1994(平成6)年 3月


1日■地下鉄 京都市会 工法変更で 260億円膨張 利息など間接費増も(京都)
  ■地下鉄京都市会 資料要求の”集中砲火” 前管理者出席求め「解明」へ強い姿勢 事業予算特別委(京都)
  ■叡電が増発 23日からダイヤ改正(京都)
  ■関空連絡鉄道 6月15日開業 駅名も正式決定(京都)
  ■JR西日本 半数の駅 終日禁煙 春クリーン 灰皿全部ふた 愛煙家へ同情の声も(京都)
  ■春さっそう 人気トロッコ再開列車走る 若い女性ら20人を乗せ(京都)
  ■阪急嵐山線18本が運休 2駅で信号トラブル(京都)
2日■地下鉄京都市会 東西線 全工区で工事に遅れ 工事完了は95年度末? 試運転ずれ込みも(京都)
  ■「雷鳥」が一時停止 JR向日町駅(京都)
  ■3日間乗り放題 KTRとJRフリー切符発売(朝日)
  ■地下鉄東西線 買収費、当初の3倍 京都市議会予算特別委 市の姿勢を追友へ(朝日)
  ■JR関西線 急行と車が衝突し脱線(朝日)
3日■地下鉄問題 京都市会 建設費膨張 厳しく追及 「計画に無理」指摘 交通局長 96年末完成、強い決意(京都)
  ■CTC司令室小学生に公開 保線作業実演も「安全運行、現場見て」 団体申し込み受け付け開始(京都)
  ■地下鉄東西線建設費の膨張 国へ新補助制度の適用 交通局が要望へ(朝日)
4日■地下鉄 京都市会 一昨年、市長に報告 建設費膨張 工期の遅延 内部試算の概要 管理本部長答弁(京都)
  ■国の補助を極力要請 地下鉄問題 京都市側が答弁 資金枯れ 工事中断ない(京都)
  ■洛西タウンまでの延伸 「困難」の見通し示す 地下鉄東西線(朝日)
5日■地下鉄 京都市会 交通局移転 当分見送り 九条車庫 新ビル建設 資金見通し立たず(京都)
  ■文化財調査費も大幅増 地下鉄問題 京都市会 8億5000万円追加 「見込み違い」認める(京都)
  ■新規出資呼び掛け 第3セクター増資分、民間の協力困難(京都)
6日■最高速度達成の日 リニア誤動作 急停車してた(京都)
  ■温泉街に汽車走る(朝日)
7日■JR西日本 落石・土砂崩れ ハイテク監視 事故防止へ開発に着手(朝日)
  ■架線に車のカバー 新幹線12本に遅れ 加古川(朝日)
  ■レールが外れダイヤ乱れる 明石のJR山陽線(朝日)
8日■地下鉄 京都市会 JV運用基準見直し 共同企業体「意思疎通欠く」の指摘受け 例外措置、削除へ 現在5社以上が7工区も 京都市(京都)
  ■市建築審が現地検証 京都駅ビル 反対住民も立ち会う(京都)
  ■窓 JR京都駅で不愉快な出発 甲西町・鈴木 強(法律事務所員・43)(京都)
  ■京都駅周辺で現場検証 道拡幅の問題指摘 請求人側が目と足で実感 「景観へ巨大な壁」(朝日)
  ■「なぜ放置」議会追及 地下鉄東西線 膨張の見積り巡り 市議会特別委(朝日)
  ■四つ橋線で火事騒ぎ(朝日)
  ■野上電鉄の解散認可(京都)
  ■強風、ダイヤに乱れ JR山陰線(京都)
  ■運輸省 野上電鉄の廃業認可(朝日)
  ■野上電鉄の廃線惜しみ記念誌 利益お年寄りらのために 横浜の高校生(朝日)
9日■地下鉄 京都市会 交通局方針 経費節減策で 東西線ワンマン運転に(京都)
  ■北大路バスターミナル 26日からオープン 13系統乗り入れ(朝日)
  ■列車脱線 63人死亡 370人以上けが 南ア(朝日)
  ■大山崎のJR東海道線 線路に女性の遺体(京都)
10日■地下鉄京都市会 90年度段階で膨張明らか 起債資料で用地費3倍 他費用削り、申請(京都)
  ■地下鉄との連絡もっとスムーズに 26日バスターミナル開設 北大路(京都)
  ■入場券に時間制限 京都、米原、新大阪駅 キセル乗車を防止(京都)
  ■信号故障700人に影響 田辺のJR片町線(京都)
  ■のぞみ、ボルト落とす パンクグラフ底板カバー 3編成で計25本(朝日)
  ■「のぞみ」回数券指定券発行機 山陽新幹線は使えず 東海と西日本 JRちぐはぐ(朝日)
  ■再発防止へ独自組繊 信楽事故遺族ら 原因究明も目的に(朝日)
  ■残土放置小倉山 鉄塔解体進む(朝日)
11日■3セクの財源整備が課題 地下鉄市会で京都市側表明 市民の理解得る 「膨張の重み」受け止め(京都)
  ■「92年、報告あった」地下鉄東西線建設費の膨張 市会特別委で市長(朝日)
  ■JR西日本 特急はるか 京都−関空 10分間短縮(朝日)
12日■定期観光にもチンチンバス 京都市交通局 レトロ調、19日から運行 京のぞみちゃん号(京都)
13日■スイッチ誤作動? 新幹線15分遅れる(京都)
  ■ユーロトンネル開業さらに遅れ 今秋以降に(朝日)
14日■JR京都駅構内 倉庫焼く不審火(京都)
  ■地下鉄京都市会 建設費膨張 市民の理解どう得るか 事業予算委 審議終わる(京都)
  ■ケーブルカー事故の救助訓練 春の行楽シーズン控え 八瀬遊園駅(朝日)
  ■京都駅構内の倉庫で不審火(朝日)
15日■社説 重い課題抱えた京都市地下鉄(京都)
  ■府都計審 JR福知山駅周辺整備 鉄道高架など承認(京都)
  ■窓 喜びと悲しみ刻んだ発着駅 向日市・浜地文城(無職・60)(京都)
  ■窓 孫へと残そう ふるさと鉄道 野田川町・村松重男(林業・71)(京都)
  ■「テレビカー」新天地で活躍 京阪電鉄が大井川鉄道へ 現役退いた2両売却(京都)
  ■大阪・湊町 ビル2棟残し”発車” 移転交渉が難航、影響も(朝日)
16日■ロープウエー計画で質問・要望書郵送 まもる会が京阪電鉄へ(京都)
  ■「はるか」試運転 内装は京都を意識 沿線、カメラの列(京都)
  ■窓 喫煙者へ配慮少し必要では 山科区・早川増一(会社員・61)(京都)
  ■窓 年齢だけでは価値決まらぬ 福知山市・池部 清(無職・77)(京都)
  ■女性車掌を採用 JR西日本 グループ初、新年度から 社会進出に配慮 まず社内募集 夏には−般も 1期生は特急「はるか」乗務 9月(朝日)
  ■木造二条駅保存して 京都弁護士会が市とJR西日本に(朝日)
17日■世紀末パノラマ館 読書と鉄道 鹿島 茂 中産階級に習慣広がる(京都)
  ■白と青共演鮮やか 「はるか」と「ラピート」訓練運転始まる 関空連絡鉄道(京都)
  ■信号故障近鉄乱れる 大阪線、4万余人影響(朝日)
  ■「はるか」「ラピート」空港島走る(朝日)
18日■信楽事故 夫と孫を失い自分も重傷 風化させぬ、と体験記自費出版(京都)
21日■夕方の駅、警官刺される 神戸・新開地 不審者を追跡中、重傷(朝日)
22日■地下鉄費の膨張問題 付帯決議を採択 京都市会閉会(京都)
23日■「地下鉄」追求継続 共産党市義団が声明(京都)
  ■地下鉄東西線の建設費膨張問題 市議会が異例の「警告」付帯決議も理事者側の姿勢批判(朝日)
  ■新予算など44件を可決 京都市議会閉会(朝日)
24日■春闘 私鉄大手、交渉大詰め(朝日)
  ■スト突入なら650万人に影響 近畿圏見通し(朝日)
  ■「のぞみ」緊急制動 浜松で運転中止 22本遅れ(朝日)
  ■ストを控え大詰め交渉 私鉄労使(京都)
  ■私鉄のスト回避は微妙 断続的に交渉続く(朝日)
25日■私鉄スト回避 11400円回答(京都)
  ■南海の関空連絡特急「ラピート」に乗ろう 5月28、29両日 展示は難波駅で28日から(京都)
  ■京都市交通局 92年度接待費 地下鉄協議などで684万円 市民請求で公開 相手先は示さず(京都)
  ■私鉄大手スト中止 1万1400円で妥結(朝日)
  ■南海のラピ−トも 女性の接客係乗務(朝日)
  ■交通局の92年度接待費 83件685万円支出 市民団体へ 条例で公開(朝日)
  ■私鉄スト回避 利用者、安どの朝 ゆったり通勤風景も(京都)
  ■私鉄大手3.94%で妥結(朝日)
26日■市交通局北大路バスターミナル 地下移転へ工事終える きょう始発から営業 乗降場10ヵ所設置(京都)
  ■1200年振り返る旅を 市交通局 1、2日乗車券発売(京都)
  ■「のぞみ」より速いよ 新大阪−博多2時間 JR西日本が航空客奪う構想 広島・岡山は通過 「地元の理解がカギです」(朝日)
  ■3.77%上げで妥結 JR西日本(朝日)
28日■関空−京都3430円 運賃などを申請 JR西日本・南海電鉄(京都)
  ■京都から特急で3430円 南海電鉄とJR西日本 関空への運賃申請(朝日)
  ■子連れ母さん応援します 授乳室、主要駅に設置 湯わかし器やイス・ベッド 阪急、全国の鉄道で初(朝日)
  ■女子高生 28%が電車で痴漢被害 大阪府立高先生ら調査 「6回以上」も12%(朝日)
  ■「走る博物館」野鉄さらば 赤字理由に31日80年の歴史に幕(朝日)
29日■叡山ストを回避 中小私鉄バス各社 京阪、阪急も(京都)
  ■終日禁煙 PR効果いまひとつ JR京都駅スタート1ヵ月 ホームでつい一服 深夜やラッシュ 変わらぬ清掃回数(京都)
  ■中小私鉄・バス スト構え交渉(朝日)
  ■春闘ストすべて収拾 京滋の中小私鉄(京都)
30日■「96年末完成へ全力を」 地下鉄東西線 市長が建設現場視察(京都)
  ■信楽「鉄道安全宣言の町」に 事故の教訓生かしたい 町議会会議(京都)
  ■新駅誘致へのハードル(朝日)
  ■新幹線チェーン妨害 「転覆の危険あった」JR総研 滋賀県警に報告(京都)
31日■JR7社事業計画 94年度も減収減益 旅行客 不況で減少予想(京都)
  ■線路に自転車 電車がはねる 東山の京阪踏切(京都)
  ■高速化、通勤に重点 JR6社の94年度計画 総2階建ての新幹線 関西空港線6月開業 300X試験運転へ(京都)
  ■JR6社、減収予測 新年度 増収は「西日本」だけ(朝日)
  ■緑化フェアは電車で 梅小路に臨時駅(京都)
  ■京都の京阪本線 踏切に自転車 電車がはねる(朝日)



1日■地下鉄 京都市会 工法変更で 260億円膨張 利息など間接費増も
 京都市の地下鉄東西線の建設費膨張問題で、建設費の約1500億円にのぼる超過概要が28日までに分かった。地価上昇による用地費と工法変更や他の鉄道の走路確保措置など直接的な工事費が大幅にアップしたほか、工期の2年近い遅れで経費や利息などの間接費が増大、大幅超過の見込みとなることが明らかになった。
 新年度予算庵で示した市の見通しによると、東西線の建設費は、市直轄分(9.4`)で当初計画の1840億円を850億円上回る2690億円、市が出資している第三セクターの鉄道事業会社「京都高速鉄道」分で当初計画の610億円を640億円上回る1250億円となり総額3940億円に達する見込みとなっている。
 とくに、当初計画の2倍以上の建設費増加となる三セク分では、市が強調する平均3.5倍に急騰した用地費は、全体の7%余りに過ぎない。最も大きな負担となっているのは、建設費の60%を占める土木費で御陵、蹴上などの工法変更で220億円余りの増加となるほか、連絡設備や京阪京津線を走らせながら工事を進める鉄道防護の費用の増大が目立っている。
 市直轄分では、京阪やJR、地下鉄烏丸線の鉄道防護で約80億円の増となっている。工法変更は御陵東、鴨川横断などの40億円程度で、三セク分に比べると目立たないが、直接工事全体では46%もの増加。工事内容では、出入り口の増設や鉄道防護など、当初から予想されたはずの工事もあり、烏丸線建設の実績がどう生かされたのか疑問も出そうだ。
 他の工事では、通信設備に最新の光ファイバーを採用したことや、電力設備の費用増加、民間ビルと一緒に建設する合築施設とする予定の変電所施設計画が挫折、自前で建設するため、負担増となるケースも出ている。
 間接費の増大は、昨年の市会で工期が94年度末から96年末まで、2年近く延長され、経費や利息が、その分増えた。金利減少は幾分見込まれるものの間接費は市直轄分で約165億円、三セク分で約95億円のアップとなる見込み。
 このほか、工区によっては進むちょく率1%でとどまっているところもあり、工事の本格化で新たな契約変更が生じる可能性もあり、圧縮には厳しい条件となっている。(京都新聞)
■地下鉄京都市会 資料要求の”集中砲火” 前管理者出席求め「解明」へ強い姿勢 事業予算特別委
 京都市の2月定例市会は、28日から普通、事業各予算特別委員会がスタートした。事業予算特別委員会(南野昭雄委員長)では、地下鉄東西線の建設費膨張問題に関する資料要求が集中、建設費や工期について「これまでの説明では、疑問が解明できない」との声が相次いだ。さらに、事業予算委に前管理者の依田満収入役の参考人出席を求める意見も出された。依田収入役の出席については、正副委員長で協議する。
 事業予算委では、冒頭に三浦貞義管理者(交通局長)が新年度予算案を説明、当初計画に比べ約1500億円の超過となった東西線の建設費の見直しについても報告された。
 審議では福島滋弥議員(自民党)が「当初計画段階から無理がある、と指摘していた。1996年末までの完成ということは、翌年の1月からは走る、と解釈している」として、計画改定や、残る工期の進行予定資料の提出を求めた。
 椋田知雄議員(同)も「1500億円の資金計画をどうするのか。完成までの資金、それ以後の資金計画の内容を示すべきだ」と追及した。江羅寿夫議員(同)は「第三セクター部分が大変な工事になるのは初めから分かっていた。料金面の資料を出して欲しい」と要求。北川明議員(同)も京阪電鉄関連の資料を求めたほか、「直轄分、三セク分でそれぞれ一般会計からの持ち出しはどうなるのか」と回答を求めた。
 このほか、自民党では、高橋泰一朗、大西均、中野竜三の各議員も適性運賃を維持するための限度額の見通し資料などを求めた。
 北山忠生議員(共産党)は、工区毎の契約変更の理由のほか、入札経過、運輸省との交渉経過などについて明らかにするように求めた。「入札予定額は容赦して欲しい」とする交通局に、若宮修議員(同)は「当初計画の大幅見直しがあった以上、工区ごとの予定価格が適性であったかどうか審議すべき」と重ねて資料を求めた。有吉節子議員(同)は契約書の様式を資料提出するよう要求した。
 社会党では、梅林等議員が公営地下鉄事業の補助制度の変遷、鈴木正穂議員が土地買収の推移についてそれぞれ資料を要求。小林澄江議員(公明党)は、東西線の点検・推進委の取り組みスケジュール、宮本徹議員(民社ク)は烏丸線の工事状況の資料を求めた。
 委員会では、昨年12月まで管理者を務めた依田収入役を参考人として出席を求め、答弁を求める提案も出された。(京都新聞)
■叡電が増発 23日からダイヤ改正
 叡山電鉄(京都市左京区)は23日から昼間時間帯に運行列車を増発、運転間隔の短縮に重点を置いたダイヤ改正を実施する。
 沿線利用客の利便性を向上させるとともに、観光客等の利用増加を図る狙い。
 主な改正点として平日ダイヤが出町柳−八瀬遊園間の運転を現行15分間隔から12分に、出町柳−二軒茶屋間は同15分間隔から10分に、出町柳−鞍馬間は同30分間隔から20分間隔に短縮する。いずれも午前9時から午後7時まで。また休日ダイヤも改正、出町柳−鞍馬間は年間を通して15分間隔の運行(午前7時−午後7時)とする。(京都新聞)
■関空連絡鉄道 6月15日開業 駅名も正式決定
 関西国際空港会社とJR西日本、南海電鉄の3社は1日、同空港と対岸の大阪府泉佐野市を結ぶ空港連絡鉄道の営業開始を6月15日とすることを決めた。「空港駅」「前島駅」と仮称していた連絡鉄道の2駅の名称も、それぞれ「関西空港駅」「りんくうタウン駅」とすることを決め1日、近畿運輸局に届けた。
 現在、新空港の建設作業員や空港会社の関係者は大半が船を利用して空港島に通勤しており、空港会社側は通勤の便を図るため、鉄道の早期営業を要請していた。これを受け鉄道2社は、新空港開港の9月4日を前に6月の開業を決めた。
 JR西日本によると、営業開始は、空港アクセス用に導入する新型の快速を天王寺−空港間に1時間に2本運転、約45分で結ぶ。日根野−空港間にも普通電車を走らせる。
 南海電鉄は難波から関西空港まで急行を1時間に2、3本運転。所要時間は43、4分。泉佐野−空港間にもシャトル便の電車を運行する。
 両社とも具体的な運転ダイヤや運賃の決定は4月以降になるが、関西空港駅に乗り入れる電車は両社合わせて1日60往復程度になる見込み。空港専用特急「はるか」と「ラピート」は、開港日からの運転となる。
 営業開始後は一般の乗客も鉄道を利用できるが、空港駅まで行っても空港が建設中であることや警備上の理由から駅のコンコースから出場できない。
 鉄道を利用して通勤するのは1日8000〜1万3000人。JRと南海の利用は半分ずつくらいになりそう。(京都新聞 夕刊)
■JR西日本 半数の駅 終日禁煙 春クリーン 灰皿全部ふた 愛煙家へ同情の声も
 山陽新幹線17駅を含むJR西日本の684駅で1日、一斉に「終日禁煙」がスタートした。たばこが吸えるのはホームやコンコースの喫煙コーナーだけ。同社の担当者は「公共の場は禁煙というのが社会のルール」と話す。
 この日、禁煙が実施されたのは同社管内の56%の駅。残りの駅も禁煙の案内板や喫煙コーナーの設置が整い次第、順次実施する計画だ。全駅禁煙の取り組みはJRグループでは九州に次いで2社目。
 JR京都駅では、28日昼過ぎから禁煙のステッカー300枚や、喫煙コーナーヘの誘導ステッカーなどを構内各所に掲示する作業を進め、終電後の1日午前1時からは、構内の吸い殻入れに2時間半がかりでふたをして回った。
 1日朝は、ラッシュ時間に合わせて終日禁煙の告知入りティッシュ約3000個を改札口で配ったほか、構内アナウンスを随時流し、乗客に理解と協力を呼びかけた。
 京都駅で和歌山方面に友人と旅行に行くという京都市右京区の主婦林田いく子さん(56)は「ホームにいつも吸い殻のポイ捨てが多く、駅員さんが大変だなあと思っていたので私自身は禁煙に大賛成です。でも、主人もヘビースモーカーなので、たばこ好きの人にはちょっとかわいそうな気もします」と話していた。(京都新聞 夕刊)
■春さっそう 人気トロッコ再開列車走る 若い女性ら20人を乗せ
 冬の間、運転を休止していた観光トロッコ列車「ロマンチックトレイン嵯峨野」が1日朝、運転を再開し、1番列車が早春の嵯峨野を駆け抜けた。
 トロッコ列車は1991年春に開業し、専用駅の嵯峨−亀岡、嵐山−亀岡の間を往復運転している。保津川渓谷の景勝地を走るレトロ調の客車(4両編成)が人気を集め、昨年末までに202万4000人の観光客らが利用した。
 この日午前9時27分、家族連れや若い女性グループら20人を乗せ、冬の間に整備、点検を済ませた列車がトロッコ嵯峨駅を発車した。(京都新聞 夕刊)
■阪急嵐山線18本が運休 2駅で信号トラブル
 1日午前5時40分ごろ、京都市西京区の阪急嵐山線上桂駅で、出発信号機が停止を示す赤のまま変わらなくなり、桂発嵐山行きの普通列車が同駅に12分間停車した。約1時間後、嵐山駅でも同様の事故が発生した。上り8本、下り10本の列車が運休、上り2本が7−12分の遅れとなった。
 午前8時半ごろに復旧したが、乗客約3500人に影響が出た。阪急電鉄広報室によると松尾駅付近のポイント故障が原因らしい。(京都新聞 夕刊)
2日■地下鉄京都市会 東西線 全工区で工事に遅れ 工事完了は95年度末? 試運転ずれ込みも
 京都市の地下鉄東西線建設費膨張問題で、市交通局は1日、再開された市会事業予算特別委員会に、完成予定としている1996年までの全25工区の工事計画をまとめた工程表を提出した。免許時の計画通りに着工した工区は皆無で、中には、当初の工事完了予定を過ぎて着工したケースもあった。試運転開始直前まで土木工事を予定している工区も2ヵ所あり、2年近い工期の延長にもかかわらず、工程は現時点でぎりぎりとなっている。
 免許時の予定では、土木工事の着工は、早い工区では88年度後半。その後、順調に工事を消化した場合、昨年秋にはすべての工区で工事を完了し、当初の目標としていた平安建都1200年の94年度には、東西線は開通の運びとなっていた。
 昨年の工期延長発表時点で見直した工程計画では、勧修寺工区で予定より半年あまり遅れて着工したほかは、いずれも1年から3年半後に工事を開始。また、工期そのものも大半の区間で1年から2年の延長を見込んでいる。
 特に、京阪京津線の路線確保で御陵駅工区では、工法変更で着工が1年あまり遅れたうえに、工期が3年から5年に延びる。このため、工事完了は95年度の終盤までかかる見込み。
 また、駅前再開発事業と連動する山科駅工区では、着工が3年近く遅れ、工事の進捗(ちょく)率12%。シールド工事主体の神宮道、東大路の2工区では、発進基地側の工事が未着手で、工事は事実上、現場事務所設置とシールド機械発注程度で進捗率は1%にとどまっている。
 駅工区では、土木工事の終了後も駅設備や電気工事が必要で、試運転の時期がずれ込むことも懸念されている。昨年の2月定例市会で工期の2年間延長を発表し、今回の建設費見直しとなったが、工期にも不安が残る状況となっている。
 一方、この問題を審議している事業予算特別委員会は、前交通局管理者の依田満収入役の委員会出席について協議していたが、今後の質疑の過程で参考人として事情を聴く必要が生じた場合に、同委員会で改めて協議することにした。(京都新聞)
■「雷鳥」が一時停止 JR向日町駅
 1日午後6時40ごろ、向日市寺戸町のJR東海道線向日町駅で、構内を通過しようとした和倉温泉発大阪行き特急スーパー「雷鳥」が赤信号で停止した。異常がないため、同駅員が手動でポイントを動かし間もなく復旧」「雷鳥」は18分遅れで同駅を発車した。(京都新聞)
■3日間乗り放題 KTRとJRフリー切符発売
 北近畿タンゴ鉄道(事業本部・宮津市)とJR西日本は、北近畿地方の観光振興と鉄道利用の促進を図るため、一定区間に限り3日間乗り放題の「TAP北近畿フリー切符」を1日から売り出した。
 運輸省提唱の「90年代観光復興行動計画」の一環として実施する。TAPはツーリング・アクション・プランの略
 フリー切符の区間は、北近畿タンゴ鉄道の宮津線、宮福線の全線(114`)と、JRの山陰線馬堀−浜坂(179.8`)▽福知山線福知山−篠山口間(48.1`) ▽播但線和田山−生野間(22.1`)▽舞鶴線東舞鶴−綾部間(26.4`)で、総距離は390.4`。
 連続3日間、この区間内は特急、急行の普通車自由席と普通列車を自由に乗り降り出来る。料金は大人7300円、小人3650円。主要各駅で発売している。期間は6月30日まで。(朝日新聞)
■地下鉄東西線 買収費、当初の3倍 京都市議会予算特別委 市の姿勢を追友へ
 地下鉄東西線の建設費が当初の予定より約1500億円も増額する問題に絡み、京都市交通局は1日、市議会事業予算特別委員会に対し、工区ごとの契約変更額などの資料を提出した。議会の中には、建設費の大幅な増額を先月に至るまで明らかにしなかった市の資勢を批判する声が強まっており、同特別委は2、3両日、これらの資料をもとに追及する構えだ。
 資料によると、市側が建設を担当する18工区のうち、土木工事費が当初の契約額を上回っているのは、前年度末現在で16工区に上る。中でも、路上交通を確保するため工法を変更した御陵東工区は当初の約60億円が1.5倍の約90億円に膨れたほか、御地駅、小野駅、勧修寺の各工区も土留などの変更に伴い、1.4倍以上の増額となった。
 また、用地と地上権の買収はほぼ終えているが、その費用は、市と第三セクター「京都高速鉄道」の全建設区間(25工区)で、当初見込みの3倍の約440億円に上っている。
 交通局は当初見積もりが甘かったことへの反省点として、施工条件の厳しさによる工法の変更やバブル経済による地価高騰などを挙げた。
 だが、東西線の見返りに沿線の民間ビルに対し、10ヵ所の駅への出入り口の建設費の負担や、3ヵ所の変電所の用地提供をしてもらう予定だったが、景気低迷などの影響で実際には1ヵ所の出入り口分しか負担してもらえず、結局、残りは負担を余儀なくされたことも明らかにしており、計画段階でのずさんさが問われそうだ。(朝日新聞)
■JR関西線 急行と車が衝突し脱線
 2日午前10時18分ごろ、三重県阿山郡伊賀町柘植のJR関西線、柘植−新堂間の踏切(警報機、遮断機なし)で、名古屋発奈良行き「急行かすが」(2両編成)が乗用車と衝突、先頭車両の最前部が車に乗りあげる恰好で脱線した。
 上野署によると、この事故で、乗用車に乗っていた55歳くらいの男性が死亡した。急行の乗客16人にけがはなかった。同署などで原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)
3日■地下鉄問題 京都市会 建設費膨張 厳しく追及 「計画に無理」指摘 交通局長 96年末完成、強い決意
 京都市の事業予算特別委員会は2日再開、地下鉄東西線の建設費膨張問題で、本格的な審議が始まった。1500億円の超過に対し、委員会では「当初の計画時点から無理があったのではないか」「もっと早い段階で、大幅膨張が分かっていたのではないか」「財源はどうするのか」「市民との感覚にズレがあるのではないか」などと質問が相次いだ。また、96年末完成予定の再確認を求められた三浦貞義管理者(交通局長)は「問題点は、二、三あるが、なんとしてもやり遂げたい」と改めて強い決意を表明した。
 質問のトップに立った江羅寿夫議員(自民党)は、「平安建都1200年に間に合わせたい、と無理やりに低く抑えた計画を出して運輸省の許可をもらったのではないか」などと追及した。これに対し、北田貞雄高速鉄道本部長は「当初計画は、87年時点で烏丸線の実績や物価水準で算定した。行政改革の中で切り詰め、厳しい数字ではあった」との認識を示した。
 続いて鈴木正穂議員(社会党)は、「昨年2月の工期延長の表明より、もっと早い段階で建設費膨張の見積もりがあったのではないか。なぜ公表しなかったのか」などとただした。これに対し、井上幸郎管理本部長は「92年に用地と土木工事を主に一定の見直しをした。しかし、まったくの内部の資料でまとまったものではない。国との一定の協議を経ない数字としてだせるものではない」と総合的な試算ではなかったことを強調した。
 さらに、北山忠生議員(共産党)は、設計変更の度に建設費が膨らんでいることを指摘、「地質調査が十分でなく、積算が安易だったのではないか」などと追及した。これに対して浅賀博高速鉄道副本部長は「80ヵ所で調査した。その区間を想定でつなぎ、地層図も作った。土質が悪いところでは、さらに詳細な調査をした。しかし、醍醐駅工区など予想を越える困難な場所もあった」と説明した。
 また、北川明議員(自民党)は、山科駅前地区市街地再開発事業との関連について竹沢忠義都市計画局長、西村正信都市整備局長にも出席を求めて「都市計画、都市整備局の都市開発事業の手法でやったのが間違いではないか。結果的に地下鉄建設の促進を図る交通局の応援を求めないとできなかったのではないか」とただし、用地の先行取得に交通局から23億5000万円が出されていると追及、両局長は「都市開発事業の手法に間違いはないと考える」としながらも交通局の助力を認めた。
 委員会では20人のうち、委員長らを除く18人が質問通告、同日は4人が質問した。(京都新聞)
■CTC司令室小学生に公開 保線作業実演も「安全運行、現場見て」 団体申し込み受け付け開始
 列車集中制御装置(CTC)指令室や駅長室の内部、保線作業風景など、小学生(団体)向けのユニークな鉄道施設見学コースを、JR西日本大阪支社が設定、1日から申し込み受け付けを始めた。ふだんあまり見ることのできない施設ばかりとあって、人気を呼びそう。
 小学校の社会科、生活科の授業の一環として、駅など現場の見学の要望が多かった。見学は、1日コース3種類と、半日コース4種類。同社の交通科学博物館(大阪市港区)と、1−3ヵ所の現場をセット化。博物館で鉄道の歴史や文化、技術を学び、電車と徒歩で現場を回ることになっている。
 駅長室やみどりの窓口、特急列車の出発合図(大阪駅、天王寺駅)、列車の安全運行をとりしきる指令員の仕事ぶり(天王寺CTC指令所)、大型機械を使った保線作業の実演(吹田保線区)、電車の修理と検査風景(森ノ宮電車区)、車両の解体・組み立て作業(吹田工場)が見学できる。各現場では、職員が説明と案内を担当するほか、危険防止にも当たる。
 見学できるのは、100人程度までの団体に限る。交通科学博物館の入館料と、移動の際の運賃が必要。申し込みは、大阪支社管内のJR各駅(例えば東海道線なら東淀川−尼崎間)へ。「列車を安全、正確に動かすために、多くの人間が一生懸命働いていることが、見学によってよく分かり、きっと勉強になるでしょう」と、会社側は話している。(京都新聞)
■地下鉄東西線建設費の膨張 国へ新補助制度の適用 交通局が要望へ
 京都市交通局の来年度予算案を審議する市議会事業予算特別委員会は2日、地下鉄東西線の建設費が当初予定より約1500億円も上回る問題を取り上げた。各委員は「建設費の見直しについて何度も問いただしたのに、突然、公表するとは議会と市民を無視したやり方だ」と批判。交通局は建設費が当初見込みの2倍以上に膨れ上がった第三セクター京都高速鉄道の事業に対し、国の新しい補助制度が適用されるよう運輸省への働きかけを強める意向を明らかにした。
 この補助制度は国の来年度予算案に初めて計上された。自治体が出資額の5割以上を投じている第三セクターの地下鉄建設を支援するのが狙いで、建設費に国の補助金などを出す。
 しかし、対象は鉄道事業免許を申請して新線を建設する場合に限られており、すでに工事に着手している京都高速鉄道は対象外。このため、交通局は制度の運用面の変更を運輸省に求める方針だ。また、この日の特別委で委員らは「なぜ、建設費の増額を隠してきたのか」「市民1人あたり、突然10万円の借金が出来たのと同じだ」「仮に民間企業であれは、経営はパンク状態」などと追及した。
 交通局幹部らは公表が遅れた理由を「国との調整といった問題もあった」と陳謝した上で、「国の1995年度予算概算要求が行われる6月ごろをめどに、建設費の再点検や交通局自身の経営健全化策の取りまとめを行う」と約束した。(朝日新聞)
4日■地下鉄 京都市会 一昨年、市長に報告 建設費膨張 工期の遅延 内部試算の概要 管理本部長答弁
 京都市の地下鉄東西線の建設費膨張と工期遅延は、すでに1992年6月段階で、内部試算により明らかになっており、田辺朋之市長にも概要が報告されていた。3日の市会事業予算特別委員会の答弁で明らかになった。市は、この「92年試算」から8ヵ月後の昨年2月の予算市会で、まず工期の2年近い延長を表明、さらに1年後の今年2月の新予算案で、やっと建設費の1500億円の膨張見直し額を示すなど、長期間にわたって当初計画とのズレを公表していなかった。
 「92年6月時点で東西線の工期延長と建設費膨張は、市長に伝えていたのではないか」との質問に、交通局の井上幸郎管理本部長が答えた。井上本部長は、「用地買収と第1回土木工事契約の終了した段階で、一定の積算をした。市長にも『工事が延びる。建設費も膨らむ』と報告した。細かく報告したということではない」と、田辺市長への報告を認めた。井上本部長は、この92年試算を基に、当時から運輸、自治両省との話し合いがあった、との経過も明らかにした。
 その後、翌93年の2月定例市会で、田辺市長は「残念だが全体の完成時期は96年末となる」と工期延長を公表した。建設費については、当時の管理者が、その後の市会答弁でも「相当の大幅」とするだけで明言を避け続けていた。
 工期延長と建設費膨張の公表の遅れについて、井上本部長は「試算は国との交渉などの時点時点で行っている。市長からは、工期、建設費とも何とかできないか、という指示を受けていた」と説明。「特に大きな負担となる第三セクター区間の財源を確保するには、国の新たな助成制度の創設、資金枠の確保などが不可欠だった。国との交渉の見通しがつかないうちに額の公表はできなつた」とも答弁した。(京都新聞)
■国の補助を極力要請 地下鉄問題 京都市側が答弁 資金枯れ 工事中断ない
 京都市の2月定例市会事業予算特別委員会は、3日も前日に続き、地下鉄東西線の建設費膨張問題を中心に審議した。議員からは工法変更の時期や第三セクターの資金問題、今後の経営見通し、市民理解への方策などについて、交通局や市理事者の責任を問う質問が次々と出された。交通局に対する審議は同日までの予定だったが、まだ18人の質問通告者のうち、12人が残っており、同委は予定を変更、きょう4日も同局への審議を続行する。
 前日に続き質問を行った北川明議員(自民党)は、建設費が2倍以上に膨張した第三セクターの京都高速鉄道の財源問題について「資金ショートを起こして工事が止まるようなことはないか」とただした。これに対し、井上幸郎管理本部長は「国や市一般会計への支援を求める協議を続けている。新年度は、全国のP線資金(鉄建公団の資金)の枠組みが認められた。資金ショートはないと考えている」と答えた。北川議員は、御陵の工法変更は、関係期間との協議が具体的な工事に入る直前で、当初計画が十分でなかった点なども指摘した。
 福島滋弥議員(自民)は、今後の財政問題で質問、「市民には増額を明らかにせず、国に気を使ったのだから、見直し分は、国の補助対象となるのでしょう」と問いかけ。井上本部長は、「国には極力、補助対象とするよう求めている。三セク分は、新たな助成制度の適用を要請しているが、なお協議は残っている」と、財源見通しは必ずしも確定していないことを明らかにした。
 さらに、宮本徹議員(民社ク)は、建設費の1500億円もの膨張を「見積もりの甘さ、ミスとしか言いようがない」としたうえで、「交通は独立採算性を言いながら、赤字が出たら一般会計に泣きつく体質となっているのではないか」と追及。井上本部長は「局内の経営健全化計画を進める一方、点検・推進委で体質改善もやろうとしている。国に支援を求める大前提条件であり、がけっぷちに立たされている」との認識を示した。
 また、椋田知雄議員(自民党)は「市民に納得と理解と協力を得る方法として何を考えているか」と質問した。これに対し、三浦貞義管理者(交通局長)は「現時点の状況を率直に説明するほか、点検・推進委の作業、市全体の支援策の方向づけ、国への要望といった展望を見だし市民に示したい」と答えた。(京都新聞)
■洛西タウンまでの延伸 「困難」の見通し示す 地下鉄東西線
 京都市の地下鉄東西線建設費の膨張問題を審議する事業予算特別委員会で3日、東西線の二条駅以西への延伸の見通しについて、北田貞雄・高速鉄道本部長は、「道路のない所に地下鉄を造るのはもうこりごり」と発言。地下鉄建設に見合う道路を整備しなくては、洛西ニュータウンまでの延伸は困難であるとの見通しを示した。
 北川明氏(自民)の質問に答えた。
 地下鉄東西線は現在、醍醐−二条間の建設が進められているが、1989年の運輸政策審議会で、2005年までに整備すべき路線として西大路間までが、また着手すべき路線として洛西までが盛り込まれている。
 このうち二条−西大路(請願採択で天神川まで延長)間はすでに都市計画決定され、御池通の未整備区間約400bについて道路の延伸が予定されている。しかし天神川以西の洛西ニュータウンまでの区間約8`では、住宅が密集し、地下鉄建設に10分な規模の道路整備の予定はない。
 交通局は、今回の建設費の膨張は、道幅が狭いために難工事が重なったためとしている。
 北田本部長は、延伸の大前提として、長期の財政見通しと財源の確保とともに、道路整備が必要との見解を示した。(朝日新聞)
5日■地下鉄 京都市会 交通局移転 当分見送り 九条車庫 新ビル建設 資金見通し立たず
 京都市交通局は、4日、開会中の市会事業予算特別委員会で、京都市南区の九条営業所に計画中の複合施設ビル建設と庁舎移転計画を当面見送る方針を明らかにした。景気の低迷で核となる民間業者の参加が見込めないほか、地下鉄東西線の建設費の大幅膨張で、交通局自身のリストラ(事業の再構築)が緊急課題となり、資金的な見通しが立たないためで、地下鉄問題の余波がおよんだ形だ。
 計画によると、交通局は、1993年予算に検討費など1600万円を計上、九条営業所に複合施設ビルを建設、老朽化している本庁舎(中京区壬生坊城町)を移転する予定だった。
 しかし、昨年にはコンペ要綱を作成したものの景気の低迷で、民間から名乗りを上げる業者がなく、コンペ実施のメドがないうえ、地下鉄東西線の建設費膨張で第三セクター分を含め、1500億円の建設費超過となり、厳しい財政状況に陥ったことから、実現が困難な状況となった、と判断した。
 市会事業予算委で、交通局のリストラ策に関連して移転問題をただされた三浦貞義管理者(交通局長)は「コンペ実施は難しい」と表明。冨松賢三自動車本部長も「壬生を含めて自治省に起債の話をしている。しかし、地下鉄問題を乗り切ることが先決」と答え、当分の間、庁舎移転は棚上げとする意向を表明した。
 九条営業所は、敷地2万8000平方b、56年建設の本庁舎は壬生車庫を合わせ、約5800平方b。交通局は慢性的な赤字経営体質からの脱却策として局用地の有効活用の優先整備対象施設の一つに両敷地をリストアップしていた。(京都新聞)
■文化財調査費も大幅増 地下鉄問題 京都市会 8億5000万円追加 「見込み違い」認める
 京都市の2月定例市会の事業予算特別委員会は、4日再開、地下鉄東西線の建設費膨張問題を中心に、5日目の審議を行った。審議では、経営健全化対策、料金への波及問題、運輸省との交渉経緯、第三セクターへの出資、文化財発掘費用の見通しなどについて4議員が交通局の見解をただした。答弁の中で、交通局側は文化財の発掘費用の大幅増加について山科や御池神泉苑など文化財調査に対する十分な当初計画ができていなかったことを認めた。7日も同局に対する審議を継続する。
 この日質問にたった中西正三議員(公明党)は埋蔵文化財の発掘費用問題や今回の見直しの報告経過が市会がこれまでに地下鉄に関して行っていた付帯決議を無視していると指摘した。中西議員は「京都市には遺跡地図がある。文化財の発掘調査費用を後から大幅追加しているのには疑問だ」とただした。これに対し浅賀副本部長は、発掘費用が神泉苑などで増加8億5000万円の追加を説明、「見込み違いだった」と当初計画で十分な発掘対策をしていなかったことを認めた。中西議員は三セク方式の導入の経過についても質問した。
 前日に引き続き質問した椋田知雄議員(自民党)は交通局内部の経営健全化検討組織が2月に発足したことに触れ、「もっと早い時期に膨張が分かっていたにしては遅い。申告性に欠けているのではないか」と指摘、本庁舎の移転計画についても質問した。
 山本豊議員(共産党)は、烏丸線の北進にからんで昨年の決算委員会で、運輸省幹部との高額接待が明るみに出たことに関して、「東西線でも免許取得段階で、相当の接待を国に対してやっていたのではないか」などと追及した。山本議員は醍醐地域で路面を覆う鋼板の落ちる事故が相次いだ点についても説明を求めた。事故については浅賀博高速鉄道副本部長が「計算上は1.5倍の強度にした。事故後、全面的にグレードアップを図り、安全対策を徹底した」と答えた。
 有吉節子議員(同)は、「行政の失敗を市民に肩代わりさせる責任転嫁ではないか」と追及した。これに対し、三浦貞義管理者(交通局長)は「行政の失敗とは考えていない。諸般の事情ではなかった。市民に心配と財源問題で未確定な状態があり、事態を率直に説明し理解を得たい」と答えた。有吉議員は三セクの出資問題についても質問した。(京都新聞)
■新規出資呼び掛け 第3セクター増資分、民間の協力困難
 京都市の地下鉄東西線の建設費膨張問題で、第三セクター「京都高速鉄道」(社長・依田満京都市収入役)の計画している増資計画が難航していることが、4日の市会事業予算特別委員会で判明した。市は財務体質の強化を狙いに授権資本いっぱいの60億円への増資を計画、新年度予算案に市出資分の増額を計上しているが、他の民間会社が不況の影響などで全面的に同調しないためで、新たに保険会社などに出資を呼び掛けている。
 三セクは市が資本金の51%の出資、京阪電鉄12%、三和銀行など銀行や信託銀行、電力、ガス会社、地元企業などが5%から0.3%を出資している。現在の資本金は15億円、市は7億6500万円を出資している。
 今回の建設費の見直しでは、三セク分では、当初の610億円から1250億円に2倍以上に建設費が膨張、運営資金の心配もある。このため、同社は授権資本の60億円まで増資を行うことにし、市は支援策の一環として、新年度一般会計の予算(案)に、22億9500万円を計上、合計出資金を30億6000万円にすることにした。
 同社は京阪電鉄のほか、他の出資26社にも当初比率に応じた出資を求めた。しかし、各社とも景気の低迷と地下鉄建設費の膨張を懸念、全面的な協力は難しい情勢。このため、同社では保険代理店業務も行っていることから、保険4社に、新たな資本参加を求めることにした。岡野寿義総務部長(市交通局参事)が、予算委の質疑に答えた。(京都新聞)
6日■最高速度達成の日 リニア誤動作 急停車してた
 鉄道総合技術研究所(JR総研)のリニアモーターカー宮崎実験センター(宮崎県日向市)で、実験車両「MLU002N」が無人走行実験で、客を乗せるタイプの実用車両としては当時の国内最高速度を達成した日に、安全装置が誤動作、緊急停車していたことが5日までに分かった。
 トラブルがあったのは2月22日の実験の5回目の走行。時速423`を出した直後に、安全装置のクエンチ検出回路が誤動作、空気抵抗を利用する非常用の空力ブレーキを使用して通常時のブレーキ装置と併せて停止した。
 クエンチはリニアの超電導状態を保てなくなる現象。この現象が起きると浮上走行できなくなる。
 同センターは事故の原因について、走行路にあるリニア推進用のコイルが2層式から単層式に変わる場所でトラブルが起きており、これが異常につながっているのではないか、としている。
 この実験の2日誤には、時速431`を出し、最高速度を更新している。
 同実験センターの一戸光一所長は「実験には小さなトラブルはつきもの。次の日の実験に支障がないと判断し発表する必要はないと考えた」と話している。(京都新聞)
■温泉街に汽車走る
 夏目漱石の小説『坊っちゃん』の主人公が「マッチ箱の様」と形容した明治の汽車が4月、蒸気と煙を吐いて温泉の街によみがえる。道後温泉本館が築100周年になるのを記念して、旅館組合などが計画した。道後地区の空き地に100bの線路を敷き、観光客を乗せて無料で運行する。列車は松山市の鉄工会社が17年前、観光用に製造した複製。映画の撮影などに使われたことがあるが、地元で走るのは初めて。関係者は「低迷する愛媛観光のけん引車になって欲しい」。(朝日新聞)
7日■JR西日本 落石・土砂崩れ ハイテク監視 事故防止へ開発に着手
 大雨で土砂崩れが起きたのを知らずに突っ込んで脱線−こんな鉄道事故を防ごうと、JR西日本は線路沿いで起こった災害を検知する新しいシステムの開発に乗り出した。災害がどこで発生するかの予測が難しいうえ、巡回警備にも限界があることから、広範囲をカバーするシステムが必要と判断した。2月から、廃線を使って実際に土砂崩れを発生させるなどの実験を進めており、来年3月にも実用化の見通しだ。
 開発中の検知システムは3種類。ひとつは落石や土砂の流出を防ぐネットフェンスを張っている区域が対象で、振動を感じると警報を発する細長い特殊ケーブルを設置する。2つ目は線路を支えている盛り土用で、物体の崩壊時に発生する超音波をとらえるセンサーを埋め込み、土砂崩れなどを検知させる。
 もうひとつは、光ファイバーケーブルの利用。盛り土が崩れた時に、光ファイバーが曲がり、戻ってくる散乱した光の変化をとらえれば、災害発生がわかるという。
 すでに、山陰線の福知山−上川口間にある廃線を利用し、2月中旬から実験を行っている。同時に、これらの情報を運転士や車掌に瞬時に知らせるシステムの開発も進めている。
 JR西日本によると、土砂崩れや盛り土の崩壊対策として、防護壁などが設置されてはいるが、ローカル線を中心に山間部にある線路が多く、設備の強化だけでは災害を防ぎ切れないという。
 例えば昨年7月、島根県益田市の山口線で、特急「おき6号」が土砂に乗り上げてブレーキが破損、自力走行できなくなった。11月には和歌山県下津町の紀勢線で土砂成れと倒木があった。さいわい事故は免れたが、ひとつ間違えは大惨事になるところだった。(朝日新聞)
■架線に車のカバー 新幹線12本に遅れ 加古川
 6日午前11時35分ごろ、兵庫県加古川市尾上町の山陽新幹線上り架線に、自動車のビニールカバーがひっかかっているのが見つかった。JR西日本は西明石−姫路間の新幹線を止めてビニールカバーを取り除き、午後零時26分に復旧した。
 この事故で上り新幹線12本に3分から45分の遅れが出て、約7000人が影響を受けた。兵庫県警鉄道警察隊の調べでは、隣接する駐車場から突風でビニールが舞い上がり、架線にかかったという。(朝日新聞)
■レールが外れダイヤ乱れる 明石のJR山陽線
 6日午前5時半こせろ、兵庫県明石市大久保町のJR山陽線の上り線路のレールの溶接部分が外れ、約4aのすき間ができているのを、貨物列車の運転士からの通報で調べていた保線区員が見つけた。応急処理をして仮復旧したが、後続の22本が運休、佐世保・長崎発京都行きの寝台特急「あかつき」など31本が最高約2時間遅れた。
 この後、JR西日本は同日午後2時から約50分間、列車14本を止めてレールを取り換え、その間、西明石−東加古川駅間をバスで代替輸送した。
 破損したレールは1981年8月に設置。通常、耐用年数は20年以上とされていることから、同社が原因を調べている。(朝日新聞)
8日■地下鉄 京都市会 JV運用基準見直し 共同企業体「意思疎通欠く」の指摘受け 例外措置、削除へ 現在5社以上が7工区も 京都市
 京都市の地下鉄東西線建設費の膨張問題で、市交通局は7日、建設工事の共同企業体(JV)との契約取り扱い方針を定めた運用基準を見直す方針を明らかにした。同日の市会事業予算特別委員会で、国基準との不整合性の問題と、東西線7工区で、基準で例外的措置と決めている5社以上のJV方式が多くある、との追及に答えた。
 東西線建設は、全25工区でゼネコン(総合建設請負業)や地元建設会社との組み合わせによる、共同企業体(ジョイント・ベンチャー)方式で工事を受注している。市直轄工事分では、18工区中で醍醐南工区の7社を最多に、御陵東工区で6社、醍醐北など5工区で5社、小野南など6工区で4社、小野駅など4工区で3社、二条駅工区で2社がそれぞれJVを組んでいる・また、第三セクターでは、7工区中、4工区で4社が、3工区で3社がJVを組んでいる。
 交通局には、建設工事などの契約の指針として「共同企業体運用基準」がある。工事予定価格が2億円以上の大規模工事についてJVを対象とできることになっており、構成員の数を「2または3社とする。ただし、例外的措置として5社までとすることができる」(4条)とし、3社以上の場合について、地元業者を含む組み合わせを原則とする基準を制定している。
 東西線では、例外的措置とされる5社以上のJVが計7工区もあるため、「企業間の意思疎通が工事進行の障害になっていないか」と追及があった。これに対し、井上幸郎管理本部長は「構成員の多いことによるデメリットはある。今後、これでいいかJVの運用基準を見直したい」と述べ、例外的措置を削除する方向での見直しを表明した。
 共同企業体の受注方式については、1987年に建設省の中央建設審議会の答申で「構成員は2ないし3社とする」ことなどを内容とする運用準則が示された。市でも市長部局などは国準則に基づき運用している。審議では、市交通局運用基準の特異性と東西線工事のJV構成が他都市での地下鉄工事に比べ異常に多いとの指摘もあった。
・工事契約「市会に報告する」
 京都市の2月定例市会の事業予算特別委員会は7日、地下鉄東西線建設費の膨張問題について、6議員が質問した。この中い、公営企業の建設工事契約が市会への報告、承認事項となっていない点について、井上幸郎管理本部長は「法で(公営企業の契約は)議決は不要となっているが、必要に応じて報告したい」と、市会に報告するシステムを考える意向を示した。
 工事契約の市会報告は若宮修議員(共産党)の質問に答えた。また同議員は、一昨年段階での建設費膨張の試算が公表されなかったことについて「烏丸線の北北進の運輸省認可のからみで、隠したのではないか」と追及。三浦貞義管理者(交通局長)は「試算は6月で、北北進認可の後だった」と否定した。
 梅林等議員(社会党)が共同企業体運用基準のほか、工区分けについて「工区スパンが長い方が工事はやりやすいのではないか」とただしたのに対し、浅賀博高速鉄道副本部長は「駅部分とトンネル部分を分けて発注した。長い方が確かに効率的であり、検討課題としたい」と答えた。
 大西等議員(自民党)は、第三セクターで業務監査が十分でなかったとの疑問を指摘、「本当に運賃にはね返ることはないのか」と迫った。井上本部長は「烏丸線との整合性もあり、すべてを運賃にはね返らすわけにはいかない」と答えた。
 永島久仁朗議員(公明党)が採算性をただしたのに対し、北田貞雄高速鉄道本部長は「当初の1日18万4000人という乗客予想には5大プロジェクトは算定してない。当初予測は十分確保できる」と説明した。
 小林澄江議員(公明党)は御池通から撤去、移植したケヤキについての費用をただし、中野竜三議員(自民党)は交通局の経営マインドに問題があるのではないか、と指摘した。(京都新聞)
■市建築審が現地検証 京都駅ビル 反対住民も立ち会う
 京都市下京区のJR京都駅ビルの高層化に反対する住民らが、市の建築確認の取り消しを求めている問題で、市建築審査会(乾達彦会長)は7日、京都駅周辺で現地検証を行った。
 駅ビル計画を巡っては、市が昨年10月、高さ制限を緩和した都市計画決定に基づいて駅ビル(高さ59.8b)の建築確認をした。これに対し、駅周辺住民ら市民約900人が昨年12月、建築確認の取り消しを求めて京都地裁に提訴するとともに、「違法な都市計画決定に基づく建築確認は無効」として、市建築審査会に審査請求している。
 現地検証は、審査会委員6人のほか請求人側の住民ら約30人と市の職員ら4人が立ち会い、午後1時から駅北側周辺で約2時間かけて行われた。
 請求人側は、西洞院通塩小路や烏丸通塩小路の交差点で「駅ビルに入る車で、今以上の交通混雑が予想される」などと、審査会委員に説明。最後に駅前のホテル屋上から、駅ビルの建設予定地を見渡し「60b近いビルは、美観地区が多い周辺の環境に適合しない」などと訴えた。(京都新聞)
■窓 JR京都駅で不愉快な出発 甲西町・鈴木 強(法律事務所員・43)
 2月の連休に行った、丹後旅行の記念写真が出来上がってきたので見ていたら、あの不愉快な思いが込み上げてきた。
 JR京都駅でのこと。すでに指定席は満席のため込むことを覚悟で、発車時刻の1時間ぐらい前から順番を待つことにし、まず丹後エクスプローラーのホームに行った。工事で狭くなっているホームは人の渦で乗れないのではと不安になり、あきらめて次の特急に乗ることにして、延々と家族で待った。そこで不愉快なことが2つ。
 1つは、列の前の方で代表が1人か2人待っていて、発車が近づくにつれて、どこからかゾロゾロ人がやってきては、平然と列に加わった。2つは。いざ乗るという段で、これまでの列が急に乱れ、どっと人が入り口に詰めかけた。あまりに腹がたったので、おばさんと口論までするオマケまでついた。
 ところが、これだけ混雑するのが分かっているのに、JR職員の姿はなく、まったくの放置である。順番札を配るなど、なにか工夫ができるはずだ。
 観光による丹後活性化というなら、足の確保をも含めたキメ細かな対策が必要だろう。帰路もつらかった。このままなら、もう二度と北近畿などには行きたくない。(京都新聞)
■京都駅周辺で現場検証 道拡幅の問題指摘 請求人側が目と足で実感 「景観へ巨大な壁」
 京都市が改築高層化計画のあるJR京都駅ビルの建築確認をしたのは違法、として約900人が市建築審査会に確認取り消しを求めている審査請求の現場検証が7日、下京区の同駅周辺で行われた。
 検証は約30人の審査請求人らの立ち会いのもと、請求人側の弁護士が駅周辺の10ヵ所で、整備が予定されている都市計画道路の位置関係や交通渋滞の恐れといった問題点を同審査会委員らに指摘した。
 請求人側は現在の西洞院通を拡幅して整備される駅北西部分の都市計画道路について「沿線西側のホテルはそのままにして、東側の民家に立ち退きを迫り、拡幅するのは不自然」と説明。現地で立ち退きを求められている印刷業西本和弘さん(64)も「東側にばかり拡幅するのは、弱い者いじめだ」と訴えた。
 さらに、駅ビルの大きさを実感するため、ビル建設予定地の東端から西端までの約480bを歩いたほか、駅前のホテル屋上に上って京都中央郵便局のほぼ2倍の約60bになる駅ビルの高さをイメージした。
 請求人側は「駅ビルがいかに巨大な壁となって立ちふさがり、京都の都市景観にとって異質な建築物になるかがわかるでしょう」としめくくった。(朝日新聞)
■「なぜ放置」議会追及 地下鉄東西線 膨張の見積り巡り 市議会特別委
 京都市の地下鉄東西線建設費の膨張問題を審議する市議会事業予算特別委員会で、92年6月に市交通局が「建設費は3600億円」と作成していた文書が論議を呼んでいる。交通局は「内部資料で公表できない。正確な額は市長に報告しなかった」と答えているが、議会側は「なぜ今まで放置したのか」と追及している。
 資料は「平成4年6月24日」付で、「取扱い注意」となっている。「工程及び建設費について」と題され、「平成6年度での完成は無理」とし、建設費が総額3600億円(第三セクター分1150億円、交通局分2450億円)となっている。
 また、財源のめどについては、「今年(92年)秋に予算変更の事前折衝を開始し、平成6年度概算要求に盛り込む必要がある」と記し、「大幅な建設費増額について、国は事業主体においても、財源について工夫するよう指導するものと考えられる」との見通しを述べている。
 関係者の詣を総合すると、当時、この文書は市長、助役に報告されたという。
 委員会では各会派から文書についての質問が集中。なぜ公表しなかったのか▽市長も知っていたのでは、などと質問が相次ぎ、「すぐ事業の再検討を始めるべきだった」と追及した。
 交通局は「92年当時、1回目の土木工事や用地買収の契約がほぼ終わり、その時点での見通しをまとめた資料。公表できない」「市長には”相当な増額がある”と報告したが、具体的な数字は報告していない」と答弁。市長からは「さらに削減できないか」「国に対し、財源の確保を求めるよう努力せよ」との指示があったと説明した。(朝日新聞)
■四つ橋線で火事騒ぎ
 7日午後11時9分ごろ、大阪市浪速区元町一丁目の地下鉄四つ橋線難波駅南側改札口近くにある清掃用具入れ倉庫から出火、地下鉄職員らが消化にあたり、約10平方bの同倉庫の一部を焼いて間もなく消し止めた。電車への影響はなく、地下道の通行人にも混乱はなかった。(朝日新聞)
■野上電鉄の解散認可
 運輸省は8日、和歌山県海南市の野上電気鉄道(田中秀雄代表取縮役、資本金9580万円)が申請していた法人の解散を認可した。解散日は4月1日。列車の運転は3月31日が最後で、開業以来78年の歴史に幕を下ろす。
 営業区間は、同市の日方駅と隣の野上町の登山口駅を結ぶ2.4`(単線)。
 野上電鉄は大正5年2月に開業。ピークの昭和39年には年間321万人が利用したが、過疎の進行で年々乗客が激減。平成4年には60万人にまで落ち込み、慢性的な赤字経営が続いていた。1月の臨時株主総会で会社の解散を決議。2月に解散を運輸省に申請していた。近畿運輸局によると、同電鉄の負債は約13億円。(京都新聞 夕刊)
■強風、ダイヤに乱れ JR山陰線
 JR西日本福知山支社は8日午前4時ごろから、兵庫県城崎郡香住町の山陰線余部鉄橋で断続的に風速20b以上を記録したため午前中、列車の運転を見合わせるなどした。
 この影響で、鳥取発大阪行き特急「はまかぜ2号」など含め10数本の列車に遅れが出た。(京都新聞 夕刊)
■運輸省 野上電鉄の廃業認可
 運輸省は8日、和歌山県のローカル私鉄・野上電気鉄道(本社・海南市、田中秀雄社長)の3月いっぱいでの会社解散を認可した。同社は慢性的な赤字のため廃業を決め、2月10日に解散申請を出していた。廃業後の沿線利相者の足の確保については、海南市の運送会社「大十」(畠山博皓社長)がバス部門の施設や事業免許を譲り受けて代替運行をすることが、同省からすでに認められている。
 野上電鉄は大正2年(1913年)設立。現在、海南市と野上町を結ぶ11.4`の電車線と路線バスを運行している。過疎化とマイカーの普及で、利用者は64年のピーク時の5分の1に減り、赤字経営が続いていた。74年から国の欠損補助金制度の適用を受けてきたが、経営状態は上向かなかった。(朝日新聞 夕刊)
■野上電鉄の廃線惜しみ記念誌 利益お年寄りらのために 横浜の高校生
 3月限りで廃線になる和歌山県内のローカル私鉄・野上電鉄(本社・同県海南市)の姿を本にして残しておこうと、横浜市・私立武相高校の鉄道研究同好会(生徒4人)が、手作りの記念誌『さようなら野上電鉄』(B5判、66n、1000円)を作った。1000部を発行、「廃線によって不便を余儀なくされるお年寄りら『交通弱者』を守ってほしい」と、その利益を鉄道の地元の海南市や海草郡野上町などに寄付する。
 同好会顧問の山田京一教諭と生徒4人は1992年7月、夏休みを利用して1週間ほど、野上電鉄や有田鉄道、紀州鉄道など同県内にある4つのローカル線を取材した。93年9月、「和歌山県のローカル私鉄」として会報にまとめたところ、全国各地から注文が殺到した。
 その後、野上電鉄の廃業が決まったことを知り、「残念だが、鉄道ファンとしてきちっとした記録は残しておこう」と記念誌の発行を計画。
 『さようなら…』には、全15駅と全車両(13両)の写真、単線での正面衝突を避けるためのタブレット交換の風景、廃業に至る経過などが、沿線イラストマップなどとともに紹介されている。また、「古い車両の特性を生かして、大井川鉄道のような保存鉄道的形態で生き残れないものか」、といった住民や鉄道ファンからの声も特集している。
 同好会では、「国からの欠損補助金を受けながら、ずさんでどんぶり勘定的な経営が続いたことが廃業につながったようだ。そのつけが回され、不便を強いられる交通弱者の人たちのために、わずかでも役立ててもらえたら」と寄付することにした。
 本は、大阪市の旭屋書店本店(06・313・1191)と和歌山市の宮井書店(0734・31・1331)に置かれている。また、無記名の郵便定額小為替(1000円分)と、送料の切手(240円分)を〒222 横浜市港北区仲手原2の34の1武相高校鉄道研究同好会へ送れば、郵送も可。(朝日新聞 夕刊)
9日■地下鉄 京都市会 交通局方針 経費節減策で 東西線ワンマン運転に
 京都市の2月定例市会の事業予算特別委員会は、8日再開、地下鉄東西線の建設費膨張問題では3議員が質問した。交通局のリストラ(事業の再構築)策や一定の物価変動で契約の見直しを可能とした工事契約のスライド条項などについて質疑が行われた。この中で、交通局は、東西線では運営費節減を目的にワンマン運転方式で運行を行う方針を明らかにした。
 ワンマン運転方式の導入は、高橋泰一朗議員(自民党)の質問に答えた。北田貞雄高速鉄道本部長は「組合との協議は残っているが、ワンマン化で準備を進めている。烏丸線はワンマン化するには莫大(ばくだい)な投資がいる」と答え、東西線に限って運営経費節減策としてワンマン化を考えていることを明らかにした。
 また、安井勉議員(社会党)が、ワンマン化に関して車両発注や試運転時期などの予定をただしたのに対し、浅賀博高速鉄道副本部長は「車両は全部で90両を予定している。6両連結で15編成としたい。94年度に発注、95年秋から搬入、96年4月から試運転を始めたい」と計画を示した。
 安井議員は地下鉄工事契約と第三セクター増資への出資問題についても質問。工事契約で約款の中に「1000分の15を越える 物価や賃金の変動について、見直しを請求できる条項が含まれているのではないか」と建築業界で言うスライド条項が請負金額変動の可能性があることを指摘した。また、前日に続いて質問した小林澄江(公明党)は、事業収益向上策をただし、第三セクターを含めた積極的な事業推進を求めた。
 このほか委員会では、先に一部の議員から要求のあった前管理者の依田満収入役の参考人出席について採決したが、共産党議員だけの賛成となり、委員会出席は見送りとなった。同委員会では同日で予定の2日を越える5日間の交通局に対する審議を終了。水道、下水道事業に関する審議の後、10日から市長らに対する総括質疑を行う予定。(京都新聞)
■北大路バスターミナル 26日からオープン 13系統乗り入れ
 京都市交通局は8日、北区小山北上総町で建設が進む大型複合施設「キタオオジタウン」内の地下バスターミナルを26日から開業する、と発表した。
 市バスの北大路バスターミナルで、地下2階部分に10ヵ所の乗降場を設け、13系統のバスが乗り入れる。地下3階の連絡通路も使用でき、地下鉄烏丸線北大路駅との相互乗り入れも可能になる。
 同タウンは、民間の北大路都市開発(本社・北区)が、市交通局の用地を賃借して1992年から着工しており、大手スーパー・ニチイの専門店「ビブレ」などが入る地上部分は来年2月に完成する。(朝日新聞)
■列車脱線 63人死亡 370人以上けが 南ア
 【ヨハネスブルク8日=村上伸一】南アフリカ共和国東部の港湾都市ダーバン近郊で8日早朝、主に黒人労働者を乗せた通勤列車が脱線、警察当局によると、少なくとも63人が死亡、370人以上が負傷した。現場は丘陵地帯にあり、救出作業が難航、死傷者はさらに増えると見られている。ダーバンの西約20`にある町パインタウンで、午前6時ごろ起きた。(朝日新聞)
■大山崎のJR東海道線 線路に女性の遺体
 9日午前10時25分ごろ、京都府乙訓郡大山崎町大山崎高橋のJR東海道線で、姫路行き下り快速電車の高橋彰運転士(45)から「下り線路にバラバラの遺体がある」と、JR西日本大阪指令所に連絡が入った。
 京都府警鉄道警察隊と向日町署によると、現場には中年女性とみられる頭、胴体、足が散乱していた。女性は紺色ジャンパーに水色のシャツ、ピンクのズボン姿で、黒バッグ内に現金約8000円が入っていた。原因や女性の身元を調べている。(京都新聞 夕刊)
10日■地下鉄京都市会 90年度段階で膨張明らか 起債資料で用地費3倍 他費用削り、申請
 京都市の地下鉄東西線の建設費膨張問題で、1990年度段階で市直轄分の当初計画からの大幅膨張が避けられない見通しとなっていたことが、9日、市交通局の起債申請付属資料で明らかになった。この時点で、用地費は当初の約3倍となり、申請では他の建設費を削ってつじつまを合わせていたが、建設費削減要素は全くなく、東西線は、着工2年目で早くも建設費見直しは避けられない情勢だったことになり、当初見通しの甘さが改めて指摘されそうだ。
 起債申請付属資料は、交通局が国に起債の認可を求める申請を行う際に添付する書類。建設費の内訳と財源内容を説明している。市直轄分の当初計画では、用地費は111億円の予定だったが、88年度から始めた用地取得は2年目の89年度で、109億円になり、90年度では307億円と早くも当初の3倍近くに膨張、91年度には386億円に達していた。用地取得と地上権設定をほぼ終えた、92年度段階では処分予定地分を除くと322億円となるのが確定した。
 用地費の急増で、交通局は起債申請に当たり、トンネル費を当初の775億円から150億円以上削るなど、他の土木費用を調整、市分1840億円の建設費総枠内で帳じりを合わせていたが、当時、実際にはトンネル費など他の土木工事費が削減できる見込みは全くなかった。
 交通局では、用地費の膨張も、昨年の9月市会の交通水道常任委員会まで、公表していなかった。今市会の事業予算特別委員会では、交通局は92年6月の試算まで市長にも建設費膨張見通しを報告していなかった、と説明している。
 起債申請付属資料で、早い段階での建設費膨張見通しが判明していた可能性について、井上幸郎管理本部長は「確かに地価の暴騰で、用地費は90年度段階で大幅膨張となることが分かっていた。総枠を変えず、他の費用から充当するのは許されている。確かに他の工事費が当初より削減できる見込みもなく、膨張は避けられないとは思っていた。しかし、土木など具体的な膨張数字が判明していたわけではない」と話している。(京都新聞)
■地下鉄との連絡もっとスムーズに 26日バスターミナル開設 北大路
 京都市交通局が91年12月から移転を進めていた「北大路バスターミナル」(京都市北区小山北上総町)が、26日に開設する。建設中の「キタオオジタウン」の地下2階にあり、地下鉄烏丸線・北大路駅との連絡がスムーズになる。合わせて、仮設営業していた烏丸営業所も地下1階にオープンする。
 市交通局は26日に、2年ぶりの市バス運転計画の変更を予定しており、開設のタイミングを合わせた。
 バスターミナルは広さ約6000平方b。従来通りに東側、中央に7ヵ所の乗り場、西側に3ヵ所の降り場を設け、「1」「204」など13系統が乗り人れる。また、エレベーターとエスカレーターをそれぞれ4基設置し、地上や地下鉄の駅と結ぶ。
 北大路土地開発会社が建設している「キクオオジタウン」は地上4階地下3階で、全体の完成は95年2月になる。地下は交通局の施設となり、地下3階はコンコース階として地下鉄との連絡通路になる。(京都新聞)
■入場券に時間制限 京都、米原、新大阪駅 キセル乗車を防止
 京都、米原、新大阪各駅の入場券の有効時間を4月20日から、新幹線、在来線とも2時間に制限することを、JR西日本と東海の両社が9日発表した。入場券を使った不正乗車に業を煮やした結果で、滋賀県以西の駅では初めての措置。
 入場券で改札を通って列車に乗り、目的地の入場券で改札を出るといった手口のキセル乗車が、全国的に横行、多額の被害が出ている。対策としてJR東海が、全駅の入場券の有効時間を2時間に制限する方針を決定した。
 ところが京都、米原、新大阪各駅は新幹線がJR東海、在来線が西日本の管理になっているため、両社で同時実施するよう協議したが、まとまらず、とりあえず東海がこの3駅を除く岐阜県以東の駅で今月1日から実施していた。
 今回、京都駅11台、米原駅2台、新大阪駅7台の人場券発行機能つき券売機を、購入時刻を打ち込めるよう両社で改造、手売りの場合も含めて時間制限実施に路み切った。120円の入場券で改札を入ると、出る際に2時間以上たっていたら、2時間ごとの超過料金を徴収する JR西日本では新神戸以西の新幹線17駅でも年内に実施することにしている。(京都新聞)
■信号故障700人に影響 田辺のJR片町線
 9日午後6時ごろ、京都府綴喜郡田辺町三山木のJR片町線「同志社前」駅で、構内の各信号機が赤のまま変わらなくなった。このため木津駅発、京橋行き快速列車が、駅員の手信号で26分遅れて同駅に到着したのをはじめ京橋発、同志社前行き快速列車が田辺駅で運転を見合わせるなど、同7時45分の復旧までに運休上下12本と上下4本の列車が最高1時間47分遅れ、約700人に影響。
 JR西日本ではこの間、木津−松井山手間、長尾−木津間に5台のバスを代行運転した。
 原因は信号機器室の継電気の故障と見られ、調査している。(京都新聞)
■のぞみ、ボルト落とす パンクグラフ底板カバー 3編成で計25本
 東海道・山陽新幹線「のぞみ」のパンタグラフ保護の部品を固定するボルトが3編成で25本取れていたことが9日、JR西日本とJR東梅の調べでわかった。ボルトは1編成(16車両)で3ヵ所あるパンタグラフ本体に取り付けてある底板カバーを固定するもので、このまま高速走行を続ければ、風圧によってカバーが外れたり折れ曲がったりする恐れもあったという。「のぞみ」では3月18日のダイヤ改定以降、窓ガラスのひび割れや配線の不具合による臨時停車、ドア下にある部品の亀裂など異状が相次いでいる。
 JR西日本によると、異状がわかったのは5日の始業点検時。ダイヤ改定以降に営業運転を開始したばかりの1編成で、雨水の侵入を防ぐためのアルミ製「パンタグラフ底板カバー」(約70a、重さ1.6`)を止めるボルトが、60本中17本なくなっていた。このため一斉点検をしたところ、9日までに別の1編成でも7本が抜けていた。
 また、JR東海でも1編成で1本がなくなっていた。両社は全車両でボルトの締め直しを実施した。
 両社は「抜け落ちたり飛散したりしたボルトはパンタグラフ本体のものでなく、カバーの固定用のもの。また、これらボルトがパンタグラフの部品に接触してショートしたり、直ちに底板カバーが外れ落ちたりする恐れもほとんどない」などと説明している。(朝日新聞)
■「のぞみ」回数券指定券発行機 山陽新幹線は使えず 東海と西日本 JRちぐはぐ
 JR東海が不正乗車をなくそうと実施した東海道新幹線・入場券の時間制限に同調しなかったJR西日本は9日、一転、管内の新大阪、京都、米原の3駅で、時間制限を実施すると発表した。不ぞろいになったのは時間制限の効果をめぐる「意見対立」だったが、不仲とささやかれる関係を気にしてか、西日本の井手正敬社長が「ツルの一声」で実施を指示。これで一件落着となるはずだったが、この発表直後、東海側が、新大阪駅に山陽新幹線には使えない「のぞみ」回数券専用の指定券発行機を設置すると発表。西日本は、融和の姿勢に水をかけられた格好となっている。
 JR西日本の発表によると、3駅の券売機を約500万円かけて改造し、4月20日から入場券に発売時刻を記入する。2時間を超えた場合は超過料金を徴収する。山陽新幹線でも年内に入場券の時間制限を導入するという。
 入場券を使った無賃乗車などの不正に手を焼いていたJR東海は、当初、東海道新幹線の全16駅で実施する計画だった。しかし、西日本が「効果に疑問がある」と難色。近畿の3駅だけを対象外としたまま、東海側が今月1日から見切り発車していた。
 ところが、この発表後、東海が「のぞみ」回数券専用の指定券発行機を10日から東京、名古屋、新大阪に設置すると発表した。
 機械に回数券を入れれば座席指定できるというサービスだが、東京−新大阪間など東海道新幹線区間しか使用できない。
 「のぞみ」回数券は、新大阪から小倉、博多方面のものもある。新大阪駅で山陽新幹線区間の利用者がこの機械を使っても「この切符はお取り扱いできません」と、はねられる。
 東海側は「試験的な取り組みなので、西日本とは協議していない。当社の判断で当社の区間だけを対象にした」。(朝日新聞)
■再発防止へ独自組繊 信楽事故遺族ら 原因究明も目的に
 42人の犠牲者を出した信楽高原鉄道事故の遺族らが7月、鉄道事故の原因究明や再発防止策を提言する「全国鉄道安全推進会議」(仮称)を設立する。茨城県の関東鉄道や長崎県の島原鉄道の被災者や遺族らへも参加を呼び掛け、国へ鉄道事故の専門調査機関の設置を働きかける考えだ。
 同会議の設立準備をしているのは、信楽高原鉄道事故で長女(当時26)を亡くした京都市右京区の臼井和男さん(54)ら22人の犠牲者の「遺族の会」メンバーとその弁護団。
 同会議は@港外の鉄道事故調査機関を研究して、その必要性を国に働き掛けるA過去の事故について独自で原因究明をし、再発防止の提言を鉄道会社などに行う−などを目的にする。
 日本には航空機事故の専門調査機関はあるが、鉄道はない。臼井さんらは、信楽高原鉄道事故の場合で1年7ヵ月もかかるなど原因究明が遅いのはこうした機関がないことが一因とみている。(朝日新聞)
■残土放置小倉山 鉄塔解体進む
 トンネル工事の残土が放置されている右京区・小倉山で、JR西日本が修復作業の一環として、山頂付近にある鉄塔(高さ約30b)の解体作業を進めていることが9日わかった。
 JRの説明では、解体作業は7日から始めており、10日間前後で終了。その後、残土の一部を使って竪坑を埋め、周辺の土盛り工事にかかる。一方、市民らによる独自の残土搬出活動を進めてきた「小倉山頂の忘れ物をJRにお届けする会」では10日から、工事経過の監視登山を実施することにしている。(朝日新聞)
11日■3セクの財源整備が課題 地下鉄市会で京都市側表明 市民の理解得る 「膨張の重み」受け止め
 京都市の2月定例市会事業予算特別委員会は10日、田辺朋之市長らに対する総括質疑を行った。第三セクターの財源と経営見通しについて内田俊一助役は「全額を鉄建公団の資金に頼ったのでは経営は成り立たない」と厳しい状況となっていることを認めた。
 中西正三議員(公明党)が、建設費が当初の2倍に増えた第三セクターの鉄道事業会社「京都高速鉄道」の資金計画についてただしたのに対し、内田助役は「鉄建公団の資金をそのまま借りたのでは利子負担などがあり、経営は見通しがつかない。どこまで借りられる議論をして行きたい」と、三セクでは、従来の鉄建公団によるP線資金以外に、一般会計などからの無利子融資か新年度からスタートする第三セク対象の新たな国の補助制度確保の必要性を強調した。
 福島滋弥議員(自民党)は、「当初計画そのものに問題があった」などとしたうえで、工期延長段階で膨張が明らかにされなかった理由などを追及。これに対し田辺市長は「工期延長は交通局の専門家の意見を聞いて公表した。建設費についてはまだ精査が必要とのことだった」と答えた。
 北川明議員(自民党)は東西線の三セク部分に乗り入れを予定している京阪電鉄との協議について京阪側に一方的なメリットがあるのではないかと迫り、「膨張分1500億円の重み」をただした。田辺市長は「その他の事業への影響も大きい」と深刻に受け止めていることを重ねて強調した。
 工期については、鈴木正穂議員(社会党)も再確認を求めたが、内田助役は「5つの工区で厳しい状況となっているが、工夫してなんとしても96年末には完成させたい」と述べた。永嶋久仁朗議員(公明党)は、1日18万4000人を見込んでいる乗客予想について確認した。
 また、山本豊議員(共産党)は昨年の工期延長時に建設費膨張が明らかにされなかった点について「夏の市長選へ配慮があったのではないか」とただしたが、田辺市長は「隠すというようなことは毛頭ない」と強く否定した。北山忠生議員(同)が市民全体にどう説明するのかとの質問には、田辺市長が「市会で十分説明するとともに、他のメディアで説明することも考えたい」と答えた。
 宮本徹議員(民社ク)が東西線の将来計画について質問し、田辺市長と内田助役は2005年までの西大路への延長、同年までの洛西地区への延伸着工に全力を挙げる考えを示した。(京都新聞)
■「92年、報告あった」地下鉄東西線建設費の膨張 市会特別委で市長
 京都市の地下鉄東西線建設費の膨張問題を審議している10日の市議会事業予算特別委員会で、田辺朋之市長は「1992年6月に土木、用地費の点検の結果、建設費は相当な増額になる、との報告を受けていた」と、市内部では1年半余り前から膨張が懸念されていたことを認める答弁をした。
 しかしながら、田辺市長は「この時はまだ調査の過程であり、国との協議も整っておらず、精査を急ぐように指示した」と話し、正確に約1500億円の増額となるのがわかったのは「昨年11月の時点だった」と説明。
 委員から、昨年8月の市長選挙への悪影響を心配したのではないか、と質問も出たが、「(建設費の膨張を)隠したことはない」と否定した。田辺市長は「建設費が当初の予定額を上回ったのは私の責任」とした上で、「市長部局と交通局が一体となり、96年末までに東西線を完成させる」と約束した。(朝日新聞)
■JR西日本 特急はるか 京都−関空 10分間短縮
 JR西日本は10日、関西国際空港と新大阪、京都を結ぶ特急「はるか」のスピードアップを図り、当初の計画よりも10分間短縮する、と発表した。これにより、日中の関西空港−京都間は1時間15分、新大阪間は45分となる。停車駅を関西空港、天王寺、新大阪、京都の4駅とし、新設する「りんくうタウン」駅は通過することも決めた。
「はるか」は関西空港の開港に合わせて発注。一番列車は近く、試運転を開始する。白い車体に栄えるようにと、この日、紫色を基調にしたロゴマークを発表した。JR西日本では「世界・日本・関西」「陸・海・空」などの様々な交流をイメージさせる「世界の交差点」を描いたとしている。(朝日新聞)
12日■定期観光にもチンチンバス 京都市交通局 レトロ調、19日から運行 京のぞみちゃん号
 京都市交通局は、平安建都1200年を記念して、明治時代に市内を走っていたチンチン電車をイメージした特別車を、レトロ調の定期観光バス「京(みやこ)のぞみちゃん号」として再現、19日から運行すると発表した。
 京のぞみちゃん号は、1昨年1月からJR京都駅−平安神宮間を、毎日15往復している乗合チンチン・バスの観光バス版で、車両数は1両。定期観光バスの車体を、シックな焦げ茶色に塗り、さらに前面にはうろこ型の金色の模様を取り付け、レトロな雰囲気を醸しだしている。
 デビューの19日から、定期観光の「名園鑑賞と哲学の道」コースを、水曜日を除く毎日、運行する。料金は普通車両より大人で320円高い7470円。また、デビューに先立ち15日午前10時から、市役所前で、お披露目も行う。
 京のぞみちゃん号の導入を機に市交通局は、定期観光バスガイドの制服を、5年ぶりに新調する。これまでのからし色から、深い紫色に変わり、格調を高めたデザインとなる。(京都新聞)
13日■スイッチ誤作動? 新幹線15分遅れる
 12日午後6時45分ごろ、北九州市小倉北区のJR小倉駅山陽新幹線ホームの柱にある、緊急時に列車を停止させるスイッチが作動。東京発博多行きのぞみ17号など4本が約15分間、発車できなくなり、約2300人に影響が出た。
 駅員らが調べたところ、ホームや線路に異常はなく、JR西日本はだれかが誤ってスイッチを押した、いたずらとみている。(京都新聞)
■ユーロトンネル開業さらに遅れ 今秋以降に
 【パリ12日=清水弟】英仏海峡を結ぶユーロトンネルの全面開業はさらに遅れ、今秋以降になることが11日、明らかになった。安全対策などの整備に手間取っているためで、夏の観光シーズンを逃すことになりそうだ。ただし、エリザベス女王とミッテラン大統領が出席する、5月6日の開業式は予定通り行われる。
 開業の遅れは、11日のフランス地方紙が、専門家の話として、「今年夏の開業は全くの夢物語」と報じた。このため、ユーロトンネルの株は売りが相次ぎ、48フラン(約960円)下がった。ユーロトンネル社も、ずれ込むことを認め、11日夕、今年9月の予定だった長距離バスを積んで走るシャトル列車の開業が、「95年1−3月」になる見込みだと発表した。(朝日新聞)
14日■JR京都駅構内 倉庫焼く不審火
 12日午後11時55分ごろ、京都市下京区、JR京都駅構内の東端にある電気工事区の倉庫から出火。中にあった通信機器やバイク、段ボール箱などを焼いてまもなく消した。けが人はなかった。
 京都府警鉄道警察隊と市消防局の調べでは、倉庫(18平方b)は、コンクリート造りの車庫の奥に仕切って設けてあり、車庫のシャッターは開いたままだった。燃えた品物の大半は不用品で、12日は職員の出入りもなかったといい、不審火とみて調べている。(京都新聞)
■地下鉄京都市会 建設費膨張 市民の理解どう得るか 事業予算委 審議終わる
 京都市の2月定例市会は地下鉄東西線の建設費膨張問題をめぐって、事業予算特別委員会で活発な論議を展開した。「当初から計画に無理がある、と指摘していた」「1996年末までにできるのか」「膨張を安易な形で市民に転嫁するな」などと、予定の2日を超える5日間の熱心な質疑を行う「地下鉄市会」となった。事業予算委が終わったのを機に、審議でクローズアップされた工期、建設費用、財源問題を中心に、問題点や課題を振り返った。
・工期−5工区で厳しい日程
 96年末の工期まで、後33ヵ月。委員会では、市交通局18区間、第三セクター7区間の計25工区のうち、市分で醍醐南、小野南、山科駅の3工区、第三セクター分で神宮道と東大路の2工区の、計5工区で厳しい工程となっているのが明らかになった。
 とくに、山科駅工区で地上権設定の難しい地点があるほか、神宮道、東大路では各37ヵ月の予定工期に対して進捗(ちょく)率はわずか1%にとどまっている。市は昨年の2月市会で完成予定の19ヵ月間延長を表明した後だけに、各議員が厳しく質問した。
 田辺市長は「96年末の完成に最大限の努力をする」と確約。内田俊一助役も「工法の工夫をする」と答えた。三浦貞義管理者(交通局長)も「96年末に工事を完成させ、検査期間を経て97年の年初にも開業したい」とのスケジュールを明らかにした。
・建設費−京阪関連で増加も
 東西線へ乗り入れる京阪電鉄側との費用分担の協議の行方次第で、建設費膨張が約1500億円にとどまるかどうか、左右されることも明らかになった。
 市は進捗率の低い工区でトンネルを掘るシールド機械の増設や昼夜間施工を検討している。しかし、1台6億円といわれるシールド機械の増設と工事時間の延長は建設費の増額に直接にはね返る。また、東西線では御陵から三条京阪まで、市が京阪から車両を借りて継続運転するが、京阪側の電圧変更や車両長統一に伴う駅改修工事の費用分担の協議は終了していないことが判明した。
 このため、市は90年段階で約46億円と試算した京阪部分の工事費用を、今回の建設費の見直し額に算入していなかった。「原則的に大津からの乗客のサービスを確保するということで市の合意を得て、東西線が開業すれば御陵−三条間の廃業を決断した。当社の改修費は現在積算中だ」(京阪電鉄東西線準備室)という。京阪側と建設費削減を狙う市側との協議は厳しいものになりそうだ。
・財源−深刻な後年負担 田辺市政推進のカギに
 質疑で内田助役は「鉄建公団の資金(P線資金)で膨張分640億円全額を資金手当てしたのでは、返済で会社の経営は成り立たない」と、第三セクター・京都高速鉄道の深刻な経営状況を明らかにした。
 市は、国が新年度から発足させた第三セクター対象の新補助制度の適用と無利子の貸付制度の創設を強く働き掛ける。もちろん、市は直轄分見直し額もすべて国の補助対象とするよう求めている。
 しかし、仮にうまく認定されても、国の補助に連動する一般会計からの出資金、補助金は1190億円に達する。企業債の発行額は1780億円となり、30年後の元利償還額は3980億円(年利6%)の巨額となる。田辺市長は「1500億円の重みは市にとっても大きい。その他の事業にも影響がある」と深刻な後年負担への認識を示した。
 確かに、都市基盤整備の中で東西線の果たす役割は重要だ。市会の審議で建設費膨脹のかなりの部分が明らかにされた。しかし、着工5年を経て、初めて明らかにされた東西線建設費の膨張は市民に大きな衝撃を与えた。「市自身のリストラも考える」とする田辺市長が今後、市民の理解をどのように得るか。東西線建設だけでなく、市政推進のカギとなりそうだ。(京都新聞)
■ケーブルカー事故の救助訓練 春の行楽シーズン控え 八瀬遊園駅
 春の行楽シーズンを控えて、ケーブルカー事故を想定した救助訓練が13日、京都市左京区上高野の京福電鉄ケーブル八瀬遊園駅で行われた。
 訓練は、比叡山を下りてきたケーブルカーが線路上の倒木のため急停止、乗客30人のうち20人がけがを負った、との想定。消防署員、地元の八瀬・上高野の消防団員や住民約220人が参加し、消防車、救急車など8台が出動した。
 午前11時すぎ、通報を受けた消防車や救急車が現場に次々と到着し、救急隊員らが駅のホームに着いたケーブルカーに乗り込んで乗客を手当てした。乗客にふんしたのは地元住民らで、署員、団員らは、骨折した足を包帯で巻いたり、乗客を担架に乗せて救出、搬送した。訓練は行楽の一般乗客らが見守るなかで行われ、参加者は真剣な表情で訓練にあたっていた。(朝日新聞)
■京都駅構内の倉庫で不審火
 12日午後11時55分ごろ、下京区烏丸通塩小路下ルのJR京都駅構内にある京都電力区の倉庫から出火、倉庫内に積んであった段ボールやバイク、自転車などが燃えた。
 七条署などの調べでは、倉庫のシャッターはかぎがかかっていなかったという。同署は不審火として捜査している。(朝日新聞)
15日■社説 重い課題抱えた京都市地下鉄
 京都市の地下鉄東西線の建設費膨張問題は、市会でも大きな論議を呼んだ。
 この問題が集中的に論議された事業予算特別委員会は、当初予定された2日間の日程では済まず、5日間にわたって質疑が展開され、さながら「地下鉄委員会」の様相を呈した。議会としても、それだけ事態を重くみたわけであろう。当然と言えば当然である。
 議員側が指摘した問題点や注文は市民の思いでもある。市当局は、指摘された点を謙虚に受け止め、これからの事業の推進に生かしてもらいたい。
 地下鉄東西線は、京都市伏見区の醍醐地域と中京区のJR二条駅12.7`を結ぶ市民待望の事業で、平安建都1200年記念事業のメーンプロジェクトでもある。
 建設費は当初計画では、市直轄分1840億円、第三セクター分610億円と発表されていたが、新年度予算案で正式に見直された結果、市分2690億円、第三セクター分1250億円の計3940億円に膨れ上がることが明らかになった。
 膨張分が1500億円にもたっしたことから、市民からは「なぜ」の疑問や「ずさん過ぎる」の怒りの声が、わき起こった。確かに膨張額は、全体で60%以上、第三セクター分では2倍になるなど、普通の市民感覚では信じられないほどの大きさである。
 なぜ、こんなことになったのか−市会での論議もここに集中した。
 市側はその理由として、工期延長に伴い間接費が増加したこと、工法をしばしば変更せざるを得なかったことなどを挙げた。地下を掘る大工事である。多少の設計変更、工法変更は理解できる。が、これほどの額の変更となると、当初の計画は一体何だったのかと、問いただしたくなる。
 運輸省や大蔵サイドの認可を得やすくするため意図的にあえて安く見積もったとの疑問も解消されなかった。市側の説明が、市民をすっきり納得させるものてせなかったことに不満が残る。
 一連の議論を通じて、今後に残された課題が大きいことも浮き彫りにされた。ひとつは、建設費の膨張分をどう手当てしていくかである。
 国の補助金の増額に努力するのは当然としても、市の一般会計からの持ち出し増と企業債の増発は避けられないだろう。その分市の財政を圧迫することになるし、料金にはね返る恐れだってある。いずれは市民のつけにつながる問題だけに、財源対策には市民の厳しい目が注がれている。市長部局、交通局とも知恵を絞ってあらゆる努力を続けることだ。
 96年末までに完成できるのか心配もある。市は昨年2月、当初の完成予定を19ヵ月延長しており、これ以上の延長となれば、市民の行政不信はさらに増幅されるだろう。
 都市基盤整備の上でも、市民の足を確保する上でも、東西線の果たす役割は極めて大きい。東西線の工事と併せ、JR山科駅前、同二条駅周辺、醍醐で進められている3つの再開発事業への期待もかかる。
 建設費膨張の責任は重いが、市民の信頼を回復させるには、決意を新たに事業を推進することだ。97年初には予定通り列車を走らせ、一足遅れの1200年記念事業に花を添えてもらいたい。(京都新聞)
■府都計審 JR福知山駅周辺整備 鉄道高架など承認
 京都府都市計画地方審議会(会長・天野光三京都大名誉教授)が14日、京都市内のホテルで開かれ、福知山市のJR福知山駅周辺の鉄道高架化・土地区画整理など都市計画決定4件をいずれも原案通り承認した。
 福知山駅はJR山陰本線や福知山線、北近畿タンゴ鉄道宮福線が乗り入れ、周辺が南北に分断された状況にある。このため約2.6`にわたり鉄道を高架化し、交通の円滑化などを目指す。
 また、これに伴い鉄道と立体交差することになる道路10路線のうち3路線の都市計画道路の変更や駅北口に7000平方b、南口に5000平方bの駅前広場をそれぞれ設けるなどの土地区画整理事業の決定も承認した。(京都新聞)
■窓 喜びと悲しみ刻んだ発着駅 向日市・浜地文城(無職・60)
 JR京都駅まで7分、大阪まで約40分、私の家から歩いて13分。とても便利なJR向日町駅は、私の喜びの旅、悲しみの旅の出発駅であり帰着駅である。
 大阪で結婚式を挙げた娘。立派に成長したという喜び、今日から「ただいま」と帰ってこない寂しさ。複雑な気持ちでこの駅から式場へ向かった。その娘にも2人の孫ができた。小1の長女と幼稚園の長男は「2人だけで泊まりに行きたい」とのこと。喜んで大阪まで迎えに行った。帰りの切符を改札口で渡したかどうか覚えていない。
 埼玉の兄から「父キトク」の電話を受けたのは、正月休みも終わる4日の夜だった。最終の新幹線に間に合うようにと、JR向日町駅に走った。東京駅からの電車は大宮までしかなく、上尾までタクシーを飛ばした。父は私を待っていたのだろうか、10分後に息を引き取った。安らかな顔であった。
 7年後「母が危ない」との電話。心臓を強く握り締められたように苦しかった。喪服をもっていったが、虫の知らせだったのか、私が着く前に母は亡くなっていた。
 私も妻も両親はもういない。悲しみへの旅立ちはしばらくないと思うが、私には8人、妻には6人の兄弟のほか、未婚のめいやおいが大勢いる。埼玉、東京、大阪、九州へと、私の喜びの旅は当分続くだろう、JR向日町駅を発着駅として。孫へと残そう(京都新聞)
■窓 孫へと残そう ふるさと鉄道 野田川町・村松重男(林業・71)
 私の目の前を、ガラ空きの列車が走り去って行きました。それは「北近畿タンゴ鉄道」です。そこでいつも思うのですが、このようなことでは何年たっても赤字解消にならず、下手をすると、最近の和歌山の野上電鉄のように、やがては廃線という事態になりはしないかという危ぐの念です。
 丹後から鉄道が消えることは、想像するだにそら恐ろしいことです。タンゴ鉄道は、言うまでもなく府と1市10町が第三セクターで残してくれた、いわば丹後の宝とも言うべき存在です。この辺で沿線住民は、親方日の丸的な認識を改め、少しでもこの鉄道を利用し、このよき宝を親から子、子から孫へと残していかねばなりません。
 このたび「北近畿タンゴ鉄道利用促進協議会」では、利用促進をテーマにした標語を広く一般から募集するそうです。利用促進を啓蒙(けいもう)しようとの試みのようですが、まことに時宜を得た対策といえましょう。丹後の良さを大いにPRして、一人でも多くの方に丹後に足を運んでもらいたいものです。(京都新聞)
■「テレビカー」新天地で活躍 京阪電鉄が大井川鉄道へ 現役退いた2両売却
 「テレビカー」の名で親しまれた京阪電鉄の旧型特急電車(3000系)が、静岡県・大井川鉄道に売却され、新天地で活躍することになった。
 3000系は昭和46年7月から58両造られた。カラーテレビと自動転換装置つきクロスシートを国内で初めて取り入れた電車で、京阪の顔としてがんばったが、新型車両の導入で次第に少なくなり、今では1編成7両が走っているだけ。
 今回売却されたのは、昭和47年に造られ、昨年8月に現役を退いた2両で、今月17日から4日がかりで静岡県へ搬送の予定。大井川鉄道は旧国鉄の蒸気機関車を走らせていることで知られるが、レールの幅が京阪と異なるため、台車を取り替えたうえ現役復帰する。(京都新聞)
■大阪・湊町 ビル2棟残し”発車” 移転交渉が難航、影響も
 関西国際空港の大阪市側の玄関口となる湊町地区(大阪市浪速区)の再開発で、計画地区内にあるビル2棟との移転交渉がまとまらず、大阪市は当初計画を変更し、ビル権利者の土地計2200平方bを除外して区画整理事業を進める方針を囲めた。地区中心部ではすでに、鉄道・バスターミナル「複合交通センター」の建設が始まっている。これを、目標の1996年春にオープンさせるには、周辺道路の整備が欠かせず、今春に区画整理に着手しないと間に合わなくなったためだ。
・ターミナルオープンへ 市側「間に合わぬ」
 「複合交通センター」は、第三セクター・湊町開発センターが総事業費約380億円で92年春に着工した。地上6階、地下2階で、長さ190bの長大ビル。地下2階にJR湊町駅が入るほか、2階に市営、民間の路線バスや、新空港と約50分で結ぶリムジンバスのターミナルをつくる。さらに阪神高速の出口がビル内を通って地区内に抜け、1日約5万人が出入りする交通の拠点となる。
 市側の区画整理計画案では、同センターへの車の出入りに対応するため、地区西端を南北に走る15b道路を25bに拡幅する。しかし、千日前通近くに位置する交渉中の2棟が区画整理区域から除外されると、2棟の前だけが15bのままとなり、同センターの足元の交通に影響する恐れもあるという。
 湊町地区は、JR湊町駅の貨物ヤード跡地5.3fを中心とする17.5f。権利者は大阪市、JR西日本、国鉄清算事業団、湊町開発センターのほか、民間の地主、借家人ら6者。計画では、地区内を区画整理して広い道路をつけ、高層のオフィスビルやデパート、ホテルを誘致する。2年前、権利者らが開発協議会を発足させていた。
 しかし、権利者のうちスーポーツ用品会社(5階建て)とその南隣の民間病院(6階建て)との交渉が難航。市側によると、撤去に伴う建物、営業補償などの折り合いがつかず、事業主体となる区画整理組合に加わるめどがつかない、という。
 大阪市によると、今春に区画整理事業を始めないと、「複合交通センター」のオープンまでに、道路整備が間に合わない。このため交渉中の2者を除外し、新年度早々に区画整理組合を発足させ、下水道や道路建設に着手することにした。
 市計画局は「2棟をやむをえず除外して区画整理事業を始めても、交渉は続ける。最終的には移転に応じてくれると考えている」といっている。(朝日新聞)
16日■ロープウエー計画で質問・要望書郵送 まもる会が京阪電鉄へ
 京阪電鉄の「大原−比叡山ロープウエー」計画で、京都市内の自然保護団体などでつくる「京都・水と緑をまもる会」(沢井清さんら4代表幹事、21団体)は15日、同社や関係機関に質問・要望書を郵送した。
 地元に配布されている同社資料によると、ロープウエーの区間は大原・三千院付近−比叡山・横川駐車場付近の2.8`。165人乗りゴンドラ2両の交走式で、7−8分間で結ぶ。
 質問・要望書では、ロープウエー計画について「稜線を分断する」などと指摘、併せて同計画や大原地域での開発計画の調査報告書の公表などを求めている。(京都新聞)
■「はるか」試運転 内装は京都を意識 沿線、カメラの列
 関西国際空港開港に併せ、京都−空港間(99.5`)を最高1時間13分で結ぶJR西日本のアクセス特急「はるか」の試運転が15日、東海道線で始まった。
 工場で完成したばかりの「はるか」は、真っ白の車体に鮮やかなブルーのライン。午後12時9分、高槻駅1番ホームを発車した。みるみる加速し、やがて「ただいま時速120`」のアナウンス。沿線で、鉄道ファンがカメラの放列を敷き、万一のテロ行為を警戒する警察官の姿も目立つなか、加速やブレーキのテストを繰り返しながら東へ向かった。
 グリーン車内は、ゆったりした座席が2列と1列に並び、黄色味を帯びた柔らかな照明。壁などの内装も、京都を意識して、和服の柄を思わせるデザイン。
 列車はパンタグラフに流れる電流、電圧などもチェックしながら、定刻の12時38分、京都駅1番ホームに到着。さらにテストのため滋賀県方面へ向かった。「はるか」の車両は全部で9編成製造の予定。今後、完成したものから順次テストに入り、最高速度130`の試験も行って、営業運転開始に備える。(京都新聞)
■窓 喫煙者へ配慮少し必要では 山科区・早川増一(会社員・61)
 この場所にごみを捨てないで下さい。違法駐車をしないで下さい。禁煙になっています、たばこはご遠慮ください−。これはよく見かける看板や張り紙である。しかしこう書かれると、人間という動物の悪い癖で、この規制に反発したくなるから不思議である。要するに必要に迫られると、規制の有無は無視するからやっかいである。
 3月1日から、私たちが利用するJRの駅のコンコースはもちろん、ホームも喫煙コーナーを除き、終日禁煙になったが、ご存じの方も多いと思う。幸か不幸か、たばこを吸わない私は別段気にとめることはないが、少なくとも線路上などに散乱する吸い殻は、多少減少するものと大いに期待していた。ところが、現実はどうであろうか。残念ながら吸い殻入れが撤去された近辺は、以前にも増して散乱しているのをみかける。
 いかにたばこを吸わない人が多くなったとはいえ、まだまだ喫煙者の占める率は高いはずである。今回の喫煙コーナー設置は、大いに結構だとは思うが、たばこ愛好者に対するJR側の思いやりが、今少し足りなかったのではなかろうか。
 喫煙コーナーを除き終日禁煙なら、せめて喫煙コーナ−の増設は望み薄だろうか。愛好者にとって好都合であることが、喫煙コーナー以外禁煙の効果につながるはずと確信する。(京都新聞)
■窓 年齢だけでは価値決まらぬ 福知山市・池部 清(無職・77)
 ある寒い朝のことである。駅の待合室は少し込んでいた。私が隅の方の席にかけていると、辺りが急に騒がしくなってきた。ケンカが始まったのだ。入り口近くにいる年配の人が大声で「入ったら戸を閉めんかい。審い風が吹き込むのが分からんか」と怒鳴っている。対するは青年で「出入り口にいて、いちいち文句をつけるな。すぐ後ろから入る人があるやないか」と、双方とも激して互いに譲らない。
 「たいしたことではないが、どちらに理があるのかな」と、私が考えていると、高齢の方がいちだんと声高に「若僧のクセに生意気言うな」と叫んだ。この一言で、私は「勝負あった」と思ったのである。これは明らかに老人の負けだ。理屈はともあれ、年齢をもって人を威圧する態度がよくない。だれでも年は均等にとっていく。それなりの人徳が自然と備わらねばならない。いたずらに重ねた年には、何の値打ちもないのである。
 喜寿を迎えて、私は今、過去を振り返って私ずかしく思うことばかり。若い人で、はるかに優れた識見と勇気を備えた人がいくらでもいるのだ。こう思いながらも、人たちから「先輩」などと言われると、ついよい気になっている自分を、情けなく思う。「人のふりみてわがふり直せ」−人生いつまでも勉強である。(京都新聞)
■女性車掌を採用 JR西日本 グループ初、新年度から 社会進出に配慮 まず社内募集 夏には−般も 1期生は特急「はるか」乗務 9月
 JR西日本は15日、新年度から女性車掌を採用することを決めた。近く、第1期生として10−15人を社内募集する計画で、9月4日の関西国際空港の開港に合わせて運転を始める特急「はるか」に乗務させる。今夏には一般公募も検討しており、不況で就職難に苦しむ女子大生らには朗報となりそうだ。旧国鉄では、徴兵で男性が不足した太平洋戦争中などに臨時的に女性車掌を乗務させたことがあるが、正式に大量採用するのはJRグループでも同社が初めてとなる。
 JR西日本首脳によると、女性車掌は関西空港と新大阪、京都を結ぶ新型特急「はるか」の運行計画と同時に検討されてきた。外国人客らの増加が見込まれ、他の列車とはひと味違うサービスが要求されることや、新型特急ならではの特色が出せるとして採用を決定。女性の社会進出にも配慮したという。
 計画では、第1期生は4月に社内の女性約400人を対象に、「語学堪能」を条件に募集。5月にも、「はるか」の始発駅となる京都駅を担当する京都車掌区に配属、研修後の9月から乗務させる。当面はベテランの男性車掌とのコンビで、勤務時間も労働基準法が深夜業として定める午後10時から午前5時の間を除くとしている。
 JRの規定で車掌は、車内改札や放送ばかりでなく、ドアの開閉や列車無線、異常時の運転取り扱いおども行うとしている。東海道新幹線の「のぞみ」や「ひかり」の一部には「女性パーサー」が乗務しているが、業務は改札や車内販売などに限られており、車掌としての資格はない。JR東日本などでも新人の女性社員を一定期間に限って研修の一環で乗務させているが、定期採用に踏み切るのは西日本が初めてという。
 戦時中の1943年、徴兵の絡みから厚生省令によって40歳以下の男性が就業できない職種が指定され、国鉄では車掌や出改札、踏切の係員などが対象となった。これを機に、女性車掌が山手線や中央線に登場し、「国鉄乙女」とも呼ばれた。翌年には女性が国鉄職員の2割以上にもなり、駅長や助役以外はすベて女性という駅も出現し、女性車掌も急増したが、50年ごろには姿を消した。
 また、高木文雄国鉄総裁当時の77年ごろにも、女性車掌の採用が検討されたが、男性車掌からの反発が強く、立ち消えになった経緯がある。
 JR西日本の首脳は「労働基準法の改正を働きかけるなどして、将来は男性と同等の条件で、他の列車にも乗務させたい」と話している。
・男性と同じ権限を
 女性問題に取り組んでいる弁護士、福島瑞穂さんの話 仮に話題作りのためであったとしても、英断といえるし、喜ばしいことだと思う。最近、ようやく各企業でも、男にやれて女にやれない職業はないと分かりはじめたようで、いろいろな分野に女性が進出できるようになった。「女性」として採用するのではなく、運転士も含めて男性と同等の権限を持った形で採用が進み、他のJRや私鉄にも広がって欲しい。(朝日新聞)
■木造二条駅保存して 京都弁護士会が市とJR西日本に
 京都弁護士会(坂本正寿会長)は15日、現存する日本で最も古い木造駅舎といわれるJR二条駅の駅舎(中京区)の保存を求める意見書を、京都市とJR西日本に送った。
 同駅舎は1904年に建てられた木造2階建てかわらぶき入り母屋造りで延べ約734平方b。当時は洋風の駅舎が多く建てられたが、近くに二条城があることから景観に配慮して和風建築になったという。設計者は不明。
 JR西日本は90年から同駅周辺の高架化工事を始めており、新しい駅舎もつくる予定。一方、京都市は88年に同駅周辺の土地区画整理事業を都市計画決定しており、計画では現駅舎周辺はバスやタクシーが乗り入れる交通広場となる。
 JR西日本広報室は「撤去するのか、保存するのかは未定」と話している。(朝日新聞)
17日■世紀末パノラマ館 読書と鉄道 鹿島 茂 中産階級に習慣広がる
 鉄道の発達はさまざまな面で人間の生活に変化をもたらしたが、意外にわれわれの視野から抜け落ちているもののひとつに「読書」がある。
 読書が特権階級の専有物でなくなり、中産階級にも親しまれるようになるには、もちろん教育の普及という前提が必要だが、それが習慣行動として生活に組み入れられるには、シウェルブシユによれば、鉄道による旅行形態の変化を待たなければならないという。
 19世紀の人々が初めて鉄道に乗ったとき、一番面食らったのは、車窓の風景から前景が失われたことだった。つまり、これまで慣れていた馬車に比べて、鉄道はあまりに速いので、旅人は、もはや目で景色、とりわけ前景を追うことができなくなったと感じたのである。今日の感覚からすると、鉄道の速度などたいしたことないように思われるが、19世紀には、われわれが初めて飛行機に乗ったときに感じる以上の隔絶したスピードと感じられたにちがいない。
 ところで、当時、下層階級の乗る3等車は別にして、1、2等車には、各のコンパートメント(定員3人)をつなげる縦の廊下がついておらず、ドアはそれぞれ外側から鍵(かぎ)をかける構造になっていた。そのためいったん列車が走りだすと、乗客は次の駅まで景色を眺めることもできずに長時間コンパートメントに閉じ込められることになった。
 一緒に旅行する者がいる場合はまだしも、そうでない場合、これは悲劇だった。もちろん思わぬきっかけで会話が始まることもあったが、それも相手によりけりである。コンパートメント殺人の恐怖は常に鉄道旅行につきまとった。
 そこで生まれたのが、読書である。密室空間に長時間幽閉させられる旅行者にとって、これだけが、会話をせずに未知の乗客と一緒にいるのを可能にする方法だった。幸い、馬車に比べて、鉄道ははるかに揺れがすくなくなっていたので、読書は十分可能だった。
 だがどんな本を読んだらいいのか。当然、気軽に読めて時間を忘れることのできる小説本、それも重たい装丁本でないものがいい。
 こうして鉄道の各駅には、「鉄道双書」と名付けられた廉価本を売るアシェット書店が生まれ、中産階級もようやく読書の習慣というものを身につけることができるようになった。小説が飛催的に部数を伸ばし、小説家という職業が成立したのもすべてはこの「鉄道双書」のおかげだったといってもけっしていいすぎではないのである。(共立女子大助教授)(京都新聞)
■白と青共演鮮やか 「はるか」と「ラピート」訓練運転始まる 関空連絡鉄道
 関西国際空港と対岸の泉佐野市を結ぶ空港連絡鉄道で17日、同空港に乗り入れるJR西日本の特急「はるか」と南海電鉄の特急「ラピート」を走らせて運転士などを習熟させる訓練運転が始まった。
 はるかは午前9時半ごろ、JR阪和線日根野駅を出発。約15分かけて関西空港駅に到着した。ラピートははるかに約30分遅れて南海本線泉佐野駅を発車して空港へ。この間、2度にわたり海上連絡橋の空港島側入り口付近で、真っ白なはるかとブルーのラピートが擦れ違い、鮮やかなコントラストを描いた。(京都新聞 夕刊)
■信号故障近鉄乱れる 大阪線、4万余人影響
 17日午前6時半ごろ、三重県名張市平尾の近鉄大阪線名張駅で、構内にある信号機が赤のまま変わらなくなった。この影響で同線のダイヤは大幅に乱れた。同11時現在、上下17本が運休し、同89本が最高で1時間遅れ、約4万5000人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
■「はるか」「ラピート」空港島走る
 関西国際空港への旅客輸送でしのぎを削ることになるJR西日本の特急「はるか」と、南海電鉄の特急「ラピート」の訓練運転が17日午前、空港島で行われた。真新しい車両が初めて連絡橋を渡って、関西空港駅に資を現した。
 空港駅に最初に到着したのは、白の車体に青い帯が入った「はるか」。折り返し運転に入った午前10時過ぎ、連絡橋の手前で鼻先がとがった紺色の「ラピート」とすれ違った。この日は、両列車とも乗務員の訓練とあって最高速度の約半分の時速60`で走り、列車の振動や線路の具合なども調べた。
 営業開始はいずれも9月4日で、「はるか」は京都−関西空海間を約1時間15分、「ラピート」は難波−関西望港間を約30分で結ぶ。(朝日新聞 夕刊)
18日■信楽事故 夫と孫を失い自分も重傷 風化させぬ、と体験記自費出版
 3年前の信楽高原鉄道列車事故で重傷を負い、昨年ようやく退院した滋賀県甲賀郡信楽町黄瀬、中島イトさん(69)がこのほど、自らの事故体験をつづった手記「私の人生と高原鉄道での事故遭遇」(B6判、66n)を自費出版した。夫と孫を亡くした事故を振り返り、「事故を風化させないため、書きとどめたかった。どんなに辛かったかを知ってほしい」と、訴えている。
 中島さんは、事故が起きた平成3年5月14日、一緒に列車に乗っていた夫の治三郎さん=当時(63)=と孫の未晴ちゃん=当時(2つ)=を亡くし、自らも両足や胸、肩などを骨折する大けがを負った。何度も手術を繰り返した末、昨年5月に退院。現在、杖(つえ)なしで歩けるまでに回復したが、なおリハビリで週3回の病院通いが続く。
 事故直後は全身が痛み「私も死んだらよかった」と涙があふれた。手足が少しずつ動くようになった1年後の夏、「この体験は忘れられない。いつまでも教訓を止めておきたい」と手記を書くことを決心。
 一昨年の11月から、リハビリで動くようになった右手で、8ヵ月がかりで便せん2冊にわたる手記を書きためた。だれの手も借りず、2回も全面的に書き直し、完成させた。
 『(未晴ちゃんが)何か歌をうたってうたってと言うので私が未晴ちゃんもう直ぐに貴生川駅なので賢うしてなあ…と言いましたら、ハイと大きな声で言いました。それから紫香楽宮跡の駅を出てすぐ「どん」という音とともに私は何も気づかなくなりました』…。手記では事故当時の記憶や自らの半生が、粘り強い筆致で記録されている。(京都新聞)
21日■夕方の駅、警官刺される 神戸・新開地 不審者を追跡中、重傷
 20日午後6時15分ごろ、神戸市兵庫区新開地二丁目、神戸高速鉄道新開地駅の東側地下改札口前で、不審な男を追跡していた兵庫県警自動車警ら隊の松田友也巡査部長(42)が、この男に刃物でいきなり左わき下や右腕を刺された。松田巡査部長は病院に運ばれたが、出血がひどく重傷。男はコンコースの階段を駆け上って逃走した。県警は殺人未遂事件として緊急配備へ男の行方を追っている。
 調べによると、松田巡査部長は、覚せい剤取締法違反容擬で手配中の男がパチンコ店にいるとの通報を受け、同僚とパトカーで進行中、手配の男によく似た男が車を運転しているのを発見。信号で停車したため職務質問しようとしたところ、車を乗り捨てて地下の新開地駅方面に逃げた。
 同僚は応援要請のために現場に残り、松田巡査部長が男を追跡した。コンコースで追いついてもみ合っているうちに、小型ナイフで刺されたらしい。
 逃げた男は年齢40−50歳。白色セーターの上から紫色のジャンパーを着て黒色スラックス姿。短髪でがっしりした体格だった、という。
 新開地駅には神戸電鉄や阪急、阪神などが乗り入れ、休日は家族連れでにぎわう。現場のコンコース近くには書店や喫茶店、パチンコ店が並び、帰宅を急ぐ人たちでごったがえしていた。
 改札業務中に犯行を目撃した神戸高速鉄道の高田正雄さん(39)は「自動券売機の前で殴り合ったあと、ナイフのようなものが光り、急に男が南に逃げた。被害者はよろけながら改札口前で倒れ『救急車を、警察を呼んでくれ』と叫んだ」と話した。通りがかった女性がハンカチをあてがっていたので、高田さんはネクタイをはずして松田巡査部長の腕を縛り、止血したという。
 また、通行人の男性(39)は松田巡査部長が「男は知った顔や」と叫んでいたのを聞いており、兵庫署は指名手配中の男との関連を調べている。(朝日新聞)
22日■地下鉄費の膨張問題 付帯決議を採択 京都市会閉会
 京都市の2月定例市会は、22日午前10時から最終本会議を開き、普通、事業両予算特別委員会に付託されていた1994年度(平成6年度)の一般会計と高速鉄道事業(地下鉄)特別会計など11議案を、共産を除く賛成多数で、残る26議案と監査委員の選任など追加7議案を全会一致で、それぞれ可決、承認して閉会した。
 約1500億円にのぼる地下鉄東西線の建設費膨張問題については、「当初計画に無理があったといわざるを得ない。市民の信頼を回復するとともに、見直し額が今後の運賃の増額やサービス低下につながることのないよう補助金の確保や新制度の適用について国に要望すべき」などの内容の付帯決議を採択した。
 また、市会の再三にわたる建設費見直し額の公表要求に市側がこたえなかったのは「市会軽視と情報管理の甘さに起因する失態で、早急な善処を求める」との警告を採択した。共産党は、田辺朋之市長に市民と議会に対する重大な背信行為があった、として市長の問責決議案を提案したが、自民、公明、社会、民社クの反対で不採択となった。
 このほか、国に米の安定供給と安全性確保を求める意見書など5件が全会一致で採択された。(京都新聞 夕刊)
23日■「地下鉄」追求継続 共産党市義団が声明
 2月定例京都市会が閉会した22日、共産党市義団は、地下鉄東西線建設費膨張問題などの追求を継続、市政刷新を目指すことなどを内容とする声明を発表した。
 声明では、地下鉄問題のほか、同和問題の扱いや運営方法、小学校跡地利用などで承服することができない、として今後も追求を続ける−などとしている。(京都新聞)
■地下鉄東西線の建設費膨張問題 市議会が異例の「警告」付帯決議も理事者側の姿勢批判
 1500億円の建設費膨張が明らかになった地下鉄東西線建設費の膨張問題で、京都市議会は22日、理事者側の姿勢を批判する「付帯決議」を賛成多数で可決するとともに、異例の「警告」を全会一致で決議した。議会による「警告」は交通局協力会による約1億2000万円の使途不明金問題で、1987年10月に決議されて以来。
 「警告」では、「建設費の見直し額の公表を求めてきたが、黙殺した。これは市会軽視と情報管理の甘さによる失態だ」としている。
 同時に可決された「付帯決議」でも、「当初見積もりに無理があった」「市民の市政に対する不信を増大させた」とし、「積極的に説明しなかった姿勢は理解し難い」と批判した。「国の補助金の確保」「経費節減」「96年末の完成時期の厳守」「右京・洛西方面への延伸」など六項目を求めた。
 一方、共産党市議団から提出された、田辺朋之市長の責任を問う市長問責決議案は否決された。(朝日新聞)
■新予算など44件を可決 京都市議会閉会
 京都市議会は22日、総額6641億円の94年度一般会計予算案や、1500億円の建設費膨張が明らかになった94年度高速鉄道事業特別会計予算案など44件を原案通り可決した。
 また、「和風迎賓館誘致に伴う市民スポーツ場の確保」など13件の請願が採択されたほか、「米の安定供給確保と安全性を求める意見書」「月2回の学校週5日制の円滑な実施を求める意見書」など5つの意見書を可決し、閉会した。(朝日新聞)
24日■春闘 私鉄大手、交渉大詰め
 組合側が25日始発から24時間のストライキを構えている私鉄大手の賃上げ支渉は、24日、大詰めを迎える。23日には、私鉄総連(18万6000人、鈴木完守委員長)と、経営側の日本民営鉄道協会の幹部が3回目の少数交渉を開くなど、労使双方が妥協点を求めて折衝を続けた。
 私鉄総達は、組合員1人平均2万2000円の賃上げを要求している。しかし、旅客人員が減っていることに加え、24日に予定される金属大手の回答が、軒並み前年を大幅に割り込む見通しとなったことから、経営側は「公益産業として世間相場から突出できない」と態度を硬化させており、交渉は難航しそうだ。(朝日新聞)
■スト突入なら650万人に影響 近畿圏見通し
 近畿運輸局は23日、私鉄大手13社の労組が25日に予定している24時間ストライキが実施された場合の近畿圏の影響をまとめた。
 予定では、始発から止まる電車は近鉄、南海、京阪、阪急、阪神、阪堺電気軌道、神戸高速の各路線。1万5312本が運休となり、617万1000人が影響を受ける見通し。
 バスは近鉄、南海、阪神の3社の各路線(1万4536本)が運休となり、32万2000人に影響するという。(朝日新聞)
■「のぞみ」緊急制動 浜松で運転中止 22本遅れ
 23日午後6時45分ごろ、東海道新幹線の浜松駅付近で、走行中の東京発博多行き「のぞみ23号」の緊急ブレーキが作動した。同列車は浜松駅で乗客880人を降ろし、運転を打ち切った。
 この影響で、後続の下り列車22本に最高86分の遅れが出た。(朝日新聞)
■ストを控え大詰め交渉 私鉄労使
 25日始発からの24時間ストを目前に、私鉄大手の春闘は24日、経営側の日本民営鉄道協会幹部と私鉄総連三役による少数交渉や水面下の折衝など大詰めの段階に入った。
 ストを構えているのは、関西の阪急、阪神、京阪、南海など13組合。(京都新聞 夕刊)
■私鉄のスト回避は微妙 断続的に交渉続く
 労組側が25日始発からのストライキを構える私鉄大手の賃上げ交渉は、24日も断続的に続いている。私鉄総連は、2万2000円(7.9%)の賃上げなどを要求。厳しい経営状況を理由に賃上げ抑制を図る経営側と真っ向から対立しており、ストが回避できるかは微妙だ。
 関西では、阪神、阪急、京阪、南海、阪堺電気軌道、神戸高速の各路線が24時間ストを設定。突入すればバス路線を合わせて約455万人に影響が出るとみられる。また、近鉄は主要駅での集改札ストに切り替えた。(朝日新聞 夕刊)
25日■私鉄スト回避 11400円回答
 25日始発からのストを前に阪急や京阪など私鉄大手の労使交渉24日大詰めを迎え、日本民営鉄道協会(民鉄協)と私鉄総連の幹部は同日午前に示された金属労協(IMF・JC)主要組合や電力の回答を踏まえて、労務担当役員会議、社長会を交えながら非公式折衝を重ね、局面打開に全力を挙げた。
 その結果、経営側は1万1400百円(3.94%)の回答を同日夜のトップ交渉で組合側に示した。私鉄総連は25日午前零時45分から開いた中闘委員会で、回答受け入れと、スト回避を決め、25日午前1時、スト回避指令を出した。
 経営側は当初、1万800円程度で収拾したいとしていたが、最も参考とする電力(東電)回答が3.09%と率でトヨタ(3.06%)を上回ったことなどから1万1000円台乗せはやむを得ないと判断。組合側が主張する実質賃金維持につながる1万1300円に、生活向上分100円を上積むことを決めた。
 私鉄大手の回答は、昨年実績より2000円(0.80ポイント)低いが、私鉄総連は「実質賃金(1万1300円、3.91%)維持の水準を上回った」としている。(京都新聞)
■南海の関空連絡特急「ラピート」に乗ろう 5月28、29両日 展示は難波駅で28日から
 南海電鉄は、関西国際空港連格特急「ラピート」の運転開始を前に、同列車を今月28日から難波駅9番ホームで展示する。
 展示期間は28、29の両日と4月1日から5日まで(いずれも午後零時18分から27分間)。定員は1日当たり200人で、今月27日午前10時から、難波駅2階中央口コンコースで、先着順(小学生以上)に無料の入場整理券を配る。このほか4月29日から5月5日まで、同じ展示を行うが、整理券配布の日取りは未定。
 公募による「ラピート」試乗会も5月28、29の両日行う。2日間とも午前10時32分と午後1時半に難波を発車、関西空港駅までの往復コースで、車内見学のほか、途中空港連格橋の上で列車を止めて眺望を楽しむ。2日間で定員600人。
 申し込みは、往復はがきに住所、氏名、年齢、職業、電話番号、希望日を書いて、5月5日までに〒542大阪市中央区難波5丁目1ノ60、南海電鉄運輸部営業課試乗会係へ。多数の場合は抽選。(京都新聞)
■京都市交通局 92年度接待費 地下鉄協議などで684万円 市民請求で公開 相手先は示さず
 行政への監視・提言活動を続けている「グループ市民の眼」(代表=折田泰宏弁護士)が、京都市公文書公開条例に基づき、京都市交通局(三浦貞義管理者)の92年度分の「飲食を伴う接遇費」の関係文書の開示を求めていたが、市交通局は24日、一部文書を公開した。それによると、飲食は83件、総額約684万円で、支出理由として、地下鉄東西線や烏丸線延伸を巡る「協議」などがおげられている。しかし、接待の柏手などは非公開としており、同グループでは「請求文書の全面開示を求める行政訴訟も検討する」としている。
 同グループが公開を求めていたのは、接待の相手や日時、金額などが分かる公文書で、昨年12月27日に請求した。
 この日公開されたのは、92年度の市交通局の雑費勘定簿の一部で、合計83件、合計684万7346円の飲食接待の日時、理由、場所、金額が記載されている。接待場所としては東京の料亭や、京都市内の料理屋、ホテルなどが使われている。
 しかし、接待理由の項は「○○との協議の際の経費」など相手先が分かる部分が抹消されており、出席者が分かる支払い伝票類も公開しなかった。一部を非公開とした理由について、「相手先の公開などは、国との協力・信頼関係や個人のプライバシーを損なう恐れがおり、市条例の非公開理由にあたる」としている。これに対し同グループでは、大阪府水道部交際費情報公開訴訟で最高裁が2月、相手先が国などの行政機関である場合、関係文書を公開しても「不都合な事態が生じることは考え難い」と判決していることを挙げ「相手先が国などと推測されるケースが多いのに非公開とするのは納得できない」と批判している。(京都新聞)
■私鉄大手スト中止 1万1400円で妥結
 組合側が25日始発時から24時間のストライキを構えていた私鉄大手の賃上げ交渉は、24日夜、経営側が昨年実績より2000円、0.8ポイント低い1万1400円、3.94%(大手14組合の組合員平均)を組合側に提示。私鉄総連(鈴木完守委員長、18万6000人)も、25日未明に開いた中央闘争委員会で、この回答を受け入れることを決め、午前1時にスト中止を指令した。
 私鉄総連の要求は、組合員1人平均2万2000円。不況の中で、昨春闘より3000円、1.2ポイント引き下げた。しかし、経営側は、旅客収入が前年を下回ったことや、金属大手の回答も低水準にとどまったことなどから、「公益産業である私鉄だけが突出することは避けたい」としていた。
 とくに、労使とも注目したのが、同じ公益産業である電力の回答。24日夕出された回答は昨年を1800円下回る8300円で、アップ率が史上最低だった。これらをにらみつつ、私鉄の経営側は1万1000円程度、組合側は1万1600円程度を主張。その後、双方がスト回避をめざして歩み寄った。(朝日新聞)
■南海のラピ−トも 女性の接客係乗務
 南海電鉄は24日、関西国際空港と難波間を走る特急「ラピート」に女性の接客係を乗務させると発表した。関西空港へのアクセス列車では、JR西日本が特急「はるか」に女性車掌の起用を決めており、華やかなサービス合戦が演じられそうだ。
 南海によると、「パッセンジャーアテンダント」と呼ぶ女性乗務員を乗務させる。すでに人材派遣会社を通じて募集した語学堪能な約600人を対象に最終選考に入っており、4月初めにも26人を採用する。車内放送や旅客案内、ドリンクサービスなどを担当する。(朝日新聞)
■交通局の92年度接待費 83件685万円支出 市民団体へ 条例で公開
 市民団体「グループ市民の眼」(代表、折田泰宏弁護士)は24日、京都市交通局が1992年度に飲食を伴う接待費として83件、計約685万円を支出していたことを明らかにした。
 市の公文書公開条例に基づいて同団体が昨年12日に公開を請求していたもので、市側が勘定内訳簿の一部として接待の日付と場所、金額などを明らかにしたという。しかし、接待の相手については「公開することで相手との信頼関係が損なわれる」として公開を拒否された。
 交通局をめぐっては、地下鉄工事の協議として92年5月に運輸省幹部を東京・赤坂の料亭で接待していたことなどが、昨年10月の市議会で明らかにされており、市民団体側は「自治体が国の官僚などを相手に接待するのは問題ではないか」として、「相手方を明らかにするよう行政不服審査法に基づく異議申し立てか、公文書公開条例違反の行政訴訟を検討したい」と反発している。(朝日新聞)
■私鉄スト回避 利用者、安どの朝 ゆったり通勤風景も
 阪急、京阪など大手私鉄の組合が予定していた24時間ストが25日未明、回避された。前日の労使交渉を、やきもきしながら見守っていた利用者らは、始発からの平常通りの運転にホッとした様子。京滋の各駅では、春休みで学生、生徒らの姿は少なく、いつもよりゆったりした通勤風景がみられた。
 阪急河原町駅では、いつも通りの通勤ラッシュが見られた。スト回避が午前1時と、比較的早い段階に決まったとあって、利用客からの「ストは行われるのか」という同駅への問い合わせは、ラッシュ時に20本ほどあっただけにとどまった。大阪に通勤する途中の京都市下京区の会社員(52)は、ホームで「ストがなくてよかった。どこの会社も不景気だから給料が大幅にアップしなくても仕方がないのでは」と話していた。
 京阪三条駅では、ストの回避を告げる張り紙も出ず、普段と変わらない乗降の様子となった。京都市中京区内の勤務先に通う枚方市、会社員中井一雄さん(60)は「京阪しか足がなく、もしストなら会社は休む予定だった。回避されてホッとした。賃上げの手段がストしかないのは同じ労働者として理解するが、賃上げが運賃値上げにつながると考えると複雑な気持ちだ」と職場に急いだ。
 大津市の京阪電車浜大津駅でも、始発前には「スト回避」告知のポスターや看板も撤去され、普段と全く変わらない表情だった。
 枚方市から大津市内の会社に通う小川正道さん(58)は「不況の回復が遅れる中、低額ベースアップという形での労使間の妥結は目に見えていた」と、冷静に話していた。(京都新聞 夕刊)
■私鉄大手3.94%で妥結
 組合側が25日の始発時から24時間のストライキを構えていた私鉄大手の賃上げ交渉は24日深夜、経営側が昨年実績より2000円、0.8ポイント低い1万1400円、3.94%(大手14組合の組合員平均)を組合側に回答。私鉄総連(鈴木完守委員長、18万6000人)も、25日未明に開いた中央闘争委員会で、この回答を受け入れることを決め、午前1時にスト中止を指令した。(朝日新聞 夕刊)
26日■市交通局北大路バスターミナル 地下移転へ工事終える きょう始発から営業 乗降場10ヵ所設置
 市交通局北大路バスターミナル(北区小山北上総町)の地下移転工事が完成し、25日、関係者が完成を祝った。
 タ−ミナルは建設中の複合施設「キタオオジタウン」の地下2階にあり、地下3階の通路から直接、地下鉄烏丸線・北大路駅と連絡するなどタ−ミナル機能を充実した。26日始発から営業を始める。
 市交通局が市北部の交通拠点の整備をめざし計画。土地の有効利用をめざし、市内では初めて地下に建設した。バスターミナルの広さは約1万6000平方b。13系統ある市バスに対応するため、3つのレーンに10ヵ所の乗降揚を設置。乗り場を東方面と西方面に分ける一方、エレベーター、エスカレーターを4基ずつ設置するなど利用者に便利な設計になっている。
 タ−ミナルの待合室で開かれた開設式には三浦貞義市交通局長や来賓ら約100人が出席。式典後の発車式では、口井利彦近畿運輸局京都支局長らが「平安建都1200年記念バス」の前でテープカットした。
 「キタオオジタウン」は、地上4階地下3階(延べ約8万平方b)に、商業施設や文化ホール、プールなどを備えた複合ビルで、来年2月に全面完成する予定。(京都新聞)
■1200年振り返る旅を 市交通局 1、2日乗車券発売
 京都市交通局は来月1日から、平安建都1200年を記念して、冊子型の京都観光1日乗車券と2日乗車券「京都1200年の旅」を発売する。
 冊子型の乗車券は、縦18.5a、横9.3aで、胸のポケットにも入る大きさ。表紙が乗車券の役目を果たし、中のページで京都の観光情報を掲載しているのが持徴。
 今回は1200年の京都の歴史を振り返り、平安、鎌倉、南北朝・室町、安土桃山、江戸の5つの時代ごとに、それぞれにゆかりの名所を巡る観光コースを紹介。併せて多彩に繰り広げられる1200年記念イベントも盛り込んだ。
 46n。1日乗車券が大人1200円、小学生600円。2日乗車券が大人2000円、小学生1000円。
 地下鉄全線と市バスの均一区間などを利用できる。(京都新聞)
■「のぞみ」より速いよ 新大阪−博多2時間 JR西日本が航空客奪う構想 広島・岡山は通過 「地元の理解がカギです」
 「岡山、広島を通過する特急があってもいい」−山陽新幹線で最高時速300`の新型超特急を計画しているJR西日本で、こんな「弾丸列車」構想が持ち上がっている。朝夕1、2往復に限って運行し、新大阪−博多間を約2時間で結ぼうというものだ。「のぞみ」より速いことを強調し、競合する航空機にもダメージを与えようと、一部の幹部らが提案した。突っ込んだ議論はこれからだが、同社首脳は「おもしろいアイデア」と話している。
 JR西日本の新型超特急は、小郡−新下関間などで実験走行中の車両「WIN350」をもとにつくり、1996年3月から山陽新幹線で営業運転を始める。計画では、停車駅は「のぞみ」と同じ岡山、広島、小倉とし、現行2時間32分の新大阪−博多間を2時間10分台で結ぶとしている。
 「弾丸列車」構想は、「せっかくの新型超特急なのだから『のぞみ』とは一味違う特色を出したい」と考える幹部らが言い出した。
 大阪−福岡間を結ぶ航空便が、午前7時台や午後7、8時台を中心にビジネスマンらの利用度が高いことに着目。その時間帯に途中、小倉駅しか止まらない特急を1、2往復走らせて、航空客を奪おうというのが狙いだ。岡山、広島の2駅を通過することで、時間短縮効果は10分近いという。
 9月に関西国際空港が開港すれば、1日7往復ある大阪−福岡の航空便の大半が、都心の大阪空港から関西空港へ移転する可能性が高い。このため「航空客のほとんどを奪える」との読みもある。
 気になるのは通過される側の反応。「のぞみ」が東海道新幹線を走り始めた92年3月、JR東海が名古屋、京都の2駅を通過する列車を設定したところ、地元選出の代議士や首長らから「気分が悪い」「面白くない」と猛反発を食らった。岡山、広島も基幹駅だけに、ある幹部は「地元の理解が得られるかどうかが、実現のかぎを握っている」。もっとも、JR西日本鉄道本部によると、この構想を含めて停車駅や料金などが決定するのは1年以上も先。気の早い構想だが、同社首脳は「いろんなアイデアが出ることは、それだけ新型超特急への熱い期待の表れ」と喜んでいる。(朝日新聞)
■3.77%上げで妥結 JR西日本
 JR東日本、JR東海、JR西日本は25日、1994年度の賃上げについて、それぞれ平均上昇率3.77%を各労組に回答した。定期昇給込みの平均引き上げ額は、JR西日本が1万2184円。各社の最大労組が受け入れ、妥結した。(朝日新聞)
28日■関空−京都3430円 運賃などを申請 JR西日本・南海電鉄
 JR西日本と南海電鉄は28日、懸案の関西国際空港乗り入れ路線(6月15日開業)の運賃と特急料金などの認可申請書を、近畿運輸局に出した。このうち関西国際空港会社経営の区間について、両社とも加算運賃を導入しており、通常より割高の運賃体系。申請通り認可されると、JRの加算運賃は北海道・千歳線に続く全国2例目で、京都−空港間は新設の特急「はるか」(普通車)で3430円になる。
 加算額はJRが阪和線日根野から空港まで210円、りんくうタウンまで150円、南海が泉佐野からりんくうタウンまで120円、空港まで220円。関空会社が建設、経営する空港−同タウン間の建設費980億円の償還のため、初年度の概算路線使用料としてJRが42億円、南海が32億円、その後も乗客数に応じた金額を関空会社に支払うことで3社が合意、独自の設備投資分と合わせて運賃に上乗せすることにした。
 その結果、JR京都−空港間の運賃は1800円。指定席・特急料金は類似区間の特急「くろしお」より200円割高のA料金を適用、100`1630円とした。同社は「新造車両のため」と説明している。
 南海は、新設の特急「ラピート」(普通車)で座席指定料金を含めてなんば−空港間1250円。ほぼ同じ距離の天王寺−空港間のJR「はるか」より1000円近く安くした。(京都新聞 夕刊)
JRと南海の関空連絡運賃・料金
 営業キロ普通運賃
(円)
特急・
指定料金
合計
JR西日本京 都99.5180016303430
 新大阪60.5130016302930
 天王寺46.0101012202230
南  海なんば42.8800※4501250
 33.0710※4501160
※南海は指定料金のみ
■京都から特急で3430円 南海電鉄とJR西日本 関空への運賃申請
 JR西日本と南海電鉄は28日、関西国際空港と大阪市内などを結ぶアクセス列車の運賃、特急料金について、運輸省にそれぞれ認可申請した。
 両社の申請によると、関西空港線(JRは関西空港−日根野間、南海は関西空港−泉佐野間)に加算運賃を設け、営業キロ数に応じて算出する通常の運賃より区間によって120円−220円高くする。沖合5`の関西空港への連絡橋の使用料が両社で初年度74億円になることや、新型車両などの設備投資が増加したためとしている。
 JRの関西空港までの運賃は、京都から1800円、三ノ宮、京都から1630円、大阪からは1140円。南海は難波から800円、堺から710円、和歌山市から750円で、りんくうタウン−関西空港間は相互乗り入れのため両社とも340円。
 一方、特急、グリーン料金は、JRが50`まで1220円、100`まで1630円の指定席特急料金と、100`まで1220円のグリーン料金を申請した。これにより、京都から関西空港までの特急「はるか」の指定席は運賃込みで3430円、新大阪からは2930円となる。
 南海は、全区間同一の特急座席指定料金として450円を申請。難波−関西空港間の特急「ラピート」は1250円となり、競合するJR特急の天王寺−関西空港間に比べて980円安い。(朝日新聞 夕刊)
■子連れ母さん応援します 授乳室、主要駅に設置 湯わかし器やイス・ベッド 阪急、全国の鉄道で初
 阪急電鉄は28日、新年度から梅田や三宮など主要駅に、無料で利用できる授乳室を設けることを決めた。「共働き」や「カルチャーセンター通い」など、赤ちゃん連れのお母さんの外出が増えていることから、駅のサービス業務として取り組むことにした。厚生省や運輸省によると、交通機関で授乳室を設けているのは、空港や港だけで、JR、私鉄の駅では全国で初めて。阪急は駅トイレなどにおむつ替え用ベッドの設置も進める計画で、「がんばるお母さんを応援します」と話している。
 計画では、秋にも梅田駅の構内に約10平方bの授乳室を設ける。室内にはおむつ替え用ベッドや湯沸かし器、授乳用イス、流し台を置く。約1000万円を投じる計画で、空気清浄器や、気持ちが楽になりお乳が出やすくなるとされる「α(アルファ)波」の音楽を流すことも検討している。
 来年3月までに三宮駅にも授乳室をつくる予定で、順次、河原町駅や宝塚駅など主要駅に設置する。
 また、駅トイレに、乳幼児を安全な状態で無理なく座らせておけるイスや、おむつ替えができる収納型ベッドを、年間3、4駅ずつ設置していく計画だ。阪急は「ひとにやさしい駅」を目指しており、その一環として「子育て支援策」を打ち出した。
 こうした取り組みは厚生省が提唱しており、今年度から整備費の助成も行っている。しかし、同省児童家庭局企画課によると、飛行機や船のターミナルでは授乳室の設置が進んでいるものの、JR、私鉄とも設置数はゼロ。電車で出掛けるお母さんらは、母乳を駅のトイレで与えたり、ポットを持ち歩いたりしており、駅の授乳室や託児所を望む声は多いという。
 授乳室や託児所などの設置を進める財団法人・日本児童問題調査会(東京・中央区)の山田稔事務局長は「ここ数年でデパートは急速に授乳室が増えた。JRや私鉄も関心を示しており、今後、駅への設置も進むと思う」と話している。(朝日新聞 夕刊)
■女子高生 28%が電車で痴漢被害 大阪府立高先生ら調査 「6回以上」も12%
 大阪府立高校の先生たちが、女子高校生に電車で痴漢にあった経験を調査したところ、約3割の生徒が被害にあっていた。電車通学の多い高校では8割に及び、「学校へ行くのが嫌になる」との声も出た。やめさせようとしても、あまり効果が上がっていないことも分かった。
 調査したのは同府立高校同和教育研究会に昨年4月発足した男女平等教育委員会。痴漢行為などの性暴力が、女性であることに劣等感を植え付けてしまうとの視点から、半年がかりで取り組んだ。府内全域の19校から1643人の回答が集まった。
 電車で痴漢にあった経験が「ある」と答えた女子高校生は全体の28%。全校生徒の8割以上が電車通学している高校では80%に達した。被害の回数が「1回」の生徒は35%にすぎず、「6回以上」が21%もいた。
 「痴漢にあった時どう感じたか」(複数回答)では「腹が立った」57%、「驚いた」38%、「怖かった」36%の順。被害にあった女子高校生の44%が「やめさせるために行動した」が、加害者は「しらを切った」(34%)「痴漢行為を続けた」(23%)などと、あまり効果がなく、「周囲に助けを求めた」ところ、助けてくれたのは55%にすぎなかった。(朝日新聞 夕刊)
■「走る博物館」野鉄さらば 赤字理由に31日80年の歴史に幕
 「野鉄(のてつ)」の名で沿線住民に親しまれてきた和歌山県内の私鉄ローカル線・野上電気鉄道(本社・同県海南市)が3月いっぱいで廃業、約80年の歴史の幕を閉じる。過疎化とマイカーの普及で客足がめっきり減り、毎年1億円以上という赤字を国などの補助金でしのいできたが、それも打ち切りとなったためだ。惜しまれつつ、古びた電車は最後の力をふりしぼって、いまを走る。
 1922年(大正2年)の創業。海南市中心部の日方駅から、東隣の海草郡野上町の登山口駅まで11.4`を単線で結ぶ。1日24往復。
 13両の電車は、大正から昭和初期に製造されたものが現役で走っており、「生きた鉄道博物館」をカメラやビデオに収める鉄道ファンが後を絶たない。
 廃業後は、地元の運送会社が営業権を譲り受け、バスで代替え運行をすることになっている。(朝日新聞 夕刊)
29日■叡山ストを回避 中小私鉄バス各社 京阪、阪急も
 京滋に路禄を持つ中小私鉄、バス12社の各労組は27日、今春闘の賃上げ交渉を行い、深夜に叡山電鉄と京阪バス、阪急バス、大阪空港交通バスがストライキを中止。残る京福電鉄など8社の労使の話し合いは未明におよび、28日の始発から予定している24時間ストライキの回避は微妙な情勢。近畿運輸局などの調べでは、これらがストに突入し終日打ち抜かれた場合、約15万6000人の足に影響が出る見通し。
 ストを構えて交渉を続けているのは京福電鉄のほかに、路線バスの京都、京阪宇治交通、京都交通、丹後海陸交通、カヤ興産、奈良交通、江若交通。
 終日ストの場合、京福電鉄では 452本が運休し、2万9200人に影響する見込み。(京都新聞)
■終日禁煙 PR効果いまひとつ JR京都駅スタート1ヵ月 ホームでつい一服 深夜やラッシュ 変わらぬ清掃回数
 JR西日本が今月1日に京都駅(京都市下京区)などで「終日禁煙」に踏み切ってから、もうすぐ1ヵ月を迎える。京都駅では構内アナウンスや掲示で繰り返し協力を求めているが、効果のほどは今ひとつ。ラッシェアワーや酔客の多い深夜は、相変わらず吸いガラが目立ち、禁煙の定着には時間がかかりそうだ。
 京都駅では1日以降、ホームに11ヵ所ある「喫煙コーナー」以外の灰皿にすべてフタをした。構内アナウンスで「禁煙のお願い」を流すほか、構内指示でも協力を呼びかけている。
 しかし、ホームでは相変わらず紫煙をくゆらす人の姿が後を絶たない。とりわけラッシュ時や深夜は、そこかしこに吸いガラが捨てられているという。
 駅の清掃係員の印象は「吸いガラの数を数えたことはありませんが、めっきり減ったという感じはしません」。中には、使用禁止にした灰皿のフタでたばこをもみ消す客もあり「かえってフタをぬぐう手間が増えた」とも。このため、清掃回数は従来どおり15−20分に1回で、特に変化はないという。
 たまたまホームでたばこを吸っていた大津市の会社員(38)は「禁煙? 知ってますが、酔っている時はつい…」と、照れ笑い。
 これに対し、京都駅では「以前よリホームがきれいになったとの声も聞いています。あせらず、じっくりPRしていきます」と、長期戦の構え。
 禁煙を実施している先輩格の京都市営地下鉄では「定着するのに3ヵ月ぐらいかかりました。でも、うまく浸透していきますよ」と声援を送っている。(京都新聞)
■中小私鉄・バス スト構え交渉
 春闘で大手私鉄並みの賃上げを求め、29日の始発から24時間ストを構えて会社側と交渉を続けている私鉄総連関西地連の中小私鉄とバスの37組合のうち、28日深夜までに阪急バスなどが妥結し、ストを中止した。残りの組合は引き続き交渉を続け、一部は時間切れで突入しそうだ。
 ストを予定しているのは次の組合(観光バス専業、ロープウェーを除く)。
 【鉄道・バス兼業】水間鉄道、有田鉄道
 【鉄道】紀州鉄道、京福京都、叡山電鉄
 【路線バス】神姫バス、金剛自動車、南海バス、竜神自動車、明光バス、熊野交通、和歌山バス、淡路交通、全但バス、神鉄運輸サービス、京都バス、京阪宇治、京バス、丹海バス、カヤ興産、江若交通、奈良交通(朝日新聞)
■春闘ストすべて収拾 京滋の中小私鉄
 京滋に路線を持つ中小私鉄とバス12社の春闘労使交渉は、29日早朝までに、すべて妥結した。このため京福、叡山両電鉄など11社は、予定されていた始発からのストライキを回避したが、始発時間を過ぎても交渉がまとまらなかった京都交通バスは、一部ストに突入した。
 京都交通バスは、午前7時10分にスト中止指令が出された。しかし、すでにストに突入しており、同5時29分園部発祇園雪をはじめ175本が運休。4500人の通勤客らの足に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
30日■「96年末完成へ全力を」 地下鉄東西線 市長が建設現場視察
 京都市の田辺朋之市長は29日午後、建設費の膨張が問題となっている地下鉄東西線の建設現場を視察した。工事の進捗(ちょく)状況などの説明を聴くとともに、現場担当者らに「96年末には工事を完成させたい。事故に注意してさらに頑張っていただきたい」と要請した。市長の現場視察は、当初計画に比べ約1500億円の建設費膨張が明るみに出て以降、初めて。
 現場視察には、担当の内田俊一助役、三浦貞義管理者(交通局長)らも同行、東山区の蹴上駅と堀川駅の2工区の作業現場で説明を聴いた。
 蹴上駅工区は第三セクターの京都高速鉄道が日本鉄道建設公団に発注して工事を行っている。当初の地表から掘り下げるオープンカット工法から、京阪京津線の運行と道路交通を確保しながら工事を行うパイプルーフ工法に工法変更を行った場所で、進捗率は50%前後になっている。
 鉄建公団の遠藤健二大阪支社長の説明を受けた田辺市長は「工事をやりにくい場所での大変さが十分に分かった。しかし、1ヵ所でも遅れが出れば全体が走れない」と、96年末の完成へ全力を挙げるよう、要請した。田辺市長らは、続いて比較的工事が順調な堀川駅工区も視察した。今後、他の工区についても順次視察を行い、現場担当者に協力を求めるとともに、点検・推進委で工事や建設費などについてさらに検討を進める。市は、建設費の膨張問題を含め、建設計画を総点検する「高速鉄道東西線建設事業点検・推進委員会」を設置している。(京都新聞)
■信楽「鉄道安全宣言の町」に 事故の教訓生かしたい 町議会会議
 滋賀県・信楽町議会(中川久二男議長)は、29日開いた3月定例会本会議で「鉄道安全宣言の町」を宣言することを全会一致で決議した。3年前の信楽高原鉄道事故の教訓から、鉄道の安全を国の内外に呼びかける、全国でも例のない宣言となり、杉森一夫町長は「犠牲者に対するごめい福を祈るとともに、遺族の思いを踏まえ、鉄道安全の推進に努力したい」と話している。
 42人の死者を出した平成3年5月の信楽高原鉄道事故から3年。鉄道事故の専門調査機関の設置を目指し、遺族らでつくる「鉄道安全推進会議」が昨年10月、信楽町に対し鉄道安全宣言の決議を申し入れていた。
 決議は「主要交通機関である鉄道に対して望むことは急速なる進歩だけではなく、むしろ『安全輸送』の体制の確立と認識の強化が重要」とし、「信楽町では鉄道事故の教訓を生かし、国の内外を問わず今後悲惨な事故が2度と発生しないことを願って『鉄道安全宣言の町』を決議する」としている。
 この日の議会の決議をもとに、同町は、正式に安全宣言するための作業を急ぐことにしている。
 事故で長女信子さん=(26)(当時)=を失い、鉄道安全推進会議代表をつとめる臼井和男さん(55)は「5月には信楽で総会とシンポジウムを予定していますが、鉄道安全宣言の町のもとで開けるのがうれしい。宣言は鉄道事故の防止にきっと良い影響をもたらすでしょう」と話している。(京都新聞)
■新駅誘致へのハードル
 東海道新幹線で駅と駅の間が最も長い京都−米原間(68`)にある滋賀県栗東町が、建設費を地元で負担する新駅設置に本格的に動き出した◆同町は日本中央競馬会のトレーニングセンターがあることで知られ、人口約4万7600人。市制施行のハードルになっている5万人突破への弾みに、と運動に熱が入る◆1月に発足した「栗東町新幹線新駅開発構想調査会」に、JRの部長クラスが名を連ぬたこともあって、町側は実現に自信を見せる。だが、JR東海は「新駅設置は輸送力の低下につながる。短期的には難しい」とつれない◆粟東町は20年前、15`北東の近江八幡市と新駅誘致の争いのをしたが、1988年に県が栗東町に一本化した。当時は同町一帯を地盤とする代議士が入閣し、絶頂期だった◆県関係者は「誘致の決め手は政治力と経済力」という。経済力では、栗東町とその周辺は大手企業の進山と宅地開発で人口増が続き有力だ◆同じ請願駅の厚狭駅(山口県山陽町)が97年に開業する。建設費105億円は山陽町と山口県、民間団体が負担した。山陽町は成功の理由を「県が先頭に立ち、周辺市町の協力を得られたこと」と話す◆栗東の場合、建設費は約200億円と見込まれる。負担が大きいからか、滋賀県付「一緒に陳情など努力しているが、主体は町」と歯切れが悪い。町が頼みとする代議士も、以前ほどの力はない。越えなけれはならないハードルはまだまだありそうだ。(大津支局 河野隆二)(朝日新聞)
■新幹線チェーン妨害 「転覆の危険あった」JR総研 滋賀県警に報告
 滋賀、岐阜両県で起きた新幹線列車防害事件で、彦根での犯行に使われたチェーンについて、鉄道総合技術研究所(JR総研・東京都国立市)が「岐阜県関ケ原町のレールに仕掛けられたワイヤと同様、列車の脱線転覆の危険があった」と滋賀県警捜査本部(彦根署)に報告していたことが30日までにわかった。
 この事件は、昨年8月28日に彦根市小野町の新幹線下り線レールにチェーンと鉄製金具が巻き付けられ「のぞみ」が緊急停車した。同六月にもワイヤを使った同様の犯行が岐阜県内であり、両現場から同じ筆跡の文書が見つかったため両県警が共同捜査本部を設置、列車往来危険の疑いで捜査している。
 県警捜査本部から捜査照会を受けたJR総研はチェ−ン(太さ18_)について「列車の排障装置をくぐりぬけ、車輪を数a浮き上がらせたはず。強風やカーブの遠心力など横からの力が加わっていれば脱線転覆の可能性があった」と鑑定した。
 岐阜のワイヤ(同9_)については、同総研が昨年9月に「車輪との接触で転覆の恐れがあった」との鑑定結果をまとめており、県警捜査本部では昨年12月にチェーンについてJR総研に鑑定を依頼していた。
 今回の報告で、彦根の犯行が、列車の排障装置をくぐり抜け車輪に接触させて転覆を狙う手口にエスカレートしていたことが証明され、同本部では引き続き新幹線沿線の警戒を強めている。なおチェーンの製造元や販路については現在まで特定できていない。(京都新聞 夕刊)
31日■JR7社事業計画 94年度も減収減益 旅行客 不況で減少予想
 JRグループ旅客6社と貨物1社は30日、1994年度の事業計画を発表した。7社合計の売上高は93年度計画に比べ539億円(1.2%)減の4兆5397億円、経常利益は57億円(2.6%)減の2099億円を見込み、2年連続の減収減益となる。不況で旅行や出張に出掛ける人が減る見通しであることが悪化の原因だが、低金利の影響などで、減益幅は17.2%減だった93年度計画より小幅となった。
 売上高は、関連事業収入の増加を見込んだ西日本が0.2%増としたほかは、いずれも減収を予想。定期券収入は安定しているが、長距離を中心とする定期以外の旅客運輸収入が減る。
 各社とも大都市駅の改札の自動化や、車両の点検作業の機械化などの合理化を進める。人件費は貨物以外の6社で増え、営業損益段階では九州と北海道を除き減益。経常利益は、低金利による支払利息の減少で営業外収益が増える東日本、東海、西日本の大手3社が93年度とほぼ同水準、残る4社が減益となる。
 各社別では、JR東日本は在来線の収入は増えるが、新幹線部門が減り、売上高は1.6%減。JR東海はリゾート地への旅行者の減少から在来線の収入減が大きく、売上高は1.0%減に。
 JR西日本は定期券以外の旅客収入がわずかに減ったが、関連事業収入が増え、売上高は0.2%の増加。だが9月に開港する関西国際空港の線路の使用料が加わるため、営業損益は3.6%の減少予想。
 設備投資は7社合計で93年度計画に比べ0.2%減の6380億円。東日本は1.4%増で、東京郊外の駅に自動改札機を導入するなど、首都圏への投資が中心。東海は「のぞみ」用車両の導入が一段落したため14.3%減、西日本は関西国際新空港と大阪の中心部などを結ぶ新しい特急車両の導入などで、27.3%の増加となった。
・次世代車両試験へ JR東海
 JR東海は30日発表した1994年度事業計画に、既存の新幹線方式による次世代新幹線「300X系」車両の走行試験開始を盛り込んだ。「早ければ車両が完成する94年度下期には走行試験を始めたい」としている。
 JR東海は東海道新幹線で300系車両の開発とそれに伴う時速270`走行に成功、92年3月から「のぞみ号」として営業運転を始めている。
 300X系車両はこれを発展させ、次世代新幹線を目指すもので、最高速度は350`b以上。
 既に昨年3月に日立製作所、日本車両製造、川崎重工業、三菱重工業の4社に試験車両計6両を発注している。
 JR東海は計画中の中央新幹線で、万一リニアモーターカーの走行が難しくなった場合には、300X系新幹線開発の成果を生かすとしており、300X系車両の開発、走行試験開始は中央新幹線構想を進める上でも注目を集めそうだ。(京都新聞)
■線路に自転車 電車がはねる 東山の京阪踏切
 30日午後7時20分ごろ、京都市東山区一橋野本町の京阪電鉄踏切で、出町柳発淀屋橋行き急行が、線路上に置いてあった自転車をはねた。自転車は隣の上り線に落ち、直後に淀屋橋発三条行き普通電車がはねた。けが人はなかった。
 松原署の調べでは、現場は淀屋橋行き急行が地下から地上に出て最初の踏切で、自転車は前輪が施錠され線路上に立ててあったといい、悪質ないたずらとみて調べている。
 この事故で、最初にはねた急行が現場に7分止まったのをはじめ、上下7本に2−7分の遅れが出た。(京都新聞)
■高速化、通勤に重点 JR6社の94年度計画 総2階建ての新幹線 関西空港線6月開業 300X試験運転へ
 JR旅客6社が30日、伊藤運輸相に認可申請した1994年度(平成6年度)の事業計画は、景気の落ち込みや自然災害などの影響で全体的に控えめ。前年度からの継続事業が中心となったが、その中では、列車の高速化や通勤対策などに重点が置かれている。
 JR東日本は、マイホームの遠距離化で増え続けている新幹線通勤の需要拡大に対応するため、夏に東北、上越新幹線に総2階建て車両を投入する。12両編成で定員は現在の4割増の1235人。同社は「座って通える新幹線通勤を目指したい」としている。
 JR東海は、のぞみに代わる次世代新幹線として開発中の「300X」の試験車が完成、冬から試験運転に入る。
 300Xは中央新幹線(リニアモーターカー)の代替車両としての役割も担うが、これでJR東日本の「STAR21」、JR西日本の「WIN350」とともに本州3社の次世代新幹線試験車が出そろった。
 在来線の高速化では、JR東日本の試験車両「TRY-Z」が 160`の営業運転を目指した試験走行を冬から始める。また、JR西日本は、関西新空港の開業に合わせて6月から、京都、新大阪と同空港を結ぶ関西空港線の営業を始める。
 このほか各社とも、駅の身体障害者用エスカレーターなどの設置を計画に含めており、障害者団体などから批判の多い施設の不便さも多少改善されそうだ。(京都新聞)
■JR6社、減収予測 新年度 増収は「西日本」だけ
 JRグループの旅客6社と貨物1社は30日、1994年度の事業計画を運輸省に認可申請した。JR西日本を除いた6社が前年度の当初計画に比べ減収を見込み、経常利益でも本州の3社がほぼ横ばい、北海道など4社が減益を予想するなど、景気低迷を反映した厳しい内容となっている。
 本州3社の営業収入は、関西国際空港の開港などを控えた西日本が前年度計画比で微増を見込む一方、東日本と東海は減収の計画を立てている。両社は、昨年末から旅客数が前年比プラスに転じるなど業績回復の兆しが見え始めているが、「後日に計画を下方修正しないで済むよう、あらかじめ厳しい見通しにした」(東海)という。
 一方、北海道、四国、九州の3社は、収入減に加え、経営基盤の安定のために設けられている経営安定基金の運用収入が、金利低下によって落ち込むとみており、そろって減収減益を予想している。(朝日新聞)
JR7社の94年度事業計画
 北海道東日本東 海西日本四 国九 州貨 物
営業収入1,029
(▼31)
19,682
(▼325)
11,002
(▼115)
9,298
(23)
493
(▼15)
1,752
(▼12)
2,141
(▼64)
営業損益▼415
(27)
4,037
(▼129)
3,721
(▼151)
1,327
(▼49)
▼114
(▼3)
▼239
(11)
65
(▼6)
経営安定408---121231-
基金運用益(▼34)---(▼18)(▼22)-
経常利益3
(▼7)
1,012
(0)
554
(3)
505
(0)
8
(▼28)
12
(▼19)
5
(▼6)
「単位・億円、カッコ内は前年度計画比の増減額。▼は減少または赤字」
■緑化フェアは電車で 梅小路に臨時駅
 JR西日本は31日、今秋開かれる「全国都市緑化きょうとフェア」の梅小路会場内に、山陰本線の臨時駅を設置する申請を近畿運輸局に届け出た。
 同フェアは9月23日から11月20日まで開催されるが、主会場のひとつである梅小路公園へのアクセス確保のため、京都市がJR西日本に駅設置を要望していた。
 計画では、臨時駅は「緑化フェア梅小路」。同期間中、京都駅から約2分の同公園南東(下京区八条坊門町)に開設、8両対応の165bのホームにする。普通列車を止め、停車本数は5月中旬の夏の臨時ダイヤで決めるが、期間中約20万人の利用を見込む。工事費約1億円は、同フェア実行委が全額負担する。(京都新聞 夕刊)
■京都の京阪本線 踏切に自転車 電車がはねる
 30日午後7時20分ごろ、京都市東山区一橋野本町の京阪本線西端踏切(警報機、遮断機つき)で、出町発淀屋橋行き下り急行電車(中林陽介運転士、8両)が、踏切内に置かれていた自転車をはね飛ばした。自転車は約2b南の障害物検知器にぶつかって上り線路に落ち、淀屋橋発三条行き普通電車(大和親二運転士、7両)が再びはねた。
 この事故で障害物検知器2基の支柱がまがり、電車は現場に5分停車した。乗客にけがはなかった。京都府警松原署は電車往来危険罪で調べている。(朝日新聞 夕刊)