1994(平成6)年 8月


1日■はるか ラピート 予約が始まる(京都)
  ■一番列車は即売り切れ 関空への特急 予約開始(朝日)
2日■ブロックと丸太 線路内に置く 馬堀駅近く、電車はねる(京都)
  ■JR東労組も名誉棄損訴え 週刊文春問題(朝日)
  ■戦後の残照 青函連緒船(朝日)
3日■特急名は「はくと」 12月開業の智頭線(京都)
  ■バスレーンの駐車ゆるさん 定時性確保と事故防止へ 府警、対策を強化(京都)
  ■線路にブロック・丸太 亀岡の山陰線 悪質ないたずら(朝日)
  ■特急名ははくと」(朝日)
  ■電車が衝突横転 三田のJR福知山線 死傷者が出た模様(京都)
4日■電車くの字に横転(京都)
  ■JR福知山線・三田の踏切 警報鳴ったが…衝突、横転 先頭電車は乗客2人 夫婦が死傷 トラック運転手も死亡 遮断機なし「警笛鳴らした」 ラッシュだったら(京都)
  ■学研都市フェスなど開催中の日祝日 近鉄新祝園駅に急行が臨時停車(京都)
  ■CAT本体完成 京都駅 関空開港に備え 搭乗券の発行など 国際線の窓口(京都)
  ■空の架け橋 関西新時代へ 開港間近(京都)
  ■福知山線で普通電車脱線(朝日)
  ■電車衝突2両脱線 三田のJR福知山線 トラック、踏切に進入 遮断機なし 未明まで復旧作業(朝日)
  ■福知山線が復旧(京都)
  ■関空開港あと1ヵ月 京都駅のCAT国際線窓口 使えるのは乗客の1/3 日航への業務委託 海外各社が”敬遠”(京都)
  ■「はるか」前売り開始 京都発7本分 早くも売り切れ(京都)
5日■地下鉄は赤字100億円 公営企業決算概要 冷夏、水道も赤字に(京都)
  ■地下鉄引責で市長は辞職を 地区労申し入れ(朝日)
  ■福知山線で踏切異常(京都)
  ■行き違いミス? 寝台特急停車 亀岡のJR山陰線(朝日)
6日■工事の作業員死亡 地下鉄東西線(京都)
  ■JR西日本、8日に上場申請(京都)
  ■JR西日本 週明けに上場申請(朝日)
  ■事故表示灯が点灯 関西線が一時運休(京都)
7日■私の評 地下鉄事業の実態、さらに迫れ 山口桃里(京都)
  ■突然、運転不能に JR紀勢線の電車(朝日)
8日■ゴンドラ停止 1時間 ホテルの火事で停電 59人、40度の室内に 新神戸ロープウェー(朝日)
  ■JR西日本株上場を申請(朝日)
9日■JR職員起訴 地検に要請書 信楽鉄道事故遺族(京都)
  ■商店街十数軒焼く JR新宮駅前 紀勢線もストップ(京都)
  ■チンチン電車 雄姿再び 緑化フェア会場で運行 復元作業はぼ終了(京都)
10日■地下鉄東西線事業費膨張 削除の堀川駅東側出入り口 将来の設置に含み 市会交通水道委員会 建設ビル構造に配慮(京都)
  ■山梨のリニア実験開始は97年に先送り 運輸省(京都)
  ■ホテルグランヴィア京都 京都第2の550室 駅ビルに9年春以降開業 計画概要決まる(京都)
  ■奮闘!暑さの仕事師A 保線作業員 危険を背に安全守る(京都)
  ■窓 清掃意欲そぐ有料ごみ回収 南区・北上 謙(団体職員・58)(京都)
  ■山梨リニア実験開始 さらに遅れ97年に(朝日)
11日■窓 新駅ビルにも弱者に配慮を 横頴賀市・まえだ 豊(団体役員・48)(京都)
  ■JR東海 社員2人 出向命令は向こう 大阪地裁決定「人事権の乱用」(朝日)
12日■列車同士衝突 100人以上死傷 韓国(京都)
  ■山科で山林1.5f焼く(京都)
  ■新幹線の冷房不良 保護回路に不備 JR東海改造に着手(朝日)
  ■クレーンが架線を切断 山陽電鉄一時不通(朝日)
  ■暑さも席も100% 帰省ラッシュ始まる 名神34`の渋滞(京都)
  ■帰省ラッシュ本番(朝日)
13日■京福と車衝突 右京・1人が軽傷(京都)
  ■青鉛筆(朝日)
14日■(京都)
16日■95年度予算、近畿の重点要望 府 和風迎賓館の建設 京都市 地下鉄財源確保(京都)
  ■御池通のケヤキ並木 地下鉄工事で一時消え… 復帰計画 半数の70本 緑の景観 惜しむ声(朝日)
  ■京都市交通局長が突然死去(朝日)
  ■お疲れサマーUターン 休みの分散化でラッシュ長期化 私には義務/魚が何より(朝日)
  ■JR西日本が近距離キップにひと工夫 駅名表示でキセル封じ 5駅で実験中 摘発も容易に(朝日)
17日■Uターン本番 陸海空路いずれも満席(京都)
  ■京都市人事 交通局長に中谷氏 理財局長小浜氏 東西線、財政テコ入れ(京都)
18日■奮闘!暑さの仕事師G ホーム舞台に歌を披露 トロッコ列車運転手(京都)
  ■窓 地方の駅は心のオアシス 栗東町・吉田 博(団体役員・73)(京都)
  ■「いい味出します」旧京都市電の敷石が漬物石に(朝日)
  ■交通局長に中谷氏 京都市(朝日)
19日■渇水・雷雨 列島異変 各地で被害広がる 新幹線が一時不通 落雷で7人死傷(京都)
  ■四条通穴ぼこ症候群 京都 ここ1年で陥没5件 原因は… 阪急トンネル 水脈を押し上げ? 埋め戻し不十分? 解明へ対策会議(朝日)
  ■雨で阪和線乱れる(朝日)
  ■アジア大会の“動脈”開業へ 広島新交通システム(京都)
  ■「橋げた」事故の犠牲者に黙とう 新交通システム開通式典 広島(朝日)
  ■島根・一畑電鉄車体デザイン 公募「最優秀作品」ボツ 「F1マシンそっくり」指摘受け 手をつけず よかった(朝日)
20日■京都市電、往時のままに 阪堺電車復元 23日から定期運行(京都)
  ■南草津駅開業など記念乗車券を発売 来月4日から(京都)
  ■JR大阪環状線 外回り一時間ストップ 落雷?1万7000人に影響(朝日)
  ■車掌が特急無資格運転 阪神電鉄 最高時速100`、4分間 尼崎−淀川間乗客300人 運転士が「するか」 運転室近くの客が目撃(朝日)
  ■阪神電鉄 無資格の車掌が運転 特急電車で4分間交代(京都)
21日■モノレール一時不通 東京、1万人に影響(京都)
  ■市バス男性はね重体(京都)
22日■主婦ら14人がJRへの提言を発表 福知山(京都)
  ■市バスにはねられた80歳の男性が死亡(朝日)
  ■関東に大雨 新幹線乱れ(朝日)
  ■京阪電車の床下から煙(京都)
  ■京阪電車の床下から煙 枚方、発電機故障か(朝日)
  ■泰緬鉄道建設の犠牲者追悼 ミャンマーに仏塔を 建立願い全国行脚へ 島根の住職 現地側が土地を提供(朝日)
23日■地下鉄補助増枠を 政令都市市長懇談会 国へ要望相次ぐ(京都)
  ■夏休み利用者猛暑で2%減 JR6社(京都)
  ■窓 待合室のいす 旅行の楽しみ 福知山市・池部 清(無職・77)(京都)
  ■JR東海 彦根で 新幹線除雪スブリンクラーの水 渇水水田へ無償提供(朝日)
  ■JR日照りに泣く 夏の客3年連続減(朝日)
  ■阪神電鉄に警告書 無資格運転で運輸省(朝日)
  ■「懐かしい京都」帰ってきた チンチン電車、緑化フェア会場へ(京都)
24日■来月21日に開業へ 近鉄京都線「木津川台駅」(京都)
  ■貨物脱線し1万2000人影響 JR沼津駅近く(京都)
  ■窓 駅の不法駐輪 監視人置いて 西京区・熊寄嘉陽(無職・76)(京都)
  ■駅名替えず案内に工夫 トロッコ嵐山駅(朝日)
  ■近鉄の木津川台駅 来月21日から開業(朝日)
  ■地下鉄ホームで銃撃戦 ラッシュ時のニューヨーク 警察官ら3人重傷(朝日)
  ■運転士が寝すごし 寝台特急63分遅れ JR大阪駅(朝日)
  ■近鉄電車2本が故障 約4万人に影響(朝日)
25日■地下鉄問題でチラシ 市内に配布し理解訴え 京都市交通局(京都)
  ■秋の臨時列車7524本を増発へ JR6社(朝日)
  ■JR関西線 保守車が立ち往生 運休や遅れ(朝日)
  ■川西の能勢電鉄踏切 女子高校生はねられ重体(朝日)
26日■旧国鉄の人活センター配属 「配置転換と異なる」 大阪地裁判決 組合員の請求棄却(朝日)
27日■地下鉄東西線広報チラシに批判声明 共産党京都市議団(京都)
  ■窓 怠慢な市バス停留所の案内 亀岡市・野原 弘子(主婦・54)(京都)
  ■新幹線検討委を設置 連立与党(朝日)
  ■利用客数に以外な差 開港前2ヵ月 南海「特急利用も負けぬ」 JR「北陸直通便を検討」(朝日)
  ■関空とともに はばたく時B 女性車掌さわやかに(京都)
30日■関空開港でダイヤ改正 信楽高原鉄道(京都)
  ■別人写真の掲載で文春に賠償を請求 JR総連副委員長(京都)
  ■「ひかり」から飛び降り?(京都)
  ■期待膨らせ待つ第一線 一番列車は発車オーライ 手ぶらで出発サービス 「こてこて」は似合わない(朝日)
  ■ホームから転落? 列車にひかれ死亡 滋賀の野洲駅で男性(朝日)
31日■信楽列車事故 JR元所長 再び不起訴処分 大津地検 証拠隠滅認めず(京都)
  ■京のスズメ”お引っ越し” 地下鉄工事ケヤキ並木撤去(京都)
  ■信楽鉄道事故証拠隠滅容疑 JR社員再び不起訴 大津地検発表 検察審の議決通らず(朝日)



1日■はるか ラピート 予約が始まる
 関西国際空港の9月4日開港とともに、同空港への乗り入れを開始するJR西日本の特急「はるか」と南海電鉄の特急「ラピート」の予約受け付けが1日、始まった。
 両特急とも全席指定。はるかは京都−新空港間を新大阪、天王寺に途中停車して、最短73分で結ぶのに対し、ラピートは難波−新空港間をノンストップと、泉佐野など主要駅に止まる2種類で、ノンストップでは29分で結ぶ。
 南海では受け付けと同時に、旅行会社などからのオンライン予約も殺到。18分後には予約受け付け分130席すべてが埋まった。
 はるかは午前10時半の受け付け開始とともに、9月4日分の京都始発を含めて下り6本、空港発2本の計8本の200席のうち予約に割り当てられている約60席が満席となった。(京都新聞 夕刊)
■一番列車は即売り切れ 関空への特急 予約開始
 JR西日本と南海電鉄が9月4日から運転する関西空港へのアクセス特急の予約受け付けが、1日午前から始まった。両社とも団体客向けなど一部の座席に限って受け付けを開始したものだが、関西空港へ向かう一番列車は受け付け開始直後に売り切れとなった。
 南海は午前10時から、主要旅行代理店で8人以下の個人、グループを対象に、1編成 252席のうち130席の予約受け付けを始めた。難波駅にある南海国際旅行の営業所には午前5時ごろから予約客が並び始め、一番列車となる難波午前7時発の関西空港行きの「ラピート1号」は約18分で売り切れた。開港日となる9月4日の残りの座席は8月4日午前10時から、南海各駅で発売する。
 JRは午前10時半から、15人異常の団体を対象に約60席(1編成200席)の発売を開始。一番列車となる京都午前6時15分発の「はるか1号」をはじめ上下8本が、「1番機ツアー」などを組む旅行会社からの申し込みで瞬時に売り切れた。個人用は4日午前10時から売り出す。(朝日新聞 夕刊)
2日■ブロックと丸太 線路内に置く 馬堀駅近く、電車はねる
 1日午後10時18分ごろ、亀岡市篠町のJR山陰線馬堀駅近くで、園部発京都行き上り普通電車(4両編成)がブロックのような物をはねた。JR西日本で調べたところ、現場付近の線路内にコンクリートブロックの破片4個と丸太(直径約5a、長さ1b)3本が見つかった。同電車はそのまま運行、乗客250人にけがなどはなかった。
 亀岡署で列車妨害とみて調べている。(京都新聞)
■JR東労組も名誉棄損訴え 週刊文春問題
 JR東日本の労使関係を批判した「週刊文春」の連載記事をめぐり、JR東日本労組(松崎明委員長)は1日、「虚偽の記事で名誉を傷つけられた」として、同誌の編集長、発行元の文芸春秋(田中健五社長)と記事の筆者を相手取り、5億1000万円の損害賠償と謝罪広告を求める訴訟を東京地裁に起こした。この連載をめぐって、すでにJR東日本側も同様の名誉棄損訴訟を起こしている。(朝日新聞)
■戦後の残照 青函連緒船
 昭和20年代は、大事故、大災害が相次いだ騒然とした時代だった。1954年(昭和29年)9月26日、函館を出港した青函連絡船「洞爺丸」(4337d)は、台風15号の風波を受け、函館湾内で転覆、死者・行方不明者1155人を出し、日本海難史上最大の事故となった。
 のちに2人の作家が洞爺丸事故を契機に戦後推理小説史に残る作品を書いた。中井英夫の「虚無への供物」では、この惨事は一種の「大量殺人」と告発される。また、水上勉の「飢餓海峡」には、この事故を利用して自らの過去を消し去った主人公が登場する。「虚無」と「飢餓」。戦争は終わったが、別のかたちでの「戦争」は続いていた。
 青函連絡船は、青函トンネルの開通とともに88年に廃止され、函館には摩周丸が、青森には八甲田丸がそれぞれ桟橋跡に係留され往時の記憶をとどめる。ウォーターフロント開発の目玉にと保存されたが、利用客は期待ほどなく、閑散としている。連絡船の3文字が放つ情念は、今、重すぎるのだろう。(淳)(朝日新聞 夕刊)
3日■特急名は「はくと」 12月開業の智頭線
 12月3日に開業する第三セクター鉄道・智頭線(鳥取県智頭町−兵庫県上郡間、56.1`)を走る特急列車の列車名が「はくと」と決まり、2日発表された。
 「はくと」の名称は、鳥取県ゆかりの神話「因幡の白ウサギ」にちなみ夢があり、ウサギのイメージから特急のスピード感がある−などの理由で決まった。
 「はくと」号は新型車両の5両編成で最高時速は130`。JR因美線と山陽線に乗り入れ、鳥取−新大阪間を2時間40分で、倉吉−新大阪間は3時間20分で結ぶ。(京都新聞)
■バスレーンの駐車ゆるさん 定時性確保と事故防止へ 府警、対策を強化
 府警は、2日から京都市内の路線バス専用通行帯(バスレーン)内の違法駐停車対策を強化することにし、今月いっぱい週1、2回のペースで取り締まりを実施する。
 「夏の交通事故防止府民運動」の一環で、交通渋滞を防ぎ、路線バスの定時性を確保するとともに、事故防止につなげるのがねらい。
 バスレーンは、市内に12路線19区間(延べ約90`)あり、朝夕の通勤ラッシュ時間帯の午前7時から9時と午後5時から7時の間、通行が主に路線バスやタクシー、二輪車などに限定される。
 府警駐車対策課によると、先月25日から29日までの5日間で計107件もの違法駐停車が確認され、特に四条通は28件と多く、商用や買い物の乗用車が大半を占めたという。
 市交通局は「バスレーンなど路上の違法駐停車は、バスの遅れにつながり、通勤通学など多くの乗客に迷惑をかけている。車の陰から人が出て来ても、発見もしにくい」と、ドライバーのマナー向上を訴えている。(京都新聞)
■線路にブロック・丸太 亀岡の山陰線 悪質ないたずら
 亀岡市のJR山陰線で1日午後10時20分ごろ、園部発京都行き普通電車(4両編成、乗客250人)が、線路上に置かれてあったブロックと丸太(直径約5a、長さ約1b)をはね飛ばした。電車はそのまま通過した。
 亀岡署は悪質ないたずらとみて、往来妨害の疑いで調べている。(朝日新聞)
■特急名ははくと」
 12月3日に開業する第三セクターの智頭急行(兵庫・上郡−鳥取・智頭間56.1`、社長・西尾邑次郎鳥取県知事)は2日、鳥取−大阪間を約2時間半で結ぶ特急列車名を「はくと」にする、と発表した。
 一般から寄せられた8991件の中から、選考委員会が審査した。「はくと」は応募総数66件で14位だったが、神話「因幡の白ウサギ」で知名度が高く、スピード感があるため選ばれた。(朝日新聞)
■電車が衝突横転 三田のJR福知山線 死傷者が出た模様
 3日午後1時ごろ、兵庫県三田市川除のJR福知山線の踏み切りで、上り普通電車(6両編成)と2dトラックが衝突。電車は脱線して、1両目が横転、2両目が傾いた。この事故で死者2人と負傷者が出たもよう。兵庫県警が確認を急いでいる。(京都新聞 夕刊)
4日■電車くの字に横転
 3日午後1時ごろ、兵庫県三田市のJR福知山線新三田−三田間の川除中踏切で、新三田発大阪行き上り普通電車(6両編成、乗客16人)に2dトラックが衝突。電車はトラックを巻き込む形で前寄り3両が脱線し先頭車両が線路わきの田んぼに横転。運転手が即死したほか、1両目の乗客1人が死亡、1人が軽傷を負った。(京都新聞)
■JR福知山線・三田の踏切 警報鳴ったが…衝突、横転 先頭電車は乗客2人 夫婦が死傷 トラック運転手も死亡 遮断機なし「警笛鳴らした」 ラッシュだったら
 2日午後1時ごろ、兵庫県三田市川除のJR福知山線新三田−三田間の川除中踏切で、新三田発大阪行き上り普通電車(6両編成、乗客16人)と神戸市垂水区千代が丘、大英石油勤務野村雅博さん(49)のトラックが衝突。電車はトラックを巻き込む形で前寄り2両が脱線し先頭車両が線路わきの田んぼに横転した。
 トラックの野村さんが即死。電車の1両目にいた三田市あかしあ台、主婦保田ヨシエさん(66)が首を強く打って死亡し、ヨシエさんの夫の無職幸雄さん(65)も胸などに軽傷を負い近くの病院に運ばれた。ほかの乗客にけがはなかった。
 トラックは廃油の入ったドラム缶を積んでいたが、引火しなかった。
 現場は遮断機のない警報機付き踏切で、三田署の調べでは事故当時、電車の接近を知らせる警報が鳴っていたという。
 電車の小野宙一運転士(31)が「トラックが踏切に進入するのを約100b手前で発見し、ブレーキをかけ警笛を数回鳴らしたが、間に合わず衝突した」と話していることから、同署は、野村さんが電車が近づいているのに無理に踏切に進入したのが事故の原因とみて調べている。
 福知山線は広野−宝塚間が上下線とも不通となり、JR西日本はバスの代行運行や電車の折り返し運転で対応した。復旧は4日未明の見込み。
 電車は始発の新三田駅を出たばかりで乗客が少なく1両目には保田さん夫妻しか乗っていなかったことなどから大惨事を免れた。野村さんは神戸市や三田市内の得意先の自動車販売店を回っている途中だった。
 JR西日本の山崎正夫安全対策室長は「警報機の動作は正常だった。トラックの進入に運転手が気付き、非常ブレーキをかけたが間に合わなかった」と、電車側から事故は避けられなかったとの見方を示している。
 運輸省鉄道局は事故の分析と今後の対策を立てるため同日夕、同局保安車両課から事故対策官と事故分析係長が現地入りした。
 「ドーン」「ガリガリ」−トラックに激突した電車の黄色い車体が大音響とともに横転、緑の田園に突き刺さった。3日午後、乗客の夫婦とトラック運転手の3人が死傷した兵庫県三田市でのJR福知山線・電車脱線転覆事故。始発の新三田駅を出た直後で乗客は少なく大惨事は免れたが、悲劇は先頭車両に乗っていた夫婦を容赦なく襲った。
 電車は1、2両の連結部分で「く」の字に折れ曲がり、車両の下敷きになったトラックはぺちゃんこ。
 4両目に乗っていた三田市の短大生宗田奈津子さん(18)は「架線が切れ、バチバチと火花が散る音がした。窓から先頭車両が横倒しになっているのが見えた」と話し、信じられない様子。
 現場近くの自宅にいた主婦(30)は「電車が通勤通学客でいっぱいのラッシュ時だったらと思うと、ゾッとする」と青ざめた。
 一方、妻ヨシエさんを失った保田幸雄さんは、「ぐったりして動かない様子を見て、妻の死を直感した」などと、衝突の瞬間の生々しい様子を語った。
 幸雄さんの話などによると、2人は初め2両目に乗り込んだが、ヨシエさんが「前に行こう」と幸雄さんの手を引いて先頭車両に移った。衝突のショックで2人とも座席から投げ出され、気が付くとヨシエさんはドア付近でぐったりしていた、という。
 この日は、歯が悪い幸雄さんにヨシエさんが付き添い、2人で暮らす三田市郊外の公団住宅から兵庫県芦屋市の歯科医院に向かう途中。幸雄さんは「アッという間の出来事で…」と声を詰まらせた。
・事故は4回目 立体化の直前
 死傷者3人が出たJR福知山線の川除中踏切は三田市内で唯一の遮断機がなく、警報機しか付いていない第3種踏切。JR西日本は「交通量から見て危険性は薄い」との判断から遮断機設置を見送ってきた。
 しかし、現場は県道と国道を結ぶ市道で、最近は通り抜けの車が目立っていた。半面、同線沿線はここ数年人口が急増、電車の運行本数も増えている。
 JR西日本によると、現場の踏切での事故は昭和62年以降4回目。三田市は地域住民の声を受け、事故防止のため市道を線路下に通す「アンダー化事業」に来年度から着手する矢先だった。(京都新聞)
■学研都市フェスなど開催中の日祝日 近鉄新祝園駅に急行が臨時停車
 京都府相楽郡精華町の学研記念公園一帯で、来月23日から11月20日まで催される学研都市の街開き「けいはんな学研都市フェスティバル'94」と「全国都市緑化きょうとフェア」に合わせ、近畿日本鉄道(本社・大阪市)は、会場の最寄り駅となる近鉄京都線新祝園駅(精華町)に、両イベント会期中の日祝日に、急行を臨時停車することを正式に決めた。
 府は、京都市内からも来場しやすいように今年2月、急行の臨時停車を求める要望書を近鉄に提出した。これを受け近鉄は、多数の来場者が予想される日祝日に臨時停車することにした。
 臨時停車するのは、イベント期間中の計12日間の午前9時−午後5時ごろ。1日の停車本数は、奈良方面行きが33本、京都方面行きが34本となっている。所用時間は京都−新祝園が約30分、新祝園−大和西大寺が約9分。(京都新聞)
■CAT本体完成 京都駅 関空開港に備え 搭乗券の発行など 国際線の窓口
 関西国際空港開港に伴うアクセス特急「はるか」(京都−空港間)運転開始に合わせ京都駅に、搭乗券発行や乗客の荷物を預かる窓口「CAT」(シティー・エア・ターミナル)の本体が3日、完成した。
 東京、横浜に続く全国3番目の施設で、京都駅仮駅舎烏丸中央口近くの「みどりの窓口」の一角約70平方bを充てた。乗客を迎える3ヵ所のカウンターと、「JAL」「国際線搭乗手続き」といった表示を設けて、世界へつながる駅のムードを高めている。今後、搭乗券発券機や荷物計量器、フライト情報の表示盤を備え、開港に備える。
 国際線乗客を対象に、午前6時から午後5時まで営業。搭乗券発行、目的地までの荷物搬送の受け付けといったサービスを行う。
 再来年秋完成予定の新駅ビルでは、地下にCATを設ける計画。(京都新聞)
■空の架け橋 関西新時代へ 開港間近
 大阪湾に空港連絡橋が真っすぐに伸びる。その先にこつ然と姿を現した人工島。関西国際空港を初めて訪れる人は、だれもが幻影をみるような思いにとらわれるだろう。かつては穏やかな海、5年前ようやく周囲の護岸ができ、島の輪郭が分かった。着工から7年半、いま銀色の屋根は陽光に輝き、滑走路は一番機を待つばかりに。世界に開かれた日本の新しい玄関は、大きな期待を集めて9月4日いよいよ開港を迎える。完備したアクセスがスピードとサービスを競い、旅客夕ーミナルビルでは緑の木々がやすらぎの空間をつくっている。周囲にもたくさんの樹木が植えられた。世界を旅する人が空港に集い、散って行く。24時間途切れない情報の流れ、モノの流れが日本をまた大きく変えることだろう。
・ハイテクと緑いっぱい 全長1.7` 旅客ターミナルビル
 日本の空港では見たこともない個性的なフォルム(外観)と大空間−。関西国際空港のメ−ン施設、旅客ターミナルビル(PTB)はイタリア人建築家レンゾ・ピアノ氏設計による国内最大級の建築だ。羽を広げた鳥をイメージした建物は自然との共生を目指し、ハイテク機能、緑がふんだんに盛り込まれ、見どころがいっばい。
 出入国審査揚、チェックインカウンターや専門店街などが入る4階建ての本館。そこから南北両側に各680bのウイングが伸び、全長約1700b。外から見れば端に行くにつれ沈み込む姿が優美だ。
 大きく波打つ銀色の屋根は9万枚のステンレス板で太陽光線を反射。滑走路側は熱線吸収ガラスで空調コストを抑える工夫もされている。
 全体の容積は約220万立方bと東京ドームのほぼ2倍。部屋数は2000室、フル稼働すれば年間2500万人の旅客でにぎわう世界でも有数の空のターミナルになる。
・鉄道駅 2社が共用
 電車を降りれば、そこは世界への玄関口−。空港への線路を共用するJRと南海電鉄が着く「関西空港駅」の改札前は、魚の背びれを思わせる長さ50bの天窓からの光が明るいコンコース。もう航空会社の空港カウンターが並ぶPTBは目の前にある。大阪・難波や京都のシティエアターミナル(CAT)で電車に乗る前に、荷物のチェックインを済ませておけば、後は手ぶらで駅から飛行機の搭乗まで一直線だ。
・リフレッシュコーナー 待ち時間も楽しく
 国際線乗り換えラウンジもゆったり。滑走路とエプロンを望むPTB3階中央は、搭乗機待ちの出国客がひと時を過ごす「リフレッシュコーナー」。空港で一、二の眺望を誇るレストランや、長旅の疲れをいやす個室シャワーはもちろん、和服姿の女性が茶をたてる抹茶サービスのコーナーまで設置。ハイテク日本をアピールするテレビゲーム機も。のんびりとくつろいでいれば、待ち時間もあっという間に…。
・キャニオン 未来実感の大空間
 一気に天井まで吹き抜けた「キャニオン」はちょつとした未来都市を実感させる。長さ約300b、高さ約30b、奥行き約30b。ビル入り口にある大空間だ。
 人に優しい自然光が降り注ぎ、れんが色の壁、空調機器は水色、ライトカバーは黄色で統一。1階に植えられたナギやコウヤマキなど木々の緑が目を和ます。
 ガラス壁の外には竹林が海風にそよぐ光景が。2階と4階に渡したブリッジに立ち止まると緊張が解け、何だかほっとした気分になる。
 シースルー・エレベーター10台が上下し、階段やブリッジの壁など至る所がガラス張りになり透明感も特徴の一つ。
・ウイングシャトル 無人運転で搭乗口まで
 チェックインと出国手続きを終えれば、もう外国気分でウキウキ。南北それぞれ約 700のウイングを走る無人運転のウイングシャトルが搭乗口近くまで運んでくれる。
 ターミナル本館南北の駅で待つ赤い車体に乗れば、ウイングの先端までわずか2分。中間駅までも約1分。車窓から広がる大阪湾の景色を楽しむ暇はないかも。
 3両編成のシャトルは、込み具合で運転間隔が調整される。ラッシュ時は2分間隔、それ以外で駅にシャトルがいない時にはボタンで呼べる。出発客が乗る1両と到着客用の2両に分かれ、乗降時の混乱も避けられる仕組みだ。
・乗り継ぎ 上下移動だけ
 新空港では国際線と国内線の乗り継ぎが同じビル内でできる。2階の国内線発着ゲートが4階の国際線出発と1階の国際線到着に挟まれ、上下に移動するだけ。ここが海外と国内の都市の結び目だ。
 1−2階と2−4階を結ぶエスカレーターの幅は1.2bと広く、傾斜角度も通常より緩い25度。土産物をいっばい詰め込んだ手荷物を乗せたカートをそのまま運べる。
 国内線で着くと、手荷物は到着ゲートと同じ2階で受け取り、4階まで移ればそのまま国際線の搭乗手続きに。その間30分程度にすぎない。
・2、3階店舗コーナー ”世界”のおしゃれ”なにわ”の意地
 舶来チョコレートや洋酒からうどん、お好み焼きまで。外国人客も多数利用するPTBには198の店舗・サービス施設が所狭しと並び、昼間人口20万人という「海上都市」のにぎわいを演出する。
 中でも施設が集中するのは2階と3階のレストラン街、ショッピングフロア。灰色の壁にダークグリーンや薄いピンクの柱、窓枠といった落ち着いた色調が旅人の心を和ませる。世界のブランド衣料やアクセサリー、輸入食料品が並ぶ。
 一方で、独自のカラーを出さずにはいられないのが大阪の商魂。地元漁業組合が海産物を直売する「シーフードギフトぎょれん」、お笑い界の吉本興業が経営するカウンターバー「YOSHIMOTO」などユニークな店も多い。各国の人たちが晴れやかに行き交う国際空港で、世界のオシャレとなにわの意地が火花を散らす。
・管制塔 夜に昼に光る目 骨張ったグレーのボディーは24時間光る目。新空港を見下ろす管制塔で、管制官が滑走路を発着する各国の航空機を誘導する。
 高さは86.4bと成田空港に次ぎ国内2番目。管制官の目の高さが82bで、PTB前に駐機した航空機の尾翼マークがはっきり見える。
 管制塔の大敵は、菅制官が乗り物酔い状態になる横揺れ。細長い塔を4本の柱で外側から支え、表面積を減らすことで風の影響を最小限に抑えている。塔頂部の管制室の下には5dの鉄球が2個つり下げてある。この鉄球はコンピューター制御で揺らされ、振り子の原理で70−60%建物の揺れを吸収する装置になる。
 埋め立て地につきものの地盤沈下には、ジャッキアップシステムで不等沈下を防ぎ、将来「ピサの斜塔」になる心配はないという。(京都新聞)
■福知山線で普通電車脱線
 3日午後、兵庫県三田市のJR福知山線踏切で、上り普通電車(6両編成)がトラックと衝突して前2両が脱線、先頭車両が横転した。乗客1人とトラック運転手が死亡、1人が負傷した。復旧は4日未明までかかった。(朝日新聞)
■電車衝突2両脱線 三田のJR福知山線 トラック、踏切に進入 遮断機なし 未明まで復旧作業
 3日午後1時ごろ、兵庫県三田市川除、JR福知山線新三田−三田駅間の川除中踏切で、新三田駅発大阪行き上り普通電車(6両編成)が普通トラックと衝突した。電車は前2両が脱線し、先頭車両が田んぼに突っ込んで横転。トラックは車両に巻き込まれ、約100b引きずられて大破した。この事故で、トラックの運転手と乗客1人が死亡、乗客1人が軽いけがをした。事故の影響で、福知山線は上下とも不通になり、復旧作業は4日未明まで続いた。
 兵庫県警三田署によると、死亡したのは神戸市兵庫区須佐野通二丁目、大英石油の野村雅博運転手(49)と、乗客の三田市あかしあ台三丁目、主婦保田ヨシエさん(66)。保田さんの夫幸雄さん(65)も腹や足を打って病院に運ばれた。先頭車両に乗っていたのは保田さん夫婦だけで、電車にはほかに14人の乗客がいたが無事だった。
 調べによると、現場は警報機はあるが、遮断機のない第三種踏切。電車の運転士は、踏切の150b手前で、踏切に近づいてくるトラックに気付いた。トラックが停車せずに踏切に進入したため、警笛を鳴らし急ブレーキをかけたが間に合わなかった、という。
 周囲は水田で見通しはよく、三田署は、野村運転手がなぜ踏切に進入したのか、原因を調べている。
 保田さん夫婦は、芦屋市仙内の歯科医に通う途中。幸雄んが左半身が不自由なため、外出時はいつもヨシエさんが付き添っていた、という。野村運転手は姫路、三田市内などの自動車修理工場を回って廃油を回収中だった。
 けがをした幸雄さんは「先頭車両の最前部に並んで座った直後に、しりをすくわれたようになって体が斜めに留に浮き、投げ出された。気付いたら妻は動かなくなっていた」と声を詰まらせた。
 3両目に乗っていた三田市内の高校三年生鮫島健治君(17)は「前の車両が左に傾くのが見えて脱線とわかり、あわてて、窓を開けて外へ逃げた」と話した。
 JR西日本によると、この事故で特急「北近磯11号」など上下137本が運休し、約3万人に影響した。復旧は4日午前4時ごろになる見込み。同線は宝塚と広野で折り返し運転をしており、阪急電鉄、神戸電鉄などで振り替え輸送をすると同時に、宝塚−相野間はバスで代行運転を続けた。
 現場は三田駅の西約2`の田園地帯。この踏切では5月に、脱輪した4輪駆動車に電車が接触する事故が起きている。(朝日新聞)
■福知山線が復旧
 3日午後、兵庫県三田市で起きた電車の脱線転覆事故のため不通となっていたJR福知山線は、下りが4日午前4時53分、上りが同6時18分に復旧した。篠山口発同5時1分の大阪行き普通電車が53分遅れるなど、上り電車4本が遅れたがその後、同7時半、上下線とも正常ダイヤに戻った。(京都新聞 夕刊)
■関空開港あと1ヵ月 京都駅のCAT国際線窓口 使えるのは乗客の1/3 日航への業務委託 海外各社が”敬遠”
 JR京都駅に設けられる関西国際空港の利用者のためのシティー・エアー・ターモミナル(CAT)は、外国航空会社の乗客が、すべて利用できないことが、4日分かった。これは当初予定していた日本航空へ業務委託する社が一切なかったためで、利用できるのは国際線の3分の1の乗客だけになった。「便利さが半減し、外国人旅行者が混乱する」と、落胆や不安の声が出ている。
 CATは、本来空港で行う搭乗手続きと手荷物を預ける手続きを、駅で先に済ませる窓口。来月4日開港する同空港では、JRの空港特急の始発駅になる京都駅をはじめ、南海・難波駅(ともに日航だけ参加)、高速艇が運航する神戸港(日航と全日空が参加)の計3ヵ所に設置される。
 日航は当初、外国の16社から委託を受けている成田空港の東京CATと同程度の外国航空会社と契約、それらの社の乗客の手続きも代行する計画だったが、「委託を申し込む社がなかった」(大阪支社)という。
 窓口で扱うのは、グループの日本アジア航空(20便)を含めた週113便と、エア・フランスとの共同運航便(週4便)の同社予約客だけ。同空港に開港時、乗り入れを予定している週293便のほぼ3分の1にとどまる。難波駅、神戸港も同様に委託する外国航空会社はなかった。
 CAT委託をしなかったキャセイ・パシフィック航空(香港)は「東京CATの利用状況のほか、委託費用、新空港の着陸料など全体にコストがかさむことを考え判断した」としている。
 外国人旅行者で自国の航空会社を利用した場合、京都駅では重いスーツケースを手に列車に乗ることになりそう。
 多くの国際会議の会場になる国立京都国際会館(京都市左京区)は「CATの看板を見て、外国人はほとんどの航空会社が利用できると誤解する。混乱を招きかねない」(小松宣弘営業部長)、ホテル関係者も「せっかく出来たCATのメリットが生かせなくなった」(都ホテル・寺師興吉郎営業企画部長)という。
 東京CATは、成田乗り入れの航空会社48社のうち29社の搭乗手続きが可能だ。(京都新聞 夕刊)
■「はるか」前売り開始 京都発7本分 早くも売り切れ
 関西国際空港に乗り入れるJR西日本の特急「はるか」の前売り指定席特急券の発売が4日から全国で始まり、発売開始30分で上下58本中、京都から同空港に向かう下り7本分が売り切れた。
 「はるか」は、京都−関西国際空港間を最短73分で結ぶ全席指定の特急(200席)で、同区間を1日29往復する。この日は開港日の9月4日分のうち、1日からスタートした団体予約(1列車約60席)を除く一般客向けの前売り券の発売が行われた。
 このうち、始発駅の京都駅では、烏丸中央切符売り場が発売場所にあてられた。駅側は、発売担当の駅員を増やしたり、「はるか」専用の発売窓口を設けるなど最繁忙期の体制で酷んだが、発売開始までに訪れたのは22人だけ。混雑に備えた駅員はやや拍子抜けした様子で、「関西新空港へは、JRの列車を乗り継いだり、他の交通機関でも行けますから」と話していた。
 一方、同空港に乗り入れる南海電鉄の特急「ラピート」の初日の乗車券の発売も午前10時に始まり、発売14分後には難波発の一番列車が完売となった。(京都新聞 夕刊)
5日■地下鉄は赤字100億円 公営企業決算概要 冷夏、水道も赤字に
 京都市は4日、1993年度(平成5年度)の各公営企業会計決算の概要をまとめた。地下鉄は100億1300万円の大幅赤字、市バスも乗客減などで7億6200万円の赤字となる見込み。水道、下水道も冷夏や不況の影響で利用が減り、赤字決算となった。病院は整備事業の進展が好影響となり、収益アップの見直しとなった。
 【市バス】1日平均旅客数は前年度比1万1000人減の45万6000人となった。景気の低迷と地下鉄利用増加の影響と見られる。
 営業収益は272億7100万円と前年度比4億2600万円の減で、収入総額は293億1100万円にとどまりそう。一方、支出は人件費や減価償却費のアップなどで総額300億7300万円と前年度比8億6000万円増の見込み。
 この結果、経営損益は差し引き7億6200万円の赤字で、運賃改定などで4年ぶりの黒字を出した前年度より約13億4300万円の悪化。累積欠損金も6億2800万円の赤字となり、長期借入などで資金剰余額はかろうじて2億1800万円の黒字となりそう。
 【地下鉄】ラッシュ時の増発や土曜日ダイヤの設定で、1日平均旅客数は20万3000人と前年度を1000人上回った。
 営業収益は122億3900万円と前年度比1億6500万円のアップ、収入総額は134億9000万円の見通し。これに対し支出は、営業外費用で企業債の支払い利息が減ったことなどから、総額235億300万円と前年度を2億5000万円下回りそう。
 経営損益は差し引き100億1300万円と依然として大幅な赤字基調。累積欠損額は前年度よりさらに100億円余り上乗せとなって342億5700万円まで膨らむ見込み。資金剰余額も5年ぶりに赤字に転落、不良債務が9億3600万円となる。(京都新聞)
■地下鉄引責で市長は辞職を 地区労申し入れ
 京都市内の5つの地区労働組合協議会は地下鉄東西線の建設費膨張と工期延長問題で田辺市長の辞任を要求する特別決議や辞職勧告書、申入書などを市長に提出した。申し入れなどによると、72回にも及ぶ契約変更などゼネコン側に立った姿勢が事態を招いた。職員や市民にしわ寄せすることは許されず、市長は政治責任を取って辞任すべきとしている。(朝日新聞)
■福知山線で踏切異常
 5日午前7時20分ごろ、JR福知山線の福知山発大阪行き普通電車(6両編成)の運転士が、兵庫県伊丹市の北伊丹−伊丹間にある踏切(警報機、遮断機付き)の手前で、踏切の障害物検知装置が作動したのに気付き電車を停止させた。踏切内を確認したが異常はなかったため10分遅れで発車した。(京都新聞 夕刊)
■行き違いミス? 寝台特急停車 亀岡のJR山陰線
 4日午後11時55分ごろ、京都府亀岡市大井町、JR山陰線並河駅近くで、出雲市発東京行き寝台特急「出雲2号」が、進入信号が赤になっていたため急停止した。同駅に予定外の京都発園部行き普通列車が停車していたためで、JR西日本新大阪総合指令室は、普通列車をひとつ京都寄りの亀岡駅まで3.2`バックさせ、同駅で「出雲」と行き違いをさせた。3日、JR福知山線で起きた電車横転事故の影響でダイヤが乱れており、指令ミスか機器の故障が原因らしい。このトラブルで両列車の約40分を最高に上下6本の列車が遅れた。
 JR西日本の調べによると、両列車は並河駅より2つ京都寄りの馬堀駅で行き違う予定だったが、JR福知山線の踏切事故の影響で「出雲」が16分遅れていたため、行き違いを並河駅のひとつ福知山寄りの千代川駅ですることにした。ところが、千代川駅の上り信号が青になったため、「出雲」が下り普通列車を待たずに並河駅に向かって出発したらしい。(朝日新聞 夕刊)
6日■工事の作業員死亡 地下鉄東西線
 5日正午ごろ、京都市山科区椥辻東潰、地下鉄東西線勧修寺工区の掘削工事現場で、小型ブルドーザーを運転していた京都市東山区今熊野阿弥陀ヶ峰町、土木会社「朝日組」社員斉藤友幸さん(47)=山科区四ノ宮川原町=が、組んであった鋼材で頭部を打って首の骨を折り、6時間後に死亡した。
 山科署の調べでは、斉藤さんは土砂の運搬のため、現場(地下最深15.5b)の斜面をブルドーザーで押して上っている途中、頭上に水平に組まれたH鋼(幅30a、厚さ30a)との間隔が狭くなっているのに気づくのが遅れたらしい。(京都新聞)
■JR西日本、8日に上場申請
 JR西日本(本社大阪市、資本金1000億円、井手正敬社長)は、8日に東京、大阪両証券取引所に株式の上場を申請する。6月7日の日本国有鉄道清算事業団の資産処分審議会答申を受け、同社株式がJR東日本に続く売却対象となったため。名古屋、京都、広島、福岡の4証券取引所にも9、10日に順次上場申請する。
 各取引所は上場基準に基づいて審査、来年2月にも上場の運びとなる見通し。売却株数は、10月27日に上場する日本たばこ産業(JT)株式の売却や上場後の状況、証券市場動向などを見極めて検討するが、発行済み株式 200万株のうち百数十万株になるとの見方が有力。(京都新聞)
■JR西日本 週明けに上場申請
 JR西日本は5日、週明けの8日に東京と大阪の証券取引所に上場申請すると発表した。名古屋、京都、広島、福岡の各証券取引所にも9−10日、同様の申請をする。
 国鉄精算事業団は、10月末の日本たばこ産業(JT)上場後の株式市況を見たうえで、11月中にも一般競争入札を実施し、年末から年明けにかけて売り出し価格を決める。発行済み株式200万株のうち、売却するのは百数十万株で、上場は1995年2月ころになる予定。(朝日新聞)
■事故表示灯が点灯 関西線が一時運休
 6日午前6時53分ごろ、三重県鈴鹿郡関町新所町のJR関西線加茂発亀山行き普通列車(2両)が、加太駅−関駅間を走行中、関駅構内信号機付近で最前部運転台にある事故表示灯が点灯したため停車した。
 亀山鉄道部で点検したが異常がなかったため、同8時すぎ運転を再開した。同部で原因を調査している。
 上下線2本が柘植−亀山間で区間運休した。(京都新聞 夕刊)
7日■私の評 地下鉄事業の実態、さらに迫れ 山口桃里
 このところ、深刻な出来事が多い。
 猛暑、水不足、就職難、ツルリと顔をなでたらペロリと主張が変わる社会党、など、うんざりだ。ルワンダのコレラ禍も地獄絵を見る思いがする。
 なかでも熱くなるのが地下鉄事業のいい加減さだ。建設費が、当初予算の2450億円を、2260億円超過して、4710億円かかる、と聞いては放置できない。いくら政治音痴の私でも、底に大穴の開いた財布に税金を払うなんて我慢できない。民間企業ならとっくに破産している。
 予算や計画のずさんさもさることながら、ことがここまでひどくなるのは、きっと腐敗した権力の構造が原因しているのだ。予算が超過することは、当事者には最初からわかっていたのだろう。デタラメに対し正面きって異を唱えるチェック機能が官僚体制に働いていないのではないか。
 私は、30年以上、書の業界に席をおいているが、この世界にずっと息をしてみると、書道界のみならず、世の中全体の権力の構造が見えてくる。組織はひとりでに力を持ち、ビラミッドの形に固定していく。
 間もなく戦後50年。ピラミッドは不動だ。権力の構造は内部から変わることはない。なぜなら、明日トップになりたい人間は絶対トップに逆らわない。独裁者は、耳障りのよいご機嫌とりに弱い。生活がかかったサラリーマン官僚は唯々諾々と、飲み込まれていく。
 京都新聞は、もっともっと地下鉄事業の実態を取材してほしい。権力と互角に戦えるのはマスコミだけだ。
 「消えぬ市民の行政不信」(7月23日朝刊)「出入り口のない駅の建設」(7月26日朝刊)など、具体的な記事が求められる。市サイドからの釈明は、記者の筆を借りたコメントになっているが、真実が見えてこない。立案者、設計者、積算者、建設業者ら立場の違うさまざまな関係者に紙面に書いてもらえないだろうか。それも、通り一遍の言い訳にならないように、設問に答える形で。
 8月1日付の市民新聞紙上で、田辺市長が「市民のご理解を」とか言っていたが、全く人を食ったものだ。
 京都新聞はこんなことにならないよう鋭く問題の本質に追ってほしい。長期にわたる連載や、気長な調査も必要だ。私たちにもっと知らせ、もっと考えさせてほしい。政治が悪いのも、行政がヘタクソなのも、結局は私たちがいい加減だ、ということになるのだから。(書家・画家)(京都新聞)
■突然、運転不能に JR紀勢線の電車
 6日午後7時40分ごろ、和歌山県御坊市湯川町のJR濃紀勢線で、新宮発和歌山行きの普通電車(乗客70人)が突然運転できなくなり停車した。約1時間40分後、後続の普通電車に連結されて御坊駅に戻った。乗客は、同駅で乗り換えた。このトラブルで、新宮発天王寺行き特急「くろしお32号」(乗客300人)が1時間39分遅れたほか、普通4本のダイヤが乱れた。
 JR西日本和歌山支社の調べによると、普通電車は電気系統が故障とたらしい。(朝日新聞)
8日■ゴンドラ停止 1時間 ホテルの火事で停電 59人、40度の室内に 新神戸ロープウェー
 7日午後2時3分ごろ、ミナト・神戸の北野異人館街とハーブ園のある六甲山系世継山頂(419b)を結ぶ新神戸ロープウェー「神戸夢風船」(全長約1.5`)が突然ストップ。ゴンドラ45台が1時間半から50分間にわたって宙づりになり、観光客ら59人が猛暑の中、ゴンドラ内に閉じ込められた。病院に運ばれた人はなかった。甲子園に出場する球児らが泊まっていた近くの同市中央区熊内町5丁目、ホテル神戸(鉄筋地上3階、地下1階)のボヤが原因。球児らは避難して無事だった。
・宿泊の球児ら避難
 葺合消防署などの調べによると、同日午後2時ごろ、ホテル神戸の地下1階電気室でコンデンサーなどが焼けた。このため、関西電力上筒井変電所のブレーカーが自動的に落ち、周辺約820世帯が停電。同ロープウェーの6台のブレーカーも自動的に落ちたままとなった。
 ロープウェーを運行している神戸市都市整備公社は停止直後からゴンドラを手動に切り替えて徐行運転し、乗客を最寄りの駅へ降ろした。乗客全員がふもとに戻ったのを、公社が確認したのは、事故から2時間半後だった。
 ゴンドラは6人乗り。ドア付近に約15a四方の窓、天井と足元に通気口があるが、冷房装置はない。神戸海洋気象台によると、この日の最高気温は38度。停電のあった時間帯の午後2時は36.1度もあり、ゴンドラ内は40度以上にも達していた。
 同公社によると、停電を関電から知らされず、原因を追及していたため、復旧作業が遅れたという。予備電源は自動的に切り替えられる仕組みになっていなかった。
 ぼやのあったホテルは8日開幕の第76回全国高校野球選手権大会に出場する北海(南北海道)、砂川北(北北海道)、仙台育英(宮城)の3校の選手約120人の宿泊先で、出火当時、ホテル内にいたのは仙台育英の選手たち。他の客を合わせて約60人が一時避難した。(朝日新聞)
■JR西日本株上場を申請
 JR西日本は8日午前、大阪証券取引所に上場申請した。午後には東京証券取引所にも申請。国鉄精算事業団などは秋にも株式の一般競争入札を実施し、早ければ年内にも売り出し価格を決める。上場は1995年2月ごろになる予定で、JRグループでは、東日本に続いて2番目になる。
 この日、JR西日本の荘司晄夫副社長が大証の杉尾嘉昭乗務理事に申請書類手渡した。名古屋、京都、広島、福岡の各証券取引所にも9−10日、同様の申請をする。
 国鉄精算事業団と運輸省は、10月末の日本たばこ産業(JT)上場後の株式市況を見たうえで、11月中にも一般競争入札を実施し、年末から年明けに売り出し価格を決める、発行済み株式200万株のうち、売却するのは百数万株。
 大証への上場申請後、JR西日本の井出正敬社長は「誠に感慨深いが、証券取引所の厳正な審査を前に身の引き締まる思いだ。これからも一層、上場会社にふさわしい会社にするよう全力をあげて取り組みたい」とのコメントを出した。(朝日新聞 夕刊)
9日■JR職員起訴 地検に要請書 信楽鉄道事故遺族
 信楽高原鉄道列車衝突事故で、遺族から証拠いん滅罪で告訴告発されていた事故当時のJR西日本亀山CTC所長(51)の不起訴処分に対し、大津検札審査会が不起訴不当を議決したことで、「犠牲者遺族の会」は8日、同所長の起訴を求める要請書を大津地方検察庁検事正あてに提出した。
 9月4日の証拠いん滅罪の公訴時効成立を前に、再操作の早期決着を求めるのが目的。要請書では、この所長が改ざんしたとされる「方向優先てこ操作マニュアル」の証拠としての重要性や、JR西日本の会社ぐるみでの証拠いん滅行為の悪質性を指摘している。
 要請について中尾幸一・同地検次席検事は「適正な捜査を進め8月中にも結論を出したい」と話している。(京都新聞)
■商店街十数軒焼く JR新宮駅前 紀勢線もストップ
 8日午後8時50分ごろ、和歌山県新宮市駅前本通の商店街から出火、消防車12台が消火に当たったが、歯科医院、食堂など十数軒を全半焼、延べ約2500平方bを焼き、2時間半後にほぼ消えた。住民約30人が避難した。
 新宮消防本部によると、女性1人が家財道具を運び出す途中で転び腕などにけが、別の女性も気分が悪くなったと訴えているという。新宮署や新宮消防本部で出火場所や原因を調べている。
 JR紀勢線は、火災による熱で信号機などが正常に作動しなくなったため、新宮発の上下線4本が運転を取りやめた。天王寺発新宮行き特急くろしお27号が紀伊勝浦で運転を中止するなど到着予定の3本も手前の駅で停車、タクシーなどで振り替え輸送した。
 現場は新宮駅前の商店街で、当時、大半の商店は既に閉店していた。(京都新聞)
■チンチン電車 雄姿再び 緑化フェア会場で運行 復元作業はぼ終了
 京都にチンチン電車が戻ってくる。100年前、日本で初めて路面を走った電車の復元作業が岐阜市の車両整備工場で進み、チョコレート色とクリーム色のツートンカラーの懐かしい姿を現した。今月23日には京都市下京区の梅小路公園会場に運び込まれる。
 電車は平安建都1200年記念事業として、同公園で来月23日に開幕する「全国都市緑化きょうとフェア」で動態保存される車両で、今春から5ヵ月がかりで復元作業を進めていた。
 復元は岐阜市の名鉄住商工業岐阜工場で行われている。同社は過去にも明治村(愛知県犬山市)に展示保存する京都の市電を復元した実績を持つ。
 電車は1両。1961年まで堀川線(北野−京都駅)を走っていた車両をベースに、当時の寸注で新たに部品を作り、組み立て直した。
 車体の台枠や柱の一部は当時のまま、動力のモーターも内部の部品を交換、外枠は昔のままに復元した。藤(とう)製のつり輪など細かな部分までも忠実に再現した。
 復元された車体は塗装もほぼ終わり、仕上げ段階、11日には完成検査を行う。
 「姿は昔のままでも、機能は現在の安全基準を十分満たした」(柏原誠・同社鉄道事業本部長)という自信作。緑化フェア会場では250bの軌道を設け、来場者を乗せて運行される。(京都新聞 夕刊)
10日■地下鉄東西線事業費膨張 削除の堀川駅東側出入り口 将来の設置に含み 市会交通水道委員会 建設ビル構造に配慮
 京都市の地下鉄東西線建設事業の見直し作業で、堀川駅出入り口が削除された問題で、三浦貞義公営企業管理者(交通局長)は9日の市会交通水道委員会で「(堀川通東側に建設予定の)ビルの地下を駅出入り口建設に対応できるような構造で考えている」と答弁、将来的な出入り口建設に含みを持たせた。
 問題となったのは中京区堀川通御池上ル東側に建設予定だった地下鉄堀川駅の出入り口は、交通局が、地下鉄や市バスの料金集計業務を行う料金センターと合わせて建設、地下道で堀川通を東西に横断する計画で、堀川通東側に約21億円で用地を確保している。
 同駅は当初、堀川通西側の二条城南側2ヵ所、堀川通東側1ヵ所の計3ヵ所の出入り口を設置する計画だったが、地下鉄建設事業費の膨張を機に設置した点検・推進委の見直しで東側出入りが削除された。
 この日の委員会で、福島滋弥議員(自民)が料金センターには計9人が勤務するだけなのに、鉄筋4階建て(延べ約1000平方b、建設費約4億円)のビル建設が計画されている、と疑問を提示し「リストラ精神に反するのではないか。出入り口建設を優先すべきだ」と追求。これに答える形で三浦管理者が明らかにした。
 市交通局は2フロアを料金センターで使用、残りはテナント募集する、としている。また、この日の交通水道委員会では東西線の工事日立て替え工事について、山口巌高速鉄道本部長の「規則上問題ない」との説明について、資料要求などが行われた。(京都新聞)
■山梨のリニア実験開始は97年に先送り 運輸省
 運輸省は10日までに、リニアモーターカー山梨実験線での実験開始目標を1996年春から97年春に1年先送りする方針を決めた。
 山梨実験線の先行工事区間では、既にトンネル5ヶ所が貫通するなど建設は順調で、運輸省によると、現在の用地契約率は92%だが、残りの用地をめぐる交渉が難航しているのが原因。事業認可に必要な耐久性試験などのデータが不足する事態も考えられることから、98年度末に実用化のめどを立てるとしていた計画も1年遅れとなる見通し。
 実験開始の時期の変更は今回を含めると3回目となり、再三の遅れで全体計画の見直し論議も出てきそうだ。
 山梨実験線の当初計画は、93年度中に実験に入り、97年度中に実用化のめどを立てることになっていた。
 しかし、91年10月の宮崎実験線での車両火災事故などで山梨実験線沿線の住民が態度を硬化させ、用地買収が難航。
 このため運輸省は92年7月、山梨県境川村−秋山村の全長42.8`のうち大月市−都留市(18.4`)を先行工事区間に設定。この際、実験開始の時期を93年度中から95年春に変更した。
 さらに昨年8月の94年度予算の概算要求段階でも用地取得の大幅な遅れで実験開始時期を96年春に、実用化のめども98年度末にずらした経緯がある。(京都新聞)
■ホテルグランヴィア京都 京都第2の550室 駅ビルに9年春以降開業 計画概要決まる
 ジェイアール西日本ホテル開発(本社・京都市下京区、佐藤龍太郎社長)は10日、京都駅ビルに開設する「ホテルグランヴィア京都」の計画概要を明らかにした。京都で2番目の客室規模で宴会、レストラン部門を強化、京都の玄関に位置する地の利を生かした格式ある高級ホテルをめざす。開業は3年後の平成9年春以降の見込み。
 同ホテルは、平成8年秋完成予定の京都駅ビル(鉄筋コンクリート造り地上16階、地下3階、延べ約23万8000平方b)の東部分約7万700平方bに開業する。客室は9階から16階までで、ツイン・ダブル530室、スイート20室の計550室。
 客室数は新・都ホテル(714室)に次ぐ規模。料金は、40平方bクラスのツインで3万円から4万円の料金設定とする。
 5、7階部分の宴会場は大、中、小計14室。売り上げの4割を宴会収入とみており、チャペルや神式の結婚式場も設ける。また、料飲部門では和洋食、中華料理、ステーキハウスなどを予定。業務提携している帝国ホテル仕込みのメニューを売り物にする。
 このほか、プールやフィットネスクラブなどのレジャー施設、ショッピングアーケードなども計画している。
 佐藤社長は「関西国際空港の開港で、京都のホテル需要は確実にパイが大きくなる。世界に通用する施設、サービスを兼ね備えたホテルを作りたい」と、話している。(京都新聞)
■奮闘!暑さの仕事師A 保線作業員 危険を背に安全守る
 午前8時半、軌道の上はすでに30度を超えている。「嵐電」で親しまれる京福電車の踏切。通勤、通学の客を乗せた車両が行き交い、その合間をぬって、保線作業が続く。作業員たちの額から、汗が粒になってしたたり落ちる。
 電車がいつでも順調に、安全に走るために、保線作業員は重要な裏方さん。嵐電では7人の社員が担当する。嵐山本線と北野線の計約11`を毎日、異常がないか、危険な個所はないかと点検。線路や枕(まくら)木などの傷んだ部分を補修していく。
 この日の最初の作業は踏切の補修。電車の振動に加え、猛暑でアスファルトも緩みがち。踏切に穴があくことは事故につながり、早急な補修が必要だ。
 同社工務係の村田暢男さん(53)は経験25年以上のベテランだ。3人の後輩へ手際よく指示して掘り返し、熱いアスファルトを流し込む。最後にバーナーで焼いたこてで地面をならして仕上げる。
 地面からゆらゆらと熱気があがる。列車の防げにならないよう集中するため「暑さは気になりません」。村田さんはそう言って汗をぬぐった。(京都新聞)
■窓 清掃意欲そぐ有料ごみ回収 南区・北上 謙(団体職員・58)
 JRの小さな駅近くにいますので、3日に1度は捨てられた空き缶を拾っています。
 駅舎から出てすぐのあたりにころがっている缶類を駅舎出口の売店前にある「空き缶入れ」に数個入れました。すると、売店の中から女性の声で「それはお金を払って置いている箱やから、あんた勝手に入れてはいかん!」としかられてしまいました。
 もちろん、私の拾った瓶や缶は、すべてこの売店の商品であったかどうか分かりません。しかしどうなのだろうか? と一瞬ひるんだ私は、それを手に持ったり、他の袋の中に入れたりして戻りました。少しは良いことをしたい、と思った私の小さな「良心」は傷ついて一夜を過ごしました。
 考えてみれば、叫ばれるのも当然でしょう。しかし、それでは駅のホームや駅舎の周囲にころがっている瓶や缶、たばこの空き箱、弁当がらなどを拾ったら、その人が自宅へ持ちかえらなければいけないのでしょうか。
 ごみ回収の有料化は、ごみを捨てないような市民意識を育てはしますが、目に余るごみを拾おうとする駅や公衆の集まる所付近の住民は、清掃意欲を失ってしまい、泣き寝入りするしかないのでしょうか。(京都新聞)
■山梨リニア実験開始 さらに遅れ97年に
 運輸省とJR東海は9日までに、山梨県に建設中のリニアモーターカー(超電導磁気浮上式鉄道)実験線の実験開始時期を、これまで目標としてきた1996年春から97年春に1年間遅らせる方針を固めた。これによって実用化へのめどをつける時期も98年度から99年度にずれ込む見通し。
 関係者によると、今回の実験開始の先送りの方針決定は用地買収の遅れのほか、工事区間の一部で土質が悪く工事が難しい個所が出てきたことも要員。しかし、リニアそのものの推進には影響はない、としている。(朝日新聞)
11日■窓 新駅ビルにも弱者に配慮を 横頴賀市・まえだ 豊(団体役員・48)
 先月の30日から3日間、京都の立命館大で第28回全国障害者問題研究大会が開かれました。障害者問題を研究するので障害者をはじめとして、教員、大学の教授、福祉事務所の職員、保健婦などと、それに介助の学生たちを含めて、およそ6000人の人が集まって盛大に行われました。
 私も、横浜から松葉づえを使って参加したので、京都に降りたら、すぐに駅員にお願いして車いすを持ってきてもらい、長いホームから駅構内まで車いすを押してもらって出ました。そしてさらに帰りも行くと、同様に駅にある車いすを貸していただき、新幹線ホームまで来ることができました。
 今や、京都駅は、駅ビルに建て替えており、立派な高層駅になるそうです。しかしいくら立派な高層駅につくり替えても、私のように障害者や、高齢者、それに妊婦の人たち、乳母車などに配慮する駅にしていかなければ何にもならないと思いました。
 京都は、世界でも1、2を争う観光都市であり、そのためにも弱者の人に配慮していくことが大切です。これが世界の通例であるといえます。ですから、京都駅も、国際観光都市にふさわしい高層駅に建て替えしていただきたいと願って帰ってきました。(京都新聞)
■JR東海 社員2人 出向命令は向こう 大阪地裁決定「人事権の乱用」
 新幹線の車掌や駅員から清掃会社への出向を命じられたJR東海の社員3人が、労働条件の低下などを理由に出向命令の差し止めを求めていた仮処分申請で、大阪地裁の佐藤嘉彦裁判長は10日、「出向先の仕事は肉体的な負担が大きく、退職に追い込まれる恐れがある。人事権の乱用だ」として、3人のうち2人についての出向命令を無効とする決定をした。
 申請していたのは、大阪車掌所車掌長の新谷完次さん(55)と木下邦夫さん(58)、新大阪駅営業主任の金谷晴雄さん(54)で、いずれも国労新幹線支部の組合員。
 決定によると、JR東海は60歳定年制の実施に伴って1990年、54歳になった社員は原則として出向させるという協定を国労と締結。これに基づき、新谷さんら3人に対して、車内や駅舎の清掃を請け負う会社へ出向を今年6月1日付けで通告した。
 佐藤裁判長は、出向制度は定年延長を図るためのもので、3人に対する出向命令には業務上の必要性があった、と認定。しかし、新谷さんと金谷さんについては「腰痛などの持病で出向先の仕事は肉体的に負担が大きい。事実上、退職に追い込むような人事は許されない」として、出向命令は無効と判断した。
 木下さんについては、「労働条件の低下はあっても健康状態に問題はなく、退職に追い込まれる恐れは認められない」として、申請を却下した。
・JR東海の金子慎・人事部勤労課長の話 制度の解釈面において会社の主張をほぼ認めている点は評価できるが、個別の適用において判断を誤った不当な決定。異議申し立てなどの措置をとりたい。(朝日新聞)
12日■列車同士衝突 100人以上死傷 韓国
 【ソウル11日共同】聨合通信によると、韓国慶尚南道密陽郡三浪津の国鉄京釜線美田駅構内で11日午後3時半ごろ釜山発大邱行き急行列車と大邱発馬山行き急行列車が正面衝突し、機関士ら4人が死亡、乗客百数十人が重軽傷を負った。
 聨合通信によると、事故原因を調査している韓国鉄道庁は、美田駅構内で馬山行き急行列車が下り線に進入した直後に、大邱行き急行列車の機関士が停止信号を無視して同線に入り正面衝突したとみている。(京都新聞)
■山科で山林1.5f焼く
 11日午後9時すぎ、京都市山科区御陵安祥寺町、安祥寺山南斜面の山林から出火、強い東風にあおられて北西側に広がった。京都市消防局から消防車13台が出動、消火に当たったが、強風に加えて連日の干天で樹木が乾燥していたため火勢が強く、雑木など約1.5ヘクタールを焼き、12日午前零時、鎮圧した。けが人や建物への被害はなかった。山科署と京都市消防局で原因を調べている。
 現場はJR山科駅の北西約500b。琵琶湖第一疏水をはさんで南約100bに民家やマンションがあり、山科署員や地元消防団員らが住民に注意を呼びかけた。一時は火の粉や煙が住宅地にまで及び、住民らは表へ出たり、すすが飛来する通路に水をまくなど騒然とした。また近くを走るJR東海道線は上り列車の走行線を内側に切り替え徐行運転したため、18本が最高21分遅れた。(京都新聞)
■新幹線の冷房不良 保護回路に不備 JR東海改造に着手
 東海道、山陽新幹線の「のぞみ」(300系)と「ひかり」の一部(100系)で相次ぐ車内温度の異常な上昇の原因は、冷房機の保護回路に設計上の不備があったためであることが、JR東海の調べで分かった。猛暑の中のフル運転で、機器に一定以上の負荷がかかると、自動的に電源が切れるが、再始動は手動になっているため、操作の遅れから、温度上昇を招いていた。同社では急きょ、保有する1280両の300系、100系車両について、エアコンを自動的に再始動するための改良工事を始めた。同型車をもつJR西日本も対策を急いでいる。
 JR東海によると、新幹線の車内温度はマイコン制御で平均26度になるよう設定されている。ところが、「クーラーが利いていない」「暑すぎる」との苦情が1日20件以上寄せられた。
 調べたところ、冷房の利きの悪い車両は、4台ある冷媒のフロンを圧縮するコンプレッサーのうち、1、2台の電源が切れていた。猛暑でフル稼働の結果、機器を休ませるために電源を切る保護回路が働いていた。(朝日新聞)
■クレーンが架線を切断 山陽電鉄一時不通
 11日午後3時25分ごろ、兵庫県高砂市高砂町浜田町一丁目の山陽電鉄荒井未知踏切(警報機、遮断機付き)で、同市高砂町鍛冶屋町、産業廃棄物処理会社「播磨環境管理センター」のトラック=中村文昭さん(29)運転=が、荷台のクレーンのアームを下り線の架線に引っ掛けて切断した。さらに2分後、同踏切に差しかかった姫路発東二見行きの普通電車が、たわんでいた上り線の架線も切断し、現場で立ち往生した。乗客約40人にけがはなかった。
 この事故で、飾磨(姫路市)−東二見(明石市)駅が約4時間半にわたって不通となり、約6万4000人の足に影響が出た。(朝日新聞)
■暑さも席も100% 帰省ラッシュ始まる 名神34`の渋滞
 お盆の帰省ラッシュが本格的に始まった12日、JR京都駅ではふるさとへ向かう家族連れなどで早朝からごった返した。JR西日本、東海の両社では、列車による帰省のピークは13日午前中までと予想している。
 山陰線の午前9時発あさしお1号、9時半発タンゴエクスプローラー1号は共に100%の乗車率。ホームは土産物を両手に京都府北部などに向かう帰省客であふれた。郷里の中郡峰山町に向かう小中学生の娘2人を見送りにきた城陽市の公務員は「座れそうにないので、出発を1本遅らせました」と混雑ぶりに早くも疲れたようすだった。
 JR東海では近年の分散型が定着し、数年前までの大混雑はなさそうと見ているが、同京都駅によると、下りは9時47分発のひかり33号の乗車率150%を最高に軒並み20%を超した。
 新幹線のみどりの窓口には当日券を求める帰省客が詰め掛けたが、下り列車の空席表には9時10分の時点で11時20分発のひかり105号まで7本に空席なしを示す「×」マークが並んだ。
 一家4人で佐賀県へ帰省する宇治市の会社員は「なんとか指定席をおさえたが、4人ともばらばらの席になった」と話していた。
 また、名神高速は午前5時ごろから渋滞が始まり、午前10時半ごろには上り線で草津パーキングエリアを先頭に26`、下り線で吹田インターを先頭に34`の車の列ができた。国道9号も帰省や海水浴の車で、下り線の園部町内や福高山市内で4`の渋滞が続いている。(京都新聞 夕刊)
■帰省ラッシュ本番
 お盆を故郷で過ごす人たちの帰省ラッシュが12日朝から本番を迎えた。
 JR西日本によると、山陽新幹線の下りは、新大阪駅を午前6時2分に発車した博多行き「ひかり131号」が130%の乗車率だったのをはじめ、相次いで100%を超え、「のぞみ」もほぼ満席の状態。
 帰省は12、13日、リターンは15、16日が最も混雑する見込みという。
 一方、西日本に向かう高速道路も早朝から長い車の列が並んだ。名神高速道路下り線は吹田ジャンクションを先頭に滋賀県の栗東インタまで最高40`、中国自動車道下り線は吹田ジャンクションから18`の渋滞となった。(朝日新聞 夕刊)
13日■京福と車衝突 右京・1人が軽傷
 12日午後5時50分ごろ、京都市右京区山ノ内苗町の三条通で、嵐山発四条大宮行き京福電車=市田辰良運転士(30)=と、西進中の右京区山ノ内池尻町、会社員市川暢哉さん(27)の軽ライトバンが衝突。約60人の電車の乗客にはけがはなかったが、市川さんが左腕に軽傷を負った。
 太秦署の調べでは、現場は電車軌道と三条通が合流している所で、電車の通過待ちで停車していた乗用車の右側を、軽ライトバンが追い越して軌道内に入った所で、対向の電車の前部に衝突したらしい。(京都新聞)
■青鉛筆
 ▽福井県勝山市と福井市を結ぶ京福電鉄越前本線に12日から、恐竜のシールを張った電車が走り始めた。乗客を増やして廃線を免れようと、恐竜化石の産地の勝山市が企画した。
 ▽恐竜の給を10ヵ所、足跡を6ヵ所張った「恐竜号」と、恐竜キャラクターのチャマゴンを18ヵ所に張った「チャマゴン号」の2両編成。1日5往復以上運行する。
 ▽初日は、招待された保育所の子供たち約50人が乗り込むなどでにぎわったが「一時は栄えた恐竜も絶滅してしまった。さらにいい企画を続けないと」と同市役所。(朝日新聞)
14日
 三浦貞義氏(みうら・さだよし=京都市公営企業管理者・交通局長)13日午後8時35分、心不全のため向日市の病院で死去、57歳。京都市出身。自宅は京都市上京区天神通仁和寺街道下ル西入ル。葬儀・告別式の日取り、喪主などは未定。
 総務課長、総務部長、自動車本部長などを経て、昨年12月から現職。(京都新聞)
16日■95年度予算、近畿の重点要望 府 和風迎賓館の建設 京都市 地下鉄財源確保
 1995年度予算の概算要求に向け、近畿2府4県の要望が15日までにまとまった。
 関西国際空港、明石海峡大橋、関西文化学術研究都市の三大プロジェクトを中心に、関西の復権を狙って交通網の充実、学術・研究施設の整備を求める要望が目立つ。
 【関西新空港】9月4日の開港を待つばかりとなった新空港。滑走路1本でスタートするが、国際拠点空港にするためにあと2本を増設する全体構想で、本年度に引き続いて3ヵ所のボーリング調査費を地元負担で求めている。
 基礎調査を来年度で終了し、2本目は96年度着工、2007年供用開始を目指す。
 【明石海峡大橋】本州と淡路島を結ぶ明石海峡大橋は98年開通予定。来年度は橋げたの架設作業に入る。完成後を想定して兵庫県は淡路島国際公園都市計画の策定を新しく要望した。
 【学研都市】9月に都市開きし、本格始動する関西文化学研都市。大阪、京都、奈良の3府県にわたる学術の新しい拠点建設が進む。国立国会図書館関西館(仮称)、国立文化財総合機構(仮称)の設置、アクセス網として第二京阪道路などの整備を求めている。
 【その他】大阪府、大阪市は来年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の閣僚会議の大阪開催実現へ支援を要請。兵庫県、神戸市は神戸空港の事業着手に向けて設計調査費を要望する。
 京都府は和風迎賓館の建設、京都市は当初計画に比べて建設費が2260億円オーバーしている市営地下鉄東西線の財源確保などを挙げている。
 奈良県は京阪奈自動車道、新国土軸構想に基づく東海南海連絡道の推進など。和歌山県は淡路島と和歌山を結ぶ紀淡連絡道の早期着工を要望している。(京都新聞)
■御池通のケヤキ並木 地下鉄工事で一時消え… 復帰計画 半数の70本 緑の景観 惜しむ声
 かつて御地通(京都市中京区)に涼しい木陰を作っていたケヤキ並木は、地下鉄東西線建設工事のあおりで144本が一時撤去されたままになっているが、帰ってくるのは半数足らずの70本前後の見通しとなった。
 地下鉄の駅や地下駐車場、地下街の出入り口があちこちにできるため、以前のような密度で植えるのは困難と市が判断したためだ。連日、熱風が吹き抜ける通りを歩く市民からは「並木を早く戻して」との声が強いが、元通りの復活は難しそうだ。
 御地通のケヤキは樹齢5、60年、1954年に当時の担当者の努力で植えられ、直径2、30aに成長していた。しかし工事のじゃまになると、90、91年に業者の畑に移植。さらに完成が3年も延期されたため、管理費などの都合で梅小路公園(下京区)や宝ケ池公園(左京区)に再移植された。
 復活の障害は、地下にできるコンクリート製の構造物。現在、地下鉄東西線の線路や「市役所前駅」だけでなく、地下駐車場2ヵ所と商店街も建設中で、出入り口が何ヵ所も歩道に出てくる。
 関係者によると、普通の街路樹は、コンクリート構造物の上に約1.5bの土があれは十分だが、成長した御池通のケヤキでは少なくとも2.5bは必要。「構造物にぶつかるので、元通りの間隔は無理。以前の半分を戻すのが精いっぱい」という。
 市では「御地通シンボルロード整備基本計画調査検討委員会」を92年度に発足。植栽、カラー舗装、ベンチなど工夫を凝らし、「単なる道路でなく、市民が憩える場所」として再生計画を検討している。
 市街路建設課は「梅小路公園にもケヤキは必要。緑の迫力や市民の要望の点からもケヤキを戻す方向は維持したいが、全部は難しい」と話す。
 ケヤキ並木をあしらった作品が、緑化写真コンクールで2度も府知事貨を受賞した北区鷹峯、会社員辻井勲さん(56)は「ケヤキ並木は、札幌市の大通公園に匹敵する豊かさを誇っていた。望遠レンズで河原町通から堀川通まで見通した様は圧巻だった。半分に減ると寂しくなりますね」と残念がっている。(朝日新聞)
■京都市交通局長が突然死去
 地下鉄東西線建設の陣頭指揮に当たっていた京都市公営企業管理者・交通局長の三浦貞義(みうら さだよし)氏が、13日午後8時35分、心不全のため向日市の病院で亡くなった。57歳だった。葬儀・告別式は16日午後1時から京都市左京区岡崎東天王町26の岡崎別院で。喪主は妻晃子(てるこ) さん。自宅は上京区天神通仁和寺街道下ル西入ル。
 三浦氏は1960年、京大経済額部卒。同年京都市交通局に採用され、電車課、総務部長、自動車本部長を歴任。93年12月、現職に就任したばかり。
 地下鉄東西線の建設費が当初見積もりの約2倍に膨張。7月の臨時京都市議会では、議会の資料要求で連日のように徹夜作業だったうえ、その後も、労組との交渉や国への要望活動が続いていた。
 13日は久しぶりの休みを取ってテニスを楽しんでいる途中、突然気分が悪くなり、近くの親類宅で休んだ後、救急車で病院に運ばれたという。(朝日新聞)
■お疲れサマーUターン 休みの分散化でラッシュ長期化 私には義務/魚が何より
 お盆休みを故郷などで過ごした人たちのUターンラッシュが16日から始まった。JR各駅や大阪空港では、両手いっぱいにお土産を持った家族連れの姿が目立った。ピークをずらして休みを取る「分散型」が定着したためか、新幹線などは空席もあり、「悠々Uターン」の様子。各交通機関とも予約状況からピークは17日夜までとみているが、「今年はピークらしいピークにはならず、週末までダラダラと続くかもしれない」とも話している。
 JR西日本の調べでは、この日山陽新幹線の新大阪駅到着時点で自由席乗車率が100%となったのは、午前10時15分着の博多発「ひかり32号」が最初。それまでの混雑率は最高でも80%と座席に余裕があった。
 11時過ぎには100%を超える列車が目立ち始めた。
 在来線では大阪駅に午前9時過ぎに着いた富山からの「スーパー雷鳥12号」が120%となったほか、新大阪駅にほぼ同時刻に着いた新宮発の「スーパーくろしお2号」が130%となった。
 大阪空港の到着便は、ビジネス客が多い東京便を除いてほぼ満席。全日空は鹿児島、熊本など6便の臨時便を出した。
 一方、国際線は出発客もまだまだ多く、日本航空は「20日ごろまで出国ラッシュは続きます」と話している。
 高速道路では、午前10時半現在、名神高速上り線の京都・大阪府境の梶原トンネルを先頭に15`、阪和自動車道下り線の海南東本線料金所付近で4`の渋滞が出ているほかは、まだ目立った混雑はない。
 こちらもUターンの分散化のため、名神高速は上下線とも天王山トンネル付近を中心に、22日まで渋滞が続くとみている。(朝日新聞 夕刊)
お父さんの盆休み(JR新大阪駅、大阪空港で)
名 前帰省先故郷での「ごちそう」
三登隆行さん 30歳
東京都調布市 ミシンメーカー社員
豊中市3歳の子どもを連れ1年ぶりに帰りました。両親は喜んでいましたが、私には義務みたいなものですが…。
花野勲さん  52歳
大阪市天王寺区 電設資材会社員
広鳥市大阪に単身赴任中で家旗が4ヵ月ぶりに会った。仕事が頭に浮かんでリフレッシュにはなりませんでした。
中谷喜和さん 32歳
広島県廿日市市 建設会社員
八尾市子ども2人を両親にまかせてテニス用品を4、5万円買った。両親にとっては子どもの方が目当てですから。
伊地知修さん 38歳
堺市 水産加工会社員
北九州市地元の夏祭りを見ていたら、小さなころのことが懐かしくなった。北九州は水不足もなく助かりました。
勝田幸二さん 40歳
神戸市 住宅販売会社員
鹿児島
県準人町
朝夕は大阪より涼しいし、近くに安い温泉もあって、一人息子とたっぷり楽しんできました。
田中正実さん 33歳
千葉県八千代市 運送会社員
高松市水不足で、楽しみにしていたうどん屋は休み、お祭りも中止。今から妻の実家の金沢で休みを楽しみます。
羽鳥龍一郎さん29歳
大阪府八尾市 食品会社員
仙台市大阪に転勤して半年。ふるさとのおいしい魚が何よりでした。最後の晩は飲み過ぎて、調子は最悪です。
歯朶尾(しだお)敬介さん 33歳
大阪府豊中市 建築会社員
徳島市私の実家の高松からは水不足で来るなと言われ、妻の実家に行った。娘は初めて阿波踊りをしました。
黒澤斎方さん 29歳
群馬県高崎市 製薬会社員
大阪市母の初盆で3歳の娘は写真に「おばあさん」と声をかけ、何も言わなくても仏壇に手を合わせてくれた。
葛城新二さん 44歳
尼崎市 清涼飲料水会社員
熊本県
南開町
父の初盆で夏は久しぶりに帰った。兄弟とも余えたし、屋外での焼き肉パーティーは格別だった。
■JR西日本が近距離キップにひと工夫 駅名表示でキセル封じ 5駅で実験中 摘発も容易に
 「○×駅→120円」と表示するより「○×駅→ロ△駅」の方が、キセルがしにくい。こんな考えからJR西日本は、近距離乗車券の表示を「金額」から「駅名」へ切り替えることを検討中だ。駅名の明記で、反対方向の電車やその駅を通過する電車に乗りづらくなるほか、摘発もしやすくなるという。すでに6月半ばから5駅で「実験」を開始、効果を見て拡大する。
 JR西日本によると、昨年度下期(昨年10月−今年3月)に駅などで発見した不正乗車は1386人に上る。このうち、「最低区間切符」と手持ちの定期券を組み合わせるなどの「区間外乗車」は31.5%を占めた。最低区間切符の回収率は極めて低く、例えば新大阪駅からの切符は約20%、姫路駅は約15%に過ぎない。同社は回収できない切符のほとんどがキセルのために購入され、駅への入場後に捨てられたとみている。
 切符への駅名表示は、こうした不正を封じるために考え出されたもので、違う方向へ向かう電車などに乗りづらくする効果や車内改札時に駅員が事情を聴きやすくなることを期待している。自動券売機のボタンに書かれた運賃を表す「120」や「140」を駅名に改め、切符にも駅名を表示。対象の駅が多い場合は「大阪環状線」などと「線名」を記す。その効果を確かめるため、同社は米原、京都、新大阪、大阪、姫路の5駅で実験を始めた。
 新大阪駅の最低区間運賃は120円。上りの東淀川駅しか行けないことから、切符には「新大阪→東淀川」と表示した。この切符で下りの大阪、神戸方面に乗ったり、東淀川を通過する新快速に乗ったりして、駅員に問いただされた場合はそれなりの「説明」が必要となる。約1ヵ月間のデータでは「120円切符」の1日の平均発売枚数は、変更前の約800枚から約500枚に減ったという。
 姫路駅の場合、最低区間運賃は140円。播但線の京口駅だけがその対象で、利用客の多い山陽線では隣の駅まで行けない。変更前まで同約350枚も売れていたが、これが変更後はいきなり約150枚に減った。同駅は播但線と山陽線のホームが左右に分かれているため、「姫路→京口」の切符を買った客が山陽線ホームに向かうと、駅員が「播但線はそっちじゃないですよ」と声を掛けるなどして、効果をより高めているという。
 JR西日本は今後も5駅の効果が上々ならば、金沢や広島、岡山、天王寺、三ノ宮など、管内の主要駅でも駅名表示方式を導入する考えだ。(朝日新聞 夕刊)
17日■Uターン本番 陸海空路いずれも満席
 お盆休みをふるさとや行楽地で過ごした人たちのUターンラッシュは16日午後、関西でもピークを迎え、大阪方面に向かう新幹線やフェリーなどは土産物を抱えた家族連れらで混雑した。
 JR西日本によると、山陽新幹線上りは広島を午後1時4分発の東京行きひかり90号などで乗車率が150%になり、のぞみは全列車がほぼ満席。在来線も午後3時36分の米子発特急はまかぜ4号が大阪に着いた時に220%に達したのを最高に北陸、南紀各方面からも混雑した。
 一方、大阪空港着の国内線も、東京や鹿児島からの便にわずかに空席が見られた以外は終日満席。淡路島−神戸、大阪間や高松−大阪間の上りのフェリーも午後5時ごろまでの便が軒並み満席。高速道路も同日夕方ごろから名神高速下り線で天王山トンネルを先頭に約7`、中国道上り線も宝塚市付近で19`の渋滞になったが、日本道路公団では17日以降は大きな渋滞はなさそうだという。(京都新聞)
■京都市人事 交通局長に中谷氏 理財局長小浜氏 東西線、財政テコ入れ
 京都市は17日、今月13日死去した三浦貞義公営企業管理者・交通局長の後任人事を中心とする人事異動を発令した。公営企業管理者・交通局長には中谷佑一理財局長を起用、理財局長には小浜本一企画調整旨長を充て、当面する地下鉄東西線の建設事業費膨脹の難局に財政面からテコ入れを図る配置となっている。
 中谷氏は人事、民生畑で手腕を発揮し、昨年4月から市長部局の財政トップである理財局長を務めた。小浜氏は自治省出身で国とのパイプを持ち、この2人の起用で、巨額の赤字を抱える交通局への手当てと、国への支援要請の活動を積極的に進める狙いとみられる。
 また、行政改革推進に取り組む企画調整局長には、森脇史郎民生局長を充てた。東西線建設事業では、巨額に膨張した建設財源の確保とあわせて、市長部局も含むリストラ体制の強化が課題となっている。
 このほか局長級2人、部長級1人、課長級1人を異動した。
 中谷 佑一氏(なかたに・ゆういち)立命館大法学部卒、1961年採用、人事課長、職員局次長、同局長、民生局長を歴任。93年から理財局長。55歳。(京都新聞 夕刊)
18日■奮闘!暑さの仕事師G ホーム舞台に歌を披露 トロッコ列車運転手
 連日の猛暑でも、人気は衰えないトロッコ列車。照りつける日差しの嵯峨駅ホームは、多くの観光客の日傘や扇子が揺れる。
 拡声器を手にさっそうと現れるのは名物運転手のひとり田中二朗さん(50)。列車が到着するまでのわずかな間でも、退屈させないように、ジョークを交えながら得意の歌を披露する。さながらホームはステージ。
 「せっかく遊びに来てもらっているんだから、暑さを忘れて楽しんでもらいたい」。持ち前のサービス精神を発揮させる。
 が、いったん運転席につくと目は真剣に。「ハイ、発車」、「前方よし」。発声しながらの安全確認に余念がない。
 保津川渓谷を行く列車は一見涼しそうに思えるが、渓谷美とは裏腹に冷房のない車両は蒸し返る。わずかな空間しかない運転席は、なおさらだ。汗が噴き出し、「今年は川が渇水し、見るからに暑い」。
 時々、運転席と客車の間の扉をそっと開ける。車内に風を送り込み、乗客に少しでも涼をとの気遣いだ。
 途中の駅ではトロッコ列車を背に、観光客と一緒にカメラに向かってVサイン。根っからの明るさが、暑さをひととき忘れさせてくれる。(京都新聞)
■窓 地方の駅は心のオアシス 栗東町・吉田 博(団体役員・73)
 来年に終戦50周年をひかえ、昨年から私は辺地への戦友慰霊の旅が増え、不便な小さな駅で長時間列車待ちをすることが多くなった。
 はじめは退屈でイライラしがちだったが、昨秋、山陽線和気駅(岡山県)の待合室で大きな番傘型の掲示板に地元の小中学生から大人までの作品、川柳の短冊が40首あまり展示されているのに接し、また、赤穂線邑久(おく)駅(同県)、身延線下部温泉駅(山梨県)で、同様に俳句が20首あまり張られているを、時間を忘れて楽しく鑑賞した。それを機に、気を付けていると、寂しい駅も、その土地の人の素朴な情感が、このような句か生け花など何かの形で表現される場になっていて、心にやわらぎを覚えるようになった。
 歌人・若山牧水は「寂しさの果てなん国ぞ今日も旅行く」−と辺地の旅を寂しがっているが、私の戦友慰霊の旅の小さな駅での長時間の列車待ちは、駅を愛する地元の人びとのおかげで、寂しくもイライラもない心のオアシスとなっている。(京都新聞)
■「いい味出します」旧京都市電の敷石が漬物石に
 「石かげん」が決め手、ともいわれる京の「しば漬け」の重しに、京都市内を走っていた市電の敷石が見直されている。角ばっているため、自然石よりバランスが良く、全体に酸味がしみわたるのだという。猛暑の中、いま、しば漬けの漬け込みがピーク。京都市電の歴史がしみ込んだ石を使う店には、全国の漬物業者が「石を譲ってほしい」と申し出たり、観光客も記念撮影してにぎわいを見せている。
 敷石を使っているのは京都市左京区大原の漬物店「志ば久」。6月上旬から容量72リットルの樽(たる)約500個にシソ、ナス、ミョウガに塩を加えて漬け始め、8月上旬、漬け終えた。主人の久保勝さん(51)が一番気遣うのは「石かげん」。ふたが水平でないと空気が入り、かびが発生するという。
 そこで登場したのが、不用になった市電の敷石。約15年前、京都市から約400個を買った。1個が横約40a、縦50−80a、厚さ約10aで、400円−650円。約30a均等になるように切り、2個1組で使い始めた。「きれいに並んだ石をみると、味もよくなった気がする」と久保さん。
 最近になって、うわさを聞いた府外の漬物業者が効用を見学に訪れたり、「譲ってほしい」と問い合わせも多くなった。「漬物屋にとって、石は家宝。残念ながらお分けできません」と久保さんは話す。
 京都市交通局によると、市電の敷石の処分は軌道撤去業者に任せていたが、造園業者らから「売ってほしい」という要望があったため、約10万個を販売したという。(朝日新聞)
■交通局長に中谷氏 京都市
 京都市の公営企業管理者・交通局長三浦貞義氏の死去に伴う後任に17日、中谷佑一理財局長が発令された。理財局長には小浜本一・企画調整局長が就く。その他の人事は次の通り。
 【局長級】企画調整局長(民生局長)森脇史郎▽民生局長(監査事務局長)松井珍男子▽監査事務局長(会計室長)市田幸雄
 【部長級】会計室長(職員研修所監察員)能勢邦広(朝日新聞)
19日■渇水・雷雨 列島異変 各地で被害広がる 新幹線が一時不通 落雷で7人死傷
 日本列島は18日午後、関東、東海地方や九州地方南部で強い雷雨に見舞われ、落雷で1人が死亡、6人が重軽傷を負った。東京都内で家屋が浸水。東海道新幹線が静岡県内で一時不通になり、JRがホテル代わりに列車を用意するなど、交通機関にも大きな乱れが出た。寒気の影響で上空の大気が不安定となったところに、南から湿った空気が入り込んだのが原因。同日深夜、雨は峠を越えたが、気象庁は雨量の多かった地域ではがけ崩れなどの恐れがあるとして注意を呼び掛けている。
 東海道新幹線は18日午後6時20分、新富士−掛川間で上下線とも運転を中止した。同7時41分に徐行運転を始めたが、同8時15分には静岡−掛川間で再び上下線とも運転を中止。同9時44分、時速70`で上下線の運転を再開した。
 JR東海によると、この影響で6万人の足が乱れた。
 東海道新幹線の最終便の到着は定刻を大幅にずれ込む見込みで、JR東海は午後9時半すぎ、東京、京都、新大阪の各駅で、列車を宿泊施設とすることを決めた。
 空の便では、福岡発羽田行きの日航356便が名古屋空港に着陸したのをはじめ、午後4時までに、羽田空港に発着する国内線計80便余りが雷雲を避けて上空で待機したり、離陸を時見合わせるなど15分から70分遅れた。
 同日午後5時20分ごろ、鹿児島県大口市で落雷のため農作業中の男性1人が死亡、4人がけがをした。神奈川県茅ヶ崎市の海岸でも落雷により男子高絞生1人が意識不明の重体となり、女子大生1人が軽傷を負った。
・軒並み3時間遅れ 新幹線京都駅 初の「列車ホテル」
 JR新幹線京都駅では、午後8時12分着の博多行き「のぞみ25号」が3時間以上遅れ、同11時30分に到着したのをはじめ、続く列車も約3時間遅れで続々到着した。
 下り線ホームでは、約50人の乗客がうんざりした表情で列車待ち。4歳の子供を連れた京都市内の主婦(45)は「子供が一緒なので動きがとれません。いつまで待てばいいのか」と疲れきった表情。
 やっと着いた列車から降りた奈良市の会社員和田耕二さん(44)は「東京への日帰り出張の帰り。列車もないしタクシーで帰ろうかと」とあきらめ顔。同じ奈良市内のOL(23)も「自然災害なので遅れは仕方ないけど、ゆっくりでもいいから列車を走らせてほしかった。3時間遅れはひどすぎる」と怒りをぶつけていた。
 JR東海では、遅れで在来線に乗り継ぎできなかった乗客のために、新幹線上りホームに16両編成の回送車両を止め、初の臨時「列車ホテル」を開設した。
 また、JR西日本では、下り新幹線の遅れに伴う京都駅の乗り継ぎ客のために、JR京都線で午前1時発大阪行きの臨時便を増発、奈良線の終電発車時刻を遅らせるなどした。(京都新聞)
■四条通穴ぼこ症候群 京都 ここ1年で陥没5件 原因は… 阪急トンネル 水脈を押し上げ? 埋め戻し不十分? 解明へ対策会議
 京都のメーンストリートの四条通で、車道にぽっかり穴の開く事故が相次いでいる。昨年から5件発生した。いずれも車道の真下に空洞ができ、アスファルトの路面が陥没していた。空洞が生じる原因については、阪急電車のトンネルが堰(せき)の役割を果たして地下水脈を押し上げ、土砂を押し流している、という見方も出ているが、定説はない。四条通は日中、約2万2000台の車が往来し、祇園祭では一晩に60万人近くが歩く。「大事故が起きてからでは遅い」と、京都府警や京都市は18日、初の対策会議を開いて原因解明に乗り出した。
 京都府警や京都市南部土木事務所の調べによると、四条通では昨年7月28日に下京区室町東入ルで突然、車道に穴が開いたほか、ことし7月までに新町交差点など4ヵ所で陥没事故が起こった。7月20日に堺町東入ルでの事故は直径約60aの穴が開き、陥没の状況から地下約1bに空洞ができていたと推定された。府警や土木事務所では、発生のたびに付近を通行止めにし、土砂を入れて復旧させてきた。
 復旧作業に当たった京都市南部土木事務所は空洞について、四条通と阪急電鉄のトンネルの間の地層に雨水がしみ込み、土砂が所々で固まるため生じている可能性があるとし、「トンネル建設の際、土を十分に踏み固めずに埋め戻したからではないか」と指摘する。
 地下5ー15bにあるトンネルは1963年、地表から掘り進むオープンカット工法で完成した。阪急電鉄は「埋め戻しに問題はない。京都市は北から南へ流れる地下水脈があり、トンネルにぶつかってせき止められた流れが地表近くにまで上昇し、土砂を運び去ってしまうのだろう」との見方だ。
 京都市環境保全室によると、京都市の地下水脈は地下6−10b前後を複雑に流れており、トンネルに当たる可能性は高いという。
 このほか、歩道の地下にある上、下水道管の工事が影響しているという意見もある。
 専門家の見方も分かれている。「埋め戻しが不十分で空洞ができたと見るのが自然。土は掘り出すと粒子の形が変わり、元どおり埋めるのが難しい」(竹下貞雄・立命館大教授)、「地下水位が上がり、土に浸透することで空洞ができることはある」(嘉門雅史・京大教授)、「どちらも有り得る。地下水が小さい土の粒子を運び出してしまう場合もある」(大西有三・京大教授)といった具合だ。
 対策として、地下の空洞をコンクリートで埋める方法があるが、「京都には酒どころの伏見など地下水を利用する伝統産業も多く、流れが変わると痛手が大きい」との声もあり、一筋縄では解決しそうにない。京都府警交通規制課は「こうしばしば起きては危険だ。警察官が路面にも気を配りながらパトロールしているが、対策が必要な時期にきた」と話している。
 《メモ》四条通 京都市中心部を八坂神社から松尾大社にかけて東西に走る幹線道路。中でも祇園−大宮間は百貨店や老舗「しにせ)が立ち並ぶ市内で最もにぎやかな通りで、祇園祭の鉾(ほこ)町も周辺にある。通りの真下に全長1061bの阪急電鉄の地下道と線路が通る。(朝日新聞)
■雨で阪和線乱れる
 18日午後2時55分ごろ、大阪府泉南市信達牧野のJR阪和線和泉砂川駅の雨量計が1時間に30_を記録したため、長滝−山中渓間で時速30`の徐行運転となった。同3時5分ごろには和歌山市北野の同線紀伊駅でも同量の降雨を観測し、徐行区間は長滝−和歌山間に延びた。同4時15分に通常運転に戻ったが、この影響で阪和線のダイヤは同10時半過ぎまで乱れ、上下18本が運休、白浜発天王寺行きの特急「くろしお88号」が約1時間10分遅れたのを最高に同155本が遅れ、通勤や帰省リターン客ら約3万6000人に影響した。(朝日新聞)
■アジア大会の“動脈”開業へ 広島新交通システム
 10月2日に開幕する広島アジア競技大会のメーン会場と広島市中心部を結ぶ新交通システム「アストラムライン」の開通記念式典が20日からの開業に先立って19日午前、広島市中区の県庁前駅で開かれた。
 1986年の事業化以来、建設省、広島市、第三セクター「広島高速交通」が総事業費約1760億円を掛け建設。市街地の本通駅から同大会の舞台となる広域公園前駅まで全長18.4`を37分間で走り、大会期間中の“大動脈”となる。広島高速交通が運営する。
 91年3月には同市安佐南区の高架橋の工事現場から橋げたが落下し真下で信号待ちをしていた23人が死傷する惨事が起きた。
 この日の式典には野坂建設相ら関係者約200人が出席。冒頭、橋げた落下事故の犠牲者15人のめい福を祈って黙とうした。
 その後、地下ホームではテープカットが行われ、出席者が山吹色を基調とした車両に乗り込み、一日早く「開業」を味わった。(京都新聞 夕刊)
■「橋げた」事故の犠牲者に黙とう 新交通システム開通式典 広島
 10月の広島アジア競技大会の足にもなる新交通システム「アストラムライン」の開通式が19日午前、広島市中区の新交通「県庁前駅」であった。参加者はまず、建設中の1991年に起きた橋げた落下事故の犠牲者15人に、黙とうをささげた。20日午前6時の始発から営業運転を始める。
 式には約220人が出席。平岡敬・広島市長は式辞の中で「市民にとって待望の交通機関だが、事故は終生いやすことのできない悲しみです」と述べた。
 事故は91年3月14日午後2時すぎ、同市安佐南区上安二丁目の高架建設現場で起きた。長さ63b、重さ60dの巨大な鋼鉄製箱型橋げたが約10b下の県道に落下し、信号待ちの乗用車の中の10人と、作業員5人が死亡、8人が重軽傷を負った。
 長男(当時28)を亡くした安佐南区の金谷修さん(56)は毎日、現場近くに立つ犠牲者の慰霊碑に通っている。この日も午前5時、碑に水をかけて手を合わせ「アストラムラインは見たくもないし、乗りたくもない」と話した。
 金谷さんら犠牲者3人の遺族8人は、広島市を相手どり、広島地裁に民事訴訟を起こしている。「業者に責任をすべてかぶせる市の態度が許せない」という遺族側に対し、市は「道義的責任は負うが、法的責任は認めない」と主張し、平行線のままだ。
 広島市の新交通システムは、全国で9番目の開業となる。89年2月に着工し、総事業費は1760億円。営業距離は18.4`と全国最長で、市の中心部とアジア競技大会の主会場となる広島広域公園を37分で結ぶ。
・広島市建設局部市交通部の藤井克部長(51)
 アジア競技大会を前に新交通システムの開通を迎えることができ、ほっとしている。ただ建設中の事故で15人が犠牲となったことを思うと単純には祝えず、複雑な思いだ。発注者としての市の法的責任については遺族と訴訟中だが、道義的な責任は感じている。みんなで苦労して完成させたのだから、市民に親しまれる「アストラムライン」になってほしい。その前提はもちろん、無事故だ。(朝日新聞 夕刊)
■島根・一畑電鉄車体デザイン 公募「最優秀作品」ボツ 「F1マシンそっくり」指摘受け 手をつけず よかった
 一畑電鉄(本社・松江市)が新しい電車のデザインを公募で決めたところ、「F1グランプリの車のデザインとそっくり」との指摘があり、別のデザインに変えることにした。このデザインの車両は10月から営業運転を始めるが、出発からつまずいた格好だ。
 一畑電鉄は島根県の出雲大社、出雲市と松江市を結ぶ単線を走る。年間利用客はピークだった1967年度の589万人から、93年度は170万人に落ち込み、93年度には2億3000万円の赤字が出ている。このため、経営改善の一環として、イメージチェンジを図ろうと、車体デザインを一般公募した。
 全国から約600点の応募があり、出雲市の設計事務所員(30)のデザインを最優秀作品に選び、5月20日、発表した。青と緑のストライプの間に、赤や青、緑がモザイク状にちりばめられている。宍道湖の青、島根半島の緑、それに湖面のきらめきをイメージしたという。
 その直後、「フットワーク・アロウズチームのF1マシンと似ている」と指摘する匿名の電話が2件あった。弁護士らと相談した結果、「著作権の問題があるし、誤解を招く恐れもある」として、一畑電鉄は採用を見送ることにした。改めて東京の車両専門デザイナーに俵頼し、黄色と青を基調とするデザインを採用することにした。
 この変更について一畑電鉄は「まったく予期していなかった事態。非常に残念だ」と話している。
 一方、いったんは最優芳作品になった設計事務所員は「建築デザインからヒントを得たもので、F1で似ているのがあるとは知らなかった」と話している。(朝日新聞 夕刊)
20日■京都市電、往時のままに 阪堺電車復元 23日から定期運行
 大阪の阪堺電車で昨年初めまで活躍していた旧京都市電が、平安建郡1200年を記念して16年ぶりに往時の外装に復元され、23日から運行されることになった。
 この旧市電は阪堺電車に譲渡された1800型2台のうちの1台。現役時は他車両と同様、カラフルな全面広告の外装で、運行停止後は車庫で眠っていた。
 ところが、堺市の高校3年生吉田修三さん(18)や向日市の会社員渡辺英明さん(33)らでつくるファンクラブ「京都市電をしのぶ会」が会社側に働きかけて今年2月、建都1200年記念の「旧京都市電走行会」を実施。さらに同会から「元の姿で運行を」の声が高まり、会社側もこれにこたえ100万円をかけて改装した。
 懐かしいクリーム色とグリーンのツートンカラーの旧市電の運行区間は、天王寺−安孫子道間(6`)と天王寺−住吉公園(4.6`)で、毎日それぞれ1往復する。平日の天王寺駅発車時刻は午前11時48分と午後零時30分。(京都新聞)
■南草津駅開業など記念乗車券を発売 来月4日から
 JR西日本は9月4日のダイヤ改正に合わせ開業する南草津駅と、駅名改称する京滋2駅の記念乗車券を同日から発売する。
 南草津駅開業記念は同駅から草津駅間の往復乗車券で2枚セット。280円で両駅で計5000セットを販売する。
 駅名改称記念は嵯峨嵐山駅と比叡山坂本駅。嵯峨嵐山駅は230円。比叡山坂本駅は310円。両駅で1000枚ずつ発売。いずれも販売、有効期間は9月30日まで。(京都新聞)
■JR大阪環状線 外回り一時間ストップ 落雷?1万7000人に影響
 19日午後7時20分ごろ、JR大阪環状線の外回り電車の運転士が、寺田町−天王寺間を走行中に沿線の電柱に火花が走るのを見つけ、列車輸送指令に無線連絡した。同指令は後続の電車を寺田町に停止、係員に点検させたところ、寺田町から約60bの電柱にある電力機器の保護カバーが燃えていた。消火と列車の運行に支障がないことを確認するまで、大阪環状線の外回り線は約1時間にわたって運転を見合わせた。JR西日本の天王寺電力区で詳しい原因を調べているが、落雷の影響らしい。
 この影響で外回り、内回り合計で21本が運休となり、同7本が57−12分遅れ、約1万7000人に影響した。
 JR大阪駅では、午後6時ごから10時ごろまでは断続的に混雑のピークが訪れる時間帯にあたり、一時は環状線ホームいっぱいに人があふれた。同駅では構内放送で内回り線の利用を呼びかけたり、地下鉄、私鉄による振り替え輸送を案内した。(朝日新聞)
■車掌が特急無資格運転 阪神電鉄 最高時速100`、4分間 尼崎−淀川間乗客300人 運転士が「するか」 運転室近くの客が目撃
 阪神電鉄本線で17日夜、運転資格のない車掌(24)が、乗客約300人を乗せた特急電車を約4分間、最高時速100`で運転していたことが、乗客の目撃がきっかけでわかり、同社は事実を確認のうえ19日、運輸省近畿運輸局に報告した。同社は車掌と運転士の2人を同日から乗務停止としたほか、約350人の全乗務員に対して規律順守を求める警告書を配布し、再研修を始めた。
 阪神電鉄の調べでは、17日午後8時20分ごろ、須磨浦公園発梅田行きの上り特急が尼崎駅を通過した直後、運転室に来ていたこの車掌と運転士(26)が走行中に入れ替わった。車掌は尼崎−淀川間の5.6`の距離を約4分間運転した。この区間は踏切が無いので最高時速100`で走ることができ、車掌もほぼその通りに運転したという。
 阪神電鉄では車掌に、乗り越し精算などをする車内巡視とその結果を運転士に報告することを内規で定めている。車掌はこの報告のため運転室に入り、しばらくは運転士から信号などについて説明を聞いていたが、その後、運転士が「一度、運転してみるか」と声をかけ、交代したという。
 運輸省令の鉄道運転規則第八条は、動力車操縦者資格について、一部の特例を除き「運転免許を受けた者でなければ、列車又は車両を操縦させてはならない」と定めている。同規則に基づいて阪神電鉄が定めた運転取扱心得でも同様の運転資格を記している。
 同社によると、この車掌は3年1ヵ月の乗務経験があり、運転士志望。昨年、運転士になるための試験を受けたが不合格だった。一方、運転士は2年5ヵ月の経験がある。来週にも処分を決めるという。
 運転室近くにいた乗客の目撃で、運転交代がわかった。同社では事実を確認した18日夜から全乗務員に対し、規則の順守を求める警告書を列車所長名で配布した。さらに、添乗指導を強化し、19日から21日までの予定で業務に関する再研修を始めた。
 近畿運輸局は週明けにも同社からさらに詳しい事情を聴き、社長あてに再発防止策を講じるよう求める警告書を発行する方針だ。
・あってはならぬ事態
 阪神電鉄の三宅潔・鉄道事業本部運輪部長の語 乗客の生命を預かる公共輸送機関として、あってはならない事態を起こし申し訳ない。全乗務員に職責の重大さを再認識させ、安全教育の徹底に努めたい。
・厳しい姿勢で対処
 近畿運輸局の溝口泰一・鉄道部運転保安課長の話絶対にあってはならない不祥事だ。1992年秋に、JR各社や近鉄などで新入社員らへの無資格運転研修などが発覚して以降、再三指導していただけに、厳しい姿勢で対処する。(朝日新聞)
■阪神電鉄 無資格の車掌が運転 特急電車で4分間交代
 阪神電鉄本線で運転資格のない車掌(24)が17日夜、特急電車の乗務中に運転士と交代し、4分間にわたり時速100`で運転していたことが20日、分かった。
 同社によると、17日午後8時20分ごろ、須磨浦公園行き上り特急が尼崎駅を通過直後、車内巡回途中の車掌が報告のため運転室に入った。しばらくは運転士から信号などの説明を聴いていたが、運転士が「一度運転してみるか」と声を掛け交代。左手でモーターを動かす、アクセルに当たるハンドルを、右手でブレーキレバーを持ち、淀川駅付近までの5.6`を運転した。 電車は6両編成で、約300人の乗客が乗っていた。
 この車掌は3年1ヵ月の乗務経験があり、運転士を希望しているが、昨年試験を受けて不合格だった。一方、運転士は2年5ヵ月の経験があり、「車掌が運転に興味を持っているのを知っていたので声を掛けた」という。
 電車の運転には動力車操縦者運転免許が必要。同社は、乗務経験2年以上の車掌が運転士になるための教習所の試験に合格した後に、免許取得のための研修を受けるシステムがあるが、車掌への研修では、緊急時の停止措置だけで運転に関する教育は行われていない。
 同社は乗客の目撃情報をもとに調査、事実関係を確認後、2人を乗務停止にし近畿運輸局に報告した。近く2人の処分を決める。
・あってはならぬ事態 阪神電鉄鉄道事業本部の三宅潔運輸部長の話
 乗客の生命を預かる公共交通機関としてあってはならない事態を起こし深くお詫びする。今後は全乗務員に職務の重さを再認識させ、安全教育の徹底と綱紀の粛正に務めたい。(京都新聞 夕刊)
21日■モノレール一時不通 東京、1万人に影響
 20日午後8時5分ごろ、東京都大田区昭和島、東京モノレール総合指令所(2階建て)に落雷があり、同建物内の運転指令室の運行管理装置が故障。浜松町と羽田空港を結ぶモノレールの全区間が1時間40分にわたり不通となった。午後9時45分ごろに運転を再開したが、上下線で約30本が止まり、1万人に影響が出た。(京都新聞)
■市バス男性はね重体
 20日午後7時15分ごろ、京都市下京区五条通大宮西入ルの交差点で、五条通を横断中の同区西新屋敷下之町、無職山下幸次郎さん(80)が、東進中の市バス=藤井晃三運転手(41)=にはねられ、頭などを強打して意識不明の重体。また、市バスが急ブレーキをかけたはずみで、乗客2人が車内で軽傷を負った。堀川署で事故原因を調べている。(京都新聞)
22日■主婦ら14人がJRへの提言を発表 福知山
 JR西日本福知山支社が公募していた「第5回JR西日本への私の提言」の発表会が21日、福知山市天田の同支社で行われ、14人が発表、兵庫・氷上町の住職飯田正人さん(38)が最優秀賞を受賞した。
 同支社が毎年一般の人を対象に実施している。今年は7月の募集期間中に沿線の小学生から75歳まで81件の応募があった。 発表は、事前審査で選ばれた、京都府、兵庫県、鳥取県からの14人。それぞれ3−5分で発表した。この中から「安全輸送」をメーンに話した飯田さんが提言大賞を獲得したほか、兵庫県・神崎町の高校生石山恵美さん(16)ら3人が企画提言賞を贈られた。京都府関係では福知山市堀の主婦上島雅代さん(30)が「どんな人にもやさしいJR」の内容で発表した。(京都新聞)
■市バスにはねられた80歳の男性が死亡
 下京区五条通大宮西入ルの交差点で、20日午後7時15分ごろ、梅津車庫発銀閣寺行き市バスにはねられた同区下之町、山下孝次郎さん(80)は、21日午前1時10分、脳内出血のため死亡した。(朝日新聞)
■関東に大雨 新幹線乱れ
 横浜市で午前6時版から1時間の雨量が観測史上最多の82_に達するなど、21日、関東地方は豪雨となり、土砂崩れや床上浸水などの所もあった。
 東海道新幹線は午前7時半ごろ、新横浜駅構内で雨量が1時間当たり50_を超えたため、東京−小田原駅間で上下線とも約1時間にわたって運転を見合わせた。同8時半ごろから徐行で運転を再開、同11時すぎには通常運転に戻ったが、午後2時ごろまでダイヤの乱れが続いた。
 羽田空港でも午前9時すぎから雷雨が激しくなったため、発着を一時見合わせる航空機が相次いだ。(朝日新聞)
■京阪電車の床下から煙
 22日午前9時ごろ、枚方市南楠葉の京阪電鉄楠葉駅で、停車中の出町柳発淀屋橋行き普通電車(5両編成)の3両目の床下から煙が出ているのを乗務員が発見、同電車は楠葉駅で運転を打ち切った。乗客300人にけがはなかった。同者で原因を調べている。
 萱島駅から臨時電車が運行、後続の電車に影響はなかった。(京都新聞 夕刊)
■京阪電車の床下から煙 枚方、発電機故障か
 22日午前8時55分ごろ、大阪府枚方市楠葉花園町の京阪電鉄楠葉駅で、出町柳発淀屋橋行き普通電車(5両編成)の3両目の床下から煙が上がっているのを、運転士が発見。同駅で電車の運転を打ち切り、乗客約300人は後続の電車に乗り換えてもらった。3両目の床下には車内の蛍光灯や冷暖房用の発電機が積んであり、同電鉄ではこの発電機の故障ではないかとみて調べている。(朝日新聞 夕刊)
■泰緬鉄道建設の犠牲者追悼 ミャンマーに仏塔を 建立願い全国行脚へ 島根の住職 現地側が土地を提供
 第二次大戦中、旧日本軍が進めたタイとミャンマー(旧ビルマ)間を結ぶ「泰緬(たいめん)鉄道」(延長415`)の建設に従事し、死亡した十数万とされる人々を追悼するため、島根県大田市富山町神原、専念寺住職菅原常念さん(55)がミャンマー政府の協力を得て、現地にパゴダ(仏塔)を建立する。「日本の戦後処理はまったくできていない。宗教人としてやれることを」との思いを込め、9月から建立費を募って全国行脚を始める。
 建立するのは、ミャンマー側の起点に当たるタンビサヤの泰緬鉄道記念公園内。ミャンマー宗教省のウ・アモ長官に「犠牲者を慰霊したい」との手紙を出したところ、同長官から「非常にうれしい。私のおじ2人も強制労働に駆り出され行方不明のまま。会って話がしたい」と返事が届き、今年1月と5月に訪問。ミャンマー側から提供される用地に、高さ10−15bのパゴタを建て、阿弥陀如来立像を安置することになった。
 募金の目標額は、2、300万円。1人でも多くの人の賛同を得るため「100円募金」とし、中国地方を中心にたく鉢しながら浄財を募る。この計画を知った知人や他教関係者らから、これまでに50余万円が寄せられている。
 菅原さんは1991年1月にタイを訪れた際、泰緬鉄道の建設で多くの犠牲者が出たことを知った。追悼碑がタイにはあるのにミャンマーにはないことに気付き、パゴダの建立計画をあたためていた。
 映画「戦場にかける橋」で知られる泰緬鉄道は、旧日本軍が兵員、物資輸送のため、タイのノンプラドックとミャンマーのタンビサヤ間を結ぶ鉄路として1942年に着工。5年かかるといわれた難工事を1年3ヵ月で完成させた。近隣諸国の約20万人とイギリス、オランダなど連合軍の捕虜約6万人が駆り出され、過酷な労働と疫病、医薬品不足などでアジア人約10万人、捕虜1万6000人が死亡したとされる。(朝日新聞 夕刊)
23日■地下鉄補助増枠を 政令都市市長懇談会 国へ要望相次ぐ
 京都、大阪、神戸など全国の12政令指定都市の市長懇談会(座長・桑原敬一福岡市長)が23日、東京都内のホテルで開かれ、地下鉄などの交通、フロンガスの処理を含む環境保全、都心部の空洞化など各都市に共通する課題について意見交換した。この日出た意見を集約し、関係省庁に要望する。
 懇談会は、毎年1回開いており、今年で7回目。
 交通問題では、地下鉄建設へのくなの補助増枠を求める声が相次いだ。田辺朋之京都市長は、地下鉄東西線について「京都の交通の特殊性からいっても早期完成が必要だが、京都では1`当たり297億円の建設費がかかる。国の補助枠の拡大と支援策が欠かせない」と訴えた。
 また、田辺市長はフロン対策として、抜き取り貯蔵しているフロンガスの破壊実験を11月に実施する意向を表明。人口減少が進む都心部の空洞化では「住宅政策だけでなく福祉的見地からも対策を広げる必要がある」と提言した。
 さらに、平安建都1200年記念事業に関連して、10月20、21日に京都で開く政令市長懇談会(ローカル・サミット)と11月8日1200年記念式典への出席を、各市長に要請した。(京都新聞)
■夏休み利用者猛暑で2%減 JR6社
 JRグループ旅客6社は22日、夏休み期間(7月22日−8月21日)中の利用状況を発表した。期間中、全国の主要46線区で下りの特急、急行を利用した乗客は昨年を2%下回る1794万1000人で、夏休みの輸送は3年連続前年割れ。お盆期間(8月11日−21日)中の利用客もJRグループとなって初めて前年を下回った。夏休み前は「好天で需要も伸びる」と予想していたJRだが「あまりの猛暑で人出が鈍った。国内より海外、遠くの海より近くのプール−などという旅行需要の変化も起きている可能性がある」と厳しい表情だ。
 各社別に見ると、昨年、北海道南西起き地震に見舞われたJR北海道が2%増、豪雨災害に遭ったJR九州が6%増と、共に利用客はほぼ例年並みに戻った格好だが、その他4社は軒並み1%から7%の減となった。
 お盆期間に限っても、グループ全体の利用客は下りが対前年2%減の669万9000人、上りが同3%減の715万4000人。特にJR四国が上下とも6%減となり「渇水の影響が数字にも反映した」(JR)との見方も出ている。(京都新聞)
■窓 待合室のいす 旅行の楽しみ 福知山市・池部 清(無職・77)
 18日付当欄「地方の駅は心のオアシス」のご投稿に賛同します。私のまちの駅では先般待合室のいすが全部撤去されました。およそ待合室というところは腰をかけて時間待ちのできる場所だと心得ていた私どもには全くの驚きでした。今度お盆に帰省した人たちも「あれっ」と思ったようです。
 当時の説明では、酔っぱらいのたまり場になってその取り締まりの方法がないのでやむを得ぬ処置だということでした。しかし、これでは疲れた人や身障者の人たちにとって大変な苦痛となります。だいいち待合室としてのゆったりした雰囲気が全然ありません。いすにかけて仲間と待ち合わせるのも旅行の楽しみの一つではないでしょうか。
 何とか前向きの姿勢で再検討されたいという意見が当欄に寄せられたこともありましたが、当局はどのようにお考えなのか、一向に反応がないようです。都会の大きな駅にさえ片隅にちょつとした腰をかける場があるようですが。
 駅はやはりまちの玄関。遠来の客、帰省する人たちに、わがまちの落ちついたぬくもりをまず感じさせる場であってほしいと思うのです。(京都新聞)
■JR東海 彦根で 新幹線除雪スブリンクラーの水 渇水水田へ無償提供
 渇水で水稲が枯れるなどの被害が出ている滋賀県彦根市で、JR東海が新幹線の除雪スプリンクラー用の水を干上がった水田約50fに提供し始めた。地元農家の要請に、JR側は「いつも騒音で迷惑をかけているから」と、無償で提供を始めた。
 JR東海によるち、新幹線の除雪用スプリンクラーは岐阜県羽島市から滋賀県栗東町までの68`の間に、約4300個設置している。通常は降雪期に地下水や琵琶湖の水をくみ上げ、散水してレールなどに積もる雪を溶かしている。
 新幹線沿線の彦根市高宮町一帯の約35fの水田はふだん、近くの芹川ダムから用水を引いているが、ダムの貯水量は8月に入り、30%台まで落ち込み、給水制限となった。一時期は配水当番を決めて水を順番に使い、しのいでいた。
 地元の農家がスプリンクラーを管理するJR米原保線所に「夏場は必要ない散水用の地下水を使わせてもらえないか」と要請。JR側は揚水施設の点検を名目に、今月3日からポンプを動かし給水を始めた。同市小野町と鳥居本町一帯の水田合わせて約15fでも22日からスプリンクラー用の水をもらっている。
 同市農政課は「水源の谷川ダムの水もほとんどなくなり、困っていた。穂が出るのに水が必要な時期なので、思わぬ助け舟です」と話している。(朝日新聞)
■JR日照りに泣く 夏の客3年連続減
 JR旅客6社は22日、夏季(7月22日−8月21日)の旅客輸送実績をまとめた。東海道・山陽新幹線や北陸線など全国の主要46路線で、特急、急行を利用した乗客は1794万1000人で、前年同期に比べて2%の減少、3年連続のダウンとなった。
 JR西日本、四国両社はそれぞれ同5%、7%減少した。(朝日新聞)
■阪神電鉄に警告書 無資格運転で運輸省
 阪神電鉄の車掌が特急電車を無資格運転していた問題で、運輸省は22日、同社の手塚昌利社長を近畿運輸局に呼んで厳重注意するとともに、楠木行雄・同局長名の警告書を手渡した。警告書は「運転士が無資格者に動力車の操縦を教唆するという極めて悪質な行為が行われた」と指摘。詳しい原因調査と再発防止策などについて、早急に報告するよう求めている。(朝日新聞)
■「懐かしい京都」帰ってきた チンチン電車、緑化フェア会場へ
 「全国都市緑化きょうとフェア」開幕1ヵ月前の23日朝、復元されたチンチン電車が京都市下京区の梅小路公園会場に運び込まれた。24日から会場内に設置した250bの軌道で試運転を開始、フェア期間中、来場者に懐かしい市電の乗り心地を楽しんでもらう。
 チンチン電車は、1961年まで堀川線を走っていた車両。岐阜市の名鉄住商工業岐阜工場で今春から、元の台枠などを生かし5ヵ月かけて復元。30dトレーラーに積み込まれて22日夜に岐阜を出発、この日早朝、同公園に到着した。
 昔ながらのチョコレート色とクリーム色のツートンカラーに塗り上げられたばかりの電車は重さ7d(長さ8.4b、幅2b、高さ3.3b)。午前9時半からクレーンでソロリソロリとつり上げられ、線路上におろされた。
 11月20日までのフェア期間中の乗車料は1回300円。市はフェア終了後も同公園で動態保存を検討している。(京都新聞 夕刊)
24日■来月21日に開業へ 近鉄京都線「木津川台駅」
 近畿日本鉄道は23日、近鉄京都線新祝園駅−山田川駅間の京都府相楽郡木津町吐師に建設を進めてきた「木津川台駅」を来月21日に開業すると発表した。同駅は、関西文化学術研究都市の中核施設・けいはんなプラザや国際高等研究所などが集まる「精華・西木津地区」の東側に位置し、将来は学研都市の研究者や木津川台ニュータウン住民を中心に1日5400人の乗降を見込んでいる。
 同駅は、学研都市の街開きを祝う「けいはんな学研都市フェスティバル」(9月23日から)に開業を合わせた。平日は、上下合わせ準急(早朝)4本、普通169本が発着。乗降客は、開業時で1500人を見込んでいる。開業に伴い、歩行者道の確保など駅周辺整備が課題となる。
 近鉄京都線の新駅開業は、昨年9月の宮津駅(京都府綴喜郡田辺町)以来1年ぶり。木津川台駅の開業により、狛田駅−山田川駅間各駅の発着時刻が来月21日から一部変更する。(京都新聞)
■貨物脱線し1万2000人影響 JR沼津駅近く
 23日午後2時10分ごろ、静岡県沼津市本のJR東海道線沼津駅西約1`の上り線で、吹田信号場(大阪府吹田市)発東京貨物ターミナル駅行き貨物列車(18両編成)の機関車の車輪が脱線した。
 このため富士−熱海間は上下線44本が運休、24本に最高6時間40分の遅れが出て、約1万2000人が影響を受けた。
 沼津署の調べでは、約1b四方のアルミ板を積んだトラックが、現場近くの踏切を通過した際にアルミ板7枚の束1個を線路上に落としたため、機関車が引っかけて脱線したらしい。(京都新聞)
■窓 駅の不法駐輪 監視人置いて 西京区・熊寄嘉陽(無職・76)
 阪急桂駅東口、西口前の不法駐輪は目に余るものがある。しばらくは1台の不法駐輪もなく、駅前は大変キレイだったが、不心得者が最初の1台を置くと、すぐに2台目が、そしてあっという間に悪びれず次々と置くから、元の木阿弥。
 これは駅関係者が駅前の美観に無関心すぎるからだと思う。また、自転車をおく人も、乱雑な自転車で、歩行者や老人がどれほど迷惑しているかを考えてほしい。
 過日も足の不自由なおばあさんが、倒れている自転車に着物のすそをひっかけて転んだのを目撃した。電車に乗るために来て、駅前で転倒事故で大事を起こしたら、駅側も困るだろう。
 駐輪禁止の立て札など無視されている現実を考えて、善処する方法を考えるべきだと思う。そこで警察と相談などして、専任監視人などで、不法駐輪に目を光らせて、一日も早く不法駐輪を一掃し、すがすがしい駅前にしてほしい。(京都新聞)
■駅名替えず案内に工夫 トロッコ嵐山駅
 右京区嵯峨小倉山田町の嵯峨野観光鉄道「トロッコ嵐山駅」の駅名を換えるよう求めていた地元の小倉山自治会(長尾明子会長)に対し、同鉄道はこのほど、変える意志がないことを回答した。
 自治会によると、同駅は渡月橋から1キロ近く離れているが、観光地・嵐山の最寄り駅と勘違いして下車する観光客が多く、地元住民が案内や説明を求められることがしばしばという。このため自治会は、駅名を「小倉山」か「野の宮」に変更するよう求めていた。
 自治会との話し合いで同鉄道は、駅名を替えないかわりに、チラシや看板などの案内方法を工夫することで対策を考えていきたい、と答えた。(朝日新聞)
■近鉄の木津川台駅 来月21日から開業
 近畿日本鉄道は23日、木津町吐師に建設中の京都線木津川台駅を、関西文化学術研究都市の街びらきイベント「けいはんな学研都市フェスティバル'94」の開幕2日前の9月21日に開業すると発表した。
 新駅は、新祝園駅から南へ約1.5`、山田川駅から北へ約1`に建設。学研都市「精華・西木津地区」の木津川台、精華台ニュータウンの住民や研究者らの利用を見込んでいる。予想乗降人員は、開業時には1日約1500人で、京都線では近鉄宮津駅に次いで少ない。しかし、ニュータウンがほぼ完成する2003年には、利用客は1日約5400人と予想している。
 3階建ての橋上駅舎で、延べ床面積は約900平方b。車いすで利用出来るように上下両ホームにエレベーターが設置されている。総事業費は約20億円。
 新駅の開業に伴い、9月21日から、狛田、新祝園、山田川駅の発着時間が多少変更される。(朝日新聞)
■地下鉄ホームで銃撃戦 ラッシュ時のニューヨーク 警察官ら3人重傷
 【ニューヨーク23日=沢村亙】ニューヨーク・マンハッタンの地下鉄ホームで22日午後7時ごろ、銃を持ってうろついていた少年と警察官、さらに現場にいた黒人の私服警官を犯人と間違えた別の白人警官の間で撃ち合いになった。この銃撃戦で警察官2人と乗客1人が重傷を負った。「銃」と「人種問題」という、ニューヨークが抱える2つの大きな悩みが同時に表れた事件に、市民は衝撃を受けている。
 事件が起きたのはマンハッタンのビジネス街53丁目の地下鉄駅。銃を持ってホームを歩いていた2人組を制服警官が捕まえようとしたところ、そのうちの1人が発砲。地下鉄車内にいた非番の警官(31)が銃声を聞いてホームに飛び出し、ホーム上にいた私服警官(31)を犯人と間違えて発砲、銃撃戦となった。銃を持ち歩いていた2人組は16歳と17歳の少年で、ともに逮捕された。
 帰宅ラッシュを襲った銃撃戦に、乗客は床に伏せたり、ホームから飛び降りたりするなどパニック状態に。警察当局によると、犯人と間違えられた私服の警官は黒人で4発の弾を受けて重体、非番の警官は白人で少年が撃った弾を腕に受けた。ニューヨークでは2年前にも黒人警官が白人警官に犯人と間違えられて撃たれる事件があった。(朝日新聞 夕刊)
■運転士が寝すごし 寝台特急63分遅れ JR大阪駅
 24日午前3時ごろ、南宮崎発東京行きの寝台特急「富士」が、乗務員の交代のためJR大阪駅に停車したところ、乗務予定の運転士(51)がおらず、発車できなくなった。駅員が当直室に行くと、運転士がまだ寝ていたのですぐ起こして乗務させ、同駅を23分遅れで発車した。列車は東京駅に63分遅れて到着し、乗客180人が影響を受けたほか、東海道線のダイヤも一部乱れた。
 深夜に乗務する運転士らは、指定の時刻になるとベッドが跳ね上がる自動起床装置をセットして仮眠するが、JR西日本は運転士が時刻の設定を間違えて寝過ごしたとみている。(朝日新聞 夕刊)
■近鉄電車2本が故障 約4万人に影響
 24日午前6時35分ごろ、三重県名張市新田の近鉄大阪線美旗駅付近で、青山発上本町行き快速電車(10両)の加速が鈍った。同電車は、八木駅で運転を打ち切った。この影響で、計34本が最高14分の遅れ、2万5000人の足が乱れた。
 また、同日午前7時5分ごろ、奈良県橿原市久米町の近鉄南大阪線で、橿原神宮発あべの橋行き急行電車(6両)が、やはり加速が鈍り、尺土駅で運転を打ち切った。別の準急電車1本も運休するなど計19本が最高15分遅れ、約1万2000人の足に影響がでた。
 同社によると、いずれも、モーターか制御回路のどちらかの故障らしい。(朝日新聞 夕刊)
25日■地下鉄問題でチラシ 市内に配布し理解訴え 京都市交通局
 京都市の地下鉄東西線の建設事業費膨張問題で、市交通局は「難工事に取り組む地下鉄東西線」をテーマにした広報チラシを作製、市政協力委員を通じ、市民しんぶんと同時に市内全戸配布する。東西線建設費膨張と完成時期の遅れについて理解を訴える。
 チラシは新聞紙全紙大でカラー刷り。京津線の線路つけ替えや日本初の4線シールド工法の採用、パイプルーフ工法など同事業の中の難工事部分をイラストなどを使って解説するほか、開業後の利便を強調している。
 とくに建設費については、当初計画で200億円と計画していた1`当たりの建設単価では、他都市の91、92年完成の路線平均が279億円で、路線によっては400億円を超えていると紹介。市東西線は全体では344億円で、難工事区間(三条京阪−蹴上・御陵−山科)で440億円、難工事区間以外は297億円となっている、と説明している。
 交通局は約290万円の費用でチラシ約56万部を作製、来月1日の「市民しんぶん」と同時に全戸配布する。同局が事業内容を説明したチラシを発行するのは90年9月の地下鉄烏丸線の北山駅までの北進開業以来。(京都新聞)
■秋の臨時列車7524本を増発へ JR6社
 JR旅客6社は24日、秋の行楽シーズン(10月1日−12月2日)の臨時列車の計画を発表した。全国の主要47線区で増発される特急、急行は7524本で、利用客は去年より25万人多い3009万人を予想している。
 東海道、山陽新幹線では、10月2日から15日間開かれる広島アジア大会や、11月4日から6日まで三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで行われる「F1グランプリ」に合わせて「ひかり」など1248本を運転する。在来線では大都市から近郊の行楽地への快速電車を多く運転する。
 各社は「各地のイベントや近郊の行楽地を積極的にPRし、猛暑で不振だった夏休み期間の減収分を取り戻したい」としている。(朝日新聞)
■JR関西線 保守車が立ち往生 運休や遅れ
 25日午前3時20分ごろ、奈良県大和郡山市小泉町、JR関西線大和小泉駅構内の上り線で、作業中の電力用保守車がクレーンと車を支えるアームが収まらないトラブルのため動かなくなり、立ち往生した。このため、王寺−奈良間が同6時45分まで不通となり、湊町発加茂行き普通電車が王寺駅で折り返し運転したのをはじめ、上下計6本が部分運休、王寺−奈良間で普通電車1本が12分遅れるなど、約600人に影響が出た。保守車は4本のアームを切断して現場から撤去し、復旧した。(朝日新聞 夕刊)
■川西の能勢電鉄踏切 女子高校生はねられ重体
 25日午前7時半ごろ、兵庫県川西市東多田3丁目、能勢電鉄の多田駅構内踏切(警報機、遮断機付き)で、同市内に済む高校1年の女生徒(15)が、下り回送電車にはねられ、意識不明の重体。この事故で後続の電車上下計49本が25−2分遅れ、乗客約9000人に影響が出た。
 川西署の調べでは、女生徒は上り電車が通り過ぎてホームで停車したあと、回送電車の接近に気付かず、下りていた遮断機をくぐって踏切を渡ろうとしたらしい。(朝日新聞 夕刊)
26日■旧国鉄の人活センター配属 「配置転換と異なる」 大阪地裁判決 組合員の請求棄却
 旧国鉄による「人材活用センター」への配属は組合つぶしを狙ったもので、仕事を奪われ精神的苦痛をこうむったとして、国労大阪地方本部の組合員25人が国鉄精算事業団を相手取り、総額2500万円の損害賠償を求めていた訴訟の判決が26日、大阪地裁であった。松山恒昭裁判長は「人活センターへの配属は配置転換とは異なり、適材適所の観点からなされた」とし組合員の請求を棄却した。
 判決は、人活センターへの配属について「将来にわたって、勤務場所や職種に変更をきたす人事異動である配置転換とは異なる」と判断し、「センターでの業務は、原告らの本来の職名の職務に含まれ、密接な関連性を有する」と述べた。
 さらに、「センターへの配属は勤務成績を勘案し、適材適所の観点から行われており、合理性がある」として、国労の弱体化とJRグループからの排除を狙った不当労働行為とはいえないと結論づけた。
 原告らは、いずれも国労の組合員で、旧国鉄時代、新幹線総局大阪保線所に勤務していた。しかし、1986年7月と11月に相次いで人活センターへの配属を命じられ、まくら木調査などに従事させられたため提訴した。
 原告らの大半は、新会社のJR東海などに採用されたが、うち13人は元の職場には戻れず、臨時売店などの仕事に従事させられた。このため、国労近畿地方本部が「不当労働行為にあたる」として、他の組合員とともに大阪府地方労働委員会に救済を申し立て、同地労委は89年12月、JR東海に対し、配属の取り消しを命じていた。
 人活センターへの国労組合員の配属をめぐっては今年3月、岡山地裁が「国鉄は職権を乱用し、原告らの団結権を侵害した」と指摘し、慰謝料の支払いを国鉄精算事業団に命じる判決を出している。
 この日の判決について、原告団は「従来の地労委や裁判所の認定、判決の流れに逆行する極めて不当な内容であり、ただちに公訴したい」としている。(朝日新聞 夕刊)
27日■地下鉄東西線広報チラシに批判声明 共産党京都市議団
 共産党京都市議団は26日、市交通局が市内に全戸配布する予定の地下鉄東西線に関するチラシについて、「みずからの失政を棚にあげ、居直りと弁解に終始したもの」と批判する声明を発表した。
 この中で同党市議団は、▽建設費を他都市と比較して高くないかのように見せている▽東西線がいかに難工事かを説明しているが、いずれも契約段階でわかっていたこと▽「契約変更は避けられない」と弁解しているが、変更の内容があまりに異常−などとしたうえ「居直りと弁解だらけのチラシを290万円もの予算を使って全戸配布しても、市民の理解も強力も得られない」としている。
 広報チラシは、東西線建設費膨張と完成時期の遅れについて理解を訴える内容で、9月1日の「市民しんぶん」と同時に全戸配布される予定。(京都新聞)
■窓 怠慢な市バス停留所の案内 亀岡市・野原 弘子(主婦・54)
 先日、市バスに乗ったときのこと。「次は○○です」のアナウンスは、先ほど乗ったバス停名にびっくり。しばらく乗っていて1駅ずつ放送がずれていることに気づきました。2、3の停留所が経過したところで「次は○○」の放送がないので、ずれとの調整でもしておられるのかなと善意に思っていました。
 すると、2ヵ所ほど知らされなかったあと突然、ずっと前に通過したバス停の放送にがっかりしました。そして地下鉄乗りかえ停留所をずっと通過してから英語で乗り換え案内の放送を聞き、運転手の無神経さにあきれ返りました。
 外国人が乗る機会も多いだろうに、そうでなくても時折しか乗らない路線の場合や、お年寄りは戸惑うだろうにと思うとともに、乗客が多くてはバス停の標識も見えにくく、私も実際に降りる3つ手前の停留所はなんだったかなぁと、あわてだしました。先ほど2、3回「次は○○」の放送を流さなかったのは怠慢で、余計にずれたのだと悟りました。
 そして急きょ、私の降りるバス停で、十幾つ目にして正常に戻っていました。どんな運転手さんかと降り際に顔を見ようとしたら、料金入れの手元ではなく、そっぽを向いているのには、この人にしてと、すべて納得しました。1駅1駅を心を込めて接しておられる運転手さんたちとのあまりのギャップを残念に思いました。(京都新聞)
■新幹線検討委を設置 連立与党
 連立与党の運輸調整会議は26日、「新幹線検討委員会」を設置した。整備新幹線の未着工区間の財源や着工順位などを含め、基本計画を年内をめどに決めることをめざす。委員は自民党4人、社会党2人、新党さきがけ1人。9月7日を皮切りに週1回のペースで会合を開く。(朝日新聞)
■利用客数に以外な差 開港前2ヵ月 南海「特急利用も負けぬ」 JR「北陸直通便を検討」
 JR西日本17万人、南海電鉄30万人。両社が26日まとめた関西空港連絡鉄道の6月15日から8月14日までの利用状況によると、「対決第一ラウンド」の軍配は南海に上がった。開港前で特急がまだ走っていない暫定開業期間中の数字とはいえ、当初「五分五分」と予想されていただけに南海は上機嫌。JRはいささか焦り気味で、今後、地方の旅客を獲得するために富山や金沢から乗り換え無しで関西空港まで行ける特急を走らせることを検討している。
南海30万人難 波800円関西空港
JR17万人天王寺1010円関西空港
 JRのほぼ2倍の「圧勝」となった南海は、「運賃の差」を最大の要因とみる。JRの天王寺−関西空港間が1010円に対して、南海の難波−関西空港は800円で済む。さらに、「大阪都心から直通列車の列車本数がJRに比べて多いのも評価された」と分析している。
 9月4日の開港後についても、「特急を利用した場合、JRは天王寺から2230円かかるが、難波からは1250円。差は縮まっても負けることはない」と自信たっぷりだ。
 一方、JRは「暫定開業中は空港従業員の輸送が主体。たまたま、南海沿線に住む人が多かっただけ」と惨敗ムードの打ち消しに懸命。しかし、予想以上の大差に「大阪都心の旅客はかなり奪われるかも」の声も多い。
 ばん回策として検討を始めたのが、北陸線から関西空港への直通特急。富山や金沢から大阪、神戸に走っている特急「雷鳥」のうち数本を、来年3月のダイヤ改定で関西空港行きに変更するというものだ。
 狙いは富山、石川、福井の北陸3県の海外旅行者約22万人。旅行会社によると、これまで北陸3県からの旅行客は、出国が大阪空港と名古屋空港に二分されていたが、日本旅行などは「関西空港への直通特急が運転されれば人気を呼び、名古屋空港の利用はかなり減る」と予想している。(朝日新聞 夕刊)
■関空とともに はばたく時B 女性車掌さわやかに
 「ご乗車ありがとうございます。この電車は、特急『はるか』、関西空港行きです」。4日の運転開始に向け、向日町運転所に待機する「はるか」の車内に、さわやかな女性のアナウンスが響く。13人の女性車掌の1人として実務訓練中の徳平倫子さん(24)。
 京都市伏見区で生まれ育ち、帝塚山短大を出てJR入社、京都駅などの旅行センターに3年間勤務。この春、「はるか」にJR西日本初の女性車掌を乗せる計画があるのを知り、チャレンジした。「女性車掌が世間に良い印象を与えるか、逆になるか、すべて自分たちで決まる。大変だけど、やりがいがある」。
 4倍の難関を突破した彼女に、猛勉強が待っていた。運転規則に列車の機器取り扱い、異常時の対応…。7月からは「雷鳥」や新快速に乗って、車内改札と放送を体験。「切符拝見」と声をかけたところ、聞き慣れない女性の声に、跳び上がるほど驚く乗客もいた。
 それでも全員が車掌試験に合格。いま最後の仕上げを急いでいる。
 指導役の先輩車掌も「この仕事に、男女差はない。4日には、きっと1人前の車掌として乗務できる」と目を和める。
 「この電車に乗ってよかった、とお客さんに感じてもらうこと。それが目標」。言い残して、徳平さんは車内改札の訓練にたった。(京都新聞 夕刊)
30日■関空開港でダイヤ改正 信楽高原鉄道
 信楽高原鉄道(本社・滋賀県甲賀郡信楽町)は、来月4日の関西新空港開港に伴うJR西日本のダイヤ改正に合わせ、1日の便数14往復のうち12往復の運転時刻を変更するダイヤ改正を行う。
 同鉄道は、貴生川でJR草津線に接続するが、来月の改正でJR草津線の昼間のダイヤが6、7分遅くなる。京阪神方面との接続をよくするため、待ち合わせ時間を5分前後にするためダイヤを変更する。
 改正後は、朝の2往復を除く12往復の運転時刻が、2分から21分の間で発着時間が遅くなる。便数はそのままで、同鉄道が3月から導入した休日用ダイヤも継続される。(京都新聞)
■別人写真の掲載で文春に賠償を請求 JR総連副委員長
 JR総連の佐藤政雄副委員長の写真が、誤って別人として「週刊文春」に掲載された問題で、佐藤副委員長は29日、「誤報で組合員に対する信頼が失墜した」などとして、同誌を発行する文芸春秋(田中健五社長)などに1000万円の損害賠償と謝罪文の掲載を求める訴訟を東京地裁に起こした。
 訴えによると、同誌7月14日号はグラビアにJR東労組の松崎明委員長と佐藤副委員長が並んだ写真をけいさい、「(松崎委員長の)裏人脈キーパーソン」の見出しで、佐藤副委員長の写真を別人の名前で記載した。(京都新聞)
■「ひかり」から飛び降り?
 29日午後9時55分ごろ、静岡県藤枝市付近を走行していた新大阪発東京行きの東海道新幹線上り「ひかり280号」で、ドアが閉まっていることを示すランプが消えてブザーが鳴ったため、運転士が非常ブレーキをかけて停車させた。
 車掌が調べたところ、12号車の進行方向左側のドアが開いており、車両の外側に血痕が付着、付近に手などの体の一部や紙幣が散乱していた。
 静岡県警島田署は乗客がドアコックを操作してドアを開けて転落したか、飛び降り自殺したのではないかとみて、さらに調べている。
 ひかり280号は現場に約35分間停車後、運転を再開した。(京都新聞)
■期待膨らせ待つ第一線 一番列車は発車オーライ 手ぶらで出発サービス 「こてこて」は似合わない
 記念式典も29日終わり、9月4日の開港を待つばかりとなった関西空港。空港関連のビジネスの第一線では最後の準備に追われながらも、商機拡大への期待が膨らむ。客を待つホテルマン、海外からの荷を受ける商社マンなど実務者たちに聞いた。
 アクセス特急「はるか」が走るJR西日本京都駅の大谷克治駅長 準備は整い、4日午前6時15分の一番列車発車を待つばかりだ。4日と5日は予約が殺到したため、5両が基本の編成を半分は7、8両に増やした。開港後は関空関連で1日4000人が乗降する。不況で京都駅の客は前年より2%減っている。北陸や名古屋などからの乗り継ぎ客も取り込み、関空効果で減少分を埋めたい。
 大阪へ初めて乗り入れる韓国アシアナ航空の梁昌憲大阪支店長 関西は在日韓国人も多く、家族訪問などで韓国へ行く人の利用が期待できる。また、関西の人に韓国を、韓国の人に関西をPRする絶好の機会だ。大韓航空に負けないよう、関西出身のスチュワーデスも6人採用し、いまソウルの本社で訓練をしている。予約状況もまずまず。売り上げ目標はまだいえないが、必ず成功すると思う。
 関空を通じて魚を輪入する三井物産関西支社の森英爾・生鮮食料営業部長 輸入元や卸業者との打ち合わせも済んだ。開港日にはロンドンからの直行便でスコットランド産の生サケが、同じ週にはフィリピンからキハダマグロが入る。今まで成田経由で運んでいたが、直接の空輸で輸送時間が減る分、鮮度は高く保てる。関西に新たな食材を提供するチャンスが広がるだろう。
 昭和貿易の曽根源蔵常務 日本に初めて直行便が入るベトナムには、担当者が野菜など農産物の確認にまもなく出張する。航空会社や運送会社などを交え、関空を使った場合の経費計算を繰り返している。関空を使うと、ざっと2割ほど割高になるが、国内各地に便があり、プラス面もある。これまで荷物は、成田が6割に対して伊丹が3割。将来は関空が逆転するだろう。
 高島屋大阪店の田中辰郎店長の話 関西空港は年間約4000万人以上の人が行き交う新たな商圏となる。また国内外の路線の充実により、関西を拠点としてヒト・モノ・情報の交流が加速すると予想される。関西経済は活性化し、文化・情報の受発信機能が飛躍的に高まる。特にミナミは世界への玄関口として一層にぎわい、発展することを期待する。
 関西空港の地元、泉佐野市にあるタクシー会社、佐野南海交通の宮本純一支配人 空港にはよそより多く車を入れているが、不安も多い。橋の通行、空港の施設使用にかかる費用が決まるのが遅れ、経費面での試算は出来ていない。伊丹に比べ、鉄道との競争も厳しい。開港してすぐは見学者も見込めるが、その後どうなるか。当面半年間が勝負だろう。
 関空に両替所を出す大和銀行の松野博・関西国際空港出張所開設準備委員長関空では、成田に近い両替需要が見込める。両替所は出張するビジネスマンらを相手に、国際業務のすそ野を広げる大切な拠点だ。すでに職員全員が成田で1週問、習熟を図った。開港日からは西日本の支店で両替の取り次ぎキャンペーンも行う。将来は両替できるアジア通貨を増やすなど、特色を出したい。
 空港周辺の進出企業開拓に力を入れる泉州銀行の小川俊尚・地域振興部長 空港関連の従業員数は、成田が3万6000人、開空は2万人という。空港周辺への企業進出が本格化するのはこれから。社宅の需要などはさらに見込める。地元の不動産情報などを生かし、企業との総合取引を増やす。また、泉州地域の繊維産業などには空港関連の仕事も仲介し、地場産業のリストラを支援したい。
 大阪ヒルトンのジャン・ジャック・キーファー総支配人 関空開港後はホテルの利用者は年間5万人ほど増える。外国人の利用も全体の4割ほどになる。期待は大きい。ホテルのベルマンが空港ロビーに常駐し、利用客の手伝いをしたり、手ぶらで出発できる手荷物配送サービスなども新たに始める。大阪キタのホテルだが、大阪ヒルトンが一番便利だと思ってもらえるサービスをそろえた。
 ターミナルビルに出店する和風レストラン「寿里庵」の悦高弘店長 6月からアルバイト約40人を雇って、接客の作法などを中心にトレーニングを積んでいる。和食なので外国人のお客さんは少ないが、一応、「グッド・モーニング」とか、「サンキュー」とか、簡単な英会話も練習している。最後の最後まで、準備に追われている。一部の商品は、まだ値段が決まっていないほどだ。
 吉本興業の山本勝大・開発事業部チーフプロデューサー 国際線が出発する階に、タコ焼きなどの軽食と酒が楽しめる「カウンターバー・ヨシモト」を出す。全国からお客さんが集まる場所だから、宣伝効果は大きい。軌道に乗れば地方にも店を出したい。洗練された空港ターミナルの雰囲気のなかに「こてこて」の店は、ちょっと無理。地味な作りにしました。(朝日新聞)
■ホームから転落? 列車にひかれ死亡 滋賀の野洲駅で男性
 30日午前3時20分ごろ、滋賀県野洲郡野洲町小篠原のJR東海道線野洲駅上り3番線で、同県甲賀郡甲西町菩提寺、会社員今吉正人さん(42)が下関発東京行きの貨物列車(25両編成)にひかれ、即死した。
 守山署の調べでは、今吉さんは酒に酔い、誤ってホームから転落したらしい。
 この事故で、上り列車7本が56分−1時間15分遅れたが、午前5時には正常ダイヤに戻った。(朝日新聞 夕刊)
31日■信楽列車事故 JR元所長 再び不起訴処分 大津地検 証拠隠滅認めず
 信楽高原鉄道列車衝突事故で、方向優先テコの操作マニュアルを改ざんしたとして遺族から証拠隠滅罪で告訴告発されたJR西日本の元亀山CTC制御所所長(51)の不起訴処分に対し、大津検察審査会が「不起訴不当」を議決した問題で、再捜査していた大津地検は31日、元所長を改めて不起訴処分とする決定を下した。
 不起訴の理由について同地検は、マニュアルの書き換えは文書を分かりやすくするためで事実認定を誤らせるものではなく、JR西日本が会社ぐるみで証拠隠滅を行った事実は認められない、とした。
 「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人)は昨年2月末、証拠隠滅罪で同所長を告訴告発。大津地検が6月に不起訴としたが、同審査会は先月22日、「所長のマニュアル改ざんは、事故責任を免れるための行為と認められる」として不起訴不当を議決した。
・検察官の使命放棄
 秋田真志・犠牲者遺族の会弁護団事務局長の話 今回の処分は、検察審査会の良識ある判断に対する冒とくで、JRという大会社の圧力に屈したもの。検察官の使命を放棄したと言わざるを得ず到底許し難い。(京都新聞 夕刊)
■京のスズメ”お引っ越し” 地下鉄工事ケヤキ並木撤去
 京都市左京区田中の東大路通と東鞍馬口通の交差点付近に最近、「スズメのお宿」ができた。”常宿”だった中京区・御池通のケヤキ並木が、地下鉄東西線工事で撤去された影響で、市内各所に引っ越しているためらしい。一方、突然の来訪に地元住民は騒音、フン害にウンザリした表情だ。
 同交差点付近では、5本の街路樹を中心に約2000羽が群がっている。スズメはプラタナス、ケヤキなど、葉の大きな木を寝床とし、集団で夜を過ごすが、静かに寝ることは少なく、けんかしているように聞こえることから「雀(すずめ)合戦」と言われるほどだ。
 市役所前付近の御池通はその”名所”だったが、地下鉄工事に伴って89年から2年間に樹齢50年を超える144本のケヤキが撤去された。
 あおりを食った格好なのがスズメの新天地の住民。「セミ以上にうるさい。フンも多く安心してベランダに洗濯物も干せない」と、街路樹近くのマンション住民は顔をしかめる。鳴き声や悪臭のため窓が開けられず、おまけにクーラーからも異様なにおいが入ってくることもあるという。
 左京区の野鳥研究家河合敏雄さん(71)は「市内で最もスズメが多かったのは市役所前。ケヤキ並木が撤去され、寝床があちこちに分散している。市役所前は民家がそう多くなかったが、移動場所によっては住民生活に影響を及ぼすところもあるだろう」と話している。(京都新聞 夕刊)
■信楽鉄道事故証拠隠滅容疑 JR社員再び不起訴 大津地検発表 検察審の議決通らず
 信楽高原鉄道の列車事故で、大津地検は31日、大津検察審査会が「不起訴不当」と議決したJR西日本社員の証拠隠滅容疑について、再度不起訴処分にしたと発表した。
 大津検察審査会は、遺族の告発をうけて、6月、事故の発端となった信号誤作動は、JR西日本が鉄道事業法に違反して亀山指令所に設置した方向優先てこに一因があると判断。当時の亀山指令所所長(51)が、優先てこの捜査マニュアルを事故後に書き換えたのは「優先てこの危険性を認識しながら使っていたという事実を会社ぐるみで隠そうとしたもので極めて悪質」と指摘。大津地検が所長の証拠隠滅容疑を不起訴としたのは不当だと議決した。
 これに対し大津地検は、@(証拠隠滅を)会社ぐるみで行ったとする点は証拠で認定できないAマニュアルは事故発生とは関係ないBてこの捜査方法は口頭で関係者に周知されていたので、マニュアルはさほど重要ではないC変更内容は実質的には変更前とは差異がない。書き換えた部分は分かりやすくし、体裁を整えたに過ぎず、削除した部分も、実態とかけはなれた記載で誤解を招くおそれのある部分を修正したにすぎない−などと再度不起訴にした理由を説明した。
 検察審査会は、ほかにJR西日本の運転士と幹部6人、社員5人の業務上過失致死傷と、業務上過失往来危険の両容疑の不起訴についても不当と議決しており、大津地検の判断が待たれている。(朝日新聞 夕刊)