない」と話す。
 当の沈氏は「我が国の高速鉄道計画が世界的な注目を集めているのはわかっている。だが、今はまだ、どこの方式がよいか検討する段階ではない」とかわす。
◇未解決
 高速鉄道国際会議が幕を閉じたころ、名古屋市内で、国鉄労働組合東海本部主催のシンポジウムが始まった。
 シンポでは、昨年3月から今年7月までに、新幹線でボルト、ナット類、カバーの紛失、損傷などの事例が27件に上った、との組合の調査結果が公表された。バネリストの京大工学部の柴田俊忍教授(機械工学)は「こうしたトラブルは30年たっても十分解決されていない」と警告した。
 また、開業以来の運転士は「車両の異状や悪天候などで減速すべきだと判断しても、高速運転を指示されることがある」と発言。安全よりも定時性が優先されるケースがあると訴えた。(朝日新聞)
4日■ロシア人との触れ合い綴る 旧満鉄の思い出を本に 京都市内の元国鉄マン
 京都市在住の元国鉄マンが戦後50年と喜寿になったのを機に、戦前に勤務した旧南満州鉄道通信員時代の思い出を1冊の本にまとめた。「満州里残照」と題され、ロシア人とのふれ合いや、仲間の生と死などを、フィクション風に綴(つづ)っている。
 京都市伏見区深草願成町、坪井憲二さん(77)。坪井さんは昭和14年に満鉄(南満州鉄道)の最果て、ソ満国境の満州里駅で電信員を。さらにチチハル鉄道局員など終戦まで7年間の勤務の後、日本へ引き揚げてからは旧国鉄に勤めた。
 これまでに、洛西風物詩「お雪」など2度、自費出版しているが、風化するばかりの戦争の足跡を自分なりに残しておきたいと、喜寿になって最後の執筆を決意した。
 内容は、自身の分身としての津村圭介を通して、電信員時代の仕事ぶりや、暗号の解読などを紹介。厳寒での生活と苦労、結核などで亡くなって行く日本人仲間の悲しい別れを細かく描写している。また、楽しい食文化、オーロラの美しさ、現地ロシアの女性との恋愛など、ほのぼのとした交際についても触れている。
 友人でコーラス仲間の渋谷混成合唱団指揮者、船越修さんも「満州時代の日本人の本当の生活がよくわかった」と絶賛。坪井さんも「単なる戦争の記録でなく、現地での実際の生活記録として残したかった」と話している。希望者は坪井さん方 075(541)4932へ。(京都新聞)
■文化の風土(81) 京都はいま1986〜1994B 写真家集団KYOTO EYE
改築工事始まった京都駅 撮影の意欲がわく存在 小林禎弘
 この写真は、1986年『KYOTO EYE』の活動が始まった年に撮影したものである。報道でも、ドキュメントのカメラマンでもない、商業写真家の私は「切りとった写真ではなく、積みあげる作品にしてゆこう」と考え、結婚する前の妻とその妹を被写体にして京都のさまざまな場所で撮影を行った。
 いまにしてみれば、日常的な場所を非日常的な空間としてつくりあげてゆこうという思いが、無意識の中にあったようだ。
 国鉄という呼称が使われた最後の年、京都駅地下改札口近くのエスカレーター。午前1時30分過ぎ、撮影していたところに、たまたま2人の国鉄磯員が通りかかって「なにやってんのやろなあ」という目でわれわれを見ておられた。
 私が「写真に入っていただけませんか?」とお願いすると「まだ勤務時間中だから…」とのこと。が、もう片方の人が「休憩時間になる2時にはまだ15分ほどあるけれど、2時に撮影したというこにしてもらえばいいじゃないか」と。「そうだなあ、それでは…」と撮影させてもらえることになった。
 私は当時の国鉄の何事にも四角四面で、お役所的な態度を快く思っていなかった一人だったが、「おっ!国鉄にも話のわかる人がいるじやないか」と少し見直したものだったた。協力してくれた職員さんのため、この写真の撮影時刻は午前2時と印刷されているが本当は午前1時45分だったことを、ここに白状しておこう。
 その京都駅も新駅舎建築の工事が始まった。新しくなされる事のすべてに反対するつもりはないが、後世の京都に残しても恥ずかしくない物を作る気概があるかどうかが大切だろう。
 江戸時代から明治にかけての京都の建造物の中には、今に言う”景観破壊”としか思えないようなものもある。二条城しかり、疏水しかり、水路閣なんぞは南禅寺のどまん中を通っている。しかし、それらがいま京の暮らしにとけこみ、顔となっている事実からして、当時の京都人たちが景観を真剣に考え誇りをもって造ったことは明らかだろう。
 京都駅も、アムステルダム駅とまではいかなくとも、せめて東京駅のように記念写真を撮って帰りたいと思わせる、存在感のある建物になってほしいと願ってやまない。新駅舎に対し、さしたる貢献もできなかった一市民のささやかな望みである。
 こばやし・さだひろさん 昭和33年京都市上京区に生まれる。同志社大学卒業後、大津市役所に勤務。写真への思いが断ち切れずに昭和59年退職と同時に山岡俊二氏に師事。翌年独立して現在に至る。コマーシャルフォト操影のほか、各種雑誌へ寄稿している。(京都新聞)
■声 注意もせずに怒鳴る運転手 京都市 倉田 美喜子 (無職 85歳)
 この二、三日、どうも心のしこりが取れない。大人げないと思うが、こんな経験の仲間もあろうかと、書く気になった。
 久しぶりに近くのスーパーで軽い買い物をして、市バスを利用、いつものように敬老乗車証を見せて降りようとしたら、大声で呼び止められ怒鳴られた。
 一瞬、何のことか分からず、「この乗車証どうかしましたか」と聞いたら、声高にますます怒られ「さっさと降りい」と二度、三度言う。二つ折りパス入れの裏側を見せたらしいことに気がついた。
 一言言いたかったが自分がうっかりしたのが悪かったのだからと、気持ちを抑えて無言で降りた。京都市交通局のバス運転手の教育はどうなっているのだろうかと思う。
 「昔は毎日が敬老の日」(佐藤愛子氏)という文章を読む。今の世に期待は無理と承知している。年を取れば、人並みに見えていても、目や耳や判断力の低下は皆ご承知の通りであるが、あの場合、特別の物を見せたわけではない。パス入れと分かっていたはず。
 「裏返っていますよ」と言ってくれたら、きっと謝り、感謝して降りたであろう。敬老乗車証の敬老は、いたわりの心の表れと解釈していた私が間違っていたらしい。(朝日新聞)
■九州でも救済命令 JR不採用で中労委 和解交渉進展か
 国鉄の分割・民営化の際のJRへの不採用問題で、中央労働委員会(荻沢清彦会長)は4日、計514人が救済を申し立てた国労の福岡、熊本両県の紛争について「採用手続きの一部に不当労働行為があった」としてJR九州、JR貨物、JR西日本の3社に対し、国鉄清算事業団を解雇された組合員に限定して、あらためて当時の基準に基づいて選考した上で、採用するよう求める救済命令を出した。
 中労委は救済対象者数を明らかにしていないが、国労の調べでは福岡が226人、熊本が24人という。
 JR不採用問題での中労委の救済命令は、昨年12月の国労の北海道の紛争、今年2月の全動労の紛争に次ぐもので、いずれも同じ内容。
 JR側は国労の北海道の紛争などと同じく、今回の中労委の救済命令を不服として取り消しを求める訴訟を起こす公算が大きい。しかし、JR九州は国労に対して柔軟な姿勢も示しており、和解に向けた交渉が進むとの見方もある。
 命令書によると、最大の争点とされた国鉄とJRの関係について中労委は、両者の事実上の一体性を認め、JRに当事者適格があると判断。「国鉄の不当労働行為の責任はJRが負う」とした。
 その上で、命令は@採用の基準となった職員管理調書の評価項目は、国労組合員に不利な内容になっていたA国労と他組合との間で、採用率に著しい格差があった−などを指摘。一部については不当労働行為があったと結論付けた。(京都新聞 夕刊)
■衝突現場など裁判官が視察 信楽事故で大津地裁
 91年5月の信楽高原鉄道列車衝突事故で、業務上過失致死傷罪などに問われた同鉄道社員社員ら3人に対する大津地裁の刑事裁判で4日、同地裁の中川隆司裁判長ら裁判官3人が滋賀県甲賀郡信楽町の事故現場などを視察した。
この日午前10時過ぎから貴生川、信楽両駅で行われ行われた視察には、弁護側や検察側も同行。両駅の制御盤やリレー室などを見て回り、事故の引き金となった信号システムの異常について運輸省の事故鑑定担当者から説明を受けた。
 同裁判は、これまで15回の公判が開かれているが、裁判官による現場視察は初めて。午後からも運輸省の事故鑑定について説明を聞くほか、信楽町黄瀬の事故現場や小野谷信号所を視察する。(京都新聞 夕刊)
■「相当数」採用中労委が命令 JR「福岡事件」など
 1987年4月の国鉄の分割・民営化に絡むJRの採用差別事件のうち、国労とJR九州などが争っている「福岡事件」と「熊本事件」について、中央労働委員会(中労委)は4日、関係労使に命令を交付した。昨年12月に出した「国労北海道事件」などの命令と同様、今回も「不採用に関して不当労働行為があった場合の責任はJRが負わなければならない」との判断を示している。その上で、不当労働行為が成立するのは「一部」だとし、90年4月に国鉄清算事業団を解雇された組合員(福岡226人、熊本24人、国労調べ)の「相当数」を87年4月にさかのぼって採用する、などの救済をJR側に命じた。不当労働行為の使用者責任がJRにあるとし、被害者の「一部を限定的に救済する」という命令の骨格は、今後も変わらないと見られ、長期紛争の焦点は行政訴訟や「政治的解決」の行方に移る。(朝日新聞 夕刊)
5日■チンチン電車図柄の”絵はがき”大人気です 緑化フェア会場などで発売 郵便局長さんの写真で作製
 下京区の全国都市緑化フェアに合わせて発売された京都の市電(チンチン電車)の絵はがきが人気を呼んでいる。市電とともに育ち、大の鉄道ファンという四条大宮郵便局の川本紘義局長(53)が、学生時代に撮影した写真をもとに作られており、京の町並みをバックにした市電の雄姿がファンらを懐かしがらせている。
 絵はがきの販売は、緑化フェアの開催に伴い、市内の特定郵便局が計画。同フェアの梅小路会場で、チンチン電車が復活することから、川本局長のモノクロ写真を題材に採用した。
 川本局長は、市電嵯峨駅近くに住んでいたこともあり、子供のころからの鉄道マニア。学生時代は各地の市電を写真に撮り、当時のネガフィルムは今でも大切に保管している。「汽車や電車の力強さ、スピード感が魅力」といい、休日には鉄道旅行を楽しんでいる。
 絵はがきの写真は昭和35−6年に撮影。北野天満宮や二条駅前、堀川沿いを走るチンチン電車がさまざまなアングルで写されている。乗客や電車近くを歩く市民の姿、背景の町並みから当時の市民生活も彷沸(ほうふつ)させる。
 絵はがきは1セット8枚組の切手入りで 600円。梅小路会場東ゲートの臨時郵便局のほか、下京、南、伏見区などの各特定郵便局でも販売している。(京都新聞)
■窓 京の表玄関は旅行者に冷淡 北区・浅井 清・会社役員・63
 先日の当欄「やさしい京都駅を望」に、私も全く同感です。JR職員の方も実際に荷物を持って体験してほしいと思います。
 海外旅行者はスーツケースなど大きな荷物を2個以上持っています。関空特急はるかのホームから他のホームへの乗り継ぎ、また京都駅八条口正面へ行くのにみんなどんなに苦労しているかを、JRの方は知っておられるのでしょうか。若い人たちでも大変です。まして女性や、年配の人たちにはとても無理を感じています。私も海外出張のたびに、京都駅構内のことを考えると、ぞっとします。
 特急「はるか」から降りても1台のカートもありません。赤帽さんもいません。関西国際空港にはカートを乗せられる安全なエスカレーターがあります。カートも多数用意されています。京都駅はどれもありません。長いホームを大きなスーツケースや荷物を持って移動するのに、みんながどんなに苦労しているか、よく知ってほしいものです。
 これでは国際観光都市京都として、京都を訪れる人々に恥ずかしいと思います。ぜひ、安全なエスカレーターとカートの設置を強く要望いたします。(京都新聞)
■北海道沖地震 JRは一時全面ストップ
 JR北海道によると、4日午後10時25分の地震発生直後、管内の全線がストップした。しかし、宗谷線が同10時40分に、学園都市線が同11時6分に運転を再開した。
 5日午前零時零時現在、他の各線は運転を中止したままで各駅のの状況は不明だという。(京都新聞)
■関空の足 南海に軍配 開港から1カ月間 「ラピート」が好調
 JR西日本と南海電鉄は4日、関西空港連絡鉄道の1ヵ月間(9月4日〜10月3日)の利用状況を発表した。JRは約95万5000人、南海は約108万8000人で、南海がJRを上回った。開港日にデビューした両社の特急は、JR「はるか」が1日平均約9000人、南海「ラピート」が同約1万1500人で、これも南海に「軍配」が上がった。
 南海は「予想以上の見学客があったほか、ラピートの奇抜なデザインが人気を呼んだ」。JRは「大阪駅からでも乗れる快速電車の宣伝不足が響いた」と分析している。(朝日新聞)
■JR一部除いて 運転を再開 ダイヤ大幅に乱れ
 地震発生直後、北海道内金線をストップしたJRは、5日朝までに、根室線「幕別−白樺」「厚岸−根室」、釧網線「釧路−斜里」間を除き、運転を再開した。しかし、突然の地震で、根室線の上下8本をはじめ、道内各線で計25本の列車が駅構内や駅と駅の間で臨時停車するなど、4日夜から5日朝までに道内全域でダイヤが大幅に乱れた。(朝日新聞 夕刊)
6日■CD-ROMソフト TIME TRIP TRAIN 沿線の歴史や変遷を収録 ゲーム感覚で車窓の旅 阪急電鉄
 阪急電鉄は、1910年(明治43年)の開業当時から現在までの阪急電車と沿線の移り変わりを、資料映像などにして編集・収録したCD-ROMソフト「TIME TRIP TRAIN」を開発、11月1日から売り出す。
 一般の人たちに、パソコンを使ったゲームの感覚で阪急電車に親しみ、鉄道への知識を深めてもらいたいという。CD-ROMソフトには明治、大正時代の古い写真(970点)や文字による記録などが収められ、好きな時代の沿線風景が見られたり、音楽に乗せて懐かしい時代の車窓風景を楽しみながら旅行する気分が味わえるよう工夫されている。
 価格は1枚8700円。今月11−16日には、阪急梅田駅1階で行う「鉄道の日」記念行事で、実際に操作することもできる。
 通信販売もあり、問い合わせや申し込みは大阪市北区芝田1ノ16ノ1、阪急電鉄イベント事業部CD-ROM係06(373)5326へ。(京都新聞)
■週末にはピストン チンチン電車 人気 緑化フェア 「懐かしい」「かっこいい」乗車の老若大喜び
 京都市下京区の梅小路公園で開催中の「全国都市緑化きょうとフェア」で復元された京都の市電(チンチン電車)が人気を呼んでいる。乗車したお年寄りは「昔の思い出がよみがってくるよう」と懐かしみ、子供たちは「どっしりした茶色の車体がかっこいい」。来場者の多い週末はピストン運行する忙しさで、関係者らはうれしい悲鳴を上げている。
 チンチン電車は緑化フェアの目玉として、1951年まで掘川線を走り、市交通局が保存していた車両を、明治時代の初期型の形式に改装した。車体は茶色とクリーム色のツートンカラーで、吹きさらしのオープンデッキなど懐かしい姿に復元した。
 会場内では、単線軌道の約250b間を往復運行し、最高スピードは時速9`。交通局OBのベテラン運転士らが、当時の黒い制服姿で運転や車掌役を担当、運行中には車掌が市電の説明もしている。乗車は1回300円。
 開幕当初から鉄道ファンをはじめ、お年寄りや家族連れが多く訪れ、週末には乗車待ちの長い列もできるほど。このため、通常は20分間隔の運行を10分に短縮したり、ピストン運行するなどして対応に追われている。
 台風一過の秋晴れとなった先週の土、日曜日にはそれぞれ1日に約1200人が乗車した。チンチン電車実行委は「電車の定員は38人。どんなにピストン運行しても、1日に37往復程度が精いっばい」と汗をかきながらも、上々の人気にうれしさを隠せない。(京都新聞)
■乗車率41%、苦戦 滋賀−関空のリムジンバス
 滋賀県内と関西空港を直結する近江鉄道の高速リムジンバス(関西空港交通と共同運行)が運行を始めてちょうど1ヵ月たったが、平均乗車率は41%とちょっぴり苦戦している。1日3往復と便数が少なく、フライト時間に合わせにくい不便さが災いしているようだ。
 近江鉄道の集計(5日現在)によると、乗車数は1便平均12人。4日の開港日から15日までは空港見学者で平均15人あったが、その後は10人に減った。土・日と祝日、連休前に限ると25人を超えている。
 3往復のうち往路の彦根発午前4時半と5時半、復路の空港発午後5時半と8時は17人前後と「ほぼ採算ライン」を達成。午後2時彦根発は2人、午前10時半の空港からは4人と”空気を運んでいる”ような状態。
 乗降車場所は草津がトップで全体の35%。次いで大津(30%)、彦根(20%)、八日市(15%)の順。
 同鉄道は利用者のマイカーを彦根・大津プリンスホテルと近江鉄道八日市営業所に無料駐車できるサービスを積極的にPR。さらに予約を取らない復路についても、グループ客に限って事前に申し込めば増便などで座席を確保するなど巻き返しを図っていく。(京都新聞)
■停電で新幹線停車 2000人に影響
 6日午前7時35分ごろ、JR山陽新幹線の岡山−新尾道間で上下線が停電、広島発新大阪行きこだま554号が福山−新倉敷間で緊急停車した。間もなく送電が再開したため、こだまは15分遅れで出発した。
 広島発東京行きひかり84号の18分を最高に上下計7本が出た。JR西日本は停電の原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■好評につき全線で 大みそか終夜運転 大阪市営地下鉄など
 大阪市交通局は5日、初もうで客のため、市営地下鉄7線全線とニュートラムを、大みそかの終夜から元日の始発まで終夜まで終夜運転をすると発表した。昨年、初めて3線で実施したところ、5万4000人の利用実績があるなど好評だったのと関西国際空港開港を考慮した。(京都新聞 夕刊)
7日■珍しい明治の汽車時間表見つかる 左京の男性宅 京都←→東京なんと30時間余 ポスター型、商店などが作製?
 左京区の男性がこのほど、先代がこん包したままの紙箱を開けてみると、明治45年(1912)の京都駅の時間表がきれいな状態で出てきた。新橋−横浜間の鉄道開通を祝う14日の鉄道記念日を前に「亡き父からの思わぬ贈り物」と男性は約80年前に思いをはせている。
 同区吉田近衛町、会社役員中村昭三郎さん(67)。以前住んでいた下京区の家の蔵から持ってきた荷物を整理していたところ、妻の泰子さん(67)が1枚のザラ半紙を発見。中村さんが見ると「明治45年詳細改正 京都発着汽車時間表」と書かれていた。
 この時間表は、縦約40a、横約55aで、現在の東海道線と山陰線、奈良線の京都駅の発車時刻と最終駅の到着時刻、主要駅までの運賃が赤と黒の二色刷りで掲載されている。
 それによると、京都午前5時発の列車は、東京の新橋に翌日の午前11時40分到着とあり、30時間余りもかかる長旅だったことが分かる。また、運賃は新橋までが3円52銭、山科まで9銭、宮津までは1円34銭などとなっていた。たばこが20本で10銭程度の当時、庶民にはかなりの高額だ。
 見つかった時間表について、大阪市港区の交通科学博物館は「商店や食堂が粗品などに作ったり、ポスターのようにして張っていたらしい。それにしても、よく残してましたね」と感心している。
 中村さんは「年号からすると、父が30歳ごろのもの。わが家の宝物として大切にしたい」としている。(京都新聞)
■京都駅CATカンタス航空が参加 10日から 難波と神戸でも
 関西国際空港と結ぶJR京都駅の空港特急「はるか」のエアー・シティー・ターミナル(CAT)で、10日からカンタス航空(オーストラリア)が外国航空会社として初めて業務を始めることが、このほど決まった。
 CATは、航空会社の搭乗続きを空港外で行える施設で、手荷物も預けられる。同空港では京都駅と南海・難波駅、高速艇艇が発着する神戸港の3ヵ所に設置されているが、京都駅では日本航空と系列の日本アジア航空しか業務を行わないなど、いずれも外国航空会社は窓口を置いていなかった。
 カンタス航空は日本航空に業務委託し、京都駅など3ヵ所すべてでCATサービスを開始する。同航空は「開港の時から開始する予定だったが、日本航空とコンピューターを接続するなどの準備作業のために開始が遅れた」と話している。
 このほかスイス航空も、近く同じように日本航空に委託し窓口を開く予定で、準備を進めている。(京都新聞)
■窓 無事故で走る新幹線が好き 向日市・岩井菊枝・無職・73
 私の住んでいる向日市のすぐ近くに、昔、新幹線の工事にたずさわる人たちがたくさん一町内できるほど家族で住んでおられた。夢の超特急を作る人たちだと聞いていた。
 やっと新幹線が東海道をはしるようになり、初めて走った日、一番列車のもようがテレビで紹介されたのを見て、「何と速いなぁ、東京−京都間3時間とは。でもそんなに速く走ったら外の景色なんてとても見られないだろうなぁ」と思っていた。
 珍しい物見たさにできて間もなく主人と2人で乗って東京旅行をした。そのころまだ乗る者は住所、氏名を書いて出した。飛行機にでも乗るようだった。国鉄も自信がなかったのだろう。乗ってみて、とても中は美しく乗務員さんのサービスもよく、気持ち良く、外の景色もちゃんとよく見えた。食堂も美しく皆さん感じのよい人たちで楽しく昼食ができた。
 新幹線は30年走り続けて無事故だそうだ、これからもず−っと無事故で走り続けてほしい。私は飛行機より新幹線がやはり好きだ。(京都新聞)
8日■東西線の建設費膨張資料公開求め声明 共産党市議団
 共産党京都市議団は7日、閉会した9月定例市会について、入院給食費の有料化に反対し無料化実現に全力を挙げるほか、地下鉄東西線建設費膨張について第三セクター部分の資料公開を求める声明を発表した。
 声明では東西線の建設費膨張を市民生活と市財政に重大な被害を与えたとし、「三セク部分の資料が公開されなかったため、全体の真相解明もないまま」とし地下鉄事業決算を「認定せず」とした、としている。(京都新聞)
■リフト付きバス 民間にも導入を 京の障害者会議 生活実態理解呼びかけ あす初の懇談会
 だれもが自由に乗り降りできるリフト付きバスの導入を求めて、車いす生活者らでつくる京都障害者会議(9団体)は9日、京都市山科身体障害者福祉会舘で府内の民間バス会社と初の懇談会を開く。昨年7月に山梨交通(本社・甲府市)が初めてリフト付きバスを導入しており、同会議は「京都での実現を目指し、まずはお互いの実情を理解し合いたい」としている。
 同会議の中心になっているのは、約80人の車いす生活者らで組織する「パーフェクトバスを走らせる会」(長橋栄一代表)。同会のメンバーらは、これまで交通先進地のアメリカの実情を視察するなどして、京都市交通局に対し、リフト付きバスの運行を強く要望してきた。
 これを受け、市交通局は1991年に3台のリフト付きバスを初めて導入。現在は6台に増え、洛西方面などで運行され、電動車いすの障害者らに広く利用されている。
 しかし、市バス路線のない郊外では民間バスに頼らざるを得なく、リフト付きでないためにタクシー乗車などを余儀なくされているのが現状。市バスのリフト付きバスの普及とともに、民間バスにも導入を要望する声が高まっていた。
 車いす生活者からは「重度障害者で運賃が無料になっているが、リフトが付くなら有料でかまわない」との声もあり、「走らす会」では、4年前から市内各地で街頭募金を展開中。同会は、「寄せられたお金でリフト装置を購入し、バス会社に設置をお願いしたい」という。
 懇談会には、府内11社の民間バス会社のうち、5社が出席の予定。身体障害者の生活実態を知ってもらい、理解を呼び掛けるとともに、車いす生活者もバス会社の現状を把握する。
 同会議は「これを機に、話し合いの窓口を設けて今後も交渉を続け、リフト付きバスの早期導入を実現したい」としている。(京都新聞)
■市バス・地下鉄まつり 京で30日開催
 市バス、地下鉄への市民理解の促進を狙いに京都市交通局は30日、全国都市緑化きょうとフェアを開催中の下京区の梅小路公園で「市バス・地下鉄まつり」を開催、市バス部品の販売などをする。
 会場では忘れ物のカメラやラジオなどのオークションが行われるほか、メーンステージで人気アニメ「クレヨンしんちゃん」のキャラクターショーをはじめ、タレントの杉本彩さんのミニコンサート、漫才師の横山たかし・ひろしのお笑いオンステージが、午前、午後の2回上演される。
 みどりの芝生では、光華高校マーチングバンドの演奏や、忘れ物のかさのセールも行う。また、車内放送テープやエンブレムなど市バスの部品も販売、収集家らの人気を集めそうだ。
 午前10時−午後3時半(雨天決行)。参加は無料だが、緑化フェアは入場料が必要となる。(京都新聞)
■窓 ああ 看板倒れの関空
・前評判とはえらい違い 伏見区・新ケ江英子・会社員・41
 9月30日付当欄「関空と京都駅あまりに不便」を読ませていただき、全く共鳴する限りです。
 実は私は1年半ぶりにオーストラリアより里帰りし、最新テクノロジー24時間オープンの関空を楽しみにしていたのですが、結果は悲惨。伊丹ではすぐ家族が迎えに来てくれたのに、こんなに遠く、高速道路の通行料も高ければ来てくれません。
 要所要所のサインも不明確で、JRの切符売場を探すのに一苦労。窓口は混雑と満席のため一人ひとりの予約に手間どり、2時間後のグリーン席がやっととれ、京都に着くと、狭いプラットホームを延々と歩かされます。
 烏丸よりタクシーをひろうと、大きなスーツケースは後ろのトランクには入らないとか。お客は汗だくで荷物をのせていても手助け一切なし。これが建都1200年を祝う京都の姿かと思うと恥ずかしくもなりました。
 さらに次の日、京都駅のCATで“手ぶらで空港へ”のキャッチフレーズを信用して、JR「はるか」に乗る前に荷物が預けられるかという問いに、今のところJALとアジアアジア航空だけですと冷たい返事。15年もオーストラリアに住んでいるとオーストラリアの航空会社にと思い、アンセットにしたのに、結局、荷物は日通航空から有料で送らなければならないという始末。また台風26号の接近の時は、24時間オープンどころか、真っ先に閉鎖されるし、前評判とはえらい違い。次回の里帰りのときは今よりよくなっていることを期待しています。
・モスクワ空港しのぐ不便さ 左京区・長谷川 晃・大学教授・60
 9月の終わりから10月の始めにかけて海外旅行をしたとき、往復、関西空港を利用して、その不便さたるや旧ソ連のモスクワ空港で経験した不便さをしのぐものがあった。
 まず「はるか」からターミナルまでの距離が大変長い。空港で施設利用料金2600円を支払った直後窓口が1つしかない、セキュリティーチェックの長い列の最後尾に並び長時間待たされた。
 世界のどの空港でもセキュリティーチェックは少なくとも6ヵ所ほど空いているのに、この空港では1ヵ所しか空いておらず、担当者に抗議しても人出が足りないという答えが返ってくるだけ。しかし、この1ヵ所の窓口に係員が8人もたむろしている非能率さは旧ソ連の非効率より上回るものがある。
 帰国した折り、通関手続きを通って空港内に出、再び「はるか」に乗ろうと周りを見渡しても何のサインもなく、多くの荷物を抱えてうろうろした結果、やっと偶然、鉄道と小さく書いた表示を見つけ、JRの駅にたどり着いた。ところが、無人の切符売場にもまた長蛇の列で、切符の購入に30分以上もかかることになった。それもそのはずで非常に複雑な指示をしないと切符の購入ができない非能率な自動出札機がわずか2ヵ所置いてあるだけである。「はるか」に乗れたのがなんと2時間後だった。
 このような不便な空港は旧東欧諸国はもちろん世界のどの空港でもお目にかかったことはない。特に日本人でも迷うような表示は外国人旅行者にとっては極めて不便だと思われる。(京都新聞)
■窓 席を占領され不愉快な旅に 向日市・長谷川洋子・主婦・27
 9月29日付当欄「座席占領した荷物遠慮して」を読ませていただいて、少し状況は違いますが、思い出したことがあります。
 お盆に主人より一足先に実家に里帰りさせてもらおうと、指定席の切符をとりました。やはり込む時期で、最後の1枚、と言われました。
 当日、1歳7ヵ月の息子と、大きなおなかをかかえ(2人目妊娠中)、列車に乗り込み、座席をさがすと、私の席のとなりには、1人の老婦人が、そして私の席にその方の荷物が老いてありました。そこで「すいません、ここなんですけど」と言うと。その方は「どこかあいているとこ見つけて座んなさいよ」と言ったのです。
 でもお盆前、あいている席なんてありません。あっても指定席です。あとでだれかが乗って来られるに決まっています。しばらくして、しょうがないな、という感じでやっと荷物を網棚に上げてくれました。そして私の切符を見て「峰山まで行くの」と迷惑そうに言いました。
 私もすいている時、自分のとなりの席に荷物を置くことはあります。けれど、その席の人が来られたらよけますし、自由席でも込んでいればよけます。その方は西舞鶴で降りましたが、その間、とても不愉快な旅となりました。人のふり見てわがふり直せ、本当ですね。気を付けたいものです。(京都新聞)
■西村京太郎さんら 「鉄道の日」で表彰
 運輸省は7日、第1回「鉄道の日」を記念して、鉄道の発展に貢献した個人121人と5団体、1作品を運輸大臣表彰することを決めた。
 表彰の内訳は「第1回鉄道の日特別功労」が14人、1団体、1作品。個人では東海道新幹線の“生みの親”といわれる元日本国有鉄道技師長の島秀雄さん(93)、作家の西村京太郎さん(64)と宮脇俊三さん(67)ら。作品では山口百恵さんが歌った「いい日旅立ち」が選ばれた。(京都新聞)
■「はるか」など乱れる 高槻駅でポイント故障
 8日午前10時ごろ、JR東海道線高槻駅で、場内信号機が赤のまま変わらず長浜発姫路行きの新快速電車が10分間停車した。
 同駅下り線路のポイントに小石が挟まっていたためで、特急はるかなど17本が最高11分遅れ、6200人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
9日■窓 席譲らぬ学生もいずれ気付く 城陽市・皿谷 牧(主婦・44)
 5日付当欄「学生に望む思いやる心」を読んで、私もひと言言わせていただきたくなりました。この人のおっしゃる通りです。私の学生時代はどうだったかしらと振り返ったりしました。クラブ活動で疲れて1時間のJRはぐっすり眠り込んでいたかもしれませんし、足腰の痛さで、お年寄りに気づかず座っていたかもしれません。
 でもひと言。私は最近、腰椎の手術を受け、体内にセラミックの人口骨やチタンの止め金具を使って固定されています。術後4ヵ月。その間、定期的に50分近い電車で通院しています。が、外見はごくごく健康なピチピチおばさんにしか見えません。
 幸い座れても途中からどんどん込んで来ると、お年寄りが突然、席をゆずってもらえるものとばかりに前に建って立って、チラッと顔を見ます。私はおしりが浮くような思いですが、やっと慣れてきました。お年寄りに席を代わってと言われたら、事情をはっきり説明するつもりです。
 いっそのこと車の初心者マークのように「危険カード」とか「障害カード」なるものを背中に張って歩こうかしらと、入院仲間と笑っていましたが、本当にそうしたい気持ちです。
 つえや包帯が見えなくても、病んでいる人はたくさんいます。いずれだれもが老いていくのですから、自分のしてきたことに必ず気づくと思います。(京都新聞)
■ホームに行楽客殺到、列車動けず 6 本運休し40本遅れ JR京都駅 嵯峨野駅
 土曜休校などで連休開幕となった8日午前十時ごろ、京都市下京区のJR京都駅構内にある嵯峨野線(山陰線)ホームは、大勢の行楽客らであふれ、身動きできない状態になった。同駅はホームの要員を増員してラッシュに対応したが、午後2時ごろまで列車の発着が玉突き式に遅れた。この影響で、京都駅−亀岡駅間で普通列車計6本が運休したほか、特急、急行、普通列車計40本が15−3分遅れ、約1万5000人に影響が出た。
 JR西日本の話ではこの日、同ホーム発着の列車は夕方まで満員だったという。ところが、京都駅は建て替え改装中でホームは手狭。そこへ隣の「梅小路」駅前で開催中の「第11回全国都市緑化きょうとフェア」や嵯峨野・嵐山の観光をめざす家族連れやグループ客らが殺到。乗降に時間がかかり、列車の発着を遅らせる一方、乗降口に客が殺到すると危険なため駅員約20人を出し、客を少しずつ列車に乗り降りさせた。
 緑化フェア会場には京都駅からシャトルバスがピストン運転、延べ約1万9000人でごった返した。
 京都駅は「イベントと行楽シーズン、学校の休日と三要素が重なり、さばき切れない状態になった。盆や正月にこんなことはたまにあるが、このシーズンでは珍しいこと」と話している。(朝日新聞)
10日■線路横断女性はねられ死亡 精華、JR臨時電車に
 9日午後1時55分ごろ、京都府相楽郡精華町下狛浄楽のJR片町線で、線路を横断していた近くの無職安宅愛子さん(76)が木津発北町行き普通電車にはねられ、間もなく死亡した。
 木津署の調べによると、安宅さんの自宅は線路わきにあり、線路を渡ろうとしている安宅さんに、現場近くで農作業していた人が手で合図したが、気づかなかった、という。
 この電車は、関西文化学術研究都市の街開きイベント「けいはんな学研都市フェスティバル'94」と「全国都市緑化きょうとフェア」の開催に合わせ、期間中の土・日・祝日だけ運転する臨時電車「けいはんな号」だった。この影響で、同電車は52分遅れ、後続の上下計8本が運休した。(京都新聞)
■リフト付きバス 民間路線にも導入を 障害者会議 6社に改善求める
 「民間バスにもリフト付きバスの導入を」−。障害者に利用しやすい交通の実現を目指している「京都障害者会議」(9団体で構成)は9日、山科区竹鼻4丁野町、市山科身体障害者福祉会館で、民間バス運行会社との懇談会を持ち、路線バスの改善について話し合った。「最も身近な移動手段」とあって、障害者らから様々な要望が出た。
 懇談会は京都障害者会議のメンバーら約50人と、京都、近鉄、西日本JR、阪急、京阪、京都交通6社の担当者らが参加した。
 同会議によると、リフト付き路線バスは京都市営バスの6台しかなく、走っているのも市身体障害者リハビリテーションセンターなどの施設近くを通る5路線だという。体の不自由な人から、「障害者が自由に町を移動するため、民間もリフト付きバスを増やしてほしい」と訴えた。
 バス会社側は「実現しなければという認識はある」としたものの、「企業の経営状況が悪い」という意見が多く、「助成金なしでは経費がかかり、運賃が高くなってしまう」、「低額で購入できるよう車両メーカーにも努力してほしい」という声があった。
 一方、聴覚障害者から「バス停の停留所名が小さくて見えにくい。料金をわかりやすく車内に張り出してほしい」、視覚障害者からは「バス停の位置がわかるよう点字ブロックをつけてほしい。車内アナウンスの音量が小さく、実際の停留所と違うことがある」といった声も出た。バス会社からは「乗務員教育で改善できる部分もあり、努力したい」と答えた。
 9月末から10月下旬までの間、障害者団体「障害者インターナショナル(DPI)日本会議」(本部・東京)の呼びかけで、全国26ヵ所で、障害者団体が電車やバスへの申し入れなどを行う一斉行動をしており、京都障害者会議の懇談会もその一つ。(朝日新聞)
11日■カラスが架線に触れ 停電、新幹線乱れる
 11日午前5時半ごろ、東京都品川区八潮の東海道新幹線第一、第二車両基地内で停電があり、引き込み線のポイントへの送電が止まり東京駅までの車両の移動ができなくなった。
 うち第一車両基地の停電は午前7時ごろまでに復旧。第二車両基地についても信号を手動に切り替え、運転を再開した。カラスが架線に触れ感電、ケーブルがショートしたのが原因とみられる。
 停電の影響で上下各5本、計10本が運休した。(京都新聞 夕刊)
■山陽新幹線が臨時便
 JR西日本は11日午前、東海道新幹線のダイヤが大きく乱れ、山陽新幹線でも列車に遅れが出たため、臨時に9時28分新大阪発博多行きのぞみ503号(16両)を運転した。(京都新聞 夕刊)
■カラス感電ダイヤ乱れる 東海道新幹線
 11日午前5時33分ごろ、東京都品川区八潮、東海道新幹線東京第一、第二車両所構内でカラスが架線に接触して感電、停電した。送電は約10分後に再開されたが、ポイントを制御する自動列車制御装置(ATC)の信号が故障し、一時列車の出入りができなくなった。
 この事故で東海道新幹線は上下10本が運休、下り列車に1時間前後の遅れが出ている。JR東海によると、カラスが感電して2万5000ボルトの電流が支柱を伝って地面に流れ、構内にある信号ケーブルを焼き切ったらしい。
 東海道新幹線は今年6月にも、静岡県内でカラスの感電により、不通になった。(朝日新聞 夕刊)
12日■東京−広島間にものぞみに割引回数券 導入を検討へ
 JR西日本の井手正敬社長は11日、東海道・山陽両新幹線にまたがって運転するのぞみで、これまでなかった東京−広島間などの割引回数券の導入をJR東海と検討していることを明らかにした。
 同区間は航空会社が割引運賃を設定するなど新幹線と競合するための措置で、近く導入したいとしている。
 のぞみ割引回数券は現在、JR東海が東京−名古屋、京都、新大阪の3種類、JR西日本は新大阪−小倉、博多の2種類で、両社間にまたがる区間の回数券は発行されていない。
 全日空などが新規に発売を始めた東京−広島間の「音速きっぷ」は同一人物が5週間以内に4回搭乗すれば片道で1万6000円と、のぞみの片道普通科金より3300円安くなる。
 井手社長は東京−広島のほか東京−岡山などの割引回数券も新設し、乗客ののぞみ離れを防ぎたいとの意向を示した。(京都新聞)
■安全運行へ初の記念行事 鉄道の日の14日、信楽高原鉄道
 14日の鉄道記念日に、信楽高原鉄道(北川啓一社長)は今年から「鉄道の日」記念行事を催す。当日には「月命日のお参り」として、列車衝突事故の犠牲者の霊を弔うほか、地元園児らの招待乗車や信楽駅構内での鉄道絵画展示などが行われる。
 1872年(明治5年)、新橋−横浜間に日本初の鉄道が開通して今年で満122年。今年、運輸省は10月14日を「鉄道の日」に制定。高原鉄道でも、安全運行や鉄道のあり方を考えようと、全国のJRや民鉄、公営第三セクターなどと連動し初めて行事に取り組む。
 14日当日は高原鉄道の北川社長、杉森一夫・信楽町長ら関係者が出席、午前10時半から「月命日のお参り」を実施する。(京都新聞)
■山陽新幹線乱れる 強風影響、15本運休
 12日午前5時半ごろ、福岡県粕屋郡粕屋町、JR山陽新幹線博多−小倉間の多々良川で台風29号の接近のため風速31bを記録、JR西日本は同6時博多発東京行きひかり30号から時速70`の徐行運転した。
 同8時ごろには北九州市小倉北区の紫川で34bを記録。また同区間2ヵ所で強風で飛ばされたビニールが架線に巻き付いているのが見つかったため、同8時すぎから約45分間、同区間の運転が止まるなど、運転の見合せと再開を繰り返した。
 この影響で上下15本が運休した。(京都新聞 夕刊)
■連絡橋の鉄道運休 関西空港
 関西国際空港とつなぐ連絡橋の鉄道が12日午前11時31分から14分間、台風29号による強風の影響で運休した。南海電車の急行滋養下各1本がりんくうタウン駅で折り返し運転し、約320人の乗客に影響が出た。鉄道の運休は台風26号が通過した先月29日以来で、開港後2度目。道路も午前11時55分から時速40`に速度規制を実施した。
 航空会社によると航空機の発着に影響はなかった。(京都新聞 夕刊)
■通産省は「はるか」に軍配!? 「ラピート」Gマーク落選 南海に”厳しい”審査 「理由は企表せず」/「輸送実蹟も関係なし」
 通産省のお見立てでは、南海の特急「ラピート」は、JR快速よりも車体のデザイン性が劣るということらしい。通産相が選定する今年度のグッド・デザイン商品(Gマーク)に、関西空海へと走るJR西日本の快速電車や特急「はるか」が選ばれ、ライバルの「ラピート」は漏れた。結果にケチをつける気はないけれど、開港後の人気や実績は断然ラピートが上。おまけに、審査員の中には「ラピート」の設計者もいたという。なのに、何で?
 Gマークは、優れたデザインの商品を選定、商品水準の向上を図るのが狙い。今年度、電車ではJR西日本の2車両のほか、JR東日本の総2階建て新幹線など計6車種が受賞した。
 「ラピート」は鼻節がすっと伸びた先頭形状で、「はるか」は対照的に平坦(へいたん)。鉄道ファンや評論家の間では、関西空港への輸送競争ばかりでなく、デザイン比べも話題となり、両社ともGマーク受賞を狙って申請した。開海後1ヵ月間のデータでは、「ラピート」の奇抜さが受けたようで、1日当たりの平均乗車人数は約1万1500人と、「はるか」の約9200人を上回っている。
 審査には同省が選んだ建築家やデザイナー、大学教授らがあたり、14ある部門ごとに5人の審査員が担当するのが原則。ところが、今年は電車を担当する5人の中になぜか、「ラピート」の設計者がいた。このため「落選ではなく、南海が辞退した」の風評まで流れた。
 Gマークを担当する通産省検査デザイン行政室は「辞退ではないが、選定しなかった理由は公表しない」の一点張り。ただ、設計者自らが審査員になったケースは「極めてまれ」で、「審査員の割り振りが申請前の決定だから仕方がない」。他部門の審査員との「交換」も困難だったと説明する。
 それでも本来なら5人で行う審査から設計者をはずすなどして「厳正に選んだ」と強調する。で、結論としては「開港後の輸送実績は関係ない。あの奇抜さは必ずしも作品性や機能性に優れているとは言えないのでは…」。
 これにはJR西日本の幹部も「なんか不明朗」と同情するほどだが、南海はめげない。「まあ、この世界は実績がすべてですから」(朝日新聞 夕刊)
■大原の里にロープウェー似合うか 比叡山間に京阪電鉄計画 地元二分 観光業者・客呼び戻す 寂光院など
・景観破壊だ 京都市は「待った」
 平家物語などで知られる京都・大原の里と比叡山を結ぶ京阪電気鉄道(本社・大阪市)のロープウエー建設計画をめぐり、地元が揺れている。「不況で減った観光客を呼び戻す起爆剤に」と賛成する観光業者もあるが、建礼門院ゆかりの寂光院などは「1000年以上守られてきた景観が台無しになる」と反発。歴史的景観の保存を巡る論争が起きている。京都市は「ゴンドラが大きすぎ、景観上問題がある」として”待った”をかけ、計画は軌道修正を余儀なくされそうだ。
 計画が最初に出たのは1991年3月。天台宗の門跡寺院・三千院付近と奥比叡ドライブウェイの横川駐車場間約2.8`を約7分、165人乗りの大型ゴンドラ2基で結ぶ。年間124万5000人の利用を見込んでいる。
 予定地は京都市条例で規制の最も厳しい第一種風致地区に指定されている。
 地元の大原観光保勝会が、当初反対を決めたため、いったん計画は立ち消えになった。昨年2月、見返りの多目的ホール建設などを条件に、京阪が地元に再打診した。
 大原への観光客数はこの2、3年、年間80万人を切り、最盛期の70年ごろの3分の2の水準という。全世帯(約700戸)の3分の1は観光関連とされる。「このままではじり貧になる」と心配する住民の中には、ロープウエーがつけは観光客が増える、と期待する向きも出てきた。
 大原自治会が昨年11月に全住民を対象に実施したアンケートでも、回収率35%ながら賛成は64%で反対の28%を上回った。とはいえ、久保達彦会長は「今は地域の事情をいろいろ考慮しながら、検討しているとしか言えない」と慎重だ。
 予定地の比叡山系を借景としている寂光院の小松智光住職(85)は「観光客が増えても一時的。1000年の間守られてきた文化の破壊につながる」と猛反対。ロープウエーの駅ができる三千院側に客を奪われると心配する寂光院例の業者も協力して、今春から反対の署名運動を始めた。
 9月、数学者の広中平祐さんや作家の桐島洋子さんらを含む5万860人分の計画反対の署名を京都市長に提出した。
 三千院側は「比叡山の延暦寺とも相談しているが、地元を二分するのは好ましくないので、建設は合意してからお願いしたい」と含みを持たせた言い方だ。
 京阪電鉄は今年2月、京都市に計画を事前協議。市は「ゴンドラはバス1台分もある大きな規模で、全体にロープウエー施設が目立ち過ぎる」(風致保全課)と判断。6月に再検討を指導した。
 京阪電鉄は「指導を受けて検討し直しているが、いずれにしろ地元自治会の同意を待って推し進めたい」と話している。
・歴史的風光失われる
 京都の歴史的景観に詳しい山崎正史・立命館大助教授の話 大原へ行くのとデイズニーランドヘ行くのとでは話が違うと思う。静かな歴史をたたえた文学的イメージの大原に、ロープウエー目当てで来る人はいない。一時的に客が増えても歴史的な風光は魅力を失うのではないか。(朝日新聞 夕刊)
13日■「未着工」含め7兆4000億円 整備新幹線の建設費試算 全線フル規格で 運輸省
 連立与党の整備新幹線検討委員会が12日開かれ、建設費の財源確保策に関連し運輸省は現在着工中の北陸新幹線高崎−長野間など3線5区間の建設費を2兆2000億円、末着工区間を含め整備新幹線全線をフル規格で完成するのに必要な建設費を7兆4000億円(いずれも1993年4月現在価格)と試算していることを明らかにした。路線別建設費が明らかになったのは初めて。
 出席した委員によると、数字はいずれも確定的なものではないとされるが、検討委員会では次回以降、運輸省の試算を基に新たな財源確保策などを検討することになる。
 路線別の建設費の内訳は着工区間の高崎−長野間8000億円、同じ北陸新幹線の石動−金沢間と糸魚川−魚津間がそれぞれ2000億円、東北新幹線盛岡−青森間5000億円、九州新幹線八代−西鹿児島間5000億円。
 一方、整備新幹線全線の建設費については、スーパー特急やミニ新幹線を組み合わせた方式を一切排除した全面フル規格で試算している。
 それによると、一部区間にミニ方式を導入して着工中の盛岡−青森間をフル規格で建設した場合、9000億円の建設費が必要。
 さらに、北海道新幹線(札幌−青森)は1兆3000億円、北陸新幹線(高崎−大阪)が3兆4000億円、九州新幹線鹿児烏ルート(博多−西鹿児島)1兆2000億円、同長崎ルート(博多−長崎)6000億円の計7兆4000億円としている。(京都新聞)
■関空への鉄道強風で止まる
 台風29号の強風で関西国際空港連結橋の風速計が23bを記録したため、空港へ乗り入れているJRと南海電鉄が12日午後2時3分から約15分間運転を見合わせた。午前に続き2度目。
 JRは快速上下各1本が日根野−空港間運休。特急「はるか」など9本が15−3分遅れた。南海でも急行上下各1本が空港−泉佐野駅間運休し、特急「ラピート」など3本が20−15分遅れた。
 連絡橋の道路部分は午前11時55分から40`に速度規制された。(京都新聞)
■高松−松山間などで 特急割引きっぷ発売
 松山自動車道いよ西条−川内問が11月16日に開通するのに伴い、JR四国は12日、高速バスと競合する3区間で11月17日から「特急割引きっぷ」を発売する、と発表した。
 高松−松山、高松−伊予北条間がともに往復7200円、4枚つづりの回数券が1万4400円。松山−岡山間は往復7800円。いずれも割引率は約30%という。
 JR四国は、同自動車道の開通で1力月に約2億円の減収になるとみており、高速バスと同一料金にすることで、利用客の減少を食い止めるのが狙い。昨年4月から、高松−高知間など土讃線3区間で同様の「讃岐&土佐きっぷ」を発売しており、26%ほど収入が増えている。(朝日新聞)
■整備新幹線の総建設費 5線で7兆4000億円 運輸省が試算
 運輸省は12日、連立与党の整備新幹線検討委員会に、整備新幹線の建設費の試算結果を報告した。1993年4月現在の価格で全国5線(計1500`)は7兆4000億円、うち着工済みの北陸新幹線など3線5区間(計500`)だけなら2兆2000億円になる、としている。これまでは5線約7兆円、3線5区間で約2兆円としていたが、人件費や環境対策費の増加や、これまで盛り込んでいなかった消費税分を加えた結果、1000億円単位で膨張した。
 亀井静香運輸相は「全線著工」の意向を示しているが、未着工区間の建設費だけで5兆2000億円にもなる。財源をどうするかが最大の課題で、年末までの1995年度予算案の編成作業を通じて、与党3党、大蔵省、運輸省の間で白熱した議論が戦わされそうだ。(朝日新聞)
■JR高架駅のエレベーター 「未設置は遺憾」 大阪 車いす利用者が提訴
 脳性小児まひで電動車いすを使っている東大阪市の無職宮崎茂さん(29)が「JRの最寄り駅にエレベーターが設置されていないのは移動の自由を奪うもので憲法に反する」などとして、JR西日本を相手に未設置が違法であることの確認と慰謝料など100万円を求める訴えを13日、大阪地裁に起こした。
 対象となっているのはJR片町線の鴻池新田駅(同市)。
 訴状によると、宮崎さんは1人で移動できる電動車いすを使用。同駅は高架駅なのにエレベーターがなく、階段の昇降には駅員や周囲の乗客の介助が必要で時間もかかると指摘。憲法の保障する自由に含まれる移動の自由がこうした条件で制約されるのは法の下の平等に反して不当だ、などと主張している。
 宮崎さんはさらに、同駅や他の駅のJR職員から「駅員の少ない駅には来ないでくれ」「邪魔な車いすは他のお客の迷惑」などと言われて肩身の狭い思いをするなど、精神的損害を被った、と指摘。
 また平成4年10月に公布の大阪府福祉のまちづくり条例では、駅にはエレベーターを設置するように鉄道事業者に求めており、未設置は同条例にも違反しているとしている。
・人間として生活を 原告の宮崎茂さんの話
 車いすに乗っているだけで障害者というレッテルを張られ(差別されて)しまう。体に障害があろうとなかろうと人間として生活していきたいだけだ。
・設置は構造上困難 JR西日本大阪支社の話
 鴻池新田駅は構造上、駅の大幅な変更がなければエレベーターの設置は困難。今のところ設置の予定はないが今後引き続き検討する。(京都新聞 夕刊)
■ドア表示異常 山陽線遅れる
 13日午前7時15分ごろ、明石市のJR山陽線明石駅を出発しようとした網干発大阪行き快速電車の、ドアが閉まったことを示す運転席の表示灯が点灯しなくなった。運転士らが直接確認したところ、開いたままのドアはなかった。同電車は8分遅れで発車した。(京都新聞 夕刊)
14日■第1回鉄道の日記念 102歳一日駅長 きんさん、ぎんさん
 第1回鉄道の日の14日午前、JR東京駅で記念イベントとして、102歳になる愛知県出身の双子の姉妹、きんさん、ぎんさんが一日駅長を務めた。
 午前9時すぎ、JR東日本の小崎征三東京駅長からきんさん、ぎんさんに一日駅長の辞令が渡され、東北、上越新幹線の出発を見送った。
 東京駅の待ち合わせ場所として有名な「銀の鈴」に、きんさん、ぎんさんにちなんだ「金の鈴」コーナーも設けられた。鉄道の日は明治5年の10月14日に新橋−横浜間に日本初の鉄道が開通したことを記念して今年制定された。(京都新聞 夕刊)
15日■鉄道の日 SL写生や歴史学ぶ 大阪の交通科学博物館 無料開放で大盛況
 「鉄道の日」の14日、大阪市内では、交通科学博物館をはじめ、JRや私鉄の各駅で、さまざまの記念行事が繰り広げられた。
 「鉄道の日」は、新橋−横浜間に初めて鉄道が開通(明治5年)したのを記念する日。昨年までは「鉄道記念日」と呼ばれたが、運輸省などの主唱で今年から「鉄道の日」に改められた。
 港区の交通科学博物館では、14日から16日まで館内を小中学生へ無料開放した。ふだんは扉を閉じている初期型新幹線車両(ビュッフェ車)や、80系湘南電車の内部を公開。明治時代の駅長さんの制服を着た係員も配置して、入場者に日本の鉄道122年の歴史を分かりやすく説明した。
 ちょうど遠足シーズンとあって、館内には朝から小学生や幼稚園生のグループが繰り出し、展示のSLを写生したり、お弁当を広げたり大にぎわい。夕方までに小学生だけで約1000人が訪れた。
 このほか、JR西日本は大阪駅の中央コンコースに「鉄道今昔物語」と題するコーナーを設け、パネル展示や年表で鉄道の歩みを紹介。南海電鉄などの私鉄でも駅構内の写真展や、クイズ大会で記念日を盛り上げた。
・鉄道功労者運輸大臣表彰(京滋関係分、敬称略)
 中沢博巳=亀岡市、JR貨物梅田保全区長▽前川成義=八幡市、京阪電鉄三条管区駅長▽三久保忠司=野洲町、JR西日本向日町運転所長▽松居信夫=近汀町、JR東海名古屋保線区長(京都新聞)
■トヨタ 電気バス新開発 ハイブリッド方式 2年後に実用化へ
 トヨタ自動車は14日、ガソリンエンジンで発電し、電動モーターだけで駆動するハイブリッド方式の電気バス「コースターハイブリッドEV」を開発したと発表した。
 窒素酸化物(Nox)の排出を抑制、低騒音、低燃費を実現した環境に優しいバスだという。工場内などで1年程度走行実験をした後、早ければ2年後をめどに実用化を目指す考えだ。
 新開発の電気バスはガソリンエンジンを常に毎分1000−3000回転で運転して発電し、電動モーターがこの電力で車両を動かす仕組み。1.3リットルの小型ガソリンエンジンを一定回転で運転し、三元触媒を使うため同出力のディーゼルエンジンに比べるとNoxの排出量を10分の1以下に抑えられるという。
 実用化された場合、価格は今のところディーゼルエンジンのベース車約300万円に比べ5倍以上になる見通し。また、短距離向けに作られたため、高速での長距離走行は難しいという。
 トヨタは都市内の短距離交通、自然公園内の巡回バスなどとして、国や地方自治体からの需要を期待している。(京都新聞)
■京都市 「市長室」の廃止を検討 財政難でリストラ推進
 地下鉄東西線の建設費膨張などで探刻な財政難に陥っている京都市は、1992年4月に設けたばかりの「市長室」を95年3月末で廃止する検討を始めた。政令指定市では、市長の政策スタッフとして「市長室」を他部局から独立、強化する傾向にあるが、京都市は市長直属の組織のスリム化を率先して行うことで、組織全体の再構築(リストラ)推進に弾みをつけたい意向だ。
 京都市の「市長室」は秘書課と広報課がある。両課は92年3月まで「企画調整局」内にあった。しかし同局で地下鉄東西線建設のほか、21世紀の町づくりをにらむ新基本計画策定、「平安建都1200年記念事業」といった重要な事業が山積していたため、両課を独立させ、「局」と同じクラスの「市長室」にまとめて、局長級の室長を配置した。
 しかし、1200年記念事業も12月で終わり、地下鉄問題など他の懸案も一定のメドが立ったと判断。財政再建団体への転落の可能性もあるほか、94年度予算の執行も5%抑制せざるをえない市財政に対処するため、組織のスリム化や人員削減に取り組むことにした。
 市良室のほか、今後、複数の局の統廃合も検討しているという。廃止後、秘書、広報両課はどこかの局に組み入れられる見込みだ。(朝日新聞)
■列車にはねられ死亡 JR南草津駅ホーム
 14日午後11時50分ごろ、草津市野路町のJR琵琶湖線南草津駅上り線ホーム上で、滋賀県栗太郡栗東町手原、県庁臨時職員宮城長徳さん(21)が福岡発東京行きの貨物列車にはねられ、頭の骨を折って5時間後に死亡した。
 草津署の調べでは、宮城さんは酒に酔ってホーム線路側にしゃがみこんでいたらしく、列車が急ブレーキをかけたが間に合わなかった。列車は同駅で約20分間停止したが、他の列車に影響はなかった。(京都新聞 夕刊)
16日■上海列車事故あす判決 高知地裁
 修学旅行先の中国・上海郊外で1988年3月、列車事故で高知市の私立高知学芸高校の生徒27人、引率教員1人が死亡した事故で、3生徒の遺族が学校法人高知学芸高校と校長を相手取って総額約1億3700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、高知地裁(溝渕勝裁判長)で言い渡される。急増する海外への修学旅行のあり方を問う司法判断として注目される。
 遺族側は、初めての海外修学旅行にあたって、学校は引率教員による行程の下見などの安全確認調査や生徒の安全確保などをはかる義務があったが、これを怠ったと主張している。
 これに対し、学校側は「旅行業者から中国鉄道の安全性に問題ないと報告を受けていた。学校に、利用交通機関の安全性について知識はなく、調査や判断は不可能」と反論している。
 事故は88年3月24日午後、上海郊外の単線で起きた。修学旅行生らが乗った急行列車が対向列車と衝突、中国人1人を含む29人が死亡、98人が重軽傷を負った。中国側は「急行列車の運転士が赤信号を無視したのが原因」として、死亡した生徒1人につき450万円の賠償金を支払った。6遺族11人が89年2月に提訴、これまでに1遺族が訴訟を取り下げ、昨年末に2遣族が和解した。(朝日新聞)
17日■列車爆発、50人以上死傷 中国で先月末 台湾紙が報道
 【香港16日時事】台湾紙・中国時報が16日、北京発で報じたところによると中国黒龍江省のハルビン市の駅で9月25日夜、100トン以上の原油を満載した貨物列車(30両編成)が住宅地に突っ込み爆発、50人以上の死傷者が出た。(京都新聞)
■2両脱線11人けが 会津若松 トレーラーと電車衝突
 17日午前9時47分ごろ、福島県会津若松市町北町、JR磐越西線会津若松−堂島間の六丁道踏切で、郡山発喜多方行き下り快速ばんだい1号(3両編成が同市柳原町、運転手居在家正弘さん(38)の大型トレ−ラーと衝突し、1、2両目が脱線。電車の運転士と乗客の計11人が打撲など軽いけがをした。
 居在家さんは車外に出ており、けがはなかった。
 会津若松署などの調べによると、現場は警報器、遮断機がある踏切。踏切に設置された高さ制限(約4b)の衝突防止用ゲートにトレーラーの積み荷の土木工事用重機が引っ掛かり、立ち往生していたところに、電車が突っ込んだという。当時、電車には乗客約60人が乗っていた。
 周辺は田んぼの中に民家が点在する田園地帯。線路は見通しの良い直線で、電車の1両目が進行方向左側、約1b下の線路わきの田んぼに突っ込み、2両目も脱線した。トレーラーも反対側の田んぼに転落、運転席が大破した。電車内では、座席のシートが散乱していた。
 復旧の見通しは立っていない。(京都新聞 夕刊)
■特急など12本遅れ 山陽線、神戸で停電
 17日午前1時40分ごろ、神戸市須磨区のJR山陽線上りの垂水−須磨駅間が停電、10分後に回復したが、復旧作業に手間取り同区間を運転していた博多発東京行き寝台特急あさかぜ4号が約2時間20分遅れた。このほか後続の寝台特急など12本が遅れた。(京都新聞 夕刊)
■電車にひかれ京の公務員即死 JR南草津駅
 16日午後11時45分ごろ、草津市野路町のJR南草津駅上り線3番ホーム側の線路で、京都市伏見区西柳町、公務員江崎剛士さん(20)が、同駅に入ってきた姫路発野洲行きの新快速電車(8両編成)にひかれて即死した。この事故で、電車は約10分間、現場付近で停車したが、後続への影響はなかった。
 草津署の調べでは、江崎さんは、下りホームから上りホームヘ移ろうとし、線路を横断し事故にあったらしい。(京都新聞 夕刊)
■UAE選手団 新幹線に乗り遅れ
 広島アジア大会に参加、帰国のため福岡空港に向かっていたアラブ首長国連邦(UAE)の選手団計49人が17日午前、JR広島駅で新幹線に乗り遅れるハプニングがあった。
 同駅によると、一行は選手31人と役員18人。広島駅午前8時29分発ののぞみ501号に乗るはずだったが、選手の1人がホームに現れなかったため、全員で待った。
 1人が到着した後、一行は後続のひかりで博多へ向かった。(京都新聞 夕刊)
■上海列車事故訴訟 「死、うやむやにさせぬ」 遺族 究明願い6年半
 中国・上海市で1988年3月に起きた列車事故で死亡した高知市の私立高知学芸高校生の遺族6人が起こしていた「上海列車事故訴訟」の判決が17日午後、高知地裁で言い渡される。増える一方の海外修学旅行。「あんなことを二度と起こさせないためにも、予想外の事故という一言で片付けるわけにはいかんのです」と、親たちは学校の安全管理責任を問い続けてきた。事故から6年半。いやされることのない悲しみを胸に開廷の時を待った。
 高知市栄田町、建設会社役員、中田広海さん(52)、喜美子さん(47)夫妻は次女の恵子さん(当時16)を亡くした。軽音楽部に所属する明るい娘だった。修学旅行に旅立つ日、マイカーで高知港へ送っていった喜美子さんに、恵子さんは浮き立つような表情で言った。「いって来るきね」
 その3日後、喜美子さんは、知人からの電話で事故を知った。旅行会社が用意した飛行機で上海へ。案内された火葬場に、恵子さんの遺体は寝かされていた。「列車事故死」としか死らされなかった。
 事故の現場にも行った。ソラ豆畑が広がり、地平線が見渡せた。「こんなところでなぜ、正面衝突するのか」「いつ、どこで死んだのか」。尋ぬても、何も分からなかった。
 学校側と遺族との話し合いは、何度も開かれた。学校側はいつも「十分に配慮したつもりだった」と繰り返した。疑問は何ひとつ解決しなかった。喜美子さんは髪が真っ白になり、10`以上もやせた。「このままでは、あの子の死がうやむやになってしまう」。そんな思いが喜美子さんらを裁判に踏み切らせた。
 毎週、勉強会を開いて事故や裁判の疑問点を話し合った。JR高知駅を訪ね、機関士に列車のブレーキの仕組みを聞いたりした。喜美子さんのメモは、大学ノートで7冊になった。陳述書を書くためにワープロを始め、約4万4000字の陳述書も出した。
 中田さんら3遺族の母親は92年3月、再び上海の現場を訪ねた。居合わせた鉄路局員に質問を浴びせたが、納得のいく答えは返ってこなかった。収容先の病院へ何かう道は、でこぼこ道。「大けがをしたまま、この道を運ばれたのだろうか」。胸が締めつけられた。(朝日新聞 夕刊)
18日■上海修学旅行 列車事故訴訟 学校への賠償請求棄却 予見は不可能 下見の不十分さ批判 高知地裁判決
 昭和63年3月、中国・上海で修学旅行中の私立高知学芸高校(高知市)の生徒ら28人が死亡した列車事故は、事前調査を怠るなど同校にも法的責任があるとして、3人の生徒の遺族6人が同校と佐野正太郎校長に約1億3700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、高地地裁であった。
 溝渕勝裁判長は「信号見落としが原因の事故を事前に予見できた可能性はない」などとして請求を棄却したが「学絞として必要とされる事前調査を尽くしたとは到底言えない」と厳しく指摘。海外修学旅行事故での学校責任をめぐる初の司法判断。海外修学旅行が増加する中で、教育界に大きな影響を与えそうだ。
 原告遺族側は控訴するかどうかについて「これから検討したい」としている。
 判決はまず「学校は旅行業者の一般的な安全性判断よりも多様な観点から主体的に安全性を判断する義務がある」と判示。
 校長の”下見”は実際のコースとは無関係で、教員との事前の打ち合わせもなく、宿泊施設や見学先などを具体的に調査していなかった点を挙げ「修学旅行の下見としては極めて不十分」と厳しく指摘した。
 また同裁判長は「生徒、遺族に誠意を持って対応すべきであったのに、問題点を取り繕うことに意を注ぐあまり、遺族の心情を十分顧みなかった」と学校側の対応を強く批判。
 しかし学校側の法的責任については「原告らの期待する教育者としての責任よりも限定した範囲でしか認められない」と判断、賠償請求を退けた。
 原告遺族側は訴訟の中で、学校側の事前調査、家族への説明や引率教諭の事故後の対応が不十分だったなどと主張していた。(京都新聞)
■秋の京観光PRへ「現代版時代祭」 20日、阪急梅田駅前で
 建都1200年の秋の京都観光を宣伝しようと、平安建都1200年記念協会と阪急電鉄は20日午後2時から、明治−昭和初期の風俗を再現した「現代版時代祭」などを紹介する観光キャンペーンを大阪市の阪急梅田駅前で行う。
 当日は、11月6日の「京都まつり」の一つ「現代版時代祭」から明治時代半ばの鹿嶋館スタイルの男女や海軍将校、昭和初期の女流飛行家などの服装をした6人が参加する。手ぬぐい7000本や記念行事を紹介するチラシなどを配り、魅力を訴える。(京都新聞)
■高知学芸高・上海列車事故 学校は予見できず 地裁決定 遺族の請求棄却 「下見不十分」は認める
 中国・上海市郊外で1988年3月、列車同士が正面衝突し、修学旅行中の私立高知学芸高校(高知市槇山町)の生徒27人、引率教員1人が死亡した事故で、生徒の両親ら3遣族6人が「事前の安全調査を学校が怠っていた」などとして、学校法人高知学芸高校と佐野正太郎校長を相手取って総額約1億3700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日午後、高知地裁であった。溝淵勝裁判長は、修学旅行の際、学校側に安全性を調査・確認する義務があるとし、高知学芸高校側の対応に不十分な点があったことを認めたが、「事故原因は列車の運転士の信号見落としで予見できなかった」などとして、原告らの請求を棄却した。
 裁判では、海外への修学旅行の際に、学校として事前にどの程度まで安全性を調査、検討する義務があるのか▽事故は予見可能だったか▽事故を想定した対策は十分だったか−などが主な争点となった。
 判決はまず、修学旅行での事前調査について、「学校には、旅行業者の一般的な安全性判断よりも多様な観点から、主体的に安全性を判断する義務がある」とした。そのうえで、佐野校長による夫婦での視察旅行について、「日程の大半は修学旅行コースとは無関係。教員らとの事前の打ち合わせもなく、具体的調査もしていない」とし、「下見としては極めて不十分」とした。
 さらに、学校は中国で当時多発していた列車事故の原因を旅行業者に照会もしていなかったとし、「学校の事前調査は、初めての海外修学旅行にあたって必要な緊張感を欠いたものと非難されてもやむを得ない」と断じた。
 しかし、事故当時の中国の列車事情に、修学旅行で利用を差し控えるべき程度の危険性があったとは認められず、事故の原因も列車の運転士の信号見落としで事故の予見は不可能だったと述べた。
 緊急時の対策をめぐっても「このような事故を想定した事前準備は困難で、引率教諭らが積極的な救出活動をしたとしても、死亡した生徒らの早期救出ができたとは思われない」と指摘。「(学校が)道義的義務の範囲を超えて、法的義務に違反しているとまではいえない」と結論づけた。
 判決は最後に、事故後の学校側の対応について、「真撃(しんし)に問題点を検討、改善するとともに、生徒、遣旗に対して十分な誠意を持って対応すべきだったのに、事前調査などの問題点を取りつくろうことに意を注ぐあまり、遺族の心情を十分に顧みることがなかったことがうかがわれる」と批判した。
・司法の限界を感じる  西村真情・原告側弁護団長の話
 学校側に道義的責任を認めたことは評価できるが、法的責任は認めていない。この訴訟は教育裁判。一般の不法行為論ではなく、教育の本質に踏み込んだ判断をしてほしかった。司法の限界を感じる。(朝日新聞)
19日■「初日の出関空号」も JR西日本 冬の臨時ダイヤ発表
 JR西日本は18日、12月3日から2月末まで約3力月間の冬の臨時列車運転計画を発表した。
 「初日の出関空号」として1月1日午前4時44分京都発関西空港行き臨時快速を運転するほか、山陽新幹線で昨年に続き臨時の「のぞみ」を運転するなど、88日間に計2241本の列車を増発。予想利用者数は前年を30万人上回る約1790万人で、このうち年末年始(12月28日−1月8日)の帰省・Uターン期間は309万人を見込んでいる。
 計画によると、臨時列車は新幹線368本、在来線1873本。山陽新幹線では12月28日から元旦まで、新大阪発博多行きのぞみを毎日1本臨時運行する。
 在来線では京都−関西空港間を走る特急はるか1往復を引き続き臨時運転。第三セクターの智頭線開業に合わせ新大阪−倉吉間に臨時特急はくとを1往復設定した。(京都新聞)
■速度計など阪神電車グッズどうぞ 来月5 日に即売会
 阪神電鉄は11月5日、解体した車両の一部など阪神電車ゆかりの部品やグッズを展示販売する「車両部品即売会」を西宮市の甲子園阪神パーク・園内催物館で開く。
 即売会の開催は3年ぶり2回目。即売品は、運転士が使用した懐中式の電車時計や、車両の先頭を飾った特急標識板、ボディー横の行先き表示板など千数百点。運転台の速度計や冷房化以前の車内扇風機などマニア向けの品もある。
 募集定員は300人で、参加券を23日午前10時から、主要駅で販売する。参加費用は片道乗車券と阪神パークの入園料込みで1000円。開催時間は午前10時半からで、入場順番は抽選で決める。(京都新聞)
■窓 車内もなごむ親切な対応 伏見区・広瀬清一 (無職・76)
 何かと交通関係従事者への批判が出ていますが、私は市バスとJRでいい体験をさせてもらいました。
 去る5日午後、竹田駅発の市バスに乗車した際、急に運転手さんが席を立ち、乗車口の方に向かわれたので、発券機の修理でもされるのかと思っておりましたら、目と足に障害のある乗客の介添えのためでした。乗車と座席まで、親切に誘導され、車中の乗客に温かくてさわやかな雰囲気が流れた感じがしました。
 また、8日午前、JR京都駅発の「雷鳥」に乗ったときのことです。急用で乗ったため指定席はなく、最後尾の自由席を待つことにしました。到着時すでに満席で積み残しが出そうな状態でしたが、駅員の適切な指示で、座席指定車の通路で立つことができました。また、その後、空席があることが分かり、車掌さんの指示で、座席券を追加購入して座ることができました。
 近ごろややもすると、何事も自己中心的な視野からの意見が多くなりがちですが、お互いの立場を考え、思いやりをもって物事を見たり考えたりしてみてはいかがなものでしょうか。(京都新聞)
■窓 20円にこもるとっさの助力 山科区・大沢米子(主婦・71)
 先日、久しぶりに外出して、バスで目的地で降りる時のことです。私はバス代が上がっていることに気づかず、しっかり手に持っていたお金を入れました。すると運転手さんが「お客さん、180円ですよ」と言われるので「そうです、180円入れましたよ」と言うと「200円ですよ」と言われました。
 さぁ、それからが大変です。カバンの中を探しても財布が見つかりません。カバンの中身をほうり出すくらいガチャガチャしてもだめです。バスは私一人で止まったまま。満員の乗客の方たちは早くしてよと思っておられるだろうと、あせればあせるほど財布は見つかりません。どうしよう?
 すると、どなたか女の方が「お客さんの20円入れてあげますよ」とチャリン。「どうも助かりました」。急いで降りてバスが発車したとき、頭を下げました。窓から2、3人の女の人がニコニコして手を振ってくださいました。(京都新聞)
■泰緬鉄道建設の悲劇軸に 平和の意義訴えテレビ映画 BBC 倉敷で撮影開始
 旧日本軍による泰緬(たいめん)鉄道建設の際、旧日本軍に拷問されたという英軍捕虜エリック・ロマックスさん(76)と、その際に通訳をした永瀬隆さん(76)=岡山県倉敷市大島=のその後の友情を軸にしたドキュメンタリー調のテレビ映画『PASSAGE IN TIME』(時の経過=仮題)の撮影が倉敷市で始まった。戦後50年を機に英国放送協会(BBC)が政策を企画、75−90分にまとめ、来年8月15日ごろ、放映される予定だ。
 BBCの撮影スタッフ3人と来日中のディレクター、スチーブン・ウォーカー氏(33)によると、日米両国でも放映の話が進んでいるという。
 18日から撮影が始まり、この日は日本庭園がある永瀬さんの妻の実家で収録。永瀬さんが、人間を狂気に陥れる戦争の本質を切々と英語で語った。
 ロマックスさんは元通信隊少尉。無電と泰緬鉄道の地図を隠し持っていたため旧日本軍から水責めなどの拷問を受け、軍法会議で懲役7年に処された。
 永瀬さんの消息を知ったのは、同氏の本が日本の英字新聞に紹介された3年前。昨春、泰緬鉄道のクワイ川鉄橋近く(タイ)で再会、そのまま来日するなど、かつての憎しみを超えて交流を続けている。
 シナリオは、米国の劇作家アリエル・ドーフマン氏が、両氏から話を聞いて執撃。来年4月から本格的な撮影に入る。
 主演俳優には英国人と日本人を起用。両氏の友情物語を通じて、平和の意義をテーマにする。同ディレクターは「泰緬鉄道事件のダメージは、人類が忘れてはならないものだ」と話している。
 永瀬さんは「私は悪役だが、BBCに戦争の悪そのものを裁いてはしい。過去をすぐ忘れたがる日本では、とても作れない映画だから」と話している。
・泰緬鉄道 旧日本軍がインド進攻を主目的に建設した軍用鉄道。タイ−ミャンマー(旧ビルマ)間の415`で、1942年7月着工、突貫工事で翌年10月完成させた。連合国捕虜6万8000人を使い、うち2万人弱が死亡、東南アジア一帯の人たちも多数使った。(朝日新聞 夕刊)
20日■近鉄三山木駅の改良工事始まる
 同志社大工学部の田辺キャンパスヘの移転に伴い、利用者が増加している田辺町三山木の近鉄三山木駅のホーム延長と駅舎新築などの改良工事がこのほどから始まった。
 同駅の工事は、新田辺以南各駅の6両編成の電車停車に備え、近鉄が第8次輸送力増強計画の一環として単独で計画。特に今春の工学部移転、また同キャンパスを走る路線バスの発着地の一つとなり乗降客が増加したため、その混雑の緩和をはかるのが目的。
 計画では、長さ95bの上下ホームを上り120b、下り129.5bにそれぞれ延長。両ホームを拡幅して、構内踏切と下り臨時改札口を撤去し、駅舎とトイレを新築する。
 来年5月末に完成の予定。事業費は約4億円。同駅を含め、田辺町が区画整理事業で近鉄、JRの高架化を打ち出していることから、暫定の改良となりそう。(京都新聞)
■JR京都駅構内 中世の仏具鋳型 完形出土 るつぼ、工房、町屋跡も
 JR京都駅構内(京都市下京区)を発掘調査している京都市埋蔵文化財研究所は19日、鎌倉時代から室町時代にかけての銅製の仏具や鏡などを作った各種の鋳型やふいご、るつぼ片などが大量に出土した、と発表した。仏具の鋳型は、勤行の合図に使う「鋼磐(どうけい)」。ほぼ完形品で、鋼磐鋳型の出土は全国でも珍しい。同時にこれらを作った建物跡(町屋)などが道路に面して見つかっており、同研究所は「中世の町屋の構造や手工業集団の生活を解明する貴重な遺構」と話している。
 調査地は、平安京の左京八条三坊六町などにあたるところ。平安時代末期に鳥羽法皇の寵(ちょう)愛を受けた八条女院の八条御所があり、中世には八条院町と呼ばれた。JR京都駅舎の改築工事に伴い、昨年6月から約4000平方bを発掘した。
 この結果、調査地東側から鋼磐が出土したほか、遺跡のほぼ中央から南北に走る室町小路(長さ約24b、幅約12b)の路面が見つかった。小路に面して鋳物工房の建物跡と見られる大量の柱穴のほか、炉跡と見られる鋳造遺構、鏡の鋳型(直径約10a)や各種仏具の鋳型片、るつぼやふいご片、さらに約20の井戸跡などが出土した。
 鋼磐は、長さ26a、幅18a、厚さ3a。中央に唐草文様、両横に鳳凰(ほうおう)の模様がある。土製で、模様の部分には「真土(まね)」と呼ばれるきめの細かい土を薄く張ってあった。錆型は製品の完成時に壊されることが多く、完全な形での出土は少ない。
 23日午前10時から現地説明会を開くが、調査した網伸也同研究所員は「鋳造に関する遺構や遺物などから、当時の手工業集団の作業空間が浮かび上がってくる」と話している。(京都新聞)
■年内に2便増発へ 南海「ラピート」
 南海電鉄の川勝泰司社長は19日記者会見し、年内をめどに、関西空港−難波間を結ぶ特急「ラピート」の難波始発と空港終発をそれぞれ30分繰り上げ、繰り下げし、2便増発する計画だと話した。
 現在、難波発の始発は午前7時だが、これを午前6時半に、空港発の最終午後10時35分を午後11時5分にする計画。難波始発がほぼ満席状懸なのと、空港には午後10時45分に東京から到着する便があり、これらの乗客の利便を図るためという。(朝日新聞)
■広島駅長恐喝未遂事件 列車転覆未遂の疑い 塾経営の男性再逮捕
 「広島アジア大会中に大惨事を起こす」とJR広島駅長を脅して1億5000万円を要求し、恐喝未遂の罪で起訴された広島市佐伯区皆賀一丁目、学習塾経営柳井忠被告(53)が、JR山陽線で実際に列車を脱線させようとしたとして、広島、山口両県警は19日、柳井被告を列車転覆未遂容疑で再逮捕した。
 調べでは、柳井被告は9月25日午前2時すぎ、山口県岩国市のJR山陽線藤生−南岩国駅間の線路に、長さ1b前後の鉄板十数枚を針金でくくりつけ、寝台特急「あかつき」を脱線、転覆させようとした疑い。同特急は実際に鉄板をはねて急停車した。乗客257人にけがはなかった。(朝日新聞)
■満員市バス 追突され電柱に
 20日午前7時50分、京都市上京区で通勤、通学などでほぼ満員の京都市バスに、トラックの一部が追突。市バス、は電柱に衝突し、乗客や運転手ら18人が軽傷を負った。(京都新聞 夕刊)
■非常ドアでやっと脱出 満員車内に悲鳴
 「助けて」「痛い」の悲鳴が聞こえ、立っていた乗客は折り重なるように倒れた。朝のラッシュ時で通勤、通学の乗客でほぼ満員の市バスの事故。バスは電柱に激突して大破、前後の乗降口のドアは開かず、乗客は非常口を開いて次々と脱出した。
 前から2番目の座席にいた右京区、同志社中2年田切寛之君(13)は、衝突の衝撃で乗降口のステップまで落ち、救急車で北区の病院に運ばれた。「一瞬のことで、何が起きたか分からなかった。急いで非常口から車外に出たが、割れたフロントガラスで手をけがした」と驚いた様子で話していた。
 通学途中だった右京区、京教大付属高2年樋口明子さん(17)は「車内が2回揺れた。2回目の衝撃の方が強く、たくさん人が倒れた」といい、市バスが電柱に衝突した激しさを話した。
 つり革につかまっていた北区の会社員川端正信さん(56)は「衝撃で肩が抜けそうだった。バスの外にいた人が車体をドンドンとたたいてくれたので、そこが非常口だと分かり、もう一人の男性と協力して非常口を開けた」と興奮ぎみに話していた。(京都新聞 夕刊)
■市バス事故 通勤客ら18人けが 今出川大宮 440世帯、一時停電
 20日朝、京都市上京区で通勤、通学ラッシュでほぼ満員の京都市バスに、後ろを走っていたトラックのクレーンが衝突。市バスははずみで前に押し出されて歩道の電柱に激突し、乗客と運転手の18人が軽傷を負った。電柱の破損で付近の440世帯が最長2時間余り停電した。
 午前7時50分ごろ、上京区今出川通大宮東入ルで、乗客約70人が乗った山越発三条京阪行き市バス=松田和己運転手(27)=に、後方から来た西京区樫原鴨谷、ワールド工業のトラック=森川竜二郎運転手(55)=のクレーン(アーム)が当たった。市バスは左前方に押し出されて歩道に乗り上げたうえ、電柱などを破損して止まった。乗客や松田運転手ら18人が転倒するなどし、打撲やすり傷を負った。
 西陣署の調べでは、トラック上部の資材つり上げ用クレーンが、今出川大宮停留所に停車しようとし減速した市バスの右後部に当たったという。市バスは電柱に衝突して前部を大破した。
 同署は、森川運転手が、クレーンが車体の左側にはみ出して収納が十分でないのに気づかず、走行したのではないかとみて、詳しい事情を聴いている。
 また同署によると、森川運転手は上京区千本今出川交差点の工事現場で、作業を終えて伏見区の現場へ向かう途中だった。
 バスの衝突で、電柱と道路標識、バス停の標識が根元から折れた。このため、交差点の信号が一時的に点灯しなくなり、付近の約440世帯が停電した。また、事故処理で今出川通の東行斜線が片側通行となり、午前9時ごろまで約600bにわたり渋滞した。(京都新聞 夕刊)
■東京−京都間日帰り割引 「のぞみ」季節限定で
 JR東海は20日までに、東海道新幹線の「のぞみ」で、東京−京都間を日帰りする場合の季節割引切符を販売することを決め、運輸省に届けた。新車両導入の「のぞみ」の料金割引には慎重だったJR東海が大幅な割引料金を導入するのは初めて。
 販売は22日から11月27日までの約1ヵ月間で、土、日曜、祝日の下り2本、上り3本の限定使用の予定。正規の往復料金2万7840円より約1割安い2万5000円の設定になる。
 「のぞみ」についてJR東海は、平成5年12月から、東京−新大阪間200円引きの回数券を販売しているが、ディスカウントには消極的だった。
 今回の割引切符は季節、曜日限定の観光客向け。東海道新幹線の最大の得意客であるビジネスマンにはあまり利点はないため、ウイークデーに拡大した割引サービスを望む声が出てきそうだ。(京都新聞 夕刊)
■ホーム転落 女性あわや 新幹線急停止、重傷 岡山
 20日午前8時20分ごろ、岡山市駅元町のJR岡山駅新幹線上りホームで、愛媛県川之江市妻鳥町、主婦中野五月さん(69)が目まいを起こし1.5b下の線路わきに転落した。
 事故に気付いた同駅職員がホームにある列車防護スイッチを押し、構内に入り始めていた博多発東京行きひかり30号を急停車させた・列車は転落場所の20b手前で止まった。
 中野さんは足の骨などを折り1ヵ月の重傷。(京都新聞 夕刊)
■京都市バス 事故で18人けが トラックのアームと接触
 20日午前7時50分ごろ、京都市上京区今出川通大宮東入ルの市道で、山越発三条京阪行き市バス=松田和己運転手(27)=の右後部に、同市西京区樫原鴫谷、建材製造販売業ワールド工業の大型トラック=森川龍二郎運転手(55)=の荷台に備えつけてあるクレーンのアームがぶつかった。はずみで市バスは歩道の電柱に衝突、同市右京区竜安寺西ノ川町、同志社中学2年田切寛之さん(13)ら乗客17人と松田運転手が胸や足などを打つけがをした。
 西陣署の調べでは、現場は片側2車線の直線。バスが今出川大宮の停留所に停車しようと減速した時、右側車線を走っていた大型トラックの資材つり上げ用アームが接触したらしい。バスは停留所の標柱をなぎ倒し、約4b先の電柱に激突して止まった。
 アームは地上からの高さが約3bで、トラックの荷台部分に収納する仕組みになっていた。運転手が前の作業現場で収納を忘れ、左に40aほどはみ出したまま走っていたらしい。同署は森川運転手を業務上過失傷害の疑いで調べている。
 バスには通勤客や通学の中高生ら約70人が乗っており、うち約50人が立っていた。松田運転手は「ガーンというショックがあって急に加速し、ブレーキを踏んでも間に合わなかった。停留所に大勢の人が待っていたら、大事故になっていた」と話していた。
 胸と腰を強く打った上京区五辻通七本松上ル、会社員鵜川泰伸さん(44)は「真ん中に立っていたが、衝撃で将棋倒しになり、キャーという悲鳴が起きた」と話した。
 この事故で電柱は根元から折れ、現場付近の約440戸が一時停電した(関西電力調べ)。
 現場はJR京都駅から北約5`の市街地。(朝日新聞 夕刊)
21日■京でチンチン電車の道ウォッチング 鉄道友の会 最古の路線 面影しのぶ 伏見線と木屋町線 29日、6日に 京滋の愛好者ら
 京都に日本最初の電車(チンチン電車)が走ってから100年になるのを記念して、鉄道友の会京都支部(高山礼蔵支部長)は今月29日と11月6日の両日、「チンチン電車の道ウォッチング」を開き、当時の京都電気鉄道の最古の路線を歩きながら、開通時の痕跡や面影をたどる。
 新橋−横浜間で日本最初の汽車が走ったことはよく知られているが、電車についてはあまり知られていないため「せっかくの歴史をもっとアピールしよう」と企画した。鉄道友の会京都支部は、京磁の愛好者ら約250人からなり、毎月例会や見学会を開くなどして、鉄道の知識を深めている。
 29日は、明治28年(1895)2月1日に開通したJR京都駅と油掛(京都市伏見区下油掛町)の間を、路線図を頼りに約6`歩く。この伏見線は、大正12年に市に買収され、昭和45年に廃止されるまで、伏見と京都を結ぶ都市間輸送電車として活躍した。当時の線路は、京都駅からまっすぐ南下、大石橋、勧進橋の各駅を経て、船着場に近い伏見油掛駅に至っていた。のちに中書島まで延長された。
 2回目の6日は、伏見線と同じ明治28年の4月1日に開通し、JR京都駅から木屋町五条、高瀬川べりを経て、第4回内国勧業博覧会場近くの南禅寺橋駅(京都市左京区)までを結んだ木屋町線約5`を歩く。
 どちらの行程も、JR京都駅前の電気鉄道発祥の地記念碑前を出発。当時線路が走っていた道筋を探しながら、約3時間半かけて歩くという。一般公募はしない。「電気鉄道発祥100年目を広くアピールできれば」と同支部では話している。(京都新聞)
■阪急電車にワンマンカー 97年発車オーライ 甲陽・今津線に 合理化の一環 事故防止目指し 車両改造を検討
 阪急電鉄は1997年3月をめどに、兵庫県西宮市内を走る甲陽線など2路線に、車掌のいないワンマンカーを導入する方針を囲め、20日、運輸省近畿運輸局に計画の概要を説明した。来年末にも試験車を造る。人件費の節減など経営合理化の一環で、車掌となる若年労働者が減少していることや、列車保安施設の高度化で運転士の負担が軽減していることも考慮した。運輸省の調べでは、鉄道のワンマンカーは全国で200路線近く運転されているが、大都市圏の通勤通学電車では極めてまれという。
 阪急は同社初のワンマン化の実施に向け、鉄道本部に「ワンマンカー検討委員会」を設置した。同委員会の計画では、97年3月をめどに夙川−甲陽園間を走る甲陽線(2.2`)と、今津線の南端となる西宮北口−今津間(1.9`)をワンマン化する。
 いずれも大阪・梅田から20`以内の通勤通学路線。甲陽線は1日上下171本が走り、約2万3000人が利用している。今津線の計画区間も1日262本が運転され、利用者は約2万8000人。2路線の電車はいずれも3両連結で、相互に運用し合っているほか、路線距離も短いことなどから、最初の計画路線とした。
 車両は、新たに造るのではなく、現在使っている車両を改良する案が有力。運転席にドアの開閉ができる装置をつけるほか、乗客がドアにはさまれるなどの事故を防ぐため、障害物を感知する新開発の光センサーを各ドアに装着する計画だ。また、駅ホームにも運転士が後方を確認できるバックミラーなどを設置するという。
 阪急によると、鉄道収入は不況や路線が競合するJR西日本との競争などで頭打ちの状態だが、人件費は上がり続けている。このため、乗務員の合理化も必要と判断した。また、列車運行制御装置など保安施設の充実によって、運転士の負担が軽減していることから、ワンマン化でも安全運転に支障はないとしている。第2弾として、京都線の特急をワンマン化することも検討している。
 運輸省によると、ワンマン化は地方運輸局への届け出で実施できる。近畿運輸局鉄道部は「運行や乗客への安全対策については、十分に検討し指導していく」と話している。
 同省の調べでは、今年8月1日現在、JR旅客6社で95路線、私鉄や第三セクターなど66社が88路線でワンマン運転を実施している。(朝日新聞)
22日■地下鉄烏丸線 松ヶ崎駅(97年完成)構内に 1200台規模駐輪場−京都市方針 面積1500平方b 地域環境に配慮
 京都市は地下鉄烏丸線の北北進建設に伴い松ケ崎駅に約1200台規模の自転車の地下駐輪場を建設する方針を決めた。21日開かれた市都市計画審議会で駅建設計画と駐輪場建設計画の変更を了承、府地方都市計画審議会の決定を求める。
 計画では、左京区松ケ崎の地下鉄烏丸緑・松ケ崎駅の建設に合わせて、地下1階部分に面積約1500平方b、約1200台の自転車の地下駐車場を駅コンコースと直結して一体的に整備する。駅周辺に放置されがちな自転車を収容し、利用者の便宜と地域環境の保全を合わせて行う。
 烏丸線の北北進は1997年3月末を完成目標に現在、北山−国際会館区間で工事を進めており、駐輪場の建設による駅構造と京都国際文化観光都市建設計画の一部変更を都計審に求め、了承を受けた。
 この日の都計審では、大規模な住宅団地の開発が進んでいる西京区の桂坂地区で隣接開発地との境界整理を行い、計7.3fの地区計画区域の変更と整備計画の審議をした。また、住宅都市整備公団が進めている同区桂・御陵地区(約44fについても、緑豊かな統一感とゆとりのある整備を進めることを内容とする整備開発と保全の方針を決めた。
 このほか、伏見区中島秋ノ山町の幹線道路・羽束師墨染線の建設に伴う側道(約280b)の整備の追加や生産緑地地区の一部変更などについて審議、了承した。(京都新聞)
24日■界隈 京阪淀駅周辺 旧城下町 今や”競馬の町”
 伏見区・淀といえば、すぐに京都競馬場を連想する人も多いだろう。レース開催日ごとに淀駅周辺は競馬ファンであふれ、他の駅とは異なる顔を見せる。
 通常の淀駅の乗降客は1万5000人弱だが、レース開催日には平均で3−5万人、人気レースだと10万人の競馬ファンが訪れる。日本中央競馬会(東京)によると、昨年の京都競馬場の総観客員数は268万人に上り、「東京、中山競馬場に続き3番目の多さ」。
・普段閉店の飲食店
 駅周辺には、普段は閉店し、競馬場の開催日程に合わせて店を開ける飲食店もある。競馬場は昨年の11月からメーンスタンドの改修工事中で、レースが休催中のため人通りもまばら。「私らは、競馬場のおかげで商売が成り立っている。今はレースがないから、お客さんがなくても仕方がない」。競馬場前の飲食店で、手持ちぶさたの女性店員が苦笑する。
 淀駅の周辺は、かつて淀城の城下町として栄えた。城は京都の南部防衛の要として元和9年(1623)に造られ、天守閣は二条城にあった五層の建物を移築した、と伝えられる。
 慶長12年(1607)以降は、12回にわたり幕府の招きで朝鮮通信使が訪れた。一行は大阪から淀川をさかのぼって淀で一泊、京都に向かった。この際、淀の町では、一般の町家も本陣や仮の宿屋になったという。大切な使節の滞在場所とあって、幕府や藩のひ護も厚く、町の発展の基礎を築いた。
 城は、江戸中期に落雷で焼失した。明治後半には、京阪電車が天守閣跡のそばを走り、旧城下町も様変わりした。大正13年には日本競馬会の前身・競馬倶楽部が、船井郡須知町(現・丹波町)から移転。昭和12年にメーンスタンドもでき、淀はすっかり「競馬の町」の様相に。
・違法駐車の増加も
 競馬場は、周辺の飲食店などに利益をもたらす一方で、地域に問題も与えている。開催日には、はずれ馬券やたばこの吸い殻などが道路に散乱することも。
 違法駐車の増加も見過ごせない。民家のガレージ前に駐車されて車が出られなかったり、他の車の通行防害になるなどの苦情が絶えないという。地元では年2回、競馬場関係者と会合を開いているが、競馬客のマナーの問題だけに抜本的な解決には至っていない。
 地域環境整備委員長を兼ねる、淀連合自治会の長谷川幸男副会長(67)は「ごみ清掃は競馬場が担当してくれているが、違法駐車は何ともならない。今後も競馬場と対話を重ね、いい策を見つけないと」と話す。
 駅周辺にあふれる自転車の問題もあり、乗降口を競馬場前に移す淀駅の高架化や、駅前広場の拡張などについて地元と市で話し合いが進められている。
・南部の観光拠点に
 「競馬場の淀でなく、お城の淀、とイメージを変え、この地域を京都市南部の観光の拠点にしたい」。淀観光協会事務局長の藤原和雄さん(67)が意気込む。
 以前、淀には地域に3つの観光協会があったが、それぞれ核になる観光施設がなかった。「天守閣を再建し、地域や観光のシンボルに」と、平成3年に各観光協会が手を結び、新しく淀観光協会を旗揚げした。
 以後、毎年9月の「淀お城まつり」をはじめ、大学教授らを招いた歴史研究会やシンポジウムを開催。再建に向けて地域住民の思いはまとまりつつある。
 藤原さんは「京都の観光地図でも、淀には競馬場はあるが、淀城跡は書いてない。先人が築いた淀城は、地域住民の誇りなんです。天守閣は何年かかっても再建する」と熱っぽい。(京都新聞)
■手づくり「列車の旅」 個人チャーター 若狭路ゆったりと 山科の佐竹さん企画 障害者ら170人乗せ
 23日午前8時13分、JR京都駅を個人チャーターの5両編成の特別列車が発車した。「トレランス(寛容)6号」。京都−綾部−敦賀−京都を約8時間かけてゆったりと回る旅だ。全国からきた乗客は約170人。お年寄りや障害者ら、普段あまり列車で旅をする機会がない人たちがボランティアやほかの乗客とともに秋の深まりを車窓から楽しんだ。
 チャーターしたのは、山科区西野大手先町、無職佐竹保雄さん(62)。子どものころから鉄道マニアだった。1989年、ずっと福祉関係の仕事をしていた京都市役所を退職。「お世話になった人にお返しをしたい」と退職金を使って1号を走らせた。「金なんて使わないんだったら、持っていないのと同じ。自分も楽しんで、他人も楽しんでもらえばいい」。以来、やみつきになった。92年には、チェルノブイリ原発事故で被ばくしたベラルーシ・チェチェルスク市の子どもたちを招待した。
 この日は、かつて特急「つばめ」や「はと」につながれていた豪華な展望車「マイテ49 2」をつないだ。5両の列車と機関車1台を292`走らせるのに約100万円かかる。参加者から6800円(子ども4000円)の参加費を集めるが、その他の諸経費を含めると、赤字になるという。
 車内では、夏に再会を果たしたチェチェルスクの子どもたちの様子を写真で報告した。展望車での茶席やペルー・クスコからきたフォルクローレ歌手のコンサートなどもあり、交流の輪が広がった。綿密なダイヤや機関車、展望車にとりつけたマークなどもすべて佐竹さんの手づくり。「本当いうたら、手づくり列車で、わたしが遊んでいるんですわ」と笑った。(朝日新聞)
■新大阪駅 現金運ぶ行員に洋弓 強盗傷害容疑 階段で転び逮捕
 24日午前7時35分ごろ、大阪市淀川区西中島5丁目のJR新大阪駅構内の2階と3階の間の職員専用階段の踊り場で、現金約3590万円の入ったジュラルミンケースを運んでいた大和銀行本店(大阪市中央区)行員渡辺俊郎さん(44)の胸をめがけて男が洋弓を発射し、ジュラルミンケースを奪って逃げた。男は構内を約100b逃げたところの階段で転倒し、追いかけてきたJR西日本社員らに取り押さえられ、駆けつけた淀川署員に強盗傷害の疑いで現行犯逮捕された。
 調べでは、男は名古屋市名東区猪高台一丁目、無職大高周志容疑者(32)。洋弓の矢は先にゴムキャップが付いており、渡辺さんは胸に軽いけが。渡辺さんは同僚2人と、同駅2階にある「Tis 新大阪旅行センター」の売上金約1億2000万円を3個のケースに分けて入れ、3階の同銀行新大阪分任派出所に運ぶ途中だった。
 新大阪駅では5月30日にも、ほぼ同時刻に同じ場所で、同銀行行員が運搬中の現金約4500万円入りのジュラルミンケースが男に奪われそうになる事件があり、大高容擬者は「ニュースを知って犯行を計画した」と供述しているという。洋弓以外に手おの、スタンガン、発煙筒などを持ち、かつらで変装していた。
 大和銀行では5月の事件後、現金を運搬する行員を2人から3人に増やしたが運搬時刻や経路は変えていなかった。(朝日新聞 夕刊)
25日■東京・京浜急行駅 医師撃たれて重体 改札ラッシュ時 男は逃走
 25日午前8時すぎ、東京都品川区南品川、京浜急行青物横丁の改札口付近で、品川区東品川、都立台東病院泌尿器科医長岡崎武二郎さん(47)が、男にいきなり短銃で背中を一発撃たれた。岡崎さんは都内の病院に収容されたが重体。撃った男はそのまま逃走した。
 弾は岡崎さんの背中から腹部を貫通、近くにいた女性のスカートをかすめた。女性にけがはなかった。
 品川署は殺人未遂の疑いで捜査を始めた。調べでは、逃げた男は身長170aで40歳前後。白髪交じりでジャンパーをきていたという。
 青物横丁駅員の話では、改札口は1ヵ所しかなく、当時はラッシュアワーで通勤、通学の乗降客でごった返していたという。
 現場は、第一京浜国道近くの商店や住宅の密集地。
・発砲音で騒然
 「パーン」。通勤・通学客で混雑する25日早朝、駅構内に発砲音が響きわたった。男性が声もなく倒れ込む。到着した電車の利用客が瞬く間に遠巻きにし、騒然とした。
 東京都品川区の京浜急行青物横丁駅のけん銃発砲事件で医師が重傷を負い、流れ弾が女性客の足元をかすめ、約10b離れた駅の表示板に当たった。駅長室にいた山崎通裕駅員(19)は「乗り越しの清算をしていたら、耳をつんざくような破裂音がした。慌てて飛び出すと、自動改札の中に男性が倒れており、グレーのスーツの背中に約5aの穴が開いていた。犯人の姿は見えなかったが、恐ろしかった」とひざを震わせていた。(京都新聞)
■ポイント故障で通勤通学に影響 地下鉄竹田駅構内
 25日午前8時20分ごろ、京都市伏見区の市営地下鉄竹田駅構内で、地下鉄から近鉄京都線の下り線に乗り入れる線路のポイントが動かなくなった。35分後に復旧したが、近鉄の上下2本が竹田−新田辺間を部分運休したほか、地下鉄も上下14本が最長17分遅れた。通勤、通学客ら約1万1000人に影響が出た。(京都新聞)
■阪急電車23本遅れる 西京の交通事故で
 24日午後1時10分ごろ、京都市西京区川島北裏町の市道交差点で、京都市右京区の会社役員(34)のワゴン車と向日市の会社役員(60)の乗用車が出合い頭に衝突した。はずみで乗用車は、そばの阪急電鉄京都線川岡踏切北側のフェンスを約10bにわたってなぎ倒し、車体の一部が下り線路をふさいだ。けが人はなかった。
 阪急電鉄によると、事故の影響で、現場から約200b北の桂駅ホームで発車待ちだった梅田行き急行が17分遅れるなど、下り電車計23本が17分−3分遅れ、約9000人の乗客に影響が出た。(京都新聞)
■チンチン電車 絵はがきで発売 郵便局長の川本さん、北野線を写真に収め 往時の姿ほうふつ 京みやげに 鉄道ファンも
 市民に親しまれたチンチン電車、京都市電「北野線」の姿を写した絵はがきセットが発売され、好評だ。下京区の梅小路公園で聞かれている第11回全国都市緑化きょうとフェア内の臨時郵便局や市内の一部の郵便局で扱っているが、同フェアでは、復元されたチンチン電車が走っており、実体験もできる。
 写真を撮ったのは、京都四条大宮郵便局長、川本紘義さん(53)。中学生の時から鉄道ファンで、全国を巡り、個展を開いたこともある。
 今回の絵はがきの写真は、北野線が廃止された1961年と前年の60年に撮った。「北野線を始め、路面電車はブレーキなど運転者の技術に頼るところが大きく、機械と人間がうまくかみ合っていたのが魅力的だった。その姿を残しておきたかった」
 北野線は京都駅前を出発。七条西洞院、四条西洞院、堀川丸太町、千本中立売を経由して天神さんの北野まで。警笛から、「チンチン電車」の愛称で親しまれた。
 絵はがきはセピア色で、エプロン姿で電車を降りてくる女性や手すりにつかまりながら体を電車の外に出して乗る学生の姿などをとどめている。
 川本さんによると、買っていくのは40歳代以上の人が多く、窓口で思い出を語る人もいるという。中には他府県から京都みやげにと買いに来る鉄道ファンもいる。
 給はがきは8枚セット、50円切手8枚つきで600円。(朝日新聞)
■JR西日本株 上場を延期も 亀井運輪相示す
 亀井静香運輸相は25日の閣議後の記者会見で、1994年度中に予定しているJR西日本株の上場・売却について、「27日に上場される日本たばこ産業(JT)株の株価や株式市況の動きなどを見ながら、11月中に結論を出したい」と述べ、95年度に延期することもありうるとの考えを示した。JT株の一般売り出し分の約6割が売れ残ったことで、株式市場がこれ以上の政府保有株を受け入れられるかどうか疑問が出てきたためだ。(朝日新聞 夕刊)
■短銃で撃たれ医師重体 東京品川 ラッシュの駅改札で
 25日午前8時5分ごろ、東京都品川区南品川三丁目、京浜急行青物横丁駅の改札口付近で、男性が背後からいきなり短銑で撃たれたと、同駅から近くの交番に通報があった。警視庁品川署員が現場に駆けつけると、男性一人が腰を撃たれてうつぶせで倒れており、病院に運ばれたが重体。さらに、岡崎さんを貫通した弾が女性のスカートをかすめたが、けがはなかった。警視庁は殺人未遂事件として、逃げた男の行方を追っている。同駅は当時、通勤ラッシュの時間帯で混雑していた。
 調べでは、撃たれた男性は品川区東品川三丁目、都立台東病院泌尿器科医長、岡崎武二郎さん(47)。定期券を使い、青物横丁駅の改札口に入る直前に、背後から至近距離で撃たれたらしい。撃った男は無言だったという。弾丸は腰から入って貫通し、腹から抜けた。現場で薬きょう1個が見つかった。
 弾丸がスカートをかすめた女性は、そのまま立ち去った。
 発砲した男は約170aで、年齢40歳ぐらい。白髪まじりの頭髪で、眼鏡をかけジャンパー姿だったという。発砲後、駅の階段近くに止めてあったバイクで逃げた。バイクは浦和ナンバーで、駅の近くで間もなく見つかった。
 同署は、台東病院や岡崎さんと患者との間にトラブルはなかったかなど、事件の背景を調べている。台東病院によると、「心あたりはない」という。
 青物横丁駅は工場や住宅の立ち並ぶ一角にあり、京浜急行によると、1日の乗降客は約3万6000人。
・「信頼あった」病院側に驚き
 岡崎さんは、都立台東病院に1979年1月から勤め始め、83年11月、泌尿器科医長に就いた。高畠弘院長は「まじめで穏やかな性格。診療時間もきちっと守っており、患者さんの信頼も厚かった。学問的にも臨床学的に高いものを持っており、論文もよく書いていた」と話していた。
 同病院は、性病治療を中心にした「吉原病院」を前身に、1959年から整形外科や小児科なども加えた現在の病院になった。泌尿器科は看板科のひとつだが、常勤は岡崎さん一人だ。
・短銃発砲160件にも
 警察庁によると、今年起こった短銑発砲事件は8月までのまとめで134件にのぼる。その後も住友銀行名古屋支店長射殺事件、福岡県での発砲事件などが相次ぎ、160件を超している。(朝日新聞 夕刊)
■JRの貨物列車に男性はねられ死亡 近江八幡、後続に遅れ
 25日午前4時15分ごろ、滋賀県近江八幡市鷹飼町のJR東海道線金田踏切(警報機、自動開閉機付き)で、近くのファストフード店勤務、古各勝海さん(20)が、新南陽発名古屋行きの貨物列車(津田照雄運転士)にはねられ、全身を強く打って死亡した。貨物列車は事故現場に約40分停車。後続の旅客列車など5本が最高40分遅れた。(朝日新聞 夕刊)
26日■品川の駅発砲事件 医師は死亡 患者を手配
 25日朝、東京都品川区南品川3丁目の京浜急行青物横丁駅で都立台東病院泌尿器科医長岡崎武二郎さん(47)=同区東品川=が銃で撃たれた事件で、岡崎さんは病院に運ばれたが、同日午後、死亡した。警視庁捜査一課と品川署は同日夕、殺人の疑いで浦和市在住の元会社員(36)を指名手配した。元会社員は実弾入りの短銃を持って逃走している可能性が高く同課などは行方を追っている。
 調べでは、元会社員は同日午前8時すぎ、出勤のため青物横丁駅の改札に入ろうとした岡崎さんの背後に近づき、至近距離から持っていた短銃を一発発射、岡崎さんを殺害した疑い。
 事件当時、現場からミニバイクに乗って逃走する男が目撃されていた。駅から約600b離れた路上にミニバイクが乗り捨てられており、捜査一課などはバイクのナンバーから元会社員を割り出した。
 元会社員は昨年6月、台東病院でヘルニア手術を受けたが、術後の経過が悪いと訴え、再三同病院を訪れて抗議を繰り返し「殺してやる」などと騒いでいたという。
 捜査一課などは、術後の経過をめぐるトラブルから執刀した岡崎さんを殺害したとみている。
 元会社員は平成4年ごろから精神病院に通院歴があるという。(京都新聞)
■智頭線開業で鳥取をPR
 鳥取−大阪間を約2時間半で結ぶ第三セクターの智頭線が12月3日に開業するのを前に、鳥取県は近くなる鳥取を阪神地方へPRする観光キャンペーンを行う。
 10月30日に兵庫県のJR姫路駅と神戸駅、11月3日には大阪駅で「いっぱい会えるね これからの鳥取」をキャッチフレーズに、キャンペーンレディーが鳥取県内の観光地を紹介するほか、郷土芸能の披露や記念品をプレゼントする。(京都新聞)
■医師射殺事件 銃はトカレフか 手配の元会社員 組員に入手依頼
 東京・品川の京浜急行青物横丁駅で都立台東病院泌尿器科医長の岡崎武二郎さん(47)が短銃で撃たれ死亡した事件で、殺人容疑で指名手配された浦和市内の元会社員(36)が九月ごろ、知り合いの暴力団員数人に短銃の入手を依頼していたことが26日、警視庁捜査一課と品川署の調べでわかった。捜査一課などは、1カ月ほど前から準備した計画的犯行とみている。凶器の短銑は、弾道から見た威力や目撃者の話などから本物の30口径の外国製トカレフとみられ、同課などは暴力団から入手した可能性があるとみて調べている。
 調べでは、元会社員は9月ごろ、暴力団員数人の自宅を訪ね歩き、「短銃がほしい。売ってくれないか」と持ち掛けた。暴力団員は相手にせず、「1000万円なら売ってやる」などと言って断ったという。
 また、この元会社員が今年1月下旬ごろ、浦和市内の銑砲店でライフルの試射をしていたことが、捜査一課などの調べでわかった。
 一方、警視庁は捜査員に特製の防弾チョッキを持たせ、25日から26日にかけて徹夜で元会社員を追っているが、行方はまだつかめていない。元会社員は短銃を持ったまま逃走しているとみられ、再発砲を警戒している。
 調べでは、元会社員は25日朝、岡崎さんを撃った後、青物横丁駅そばから自分のバイクで逃走し、このバイクを同駅から約1`離れた所で乗り捨てていた。その後の目撃者はなく、歩いて逃げたのかもはっきりしない。(朝日新聞 夕刊)
27日■京阪32本が停電で遅れる
 26日午後3時15分ごろ、京阪電鉄の京阪本線中書島−東福寺駅間(6.4`)と宇治線全線(中書島−宇治駅間、7.8`)で停電。約8分後に送電を再開したが、両線の上下合わせて32本の電車が3分から10分遅れ、約1万1000人に影響が出た。(京都新聞)
■列車で火災 27人が死亡 インド
 【ニューデリー26日=AFP 時事】インド東部ビハール州チャクラダルプル付近で26日午前2時(日本時間同日午前5時半)ごろ、走行中の急行列車で火災が発生、少なくとも乗客27人が死亡、13人が負傷した。火が出たのは2等寝台車で、鉄道員らは電気を止めて列車を停止させたが、火の回りが速く、寝台車1両が全焼した。火災の原因は不明。(朝日新聞)
28日■京浜急行駅 医師射殺事件 手配、異例の公開に 警視庁「元会社員に責任能力」
 東京都品川区の京浜急行青物横丁駅構内で都立台東病院医長岡崎武二郎さん(47)が射殺された事件で、警視庁捜査一課は27日、殺人容疑で指名手配した元会社員(36)が短琉を持ったまま逃走しており、連続犯行につながる恐れが強いとして公開手配に踏み切るとともに、品川署に捜査本部を設置、元会社員の逮捕に全力を挙げている。 元会社員は昨年10月から約2力月間、分裂病で都内の病院に入院しており、精神病の入院歴のある容疑者を公開手配するのは極めて異例。
 捜査本部は 短銃を持ったまま逃走している 台東病院以外の病院などでもトラブルを起こしている 犯行が計画的−などの理由から、元会社員に再犯の恐れが高く、刑事責任能力があると判断した。
 調べによると、元会社員は25日午前8時すぎ、品川区南品川三丁目の青物横丁駅改札口付近で、出勤途中の岡崎さんを背後からトカレフとみられる短統で撃ち、射殺した疑い。(京都新聞)
29日■車間にスキなし 98年目標 転落防止装置を全車両に 視覚障害者らを保護 阪急
 阪急電鉄は28日、駅ホームから車両連結部のすき間に乗客が転落するのを防止するため、1998年をめどに全車両に転落防止装置を設置すると発表した。泥酔状態の乗客が転落していることや、目の不自由な人が車両の扉と間違えるなどの事故を防ぐために取り付けを決めた。同装置は東海道・山陽新幹線やJR東日本の山手線で採用されているが、関西の大手私鉄では初の取り組みという。
 阪急によると、同装置は2年ほど前から研究を始め、実用化にめどをつけた。28日に兵庫県西宮市の同社西宮車庫で公開された試作品は、鉄板4枚とナイロン製のひも8本で作られており、車両の連結部の下部に取り付けられている。ホームは、輸送力増強のための延伸工事などで曲線が増えていることから、停車中の連結郡のすき間は駅や止まる場所によって広がったり狭まったりしている。このため、中央部の鉄板2枚が常に同じ位置や高さを保持できるように特殊なバネをつけるなどする。
 今後、部品の材質や外観のデザインなどを最終的に詰め、来年秋から車両への取り付けを始める。阪急の保有車両は現在約1300両あり、すべてに設置するには約6億円かかるという。
 転落事故の統計はないものの、阪急の調べでは、今年1月と9月に梅田駅で酒に酔った男性客が連結部に転落して軽いけがをした。また、8月には東京都足立区の営団地下鉄千代田線の北千住駅では女性が転落した後、電車にひかれて死亡する事故が起きている。(朝日新聞)
■線路のボルト外れる 朝のJR奈良線混乱
 29日午前7時25分ごろ、京都府綴喜郡井出町多賀、JR奈良線の山城多賀駅構内にいた通勤客から「レールのボルトが外れていると田辺署に通報があった。
 同署の調べでは、当駅は単線で、ホーム中央の下にある東側のレールの継ぎ目に取り付けてあったボルト4本がすべて外れていた。もう一方のレールには異常はなかった。外れたボルト4本やナットなどが現場に残っており、人の触れた形跡がなかったため、列車通過時に起こる振動で自然に外れたとみて調べている。
 JR西日本でボルトなどの付け替えなどを行い、約1時間半後に復旧した。この事故で、上下9本が運休、約5800人の足に影響が出た。同駅は無人駅で、JR西日本が26日に点検した時に異常はなかったという。(京都新聞 夕刊)
■転落防止装置 試作品が完成 阪急電鉄が開発
 ホームに停車している電車の連結部に、乗客が転落するのを防止する装置を阪急電鉄が開発し28日、試作品を発表した。
 ホーム側の連結部は通常、幅70a、奥行き70aのスペースが空くが、ホームが曲線になっている場合、宝塚線三国駅では車両間が110aに広がる。
 このため、装置はさまざまな幅に対応するよう各車両の両端左右に縦60a、横9.5aの鉄板を溶接、双方から4本のナイロン製ロープを渡して車両間のすき間を閉じる構造。
 同様の装置はJR山手線で使用されている。(京都新聞)
■一刻も早く上場をして JR西日本社長
 JR西日本の井手正敬社長は28日、東京での記者会見で同社の株式上場について「いつ売却、上場するかは政府の判断。当社は8月に上場申請し、審査を受けている身で、まな板の上のコイだ。ただ、われわれとしては一刻も早く上場していただきたいと思っている」と述べた。
 また、運賃改定方式の上限価格制導入を運輸省に要望していることについて「現行の総括原価方式をやめるのではなく、いくつかの方式の中から上限価格制を選べるようにしてほしい、とお願いしている。JR東日本を窓口に運輸省と折衝しているが、最近では前向きな議論になってきたようだ」と語った。(朝日新聞)
■声 旅人に不親切 JR駅の設備 池田市 東中稜代 (大学教授 54歳)
 最近ロンドンから帰国して痛感したことは、重い荷物を持って旅する者にとって、日本はまことに不親切な国だということである。
 大阪に住む小生は、ロンドン発の直行便で名古屋に到着し、そこからバスと新幹線で帰ることとなった。
 空港から乗ったバスは新幹線の駅に横付けとはならず、客は大通りの反対側で降ろされた。バスの停留所にはトロリー(手押し車)などないので、重い荷物を引っ張って交差点を渡らねはならない。ホームヘ行こうとすると、階段が行く手を阻む。やっとエスカレーターのある所に着いたが、大きな荷物は載せにくい。
 エレベーターのあるロンドンの空港や地下鉄が恋しい。ホームに上がるとトロリーがないので、指定席まで荷物を運ぶのが一苦労である。
 新幹線に乗り込むと、荷物の置き場に因る。軽い荷物には網棚があっても、重い荷物の置き場はない。仕方なく乗降口に置く。ゆったりと荷物用のスペースをとったイギリスのインター・シティーが恋しい。
 新大阪駅に着けば、また名古屋駅での苦闘の繰り返しである。くたくたになってタクシー乗り場にたどり着いた。身をもって知らされたことは、重い荷物を持つ旅人はいない、というJRの考えであった。(朝日新聞)
■レールのボルト外れ24本に遅れや運休 JR奈良線
 29日午前7時25分ごろ、京都府綴喜郡井手町多賀、JR奈良線山城多賀駅で、レールをつなぐボルト4本とナット4個が外れているのを、列車待ちしていた人が見つけ、田辺署に通報した。
 調べによると、ボルトは直軽約1.5a、長さ約15a。列車通過による振動で自然に外れたとみている。 この事故で上下9本の列車が運休や折り返し運転となったほか、15本に2分から86分の遅れが出た。(朝日新聞 夕刊)
30日■若者集まれ! 活性化めざし屋台村 JR草津駅前 第3セクターが音頭 遊休地を活用 12月オープン
 今春、立命館大が開学し、学生たち若者が気軽に遊べる場をつくろうと、草津市のJR草津駅前に若者向けの「屋台村」をつくる計画が進んでいる。
 遊休地の有効利用をかねて市出資の第三セクターが音頭を取り、今年12月から3年間の期限で開店することになり、人気を集めそう。
 屋台村ができるのは、東口駅前広場横の約500平方b。おでんや焼き肉など7種の「屋台カウンター」を設置、露地に並べたテープル席(計174席)で自由に飲食してもらう趣向で「安い金額で満足してもらえる店」を目指している。
 注文は食券制で、敷地の半分は鉄骨平屋の屋根で覆い雨の日も営業できるようにする。
 この遊休地は、市土地開発公社の駅前再開発区域で、当面利用計画がないため、第三セクター「草津都市開発」や草津商議所などが借り受けて有効活用することにした。市内では、今春に立命館大理工学部が開学したが「学生コンパをする場がない」との声があがる一方、JR南草津駅の開業で草津駅の利用客が減る中、地元商店街も「学生を呼び寄せ町の活性化の起爆剤にしたい」と期待を掛けている。
 屋台村の営業はテナント方式で、現在市内業者を対象に出店希望者を募っており、12月上旬のオープンを予定している。(京都新聞)
31日■上海列車事故の賠償訴訟 遺族側が控訴断念
 中国・上海を修学旅行中に起きた私立高知学芸高校(高知)の列車事故の損害賠償訴訟で、17日高知地裁に請求を棄却された死亡生徒の遺族原告側は31日、控訴を断念することを明らかにした。
 同訴訟では3遺族6人が、事前調査を怠るなど同校にも法的責任があるとして同校と佐野正太郎好調に約1億3700万円の賠償を求めていた。
 17日の高知地裁判決は「学校として必要とされる事前調査を尽くしたとは到底言えない」などと拳固側が主張した学校側の事前調査の不備を指摘したものの、「信号見落としが原因の事故を事前に予見できた可能性はない」と請求を退けていた。(京都新聞 夕刊)
■線路わきの竹林焼く 片町線4本が運休
 31日午前11時10分ごろ、京都府綴喜郡田辺町大住、JR片町線の大住駅−松井山手駅間の線路北側ののり面から出火、雑草や隣接の竹林約100平方bを焼いて約20分後に消した。JR西日本はJR松井山手駅−同志社前間で上下4本の列車を運休、同11時50分から運転を再開した。(京都新聞 夕刊)
■ユーロトンネル試走記 英仏間35分 快適な旅 揺れ少なく静か 開業迫る シャトル全長775b
 英国とフランスを結ぶ世界一の海底トンネル、ユーロトンネルの開業が迫っている。旅客専用の「ユーロスター」と、乗用車、バスなどを運転手、乗客ごと貨車に積んで走る「ル・シャトル」は11月半ば開業するが、英外務省は外国記者団に試乗会を実施した。
 緑まぶしい田園風景の中を、ロンドンから南東に延びる高速道を時速100`で約1時間走ると、トンネルの英国側乗降口、フォークストンに到着する。フランス・カレーに通じる乗降口だ。切符販売所で英政府の招待だ、と告げると往復切符を渡された。
・大量水漏れは否定
 午前10時前からの記者会見で集中したのは、英有力紙が最近報道したトンネル内での大量水漏れ。スポークスマンは「でっち上げ。大量の水漏れなどない」と顔を真っ赤にして否定した。
 会見後、一路カレーへ。パスポートを見せ、出入国管理所を抜けると、その先には鉛色が鈍く光る全長775bのル・シャトルが待っていた。
 左右の側面に出入り口があり、車は自分で運転し順番に積み込む。2階建てで、一度に180台の車が運べる。全車両の積み込み完了まで約8分。天井の電光掲示板にサイドブレーキを引け、との指示があり急いで引くと、車両を仕切る壁が降りてきた。
 「間もなく出発です」との英語とフランス語のアナウンス。午前11時32分、列車は走り出した。縦揺れ、横揺れともさほど激しくない。
・頭が痛い言葉の壁
 車両には4台の乗用車が収納される。3両ごとに便所がある。約3分後、列車が地下に入ると、ドイツ人とフランス人の記者が車から外に出て来て互いに感想を語り始めた。
 「換気も良いし、素晴らしい」(フランスTFI放送記者)「意外に静か。ロンドンの地下鉄よりいいや」(フランクフルト・アルゲマイネ紙記者)と好評。
 約17分後、「国境です」とのアナウンス。フランスに入った後だから、今度は最初がフランス語、次が英語だった。
 スポークスマンによると、最も頭を痛めているのは従業員の言葉の訓練。英国人はフランス語が下手だし、フランス人はなかなか英語が上手にならないという。そうこうするうちにカレーに到着。35分の旅は終了した。
 指示に従って列車の外に出ようとすると、見送る係員からフランスは英国とは違って右側通行ですからと声を掛けられた。(ロンドン共同 古賀純一郎)(京都新聞 夕刊)
■関空鉄道競争”春の陣” JR「特別快速」逆転願い導入へ 大阪駅から55分 3月改定新ダイヤ 現行より11分短縮
 JR大阪駅から関西空海まで55分。特急並みのスピードで走り、特別料金もいらない電車が来年3月にお目見えする。JR西日本は31日、関西空港線や阪和線などのダイヤ改定計画をまとめ、新たに「開空特別快速」を運行することを決めた。関西空港への旅客輸送競争では、JRはこれまで南海電鉄に押されっ放し。「いつまでも負けてはいられない」と、「特別快速」に逆転の願いとメンツをかけている。
 計画では、「特別快速」は来年3月中旬に実施予定のダイヤ改定を機にデビューする。大阪環状線の京橋と関西空港間を走り、途中の停車駅は大阪、天王寺、日根野、りんくうタウンの4駅を予定している。最も乗降客が見込まれる大阪と関西空港間の所要時間は55分となり、現行の「開空快速」に比べて11分もの短縮となる。
 運転本数は1日8往復の予定。朝夕の通勤通学ラッシュ時間帯はダイヤ調整が難しいことから、当面、午前9時から午後4時までの間、1時間に1往復の間隔で運転する。関西空港の発着時間については、正午前後に出発が集中する欧州便や午後4−5時台の到着が多い米本土便など、国際線の出発、到着時間に合わせたダイヤとする計画だ。
 電車は「開空快速」と同じ型を使うが、利用客が判別しやすいように、先頭車に独自の大型マークをつけるという。
 JRは関西空港アクセス列車として、京都発着の持急「はるか」と、京橋発着などの「開空快速」を運転しているが、開港後1ヵ月間の輸送実績は95万5000人と、難波−関西空港間を走る南海電鉄の約108万8000人に水を開けられた。
 京橋発の「関空快速」の場合、大阪、西九条、弁天町、新今宮、天王寺に止まり、阪和線内では日根野までに堺市、鳳など5駅に停車し、66分で関西空港に到着する。JRの鉄道本部は「梅田から関西空港へ向かう旅客の多くは、地下鉄で難波まで行き、南海の特急『ラピート』に乗っている」と分析する。乗り換えや待ち時間を合わせた所要時間は約50分。JRとしては、これに対抗できる電車が必要と判断した。
 そこで、関西空港駅にある自動券売機の切符の売れ方を調べたところ、1日平均約7500枚のうち、大阪や京橋への切符が約4分の1を占めていた。「開空快速」の車掌らの報告などからも、阪和線内での乗降客が少ないことがわかり、現在1時間に3往復の割合で走る「関空快速」のうち1往復を「特別快速」に当てることにした。
 JRのある幹部は「大阪−関西空港間を乗り換えなしで55分で走る特別快速は、十分、南海に対抗できる。特別料金がいらないから、運賃は大阪から1140円と、『ラピート』の1250円よりも安い」と、逆転に自信を見せている。(朝日新聞 夕刊)