1994(平成6)年 2月


1日■全駅終日禁煙へ JR西日本 乗客のシエン受けまして… 新幹線ホームも 京都駅 喫煙コーナー14ヶ所 3月1日から順次(京都新聞)
  ■JR西日本 1212駅終日分煙 吸い殻人れ、3分の1の2000個に 3月中(朝日新聞)
2日■JR電車のドア故障 東海道線西ノ宮駅(京都新聞 夕刊)
3日■地下鉄建設費が”暴走” 京の東西線 当初を1500億上回る 1.5−2倍 一般会計に影響(京都新聞)
  ■なぜそんな巨額に 地下鉄東西線工事費の膨張 納得いく説明を 驚き、不信の声続出 市民団体地元住民(京都新聞)
  ■甘かった見積もり 「工法変更も負担に」 三浦京都市公営企業管理者に聞く(京都新聞)
  ■JR草津南部 新駅名は「南草津」 期成同盟会 市長に答申 来月にも正式決定(京都新聞)
  ■建設計画を総点検 地下鉄東西線 京都市助役 費用膨張で緊急会見(京都新聞 夕刊)
  ■大山崎・JR踏切侵入 女性ひかれ死亡(京都新聞 夕刊)
  ■「おいらん車」連結橋そろり 関西空港へ列車渡り初め(朝日新聞 夕刊)
4日■地下鉄東西線建設費膨張 第三セクターに大幅増資 京都市が支援方針 倍額以上(京都新聞)
  ■強い風雪でダイヤ乱れる JR山陰線など(京都新聞)
  ■工費1490億円増える 地下鉄東西線 一般会計へ影響必至(朝日新聞)
  ■キセル封じ 不心得者へ究極の作戦 入場券は時間制 定期に通過情報 来秋には印字も 阪急が今秋導入(朝日新聞)
5日■残雪で新幹線に遅れ(京都新聞)
  ■スーパートレインやみ突っ切った WIN350 時速300`走行テスト 同乗記 揺れ制御、走り安定(京都新聞 夕刊)
6日■社説 どうなってる地下鉄建設費(京都新聞)
  ■京の中心部にも 車いすOKバス(京都新聞)
  ■ちいさな旅 紀州鉄道 ほのぼの日本一のミニ(朝日新聞)
7日■地下鉄東西線 建設費膨張 高架方式に比べ「地下」今や安上がり 技術革新 人件費を節約 未定工区再考の時(京都新聞)
  ■整備新幹線見直し大詰め 先見えず地元やきもき 姿勢硬い大蔵政局混乱響く 新年度予算にせめて調査費(朝日新聞)
  ■関西新空港の連絡鉄道 6月20日ごろ開業(京都新聞 夕刊)
  ■ホームから転落? 男性ひかれて死亡 JR東岸和田駅(朝日新聞 夕刊)
8日■不正乗車防止で入場券に時間制限 来月からJR東海(京都新聞)
  ■公営地下鉄 鶴見線緑地など延伸 新年度予算で追加要求(朝日新聞 夕刊)
  ■ほんまか?関西編 魅力探しに 大阪の地下鉄61年 便利だが、無味乾燥な怪獣?!(朝日新聞 夕刊)
9日■地下鉄東西線膨張 新予算へ影響 市長認める 市が点検推進委発足 庁舎建設積立金見送り方針「料金負担、検討も」(京都新聞)
  ■建設費膨張の地下鉄東西線 点検・支援策探る 市、運賃はね返りも示唆(朝日新聞)
  ■整備新幹線未着工区間 結論3年先送り(朝日新聞)
  ■「大橋」で停車 ダイヤ乱れる JR(朝日新聞 夕刊)
10日■地下鉄建設費膨張で責任追求 共産党市議団が声明(京都新聞)
  ■新京都駅ビル文化施設運営 14日に会社設立総会 社名「シアターアーツ1200」(京都新聞)
  ■関空アクセス JR快速公開(京都新聞)
  ■9遺族示談が成立 信楽事故 JR・高原鉄道側と(京都新聞)
  ■線路や架線の異常 電車走ればピタリと分かる JR西日本3月から実験 労働条件改善にも(朝日新聞)
  ■山陰線ダイヤ乱れる 余部鉄橋で強風(京都新聞 夕刊)
  ■JRなどが雪で乱れる(朝日新聞 夕刊)
11日■風でダイヤ終日混乱 JR山陰線(京都新聞)
  ■旧国鉄債務減る見通し JR株売却で(朝日新聞)
  ■「鶴見緑地線」延伸へ(朝日新聞)
12日■京滋すっぽり白いベール 京都市内でも13a JR奈良線一時ストップ 自動車道ズタズタ(京都新聞 夕刊)
  ■列島真っ白 連休足止め 空・陸軒並みストップ(朝日新聞 夕刊)
13日■交通マヒ終日続く 列島ドカ雪 京滋も混乱(京都新聞)
  ■古都真っ白 交通に乱れる 2月の連休に記録的な大雪 京都市で積雪13a 事故やけがが相次ぐ(朝日新聞)
  ■リフトバス 新たに2路線(朝日新聞)
14日■貨物同士追突 特急遅れる 近江八幡の東海道線(京都新聞)
  ■ターミナル駅 保育所設置へ 子育て支援で厚生省(京都新聞)
  ■道・空・JR 乱れが続く 積雪の後遺症(朝日新聞)
  ■公共企業未配分枠 新年度予算 マイナス分野消える 地下鉄などに厚く(朝日新聞)
  ■雪の東海道線 貨物列車追突 近江八幡(朝日新聞)
  ■東海道新幹線など乱れ続く(京都新聞 夕刊)
  ■私鉄総連 賃上げ要求提出 7.9% 2万2000円 春闘本格スタート(京都新聞 夕刊)
  ■SLの女王「C62」1号機 安住の地へ 広島で雨ざらし 化粧直しお目見え 梅小路蒸気機関車館(京都新聞 夕刊)
  ■春闘、本格スタート まず私鉄総連 要求書を提出(朝日新聞 夕刊)
16日■水俣病訴訟で荒巻知事答弁 近く国に若い要望 府会「決断すべき時期」 JR舞鶴線 早期電化に努力(京都新聞)
  ■東海道線30粉遅れる 摂津富田で接触事故(京都新聞)
  ■リニア 時速400`達成(朝日新聞)
17日■JR奈良線複線化目指す 府会で知事答弁 まず京都−長池間(京都新聞)
  ■こだまの床下付近から白煙 山陽新幹線徳山駅(京都新聞 夕刊)
  ■山形新幹線”見せかけ”乗車 県、自治体に要請 「延伸」めざし 運輸省視察時(朝日新聞)
  ■整備新幹線見直し3年間先送り 建設の財源は?採算性は? 幅広い論議急ぐ必要(朝日新聞)
  ■運賃を20円値上げ申請 神戸新交通(朝日新聞 夕刊)
18日■京都市94年度予算案 一般会計伸び2.6% 市債増 地下鉄も圧迫 建都・福祉など重点(京都新聞)
  ■東西線問題、論議は必死 きょう市会(京都新聞)
  ■企業会計(京都新聞)
  ■膨らむ「借金財政」 地下鉄事業費増大 信頼の回復が急務(京都新聞)
  ■社説 建都に取り組む京都市予算案(京都新聞)
  ■C62 1号機が来た 「女王」化粧直し夏展示 梅小路蒸気機関車館(朝日新聞)
  ■北海道のJR不採用で中労委 全動労にも救済命令 一部に不当労働行為(京都新聞 夕刊)
19日■JR京都駅 南北結ぶ直通通路 市街地分断を回避 新駅ビル建設と歩調合わせ具体化 京都市94年度当初予算に計上(京都新聞)
  ■超一等地にはゴルフ練習場 大阪駅北の大鉄局跡 高すぎて売れず 日銭稼ぎの賃貸 清算事業団(朝日新聞)
  ■レトロ京都市電、浪速を走る 鈍足・独特の騒音・木目模様の床 高校生ら企画 あす午後発車(朝日新聞)
  ■石油タンク敦賀に基地 日本海側で初(朝日新聞)
  ■列車でペアマッチ クイズの参加者募る 来月、宮津駅を出発(朝日新聞)
  ■懐かしい京都市電走る あす大阪で のんびり20分 建都1200年記念 高校生らが企画(京都新聞 夕刊)
21日■次世代新幹線 異なる開発思想 主役争いし烈 STAR21・JR東日本 WIN350・JR西日本 300X・JR東海(京都新聞)
  ■「昇降機・トイレ不足」 JR京都駅 障害者視察 全障研向け改善訴え(朝日新聞)
22日■JRの通学定期割引率 外国人学校格差なくす 一般学校と同一に 4月実施 対象2万2000人(京都新聞)
  ■クイズ列車走らせます KTR ペアで応募を(京都新聞)
  ■東海道新幹線の全駅禁煙 所定場所以外は来月から(京都新聞)
  ■JR山陰線 強風で一時ストップ(京都新聞)
  ■JR通学定期券の格差是正 喜びの反面、遅すぎた 朝鮮学校 運動6年やっと JRの腰の重さ痛感(京都新聞)
  ■低気圧進み北日本大荒れ 新幹線など速度規制(京都新聞 夕刊)
  ■外国人学校生徒の割高定期 4月から格差解消 JR6社 国鉄時代以来26年ぶり(朝日新聞)
23日■社説 JR定期運賃は見直されたが(京都新聞)
  ■地下鉄建設費問題で市会各会派に要望書 京都消費者団体協(京都新聞)
  ■先生、トイレでビデオ JR神戸駅 女性を撮影した疑い(朝日新聞)
  ■「特急味めぐり」も発車 北近畿タンゴ鉄道 春の臨時列車運行(朝日新聞)
  ■強風で山陰線乱れる 余部鉄橋通行見合わす(京都新聞 夕刊)
24日■地下鉄工費膨張を追求 きょうから京都市会(京都新聞)
  ■地下鉄 京都市会 市財政に危険な”落とし穴” 建設費膨張問題を洗う(京都新聞)
  ■「東西鉄道」へ整備基金 堺市、臨海「新都心」と主要駅結ぶ 97年度にも事業免許申請(朝日新聞)
  ■地下鉄 京都市会 「市民に不信与えた」市長陳謝 8年末完成 改めて強調(京都新聞 夕刊)
25日■地下鉄 京都市会 交通局の合理化 示唆 管理者答弁 工費膨張で改善策(京都新聞)
  ■地下鉄 建設費膨張で陳謝 京都市議会 代表質問に田辺市長(朝日新聞)
  ■関空往復JR「はるか」公開 京と世界の空 直結(京都新聞 夕刊)
26日■地下鉄 京都市会 市長「厳しい事態」認識 建設費膨張 内部努力を訴え 96年末完成、改めて強調(京都新聞)
  ■きっぷよく北近畿へ旅へ JR西1日から発売(京都新聞)
  ■地下鉄東西線 甘かった見積もり 建設費の膨張問題 名工区で契約変更(朝日新聞)
  ■架線が停電 ひかり停車 山陽新幹線(朝日新聞 夕刊)
27日■視評 市民不在の地下鉄質疑(京都新聞)
  ■のぞみ電器回路故障(京都新聞)
  ■小さな旅 生瀬−武田尾 線路跡たどれば渓谷美(朝日新聞)
28日■油圧式車止め設置 ニュートラム安全対策(朝日新聞)
  ■「のぞみ」電流変換装置 熱で黒焦げに JR西日本 故障原因を発表(京都新聞 夕刊)
  ■回路の一部焼け焦げ原因 のぞみ運転中止事故(朝日新聞 夕刊)



1日■全駅終日禁煙へ JR西日本 乗客のシエン受けまして… 新幹線ホームも 京都駅 喫煙コーナー14ヶ所 3月1日から順次
 JR西日本のすべての駅が、3月1日から順次、ホームやコンコースの喫煙コーナー以外は禁煙になる。同社が31日、発表した。京都駅など京都線(東海道線)の駅は3月1日からさっそく実施の計画。すでに普通列車の100%、特急、急行の半分の車両が禁煙になっているのに加え、愛煙家は一層肩身が狭くなる。
 同社の分煙化は、平成4年11月以降、大阪環状線と金沢支社管内の191駅で行い、好評。昨年、乗客から同社に寄せられた喫煙関係の要望・苦情の約8割が、駅の禁煙化を望む声だったこともあって、新たに新幹線と在来線1021駅で分煙化を実施、1212駅すべてに広げることにした。全駅分煙化は、JR九州に次いで2社目。
 計画では、同社管内の山陽新幹線駅(新神戸−博多)と、在来線の京都−神戸間は3月1日実施、その他は順次行って3月中に全駅に広げる。
 各ホーム(1−3ヵ所ずつ)とコンコース、一部駅の入り口に、灰皿を置いた喫煙場所を確保して、掲示板で案内。ラッシュ時に各駅で行っている「禁煙タイム」は一部を除いて廃止、所定の場所以外は終日禁煙とする。ただし、大阪環状線で行っている喫煙コーナーの床面を円形の表示で囲むやり方は、愛煙家の狐立感を配慮してとりやめ、今回他の駅では実施しないことに決めた。
 京都駅(在来線のみ)には、ホーム、コンコースなど、在来線で最も多い14ヵ所の喫煙コーナーを設置、米原駅8ヵ所、草津駅7ヵ所、福知山駅には4ヵ所設ける。
 これによって、JR西日本全駅で約6000個の灰皿は、2100個余りに減るが、新たに掲示板設置費など2、3億円の経費がかかる。
 また「所定場所以外で吸っている人がいたら、駅員が注意する」と話し、協力を求めている。
 一方JR東海も、京都駅などすべての新幹線駅の分煙化計画を進めている。(京都新聞)
■JR西日本 1212駅終日分煙 吸い殻人れ、3分の1の2000個に 3月中
 JR西日本の1212のすべての駅が3月中に、喫煙場所を限定する「終日分煙駅」になる。同社は1974年から朝夕のラッシュ時の禁煙タイムを実施したり、大阪環状線などの一部路線の駅で分煙化を図ったりしてきた。たばこをいやがる利用客に配慮して、「規制」をさらに厳しくすることにした。駅の一角に吸い殻入れは残るものの、愛煙家の肩身がまた、狭くなる。
 JR西日本が31日発表した分煙計画によると、山陽新幹線の各駅は3月1日から、その他の在来線駅は3月中に、順次実施する。各駅にはホームやコンコースなどに喫煙コーナーが設置され、それ以外は終日禁煙となる。喫煙コーナーでは、愛煙家にも配慮して、従来の禁煙タイムを廃止し、終日、たばこが吸えるようにする。
これにより、全駅の吸い頼入れは現在の約6000個が約2000個に減り、吸い殻の量も半減するとみている。
 同社は92年11月に和歌山駅で分煙化を実施したのをはじめ、金沢支社管内172駅、大阪環状線18駅を分煙駅とした。
 評判は上々だが、その他の駅を利用する客からは「けむい」「服を焦がされた」などの苦情が絶えないことから、分煙を進めることにした。
 同社は「たばこを我慢するのは世の流れ。全面禁煙にするわけではないので、どうかご協力を」。(朝日新聞)
2日■JR電車のドア故障 東海道線西ノ宮駅
 2日午前8時ごろ、西宮市池田町のJR東海道線西ノ宮駅で、京都発西明石行きの下り普通電車(7両編成)の2両目のドア1つが発車の際閉まらなくなった。電車はドアの内側にロープを張り、安全のため駅員がドア付近に天井した状態で7分遅れで発車した。
 電車には約500人が乗っていたが混乱はなかったという。後続の下り普通電車3本に遅れが出て、計約2000人が影響を受けた。
 電車の1車両片側には4つドアがあるが、故障が起きた車両のドア3つは正常に作動していた。JR西日本が故障の原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
3日■地下鉄建設費が”暴走” 京の東西線 当初を1500億上回る 1.5−2倍 一般会計に影響
 京都市が平安建部1200年記念のメーン事業として建設中の地下鉄東西線の建設費が激増、当初計画を1500億円上回り、約3950億円に膨張していることが、2日までの市の試算で分かった。とくに、第三セクターの鉄道事業会社「京都高速鉄道」部分の建設費は、2倍を超える異常事態となる見込みで、財源難に苦しむ一般会計がさらに窮地におちいりかねない事態となっていることが判明した。地下鉄東西線は、昨年2月にも工事の遅れで、完成予定を2年延長、1996年末とすることが表明されたばかりで、建設計画と工程管理の甘さが改めて問題となりそうだ。
 市の試算によると、東西線の建設費は、市交通局分が約2700億円(18工区)、第三セクター部分で約1250億円(7工区)で、合計約3950億円にのぼることが分かった。
 市が運輸省に提出、これまで説明してきた計画による当初の建設費は市交通局分が1840億円、第三セクター分が610億円で計2450億円の予定だった。
 全体では60%以上の膨張で、市交通局分では50%近い増加、第三セクター部分では2倍を超える増加となった。
 建設費の大幅膨張について、市は完成予定を2年延長したことによる経費増のほか、▽地価の高騰で用地取得が予算を大幅超過した▽京阪電車京津線の運行を確保しながらの工事実施で工事方法の変更が重なった−などが主な原飼、と説明している。
 しかし、京津線の運行確保は当初からわかっていたことであり、また大幅な建設費増を伴う工事変更契約が数回にわたって行われるなど、工程管理上の問題点も指摘されている。
 市はこれまで、東西線の建設計画について、小型地下鉄として、すでに開業運行している烏丸線に比べて、車両や地下道部分をひとまわり小さい軌道とするため、建設費も圧縮できると説明。1`当たり建設費も200億円以下に抑えられる、としていた。しかし、今回の試算では、1`当たりの建設費は第三セクター部分で350億円以上、交通局分でも280億円以上となり、烏丸線の平均`単価216億円を大きく上回る見通しとなった。
 とくに、市が出資している第三セクターでは、当初計画に比べ600億円もの資金不足が生じる異常事態となる見通し。第三セクター建設分は、国の直接的な補助制度がないため、厳しい状況。また、市交通局分についても市一般会計からの補助分が建設費の膨張に応じて増加するわけで、財政負担が増加するのは必至の情勢だ。市では、不況の長期化で昨年に続き、税収が落ち込み、ただでさえ苦しい市財政を地下鉄建設が直撃することになった。
・地下鉄東西線 京都市伏見区醍醐から中京区のJR二条駅まで延長12.9`(営業`12.7`、13駅)を結ぶ。1988年に鉄道事業免許を得て着工した。9.4`を市交通局高速鉄道本部が担当、うち中間部分で現在の京阪電車・京津線と競合する御陵から三条京阪駅までの3.5`については、51%を京都市が、21%を京阪電鉄が、残りを地元経済界などが出資して設立した第三セクター「京都高速鉄道」(社長=依田満京都市収入役、資本金15億円)が日本鉄道建設公団などと建設協定を締結、さらに土木建設会社に発注して建設を進めている。(京都新聞)
■なぜそんな巨額に 地下鉄東西線工事費の膨張 納得いく説明を 驚き、不信の声続出 市民団体地元住民
 京都市が建設を進めている地下鉄東西線の建設費が計画より大幅に膨れ上がっていることが2日、明らかになった。60%を超える工費の異常な膨張は、市の見通しの甘さが原因だろうが、これまで事業費の増加を市民に知らさなかった行政姿勢に、不信の声も多い。このツケは、開通後の高い運賃として利用者にシワ寄せされることが懸念される。と同時に、長引く不況で税収入が減少する京都市の財政圧迫も避けられそうもない。
 信じられないような巨額の工事費アップに、市民団体や、地下鉄工事が進む地元は大きなショックを受けている。「なぜそんな巨額に」「平成8年の完成は大丈夫か」「そんな工事で地下鉄料金はどうなるのか…」。驚きや不信とともに、市に納得いく説明を求める声が相次いだ。
 行政を監視し提言活動を続ける市民団体「グループ市民の眼」運営委員の久本育生さん(40)は「事業費がなぜこう膨らんだのか市はその理由、中身を市民や議会に詳細に説明すべき」と求めた。「地下鉄は高くつくと言われてはいるが、最初の落札価格は何だったのか。市民の税金をつぎ込むわけだし、料金にもハネ返るのだから市民の理解を得るのは当然」と指摘する。
 近くを地下鉄東西線が通ることになる京都三条会商店街(中京区)振興組合理事長の井上道治さん(62)も「東西線の開業時期の遅れにもつながるのではないか。個人的には、市民の税金を使った事業が予定より遅れたり、費用がかさんだりしてしまったのは感心できない。私たち個人商店ではあり得ず、公共事業だから許されることなのではないか」と話した。
 また、東西線に連動した駅前再開発に期待している「山科駅前まちづくりの会」会長の奥村俊一さん(60)は「一言でいって、これ以上の遅れはまかりならんといった思いだ。市のズサンさは薄々感じていたが、計画を信じて再開発事業に協力してきた。地元は地下鉄開通を前提にして財産をかけて取り組んでいるのだから、市も誠実に対応すべきだ」。市の醍醐団地総合再生事業の地元である春日野自治町内会長の村井信夫さん(55)も「早期開通を目指してきた行政の努力は認めるが、地元としては開通時期などについて、本当のことが知りたいと思っていた。もし開通が遅れるなら影響は大きい。自治会間で今後の対応を早急に検討したい」と、工事費アップに驚いている。
 京都消費者協会長の森定春枝さん(83)は「経過が市民に知らされていないのは不満だ」としたうえで「しかし、大事なのは早期開通を実現すること。市民の利益にかない生活向上につながるなら、多少の修正はやむを得ない」と話す。
・信頼裏切られた 市議会も批判
 目下の京都市の最大プロジェクトである地下鉄東西線建設については、京都市議会でも何度も取り上げられた。今回の建設費の膨張に、市会交通水道委員会所属の市議は「信頼を裏切られた」「当初見積もりが甘い」などと、市の姿勢を厳しく批判した。18日から始まる2月予算市会で市当局を追及する構えだ。
 東西線の事業費見通しなどは市会交通水道委員会を中心に、議員が度々市当局を追及した。しかし、市側は「国と折衝中で、全体の数字がはじけない」との説明を繰り返してきた。
 この間の事情について、中西正三議員(公明)は「具体的な数字がないので、追及し切れず了承してきた」とし、「信頼を裏切られた。数字によっては深刻な問題になり、財政計画を原点に立ち戻ってせざるをえない。厳しく追及する」と話す。
 また、江羅寿夫議員(自民)は「着工を焦せるあまり、見切り発車したのが一因だ。議会にも責任はあるが、こうなった以上、これからどうするのかが問題。とくに、国から補助のない第三セクターの部分は深刻だ」と指摘する。
 安井勉議員(社会)も「昨年秋の決算委員会でも設計変更が目立ち、常識の範囲を超える工費上積みが報告されており、今回の事態は予想された。ルートの是非を含め、本当に地下鉄が必要なのかという市民の声も出るのではないか」とし、若宮修議員(共産)は「地方財政が苦しい時期に深刻なことになった。建都記念だといって、大型プロジェクトに手を出しすぎた。市長の責任は重大で、2月市会では、真っ先に質問する」と話した。(京都新聞)
■甘かった見積もり 「工法変更も負担に」 三浦京都市公営企業管理者に聞く
 京都市の地下鉄東西線建設費が当初計画より大幅に膨脹していることが2日までに分かった。建設計画に無理はなかったか。工程管理に甘さはなかったか。三浦貞義・市公営企業管理者(交通局良)に聞いた。
 −建設費の異常な膨張と言わざるを得ない。見通しが甘かったのではないか。「長期間にわたる工事では、地価や資材の高騰など経済変動要素に加え、技術革新や文化財発掘調査など予測できない事態もある。東西線でも地価が3倍に高騰したのに加え、工法の変更などが建設費を押し上げる結果となった」
 −用地取得の建設費に占める割合はそんなに高くないと聞いている。工法変更とは具体的になにか。
 「確かに地下鉄では用地費はそんな大きな割合は占めない。工法変更は京阪電車や三条通の交通を確保しながら、工事を進める必要があるため、当初予定の、地表から掘り下げるオープンカット工法をトンネル方式のシールド工法に変え、大きな費用増加となった」
 −最初から京阪電車などを止めて工事できないことは分かっていたはずだ。認可を得やすくするため、当初計画をかなり低く見積もっていたのではないか。
 「当時、京都の活性化のために、何としても東西を貫く地下鉄を造らなければいけない、との考えだったと思う。出入り口や変電施設などを民活で造る予定だったが、バブルが崩壊、目算が狂った」
 −建設費の膨張で、市民は大きな借金を背負うことになる。開通後の運賃が非常に高くならないか。
 「建設費の切り詰めに全力を挙げる。交通局建設分の建設費の増加については、国に補助金を求めたい。第三セクター分については、低利の資金の確保や一般会計からの援助を願いたい。料金は、第三セクター建設分は市地下鉄と京阪が使用料を払う形だが、烏丸線料金との整合性も考えなければならない。市民に経済的な波及効果が期待できる点を考慮して、ご理解いただくよう努力したい」
京都市の地下鉄建設の歩み
1974年11月烏丸線が起工
1981年5月烏丸線(京都−北大路間)が開通
1988年4月京都高速鉄道会社設立
6月烏丸線(京都−竹田間)開通
7月東西線の事業免許を取得
1989年6月東西線を都市計画決定
11月東西線工事施工の認可下りる
東西線建設の起工式
1990年10月烏丸線(北山−北大路間)開通
1992年4月烏丸線(北山−国際会館)延伸の事業免許下りる
1993年2月市議会で東西線の完成時期が2年遅れ96年末にズレ込むことが判明
6月烏丸線廷伸工事の起工式
・東西線 沿線再開発と密接に連動
 昭和30年代以降の自動車の急増により京都市内の都市交通は、渋滞が慢性化するなど深刻になった。1968年(昭和43)に京都市交通対策審議会が市電に代わる将来の交通体系として高速鉄道網整備の必資性を答申し、総延長約50`の京都市内を東西南北に十字形に貫く地下鉄建設構想が動き出した。
 第一歩として、1974年、工期4年の計画で烏丸線(竹田−北山間)建設が始まった。しかし用地買収の難航などで工事は大幅に遅れ、81年にようやく京都−北大路間が先行して開通した。そして7年後の88年に竹田−京都間が開通、90年秋に北大路−北山間が北進した。
 今回、工費の膨張が明らかになった東西線は、市内中心部と人口が急増する山科区や伏見区醍醐地域を結ぶ地下鉄構想の総仕上げとして、89年に起工式が行われた。
 東西線は、烏丸線と違って、沿線の都市再開発と同時進行で計画されたところに特色がある。具体的には、JR二条駅前再開発、京都市役所前地下街建設、京阪三条駅前再開発、山科駅前再開発、醍醐団地再生事業の5プロジェクトで、これら事業との連動が東西線建設の進ちょく状況と密接にからまった。
 当初、東西線は平安建部1200年の94年度完成を目指したが、工事が大幅に遅れ、93年の2月議会で、田辺朋之京都市長が完成時期の2年遅れを明らかにした。(京都新聞)
■JR草津南部 新駅名は「南草津」 期成同盟会 市長に答申 来月にも正式決定
 立命館大新キャンパスの今春オープンに合わせ、草津市野路町に今年9月、JR東海道線の新駅が開業するが、草津市南部新駅設置期成同盟会は2日までに、懸案となっていた駅名を「南草津」とする要望書をまとめ、高田三郎車津市長に答申した。市長の副申書を添えて今月中にJR西日本に提出され、JR内部で調整した後、3月中にも正式な駅名として決まる見込み。
 JR新駅は、草津−海田間5.2`のほぼ中間にあり、4月に開校する立命館大びわこ・くさつキャンパスヘのアクセス駅となる。期成同盟会(会長・宇野淳一草津商工会議所会頭)では一昨年4月、理事会で新駅名を「野路・立命館」といったんは決定した。
 しかし、地元の野路町内会から「千載和歌集で『野路の玉川萩こえて…』と詠まれている由緒ある地名の『野路』でよい。駅前整備で苦労しているのは地元。なぜあとから進出する『立命館』を入れるのか」と反発が相次ぎ、市側は答申を受理できないでいた。
 一方、大学側は「市の要望があってキャンパス名に『くさつ』を入れた。地域の新しいシンボルとして『立命館』はふさわしい」として昨年11月、県内のOB7600人に文書を送り、「野路・立命館」駅の実現に協力を求めるなど、意見がまとまらなかった。
 しかし、JRが要望書提出のタイム・リミットにしている「開業半年前」が迫ってきたため、期成同盟会は、昨年末から理事会を開いて異例の再審理を行い、先月28日の会合で無記名投票の結果、最多票を獲得した「南草津」に決めた。
 野路町内会の福井由左衛門会長は「やはり『野路』がベストだが、地元の声を受けて再考してもらった結果とあれば、これ以上反対するのもどうか。(南草津で)納得せざるを得ないだろう」と話している。(京都新聞)
■建設計画を総点検 地下鉄東西線 京都市助役 費用膨張で緊急会見
 地下鉄東西線の建設費の大幅膨張が明らかになった問題で、京都市は、3日午前10時半から、担当の内田俊一助役が緊急記者会見した。内田助役は建設費が当初計画に比べ1500億円超過、総額3940億円に達していることを認め、「一般会計にも深刻な影響がでる」と地下鉄建設費の膨脹が市の財政に大きな負担となることに懸念を表明、交通局だけでなく、市の財政、企画調整部門を含めた特別プロジェクトを編成し、建設計画を内部点検する方針を明らかにした。
 緊急会見した内田助役は、東西線で、交通局施工分で当初の1840億円が2690億円に、第三セクターの鉄道事業会社「京都高速鉄道」施工分が当初の610億円が1250億円に、それぞれ大幅膨張することを認めた。膨張の理由として▽工期延長に伴う間接費の増加▽新規工事の追加▽予想外の工事変更▽地価高騰−の4点を挙げた。
 内田助役は「市民の期待と京都の将来のため何としても総力を挙げて完成させなければならない」と決意を表明。建設費膨張について「市長部局の目でも点検したい」と、交通局だけでなく、財政、企画調整部門も加えて、同事業の洗い直しをを行う方針を示した。
 市は、建設工事自体について切り詰め可能な部分がないかどうか点検、今夏までに結果をまとめ、国への支援を要請する。
 また、内田助役は、昨年修正した1996年末の完成予定について「いくつかの工区では、スケジュールに乗っていないところもある。この面でも点検し、工期の徴底を図りたい」と不退転の決意を述へた。
 同市の財政は、2年連続の税収の落ち込みに加え、地下鉄東西線を筆頭に、平安建都1200年関連の記念大型プロジェクトがめじろ押し。
・問題あれば報告を
 藤森泰明・運輸省鉄道局施設課長の話 京都の地下鉄の建設費が膨張しているとは初耳だ。事務方でも聞いていないのではないか。施工を認可したのはこちらだが、問題があれば主体的に報告してもらうのが原則。無理な計画だったのかどうかも、話を聞いたうえでないと判断できない。地下水が出てくるなど、地下鉄の工事費が予期しない事態で計画を大きく上回ることはある。(京都新聞 夕刊)
■大山崎・JR踏切侵入 女性ひかれ死亡
 3日午前零時40分ごろ、京都府乙訓郡大山崎街大山崎のJR東海道線の宝寺踏切で、遮断機をくぐって軌道内に入ってきた女性が、上り貨物列車にひかれ即死した。
 向日町署では身元を調べている。女性は50〜65歳くらいで身長は147a。灰色のハーフコートと茶色のセーター、スボン姿だった。(京都新聞 夕刊)
■「おいらん車」連結橋そろり 関西空港へ列車渡り初め
 24時間空港へつながる架け橋を初めて列車が走った−3日、大阪府泉佐野市と関西国際空港を結ぶ連絡橋で、「おいらん車」と呼ばれる測定車による線路や架線の試験が行われた。
 午前10時20分過ぎ、ディーゼル機関車にけん引された「おいらん車」が連絡橋に進入した。約3.75`の連絡橋を十分余りかけて渡り切り、空港駅に到着した。
 「おいらん車」の正式名称は、建築限界測定車。JR西日本によると、長さ50aほどの長短の金属製矢羽根114本が列車のあちこちから飛び出しており、障害物に当たると折れる仕組みだ。江戸時代に、かんざしなどで盛装し、練り歩いた遊女の花魁(おいらん)にその姿が似ていることから、鉄道業界ではこう呼ばれる。
 この日は作業員ら約60人が乗り込み、矢羽根の折れに注目したが、連絡橋や駅構内などに異状はなかった。(朝日新聞 夕刊)
4日■地下鉄東西線建設費膨張 第三セクターに大幅増資 京都市が支援方針 倍額以上
 地下鉄東西線の建設費の大膨張問題で、京都市は3日、第三セクターの鉄道事業会社「京都高速鉄道」(社長=依田満京都市収入役)の資本金を大幅に増資、巨額の建設費を抱えることになる同社の財政体質の強化を図る方針を固めた。第三セクターは、建設費が当初計画の2倍以上の1250億円に膨張する見込みで、市は増資分の資金を早ければ新年度予算で確保するとともに、他の出資企業にも協力を要請する。
 増資は、東西線のうち、とくに建設費の大幅膨張が目立った同社の財政体質強化が狙い。同社の現在の資本金は15億円、市が51%の7億6500万円を、京阪電鉄が12%の1億8000万円をそれぞれ出資、残りを金融機関や地元企業の資本参加で設立している。
 同社の授権資本は60億円で、市は現在の資本金を倍額以上に増やし、財政体質を強化する方向で、具体的な支援を始める。市は最終的な増資額について、財政当局を中心に詰めを急いでいるが、新年度の一般会計予算に出資増額の盛り込みを図る。
 同社の主な建設分は、日本鉄道建設公団が基本協定を結んで実施しているが、当初計画の610億円の105%増の1250億円に達する見込み。建設費の大幅な膨張で、同社の償還計画に大きな誤差が生じるのは必至の情勢で、早期の財政体質の強化が不可欠となっていた。市は、とりあえず先行して資本金増資に踏み切り、他の出資企業にも出資比率に応じて協力を要請する。
 これに対して、京阪電鉄は「増資については昨年暮から話を聞いている。不況で苦しいのは事実だが、正式に話があれば受けざるを得ないのではないか」(広報課)としている。(京都新聞)
■強い風雪でダイヤ乱れる JR山陰線など
 JR西日本福知山支社管内は3日、強い風雪による兵庫県城崎郡香住町の山陰線・余部鉄橋の運転見合わせなどに伴い終日、ダイヤが乱れた。
 同支社によると、京都発米子行き下り特急「あさしお7号」が京都−鳥取間などで運休するなど特急2本が運転取り消しとなったのをはじめ、京都発倉吉行き下り特急「あさしお1号」など特急・急行6本、普通12本の計18本が一部区間を運休、乗客をバスによる振り替え輸送した。このため、東京発出雲市行き下り特急「出雲3号」が40分など全列車が最高2時間10分から30分遅れ乗客約6000人が影響を受けた。(京都新聞)
■工費1490億円増える 地下鉄東西線 一般会計へ影響必至
 京都市は3日、地下鉄東西線の建設工事の遅れに伴う総事業費について、見込みより1490億円増え、全体で3940億円になる、と発表した。景気低迷による税収の落ち込みの中、一般会計への影響は避けられない見通しで、地下鉄料金のアップや市の他の各種事業へのしわ寄せなども心配される。市幹部の中には「当初の見積もり自体に問題があった」といった声もあり、18日から始まる2月定例市議会でも批判が出そうだ。
 市によると、建設費が膨らむのは、市が京阪電鉄などと出資する第三セクター「京都高速鉄道」が担当する京阪三条−御陵間の7工区で、約1250億円。計画では610億円と見込んでおり、倍以上になった。さらに、市交通局が建設する18工区についても1840億円から5割増しの2690億円になるという。
 事業費の大幅増の理由について市は、地価高騰による用地取得費の増大▽工法の変更▽埋蔵文化財調査など予期せぬ出費の増大▽工期延長に伴う費用の増大などを挙げている。
 関係者によると、現在京阪電車・京津線が地上を走っている東山三条−御陵間の工区では当初、昼間は電車を走らせ、夜間に軌道や架線を撤去し、地上から掘り下げる「オープンカット工法」をする予定だった。ところが、再検討の結果、地下からトンネルを掘り進む「パイプルーフ」を使った工法に変更し、工費が倍増したという。また、山科−醍醐区間は外環状線上で工事を進めているが、道幅が15−20bと狭いうえに上下水道やガス、電気、電話などの幹線が無数に走り、一部ではくい打ちの準備だけで1年を要するなど難工事が続いたという。
 しかし、最大の原因は当初の見積もりの甘さにあった、と指摘する声も。市では、運輸省の指導でキロ当たりの建設費を200億円に収まるよう見積もっていた。しかし、第三セクター部分で370億円以上、交通局分でも270億円以上かかる予定だ。市のある幹部は「見積もり自体、不可能としか思えない数字だった。事業免許取得のため無理をしたのではないか」と話す。
 現在策定中の新年度予算では、市の貯金である財政調整基金の大幅な取り崩しが検討されるなど、長引く不況による税収減の影響が大きい。今後、第三セクターへの市からの出資金の増額や、交通局の企業会計への補助金増額など、市の一般会計からの大幅な支援が必要になるうえ、地下鉄料金の増額の検討も避けられず、市民生活へのしわ寄せが懸念されている。(朝日新聞)
■キセル封じ 不心得者へ究極の作戦 入場券は時間制 定期に通過情報 来秋には印字も 阪急が今秋導入
 定期券などを利用した不正乗車を一掃しようと、阪急電鉄(本社・大阪市)は3日、自動改札機のチェック機能を大幅に強化する「究極のキセル対策」を決めた。今年9月から入場券を利用できる時間を2時間に限定するのをはじめ、1枚の定期券を乗客同士で次々に手渡す方法での改札の通り抜けも防ぐ。
 いずれも駅での入退場情報を定期券や入場券に入力するもので、自動改札機が「不審」と判断すれは改札機の扉はバタンと閉じる。来年10月には定期券の裏面に乗車、降車の記録を印字するなどして、キセル封じを一層強める計画だ。
 阪急は1983年、全線84駅に自動改札機を設置した。これを機に駅員は減り続け、現在は1駅当たり平均3.5人になっている。逆に不正乗車は増加傾向にあり、今では年間の損害額は十数億円にのぼるとみられている。同社運輸部は「正しく乗車しているお客さんとの不公平感が広がる一方だ」と、今回の対策を決めた。こうした取り組みはJR東日本が一部区間で実施しているが、全線を対象とするのは阪急が全国で初めて。
 計画では、まず9月に入場券に「時間制」を導入する。入場券は送迎や待ち合わせを想定して発売しているが、入場券を使って改札を通った後に途中駅からの定期券を使って目的地へ行き、戻った際に入場券で退場するというキセル乗車が結構多いという。このため、「2時間有効」と切符に表示するほか、自動改札機で入場時刻を入力させ、2時間を経過した切符での退場を防ぐ。
 「たらい回し」と呼ばれる定期券の不正使用も排除する。これは、正規の定期券を持つ1人が入場(退場)した後、改札口付近でこの定期券を別の仲間に手渡しすることを繰り返し、わずかな時間に次々と改札を通り抜ける、というのが典型的な手口だ。阪急では、入退場時間を定期券に入力することで、同一定期券による連続通過をシャットアウトする。
 来年10月には、定期券の裏面に乗車と降車の記録を印字する。例えば、2月3日に乗車すれば「03」と日付を表示し、降車時には「=」で日付を消す。目に見える記録によって、不心得者に「インチキはできない」とあきらめてもらうのが最大の狙いという。(朝日新聞)
5日■残雪で新幹線に遅れ
 東海道新幹線は米原駅付近の残雪のため、4日始発から豊橋−新大阪駅間の下り線、京都−豊橋駅間の上り線で、それぞれ時速120〜230`の徐行運転を実施した。
 天候の回復に伴いJR東海は午後3時10分から、岐阜羽島−京都駅間の上下線で時速170〜230`の徐行運転に規制を緩和、同日夕、列車の運行はほぼ正常運転に戻った。
 JR東海によると、新大阪発東京行き「ひかり200号」が名古屋駅を25分遅れて出発したのを最高に、上下118本の列車に遅れが出、乗客約9万1000人が影響を受けた。(京都新聞)
■スーパートレインやみ突っ切った WIN350 時速300`走行テスト 同乗記 揺れ制御、走り安定
 スーパートレインは、滑るようにやみを突っ切った−。営業運転では世界最高の時速300`走行開始(再来年3月)に向け、超高速の新幹線車両の開発を進めるJR西日本は、高速試験車「WIN350」の走行テストを、4日深夜から5日未明にかけて行った。小郡−新下関間のテスト運転に同乗、300`を体験した。(大阪支社村尾之範)
 小雨の小郡駅12番ホーム。6両編成のWIN350が、静かに入って来た。鋭くとがった先頭部分と、特殊な翼型のパンタグラフ、床下の機器類を完全に覆ったスマートな外観。どれも高速時の騒音・振動を防ぐ最新技術という。
 午後11時50分、発車。みるみる加速し、5分後には早くも「時速300`」のアナウンス。左右に大きく揺れる。何かにつかまらないと、通路をまっすぐ歩けない。特に、トンネル内は風圧で揺れが激しい。
 その時、車内のモニターランプが振動制御装置の作動を知らせた。「夢の超特急」と言われた新幹線からちょうど30年かかって、新開発したシステムで、油圧でバランスをとり揺れを防ぐ。途端に走りが安定した。直前に乗った「ひかり」より滑らかな感じだ。
 それでも各車両では、技術者が緊張の表情でモニター画面や計器をにらむ。運転室の窓の外では、左右の電柱が猛スピードで後ろへ飛び去る。やはりここは、300`の世界なのだ。
 16分後の午前零時6分、60`以上離れた新下関に到着。すぐ折り返した。
 このテストは昨年6月開始。8月には国内最高(当時)の時速350.4`を出した。すでに300`時点での騒音・振動、揺れをクリアしており、来年秋までに、最終的な営業運転用車両を製造する。(京都新聞 夕刊)
6日■社説 どうなってる地下鉄建設費
 京都市が平安建都1200年記念のメーン事業として建設中の地下鉄東西線の建設費が、当初計画を大幅に上回っていることが判明した。
 この種の大型プロジェクトでは、建設費の見込み違いはままあるが今回の場合はその額があまりにも大きすぎる。聞き捨てにできる話ではない。なぜこんなことになったのか、市は市民に納得のいく説明が必要である。
 京都市がこれまで説明してきた建設費は、市交通局分が1840億円、第三セクター分が610億円、計2450億円だった。
 ところが、市の新たな試算によると、交通局分で2700億円、第三セクター分で1250億円、合計で3950億円にのぼるという。全体では60%以上の膨張で、第三セクター分では2倍を超える。
 当初、1`当たりの建設費がすでに開業している烏丸線より安くつくため、一部から「これで大丈夫」の指摘もあったが、市は、車両や地下鉄部分を烏丸線よりひとまわり小さくする小型地下鉄にするので建設費も圧縮できると説明してきた。市民はこれを信じた。市会も、計画の数字をもとに妥当性などを審議し、事業を認めてきたわけだ。
 その根底が覆ったのである。膨張分が1500億円といえば、市民1人当たり10万円の勘定になる。見積もり違いの域をはるかに超えている。
 市は膨張の理由として、工期延長に伴う間接費の増加、新規工事の追加、予想外の工事変更、地価の高騰を挙げるが、市の地下鉄工事はこれが初めてではない。見積もりのノウハウもそれなりに整っているはず。こんな説明で市民は納得すまい。
 運輸省の認可や市民の合意を得やすくするため、意図的にあえて低く見積もったのではないか、との疑問も生じる。いずれにせよ、結果として市民をあざむいてきたわけで、その責任は軽くない。
 地下鉄東西線では、完成予定が当初計画より2年間遅れるとの変更もあった。こうした根幹部分での相次ぐ変更は、市民の行政不信にもつながり、本来あってはならないことだ。
 京都市はこれを機に、建設計画の内部点検を行う方針のようだが、その結果を市民に明らかにせねばならない。市会も今回の事態を重視し、市の姿勢を改めて問いただす必要がある。
 東西線は市民待望の事業である。建設費が上がったからといって、縮小できるものでもない。関連する都市整備事業も含め、予定通り立派に完成させることで市民の信頼回復に努めてもらいたい。(京都新聞)
■京の中心部にも 車いすOKバス
 京都市交通局は10日から、市内中心部では初めて、車いすのまま乗り降りできる昇降用リフト付き路線バス「ふれあい号」を運行する。
 ふれあい号は、バス前部の降車用出口に、ステップエレベーターがついており、地上から車いすに乗った人を、車両の床面まで引き上げる。1991年12月から洛西地区で3両が走っているが、市内中心部の路線にはなかった。
 今回走るふれあい号は3台。立命館大から北大路、掘川、四条の各通を経て三条京阪に行く12号系統と、同大学から西大路、丸太町、御池の各通などを走り三条京阪までを往復する15号系統。
 同系統の沿線には市心身障害児福祉会館(停留所・千本北大路)、京都社会福祉会館(同・堀川丸太町)、聖ヨゼフ整肢園(同・北野白梅町)などの各福祉施設があり、車いすの人たちの市バス利用が進むとみられる。(京都新聞)
■ちいさな旅 紀州鉄道 ほのぼの日本一のミニ
 たった2.7`。日本一のミニ鉄道をご存じですか? 和歌山県中部の御坊市を走る「紀州鉄道」がそれ。わずか1両のディーゼルカーが、草ぼうぼうの単線をゴトゴト走る。開業して60余年、地域住民の足として大切に育てられてきた。鉄道マニアならずとも「一度は乗ってみたい」−そんな気持ちにかられて出かけてみた。(能登 智彦)
 乗る前に、そのミニぶりをちょっと紹介しておこう。駅はJR御坊−学門−紀伊御坊−市役所前−西郷坊の5つ。職員は10人。平均速度は20数キロのノロノロ運転だが、終点まで乗ってもたった八分。年間乗客数は22万5000人(1992年度)。
 JR御坊駅0番線が紀州鉄道の専用ホーム。緑と卵色のツートンカラーの列車(おっと、1両だから単車というべきか)に乗り込む。田畑の中をしばらく走る間、最高速度(約40`)が出る。ほどなく学門駅だ。
 県立日高高校の目の前にあるため、この駅名が付いた。縁起をかつぐ受験生らに評判で、写真撮影に来る親子連れもいる。近くの神社のお守りとセットになった記念入場券(500円)が毎月4、50枚は売れ、ローカル鉄道の生き残りに一役買っている。
 学門駅辺りから、列車は商店街の中を縫うように走る。線路の両側には約400店が軒を連ね、その規模は市民の自慢のタネだ。その一つ、本町商店街(110店)の溝端繁一代表理事(63)は、「鉄道が街の発展に頁献した。クルマ時代で客足が遠のいたが、昔のままの飾らんローカル色がいいねぇ」。
 1929年、旧国鉄紀勢線(当時は紀勢西線)が御坊市まで開通したが、肝心の駅は市街地から遠く離れてつくられた。当時の御坊は憲政会の地盤だったため、対立する政友会筋が「駅を便利な街中につくらせるわけにはいかぬ」としたため、という。そこで、地元有力者が1913年、駅と街中心部を結ぶ「御坊臨海鉄道」を開業させたそうだ。
 72年、東京のリゾート・不動産会社に株の大半を引き取られ、名前も「紀州鉄道」になった。
 3往復した。途中駅に客の姿が見えないと、運転士はスピードを緩めるだけで、乗降口も開けず通過する。終点の西御坊駅で「もう一度、折り返すから」と言い残して街に出た。ふと気がつくと、出発ぎりぎりの時刻。あわてて戻ると、ホームから「待ってたんや。出発するで」と声がかかった。運転士らはみんな地元に顔なじみ。お年寄りを待つために、発車時間を遅らせたこともあるという”ほのぼの鉄道”だ。
 近くには、安珍・清姫の悲恋物語、歌舞伎の大曲「娘道成寺」で知られる「道成寺」(日高郡川辺町)があり、年に30万人の参拝客が訪れる。また、御坊市が昨年つくった総合運動公園(同市塩屋町)には、全長20bの滑り台もある。
 JR紀勢線の御坊駅で乗り換え。天王寺からは特急で約80分。紀州鉄道の料金は2区間130円。全区間で160円。1日24往復しており、いずれもJR線に接続する。「学問」の入場券は紀伊御坊駅にある。市内はメロン、イチゴ、ミカンの生産地で、しゅんには「観光農園」(約350e)で、とれたての味が楽しめる。問い合わせは御坊市商工振興課(0738-22-4111)へ。(朝日新聞)
7日■地下鉄東西線 建設費膨張 高架方式に比べ「地下」今や安上がり 技術革新 人件費を節約 未定工区再考の時
 京都の地下鉄東西線の建設費が、当初予算を6割も上回ることがこのほど明らかになった。大幅膨張の原因は、地価高騰や工事方法の変更という。ところが一方で、工事技術の進歩から地下鉄建設費は安くなっている、と言われ、東京では鉄道の高架計画を地下化に変更するよう求める市民運動さえ起きている。東西線も予定線の工区については、まだ地下化するかどうか決まっていない。今後、経費面や景観重視の都市環境から見て、京都には、どのような敷設形態が望ましいか−を探ってみた。
・「割高」は常識か
 東西線醍醐−二条間の当初建設費は、キロ当たり約190億円。地下鉄烏丸線の216億円、京阪鴨東線の200億円を下回っていた。地下鉄建設費には不確定要素が多いとしても、工事費が今回、一挙にキロ300億円を超えたのは、やはり異常事態というほかない。もともと地下鉄建設費自体は、地上線より高いというのが常識である。京都市の内部でも「当初見積もりが低すぎた」との声も聞かれる。
 ところが最近、工事技術と用地買収の要因から、この「常識」が必ずしも通用しないケースが起きている。
 まず技術面では、地上から掘るオープンカット工法、とりわけ水中コンクリートなどくい打ち技術の進歩が目覚ましい。地下を掘り進むシールド工法も、掘削から土砂のポンプ圧送までが自動化された。掘削坑を金属板などで補強するセグメント技術も発達した。
 共同企業体で地下鉄烏丸線の建設に参加した佐藤工業(本店・富山市)は「持術の進歩にともない、人件費も大幅に圧縮されている」と工事費の縮小を指摘する。大手ゼネコンの大成建設も「一概に何%安くたったと言えないが、工期は大幅に短縮されており、全体の建設コストにはね返るはず」(広報室)という。
 もう一つは用地買収費。地上に新線を敷いたり複線化すれば、膨大な用地買収が必要となるが、地下鉄なら地上権の設定で済む。費用は対象となる地価の3分の2前後といわれ、この結果、地価の高い都会では、地下鉄が地上線より安くつく「逆転」現象も生ずるわけだ。
・試算で住民対立
 東京では今、経済性を理由に、小田急電鉄の高架計画を地下化に変更せよという、沿線住民による運動が起きている。梅ケ丘−喜多見間6.4`の在来線を複々線化する計画で、住民側はシールド工法を使った地下方式を採用するなら事業費は1950億円、高架方式なら環境対策費を含めて3400億円かかると試算。当初、東京都の出した地下方式3000億円、高架化1900億円の試算と対立している。
 京都の事例を見ると、鴨川沿いを通る京阪鴨東線は、都市計画決定によって当初から地下方式を採用。逆にJR山陰線二条−花園間や近鉄京都線東寺−竹田間は、市の立体交差化計画によって高架化が進められている。近鉄の場合、工事費はキロ約144億円、JRはこれより低い経費を計上している。いずれも在来線の高架化であるため、工事に伴う用地買収は少ない。
・景観も視野に
 東西線は、醍醐−二条駅間については地下方式を採用しているが、他の計画線部分についての敷設形態は未定だ。市交通局に聞くと、「あくまで未定」と前置きしながらも、「2005年までに整備すべき六地蔵−醍醐間と二条−西大路間については、高架方式の案を聞いたことがない」という。また2005年までに整備に着手すべき西大路−洛西間についても「沿線の環境を考えれば、(西大路から)桂川あたりまでは地下化が望ましい」と見る。
 しかし桂川以南や「検討路線」である洛西−長岡間は、文字通りの白紙状態だ。同路線は、国道9号や都市計画道路などに重なるコースが多く、用地買収費が少ないとなれば、高架方式導入の可能性もある。たとえば、阪急京都線は右京区の西院駅から西方の西京極駅の間で、地下から地上線に移行している。
 交通局は「どこまでを地下方式とし、高架方式とするかは、高速鉄道本部で検討する」と話している。
 都会における鉄道建設は、景観や環境問題も重要な要素となる。歴史都市・京都のこと。東西線建設費問題を契機として、経済性とともに文化都市にふさわしい鉄道の敷設形態を改めて論議してはどうだろう。(政経郡 上田耕滋)(京都新聞)
■整備新幹線見直し大詰め 先見えず地元やきもき 姿勢硬い大蔵政局混乱響く 新年度予算にせめて調査費
 1994年度の予算編成を目前にして、全国に5線ある整備新幹線計画の見直し論議が、大詰めを迎えている。「国民福祉税」をめぐる足並みの乱れをよそに、この問題では、連立与党が総決起大会を開くなど「21世紀初頭に5線全線の実現」に気勢をあげた。しかし、国の財布を握る大蔵省の姿勢は硬く、増減税論議の渦中で結論はまだ見えない。沿線自治体の関係者からは、ぼやきやきしみが出始めている。
 4日早朝、連立与党主催の「整備新幹線建設推進総決起大会」が東京都内のホテルで急きょ開かれた。全国の沿線自治体から約300人が出席したが、大会開催を知らされたのが2日午前。「うちの知事は各種会合や庁内の予定をキャンセルしてかけつけた」「予算の日程がこうくるくる変わっちゃあ、たまらない」とぼやきの声が相次いだ。
 73年の計画決定から約20年待たされ、昨年にはいわゆる「5年後の見直し」で新たな具体策が出るはずだったが、政権交代で延期。94年度政府予算案は、政治改革や税制論議など、国会の混乱に巻き込まれ、整備新幹線の先行きが見えなくなった。
 98年の長野冬季五輪に向け、北陸新幹線(高崎−大阪)の高崎−長野区間は工事が急ピッチ。しかし、長野から新潟方面は、着工のめどがたっていない。新駅建設の計画が宙に浮いたままの飯山市の小山邦武市長は「早く財政の裏付けをしてもらわないと」と不満げだ。
 一方、北陸新幹線の西の終点、大阪府と、福井県武生市までのルートは決まっていない。府は9月に開港する関西国際空港と北陸地方を結ぶアクセス幹線と位置付けるが、石川県から東京方面への工事が次々始まっていることに、「このままでは北陸も東京一極集中に飲み込まれかねない」と焦りの声も。94年度政府予算案への府の要望では「大阪側からの着工」が重点の一つだ。
 しかし、取り組みの遅れは否めない。一昨年2月、府議会からしりをたたかれ、ようやく中川和雄知事が栗田幸雄・福井県知事らと国に陳情に出掛けた。
 与党や自治体からの陳情攻勢に対して、大蔵省は「財聴、採算性などの問題があり、3線5区間以外は不可能」という、これまでの姿勢を崩していない。
 国の一般会計の整備新幹線事業費は、93年度当初予算で177億円だったが、一次、二次補正であわせて約97億円が追加され、総合経済対策後の三次補正でも追加が見込まれる。「今の3線5区間の進捗(しんちょく)率はたった11%。これを一生懸命やるのが先」というわけだ。
 一方、大蔵省と連立与党の板挟みになる運輸省。伊藤茂運輸相は「トンネルの中で止まったままの状態から動きだし、出口の明るさが見通せるようにしたい」とし、10日に予定されている94年度予算の大蔵原案内示前の決着をはかりたい方針だ。
 省内で検討されているのは、ルートが公表されていない北海道と九州・長崎ルート、北陸の南越以西のルート決定のための環境影響調査費を計上することだ。概算要求の時に盛り込んだ調査費20億円に5億−10億円程度を上積みさせ、「一歩前進」の印象を打ち出そうというのだ。
・整備新幹線 全国新幹線鉄道整備法に基づき、1973年に決定された北海道(青森−札幌)、東北(盛岡−青森)、北陸(高崎−長野−金沢−大阪)、九州・鹿児島ルート(博多−西鹿児島)、九州・長崎ルート(鳥栖−長崎)の5線。このうち、東北と北陸(高崎−長野、糸魚川−魚津、石動−金沢)、九州・鹿児島ルート(八代−西鹿児島)の3線5区間の優先着工が、88年8月の政府・自民党の申し合わせで決まった。その際、建設計画を5年後に見直すことになっていた。
・在来線どうなる?不安募る沿線の町
 北陸新幹線の沿線にあたる福井県南条町。8期32年務め、9日付で引退する丸岡斉町長(78)は最近、「新幹線は本当に必要なのか」と思い悩む日が続く。県北陸新幹線建設促進同盟会(会長・栗田知事)に名前を連ねているが、新幹線開通後の在来線の将来への不安を募らせている。
 県の試算だと在来線は、沿線自治体などでつくる第三セクター方式で運営され、運賃は現在の北陸線より約4割高くなる。それでも毎年約1億円の赤字が確実で、自治体が負わなければならない。
 同町は中心部にあるJR南条駅から、企業の並ぶ福井、敦賀両市へ約30分で行ける。そのため、町の人口もこの約10年、わずかずつ増え続け約5600人に。周辺の町村が軒並み、過疎化に悩まされているのとは対頗的だ。
 2年前に試算が出て以来、丸岡町長は在来線対策を県へ申し入れているが、返事はない。「敦賀市で24年前に日本初の原発ができた時は、私らはうらやましかった。しかし、いまは地元にとって迷惑施設。新幹線もそうならなけりゃええが…」(朝日新聞)
■関西新空港の連絡鉄道 6月20日ごろ開業
 9月4日に開港する関西国際空港(大阪府)に乗り入れる空港連絡鉄道の開業について関西国際空港会社は、6月20日前後となるとの見通しを7日までに明らかにした。同鉄道は空港島と泉佐野市を結びJR西日本と南海電鉄が乗り入れる。
 新空港は6月4日に旅客ターミナルビルが完成するなど開港準備が本格化するため、空港会社は運輸省と鉄道2社と職員らの運搬用の前倒し開業について協議、試運転にかかる日数などから6月20日ごろになった。
 全面開業のため一般客も空港駅まで乗車できるが、施設内への立ち入りはできず、空港連絡橋から景色を楽しむだけにとどまる。同社は開港まで空港駅に警備員を配置、一般客の出入りをチェックする方針。
 同鉄道はJRと南海の両社が3月中旬に試運転を始め、JRの特急「はるか」と南海の特急「ラピート」もお目見えする。試運転は約3ヵ月掛かるという。(京都新聞 夕刊)
■ホームから転落? 男性ひかれて死亡 JR東岸和田駅
 6日午後8時50分ごろ、大阪府岸和田市土生町のJR阪和線東岸和田駅で、4番ホームわきの線路上に男性が倒れているのに客が気づいた。足を列車にひかれており、出血多量で約7時間後に死んだ。(朝日新聞 夕刊)
8日■不正乗車防止で入場券に時間制限 来月からJR東海
 JR東海は7日、入場券を使った不正乗車防止のため、入場券の使用時間を発売から2時間に制限すると発表した。
 制限を始めるのは3月1日からで、東海道新幹線では、米原、京都、新大阪を除く全駅と在来線は管内全駅。新幹線の3駅はJR西日本の在来線と同じ駅で、西日本側の準備が整わないため見送られた。
 JR東海によると、入場券を使った不正乗車は年間約5000万円に上るという。入場券には、発売時刻が記入され、2時間を超えて改札から出る場合、新たに入場料金(140円)を徴収される。(京都新聞)
■公営地下鉄 鶴見線緑地など延伸 新年度予算で追加要求
 運輸省と自治省は8日、公営地下鉄の建設を促進させるため、地方自治体への交付税措置を上積みする制度を1994年度から新設し、大阪市7号線(鶴見緑地線)の鶴見緑地−門真南間と、札幌市東西線の琴似−手稲東間の2区間に新規着工することを明らかにした。94年度予算に追加要求し、大蔵省との最終調整を進める。
 新規着工する大阪市7号線の鶴見緑地−門真南間は1.3`で、97年8月の開業を目指す。建設費は244億円。札幌市東西線の琴似−手稲東間は2.8`で、99年3月の開業予定。建設費は610億円。
 両路線は、運輸省が所管する公営地下鉄建設費の国庫補助の枠に入らず、昨年8月の概算要求の時点では盛り込まれなかった。このため、自治省は国庫補助の代わりに地方自治体への交付税措置をする「地下鉄緊急整備事業」を3年間の臨時措置として新設し、自治体の地下鉄建設の促進に乗り出すことにした。
 具体的には、従来は国庫補助の対象事業となっていた公営地下鉄建設について@国庫補助がつく建設区間と、地方単独で実施する区間とに分けるA地方単独区間には国庫補助相当分の交付税措置をする、など。国庫補助の対象区間を限定する代わりに、工事区間を広げることが可能になる。新制度の対象区間として、94年度は事業費ベースで50億円、3年間の合計で500億円程度を見込んでいる。(朝日新聞 夕刊)
■ほんまか?関西編 魅力探しに 大阪の地下鉄61年 便利だが、無味乾燥な怪獣?!
 「闇の中から目を光らせて足音かるくやってくる GOGO地下鉄 地底のランナー 頼もしいから好き速いから好き どこへ行くのもだれに会うのも 大阪娘は今日も地下鉄ルルルンルンルン」 1933年に開通、公営では日本一古い大阪の地下鉄に、10年前に作られた歌「地底のランナー」があった。青春歌謡調のそれを知ったとき、61年目を踏み出した地下鉄の魅力度ウォッチングを思い立った。ルンルン気分が味わえる場所を探したい。以来、7路線105.8`をひたすら乗り継ぎ、全駅85駅の半分で下車、改札口や地上の入り口まで歩き回った。
▼チェック1
 御堂節線の天王寺駅に降りたとき、ホームの床から天井までが6、7bと高く、シャンデリア形式のしゃれた照明がついているのに気づいた。構内が随分、明るく感じられた。だが、好感がもてたのはドーム状の心斎橋駅など数えるほどだった。
 圧倒的に多いのが高さ3、4bの箱形のホームだ。おまけに曲線がない。壁面、柱、階段がすべて直線で裸の蛍光灯が白々と光っているため、息がつまった。
▼チェック2
 谷町線のある駅で地上に出て10bほど歩き、振り向くと入り口がどこか分からなくなった。付近の建物や看仮がごちゃごちゃしているためだ。ビルの一角にあるのも引っ込んでいて目立たない。地元の人でも見つけにくいのではないだろうか。いっそ、岸里駅のように地上に駅舎があればいいのだが。エスカレーター部分がサンルーフで気分がよかった。
▼チェック3
 下車して散策したい気分に誘われた駅は皆無だった。ホームが何の変てつもなく、壁には路線図程度しかないためで、駅や町のイメージがまったくわいてこないのだ。わが町はそんなに見どころがないのだろうか。
 まとめ 路線にもよるが確かに便利でスピードが速い。だが、探し求めたセンスのいい場所は少なく、とても恋が芽生えるとは思えなかった。地下鉄というのが、輸送や効率だけを考えた無味乾燥な怪獣に見えてきた。
 市交通局高速運輸部の金山国夫第一営業係長らにぶつけると、「せいぜい工夫はしているが、1`当たりの建設費が350億円もする現状ではコンパクトな箱形はやむを得ません。地上の入り口も御堂節線では当初、歩道にあったのに、歩く邪魔になると隅に追いやられたのです」だった。
 地下鉄の歌を作曲したキダ・タローさんはいう。「ゆとりがなさすぎるのでは。よく利用する妻の意見は、薄暗い連絡通路や駅を早くなくしてほしいです」。
 思わずうなずいた。(植田耕司)(朝日新聞 夕刊)
9日■地下鉄東西線膨張 新予算へ影響 市長認める 市が点検推進委発足 庁舎建設積立金見送り方針「料金負担、検討も」
 京都市の田辺朋之市長は8日、記者会見し、地下鉄東西線の建設費の膨張問題について、一般会計予算への影響は避けられないとの見通しを示し、新年度予算で市庁舎建設基金への積立金計上を見送る方針を明らかにした。また、市長自身をトップにした「高速鉄道東西線建設事業点検・推進委員会」を同日付で発足させた。
 田辺市長は、地下鉄東西線の建設費が全体で当初計画から約1500億円アップ、2940億円に膨張していることについて、「市の財政に大きな影響を被る。公約の新基本計画の推進も優先順位をつけてやらざるを得ない」と新年度予算編成への影響を認めた。
 東西線建設そのものには「市の将来の発展に欠くことのできない大事業で、国の支援をお願いし、何としても目標の平成8年末までに完成させたい」と強い決意を表明した。
 新年度予算編成では、市税収入の2年連続落ち込みに、地下鉄建設費膨張が加わった。このため市は、1990念から毎年計上している市庁舎建設基金の積立金20億円の予算化を見送る方針を決めた。市庁舎の建設基本高層の策定スケジュールは変更しない。また、建設費の膨張による地下鉄料金への影響について、会見に同席した内田俊一助役は、「利用者料金でどの程度負担していただけるかかも検討しなければ」と述べ、国の補助状況次第で将来的に烏丸線を含めた料金体系に建設費膨張がはね返る可能性のあることを示唆した。
 点検・推進委は、市長を委員長に、両助役と公営企業管理者(交通局長)がそれぞれ副委員長に、市長部局から市長室長、企画調整局長、総務局長、理財局長、交通極から管理本部長、高速鉄道本部長を委員に構成。建設事業の再点検、建設財源確保の方策、交通事業経営の中長期的展望を検討、今年夏までに結果をまとめる。(京都新聞)
■建設費膨張の地下鉄東西線 点検・支援策探る 市、運賃はね返りも示唆
 京都市の田辺市長は8日、当初予定より約1500億円の大幅膨張が明らかになった地下鉄東西線の建設費問題を検討する「市高速鉄道東西線建設事業点検・推進委員会」の設置を、発表した。
 委員長は田辺市長で、助役2人と交通局長が副委員長、企画調整局長、理財局長らがメンバーとなっている。工事費や交通局の態勢そのものの点検、交通局に対する市長部局の支援方法などを総合的に検討し、工事費が2倍に膨れ上がった第三セクター「京都高速鉄道」に対する、市の一般会計からの新たな助成制度の創設など国に要求するべき支援策をまとめるという。 増額分の負担について内田俊一助役は「国、市の支援と合わせて、地下鉄利用者で負担する方向も検討せざるをえず、現在の烏丸線を含めた地下鉄運賃にはねかえる可能性もある」としている。(朝日新聞)
■整備新幹線未着工区間 結論3年先送り
 北海道や九州など全国に5線ある整備新幹線の未着工区間の取り扱いについて、連立与党の代表者会議は8日、新たな財源を確保したうえで、1997年以降に着工区間や財源の負担割合などに関する新しい枠組みを策定する、として事実上3年間結論を先送りすることで合意した。見直しの最大の難関となっていた財源ねん出のめどがたたないためだ。88年に東北新幹線の盛岡−青森間など3線5区間の着工を決めた際には、「5年後に見直す」としていた。
 当面は着工済みの3線5区間の建設と、ルート未公表区間の環境影響評価などを進めていく。
 代表者会議の合意をうけて、大蔵、運輸、自治の3閣僚は同夜、政府としての申し合わせを作成。@従来の整備計画はすべて維持されることを確認するA当面は工事中の3線5区間の建設を着実に進め、94年度の建設費として概算要求の2829億円を満額確保するB未着工区間のうち、ルート未公表の北海道(青森−札幌)、九州・長崎(鳥栖−長崎)、北陸の南越以西の3ルートについて、94年度予算の調査費を概算要求から10億円上積みし計30億円とする、ことなどを決めた。(朝日新聞)
■「大橋」で停車 ダイヤ乱れる JR
 9日午前5時2分、瀬戸大橋の風速計が25bを記録したため、橋を走行中の高松発岡山行き「マリンライナー2号」が番ノ洲高架橋で停車、高松発岡山行き「マリンライナー8号」など計3本が運休した。
 午前7時前、「マリンライナー2号」など2本は運転を再開した。ところが、その後も断続的に運転がストップ、マリンライナーと特急の上下計14本が運休したほか、上下計35本が1時間52分−10分の遅れとなり、乗客1万6000人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
10日■地下鉄建設費膨張で責任追求 共産党市議団が声明
 京都市の地下鉄東西線の建設費の大幅膨張で、共産党市議団は9日、建設費膨張のすべての資料を明らかにするとともに、政治責任を追求する、との声明を発表した。
 声明では、「沿線の5大プロジェクトにからめて地下鉄建設を進めようとしたことに最大の要因がある」としたうえで、完成の2年延長の表明以来、財政計画の変更などを公表していない責任を追求、「地下鉄料金など市民負担への転嫁を示唆する態度は許されない」としている。(京都新聞)
■新京都駅ビル文化施設運営 14日に会社設立総会 社名「シアターアーツ1200」
 21世紀に向けた京都の文化創造・発信をめざす新京都駅ビルの文化施設運営会社の創立総会が、14日に開かれる。総会で社名を「シアターアーツ1200」、代表権のある会長に伊藤博京都駅ビル開発社長、同社長に園隆オムロン顧問の就任を決める。 同社は新駅ビルの文化施設を運営し、音楽や演劇などの興業を企画製作する。資本金は4億9000万円。京都駅ビル開発とオムロンが各35%、京都新聞社が9%を出資するほか、地元企業と興行関連会社の計10社が出資する。本社は京都市下京区の日本声明京都ヤサカビル7階に置く。
 同社が運営する文化施設は16階建て駅ビルの東側、ホテル棟部分9階までの約1万平方bを使う。約1000席のメーンホールや、シアター、ギャラリー、カフェ、ミュージアムショップなどを設け、ビル内の各施設に映像情報を一元的に発信するスタジオも設置。24時間体制で国際文化観光都市ターミナルにふさわしい事業を展開する。オープンは平成9年春の予定。(京都新聞)
■関空アクセス JR快速公開
 9月の関西国際空港開港に合わせ、大阪−新空港間を1時間5分で結ぶJR西日本のアクセス快速電車の新型車両が完成、9日公開された。
 新車両は8両編成。形は東海道・山陽線の新快速電車に似ているが、ステンレスのキラキラした車体が特徴。車内には2列と1列の座席が並び、通路がゆったりしている。座席のわきにはスーツケースを固定するベルトがあり、空港連絡列車ならではといった感じ。
 この日は大阪−高槻間の試運転で、俊足ぶりを披露した。(京都新聞)
■9遺族示談が成立 信楽事故 JR・高原鉄道側と
 信楽高原鉄道列車事故の「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人)のうち9遺族とJR西日本、高原鉄道両社との間で示談が成立していたことが9日分かった。同会弁護団によると、示談額は両社が提示した額(約2000−3000万円)の2倍前後とみられる。これで同会メンバー19遺族のうち示談が成立したのは10遺族となった。
 10遺族のうち1遺族は93年11月に示談が成立。残りの9遺族も昨年4月から交渉に入り先月末までに成立していた。
 遺族の会では、示談を拒否した他の9遺族が昨年10月、鉄道両社を相手に総額11億3000万円余りの損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こしている。(京都新聞)
■線路や架線の異常 電車走ればピタリと分かる JR西日本3月から実験 労働条件改善にも
 「黙って走れは、ピタリとわかる」。JR西日本は、線路や架線をいちいち作業員が巡回しなくても、通常の営業運転中にこれらの異常が発見できる新しいシステムの開発に乗り出す。3月から山陽新幹線や大阪環状線などで実験に入る。
 同社によると、巡回は深夜や早朝、あるいは電車を避けながら軌道を歩き回るため、代表的な「3K現場」といわれるが、新システムの導入によって、安全運行と労働条件の改善を両立させることができる、としている。
 現在、線路の凸凹やひずみは保線担当が、架線の緩みは電気担当がチェックし、車輪やパンタグラフの擦り減り具合などは車両係がそれぞれ検査している。人手や時間がかかるほか、電車が通っていない時や止まっている時の状態チェックばかりで、走行中に起きる異常の検知ができないのが難点となっている。
 計画では、電車を普通に走らせるだけで、線路や架線、車両の異常を見つけることができるようにする。具体的には、車両に線路や架線を、地上に台車やパンタグラフをそれぞれ監視する特殊装置を取り付け、営業運転中の音や振動、画像を収集して、これらから異常を見つける。「診断」結果は運転席のモニターなどに表示する。
 実用化の目標は3年後。3月から山陽新幹線を対象に「のぞみ」の1編成をモデル車にして、監視装置の開発や実用化試験に入る。4月以降には、大阪環状線と片町線でも同様の取り組みを始める。
 JR西日本技術開発推進部は「実用化によって保安レベルは大幅に向上する。きめ細かい監視で異常の検知が早まり、乗り心地がよくなるほか、事故によるダイヤの乱れも減る。さらに、なり手の少ない『きつい』『きたない』『危険』といえる職場の省人化も図ることができる」と話している。(朝日新聞)
■山陰線ダイヤ乱れる 余部鉄橋で強風
 JR西日本福知山支社は9日夜から10日午前にかけ、兵庫県城崎郡香住町の山陰線余部鉄橋で断続的に風速20b以上を記録、香住−浜坂間で列車の運転を見合わせるなどしたため、ダイヤが乱れた。
 普通列車が一部運休したほか、鳥取発大阪行き特急「はまかぜ2号」が浜坂駅で運転を見合わせるなど、各列車に3時間10分から10分の遅れが出、約2700人の乗客に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■JRなどが雪で乱れる
 冬型の気圧配置が強まった10日、近畿地方は兵庫県北部を中心に雪が舞う空模様になり、新幹線や高速道路など交通機関に乱れが出た。
 JR東海道新幹線は滋賀・米原周辺の雪のため、京都−名古屋間で始発列車から速度を230−170`に落とす徐行運転に。
 舞鶴自動車道では舞鶴西−春日間の下り線が午前4時から一時、通行止めになった。大阪空港でも山陰への2便が欠航した。(朝日新聞 夕刊)
11日■風でダイヤ終日混乱 JR山陰線
 JR西日本福知山支社は10日、兵庫県城崎郡香住町の山陰線余部鉄橋で断続的に風速20b以上を記録したため、前日夜から引き続き運転を見合わせるなどした。この影響で急行1本、普通列車9本が運休。また、鳥取発大阪行き「はまかぜ2号」の4時間半を最高に各列車に30分以上の遅れが出るなど、ダイヤは終日混乱し、約7000人の足が乱れた。(京都新聞)
■旧国鉄債務減る見通し JR株売却で
 政府は10日、国鉄精算事業団が旧国鉄から引き継いだ長期債務残高が今年3月末で25兆9000億円となり、前年同期に比べ7000億円減少するとの見通しをまとめた。
 昨年秋のJR東日本株の売却・上場で、93年度に約1兆700億円の売却収入を得たもので、債務残高が減少するのは3年ぶり。ただし、土地の売却収入は8900億円と、当初目標の1兆2900億円を大きく下回る見通しだ。(朝日新聞)
■「鶴見緑地線」延伸へ
 1997年の夏期国体メーン会場への足になる大阪市営地下鉄「鶴見緑地線」の門真延伸工事について、大蔵、運輸、自治の各省は10日、着工を認め、94年度政府予算案に事業費を盛り込むことで合意した。次官レベルの復活折衝で認められる見通し。大阪府と大阪市は3月末までに事業計画を策定するが、路線の一部を地方単独事業とする新制度が適用されるため補助額は半減し、地元負担が増える形となった。
 延伸が決まったのは、大阪市鶴見区の鶴見緑地駅と大阪府門真市の門真南駅を結ぶ1.3`区間で、総工費は244億円。昨夏の概算要求から漏れたが、来年度に着工しないと国体に間に合わないため、府市は門真南駅の建設費分73億円を地元負担することを決め、1億円の建設補助金を求めていた。(朝日新聞)
12日■京滋すっぽり白いベール 京都市内でも13a JR奈良線一時ストップ 自動車道ズタズタ
 12日の京滋地方は、この冬一番の大雪に見舞われた。京都市内では、13aと過去10年間で2番目の積雪を記録。滋賀県の平野部でも軒並み10−20aの積雪となった。このため新幹線やJR在来線、バスなどの交通機関に一部乱れが出たほか、国道では渋滞が起こり、通勤や通学の足に影響が出た。
 この日は第2土曜日で公立学校は休みだったが、授業を行う私立中・高校では、雪の影響で京都成章高(京都市西京区)、聖母学院(伏見区)、華頂女子中・高(東山区)が臨時休校になったほか、京都女子高(東山区)では1時限目の授業をカット、始業を1時間遅らせた。1、2年生約1000人の生徒の8割以上が授業開始までに雪の中を登校したが、交通網の乱れで遅刻する生徒も目立った。洛星高(北区)でも午前8時半の始業を30分繰り下げた。
 この雪で、府内では名神高速道路が京都東−西宮インター間で午前3時20分から全線通行止め。京滋バイパスでは巨椋−瀬田東インター間、舞鶴自動車道・舞鶴西−吉川インター間が通行止めになった。
 京都府警交通管制センターによると、国道1号が、堀川五条から大津行きで最高9`、逆の西行でも最高3`の渋滞に。しかし、週末で車は少なく、一般道路での大きな影響は見られなかった、という。京都府は除雪車など約100台で各路線で除雪にあだった。
 JR在来線は、東海道線の京都−神戸間で、雪でポイント転換しないために電車に遅れが出た。嵯峨野線・京都−園部でも最高1時間の遅れ。また、奈良線は始発から運休したが、午前11時25分から京都−宇治間で運転を再開した。京阪バスは京都−金沢などの長距離バスを運休にした。
 京都府北部ではJR福知山線が午前9時40分発新大阪行き特急「北近畿6号」など午前中で計8本が一部または全区間運休。他の線区でも風雪や積雪の影響で列車が1時間−10分の遅れ。また同日午前6時50分ごろから兵庫県城崎郡の山陰線余部鉄橋付近で強風が吹いているため、断続的に列車運行を見合わせ、ダイヤの乱れが続いた。
 京都地方気象台によると、12日夜から冬型気圧配置になるため、山間部を中心に再び雪になるという。
 滋賀県では12日未明から平野部を中心に雪が降り続き、国道や主要県道でも全域チェーン規制。午前9時半現在の県内のスリップ事故は物損事故43件、人身事故8件となった。
 公共交通機関も大きく乱れ、JRでは東海道新幹線が米原駅で上下線とも20分から1時間遅れたほか、東海道線が約1時間半、湖西線も15分遅れた。路線バスも道路の渋滞のため、軒並み数10分から2時間ダイヤが乱れた。
 彦根地方気象台によると、この雪は典型的な里雪で、湖南の大雪に比べ湖北の積雪はそれほどでもなかった。
・京滋各地の積雪量
 京滋各地の主な積雪量は次の通り。(京都府内は府調べ、滋賀県内は彦根地方気象台調べ。単位はa)
 京都=京都市中京区13▽久美浜町久美浜10▽峰山町丹波10▽宮津市吉原10▽舞鶴市浜11▽福知山市篠尾26▽美山町鶴ケ岡60▽京北町宮37▽園部町園部20
 滋賀=余呉町柳ケ瀬56▽今津町33▽彦根市17▽大津市15(京都新聞 夕刊)
■列島真っ白 連休足止め 空・陸軒並みストップ
 3連休のまん中で、列島が真っ白になった。12日未明から降り始めた雪は、西日本の太平洋側にも積雪をもたらした。高速道路をはじめ、鉄道や空の便が軒並みストップ。公立学校が休日になる第2土曜日だったことで通勤・通学への影響は比較的少なかったが、入試の開始時間を遅らせたり、スキーを担いだ行楽客が足止めを食らったり。奈良市でタイヤチェーンを装着中の会社員が車とガードレールの間に挟まれて死亡したほか、各地で転倒して病院に運ばれる人も相次いだ。
○座り込み
 JR大阪駅の中央コンコースでは、連休の旅行客ら約300人が「来ない電車」を待って床に座り込んだ。
 山陰方面に団体旅行する大阪府内の会社員は「朝起きたら雪だったので、1時間早く駅に来たのに…。今日中に着けるだろうか」と気をもんでいた。
 「連休」とはいっても、出勤のサラリーマンも少なくない。駅の公衆電話には、勤め先に「遅刻」を伝えようとした人々の列ができた。大阪市内の積雪は午前9時現在で9aだったが、大阪環状線がポイント故障で午前9時から約30分ストップした。それでも駅員は「土曜日で大きな混乱はなかった。運がよかった」。
○雪でスキーもお預け
 午前9時前に滑走路が2本とも閉鎖された大阪空港。家族4人で九州旅行に出かける予定だった神戸市内の会社員(43)は「天気のことだから、航空会社に文句をいってもしようがないし」と、がっくり。
 雪のせいでスキーに行けなくなった若者らも多かった。大阪市内の学生グループは「北海道にいく予定だった。スキーには雪が降った方がいいけど、こんなところで降雪に見舞われるなんて」とこぼしていた。
○けが人も続出
 大阪、神戸、京都などの都市部では、足を滑らせてけがをする人が続出。大阪市浪速区で、歩道に張り出した店のテントが雪の重みで落ち、下にいた男性(44)が左足首を骨折したのをはじめ、午前10時までに計25件の通報があった。
 神戸市では北区鈴蘭台東町五丁目の会社員(40)が出勤途中に足を取られて転倒、右足を骨折したのをはじめ、午前10時までに5人が救急車で運ばれた。
○滑ってはいけないのに
 近畿ではこの日、3つの私立大学で入学試験が予定されていたが、いずれも開始時刻を1時間から2時間半遅らせた。
 堺市の桃山学院大では、全学部で午前11時から行われる予定だった試験を1時間繰り下げた。地方入試もこの日、札幌から沖縄まで計12会場で予定されていたが、こちらも1時間遅らせた。(朝日新聞 夕刊)
13日■交通マヒ終日続く 列島ドカ雪 京滋も混乱
 発達中の低気圧の影響で12日未明から太平洋岸で降り始めた雪は同日夜まで関東、中部地方などで降り続き、東京では夜までに23aの積雪を記録、昭和43年3月12日(30a)に次ぐ25年ぶりの大雪となった。
 この雪で交通機関は除雪作業などで大きく乱れた。高速道路は各地で通行止めになり、新幹線は東海道・山陽新幹線が終日で21本運休、320本が最高4時間遅れた。空の便も空港閉鎖で欠航が相次ぐなど、全国的な混乱が終日続いた。
 JR西日本福知山支社管内は始発から終日大幅な遅れや運休が続き、5万5000人に影響が出た。
 福知山線の新大阪雪特急「北近畿6号」など特急2本、普通26本が運転を取りやめたほか、浜坂行き特急「エーデル北近畿」が1時間50分遅れたのを最高に、山陰線の京都行き普通なども20分から1時間程度遅れた。
 京都縦貫自動車道では時速60`の速度規制とチェーン規制が出されたほか、亀岡市の篠インターの京都行きの入り口1ヵ所が一時閉鎖された。
 滋賀県でも、迷信高速道路は12日夕方に全線通行止めが解除されたが50`の速度規制。北陸自動車道は木之本以北で、国道161号(志賀町以北)や同303号線などもそれぞれチェーン規制となった。
 公共交通機関ではJRの東海道線、湖西線が凍結によるポイント切り換え不能や強風(30b)などの影響で最大3時間40分の遅れが出た。路線バスも雪と道路の停滞で国道1号経由の近江バスが最大2時間遅れるなど終日乱れた。
 気象庁によると、関東から西日本の雪は12日夜までにやんだが、冬型の気圧配置が強まっており、北海道や本州の日本海側で13日にかけ大雪となる見込み。気象庁は引き続き厳重な警戒を呼び掛けた。(京都新聞)
■古都真っ白 交通に乱れる 2月の連休に記録的な大雪 京都市で積雪13a 事故やけがが相次ぐ
 府内は12日未明から雪に見舞われ、京都市内では13aの積雪を記録。2月としては観測史上2番目だった昨年の14aに次ぐ積雪量となった。第2土曜日で公立学校が休みだったことなどから、大きな影響はなかったものの、一部の私立校は休校。バス、タクシーなどの交通機関も一部が混乱し、スリップによる事故も相次いだ。一方、3連休の中日とあって、京都市周辺の観光地は、冬景色を楽しむ人々でにぎわった。京都地方気象台などによると、13日は寒気団が南下、北部を中心に再び雪模様の天気になる、という。
●通行止め
 府がまとめた各地の積雪(12日正午現在)は、綾部市老富の92aを最高に、府北部で60aを超えたところが目立った。
 府南部でも、関西文化学術研究都市の中心を貰く京奈和自動車道が、1988年の開通以来初めて積雪による全線通行止めとなった。
●混乱
 JRは奈良線が午前中、全面運休に。京都市バスも午前中、ダイヤが乱れ、スリップによる事故が5件ほどあった。
 さらに、午前9時ごろ、西京区嵐山朝月町で、倒木が配電線にひっかかり、周辺の500戸が約1時間半にわたって停電した。
●骨折
 この日午前8時半ごろ、山科区上花山の路上で、男性(63)が雪で滑って、右足首を骨折。同9時20分ごろには、伏見区淀生津町の神社で、雪遊びをしていた近くの小学生(12)が、雪の重みで折れた木の枝の下敷きになり、左足を骨折した。
●北山杉
 昨年2月の大雪で、約27万本、14億円にのぼる被害が出た北山杉。京北町や京都市北部では、森林組合と造林会社がこの日早朝から山の状況を調査。かなりの杉が雪の重みでしなっていることを確認した。このため、造林会社が午前9時にヘリの出動を要請したが、降雪で結局この日は飛べなかった。
 京都市左京区のカー用品店では、開店10分前からチェーンを買いに来る客が並び始め、開店後わずか1時間で、ほぼ完売。あるタクシー会社は「通常は定価の半額程度で売られているチェーンを、値引きなしで買わざるを得なかった」。
●観光地
 左京区の銀閣寺では午前中、職員6人が参道などの雪かきに追われた。境内の通路は参拝客で埋まるほどの混雑ぶり。宇治市の平等院では、雪化粧した鳳凰堂の資を狙うカメラマンが詰めかけた。一方、上京区の北野天満宮では、境内にある松5本ほどが折れた。「見物客に迷惑をかけては」と、梅園の一般公開を中止した。
●ムード
 左京区の平安神宮会館ではこの日、7組のカップルが結婚式を挙げた。交通の乱れで式の時間を遅らせるハプニングもあったが、新郎新婦らは「雪のように真っ白からスタートを切れる」と感激した様子。着物姿の出席者からは「歩きにくい足元を気遣い、会場に来るまでに疲れてしまった」との声も出ていた。(朝日新聞)
■リフトバス 新たに2路線
 障害をもつ人も街に出られるようにと、京都市交通局は車いすごと乗れるステップ・エレベーター付きバスの路線を洛西地区に続き新たに2本開通させた。障害をもつ人々は「世界が開ける」と喜んでいる。
 新設されたリフト付きバス3台は、京阪三条と立命館大学を往復する12号系統(四条堀川経由)と15号系統(千本丸太町経由)の2路線を走る。およそ2時間に1本の割合で1日6往復。(朝日新聞)
14日■貨物同士追突 特急遅れる 近江八幡の東海道線
 13日午前2時10分ごろ、近江八幡市池田本町のJR東海道線上り線で、赤信号のため停車していた有田発東京行き貨物列車=23両編成=に、後続の姫路発東京行き貨物列車=同=が追突した。両車両とも衝突部分が小破、機関士にけがはなかった。この事故で、上りの寝台特急5本が最高3時間遅れ、乗客計1500人が影響を受けた。
 近江八幡署によると、現場前方にある踏切上の傷害物を知らせる信号が赤になったため、先行列車が停車。6分後に青信号に代わり発車しようとした際、追いついてきた列車が追突したらしい。事故当時、天候は吹雪、積雪は約15aで、同署は雪で傷害物感知装置が作動したのではないかとみて、さらに詳しく調べている。(京都新聞)
■ターミナル駅 保育所設置へ 子育て支援で厚生省
 通勤に便利なターミナル駅のすぐ近くに保育クラブを設置する「駅型保育モデル事業」に13日、来年度予算復活折衝で約3億3000万円が認められ、厚生省は今年夏から同事業に着手する方針だ。
 子育て支援を目指したこのモデル事業は5ヵ年計画で、年度は乳児保育や夜間保育などができるクラブを全国8ヵ署に開設。1995年度以降はすその数を増やしたい、としている。(京都新聞)
■道・空・JR 乱れが続く 積雪の後遺症
 12日未明から雪に見舞われた日本列島は13日、冬型の気圧配置が強まって寒い1日となった。西日本では太平洋側を中心に天気は回復したものの、積雪の後遺症で交通機関の乱れが続いた。
 名神高速道路は13日未明から午前中にかけ、栗東(滋賀)−一宮(愛知)間が上下線とも通行止めに。その後も京都、滋賀県内で、最高速度を50`に制限した。舞鶴自動車は京都府の一部の区間で通行止めが続き、北陸自動車道は木之本(滋賀)−朝日(富山)間で速度規制をした。
 JR東海道・山陽新幹線は、始発から徐行運転した。JR西日本によると、新大阪−博多間で上下各1本が運休。午前6時7分に東京を出た「のぞみ1号」が徐行運転のため、博多到着が2時間13分遅れた。JR東海によると、上り列車の東京駅への到着が最大で1時間19分遅れるなど、ダイヤの乱れは終日続いき、約30万人の足が乱れた。
 大阪空港では、全日空の仙台、庄内、東京などを結ぶ計14便が欠航。日本エアシステムでは大阪−新潟間の3往復をはじめ計8便が欠航した。(朝日新聞)
■公共企業未配分枠 新年度予算 マイナス分野消える 地下鉄などに厚く
 1994年度予算で焦点の公共事業の配分が13日、決着した。大蔵原案で未配分枠(公開財源)として残されていた1000億円の内訳が連立与党の政策・政務幹事から成る配分委員会で決まったためで、大蔵省は同日、各省庁に追加内示した。公開財源の配分が大蔵原案をほぼ踏襲しているなかで、94年度から公共事業に「格上げ」された、運輸省の都市・幹線鉄道(地下鉄など)や環境庁の自然公園に厚く積まれた。また、原案では前年度当初より減額された漁海、港湾などにも積まれ、低い伸びながら前年度当初比マイナスから脱した。
 公開財源の配分の結果、最終的な都市・幹線鉄道のシェアは、原案より0.05ポイント上がり0.72%になった。分類替え前の前年度当初に比べると都市・幹線道路は8.5%増、自然公園は21.1%増と大幅に伸びている。
 一方、生活関連として原案段階で優遇された住宅対策、下水道、環境衛生(廃棄物処理場など)に対する公開財源の配分は相対的に小さかった。しかし、原案とあわせた総額では、環境衛生が前年度当初比2.8%増、下水道同7%増となり、前年度シェアより上昇した。
 省庁別のシェアは、建設省が68.35%(前年度当初68.61%)、農水省が20.83%(21.49%)、運輸省6.86%(6.24%)、厚生省が3.47%(3.26%)などとなった。
・公共事業の未配分枠 公共事業の事業別シェアの対象は、公共事業関係費のうち災害復旧などを除く一般公共事業費8兆8138億円(前年度当初比4.1%増)。この額自体は大蔵原案から政府案まで変わらないが、原案では内数として1000億円の末配分枠を残した。公開財源ともいっている。
 予算ではこのほかに1000億円の復活財源があり次官折衝や閣僚折衝が行われているが、これは公共事業以外の社会保障、文教、防衛、ODAなどに上積みされる財源で、公共事業の未配分枠とは全く別。(朝日新聞)
94年度の公共事業の内訳 (単位・億円、四捨五入。シェアは%)
 94年度
予算額
うち未
配分枠
94年度
シェア
93年度当
初シェア
◇治山・治水15,23917617.29(17.62)
◇道路整備24,94728728.30(28.72)
◇海湾・漁港・空港6,909817.84( 8.12)
 港 湾3,532424.01( 4.18)
 漁 港2,150262.44( 2.55)
 空 港1,228141.39( 1.39)
◇住宅・市街地11,00910012.49(12.29)
◇下水道・環境衛生等15,12714717.16(16.59)
 下水道10,5049511.92(11.70)
 環境衛生3,055333.47( 3.22)
 自然公園8960.10(−)
◇農業農村整備11,68213913.25(13.76)
◇林道・工業用水等3,083703.50( 2.74)
 造林・林道1,684191.91( 1.90)
 地下鉄等632460.72(−)
 新幹線18700.21( 0.21)
◇調整費等14110.16( 0.16)
一般公共事業計88,1381,000100.0
≪注≫◇の事業の内訳は、主な事業だけ掲げた。
各項目を足した数字は、四捨五入のため合計と一致しない
■雪の東海道線 貨物列車追突 近江八幡
 13日午前2時10分ごろ、滋賀県近江八幡市池田本町のJR東海道線上り線で、姫路操車場発東京貨物ターミナル行き貨物列車=西田修運転士(32)、23両=が、信号待ちで停車中の有田発東京貨物ターミナル行き貨物列車=田中正則運転士(46)、23両=に追突、双方の連結部分が壊れた。事故当時は大雪風雪注意報が出され、現場付近は激しい吹雪だった。近江八幡署は西田運転士が前の列車に気づくのが遅れたと見て、事情を聴いている。
 この事故で上り線は約2時間不通となり、後続の長崎発東京行き寝台特急「さくら」が3時間遅れたのを最高に計5本の寝台特急が遅れ、約1500人の乗客に影響が出た。(朝日新聞)
■東海道新幹線など乱れ続く
 東日本から西日本にかけて降った大雪の影響などで、14日も朝から東海道新幹線や東北新幹線のダイヤが乱れた。
 東海道新幹線は残雪のため、始発から名古屋−新大阪間で時速120`〜170`の速度規制を行い、最高約40分遅れた。平常ダイヤに戻るのは午後になる見込み。
 山形新幹線も奥羽線の赤湯駅でポイントに雪が挟まり、午前5時半から一時運転を見合わせ、最高約1時間半遅れた。奥羽線の在来線も1時間前後遅れた。
 また東北新幹線も午前9時すぎから、強風のため大宮−盛岡間で徐行運転を行い、30分程度の遅れが出た。(京都新聞 夕刊)
■私鉄総連 賃上げ要求提出 7.9% 2万2000円 春闘本格スタート
 春闘の相場づくりに大きな影響力を持つ私鉄総連(鈴木完守委員長、18万6000人)と加盟組合は14日午前、民間主要組合のトップを切って平均2万2000円(7.9%)の賃上げ要求を、日本民営鉄道協会、各社経営側に一斉に提出した。
 私鉄に続き鉄鋼、自動車など金属労協(IMF・JC)の主要組合も15、16日にそれぞれ要求を提出する予定で、94春闘の労使交渉は主要組合への回答が集中する3月24日のヤマ場へ向けて本格的に始まった。
 私鉄大手の労使は2月下旬から中央集団交渉に入る。大手組合は3月25日の始発からの24時間のストを背景に、交渉の追い上げを図る。
 14日午前10時半、東京・丸の内の日本民営鉄道協会で、鈴木委員長ら私鉄総連の幹部が、同協会の藤田輝喜常務理事に対し、賃上げなどの要求が書かれた申し入れ書を手渡した。鈴木委員長が「誠意をもって対応してほしい」と述べたのに対し、藤田常務理事は「18日の労務委員会で申入書について検討したい」と答えた。
 この後、記者会見した鈴木委員長は「今年の春闘は厳しさが予測されるが、精いっばい私鉄の役割を果たしていきたい。初めにストありきではないが、誠意ある回答かどうかがストを避けるポイントになる」などと春闘の取り組みについて語った。
 中小組合は、3月29日に24時間のストを設定し、28日に詰めの交渉をする段取りになっている。
 今春闘での私鉄総連の賃上げ要求は、昨年の春闘(2万5000円、9.1%)より3000円引き下げたが、額、率とも連合加盟組合ではトップクラスとなっている。
 年間臨時給(ボーナス)は昨年実績(大手5.4ヵ月)に0.2ヵ月の上積みを求めている。(京都新聞 夕刊)
■SLの女王「C62」1号機 安住の地へ 広島で雨ざらし 化粧直しお目見え 梅小路蒸気機関車館
 「蒸気機関車の女王」と呼ばれたC62の1号機が14日夜、保存・展示されていた広島市南区の広島鉄道学園跡地から、京都市下京区のJR西日本・梅小路蒸気機関車館に運ばれる。早ければ16日午前にも同館に到着する予定で、整備のうえ展示される。
 C62の第1号機は、準鉄道記念物に指定された旧国鉄広島鉄道管理局のシンボルで、1948年1月から翌年にかけて計49両製造されたC62の試作機。当時、日本最高の1620馬力、時速129`を誇り、SLの女王と呼ばれた。広島を拠点に特急列車を引っ張って66年10月の現役引退まで地球52周分の約208万`を走破した。
 広鉄局は「由緒あるSLを梅小路機関区に」との旧国鉄本社の要請を断り、76年3月から広島鉄道学園構内で保存したが、87年、国鉄民営化で同学園は廃校に。雨ざらしのまま残されていたうえ、跡地の売却で行き場を失い「第二の安住の地」を探していた。
 傷みが激しいため、梅小路蒸気機関車館ではきちんと整備したうえで、同館周辺が会場の一つとなる全国都市緑化きょうとフェア(9月)までには展示したいという。「C62の2号機があるので、並べて展示したい」と話している。
 1号機が同学園にある間、週に1度手入れに通っていた元国鉄機関士の山川春雄さん(68)=東広島市=は「戦後の復興を支えたSLの哀れな姿には耐えられなかった。愛着は残るが私一人の手には負えず、梅小路行きが最善でしょう」と言っている。(京都新聞 夕刊)
■春闘、本格スタート まず私鉄総連 要求書を提出
 主要組合のトップを切って、私鉄総連(鈴木完守委員長、18万6000人)が4日午前、賃上げなどの要求書を、日本民営鉄道協会やバス協会、会社側に提出し、今春闘が本格的にスタートした。15日には、賃上げの相場づくりに大きな影響力を持つ鉄鋼労連(鷲尾悦也委員長、20万9000人)加盟の大手組合も、会社側に要求を出す。今年は、深刻な不況と円高のあおりで、主要産業の業績が軒並み低迷し、日本労働組合総連合会(連合)傘下の労組の多くは、要求水準を昨年より約2%引き下げ、5%前後としている。しかし、景気が上向く気配はまだ見られず、雇用不安も強まっているだけに、組合側にとっては、かつてない厳しい交渉となりそうだ。
 この日、要求を提出したのは、私鉄総連と、同組合に加盟する約240組合。東京・丸の内の日本民営鉄道協会には私鉄総連の幹部が訪れ、午前10時半過ぎに経営側に要求書を手渡した。
 私鉄総連の要求は、組合員1人平均2万2000円(7.9%)の賃上げなどを求める内容で、他組合よりは高めとなっているが、昨春闘での要求を3000円、1.2ポイント下回っている。私鉄総連が要求額を引き下げたのは、89年の春闘以来5年ぶり。
 連合は「消費不況を打開するためにも賃上げは必要」との立場から、「5−6%中心、2万円以上」とする今春闘の要求方針を決めている。これに対し、日経連は「賃上げは事実上困難。賃上げの原資は雇用の暗転にあるべきだ」とする労働問題研究委員会報告をもとめており、今後の交渉では、双方の主張が真っ向から対立する形となりそうだ。(朝日新聞 夕刊)
16日■水俣病訴訟で荒巻知事答弁 近く国に若い要望 府会「決断すべき時期」 JR舞鶴線 早期電化に努力
 京都府の2月定例議会は15日、本会議を再開し、小牧誠一郎(自民)、杉谷孝夫(公明)、山脇闊(社会・社民ク)の各議員が代表質問を行った。答弁の中で荒巻禎一知事は、水俣病の未認定患者らが救済を求めている水俣病訴訟について「国が決断すべき時期に来ているのではないか」と述べ、近く国に対して早期解決を要望することを明らかにした。
 また、荒巻知事は懸案となっているJR舞鶴線(綾部−東舞鶴間26.4`)の電化問題について「環日本海時代の重要拠点である舞鶴への幹線鉄道であり、電化・高速化をぜひとも早期に実現できるよう渾身(こんしん)の努力をする」と答弁。新年度に府公共交通網整備研究会の鉄道部会に同線の整備手法の検討を求め、年度内の提言を受けて、積極的に取り組む方針を示した。(京都新聞)
■東海道線30粉遅れる 摂津富田で接触事故
 15日午前11時45分ごろ、JR東海道本線摂津富田駅(大阪府高槻市)を通過中の福岡ターミナル発東京ターミナル行き貨物列車(24両)の機関車と、線路わきに止めてあった保線作業用トラックが接触した。貨物列車は、車両に異常がないことを確かめて9分後に発射したが、後続の新快速電車上下合わせて2本が湖西線の堅田−近江舞子間を運休したほか、特急など4本が32分〜7分遅れ、1600人に影響が出た。JR西日本が接触の原因を調べている。(京都新聞)
■リニア 時速400`達成
 宮崎県日向市の鉄道総合技術研究所(JR総研)の浮上式鉄道宮崎実験センターで15日、リニアモーターカーMLU002Nが、同車両としては初めて時速400`を達成した。
 この日の実験は同センターから都農までの7`のコースを8往復した。このうち、最後の往路で、センターから2.4`付近で時速400`に達した。(朝日新聞)
17日■JR奈良線複線化目指す 府会で知事答弁 まず京都−長池間
 京都府は16日、JR奈良線(京都−木津間34.7`)の輸送力増強に何けて、複線化に取り組む方針を打ち出した。関西文化学術研究都市の東側に広がる木津川右岸地域での新しい街づくり構想などを踏まえたもので、今後、JR西日本に対し、舞鶴線の電化問題とともに事業着手を積極的に働きかけていく方針。
 荒巻禎一知事が、この日再開の府会本会議で「奈良線の複線化は不可欠」と答え、実現に意欲を示した。
 奈良線は、1984年の電化に引き続き、快速電車の運行や六地蔵駅の新設、東福寺駅の整備など輸送力の強化が進められてきた。しかし、複線化は89年の運輸政策審議会答申に盛り込まれたが、手つかずのままだった。
 こうした中で府は、昨年、「産業文化公園都市」づくりを目指す木津川右岸地域(宇治、城陽、井手、南山城など10市町村)の整備構想をまとめた。
 また、日本が招致しているサッカーの2002年ワールドカップ(W杯)の国内会場、さらにプロサッカーJリーグの開催可能な5万人収容のスタジアムを同右岸地域に整備するのを機会に、早期に視線化を目指すことにした。
 府では、5、6月にも府公共交通網整備研究会の鉄道部会に、舞鶴線(綾部−東舞鶴間26.4`)も含めて、整備手法などの検討を諮問し、年度内に提言を求める。
 奈良線の複線化に当たっては、ほぼ全線で複線敷の用地が確保されている。当面、運政審答申で目標年次(2005年)を示した京都−長池(城陽市)間22`について、事業着手を目指すことになりそうだ。
 今後、新設するサッカー球技揚へ直接大量輸送できる交通アクセスとして、奈良線の支線ともいえる新線の建設も視野に入れた、JR西日本への働きかけが必要になるものと見られる。(京都新聞)
■こだまの床下付近から白煙 山陽新幹線徳山駅
 17日午前7時15分ごろ、山口県徳山市のJR山陽新幹線徳山駅に到着した広島発博多行きこだま369号(6両)の3両目床下付近から白煙が上がるのを、ホームにいた駅員が見つけた。
 運転士らが調べたが異常はなく、列車は2分遅れで出発した。出発の際にも再度、同じ所から白煙が出たため、列車を止め原因を調べたが、異常は確認できず運転を再開した。
 列車は約10分遅れで博多駅にとうちちゃく。JR西日本で原因を調べている。当時、乗客は約160人で混乱はなかったという。(京都新聞 夕刊)
■山形新幹線”見せかけ”乗車 県、自治体に要請 「延伸」めざし 運輸省視察時
 全国初のミニ新幹線・山形新幹線の、JR山形駅以北への延伸を重要事業に掲げる山形県が、17日に運輸省の視察があるのに合わせ、同省職員と同じ列車に自治体の職員を乗せ同駅以北の利用率を高く見せようと、沿線自治体に要請していたことが、16日わかった。「延伸」への熱意が行きすぎた格好で、県は直前の16日、この要請を取り消した。
 山形新幹線は92年7月に開業した、JR奥羽線の設備を活用するミニ新幹線。県は、県北部の新庄市まで廷伸するよう、沿線自治体とともに「延伸推進会議」を設立して国やJRに要望しており、採算性の確保が課題になっていた。
 県などによると、運輸省鉄道局の総務課長らが17日昼前に山形駅以北を走る「こまくさ5号」に乗車する予定。しかし、この時間帯は通学通勤の利用者が少ないため、「乗客はやたら少ない」(沿線市の職員)。県は関係市町に対して数日前から16日朝までに、口頭で乗車を要請していた。
 これに対して大半の自治体は、3人から10人程度の職員が同じ列車に乗車するよう手配。ある市の担当者は「新庄市に視察、研修を予定していた。乗用車で行くつもりだったが、列車に変えた」。別の市も「新庄市に出張するのなら、その列車で行くよう10人ほどに呼びかけた」という。
 別の自治体の職員も「ばかげているとは思ったが、県に対して弱い立場なので、市外から通う職員4、5人に指定された列車で通勤するよう、こっそりと頼んだ」という。
 県は16日になって、電話で各市町に動員中止を連絡した。県総合交通課の志田悦朗課長は朝日新聞の取材に対し「採算性の問題があり、(運輸省職員の)印象を考えた」と動員要請を認め「最終的には、雪が多くて出張は大変だろうからそこまでやる必要はないと判断した」と、取り消した理由を説明している。(朝日新聞)
■整備新幹線見直し3年間先送り 建設の財源は?採算性は? 幅広い論議急ぐ必要
 北海道から九州まで全国に5線ある整備新幹線計画の見直し問題は、1994年度の予算編成と絡んで、結論を事実上、3年間先送りすることで決着した。連立与党からは「21世紀初頭に全線フル規格で開業」という構想も打ち上げられたが、政府側は「財源の裏付けのない手形は切れない」と主張、沿線住民には気をもたせたままの結論になった。田中 郁也(東京・経済部)
 今回の見直しの焦点は、未着工区間をどうするのか、また建設財源をどこからひぬり出すか、の5点だった。これについて、大蔵、運輸、自治の3閣僚の申し合わせは@新たな財源を見いだすことを前提に、97年以降に着工区間や財源の負担割合などの新しい枠組みを検討するAルートが決まっていない北海道、九州・長崎、北陸の南越以西の3ルートで、ルートを決めるための環境影響評価を進めることにし、94年度予算に調査費を10億円上積みする−とした。
 「『一歩前進』の印象を打ち出しつつ、いかに常識的な線におさめるかがポイントだった」と、運輸省の幹部は振り返る。
 財源難という現実をみれは、着工済みの3線5区間の工事進行率がまだ1割余りの現時点で、新しい枠組みを決めるのは無理がある。かといって、すべて先送りでは、地元の不満が高まる。だから、「調査費の上積み」で、地元の期待をつないだというわけだ。
 この間、連立与党は「21世紀初頭までに、5線全線を東海道新幹線などと同じフル規格で開業させる」という構想を打ち上げた。政権党だった自民党が掲げていたものとほとんど同じだ。それだけ地元の要望が切実ということなのだろうが、難問を素通りしたまま構想だけ独り歩きさせるのは、国民に対して責任ある政党ではない。
 たとえば、5線全線をフル規格にするには、着工済みの3線5区間の建設費のうえに、さらに5兆円がいるという。3線5区間の建設費2兆円の2.5倍にものぼる。仮に10年で建設するとすれば、毎年5000億円の財源を新たに見つけなければいけない。
 ルートを決めるには、地元の調整が不可欠だが、北海道新幹線を例にとると、小樽経由の北回りルートか、室蘭、苫小牧などを巡る南回りルートか、地元の意向も固まっていない。
 整備新幹線と並行して走る在来線の問題もある。政治家の「我田引鉄」で赤字ローカル線を建設した旧国鉄の二の舞いを避けるには、JRから並行区間の在来線の経営を分離することが必要だ。その一方で、新幹線が素通りする市町村のなかには、安易な存来線切り捨てへの不安の声も根強い。分離された在来線がバス路線に転換されると、JR貨物が担っている鉄道貨物輸送の動脈が分断されてしまう懸念も残る。
 1年近く続いた論議を振り返ると、地元自治体や沿線選出の政治家は、「総決起集会」で気勢をあげ、「陳情合戦」を繰り広げるという、「お祭り騒ぎ」に終始した印象もぬぐえない。
 地元自治体の発言は「ぜひともフル規格で」と訴える一方で「国家プロジェクトなのだから、負担は国民全員が公平に」「在来線の経営分離は慎重に」など、ないものねだりに聞こえることも少なくなかった。
 東京など大都市との時間的な距離感が短くなることは、地域の振興にとって大きな意味をもっている。地域の発展は、一極集中が進む日本全体の変革につながるという側面もある。
 結論が先送りされた3年間は、けっして長い期間ではない。国や地元自治体、JRなどが、日本の将来像を見据えながら、建設の損得、建設後の採算性などを考えていく必要がある。
・整備新幹線 全国新幹線鉄道整備法に基づき、1973年に決定された北海道(青森−札幌)、東北(盛岡−青森)、北陸(高崎−長野−金沢−大阪)、九州・鹿児島ルート(博多−鹿児島)、九州・長崎ルート(鳥栖−長崎)の5線。このうち、東北と北陸(高崎−長野、糸魚川−魚津、石動−金沢)、九州・鹿児島ルート(八代−西鹿児島)の3線5区間の優先着工が、1988年8月の政府・自民党の申し合わせで決まった。その際、今後の着工時期や規格などの建設計画を5年後に見直すことになっていた。(朝日新聞)
■運賃を20円値上げ申請 神戸新交通
 神戸新交通(本社・神戸市)は17日、ポートアイランド線と六甲アイランド線の運賃を、それぞれ現行より20円(9.1%)値上げし、一律240円とする内容を近畿運輸局に申請した。認められれば4月1日に実施を予定している。
 両線は、神戸の市街地と神戸港内の人工島とを結んでおり市の第三セクターが経営している。不況のため島内への企業進出が遅れて乗客数が伸び悩んでいることや、設備投資、借入金の利息などによる累積赤字の増大が理由。(朝日新聞 夕刊)
18日■京都市94年度予算案 一般会計伸び2.6% 市債増 地下鉄も圧迫 建都・福祉など重点
 京都市は17日、一般会計6641億2800万円と、特別会計、公営企業会計を合わせ総額1兆5050億3200万円の1994年度(平成6年度)当初予算案を発表した。一般会計は93年度当初比2.6%の伸び。市の財政は、不況の長期化で市税が2年連続ダウン、加えて地下鉄東西線の建設費膨張が圧迫する厳しい情勢となった。しかし、田辺朋之市長は、平安建都1200年記念年にあたることから、まちづくりの基礎となる新基本計画の着実な実現を目指し、建都記念事業の推進や高齢者福祉・健康都市構想の具体化、景観対策、産業振興などに重点を置く、メリハリの効いた施策を盛り込んだ。18日開会する2月定例市会に提案する。
 市は、厳しい財政情勢の中で、経常経費を10%カット、事務事業も見直すほか、一部の基金を廃止し、財政調整基金を大幅に取り崩した。さらに減税補てん債を含め前年度比24%増の市債を発行、財源を確保。
一般会計6641億2800万円
特別会計5210億3800万円
企業会計3198億6600万円
1兆5050億3200万円
 歳出は、建都1200年記念事業では、地下鉄東西線の総事業費を第三セクター分を含めて1490億円増の3940億円に見直し、第三セクターの市出資金を増額。コンサートホール建設や世界人権問題研究センター設立、記念イベント開催にも力を注ぐ。
 田辺市長提唱の健康都市構想の一環である福祉は、前年度と同様に歳出で最も多い26.4%を確保した。市高齢者保健福祉計画に沿って特別養護老人ホーム建設助成制度の創設やデイサービスセンターの新設、ヘルパーの増員などを行う。障害者施策では、外国人重度障害者特別給付金制度や精神薄弱更生相談所の開設も行う。健康づくりにつながるスポーツでは、Jリーグ加盟を目指す京都バープルサンガの支援関連事業も予算化した。
 景観保全では、電線地中化を進めるほか、新条例制定も予定。世界歴史都市会議の開催や文化・芸術振興計画の策定、大学の町推進事業を行い、国際交流や文化、観光振興で文化首都の中核づくりに取り組む。
 景気対策にも手厚く配慮、公営住宅や公園整備、道路建設など歳出の23.7%を占める都市建設費で公共投資を進め、きもの振興や中小企業融資枠の拡大などの支援策を打ち出した。
・総額528億円 京都市教委関係
 京都市教委関係は、総額528億円。市街地での統合校の建築など大型事業が一部完了したため、前年当初比で5.4%の減額となったが、新規の事業は前年(17事業)を上回る25件。大きな目玉事業は見当たらないものの、同教委は「今日的な教育課題を踏まえ、きめ細かく配慮した」としている。
 学校教育では不登校対策をはじめ、国際、情報、環境教育に積極的に取り組む。とりわけ、情報化の面では小学校のコンピューター教室の充実のほか、中学校を含めて最新の教育メディア機器の配備を進める。(京都新聞)
■東西線問題、論議は必死 きょう市会
 京都市の2月定例市会は、きょう18日午前10時に開会する。1994年度(平成6年度)一般会計予算案など37件の議案が初日に提案されるほか、25日に93年度の一般会計補正予算案を含む49件の議案が提案される。今回の市会では、地下鉄東西線の総事業費の見直しが報告される予定で、約1500億円にのぼる巨額となる見込みで、建設費膨張問題について、活発な論議が展開されるのは必至とみられる。
 焦点となる地下鉄東西線は、市交通局建設分で1840億円が2690億円に、市が出資する第三セクターの鉄道事業会社「京都高速鉄道」で610億円が1250億円に、それぞれ総事業責の見直しが行われる。
 当初計画の計2450億円に対し、約1500億円にのぼる超過で、市会では、代表質問のほか、委員会審議では、当初見込みの甘さや工程管理について、厳しい追求が展開されよう。
 会期は来月22日までの33日間。24、25の両日に各党の代表質問を行ったのち、普通、事業予算特別委員会を設置して、28日から予算案審議に入る。(京都新聞)
■企業会計
 京都市は17日、市バス、地下鉄、上水道、下水道の4公営企業会計の1994年度当初予算案を発表した。不況の長期化でほとんどが単年度赤字を余儀なくされるだけでなく、市バス、地下鉄、下水道は累積赤字がさらに膨らむ見込み。特に地下鉄は東西線建設費の大幅な見込み違いで、国や一般会計の援助が不可欠な状況に陥る。下水道は、本年度中に市街化区域ほぼ全域の敷設を完了する。
 【市バス】走行キロ数や在籍車両数はほとんど変わらない。平安建都1200年記念イベントなどで旅客数は1日46万2000人と前年度より4000人多く見込む。
 しかし、収入335億3000万円に対し、支出は390億9000万円。経常収支では人件費の増加などで27億円の赤字、累積欠損金は、38億5000万円で前年度見込みの約3倍となる。資金的にも36億円の不良債務が発生する。
 用地の有効利用では、北区の「キタオオジタウン」が完成する。経営健全化計画を策定して中長期の経営改善策の推進を目指す。
 【地下鉄】東西線建設総事業費を2450億円から3940億円へ、公式に見直す。建設費用の大幅増加で、収支の一層の悪化は避けられない。
 予算規模は、収入105億5000万円、支出895億3000万円。経常収支では減価償却費や利息の支払い負担が大きく、98億5000万円の赤字となる。累積欠損金は462億5000万円の見込み。
 資本収支(建設改良費)は東西線建設に445億6000万円、烏丸線北伸に53億8000万円、出改札機改良などに18億7000万円。不良債務は46億5000万円となる見込み。東西線では、市直轄分の850億円の超過が大きくのしかかってくる。(京都新聞)
■膨らむ「借金財政」 地下鉄事業費増大 信頼の回復が急務
 〔解説〕京都市の新年度一般会計当初予算案が17日、発表された。昨年夏に再選を果たした田辺朋之市長は、各種基金を取り崩し、市債という借金で財源をやりくりして、2期目の意気込みを示した。
 平安建都1200年本番を迎え、新たなまちづくりの基礎となる記念事業の継続に力を注ぐ一方、お年寄りの福祉の充実や古都の景観対策にもしっかり目配りしている点は評価したい。
 予算額が小さく、目立たないが、次代をにらんだ布石も随所に打たれている。京都特有の文化・芸術振興計画の策定や、都心定住プラン策定、都市再生・創造研究から、地下利用ガイドライン策定調査まで多彩な種をまいた。時を得て結実するのを期待したい。
 しかし、課題も表面化した。地下鉄東西線の総事業費がやっと見直された。1500億円もの超過は、市民感覚では理解に苦しむ。1年前に、工期の2年近い延長を市会で報告したばかりである。納得できる説明と展望が求められる。
 地下鉄事業費増大は、だだでさえ乏しい財政に早くも影を落としている。地下鉄事業への建設出資金・補助金や第三セクターへの出資が増えた。その分、他部門へのしわ寄せがあったわけだ。(政経部 黒田清喜)(京都新聞)
■社説 建都に取り組む京都市予算案
 京都市の1994年度(平成6年度)予算案がまとまった。一般会計6641億円や交通事業会計など総額1兆5050億円の規模である。
 今年はいうまでもなく平安建都1200年の記念すべき年であり、全力を挙げての取り組みが求められる。さらに昨年再選された田辺市長にとっては2期目のスタートを切る大事な予算だ。
 建都記念事業は本番を迎え、すでにさまざまなイベントもスタートしている。何としても成功させねばならない。本年度予算に引き続きイベントなどに多くの予算を計上しているのは当然とはいえ、機運盛り上げに物心両面で一層の支援が必要であろう。
 10年前に提案された記念事業のうち、主なものはこれまでに実現へ着実な歩みを見せているが、残されていた世界人権問題研究センターの設立がようやく着手の運びとなった。英知を集めて「世界文化自由都市」京都にふさわしい充実した内容を期待したい。
 田辺市長の看板である健康都市づくりも前進をみた。高齢者保健福祉計画の策定に伴って高齢者対策にさまざまな新施策を盛り込んだ。生涯学習への取り組みも意欲的である。
 大都市の中で京都市の高齢者比率は高い。これからの日本社会のあり方を考えるとき、医師出身の強みを生かして全国の模範ともなるべき施策分野を確立してもらいたいものだ。
 その一方で京都市の人口は減り続けており、都心の定住促進策や経済振興策が急務となっている。このためには若者にとっても魅力がある都市とすることが必要だ。産業を盛んにし、雇用機会を増やしていかねばならない。
 きものなど伝統産業の振興で、これまでの生産者対策だけでなく消費者を重視した施策に力を入れているのは地道だが長い目で見て効果を期待できよう。
 大学と協力したまちづくりは京都ならではのものである。大いに知恵を絞ってさらに文化芸術の振興や修学旅行客誘致を図ってもらいたい。
 景観保全は難しい課題であるが、新たにきめ細かな対策が講じられようとしている。市民との対話を大切にしながら日本の文化遺産を守っていこう。
 田辺市長は初当選以来、市民感覚を取り入れて「開かれた市政」へ市職員の意識を変えることが期待されてきた。
 その観点からも地下鉄東西線の建設費増大を巡る経過は不透明だ。従来の閉鎖体質的なものが感じられる。ただでさえ京都市の財政基盤が弱いことは職員ならずとも周知のことである。
 今回の予算は税収の落ち込みで基金を大幅に取り崩してようやく編成した。こうしたずさんともいえる資金計画が他の施策に及ぼす影響は大きい。思い切った職員の意識改革が肝心だ。
 建都事業と併せて新世紀の京都を目指す「平成の京都策」新基本計画実現へさまざまな施策を盛り込んでいる。だが、その割に明確なイメージが浮かんでこない。まだ健康都市、文化首都など言葉だけが先行しているきらいがある。
 ハード事業に追われ、建都1200年後の都市像についてはなお模索の状態が続いているように思える。またこのままでは財政的に行き詰まるのではないかと心配だ。財源問題を含めて早急に方向性を明示することが求められよう。(京都新聞)
■C62 1号機が来た 「女王」化粧直し夏展示 梅小路蒸気機関車館
 「SLの女王」と呼ばれた蒸気機関車の「C62」の1号機がJR西日本広島支社から下京区の梅小路蒸気機関車館に運ばれ、17日に組み立てが行われた。
 「C62」の1号機は1948年に製造され、翌年にかけ計49両が造られた。長さ21.5b、1620馬力、最高時速129`で、当時、最大、最強の蒸気機関車だった。
 1号機は主に山陽線を走り、67年に引退するまでに、地球52周分の208万3520`を走った。旧国鉄広島鉄道管理局の準鉄道記念物に指定され、76年から広島市にある広島鉄道学園に展示されていた。ところが、国鉄の分割民営化で、学園は87年に閉校になり、以後、1号機は雨ざらしになっていた。国鉄清算事業団が学園の跡地を整地し、94年度には売却するため、展示場所がなくなり、梅小路蒸気機関車館で保管、展示をすることになった。
 17日は、炭水車、動輪、ボイラーの3つに分解されて運ばれた1号機のうち動輪、ボイラー部分が取り付けられた。今後、整備、化粧直しをして、早ければ7月には展示したいという。(朝日新聞)
■北海道のJR不採用で中労委 全動労にも救済命令 一部に不当労働行為
 国鉄の分割・民営化の際のJRへの不採用問題で、中央労働委員会(中労委、萩沢清彦会長)は18日、全国鉄動力車労働組合(全動労、三浦隆雄委員長、1400人)の北海道の紛争について、国鉄精算事業団を解雇された全動労組合員(全動労調べで64人)を対象に、JR北海道とJR貨物が改めて当時の採用基準に基づいて選考した上で、採用するよう求める救済命令を出した。
 この命令は、中労委が昨年12月に国労の北海道の紛争について出した命令と同様の内容で、最大の争点とされた国鉄とJRの関係では、国鉄の不当労働行為の責任はJRが負う」とした上、採用手続きに関し「少なくとも一部に不当労働行為があった」と判断した。国労の九州の紛争でも同様の判断が踏襲されるとみられる。
 JR側は、国労の北海道の紛争では、中労委命令の取り消しを求める訴訟を起こしており、今回の命令に対しても同様の対応をする可能性が高い。
 この紛争ではJR側が「国鉄とJRは全く別法人であり、JRには責任はない」と主張していたのに対し中労委命令は、JR設立委員を介在させる形で国鉄とJRの事実上の一体性を認め、JRに当事者適格があると判断。
 その上で命令は@採用の基準となった職員管理調書の項目は、全動労組合員に低い評価が与えられる仕組みになっていたA全動労と他組合との間で、採用率に著しい格差があった−などから、一部については不当労働行為があったと結論付けた。
 救済対象者について中労委は、平成2年4月に国鉄精算事業団を解雇された人に絞った。人数は明示していないが、全動労側は64人になる、としている。
 救済方法は、JR設立委員が提示した採用基準を参考に改めて選考。採用者は昭和62年4月にさかのぼって職場に復帰したことにし、3年以内に就職させるよう命じた。採用者に対し、平成2年4月から就職するまでの間の賃金相当額の60%を支払うよう求めている。(京都新聞 夕刊)
19日■JR京都駅 南北結ぶ直通通路 市街地分断を回避 新駅ビル建設と歩調合わせ具体化 京都市94年度当初予算に計上
 JR京都駅の改築に伴って京都市は、歩行者が新駅を自由に通行できる新たなルートとして「京都駅南北自由通路」の整備に着手する。18日の市会本会議に提案された1994年度(平成6年度)一般会計当初予算案に、7億6800万円を計上、新駅ビルの工事と歩調を合わせて具体化する。
 現在の京都駅で、歩行者がJRの切符を買わずに、同駅を横断するには、地下鉄京都駅のコンコースを経由して、大きく東側にう回するしか道はない。駅の北口広場から、南口広場に歩行者が移動する新たな南北自由通路の設置は、市街地の南北分断を回避、都市としての一体的な機能を高めるためにも、改築計画が持ち上がった当時からの懸案となっていた。市とJR西日本で、検討を重ねていたが、建設費用の負担割合などについて、このほど協議がまとまった。
 通路は、おおむね室町通の延長線上に設けられる。北口広場から新駅ビルの中をくぐり、使用中の乗り換え陸橋付近を通って、新幹線の2階コンコースから南口広場に到る。
 長さ約240b、幅12b。総事業費は約58億円かかり、市とJRで等分する。96年度の新駅ビル完成時に同時に供用を開始する。
 また、自由通路の設置に伴い、通路の東側に橋上駅舎と乗り換えの陸橋が、新たに建設される予定。(京都新聞)
■超一等地にはゴルフ練習場 大阪駅北の大鉄局跡 高すぎて売れず 日銭稼ぎの賃貸 清算事業団
 JR大阪駅のすぐ北側にある旧国鉄の大阪鉄道管理局跡地に、東京ドームに似た形のゴルフ練習場が6月中旬にも建設される。土地を管理する国鉄清算事業団が18日に開かれた資産処分審議会に「土地の貸付」を諮問して了承された。約27兆円もの借金を抱える清算事業団は当初、この都心の一等地を売却して返済に当てる方針だった。しかし、不況下に公示価格でも約2500億円という高さが災いして、めどが立たず、「野ざらしよりは」と、日銭が稼げるゴルフ練習場への賃貸を決めた。
 甲子園球場の半分程度という約2万平方bの土地を、まず清算事業団全額出資の子会社に貸し付け、その子会社が約1万1000平方bを、ゴルフ練習場を経営する東洋不動産(本社・大阪市中央区)に、3月1日から来年3月末までという期限付きで又貸しする。
 東洋不動産の計画では、開業は6月。ボールや打球音を外に出さない屋内練習場で、テントを空気で持ち上げる「エアドーム」型とする。設計では3階構造で77の打席を持つという。料金は賃借料の高さからかなり割高となりそうだが、勤め帰りの会社員らを中心に月2万人の利用を見込んでおり、「24時間営業」も検討している。
 国鉄時代の借金は約37兆1000億円。このうち、清算事業団負担の借金は昨年度末で26兆6000億円。その返済原資は、全国約9000fの遊休地とあって、大阪駅前の土地も売却したかったが、「不況で投資意欲は薄れ、自治体も税収不足」(近畿支社)のため、窮余の策となった。(朝日新聞)
■レトロ京都市電、浪速を走る 鈍足・独特の騒音・木目模様の床 高校生ら企画 あす午後発車
 古都の交通のかなめとして活躍した京都市電を大阪の高校生らが借り切り、浪速の街を走らせる。活躍の場を失って大阪の鉄道会社車庫で眠ったままだった2台の市電にかつての元気な走りを取り戻してやろう、との試みで、出発は20日午後1時。レトロ調の市電が沿道のファンの目を楽しませそうだ。
 チャーターしたのは、堺市立商業高校2年吉田修三君(17)が主宰する「京の市電をしのぶ会」。平安建都1200年に当たる記念の年に廃車寸前の市電の復活を計画した。仲間の大学生や専門学校生らのメンバーら約30人が2000円ずつ出し合い、阪堺電気軌道(本社、大阪市)から借り受ける。
 運転は同軌道に任せ、年後1時に大阪市阿倍野区の同軌道天王寺駅前駅を1台で出発。途中で別の車両に乗り継ぎ、堺市の浜寺駅前駅までの往復約26`を、のんびり約2時間楽しむ。
 京都市電は1912年(明治45年)に運行を始め、昭和中期には1日に約60万人を運ぶ活躍を見せた。その後、自動車が街にあふれ、78年9月に歴史の幕を下ろした。
 阪堺電気軌道は同月、京都市電の1800型車両を6両購入。80年ごろまで市民の足として活躍させた。現在は3両が残っているが、出番は他の車両の故障時などのピンチヒッターに限られ、車庫に保管されている状態。同社は新型車両の導入に伴い、これらの旧市電車両を徐々に廃車する意向という。
 吉田君は「車両の壁や床が木目模様で落ち着きがあり、いかにも京都の電車といった感じ。動き出すと騒音は激しいくせに、スピードはゆっくり。乗り込むと時代がさかのぼるような錯覚に陥るのがこの電車の魅力です」と話している。(朝日新聞)
■石油タンク敦賀に基地 日本海側で初
 大日本インキ化学工業、JR貨物と三菱商事共同出資の敦賀ターミナル準備会社(本社・東京)は18日、福井県敦賀市金ヶ崎町の敦賀港隣接地に、本州の日本海側では初めての石油化学製品のタンク基地を建設する、発表した。
 韓国や台湾から輸入する石油化学製品の中継基地として計画された。タンク6、7基(総容量1万`リットル)に、トルエナやフェノールなど、塗料や接着剤の原料となる石油化学製品(誘導品)を貯蔵する。約1.7fの敷地はJR貨物の用地を借りる。総工費約14億円で今夏から建設し、来年秋の操業を目指す。(朝日新聞)
■列車でペアマッチ クイズの参加者募る 来月、宮津駅を出発
 北近畿タンゴ鉄道(事業本部・宮津市)は3月20日、「第1回KTRクイズ列車おもしろペアマッチ」を実施する。参加者を募集している。
 同日午後2時に宮津駅を出発し網野駅までを往復する列車内で、クイズに答えてもらおうという初めての試み。参加資格は小学5年生以上の2人1組。参加費は1組3000円。はがきに2人の住所、氏名、年齢、職業または学校、学年、電話番号を書き、21日から3月8日までに〒626宮津市鶴賀、同鉄道事業本部イベント係へ。募集は22組みで、多ければ抽選。電話は0772-25-2323。(朝日新聞)
■懐かしい京都市電走る あす大阪で のんびり20分 建都1200年記念 高校生らが企画
 京都市民の足として長く活躍、1978年10月に全面廃線となった旧京都市電が20日午後、阪堺電車天王寺駅(大阪市)と浜寺駅(堺市)間を走る。平安建都1200年を記念して大阪の高校生らが「記念走行会」を企画した。走行するのは京都市内をくまなく走っていた1800型の2両。乗車客には、各地に譲渡された市電のその後を追跡した手作りの記念冊子も配布する。
 企画したのは堺市庭代台、吉田修三君(17)=堺市立商業高絞2年=が主宰する「京の市電をしのぶ会」。当日は、阪堺電気軌道(大阪)に譲渡され、保存されている1800型を運行させる。
 阪堺電鉄は、旧京都市電の車体を白色に塗装するなど改良し、恵美須町−浜寺駅間で運行していた。しかし、老朽化などの理由で昨年初め運行を停止、一部は米国などに譲渡したが、他の3両は保存している。
 吉田君は、幼いころから堺市内を走る旧京都市電に親しんできた。しかし運行が停止されたのを惜しみ昨年夏、「京の市電をしのぶ会」をつくり、10月には第2回乗車会を開いた。20日は特に平安建都1200年の協賛イベントとして開催、2000円で、だれでも先着順で乗車できるようにした。
 当日は、天王寺駅で出発式のあと、第1記念電車が午後1時に出発、20分後、あびこ道車庫に到着する。第2記念電車は午後2時半、浜寺駅を出発、午後3時15分に天王寺駅に着く。吉田君は「京都らしい独特の丸みや気品に魅せられ、譲渡された電車を追って全国に出向いた。記念運行で市電ブームに再び火がつき、1両でも多くの現役車両が残ってくれるとうれしい」と話している。
メモ 京都市交通局は、市電の廃線後、66車両のうち44を売却、残りは処分した。広島電鉄(広島)、伊予電鉄(愛媛)に譲られた車両は現在も運行している。(京都新聞 夕刊)
21日■次世代新幹線 異なる開発思想 主役争いし烈 STAR21・JR東日本 WIN350・JR西日本 300X・JR東海
 「力行(りっこう)6ノッチ、最高速試験開始」。JR東日本が開発中の次世代新幹線STAR21のノッチ(アクセル)が、手前いっばいに引かれた。VVVFと呼ばれる新型モーターは約260dの車両を苦もなく時速400`まで加速させる。車内にはきしみ音が響き、壁が空気圧でたわむ。そして425`。昨年12月、STAR21は上越新幹線の浦佐−新潟間のやみの中でフランス国鉄TGVの515.3`に次ぐ世界第2位の記録を達成した。
 新幹線は今年10月で満30歳。 0系と呼ばれる初期モデルから始まり、つばさの400系まで5種類の新幹線が走る。現在の営業最高速度は上越新幹線あさひの275`。JR各社では時速300`台の営業速度を目指した次世代新幹線の開発が進む。
 JR東日本はSTAR21、西日本はWIN350、東海は300Xと名付けられた新・新幹線が、それぞれ異なった開発思想で次世代の主役を狙っている。
 「STAR21は車でいえばF1。実験成果は営業車の改良に役立てます」とゆったり構えるのはJR東日本。より軽く、速く、低騒音で安全に−と限界へ挑戦するSTAR21は「21世紀をにらんだ試験車」だ。
 WIN350の車内に青い信号灯がともり「時速300`。アクティブサスペンション始動」のアナウンス。メモも取れないほどの揺れが引き潮のように収まる。揺れから感じる体感速度は時速200`程度か。アクティブサスペンションは空気バネや油圧バネをコンピューターで制御し、車体の揺れを最小限に抑える仕組みだが、列車への本格導入はWINが初。
 JR東海の300Xは「のぞみ」後、それも「地上設備を含んだ新幹線システム全体の変革」をにらんだ試験車。車両の完成は今年末だが、同社技術本部の木俣政孝主幹は「車体だけでなく軌道、信号、送電方式まで、新たにした新幹線を模索したい」と語る。(京都新聞)
■「昇降機・トイレ不足」 JR京都駅 障害者視察 全障研向け改善訴え
 今夏に京都市で開かれる全国障害者問題研究会第28回大会に向けた大会準備委員会(芝田徳造委員長)が20日、JR京都駅を訪れ、車いすの障害者らと一緒に構内の施設を視察した。エレベーターがなく、トイレも不足していることなどがわかり、大会準備委はJR側に改善を求めていきたい、と話している。
 大会には全国から約3000人が参加、うち障害者は1割で、車いすの人は約100人と見込んでいる。駅が現在改築中であり、大会期間中、JRを利用する障害者の利便と安全性を知ろうと企画した。参加したのは車いすの障害者3人と視力障害者1人のほか、事務局スタッフら計10人。JR西日本京都駅の宇山巌助役らが案内した。
 車いすの人が烏丸口から新幹線の八条口までいくには、荷物運搬用エレベーターを使うしかない。普通エレベーターがないからだ。
 エレベーターは地下1階まで降り、荷物運搬用の通路を渡るが、途中で管轄がJR東海になっており、付き添いが同社の社員に代わる。障害者用のトイレは烏丸口、八条口の両入り口と構内の計3ヵ所しかなく、構内のトイレはドアが壊れて使えない状態だった。
 車いすで参加した福祉法人「太陽の家」の伊藤寿子さん(27)は「設計の段階から障害者の意見を採り入れ、健常者の人も両方使えるように作ってほしい」と話していた。(朝日新聞)
22日■JRの通学定期割引率 外国人学校格差なくす 一般学校と同一に 4月実施 対象2万2000人
 JRグループ旅客6社は21日、朝鮮人学校などの外国人学校の通学定期券の割引率を4月の新学期から一般の日本人が通う学校と同率にし、また専修学校の一部も高校生と同じにすると発表した。JRでは22日にも運輸省に認可申請するが、この割引は現在、細分化されているJRの通学定期運賃を一本化するための暫定措置としている。対象となる学生・生徒は全国で約2万2000人で試算によると、今回の措置で約2億4000万円の減収になるという。
 これまでJRは朝鮮人学校など学校教育法上各種学校とされる外国人学校に対し中学・高校生も大学生と同じ通学定期運賃を設定し、小学生はその半額としてきた。
 一方で、一般の日本人が通う国、公、私立学校に対しては高校生が大学生の1割引、中学生が3割引の制度があり、小学生は大学生の半分かさらに3割減額になっている。
 今回の措置で、朝鮮人学校やアメリカンスクールも学校教育法一条が定める学校と同率の割引率になる。
 また、簿記や服飾など大学入学資格のある専修学校も、一般の高校生と同率の学割定期が購入できるようになる。
 現在、私鉄の学割定期制度は小学生と中学生以上の2種類しかないがJRの場合、1968年の国鉄運賃値上げの際、学校の種類によって率の異なる複雑な割引制度が導入され現在まで続いている。
 JRは「全国専修学校各種学校総連合会などからの強い要望があった。運賃改定時に一本化の見直しをするつもりだったが、しばらく改定の予定もないので暫定措置として踏み切った」と話している。(京都新聞)
■クイズ列車走らせます KTR ペアで応募を
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)は21日から、3月20日に開催する第1回「KTRクイズ列車おもしろペアマッチ」の参加者を募集している。
 同企画は、KTRを多くの人に親しんでもらうのが狙い。貸し切り列車で宮津と網野を往復する約2時間の間に、KTRや沿線地域のことなどをテーマにクイズを行う。
 参加対象者は、小学5年以上で2人1組とする。はがきに2人の氏名、住所、年齢、職業、電話番号、チーム名などの必要事項を記入のうえ、〒626宮津市鶴賀、北近畿タンゴ鉄道事業本部イベント係まで郵送で申し込むこと。詳しい応募要項はKTRの有人駅に設置。応募者多数の場合は、抽選する。参加費用は1組3000円(乗車券代込み)。締め切りは、3月8日(当日消印有効)。
 問い合わせは、同事業本部企画課0772(25)2323へ。(京都新聞)
■東海道新幹線の全駅禁煙 所定場所以外は来月から
 JR東海は21日、京都駅、米原駅など東海道新幹線のすべての駅を3月1日から所定場所以外禁煙にする、と発表した。すでにJR西日本で、同じ日から在来線を含む全駅で実施する計画を明らかにしており、これで京滋のJRすべての駅が喫煙コーナー以外ではたばこを吸えなくなる。
 東京−新大阪間の新幹線16駅全部で、各ホームに2、3ヵ所コンコースに1、2ヵ所ずつの喫煙コーナーを設置、それ以外は終日禁煙とする。今後ポスターなどで乗客に協力を呼びかける。(京都新聞)
■JR山陰線 強風で一時ストップ
 JR西日本福知山支社は、21日昼前から兵庫県城崎郡香住町、山陰線余部鉄橋の強風のため一時、列車の運転をストップするなどした。
 この影響で普通列車6本が豊岡−浜坂間など一部区間で運休したほか、倉吉発京都行き上り特急「あさしお10号」など列車約30本が1時間20分〜30分遅れ、乗客約3000人の足が乱れた。(京都新聞)
■JR通学定期券の格差是正 喜びの反面、遅すぎた 朝鮮学校 運動6年やっと JRの腰の重さ痛感
 日本の小、中、高校生と朝鮮学校生などの間のJR通学定期の料金格差をめぐっては、問題の当事者である朝鮮学校側が約6年間にわたって是正を求める運動を続けてきた。今回の決定はJR側がこれに答える形で実現したもので、朝鮮学校関係者は運動が実ったことを喜びつつも「JRの腰の重さ」を改めて実感している。
 運動の中心となった大阪では、大阪府本部が約4ヵ月間で集めた署名約17万人分を今年JR西日本に提出したばかり。そのうち約4万2000人分は、東大阪市の大阪朝鮮高級学校の生徒たちが、放課後、駅や街頭に立って集めたものだ。
 JR鶴橋駅前で署名を集めた同校2年の高哲守君(17)は、「日本の高校生が一緒に集めてくれたのがうれしかった」と振り返る。
 料金格差問題については、一部でJR側が、現行の小、中、高校生、大学生別の料金体系を、私鉄方式(中学生以上と小学生以下)にする簡素化と格差の是正を同時に行うとの見方がされ、朝鮮学校側は「われわれの運動のせいで日本の中・高校生の定期が値上がりしたと受け止められ、新たな差別につながる」との懸念を示してきた。
 決定は、簡素化に先立つ暫定措置として格差の是正を行うもので、「まず、日本の学校と平等な扱いをしてほしい」という朝鮮学校側の願いを聞き入れた形だ。
 同校の兪基奉副校長は、「全国高校総体の門戸解放は4年、通学定期は6年かかった。今回の決定を励みに、国立大学の受験資格がないことなど、残る諸問題に取り組みたい」と語っている。
・明るいニュース/差別解消へ前進/当たり前のこと
 【京都朝鮮中高級学校・姜昌浩校長】この学校では、滋賀県から通う30人のうち、14人がJRで定期通学しており、父母の負担が大きい。もっと早く実現すればなおよかったが、今回の措置は父母らに明るいニュースだ。今後、すべての差別解消に進むのを期待したい。
 【在日本朝鮮人総連合会京都府本部・柳球采副委員長】全国で運動を展開し、京都でも署名活動などに取り組んできた。JRの決断は遅きに失したとはいえ、差別是正への前進となる朗報だ。他の面でも学校教育法一条校に準じた扱いを求める私たちの要望実現への一歩と受けとめている。
 【韓国民団京都府地方本部・張寿■事務局長】 各種学校だから、という理由だったが、JRはその気があれば、いつでもできたのではないだろうか。国際化という掛け声を持ち出すまでもなく、在日韓国・朝鮮人生徒らには、日本人並みの条件で、民族教育を受ける権利があるはず。うれしく思う反面、当たり前のことをしてもらったと思う。
 【京都韓国学園・■昌淳事務長】旧国鉄時代から要請していたことで、当たり前のことが要約認められた。むしろ遅すぎた。日本社会では、こうしたことはなかなか気付いてもらえない。民族学校や団体などが声を出し続けた成果と思う。今後は、民族学校に対する「私学助成」や免税措置などが進展することを期待したい。(京都新聞)
■低気圧進み北日本大荒れ 新幹線など速度規制
 台風並みに発達しながら日本の東海上を北上した低気圧は22日朝、北海道沖に進み、北海道、東北など北日本を中心に風雨が強まり、海、山とも大荒れになった。このため東北、上越新幹線や高速道路が速度規制されるなどの影響が出た。
 気象庁によると、低気圧は22日朝、北海道・釧路の南東海上にあって、中心気圧は958ヘクトパスカルとさらに発達した。
 北海道、東北の太平洋側では強い雨が降り、北海道の網走では降り始めから27日午前7時までの雨量が111_に達した。
 また、北海道から関東の広い範囲で30bを越える突風が吹き荒れ、栃木県の日航では午前3時50分に最大瞬間風速38.3bを記録。海上も波の高さが6〜9bと大しけとなった。(京都新聞 夕刊)
■外国人学校生徒の割高定期 4月から格差解消 JR6社 国鉄時代以来26年ぶり
 JRグループ6社は21日、朝鮮学校など外国人学校の児童・生徒や高等専修学校の生徒の一部に対しても鉄道通学定期運賃の割引制度を適用することを決めた。運輸省の認可を得て4月から実施する。現行の制度ではこれらの児童・生徒の通学定期運賃は学校教育法上の小学、中学、高校生に比べ割高で、関係団体などから是正を求められていた。国鉄時代にできた通学定期の運賃格差が26年ぶりに解消されることになる。
 JRの通学定期運賃は大学生、専門学校生など大人を100とした場合、高校生はその10%引き、中学生は30%引き、小学生は65%引き、幼稚園など小児は50%引き、とすることを各社の約款で定めている。
 だが、朝鮮学校などの外国人学校や専修学校、各種学校に対しては「学校教育法一条で定める小・中・高校ではない」として12歳以上は大人扱いで割引ゼロ、それ未満は50%引きにとどめている。
 JRによると、新制度ではこの約款を改めて適用の範囲を広げる。
 具体的には@中学卒業者を入学資格とする高等専修学校のうち文部省から大学入学資格を付与されている3年制の高等課程(276校、約6万人)の生徒を高校生と同じ割引率とするA各種学校扱いの外国人学校の児童・生徒は、学年によって日本人と同じ初等教育開始から6年目までが小学生、9年目までは中学生、12年目までが高校生と同じ割引率にする。
 この結果、初・中・高級部の6・3・3制になっている在日朝鮮学校はそのまま日本の小・中・高と同じ割引率になる。
 JR側の試算によると、新たな割引対象となるJR線の利用者は全国で専修学校生が約1万4000人。外国人学校生が8000人で、その約7割が朝鮮学校生。(朝日新聞)
23日■社説 JR定期運賃は見直されたが
 朝鮮学校など外国人学校の児童・生徒らのJR通学定期運賃が割高になっている問題で、JR旅客各社は一般の小、中、高校との格差をなくすことを決めた。批判が強かったJRの「運賃差別」はようやく解消に向かうことになる。
 JR各社は運輸省に認可申請、4月の新学期から新しい制度を導入する。朝鮮学校などからの批判にこたえた形だ。JR側の対応の遅れ、腰の重さは否めないが、一歩前進と歓迎したい。
 児童や生徒の通学定期はJRと他の私鉄では方式が異なる。私鉄の制度は小児(小学生以下)と大人(中学生以上)の2種類だけ。しかしJRは国、公、私立学校に対しては高校生が大学生の1割引き、中学生は3割引き、小学生の場合はさらに大幅に割り引いている。ところが朝鮮学校やアメリカンスクールなど外国人学校、専修学校、各種学校は学校教育法の「各種学校」であることを理由に、割高の通学定期運賃制を設けている。つまり中学・高校の年齢の生徒は大人扱い、小学生の年齢の児童はその半額という制度である。
 「外国人学校は学校教育法1条に定める小、中、高校ではない」を根拠にした措置である。1980年代末、朝鮮学校関係者の間から「民族差別を助長する制度」との批判が起き、京都など西日本府県を中心に差別撤廃運動が広がった。さらに専修学校関係者からも是正を求める要望が強まっていた。
 「一条校」であるか否かによって、通学定期運賃に歴然と格差を設けること自体、矛盾を内包していたと言わざるを得ない。当該の学校関係者から批判が出たことは当然である。JRとしては民族感情や世論に遅ればせながら耳を傾けたものと思われる。
 新しい通学定期運賃では、外国人学校のほか大学入学資格のある専修学校について一般学校と同率の割引率が適用されることになる。全国の対象児童・生徒は2万4000人にのぼるという。
 このような格差運賃が導入されたのは旧国鉄次代の68年だ、実に26年も格差が生き続けたわけである。今回の是正措置について関係者は「全国高校総体の門戸解放に4年、通学定期に6年間」と、運動の成果を振り返っている。流れが変わりつつあることは事実だが、その歩みは決して早いとはいえない。
 朝鮮学校から国立大学への受験資格の認定、高体連への正式加盟などが今後の懸案課題だ。学校教育法の「一条校」か「各種学校」かにからむ議論であり、底流は同じである。通学定期運賃問題は何を問すかけたのか。一つの風穴となるかどうか見据えるべきだろう。(京都新聞)
■地下鉄建設費問題で市会各会派に要望書 京都消費者団体協
 京都市の地下鉄東西線建設費の膨張問題で、京都消費者団体連絡協議会(原強事務局長)は22日、田辺朋之市長と市会各会派に対し、建設費膨張の実態と理由の公表、安易な料金転嫁は許さない、などとする内容の要望書を提出した。
 同協議会は、東西線の完成が予定より2年遅れとなったうえ、建設費が当初計画を大幅に膨張した責任は重大である、と指摘。当事者責任と管理責任の所在の明確化、一般会計からの繰り入れや利用料金増額をせず、市民の理解を求めるよう要求している。(京都新聞)
■先生、トイレでビデオ JR神戸駅 女性を撮影した疑い
 神戸市長田区内の小学校の男性教諭(35)が、JR神戸駅構内の女子トイレにこもってビデオ撮影しているのを兵庫県警の捜査員に見つかり、軽犯罪法容疑の疑いで神戸地検に書類送検されていたことが22日分かった。
 調べによると、男性教諭は1月29日午後7時ごろ、同市中央区のJR神戸駅構内の女子トイレに女装して進入し、個室のしきりの下のすき間から、隣に入った女子店員をビデオで撮影した疑い。
 女子店員が「のぞかれている気がする」と駅員に連絡。駆け付けた鉄道警察隊員が中にこもっていたワンピース姿の「女性」を調べたところ、男性教諭と分かった。教諭はビデオ撮影していたことを認めている、という。
 同教諭は事件後、「一身上の都合」を理由に校長に辞表を提出し、今月14日付で受理されている。(朝日新聞)
■「特急味めぐり」も発車 北近畿タンゴ鉄道 春の臨時列車運行
 北近畿タンゴ鉄道(事業本部・宮津市)は3月1日から春の臨時列車を運行する。4月29日からのゴールデンウイークを中心に6月末までの間、京阪神方面からのグルメ、観光旅行客の足を確保するという。臨時列車の総数は322本で、昨シーズンより2本増えている。主な臨特列の通り。
 【特急味めぐりタンゴエクスプローラー】大阪発12時7分(京都・福知山・宮福線経由)久美浜着16時2分=3月5日▽久美浜発13時14分(宮福線・福知山・二条経由)大阪着16時48分=3月6日【特急タンゴエクスプローラー81号】大阪発7時35分(京都・福知山・宮福線経由)久美浜着11時19分=4月29日−5月5日【同82号】久美浜発13時14分(宮福線・福知山・二条経由)大阪着16時48分=同
 【特急エーデル丹後】大阪発10時5分(福知山線・宮福線経由)天橋立着12時31分▽天橋立発16時41分(同)新大阪着19時18分=4月3、9、10、16、17、22、28、29、6月4、5、11、12、18、19、25、26日
 【急行丹後82号】天橋立発17時58分(西舞鶴・綾部経由)京都着20時51分=5月4、5日【快速みやづ】大阪発9時7分(福知山線・宮福線経由)天橋立着12時4分=3月1日−6月30日▽天橋立発15時12分(同)大阪着17時56分=同(上下ともJR線内は急行)(朝日新聞)
■強風で山陰線乱れる 余部鉄橋通行見合わす
 23日午前3時40分ごろ、兵庫県城崎郡香住町の余部鉄橋で20bを越す強風が吹き、その後も断続的に続いたため、JR西日本福知山支社は、同鉄橋の列車の運転を見合わせた。
 この影響で大阪行き特急はまかぜ2号が2時間半、京都行き特急あさしお4号が50分遅れたほか、普通列車5本が一部区間で運転を取りやめた。同支社では、香住駅−浜坂駅間にバス4台を運転、乗客を運んだ。(京都新聞 夕刊)
24日■地下鉄工費膨張を追求 きょうから京都市会
 京都市の2月定例市会は24日から各党の代表質問がスタート、焦点の地下鉄東西線建設費の膨張問題を巡る本格的な論議に入る。事業費が当初計画を約1500億円上回る3940億円に膨れ上がった原因や不足する財源の手当て、さらには一般会計を含めた市財政に及ぼす影響などについて厳しいやりとりが予想される。
 論議の中心は、まず京都市交通局の直轄工事分で2690億円(当初計画1840億円)、市が出資する第三セクターの鉄道事業会社「京都高速鉄道」で1250億円(同610億円)にのぼる東西線建設費の膨張がなぜ生じたのか。また、運輸省の許可を得るために当初計画額を絞りこんだとされる点 についても、国の許認可問題も含めて論議になりそうだ。
 さらに1年前の市会で工期延長を表明した1996年(平成8年)末までに工事が完了できるのか。国の補助金を含めた財源確保の見通しや、料金への跳ね返り、建設費見直し公表の遅れなどについても、質問が集中するとみられる。
 本会議での代表質問は24、25の2日間行われ、続いて28日から3月16日まで予算特別委員会で審議が行われる。(京都新聞)
■地下鉄 京都市会 市財政に危険な”落とし穴” 建設費膨張問題を洗う
 1500億円にも及ぶ超過はなぜなのか。平安建都1200年記念事業のメーンプロジェクトとして着工から5年、昨春に工期の延長修正が行われて以来、初めて市民の眼前に明らかになった建設費の膨張は、あまりにも巨額だった。
 京都市は市長をトップに「東西線建設事業点検・推進委員会」を発足させ、事業の徴底的な洗い直しを始めはしたが、「巨大な穴」は景気の低迷による市税収入の落ち込みに輪をかけ、市財政は深刻な危機に陥りかねない。2月予算市会の焦点となる地下鉄東西線建設費膨脹問題の課題を探った。(政経部・黒田清書 企画報道部・田中雅郎)
・1500億円もなぜ超過? 甘い当初見積もり 繰り返す工法変更
背景 京都市の地下鉄東西線の事業費が当初見込みを1500億円上回り、約4000億円にも膨れるという話は昨夏、市から内々に相談を受けた運輸省鉄道局でも話題になった。
 同局財務課、都市鉄道課の幹部は「事業が非常に長期化すれば別だが、2年延びたと言っても物価騰貴と関係ないし、地質の問題も想像を絶する話ではない。1500億円も膨れるのは異例」「平安建都1200年事業という政治的課題があって、建設費を過少に見積もることがあったとしたら…。そんなことが許されたらどこでもやりだす」と顔をしかめる。
 東西線の建設費が膨れた大きな要因の一つに、大幅な工法変更がある。
 御陵駅で乗り入れる京阪京津線と地下鉄東西線の軌道が並行して地下を走ることになる山科区の御陵東工区。88年3月、オープンカット(開削)工法とパイプルーフ工法の計画で免許申請、91年3月に業者に発注されたが、93年3月には国内初の4本の地下トンネルを掘る「単線四連シールド(トンネル掘削)工法」に契約変更された。
 工法の変更について、浅賀博・市交通局高速鉄道本部副本部長は、京都の道路の狭さと京津線との並行工事を理由に挙げる。「道路が狭くて開削工法では交通渋滞や騒音などの問題が生じ、工期内にできないことがわかった」。事業費は4回の設計変更の結果、60億円から92億円に膨れ上がった。
 受注後に請け負い金額が変更される設計変更は、市交通局の直轄工区でみると、地下埋設管があるため南北2分割工事にした市役所前駅など、すでに18工区中の17工区で行われ、これまでに決算報告されている3億円以上の契約変更だけでも13件に及ぶ。
 第三セクター区間では、90年3月の発注段階から三条京阪駅、御陵駅の2工区で免許時のオープンカット工法を断念し、鋼管で地上の道路・軌道を支えるパイプルーフ工法に変更、4駅の建設費は3倍強に。同区間の建設費はキロ当たり約350億円に膨れた。
 「地下埋設物を無視して設計している。当初、業者側から『こんな条件でできない』と質問が出たら『設計変更することがある』と説明があった。もともと無理だけど、工費を安く上げんと運輸省が認めないという事情があったのでないか」と建設会社幹部。当時、運輸省の許認可に奔走した中坊仁寿治・元交通局管理者は「運輸省サイドからキロ200億円以下に抑えないと、大蔵省に認めてもらえないというように聞いた。短期間に準備したので、絶対(見積もりが)甘くない、とは言いきれない」と重い口ぶりで振り返る。
 関係者によると、土木工事に付きものの設計変更は「単価が安く赤字覚悟」(ゼネコン)と口をそろえる建設業者を、採算的にいくらか救済する側面もあるといわれる。ある受注関係者は「談合疑惑と建設費上昇との関係」を否定しながらも、地下鉄工事が次第にグレードアップしていることを認めた。駅の出入り口が増え、光ファイバー通信も採用されている。
・あと1、2割アップも
課題 駅前の市街地再開発事業と連動する山科駅工区は昨年6月、当初計画より2年遅れでようやく旧三条通の北側で始まった。シールド機械を製作中で、土木工事に入れていない神宮道、東大路の2工区を除けば、工事進ちょく率は最も遅い12%(1月末現在)。
 地下鉄工事で立ち退きが必要な地権者5件のうち2件は、現在も営業中。1件のパチンコ店は12月にも建設中の再開発ビルに移転することになったが、もう1件の飲食店と市都市整備局との移転交渉はまだ合意に至っていない。
 受注企業体の作業所長は「杭(くい)打ち機を2回に分けて搬入しなければならない」と工事用地の狭さを嘆き工程の厳しさを語った。「平成7年末までに構築工事を仕上げるとなると、昼夜の突貫工事をやらねばならない。予定通り年内に立ち退きが終われば、なんとか工期通りにできるが、立ち退き交渉次第」。
 別の工区を受注する建設会社幹部も、京都特有の工事の難しさをこぼした。「道路が狭くてダンプも止められない。作業スペースを借地して特殊な小型機械を使わねばならない。建設単価が実勢価格に合わないから人も増やせない」。
 工期が遅れれば、事業費はさらに膨れるが、そうでなくても、設計変更による工事費の見直しは今後も避けられないとの見方が建設業者の間で強い。「ほかを削っても総額を抑える」と言う山村道弘・市交通局財務部長の決意をよそに、ある建設関係者は正直に吐露した。「こんなんではすまない。あと1、2割アップするのでは」。
・健全化へ難問山積 市の自助努力がカギ
今後 「交通局、市長部局双方が知恵を出し合い、ともに汗をかいて困難な状況を乗り切っていただきたい」。21日、中京区の交通局に出向いた田辺朋之市長は、同局幹部職員を前に、厳しい表情で訓示した。1500億円の超過建設費を、いかに確保して事業を完成させるか。そのために国の補助金増額と市民の理解をどうして得るのか。
 「補助金の増額は、交通局と市当局がどれだけ自助努力をするか。それ次第だ、といわれている」(市交通局財務担当者)。5年前の着工以来、対外的に建設費膨張の具体的な金額が明らかにされたのは初めて。市長訓示は、職員の動揺を抑える意味もあった。
 地下鉄建設の財源は、交通局分の場合、おおまかにいえば、20%を市が出資金として出す。残る80%が補助基本となり、国、市が補助を打ち、残りを企業債で資金調達する。また、第三セクター分は、鉄建公団が国の財投資金を借りて建設、三セク会社が買い上げるシステムとなっている。
 東西線・三セクの資金需要に対応する鉄建公団の資金(P線資金)は、当初600億円の予定であり、640億円もの超過は想定外だった。市は、国が新年度から発足させたP線対象の補助制度の適用を働きかけるが、最悪の場合は、独自の資金調達を迫られる可能性もある。
 収支見通しも大幅に狂う。当初計画では、三セク部分を合わせた東西線の収支見通しは、累積赤字を資金ベースで29年間で解消する計画だった。しかし、膨張で、57年間に延びた。30年で解消するには、料金の45%の値上げが必要とささやかれる。
 市交通局としては、交通局分の資金増850億円の国補助基本引き上げを国に求めていくが、「査定するかもしれない、と伝えている」(運輸省)「収支が成り立たないことには起債は認められない」(自治省)という。かりに、引き上げが認められても、市の資本金拠出、補助額も同時に増えるから、市財政は苦しくなる。
 さらに工期に不安も残る。交通事業全体の健全化計画を併せ、難問が山積している。
 〈地下鉄東西線建設費膨張問題〉東西線は、京都市伏見区の醍醐地域と中京区のJR二条駅を結ぶ。営業キロ12.7`(建設キロ12.9`)に13駅を設置する。89年度着工、96年末の完成予定。醍醐−御陵、三条京阪−二条間は京都市交通局が、御陵−三条京阪間は市が51%を出資する第三セクターの「京都高速鉄道」がそれぞれ建設する。
 建設費は当初計画で市直轄分1840億円、第三セクター分で610億円と発表されていたが、新年度予算案で正式に見直され、市分2690億円、第三セクター1250億円の計3940億円に膨れ上がることが明らかになった。(京都新聞)
■「東西鉄道」へ整備基金 堺市、臨海「新都心」と主要駅結ぶ 97年度にも事業免許申請
 大阪府堺市は23日、大阪湾臨海地域開発整備法(ベイエリア法)で新都心構想が現実化しつつある市の臨海部と市内主要駅を結ぶ「東西鉄道」建設に向けて整備基金を創設することを明らかにした。同時に、大阪市営地下鉄四つ橋線を南海本線堺駅まで延伸する計画にも取り組む。ともに開業時期などは未定だが、早ければ1997年度にも鉄道事業の免許を申請する。
 堺市長の私的な諮問機関である市公共交通懇話会(座長=川島哲郎・阪南大学長)がまとめた報告によると、東西鉄道は延長十数キロ。臨海部から堺駅、南海高野線堺東駅、JR阪和線堺市駅を結ぶ。近鉄南大阪線への接続も検討課題にしている。どのような交通システムを採用するかは、将来の採算性にかかわるため、臨海部の土地利用計画が確定した段階で、最終的な需要を予測して決める。
 四つ橋線の延伸は、住之江公園駅から堺駅までの約3`で、府道大阪臨海線を南下するルートになる。両路線とも建設・運営するのは、堺市が中心になって設立する第三セクター方式が有力になっている。
 事業化に向けて堺市は、94年度予算で基金に5億円を積み立てるほか、懇話会の報告に沿って需要や交通システムなどの基礎調査を始める。さらに担当組織を新設、国や府との協議を進めることにしている。
 堺市の臨海部で整備対象になっているのは、産業廃棄物で埋め立てた堺第7−3区など約1120f。府の構想試案では、2025年を目標に、居住人口3万−4万人、就業人口6万−8万人の快適で文化的な新都市像を描いている。府は94年中に、ベイエリア法に基づいて、配置する施設や環境保全などの整備計画を作成、97年度には都市計画決定に持ち込みたいとしており、堺市の鉄道整備計画はこれらの作業の進み具合に左右される。(朝日新聞)
■地下鉄 京都市会 「市民に不信与えた」市長陳謝 8年末完成 改めて強調
 京都市の2月定例市会は24日午前10時から、本会議を再開、各党の代表質問が始まった。地下鉄東西線建設の膨張問題で答弁に立った田辺朋之市長は「市民に不安、不信を与えたことは誠に遺憾。今回の事態については、私にも反省すべき点があり、市民におわび申し上げる」と陳謝した。また、建設事業については「平成8年(1996年)末の完成に向けて最善を尽くすことが、私に課せられた責務」と述べ、不退転の決意で臨む考えを改めて強調した。
 約1500億円の巨額の超過となった東西線の建設費について、田辺市長は、「当初の計画は、免許申請の昭和62年(1987年)の時点で、烏丸線の建設実績と物価水準を踏まえて算定した」と述べ、その後に▽バブルによる地価高騰▽施工条件が厳しいための工事方法の変更▽信号設備などの技術革新▽物価上昇−があり、見直さざるを得なかったと、膨張の理由を説明した。 建設費膨張に伴う財源確保について、内田俊一助役が「国、市の一般会計、公営企業の3者で負担する。一般会計から東西線建設事業への支援策を検討している」と答弁、全市挙げて取り組む姿勢を強調した。
 また、事態の公表が遅れたことについては、建設費の膨張という事態で国に対して補助金の増額を強く働きかける中で、「国との協議の関係で公表できなかった」と理解を求めた。
 いずれも、自民党の奥山茂彦議員の質疑に答えた。(京都新聞 夕刊)
25日■地下鉄 京都市会 交通局の合理化 示唆 管理者答弁 工費膨張で改善策
 京都市の2月定例市会本会議は24日に再開され、地下鉄東西線の建設費膨張問題では、奥山茂彦(自民)、藤原冬彦(共産)の両議員が質問した。質疑のなかで、建設費増の要因のひとつになっている工事変更について「(難工事は)始めから分かっていたのではないか」などと、議員が厳しく追及した。これに対して、担当の内田俊一助役は「標準的な設計で工事を発注し、その後の工事過程で地下埋設物の処理方法や土質の変化、交通状況などで変更せざるを得ないことが多い」と説明した。
 奥山議員は、建設費膨張の理由や、経営問題などについて質問した。とくに、「東西線建設費膨張問題という難題を背負い、経営危機を引き起こすのではないか」とただしたのに対し、三浦貞義管理者(交通局長)は「業務の委託、嘱託化の拡大、組織の簡素化」を具体的施策として挙げ、「定数の見直しを含めた改善策に取り組む」と答弁、職員の削減を含めて、交通局の合理化を進める方針を示唆した。
 藤原議員は、「市の(地価の安定を図る)地価監視制度導入が当初は市内中心部だけで山科区などが区域に入っておらず、対策が後手に回って地価が見積もりの3倍になったのではないか」と迫るとともに、何回にもわたる工事契約の変更、東西線と連動した整備事業の是非などについて質問した。
 地価監視制度の導入区域の問題について、内田助役は「63年(88年)に市街地を、89年に全域を監視区域とした。意図的なものはない」と説明した。
 また、藤原議員は新年度予算案に第三セクターの増資分22億9500万円が計上されていることに関して「(三セク構成者の)京阪電鉄に対して弱腰だ」と追及したのに対し、内田助役は「第三セクターの財政基盤の強化が狙いで、京阪を含め他の株主にも出資を求めている」と答えた。
 さらに、JR山科駅前など東西線と関連した5大整備事業について「切り離して地下鉄建設優先の大成を推進すべきでは」との質問には「全体的に事業を効率的に推進、活性化と乗客増を図るための相乗効果として必要」と述べ、事業連携の妥当性を強調した。
 田辺朋之市長は東西線の建設について「市長部局、交通局が一体となって最大限の努力を続ける」と決意を示した。
・提案受けて考えたい 労組委員長
 24日の京都市会本会議で、三浦管理者が交通局の合理化方針を示唆する答弁を行ったことについて、市交通局の京都交通労働組合の政勝男委員長は「交通局の労組は市民の足は公営で守るという立場から、1987年まで20年余りにわたって経営の再建策に汗と血を流してきた。休日や給与でも他の部局と格差がある」としながらも、「しかし、早期完成へ向けて内部努力が必要だとも考えている。非常事態と受け止め、十分に納得のいく状況であれば、具体的な提案を受けてから考えたい」と話している。(京都新聞)
■地下鉄 建設費膨張で陳謝 京都市議会 代表質問に田辺市長
 24日開かれた2月定例京都市議会の代表質問で、約1490億円もの膨張が明らかになった地下鉄東西線の建設費問題が取り上げられた。田辺朋之市長は「市民に不信を与えたことは遺憾。率直におわびしたい」と陳謝。完成目標については「96年末完成が責務」と強調した。
 奥山茂彦氏(自民)は設計変更が相次ぎ、膨張したのはなぜか▽公表が遅れた理由▽国の支援策の見通し、などを質した。
 膨張の理由について田辺市長は、バブル期の地価高騰や工法の変更、技術革新による設計変更でやむをえなかった、とした。また公表の遅れについては、支援策を国と協議していたためとしている。
 内田俊一助役は国の支援について「要望しているが、前提として交通局、市長部局一体となった内部努力が必要と指摘されている」と述べた。また、藤原冬樹氏(共産)は、地下鉄料金へのはね返りを市が示唆している点に触れ「市の失政を、利用者に負わせるのは言語道断」と迫ったが、市は明確な答弁を避けた。(朝日新聞)
■関空往復JR「はるか」公開 京と世界の空 直結
 京都から世界にはばたくダイナミック・トレイン−。京都駅と、9月4日開港の関西国際空港とを直結するJR西日本の新型特急「はるか」の車両が、製造中の大阪府内の工場で25日公開された。
 公開されたのは、製造予定の9編成のうち最初の1編成で、3月中ごろの完成に向けて仕上げ作業中の車両。5両編成で、真っ白のボディーに、成層圏をイメージした鮮やかなブルーのラインという外観。先頭部分のごつい感じが、大空に向かうダイナミックさを印象付けている。
 車内では、シックな色調のリクライニングシートなどの取り付けが進んでいる。手荷物を持たずに乗車できるCATサービスを京都駅で行うため、先頭車には大きな荷物室を配置。在来線では全国初の身体障害者用トイレと座席を設置。
 1時間に1、2往復運転。最高速度130`で、京都−新大阪−天王寺−空港のルート99.5`を70分台で走る。定員は200人。(京都新聞 夕刊)
26日■地下鉄 京都市会 市長「厳しい事態」認識 建設費膨張 内部努力を訴え 96年末完成、改めて強調
 25日再開された京都市の2月定例市会本会議は代表質問2日目の質疑を行い、地下鉄東西戦の建設費膨張問題について、可児達志(公明)、梅林等(社会)、今枝徳蔵(民社ク)の各議員が、一般会計への財政的負担の増加や、社会資本整備として地下鉄事業の位置づけ、東西線の延伸を含めた意気込みなどをそれぞれただした。
 可児議員は、建設費の膨張が一般会計を圧迫するのではないかと追及した。田辺朋之市長は「新たに多額の財源が必要となり、厳しい事態になる」との認識を示し、「徹底した内部努力を行い、事業の点検、開通に向けての進行管理の強化、財政支援方策、経営健全化推進へ市全体で取り組む」と、1996年末完成を改めて強調した。
 梅林議員が、社会資本整備の一環として地下鉄建設事業をどう位置づけるか、とただしたのに対して、内田俊一助役は「公共サービスの提供には直接的効果のほかに、経済波及効果、土地などの資産価値など多方面に効果が及ぶ」としたうえで、「政策の優先順位が厳しい財政状況の中でとくに重要性を増している」と述べ、東西線建設費膨張による財源圧迫で、効果的な行政の推進が一層求められているとの認識を示した。
 さらに今枝議員は東西線の延伸を含む建設の意気込みについて質問。田辺市長は「市会、市民に率直に事態を説明して理解を得たい。今後、同じような事態が生じないよう京都市高速鉄道建設事業点検・推進委員会を設け、事業推進の体制を整備した。現在着工している区間の円滑、早期完成が不可欠」と、全体計画を念頭に起きながらも、まず、現在の着工区間の完成に全力を挙げる考えを明らかにした。
・考えられないずさんな計画 塚本会頭が批判
 塚本幸一京都商工会議所会頭は25日の定例記者会見で、京都市議会で問題となっている地下鉄建設費膨張について「民間では考えられない問題だ。当初の計画が相当ずさんだったとしか言いようがない」と、京都市の姿勢を批判した。
 塚本会頭は、第三セクターへの増資要請には応じたとした上で「議会の答弁での説明は疑問だらけだ。工事の方法については始めから予測できるものが多く、2倍近い誤差がでるなど、でたらめで、ずさんだったとしか考えられない」と交通局の計画を非難。そして「ここまで投資予算が違えば、担当部門は責任を免かれない。今後、建設費の膨張をどう軽減し、市民の負担にならないようにするか、理事者の努力に期待したい」と語った。
東 西 線 土 木 工 事 工 区 別 契 約 状 況
■交通局建設区間■(単位100万円、カッコ内は平成5年12月末の工事進ちょく率%)
工区名共  同  企  業  体  名当初
契約
第1回
契約変更
第2回第3回第4回
醍醐南工区(53)飛鳥・間・国土・東海・勝村・古瀬・増田特定建設工事共同企業体79264491847
醍醐北工区(54)竹中・奥村・日産・村本・仁木特定建設工事共同企業体2929290
小野南工区(48)前田・住友・大豊・増田共同企業体43031002
小野駅工区(35)鉄建・森本・横田特定建設工事共同企業体1926838
勧修寺工区(55)西松・東亜・大末・長村共同企業体3440634859
椥辻駅工区(33)鹿島・フジタ・大木・アイサワ・仁木共同企業体6468377685
東野駅工区(53)青木・佐藤・東洋・松村・公成共同企業体6098200896589
山科駅工区(11)大日本・三菱・金光特定建設工事共同企業体1643
安朱工区 (47)大成・青木・五洋・前田・岡野特定建設工事共同企業体618072745205
御陵東工区(50)佐藤・西松・鴻池・東洋・吉村・金澤土建特定建設工事共同企業体59983841492370
鴨川横断工区(34)大林・地崎・白石・京阪特定建設工事共同企業体3924144
市役所前駅工区(46)鹿島・銭高・不動・松村・吉村特定建設工事共同企業体5956477400
堺町工区 (97)竹中土木・東急・東亜・公成特定建設工事共同企業体3275795919
御池駅工区(83)三井・村本・森・横田共同企業体3008258493537129
西洞院工区(24)飛鳥・森本・西武・藤井共同企業体3620
堀川駅工区(93)銭高・矢作・京阪コン共同企業体15351641486922
押小路工区(87)五洋・奥村組土木・辰己共同企業体214281226209100
二条駅工区(70)清水・金下特定建設工事共同企業体1085795628
(注)契約金額には、消費税を含む

■京都高速鉄道株式会社建設区間■
工 区 名共  同  企  業  体  名元年度
契 約
2年度3年度4年度
御陵駅工区(35)大成・間・浅沼・岡野特定建設工事共同企業体1092541296365
東山トンネル工区(60)奥村・清水・戸田特定建設工事共同企業体27991945531214
蹴上駅工区(45)鴻池・大日本土木・吉村特定建設工事共同企業体1684167517498
神宮道工区( 1)日本国土・住友・大豊・公成特定建設工事共同企業体4687
東山駅工区(54)戸田・地崎・株木特定建設工事共同企業体78026708491
東大路工区( 1)フジタ・熊谷・竹中土木・戸田特定建設工事共同企業体654
三条京阪駅工区(53)大林・不動・日産・古瀬特定建設工事共同企業体135631880641
(注)年度内の予算に応じた部分発注である。契約金額には、消費税を含む。
・度重なる設計・契約変更 見直し4度の工区も 交通局が契約状況公表
 地下鉄東西線の建設費膨張問題で、京都市交通局は25日、土木工事の工区別契約状況の推移を公表した。工区によっては、4回の設計変更が行われていることが明らかになっており、当初計画の妥当性と工事の具体的な変更内容を含めて今後28日から始まる市会の事業予算特別委員会の審議でも論争点のひとつとなりそうだ。
 公表したのは、決算の終了した1992年度まで。市の18工区の計878億7600万円分と第三セクターの京都高速鉄道の7工区の計206億8700万円分。いずれも土木工事分だけで、用地費や間接費などは算入されていない。
 実際には、市直轄分では、同年度までの執行額は906億円で、見直し額の資金ベースの執行率は33.6%、三セク分は年度ごとの確定予算にしたがって工事契約を行う方式で。執行額は資金ベースでは31.3%の 329億円となっている。
 市直轄分では、93年度で、さらに3工区の契約変更を行っており、単年度で390億円が、三セク分では175億円が執行される見込みといわれる。とくに、三セク分では仮設工事が終了した段階で、本体の掘削工事、く体コンクリート工事は新年度から本格化する見通しで、建設資金の確保もこれからが正念場となる。
 契約変更では、山科区の御陵東工区で4本のトンネルを掘る工法に変更されたほか、当初、地上から地面を掘るオープンカット方式を予定していたのが、道路幅や交通確保のために、道路横から縦横にパイプを差し込み、地表を支えて側面から堀り進むというパイプルーフ(パイプ屋根)工法の採用が目立っている。(京都新聞)
■きっぷよく北近畿へ旅へ JR西1日から発売
 JR西日本は「TAP北近畿フリーきっぷ」を、3月1日から6月28日まで、全国の主な駅のみどりの窓口などで販売する。
 運輸省策定の観光振興キャンペーン「TAP」が、4月初めから6月末まで北近畿を舞台に展開されるのにちなんだ切符。山陰線馬堀、福知山線篠山口、播但線生野以北の京都府と兵庫県内のJRと、北近畿タンゴ鉄道の各列車自由席に何度でも乗り降りできる。3日間有効で、大人7300円、小人3650円。(京都新聞)
■地下鉄東西線 甘かった見積もり 建設費の膨張問題 名工区で契約変更
 建設費が1490億円も膨張した地下鉄東西線について、京都市交通局は25日、92年度末までの各工区ごとの土木工事に関する契約状況を発表した。4回も契約を更新した工区が3工区もあるほか、当初契約より30億円も膨張した工区があるなど、見積もりの甘さが歴然とした内容になっている。しかし、公表されたのは、膨張分全体の6分の1ほどの約240億円に過ぎず、全容については「なお精査中」としている。
 交通局建設区間の18工区と第三セクターの京都高速鉄道が担当する7工区のそれぞれで、土地買収費や工区にまたがる間接費などを除く土木工事費について明らかにした。
 それによると、交通局担当区間で最も膨らんだのは御陵東工区(佐藤工業、西松建設などのJV)で、当初契約の59億9800万円から、3回契約変更し、約30億円増の90億100万円に。御地駅工区(三井建設、村本建設などのJV)では、4回の契約変更で約14億円増え、44億2500万円になった。また醍醐南工区(飛島建設、ハザマなどのJV)では、79億2600万円から2回の契約変更で102億2200万円になっている。
 第三セクター区間では、東山トンネル工区(奥村組、清水建設などのJV)で、89年度から毎年契約変更され、当初の約28億円から47億6000万円に膨張、御陵駅工区(大成建設、ハザマなどのJV)では約11億円が約28億円になった。
 いずれも「工法の変更のため」と説明している。
 1回も契約を変更していない工区は、交通局分で山科駅工区、西洞院工区の2工区あるが、92年度末の進捗(しんちょく)率はともに1%で、事実上手をつけていない工区ばかり。これらの工区でも、契約変更は避けられないとみられている。(朝日新聞)
■架線が停電 ひかり停車 山陽新幹線
 26日午前8時20分ごろ、山陽新幹線新神戸−姫路間の上下線で架線が停電し、走行中の名古屋発博多行き「ひかり61号」が西明石駅手前で停車した。JR西日本の東京指令所が約1分後下り線に、約3分後上り線に再送電したところ、異状がなく、運転を再開した。このトラブルで、当該列車のほか計3本が5−3分遅れ、計1200人の足が乱れた。(朝日新聞 夕刊)
27日■視評 市民不在の地下鉄質疑
 京都市の2月定例市会は、2日間にわたる各党代表質問を終えた。審議の舞台は28日からの普通、事業各予算特別委員会に移る。
 今市会の大きな焦点は、地下鉄東西線の建設費膨張問題だ。代表質問では、各党とも市の見解をただした。が、本当に市民の声を代弁しているのかどうか、疑問に思うともあった。
 地下鉄質疑で、各党がまず質問したのは「なぜ市会への報告が遅れたのか」ということだった。中には、田辺朋之市長をわざわざ控室に呼んでただした政党もあった。議会軽視が問題だ、というわけだ。
 確かに、建設費の大幅見直しを着工後5年間も明らかにしなかった市の姿勢は問題だ。しかし、現時点で、市民が市会に期待するのは、「なぜ1500億円もの超過となったのか」ということの解明ではないのか。
 第三セクター部分の一挙2倍以上の建設費増を含め、1500億円もの負担増は市民感覚では理解できない巨額の数字だ。当初計画は一体何だったのか。疑問を通り越して憤りの声すら聞こえてくる。議員にも市民の声は十分に届いているはずだ。田辺朋之市長は「市会、市民に率直に事態を説明し、理解を得たい」と25日の本会議で答弁した。議会も市民の付託に全力でこたえる取り組みが、まず第一番に必要なのではないか。次の舞台、予算特別委に市民の目が注がれる。(京都新聞)
■のぞみ電器回路故障
 26日午後2時10分ごろ、東京発博多行きの新幹線のぞみ9号(16両)が山口県の新岩国−徳山間を走行中、14号車のモーター回路に異常が発生。25分後、今度はモーターに電流を供給する「主変換装置」が各車両とも作動しなくなったため、新下関駅に臨時停車。同号の運転を打ち切った。(京都新聞)
■小さな旅 生瀬−武田尾 線路跡たどれば渓谷美
 JR福知山線は8年前、兵庫県内の宝塚−新三田駅間が複線化された。それを機に、武庫川上流に沿って蛇行していた約12`区間が直線のトンネルを利用した別ルートに変わった。ところが、レールを取り外し、枕木(まくらぎ)だけが残る旧線路敷がいま、渓谷美を楽しめる”散策路”として人気を集めているという。雪がちらついた日、生瀬−武田尾駅間の約7`を歩いてみた。小学生のころ、この単線の列車に乗って武田尾までクリ拾いに出かけた思い出が、ふとよみがえった。(五嶋正風)
 生瀬駅を下り立って国道176号を西へ進む。間もなく、左側の山肌に国道と並行して”段差”が続いているのに気づく。わきには「ここはハイキングコースではありません」と書いたJRの看板。「そうか」と思い、斜面を駆け上がると、期待通りに線路跡が目の前に現れた。
 最初は砂利を敷いた一本道が続いた。小さなトンネルを抜けたあたりから、枕木がドミノ倒しのドミノのようにどこまでも並ぶ。所どころに列車用の標識も残り、「たしかに線路跡を歩いているんだな」と実感できる。枕木伝いに歩くと、歩調が自然にゆったりしてくる。長いトンネルに入る時には懐中電灯が必需品だ。真っ暗な中、足元を照らしながら歩く。洞穴探検でもしているような気分になる。
 山肌の反対側はかなり険しい谷になっている。武庫川の瀬音と風の音しか耳に入らない。上流に進むほど、両側の山が追ってくる。大きな岩や渕(ふち)の名前と由来を紹介した手書きの案内坂が各所にある。地元の武庫川漁業組合の弓場上博司さん(58)が1年ほど前から組合員と協力して作ったという。
 その昔、雨ごいの儀式をするのに使われたという「高座岩」、天狗(てんぐ)が座ったと伝えられる「天狗岩」…。
 案内仮には、弓場上さんの自作の俳句が書かれたものもまじる。「群をなし鮎高座岩の瀧上る」。巨岩の近くの水辺では、水鳥が5、6羽固まって羽を休めていた。
 弓場上さんは子どものころから父親のアユ釣りのお供などで武庫川に通い続けた。約20年前から川沿いの開発や工場の影響で川がにごり、アユもかなり減ってきたという。「アユ釣りを多くの人が楽しめるよう、毎年、稚魚を放流しています」と話した。
 寒い日だったせいか、途中ですれ違ったハイカーは2組だった。京都市の大学生、奥田貴司さん(19)と阿部昌幸さん(20)は次の週にYMCAの小学生たちを引率するため下見にやって来た。「この道を歩いていると、映画『スタンドバイミー』の主人公の少年が線路伝いに歩いたシーンのようで、わくわくする。トンネルも大受けしそうです」
 約2時間半かけて武田尾に到着した。武田尾は温泉地として知られる。冷え切った体を温めるため、「元湯旅館」に飛び込んだ。主人の車武さん(59)に1本のビデオ作品を見せてもらった。旧線の廃止を2ヵ月後に控えた1986年5月日、車さんが武田尾−生瀬間の車窓の風景を撮影したもので、新緑の美しさが印象的だった。
 宿の入り口に「CARNEGIE 1896 HANKAKU」と刻印されたレールが置いてあった。米国のカーネギー製鉄所でつくられ、福知山線が「阪鶴鉄道」と呼ばれていた明治時代のものだ。旧式田尾駅の引き込み線で86年まで使われていたという。「旧線では腕木式の旧式信号も使われ、生きた化石のような線路だった」と車さん。透明な湯につかって小学生時代を振り返っていると、「生きた化石」に乗ったことがとても貴重な体験に思えてきた。
 JR福知山線生瀬−武田尾間の旧線路敷は約7`、徒歩で2時間半。トンネル内は懐中電灯が必要。生瀬駅は宝塚駅から三田方面に向かって次の駅。バスは宝塚駅の2番乗場から乗車し、木ノ元バス停で下車する。元湯温泉(0797・61・0234) の入湯料は1000円。温泉だけ利用は午後3時まで。(朝日新聞)
28日■油圧式車止め設置 ニュートラム安全対策
 大阪市交通局は27日、暴走事故を起こした市営「ニュートラム」の車止めを安全性の高い油圧式に取り換える工事を始めた。昨年秋、事故の起きた住之江公園駅に、オーバーランを防ぐ停止装置や非常時の通信システムなどを取り付けており、今回で軌道や駅舎の安全対策が終わる。
 従来の車止めは鉄骨の枠組みに分厚いゴムの緩衝材を付けたものだったが、新方式では、油圧を利用したクッション構造が組み込まれ、約1.5倍の圧力を受け止める計算。同様の車止めは神戸や横浜の新交通システムでも採用されている。費用は約2800万円。(朝日新聞)
■「のぞみ」電流変換装置 熱で黒焦げに JR西日本 故障原因を発表
 山陽新幹線新岩国−徳山間で26日午後、走行中の東京博多行きのぞみ9号が故障で走行不能になったトラブルで、JR西日本は28日、同列車の14号車にある主変換装置の内部が、熱を帯びて破損したのが原因だった、と発表した。
 同社はこの装置を取り換えたほか、所有しているほかののぞみ車両についても点検を急いでいる。
 JR西日本によると、破損したのは、14号車のほぼ中央付近の床下にあるモーターに、電力を供給する主変換装置。取り外して内部を調べたところ、パンタグラフから供給された交流電流を、直流に変換するコンバーターにあるコンデンサー(蓄電池)とその周辺回路が熱で黒く焦げていた。
 このため、ほかの車両の主変換装置の出力を停止させる信号が送られ、走行不能になったことが分かった。
 JR西日本は、製造メーカーと合同でコンデンサーが熱を帯びた原因を調査、原因が判明次第、対策を取るとしている。(京都新聞 夕刊)
■回路の一部焼け焦げ原因 のぞみ運転中止事故
 山陽新幹線で26日、新岩国−徳山間を走行中の「のぞみ9号」が、速度調整不能となって新下関で運転を中止した事故で、JR西日本は28日、モーターに電力を供給する14号車の「主変換装置」の回路の一部が焼け焦げ、すべての車両をつなぐ回路も壊れて、速度を上げることができなくなったのが原因と発表した。しかし、部品が焼け焦げた原因は不明で対策が立てられないため、当分の間、車両の検査時に回路の異常を入念に点検する、としている。(朝日新聞 夕刊)