1994(平成6)年 5月


2日■「嵯峨嵐山駅」よろしおす 知名度アップへ改名を 嵯峨駅 JRに初要望書 地元自治連 西日本、検討へ(京都)
  ■地下鉄一時ストップ 行楽の客、足止め 大阪・変電所故障(京都)
  ■四つ橋線1時間20分止まる 大阪地下鉄(朝日)
5日■強風で15本が運休 15本遅れ2000人影響 KTR宮津線(京都)
  ■主張・解説 欧州の中核へ英仏綱引き 96年に輸送量逆転 ユーロ社試算 早くも値下げ競争
6日■レジャー ラーメン、温泉、そしてビール 工場転じて新しい「街」 東京−札幌 非日常の旅16時間(京都)
  ■禁煙の駅ガムべっとり 新「ポイ捨て公害」JR・私鉄”汚染” 腰痛に泣く清掃員たち「売店から追放を」(朝日)
  ■「卵」の中身はゴルフ練習場 JR大阪駅北に出現(朝日)
7日■JR東日本初代会長 山下勇氏が死去(朝日)
  ■両元首が渡り初め 英仏海峡トンネル 開通祝い記念式典(京都)
  ■本格利用までゴルフ練習場 梅田の旧国鉄用地(京都)
  ■ロンドンで専用駅開業式(京都)
  ■ユーロトンネル開通 一番列車には英女王(朝日)
  ■ユーロスターに乗ってみた 揺れ少なく快走25分(朝日)
8日■英仏海峡トンネル開通 両国の思惑違い浮き彫り 経済効果を重視・英 政治問題触れず・仏(京都)
9日■制動距離を半分に 次世代新幹線 JR総研が新装置開発(京都)
  ■のぞみに石?天井で異音 新大阪で運行中止(朝日)
  ■裁判官忌避申し立て 住民側「却下決定に敵意」 京都駅改築訴訟(京都)
11日■「鉄道安全宣言の町」信楽 駅などに看板設置(京都)
  ■京都市の北大路バスターミナル地下化 通路複雑、表示も分からず 老人や観光客ウロウロ 「迷子になりそう」地下鉄との一体化売り物 評判、いま一つ 洛北の玄関口(京都)
  ■のぞみ昨年末 モーター破損 分解整備ミス? 部品にズレ、潤滑油漏れ(京都)
  ■阪神電鉄も全駅禁煙 16日か(京都)
  ■安・近・短の志向強く KTRがGWまとめ 乗車券販売7 %滅(京都)
  ■JR西日本株式 来年2月に上場 運輸省方針「東海」は95年度に(朝日)
  ■「のぞみ」事故 原因、継手の油漏れ モーター破損でJR西日本調査 検査時作業ミス(朝日)
  ■線路に廃材や石投げ込む? 山陽新幹線(京都)
  ■新幹線の線路 廃材など散乱 神戸(朝日)
12日■市バス急ブレーキ 乗客3人がけが 上京の交差点(京都)
  ■中国 8都市 地下鉄造れ造れ 外資導入でブーム(京都)
  ■急ブレーキで転倒 市バス 3人けが(朝日)
  ■学研の玄関なのにエレベーターなし 精華町が完成予想図発表 JRの橋上祝園駅(朝日)
  ■男性ホームに転落 御堂筋線梅田駅(朝日)
  ■窓 工事完成後もケヤキ残して 中京区・伊藤 けい(無職・60)(京都)
  ■窓 車内の高校生 目に余る態度 南区・北上 謙(団体職員・58)(京都)
13日■ごみ減量の先進例を紹介 17日にドイツ視察報告セミナー(京都)
  ■女子大生の人気企業 トップは東京海上 損保やJR上位に(京都)
  ■信楽鉄道事故体験を出版 全国から激励の便り 地元の女性「思わぬ反響、感激」(京都)
  ■信号係うっかり? 遮断機が下りず JR奈良駅の踏切(朝日)
14日■信楽鉄道事故から丸3年 残された課題多く きょう法要 示談、訴訟は長期化(京都)
  ■JR普通電車先頭が脱線 尼崎・踏切で車衝突(京都)
  ■交通局が入札制度改善 京都市 意向反映型など採用(京都)
  ■踏切でワゴン車立ち往生 電車と貨物、2列車衝突 JR東海道 尼崎駅付近(朝日)
  ■京都市交通局も入札改善策を導入(朝日)
  ■「悪夢の朝忘れぬ」 信楽事故から3年 しめやか慰霊法要(京都)
  ■6時間半ぶり上り線も復旧 尼崎のJR事故(京都)
  ■JR東海道 早朝に復旧 尼崎の踏切事故(朝日)
  ■信楽鉄道事故 遺族ら3周年法要(朝日)
15日■市バスにはねられ老人死亡 上京区の交差点(京都)
  ■騒然!?新幹線ジャック 実は演技、刑事役も登場 上野−盛岡間 JR東日本企画(朝日)
  ■市バスにはねられ お年寄りが死亡(朝日)
17日■地下鉄鶴見緑地線1.3`延伸認可(京都)
  ■関空開港に合わせJR天王寺駅改装(京都)
  ■声 環状線一回り 気分切り替え 神戸市 早見 徹(会社員 54歳)(朝日)
  ■米で列車転覆 乗客ら171人死傷(京都)
  ■阪急神戸線 ポイント故障ダイヤ乱れる(朝日)
18日■来春も400人程度の採用 JR西日本(京都)
  ■過激派がゲリラ準備? JRの作業着盗難 向日の事務所(京都)
  ■JRに乗り遅れるな 来春就職学生に人気 ラッシュ並み 安定性が魅力?(朝日)
  ■葛城山ロープウェイ 車掌乗せずにドア開き運転(朝日)
  ■被害服はLサイズ 向日のJR作業着盗難 カギ、元の状態に(京都)
19日■特急「はるか」開港時から 関空ダイヤ発表(京都)
  ■南海 全駅終日禁煙 来月15日から(京都)
  ■JR作業着盗難 鳥取での被害 制服だけ狙う(京都)
  ■JR西日本 副社長を2人に 上場にらみ経営強化(朝日)
  ■JR夏の臨時ダイヤ 特急・急行1万4000本増発 東海道新幹線 お盆に集中運転(京都)
  ■リゾート博や丹後へ特急増 JR西日本(京都)
  ■JRが夏の臨時列車(朝日)
  ■JRの作業員3点など盗難(朝日)
  ■電車にはねられ重傷 東山区のJR奈良線(京都)
20日■故障で電車運転中止 JR奈良線に乱れ(京都)
21日■東西線問題 来月末に結果報告 京都市理事者答弁 5大事業へ影響ない(京都)
  ■JR 関空への特急 女性車掌13人誕生(朝日)
  ■野原にポツンとある駅ならば−近鉄 お日さまサンサン使わにゃソンソン 「ソーラー冷暖房」待合室で実験開始 1時間当たり電気代約60円「お得」と試算−菖蒲池駅でデータ集め(朝日)
  ■新幹線線路に児童が石投げ 神戸、警察が注意(京都)
  ■梅田−甲子園 回数券発売 28日から阪神電鉄(京都)
22日■ちょっといい話 すてきな運転手さん 左京区・中島恵美子(48)(京都)
23日■天の橋立おりたちて…  KTRに鉄道唱歌の替え歌 始発駅から終点まで 旅情豊かに表現 幹部が作詞(京都)
24日■市会委て交通局答弁 経営厳しい地下鉄東西線 市、一部業務を委託 市交通事業振興公社に 効率運営を図る(京都)
  ■自動指定券発行機設置へ JR信神戸駅など(京都)
  ■新快速、ドア開かず JR山科駅で騒ぎ(京都)
  ■地下鉄東西線の駐輪場 山科駅など4駅 「撤去」の悪評ここでも(朝日)
  ■わたしの作品 緑の電車 和田富美 京都市伏見区羽束師古川街・主婦・53歳(京都)
  ■ダイヤひと筋職人芸 JR西日本電算化し運用開始 3ヵ月の作業わずか15分に(朝日)
  ■新神戸・大阪駅に自動指定券発行機 JR西日本(朝日)
  ■出向命令の差し止め申請 JR東海の社員3人(朝日)
25日■JR山陰線 二条−花園間 立体交差化 1年遅れ 用地買収など難航(京都)
  ■信楽鉄道事故 検察審議決書 JR側の予見困難(京都)
  ■線路上に女性はねられ即死 阪南市の南海線(朝日)
26日■アッ「修学旅行」出て行った! 新幹線京都駅 JRミス、ドア開かず 京の児童ら117人 1時間遅れ出発(京都)
  ■駅の自販機 釣り銭被害で返却用にも 「イラン硬貨」には「イラン硬貨」 JR東日本 「過剰防衛」と回収(京都)
  ■JR7社 東日本除き減益 西日本「のぞみ」の運賃増(朝日)
  ■「上場の業績を確保」西日本の井手社長語る(朝日)
  ■修学旅行の新幹線 ドア開かず 小学生ら117人一時置き去り 京都駅
27日■地下鉄東西線安朱工区 案内の工事主任ひかれ死亡 高校生見学 作業車気づかず(京都)
  ■神戸−新空港の運賃 マリンルート2970円に(京都)
  ■たそがれ奥嵯峨野やトロッコ列車映画村 京阪バスが6月から(京都)
  ■地下鉄工事現場 高校生誘導し事故死 工事主任 近くで41人見学中 京都市職員ら同行 運搬車にはねられ市、対策急ぐ(朝日)
  ■不正乗車は1386人 JR西日本昨年度下半期 定期偽造6年間”罰金”は380万円 発見最多は神戸/追徴金は大阪(朝日)
  ■大阪空港アクセス 福知山線から分岐を提言(朝日)
  ■洛中洛外(京都)
  ■科学を読む テクノロジーの基礎 普遍性は装いにすぎない/歴史的な批判意識持つ時(朝日)
28日■電車にはねられ死亡 大津のJR東海道線(京都)
  ■関西私鉄 不況、私鉄を直撃 旅客数・収入、5社とも減(朝日)
  ■こんなレトロ電車お目見え 嵐山−四条大宮間 来月1日から運転(朝日)
  ■関西空港特集 さあ世界へ道は続く(朝日)
  ■ラピートに初「乗客」(朝日)
  ■米原駅で貨物列車 60bオーバーラン(朝日)
  ■電車にはねられて死亡 大津、線路内を歩く(朝日)
29日■車いす主婦 転落死 ホーム移動中 電車体験ツアー暗転 JR岡山駅(京都)
  ■彦根で震度4、京都3 JRで運休や遅れ 2万2000人に影響(京都)
  ■新幹線など上手な利用法は 交通問題専攻、専門的な知識生かし 高速交通網 綿密に調査、まとめる(京都)
  ■車いす主婦転落死 JR岡山駅ホームから(朝日)
  ■彦根で震度4 関西・東海中心に地震(朝日)
30日■レトロ衣装で嵐山体感ツアー 坊ちゃん マドンナ 参加者「いい気分」(京都)
  ■新大阪駅 銀行員襲われ4500万円ヒヤリ JR職員ら取り押さえ(京都)
31日■JR新大阪駅強盗 会社の借金に困って犯行(朝日)
  ■JR嵯峨駅 駅名に「嵐山」加えて! 地元の自治会連合会が要望書 列車利用増の願いも込めて「前向きに」とJR側(朝日)
  ■奈良線でひかれ死亡(京都)
  ■早朝、花園駅構内で置き石を発見 山陰線乱れる(京都)
  ■「のぞみ」パンタ削減へ JR東海来月実験 揺れや騒音対策に(朝日)
  ■梅田まで能勢電鉄 98年3月から直通運転開始(朝日)
  ■JR山陰線花園駅近く 置き石で5本遅れ(朝日)



2日■「嵯峨嵐山駅」よろしおす 知名度アップへ改名を 嵯峨駅 JRに初要望書 地元自治連 西日本、検討へ
 嵐山の名を加えて知名度アップを−。京都市右京区のJR嵯峨野線嵯峨駅を「嵯峨嵐山」駅に改名しようという機運が、地元で盛り上がっている。右京区自治会連合会などはこのほど駅名の改称を求める要望書を、JR西日本京都支社長あてに初めて提出した。同駅は嵯峨野・嵐山観光の玄関口として日ごろから観光客の利用も多いだけに、JR側も前向きに検討するとしている。
 嵯峨駅の改名問題は、地元自治会が初めて京都市長に要望した1983年以降、地域の話題になっていた。現在、計画中の嵯峨駅北口の整備事業にあわせ、再び地元の声を高めようと、右京区自治連合会役員会で決議、このほど初めてJR側に要望書を提出した。
 右京区自治会連合会によると、「嵯峨嵐山」駅に改名すれば▽JR京都駅から嵐山を訪れる観光客に分かりやすい▽「嵐山」は全国的によく知られ、駅周辺の知名度アップにつながる▽駅前商店街など地域の活性化につながる▽嵐山周辺のマイカー客が減り、交通渋滞が緩和できる−などのメリットが考えられる、としている。
一方、要望を受けたJR西日本は「前向きで検討したい」(同京都支社)とし、改名に伴う費用の問題も含め、駅名を変えた場合の集客効果をはじめ地元経済への波及効果など、幅広く調査していく方針だ。
 大西治郎同連合会長は「嵯峨駅から嵐山の渡月橋へは歩いても約10分。嵯峨駅を起点にしてハイキングやサイクリングも楽しめる。嵯峨嵐山駅にすることで地元振興の起爆剤にしていきたい」と話している。(京都新聞)
■地下鉄一時ストップ 行楽の客、足止め 大阪・変電所故障
 2日午前9時20分ごろ大阪市住之江区の同市営地下鉄四つ橋線住之江−北加賀屋駅間で、信号回路と駅の照明設備などが停電し、両駅付近を走行中の列車2本が立ち往生するとともに、同線の全列車が最寄りの駅にストップした。
 両駅の構内は、一瞬真っ暗になったが、すぐに非常灯が点灯し混乱はなかった。
 市交通局は全線を運休して復旧に当たり、約1時間20分後に運転を再開した。ゴールデンウィークで移動中などの約2万3000人に影響した。
 同市交通局によると、停電は、北加賀屋駅構内にある変電所内の、雷などの高電圧から変電所を守る避雷器が故障し、放電状態となったため起きたという。同市ではさらに詳しく調べている。(京都新聞 夕刊)
■四つ橋線1時間20分止まる 大阪地下鉄
 2日午前9時20分ごろ、大阪市の西梅田と住之江公園を結ぶ地下鉄四つ橋線の北加賀屋−住之江公園間で停電事故が起きた。両駅間の運転信号が消えたため、大阪市交通局は事故防止のため同線全線を止めた。午前10時43分に復旧、運行を再開したが、この事故で、同日午前10時半までに約2万3000人の足に影響が出た。
 同交通局によると、9時19分、電気指令所の表示盤に北加賀屋駅の変電所で3300ボルトの高圧配電線がアースしたという表示が出た。雷などで高圧線に異常な電流が流れることを防ぐ「避雷器」が故障しており、取り換えて運転を再開した。停電した両駅間は電気系統が2つあり、一方に事故が起きたときは切り替わるようになっているが、電気系統が変電所で1本になっているため、2系統とも同時に停電したらしい。終着駅のため住之江公園駅に変電所がなく、同駅側からの送電ができず、復旧に手間どった。
 停電と同時に、両駅の照明や券売機、改札機がすべて止まった。駅構内は予備灯だけで薄暗くなった。駅員が乗客を誘導して南海線やバスに乗り換えさせた。(朝日新聞 夕刊)
5日■強風で15本が運休 15本遅れ2000人影響 KTR宮津線
 北近畿丹後鉄道(KTR)宮津線は、4日午前7時46分ごろから宮津市由良の由良川鉄橋で、低気圧による断続的な強風に見舞われ、豊岡発京都行き上り急行「丹後1号」など特急、急行15本が宮津−西舞鶴間を運休し、乗客約2000人に影響が出たほか、列車15本が大幅に遅れた。
 また、この影響で、JRも、山陰線で京都発米子行き下り特急「あさしお9号」が30分遅れたのを最高に同線、福知山ともに終日、ダイヤが乱れた。(京都新聞)
■主張・解説 欧州の中核へ英仏綱引き 96年に輸送量逆転 ユーロ社試算 早くも値下げ競争
・ユーロトンネル あす開通式
 ドーバー海峡をくぐるユーロトンネルが完成し、英国と欧州大陸はついに「陸続き」になった。6日、エリザベス英女王とミッテラン仏大統領が出席し、開通式典が開かれる。ナポレオンが夢見たのが約2世紀前。最初の試掘からでも百十数年になる。総事業費は百億ポンド(約1兆6000億円)に膨らみ、営業面では多難のスタートを切る。近いがゆえに対立しがちだった英国とフランス、大陸との「近親憎悪」がユーロトンネルでどう変わるのか。
 影響
 「いよいよ海峡トンネルは営業を開始する。偉大な成功を収めると信じる」。英仏合弁の施主・運営会社である、ユーロトンネル社の英国側会長、アラステイヤー・モートン氏(56)は4月下旬、記者会員でこう強調した。
 5月9日からはまずトラックを積み込む専用列車の運行を始め、7月から英、仏、ベルギーの国鉄が共同開発した直通特急列車「ユーロスター」での相互乗り入れが始まる。
 乗用車の旅客を乗せる専用列車「ル・シャトル」(フランス語で「ラ・ナベット」)によるサービス開始で、24時間態勢に入るのは10月。さらにキャンピングカーを積み込む大型車両を運行するなど、フル稼働は95年夏になる。
 「ル・シャトル」は35分足らずでトンネルを走り抜け、ロンドン−パリ、ブリュッセル間をそれぞれ約3時間で結ぶ。
 「トンネルの安全対策は世界一」とユーロトンネル社は自慢。列車火災が発生したときは、火災の起きた車両を密閉してトンネルを走り抜ける。万一、走行が難しいときは、2本の列車用トンネルの間にあるサービストンネルで乗客を避難させる一方、もう1本の無事な列車トンネルに緊急排煙装置を備えた救難列車を入れ、火災を起こしたトンネルから強制排煙する。
 テロや麻薬密輸対策にも力を入れ、フランス側のターミナルだけで190人の警察官と、爆発物用に訓練された警察犬などが、24時間、待機する。
 税関では英仏双方で300人の係員と麻薬取締犬が詰めるほか、長さ20bの大型トラックの積み荷をチェックできる超大型のX線装置「ユーロスキャン」が使われる。また、英国では絶滅したとされる狂犬病が、トンネルを抜けるネズミなど小動物を通じて大陸から浸入するのを防ぐため、英国側の要請で、特殊なネットも定間隔に張ってある。
 競合する交通機関も対策におおわらわ。運賃競争も始まった。乗用車専用列車「ル・シャトル」は、乗客数にかかわらず、1台当たり往復220ポンド(約3万5000円)で、夏のピーク時は310ポンドにする。このためフェリー各社は値下げに走り、英大手のステナ・シーリンク社はピーク時の乗用車(5人まで)の往復で294ポンドの運賃を220ポンドに値下げした。
 航空運賃も、ロンドン−パリ間の正規のビジネスクラスはこれまで往復318ポンド(約5万円)だったが、エコノミークラスはピーク時でも3分の1以下の90ポンド程度まで下がった。今後、安いチケットが出回るのは確実だ。
 「96年までに、フェリー利用客の7割近い800万人の乗用車乗客と450万人のバス乗客が、トンネルに振り替わる」と、ユーロトンネル社は試算。トラックなど車両も、96年にはフェリーとトンネルの輸送量が逆転する。ロンドン−パリ、ブリュッセル間の航空機利用客の80%は直通列車を利用するようになる、と踏んでいる。
・仏英 ハイテク誘致へ 「辺境化」恐れる
 行方
 工事を請け負ったトランスマンシュ・リンク社(英仏10社の連合企業体)はユーロトンネル社と、電気・機械設備の付帯工事費を85年当時の価格で6憶2000万ポンドで契約したが、工事の手間が予定以上にかかったため、約3倍に引き上げるように要求。2年越し交渉のすえ、11億4000万ポンドでようやく折り合った。
 このほか、専用車両の納入、乗務員の訓練の遅れ、英仏政府の厳しい安全検査で、開業予定は数度にわたって繰り延べられた。この結果、93年5月に開業する予定が、1年半もずれ込んでいる。ユーロトンネル社のアンドレ・ベナール仏側会長(71)は、「トンネルの引き渡しが遅れたことによる損失は、約10億フラン(約200億円)にのぼる」という。
 本格営業後の95年の年間営業収入をユーロトンネル社は6億ポンドとはじいている。しかし利払いや営業経費のため、5月以降の資金不足額は11億ポンド以上に膨らむ。このため追加融資と増資などで資金手当てを急ぐ考えだが、現在、欧米日など約200の融資銀行団との交渉は難航している。
 同社はすでに、総額68億ポンド(約1兆900億円)を借りている。日本勢は三和、東京、日本興業、日本長期信用銀行を中心に36行が融資しており、融資残高は全体の23%に達する。フランスの20%、英国の2%を引き離し、最大のスポンサーだ。
 追加融資は5月半ばをめどに、6億−7億ポンドの合意を融資銀行団から取り付けたい考え。だが、バブル経済の崩壊で経営が厳しい邦銀は「英仏政府の後ろ盾がある国家プロジェクトと考えて融資してきたが、融資額が膨らむのはかなわない」と及び腰になっている。
 ユーロトンネルの利用者は7割が英国とみられるが、株主は7割がフランスといわれる。フランスの世論調査では、同社の株主の58%が「今後2年間は株価が上昇しない」と悲観している。
 ミッテラン仏大統領「欧州が単一市場を手にしたいま、われわれは大陸規模で欧州の発展を考えなければならない。欧州地図は目の前で変わりつつあり、フランスはその新しい構図の中心に位置している」
 メージャー英首相「ユーロトンネルは、欧州での英国の役割の有力な象徴だ。輸出業者にとっては欧州の単一市場への手掛かりになる」
 開業を前に、欧州での地位の強化と市場拡大を目指し、英仏の駆け引きが始まっている。
 「英仏海峡が両国民の握手をさまたげている。私は鉄道トンネルを掘ろう」−。『80日間世界一周』で有名なフランスの冒険小説家ジュール・ベルヌはこう書いた。英仏海峡トンネルについては、ナポレオンを引くまでもなく、もともとフランスの方が英国より熱心だった。新たな未来が開けるのではないかという期待感がある。
 トンネル開業を祝い、カレー市では先月末から大規模なお祭りが始まった。7日まで連続9日間の祭りに、国や地元が1300万フラン(約2億6000万円)をつぎ込む。
 フランスは、英国への玄関になるノール県とパドカレ県をビジネスセンターにする計画だ。地域の中心都市リールからパリまで約200`、ロンドンまで約230`、ブリュッセルまでは約100`。斜陽の鉄鋼、繊維産業に代わり、自動車やエレクトロニクス産業を誘致している。
 一方、英国ではトンネルヘの期待と不安が交錯する。サッチャー政権時代から、産業立て直しのため、自動車メーカーなど日米の外資導入を積極的に行ってきた。政治・外交面でも、冷戦時代までは、「米国との特殊な関係」を利し、欧州で強い発言力を保った。ユーロトンネルについても、サッチャー時代の民間活力路線を引き継ぎ、直接の援助はしてこなかった。
 しかし、状況は変わり始めた。欧州の単一市場が93年1月に実現、さらに大陸と「地続き」となると、英国は「欧州のすみにあるただの国」になりかねない。欧州での通貨統合が進めば、フランクフルトやパリに追い上げられるロンドン・シティーの金融センターとしての地位も揺らぐ。
 「英国が島国でなくなるのは寂しい」というのが英国民の本音だ。しかし、英国はトンネルの開通で、いやおうなく欧州に引きずり込まれようとしている。 後藤尚雄(ロンドン)清水 弟(パリ)
・モートン・ユーロトンネル社会長に聞く 日本の銀行に一層の協力を期待
 英国は欧州の「辺境」になろうとしていた。英語圏であるのは有利な点で、政府は海外からの投資を積極的に受け入れてきた。日産自動車をはじめ、日系企業もたくさん進出している。
 しかし欧州は単一市場になり、経済的な統合が進んでいる。英国企業はもちろん、進出企業が製品を大陸に出荷するとき、交通が不便だったら、結果は目に見えている。英国を欧州の中心に結び付け、海外からの投資を呼び込み続けるにはトンネルが重要だった。英国側にもトンネルとつながる高速道路はあるが、高速鉄道網の整備はフランスに比べ遅れている。ロンドンまでの高速鉄道を早く敷設し、追いつく必要がある。
 政治的な欧州統合については議論がある。トンネルができたからといって、英国の対欧州政策がすぐに大きく変わるわけではない。英国民は欧州との関係についてなお態度を決めかねている。世論形成には長い時間がかかるが、トンネルの存在は経済の面で重要な意味を持ってくる。
 われわれの試算では、トンネルの営業と、借入金の返済が進めば、99年初めには収支が均衡する。トンネル事業を始めるにあたり、設計上や技術面でのリスク、政治的なリスク、予定通り完工するかなど、あらゆるリスクがあった。
 ひとつひとつ克服し、残るはトンネルの採算面でのリスクだけだ。英国と欧州大陸を往来する需要は、建設当初に考えていたよりはるかに大きい。あとはフェリーや航空機との競争だ。この競争に勝つために、立ち上がりの4年間の資金が必要だ。日本の銀行からは多くの融資を受けているが、ユーロトンネル株への投資も含め、さらに協力を期待している。(聞き手・後藤尚雄)
6日■レジャー ラーメン、温泉、そしてビール 工場転じて新しい「街」 東京−札幌 非日常の旅16時間
 古いビ−ル工場を利用して食堂街、ショッピングセンター、温泉、ホテルなどを有機的に結び付けた新しい街づくりの試み「生活工房・サッポロファクトリー」がこの4月で誕生から1年を迎えた。年間入場者は当初予想の700万人を100万人も上回り好調な滑り出し。この新しい街を、1988年3月以来、個室の乗車率ほぼ100%と快調に走り続ける長距離寝台特急「北斗星」に乗って訪ねてみた。
◆特急の時間選ぶ
 東京・上野から札幌まで1215`を16時間余りで結ぶ寝台特急「北斗星」は1日3往復の運転。ほかに豪華寝台車やパノラマの景色が楽しめるラウンジカーを接続した「夢空間・北斗星81号」が1往復走っている。今回乗車したのは上野17時17分発の「北斗星3号」個室A 寝台車。「1号」は翌朝9時前に札幌に着いてしまい、そのまま温泉になだれ込もうというこちらのもくろみのためには早すぎる。19時3分発の「5号」では春の暮れ暮れの風情を楽しむことができないという思いからだった。
 定刻通り「北斗星」は札幌に向けて滑り出した。いそいそとウイスキーのボトルを抱えてラウンジカーに移動する。食堂車で氷人りのカップを1つ50円で分けてもらい車窓から道祖神に乾杯だ。
 しばらくいい気分で春の夕暮れの景色を眺めていたが、最初の停車駅、大宮で体が”凍りつい”てしまった。「北斗星」は日常の通勤客が列をつくるホームに止まったのだ。車窓に直面して座り込み非日常の世界に移り住んだこの身が数十人の通勤客に見下ろされている。さぞやこっけいな光景だったに違いない。
◆シチューいい味
 「北斗星」の食堂車は乗車3日前までに予約を入れないと食事ができないということは知っていたのだが、何とかなるだろうとほったらかしにしておいた。食堂のウエートレスに「キャンセルが出たら食べさせて」と頼んでおいたら、しばらくして「ビーフシチューのコースでいいのなら」と言ってきてくれたので何とかなった。子供のころから頭の中にあった「食堂車のビーフシチュー」のイメージを変えてくれるいい味だった。
◆クマ?に停車
 眠っている間に青函トンネルを抜けた「北斗星」は翌朝、勝手に線路を横切った人(食堂車にいただれもがクマに違いない、と感想をもらす)らのために2度にわたって急停車したが、特に何事もなく雪の札幌に到着した。
 サッポロファクトリーは札幌駅からタクシーで5分。施設内のホテル「クラビーサッポロ」はチェックイン前のため取りあえず荷物を預ける。サッポロビールの原料となっていたわき水を利用した近代的な温泉センター「サッポロスプリングス」に向かおうとするが、11時からの営業ということで少々時間を持て余す。
 じゃあ、やっばりラーメンか、というのは自然な発想だろう。ラーメンを食べ、温泉につかり、世界最大級の映画スクリーン「アイマックスシアター」の迫力にめまいを感じ、夜はサッポロビール園で破裂寸前まで腹を膨らました。
 「スキーなんかやらなくても札幌は十分楽しい」今年1月にスキーで腰をひねって以来、滑りを禁じられていた35歳の負け惜しみだろうか。(京都新聞 夕刊)
■禁煙の駅ガムべっとり 新「ポイ捨て公害」JR・私鉄”汚染” 腰痛に泣く清掃員たち「売店から追放を」
 「終日禁煙」が近畿のJRや大手私鉄のほとんどの駅で定着した一方で、駅清掃員が「ポイ捨てたばこ」に代わる「ポイ捨てガム」に音をあげている。駅の売店では、口さみしい愛煙家を中心にガムの売り上げが増加。紙に包まず吐き捨てられたガムが階段やホームにこびり付き、ガムを取り除く清掃員の間で腰痛が多発している。「ガム取り機」の開発も進んでいるが、決め手にはいまひとつ。清掃員からは「夏場はガムが粘つき掃除しにくくなる。ガムを売店から追放してほしい」との声も上がっており、関係者は乗客のマナー向上を願っている。
 1日約86万人が乗降するJR大阪駅。3月1日から終日禁煙になり、ホームから喫煙コーナー以外の灰皿が姿を消した。
 同駅を清掃するジェイアール西日本メンテック大阪営業所が、禁煙後の3月上旬に「ポイ捨てたばこ」を数えたところ、駅全体で1日約1万本。禁煙実施前の約半分に減った。「灰皿がないから利用客も観念したんでしょう」と衣笠幾美営業所長。
 西日本キヨスク営業課によると、禁煙後の3月、JR西日本管内988店の店頭への入荷量は前年同月と比べ、3.2%減った。
◆新たな敵
 そのJR大阪駅で、ガムがたばこに代わる「新たな敵」となっている。「取っているそはで吐き捨てる人がいる。いたちごっこなんです。ガムを売店で扱わなくなればいいんですが」と清掃員。
 同駅の清掃員25人はガム取り用のへらを常に携帯。見つけ次第に取り除いているが、ホームを10b進むのに5分かかることもあるという。「ポイ捨て」が集中するホーム端は、電車運行中の清掃が危険なため、夜勤職員4、5人が深夜にガム取りをしている。始発までの5時間をかけても、1日1ホームも取り切れない。
禁煙の実施状況
JR94. 3から全駅で終日禁煙
近 鉄88. 3から地下駅で終日禁煙。
地上駅はラッシュ時に禁煙タイム
京 阪94. 5. 1から全駅で終日禁煙
阪 急94. 4.25から全駅で終日禁煙
阪 神88. 9. 1から地下駅で終日禁煙。
地上駅はラッシュ時に禁煙タイム
南 海89.11. 1から全駅で禁煙タイム(一部終日禁煙)。
関西空港の開港をめどに終日禁煙を検討
大阪市営地下鉄89. 1. 1から全駅で終日禁煙
(改札内に喫煙コーナーなし)
神戸市営地下鉄89. 7から終日禁煙
(喫煙コーナーもなし)
 1991年に駅構内の床が従来のアスファルトから白のタイル張りになり、踏み付けられて黒く固まったガムが余計に目立つようになった。
 89年から終日禁煙にした神戸市営地下鉄では92年に「ガム公害」がピークを迎えた。同市は「ガムのポイ捨てやめて」などと書かれたポスターを駅舎内にはって、利用客にマナー向上を呼び掛けた。
 あわせて、駅売店でガムの販売をやめることも検討。しかし、「他の場所で買うなど、ガムは簡単に手に入るので、販売を禁止しても実効力はない」(船津則昭・三宮駅長)と結論を先送りしている。
◆売上高伸長
 鉄道各社が終日禁煙を実施し始めた89年ごろから、ガムの売れ行きは好調。ガムメーカー27社でつくる日本チューインガム協会(本部・東京)によると、88年度のガム売り上げは3万3500dで前年比1000d増だったが、91年度は4万3000dで90年度より5000d増えた。大手メーカーのロッテの場合、昨年度のガムの売上高は約1700億円で、他の菓子の売り上げの伸び率が2%台なのに対し、ガムは毎年5%を超す。
 「ガム公害」の高まりに日本チューインガム協会も92年秋から、啓発ポスターを年3、4000枚を印刷、全国の駅に配り始めた。ロツテ広報室では「売店で扱われなくなるのも困る。製造者としては、ポスターでマナー向上を呼び掛けるしかない」と話す。
◆ガム取り機
 神戸市営地下鉄三宮駅の清掃業者は、ガムごと溶かす洗剤を使ったが、乗客から「滑る」「においがきつい」と苦情が出たため、使用を自粛した。
 ジェイアール西日本メンテックによると、床を磨く機械でガムは取りきれず、しゃがんでへらを使う手作業に頼るのが現状。清掃員は5、60代が中心ということもあって、腰痛を訴える例が後を絶たない。
 このため、昨年から関連メーカーと共同で「ガム取り機」を開発している。1bほどの柄の先に、スイッチで振動する金属へらをつけた。立ったまま力を入れずにガムが取れ、清掃員の重労働を解消するのが目的。一部の駅で実験的に使われているが、清掃員からは「重すぎる」との声も出ている。
 JR大阪駅の清掃を担当している衣笠所長は「利用客は駅を道路だと思っている。駅をきれいにして建物の中だと思わせれば、ガムを吐き捨てるなんてことはしなくなるでしょう」と話している。(朝日新聞 夕刊)
■「卵」の中身はゴルフ練習場 JR大阪駅北に出現
 6日朝、JR大阪駅のすぐ北側にある旧国鉄の大阪鉄道管理局跡地に、真っ白な巨大な「卵」が出現した。卵の中身はゴルフ練習場。東洋不動産(本社・大阪市中央区)が、跡地を管理する国鉄清算事業団から期限付きで土地を借り受けて建設した。同社によると開業は6月で、勤め帰りの会社員らを中心に月2万人の利用を見込んでいる。(朝日新聞 夕刊)
7日■JR東日本初代会長 山下勇氏が死去
 三井造船の社長と会長、JR東日本の初代会長などを歴任し、経団連評議員会議長や日本ロシア経済委員長もつとめた山下勇(やました いさむ)氏が、6日午後3時37分、悪性リンパ腫のため、東京都港区の病院で死去した。83歳だった。告別式は9日午後1時から東京都文京区大塚5ノ40ノ1の護国寺桂昌殿で。喪主は妻愛子(あいこ) さん。自宅は東京都目黒区目黒34の16の401。
 1933年に三井物産造船部(現在の三井造船)に入社、70年から三井造船社長、79年から会長をつとめた。国鉄分割・民営化に伴って87年4月にJR東日本の初代会長に就任、経営に民間的感覚を導入することにつとめた。93年6月に最高顧問に退いた。財界活動では、80年から経団連副会長、86年から経団連評議員会議長をつとめ、経済界の立場から行政改革などにかかわった。このあと90年に日ソ経済委員会(92年4月から日ロ経済委員会)の委員長に就き、今年4月に退くまで、旧ソ連との民間経済交流に力を尽くした。(朝日新聞)
■両元首が渡り初め 英仏海峡トンネル 開通祝い記念式典
 【カレー(フランス)6日共同】英国とフランスをドーバー海峡下に掘った地下トンネルで結ぶ英仏海峡トンネルの公式開通式典が6日午後、ミッテラン・フランス大続領、エリザベス英女王が臨席してフランス側のカレー・ターミナルで行われた。式典では両元首が演説、ドロール欧州連合(EU)委員長、デハーネ・ベルギー首相も出席した。
 この後、両元首は女王の車に乗り込み、自動車運搬用のシャトル(カートレイン)で、英国側のフォークストンに向かい、トンネルの「渡り初め」を行った。
 欧州大陸と英国を初めて「地続き」にした同トンネルは全長50.5`で、海底トンネルとしては青函トンネルに次ぐ長さだが、海底部分は37`で、世界最長。1987年12月に着工し、昨年12月に完工した。
 旅客用の高速鉄道、貨物列車、乗用車やトラック、観光バスを運ぶカートレインが運行されるが、特にカートレインの機材納入の遅れなどから、本格的運用開始は10月にずれ込む。
 高速鉄道により、パリ−ロンドン間、ロンドン−ブリュッセル間はともに約3時間で結ばれ、欧州統合を象徴するものとなった。(京都新聞)
■本格利用までゴルフ練習場 梅田の旧国鉄用地
 都会の超一等地に巨大な恐竜の卵? JR大阪駅北側の旧大阪鉄道管理局跡地で6日午前、建設中のエアドーム型室内ゴルフ練習場のドームを膨らませる作業が完了した。高層ビルに囲まれた超一等地に、高さ32b、広さ8000平方bの巨大な恐竜の卵を連想させるドームが出現。
 名称は「OSAKA梅田ゴルフドーム」で、総工費10億円。100ヤードのショート用で、打席は3階分あり77席。この打ちっ放しのほか、パター練習コーナーなどもある。オープンは6月9日で、24時間、年中無休で営業する。駅から徒歩1分と超利便なことから、サラリーマンら月2万人の利用客が見込まれるという。
 この練習場用地を含め約2万平方bある跡地は、国鉄清算事業団が所有。今回の事業は不況で売却が進まない中でのいわば苦肉の策で、大阪市の不動産会社が跡地の西半分を月約3000万円で借りて営業する。
 練習場は2年間の予定で営業、その後は更地に戻すのが条件だが、さて、それまでに本格土地活用のめどは…。(京都新聞)
■ロンドンで専用駅開業式
 【フォークストン(英南部)6日共同】英仏海峡トンネルの公式開通式典を前に英国では6日午前、ロンドン中心部にあるウォータールー駅で国際旅客列車「ユーロスター」用専用駅の開業式が行われた。
 式典にはエリザベス女王、メージャー英首相のほか、トンネル着工時に首相だったサッチャー女史らが出席した。開業式典は行われたものの、準備の遅れでユーロスターが一般乗客を乗せて運行するのは7月になる見通しだ。(京都新聞)
■ユーロトンネル開通 一番列車には英女王
 【カレー(北フランス)6日=尾関章】英国とフランスを結ぶ英仏海峡トンネル(ユーロトンネル、全長50`、海底部分38`)が6日、正式に開通した。一番列車には、英国のエリザベス女王が乗り、ドーバー海峡の下をフランスまで通り抜けた。帰りの列車には、フランスのミッテラン大統領が同乗する。ロンドンとパリ、ブリュッセルをそれぞれ約3時間でつなぐ直行特急「ユーロスター」など旅客列車の運行は夏以降になるが、この開通で、英国は交通、物流の面で「島国」の歴史に終止符を打つことになった。
 女王と大統領の一行は、この朝、ロンドンのウォータール−駅とパリの北駅からそれぞれ直通列車「ユーロスター」に乗り、北仏カレー郊外のコケル駅で合流した。女王が乗った列車がトンネルに入ったのは、英国時間で午前11時前。列車は静かな音をたてるだけで、揺れもなく約30分、暗やみを駆け抜け、フランス側に出た。
 コケル駅で国歌演奏、テープカットなどの開通式をすませた後、ミッテラン大統領も女王のロールスロイスに乗り、車ごと乗り込める同トンネル専用の列車「ル・シャトル」で、英南東部のフォークストン駅へ。同駅でも、再び同様の式典をする。
 開通式では、まずミッテラン大統領が「2世紀余の夢と構想、その実現の努力が完成した。欧州連合(EU)を強化する決定的な一歩である」と欧州統合の進展を強調。続いてエリザベス女王が「フランスの前向きな態度と英国のプラグマティズムが共通の目的によって結合する時、今世紀の危機的な局面でつねに奇跡を生んできた。ユーロトンネルは全人類の利益を体現している」とフランス語であいさつした。(朝日新聞)
■ユーロスターに乗ってみた 揺れ少なく快走25分
 「後世の人は、トンネルがなぜもっと早く造られなかったか不思議に思うに違いない」とサッチャー前英首相は予言する。エリザベス女王とミッテラン大統領が6日、完成を祝ったばかりのユーロトンネルを、記者は特急列車「ユーロスター」で通ってみた。200年来の夢の計画も、完成するや、あっという間に過去のことになるのだろうか。(英仏海峡トンネルで=尾関章、清水弟)
・フランスからイギリスヘ
 午後4時20分に駅を出た「ユーロスター」は、ぐんぐんスピードを上げる。速くに見えた菜の花畑の黄色が消えたと思ったら、トンネルに入っていた。出発から3分。
 「ただいまの速度は160`です」。車内放送はフランス語に続いて英語だが、発音がおかしいので笑いがもれる。
 車体はフランスのTGVに比べて安定感がある。加速する時も、耳にツーンと来ない。トンネル内は何も見えない。壁にある非常灯の緑の矢印もほとんど気づかないほど。ゴーという音も比較的静かだ。
 車内に備えられたトンカチは健在だ。非常の場合、これで窓ガラスを割って脱出する。車両の前、後部に3個ずつと異常に多い。
 「原子力発電所の20倍安全だ」といわれるユーロトンネルだが、安全を疑問視する英国人が46%という世論調査があり、1000nに上る安全調査報告書を用意している、という。
 シューツ。
 異様な音がして、列車が速度を落とす。車内に緊張が走る。「予定された技術上の問題です」。車内放送で緊張が解けた。
 再び走りだした列車は、約5分でトンネルを出た。「英国にようこそ」。途中で止まったのに、50`を25分で通過した。
・イギリスからフランスヘ
 エリザベス英女王が乗った一番列車は午前10時59分、英フォークストンからトンネルへ滑り込んだ。
 ゴー。それまでゴトンゴトンと音をたててきた列車の響きがとたんに滑らかになる。継ぎ目のないレールを走る音だ。揺れも、ほとんどない。座席のテーブルに置かれたグラスのシャンパンも、かすかに波打つだけだ。
 窓の外を緑色の非常灯が点々と通り過ぎていく。それ以外は、まったく何も見えない。信号も、トンネル内では運転席の画面に直接送られるからだ。
 英国時間の午前11時31分、フランス時間で午後零時31分、車窓の片隅に、英国で見たのと同じ曇り空が飛び込んできた。だが、英国人ジャーナリストが多く乗った車内では、歓声一つ上がらなかった。
 この日、英国にお祭り気分はなかった。新聞も有力五紙は、どれも保守党の地方選敗北を一面トップに据え、トンネル開通の記事を一面からはずす新聞も多かった。
 英ミンテル社が昨年、約1000人を対象に聞いた世論調査の結果、「トンネルをぜひ使いたい」と答えた人の割合は、たった23%。しかもトンネルに近い英国南部では、わずか15%だった。エリザベス女王は、この日のあいさつで「フランスの熱情と英国の実用主義を混ぜ合わせると、素晴らしいものが結実することがわかった」と語った。「熱情」と「実用」。この二つの言葉に、海峡をはさむ両国の、トンネルに対する思いがにじみ出ている。(朝日新聞 夕刊)
8日■英仏海峡トンネル開通 両国の思惑違い浮き彫り 経済効果を重視・英 政治問題触れず・仏
 「フランスの合理主義と英国の実用主義が世紀の工事を実現させ、人類に貢献した」−。6日午後、フランス・カレーで行われた英仏海峡トンネル開通式典で、エリザベス英女王は、両国の違いに積極的に言及した上で、両国の補完性を強調した。もう一人の主役、ミッテラン・フランス大統領は「両国の違い」には触れず「欧州の市場、政治統合への偉大な出発点」とトンネル開通を称賛した。英仏両国民の夢と言われてきた英仏海峡トンネル。その開通を祝う主賓2人のあいさつは、式典会場がカレーから英側フォークストンに移ると徹妙に卜−ンが変わり、海峡を挟んだ両国の立場、思惑の違いを浮き彫りにした。
 カレーでの式典後、ミッテラン大統領はエリザベス女王のロールス・ロイスに同乗、自動車運搬用カートレイン「ルシャトル」でトンネルを初渡りした。
・エールの交換
 「海峡を初めて飛行機で横断したのはフランス人、初めて泳いで渡ったのは英国人だった」−。英側フォークストンの会場で、女王があいさつすると、大統領は「私たちはロールス・ロイスで海峡を初めて横断した。大層快適だった」とエールを交換。大統領の異例のサービスに会場は爆笑に包まれた。
 「第二次大戦では、ともに同盟国として戦い、ナチス・ドイツから欧州を解放した。英国に感謝する」とさらに英側を持ち上げる大統領。しかしカレーの式典で強調した「トンネル開通が欧州統合に及ぼす政治的影響」には一切触れずじまい。
 メージャー首相率いる英保守党は、サッチャー前首相に代表される欧州統合反対派と推進派に分裂、欧州問題をめぐり党内対立の再燃は必至とみられるだけに、2度目のあいさつは、メージャー英政権の立場に配慮したようだ。
・24時間物流も
 英仏両国での華やかな式典の割には、一般乗客用列車が走れないため英国内の盛り上がりはいまひとつだが、欧州統合反対派の英保守党議員も「トンネルの経済効果」には一目置いている。
 ユーロトンネル社によると、月内にトラック用カートレインをまず走らせ、7月初めに旅客列車「ユーロトレイン」の一部運行を開始。10月に一般利用客を対象にした乗用車用カートレイン運行といった具合に、5月雨式の開業となる。
 しかし、フェリー、飛行機との輸送競争に備える同社は「フェリーなら2時間以上かかるが、トンネルのカートレインを利用すれば、1時間で相手側の高速道路に入れる」と強調。2年後には海峡を渡る旅行客の半数がトンネルを利用、10年後には年間1910万人がカートレイン、2490万人が旅客列車を利用する、との長期予測も立てている。
 英仏海峡は冬に大荒れとなり、フェリーの欠航もしばしば。農業大国フランスにとっても、トンネル開通で24時間の物流が実現、新鮮食料の輸出ルートを確保できる。
・島国根性返上
 そうしたメリットは認めながらも、フランス人に目立つのは「トンネル効果を享受するのは英国。英国は島国根性を返上して、欧州の仲間入りする気があるのか」という心情的反応だ。
 カレー商工会議所のバロン広報担当は「トンネル計画が発表された際、英国のデベロッパーが別荘用地を買い占めて、社会問題となった」と「シティーに代表される商売人の英国」に不信を隠さない。
 フランス国鉄担当者も、時速300`で走行する新幹線TGVを英国鉄と結ぶと時速が半分に落ちるため「これではトンネル効果は半減」と嘆く。
 式典当日の6日、フィガロ紙は一面トップで「英国の島国性に終止符」とうたい上げ、トンネル開通を祝った。(京都新聞)
9日■制動距離を半分に 次世代新幹線 JR総研が新装置開発
 高速化を目指しJR各社では次世代新幹線の開発競争が行われているが、いかに速く走るかの裏側には「どう止めるのか」というブレーキの問題がつきまとう。鉄道総合技術研究所(JR総研)では、車輪とレールの間にセラミックス粒子を噴射し、摩擦力を高めることで、ブレーキをかけてから止まるまでの制動距離を約半分にまで縮めることが可能な装置を開発した。
 実験の対象となったのはJR東日本が開発中の次世代新幹線「STAR21」。
 最高速度はフランス国鉄TGVの515.3`に次ぐ世界第2位の425`。問題はこのスピードをいかに減速するかだ。
 増粘着材噴射装置と呼ばれる新方式は、飛散しやすい砂の代わりに直径0.1−0.3_のアルミナ系のセラミックスを圧縮空気でレールと車輪の間に噴射すると、摩擦力を2倍以上まで高めることができるという試験結果が出た。
 STAR21の時速300`時の制動距離は約4.5`。新方式を採用すれば制動距離は半分の2.25`となるわけだ。(京都新聞)
■のぞみに石?天井で異音 新大阪で運行中止
 8日午前7時45分ごろ、広島県豊田郡の山陽新幹線三原−東広島駅間を走っていた博多発東京行きののぞみ4号(16両編成、乗客約340人)で、「ゴロゴロという音が天井付近から聞こえた」と乗客から車掌に連絡があった。JR西日本が次の停車駅の岡山駅で調べたところ、6号車のパンタグラフカバーの根本部分にへこんだ跡(直径約2a)が2ヵ所あったため、運行を新大阪駅で中止し、乗客のうち約100人は同駅で別の車両に乗り換えた。
 同社は、乗客が異音を聞いた三原駅から吉行山トンネル出口までの約8`の区間で、木や石が当たったのではないかとみて調べたが、異常は見つからなかったという。この調査の影響で約3時間、同区間が徐行運転となり、上下線計29本が最高7分遅れ、約1万3000人に影響が出た。(朝日新聞)
■裁判官忌避申し立て 住民側「却下決定に敵意」 京都駅改築訴訟
 JR京都駅改築計画をめぐり、同駅周辺の住民らが「都市計画法に違反する高さ緩和決定に基づく建築確認は違法」などとして、京都市建築主事と田辺朋之市長らを相手に、建築確認の取り消しなどを求めた訴訟の第一回口頭弁論が9日、京都地裁(松尾政行裁判長)で開かれた。原告側代理人は訴えと同時に行った執行停止の申し立てが今年3月に却下されたことから、「却下決定は申し立て人に対し敵意をもってなされたと考えざるをえない」などとして、中村隆次裁判官と遠藤浩太郎裁判官を忌避する申し立てを行った。
 申し立てによると、原告の住民らは昨年12月に駅ビルの建築確認処分取り消しの訴えを起こし、同時に執行停止を申し立てた。同地裁第三民事部が担当したが、吉川良春裁判長が今年3月3日に転任。原告側代理人は、後任の裁判官が着任し正規の合議体が構成されてから申し立てに対する判断をしてほしいと要請したが、3月23日、他部の裁判官が臨時に合議体に入って執行停止申し立ての却下を決定した。
 原告側代理人は「申し立て人の要請を無視し、暫定的な合議体が決定を行うことは異常。原告らに不利益な決定をしようとする敵意の表れ」などとして、裁判官忌避を申し立てた。(京都新聞 夕刊)
11日■「鉄道安全宣言の町」信楽 駅などに看板設置
 今月14日で信楽高原鉄道事故から4年目を迎える滋賀県信楽町は、このほど「鉄道安全宣言の町」を宣言し、役場と信楽高原鉄道の貴生川駅を除く各駅に、宣言を記した看板を設置した。
 同町議会は3月定例会で、鉄道の安全輸送の体制確立と認識の強化を求め、二度と悲惨な事故が起きないことを願い、「鉄道安全宣言の町」を宣言することを決議。これを受け同町では、町として正式に外に向けて鉄道安全を宣言し、看板を設置することにした。
 町役場西側3階の外壁には、これまで掲げられていた「交通安全宣言の町」に「鉄道」の2文字を付け加えた。また、信楽高原鉄道の信楽町内の5駅のホームには、安全を表す緑色の文字で宣言を書いた縦180a、横45aの看板を設置した。
 同町は「宣言を外に向けて発信していくと同時に、高原鉄道沿線で12ある踏切の整備や、高原鉄道の社員教育への補助を行って、ソフト、ハードの両面で安全強化を進めたい」と話している。(京都新聞)
■京都市の北大路バスターミナル地下化 通路複雑、表示も分からず 老人や観光客ウロウロ 「迷子になりそう」地下鉄との一体化売り物 評判、いま一つ 洛北の玄関口
 京都市北区の北大路バスターミナルが3月末に地下に移転したが、お年寄りや観光客から「利用しにくい」との声が出ている。通路が複雑で案内表示も分かりにくいのが原因。洛北の玄関口として、バス停と地下鉄駅を一体化するなど、利便性が売り物だったが、評判は思ったほど芳しくないようだ。
 同ターミナルは、来年2月完成予定の文化・商業複合施設「キタオオジタウン」の公共の足を担う部分として京都市交通局が整備した。地上のバス発着場を地下に移し、地下鉄北大路駅と連絡させた。地下3層構造で、地下1階は吹き抜け、2階はバス発着場、3階は通路、案内所などになっている。
 オープンから約1ヵ月半を経たが、通路では案内板前で立ち止まるお年寄りの姿がよく見受けられる。通行方法が難解なためだ。地下3階の案内所前には通路が6本。出口や地下鉄への連絡口、降車客の専用通路、乗り場への通路など目的別に分かれ、うち4本が実質的に一方通行。さらに、4基のエレベーター、3基のエスカレーターが、より複雑さを増す。
 上京区の女性(77)は「通路やエレベーターが多く、どっちへ行ったらいいか分からない。迷子になりそう」と困り顔。
 案内はあちこちにあるものの、図が少なく文字が中心。2つの乗り場は赤と青で色分け表示しているが、フロアの形が不規則なため、やはり分かりにくい。施設が複数階にまたがっているのに、全体を立体的に示す図もない。
 奈良県から来た男性(88)は「年寄りには難しい。自然に乗り場にたどりつけるようにしてほしい」と注文をつける。「床に順路を示すテープがあれば」「地上との位置関係が分からない。火事が起きたら恐い」の声もあった。
 バス降り場から地上に出る方法もやっかいだ。地下2階に潜ったバスから降りても登りの階段はなく、外に出るには、さらに地下に降りなければならない。出口を5分間も探したという左京区の会社員(55)は「迷いながら地下3階に降りたが、先がまた分からない。面食らう」と指摘する。
 京都市交通局では、応急的にフロア案内員を置いたり、張り紙を掲出。別の方法も検討中だが「タウンの工事で地上1階が利用できないのも原因。完成すれば直接地上へ出る階段もでき、利用しやすくなるはず」と話している。(京都新聞)
■のぞみ昨年末 モーター破損 分解整備ミス? 部品にズレ、潤滑油漏れ
 兵庫県内の山陽新幹線で昨年12月、走行中ののぞみ14号のモーターが破損した事故で、JR西日本は10日、破損したモーターの台車検査をした昨年11月の分解整備の際のミスだった可能性が強いと発表した。
 JR西日本や台車製作メーカー4社などの合同調査によると、破損はモーターそのものの異常が原因ではなく、モーターの回転を車軸に伝える装置(継ぎ手)の歯車の摩耗によることが判明。
 台車検査時の分解整備で、部品を元の場所に戻した際、装着不良などで潤滑油漏れが生じ、歯車の摩耗が発生したという。
 この摩耗により、異常な振動が起こり、モーター軸を支えるアルミ製のふた(直径45a)の取り付けボルトが折れるなどの事故になったとしている。
 事故は12月16日午後、博多発東京行きのぞみ14号の5号車で発生、運転の打ち切り、乗客約600人は後続に乗り換えるなどの影響が出た。走行中ののぞみのモーター破損は初めてだった。
 森下逸夫車両部長は「これまでの台車検査で他の異常もなく構造上の問題はなかった。検査作業の見直しを図り、安全確保に万全を尽くす」と話している。(京都新聞)
■阪神電鉄も全駅禁煙 16日から
 阪神電鉄は10日、42の全駅で16日から終日禁煙にすると発表した。
 同電鉄によると、終日禁煙にするのは各駅構内のうち改札口内側と、従来から改札口内終日禁煙にしていた梅田、三宮など5つの地下駅のコンコースを加えたエリア。地上の37駅の各ホームに1ヵ所ずつ喫煙コーナーを設置する。(京都新聞)
■安・近・短の志向強く KTRがGWまとめ 乗車券販売7 %滅
 北近畿タンゴ鉄道(KTR=本部・宮津市)は10日、今年のゴールデンウイーク期間中(先月28日−今月8日)の同鉄道利用状況をまとめた。昨年より微増の約8万1500人の利用があったが、乗車券販売額は7%減っており「安く・近く・短く」の志向が強まっている。
 同鉄道が発表した期間中の営業成績は、乗車人員が8万1562人で、昨年同期の7万9990人にくらべ、2%増えた。
 人出のピークは3日と5日で、それぞれ1万人以上の乗降客があった。4日は強風によリダイヤが乱れ、昨年より2500人減の約8700人。
 乗車率は、連休の大型化で、分散乗車が定着し、5日の網野発京都行き上り急行「丹後8号」で161%など、上り線を中心に若干混雑した程度だった。天橋立駅で、2万300人の乗降客があり、昨年に比べ14%減った。一方、料理旅館が立ちならぶ網野町・浜詰地区の木津温泉駅では、約1800人の乗降客があり、昨年より5割増しと、大きく伸びた。
 また、予約分も含めた乗車券販売収入は、5777万7000円で、昨年の6210万2000円に比べ、7%減った。同鉄道では「4日の乱れと、特急、急行の利用が減り、近場の乗降客が増えたのでは」と、分析している。(京都新聞)
■JR西日本株式 来年2月に上場 運輸省方針「東海」は95年度に
 JR株を保有する国鉄精算事業団と運輸省は、JR西日本の株式を1995年2月ごろに上場する方針を囲めた。JR株の上場は、93年10月のJR東日本に続いて2社目。JR東海の上場は95年度に延ばす。運輸省は今年度中に西日本と東海の両方を上場する予定だったが、株式相場の低迷で日本たばこ産業の上場が今秋にずれ込んだため、政府保有株の年間3社上場は多すぎると判断して、JRでは西日本だけに絞ることにした。
 JR西日本の上場については、清算事業団の諮問機関である資産処分審議会の株式等処分部会が、23日ごろに出す報告の中で基本的な方向を示す。このあと6月初めの審議会答申を受けて、運輸省と事業団が6月中に正式決定する見通しだ。JR西日本は7月か8月に東京や大阪証券取引所などに上場を申請。事業団は11月ごろに一般競争入札を実施して、売り出し価格を決定し、株式市場の動きをみながら2月ごろに上場したい考えだ。
 西日本を東海よりも先に上場するのは、西日本のほうが営業区域が広く路線が長いため、多くの個人投資家に受け入れられるからとしている。東海の方が営業収益では上回り、発行済み株数も多いが、西日本の上場に向けた意欲がかなり強いことも重視した。(朝日新聞)
■「のぞみ」事故 原因、継手の油漏れ モーター破損でJR西日本調査 検査時作業ミス
 山陽新幹線で昨年12月、走行中の「のぞみ」の主モーター部が破損して立ち往生した事故で、JR西日本は10日、事故前の台車の定期検査の際の作業ミスから、モーターの回転をギアに伝える「継手(つぎて)」内の潤滑油が漏れ、歯車の摩耗などで継手の回転にアンバランスが生じ、主モーター部のボルトなどが折れた、との調査結果を発表した。また、前日に異常音や車輪の空転などがありながら、営業運転を続けていた点についても問題があったことを認めた。JR西日本の安全運行上の姿勢が問われそうだ。
・異常音など前日に指摘 運転継続、「問題あった」
 調査結果によると、事故車両は、継手の潤滑油が走行中に漏れて、潤滑不良となり、内部の歯車が摩耗、回転にアンバランスが起きた。その振動などの影響で主モーターの回転紬を支える軸受け部のボルトなどが折れ、最終的に歯車箱(ギアケース)が損傷して停車した、と断定した。
 潤滑油は各継手に500c注入されるが、事故車両にはほとんど残っていなかった。油漏れを防ぐゴム製のリング(太さ約6_、長さ57a)の一部がなくなっていた。事故前の11月9日に、JR西日本の博多総合車両所(福岡県)で走行距離が30万`ごとに実施される台車検査で分解、組み立てした。その際、リングか、リングの上にかぶせる端ぶたの取り付けが不適切だったとみている。
 他の車両に同じような異常はなく、同社は「構造上の問題はないと考えている」と話している。
 一方、前日に乗客が異常音を指摘していたのに、車両交換などの措置を取らずに営業運転を続けていたほか、走行状態を記録する「ATCチャート」と呼ばれる記録器で、前日から事故車両の車輪が頻繁に空転を繰り返していたことなどが、事故後に判明。異常が分かった際の点検、連絡体制に問題があったと認めた。
 今後、@継手の検査、組み立て時の作業の見直しA油漏れ、温度上昇などの点検の徹底BATCチャートなどの監視データの活用C異常音などを感知した場合の連絡体制の徹底、などの対策を取る。
 運輸省は主モーター部の破損という初めての事故を重視。JR側の緊急点検後、異例の再点検を指示していた。JR西日本は、主モーター部の温度上昇を検知するシールを張るなどの処置を取って、運転を続行していた。
・厳密な整備求めたい
 豊田栄次・運輸省保安車両課長の話 作業上のミスが原因だったことを重視しており、厳密な整備をするよう改めて求めたい。また、事故の前日に異常音やATC チャートの異常がありながら、車両交換せずに営業運転を継続したJR西日本の姿勢は安全運行上、反省が必要だろう。(朝日新聞)
■線路に廃材や石投げ込む? 山陽新幹線
 11日午前1時50分ごろ、神戸市西区大津和のJR山陽新幹線の上下線上に、角材などの廃材約20本とこぶし大の小石約10個が散乱しているのを、線路などを点検中のJR西日本の係員が発見、回収した。新幹線の運行に影響はなかった。神戸西署の調べによると、廃材は、縦、横各5a、長さ約30aの角材8、9本と、厚さ1a、幅10a、長さ30aの板11、2枚。
 現場周辺はフェンスで囲まれており、侵入は困難。同署は、何者かがフェンス越しに投げ込んだのではないかとみて、列車往来妨害の容疑で捜査している。(京都新聞 夕刊)
■新幹線の線路 廃材など散乱 神戸
 11日午前1時50分ごろ、神戸市西区大津和2丁目の山陽新幹線下り線で、線路上に約30本の廃材や小石が散乱しているのを作業中の保線員が見つけた。新幹線の運行に支障はなかったが、神戸西署はいたずらとみており、列車往来危険の疑いで調べている。
 調べでは、廃材は4.5a角で長さ3、4aの角材や、厚さ1aで幅10a、長さ40aほどの板切れなどで、線路上に約30bわたって散らばっていた。握りこぶし大の石も約10個見つかった。現場付近には高さ2.2bの防護壁があるが、線路わきののり面が防護壁より高くなっており、同署はのり面から投げ入れたとみている。(朝日新聞 夕刊)
12日■市バス急ブレーキ 乗客3人がけが 上京の交差点
 11日午後5時ごろ、京都市上京区今出川通堀川の交差点で、山越行きの市バス=橋本末好運転手(37)=が、前を横切った乗用車を避けるため急ブレーキをかけたところ、はずみで乗客の山科区、無職井口満智子さん(71)ら女性3人が転倒するなどして、腕などに5−10日間の軽傷を負った。
 西陣署によると、現場は交差点東側。今出川通を西進しようと青信号で発進した市バスの前を、並んでいた乗用車が直前に横切り左折したという。当時、バスには約50人の乗客が乗っていた。バスの前を横切った乗用車は、堀川通を南に走り去ったという。(京都新聞)
■中国 8都市 地下鉄造れ造れ 外資導入でブーム
 【香港11日共同】経済発展と人口増加により交通問題が深刻化する中国の大都市で、その対策として地下鉄建設がブームになり、既に地下鉄のある北京、天津、上海が新路線や延長、まだない広州など5都市が新設を計画、着工している。いずれも外資導入によるもので、総額約40億jを集める。
 11日の香港各紙が香港中国通信社電の報道として伝えたところによると、首都北京では1970年代に4線が完成、現在5線を計画中で、6億j必要になる。日本、米国、ドイツなどの十数社が投資の意向を示しており、一部工事は既に開始、4年後の営業運転を目指している。
 上海では、虹橋国際空港から巨大開発プロジェクトが進められている浦東地区までの27`を2000年までに完成する計画で、ドイツ、米国、フランスから借款を受けている。天津市は現在7.4`の南北線を10.8`に延長する工事を年末に着工し、2000年に完成する。
 新設計画、工事を進めているのは広東省の広州、深■(土編に川)、吉林省・長春、四川省・成都、南京。最も早く完成する予定なのは昨年末着工の広州で、日本、英国、米国などの企業が4億4000万jを投資、98年完成を目指している。
 成都も日本やドイツ、米国企業と商談中だが、来年末の着工、4年後完成と計画を急いでいる。(京都新聞)
■急ブレーキで転倒 市バス 3人けが
 11日午後5時ごろ、上京区今出川堀川の交差点で、信号待ちをしていた三条京阪発山越行きの市バス=橋本末好運転手(37)、乗客約50人=が、急ブレーキを踏んだため、立っていた右京区宇多野法安寺町、大学3年生長谷村恵さん(20)ら3人が転倒、頭やひじなどに軽いけがをした。
 西陣署の調べでは、市バスは走行車線で信号待ちをしていたが、発進しようとしたところ、追い越し車線から乗用車が、左折南進したため、急ブレーキを踏んだらしい。乗用車は現場から走り去っており、同署で行方を捜している。(朝日新聞)
■学研の玄関なのにエレベーターなし 精華町が完成予想図発表 JRの橋上祝園駅
 精華町は11日、橋上駅化するJR片町線祝園駅と、近鉄京都線新祝園駅の完成予想図を発表した。21世紀の文化首都とされる関西文化学術研究都市の「表玄関」に位置するが、近鉄駅にエレベーターが設置されるのにJR駅には設置されないため、JR駅の車いす利用者には不便となりそうだ。
 橋上駅化工事は、9月に開幕する学研都市街びらきイベントに間に合わせるために進んでいる。近鉄新祝園駅とJR祝園駅を橋上駅化し、両駅を結ぶ長さ約150bの高架の連絡通路を建設する。工費は近鉄駅約10億円、JR駅約2億円、連絡通路約18億9000万円。エレベーターは近鉄駅に2基、連絡通路の両端と中間の3基の合計5基設置されるが、JR駅には設置されない。
 工事が完成すると、JR片町線を利用して大阪方面から祝園駅ホームに着いた場合、車いす利用の人は橋上駅に直接上がることが出来ない。ホーム南端にある身障者用ゲートをインターホンで駅員に開けてもらい、いったん駅の外に出て10bほど移動し、連絡通路中間にあるエレベーターを使って通路にあがり、通路西端のエレベーターでJR駅前広場に降りることになる。乗車する場合は橋上駅で切符を買えないので、ゲートにある乗車証明発行機の券で電車内で精算する。
 町は「JR西日本にエレベーター設置を要望したが、経費面から難しいと断られた」と話す。これに対しJR西日本は「町と協議した結果、連絡通路のエレベーターを利用する方法がベストと判断した」と言い、要望を断ったことは否定している。JR西日本によると、駅の条件によって異なるが、エレベーター1基の設置に数千万円、維持管理に年間80万円かかる。(朝日新聞)
■男性ホームに転落 御堂筋線梅田駅
 12日午前9時1分ごろ、地下鉄御堂筋線梅田駅の上りホームで、電車を待っていた男性(57)が線路上に落ち、ホームに入ってきたなかもず発千里中央行きの電車(9両編成)と接触。電車は急ブレーキをかけて約50b行き過ぎて止まった。男性は電車と線路の間のすき間(高さ約35a)に腹ばいとなり助かったが、頭を切って重傷。
 曾根崎署や大阪市交通局によると、転落した男性は「階段を急いで降りてきたときに足がけいれんしてそのままよろけて落ちた」と話しているという。この事故で上り電車15本、下り電車17本が最高7分遅れた。(朝日新聞 夕刊)
■窓 工事完成後もケヤキ残して 中京区・伊藤 けい(無職・60)
 けさ、御池通を散歩していると、いま工事中の「第二地下駐車場」の立派な完成予想図の看板が立っていました。
 緑の東山をバックに広い御池通をたくさんの車が走っている堂々とした大都会の風景が描いてあります。道の両側には街路樹もしげっています。しかし、何かおかしいと思ったら、なんと! あの御池通の名物だった中央のケヤキ並木が描いてありません。広い御池通を道いっばいに車を走らせるためには、あのケヤキ並木はじゃまものになってしまうのでしょうか。
 東山を分断するかたちで高層のホテルが建ちました。やがて市役所も高層になって御池通は地上も地下も車であふれ、そこに住む人たらは排気ガスを吸って生きてゆかねばならないのです。
 あのケヤキ並木は都会に住む人間のためにぜひ残しておいてもらいたいものです。私はあの絵は、それが単なる描き忘れであることを祈っています。(京都新聞)
■窓 車内の高校生 目に余る態度 南区・北上 謙(団体職員・58)
 あえてある電車、と申し上げておきたい。その電車で毎週、短大へ出掛ける。
 午後3時ごろには市内に向かって帰るのであるが、きまって男女の高校生たちと同乗してしまう。彼らはグループで、乗りかえ駅で喫煙したりすることもある。車内では「優先席」のシルバー・シートもかまわず、大きなバックを床において両足をこれにからませるように広げて座っている。3人がけの座席も、彼らにかかると、2人がけが1人がけとなる。
 私は疲れて帰るので片手を拝むようにして座らせてもらおうとした。1人が私の靴の角をけって男女4、5人で笑った。そして1人の女生徒の手を引っばって抱くようにして座らせた。私は胸がドキドキして、きまりが悪く、つり革にその手をやりながら、早く次の停留所が来るように祈った。
 こういう高校生はどんな家庭から遠くの高校まで送り出されて来るのだろうか。母親はどんな気持ちなのだろう? と思ったりした。短大で女子学生に聞いたら、彼女らも異口同音に「あの子たちは怖い!」と言っていた。高校教育以前の問題が、学校、家庭、今の世相すへてにあるようだ。(京都新聞)
13日■ごみ減量の先進例を紹介 17日にドイツ視察報告セミナー
 京都を中心に環境問題に取り組む民間協力団体(NGO)の「環境市民」が、このほどドイツを視察し、帰国した。17日午後7時から、ドイツのごみ減量に向けた先進的な政策や自治体の取り組みを紹介する帰国報告セミナー「ドイツ・エコウオッチングリポート」を、中京区東洞院通六角下ル、ウイングス京都で開く。
・食料品の量り売りで包装材を大幅に省略
 市民レベルのごみ減量推進策を模索している「環境市民」の一行30人は、3月に10日間の日程で旧西ドイツのフランクフルト、ボン、フライブルクなどを訪問。政府、自治体やNGOの取り組みなどを視察した。
 今回のセミナーでは、ライン川沿いのシュバルツバルト(黒い森)に隣接すろフライブルク市を中心に紹介する。環境首都と呼ばれている同市は、約10`四方の旧市街地への自動車乗け入れを原則として禁止。その代わり路面電車を縦横に走らせ、市民には低料金の定期券を発行している。市内の食料品店では、肉類や野菜などほとんどを量り売りすることで、包装材を省略。市民らは生ごみをコンポストで堆(たい)肥化し、自治体が貸し出す農園で家庭菜園を楽しんでいる、という。
 リポーターを務める事務局職員の能村聡さんは「ドイツの先進例に感心するだけではなく、行政と市民が協力すれば、日本でも実現可能な施策があることを知ってもらいたい」と話している。
 セミナーでは「玩具(がんぐ)から考える子供たちへの環境教育」も取り上げる。会費1000円。申し込み、問い合わせは環境共育事務所カラーズ (781)7315。(京都新聞)
■女子大生の人気企業 トップは東京海上 損保やJR上位に
 採用控え・取りやめ 流行業界や商社 愛想つかした?
 就職情報調査・出版のダイヤモンド・ビッグ社が12日発表した女子大生(4年)の人気就職先ランキングによると、東京海上火災が3年ぶりにトップに立つなど損保、JRグループが人気を集めた半面、昨年1位だったJTBが6位に転落、旅行、航空会社は順位を落とした。
 今年の女子学生の就職戦線は、昨年以上に厳しく、「氷河期」ともいわれているが、安定した企業業績や採用枠を確保している業界が人気を集め、採用抑制方針を早々と打ち出した企業はそっぽをむかれるドライな傾向が表れている。
 調査は今年4月、全国の50大学、約1万8000人を対象に実施。5173人から回答を得た。
 損保は、東京海上のほか、安田火災海上が昨年の6位から3位に順位を上げ、三井海上火災も46位とベスト50社入りした。
 JRは東海が昨年の21位から4位に急上昇。東日本も22位から8位とベストテンに入った。
 放送・通信では、NTTが昨年の14位から2位、NHKが12位から7位に。
 このほか、「国際志向」の強い女子学生の特徴酌な就職先として、国際協力事業団(9位)、海外経済協力基金(17位)などが人気を集めた。
 半面、旅行業界は採用抑制を打ち出したJTBのほか、近畿日本ツーリストも昨年の8位から14位に順位を下げた。
 航空業界も、スチュワーデスの採用取りやめが影響して、全日空が昨年の4位から63位、日本航空が20位から195位へと大きく人気を落とした。
 さらに、女子の採用抑制が伝えられる総合商社は、三菱商事が3位から10位、丸紅も10位から39位に低下した。(京都新聞)
≪女子大生人気企業ランク≫
順 位企業名
94年93年
12東京海上火災
214N T T
36安田火災海上
421J R 東海
57福武書店
61J T B
712N H K
822J R 東日本
917国際協力事業団
103三菱商事
1118キリンビール
1233積水ハウス
1313サントリー
1426東京銀行
148近畿日本ツーリスト
1615三井物産
1723海外経済協力基金
1811J R 西日本
1936N T T データ通信
205アサヒビール
■信楽鉄道事故体験を出版 全国から激励の便り 地元の女性「思わぬ反響、感激」
 3年前の5月14日、信楽高原鉄道の列車事故で夫と孫を亡くし、自らもひん死の重傷を負った滋賀県甲賀郡信楽町黄瀬の中島イトさん(69)は事故の体験をつづった手記を出したが、これを読んだ全国の人たちから手紙や贈り物が中島さん宅に数多く寄せられてきた。中島さんは「見知らぬ人たちから励ましの手紙を頂き、多くの人が事故のことを覚えてくれていると感激しました」と思わぬ反響に励まされている。
 中島さんは事故で夫の治三郎さん=当時(63)=と孫の未晴ちゃん=当時(2つ)を失い、自らも両足や胸、肩など全身9本の骨を折り、8回の手術を受け、昨年4月にようやく退院した。中島さんは惨事の記憶を風化させたくないと、入院中から手記をつづり、今年3月に出版した。
 手記出版を知った人たちから注文や問い合わせが相次ぎ、遠くは北海道、四国・香川県など数十通の手紙が中島さん宅に寄せられた。中には「病院に行くときに使ってください」とメッセージを添えた手編みのセカンドバッグや、般若心経の書かれた掛け軸なども贈られてきた。手記はすでに初版の500冊が売り切れ、追加した300冊も数十冊を残すのみとなった。
 いま、中島さんはつえをついて歩けるまでに回復し、刺しゅうづくりに精を出している。「事故のことを思うと泣けてきますが、頑張らなあかん、と肝に命じて生活しています」という。
 事故からまる3年を迎える14日、信楽高原鉄道と遺族の会が現地でそれぞれ4回目の法要を行う。(京都新聞)
■信号係うっかり? 遮断機が下りず JR奈良駅の踏切
 13日午前8時半ごろ、奈良市三条本町のJR奈良駅で、回送列車の入れ替え作業中の運転士が構内にある三条通踏切の遮断機が下りていないのを発見、非常ブレーキをかけ約5b手前で止まった。幸い通行人などはおらず、ダイヤにも影響はなかった。
 JR西日本によると、三条通踏切では営業線を通過する列車には警報器と遮断機が自動的に反応するが、奈良駅止まりの列車を下り線ホームから上り線ホームに入れ替える際などに使用する「作業線」の場合は、信号係員が操作しなければ遮断機は下りないという。同社安全対策室の調べでは、信号係員が操作しなければ遮断機は下りないという。同社安全対策室の調べでは、信号係員がうっかり操作を間違えたらしい。(朝日新聞 夕刊)
14日■信楽鉄道事故から丸3年 残された課題多く きょう法要 示談、訴訟は長期化
 死者42人、負傷者614人を出した信楽高原鉄道列車衝突事故は、14日で発生から丸3年がたつ。遺族らは同日午前、滋賀県甲賀郡信楽町黄瀬の事故現場で法要などを行い犠牲者の霊を弔うが、損害賠償請求訴訟や示談交渉、後遺症者の認定など、関係者にとって残された課題は多く「事故はいまだ終わりを告げていない」(遺族の一人)。
 信楽高原鉄道(SKR)、JR西日本両社でつくる「ご被災者相談室」(大津市)によると、乗務員5人を除く死者37人のうち、これまでに21人(前年同期12人)が示談に応じ7人が交渉中。負傷者614人中、583人(同564人)の補償示談が終了している。
 後遺症申請書は90人(同69人)で、うち認定者は82人(同57人)。申請、認定の両者とも昨年同期に比べ20人以上増えた。しかし、残る負傷者の示談は病状未確定のため今後も続くと見られる。
 また民事、刑事両裁判も長期化の様相を呈している。事故を巡る民事裁判では、「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人)のうち九遺族が昨年10月、JR西日本とSKRを相手取り、総額約11億3600万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴、両社の事故責任を追及している。刑事裁判では大津地裁でSKR関係者3人に対する業務上過失致死傷罪などの公判が続いているほか、先月には大津検察審査会が、不起訴処分になったJR運転士や事故当時のJR社長ら7人について「不起訴不当」を議決した。
 14日午後には、信楽事故を契機に昨年8月発足した鉄道安全推進会議が同町で「鉄道の安全を考える集い」を開く。事故調査機関設置を求める活動の報告など、「二度とあの悲劇を繰り返さない」努力がこれからも関係者によって続けられる。(京都新聞)
■JR普通電車先頭が脱線 尼崎・踏切で車衝突
 13日午後10時40分ごろ、尼崎市長洲西通一丁目のJR東海道線池田街道踏切で、西明石発高槻行き上り普通電車(7両編成)がワゴン車と衝突した。電車は5、60b走って停車し先頭車両の前部が脱線、ワゴン車は大破した。
 ワゴン車の神戸市長田区池田上町、会社員山本憲さん(27)が上半身を強く打って重傷。JR西日本によると、電車の乗客約60人にけがはなかった。
 東海道線は上下線とも不通になったが、下りが約1時間後に運転を再開した。
 尼崎東署の調べによると、現場は警報機、遮断機ともある踏切で、線路は複々々線。ワゴン車は、線路の北側を並行して走っていた別の貨物列車と普通電車の間に挟まれるように衝突したといい、同署は線路内に立ち往生したワゴン車が最初に貨物列車と接触した後、普通電車と衝突したとみている。
 事故後、JR職員が急行、脱線した電車のドアを開け、乗客を降ろした。(京都新聞)
■交通局が入札制度改善 京都市 意向反映型など採用
 京都市交通局は、13日の市会交通水道委員会で、入札取扱要綱と共同企業体運用基準を改正する入札制度改善を報告。新たに意向反映型指名競争入札方式と制限付一般競争入札方式の採用などを明らかにした。市では入札制度検討委の最終報告に従って、今年4月から「市競争入札等取扱要綱」を施行しているが、交通局の今回の改善もこれに沿った内容となっている。
 改善は、入札、契約手続きの改善と新たな入札体系の構築を主眼に実施した。入札、契約手続きでは、取扱要綱と企業体運用基準の公表のほか、再度の入札回数を従来の2回から原則として1回に限り、業者側の努力を求めたほか、入札時に積算内訳書の提示を求めることにした。入札結果と経過は公表する。
 新たな入札体系については、5億円以上の大規模工事を目安に適用する。また、共同企業体の出資比率も公表することにした。要綱は今年5月から適用している。
 交通局では、今後も工事完成保証人の廃止や局契約審査委員会(仮称)、予定価格の管理強化策などについて検討を加えることにしており、局内の検討委員会を存続させ「より透明性が高く、公平な入札制度の確立へ努力する」(三浦貞義管理者)としている。(京都新聞)
■踏切でワゴン車立ち往生 電車と貨物、2列車衝突 JR東海道 尼崎駅付近
 13日午後10時40分ごろ、兵庫県尼崎市長洲西通一丁目のJR東海道線池田街道踏切で、ワゴン車と列車の衝突事故が起きた。兵庫県警によると、立ち往生していた車に西明石発高槻行きの上り普通電車と平行して走っていた上りの貨物列車が相次いで衝突。この事故で、普通電車の先頭車両が脱線、上下線とも不通になったが、下り線は約1時間後に運転を再開。普通電車には乗客約200人が乗っていた。兵庫県警によると、ワゴン車を運転していた神戸市長田区上池町、会社員山本憲さん(27)が頭などに重傷を負った。乗客にはけがはない模様。現場はJR尼崎駅の西約200b。(朝日新聞)
■京都市交通局も入札改善策を導入
 京都市交通局は、制限付き一般入札と意向反映型指名競争入札を柱とする入札改善策を導入していることを、13日の市議会交通水道委員会で明らかにした。市長部局が4月から導入したのと同内容で、すでに実施しているという。
 議会の議決を要する5億円異常の大規模工事を中心に、新設の市交通局競争入札等運用委員会でどちらの入札方法かを工事ごとに判断。5億円以下の工事では、これまで通り指名競争入札を行う。また入札回数を1回に短縮、入札の結果だけでなく経過を含めて公表する。公共企業体の出資比率も明らかにする。(朝日新聞)
■「悪夢の朝忘れぬ」 信楽事故から3年 しめやか慰霊法要
 死者42人を出した信楽高原鉄道列車衝突事故から丸3年たった14日朝、滋賀県甲賀郡信楽町横瀬の事故現場で遺族らが参列して、しめやかに慰霊法要が営まれた。
 現場の線路わきに設けられた慰霊堂には、事故で妻を失った吉崎俊三さん(60)=宝塚市=ら70人が集まった。事故発生の午前10時35分、全員が手を合わせ1分間の黙とうをささげた。吉崎さんが「悪夢のような事故から3年がたちましたが、あの朝、笑顔で出かけた家族の顔がいまだわすれられません」と弔辞を朗読、遺族などでつくる鉄道安全推進会議の設立や、大津検察審査会によるJR関係者の「不起訴不当議決」を報告した。
 僧りょの読経が流れるなか、参列者たちは次々と焼香、犠牲者のめい福を祈った。
 一方、遺族らの法要に先立って、高原鉄道会社による法要があり、JR西日本の井出正敬社長が献花に訪れたほか、北側啓一社長ら関係者20人が慰霊とともに、一層の安全運行を誓った。午後からは、同町長野の信楽開発センターで、鉄道安全推進会議の総会とシンポジウムが行われる。(京都新聞 夕刊)
■6時間半ぶり上り線も復旧 尼崎のJR事故
 13日夜、尼崎市長洲西通のJR東海道線踏切で貨物列車と普通電車が相次いでワゴン車と衝突、普通電車が脱線した事故で、不通となっていた東海道線上りは14日午前5時、事故から約6時間半ぶりに復旧した。東海道線は現場付近で徐行運転を行ったが、ダイヤは正常に戻った。
 事故の約1時間後に運転再開の下り線と合わせ、同線は上下18本が運休、高松発東京行き寝台特急「瀬戸」など65本が最高5時間9分遅れ、約2万4000人が影響を受けた。
 13日深夜から14日未明にかけては、大阪駅や三ノ宮駅などのターミナルで、ホームにあふれた週末の帰宅客が駅員に詰め寄る姿も見られた。
 尼崎東署の調べでは、ワゴン車は南から北に横断中にタイヤが通行帯びから脱輪、立ち往生したところに最初に衝突した貨物れっしゃが入ってきており、同署は脱輪の原因を中心に捜査を進める。(京都新聞 夕刊)
■JR東海道 早朝に復旧 尼崎の踏切事故
 兵庫県尼崎市長洲西通一丁目のJR東海道線地田街道踏切(警報機、遮断機付き)で13日深夜、立ち往生しているワゴン車に上りの貨物列車と普通電車が相次いで衝突、脱線した事故で、JR西日本は14日未明から約300人が出て復旧作業を進め、午前5時10分に復旧した。
 この事故で、上下線18本が運休し、高松発車京行き上り寝台特急「瀬戸」など65本に最高約5時間の遅れがでた。計2万4000人に影響が出たが、朝の通勤の足には影響はなかった。
 尼崎東署は、現場に残っているタイヤの跡などから、ワゴン車を運転していた神戸市長田区池田上町、会社員山本憲さん(27)が、踏切に入る手前で運転を誤って鉄製のさくにぶつかり、幅約6.5bの踏切内で線路敷地に飛び出して立ち往生したとみている。山本さんは意識不明の重体。(朝日新聞 夕刊)
■信楽鉄道事故 遺族ら3周年法要
 死者42人と重軽傷者614人を出した滋賀県甲賀郡信楽町の信楽高原鉄道事故から3周年の14日、事故現場の慰霊碑前で、同鉄道による法要に続いて、遺族らが法要を営んだ。遺族らによる法要には約80人が参列。事故が起きた10時35分に合わせて全員が黙とう。「遺族の会」の吉崎俊三世話人代表が「事故の責任と原因を追及し、鉄道事故を根絶することが、あなたたちの死を無駄にしない唯一の道だ」と追悼の言葉を述べた。
 午後1時からは、遺族らが発起人となって昨年8月に結成された鉄道安全推進会議(臼井和男・会長)が同町開発センターで第2回総会と「鉄道の安全を考える集い」を開く。
 同事故をめぐっては昨年10月、「遺族の会」の9遺族が、不起訴処分となったJR西日本の責任を追及するため11億3600万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。また「遣族の会」の不服申し立てに基づき、大津検察審査会は4月、JR西日本幹部らの不起訴を不当と議決。大津地検は業務上過失致死傷、業務上過失往来危険容疑で再捜査することになった。
 臼井会長は「死んだ者は帰って来ない。だからこそ私たちは、鉄道の安全確保に向けて何をすべきか、考えていく。そのためにも、事故責任の所在をはっきりさせたい」と話している。(朝日新聞 夕刊)
15日■市バスにはねられ老人死亡 上京区の交差点
 14日午前10時25分ごろ、京都市上京区今出川通室町西入ルで、今出川通を徒歩で横断中の左京区田中中関田町、無職沢村きぬさん(78)が、錦林車庫行きの市バス=藤野功運転手(52)=にはねられた。沢村さんは4時間半後に全身打撲で死亡。市バスの25人の乗客にけがはなかった。
 中立売署の調べでは、沢村さんは、今出川通室町の交差点手前約10b付近で、信号待ちをしていた市バスの直前を横断、青信号で発車しようとしたバスの右前部にあたった、という。
 藤原運転手は「バスの前に人がいるこには、全く気づかなかった」と話しているといい、詳しい事情を聴いている。(京都新聞)
■騒然!?新幹線ジャック 実は演技、刑事役も登場 上野−盛岡間 JR東日本企画
 「この列車は我々が乗っ取った」−14日、上野から盛岡に向けて走る東北新幹線の車内に緊迫した放送が流れ、ミステリー劇「やまびこ65号、応答せよ!」が開演した。
 ドラマは、演歌歌手が同行するグルメツアーという設定。機関銃やショットガンを手にした犯人たちがある人物を捜し始める。偶然居合わせた刑事の反撃と、息もつかせぬテンポで進行。12両編成の列車の7両に観客が分乗するため、車内放送で劇の進行状況を伝えたり、役者が通路を走って各車両で芝居を演じたり、とツアー参加者全員がストーリーを理解できるよう工夫も盛り込まれた。
 盛岡到着後は、観光先の小岩井農場や宮沢賢治記念館もめぐるが、そこにも事件解決へのいくつかのヒントが隠されている。最後は劇場で完結を見るという趣向だ。
 JR東日本が「北東北」キャンペーンの一つとして企画した「シアターエクスプレス」。若い女性に人気のある演劇集団「キャラメルボックス」を起用した。1泊2日で4万2000円という安くはない値段だったが、参加者はOLを中心に約600人で、同社は、「予想を大きく上回った」と満足げだった。
 東京都品川区の都立高校3年生今野要子さん(17) は「列車が舞台なのでわかりにくいかな、と思ったけど、役者さんの演技のうまさもあってストーリーに引き込まれた。ミステリーのなぞ解きに参加できるのも楽しい」と話していた。
 このツアーは28、29の両日も実施される。(朝日新聞)
■市バスにはねられ お年寄りが死亡
 14日午前10時25分ごろ、上京区今出川通室町西入ルの路上で、道路を横断していた左京区田中開田町、無職沢村きぬさん(78)が京都市バス(藤原功運転手)にはねられ、全身を打って死亡した。(朝日新聞)
17日■地下鉄鶴見緑地線1.3`延伸認可
 運輸、建設両省は16日、大阪市が申請していた市営地下鉄鶴見緑地線の鶴見緑地−門真南間(1.3`)の延伸計画の事業特許(鉄道運輸事業経営許可)を認可した。同区間は1997年の夏季国体のメーン会場への主要アクセス路線で、工事施工認可が下り次第今秋にも着工、97年夏の開業を目指す。(京都新聞)
■関空開港に合わせJR天王寺駅改装
 JR西日本は16日、現在1日35万人が乗降し、9月に開港する関西国際空港の玄関口と位置付けているJR天王寺駅と同社経営の「天王寺ステーションデパート」の改装計画を発表した。
 関空特急「はるか」と在来線が共用する関西線ホームや連絡コンコースに発光ダイオード式の「はるか」の発車案内板11基を増設。さらに約120b拡張されるみどりの窓口には「はるか」の空席状況を知らせる空席案内表示装置を親切する。
 また、車いす使用者の乗降に配慮して、4基の車いす対応エスカレーターを開港に先立つ7月下旬から使用できるようにする。
 デパートについては、駅業務施設を移転集約することで中2階に1800平方bのスペースをつくり、売り場として、活用する。
 総工費は約90億円。(京都新聞)
■声 環状線一回り 気分切り替え 神戸市 早見 徹(会社員 54歳)
 この春、新社会人としてスタートした若い諸君の中には、はや上司にしかられたり、仕事が思うように運ばなかったりで気のめいっている人もいるだろう。
 こうした気分から早く脱出して、気持ちを整理し、切り替えるすべを心得ておくのも心身の健康法の一つになる。
 私の場合、気分が落ち込んだ時、仕事が済んだ後、JRの大阪環状線に乗ってよくぐるっと一周した。
 大阪駅から乗って、また大阪駅へ戻る。それも「外回り」に乗る。なぜ「外回り」かというと、少々ギャグめくが、「外回り」だと遠心力が働いて、不快なこと、いやなことが外に飛び出してしまうような気がしたからである。
 若いころ、狭いアパートに帰る前、読書や考え事をするために、だれにも邪魔されない車中を書斎代わりにしたのがきっかけだった。
 車窓から募れなずむ街の風景の移り変わりを、ぼんやり眺めているだけでも心がなごむ。
 適度のスピード感、揺れ、ざわめきが読書にも格好の環境になる。
 環状線には「終点」がない。乗った所に戻ってくるわけだから、わずらわしくない。1周40分ほど、320円で1周出来る。
 家に悩みを持ち込まず、明日につなげられる方法だと思う。(朝日新聞)
■米で列車転覆 乗客ら171人死傷
 【ニューヨーク16日共同】米北カロライナ州フェイエットビル北郊で16日未明、全国鉄道旅客公社(アムトラック)の旅客列車(19両編成、乗員22人、乗客418人)が脱線、転覆し少なくとも乗客1人が死亡、170人以上が負傷した。死傷者の中に日本人乗客はいないもよう。
 公社などによると、旅客列車は、隣の線路を走っていた貨物列車の積み荷のトラックが落下、線路をふさいだところに突っ込んだ。
 旅客列車はニューヨークからフロリダ州のマイアミ、タンパに向かっていた。(京都新聞)
■阪急神戸線 ポイント故障ダイヤ乱れる
 17日午前7時ごろ、兵庫県西宮市長田町の阪急神戸線西宮北口駅で、入れ替えポイントが故障し、同駅発宝塚行きの回送電車が約10分遅れた。この影響で、神戸線の上り普通電車2本、準急1本が運休、上下線合わせて35本が3−6分遅れ、通勤、通学客ら約7万人が影響を受けた。
 阪急電鉄によると、ポイントの接触不良で車庫内の入れ替え信号機が点灯しなかったという。午前9時7分に平常運転に戻った。(朝日新聞 夕刊)
18日■来春も400人程度の採用 JR西日本
 JR西日本は17日、来年春も新卒者400人程度を採用する、と発表した。
 内訳は大学卒約100人、高専卒、短大(女性)卒各40人、高校卒(男性)220人。同社はこの春にも合わせて460人を新規採用しており、それに続く規模。「旧国鉄末期にほとんど新規採用しておらず、社員の年齢構成にひずみがあるため、景気の動向にかかわらず400人ほど入れていかなければ」(井出正敬社長)と説明している。
 また現在、総合職の社員は全社エリアを異動範囲としているが、総合職の中に一定の地域内を異動範囲とする社員制度を設ける方向で検討していることも、同社長がこの日明らかにした。支社権限の拡大など内容とする機構改革を近く予定しているのに伴い、地域事情に精通した人材を育成する目的。(京都新聞)
■過激派がゲリラ準備? JRの作業着盗難 向日の事務所
 JR職員の作業着が今月上旬、向日市内のJR西日本保線区事務所から盗まれていたことが17日、京都府警の調べで分かった。関東や鳥取県でも最近、作業着など制服類が盗難にあっており、隣接の兵庫県で近く全国植樹祭が開かれることから、要人の警護にあたる府警は、JR関連施設で悪用される恐れもあるとみて警戒を強めている。
 現場は同市内のJR西日本嵯峨野保線区向日町保線管理室。府警の調べでは、盗まれたのは紺色作業着上下と上着の3点。犯行は今月4日から6日にかけてとみられ、事務所入り口のカギを壊して室内にあったワープロなどともになくなっていた。また、関東地方や鳥取県でも、作業着などが盗まれていたという。
 府警刑事部と警備部は、植樹祭に出席する要人がJRを利用するケースが多いことから、過激派がゲリラ事件の準備として服を盗み出した可能性もあるとみて、各署に手配して制服の発見に努めるとともに、線路沿線などJR関連施設で不審な行動をする人物がいないかどうか警戒している。
 全国植樹祭は毎年、全国各地を交代して開かれ、今年は天皇皇后両陛下が出席して兵庫県北部の村岡町で今月22日に行われる。
 昨年4月に沖縄で開かれた全国植樹祭期間中に、京都市内では仁和寺や青蓮院などの有名寺院が過激派によるとみられるゲリラ事件で放火され、文化財が被害にあった。また、京都で植樹祭が行われた91年5月には、京都府綴喜郡田辺町の民家ガレージなどで時限式発火装置を使った放火事件が2件発生している。(京都新聞)
■JRに乗り遅れるな 来春就職学生に人気 ラッシュ並み 安定性が魅力?
 本格的な就職戦線の幕開けを前に、JR旅客6社が民営化後空前の人気を呼んでいる。去年上場を果たした東日本や来年上場が見込まれている西日本などの「優良企業」だけでなく、厳しい経営環境にある北海道、九州、四国の各JRも同じ傾向だ。長引く景気低迷で新卒者の採用りや大幅に削減をする企業が増える中で、各社とも「ほぼ今年並み」の採用を打とや、鉄道事業の安定性が学生の注目を集めているようだ。
 4月に入ってから各社に資料請求はがき、電話の問い合わせが急増しているが、学生側も少しでも自分を印象付けようと涙ぐましい努力をしている。「首都圏の混雑率緩和の方策」といった論文を添付(東日本)▽住所、氏名、自己紹介文を印刷し、写真をはった特製はがきを使用(東海)▽経営改善の提言(九州)−などだ。また、北海道では、出身や大学が北海道とは関係見送ない人たちも目立つ、という。
資料請求にひと工夫
・混雑緩和の論文つき
・写真付きで自己紹介
・経営改善の提言
 西日本は去年の同じ時期より約2万枚も多い約8万枚、東海も7万枚のはがきが来た。。九州、北海道、四国の3社は5月中旬ですでに去年届いたはがきの総数を約5割上回っている。各社の採用担当者は「JR発足後では最高の人気ではないか」と口をそろえる。
 来年度の新規採用予定者数は、まだほとんどの社が発表していないが、各社とも「今年並み」「若干減らす程度」としている。各社の今年の採用実績は、東日本が1220人(うち大卒250人)▽東海421人(同115人)▽九州248人(同48人)▽北海道100人(同37人)となっている。
 17日に来年の予定数を発表した西日本は間接部門の組織改革を進めていることもあって大卒事務系を半分程度に減らしたが、それでも大卒100人を含む400人を採用する。
 四国の担当者は「うちのような規模の小さい会社にとって、これまで採れなかった大学の学生や大学院修了者などを採用するチャンスと意気込む。一方、東海の中村満・人事課長は「各企業とも『量』より『質』の厳選採用になり、むしろ優秀な学生をめぐる争奪戦は激しくなるのではないか」と話している。(朝日新聞)
■葛城山ロープウェイ 車掌乗せずにドア開き運転
 奈良県御所市の「葛城山ロープウェイ」(全長1421b、定員51人)で9日、行楽客ら22人を乗せた下りゴンドラを車掌を乗せずに扉を開けたまま運転したとして、同ロープウェイを運行する近畿日本鉄道は17日、近畿運輸局に届けた。「索道施設に関する技術上の基準を定める運輸省令」では、転落防止策として扉の施錠と、定員16人以上のロープウェイには車掌の添乗を義務付けている。
 近鉄によると、9日午後2時50分ごろ、葛城山上駅の運転係員がゴンドラに車掌が添乗していると勘違いして、葛城登山口駅への下りゴンドラを発車させた。扉は車掌がゴンドラの中から閉めるため、左扉は開いたままだった。車掌は改札係を兼務しており、ゴンドラの発車に気付いて停車を指示。ゴンドラは約200b走行し、高さ約12bの地点で止まった。停止後、無線を使って乗客に扉を閉めるよう連絡し、その後、ゴンドラを戻した。乗客にけがはなかった。(朝日新聞)
■被害服はLサイズ 向日のJR作業着盗難 カギ、元の状態に
 向日市のJR西日本向日町保線管理室で今月上旬、JR職員の制服の作業着が盗まれた事件で、京都府警の18日までの調べで、作業着は体格の大きいL サイズが被害にあっていたことが分かった。また、入り口ドアのカギを保管する室外の箱にカギが元の状態で戻されていたといい、府警は犯行の発覚を遅らせるためとみて捜査するとともに、関東や鳥取での他の2ヵ所の被害の手口との関連を調べている。
 これまでの調べでは、JR西日本嵯峨野保線区向日町保線管理室の建物2階には、サイズがさまざまな約35着の青色作業着があった。盗まれたのは作業着上下1組と上着の3点で、サイズはALとLLサイズだった。保線管理室長のものも含まれており、服にはJRの社章や名札などがついているという。
 府警やJR京都支社によると、管理室入り口ドアのカギは室外の保管箱に施錠して入れられているが、箱の番号合わせ式の錠は何かで切断され近くで見つかった。しかし、カギは元の状態で置いてあったという。
 また、犯行時間帯は職員が不在となった今月5日午後6時半から、出勤した6日午前7時過ぎにかけての間とみられ、府警は不審な人物や車などを見なかったか付近を聞き込み捜査している。
 今回の盗難事件で、京都府警はJR西日本に、盗まれた作業着と識別ができるよう変更や工夫を申し入れた。これを受け、JR西日本京都支社は「作業着そのものの変更は難しいが区別できるよう検討したい」としている。
 また、同京都支社は事件が発覚した6日、京都支社長名で管内の駅や保線区事務所に、備品管理の徹底を文書通達した。(京都新聞 夕刊)
19日■特急「はるか」開港時から 関空ダイヤ発表
 6月15日から営業する関西国際空港の連絡鉄道「関西空港線」の開港までのJRダイヤが18日、決まった。
 阪和線の日根野駅から関西空港駅間は1日22往復(休日は21往復)。このほかに天王寺駅から空港駅への直通電車(快速)が11往復(休日は9往復)ある。
 始発は午前6時18日日根野発、同29分関西空港着。最終は午後9時48分関西空港発、同58分日根野着。運賃は日根野−空港間440円。所要時間は日根野−空港間約10分、直通で天王寺−空港間約50分。
 同線は開港準備の職員らの通勤などのため、空港会社の要請を受けて9月4日の開港よりひと足早く開業。特急「はるか」は開港時からのお目見えになる。
 新ダイヤは時刻表の6月号から掲載される。同線に相互乗り入れする南海電車のダイヤは未定。(京都新聞)
■南海 全駅終日禁煙 来月15日から
 南海電鉄は18日、同電鉄が関西新空港に乗り入れる空港線が開業する6月15日から、高野線などを含め全116駅で終日禁煙にすると発表した。
 同電鉄によると、終日禁煙にするのは各浮き改札内のコンコースとホーム。代わりの措置として、各駅に1、2ヵ所喫煙コーナーを設置するという。(京都新聞)
■JR作業着盗難 鳥取での被害 制服だけ狙う
 向日市内のJR西日本向日町保線管理室で今月上旬に職員の夏服作業着が盗まれた事件で、京都府警が関連を調べている鳥取県内の被害について、JR西日本米子支社は18日、被害内容を明らかにした。
 それによると、先月15日朝、米子市のJR西日本米子保線区事務室で、出勤した職員が名札やJRの社章がついた冬服の紺色作業着の上着1点とズボン3点やヘルメットなどが盗まれているのに気づいた。
 窓ガラスを割って侵入したらしく、制服類だけが盗まれていた。室内には小銭もあったが、机の引き出しなどを物色した形跡はなかったという。職員が引き上げた先月14日夕から15日朝の間の犯行とみられる。(京都新聞)
■JR西日本 副社長を2人に 上場にらみ経営強化
 JR西日本は、代表権のある副社長に、南谷昌二郎専務と荘司晄夫(てるお)顧問を昇格させる。今年度中に見込まれる株式上場に向け経営体制の強化を図る。25日の取締役会で内定し6月24日の株主総会後の取締役会で正式決定する。副社長ポストは、井出正敬氏が社長になって以来、空席になっていた。
 代表権を持つのは現在、会長、社長に加え、専務2人、今回、副社長を2人にするのに伴い専務はゼロになる。
 荘司氏は運輸省で航空局飛行場部長、地域交通局次長などを歴任。国鉄精算事業団理事から昨年7月、顧問に迎えられ、上場問題などで運輸省とのパイプ役を務めていた。荘司氏は、上場関連業務のほか、上場後、経営面で比重が高まる東京地区への対応も担当する。(朝日新聞)
■JR夏の臨時ダイヤ 特急・急行1万4000本増発 東海道新幹線 お盆に集中運転
 JRグループ旅客6社は18日、夏休みやお盆を中心とした夏季(7月1日−9月30日)の臨時ダイヤを発表した。期間中、全国主要46線区で増発される特急、急行は1万4046本(昨年比13%減)。東北、上越新幹線にはオール2階建て車両がお目見えする。定期列車を含む総運転本数は18万7731本(同1%減)となる。
 JRグループでは、主要46線区の下りを利用する乗客は、景気の回復遅れもあり、集中豪雨、冷夏などで振るわなかった昨年とほぼ同じの4496万人とみている。
 東海道新幹線は計1605本を増発。Uターンピークと予想される8月16、17日には集中的に臨時列車を運転する。 山形新幹線は、夏休み期間を中心に最大4往復を増発する。
 在来線では7月−8月の週末などに東海道線の「スーパービュー踊り子」を1日7往復走らせるほか「成田エクスプレス」に車両を増結し、海外旅行客の輸送力アップを図る。(京都新聞)
■リゾート博や丹後へ特急増 JR西日本
 JR西日本は18日、7月1日から9月30日までの夏の臨時列車運転計画を発表した。期間中の増発は、夏休みやお盆の帰省時期を中心に山陽新幹線759本、在来線2878本の計3637本で、ほぼ昨年並み。
 海のレジャー向けには、世界リゾート博(和歌山市)が開催される南紀方面の特急「マリンくろしお」をはじめ、若狭(福井)、但馬(兵庫)、丹後(京都)方面の特急をそれぞれ増発する。
 また、山のリゾート向けには今季から、寝台車を連結した長野方面への夜行急行「リゾート白馬」を神戸から運転する。
 同社は期間中、前年をやや上回る約2066万人の利用者を見込んでいる。(京都新聞)
■JRが夏の臨時列車
 JR6社は18日、夏季期間(7月1日−9月30日)に運転する臨時列車のダイヤを発表した。新幹線と特急、急行は1万4046本を増発する。
 JR西日本では、期間中、2066万人の利用客を予想し、新幹線759本、特急、急行2878本の計3637本を増発する。
 のぞみ(新大阪−博多)をお盆期間中の8月12、13、16の3日間に1本ずつ増やすほか、上越新幹線と接続して北陸と東京を結ぶ特急「かがやき」(金沢−長岡)を臨時列車として初登場させる。
 このほか、和歌山県内で開催する「世界リゾート博」にあわせて快速「世界リゾート博号」(天王寺、大阪−海南)を7月16日から8月31日まで運行する。(朝日新聞)
■JRの作業員3点など盗難
 向日市森本町上町田のJR西日本嵯峨保線区管理室から、作業着3点などが盗まれていたことが18日、分かった。向日町署では窃盗事件として調べている。
 JR西日本によると、5月6日午前7時10分ごろ、出勤してきた社員が事務所ドアの非常用かぎ箱の南京錠が壊されているのに気づいた。事務所を調べたところ、夏用作業着3点と名札、社章、ワープロなどが盗まれており、向日町署に通報したという。
 同署の調べでは、5日午後5時すぎに社員が施錠して帰社したといい、同夜から6日朝までの間に盗まれたと見ている。
 また4月15日に鳥取県の米子保線区からも作業着などが盗まれているという。
 府警では悪用される恐れもあると見て、各署に手配、警戒している。(朝日新聞)
■電車にはねられ重傷 東山区のJR奈良線
 19日午前9時10分ごろ、京都市東山区本町22丁目のJR奈良線で、同区福稲下高松町、無職高橋ゆくえさん(81)が京都発奈良行き不通電車に接触して転倒、胸の骨を折り1ヵ月の重傷を負った。電車は現場に約10分間停車、後続の電車上下2本が運休したほか、1本が10分遅れ、約750人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
20日■故障で電車運転中止 JR奈良線に乱れ
 19日午後零時35分ごろ、JR奈良線東福寺駅(京都市東山区)を、京都発奈良行き普通電車=4両=が発車しようとしたところ、時速20`ほどしかスピードが出なくなり、2つ目の桃山駅で運転を取りやめた。乗客約50人は、後続の奈良行き快速電車の桃山以南を各駅停車に変更して乗り換えた。
 このため上下合わせて快速4本、普通3本が一部または全区間運休、快速など7本が47分−5分遅れ、約2500人に影響が出た。(京都新聞)
21日■東西線問題 来月末に結果報告 京都市理事者答弁 5大事業へ影響ない
 京都市の5月定例市会は20日本会議を再開し、一般質問を行った。9議員が、高齢社会対策計画の推進、繊維産業の振興対策などについて質問した。地下鉄東西線の建設費膨張問題では、田辺朋之市長が建設費や工期の点検について「6月末を目標に精査を進めており、結果は議会にも報告、市民にも知らせたい」と答弁、点検・推進委員会でチェックの途中であることから、中身への言及は避けた。
 また、交通局の人事異動で局長級を大幅に入れ替えた点について、田辺市長は「市長部局との連携強化を図るため」と説明。東西線沿線で進めている都市整備関連の5大ブロジェクトへの影響については、内田俊一助役が「地下鉄事業の遅れによる事業費増などはない」との見通しを示した。
 地方分権にからんで、区役所機能の見直しを求めるべきではないか、との質問に、田辺市長は「区長にはスモール市長としての役割を期待している。区役所の機能と権限の見直しは市政改革本部の重要課題」と区役所機能の充実を図って行く考えを示した。高齢者福祉対策については、保健所と福祉事務所を連動させてサービス強化に務める考えを示した。
 このほか、ごみ問題で、藤野雅彦清掃局長は、再資源化施設について「本年度に施設規模や建設場所など具体的整備計画をまとめたい」とめどを明らかにしたほか、フロン対策については、廃棄冷蔵庫からのフロン回収を実験的に始める方針を示した。(京都新聞)
■JR 関空への特急 女性車掌13人誕生
 「関西空港へのアクセス特急には、ベージュの制服、制帽の若い女性車掌13人が交代で乗務します」−JR西日本は20日、関西空港の開港に合わせ9月4日から運転を始める特急「はるか」に起用する女性車掌の乗務計画を発表した。女性車掌は旧国鉄時代、徴兵で男性が不足した太平洋戦争中に臨時的に乗務させたことがあるが、正式に大量採用するのは全国でも初めてという。
 第1期生は13人で、社内の約400人の女性社員から「語学堪能」などを条件に採用した。6月から研修に入り、9月4日から乗務を始める。(朝日新聞)
■野原にポツンとある駅ならば−近鉄 お日さまサンサン使わにゃソンソン 「ソーラー冷暖房」待合室で実験開始 1時間当たり電気代約60円「お得」と試算−菖蒲池駅でデータ集め
 太陽光で駅待合室の冷暖房を賄おうと、近畿日本鉄道は今月から太陽電池を使った冷暖房システムの実験に乗り出した。奈良線菖蒲池(あやめいけ)駅をモデル駅にして、通常の電気代との経費比較などのデータ収集を来年3月まで行う。近鉄は「野原にポツンとあるような駅は日当たりも抜群で数も多い。できれは無尽蔵の太陽エネルギーを利用したい」と期待が膨らんでいる。
 近鉄技術研究所によると、菖蒲池駅に設置したのは、最大出力1`ワットの「ソーラー冷暖房システム」。駅待合室の屋根に縦約1b 、横約4.7bの太陽電池を2セットを取り付けた。天気の良くない日など太陽電池の電力が不足した場合は、通常の家庭用電力で補う仕組みになっている。来年3月まで日射量と発生電力量、家庭用電力の使用割合などのデータを収集する。
 近鉄は1989年から駅待合室の冷暖房化に乗り出しており、これまでに347駅のうち126駅の整備が終わった。同社によると、1`ワットの冷房装置の場合、1時間当たりの電気代は100円弱だが、1駅につき平均10時間冷房装置を使うため、全体の電気代は安くはないという。菖蒲池駅に設置したシステムでは、1時間当たりの電気代は40円弱で済むとの試算をはじいており、これを全駅に設置できれは大幅な経費節減が図れると期待している。
 クリーンで無尽蔵の太陽光利用の発電は、通産省が今年度から個人住宅用の助成制度を始めるなど普及に力を入れている。(朝日新聞)
■新幹線線路に児童が石投げ 神戸、警察が注意
 神戸市西区のJR山陽新幹線の線路内に向け、小学生らが石などを投げる「遊び」を繰り返して、神戸西署が近くの小学校に指導、注意を呼び掛けていたことが21日分かった。今月11日、同区大津和の新幹線線路上に角材などの廃材や小石が散乱しているのをJR西日本の職員が発見、回収。同署が列車往来妨害の容疑で捜査していた。
 現場は線路沿いの丘陵地で、宅地造成地などもあり、子供たちの遊び場になっていたという。
 小学校では16日、全校朝礼で校長が「危険だから新幹線の線路には近づかないように」と注意。各クラスでも担任の教諭が厳しく指導したという。(京都新聞 夕刊)
■梅田−甲子園 回数券発売 28日から阪神電鉄
 好評を続けているプロ野球阪神戦の観戦に一役−。阪神電鉄は梅田−甲子園間に限り、カード仕立ての回数券「タイガースきっぷ」を28日から販売する。同社のカード式回数券は初登場。1枚大人1300円、子供670円で、同区間を6回乗車でき、6%の割引となる。裏面には乗車日時、乗車駅が印字される。使用期間は今年6月1日から10月31日まで。(京都新聞 夕刊)
22日■ちょっといい話 すてきな運転手さん 左京区・中島恵美子(48)
 新緑に誘われて、先日、嵐山へ行った時のことです。帰りの市バスの中で、とても心安らぐすてきな運転手さんに出会いました。
 修学旅行らしい数人の生徒が、なにやら尋ねていますが、どうも目的地と反対行きのバスに乗ってしまったようです。
 私は「かわいそうに、冷たくあしらわれたらどうしよう…」と心配しながら見ていましたが、その運転手さんはにこやかに丁寧にこたえられて、運賃も受け取らず、そのまま何もなかったように次の駅へ発車しました。
 一番前の座席に座っていたので運転手さんの横顔がよく見えましたが、穏やかな心の方であることが運転の端々ににじみ出ていて、とてもいい気分でした。
 嵐山の雑踏にちょっとうんざりしていて疲れていたのもすっかり忘れさせてもらいました。(京都新聞)
23日■天の橋立おりたちて…  KTRに鉄道唱歌の替え歌 始発駅から終点まで 旅情豊かに表現 幹部が作詞
 北近畿タンゴ鉄道(KTR=本部・宮津市)に、宮津・宮福両沿線の様子を歌った鉄道唱歌の替え歌が出来上がった。同鉄道の幹部が作詞、舞鶴の赤れんがや日本三景・天橋立、ドッコイセの福知山音頭と、旅情ゆたかなご当地ソングにのせて、鉄道マンの高らかな歌声が聞こえてくる。
 「汽笛一声 新橋…」ではじまる鉄道唱歌のメロディーを、KTR沿線におきかえた替え歌で、「宮津線流し歌」(17番)と「宮福線流し歌」(15番)の2曲がある。それぞれ始発駅から終点まで沿線各駅の名所や風景を歌詞に盛り込んだ。
 同社幹部が、同鉄道の心意気や沿線風景がかもし出すロマンを表現しようと、社内向けにつくった。希望があれば、団体臨時列車など利用する乗客にも歌集を配りたい、という。
 桃山昭治KTR事業本部長は、「地域に根ざした鉄道として、いいムードづくりができたら、と思って社内の懇親会などで歌っています」と、話している。
 主な歌詞は次の通り。カッコ内駅名。
 ▽宮津線「出発進行 宮津線(中略)赤いレンガが 人気呼び 人目千両 五老岳」(西舞鶴)、「天の橋立 おりたちて 智恵の文殊に手を合わせ」(天橋立)、「琴引浜は 砂が鳴る(中略)咲いて人呼ぶ チューリップ」(網野)
 ▽宮福線「「お城とドッコイセの名が高い」(福知山駅)、「鬼の瓦の公園に 童子の噴水 人が寄る」(大江)(京都新聞 夕刊)
24日■市会委て交通局答弁 経営厳しい地下鉄東西線 市、一部業務を委託 市交通事業振興公社に 効率運営を図る
 京都市会の交通水道委員会が23日開かれ、建設費の膨張で厳しい経営状況となる地下鉄東西線の運営問題などについて質疑が行われた。また、建設財源の確保問題では、「委員会としても、議会としても、議会として国への要望活動を行うべき」との提案が行われ、今後、市会としても市と歩調を合わせて国に対し建設財源の確保を求める活動を行う方向で、協議することになった。
 東西線開通後の業務の委託問題では、江草哲史交通局管理本部長は、「基本的な部分を除き、公社に委託したい」と市交通事業振興公社への業務委託を積極的に進め、効率経営を図る考えを強調した。
 公社は財団法人で、交通局の出向職員やOBらで地下鉄烏丸線でも施設のメンテナンスや駅の施設管理、御池ギャラリーの運営、運賃収入金の搬送業務などを請け負っている。建設費が当初計画に対し約1500億円の膨張となった東西線では、第三セクター部分の建設費で財政投融資の資金を使用、金利負担もあって厳しい経営状況となるのは必至と見られている。
 市は料金設定などについては、これまで烏丸線との整合を考える−などと答弁しており、膨大な建設費を償却、経営の健全化を進めるには、大幅な業務委託が不可欠との認識を示した。
 委員会では、東西線建設費膨張問題点検・推進委員会のチェック状況や、国との折衝状況などについて質問が出た。三浦貞義管理者(交通局長)は中間報告を求められたのに対し、「できる限り市会に報告する」と述べ、予定されている6月末の見直し結論までに、中間的な報告をする考えのあることを明らかにした。(京都新聞)
■自動指定券発行機設置へ JR信神戸駅など
 JR西日本は23日、利用者自身が機械操作し、新幹線などの指定券が買える「自動指定券発行機」を新神戸、大阪両駅に2台ずつ設置すると発表した。
 同種の発行機はJR東日本、JR西日本で既に設置しており、新神戸駅で今月24日から、大阪駅では30日から利用することができる。
 発券は液晶画面の指示通りに操作し降車駅、禁煙・喫煙席などの希望に合わせ、機械の設置駅からの指定券が購入できる仕組み。大阪駅の1台は北陸方面への雷鳥など特急専用となる。(京都新聞)
■新快速、ドア開かず JR山科駅で騒ぎ
 23日午前11時25分ごろ、京都市山科区のJR東海道線山科駅に到着した草津発姫路行き新快速電車(8両編成)の、前から4両分のドアが開かなくなった。気付かず発車したが、ホームに取り残された乗客に指摘され、200b行き過ぎて停車。バックして乗客を1人乗せ、3人を降ろした。バックした後は正常に開閉でき、その後も異常はなかった。
 このため同電車が7分、後続の普通電車1本が2分遅れ、約800人に影響が出た。(京都新聞)
■地下鉄東西線の駐輪場 山科駅など4駅 「撤去」の悪評ここでも
 京都市が建設を進める地下鉄の駐輪場問題が23日、市議会交通水道委員会で取り上げられ、市交通局は東西線の駐輪場が800−1000台規模になると明らかにした。烏丸線で建設中の北山−国際会議場間の駅では、「可能なら設置の方向で協議中」として計画を示さなかった。東西線の13駅のうち、駐輪場計画があるのは4駅のみで、「駐輪場がないので、自転車を撤去される」と評判が悪い地下鉄駅の問題が、東西線でも繰り返されそうだ。
 事業主体の市建設局などによると、東西線で駐輪場計画があるのは醍醐、椥辻、東野、山科の4駅。このうち、市街地再開発事業にあわせて建設される山科駅は1900台分が予定され、残る3駅の駐輪場を建設局が街路事業として進めている。料金について建設局は「管理上、有料が一般的」と話している。
 委員会では、京阪出町柳駅周辺で2000台もの自転車が放置されていた問題や、烏丸線北山駅の駐輪場が有料のため利用率が低い点も指摘された。
 市交通局は「自転車が都市交通の一端を担っているのは認識している」としているが、用地の問題が最大の障害となり、東西線の他の9駅での駐輪場の建設予定は、ないという。(朝日新聞)
■わたしの作品 緑の電車 和田富美 京都市伏見区羽束師古川街・主婦・53歳
 私はつり革にぶら下がりながら、あのとき、あのまま夫と一緒に自動車で行けばよかった、と後悔していた。この季節、新緑を分けいるように走る、この電車にどうしても乗ってみたかった。
 「どっちが早く着くかな」冗談をいって、出街柳で別れた。次のにすればいいものを、発車間近な電車に乗ってしまった。車内は行楽客でいっぱいだった。降りる乗客は1人もいない。私は自分の体が丈夫でないことを忘れていたのだった。
 鞍馬駅は木の芽煮の香りに包まれていた。私は門前の石段に腰を下ろし、足を伸ばした。祇園さんの石段ではこうはできないなあ、と思いながら、夫を待った。行けるところまで行こう。重い腰をあげた。
 鞍馬山の精気をいただいたのか、青空の下でのおにぎりがおいしかったせいか、私は元気がでてきた。木の根道、魔王堂を越え、貴船に抜けた。私は貴船川にほてった足を浸した。その水はもったいないほどに美しい。
 車をとりに、貴船口から電車に乗った。たそがれ近い鞍馬行きは空いていた。私は運転士の後ろに立って、電車ごと緑に染まってゆく自分に、酔いしれていた。(京都新聞 夕刊)
■ダイヤひと筋職人芸 JR西日本電算化し運用開始 3ヵ月の作業わずか15分に
 通称「スジ屋」。列車運行の命といわれるダイヤグラム(列車運行図表)を作成してきた専門職が資を消す日が近づいている。JR西日本は、コンピューターによって瞬時にダイヤグラムを作成する装置の運用を始めた。スジ屋が約3ヵ月かかって書き上げていたものを、新装置はわずか15分で仕上げる。同社は今後、スジ屋の知識を徐々にコンピューターに覚えさせる計画で、「一人前まで10年」という職人芸を新入社員が操る時代を迎える。
 大阪市阿倍野区にあるJR西日本大阪支社輸送課。西岡泰樹さん(44)はいま、9月4日の関西空港の開港とともに走り出すアクセス特急のダイヤ作成に追われている。縦紬に駅、横軸に時間が記された紙の上に、列車の運行を示す斜線が黒や青のボールペンで何本も引かれていく。
 昨年9月から取り組み始めた関西空港用ダイヤも大詰め。「これからはコンピューターの画面をにらんでやることになるんでしょうか」と、スジ屋15年の西岡さんは不安げに語った。
 JR西日本の輸送計画は私鉄と違って路線網が多い上、特急や急行などを多数走らせる。このため作業を正確に行うには大勢のスジ屋が欠かせなかった。「列車の接続はいいか」「ラッシュ時の運転間隔はもっと縮まらないか」。約100人が斜線を引いては消して、便利なダイヤを作成してきた。
 しかし、同社によると、ダイヤの全面改正ともなると、作業が1年がかりというのはざら。東海道・山陽線の場合、決定した運転時刻表をダイヤグラムに書き直すだけでも3ヵ月間はかかるという。しかも、専門職だけに人材の育成にも相当な年月が必要で、数年前からコンピューター化を検討していたという。
 運用を始めた新装置は、駅間距離や列車の走行データなどをあらかじめ登録しておけば、白紙の状態からでも部分修正の場合でもダイヤが組め、瞬時にダイヤグラムや運転時刻表を印刷できるという。同社は「まだ、ベテランの味はとても出せないが、この先3−5年間でスジ屋の知識をすべてコンピューターに覚えさせる」と、様々な機能を増やして大幅な時間短縮と省力化を進める考えだ。
 「自分でダイヤをつくり上げるというのは鉄道屋の最高の喜びだと思う。限られた人間だけでなく、全員がそれに携われるようになるなら素晴らしい」と、西岡さんは話した。(朝日新聞 夕刊)
■新神戸・大阪駅に自動指定券発行機 JR西日本
 JR西日本は23日、東海道・山陽新幹線や北陸線の指定席特急券などを利用者の操作によって発行する自動指定券発行機を新神戸駅と大阪駅に設置すると発表した。
 新神戸駅は24日午前9時から使用開始、大阪駅は30日午前9時から使用できる。操作は、テレビ画面の案内に沿って乗車区間や希望列車を選べばよいという。(朝日新聞 夕刊)
■出向命令の差し止め申請 JR東海の社員3人
 新幹線の車掌や駅員から、車内の清掃などの仕事を請け負う会社に出向を命じられたJR東海(本社・名古屋市)関西支社の車掌長、新谷完次さん(55)ら社員3人が出向命令の差し止めを求める仮処分を24日、大阪地裁に申し立てた。
 ほかに申し立てたのは、新谷さんと同じ大阪車掌所の車掌長(57)と新大阪駅の営業主任(54)で、3人とも国労新幹線支部の組合員。
 申立書によると、JR東海は60歳定年制の実施に伴って1990年、54歳になると原則として出向することなどを骨子とした協定を労働組合と締結したが、その後も運転士と車掌、駅員については希望者だけを出向させていた。
 ところが、会社側は今年2月、この3職種でも54歳以上の社員全員に出向を打診。新谷さんら3人は出向先や労働条件などの提示を求めたが、応じてもらえず、5月になって、車両や駅舎の清掃の請負会社に6月1日付で出向するよう通告された。(朝日新聞 夕刊)
25日■JR山陰線 二条−花園間 立体交差化 1年遅れ 用地買収など難航
 JR山陰線の連続立体交差化事業が予定より遅れることが24日、京都市会建設委員会で明らかになった。鉄道部分の高架部分の高架切り替えは来年度にズレ込む見通しで、市は近く同事業に関する協定の延期についてJR西日本と協議する。
 山陰線の連続立体交差化事業は、二条−花園間(4.12`)を高架化、側道3路線の整備を進め、12ヵ所の踏切を除去して都市機能の向上を狙いに89年度から着手している。事業費約260億円で、94年完成を目指していた。
 市会建設委で西村伊久夫建設局街路部長は「予定の1994年いっぱいは難しい。高架構造への新鉄道の切り替えは1995年度中にしたい。JR側と協定の変更について協議する」などと同事業が遅れていることを明らかにした。工事そのものの遅れと一部の用地買収の難航などが原因とみられる。
 市は、本年度中にJR西日本との間で、事業年度の延長や事業費の変更などの問題について協議、協定の延期を図る考え。また、同事業に関連する円町駅(仮称)の開設についても協議、別に協定を交わす方針。
 このほか建設委では、水辺再生整備事業計画の策定もだされ、中村浩土木部長は「140余りの市の管理河川のうち、具体的にどれだけの整備が可能か調査している」と述べ、新基本計画に沿って市民の生活環境の整備準備を進めていることを説明した。(京都新聞)
■信楽鉄道事故 検察審議決書 JR側の予見困難
 信楽高原鉄道列車衝突事故で大津地検は、先にJR西日本関係者7人を不起訴としたが、その不起訴理由が大津検察審査会の「不起訴は不当」とする議決書によって初めて明らかになった。議決書によると不起訴理由は「事故は高原鉄道の極めて異常な行動によって引き起こされ、JR西日本の7人には予見は困難だった」としておりこれに反発する「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人)は来月7日、不起訴理由についての意見書を同地検に提出する。
 同鉄道事故では、遺族の会が一昨年12月、JR西日本の運転手や当時の社長ら7人を大津地検に業務上過失致死傷罪などで告訴告発し、同地検は昨年3月、全員を不起訴処分とした。この時、遺族の会には結果のみが通知され、不起訴理由の開示請求に対し地検は「通知義務はない」として明らかにしていなかった。
 遺族からの不服申し立てを受けた検察審査会では昨年4月、地検に対して不起訴理由を資料として提出するよう申し入れ、今年4月28日、「不起訴は不当」とする議決を行った際、この議決書の中で検察側の不起訴理由を明らかにした。
 議決書によると、不起訴理由は、▽方向優先のテコの設置で信楽駅の出発信号が赤固定されることは予見困難▽直通乗り入れについても十分な教育や訓練をしていた▽高原鉄道列車が代用閉そく方式所定の手続きをとらずに出発したことは極めて予想困難−などとしている。
 これに対し遺族の会は「高原鉄道に無断で方向優先テコを設置したうえ、すれ違い列車を待たずに漫然と発車させたJR西日本の安全注意義務違反は明らか」と反発。不起訴理由と検察審査会の議決に対する同地検の見解をただす意見書を提出することを決めたという。
・開示は有意義だ 板倉宏・日本大教授(刑法)の話 議決に拘束力を持たない検察審査会制度だが、遺族が知りたがっていた不起訴理由を開示できたのは有意義だ。刑事手続きを経て明らかになった不起訴理由は、鉄道両社を相手取った損害賠償裁判や遺族の運動の資料として有効な利用が機体出来る。(京都新聞)
■線路上に女性はねられ即死 阪南市の南海線
 25日午前5時23分ごろ、大阪府阪南市箱作の南海線で、線路上にしゃがみこんでいた女性が、和歌山市発なんば行き準急電車(6両)にはねられ即死した。この事故で、準急電車が現場に約8分間止まった。
 泉南署の調べでは、女性は50から70歳で、身長約150a。同署は自殺の可能性が高いとみて、身元を調べている。(朝日新聞 夕刊)
26日■アッ「修学旅行」出て行った! 新幹線京都駅 JRミス、ドア開かず 京の児童ら117人 1時間遅れ出発
 25日午前10時ごろ、JR京都駅に到着した修学旅行生用の臨時列車ひかり35号(東京発博多行き)がドアを開けないまま発車、乗車を予定していた京都市立祥栄小学校(京都市南区)の6年生児童ら117人がホームに置き去りにされた。児童らは1時間10分後ののぞみ7号で修学旅行先の広島へ出発した。
 JR東海によると、同社営業本部と鉄道事業本部の連絡ミスのため、京都駅からの同小児童の乗車が列車に知らされていなかった。京都駅からの乗車予定は同小児童だけだった。ひかり35号には東京、中部地区からの修学旅行生1140人が乗っていたが、京都駅で下車しなかったためドアを開けなかった。京都駅には1分30秒間停車した。修学旅行生用の臨時列車はひかり停車駅に止まることになっているが、誤って乗車しないよう乗り降りのない駅ではドアの開閉はしていないという。
 JR東海では午前11時12分ののぞみ7号に指定席を確保し、同小児童らを運んだ。このトラブルで、広島駅には予定より約40分遅れの到着となった。(京都新聞)
■駅の自販機 釣り銭被害で返却用にも 「イラン硬貨」には「イラン硬貨」 JR東日本 「過剰防衛」と回収
 イランのコインを使い、JRが直営する駅の清涼飲料水自動販売機から500円硬貨がだまし取られる被害が相次ぎ、業をにやしたJR東日本の事業部が、防衝手段として回収したイランコインを販売機の釣り銭に使っていたことが25日分かった。
 JRでは「正規客に被害はなかったはず」としているが「過剰防衛。詐欺行為ではないのか」との内部批判が出たことから、2日間で慌てて中止していた。
 使われたのはイランの50リアル硬貨。寸法などが500円硬貨にそっくりで機械に入れると500円として認識される。自販機に50リアル(日本円で約3円)硬貨を入れ、取り消しボタンを押すと、50リアル硬貨は自販機内の釣り銭籍上部に収納され、籍の最下部につり銭用に用意した500円硬貨が払い戻される。
 JR東日本東京地域本社事業部の東京第一ベンディング事業所では、5月22、23の両日、京葉線の東京、八丁掘、越中島の各駅に設置された18台の自販機の釣り銭箱の最下部に4、5枚ずつのイラン硬貨を仕掛け、50リアルを投入し取り消しボタンを押しても、50リアル硬貨が戻るよう仕掛けた。もし一般客から苦情が出た場合は500円を払い戻すよう各駅の助役などに伝えていた、としている。
 JRによると、同事業所からの報告を受けたJR東日本地域本社が「行き過ぎだ」と判断、24日以降はこうした防衛措置はとらないよう全社的に通達を出したという。
 釣り銭箱に仕込んだ50リアル硬貨は22、23日の2日間で延べ154枚だが、JRでは、仕掛けた枚数はすべて回収できているので、正規客に被害はなかった、と話している。
 JR東日本の東京地域では同21日にも自販機でイラン硬貨69枚が使われる被害に遭っており、同様の手口に頭を悩ましているが、今回の措置は、詐欺罪にも問われかねず、波紋を広げそうだ。(京都新聞)
■JR7社 東日本除き減益 西日本「のぞみ」の運賃増
 JR7社は25日、1994年3月期決算を発表した。旅客6社の売上高は、景気低迷や天候不順で乗客数が伸び悩んだが、駅ビルの賃貸収入など関連事業収入が増えたこともあり、全体としてほぼ前期並みだった。また経常利益は東日本を除き、前期に続いて減益となった。JR貨物は87年の設立以来初の経常赤字となった。旅客6社の売上高は、東日本と四国が減収で、他の4社は増えた。東日本の減収はわずかとはいえ、設立以来初めて。定期券収入は66億円増えたのに、定期券以外の運賃収入が165億円減っており、長距離客の落ち込みが響いた。東海は新幹線収入が前期並みだったが、在来線収入が少し減った。西日本は新幹線「のぞみ」を増発した効果が出て、鉄道運賃収入が45億円増えた。
 鉄道など本業の利益である営業利益は人件費などが増えたこともあって、本州3社とも減益。北海道と九州は営業赤字が3%前後減ったが、四国は逆に赤字が2.7%増えた。
 一方、金融収支などを含めた経常利益では東日本だけが増益となったが、これは長期債務を1350億円減らしたことで金利負担が減ったためだ。
 JR貨物が経常赤字になったのは、景気低迷やコメの不作で輸送量が前期より4.5%減ったために減収となったうえ、長期債務の金利負担増が響いた。とくに、大雨や地震など自然災害で輸送が減ったことよる減収が28億円、輸入米の増加にもかかわらず、国産米の取り扱い減少で差し引きによる純減収は15億円に上ったという。(朝日新聞)
JR7社の1994年3月期決算
 売上高営業利益経常利益
東日本19743
(▼ 0.3)
4165
(▼ 5.1)
1015
(  0.6)
東 海11138
(  0.3)
3910
(▼ 3.4)
643
( ▼ 4.9)
西日本9376
(  1.6)
1365
(▼ 5.4)
547
( ▼ 1.9)
九 州1725
(  3.2)
▼267
(   -)
14
( ▼59.1)
北海道1059
(  0.5)
▼453
(   -)
5
( ▼60.4)
四 国501
(▼ 2.2)
▼113
(   -)
24
( ▼35.3)
貨 物2058
(▼ 4.8)
18
(▼66.0)
▼38
(   -)
〔単位は億円、▼はマイナス、
カッコ内は前期比増減率%〕
■「上場の業績を確保」西日本の井手社長語る
 JR西日本の井手正敬社長は25日の決算発表の記者会見で「上場基準を上回る業績も確保できた。風向きはいい」と今年度中にも予定されている上場に自信を見せた。
 1994年3月期決算が、経常利益が前年比1.9%減の減益になったものの、547億円という経常利益そのものは、上場直前期の基準(経常利益400億円)を軽くクリアしたため。520億円としていた93年9月期時点での見通しも上回った。近畿圏の都市部を中心とした定期収入の増加が貢献した。
 また、同社はこの日、6月24日付で副社長に南谷昌二郎専務(昇格)と荘司晄夫(てるお)顧問(新任)を就任させる人事も内定した。副社長ポストは井手氏が社長になって以来、空席になっていたが、上場などに備え、経営体制を強化する狙い。(朝日新聞)
■修学旅行の新幹線 ドア開かず 小学生ら117人一時置き去り 京都駅
 25日午前10時ごろ、東海道新幹線の京都駅で、東京発博多行きの修学旅行専用列車のドアが開かず、広島へ向かう予定だった京都市内の小学生ら117人が乗車できなかった。JR東海によると、切符を発売した営業本部の担当者が、運転計画を立てる鉄道事業本部に京都駅からの乗車があることを連絡していなかったため、という。児童らは約1時間待ち、後続の「のぞみ7号」で広島駅に、予定より約40分遅れで到着した。
 乗車できなかったのは京都市南区にある市立祥栄小学校の6年生の児童ら。(朝日新聞)
27日■地下鉄東西線安朱工区 案内の工事主任ひかれ死亡 高校生見学 作業車気づかず
 26日午前11時25分ごろ、京都市山科区御陵大谷町、地下鉄東西線安朱工区山岳トンネル工事現場で、見学の高校生を案内していた前田建設工業工事主任小田秀樹さん(40)=吹田市千里山東=が、バックしてきた作業車(17.3d)=河野義昭さん(38)運転=の右後輪にひかれて下敷きになり、全身を強く打ち1時間後に死亡した。同線建設工事では昨年5月、同区の御陵工区で、クレーンでつり上げていた資材が付近を歩いていた老女に当たり死亡する事故があった。
 山科署の調べでは、現場は地下約18bで、南北2本のトンネルの掘削工事を行っている。土砂運搬用の作業車を運転していた河野さんが、立て坑の土砂集積場で待機していた削岩機と入れ替わるため、バックしていた時に小田さんに気づくのが遅れたらしい。同署では業務上過失致死の疑いで河野さんから事情を聴いている。
 この日は、三重県の県立上野農業高校(平井幸郎校長)の農業土木科の男子生徒38人が見学に訪れていた。高校生は現場から約70b離れたトンネル先端の掘削個所を見学中で事故は見ていなかった。小田さんは安全を確保するために、土砂集積場に残り、工事の中断や開始を指示していたという。
 学校の説明では、京都市の地下鉄工事現場の見学は初めて。この日は日帰りの予定で午前10時に、現場に到着し、2班に分かれて安朱工区を見学していた。
 引率した春日孝男教諭(26)は「見学が終わりかけたころ、突然、複数の人が大声で叫び合うのが聞こえた。地上に上がってから、事故があったと聞き、夕方、学校に戻ってから死亡事故と知った。亡くなった方があるとは、生徒も知らなかったと思います。気の毒なことです」と話していた。
・昨年にも死亡事故
 地下鉄東西線工事では昨年5月、山科区・御陵工区でクレーン車でつり上げていた排水パイプが外れ、パイプに接続していたゴムホースが歩行中の女性(83)に当たり、女性が死亡する事故があったほか、12月には道路上を覆っていた鉄板が落ちて、道路が陥没する事故などがあった。
 このため、山科署は昨年12月15日に、東西線工事の現場責任者や市交通局関係者を集め、事故防止連格協議会を開催。事故防止の徴底を申し入れていた。
・安全対策を再点検 交通局
 高校生の見学中の労災死亡事故の発生を受けて、京都市交通局は同日午後5時から記者会見し、山口巌・高速鉄道本部長が「安全管理については徹底してきたが、こういう事故が起きたことは残念。工事の共同企業体と早急に対応を協議し、安全対策を再点検するまで当面の間、安朱工区の工事を中止する」と述べた。
 市交通局によると、高校生の見学は、地下鉄建設への理解を深めてもらう意味もあって受け入れている。これまでに京都市立伏見工業高校や福井県立大野東高校の生徒が中京区の「二条駅工区」や「堺町工区」を見学している。
 安朱工区 地下鉄東西線の「安朱工区」(山科区安未中小路町−同区御陵別所町)は全長1060b。大手ゼネコンの大成建設など5社の共同企業体(JV)が請け負い、91年7月に着工。中間立て坑の東側253bの区間を山岳トンネル工法、残りの区間をシールド工法で掘り進めている。完成は95年末の予定。
・現場へ女性立ち入り 記者はダメで 捜査員はOK
 京都市山科区の地下鉄東西線工事現場で26日発生した労災死亡事故で、報道陣を現場に案内した工事関係者が「作業員の気持ちに配慮してトンネル内に女性が入るのは遠慮してほしい」として、現場に女性記者が立ち入らないよう要請した。このため、男性記者が一部女性記者のカメラを預かり、現場を撮影した。
 トンネル工事をめぐっては、「女性が工事中のトンネル内に入ると山の神の怒りに触れる」などの言い伝えがあるとして、これまでに長崎県や山形県などで女性記者が取材を拒否されている。一方、1990年には、京都府船井郡園部町の京都縦貫自動車道・熊崎トンネルの貫通式で、同町の女性広報職員が中に入り、取材したケースもある。また、府警によると、この日、女性捜査員は現場に入ったという。(京都新聞)
■神戸−新空港の運賃 マリンルート2970円に
 神戸航空交通(本社神戸)、海上アクセス(同)両社は26日、神戸市中心部と関西国際空港をリムジンバスと水中翼船で結ぶ「神戸マリンルート」の運賃などを発表した。
 JR三ノ宮駅−神戸・ポートアイランド間のリムジンバスが320円、ポートアイランド−新空港旅客ターミナル間が水中翼船とバスで2650円。JR三ノ宮−新空港は計2970円となり、待ち時間を含まない所要時間は49分で、JRや阪神高速を利用するよりは約20分早いという。
 本数はバスが1時間に2−3本、水中翼船が1時間に1−2本の予定。(京都新聞)
■たそがれ奥嵯峨野やトロッコ列車映画村 京阪バスが6月から
 京阪バスは恒例の「たそがれ奥嵯峨野高尾」コースを6月11日から8月末まで、「トロッコ列車と映画村さがの」コースを6月2日から12月11日まで運行する。
 いずれも2階バスで、たそがれ奥嵯峨野高尾コースは、千灯供養で知られる化野念仏寺を訪ね、高尾では川床料理を味わい舞妓と語らう。連日、京都駅烏丸口を午後5時10分発。約4時間。2階席で大人1万8050円、小学生までは1万4920円。
 トロッコ列車と映画村さがのコースは、嵯峨−亀岡間のトロッコ列車に往復乗車、東映映画村、嵯峨野散策を楽しむ。同烏丸口午前9時半で7時間前後。2階席で大人8020円、小学生まで3960円。申し込み、問い合わせは定期観光バス予約センター075(672)2100へ。(京都新聞)
■地下鉄工事現場 高校生誘導し事故死 工事主任 近くで41人見学中 京都市職員ら同行 運搬車にはねられ市、対策急ぐ
 26日午前、京都市が建設を進めている地下鉄東西線の工事現場のトンネル内で、見学にきていた三重県の高校生を誘導していた工事主任が、ホイルローダー(土砂運搬車)にはねられて死亡した。当時、38人の高校生は現場を離れていて無事だった。京都市は事故の模様を調査したうえ、見学のあり方などを検討するという。
 午前11時25分ごろ、山科区御陵大谷町の地下約18bにある地下鉄東西線安朱工区のトンネル坑口付近で、工事主任の前田建設工業勤務小田秀樹さん(40)=吹田市千里山東四丁目=が、坑口からバックで出てきたホイルローダー=河野義昭運転手=の右後輪に巻き込まれた。病院に運ばれたが胸を圧迫されており、まもなく亡くなった。山科署の調べでは、河野運転手が後ろをよく確認しなかったらしい。
 この日、現場には三重県上野市の県立上野農業高校農業土木科の男子生徒38人と引率教論3人が日帰りで現場学習にきていた。2班に分かれ坑内を見学しており、事故発生時は、16人の生徒が現場から約75b離れた坑内で、22人の生徒が別のトンネルを見学していた。京都市交通局や同下水道局、共同事業体の職員計5人が誘導や説明のために同行していた。死亡した小田さんはその一人で、生徒の一団から一時、離れた時に事故にあったらしい。
 引率した同校教諭によると、最初は事故に気付かなかったが、見学を終えて引き上げる際、人が倒れていたという。「生徒たちは終始無言でした。亡くなったと聞いたのは学校に戻ってからで、生徒たちには知らせていません」という。
 京都市交通局によると、地下鉄東西線の工事の見学希望者は交通局に申請し、交通局が安全性などを判断した上で、見学ルートなどを指定し、許可するという。ヘルメットや長靴の着用を義務づけている。高校生の見学は別の工区で昨年2件あったという。小中学生の見学は認めていない。同局高速鉄道本部の山口厳本部長は「事故と見学の因果関係をよく調べて、対策を講じたい」と話している。(朝日新聞)
■不正乗車は1386人 JR西日本昨年度下半期 定期偽造6年間”罰金”は380万円 発見最多は神戸/追徴金は大阪
 JR西日本は26日、昨年度下半期(昨年10月−今年3月)に駅などで発見した不正乗車の実態をまとめた。有効期間を偽造したり、2つの定期券を使って乗降したりした不心得者は1386人にのぼり、その代償として合計3718万円の「追徴金」を支払っていた。同社は「正しく乗車券を購入されている方と不公平があってはならない」と取り締まりを強化する方針だ。
 昨年末、大阪駅の改札を大阪−宝塚間の定期券で通ろうとした男性(70)を駅員が呼び止めた。有効期間の「年」の部分を指で隠すようにしていたからだ。「はっきり見せていただけますか」。駅員が定期を調べると、年を表す部分に「6」と書かれた小さな紙が張られていた。それをはがすと「64」と印刷されていた。
 男性は昭和64年1月7日までの6ヵ月定期券を平成6年1月7日まで使えるように偽造していた。JRは鉄道営業法に基づき、この定期券を購入した昭和63年7月8日を不正を始めたと見なし、発見するまでの1986日分の基本運賃と「追徴金」(基本運賃の2倍額)を合わせた379万7100円を徴収した。
 今年2月、大阪駅事務所に落とし物の定期入れが届けられた。持ち主に連絡しようと、駅員が中を調べたところ、東海道線の栗東−石山間と吹田−大阪間の2枚の定期券が出てきた。有効期間は2枚とも6ヵ月の同一期間。「典型的なキセルじゃないか」。連絡を受けてやってきた男性(37)に2枚購入した理由をたずねると、男性はあっさりと「すいません」。JRは81万7500円を追徴した。
 JR西日本によると、この間の不正乗車の内訳は「期間経過」が321人と50%を占め、「区間外乗車」が202人(31.5%)、「偽造」「他人使用」がそれぞれ27人(4.2%)となっている。
 また、駅別では発見が最も多かったのが神戸駅の379人。次いで大阪駅253人、広島駅86人、京都駅68人の順になっている。追徴金別でみると、大阪駅が1045万円と、神戸駅(529万円)や京都駅(230万円)、三ノ宮駅(119万円)に比べ抜きんでている。JRでは、区間や不正期間が長いなど悪質な手口が多いことを示しているとみている。
 一向に減らない不正乗車に手を焼く同社はとりあえず、「乗車券は目的の駅まで」と書いたステッカーやプレートを約1万3000枚作り、駅や車両に掲示した。「月並みですが、良心に訴えるしかありませんから…」と担当者は話している。(朝日新聞)
■大阪空港アクセス 福知山線から分岐を提言
 大阪空港への鉄道アクセスを調査してきた運輸省の「大阪国際空港へのアクセス整備についての調査委員会」(委員長=今野修平・大阪産業大教授)は、JR福知山線の伊丹駅から分岐して空港へつなぐ鉄道が機能強化に最も効果的とする報告書をまとめ、26日大阪空港騒音対策協議会(11市協)に示した。兵庫県や伊丹市は、2005年の開業を目標に、ルートや事業主体などの検討を進めたい、としている。
 調査委員会は、福知山線分岐線を含め、大阪モノレール(空港−門真)、阪神モノレール(空港−伊丹−阪急武庫之荘駅)、豊中モノレール(空港−阪急神崎川駅)の4案について、需要や建設費、利便性から調査。分岐線は大阪都心武と直結でき、片福連絡線への接続で近畿全体の交通網にメリットがあるとした。(朝日新聞)
■洛中洛外
 ◇「嵐電」の愛称で親しまれている京都市の京福電鉄に、懐かしい雰囲気をたたえた「レトロ電車」がお目見え。来月1日からの運行を前に27日朝、四条大宮駅で鉄道ファンらに初披露された。
 ◇レトロ電車は、明治42年の同社の開業当初から大正時代まで活濯していた電車を基本に製作した。こげ茶色の車体で、真ちゅう製の網棚や木目の内張りなどを使用した豪華な内装になっている。
 ◇この日は嵐山までの試乗会もあり、地元、右京区太秦の幼稚園児60人が初乗りを楽しんだ。レトロ電車は通常ダイヤに組み込まれ、嵐山本線と北野線で運行される。(京都新聞 夕刊)
■科学を読む テクノロジーの基礎 普遍性は装いにすぎない/歴史的な批判意識持つ時
 大聖堂とシャンパンで名高いフランスの古い街、ランスに来てから早くも2ヵ月になる。パリから鉄道でたった1時間半なのだが、大都市の喧喋に慣れた身には、周囲のゆったりしたリズムがときどき異様にさえ感じられる。
 正午からの2時間あまり、商店もオフィスも扉を閉ざし、人々は自宅やカフェで軽いアルコールをとりながらのんびりと昼食を楽しむ。日曜などは街角から人影すら消えてしまう。自宅のソファで穏やかな夢でもみているのだろうか。”仕事と勉強”ではなく、”バカンスと美食とワイン々を生活の中軸にすえて一生をすごす人々。肥沃な緑の大地がどこまでも広がる豊かなこの国で、刻苦精励といった文句ははるかに遠い。
 もちろん問題はある。たとえは失業。「大学を出ても4人に1人は職がない」といった嘆き節も聞こえてくる。それなのに街中にあまり緊張感がみなぎっていないのは、やはりワインの女神の御わざだろうか。
 だがこれはフランス人の一面にすぎない。さもなけれは、ミニテル(フランス全土をむすぶ情報サービス網)もTGV(世界最高速の超特急)も存在しないのである。保守的・享楽的な一般大衆とは別の地平に、明晰なフランス語の論理をあやつり、精力的に前進を続ける俊敏なエリートたちがいるのだ。そしてこの2種類の人々の姿を眺めていると、”普遍性”を持つと信じられている近代科学技術が、じつは特異な文化的背景のもとに現れたことがひしひしと実感されてくるのである。
・論理性への信頼と陶酔
 5日9、10日に、ルモンド・ディプロマティツク誌の創刊40周年を記念して、岩波書店「世界」誌との共催で「テクノロジーと現代社会」についてのシンポジウムがパリで開かれた。日本からは、竹内啓(統計学)、加藤周一 (評論家)、堤清二(経営者・作家)、鎌田慧(作家)、上野千鶴子(社会学)、私といった一般の言論人のほかに、坪井善明、樋口陽一らヨーロッパ政治経済関連の専門家たちが参加した。フランス側からはベルナール・カッセン(経済学)、ジョエル・ド・ロネ(工学)らをはじめとしてフランスを代表する論客がそろい、急速に発達する科学技術をいかに「民主的にコントロール」していくかについて討論がおこなわれた。
 技術革新と雇用、世界各地への技術移転といった社会的問題とともに、具体的な科学技術のテーマとして取り上げられたのは生命科学(遺伝子工学)と新電子技術(マルチメディア)の2つである。多分このあたりがフランス人の興味の焦点なのだろう。詳細はやがてルモンド・ディプロマティツク誌や「世界」誌に発表されるはずだが、私のうけた印象を一言でいえは、それはフランスのエリートたちのもつ「論理的な言説への無制限の信頼または陶酔」である。彼らの問題意識は幅ひろく、分析の切れ味は鈍い。たとえば現在話題になっているマルチメディアについても、安易な電子ユートピアの欺瞞をあばく知性の光輝が感じられた。
・「市民」はどこにいるか
 だが一方、日本側の議論に具体例を引くものが多かったのに対し、フランス側の議論は抽象論のなかで自足しがちだった事も確かである。彼らはしきりに「市民(citoyen)」の役割を強調する。だが現実の「市民」はいったいどこにいるのか?−ルモンド・ディプロマティツク誌など一度も読むことなく、ワインと美食に満ち足りている大衆と、エリートの叫ぶ「啓蒙された市民」の理念のあいだの距離はあまりに大きい。
 「テクノロジーとはテクニックに関する言説のことだ」−シンポジウムの昼食会で隣に座ったフランス人パネリストは明快にそう言い切った。「だが日本ではテクノロジーをテクニック(生活上の具体的技術)に還元したからこそ、工業的な成功をおさめたのだ」−そう言おうとして口ごもったのは、あながち語学力不足のためばかりではない。
 フランスのエリートたちは、いささか怠惰な大衆の労働とテクニックに支えられ、自由や平等といった抽象概念を明晰な言説として虚空に織りあげ、世界中に発信してきた。近代科学技術の言説も決して例外ではない。それはたしかに”普遍”の装いをまとってはいるが、より根源的には、特殊な歴史的状況のもとで生まれた文化的営みだったのである。
・日本にも特有のゆがみ
 いうまでもなく、それを受容した日本の科学技術も特有の歴史的・文化的ゆがみを持っている。科学技術も現実の人間の生活や価値観を離れてはありえない。にもかかわらず、私たちの周囲には、ナイーブきわまる「普遍的科学技術の進歩」信仰に支えられ、断片的知識の紹介に終始する薄っぺらな科学技術情報が満ちあふれている。いま必要なのは、「言説としての科学技術」の基層を問いかける知的作業なのである。私たちの科学技術に癒やしがたいほど欠けているのは、そういう歴史的批判意識ではないだろうか。
・西垣 通 にしがき・とおる 1948年東京都生まれ。東京大学工学部計数工学科卒。工学博士。日立製作所を経て明治大学教授。現在、仏フンス大学文学部に研究者として滞在。独自の情報文化論を展開している。著書に『ペシミスティック・サイボーグ』『デジタル・ナルシス』など。(朝日新聞 夕刊)
28日■電車にはねられ死亡 大津のJR東海道線
 27日午後9時2分ごろ、大津市梅林2丁目のJR東海道線で、網干発安土行き快速電車に男性がはねられ、即死した。
 大津署の調べでは、男性は25歳位。ベージュ色の背広上下に白カッターシャツ姿で、黒い短靴をはき、茶色の財布を持っていた。
 同署で、男性の身元の確認を急いでいる。
 同電車は、現場に約24分停車した。(京都新聞)
■関西私鉄 不況、私鉄を直撃 旅客数・収入、5社とも減
 関西の私鉄大手5社の1994年3月期決算は、不況の影響を受け、全社で旅客数、旅客収入ともに前年より減った。旅客収入が5社そろって減収になったのは戦後初めて。経常利益は阪神電鉄が微増益になったのを除き、4社が減益になった。
 5社とも、とりわけ通勤定期客の減少が目立った。通学分も含めた定期収入は阪神の2.5%を最高に、京阪の2.2%、阪急1.7%、南海1.5%、近鉄0.7%とそれぞれ減った。沿線企業の雇用調整が依然続いていることや、JRの方が通勤定期料金の安い区間でJRに客が移ったことが原因という。運賃改定の際の目安となる鉄道事業総収支(集計中)は近鉄が「50億円程度の赤字になる」(谷信和・近鉄副社長)ほか、他の4社も赤字になる見通し。94年度はさらに赤字が膨らむため、91年秋以来据え置いている運賃値上げの動きが年度中に出てきそうだ。
 しかし、政府が今月中旬に公共料金引き上げを年内は凍結する方針を発表したばかりなので、決算発表の席上、値上げの意向を明らかにした社はなかった。(朝日新聞)
■こんなレトロ電車お目見え 嵐山−四条大宮間 来月1日から運転
 明治から大正にかけて活躍した電車をイメージしたレトロ電車が京福電鉄・嵐山線を走ることになり、27日、報道陣に公開された。
 平安建都1200年を記念してつくられた。焦げ茶色の車体にモニタールーフといわれる二段屋根、前後の窓は3枚ずつ仕切られている。車内の棚と握り棒、手すりは真ちゅうでできており、内張りはケヤキ調の木目。戸袋の窓は楕円(だえん)形になっている。定員88人(座席36人分)。
 営業運転は6月1日から。嵐山−四条大宮間を約10往復する。5月29日午前11時半からは嵐山駅で一般を対象にした撮影会がある。(朝日新聞)
■関西空港特集 さあ世界へ道は続く
 どの道で行こうか−。関西空港が開港すると、あなたは空港までどうやって行くか迷ってしまうかもしれない。鉄道、高速道路、海上とルートはいろいろある。鉄道でも、JRと南海が異色の特急で競う。いったいどのルートで行けは、より便利で、より面白いのか。開港よりひと足早く「世界につながる道」を紙上で楽しんでみる。(前田史郎)
 選択の幅が広いのは神戸だ。マイカーなら、六甲アイランドから阪神高速湾岸線を使って約45分。道路や景色がいいので、ドライブ好きの人にはぴったり。自分で運転せず、眺望をゆっくり楽しみたい、という人には三宮から30分おきにリムジンバスも出る。
 市中心部に住む人なら、ポートアイランドから出る高速船が速い。渋滞の心配がなく、「かなりの強風でも欠航はない」という折り紙付き。
 広島や岡山方面からの場合、新幹線で新大阪駅へ行き、「はるか」に乗り換えるのが普通。「ちょっと神戸で買い物を」という人は、新神戸で降りて高速船を利用する手もある。
 大阪からなら「はるか」と「ラピート」を乗り比べるのがおもしろい。シートの広さなどの車内装備を始め、スピードもほぼ互角。JRが南海に対抗してスピードアップを図る。車体は「はるか」の方が鮮やかなイメージだが、運賃が若干高めなのが難点。
 「京都観光をしてから空港へ」という人には「はるか」が便利。京都駅では事前に搭乗手続きができるようになるし、かなりの旅客が集まる。「はるか」を使って京都と海外をミックスしたツアーを検討している旅行会社もある。京都や新大阪まで新幹線で来ると「はるか」の特急料金が半額になるというJR得意の割引システムもあり、名古屋や中国地方からの人なら有効活用したい。
 大阪方面からマイカーで行く場合は、阪神高速が有利といわれる。しかし、吹田や豊中市など大阪府北部からなら、近畿自動車道を使って関空道に入る方が、渋滞の多い阪神高速環状線を避けることができて有利。
 見逃せないのは、湾岸線と阪和道が堺市付近で堺泉北有料道路でつながっている点。空港からの帰り道、阪神高速が混雑していれは阪和道へ「逃げる」こともできる。
・はるか 京都始発を売り込む
 「はるか」は居住性、明るさ、ムード、どれを取っても最高のでき。これから「関空戦略」を進めていくうえで最大の武器になります。京都を始発にしたのは、より幅広く利用してもらうため。なにせJRの走っている地方すべてを利用者と想定していますから。
 南海とライバルといわれますが、競合するのはごく一部。わが新大阪駅と大阪駅には、地下鉄や阪神、阪急など各私鉄が接続する大ターミナルが形成されています。大勢の人が集まるポイントです。一方の南海は、近鉄などとつながる難波が紬。いわは大阪のキタとミナミの勝負です。
 それに、うちは京都に大きなウエートを置いています。国内の観光地とも結び、旅行の幅を大幅に広げます。系列の旅行代理店とも連携し、多角的に関空をからませた旅行企画を広げていきたい。
 「はるか」が大阪駅に止まればいいんですが、線路の構造上、無理。大阪からは快速が出ますが、できれは新大阪まで来て「はるか」に乗ってほしい。その価値は十分にあります。
 関空対策室は発足して約4年ですが、空港会社との連絡調整など、空港に関係することはすべて引き受けています。さらなるスピードアップやサービスの向上など課題は多く、忙しくなりそうです。
 はるか 京都から空港までを結ぶJR西日本の「関空特急」。最高時速 130`で、5両編成。成層圏をイメージした真っ白のボディーに青とグレーのラインが特徴。停車駅は新大阪と天王寺。全席指定で、グリーン車もある。運転は9月から。女性車掌の乗務が検討されている。
・ラピート 乗り心地満点の鉄人
 6月15日の駅のオープンよりひと足早く、3月に駅長に就任しました。まだJRとの調整やマニュアル作りの段階です。新駅に私のような若造でいいのかな、とも思いました。しかし、ラピートの運行計画の案づくりなど空海関係の仕事をしてきたので、大変やりがいがあります。
 ハード面では、ラピートがおすすめです。難波から1時間に特急2本、急行3本を運行。シートもゆったりしており、気分はファーストクラス。難波駅には、国際線旅客への搭乗券の交付や手荷物の受け付けなどをするチェックインシステム「なんはCAT」を開設するので、カウンターで手荷物を預ければ、手ぶらで行って飛行機に搭乗できます。
 気を使うのはホームでのサービス業務。南海沿線はベッドタウンが多く利用者は地元の人が大半でしたが、空港の場合、相手は世界中から集まるお客さん。私たちの一瞬の応対で鉄道のイメージ、ひいては関西や日本のイメージが決まってしまいかねません。いわは一発勝負です。
 私は英語がある程度話せるので、開港後はホームで陣頭指揮し、案内や誘導に努めるつもりです。航空会社の窓口や搭乗ゲートなど「本業」以外のことも質問されるでしょうが「知りません」では駅長失格。ていねいに説明するつもりです。
 私の父も関西の元私鉄職員。親子二代の鉄道マンです。責任の重い仕事ですが、安全第一で頑張ります。
 ラピート 南海電鉄が開発した空港特急。「走る鉄人28号」の異名をもつ。難波駅と空港を29分で結ぶ。全席指定で、1両3列のスーパーシートと4列のレギュラーシートがある。丸型の窓や開閉式の荷物棚など、飛行機のイメージをとり入れた。ラピートはドイツ語で「速い」という意味。営業運転は9月から。
・阪神高速 11の橋渡り湾を半周
 大阪湾をぐるりと半周する湾岸線には、計11ヵ所の橋があります。ワイヤを張った斜張橋や鉄道によく使われるトラス橋、アーチ橋など3種類。日没から午後10時までは、うち7つの橋をライトアップし「ハーバーハイウェー」の雰囲気を演出しています。
 おすすめは斜張橋の東神戸大橋。先日、仕事の出来栄えを見せるために、家族と一緒に夕暮れにドライブをしました。道路両わきを照らすオレンジ色のナトリウム灯が光の帯をつくり、頭上のワイヤロープの反射光が次々と背後に流れていく。まるで大きなテレビゲームの前にいるようなSF的気分でした。
 夜景も見事。海、陸両側とも地点ごとに町の表情を見せてくれます。湾岸線の制限速度は80`と環状線などより20`上回りますが、風景のせいか、あまり飛ばしている車は見かけないくらいです。
 南に下ると、二色浜や岸和田城が見え、天気のいい日は明石海峡大橋の主塔も見えます。手前を関西空海の飛行機が飛び、背後に主塔が見えれば、静と動が重なる絶景になりますよ。
 利便性も上々。これまで「阪神低速道路」などと手厳しい批判をもらいましたが、こと湾岸線については開通以来、渋滞はゼロ。一部は片側3車線あり、まだまだ余裕は十分。開港後も渋滞はめったにないと予測しています。
 今月から一部路線で値上げし、いろんな批判も受けました。でも、ある利用者から「きれいな道ができたからいいか」という声も聞き、ほっとしています。
 阪神高速湾岸線 大阪湾の海沿いを走る高速道路。4月2日、神戸・六甲アイランドから泉佐野までの55.8`が開通した。神戸、大阪方面と関西空海を結ぶ陸上交通の動脈となる。沿線には海遊館やアジア太平洋トレードセンター(ATC)などの施設があり、ベイエリア開発にも期待されている。将来は明石海峡大橋までつながる予定。
・空港リムジンバス 主要都市と関西空港を結ぶ定期バス。大阪駅前、大阪空港、京阪宇治、彦根など発着の10路線で運行を予定。運営主体は南海や日本航空などが設立した関西空港交通会社(本社・大阪市)。手荷物の収容もできる80人乗りバスなど30台を保有し、貸し切り業務もする。
・他の海上交通 空海への海上航路は神戸のほか淡路島の洲本、津名南港からと大阪港、徳島港からのルートがある。地元の海運会社などが運航予定。(朝日新聞)
■ラピートに初「乗客」
 関西空港へのアクセスとなる南海電鉄の特急「ラピート」の試乗会が28日、開かれた。抽選で選ばれた家族連れや鉄道ファンたち約200人が難波駅から真新しい車両に乗り、休憩を含めて往復約2時間の「空港への旅」を楽しんだ。
 濃紺の車体に丸いガラスをもつ電車の前や車内で、記念撮影する人も。全長約3.8`の空港連絡橋の上では一時停止し、海の上からじっくり景色を楽しむ試乗ならではのサービスもあった。現在、試運転中のラピートが一般の「乗客」を乗せて走るのは初めて。
 同電鉄空港線は6月15日から営業が始まるが、ラピートの営業運転は開港の日の9月4日から。(朝日新聞 夕刊)
■米原駅で貨物列車 60bオーバーラン
 25日午前7時28分ごろ、滋賀県坂田郡米原町のJR米原駅構内で、吹田信号所初東京ターミナル行き貨物列車=19両編成、高木清文運転士(35)=が、停止位置を越えて、約60b先にある砂盛りに約2b乗り上げて止まった。負傷者や他の列車などへの影響はなかった。
 滋賀県米原署の調べによると、現場は貨物専用の発着線。同線に入った高木運転士が停止するためブレーキをかけたところ、速度が落ち過ぎ、いったんブレーキを緩めた。再度ブレーキをかけたところ、今度は利かなかったという。(朝日新聞 夕刊)
■電車にはねられて死亡 大津、線路内を歩く
 27日午後9時半ごろ、大津市梅林2丁目のJR東海道線で、大阪市淀川区宮原2丁目、会社員丸井徹さん(21)が網干発安土行き電車にはねられ、即死した。
 大津市の調べでは、丸井さんが線路内を歩いていたらしい。丸井さんはこの日夕、仕事に出かけた神戸で会社の同僚らと飲食した後、JRの電車に乗ったという。電車は現場に24分間停車したが、後続のダイヤに影響はなかった。(朝日新聞 夕刊)
29日■車いす主婦 転落死 ホーム移動中 電車体験ツアー暗転 JR岡山駅
 28日午前10時15分ごろ、岡山市駅元町のJR岡山駅で、列車から車いすで16番ホームに降りた岡山県苫田郡奥津町女原、主婦駒井増美さん(54)が、移動中に約90a下の線路に手動の車いすごと転落した。駒井さんは胸の骨や足の肯を折り、近くの病院に運ばれたが、約3時間半後、死亡した。普段から心臓が弱く、転落のショックなどによる急性心不全が原因。
 駒井さんは下半身が不自由。この日身障者でつくる「県北車いす友の会」のメンバー10人と介護のボランティア5人の計16人で「電車旅行を体験しよう」と同日午前、津山駅を出発、岡山駅で乗り換え、同県新見市へ向かう途中だった。
 岡山西署などによると、車いすの扱いに不慣れのうえ、階段わきでホームが狭まっていたため、誤って落ちたとみている。
 JR西日本岡山支社などによると、駅員ら4人が先頭車両とホームにスロープを渡し、メンバーが降りるのを助けた。駒井さんはホーム西側のエレベーターに向かう途中で、階段のため幅2b弱に狭まった部分を通っていて、左側へ滑るようにして線路に落ちたという。当時駅員とボランティアは、他のメンバーの降車を手伝っていた。
 一緒に車いすで旅行していた夫の敦史さん(54)の話では、駒井さんは普段はつえで移動、車いすはほとんど使ったことがないという。メンバーには初めて電車に乗る人が多く、敦史さんは「電車から見る風景がきれいだ、と喜んでいたのに残念だ」と話している。
・線路側低く、危険
 駒井さんに同行の県北車いす友の会会長・和田武治さん(62)の話 車いすに慣れない駒井さんには皆がもっと配慮すべきだった。ホームは通常、線路側がわずかに低いかまぼこ形で、車いすには危ない。電車のトイレが使えないのも不安がる人が多く、今回はマイカー旅行をした時の半分しか(会員が)集まらなかった。(京都新聞)
■彦根で震度4、京都3 JRで運休や遅れ 2万2000人に影響
 28日午後5時4分ごろ、滋賀県を中心に近畿や中部地方にかけて地震があり、彦根と四日市で震度4を記録したほか京都などでも震度3を記録した。滋賀県内では電車の運休が出るなど交通機関に一部影響が出た。彦根地方気象台によると、震源地は滋賀県中部で深さは約40`、マグニチュードは5.3と推測される。県内で震度4の中震を記録したのは、1963年以来31年ぶり。
 JR東海道新幹線は京都−岐阜羽島間で地震直後から約6分にわたり自動停止、上下10本が最大43分遅れ、約5000人に影響が出た。
 また、JR東海道線は、同日午後5時すぎから米原−安土間で運転を一時見合わせたほか、湖西線と北陸線でも運行を一時停止、草津線は一時徐行運転した。午後7時半すぎに再開したが、4線で特急など計59本が運休、約1万7000人に影響が出た。
 震度4を記録した彦根市内では、屋内で書棚の本が落ちるなど強い揺れが感じられ、同市西今町、調理士下山典孝さん(26)の長女菜摘ちゃん(生後3ヵ月)が棚から落ちた皿で顔に軽いけがを負い病院に運ばれた。
 各地の震度は次の通り。 震度4(中震) 彦根、四日市▽震度3(弱震) 敦賀、京都、岐阜、津、名古屋、上野▽震度2(軽震) 福井、奈良、舞鶴、潮岬、豊岡、大阪、伊良湖▽震度1(微震) 網代、神戸、静岡、浜松、金沢、鳥取、尾鷲、和歌山、徳島、境、諏訪(京都新聞)
■新幹線など上手な利用法は 交通問題専攻、専門的な知識生かし 高速交通網 綿密に調査、まとめる
 新幹線を軸にした国内の高速交通網の上手な有効利用法を伝授する「コンビニ新幹線」(近代文芸社刊)が、このほど交通問題を専攻する立命館大生の手で出版された。専門的な知識を生かし、綿密な調査で分かりやすくまとめている。
 本を著したのは同大学3年、江崎篤士さん(21)=上京区=。江崎さんは高校に入学したころから、交通問題に興味を持ち、交通を中心とした都市計画を学ぼうと同大学産業社会学部に入学した。現在、ゼミで交通やまちづくりについて学んでいるほか、嵐山など観光地の交通渋帯解消を目指す住民グループにも参加している。
 出版された「コンビニ新幹線」は46判、180n、全10章の構成。中でも「東海道新幹線VS航空機」の章では、新幹線の沿線にある羽田、名古屋、大阪や山口宇部、北九州、福岡などの都市から、新幹線を利用した場合と航空機を利用した場合の差を徽底比較し、紹介している。
 東京、大阪と各地方都市間を行き来するにはどちらを利用するのが速いか、どちらが快適か−などを、実際に乗車して調べており、交通網の発達と複雑化で、かえってどの交通機関を利用するべきかに迷うことも多い現代人には大いに参考になりそうだ。
 また、「ひかり」の陰であまり光の当たらない「こだま」にも注目。「こだま」が、停車駅近くの高速道路インタチェンジとの接続で高速交通網の充実と地域振興に一役かっているとの視点を、先進地での取材に基づいて具体的に示すなど、アカデミックな視点も忘れていない。江崎さんは「新幹線、飛行機ともにスピードアップしているが、利用者にとって問題なのは各種の交通機関を有機的に結ぶ情報が少ないこと」と指摘している。(京都新聞)
■車いす主婦転落死 JR岡山駅ホームから
 28日午前10時15分ごろ、岡山市駅元町のJR岡山駅津山線16番ホームで、車いすに乗った苫田郡奥津町女原、主婦駒井増美さん(55)が高さ約90aのプラットホームから車いすごと転落した。ろっ骨やふとももの骨を折って病院に運ばれたが、間もなくショックで死亡した。
 JR岡山支社の調べによると、駒井さんは列車から降りてプラットホーム西側にあるエレベーターに向かうところだった。ふだんはつえをついて歩いていて、車いすに慣れていなかったのと手が不自由で操作を誤ったらしい。
 「県北車いすの会」の一員。この日、車いすに乗った11人と介護者5人で、岡山県内一周の列車の旅をしている途中だった。駅員は次々とホームに降りる障害者の介添えをし、エレベーターまでは障害者が自分で車いすを操作していた。(朝日新聞)
■彦根で震度4 関西・東海中心に地震
 28日午後5時4分ごろ、関西、東海地方を中心とした地域で地震があり、彦根(滋賀県)と四日市(三重県)で震度4(中震)を観測した。気象庁によると、震源は滋賀県中部で、深さは40`。地震の規模はマグニチュード5.3と推定される。滋賀県中部を震源とする地震で震度4は観測史上最大。この地震で、同県内を中心に各地で鉄道が一時ストップした。
 彦根市京町三丁目、すし店経営杉本美津男さん方一階奥四畳半の間で、高さ1.8bの棚から皿5枚入りの段ボール籍が落ち、杉本さんの孫で同市西今町、調理師下山典孝さん(26)の長女菜摘ちゃん(3ヵ月)が顔に軽いけがをした。
 同市内では、民家や商店の一部で陳列棚などから商品、箱などが落下する被害が出た。大津市では一部家庭でガスが止まった。
 鉄道は、東海道新幹線の京都−岐阜羽島間で送電がストップ。7分後に運転を再開したが、米原−京都間で速度規制をしたため、東京発大阪行きの「こだま437号」が32分遅れるなど、上下10本が遅れ、約5000人が影響を受けた。
 滋賀県内のJR湖西線(近江舞子−近江塩津間)、北陸線(米原−長浜間)、東海道線(米原−安土間)で、地震の影響を点検するため、2時間−2時間半、運転を見合わせ、計59本が運休した。
 彦棋、四日市以外の各地の震度は次の通り。
 ▽震度3(弱震) 名古屋、津、岐阜、京都、敦賀、上野▽震度2(軽震) 大阪、豊岡、潮岬、舞鶴、奈良、福井、伊良湖▽震度1(徹震) 境、尾鷲、徳島、和歌山、金沢、鳥取、浜松、静岡、神戸、網代、諷訪(朝日新聞)
30日■レトロ衣装で嵐山体感ツアー 坊ちゃん マドンナ 参加者「いい気分」
 明治・大正時代の衣装で京都・嵐山観光を楽しんでもらおうという「明治・大正ロマン体感ツアー」が29日、京都市内であった。妨ちゃん、マドンナ、鹿鳴館の貴婦人などにふんした参加者らは、行く先々で注目を集め、観光客らに囲まれていた。
 京福電鉄が、明治・大正時代の雰囲気を取り入れた「レトロ電車」を走らせるのを記念して、東映太秦映画村の協力で企画した。20人の定員に225人もの応募があったという。
 参加者らは、この日朝、四条大宮駅からレトロ電車に乗って嵐山へ向かった。すそを長くひいたドレスや、舞妓にふんした女性らは「かつらが重くって」と訴えながらも車中で記念撮影していた。
 嵐山では、渡月橋付近を散策し、屋形船に乗って船遊びを楽しんだ。一行はすっかり観光客らの人気者で修学旅行生に手を振ったり、一緒にカメラに収まったりと大忙し。坊ちゃんにふんした予備校生森井淳夫さん(18)=八幡市=は「はずかしいけれど、何だかいい気分」と話していた。(京都新聞)
■新大阪駅 銀行員襲われ4500万円ヒヤリ JR職員ら取り押さえ
 30日午前7時35分ごろ、大阪市淀川区のJR新大阪駅構内の3階職員専用通路で、大和銀行本店(大阪市中央区)公務部、三浦明彦さん(41)ら2人が現金約9600万円を3個のジュラルミンケースに分けて運んでいたところ、前から来た男に三浦さんが、持っていた約4500万円入りのジュラルミンケース1個を奪われた。
 男は約20b逃走、騒ぎで駆け付けたJR西日本の助役ら3人にナイフ(刃渡り約10a)で抵抗したが取り押さえられ、強盗の現行犯で淀川署員に逮捕された。けが人はなく、現金は無事だった。
 調べに対し男は黙秘しており、左肩をけがして病院で治療を受けている。45−50歳、身長約170aで、同署は身元確認を急いでいる。
 現金は、同駅内の旅行センターの金、土、日、3日間の売上金だった。
 大和銀行本店の話では、三浦さんは同銀行公務部新大阪駅出張所の行員でJR西日本新大阪旅行センターの担当。
 午前7時半ごろ、新大阪駅2階の旅行センターで売上金計約9600万円を受け取り、ケースに入れて同センター2階の出張所に運ぶ途中、階段の踊り場で犯人に襲われた。
 取り押さえた松長孝JR新大阪駅助役(46)は「夜勤明けで駅長室にいたところ、廊下の方から大きな声で『わあ』と騒いでいるのが聞こえたので、職員3、4人と飛び出した。男は慌てた様子で、皆で取り囲んだ」と話していた。
 同銀行本店は「駅ビル内の2階と3階の数百bの運搬で、しかも外部の人間の出入りがない場所なので、ガードマンなどは付けずに職員2人に任せていた。まさかあんなところで襲われるとは…」と話している。(京都新聞 夕刊)
31日■JR新大阪駅強盗 会社の借金に困って犯行
 大阪市淀川区のJR新大阪駅構内で30日午前、同駅旅行センターの売上金を運搬途中の銀行員から奪おうとして、強盗の現行犯で逮捕されたデザイン会社経営熊野恵康容疑者(50)は、同日午後までの淀川署の調べに対し、「共同経営の会社設立で多額の借金があり、従業員の給料も払えなくなってやった」などと動機を供述した。(京都新聞)
■JR嵯峨駅 駅名に「嵐山」加えて! 地元の自治会連合会が要望書 列車利用増の願いも込めて「前向きに」とJR側
 渡月橋や天龍寺など嵐山の観光地に近いJR山陰線嵯峨駅の名に「嵐山」を加え、「嵯峨嵐山駅」にしてほしいと右京区自治会連合会(大西治郎会長)が運動を起こしている。このほどJR西日本京都支社に要望書も提出。嵯峨野、嵐山観光への玄関口としてさらに知名度アップを図りたいという。JR西日本側は「前向きに検討する」と話している。
 同連合会によると、10年ほど前からタレントショツプなどが増えて嵐山の人気は高まった。しかしJR京都駅までやってきた観光客に、「嵯峨駅」ではピンとこないという。駅名に嵐山を加えることで観光客を誘致しやすくなるというわけだ。
 また、休日にマイカー客が殺到して渋滞が激しいため、観光客にもっと列車を利用してほしいという声が地元で高まっている。同連合会は2月に役員会を開いて要望を決議、3月末にJR西日本にあわせて要望した。
 大西会長は「遅くとも秋の観光シーズンまでには結論が出ると期待している」と話す。
 JR西日本によると、同駅は1897年に開業した。1992年度の同駅の1日平均の乗車客数は3891人。渡月橋や天龍寺へは徒歩約10分でいける。
 JR西日本側は駅名を変えた場合の集客効果▽各駅の案内板や料金表、切符の表示などを書き換える費用▽語呂(ごろ)がいいか−などを調査して結論を出したいとしている。しかし、結論をいつ出すかについては「未定」と話している。(朝日新聞)
■奈良線でひかれ死亡
 31日午前8時ごろ、宇治市小倉町中畑のJR奈良線線路沿いに、男性が死んでいるのを近くの人が見つけた。
 宇治署の調べでは、男性は宇治市宇治蛇塚、建設作業員守山嗣憲さん(26)。8時45分で止まった守山さんの時計から、30日午後8時40分の宇治駅発奈良行き普通列車にひかれたのではないかと見ている。(京都新聞 夕刊)
■早朝、花園駅構内で置き石を発見 山陰線乱れる
 31日午前7時25分ごろ、右京区花園寺ノ内町、JR山陰線花園駅西側の場内信号機が赤信号のまま動かなくなり、駅に入ろうとした福知山発京都行き電車が停止した。花園駅員が調べたところ、駅構内の軌道ポイントにこぶし大などの石4個がはさまっており、撤去した。同電車が16分間停止したのをはじめ、上下5本が16−6分遅れ、通勤客ら約3000人に影響が出た。
 太秦署によると、駅構内東端にある単線を複線に切り換えるポイントに石が挟まっていたため信号が動かなくなったといい、電車往来危険の疑いで調べている。(京都新聞 夕刊)
■「のぞみ」パンタ削減へ JR東海来月実験 揺れや騒音対策に
 東海道・山陽新幹線「のぞみ」はパンタグラフ1基で、時速何キロで走れるか−JR東海が6月始めから、こんな実験に取り組む。のぞみのパンタは現在、1編成で3基ついているが、走行に必要なのは2基で1基は「万一の備え」。だが、車体の揺れや騒音の主因はパンタとされているだけに、JR東海やJR西日本は2基に減らしたいのが本音だ。問題は2基にして、1基が故障した場合。1基ではのぞみ自慢の時速270`では走れなくなるもの、実験で時速200`程度の走行ができるようなら、両社は遅れの影響はさほどないとして、「万一の備え」を撤去するという。
 のぞみのパンタは6、9、12号車の屋根についており、営業運転中は通常、上りが6、9号車下りが9、12号車のパンタ2基を使用している。3基とも、本体を保護するため高さ約80a、周囲約18bもあるパンタカバーが装着されており、これが騒音や揺れの元凶とされている。
 今回、撤去を考えているのは9号車のパンタとパンタカバー。他の2基に比べて取りつけ角度が急なため、風切音やトンネル走行中に受ける風圧が強いという。撤去により、約400`も軽くなり、軽量化による電気代の節約も期待できるという。
 JR東海によると、6月4日から9号車のパンタ及びパンタカバーを撤去した1編成(16両)を使い、約1ヵ月間、東京−博多間で騒音や乗り心地などのデータを収集する。
 すでにJR西日本では4月にパンタカバーだけを取り外した実験を行った。それだけでも室内の騒音は2デシベル低くなり、トンネル内の車体の揺れも半減したという。
 問題は、2基にした場合、1基が故障、残りの1基でどのくらいのスピードで走行できるか。JR東海の試算では、1基では平たん路での最高時速は201`、風圧が強いトンネル内では190`が限界という。
 だが、両社とも「開業からパンタの故障事故は1件もない」とし、試算通りの数値で走行ができれば、来年度から全車両を対象にパンタ1基の撤去作業を開始する方針だ。
 のぞみは速さが売り物で料金も割高なだけに、「乗り心地の良さと経済性を優先させるか。それとも、万一の場合を想定した定時性を優先すべきか」は議論のあるところだが、JRでは乗り心地優先に傾いている。(朝日新聞 夕刊)
■梅田まで能勢電鉄 98年3月から直通運転開始
 阪急電鉄は31日、能勢電鉄の日生中央駅から梅田駅までの直通運転を1998年3月から始める、と発表した。90年12月から勧めている川西能勢口駅付近の高架工事の一環として、線路や架線を結び相互乗り入れを実現する。
 阪急によると、当初は朝のラッシュ時間帯に日生中央駅発梅田駅行きの急行を2本運転する。能勢電鉄線内は8両で運転し、川西能勢口駅で2両を増結、阪急線内は10両運転とする。能勢電鉄線内の停車駅については今後決定する。(朝日新聞 夕刊)
■JR山陰線花園駅近く 置き石で5本遅れ
 31日午前7時半ごろ、京都市右京区太秦安井小山町、JR山陰線花園駅の東約30bにある安井踏切付近の切り替えポイントに、こぶし大の石4個がはさまれているのを同駅員が見つけ、太秦署に通報した。この影響で午前5時40分福知山発京都行き普通列車(6両編成、700人)など上下5本に6分から16分の遅れが出た。
 同署では、列車往来危険罪の疑いで調べている。(朝日新聞 夕刊)