1993(平成5)年 9月


2日■新幹線妨害 岐阜と同一犯か 彦根署 共同捜査本部を設置(京都)
  ■高齢者配慮で要望書 京都駅改築で地区住民(京都)
  ■ひまわり号運行のボランティア募集 京都実行委(京都)
  ■窓 市バスBGM強制は苦痛だ 石部町・正保富三 大学教員(61)(京都)
  ■窓 客離れ防止はほかの手段で 宇治市・柴田明子 主婦(21)(京都)
  ■南海特急「ラピート」 「空港への足」も飛行機みたい!? 横浜の工場で製造(朝日)
  ■阪神梅田−野田 地下にもぐる(朝日)
  ■「高齢者らに配慮を」JR京都駅の改築に伴う区画整理で地元民ら要望(朝日)
  ■JR東日本株 値上がり期待できる? 一般申し込みスタート(京都)
  ■JR東日本株 売り出し開始 申し込みすでに 倍超す人気(朝日)
3日■信楽列車事故 遺族への補償 賠償基準は非公開 滋賀県「交渉に支障ある」(京都)
  ■岐阜、滋賀の新幹線妨害 同一犯の犯行断定 両県警(京都)
  ■窓 気にならぬ市バスBGM 上京区・宮内正太郎 団体役員(75)(京都)
  ■犯行声明文 内容を発表 新幹線妨害事件(朝日)
4日■陸・海・空の便ズタズタ 近畿、中国 JR 全面運休も 「空」は2万8000人影響(京都)
  ■徹夜の厳戒 京滋緊迫 台風13号 街角には人影なし 日本海、高潮に備え(京都)
  ■320本ストップ 30万人に影響 JR九州中心に(京都)
  ■信楽鉄道 事故車両 遺族側が解体同意 民事調停 計器類など保存条件(京都)
  ■梅田−野田間地下化 完成記念カード発売 阪神電鉄(京都)
  ■府北部 風被害と停電 JRとKTR始発から一時運休(京都)
  ■大きな混乱なし 京都市内(京都)
  ■新幹線など混乱 空や海も(朝日)
5日■特急など245本運休 北陸地方のJR各線(京都)
  ■1月のJR神戸駅電車脱線 レール摩耗が原因 兵庫県警が関係者送検へ 「危険、予測できた」(京都)
  ■横浜市地下鉄工事で談合 受注工区割り振り ゼネコン各社 地元組織が調整(朝日)
6日■開港1年前 4 ズラリ鉄の三角、強さの秘密(朝日)
7日■列車故障で10本運休 JR奈良線・宇治駅(京都)
  ■梅小路公園のチンチン電車 来年9月23日に再発車 フェア開幕と同時 京都市が整備費を計上(京都)
  ■チンチン電車が復活(朝日)
8日■愛犬追い踏切へ 列車にひかれ死亡 奈良・JR桜井線(京都)
  ■斜陽ブルトレ また肩身狭く 夏休みの稼ぎ時、台風で運休4分の1 「縮小」論議に拍車(朝日)
  ■新幹線一時ストップ 大雨で浜松−豊橋間(京都)
  ■雨で一時運休 東海道新幹線(朝日)
  ■台風うーんざり 14号接近 紀伊半島で大雨(朝日)
9日■小倉山残土放置復元問題 京都地裁 住民団体が提訴 JRにも5億賠償請求(京都)
  ■首都圏の交通事情体験 京滋などの17人 車いす自立への旅(京都)
  ■ワイヤ束ね留め金で固定 岐阜の新幹線妨害事件(京都)
  ■JR姫新線のATSケーブル切られる(京都)
  ■窓 JRは経営の原点に戻って 宇治市・片山勝男 会社員(63)(京都)
  ■京都・小倉山の残土放置 市長とJRを提訴 住民ら19人(朝日)
  ■JR東日本次期新幹線 国内最速の364` STAR21が達成(京都)
10日■JR山陰線、KTR電化 総額 264億円に 安全対策費などかさむ 府補正予算案で判明(京都)
  ■新支社の門出祝う(京都)
  ■チェーンとワイヤ公開 新幹線列車妨害 情報提供呼びかけ(京都)
  ■新幹線妨害 チェーンなど公開(朝日)
  ■レジャー スイス 回転式ゴンドラが登場 乗り物でアルプス満喫 「存在感」ある空気乾燥肉(京都)
  ■現場責任者ら起訴 JR山陽線踏切事故(朝日)
11日■JR京都駅地区区画整理 意見書検討委を設置 府都計審 反対1300人が陳述へ(京都)
  ■JR東海労組役員2人を懲戒解雇に 民営化後、初の処分(京都)
  ■JR職員2人を起訴 相生の踏切死亡事故(京都)
  ■JR京都駅の改築高層化 来月にも着工 市が方針(朝日)
  ■駅ビル問題京都府審議会 反対の1300人意見申し立て 代表者陳述を検討(朝日)
  ■労組役員2人懲戒解雇処分 JR東海(朝日)
  ■1000年前の土葬墓 時空越え引っ越し 樹脂加工しソロリ 地下鉄工事で立ち退き 山科(京都)
  ■音を変えれば快適空間 作曲家・上原和夫さんが提言(より抜粋)(朝日)
13日■客と口論「やっておれん」 運転手、バス置き去り 福岡(京都)
  ■北陸新幹線 糸魚川−魚津間48` 来月中旬に着工(京都)
14日■公団と住民側和解 東西線工事騒音問題 解決金など支払い(京都)
  ■新幹線レールのボルト 80b先民家直撃 静岡(朝日)
  ■地下鉄前方「何だ」「子供だ」 レール内歩く小5 2人保護 千日前線の谷九駅近く(朝日)
  ■市バス横着 待機ゾーンで降車 車道の真ん中 次々と車 乗客ヒヤヒヤ横断 「危険」の看板横目に 交通局「実態気付かず」(京都)
  ■線路のボルト折れ民家直撃 掛川、レール固定用(京都)
  ■雨強く徐行運転 特急などに遅れ JR紀勢線(朝日)
15日■JR京都駅仮駅舎 来月1日オープン 23日からイベントも(京都)
  ■満20歳シルバーシート普及率 関西私鉄、JRより優 車いすスペースも先行(朝日)
  ■楽しみは3年後の新装 1日から仮駅舎に 趣向こらした記念行事企画(朝日)
  ■移設問題で京都市長にJRなどへの指導要請 京都駅観光デパートの飲食店(朝日)
  ■JR京都駅仮駅舎 来月1日オープン(朝日)
16日■京阪にはねられ死亡 伏見・女性自殺か(京都)
  ■新幹線 座席に針 東海道・山陽 先月から11件(京都)
  ■朝の足9万8000人影響 阪急京都線 急行に非常ブレーキ(京都)
  ■チボリ公園 阪急電鉄に参画打診 岡山県、資金力など期待(朝日)
  ■新幹線座席に針 8月下旬から11件(朝日)
17日■縫い針13本に 東海道・山陽新幹線(京都)
  ■のぞみ パンタグラフ取り付けミス 脱落寸前で1500`走行(京都)
  ■線路に落ち女性死亡 JR瀬田駅(京都)
  ■窓 BGM論争に多数決は無謀 山科区・河合 健 会社社長・64(京都)
  ■JR株申し込み7.5倍に(朝日)
  ■記者席 列島から 高層化へ「見切り発車」(朝日)
18日■シュプール号週末に増強 予約は来月から(京都)
  ■新幹線車内でまた4本の針 東京−大阪間2編成(京都)
  ■空より「のぞみ」 競合航空便、軒並み前年割れ(朝日)
  ■また新幹線で4本の針発見(朝日)
  ■20日はバスの日 保護者同伴小学生は無料です(朝日)
  ■京都の中古市バス45台 西安にプレゼントへ 今秋にも(朝日)
  ■列車内の針騒ぎ こだま・雷鳥・上越新幹線も(朝日)
  ■新たに針5本 上越新幹線・北陸線でも(京都)
  ■山陽新幹線に飛び込み自殺? 広島・女性の遺体発見(京都)
19日■電車にはねられ自転車の小5死亡 奈良、JR関西線(京都)
  ■JR山陽線でも針は計24本に(京都)
  ■京阪にはねられ死亡した女性の身元判明(京都)
20日■新幹線車内でまた針2本 北陸線の雷鳥でも2本(京都)
  ■またJRに針 雷鳥など3件(朝日)
  ■賛否両論 市バスBGM 何とも耳障り 一服の清涼剤(京都)
  ■山陽新幹線の床にまち針(京都)
  ■洛中洛外(京都)
  ■瀬戸大橋線でも針 山陽新幹線もまた(朝日)
21日■JR東日本株 申込数は4000万株強(京都)
  ■山科駅にロッカーに銃 「足洗う」と電話(京都)
  ■「信楽事故の車両設計に重大欠陥」調査など求め提言書 鉄道安全推進会議(京都)
  ■参考人招致でJR欠席回答 県会信楽事故特別委(京都)
  ■窓 市バスの表示分かりやすく 右京区・熊田宰輔(会社相談役・84)(京都)
  ■山陰線特急あさしおに針 綾部で客が見つける(京都)
  ■東海道線でも虫ピン(京都)
  ■軌道ボルト またも飛ぶ 新幹線(朝日)
22日■1日から運賃値上げ 京滋の民営バス 2.4−7.1%、2年ぶり(京都)
  ■鉄道妨害防止ポスター展 JR山科駅構内(京都)
  ■近鉄京都線の宮津駅が開業(京都)
  ■九条山駅周辺地域が調査 地下鉄工事 差し止め訴訟 住民も参加(京都)
  ■京阪バスなど値上げ 均一区間外京都市バスも 1日から(朝日)
  ■近畿圏のバス運賃値上げへ(朝日)
  ■間宮海峡トンネル サハリン知事が 日本に参加要請(朝日)
  ■近鉄宮津駅 開業翌日はやトラブル 信号故障で立ち往生 3万1700人の足乱す(京都)
  ■50分停電、特急など6本運休 山陰線の京都−嵯峨(京都)
23日■脱線、80人死亡の恐れ 米アラバマ州で長距離列車 沼に突っ込み水没(京都)
  ■新事業の洗車機で贈収賄 JR西日本社員ら逮捕 福岡県警(京都)
  ■のぞみ パンタ溶ける 6月に破損事故 「作業員のミス」(京都)
  ■地下鉄東西線工事の遅れ 用地買収や人件費などだけでも 290億円アップに(朝日)
  ■収賄容疑でJR法適用 「西日本」主席を逮捕(朝日)
  ■パンタ一部溶ける のぞみ 交換作業でミス(朝日)
  ■東海道線不通列車 大津駅で虫ピン(京都)
  ■車内に針 刺し方共通「組織的か」JR東海が見解(朝日)
24日■関空から遠い京都 不便さからどう”離陸” 開港まであと1年 ホテル業界など「フタ開けてから」(京都)
  ■はしけ衝突?鉄橋崩壊 列車が転落、44人死亡 米アラバマ(朝日)
  ■新幹線・山陽線列車座席に針(朝日)
25日■のぞみ殺人で労災を申請(京都)
  ■営業存続へ仮処分申請 JR京都駅ビル飲食店 「立ち退き要求不当」(京都)
  ■京都市交通局営業所統廃合 醍醐など論議対象 市議会特別委で見通し(京都)
  ■新幹線などでまた針発見(京都)
  ■地下鉄東西線 30年赤字続く 京都市会委で見通し(朝日)
  ■店舗の現状維持を JR京都駅改築移転でテナント飲食店 再入居保証ないと仮処分申請(朝日)
  ■JR東海スト通告 27・28日(朝日)
  ■大阪「新都市」陰る 不況の壁 再開発停滞(朝日)
26日■非常通話装置 導入へ高まる関心 話せることで状況キャッチ 「のぞみ殺人」機に 新幹線設置も検討(京都)
27日■羽田空港 88機、夜の大移動 新ターミナル けさオープン(京都)
  ■運転士の腕6000万円節電 「のぞみ」一気加速あと惰性 JR西日本取り組み ガクンなくなり一石二鳥(朝日)
  ■山陰線また針 山陽新幹線からも(京都)
28日■収賄事件発生で 根本的に人事制度見直し JR西日本社長指示(京都)
  ■2階建て新幹線に亀裂 東北新幹線台車支柱 構造欠陥、4割に発生(朝日)
  ■姿消す惨事の証人 信楽高原鉄道事故 車両解体始まる(朝日)
  ■控訴審でも5被告有罪 広島駅乱射事件(朝日)
29日■滋賀・岐阜の新幹線妨害 大惨事の恐れ 立証 岐阜の犯行 連結金具 車輪に接触判明 JR総研鑑定 転覆狙い濃厚(京都)
  ■京都市電廃止あすで15年に 車両のたどる”レール”は? いまや珍品チンチン電車 展示保管は13台 8台は行方不明 現役16台 元気に出発進行 ビデオも売り出し(朝日)
  ■信号装置の故障で東海道新幹線遅れる(京都)
30日■「脱線・転覆の可能性」岐阜の新幹線妨害 JR総研が鑑定(朝日)
  ■新幹線でまた針 大阪でまた針(朝日)
  ■大阪水上バス開業10年 夕方は固定客1人 受ける都市再発見 通勤・サッパリ 遊覧・ホクホク 新航路構想も(朝日)
  ■朝の京阪電車 33本遅れる 男性飛び込み死亡(朝日)



2日■新幹線妨害 岐阜と同一犯か 彦根署 共同捜査本部を設置
 彦根市のJR東海道新幹線下り線で先月28日、レールに鉄製チェーンが巻きつけられた事件で、滋賀県警は1日、犯行手口などから岐阜県関が原町の同上り線で6月10日に発生した同列車妨害事件と同一犯との見方を強め、広域重要事件として彦根署に共同捜査本部を設置した。岐阜県警共同捜査本部(垂井署)と情報を交換し、事件の早期解決と防止対策に全力を挙げる。
 県警の調べでは、関が原の事件は▽金網フェンスを破って軌道内に進入▽レールにワイヤーロープを巻き付けている▽高速道路がちかくにあり人通りの少ない場所▽現場近くに政治批判文書が残されている−など犯行手口や現場の状況が彦根の事件と似ているという。
 警察庁は2日午後から、両事件の捜査連絡会議を大津市内の滋賀県警で開き、今後の捜査について協議する
。会議には警察庁啓示局長をはじめ滋賀、岐阜両県警の啓示部長ら捜査指揮官約25人が出席する。(京都新聞)
■高齢者配慮で要望書 京都駅改築で地区住民
 JR京都駅高層改築計画に伴う京都市の駅前土地区画整理事業で、地区内移転の対象世帯がある下京区の三哲町内会(中村力会長)は1日、市の都市整備、民生両局に対し、高齢者を多く抱える同町内の事情を考慮して、事業推進に当たってはお年寄りの不安を払拭(しょく) するよう要望した。
 同町内会は17世帯中8世帯に高齢者がいる。中村会長らは、14日までに書面で返事をするよう両局に求めた。(京都新聞)
■ひまわり号運行のボランティア募集 京都実行委
 障害者専用列車「ひまわり号」が今秋、京都から兵庫県明石市まで運行されることになり、「ひまわり号」を走らせる京都実行委員会」(委員長・竹下美樹弁護士)は、障害者の介護に当たるボランティアを募集している。
 「ひまわり号」は、「列車に乗って旅をしたい」という障害者の要求を実現するため1982年、東京で始められ、それ以後、全国に広がっている。京都では、83年から実施。昨年は障害者、ボランティアら約350人が参加し、京都から神戸港までの日帰り旅行を企画した。
 今回は11月7日、JR京都駅−同明石駅間を運行。明石公園内での散策コース、淡路島・岩屋高速コースなどを計画している。出発は午前8時半ごろで、午後6時ごろには京都に戻る予定。
 募集している同伴者、ボランティアは約170人で、申し込み締め切りは今月30日まで。はがきで住所、氏名、年齢、電話番号、障害の有無を記入のうえ〒600京都市下京区中堂寺北町11ノ2 国労京滋地区本部内同実行委員会 (801)2707へ。参加費(運賃を含む)中学生以上3500円、小学生2500円。(京都新聞)
■窓 市バスBGM強制は苦痛だ 石部町・正保富三 大学教員(61)
 京都市バスのBGMについて、8月26日付けの本欄でBGMに文句を言うのはおかしいという意見が載りました。5月1日にも、この市バスでの音楽が「一服の清涼剤」だと歓迎する意見が載っていましたし、このような受け止め方をする人はかなりおられるものと思います。
 しかし、世の中には多数決で決められないことがあります。電車の禁煙車のことを考えてください。禁煙車は、たばこの嫌いな人が過半数を占めたから設置したのではありません。少数でも、たばこの煙に迷惑する人がいるから設けられたはずです。たばことBGMを一緒にするなという反論が予想されます。たばこは健康に悪いが、BGMは心を和ませるのだと。しかし、BGMも聴きたくない者にとっては、心をむしばむ存在なのです。少数意見を切り捨てるのは日本の伝統的なやり方ですが、国際都市を目指す京都にはふさわしくありません。
 誤解のないように付け加えますが。私は音楽が嫌いな人間ではありません。音楽会によくいきますし、下手ながら合唱・ピアノ・バイオリン・リコーダーの練習を楽しんでいます。しかし、自分がほかのことを考えていたときに、強制的に音楽を聴かされるのは苦痛なのです。京都市バスは、BGM設備にかけるお金を、もっと別の面でサービスに役立ててほしいと思います。(京都新聞)
■窓 客離れ防止はほかの手段で 宇治市・柴田明子 主婦(21)
 当欄8月26日付け「苦痛和らげる市バスBGM」のご意見に反論いたします。私自身は、BGMが流れようと流れまいと、気にせずバスに乗っていられますが、バスの中で読書をする人や、英単語の勉強をしている高校生は、少なくありません。そのような人たちにとって、BGMは、必ずしも心地よいものではないと思います。
 私の主人は教育者で、バスの中でも熱心に辞書を片手に勉強しています。最近主人は「市バスでBGMがかかるようになってかなわん」と申しておりました。
 「BGMを聞きたくなかったら、他の交通期間を利用すればよい」という横暴な考えよりも、私は、無言で苦痛なバスの中を、快適に過ごすための努力をすればどうだろう、と思うのです。ヘッドホンで、英会話や好きな音楽を聞いたり、今度の休日の過ごし方を計画したり、人の迷惑にならずにできることは、たくさんあります。
 市バスは、あくまでも公共の交通機関。BGMがかかるから、という理由で、乗車する人は、皆無に等しいと思います。市バス側も、客離れを防ぐ、という意図でBGMを流しているのなら、迷惑だと思う人が1人でもいれば、BGMは中止すべきです。有効なサービスは、もっとほかにもあるはずです。(京都新聞)
■南海特急「ラピート」 「空港への足」も飛行機みたい!? 横浜の工場で製造
 関西国際空港の開港にあわせて大阪・難波駅と空港駅(仮称)をノンストップ29分で結ぶ南海電鉄の特急「ラピート」の車両が、横付腎金沢区の東急車両横浜工場で製造されている。
 航空機わイメージした流線形。丸窓を備えた車体には、製造担当のベテラン技術者も「従来の概念になかったデザイン」と驚く。特徴のある弾丸形の先頭車両2両は、ほぼ組み立てが終わり、作業台の上で機械類などの組み込みが進んでいる。
 南海電鉄は、約71億円をかけて6編成36両をそろえる。今は赤さび色の車体は、間もなく紺色に化粧直しされ、12月に最初の1編成6両が完成する。検査完了後の来年1月には、JRの機関車に引かれて大阪に回送される予定。開港と「ラピート」のデビューまで、いよいよあと1年だ。(朝日新聞)
■阪神梅田−野田 地下にもぐる
 大阪市の都市計画事業として阪神電鉄が84年から進めてきた梅田−野田駅間(1.66`)の地下化工事が完成した。5日から営業を開始する。これに伴い、朝夕のラッシュ時に遮断機が下りたままで「開かずの踏切」と呼ばれた6ヵ所がなくなり、キタの交通渋滞が緩和されそうだ。
 地下新線の工事は、現在の梅田−野田駅間のほとんどを国道2号の地下部分に移し、当初の計画から5年遅れで売成した。途中にある福島駅は、南へ約100b移し、地下の新駅にした。総工費は約490億円。
 この地下化によって、1日3万3000台の車と約2000人の通行があるのに、1時間に最大44分も遮断機が下りていた大阪市福島区の福島西通踏切など6ヵ所の踏切が撤去される。(朝日新聞)
■「高齢者らに配慮を」JR京都駅の改築に伴う区画整理で地元民ら要望
 JR京都駅の改築高層化計画に伴い京都市が進めている土地床画整理事業をめぐって、地元の下京区の三哲町町内会(中村力会長、17世帯)が1日、高齢者をはじめとした住民らの生活に十分配慮するよう、市の都市整備、民生両局長に申し入れた。(朝日新聞)
■JR東日本株 値上がり期待できる? 一般申し込みスタート
 10月26日に東京証券取引所などに上場するJR東日本株式の購入を目指す一般投資家の申し込みが、2日から全国の証券会社の店頭で始まった。
 売り出し株数は、140万株で価格は38万円。当初予想よりも高めに決まったが、証券各社が新規顧客の開拓のため勧誘に力を入れてきたこともあり、「事前予約のうちで1−2割の人がこの日に正式申し込みを済ませるだろう」(大手証券会社)という。東京・兜町の証券会社では、JR株の値上がりに期待して問い合わせや相談する個人投資家の姿が見られ、まずまずのスタートを切った。
 申し込みの受け付けは今月10日まで。1人で9999株まで申し込みができるが、ひとつの証券会社の1営業店で1回だけに限られ、名義の重複や架空名義が判明した場合、申し込みは無効になる。このため、住民票など本人を確認する書類が必要だ。
 申し込みが、売り出し株数を上回れば抽選となり、当選者は10月5日に官報などで公表される。代金の払い込みは10月18日まで。
 京都市内の証券会社でも、すでに7月末から買い付けの予約を募っていたが、この日が正式申し込みの初日とあって、店頭に訪れる投資家の姿が目立った。下京区の野村証券京都支店では、開店早々から7階の専用コーナーで予約確認など手続きをする人が相次ぎ、担当者は細かい説明など対応に追われていた。同支店では「初めて来店される方も多く、当初予想していたより投資家の関心は高い。利回りなど総合的な判断で期待感が強いのでは…」と話している。(京都新聞 夕刊)
■JR東日本株 売り出し開始 申し込みすでに 倍超す人気
 JR東日本の株式の一般への売り出しが2日午前、全国の証券会社で一斉に始まった。8月30日に売り出し価格が1株(額面5万円)38万円と決まったことを受けてのもので、購入申し込みは今月10日に締め切られる。
 大阪市北区の和光証券梅田支店は、1日から道路に面した専用コーナーをつくった。「価格は38万円に決定」などのポスターを出し、通行人にアピール。担当者は「関西は、関東と違い、株主優待を利用しにくいのでややシラケ気味です。でも、証券に目を向けるきっかけになれば…」と話している。
 今回、JR全株の株主である国鉄清算事業団から放出されるのは、JR東日本の発行済み株式の半数にあたる200万株。うち、140万株が一般に売り出される。
 すでに証券会社の店頭では、7月21日に購入の勧誘が解禁されてから、価格抜きの勧誘合戦がスタートしており、投資家への売り込みは事実上の最終盤にさしかかっている。
 証券業界によると、これまでに全国で約300万株の申し込みがあったといい、最終的には500万株から600万株程度の申し込みがあるとみている。(朝日新聞 夕刊)
3日■信楽列車事故 遺族への補償 賠償基準は非公開 滋賀県「交渉に支障ある」
 滋賀県議会の信楽高原鉄道列車事故対策特別委員会が2日開かれ、遺族への補償問題に関して県側は、「賠償基準の開示は、補償交渉に支障がある」として、基準公開はしないとの考えを初めて示した。
 この中で、辻本昭生環境部長は「交渉は鉄道両社の代理人に任せているが、手の内が明らかになれば交渉にならない。代理人には誠意ある対応をお願いしている」と述べ、基準を公開しなくても、遺族の気持ちを損なう結果にならないことを強調した。また交渉を支援する県の姿勢については「県は(法的に)直接責任は負わないが、高原鉄道の最大出資者として、誠意ある支援をしていく」と従来の答弁を繰り返した。
 委員会に先立つ理事会では、22日に予定している次回委員会に、JR西日本と信楽高原鉄道両社の幹部ら2、3人を参考人として招致、事故やその後の対応などについて幅広く事情を聞くことを決めた。JR関係者が委員会への出席を要請されるのは初めて。
 また鉄道事故の第三者調査機関設置の法制化を国に求めるため、今月21日に委員会の理事らが運輸省など関係機関へ陳情することも申し合わせた。
 このほか、委員会では被災者の示談の進行状況(8月30日)も報告された。それによると、事故に遭った乗客のうち示談がまとまったのは死者が37人中10人、負傷者が612人中59人。(京都新聞)
■岐阜、滋賀の新幹線妨害 同一犯の犯行断定 両県警
 JR東海道新幹線列車妨害事件で、岐阜・滋賀両県警共同捜査本部(垂井署、彦根署)は2日、岐阜、滋賀両県内の現場で見つかった2枚の政治批判文書は同一犯が書いたものと断定した。
 捜査本部のこれまでの調べによると、2枚の文書はそれぞれ違う新聞紙に「悪徳政治蚊共因果応報じゃ」「政治蚊共は巨悪を働いても誰一人、ム所に行かぬ」などと書かれていた。
 岐阜ではサインペン、滋賀県ではボールペンを使用しているが、いずれも「蚊(か) 」を使い、金権政治を批判するなど、内容や用語に同一性が見られるほか、筆跡も酷似していることから断定した。
 同捜査本部は今後、現場に残されていた新聞紙の指紋採取やこの新聞紙の販売地域、レールに巻きつけられていた鉄製チェーンの分析などを急ぐことにしている。
・手口は悪質 愉快犯ではない 刑事局長が訓示
 岐阜・滋賀両県のJR東海道新幹線列車妨害事件で2日、大津市の滋賀県警本部で岐阜・滋賀両県警共同捜査本部の連絡会議が開かれた。会議には警察庁の国松孝次刑事局長をはじめ、中島勝利滋賀県警本部長、滋賀、岐阜両県警の刑事部長ら25人が出席。国松局長が「2件は手口も悪質化しており、単なる愉快犯ではない。JR東海などと協力して犯人検挙と第3の犯行防止に努めてほしい」と訓示した。この後、両県警が捜査状況について情報交換。今後も連携して捜査に当たることを確認しあった。(京都新聞)
■窓 気にならぬ市バスBGM 上京区・宮内正太郎 団体役員(75)
 市バスのBGMについていろいろ取りざたされているが、私の感じたままを書かせていただく。賛否のご意見のなか、とくに反対のご意見も理解できないことはないが、私は乗車中、聴いて、それが耳を刺激する音源とは感じない。もちろん聴覚に個人差はあろうが。
 ご意見によると、通勤途上の車中で、当日の講義の内容整理、論文の構想、また仕事の計画等をされるとあるが、20分ほど短時間に、周囲の話し声や車の騒音の中で、そんなことができるものかと、むしろ私は疑問に思う。そうしたことは、むしろ前夜自宅で準備するべきで、車中は軽い音楽を聴くぐらいの余裕がほしい。
 私が散見したところでは、教科書を開き、耳にウォークマンのイアホンをしている学生さん、本を開いて眠っている人も見た。今のBGMの音量がどの程度か知らないが、私の聴いたところでは、極めて低い数値で、音質もソフトである。
 朝から演歌やビートの高いジャズを流されては論外だが、要は乗客サイドの対応の仕方ではなかろうか。どうしても聴きたくなかったら、耳栓をするなり他に方法もある。
 「音楽を聴くことを強制される」ときびしい口調のご意見もあるが、新しいことに賛否両論はしかりであり、今の時点では交通局のアンケートで賛成が多いと受け取れるが、当局においても、少数意見もよく聞き、せっかく導入したものを止めることなく、さらなる検討のうえ、対処してほしい。(京都新聞)
■犯行声明文 内容を発表 新幹線妨害事件
 滋賀県彦根市の東海道新幹線下り線で、先月28日に起きた列車妨害事件で、警察庁、滋賀・岐阜両県警は2日、滋賀県警で捜査連絡会議を開いた。これを受けて、現場に残されていた犯行声明とみられる文書の一部を公開した。両県警は早期解決に向けて、証拠品などの公開を進める一方、再発防止のため、JR各社に捜査協力と警備強化を要望する。
 「犯行声明文」は、政治家数人の名前を挙げて「悪得政治蚊共因果応報じゃ」などと書かれ、金権政治批判を連ねた内容だった。(朝日新聞)
4日■陸・海・空の便ズタズタ 近畿、中国 JR 全面運休も 「空」は2万8000人影響
 台風13号の進路に当たる中国、四国、近畿地方は3日午後、九州や中・四国などを結ぶ空や海の便が軒並み欠航。JRも山陰線の特急が相次いで運休となったほか、夜からは広島、山口県内の在来線が全面ストップする予定など交通機関を中心に影響が広がった。
 空の便は3日、福岡発羽田行き日本航空374便、羽田発高知行き全日空571便、羽田発広島行き日本エアシステム293便など九州、中国、四国と各地を結ぶ便を中心に航空5社で計334便が欠航、約2万8000人に影響が出た。
 航空各社は「台風がこのままの勢力で進むと大阪、名古屋などから旅客機を避難させるため、4日の便も始発便を中心に大幅に乱れる」と話している。
 JR西日本は、台風13号の接近に伴って管内各線でダイヤが混乱するのを見込み、3日午後3時、本社に対策本部を設置。山陽新幹線では、新大阪発博多行きのひかり75号など季節列車上下4本の運転を取りやめた。また、東京、大阪と九州などを結ぶ同日夜の寝台特急、夜行急行も合わせて44本の運休が決まった。
 夕方から明日の朝にかけて山陽新幹線、在来線ともに遅れや運休が相次ぐとみられ、同社は「特に明日は始発から全面運休になる恐れがある」として、乗客に注意を呼び掛けている。
 一方、神戸海上保安部が同日正午、神戸港に入港中の全船に対し避難勧告を発令し入港規制したのをはじめ、大阪、小松島など各海上保安部も相次いで避難勧告を出した。(京都新聞)
■徹夜の厳戒 京滋緊迫 台風13号 街角には人影なし 日本海、高潮に備え
 台風13号の近畿接近に伴い、京滋地方でも3日夕から小雨が降り、夜更けとともに風が強まった。市民は家路を急ぎ、繁華街から週末のにぎわいが消えた。台風は当初の「戦後最大級」から「中型」に変わったが、依然として強い勢力を保っており、各自治体の災害対策本部は徹夜で警戒にあたった。舞鶴発北海道・小樽行きのフェリーが3日深夜の出港を4日夜に延期したほか、舞鶴海上保安部も海難事故に備えた。
 京都市内では、夜半から風雨が強まり、街頭の人影はまばらで、足早に家路に向かう市民らの姿が目立った。
 中京区の木屋町通や東山区祇園の繁華街では夜もほぼ平常通り営業する飲食店が多かったが、週末にもかかわらず人通りは少なく、客が少ないため早めに閉店する店も見られた。祇園の縄手通で菓子店を営む男性(40)は「ふだん夜中まで開店しているが、風が強くなるようなら早めに店じまいしなくてはならない」と話していた。
 JR西日本は3日午後6時「台風接近に伴い、4日始発から列車が全面運休する恐れがあります」との「お知らせ」を各駅に掲出した。
 京都市下京区のJR京都駅では、中央改札口などに張り出された「お知らせ」を、勤め帰りの会社員らが取り囲んで読んでいた。
 JR西日本はこの張り出しより先の午後1時「戦後最大級の台風」との情報を受けて、いったん「4日は始発から全面連休になります」との張り紙を出した。京都駅の構内では、京都市内の高校に通学している大津市内の女生徒らが「そんな大きい台風なの」「あしたは学校に来れへんわ」と不安そうな表情で話していた。また、京都に出張に来ていた会社員は「きょうで仕事が終わり、東京へ帰れるのでよかった」と、胸をなでおろしていた。
 一方、滋賀県内の近江鉄道と信楽高原鉄道も4日の始発から運休、台風が通過するのを待って再開する予定。
 京都市内のホテル、金融機関も3日、対策会議を開いたり、見回り強化や人員確保を行うなど慌ただしい夜となった。
 京都銀行(下京区)では緊急対策として3日、各支店に店舗外ATM(現金自動預払機)コーナーの安全確認を指示した。担当者は4日午前9時までに見回りを行い、異常のあるなしにかかわらず同行ATM監視センターに連絡させることにしている。また、各店舗の立て看板を店舗内に収納するなどの細かい指示も流した。
 一方、都ホテル(東山区)は、台風の近畿通過の可能性が高まった2日夜、早々と対策会議を招集。3日朝から25人の対策メンバーが、館内を見回ったり、主な出入り口に張りつくなどして、宿泊客に注意を呼びかけた。
 同ホテルが昨年裏山にオープンした散策路「野鳥の森・探鳥路」の入り口には、進入禁止を呼びかけた表示板を立てる一方、本館・新館とも屋上のいすやテーブルをすべて撤去。台風が通過する3日夜から4日未明にかけて、管理職数人が夜勤組に加わって万一に備えた。
 また府北部の自治体なども3日、災害警戒本部を設置、高潮などに備えた。
 舞鶴港では午後11時半出港予定の小樽行きの新日本海フェリー「らいらっく」(19329d)は、出港を4日午後8時に大幅に変更、宮津市の栗田湾に退避した。舞鶴海上保安部もこの日午後から巡視船、艇計5隻が海難事故に備えて警戒体制に入った。(京都新聞)
■320本ストップ 30万人に影響 JR九州中心に
 台風13号の影響で、3日午後、九州地方を中心とするJR各線は大幅に乱れ、同午後9時までに、山陽新幹線36本のほか、東京などから九州地方へ向かう夜行列車44本を含む特急・急行約320本が運休し、30万人を超す利用者に影響が出た。
 JR九州では午後5時すぎに管内の全面運休を決めた。同日中の運休は、特急、急行236本、普通1487本で、終日の影響人員は約27万人となった。
 またJR西日本管内では、午後9時までに山陽新幹線でのぞみ7本、ひかり15本など計34本が運休、在来線特急などを含め、影響人員は約2万7000人。(京都新聞)
■信楽鉄道 事故車両 遺族側が解体同意 民事調停 計器類など保存条件
 信楽高原鉄道列車事故の「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人)が高原鉄道とJR西日本両社に事故車両の保存を求めている民事調停の第10回調停が3日、大津簡裁であった。遺族の会側は、鉄道両社が主張する解体処分に同意し調停が成立した。
 調停では、行き先表示プレートや無線機、運転計器類など15点を信楽駅構内に建設予定の「事故資料館」で保存することを条件に、JR西日本などが求める解体廃棄に従うとしている。15点の保存期間や方法などは別途協議する、という。
 調停成立について遺族会側の秋田真志弁護士は「車両保存は用地や費用の面で困難だった。遺族感情を無視して解体を強行しようとした両社に一時ストップをかけ、十分な鑑定をするなど成果はあった」と述べた。解体作業は今月下旬に始まるが、これに先がけ遺族側では法要を行う予定。(京都新聞)
■梅田−野田間地下化 完成記念カード発売 阪神電鉄
 阪神電鉄は、梅田−野田間の地下化完成記念ハープカード(プリペイドカード)を、地下新線開通日の5日から梅田など主要駅で販売する。
 地下線のイメージと走行中の特急電車を、コンピューターグラフィックスで描いた図柄。1枚1000円で、発売は1万枚。
 郵送の申し込みも受け付けている。連絡は、〒553大阪市福島区海老江1丁目ノ24、阪神電鉄運輸部業務課 06(457)2258 へ。(京都新聞)
■府北部 風被害と停電 JRとKTR始発から一時運休
 近畿直撃が心配された台風13号は中国、山陰地方を通り4日早朝、京都府北部をかすめて日本海に抜けた。府北部では宮津市・天橋立の松が倒れたり、倒木で民家が停電するなどの被害があり、小・中・高校の多くが臨時休校した。府南部や滋賀県でも一時強い風が吹いたが、主要な交通機関は始発からほぼ平常運転し、大きな混乱はなかった。
 府北部では、4日未明から風が強まり、日本三景で知られる宮津市の天橋立では、松並木の中の高さ10bほどの松が1本倒れた。また天田郡夜久野町で電線への倒木により約1000世帯が6分間停電するなどの被害が出た。
 JR福知山支社はこの日始発から全面的に列車の運行を見合わせ、特急7本、急行2本、普通86本が運休。約1万8500人の足に影響が出たが、風がおさまった午前7時半ごろから順次運転を再開。また、北近畿タンゴ鉄道(KTR)も始発から運転を見合わせ、宮津線、宮福線で網野発京都行き上り特急タンゴ・エクスプローラー2号など上下31本(JR乗り入れ含む)が運休。午前10時に運転再開した。約2500人に影響が出た。
 一方、舞鶴自動車は午前4時から全線通行止めになったが、同8時15分に解除された。(京都新聞 夕刊)
■大きな混乱なし 京都市内
 京都市内では市街地の街路樹の小枝が折れたり、歩道の自転車が倒れるなど、台風に伴う強い風の跡も見られたが、大きな被害や影響はなかった。三条大橋畔の豆菓子店では、台風に備えて看板代わりの行灯(あんどん)を前夜のうちに取り外していたのを、店主が朝の雲行きを見ながら付け直していた。
 JR京都駅では、東海道線の新快速が午前9時前から運転を再開した。山陰線も園部止まりだった電車が午前9時過ぎに走り出し、各線のホームはいつもの土曜日の通勤、通学の風景となった。
 新幹線京都駅でも、一部区間で徐行運転となった博多方面からの列車が一時的に遅れて到着した以外は、ほぼ正常のダイヤで発着しており、混乱などはなかった。しかし、台風接近で週末旅行や行楽を控えたのか、朝のホームうちはホームの人影はまばらだった。(京都新聞)
■新幹線など混乱 空や海も
 JR西日本の午前11時半現在のまとめによると、東海道・山陽新幹線は始発前の線路巡回で姫路−相生官で倒木が見つかり、取り除き作業のため始発から午前7時過ぎまで々区間が不通となった。この影響で上下12本が運休、最高1時間17分の遅れが出て、約1万5000人に影響した。
 在来線は山陰線が京都−園部、福知山線が大阪−新三田で折り返し運転となっているほか、北陸線が始発から運転を見合わせており、大阪から北陸方面へ向かう特急が運休した。
 空のダイヤは九州や四国、山陰方面など西日本を中心に大きく乱れている。
 台風の北上に伴い、混乱は東北や北海道方面に広がる見込み。大阪空港では午前10時半現在で、羽田、福岡便や仙台、高地便など、計74便が欠航。
 また前日はほとんど欠航していた関西と四国、九州を結ぶ海の便は通常運航に戻りつつある。大阪−別府の関西汽船、大阪−宮崎のマリンエキスプレス、泉大津、神戸−新門司の阪九フェリーは夕方から航行を再開する。(朝日新聞 夕刊)
5日■特急など245本運休 北陸地方のJR各線
 台風13号による雨と風の影響で、4日朝から午後4時までに北陸地方のJR各線は始発から運休や列車の遅れが相次ぎ、約6万4000人の足が乱れた。
 JR西日本金沢支社のまとめによると、北陸線の特急スーパー雷鳥12号や特急しらさぎ2号など特急50本を含む計245本が運休、特急雷鳥32号など9本に最大80分の遅れが出た。
 また、4日の空の便は中、四国から北陸の空港を発着する便を中心に乱れ、日航、全日空、日本エアシステムなど5社計202便が欠航、約2万人が影響を受けた。
 日航などによると、午前中は中、四国の空港を発着する便に欠航が相次ぎ、13号の北上に伴い午後からは北陸の便が影響を受けた。5日の運行は平常通りの予定、という。(京都新聞)
■1月のJR神戸駅電車脱線 レール摩耗が原因 兵庫県警が関係者送検へ 「危険、予測できた」
 今年1月、神戸市中央区のJR神戸駅構内で快速電車が脱線、1人がけがをし、約7万2000人の足が乱れた事故で、兵庫県警捜査一課は4日までに、ポイント部分のレールの摩耗と変形が原因との専門家の鑑定結果を得た。事故前にJR西日本の神戸保線区員がこの状態に気付いていたことも判明、同課は危険性が予測できたのにレール交換していなかったとして、業務上過失往来防害などの疑いで同保線区の関係者を書類送検する方針を固めた。
 事故は1月30日夕、大阪発網干行き下り快速電車(11両、乗客約2500人)が、複々線の内側線から外側線へ移るため左にカーブしながらポイントを通過中、3両目の台車1基が進行方向右側に脱線した。
 ポイントでは、基本レールに先のとがったトングレールを接触させて車両を分岐させるが、鑑定で、脱線地点の右側の基本レールが6、7_摩耗していたことが判明。トングレールはほとんど摩耗していなかったものの、車輪の圧力で上端が基本レール側に曲がっていたことも分かった。このため車両の揺れや、遠心力を支えきれずに脱線したとみている。
 一方JR各社は、運輸省令に基づき線路の保守・点検に関する細則を設けて運用、「線路検査要領」は、今回のような状態を図示して両レールとも交換するとしている。さらに同課の調べで、神戸保線区の点検などで事故のかなり前に基本レールの摩耗に気付き、トングレールの変形を見つけていたことも分かった。(京都新聞)
■横浜市地下鉄工事で談合 受注工区割り振り ゼネコン各社 地元組織が調整
 今年3月に開業した横浜市営地下鉄の延長工事をめぐり、総合建設会社(ゼネコン)各社が発注前に談合して受注する工区をすべて決めていたことが、朝日新聞社の調べで明らかになった。ゼネコン各社の横浜支店の営業部長級でつくる談合組織「弥生会」(すでに解散)の当時の最高幹部らによると、工区の割り振りは、地下鉄工事で実績のあるゼネコンが一工区ずつ担当することを原則に調整し、もめることなく談合が成立したといい、この最高幹部は「工区割りで発注される地下鉄工事では各社に公平に分配しなければならず、談合するのは当然のことだ」としている。
 談合が明らかになったのは、横浜市営地下鉄の新横浜−あざみ野間の約10.9`の延長工事で、用地買収費を合む総事業費は約2400億円。1987年から92年にかけ、横浜市交通局が21の工区に分けて発注した。このうち、随意契約となった1工区を除く20工区と、車両基地建設を加えた計22の工事の発注は指名競争入札で行われた。
 その結果、いずれも大手ゼネコンを幹事会社とし2から5社で構成する共同企業体が1工区ずつ受け持ち、約9億−約57億円で落札した。
 弥生会の最高幹部らによると、ゼネコン各社間の「調整」は、工事発注前の86年ごろ、工区ごとの幹事会社の割り振りから行われた。まず、横浜市交通局から工事の実施設計を請け負った設計業者に同会の幹部らがあたって工区割りの状況を調査。地下鉄工事の実績があるゼネコン20社を同会の話し合いで選び、各社から1工区ずつ希望を出させたという。
 そのうえで、希望が重複した工区は、その社同士で個別に話し合って調整した。また、車両基地などの建築工事は、その施設が置かれる工区のトンネル、軌道工事を受注する共同企業体で請け負うことにしたという。
 この話し合いでまとまらない場合は、弥生会の会長と4人の副会長の最高幹部による会議で調整することになっていたが、話し合いがこじれて調停に持ち込まれることもなく、各工区について幹事会社が決定した。
 その後、地下鉄工事では実績の少ない業者から参入の希望を取り、それをもとに各工区の共同企業体の構成を決めたと説明。入札では各工区ごとに複数の共同企業体が横浜市から指名されたが、談合で受注の「本命」となっていた共同企業体が最低価格で落札したという。
 弥生会の最高幹部らは「この間、政治家からの圧力はなかったうえ、裏金なども一切動いておらず、実にすっきりとした形での調整だった」と話している。
 川辺滋・横浜市交通局長の話 問題を指摘されるようなことは聞いていない。談合はなかったと思うし、そう信じたい。(朝日新聞)
横浜市営地下鉄延長工事の入札結果
 受注した共同企業体
の幹事会社と企業数
落札価格
あざみ野工区前田建設工業など4社42億8330万円
関根橋工区日本国土開発など2社10億3300万円
中川工区東急建設など2社13億4500万円
中川駅工区銭高組など2社15億7300万円
牛久保第2工区三井建設など2社13億5350万円
牛久保第1工区飛島建設など2社22億9000万円
センター北駅工区鉄建など4社42億6008万円
センター工区奥村組など3社28億6031万円
センター南駅工区戸田建設など4社43億8265万円
茅ヶ崎第 2工区清水建設など3社20億8000万円
茅ヶ崎第 1工区佐藤工業など2社9億 100万円
大熊駅工区西松建設など2社16億7000万円
北の谷工区熊谷組など3社26億5000万円
北新羽工区住友建設など2社16億5315万円
新羽駅工区大成建設など3社37億1624万円
長嶋工区大林組など4社44億1662万円
鶴見川工区鹿島など4社50億円   
出入庫線工区大日本土木など2社9億 846万円
車両基地第1工区(基礎工事)フジタなど3社39億 370万円
車両基地第1工区(建築)フジタなど5社57億1650万円
車両基地第2工区(基礎工事)ハザマなど3社23億1235万円
車両基地第2工区(建築)ハザマなど5社45億7114万円
(横浜市交通局の資料による)
6日■開港1年前 4 ズラリ鉄の三角、強さの秘密
 関西国際空港と対岸を結ぶ全長3.75`の連絡橋は、道路、鉄道併用橋としては世界で一番長い。1階が鉄道、2階が道路である。その道路の下を通る鉄道部分を見せてもらった。
 見上げた道路の橋げたに、鉄の三角形が延々と続いていた。実は、この三角形が、橋の強さの秘密なのだ。このように鋼材を三角形の集合形式に組み立てた構造の橋がトラス橋。ねじれや揺れに強いのが特長だ。
 さらに、重しとバネで揺れを吸収する制振装置も橋げたの内部に組み込まれており、揺れに対してブレーキをかける。設計では、毎秒50b以上の風や、マグニチュード8程度の地震にも耐える。関西国際空港会社は「第二室戸級の台風や関東大震災級の地震が来ても大丈夫」と胸を張る。
 レールの間に立って足元を見たら、一瞬動けなくなった。床板の網目を透かして光る水面に足がすくんだ。海面まで25b。下を通行する漁船が、おもちゃのように見えた。(朝日新聞 夕刊)
7日■列車故障で10本運休 JR奈良線・宇治駅
 6日午前11時ごろ、宇治市宇治、JR奈良線宇治駅で、京都発奈良行き快速電車が発車しようとしたところ動かなくなった。同駅で運転を打ち切り、200人の乗客は後続の不通電車に乗り換えたが、上下合わせて10本が運休、15本が18−2分遅れ、乗客約3500人に影響が出た。
 JR西日本はこの車両を宮原電車区に回送、原因を調べている。(京都新聞)
■梅小路公園のチンチン電車 来年9月23日に再発車 フェア開幕と同時 京都市が整備費を計上
 京都市が平安建都1200年記念事業として下京区に整備中の梅小路公園内に復活させる「チンチン電車」は、来年9月23日に同公園を主会場に行う第11回全国都市緑化きょうとフェア(緑いきいきKyoto'94)の開幕と同時に運行開始することが7日、明らかになった。
 93年度一般会計9月補正予算案に、整備事業費1億3000万円が計上され、事業内容が固まった。
 チンチン電車は平安建都1100年の第4回内国博覧会開催時に、わが国で最初の路面電車として営業を始め、「京都の顔」の一つとして親しまれてきた。1978年に廃止されたが、来年は復活を願うファンの根強い声にこたえる。
 市は61年まで現役だった車両を、明治の開業当時の形式に全面改装し、公園の西南端からJR山陰線までの約250bを最高時速9`で往復運行させ、動態保存を図ることにした。今後は料金設定のほか、同公園内に「市電展示館」の建設も検討する。(京都新聞 夕刊)
■チンチン電車が復活
 京都市は7日、明治時代のチンチン電車を来年9月から同市下京区の梅小路公園(建設中)で走らせることを明らかにした。将来は同公園内に市電展示館も併設する。
 1961年まで京都市電の堀川線を走っていた路面電車「狭軌1型車両」(定員38人)を、明治中期に京都で運行した国内初の路面電車のスタイルに改装して復元。同公園内に約250bのレールを敷き、最高時速9`の往復運行で「小さな旅」を味わってもらう。
 平安建都1200年記念事業の「全国都市緑化きょうとフェア」が来年9月から同公園で開催されるのに合わせたアイデアで、同フェア終了後も引き続いて運行する。
 京都市の路面電車は78年9月まで、市民の足として活躍していた。(朝日新聞 夕刊)
8日■愛犬追い踏切へ 列車にひかれ死亡 奈良・JR桜井線
 7日午後5時10分ごろ、奈良県桜井市大福のJR桜井線香久山駅東約300bの踏切で、同市大福、無職篠原町江さん(59)が奈良発王寺行き普通列車にひかれ即死した。
 列車は現場に約20分停車、王寺発奈良行き普通列車など、上下4本が20分から5分遅れ、乗客約500人に影響した。
 同県警桜井署の調べでは、篠原さんは散歩をさせていた犬が踏切内に入ったため、助けに行きひかれたらしい。(京都新聞)
■斜陽ブルトレ また肩身狭く 夏休みの稼ぎ時、台風で運休4分の1 「縮小」論議に拍車
 「さくら」や「あさかぜ」など東京や大阪と、九州などを結ぶJRのブルートレイン(寝台特急)が、統廃合の危機に直面している。新幹線や航空機に乗客を奪われ続けているうえに、今年は稼ぎ時の夏休みに相次ぐ台風の来襲で運転率が大幅にダウンしたため、JR各社のダイヤや車両の見直し論議に拍車をかけた。「現状のままでは経営面での負担になるだけ」との声が支配的で、長年親しまれたブルトレの様がわりは、避けられそうもない。
 JRによると、最も統廃合が論議されているのは東京−九州間のブルトレ。乗車率は区間によってまちまちだが、最も利用が多いとされる深夜の岡山付近でも年間の1列車当たりの平均乗車率は、定員(約300人)に対して60%がやっと。東京−名古屋間は各駅の出発や到着の時間が早すぎたり遅すぎたりするため、空席がかなり目立つ状態が続いており、東京駅出発時に70−80人という日も多い。
 また、始発から終着まで利用する乗客は少なく、「さくら」(東京−長崎、佐世保)の場合で20−30%。「彗星」(新大阪−都城)などの大阪始発も同様で直通客は少ないという。
 おまけに、今年は数少ない稼ぎ時の夏休みに九州が豪雨と台風に相次いで見舞われた。台風5号が上陸した7月27日から、台風7号が来た8月10日までの15日間では、上下200本近くのうちダイヤ通りに動いたのは50本足らず。結局、7月の平均乗車率は52%と振るわず、8月も運転本数の4分の1が運休し、10時間を超える大幅な遅れも出た。
 青い車体にクリーム色の筋がはいったブルトレは1958年に登場した「あさかぜ」が第1号。しゃれた客車のデザインが脚光を浴びるとともに、食堂車や個室寝台などの連結が人気を集め、60年−70年代前半は「動くホテル」として満席状態が続いた。
 しかし、75年の山陽新幹線の博多開業を機に乗客が減りはじめ、運転本数も削減された。1974年には20往復以上も走っていた東海道線や山陽線のブルトレは、今年3月には10往復に減り、食堂車も廃止された。
 これまでのJR各社間の協議では結論こそ出ていないものの、「今のままではどうしようもない」というのが一致した見方だ。71年に製造された「さくら」や「みずは」の車両の老朽化が目立っていることもあって、豪華さが売り物で人気のある「トワイライトエクスプレス」(大阪−札幌)や「北斗星」(上野−札幌)並みの列車仕様にする案や、スピードアップを図るため客車を電車に切り替える構想も浮上している。(朝日新聞)
■新幹線一時ストップ 大雨で浜松−豊橋間
 東海道新幹線は、8日午前8時半ごろ、静岡県湖西市に設置された雨量計の一時雨量が50_を越えたため、浜松−豊橋間で同9時45分まで上下線とも運転を見合わせた。上下線合わせて「ひかり」12本が運休、44本が最高1時間半遅れ、ダイヤの乱れはごごまで続いた。JR東海のまとめによると、約6万人の乗客が影響を受けた。またJR在来線も東海道新所原−豊橋間で大雨のため上下線とも午前7時半すぎから2時間近く運転を見合わせたほか、参宮線、飯田線も午前中、一時運転を見合わせた。(京都新聞 夕刊)
■雨で一時運休 東海道新幹線
 JR東海によると、東海道新幹線は8日午前8時半ごろ、静岡県湖西市の雨量計で1時間に50_を越える降雨が記録されたため、浜松−豊橋間で約1時間15分運転を見合わせた。
 運転再開後も、上下線に列車が詰まっているため1時間ほど徐行運転が続いた。これらの影響で「ひかり」「こだま」上下線合わせて12本が運休。午前11時現在で、32本が最高で約1時間半遅れ、約5万人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
■台風うーんざり 14号接近 紀伊半島で大雨
 台風14号の影響で近畿、東海地方などでは、8日未明から朝にかけて激しい雨が降り、一時、東海道新幹線も止まった。4日未明に近畿に迫った「戦後屈指」の強力台風、13号に次いでの台風接近に、各方面でうんざりした表情が広がった。
 大阪管区気象台によると、台風14号の北上にともなって秋雨前線の活動が活発化した。降り始めから8日朝までの雨量は、和歌山・串本の275_をはじめ、新宮234_▽御坊205_▽高野山176_▽奈良・五条121_▽大阪・河内長野108_など。
 紀伊半島南端・串本漁港では、14号の接近に備え、8日朝から地元の漁船など計約300隻が続々と避難し、船を岸壁にロープで結びつけた。
 東海道新幹線が一時止まったJR新大阪駅では、改札口周辺に運行再開を待つ約500人の人だかりができた。出張で東京に向かう大阪市中央区の会社員松本一弘さん(40)は「午後1時から商談があるので弱りました。つい先日も大きな台風がきたばかりなのに」。
 旅行会社もツアー客のキャンセルが続いて痛手。近畿日本ツーリストでは、山陽新幹線や空の便がストップした台風13号の影響で、関西の客だけで旅行取り消しは約2億円分にのぼった。同社関西広報室は「グァムや北海道の地震で夏休みの観光シーズンの出足からつまずいたのに、、相次ぐ台風の追い打ちは実にこたえる」と話している。(朝日新聞 夕刊)
9日■小倉山残土放置復元問題 京都地裁 住民団体が提訴 JRにも5億賠償請求
 歴史的風土特別保存地区に指定されている京都市右京区嵯峨の小倉山にJR西日本がトンネル工事で出た土砂を放置している問題で、地元住民ら19人が8日、田辺朋之京都市長とJR西日本(井手正敬社長)を相手に、土砂を搬出しないまま植樹などで復元するJR西日本の復旧計画を認めた市の許可を取り消し、JR西日本が市に5億円を支払うよう求める住民訴訟を京都地裁に起こした。
 訴えたのは、京都市左京区岡崎西天王町、「小倉山をみつめる会」代表世話人松本章男さん(62)ら同会のメンバー19人。
 訴えによると、旧国鉄は、山陰線電化に伴い、小倉山トンネル工事を計画。工事で出る土砂を小倉山山頂に仮置きすることにし、1982年、「土砂搬出後、その区域を原状復旧計画図にもとづき原状に復すること」などの条件で京都市の許可を受けた。トンネルは88年に完成、89年に使用を始めた。ところが、旧国鉄から事業を継示したJR西日本は仮置き土砂約20万立方bを撤去しないで、「原地形類似に復元処理」する許可を求め、京都市は92年11月11日に許可した。
 原告らは「JR西日本が原状復帰の条件を守らなかったのは古都保存法違反であり、京都市が変更計画を許可したのは裁量を逸脱した違法な処分」と主張、市の許可の取り消しとともに、原状回復費用に相当する5億円の損害賠償を求めている。
 提訴後、記者会見した松本さんは「JRと市の行為は明らかに違法。小倉山は京都の母なる山であり、山頂がゆがめられたまま残っていては、京都の文化は語れない」と話していた。
・最善と判断し許可
 竹沢忠義京都市都市計画局長の話 訴状を見ていないが、小倉山については、現在施工中の復元方法が最善と判断して許可した。緑豊かな山並みに復元することが、一帯の歴史的風土を保存していくうえで重要と考えている。
・法令に基づき進める
 JR西日本広報室の話 小倉山の1日も早い緑の回復を願い、法令に基づく許可を得て復元工事を進めており、今後とも努力したい。(京都新聞)
■首都圏の交通事情体験 京滋などの17人 車いす自立への旅
 京都新聞社会福祉事業団、京都うずら野ライオンズクラブ、京都ボランティア協会など主催の「車いす自立への旅」が8日、2泊3日の日程で始まり、参加者らは元気いっばい初日の東京、神奈川の施設見学などをこなした。
 参加したのは京滋はじめ大阪、奈良、石川の5府県から障害者17人とボランティア、スタッフ計約60人。11回目の今回はこれまでのバス利用の旅から初めて新幹線、電車を使う旅に挑戦した。今年6月から主催団体でスタートさせた月1回の「自立生活教室」参加の障害者をリーダー役に、グループ行動中心に日程を組んだのが特徴。
 この日午前8時過ぎから5班に分かれ新幹線に分乗し、京都を出発。途中、局地的大雨で新幹線が立ち往生し各班とも1時間以上到着が遅れたが「計画が狂った時にどう対応するか、良い経験になった」と参加者らは疲れた様子も見せず、現地入り。
 東京・新宿区の区立障害者福祉センターヘ向かった斉藤容子さん(京都市南区)、今若狩太郎さん(滋賀県神崎郡永源寺町)ら12人は日本で一番乗降客の多いJR新宿駅でエレベーターがない不便などを実地体験するなど、交通事情や施設の自立生活施設の現状を学んでいた。各班ともにこの夜は横浜市内に宿泊。
 9日は横浜市内見学などの後静岡入りし10日夜、地元に帰る予定。(京都新聞)
■ワイヤ束ね留め金で固定 岐阜の新幹線妨害事件
 岐阜県・関ケ原町の東海道新幹線で6月9日、レールにワイヤロープが巻き付けられた列車防害事件で、犯行に使われたワイヤが何重にも束ねた状態で巻かれ、さらに留め金で固定されていたことが8日、岐阜、滋賀両県警の共同捜査本部の調べで分かった。
 調べでは、ワイヤは1本で、長さ約11b、直径約1a。7重巻きにし、1本の太いワイヤになるよう束ねていた。
 ワイヤが念入りに巻かれていることから、捜査本部は事前にレールの高さや幅などを確認した上でワイヤを用意した計画的犯行とみて捜査している。(京都新聞)
■JR姫新線のATSケーブル切られる
 8日午前9時58分ごろ、兵庫県竜野市竜野町のJR姫新線で、姫路発播磨新宮行き普通列車が走行中、運転席の警報ブザーが鳴り、運転士が姫路駅に連絡した。
 姫路鉄道部が調べたところ、現場付近のATS(自動列車停止装置)のケーブルが刃物のようなもので切断されていた。列車の運行に支障はなかった。
 竜野署は器物損壊などの疑いで捜査している。(京都新聞)
■窓 JRは経営の原点に戻って 宇治市・片山勝男 会社員(63)
 JR東日本の株式が一般にも売り出され、関係者は「国鉄民営化の総仕上げ」と胸を張っているとのことですが、この機会に一言申し上げたい。
 私たちの年代は、子供も一人前に育て上げ、また定年を終えて人間として社会人として、一応の務めを果たしてヤレヤレ、これからは余生とは言いませんが、少しゆっくり人生を楽しみたいと思っています。そして趣味を持つ人も、持たない人はなおさらに、人生の戦友である夫婦で旅行が大きな楽しみなのです。その点、JRのフルムーンパスは結構なサービスと喜んでいます。
 ところが、このフルムーンパス、最近人気が落ちているとか。それも道理。年末年始やゴールデンウィークのかき入れ時はダメ。「のぞみ」に乗ってみたいと思ったら、これもダメ。ひまな年寄りはすいた時に乗れ、ビジネス特急は関係ない、ということでは人気が落ちるのも当然です。
 JRは国鉄時代の赤字を始末せず、20兆円、1人あたり16万円という国民負担を残しての民営化事業なのです。なにやら子供を田舎の親に押しつけて、都会で独身面をして働くという感じで、やはり田舎の親子を忘れてもらっては困ります。
 いたずらに利益追及に走るのではなく、公共事業の原点に沿った経営をお願いします。(京都新聞)
■京都・小倉山の残土放置 市長とJRを提訴 住民ら19人
 歴史的風土特別保存地区に指定されている京都市右京区嵯峨の小倉山に、JR西日本がトンネル工事の残土を放置している問題で、地元住民ら19人が8日、残土を運び出さずに植栽などで修復するとしてJR側の計画を認めた京都市長の許可処分の取り消しと、JRに対して5億円の損害賠償を京都市に支払うよう求める訴えを京都地裁に起こした。
 訴えによると、JR西日本は旧国鉄時代の1982年、市長の許可を得て、小倉山の山頂部を土砂の仮置き場として使い始めた。しかし、工事完了後すぐに土砂を運び出して原状回復する条件に違反し、剤土を放置したまま89年3月に営業運転に踏み切った。
 その後JRは、土砂を撤去せずに植栽や盛り土で原状に似た地形に復元する案を出し、市長が昨年11月に許可した。
 一方、約47万3000平方bにわたって地形を変え、小倉山の景観を壊したことに対して、市はJRに損害賠償を求めなければならないが、これを怠っている、としている。(朝日新聞)
■JR東日本次期新幹線 国内最速の364` STAR21が達成
 JR東日本が開発中の次期新幹線の新型車両「SATR21」が9日未明、テスト走行で自己の持つ国内最高速度記録358`を5.6`上回る363.6`の新記録を達成した。今後、年末までに段階的に時速400`に挑戦する予定だ。
 テストは上越新幹線の浦佐−新潟間で行われ、高速走行でいかに低騒音、低振動を実現するかなど環境影響調査に重点が置かれた。
 「STAR21」は車両の設計に航空機技術を導入、従来の車両の半分の重量を実現し、先頭車両の形状も空気抵抗を極力小さくしたものになっている。
 テスト終了後、JR東日本新幹線地上・環境課の小山弘男課長は「順調に計測できほっとした。揺れも少なく暗転した走りだった」と乾燥を述べた。
 世界の列車最高速度はフランス国鉄が1990年に「TGV」で515.3`を記録しているほか、国内ではJR西日本が「WIN350」で350.4`の記録を持つ。(京都新聞 夕刊)
10日■JR山陰線、KTR電化 総額 264億円に 安全対策費などかさむ 府補正予算案で判明
 7月に着工したJR山陰線とKTR(北近畿タンゴ鉄道)宮福・宮津線の園部−福知山−天橋立間(89.1`)の電化・高速化事業費は総額264億円にのぼることが9日、府補正予算案の関連資料で明らかになった。
 同区間の電化・高速化は本年度、国の鉄道整備基金の助成対象に新規採択それ、事業化の運びとなった。事業費は160億円。うち50%が同基金から無利子貸し付けされ、残り50%が地元負担となっていた。
 ところが、京都−天橋立間において、特急列車で時速130`運転を可能にするには、1991年に電化された京都−園部間(34.2`)も含めて安全対策や路盤改良、車両基地の整備などが必要。
 そこでJR西日本が独自に104億円を投じて、京都−福知山間(88.5`)で、これら関連事業を実施することから、総事業費が大幅に膨らんだ。
 同基金の適用対象となる園部−天橋立間の事業に伴う地元負担(府52億2500万円、沿線9市町27億7500万円)について、府は9日発表した9月補正予算案で、本年度事業費41億4000万円のうちの府負担分13億5800万円を盛り込んだ。
 同電化・高速化工事は95年末にも完成。試運転後の翌96年春の新ダイヤからスピードアップし、京都−天橋立間の所要時間は、特急・急行で1時間40分となり、現在より平均30分から50分短縮される。(京都新聞)
■新支社の門出祝う
 今年6月にスタートしたJR西日本京都支社(京都市南区、鳥居興彦支社長)の発足披露パーティーが9日、京都市中京区の京都弥生会館で開かれた。京都の行政、経済界代表、JR関係者ら200人が出席し、新支社の門出を祝った。
 6月1日に発足した京都支社は、京滋、北大阪340`を営業エリアに、94駅、吹田車両工場、保線、電力区を統括。1日平均150万人の乗降客の足を預かる。駅整備に止まらず独自商品開発もてがける。
 会場には、パネルで、京都支社の概況説明や鳥居支社長の就任挨拶を掲示。出席者は、同支社の今後の事業などをテーマに和やかに歓談した。(京都新聞)
■チェーンとワイヤ公開 新幹線列車妨害 情報提供呼びかけ
 JR東海道新幹線列車妨害事件で滋賀、岐阜両県警共同捜査本部(彦根署、垂井署)は9日、犯行に使われたとされる鉄製チェーンとワイヤロープを公開し情報提供を呼びかけた。
 彦根市内の事件では3種類の鉄製チェーンがけん引などに使われるシャツクル(鉄製連結金具)2個に付いていた。チェーンは総延長約3b、総重量約22`で輪1個の長さ13aと4aの2種類がさびており8aのものは比較的新しかった。列車と接触したとみられる部分は引きちぎられバラバラになっていた。シャツクルは長さ約19a、幅約13a、直径3.2aで重さは約3.5`(京都新聞)
■新幹線妨害 チェーンなど公開
 滋賀県彦根市の東海道新幹線下り線で8月末、レールにチェーンが巻き付けられていた列車妨害事件で、滋賀県警は9日、現場に残されたチェーンなどを公開した。
 公開されたのは、3種類のチェーンとチェーンをレールに留めたと思われる2つの留め金。留め金は建設現場などで重い物をクレーンでつり下げるとき使われるもので、うち一つにはまだ新しい2本のチェーンが巻かれ、もう一方にはさびた大小2種類のチェーンが付いていた。チェーンの輪は大きいもので長径13a、太さ1.5a。長さはいずれも2b以上になるとみられ、留め金と合わせた重さは計30`ほどになる。
 一方、岐阜県警も6月に同県関ケ原町で起きた新幹線列車妨害事件で、現場のレール下に残されていたワイヤロープや留め金具など遺留品の写真を9日、公開した。
 現場には、1.1bから1.7bに切断されたワイヤロープ7本と、2個の留め金具があった。長さ約11b、太さ9_のワイヤロープを、7重にビニールで束ねたうえ、線路に巻き付け、金具で留めていたらしい。通過列車がロープを切断したとみられる。(朝日新聞)
■レジャー スイス 回転式ゴンドラが登場 乗り物でアルプス満喫 「存在感」ある空気乾燥肉
 スイスには登山鉄道、ケーブルカーにはじまる心躍る乗り物がたくさんある。その幾つかに乗って、アルプスの自然に触れてきた。
 エンゲルベルクの街の南側に標高3029bのティトリス山がそびえる。街から頂上までの標高差1970bをゴンドラで上った。
 途中、平行して走っているゴンドラを見上げると、あっ、と息をのむ間もなく人が飛び降り、真っ逆さまに落ちていく−。スキーやパラセールに加えて、ここは頑丈なゴムのロープを体に着けて高い所から飛び降りるパンジージャンプの格好のスポットになっているのだ。
・眺めはパノラマ
 頂上まで、最後の500bの高度を上る区間は、今年登場した世界初の回転式ゴンドラ「ロットエア」ゴンドラが発進すると、床がレコードプレーヤーのターンテーブルのように回転し始める。終点までの5分間にぐるりと一回転し、周りの眺望を思う存分楽しむことができるというわけだ。
 山頂の眺めはまさにパノラマ。南にマッターホルン、ユングフラウなどのアルプスの山が広がり、北にはドイツのシュバルツバルト(黒い森)が見える。頂に雪のある黒い岩肌の山々は、人を寄せ付けない自然そのままの荒々しさをたたえていた。
・急傾斜スリリング
 セントバーナード犬の飼育地グラン・サンベルナール峠にほど近いマルチィニ−からは、フランス・シャモニーへ向かうモンブラン・エクスプレスに乗ってトリアン渓谷の探索に出掛けた。
 駅を2つほど過ぎるとこう配もきつくなり、列車はいよいよアルプスへと入っていく。フランス領手前のシャトラールで下車した後、さらに上にあるエモッソン湖までは、かつてダム建設のために引かれたケーブルカーなどの線が、今は観光用に生まれ変わっている。
 ツタの絡む発電所横の通路を通って、ケーブルカーに乗る。うっそうとした森の中をワイヤをたぐりながら、とてつもない角度でゆっくりと登っていく。キリッ…キリッ…と力の入った音と急傾斜とが相まって、とてもスリリングだ。
・水車ラキラ輝く湖
 次に簡素な造りのフルオープンのトロッコ列車に乗り換える。カーブをすり抜けると木々に遮られていた視界がパッと開け、透明感のある青い空にくっきりと白いモンブランが浮かび上がった。
 4、5人でいっばいになってしまう、ちょつと変わったモノレールで終点まで上がると、そこは緑色の水がキラキラ輝くエモッソン湖。
 レストランでモンブランを仰ぎながら食べた、干した牛肉を薄く削ったグリゾン地方特産の「空気乾燥肉」は、スイス人の気質をよく表した簡潔で、それでいてしっかりとした存在感のある味だった。(京都新聞 夕刊)
■現場責任者ら起訴 JR山陽線踏切事故
 兵庫県相生市のJR山陽線で3月11日、信号機の故障検出器取り換え作業のため、遮断機が上がったままになっていた踏切内に軽ワゴン車が入り、貨物列車と衝突して3人が死亡した事故で、神戸地検姫路支部は10日、現場責任者だったJR西日本姫路信号通信区相生派出の電気技術主任熊田博文容疑者(49)と電気技術係員藤田清和容疑者(45)を業務上過失致死の罪で、神戸地裁姫路支部に起訴した。(朝日新聞 夕刊)
11日■JR京都駅地区区画整理 意見書検討委を設置 府都計審 反対1300人が陳述へ
 京都府都市計画地方審議会(会長・天野光三京都大名誉教授)が10日開かれ、JR京都駅ビル改築関連で、同駅地区土地区画整理事業に対して反対住民約1300人から出された意見書を継続審議扱いとした。審議会では「意見書検討委員会」を設置し、意見書提出者の大半が求めている口頭意見陳述を聞くことにし、今後、開催日程や聞き取り方法などを詰める。
 京都駅ビル改築で、府都計審は昨年11月、駅ビルの高さ規制を60bに緩和する「特定街区」指定など京都市都市計画案と、駅周辺8.9fの土地区画整理事業区域を承認した。
 これを受けて京都市では、今年7月、土地利用や都市計画道路などを盛り込んだ事業計画案を縦覧。これに対し1297人(うち区域内1人)から反対意見書が提出されていた。
 この日の府都計審では、事業計画決定の前提となる意見書の採択、不採択を決めるため、同書の取り扱いを協議した結果、学識経験者5人による検討委員会を設置することにした。
 意見書は、「事業は地元住民に犠牲を強いる」「事業計画は駅ビル高層化のためのものだ」「都市計画道路は交通渋滞を招く」などが中心。提出者のうち1295人が行政不服審査法に基づき、府都計審に対し口頭で反対意見を述べることを希望している。
 こうした意見陳述は、90年に二条駅周辺土地区画整理事業で、反対意見書の提出者2116人のうち52人が口頭で意見を述べたが、1000人を越す口頭陳述希望者が出たのは、府都計審では初めて。全国では73年に広島県の都計審で、同事業をめぐって1011人から2週間をかけて意見を聞いたケースがある。
 府都計審に意見陳述を希望する住民グループ「まちづくり市民会議」は、同審に対し全員の意見を聞けるように日程を調整、陳述日時は休日や平日の夜間にして、時間制限をしないように申し入れている。(京都新聞)
■JR東海労組役員2人を懲戒解雇に 民営化後、初の処分
 会社側職員に暴行を加えるなどしたとしてJR東海労働組合の役員らが大阪府警に逮捕され、その後起訴猶予処分となった問題で、JR東海は10日、同日付で、懲戒解雇2人を含む組合員計33人の処分を発表した。
 同労組によると、国鉄民営化後、労働争議に絡んで懲戒解雇処分が出たのは今回が初めてという。これに対し同労組は「起訴猶予処分が決まったにもかかわらず、処分したのは組合つぶしが目的だ」として、近く解雇無効確認の訴えなど法的措置を取る方針。
 懲戒解雇されたのは、同労組新幹線地本大阪第三車両所分会の福会長と書記長。このほか、31人が出勤停止や戒告などの処分を受けた。
 組合員は3月18日労使交渉のために大阪府摂津市のJR東海関西支社車両所に行った際、警戒に当たっていた会社側職員に暴行したとして、うち6人が大阪府警に逮捕された。8月26日、全員の起訴猶予処分が決定。これに対して会社側は「職場の秩序を乱す行為を見逃すことはできない」として、処分を決めた。(京都新聞)
■JR職員2人を起訴 相生の踏切死亡事故
 兵庫県相生市内のJR山陽線踏切で3月、ライトバンが貨物列車と衝突、母娘3人が死亡した事故で、神戸地検姫路支部は10日、業務上過失致死の罪でJR西日本姫路信号通信区相生派出所の熊田博文電気技術主任(49)と、藤田清和係員(45)の2人を起訴した。
 起訴状などによると、2人は工事責任者、作業員として、3月11日午前、相生市若狭野町入野の現場で、踏切故障検出器の取り換え工事を終了。検出器をテスト中、ほかの試験も同時に実施したことから遮断機や警報機が作動せず、踏切内に侵入したライトバンの相生市緑ヶ丘、美容院経営古幸美門さん=当時(43)=ら3人を死亡させた。
 起訴されたことについて、JR西日本は同日、「厳粛に受け止め、このような事故が再び起こらないよう万全を尽くす」とのおわびのコメントを発表した。(京都新聞)
■JR京都駅の改築高層化 来月にも着工 市が方針
 古都の景観論争を巻き起こしているJR京都駅の改築高層化について、京都市は10日、建築確認の前提となる都市計画道路新設などのめどが事実上ついたとして、着工の手続きを進める方針を固めた。この日の京都府都市計画地方審議会で同駅周辺の区画整理事業が審議されたのを受けたもので、JR西日本と開発主体の京都駅ビル開発会社は、近く建築確認を市に申請、早ければ10月にも着工の見通しとなった。
 現行の高さ規制(31b)の倍近い59.8bへの高層化をめざす京都駅の改築計画については、京都市が、特定街区制度による規制緩和を打ち出し、昨年12月に都市計画決定した。着工の最終関門となる建築確認のためには、新しい都市計画道路が必要で、駅北側の土地区画整理事業の事業計画決定手続きが残されていた。
 この日の京都府都計審では、京都駅周辺の区画整理事業が説明され、市民ら約1300人から提出された反対意見書を検討した。意見書の取り扱いについては、継続審議となったが、市は、府都計審に諮られたことで、道路新設などの手続きができる見通しになったと判断した。(朝日新聞)
■駅ビル問題京都府審議会 反対の1300人意見申し立て 代表者陳述を検討
 都市景観をめぐり、古都を二分する論議が続くJR京都駅ビルの改築高層化計画は、早ければ10月にも着工の見通しとなった。しかし、京都府都市計画地方審議会には、駅ビル改築の前提となる駅周辺の区画整理に反対する約1300人が、意見の陳述を申し出ている。余りの多人数に困惑した審議会は、代表者による意見陳述の検討も始めたが、市民グループは「全員の声を聞くべきだ」と譲らない構えだ。
 JR京都駅ビルの改築高層化については、市や地元経済界などが「都市活性化の起爆剤」と大きな期待を寄せている。
 これに対し、まちづくり運動などに取り組む市民グループなどは「歴史都市の玄関口の貴重な景観を壊し、周辺の交通混雑にも拍車をかける」などと反対。計画の見直しを訴えている。
 意見陳述を申し立てているのは1295人。10日開かれた審議会は、人数が多いことを理由に、検討委員会を設置して対応を話し合うことにした。
 1973年、広島県都市計画地方審議会が区画整理をめぐり、1000人以上から20日間かけて意見を聞いた例がある。京都府都市計画地方審議会事務局は「どういった方法で何日くらいかかるのか、いまは全くわからない」と話す。
 行政不服審査法は「申立人に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない」と規定しているが、代表者の陳述でもよい。「京都駅建て替え問題対策協議会」の伊藤督太郎代表(75)は「駅ビルは、古都の町づくりの100年の大計を決める重大な問題。代表陳述は認めない」と話している。(朝日新聞)
■労組役員2人懲戒解雇処分 JR東海
 JR東海は10日、JR東海労働組合のメンバーがダイヤ改正反対のスト中に管理職のネクタイをつかむなどしたとして、同労組新幹線地本大阪第三車両所分会の副分会長(36)と書記長(42)の2人を懲戒解雇、7人を3日から30日の出勤停止とするなど計33人を懲戒処分した。組合活動中の行為をめぐる解雇はJR発足後初めてで、同労組は反発している。(朝日新聞)
■1000年前の土葬墓 時空越え引っ越し 樹脂加工しソロリ 地下鉄工事で立ち退き 山科
 京都市山科区安朱で見つかった平安時代前期(9世紀後半)の土葬墓跡が、樹脂加工して切り取り保存されることになり、11日、その搬出作業が行われた。約1100年も経た平成の大がかりな引っ越し。墓の重さは約10dもあるだけに、関係者は「墓が壊れないように…」と気遣いながら、作業を見守った。
 現場は、JR山科駅から南へ約100b。地下鉄東西線の建設工事に先立ち、京都市埋蔵文化財研究所が5日から約700平方bを発掘し、調査地の北側で墓跡を見つけた。
 墓は、木棺(幅96a、長さ1.96b)の周囲を木炭で覆う珍しい二重構造。木炭部分を含めると、幅1.4b、長さ2.65bあり、竜の文様を持つ大型鏡の破片も出土した。
 皇族か上級貴族の墓と見られ、同様の墓跡の出土は全国でも6例だけ。このため、同研究所は文化庁らと保存策を協議していた。
 現場は将来、地下が地下鉄駅、地上は道路になる予定。遺跡は出土場所でそのまま保存し公開されるのが最優先されるが、同研究所は「地下鉄が通れば、現場保存は無理」として、切り取り保存することにした。
 この日の作業は午前9時に始まった。墓の部分を固めて覆う樹脂(ウレタン)は前日に注入されており、墓より大きめの幅2.7b、長さ3.5b、深さ80aが切り取られ、ワイヤを墓の下に通してクレーンで引き上げられた。墓はとりあえずトラックで奈良市内の文化財保存処理会社へ運ばれ、同研究所が来年3月までさらに詳しく調査する。その後、市民に公開されるが、展示場所などはまだ決まっていない。
 京都市内では地下鉄烏丸線の工事に伴い、出土した石仏などを移転させて公開したケースはあるが、同研究所は「墓を丸ごと移転保存するのは初めて」と話している。(京都新聞 夕刊)
■音を変えれば快適空間 作曲家・上原和夫さんが提言(より抜粋)
 家にいても外にでても音があふれている。法規制のある騒音とは別に、身の回りの音環境が注目されている。音を変えて快適な空間にデザインできないものか。サウンドスケープ(音風景)という考え方も取り入れ始められている。ここ数年、関西でも活発に論議されている音環境、音風景について、作曲家の上原和夫大阪芸大助教授の提言をもとに、「音の現場」を歩いた。(企画報道室・吉川昌宏)
・提言 音のバランス
 いい音をデザインして流す場合、全体の音との関係をみなければいけません。全体が騒々しいのに、新しい音が加わると、よけい悪くなります。
・大阪市営地下鉄・発車合図メロディー化 JR新幹線・車内放送の量を減らす
 関西の交通機関で音環境改善に力を入れいているのが大阪市営地下鉄。過剰な案内放送でうるさすぎたせいもあるが、90年の花博を機会に市全体で研究会をつくり順次改善策を取り入れている。今春から地下鉄堺節線の発車の合図の機械音をメロディーに変えた。各線の列車接近音のメロディー化につぐもの。設備更新を伴うため、つぎの改善は3年後になりそう。「迷惑をかけないようにしましょう」などといった車内放送も一部カットしている。
 いずれも、注意して聞かないとわからない改善で、上原助教授らは「あの程度ではまだまだ」という。研究会のメンバー、池田順一同市都市工学情報センター情報開発課長は「音環境とデザインの問題は始まったはかり。施設をつくる側の関心を高めているのが現状です。一般の人たちにも身の回りの音に対する関心が高まれは、改善は進みます」といっている。
 関西の私鉄、JR、他の地下鉄でもそれなりに工夫されているが、注目されるのは来年開業する関西空港へのアクセスとなるJR西日本と南海電鉄の特急列車。英語のアナウンスを入れるかなど、車内放送を検討中だが、これまでの音環境、デザインの研究成果が試されそう。
 一方、新しく音をデザインして加えるより、車内放送の量を減らすのに力を入れているのが新幹線。JR東海が新大阪−東京の乗客をアンケート調査したところ、約7割が乗車時間を睡眠や読書にあてていた。静かな車内が一番というわけで、ここ1年余の間でも洗面所など列車編成案内放送を簡略にしている。(朝日新聞 夕刊)
13日■客と口論「やっておれん」 運転手、バス置き去り 福岡
 12日午前7時半ごろ、福岡県大牟田市通町二丁目の県道交差点で、大牟田交通の路線バス運転手が客とのさ細な口論から腹を立ててバスを降り、乗客を放置したまま行方が分からなくなった。
 大牟田署によると、行方が分からなくなったのは同交通荒尾支社(熊本県荒尾市)の運転手(41)。同署で行方を捜していたところ、14時間後の午後9時20分ごろ、会社の上司と「出頭」してきたため、取りあえず道交法違反(駐車違反)の疑いで事情を聴いた。
 放置されたバスは、荒尾市から大牟田市三池中町に向かう途中だった。
 進行中、乗客の一人がせきをしたことに対し、運転手が「静かにしてくれ」と注意したのがきっかけとなり口論になった。交差点で停車したところで、突然「こんなことならやっておれん」と言い残してバスを降りていったという。乗客の中には、現場からタクシーに乗り換えた人もいた。(京都新聞)
■北陸新幹線 糸魚川−魚津間48` 来月中旬に着工
 運輸省は13日午前、北陸新幹線糸魚川−魚津間の暫定整備計画を決定し、日本鉄道建設公団に建設指示書を交付した。鉄建公団は同区間の詳しい路線などを盛り込んだ工事実施計画の認可を得て、来月中旬、現地で着工式を行う。
 これで、88年8月に決定された東北新幹線盛岡−青森間など3線5区間はすべて着工されることになった。
 暫定整備計画によると、同区間は北陸線糸魚川駅付近(新潟)と魚津駅付近(富山)を結ぶ約48`の新線。路盤などは東海道新幹線などと同じ規格で建設し、完成後は在来線の特急(最高速度200`)が走るスーパー特急形式の新幹線。途中の黒部市(富山)内に新黒部駅(仮称)を新設するほか、新親不知トンネル(7330b)など7ヵ所でトンネルが掘られる。
 全体の事業費は約1880億円で、本年度予算に30億円の事業費が計上された。完成は着工からおおむね10年程度とみられている。
 新線が完成すると、並行して走る在来線の経営はJR西日本から分離し、新潟、富山両県などの出資による第三セクター鉄道に移される。(京都新聞 夕刊)
14日■公団と住民側和解 東西線工事騒音問題 解決金など支払い
 京都市の地下鉄東西線東山トンネル工事をめぐり、山科区九条山地区の住民34人が「工事の騒音や振動で夜も眠れない」などとして、市などでつくる京都高速鉄道会社(社長・田辺朋之京都市長)と工事を担当する日本鉄道建設公団を相手に、トンネル工事差し止めを求めた仮処分申請は13日、公団が住民に解決金を支払うことなどを条件に京都地裁(島田清次郎裁判長)で和解が成立した。
 和解内容は、▽公団は住宅地直下の200b間では振動や騒音が小さい掘削機を使い、解決金280万円を支払う▽住民はトンネル工事施行について異議を述べない−などとなっている。
 また、高速鉄道会社は住民に対し、「列車の運行にあたって騒音、振動帽子に務め、発生した場合は適切な措置を取る」などの回答書を示した。
 申し立てによると、昨年8月ごろ、住民に説明がないままトンネル工事が始まり、騒音や振動で住民の環境権、人格権が侵されるとして工事差し止めを求めていた。東山トンネル(1.5`)は約6割が完成。住宅地直下の区間の工事は約5分の1が残っている。
 東西線に関しては、この仮処分のほか、京阪電鉄京津九条山駅の廃止計画に伴い、周辺住民が「駅がなくなる、生活環境が悪くなる」として、京都高速鉄道会社を開いてに御陵−蹴上駅間の工事差し止めを求める訴えを起こしている。(京都新聞)
■新幹線レールのボルト 80b先民家直撃 静岡
 静岡県掛川市の東海道新幹線掛川駅構内で、レールを枕木(まくらぎ)に固定する金属製のボルトが飛び、約80b離れた沿線の民家の壁を直撃、穴を開けていたことが13日わかった。JR東海で原因を調べているが、高速で通過する「のぞみ」の風圧などではね飛ばされた可能性が高いと見られている。
 事故があったのは8月31日午後。「ドーン」という音に家人が驚いて家の周りを調べたところ、新幹線に面した外壁に穴があいており、2日後、修理をしている際に近くでボルトが見つかった。ボルトは長さ4.5a、直径2a。JR東海が調べたところ、掛川駅構内の新幹線本線の下り線で、レールを枕木に固定するボルトが1本欠けていることがわかり、切断面も一致した。
 場所は駅のほぼ中央で、駅に停車しない「のぞみ」や「ひかり」が高速で通過する。JR東海によると、ボルトがきちんと固定してあれば車輪と接触する可能性はなく、なぜ切断されたり、はね飛はされたりしたのかわからないという。(朝日新聞)
■地下鉄前方「何だ」「子供だ」 レール内歩く小5 2人保護 千日前線の谷九駅近く
 13日午後四時半ごろ、大阪市天王寺区の市営地下鉄千日前線谷町九丁目駅近くの下り線の軌道敷内を2人の子供が歩いているのを上り電車の運転手が見つけ、運転指令所に連絡した。市交通局は、電車を止めるとともに、同駅の職員と西隣の日本橋駅職員を救出に向かわせ、20分後に、谷町九丁目駅ホーム近くで、2人を保護した。
 同交通局によると、2人は同市内の小学校5年の男子児童。塾に行く途中、時間があったため、遊び気分で駅のホーム端から下りたらしい。この影響で、12本の電車が5分−1分遅れ、約500人が影響を受けた。2人にはけがはなかった。
 同交通局は「電車を停車させるまでの間に、下り線の走行車両がなかったのでよかった」といっている。(朝日新聞)
■市バス横着 待機ゾーンで降車 車道の真ん中 次々と車 乗客ヒヤヒヤ横断 「危険」の看板横目に 交通局「実態気付かず」
 京都市西京区の阪急桂駅西口バス停留所に到着する市バスが、停留所から離れた車道の真ん中に停車、降ろされた乗客はバスの行き交う中を歩かされる状態が続いている。記者が現場で観察したところ、バスは「危険 横断禁止」と注意を呼びかける大看板のすぐ近くで乗客を降ろしていた。看板に名前のある市交通局や桂署は、現状をつかんでいないとして運転手への指導などしてこなかったという。(社会部 三田 真史)
 このバス停留所は、桂駅西口と陸橋で結ばれ、乗降場所は車道にはさまれている。洛西ニュータウンとの間を往復する路線バスを中心に1日計258本の発着がある。
 記者が観察したところ、到着したバスの10台に3、4台の割合で、停留所と離れた緑地帯近くのバス専用車道で停車、乗客を降ろしていた。朝夕のラッシュ時では、さらに多くのバスが車道内で止まった。
 降ろされた乗客の多くが、車道の中を歩いて駅西口のエスカレーターまで歩いており、時にはバスや車の前後をすり抜ける場面が見られた。
 市交通局洛西営業所の説明では、停留所には3ヵ所の乗り場がある。いずれにも先着のバスが止まっている場合、後続バスは南端の「のりば3」後方に停車し乗客を降ろす。このあとバスは緑地帯横に移動し、出発時刻まで待機することになっている、という。
 しかし、記者が見たところ、停留所に先着バスがいない時でも、バスが車道の緑地帯横に停車、乗客を降ろし、そのまま待機する光景も見られた。緑地帯には、市交通局と桂署の名前で「危険 横断禁止」「歩道、陸橋を通行してください」の看板が立っているが、その近くにバスが止まっていた。
 孫の手を引いた西京区の女性(69)は「車道の真ん中で降ろされると、乗降場まで急いで渡らないといけない。あぶなくてひやひやします。客の乗り降りに、もう少し配慮してほしい」と訴えていた。
 市交通局洛西営業所の加名田義一所長は「そうした実態は知らなかった。もしその通りなら運転手に注意する」と話している。
 また桂署交通課は「現状を把握していなかった。バスの発着状況などを詳しく調査し、指摘されるような状態なら、早急に降車場所を改善するよう市交通局に申し入れたい」として、さっそく13日夕から現場でバス誘導など指導を始めた。(京都新聞 夕刊)
■線路のボルト折れ民家直撃 掛川、レール固定用
 静岡県掛川市の東海道新幹線掛川駅近くの民家の壁を、線路を固定するボルトの一部が直撃していたことが、JR東海の13日までの調べで分かった。
 同車によると、掛川駅近くの民家で8月31日午後「ドーン」という音がして、新幹線沿いの壁に穴が開いた。家人が調べたところ、9月2日になってボルトが見つかったため同駅に届けたという。(京都新聞 夕刊)
■雨強く徐行運転 特急などに遅れ JR紀勢線
 秋雨前線が活発化した14日、和歌山県中部を中心に強い雨が降り、同日午前6時15分、同県日高郡川辺町のJR紀勢線和佐駅の雨量計が1時間に51_を記録。このため、同線は稲原−道成寺間で最高速度15`などの徐行運転をした。この影響で午前11時までに新宮発新大阪行き「スーパーくろしお2号」など特急4本、普通11本が最高48分から14分遅れ、約3300人の足が乱れた。(朝日新聞 夕刊)
15日■JR京都駅仮駅舎 来月1日オープン 23日からイベントも
 JR西日本は、改築されるJR京都駅の仮駅舎を10月1日、現駅舎北側にオープンする。また、近く建築確認申請を行う予定の新駅舎建設に向け、現駅舎を半年がかりで解体する。
 仮駅舎は塩小路通に面したバスターミナルと、現京都駅烏丸コンコースの間で、プレハブ2階建て延べ約6400平方b。東西は約180b。今年1月から約25億円をかけて建設していた。
 1階にみどりの窓口、旅行センター、手荷物一時預かり所、JRバス、近鉄切符売り場、2階に京都駅観光デパート、飲食サービス施設が入居し、現在の駅舎機能を全面的に移設。来秋開港する関西新空港のシティエアータ「ミナル(CAT)も開港までに整える。
 仮駅舎での営業中に、現駅舎を東西両側から順次解体する。改札、通路については当面、現駅舎を活用、解体工事の進ちょく状況に合わせ仮設する。
 仮駅舎開業に向けて、今月23日から30日まで、現駅中央コンコース特設ステージでイベント「ありがとう、よろしく、京都駅」を開催。これまでの京都駅の歴史や新駅の紹介、コンサート、海外からの大道芸を楽しんでもらう。また10月1日は、午前10時半からオープニングセレモニーを行う。
・テナント料高い 飲食店が市に要望書
 JR京都駅の改築で、同駅内の京都駅観光デパートのテナント各店も10月1日から仮駅舎内の仮店舗に移るが、同デパート内で飲食店2店を営業している「与太呂新社」(本社・京都市下京区、海野敬子社長)は14日、JR西日本が96%の株式を所有している同デパートの仮店舗への移転について「採算の合わない多額のテナント料を要求している」などとして、京都市にJR、同デパート両社を指導するよう求める意見陳述書を提出した。
 与太呂新社の説明によると、同デパートは仮店舗のテナント料問題に加え、新駅ビルにテナントとして同社を入れる確約をしていないため、同社は仮店舗入りを拒否しており、10月以降も現在の場所で営業を続けるとしている。これに対しデパート側は、同社に今月末を期限とする明け渡し催告書を手渡して「10月1日以降は電気、ガスを止める」と通告しているといい、同社では近く現在の場所で営業が続けられるよう求める仮処分を京都地裁に申請したい、としている。(京都新聞)
■満20歳シルバーシート普及率 関西私鉄、JRより優 車いすスペースも先行
 お年寄りらの優先座席「シルバーシート」が旧国鉄に導入されてから、15日でちょうど20年。京阪神の通勤通学電車での普及状況を調べてみると、導入の遅かった私鉄や地下鉄の方がJR西日本を圧倒的に上回っていることがわかった。車いすの人が利用できる「車いすスペース」はJR西日本の通勤電車には1両もなく、私鉄の方が弱者にやさしい実態が浮かび上がった。
 シルバーシートは1973年9月15日、当時の国電中央線(東京)に導入されたのが第1号。現在、東海道・山陽線、大阪環状線、阪和線など「アーバンネットワーク」と呼ぶJR西日本の京阪神の通勤通学電車は先頭車両と最後部に6−8席あるのが一般的だ。設置率は39.4%で、国鉄時代からほとんど変わっていないという。
 大手私鉄5社や大阪市営地下鉄は、南海の78年を除いて、導入はすべて75年から。南海を除く私鉄4社の設置率は100%。地下鉄は67.3%で、JRとは逆に中間車すべてに設けている。
 各社とも車内放送で「お年寄りや体の不自由な人が優先」と呼び掛けているが、「ふさわしくない人が座っていることもしばしば」という。おまけに「シルバーシートがあるから普通席は譲らなくてもいい、との考えが広がった」と廃止を求める苦情もある。
 車いすスペースは阪急が最も早く、89年。阪神は今年2月、京阪は同7月から導入を始めた。JRは一部の特急だけで、快速や普通電車にはまったくない。
 設置率の最高は21.3%の大阪市営地下鉄。昨年3月から新型や改造車両のすべてに設置した。南海も20.5%と高く、特急の場合、3本のうち2本はついているという。
 車いすのスペースについて、運輸省は90年、「1編成で最低2両」というガイドラインを示している。(朝日新聞)
京阪神の通勤通学電車シルバーシート設置状況(13日現在)
 保 有
車両数
シルバーシー
ト付き車両数
設置率
(%)
車いすスペー
ス付き車両数
設置率
(%)
JR西日本2330919(6−8)39.400
阪  急13131313(4)10016012.2
近  鉄14961496(6−8)100865.7
南  海536520(4)97.011020.5
阪  神314314(8)10041.2
京  阪621621(4)100142.3
大阪市営地下鉄1082728(6−8)67.323021.3
〈注〉▽JRはアーバンネットワークが対象で、特急、急行を除く▽近鉄は
特急、団体専用車両を除く▽南海は南海本線、高野線が対象▽京阪は
京阪本線が対象▽シルバーシート付き車両数の( )は、1 両当たりの
シルバーシート数
■楽しみは3年後の新装 1日から仮駅舎に 趣向こらした記念行事企画
 JR京都駅の新駅ビルが、来月にも着工されるのに伴い、仮駅舎が10月1日からオープンすることになった。新駅舎が完成するまでの約3年間使われる予定。
 仮駅舎は、現在の駅舎の北側に建設され、1月13日着工、9月1日に完成した。プレハブ2階建て延べ約6400平方bで、広さは現在の3分の1程度。
 1階正面に旅館ホテル案内所と券売機が置かれ、東側にみどりの窓口。バスターミナル南側に、JRバス待合室や近鉄の切符売り場とTis が置かれる。2階には、京都駅前観光デパートなどが出店する。
 仮駅舎開業に伴い、同駅烏丸中央コンコース特設ステージで、23日から9月いっぱい「ありがとう、よろしく、京都駅」と題したイベントを催す。
 新京都駅をコンピューターグラフィックスで紹介するビデオや、学生グループのコンサート、外国人の大道芸のほか、市民参加の鉄道クイズ大会もある。
 1日のオープン当日は、午前10時半から記念式典がある。(朝日新聞)
■移設問題で京都市長にJRなどへの指導要請 京都駅観光デパートの飲食店
 JR京都駅の改築高層化に伴い、今月いっぱいで仮駅舎への移転を迫られている同駅観光デパートのテナント飲食店「与太呂新社」(梅野敬子社長)は14日、「移設費などが多額で、新駅ビルへの再入店の保証もない」として、田辺朋之・京都市長に対し、同デパートと、その筆頭株主であるJR西日本を指導するよう意見書を提出した。
 意見書などによると、同社はデパート内に2店舗を出店しているが、仮駅舎への入店の条件は1店舗に限られており、売り上げが大幅に減ると主張。移設や内装費としてデパート側から約1500万円を要求されている、としている。
 同社の村田勉・総括支配人は「新駅から地元業者を追い出そうとしているとしか考えられない。会社にとっては死活問題であり、費用負担なしで仮駅舎と新駅への入店を保証すべきだ。要求が受け入れられない限り、今の店を明け渡す考えはない」と話している。同社は署名運動に取り組み、下旬には京都地裁に現状維持を求める仮処分を申請する予定という。(朝日新聞)
■JR京都駅仮駅舎 来月1日オープン
 JR西日本は14日、京都駅ビルの改築高層化計画に伴い現在の駅ビルの北側に建設していた仮駅舎を、10月1日からオープンすると発表した。プレイベントとして、9月23日から8日間、コンサートやパネル展などを開く。
 仮駅舎はプレハブ2階建て、延べ6400平方b。
 現在の駅ビルにある京都駅観光デパートから仮駅舎へ移転を予定しているテナントは観光みやげ店など約40店舗。費用負担などの条件が折り合わず移設を拒否している店舗もあり、仮駅舎のオープンまでには曲折がありそうだ。(朝日新聞)
16日■京阪にはねられ死亡 伏見・女性自殺か
 15日午後8 時すぎ、京都市伏見区墨染町の京阪電鉄本線で、女性が淀屋橋発出町柳行き特急電車にはねられ、全身打撲で即死した。特急電車は現場に7分間停車したが、後続などに影響はなかった。
 伏見署の調べでは、女性は身長150−160aで濃紺のカーディガン、グレーのズボン姿。線路わきから軌道内に入り込んではねられたらしく、同署は自殺と見て身元確認を急いでいる。(京都新聞)
■新幹線 座席に針 東海道・山陽 先月から11件
 東海道・山陽新幹線の座席に縫い針や虫ピンが刺されている事件11件が相次ぎ、JR東海とJR西日本が警察に通報、捜査を依頼していることが16日までに分かった。
 JR東海によると、8月24日、東京の車両基地で運転終了後の「ひかり」の座席から縫い針が見つかったのが最初。その後も9月11日までに東京と博多の車両基地などで営業終了後の「ひかり」「こだま」「のぞみ」で計11件、11本が発見されている。
 針は針先を座席の方向に向け単純に差し込まれており、利用客にけがはなかったが、乗客からは「チクリとした」と苦情も1件あった。
 針が差し込まれたのは、常に決まった座席ではなく、車両も3号車から15号車までとまちまちで、自由席、指定席と幅広い。また9月に入ってからはほぼ毎日連続して被害が起きている週もあり、関係者は「犯人は仕事などで頻繁に新幹線を利用する人物では」と話している。
 JR東海とJR西日本は事件を重く見て今月6日に現場係員全員に警戒を呼び掛け、同14日にはJR東海が警視庁に、JR西日本が福岡県警にそれぞれ通報、捜査を依頼した。
 新幹線は6月と8月に岐阜県と滋賀県で線路にチェーンが巻き付けられる事件が発生しており、JRでは関連性についても検討している。(京都新聞 夕刊)
■朝の足9万8000人影響 阪急京都線 急行に非常ブレーキ
 16日午前8時27分ごろ、阪急京都線上新庄−淡路間(大阪市東淀川区)を走行中の河原町発梅田行急行電車に突然非常ブレーキがかかり、動けなくなった。約20分後に後続の不通電車と併結、淡路駅に着いたところで両電車とも運転を打ち切り、乗客3700人は後続に乗り換えた。
 このため上下線の特急と急行、不通合わせて14本が運休したほか、約150本が40分−3分遅れ、JRなどに振り替え輸送したが、約9万8000人に影響が出た。
 会社側で原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■チボリ公園 阪急電鉄に参画打診 岡山県、資金力など期待
 岡山県が倉敷市に誘致を進めている「チボリ公園計画」の経営に、阪急電鉄(本社・大阪市)が中核企業として参画することを条件に、県と同社が協議を進めていることが、16日の県議会特別委員会で明らかになった。阪急電鉄が神戸ポートピアランドなどテーマパークのノウハウを持ち、資金提供力も十分にあることから、県が働きかけた。同社は「条件がそろえは参画してもいい」と話している。県は基本計画に、同社の意向を最大限取り入れる方針だ。
 岡山県の河野栄企画部長が同委員会で「阪急電鉄に中核企業として経営参画の検討を依頼している」と表明した。計画によると、JR倉敷駅北のクラボウ倉敷工場跡地(倉敷市寿町、約12f)に、デンマーク・コペンハーゲンのチボリ公園を誘致する。花と緑があふれる環境のなかで、音楽や演劇が楽しめる文化性の高いテーマパークをつくる。年間300万人の入場者を見込んでいる。総事業費は約440億円。事業主体となる第三セクター「チボリ・ジャパン」(新下茂社長)がすでに設立され、資本金150億円のうち70億円は、民間企業から出資を求めている。
 阪急電鉄が神戸ポートピアランドや呉ポートピアランドなどに出資し、テーマパークのノウハウを持っている▽経営の中核にふさわしい財政力をもっている−ことなどから、県は今年2月から同社と協議を始めた。県は、同社に中核企業に見合った出資額と、チボリ・ジャパン社への社員出向などを要望している。
 チポリ公園計画は、岡山市が市制百周年記念事業として1987年10月、市内の旧国鉄操車場跡地への公園誘致を発表した。しかし、県や市などでつくる第三セクターの誘致企画会社と、東京のコンサルタント会社の間の不明朗な業務委託契約が発覚、岡山市が計画から撤退。このため、県は倉敷市への誘致を進め、今年3月、クラボウ(本社・大阪市)と公園予定地の土地賃貸契約を結んだ。(朝日新聞 夕刊)
■新幹線座席に針 8月下旬から11件
 東海道・山陽新幹線の座席に縫い針や虫ピンを刺す嫌がらせが8月下旬から11件発生していることが、16日わかった。いずれも乗客にけが人は出ていない。新幹線では岐阜県や滋賀県で線路にチェーンが置かれる事件があったばかりで、JR東海と西日本は警視庁、福岡県警に被害届を出し、警戒にあたっている。
 JR2社によると、最初に見つかったのは8月24日午前11時40分ごろ。東京・品川の東京第一車両所で、清浄員が名古屋発東京行き「こだま464号」の車内を清掃中、3号車8番C席の背もたれのシーツ部分に約5aの縫い針が1本刺さっているのに気ついた。
 これ以降も8月30日、9月1、3、5、6、9、10、11、15、16日に同車両所や福岡県那珂川町の博多総合車両所などでも「ひかり」や「のぞみ」などから3−1aの縫い針や虫ピンがそれそれ1本ずつ見つかった。針はシート側に突き刺さったり、座席に置かれたりしていた。
 JR2社によると、警察には通報したが、愉快犯の恐れもあるとして、乗客に対して注意を呼び掛ける車内放送などは一切していない。脅迫状などは届いていない。(朝日新聞 夕刊)
17日■縫い針13本に 東海道・山陽新幹線
 東海道・山陽新幹線の座席から縫い針などが相次いで見つかっているが、JR西日本は16日、ひかりの車内から新たに縫い針1本が見つかったことを明らかにした。また、これとは別に同日、福岡県内の主婦(33)から「12日に乗った新幹線の座席で針1本を見つけて捨てた」と同社に電話があった。
 一連の事件で見つかった針は、主婦の電話の分も含めて計13件、13本になった。
 JR西日本によると、15日昼すぎ、岡山新幹線運転所でひかりの車内を清掃中、12号車の出入り口近くの床の上に縫い針1本(長さ40_)が落ちていた。この両は同日朝、東京発岡山行きのひかり103号として運転されていた。この日は静岡県内を走行中のひかり125号でも座席から虫ピンが見つかっている。また、主婦は12日、博多南線(博多−博多南)を利用した際、5号車の座席で針1本を見つけ、ごみ箱に捨てたという。(京都新聞)
■のぞみ パンタグラフ取り付けミス 脱落寸前で1500`走行
 東海道・山陽新幹線で8月6日、「のぞみ」のパンタグラフの一部が固定されないまま約1500`走行、営業運転終了後の回送中に部品が脱落、停電する事故があったことが17日分かった。原因はパンタグラフ部品の取り付けに当たった作業員のミスで、運輸省はJR西日本に厳重注意した。
 JR西日本によると、同列車は6日未明、JR西日本の新幹線広島車両所でぱんた最上部の架線と接する部品、舟体(ふなたい)を交換、この際舟体をパンタ本体に固定する直径8_、長さ5aのピン2本のうち1本の取り付けを誤り、ピン1本だけで留めた状態で作業を終えていた。(京都新聞 夕刊)
■線路に落ち女性死亡 JR瀬田駅
 17日午前10時半ごろ、大津市大萱一丁目、JR東海道線瀬田駅の上りホームから女性が線路に転落、列車にひかれ、全身を強く打ち間もなく死亡した。
 大津署の調べでは、女性は45−50歳。白のカーディガンに水玉のシャツ、黒と赤黄のズボンをはいており、身元の確認を急いでいる。
 この事故の影響で、列車が同駅に約12分間停車したが、後続列車に乱れはなかった。(京都新聞 夕刊)
■窓 BGM論争に多数決は無謀 山科区・河合 健 会社社長・64
 市バスBGM問題には、論争テーマが2つある。その第一は、「BGMは好きか、嫌いか」という問題。これは、しょせん「好み」の問題に過ぎず、いくら議論しても結論はない。ところが、BGM賛成論者は「軽い音楽を聴くぐらいの心の余裕が欲しい」などと毒づいて「主観の押しつけ」をなさっている。
 論争すべきテーマの第二は「少数の苦痛者は無視してよいか、どうか」という問題。単なるBGM論争にとどまらず「たばこ公害」「生活騒音」「身障者歩行レーン」等々、広く市民生活のありかたにかかわる一般問題として踏み込んで考える必要がある。そこでは多数決でなしに、少数者たる弱者、被害者こそが有線されるべきもの。市バスBGMも、困る人がたった1人でもいるかぎり、やってはいけない。
 市交通局の、前回BGMアンケートが、もし単に「BGMは好きか、嫌いか」との設問でなされたのであれば、上記理由のとおり、それはナンセンスで不毛。正しい設問の仕方なら「BGM反対論は少数意見だから無視してよいという説がありますが、あなたは、こういう物の考え方を正しいと思いますか、どうですか」とすべきだろう。(京都新聞)
■JR株申し込み7.5倍に
 国鉄精算事業団は16日、JR東日本株式の一般売り出しへの申し込み状況を発表した。総件数は1418万6160件で、売り出し株式の約7.5倍と、NTT株売り出し時の約6.4倍を上回った。事業団は抽選で1人1株ずつ割り当てることにしており、結果は10月5日に発表する。個人が1046万1692件、法人が1万9286件、海外からも5181件あった。ほかに社員持ち株会が1件。(朝日新聞)
■記者席 列島から 高層化へ「見切り発車」
 現行の高さ規制の倍近い約60bのノッポビル建設計画で、景観論争を巻き起こしたJR京都駅ビルが、10月にも着工される見通しになった。駅ビル改築とセットの駅前の区画整理事業計画がこの10日、最終段階の京都府都市計画地方審議会(府都計審)に諮られた。京都市がここで「計画にめどがついた」と判断したためだ。
 京都市は高さ規制を緩和する切り札として、「特定街区」制度の適用を打ち出していた。区画整理事業は、この制度の条件となる道路新設などを目的に計画された。これに対して約1300人が反対意見の陳述を申し立てており、府都計審側は、継続審議を決めた。しかし、審議が始まったことで、市は9月中にも駅ビルの建築確認申請を受け入れる意向だ。
 平安建都1200年にあたる来年秋に予定されていた新京都駅の完成は、手続きの遅れなどから2年以上ずれ込む見込みだ。「これ以上待てない」というのが、市の本音だろう。
 しかし、区画整理事業はまだ正式に認められたわけではなく、建前上は変更の可能性も残されている。「行政の追認機関になり果てている」との批判もある都計審は、今回どのような結論を出すのだろうか。市が自ら定めた高さ規制を無視する形でコンペ(設計協議)を行い、「ごり押し」と言われてスタートした駅ビル改築計画。「さらに見切り発車」という不名誉な評価が、「世界の文化都市」に下されそうな気配だ。 京都支局・扇谷 純(朝日新聞)
18日■シュプール号週末に増強 予約は来月から
 JR西日本は17日、この冬のスキー列車「シュプール号」(急行)の運転計画を発表した。今シーズンは運転期間を3日間延ばし12月22日から4月3日までの103日間とし、延べ1150本を運転。10月1日から主な駅とTis(旅行センター)などで予約を受け付ける。
 寝台車を増やしたほか、人気の高い週末の増強を図った。神戸、姫路、岡山と南小谷、白馬の間に「シュプール白馬・栂池」、黒姫や直江津との間には「シュプール妙高・志賀」を、毎日または週末から日曜にかけて運転するほか、大阪から立山(富山地方鉄道乗り入れ)までの「シュプール立山」(下りのみ)を新設、毎週金曜日に走らせる。(京都新聞)
■新幹線車内でまた4本の針 東京−大阪間2編成
 東海道・山陽新幹線の座席などに縫い針などが刺される事件が相次いでいるが、17日午後、新たに「こだま」で畳用止め針3本と待ち針1本が発見された。これで新幹線車内で見つかった針は計17本となった。
 JR東海とJR西日本によると、止め針が見つかったのは同日午前8時35分東京発新大阪行きのこだま413号5号車(自由席)で、午前零時40分すぎ新大阪駅到着後、清掃作業員が床に粘着テープで巻いた畳止め針(長さ約3a)3本が落ちているのを発見した。
 また午後6時ごろ、東京駅に到着した新大阪発東京行きこだま430号の11号車(指定席)の座席に、長さ約3aの待ち針1本が刺さっているのが見つかった。(京都新聞)
■空より「のぞみ」 競合航空便、軒並み前年割れ
 「のぞみ」が山陽新幹線にも走り始めて18日で半年。車体の亀裂や部品の脱落などトラブルが相次いだものの、競合する航空便の乗客を奪って利用客を増やしており、JRは「空に勝った」と勝利宣言。航空会社は割引運賃の拡充など対策に追われている。
 JR西日本と東海によると、3月18日から東京−博多間を1時間に1本の割合で走っている「のぞみ」の1列車当たりの平均乗車率(グリーン車を除く)は、8月末までで約55.5%。JR東海は「全席座席指定の列車で平均が50%を凝えれば満足な成績」と評価する。
 新幹線全体の乗客数は前年同期に比べ約1.8%減少しているが、JR西日本は「のぞみが走ったから、この程度の落ち込みで抑えられた」とみており、井手正敬社長も「空の客を徐々に奪っている」と話している。
 日本航空、全日空、日本エアシステムの大手3社のデータによると、大阪と東京、福岡を結ぶ路線や広島、岡山−東京線、福岡−名古屋線など、のぞみと競合する7路線は4−8月で、全線が前年割れとなった。3社とも「不況でビジネス客が減ったのが痛い」としながらも、「のぞみにもやられた」と分析している。(朝日新聞)
■また新幹線で4本の針発見
 JR東海道・山陽新幹線の車内で縫い針などが見つかる事件は17日にも、まち針など合わせて4本の針が見つかった。これで、座席に針を刺すなどの「いたずら」は計15件、17本になった。(朝日新聞)
■20日はバスの日 保護者同伴小学生は無料です
 府バス協会は「バスの日」の20日、保護者同伴の小学生の運賃を無料にする。
 無料となるのは、同協会加盟の奈良交通を除く8社と京都市バス。各社のバスの車内や案内所、営業所などに備え付けのPRチラシから「バスの日乗車券」を切り取り、降車時に運賃箱に入れる。定期観光バスや長距離バスなどは除く。
 また当日は京都駅前や北大路、三条京阪などの主要ターミナルで、1000円のバス回数券が当たる抽選付きばん創こう2万5000個を配付する。
 「バスの日」は明治36年(1903年)9月20日に、京都市の堀川中立売と京都駅、祇園石段下間で国内初の乗り合いバスが運行したことを記念して、5年前に日本バス協会が制定した。(朝日新聞)
■京都の中古市バス45台 西安にプレゼントへ 今秋にも
 京都市は17日、友好都市の中国・西安市に、中古の市バス約45台をプレゼントする意向を明らかにした。両市の間で合意文書を結び、今秋にも古都の市バスが海を渡る。
 この日の市議会で、俵田満交通局長が「西安市から要望があり、近く合意する」と明らかにした。
 市交通局によると、購入から11年を超えて廃車処分にする車両が対象で、年内に引退する約90台のうちの半数を、整備して引き取ってもらう。京都市が昨年12月に西安市に打診。同市幹部が今年6月、京都入りして対象車両を見学して、要望した。
 不況で、中古バスを買い取る鉄クズ業者がいなくなり、昨年からスクラップのために1台あたり約8万円の経費がかかることになった京都市も「国際親善と省資源に役立つばかりか、うちも助かる」と大喜びだ。(朝日新聞)
■列車内の針騒ぎ こだま・雷鳥・上越新幹線も
 JR東海道・山陽新幹線の車内で縫い針などが見つかる事件が続発しているが、新たに18日、東海道新幹線「こだま」と、北陸線特急「雷鳥」、上越新幹線の車内からまち針などが見つかった。
 18日午前9時50分ごろ、京都市下京区のJR東海道線を走行中の富山発大阪行き特急「雷鳥16号」(9両編成)3号車の座席に長さ3aのまち針1本が刺さっているのを、乗客が見つけて車掌に知らせた。
 また、同10時ごろ、岐阜羽島−米原官をはしっていた東海道新幹線の東京発新大阪行き「こだま403号」4号車の座席でも、長さ約3aのまち針があるのを、乗客が発見し、同乗していた大阪府鉄道警察隊に通報した。
 一方、18日午前3時半ごろ、東京都北区の上野新幹線第一運転所で、入庫した上越新幹線「あさひ」の座席から安全ピンの針が突き出ているのを、清掃中の職員が見つけた。(朝日新聞 夕刊)
■新たに針5本 上越新幹線・北陸線でも
 東海道・山陽新幹線車内で縫い針などが見つかる事件が相次いでいるが、18日午前、上越新幹線、北陸線特急列車、東海道新幹線などの車両で計5本が発見され、JR線車内で見つかった針は計22本となり、範囲も東日本地域に、対象も在来線まで広がった。
 JR東日本によると、上越新幹線では上野新幹線第一運転所に着いた回送列車で、18日午前3時半ごろ、清掃作業員が座席に長さ約4aの安全ピンが針先を上に向けシートの下側から刺し込まれているのを見つけた。
 JR西日本管内では、午前9時半すぎ北陸線の富山発新大阪行き雷鳥16号車内で乗客から「トイレに立った間に座席にまち針が置かれた」と通報があった。またJR東海の東海道新幹線でも午前10時ごろ東京発新大阪行きこだま403号で、座席に長さ約3aのまち針があるのを乗客が見つけている。
 各JRではそれぞれ警察に通報するとともに、乗務員に不審客の発見などを指導している。警視庁は鉄道警察隊が。最近頻発しているスリの対策と併せて東海道新幹線の車内警備人員を通常より2組(4−6人)増強し、警戒を強めるほか、上越新幹線でも対策強化を検討している。(京都新聞 夕刊)
■山陽新幹線に飛び込み自殺? 広島・女性の遺体発見
 18日午前9時50分ごろ、広島県賀茂郡黒瀬町のJR山陽新幹線広島−東広島間で、博多発東京行きひかり34号(16両)が走行中、運転士が床下で異音がしたのに気付き非常ブレーキで停車した。点検したところ、先頭部にへこみ傷があったが運転に支障がないため約20分遅れで運転再開し、岡山駅で全車両交換した。乗客800人にけがはなかった。同線は現場付近で上下線とも一時70`の徐行運転をした。
 また、異常音発生後間もなく現場付近を徐行運転中の新幹線の運転士が上り線路わきに女性とみられる死体があるのを見つけた。広島県警西条署は飛び込み自殺とみて女性の身元などを調べている。(京都新聞 夕刊)
19日■電車にはねられ自転車の小5死亡 奈良、JR関西線
x18日午後3時ごろ、奈良県北葛城郡王寺町藤井のJR関西線の藤井踏切で、同町藤井、鉄工所経営稲葉三千夫(44)の長男で町立王寺小学校5年生道一君(10)が奈良発湊町行きの快速電車にはねられ、即死した。
 西和署などの調べでは、道一君は自転車で友達の家へ行く途中で、列車が接近しているのに横切ろうとしたらしい。現場の踏切は警報機だけで、遮断機はない。
 この事故で列車は現場に約15分停車、後続の列車に最高10分の遅れが出た。(京都新聞)
■JR山陽線でも針は計24本に
 18日午前10時ごろ、兵庫県揖保郡揖太子町のJR西日本網干電車区で、JR山陽線の新快速電車(12両編成)の先頭車両窓側シートの座席部分にまち針(長さ35_)1本が刺さっているのを、車内清掃中の作業員が発見した。
 この電車は午前6時分ごろ米原を発車、午前9時ごろ姫路駅に到着した後、電車区に入った。
 なお、これで18日午前中に発見された針は、上越新幹線、北陸線特急列車などの車両で計7本となり、これまでJR線内で見つかった針は計24本となった。(京都新聞)
■京阪にはねられ死亡した女性の身元判明
 15日午後8時すぎ、京都市伏見区深草墨染町の京阪電鉄本線で特急電車にはねられ死亡した女性は、18日までの伏見署の調べで、左京区の飲食店経営者(66)と分かった。(京都新聞)
20日■新幹線車内でまた針2本 北陸線の雷鳥でも2本
 19日午前3時25分ごろ、岡山市内の岡山新幹線運転所で東京発岡山行きひかり125号の15号車の座席の上に、縫い針(長さ約3.5a)が置いてあるのを清掃作業員が発見した。同日午後9時40分ごろ、名古屋市内の新幹線鉄道事業本部名古屋車両所でも、東京発名古屋行きこだま475号の14号車の座席の上に、まち針(長さ約2.6a)があるのを清掃作業員が見つけた。
 また、18日から19日にかけて、北陸線スーパー雷鳥8号と2号でも、座席の間と通路の床に針があるのを作業員が見つけた。(京都新聞)
■またJRに針 雷鳥など3件
 JR東海道・山陽新幹線などの車両内でまち針などが見つかっている事件で、JR西日本は19日、縫い針など計3本が新幹線や特急電車の車両で見つかった、と発表した。これで同新幹線と同社管内の在来線で発見された同じようないやがらせは23件25本になった。
 同社によると、18日午後11時16分ごろ、京都府向日市の向日町運転所で富山発神戸行き「スーパー雷鳥8号」の4号車の座席間に長さ3.5aのまち針1本が置いてあるのを車両検査員が見つけた。
 また、19日未明には、岡山市の岡山新幹線運転所で東京発岡山行き「ひかり125号」15号車で、縫い針が1本見つかった。(朝日新聞)
■賛否両論 市バスBGM 何とも耳障り 一服の清涼剤
 京都市バスの新型車両に流れるバックグラウンド・ミュージック(BGM)が、市民の間で大きな波紋を広げている。「一服の清涼剤」との歓迎の声がある半面、「音の強制は苦痛」との強い反発も出され、賛否両論がぶつかる。車内BGMは、快適空間の提供か、それとも騒音の押し付けか。ソフトな乗り心地を狙ったBGM の導入が、身近な音の環境に対する市民の関心を呼び覚ました形になっている。
 車内BGMを流しているのは、市内各路線バスのうち1割近い89台。市バスの乗り心地を和らげ、利用促進の一助にするのが狙いで、昨年の11月から導入した。流しているのはポピュラー音楽が中心。音量や曲目にも配慮、味気ない路線バスに潤いを加え、サービスを充実することで利用促進の一助になるのではないか、とスタートさせた。
 ところが、今春に入って「拡声器騒音を考える会」の山田稔京大教授らが「新型バスのBGMは聞きたくないものにとっては苦痛である。音の暴力であって音量には関係ない」とBGMの中止を交通局に要請した。
 思いがけない反響に驚いた交通局は乗客の声を集約したい、と利用客にはがきアンケートによる回答を求め、実態調査を実施した。しかし、結果は「不愉快」がゼロだったのに対し、「快く感じた」との回答が57.8%を占め、ホッと一安心。BGMは受け入れられていると判断して、継続を決めた。
 さらに、今年度に更新予定の88台のバスについてもBGM車両の導入を計画、BGM車両を20%近くにまで高めることにした。
 BGMについては、その後も賛否両論が相次ぎ、関心は高まる一方。京都新聞朝刊・窓欄の投書でも「一服の清涼剤となる快挙」(69歳の無職男性)「無言は苦痛。交通局も意外にやるな」(44歳の女性会社員)などの肯定的な意見と、「多数決では決められない。強制は苦痛」(61歳の大学教員)「有効なサービスは他にもあるはず」(21歳の主婦)とする否定的意見が、真っ向からぶつかる。
 このほか、交通局にも電話などで「どんどん流してほしい」「音楽は個人の趣味の領域。そこまでやらなくても」といったさまざまな反応が直接、間接に寄せられている、という。
 さわやか気分になるのか、不快感を助長するのか。乗客離れの防止策に始めたちょっとした市バスのBGMサービスの試みだが、そこには公共空間の演出と個人の生活環境重視の対立という、いかにも現代的なテーマがあるようだ。
 政令指定都市で市バスにBGMを流しているのは京都市だけ(交通局調べ)。関西の民営バスでは、京阪バスが7年前の1986年から導入。、京都市内や大津市、府南部、大阪府北部などで路線バスの41%にあたる202台の車両で流している。
 同社では「曲目のリクエストをしてくる人もあり、相対的には受け入れられている、と判断している。しかし、賛否両論あることは事実で、BGM車両の割合を現在より増やす予定はない」との方針だ。
 地下鉄では大阪で車両内での駅名案内とともにCMを流している例も。そのほか、車両内でのBGM放送はないが、京都市のほか、神戸、仙台、福岡でプラットホームなど構内BGMを放送している。神戸や福岡、仙台ではとくに苦情はないという。
・[非]迷惑な押しつけ 山田稔・京都大学教授
 都会にはんらんするBGMを、なるべく減らしていこうというのが、最近の動きではないのか。市バスにBGMを流すのは、まったく時代に逆行している。
 だいたい、市バスに音楽がなければ不愉快という人がいるのだろうか。バスに音楽を流して、という市民の要求が果たしてあったのか。一方で、聞きたくない人は、例え少数だとしても必ずいる。どうしても聞きたい人は、ヘッドホンで一人で聞くだろうし、こうしたマナーはすでに定着していると思う。
 それなのに、公共交通の市バスの中で、一方的に音楽を流すのは、おかしい。市側には、音楽はサービスとの思い込みがあるようだが、聞きたくない人にとっては迷惑以外の何物でもない。市バスのサービスとは本来、安全性や確実性のことを、いうのではないか。
 目で見る「ランドスケープ(風景)」に対して「サウンドスケープ」という言葉が使われ出し、「音の景観」の大切さが注目されてきている。残念ながら、京都の音の景観は悪くなってきているように思う。
・「是]快適さ添えたい 依田満・京都市交通局管理者
 市バスのBGMは、バスロケーションシステムやプリペイドカードと同様に、市民の皆様方がより快適にバスに乗車できて、市バスの利用促進につながるようにと導入しました。率直にいって、山田先生から指摘を受けたときは、われわれの予測していない盲点を突かれたような気になりました。
 なるほどそういう意見の人もいらっしゃるのか、とさっそく独自のアンケート調査に乗り出しました。いったいどういう結果になるのだろうか、と思っていましたが、何と大多数の方がBGMを支持されていたではありませんか。
 そこで、多数の期待にこたえるために、今後もBGM装置を着けた車両を導入していきます。
 しかし少数とはいえ、BGMに反対の人もおられるわけですから、なるべく音量を抑える配慮をします。また今回の提言を真摯(し)に受け止め、市バス、地下鉄の車両内で、音響がもたらす影響について、交通局としてもチェックしていきたいと思っています。
・聴くともなしに聴けるよう工夫
 木津川計・立命館大学教授の話 大阪の地下鉄ではCMを車内放送で流しています。京都はなりふり構う都市、大阪はなりふり構わない都市なんですね。京都が大阪と同じことをやるんだったら、私は断固反対ですが、京都市バスのBGMは市民サービスの一環と認めていいのではないでしょうか。
 入った喫茶店やホテルがまったく沈黙の場所だったら落ち着けません。静かな背景音楽の故に、気も休まるのです。
 もちろん耳をつんざく大きな音だったら知覚が対応できなくなります。でも、適度な音楽は心の慰め、安らぎなのです。願わくば京都では、都市性を生かして心なごむ音楽を流した方がいいでしょう。
 BGMが流れたからといって目くじら立てる必要はありません。音楽に耳を傾けるためにバスに乗る人はいないように、BGMが流れるからバスに乗らない、という人もいないでしょう。
 聴くともなしに聴ける、言うほどのことでもない、と見過ごせる。それが市バスであり、京都であってほしい、と願うのですが。(京都新聞 夕刊)
■山陽新幹線の床にまち針
 JRの新幹線車内の座席などで針が見つかっている事件で、19日午後11時5分ごろ、兵庫県姫路市の山陽新幹線姫路駅で、回送されて来た博多発新大阪行きひかり142号(6両編成)の3号車座席の床に、まち針(長さ約5.5a)が落ちているのを清掃作業員が発見した。
 JR西日本によると、東海道・山陽新幹線車内で見つかった針は計21本になった。(京都新聞 夕刊)
■洛中洛外
 走る特急列車の中で男が短刀で乗客に切りつけ、人質をとっている、との想定で、京都府警鉄道警察隊の訓練が20日、京都市下京区の旧梅小路駅構内で、実際の列車を舞台にして行われた。
 先月末、新幹線のぞみで起きた殺人事件が、訓練のきっかけ。混乱した乗客の適切な誘導方法や、狭い車内で犯人を捕まえる有効な検挙道具を検討するため、という。
 訓練は、車掌役の通報、乗客の避難誘導、緊急停車後の隊員突入、そして犯人取り押さえ−と手引通りに展開された。隊員は「座席が検挙を困難にすることが分かった。京都駅で起きればどう対応するか」と、いくつか反省材料を得たよう。(京都新聞 夕刊)
■瀬戸大橋線でも針 山陽新幹線もまた
 香川県高松市のJR高松駅で18日午後9時45分ごろ、発車前の瀬戸大橋線高松発岡山行きマリンライナーの5号車の床に、針(約3a)1本が落ちているのを乗客が見つけ、同駅に届け出ていたことが20日分かった。
 また、19日午後11時5分ごろ、山陽新幹線の姫路駅で清掃中の「ひかり」の床に、長さ約5.5aの針が落ちているのが見つかった。JR西日本は兵庫県警に届けた。(朝日新聞 夕刊)
21日■JR東日本株 申込数は4000万株強
 国鉄精算事業団は20日、10日に締め切ったJR東日本株の申込総株数は、4004万8292株、と発表した。第二電電(DDI)などの新規公開株ブームに乗って売り出し分の140万株を大幅に上回った。
 JR東日本株は、既に抽選で1人1株の割り当てとなることが決まっている。(京都新聞)
■山科駅にロッカーに銃 「足洗う」と電話
 20日午後2時10分ごろ、山科署刑事課暴対係に40歳ぐらいの男性の声で「JR山科駅のコインロッカーに短銃と実弾を入れておいた。『やくざ』から足を洗うつもりだ」という電話があった。
 京都府警暴対二課と山科署が、男性が指定した山科駅構内のコインロッカーを調べたところ、イタリア製の自動式短銃1丁と実弾3発が見つかった。府警は銃刀法違反の疑いで調べている。(京都新聞)
■「信楽事故の車両設計に重大欠陥」調査など求め提言書 鉄道安全推進会議
 信楽高原鉄道事故の遺族らが中心になって結成する「鉄道安全推進会議」(臼井和男会長)は20日、同事故で大破した車両の設計には重大な欠陥があったとして、事故の当事者のJR西日本と信楽高原鉄道、それに車両を製造した富士重工に対し、事故車両の保存と十分な調査を求める提言書を送った。
 提言書は先月7日、アメリカの国家運輸安全委員会(NTSB)の鉄道事故調査官が、日野町北脇の県警機動隊敷地内に保管中の事故車両を視察・調査した結果に沿って、鉄道両社などに安全面を重視した列車の改良や設計変更に努めるよう求めている。
 それによると、事故車両は床裏デッキを補強する鋼材の取り付け方が不適切で、衝突のショックで車両が折れ曲がりやすい構造になっている▽座席の背もたれの部分に鉄パイプがむきだしになっており、危険▽運転手の生命を守るため、計器類の凸部を少なくする必要がある−など指摘、安全に配慮することで、万一の事故の場合にも、犠牲者を最少に抑えることができるとしている。
 また、今月25日以降に解体されることになっている事故車両についても、安全対策の資料として、保存するよう求めている。(京都新聞)
■参考人招致でJR欠席回答 県会信楽事故特別委
 滋賀県議会の信楽高原鉄道列車事故対策特別委員会がJR西日本などに対し、委員会への参考人としての出席を求めていた問題で、JR西日本は20日までに、委員会を欠席すると、同委員会に回答した。
 回答の中でJR西日本は「一方の当事者である信楽高原鉄道の社員に対する刑事事件の公判が行われている最中に、関係者であるJRが公的な場で意見を述べることは、公判審理に影響を与えかねない」と釈明したうえ、「遺族や負傷者への補償交渉が進行中であることを考慮すれば、委員会への出席は、大変難しい状況にある」としている。
 この結果、22日に行われる委員会には、信楽高原鉄道の関係者だけが出席することになった。
 同委員会の西村政之委員長は「JRの立場や反省点を、公の場でしっかり説明してもらうことが、遺族や県民に対する誠意だと思う。欠席は残念だ。いつか必ず出席してもらえるような方法を検討したい」と話している。(京都新聞)
■窓 市バスの表示分かりやすく 右京区・熊田宰輔(会社相談役・84)
 市バスのBGMが話題になっているが、当欄17日付、山科区・河合健さんのご意見に、全く賛成である。
 市バスのサービスとは、何か。それは乗客にできるだけ役に立ち、バスの運行がわかりやすく便利になることであろう。バス停へのアナウンスには、郊外電車や地下鉄の乗り換えを英語でされるが、日本語はない。バス停は行き先によって数ヵ所に分かれていて、数十bも離れている。標識のそばまで行って、細かい文字を確かめるまでウロウロしなければならない。行き先ナンバーだけでも、もっと大きくして、遠くからでも見えるようにすべきである。また車体の色がさまざまであり、中には子供の絵があったりして、私は幼稚園のバスが来たと思って、乗るべきバスを見逃したことがある。
 市バスは、一部の人の趣味や思いつきを示すべきではない。なぜ統一した色にして、一見して市バスと分かるようにし、また行き先ナンバーもボディーにも大きく書いて、遠くから見えるようにしないのか。
 さらに乗客からの乗り換えや行き先の質問も、できるだけ答えるようにすべきで、中には親切な乗務員もおられるが、全く無返事の人もいる。乗客へのサービスとは何か、それは色や音ではない。幹部の方々の一考を促したい。(京都新聞)
■山陰線特急あさしおに針 綾部で客が見つける
 21日午前10時15分ごろ、綾部市のJR山陰線綾部−福知山間で京都発倉吉行き下り特急「あさしお1号」(5両編成)の最後部自由席の座席に留針(とめばり)があるのを乗客の助成が発見、車掌に届けた。
 同列車が福知山駅に到着した際、福知山鉄道警察隊で調べた結果、同針は長さ2.7a、カッターシャツなどに使う針。(京都新聞 夕刊)
■東海道線でも虫ピン
 20日午後8時半ごろ、高槻市のJR東海道線高槻駅で、網干発安土行きの快速電車(8両編成)の乗客から車内に虫ピン(2.7a)1本があった、と駅員に届け出があった。
 また同9時45分ごろ、大阪府泉佐野市のJR西日本・日根野電車区で、回送されてきたJR気勢線の特急スーパーくろしお24号(6両編成)の2号社座席の床に、まち針(2.7a)が落ちているのを清掃係員が見つけた。(京都新聞 夕刊)
■軌道ボルト またも飛ぶ 新幹線
 東海道新幹線の静岡駅付近の駐車場で、長さ4.6aのボルトが落ちているのが18日夕、見つかった。JR東海が調べたところ、20日までに新幹線のレールをつなぐボルトとわかった。「のぞみ」の風圧などで切断され飛んだ可能性がある、として詳しく調べている。
 東海道新幹線では8月末にも掛川駅構内で、レールをまくら木にとめるボルトが飛び、沿線の民家を直撃したばかり。(朝日新聞)
22日■1日から運賃値上げ 京滋の民営バス 2.4−7.1%、2年ぶり
 運輸省は21日、京都の民営バス5社と、滋賀の同6社の運賃改定について、申請通り京都で2.4−7.1%、滋賀で4.8−5.3%の値上げを認可した。来月1日から実施される。いずれも平成3年以来2年ぶりの値上げ。
 京都で運賃が改定されるのは京都交通、京阪バス、京都バス、西日本ジェイアールバス、丹後海陸交通の5社。初乗りを現行より10円アップ、`当たりの区間制基準運賃を1円70銭−2円アップし、平均2.4−7.1%引き上げる。
 京都交通の福知山市内特定路線(均一制)と京都バスの京都市内特定路線はそれぞれ190円(現行180円)に、京都交通、京都バス、丹後海陸交通の最低運賃は150円(同140円)。西日本ジェイアールバスの最低運賃は140円(現行130円)に改定。また、京阪バスは京都市内特定路線を200円(現行180円)とするが、来年9月30日までは同190円の2段階値上げとなる。
 民営バスの運賃改定に伴い京都市バスも1日から市周辺部の競合路線44系統の運賃を値上げする。
 三条京阪前−高雄(8系統)が490円(現行460円)となるほか、洛西バスターミナル−桂駅西口(西1系統など)が220円(同210円)、京都駅前−岩倉操車場前(5系統)340円(同320円)などとなる。
 京都府南部で運行している奈良交通は平均6.2%の値上げ。近鉄、JR各駅起点の路線は最低運賃が140円から150円に、近鉄高の原駅起点の路線は均一運賃が150円から160円に、それぞれ10円アップ。
 大阪関係でも阪急(平均5%)、近鉄(同5.9%)などが1日から、大阪空港交通の全線(17.5%)が10月4日から値上げされる。大阪空港交通の京都駅南口−大阪国際空港は1040円(890円)になる。
 滋賀地区で運賃が改定されるのは近江鉄道、西日本ジェイアールバス、帝産湖南交通、江若交通、京阪バス、滋賀交通の6社。初乗り運賃を現行より10円値上げして150円、`当たりの区間制基準運賃を1円90銭−2円引き上げる。
 また、大津市内の特定路線については、近江鉄道が「1区190円、2区210円」をそれぞれ10円値上げ。競合する京阪バスは「1区190円、以後1区増すごとに20円加算」を1区200円に改定する。(京都新聞)
■鉄道妨害防止ポスター展 JR山科駅構内
 21日からスタートしたJRの「鉄道防害防止運動」にちなみ、京都市山科区のJR山科駅構内地下通路で、小学生が描いた鉄道防害防止を呼びかけるポスター展が始まった。
 同駅近くの市立安朱小の安朱鉄道子供会(吉村美和子会長)の5、6年生の作品100点を展示。四つ切りの画用紙に思い思いの絵の具を使い、力強いタッチで「置き石をしない」「イタズラはだめ」などと呼びかけている。
 安朱鉄道子供会は約30年前に発足。5、6年生が鉄道の仕組みを学んだり同駅、周辺の清掃活動などを行っている。(京都新聞)
■近鉄京都線の宮津駅が開業
 近鉄京都線三山木駅−狛田駅間で建設が進められていた近鉄京都線25番目の新駅「近鉄宮津」(田辺町宮津)が完成し、21日、関係者約40人が集まり、新設開業式が行われた。町関係者は「学研都市の南田辺・狛田地区の玄関口に」と期待を寄せている。
 新駅は、上下線併用の島式ホーム(長さ135b)で、普通列車が停車する。京都線全体の輸送力強化を目指して隣接地に整備中の新車庫(最大200両収容)建設に伴う新駅開業で、1日の予想乗降客数が520人と、京都線でもっとも利用者の少ない駅となる。
 この日の新設開業式では、駅長への花束贈呈、原田喜代次町長らのテープカット、くす玉開きが行われた。見物に訪れていた近くの今村篤子さん(34)は「子供が電車で夜遅くなっても安心だし、便利になった。駅前開発はしなくてもいいけれど、駐輪場ぐらいほしいですね」と新駅オープンを喜んでいた。(京都新聞)
■九条山駅周辺地域が調査 地下鉄工事 差し止め訴訟 住民も参加
 京都市の地下鉄東西線建設に伴い廃止が決まった山科区・京阪電鉄京津線九条山駅の周辺住民が「駅がなくなると生活環境が著しく悪くなる」として、京都市などがつくる京都高速鉄道会社を相手に、東西線御陵−蹴上駅間の工事差し止めを求めた訴訟で、京都地裁(下村浩蔵裁判長)は21日、駅周辺の道路などを現場調査した。
 訴えによると、京津線を利用している九条山駅周辺住民は、東西線ができれば、最寄り駅は1.5`離れた蹴上駅となり、起伏が激しく狭い周辺道路は通勤や通学、買い物に大きな負担となる。憲法が保障する移動の自由など「交通権」の侵害は著しく、駅の廃止を含む東西線建設は生活環境を壊し、違法−としている。
 現場調査には、裁判官らのほか、地元住民ら約30人が参加。九条山の住宅地から蹴上駅までを往復し、通学路を歩いて、道路の状況ななどを調査した。(京都新聞)
■京阪バスなど値上げ 均一区間外京都市バスも 1日から
 京都府内を走る京阪バス、京都バス、京都交通、丹後海陸交通、西日本JRバス5社が、人件費などの経費増加と輸送需要の減少を理由に申請していた運賃値上げが21日、運輸省から申請通り認可された。10月1日から実施される。また今回値上げが認められたバス会社と同一路線を走る他社のバスも同調値上げが認められた。京都市バスでは、均一区間外の44路線で値上げされる。
 各社の運賃エリア内で最低運賃が10円値上げされる。これに伴い遠距離運賃も10円−30円前後アップする。
 京阪バスは、94年10月1日からさらに10円値上げすることも認可された。また福知山市内を走る京都交通は、同市内の均一料金区間での運賃を、190円(現行180円)に値上げする。
 各社の主な区間の新運賃は次の通り。カッコ内は現行。
 【京都バス】三条京阪前−岩倉実相院320円(310円) 【京阪バス】山科駅−小栗栖団地190円(180円)▽四条大宮−京阪六地蔵250円(240円) 【丹後海陸交通】宮津駅−岩滝口駅前290円(270円) 【西日本JRバス】福知山−下六人部370円(350円) 【京都交通】園部駅前−八田520円(500円) 【京都市バス】洛西バスターミナル−桂駅西口220円(210円)▽京都駅前−岩倉操車場前340円(320円)▽三条京阪前−高雄490円(460円)(朝日新聞)
■近畿圏のバス運賃値上げへ
 運輸省は21日、大阪、京都、滋賀、奈良、和歌山の2府3県で営業するバス会社16社から申請されていた乗り合いバス運賃値上げを申請通り認可した。
 値上げを実施するのは阪急バス、南海電鉄、大阪空港交通、西日本ジェーアールバスなどで、平均値上げ率は2.4−17.5%。実施時期は大阪空港交通が10月4日、それ以外は同1日からとなる。
 また、これら16社の路線と一部の区間で競合する京都市や神姫バスなど10社が申請した値上げも、申請通り認可された。(朝日新聞)
■間宮海峡トンネル サハリン知事が 日本に参加要請
 【モスクワ21日=青木雪雄】21日のハバロフスク発のロシア通信によると、サハリン州のクラスノヤロフ知事が、同地を訪問中の青森県からの代表団に対し、間宮海峡に鉄道トンネルを通し、サハリンと大陸の間をつなぐ計画に日本側の参加を求めた。
 50年前のスターリン政権時代に、海峡のもっとも狭い部分(7.3`)に、囚人を労働力として使ってトンネルを建設する計画があった。トンネルにつながる鉄道をコムソモリスクナアムーレからラザレフまで建設する計画だったが、53年のスターリンの死で立ち消えになっていた。地元での報道によると、チェルノムイルジン首相は先にサハリンを訪問した際、この計画を基本的に支持したという。(朝日新聞)
■近鉄宮津駅 開業翌日はやトラブル 信号故障で立ち往生 3万1700人の足乱す
 22日午前7時過ぎ、開業したばかりの京都府綴喜郡田辺町宮津、近鉄京都線「近鉄宮津」駅構内の上り信号が赤のまま変わらず、西大寺発京都行きの普通電車が立ち往生した。信号は20分後に自然復旧したが、午前中の上下の特急、急行など合わせて111本が40分−5分遅れ、通勤通学の約3万1700人の足が乱れた。午後には平常運転に戻る見込み。
 近鉄と相互乗り入れしている京都市営地下鉄は午前7時40分ごろから、上下とも10−5分の遅れが出たが、ダイヤは9時半ごろにほぼ正常にもどった。
 近鉄によると、ポイントか信号の故障とみている。故障した信号は同駅構内の信号所でコントロールしているが、近鉄では所員の操作ミスやコンピューターが原因ではない、と話している。
 近鉄宮津駅は、京都線の輸送力増強のため、隣接して新設される新車庫に伴う新駅で、21日に開業したばかりだった。(京都新聞 夕刊)
■50分停電、特急など6本運休 山陰線の京都−嵯峨
 22日午前10時10分ごろ、京都市内のJR山陰線京都−嵯峨駅間で停電となった。このため運転中の園部発京都行きなど上下4本の普通電車が、太秦−花園間と保津峡−嵯峨間、太秦駅構内でそれぞれ臨時停車した。
 JR京都電力区が復旧作業にあたり、50分後に送電し、復旧した。
 この影響で、特急2本など上下6本が運休したほか、上下8本が10−56分遅れるなど、3300人に影響が出た。また亀岡−園部間が折り返し運転となった。
 臨時停車した電車4本には、乗客計数百人がいたが、車内で運転再開を待った。また花園−太秦間の踏切6ヵ所で、遮断機が約1時間降りたままとなり、周辺道路にも影響が出た。
 JR西日本と七条署の調べでは、下京区のJR大宮陸橋でペンキ塗り替え作業中、足場の鎖が落下し、陸橋下の架線に触れ、停電したらしい。(京都新聞 夕刊)
23日■脱線、80人死亡の恐れ 米アラバマ州で長距離列車 沼に突っ込み水没
 【ニューヨーク22日共同】22日見目、米南部アラバマ州モービル市北方で乗客200人以上を乗せたロサンゼルス初マイアミ行きの長距離列車アムトラックが鉄橋で脱線、沼に突っ込んだ。地元警察によると、少なくとも乗客26人の死亡が確認された。
 死者はさらに増え約80人に達する恐れもあり、米アムトラック史上最大級の事故となる見通しだ。
 事故が起きたのは同州最南端。メキシコ湾にモービル川が注ぎ込む河口近くの湿地帯で、客車1両が完全に水没し、乗客が閉じ込められた。救出作業は難航している。
 現場では沿岸警備隊、地元警察がヘリコプター、ボート、ダイバーらを出動させ、闇(やみ)と霧でかすんだ沼からの乗客救出作業がせ進められてた。現場は鉄道がモービル川にかかった鉄橋で、脱線原因は不明。
 米国では1951年、ニュージャージー州で死者84人を記録した列車事故がこれまでの最大。(京都新聞)
■新事業の洗車機で贈収賄 JR西日本社員ら逮捕 福岡県警
 福岡県警捜査二課と中央、筑紫野両署は22日、JR西日本(本社大阪市)が新規関連事業として始めたコイン洗車場の洗車機納入などに絡んで業者からわいろを受け取っていたとして、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律違反(贈収賄)の疑いで、同社社員と業者を逮捕、同社福岡支社など数ヵ所を家宅捜索した。国鉄がJRに分割民営化された後、贈収賄事件で逮捕者が出たのは初めて。
・民営化後で初
 逮捕されたのは、収賄側が同社福岡支社運輸課主席中島政信容疑者(46)=福岡県筑紫郡那珂川町松木=、贈賄側が自動車洗車機販売会社「親和」元社長近藤勇生容疑者(45)=同県宗像市日の里。
 調べによると中島容疑者は、JR西日本が経営する「カーランドリー博多南店」(那珂川町中原)の洗車機納入に便宜を図った謝礼として、近藤容疑者から「親和」名義の給油カードを受け取り、平成2年11月ごろから昨年9月にかけ同県粕屋郡新宮町内のガソリンスタンドで数十回にわたり給油するなど計約50万円相当の利益を得た疑い。2人とも容疑を大筋で認めているという。
 カーランドリー博多南店は、JR西日本が関連事業として平成2年9月に開業。新幹線車両を保管する同社博多総合車両所の敷地内にある。
 中島容疑者は、昭和63年2月に運輸課主席となり、関連事業などを担当している。
・旅客鉄道株式会社および日本貨物鉄道株式会社に関する法律
 16条 会社の取結役、監査役または職員が、職務に関してわいろを収受したり要求や約束をした時は3年以下の懲役。これによって不正の行為をしたり相当の行為をしなかった時は5年以下の懲役に処す
 17条 わいろを供与したり申し込みや約束をした者は、3年以下の懲役または100万円以下の罰金に処す(京都新聞)
■のぞみ パンタ溶ける 6月に破損事故 「作業員のミス」
 東海道・山陽新幹線の「のぞみ」で6月、JR西日本のボルトの取り付けミスからパンタグラフの一部が高熱で溶け、破損するトラブルがあったことが22日分かった。
 のぞみは2万5000ボルトの高圧電流が流れる架線から集電しているが、パンタグラフが熱で溶けた例は初めて。同社は「作業員のうっかりミス」として新幹線車両所などの現場に作業を徹底するように文書で指示した。
 のぞみのパンクグラフをめぐっては、やはりJR西日本のミスから部品が脱落する事故があったことが17日に明らかになったばかり。
 JR西日本とJR東海によると、6月23日夜、JR東海の東京第二車両所で、博多発東京行きののぞみ26号として運転した車両を点検。その際、9号車のパンタグラフ最上部にある、架線と接するアルミ製舟体(ふなたい)の一部が溶け、縦1.5a、横2.5aの穴が開いているのが見つかった。
 穴が開いたのは、架線から集めた高圧電流をパンクグラフ本体に伝える「コーベルワイヤ」と呼ばれる部品の取り付け部分。穴の周囲は熱で溶けて黒く変色し、破損した舟体部分はコーベルに付いてブラブラしていた。
 両社で原因を調べたところ、6月21日夜、JR西日本の博多総合車両所でこのパンクグラフの舟体を交換。コーベルを舟体に止めるボルトを締める際、緩むのを防ぐために取り付けるリング状のバネ(直径8_)を作業員が付け忘れていたことが判明した。(京都新聞)
■地下鉄東西線工事の遅れ 用地買収や人件費などだけでも 290億円アップに
 京都市交通局は22日、地下鉄東西線の工事の遅れに伴う事業費増について、第三セクターが主体となっている三条京阪−御陵間を除く工区の用地買収費や人件費、建設利息などだけで約290億円にのぼるとの見通しを明らかにした。同局は「直接の工事ひの増加分については国の補助金の関係もあり、まだ積算できない」としており、最終的な事業費はさらに膨らむ見込みだ。
 この日開かれた市議会事業決算特別委員会で明らかにした。同局によると、ほぼ完了している用地買収の費用が当初計画より290億円増えて320億円となり、直接の工事日を除いた人件費、諸経費などの間接費は35億円増の139億円となる。当初245億円を見込んでいた建設利息については、5年前の事業免許取得時の金利で計算すると131億円増となるものの、その後の金利の低下などで、最終的には46億円程度の増加におさまるとしている。
 東西線の完成時期をめぐっては、田辺市長が今年2月、当初計画していた平安建都1200年に当たる来年度中から2年ほどずれ込み、96年末になるとの見通しを明らかにしている。東西線の総事業費は当初見込みで約2450億円。第三セクター分を除いた市施工分は約1800億円となっていた。交通局によると東西線の土木工事の進ちょく率は今年8月末現在、堺町工区が85%で最も進み具合が早く、次いで堀川駅、御池駅、押小路の各工区が70%以上。一方、山科駅工区は、地上の市街地再開発事業の遅れが響き、5%にとどまっている。(朝日新聞)
■収賄容疑でJR法適用 「西日本」主席を逮捕
 福岡県警捜査二課と福岡中央、筑紫野両署は22日、JR西日本(本社・大阪)の福岡支社運輸課主席中島政信容疑者(46)を収賄の疑いで、元自動車洗車機販売会社社長の近藤勇容疑者(45)を贈賄の疑いでそれぞれ逮捕、同支社などを捜索した。この贈収賄は「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律」(JR法)に定められ、警察庁によると、1987年の国鉄民営化以後、同法の適用は初めて。
 調べでは、中島容疑者は、JR西日本が福岡県那珂川町の新幹線車両基地の一角で営業している自動車洗車場「カーランドリー博多南」の洗車機選定にからみ、有利な取り計らいをした謝礼として、給油カード1枚を受け取った。90年11月から昨年9月まで、同県新宮町内のガソリンスタンドでカードを使って乗用車などに約50万円相当のガソリンを給油した疑い。近藤容疑者はカードを渡し、ガソリン代を負担した疑い。
 JR西日本福岡支社によると、洗車場は同社の新規事業の一環として、90年9月にオープンした。中島容疑者は66年旧国鉄に入社し、88年2月にJR西日本福岡管理部(現支社)運輸課に配属され、関連事業を担当していた。(朝日新聞)
■パンタ一部溶ける のぞみ 交換作業でミス
 東海道・山陽新幹線の「のぞみ」で今年6月、JR西日本の作業ミスが原因でパンタグラフの一部が溶ける異状が起こっていたことが、22日わかった。「のぞみ」のパンタグラフをめぐっては、同社の作業ミスから部品が脱落して停電事故が8月にあったことが明らかになったばかりで、作業態勢の甘さが問われそうだ。
 同社によると、6月23日午後10時ごろ、JR東海の東京第二車両所で、営業を終博多発東京行き「のぞみ26号」の9号車にあるパンタグラフ最上部についている「舟体(ふなたい)」の一部に直径約2aの穴が開いているのが見つかった。
 両社の原因調査の結果、JR西日本の博多総合車両所の作業員が舟体の交換作業の際に、ボルトの緩みを防ぐ座金をつけ忘れたことがわかった。舟体は架線から電気を取り入れる部品で、走行中の激しい振動によるボルトの緩みによって電流の乱れが生じ、過熱したらしい。
 走行中に異状はなく、ダイヤに影響はなかったが、JR西日本の作業ミスから約6000`を営業運転していた。(朝日新聞)
■東海道線不通列車 大津駅で虫ピン
 22日午前10時ごろ、大津市のJR大津駅で、東海道線下り米原発加古川行き普通列車から降りた乗客が、列車内の座席にあった虫ピン(長さ約3a)を駅員に届け出た。JR列車内に針やピンを置く一連の事件で、県内の駅での届け出は初めて。
 滋賀県警鉄道警察隊によると、この乗客は瀬田駅から乗車して、座席に置かれていたピンを見つけたらしい。同列車は21日深夜に清掃後、22日午前8時58分に米原駅を始発しており、鉄道警察隊では、同駅から大津駅までの間にピンが置かれた可能性が高いとみて調べている。(京都新聞)
■車内に針 刺し方共通「組織的か」JR東海が見解
 JR東海の須田寛社長は22日の定例記者会見で、東海道・山陽新幹線の座席に針が刺さっているのが相次いで見つかっている問題について「大半は単なるいたずらとは思えず、深刻に受け止めている」と述べ、「組織的ないやがらせではないか」との見方を示した。
 針の刺し方や終点で乗客を下ろした直後の車内清掃などで見つかるといった点がほぼ共通していることから、「組織的」との疑いを持っているという。東海道本線などJR西日本の在来線でも15件15本が発見されている。
 報道後、JR東日本管内でも上越新幹線と在来線で3件あったが、JR東海とJR西日本の列車に集中しているのが特徴。いまのところ乗客にけがはない。(朝日新聞)
24日■関空から遠い京都 不便さからどう”離陸” 開港まであと1年 ホテル業界など「フタ開けてから」
 関西新空港が1年後に開港する。建都1200年の秋。近畿の主要都市の中で、京都は空港から最も時間がかかる距離にある。「京都は、世界の京都」−観光・国際会議とも、不利な立地は知名度でカバーできるという楽観論の一方で、大阪・神戸の日帰リコースとして組み入れられていく厳しい見方もある。成田をしのぐ能力を持つ24時間空港と京都をアクセス、受け入れのホテルから点検してみた。
 最初に、鶏が先かタマゴが先かの京都ならではの声を紹介してみたい。
 「関西新空港ですか。読めない。どれだけの利用者があり、それが京都にくるのか。需要があれば、対応はできるが、現時点では、慎重にならざるをえない」
 これは、京都市内のホテルで聞いた大半の声になる。似た話を花と緑の博覧会で耳にした。旅行代理店、ホテル関係者が花博効果を事前に検討、分析した結果、宿泊は大阪にとられ、京都には花博効果が少ないというのが結論になった。結果は、予想がはずれ、京都の観光業界は花博効果の大きな恩恵を受けた。
 空港会社が試算した大阪から入国する外国人の数は現在の3倍の年間約200万人にのぼる。24時間空港の旅客便の発着時間の幅がどのくらいまで延びるか。新空港とのアクセスで時間のかかる京都にとって関心のあるところだ。
 運輸省大阪航空局は「乗り入れ便数については、各航空会社の間で調整しており、遅くとも来年3月の夏ダイヤ作成時にははっきりするだろう。エアラインは日本から多くの客を運びたいから、新空港出発便の時間を軸に考えてくる。24時間空港といっても、真夜中は貨物便かトランジッ卜。それでも、伊丹よりも早くから夜遅くまである」と、予想する。
 逆算してみたい。夜10時着の便から客が降りる。通関まで1時間、JRの特急にのって1時間25分、待ち時間を入れなくても、京都に着くのは午前零時を回る。ホテル到着は1時過ぎになる。
 京都のホテルで24時間のルームサービスを実施しているのは、わずか1社しかない。ほとんどが午前零時まで、レストラン・コーヒーショツプとなると、11時にはオーダーが終わる。理由は簡単だ。「それだけの需要があるとは思えない。経済環境の変化で、深夜サービスを考えるまでの余裕はない。需要しだい」と、鶏とタマゴの関係に行き着く。夜型の受け入れ充実が、指摘されていても、現場はかなり、悲観的だ。
 大阪、神戸が観光、会議誘致で積極的なのも、アクセス面での有利さが宿泊基地としての利用につながるからだ。これまで以上に、京都のPR、誘致、受け入れ整備をするのが、京都の選択肢になってくる。
 業界の取り組みにいらだちを隠さないホテルマンにやっと会った。「花博にしろ、1200年しても一過性のイベント。しかし、新空港は21世紀のアジアの玄関口になるかも知れない。ところが私どものスタッフ、さらにホテル協会も、フタをあげてから考える姿勢に終始している」と、指摘する。
 新空港開港は将来をにらんだホテルのセールスのビジネスチャンス。しかし、現実の不況の前には、新空港開港も、明るい要素になっていないところに、悩みの深さがある。ホテル間の格差がすくなく、価格も横並びという京都のホテルの特色は、背景の文化学術とともに、円高における国際会議誘致に大きな強みである。さまざまなデータは関西入りの観光客の増えることを示しているが、アクセスにしても点検すべき課題は多い。(京都新聞 夕刊)
■はしけ衝突?鉄橋崩壊 列車が転落、44人死亡 米アラバマ
 【ニューヨーク23日=佐藤吉雄】米アラバマ州モービル近郊で22日午前3時15分(日本時間午後5時15分)ごろ、乗員、乗客210人が乗ったロサンゼルス発マイアミ行きの長距離列車(アムトラック)が渡っていた鉄橋が崩れた。このため列車は川に転落し、これまでに44人の死亡が確認され、3人が行方不明になっている。
 11両編成のうち、機関車3両、客車4両が、川に突っ込み、うち1両は完全に水没した。川は水深約7bで、ワニが生息しているとみられ、救出活動は難航した。
 米運輸安全委員会や米連邦捜査局(FBI)の調べでは、列車が通る直前に、はしけが橋脚に衝突していたとみられ、当局は船長らから事情を聴いている。
 当局によれば、まだ因果関係を断定はしていないものの、「鉄橋に何かがぶつかり、近くにいたはしけに衝突の痕跡がある」などとしている。事故の起きる1時間ほど前に、自動車を満載した貨物列車が現場の鉄橋を通過したが、異状はなかった。こうしたことから、はしけが鉄橋に激しく衝突したために橋の下部が損傷し、時速約20`で走行していた長距離列車の衝撃に耐えられなかったのではないかとみられている。
 鉄橋は今世紀初めに建設された古い橋だが、この2月に安全性などの検査を受けたばかりだった。(朝日新聞 夕刊)
■新幹線・山陽線列車座席に針
 東海道新幹線の新大阪駅で23日午後5時ごろ、東京から到着した「こだま」の座席に長さ約3aの針が置かれているのを駅員が見つけた。また同日午後5時13分ごろ、東京駅で、新大阪から到着した「ひかり」の座席に長さ約3aの針が刺さっているのを、清掃中の係員が見つけた。
 また、23日午後4時19分ごろ、岡山市駅元町、JR岡山駅で、山陽線福山発岡山行き快速電車「サンライナー」(4両編成)の最前部車両の座席部分に約3aのマチ針が刺さっているのを乗客が発見した。(朝日新聞 夕刊)
25日■のぞみ殺人で労災を申請
 静岡県内を走行中の東海道・山陽新幹線のぞみ車内で8月23日、乗客の男にナイフで刺殺された埼玉県春日部市備後西、食品卸会社「国分」(本社東京)埼玉支店長松野定哲さん=当時(40)=の遺族が24日、大宮労働基準監督署に労災認定の申請をした。(京都新聞)
■営業存続へ仮処分申請 JR京都駅ビル飲食店 「立ち退き要求不当」
 JR京都駅ビルの改築に伴う現駅舎の解体工事を前に、駅構内の京都駅観光デパートで飲食店2店を営業している「与太呂新社」(本社・京都市下京区、梅野敬子社長)が24日、「新駅舎への入店を保証せず、一方的に立ち退きを求めるのは不当」などとして京都駅観光デパート(古川満男社長)とJR西日本(井手正敬社長)を相手に、現在の店舗での営業を続けられるよう求める仮処分を京都地裁に申し立てた。
 申し立てによると、同社は観光デパートが開業した1952年に店舗の賃貸借契約を結び、63年にもう1店の契約を結んで、現在月額計38万900円の賃借料でとんかつ料理などの飲食店を営業している。
 ところが、新京都駅ビル建設に伴い、現駅舎は今月末で閉鎖され、観光デパートも仮駅舎に移転することになった。同社に対して8月18日、観光デパートから、店舗明け渡しを求める通知があり、今月5日には、10月から電気、ガス、水道などを止め、駅舎の撤去工事を始めると連絡してきた。
 このため、与太呂側は「仮駅舎への移転贅用もテナントの負担となり、新駅舎への入居保証もない」として立ち退きを拒否。現駅舎の営業を妨害しないよう求める仮処分を申請した。
・契約は一時使用目的
 小枝忠夫京都駅観光デパート取締役開発部長の話 現駅舎での契約は、JRから店舗の返還を求められるまでの間の一時使用を目的としており、全テナントが了解している。仮駅舎移転については仮店舗の内装費用の大半をデパート側が負担し、新駅舎への再入店についても配慮する、と伝えている。契約に基づき、明け渡してもらえるよう法的な措置も考えている。(京都新聞)
■京都市交通局営業所統廃合 醍醐など論議対象 市議会特別委で見通し
 京都市会の事業決算特別委員会は24日、再開され、交通局に対する質疑を行った。この中で、三浦貞義自動車本部長は、市バス事業の経営改善策の一つとして、営業所統廃合について触れ「具体的に検討はしていないが、地下鉄東西線の開通をにらみ、今後、醍醐営業所や横大路営業所などが(統廃合の)論議の対象にのぼるだろう」との見通しを示した。
 醍醐営業所(伏見区醍醐大横町)は、64年に四条営業所山科支所として開設された。面積は9430平方b。12系統、67両が所属し、昨年度の乗客数は約2万4000人。横大路営業所(同区横大路橋本町)は67年開所。1万260平方bに13系統、94両。昨年度の乗客数は約2万6000人。いずれも地下鉄東西線が開通すれば路線や便数など大幅な見直しが求められることも考えられる。
 市バス事業は昨年度、4月の運賃改定で営業収益が前年度比23億8000万円増となり、5億4300万円あった累積欠損金が1億2700万円の黒字に転じた。
 しかし一方で、1日平均旅客数が1000人減ったり、景気低迷で広告収入が落ち込むなど、依然厳しい経営環境にある。
 これに対して、市交通局は、経費の節減や、乗客サービスの向上、所有する土地の有効利用などで経営改善を推進。地下鉄烏丸線の開業後には、1983年に九条営業所三哲支所、86年には高野営業所を廃止するなど、市内交通体系の変化に伴った組織の見直しも行っている。
 また、97年4月の開業を目指す地下鉄烏丸線の北山−国際会館(仮称)駅間(2.6`)の、国際会館、松ケ崎両駅について、北田貞雄高速鉄道本部長は「駐輪揚が必要だと認識しており、設置する方向で検討する」と積極的な姿勢をみせた。(京都新聞)
■新幹線などでまた針発見
 東海道・山陽新幹線車内の座席から針などが見つかっている事件で、24日午後3時40分ごろ、京都−米原間を走行中の新大阪発東京行きひかり250号の座滞に待ち針が刺さっているのを乗客が見つけた。JR東海によると、同新幹線車内で見つかった針などは計39本。
 また23日午前から24日午後にかけて、静岡市の静岡運転所と岐阜県大垣市の大垣電車区で、JR東海道線の電車から縫い針など計2本が相次いで見つかった。三重県内のJR紀勢線の走行中の列車内でも縫い針1本が見つかった。(京都新聞)
■地下鉄東西線 30年赤字続く 京都市会委で見通し
 京都市交通局は24日の市議会決算特別委員会で、1996年末の完成を目指して工事中の地下鉄東西線について、約30年間は赤字が続く見通しであることを明らかにした。建設費の支払い利息や減価償却費などの負担が大きくなるためで、ワンマン運転や一部業務の民間委託なども含めた経費の圧縮策を検討していく方針。
 市バスでは、効率的な運営を進めるため、醍醐、横大路など市内9ヵ所にある営業所の統廃合を検討、東西線の開通に伴い、路線の見直しも進めるという。(朝日新聞)
■店舗の現状維持を JR京都駅改築移転でテナント飲食店 再入居保証ないと仮処分申請
 JR京都駅ビルの改築高層化に伴う仮駅舎への移転を前に、同駅観光デパートのテナント飲食店「与太呂新社」(梅野敬子社長)が24日、同デパートと親会社のJR西日本を相手どり「新駅舎完成後の再入居の保証がないのは、貸借人の権利を無視している」などとして、店舗の現状維持を求める仮処分を京都地裁に申し立てた。同社は「要求に応じるまで立ち退かず、営業を続ける」と話している。
 申し立てによると、同社はデパートの営業が始まった1952年から出店し、現在2店舗で営業している。しかし、仮駅舎では1店舗しか入居できず、そのうえ、移転費として約1500万円の負担を求められた。このため@移転に際しテナントに一切の費用負担をさせないA現状と同条件で新駅舎への入居を保証する、などを求めたが、話し合いはまとまらなかったという。
 同デハートでは40社が営業しているが、同社を除く36社(3社は移転営業せず)は10月1日からの仮駅舎への移転を承諾している。
 仮処分の申し立てに対し、観光デパートの古川満男社長は「仮駅舎の内装は当社がほとんど負担し、標準以上の仕上げを希望する際の差額が、各テナントの負担になっているだけだ。与太呂新社の主張は社会常識から考えていかがなものか」と話している。
・JR西日本広報室の話
 新駅ビルを速やかに完成させることを考慮して対応を考えたい。(朝日新聞)
■JR東海スト通告 27・28日
 JR東海労働組合(JR東海労)は24日、同労組の新幹線地本大阪第三車両所分会(大阪府摂津市)の役員2人が懲戒解雇された問題で、27・28の両日、処分撤回などを求めストに突入すると通告した。(朝日新聞)
■大阪「新都市」陰る 不況の壁 再開発停滞
 関西国際空港の開港を来年9月に控え、「空港の玄関口」にふさわしい街づくりの計画が進む大阪のキタとミナミ。「仕事」「生活」「遊び」を調和させるビルや施設の計画は目白押しで、「国際都市」への変身を目指す。だが、両地区の再開発の核となるべきキタのJR梅田貨物駅、ミナミの湊町駅周辺の青写真は一向に現実味を帯びて来ない。いずれも開発用地となる旧国鉄の跡地の売買予定価格が高値のうえ、不況で企業の投資意欲が薄れているためだ。国鉄清算事業団や大阪市などの開発担当者からは「新しい大阪は地平線のかなた」との声まで聞こえる。両プロジェクトの現状を報告する。(社会部・斎藤博明、篠島裕貴、宮崎太介)
・キタ 貨物駅移転暗礁に・JR大阪駅北側地区 冷え込む民間投資・西梅田地区区画整理
 大阪の表玄関のJR大阪駅北口。高さ約3bのフェンスに囲まれた空き地がポツカリと広がる。
 国鉄清算事業団の所有地で、広さ約2f。公示価格をもとにはじくと、値段は約2500億円。長雨が続くと中央付近に雨水がたまり、周囲へ水があふれ出さないように排水ポンプがうなりを上げる。ここには昨年3月までJR西日本の本社があった。隣接するJR貨物のターミナルを合わせた事業団所有の土地は計約22f。西日本では数少ない都心部の一等地だ。
 「金融、貿易、文化、芸術、居住空間などを設け、世界都市の中枢を目指す」
 国土庁、運輸省、建設省などでつくる調査委員会が91年にまとめた報告書にはこう記されている。現在の貨物ターミナルや線路を移転してさら地にし、表玄関にふさわしい再開発をするプランだ。大阪市も「大阪駅北地区総合整備計画」として、昨年度の「主要プロジェクト集」に盛り込んだ。「商都大阪の復興」「国際都市への変身」。市民は夢のような開発計画にわき立った。
 だが、移転計画は暗礁に乗り上げた。移転先として名前が上がっていた吹田市が住民の反対などで受け入れを拒否し、めどが立たないのだ。
 近くに住む文房具店の主人(44)は「公共性のある空間をつくるということだったので期待していたのに、まったく絵にかいたもちですね。こんな状態がいつまで続くのか。大阪市も適切に指導してくれなければ」と話す。
 市開発計画課では「土地の処分は事業団の仕事。こちらとしてはそれが済まなけれはどうしようもない」とあくまで静観の構えだ。
 大阪駅西側の再開発計画は「西梅田土地区画整理事業」と呼ばれる。うち事業団の土地約2.57fには地下3階、地上32階、延べ床面積23.9fの高層複合ビルを建てる計画で、オフィスやホテル、大規模ショールームなどが入れる予定だった。
 89年、旧国鉄跡地としては全国初め「不動産変換ローン方式」による売却が決定した。清算事業団が子会社を通じて、土地代やビルの建設費を借りることのできる投資家を募り、一定の期間後に現金返済の代わりに土地とビルを投資家に渡すというものだ。
 その計画に、不況が大きく立ちはだかる。生保や銀行など期待していた有力投資家が「資金的余裕がない」と相次いで二の足を踏み、90年度中の完成予定を大きくずれ込んだ。清算事業団は土地を半分に分割して売ろうとしているが、ここでもしはらくの間、巨大な土地がさら地のまま残されそうだ。
 「土地神話が崩れ、そのあおりをもろに食った格好です。何とかして今年度中に、半分だけでも処分したいのだが…」と、清算事業団近畿支社の石森治・用地企画課補佐は肩を落とした。
・ミナミ 構想阻む高い土地 湊町駅周辺
 大阪市浪速区のJR湊町駅周辺は「ミナミに残る最後の大規模開発用地」と言われる。17.5fに及ぶ用地は大阪市、JR西日本、国鉄清算事業団が大半を所有しており、89年3月に同市や関西電力、大阪ガスなどの出資で設立された第三セクター「湊町開発センター」が中心となって開発にあたる。
 構想によると、2005年までに高さ200b級の高層ビル2つを合む7つのビル街を建設する。一帯は4ゾーンに分けられ、それぞれに「憩い」や「ビジネス」といった特色を持たせる。関西空港への直通電車が走る予定の湊町駅は地下に入り、地上の駅ビル「湊町複合交通センター」(6階建て)には国際線の搭乗手続きができるCAT(シティ・エアターミナル)や世界各国の政府の観光局、飲食店、航空会社など誘致して関西空港の出発ロビーにする考えだ。
 構想を練りはじめた4年前、担当者の一人は「鉄工関係の工場や倉庫街に囲まれた湊町新一帯は、ミナミの新たな各所に変身するはずだ」と胸を張った。
 だが、現在着工されているのは中核施設の「湊町複合交通センター」だけ。地下2階の鉄道部分と同1階のコンコースの工事が進んでいるが、地上部分はようやく来月、着工となる。ビルのテナント募集も始まるが、開発センターの那須野昌司専務は「景気の低迷の中でどうなることか」と話す。
 他の6つのビルは開発主体や手法も決まっていない。開発用地となる広大な土地の形や所有者が複雑なことがネック。開発を進めるには、区画整理がどうしても必要になる。ところが土地の形状はL字状となっていたり、極端に細長かったりし、うまく分割できない。現状のまま再開発すると、ペンシルビルが連なってしまう。関係者の話し合いは始まったばかりだ。
 事業団の土地(3f)は大小5ヵ所に点在している。市開発計画課は「事業団からは買ってくれといわれているが、高い余計な土地を買うわけにはいかない」という。土地は買い手がつかないため、雑草が生え放題のままとなっている。
 開発センターの荒川忠昭常務は「一体的な開発を進めるためにも、土地区画整理事業によってある程度の規模にまとめていかねば…。土地評価をどう行い、『交換』を進めれはいいのか」と話している。(朝日新聞 夕刊)
26日■非常通話装置 導入へ高まる関心 話せることで状況キャッチ 「のぞみ殺人」機に 新幹線設置も検討
 新幹磯のぞみ号の殺人事件を契機に列車内の安全管理が論議されるおり、乗客が車掌とインタホンで会話できる「非常通話装置」への関心が高まっている。京滋では阪急電鉄が走行車両の2割近くにまで装備率を高め、JRでもニュー雷鳥など在来線の一部車両に導入しているほか、京都から関西新空港に乗り入れるアクセス特急にも設置を決めている。
 日本の鉄道車両には、運輸省令に基づき、異常が発生した際乗務員に知らせる「非常通報装置」が設けられている。通報を受けて乗務員は現場を確認、状況を運転指令所に連絡し「指示に基づいて列車停止などの非常措置を講じるシステムになっている。
 ところが通報装置は、異常を知らせるだけで、急病人が出たのか、暴力事件が発生したのか具体的な状況まで分からない。このため乗務員が現場に急行し、状況をつかむまでに時間がかかるケースもあった。
 阪急電鉄は4年前に初めて、乗客が乗務員と通話できる装置の設置を試みた。その後通話装置を増やし、平成4年度は新造車両21両を含め49両に設置。現在の装備車両は計210両、装備率は全車両の16%に達している。
 同電鉄によると、列車を緊急停車させるケースは少ないものの、ラッシュアワー時などに効果を発揮している、と話している。
 JR西日本もニュー雷鳥(681系)や新快速、快速(221系)の一部に非常通話装置を導入しており、関西新空港へのアクセス特急にも設ける予定だ。新幹線は現在、非常通報装置のみだが、車両数が最長16両におよぶうえ、走行距離、駅間距離とも私鉄よりはるかに長く、のぞみ号事件もあって「在来線を含め通話装置の設置は検討課題に上がっている」(JR東海)という。
 一方、京阪や近鉄は非常通報装置のみを設置。京阪電鉄広報室は「車両数が少ないうえ、駅間距離も短いので、通報装置があれば十分対応できる」と話している。(京都新聞)
27日■羽田空港 88機、夜の大移動 新ターミナル けさオープン
 年間4000万人が利用する羽田空港の新しい旅客ターミナルビルが27日、オープンする。開業を控え26日深夜から27日未明にかけてジャンボ機などが現ターミナルから引っ越し、同日早朝の始発便から新ターミナルを使って出発する。
 運輸省羽田空港事務所は、88機もの旅客機が一晩で4−5`も地上走行するため、移動に使う4本の誘導路を前もって「キリン」「サッポロ」「アサヒ」「サントリー」とビール会社の名前を付けて作業しやすくした。
 同事務所は定期便の発着が終わった午後11時すぎから滑走路を閉鎖。ジャンボ機などが現ターミナルの周りの駐機場から新ターミナル周辺へ分刻みで次々とけん引車に引っ張られ移動。タラップ車など約2700台の車両も続々と新ターミナルへ。
 全日空など航空3社は26日夜、現ターミナルから出発する最終便を見送る式典を行い、搭乗者らに記念品をプレゼントした。(京都新聞)
■運転士の腕6000万円節電 「のぞみ」一気加速あと惰性 JR西日本取り組み ガクンなくなり一石二鳥
 山陽新幹線で「のぞみ」の運転士が、節電のための経済運転に取り組み始めた。アクセルとブレーキを小刻みに切り替える従来の運転をやめて、最高速まで一気に加速してアクセルを切り、後は惰性にまかせて走らせる。この変更で年間約6000万円も電気代が浮き、ガクンというショックも少なくなるという。「ひかり」「こだま」よりも高い料金の電車だけに利用者にとっては節約した分、割引を期待したいが、JR西日本は「当分は乗り心地の良さで我慢を」と話している。
 同社によると、「のぞみ」の経済運転は、大阪新幹線運転所の運転士らが経費節約の一助に、と自主的に考え出した。
 変更後の運転方法そのものは非常に簡単で、自動車と違って、アクセルを入れなくても惰性で数十キロも走れる電車の特性を生かしている。駅を出発したら時速270`まで一気に加速して、しばらく走行した後、ある地点でアクセルを切り、次の駅に停車するためどうしても減速をしなければならない地点まで惰性で走る。
 例えば、新大阪を出発した博多行き「のぞみ」は、岡山駅の手前約18`でアクセルを切ると約13`を惰性で走り続けるという。
 こうしたブレーキやアクセルを使わない「惰性区間」を各停車駅の手前に設けることで、新大阪−博多間では1編成(16両)当たり約433キロワットの消費電力が節約できる。「のぞみ」全列車の節電代は年間5600万円にのぼるという。さらに、滑らかな乗り心地も実現する。(朝日新聞)
■山陰線また針 山陽新幹線からも
 26日午後4時45分ごろ、京都市右京区のJR山陰線花園駅付近で亀岡発京都行き普通電車(4両編成)の座席に縫い針が刺さっているのを乗客が発見、車掌にとどけた。
 京都府鉄道警察隊の調べでは、針は長さ5.2aで、先頭車両の窓側座席に刺さっていた。
 また、同日午後7時半ごろ、山陽新幹線でも博多発新大阪行きこだま590号の3号車の座席からまち針が見つかった。
 JR車内から針が見つかる事件が相次いでおり、京都では今月21日、山陰線綾部駅付近で特急「あさしお1号」、東海道線の向日町運転所内で普通電車から座席に刺さった針が発見された。滋賀県でも同22日、大津駅で普通電車の座席に置かれた虫ピンが見つかっている。(京都新聞 夕刊)
28日■収賄事件発生で 根本的に人事制度見直し JR西日本社長指示
 コイン洗車場の洗車機導入に絡み、JR西日本福岡支社の社員が収賄容疑で福岡県警に逮捕された事件で、同社の井手正敬社長は27日、再発防止のため資材、管財関係を中心に、同じ社員が長年同じ職場にとどまることのないよう、人事制度を根本的に見直す方針を明らかにした。
 同社では、旧国鉄以来20年以上も同じ仕事に携わっている社員が珍しくないという。事件を機に会社としてエリを正し、合わせて人事の活性化を図るため、長期滞留を防ぐ新たな人事を制度の検討を指示した。
 同社長は「会社として多少コストがかかっても、個人の生活設計を壊さない範囲で、せめて10年に1度ぐらいは職場を変えてもいいのではないか。組合とも協議し、早ければ来年春までに成案を得るよう努力したい」と話した。(京都新聞)
■2階建て新幹線に亀裂 東北新幹線台車支柱 構造欠陥、4割に発生
 東北新幹線で人気の高い2階建て車両の車体と台車との接続部分に、亀裂が発生していたことが分かった。
亀裂の発生個所は全体の4割にも達し、構造上の欠陥と判明した。高速走行する新幹線で列車の安全運行に支障が出るような欠陥が発見された場合、同一の全車両をすぐに総点検することになっているが、JR東日本は定期点検までそのままにしていた。
 亀裂が見つかったのは、台車と車体をつなぐ「ボルスターアンカー」と呼ばれる鉄製支柱の車体側の受けの部分。車両1両につき4基ある。2階建て車両は東北新幹線で12両あり「ポルスターアンカー」は合計で48基ある。JR東日本によると、そのうちの10両合計21基で今年7月から8月にかけ、1〜2aの亀裂が見つかった。
 車両メーカーで調査したところ、車体との溶接部分の形状に問題があり、耐え得る車両の応力(車両が走行することによって内部に生ずる力)の1.5倍の負荷が、かかっていたことがわかった。メーカー側はJR東日本に提出した報告書で構造上の欠陥を認め、JR東日本も「構造に配慮が足りなかった」としている。
 JR東日本によると、この亀裂は7月5日の月一度の定期点検(交番検査)で初めて発見され、この時は応急の補強措置をとった。補修の現場などからは、他の2階建て全車両についても総点検をすべきだ、との声もあがったが、関係者によると、夏休みの輸送繁忙期を迎え営業列車のやり繰りができなくなる、などとして他の車両については月一度の定期点検まで見送られた、という。
 JR東日本は、定期点検で亀裂が相次いで見つかった後、全車両について溶接部に補強板をつけるなどの対策をとっている。総点検をしなかった理由については「亀裂はすぐ進展するものではなく、定期点検で対応できると判断した」(検修課)としている。(朝日新聞)
■姿消す惨事の証人 信楽高原鉄道事故 車両解体始まる
 信楽高原鉄道列車事故で大破し、滋賀県日野町の県警機動警察隊の敷地に保管されていた事故車両3両の解体作業が28日、現地で始まった。保存を求めていた「遺族の会」(吉崎俊三・世話人代表)とJR西日本、信楽高原鉄道との間で、保存方法をめぐる調停が成立したためで、10月2日までに解体を終える予定。死者42人を出し、列車同士の衝突事故のすさまじさを物語っていた車両は、事故以来2年4ヵ月で姿を消す。
 信楽高原鉄道の2両とJR西日本の1両で、保存が決まっている行先表示板などを取り外したあと、大型のはさみのような機械やガス切断機を使って、車体を長さ2b程度に切断した。最終的には、製鋼原料として電炉メーカーに売却される。
 事故後、県警が押収していたのを両社に返還したあと、解体が計画されたが、「遺旗の会」が保存を求めて大津簡裁に調停を申し立てた。行先表示板や車両形式表示部分など計15点を信楽駅近くに設置予定の資料館に保存することなどで、今月3日に調停が成立した。(朝日新聞 夕刊)
■控訴審でも5被告有罪 広島駅乱射事件
 JR新幹線広島駅ホームで1988年7月、暴力団共政会系組員らが対立する暴力団組長を狙って短銃を乱射し、乗客3人を合む4人が重軽傷を負った事件で、殺人未遂などの罪に問われた広島市中区南竹屋町、暴力団青木組組員上田嘉居(かおる)被告(31)ら暴力団員5人に対する控訴審の判決公判が28日、広島高裁であった。
 生島三則裁判長は、上田被告と川元秀樹被告(34)、、永尾陽二被告(34)、沖野誠被告(30)の4人にそれぞれ懲役14年、高松利明被告(28)に懲役13年(求刑はいずれも懲役20年)を言い渡した一審判決を支持し、検察、弁護側双方の控訴を棄却した。(朝日新聞 夕刊)
29日■滋賀・岐阜の新幹線妨害 大惨事の恐れ 立証 岐阜の犯行 連結金具 車輪に接触判明 JR総研鑑定 転覆狙い濃厚
 ワイヤは6月10日未明、岐阜県関ケ原町の上り線レールに巻き付けられていた。岐阜県警捜査本部では、列車走行への影響などを調べるため、車両研究機関のJR総研(東京都国分寺市)に鑑定を依頼、今月13日に報告を受けた。
 関係者の話によると、鑑定では強度分析や衝撃耐性検査、車両走行試験などを約2ヵ月にわたり実施。この結果、レールに巻き付けられたワイヤ(直径約1a)が、列車の排障装置の下をくぐり抜け、車輪で切断されていたことが分かった。また、ワイヤの連結に使われたシャツクル(同3a)の異常なゆがみが車輪との接触で生じたことも分かり、列車が脱線転覆する危険があったことを強く示唆しているという。
 滋賀、岐阜の両県警共同捜査本部では、犯人は脱線転覆を狙っていたとの見方を強め、列車往来危険の疑いで犯人検挙に全力を挙げている。同捜査本部は「乗客に不安を与えないため」として鑑定結果を公表していない。
 滋賀県警捜査本部は、彦根の犯行に使用されたチェーンについて、近く同様の調査を専門機関に依頼する方針。
・新幹線列車妨害事件 今年6月10日未明、岐阜県関ケ原町の上り線レールにワイヤが巻き付けられた。8月28日深夜、約20`離れた彦根市小野町の下り線レールにチェーンが巻き付けられ「のぞみ」が緊急停車した。両事件とも防護金網を破って侵入するなど犯行手口や環境が類似、同一人物が書いたとみられる文書も両現場で見つかっている。
・脱線係数 突出も 専門家の見方
 『新幹線安全神話が壊れる日』などの著書で知られる物理学者の桜井浮氏は「切断したワイヤを車輪が巻き込むと横方向の力が増大し、脱線係数が跳ね上がる可能性もある。それにシャツクルとの接触で列車が浮き上がる危険もあった」と指摘する。
 一方、八十島義之助・東大名誉教授(鉄道工学)は「切断は一瞬で脱線係数に大きな変化はないはず。先頭車両下部に付いた補助排障板をくぐり抜ける程度の大きさ(約1a未満)の物なら乗り上げても大丈夫」という。
 JR東海広報部は「ワイヤにしろシャツクルにしろ総重量900d以上の車両が障害物を瞬時に弾き跳ばすので脱線はありえない。しかし異物が車輪に触れることはあってはならない」と、障害物が排障装置を通過したことを認めている。(京都新聞)
■京都市電廃止あすで15年に 車両のたどる”レール”は? いまや珍品チンチン電車 展示保管は13台 8台は行方不明 現役16台 元気に出発進行 ビデオも売り出し
 京都市電が、廃止されてから30日で、15年を迎える。消え去ることになった1978年9月に走っていたのは、56台。うち12台は処分され、44台が各地に売却された。16台は現役で活躍、13台が展示などで保管されている。しかし雨などにさらされて7台は廃車、大阪や京都などの個人に売られたうち8台は行方不明など、その後の運命はさまざまだ。あれから15年。チンチン電車の余生を探ってみた。
◇現役◇
 広島電鉄に売却されたのは13台。以前に「おこし入れ」していた2台と合わせ、全部が現役。清水、金閣など京都ゆかりの名前がつき、かつては四条通を走った車両が、原爆ドーム、繁華街の八丁堀など、市内7路線を走っている。
 一部路線を除き130円の均一料金で、年間4400万人の利用があるという。
 ここでも70年代、廃止計画が起きたが、当時電車部長をしていた奥窪央雄社長が、何とか路面電車を残したいと運動。県公安委員会が軌道内の自動車乗り入れ禁止を決定。運行時間の遅れが少なくなり、乗客が戻り、経営は順調になったそうだ。
◇保存◇
 京都コンピューター学院白河校(左京区)にある2台。同校の初代学院長谷川繁雄さんが、「学院がいつか」大学として認められたら、キャンパスを走らせたい」と購入した。
 45年10月から約30年間、烏丸車庫で整備士として働いていた原田聡さん(70)が、市電と一緒に同学院で働くことになり、動態保存している。「車内広告も当時のままにしている。一度走らせたい」
 徳島県阿南市に住む耳鼻科医、中山寿孝さん(67)も車庫を造って、保存している。レールを敷き、ポイントも設置。当時の雰囲気を残している。「京都にいけば、駅前から必ず乗っていたチンチン電車がどうしてもほしかった」と振り返る。
 伏見区の端山保育園と住吉西保育園では園庭に置いている。「昔、京都中に走っていた市電はこんな姿だったと、園児に教える授業をしています」と端山保育園。保育者会の会場になることもあるという。このほか、市内6ヵ所の児童公園に置かれている。
◇廃車◇
 滋賀県大津市、環琶潮タワーには3台が展示されていた。しかし風雨に打たれて、1台が3年前に、あと1台が今年2月に廃車となった。あと1台は大阪に住むマニアに委譲された。
 最も遠くの沖組県宮古島の自動車会社へいった1台は、サビでぼろぼろになっていたところ、数年前の台風で壊れてしまった。
◇ビデオ◇
 映像に残ったケースもある。大阪市内のテレビ番組製作会社が「甦(よみがえ)る京都市電」と題してビデオ(80分)にした。来年の平安建都1200年を記念して、大阪市内の放送局に保存されていたテープから作製した。
 販売(6500円)予定はこの7月だったが、「京都市長選前に路面電車復活という議論が再燃しては困る」と交通局から申し入れがあり、8月に延ばしたいわく付着だ。「昔から京都にいる人だけでなく、大学時代に過ごした人など多くの方に共感を持ってもらえるはず」と期待している。(朝日新聞)
■信号装置の故障で東海道新幹線遅れる
 東海道新幹線上り線は29日午前5時20分ごろ、愛知県新春日井郡西枇杷島町の名古屋−岐阜羽島間で信号装置が壊れているのが見つかり、同7時32分に運転を再開したが、始発の新大阪発東京行きひかり200号が岐阜羽島を42分遅れで発車したのを最高に7本が10−42分遅れ約3000人に影響。(京都新聞 夕刊)
30日■「脱線・転覆の可能性」岐阜の新幹線妨害 JR総研が鑑定
 岐阜県不破郡関ケ原町で今年6月、東海道新幹線の線路にワイヤロープが巻きつけられた列車妨害事件で、岐阜県警から艦定依頼を受けていた財団法人・鉄道総合技術研究所(JR総研)は、ワイヤロープとつながれた留め金具によって列車の車輪が3a程度浮き上がったとして「脱線、転覆の可能性があった」との鑑定結果をまとめ、29日までに同県警に提出した。
 妨害があったのは6月10日午前1時半すぎ。バラスト(砕石)の整備をしていた作業員が、関ケ原町山中の東海道新幹線米原−岐阜羽島間の上り線レール下に、留め金具2個に束ねられたワイヤロープ7本が落ちているのを見つけた。
 JR総研の鑑定結果によると、留め金具があると、車輪が3a程度浮き上がり、横からの力が働くと、脱線、転覆する可能性があったとしている。さらに@留め金具をレールに完全に固定した場合A留め金具を売全に固定しない岐阜の手口でも、犯行現場は線路が左カーブにさしかかった辺りのため、右側のレールに仕掛けて遠心力が働いた場合も脱線、転覆の可能性が強かったとみている。
 岐阜県警は当初、通過列車がワイヤロープを切断したとみていたが、鑑定の結果、留め金具の傷みがひどいことから、車輪がワイヤロープを切断したのではなく、留め金が車輪に引きずられ、線路を巻いていたワイヤロープが引きちぎられたと、見方を変えた。
 8月末、滋賀県彦根市でも東海道新幹線の線路で同様の手口の列車妨害事件が起きた。滋賀県警も、遺留品を同研究所に鑑定依頼している。
・今回のワイヤなら 瞬間的に切断する JR東海は否定的
 JR総研の鑑定結果について、JR東海の技術陣は、「仕掛けられた程度のワイヤロープなら、ふつう、列車が瞬間的にはじくか切断する。脱線・転覆と結び付けることには抵抗感がある」との見解を示している。
 JR東海技術本部によると、東海道新幹線車両の障害物排除装置は三段構え。先頭車最前部にアルミ製板の排障器「スカート」があり、その下部には、レール面すれすれに小さな障害物を取り除く硬質ゴム製の補助排障装置がある。
 さらに、スカートの後ろに約10aの間隔で5枚の板が並ぶ「主排障装置」がある。3つ合わせて「1`の岩でもラクラクとはねのけてしまう」と、パンフレットで紹介している。(朝日新聞)
■新幹線でまた針 大阪でまた針
 大阪府摂津市のJR東海道新幹線大阪第一車両所で29日午後6時40分ごろ、東京から到着した「ひかり」の窓枠のゴムに長さ約3aの針が刺されているのを清掃係員が見つけた。これで、東海道新幹線での針の発見は32件34本らなった。(朝日新聞 夕刊)
■大阪水上バス開業10年 夕方は固定客1人 受ける都市再発見 通勤・サッパリ 遊覧・ホクホク 新航路構想も
 中之島など大阪市の都心を回る大阪水上バスが、通勤の足からすっかり遊覧船となった。開業当初、「通勤革命」と期待された朝夕の通勤便が不振にあえぐ一方で、遊覧便は一風変わった都市観察法として若者らに受け、年間30万人近い乗客を集めるようになった。道頓堀川、木津川などを結ぶスクェア(四角形)航路で市内を縦横に運航する構想も出されている。「水の都」復活を思い描いた水上バスは10月1日、開業10周年を迎える。
 大阪水上バスは1983年に開業。大川沿いの住宅・都市整備公団団地約3700戸の通勤の足にと、大阪市や同公団が働きかけ、京阪電鉄グループの全額出資で始まった。
 当初は平日、朝3便、夕方2便の通勤便が淀屋橋まで5.1`を25分間で運航していた。
 しかし期待に反し、一便(定員108人)当たりの平均利用客は4人。帰路が2便しかなく、サラリーマンから敬遠されたらしい。
 このため、86年には月曜から金曜までの朝夕1便ずつに減便。現在朝の便は乗客が20人前後、夕方の便は固定客1人だけ。
 1日6−11便を出す遊覧使は好調だ。土佐堀川、堂島川などを結ぶ路線は11.2`、所要時間1時間。オフィス街をぬうように走り、「ビルの『背中』が見えて、全然違う町みたい」(23歳・女性)と、町並み”再発見”が若者にアピールしている。
 開業初年度は半年間で乗客9万8000人だったが、90年度は花博効果で年間28万4000人、昨年度は26万8000人。「単年度で採算がとれるようになってきた」という。
 新航路は、土佐堀川から木津川に南下、道頓堀川、東横堀川とつないで再び土佐堀川と合流する「スクェア」構想だ。全長約12`、道頓堀かいわいの歓楽街やドーム球場ができる西区岩崎橋地区と結び、水運都市づくりに踏み出す。
 「八百八橋」をくぐり抜けられる小型客船の開発が課題となるが、同社は「大阪市がオリンピック招致を目指す2008年ごろまでに、実現したい」という。
 大阪市河川課では道頓堀川の再開発を91年度から検討中で「スクェア構想はたいへん面白い。市としても水運復活の方策を研究している」と前向きな姿勢を見せる。(朝日新聞 夕刊)
■朝の京阪電車 33本遅れる 男性飛び込み死亡
 30日午前7時50分ごろ、大阪府寝屋川市香里本通町の京阪電車赤井堤防踏切で、淀屋橋発出町柳行き急行(7両編成)に、枚方市内の男性(37)が飛び込み、全身を強く打って即死した。この事故で急行が現場に約10分停車したため上下合わせて33本が10−3分遅れ、約3万3000人に影響が出た。ダイヤは同8時55分に平常に戻った。(朝日新聞 夕刊)