1993(平成5)年11月


1日■電車に接触、即死 近鉄富野荘駅ホーム(京都)
  ■踏切非常ボタン いたずら急増に困っています JR西日本2年で4倍 増設が逆効果(京都)
  ■新幹線妨害 犯行声明を公開 滋賀・岐阜県警 情報提供呼びかけ(京都)
  ■東名高速でJRバス炎上 1人けが 事故でトルエン散乱(朝日)
2日■新幹線妨害で両県警 捜査方針を協議(京都)
  ■遮断機を折っても 弁償義務なし 踏切事故防止へ実演(京都)
  ■JR株続落 50万円割(朝日)
  ■ニュートラムの事故車両廃車へ(朝日)
  ■偽造定期5年 900万円支払い 和歌山の会社員 JR西日本で最高額(朝日)
3日■「のぞみ」ボルト落下 排水装置の1本(京都)
  ■「のぞみ」に割引切符 JR東海(京都)
  ■ニュートラム運行今月中にも再開を 大阪市長が意向表明(京都)
  ■北陸などルート確定へ 連立与党専門委 九州・長崎は一部変更 整備新幹線計画(京都)
  ■経済天気図 「JR株」と投資家心理(京都)
  ■列車正面衝突 35人が死亡 ジャカルタ郊外(京都)
  ■列車が正面衝突 インドネシア 多数の死傷者(朝日)
4日■JR山陽線 ヘッドホン…警告聞こえず 神戸 中2、列車にはねられ即死(朝日)
  ■保線区長ら2人書類送検 JR神戸駅構内事故(京都)
  ■保線区長ら書類送検 JR神戸駅脱線事故(朝日)
  ■ニュートラム事故から1カ月 いまも 206人が治療中 地元自治会 「早期再開より安全」(朝日)
5日■JR京都駅行政訴訟 住民の訴え門前払い 京地裁判決「裁判対象にならず」(京都)
  ■濃霧でダイヤ乱れる JR琵琶湖線など(京都)
  ■ホームでもみ合い 電車に挟まれ死亡 東京、殺人で捜査(朝日)
6日■のぞみ回数券来月から発売 JR西日本(京都)
  ■梅小路公園を拡張 隣接地買収 緑の空間12fに(京都)
  ■割引回数券来月導入ですが 「率」バラバラに加え 両社またぐと対象外 東海・西日本 JR 両社話つかず?(朝日)
  ■JR関西線濃霧で乱れる(京都)
  ■奈良の日本画家がひかり車内で病死(京都)
  ■電車14本が濃霧で運休 JR大和路線(朝日)
7日■ニュートラム リレー装置 検査基準誤る 開業以来放置 届け出と違う検査も(京都)
  ■異常ランプが点灯 「のぞみ」停車(京都)
  ■再開にらみ思惑交錯 ニュートラム事故1ヵ月 大阪市・頭痛い経費増 運輸省・慎重さ崩さず 府警・じっくり検証(朝日)
  ■市交通局の検査に不備 ニュートラム車両(朝日)
  ■村本建設 元経理部長が自殺 JR三郷駅 ホームから飛び込む(朝日)
  ■時々刻々 京都市の高層化規制緩和 景観巡り論争再燃 ビルが東寺の塔かくす?(朝日)
8日■異音で緊急停車 新幹線6本遅れる(京都)
  ■村本建設 元経理担当が自殺 JR関西線三郷駅 快速に飛び込む(京都)
  ■ニュートラム暴走 原因はリレー接触不良 調査委が公式見解 月内にも運行再開(京都)
  ■JR京都駅改築反対住民陳述 午前は2人だけ 府都計審 意見聴取を開始(京都)
  ■継電器接点が溶着 ニュートラム事故 大阪市が原因推定(朝日)
  ■検査体制 無防備だった ニュートラム事故中間報告(朝日)
9日■大阪・ニュートラム 19日から運転再開も(京都)
  ■山陰線ホームを変更 関空直通列車運行で 京都市都計審が承認(京都)
  ■ニュートラム 19日に運行再開 運輸省発表 添乗員乗務条件に(朝日)
  ■神戸・横浜にも再点検を指示 運輸省(朝日)
  ■ニュートラム 再開歓迎、再発はご免 住民「安全第一で」(朝日)
  ■京都駅ビル改築高層化 60人中6人だけ 府都計審1300人聴取始める(朝日)
  ■丹波口駅周辺変更など了承 京都市都計審(朝日)
  ■JR株終値47万円台に 東証(朝日)
  ■新幹線4本に損傷 トンネル内信号回路箱 鉄製扉はずれ接触(朝日)
10日■線路にコンクリート片 静岡「ひかり」はね緊急停車(京都)
  ■沿線風景入りカレンダー 京阪電鉄が販売(京都)
  ■再開へ継電器を交換 ニュートラム 4日間で車両改造(朝日)
  ■静岡の新幹線妨害事件 10`のコンクリート 持ち込み方法特定へ(京都)
  ■大阪のニュートラム 36日ぶり試運転(京都)
  ■ニュートラム試運転(朝日)
  ■ドアの故障 8000人に影響 朝のJR赤穂線(朝日)
  ■防音壁5ヵ所に穴 新幹線・三島駅付近 列車妨害の可能性?(朝日)
11日■社説 新幹線の列車妨害を許すな(京都)
  ■再発防止に頭痛いJR 新幹線妨害(京都)
  ■ひと足お先 海横断 関西空港連絡橋で砕石敷く作業進む(朝日)
  ■東海道新幹線 以前にも障害物 防音壁に穴発見の近く(朝日)
  ■回送ひかり本線を走行 指令室勘違い 東京−新横浜(朝日)
  ■市バス路線の復活を 南区の住民ら市に申入れ 西大路八条西など(朝日)
12日■ホテルマンら 煙の恐怖体験 JR京都駅旧駅舎で防火訓練(京都)
15日■ニュートラム事故 特別保安監査 運輸省実施へ(朝日)
16日■窓 地元無視した市バスの運行 右京区・新谷友一(無職・87)(京都)
17日■新幹線線路に車 工事会社所有 乗り捨て妨害? 品川駅近く 引き込み線(朝日)
  ■小倉山の残土問題 23日から苗木を植樹 JR西日本まず年内に6 千本(京都)
  ■線路入り口のかぎ壊される 山陽新幹線(朝日)
  ■整備新幹線 全線フル規格で 連立与党の専門委報告 21世紀初頭めざす(朝日)
18日■あすから運行再開 ニュートラム 添乗員付き 運輸省の保安監査終了(京都)
  ■ニュートラム運行の19日再開を正式許可 運輸・建設省(朝日)
  ■整備新幹線フル企画案 構想先行 財源素通り 5兆円の確保、難問(朝日)
  ■JR東日本 減収減益 初の中間決算(朝日)
  ■JR東日本株 「上場時期悪かった」 日証協会長(朝日)
  ■京王線ホーム殺人 容疑の男性を逮捕 東京(朝日)
  ■再開へ習熟運転 大阪市営ニュートラム(朝日)
19日■地下鉄四条駅 コインロッカーに新生児の遺体(京都)
  ■JR西日本「上場基準OK」 中間決算 減益でも強気の読み(朝日)
  ■190bビル来月着工 西梅田再開発100億円圧縮し(朝日)
  ■ニュートラム 45日ぶり運行再開 運転席に”添乗員”(京都)
  ■座席にカッター のぞみ乗客けが(京都)
  ■再出発の朝 安堵と不安 ニュートラム 「先頭」避ける乗客 添乗員「まずはほっと」(朝日)
  ■山陽新幹線 座席にナイフ 男性乗客けが(朝日)
20日■比良ロープウエー 客車2両を更新へ(京都)
21日■市バス運転手を殴る 傷害容疑で元組員逮捕(京都)
  ■JR京都駅コインロッカー 秋の観光 アキなく困った 不足・不自由・不満 狭い仮駅舎 5分の1に激減(京都)
22日■小指挟まれ「ひかり」と”競争”ホーム50b、停車 女性軽傷 乗車直前ドア閉まる 京都駅(京都)
  ■ドアに指はさまれ50b走り脱きゅう 新幹線京都駅(朝日)
  ■故障車両の運行停止 JR東海道線(京都)
23日■線路ボルト乗用車を直撃 新幹線静岡駅高架下(京都)
  ■普通電車に針 JR山陰線(京都)
  ■JRに公開質問状 信楽事故で滋賀県議会(京都)
  ■JR東海が宅地開発 愛知で一戸建て分譲へ(京都)
  ■JR3社そろって減益 民営後初中間決算 天候不順で族客減少(京都)
  ■JR東海9月中間 「上場基準達成めど」 「のぞみ」効果 売上高減に歯止め(朝日)
  ■京都駅などに感謝状を贈る 捜査活動に協力(朝日)
  ■線路用ボルト乗用車を直撃 静岡の新幹線沿い(朝日)
24日■白昼の駅構内 警官発砲 1人重傷、2人が逃走 東京・すり容疑 韓国人に命中(京都)
  ■景観修復めざし JR社員ら植樹 小倉山・残土放置現場(京都)
  ■薄給すぎた?JR添乗員 東日本 労働時間算定見直す 労基署が勧告 2億円追加払い(朝日)
  ■修景へJRが植林 住民ら、「演技」と反発 小倉山残土問題(朝日)
  ■JR東日本 給与過少算定 2億円を追給(京都)
25日■関西私鉄大手5社 旅客減って減益 雇用調整、定期客に響く(朝日)
26日■リニア新幹線は21世紀初頭実現を 東京で決起大会(京都)
  ■「座席なし車両」阪急電鉄が導入へ 来夏にも試作車(朝日)
  ■ブレーキ部品脱落 JR山形新幹線 異音で気付く(京都)
27日■大蔵省 方針 配分見直しで新事業 地下鉄建設500億円盛る(朝日)
  ■JR京都駅に見る 仮駅舎 団体待合室やベンチはなし ロッカーは3/1に 不況で増加路上生活者 孤独は我慢だ それでも「衣食住」そろって快適や(朝日)
  ■ゆうかん読書 情景・汽笛 岡 正樹著(京都)
  ■新幹線「栗東駅」”発車”のベルは鳴るのか 誘致運動ヤマ場 卒用論で土俵作り JR加え近く委員会(京都)
  ■泰緬鉄道完成から50年 21人タイへ慰霊の旅 元軍人、軍族ら墓地訪問(朝日)
28日■JT株 上場延期論が再燃 証券界、JR株に懲りる(京都)
  ■近鉄特急と衝突 車の2人死亡1人重傷 田辺町(京都)
  ■ニュートラム また故障、2駅停電(京都)
  ■阪急電車内でスリ 向日町署が男を送検(京都)
  ■近鉄と乗用車衝突、3人死傷 京都府田辺町(朝日)
  ■ニュートラムまた故障 原因不明、発進不能に 住之江公園駅(朝日)
  ■「駅」でふれた世相と心 「売店のおばさん」がエッセー集 腕時計貸した受験生が合格 不景気…薄くなった求人誌 5年間、垣間見た人生つづる(朝日)
29日■二条駅で信号故障 上下4本が部分運休(京都)
  ■ニュートラム故障 原因はボルトの緩み(京都)
  ■近鉄事故の死者身元判明(京都)
  ■新幹線回数券 自由席よりも指定席がお得 原因は消費税 4区間で10−80円安く 来月1日の改定で是正(朝日)
  ■進行方向切り替え装置 金具の破損が原因 ニュートラム発進不能事故(朝日)
30日■株価急落 JR株が”引き金” JTの上場は先送りか(京都)
  ■上海の地下鉄は見物用!? 今春部分開業したが… 観光客・子供に人気 通勤客にはいま一つ(朝日)



1日■電車に接触、即死 近鉄富野荘駅ホーム
 31日午後9時ごろ、城陽市枇杷庄の近鉄富野荘駅ホームで、京都線の北山発新田辺行き普通電車に女性が接触。女性は即死し、電車は約7分遅れた。
 城陽署の調べによると、女性は東大阪市のAさん(57)で、ホームの下から出てきて電車にはねられたらしく、詳しく原因を調べている。(京都新聞)
■踏切非常ボタン いたずら急増に困っています JR西日本2年で4倍 増設が逆効果
 踏切事故を防ぐためにJR西日本が踏切の非常ボタンを大幅に増設したところ、いたずらでボタンを押される件数がこの2年間で4倍にも急増。特にテレビのコマーシャルなどで非常時にはボタンを押すようにPRした直後に、逆にいたずらが前月比で30%も増える皮肉な結果になった。
 「啓発のPRが逆にいたずらを誘発している」と苦慮した同社は、監視カメラを設置したり、ボタンを押すとけたたましくブザーが鳴る”新兵器”を開発するなど、いたずら封じに躍起になっている。
 JR西日本では、平成3年6月にJR福知山線の踏切でトラックと普通電車が衝突、300人以上がけがをした事故を契機に、非常ボタンの設置を進め、平成2年度に40ヵ所だった設置件数を3年度は300ヵ所に、前年度と本年度はさらに800ヵ所に増やした。この結果、前年度末までに約6600の管内踏切のうち、約半数が非常ボタン付きになった。
 ところが、設置が進むにつれていたずら件数も急増。平成2年度は355件だったのが、4年度には1205件と4倍にも。本年度も10月までの6ヵ月で既に1065件と、前年を大きく上回るペースになっている。
 JR西日本は、当面の対策として、これまでに30ヵ所の踏切にビデオカメラを取り付けて監視を強化。また新たに開発したボタンを押すとブザーが鳴る装置を、一部の地域で試験的に取り付け、効果を確認中だが根本的な対策にはまだ時間がかかりそうな状況。
 同社安全対策室は「PRで事故を防げたケースもあるのでやめるわけにもいかない。−当面はいたずらの多い地域の学校などをこまめに回り、いたずら防止を呼び掛けるしか手がない」と困惑している。(京都新聞)
■新幹線妨害 犯行声明を公開 滋賀・岐阜県警 情報提供呼びかけ
 JR東海道新幹線列車防害事件で、滋賀・岐阜両県警共同捜査本部(彦根署、垂井署)は1日、両県内の現場で見つかった文書をポスターで公開、情報提供を呼びかけた。
 ポスターは、岐阜県関ケ原町(今年6月10日未明)と彦根市小野町(8月28日深夜)で見つかった文書のほか、筆跡の特徴をカラー写真で掲載している。
 2枚の文書には「悪徳政治蚊共因果応報じゃ」「政治蚊共は巨悪を働いても誰一人ム所へ行かぬ」などの政治批判が書かれており、▽サンズイ偏が片仮名の「ミ」字状になっている▽「る」をくずして書いている▽「な」が回転部を大きく書いている−などが特徴。
 彦根で見つかった文書は、筆跡を分かりにくくするため文字を何度もなぞって書いており、県警鑑識課の筆跡鑑定の結果、岐阜と同一人が書いたものであることが分かっている。
 同捜査本部では約3万枚を作製して新幹線の沿線住民や駅待合所、公共機関に配布し情報提供を求める。
 また、警察庁は1日午後、両事件の捜査連絡会議を岐阜市の岐阜県警で開き今後の捜査について協議する。会議には警察庁刑事局長をはじめ滋賀、岐阜両県警の刑事部長ら捜査幹部約25人が出席する。(京都新聞 夕刊)
■東名高速でJRバス炎上 1人けが 事故でトルエン散乱
 1日午前4時半ごろ、愛知県小牧市大草の東名高速道路下り線で、静岡県清水市北脇新田、運送会社運転手田代茂さん(50)のトラックが、千葉県成田市西和泉、同田村寿士さん(22)の大型トラックと接触したのをきっかけに、定期バス2台を含む計5台が巻き込まれる事故になった。田代さんのトラックは炎上し、荷台にあったトルエンなど有機溶剤の入ったブリキ缶250缶(1缶16リットル入り)が現場に散乱して燃え広がり、あとから来た約30人を乗せたJRバスに引火。バスは全焼、乗客1人が軽いけがをした。東名高速道路下り線の春日井−小牧インタ間が午前5時から8時20分まで通行止めになった。
 愛知県警高速道路交通警察隊の調べによると、現場は東名高速道路と中央自動車道が合流する地点。最初の接触事故の後、後続の香川県綾歌郡宇多津町の会社員小川比呂哉さん(33)の乗用車が散乱したトルエン缶を避けようと急ハンドルを切りスピン。そこへ中央自動車道から東名の本線に入った大阪市城東区中浜一丁目の近鉄バス運転手高原進さん(42)運転の定期バス(乗員、乗客ら26人)が衝突した。
 さらに、あとから来た石川県鳳至郡能都町宇出津リ、西日本JRバス運転手稲葉宣晴さん(36)の定期バス(乗員、乗客ら30人)が止まり切れず、現場のわきを通り抜けようとしたが、左後輪付近でトルエンの缶をはね、引火して燃えたという。
 同高速隊によると、近鉄バスは軽い接触事故で、けが人などはいなかった。JRバスの乗客は運転手の誘導で外に出たり、非常口を開けて避難し、全員が無事だった。近鉄バスは仙台から大阪に向かう途中。JRバスは「ドリーム号」で、東京から大阪に向かう途中だった。(朝日新聞 夕刊)
2日■新幹線妨害で両県警 捜査方針を協議
 JR東海道新幹線列車妨害事件で、滋賀、岐阜両県警共同捜査本部の捜査連絡会議が1日、岐阜市の岐阜県警本部で開かれ、今後の捜査方針を協議した。
 会議には警察庁の垣見隆刑事局長をはじめ伊藤国雄滋賀県警刑事部長ら25人が出席。垣見局長は「国民の足である新幹線の日常的な安全性に挑戦する事件。1日も早く犯人を逮捕してほしい」と訓示した。この後、捜査幹部が捜査状況について情報交換した。
 会議に先立ち、垣見刑事局長らは滋賀、岐阜両県の事件現場を視察した。(京都新聞)
■遮断機を折っても 弁償義務なし 踏切事故防止へ実演
 JR西日本と関西の各私鉄による毎秋恒例の「踏切事故防止キャンペーン」が1日スタート。京都市下京区のJR京都駅前では、踏切内で立ち往生した乗用車が脱出する方法の実演が行われ、市民に踏切の安全を訴えた。
 京都駅の仮駅舎前広場では、警報機や遮断機などを使い踏切を仮設。乗用車が踏切内でエンジン故障したとの想定で、踏切の非常ボタンを押して、列車に危険を知らせる方法を実演した。また、若手漫才師とJR社員らのやり取りを交えて「遮断機を折っても、弁償の義務はないので気にせず車は踏切の外へ出ること」「遮断機に当たっても車はほとんど傷つかない」と強調した。
 京都府警の調べでは、列車と乗用車などが衝突する路切事故は、府内で昨年19件が発生。このほか、踏切の非常ボタンを押して列車の往来を防害するいたずらが昨年91件と、前年の4倍増になっている。
 キャンペーンは、今月10日までの期間中、JRや私鉄の各駅でチラシを配り事故防止を呼びかける。(京都新聞)
■JR株続落 50万円割
 東京証券取引所第一部のJR東日本の株価は1日、個人投資家と見られる小口の売り注文を集めて値を下げ、先週末に比べて2万8000円安の49万2000円で取引を終えた。60万円の初値をつけた26日の上場日からわずか5営業日で、10万8000円も下落、50万円も割り込んだ。(朝日新聞)
■ニュートラムの事故車両廃車へ
 暴走事故を起こした大阪市営「ニュートラム」の事故車両(4両編成)を調べている市交通局は1日、この4両すべてを廃車しょぶんにする方針を決めた。当初は車体のへこみが小幅だったため修理も検討したが、予想以上に経費がかかるうえ、運行再開時、利用者に不安を与えないようにとの配慮から、再使用を断念した。
 市交通局は、再使用も検討したが、台車など車体側に微妙なゆがみがあると予想されるうえ、12年余り走った車両で修理しても余命が短く、「事故車」が再運行することで乗客に不安を与えかねないことから廃車は踏み切った。(朝日新聞)
■偽造定期5年 900万円支払い 和歌山の会社員 JR西日本で最高額
 和歌山県内に住む40代の男性会社員が、約5年間にわたって期限の切れた通勤定期券でJR紀勢線に不正乗車し、JR西日本和歌山支社に割増運賃など約897万円を徴収されていたことが2日分かった。JR西日本では民営化後、管内では過去最高の追徴額ではないか」(業務課)と話している。
 同支社の調べによると、この男性は和歌山市内の会社へ通勤するため、自宅近くの紀伊由良駅(日高郡由良町)から和歌山駅までの定期券を使っていたが、1988年5月から、定期券の期日部分に期限切れの定期券の数字を張るなどして改ざん、今年6月で不正乗車を行っていたという。6月にあった車内検札で、不正乗車が分かった。
 同支社は、旅客営業規則違反で、普通乗用した場合の正規料金約299万円に加え、その2倍の割増運賃を請求、男性は7月に全額を支払ったという。
 JR西日本によると、昨年度に「キセル」などで不正を指摘した乗客数は3755人。徴収した追徴金の総額は7949万円にのぼり、京都駅や岡山駅の一日当たりの平均収入を上回るという。
 手口別でみると、「期限切れ」の定期券使用が最も多く、次いで「偽造」「キセル」「他人名義」の順になるという。
 昨年度の追徴金の最高額は、期限切れの定期券を2枚使って京都・木津−神戸間を通勤していた京都市内の男性で429万円。7ヵ月の分割払いで徴収した。(朝日新聞 夕刊)
3日■「のぞみ」ボルト落下 排水装置の1本
 JR西日本は2日、東海道・山陽新幹線「のぞみ」の1編成で床下の排水管の取り付けボルト1本が落下してなくなっていた、と発表した。
 落ちたのは、13号車の床下の「水封装置」と呼ばれる洗面所の排水用パイプの取り付けボルト(長さ3a、直径1a)。
 水封装置のボルト落下は、JR東海ののぞみ2編成でも10月23日に見つかっている。(京都新聞)
■「のぞみ」に割引切符 JR東海
 JR東海は2日、東海道新幹線の「のぞみ」に12月1日から割引切符制度を導入することを決めた。
 新しい割引制度名は「のぞみ指定席特急回数券」で、3ヵ月有効の6枚つづり。東京−新大阪、東京−名古屋などの区間で発売される。
 料金は東京−新大阪間で、普通車6枚つづりで8万5380円で1.4%の割引となり、各区間で現行より約1.4−1.8%の割引になる。
 JR西日本でも「のぞみ」に関する同様の割引制度を導入する予定。(京都新聞)
■ニュートラム運行今月中にも再開を 大阪市長が意向表明
 大阪市の西尾市長は2日記者会見し、10月5日の暴走事故後運休している市営ニュートラムの運行再開について「警察の捜査の終了を待たなければならないが、事故原因は中継継電器盤の故障とほぼ解明されており、今月中には再開したい」と、運輸省などの監督官庁に強く働き掛けていることを明らかにした。(京都新聞)
■北陸などルート確定へ 連立与党専門委 九州・長崎は一部変更 整備新幹線計画
 整備新幹線建設計画の見直しを検討している連立与党の専門委員会の左近正男座長(社会)は2日記者会見し、専門委が17日にまとめる中間報告に盛り込む内容の一部を明らかにした。
 それによると、未着工となっている北海道(青森−札幌)と北陸(南越−大阪)の2線について詳細なルー卜を確定するほか、九州・長崎ルートも路線を変更し、それぞれ環境影響評価を進めるよう日本鉄道建設公団に求める。
 九州・長崎ルート(博多−長崎)については、途中の佐世保−長崎を地元の要望が強い武雄温泉−新大村の短絡ルートに変更する。
 また同鹿児島ルートの博多−八代間の着工についても「地元の知事からやると言ってほしいと言われているので、明確にした方がいい」と述べ、中間報告に明示する考えを示唆した。
 さらに東北・盛岡−青森間については、一部区間で線路が、ミニ新幹線規格となっているのを東京−盛岡間と同じフル規格にするための財源的な可能性を示す方針だ。
 ただ北海道などの着工順位については「着工中の3線5区間の進ちょく状況を見て、第2段階で検討していく」と述べ、今回の中間報告では触れないという。(京都新聞)
■経済天気図 「JR株」と投資家心理
 国営企業が民営化されれば、株式会社に組織替えになる訳だから、国民はだれだって買えるはずである。
 その株式に魅力があればあるほど、欲しがる人も多くなるのは当然で、だからかつてのNTT株のように、抽選せざるをえない。
 今度のJR東日本にしても、NTT株で懲りた投資家も決して少なくはなかったに違いないのだが、やはり申し込みが多くて抽選になってしまった。
 「いつでも、だれでも買える」ということだと、投資家は平静でいられるのだが、あたかも宝くじのように抽選ということになると、逆に目の色が変わってくる。それが投資家心理というものだろう。
 筆者にいわせれば、JR東日本株の値打ちはそれほど高くはないのだが、心理的に値上がり期待が多いものだから、60万円もの高値で取引が始まったのである。
 みんなが半信半疑だから予想以上の高値が付いた途端、今度は逆に売り一色になったのも、これは当然であった。
 「一将功成りて万骨枯る」という古い言葉を思い出さずにおられない。なぜなら、いまの株式市場は、長い不況で収益力が落ちた会社ばかりだから、株価もさっぱり冴えないところへ、JR東日本株だけに人気が集中しているからである。
 それにしても、個人投資家の意欲が決して冷え切ってはおらず、チャンスがあれば買い出動しようという力が、まだ温存されていることがわかっただけでも、JR東日本株の新規上場の意義があったということだ。(まちの木)(京都新聞)
■列車正面衝突 35人が死亡 ジャカルタ郊外
 【ジャカルタ2日共同】インドネシアの首都ジャカルタ郊外で2日朝、通勤・通学客で満員の旅客列車同士が正面衝突する事故が起き、地元警察や病院関係者によると、少なくとも35人が死亡、130人が重軽傷を負った。情報が混乱しており、地元テレビは死者100人以上と伝えている。
 在ジャカルタ日本大使館によると死傷者の中に日本人はいないもようという。
 事故が起きたのは同日午前7時半(日本時間同9時半)ごろ。ジャカルタ南方約30`のチタエム地区の事故現場一帯は単線になっており、ジャカルタからボゴールに向かう列車と、逆にボゴールからジャカルタ行きの列車が正面衝突した。
 警察では、単線で正面衝突事故が起きていることから、ポイント切り替えの手違いなど、人為的なミスがあった可能性が強いとみて調べている。(京都新聞)
■列車が正面衝突 インドネシア 多数の死傷者
 【ジャカルタ2日=大野博人】インドネシアのジャカルタ郊外で2日午前7時半(日本時間同9時半)ごろ、2本の列車が正面衝突、地元警察によると、18人が死亡、200人以上が負傷して近くの病院に運び込まれた。ちょうど通勤ラッシュ時の事故。現場は単線になっており、いずれかの列車が、待ち合わせを怠ったと見られる。
 一方、国営アンタラ通信は、死者は35人にのぼる、と伝えている。
 現場はジャカルタ郊外南東部のデポック地区。直線になっており見通しはよい。
 ジャカルタからの下り列車の1両目がまっぷたつに折れて立ち上がった形で止まった。
 事故があった線は、ジャカルタとその南にある都市ボゴールを結んでおり、朝夕多くの通勤客が利用している。朝だったため、上りが満員状態だったようだ。(朝日新聞)
4日■JR山陽線 ヘッドホン…警告聞こえず 神戸 中2、列車にはねられ即死
 3日午前7時40分ごろ、神戸市須磨区西須磨鉄拐のJR山陽線で、同市垂水区美山台三丁目、中学2年生榊原暁子さん(14)が、上郡発米原行き上り快速電車=8両編成、実吉明敏運転士(44)=にはねられ、全身を打って即死した。この事故で、後続の列車3本が2〜5分遅れた。
 須磨署の調べでは、榊原さんは海岸に出るため、友人と高さ1.2bの鉄製フェンスを越えて線路を横断しようとした。先に渡りきった友人が列車の接近に気づいて声をかけたが、榊原さんはヘッドホンステレオをかけていて聞こえなかったらしい。現場は線路と国道2号が平行し、鉄製フェンスで隔てられている。(朝日新聞)
■保線区長ら2人書類送検 JR神戸駅構内事故
 今年1月、神戸市中央区のJR神戸駅構内で快速電車が脱線、乗客1人が重傷を負った事故で、兵庫県警捜査一課と生田署は4日、業務上過失障害、同往来危険の疑いで出村正文JR西日本神戸保線区長(44)と山岡佳比古・同保線区管理助役(43)を書類送検した。
 調べでは、2人は同保線区内の線路機能を維持管理する業務に従事していたが、昨年4月と11月に実施した線路検査の際、事故現場のポイント付近にある基本レールの摩耗や、列車の方向を変えるトングレールの曲がりを発見したとの報告を受けたが、レールの交換などの処理を怠り、事故を招いた疑い。(京都新聞 夕刊)
■保線区長ら書類送検 JR神戸駅脱線事故
 JR神戸駅構内で1月3日夕、快速電車が脱線した事故で、兵庫県警捜査一課と生田署は4日、事故を引き起こしたレールの摩耗を放置していたとして、JR西日本神戸保線区の出村正文区長(44)=兵庫県西宮市松山町=と同保線区の山岡佳比古管理助役(43)=同所=を業務上過失往来危険と業務上過失傷害の疑いで神戸地検に書類送検した。
 調べでは、2人は去年4月と11月に行われた分岐器機能検査で、保線区員らから「(レールの)摩耗大」などの報告を2度にわたって受けながら、レール交換などの処置をしなかった疑い。JR西日本によると、本線の基本レールが5_以上摩耗し、かつ基本レールの内側に沿って敷設されているポイント用のトングレールが6_以上摩耗している場合、レールの交換を義務づけている。(朝日新聞 夕刊)
■ニュートラム事故から1カ月 いまも 206人が治療中 地元自治会 「早期再開より安全」
 大阪市営の新交通システム「ニュートラム」の暴走事故から、4日で1ヵ月。市交通局は軌道上に過走防護装置を完成させ、電車を走らせて調整するなど、運行再開に向けた準備を整え始めた。しかし、217人の負傷者のうち全治したのは11人。骨折、打撲などで今も32人が入院しており、174人が通院を続けている。安全神話をゆるがせた事故に、地元自治会は「再開してほしいのはやまやまだが、まず安全確保を」と要望、交通局は通学、通勤の足確保に追われている。
 市交通局のニュートラム事故対策本部によると、ほとんどの負傷者が打撲を負い、内臓を損傷した人が8人、鎖骨や肋骨などを骨折した人が47人いた。
 仕事帰り、1両目の座席にいた奈良県内の会社員(59)は、吹き飛ばされて手すりに激突し、腎臓損傷の大けがをした。出血は止まり、10月30日に退院をしたが、治療は続くという。
 肋骨骨折などで大阪市内の病院に入院している金沢市の男性(34)は、母親が大阪市内に泊まり込んで看病、座骨を折った神奈川県の男性(50)は妻が遠路、看病に通う。
 事故対策本部は、症状が固定した乗客を対象に示談交渉を始めているが、成立したのはまだ8人。重傷者の中には、今年度中の示談も難しいケースも予想されるという。
 約3万7000人が住む大阪市住之江区の南港ポートタウンでは、事故から約1週間後、4つの連合町会の代表らが集まって対応を協議。再び事故が起こっては困るとして、事故原因の徹底究明と安全対策を急ぐよう市側に求めた。南港線連合町会の埜口清美会長(63)は「住民の不安感は根強い。安全対策をきちんとして、添乗員も乗せてもらわなけれは安心できない」と話す。
 通勤、通学の足となる代行バスは当初は混乱もあったが、増発や直行バスの導入などもあって、不便ながらも落ち着きを取り戻してきた。しかし、南港にある相愛大では、13、14両日に短期大学部の推薦入試がある。2日で2000人を超える受験生が訪れる予定だが、両日とも、近くの国際展示場「インテックス大阪」で23万人を集める「国際繊維機械ショー」が開かれる。大学側の要請で、交通局は両日とも、平日並みのダイヤでバスを運行することを決めた。(朝日新聞)
5日■JR京都駅行政訴訟 住民の訴え門前払い 京地裁判決「裁判対象にならず」
 JR京都駅の高層改築計画をめぐって、京都市が高さ制限を約60bに緩和するため「特定街区」を導入する都市計画決定をしたことに対して、駅周辺住民らが市を相手に同計画決定の無効確認などを求めていた訴訟で、京都地裁(吉川義春裁判長)は5日、口頭弁論を開き、「この都市計画決定は、個人の権利侵害を伴う行政処分でなく、裁判の対象となる処分に該当しない。無効確認を求める訴えは訴訟要件に欠ける」などとして住民の訴えを却下、門前払いの判決を言い渡した。
 住民側は、駅改築のための建築確認がすでに出されていることから、この建築確認取り消しの裁判を起こす予定。「特定街区」の都市計画決定をめぐる行政訴訟は今回が初めてだった。
 原告らは、駅改築に伴う区画整理事業区域の住民を含む市民約600人で、「駅高層化は京都の歴史的景観を壊すうえ、高さ緩和の決定は都市計画法に違反する」などとして、市が昨年12月2日で告示した「特定街区」に指定する都市計画決定の無効、取り消しを求めていた。
 これに対して、被告の市側は「都市計画決定は、行政処分ではなく、処分の取り消しなどを求める行政訴訟に該当しない。訴えは不適法」として却下を求めていた。
 同駅改築をめぐっては、市民団体が、駅ビル開発会社に出資する同市などを相手に、出資金の返還を求める住民訴訟を起こしており、この裁判も来春には結審する。(京都新聞 夕刊)
■濃霧でダイヤ乱れる JR琵琶湖線など
 5日早朝、近畿地方は各地で霧やもやが発生し、JR琵琶湖線と神戸線でダイヤが乱れるなどの影響がでた。
 JR西日本の調べでは、午前5時ごろから琵琶湖線の守山−河瀬間で濃霧が発生。視界が1`以下になったため、時速15`前後の徐行運転を行った。このため。同4時56分米原発網干行きの快速電車が野洲駅で39分遅れたほか、後続の上下10本が4−39分遅れ、約4500人が影響を受けた。(京都新聞 夕刊)
■ホームでもみ合い 電車に挟まれ死亡 東京、殺人で捜査
 4日午後8時20分ごろ、東京都渋谷区笹塚一丁目の京王線笹塚駅上り線4番ホームで、男性2人がもみ合いになり、1人が引きずられて線路側に上半身を押し出された。男性は、入ってきた高尾山口発新宿行きの電車(8両編成)とホームの間に挟まれ、東京消防庁の救急隊員に救助されたが、全身を打っており、間もなく死んだ。警視庁捜査一課は代々木署に特別捜査本部を設置し、殺人事件として調べている。
 死んだ男性は杉並区高井戸西2丁目、建具職人尾上倉造さん(54)。
 調べでは、尾上さには電車が入ってくる直前、ホームのベンチで男と口論をしていた。その後、もみ合いになり、男が尾上さんを背後から抱えるようにして線路側に引きずっていってあお向けに倒し、上半身を線路上に突き出したまま、電車が進入する直前まで馬乗りになっていた。
 男は、事件直後にいったん反対側のホームの電車に乗ったが、発車直前に電車を降りて改札口に向かったという。2人は酒に酔っていたらしい。当時、駅員はいなかったという。
 逃げた男は35−45歳で、身長165a前後、灰色のジャンパーを着ていた。(朝日新聞 夕刊)
6日■のぞみ回数券来月から発売 JR西日本
 山陽新幹線「のぞみ」の割引制度を検討していたJR西日本は5日、新大阪−小倉、博多の2区間に指定席特急回数券を12月1日から発売すると発表した。
 割引率は3.6−9.2%で、JR東海が2日に公表した東海道新幹線の東京−新大阪間(普通車で1.4%引き)など3区間の回数券に比べ、大幅な割引となっており、利用客の間からは「不公平ではないか」との不満も聞こえそうだ。
 JR西日本が新設するのぞみ回数券は、普通車用とグリーン車用の2種類で、3ヵ月間有効の6枚つづり。料金は普通車利用の場合、新大阪−小倉間が8万3000円(割引率4.0%)、新大阪−博多間は8万3100円(同9.2%)。
 また、JR西日本とJR東海は同日、京阪神の駅発着の「ひかり」など従来の指定席回数券について、「京阪神地区」と表記されていた発着駅名をそれぞれ「京都市内」「大阪市内」「神戸市内」に変更、別々の切符にすることを同時に発表した。 実施は12月からで、変更に伴って東京−神戸、京都−博多間などが値上げされ、逆に東京−京都、神戸−博多間などは値下げになる。(京都新聞)
■梅小路公園を拡張 隣接地買収 緑の空間12fに
 京都市は5日までに、平安建都1200年記念事業として下京区の貨物駅跡地に建設中の「梅小路公園」に隣接する倉庫会社用地を買収、公園用地の拡張に着手する。来年秋に開催される第11回全国都市緑化きょうとフェアの会場ともなる同公園は、これによって総計12.4fと当初計画より約7%増加、大規模緑地公園となる。
 新たに買収したのは建設中の梅小路公園北側に隣接する下京区観善寺町の京神倉庫の用地約8300平方b。約39億6700万円で買収、すでに建設工事に着手している11.6fと合わせ、同公園の面積は12.4fに拡大され、緑の空間が一段と充実することになった。
 同公園は、来年9月23日から開催される全国緑化フェアで、学研記念公園(相楽郡精華町)とともに、主会場の一つとして整備。以後は岡崎公園(約10.3f)を上回る市内最大規模の総合公園(都市基幹公園)として活用する。
 同公園では明治時代の市電が動態保存されるほか、池泉回遊式の庭園や緑に関する情報を集めた緑の館などが整備される計画だが、市建設局は今回取得した倉庫用地を緑をテーマにした民間パビリオン用地に充て、緑化フェア行事の充実を図る計画にしている。当初、パビリオンは公園東側の大部分を占める芝生広場付近に建てる予定だったが、用地の拡張で公園内は5fの広大な芝生広場が確保される見通しとなった。(京都新聞)
■割引回数券来月導入ですが 「率」バラバラに加え 両社またぐと対象外 東海・西日本 JR 両社話つかず?
 割引が一切なかった東海道・山陽新幹線「のぞみ」に、12月1日から割引回数券が設定されることになった。JR東海、西日本両社は5日までに、東京−新大阪、新大阪−博多間など特定区間に限った6枚つづりの回数券の発売を運輸省に届け出た。しかし、対象は5区間に限定され、両社の割引率はばらばら。東京−広島や東京−博多など東海道と山陽をまたがって利用する乗客への割引も見送られた。
 JR西日本が5日に近畿運輸局に届け出た「のぞみ」の割引回数券は、新大阪−小倉、博多の利用を対象にした「大阪市内−北九州市内」「大阪市内−福岡市内」の2種類。普通車用はいずれも8万3100円で、グリーン車は北九州市内が10万9800円、福岡市内が11万5800円となっている。有効期間は3ヵ月で、年末年始やお盆の期間は利用できない。
 1回当たりの料金は現在の料金に比べ、3.6−9.2%の割引になり、新大阪−博多の場合、普通車で1410円、グリーン車で1640円安い。また「ひかり」の指定席よりも「のぞみ」の回数券1回分の方が460円安くなる。
 これに対し、JR東海の割引回数券は、東京と名古屋、京都、新大阪間の3区間が対象で割引率は1.1−1.8%。グリーン車、普通車とも1回当たり200円安いだけ。線路はつながっているのに、割引率に差が出たのは「利用客を増やすには割引が効果的」と考えるJR西日本と、「できれは割引を導入したくない」というJR東海の考えがかみ合わなかったためらしく、両社にまたがる区間の割引も実現しなかった。
 このため、割引回数券の対象区間以外の利用客は1円も割引がない。例えば、大阪から博多までの利用客は割引があるのに東京から博多までの利用客は割引がない。(朝日新聞)
■JR関西線濃霧で乱れる
 6日朝の近畿地方は、移動性高気圧の影響で内陸部を中心に濃霧が発生、JR関西線で湊町発奈良行きの快速電車が全面運休したほか、13本が部分運休、38本が最高15分遅れるなどダイヤが乱れた。
 JR西日本によると、同日午前5時ごろ、関西線の奈良−大和小泉間で濃霧が発生したため、同線は始発から午前9時すぎまで徐行運転、8000人に影響が出た。大阪管区気象台によると、6日朝の近畿地方は、放射冷却減少となって霧が発生しやすくなり、奈良県などに濃霧注意報が出された。(京都新聞 夕刊)
■奈良の日本画家がひかり車内で病死
 5日午後11時45分ごろ、広島市のJR広島駅新幹線ホームに到着した東京発広島行きひかり95号の6号車の座席で、男性の乗客が死亡しているのを車掌が見つけ広島県警鉄道警察隊に届けた。
 男性は、持っていたメモ帳などから奈良県宇陀郡室生村多田、日本画家北野井正義さん(73)と分かった。
 広島東署の調べによると、北野井さんは同ひかりに乗車中の同日午後8時ごろ、急性心不全のため死亡したらしい。東京から京都までの乗車券を持っていた。
 北野さんは日展会友で、昭和43年、日展に初入選、ことしも18回目の入選を果たした。この日は、第25回日展が開催中の東京・上野の都美術館を訪れ、新幹線で帰宅途中だった。(京都新聞 夕刊)
■電車14本が濃霧で運休 JR大和路線
 6日午前5時ごろ、奈良県大和郡山市付近で濃霧が発生し、JR大和路線の電車が徐行運転した。この影響で、湊町発奈良行き快速電車など14本が運休。38本が最高15分遅れ、約8000人の足が乱れた。
 日本気象協会関西本部と奈良地方気象台によると、放射冷却減少で地表が急激に冷えたため、空気中の水分が凝結、濃霧が発生たらしい。最悪時には視界は100bくらいしかなかったという。(朝日新聞 夕刊)
7日■ニュートラム リレー装置 検査基準誤る 開業以来放置 届け出と違う検査も
 大阪市営ニュートラムの暴走事故で、事故の原因個所とみられている中継継電器盤内のリレー装置について同市交通局は、近畿運輸局に届けた基準に沿って定期検査を実施していなかったことが6日分かった。交通局は「勘違いで基準を作った単純ミス」としているが、開業以来12年以上も届け出と違う検査をしており、運輸省から監査などを受けることになりそうだ。
 交通局によると、開業直前の昭和56年1月、鉄道運転規則に基づきニュートラムの定期検査項目を定めた中量軌道車両検検査基準を作り、同運輸局に届けた。
 この中でリレー装置については、2年に1度の重要部検査や4年に1度の全般検査で、動作電圧、電流を検査することと、検査パスの最低動作電圧を「使用電圧の60%」と決めていた。
 しかし、地下鉄やニュートラムでは、一般電気装置で電圧を検査するのは補助電源とブレーキの電磁弁だけというのが同交通局の伝統的な考え方の上、使用電圧60%では制御関係も動かず、近畿運輸局に届けた基準の間違いに気付いた。
 同交通局は「基準作成担当者が、検査基準のリレーの次の欄にある電磁弁部分と勘速いして定めてしまった。安全上問題はないにしても、届けと違う検査を続けていたことはまずかった」と釈明している。(京都新聞)
■異常ランプが点灯 「のぞみ」停車
 6日午後7時半ごろ、北九州市八幡西区を走っていた山陽新幹線博多発新大阪行きのぞみ502号で、台車の異常を知らせる運転台のランプが点灯。小倉駅手前でいったん停車した。
 間もなく運転を再開したが、新下関通過後、再び点灯したため停車して床下を点検、異常がないので運転を続けた。同列車は14分遅れた。後続に影響はなかった。
 大阪第一車両所で原因を調べる。(京都新聞)
■再開にらみ思惑交錯 ニュートラム事故1ヵ月 大阪市・頭痛い経費増 運輸省・慎重さ崩さず 府警・じっくり検証
 大阪市営の新交通システム「ニュートラム」の暴走事故から1ヵ月。市交通局の事故調査委員会や運輸省は、ブレーキ信号を伝える中継継電器内の「切り替えリレー部」でスイッチが接触不良を起こしたのが直接の事故原因との見解をまとめ、安全対策を進めている。1日も早い運行再開を望む大阪市。再発防止に神経をとがらす運輸省。運行管理者の過失責任を追及する大阪府警。今月中の運行再開に向け、3者の思惑が交錯する。
《台所事情》
 東京・霞が開の運輸省5階にある鉄道局長室。10月末の午後、大阪市の西尾正也市長は、秦野裕・鉄道局長に向かって「お騒がせしました」と頭を下げた。市長はこの日、運輸省と建設省を相次いで訪れ、事故のおわびに回った。翌日から韓国出張を控え、過密スケジュールを縫っての陳情目的は、運行の早期再開である。
 市交通局にとって頭が痛いのは財政問題だ。運賃収入の減少と代行バスの経費を合わせ、この1ヵ月間に約2億8000万円の出費。今後、1日運休するごとに、約750万円(平日)ずつ負担が増す。
 市長は2日の記者会見で「代行バスの運転手にも無理をさせている。なんとか早い運行再開を」と苦衷をのぞかせた。2週3休の市バス運転手約1800人に、休日1日を返上させてやり繰りする。運休が長引けば労使間題にも発展しかねない。
《異例の対応》
 「無人・自動運転」を売り物にしてきた新交通システム。推進役となった運輸省は事態を重視し、近畿運輸局から毎日2人の係官を出して大阪府警の検証に立ち会わせた。運輸省保安車両課は「信楽高原鉄道の事故の時でも係官を毎日は出していない。異例の対応です」という。
 同省では8日、事故の中間報告をまとめる予定だ。車両に積み込まれた中継継電器の中に、常用ブレーキ信号の流れを決める「切り替えリレー部」がある。この中で自動列車制御装置(ATC)側にある複数のスイッチの接点が長期使用のすえ荒れた状態になっていた。リレー部のほかに異状は見当たらなかったため、このスイッチの接触不良で一時的に電流が流れなくなり、ブレーキ信号が伝わらずに暴走した、と推定。@直列になっている切り替えリレーを改善するAリレー装置の電源が切れた時に非常ブレーキがかかるようにする−などの対策が必要だとしている。
 同省は、これらの措置が完了するまで「1ヵ月足らず」とみているが、「無人化を推進してきたのは、システムヘの信頼があった。安全対策に万全を期したい」と早期再開に慎重な構えは崩さない。無人運転をしている横浜と神戸の3路線に指示している最終区間での添乗員の乗務も、事故原因がはっきりするまでは継続させる方針だ。
《責任追及》
 大阪府警は警察庁の科学警察研究所に協力を求め、現場検証を続けた。無人運行の電車で過失を問う初めてのケース。ほぼ1ヵ月で地上施設や中枢機器を積む3両目の検証を終え、事故原因の特定のため切り替えリレー部などの鑑定作業に入った。
 捜査幹部は、事故直後にニュートラムの運行を一時的に再開した市に対し、「安全意識の欠如」を指摘。現場検証の情報がもれるたびに、不快感を隠さなかった。立ち会いの市交通局職員は、警察側の資料やデータの要求にこたえるのが主な仕事。検証の場では、メモを取ることも禁じられたという。
 今月1、2の両日、交通局の事故調査委員会は府警の許可を得て、初めて事故車両を調べた。しかし、事故原因に直接かかわるとみられる中継継終電器のリレー部などは、警察側が鑑定のために事前に取り外していた。
 捜査本部は「事故原因を特定した後、運行管理や車両の検査態勢などをじっくり調べたい」といい、長期戦の構えだ。
 大阪市交通局はニュートラムの安全対策として、事故が起こった終着駅の住之江公園駅付近で、一定基準を超える速度だった場合に非常停止させる「追走防護装置」や、非常時に送電を止める仕組みの新設など、軌道側の改善をほぼ終えた。車両側の改善策についても、7日に開く事故調査委員会の会合でまとめたうえ、8日にも運輸、建設両省へ申請する方針で、今月中の再開に照準を合わせている。(朝日新聞)
■市交通局の検査に不備 ニュートラム車両
 暴走事故を起こした「ニュートラム」を経営する大阪市交通局が、近畿運輸局に届けた車両の定期検査基準に反して、継電器(リレー)を動かす電流、電圧の検査を省略していたことが6日わかった。交通局は、「検査の実情と合わない基準を届けていた」とミスを認め、検査基準の見直しを始めた。運輸省も近く検査担当者から事情を聴く。
 基準では、1年半程度の間隔で行う定期検査で、継電器を動かす電圧と電流を調べると定め、通常の6割の電圧でも継電器が動くかどうかをみるとしている。
 交通局によると、検査では約1000個の継電器を係員が目で見て異状を調べ、自動検査装置で動作確認をするが、電圧と電流については、車両の電源をチェックすることで代用。継電器ごとの検査をしていなかった。(朝日新聞)
■村本建設 元経理部長が自殺 JR三郷駅 ホームから飛び込む
 6日午後2時半ごろ、奈良県生駒郡三郷町立野南のJR関西線三郷(さんごう)駅で、同町立野北一丁目、村本建設元取締役経理部長の大川好彦さん(53)が加茂発湊町行きの快速電車(4両編成)にはねられ即死した。
 県警西和署の調べでは、大川さんは、同駅を通過中の列車にホーム端から飛び込んだという。
 村本建設は5000億円を選える負債を抱えて1日、会社更生法の適用を申請し2日、大阪地裁から財産保全命令を受けた。大川さんは、今年9月20日に同社の取締役を辞任、同社関連会社の「村本不動産」など数社の役員に就いていた。
 同社の関係者によると「会社が会社更生法適用申請後、ふさぎこんでいることが多かった」という。(朝日新聞)
■時々刻々 京都市の高層化規制緩和 景観巡り論争再燃 ビルが東寺の塔かくす?
 歴史都市・京都の景観問題が、あらたな局面に入った。京都市が11月から総合設計制度の取扱要領を改定し、副都心づくりの舞台となるJR京都駅南側の地域では、従来の要領で45bだった建物の高さの限度を、新駅ビルと同じ60b程度まで緩和することを打ち出したのだ。これにより、日本の木造古建築では一番の高さを誇る東寺の五重塔(約57b)を上回る高層建築が林立する恐れも出てきた。京都ホテルや京都駅の高層化計画をきっかけに起こった景観論争が再燃している。(京都支局・扇谷 純)
●期待と不安
 総合設計制度の改定を、地元経済界は「京都の活性化に役立つ」と歓迎しており、京都駅の南口で早くも新たな60bビル構想が浮上した。京都商工会議所が超高層化を目指していた「京都経済センター」(仮称)の建設構想である。
 だが、高層化に反対してきた市民グループ「ストップ・ザ・京都破壊 まちづくり市民連絡会議」(代表、西山卯三・京都大学名誉教授)は「歴史都市・京都の生命線ともいうべき高さ規制を骨抜きにするものだ」と批判している。
 京都駅の南西には東寺がある。20年以上も前には、電電公社(現在のNTT)が近くに約100bの電波塔建設を計画した際、市が「京都のシンボルの五重塔が台無しになる」と別の場所に変更させたこともあったほどだ。
 規制緩和について、市は「一律には適用しない」といい、乱開発の懸念はないと説明しているが、「国際的な景観保全の流れにも逆行する」と危ぶむ市民は少なくない。
●市議会抜き
 京都市が制度改定を公表した10月1日の市議会建設委員会で、山中渡委員(共産)は「当日になって突然報告を受けても、審議のしようがない。議会をどう思っているのか」と迫った。しかし、武居桂・市住宅局長は「まちづくり審議会などでの論議を踏まえて改正している。取扱要領は内部説定的なもので、行政が責任を持って決める」と突っぱねた。
 もともと京都の景観論争は、数年前に起きたJR京都駅や京都ホテルの高層化計画がきっかけだった。京都ホテルはすでに60bの最上階まで立ち上がり、駅ビルも着工間近だ。
 論議の過程で噴き出した行政批判の高まりを受けて、市が新しい都市づくりを検討するため、学識経験者や各界代表で構成する「まちづくり審議会」を発足させたのは91年5月。審議会は92年4月までに、「周辺部は保全」「中心部は再生」「南部は創造」を柱とした答申を2度にわたってまとめ、市に提出した。
 この答申を具体化したのが今回の総合設計制度取扱要領の改定だ。だが、その内容は、先の市議会建設委員会当日まで伏せられていた。山中委員は「京都の将来を左右する大問題を、市議会抜きで決めていく。これでは市民は完全にカヤの外だ」と不満を隠さない。
●方針先送り
 一方、まちづくり審議会が答申の中で強く求めていた、住民参加のもとで土地利用方針をきめ細かく定めるマスタープランの策定や、長期的展望に立った土地利用と景観対策に関するグランドビジョンづくりは、先送りされたかたちだ。
 審議会長を務めた堀内三郎・京都大名誉教授(都市防災学)は、今回の改定について、「答申の都合のいい部分だけをつまみ食いしている感じ。事前に案を市民に公表し意見を聴く、という答申の趣旨も棚上げしている」と不満を漏らす。
・市はまず展望示せ
 三村浩史・京都大教授(都市計画)の話 エリアやタイプ別に、まちなみのデザインのガイドラインを定めて総合設計制度を運用しないと、小さな公開空地があちこちにできたり、建物のスカイラインが乱れるなど、かえって悪影響が出る。今回の市のやり方は順序が逆。どういう都市景観にするのか、という展望を示すことが先決だ。
・京都市の総合設計制度 総合設計制度は、敷地内に一定割合の公共スペースを設けることなどを条件に、建物の容積率(敷地面積に対する延べ床面積の割合)の割り増しなどを認める制度。景観保全のため建物の高さを制限(最高45b)している京都市は1988年4月、取扱要領を定め、部分的に高さの緩和措置をとった。さらに今回の要領では、市の中心部と周辺部で高さの割り増しを認めない地域を新設、拡大する一方、南部の「高度集積地区」は条件つきで容積率による制限に転換。バッファゾーン(緩衝地帯)に位置づけられているJR京都駅南側については高さ制限の緩和を、45bから60b程度まで拡大する方針を打ち出した。(朝日新聞)
8日■異音で緊急停車 新幹線6本遅れる
 7日午後6時45分ごろ、山陽新幹線東京発博多行きひかり49号(乗客約950人)が山口県内の小郡−新下関間を走行中、運転士が先頭車両の左前スカート部から「ゴーン」という異音を聞いたため緊急停車させた。異常は見つからず、運転を再開した。
 同列車など上下計6本が最高17分遅れ、約3000人に影響した。(京都新聞)
■村本建設 元経理担当が自殺 JR関西線三郷駅 快速に飛び込む
 6日午後2時半ごろ、奈良県生駒郡三郷町立野南のJR関西線三郷駅で、同町立野北、村本建設(本社奈良県・広陵町)の元経理担当取締役大川好彦さん(53)が加茂発湊町行き快速電車(4両)にはねられ、即死した。西和署の調べでは、同電車が駅を通過するためホームに差し掛かったところ、大川さんがホームの東端から飛び込んだという。遺書はなかったが、同署は自役とみている。
 村本建設は約5900億円という戦後最大の負債を抱えて今月1日、奈良地裁葛城支部に会社更生法の適用を申請、事実上倒産した。
 大川さんは経理、財務担当取締役で、ことし9月20日付で同社取締役を辞任。関連会社の村本不動産の取結役に就いていた。
 同署は会社更生法の適用申請などを苦にしたのではないかとみて関係者から事情を聴き、動機などを調べている。(京都新聞)
■ニュートラム暴走 原因はリレー接触不良 調査委が公式見解 月内にも運行再開
 217人の負傷者を出した大阪市営ニュートラムの暴走事故で、同市交通局の事故調査委員会は8日、車両内のブレーキ信号を伝える中継継電器盤内の切り替えリレー装置でスイッチが接触不良を起こしたことが事故の直接原因、とする公式見解をまとめるとともに、事故再発防止対策を発表した。大阪市はこれを基に同日午後、車両の設計変更認可を近畿運輸局と大阪府に申請。運輸省の特別監査など検査が終わり次第、今月中にも運行を再開したい構えだ。
 外部の学識者を交えた同調査委は、10月5日の事故以来6回の会合を開き、ブレーキ装置やその周辺機器類の機能試験を実施、事故原因を独自に調べてきた。
 その結果、自動列車操縦装置(ATO)と自動列車制御装置(ATC)からの指令を無人運転電車のブレーキ装置に伝える中継継電器盤内のリレー装置の一つの接点が、スイッチ切り替え時に生ずる火花などで「溶着」状態となって接触不良を起こし、一時的に電流が流れずにATO、ATC双方のブレーキ信号が伝わらないで暴走した可能性が強いことが分かった。
 このため@電源が切れても自動的に非常ブレーキがかかるAブレーキの圧力不足など異常が起きた時は全車にブレーキがかかるB主要個所の接点回路や配線を二重にし、一方が切れても作動する−など車両側の装置を改善して、事故の再発を防止したいとしている。
 しかし、同調査委がまとめた対策には、職員の安全意識にかかわる部分がないことに加え、「最重要部分」(交通局幹部)とされる切り替えリレー装置での接点溶着を想定した安全設計がなかったことは今後、運輸省などから厳しいチェックを受けることになりそうだ。(京都新聞 夕刊)
■JR京都駅改築反対住民陳述 午前は2人だけ 府都計審 意見聴取を開始
 京都府都市計画地方審議会(会長・天野光三京都大名誉教授)は8日午前、JR京都駅ビル改築に反対する住民約1300人に対する意見聴取を始めた。26日間にわたる全国でも異例のマラソン意見陳述になる予定だったが、陳述方法について住民側が折議、午前中に陳述したのは住民2人だけだけだった。
 府都計審は昨年11月、京都駅ビルの高さを60bに緩和する「特定街区」指定などを示認した。これに対し、住民ら1295人が土地区画整理法などに基づく口頭意見陳述を申し立てたため、府都計審は都市計画決定を前に、希望者全員から意見聴取することを決めていた。
 意見陳述の受け付けは、午前9時前から京都府庁内の会議室で始まったが、姿を見せたのは「まちづくり市民会議」の西山卯三代表ら4人だけ。住民側は陳述方法をめぐり代理聴取人の府都市計画課職員に約1時間にわたって抗議し▽陳述の日時を一方的に決めず、本人と調整して夜間や休日にも陳述できるようにする▽代理聴取とせずに府都計審の委員が出席する−などを申し入れた。意見陳述は、予定より1時間遅れで午前10時から始まり、住民が「京都市が意見陳述に先立ち、先月25日に駅ビルの建築確認をしたのは、意見陳述の意義をなくしてしまう。市に建築確認を撤回するよう申し入れてほしい」などと陳述した。
 府都計審は、土曜日と休日を除き来月17日まで連日、60人ずつ意見陳述を聴くことにしている。(京都新聞 夕刊)
■継電器接点が溶着 ニュートラム事故 大阪市が原因推定
 217人が重軽傷を負った大阪市営の新交通システム「ニュートラム」の暴走事故で、大阪市交通局の事故調査委員会(委員長、佐野寛・同局建設技術本部長)は8日、車両側の中継継電器の回路の中で、減速指令を自動列車運転装置(ATO)から自動列車制御装置(ATC)に切り替える継電器(リレー)の金属接点が、火花などで「溶着」した故障が事故原因と推定される、と中間報告を発表した。溶着のため、切り替えができず、ATO、ATCとも常用ブレーキが利かない状態になったといい、多重の安全装置を積んでいるはずの自動運転列車のもろさが明らかになった。市交通局は同日午後、非常ブレーキの充実など車両の設計変更申請を近畿運輸局と大阪府に提出する。
 交通局は大阪府警の事故車両の検証に立ち会うとともに、今月1、2日には独自に車両を調べた。この結果、ATOやATCと、ブレーキ装置側をつなぐ中継継電器で、「ATC常用ブレーキ出力リレー」と呼ばれる部分に異状があることをつかんだ。
 このリレーは複数の接点が同時に動き、ATOとATCの常用ブレーキ回路の電源を切り替える。うち1ヵ所の接点では、滑らかだった表面が切り替え時の火花などのため荒れ、溶けた金属(金と銀の合金)が積み重なって1_程度の突起ができていた。
 接点が溶けてくっついたままになっていた可能性があり、交通局は同じ部品を使って作動実験。1ヵ所の接点を固定しただけで他の5ヵ所の接点も十分に動かなくなることがわかった。ATOからATCへの切り替えがうまく進まないと、ATOの電源が切れたにもかかわらず、ATCの電源が入らない中途半端な状懸になって、ATOとATCの両方のブレーキが利かなくなることもわかった。
・運行再開時期 申請受け早く 運輸省も中間報告
 運輸省も8日午前、ニュートラムの暴走事故について中間報告を発表し、中継継電器内のリレーが溶着や機械的な動作不良などのせいで働かず、常用ブレーキに一時的に電気が流れなかったのが原因との見方を示した。運行再開の時期については明言を避けたが、大阪市交通局の申請を受けて、できるだけ早く認可したいとした。(朝日新聞 夕刊)
■検査体制 無防備だった ニュートラム事故中間報告
 わずか2_のすき間ではじけた火花が、自動運転装置をまひさせた。大阪市営「ニュートラム」の暴走事故で、市の事故調査委員余が導き出した「火花による接点溶着」は、運行管理者が「全く予期しなかった」と告白する異状だった。問題の接点は開業以来、取り換え不要とされ、検査体制は「溶着」に無防備だった。技術陣は「今回と同じ個所で異状が起きても止まるよう車両改良する」という一方、ほかに1000個所以上ある接点は大丈夫か、との問いに口ごもる。運行再開に向けて走り出す中、資全への不安はなお消えない。
・接点溶着予期せず すき間2_人の目頼り
 「消去法でいけば、異状は中継継電器内にあるリレーの接点にしかありえないと思う」。記者会見した事故調査委員長の佐野寛・交通局建設技術本部長は、慎重な言い回しで語った。
 断定を避けたのは、調査委の事故車両調査で調べなかった部品があったからだ。それは、ブレーキ指令を取り次ぐ中継継電器内で、自動列車運転装置(ATO)と自動列車制御装置(ATC)の指令を必要に応じて切り替える、大人のこぶしほどの大きさのリレー部。調査委は検討段階から疑っていたが、大阪府警に押収されていた。
 調べてみると、ほかに異状は見つからず、このリレー部の疑いを強めた。調査前、技術職員の一人が警察の検証に立ち会った際、このリレーの接点に溶着跡と思われる小さな突起を見ていた。
 リレーの接点は、2_の幅で離合する。突起の高さは、1_に満たない。しかし、これが「推論」の最も重要な根拠になった。「こんなことがあるなんて。接触不良はありうるが、溶着は考えてもいなかった」と、この職員は話す。
 交通局がこのリレーの耐用使用回数を調べたのは事故の後だった。メーカーの答えは「170万回」。事故車両のリレー使用回数を計算してみると、130万回程度で、胸をなでおろす一幕もあったという。交通局幹部は、記者会見で交換の基準を問われると口ごもり、開業後、交換したのは3回だけで、交換時のリレーの状態についての記録は残っていないことを認めた。
 「リレーの溶着を未然に防ぐ有効な方法は、目視しかない」「検査時に重点的に見る」。調査委員が今後の対策を説明する言葉に、膨大なリレーを一つひとつ検査することが極めて難しいとの思いがにじんだ。
 専門家の立場から調査委に参加した浅居喜代治・大阪工大教授(経営工学科)は「車両は、異状が起きれば確実に止まるよう改善される。しかし、機械だけに頼るのではなく、人間と機械の相互補完で運行することがやはり大切だ。再開後、永続的に添乗員を乗せないのなら、中央指令所や駅などでさらにきめ細かく運行を監視する必要がある」と話している。
・車止め衝突は時速10−20` 常用ブレーキ働かず
 暴走事故を起こした「ニュートラム」の車両は、住之江公園駅手前の減速区間で常用ブレーキが一度もかからず、時速10−20`で車止めに激突していたことが、8日、大阪市交通局の事故調査委員会がまとめた事故調査報告書で明らかになった。電車は停止線をオーバーランして5−6秒後に車止めにぶつかった、としている。
 調査委員会は同型車両を使って自然減速の具合などを調べ、ブレーキの利かなくなった場所と電車の止まる位置の関係を計算した。その結果、停止線の手前約230bから始まる減速区間で一度もブレーキがかからない場合だけ、車止めに衝突することを確認した。
 電車は時速50`で減速区間に進入する設計になっており、この場合、車止めに衝突したときの時速は13`程度。減速区間に入った速度の誤差を考慮して、時速10`から20`の間と割り出した。停止線をオーバーランしたときの速度は時速40`弱だったと推計している。
・自動検査の限界示す(解説)
 大阪市営「ニュートラム」の暴走事故に関する市事故調査委員会の調査報告は、「自動」に頼る安全が決して万全ではない現実をあらためて示した。事故原因と推定されたリレー接点の溶着について、市交通局は「予測できなくて当然」としており、今後も、機械だけでは節書きのない事態に対応できない恐れが残っている。
 市交通局は運行再開に向けた安全対策として、溶着が起きてもブレーキがかかるための装置を電車と軌道の両方に付け加える、と説明する。
 しかし、それで完全に事故を防げるとはいえない。ATC、ATOなど他の装置については「故障はまずあり得ない」として、個々の部品の鑑定や作動試験はしていない。
 車両の定期検査についても、基本的にこれまでと同様で、装置類が正常に動くかどうかはコンピューターによる自動検査で確かめるという。だが、溶着の遠因となる接点表面のわずかな「荒れ」の有無や程度は、いまの自動検査ではわからないはずだ。
 市交通局は「『荒れ』を見つけられるのは人の目だけだ」とし、重要なリレーについては目視検査を徹底させるという。機械の弱点は結局、人が補っていかざるをえないとの結論だ。
・原因特定へ鑑定中 大阪府警捜査本部
 大阪府警捜査一課の住之江署捜査本部は8日、市交通局の事故報告について「あくまで推定と考える。こちらの鑑定で事故原因を特定し、その後、運行管理や検査体制のありかたを十分に捜査する」としている。
 捜査本部でも、中継継電器の自動列車制御装置(ATC)側リレー部内の接点にあった突起などの異状を重視、切り替えリレー部を含むこの個所で異状が起きて暴走事故につながったとの見方を固めている。事故直後から10月末まで、中継継電器内部の電気の流れ具合を調べる「導通試験」を繰り返したが、明確に異状を示すデータが得られなかった、という。
 このため、11月初めに切り替えリレー部を含む複数個所を警察庁科学警察研究所に運び鑑定中だ。リレーの接点などを顕微鏡で調べるなどした後、本格的な通電実験を実施して、事故原因を特定したいとしている。(朝日新聞 夕刊)
9日■大阪・ニュートラム 19日から運転再開も
 大阪市営ニュートラムの暴走事故の中間報告がまとまったのを受けて、運輸省の松尾道彦事務次官は8日午後の会見で「15日から特別保安監査を実施して条件を満たしていれば、19日から運転再開を認めたい」と述べた。(京都新聞)
■山陰線ホームを変更 関空直通列車運行で 京都市都計審が承認
 京都市都市計画審議会(会長・内田俊一助役)が8日、上京区内で開かれ、JR京都駅の関西国際空港直結列車の運行と、シティー・エア・タ−ミナル(CAT)整備に対応するため、山陰線1番ホームを東海道線1番ホームに変更、拡幅する案件や、JR山陰線の二条−花園両駅間に新たに設ける「円町駅」の駅前広場区域の設定など7件の都市計画決定を承認した。
 京都駅ホーム変更は、関空開港に向けて京都始発の直通列車の運行に専用プラットホームを確保するための都市計画決定。山陰線ホームのうち南端の1本を、直通列車用に振り分けた。
 円町駅前広場は、駅北側の京都西陣公共職業安定所円町労働分室の敷地(府有地)760平方bを、交通広場として区域変更する。同広場は丸太町通にも面し、歩行者・自転車専用道路と合わせて整備する。円町駅は、山陰線の連続立体交差化事業とともに、1996年度内の完成見込みで、駅前広場も同時期に整備される。
 このほか、審議会では、JR丹波口駅地区土地区画整理事業(面積17.1f)に伴う京都リサーチパーク(KRP)一帯の11.2fの用途を工業地域から商業地域に変更、高度地区も無指定を第五種高度地区(高さ制限31b)などにした。また、伏見区横大路千両松町に建設が計画されている民間産業廃棄物処理施設用地(約2400平方b)の都市計画決定も行った。(京都新聞)
■ニュートラム 19日に運行再開 運輸省発表 添乗員乗務条件に
 大阪市営の新交通システム「ニュートラム」の暴走事故で、運輸省の松尾道彦事務次官は8日、当面は全電車に添乗員を乗務させるとの条件で、19日から運行再開を認めると発表した。同省は再開を前に、大阪市交通局の再発防止対策などを確認するため、15日から3日間、特別保安監査をする。
 運輸省は、この日発表した事故の中間報告で、減速指令をブレーキに伝える中継継電器内のリレーが正常に機能せず、接続不良状態になって常用ブレーキが利かなくなったとの推定を示した。松尾次官は「新交通システムの無人運行にかかわる致命的な欠陥ではなく、個別的な対応で改善できると判断している」と述べた。
 一方、大阪市交通局は8日@再発防止対策として、自動列車制御装置(ATC)の常用ブレーキの作動状態をチェックする回路を設け、中継継電器で異状が起きれば非常停止させるA常用ブレーキと非常ブレーキの電源を共通化し、電源線が切れればすぐ非常ブレーキをかけるB中継継電器内の主な接点と配線を二重にする−の3項目の認可を近畿運輸局に申請。再開後は添乗員を電車の先頭に座らせ、緊急時には非常停止処置を取ることを決めた。
 運輸省は、車両改善が終わった段階で、大阪市の再発防止策や運行管理体制などを特別保安監査で確認し、習熟運転をして問題がなければ、19日からの再開を認めることとした。
 運行再開の方針が示されたことについて、西尾正也大阪市長は「1日も早い再開に全力をあげる」とのコメントを発表した。(朝日新聞)
■神戸・横浜にも再点検を指示 運輸省
 運輸省は8日、「ニュートラム」の暴走事故の原因が、減速指令をブレーキに伝える中継継電器内のリレーの接続不良によるものと推定できたことから、無人・自動運転の新交通システムを導入している神戸、横浜両市の3路線に対し、減速指令をブレーキに伝える回路に問題がないか、改めて点検するよう指示した。(朝日新聞)
■ニュートラム 再開歓迎、再発はご免 住民「安全第一で」
 大阪市営の新交通システム「ニュートラム」の運行が、全面ストップから1ヵ月半ぶりに再開される見通しになった。運輸省が19日からの運行再開を認める方針を示し、市交通局や最大の足を奪われた人工島・南港(大阪市住之江区)の住民からは安堵(あんど) の声が漏れた。しかし、一方で「再開後の事故はもうご免」と安全優先を訴える声もあり、再開が早いか遅いか、受け止め方は様々だ。
 運行再開の方針を示す運輸省の記者会見があった8日、市交通局は再開への布石を次々に打った。午後1時、車両の安全対策の認可を近畿運輸局に申請。ひと足早く改善工事が完了した「過走防護装置」など軌道上の安全設備の検査も済ませ、夜からは事故現場の住之江公園駅(住之江区)で、事故車両が衝突した車止めの補修作業を始めた。佐野寛・建設技術部長は「19日という目標ができて励みになる。車両改善で絶対にミスがないように努める」と気を引き締めた。
 午前中には、市議会の交通水道委員協議会が開かれ、市交通局が調査結果を報告した。委員からは「非常時になっても添乗員は運転できず、駅職員を待たなければならないのはおかしい」など、再開後の問題点を指摘する意見もあった。
 南港地区にある唯一の大学・相愛大では、3日にあった人文学部の推薦入試で、代行バスを増強してもらうなど足の確保に悩まされてきた。入試広報室は「やっと再開ですか。長かったですね。運転再開は大歓迎。ニュートラムの所要時間はバスの半分。輸送力も断然ちがうので、待ち望んでいました」。
 秋の遠足を近くの野鳥園に切り替えたり、社会見学を3月に延期した市立南港桜小学校の山下登正校長は「交通機関の運休で遠足を変更したのは初めて。一日も早く再開してほしいが、やはり安全第一が条件です」とくぎをさす。
 南港緑連合町会の埜口清美会長(63)は「事故原因が分かって、きちんと対策をとるというなら、運行再開はありがたい、新交通の路線は地元にとって必要だ。今後の安全対策は、ちゃんと添乗員を乗せ、全車両を取り換えるぐらいのことをして欲しい」と話していた。(朝日新聞)
■京都駅ビル改築高層化 60人中6人だけ 府都計審1300人聴取始める
 JR京都駅ビルの改築高層化に伴う駅北側の区画整理事業計画を審議している府都市計画地方審議会は8日、反対意見の陳述を求めていた約1300人の意見聴取を始めた。初日は府庁で午前10時すぎからスタート。都計審は午前中25人、午後35人に聴取の通知をしていたが、この日訪れて意見を述べたのは6人だけだった。市民からは「休日にも聴取して」と、意見聴取の方法自体を問う声も出た。
・「休日も…」開催方法問う声も
 受け付けが始まった午前9時ごろ、京都駅ビルの高層化に反対する「ストップ・ザ・京都破壊、まちづくり市民連絡会議」(代表・西山卯三京大名誉教授)のメンバー2人が聴取方法の見直しを都計審に申し入れた。@本人の希望があれば土日や休日も聴取の場をA都計審の委員に直接意見を聞いてほしい−など3点を訴えたが、対応した府都市計画課の職員は「変更の予定はありません」。
 今回の意見聴取の対象は1295人で、都計審が実施する中でも異例の規模だという。府職員2人が同審議会の代理として意見を聴いているが、市民の声をテープレコーダーで録音したり、書き取ったりするだけ。「1人10分以内」の制限つきで、市民が一方的に意見を述べる形になっている。
 トップの元大学教授(82)は「駅ビルの高層化京都の景観破壊。その前提になる区画整理事業は認められない」などと述べた。下京区に住む無職の男性(66)は10分余にわたって、用意してきた原稿を読み上げた。「京都市が駅ビルの建築確認を出したが、府は指導すべきではなかったか」
 怒りの矛先は意見聴取の方法へも向く。「責任者が対応してこそ開かれた府政。本当に市民の意見を聴く気があるのか」
 同審議会は1日に約60人を呼ぶことにしているが、今のところ出席のはがきは75枚しか届いていない。日時は指定してあり、仕事や旅行という理由では日時の変更は認められないという。今後、休日を除く12月中旬までの26日間で全員の聴取を終える予定だ。(朝日新聞)
■丹波口駅周辺変更など了承 京都市都計審
 京都市都市計画審議会は8日、土地区画整理事業に伴うJR丹波口駅周辺の用途地域、高度地区の変更や、JR山陰線円町駅の新設、来年9月開港予定の関西新空港とJR京都駅間を結ぶ直通列車の運行に向けた同駅構内の線路位置の見直しなど、7つの都市計画変更案を了示した。
 丹波口駅については、京都リサーチパークなど駅西側の工業地域と北東の準工業地域を、商業地域にかえる。これに連動して高度地区も、第4種(最高20b)を第5種(同31b)に、無指定地を第4種または第5種に変更。駅周辺の五条通沿いの準防火地域を防火地域とする。
 二条−花園間に新設される円町駅では、北側の丸太町通沿いに、車の乗り入れを認めない広場(約760平方b)を設置。歩行者・自転車専用の通路も整備する。(朝日新聞)
■JR株終値47万円台に 東証
 8日の東京証券取引所第一部平均株価の終値は、先週末の終値に比べて34円70銭高の1万8625円16銭だった。出来高は2億4225万株。
 取引開始直後には、先週に引き続いて先物との裁定取引で現物株を売る動きが強まり、平均株価は一時1万8380円まで急落したが、その後は、声明保健など機関投資家の買い注文に支えられて回復し、10月29日以来の反発を見せた。
 しかし、JR東日本株は先週末比6000円安の47万9000円と、終値としては初めて47万円台まで下がったほか、NTT株も先週末比1万1000円安の79万9000円と80万円台を割り込んだ。(朝日新聞)
■新幹線4本に損傷 トンネル内信号回路箱 鉄製扉はずれ接触
 東海道新幹線の興津トンネル(静岡県清水市)で、下り線路沿いにある信号回路の箱の鉄製扉(高さ1b、幅0.75b、高さ約10`)がはずれて通過列車に接触し、「のぞみ」など4本の列車がへこむなどの損害を与えていたことがわかった。乗客にけがはなかったが、窓ガラスにひびが入った列車もあるうえ、はずれた扉が最終的に1200bもはね飛ばされるなど深刻な事故だった。
 JR東海によると、箱はトンネル内の線路から30a離れたところに設置されている。7日正午前、現場を通過中に、異常音に気付いた大阪行き「ひかり227号」の運転士からの通報で調べたところ、午後3時過ぎ、大阪寄りに1200bほど離れたトンネル内の通路に破損した扉が落ちたいるのが見つかった。
 下りの通過列車を点検した結果、同列車のほか7日午前東京発の「のぞみ11号」「ひかり45号」「こだま423号」の車体にへこみや傷などの損傷があり、「こだま」では窓ガラス4枚にひびが入っていた。
 箱は6日未明、社員が信号設備の改良作業で開けている。JR東海ではその際、二重になっている施錠のかけ方が不十分だったために通過列車の風圧や振動で次第に開き通過列車に接触、最終的に脱落し、トンネル内で線路沿いに何度もはね飛ばされていったと見ている。(朝日新聞 夕刊)
10日■線路にコンクリート片 静岡「ひかり」はね緊急停車
 9日午後7時29分ごろ、東海道新幹線の博多発東京行き「ひかり52号」が、三島駅付近を通過中、「ドーン」という異常音がしたため緊急停車した。現場線路付近にコンクリート片が散乱していたことから、JR東海は列車防害事件の可能性が高いとみて調べている。
 ひかり52号は三島駅から東京寄りに2`離れた所で車両を点検、異常がなかったため約15分後に運転を再開した。
 保線係員などが静岡県駿東郡長泉町の現場付近を点検したところ、異常音がした付近の石膏(こう)ボード製の防音壁に直径1bの穴が1ヵ所、小さい穴が3ヵ所開いているのが見つかった。防音壁は約4bほどの高さの高架上に取り付けられており、防音壁自体の高さは約2b、厚さ約1.5aほど。先頭車両のスカート部分に傷が付いていた。(京都新聞)
■沿線風景入りカレンダー 京阪電鉄が販売
 京阪電鉄が、94年版の「京阪電車カレンダー」を販売している。
 1980年暮れから毎年製作しており、今回で14作目。A2判縦型で、7枚つづり。上半分に京阪電車が走る様子を沿線風景入りのカラー写真で配し、下部は日付の列と簡単なメモを記すスペースとした。びわ湖びらき(3月)や大文字五山の送り火(8月)といった沿線の歳時記と、乗車マナーのスローガンも載せ、親しみやすい内容。
 1万5000部作り、出町柳をはじめ京阪交通社の主な営業所、浜大津駅の売店などに置いている。一部500円。(京都新聞)
■再開へ継電器を交換 ニュートラム 4日間で車両改造
 大阪市交通局は9日、暴走事故を起こした市営「ニュートラム」の車両設計変更の認可を受け、改造工事に着手した。4日間で新たな非常停止システムなどの取り付けを終え、並行して10日朝から試運転も開始、運輸省の特別保安監査と19日の運行再開に備える。
 大阪市住之江区の南港検車場で夕方から始まった作業では、事故原因の「中継継電器」を車体から取り外して継電器(リレー)を交換、配線を変更、追加した。運行再開後は添乗員が運転席で異常の有無をチェックするため、運転席の制御盤カバーを透明なものと交換する。11日からは、添乗員が非常停止させる実習も始める。(朝日新聞)
■静岡の新幹線妨害事件 10`のコンクリート 持ち込み方法特定へ
 9日夜、東海道新幹線博多発東京行き「ひかり52号」が静岡県駿東郡長泉町の三島駅付近を通過中に障害物をはね飛ばし、防音壁に穴が開いた事故で、静岡県警捜査一課と沼津署は10日、悪質な列車防害事件とみて現場検証する一方、目撃者探しや聞き込みなど本格的な捜査に乗り出した。
 これまでの調べによると、防音壁の穴は最大で横52aa、縦93a、最小で横1a、縦5aの計5ヵ所。現場の線路にはコンクリートの粉がこすりつけたように付着していたことから、コンクリート塊を何者かが軌道内に置いたとみられる。
 JR東海は現場から回収した破片などからコンクリート塊は一辺4、50a、重さ約10`と推定している。
 軌道内の出入り口にはかぎが掛かっており、高さ2bの防音壁を乗り越え侵入したとみられるが、同課はコンクリート塊をどのように持ち込んだのかを重点に調べを急いでいる。
 また静岡県警は、岐阜、滋賀両県の新幹線防害事件と関連は薄いとみているが、岐阜、滋賀両県警の共同捜査本部と連格を取り関連を調べている。(京都新聞 夕刊)
■大阪のニュートラム 36日ぶり試運転
 217人のけが人を出した10月の暴走事故以来、運転を中止していた大阪市営ニュートラムの試運転が10日、大阪市住之江区の中ふ頭−住之江公園間(6.6`)で行われた。ニュートラムが運転されるのは36日ぶり。
 試運転は、同市交通局が事故後に再発防止のため改善した車両機器が設計通りに機能することを確認するのが目的。午前9時、交通局の検査担当官や添乗員らが乗り込んだ試験車両(4両)が中ふ頭を発車。約50分かけて同駅間を往復した。途中、二度にわたり職員が非常ボタンを押して実際に電車を緊急停車させるなどして、入念に調べた。(京都新聞 夕刊)
■ニュートラム試運転
 安全対策の改造工事を終えた大阪市営「ニュートラム」の試運転が10日朝から、大阪市住之江区の住之江公園−中ふ頭駅間で始まった。事故から1ヵ月余り。白い車体にブルーのラインを引いた車両は、安全を確かめるようにゆっくり軌道を走った。
 午前9時、事故原因となった「中継継電器」内のリレーなどを交換した一番車両が中ふ頭駅を出発、住之江公園駅までの約6.6`の軌道を走った。交通局によると、午前中に2往復したが、滑りだしは順調だった、という。一方、再開後に全車両に乗ることになっている添乗員の実習もこの日から始まり、19日の運転再開に備えた。(朝日新聞 夕刊)
■ドアの故障 8000人に影響 朝のJR赤穂線
 10日午前6時半ごろ、兵庫県赤穂市のJR赤穂線播州赤穂駅で、同駅発野洲行きの快速電車(7両編成)が出発しようとしたところ、4両目のドアが閉まらなくなった。車掌が手動でドアを閉めて出発したが、網干駅で運転を取りやめ、乗客は次の電車に乗り換えた。この影響で、神戸、大阪方面に向かう後続の上り電車14本が最高19分遅れ、通勤、通学客ら約8000人に影響が出た。
 JR西日本が、網干電車区で故障の原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)
■防音壁5ヵ所に穴 新幹線・三島駅付近 列車妨害の可能性?
 9日午後7時半ごろ、静岡県三島市の東海道新幹線三島駅を通過中の博多発東京行き「ひかり52号」の運転士が車体に何かが当たったような音を聞き、列車を緊急停車した。点検の後、約15分後に運転を再開した。
 JR東海が列車を都内の車両基地に回送し、調べた結果、先頭車両の前部に障害物をはね飛ばしたような傷があった。現場付近を調べたところ、上りの線路わきの石こう製防音壁(厚さ1.5a)に、直径1bほどの半円形の穴1つと直径35a前後の穴2つなど合計5個の穴があいており、壁の外側の保守用通路で防音壁を突き破ったらしいコンクリートのかたまりが散乱しているのが見つかった。
 静岡県警沼津署は、線路上に障害物が置かれていた列車妨害事件の可能性もあるとして、10日朝から、コンクリートをはねたとみられる同列車の現場検証をするなど本格的な原因究明を始めた。
 このトラブルで上り列車2本が最高17分遅れ、約2000人に影響があった。
 現場は三島駅の中央部から大阪寄り約500bの緩やかな右カーブ。防音壁は高さ2bで、線路から3.2b離れており、5個の穴は長さ13bの区間にわたってあいていた。
 壁の外側は保守用通路があり、金網を隔てて一般道路、駐車場などがある。新幹線の敷地内には、側溝などをふさぐコンクリート製のふたなどもあるが、風圧などで自然に線路上まで移動するとは考えにくく、外から投げ込まれたか、運び込まれた、との見方が強い。列車が通過する3分前に上りのひかりが通過した時には、異状はなかった。
 東海道新幹線では、今年6月と8月、岐阜県と滋賀県で線路にワイヤやチェーンが巻かれる事件が起きている。警察は悪質な列車妨害事件と見て捜査しているが、有力な手掛かりはつかめていない。(朝日新聞 夕刊)
11日■社説 新幹線の列車妨害を許すな
 東海道新幹線で何者かが線路上に障害物を置く列車防害事件がまた発生した。9日夜、静岡県長島町のJR東海道新幹線で「ひかり」がコンクリートのかたまりをはね飛ばした。防音壁に穴が開いただけで、乗客は無事だった。
 6月には岐阜県関ケ原町で線路にワイヤロープが巻きつけられていた。8月には滋賀県彦根市でチェーンが線路に巻きつけられていた。今度の防害物はコンクリートである。
 幸いチェーンやワイヤロープは車輪で引きちぎられただけで、大事には至らなかった。今回のコンクリートも先端車両のスカート部分についている排障器ではね飛ばし、事なきを得た。専門家によると「転覆事故が起きても不思議でない」ほどの危険性の高い防害物である。
 列車防害行為は、大惨事につながる悪質な犯罪である。一日も早く犯人を検挙してもらいたい。
 共通する犯人像は、鉄道システムをかなり熟知している人物といえる。短時間の間隔で運転される新幹線の軌道内にタイミングよく忍びこみ、わずかの間に防害物を置いているからだ。
 ことに彦根市の現場では、仕掛けられた鉄製チェーンのうち1本は、長さ約1.5b、直径1.8aもある建設工事用のものである。2本の重さは30`にもなる。
 現場を通る下り最終列車「のぞみ303号」の約10分前に「ひかり283号」が通過している。がこの時は異常はなかった。犯人は、この10分間に30`もあるチェーンを約5bの盛り土の斜面の上まで上げ、バラスを掘ってレールに巻きつけたことになる。ダイヤにも精通していなければ危なくて線路内には入れないはずだ。しかも、新幹線中央司令室で、障害物を電気的に感知しないような工作も行っていた。
 さらに現場付近は「のぞみ」が270`の最高速度を出す区間である。従来の新幹線車両に比べ「のぞみ」は車体が「ひかり」などより約25%軽く、脱線、転覆の危険性はより高い。
 JR東海では、ワイヤロープやチェーン、コンクリートブロックなどの障害物は「総重量900d以上もある車両が瞬時にはじき飛ばすので、脱線はありえない」とし、乗客に不安を与えることを極力避けている。しかし列車防害の事態は深刻に受け止めるべきである。
 安全輸送確保のためにも、パトロールの強化など犯人封じ込めの対策は必要だろう。
 捜査当局は、犯人の検挙に全力をあげてもらいたい。沿線住民にも防害事件再発防止に協力を求めたい。(京都新聞)
■再発防止に頭痛いJR 新幹線妨害
・門扉、全線に2000ヵ所 24時間の監視無理
 静岡県・長泉町で9日夜東海道新幹線の線路にコンクリート塊(かい)が置かれた列車防害事件は、保線作業用車両が出入りする通路が利用されたとの見方が強まっている。同新幹線の軌道内に入ることのできる門扉は2000ヵ所近くもあり、JR東海では「24時間全線を監視し続けることは不可能」と再発防止に頭を痛めている。
 事件のあった現場わきの作業用車両の通路は盛り土の斜面に設けられた坂道。有刺鉄線付きの金網(高さ2.3b)、高さ2bの防音壁に囲まれているが、通路の最上部は作業員が線路わきに出られるよう防音壁が4bにわたり切れている。
 通路の出入り口の門扉にはかぎが掛かっており、静岡県警やJR東海は通路が利用されたとみている。
 JR東海によると、同じような坂道の通路は81ヵ所設けられており、出入り可能な門扉は約1900ヵ所ある。
 6月の岐阜県・関ケ原町、8月の滋賀県彦根市での列車防害事件の現場は盛り土区間だった。東海道新幹線は山陽新幹線など他の新幹線と違い、軌道内に侵入して障害物を置きやすい盛り土、切り通し区間が全線の54%に当たる277`を占める。
・静岡のコンクリ塊事件 トラック使い犯行? 奥羽線にもブロック
 9日夜、静岡県・長泉町の東海道新幹線の三島駅付近で起きた列車防害事件で、静岡県警は10日午後、沼津署に捜査本部を設置、犯人はトラックなどを使ってコンクリート塊を運搬、荷台の上から投げ込んだ後、防音壁が切れている通路を通って軌道内に運んで置いたとみて聞き込み捜査する一方、現場で回収したコンクリート塊の材質鑑定を急いでいる。
 これまでの調べでは、穴の開いた防音壁現場の線路沿いには鉄条網の付いた高さ2bの金網フェンスがあり、保守点検用の作業員の出入り口のかぎは掛かったままになっていた。
 このため、捜査本部は持ち出したコンクリト塊をトラックなどに積んでフェンスわきの道路まで運搬、高台からフェンス越しに投げ込んだ後、フェンスをよじ登って軌道内まで運んだとみて、目撃者捜しに全力を挙げている。
 コンクリート鬼は建築・住宅用のものとは材質が違うとみられ、現場で回収した破片を同県警科学捜査研究所で鑑定、用途などを調べる。
 岐阜、滋賀の列車防害事件とは手口が異なり、「犯行声明」もまだないことから、関連性は薄いとみられる。
 一方、10日午前6時半ごろ山形市漆山のJR奥羽線漆山駅北側の踏切近くの線路上に、コンクリートブロック4個が置かれているのが見つかった。同駅では通過予定の機関車を手前の天童駅で止め、ブロックを撒去、後続列車に影響はなかった。(京都新聞)
■ひと足お先 海横断 関西空港連絡橋で砕石敷く作業進む
 関西国際空海と対岸のりんくうタウンを結ぶ空港連絡橋の鉄道部分で、バラスト(砕石)を敷く作業が進んでる。地盤沈下が起きても軌道の調整がきくという利点から採用された工法。
 バラストが敷かれているのは全長3750bの橋のうち、両端の約1000b。道路と鉄道がふたまたに分かれている部分だ。バラストは空港島の護岸でトロッコに似た作業車に積み込まれ、時速約20`で対岸まで往復する。
 担当の作業員は「海の上をひと足先に往来するのも悪くないねえ」。線路の仕上げは間もなく終わり、今月末からは電気系統の配線が始まる。来年3月には空港駅も完成し、連絡橋の工事は同5月に完了する。(朝日新聞)
■東海道新幹線 以前にも障害物 防音壁に穴発見の近く
 静岡県三島市の東海道新幹線で9日夜、上りの「ひかり」が線路上にあったと見られるコンクリート片をはね飛ばし、防音壁(石こう製)に大小5個の穴を開け緊急停車した事故が起きたが、同じ現場で今月5日にもコンクリート片が投げ込まれていたことが明らかになった。また、1日には近くの東海道線でも線路上にコンクリート片が置かれ、列車がはね飛ばしていたこともわかった。
 JR東海によると、前回新幹線でコンクリート片が発見されたのは5日深夜。40a四方の大きさで、作業員が見つけ撤去した。
 一方、1日の事件は午後8時ごろ。今回の現場近くの東海道線上りの三島−沼津間で、上り列車が衝撃で停車。調べたところ、30a四方のコンクリート片5個が散乱していた。(朝日新聞)
■回送ひかり本線を走行 指令室勘違い 東京−新横浜
 東海道新幹線で先月末、東京駅で折り返し後、回送列車として車両所に入るはずだった「ひかり」が、中央列車制御(CTC)指令室のミスで回送線に入らず、そのまま下り本線上を走行していたことが10日、明らかになった。列車は途中で誤りに気が付き、緊急停車後、新横浜から戻った。東海道新幹線ではこのところ、床板落下など人為ミスによるトラブルが続出中で、運輸省は、JR東海に対応策を求めている。(朝日新聞)
■市バス路線の復活を 南区の住民ら市に申入れ 西大路八条西など
 南区の住民らでつくる「市バスを便利にする南区連絡会」(木下義次会長)は10日、田辺市長と依田満・市交通局長に対し、赤字を理由にした市バス路線の廃止や料金の値上げをしないよう申し入れた。
 同会は「赤字解消のためには、バスの利便性、快適性を高めるなど、乗客増に向けた積極的な施策こそが必要だ」と指摘。廃止された西大路八条西の路線などの復活をはじめ、同区でのバスの遅れの原因となっている交通渋滞解消のための都市計画道路の整備や、第二久世橋、新大宮橋などの建設、拡幅を関係局に働きかけることを求めている。統廃合がとりざたされている横大路車庫や醍醐車庫の存続も要望している。(朝日新聞)
12日■ホテルマンら 煙の恐怖体験 JR京都駅旧駅舎で防火訓練
 下京消防署は11日、JR京都駅の旧駅舎で実際に煙を充満させた中での防火訓練を行い、区内のホテルの夜間責任者ら約50人が、煙の恐ろしさを体験した。
 同区には3階建て以上のホテル、旅館が80ヵ所もあり、日ごろから定期的に宿泊客の誘導法、通報などの防火訓練を行っているが、煙を使った訓練は初めて。京都駅が新駅舎建設に伴う解体工事のため無人化しているのを機会に実施した。
 訓練にはホテルの夜間責任者や宿泊担当者が参加。照明のない真っ暗やみの廊下約50bに、映画などで利用する煙発生器の白煙を充満させてスタート。2人1組になった参加者は暗やみの中で、前かがみになりながらゆっくりと煙の中を歩き、「お客さん避難してください」と叫んだり、用意された人形を救出する訓練に取り組んだ。
 参加者は「方向が分からなくなる」「思ったより目や鼻に煙がしみ、恐怖感があった」など煙を使った本番さながらの初体験に緊張し切った表情。下京消防署員の「最悪の事態を体験していれば、いざという時に冷静に行動できる」との説明に納得していた。(京都新聞)
15日■ニュートラム事故 特別保安監査 運輸省実施へ
 運輸省は15日午後から、暴走事故を起こした大阪市営「ニュートラム」の特別保安監査を実施、鉄道局の監査員が事故車両の装置や事故現場の住之江公園駅周辺(同市住之江区)を検分して運行・検査体制に問題がなかったかどうかを調べる。
 監査は17日までの3日間。16日以降は、事故につながる故障をほ起こした「中継継電器」内の改造など、市交通局の進める再発防止策についても調査し、実際に事故現場に車両を突入させ、非常停止するかどうか確認する。問題がなければ、19日からの運行再開を認める方針。(朝日新聞 夕刊)
16日■窓 地元無視した市バスの運行 右京区・新谷友一(無職・87)
 今年もまたもみじの季節となり、高雄にとっては一番にぎやかな、また一番危険なときである。日曜・祝日ともなれば、国道は安心して歩けない。市バスに乗りたくても、市内行きは途中から、午後はほとんど満員通過。午前中は、高雄行きもほとんど満員通過。何台もの臨時バスも、ノンストップ、せめて定期便だけでも途中から乗車できるようにならないものか。
 一方、料金の問題である。京都は観光都市を宣言して、右京区編入の時、嵯峨、高雄をともに名勝地として編入したはずである。その名勝地に、整理券バスを運行して特別料金を取っている。高雄の場合、福王子までは同一料金で、福王子を過ぎると、2つのバス停ごとに50円ずつ上がる。まるでタクシーのメーターのようである。
 今ひとつの問題は、高雄学区は栂尾が人家の終点である。それなのに市バスは高雄どまりで、そこでUターンしてしまう。しかもそのターンが国道内でのタ−ンである。その先、5分もかからない所に市営の駐車場があるのに。栂尾周辺の人々は、高雄まで行かないと市バスに乗れない。そのために、かつて帰る途中、車にはねられて死亡した人がある。市バスは、日祝日にはこの時とばかりに臨時バスを運行して、栂尾でターンしている。観光客も、もちろん大事であろうが、地域住民はもっと大事なはずである。しかも、ちょっとした配慮で解決するのではないか。(京都新聞)
17日■新幹線線路に車 工事会社所有 乗り捨て妨害? 品川駅近く 引き込み線
 東京都港区の東海道新幹線で今月11日、下り本線と合流する高架の引き込み線の線路上(高さ約3b)に、近くで盗まれたとみられる乗用車が乗り捨てられていたことが、わかった。高輪署はいたずらと見て調べているが、東海道新幹線はこのところコンクリート片を投げ込まれたり、座席に針を刺されたり、とご難続き。警備を強化していたJR東海は、虚を突かれた格好だ。
 事件があったのは11日午前1時半ごろ。JR品川駅港南口の近くで、高架となっている新幹線下り本線との合流点から約300b手前の引き込み線上に、乗用車が乗り捨ててあるのを作業員が見つけた。引き込み線は、新幹線の線路を始発前に点検する保守用の確認車両が本線に乗り入れるために専用で使っている線路で、全長約600b。本線と分かれて高架の下に下りきったところに確認車両の車庫がある。
 乗用車は品川駅前付近にとめてあったJRの保線関連会社の所有車だった。高輪署は、何者かがこの車を勝手に運転し、近くの道路からフェンスを突き破って引き込み線の敷地内に侵入、車庫から線路上を駆け上り、合流点の手前にある開閉式のフェンスの前で乗り捨てて逃げた、と見ている。
 車は、保線の作業員たちが押してバックで引き込み線を下ろし、撤去した。
 新幹線は、敷地内への無断侵入が禁止されている。(朝日新聞)
■小倉山の残土問題 23日から苗木を植樹 JR西日本まず年内に6 千本
 京都市右京区嵯峨の景勝地・小倉山山頂付近への残土放置問題で、JR西日本は23日から、社員による現場一帯の植樹を行う。井手正敬社長が16日の記者会見で明らかにした。
 計画では、日曜、祝日を利用して12月末までの間に社員4−500人が同山に登り、アカマツやアラカシ、シイなどの苗木6000本を植える。初日の23日には、約100人が作業を進めることにしている。
 さらに来年3月から4月にかけて同じ方法で、春植えに適した樹木の苗木1万3000本を植える計画。
 小倉山への20万立方bの残土は、JR山陰線の複線電化工事に伴うトンネル掘削工事で発生。JR側は当初、工事終了後に残土を撤去し、原状回復することを約束していたが、結局放置したまま。
 井手社長は昨年11月、「京都市民へのせめてもの誠意」として社員による植樹の意向を表明。その後、残土を下層に埋め、その上に元の山肌の表土を乗せ、元の斜面傾斜に近づける工事が終わったため、表面の植樹で景観修復を図ることになった。
 井手社長は「初日は私も現場へ行って植樹に加わる」と話している。(京都新聞)
■線路入り口のかぎ壊される 山陽新幹線
 北九州市と山口県防府市の山陽新幹線で9月、軌道に入るための門扉にかけてある錠が壊されたり、なくなったりする事件が2件起きていたことが、16日わかった。JR西日本は福岡、山口両県警に被害届を出した。
 JR西日本によると、9月9日午前2時10分ごろ、小倉−博多間にある北九州市八幡東区の北九州トンネルの門扉にかけてある錠(縦、横約4a)がつぶされたように切断されているのを、保守作業員が見つけた。同月29日午前10時40分ごろには、徳山−小郡間にある防府市の第一右田トンネルと第二右田トンネルの間に設けた門扉の錠がなくなっているのを巡回中の係員が発見した。(朝日新聞)
■整備新幹線 全線フル規格で 連立与党の専門委報告 21世紀初頭めざす
 連立与党の整備新幹線見直し専門委員会は17日、整備新幹線の見直しに関する報告書をまとめ、連立与党の政策幹事会に提出した。報告書は、未着工になっている北海道、九州・長崎ルートを含めた整備新幹線5線全線について、国家プロジェクトとしての位置付けを明確にし、21世紀初頭に現在の新幹線と同じ「フル規格」での開業を目指すことをうたうとともに、その財源として、公共事業として国の投資の増額をはかることを求めている。また来年度予算には、北陸、北海道、九州・長崎ルートの未公表ルートについて、ルート公表と環境影響評価をする、としている。
 報告書をもとに、連立与党は、月内にも、整備新幹線に関する具体的な方針を決める予定。フル規格化に伴って約五兆円建設費が増加する見込みだが、新規路線の着工順位や時期についても、現在着工済みの3線5区間の工事の進み具合を見て改めて協議する、としている。公共投資の大幅増となるため、大蔵省は3線5区間以外の早期着工は、財源難から不可能との立場をとっており、現時点でフル規格化を固めることなどについては財政当局からの激しい抵抗が予想される。
 整備新幹線は、北海道(青森−札幌)、東北(盛岡−青森)、北陸(高崎−長野−金沢−大阪)、九州・鹿児島ルート(博多−鹿児島)、九州・長崎ルート(鳥栖−長崎)の5線を指す。
 このうち、東北と北陸の高崎−長野、糸魚川−魚津、石動−金沢、九州・鹿児島ルート(八代−西鹿児島)の3線5区間の優先着工が、1988年8月の政府・自民党の申し合わせで決まり、すでに工事が始まっている。この申し合わせの際、建設計画を5年後に見直すことになっていた。(朝日新聞 夕刊)
18日■あすから運行再開 ニュートラム 添乗員付き 運輸省の保安監査終了
 大阪市営ニュートラムの運行再開に向け、運輸省などが3日間にわたって行っていた特別保安監査が17日終了、同省は「安全輸送は確保できる」との監査結果を公表した。
 18日の試運転で問題がなければ、当分の間、添乗員を運転席に座らせ安全確認させることを条件に、19日始発からの運行再開が正式に決まった。この結果、ニュートラムは10月5日の事故以来、1ヵ月半ぶりに列車が走る。
 運輸省は、再発防止対策として大阪市交通局が行った@電源が切れても自動的に非常ブレーキがかかるようにするA自動列車制御装置(ATC)の常用ブレーキの作動状態をチェックする回路を新たに設け、中継継電器で異常が起きれば非常停止させる−などの車両改善措置が正常に働くかどうかを、中心にチェック。
 各部門とも問題なく機能することが確認できたとして「運転再開許可」の結論を出した。
 しかし一方で、事故直後に駅と運輸指令所との連絡体制がばらばらで、電流をストップさせる措置が遅れるなど同交通局に問題があったとして、今後はシステム全体をつかむ横断的な態勢づくりを急ぐよう指示した。(京都新聞)
■ニュートラム運行の19日再開を正式許可 運輸・建設省
 暴走事故を起こした大阪市営の「ニュートラム」を特別保安監査した運輸・建設両省は17日、当分の間添乗員が乗ることを条件に、19日からの運行再開を正式に許可した。しかし同時に、事故直後に運行を再開した点を「非常に危険な行為だった」として責任体制の不備を指摘、車両のブレーキシステムの一層の改善や徹底した原因調査の継続を厳しく求めた。
 監査の結果、運輸省は「安全を高める改善と、添乗員の教育がなされており、運行再開に支障はない」と判断。当面は添乗員が同乗して、緊急時には非常停止ボタンを押すことを再開の条件にした。
 事故直後の対応については、交通局が約30分間にわたって一部の電車を動かしたことの危険性を指摘。軌道上の電流を停止するのが遅れたことについても「駅や中央指令所で止めることができたのに、電気部門の職員に任せた」として、保安管理体制の見直しを求めた。(朝日新聞)
■整備新幹線フル企画案 構想先行 財源素通り 5兆円の確保、難問
 北海道や九州など全国で5線ある整備新幹線全線を、21世紀初頭までに、東海道新幹線などと同じ「フル規格新幹線」で開業しようという構想を17日、連立与党の整備新幹線見直し専門委員会がまとめた。地元の要望にこたえる形で打ち出した見直し案だが、着工の前提となる財源確保の方法や配分の具体的検討は先送りされたまま。来年度予算に盛り込むとした末着工ルートの公表も、地元の調整が整うかどうか微妙な状況で、大がかりな構想とは裏腹に、実際の難問は山積している。
 連立与党専門委員会の報告書について、藤井裕久蔵相は17日夕の定例記者会見で「委員会の報告であって、連立与党としての結論ではない。財政当局としては、今の(3線5区間の)骨組みを変えられるような財政事情にない」と財源問題の未解決を強調した。
 5年前の政府・自民党申し合わせで着工が決まった3線5区間の建設費は、92年度価格で約2兆円だった。これに対し、全線フル規格化とする今回の報告書に盛られた部分の建設費は、その2.5倍の約5兆円にもなる。
 3線5区間の建設財源の半分近くは、東海道など既存の新幹線をJR3社に売却した際の臨時収入1兆1000億円をあてた「特定財源」だ。3線5区間の建設で、この財源は使い果たしてしまうから、新規路線の着工には、その抜け落ちた分の財源も確保しなければならない。
 さらに、北海道などの未着工区間は、採算性が悪いため、「新幹線開業による受益の範囲内」が原則となっているJRの負担分は低くなる。3線5区間での建設費の負担割合は、国35%、JR50%、地方15%となっているが、今後のJR負担分は、JR分のなかに含まれている「特定財源」がはげ落ちることも考えると、せいぜい10%しか計算にいれられないのが実情だ。仮に新規区間を20年でつくるとすると、年間の建設費の増加は2500億円。このうち国が60%を負担するとしても、毎年1500億円を公共事業費などで上乗せしなければならなくなる。
 蔵相の諮問機関である財政制度審議会は、運輸関係の歳出の削減合理化の検討対象として「整備新幹線の見直し問題」「国鉄清算事業団の長期債務」の二つを掲げている。長期債務問題をぶつけたのは、「整備新幹線の拡大は国鉄改革を無にする」というメッセージと見られる。
 財源問題の難しさを考慮して、専門委員会の報告も、新規着工の時期や順位を実際に検討するのは、3線5区間の工事進捗(しんちょく)率が50%を超えた時点とし、早期着工に歯止めをつけている。進捗率が50%を超えるのは、北陸新幹線の高崎−長野が完成する98年ごろになる見通しで、それまでに財源問題のメドをつければすむという考えだ。しかし、財源論議抜きのフル規格化の構想は、「夢」だけが独り歩きする懸念が残る。
・道路・空港建設より不利
 《解説》鉄道、道路、空港という三大旅客交通網のなかで、社会資本としての鉄道整備は、道路や空港に比べ、不利な立場にたたされてきた。道路や空港が、国の公共事業とされ、国の予算がつけられているのに対し、鉄道が公共事業の仲間入りをしたのは、88年に着工が決まった整備新幹線の3線5区間が初めてだった。
 JRも旧国鉄時代は独立採算が求められていた。民間企業である私鉄は国の利子補給などはあるが、国の金を本格的に入れるのはなじまないとされてきた。
 さらに道路や空港は、自動車重量税や空港着陸料などの特定財源をもっている。たとえば今年度から始まった道路整備5ヵ年計画で、5年間の総事業費は76兆円に達する。「仮に道路財源の1割を持ってくれば、整備5線の建設費が5年でまかなえる」と新幹線促進派が嘆くのも、こうした落差があるからだ。
 確かに、海外を見ると、ドイツの鉄道は、建設費の60%が鉱油税を財源とする連邦政府負担となっている。米国のロサンゼルスで80年代から始まった鉄道整備計画でも、連邦や州、市などが建設費の負担に乗り出した。その意味では、日本の鉄道整備にも、国の資金がもっと入ってもいい。
 しかし、国のカネの投入先がまず整備新幹線とする理由は、今回の報告では触れてはいない。運輸省によると東京の地下鉄の通勤時の混雑率は226%。都市の混雑緩和を公共事業で推進しても不思議ではない。(田中郁也)
・自民公約と差なし 推進の合唱強まりそう
 連立与党の専門委員会がまとめた報告とそっくりな見直し案が、5ヵ月前に、打ち出されていた。
 7月の総選挙を前にして、自民党は選挙公約で「札幌から鹿児島・長崎を結ぶ整備新幹線は、21世紀に向けた重要な国家プロジェクト」とし、全線のフル規格化や未着工ルートのルート公表などを盛り込んでいたのだ。与党専門委員会は今月初め、自民党との意見調整を行ったが、会合後に左近正男・座長(社会)は、「自民党の考え方と、ほとんど違いはなかった」と説明していた。
 これまでも地元の国会議員は与野党を問わず、整備新幹線の促進派だった。しかし、大都市部などを地盤とする国会議員の関心は低く、それが財源を無視した着工への一定の抑制効果になっていた。しかし、今回の見直し案を詰める際、連立与党側は「自民党政権時代より、後退したといわれることだけは避けたい」という意識が強く働いた。連立与党が正式に整備新幹線促進を与党の方針として打ち出せば、選挙公約ですでに立場を明らかにしている自民党も加え、与野党が足並みをそろえて推進派にまわることになる。
 自民党の公約策定に加わった整備新幹線促進議員連盟の小里貞利幹事長は、「結果的に超党派で運動できる形になった。連立与党への協力は惜しまない」としており、財政当局への政界からの圧力は、いままで以上に強まりそうだ。(朝日新聞)
■JR東日本 減収減益 初の中間決算
 JR東日本が17日発表した1993年9月中間決算は、売上高が前年同期比0.6%減の9952億円、経常利益が同1.2%減の736億円の減収減益となった。10月下旬の上場に伴う初めての中間決算発表だが、「中間決算時点での減収減益は民営化後初めて」といっている。
 通勤・通学の定期収入は前年同期比1.7%増の2530億円になったが、定期外収入が同2.1%減の6222億円に落ち込んだことが響いた。(朝日新聞)
■JR東日本株 「上場時期悪かった」 日証協会長
 日本証券業協会の新谷勝会長は17日、大阪で開いた理事会の後記者会見し、JR東日本株が上場初値を大きく割り込んで、その後の証券市場を低迷させたのは、「証券会社の営業姿勢が悪いというより、上場のタイミングが悪かった」との見方を示した。
 新谷会長は、日本たばこ産業(JT)株の上場についても「東証一部市場の出来高が3億株後半か、4億株コンスタントにできるようにならないと市場で受け入れられないのではないか」と語った。(朝日新聞)
■京王線ホーム殺人 容疑の男性を逮捕 東京
 東京都渋谷区の京王線笹塚駅のホームで4日、杉並区の建具職人尾上倉造さん(当時54)が電車に挟まれて死んだ事件で、警視庁代々木署操作本部は17日、島根県生まれで住所不定無職石原富己昭容疑者(43)を殺人の疑いで逮捕した。(朝日新聞)
■再開へ習熟運転 大阪市営ニュートラム
 大阪市交通局は、市営「ニュートラム」の運行再開を19日に控え、添乗員を実際に乗せた習熟運転を18日朝から始めた。同市住之江区の中央指令所や各駅に職員を配置、中ふ頭−住之江公園駅間を通常ダイヤ通りに1日計 419便道行し、最後の点検を続けている。事故直後から続いたバスの代行運転は、この日で取りやめる。(朝日新聞 夕刊)
19日■地下鉄四条駅 コインロッカーに新生児の遺体
 18日午後二時ごろ、京都市下京区烏丸通綾小路下ル、市営地下鉄四条駅南改札口前のコインロッカーを定期点検していた市交通局協力会の係員が、ロッカーの中からタオルに包まれた新生児の遺体を見つけ、五条署に届けた。
 調べによると、新生児は女の子で身長49a、体重約3000c。生まれたばかりで、死後1週間前後。協力会は5日ごとにロッカーを定期点検している。
 五条署は肢体遺棄事件として、19日に遺体を司法解剖し死因を調べる。(京都新聞)
■JR西日本「上場基準OK」 中間決算 減益でも強気の読み
 来年度の上場を目指すJR西日本は18日、93年9月中間決算を発表した。売上高が前年同期0.6%増の4690億円、経営利益が同9.5%減の341億円の増収減益となった。通期の見込みでは兼業収入の増加などを見込んで売上高、経営利益ともに今年度の事業計画目標を上方修正しており「上場基準を十分満たすことができる」(井出正敬社長)としている。
 未上場の同社には決算発表の義務はないが、「上場を目前に控え、経営内容の周知を図りたい」と初めて発表した。運輸収入は、都市圏輸送を中心とした定期収入などが健闘し辛うじて前年並みの水準となったが、人件費などの負担がかさんで経営減益となった。
 ただ通期見通しについて、売上高では当初事業計画より25億円増の9300億円を、経営利益では15億円増の520億円を見込んでいる。上場直前の年に必要な経営利益が400億円であることから、同社では「基準を下回ることはありえない」と強気の読みをしている。(朝日新聞)
■190bビル来月着工 西梅田再開発100億円圧縮し
 阪神電気鉄道は18日、大阪・キタの中心地、西梅田地区再開発の第一期工事を12月9日に着工する、と発表した。地上190bの超高層ビルを建設し、オフィス、ホテル、会議場、商業施設などが一体となった「人間交流都市」の実現を目指す。第一期工事の総投資額は約600億円で、97年開業の予定。不景気のさ中の大型事業の着工になるが、久万俊二郎社長は「物価が下がり資材も安くなっている。開業までに景気も上向くと見て予定通り着工することにした」としている。
 再開発の対象は、JR大阪駅の南西隣にあり、JR線に沿って東西約450bに伸びる敷地で、3街区に分けて整備する。今回着工するのは、最も西側にある約240b、1.4fの区域。
 超高層ビルは地下5階、地上40階建てで、メーンタワーは柔らかさをもたせるために、頂上部分を丸屋根にしている。米国のザ・リッツカールトンホテルとの提携による300室の客室をもっ国際ホテルのほか、1000人収容できる会議ホールを備える。また地下2、3階部分には「旅と旅情」をテーマに、世界の味を楽しめるレストランやファッション関係の店を約100店集める。
 第1期工事の投資額は92年の計画発表時は700億円としていたが、物価が下がっていることなどを理由に100億円圧縮した。(朝日新聞)
■ニュートラム 45日ぶり運行再開 運転席に”添乗員”
 10月5日、無人運転で自動制御装置が作動せずに暴走して車止めに衝突、217人の重軽傷者を出した新交通システムの大阪市営ニュートラムは19日、事故以来45日ぶりに運行を再開した。
 不便な代行バス輸送に悩んでいた利用客約5万人の早期運行再開の願いはかなったが、負傷者のうち21人が今も入院、156人が通院治療中。市交通局の運行管理に過失があったとする大阪府警捜査本部の捜査も依然続いている。
 午前5時17分、市交通局幹部が乗り込んだ中ふ頭発住之江公園行きの始発電車は、通勤客ら約80人を乗せ、定刻通りに出発した。
 安全重視と乗客の不安を取り除くため、当分の間は全電車の運転席に座ることになった添乗員は、緊張した表情で速度計を見つめていた。各駅では駅員が改札口で「事故再発防止には万全を期します」と乗客に頭を下げた。
 同日運行される電車は上下419本。事故再発防止対策として、事故の原因個所とされた中継継電器のリレーをすべて新品に換え、電源が切れるなど異常事態の際には自動的に非常ブレーキがかかるように改善された。(京都新聞 夕刊)
■座席にカッター のぞみ乗客けが
 19日午前7時45分ごろ、JR東海道・山陽新幹線の広島発東京行きのぞみ2号(16両編成)が新神戸駅を発車直後、同駅から8号車に乗った三木市の自営業者(29)が座席のひじ掛けにあったカッターナイフの刃で左の上腕部にけがをした、と車掌に届けた。乗客は名古屋駅で途中下車、名古屋・中村署が事情を聴き悪質ないたずらの可能性もあるとみて捜査している。
 JR新幹線・在来線の列車では8月末から座席に針などが置かれる事件が続いており、10月には兵庫県内のJR西日本新快速電車で幼女が軽傷を負っているが、新幹線で乗客がけがをしたのは初めて。
 中村署の調べによると、自営業者は同日午前7時40分ごろ、新神戸駅でのぞみに乗車、次の新大阪駅に着く前に、腕まくりをしていた左腕に痛みを感じたた高、ひじ掛けを調べたところ、釣り針(長さ1.5a)と刃渡り約2aのカッターナイフの刃が置かれていたという。自営業者は車掌から応急処置を受けた。名古屋駅で同署員らの事情聴取の後、別の列車で東京に向かった。
 JR東海、西日本によると、東海道・山陽新幹線車内に針などが置かれた事件は150件目になった。(京都新聞 夕刊)
■再出発の朝 安堵と不安 ニュートラム 「先頭」避ける乗客 添乗員「まずはほっと」
 コンピューターが、定刻通りに一番電車を押し出して、大阪南港の「大動脈」が生き返った。暴走事故を起こした大阪市営「ニュートラム」が19日、1ヵ月半ぶりに運転を再開し、軌道上の車内には、事故前と変わらないラッシュ風景が戻った。「安全対策は万全。もう大丈夫」と、市交通局職員は安堵(あんど)の表情を浮かべる。しかし、先頭車両を避ける人が目立ち、「事故前と同じ自動運転で大丈夫か」と心配する声も出ていた。
 午前5時15分。大阪南港の中ふ頭駅で、添乗員の山田陸弘さん(62)が緊張した面持ちで一番電車に乗り込んだ。乗客は2人。17分、滑るようにホームを出ると、握った両手をひざに置き、じっと前を見据える。約15分後、終点の住之江公園駅に着いた時、乗客は82人になっていた。
 添乗員は当面、全電車に乗る。山田さんは、ニュートラムの開業以来のベテラン。再開直前、仲間62人とともに、非常停止ボタンの操作訓練を積んだ。最初の乗務を終えて「無事に着き、まずはほっとした。万一の時には非常停止させる自信はあります」。
 一番電車には、市交通局の幹部約10人も乗り込んだ。その1人、山中忠義・車両部長は「この1ヵ月半、本当に長かった。電車は自動運転、検査はコンピューターですから、そのプログラムを作る人間が四重、五重の安全策を考え抜くことの大切さを痛感しました」。
 午前7時過ぎからラッシュが始まった。「長い間、ご迷惑をおかけしました」。各駅の改札口に立つ職員がおわびを述べる中、客が次々とホームに並ぶ。しかし、先頭車両の入り口に並ぶ列は短く、利用者の不安をうかがわせる。
 堺市内の高校に通う石橋貴美子さん(16)は、電車が事故現場の住之江公園駅に近づくと、「少し怖い」と表情をくもらせた。東大阪市に通う公務員、羽田康雄さん(38)は「1ヵ月程度の調査で、本当の事故原因がわかったのでしょうか。安全のためなら、運休が長引いてもがまんしたのに…」と話した。
 南港の学校や企業は、この日の再開を歓迎した。生徒の8割以上がニュートラムを利用する府立住之江高校では、生徒が代行バスに慣れるまでの措置として一時期、始業時間を遅らせていた。福井孝晴校長は「どのぐらい時間がかかるかはっきりしない代行バスは、生徒の負担でした。本当に再開は待ち遠しかった」。
 南港ポートタウンの住民らでつくる「花の町連合町会」の千葉照一会長(66)は「住民はみんな、かなり不便な思いをしてきた。思ったより早い再開に喜んでいます」と話す一方で、「それでも、不安はぬぐい切れない。できれは添乗員は今後もずっと乗せ続けてほしい」と安全性に神経をとがらせた。(朝日新聞 夕刊)
■山陽新幹線 座席にナイフ 男性乗客けが
 19日午前7時45分ごろ、山陽新幹線の新神戸−新大阪間を走行中の広島発東京行き「のぞみ2号」に乗っていた兵庫県の男性客(29)から「ひじ掛けにカッターナイフの刃と釣り針が置いてあり、けがをした」と、車内販売の従業員に申告があった。男性は左ひじに約2aの切り傷を負ったが、そのまま乗車して名古屋駅で下車した。JR西日本から引き継いだJR東海が愛知県警に悪質ないたずらとして届けた。
 JRによると、カッターナイフの刃は長さ約2a、釣り針は約1.5a。男性がこれらが置いてあるのに気付かず、ひじ掛けにあるテーブルを取り出そうとした時、けがをしたらしい。
 また、午前9時半ごろ、広島県の芸備線向原駅付近を走行中の急行「みよし2号」でも女性客から「さびた縫い針が右腰に刺さった」と車掌に申し出があった。(朝日新聞 夕刊)
20日■比良ロープウエー 客車2両を更新へ
 京阪グループの比良索道(本社・滋賀県滋賀郡志賀町)は、スキーシーズンを前に、比良ロープウエーの客車(2両)を更新する。このため、24日から来月7日までロープウエーの運転を休止する。
 比良山中腹のシャカ岳駅(標高752b)と山上駅(同1348b)を結ぶ同ロープウエーは、年間約16万人の利用客がある。現在使用中の客車は昭和51年に更新された車両で、老朽化が進んだため、17年ぶりに更新する。(京都新聞)
21日■市バス運転手を殴る 傷害容疑で元組員逮捕
 七条署は20日、傷害の疑いで、住所不定の元暴力団組員、本池司容疑者(49)を逮捕した。
 調べでは、本池容疑者は20日午前、京都市下京区の烏丸松原停留所から京都駅経由三哲行きの市バスに乗車。烏丸七条停留所で降りる際、市バスの料金箱に運賃を入れず、丸めた紙切れを投入した。運転手の綴喜郡田辺町田辺、堀江武夫さん(59)が注意し、降車ドアを閉めると、本池容疑者は「降ろせ」と怒鳴り、堀江さんの顔などを数回殴ってけがをさせた疑い。(京都新聞)
■JR京都駅コインロッカー 秋の観光 アキなく困った 不足・不自由・不満 狭い仮駅舎 5分の1に激減
 全面改築のため仮駅舎で営業しているJR京都駅=京都市下京区=で、大きな荷物を持ち右往左往する観光客が目立っている。仮駅舎になり、コインロッカー、一時預かり所が従来の約5分の1に激減したのが原因。秋の観光シーズンに入り、連日「満ぱい」状態が続いており、同駅は対策に頭を痛めている。
 旧駅舎の京都駅中央口には約2800個のコインロッカーのほか、2つの一時預かり所に3000個を超す小荷物置き場のスペースがあった。それが駅舎の全面改築に伴って仮駅舎に移転した10月1日以降は、コインロッカーが630個、一時預かり所も600個ほどに減少した。
 このため、コインロッカーも一時預かり所も午前中で、ほとんど満ぱいに。特に秋の観光シーズンが本格化した今月に入ってからは連日、利用者に「お断り」が続いている。
 JR京都駅は、20日からの4日間を観光客のピークとみて、先週末、500個のコインロッカーを西口に臨時増設したが、それも焼け石に水。友人4人で横浜市から京都観光に来た主婦(48)は「ホテルのチェックインには時間があるし、荷物が邪魔で困りました。工事中で場所がないのかもしれないが、もう少しコインロッカーを増やせないの」と不満顔。大きな荷物を抱えた観光客が、タクシー乗り場に行列をつくっている。
 駅東側の仮駅舎で一時預かり所を開いている関西ステーンョンサービスの赤尾武男所長は「仮駅舎になって場所が限られているため、どうしようもない」と、事務所のデスクにまで山積みした荷物にあきらめ顔だ。
 JR西日本の大谷克冶京都駅長は「ご迷惑をかけているのは十二分に承知しています。ただ、仮駅舎は駅前広場を利用しており、通路を確保するためにも、これ以上コインロッカーを置けないのが現状。今後も工事の進ちょくに合わせ、旧駅舎にコインロッカーを臨時に増設していくしかない」と話している。
 京都駅改築工事はこれから旧駅舎の解体に入り、ホテルや百貨店も備えた京都駅ビルが完成するのは、3年後の96年秋の見込み。古都の玄関口のコインロッカー不足は当分、続きそうだ。(京都新聞)
22日■小指挟まれ「ひかり」と”競争”ホーム50b、停車 女性軽傷 乗車直前ドア閉まる 京都駅
 21日午後零時半ごろ、京都市下京区のJR京都駅新幹線ホームで、京都市内、看護婦見習いの女性(24)が、新大阪発東京行き「ひかり234号」の12号車ドアに指をはさまれた。列車はそのまま発車したが、ホームの駅員が列車に引きずられるように走っている女性に気付いて駅構内のすべての列車をとめる列車防護スイッチを押し、約50b走って停車した。女性は左手小指や両ひざに軽いけが。ひかり234号は京都駅を5分遅れで発車した。
 京都府響鉄道警察隊とJR東海の調べによると、女性は車内にいったん荷物を置いたあと、ホームで見送りの友人と話していた。発車ベルに気付かず、ドアが閉まり始めたため、慌てて乗り込もうとして指を挟まれたらしい。
 JR東海の話では、ドアに異物が挟まると通常は運転席の計器で分かるが、小指だけだったため、計器では分からなかったらしい。発車後、女性が列車と一緒に走りだした際も、当初は見送り客と思い、ホームの駅員が気付くのが遅れたという。
 京都駅では「列車に近付かないよう放送しているのだが…。本来あってはならないことで、今後気を付ける」と話している。(京都新聞)
■ドアに指はさまれ50b走り脱きゅう 新幹線京都駅
 21日午後零時半ごろ、JR京都駅ホームで、京都市の看護婦見習の女性(24)が発車まぎわの東京行きの新幹線「ひかり234号」に飛び乗ろうとしたところ、ドアに指をはさまれた。列車は発車し、女性は左手の小指をはさまれたまま、約50b走った。異常に気づいた係員が列車防護スイッチを使って緊急停車させた。女性は左手小指を脱きゅうするなど軽いけが。事故で、列車は4分遅れた。JR東海によると、女性はドアに手をかけたまま、ホームで見送り客と立ち話をしていて、発車ベルに気づかなかったらしい。(朝日新聞)
■故障車両の運行停止 JR東海道線
 22日午前7時45分ごろ、長岡京市神足−山崎間のJR東海道線で、京都発西明石行き下り普通列車(7両編成)が神足駅発車直後、電源系統などの異常を知らせる表示灯の1つが突然消えた。このため同列車は高槻駅で運行を打ち切り、乗客約1500人は高槻発西明石行きの普通列車に乗り換えた。他の列車に影響はなかった。
 表示灯は先頭の運転台にあり、正常は点灯している。JR西日本では故障列車を吹田工場高槻派出所に回送、原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
23日■線路ボルト乗用車を直撃 新幹線静岡駅高架下
 22日午後2時ごろ、東海道新幹線静岡駅構内でポイントの線路をまくら木に固定するボルトが折れ、高架下の駐車場に止まっていた乗用車の上に落ち窓ガラスが割れた。9月下旬にも近くの駐車場で線路締結用ボルトが見つかったほか、8月末には掛川駅近くの新幹線高架下の民家の壁に線路ボルトが穴を開ける事故があり、線路ボルトの落下事故は3件目。
 JR東海は9月下旬以降、全線のボルト点検を実施している。しかし、今回の折れたボルトは17日に点検したばかり。同社は「風圧でボルトが飛ぶことは考えられず原因は不明」としている。
 ボルトが見つかったのは、静岡市黒金町の静岡駅に近い高架沿いのレンタカー会社駐車場。通り掛かったJR東海道静岡保線所員が乗用車の後部ガラスが割れ、トランク上にボルトの一部(長さ27_、重さ125c)があるのを発見した。
 同社が同駅付近の線路を調べたところ、下り線の大阪寄りのポイント線路の締結ボルト(長さ92_)の頭部が折れてなくなっており、駐車場で見つかったボルトと断面が一致した。(京都新聞)
■普通電車に針 JR山陰線
 22日午前10時45分ごろ、京都府天田郡夜久野町のJR山陰線上夜久野−下夜久野駅間で、城崎発福知山行き上り普通電車(3両編成)の1両目車内座席の背もたれに留針(とめばり)らしい針(長さ約3.5a)が刺さっているのを乗客が見つけた。けが人などはなかった。
 JR西日本福知山支社管内の車両から針類が発見されたのは、3件目。(京都新聞)
■JRに公開質問状 信楽事故で滋賀県議会
 滋賀県議会は22日、大惨事となった一昨年の信楽高原鉄道事故の事故原因や背景などに関する公開質問状をJR西日本に提出した。
 質問は21項目からなり、事故について▽「当事者」「関係者」のいずれと考えているのか▽優先てこ設置の届け出が遅れた理由は▽設計ミスがあるとされたシステムをなぜ改善しなかったか▽事故の教訓を今後どのように生かそうとしていくのか−など。強制力はないが、29日までに文書での回答を求めている。
 JR西日本に対しては、9月の県議会同事故対策特別委員会に参考人としての出席を求めていたが、JR側は「公判審理に影響を与える」として拒否。このため、同委員会がこれまでの審議をもとにJRへの疑問点をまとめ、県議会として質問状を出すことにした。(京都新聞)
■JR東海が宅地開発 愛知で一戸建て分譲へ
 JR東海は22日、鴻池組と共同でJR武豊線亀崎駅(愛知県半田市)近くの丘陵地を開発し、一戸建て住宅を分譲すると発表した。この開発は中部地区では初めて建設大臣から認定を受ける優良宅地開発事業となる。
 JR東海はこれまで静岡、愛知、三重など中部各県でマンションの共同事業を手掛けているが、一戸建て住宅の開発は今回が初めて。(京都新聞)
■JR3社そろって減益 民営後初中間決算 天候不順で族客減少
 東日本、東海、西日本のJR3社が分割民営化後初めて発表する1993年9月中間決算が、22日出そろった。不況に長雨や冷夏などの天候不順が重なり、中長距離旅客が減少したため、3社とも売上高が前年同期に比べほぼ横ばいと振るわず、経常利益も軒並み減益となった。
 今回の決算発表は、東日本が株式上場、東海が株式上場準備、西日本が国内社債発行を理由としている。
 東日本は、新幹線通勤など長距離通勤の増加で定期券収入が増えた半面、中長距離客の定期券外収入が減ったため、売上高は前年同期比 0.6%減となった。
 東海は収入の約8割を占める東海道新幹線の旅客人数が1.6%減少し、西日本も特急やグリーン車の旅客人数が落ち込んだ。東海は料金の高い「のぞみ」を増発させたが、これだけではカバーできず売上高は0.7%減と微減。西日本は山陽新幹線に3月から「のぞみ」を投入したのが効いて同0.6%増とわずかながら増収となった。(京都新聞)
JR3社の9月中間決算
 売上高経常利益税引き利益
東日本9.952(▼0.6)736(▼ 1.2)381(▼ 6.5)
東 海5.599(▼0.7)427(▼19.0)174(▼37.3)
西日本4.690( 0.6)341(▼ 9.5)176(▼12.0)
(注)単位億円、カッコ内は前年同期比
伸び率%、▼はマイナス
■JR東海9月中間 「上場基準達成めど」 「のぞみ」効果 売上高減に歯止め
 東海旅客鉄道(JR東海)は22日、1993年9月中間決算を発表した。売上高は5599億3100万円(前年同期比0.7%減)、経常利益は427億9500万円(同19.0%減)で、不況による新幹線の乗客減が響き、93年3月期に続く減収減益となった。だが「のぞみ」の専入効果で乗客減ほどは売上高は落ちず、JR東海が上場する際の基準となる通期の経常利益448億円は「ほぼ間違いなく達成できる」(須田寛社長)としている。
 同社は未上場なので中間決算を公表する義務はないが、来年度にも予定される株式上場を前に、経営内容を明らかにするため発表した。
 収入の8割強を占める東海道新幹線は、不況と冷夏の影響を受けて、一定区間で比較した乗客数は前年同期に比べ3%減った。だが、今年3月に「のぞみ」の博多乗り入れが始まって長距離客の比率が増えたため、人数と距離をかけあわせた輸送量で1.4%減、売上高では0.9%の減少にとどまった。また、人件費や減価償却費が増加したものの、経費節減や金利負担の減少などで、経常利益の減少幅を100億円にとどめた。
 通期では、設備投資の抑制や業務委託費の削減などを通じて経費を1%程度圧縮することにより、当初計画通り551億円の経常利益を確保する、としている。
 須田社長は「当初計画の経常利益は相当固めに見積もったもの。売上高の減少が1%程度にとどまれば、大規模な雪害や一層の景気悪化などがない限り何とか確保できる」と強気の見通しを示している。(朝日新聞)
■京都駅などに感謝状を贈る 捜査活動に協力
 府警は24日、捜査活動協力者として、JR西日本京都駅、京都月星商事、東映太秦映画村、平安建都1200年キャンペーンレディー野呂尚代さん(21)と丸尾小百合さん(24)に、感謝状を贈る。表彰理由は次の通り。
 JR西日本京都駅=民事介入暴力相談所や行方不明者をさがす相談所を開設▽京都月星商事=靴底を鑑識資料として写真撮影に協力▽東映太秦映画村=身元確認強化活動などの広報文を同村のチラシに掲載▽キャンペーンレディー=「犯罪捜査にご協力を」の広報啓発ポスターにモデル出演。(朝日新聞)
■線路用ボルト乗用車を直撃 静岡の新幹線沿い
 22日午後2時ごろ、静岡市黒金町の東海道新幹線の線路沿いにある駐車場で、駐車中の乗用車の後部ガラスが割れ、車体の上に直径3aのボルトの一部が落ちているのが見つかった。JR東海で調べたところ、約150b離れた新幹線の下り線で、線路とまくら木をつなぐボルトが欠けており、落ちていたボルトとの切断面が一致した。
 東海道新幹線では今年8月と9月にも静岡県内でボルトが飛び、民家の壁を直撃するなどした。JR東海では、列車が通過する際に何らかの力が働き、はね飛ばされた可能性もあるとして詳しく調べている。(朝日新聞)
24日■白昼の駅構内 警官発砲 1人重傷、2人が逃走 東京・すり容疑 韓国人に命中
 23日午前10時50分ごろ、東京都荒川区西日暮里二丁目のJR日暮里駅構内のホーム上で、警視庁捜査三課の捜査員11人が韓国人のすりグループ5人を逮捕しようとしたところ、5人は包丁を振り回すなどして抵抗した。
 線路上に下りて抵抗を続けたため、捜査員1人が短銃を3発発砲、うち2発が1人の腹と太ももに当たり、病院に運ばれたが重傷。別の1人が捜査員ともみ合いの際、擦り傷を負った。
 捜査員は公務執行防害と銃刀法違反などの現行犯で重傷の催僭容疑孝(33)ら3人を逮捕したが、2人は逃走した。捜査員やホーム付近にいた乗降客らにけがはなかった。警視庁捜査三課と荒川署は逃げた2人の行方を追っている。
 当時、日暮里駅は休日のレジャー客らでごった返していた。警視庁は発砲について「適法妥当な職務執行」としている。
 調べでは、山手線外回りのホーム上で催容疑者ら5人が、電車に乗ろうとした55−60歳ぐらいの女性を取り囲み、手提げかばんのふたを開けて中身を盗もうとしているのをすり担当の捜査三課員が発見。窃盗未遂の現行犯で逮捕しようとしたところ、包丁や催涙スプレーなどで激しく抵抗し、もみ合いになった。
 催容疑者は線路に下りて逃走、追跡した捜査三課の岩見始巡査部長(44)に包丁(刃渡り約23a)で切り付けるなどして手向かった。岩見巡査部長が警告した上、空に向けて短銃を1発威嚇発砲したが、さらに包丁を突き付けるなどしたため発砲したという。
 催容疑者らは今月18日、成田から入国。捜査三課は韓国すり団の背後に入国を手引きするなどの大掛かりな組織があるとみて追及している。(京都新聞)
■景観修復めざし JR社員ら植樹 小倉山・残土放置現場
 京都市右京区嵯峨の小倉山山頂付近のトンネル工事残士放置現場で23日、JR西日本役員、社員約100人が参加して、第1回の植樹を行った。今後、日、祝日を利用し社員らが同様の活動を展開、メンテナンスを加えながら2、30年かけて景観修復を目指す。
 午前10時半、井手正敬社長ら社員100人が現地に集合。植林専門家の説明を受けた後、元の山肌をのせた斜面にアカマツ、ヤマザクラ、コナラ、ヤマモモなど6種類の苗木を植樹した。
 残士放置地区は全体で4.7f。12月中に秋植え分6000本、来年3月から4月の間に春植え苗木1万3200本を植えるなど、来年9月で全体工事を完了する予定。JR西日本は10年間にわたリアフタケアやメンテナンスも行い、元の山林を復元する。総工費は十数億円と見積もっている。
 小倉山への残土は、JR山陰線複線電化にともなうトンネル掘削工事で発生した。JRは当初残土を撤去し現状回復する約束だったが、放置したままで経過していた。
 しかし、平成4年11月に復元許可がおり、今年3月から残土を下層に埋め、そのうえに元の山肌の表土を乗せて、当初の斜面傾斜に近づける工事を続けていた。これが完成し、今回の植林に移り、景観修復を目指すことになった。(京都新聞)
■薄給すぎた?JR添乗員 東日本 労働時間算定見直す 労基署が勧告 2億円追加払い
 JR東日本の駅などが主催する団体旅行に、添乗員として同行する社員の労働時間が、実際より少なく算定されているのは、労働基準法違反ではないか。そんな国労の訴えを受けて、労働基準監督署が同社に是正を勧告した。このため同社は今月から就業規則を改め、過去2年余にさかのぼって延べ約2万6000人分の未払い賃金約2億円を追加払いすることにした。事情の同じ西日本など他のJR各社も今後、同様の措置を迫られると見られる。
 JR各社は、増収策の一環として旅行業務を積極的に展開しており、東日本が実施した昨年度の団体旅行は、のべ約4万日にのぼるといわれる。その旅行に添乗員として参加する駅員らは、セールスマンなどと同様に、労働時間を算定しがたい「事業場外業務」として、「所定労働時間を労働したものとみなす」とされていた。所定労働時間は本社など非現業部門が7時間50分、駅など現業部門が7時間38分。
 しかし、1988年の労基法の改正により、その事業場外業務が通常、所定労働時間を超える場合には、「業務に必要とされる時間を労働したものとみなす」ということになった。
 労働時間が実際より少なく扱われることに疑問を抱いていた国労東日本本部の衣笠駅分会など2分会は今年2月、この改正労基法をもとに、大宮と横顔賀の労基署へJR東日本の扱いを労基法違反と訴えた。両労基署とも訴えを認め、所定労働時間を超えた分の割増賃金を支払うよう、6月に同社へ勧告・指導した。
 勧告を受けて同社が実態を調べたところ、添乗員の1日平均の労働時間は、所定労働時間より約2時間長いことが分かった。このため同社は、大手旅行代理店の例などを参考に 添乗期間中は1日8時間を労働したとみなす(定額の時間外賃金にあたる)添乗員手当を1日2000ー3500円から4000−5500円に増額する、などの改善策を提案。労使交渉を経て今月1日から実施した。
 また、実施に伴う特例措置として、過去の平均労働時間と「みなし」労働時間との差に相当する賃金を、時効の関係でさかのぼって支払うことにした。(朝日新聞)
■修景へJRが植林 住民ら、「演技」と反発 小倉山残土問題
 百人一首で知られる紅葉の名所、京都市右京区嵯峨の小倉山にトンネル工事の残土を放置しているJR西日本が23日、修景策として社員ら100人による植林を始めた。地元の住民は「植林は、残土を撒出せずに山の復元を決めたJR側のパフォーマンス」と反発している。
 植林は2期に分けて実施し、今月から来月にかけて約6000本、来年3月から4月に約1万3200本を植える予定。この日は井手正敬社長ら役員も参加。専門家の指導を受けながら、アカマツやアラカシ、ヤマザクラなど6種類の苗木計約200本を植えた。
 小倉山は古都保存法に基づいて歴史的風土特別保存地区に指定されているが、旧国鉄が1982年から、京都市の許可を受けて山陰線の複線電化に伴うトンネル建設の土砂置き場に使用した。約20万立方bの土砂は、工事終了後に運び出す予定だったが、そのままになっていた。京都市が昨年11月、土砂を搬出しないで山容を復元するJR側の計画案を了承したため、地元住民は今年9月、京都市長の処分の取り消しとJR側に5億円の損害賠償を市に払うよう求める訴えを京都地裁に起こしている。
 市民団体「小倉山をみつめる会」代表で随筆家の松本章男さん(62)は「修景のポーズだけ見せてもだめ。苗木をうまく根付かせるためには、すべての植林を専門家に任せるべきだろう。社員にやらせるのなら、苗木に一人ひとりの名札を付けて最後まで生長を見届けてほしい」と話している。(朝日新聞)
■JR東日本 給与過少算定 2億円を追給
 JR東日本で、同社主催の団体旅行に添乗する社員の労働時間が所定労働時間を越えていたとして、過去2年間にさかのぼり未払い賃金分約2億円を払うことで同社の労使が合意していたことが24日分かった。
 国労東日本本部が「添乗時の労働時間が実際より少なく扱われているのは労働基準法違反」として大宮(埼玉県)と横須賀(神奈川県)の労働基準監督署に訴え、大宮労基署がJR東日本に対して勧告、指導したのを受けた措置。
 JR東日本の調べによると、該当するのは駅などが主催する団体旅行に添乗していた社員の労働時間で、所定労働時間より約2時間長かったという。(京都新聞 夕刊)
25日■関西私鉄大手5社 旅客減って減益 雇用調整、定期客に響く
 関西の私鉄大手5社の93年9月期決算が24日出そろった。不況や夏の長雨が響き、各社とも鉄道の旅客数が前年同期に比べ軒並み減少し、とりわけ通勤などの定期客の不振が目立った。売上高は、旅客収入の減りを不動産販売などの兼業収入が補う形で各社とも増収になったものの、沿線の開発プロジェクトに伴う借入金の増加などで、そろって減益になった。
 旅客数は、前年同期に比べて阪神が 2.4%減ったのをはじめ、京阪が1.6%、南海が1.4%、阪急が1.1%、近鉄が0.7%とそろって減った。とりわけ定期客数は阪神の3.0%を最高に、他の4社も1−2%台の減少となった。各社とも、不況による雇用調整のため、沿線企業がパートタイマーなどを減らしたことを理由に挙げている。旅客収入は0.2−0.8%の減収になった。(朝日新聞)
関西大手私鉄の9月中間決算
 売上高経常利益
近鉄1221(0.7)91(▼ 0.4)
阪急931(5.9)61(▼11.6)
京阪570(1.4)39(▼11.0)
南海567(1.5)23(▼ 3.8)
阪神368(4.3)43(▼ 0.5)
〔単位億円、カッコ内は前年
同期比伸び率%、▼はマイナス〕
26日■リニア新幹線は21世紀初頭実現を 東京で決起大会
 東京、山梨、大阪など9都道府県でつくる「リニア中央エクスプレス建設促進期成同盟会」(会長・鈴木礼治愛知県知事)の決起大会が25日、東京都内で開かれた。
 大会には国会議員、知事ら約300人が参加。鈴木会長が「リニア中央新幹線は東京−大阪を約1時間で結ぶ日本の大動脈として必要な路線。21世紀初頭には実現するよう、一致団結していく」と主催者を代表してあいさつした。
 続いて超党派のリニア中央エクスプレス国会議員連名の奥野誠亮会長(自民)が「多くの力を結集し、国民の夢を早期に実現したい」と協力を約束した。(京都新聞)
■「座席なし車両」阪急電鉄が導入へ 来夏にも試作車
 朝の通勤ラッシュを緩和しようと、阪急電鉄(本社・大阪)は、座席のない電車の導入の健闘を始めた。車両の増結や運転本数の増加が限界に近づいているためで、来年夏にも試作車が登場する見通しだ。座席無しの車両は90年3月からJR東日本が東京・山手線で導入しているが、近畿では初の試みになる、という。
 阪急が検討している車両は朝の混雑時にだけ座席が壁や天井などに収納される仕組み。乗り降りがしやすいようにドアの数を増やしたり、幅を広げたりする。車両部が中心となって技術的な検討を重ねている。来年夏ごろに試作車1〜2両をつくり、実際に連結してサラリーマンらの反応を確かめた上で導入する車両数などを決める。
 阪急によると、11月1日現在の午前8時〜9時の平均混雑率は、宝塚線の三国−十三間で162%、神戸線の神崎川−十三間で159%、京都線の上新庄−淡路間で155%。とりわけ、先頭車両から4〜5両目は、200%を越えるほどの混雑となっている。
 これまでに特急や急行を10両連結としたり、1時間当たりの運転本数を増やしたりしてきたが、「これ以上は車両の増結も運転本数も不可能」(菅井基裕社長)なために、「座席無し」車両の導入を検討中、という。
 混雑率が300%に迫るほど混雑していた山手線では90年3月10日から、「座席無し6ドア車」が試験的に2両連結された。平日の始発から午前10時までの間は座席を壁にしまいこみ、乗客は立つだけ。発表当時は「乗客は荷物か」との批判もあった。
 しかし、JR東日本によると、導入直後の乗客へのアンケート調査では、回答した約3300人のうち「乗り降りがスムーズで良好」が82%を占め、69%が混雑が緩和された」と答えた。「ラッシュ時に座席はいらない」という客が70%にもなったことから、現在は朝の通勤ラッシュ時には1編成に1両が連結されている。(朝日新聞)
■ブレーキ部品脱落 JR山形新幹線 異音で気付く
 JR山形新幹線で24日夜、東京発山形行き下り最終列車つばさ139号が山形駅到着前に、油圧式ブレーキに異音がしたのに乗務員が気付き、山形駅到着後、点検したところ、停車する時に車輪を押さえる合金製ブレーキパッド1ヵ所が脱落していたことが、26日分かった。
 JR東日本で原因を調べるとともに同型の車両を点検したが、ほかの車両に異常はなかった。
 ブレーキパッドは1つの車輪に2ヵ所付いているが、脱落したことでブレーキの性能に影響はなかったという。(京都新聞 夕刊)
27日■大蔵省 方針 配分見直しで新事業 地下鉄建設500億円盛る
 大蔵省は、公共事業費の配分見直しの一環として、1994年度予讃で地下鉄建設費500億円などを新事業として盛り込む方針だ。鉄道関係では、これまで公共事業の対象になっていたのは整備新幹線(93年度当初予算は177億円)だけで、都市鉄道とのバランスを欠いている、という批判が出ていた。地下鉄など都市鉄道整備は、公共事業と同様に建設国債の発行対象にはなっているが、予算の中では非公共と呼ばれる「その他施設費」に分類されている。公共事業の対象になると安定的な伸びが確保しやすくなるため、運輸省は都市鉄道整備を「格上げ」するよう要望していた。
 26日の財政制度審議会の報告では「空港や上下水道なども追加されたように、社会情勢や国民のニーズを踏まえて地下鉄などのインフラ整備も公共事業の対象とする」とされた。
 対象は市営・都営の地下鉄建設助成費で、建設費のうち自治体が出資する2割分を除いた額の35%を国が助成する。住宅・都市整備公団が行うニュータウン鉄道建設費助成などの都市鉄道事業についても、大蔵、運輸両省で検討する。(朝日新聞)
■JR京都駅に見る 仮駅舎 団体待合室やベンチはなし ロッカーは3/1に 不況で増加路上生活者 孤独は我慢だ それでも「衣食住」そろって快適や
 古都の玄関口・JR京都駅。高層化改築にともなう仮駅舎への移転から約2ヵ月たった。ロッカーは約3分の1に減り、ベンチは取り払われ、団体待合室も閉鎖に。同駅で夜露をしのいできた路上生活者たちも「冬」の訪れを迎える。
 午前零時前、改札口前広場やシャッターの下りた階段踊り場。段ボールによる寝床づくりが始まる。毛布がない者は、ビニール袋に足からもぐりこむ。賞味期限を過ぎた弁当などを抱えて。
 繁華街のコンビニエンスストアや商店の外に捨てられているのを拾う。「ごっついええもんがようけ落ちとる」。大型ごみ収集日に団地や商店街を歩けば、衣料品にもこと欠かないという。
 一人の路上生活者は「自由気ままやが、やっばり寂しいよ」。離婚、借金、家出、失業…。語り口は重い。「ひととかかわりたくないんや」
 だが「京都駅は衣食住がそろっていて住みやすい」と別の一人。パズルのような案内標識も苦にならない。ロッカーが減っても「料金300円払うんやったら酒パックや」。
 下京福祉事務所によると、この10月の来所者数は174人と、前年同月の約1.5倍。その9割が路上生活者。「不況で仕事が減ったためらしい」と同事務所。
 七条署によると、故意に無銭飲食などをして、「風呂(ふろ)、飯、布団」付きの拘置所入りを望む人も。無料で宿泊できる市中央保護局の利用者も35人と増えている。
 関西国際空海と京都駅ビル改築といろ2つの大きな工事が終わると、さらに大量の失業者が流れ込むことも考えられるという。(朝日新聞)
■ゆうかん読書 情景・汽笛 岡 正樹著
 次々と姿を消していったSL。しかし辛うじて、力強い黒煙を吐きつつ汽笛をとどろかせている線が、各地になくはない。
 本書は大学時代からSLに魅せられて各地へ撮影に出かけ、教職についてからもSLを恋する旅を続けてきた著者の、十数年に及ぶ成果を収めた写真集。
 大井川鉄道を中心に、JR西日本宮津線、北海道函館本線、九州豊肥本線など、足跡は全国に及ぶ。中国の長春などでの作品もある。
 いずれも、まるで生き物であるかにみえる蒸気機関車への深い愛情が読みとれる作品ばかり。著者はそんな思いを、SLへの「尊敬」とさえ言っている。豊肥線での、広大な田園を突っ走る姿をとらえた作品などは、そんな思いを表現している。(光村推古書院・2500円)(京都新聞 夕刊)
■新幹線「栗東駅」”発車”のベルは鳴るのか 誘致運動ヤマ場 卒用論で土俵作り JR加え近く委員会
 競馬のトレセンで知られる滋賀県・栗東町で今、新幹線の新駅誘致がひとつのヤマ場を迎えている。JR東海は表向き「輸送力が落ちるので、無理」とそっけないが、誘致を進める県や町は、JRを巻き込んだ都市づくり委員会を近く発足させ、JRに新駅の必要性を認知してもらう考え。誘致に成功した他県の自治体の例から、新幹線「栗東駅」の可能性を探った。
 競馬のトレセンで知られる滋賀県・栗東町で今、新幹線の新駅誘致がひとつのヤマ場を迎えている。JR東海は表向き「輸送力が落ちるので、無理」とそっけないが、誘致を進める県や町は、JRを巻き込んだ都市づくり委員会を近く発足させ、JRに新駅の必要性を認知してもらう考え。誘致に成功した他県の自治体の例から、新幹線「栗東駅」の可能性を探った。
・ビッグチャンス
 「JR側は、口が裂けても『栗東に駅を作る』とは言わない。しかし、全く脈がないわけではない」。町に新幹線新駅設置対策課ができて5年。何度もJR東海の幹部に会い、あの手この手で口説いてきた島田潤一郎課長の口ぶりは、確かな手ごたえを感じさせる。
 滋賀県は10年ほど前、新駅候補地を一本化できず、誘致に失敗した苦い経験がある。県は「新駅は栗東を優先」とする方針を5年前に打ち出し、候補地を事実上、一本化。2000年前後の「品川駅」(東京)開業が見込まれる、この時期が「最大のチャンス」(島田課長)と意気込む。
 しかし、JR東海の対応は厳しい。3年前、須田寛社長が記者会見で「新駅を作るとダイヤが過密になり、輸送力が落ちる。将来、東京−大阪間にリニアが開通し、新幹線が補助路線になれば、可能性もある」と述べ、誘致は一時、暗礁に乗り上げかけた。
 これに対し県と町は「滋賀県全体の町づくりのために新駅が必要だということを、まずJRに認めさせねば」と、都市工学研究者らと共同でリポートを作成し「新駅必要論」を展開。来春をメドに、JR東海もメンバーに加えた「栗東新幹線関連地域開発整備委員会」(仮称)をつくり、JR東海を話し合いの土俵に引っ張り込む考えだ。
・やはり政治力?
 実はこの手法、東北新幹線の新花巻駅(岩手県)を誘致する際、花巻市が編み出した。当時「県ナンバー2の花巻に新幹線が止まらないとは何事か」と、狂烈な市民運動が起こった。しかし、理由なしには国鉄(当時)も駅を作れない。そこで考えたのが、三陸海岸沿いの市町村まで巻き込んでの「必要諭」だった。
 花巻市の平賀巌企画開発課長は「建設費を全額地元負担する案件に加え、国を動かすには確かな理論付けが必要でした。人口7万の花巻のためだけでなく、広域的な都市計画のうえで必要−というわけです」。
 結局、有力代議士が奔走し、地方財政法を改正させたのが決め手になって、新花巻駅が実現した。平賀課長は「理論武装して、論議の土俵に上がれたから、政治力が生きた」という。
・粘りとカネ
 97年開業の山陽新幹線の厚狭(あさ)駅は、人口2万3000人の山陽町(山口県)にできる。同町厚狭駅南部開発室の山本暎二室長は「足かけ19年も運動したんですよ。初めはJR西日本でも門前払い。県の後押しで、やっと幹部に会えて…」と振り返る。
 駅建設費の105億円は地元負担。県などの補助を除き、35億円を町で、17億円余は寄付でまかなう。「まずは粘り。次は、駅建設や周辺開発を責任持ってやることをJRに証明せねば。つまりカネです」
・ライバルは、今
 全国で新幹線新駅を誘致しているのは8ヵ所。藤沢市(神奈川県)は2年前から誘致運動を始めたが、厚木市など相模川対岸の都市も名乗りを上げ、県内で混戦状態。同市の企画政策担当者は「候補地を一本化できないのが弱み」と、栗東の一歩リードを認める。
 一方、10年前に栗東と争った近江八幡市は「新駅建設促進協議会はあるが、『栗東優先』の方針が県にあり、今は動けない」と言う。
・賛成9割 自由民も熱意
 ライバルが苦戦する中、地元の誘致運動がようやく盛り上がり始めた。来年早々にも、商工会を中心に企業や団体など会員300人の「栗東新駅建設を進める会」(仮称)が発足する。町おこしグループ「栗東フォーラム21」のファクスアンケートでも、90%の町民が誘致に賛成と答えた。
 だが、新幹線のスピードアップと輸送力増強を図るJR東海に、首を縦に振ってもらうのは相当、難しい。
 そうした壁を突破する力は、やはり「理論武装」「粘り」「資金」、そして何より住民の熱い思いにかかっていると言えそうだ。(京都新聞 夕刊)
■泰緬鉄道完成から50年 21人タイへ慰霊の旅 元軍人、軍族ら墓地訪問
 太平洋戦争中に連合国軍捕虜らによって建設され、映画「戦場にかける橋」でも知られる泰緬(たいめん)鉄道完成から11月で50年がたったのを記念して、岡山県倉敷市大島の元英語塾教師・永瀬隆さん(75)ら東北から九州までの21人が慰霊団を組み28日、捕虜8000人が眠るタイの墓地を訪れる。細川首相が侵略戦争を深く反省する意を表した直後ということもあって、英国BBCテレビ、AP通信、バンコクポストなど世界のマスコミが、この慰霊団の取材を予定している。
 元連合国軍の墓地があるタイ・カンチャナブリ県のクワイ川鉄橋(メクロン橋)付近は、26日から10日間、勇敢に戦ったタイ兵士をたたえる「クワイ川まつり」を実施中だ。同鉄道建設に関係した日本人軍人、軍属5人を含む慰霊団は、タイに12月3日まで滞在し、墓地に花をたむけ、死亡した捕虜の霊を慰める。
 泰緬鉄道建設の際、憲兵隊の通訳だった永瀬さんは戦後、100回近く現地を訪れている。墓地近くに自費でクワイ河平和寺院を建立したり、5年前から印税・講演料などをためてクワイ河平和基金(目標額1000万円、現在額600万円)を現地に置き学生の奨学金などにあてたりするなど、個人的に「戦後処理」にあたっており、26日に財団法人「ソロプチミスト日本財団」から表彰されている。
 泰緬鉄道 旧日本軍が主にインド侵攻を狙ってタイ−ミャンマー間415`に建設。1942年7月着工、翌年10月完成。連合国軍捕虜6万5000人と近隣諸国の住民多数を強制労働に使ったとされる。現在もタイ側で、総延長の3分の1にあたる部分が生活路線に使われて いる。(朝日新聞 夕刊)
28日■JT株 上場延期論が再燃 証券界、JR株に懲りる
 JR東日本株が先月26日に東京証券取引所などに上場して、1ヵ月が経過した。
 JR株は下落の一途で、平均株価(225種)も急落、証券界からはこれ以上の相場の悪化を防ぐため、来春に予定されている日本たばこ産業(JT)株の上場延期を求める意見も出始めている。
 JR株は、一般売り出し価格を大幅に上回る60万円の初値を上場初日に付けた後、下落を続け今月26日には42万1000円の上場来最安値(同日の終値は42万4000円)を記録した。大手証券の推定によると、入札や一般売り出しでJR株を取得した約140万人の個人投資家のうち、70%近くが既に売却。上場後にJR株を買うためにほかの銘柄の売り注文を出した投資家が多く、市場から資金が流失する結果になった。
 それ以上に業界にとって深刻なのがJR株上場がきっかけとなった平均株価の大幅な下落。26日に1万7000円を割った平均株価は、この1ヵ月間で約3600円も下げ、株式の含み益に支えられた金融システム不安も再燃した。株価下落過程では、政府の株価維持策(PKO)による買いもあまりなく、株価対策に腰を上げようとしない大蔵省に対する不満が証券界には高まっている。
 JT株の上場時期については大蔵省が年内をめどに最終結論を出す方向で検討を進めている。ただ、日本証券業協会の新谷勝会長は11月中旬の記者会見で、これ以上の相場悪化を防ぐ上から早期上場に慎重であるべきとの見解を示し、大蔵省をけん制した。仮に来年度以降に先送りする事態になれば、来年度に予定されているJR東海株やJR西日本株の上場にも大きな影響を与えそうだ。(京都新聞)
■近鉄特急と衝突 車の2人死亡1人重傷 田辺町
 27日午後10時40分ごろ、京都府綴喜郡田辺町三山木の近鉄京都線三山木駅構内北側の府道踏切で、乗用車が京都発奈良行き特急電車(4両編成)と衝突、5b飛ばされて大破。乗用車に乗っていた相楽郡木津町相楽三葉谷、会社員岡野光雄さん(37)と男性1人が死亡、奈良市あやめ池南、会社社長谷口隆一さん(45)が全身を強く打って重傷。
 電車には乗客約70人が乗っていたが、けが人はなかった。
 田辺署の調べによると、目撃者の話では乗用車は遮断機が降りていたところに突っ込み、バックしようとしたが、間にあわなかったらしい。
 この事故で列車は現場付近に立ち往生。近鉄は午前零時から新田辺−西大寺駅間に代替バスを運行、電車の乗客を輸送した。(京都新聞)
■ニュートラム また故障、2駅停電
 27日午後7時10分すぎ、大阪市住之江区泉一丁目の大阪市営新交通システム「ニュートラム」の住之江公園駅で、到着した列車が乗客を降ろした後、折り返し運転しようとしたところ、前後進の切り替えができず、発車不能になった。係員が故障した車両や軌道の点検作業中、今度は同駅と隣の平林駅間が7分間にわたって停電した。
 この影響で、運転中の列車が最寄りの駅で発車を見合わせるなどしたため、上下計6本の列車に最高5分の遅れが出た。同市交通局で車両の故障と停電の原因を調べている。トラブルは運転再開後初めて。(京都新聞)
■阪急電車内でスリ 向日町署が男を送検
 向日町署は27日、住所不定、無職柳田優(42)と住所不定、無職田代嘉一(40)の両容疑者を窃盗の疑いで送検した。
 両容疑者は25日午後11時半ごろ、阪急京都線河原町行き普通電車内で、乗客のセカンドバッグから現金1万8000円入りの財布をすりとったところを、京都府警捜査三課員に現行犯逮捕された。
 向日町署の調べに対し、柳田容疑者は「大阪や京都の私鉄やJR線の車内でスリを重ねていた」と供述しており、さりに詳しく調べている。(京都新聞)
■近鉄と乗用車衝突、3人死傷 京都府田辺町
 27日午後10時40分ごろ、京都府綴喜郡田辺町三山木高飛の近鉄京都線京都線三山木駅北側踏切(遮断機、信号機付き)で、京都発奈良行きの特急電車(4両編成、乗客70人)に乗用車が衝突。乗用車は大破し、乗っていた2人が死亡、1人が重軽傷を負った。
 田辺署の調べでは、事故当時、踏切の遮断機は下りており、乗用車が線路内に突っ込んできたという。電車の乗客にけがはなかった。(朝日新聞)
■ニュートラムまた故障 原因不明、発進不能に 住之江公園駅
 27日午後7時13分ごろ、大阪市住之江区泉一丁目の大阪市営「ニュートラム」の住之江公園駅で、停車していた車両(4両編成)が、折り返し運転するための駆動方向切り替えが不能になり、出発できなくなった。このため、反対側のホームで停車中の車両を代わりに運行した。さらに係員が故障点検中の同7時56分、全区間で停電、走行中の6車両が最寄り駅で停車した。停電は7分後に回復、最高5分の遅れが出て、約130人の乗客に影響があった。暴走事故から約1ヵ月半ぶりの19日に再開したばかりで、再開後は初のトラブル。
・係員ミスで停電、遅れも
 市交通局によると、車両は、中埠頭駅から住之江公園駅に向けて後進状態で走行。同駅で折り返し運転するため、コンピュータ制御で前進状態に駆動方向を切り替えようとして不能になったという。暴走事故後乗っている添乗員の連絡や南港にある中央指令所で切り替え不能を示すブザーが鳴るなどして故障がわかった。故障の原因は不明。
 停電は、中央指令所から派遣された係員が、故障車両を調べていた際に起こり、係員が何らかのミスをした らしい。ニュートラムは、停電した場合には、最寄り駅まで自動的に走って停車するシステムになっているという。また、故障した車両は、終電後まで現場で動かなかったが、もう一つのホームで到着後すぐに折り返し運転するようにしたため、停電時以外の遅れはなかった。(朝日新聞)
■「駅」でふれた世相と心 「売店のおばさん」がエッセー集 腕時計貸した受験生が合格 不景気…薄くなった求人誌 5年間、垣間見た人生つづる
 東京の私鉄駅の売店に勤める女性が、1冊の本『売店のおはさんにもちょっと言わせて』を自費出版した。バブル経済から深刻な不況に一転したこの5年間、通勤ラッシュの舞台の一角から、定点観測の目を注いできた。変わる世相に、変わらぬ人情と。駅を舞台に日々繰り返される、人の世の縮図が短間見える。
 著者は、東京都板橋区の東武東上線成増駅構内の売店に勤める荒井紀子さん(50)=埼玉県朝霞市三原。早番勤務の時は午前4時40分に起き、家族の朝食の支度をして家を出る。自転車をこいで、電車を使って出勤。午前6時、改札口を出たところにある売店をオープンする。35編からなるエッセーのうち何編かを要約し、話を聞いた。
・一番電車
 この仕事につくまで、一番電車に乗る人がこんなにいることを知らなかった。どんな仕事をしているのか。男の人ばかりだ。早朝の電車に乗り、仕事場に向かう。家族を背負って働き続ける。そう思うと、寝ているお父さん、スポーツ紙を読んでいる兄ちゃんもいとおしくなってきます。お互いガンバリましょう。
・腕時計
 「腕時計ありませんか」と女子高生。大学の入学試験を受けるのに腕時計を忘れたとのこと。「置いてないけど私の貸してあげるわ」、と相手番の和子さん。しばらくしてその高校生とお母さんが売店に見えて、無事合格したと報告してくれました。和子さんと私は、朝のちょっとした出会いの女子高生の合格に本当にうれしく、一日中、幸せ気分でした。
・嫁探し
 体の不自由な佐藤のおじいちゃんが、シュークリームの箱と紙切れを持って売店にきました。80歳代の一人暮らし。紙には年金のコピー、住んでいる所の家賃、家具の種類などが、びっしりと書いてありました。「私の嫁さんを見つけてくれたら10万円あげる」という。どんなに寂しいのか、胸が痛みます。10万円いただいて皆、めでたし、めでたしとなればいいのに。まだ実現していません。
・求人情報誌
 不景気のせいか求人情報誌が、すっかり薄くなりました。買う人も以前は若い人が多かったのですが、最近は中高年の人が目立ちます。リストラというんですか、厳しい時代だなと思います。ドリンク類も、昨年までは300円のがよく出てたんですが、今は100円のものばかり。
 荒井さんは「1人1冊の本」運動を進めている自分流文游倶楽部(ぶんゆうくらぶ)=03-3288-0069=のメンバーで、同倶楽部から出版した。費用は120万円かかった。
 書きはじめたのは今年6月ごろという。「作文は好きだったんですが、夜間高校中退で漢字もあまり知らない自分が本を出すなんて考えてもいなかった。きつい仕事に耐えて頑張ってる仲間のことを、気取らずそのまま書きたい、と」。生花業を営む夫と2人の息子さんも応援してくれた。(朝日新聞)
29日■二条駅で信号故障 上下4本が部分運休
 28日午後4時25分ごろ、京都市中京区のJR山陰線二条駅で、城崎発京都行き上り特急「あさしお8号」が出発しようとしたところ、出発合図を告げる信号が故障、赤信号のまま変わらなかった。このため、特急は二条駅で37分遅れて出発した。
 この影響で、後続の普通電車上下4本が亀岡−京都間などで部分運休したほか、上り急行など上下7本が40−8分遅れ、約2200人の足が乱れた。
 JR西日本・京都信号通信区で故障原因を調べている。(京都新聞)
■ニュートラム故障 原因はボルトの緩み
 27日夕、大阪市営新交通システム「ニュートラム」が住之江公園駅で前後進の切り替えができなくなったトラブルについて、同市交通局は28日、前後進切り替え装置のボルトの緩みが原因、と発表した。
 同局によると、ボルトには回り止めを兼ねた座金がついているが、住之江公園駅寄りの端の車両でこの回り止めが折損、ボルトが緩んで装置にひずみが生じ、前後進の転換ができなくなっていた。同交通局は同日、この列車と同時期に製造された2列車(各4両)から順に全列車の主要なボルトの一斉点検を始めた。(京都新聞)
■近鉄事故の死者身元判明
 京都府綴喜郡田辺町三山木の近鉄京都線三山木駅構内北側の府道踏切で27日夜、京都発奈良行き特急電車と乗用車が衝突した事故で、死亡したもう1人の男性は、田辺署の調べで、東大阪市小阪三丁目、会社員川口真充(43)と分かった。(京都新聞)
■新幹線回数券 自由席よりも指定席がお得 原因は消費税 4区間で10−80円安く 来月1日の改定で是正
 東海道・山陽新幹線の東京−新神戸間など4区間の自由席回数券の料金が、指定席回数券より割高になっていることが、わかった。原因は、1989年4月から導入された消費税。上乗せ方法の違いなどで、逆転現象が起きた。JRは12月1日の料金改定で是正する。
 料金が逆転していたのは表の4区間。新幹線の自由席特急料金は通常、指定席料金より500円安く設定されている。それが回数券(6枚つづり)では、1枚の値段に換算して10−80円、6枚つづりでは60−480円、自由席の方が高くなっている。
 指定席用は京都、新大阪、新神戸の3駅を京阪神地区とし、この3駅のちょうど中間である新大阪発着の料金に統一する点で、自由席用と異なっている。逆転は、この違いに消費税の転嫁が絡んで起きた。 
まず、消費税の転嫁方法の違いで逆転が起きたのが京都−福岡市内(博多)間。89年4月の改定前の料金は自由席が7万7400円、同じ区間に相当する指定席の京阪神区内−福岡市内は7万9200円だった。ところが、改定後、指定席料金は据え置かれたのに対し、自由席は7万9680円となり、指定席回数券で京都から博多まで乗った場合より高くなった。
 JR東海やJR西日本によると、自由席料金の方は、消費税約3%を単純に上乗せした。これに対し、指定席の方は、基礎となる通常の新大阪−博多の料金を片道260円値下げしたうえで、消費税を転嫁した。新大阪発の利用者を航空路線に流れないようにするための防衛策だった。
 これ以外の3区間は、単純にそれぞれ消費税3%を転嫁し割高になった、という。
新幹線の回数券で、指定席より高い自由席料金
区 間自由席指定席
東 京−新神戸74760円74700円
新横浜−新神戸72900円72840円
京 都−小 倉74760円74700円
京 都−博 多79680円79200円
《注》いずれも6枚つづり分の料金。指定席用 はそれぞれ「東京都区内−京阪神地区内」「横浜市−京阪神地区内」「京阪神地区内−北九州市内」「京阪神地区内−福岡市内」の設定となっている。
 12月の改定では、京都−福岡市内の自由席回数券料金を4680円値下げするほか、指定席用の「京阪神地区」同一料金を改め一部で値上げなどをする。(朝日新聞)
■進行方向切り替え装置 金具の破損が原因 ニュートラム発進不能事故
 大阪市営「ニュートラム」が27日夜、住之江公園駅で発進不能になった故障は28日、大阪市交通局の調査で、車両の進行方向を切り替える装置のうち、「スイッチ」にあたる部分を固定するボルトの座金の一部が欠け、ボルトがゆるんで「スイッチ」がはずれそうになったまま周囲に引っ掛かり、動かなくなっていたことが原因とわかった。
 市交通局によると、今回のような金具の破損が見つかったのは初めて。「ニュートラム」は28日の始発からダイヤ通りに運行しているが、他の車両の同じ部分も点検することにしている。
 故障した車両は91年8月に製造された最新型。金具が破損した個所は、これまで一度も分解整備や部品交換をしていなかった。(朝日新聞)
30日■株価急落 JR株が”引き金” JTの上場は先送りか
 東京株式市場のこのところの急落は、約1ヵ月前に上場したJR東日本株の下落がきっかけだ。JR株は個人投資家の市場離れの大きな要因となっており、29日にも最安値を更新した。JR株上場の失敗は、新規公開株への投資家心理を冷え込ませ、上場や店頭登録を望む企業の株式公開にブレーキをかける影響が出ている。
 ある証券系調査機関の調べによると、今年の上場や店頭公開企業は、予定分も含め約100社。「JR株がうまく行けば、年内にもっと多くの企業が上場または株式公開できるはずだったが、来年に持ち越された」と、市場関係者は指摘する。現在、新たに公開を望んでいる企業は約200社もあるという。
 この日の相場急落で、来春に予定されていた日本たばこ産業(JT)の上場問題も「証券界では先送りのムードが支配的」(日本証券業協会幹部)という情勢だ。
 29日のJR東日本株価は、関係者が当面の目安としていた40万円を一時割り込み、38万9000円(終値は前日比2万4000円安の40万円)を記録、上場来の最安値を更新した。個人投資家らからの投げ売りが目立ったためで、一般売り出し価格(38万円)をまだ下回っていないものの「下値のめどが立たない状態」(準大手証券)だ。
 上場後高騰、その後暴落に転じたNTT株の二の舞いが現実となり、市場関係者は「NTT、JR東日本と2度にわたって、個人投資家の株式への不信感を強める結果となった。JR株の上場以前に平均株価(225種)2万円台を維持してきた政府による株価維持政策(PKO)が間違いだった」と批判している。(京都新聞)
■上海の地下鉄は見物用!? 今春部分開業したが… 観光客・子供に人気 通勤客にはいま一つ
 【上海29日=野口拓朗】今春、上海で初めて部分開業した地下鉄1号線が、観光客や子供たちで大にぎわいだ。中国の地下鉄は北京、天津に次いで、上海が3番目。来年末には全線開通し、ひどい交通渋滞を逃れる市民の足になる。だが、目下は「観光電車」といったところ。それでも市民は、世界の大都市並みになったと、鼻が高い。
 開業したのは市南西部の徐家■駅から錦江楽園駅までの6.6`で、5駅。昼間の7往復に加え、10月末から本格運転に備え、ラッシュ時の朝晩に計8往復の運転を始めた。だが、バスの2倍ほどの運賃のためか、乗車率は約3割と人気はいまひとつだ。
 昼間の料金は5元(約100円)。始発駅の徐家■駅からドイツ製、6両編成の、ピカピカの車両に乗り込むと、座席は子供連れや見物客でにぎわっている。
 市内の百貨店に勤める孫立寧さん(31)は自宅からバスに30分揺られて、長男の孫柄ちゃん(6つ)と乗りに来た。「生まれて初めて。とても速い」と興奮した表情。
 出発して約10分、3駅過ぎると明るくなった。地上だ。乗客の大半はいったんホームに出て景色や車両を物珍しそうに眺めている。下車する人はほとんどいない。
 地元の警察署に勤める刑事の銭晨■さん(25)は「東京、パリなど世界の有名都市には地下鉄がある。北京や経済特区の深■洲よりも上海は発展が遅れていたが、これで弾みがつく」と話した。
 上海市地鉄総公司によると、これまでの利用者は約100万人。90年に着工、独・米・仏から設備・技術を導入、総工費は3国の借款など7億j。上海駅までの全線16.1`は来年末に完成、95年春から営業運転する予定。その後、空海と浦東地区を結ぶ東西23`の2号線を建設する。(朝日新聞)