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| 大手私鉄の「座れる」通勤電車(平日)
| 午前7時−7時 | 午後5時−8時 | 主要駅までの料金 |
京成電鉄 | 京成上野着 1本 | 京成上野発 5本 | 一律350円(一部800円) |
東武鉄道 | 浅草着 1本 | 浅草発 1本 | 春日部まで690円 |
西武鉄道 | 池袋着 1本 | 池袋発 6本 | 所沢まで350円 |
小田急電鉄 | | 新宿発 9本 | 町田まで400円 |
京浜急行 | | 品川発 4本 | 一律200円 |
名古屋鉄道 | 新名古屋着12本 | 新名古屋発27本 | 一律310円 |
近畿日本鉄道 名張方面 奈良方面 | 上本町着 3本 近鉄難波着 2本 | 上本町発 9本 近鉄難波発 3本 | 大和八木まで440円 近鉄奈良まで440円 |
南海電鉄 和歌山方面 高野山方面 | 難波着 1本 | 難波発 3本 難波発 3本 | 一律450円 河内長野まで450円 |
≪注≫ 東武は定期券で乗れる電車のみ。名鉄は名古屋本線のみ。 近鉄は京都−奈良間などにも通勤時間帯に特急がある。
JRの主な有料通勤ライナー
地 域 | 主要区間 | 運転本数 |
北海道 | 札幌−手稲、小樽 | 4本 |
首都圏 | 東京−小田原、逗子 上野−土浦、古河 新宿−青梅、高尾 | 36本 |
長 野 | 長野−小諸 | 2本 |
東 海 | 名古屋−中津川 岡崎−大垣 三島−浜松 | 21本 |
関西圏 | 米原−大阪 天王寺−和歌山 大阪−篠山口 | 16本 |
九 州 | 門司港−博多 川内−鹿児島 延岡−宮崎 | 13本 |
《注》運転本数は平日ダイヤ上下の合計。 乗車整理券は一部を除き、300円。
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10日 | ■ニュートラム事故 「手術8時間…私の耳戻ったわ」 車内で握り締め 大阪の20歳女性 母に「泣かないで」 |
| 大阪市営の新交通システム「ニュートラム」の暴走事故で重傷を負った3人のうち、右耳が欠損し、鎖骨を折った20歳の女性が、9日までに耳の接合手術に成功した。衝突直後、耳のちぎれているのに気づいて絶望感に襲われたが、両親の顔を思い浮かべて車内でとれた耳を深し出し、手元から片時も離さなかったのが幸いした。 耳がちぎれる重傷を負ったのは、大阪市内の女性会社員。母親によると、この女性は5日午後5時すぎ、勤務先を出て、「ニュートラム」のポートタウン東駅に向かった。この日は自宅近くの歯医者に治療の予約をしており、いつもより2時間半早く退社した。 ホームに着いた電車はほぼ満員だったが、予約時間に間に合わせようと、ドアが閉まる直前、3両目に飛び乗った。 イヤホンをして音楽を聴いていた。突然、大きな衝撃で車両が揺れ、将棋倒しになった。血が流れているのに気づき、手をやると、右耳の形が普通と違っていた。 切断された指もすぐ冷凍しておけば接合できる、と紹介していたテレビ番組を思い出し、足元にあった耳を見つけて手に取った。救急車で現場近くの病院に運ばれ、さらに、設備の整った病院に転送された。すぐに始まった接合手術は8時間かかった。 この女性は、病院に駆け付けた母親が泣き出すのを見て、「お母さんに泣かれたら、私まで落ち込んでしまうじゃない」と逆に励ました、という。 「耳がないのを知って、このまま死んでしまいたいと思った。でも、お父さんやお母さんが悲しむだろうなと考え直した」と、母親に手術後、打ち明けている。 大阪市交通局によると、5日の事故以降に新たに10人が手当てを受け、今回の事故による負傷者は、204人。このうち、いまも49人が入院している。(朝日新聞) |
| ■事故の4車両 撤去作業開始 |
| 大阪市の新交通システム「ニュートラム」の暴走事故を調べている大阪府警捜査一課の住之江署捜査本部は9日夜、大阪市住之江区の南海ポートタウン線住之江公園駅で激突事故を起こした4車両の撤去作業を始めた。同区にある市交通局の南港検車場に移した後、捜査本部は車両の電気回路などを中心に、本格的な検証を進める。 作業は周囲を交通規制して、午後10時から始まった。切り離した各車両(1両10.5d)にワイヤを通して、クレーンで引き上げながら車両下の機器を点検。その後、地上約12bの高架式軌道からゆっくりと大型トラックに移し、約7`離れた検車場へ。 今後、捜蛮本部は、機器のメーカーの技術者に説明を求め、警察庁科学警察研究所の協力も得ながら事故原因の解明を急ぐ。(朝日新聞) |
11日 | ■磁気切符が段ボールに JR東日本 再生技術を開発 |
| JR東日本は、使用済みの切符の大半を占めるようになった磁気切符を段ボールに再生する技術をこのほど開発した。 裏面に磁気が入っていない普通の切符は依然から再生使用していたが、磁気切符は鉄分が混ざるため通常の方法では再生できなかった。JR東日本は紙分との重さの違いを利用して切符に含まれる鉄分を除去する技術を製紙会社と共同で開発、実用段階までこぎつけたという。 使用意味の切符はまずどろどろに溶かされ、遠心分離機にかけて鉄分と紙成分を分離する。この方法で8割が段ボールなどの原料として回収できるという。 出札では普通の切符と磁気切符が混ざり合うため、通常の方法では再生出来ず、産業廃棄物として処理してきた。今回開発された技術を使えば両方を一括して再生できるため、コストも安くなるという。 JR東日本は「本来なら切符として再利用したいが、再生後も少量の鉄分が残るであきらめた。将来は循環使用できる方法も検討したい」と話している。(京都新聞) |
| ■合理化案が「急停車」 ニュートラム 暴走で無人化棚上げ |
| 多数のけが人を出した5日の大阪市営新交通システム、ニュートラム暴走事故で、電車に添乗員がいない「無人運転」など、合理化を進める予定だった大阪市交通局は計画の再検討を迫られている。建設費が比較的安く、人件費もかさまないニュートラムの導入目的が、事故でつまづいた形だ。 ニュートラムは、開通した昭和56年から自動運転だったが、「乗客に安心してもらうため」に添乗員を乗せていた。だが平成3年に一部で無人運転を開始し、現在では全体の本数の約3分の2が無人運転。2、3年後には全面的に無人化する計画で、職員も開通当初より約30人削減している。 同交通局によると、こうした計画は開通当初から織り込み済み。平成4年度で約8億円、累積で約273億円に上る赤字を、合理化の推進などで、10年後には単年度黒字にする見通しを立てていた。 しかし今回の事故で、合理化の青写真が大きく狂った。同交通局は「運転士がいなくてはならないとは考えていないが、当面の無人化推進計画は棚上げ状態。事故に伴う支出額は検討もつかない」という。 無人運転をしている他の新交通システム、神戸新交通や横浜新都市交通は、運輸省の指示で、少なくとも車止めのある終点近くの区間は全列車添乗員を乗せる措置をとっている。両社は「運転士の経験者で人繰りしている。事故の原因調査に注目している」としている。(京都新聞) |
| ■ニュートラム暴走事故 ちぎれた耳、くっついた 手術8時間 OL、車内で握り締め |
| 大阪市営新交通システム「ニュートラム」の暴走事故で右耳を切断する大けがをした大阪市内の女性会社員(20)が、約8時間にわたる接合手術に成功、10日までに快方に向かっている。 大阪市と家族の話によると、女性は5日、会社から自宅近くの歯科委員に向かう途中、ニュートラムに乗っていて事故に遭った。強い衝撃で体が吹き飛び、ほかの乗客と折り重なるように倒れた。出血で右耳がちぎれているのに気付き驚いたが、切れた部分を冷やしすぐ手術すればつながると重い、足元にあった耳を拾い、救急車で病院に運ばれた。 病院に駆け付けた母親は年ごろの娘のけがに動転、泣き出したが、女性は「お母さんが泣いてどうするの」と逆に母親を励ました。手術は5日夜から翌朝までに及び、成功した。 父親は「耳を切った娘を見た時は、並大抵の気分ではなかった。大阪市の職員には『なぜラッシュ時に無人の電車を走らすのか』と抗議した。母親を励ます娘の気丈さを見て『お前には勝てん』と思った。少しでも早く元どおりの体にしてやりたい」と話していた。(京都新聞) |
| ■ATOとATCの異状 中央指令所に伝わらず 車両側には表示 ニュートラム事故 |
| 大阪市の新交通システム「ニュートラム」の暴走事故で、無人走行を支える自動列車運転装置(ATO)と自動列車制御装置(ATC)の異状が、運行を集中管理する中央指令所に全く伝わっていないことが10日、大阪府警捜査一課の住之江署捜査本部の調べで分かった。指令所は走行異状をつかんだ場合、手動で列車を停止できる。今回、異状は車両側の機器室に表示されたが、車両からの異状信号が送られず、非常事態の安全システムが機能しなかったとみられる。捜査本部では車両側の故障個所を絞り込む手がかりになるとみて、検証を進めている。 調べでは、ATOやATCが正常に作動しない場合、車両側のデータ伝送装置が中央指令所に信号を送り、指令所にある運転指令卓のランプが点灯。モニター画面には、詳しい異状の内容が表示される。非常事態の場合、指令所では手動のボタン操作で電車を一斉に止めるほか、各駅区間ごとに走行中の電車も停止させることができる。 しかし、今回の事故で、指令所側にATOやATCの異状表示はなかった。 また、指令所のホストコンピューターでもブレーキの作動状態やATO、ATCなど各制御装置の故障を監視。異状が発生すると、その直前の9秒間を「列車モニター情報」として記録するが、これにも車両側の異状は認められなかった。 指令所が異状をつかんだのは、電車が終着駅の住之江公園駅をオーバーランし、非常ブレーキが作動した時点だった。 事故後の車両検証では、無人運行の中枢機器類を積む3両目の機器室の表示板に、ATOやATCの作動異状を示す計3枚の表示が出ていた。市交通局の事故対策本部は「車両側のATOやATCに何らかの異状が発生したと考えられるが、それがなぜ中央指令所に伝わらなかったのか。異状を枚知する仕組みはどうだったのか。機器類を詳しく点検してみないと、見当もつかない」と話している。 捜査本部は10日夜、前日の作業が遅れて軌道に残された3、4両目の撤去を再開。11日中に市交通局の検車場に移したあと、12日から本格的な検証を始める。 ・代替バスを定時運行 あすから 大阪市営の新交通システム「ニュートラム」の暴走事故に伴い、代替バスを走らせている市交通局は代替バスのダイヤを作成して定時運行することを決めた。ニュートラムの再開の見通しが立たないためで、近畿運輸局の認可を得て、12日から実施する。 交通局によると、事故翌日の6日、46台のバスを投入して住之江公園−中ふ頭駅間を往復運転。7日からは60台に増強して1日約1000回の運行で、約5万人を運んできた。(朝日新聞) |
12日 | ■ニュートラム事故 運転再開めど立たず 原因解明「迷路」に |
| 大阪市営ニュートラム暴走事故は、12日で発生から1週間。大阪市交通局は、原因を解明し安全が確認できるまで運転を再開しない方針で、復旧のめどは立っていない。 同市住之江区のニュートラム各駅では連日早朝から、代替輸送バスを待つ乗客の長い列ができるなど、前例のないハイテク電車事故の余波は、依然続いている。 大阪府警捜査本部は事故翌日の6日午前に業務上過失傷害の疑いで、市交通局の関連施設6ヵ所を家宅捜索。押収した運行データから、電車を減速させる自動列車操縦装置(ATO)と車輪ブレーキをつなぐ常用ブレーキ回路に異常があったことを示す記録を突き止めた。 このため捜査本部は、制動システムの根幹となるブレーキ回路のトラブルが暴走を引き起こしたとみて、近日中に市交通局・南港検車場(住之江区)に運んだ事故車両の本格的な鑑定に入るが、故障部分や原因の特定までには、なお相当の時間がかかるとみられる。 市交通局も独自の原因調査を急いでいるが、車両が押収されているため、点検には府警の許可が必要で「車両検査のスケジュールさえ未定」(市交通局事故対策本部)だ。また、原因を想定しての対策方法についても「白紙の段階」(同)といい、焦りを募らせている。 ニュートラムは人口約3万人の人工島、南港地区と大阪都心部を結ぶ基幹路線。市交通局は12日朝も振り替え輸送バス60台を出したが、ラッシュ時は道路渋滞で、電車で15分の中ふ頭−住之江公園間が約1時間かかる始末。先の見えない状態の中、利用者は皆うんざり顔だった。(京都新聞 夕刊) |
| ■負傷者増え209人に ニュートラム事故から1週間 運行めどたたず |
| 大阪市の新交通システム「ニュートラム」の暴走事故から、12日で1週間。負傷者は事故当日5日の集計より増えて計209人となり、うち53人がいまも入院中だ。大阪市は幹部職員で対策チームをつくり、見舞いなど対応に追われる。事故原因を調べている大阪府警捜査一課の住之江署捜査本部は12日午後から、軌道上に残された電車を車庫に移して地上装置を調べるとともに、事故車両の本格的な検証を進める。 市交通局のまとめでは、負傷者は事故当日の集計より15人増えた肺が傷ついて集中治療室で手当てを受けている人もいる。 乗客への補償問題もある。事故対策本部によると、負傷者が通勤中の場合は労災が適用され、その他の場合は、信楽高原鉄道事故を教訓に設立された公営交通事業協会の「鉄道賠償保健」から支払う方針だ。これらの制度で対応しきれない場合は、交通局会計でまかなうことにしている。(朝日新聞 夕刊) |
| ■立ち往生事故 運転士らを処分 大阪市営地下鉄 |
| 大阪市交通局は、市営地下鉄谷町線で9日、赤信号を見落とすなど3重のミスを重ねて立ち往生し、同線の一部が2時間近く不通になった事故で、田中孝一郎運転士と山本正博・同線運転指令所運輸助役を停職1日、監督者の林襄(ゆずる) ・同線運輸長ら5人を戒告などの処分にした。(朝日新聞 夕刊) |
| ■ロープウェイ停電で停止 140人閉じ込められる 六甲 |
| 神戸市灘区の六甲山頂付近で、11日午後2時15分ごろ停電があり、六甲有馬ロープウエーが一時ストップ、ゴンドラ4台に乗っていた乗客約140人が中に閉じ込められた。ロープウエーは数分後にディーゼルの補助エンジンを使って最寄りの駅まで到着、同社はバスなどで代替輸送した。乗客にけがや混乱はなかった。午後5時半には運転を再開した。(朝日新聞 夕刊) |
13日 | ■大阪・ニュートラム 添乗義務の規程削除(2年前)148件のトラブルも市会に報告せず |
| 大阪市営のニュートラムの暴走事故で、自動運転時は添乗員乗務の義務付けや、異常時には添乗員が非常ボタンを押して停止措置を取ることなどを定めた同市交通局の当初の運転規程が、10年後の平成3年10月にこっそり削除改定され、市議会にも報告されていなかったことが12日開かれた同市議会公営企業会計決算特別委員会で明らかになった。 同交通局はこれまで添乗員について「乗客に不安感を与えないためで、運転操作は含まれていない」と説明しており、省力化のために強引に無人運転課を推し進めてきた大阪市の安全対策の在り方が改めて問われそうだ。 また同交通局は平成4年度までにニュートラムに148件の運転故障事故があったことを公表した。 当初、運転席に座っていた添乗員が、平成3年3月から乗客案内や車内巡視に業務変更された点について「今回の事故時に添乗員が乗務し、非常停止ボタンを押していれば事故は防げていたはず」とこの問題を取り上げた共産党市議の指摘に、交通局側も「(運転席に座り)適切な処置をしていたら防げていたと思う」と有人運転をしていたら、事故は防げた可能性を初めて公式の場で認めた。 議会報告をしなかった点について「運転規程であり、国に届けるだけでよいと思った」と答弁した。 一方同交通局は、開業時から平成4年度までに自動列車操縦装置(ATO)や自動列車制御装置(ATC)の機器故障10件などを含め計148件の運転故障事故があったことを公表した。しかし、このうち遅延が30分以上出るなど運輸省に届け出義務があるものは26件だけで、すべて事故を未然に防ぐ幾重もの「フェールセーフ」装置が働き、問題は全くなかったとしている。(京都新聞) |
| ■ニュートラム 終着駅付近に第3の安全装置検討 大阪市交通局 |
| 暴走事故を起こした新交通システム「ニュートラム」の運行再開を目指す大阪市交通局は13日までに、終着駅付近に「第三の安全策」を導入する方針を固め、暴走をくい止める装置設置などの検討を始めた。安全を二重に確保するはずの自動列車運転装置(ATO)、自動列車制御装置(ATC)の信頼性が疑われる中、安全システムを充実させて利用者の不安を招かないようにとの判断からだ。具体策を煮詰め、原因が判明した段階で早急に設置したいとしている。 市交通局のこれまでの調査では、事故車両はATO、ATCの常用ブレーキが利かなくなり、ATCの非常ブレーキはかかったが、間に合わずに衝突した、とされている。 横浜市の新交通システムなどが備える「過走防止装置」を、住之江公園と中ふ頭の二つの終着駅に取り入れる案を検討している。この装置は、停止位置の直前に幾つかの速度検知器を等距離に配置し、電車が決められた速度を越えている場合に作動して非常ブレーキがかかる仕組み。 このほか、ホームの停止位置を変え、非常制動がかかる区間を延長する▽ATCの速度制限を厳しくし、当面低速運行することで電車がホームに進入する速度を抑える−などの方法も検討する見通しだ。 新たな安全対策を導入するにあたり、運行システムを管理する電算機のプログラム変更や、新しい施設が設置可能かどうかをまず調査。今後、車両とATO、ATCの製造メーカーや、新交通システムを最近作った都市からも情報を集めたいとしている。 西尾正也市長は「事故原因はまで分からないが、車止めの改良や車両停止位置の変更など、これまで以上の安全策の検討を交通局に指示した」としている。(朝日新聞 夕刊) |
| ■ハイタッチテクノ 次世代新幹線 鉄をアルミに換え車両軽く パンタグラフの騒音軽減が課題 |
| 「ひかり」が登場して30年。210`だった時速は「のぞみ」で270`になり、350`以上をめざす「次世代新幹線」がJR東日本など3社でそれぞれ開発中だ。400`以上を達成したドイツやフランスの列車と比べられることも多い。日本の開発はどこまで進んだのだろうか。 次世代新幹線の車両は、できる限り軽量化されている。車体の素材が鉄からほぼ100%アルミ合金になったのは、新幹線では東北新幹線の「やまびこ」などからだ。 比重が鉄の3分の1というアルミだが、加工技術が鉄に比べて劣るうえ、金属疲労が十分に解明されておらず、導入がためらわれた時期もあった。しかし「構造的に力のかかりにくい部分は経験でわかってきて、アルミに置き換えやすくなった」とJR東日本新幹線車両課の由川透課長。 搭載する電気機器も軽くなった。交流に対応できる半導体素子の開発が進んで、新幹線に使える大容量のものが生まれたためだ。「軽量化は電気機器の発展そのもの」とJR東海技術本部の木俣政孝さんは言う。まずモーターが直流から交流になり、直流モーターに必要な整流子が消えたことなどで、全体で半分以下の重さになった。 次にブレーキ。運動エネルギーを熱に変えた従来式ブレーキに代わって、電気に変えてパンタグラフから架線に送り返す「回生ブレーキ」になり、熱に変えるための抵抗器などが取れて、これも軽くなった。 一方、乗り心地を良くする安定走行のため、車両の支点が前後方向に広がるよう、台車の車軸間隔を現在の2.5bから 3.0bに広げる方針だ。ブレーキシステムも階段式に減速する現方式ではなく、一度かければ連続的に減速する方式を開発中だ。 半面、次世代新幹線を待ち受けている深刻な問題は沿線騒音だ。最大の発生源は車輪だが、周囲への発散という点では集電するパンタグラフが風を切る音が問題。速度が上がると深刻になる。空気の流れによってできる渦が原因だが、空気の流れに比べてエネルギーがケタ違いに小さいため、騒音全体の中に占める割合の評価がむずかしい。車輪の音は、車体下部のカバーや沿線の防音壁などで対応できるが、パンタグラフに対しては困難だ。 カバーやパンタグラフ自体の形を変える研究などがされているが、まだ「決定打」はない。新幹線開発にかかわってきた東大工学部の曽根悟教授は「次世代新幹線の最大の課題は、パンタグラフと架線からの騒音の軽減に尽きる。そのためには集電方法の再検討も必要になるかもしれない」と言う。 最高時速については、「速度が上がればエネルギー消費も増える。車輪方式では400`程度が実用的な上限ではないか」と話している。(朝日新聞 夕刊) |
14日 | ■嵐電にレトロ調新車両 建都1200年PR 来秋お目見え |
| 京の観光名所・嵯峨野、嵐山を走る京福電鉄嵐山本線、北野線に来年9月、レトロ調の新型車両が登場する。平安建都1200年イベントの盛り上げに一役買う。 新型車両は、同線が開通した1910年当時の車両の面影を残す小屋根を持ち、こげ茶色を主体にした外装。内装も、保存していたり、旧型車両に使っていたつり革、網棚などを使い、木目調でシックな仕上げにする。定員88人。 同線は、現在28両で運行しており、老朽化に伴い2台を新造に更新する。 来年9月から1両が運行開始。同年中にもう1両が加わる。 嵐山本線(四条大宮−嵐山間7.2`)、北野線(北野白梅町−帷子ノ辻間3.8`)の年間輸送人員は約1000万人。このうち3割が観光客で、「嵐電」として親しまれている。(京都新聞) |
| ■ニュートラム事故 終着駅通過時、速度は… 大半の乗客「30`」 |
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大阪市営の新交通システム「ニュートラム」の暴走事故で、朝日新聞社は13日までに各車両(4両)の乗客から、現場の南港ポートタウン線住之江公園駅をオーバーランした時の速度やブレーキの利き具合、車止めに衝突する直前の様子を聞いた。終点の同駅を通過した時の速度は、20−40`程度と話した。ブレーキは大半が「利かなかった」といい、身構える間もなく満員の車内で将棋倒しになったりと、とっさにつり革を握っても弾き飛ばされるなど、改めて衝撃の大きさをうかがわせた。 事故が発生したのは帰宅時間帯で、暴走した車両はほぼ満員状態の約250人が乗車、うち200人以上が負傷したが、入院中の人も含め、事故当時の状況を聞き取り調査した。 住之江公園駅を通過する時の速度は、遅く感じた人でも20`程度。40`以上と思っている人は「電車はまったく減速せず、そのまま車止めに衝突した」と話している。最も多かったのは「30`程度」だった。 駅に入る前に段階的に作動するはずの通常ブレーキについては、大半の人が「まったくかからなかった」。駅の停止線を越えた時に作動する非常ブレーキについては「衝突直前に車内アナウンスがあったあと、急ブレーキがかかり、その直後に衝突した」と話す人もいた。しかし、多くの乗客は「ブレーキを感じる間もなく激突の衝撃を受けた」と話した。 大阪府警捜査一課の住之江署捜査本部の検証では、住之江公園駅の停止線を越えたあと、衝突直前に非常ブレーキが作動したものの、間に合わなかったと見られており、証言はこれを裏付けている。 衝突直前、先頭車両では「電車が止まらん」「ぶつかる」などの悲鳴が上がった。しかし、後方の車両では「座席でウトウト眠っていた」など、オーバーランに気付かなかった人も。つり革を握ったり、ドアに体を押し付けたりして身構える余裕があった人はわずかで、ほとんどが何の対応もできなかった。(朝日新聞)
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【ニュートラム事故の乗客証言】
乗 客 | 終着駅を過ぎ た時の速度 | ブレーキの作動 は感じたか | 乗車位置と車止めに激突する直前 の様子 |
京都府の会社員 (24) | 30`以上 | 直前、急ブレーキがかかった | 4両目の中央に座っていたが、手すりで胸を打った |
豊中市の会社員(53) | 約30` | 減速した感じはなかった | 4両目のドア付近にいた。身構えるひまはなかった |
西宮市のマンション管理人(62) | 約30` | まったく感じず | 1両目の前方でつり革を握ったが、将棋倒しになった |
寝屋川市のパート従業員(56) | 分からない | 減速したように感じた | 3両目のドア前にいて、いきなり手すりに体をうちつけた |
大阪市の会社員(62) | 約20` | 駅に入ったあと少し減速 | 1両目でつり革を持って目をつぶった。気付いたら倒れていた |
守口市の会社員(52) | 約45` | まったく減速せず | 2両目でドアに体を押しつけたが、将棋倒しに |
大阪府の会社員(43) | 約30` | 駅の手前で1回減速 | 先頭車両で身構える時間はなかった |
吹田市のアルバイター(28) | すぐ止まる速さではない | かからなかったようだ | 2両目で窓の外を見ていた。衝突まで気付かなかった |
大阪市の会社員(33) | 約40` | まったく感じなかった | 4両目の中央で手すりを握ったが、前方にふっとんだ |
摂津市の溶接作業員(57) | 40` | 利かなかった | 4両目の後ろで身構える間もなく前に投げ出された |
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| ■どこかに明治の薫り残し おしゃれなレトロ調車両 建都1200年祝い来秋”発車” 京福電鉄嵐山 |
| 京福電鉄(京都市中京区)は13日、嵐山線に来年9月からレトロ調車両を導入すると発表した。平安建都1200年記念事業の一環として、車両2台の車体部分を、明治時代のものを参考に改造するという。 嵐山線は通称嵐電(らんでん)と呼はれ、四条大宮−嵐山の嵐山本線と、帷子ノ辻−北野白梅町の北野線があり、年間約1000万人が利用する。レトロ車両は、車輪など旧車両の土台部分をそのままに、車体部だけを全面的に造り直す。現在28台が走っているが、うち2台を改良する。 窓のついた飾り屋根をつけ、車体前部も3枚窓にするほか、現在の緑系色をやめ茶系にして木の雰囲気を出し、ボディーラインは金色で描く。 内装も基本的に木目調で通し、1935、6年ごろから使われていた旧車両のつり革や網棚などを、そのまま生かすという。 費用は未定だが、新造より割高になるという。まず1台を9月までに走らせ、年内中に2台ともそろえる予定。(朝日新聞) |
| ■京都市交通局 地下鉄運輸職員12年ぶり募集 東西線開業へ運転士ら25人 |
| 京都市交通局は、地下鉄運輸職員の新規採用に踏み切ることにし、14日、採用計画概要を発表した。3年後の1996年末に予定している地下鉄東西線(二条−醍醐駅間、12.7`)の完成に向け行うもので、81年の地下鉄開業以来初めての職員募集となる。 市営地下鉄は今年で開業12年目。烏丸線の運輸業務には、約300人の職員が従事しているが、78年に廃止された市電の関係者か、市バス業務からの配置転換された職員を充て、新規採用は見送ってきた。 しかし、東西線の開業に当たっては、今後、烏丸線の従事者と同程度の職員が必要とみて、市電廃止以来、中止していた鉄道関係職員の募集を再開することにした。バス運輸職員は不定期に採用試験を実施、一般職員は定期採用している。 今回、募集するのは、地下鉄烏丸線と東西線の運営に携わる助役約20人と、高速運転士約5人の計約25人。来年4月1日付けの採用を予定している。 助役職は地下鉄の運転、営業と東西線の開業準備などに従事。また高速運転士は、運転、車掌業務を勤める。採用後に研修を受け、動力車操縦者免許を取得してから任用される。 受験できるのは、69年4月2日から74年4月1日までに生まれ、運転業務に従事できる視力などの身体的条件を備えた男子。一次試験(筆記)は来月14日、北区の立命大で行われ、二次試験を経て12月下旬に合格者を発表する予定。 受験申込期間は今月20日から29日まで。詳しくは市交通局職員課 075(822)9118へ。(京都新聞 夕刊) |
| ■列車トイレ バクテリアで分解 「におい」食べちゃうぞ JR東日本 試験車両 評判も上々 |
| 臭いにおいをもとからカット−。「臭い」と苦情の多かった列車トイレ改善に取り組んできたJR東日本はこのほど、バクテリアを利用して腐敗物を分解し、においを消すバイオトイレの開発に成功した。既に一部の特急に試験車を導入したが評判も上々のようだ。 特急列車などのトイレは水洗だが、タンク内の汚水は3日に一度交換するだけ。フィルターを使って汚物は取り除くが、水自体は還流使用するためどうしても悪臭が漏れ、評判が悪かった。 そこでJR東日本総合技術開発推進部では、悪臭のもとである腐敗物をバクテリアを使って分解、還流水を無臭にするバイオトイレを開発した。 列車トイレの還流タンク(約800リットル)の中に「オペルクラリア」などの特殊バクテリアを繁殖させ、汚物を分解させる。実験の結果「臭気度」(10段階表示)は、現状のトイレでは3日たつと「におう」(臭気度9)から「非常ににおう」(同10)になってしまうのに対し、バイオトイレは5日間還流水を交換しなくても「ほとんどにおわない」(同7から8)に抑えられるという。またタンクの水を汚水処理をせずに下水に流せる可能性も出てきた。 JR東日本は既に、常磐線の特急「スーパーひたち」の一部に試験車両を走らせているが、清掃作業員などの評判は上々で「今後他の列車にも導入したい」と話している。(京都新聞 夕刊) |
| ■「火事だ」の声に列車飛び降り そこへ列車 49人死亡 ボンベイ |
| 【ボンペイ13日AFP=時事】インドのPTI通信によると、同国西部のボンベイで13日夕、通勤電車の女性客多数が車内で火災が発生したと勘違いして線路に飛び降り、そこへ突っ込んできた列車にひかれて49人が即死、70人が負傷して病院に運ばれる惨事が起きた。 警察の話によれば、事故が起きたのはボンベイのボリバリ駅付近。同市南部チャーチゲート発の女性通勤客用の特別電車が同えきに近づいた時、満員の車内から「火事だ、火事だ」という叫び声が上がった。慌てた多数の女性が対向車線の線路に飛び降りたところへ、別の列車が猛スピードで突っ込んだ。 警察の調べによると電車が落雷を受け、焼け切れた天井の電気配線から煙が噴き出したため、女性客らはこれを火事と勘違いして線路に飛び降りた。 事故当時、現場付近は停電中で薄暗く、かなり雨も降っていたため、女性客は対向車線の列車が迫っていることに気づかなかったらしい。(京都新聞 夕刊) |
| ■中労委の初命令が年内に出る見通し JR採用差別事件 |
| 中央労働委員会(中労委、萩沢清彦会長)は13日の公益委員会議で、JR7社と国労など3労組が係争中の採用差別事件のうち、大阪と北海道の二つの国労関係事件について、審査にかかわった労働者、使用者側の参与委員の意見陳述を11月10日に求めることを決めた。これにより、長期にわたる労使紛争の焦点である採用差別事件について、中労委の初の命令が12月中にも出される見通しとなった。(朝日新聞 夕刊) |
| ■関西空港 ニュートラム事故に対応 無人運転車に安全対策 |
| 関西国際空港会社は、大阪市営「ニュートラム」の暴走事故を受けて、来年9月に開港する関西国際空港内に設置する同様の乗客輸送手段について、安全対策の充実を検討し始めた。ニュートラムと同じメーカーの新交通システムを導入、来年6月の完成を目指して準備が進められているが、調査中の事故原因によっては影響が及ぶためだ。同社は原因究明と開港スケジュールを見守りながら、車止めを改良する案などを練っている。 導入されるのは「ウイングシャトル」。計画では、ターミナルとウイング間を3両編成(計約230人乗り)で結ぶ。ニュートラムと同じく、自動列車運転装置(ATO)と自動列車制御装置(ATC)などで無人運転される。軌道はすでにできあがり、現在は、新鶴市内の車両工場で車体に装置の取り付けが行われている。 同社が見直しを始めた対象は「車止め」。ニュートラムと同じ鋼鉄にゴムを張つたものを予定していたが、約200人の負傷者を出した今回の事故を受けて、「電車を確実に受け止めると同時に、衝撃を検討しる」車止めの検討を検討している。また、走行中に異状を感知するチェックポイントを増やすなど、安全対策をさらに充実させたい、としている。 同社によると、米国のシアトル、マイアミやシンガポールの空港で「新交通システム」が稼働しているが、これまでにけが人を出すような事故はなかったという。 一方。メーカー側も事故に対応して7日、幹部が同社を訪れ、「まだ原因がわからないが、わかり次第報告する」と伝えた。また、ニュートラムの事故原因によっては、ウイングシャトルそのものについても安全対策を追加する方針だ。 関西国際空港会社のウイングシャトル担当課長は「『絶対に安全』と言われる中で、新交通システムを採用した。今でも基本的には安全だという確信はある。でも、ニュートラム事故が起きたため、新交通システムを社会的に認知してむらうには相当の安全対策と時間がかかるだろう」と話している。(朝日新聞 夕刊) |
15日 | ■ニュートラム 電流遮断で暴走? ブレーキ始動配線 単系統が“弱点”に |
| 大阪市営新交通システム、ニュートラム暴走事故で、同市交通局は14日、無人運転電車を減速させる自動列車操縦装置(ATO)と自動列車制御装置(ATC)がブレーキ信号を出したのに、この信号を受けて各車両のブレーキ装置を始動させるはずの電流が、電源からの配線トラブルで流れず、暴走を引き起こした、との見方を強めた。 ATOとATCは、どちらかが故障しても一方を補う二重制御システムとされてきたが、ブレーキ始動の配線は1系統だけで、二重になっていない“弱点”があり、これが事故につながった可能性が高い、という。 ブレーキ始動電流が遮断した場合の補助システムの不備による事故と考えられ、市交通局は運転再開へ向けて、設計上の改善を迫られそうだ。 大阪府警捜査本部も、常用ブレーキ回路周辺の故障との疑いを強めており、近く事故車両に通電テストをして、異常部分の特定を急ぐ。(京都新聞) |
| ■信楽事故民事提訴 人災の責任とって… 遺族ら 真実ほしい、と涙 |
| 信楽高原鉄道列車衝突事故の大惨事から約2年半。犠牲者9人の遺族が14日、刑事事件として問えなかったJR西日本の事故責任を追及するため大阪地裁の判断を仰いだ。 遺族や弁護団15人は午後3時、大阪市北区の大阪地裁を訪れ、裁判所職員に訴状を手渡した。 原告のひとりで「犠牲者遺族の会」世話人の吉崎俊三さんは「水面下に隠れた鉄道両社の事故原因や責任問題を明らかにして、今後の事故予防に役立てたい」と提訴の理由を語る。妻を失った会社員中原邦夫さん=神戸市東灘区=も「改めてJRの責任を問うときが来た」とし、「大惨事から約2年半、一番知りたい根本的な原因が解明されなかった。鉄道両社の安全対策の不備に基づく人災だったのですから責任はとってほしい」と述べた。夫を亡くした主婦後藤泰子さん(50)=茨木市=も「JRに乗って夫は死んだ。その原因、真実がほしい。青信号を過信したJRの運転士の声が聞きたいんです」と涙ながらに語った。 犠牲者21人の19遺族でつくる遺族の会弁護団では「遺族側が告訴、告発した際、大津地検はJR社員を起訴猶予処分とし、JR側の刑事責任を一部認めている。この民事訴訟でJRの事故責任を明確にしたい」としている。 ・「鉄道安全町」宣言へ要望書 信楽高原鉄道事故の遺族たちが発起人となり結成した市民団体「鉄道安全准進会議」(臼井和男会長・370人)は14日、滋賀県の信楽町に対し「鉄道安全宣言」の町づくりをすすめるよう要望書を提出した。 推進会議は、遺族らが信楽事故の調査の情報公開が不十分として不満を抱き、第三者の公平な調査を行う専門調査機関の設置を求めて、今年8月に結成した。 要望書では、事故の教訓を生かし、信楽町に全国初の「鉄道安全宣言町」として名乗りを上げてもらい、第三セクター鉄道の経営に参画する同町が率先して全国に鉄道安全の徹底を呼びかけるよう求めた。(京都新聞) |
| ■11億3600万円の賠償求め 信楽事故の遺族 提訴 23人 JRの責任追求 |
| 死者42人を出した一昨年5月の信楽高原鉄道列車衝突事故の補償問題で、「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人)の一部の遺族が14日、「安全を軽視した鉄道両社の体質が事故を引き起こした」としてJR西日本と高原鉄道両社を相手取り総額約11億3600万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。事故発生以来2年5ヵ月を経て、民事裁判での両社の事故責任が問われることになった。 訴えたのは、事故で妻を失った宝塚市中山桜台、会社員吉崎俊三さん(60)ら9犠牲者の遺族23人。 事故補償をめぐっては、遺族側と鉄道両社間で協議してきたが、両社は交通事故の補償基準より低い算定基準を提示していた。遺族側は「JRの謝罪がない」と反発、「刑事事件では問われなかったJRの責任追及を中心に民事裁判で事故原因を解明したい」として訴訟に踏み切った。 訴えによると、事故原因について▽信楽駅構内の出発信号が赤固定だったのに高原鉄道列車が進路の安全確認を怠った▽JR運転士は列車すれ違い区間で青信号を過信し、信楽駅に電話連絡するなどの安全確認を怠った▽JRが無認可設置した「方向優先てこ」の設計ミスや安全教育の不徹底などJR側は安全管理に落ち度があった−などとして鉄道両社に対し犠牲者9人の慰謝料と逸失利益などの賠償を求めている。 事故以来、遺族らはJRの刑事責任を追及して同社関係者12人を業務上過失致死傷罪で大津地検に告訴・告発したが、いずれも不起訴となっている。 JR西日本と高原鉄道両社でつくる「ご被災者相談室」によると、乗客の犠牲者37人のうち12人(同会では3人)については遺族と示談が成立。614人の負傷者のうち563人の補償交渉が終了しているという。 ・道義的見地から交渉 四方弘文JR西日本総務部長の話 遺族の心情を十分に考え誠意を持って補償交渉を継続してきたが、訴訟の提起に至ったのは残念だ。JR西日本としては事故の直接的な原因はないが、道義的な見地から、遺族側の対応を見ながら今後も交渉を続けていきたい。 ・誠意もち対応する 北川啓一信楽高原鉄道社長の話 遺族会との本格的な補償交渉を開始してまだ3ヵ月しかならず、十分な話し合いができないうちに提訴されたことは残念だ。今後は、裁判の中で誠意ある回答を重ね、一日も早く解決したい。また、末提訴の遺族とも、これまで同様、誠意を持って話し合っていきたい。 平成3年5月14日午前10時35分ごろ、滋賀県甲賀郡信楽町黄瀬の信楽高原鉄道単線区間で、同町で開催中だった「世界陶芸祭」に向かうJR西日本の下り臨時快速列車=3両編成=と、信楽高原鉄道の上り普通列車=4両編成=が正面衝突。双方の乗客37人と乗員5人の計42人が死亡、614人が重軽傷を負った。 信楽高原鉄道は、JRの地方線縮小に伴い昭和62年7月に廃止された旧信楽線を引き継ぎ、滋賀県と信楽、水口両町などが出資する第三セクター方式で運営されている。営業キロは貴生川−信楽間の14.7`。事故当時は「世界陶芸祭」の開催に合わせ、JR西日本が臨時列車を乗り入れていた。(京都新聞) |
| ■地下鉄 開業後初めて職員を採用 |
| 京都市交通局は14日、地下鉄運輸職員の新しい採用計画を発表した。1996年末に予定している地下鉄東西線の完成に向けて、増員するのが目的で、市が地下鉄運輸職員を新規採用するのは、81年の地下鉄開業以来初めて。 新たに募集するのは、地下鉄の駅務に従事する助役約20人と、運転士5人ほど。69年4月2日から74年4月1日までに生まれた男性が対象で、11月14日に一次試験を実施。二次試験ののち、12月下旬に合格者を発表する。採用は来年の4月1日。 申し込みは今月20日から29日まで受け付ける。問い合わせは市交通局(075-822-9118)へ。(朝日新聞) |
| ■電線工事中の事故 責任者ら書類送検 |
| 京都下労働基準監督署は14日、JR東海道線の電線工事中に作業員(38)が感電死した事故で、作業前の点検を怠っていたとして、工事を施工した滋賀県草津市川原町、中島電業所(中嶋光男社長)と、現場責任者だった同社社員(53)を労働安全法違反の疑いで京都地検に書類送検した。(朝日新聞) |
| ■信楽鉄道事故 9遺族、賠償訴え 総額11億円「JRの責任問う」 |
| 1991年5月、死者42人、重軽傷者614人を出した信楽高原鉄道列車衝突事故で、犠牲者9人の遺族が14日、JR西日本(本社・大阪市)と信楽高原鉄道(本社・滋賀県信楽町)を相手取り、総額約11億3600万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。提訴に踏み切った理由について、遺族側は「刑事事件で事実上、不問にされたJR西日本の責任を法廷で明らかにしたい」としている。 訴えたのは、いずれも「JR西日本・信楽高原鉄道列車衝突事故犠牲者遺族の会」(22犠牲者、19遺族)のメンバーで、妻(当時53)を亡くした兵庫県宝塚市中山桜台一丁目、会社員吉崎俊三さん(60)=同会世話人代表=ら大阪、京都、兵庫、滋賀の4府県に住む遺族計23人。 事故は、信楽駅から赤信号を無視して出発した信楽高原鉄道の普通列車と、JR西日本の臨時快速列車が単線区間で正面衝突した。 訴状によると、遺族側は、JR西日本が列車をスムーズに運行するために設置した信号装置の工事が運輸省や信楽高原鉄道に無断で行われたうえ、システムそのものに欠陥があったと指摘。このため、信楽駅の出発信号が「赤」のままで固定されるという異状を招いた、としでいる。 この結果、@信楽高原鉄道は出発信号が「赤」にもかかわらず、安全を確認しないまま信楽駅からの出発を強行させたAJR西日本も本来、双方の列車がすれ違う信号所に信楽高原鉄道の列車がいないのを無視して通過した−ことが事故につながった、としている。 そのうえで、両社には乗客を安全に輸送すべき旅客運送契約の債務不履行と安全体制の不備から事故を招いた不法行為責任がある、と主張している。 損害賠償の請求額は、単線上の正面衝突という事故の特殊性や乗客に全く落ち度がない点を考慮。JR西日本と信楽高原鉄道は、示談交渉で交通事故の賠償額を基準にして提示した。 ・交渉中の提訴残念 井手正敬・JR西日本社長の話 現在、誠意をもってご遺族との間で補償交渉を縦続しているところであり、訴訟が提起されたことは誠に残念に思います。内容を十分枚討のうえ、対応したい。が、訴訟ではほぼ倍額を求めている。 示談交渉はJR西日本と信楽高原鉄道が賠償資金を折半する形で進めており、これまでに死者12人の遺族、負傷者563人との間で成立した。しかし、JR西日本は「全責任は信楽高原鉄道にある。鉄道事業者としての道義的責任から被害者救済のため信楽高原鉄道が払うべき資金を肩代わりしているだけ」との姿勢を取り続けている。(朝日新聞) |
| ■信楽事故提訴 遺族放った「最後の」 願いは「事故原因の解明」 |
| 42人もの犠牲者を出した信楽高原鉄道の列車衝突事故は14日、遺族らの集団提訴で新たな局面を迎えた。惨事から2年5ヵ月。「なぜ事故が起こり、だれに責任があるのか」。遺族たちはいまだに解明されていない事故の原因究明を求めており、「JR抜き」となっている刑事裁判に代わり、JR西日本の責任を問う。遺族のひとりは「残された最後の一本の矢です」と語った。 提訴後、原告の遺族が大阪司法記者クラブで記者会見。妻の佐代子さん(当時53)を亡くした兵庫県宝塚市の会社員吉崎俊三さん(60)は「遺族の一人ひとりは弱者だが、愚弄(ぐろう)されてばかりでは我慢できない」と話した。 91年5月14日、佐代子さんは嫁いだ娘2人と京都駅から列車に乗った。佐代子さんは死亡し、娘2人も大けがを負った。 吉崎さんは、なぜ死んでいくのかもわからず息を引き取った妻がふびんでならなかった。 霊前に手を合わせると「おとうさん、何をしているの」という妻の声が聞こえてくる、という。 この日は、事故発生からちょうど2年5ヵ月たった「月命日」。提訴日を月命日にしよう、と提案したという吉崎さんは「今のままでは、犠牲者の霊になんと言ったらよいのか。JRの責任を認めさせることが、供養になると思って裁判に踏みみ切った」という。 JR西日本が運輸省などに無届けで設置した信号システムは「事故の遠因」とみられたが、JR西日本はこのマニュアルを書き換えて滋賀県警に提出。さらに、真相究明を求める遺族の申し立てを認め、大阪地裁が決定した関係書類の証拠保全に対しても、JR西日本は「提出義務はない」と拒否した。 この日の記者会見には、妻の辰子さん(当時52)を亡くした神戸市の会社員中原邦夫さん(59)も姿を見せた。 「表面的には損害賠償という形を取っているが、私たちの本当の願いは根本的な事故原因の解明」と指摘。さらに、大阪市営「ニュートラム」の暴走事故を取り上げ、「小さなトラブルを見逃さずに対策を取っておれば、事故は防げたはずだ。今回の裁判を通じて、全国の鉄道事業者に安全の大切さを訴えていきたい」と訴訟の意義を強調した。 ・「直接責任はほい」JR西日本 信楽高原鉄道事故の遺族らの提訴を受けて、JR西日本は14日、安全対策室長の山崎正夫取締役が記者会見し、「JRに事故の直接的な責任はない」と、JRの見解を繰り返した。 ダイヤを円滑にするための信号システム「方向優先てこ」をJR西日本が運輸省の認可を得ず、信楽高原鉄道にも無断で設置したことや、安全軽視の企業体質が「事故の本質」と、遺族らが主張していることについては、「無届け工事についての非は確かにあるが、信楽高原鉄道とは十二分に打ち合わせや機能検査もした。方向優先てこの設置で事故が起きたとは考えられない」と述べた。(朝日新聞) |
| ■鉄道安全宣言 信楽町に要望 遺族らの会 |
| 信楽高原鉄道列車事故の遺族らでつくる「鉄道安全推進会議」(臼井和男会長)は14日、滋賀県甲賀郡信楽町(杉森一夫町長)に対して「鉄道安全宣言町」を宣言することを求める要望書を提出した。 要望書では、大きな犠牲を将来にいかし、伝え続けていくために「鉄道安全宣言町」を宣言し、鉄道事故の安全対策に関する情報発信基地としての町づくりをしてほしいとしている。(朝日新聞) |
| ■「火事」、飛び降りた所へ列車 インドで49人死亡 |
| 【ボンベイ13日=AFP時事】インドのPTI通信によると、同国西部のボンペイで13日夕、通勤電車の女性客多数が車内で火災が発生したと勘違いして線路に飛び降り、そこへ突っ込んできた別の列車にひかれて49人が即死、70人が負傷して病院に運ばれる惨事が起きた。 警察の話によれば、事故が起きたのはボンペイのポリバリ駅付近。同市南部チャーチゲート発の女性通勤客用の特別電車が同駅に近づいた時、満員の車内から「火事だ、火事だ」という叫び声が上がった。慌てた多数の女性が対向車線の線路に飛び降りたところへ、別の列車が猛スピードで突っ込んだ。 警察の調べによると、電車が落雷を受け、焼け切れた天井の電気配線から煙が噴き出したため、女性客らはこれを火事と勘違いして線路に飛び降りた。 事故当時、現場付近は停電中で薄暗く、かなり雨も降っていたため、女性客は対向車線の列車が迫っていることに気づかなかったらしい。(朝日新聞) |
| ■JR線路上に無人の車 始発列車が衝突 宇治・奈良線 1 万2000人影響 |
| 15日午前5時25分ごろ、宇治市莵道のJR奈良線で奈良発京都行き始発普通列車(2両編成)が、250b先の軌道敷内に乗用車があるのに気づき、急ブレーキをかけたが、間に合わず衝突した。列車は乗用車を約90bひきずって止まった。乗用車は無人で、列車には20人が乗っていたが全員けがはなかった。 この事故で、JR奈良線は、宇治−六地蔵間で上下各2本、六地蔵−奈良間で上下各1本の計6本が部分運休し、乗客を京阪と近鉄で振り替え輸送した。午前6時58分には復旧したが、衝突した列車が約1時間、現場に停車したのをはじめ、上下列車13本が2分−30分遅れ、通勤、通学など約1万2000人の足に影響が出た。 宇治署の調べによると、乗用車は城陽市寺田の会社員(23)が知人から借りて使っており、14日午後11時ごろ自宅前にキーをつけたまま駐車、15日午前7時ごろに出勤しようとして車がなくなっているのに気づき、城陽署に盗難届を出した、という。宇治署では列車・電車幹線往来危険罪の疑いで捜査している。(京都新聞 夕刊) |
| ■ATS誤動作 JR環状線 |
| 15日午前8時20分ごろ、大阪市天王寺区のJR大阪環状線桃谷駅の手前約40bで、内回り電車(8両編成、乗客約1000人)が自動列車停止装置(ATS)の誤動作で非常ブレーキがかかり、急停車した。運転士が原因が調べたが分からないため、ATSのスイッチを解放して約5分遅れで運転を再開した。 JR西日本は車両を点検して原因を調べているが、桃谷駅に入る直前に運転台にある車内警報器が鳴ったという。 このため、内回り電車10本が2−10分遅れ、約1万人の足に影響が出た。(朝日新聞 夕刊) |
| ■線路に盗難車 列車が衝突 JR奈良線乱れる |
| 15日午前5時25分ごろ、京都府宇治市莵道のJR奈良線で、奈良発京都行きの上り始発普通列車(2両編成、畑峯進運転士)が、線路脇に止まっていた乗用車に衝突、列車は車を約90b引きずって停車した。列車内には約30人の乗客がいた、けがはなかった。乗用車は盗難車で、人は乗っておらず、宇治署は列車往来危険罪の疑いで捜査をはじめた。(朝日新聞 夕刊) |
16日 | ■駅ビル計画の道路指定違法 住民ら取り消し請求 |
| JR京都駅ビル高層改築計画で、地元住民ら19人は15日、京都市が高さ規制緩和のため導入した特定街区制度の要件となる「京都駅北口西通」の道路指定が違法だとして、市建築審査会に取り消し処分を請求した。 道路指定については、建築基準法に基づき2年以内に事業が執行される予定のものを当該の行政庁が行うとされている。住民らは、同通の場合、これに伴う土地区画整理事業の都市計画案件が府都計審で検討中であることから、道路建設事業が予定されているとはいえず違法としている。 これに関連して「ストップ・ザ・京都破壊、まちづくり市民連絡会議」は府都計審に対し、土地区画整理事業に対する住民らの意見書の結論が出ていないため、京都市が行った事業区域内の道路指定の取り消しと京都駅ビル会社が行った駅ビル建築確認申請の取り下げを、それぞれ京都市、同駅ビル会社に申し入れることを文書で求めた。(京都新聞) |
| ■JR京都駅地区区画整理 反対住民1300人 マラソン陳述へ 1人10分、26日間 府都計審決定 |
| JR京都駅ビル改築に関連した同駅地区土地区画整理事業に反対する約1300人が意見陳述を申し立てていた問題で、京都府都市計画地方審議会(会長・天野光三京都大学名誉教授)は15日、全員に陳述の機会を与えることにした。1人の陳述時間は約10分間、1日の陳述者は約60人という予定で、来月8日から12月17日までの26日間(土・日曜日、祝日除く)にわたる全国的に異例のマラソン陳述になる。 府都計審では、京都駅ビルの高さ規制を60bに緩和する「特定街区」指定など京都市都市計画案と、駅周辺の土地区画整理事業区域を承認した。 これに対し、京都府・市民886人(うち地権者2人)をはじめ大阪など他府県の住民計1297人から反対の意見書が提出され、ほとんどが土地区画整理法、行政不服審査法に基づく口頭陳述を申し立てていた。 この日、府都計審の意見書検討委員会(委員長・須貝脩一京都大名誉教授)が決めた意見聴取は、従来の方式を採用し、府都市計画課職員の代理聴取によりテープに収録する。 同課では、近く口頭意見陳述を求めている人に対し郵送で陳述日、時間などを通知するが、来月8日から連日午前(9時から正午)と午後(1時から4時45分)に分けて実施する。陳述後、全員の意見を文章化し、府都計審の意見書検討委、全体審議にかけ意見書の採択、不採択を決める。最終結論は来年度にズレ込むと見られる。 なお、全国的には1973年に広島県都計審で1011人の意見陳述が行われている。(京都新聞) |
| ■京都発交流列車 トレランス号 今年も 京の佐竹さん夫妻 鉄道マニア 退職金投じ あす第5号和歌山へ |
| 京都市山科区に住む佐竹保雄(62)、紀美子(54)さん夫妻は、毎年1回、個人チャーターの特別列車「トレランス号」を走らせている。もとは鉄道マニアで知られる保雄さんの退職記念列車だったのだが、障害者のためのグループホームづくりやチェルノブイリ原発事故で被ばくした子どもたちの招待−と歴史を重ねて、いまでは、障害を持つ人やお年寄りも多く乗る全国にも例のない楽しい交流列車。今年も17日午前9時17分、京都駅を発車する。 保雄さんは「生まれた時から」の知る人ぞ知る鉄道マニアだ。全国を飛び回って撮影したSLなどの写真は数多くの鉄道雑誌を飾った。そしてまた1949年以来という映画マニアの顔もある。いまでも関西で公開される輸入映画は全作品を見る。 戦後の混乱期、「自分でかせぐ」ことを考えた保雄さんは、中学3年生ながら京都市内に、ちっちゃな鉄道模型屋を開業、防寒の毛布持参で夜行列車に乗り、東京まで仕入れに。あまった時間に東京で映画を見てあるく。この生活を5年間続けた。 「この人から鉄道は切り離せません」(紀美子さん)。半端なマニアでない保雄さんは、公務員退職を機に、退職金でJRからチャーターした自前の列車を走らせることを計画する。 保雄実行委員長、紀美子副委員長で多くの知人を招待して「トレランス号1日の旅」は1989年10月、京都−柘植−名古屋−米原−京都を7時間余りをかけて走った。懐かしい特急「はと」などに使われた、マニア垂涎(すいえん)の展望車「マイテ429」をつないで。 トレランスは映画「イントレランス」(D・M・グリフィス監督)から「イン」を取り、不寛容でなく寛容に、という意味を込めて付けた。「デンマーク映画のバベットの晩餐(さん)会では、主人公は当たった宝くじをすべて振る舞いに使う。私は退職金の一部でとても及ばないが、こんな退職金の使い方もあっていいい、と思った」。 佐竹さん夫妻の人生の区切りとして、トレランス号は1回限りのはずだった。が、そうならなかった。保雄さんが10年来付き合い、1号に乗車した「出発の仲間の会」のメンバーからトレランス号を続けて、と要望があったからだ。 その願いは知的ハンディキャップをもつ人が生活するグループホーム建設のきっかけをつかむこと。翌年資金集めもかねて走った1号は成功をおさめ、ホームも1年後に実現した。 紀美子さんの古くからの知人を通して知った「チェルノブイリ連帯基金」。その縁で、来日したチェルノブイリで被ばくした子どもたちを列車に招待した。最初は3号に招待のはずだったが、来日の遅れで4号になった。 5号の節目を迎えた今年は、和歌山まで足をのばす。「規模を小さくして本来の列車の旅を存分に楽しんでもらう」。毎回のことながら、乗客は全て夫妻の知り合い。夫妻を取り巻く「世間がそのまま列車で目的地のない旅をする、不思議なイベントだ。 「財産を持つほうが不幸だと思っているんです。財産は使わないと無いのと同じ」(保雄さん)。「障害者や体が十分に動かないお年寄りは列車の旅をする機会がなかなかないんです。列車内の通路は普通の車いすは通れないし、トイレも使えない。今回はそれをいろいろ工夫して、参加した人皆に楽しんでもらえればいいのですが」(紀美子さん)。 赤字覚悟の自前列車がいつまで走りつづけるかは2人にも分からない。「まだ公務員現役の妻が退職のときには一味違う列車を、という話もあります。10号までという話も。でも一列車走らして、その後次を考えるのが私たち」。(京都新聞) |
| ■ニュートラム事故で気が付いた 地元医師会、情報網充実へ |
| 大阪市営の新交通システム「ニュートラム」の暴走事故をきっかけに、地元医師会が15日、会合を開き、事故情報を各病院に伝達する「中核病院」の新設など、非常時の救急体制見直しに乗り出した。今回の事故直後、現場に駆けつけて応急治療にあたった病院があった半面、負傷者が1時間以上も現場に待機させられたケースもあり、非常事態への対応が「明と暗」に分かれたためだ。大事故が浮き彫りにした問題をまとめ、今後の救急体制の充実を進める。 事故現場近くにある南大阪病院(大阪市住之江区)は事故があった5日夕、負傷者が次々避難し混乱する現場に「救急医療団」を派遣、診察活動をした。午後6時前、消防局から「負傷者受け入れ要請」があり、ポケットベルなどで医師や看護婦を非常招集した。しかし30分しても搬送がないため、副院長ら計10人が現場に駆けつけた、という。 一方、骨折したまま現場に1時間以上も待機させられた負傷者がいたり、受け入れ態勢を取っていたのに2時間も負傷者が運ばれてこなかった病院もあった。 この日の会合は、市住之江区医師会(浜崎寛会長)が呼びかけた。同区内の病院長のほか、救急業務に携わる市消防局、府警住之江署も出席。事故の詳細が各病院に伝わらず、テレビに頼るしかなかったことなどが議論された。この結果、消防当局から詳細な情報を聴く「中核病院」を決め、この病院がさらに各病院に情報を流す案などを検討することになった。 浜崎会長は「都市型の事故や災害は大規模になる可能性があり、しかもいつ発生するかわからない。休日や夜間なども念頭に置き、今回の事故を教訓に、充実した体制をつくりたい」と話している。(朝日新聞) |
| ■京都駅高層化問題で集会 きょう下京 |
| JR京都駅ビルの改築高層化の着工を間近に控え、住民らでつくる「ストップ・ザ・京都破壊 まちづくり市民連絡会議」が、16日午後1時半から、下京区の労働者総合会館ホールで、高層化計画の見直しを求める緊急市民集会を開く。 集会では、鈴木隆・独協大教授が「パリの景観コントロールに学ぶ」をテーマに講演。市民会議が、JR東海道線の高架化を盛り込んだ独自の駅ビル改築計画を提案する。 また、京都市の新しい総合設計制度に盛り込まれている市内南部地域での建物の高さ規制の撤廃をめぐって、新建築家技術者集団が、問題点を報告する。 資料代500円。問い合わせは同会議(075-801-2308)(朝日新聞) |
| ■反対1300人の聴取決定 駅ビル問題で京都府都計審「代表選べない」 |
| JR京都駅ビルの改築高層化計画に伴う駅北側の区画整理事業計画を審議している京都府都市計画地方審議会は15日、反対意見の陳述を求めていた1295人全員から意見聴取することを決めた。このため、同事業の計画決定は来年度にずれ込む見通しとなった。また、区画整理事業区域内の住民ら19人はの日、「事業計画決定前に、京都市が駅ビルの建築確認に必要な道路部分を指定して手続きを進めるのは違法だ」として、市建築審査会に対し、指定取り消しを求める審査請求と、仮処分にあたる執行停止の申し立てをした。 府都計審は「代表者を選ぶのは困難」として全員聴取に踏み切った。意識聴取は11月8日から12月17日までの間の土曜、日曜、祝日を除く26日間。「1人10分以内」の制限を設けるが、都計審で1000人規模の意見聴取を実施するのは、全国的にも異例だ。 担当の府都市計画課は「決められた日時に来ない場合は、その人は意見を延べないものとみなす」とした上で、意見はすべてテープに録音、審議会に諮る意向だ。(朝日新聞) |
| ■電車に体重計つけました JR西日本が実験 混雑緩和に効果とか 平均体重から乗車人数出す |
| JR西日本が電車に「体重計」をつけて、朝夕の通勤ラッシュ時の混雑率を正確につかむ実験に取り組んでいる。客がびっしり乗った電車の重さを量って空っぼの時の重さを引き、これを1人当たりの平均体重で割って乗車人数をはじき出す。車掌の目算で出していた従来の混雑率より正確な数字がつかめ、利用実態に沿ったダイヤが組める。今後の新型車はすべて「体重計」付きにする、という。 「体重計」とは、各車両の台車と車体の間にあって振動や曲線での揺れを吸収する空気バネ。これが乗客数によって、風船のように膨らんだり縮んだりするのを圧力センサーで検知して、車重を算出する。数字は電気信号で運転席に送られ、モニターで見ることができる。 すでに東海道・山陽線の「新快速」と、北陸線の特急「スーパー雷鳥」に搭載している。来年9月に開港する関西国際空港に乗り入れる阪和線の特急や快速への搭載も決まっている。 実験で取り組んでいるのは、1人当たりの平均体重を何`に見積もるかという問題と、揺れなどの影響を受けない測定ポイントの設定。 平均体重は、乗客の男女の比率で違ってくるほか、時間帯によっても違う。同社車両課によると、例えば朝はサラリーマンが多くて重くなり、平均は65`から70`になるが、日中は買い物の主婦らが多く、50`台になる。この設定を間違えると、混雑率が大幅に狂ってしまうため、根拠になるデータを集めている。 測定ポイントも同じ。曲線やでこぼこがあると、空気バネに余計な圧力がかかるため、真っすぐで平らなポイントを探している。 これまで発表されている混雑率はすべて車掌の目算。「新快速」の場合、座席がふさがり乗客が立ち始めたら「乗車率50%」、ドア付近に25人が立つようなら「100%」、乗客の肩同士が触れ合うが、新聞が読める程度なら「150%」と決められているが、必ずしも実際の込み具合とは一致していない。(朝日新聞 夕刊) |
17日 | ■京都駅ビル改築 見直し求め集会 まちづくり市民連 |
| 住民団体の「まちづくり市民連絡会議」(西山卯三代表委員)は16日、京都市中京区の京都労働者総合会館で、JR京都駅ビル高層改築計画の見直しを求める緊急市民集会を開いた。 約100人の関係者らが参加。鈴木隆独協大教授の記念講演「パリの景観規制に学ぶ」を聴いたほか、同駅の線路を高架化する独自の建て替え案、市民の高さ規制緩和につながる市総合設計制度の撤回を求める決議などが提起され、出席者らが熱心に討議。今後、同計画の見直しへ、さらに運動を強化することなどを申し合わせた。(京都新聞) |
| ■電車に接触、死亡 木津・JR関西線 |
| 16日午前9時半ごろ、京都府相楽郡木津町木津のJR関西本線の線路内で、京都行き普通電車に、同町木津、無職榎繁夫さん(88)が接触、榎さんは頭を強く打ち、約3時間半後に死亡した。 木津署の調べでは、現場には踏切がなく、現場の西側にある工事関係者が線路に出入りする戸が開いていたことから、榎さんは日課としている現場東側にある神社の掃除に向かう途中、事故にあったのではないかとみている。(京都新聞) |
18日 | ■負傷者4人と示談 ニュートラム事故で初 |
| 大阪市住之江区のニュートラム暴走事故で負傷した乗客4人と大阪市の初めての示談が、17日までに成立した。 4人は大阪市内に住む52歳と51歳の男性(いずれも建設作業員)、広島県福山市の会社員(44)と同県尾道市の会社員(35)。4人は軽傷で、広島県の2人は大阪に出張中だった。 金額は明らかにされていないが、大阪市交通局は自動車賠償責任保健などの基準に加え、今回の事故がニュートラムの初の事故で、多くの負傷者を出したことなどの社会的影響を考えて算出した、としている。(京都新聞) |
| ■「のぞみ」カバー落下 重さ5`、車両所で確認 JR東海 |
| JR東海の東京第一車両所で16日夜、博多から東京に到着した「のぞみ24号」を点検したところ、6号車の床下に設置してある電気機器などを保護するカバー(長さ1.06b、縦約49a、厚さ約1_、重さ約5`)がなくなっていた。保護カバーは17日未明、始発前に線路に異状がないかを調べる確認車が山陽新幹線の広島−新岩国間で発見した。 JR東海によると、博多に向かって6号車の後に連結される7号車の床下に物がぶつかった傷あとがあることから、保護カバーは東京駅午前10時56分発博多行きの「のぞみ11号」として走行中に、脱落したらしい。落ちた保護カバーは折れ曲がったうえに2つに割れ、上り線の軌道付近まで飛んでいた。 保護カバーは「ふさぎ板」と呼ばれ、床下に取り付けている機器の表面を平らにして空気抵抗を少なくするために設けられており、6本のボルトで取り付けられている。保護カバーの脱落事故は2件目で、JR東海は「のぞみ」型全車両の一斉点検を実施した。(朝日新聞 夕刊) |
19日 | ■ロッカーに短銃 守山駅、男から電話 |
| 守山署は18日午後2時ごろ、守山市梅田町のJR守山駅東口コインロッカーから短銃1丁と実弾1発を発見、押収した。 同署に17日夜、3、40代と思われる関西弁の男の声で「暴力団を抜けた。短銃を処分したいので、駅のコインロッカーに入れた」と匿名電話があり、捜索していた。 短銃はイタリア製の25口径自動式。同署は銃刀法違反の容疑で暴力団関係者を中心に捜査している。(京都新聞) |
| ■仮駅舎移転で和解 京都駅構内 飲食店立ち退き問題 |
| JR京都駅ビルの改築に伴い、駅構内の京都駅観光デパートの飲食店テナント「与太呂新社」(梅野敬子社長)が立ち退きを拒否して営業を続けられるよう求め、反対に同観光デパート(古川満男社長)が明け渡しを求めて、両者が仮処分を申し立てていた問題で18日、京都地裁(島田清次郎裁判官)で和解が成立した。 和解内容は▽与太呂新社は今月21日で現駅舎での営業を廃止し、29日までに明け渡して仮駅舎に移転する▽観光デパートは与太呂新社の新駅舎への入店を保障する▽仮駅舎の移転費用や新駅舎への入店条件については、現駅舎での賃貸借条件などを配慮して協議する−などとしている。 梅野社長は「これまでは一方的に計画を押し付けられてきたが、これで話し合いのテーブルにつくことができる」と話しており、古川社長は「話し合いで解決したいと思っていた。われわれの主張も理解してもらい、裁判所の勧めもあって和解した」と話している。(京都新聞) |
| ■アルミ板脱落など3件もトラブル のぞみ |
| JR西日本は18日、東海道・山陽新幹線「のぞみ」の3編成で12日から16日にかけて、床下に取り付けられているアルミ板が脱落するなど3件のトラブルがあったことを明らかにした。 同社によると、16日午後、博多総合車両所でのぞみの車両を点検中、16号車の台車近くの送風管に取り付けられているアルミ製水切り板(縦0.6b、横1.25b)が溶接部から脱落しているのが見つかった。 この板は冷却用の風をモーターに送るための送風管に雨水が漫入するのを防ぐために取り付けられており、走行中に破損して落ちたとみられるが、見つかっていない。同社は風圧の影響か取り付け方に問題があった、とみて原因を調べている。 このほか、12日と15日にも別々ののぞみで、床下のステンレス製カバー板に長さ13_の亀裂が入っているのやパンタグラフカバーの取り付けボルト1本が折れているのが発見された。 JR西日本は「いずれも走行に影響のないトラブル」と説明している。(京都新聞) |
| ■冬の臨時列車2150本 JR西日本 昨年より15%滅 |
| JR西日本は18日、この冬(12月1日−来年2月28日)の臨時列車運転計画を発表した。定期列車本数が大幅に増えているうえ、不況のため期間中の利用者(主要9線区の特急、急行)を昨年より2%少ない1763万人と見込み、期間中の臨時列車を昨シーズンより15%少ない3150本とした。 山陽新幹線は年末年始を中心に、前年より34%少ない469本の随時列車を運転。帰省のピークの12月30日と1月4日には、初めての臨時「のぞみ」を新大阪−博多間に1本ずつ走らせるせる。 在来線では北陸線に、初めての臨時「スーパー雷鳥」を大阪−富山、魚津間に年末年始運転。ふだんは週4日運転の豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス」(大阪−札幌)を年末年始と札幌雪まつり期間中は毎日走らせる。 丹後方面のグルメ旅行用に、新たに大阪−久美浜間の「味めぐりタンゴエクスプローラー」(北近畿タンゴ鉄道経由)を、1、2月の週末に運転。大みそかから元日にかけては神戸−大阪−京都−奈良間で初もうで、初日の出列車を終夜運転。奈良線では稲荷駅に快速電車を停車させる。(京都新聞) |
| ■利用5000万人を達成 阪急電鉄あすから記念カード発売 |
| 阪急電鉄は、プリペイド方式の「ラガールカード」利用者5000万人達成を祝い、記念のラガールカードを20日から来月2日まで全駅の売店で販売する。 平成元年3月から、切符を買うためのブリペイドカードとして発行、さらに翌年4月にそのカードのまま自動改札機を通れるように改めてから、飛踏的に利用者が増えた。記念カードは5とゼロのデフォルメなどで、5000万人達成を強調する図柄。1000円券と3000円券をそれぞれ2万枚作った。 併せて、これまでに発売した約200種類のラガールカードを、21日から6日間、梅田駅1階コンコスに展示する。(京都新聞) |
| ■「のぞみ」カバー脱落 原因は作業ミス |
| 山陽新幹線で17日未明、「のぞみ」の床下に設置してある電気機器などを保護するカバーが落ちているのが見つかった事故で、車両を保有するJR東海は18日、脱落の原因は社員の作業ミスと発表した。同社によると、カバーは通常、6本のネジで締めているが、走行前の点検の際に、作業員がネジを手で軽く締めただけで、そのまま営業運転したという。 ・3件のトラブル 点検で見つかる JR西日本は18日、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」で、床下に取り付けてある長さ約60aのアルミ製板1枚の脱落やボルトの折損など計3件のトラブルを定期点検で見つけた、と発表した。脱落したアルミ製板はまだ見つかっていない。(朝日新聞) |
| ■前方注視義務を添乗員の規程に ニュートラム事故で大阪市 |
| 大阪市営の新交通システム「ニュートラム」の運転再開後、全電車に添乗員を当面の間乗せることにしている大阪市は19日、これまでなかった添乗員の「前方注視義務」を運行規程に盛り込む方針を決めた。緊急時には非常ボタンを操作することを求める。このほか、油圧緩衝式の車止めを将来設置するなど設備面での改善・安全対策も検討している。 西尾正也市長はこの日、記者会見し、事故原因がなお特定できないことを明らかにしたうえで、安全対策に言及。駅進入時のスピードを早めに落とす▽駅での停止位置を約16b手前に移動する▽衝撃を吸収する車止めを設置する−などを検討していると延べた。 運転再開について「原因が究明できないうちに再開することは不可能だが、究明作業も進んでおり、遠からず再開できるものと思う」と語った。(朝日新聞 夕刊) |
| ■障害者の割引切符 JRが券売機でも |
| JR各社は、第一種の身体障害者・知的障害者が介護者と列車に乗る場合の半額乗車券(介護者分も半額)を、自動券売機の小児用切符で代用するシステムの導入を決めた。今月20日から各駅で実施する。 対象は片道100`以内の普通乗車券。従来は窓口で身体障害者手帳などを提示して特別の割引乗車券を購入しなければならず、利用者から不便さを指摘されていた。(朝日新聞 夕刊) |
20日 | ■この流線型で300`時代 まっしぐら 8年春からニュー新幹線で営業運転 |
| 超高速の次世代新幹線車両の開発を進めているJR西日本は19日、「高速運転時の騒音防止にメドが立った」として、平成8年3月を目標に時速300`の営業運転を始めると発表した。「のぞみ」の270`を上回ってフランス・TGVと並び、営業速度としては世界最高速となる。 詳細は未定だが、年度内に新車両を設計して、来年秋までに1、2編成(1編成16両)を製造、営業運転に間に合わせる。新列車は東京−博多間を今の「のぞみ」より10−20分速い5時間足らずで結ぶ計画。井手正敬社長は「京都や名古屋を通過して時間短縮するようなことはしない」という。 同社は試験車両「WIN350」を造り、昨年6月から速度向上試験を実施。8月には国内最高(当時)の350.4`を達成したが、パンタグラフの風切り音など高遠時の騒音が大きく、対策が課題だった。その後、ざん新なT字スタイルの「翼型パンタグラフ」の開発などで、時速300キロ走行時に環境庁基準の75デシベルをクリア、車体の軽量化で振動の軽減も図ったという。 この結果をもとに新車両はアルミ製として、翼型パンタグラフを採用するほか、先頭をとがった形にしてすれ違いの際の揺れやトンネル突入時の衝撃音防止を図る。(京都新聞) |
| ■桂駅東口周辺整備 本年度内に着工 京都市 総合ターミナル化へ |
| 京都市は洛西地区の交通の拠点となっている西京区の桂駅東口の周辺整備事業に本年度中に着手、すでに完成している西口と合わせて総合ターミナル機能の充実を進める。東口ではバス、タクシー乗り場を整備するほか、駐輪場施設を拡充、東口交通広場として整備、人口増の続く同地域の交通網整備の核とする。 整備が計画されているのは、桂駅東口駅前の約2800平方b。建設省と運輸省の都市計画による駅前広場造成協定にしたがって阪急電鉄の協力で行う。駅東側の台形状広場の中央に中の島緑地を造成。タクシー乗り場を設置するほか、広場の周辺に市バス、阪急バス、京都交通、京阪バスの4路線のバス停を配置し、ロータリー方式の交通広場として運用、交通の円滑化を図ってターミナル機能を向上させる。 さらに、駅東側に設置されていた自転車の駐輪場の一部が桂駅東通の拡幅整備で道路に繰り入れられるのにともなって、新たに阪急沿線南側の本願寺西山別院横に駐輪場を設置、無料駐輪スペースを従来の約650台から一挙に合計950台に増設する。同駅では今年、商業施設ビルがオープン、この中にも約500台の駐輪場(有料)が確保されており、自転車駐輪公害の追放にも一定の役割を果たしそうだ。 同広場の整備は今月14日の市都市計画審議会で承認済み。市は事業認可などを経て本年度末に着工、来年度中の完成を目指している。同広場を終点とする桂駅東通(延長674b、幅員12b)についても整備を急ぐ。 桂駅周辺では1986年に西口交通広場(約5000平方b)が完成、市バス乗り場などを整備、駅を挟んで東側の駅前広場の早期整備が課題となっていた。(京都新聞) |
| ■揺らぐ「安全神話」 ニュートラム「暴走」の波紋 |
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230人が重軽傷を負った大阪市の新交通システム「ニュートラム」の暴走事故は、人間に代わってコンピューターが制御するハイテク電車の「安全神話」を揺るがせた。 省力・省エネ・低公害の輸送機開ともてはやされる新交通システムは、現在六府県で八路線が運行、さらに東京や広島でも建設が進んでいるが、こうした人身事故は初めて。競うように導入した各都市に波紋が広がるなか、原因解明ははかどらず、運転再開のめども立っていない。(大阪社会部・河内哲嗣、貝瀬秋彦) ・総点検 台湾からも問い合わせ 事故は5日午後5時29分、終着の住之江公園駅で起きた。4両編成の車両には満員に近い約250人が乗っていた。ブレーキが作動せず、時速17.5`以上でホームを通過、停止線を越えて51b先の車止めに激突した。負傷者のうち46人が骨折や打撲などでいまも入院中だ。 反響は大きく、国内だけでなく台湾の新交通システム開発会社からも、事故車両の装置などを問い合わせるファクスが、大阪市交通局に届いている。
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全国の新交通システムと事故後の対応
路線名 | 運転方式 | 対 応 |
山万ユーカリが丘線 (千 葉) | 有人、ATS | 運転士らに注意促す |
埼玉新都市交通伊奈線(埼 玉) | 有人、ATC | 運転士らに注意促す |
西武鉄道山口線 ( 〃 ) | 有人、ATS | 運転士らに注意促す |
横浜新都市交通 金沢シーサイドライン(神奈川) | 半数で無人(ATO)、ATC | システム総点検 添乗員乗務 |
桃花台新交通桃花台線(愛 知) | 有人、ATC | 全車両点検 |
南港ポートタウン線 (大 阪) | 半数で無人(ATO)、ATC | 運行停止 |
神戸新交通ポートアイランド線(兵庫) | 無人(ATO)、ATC | システム総点検 添乗員乗務 |
同・六甲アイランド線( 〃 ) | 無人(ATO)、ATC | システム総点検 添乗員乗務 |
<注>ATSは自動列車停止装置
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今年7月から「金沢シーサイドライン」の半数で無人運転を始めた横浜新都市交通は、技術スタッフを総動員し3日がかりで85両の車両と地上システムを点検した。特に異状はなかったが、今後しばらくは最終区間の全列車に添乗員を乗務させる。 国内第1号の「ポートライナー」と「六甲ライナー」の2路線を運営する神戸市の神戸新交通も、両線の地上、車両システムを総点検。制御系統に異状が発生した時に列車を止めるシステムが確実に働くかどうか、入念に調べた。「問題点は見つからなかった」というが、事故後から始めた最終区間への添乗員の乗務は当分続けることにした。 一方、95年秋に無人運転の新交通システムを開業する予定の東京臨海新交通は、技術スタッフが計画中のシステムとニュートラムを比較検討した。「システムは改良が重ねられてきており、信頼性は確実に高まっている」と強調する。 ・原因は 主に電気回路検証 大阪市の事故対策本部や大阪府警捜査一課の住之江署捜査本部は、事故車両を検査場へ移し、機器メーカーと科学警察研究所の協力を得て原因を究明中だ。 いまのところ、中央指令所のコンピューターに残った記録などから、速度などを指示する信号は軌道上までは伝わっていたことが分かっている。 軌道上から自動列車運転装置(ATO)と自動列車制御装置(ATC)への指示も出ているので、異状は車両側の常用ブレーキを作動させる電気回路にあると見て、3両目に積まれた両装置や中継継電器、ブレーキまでの配線部を中心に検証している。 今回の事故では、非常ブレーキは停止位置を越えてから作動したと見られる。曽根悟・東大工学部教授(交通システム工学)は「常用ブレーキの指令が出ながら、機能しなかった時のバックアップ・システムがなかったことが、衝突につながった。より一層の安全運行のためには、万全のバックアップ・システムを整備する必要がある」という。 ・信頼性 他路線は「自信」 ATO、ATCは、ニュートラムの無人運転を支える頭脳だが、事故後、大阪市当局は、過去に計10回の故障が起きていたことを明らかにした。電車が停止したのはこれらの故障を含め148回。故障場所がわからず、そのまま使い続けていたこともあった。 横浜新都市交通、神戸新交通とも暴走対策として、ホームの停止位置の手前で非常ブレーキが利くよう設定しており、横浜の担当者は「ATOやATCによって安全を確保するシステムへの信頼は、変わっていない」と言い切る。愛知県小牧市の桃花台新交通の担当者は「うちのシステムに問題はない」と強調する。 ・危機管理の徹底を 新交通、システムに詳しい都市問題評論家、岡並木さんの話 世界百数十ヵ所で走っている新交通システムでも人身事故は初めてではないか。安全基準の厳しい日本で起きた事故だけに、衝撃は大きい。自動運転の方が有人運転よりも事故発生率は低いとされているが、乗客を安心させ、車内犯罪を防止するには添乗員が乗っていた方がいいのかもしれない。異状が起きた時にどう監視員や添乗員が行動するのか、マニュアルを整備し、非常訓練を十分繰り返すなど、危機管理を徹底させることが大切だ。(朝日新聞) |
| ■新・超特急 96年デビュー JR西日本 世界No.1 時速300` 新大阪−博多2時間10分台 |
| 東海道・山陽新幹線の次世代超特急の開発に取り組んできたJR西日本は19日、最高時速300`の新型車を96年3月から新大阪−博多間で営業運転する、と発表した。「のぞみ」を30`上回る最高時速300`は、フランスの新幹線「TGV」と並んで世界最速となる。これにより、新大阪−博多間は現行の2時間32分が2時間10分台になる。東海道新幹線への乗り入れについてもJR東海と協議しており、実現すれば東京−博多間は5時間4分が4時間40分台に短縮される見通しだ。 新型超特急は「のぞみ」で問題になっている高速走行による風切り音や、トンネル通過時に発生する衝撃音を低くするため、先頭形状の傾斜を「のぞみ」のほぼ倍にした鋭いくさび形にするほか、飛行機の翼のような形をした新しいパンタグラフを採用。時速300`で走行しても、環境庁が定めた環境基準75デシベルを達成できるとみている。 また、カーブでの車体の傾斜や横揺れを抑制する電子制御装置も搭載して、乗り心地もよくする。来秋にも新型車の1号車による試運転に入る計画だ。 営業運転についてJR西日本は、停車駅を「のぞみ」と同様に岡山、広島、小倉とし、全席指定で特別料金を徴収する方針。新しい愛称も検討している。 一方、直線が多い山陽新幹線に比べ、カーブが多い東海道新幹線の東京−新大阪間への乗り入れについては、現在の2時間30分を大幅に短縮することは難しいものの、東京と岡山以西を利用する乗客の増加や航空機との競争などを考え、JR東海と協議している。 JR西日本は91年から最高時速350`を目指した次世代新幹線の開発に着手。試験車両「WIN350」の実験では昨年8月に時速350.4`を記録した。しかし、時速330`以上で走れる区間が少なく時間短縮効果がさほどないうえに、環境基準の達成も難しいことから最高時速を300`に決めた。(朝日新聞) |
| ■ニュートラム暴走事故 衝突速度は10` 大阪府警 破損状況から推定 |
| 大阪市の新交通システム「ニュートラム」の暴走事故で、大阪府警捜査一課の住之江署捜査本部は19日、事故電車(4両)は時速約30`で住之江公園駅をオーバーランした後、非常ブレーキがかかったものの、間に合わず51b先の車止めに時速10`前後で衝突したと判断した。運輸省と市交通局の見解ともほぼ一致した。捜査本部は速度は遅かったものの、満員の乗客約250人は不意を突かれて転倒するなど被害が広がった、とみている。 捜査本部は、車両の破損状況や連結器の損傷度、車両が車止めに激突して押し戻された距離などから、衝突速度を推定した。 調べでは、先頭車両は激突の衝撃で、車両前面の特殊ガラスにひびが入り、先頭の連結器のくさびが車止めのゴム(厚さ約50a)にいったんめり込んだほか、連結器上部の車両がややへこんでいた。各車両の連結器は、車体に固定するボルト(直径約2.5a)が折れたり緩衝用のピンが飛び散ったりしていた。 車両(長さ約7.6b)自体も衝撃で歪み、2両目が約6a、3両目が約2a、4両目が約1a縮んでいた。4両とも車内の鉄製手すりが大きく曲がっていた、という。 また、車止めは衝突後、大きな損傷はみられなかった。 捜査本部は、@車両は時速20`余りで激突した場合、くの字にへこんで激しく破損するA車止めにぶつかって、車両が押し戻された距離は約70aしかないB車止めは時速7`で衝突しても耐えられる設計で、実際は安全率を見込んで10`前後でも耐えられる構造になっている−などから、事故電車は時速約10`前後で車止めに衝突したとしている。 事故電車はオーバーラン直後、毎秒5`減速する非常ブレーキがかかったことが分かっている。捜査本部は、ブレーキの空走距離などを含めると時速約30`で住之江公園駅をオーバーランし、7秒余り後に車止めに衝突したとみている。(朝日新聞) |
| ■ニュートラム代役 大阪市の直行バス 同じルートなのに路線バスより割高 鉄道料金の計算法適用 首かしげる住民 |
| 新たな直行便は、民間の観光バス約20台を借り上げて走らせる。南港ポートタウンと地下鉄四つ橋線北加賀屋駅を最短距離で結び、1日220便往復する。ポートタウンとニュートラム終点の住之江公園駅をつなぐ現在の代行バスに比べ、乗車時間が5分短く、より市中心部に近い地点に着ける。料金は、ニュートラムと地下鉄を乗り継いだ計算で、240円とされた。 一方、同じ市交通局の路線バスも、乗り換えが必要ながら、直行便と同じルートを走る。料金は180円で、直行便より60円安い。ポートタウン−北加賀屋駅間を行き来する市民は25日から、2種類のバス料金に直面するわけだ。 事故直後から運行されているポートタウン−住之江公園駅間の代行バスの料金は、ニュートラムに合わせて210円となっている。ただし、混雑が続いているため、料金を徴収できないのが現状だ。 市交通局は「直行便はあくまでニュートラムの代替輸送と考え、ニュートラムと地下鉄を利用した場合と同じ料金をいただくことにした。路線バスでなくニュートラムと同じ扱いだから、地下鉄を乗り継いで市中心部まで足を延ばす場合には、路線バスに比べて地下鉄の割引率の大きくなる直行便の方が安くなる」と説明する。 近畿運輸局によると、代行バスの料金を、不通となった鉄道に合わせなければならない、とする法律はなく、路線バスと同じ料金にすることも不可能ではない。「代行バスの料金は、不通となった鉄道料金に合わせるのが通例」としながらも、「バス料金は同じルートなら同じ料金という一物一価が大原則。今回のように、同じようなルートを違う料金でバスが運行される例は極めて珍しい」としている。 ポートタウンの住民の中には、戸惑いや疑問の声も出ている。大阪市中央区の会社に通う女性(47)は「路線バスで180円で行けるのに、代行バスは240円というのは、どうしても腑(ふ)に落ちない」と話している。(朝日新聞 夕刊) |
21日 | ■窓 バス値上げで見返りはなし 西京区・中村めぐみ(大学生・21) |
| 10月1日より、均一区間外のバスの運賃が、またまた値上げされました。私の住んでいる洛西ニュータウンと阪急桂駅との間を走るバスも、均一区間外ということで一律10円値上げされ、今では220円という運賃を払っています。 しかし、値上げされたからといって、バスのサービスがよくなったとか、本数が増加したということもなく、利用者はただお金を多く取られているだけで、なんの見返りもないのです。車内にBGMを流す設備を取り付けるお金があるのなら、その分で1台でもバスの本数を増やしてほしいというのが、利用者の切実な願いだと思うのです。この時間帯にもう1本バスがあれば…と、いつも思っているのです。 しかし、バスの本数が増えることはいっこうになく、その半面、始発から3つめのバス停でさえ、いつも5分近く遅れてきたり、悪い面ばかり目につきます。阪急電車との時間の関係でバスが5分遅れただけでも、あとあと10分、20分の遅れとして返ってきたりするのです。そのほかにも、満員バスのつらさ、特に夏場の車内の蒸し暑さ、乱暴な運転、そして態度の悪い運転手など、挙げるときりがないくらいです。利用者が何を望んでいるのか、もっと理解し、対応し、快く利用できるようにしてほしいと思います。(京都新聞) |
| ■ニュートラム中継継電器 長期使用で摩滅? 数ヵ所に変形・変色 |
| 大阪市の新交通システム「ニュートラム」の暴走事故で、ブレーキ指令を伝える中絶継電器とその周辺で異状が見つかったが、同装置の内部で長年、使用したことに伴う変形、変色部分が数ヵ所あることが20日、大阪府警捜査一課の住之江署捜査本部の調べで分かった。運輸省もこの日、開かれた衆議院運輸委員会で「中継継電器のところがおかしいのではないかと推定している」との見方を明らかにした。捜査本部では長期間の使用による摩滅などでブレーキ信号が流れなかった可能性もあるとみて、中継継電器を取り外して調べる。 中継継電器は、自動列車運転装置(ATO)と自動列車制御装置(ATC)の常用ブレーキを作動させるスイッチ回路を集めた装置。異状があったのは、スイッチや、その前後で電流、電圧を整えるコンデンサーなどを集めた部分で、数ヵ所の変形や変色個所が見つかった。 変色は過熱や焼け焦げなど一時的な原因でできたものではなく、長年の使用に伴う変化とみられる。また、変形も「長期使用による摩滅のような状態」としている。暴走事故を起こした電車(4両)は、ニュートラムが開業した1981年以来の古い車両。 捜査本部では電気が正常に流れるかどうかの「導通試験」などをした結果、これまで中継継電器とその付近の配線で電気が流れにくいとみられる個所をつかんだ。捜査本部ではこの配線部分を含めて、中継継電器内部の変形、変色個所についても検証を進める。 この日開かれた衆議院運輸委員会で、運輸省の秦野裕・鉄道局長は今回の事故について、「通常は、最終的にATOにかわってATCが作動して常用ブレーキがかかるが、何らかの原因で常用ブレーキが作動せずに列車が駅を通過し、非常ブレーキがかかったが止まり切れなかった」などと車止めに衝突するまでの状況を説明。そのうえで、「中継継電器のところがおかしいのではないかと推定しているが、答えがこれだというのは分かっていない」などと述べ、解明までにはまだしばらく時間がかかるとの認識を示した。 また、運行再開の見通しについては、原因がある程度特定できない段階では慎重にすべきだとし、再発防止策として「ハード面、ソフト面を含めていろんな対策を講じる必要がある」とした。(朝日新聞) |
22日 | ■特急にはねられ即死 西京の阪急踏切 |
| 21日午後1時ごろ、京都市西京区上豆田町の阪急京都線千代原踏切てせ、男性が河原町発梅田行き特急電車にはねられて即死した。特急電車は現場に10分間停車、後続の電車5本が3−5分遅れ、2000人に影響が出た。 桂署の調べでは、はねられたのは中京区の家屋清掃業手伝いの男性(43)で、遮断機をくぐって踏切の中に入ったという。(京都新聞) |
| ■事故から20日間は代行バス無料扱い ニュートラム運休で |
| 大阪市営「ニュートラム」の運休で代行バスを出している市交通局は21日、事故から20日間を「無料扱い」にすることとし、定期券、回数券の期限延長や払い戻しに応じることを決めた。混雑のため、一般客からほとんど料金を徴収できず、定期券利用客から「不公平だ」との苦情を受けた特別措置だ。しかし、料金を払った一部の一般客への払い戻しは「乗車を証明できない」として外され、なお不公平を残す形になった。 「無料扱い」となるのは、事故の起きた日から24日まで。市交通局は、この措置による影響額を約1億3100万円とみている。 特別措置の対象はニュートラム利用者。取り扱いは25日から。(朝日新聞) |
23日 | ■快速と勘違い 停車駅を通過 JR東海道線 |
| 22日午後4時20分ごろ、JR東海道線の西明石発高槻行きの上り普通電車(7両編成、乗客約300人)が停車駅の摂津富田駅(大阪府高槻市)を通過、駅から200bの所で、いったん停車したものの後続の電車が近づいていたため、そのまま次の高槻駅まで走った。JR西日本によると、運転士は「一瞬、快速電車と勘違いしてしまった」と話しているという。 摂津富田駅で降りるはずだった約70人の乗客は下り線で戻り、乗車予定の約50人は後続まで待った。また、同電車と後続電車がそれぞれ4分遅れ、約600人に影響が出た。(朝日新聞) |
24日 | ■強風で断続運転 JR山陰線余部鉄橋 |
| 23日午後2時10分ごろ、兵庫県城崎郡香住町のJR山陰線・余部鉄橋で20bを越える強風が吹いたため、JR福知山支社は列車の運行を一時見合わせ、夕刻にかけて、断続的な運転が続いた。この影響で京都行き上り特急「あさしお10号」など、特急6本などが10分から30分の遅れを出した。影響人員は約1000人。(京都新聞) |
| ■ニュートラム 来月再開は微妙 非常ブレーキ ATOにも付加検討 |
| 大阪市営「ニュートラム」の運行再開に向け、大阪市は23日、これまで自動列車制御装置(ATC)にしかなかった非常ブレーキ作動機能を、新たに運転士役の自動列車運転装置(ATO)にも加えて安全を図る検討を始めた。対象はすべての電車で、改良作業に2ヵ月近くかかるとみられる。このため、11月中の再開は微妙で、「年内再開」が焦点になりそうだ。 市交通局によると、運行再開までの手続きは、事故原因の解明後に部品の取り換え作業などを実施。さらに試験運転をして、近畿運輸局の認可を得る必要がある。 交通局は捜査本部の原因究明をにらみながら、独自に安全充実策を検討。ATO、ATCの常用ブレーキが利かず、ATCの非常ブレーキがかかったが間に合わなかった状況から、ATOにも非常ブレーキを作動させる機能を加え、非常ブレーキを2系統にする案を詰めている。さらに、地上施設として、横浜市の新交通システムが備える「追走防止装置」を終点駅に設置する方針を固めた。 これらの方策をとるのに通常なら2ヵ月かかるが、大阪市は「終日作業などで期間を短縮、1日も早く再開できるよう努めたい」としている。(朝日新聞) |
| ■小さな旅 阪堺・チンチン電車 沿線に”名所”点々 風景楽しみのんびりと |
| 大和川をはさんで隣接する大阪、堺両市を結ぶ「阪堺電気軌道」は、昔なつかしいチンチン電車。南海やJRの列車に比べると、たしかにスピードは遅い。急いでいるときはイライラもするが、散歩にでも出かけるつもりで乗ると、ちょつと面白い体験ができそうだ。目的地を決めなくても、ふらりと乗って、ふらりと降りれば、そこに何かがある?(寺西 淳) まずは大阪市側の起点、浪速区の「恵美須町」へ。徒歩で数分のところには大阪のシンボル・通天閣がそびえ立つ。観光名所として見直されているといい、記念撮影する若者のグループを見かけた。毎年1月に「えべっさん」でにぎわう今宮戎神社もすぐそはだ。 大阪情緒たっぷりのこの街に、この電車。なかなかマッチしている。走りだすと「ガタガタ」「ギシギシ」と特有の音と振動。子供のころによく乗った京都の市電を思い出す。最高時速は50`。民家にはさまれた線路をゆっくりと走る。 すぐに「南霞町」へ着く。東へ200bも行けば庶民の町・ジャンジャン横丁。南側は西成区のあいりん地区。労働者の不満が爆発した西成騒動のときには、線路の敷石がはがされ、駅舎に火が放たれた。旧遊郭の飛田新地も近い。良くも悪くも、活気と熱気のあるところだ。 「今池」で降りると、三味線にされたネコを供養するという猫塚がある。「松田町」近くの水かけ不動さんは、度重なる戦災をくぐり抜けてきたことから信心を集めているという。関西一の初もうで客を集める住吉大社へは、「住吉鳥居前」下車すぐだ。 電車は時折、自動車といっしょに路面を進む。全線のちょうど真ん中あたりが「我孫子道」。ここに阪堺電気軌道の本社や車庫がある。総務課で話を聞いた。 今回乗った「阪堺線」のほか、天王寺駅前−住吉公園を結ぶ「上町線」がある。上町線は1897年、馬が客車を引っ張る「大阪馬車鉄道」としてスタート。阪堺線は1910年に設立された旧阪堺電気軌道が前身。どちらも南海に合併されるなど曲折を経て、80年に現在の会社が独立した。 年間の乗客は約1500万人。「かつては2両編成でも満員で、車掌がバンパーに乗っていたほど」と、事務主任の金森英男さん(45)はいう。いまでは年々の乗客減に頭を悩ませているとか。一方で、観光客にはレトロ感覚が好評。3年前から本格的にPRを始めた「貸し切り電車」も人気だ。往復約2時間、街の息吹を感じながら、車内でパーティーが楽しめる。 「我孫子ぎを出ると、大和川の鉄橋を渡って堺市内へ。ここから先も沿線には見どころが盛りだくさん。大仙古墳を始めとする百舌鳥古墳群、情熱の歌人与謝野晶子の歌碑、茶道を確立した千利休の屋敷跡、軒を並べる堺名産の刃物屋さん、数々の神社仏閣…。 終点は、南海本線浜寺公園駅から約百bの「浜寺駅前」。かつて白砂青松の景勝地として名高かった浜寺だが、臨海工業地帯のコンクリートで自然の海岸は姿を消した。でも120年の歴史を誇る浜寺公園の周辺は、いまも青々とした松に囲まれ、すがすがしい。 「恵美須町」から小一時間、この風景の違いを感じるだけでも楽しい。団体客が押しかけるような超有名スポットは多くないけれど、ふと気が向いたときに乗ってみると、新しい発見があるかもしれない。 阪堺線は、恵美須町−浜寺駅前の14.1`、計30停留所。上町線には、天王寺駅前−住吉公園の4.6`、計11停留所。運賃は、大阪市内、堺市内それぞれ180円。両市にまたがって乗ると250円。約2時間の貸し切り電車は4万5000円。問い合わせは運輸課(06・671・3080)へ。(朝日新聞) |
25日 | ■近鉄京都線で置き石 |
| 24日午後4時40分ごろ、城陽市平川の近鉄京都線大久保第四踏切の線路上に、子供のこぶし大の石が置いてあるのを、京都行き準急電車の小笹竹男運転士(39)がみつけ、置き石の直前で急停車した。同列車は現場で2分余り停車した。城陽署は、いたずらとみて調べている。(京都新聞) |
| ■ニュートラム暴走事故 一時的な接続不良か 中継継電器を鑑定へ |
| 大阪市の新交通システム「ニュートラム」の暴走事故で、大阪府警捜査一課の住之江署捜査本部は24日、通電実験の結果から、自動列車運転装置(ATO)と自動列車制御装置(ATC)の速度制御信号を伝える中継継電器内部のスイッチやその周辺が、一時的に接続不良を起こして電気が流れず、暴走事故につながったとの見方を強めた。磨滅やゆるみなどによるものらしく、警察庁の科学警察研究所に、中継継電器のスイッチを中心にした鑑定を求めることにした。 これまでの検証では、中継継電器内部のスイッチ類や、その前後にあるコンデンサーやダイオードなどを集めた回路で、数ヵ所の変形や変色した個所があったほか、中継継電器付近の配線で電気が流れにくいとみられる個所が見つかっている。 捜査本部は事故後、大阪市住之江区の市交通局南港検車場で、常用ブレーキを作動させる信号を伝える中継継電器の通電実験をした。その結果、事故電車の中継継電器は電気が流れた、とう。 捜査本部は、中継継電器内部やその周辺に断線はなかったものの、長年の使用によってスイッチの接点の磨滅や端子のゆるみなどが起き、一時的に電気が流れない状態になって速度制御信号がブレーキ装置に伝わらなかった可能性があると判断した。科警研で個々のスイッチの作動テストや、磨滅程度を分析し、原因を糾明する。 また、事故車両のATOとATCを別の電車に積みこんで繰り返した走行テストでは、両装置のブレーキは作動し、顕著な異状はなかった。だが、3両目の機器室に異状表示板が出ていたことから、両装置の内部をさらに詳しく調べることにしている。(朝日新聞) |
| ■踏切で衝突、2人死亡 東北線、通勤乱れる |
| 25日午前6時55分ごろ、埼玉県南埼玉郡白岡町寺塚のJR東北線の踏切(警報機、遮断機付き)で、氏家発上野行き上り普通電車(15両編成)が乗用車と衝突した。 車を運転していた同郡菖蒲町菖蒲498ノ2、越谷市立越谷東中学校校長新井要之助さん(50)と同乗していた長女智子ちゃん(3つ)が即死した。電車には通勤通学客ら約2500人が乗っていたがけが人はなく、私鉄やバスに乗り換えた。 東北線は上野−宇都宮間で上下線とも不通となり、午前10時40分復旧したが、計62本が運休、約4万1000人の足が乱れた。(京都新聞 夕刊) |
| ■列車と衝突し車の2人即死 JR宇都宮線踏切 |
| 25日午前6時52分ごろ、埼玉県南埼玉郡白岡町寺塚のJR宇都宮線粕壁街道踏切で、氏家発上野行き上り列車=米山範夫運転士(42)、15両編成=と乗用車が衝突し、乗用車に乗っていた大人1人と子ども1人が即死した。乗車車の撤去作業が難航、午前10時40分に運転が再開されたが、通勤客ら約2500人の乗客が3時間半も車内に閉じ込められた。 米山運転士は同署の調べに対し「列車は90`で走っていた。遮断機は下りかかっていたが、車が右側からくぐって踏切に入ってきた」と話している。(朝日新聞 夕刊) |
26日 | ■京都駅ビル 建設へゴーサイン 96年秋完成めざす |
| 京都市は25日、JR西日本と京都駅ビル開発会社が申請していた京都駅ビル(仮称)建設計画を申請通り建築確認した。1983年の旧国鉄時代に京都府、京都市、地元経済界から改築の要請を受けて以来10年、景観論争の火ダネを抱えながら、市の手続きはすべてクリアして、高さ59.8b、東西478b、南北80bという京都で最大規模のビル建設にゴーサインが出された。JR西日本などは3年後の96年秋完成を目指し、建設工事に着手する。 新駅ビルは、地上16階地下3階建て。延べ床面積は23万8500平方bにも及ぶ。中央に吹き抜けの大空間と段丘で構成されるコンコースを据え、その東側に550室の都市型コンベンションホテル、西側に売り場面積3万2000平方bの百貨店と、専門店などの複合商業施設が設けられる予定。 ミュージアムシアターなど文化施設を備え、関西新空港に直結するシティ・エア・ターミナル(CAT)設置も計画。平安建都1200年記念事業の1つに位置づけて計画が進められていた。総工費は1000億円近くが見込まれる。工事期間中の仮駅舎はすでに今月1日にオープンしている。 新駅ビル改築は、91年の国際設計コンペで高さが約60bと、現行の高さ規制(31b)を越える計画となったことから、市が規制緩和のために特定街区制度を導入、昨年12月に府都市計画地方審議会の承認を受けた。 この間、京都の景観変容を心配する市民らが反対運動を繰り広げ、改築に関連する駅前の土地区画整理事業の反対意見が現在も府都計審で審議されている。 ・活性化の役割大きく 薦田守弘京都市助役(市長職務代理者)の話 新京都駅は国際文化観光都市の京都の表玄関にふさわしく、21世紀の京都の活性化に大きな役割を果たすものと期待しており、1日も早い完成を願っている。立派な駅にしてほしいという市民も多く、乱開発の端緒とはならない。(京都新聞) |
| ■京都駅の建築確認 共産党市議団ら抗議 |
| 25日、JR京都駅改築計画を京都市が建築確認したことに対し、共産党市会議員団は「京都の景観や経済を破壊する、として強い反対の声が出ており市の行為は許されない」と、撤回を求める抗議声明を発表した。 声明では、同駅改築に関連する都市計画道路について府都市計画地方審議会で継続審議中なのに、高層化をごり押しして建築確認を行った市の態度は、市民排除、財界や大企業優先の姿勢をあらわにした−などとしている。 また「まちづくり市民会議」(西山卯三代表)も同日、歴史都市・京都の景観とまちづくりに重大な禍根を残す、との内容の緊急抗議声明を発表した。 声明では、土地区画整理事業が意見書審査段階にあることのほか▽景観シミュレーションや交通アクセス、商業影響調査などの総合的な住民参加の「まちづくりアセスメント」が必要▽世界遺産保護に関する国際的な要請に背く−などとしている。(京都新聞) |
| ■JR京都駅ビル改築 市が建築確認 |
| 京都市は25日、同市内で初めて特定街区制度を適用して高層化(59.8b)を目指すJR京都駅ビルの改築計画について、建築確認を出した。これで着工の法的条件は整ったことになり、建築主体のJR西日本と第三セクターの京都駅ビル開発会社は、早ければ今月中にも建設工事をスタートさせる。完成は96年秋の予定。 同駅ビルの改築計画をめぐっては、建築確認の前提となる都市計画道路の新設を含む周辺の土地区画整理事業を審議している京都府都市計画地方審議会が、異例の約1300人からの反対意見の聴取を決めている。 高層化に反対してきた市民グループ「ストップ・ザ・京都破壊 まちづくり市民連絡会議」(代表、西山卯三・京大名誉教授)は・同日、「区画整理の事業計画決定前の建築確認の強行は違法」とする抗議声明を発表。市の建築審査会に、確認の取り消しを求める審査請求を起こすことなどを検討している。(朝日新聞) |
| ■「重大な禍根残す」 京都駅ビル建築確認 市民団体、強く反発 |
| 景観論争の発端となったJR京都駅ビルの改築高層化計画は25日、京都市の建築確認を受けたことで、今月中にも着工されることになった。しかし、建築確認の前提となる都市計画道路の新設を含む駅周辺の区画整理事業を審議している府の都市計画地方審議会は、約1300人からの反対意見の聴取を決めたばかりだ。高層化に反対してきた市民グループなどは「区画整理の事業計画決定前の建築確認は違法」「あらゆる手段で計画を阻止する」と強く反発している。 建築確認について同市は、海外出張中の田辺市長に代わって薦田守弘助役が「あたらしい京都駅は国際文化観光都市の玄関口にふさわしく、21世紀の京都の活性化に大きな役割を果たすと期待している」とのコメントを発表した。 一方、「ストップ・ザ・京都破壊 まちづくり市民連絡会議(代表、西山卯三・京大名誉教授)は抗議声明を発表し、「歴史都市京都の景観とまちづくりに重大な禍根残す」と指摘。同市が11月1日から実施する新しい総合設計制度の中で、京都駅周辺地域での大幅な高さ規制緩和の可能性を打ち出していることにも触れ、「駅ビル改築は例外的措置ではなく、京都のまち壊しの突破口となるものだ」厳しく批判した。(朝日新聞) |
| ■JR東日本株 買い注文殺到 前場の売買成立せず 前引け気配値45万6000円 |
| JR東日本株が26日、東京、大阪、名古屋、新潟の四証券取引所に上場した。NTT株以来の民営化企業の上場で、JR各社では初の株式公開となった。 東証第1部では、午前9時の取引開始前から一般売り出し価格38万円(額面5万円)に対し個人投資家らの買い物が殺到し、買い注文の整理に東証が追われた。午前9時45分すぎにようやく38万円の買い気配値がついたが、売り注文に対し買い注文が多く、売買は成立していない。 市場関係者は、人気の背景を「新規公開株ブームのほか、低金利局面も影響した」(大手証券)と説明している。 上場したのは、国鉄清算事業団の保有分も含めて400万株。このうち約200万株が今回の売却対象になった。 東証は、売買の円滑化を図るため、売買注文の受付時間を通常より30分早めて、午前7時50分からにしたほか、証券会社に「売買注文を集約して出すように」要請していた。 証券界では、「低迷する株式市場へ個人投資家を呼び戻すきっかけになる」(日証協幹部)との期待が強い一方、上場後高騰し、その後暴落した「NTT株の二の舞い」への警戒感も出ている。 一方、午前9時半現在の平均株価(225種)は前日終値比46円安の2万263円33銭となった。 26日東京証券取引所などに上場されたJR東日本株の前引けの気配値は45万6000円だった。 ・京都でも個人投資家ら期待 京都市内でも予想を上回る反応で、各証券会社の間にはJR東日本株の上場が株式市場全体の活性化につながってほしいとの期待が膨らんだ。 野村証券京都支店では前日までに電話や来店で買い注文を受け付けるなど、個人投資家の関心の高さを感じとったという。買値はばらばらで40万円台前半から60万円近くまで。店頭はふだんと変わらないが、午前中から様子を見て買い注文を入れてくる客も多かった。 一方、地場の西村証券でも前日までの注文に加えて気配値を見ながらの買い注文が入っている。「JR人気が、個人投資家を市場に呼び戻すきっかけになれば」と期待していた。(京都新聞 夕刊) |
| ■JR東日本株 買い殺到 上場初日 前場は気配値 |
| JR東日本の株式が26日午前、東京証券取引所第一部と大阪、名古屋、新潟の4証券取引所に上場された。株式市況の本格的な回復が遅れるなか、1987年2月のNTT以来の民営化・上場銘柄とあって投資家の関心は高く、取引開始前から買い注文が殺到した。JRの株主である国鉄清算事業団は、早く取引を成立させて初値が異常に高くならないようにする株式放出(冷やし玉)を準備したが、公募抽選に当たった一般株主の売り注文が極端に少なく、初値はなかなかつかなかった。午前の取引終了時点では45万6000円(公募価格は38万円)の買い気配値で終わった。 東証では、公募段階の人気から注文が殺到することを予想、異例の準備態勢をとった。売買注文の受け付け開始時間は、通常より30分繰り上げて午前7時50分とし、立会場の取り扱い場所を2所用意したが、それでも買い注文が続いたため、伝票を持った証券会社の社員が長い行列をつくった。 午前9に取引が始まった後も、注文をこなし切れず、しはらくは投資家の売買希望価格を示す「気配億」もつかない状態。他の銘柄の注文を扱う場所が閑散としていたのとは、対照的だった。 取引開始前の売買注文をこなし、ようやく「気配億」がついたのが午前9時40分。このときは公募価格と同じ38万円の「買い気配」だった。午前の取引終了時には、買い注文が売り注文を160万株も上回った模様だ。 NTT株の第一次放出の際は、買い注文が売り注文を大幅に上回り、初値がついたのは上場2日目の取引終了間際だった。しかも、売り出し価格より40万円強も高い160万円だった。NTTが用意した「冷やし玉」は10万株で、「上場株式数の195万株からみて少なく、高騰の原因となった」との批判が出た。 このため、国鉄清算事業団は今回、抽選に当たりながら代金が払い込まれずに残った約5万株に加え、入札・売り出しに回さなかった200万株の中から50万株を上限に「冷やし玉」を用意した。 また、入札公募で計192万7000株を売却し、収入合計は7322億6000万円。この全額を旧国鉄債務の返済に充てる。 証券界には「JR東日本株は上場後しばらくは人気を集め、株価はかなり上昇する」と予想する声が多い。ただ、今後、民営化した日本たばこ産業(JT)の株式上場も予定され、一般企業から時価発行増資の再開を求める動きもあり、株式の供給過剰になることを懸念するむきもある。 大阪証券取引所でもJR東日本専用の臨時ポストを設けて注文をさばいた。前場は8961株の買い注文に対し売り注文は72株しかなく、45万6000円の買い気配で引けた。 ・「過熱とは思わない」蔵相 藤井裕久蔵相は26日朝の閣議後の記者会見で、上場されたJR東日本株に買い注文が殺到していることについて「市場の判断であり、JR東日本の企業実態に対してそういう評価がなされているということだ。まだ、過熱していると判断すべきではない」と述べた。 また、売却収入については「国鉄清算事業団が所有する株式だから、売却収入は既存の債務の返済に充てて当然だ」と指摘。既定方針通り、26兆6000億円に上る旧国鉄の長期債務の返済に回すことを確認した。 ・他銘柄は閑散 東証 26日の東京株式市場は、新規上場したJR東日本に関心が集中、その他の銘柄は閑散とした取引となり、東京証券取引所第一部平均株価の午前の終値は、前日比54円70銭安の2万254円63銭だった。出来高は約1億3000万株。(朝日新聞 夕刊) |
| ■安全設備新設 国に認可申請 ニュートラム |
| 200人以上が負傷した大阪市営「ニュートラム」の事故で、同市交通局の事故対策本部は26日、運行再開後の安全を確保するため、事故現場付近の住之江公園駅周辺にオーバーラン防止用の各種地上設備を新設する方針を決め、運輸、建設両省に認可を申請した。車両についても安全性を高める方策を検討中で、近く追加申請する。(朝日新聞 夕刊) |
| ■非常ブレーキ「のぞみ」停車 関ヶ原付近で |
| 26日午前9時50分ごろ、東海道新幹線の岐阜羽島−米原間を走行中の東京発博多行き「のぞみ5号」で突然、非常ブレーキがかかり、岐阜県関ヶ原町付近に緊急停車した。運転士が運転席の非常ブレーキの「解除」ボタンを押したところ、通常の状態に戻ったため約10分後に運転を再開したが、JR東海は、新大阪駅で車両を交換した。(朝日新聞 夕刊) |
27日 | ■座席の針 女児刺す 初の被害、幸い軽傷 兵庫・JR新快速 |
| 26日午後1時40分ごろ、兵庫県明石市のJR山陽本線西明石駅で、草津発姫路行きの新快速電車から降りた神戸市内の母親(29)が「座席にあった針が娘(6つ)の足に刺さった」と駅員に連絡した。 針は長さ3a、太さ約1_で両方の先端がとがっていた。女の子の右足太ももの裏側に針が刺さった傷があり赤くなっていたため、駅員が同駅の鉄道警察隊に届けた。 新幹線や在来線の座席に針が刺される事件は8月24日以来続発、JR西日本、東日本、東海の管内だけでも約250件(針約340本)に上っているが、乗客がけがをしたのは初めて。 JR西日本によると、この親子は神戸市の三ノ宮駅から乗車、母親は立ち、女の子は8両編成の電車の先頭車両の左側の座席に座っていた。傷は出血もなく、駅員に連絡した後、「大丈夫です」といって立ち去ったという。 ・彦根でもまた針 JR東海道線 26日午前9時40分ごろ、彦根市のJR南彦根駅で、東海道線下り米原発加古川行き普通列車から降りた乗客が、列車内の座席にあった木綿針(長さ5a)を駅員に届けた。 滋賀県警鉄道警察隊によると、同列車は同日午前9時11分に米原駅に到着、清掃した後、同9時32分に同駅を始発。鉄道警察隊では米原駅から南彦根までの間に針が座席に置かれたとみて調べている。県内では先月22日に大津駅で虫ピンが見つかっている。(京都新聞) |
| ■来年度のJR上場 東海vs西日本 |
| JR東日本が26日株式上場を果たしたことで、運輸省は1994年度にJR東海、西日本を対象に上場の準備を始める。既に来年度予算の概算要求で「JR株を200万株売却する」との計画を示しているが、「本年度の決算が確定する来年4月以降に上場会社を決めるので、東海にするか西日本か現状は白紙」(運輸省鉄道局)だ。 西日本の南谷昌二郎専務は「新聞の株式欄に東日本だけが載っているのを見るのは屈辱的。早く上場したい」と、先行した東日本に激しいライバル意識を燃やしている。東海の須田寛社長も「始まりは差がついてしまったが、終わり(全株放出時期)はそろえてほしい」と、東日本の独走を許さないという姿勢だ。 今年3月期決算の売上高を比べると、東海の1兆1100億円に対して、西日本は9200億円と東海の方が業績は良かった。東海が、東海道新幹線というドル箱を抱えているためだ。しかし、長期債務を比べると、東海の5兆4900億円に対して、西日本は1兆6900億円と西日本の方が財務体質が安定している。 運輸省は業績と長期債務を総合評価して決めるとしているが、現状では基準に決め手を欠いている。鉄道局の幹部は「来年3月期決算で明確に差がつけば順番を決めやすい。ジャンケンでもして決めようか」と冗談交じりに話している。(京都新聞) |
| ■公園都市線3.2`北伸 神戸電鉄完成は平成7年 |
| 神戸電鉄は、公園都市線フラワータウン駅−ウッディタウン中央駅(仮称)間3.21`の建設工事の安全祈願祭を、29日午前10時半からウッディタウン中央駅予定地で行う。 神戸三田国際公園都市の三田市域のニュータウンと神戸、大阪方面を結ぶ路線で、すでに三田線の横山とフラワータウンの間2.3`は平成3年10月開業している。今回はこれをさらに北へ延ばす計画で、新路線は単線電化の全線高架式。途中にあかしあ台駅(仮称)を設ける。建設費約70億円で、平成7年完成予定。完成後はウッディタウン中央−三田間をワンマンで直通運転する。(京都新聞) |
| ■保有客車2000両突破で記念列車 近鉄、12月5日 |
| 近鉄は、12月5日に保有客車数が2000両を超えるのを祝い、同日記念列車の運行などを行う計画で、参加者を募っている。 当日は、新型の22000系特急電車などで編成した記念列車(4両)2本が午前9時半過ぎに相次いで上本町駅を発車、五位堂検修車庫(大阪線)で歴代車両についてのセミナーや車両撮影会を楽しみ、午後2時45分に上本町駅へ帰る予定。定員400人(小学生以上)で、会費は大人5000円、小人4500円(弁当、写真集代を含む)。 記念列車の申し込みは、往復はがきに郵便番号と住所、氏名、年齢、電話番号、参加人数(1枚につき4人まで)を書き〒543大阪市天王寺区上本町6ノ1ノ55、近畿日本鉄道事業局「2000両突破記念」係 06(775)3567へ11月15日までに。多数の場合は抽選。同日午後3時からは上本町駅南側の上本町シアタースクェアで歴代車両の部品など販売。(京都新聞) |
| ■JR東日本株 初値60万円 公募価を大幅上回る |
| 26日、東京証券取引所などに上場されたJR東日本の株式は、通常の取引終了時間から30分以上たった午後3時半すぎ、公募売り出し価格の1株38万円(額面5万円)を大きく上回る60万円の初値がついた。出来高は72万8000株だった。このJT株の活況とは裏腹に、同日の東証平均株価は前日より300円近く下げた。一銘柄だけの過熱現象に、JR株への高値警戒感と市場全体を含めた反動を懸念する見方が出ている。(朝日新聞) |
| ■不況下のカネ余り実証 JR東日本株 初値60万円 有利な運用先求め 個人の金融資産が流入 |
| JR東日本株が26日、東京証券取引所第一部など4証券取引所に上場され、売り出し価格の38万円を大きく上回る60万円の初値がついた。「大きな成長が望めない産業」に高値がつき、市場関係者の間では「局地的なマネーゲームだ」と懸念する声があがっている。同時に、探刻な不況にもかかわらず、現在の日本が、個人の金融資産を中心にした「カネ余り」状況にあることを改めて示した形だ。 東証などによると、26日だけでJR東日本株に対する買い注文の合計は180万株前後に上った。55万円から65万円あたりが最多価格帯だったが、なかには、東証のシステム上の最高価格である999万円という値段の買い注文もあった、という。ただ、これは「必ず買いたい」という意欲の表れで、この価格で取引が成立するわけではない。 今回の上場にあたっては、急騰後に暴落したNTT株の反省から、証券会社の中には「なるべく安い値段でデビューさせて、じっくり株を持つタイプの個人投資家層を開拓したい」(野村証券)とする意見が多かった。だが、26日の東京市場の様子は全く違っていた。38万円で始まった気配値はじりじり切り上がり、証券各社からは、買い注文をより高い値段に修正して注文をし直す「差し直し」が集中。東証のシステムがパンク状態になってしまった。 JR東日本株だけに買い注文が殺到するなかで、他の銘柄は売られ、東証一部はほぼ全面安となった。山一証券の株式担当幹部は、「この日に限っては他の銘柄を売った金でJRを買う『換金相場』になってしまった」と表現する。 だが、JR株人気の背景に、「カネ余り」状況があることも間違いない。JR東日本株の主幹事を務めた野村証券が、同社を通じてJB東日本株を申し込んだ客の資金の性格を調べたところ、その9割以上が現金だった。それも、手持ちの株を売って得た金ではなく、頭金などの「証券界からするとニューマネー」(同社)だった、という。 個人の金融資産が1000兆円にものぼる一方で、公定歩合が1.75%をつけるなど、空前の低金利時代。有利な資金の運用先を求める需要は大きい。JR人気は、発売以来1年余りの短期公社債投資信託(MMF)の残高が10兆円を避していることなどとともに、不況下のカネ余りぶりを示した現象だ。 ・時価発行増資再開の指針に JR株で大蔵 大蔵省は、上場されたJR東日本株の今後の株価動向や市場全体の反応などを一つの基準にして、1990年4月以降凍結している時価発行増資の再開を検討する。凍結自体が、株式市場に対する異例の「統制」であるうえに、その解除を判定する材料に、運賃を自由には決められないような、特殊な企業であるJR東日本の株を用いる、というわけだ。 新規公開を認めているのは「新規株ならは、停滞している市場に活性化のバネを与える可能性があるから」(証券局幹部)という。 JR東日本が、かなり特殊な企業形態をとっている点については、投資家向けの情報開示書類にも触れられている。投資家は、「つぶれることはない」といった魅力を感じている面もある。 ・高値に警戒感 北浜の証券関係者 大阪証券取引所も、大引けでようやく初値60万円をつけた。出来高は約8000株。当初40万円台を予測する声が多かっただけに、北浜の証券関係者は27日以降の相場展開に警戒感を強めている。 大阪市内の投資顧問会社の社長は「各証券会社が商売優先で注文をかき集めた結果だ。利回り採算ではとても買えない値段。ちょつと行き過ぎでは」とまゆをひそめる。地場の内藤証券の福井利夫会長も「高くて利食い売りも難しい。これは相場ではない」と苦々しげだ。 ・行き過ぎ水準、反動怖い 丸三証券会長 金子太郎氏 JR東日本株に対する買い気の強いのには、驚いた。機関投資家や外国人投資家が、かなりの高値で買いの動きに出た。これが証券マンや投資家を強気にした。入札と売り出しで投資家の手に移った約190万株のうち、売りに出たのが約8万株にすぎなかったのも予想外のことだった。 こうした人気の反動がこわい。長い目でみれぼ、60万円という水準は行き過ぎではないか。電力株の高いものでも「JR東日本の株券の5万円券に換算しなおせば、40万円以下である。 さらに、JR東日本は、経営上の大きな課題を背負っている。JRの運賃値上げがどのようにルール化されるのか。整備新幹線の赤字を、JR東日本はかぶらないと説明されているが、どこまで信用できるか。こうした問題は、JR東日本の株主が今後の株主総会で厳しく追及すると考えられる。株主が、運輸省やJR東日本の対応に不満を持つようだと、「売り」に出るだろう。(談)(朝日新聞) |
| ■「割高定期は差別」と人権救済申し立てへ 朝鮮学校生 |
| JR東日本、東海、西日本、九州各社が朝鮮学校の児童、生徒に対して日本の学校より割高の通学定期券しか発行しないのは国籍による差別だとして、大阪などの朝鮮学校の児童、生徒を代表して栃木、岐阜、和歌山、福岡各県内に住む生徒4人が28日、日弁連人権擁護委員会に人権救済を申し立てる。(朝日新聞) |
| ■「ひかり」緊急停車 新大阪駅停車の直前 |
| 26日午後5時ごろ、東海道・山陽新幹線の新大阪駅構内で、停車直前の博多発東京行き「ひかり50号」に突然、非常ブレーキが掛かり、緊急停車した。駅からかけつけた係員らが点検したところ、2号車のブレーキホースがはずれていた。応急処置をして約18分後に運転を再開したが、JR東海は同駅で車両を交換した。 「ひかり50号」は40分遅れ、約1200人に影響が出た。(朝日新聞) |
| ■「JR株」取引停止 東証 売買注文殺到で |
| 27日午前の東京株式市場は、上場2日目のJR東日本株に売買注文が集中する一方、他の主要銘柄には見送りムードが強く、平均株価(225種)は、前日終値比272円72銭安の1万7580円88銭と続落、2万円の大台を割った。出来高は、1億5000万株。 この日JR株は、朝方から買い注文が集まり、初値の60万円を1000円上回る60万1000円(額面5万円)で始まった。その後は、前日に買いそこなった個人投資家らの買い注文が相次ぎ、61万4000円まで上げた。 大量の売買注文や証券会社からの問い合わせで東証のコンピュータシステムが混乱し、東証は株価60万円ちょうどの午前10時32分から取引を中止。結局、同日の立ち会い終了までJR株の売買取引を停止する異状事態になった。(京都新聞 夕刊) |
| ■JR東日本株の取引過熱 東証 電算処理パンク |
| 東京証券取引所は27日、JR東日本株に売買注文が殺到して、売買に関するコンピューター処理に遅れが出たことから、午前10時32分、同社株の売買取引を終日中断する措置を取った。他の取引所での取引は行われており、東証でも28日以降は通常に取引を行うとしている。 同社株が売り出し価格を大きく上回り、60万円の初値をつけたことから、27日は個人投資家から小口の売り注文が殺到した。この影響で東証のコンピューターシステムが処理能力を越え、処理に最大5分の遅れが出始めたため、「このまま注文を受け続ければ、他の銘柄の売買へ波及する恐れがあるため、予防的な措置として売買を停止した」(株式部)という。 このため、大阪証券取引所に注文が殺到。大証では午後は普段より時間を早めてJR東日本株の売買注文を受け付けることにした。 JR東日本株は、東証で取引開始後、前日の初値と同じ60万円を付け、一時61万1000円まで値を上げた。その後、午前10時20分すぎ、取引が膨らんだ結果、コンピューターシステムの処理能力が追い付かず、売買が停止した。その直前、60万円を付けていた。大阪証券取引所では一時、初値を割り込む59万7000円を付けた。 ・27日の東京株式市場は、前日にJR東日本株の上場によって市場が過熱したことから、警戒感がひろがり、東京証券取引所第一部の平均株価は10月14日以来の2万円割れになった。午前の平均株価の終値は、前日比272円72銭安の1万9750円88銭。出来高は約1億5000万株。 27日の大阪の株式市場も薬品、流通株の一部が買われたほかほぼ全面安。大阪証券取引所第一部の午前の終値は前日より186円87銭下げて2万1795円87銭になった。(朝日新聞 夕刊) |
| ■ニュース三面鏡 ニュートラム事故で欠損の耳接合 医師の粘り、成功生む 病院の救急体制も奏功 |
| 大阪市営ニュートラムの暴走事故で耳がちぎれた女性(20)が、近畿大学付属病院(大阪狭山市)形成外科で接合手術を受けてから20日余り。術後の経過は順調で、再手術の必要もないという。耳はもともと細い血管が多く接合が難しい。しかも今回は、さらに細い血管が集中した部分の欠損だった。あきらめずに手術に踏み切った医師らの粘り、病院の的確な受け入れ態勢と、いくつもの幸運が成功につながった。 今回使った手術法は、同病院が82年から導入している「マイクロサージェリー」。事故などで欠損した部分の血管を、手術用の顕微鏡で見ながら小さな針で縫っていく。 女性が転送されて来たのは事故から約2時間半後の5日午後8時ごろ。耳の3分の2が欠損し、欠損部分はガーゼに包んで運ばれて来た。手術には血管の太さが直径1_前後、最大譲っても0.5_は欲しかった。だが耳の欠損面には細すぎる血管しか見つからなかった。 「手術は難しいのでは」という担当医に、上石弘・形成外科教授は「若い女性だから、(耳の欠損が)その後の生活に与える影響は大きい」とゴーサインを出した。 全身麻酔に取りかかったのが午後11時半。日付が変わったころから、磯貝典孝・病院講師と福西健至助手の執刀で手術がスタートした。2時間ほどしてようやく、手術がどうにか可能な直径0.3_の動脈と静脈が見つかった。長さ約3_のわん曲した針でつなぎ合わせると、耳の皮膚が赤みを帯び始めた。縫合を終えたのは午前8時だった。 「血管がもう少し細かったら、手術はだめだったと思う。最後まであきらめなかったのがよかった」と磯貝講師はいう。 近大付属病院の形成外科では、82年から24時間の救急体制を敷いている。堺市や泉州地方の工事現場で指を欠損して担ぎ込まれる人も多く、指の接合手術はこれまで計950件に及ぶ。同科の医師が交代で3人ずつ毎夜、待機しているほか、接合手術が専門の医師は常時ポケットベルを手もとに置いている。 上石教授は「切断された指などは、乾いてしまう前に、できるだけ早く設備の整った病院に行けば接合できる。冷やした状態がいいが、冷凍にすると凍傷の時のように組織がだめになってしまう。事故に遭ってもあきらめずに対応してほしい」と話している。(朝日新聞 夕刊) |
28日 | ■ポイント故障で阪急上下8本運休 河原町 1万3000人影響 |
| 27日午後8時35分ごろ、京都市下京区の阪急電鉄京都線の河原町駅1番線で、河原町発梅田行き特急電車(8両編成)が出発しようとしたところ、出発信号機が赤のまま変わらなかった。 駅員らが点検したところ、1番線と2番線の間のポイントを切り替えるための鉄製のロッド(棒)が折れていた。同駅では3番線を使い約15分後に運転を再開した。 ポイントは午後11時過ぎに復旧、平常運転に戻ったが、特急電車上下計7本と下り普通1本が運休となったほか、上下43本が5分から13分遅れ、約1万3000人に影響が出た。(京都新聞) |
| ■京都市バス 新車89台を導入 本年度 リフト付き、一挙倍増 |
| 京都市交通局は、27日までに、本年度に新たに導入する市バス新造車両を決めた。車イス用のリフト付車両を倍に増やすほか、低公害バスを2年ぶりに導入、障害者や環境にやさしいバスを増やす。 市交通局は今回、老朽化した86台を廃棄処分することに伴い、新造車両を89台を導入する。内訳は、車イス用リフト付き車両3台のほか、普通低床車両が84台、低公害バスとチンチン電車型定期観光バス車両が各1台。 車イス用リフト付き車両は、91年に2台、前年度に1台の計3台を導入。いずれも洛西地区で路線バスとして走っている。車イスを使っている身障者やお年寄りに好評だった。 また、ディーゼルと電機を併用し、大気汚染につながる窒素酸化物の排出を抑えた低公害バスの導入は91年度以来。今回はメーカーを変更してさらにテストを続ける。 さらに71年度から導入を開始した普通低床車両は今回の導入で総計877台に達し、全車両に占める割合は95%を越えた。同車両は、従前のバスが床から最初のステップまで42aあったのに、34.5aと7.5aも低くし、お年寄りらの乗降をやりやすくしている。 各車両は来年2月ごろまでに導入する。(京都新聞) |
| ■駅ビル改築審査請求へ 京都の17住民団体 |
| 「京都ホテルとJR京都駅の高層化に反対する市民連合」など17の住民団体は27日、京都市が同駅ビルの建築確認を出したことについて、田辺朋之市長に抗議を申し入れるとともに、この建築確認を違法行為として、近く市建築審査会に審査請求する方針を表明した。 申し入れ書によると、現行31bの高さ規制を越える59.8bの駅ビル改築を可能とする特定街区の適用には「京都駅北口西通」の設置が不可欠だとし、この道路に関連する土地区画整理事業が現在、府都計審での審議が継続中なので建築確認の要件は満たされていない、としている。(京都新聞) |
| ■窓 「終日禁煙」になぜ灰皿必要 山科区・梅垣直樹(大学生・22) |
| 私は毎日の通学に京阪電車を利用している。京阪電車のすべての駅がそうなのかどうかは知らないが、少なくとも私が乗降する駅は、みな構内が終日禁煙とされている。ところどころに終日禁煙の張り紙があり、気がつくと、その旨が構内アナウンスされている。 が、先日、七条駅のホームでたばこを吸っている男性を見かけた。よほど注意しようかとも思ったが、ふと見ると彼はその灰を傍らの灰皿へ落としているのである。今まで駅でたばこを吸う人を見かけなかったので気付かなかったのだろうが、七条駅のホームには明らかに吸い殻入れと思われるものが備えつけられている。これでは注意するのも気が引けるというものだ。 気をつけてみると五条駅にも四条駅にも同じものがある。両駅とも終日禁煙。灰皿はごみ入れと一体となっており、ごみ入れの上の部分がそのように加工されているのである。したがって灰皿をすべて取り除くとなると新しいごみ入れを設置しなければならなくなり、大変な浪費になるとは思う。 しかし、あれだけ終日禁煙をうたっておきながら、ホームに吸い殻入れがあるのはまずいだろう。それともあれは灰皿ではないのだろうか。(京都新聞) |
| ■値下げ相次ぐ京銘柄 反動で置き去り JR株異常人気に危ぐも |
| JR東日本株への人気集中で京都市内の証券会社でも、事務がふくそう、バブル崩壊後しばらくなかった忙殺ぶりがもどった。一方、京都銘柄では2日間で値を下げるものが相次ぐ状況となり、関係者は手放しでは喜べない様子もみせた。 前日、JR東日本株への買い注文殺到で値がついたのが遅く、京都市中京区の萬成証券では売買成立の書類作りで午後9時まで処理に追われたといい、他の証券会社では午前零時までかかったところも出たという。 この日も東京証券取引所のコンピューターシステムが混乱、客から大阪証券取引所などへの売り注文変更が相次ぎ、大忙しとなった。「市場はJR東日本株に振り回され、他の銘柄は置き去りになった感がある。市場活性化への期待も大きいが、この一方でNTT株の二の舞いにならないか心配だ」(地場証券関係者)との声も出るほど。 あおりで京都銘柄も任天堂が2日間で500円以上も下げたほか、第一工業製薬は100円下げるなどの動き。京セラ、ロームの場合は、27日にやや反発したものの、JR東日本株が上場した26日には大幅な下げだった。地場証券界ではJR東日本株の余波はなお続きそうとの見方が多い。 ・口頭発注方式に転換 取引停止 東証が人海戦術 東京証券取引所は27日、JR東日本株取引の過熱でコンピューターシステムに負担が掛かり売買を停止したのに伴い、28日以降しばらくの間は売買取引を証券会社の立会場職員が直接注文を出す口頭発注方式に統一するよう会員証券会社に伝えた。証券会社側は、こうした東証側の意向を受けて、この方式で28日以降の売買注文を処理する。 今回の方式は JR株については会員証券会社が顧客から受けた注文を取引所側に伝える場合は、コンピューターで入力せずに人海戦術で注文伝票を使っての口頭発注にするA顧客から受けた売買注文はばらばらに取引所に伝えず、できるだけ各証券会社がまとめて伝えて事務処理の効率化を図る−とする内容。また、立会場銘柄(151銘柄)の注文受付時間を、前場は30分繰り上げて午前7時50分から、後場は15分繰り上げて午前11時50分からとした。 東証の立会場で取引されている銘柄は、通常の取引時間内は千株単位など売冒単位の3倍以下の注文はコンピューターの端末から直接入力でき、4倍以上は口頭発注方式で行っている。JR株は取引初日の26日には、口頭発注方式を取り入れたが、27日の取引では売買停止になるまでコンピューターを使っていた。 ・手ぶり商いの名証 東京から注文殺到 東京証券取引所が電算システムのダウンでJR東日本株の売買取引を停止したことから、27日の名古屋証券取引所には東京などから売買注文が殺到した。 朝方、前日に比べ1万円高の61万円で寄り付いたが、売り物に押され59万円で前場を終えた。 しかし、東京に続いて大阪証券取引所も売買を断続的に停止したことから、現在も手ぶり商いで売買している名古屋証券取引所に注文がさらに集中。 後場は前日比1万9000円安の58万1000円で始まったが、その後も東京、大阪市場から売買注文が相次ぎ、3度にわたり注文整理のため商いを中断する混乱ぶり。結局商いは中断したままで、終値は中断前の58万9000円。JR東日本株の出来高は概算で3300株だった。 ・大量売りで売買不成立 大証 27日のJR東日本株は、東京証券取引所で取引停止となったのをきっかけに、大阪証券取引所などに売買注文が流れた。大証では、売り注文が殺到して午後は売買が成立せず、前日つけた初値60万円に比べ1万6000円安の58万4000円の売り気配値のまま取引を終えた。終値は午前中に取引の成立した59万8000円となる。(京都新聞) |
| ■JR株過熱崩れる相場 平均株価2万円割れ招く 売買停止で不安感「市場回復」あてはずれ |
| 証券界の期待を受けて上場したJR東日本株の人気の過熱化は、平均株価の2万円割れを招いたほか、東京証券取引所でのJR株の売買取引の停止につながり、市場関係者の予想外の展開となっている。 今回のJR株の上場は「低迷する株式市場に新たな資金を呼び込んで、市況回復への呼び水にしたい」(日本証券業協会幹部)との期待感が強かった。 ところが相場全体でみると、初日の26日は、JR株取得のための他銘柄の換金売りが多かった。さらに、市場への波及効果が期待したほど大きくなかったことで、失望売りも加わった。 27日も、相場の先行きへの不透明感や売買停止に縮む不安感が台頭、主要銘柄を中心に売られて平均株価は一段安となり、JR株を相場活性化の切り札にしたいとの市場関係者の思惑は肩透かしを食らった格好だ。 大手証券の担当者は「予想したほど新しい資金が株式市場に入ってこなかった。JR効果は出ておらず、投資家心理は冷え込んでいる」とぼやく。 さらに、関係者の思惑を狂わせたのが、東証での売買停止。大量の売買注文で東証のコンピューターシステムが混乱したためだが、証券会社には「利益確保のために売ることができない」など顧客からのクレームが相次いだ。「JR株はもっと上がったかもしれなかったのに売買停止が水を差した」との声も出ている。 もちろん、こうした混乱につながったのは、証券各社がJR株の勧誘を積極的に進めたことが背景にある。大手証券の株式部長は「単なるJR株の問題だけでなく、市場全体の信頼性の低下にもつながりかねないような事態だ」と指摘している。 ・東証、1万9838円続落 27日の東京株式市場は、先行き不透明感や、JR東日本株の取引をめぐる混乱から見送り気分が広がり、平均株価(225種)の終値は前日比184円82銭安の1万9838円78銭と続落した。終値としては、7月28日以来3ヵ月ぶりの2万円割れ。出来高は2億6000万株と低調だった。(京都新聞) |
| ■JR株過熱 大証に注文殺到 東証取引再開できず |
| 東京証券取引所のJR東日本株の売買は、膨大な注文を処理しきれずに27日午前に停止した後も、同日中に再開されなかった。同社株を上場している大阪、名古屋、新潟の3取引所に流れた注文も、手作業で受け付けたために作業が滞り、立会場で証券マンがもみ合い、長い列をつくるなど終日混乱が続いた。 こうした状況を嫌い、東証1部の平均株価の終値は前日比184円82銭安の1万9838円78銭と続落、3ヵ月ぶりに2万円台を割り込んだ。 JR株は一時、61万4000円まで値を上げたが、過熱警戒から売り注文が集まり、「注文数が予想以上に多く、売買希望値の訂正が相次ぎ、コンピューターの容量の限度ぎりぎりになってしまった」(東証担当者)。 また、「東証の売買停止が、警戒感を強めていた投資家の不安に拍車をかけた」(大手証券)という。 東証は28日から当面、JR株については立会場での注文以外は受け付けない異例の措置をとる。(朝日新聞) |
| ■JR東日本株56万円に下落 大量の売り注文 |
| 上場後2日目に東京証券取引所でシステムの混乱から売買停止となったJR東日本株(額面5万円)は28日午前、取引が再開され、利益確保を狙った個人投資家らの大量の売り物が出て、前日の売買停止前につけた60万円を4万円以下回る56万円で午前の取引を終えた。26日につけた初値の60万円を割り込んでいる。 この日東証では、朝方から前日のシステム混乱を嫌気した売り注文が増え、59万円の売り気配値で始まり、その後もじりじりと気配を下げた。午前10時27分にようやく56万円の値がついたものの、この直後から大量の売買注文をさばくため取引を中断、そのまま午前の取引を終えた。大阪証券取引所でも56万円で引けた。(京都新聞 夕刊) |
| ■JR株56万円 東証 売り殺到また中断 |
| 28日の東京株式市場は、前日に平均株価が2万円を割った取引を受けて、見送り気分が強く、相場は小動きを繰り返している。JR東日本株は、売り注文が殺到し、55万円台まで値を下げ、午前10時28分には注文が急激に膨らんだために午前中の取引を中断した。 大阪株式市場では、午前の終値は前日の売り気配値より3万8000円安い56万円。出来高は約2万4000株と、東証の出来高の半分近くに達した。(朝日新聞 夕刊) |
29日 | ■京福電車と車衝突 乗客にけが人なし 右京 |
| 28日午後1時50分ごろ、京都市右京区太秦蜂岡町の三条通交差点で、嵐山発四条大宮行き京福電車=和治秀明運転士(28)=と京聨自動車のタクシー=泉谷隆春運転手(48)=が衝突した。泉谷運転手が足に軽いけが。乗客70人にけがはなかった。 電車は現場に15分間停車、後続の2本が7分遅れた。 太秦署の調べでは、現場は京福太秦駅の西30b。タクシーが交差点を右折し軌道敷を横切ろうとした際、電車の左前部とぶつかったらしい。(京都新聞) |
| ■東海道新幹線 一時不通に 岐阜で男性飛び込み |
| 29日午前11時10分ごろ、岐阜県羽島市の東海道新幹線岐阜羽島駅構内で、東京発博多行きひかり39号に男性が飛び込み、新幹線は上下線とも一時不通となった。男性は即死で、岐阜県警羽島署で身元の確認を急いでいる。 JR東海は車両を点検、同線は上りが約15分後、下り線が30分後に運転を再開した。(京都新聞 夕刊) |
| ■神足−高槻でも遅れ |
| 29日午前7時48分ごろ、JR東海道線神足−高槻間の下り外側線が瞬間的に停電、その後、8時半までの間に3回にわたって停電した。いずれもすぐに復旧したが、この間各列車を内側線で運転したため、青森発大阪行き急行「あおもり」など上下合わせて特急と急行、新快速の4本が27分から6分遅れ、乗客2800人に影響が出た。JR西日本で原因を調べている。(京都新聞 夕刊) |
| ■神鉄「公園都市線」延伸工事の安全祈願 |
| 兵庫県三田市で開発が進む北摂三田ニュータウンで29日、神戸電鉄「公園都市線」延伸工事の安全祈願祭があり、1995年秋の完成を目指して本格的な工事が始まった。 公園都市線は、計画人工8万8000人のニュータウンから神戸や大阪方面への足となる延長5.5`の単線。91年10月に一期工事の横山駅−フラワータウン駅間2.3`が開業しており、二期工事としてフラワータウン駅−あかしあ台駅(仮称)−ウッディタウン中央駅(同)間3.2`を延伸する。総工費は車両新造費を除いて約70億円。(朝日新聞 夕刊) |
30日 | ■JR東日本株 思惑外れの続落 市場の将来心配の声も |
| 株式市場活性化の起爆剤として証券界の期待を集めていたJR東日本株は、上場初日の26日こそ60万円の初値をつけたが、その後はじりじりと値を下げ続けている。これが市場全体のムードにも波及して、東証1部平均株価は2万円を割り込んだままで、証券界の思惑はすっかり外れた格好だ。 東京証券取引所では29日、JR株は一時50万円台まで下げたが、その後海外投資家などに買い支えられ、前日比5000円安の52万円で取引を終えた。大阪証券取引所、名古屋証券取引所では一時50万円を割り込んだ。 大手証券によると、26日に買い気配値が50万円を越えた段階で、機関投資家や海外投資家が相次いで手を引き始めたという。「買っても50万円まで」(大手生保)という声のなか、60万円の初値で株を買ったのは、多くが証券会社の営業力で呼び込んだ個人投資家という結果に終わったようだ。 今後は、旧公社系の株式上場が相次いで予定されている。関係者の中には「JR株は個人投資家を市場に呼び戻すチャンスだったのに、このままではせっかくの芽を自ら摘んでしまうことになる」と市場の将来を心配する声も出ている。(朝日新聞) |
31日 | ■精算事業団は大もうけ JR株 上場で市場混乱 |
| 一般売り出し価格の38万円(額面5万円)を大幅に上回る初値、売買停止、急落、平均株価(225種)2万円割れ−。26日に上場されたJR東日本株は、証券業界の期待とは逆に売買停止の混乱と2万円割れという相場のぜい弱さを示した。JR株上場をてこに市場全体を活性化し、公募増資の再開など正常化を図ろうとする大蔵省や業界のシナリオも狂いかねない事態だ。 そんな中で「予想外にもうけている」(市場関係者)のが、JR株を保有していた国鉄精算事業団だ。 国鉄清算事業団は、買い注文が投到した上場初日に値をつけるため、冷やし玉と呼ばれる売り約56万株を放出、これで約3400億円を稼いだ。ある証券会社によると、機関投資家を主な対象とした60万株の入札で2279億円、一般売り出しで5043億円、計7322億円の資金が既に入った。冷やし玉分の3400億円を含めると約1兆円の規模ということになる。 26兆6000億円の旧国鉄債務で、利子の支払いは年1兆6000億円。今回の上場で年間利払いの3分の2を調達した計算になる。運輸省の担当者は「正直言って60万円で売れるとは思わなかった」と本音を漏らす。もっとも高値で売却した方が、長期債務返済が順調に進むことになり、国民全体としてはプラスという事業団側の言い分もある。 しかし、証券会社の一部には、「冷やし玉をもっと早く出せば、60万円の過熱した相場にはならなかった。あんな高い値がつけば、38万円で買った人が売り急ぐのは当たり前」と事業団の姿勢を批判する声も強い。入札や一般売り出しで約140万人の個人投資家がJR株を取得したが、大手証券のまとめでは既に約50万人が一斉に売却したという。 暴落したNTT株で市場から離れていった個人投資家を定着させようとするシナリオも」JR株上場の混乱で進みそうにない。 29日に東京・兜町のある証券会社を訪れた株投資歴40年の男性(63)は「特定の株式に人気を集中させるのは過剰な期待を招くだけ。個人投資家の株に対する不信を一層増した」と指摘する。今回のJR株上場をめぐる混乱は証券市場に大きなツメ跡を残したといえそうだ。(京都新聞) |