1994(平成6)年 6月


1日■JR草津駅東口に「京都近鉄」が進出 97年秋開店 マンションも開発(京都)
  ■列車にはねられ死亡 宇治のJR奈良線(朝日)
  ■新線に新型の特急 鳥取まで2時間半(朝日)
  ■京都市 運輸省幹部を接待 衆院委で共産追求 地下鉄認可巡り料亭で(朝日)
2日■関東鉄道取手駅事故 運転士ら書類送検(京都)
  ■関空バス5路線認可(朝日)
3日■けんか止まらず新幹線が止まる 姫路駅で夫婦騒動(京都)
  ■女性車掌13人「はるか」と共に JR西日本(朝日)
  ■見学のお客さまへお願い キセル・空港立ち入りお断り 15日開業の関空鉄道駅 工事関係者の便宜目的だが 乗車拒否もできず 帰りの切符、モラルに期待 改札口付近にバリケード(朝日)
4日■長崎市の路面電車 公共料金値上げ批判の中… 運賃100円均一10年に 安値維持で乗客がっちり(朝日)
  ■鳥取の智頭鉄道 女性車掌を募集(朝日)
  ■ウチの辞令 ヨソの事例 屋根裏に鉄道桂模型ルーム(朝日)
6日■母の目前で2歳男児 JRにはねられ死亡 海南市の紀勢線(京都)
  ■ひと足早く乗り心地満喫 はるか 公募の285組試乗(京都)
  ■こちらホーム はるか過ぎる 向日町駅、快速後戻り(京都)
  ■協調路線からスト権強調に JR東労組委員長(朝日)
  ■スカーフ・財布・「点海祐希さん人形」… 冠「宝塚」グッズ5000種デビュー 阪急電鉄 来月から発売 「イメージ心配」と販売控え80年 鉄道不振で方針転換 「年5億円は増収できる」(朝日)
  ■快速うっかりオーバーラン 京都のJR向日町駅(朝日)
  ■高2、車掌殴る 岡山のJR列車内たばこ注意に反発(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
7日■迫る離陸A アクセス網 世界に誇る便利さ ルート8本鉄道も威力(京都)
  ■わたしの作品 電車通勤は楽し 時岡鶴一 (城陽市平川大将軍)・警備員・70歳(京都)
  ■京都”駅中”留学 英会話特訓 駅前じゃないですョ 関空にらみ 外国人客増えても「ノープロブレム」(京都)
  ■宇治の近鉄踏切 女性はねられ死亡(京都)
  ■JR列車のトイレ変身中 遅まきながら 洋式・女性専用増やす 「はるか」は和式なしに(朝日)
  ■JR東労組 松崎委員長が留任(朝日)
8日■西舞鶴駅の貨物ヤード 処分審が売却了承(京都)
  ■旧国鉄用地 47件、527f譲渡へ(京都)
  ■貯水槽泥掃除ロボット開発 JR東日本(京都)
  ■信楽事故 厳しい再捜査を 遺族ら大津地検に JR不起訴で意見書(京都)
  ■関空への乗車券発売 きょうからJR(京都)
  ■近鉄踏切事故死女性の身元判明(京都)
  ■「夏は軽井沢」関西人はノー イメージ先行失敗 リゾート列車 運行取りやめ JR西日本(朝日)
  ■新駅名は「宮本武蔵」 12月開通智頭線 ゆかりの岡山・大原町(朝日)
9日■ニュートラム故障 初のヒューズ切れ 約1300人に影響(朝日)
  ■南海・難波駅が改装 関西空港開港控え着々(朝日)
10日■城陽市の”玄関口”完成 JR駅東地区の区画整理事業終わる 関係者らしゅん工式(京都)
  ■地下鉄東西線 建設工事現場を視察 京都市会交通水道委 進行状況など質問(京都)
11日■架線にカラスが衝突 新幹線一時ストップ(京都)
  ■JR西日本株 来年2月にも上場(京都)
  ■15日から路線バス乗り入れ 同志社大田辺キャンパス 運行ダイヤなど発表(京都)
  ■JR西日本年度内上場 安定経営へ責任重く 運賃値上げも視野(朝日)
  ■新幹線延着「帰れない」 乗客に”タクシー代” 架線事故 異例の措置 JR京都駅 未明まで混乱(京都)
13日■脱輪事故で近鉄京都線混乱(京都)
14日■延伸中の地下鉄・国際会館駅 循環バス、市へ要望(京都)
  ■小倉山残土訴訟 京都市への請求を却下 地裁判決(朝日)
  ■山陽新幹線の次世代車両 320`試験で部品破損 一時不通に(朝日)
15日■窓 京都市バスに明暗(京都)
  ■遊待席 交通科学博物館 実物の模擬運転も(京都)
  ■関空へアクセス ゴー 連絡鉄道 営業運転始まる(京都)
  ■京都直結へ 残暦板登場 JR京都駅(京都)
  ■新型特急、式典に花 関空駅開業 駅員ら「期待と不安」(京都)
  ■京都仏教会 JR東海のキャンペーンポスターに次々登場 アレッ「駅ビル反対」変更どすか?! 改築進める「西日本」には「協力できぬ」(京都)
  ■関空 鉄道お先に開業 1番列車の見物客続々(朝日)
  ■関空−神戸アクセス 超高速2船 運航会社へ(朝日)
16日■JR奈良線の複線・高架化 具体計画年内にも 府、整備研にきょう諮問 新駅設置設置も課題に(京都)
  ■「平成の京都策」柱に要望 政府予算へ 地下鉄など75項目 京都市(京都)
  ■JR東日本 週刊文春の駅売り拒否 労務体質など 批判記事に反発(京都)
  ■キヨスクから週刊文春締め出し JR東日本 批判の記事「事実無根」 文春側抗議「報道の自由侵害」(朝日)
  ■JR連合の役員改選(朝日)
  ■JR特急屋根に作業用くわ 京都駅で発見(京都)
17日■社説 JR東日本に再考を促したい(京都)
  ■話し合い決裂 法的措置方針 JR東日本と文春(京都)
  ■京組ひも取り入れ カラフルな路線図 終点は「止め結び」で表現 阪急電鉄きょうから全車両に掲示(京都)
  ■JR奈良線複線電化 舞鶴線の電化 府、整備手法を諮問 整備研鉄道部会に(京都)
  ■JR奈良、舞鶴線の複線化や電化諮問 府交通網整備研に知事(朝日)
  ■「文春」販売拒否 法的措置を双方が表明(朝日)
  ■マスコミ労組会議議長が抗議声明(朝日)
  ■ポートライナー 扉開かず運行停止 8本運休(朝日)
18日■草津駅構内に訓練センター トラブル未然に(京都)
  ■北近畿タンゴ鉄道 京都・大阪−八丁浜・琴引浜 2割安で走ります 23日から切符発売(京都)
  ■文芸春秋が仮処分申請  JR東日本販売拒否(京都)
  ■叡山電鉄線路に侵入 電車に巻き込まれる 左京・年配の女性死亡(京都)
  ■ソーラーフェスへ JRが「観覧列車」(京都)
  ■関空リムジンお披露目 座席は3列ゆったりトイレ完備(京都)
  ■販売拒否問題 「文春」側が仮処分申請(朝日)
  ■男性はねられ死亡 南区・近鉄の踏切(京都)
  ■叡電で死亡の女性身元判明(京都)
19日■JR・天王寺駅 怒りのOL 痴漢を連行 ネクタイつかみ30b(朝日)
20日■「文春」の販売禁止を求める JR側が仮処分申請(京都)
  ■JR東日本も仮処分申請 文春の販売禁止など(朝日)
21日■800億円さらに上積みへ 建設費膨張の地下鉄東西線 当初から2300億円増 間接費が増大 京都市 完成も1年遅れ 97年に(京都)
  ■裁判官の忌避申し立て却下 新JR京都駅ビル訴訟(京都)
  ■JR東労組が抗議 週刊文春問題(京都)
  ■声 列車のトイレ洋式化は疑問 京都市 松田恵美子(大学研修員 35歳)(朝日)
  ■京都市交通局 地下鉄東西線建設費膨張 10年で970人削減 経営効率化 実行性が課題(京都)
  ■智頭線軌道つながる(朝日)
22日■地下鉄東西線問題で 臨時市会を要求 共産党市議団(京都)
  ■京都市交通局 リストラ 10年間で475人削減 労組反発「応じられない」(朝日)
23日■旧国鉄用地の売却に協力を 推進連絡会議を開催(京都)
  ■高速鉄道国際会議 JRが京で開催へ(京都)
  ■JR関空線が1往復増便へ(京都)
  ■事故防止へ訓練センター JR草津駅構内 京滋では初の施設(京都)
  ■窓 JR奈良線の複線化は急務 山城町・柴田 修(無職・77)(京都)
  ■開高道子さんひかれ死亡 JR茅ヶ崎踏切(京都)
  ■随筆家の開高さん 電車にひかれ死亡(朝日)
24日■地下鉄東西線 完成は97年10月 94年度→96年末→再度ずれ込む(京都)
  ■東西線事業費再膨張 市交通局リストラ案 京都交通労が拒否 責任明確化求める(京都)
  ■国労は週刊文春支持(京都)
  ■京都市の地下鉄東西線建設費 膨張さらに770億円 完成も'97年秋の見込み 支援要請に国そっぽ 財政再建団体に転落の可能性(朝日)
  ■「リストラ計画認められない」京都交通労組見解(朝日)
  ■パンタ破損で中断 次世代新幹線 あす試験再開(朝日)
  ■1人株主総会 今回が最後に JR西日本(朝日)
  ■新幹線が故障で停止 小田原−熱海間(朝日)
25日■十二単で空港へ 京阪宇治交通リムジンバス(朝日)
  ■新幹線に「イエローカー」 ハイテク装置で点検 同乗記(京都)
  ■ヘビ、近鉄吉野線止める 断続的に停電 400人に影響(朝日)
27日■KTR社長に谷岡府参与 経営損失3億7000万円(京都)
  ■主婦飛び込み?死亡 近江町。JR北陸線(京都)
  ■京都市交通局人員削減案 府社党が共闘姿勢 党あげて交通労組支援(朝日)
  ■女性、のぞみにはねられ即死 広島・初の死亡事故(朝日)
  ■京都市地下鉄東西線建設 事業費膨張、工期遅れ 市長ら4人減給処分(京都)
  ■南海脱線 駅員初歩的ミス? 用地買収遅れ 平面交差のまま…(朝日)
28日■地下鉄東西線問題 「全庁一丸で打開を」(京都)
  ■泉佐野 南海電車が脱線 空港線へ進入 待機の急行まで120b(京都)
  ■「関空」分岐点で脱線 泉佐野 南海本線の2両 ポイントの切り替え誤認(朝日)
  ■地下鉄東西線建設費の膨張 京都市労使問題にも 市は「リストラを」 労組「職員に責任ない」 累積赤字解消 最悪なら2060年(朝日)
  ■トラック、事故の弾み 駅の列車に衝突 JR舞鶴線2時間不通(京都)
  ■落雷?信号が故障 JR茨木駅で一時不通(朝日)
29日■市バス縮小撤回を 便利にする南区連絡会 地下鉄建設費膨張に抗議(京都)
  ■カラス高圧線接触 信号機など停電 山陰線、600人に影響(京都)
  ■信号機が故障 2万5000人に影響 JR茨木駅(京都)
  ■新駅「南草津」は9月4日に開業 JR東海道線(京都)
  ■「比叡山坂本」「嵯峨嵐山」 叡山・嵯峨駅を改称(京都)
  ■労組幹部配転で救済を申し立て JR西労(朝日)
  ■JRの労使紛争 早期解決求め集会 国労が東京で(朝日)
  ■株主総会ピーク 2008社、集中ぶり過去最高 緊迫のJR東日本 最多の警官を動員(京都)
  ■株主総会、早朝から厳戒 役員起立し謝罪 日本商事 大林組社長 「ご迷惑かけました」(京都)
30日■信楽高原鉄道が決算報告 赤字拡大4億3200万円(京都)
  ■2002年へ夢キック W杯サッカー 城陽が京都の候補地に アクセスなど課題に はるかなゴール(京都)
  ■観光PR兼ね「嵯峨嵐山」に JR山陰線嵯峨駅(朝日)
  ■工事車両が脱線 JR大阪環状線 早朝、7万7000人に影響(京都)
  ■大阪環状線で不通 ラッシュ直撃(朝日)



1日■JR草津駅東口に「京都近鉄」が進出 97年秋開店 マンションも開発
 草津市土地開発公社(理事長・高田三郎草津市長)と京都近鉄百貨店(本社・京都市下京区)、近鉄不動産(本社・大阪市中央区)は31日、同開発公社が所有するJR草津駅東口の旧国鉄レールセンター跡地を近鉄両社が買収し、デパートとマンションを建設することで合意、覚書を交換した。
 近鉄側の計画では、駅に近い部分に建設するデパートは、地上7階・地下1階建てで、延べ床面積役4万平方メートル、営業面積2万3000平方bで、500台収容の駐車場ビルを併設する。営業開始は97年秋を予定。半径約15`を商圏と、平日1万5000人、休日3万人の来客を見込んでいる。また、二百数十戸の分譲マンションも建設する。
 草津市土地開発公社は今年3月、国鉄精算事業団からレールセンター跡地約1万7000平方bを80億円で購入。上下水道や水路などを整備し、市道拡幅用地以外の部分1万3280平方bを来年9月に85億円に金利を上乗せした金額で近鉄2社に売却する。
 草津市では、3年前に京都近鉄百貨店が、草津駅前の別の土地に進出する計画を発表したが、地権者との調整がつかず、昨年末に計画はいったんとん挫していた。しかし、百貨店誘致に強い意欲を持つ草津市が、レールセンター跡地を用地として在阪デパート8社に進出を打診していた。
 高田三郎市長は「周辺市町からも多くの来客が予想され、湖南の中心都市として飛躍する弾みになる」と話している。
 一方、京都近鉄百貨店は「戦略的見地から進出を決めた。発展する草津の顔となるよう、多機能複合型の21世紀にふさわしい、市民に親しまれるデパートにしたい」(寺田音司・経営企画室企画部長)としている。(京都新聞)
■列車にはねられ死亡 宇治のJR奈良線
 31日午前8時ごろ、宇治市小倉中畑のJR奈良線の線路敷内で男性が死んでいるのを通りかかった人が見つけ、110番通報した。宇治署の調べで、男性は同市宇治蛇塚、大工守山嗣憲さん(26)と分かった。守山さんの腕時計が8時45分で止まっており、前夜、線路わきの高さ約1bのフェンスを越えて線路に入り、列車にはねられたらしい。(朝日新聞)
■新線に新型の特急 鳥取まで2時間半
 大阪と鳥取を約2時間半で結ぶ新型特急が今年12月に走り出す。JR山陽線・上郡駅と因美線・智頭駅を結ぶ第三セクターの智頭鉄道(本社・鳥取市東町)が運営する「智頭線」が開業するのに合わせ、JR西日本と智頭鉄道が共同で運行する。所用時間は現在のJR特急に比べて最大で約1時間50分短縮される。(朝日新聞)
■京都市 運輸省幹部を接待 衆院委で共産追求 地下鉄認可巡り料亭で
 日本船舶振興会からの接待が問題となっている運輸省の幹部が、市営地下鉄の延長計画の認可申請をした京都市側から都内の料亭で接待を受けていたことが、31日の衆院運輸委で明らかになった。共産党の寺前巌氏が質問した。
 寺前氏は、京都市の決算資料で明らかになったとして、同市が地下鉄延長計画の工事認可申請をした1992年5月28日、都内の料亭で市側が運輸省の鉄道局長ら8人を接待し、タクシー代も含めて約80万円の支出があったと追求した。これに対して黒野匡彦官房長は「接待を受けたことは事実」と認めた。
 寺前氏はさらに、地下鉄延長計画にあたってはビール券やワイシャツギフト券などが、同市から同省関係者に贈られたと指摘した。(朝日新聞 夕刊)
2日■関東鉄道取手駅事故 運転士ら書類送検
 茨城県取手市の関東鉄道取手駅で平成4年6月、ブレーキが利かなくなり列車が暴走して駅ビルに衝突、255人の死傷者を出した事故で、同県警捜査一課と取手署は1日、業務上過失致死傷などの疑いで、当時の高田誠関東鉄道運転士(24)、同深谷秀晴車掌(47)、同山本叶乗務区長(54)の3人を書類送検した。
 調べによると、運転士と車掌は異常のあったブレーキの制動テストをせず、列車を発車させた疑い。乗務区長は運転士ら2人を指導する立場にありながら、十分な安全教育をしなかった疑い。(京都新聞)
■関空バス5路線認可
 近畿運輸局は2日、南海電鉄から申請されていた関西空港関連の路線バス事業を申請通り認可した。
 認可されたのは5路線で、空港島内の貨物地区を結ぶ2路線は15日から運行を開始し、運賃は180円。
 堺市の泉北高速鉄道・泉ヶ丘駅からの「泉ヶ丘−空港線」(1100円)や大阪府泉佐野市のりんくうタウン駅からの「りんくうタウン−空港線」(490円)、神戸などからの連絡船が発着するポートターミナルと旅客ターミナルビルを結ぶ「ポートターミナル線」(180円)は9月4日の開港日から営業する。(朝日新聞 夕刊)
3日■けんか止まらず新幹線が止まる 姫路駅で夫婦騒動
 2日午後3時20分ごろ、姫路市駅前町、山陽新幹線姫路駅で、男女2人が相次いで上り線路に下りているのを駅員が発見、列車防護のスイッチを押して付近の列車に停止するよう信号を送った。
 2人は駅員に注意され、間もなくホームに戻ったが、新大阪発広島行きこだま575号が約7分間停車したのをはじめ、上下計3本が遅れ、1000人に影響した。
 県警鉄道警察隊の調べでは、2人は姫路市内の会社員(30)と妻(30)。ホーム上で夫婦げんかをし、妻がホーム東端まで逃げ金網フェンス(高さ約1.6b)を乗り越え、作業用の会談で線路上に下り、夫が後を追ったらしい。(京都新聞)
■女性車掌13人「はるか」と共に JR西日本
 JR西日本の女性車掌の第1期生13人が2日、大阪市北区の同社本社で鉄道本部運輸部長から車掌の心構えなどについて訓示を受けた。6日からの車掌研修を前に初めて勢ぞろいしたもので、運輸部長の「男性と同様に厳しく指導する」との訓示に全員が緊張した表情を見せた。約2ヵ月間の研修後、8月中旬に辞令を受けて9月4日の関西空港の開港に合わせて走り始めるアクセス特急「はるか」に乗務する。
 東海道新幹線や一部の私鉄には、改札や飲食サービスを行う女性パーサーが乗務しているが、「はるか」の女性車掌はドアの開閉や緊急時の無線連絡、けが人の救護など男性と同じ業務を行う。JRグループでは初の大量採用で、運輸部長は「天職と考え職務に専念してほしい」「女性ならではの能力をいかした演出を」などと訓示した。
 これまで東京の同社旅行センターに勤務していた山下留美さん(21)は「初めての職種に挑戦したかった。車内にやわらかいイメージをつくり出し、お客様にリラックスしていただきたい」。滋賀県で旅行業を担当してきた大田陽子さん(23)は「海外の観光客も多く乗車されるでしょうから頑張りたい」と抱負を語った。(朝日新聞)
■見学のお客さまへお願い キセル・空港立ち入りお断り 15日開業の関空鉄道駅 工事関係者の便宜目的だが 乗車拒否もできず 帰りの切符、モラルに期待 改札口付近にバリケード
 関西空海へ乗り入れるJR西日本と南海電鉄の「関西空海線」が、15日から営業を開始するが、空海会社や鉄道会社が頭を痛めている。空港内はまだ工事中で、関係者以外は立ち入りできない。だが、電車に乗って大勢の見物人が訪れると予想される。空港会社は、駅の改札口付近にバリケードを張って、旅客ターミナルなどへの入場を阻止する方針だが、一度に殺到されると事故の心配もある。一方、鉄道会社は、下車せず戻るキセル乗車を警戒、空港駅構内で空港施設の写真展を計画している。
 9月4日の開港に先立って、JR西日本と南海電鉄が毎日30数往復ずつ運転する。工事関係着などの便宜を図るのが目的で、JRは快速と普通、南海は急行と普通を大阪市内などから走らせる。鉄道事業法に基づく営業運転のため、空港関係者ではないからといって乗車拒否はできない。
 空港見物に訪れる乗客について、鉄道会社側は「せっかく電車に乗ってくれるのだから、見学コースでも」と提案したが、関西国際空港会社は「工事中なので危険。警備上の問題もある」と空港駅から外へは出さない方針だ。
 このため、見物客は改札口をいったん出て帰りの切符を買い、Uターンするだけになる。問題は改札口の外にどれくらいのスペースを確保するか。空港会社は、旅行客や送迎客以外の見学者数を、開港時は1日3800人と予想している。だが、開港前となると「まったく想像がつかない」という。
 空港会社の担当者は「夏休みの土、日曜日などはドッと来るかもしれない。狭い所に閉じ込めるのは危険だし、かといって、広げ過ぎて工事区域に入られるのも困る。頭が痛い」と話す。
 鉄道会社側が心配するのがキセル乗車だ。空海駅まで行ったものの、駅の外に出られないとなれば、そのまま帰りの切符を買わずにUターンするキセル乗車が可能だ。キセル乗車で、連絡橋からの景色だけを楽しもうという人が増えることも予想される。
 両社とも「すべての乗客をチェックするわけにはいかないので、モラルに期待するしかない」。南海は「せめて空港の雰囲気だけでも味わってもらおう」と、駅で旅客ターミナルビルや滑走路などの写真を展示することにしている。
 空海アクセス特急となる「はるか」(JR)や「ラピート」(南海)の一般試乗会には定員の100倍を超す応募があるなど、空海連絡鉄道への関心は高い。関係者は「人気があるのはありがたいが、開港前に混乱は起こしたくないし…」と複雑な心境だ。(朝日新聞)
4日■長崎市の路面電車 公共料金値上げ批判の中… 運賃100円均一10年に 安値維持で乗客がっちり
 全線100円均一で、「全国で一番安い運賃」という長崎市の路面電車、長崎電気軌道(営業距離11.5`)が、この料金のまま今月1日で10年になった。公共料金の値上げが批判されているなか、同社の経営が注目されている。
 長崎電気軌道の93年度の輸送人員は、約2150万人。5年前に比べ170万人ほど増えた。運賃の安さから、タクシーや定期観光バスなどの客を取り込んでいる。運賃収入は、この2年間、毎年2%近く増えた。経常利益は、73年度から黒字が続いている。観光地で一定の利用客が見込めるのも大きい。
 中村利夫社長は「客が増えるから100円を維持できる。ほかの交通機関では、値上げが客の減少を招き、また値上げする、という悪循環に陥っている」と話す。
 経営努力も怠らない。全70両のうち10両が東京など他都市の中古車両。人手のかかる保線工事などは、なるべく外注に出し、簡単な機器の故障修理などには、社員があたる。(朝日新聞)
■鳥取の智頭鉄道 女性車掌を募集
 JR山陽線に乗り入れて大阪と鳥取を約2時間半で結ぶことになる智頭(ちず)鉄道(社長・西尾邑次鳥取県知事)は、「智頭線」新型特急の女性車掌5人を7月に募集する。
 智頭鉄道は第三セクターで、智頭線開業は12月。すでに赤を基調にした制服のデザインも決め、「明るいイメージで優しくきめ細かいサービスをめざす」という。女性車掌は智頭線の智頭駅−上郡駅間に乗務する。
 1965年4月2日から76年4月1日までに生まれた人が対象。応募受け付けは7月1日から15日まで。問い合わせは智頭鉄道(0857-26-7495)。(朝日新聞 夕刊)
■ウチの辞令 ヨソの事例 屋根裏に鉄道桂模型ルーム
 東京ガス商品技術開発部の市川徹さん(41)は、大の鉄道模型マニア。新築した自宅の屋根裏部屋には模型の鉄道網がある。
 市川さんが最初に鉄道模型にひかれたのは小学校5年の時。1年間の小遣いをためて、HOゲージと呼ばれる中型模型を買った。走らせるのは4畳半の部屋。線路を出しては片付ける繰り返しだった。
 「いつかは、線路を敷いたままの鉄道模型専門ルームを、と夢みてきた」
 念願がかなったのは一昨年の暮れ。自宅を新築した時、屋根裏に20畳分の鉄道模型室をつくった。市川さんは建築学の博士号を持つ。屋根裏の空間を有効利用できるように、屋根の傾斜を急にするなど設計に工夫をこらした。
 模型室にはHOゲージだけ
でなく、小型のゲージ、大型のGゲージの線路も並ぶ。今ごろの季節だと屋根裏の気温がちょうどいい。帰宅後、3時間ほど自分だけの鉄道模型の世界に親しむ。
 集めた鉄道模型の数は、約600両。
 「1000両は集めたい。線路を敷く場所はまだありますから」(朝日新聞 夕刊)
6日■母の目前で2歳男児 JRにはねられ死亡 海南市の紀勢線
 5日午後4時20分ごろ、和歌山県海南市名高、JR紀勢線の名高踏切(警報機、遮断機付き)で、白浜発天王寺行き特急くろしお20号が、同市名高、会社員上山知孝さん(23)の長男勝也ちゃん(2つ)をはねた。勝也ちゃんは全身を強く打ち間もなく死亡した。
 海南署は、母親と一緒にいた勝也ちゃんが先に踏切を渡り、途中で引き返そうとしたとみている。(京都新聞)
■ひと足早く乗り心地満喫 はるか 公募の285組試乗
 9月4日の関西国際空港開港に合わせ、京都−空港間(99.5`)を結ぶJR西日本の連絡持急「はるか」の公募試乗会が5日開かれ、乗客らはひと足早く車窓風景を楽しんだ。
 この日は、京都、新大阪−空港間に合わせて3往復の試乗列車を運転。名前に「はるか」のつく人ら285組(2人1組)が参加した。
 そのうち、京都駅山陰線1番ホーム(営業運転後ははるか専用ホーム)を出た列車には、60組が乗車。放送の説明を聞きながら、ゆったりした座席配置の車内を見学したり、車窓のスピード感を味わった。途中、連絡橋から空港島の全景が見え始めると、歓声をあげて窓に顔を寄せていた。
 二女の陽香(はるか)さん(10)とともに参加した滋賀県・安土町の会社員山梶喜之さん(38)は、広い窓の眺望を楽しみながら「本当に揺れが少なく、座席も豪華で乗り心地が良く、さすがにアクセス特急」と満足そうだった。(京都新聞)
■こちらホーム はるか過ぎる 向日町駅、快速後戻り
 5日午前8時56分ごろ、JR向日町駅で停車予定の米原行き快速電車(8両編成)が、所定の停車位置から約300b行き過ぎて停車した。すぐに引き返して停車、乗降客計約80人が乗り降りしたあと、5分遅れで発車した。約400人の乗客があり、後続の電車に影響はなかった。
 JR西日本では、運転士がブレーキをかけるのが遅れたものとみて、調べている。(京都新聞)
■協調路線からスト権強調に JR東労組委員長
 JR東日本の最大労組であるJR東労組(松崎明委員長、5万4000人)の第10回定期大会が、5日から3日間の日程で、群馬県水上町で始まった。
 あいさつで松崎委員長は、「われわれはスト権を確立すべき時期にきている。緊張感ある健全な労使関係を築いていくために、論議を深めてほしい」と強調した。
 同労組はこれまで、松崎氏の協力な指導性により、会社と労使共同宣言を結ぶなど、問題を話し合いで平和解決する協調路線をとっている。(朝日新聞)
■スカーフ・財布・「点海祐希さん人形」… 冠「宝塚」グッズ5000種デビュー 阪急電鉄 来月から発売 「イメージ心配」と販売控え80年 鉄道不振で方針転換 「年5億円は増収できる」
 アドレス帳、スカーフ、財布、イヤリング、ネックレス、人形、シュークリーム……。阪急の計画では、7月21日から5000種類を超えるオリジナル商品を発売する。洋品や装飾品類は歌劇団の「花」「月」「雪」「星」の各組のトップに基本デザインを担当させたほか、これらを販売するために宝塚大劇場の一部を改装して「キャトルレーブ」(フランス語で4つの夢)という店を開く。
 おもちゃメーカーのタカラ(東京)と協力し、月組のトップ天海祐希(あまみ・ゆうき)さんをモデルにした人形や、宝塚音楽学校の制服を着た人形をつくり、全国の百貨店やおもちゃ店などでも売り出す。
 阪急によると、これまでもヅカファンから歌劇団の冠商品を求める声は数多く寄せられていた。1916年からブロマイド、84年からビデオなどを発売しているが、「舞台を離れた所でアイドルを作ったり、イメージを独り歩きさせない」と、冠商品の発売は控えてきた。
 しかし、鉄道運賃収入が伸び悩むなどの不況下で増収を図るには、約60万人とされるヅカファンを見逃す手はないと判断。公演80周年となる今年を契機に、不文律を解いた。
 昨年度のブロマイドやビデオ類の売り上げは約1億6000万円もあり、冠商品で「年5億円はいける」と同社。鉄道本部のある幹部は「年内の公共料金の凍結で鉄道運賃は当分の間、据え置かれる。歌劇グッズで少しでも補ってもらえれば…」と話している。(朝日新聞)
■快速うっかりオーバーラン 京都のJR向日町駅
 5日午前8時55分ごろ、京都府向日市寺戸町のJR東海道線向日町駅で、上郡発米原行き快速電車(8両編成、乗客約400人)が、停止位置から約300b行きすぎて停車した。駅員の誘導で同駅まで後退。駅で約80人が乗降し、5分遅れで発車した。後続列車に影響はなかった。
 JR西日本の調べでは、運転手がホームの真ん中付近で気づき、非常ブレーキをかけたが停止位置に止まれず、駅のホーム端からも約100b通りすぎたという。
 列車はJR高槻駅からは各駅停車になっており、同駅は3番目の停車駅だった。運転手は「うっかりしていた」と話しているという。
 JR西日本では「このような事故を起こし、申し訳ない。対策を考えていきたい」と話している。(朝日新聞)
■高2、車掌殴る 岡山のJR列車内たばこ注意に反発
 岡山県総社市のJR総社駅に停車中の列車内で、岡山市内の県立高校2年の男子生徒(17)が、たばこを持っていたのを注意されたのに反発して車掌(34)を殴り、あごの骨などを折る大けがをさせていたことが5日、わかった。総社署は、傷害容疑で生徒から事情を聴いている。
 同署やJR岡山支社によると、3日午後3時50分ごろ、JR総社駅に停車していた総社発岡山行きの普通列車(2両編成)の後部車両で、たばこを持っていた数人の高校生を同支社備中鉄道部の車掌が注意した。生徒らは腹を立て、車掌と押し問答になった。車掌が警察を呼ぶよう駅員に無線で頼んだところ、この男子生徒が車掌のネクタイをつかんで顔、腹などを数回殴った。車掌はあごの骨などを折って入院した。(朝日新聞)
■青鉛筆
 ▽9月に開港する関西空港と京都を結ぶJR西日本の特急「はるか」の試乗会が5日あり、全国から応募のあった60人の「はるか」さんを含む570人が乗り心地を楽しんだ。
 ▽試乗したのは、「遥夏」「悠」「遼」「晴香」「晴霞」と、全国から集まった1歳から94歳までの「はるか」さん。時速130`の最高速度を出した連絡橋でも、「揺れが少ない」と満足そうだった。
 ▽関西空港駅では約25分の休憩があり、試乗客は駅員らと記念撮影。「はるか」と大声で呼ぶ母親の声に、あちこちで子どもたちが一斉にきょろきょろする場面もあった。(朝日新聞)
7日■迫る離陸A アクセス網 世界に誇る便利さ ルート8本鉄道も威力
 「実は最初、『京都発、パリ行き』の国際特急を走らせたい、という構想があった。それが『はるか』になったんです」(梅原利之JR西日本鉄道本部長)。「はるか」はJRが京都から運行する直通特急だ。空港まで最短75分。京都駅には搭乗手続きができるCAT(シティー・エア・タ−ミナル)が置かれ、手荷物はここで手放せる。列車は空港のターミナルビルに乗り入れ、降りるとすぐ発着ロビーだ。
 結局「パリ行き」特急は実現しなかったが、「それぐらい便利になった」と梅原本部長が胸を張る。「新空港のアクセスの良さは世界に誇れる。日本の空港で開港時から、しっかりしたアクセスができたのは初めて」。榊原胖夫同志社大名誉教授(交通経済学)もアクセスの良さを新空港の特長の一つに挙げる。
 新空港と結ぶルートは3種類ある。列車はJRと南海、高速道路も2本開通し、さらに神戸、徳島などから海上アクセスが4ルート。CATも京都駅と南海・難波駅、神戸港の3ヵ所にできる。アクセスは関西一円に張りめぐらされた。リムジンバスだけに頼った大阪空港とは比較にならないぐらい便利になった。開港時の成田空港が現在のように鉄道もなく「陸の狐島」と世界から悪評を買ったのと対照的だ。
 3種類のアクセスを持つ空港は世界にも例がない。新空港の建設に「ゴーサイン」が出ると、政府は関係閣僚会議で近畿全域にわたる空港関連施設の整備計画を決めた。京都からのアクセスの一つとして第二京阪道路の整備まで含まれており、総事業費は3兆4000億円。空港の建設費1兆4300億円をはるかに超す事業費が投じられた。アクセスが万全なのは、そのためだ。成田の反省もあったが、それ以上に「アジアのハブ空港を目指すこの空港への期待と熱意」(浅島武雄西空港調査会プロジェクトセンター所長)が大きかった。
 「以前、欧州の空港を視察すると、パリやローマの空港が新たに鉄道を引き込んでいた。車では大量輸送が効かない。アクセスとして鉄道の重要性を見直していた」(梅原本部長)という世界の新たな動きに対応した判断でもあった。
 アクセスの便利さは利用者の選択も変える。「これまで成田に行った北陸の人も京都経由で新空港を利用するようになる」(梅原本部長)し、新幹線沿線でも海外への玄関を変える人が多そうだ。
 アクセス網が地域にもたらすものも大きい。榊原名誉教授は「空港を繁栄させるのはアクセス沿いの人口。新空港の強さは、地元の大阪南部、和歌山が整った交通網によって発展し、人口増を見込めることだ」と言う。「今後、沿線は大きく変わる」。南海電鉄の中嶋誠之企画部長も同じ期待を口にする。
 JR西日本が「いつもの駅から世界へつながる」を「はるか」のキャッチフレーズにすれば、南海は年間運賃収入の8割に当たる500億円を投入して直通特急「ラピート」を走らせ、開港を待っている。
・京を世界の玄関口 梅原 利之さん(JR西日本鉄道本部長)
 JRの内部では当初、アクセス特急を新大阪発と考えていた。だが京都を陸の孤島にするわけにはいかない。また京都を目的に訪れる外国人も多い。それで京都発に変えた。1996年秋に完成する新京都駅は、コンベンション施設や文化施設も備え、世界の玄関口にふさわしいものにする計画だ。(京都新聞)
■わたしの作品 電車通勤は楽し 時岡鶴一 (城陽市平川大将軍)・警備員・70歳
 古希迎え幸いに健康に恵まれ電車で通勤しています。朝6時過ぎの電車で乗客はまだ少々、いつも同じ席に顔なじみが座っていられます。乗車中は皆さんあくび一つせずどことなしに生気があふれています。
 めい想している人、雑誌新聞などを読んでいる人、編み物している婦人、友と談笑している人さまざまです。割に年配のご婦人が多く、60代の方、中には72歳の方もいてられ、まだ75歳の同僚もいられるとのことで、自分はまだまだ若い、頑張らねばと心に誓っています。
 中に4人のグループの方は勤め先は別々らしいがとても仲よく、見ていても気持ちの良いものです。井戸端会議ならぬ談話がとても参考になるのでそっと聞いています。まず新聞の折り込みチラシから始まる買い物、食べ物談義。今日は家庭の出来事、病気の話、職場のこと。変わって政治のこと、世間通で誠に結構な人生勉強になり楽しく聞いています。
 もう電車を降りる時間です。さあ皆さん今日もお元気に頑張りましょう。高齢社会も生き方によって楽しいものです。皆さんが幸せにいつまでも健康でいられますよう願っています。
「早朝の電車の中で顔なじみ みな幸せに 我は楽しき」(京都新聞)
■京都”駅中”留学 英会話特訓 駅前じゃないですョ 関空にらみ 外国人客増えても「ノープロブレム」
 関西国際空港の9月開港をにらんで、京都駅でJR西日本社員の英会話特訓が続いている。京都から関空特急「はるか」運行もあり、外国人客がドッと増えるのを見越した社員の自主的学習。現在3つのサークルがあるが、7月からは合同で業務用会話に挑むといい、京都駅は一段と国際ステーションの雰囲気が強まってきた。
 京都はもともと外国人観光客が多いが、今年は関西国際空港開港に加え、広島アジア大会、和歌山世界リゾート博、さらには京都での緑化フェアと西日本地域での国際イベントも多彩。このため京の玄関口での学習機運が一気に高まったようだ。
 管理部門が中心のJR西日本京都支社では、今年四月から毎週月曜日夜、外国人女性講師を招いて基礎会話の特訓。希望した48人が実力に応じた4クラスに分かれ、日本語禁止で1時間学んでいる。
 また現場の京都駅では昨年6月から40人、京都車掌区でも10人が定期的に講座を開いている。
 参加者のひとりは「40の手習いだが、即席英語でもそれなりに自信がついた」と成果は着々。英語に堪能な「はるか」の女性車掌13人が京都車掌区に配置されることも刺激となり、「7月からは業務案内など直接仕事にかかわる会話を、駅ぐるみで学びます」と意欲をみせている。
 京都駅では案内所などを訪ねる外国人が、今でも1日平均100件近い。今年、外国人客急増が見込まれる中で、英語の特訓を続けるメンバーは大きな戦力になりそうだ。(京都新聞 夕刊)
■宇治の近鉄踏切 女性はねられ死亡
 7日午前6時10分ごろ、宇治市小倉新田島、近鉄京都線向島踏切で、奈良発京都行き急行が女性をはねた。女性は即死し、電車は9分遅れた。
 宇治署の調べでは、女性は30−50歳、紺や白地にローマ字模様の長そでシャツ、薄紫色のズボンに白のモード履き。右手薬指に「ヒロコ」と刻まれた指輪をしていた。同署は女性が遮断機をくぐり抜けたという運転士の話から、事故と自殺の両面で捜査している。(京都新聞 夕刊)
■JR列車のトイレ変身中 遅まきながら 洋式・女性専用増やす 「はるか」は和式なしに
 洋式、温水洗浄式など家庭のトイレは昔とは様変わりしつつあるが、長い間「男女兼用・和式」が当たり前だったJRの車内トイレにも、遅ればせながら変化の波が押し寄せてきた。JR東日本は、7月から営業する総2階建て新幹線(E1系)に女性専用トイレを設置、JR西日本は外国人客の増加をにらんで関西空港に乗り入れる新型特急のすべてのトイレを洋式化した。各社が力を入れている女性客獲得のためにも、清潔なトイレは欠かせないと考えているようだ。
 現在、多くの列車に使われている段差のある床(踏み段)に和式便器を配したトイレは日本独特のものだ。
 実は、戦後間もなく、一部の客車を男女別々の洋式トイレにしたことがあったが、日本人客からの抗議で消えた。以後、つい最近まで「男女兼用・和式」が基本だった。
 変化が表れたのは分割・民営化の後。JR東日本は、1992年7月に運転を始めた山形新幹線「つばさ」を手始めに、その後の新しい特急の車両は、すべて洋式トイレにした。
 同社車両課は「いまや多くの家庭のトイレも洋式。抵抗が強かった『肌が便器に触れる』という問題は紙シートを敷くことで解決した。身障者や足腰が弱っているお年寄りにも洋式の方が使いやすいはずだ」という。
 JR西日本は、9月から関西空港線に登場させる特急「はるか」に2つあるトイレを洋式化した。「国際空港だけに外国人のお客様が多いはず。和式を併設するスペースもないので洋式だけにした」
 しかし、JR東海は、看板の「のぞみ」用の車両のトイレも和洋半々で、いずれも男女兼用。これから造る同型車両でも変えるつもりはないという。
 「のぞみ」の導入を前に、社外の有識者を含めて設置した「サービス設備委員会」のトイレ分科会で約2年もかけて検討、「和式も根強い需要がある」との結論に達したからだ。同社は「ビジネス需要中心の東海道新幹線では、乗客の65%が男性。現在のところ女性専用トイレも設ける考えはない」としている。
新幹線にも専用ほしい 交通・旅行評論家の生内玲子さんの話 トイレから出た時に、次に待っていた男性と顔を合わせるのは、女性には恥ずかしいものです。東海道・山陽新幹線にも、女性専用トイレを設けてもらえないでしょうか
各社の取り組みは
 北海道 特急「スーパー北斗」の男性小用トイレにオゾン式の消臭装置を設置。
 東日本 山形新幹線「つはさ」の洋式トイレに暖房便座を採用。
 東海 「のぞみ」型新幹線で高圧水を流す噴射式処理システムを導入。臭気防止と節水を狙っている。
 西日本 寝台特急「トワイライトエクスプレス」の個室の大半に、壁に収納できる折りたたみ便器を設置。
 四国 「しおかぜ」の手洗い用の水栓を、手を近付けただけで水が出る非接触式に。
 九州 改造した「ハイパーサルーン」では、旅客機のような吸い込み式に。(朝日新聞 夕刊)
■JR東労組 松崎委員長が留任
 群馬県水上市で開かれていたJR東労組(松崎明委員長、5万4000人)の第10回定期大会は、3日目の7日、向こう1年間の運動方針などを決め、松崎委員長ら新執行部を選出して閉会した。
 進退をめぐる怪文書も出回るなかで、松崎氏は当初、退任の意向を示していたが、大会では「辞めるな」という慰留の声が続出。松崎氏も、「組織人として無視できない」として、続投を決断した。(朝日新聞 夕刊)
8日■西舞鶴駅の貨物ヤード 処分審が売却了承
 JR西舞鶴駅(舞鶴市)東側の貨物ヤード跡地2.42fの売却が、7日開かれた旧国鉄用地の資産処分審議会(会長・亀井正夫元国鉄再建監理委員長)で了承された。
 この土地は、すでにレールの撤去と整地が完了しており、この日了承されたことを受けて、国鉄精算事業団は近く、一帯の区画整理事業の一環として随意契約で舞鶴市に売却を予定している。
 この日の審議会では、他に全国で46件の資産処分が認められた。近畿地方では、福知山線の別ルートでの複線電化に伴って廃線となって区間の鉄道林(宝塚市)8.53fなども含まれている。(京都新聞)
■旧国鉄用地 47件、527f譲渡へ
 国鉄清算事業団の資産処分審議会(亀井正夫会長)は7日、重要資産として管理している旧国鉄の宿舎跡地や貨物用地など47件、計約527fを、1994年度中に公開入札と随意契約で譲渡することを了承した。
 同事業団では今回の対象金沢貨物基地(約1.9f)など13件。随意契約は埼玉・大宮鐘塚宿舎跡地(約0.7f)岡山市の岡山操車場跡地(約1.4f)など34件。
 公開入札対象のうち東京都昭島市の拝島駅宿舎跡地(約0.2f)と同江東区の亀戸駅貨物跡地(約0.4f)の2件はいずれも地価監視区域内にあるため、上限付き入札を予定している。(京都新聞)
■貯水槽泥掃除ロボット開発 JR東日本
 貯水槽などの水底にたまる汚泥を取り除く作業は「汚い・きつい・危険」の3Kとして現場作業員を悩ませてきたが、JR東日本はこのほど、貯水槽に潜り、全自動で泥を取り除く清掃ロボットの開発に成功した。
 これまでも、水中カメラを通したテレビ画面を見ながら人間が操作する掃除機はあったが、水中に下ろすだけで機械任せにできる完全自動化は初めて。同じ悩みを持つ自治体の水道局などから、問い合わせが相次いでいる。
 開発したロボットの重量は約60`。超音波センサーで、柱や壁などを感知、障害物を避けながら、水底を満遍なく走行。掃除機のように泥を吸い上げ、ホースで水槽の外に送り出す。(京都新聞)
■信楽事故 厳しい再捜査を 遺族ら大津地検に JR不起訴で意見書
 信楽高原鉄道列車衝突事故で不起訴になったJR関係者7人について大津検察審査会が「不起訴不当」を議決したことで、事故犠牲者の遺族でつくる「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人)は7日、大津地検に対し、厳しい再捜査と処分を求める意見書を提出した。
 大津地検は昨年3月、方向優先テコによる信楽駅の信号赤固定や高原鉄道列車の代用閉そく方式違反は予見困難で、直通乗り入れの教育も十分になされていた、としてJR西日本の運転士や事故当時の社長ら7人を不起訴処分にした。
 意見書では、検察側の不起訴理由をほぼ全面的に否定した同審査会の見解を列記。さらに「JR西日本関係者は方向優先テコや信号システム、高原鉄道の組織の不備などを認識しており、注意義務を怠った」と補足意見を加え、地検の厳しい再捜査を促している。
 この日は吉崎世話人ら会員と同会弁護団ら12人が同地検を訪問。頃安健司検事正に意見書を手渡したほか、JR西日本の刑事責任追求を求める遺族らの要望書を提出した。(京都新聞)
■関空への乗車券発売 きょうからJR
 JR西日本は、今月15日開業の関西空港線(日根野−関西空港駅)の普通乗車券と定期券を、8日から各駅で発売する。
 通常、普通乗車券は利用日の1ヵ月前、定期券は前日から売り出すが、今回は空港の開港準備に当たる従業員輸送を中心とした開業とあって、1週間前の発売開始とした。回数券と自動券売機の乗車券発売は、15日からとなる。
 従業員以外でも列車には乗れるが、9月4日の開港に伴う本格的な列車運転開始まで、関係者以外は空港施設内には入れない。(京都新聞)
■近鉄踏切事故死女性の身元判明
 7日朝、宇治市小倉新田島の近鉄京都線向島路切で、電車にはねられ死亡した女性は、その後の宇治署の調べで同市内の主婦(45)と判明。同署は家族の話から自殺とみている。(京都新聞)
■「夏は軽井沢」関西人はノー イメージ先行失敗 リゾート列車 運行取りやめ JR西日本
 夏のJR時刻表から、神戸発長野県・軽井沢行きのリゾート列車が消える。バブル景気下のリゾートブームに目をつけたJR西日本が「夏なら軽井沢」と、この季節列車の運転を始めたのが1989年。だが、狙いとは逆に苦戦を続けていた。今年、担当者が旅行動向などを改めて調査したところ「関西人は軽井沢を避暑地と見ていない」ことが分かり、運転の中止を決めた。「安直なイメージだけで生まれたバブル列車だった」と、担当者は話している。
 姿を消すのは寝台急行「シヤレー軽井沢」。昨年までは7月下旬から8月下旬の約1ヵ月間に1日1往復を運転していた。上りの場合、神戸駅を午後9時半に発車、大阪、京都を通り、軽井沢には翌朝7時半に到着する。急行ながら、ソファでだんらんができるサロンカーや更衣室など車内は特急並みの仕様となっている。
 JR西日本は当初、「軽井沢は代表的な避暑地。関西からの直通列車は必ず人気を呼ぶ」と、そろはんをはじいていた。しかし、運転初年度から利用率は最高でも定員の3分の2程度とパッとしなかった。
 事前の調査不足に気付いた同社は今年になって、独自調奈を実施。その結果、7、8月の2ヵ月間に軽井沢には約172万人が訪れるが、近畿2府4県からの観光客は4万3000人に過ぎないことがわかった。電車利用も1万3000人しか見込めず、それも東海道新幹線の利用が多い。
 「東京に比べて関西は周辺に緑も多く、わざわざ遠い軽井沢を避暑地として見ていない」「財布のひもが固い関西人は、高級イメージの軽井沢で短期間過ごすよりも、近場で長期間過ごした方が経済的」。担当者はこんな結論を出した。
 調査の過程で、当時の発案者が「東京育ち」だったことも分かり、幹部の一人は「ろくな調査もせず、『軽井沢は日本の避暑地』と決めつけた東京人の言葉をうのみにしてしまったらしい」と反省している。(朝日新聞 夕刊)
■新駅名は「宮本武蔵」 12月開通智頭線 ゆかりの岡山・大原町
 剣豪・宮本武蔵の生誕地を名乗り、「武蔵の里」づくりを進めている岡山県英田郡大原町に、12月に開通する第3セクターの鉄道智頭線の新駅「宮本武蔵駅」ができることになった。全国でも例のない歴史上の人物のフルネームを付けた駅で、町は7歳ごろの武蔵と、恋心を寄せたお通、幼なじみの又八の銅像をメーンにした駅前広場をひと足先に完成させ、9日、銅像の除幕式をする。
 智頭線は鳥取県・智頭町から岡山県内を経て兵庫県・上郡町を結ぶ約56`の単線鉄道。3県と沿線市町村が共同出資した第3セクターの智頭鉄道(社長・西尾邑次鳥取県知事)が建設を進めている。
 大原町の駅は初めは、駅周辺の地銘をとって「宮本駅」と命名する予定だった。しかし武蔵の生家跡や昔ながらの田園風景を生かした町おこしを進める町が、「宮本駅では印象が薄い」と変更を要望し、実現した。
 完成した銅像はいずれも高さ1.2bで、木の枝を振り上げて遊ぶ「やんちゃ武蔵」を中心に3人が並ぶ。
 結城弘志町長は「これで通りすがりの客にも、武蔵の生誕地であることが一目でわかる。郷土が生んだ偉大な人物に地域振興を託したい」と話している。(朝日新聞 夕刊)
9日■ニュートラム故障 初のヒューズ切れ 約1300人に影響
 9日午前7時ごろ、大阪市住之江区泉二丁目の大阪市営「ニュートラム」南港ポートタウン線で、住之江公園発中ふ頭行き電車(4両編成)が、緊急の停止信号で止まった。信号係員が駆けつけ、約20分後に運転は再開されたが、この間、他の電車9本も最寄り駅で待機したため、約1300人の乗客に影響が出た。住之江公園駅などでは、乗客がホームにあふれた。
 大阪市交通局によると、住之江公園駅のATC機器室にある電車の走行位置を検知する装置のヒューズが切れたため、ATC機器室から、停止信号が電車に送られた。検知装置のヒューズが切れたケースは、1981年の開業以来初めてで、市交通局は原因を調べている。
 昨年10月の暴走事故は、駅に近づいた電車に通常の停止信号が送られたが、電車側のブレーキ機能が働かず、発生した。今回、電車側の機能は正常で、市交通局は「今後の走行に支障はない」としている。(朝日新聞 夕刊)
■南海・難波駅が改装 関西空港開港控え着々
 南海電鉄・難波駅の改修工事が完了し、9日午前、完工式が行われた。9月4日の関西空港の開港に合わせて、アクセス特急「ラピート」の専用ホームや航空機のフライト情報板、国際旅客の手荷物を預かったり搭乗券を交付したりする「なんばシティエアターミナル(CAT)」などを約37億円かけて新設した。
 「ラピート」専用ホームは3階の9番線。2階のコンコースとを結ぶエスカレーターを増やした。関西空港の玄関口らしく、待合室やコンコースにはフライト情報板を置き、列車の乗車案内や券売機の使用法などの案内板も日本語、英語など4ヵ国語で表示した。
 「なんばCAT」は日本航空と協力して設置した施設で、国際線旅客には搭乗券の交付や手荷物の受託、国内線旅客には自動チェックイン機による搭乗券の交付をする。9月4日から営業を始める。(朝日新聞 夕刊)
10日■城陽市の”玄関口”完成 JR駅東地区の区画整理事業終わる 関係者らしゅん工式
 城陽市が進めてきたJR城陽駅東地区の土地区画整理事業が完成し、9日、現地で府、市、地権者ら約80人が出席してしゅん工式が行われた。
 同事業は、畑や空き地が広がっていた一帯を区画整理し、近くの商店街とともに同市の玄関口にふさわしい商業集積地にするのが狙い。JR城陽駅の橋上化(同3年度完成)や同駅東地区の区画整理が主なもので、総事業責約36億8000万円で平成元年度からスタートした。
 今回完成したJR城陽駅東地区(全体面積約2.9fの区画整理は、平成4年度から2ヵ年継続で進められていた。都市計画道路や駅前広場(約0.24fが整備され、同市の姉妹都市である慶山市(韓国)の木のケヤキを中心にした街路樹約40本が植栽された。また、城陽市の花・ハナショウブの紫色を取り入れた街路灯などもお目見えし、同市の「顔」にふさわしい玄関口としてデビューした。
 しゅん工式では、今道仙次市長が「市の顔として秩序ある整然とした街並みの形成を期待したい」と祝辞、関係者がテープカットして完成を祝った。駅前東側には、今後、バスやタクシーの乗り入れも計画され、府のシンボル作り事業の適用を受けて前方後円墳をイメージしたモニュメントも今年中に完成する予定。
 一方、同地区一帯は、住居地域から商業地域、近隣商業地域、住居地域と用途地域が変更された。これを受けて、スイミングスクールの進出話が出ているほか、「不動産業界などから連日、数件の照会があり、関心はかなり高まっているよう」(市建設部)という。(京都新聞)
■地下鉄東西線 建設工事現場を視察 京都市会交通水道委 進行状況など質問
 京都市の地下鉄東西線の建設費膨張に関連して市会交通水道委員会は、9日、膨張が明らかになって初めて建設現場を視察した。
 現場では、交通局の三浦貞義公営企業管理者(交通局長)や高速鉄道建設本部長ら同行し、工事概要や進ちょく状況などについて説明した。
 視察したのは、オープンカットからパイプルーフ工法に変更した蹴上駅工区と、地盤が軟弱で難工事となっている伏見区の醍醐南工区の2ヵ所。委員は地下の工事現場まで降りて視察、進行状況などについて質問していた。
 東西線は、今年2月、建設費が当初計画に比べ約1500億円もの膨張となることが明らかになった。市は「点検・推進委員会」を発足させ、建設費や事業の徹底的な洗い直しを進め、今月末までに結論を出す方針を出している。(京都新聞)
11日■架線にカラスが衝突 新幹線一時ストップ
 10日午後3時37分ごろ、JR東海道新幹線新富士−静岡間で、一時的に送電がストップした。間もなく復旧したが、ポイント信号が正常に作動しなかったため、東京発広島行きひかり89号と広島発東京行きひかり88号かせ静岡駅付近で止まった。運転は約1時間後に再開した。
 JR東海の調べでは、静岡駅から東京駅寄り約3.5`の地点で、架線にカラスが衝突して過電流が荘司焼損。静岡駅の東京寄りポイントの制御が出来なくなったという。
 同線は東京−新大阪間の上下線計4本が運休し、計120本に最高で2時間遅れ、約20万人の足に影響した。(京都新聞)
■JR西日本株 来年2月にも上場
 国鉄精算事業団は10日、JR西日本の株式上場をJR東海よりも先行させることを正式決定し、二見運輸相に報告した。JR関連の上場は昨年10月のJR東日本に続いて2社目。
 記者会見した西村康雄同事業団理事長は売却株数や今後の上場手続きについては「市場動向を見ながら、市場関係者の意見を参考にして検討する」と明言を避けた。しかし、運輸省の意向などから早ければ7月の下旬に上場申請し、入札、売り出しを経て95年2月には上場する見込みだ。売却数は百数十万株とみられる。
 西村理事長とともに記者会見したJR西日本の井出正敬社長は「東京、大阪、名古屋のほか、京都、広島、福岡の沿線各地の証券取引所に同時上場したい。(額面の)1割配当を続けるのが使命」と語った。
 同事業団は当初、94年度中にJR西日本とJR東海の2社の上場を目指していたが、株式市況の立ち直りが遅いことから今秋同じ政府関連の日本たばこ産業(JT)株上場も控えていることから、1社に絞り込んだ。
 西村理事は、JR西日本の先行上場を決めた理由について、先の同事業団資産処分審議会答申に沿い「利用者数が多く民営化のメリットがより広く及ぶ」などと説明した。(京都新聞)
■15日から路線バス乗り入れ 同志社大田辺キャンパス 運行ダイヤなど発表
 工学部が移転して1万7000人の学生が通う綴喜郡田辺町の同志社大田辺キャンパスに、15日から路線バスが乗り入れることになり、10日、同大学と奈良交通が運行ダイヤなどを発表した。
 毎朝、同キャンパスの最寄り駅である近鉄興戸駅が通学ラッシュで混雑している。この混雑を緩和するため、隣接する新田辺、三山木両駅に分散させるのが、今回の路線バスの乗り入れの大きな狙い。学生の利便も図るもので、同大が奈良交通に要望して実現した。
 運行路線は、既存の路線を生かし、近鉄新田辺と三山木両駅を起点に、同大北門から工学部前を経て構内の西側、ディヴィス記念館前のロータリーを折り返す2路線。キャンパス内の路線距離は0.8`。運行本数は2路線で約50往復。同記念館までの片道料金は新田辺駅からが230円、三山木駅からは170円。新たに大学正門前と工学部前、記念館前に3つの停留所が設けられた。
 約79fという広大なキャンパスに路線バスが乗り入れることで、大学側は「学生にとって大変便利になる」とみている。しかし、学生からは「料金のいらないスクールバスを導入してほしい」との声もある。(京都新聞)
■JR西日本年度内上場 安定経営へ責任重く 運賃値上げも視野
 JR西日本の年度内上場が10日正式に決まったことについて、JR西日本の井手正敬社長は「民営化の仕上げに向け長年の願いがかなった」と歓迎している。しかし、上場すれば株主への安定配当という責任も背負うわけで、経営の一層の強化に向け課題は多い。(清水祐一)
 JR主力3社の中で、西日本は、東日本の山手線、東海の東海道新幹線のようなドル箱路線がない。私鉄との競争も激しい。それでも民営化後の7年間で、収入の両輪である山陽新幹線と近畿と都市圏輸送の旅客をいずれも2、3割伸ばした。列車のスピードアップや増発などの経営努力の成果といい、近畿では大手私鉄の旅客が横ばい傾向なのと比べれば「一人勝ち」だ。一方、ローカル線の要員を大幅に削減するなど、経費を切り詰めた。民営化当時に約2兆1000億円あった長期債務は、約1兆5000億円まで減らした。
 しかし、今後は設備投資の重圧が高まってくる。新幹線や在来線の高速アップのための新車両投入や新線工事は目白押しだ。今年度の設備投資額は、初めて1000億円を越え約1400億円となるのをはじめ、来年度以降も年一千数百億円台で推移する。井手社長は「二度と国鉄時代のような借金づけにしない」としているが、順調に減らしてきた長期債務を増やさないかじ取りが必要になる。
 今は収入の5%にすぎない不動産、旅行など関連事業の強化も重要で、将来的に30%にするのが目標だ。しかし私鉄と違って沿線の土地が少なく、開発も容易ではない。
 一方、現行は運輸省の認可制である運賃について井手社長は「上場すれば株主配当を維持する必要がある。現行方式では永遠に値上げできない」と、見直しに動く姿勢を強めている。JR東日本などと、一定限度以内なら運賃を引き上げることができる「上限価格制」の導入を求めている。「4、500億円の経常利益を目安」(JR西日本幹部)にして、運賃の水準を決めたいとしているが、利用者の理解を得るには相当の経営努力が必要になる。
・上場を正式決定
 JR各社の株式を保有している国鉄精算事業団は10、JR東日本に続いてJR西日本を1994年度中に上場することを決め、運輸省の了承を得た。JR西日本は7月下旬か8月に、東京、大阪、名古屋など6ヵ所の証券取引所に上場を申請する予定。事業団は11月ごろに、一般競争入札で売り出し価格を決めて売却する。上場は95年2月ごろになる見込みだ。
・「民営化へのハードルだ」井手社長
 上場決定を受けて運輸省内で記者会見したJR西日本の井手正敬社長は「少なくとも東海と同時に、とお願いしていただけに、大変感激している。不特定の株主が生まれることで、いっそう経営責任が問われることになり、厳粛な気持ちだ」と述べた。
 また、株式上場の意義については「国鉄の分割・民営化の完成と鉄道の再生を果たすために、上場は越えたければいけないハードルだ、まだ、社員の気持ちの中には『親方日の丸』の意識が残っており、それを払拭(ふっしょく) するのは上場しかない」と語った。
・「地域に貢献を」関西財界
 JR西日本の今年度上場が決まったことを関西財界は歓迎している。大西正文・大阪商工会議所会頭は10日、「鉄道網の充実とサービス向上に勤め、西日本のリーディングカンパニーとして広く地域活性化に貢献してほしい」とのコメントを出した。
 また阪急電鉄の菅井基裕社長は「JR西日本が上場することは、同じ関西の鉄道会社として喜ばしいことた。関西の電鉄鰍ノ対する投資家の注目が高まることも期待したい」としている。(朝日新聞)
■新幹線延着「帰れない」 乗客に”タクシー代” 架線事故 異例の措置 JR京都駅 未明まで混乱
 10日午後、静岡県内のJR東海道新幹線でカラスが架線に衝突し、列車が一時ストップした事故で、深夜に京都駅に延着した新幹線の乗客のうち、約200人が「すでに乗り換える在来線がない。代替の交通機関を用意しろ」などと駅員に抗議する騒ぎがあった。JR東海は11日未明に、「異例の措置」で乗客にタクシーの請求書を渡し、混乱を収めた。
 同事故で、京都駅に最終の「のぞみ303号」が約1時間遅れの11日午前零時35分に到着した。すでに京都駅発の各在来線の列車はほとんどなく、特に奈良線や湖西線などに乗り換えて比較的遠方へ帰る予定の乗客が怒り出した。一時は200人近くが駅員に抗議したり、駅長室へ詰めかけるなど騒ぎになった。
 JR側は当初「対応の仕様がない」と取り合わなかったが、午前2時すぎごろ、「タクシー代請求書」を残った乗客に配布、事態の収拾を図った。
 東京から枚方市へ帰省中の会社員(29)は「駅に着いたら何の対応もなかったので、既にホテルの予約をとってしまった。いまさらタクシーを手配されても困る」と納得のいかない様子だった。
 JR東海関西支社は「こちらの不手際で在来線への連絡や対応が遅れた。タクシーの請求書の配布は異例の措置。乗り換えのお客様には大変ご迷惑をおかけした」と話している。(京都新聞 夕刊)
13日■脱輪事故で近鉄京都線混乱
 13日午前7時20分ごろ、京都府相楽郡精華町下狛、近鉄京都線狛田駅南側の狛田第1踏切(遮断機、警報機付き)で、同下狛、主婦後藤博子さん(48)の乗用車の左前輪が線路に脱輪した。後藤さんが踏切の非常ボタンを押すとともに、目撃した同駅員や通学中の南京都高校生らが協力して乗用車を担ぎ上げ、約5分後に路面に戻し踏切を抜け出した。
 また同駅には踏切を通過した京都行き普通電車が停車中で、車掌が他の列車に防護無線で連絡し、大事には至らなかった。けが人もなかった。同電車が6分遅れで発車したほか、雨の影響も加わって同線は最大20分の遅れが出た。踏切は幅1.7b、長さ6.8bで、木津署は雨で路面が濡れていたため、後藤さんがハンドル操作を誤ったのではないかとみている。(京都新聞 夕刊)
14日■延伸中の地下鉄・国際会館駅 循環バス、市へ要望
 京都市左京区の岩倉自治連合会(約8000世帯)は13日、延伸中の市地下鉄烏丸線の国立京都国際会館の国際会館駅(仮称)と岩倉地域を循環する市バスを運行することなどを、京都市に要望した。
 岩倉地域中心武への地下鉄の延長を求めている連合会が、「事実上延伸は行われない」として、交通の不便さを補うためにバス運行を求めた。
 この日は、安原英会長ら役員7人が左京区役所、市交通局、市都市開発局を訪れ、▽国際会館駅と交通の不便な岩倉地域、特に同北部を循環する市バスを運行する▽バスが通れるように道路拡張する▽自転車で気楽に駅に通えるように駅周辺に市営駐輪場を設置する−などを担当者に口頭で申し入れた。
 安原会長は「岩倉への地下鉄延伸をあきらめたわけではない。しかし、事実上不可能となったので、少しでも住民にとって交通の利便がよくなるよう求めていく」と話している。
 これに対し、市交通計画部は、既に路線を持つ京都バスしの兼ね合いなど難しい点もある−との認識を持っており、「内部でよく連絡をとり、回答する」と答えた。
 同連合会は1989年春に「岩倉地区地下鉄推進委員会」を設置。91年からは、烏丸線の延長と同時に、循環バス運行を求めてきた。(京都新聞)
■小倉山残土訴訟 京都市への請求を却下 地裁判決
 古都保存法に基づく歴史的風土特別保存地区に指定されている京都市右京区嵯峨の小倉山に、JR西日本がトンネル工事の残土を放置した問題で、住民が植栽などで修復するとしてJR側の計画を許可した京都市長を相手に、処分取り消しを求めた訴訟の判決が13日、京都地裁であった。松尾政行裁判長は「住民訴訟は公金の支出などで自治体が財産の維持・保全を怠った事実が対象となり、古都保存法に基づいた今回の市の許可は、住民訴訟の対象とはならない」とし、請求を却下した。
 住民側の代表、松本章男さんは「文化や歴史を財産としては認めない判決は情けない。控訴して争いたい」と話した。(朝日新聞)
■山陽新幹線の次世代車両 320`試験で部品破損 一時不通に
 14日午前1時5分ごろ、山陽新幹線の新下関−小郡感を走行していたJR西日本の次世代新幹線試験車両「WIN350」(6両編成)の2号車のパンタグラフから火花が激しく出ているのを、車内のテレビカメラを監視していた係員が発見した。小郡駅に到着後にパンタグラフを調べたところ、架線と接触する「すり板」4枚のうち2枚がなくなっていた。車両を博多総合車両所に回送して原因を調べている。
 JR西日本は午前2時35分ごろから、新下関−徳山感の上下線の送電を停止するなど、架線の緊急点検を午前7時過ぎまで実施。こま影響で博多発東京行き「ひかり30号」が46分遅れるなど上下9本のダイヤが乱れ、約2000人に影響した。
 JR西日本によると、WIN350は13日午後10時40分ごろから、新下関−小郡感で時速275`を越える走行を始めた。4月14日以来の試験走行だった。同区間を2往復した後、再び小郡へ向けて時速320`で走行している最中に、突然2号車のパンタグラフから激しい火花が出たという。
 WIN350には、のぞみやひかりと同様のパンタグラフと、超高速走行用として翼形の新型パンタグラフが2台ついているが、この日は従来型を使っていた。すり板(長さ約27a、幅約4a、厚さ約1a)は1台のパンタグラフに4枚あり、それぞれ両端をボルトで固定している。脱落した2枚のうち、1枚は山陽新幹線の軌道内で間もなく見つかった。
 WIN350は、のぞみの最高時速を30`上回る時速300`での走行を計画する新型超特急の試験車両。1996年3月から営業運転を始める予定で、新大阪−博多間を現行よりも20分以上短縮して2時間10分台で結ぶことを目指している。JR西日本技術開発推進部は「次世代車両は翼形パンタグラフを採用するので開発に影響はないが、初めての事故なので原因究明を急ぎたい」と話している。(朝日新聞 夕刊)
15日■窓 京都市バスに明暗
・不便になった新装北大路駅 右京区・佐伯育子(会社員・23)
 先日、北大路バスタ−ミナルが新しくなって初めて利用した。うわさには聞いていたが、地下の迷路のようで分かりにくかった。
 ようやく、お目当ての乗り場にたどり着いた。1時間に1本しか経由しないので、あと20分ぐらいなら、と思い待っていた。しかし、ダイヤが遅れていたのか定刻には来ず、さらに20分待つこととなった。
 やっとバスが来て、扉の前に立ったが、なぜか開かなかった。バスは、人は降ろしたが、乗せることなく、無情にも、ビユーンと行ってしまった。
 扉がその時だけ故障したのか? それにしても、運転手さんもなぜ不思議に思わないのだろう。より便利でなければならないはずの北大路駅。バスに乗れない駅なんか要りません。
・心を晴らすさわやかな声 北区・小谷十三之烝(団体役員・69)
 ある土曜の午後の市バスの車中です。ガヤガヤと修学旅行中らしい中学生が乗って来ました。「そこに止まるとあとの人が乗れません。前につめてください。その席は今はよいが、お年寄りが来たら、譲ってください」
 若い母親と女児が誤乗車のようです。「料金は要りません。次からは気をつけてくださいネ」
 窓際の女性に「髪が外に流れ危険です。髪を出さないで」。
 降車の客にいちいち「ありがとうございます」。
 お年寄りには必ず「気をつけて」。
 修学旅行生が下車して次の赤信号で停車中に一人が一目散に駆けてきてドアをたたき「一人忘れた。開けてください」。ドアを開けると席に寝込んでいる友達を起こし、二人で「すみません」と、ペコンと礼をいうのに「早く気づいてよかったネ」。
 発車後、「停留所からかなりの距離。間に合ってよかったですネ」と、運転手さん。「真剣な顔して走ってきましたよ」と、私。終点、京都駅で「いろいろ大変です。勉強になりました」「ありがとうございます。お気をつけてどうぞ」と、さわやかな返事が返って来ました。
 修学旅行生たちもおそらく、京都のよさプラス何かをつかんで帰ったのではないでしょうか。
・楽しさ壊した不快な運転手 近江八幡市・高雄敏子(主婦・41)
 先日、「おいしい物を食べに行こう」とかねてから計画していた近所の主婦たち9人で京都に出かけました。
 前日から遠足に出かける子供みたいにわくわくはしゃいでいました。主人、子供たちにも了承してもらい、電車で京都に出発、めったに乗らない市バスで京都駅から祇園まで乗ったのです。
 ところが、乗った途端、運転手さんの「さっさと前につめて!」と何度もどなる声がスピーカーから聞こえてくるのです。でも、こんなものかなおと思いながら乗っていました。
 ある停留所に止まると、「さっさと降りて!」。年配の方がつかまりながら乗っているのに「さっさと乗って!」とぶっきらぼうな態度。私の弾んだ心はだんだん冷めてきました。
 五条坂に近づくと「清水寺に行く人はここで降りて!」。まだ何とか我慢。ところが修学旅行生が「清水寺はどこで降りるんですか」と聞くと「清水寺はここって言ったやろ!」。右も左も分からず、地図を頼りに旅行している人に、何という冷たい言葉でしょう。その修学旅行生たちが降りている途中、何が気に入らなかったのか、クラクションをブブブーブブブーと鳴らすのです。
 運転手の方もいろいろなお客さまを乗せて、腹が立つこともあるでしょう。でも修学旅行生は一生に一度、私たちも年に一度のささやかな楽しみのひととき。京都のよさが、この運転手さんのおかげで、いやな思い出の1ページになってしまいました。(京都新聞)
■遊待席 交通科学博物館 実物の模擬運転も
 鉄道のすべてがわかる博物館としてよく知られたJR西日本の交通科学博物館だが、昨年10月、面目を一新した。7億8000万円をかけて内部展示室を全面改装し、関係資料も5万5000件収蔵して「ようやく名実ともに博物館と誇れます」と胸を張る。「見やすくなった」と子供だけでなく大人にも一段と人気が高い。
 高架のJR弁天町駅ホーム下を利用した展示室は全長150b。これを7室に分け、歴史や仕組み、各種施設や仕事の内容、鉄道によって変わった暮らしの様子など鉄道のすべてのほか船、飛行機、自動車など関連する乗り物などテーマごとに体系的に展示し直した。展示内容はほとんど更新、1000点に増えた。
 実物に触れたり、映像で見せるなどわかりやすく、おもしろくなったのが最大の特徴。なかでも人気の高いのが、新快速に使われている221系電車の運転体験ができるシミュレータ−。音声の指示で操作すると全面の60インチモニター画面にぐんぐん外の景色が追ってくる。塚口から宝塚まであっという間だ。日曜日など長い行列ができる。
 映画の世界に入ったかのような昭和初期の駅が再現された。鉄道省の「小停車場本屋標本図」に基づく忠実なもの。実際に使われていた駅務の道具や機器類が昔の雰囲気を醸す。
 その駅に到着したのはなんと明治13年(1880年)に開業した京都−大津間に走ったイギリス製の1800形蒸気機関車。いまにも走り出しそうだ。
 京都ゆかりといえば昭和25年に焼失した2代目京都駅の貴賓室に使われていたシャンデリアが「鉄道とくらし」コーナーにある。高さ2bの立派なもので、組み立て方が分からないまま倉庫に眠っていたのが43年ぶりにきらびやかな輝きを取り戻した。
◆メモ◆ 大阪市港区波除3丁目。開館時間=3月ー11月午前10時−午後5時30分、12月−2月午前9時30分−午後5時(入場はいずれも30分前まで)。休館日=月曜日(祝日の場合は開館し、学校の春休みと夏休みは休みなし)、年末年始。入館料大人(高校生以上)400円、小人(4歳以上)100円。15人以上団体割引(予約)あり。問い合わせ=06(581)5771。交通=JR環状線または地下鉄中央線の弁天町駅下車。昭和37年環状線開通記念で開館。毎月第3、第4土曜日は収蔵の貴重な記録映像を上映。(京都新聞)
■関空へアクセス ゴー 連絡鉄道 営業運転始まる
 9月4日に開港する関西国際空港と対岸の大阪府泉佐野市を結ぶ連絡鉄道のJR西日本「関西空港線」(11.1`)と南海電鉄「空港線」(8.8`)が15日、営業を開始した。
 開業式典は午前10時から関西空港駅構内で行われ、同空港会社の服部経治社長、中川和雄大仮府知事や両鉄道会社の社長らがテープカット、一番電車の出発を祝った。
 両線はJRと南海が空港連絡橋と駅を共用。開港までは主として空港島で習熟訓練をする国の機関、空港会社や関連会社の職員が利用する。
 輸送人員は両線合わせて1日に8000−1万3000人となりそう。(京都新聞 夕刊)
■京都直結へ 残暦板登場 JR京都駅
 京都から関西国際空港へ直行する関空特急「はるか」のデビュー告知板が16日、発着ホームになるJR京都駅山陰線1番ホームにお目見えした。運行まで「81日」のカウントダウンも始まり、9月4日の開港に向け国際駅のムードが盛り上がってきた。
 駅ビル工事用フェンスを背に、高さ3bの5枚の看板を並べ、全長は約65b。
 残暦板のほか、京都の風景、はるかを描き、京都から関空へ75分、そして空港から飛行機の飛び立つ様子を流れを追って、パネル展開している。約400万円をかけ製作した。(京都新聞 夕刊)
■新型特急、式典に花 関空駅開業 駅員ら「期待と不安」
 世界へつながるアクセス電車が開港より一足早く走り出した−。関西国際空港(大阪府)の関西空港駅の4本のホームには15日朝、JR西日本の「はるか」や南海電鉄の「ラピート」など新空港への足となる新型特急、快速、急行電車が勢ぞろいし、開業式典に花を添えた。
 この日は久しぶりに梅雨の晴れ間。天窓から日が差し込む中、旅客ターミナルビルの国内線出発ロビーに通じる駅コンコースで行われた開業式典は、まず神事で安全運転を祈願。運輸省関係者や大阪府など地元自治体の首長らが緊張した面持ちでテープカット、くす玉を割り開業を祝った。
 南海はこの日、普段より170人多い職員を各駅に配置して対応。夜を徹して並ぶ鉄道ファンの姿はなかったが、難波駅(大阪市)の駅員は「何しろ初めてなので期待と不安でいっぱいです」。午前9時ごろ、同駅に一番乗りした大阪市東淀川区の専門学校生森下英基さん(18)は「学校を休んで来た。鉄道も飛行機も好きなので開業を楽しみにしていた」と話した。(京都新聞 夕刊)
■京都仏教会 JR東海のキャンペーンポスターに次々登場 アレッ「駅ビル反対」変更どすか?! 改築進める「西日本」には「協力できぬ」
 平安建都1200年に合わせてJR東海(本社・東京)が、乗客誘致のために展開中の京都キャンペーンに、建都事業に位置づけられるJR京都駅ビル高層改築に反対する京都仏教会(東伏見慈洽会長)の有力観光寺院が、次々と登場し、「反対運動の方針変更か」と関係者の話題になっている。これに対し、仏教会は依然「駅ビルの高層化には反対」としており、改築を進めるJR西日本(同・大阪)のキャンペーンには一切協力しない構え。同じJRグループの2社のキャンペーンは、景観問題が絡んで思わぬ所で違いを見せている。
 JR東海は昨年9月から首都圏を中心に、「そうだ 京都、行こう」のキャッチフレーズで京都キャンペーンを始めた。銀閣寺(左京区)のしっとりとしたたたずまいの旅情をそそるポスターなど、洛中の名所旧跡を取り上げている。
 その銀閣寺は、京都駅ビルの高層改築に反対した京都仏教会の加盟寺院。ほかにも蓮華寺(同)、清水寺(東山区)などがポスターに登場した。
 このようなポスターを見て、京都駅改築を推進している京都府、京都市、平安建都1200年記念協会などの関係者からは、「1200年事業には駅ビルも関係する。なぜ、1200年関連のJRキャンペーンに仏教会の寺院が協力するの」との声が聞かれる。
 これに対し京都仏教会の清滝智弘常務理事は「高層ビルをつくるJR西日本に協力する加盟寺院はありません。しかし、JR東海の方なら何ら問題はない。われわれは1200年の行事には賛同している」と説明する。
 また、蓮華寺の安井仮爾副住職は、ポスターに登場した経過を「東海の方が何回か要請に来られた。そのとき、京都の景観についてどう思うかお尋ねしたが、『キャンペーンでは京都の文化を掘り下げたい』とおっしやるのでお受けした」と話している。
 こうした仏教会の対応を受けてJR東海は、首都圏在住の京都ファンを組織した「KYOTO◆CLUB」を結成。会員数の10万人達成を目標にするなど、1200年をテコにした宣伝攻勢をかけている。京都駅ビルの改築問題については「グループ企業とはいえ別会社なので、西日本と仏教会の関係についてはコメントできない」(本社広報室)と、避けて通る方針。
 一方、梅小路公園(下京区)整備などハード面でも1200年記念事業に協力しているJR西日本は、「京都に関するキャンペーンでは、個々の寺院などを取り上げるのではなく、歴史や街全体を幅広く紹介する」(東憲阿広報室次長)と、キャンペーンについてはクールに説明している。(京都新聞 夕刊)
■関空 鉄道お先に開業 1番列車の見物客続々
 関西空港と対岸の泉佐野市を結ぶJR西日本、南海電鉄の「関西空海線」が15日正午前、開業した。9月4日の開港に向け、空港島で働く関西国際空海会社の従業員らの輸送手段として暫定開業したものだが、関係者以外でも利用できるため関西空港に向かう一番列車は、空港や連絡橋を一目見ようという一般客で混雑した。開港まであと81日、工事のつち音だけが響いていた島もにぎわい始めた。
 午前11時59分、一番列車となったJR快速が関西空海駅を発車、天王寺駅へと向かった。関係者以外は「立ち入り禁止」の関西空港発となったため、乗客はすべて関空会社の社員ら空港関係者だったが、駅員らは「無事に一番列車が出発し、ほっとした。いよいよ始まったなと気が引き締まる」と話していた。
 関西空港行きの一番列車の始発駅となったJR天王寺駅と南海難波駅では、行き先板に「関西空港」と初めて表示された電車を前に、午前11時過ぎから出発式が行われた。天王寺駅は午前8時ごろ、難波駅は同10時すぎから一番列車に乗ろうという客がホームに姿を見せた。難波駅から南海急行に乗った大阪市中央区の会社員小出和弘さん(34)は「1年ほど前に工事に携わったので、ぜひ完成した姿を見ようと子供を連れて行ってきます。ゆっくり写真を撮ってぶらぶらしたい。橋から見える景色が一番の楽しみです」と話した。
 この日から関西空港駅は、「一般公開」となったが、開空会社は見学客らでごった返し、開港に向けた作業に遅れが出てはまずいと、空港内の立ち入りを依然として厳しく制限。一般客は改札を出ても数メートルしか行けず、旅客ターミナルなどは見学できない。関西空港署の警官や警備員も公開初日とあってピリピリ。駅構内や周辺にずらりと並んで、警戒にあたった。
 関西空港線 正式名称は「空港連絡鉄道」。JR西日本は阪和線・日根野駅から関西空港駅までの11.1`、南海電鉄は南海本線・泉佐野駅から関西空港駅までの8.8`の路線で、いずれも途中駅は「りんくうタウン」1駅だけ。全長3.75`の空港連絡橋があるりんくうタウン−関西空港間(6.9`)は、同じ線路をJR、南海の電車が走る。(朝日新聞 夕刊)
■関空−神戸アクセス 超高速2船 運航会社へ
 今年9月開業予定の関西空港と神戸・ポートアイランドを結ぶ海上アクセス船「クリスタル・ウイング」と「エメラルド・ウイング」の両船が15日、神戸市中央区の川崎重工業神戸工場で完成し、運航する海上アクセス社(本社・神戸市)に引き渡された。
 神戸−徳島間などに就航中のジェットフォイルの同型船。ともに234人乗り。水中翼で船体を水面上に浮かせ、時速83`の超高速で空港までの約30`を約30分で結ぶ。総工費約30億円。深夜11時までの夜間航行に備えて、赤外線暗視装置やサーチライト、識別灯などを装備している。
 同社は関港と同時に計3隻を関空−神戸港に1日33往復させる予定。(朝日新聞 夕刊)
16日■JR奈良線の複線・高架化 具体計画年内にも 府、整備研にきょう諮問 新駅設置設置も課題に
 京都府は、JR奈良線(京都−木津間34.7`)の複線化・高速化に向けて、16日開く府公共交通網整備研究会の鉄道部会(部会長・天野光三京都大名誉教授)に、整備手法などを諮ることになった。府では、年内に提言を求め、JR西日本への働きかけなど早期実現に乗り出す。
 奈良線は、大都市圏の通勤・通学線でありながら単線。1984年にようやく電化が実現し、その後、同鉄道部会の活性化提言(89年)を受けて、快速電車の運行や京都駅ホーム・発着線の増設、六地蔵駅の新設、行き違い設備の整備など輸送力の増強を進めてきた。
 しかし、89年の運輸政策審議会答申に盛り込まれた複線化は、具体化されないまま。現在、1日の運行本数は往復104本で、利用客は約4万人(91年度)にのぼっている。
 こうした中で、府は昨年、第4次府総合開発計画に基づく木津川右岸地域の整備構想をまとめた。木津川を挟んで関西学研都市の東側に位置する宇治、城陽、井手、宇治田原など10市町村を対象に、新たに「産業文化公園都市」の形成を目指す広域的なプロジェクト。
 この新しい街づくり構想に加えて、日本が招致を進めているサッカーの2002年ワールドカップ(W杯)の国内会場の一つとして、同右岸地域にスタジアムの建設なども検討。
 そこで、荒巻知事はさる2月の府会本会議で「沿線の諸課題を異体化するためにも奈良線の複線化は不可欠」と答弁、本格的に取り組む意欲を示していた。
 鉄道部会では、沿線地域の将来計画を踏まえて輸送需要を予測。複線化をはじめ新駅の設置や、信号設備の改善など具体的な高速化方策をまとめる。
 府では、非電化のJR舞鶴線(綾部−東舞鶴間26.4`)についても電化・高速化を急ぐ方針で、鉄道部会に対し奈良線と合わせて、その整備手法の検討を求める。(京都新聞)
■「平成の京都策」柱に要望 政府予算へ 地下鉄など75項目 京都市
 京都市の田辺朋之市長は、15日の定例記者会見で、来年度の国家予算に関して、市の要望を明らかにした。要望項目は、地下鉄東西線の建設財源の確保など75項目で、同日夕に田辺市長ら市幹部が上京、16日早朝から京都選出の国会議員に対する要望を行うほか、来年度予算の概算要求に向けた作業が始まる今月下旬から年末の政府案決定まで関係各省庁への要望活動を展開する。
 要望は重点21を含む計75項目。昨年3月に次世紀へのまちづくりを念頭に策定した「新基本計画」を市政の展望を切り開く、「平成の京都策」と位置づけ、その実現を主な要望項目として列挙している。84項目を求めた昨年度の要望に比べ、要望を絞り込んだ。
 市のまとめた要望書では、とくに巻頭の要望趣旨で、第一番に地下鉄の建設財源の確保と公営バス事業に対する財政援助を挙げている。建設中の地下鉄東西線は、今年の2月予算市会で、建設費が当初計画に比べ約1500億円膨張することを明らかにしており、重点項目とした。具体的には、建設計画に見合った補助金の確保、第三セクター方式の事業に対する財政支援の拡充、一般会計からの財政支援に対する財源措置の3点を求めている。
 要望では、和風迎賓館の建設に対する特別配慮のほか、新たに緑地保全事業の充実、保育所措置制度の堅持、老人保健制度の充実、松くい虫被害対策の充実強化の4項目も盛り込んだ。
 緑地保全事業は、洛西緑地に続いて、今年2月、吉田山を緑地保全事業に追加指定したことに伴う土地買入れへの国庫補助の増額などを要望する。
 保育では公的保育制度の堅持と財政援助の拡大、老人保健では、同事業の推進策の拡充、松くい虫被害対策では松林の保全と育成策を、それぞれ粘り強く国の予算措置の実現を働きかける。(京都新聞)
■JR東日本 週刊文春の駅売り拒否 労務体質など 批判記事に反発
 16日発売予定の週刊文春(文芸春秋発行)に掲載されるJR東日本の労務体質などをリポートした記事にJR東日本が15日、「(記事は)怪文書を基にした誤った内容で、29日に行われる第1回株主総会を防害する行為」と反発、JR東日本管内の駅売店(キヨスク)で同誌を販売拒否し、車内広告の引き受けも拒否することを決めた。
 約11万部が発売拒否の対象となり、文芸春秋は「法的措置も含め対応を協議する」としている。
 文芸春秋は、実績ある週刊誌が発売禁止処分など流通ルートから締め出されたケースはない、としており報道の自由などをめぐる議論も起きそうだ。
 問題となったのは週刊文春6月23日号に掲載される「JR東日本に巣くう妖(よう)怪」と題された4回続きの連載記事の第1回。
 記事はJR東日本の主要組合であるJR東労組の松崎明委員長が革マルの活動家だったとし、関係者のインタビューを交え、同委員長を中心とした組合とJR東日本の労使関係に疑問を投げ掛ける形になっている。著者は大宅賞作家の小林峻一氏と同誌取材班。
 駅売店の元締めである東日本キヨスク(東京都千代田区)は「親会社であるJR東日本からの指示もあり、JRの名誉を傷つける記事を載せた雑誌は販売しないことを決め、仕入れ先である鉄道弘済会に引き取り拒否を申し入れた」と話す。
 卸業者の鉄道弘済会(同車代田区)は「販売会社が売らないものを卸すわけにはいかないと文芸春秋に伝えただけ」と説明する。
 これに対し文芸春秋は「鉄道弘済会から、契約破棄を口頭で申し入れられたが、記事の内容には自信があり、連載は続ける」と話している。
・報道の自由妨害 週刊文春設楽敦生編集長の話 (JR東日本の販売拒否は)報道の自由、国民の知る権利の妨害につながる不当な行為であり公正な評論を阻止するもので、極めて遺憾だ。
・悪質で反社会的 JR東日本荻野洋広報部長の話 怪文書を基に書かれた誤った内容。株主総会を前にした経営全般に対する防害ともとれる。株主に不安を与える悪質な記事で、反社会的な行為だ。(京都新聞)
■キヨスクから週刊文春締め出し JR東日本 批判の記事「事実無根」 文春側抗議「報道の自由侵害」
 16日発売の「週刊文春」に掲載されるJR西日本の経営体質を批判する記事の内容をめぐり、同社は「事実無根の記事で、目前に迫った株主総会を混乱させる意図がある」として、15日、取次業者の財団法人鉄道弘済会に指示してJR東日本管内のキヨスクでの同誌の販売契約を解除させた。これに先立ち13日には同社の子会社が「週刊文春」の電車内の中づり広告の掲示を拒否している。文春側は「報道の自由を妨害する行為だ」として法的措置も検討している。
 問題になったのは「糾弾レポートJR東日本に巣くう妖怪」と題した特集記事。JR東日本で、経営陣と過激派の活動歴のある労組トップと癒着した経営が行われている、などとする内容。
 キヨスクで販売される雑誌については、鉄道弘済会が一括して仕入れ、JR東日本の子会社の東日本キヨスクに卸す。弘済会と各発行元の間で結ばれた契約には、「各旅客会社その他関係当局から特別の指示があった場合」は当事者の協議なしに契約を一方的に取り消すことができる条項が盛り込まれている。
 今回の措置はこの条項に基づくもので、今後新たな契約が結ばれない限り、JR東日本のキヨスクでは「週刊文春」は販売されない。週刊文春の設楽敦生編集長は「公共性をもつJR東日本がどのような措置に出たことは『報道の自由』および『国民の知る権利』の妨害につながる行為であり、『公正な評論』を阻止するもので極めて遺憾」というコメントを発表した。
 「週刊文春」は約90万部が配本され(実売は約75万部)、東日本キヨスクは約11万部を扱っているという。
 JR東日本は29日に都内のホテルで上場後初の株主総会を予定しており、総会対策などの準備を進めている。同社の荻野洋広広報部長は「明らかに当社の業務を妨害し、信用を失墜させることを意図した記事でまったく事実無根。対抗措置を取らざるを得なかった」としている。
 問題の「JR東日本に巣くう妖怪」を書いたノンフィクションライター小林峻一さん(53)は15日、東京都千代田区のホテルで「公共性をもつJR東日本が、自社に対する記事を載せた雑誌をその内容のいかんを問わず販売拒否することは、異様としか言いようがなく、また言論への侵害だ」と抗議した。(朝日新聞)
■JR連合の役員改選
 東京都内で開かれていたJR連合(7万7000人)の第3回定期大会は15日、94年度運動方針を決め、役員を改選して閉会した。出井勝彰会長(JR西労組)が再選され、退任した柴田秋雄事務局長の後任には明石洋一氏(JR東海ユニオン)が選ばれた。(朝日新聞)
■JR特急屋根に作業用くわ 京都駅で発見
 16日午前9時10分ごろ、京都市下京区のJR京都駅で、大阪発和倉温泉・富山行きの特急スーパー雷鳥3号が出発する際、ホームにいた乗客が「列車の屋根につるはしのような物が落下した」と、駅員に通報した。
 連絡を受けた運転士が近江舞子駅で調べたが発見できず、再び次の北小松駅で調べたところ、7号社の屋根に、長さ約1bの作業用くわ1本が乗っているのを見つけた。運転士が取り除き、約20分後に運転を再開した。JR西日本によると、京都駅の1番ホームで屋根の解体作業をしており、作業員が誤って落としたらしい。(京都新聞 夕刊)
17日■社説 JR東日本に再考を促したい
 JR東日本管内の駅売店(キヨスク)では、16日から発売の週刊文書(文芸春秋発行)を買うことはできない。同誌に、JR東日本の批判記事が掲載されたことに反発し、販売を拒否したためだ。
 掲載記事が、同社の言う「怪文書を基に書かれた誤った内容」であるかどうかはともかく、記事の内容が気に入らないからといって販売を拒否するというのは、いかにも大人げないし、報道の自由、国民の知る権利の防害にもつながりかねない。再考を促したい。
 問題の記事は『JR東日本に巣くう妖怪』と題した連載リポートの1回目。筆者は大宅賞作家の小林峻一氏と同誌取材班。JR東日本の主要組合であるJR東労組の委員長が、かつて革マルの活動家だったとし、同委員長率いる組合とJR東日本の労使関係に疑問を投げかける内容になっている。
 この記事に対し同社は「株主総会を前別にした経営全般に対する妨害」として、キヨスクでの販売を取りやめ、合わせて車内広告の拒否も決めたという。
 JR東日本にすれば、企業防衛上の対抗手段との判断なのだろうが、ことは言論、報道、出版の自由にかかわる問題である。ましてJR東日本は公共性が強く、JR各社の中で最初に株式上場するなど、社会的責任も大きい企業である。私企業同士の単なる争いと、看過するわけにはいかない。
 憲法や民主主義の原則を大上段に振りかざしたくはないが、言論には言論で対折するのが、やはり民主主義の基本である。名誉棄損というのであれば法的手段に訴える方法だってある。
 こうした手続きを抜きに、しかも、一般読者が記事を目にする前に、いち早く売店からの締め出しを決めるやり方は、フェアでないし、国民からみても奇異に映る。
 いまひとつ気になるのは、JR東日本がキヨスクという強力な販売力と販売網を使い、相手を「力」でねじふせようとの意図が感じられることである。
 言論、報道と商行為をからめるこんな方法が許されるなら、今回の週刊文春に限らず、今後他の出版物等にも及ぶ恐れなしとは言えない。それも心配である。
 JR各社は民営化後、サービスが向上し、接客マナーも良くなるなど、利用者の信頼を得つつある。大学卒者の就職希望先としても上位にランキングされるようになった。労使双方の努力の結果でもあると思う。
 それだけに、今回のJR東日本の一件は残念である。言論、報道の自由に対する経営トップの率直な声を聞きたい。(京都新聞)
■話し合い決裂 法的措置方針 JR東日本と文春
 16日発売の週刊文春(文芸春秋発行)6月23日号に掲載されたJR東日本の労務体質などを疑問視する記事に反発し、JR東日本が管内の駅売店で同誌の販売を拒否した問題で、JR東日本の代表は同日、東京都千代田区の文芸春秋本社を訪れ週刊文春のキヨスクでの販売を今後一切中止することを文書で伝えるとともに、抗議文を手渡した。同時に話し合いの場も持たれたが物別れに終わり、それぞれが記者会見で法律的な対抗措置を採る方針を明らかにした。(京都新聞)
■京組ひも取り入れ カラフルな路線図 終点は「止め結び」で表現 阪急電鉄きょうから全車両に掲示
 阪急電鉄はこのほど、平安建都1200年を記念して、京組ひもをデザインに取り入れた新しい車内掲示用路線図を作った。
 梅田(大阪)を拠点に、各地へ延びる路線を色とりどりの組ひもで表現。河原町など終点の駅は「止め結び」、京都線と嵐山線が分かれる桂駅は「ふた結び」、梅田駅は大きな「渦紋結び」など、主な駅ごとに結び目を変えている。駅名は和文と英文で表示、多くの人にわかりやすいようにした。
 3500枚作り、17日から全車両に張り出す。(京都新聞)
■JR奈良線複線電化 舞鶴線の電化 府、整備手法を諮問 整備研鉄道部会に
 知事の私的諮問機関である京都府公共交通網整備研究会の鉄道部会(部会長・天野光三京都大名誉教授)が16日、京都市上京区の府公館で開かれた。府はJR奈良線の複線化、舞鶴線の電化に向けた整備手法を諮問した。同部会では年内に具体的な提言をまとめる。
 鉄道部会は、89年1月に奈良線(京都−木津間34.7`)の活性化方策を提言した。この中に盛り込まれた課題は、京都市伏見区の教育大前駅(仮称)を除いてほぼ実現。いよいよ懸案となっていた同線の視線・高速化と、舞鶴線(綾部−東舞鶴間26.4`)の電化・高速化に取り組むことになった。
 部会では、府の谷岡豊次参与が「園部−福知山−天橋立間が電化される95年度末に、府内のJR線電化率は80%になる。沿線住民と自治体の期待が大きいJR奈良線の複線化と舞鶴線の電化を早期に具体化できるよう提言をいただきたい」と、あいさつした。
 この後、奈良線と舞鶴線沿線地域の現況や輸送状況の推移などを、府側が報告。部会として今後4、5回の審議を重ね、年内に具体的な整備手法や改善課題を提言することを了承した。
 府では、これを受けて来年から鉄道事業者のJR西日本に事業着手を要請すると同時に、運輸省に対しても事業認可などを働きかけて、早期実現を目指す方針。(京都新聞)
■JR奈良、舞鶴線の複線化や電化諮問 府交通網整備研に知事
 JRの奈良、舞鶴両線などの整備問題について、荒巻禎一知事は16日、知事の指摘諮問期間、府公共交通網整備研究会鉄道部会(部会長・天野光三京大名誉教授)に諮問した。年内をめどに複線化や電化について提言をまとめ、JRなどに要望する。
 府内の奈良線(京都−木津駅間34.7`)は1984年に電化されたが、単線のまま。サッカーの2002年ワールドカップ会場の有力候補地が近いこともあって、地元が複線化を要望している。一方、舞鶴線(綾部−東舞鶴駅間26.4`)と小浜線(東舞鶴−松尾寺駅間6.8`)は単線で非電化のため、地元が電化を強く求めている。(朝日新聞)
■「文春」販売拒否 法的措置を双方が表明
 JR東日本の経営批判記事をめぐり、同社管内の駅売店で「週刊文春」の発売が中止された問題で、JR東日本と文芸春秋が16日、それぞれ記者会見した。JR側は「言論の自由を封じる意図はなく、あくまで契約に基づく措置」と協調すれば、文春側は「事実上の検閲にあたる」と批判。さらに、双方が告訴、訴訟などの法的措置を取ることを表明、全面対決の様相となっている。(朝日新聞)
■マスコミ労組会議議長が抗議声明
 JR東日本管内の販売店で「週刊文春」の販売が中止された問題で、日本マスコミ文化情報労組会議の藤森研議長は16日、「『言論・出版・表現の自由』は読者の手にメッセージが届いてこそ、補償されるのであって。自らの企業を批判する記事が掲載されているからといって、その雑誌の販売を拒否するというのは、許されることではない」とする抗議声明を発表した。(朝日新聞)
■ポートライナー 扉開かず運行停止 8本運休
 17日午前8時35分ごろ、神戸新交通のポートアイランド線(ポートライナー、6.4`)で、各駅に停車した無人運転の9本の列車すべてのとびらが、コンピューター制御システムの異常から開かなくなり、係員が手動で開けた。同社は安全のため、運行を停止し、同9時3分から有人運転に切り替えた。この間、8本の列車が運休し、通勤通学客ら約3000人に影響が出た。同社は制御システムを点検して原因を調査している。(朝日新聞 夕刊)
18日■草津駅構内に訓練センター トラブル未然に
 信号が故障したり、ポイント不転換などの異常が発生した際に迅速かつ的確な対応ができるようにと、草津市の琵琶湖線草津駅構内にこのほど訓練センターが完成した。22日に開所式を行い訓練を始める。JR西日本管内には同様の施設が現在7ヵ所あるが、京滋地区にできるのは初めて。
 JR西日本京都支社によると、完成したのは「草津実設訓練センター」で、貨物線のあった草津駅構内約2000平方bの敷地を活用。240bの複線区間に、営業線と同じ踏切設備やポイント、信号機、連動機などを設置。信号が故障した場合の手信号の仕方や代用器操作を始め、ポイント不転換や踏切異常の取り扱い訓練を行う。
 対象は駅員や助役など駅係員のほか、保線や通信などの保守係員。センターは昨年11月に着工。総工費1億4600万円。
 同社では「駅長や助役の中には管理畑出身の者も多い。センターで年間約700人を訓練し、業務知識や技術力の向上に務めたい」としている。(京都新聞)
■北近畿タンゴ鉄道 京都・大阪−八丁浜・琴引浜 2割安で走ります 23日から切符発売
 北近畿タンゴ鉄道(KTR=本部・宮津市)は23日から、京阪神のJR各駅で、京都、大阪市内から竹野郡網野町の八丁浜、琴引浜両海水浴場まで、鉄道とバスを使って行ける往復切符「マリン丹後きっぷ」を販売する。料金は通常より20%程度安い。
 切符は、京都、大阪両市内のJR各駅からKTR網野駅間で、マリン・タンゴエクスプローラー、あさしお、急行丹後など特急、急行の普通指定席を往復で利用でき、同駅から両海水浴場まで接続するバスも往復運行する。有効期間は4日間で、同駅と宮津駅間で途中下車もできる。
 KTRが海水浴シーズンの客誘致を図るため、JR西日本、丹後海陸交通(本社・与謝郡野田河町)とタイアップして23日から8月7日まで800枚、京阪神のJR各駅などで販売する。
 利用期間は7月23日から8月10日までで、料金は京都−八丁浜が1万360円、京都−琴引浜が1万600円。大阪−八丁浜が1万2360円、大阪−琴引浜が1万2600円。小児(小学生)は半額。(京都新聞)
■文芸春秋が仮処分申請  JR東日本販売拒否
 JR東日本側の「週刊文春」販売拒否問題で、同誌を発行している文芸春秋(田中健五社長)は17日、JR東日本(松田昌士社長)と同誌を駅の売店に卸している鉄道弘済会(三坂健康会長)を相手に雑誌販売の妨害禁止と、鉄道弘済会と文芸春秋の販売契約が継続していることの確認を求める仮処分を東京地裁に申請した。(京都新聞)
■叡山電鉄線路に侵入 電車に巻き込まれる 左京・年配の女性死亡
 17日午後9時半ごろ、京都市左京区北大路通高野東入ルの叡山電鉄踏切で、西側から線路内に入った女性が、修学院行きの下り電車に巻き込まれ即死した。
 この事故で乗客約30人が乗っていた電車が現場に約50分間停車。上下あわせて8本の電車が運休するなど、ダイヤは午後11時ごろまで乱れた。
 下鴨署の調べでは、女性は年齢70歳ぐらい。運転士によると踏切直前で、女性が遮断機をくぐって線路内に入ってきたという。(京都新聞)
■ソーラーフェスへ JRが「観覧列車」
 JR西日本は、来月24日、滋賀県高島郡新旭町の風車村で行われる湖西線開業20周年記念イベント「びわこソーラーカーフェスティバル」の観覧列車を運行することになり、乗車希望者を募っている。当日午前7時20分ごろ大阪始発、京都駅8時発、終着の近江今津駅9時半着、同駅で記念セレモニーの後バスで会場へ。ソーラーカー約25台出場のレース(小雨決行)を観戦する。復路は午後4時半今津駅発、同6時京都、同7時大阪各駅帰着。定員は500人。料金は京都駅乗車で大人4500円、こども3500円(バス代、昼食代込み)。申し込みは往復はがきに人数・住所・電話番号・乗車駅(京都駅か大阪駅)を記入、〒520-16滋賀県高島郡今津町今津名小路、近江今津駅0740(22)1661へ。(京都新聞)
■関空リムジンお披露目 座席は3列ゆったりトイレ完備
 9月4日に開港する関西国際空港と神戸市や宇治市など近畿地方の10都市を結ぶ路線バス「エアポートリムジン」が17日、同空港対岸の埋め立て地「りんくうタウン」に建設された運行会社「関西空港交通」(川勝泰司社長)で関係者に披露された。
 バスは座席を3列にして席間隔を従来型の1.5倍に広げ、車内にトイレも設置した最新型。外観は海と空をイメージした濃い青色の車体に、さざ波をかたどった白線が描かれ「さわやかさを強調した」という。
 新空港は電車やフェリーの直接乗り入れがセールスポイントの一つになっているが、同社の片岡健治総務課長は「各地に直結して乗り換えのいらない便利さと、乗り心地の良さをお客様にアピールしたい」としている。(京都新聞)
■販売拒否問題 「文春」側が仮処分申請
 「週刊文春」がJR東日本の経営体質を批判する記事を掲載したことに端を発し、JR東日本管内の駅販売店で同誌の販売が中止された問題で、同誌を発行している文芸春秋(田中健五社長)は17日、JR東日本と取次業者の鉄道弘済会を相手取って、販売妨害の禁止などを求める仮処分申請を東京地裁に起こした。(朝日新聞)
■男性はねられ死亡 南区・近鉄の踏切
 17日午後11時35分ごろ、京都市南区上鳥羽尻切町の近鉄京都線踏切で、遮断機をくぐって線路内に入った男性が、京都行き急行電車(6両)にはねられ即死した。
 九条署の調べでは、男性は身長160−165a、ベージュ色のジャンパーに、紺色ズボン姿。同署で身元を調べている。(京都新聞 夕刊)
■叡電で死亡の女性身元判明
 17日夜、京都市左京区北大路通高野東入るの叡山電鉄踏切で電車にはねられ死亡した女性は、下鴨署のその後の調べで同区の無職女性(72)と分かった。(京都新聞 夕刊)
19日■JR・天王寺駅 怒りのOL 痴漢を連行 ネクタイつかみ30b
 JR関西線天王寺駅(奈良県北葛城郡王寺町)の駅長室に17日午後9時50分ごろ、同県生駒郡のOL(20)が「電車内でわいせつ行為をされたのでつかまえた」と、同県北葛城郡の会社員(46)を突き出した。通報で駆けつけた西和署員が会社員を強制わいせつの疑いで現行犯逮捕した。
 調べでは、会社員は同9時半ごろから約18分にわたり、同線天王寺−王寺駅間の上り電車内で、OLに体を押しつけるなどのわいせつな行為をした疑い。
 OLはたまらなくて王寺駅で途中下車したが、ホームでたまたま会社員が前を歩いているのを見て会社員のネクタイをつかみ、約30b離れた駅長室まで引っぱって行ったという。
 OLは「ホームで男を見た瞬間、怒りを抑えられなくなった」と話したという。(朝日新聞)
20日■「文春」の販売禁止を求める JR側が仮処分申請
 「週刊文春」6月23日号が「JR東日本に巣くう妖怪(ようかい)」と題した記事を掲載した問題で、JR東日本(松田昌士社長)は20日、週刊文春の発行元である文芸春秋(田中健五社長)に、当該記事の販売などの禁止を求める仮処分を東京地裁に申請した。
 JR東日本は、既に駅販売店での週刊文春の販売を中止。これに対し文春側は、JR東日本による鉄道弘済会への販売禁止の指示の中止などを求める仮処分を申請し、販売拒否で受ける損害賠償を求める訴訟の提訴も検討中としており、今後、双方の主張が法廷で争われることになった。
 JR東日本の仮処分申請によると、同社の労働、経営問題をテーマにした週刊文春の連載記事は事実無根とし、この記事を削除しない限り23日号を販売してはならないとした上で、今後の同連載記事の続編の掲載差し止めも求めている。(京都新聞 夕刊)
■JR東日本も仮処分申請 文春の販売禁止など
 「週刊文春」の記事で経営体質を批判されたJR東日本が管内の駅販売所で同誌の販売を中止させた問題をめぐり、JR東日本は20日、同誌を発行している文芸春秋(田中健五社長)を相手取り、この批判記事を掲載したまま同誌を販売しないことや続編の掲載禁止などを求める仮処分申請を東京地裁に起こした。文芸春秋側はすでに17日に、JR東日本と取次業者の鉄道弘済会相手に販売妨害の禁止などを求める仮処分を申請しており、双方が法廷で真っ向から対決することになった。
 JR東日本側は申し立ての中で、批判記事に対し、株式上場後初めての株主総会の開催前に十分な調査もないまま中傷し総会前の業務を決定的に妨害した、と主張。問題となった批判記事を削除しなければ、この記事が掲載された同誌6月23日号(6月16日発売)の販売や配布を禁止することと、批判記事の続編を同誌に掲載することの禁止を求めている。(朝日新聞 夕刊)
21日■800億円さらに上積みへ 建設費膨張の地下鉄東西線 当初から2300億円増 間接費が増大 京都市 完成も1年遅れ 97年に
 今年2月に約1500億円の建設費膨張が判明したばかりの京都市の地下鉄東西線建設事業は、20日までに、工期が1996年末からさらに約1年近く延び、建設費も800億円程度膨らむ見通しとなった。この結果、見直し建設事業費は当初計画の約2倍の4740億円前後に達する見込みとなり、わずか4ヵ月後の大幅な再膨脹で、事業の進行管理に対する市の責任が一段と厳しく問われそうだ。市地下鉄東西線建設事業点検・推進委員会(委員長・田辺朋之市長)はなお精査を進め、27日予定の市会交通水道委員会に点検結果を報告する。
 2月に建設費の膨張が明らかになり設置された点検・推進委は、さきに市交通局がまとめ、2月予算市会で発表した総額3940億円にのぼる建設費の詳細や各工区の進捗(ちょく)状況などについて、さらに詳細に点検した。
 この結果、駅構内施設のグレードの切り下げや駅出入り口の減少などの対策で、一定の経費節減が可能との見通しは立ったものの、逆に、工区によっては工事日程の大幅な遅れから工期の再延長が必要となリ、これに建設単価のアップや、安全対策などの間接費増が加わって、予想以上に費用がかさむ結果となった、とみられる。点検・推進委はさらに精査し、数字を煮詰める方針。
 今回の工期の再延長と建設費の再膨張については、2月予算市会の審議でも京阪京津線からの乗り入れに伴い、京阪側の電圧や車両長変更などの費用分担で40数億円を市側の負担とすることや、工事の進捗状況や工法変更の状況などから、指摘されていた。これに対して、市当局は「平成8年(96年)未完成」の答弁を繰り返すとともに、点検・推進委での再チェックを約束していた。
 地下鉄東西線は、平安建都1200年の記念事業として、中京区の二条駅から伏見区の醍醐まで工事延長12.9`。建設費2400億円、1988年に着工、94年の完成を目指していた。しかし、昨年春に工期を96年末までの約2年間延長した後、今年2月の予算市会では、建設事業費を当初計画に比べ約1500億円増の3940億円となる、と発表していた。
・解説 つのる行政不信 地下鉄東西線建設費再膨張 迫られる早期リストラ
 建設事業費の大幅な再膨張と工期の再延長が確実視される情勢となり、市の中心部と東部を直結する市民の足は、さらに高くつく見通しとなった。地下鉄建設の度重なる軌道修正は、さきの京都朝鮮学園の京都府警の誤認捜索につながった照会回答ミスも含め、市民に大きな行政不信をもたらしかねない。
 2月の「地下鉄市会」では、市民1人当たり10万円もの負担増となる建設事業費をめぐって、本会議や事業予算委員会でさまざまな質疑が出た。再膨張は、市民負担の一層の増大を招くもので、「地下鉄市会」での説明の説得力が一気に揺らぐことになる。とくに、工期については、「平成8年末(96年末)完成」との説明を繰り返していた。それだけに不信はつのる。800億円程度の再膨張見通しは今後、さらに点検・推進委での精査で、変わる可能性が強い。27日の市会交通水道委員会での報告までには、さらに見直し努力が続けられるだろうし、工期についても、短縮努力が払われよう。
 しかし、いずれにしても大幅増は避けられまい。補助金を獲得するための国の事業費増の認定と第三セクター分を含めた建設財源をどう確保するのか。交通局だけでなく、市長部局を含めたリストラ(事業の再構築)策の早期策定など、厳しい自助努力によって、国の援助と市民の理解を得る必要があろう。(政経部 黒田清書)(京都新聞)
■裁判官の忌避申し立て却下 新JR京都駅ビル訴訟
 新JR京都駅ビルの建築確認取り消し訴訟で、原告の住民側が担当裁判官2人の忌避を申し立てていた問題で、京都地裁民事二部(見満正治裁判長)は20日までに、「忌避の要件に該当しない」として、申し立てを却下した
 二人は、民事三部の中村隆次、遠藤浩太郎両裁判官。
 住民側は今年5月9日の第一回口頭弁論で、「JR京都駅ビルの建築確認の執行停止を求める申し立てで、2人は担当裁判長が異動後、後任の裁判長が着任前に、この申し立てを却下した。これは悪意の表れだ」として、両裁判官の忌避を申し立てていた。(京都新聞)
■JR東労組が抗議 週刊文春問題
 JR東日本のキヨスクでの週刊文春販売拒否問題で、同誌にかつては革マル派の活動家」と委員長の松崎明氏を取り上げられたJR東日本の最大組合であるJR東労組(東日本旅客鉄道労働組合)が、文芸春秋に対し、謝罪文掲載と今後の特集連載中止を申し入れていたことが20日明らかになった。
 JR東労組によると、文芸春秋に対し「松崎委員長にかかわる記事はわが組合に反対する者のみのでたらめな談話を載せたもので、信用と名誉を傷つけられた」と抗議し、回答がない場合は法的措置を取るという菅家伸書記長名の文書を17日郵送したという。
・JR総連も特別決議
 群馬県の水上町で定期大会を開いたJR総連(福原福太郎委員長、8万4000人)は20日、JR東日本側の「週刊文春」販売拒否問題について「週刊文春の記事はJR東日本労使に対する攻撃だ。根拠に基づかない記事はペンによる暴力であり弾劾する」という特別決議を採択した。(京都新聞)
■声 列車のトイレ洋式化は疑問 京都市 松田恵美子(大学研修員 35歳)
 本紙によると、JR各社は列車のトイレの洋式化を進めているそうだ。なぜそんな必要があるのか。私自身、洋式と和式の両方があれば、必ず和式を使う。他人が使った便座に座りたくないからだ。同じ理由かどうかは知らないが、新幹線にしろ、デパートにしろ、トイレの洋式と和式ではいつも和式が繁盛している。
 家庭用トイレで洋式が一般的なのは、家族同士なら同じ便座に座っても平気だからではないのか。JRは「肌が便器に触れる」という問題は紙シートを敷くことで解決した、と説明しているというが、これでは大量の紙が消費される。
 確かに身体が不自由な方で洋式の方が楽という方はいるだろうから、洋式も必要ではある。ただ、紙の大量消費防止=資源節約のため、外国人も含め、和式で支障のない人には和式を使ってもらえばよい。
 外国人が来るから洋式、困った問題は物を消費することで解決、という発送より、極力無駄をせず、を第一に検討するのが現代の課題ではなかろうか。(朝日新聞)
■京都市交通局 地下鉄東西線建設費膨張 10年で970人削減 経営効率化 実行性が課題
 地下鉄東西線の建設事業費の再度の大幅膨張で、京都市交通局は21日までに、点検・推進委員会の総点検の一つの柱となる「市交通事業の健全化計画案」(リストラ案)をまとめた。東西線開業などに伴う当初職員計画を向こう10年間に970人削減するほか、地下鉄烏丸線のワンマン運行の検討など経営効率化を推進する内容で、京都交通労組(政勝男委員長)など労組側にも提示した。しかし、具体的な経費削減額が明確でないなど、実行性を含め、今後の当局の取り組みが問われる。
 リストラ案は、東西線建設事業費の大幅膨張で、将来的な公営交通事業の健全化と、建設事業の推進に向け、国の大幅支援獲得の前提条件として取りまとめ作業を急いでいた。東西線建設事業全般の見直しのため、今年2月に発足させた市点検・推進委(委員長・田辺朋之市長)で、建設事業費、工期とともに、検討内容の3本柱の1つとなっていた。
 市の交通事業は、地下鉄免許申請時の当初計画で東西線の開業に伴う人員を含め、バスと地下鉄で、必要人員を3317人としていた。市交通局が局内の労組などに提示したリストラ案によると、これを管理、自動車、地下鉄事業で10年後の2003年(平成15年)時点で970人削減し、2347人とする計画。とくに、地下鉄建設を担当する高速鉄道本部の建設部門では、前年度末現在の235人を組織業務見直しで100%削減する。
 職員削減では、勧奨退職やレイオフの実施、市長部局への配転、外部団体の派遣のほか、関連事業公社の設置を挙げ、実施するとしている。このほか、業務委託の見直し、バス車両更新の延伸、バス赤字路線の運行見直しで経費節減を図る方針。
 健全化計画の実現では、一般会計の支援が不可欠としており、市交通局直轄工事分と第三セクター部分への建設財源支援のほか、職員削減に伴う退職債発行への補助、駅エレベーター施設の建設支援も盛り込んでいる。
 このほか、運賃値上げやすでにワンマン運行を予定している東西線と同様に、烏丸線でもワンマン化の検討を課題として挙げている。(京都新聞 夕刊)
■智頭線軌道つながる
 JR山陽線の兵庫・上郡駅とJR因美線の鳥取・智頭(ちず)駅間56.1`を結ぶ第三セクター会社「智頭急行」運営の智頭線の軌道がつながり、21日午前、岡山県大原町の大原駅構内で社長の西尾邑次鳥取県知事らがテープカットしてレール締結を祝った。12月に開業の予定。特急で鳥取−大阪間が約2時間半で結ばれることになる。(朝日新聞 夕刊)
22日■地下鉄東西線問題で 臨時市会を要求 共産党市議団
 京都市の地下鉄東西線の建設事業費の再膨張と工期延長が確実となった問題で、共産党市議団は21日、田辺朋之市長、井上与一郎議長らに対し、同問題の全面解明へ臨時市会の開催を申し入れた。
 同議員団は、2月予算市会審議で、膨張分が約1500億円と報告されていたことから「二重、三重に市民と議会をあざむいてきたと言わざるを得ない」とした。そのうえで、市交通事業の経営健全化計画案(リストラ案)で、当初計画に比べ970人の職員削減などが盛り込まれている点を重視、「市全体の行財政、人事にかかわる重大問題であり、交通水道委員会の審議だけにゆだねるのではなく、市長の責任で臨時市会を開催し、市議会をあげて議論すべきである」として、市会を直ちに開催するよう要求している。(京都新聞)
■京都市交通局 リストラ 10年間で475人削減 労組反発「応じられない」
 京都市の地下鉄東西線建設費膨張問題で、市交通局は21日までに、事実上の企業再構築(リストラ)となる経営健全化計画案をまとめ、労組に示した。10年間で現行の職員2822人から475人削減し、人件費を抑制。市バスの赤字路線の運行回数見直しなどを盛り込んでいる。リストラは国の支援の大前提。建設費の大幅な再膨張が避けられない見通し。だけに、とりまとめを急いでいたが、京都交通労組(政勝男委員長)は「基本的に応じられない」と反発しており、実施には難航も予想される。
 リストラ案は、今年2月に発足した市点検・推進委員会で取りまとめ作業を進めている工期、建設費、一般会計の支援策とともに4つの検討課題のひとつ。
 市交通局によると、バス事業だけで10年で150億円の不良債務が発生すめ。リストラの目標として、バスで10年以内、地下鉄で30年以内の不良債務解消を掲げている。
 そのうえで赤字バス路線の解消、営業所の統廃合とともに、職員定数の削減案を具体的に示した。退職者の不補充、主に58歳以上を対象とする勧奨退職と一時帰休(レイオフ)、市長部局への配転とともに、精算事業団のような性格をもと「関連事業降車」を設け、50歳以上の職員を出向させるという。
 これにより2003年度末までに、当初計画人員(免許時の予定職員数)から970人削減し、2347人とする。
 また、烏丸線のワンマン運行についても、技術的なめどは立っていないが、今後の検討課題と位置付けている。
 これに対し京都交通労組は「基本的に応じられないが、まだ詳しい説明を聴いておらず検討もしていない。市議会での議論を待って、対応を決める」と話している。(朝日新聞)
23日■旧国鉄用地の売却に協力を 推進連絡会議を開催
 旧国鉄用地売却の促進を図る「日本国有鉄道精算事業団所有土地処分推進地方連絡会議」が22日、大阪市北区のホテルで開かれた。
 近畿運輸局と精算事業団側から、近畿地方の各府県、政令指定都市側に、早期売却への協力を求め、方策を話し合うための会合。一昨年から毎年1回、個別の府県単位で行ってきたが、今回初めて京都、大阪、兵庫の3府県合同で開いた。
 楠木行雄・近畿運輸局長が「昨年度は全国で1兆2900億円の売却目標に対して、売却実績は6308億円にとどまった。旧国鉄用地の売却なくして国鉄改革は完了しない。都心の大規模用地活用はまちづくりの面からも重要であり、一層のご協力を」とあいさつした。
 続いて同事業団近畿支社から、近畿地方ではまだ計画の半分以上にあたる257fが売れ残っていることや、舞鶴港駅跡、京都駅西など13ヵ所の売却を重点に考えていることなど説明。理解を求めた。(京都新聞)
■高速鉄道国際会議 JRが京で開催へ
 JR東海、西日本両社は22日、東海道新幹線が今年10月1日で開業30周年を迎えるのを記念して、「東海道新幹線開業30周年記念高速鉄道国際会議」を9月30日、10月1日の両日、京都市内のホテルで開くと発表した。
 フランスやドイツ、中国など、現在時速200`以上の高速鉄道を運営しているか、近く建設する予定の世界11ヵ国の鉄道関係者ら約300人が参加する。(京都新聞)
■JR関空線が1往復増便へ
 JR西日本は22日、今月15日から営業を始めた関西国際空港の連絡鉄道「関西空港線」(日根野−関西空港駅、11.1`)を1往復増便すると発表した。
 9月4日の開業を前に、空港関係者らの帰宅時間が遅くなることが予想されるための措置で、7月1日から開港前日まで土曜、日曜日を除く各日運行する。
 増便したのは午後10時3分日根野発関西空港着と、同10時51分関西空港発日根野着の1往復(6両編成)で、いずれも最終電車。開業前から「あと1時間遅い列車がほしい」との関西国際空港会社からの要望に応じたもので、特に空港発の終電は1時間3分引き延ばした。(京都新聞)
■事故防止へ訓練センター JR草津駅構内 京滋では初の施設
 トラブルに対応するため、営業線と同じ設備の「草津実設訓練センター」がJR草津駅構内に完成、22日、同センターで開所式が行われた。早速、JR西日本京都支社管内の駅長らが信号機の故障などを想定した模擬訓練を行った。
 JR西日本管内には、訓練センターが7ヵ所あるが、京都・滋賀地域では初めて。同訓練センターは草津駅構内の貨物線跡約2000平方bを利用して、240bの複線区間内に駅や信号機、踏切、ポイントなどを設け、実地の訓練を行う。
 開所式には、JR西日本本社や京都支社などから関係者が出席。鳥居興彦京都支社長が「設備を活用して事故防止に努めてほしい」と訓示した。引き続いて、単線での信号機故障を想定した訓練が行われ、参加者で役割を分担。駅と現場で連絡をとりあいながら、ハンドルでポイントを切り換えたり、手旗で模型列車を誘導していた。(京都新聞)
■窓 JR奈良線の複線化は急務 山城町・柴田 修(無職・77)
 私の住む地域はJR奈良線の沿線に位置し、古くからこれを利用して京都、奈良、その他沿線都市へ往来に利用してきた大切な交通機関である。
 沿線の要所要所に「奈良線複線化高速化の早期実現」との看板を立てて、この実現の一日も早からんことを願い、関係機関に陳情してきたところであるが、先日の新聞報道によれば、京都府が府の関係機関にこの整備方法などを諮(はか)り、これをまとめて年内にJR西日本へ運動を展開することになったらしい。まことにありがたいニュースで喜びにたえない。
 既に電化の実現、快速電車の運行、新駅の設置等々、輸送の増強が着々実現しているものの、近くを走る近鉄電車等と比較すれば、その便利さにおいてまだまだ大きな開きがある。
 さらに思うことは、木津川をはさんだ左岸地域は関西文化学術都市の整備拡充が、国の一大事業として着々とその強化がはかられている現状からすれば、右岸に位置する市町村は将来の展望に立ってその発展を図るためにも、この事業の推進は欠かすことのできない重要な課題である。
 もちろん右岸都市を対象に「産業文化公園都市」、サッカーワールドカップの国内会場スタジアムの建設等、遠大な構想はあるものの、これらの実現を図る具体的な手段としてJR奈良線の複線高速化の早期実現は何よりの急務ではなかろうか。(京都新聞)
■開高道子さんひかれ死亡 JR茅ヶ崎踏切
 22日正午ごろ、神奈川県茅ヶ崎市新栄町、JR東海道線の茅ヶ崎踏切(警報機、遮断機付き)で、同市東海岸南、エッセイスト開高道子(41)が東京発沼津行き普通電車にひかれ即死した。
 茅ヶ崎署の調べでは、開高さんは電車が通過する直前、下りていた遮断機をくぐって踏切に入り、運転士がブレーキをかけたが間に合わなかったらしい。
 開高さんは同市内で買ったばかりの本や化粧品を持っており、遺書などもなかった。家族は「事故だと思う」と話している。
 現場は自宅から約1.5`離れたJR茅ヶ崎駅の近く。
 開高さんは作家の故開高健さんの長女。著書に「風説食べる人たち」、訳書に「アリスの国の不思議なお料理」などがあり、イラストレーターとしても知られた。(京都新聞)
■随筆家の開高さん 電車にひかれ死亡
 22日正午ごろ、神奈川県茅ヶ崎市新栄町一丁目、JR東海道線の踏切(警報器、遮断機付き)で、同市東海岸南六丁目、エッセイスト開高道子さん(41)が東京発沼津行きの普通電車(11両編成)にひかれて死亡した。開高さんは作家の故開高健氏の長女。(朝日新聞)
24日■地下鉄東西線 完成は97年10月 94年度→96年末→再度ずれ込む
 京都市の地下鉄東西線の建設工事の完成見込みが、1997年(平成9年)10月にずれ込む見通しとなった。市地下鉄東西線建設事業点検・推進委員会(委員長・田辺朋之市長)が23日までに行った工事進捗(ちょく)状況などの総点検で分かった。同委では、同年夏の完成を目標とする方策を検討するとともに、今回の点検で明らかになった約800億円の再膨張額とあわせ、27日開催予定の市会交通水道委員会に報告する。
 平安建都1200年記念事業の東西線の完成予定は当初、記念年の94年度だった。しかし、JR山科駅前の都市整備事業の遅れなどから、昨年2月に市は完成予定を19ヵ月遅れの96年末に修正した。その後、今年2月市会で、建設事業費が当初計画を約1500億円上回る見直し結果を報告したが、工期については、「96年末の完成が最大の責務」(田辺市長)と言明していた。
 今回の点検・推進委で、各工区の工事進捗状況、今後の工事計画などを点検し直した結果、再延長が確実な見通しとなった。市交通局の直轄施工分の山科駅工区や第三セクター「京都高速鉄道」の施工工区の一部でスケジュールの遅れが響いた。
 工期再延長に伴い建設事業費も再膨張し、交通局分で約470億円、第三セクター分で約300億円の計約770億円程度が新たに必要となる見込みとなった。この結果、建設事業費は総額約4710億円で、当初計画の2450億円の2倍近くになった。
 市は、交通局内に総合的行程管理部門や経営推進部門の設置を検討する一方、市本局にも東西線と関連都市整備事業の総合的な推進本部の機能強化に向けて準備を急ぐ。(京都新聞)
■東西線事業費再膨張 市交通局リストラ案 京都交通労が拒否 責任明確化求める
 京都市の地下鉄東西線建設事業費の再膨張問題で、京都交通労組(政勝男委員長、約2500人)は23日、市交通局がまとめた「市交通事業の経営健全化計画案」(リストラ案)について、責任所在の明確化などが明らかにされない限り、「断じて、受け入れられない」とする見解を発表、市交通局に申し入れた。
 政委員長ら同労組4役が記者会見し、「組合見解」として発表した。
 同計画は、20日、三浦貞義公営企業管理者(交通局長)から労組側に報告という形で伝えられた。
 計画案に対し、同労組は、23日、執行委と支部長会を開いて論議、▽責任所在の明確化▽市一体となった支援策の具体化−の2点をまず明らかにするように求め、「合理化先行の経営健全化計画は、建設費見直し問題に名を借りた組合への一方的な押しつけ」として基本的に受け入れ拒否の見解を表明した。
 しかし、政委員長は、「27日に予定されている市点検・推進委の報告結果を待ったうえで、(交渉の)テーブルにつくか、つかないか判断したい」と慎重な姿勢もみせ、東西線の建設事業費膨張とバス事業で苦しむ市交通局の厳しい経営状況を念頭においた含みのある発言も行った。
 健全化計画案は、向こう10年間に東西線免許申請時の当初計画に比べ970人、現行職員数に比べても475人、それぞれ削減するとの内容。(京都新聞)
■国労は週刊文春支持
 JR東日本の「週刊文春」販売拒否問題について国労(永田稔光委員長)は23日、「言論の自由と出版の自由を否定する暴挙であ、人権と民主主義を守る立場から週刊文春側の闘いを支持する」と表明した。
 この問題では、JR東日本の最大組合のJR東労組が、週刊文春の発行元である文芸春秋に特集連載の中止を申し入れたほか、同労組が加盟するJR総連が週刊文春の記事を批判する特別決議をしている。(京都新聞)
■京都市の地下鉄東西線建設費 膨張さらに770億円 完成も'97年秋の見込み 支援要請に国そっぽ 財政再建団体に転落の可能性
 約1500億円もの膨張が明らかになったばかりの京都市の地下鉄東西線の建設費が、23日さらに770億円も膨張することが分かった。工期も当初計画から約2年10ヵ月前後遅れの「1997年秋」の見込みで、事業費総額は計画の1.92倍の4710億円に。市は国の支援を期待するが、「全国の地下鉄事業の中でも異常な膨張。市の責任部分まで国は支援しない」(運輸省)と明言。大きな財政赤字を出した自治体が国の指導で財政再建を進める「財政再建団体」転落の可能性も出ている。
 関係者によると、96年末としていた完工時期の見直しを「97年秋」とする一方、「同年夏」への短縮努力を明記。膨張額については「最終的な見直しとするため、完成までに必要な経費をすべて見込んだ」と位置付け、交通局分3160億円(470億円増)、第三セクター分1550億円(300億円増)とした。
 またリストラへの取り組みとして、「経営健全化計画」を策定。大膨張となった原因について、交通局、市長部局、第三セクターの連絡調整が不十分だったことを挙げ、交通局に「東西線建設工程管理委員会」を新設して管理体制の強化を図ることにしている。
 財源としては、一般会計からの出資、補助金のほか、国、市、民間出資者に支援を求める。特に、国に対し起債措置や、今年度スタートした地下鉄への新たな補助制度の適用、財政投融資の増額などを求めている。
 これに対し運輸省鉄道局財務課は「新しい補助制度の適用はない。全市的なリストラを進めない限り、安易な追加支援はしない」と厳しい。
 このため市では、市交通局だけでなく、市長部局の徹底的なリストラを進め、国の財政支援を引き出したいとしている。
 「地方財政再建促進特別措置法」による「財政再建団体」の指定、準用は、政令指定都市では56年の京都市を除き例がない。
 同線は醍醐(伏見区)−JR二条駅(中京区)間の12.9`を25工区に分け、88年7月、総事業費2450億円で運輸省の鉄道事業免許を取得。89年11月に着工し、建都1200年記念の今年の完成を目指していた。(朝日新聞)
■「リストラ計画認められない」京都交通労組見解
 京都市の地下鉄東西線建設費膨張問題で、市交通局が労組側に示した事実上のリストラとなる経営健全化計画案に対し、京都交通労組(政勝男委員長)は23日、記者会見で「膨張責任の明確化と、市が一体となった支援策を明らかにしない限り認められない」とする見解を発表した。
 計画案は、10年間で交通局職員を現行の2822人から475人削減することなどが柱。
 同労組は「膨張責任は組合員とは関係がなく、何ら責任を負う必要はない」という立場を取っており、@膨張責任の明確化A市一体となった具体的な支援策の明示−がない限り、「断じて受け入れられない」と訴えている。
 京都市は27日の市会委員会で詳しい内容を明らかにする予定。同労組は「この日の議論をみたうえで、具体的な対応を決める」と話している。(朝日新聞)
■パンタ破損で中断 次世代新幹線 あす試験再開
 次世代新幹線試験車両「WIN350」が山陽新幹線を走行中にパンタグラフを破損した事故で、JR西日本は23日、中止していた試験走行を25日から再開すると発表した。破損原因については鉄道総合技術研究所(JR総研、東京)で調べているが、事故時に使用していたのとは違う形のパンタグラフを使うほか、万一の場合に備えて精度の高いテレビカメラを設置して、監視を強化するという。
 WIN350は、最高時速300`走行を計画する新型超特急の試験車両。同社は1996年3月からの営業運転を計画している。(朝日新聞)
■1人株主総会 今回が最後に JR西日本
 今年度中の株式上場が確実となったJR西日本の株主総会が24日午前11時から、大阪・梅田のホテルで開かれた。来年2月にも上場が実現する見通しであることから、唯一の株主として国鉄精算事業団の理事長が出席する「たった1人の株主総会」は、今回が最後となる。
 総会には35人の役員が出席。営業報告や上場の準備状況、労使関係のあり方など、西村康雄・同事業団理事長からの質問に回答し、約40分で終了した。
 総会前に井出正敬社長は「舌鋒(ぜっぽう)鋭い理事長だけに、1人の株主総会とはいえ緊張感はある。でも、来年は違う気分なんだろうね」と、早くも一般株主を迎える来年の総会を思い描いていた。(朝日新聞 夕刊)
■新幹線が故障で停止 小田原−熱海間
 24日午前10時52分ごろ、JR東海道新幹線の小田原−熱海間で、上下線の信号系統が故障し、博多発東京行き「のぞみ4号」と東京発新大阪行き下り「ひかり225号」が現場付近に臨時停車した。同11時40分、信号が復旧した。(朝日新聞 夕刊)
25日■十二単で空港へ 京阪宇治交通リムジンバス
 9月に開港する関西空港と宇治市を結ぶリムジンバスを運行する京阪宇治交通(本社・大阪府枚方市)は24日、一般公募したバスの車体デザインを発表した。源氏物語の舞台になった宇治をイメージして、十二単(ひとえ)を紫と赤の線でデザインした府立蒐道高3年、井手加奈子さん(同市五ケ庄)の作品が選ばれた。
 全国から578人、826点の応募があった。井手さんの作品について同社は「こちらのイメージと一致した」という。7月17日の表彰式で賞金20万円を贈る。
 1日4往復するリムジンバスは、宇治市内−関西空港間が2200円、田辺町−同空港間が2000円。JRよりも割安で、同社は1日160人の乗車を見込んでいる。
 無料試乗会は8月1日から7日まで。小学生と保護者2人1組で200人、一般120人の計320人を乗せて宇治−空港間を往復する。問い合わせは同社「リムジンバス試乗会」係(0720・68・5100)へ。(朝日新聞)
■新幹線に「イエローカー」 ハイテク装置で点検 同乗記
 黄色い新幹線、見たことありますか−。10日に1回、昼間のダイヤを縫うように東京−博多間を1往復、高速で走りながら、ハイテク装置でレールや電気系統をチェックするJR西日本の専用電車。外観から「ドクター・イエロー」と呼ばれている。このほど新大阪−広島間でその電車に同乗、緊張の車内を垣間見た。
 7両編成のドクター・イエローには、最新の測定機器が多数積まれている。5両目の車内では、レールの間隔や表面の目に見えないデコボコ、ゆがみ、車体の揺れなど17種類のデータが、心電図のようにグラフ表示される。3人の技術者が装置の周囲に立ち、幅約1bの大型テープとして打ち出されるグラフを鋭い目で追っている。発車後間もなく、壁の速度計が200`を超えるころ、一人が突然「警戒」と叫んだ。わずかだが異常が見つかった。テープに印を書き入れ、さらに目でグラフを追う。
 他の車両では、モニター画面をにらみながら、架線の摩耗や信号電流の状態など、何十種類もの電気系統のチェックを続けている。
 3日がかりで東京−博多間を往復する。乗り込めば、帰宅は3日後になる。「終わった時は、物を言うのもいやなほどグッタリですよ」。やはりここは安全運行を守る最前線なのだ。(大阪支社 村尾之範)(京都新聞 夕刊)
■ヘビ、近鉄吉野線止める 断続的に停電 400人に影響
 24日午後10時31分ごろ、奈良県橿原市の吉野郡吉野町を近鉄吉野線の橿原神宮前−大和上市間で、信号と踏切を動かす信号動力線が停電となった。その後も2分間から15分間程度の停電が断続的に5回発生したため、吉野口駅で停車していた上り吉野発あべの橋行き普通電車(4両)が同駅で運転を打ち切った。後続のあべの橋発吉野行きの特急、普通合わせて3本が運休、4本が最高約50分遅れて、約400人に影響が出た。近鉄では代行バス4台とタクシー7台を出して、代行輸送した。停電は25日午前1時55分に復旧した。
 近鉄で調べたところ、高市郡高取町丹生谷の市尾踏切近くの鉄塔(高さ約6b)の高圧線(約3300ボルト)に体長約80aのヘビの死体が焦げ付いており、ヘビがからみついてショートしたらしい。(朝日新聞 夕刊)
27日■KTR社長に谷岡府参与 経営損失3億7000万円
 宮津線と宮福線を運営する第三セクター・北近畿タンゴ鉄道(KTR)は、27日に株主総会と取締役会を開き、1982年の会社設立以来、代表取締役社長を務めていた荒巻禎一京都府知事が代表権のない会長に退き、代表取締役社長に専務の谷岡豊次府参与(前府出納長)が就任する人事を決める。
 同社の93年度決算案によると、営業収益は15億3439万円(うち運賃収入約14億円)、営業費用は19億190万円で、経営損失は3億7726万円となった。同損失のうち2億800万円は特急列車2編成などの減価償却費で、2分の1は国の補助対象になる。役員人事では、このほか徳田敏夫福社長(宮津市長)に代表権を付与。鉄道事業本部(宮津市)に常駐する秋山昭治乗務を専務に昇格させるなど、来年度中の完成をめざす福知山−天橋立間の電化・高速化工事をにらんで第一線の体制を強化する。(京都新聞)
■主婦飛び込み?死亡 近江町。JR北陸線
 26日午後8時40分ごろ、滋賀県坂田郡近江町長沢のJR北陸本線で、同郡、主婦(39)が長浜発姫路駅行き上り普通電車=8両編成=にはねられ、即死した。
 米原署の調べでは、主婦が電車に飛び込んだらしく、この事故で、同電車が現場に約1時間停車。後続の上り電車4本に最高約40分の遅れが出て、約250人の乗客に影響した。(京都新聞)
■京都市交通局人員削減案 府社党が共闘姿勢 党あげて交通労組支援
 京都市の地下鉄東西線の建設費が770億円も再膨張し、市交通局が人員削減などの合理化計画を示している問題で、社会党の竹村幸雄・府本部委員長は26日、堂本部の定期大会で「この問題に党を挙げて取り組み、京都交通労組とともにたたかう」と述べた。市交通局の職員で組織する京都交通労組(政勝男委員長)は同党の有力な支援労組で、すでに「合理化は受け入れられない」と表明している。
 同時に発言した田渕五十生・府本部書記長は「組合員は経営問題に責任はない。つけを組合員が取らされて、くびを切られたり、人員整理されるのでは本末転倒だ」と述べた。
 合理化計画では、2003年までに退職者不補充などで475人を削減するなどを打ち出しており、国の財政支援の前提とされる。田辺朋之市長与党の反発だけに、合理化の実現は、曲折を経そうだ。(朝日新聞)
■女性、のぞみにはねられ即死 広島・初の死亡事故
 26日午後1時37分ごろ、広島県賀茂郡黒瀬町の山陽新幹線安芸トンネル東側入り口付近で、博多発東京行きのぞみ16号(16両編成)が女性をはねた。女性は即死した。JR西日本の調べでは、のぞみによる死亡事故は、一昨年3月の登場以来初めてという。
 調べによると、女性は40歳くらい。線路を横切ろうとしていたのを運転士が見つけ、警笛を鳴らし、ブレーキをかけたが、間に合わなかったという。(朝日新聞)
■京都市地下鉄東西線建設 事業費膨張、工期遅れ 市長ら4人減給処分
 京都市地下鉄東西線の建設事業費膨張問題で、市は27日、建設事業費をさらに770億円増の総額4810億円とするほか、工期も約9ヵ月再延長し完成を1997年(平成9年)秋とする、との点検結果を市会に報告した。田辺朋之市長は事態を重く受け止め、同日午前9時45分から記者会見し、度重なる建設事業費の膨張と工期延長の責任を問い、市長自身と薦田守弘、内田俊一の両助役、前公営企業管理者(交通局長)の依田満収入役の特別職4人を減給処分とする、と発表した。処分は田辺市長ら特別職4人全員を7月から「減給10分の3、6ヵ月」とする、かつてない厳しい処分となっている。
 会見で田辺市長は「大変厳しい結果となった。市民の信託を受けて市政を推進すべき最高責任者としての責任、地方公営企業の業務を執行する管理者の責任は重大」と処分理由を述べた。さらに、工期について「97年夏を目標に今後、一層短縮に努力したい」と決意を表明するとともに、「全庁にわたる行財政の効率化を断行して難局の打開にあたりたい」と市民の理解を訴えた。
 市は今年2月の予算市会で、地下鉄東西線の建設事業費を当初計画に比べ、約1500億円膨張、3940億円になるとの見直し結果を報告、工期は96年末の完成としていた。しかし、市長自身が委員長となった同事業の点検・推進委員会でさらに総点検した結果、建設事業費の再膨張と工期の再延長が避けられない状況であることが判明した。
 地下鉄建設事業費の大幅な増加は今後の市財政に深刻な影響を及ぼすのは必至。田辺市長は、今年2月予算市会の報告からわずか4ヵ月後に再度の建設事業費膨張と工期延長という市政不信を招いた事態を重視、けじめをつけた上で、建設事業への国の支援の獲得と、交通局だけでなく市全体の厳しい再建策を迫られることになる。
 同市では、1983年2月に幹部職員らの公金詐取事件で、当時の今川正彦市長を「減給10分の3、3ヵ月」の処分としたのを含め、関係助役や局長級職員の計7人について監督責任を問う処分を行った。また、86年8月にも今川市長と担当助役らを同様の処分とした。今回の地下鉄東西線建設事業に関係する処分は半年間にわたる処分で、12月の期末手当てへの影響を含め、これまでにない厳しい内容となった。
・再建団体に転落も 推進委の報告内容
 京都市の地下鉄東西線建設事業点検・推進委員会(委員長・田辺朋之市長)が27日、市会交通水道委員会で報告した内容は、建設事業費が当初計画に比べ、2260億円超過、総額4810億円の巨額となり、工期もさらに遅れ、1997年秋となる、という厳しいものとなった。一般会計からの大幅繰り出しは必至で、報告では財政再建団体へ転落する可能性もあるとの厳しい認識を示した。午前10時から始まった交通水道委には田辺市長が市会委に異例の出席を求め、冒頭に再膨脹、再延長となった事態を陳謝した。
 報告では、建設事業費膨張の理由について、工期再延長に伴う間接費の増加や一部工事方法の変更、追加などを理由として挙げている。収支見通しについては、免許時の予測から大幅に悪化、公営区間の単年度赤字解消は開業後41年目、累積赤字解消は57年目、三セク区間ではそれぞれ46年目、78年目となると予測した。国は開業後30年程度での黒字転換達成を指導基準としており、開業後の返済が不要な資金を投入する場合は新たに1300億円の資金が必要となる。仮に運賃収入だけで達成するには当初予測の1.4倍の収入を得なければならないとしている。
 一般財源からの支援措置は、公営区間への点検後の支援は出資金630億円(当初比260億円増)、補助金790億円(同320億円増)を予測。三セク区間へは、出資金を民間株主の協力も得て建設費の20%ををメドに大幅拡充する、としている。(京都新聞 夕刊)
■南海脱線 駅員初歩的ミス? 用地買収遅れ 平面交差のまま…
 大阪府泉佐野市内の南海電鉄本線と空港線との分岐点で27日午後に起きた脱線事故は、ポイントを操作した駅員の初歩的ミスが原因とみられている。関西空港の開港が2ヵ月余りと迫った中、JRと並んで空海への主要アクセスとなる路線で起きた事故に、新路線でイメージアップを図ろうとしていた同社は、ショックを受けていた。
 事故を起こした電車は、先頭車両が本線から空港線下り線の線路に飛び出し、4両編成全体が「くの字」に曲がった格好で止まった。
 事故現場から分岐する空港線は、6月15日に開業したばかりで、本線とは平面交差している。同社によると、両線は高架で立体交差させる計画だったが周辺の用地買収が遅れ、完成は4年後になる見通しで、現在も工事中だ。
 同社によると、ポイント故障の際は、「信号不良時の取り扱い」というマニュアルに沿って対応することになっており、同社では「月に2回の訓練をしている」としている。だが、今回現場に行った係員は今月から初めて駅勤務となった。10日に2時間のポイント切り替えの講習を受けただけだった。
 今回の事故現場のような平面交差のポイントは、不慣れだと確認しにくいとされ、同社はポイント切り替えに伴う訓練の見直しを検討する。
 脱線事故で4時間20分にわたって南海本線の泉佐野−尾崎間が不通になったあおりで、南海難波駅は27日、夕方にかけ通勤、通学客らでごったがえした。
 和歌山県海南市まで帰るという女性の会社員は「どれくらいかかるのかしら。夕食を作らんとあかんのやけど」と、うんざりした表情だった。
 泉佐野駅で40分以上待たされたという大阪市内の主婦奥野宏子さん(62)は「ただ『しばらくお待ち下さい』と放送が入るだけで、詳しい説明は何もなかった。関西空港が開港したら、外国人もいっばい乗るというのに、こんなんでよろしいんやろか」と、手際の悪さを怒っていた。(朝日新聞)
28日■地下鉄東西線問題 「全庁一丸で打開を」
 京都市の地下鉄東西線建設事業費の再膨張・工期再延長問題で、田辺朋之市長は27日午後、臨時の局区長会を招集、「全庁一丸となって、この難局の打開に取り組んでほしい」と訓示した。建設事業費の大幅膨張で、市財政は公営企業部門だけでなく、一般会計の負担が増大、市一体となった取り組みがなければ建設事業の推進はもちろん、他の市の事業にも影響が及ぶとして、職員の自覚を求めた。
 田辺市長は「東西線は、市民の利便向上と関連するまちづくり事業と一体として、市の活性化、都市経営に大きく貢献する」と事業の重要性を改めて強調した。また「交通局職員の一層の奮起と、他の関係部局一体となった取り組みが必要」と述べ、各局、区で、市民の理解を求めていくよう指示するとともに、厳しい財政状況の中でいかに市民ニーズにこたえた行財政を推進するか、について職員の自覚と協力を訴えた。(京都新聞)
■泉佐野 南海電車が脱線 空港線へ進入 待機の急行まで120b
 27日午後1時20分ごろ、大阪府泉佐野市高松北の南海本線泉佐野駅の南約500b付近で、みさき公園発難波行き上り普通電車(4両編成)がポイントに乗り上げて本線から外れ、交差している関西国際空港への空港線下り線に進入、前2両が脱線し、待機していた下り急行電車の約120b手前で止まった。乗客ら約80人にけがはなかった。空港線は今月15日に開業したばかりで、事故は初めて。
 南海電鉄によると、ポイントは本線と空港線の分岐用。同日午後1時10分ごろ、ポイントと連動する信号が上下線とも赤を表示。上り普通電車と難波発関西空港行き下り急行電車が現場付近に急停車した。
 泉佐野駅の助役ら2人がポイントを手動操作に切り替え、手信号で本線の普通電車を先に発進させたところ、前2両がポイントに乗り上げ、空港線の下り線に入り込み約40b逆走、脱線した。同電鉄の現場検証の結果、ポイントが事故後も本線上り方向に開いていないことが判明。同電鉄は助役らがポイントの転換方向を見誤って電車誘導した可能性が高いとみてさらに詳しく調べている。(京都新聞)
■「関空」分岐点で脱線 泉佐野 南海本線の2両 ポイントの切り替え誤認
 27日午後1時20分ごろ、大阪府泉佐野市高松北の南海泉佐野駅から約800b南にある本線と空海線との分岐点で、みさき公園発難波行きの上り普通電車(4両編成)の前2両が脱線した。乗客約80人にけがはなかった。両線は約4時間半に渡って不通となり、約3万5000人の足が乱れた。南海や泉佐野署の調ベでは、正しくポイントが切り替わっていないのに、誘導していた現場の駅員が電車を発車させたのが原因とみている。
 南海や泉佐野署の調べによると、同日午後1時10分ごろ、本線から空港線への分岐点の信号機が「赤」となった。難波駅にある運転指令所が調べたところ、分岐点のポイントが自動で動かない状態になっていた。同指令所はポイントの切り替えを「手動」にしたが、この間に事故を起こした上り電車が接近してきたことから、泉佐野駅長に「本線上り線を優先するポイント切り替えを行った後に、駅員の誘導で運転を再開する」との指示を出した。
 現場に行った駅員2人のうちの1人が同1時15分過ぎに、手動でポイントを操作し、分岐点の手前約100bで一時停止していた上り電車を手旗信号で発進させた。しかし、分岐点にさしかかると、直進するはずの電車は、空港線の下り線側に脱線した。
 南海は事故後の現場検証で、ポイントが「空海線優先」の状態のままになっていたことを確認。駅員が切り替え操作を誤った可能性が強いとみている。この駅員は今月初めて駅勤務となったばかりで、ポイント操作の講習を1回受けただけだったという。近畿運輸局も「人為的なミスの疑いが強い」として、28日に同社に報告を求める。
 南海本線と空港線は、午後5時40分に運転再開したが、ダイヤは8時過ぎまで乱れ、上下153本に運休や遅れが出た。(朝日新聞)
■地下鉄東西線建設費の膨張 京都市労使問題にも 市は「リストラを」 労組「職員に責任ない」 累積赤字解消 最悪なら2060年
 地下鉄東西線の建設費がほぼ2倍になった問題で、27日、京都市は田辺朋之市長が幹部を招集して事態を説明するなど暗雲が漂った。国の新たな補助などが認められない場合、最悪で累積赤字解消は2060年、第三セクターでは2075年になる。国は支援を渋り、市債発行でも追いつかず、民間企業の増資も期待薄と、膨張分のねんしゅつは八方ふさがり。市はリストラ促進、国の支援増をねらうが、労組は「膨張の責任は職員にはない」と反発している。
 午前10時から市議会交通水道委員会が開かれ、田辺市長が市幹部の減給処分を明らかにした後、三浦貞義・交通局長が報普した。議員から「臨時市議会を開け」などの質問が相次いだ。
 市幹部によると、「膨張はせいぜい7、80億円」とみていた。ところが、黄金週間明けに700億円、6月中旬には840億円とエスカレート。予備費や金利分の見直しなど徹夜の積算を続け、23日に770億円の数字をはじき出した。
 報告によると、健全な収支を維持するため、新たに必要な資金は1300億円。運賃収入のみで賄うと、1.4倍の利用がないと不可能という。市は膨張分の手当てについて、国の支援▽市債の発行▽リストラ、の3点がポイントとしている。
 資金調達のためには、市の借金である「市債」の発行と、補助金などの直接支援を、国に認めてもらう必要がある。
 市債は、開業の97年度までに最低540億円、場合によってはさらに数百億円が必要とされる。しかし、国は市債発行額に上限を設けているほか、膨張分を市債で賄うことには難色を示す。補助金も運輸省は「すんなりとは認めれらない」と明言しており、他の事業予算を削らざるをえない情勢だ。
 市財政は、今年度予算ですでに258億円の基金を取り崩す事実上の赤字予算だ。このため市側は、リストラ推進を強調。これについては交通局の京都交通労組が先週、「応じられない」と反発し、社会党も共闘を確認した。さらに共産党系の京都市職労(河内一郎委員長)は27日、「膨張を市民生活と市職員の労働条件改悪に転嫁するな」とする声明を発表した。
 市議会交通水道委は、7月5日からの集中審議で追及する。高橋泰一朗委員長(自民)は「建設費はまだ膨張しそうだ。あまりにもずさん。市職員全員を減給するほどのリストラをすべきだ。前交通局長やゼネコンを呼んで徹底的に原因究明したい」と話す。
 鈴木正穂委員(社会)も「2月市会で追及したばかり。4月に交通局幹部が総入れ替えしたが、何も知らない人が上に立って何ができるのか」と心配する。共産党は27日、「特別職の減給ではすまない。田辺市長の政治責任を追及する」との声明を発表した。(朝日新聞)
■トラック、事故の弾み 駅の列車に衝突 JR舞鶴線2時間不通
 28日午前5時45分ごろ、綾部市渕垣町の国道27号で京都市下京区朱雀分木町、共盛市場輸送企業組合の大型トラック=金山秀孝運転手(31)=が対向車と接触、弾みで道路西側のJR舞鶴線渕垣駅に停車中の東舞鶴発福知山行き普通列車(2両編成)に突っ込んだ。金山運転手がひざに軽傷を負ったが、列車の乗客16人にけがはなかった。 綾部署の調べでは京都方面に向かっていた滋賀県甲賀郡信楽町、山金陶器会社のトラック=宮下成人運転手(24)=が前を走っていた乗用車が減速して左に寄ったため、追突を避けようと急ハンドルを切り雨でスリップ、センターラインを越え大型トラックに接触。大型トラックは路肩を乗り越え、高さ約2bの渕垣駅構内の金網フェンスを突き破って列車の側面に衝突したらしい。
 同列車は午前7時37分、同駅を発車したが、JR舞鶴線(東舞鶴−綾部)は約2時間にわたって不通となり、東舞鶴発京都行き特急「あさしお2号」と東舞鶴発大阪行き特急「エーデル北近畿4号」が部分運休、普通列車6本が運休するなどし、通勤通学客など約1800人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■落雷?信号が故障 JR茨木駅で一時不通
 28日午前9時45分ごろ、JR東海道線の茨木駅構内にある信号機すべてが消えた。上下線とも約30分後に駅員の手信号による誘導で運転を再開したが、信号機の復旧のめどは立っておらず、正午現在、特急「雷鳥17号」が41分遅れたのを最高に、上下21本が20分以上遅れ、約1万人に影響した。JR西日本の調べでは、同駅構内にある信号機器室落雷が原因らしい。(朝日新聞 夕刊)
29日■市バス縮小撤回を 便利にする南区連絡会 地下鉄建設費膨張に抗議
 京都市の市バス廃止路線の復活など住民要求運動を展開している「市バスを便利にする南区連絡会」(木下義次会長、約400人)は28日、市地下鉄東西線建設事業費の再膨張に関連し、市交通局の経営健全化計画案で市バス赤字路線の運行の見直しなどが打ち出されていることに対し「市民や職員に犠牲を押しつけようとする市と市長の姿勢は許せない」との抗議申し入れを田辺朋之市長と三浦貞義公営企業管理者(交通局長)に行った。
 同連絡会は「市は実態をすべて市民に公開し、リストラ計画を撤回し、『市民の足』市バス路線の縮小、廃止を絶対しないよう申し入れるとともに、安易に市民や職員に責任を転嫁しようとする市長と交通局の姿勢に強く抗議する」としている。
 同連絡会は1988年の地下鉄烏丸線の南進に伴い廃止、縮小されたバス路線の復活などを目的に結成、これまでは、バス運行に関する要望を交通局に出していた。(京都新聞)
■カラス高圧線接触 信号機など停電 山陰線、600人に影響
 28日午前11時半ごろ、京都府船井郡園部町船岡、JR山陰線殿田−船岡間の第二大井川橋りょう付近で、信号機に電気を送る高圧線(6600ボルト)にカラスが接触、ショートしたため、同線の綾部−船岡間の各駅構内にある信号機や踏切の警報機など76機全部が停電し制御できなくなった。
 この影響で、米子発京都行き上り特急「あさしお4号」が50分遅れたほか、急行、普通各1本が52分から40分遅れて約600人の足が乱れた。また、殿田−船岡間にある殿田踏切が約1時間にわたり閉鎖されたため、交差する府道が約1`にわたって車約500台で渋滞した。
 午後零時13分に復旧した。(京都新聞)
■信号機が故障 2万5000人に影響 JR茨木駅
 28日午前9時50分ごろ、JR東海道本線茨木駅の上下内・外側線の出発信号機と構内信号機が突然消えた。このため上下線31本が運休したのをはじめ、各列車も25−30分遅れ約2万5000人の足に影響が出た。(京都新聞)
■新駅「南草津」は9月4日に開業 JR東海道線
 JR西日本は28日草津市野路町に建設中のJR東海道線新駅の名称を「南草津」とし、関西国際空港と同じ9月4日に開業すると発表した。
 南草津駅は瀬田−草津間5.2`のほぼ中間。開業後は、平日で上下約170本の普通電車が停車する。総工費36億4800万円。立命館大びわこ・くさつキャンパスや、滋賀県立長寿福祉センターなど福祉・文化施設が集中する「びわこ文化公園都市」へのアクセス駅になり、JRでは1日1万4000人の乗降客を見込んでいる。
 橋上駅舎となるため、身障者が利用しやすいようエレベーター3基とエスカレーター5基を設置。JR西日本では関西空港駅とりんくうタウン駅に次ぐ「車いす利用者が1人で乗り降りできる駅」になる。(京都新聞)
■「比叡山坂本」「嵯峨嵐山」 叡山・嵯峨駅を改称
 地域住民からの要望の強かったJR山陰本線・嵯峨駅(京都市右京区)と湖西線・叡山駅(大津市坂本)の2つの駅名が、9月4日から「嵯峨嵐山」と「比叡山坂本」に改称される。JR西日本が28日発表した。
 改称の理由は、嵯峨駅が嵐山観光に便利な場所に、叡山駅が比叡山・延暦寺の表玄関にそれぞれ位置しながら、いずれも知名度が低く、地域を特定する嵐山、坂本の文字を入れることによって、観光客らに親しみやすい駅名にした。(京都新聞)
■労組幹部配転で救済を申し立て JR西労
 JR西日本労働組合(JR西労、奥島彰委員長)は28日、労組役員らの配転を含め、組合の弱体化をねらった不当労働行為があったとして、JR西日本を相手取り、大阪府地労委に配転命令の取り消しなどの救済を申し立てた。
 申立書によると、同社は関西空港へのアクセス輸送のため、大阪府内の高槻と天王寺に新電車区をつくることを計画している。これに伴い広範囲の配置転換が必要になったとして、兵庫県の明石電車区の社員6人を5月14日付けで工場に転出させた。このうちの5人が西労の組合員で、西労は「組合をねらい撃ちした配転」と主張している。
 JR西日本は「不当労働行為にあたる事実はなかったと確信している」とコメントしている。(朝日新聞)
■JRの労使紛争 早期解決求め集会 国労が東京で
 JR移行後7年余りたっても続く労使紛争の早期全面解決を求めて、国労(永田稔光委員長、3万1000人)は28日夜、東京・明治公園で「国鉄闘争勝利をめざす中央集会」を開いた。組合員や、支援の労組員など約1万人(主催者発表)が参加し、アピールを採択した。(朝日新聞)
■株主総会ピーク 2008社、集中ぶり過去最高 緊迫のJR東日本 最多の警官を動員
 企業が総会屋と決別する正念場といわれる今年の株主総会が29日ピークを迎え、JRグループのトップを切って昨秋、株式を上場したJR東日本(東京)など全国の上場、非上場企業2008社(警察庁調べ)が一斉に総会を開いた。6月中に総会を開く企業の88.3%を占め、過去最高の集中ぶり。
 昨年から富士写真フイルム専務刺殺事件など企業テロが相次ぎ、ゼネコン汚職やインサイダー取引事件など個別の問題を抱える企業も少なくなく、91.8%に当たる1844社の要請を受け、警察当局は全国で史上最多の警察官約1万1200人を動員。
 JR東日本については、総会屋20数人が同社株を取得した。さらに掲載記事を理由に週刊文春のキヨスクでの販売を、同社が拒否するなどのトラブルもあり、警視庁は最重点企業として機動隊員ら約170人を派遣。
 抗ウイルス剤「ソリブジン」の薬害に縮むインサイダー取引事件で、証券取引等監視委員会の強制調査を受けた日本商事(大阪)や、鹿島(東京)など汚職で摘発されたゼネコン各社の総会も、物々しい警備で緊迫した雰囲気となった。
 企業と総会屋の関係では、昨年から総会屋と縁切りする企業の動きが活発化。警察庁は「総会屋と絶縁するなら、企業の過去(の利益供与)は問わない」異例の方針を打ち出した。(京都新聞 夕刊)
■株主総会、早朝から厳戒 役員起立し謝罪 日本商事 大林組社長 「ご迷惑かけました」
 労使紛争を抱えるJR東日本の初総会は前夜から厳戒態勢。副作用死情報に絡むインサイダー取引事件で、証券取引等監視委員会の強制調査を受けた日本商事の役員たちも株主の審判に臨んだ。相次ぐ企業幹部を狙った襲撃、薄日の見え始めた景気に水を差す円高に苦悩の色をにじませる企業トップ。29日、警察当局が史上最多の警察官1万1000人を動員する中、全国で約2000社の株主総会が一斉に開かれた。
・声果わせ社長説明
 【日本商事】議案を説明する声が時折、震える。うつろな目で議場を見回す。ソリブジンの薬害禍と社員のインサイダー取引事件で揺れる日本商事本社(大阪市中央区)で29日開かれた株主総会で、服部孝一社長(68)ら役員全員は深々と頭を下げた。
 だが、株主からは事件や議案への質問などは一切なく、総会は予定通り議案を議決し、約45分間で終わった。
 服部社長は総会の冒頭「株主の皆さまにおわび申し上げます」と切り出して役員全員を起立させ、事件について「ユースビル錠(ソリブジンの商品名)の副作用によるご遺族、患者様のご心痛を察すると、誠に断腸の思いであります」と謝った。
 議長役を務める服部社長は努めて大きな声で一語一語、声を絞り出すように株主に語り掛ける。緊張のためか、事件を起こした動揺のためか、声が震える。損益計算書の説明では利益の減少を増加と間違え、利益処分案でも数字を読み間違え、居並ぶ他の役員からの注意で訂正した。
 7月末に退任する服部社長の後を継ぐ清水正巳副社長は、演壇の右手に陣取り、時々眼鏡を外しながら株主席を見据える。
 服部社長が「(今後も)業績の安定的向上に努力する所存でございます」などと議案を説明すると、株主の聞からは「了解」「異議なし、議事進行」との声が上がる。
 社長が「ご質問はございませんか」と何度か呼び掛けてもだれも手を上げない。総会は取締役選任決議案など6議案をすんなり議決、服部社長ら役員の顔にやっと安どの色が広がった。
・平穏すぎ拍子抜け
 【大林組】前日の28日に公共工事の受注をめぐる談合や贈収賄事件で、会社に多大な損害を与えたとして役員が株主代表訴訟を起こされた大阪市中央区の大林組本社。
 総会の冒頭、議長の津室隆夫社長が一連のゼネコン汚職事件について「株主のみなさんにご迷惑をお掛けしました」と謝罪した。その後は会社ペースで議事が進行、約30分で終了した。
 株主の1人で同社OBの尼崎市の無職阪本正司さん(73)は「新聞などで騒がれていたので混乱するかと思っていたが、平穏すぎてちょつと拍子抜け。今後は一から出直してもらいたい」と感想をぽつり。
・質疑は原発問題に
 【関西電力】関西を中心にした反原発グループのメンバーから今年3月末、原発の再検査などを求める約2万人の署名提出を受けた関西電力は、午前10時から吹田市の万博ホールで総会を開催、株主740人が出席した。
 総会では、反原発派株主グループの233人が連名で原発の「新規立地の中止」「プルトニウム燃料の使用禁止」などを求める14の議案を提出。今年も質疑は原発問題に集中した。
・ぱ声飛び交う会場
 【JR東日本】「ウソをつくな」「ばかやろ−」。会場からば声が飛ぶ。国鉄の分割・民営化後8年目にして迎えたJR東日本の初の一般株主総会。国労組合員らで組織する「JR東日本一株株主会」(山口孝会長)からの「なぜ地方労働委員会の命令に従って1047人の元国鉄職員を再雇用できないのか」という質問に、会社側が「事実誤認の命令には承服できない」と回答。会場は大荒れ。
 「私の夫は20年働いた国鉄をクビになった」とマイクにしがみつく国労争議団の妻。JR東日本の株主総会は当初から予想されていた通り、国労対JRの対決の場となった。(京都新聞 夕刊)
30日■信楽高原鉄道が決算報告 赤字拡大4億3200万円
 信楽高原鉄道(本社・滋賀県甲賀郡信楽町、北川啓一社長)は29日、株主総会を開き、昨年度決算が前年より赤字幅が51%拡大し、4億3200万円の赤字決算となったことを報告した。3年前の列車事故の補償交渉が進み、補償費が増えたためで、今後も補償問題の解決を優先に取り組むと説明した。
 同鉄道の昨年度の収支実績は、定期外の利用者が前年比93.9%に落ち込むなど鉄道収入が伸び悩んだが、信楽高原鉄道運転資金の利子が増えたことなどの要因で、総収入は前年比16%増の2億4900万円となった。これに対し、事故の補償額が前年より2倍近い4億2000万円に増え、総支出が6億8100万円に増え、赤字増につながった。
 信楽高原鉄道ご被災者相談室によると、28日現在の示談成立は、死亡者の乗客37人中21人、負傷者(乗客)が612人中592人−となっている。(京都新聞)
■2002年へ夢キック W杯サッカー 城陽が京都の候補地に アクセスなど課題に はるかなゴール
 城陽市の山砂利採取地。昭和30年代からコンクリート骨材として掘り続けられてきた。緑が削られ、むき出しの山肌が痛々しい。
 ここを舞台に、府がW杯のスタジアム建設(3万人以上収容)など施設関連を、城陽市は用地対策をそれぞれ分担するとみられる。だが、膨大な建設費、鉄道、道路などの交通アクセス、ポストW杯の維持をどうするか大きな課題が次々押し寄せる。
・示されない総事業費
 他の候補地(全国14自治体)に比べ、候補地選びや施設の準備に遅れを取った府は「6月の補正予算でスパートした。期待はずれにはしない」(藤井隆至・府スポーツ振興室長)と話す。だがスタジアム建設など総事業費をまだ示せない。スタジアムには数百億円かかるといわれるが、国庫補助はないという。入り口さえ遠い。
 その周辺も、ぼやけてくる。観客の大量輸送に欠かせない鉄道アクセス。府はJR奈良線の複線化(京都−城陽市長池間)をJR西日本に強く要望している。同線複線電化促進協議会総会でJR側は、同間の部分複線化を急ぐこともあり得ることを示唆した。この点に期待をかける城陽市は「行き違い可能な施設さえできれば10分間隔で運行が可能」というが、会場近くのJR長池駅の周辺整備はまだ話題になっている程度。いずれにしてもJR次第。
 道路対策は−。府や城陽市などは▽建設が進む第二京阪、その下を通る洛南道路(京都市−久御山町の京滋バイパス)や第二外環と名神をつなぐジャンクション(大山崎町)が97年度に見通しがつく▽京奈和道の整備もさらに進む−ことなどから「第二名神は間に合わないが、アクセスは何とかなる」と強気だ。
 肝心の用地対策は、対応が注目される地権者の近畿砂利協同組合が「今後、府、市と十分協議していきたい」(吉川武男理事長)と一応、協調の姿勢をみせている。が、候補地決定後、府、市からの正式通知が遅れるなど、買収話はこれからだ。
・将来の運営も白紙
 さらにW杯の後、施設をどう生かし、運営するのかも重い課題。府は「21世紀のスポーツの楽しみ方はこうなる−といった計画にしたい」というが「運営計画は全く白紙。赤字は極力抑えたい。でも今は読めない」と、気になる維持コストなどは全く不明だ。
 来年5月、府は施設関連の第三次開催計画書(最終案)をW杯日本招致委員会に示さなければならない。もう時間は少ない。2年後の開催国決定まで「来るものと信じて対応するだけ」という府には、不確定要素を横目に前進のみというジレンマがつきまとう。世界的なビッグイベントをどう迎えるか。課題は多く、ゴールは遠い。(南部支社 林 実・行司千絵)(京都新聞)
■観光PR兼ね「嵯峨嵐山」に JR山陰線嵯峨駅
 渡月橋や天龍寺に近いJR山陰線の「嵯峨駅」が、9月4日から「嵯峨嵐山駅」に改名することになった。JR西日本が「嵐山観光に便利な位置にあることをPRしよう」と踏み切。
 嵯峨駅は1897年開業。嵐山の観光地まで徒歩10分程度で行ける。周辺住民は休日になるとマイカーの渋滞に悩まされるため、列車利用の観光客を増やしたいという希望が強く、右京区自治会連合会が今年3月、JRに要望していてた。(朝日新聞)
■工事車両が脱線 JR大阪環状線 早朝、7万7000人に影響
 30日午前3時5分ごろ、大阪市北区錦町のJR大阪環状線内回りの大阪−天満駅間で、軌道に敷くバラスト(砂利)を積んだ工事用車(3両編成)の最後尾車両が脱線した。乗っていた作業員3人にけがはなかったが、内回りが午前9時すぎまで全線ストップし、約7万7000人の通勤、通学の足が乱れた。
 JR西日本によると、脱線したのは、3両目の貨車の前部の2軸。現場は、府道の高架橋上の緩やかな右カーブで、バラストが一方に片寄って積まれていたためバランスを崩したのが原因とみられる。
 同線は午前5時前の始発から、一部区間を除き、内、外回りとも運転を見合わせた。外回りは午前5時50分に、内回りは事故車の撤去後に復旧したが、朝のラッシュ時の計約140本が運休した。
 事故車は先頭のモーターカーと貨車2両で編成。同日午前1時20分ごろから、大阪−天満駅間で軌道に敷いたバラストの取り換え作業などをし、京橋駅へ戻る途中だった。(京都新聞 夕刊)
■大阪環状線で不通 ラッシュ直撃
 30日午前3時5分ごろ、大阪市北区天神橋四丁目のJR大阪環状線の天満駅構内で、内回り線路のバラスト(砕石)の交換をしていた保守用車(3両編成)が、作業を終えて京橋駅へ回送運転中、前から3両目が脱線した。環状線は始発から大阪−京橋−天王寺間が一時、全線不通となった。外回り線は午前5時50分から運転再開したが、内回り線は午前9時5分まで運転ができず、朝の通勤通学客ら約7万7000人に影響が出た。JR西日本は、作業中にバラストが車両の片側に寄り過ぎ、車体の暗転が悪くなったのが原因とみている。
 大阪駅では午前7時半ごろから、環状線ホームが乗客であふれた。混乱を避けるためホームへの進入を一時的に規制したため、数百人の会社員や学生らが階段下で待たされた。
 地下鉄御堂筋線梅田駅では、JRからの振替乗車で乗車率がふだんの約3割増になった。午前8時過ぎのラッシュ時には、改札口からホームまで階段に人があふれ、ほとんど動けない状態。改札口では、JR職員ら約10人が出向いて振替乗車券の配布に追われた。2、30人の乗客が取り囲み、いらついた会社員から「しっかりしろ」と大声が出る場面もあった。
 大阪駅の環状線ホームで内回り線に乗ろうとやってきた兵庫県宝塚市の高校2年中島利崇さん(16)は「外回り線に乗り換えようと思うが、学校に間に合うか分からない」。
 天王寺駅でも、駅員らが対応に追われた。駅前のタクシー乗り場には、長い列ができ、公衆電話で会社に連絡するOLらの姿もあった。(朝日新聞 夕刊)