1993(平成5)年 8月


1日■”近鉄王国”に挑むJR お伊勢参りにホットな争い 遷宮控え新型快速お目見え(京都)
  ■乗用車に列車衝突 石部のJR草津線踏切(京都)
  ■トンネル内で国際列車追突 伊、1人死亡48人けが(京都)
  ■京都 選択の夏 市長候補・記者会見から(朝日)
2日■新型車は紫色 JR笠置駅で式典(朝日)
4日■大雨で徐行運転 4000人の足に乱れ JR奈良線(京都)
  ■雷雨大荒れ 電車運休も JR各線で影響2万人(朝日)
  ■ポスト「のぞみ」へ 新・新幹線が最終試験(朝日)
  ■「配転・訓告は不当」JR西労が申し立て(朝日)
5日■英仏海峡フェリーSOS!! トンネル開通で余波(京都)
  ■京都駅理容店訴訟 代替地提供で和解 JR側、営業継続認める(京都)
  ■JR東日本株 あすから入札 一般向け30万円台か(朝日)
  ■理容店立ち退き訴訟 京都駅構内移転でJRと店側が和解(朝日)
6日■作業車が衝突、脱線 新幹線ストップ 東京−新大阪 7万人に影響 午後に復旧 浜松、5人けが(京都)
  ■家族連れガックリ 新幹線ストップ 駅員に怒る場面も(京都)
  ■新幹線全面ストップ 作業者が衝突・脱線 東京−新大阪(朝日)
7日■夏休み客ら32万人に影響 新幹線ストップ うんざり13時間(京都)
  ■新幹線事故 マヒ13時間、32万人に影響 人為ミスが原因か(朝日)
  ■豪雨禍 33人が不明 2人死亡 土石流・がけ崩れ 鹿児島(朝日)
  ■鹿児島豪雨 泥流 市街地が孤立 土砂崩れ住民1000人避難(朝日)
  ■鹿児島豪雨、被害拡大 死者不明100人に 土砂崩れ病院のむ 交通網寸断 救助活動は難航(京都)
  ■鹿児島豪雨 赤土の壁、一気に崩れた 列車、駅すっぽり 茶色の海に家や車(京都)
  ■シラス台地を直撃(京都)
  ■死者不明100人越す 鹿児島豪雨禍 避難病院へ土砂 駅で列車も埋まる(朝日)
  ■鹿児島豪雨 無残ツメ跡深(朝日)
8日■JR東日本、JT、第二電電… 新規上場の動き続々 株価低落心配する声も(京都)
  ■車両故障で遅れる JR東海道線(京都)
  ■「悲惨さを痛感した」 米の専門家 信楽事故現場を視察(京都)
  ■宇治川花火大会 JR、京阪など大増東 会場周辺は歩行者天国(京都)
  ■接近警報オフに 新幹線事故 JR東海調査 チェック不十分?(朝日)
9日■信楽事故遺族ら 調査機関の設置目指し 安全推進会議が発足(京都)
  ■鉄道安全求め市民会議成立 信楽事故遺族ら(朝日)
  ■男性はねられ死亡 阪急京都線松原踏切(京都)
  ■大津のJR事故 死亡者身元判明(京都)
  ■信号リレー室制御盤燃える JR北陸線に乱れ(朝日)
10日■交通網寸断 けが人も5人 近畿や中、四国(京都)
  ■倒木で電車ストップ JR伯備線(京都)
  ■JR山陰線も遅れ(京都)
  ■線路に転倒、電車通過 すき間で命拾い 伏見のJR 主婦軽傷(京都)
  ■阪和線なるか変身 「新空港線」「紀州路線」… JR西日本、改名を検討(朝日)
  ■台風7号 空と陸 交通網マヒ 西日本 帰省客ら足止め(朝日)
  ■東海道新幹線の作業車衝突 居眠り運転疑い濃厚 運転者供述「ある時から記憶ない」(朝日)
11日■まちかど異聞 高さ230a 天井注意 利用客1日1万8000人、だれかぶつかった? 地下鉄竹田駅 (伏見区)(朝日)
  ■お盆休み ふるさとへ長い列(京都)
  ■帰省 静かなスタート 分散、台風で出足鈍く(京都)
  ■丹後への列車 乗車率200%(京都)
12日■居眠り運転が原因と発表 新幹線事故でJR(京都)
  ■トロッコ亀岡駅 観光客に地元特産品を 展示コーナーが開店(京都)
13日■京都市公営企業会計決算 市バスは黒字に転換 地下鉄は赤字幅縮小へ(京都)
  ■入札申し込み 1万8000通 JR東日本株(京都)
  ■高架駅にはエレベーター 運輸省が指針(京都)
  ■回送電車に40人 連絡ミスで運送 JR関西線(京都)
  ■大阪市営交通90周年 記念バス走らす(京都)
  ■客40人乗せたまま 回送電車留置線へ JR関西線湊町駅(朝日)
  ■男性はねられ即死 JR西大路駅、自殺か(京都)
16日■大雨で列車遅れる JR播但、福知山線(京都)
  ■車暴走、駅に突入 JR新大阪 帰省客ら7人軽傷(朝日)
17日■整備新幹線の見直し要望へ 来月に初の大会(京都)
  ■電車内に幼児死体 JR草津駅 網棚のバッグに(京都)
  ■ニュース最前線 JR二条駅舎 保存 妙案なし 高い価値、認めても だれが負担…(京都)
  ■近代建築物 惜しむ声強いが壊される現実 持主の”善意”頼み 文化庁 登録制導入も検討(京都)
  ■男児の死因は餓死 JR電車内に放置(京都)
18日■JR85億円 南海40億円 関空会社 連絡鉄道使用料を提示(京都)
  ■住民の監査請求却下 JRの小倉山残土問題「対象になり得ぬ」 市監査委員(朝日)
  ■信号機故障で5000人に影響 JR向日町駅(京都)
  ■電車にはねられ死亡 木幡の京阪踏切(京都)
19日■京阪踏切で死亡の男性の身元判明(京都)
  ■のぞみ、急停車 異常ランプ点灯で 開業以来8件目(京都)
  ■男性が電車にダイヤ乱れる JR加古川駅(朝日)
  ■「のぞみ」一時停車 異常ランプ点灯(朝日)
20日■近鉄奈良線 鶴橋−布施 高架下立ち退きで対立 「安全輸送」VS「死活問題」(朝日)
  ■溶接中酸欠? 作業員が死亡 片福連絡線工事(朝日)
  ■「のぞみ」の台車異状 猫をひいたのが原因(朝日)
  ■TV人気、天気に勝てず 夏のKTR 乗客5%減(朝日)
  ■JRも冷夏で売り上げ減少 福知山支社まとめ(朝日)
  ■鉄道安全推進会議発足 信楽事故、将来に生かせ 安全面改善求める 専門調査機関設置を(京都)
  ■夕刊フォーラム 鉄道の事故防止 どんな対策が必要なのか 2氏に聞く(京都)
21日■新大阪駅で電気系統故障 新幹線に遅れ(朝日)
22日■レール幅は違っても 車輪の幅は自由自在 住友金属が新台車開発へ(朝日)
23日■ブレーキの故障でトンネル内に停車 JR北陸線(京都)
  ■東海道線など遅れ7000人影響 JRで信号故障(朝日)
24日■「のぞみ」で乗客刺殺 「静かに」と注意後 静岡 ナイフの男逮捕 警官も重傷(京都)
  ■「のぞみ」殺傷事件 鮮血飛び 車内に悲鳴 凶器男のアナウンス 逃げ惑う乗客(京都)
  ■「のぞみ」内で刺され 乗客1人死亡 警官も重体(朝日)
  ■のぞみ殺傷事件 動機などを追及 覚せい剤使用の可能性も(京都)
  ■「静にしてくれませんか」突然、刃物で襲う 「のぞみ」刺殺(朝日)
25日■運輸省概算要求 整備新幹線に重点投入(京都)
  ■実験期限を1年先送り 山梨のリニアモーターカー用地取得難航で(京都)
  ■ラッシュの混雑解消へ新ダイヤ 地下鉄烏丸線 来月1日から(京都)
  ■秋の臨時列車1884本 JR西日本(京都)
  ■信号故障1000人に影響 JR京都駅(京都)
  ■信号が赤で変わらず JR嵯峨野線などで遅れ(朝日)
  ■「のぞみ」殺人事件 容疑者の尿に覚せい剤反応(朝日)
  ■整備新幹線14.9%増に 運輸省概算要求(朝日)
  ■「のぞみ」殺人 覚せい剤2年前から 中村容疑者 事件前日にも使用(朝日)
  ■リニア実験線 96年春に実験開始(朝日)
26日■精神鑑定の方針 「のぞみ」殺人事件 中村容疑者を送検(京都)
  ■窓 古里みつけた飯田線の旅 大津市 小坂由以子 主婦(60)(京都)
27日■JR東日本株35−38万円に 大口落札加重平均 予想より高め(京都)
  ■JR東日本株落札 ちょっと高い38万円 NTT株の二の舞心配 改革があだ 個人が殺到(京都)
  ■国民負担は1人16万円 株式落札のJR東日本 上場後も膨大な債務(京都)
  ■38万円以下が6割 JR東日本の落札(京都)
  ■凡語(京都)
  ■東海道新幹線運転ストップ 東京−新横浜間(京都)
  ■JR東日本株式落札 平均は37万9800円(朝日)
  ■来年度は西日本・東海 JR株 運輸省が売却方針(朝日)
28日■首都の足ズタズタ 台風直撃 JR運休1900本(朝日)
  ■首都圏水浸し 台風11号直撃(朝日)
  ■地下鉄工事の路面鉄板沈下 醍醐の外環状線(京都)
  ■首都圏、朝の足も混乱 台風直撃 中央線復旧めど立たず(京都)
  ■復旧工事長引き 首都圏のJR混乱(朝日)
29日■窓 私も悩んでる 市バスBGM 田辺待ち・村上 弘 教員(39)(京都)
  ■1日から4往復増発 朝夕のラッシュ時に地下鉄烏丸線 通勤すこし楽に(朝日)
  ■市道覆う鉄板沈む 伏見の地下鉄東西線工事現場(朝日)
30日■彦根の東海道新幹線 レールに鉄製チェーン 「のぞみ」緊急停車 金網を破って侵入(京都)
  ■レール上に石100個 容疑の会社員逮捕 八王子のJR中央本線(京都)
  ■新幹線線路に鉄製チェーン 「のぞみ」11分遅れる(朝日)
31日■JR東日本株 38万円で一般売り出し 2日から申し込み 予想より高め(京都)
  ■端数切り上げ価格決定 JR東日本株売り出し 申し込みに影響も(京都)
  ■JR株の価格決定 「呼び水」の期待薄 個人投資家には人気か(朝日)
  ■南海本線が一時不通に トラック、架線切る 5000人影響(朝日)
  ■特急にはねられ死ぬ 大阪のJR踏切で男性(朝日)



1日■”近鉄王国”に挑むJR お伊勢参りにホットな争い 遷宮控え新型快速お目見え
 今秋に予定される20年に一度の伊勢神宮式年遷宮、来年夏の「世界祝祭博」(三重県伊勢市)を前に、国内有数の観光地、伊勢志摩をめぐるJRと近鉄のホットな争いが始まろうとしている。
 JR東海が8月1日から名古屋−鳥羽間の快速列車「みえ」に高性能ディーゼルカーを投入、増発するのに対し、近鉄は来年春新型特急電車「伊勢志摩ライナー」を導入する。
 伊勢方面へのJRの輸送力は現在近鉄の約13分の1で、三重県内は近鉄の天下が続いてきた。JRも平成2年春から快速「みえ」の運転を開始し、乗客を伸ばしているが「近鉄王国」を崩すにはほど遠い状態。
 JRは式年遷宮などの伊勢でのイベントを前に老朽化した「みえ」の車両を新鋭車両に全面更新することになり、「みえ」やJRの特急が経由する第三セクター、伊勢鉄道も複線区間を延長しJRの輸送力増強に協力、「みえ」は8月から1日最高で16本が運転可能になった。
 新型「みえ」は最高速度が従来より10`速い120`、名古屋−鳥羽間は最も速い列車で7分短縮され1時間36分に。近鉄特急に比べると7分遅いが、運賃が2290円で210円安い。しかし、1時間の運転本数は「みえ」が1本、近鉄特急が3本でJRの分が悪い。
 「近鉄さんとけんかする気はない。南紀方面への乗客増を考えている」とJR側が控えめなのに対し、近鉄側は「怖いのはマイカーやバス。JRとの相乗効果で伊勢志摩への鉄道利用者が増えればありがたい」と競争歓迎の姿勢を見せている。(京都新聞)
■乗用車に列車衝突 石部のJR草津線踏切
 31日午後8時50分ごろ、滋賀県甲賀郡石部町石部のJR草津線中郡未知踏切内で、エンストで止まっていた野洲郡野洲町小篠原、会社員武田親幸さん(55)の乗用車に、貴生川発草津行き下り普通列車が衝突した。乗用車は大破し列車は前部が一部小破。列車の乗客25人と武田さんにけがはなかったが、同線は終電までの上下線計10本のダイヤが大幅に乱れた。
 水口署の調べによると、武田さんが踏切に進入した際、乗用車がエンスト。押し出そうとしたが間に合わなかったという。(京都新聞)
■トンネル内で国際列車追突 伊、1人死亡48人けが
 【ジュネーブ31日共同】アルプス山脈を貫通してスイスと結ぶイタリア領のトンネル内で31日朝、パリ発フィレンツェ行きの国際列車がドルトムント発ローマ行きの列車に追突、イタリア人の乗客1人が死亡、48人が重軽傷を負った。日本人乗客はいなかった。
 現地からの報道によると、事故が起きたのはリオリド・トンネルの中で、ローマ行きの列車が電気系統の故障のため停止したところへ、後続のフィレンツェ行きの列車が衝突した。
 衝突のショックで、中央部の1車両が脱線、この車両の中にいた乗客が負傷した。
 両列車とも夏休みをイタリアで過ごそうという観光客で満員だった。
 負傷した乗客のうち約30人がイタリア人で、その他はフランス人、ドイツ人、オランダ人、米国人だった。(京都新聞)
■京都 選択の夏 市長候補・記者会見から
・井上吉郎さん 47 =無新(共 推薦) 中止、再検討すべきものはJR京都駅の改築
 よくぞ関係ないものに、平安建都1200年記念事業の名前を付けたなあ、という感じですね。冠とやってる内容が違う事業がある。もう止められないものもありますが。
 切り替え可能なものとしては歴史都市会議。これなんかは「歴史都市保存と市民参加」というテーマに替える必要があるでしょう。歴史都市の保存は、行政とか権力者だけがやるわけではなくって、市民の合意がなけれはできないんですから。
 建設が進んでいるコンサートホールも、ハード部分は無理だが、ソフト面は充実させる必要がある。特に館長人事は大切。世界に通じる一級の人を呼ばないと、持ちぐされになる恐れがありますよ。
 また、国際映画祭の計画があるようですが、ぜひそれを機会に京都市民映画祭の復活を図りたい。歴史と近代が見事にマッチした京都のまちには映画が似合うと思います。
 中止、再検討すべきものは、やはりJR京都駅の改築問題でしょうね。だって悔しいじゃないですか。建都1200年という区切りの時、生きてた我々がそれぐらいのことしかしなかったと、後々に言われるのはね。
サポートします 地場産業や先端産業育成
 広告企画製作会社社長・藤沢敏明さん 記念事業の駅ビル改築は京都の活性化にはならない。京都は中小業者が地域経済を支えている。改築による大型店ラッシュは、この地域経済の活力を低下させる。歴史都市・京都の条件を生かして、伝統・地場産業や先端産業を育成し、発展させることこそ記念事業に値する。市民参加で、草の根からの1200年事業を目指す井上さんを応援します。
・田辺朋之さん 68 =無現(自・社・公・民・社民 推薦 日新 支持) 個性と魅力あるまちとして、発展するバネに
 いまからざっと100年前に平安建都1100年祭が行われました。東京に都が移り、京都は政治的にも産業経済の面でも凋落(ちょうらく)が見られたわけですが、近代化へ向けた市民の志が発揚されて、大きな力になったと思います。
 今日の京都の状況をみても、人口の減少や大学、企業の移転、景観問題など、私たちは100年前とよく似た厳しい時代を経験している、と理解しています。
 そういう意味から建都1200年を今後、京都が活力ある、いきいきとしたまちとしてさらに発展するバネになる年にしたい、と考えています。
 ハード面では、先般起工式をした梅小路公園、あるいは勧業館、コンサートホール、さらに迎賓館、地下鉄東西線、高速道路などの事業を進めて、京都の活性化を図っていきたい。
 ソフト面では、京都まつりを中心に、健康都市京都国際市民マラソン、よみがえる平安京、また国際映画祭についても企画が徐々に進んで、確実なものになってきております。
 建都1200年を、京都が個性と魅力あるまちとしてさらに発展するための大きなバネにしたい、と考えております。
サポートします 伝統・文化継承、なお創生
 京都若衆会会長・北村陽次郎さん 京都は伝統と文化を継承しながら、創生を繰り返さねばならず、かじ取りがたいへん難しい。田辺さんは、応急処置の必要在ものから優先約に解決し、ようやく根本的な問題に踏み込む矢先の選挙だと思う。世界から注目されている建都1200年を成功させるため、真剣に取り組み、最も京都を愛し熟知する市長さんに引き続きさい配をふるってほしい。(朝日新聞)
2日■新型車は紫色 JR笠置駅で式典
 JR関西線に新型ディーゼルカーが導入され1日、JR笠置駅で記念式典があった。従来の約1.8倍の約330馬力あり、亀山(三重)−加茂間約80分が10分程度短縮できるという。新型ディーゼルカーは定員112人で、車体や座席の色は、木津川沿線の自然や歴史をイメージした紫色。
 記念式典には、笠置町、南山城村の関係者ら約100人が出席。JR伊賀上野駅(三重県上野市)から到着した試乗列車の運転士らに花束を贈った。(朝日新聞)
4日■大雨で徐行運転 4000人の足に乱れ JR奈良線
 3日正午ごろ、JR西日本は奈良線の一部区間で大雨による列車の徐行運転をした。徐行運転したのは、稲荷−木幡、黄檗−新田、長池−山城青谷の3区間。午後3時に解除された。
 同広報室によると同地域の1時間あたりの雨量が35_を越えたための措置で、同日午後4時半現在、上下14本が運休したほか、上下28本が最高1時間から2分遅れ、4000人の足に乱れがでたという。(京都新聞)
■雷雨大荒れ 電車運休も JR各線で影響2万人
 近畿地方は3日、雷を伴った強い雨に見舞われ、京都府長岡京市や大阪府箕面市では1時間に34_の雨量を記録、一部ではこの日午前零時からの雨量が100_を越えた。雷雨で電車の運行にも乱れが出た。大阪管区気象台によると、大気の状態が不安定だったのが原因、という。
 午後零時41分ごろ、大阪府枚方市楠葉花園町の京阪電鉄楠葉駅付近で、架線に雷が落ち、同駅と牧野駅の間が停電のため進行できなくなった。午後3時半に平常運転にもどったが、上下35本の電車が運休し、7500人が影響を受けた。
 また、JR線でも、奈良線桃山駅、東海道線高槻駅、和歌山線吉野口駅などで雨量計が1時間に35−50_を記録したため、付近で徐行運転をした。このため奈良線で上下14本が運休するなど影響を受けたのは合わせて2万人以上に上った。(朝日新聞)
■ポスト「のぞみ」へ 新・新幹線が最終試験
 最高時速350`、東京−博多間を4時間30分台で結ぼうと、JR西日本が開発を進める次世代新幹線車両が最終試験に入った。9月にも営業運転計画を決める。トラブル続きの東海道・山陽新幹線「のぞみ」の最高時速を80`も上回るが、同社の技術開発陣は「時間短縮と安全は鉄道の両輪である」と、実用化に自信を見せている。
 試験車両は「WIN350」。「のぞみ」に比べ、車高は35a低く、重さも5d軽い。パンタグラフをT形にしたり、車体の凹凸を極力なくしたりした結果、時速320`で環境庁の騒音基準(75ホン以下)を達成。線路のでこぼこや曲がりに応じて車体の傾きを自動制御する装置の採用で、92年8月には時速345.8`を記録した。
 最終試験次第では「のぞみ」の後継車両として、今年度中に車両メーカーに発注、95年3月にも営業運転となる見通しだ。
 JR西日本によると、直線の多い新大阪−博多間は「のぞみ」よりも20分以上も所要時間が短縮することは確実で、2時間10分台で結ばれる。曲線の多い東海道新幹線でも10分程度は短縮でき、東京−博多間を4時間30分台で走れるという。
 300`時代の先陣を切る格好のJR西日本の技術開発室は「時間短縮は鉄道の夢。のぞみで起こった走行や騒音など問題点はすべて改造、改良を施している。いまのところ実用化への大きな障害はない」と話している。(朝日新聞 夕刊)
■「配転・訓告は不当」JR西労が申し立て
 JR西日本がストライキに参加している組合員を配転や訓告処分にしたのは不当労働行為だ、として、JR西日本労働組合(JR西労、約4100人)は4日、広島地方労働委員会に処分取り消しを求める救済申し立てをした。
 申し立てによると、JR西労の下関運転所分会は3月18日から、下関−広島間のブルートレインの1人乗務化に反対し指名ストを続けている。
 このうち、3人が6月に広島運転所に配転となり、4人が5月に訓告処分を受けたが、いずれもストの参加者で、組合活動への不当介入にあたる、としている。(朝日新聞 夕刊)
5日■英仏海峡フェリーSOS!! トンネル開通で余波
 【パリ4日共同】来年春の英仏海峡海底トンネルの開通を前に、トンネルと競合することになるフェリー会社の間で生き残りをかけた値引き合戦が始まりそうな気配だ。
 トンネルの建設・運営主体であるユーロトンネル社は先月27日、来年3月上旬に貨物輸送を開始し、5月には旅客列車の運行も始めると発表した。6月8日にはエリザベス女王、ミッテラン大統額が出席して公式のオープン式典が行われ、高速鉄道の営業が開始されると、パリとロンドン間の所要時間は3時間に短縮される。
 これで最も被害を受けるのは、カレー(フランス側)とドーバー(英国側)を結ぶフェリー各社。
 英国のP&O社は今夏、乗用車1台(乗客5人を含む)の往復250フラン(約4500円)という割引料金を導入した。有効期間は1日だけと制限がついているが、通常の最低料金の1215フランと比べると破格の安さ。
 同社は「トンネル開通前に料金の違いを印象付けるため」と説明しているが、ライバルのシーリンク社は「業界全体としてトンネル対策を考えねばならぬ時なのに、安売りで抜け駆けするとは」と怒りを隠さない。
 トンネル料金の設定はまだだが、フェリー各社が値下げに踏み切らざるを得ないのは確実だ。4社あるフェリー会社のうち、何社が生き残れるか、とのささやきが聞こえ始めている。(京都新聞)
■京都駅理容店訴訟 代替地提供で和解 JR側、営業継続認める
 JR京都駅(京都市下京区)構内にある鉄道マンのための理容店が、JR西日本(井手正敬社長)から店舗の明け渡しを求められていた訴訟は、4日までに「JR側が代替地を提供し、理容店は営業を継続する」との内容で、大阪高裁で和解が成立した。国鉄民営化後に、駅周辺の再開発などを理由に同様の裁判が多数起こされているが、店が営業を続けられる形で決着したのは今回が初めて。
 訴えられていたのは、京都駅構内で理容店を開いている中場良樹さん(60)。
 和解の内容は▽JRは代替建物を理容店に提供、新たに賃貸借契約を結ぶ▽現在の店舗は今年12月末までに明け渡す▽代替建物の外装と内装工事はJR側、水道やガス、理容業に必要な洗面台などの設置は店側がする−など。代替建物は京都駅敷地内の近畿鉄道高架下の空き建物を改造するという。
 中場さんは父親の跡を継いで1966年から同駅構内で国鉄職員の福利厚生施設として理容店を営んでいる。理髪料金は一般の理髪店の6割程度に抑えられ、鉄道マンに親しまれてきたが、87年2月、旧国鉄が西日本の駅の構内にある理容店などに「職場営業の廃止」を通知、さらにJR西日本が店の明け渡しを求めて90年7月に京都地裁に提訴した。同地裁は昨年11月「明け渡しに理由がない」として請求を棄却、JR側が控訴していた。
 中場さんは「納得できる内容で和解できた。今のお客さんにずっと使ってもらえるよう営業を続けていきたい」と話している。
・職場営業ではない
 塩見宏JR西日本法務課長の話 当社としてこれ以上訴訟を続けることは双方にとって好ましくないとの判断から和解した。和解内容は福利厚生施設としての従来の職場営業を認めたものではない。(京都新聞)
■JR東日本株 あすから入札 一般向け30万円台か
 国鉄清算事業団は6日、大口投資家を対象にしたJR東日本株式(額面5万円)の入札受け付けを始める。11日まで受け付け、高いほうから60万株分を落札する。落札者の決定は26日。落札価格の加重平均が、一般への売り出し価格になる見通しで、個人投資家の意向を聞き取った大手証券などでは「1株30万円台」との見方でほぼ一致している。
 大手証券が7月末時点で全国の個人客2000人に「どのくらいの価格で入札を考えていますか」と聞いた結果、「30万円−25万円」での購入希望(50株単位、上限3万株)が6万1850株と最も多く、次いで「25万円−30万円」が5万3300株。「価格未定」も2万6950株分あった。また「45万円以上」という高値予想派が600株分あった。
 取得希望株数は、大半の客が50株か100株だった。
 この結果に対し、大手証券の幹部は「大半の投資家が常識的な価格を想定していることが分かった」としている。ただ、中には多少高くても、上場後すぐに売り抜ければいいと考えているむきがあることに「高値入札によって売り出し価格が上に引っ張られると、後で暴落したNTT株の二の舞いになる」との懸念をもらしている。
 一方、銀行や生命保険など機関投資家の多くは、30万円前後の水準での応札を予定している模様だ。生保各社は上場企業に配当利回りを高くするよう要求してきたこともあり、「利回り2%を割る水準では応札しにくい」(日本生命保険幹部)としている。これまで通りの1割配当で計算すると、利回り2%は25万円に相当する。
 今回、入札にかかるのは売り出し分200万株のうちの60万株。残る140万株は売り出し価格が決まった後、9月2日から10日まで証券会社で受け付ける。(朝日新聞)
■理容店立ち退き訴訟 京都駅構内移転でJRと店側が和解
 京都駅構内で親子二代約50年にわたって営業を続けてきた理容店が、JR西日本から立ち退きを求められていた訴訟の大阪高裁の控訴審で、店舗を構内の別の場所に移す内容で和解が成立した、と4日、理容店の弁護士が明らかにした。JR西日本はこれまで、同様の訴訟を計5件起こしすべて和解が成立したが、営業が継続できる条件で和解したのは初めて。
 訴えられていたのは経営者の中場良樹さん(60)。和解したのは、中場さんがいまの店舗を今年末までに明け渡す代わりに、別の場所で新たに店を設けてJR西日本と賃貸借契約を結ぶ、という内容。新店舗は空き室で、外装と内装の工事費はおもにJR側が負担する。(朝日新聞)
6日■作業車が衝突、脱線 新幹線ストップ 東京−新大阪 7万人に影響 午後に復旧 浜松、5人けが
 6日午前4時50分ごろ、静岡県浜松市飯田町の東海道新幹線浜松駅東4`の上り線で線路保守の作業車両同士が衝突、双方が脱線し、作業員5人が軽いけがをした。新幹線は東京−新大阪間で始発から「のぞみ」「ひかり」が全面ストップ、「こだま」が一部区間で折り返し運転を続けたが、車両を線路内から撤去する作業が手間取り全面開通は午後にずれ込み、ダイヤの乱れは終日続く見通し。夏休みの行楽客らが影響を受けた。東海道新幹線が5時間以上ストップするのは昨年5月、三河安城−名古屋間での「のぞみ」型車両の緊急停車事故以来。新幹線本線上での作業車同士の衝突事故は昭和61年4月以来。
 静岡県警、JR東海によると、衝突したのはJR東海浜松保線所のレール削正車(8両)とバラスト(敷石)散布車(9両)。始発前の保守作業を終えて同保線所の車両基地に戻る途中、停車していた削正車に散布車が突っ込んだ。
 双方の車両にはJR東海社員と下請けの作業員計11人が乗っており、浜松保線所の伊熊誠治さん(33)=浜松市南浅田=ら5人が1−2週間のけがをした。県警などで原因を調べている。
 JR東海はクレーン車4台で衝突した車両の撤去作業をしているが、大型のクレーン車の到着が遅れ復旧作業がはかどっていない。
 東海道新幹線は始発から全線がまひ状態となり、午前8時半から東京−静岡間、豊橋−新大阪間で「こだま」の折り返し運転をしたが、沿線各駅は夏休みの家族連れ、ビジネス客などで混雑した。
 JR東海のまとめによると、午前中だけで上下55本が運休するなど、約7万2000人の乗客が影響を受けた。
 京都駅でも一時、列車待ちの市民が約1000人に上ったが、正午前には約600人に減少した。(京都新聞 夕刊)
■家族連れガックリ 新幹線ストップ 駅員に怒る場面も
 6日朝、JR東海道新幹線浜松駅近くで起きた作業車脱線事故で、新幹線がまひ状態となった。東京駅は午前7時ごろから入場規制、昼前にはホームやコンコースに6、7000人の客があふれ大混雑。各駅で、夏休みを楽しみにしていた家族連れはガッカリ。出張のサラリーマンらはいらいらを募らせ整理に当る駅員に詰め寄る場面もあった。
 東京駅改札わきのコンコース。座り込んでいた千葉市の会社員山下和昌さん(36)は「福岡の実家へ家族6人で里帰りする予定。昼までには着くはずだったですが…。動くまで待つしかありません」とあきらめた表情。二男の光城君(9つ)は「早く遊びたいのに」とむっつり。
 グループで広島市のピースコンサートに行く予定の東京都の会社員小林慶子さん(55)は「南こうせつさんのファンで、毎年行っています。午後5時までに着かないとコンサートに間に合わない」と残念そう。
 名古屋市に社員ら60人で接待旅行に行くガス器具メーカー勤務の広崎哲さん(30)は「販売代理店の人たちに工場を見学してもらう予定だったんですが…」といらいらしていた。
 名古屋駅の改札口付近では、旅行客、サラリーマンらが駅員に「列車はいつ出るのか」と詰め寄る場面も。(京都新聞 夕刊)
■新幹線全面ストップ 作業者が衝突・脱線 東京−新大阪
 6日午前4時50分ごろ、静岡県浜松市飯田町の東海道新幹線浜松駅から約4`東京寄りの上り線で、停車していたレール研磨作業用のレール削正車(8両編成)に、砕石を線路にまくバラスト散布車(9両編成)が追突、両方とも脱線した。この事故の影響で東京駅午前6時発新大阪行きの「のぞみ」301号が静岡駅で運転を見合わせるなど東京−新大阪間の新幹線は一時全面ストップした。同区間の「のぞみ」と「ひかり」の上下数10本が運休し、「こだま」は東京−静岡駅間と新大阪−豊橋間で折り返し運転した。同社では、大型クレーン車4台を出して脱線車両を取り除く作業をしているが、復旧は午後2時ごろになる見通し。
 夏休みの週末とお盆前の帰省ラッシュが重なったため東京駅や名古屋駅など各駅は大混乱した。この事故で、作業に当たっていたJR東海の社員2人と請負の日本機械保線会社の作業員3人の計5人がけがをして病院に運はれた。
 JR東海や運輸省鉄道局によると、事故を起こした作業車はいずれも、新幹線が走っていない深夜から末明にかけて、線路の上を低速で走りながら作業をしていた。別々の場所で作業をした後、バラスト散布車は浜松駅西にある浜松保線所に、レール削正車も近くの浜松レールセンターに帰る途中だった。バラスト散布車は先頭車両と2番目の車両が脱線、レール削正車も1両が脱線した。運転は目視だけでやり、自動列車制御装置(ATC)などの安全装置は付いていない。事故当時は雨が降っていた。
・これまでの主な事故
 東海道新幹線では昨年11月、静岡市内で線路と立体交差している東名高速道路の工事用足場が落下して架線にひっかかり、上下56本が運休、89本に遅れが出て、17万7000人が影響を受けた事故がある。90年9月18日、名古屋−三河安城駅間の上り線で盛り土の流出や地盤沈下があり、計7時間以上にわたって上下98本が運休し約26万人に影響が出た。
 また同月30日には、東京−小田原駅間で線路への土砂流入やトンネル内の冠水などがあり17時間近くにわたって上下96本が運休、約18万人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
7日■夏休み客ら32万人に影響 新幹線ストップ うんざり13時間
 静岡県浜松市飯田町の東海道新幹線上り線で6日朝、線路保守の作業車同士が衝突、脱線し作業員5人が重軽傷を負った事故で、午前6時の始発から全線がまひ状態となっていた新幹線は同日午後5時44分、事故から約13時間ぶりに全面復旧した。
 ダイヤの乱れは夜まで続き、JR東海のまとめによると、東海道・山陽新幹線合わせて上下145本が運休、172本が遅れ、夏休みの行楽客ら約32万人が影響を受けた。
 静岡県警は業務上過失往来危険、業務上過失傷害事件として捜査に乗り出し、双方の作業車に乗っていたJR東海社員、下請け作業員の計11人から事情を聴いている。
 静岡県警、JR東海のこれまでの調べによると、停車していたレール削正車(8両)にバラスト散布車(9両)が衝突した。散布車の先頭のモーターカーにはJR東海浜松保線所の伊熊誠治さん(33)ら2人が乗っており、伊熊さんか運転していた。
 JR東海によると、散布車は40`くらいの速度を出していたとみられる。
・人為的ミスと謝罪
 作業車の事故で東海道新幹線がまひしたことについてJR東海の藤田敏専務は6日夜、東京都千代田区のJRビルで記者会見し「多数の乗客に迷惑を掛けたことを深く反省しおわびする。二度とこのような事故が起きないよう原点に戻り事故防止に取り組みたい」と謝罪した。
 また、同社の磯浦克敏技術本部副本部長は「急にブレーキが故障するとは考えにくく、運転士の前方不注意の可能性が高い」と原因は人為的ミスとの見方を示した。
 復旧が遅れたことについては「このような大きな追突事故は初めてで、復旧に全力を挙げたが反省点は多い」と語った。
・復旧待ち、いらいら京都駅
 JR京都駅では、夏休みの行楽客はじめ東京方面に向かう乗客がホームや改札口付近にあふれるなど、6日夜まで混乱が続いた。
 週末を控えたこの日は、家族連れや若者など夏休みの旅行客に加え、ビジネス客も多く、新幹線のコンコースでは、大きなバッグなどを抱えた乗客が、いつ動くとも分からない状能にいらいら。折り返し運転の「こだま」に乗り換える人もいたが、駅員に問いかけたり、公衆電話の列に並ぶなど、思わぬ予定の変更を強いられた乗客には、怒りやうんざりした表情が交錯していた。
 静岡市に出張する途中という大津市園山の会社員中川敬造さん(40)は「ニュースで事故を知り、仕事を切り上げて駅に駆けつけた。すでに復旧していると思ったが、もう3時間以上も待っている。仕事は明日からとはいえ、段取りが狂った」と列車を待っていた。
 駅側は、朝から新幹線の改札口や発券カウンターに、案内の掲示を出し、駅員らが総出で乗客への説明や整理などにあたった。(京都新聞)
■新幹線事故 マヒ13時間、32万人に影響 人為ミスが原因か
 静岡県浜松市で6日早朝起きた保線作業用列車の追突・脱線事故で、始発からほぼマヒ状態となっていた東海道・山陽新幹線は午後5時46分、事故発生以来ほぼ13時間ぶりにようやく復旧し、運転を再開した。上下145本が運休、172本に遅れが出て、32万人に影響が出た。運休本数はJR発足後、最高。静岡県警、JR東海で原因を調べているが、JR東海社員の運転する保線作業用のバラスト散布車の速度超過や前方不注意など、人為ミスの疑いが強まっている。
 JR東海によると、事故を見ていた現場近くの作業員は、止まっていたレール削正車に追突したバラスト車の速度は「時速40`以上だった」といっているという。社内規定によると、新幹線の保線作業車の制限速度は70`だが、今回のように複数の車両が同一の線路上で作業している区間は30`制限。
 バラスト車の運転席にいた運転者ら2人が重傷のため、追突したバラスト散布車がどの程度の速度で走行していたかははっきりしないが、衝撃の大きさから制限速度を上回る速度が出ていた可能性が高い、とJR東海は見ている。
・巨人軍足止め 中日戦中止に
 ナゴヤ球場で6日夕に予定されていた中日−巨人戦は、静岡県浜松市でこの日未明に発生した東海道新幹線の作業車両事故のため、巨人軍が名古屋入りするのが遅れ、中止となった。同球場で天候以外の理由のためにプロ野球の試合が中止になったのは初めてという。
・夏休み、あぁクタクタ…
 JR新大阪駅では午後3時59分から、東京行き「ひかり」の運転を再開。それまで豊橋まで「こだま」を運転していたが、コンコースやホームは運行の再開を待つ家族連れらであふれ、多い時には約3000人で込み合った。
 再開一番列車となったのは、午前7時に出発の予定だった東京行き「ひかり」100号。約200パーセントの乗車率で約9時間遅れて出発した。その後徐々に、東京行き「ひかり」や「こだま」の運行が始まったが、電光案内坂には「調整中」の紙がかけられたままで、駅員らに問い合わせる人や場内アナウンスを聞いてあわててホームに駆け上る人が続いた。
 高松から東京に帰る途中で昼前から再開を待っていたという神祭川県藤沢市の主婦(33)は、4つの娘を抱いてようやく午後5時26分発の「こだま」に乗り込んだ。「駅の近くの公園やホテルで時間をつぶしましたが、疲れました」と話していた。
 東京駅の東海道新幹線改札口前には、午後4時すぎになっても、約1万8000人の乗客が列を作った。復旧を見込んで下りの発車が始まると、駅員や警察官が横に隊列を組んでゆっくりと誘導し始めた。だが乗客はそれを無視して、われ先にホームヘ駆け出した。大きな旅行カバンを肩にかけ、小さな子供の手を引いた母親が、エスカレーターや階段を駆け上がった。
 ホーム上で発車準備が整った車両からあわてて飛び出し、階段を逆流しながらかけ下りる人も。ホームごとに表示された新幹線の発車時刻や行き先がダイヤの乱れでわからなくなったためだ。駅員に「いったい、どの列車が先に出るのか」と詰め寄る姿があちこちでみられた。
 駅では、「旅行を取りやめて下さい」と放送が繰り返し流れ、深夜になってもダイヤは混乱したままだった。(朝日新聞)
■豪雨禍 33人が不明 2人死亡 土石流・がけ崩れ 鹿児島
 鹿児島県地方は6日、前線の活発化に伴って局地的に集中豪雨となり、夕方になって鹿児島市内を中心に各地でがけ崩れや河川のはんらんが相次ぎ、被害が続出した。午後11時半現在、鹿児島県警などに入った連絡によると、鹿児島市内で二度にわたる土石流のため十数人が巻き込まれて行方不明になっている模様。同市消防局のまとめでは、この土石流被害を含め、2人の死亡が確認されたほか、行方不明者は全体で33人にのぼる。このほかJR日豊線で列車が立ち往生したり、道路網が寸断された。激しい豪雨のため、通信網も混乱しており、今後、被害がさらに広がる可能性もある。
 鹿児島県警に入った情報によると、鹿児島市吉野町竜ヶ水のJR日豊線竜ヶ水駅付近で、6日午後7時すぎから2回にわたって土石流が発生し、避難中の人などかなりの数にのぼる人が行方不明になっている。1回目の土石流は午後7時すぎに発生し、住民ら10数人が行方不明になった。2回目の土石流は、約30分後に起こり、竜ヶ水駅で立ち往生した列車から避難した乗客 320人やバスの乗客などを含む約500人が海岸に避難中、うち十数人から数十人にのぼる人の行方がわからなくなった。
 第10管区海上保安本部の巡視艇が出動、民間フェリーや漁船とともに、避難している人たちの救助にあたり、避難者のうち150人を桜島フェリーに収容、行方不明者のうち十数人も救出した。残りの人は見つかっていない。流された人の中には家ごと流された人もいるという。
 さらに、同町内の花倉病院近くで2人が生き埋めになっている模様。(朝日新聞)
■鹿児島豪雨 泥流 市街地が孤立 土砂崩れ住民1000人避難
 集中豪雨が、またも鹿児島地方を直撃した。腰までつかる泥流に、鹿児島市街地は孤立状態。雨に弱いシラス台地では土砂崩れや土石流、河川はんらんの被害が相次ぎ、JRや国道などの交通網が寸断された。「50人以上が行方不明になった」「約300人の乗った列車が立ち往生した」。断片的な災害情報が続く。今月初めの豪雨禍の恐怖も覚めやらぬ中、住民は再び不安な夜を迎えた。
 鹿児島市内では午後4時ごろから大雨が降り出した。市内の中心部を流れる甲突川が各所ではんらんし、帰宅途中の車などが身動きが取れなくなった。
 午後6時ごろには、甲突川から約1`離れた同市最大の繁華街・天文館でも、道路は深さ1b近い水につかった。路面電車7、8台と、路線バス、乗用車など約100台が立ち往生した。水かさは午後10時を過ぎてもなかなかひかず、バスの乗客らは深夜まで車内に取り残されたままになっている。
 車を放置して、避難する人も相次いだ。同市小山田町に住むNTT鹿児島支店の榎田清一さん(46)は「午後5時半ごろ、車で会社を出たが、国道3号が大渋滞。川が今にもはんらんしそうだったので、引き返した。自宅には家族4人がいるが、無事かどうか心配だ」と不安そうに話した。
 逃げ遅れて、住宅の屋根や歩道橋にのぼって救助を待っている人もいた。市消防局は、舟を出して孤立した人の救助に向かっている。
 同市内の「五石橋」の一つ、甲突川にかかる武之橋(同市新屋敷町)が濁流で流された模様。
 公衆電話の前には列ができ、「川があふれて動けない」と家族に連絡をする人が目立った。
 増水に加えて満潮。午後9時半ごろが鹿児島湾の満潮と重なるため、市は甲突川沿いの市中心部一帯に避難命令を出した。
 同県日置郡伊集院町下神殿(しもこどん)で土砂縮れのために、自動車数台が埋まっている。中に何人いたかは不明。消防団員らが救出作業を続けている。
 鹿児島市稲荷町では、がけ崩れで住宅が埋まり、生き埋めになった人がいる模様。また、崩れた土砂と河川のはんらんで帰宅途中の車が埋まっている。
 同市田上一丁目で1台、玉里町の玉里トンネルで車が1台埋まっている模様。
 同市吉野町の「花倉病院」では、1階に崩れたがけの土砂が流入して行方不明者が出ている、という。
 また、市内北部の伊敷町などの住宅造成地で土砂崩れが起き、行方不明者が出ている、というが、情報が入り乱れ、現場にも近付けない。
 鹿児島市吉野町の竜ヶ水地区で、土石流で海に流された若い女性は、巡視艇に救助された。鹿児島港で「怖くてたまらなかった。軽トラックにしがみついていたら助けられた」と話し、体を震わせた。
 鹿児島県警によると、竜ヶ水地区と同県姶良郡姶良町の間で、鹿児島空海からのリムジンバス3、4台が身動きが取れない状態になっている。
 また、鹿児島市吉野町の三船病院では、各地で起きた土砂崩れなどで住民約1000人が避難しているという。
 警察庁に入った連絡によると、竜ヶ水地区の国道10号で、土屋佳照・鹿児島県知事が乗った乗用車が立ち往生した模様だ。
 鹿児島市消防局は、消防署員と消防団員ら約1200人が出動した。(朝日新聞)
■鹿児島豪雨、被害拡大 死者不明100人に 土砂崩れ病院のむ 交通網寸断 救助活動は難航
 局地的な大雨に見舞われた鹿児島県では7日午前、最も大きな被害を受けた鹿児島市内を中心に不明者らの捜索、救助活動を続けた結果、土砂崩れなどによる死者は27人、行方不明者は70数人に上った。このうち鹿児島市吉野町では花倉病院の一階部分が土砂に直撃されて入院患者ら約30人が生き埋めとなり、うち5人が遺体で発見された。鹿児島中央署員や災害出動の自衛隊員が不明者の捜索と救出にあたっている。
 また7日午前、鹿児島市などで同市稲荷町の大野清春さん(67)、福村タエ子さん(62)の兄妹と、同市伊敷町、福永文江さん(70)らの遺体が相次いで発見されたのをはじめ、同日朝までに同市稲荷町、吉村かず子さん(60)、同市小山田町、主婦脇京子さん(43)、同市稲荷町、主婦大園鈴子さん(71)らの遺体も相次いで発見された。また6日夜には同市吉田町宮之浦、谷吉義武さん(83)が自宅で生き埋めになり、収容先の病院でショック死するなど7日昼までに死者は20人を超えた。
 このほか同市内のJR日豊線竜ヶ水駅付近などで発生した土砂崩れで約80人の行方不明者が出ている。
 市内の道路や通信網は土砂崩れや冠水で寸断されているため救助活動は難航。断水、停電が広い範囲で起き市民生活にも大きな影響が出ている。
 また市内を流れる甲突川に架かる五大石橋のうち、江戸時代に造られた武之橋と新上橋の二つが濁流のために崩落した。
 土屋佳照鹿児島県知事は7日午前1時、自衝隊の災害派遣を要請、第1陣が午前2時すぎ被災現場に到着、救助活動を始めた。同日午前には第2陣が派遣され、計400人が投入される予定。
 また第三管区海上保安本部(横浜)から特殊救難部隊が同日午前、鹿児島入りし捜索、救助活動にあたる。
 5日の降り始めから7日9時ごろまでの鹿児島市の総雨量は269_を記録した。(京都新聞 夕刊)
■鹿児島豪雨 赤土の壁、一気に崩れた 列車、駅すっぽり 茶色の海に家や車
 鹿児島湾を望む緑の斜面が赤土の崩壊壁に−。土砂で茶色になった海面には壊れた家屋の残がいや何台もの車が無残な姿で漂い、上空を捜索のヘリが飛び回る。鹿児島市の集中豪雨で最大の被害を受けた吉野町の沿岸部は豪雨から一夜明けた7日、変わり果てた姿をさらした。
 土砂崩れが多発した同町のJR日豊線竜ヶ水駅付近。急斜面を駆け下りた黒い土砂が立ち往生した列車の先頭を押しつぶし、海の近くまで引きずり降ろしている。駅舎も半分流された。近くの土砂の上には生後10ヵ月くらいのオムツ姿の男の子の遺体が。
 海岸に沿って走る国道10号には放置されたトラックや乗用車が数`続く。車列の上にも大量の土砂が襲いかかるように覆いかぶさっている。慌てて逃げ出んたのかワイパーが動いたままのライトバンも。
 約30人が生き埋めになった同町の花倉病院から命からがら国道上に避難した入院患者ら約50人はお年寄りばかり。男性は「夕べから何も食べていない。(救援を)待つ方も大変だ」とうつろな表情で話す。
 病院の西側斜面にあった冷蔵室や民家数軒はすっかり姿を消した。直径2bもある巨石が約50b下のJR日豊線の線路上に転がっている。船で現場に入った自衛隊や消防などが懸命の捜索活動を続けているが、病棟に流れ込んだ大量の土砂で作業は難航している。(京都新聞 夕刊)
■シラス台地を直撃
 鹿児島県で土砂崩れが相次ぐのは、ことし7月の月間雨量が平年の3倍以上を記録したうえ、8月に入って6日間で既に8月の月間平年降水量を上回るなど記録的な豪雨が、雨に弱いシラス台地を襲ったことも一因とみられる。
 鹿児島地方気象台によると鹿児島市の7月の月間降水量は1054.5_と観測史上最多を記録。平年の303.7_の3倍以上だった。
 さらに8月に入っても6日までで344.5_を記録。既に8月の月間平年降水量213.1_を大きく上回っている。また5月21日から7月9日まで続いた梅雨期間中の降水量も1433.5_と平年の2倍を超えた。(京都新聞 夕刊)
■死者不明100人越す 鹿児島豪雨禍 避難病院へ土砂 駅で列車も埋まる
 記録的な集中豪雨に襲われた鹿児島地方は7日朝、鹿児島市を中心に土石流やがけ崩れ、河川のはんらんによる新たな被害が明らかになった。同日正午現在、鹿児島県警などのまとめによると、死者27人、行方不明者74人(連絡がとれない人も合む)、負傷者15人となった。2回にわたって土石流が発生した同市吉野町竜ヶ水地区では、海に押し流されたり、土砂に埋まった人が多数いる模様だ。市内では1万9300戸が停電しているほか電話などもかかりにくくなるなど、都市機能が完全にマヒ。各地で道路網が寸断されるなど交通途絶状態が続いており、救助作業も難航している。
 土石流やがけ崩れが集中的に起きた鹿児島市吉野町竜ヶ水地区では、鹿児島湾沿いに走るJR日豊線や国道10号が約300bにわたって土砂に覆われ、竜ヶ水駅に停車中の列車2本の一部も土砂に埋まった。2度の土石流で20数人が流されたほか、列車の乗客や付近の住民など約千数百人が現場に取り残され、巡視船艇やフェリーなどが午前10時半までに約1600人を救助した。
 現場の土砂の中には乗用車など20台近くが埋まっているとみられる。岸壁にも十数台が流され、海中でも数十台が確認された。避難中に土石流にのまれた人も多数いる模様だ。
 また、同市吉野町花倉の医療法人仁愛会・花倉(けくら)病院が、土砂崩れに襲われた。建物の中に避難していた近所の住民や入院患者合わせて24、5人が行方不明になり、同日午前の救助活動で、入院患者2人と、近くの料所義治さん(78)の計3人の遺体が確認された。
 県警によると、7日午前2時半ごろ、病院関係者から「土砂流で別館がおしつぶされた」と110番があった。鹿児島中央署員が現場に到着したところ、同病院別館の1階部分が土砂に埋まっていた。
 病院によると、行方不明者のうち11人は入院患者で、13、4人が避難住民だった。同病院は住民の避難先になっていたらしい。
 病院から約50b先に住む無職園田重盛さん(61)は「家にいたら突然、雷が落ちたような大きな音と閃光(せんこう)が見えた。避難する時に病院を見たら、土石流が一階部分を突き抜けていた」と話した。 同市消防局によると、午前10時半現在で、市内のがけや土砂崩れは35ヵ所にのぼっている。
 鹿児島市下伊敷町では6日夕、住宅2棟が全壊。親子5人が生き埋めになり、母親と子ども2人は救助されたものの、同市立玉江小3年の桑木野美幸ちゃん(8つ)と宏子ちゃん(2つ)が遺体で見つかった。桑木野さん一家は先月末、北九州市から引っ越したはかりだった。
・JR・道路 マヒ状態に
 JR関係は7日も始発から鹿児島県内を中心に運休する列車が相次いだ。JR九州によると、吉都、日南、指宿枕崎の各線は全区間で運転を見合わせた。鹿児島線では、出水−西鹿児島間が運休。目豊線の西都城−西鹿児島間、肥薩線の坂本−白石、吉松−隼人間もストップした。鹿児島線では6日夜から動けなくなった8本の列車内で、約2000人が夜を明かした。
 高速道や国道も全面ストップ。九州・宮崎自動車道では、八代−人吉、えびの−鹿児島、えびの−小林間が通行止め。国道も3 、10、220 号など主要道路が不通状態となった。
 鹿児島空港も欠航する便が出た。
・連立政権発足後に対策本部を設置へ
 鹿児島県地方の局地的な集中豪雨被害に対して、政府は7日午前、災害対策本部を設置する方針を内定した。9日に予定されている細川内閣の初閣議で決定される見通しだ。本部長は新国土庁長官が務める。7日夕に関係省庁の課長級担当者連絡会議を開く。(朝日新聞 夕刊)
■鹿児島豪雨 無残ツメ跡深く
 鹿児島市の中心部は7日早朝、泥の海になっていた。週末の買い物客でにぎわうはずだった繁華街・天文館の商店街は、全店シャッターが下りたまま。市内のあちこちの幹線道路に、前夜乗り捨てられた乗用車が散乱し、交差点の信号機は止まっていた。昼近くからようやく復旧作業が本格化した。
 市民の足になっている市電の線路は、停車場が見えなくなるほどに土砂がたい積。オフィス街は、人影も少なく静まりかえっていた。
 市内草牟田の国道3号沿いは、放置された車の列が約1`続いていた。付近の甲突川は前夜に決壊、周辺の民家は一時、1階部分がほぼ水没したという。
 国道に面して文具店を経営する藤崎重則さん(49)は「6日夕方、家の前にバス5台が立ち往生したので、乗客30人をうちの2階に避難させた。間もなく1階に濁流が押し寄せ、あっという間に天井近くまで来た。商品は全部ダメ。どこから手をつけていいか分かりません」と話した。
 JR西鹿児島駅では、6日午後9時ごろから線路が冠水し始め、同10時には改札口が水没した。
 孤立した乗客には、4両編成の列車を宿泊所として提供し約 800人を収容したが、あふれた約300人が新聞紙などを敷いてしのいだという。
 7日朝になっても水は引かず、ホームヘの往来が困難な状況。構内にいた宮崎市末広一丁目、ホテル従業員宮後光則さん(45)は、家族3人と指宿に旅行した帰りだった。「夕べからろくに食事もしてない。しかし、無理して帰ろうとして土砂崩れに遭わなかったのは幸いだった」
 東功駅長は「日豊線、鹿児島線ともにいつ開通するのか分からない。来年退職だが、こんな経験は初めてだ」とつぶやいた。(朝日新聞 夕刊)
8日■JR東日本、JT、第二電電… 新規上場の動き続々 株価低落心配する声も
 JR東日本、日本たばこ産業(JT)、第二電電など大型企業の上場が秋以降、相次いで予定されるなと、株式発行市場が活気を帯びている。政局や景気の不透明感に円高懸案もあって、株式市場は株価低迷、出来高減少が続いており、市場関係者らは大型株の上場が「市場活性化につながる」と強気の読みだ。
 しかし、こうした上場ラッシュが「資金を市場から吸い上げ、株価低落の引き金となりかねない」との声もあり、市場には期待と不安が入り交じっている。
 JR東日本は10月26日に東証一部に上場することが決まったが、JTも早ければ来年2月の上場を予定。また割安な長距離通話料金で業績を伸ばしている第二電電が9月3日に上場を予定するなど大型企業の上場や大企業の関連企業の店頭登録の動きが活発化している。
 5日に東証二部に上場した娯楽施設運営のタイトーは株式売り出し価格が市場最高の72万円(額面5万円)、初値はこの価格を大幅に上回る901万円をつける人気で、低調だった市場を活気づけている。
 こうした優良株や大型株の相次ぐ上場について「現在の薄商い状態を打破し、新たな需要を呼び起こす」と歓迎する関係者は多い。
 他方、1987年のNTT上場に始まる新規上場と公募増資のラッシュが、株価急落を招いたこともあり「現在の低調な相場環境では、過去の二の舞になりかねない」(証券アナリスト)と心配する声も出ている。
 各証券取引所への新規上場は89年度の57社をピークに、市場環境の悪化から92年度は26社に激減。93年度は4−7月の4ヵ月間で新規上場は10社と前年度実績を上回っており、新規上場の動きが加速してきた。
 ある大手証券株式部長は「市場に新たなエネルギーをもたらし投資意欲を高める上で、株式の新規公開に対する期待は今後さらに高まるだろう」と話している。(京都新聞)
■車両故障で遅れる JR東海道線
 7日午後6時ごろ、神戸市灘区のJR東海道線の六甲道駅で、西明石発京都行き普通電車のモーターが動かなくなり発車できなくなった。電車は同駅に43分間停車、後続の快速電車に連結して運転した。JR西日本は車両故障とみて原因を調べている。東海道線は上下線で快速など11本が運休、18本が最高43分遅れ、7500人が影響を受けた。(京都新聞)
■「悲惨さを痛感した」 米の専門家 信楽事故現場を視察
 信楽高原鉄道事故の遺族らの招きで来日したアメリカの事故調査機関・国家運輸安全委員会(NTSB)の調査官が7日、滋賀県甲賀郡信楽町黄頼の事故現場や事故車両などを視察した。
 視察したのは、NTSB鉄道部門部長のロバート・ロービー氏(40)ら。鉄道事故専門の調査機関の設置を目指して、遺族らが8日に京都で開く「鉄道安全推進会議」(仮称)設立総会後のシンポジウムにパネリストとして出席のため来日した。
 この日は、ロービー氏や遺族、弁護士ら9人が蒲生郡日野町の県警機動警察隊を訪れ、事故車両の強度、構造などを念入りに調べた。続いて事故現場や信楽駅なども視察し、慰霊碑では献花して犠牲者のめい福を祈った。
 ロービー氏は「事故の重大さ、悲惨さを痛感した。大切なのは悲惨な事故からいかに多くの教訓を学びとるかだ」と話していた。(京都新聞)
■宇治川花火大会 JR、京阪など大増東 会場周辺は歩行者天国
 宇治の夏を彩る「第33回宇治川花火大会」(宇治市、宇治市観光協会など主催)が10日夜、宇治公園・宇治川畔一帯で催される。
 京都最大の花火大会で、午後7時半から30種類7000発が打ち上げられる。地元が舞台となった源氏物語・宇治十帖にちなみ「源氏ろまん」と名付けられた8つのシリーズが、1時間半にわたって次々と夜空に上がる。花火に先立ち午後5時半から宇治橋近くの中の島で歌や漫才、サンバダンスショーのステージもある。
 会場周辺は歩行者天国となり、午後6時から10時の間、宇治橋や宇治川沿いの道路、JR宇治駅周辺の通りが通行止めとなる。駅前の市営駐車場なども閉鎖される。一方、JRと京阪電車、京阪宇治交通バスは夕刻から大会終了時にかけて、それぞれ大幅に増便、増発して来場者に対応する。
 当日は宇治川・中の島にステージショーも楽しめる観覧席が2000席設けられる。前売り券は2000円(当日券2200円)。宇治川塔の島の宇治市観光センター 0774(23)3334などで扱っている。(京都新聞)
■接近警報オフに 新幹線事故 JR東海調査 チェック不十分?
 静岡県浜松市の東海道新幹線で6日早朝、保線作業用列車が追突・脱線し約13時間にわたってマヒ状態となった事故で、待機中のレール削正車に追突したバラスト(砕石)散布車は、列車同士の接近を警告する「接近警報装置」が作動していなかった可能性が強まった。JR東海などが事故車両を調べたところ、スイッチがはずれ、オフの状態になっていたためだ。警報装置は、3年前から導入され、社内規定で運行時には必ず作動させておくことが義務づけられているが、新幹線の保線現場でチェック体制が不十分だった疑いもある、との見方も強まっている。
 警報装置は、電波を発射し、列車が1`以内に接近すると運転席で警告音を鳴らして運転士に知らせ、徐行などの注意を促す。
 今回の事故は、バラスト車側の運転士らの前方不注視と、制限速度超過など人為ミスの疑いが高まっているが、警報装置が作動していれば、レール削正車に近づいていたことに気が付いたはず、とされている。(朝日新聞)
9日■信楽事故遺族ら 調査機関の設置目指し 安全推進会議が発足
 犠牲者42人を出した信楽高原鉄道列車事故の教訓を生かそうと、遺族が発起人となって、鉄道の安全対策を考える市民団体「鉄道安全推進会議」が8日、京都市内のホテルで設立総会とシンポジウムを開き、正式に発足した。
 この会議は、鉄道事故専門の常設調査機関の設置を国は働きかけていくのが目的。日本では、航空機事故の事故調査委が運輸省に常設されているが、鉄道事故には常設機関がない。信楽事故では、臨時機関が置かれたものの、調査が長期化した上、過程や結果の情報公開が不十分だとして遺族から不満が出ていた。このため今春から遺族有志が余部鉄橋、関東鉄道、島原鉄道などの事故被害者や学識経験者、鉄道会社などに呼び掛け、信楽高原鉄道の社長ら幹部を含め約300人の会員を集めた。
 設立総会では冒頭で会長に選出された信楽事故遺族の臼井和男さん(54)=京都市右京区=があいさつし、「安全に向けてみんなの声を合わせ、息の長い運動を展開していきたい」と決意を述べた。
 またシンポジウムでは、米国の事故調査機関・国家運輸安全委員会(NTSB)の調査員らパネリスト4人が高速化する鉄道の安全対策などについて討論した。同会議では今月仲にも常任委を設置、情報公開や陳情など活動内容を決める。(京都新聞)
■鉄道安全求め市民会議成立 信楽事故遺族ら
 死者42人を出した信楽高原鉄道事故の遺族らを中心に8日、「鉄道安全推進会議」が発足した。鉄道事故の専門調査機関の設置や安全対策の提言をめざして活動していく。京都市内のホテルで開かれた設立総会には、遺族や学識者、鉄道関係の労組員ら170人が出席、遺族の一人で同会議発起人の臼井和男さん(54)を会長に選んだ。(朝日新聞)
■男性はねられ死亡 阪急京都線松原踏切
 9日午前7時半ごろ、京都市右京区西院追分町の阪急京都線松原踏切で、梅田発河原町行き急行電車に男性がはねられ即死した。
 桂署の調べでは、男性は下りた遮断機をまたいで踏切内に入り、線路上で転倒したという。男性は年齢50歳くらい、身長160−170a、格子柄チェックの半そでシャツ、白色ズボン姿といい、身元確認を急いでいる。(京都新聞 夕刊)
■大津のJR事故 死亡者身元判明
 8日夜大津市梅林二丁目のJR東海道線上り線で起きた事故で、死亡したのは彦根市安食中町、無職田中はるさん(74)と分かった。
 大津署の調べでは、田中さんは同夜、家族とびわ湖花火大会を見ての帰り。家族とはぐれ、道に迷ったらしい。この事故で、花火大会の見物客ら約1500人の足に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■信号リレー室制御盤燃える JR北陸線に乱れ
 福井県武生市のJR北陸線武生駅下り線ホームにある信号リレー室で8日午後10時50分ごろ、制御盤付近から出火、ブロック建ての同室内部約50平方bを焼いた。
 この火事で、南条駅から鯖江駅までの約14`の間で信号のほか踏切の一部、ポイントが作動しなくなった。このため、帰省客らを乗せた大阪発青森行きの寝台特急「日本海3号」(12両編成)などが武生駅で、米原発金沢行きの特急「加越9号」(7両編成)と大阪発青森行き臨時急行「あおもり」が今庄駅で臨時停車した。ほかにも、神戸発信濃大町行きの臨時急行「リゾート白馬」などが敦賀駅で立ち往生した。
 手信号により、9日午前1時50分に「日本海3号」が動き出したが、22本の列車に遅れが出たほか、9日午前の大阪発金沢行き特急「雷鳥」などが運休した。信号回復のめどはたっていない。
 福井県警武生署などは、信号制御盤の電気ショートが原因とみて調べている。(朝日新聞 夕刊)
10日■交通網寸断 けが人も5人 近畿や中、四国
 台風7号が九州の西方をかすめた10日午前、近畿や中、四国では山口、広島高地の3県内で計5人が重軽傷を負ったほか、JRや空、海の便で始発から運休が相次いだ。
 JRは山陽新幹線が広島−博多間で運転を見合わせたほか、岡山県新見市内の伯備線では強風で線路上に倒れた木に快速電車が接触。約4時間ストップしたが、乗員、乗客約100人にけがはなかった。
 山陽線(岩国−下関間)、山陰線(江南−幡生間)、山口線など中国地方の各線のほか、四国でも予土線全線と予讃線、土讃線の一部が運休した。
 航空ダイヤは九州、四国各地と大阪を結ぶ便を中心に、午前9時現在で大阪発着の計70便が欠航。
 海の便も、四国フェリーの高松−神戸便、関西汽船の大阪−高松便、共同汽船などが共同運行している神戸−徳島便などが欠航している。(京都新聞 夕刊)
■倒木で電車ストップ JR伯備線
 10日午前6時45分ごろ、岡山県新見市草間のJR伯備線で、新見発岡山行きの快速電車が線路上の倒木に接触し、ストップした。運転席の窓ガラスが割れたが、乗客・乗員約100人にけがはなかった。
 新見署とJR西日本岡山支社の調べでは、進行方向左側斜面の木(直径約60a)が線路上に倒れ運転士がブレーキをかけたが間に合わなかったらしい。倒木は台風7号による強風の影響とみられる。(京都新聞 夕刊)
■JR山陰線も遅れ
 台風7号の影響で、JR山陰線は10日午前10時ごろから兵庫県・余部鉄橋の強風のため、列車が断続的に運行しており、急行但馬1号などに遅れが出ている。(京都新聞 夕刊)
■線路に転倒、電車通過 すき間で命拾い 伏見のJR 主婦軽傷
 9日午後11時半ごろ、京都市伏見区深草森吉町のJR奈良線の軌道上を歩いて横断しようとした近くの主婦国友理恵さん(49)が、線路につまずいて倒れた。そこへ奈良発京都行き普通電車(2両編成)が接近、運転士が国友さんに気付いてブレーキをかけたが間に合わず、国友さんの上を通過して停止した。国友さんはちょうど2本のレールの間に倒れ込んだため、電車の車体下部と接触しただけですみ、打ち身やすり傷の軽傷を負った。電車は現場で30分停止、後続の上下各1本が遅れた。
 伏見署の調べによると、付近は、踏切のない小道が奈良線と各所で交差、ふだんから住民が線路の横断に使っており「勝手踏切」の通称もある。JR西日本によると、奈良線の京都−木津間には、住民が踏切代わりに使っている小道が100ヵ所余りあるといい、奈良線の運転本数の増加に伴い、危険性が指摘されていた。(京都新聞 夕刊)
■阪和線なるか変身 「新空港線」「紀州路線」… JR西日本、改名を検討
 大阪・天王寺−和歌山間を結ぶ「阪和線」の名称をめぐって、JR西日本が悩んでいる。来年夏に開港する関西新空港へのアクセス鉄道になるからには「もう少し、しゃれた名前を」との声が社内で強い。6年前、京阪神地区の線名に愛称をつけたときにも阪和線だけもれていた。これまでに「新空港線」「紀州路線」といった意見や、「国際空港なんだからいっそ横文字だ」という斬新な提案も浮上。たが、どれも「いまひとつパッとしない」という理由で見送られている。
 新空港の開港に伴い、阪和線には京都や新大阪からの特急や快速が走り始める。特急は全車座席指定。英語の社内放送もする在来線としてはかなりの豪華版になる。また、快速も新空港の開港に併せ、新車両を投入するほどの力の入れようだ。
 開港となれば、駅や社内では「新空港へ、JR阪和線をご利用いただきありがとうございます」などの放送が1日中流される。ある幹部は「気分はすでに海外旅行だというのに『ハンワ』というのはいかにもローカルすぎる」と話す。「新空港と掛け離れたイメージ。せめて愛称が必要」との意見も多い。南海電鉄も刺激になっているようだ。
 JR西日本は1987年に京阪神地区の線名に愛称をつけた時、鉄道本部で候補になった「和泉線」「泉州線」といった名称も改めて検討したが、採用されるには到らなかった。(朝日新聞 夕刊)
■台風7号 空と陸 交通網マヒ 西日本 帰省客ら足止め
 強い風雨を伴った大型の台風7号の通過により、10日午前、九州地方を中心に四国、中国地方などで空も陸も大幅にダイヤが乱れた。このため、夏休みの帰省客も足止めされ、うらめしげだった。
 空の便は10日朝から九州行きや四国方面の発着便で欠航が相次いだ。航空3社によると、午前9時現在で欠航は計210便で、遅れも最大2時間前後出ている。
 大阪空港関係では10日午前中で、沖縄を除く九州のはは全域と、四国の徳島、高知、松山、山陰の米子、出雲「鳥取、石見、隠岐など16路線、57便が運航を取りやめた。
 また、台風が過ぎ去った南九州でも、吹き返しの警戒のため、ほとんどの社が午前中いっぱい運航を見合わせた。空港の各航空会社カウンターでは、職員がお客の問い合わせや、新幹線など代替交通機関への振り替えの手続きなど応対に追われた。
 中四国のJR各線は始発から運転を見合わせるなど、大幅にダイヤが乱れ、行楽客ら約13万人に影響が出た。
 JR西日本によると、山陽新幹線は始発から広島−博多間の運転を見合わせており、東京方面からの各列車は広島間で折り返し運転となっている。正午までに67本が運休、東京発広島行き「のぞみ3号」が21分遅れるなど26本が遅れ、約3万5000人が影響を受けた。
 在来線も山陽線が岩国−下関間、山陰線が江南−幡生間などで始発から1本も列車が動かせない状況となっている。このため、JR西日本は大阪や京都などの主要駅の掲示板やポスターで旅行の中止を呼び掛けている。また、JR四国でも予土線が始発から全線、予讃線や士讃線も一部区間で運転休止となっている。
 海の方は、大阪−徳島港間を結ぶ徳島高速船の9往復が、2日連続の終日欠航になったのをはじめ、大阪−高松港間のジェットラインなど大阪と四国、九州方面を結ぶ計8路線が欠航になっている。また、神戸−徳島海の阪急汽船、和歌山−徳島港の南海シャトルラインなども第一便から欠航。(朝日新聞 夕刊)
■東海道新幹線の作業車衝突 居眠り運転疑い濃厚 運転者供述「ある時から記憶ない」
 静岡県浜松市の東海道新幹線で保線作業用列車が追突・脱線した事故は、追突したバラスト(砕石)散布車(9両編成)の運転者が居眠り運転をしていた疑いが強まった。静岡県警などの調べに対し、負傷したJR東海の運転者(33)は「ある時点までは覚えているが、その後のことは覚えていない」と供述しているという。一方、この事故で列車運休や遅れなどによる損害額は、新幹線としてはJR発足後最高の30億円に達する見込みだ。
 JR東海などによると、居眠り運転の疑いが強まっているのは運転者の供述のほか@追突されたレール削正車側が、接近して来るバラスト車に無線で交信を求めたが、応答がなかった バラスト車にブレーキをかけた形跡がなく、アクセルはオンの状態になっていたB事故区間は直線に近く単なる前方不注意とは考えにくい、などからとしている。
 また、スイッチがはずれオフの状態になっていたバラスト車の先頭車にある「接近警報装置」は、その後の調べで、運転者が、オフにしたまま走行していた疑いが濃くなった。本来なら作業を終えて保線所に戻る際、切り替えて「オフ」になっていなけれはならないはずの列車最後部のけん引車のスイッチが「オン」になっていたためで、切り替えを怠ったらしい。
 このため列車に接近しても警報音が鳴らず、居眠り運転のため気が付かなかった、との見方が強まっている。ただバラスト車の運転台には重傷を負った作業責任者(29)も乗っていた。人で確認していてなぜミスが防げなかったか、さらに調べている。
 一方、事故による運休列車は145本で、6日に予定していた運転本数の約半分にのぼった。JR東海の概算によると、損害額は運休分が15億円前後。遅れは172本で、特急料金の払い戻しはJR東海の窓口分だけですでに1億7000万円に達した。最終的には3億円近くになる見込みだ。大破したレール削正車は1ヵ月ほど前に12億円で購入したばかりの新鋭車両。復旧作業費も1億円を越すと見られている。(朝日新聞 夕刊)
11日■まちかど異聞 高さ230a 天井注意 利用客1日1万8000人、だれかぶつかった? 地下鉄竹田駅 (伏見区)
 京都市地下鉄竹田駅のホーム北側に「天井高さ注意 230a」という人形の格好をした広告板が立っている。
 1日約1万8000人という駅の利用客にギネスブックに載るような背の高い人がいて、天井にコツンコツンと頭をぶつけているのかな…。何となくひっかかる。
 ▼ホーム北側
 ▼補強ブロック
 ▼凸形
 竹田駅の駅員さんが親切に教えてくれた。
 「トラックなんかがガードをくぐるとき、積み荷がつっかえないように高さ注意とあるでしょ。あれと同じことですよ」
 つまり、駅のホーム北側の上には名神高速道路が走っているので、道路の重さを支えるためのコンクリートの補強ブロックが入っている分、天井が凸形になり、低くなっている、ということを示しているのだそうだ。
 でも、乗客向けに23aの「高さ注意」というのは−。
 「広告板は地下鉄が南伸した1988年6月から置いてありますが、お客さんから、意味が分からないという苦情は聞きませんね。三十三間堂の通し矢で使う弓とかスキーの板とか、長い物がひっかからないように注意してくださいという意味もあるんですよ」と駅員さん。
 三十三間堂の通し矢が出てくるあたり、いかにも古都らしい?(朝日新聞)
■お盆休み ふるさとへ長い列
 はや ”帰心”の列−。月遅れのお盆休みを迎え、ふるさとへ向かう家族連れらの帰省ラッシュがスタート。休みが長くなったり、台風7号を避ける人が増え、混雑のピークは例年より分散しているが、それでも里帰りの列車を待つ人波が駅ホームに続いている。(京都新聞 夕刊)
■帰省 静かなスタート 分散、台風で出足鈍く
 月遅れのお盆休みを古里で過ごす帰省ラッシュが11日始まり、羽田空港、JR東京駅では家族連れや若者たちで混雑した。中には豪雨で大きな被害が出た鹿児島市の実家を心配しながら飛行機に乗り込む人も。しかし、乗車率130%の「ひかり」もあったが、北上する台風7号の影響もあって出足は鈍く、ラッシュのピークは12、13日になりそうだ。
 JR東京駅では早朝から、Tシャツ姿の家族連れやリュックサックを担いだ若者たちが目立ち、各新幹線ホームでは駅員がメガホンと時刻表を抱え整理に追われた。しかし混雑は例年ほどではなく、JR東日本は「天候不順の影響で出足が鈍っている」と話している。
 東海道・山陽新幹線の「ひかり」は、午前6時13分発の博多行きひかり31号が定員を3割超えた130%の乗車率となったのを最高に、各列車とも100%前後となった。
 東北、上越新幹線も盛岡行きやまびこ31号、新潟行きあさひ1号がそれぞれ110%で、その他の列車もほぼ100%。
 山形新幹線でも、つばさ115号山形行きが110%。その他の列車はほぼ100%で立ったままの乗客は少なかった。
 羽田空港は朝から出発便が軒並みほぼ満席で、全日空の出発カウンター前にはキャンセル待ちのため約50人が徹夜で並んだ。
 日本航空などによると、11日から13日まで出発便はほぼ全便予約で満席。景気後退で、夏休み期間中の乗客は昨年を下回っているものの、帰省ラッシュは例年と変わらないという。
 一方、各高速道も早朝から込み始め、午前11時現在、東名高速下り線が伊勢原バス停付近で、東北自動車道下り線が鹿沼インター付近でそれぞれ約31`の渋滞となった。(京都新聞 夕刊)
■丹後への列車 乗車率200%
 JR京都駅は、早朝から里帰りする人たちが、新幹線や在来線のホームに列をつくった。しかし台風の通過直後とあってレジャー客の姿は少なく、例年よりいくぶん静かな帰省風景となった。
 在来線は山陰線の午前9時30分発「タンゴエクスプローラー1号」(久美浜行き)が200%の乗車率になったものの、そのほかの特急は100−110%程度。北陸方面でも午前8時39分発「雷鳥13号」(新潟行き)の220%を最高に、軒並み100%前後の乗車率にとどまった。新幹線も下りで150%の乗車率を超えた列車が5本あったものの大きな混雑はなかった。
 JR西日本では、混雑のピークは、12日午前から13日午後にかけてと見ている。(京都新聞 夕刊)
12日■居眠り運転が原因と発表 新幹線事故でJR
 静岡県浜松市の東海道新幹線上り線で6日早朝、線路保守の作業車両同士が衝突、双方が脱線した事故でJR東海は11日、衝突したバラスト(敷石)散布車の動力車運転士(33)と同乗していた作業責任者(29)が2人とも居眠りをしていたため起きた事故、と発表した。2人は「接近警報装置」の電源を入れ忘れるミスも重ねたため、停車中のレール削正車に衝突するまで全く気付かずブレーキもかけずに追突していた。(京都新聞)
■トロッコ亀岡駅 観光客に地元特産品を 展示コーナーが開店
 春以来の懸案だったトロッコ亀岡駅の「地元物産展示コーナー」のオープンセレモニーが11日、関係者約60人が参加し行われた。参加者らは観光客に特産品をアピールする場の完成を喜び、亀岡観光の発展を誓い合った。
 運営にあたる亀岡商議所の山田三郎会頭や楠博観光協会長らが「観光客に地域の特産品を紹介し、亀岡の発展につながるよう祈念する」とあいさつ。代表によるテープカットに続いて、観光関係者、府、市、議会、地元の人たちがジュースで乾杯し、完成を祝った。
 地元物産展示コーナーは、亀岡の三大観光資源のひとつになったトロッコ列車の観光客に、地元の特産品やお土産を展示、提供するために、市観光協会が設置し、委託を受けた市商工会議所が運営する。ただ、駅は営業行為のできない市街化調整区域・農業振興地域にあり、嵯峨野観光鉄道が設けた休憩コーナーと合わせ、法規制クリアに手間取っていた。それだけに「開店」にこぎつけた喜びはひとしおだった。(京都新聞)
13日■京都市公営企業会計決算 市バスは黒字に転換 地下鉄は赤字幅縮小へ
 京都市は12日、1992年度(平成4年度)の各公営企業会計決算の概要をまとめ発表した。運賃改定で市バスは単年度5億8100万円の黒字に転換、地下鉄は赤字が若干好転した。水道と下水道は景気低迷の余波で給水量や流入下水量が前年度より減ったものの引き続き黒字を維持した。9月定例市会に提案する。
・市バス 1日平均旅客数は前年度に続いて1000人の減。営業収益は276億9700万円で、前年度比23億8200万円の増。4月の運賃改定で22億円の増収になったが、景気低迷などの影響で下期に乗客数と公告収入が減り、最終的に5億8100万円の黒字にとどまった。前年度5億4300万円あった累積欠損金は1億2700万円の黒字に転じた。
・地下鉄 1日旅客数は20万2000人で前年度と同じ。営業収益は4月の運賃改定で、前年度より11億円余り増え120億7400万円となり、赤字は前年度より10億円余り少ない103億3300万円になった。しかし累積欠損金は240億9900万円と膨らんだ。(京都新聞)
■入札申し込み 1万8000通 JR東日本株
 国鉄清算事業団は12日午前、10月に東京証券取引所などに上場される予定のJR東日本株の入札申し込み状況を発表した。
 それによると、郵送された入札申込書の合計は1万8670通。このうち法人が4162通、個人が1万4508通だった。
 事業団は「同一の申込者から複数の申込書が届いている可能性があり、申し込み件数や投資家の数とは一致しない」としているが、1986年のNTT株の入札に比べると、実際の入札件数は大きく上回り、個人投資家の割合も高くなりそうだ。
 一般への売り出し価格は、当初予想されていた1株(額面5万円)25万−30万円より高めになるとの見方が有力だ。(京都新聞)
■高架駅にはエレベーター 運輸省が指針
 立体交差による高架駅や地下鉄など地上から高低差のある駅が増えているため、運輸省はこのほど、5b以上の段差のある駅にはエスカレーターよりエレベーターを設置するよう整備指針をまとめ、JRなど全国の鉄道会社に通知した。
 指針によると、新設または大改良をする駅でスロープで段差を解消できない場合、少なくても1つの通路にエレベーターを備える。既設駅でも5b以上の段差があり、1日当たりの乗降客が5000人以上ある駅に設置する、としている。この基準によると、全国で約1800駅が対象になる。(京都新聞)
■回送電車に40人 連絡ミスで運送 JR関西線
 JR天王寺駅で12日、回送電車が乗客を乗せたまま発車、約40人が約3.5`離れた駅の留置線まで運ばれる珍しいミスがあった。回送するように運輸指令から指示を受けた同駅駅員が、勘違いして営業電車として運転士に伝えたのが原因で、JR西日本は「初歩的なミスで申し訳ない」と平謝りしている。
 ミスがあったのは、関西線の加茂(京都府)発大阪行き下り快速電車。同日午後3時ごろ、天王寺駅で特急の人身事故が発生し、この影響で後続の同快速は同駅で運転を打ち切った。JR西日本の運輸指令は、同快速を3駅先の湊町駅まで回送するよう同駅員に指示し、湊町駅構内の線路のポイントを切り替えた。(京都新聞)
■大阪市営交通90周年 記念バス走らす
 大阪市は、市営交通90周年を記念して、初期のころの市電と同色のワインレッドにボディーを塗った記念バスを市内で走らせている。9月中旬ごろまでに、順次24両をレトロカラーに塗装。今後、約3年間にわたり、市内の主要路線で運行し、市営交通の歴史を祝う。
 大阪市の市営交通は明治36年9月、西区の花園橋と港区の築港桟橋間に、市電が走ったのが始まり。今年がちょうど、90年になる。
 記念バスは、既存のバス車両を塗り替えたもので、ボディーの下半分をワインレッドに塗色。みおつくしと唐草模様を組み合わせた開業当初の市電のマークをボディー全体に、金色でちりばめて描いてある。
 また、ボディーの両側面などに、英語で「90thANNIVERSARY」、漢字で「市営交通90周年記念」の文字を入れた。窓から上は、現在のバス車両のカラーであるクリーム色にした。
 運行コースは、まず、市電発祥の地である花園橋築港桟橋間を含む幹線88号系統(港区・天保山−北区・大阪駅間)を中心に、このほど計8系統に4両でスタートさせた。車両の塗り替えが進み次第、順番に各路線にレトロカラーのバスを投入して行く。
 市は、90周年記念事業として、記念誌を発行したり、記念一日乗車券や地下鉄の記念プリペイドカードを発売。また、イベント列車の運行や90年の歩み展の開催、地下鉄車両工場の見学などを行っている。(京都新聞)
■客40人乗せたまま 回送電車留置線へ JR関西線湊町駅
 12日午後3時半ごろ、大阪市浪速区のJR関西線湊町駅構内にある回送電車の留置線に約40人を乗せた電車が入った。運転士が異状に気づき、運転指令と連絡を取ったところ、電車は3つ手前の天王寺駅止まりなのに、湊町駅まで走り、途中の駅で客を乗降させていたことがわかった。電車は新今宮駅まで引き返し、乗客は後続の電車に乗り換えた。
 JR西日本によると、天王寺駅構内で男性の飛び込みがあり、ダイヤが乱れたため、加茂発大阪行きの快速電車を天王寺止まりに変更したが、天王寺駅員が「湊町行き」に変更と勘違いして、電車の運転士と車掌に連絡していた。回送区間の天王寺−湊町間で約160人を乗り降りさせてしまったという。(朝日新聞)
■男性はねられ即死 JR西大路駅、自殺か
 13日午前1時ごろ、京都市南区唐橋平垣町のJR西大路駅構内で西明石発野洲行き快速電車が線路上にいる男性をはね、男性は即死した。
 九条署の調べによると、男性は30−50歳でジーパンをはいていた。男性は線路上で合掌しながら座り込んでいたといい、同署は自殺とみて身元の確認を急いでいる。同電車が現場に約30分停車するなど、上り計2本が遅れた。(京都新聞 夕刊)
16日■大雨で列車遅れる JR播但、福知山線
 JR福知山支社管内の播但線と福知山線で15日夜から16日朝にかけて降った雨のため列車の徐行運転などを行い、両線で普通列車4本が運休、急行1本と普通列車13本が最高1時間半遅れた。(京都新聞 夕刊)
■車暴走、駅に突入 JR新大阪 帰省客ら7人軽傷
 大阪市淀川区のJR新大阪駅のタクシー乗降場付近で15日午後5時45分ごろ、大阪府柏原市玉手町、塗装業平田昇容疑者(51)運転の乗用車が停車中のタクシーに接触、約20b暴走し、歩道に乗り上げて鉄製フェンスや植え込みをなぎ倒し、駅のガラス窓に突っ込んだ。歩道などにいた帰省客ら7人が転倒し、手足などに軽いけがを負った。平田容疑者は去年1月、運転免許が失効しており、淀川署は道交法違反(無免許運転)の現行犯で逮捕した。
 調べによると、平田容疑者は同乗者を降ろすために道路左側に気をとられ、タクシーに接触。あわててハンドルを切った際、誤ってアクセルを踏んだらしい。(朝日新聞 夕刊)
17日■整備新幹線の見直し要望へ 来月に初の大会
 北海道、東北、北陸、九州に計画または建設中の整備新幹線関係18都道府県は、早期建設と整備計画の見直し実現を細川新政権に訴える初の全国大会を9月中旬に東京で開催することを、16日までに決めた。
 整備新幹線建設については、1988年の政府・自民党申し合わせで、今年が整備計画見直しの年になっている。しかし細川連立政権の誕生で自民党が下野、見直し論議を進めていた政府と自民党の見直し検討委員会も解消した。8月とされた見直し作業が事実上不可能となるなど沿線自治体は危機感を強めている。
 大会では、連立与党と自民党を招いて各線の早期建設を改めて訴える。(京都新聞)
■電車内に幼児死体 JR草津駅 網棚のバッグに
 16日午後3時50分ごろ、草津市渋川一丁目のJR草津駅で、網干発草津行き普通電車内の網棚に放置それたスポーツバッグの中に男の幼児の死体が入っているのを駅員が発見した。草津署では死体遺棄事件とみて身元の確認を急いでいる。
 みつかったのは、先頭車両の右側最後列付近の網棚。同電車は草津止めで、駅員が車内点検中にみつけた。調べによると、幼児は黒色のごみ袋の中にひざを折り曲げた状態で入れられたうえ、黒のビニール製バッグに入れられていた。年齢は2−5歳ぐらい。身長94a、体重7`と非常にやせ細った状態で、頭髪は丸刈り。アニメキャラクターの絵が入った白いTシャツと灰色のジャージようズボン姿に、白地に赤い柄入りの靴下をはいていた。死後約24時間と推定されており、バッグの中にはミルクが一杯入ったほ乳びん1本があった。外傷や着衣の乱れはなかったという。
 この電車は、午前9時53分網干発、午後零時43分草津駅着の各駅停車。同署では、京阪神方面の駅から持ち込まれた可能性があるとみてバッグを置き去った人物を捜すとともに、17日に滋賀医大で司法解剖し、詳しい死因を調べる。(京都新聞)
■ニュース最前線 JR二条駅舎 保存 妙案なし 高い価値、認めても だれが負担…
 保存か、撤去か。京都市のJR山陰線(嵯峨野線)二条−花園間の高架化工事が着々と進む中で、現存する最古の和風駅舎として知られる二条駅舎が工事完了後にどうなるのか、その行方が注目されている。仮に移築保存をする場合、移転場所、経費負担、管理問題などの条件整備が必要で、所有者のJR西日本は「どういう方法があるのか、検討しているが、何も決まっていない」と対応に苦慮しているのが実情だ。同駅舎も含めて、明治以降の近代建築物の保存問題は近年、全国的に浮上。しかし、今のところ有効な手だてはなく、現実には明治は次第に姿を消しつつある。(企画報道部)
 大屋根の鴟尾(しび)や貴賓室の繊細な造作が明治建築の優雅差しのばせるJR二条駅。入母屋造りの駅舎(木造二階建て1312平方b)は明治37年(1904)、当時の京都鉄道社長田中源太郎が周辺の景観に配慮して平安神宮に模して造ったと言われる。その古風な二条駅も、構内に高架化工事のコンクリート橋脚が立ち上がり、94年度末には高架下の新駅に生まれ変わる。
 新駅舎の誕生に伴って、明治建築の現駅舎はどうなるのか。
 JR西日本は90年7月、高架化工事に際して現駅舎をすぐに取り壊さず特設レールで東へ約15b移設し「保存か撤去か」の判断を先送りした。「社内で何とか残したいという意見もある。どういう方法があるのか勉強しているが、具体的には詰まっていない。まだ開業まで時間的な余裕がある」(広報室、建設工事部土木工事課)。とはいえ、妙案はなかなか見つかりそうにない。
 「駅舎が大きくて、建ぺい率を考えると、2500平方b程度の敷地が必要。現在地は駅前広場になるので、駅周辺では置き場所が見当たらない」。山陰線の高架化事業や二条駅周辺整備事業を担当している京都市建設局と都市整備局の幹部は「駅周辺で保存するのは無理。どうするのかはJRの判断だ」とJRにげたを預ける。
 仮に別の場所に移築するとなると、補助制度が未整備の中で、広大な敷地の確保や「新築と同じ億単位の費用」といわれる経費負担、その後の管理をどうするのか−など、解決しなければならない課題は多い。
 同駅舎の建築的価値を巡っては、日本建築学会が85年と92年、「二条駅本屋は重要な建築作品」と折り紙を付けJR西日本に保存を要望。京都市文化財保護審議会の学者有志8人も92年に「かけがえのない文化遺産」として、保存を申し入れている。同審議会委員の一人、川上貢・京都大名誉教授は「駅前広場のシンボルとして、レストランや博物館などの要素を考えて活用すれば、残せないことはない。近代和風建築は今、新たな評価が出ている。評価が固まらない前に壊されたら困る」と懸念する。
 「年内に結論を出さなければ間に合わない」(関係者)と言われる判断のタイムリミットは、日一日と迫っている。(京都新聞 夕刊)
■近代建築物 惜しむ声強いが壊される現実 持主の”善意”頼み 文化庁 登録制導入も検討
 「近代建築物の保存問題は、実は京都でなく大阪が発端なんですよ」
 日本建築学会近畿支部(大阪市西区)の児玉哲也・事業主任は、明治以降の膨大な建築物リストを手に一般の理解の低さを嘆いた。「例えば、ピカソの作品は壊さないでしょ。建築物は芸術作品。日本は建築文化への意識が低い」
 70年代前後、米国の代表的な建築家、F・L・ライト設計の旧山邑邸(芦屋市)や、大阪・中之島の中央公会堂、府立図書館、旧大阪市役所の保存問題などが相次いで浮上し、火をつけた。
 これらが契機となって、日本建築学会は80年、代表的建築家の作品、デザインの優秀性、歴史的価値などの基準に基づき、全国で明治・大正・昭和(戦前)期の近代建築物約1万3000件をリストアップ、所有者に保存・利用への理解を求める「ラブレター」作戦を繰り広げた。しかし、建物の老朽化と不便さ、効率的な土地利用、建築コストなどを理由に、経済成長の波に乗って建物を全面撤去し新築するケースはいっこうに後を絶たない。
 京都府でも二条駅舎など1096件の建築物がリストアップされ、このうち83年段階で40件が解体撤去、その後も取り壊しは進む一方だ。三井銀行京都支店、中京青年の家のように建物の外壁の一部を部分保存する例もあるが、同志社女子中・高校静和館、京都市健保組合東山会館などは、激しい保存論争を巻き起こしながらも全面的に取り壊された。
 しかし、文化庁が90年度から日本の近代史を担った近代化遺産の実態調査に乗り出すなど、近代建築物を評価する機運は最近、徐々に高まってきた。「これまで文化財は厳選して指定し手厚く保護する考えで、実際は社寺が多かった。今後は、日本の近代化に役割を果たした近代化遺産にすそ野を広げていきたい。登録制度の導入など法改正も検討している」(同庁建造物課)。文化財の指定・登録の網を近代建築物に広げる動きが出ている。
 法律や助成制度の整備が進んだとしても、近代建築物の保存は「持ち主の意思」が最大のかぎを握るため、所有者が納得できる現代的な利用を抜きにしては難しい。
 三村浩史・京都大工学部教授は「建築物はある意味で消耗品。時代によって変わっていいものもあるが、時代の文化を代表する優れたものは残し伝えていくことが文化の継承になる。20年前、近代は今そのものであって保存は意識されなかったが、そろそろ目を向けてもいいころ。建物の不便さは現代技術で克服できる」と、都市文化とかかわりの深い建築遺産の保存と利用に向けての努力を説いている。(京都新聞 夕刊)
■男児の死因は餓死 JR電車内に放置
 JR草津駅の電車内の網棚に放置されたバッグの中から遺体で見つかった男児は17日、滋賀医科大で司法解剖した結果、死亡推定時刻は15日午後、死因は餓死と分かった。草津署では、死体遺棄事件とみて身元の確認を急いでいる。
 同署の調べでは、幼児は黒色のごみ袋の中にひざを折り曲げた状態で入れられたうえ、黒のビニール製バッグに入れられていた。年齢は3歳ぐらい。身長94a、体重7`と非常にやせ細った状態で、頭髪は丸刈り。バッグの中にはミルクがいっぱい入ったほ乳びん1本があった。外傷や着衣の乱れはなかったという。(京都新聞 夕刊)
18日■JR85億円 南海40億円 関空会社 連絡鉄道使用料を提示
 来年9月に開港予定の関西国際空港(大阪府)に乗り入れるJR西日本の井手正敬社長は17日、同空港への連絡鉄道の年間使用料について、空港会社側から85億円の提示があったことを明らかにした。空港会社は、同じく乗り入れる南海電鉄に対して年間40億円を同日までに提示した。
 新空港は大阪湾の沖合約5を埋め立て建設中で、有料道路と鉄道が走る長さ3.7`の連絡橋で陸側と結ばれている。同橋は空港会社はが建設した。
 昭和57年の計画ではJR分は約60億円、南海分は約30億円と試算されていたが、連絡鉄道の建設費の高騰などから1.3−1.4倍になった。
 空港会社と鉄道2社はこれらの提示額を基に交渉に入り、年内にも使用料が決まる見込み。
 井手社長は「85億円と言われると、かなり痛い、という感じだ。結果的には利用する乗客の負担になるわけだからどういう経緯でそうなったのか、聞いてみたい。南海電鉄とも話し合って、適正な料金で落ち着くように、空港会社と詰めていきたい」と述べた。(京都新聞)
■住民の監査請求却下 JRの小倉山残土問題「対象になり得ぬ」 市監査委員
 歴史的風土特別保存地区に指定されている小倉山(右京区)に、JR西日本がトンネル工事で出た残土を放置している問題で、JR側に損害賠償を請求することなどを求めて住民監査請求をしている市民団体「小倉山をみつめる会」に17日、京都市から却下の通知が届いた。
 この請求で住民らは、残土を搬出せずに植栽や盛り土だけで修復したいというJR西日本の計画を許可した同市の処分を取り消すとともに、市はJR西日本に適性な損害賠償を請求するよう求めていた。
 これを却下した理由について、同市監査委員は「監査請求の対象になり得ない」などとしている。
 住民側の折田泰宏弁護士は「監査請求の対象を限定的に解釈しており、住民が行政をチェックするという制度の目的を忘れている。裁判所に提訴したい」と話している。(朝日新聞)
■信号機故障で5000人に影響 JR向日町駅
 18日午前8時10分ごろ、JR東海道線向日町駅構内(向日市寺戸町久々相)の下り外側線で、信号機が故障しているのを々駅信号係員が見つけ、40分後に復旧した。
 野洲発網干行き快速電車が同駅構内で通過用の内側線に入らなかったため、信号異常に気づいた。同列車は通過用の内側線に入るべきところ、青信号になっていた外側線に進入した。
 このため、同快速が同構内で停車したのをはじめ、後続の特急、急行など計8本が43分から4分遅れ、約5000人の足に影響が出た。
 JR京都支社では原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■電車にはねられ死亡 木幡の京阪踏切
 18日午前9時20分ごろ、宇治市木幡の京阪電鉄の踏切で男性が普通電車にはねられ、即死した。
 宇治署は、男性が直前に遮断機をくぐって線路上に出ていることなどから、自殺ではないかとみて身元の確認を急いでいる。男性は60歳ぐらいで、白色と青色のしま模様のシャツに灰色のズボン姿。(京都新聞 夕刊)
19日■京阪踏切で死亡の男性の身元判明
 宇治市木幡の京阪電鉄踏切で18日朝、線路上に出て死亡した人は、宇治署の調べで宇治市の無職男性(54)とわかった。同署は自殺とみている。(京都新聞)
■のぞみ、急停車 異常ランプ点灯で 開業以来8件目
 19日午前9時15分ごろ、新大阪発東京行きの新幹線のぞみ304号(16両編成)が川崎市中原区を走行中、台車の異常を示すランプが点灯したため停車した。乗務員が点検したが、異常はなかったため約15分後に運転を再開、東京駅に到着した。
 JR東海によると、台車の異常ランプ点灯は昨年3月ののぞみ開業以来同社とJR西日本の所有車両で計7件発生。今年4月、トラブルは車輪の軸受けを納める軸箱の温度上昇を検知するスイッチと車体側配線を結ぶリード線が断線していたのが原因と分かったため、リード線を交換するなどの改善策を取っていた。
 今回点灯したランプは8−10号車の台車異常を示しており、JR東海では東京第二車両所で車両を点検している。
 この事故で後続の上り新幹線2本に最高19分の遅れが出た。(京都新聞 夕刊)
■男性が電車にダイヤ乱れる JR加古川駅
 19日午前9時7分ごろ、兵庫県加古川市のJR山陽線加古川駅で、プラットホームにいた男性が突然、線路に降りて寝そべり、侵入してきた米原発網干行き新快速電車(12両編成)にひかれ、即死した。加古川署の調べでは、所持していた免許証から、姫路市内の男性(30)とみられる。
 この事故で、同電車が1時間20分遅れて運転を再開したほか、後続の快速など上下合わせて計6本が手前の駅などで運転を取りやめ、9本が3−22分遅れて、乗客5500人の足に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
■「のぞみ」一時停車 異常ランプ点灯
 JR東海によると、19日午前9時15分ごろ、新横浜−東京駅間上り線を走行中の新幹線「のぞみ304号」の「台車」関係の異常を示すランプが点灯し、同列車は川崎市中原区で停車した。床下を点検したが異常は見つからず、15分後の同9時30分に運転を再開した。このランプは、車輪の軸が回転しないなど、軸受け系統に異常があった場合に点灯するという。
 この停車の影響で、後続の「ひかり206号」「こだま460号」の2本が10分から19分遅れた。(朝日新聞 夕刊)
20日■近鉄奈良線 鶴橋−布施 高架下立ち退きで対立 「安全輸送」VS「死活問題」
 近畿日本鉄道(本社・大阪市)が奈良線(大阪線)の鶴橋−布施間約2.6`区間で進めている高架のリフレッシュ事業で、立ち退き要請を受けた入居者の一部から強い反発の芦が出ている。近鉄側は「安全輸送を確保するため」としているが、テナント側は「立ち退きは死活問題」として20日に集会を開き、結束を囲める方針だ。
 近鉄によると、この区間の高架は、1937年(昭和12年)に鶴橋−今里間約1.5`が完成、77年に布施まで延伸された。現在、奈良線と大阪線が複々線で運行されている。幅約6b、距離2.6`の高架下には飲食店、倉庫、駐車場などがあり、店子の総数は約380。
 戦災で大阪市街が焼け野原となったため交通の便がよく、小規模店舗に向いていた高架下が注目され、土地の使用を求めるケースが増えた。しかし、近年は火事騒ぎによる運休のほか、高架下中央部の通路の不法占拠や、無断で建てた店舗や貸間のまた貸しによるトラブルも相次いでいる。
 このため、近鉄は88年から老朽化した高架の整備事業をスタートさせた。改造、補修とともに、入居者間の複雑な賃貸関係を整理し、「周辺より格段に安い賃料」(近鉄)を見直すのが狙い。駐車場や一部テナント区画も設け、機能的な空間に造り替える計画だ。
 これまでに50軒が立ち退きに応じ、20軒が新しい賃貸料による再入居を条件に店舗などの撤去を承諾したという。
 しかし、今里駅付近の高架下で鉄工所や工具製造、飲食店などを営む30軒ほどの店子が立ち退きに反発している。
 高架下約400平方bで精密機械の工具を製造している岡本克持郎さん(65)は去年1月、近鉄側から「賃貸契約期限の30年が過ぎた」として立ち退きを求められた。「近鉄側が示した立ち退き料は約2000万円。再入居は認めないというし、この辺りの地価だと移転はとうてい無理だ」と話す。
 小規模店舗の中には、改修後、近鉄側が指定したテナントへの再入居を認められたところもある。しかし、ほとんどが賃貸料アップが条件になっており、店子らの不満は強い。
 これに対し、近鉄側は「賃貸契約は店子それぞれに違い、こちらが示している立ち退きの条件も個々の事情に応じ、誠意をもって対処している」と説明。今後も立ち退きを基本にした交渉を続ける方針だ。(朝日新聞)
■溶接中酸欠? 作業員が死亡 片福連絡線工事
 19日午後3時ごろ、大阪市淀川区加島三丁目の「片福連絡線」の地下駅舎建設現場で、泉大津市条南町、「阪口鉄工」の溶接工松崎義雄さん(63)=大阪市浪速区立葉二丁目=が地盤補強のためにはめ込まれた鉄枠(高さ60a、幅1b、奥行き20b)の中で死んでいるのを工事関係者が見つけた。
 淀川署の調べによると、松崎さんは昼食後、午後2時から1人で作業を再開。鉄枠の入り口から約15b奥に入り、通信用ケーブルを固定する金具を溶接していた。同署は酸欠になり窒息死したのではないかとみている。(朝日新聞)
■「のぞみ」の台車異状 猫をひいたのが原因
 東海道新幹線の新横浜東京間で19日、「のぞみ304号」の台車の異状を示すランプが点灯したことで、JR東海は同日午後、線路内に入った猫を列車がひいたのが原因と発表した。
 回送にした列車を調べたところ、9号車の車軸に猫の毛などが付着、車軸の回転を検知する「速度発電機」が半断線状態になっていた。このため、運転席の台車表示灯が点灯した、としている。(朝日新聞)
■TV人気、天気に勝てず 夏のKTR 乗客5%減
 北近畿タンゴ鉄道(KTR=事業本部・宮津市)は19日、夏の旅客営業実績をまとめた。NHKの連続テレビ小説「ええにょぼ」人気による観光客増が期待されたが、台風など天候不順の影響で乗客数は昨年より5%減になった。
 まとめは、夏休みに入って最初の土曜日の7月24日から8月16日までの24日間。乗客数は18万9000人で前年より1万人少なく、5%の減。収入額は1億4665円余で前年より480万円余り少なく、3.2%の減だった。
 駅別では、今年から夏季だけ特急などが停車した丹後由良(宮津市)の乗車が104%になったほかは、天橋立の6%減など軒並み減少した。梅雨明けが7月29日と遅かったのと、台風4−7号の接近、天候不順などが影響したとみられている。(朝日新聞)
■JRも冷夏で売り上げ減少 福知山支社まとめ
 JR福知山支社は19日、海水浴などを狙いに輸送力を増強した7月23日から今月18日までの列車利用状況をまとめた。乗客数は前年より1.7%増えたものの、冷夏の影響で特急、急行の乗客が少なく、売り上げ高は前年を下回った。
 同支社は7月23日から8月11日までを主に海水浴客、翌12日から18日までを帰省客向けに、延べ314本の臨時列車を走らせた。まとめによると、普通列車の乗客は前年より3.2%多い293万人だった。しかし、特急と急行は49万人で、6.3%減少した。とくに海水浴客向けの期間が8.3%も少なくなっており、冷夏の影響をもろに受けたようだ。
 このため、売り上げ高が1.3%減の11億6600万円にとどまった。(朝日新聞)
■鉄道安全推進会議発足 信楽事故、将来に生かせ 安全面改善求める 専門調査機関設置を
 地震、豪雨と続く日本の夏。今月6日の鹿児島の集中豪雨による土砂崩れで、降雨量は列車停止の基準に達していなかったが、現場のマニュアルを超えた判断で列車を止め、大惨事を防いだ。高速化、大量輸送化するなかで、公共交通機関として安全性をどう高めるべきか。死者42人を出した信楽高原鉄道とJR西日本列車の正面衝突事故で亡くなった犠牲者の遺族らが呼びかけ人となって、今月上旬、京都市内のホテルで「鉄道安全推進会議」(臼井和男会長、約300人)が発足した。会議は事故をプラスに転じることができるとすれば、安全面の改善であり、そのためには独立した常設の専門調査機関の設置の導入を強く求めている。
 鉄道安全推進会議は、本部事務所を信楽列車事故の京都の遺族が経営する会社内に置いて発足した。鉄道事故は、刑事責任の追及は警察、検察の捜査機関が実施し、業務上過失などの疑いがあれば、起訴して刑事裁判で審理される。その一方で、行政の運輸省は再発防止などから鉄道事業者に事故報告を義務づけ、報告内容をチェックする体制をとっている。
 しかし、信楽列車事故では、運輸省は信楽高原鉄道の信号保安システムについて学識者による臨時の調査検討会を設置、関係者から事情を聴いて報告書を公表した。事故から1年7ヵ月後である。運輸省の調査、報告は鉄道事故では極めて異例のケースだった。「高原鉄道は第三セクターで、独自で調査する技術力がないと判断した。これは例外であって、鉄道事故調査は鉄道事業者が原因を究明して報告するのが基本的考え方。本省の鉄道局には事故専門官がおり、地方運輸局にも専門官を配置している。報告が甘ければ指摘し、ケースによっては臨時の調査組織をつくって厳正に対処する」(広瀬道雄・運輸省保安車両課専門官)。
 信楽列車事故の遺族・弁護団が今回、鉄道安全推進会議を設立した大きな理由は、日本の事故調査と報告への疑問からだった。この調査について同弁護団の秋田真志事務局長は「運輸行政の面では、運輸省も調査対象になるはず。公平さに問題があり、報告書の内容は具体性に欠ける」と、真っ向から反論する。事故にいたるさまざまな要因が明らかにされないまま、結論だけが先行しており、事故再発防止につながらない。独立した第三者機関の手で迅速、徹底的に事故原因を調べ、再発防止の尊い教訓にすべきであると、提言する。
 今回の設立総会には、米国から国家運輸安全委員会(NTSB)のロバート・ロービー鉄道部長とラッセル・ゴーバー主任調査官の2人が招かれた。米国では、大統額の下部機関として独自の調査委員会が組織され、事故調査にあたっている。2人は米国での現状を説明しながら「NTSBは、世界で最高の事故調査機関と自負している。事故調査後の勧告もかなり生かされている。日本は調査技術を十分に備えており、日本独自の公平な調査機関の設置を願っている。事故が起きて唯一プラスになることは、安全面の改善と事故防止だ」と話した。発足した「鉄道安全推進会議」には、信楽高原鉄道のほか、兵庫県加西市の第三セクター・北条鉄道も参加した。しかし、JR西日本は「運輸省が現行体制で十分としている。当社も安全対策を強化している」として参加しなかった。
 会議の後、開かれたシンポジウムで、日本の航空事故調査委員会運輸技官を務めた黒田勲・早稲田大学人間科学部教授は「事故の再発防止には、直接原因だけでなく、背景のヒューマン・ファクターを解明することが不可欠」と体制充実の必要性を指摘した。
 また、安部誠治・関西大学商学部助教授(公企業論)は「鉄道も航空機と同様にシステムの巨大化と高速化が進み、一度事故が起きれば、大惨事になる可能性が大きい。経済性重視が、安全性に影響を与えるのではないかと危惧(ぐ)する」と懸念を示した。
 信楽事故以降も、翌年の92年には関東鉄道の列車脱線事故、島原鉄道の列車衝突事故と、多数の負傷者を出す事故が起きている。日本の鉄道は1872年(明治5年)に新橋−横浜間が開通して以来、蒸気機関車から電車へ、さらに新幹線とスピードアップするとともに、システムが高度化している。戦後の事故をみても1962年に三河島事故、63年に鶴見事故、72年には北陸トンネル事故、86年の余部事故と多くの死傷者を出す事故が起きている。
 信楽列車事故の遺族たちは会議の設立趣意書の中でこう記している。
 「事故に奪われた命はかえってこないが、事故の悲惨な犠牲は将来に生かすことができる」(京都新聞 夕刊)
■夕刊フォーラム 鉄道の事故防止 どんな対策が必要なのか 2氏に聞く
 鉄道事故の再発防止のためには、どんな対策が必要なのか。鉄道事業者の事故報告に基づき、運輸省が報告内容をチェックし、ケースによっては学識者らの臨時の検討会を設置する現行の調査体制で十分なのか。信楽列車事故遺族弁護団の秋田真志事務局長と、JR西日本の山崎正夫・鉄道副本部長に、調査機関の設置に対する考え方や「のぞみ」の故障など、最近の事故に対する安全対策について聞いた。
・調査を早く公正に 秋田真志・信楽列車事故遺族弁護団事務局長
 −現行の鉄道事故調査の体制では、なぜ不十分なのか。
 「公正さ、独立性が確保されていない。運輸省自身も調査の対象になりうるわけで、運輸行政が十分だったのかどうか、その点も含めて調査する必要がある。また、信楽事故で、運輸省が設置した信号保安システムの調査検討会のメンバーには事故当事者のJR西日本は入っていないが、JR東日本関係者がおり、公正さの担保がない」
 「日本の鉄道事故調査は手続きが明確でない上、オープンにしようという姿勢がみられない。信楽事故の運輸省の報告書は事故の1年7ヵ月後に出され、高原鉄道の教育訓練や両社の連絡体制の不十分さなどを指摘しているが、具体的にどう不十分なのか示されていない。結論だけで、説得力に乏しい」
 −弁護団から見て、米国の国家運輸安全委員会(NTSB)が日本に比べて優れていると感じるのは、どんなところか。
 「米国のNTSBも、1966年に発足した当初は連邦運輸省の内部機関だった。しかし74年に独立して大統領直属になった。調査対象はミスなど直接原因に限らず、ミスの背景にある人間の行動や操作システムなど多角的に行われる。調査は迅速で事故後3、4ヵ月で事実報告書が公表され、平均約1年で安全勧告を含めた最終報告書がまとめられる」
 「目撃者や運転士など関係者の証言は書類に一問一答で残され、国民に開示されるし、最終的に事実確定のために重要証人の証言を得る場合は、公開の場で審問が行われる。事実や情報公開が調査のすべての担保になっている。事故時の生存率を高めるサバイバル・ファクターの面からも調査し、勧告している」
 −米国と日本では業務上の過失に対する刑事責任への考え方が異なっているともいわれる。そのことが調査方法の違いにもつながっているのでは。
 「NTSBは、調査中に事故は麻薬が絡んだり、意図的にポイントを切り替えるなど故意によるものと判明すると、FBI(連邦捜査局)に引き継ぐ。米国では故意の事故は刑事処罰するが、業務上過失の概念で処罰しようという発想は基本的にないようだ」
 「NTSBの鉄道担当者に聞くと、業務上過失で刑事処罰しようというのは時間のロスで、複雑な事故ではだれに過失があるかを決められないこともあるという。刑事責任が問われないことで遺族の納得が得られるかどうかについては、民事責任があるとの考え方だろう。米国は、日本に比べて民事で制裁するという意識が強く、損害賠償金額も高い。過失に対する刑事裁判の期待が日本に比べ大きくないという事情の差はある」
 −事故調査体制のあり方が論議される一方で、日本では現行の刑事裁判の中で時間はかかっても事故原因など真相がはっきりする、という意見もるが。
 「再発防牡のためには、事故が風化しないうちに何が必要なのか明らかにし、対策をとることが第一に必要だ。業務上過失の刑事裁判は、起訴された個人の限定された過失が追及されがちで、長期化するケースも多い。できるだけ早く、事故原因の連鎖を切っていくことが不可欠だ。近年、鉄道はシステムが複雑化して運転は運転、信号は信号というように分業が進み、全体を通して把握することが難しくなっており、そのことにも危惧(ぐ)を覚える」
・広範囲に安全の綱 山崎正夫・JR西日本鉄道副本部長 取締役・安全対策室長
 −信楽事故の被害者や市民らによる「鉄道安全推進会議」が今月8日に発足。信楽高原鉄道はメンバーに加わったが、JR西日本が参加しないのはなぜか。
 「鉄道調査機関の設置については6月の国会で取り上げられている。その際、議員の質問に対し、運輸省の見解は現状で十分に対処する能力があり、第三者機関をつくる必要性はない、とのことだった。監督官庁がそう明言している中で、当社は事故の当事者でもあり、参加することはいかがなものかと判断した」
 「従来の本社の安全対策室に加え、6月には現場に近い各支社に安全対策室を新設するなど、安全対策は本年度に入ってかなり進ちょくしている。その実績があるし、専門的知識や分析が必要なケースは、鉄道総合技術研究所に第三者的立場から調査を依頼する体制がすでにある」
 −鉄道総合技術研究所に関しては、JR各社の資金が入っている。公正さの面で問題はないか。
 「JRは分離して7年目に入った。基本的に独立採算。JR各社は同じ仲間と見られるかもしれないが、独自のやり方で持ち味を発揮して経営し、会社間の対立もある。鉄道総研は世間のみなさんが考えている以上に、独立した機関として公正な調査を行っている。そうでなければ、われわれも困る。シビアな結論を実際にもらっている」
 −信楽事故弁護団らの招きで来日した米国の国家運輸安全委員会の鉄道部長らは、事故に備えて乗客の生存率を高める対策(サバイバル・ファクター)の必要性を強調したが。
 「車両破損のケースが多いのは踏切事故で、衝突のショックを吸収し、後部の乗客に与えないように運転席の前面を強化している。火災対策も北陸トンネル事故などを教訓に難燃化し十分配慮している。ただ、正面衝突事故まで想定した車両設計はしていない。かつては新幹線もシートベルトをつけるべきとの議論もあった。安全は絶対大事だが車体が壊れないように重くしなければならず、居住性の兼ね合いもある。あくまで正面衝突事故を起こさないようにすることが安全の思想と考える」
 −信楽事故で、JR西日本の運転士は信号が青だったので進んだが、遺族は行き違う予定の高原鉄道列車がいないのだから止まるべきだったと主張する。今月上旬の鹿児島の集中豪雨で、JR九州は雨量が列車を止める基準に達していなかったが、マニュアルを超えた判断で列車を止め、惨事を防いだ。マニュアルと人間の判断をどう考えるか。
 「鉄道信号の青は、進めである。マニュアルのレベルでなく、鉄道では憲法。鹿児島のケースとは全く次元が違い、同列には論じられない。雨に関してはJR西日本においても、広島県内で降雨量の基準を臨時的に引き下げて運用するなど組織として対応している。マニュアルは決めたら絶対守れというのではなく、指針、目安と考えている」
 −最近は「のぞみ」の故障や、在来線でも人身事故には至らないまでもミスによる事故が目立つのでは。
 「軽微なものを少なくして、大きな事故につながらないように全力を挙げている。全体の件数は激減こそしていないが、減少傾向。ハード面で人間がミスしても機械がカバーする装置の整備や、ヒューマン・エラーを少なくするために働きやすく、やる気の出るような広範囲の事故対策を進めている」
・メモ 米国の国家運輸安全委員会(NTSB) 大統領直属の行政委員会で、本部はワシントン。調査対象は鉄道、航空、船舶、ハイウェーなど運輸関係全般の事故で、常勤職員は約350人。鉄道部は25人で、ワシントンのほかにロサンゼルス、シカゴ、パーシパニーの3出張所がある。年間の取扱事故件数は鉄道は400−500件。本部が直接調査を行う大事故は年平均5−8件。24時間体制で、通報を受け、事故発生直後から連邦鉄道局や鉄道会社、車両、信号機メーカーなど関係当事者を集めて調査を行う。(信楽事故遺族弁護団の佐藤健宗弁護士作成の資料から)
 マニュアル順守が目的でなく、マニュアルは安全輸送のためにあります。鹿児島豪雨ではマニュアルにない現場の機転が多数の命を救いました。しかし、機転は、結果次第で「無謀な判断」になりかねません。安全システムの中で現場の機転はどんな位置づけがされているのでしょうか。豪雨、地震の今年の夏、鉄道の安全について考えてみました。皆さんの意見を待っています。〒604京都市中京区烏丸高夷川上ル、京都新聞夕刊フォーラムへ。FAX075(241)5953。(粟)(京都新聞 夕刊)
21日■新大阪駅で電気系統故障 新幹線に遅れ
 21日午前9時40分ごろ、東海道新幹線・新大阪駅の構内で、列車の存在を検知する電気系統に故障が発生した。まもなく復旧したが、同駅の上りの23、24番線が一時、使用できなくなった。JR東海によると、この故障の影響で、上下線20本に5−15分程度の遅れが出た。(朝日新聞 夕刊)
22日■レール幅は違っても 車輪の幅は自由自在 住友金属が新台車開発へ
 住友金属工業は、新幹線と在来線や私鉄などレール幅の異なる軌道上を同じ車両で走ることができる「軌間変更台車」の開発を始めた。来年春までに試験車両を造る予定。実現すれば、新幹線と在来線の相互乗り入れが可能性になり、鉄道網のスピードアップにつながりそうだ。
 国内を走る鉄道は、JR新幹線が軌道幅1435_、在来線は1067_が中心で私鉄は各社によってまちまち。このため、山形新幹線ではレールを1本増やし3本にして乗り入れている。
 住友金属が開発を進めている台車の仕組みは、軌道幅の異なるレールへ移る駅構内に、軌道の外側にもう1本ずつ別のレールを敷設。そこに車両が入ると、車輪の外側にある支持ガイドで車体を持ち上げ、車輪がレールから浮いた状態にして車輪幅を変える仕組み。
 全線にわたって新たなレールを敷設する必要がなくなる。
 住友金属はスペインのタルゴ社と技術提携を結び、来年3月ごろのテスト走行を目指す。タルゴ社はスペインとフランス、イタリアなどの各国間で軌道幅の違う鉄道で走っている車両を造っている。しかし、同社の車両は、駆動装置がついていないものだけのため、客車などを引っ張る機関車は取り換えなくてはならなかった。(朝日新聞)
23日■ブレーキの故障でトンネル内に停車 JR北陸線
 22日午前10時40分ごろ、福井県敦賀市疋田のJR北陸線深坂トンネル内で、金沢発長浜行き普通電車がブレーキ系統に異常があり、停車。後続の富山発大阪行き特急雷鳥22号が連結し、トンネルを通過、近くの近江塩津駅まで押した。普通電車の乗客約120人は後続の特急に乗り換えた。(京都新聞)
■東海道線など遅れ7000人影響 JRで信号故障
 23日午前7時25分ごろ、大阪市淀川区塚本二丁目のJR東海道線塚本駅構内で、2本の下り線のうち、外側線の出発信号が赤色のまま変わらなくなった。このため、後続の東海道線と福知山線の列車は内側線を使って運転したが、計12本が2−15分遅れ、約7000人の足に影響が出た。
 約40分後に自然復旧したが、JR西日本では原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)
24日■「のぞみ」で乗客刺殺 「静かに」と注意後 静岡 ナイフの男逮捕 警官も重傷
 23日午後8時25分ごろ、静岡県掛川市の東海道新幹線掛川駅付近を走っていた博多発東京行き上りのぞみ24号の9号車(グリーン車)内で、サバイバルナイフのような刃物を持った男が、車内に座っていた埼玉県上尾市原市、「国分」埼玉支店の支店長松野定哲さん(40)=埼玉県春日部市備後西=の左胸を刺した。のぞみ24号は新富士駅に臨時停車、待機していた富士署員が男を取り押さえようとしたが、男は新富士駅派出所の加賀泰巡査部長(38)=静岡県清水市興津中町=の背中を切り付け、殺人未遂の現行犯で逮捕された。
 松野さんは病院に運ばれたが、既に死亡していた。加賀巡査部長は背中に1ヵ月の大けがをして富士市内の病院に収容された。
 JR東海によると、走行中の新幹線内での殺人事件は開業以来初めて。
 逮捕された容疑者は奈良市南紀寺町、中村克生(27)。同署は中村容疑者を殺人容疑で調べている。
 富士署の調べによると、松野さんは会社の同僚3人と座席で話をしていたところ、2列後ろの席に座っていた中村容疑者が「静かにしてくれ」と言った後、しばらくしてから松野さんに近付き、胸を刺したという。
 のぞみ車内からの連絡を受け最初に駆け付けた新富士駅輸送主任の沢野彰志さん(50)によると、事件があった9号車内は、大型のサバイバルナイフを手に持った男が通路を行ったり来たりしており、座席に血だらけの男性乗客がぐったりして座っていたという。
 他の乗客は車掌の誘導で別の車両に避難し、無事だった、という。松野さんは会社の上司、同僚と一緒に大阪市にある近畿支社に行った帰りだった。
 のぞみ24号は午後9時半すぎ新富士駅を出発、約50分遅れ東京駅に着いた。(京都新聞)
■「のぞみ」殺傷事件 鮮血飛び 車内に悲鳴 凶器男のアナウンス 逃げ惑う乗客
 旅行や出張帰りの乗客で混み合う「のぞみ」の車内に悲鳴が響き渡った。突然の事件に逃げ惑う人波。23日夜、静岡県内を走行中の新幹線で起きた殺傷事件。デッキには鮮血が飛び散り、乗客たちは恐怖感に顔をひきつらせた。
 予定より遅れ東京駅15番ホームに到着した上りのぞみ24号。事件があった9号車の中央付近の窓にはカーテンが引かれ、10号車との間のデッキには血のりが飛び散ったまま。
 列車から降りてきた乗客たちは一様に青ざめた顔で、中にはカメラのフラッシュを避けるようにホームから走り去る人も。
 9号車に乗り合わせた自営業の男性(25)は「犯人の3つ前の席で寝ていた。ギャーッという男性の悲鳴がして振り返ると、ダイバーナイフのような刃物で刺された男性が座席に倒れており、返り血を浴びた乗客らが隣の車両に逃げていくところだった」と恐怖が冷めやらぬ表情。
 いきなり「やかましい」という怒鳴り声がした直後悲鳴が聞こえたという。
 新大阪から東京まで観光のため乗り合わせた女性(22)は「新富士駅に停車し、しばらくすると車内放送で、凶器を持った男がいるので乗客は前後の車両に逃げてくれ、とアナウンスがあった。私は先頭の車両に乗っていたが、後の車両から人がどっと押し寄せてきた」と話した。
・新富士駅はパニック状態
 「けが人が出た。すぐ警察と救急車を」と無線で乗務員が新富士駅に連絡。間もなく血だらけの乗客と犯人を乗せたままのぞみ24号が新富士駅に急停車。ホームにいた乗降客が逃げ惑い、同駅は23日夜、一時パニック状態となった。
 当時上りホームにいた同駅の沢野彰志輸送主任は「9号車内は刃物を持った犯人が通路内を歩き回り、奥の座席で血を流した乗客がぐったりとして座席にもたれかかっていた」と興奮気味に話す。
 当時コンコースには家族らを待つ約100人がひしめいていた。「コンコースを開けてください」という突然の構内放送に口々に「どうしたんだ」とどよめいた。一部は駅員の誘導で構内のみどりの窓口に慌てて避難、息をひそめて見守っていた。
 一方、犯人の男は同駅に到着後、警官の姿を見て、前方の車両へ逃走。11号車付近で4人の警官が追いかけたが、うち1人の加賀泰巡査部長に切りかかった後、他の3人に取り押さえられた。
・走行中殺人は初めて
 時速270`で走るのぞみは、停車駅も少なく、全くの「走る密室」。今回のように、走行中新幹線車内での殺傷事件はこれが初めてだ。
 JR東海によると、昭和39年10月の東海道新幹線開業以来、乗客が死亡するような事件は、63年に東京駅ホームに停車中のこだまで男性が刃物で刺され死亡した例が1件あるだけという。(京都新聞)
■「のぞみ」内で刺され 乗客1人死亡 警官も重体
 23日夜、静岡県内を通過中の東海道新幹線博多発東京行き上り「のぞみ24号」のグリーン車(9号車)で、突然、男が刃物で乗客の胸を刺した。同列車は新富士駅に臨時停車し、駆けつけた警官が男を取り押さえたが、乗客は出血多量などで死亡し、警官1人も背中を刺され重体。静岡県警富士署の調べでは、男は「静にしてくれ」と言った後、いきなり乗客を刺したという。
 同日午後8時38分ごろ、静岡県富士署に、「東海道新幹線のぞみ24号車内で日本刀を振り回している男がいる。新富士駅に緊急停車する」という連絡が鉄道警察隊から入った。
 通報を受けた同署新富士駅前派出所の加賀泰(ゆたか)巡査部長(38)ら署員数人が同駅で待機、同41分に到着したのぞみ24号の9号車に乗り込み、男を取り押さえようとしたところ、男は加賀巡査部長に襲いかかり、加賀巡査部長は背後から刺された。また乗客の埼玉県春日部市備後西二丁目、食品会社支店長松野定哲(さだのり)さん(40)が左胸を刺されているのが見つかった。加賀巡査部長と松野さんは市内の病院に運ばれたが、松野さんは死亡、加賀巡査部長は重体。
 男は同署員が殺人未遂の現行犯で取り押さえた。奈良市南紀寺町五丁目、無職中村克生容疑者(27)で、同署は容疑を殺人に切り替え、犯行の詳しい動機などを調べている。
 調べによると、亡くなった松野さんが会社の同僚数人と新幹線車内で談笑中、松野さんの2列後ろの席にいた男が「静にしてくれ」といった。しばらく静にしていると、男が近づき、突然松野さんの胸を刃渡り約30aほどの登山ナイフのようなもので刺した、という。
 松野さんは同日朝、同僚と大阪で行われた研修会に出席、のぞみで帰宅する途中だったという。JR東海によると、東海道新幹線では1988年9月に東京駅のホームに停車中のこだま車内で男性乗客が刺されて死んだ事件があった。
 今回の事件で東海道新幹線は後続の上り列車10本に最高で49分遅れた。(朝日新聞)
■のぞみ殺傷事件 動機などを追及 覚せい剤使用の可能性も
 23日夜、静岡県内を走る東海道・山陽新幹線「のぞみ」車内で埼玉県春日部市備後西、国分埼玉支店長松野定哲さん(40)が刺殺され警察官1人も重傷を負った事件で、静岡県警富士署は24日、殺人未遂の現行犯で逮捕した男を、奈良市南紀寺町、無職中村克生容疑者(27)と確認、殺人容疑の逮捕状を請求し、犯行の動機などについて追及している。
 同署は中村容疑者が覚せい剤を使用していた可能性もあるとみて鑑定を急いでいる。
 一方、同署はJR東海東京第一車両所に収容されているのぞみの殺害現場となった9、11号車を中心に検証、松野さんと一緒に乗っていた同僚らから状況を聴いている。
 松野さんの遺体は同日午後、静岡県浜松市の浜松医科大で解剖される。
 富士署のこれまでの調べによると、松野さんと上司、同僚の計4人は大阪市の近畿支店からの帰りで、9号車で仕事の話をしていた。京都駅を過ぎた辺りで、2列後ろの席の中村容疑者が「考え事をしたいので静かにしてください」と言ってきた。4人とも静かにしていたが、掛川駅(静岡県)を通過したところでいきなり通路側の席にいた松野さんをサバイバルナイフ(刃渡り30a)で刺したという。
 同署は同容疑者と松野さんらのグループとの間でどういうやりとりがあったのかなどについてさらに調べている。9号車には同容疑者のものと思われるかばんが残されており、同署で中身を調べている。(京都新聞 夕刊)
■「静にしてくれませんか」突然、刃物で襲う 「のぞみ」刺殺
 東海道新幹線博多発上り「のぞみ24号」のグリーン車(9号車)で23日夜、奈良市南紀寺町五丁目、無職中村克生容疑者(27)が刃物を振り回し、2人が死傷した事件は、乗客とのささいないさかいがきっかけだったことが静岡県警の調べで明らかになったが、中村容疑者の言動に不明な点が多いため、同県警は事件の背景などを詳しく調べている。また、殺された埼玉県春日部市備後西2丁目、食品卸商社「国分」埼玉支店長松野定哲(さだのり)さん(40)の遺体を24日午後、浜松医大で司法解剖する。
 これまでの調べでは、23日午後8時半ごろ、浜野さんが会社の上司ら3人と新幹線車内で談笑中、2列後ろにいた中村容疑者が4人に近づき、松野さんの左胸を登山ナイフ(刃渡り約30a)で刺した、という。
 同乗していた松野さんの上司(49)の話では、中村容疑者は京都駅を過ぎたあたりで、「考えごとをしているので静にしてくれませんか」と4人にていねいな口調で申し入れた。松野さんらが声を落としたため、その後、何事もなかったが、掛川駅(静岡県)を過ぎたあたりで刃物を振りかざしてきたという。
・「走る密室」に警察官は不在 車掌の目届かず
 東海道新幹線では毎日約290本の列車が運行され、1日の乗客は約35万人。このうち東京−名古屋間では1日平均8本ほどの列車に警視庁鉄道警察隊の警察官(国鉄時代の鉄道公安官)がスリや要人警護のため2人1組で乗り込んでいる。しかし、事件のあった「のぞみ24号」には乗車していなかった。またJRの乗務員は運転士2人と車掌2人の計4人。車掌は定期的に車内を回っているが、1列車の乗客は1000人以上にもなり、目が行き届かないことも多い。とくにのぞみは停車駅が少なく、いわば「走る密室」にもなりやすいとの指摘もある。
 列車には、1つの車両で2ヵ所に非常ボタンがあり、乗客が押すと緊急停車することになっているが、今回は押す人もいなかった。JR東海は「今回のような事件を完全に防ぐのは物理的にも難しい。乗客の荷物のチェックなどもできないし…」といっている。(朝日新聞 夕刊)
25日■運輸省概算要求 整備新幹線に重点投入
 運輸省は25日、一般会計を本年度当初予算比1.9%増の9381億円、他省庁との共管分を含む財政投融資を1.6%増の3兆9138億円とする1994年度予算の概算要求をまとめた。要求の柱の一つ、整備新幹線の事業費は14.9%増の1829億円(うち一般会計分は4.3%増の184億円)で、98年の長野冬季五輪までに開業を目指す北陸新幹線高崎−長野間に重点投入する。日本鉄道建設公団による財投からの借り入れを含め、計593億円の借入金を本年度に引き続いて計上した。(京都新聞)
■実験期限を1年先送り 山梨のリニアモーターカー用地取得難航で
 運輸省は25日、94年度予算概算要求の取りまとめに当たり、これまで97年度待つまでに設定していたリニアモーターカー山梨実験線の実験期限を1年先送りし、98年度末までとすることを明らかにした。用地取得が計画より大幅に遅れているのが理由。
 これに伴い、当初計画で68億円を予定していた94年度の同実験線関連の開発助成費は一部繰り延べとなり、本年度並みの48億6800万円の要求に抑えられた。日本開発銀行融資は本年度比65億円減の199億円となった。
 宮崎実験線関係は3億円(本年度4億4000万円)の要求。
 山梨実験線は、当初計画では本年度内に実験に入る予定だったが、宮崎実験線での車両火災事故などで沿線住民が態度を硬化。用地取得が1年以上遅れた。このため、運輸省は、山梨県・境川村−秋山村間の全長42.8`のうち、比較的建設が進んでいる大月市−都留市間(18.4`)を先行工事区間に設定。実験計画へり影響を最小限に抑える方針を打ち出した。
 助成費の内訳は、車両基地建設費などの実用化実験投資が24億1400万円、車体本体などの実用化試験費が24億2400万円。先行工事区間に全額投入し、94年度中の実験開始を目指す。(京都新聞)
■ラッシュの混雑解消へ新ダイヤ 地下鉄烏丸線 来月1日から
 京都市交通局は来月1日から、地下鉄烏丸線に2列車分(12両)の新規車両を導入し、輸送力を増強した新ダイヤでの運行を開始する。平日朝夕のラッシュ時の運行回数が計4往復増えて、これまで最短で4分だった運転間隔が3分30秒に短縮されるほか、新たに土曜ダイヤが設定される。
 同線は1981年の開業以来、着実に旅客数が増加し、これまで2回の輸送力増強を行っているが、依然ラッシュ時に京都駅などで混雑が続いている。
 新規車両の導入で、同線の在籍車両は6両編成の17列車となる。これに伴う新ダイヤは、平日が158往復、土曜日148往復。休日は現行通りの135往復。
 土曜日ダイヤは7月21日から8月31日までの夏休み期間中、平日にも夏期ダイヤとして運用される。
 運転間隔は、朝のラッシュ時が現行の4−5分から3分30秒−4分になる。夕方のラッシュ時はこれまで通り5分間隔だが、運行時間帯は現行の1時間から2時間に拡大される。
 交通局では、昨年10月の調査で朝のラッシュ時に定員の166%だった混雑率が、新ダイヤで148%にまで低減できると推計。「運輸省が指導する150%以下を達成できるので、混雑の緩和により快適な運行状態になる見込み」としている。(京都新聞)
■秋の臨時列車1884本 JR西日本
 JR西日本は24日、秋(10月1日−11月30日)の臨時列車の運転計画を発表した。期間中新幹線と在来線合わせて1884本の特急・急行列車を運転する。
 期間中の利用を昨年並みの739万人(主要9線区)と見込み、連休や週末を中心に新幹線522本、在来線1362本の臨時列車を走らせる。臨時列車の本数事態は昨年に比べて全体で21%少ないが、今年3月のダイヤ改正で定期列車を大幅に増やしたため、総本数としては昨年よりわずかに増える。
 新幹線では、博多でハウステンボス号に接続する速達タイプの「ひかり」を運転。在来線では快速「ムーンライト九州」(京都−博多)、特急「スーパー雷鳥・立山」(神戸−立山)、「トワイライトエクスプレス」(大阪−札幌)など走らせる。丹後、丹波方面には、特急「タンゴエクスプローラー81号」(大阪−久美浜、山陰線経由)、快速「丹波路ホリデー221」(京都−福知山、大阪経由)を運転、行楽客の利便を図る。(京都新聞)
■信号故障1000人に影響 JR京都駅
 24日午後2時45分ごろ、京都市下京区のJR京都駅構内で、山陰線の出発信号と東海道線上り場内信号機が赤のまま変わらなくなった。10分後に自然復旧したが、両線の電車合わせて3本が9分から2分遅れ、1000人に影響が出た。JR京都支社で原因を調べている。(京都新聞)
■信号が赤で変わらず JR嵯峨野線などで遅れ
 24日午後2時45分ごろ、下京区のJR京都駅の東海道線上りと嵯峨野線の信号機が赤のまま変わらなくなった。約5分後に自然復旧したが、嵯峨野線の普通電車が9分遅れたのをはじめ、計3本が遅れ、約1000人の足に影響が出た。(朝日新聞)
■「のぞみ」殺人事件 容疑者の尿に覚せい剤反応
 東海道新幹線博多発上り「のぞみ号」のグリーン車(9号車)で23日夜、奈良市南紀寺町5丁目、無職中村克生容疑者(27)が刃物を振り回し、2人が死傷した事件で、静岡県警が24日、中村容疑者の尿を採取して調べたところ、覚せい剤反応が出た。1週間以内に使用したらしく、県警では、犯行の状況などから、覚せい剤の影響で錯乱し、犯行に及んだ可能性が高いとみている。(朝日新聞)
■整備新幹線14.9%増に 運輸省概算要求
 運輸省は25日、1994年度政府予算に対する概算要求の内容を決めた。総額は一般会計で前年度当初比1.9%増の9381億円、財政投融資は同1.6%増の3兆9138億円で、整備新幹線や関西新空港など大規模プロジエクト事業を進める一方、地方空港の整備や大都市圏の通勤ラッシュ緩和にも力点を置いている。31日に大蔵省に提出する。
 整備新幹線は、東北、北陸、九州の3線5区間に、総事業費(財政を含む)として14.9%増の1829億円を要求する。認められれば、98年の長野冬季五輪を控えた北陸新幹線の高崎−長野間に重点配分する予定だ。93年度は前年度比48%増の1591億円が計上されている。(朝日新聞 夕刊)
■「のぞみ」殺人 覚せい剤2年前から 中村容疑者 事件前日にも使用
 東海道新幹線の上り「のぞみ24号」車内で23日夜、刃物を振り回し、乗客ら2人を死傷させたとして、殺人などの疑いで逮捕された奈良市南紀寺町五丁目、無職中村克生容疑者(27)は静岡県警の調べで、覚せい剤常用者であることが明らかになった。犯行当時、所持していたバッグには少量の覚せい剤と大麻が入っており、「前の日にも覚せい剤をつかっていた」と供述しているという。同県警は薬物中毒による衝動的な犯行、との見方を強めている。
 調べに対し、中村容疑者は「約2年前から覚せい剤を使っていた」と話している。尿検査で、覚せい剤反応も出た。犯行は認めたものの、「指令を受けた」などと、意味不明な供述を繰り返しているといい、近く精神鑑定に回す。(朝日新聞 夕刊)
■リニア実験線 96年春に実験開始
 運輸省は25日、リニアモーターカー山梨実験線の実験開始時期を、これまで目標にしていた1995年春から96年春に遅らせることを決めた。用地買収が遅れているためで、併せて実用化のめどを立てる時期も97年度から98年度に先送りする。(朝日新聞 夕刊)
26日■精神鑑定の方針 「のぞみ」殺人事件 中村容疑者を送検
 新幹線「のぞみ」車内の殺傷事件で、静岡県富士署は25日午後、殺人などの疑いで奈良氏南紀寺町、無職中村克生容疑者(27)を送検した。今後精神鑑定をする方針。
 同署のこれまでの調べで、中村容疑者は車内に持ち込んだバッグの中に覚せい剤約1.2cと乾燥大麻約5.5cを所持。尿検査で覚せい剤の使用反応も出ている。(京都新聞)
■窓 古里みつけた飯田線の旅 大津市 小坂由以子 主婦(60)
 私たち姉妹は、青春18きっぷで日本中のローカル線に乗る計画をたて、7年目を迎える。今夏は、飯田線に的をしぼった。東海道本線豊橋駅で、飯田線に乗り換える。愛知県、静岡県、長野県と3県にまたがって走っている電車である。いろいろと予備知識はあったものの、現実はまた違う。
 走っている時間より、離合待ちの時間の方が長いように感じた。ほとんどが無人駅で、車掌さんは大忙しだ。無人駅舎は道路とも畑とも見分けのつかない隣接地にあり、本当にのんびりしている。いい旅紹介のテレビで見た風景よりも、はるかに美しくけわしく、そこに住む人々の暮らしぶりが分かるような気がした。
 ふだん見慣れた比叡山の霧とは違い、飯田沿線の霧は、民家のすぐ横から白く立ちこめて流れ散って行く。曲がりくねった天竜川と山すそを幾多のトンネルをくぐり縫って行くように走る。緑一色の山と澄んだ空気の中を、3時間かけて天竜峡に着く。長雨の後で濁流増水のため、舟下りはできなかった。翌朝天竜峡から辰野まで飯田線の全線をのべ6時間かけて乗り終えた。
 スピード時代の世の中で、こんなにも遅い電車があることを、身をもって体験し、またお盆の里帰りの見送り人の姿に、昔のままの日本の古里をみつけた感じで、うれしくなった。鉄道マニアの甥(おい)に、小和田駅の初乗り切符をみやげに買うのも、忘れなかった。(京都新聞)
27日■JR東日本株35−38万円に 大口落札加重平均 予想より高め
 国鉄精算事業団は26日、10月26日に上場するJR東日本株の大口投資家向け入札結果を発表した。1株当たりの最高落札価格は62万3000園円最低落札価格は35万2000円、一般投資家向け売り出し価格算定の参考指標になる落札価格の加重平均は37万9806円だった。
 事業団は30日に売り出し価格を発表するが、この日の落札結果から35万−38万円弱になるとみられ、入札前に市場で予想されていた25万−30万円に比べ高くなる見通しだ。
 JR東日本株は発行済み株式数の半分の200万株放出され、うち60万株が入札にかけられた。残る140万株の売り出しは、9月2日から10日まで、証券会社を通じて申し込みが受け付けられる。申し込みが売り出し株数を上回った場合は抽選の上、10月5日に当選番号が公表される。
 入札が過熱化し、初回の売り出し価格が119万7000円に上り、やがて暴落を招いたNTT株の反省から、最低入札単位を50株(NTTは100株)に引き下げたことから、価格水準がNTTに比べ低いことで、落札者総数3993人のうち個人が2990人と約57%を占め、法人が60%以上を占めたNTT株の入札とは対照的な形になった。
 また、NTT株では認められていなかった外国人の入札も今回は認められ、52人の外国人投資家の落札があった。(京都新聞)
■JR東日本株落札 ちょっと高い38万円 NTT株の二の舞心配 改革があだ 個人が殺到
 「うーん38万円。ちょっと高いですね。売れ行きに影響が出ないといいんですが」
 26日発表されたJR東日本株の大口投資家向け落札価格は、加重平均で1株(額面5万円)約38万円。同じ公益事業である電力株の配当利回りとの比較から当初予想された25万−30万円をかなり上回る落札結果に、大手証券の幹部はつぶやいた。
 これを基に8月30日に一般投資家向け売り出し価格が決定するだけに、証券業界、JR関係者は「高値で売り出し、その後暴落したNTT株の二の舞いになりかねない」と表情を曇らせた。
・じり高期待
 この日、東京・兜町の証券会社を訪れた千葉県に住む会社員(40)は「JR株に興味を持っているが、これでは高過ぎる。上場された後の株価の動きを十分見てから買いたい」と慎重な様子。
 今回のJR株の売却に当たって関係者の合い言葉ほ、「NTT株の二の舞いを繰り返すな」だった。JR株が比較的安値で売り出され、その後じり高に推移すればNTT株で市場に愛想をつかした一般個人投資家が戻るという思惑があったからだ。
 予想外の高値になった原因のひとつは、皮肉にも証券業界が幅広い投資家の評価を反映するよう要望した入札の改革だ。
 NTTの入札を教訓に、国鉄清算事業団は、要望を入れ入札の割合を売却株式の約10%だったNTT株に対しJR株は30%に拡大。入札できる最低株数もNTT株の100株から50株に引き下げた。
・円高も影響
 ところがこの改革が結果としてあだとなった。銀行などの機関投資家に加え「資金に余裕のある個人投資家などが入札に殺到、落札価格を引き上げる形となった」と証券アナリストは説明。さらに、「外国人投資家も予想外の高値で落札をしたとみられる。円高進行を読んでひともうけを狙ったのでは」と分析している。
 競争入札の受け付け期間中の8月上旬、予想以上に個人投資家の申し込みが多いことがひそかにJR東日本に伝わると、幹部はまゆをひそめた。
 このころから、JR東日本の幹部の口から、個人投資家の過度の期待を冷やすような情報が出始めた。幹部の一人は「長期債務を5兆2000億円抱えている。運賃、料金も運輸省の認可が必要。さらに、(不動産など事業の多角化を進めている)ほかの私鉄と比べて鉄道事業の比率は、96.2%と極めて高い。こんな状況をちゃんと知ってくれていればいいのだが」。
・台所事情も
 JR各社の株式を保有する国鉄清算事業団の西村康雄理事長は、「NTTの二の舞いは避けたい。買った投資家にそれなりに利益が出る価格でないと」というけん制球的発言を繰り返してきた。今後、JR東海、JR西日本の株売却も控えているだけに、値決めには終始神経質だった。
 しかしその半面、売却収入は旧国鉄時代から膨らんだ26兆円を超える債務返済に充てられるため「できるものなら高く売り、少しでも債務を返したい」というのもまた事業団側の本音だ。今回の高値落札は、こうした”台所”事情も微妙に作用したとみられる。
・PKO強化
 落札結果を聞いた大蔵省証券局幹部は「市場の決めることで価格の水準についてコメントする立場にない」と売り出し価格への言及は避けたものの、JR株の上場については「新しい個人のニューマネーが流入する効果があり、市場の回復が期待できる」と強調した。
 こうした期待とは別に市場関係者の中には「10月の上場時点の市場は円高の進行などによる企業業績の一段の悪化を受けて軟調とみられ、JR株へ悪影響を与えるのでは」との懸念もある。
 準大手証券の幹部は「これまで大蔵省は、年金など公的資金を使って株価を維持するPKOといわれる株価維持策を取っているが、JR株価を支えるため、証券界と一体となってこのPKOを一段と強めるのでは」と推測する。高値落札したJR東日本株の本当の実力が明らかになるのはこれからだ。(京都新聞)
■国民負担は1人16万円 株式落札のJR東日本 上場後も膨大な債務
 赤ちゃんからお年寄りまで、国民一人当たりの負担額は12万円から16万円に増加へ−。26日、JR東日本の株価水準がほぼ固まった。JR関係者は株上場は国鉄改革の総仕上げと胸を張る。だが、国鉄の分割・民営化時に先送りされた長期債務は膨らむ一方で「将来国民の負担とする」とされた国鉄の返済不可能な負債は、JR発足時の13兆8000億円から平成9年度には20兆円にまで増える見通しだ。
 暴落したNTT株の二の舞いになるのではという懸念と併せ、株上場は暗い影をひきずる。
 昭和62年の国鉄分割・民営化時、債務の大部分の25兆5000億円を国鉄清算事業団が背負った。旧国鉄用地の売却を進めているが、国鉄時代と同様年間1兆4000億円という利子負担で、平成5年度当初で26兆6000億円に膨らんだ。
 関係者の試算では事業団が持つJR株、土地などの資産を全部売却しても、長期債務に一応のめどをつけるとされる9年度で、約20兆円が「国民が負担する額」として残る。これを国民一人当たりにすると約16万円にもなる。
 評論家の内橋克人さんは「中曽根民活のツケの部分。都合のよい部分だけを先取りし、マイナス部分は先送り。ツケは結局水割りのように薄められて国民に負担させるということでしょう」と言い切る。
 また株式上場に当たって、公共性の高い企業なのに情報の公開が不十分なのでは−との指摘も出ている。
 株式上場時には、売り出しの価格を決めるため事前に入札を行い、入札、落札の状況を細かく発表し、株価の妄当性を説明するのが常識。
 しかし事業団は当初、入札状況の一部のみを公表し、それをもとに公募価格を決定する方針で準備を進めてきた。
JR東日本株式の主な落札者(単位・株)
順位落札者名落札株式数
富士銀行30,000
日本長期信用銀行21,500
三菱銀行19,200
第一勧業銀行17,000
安田信託銀行16,900
東京海上火災保険16,150
日本興行銀行16,050
農林中央金庫15,200
住友銀行13,500
10住友生命保険相互会社11,000
 東証などの批判で方針は変更されたが、それでも26日には入札の全体像を発表せず、30日の資産処分委員会での正式株価決定まで、細かい資料は公表されない。
 事業団は「事務処理上の問題」と説明するが、評論家の佐高信さんは「NTTと同様に、持ち上げておいてどーんと落とし、国民をショック死させるような国ぐるみの株価操作がまた行われようとしている」と批判している。(京都新聞)
■38万円以下が6割 JR東日本の落札
 JR東日本株式の落札結果をみると、落札に成功したのは入札者数1万7418件の22.9%に当たる3993件だった。
 落札価格の分布は、最低価格の35万2000円から38万円以下の価格帯で全体の6割強を占め、40万円超の落札は15.6%。最高価格の62万3000円は個人による落札だった。
 上限いっばいの3万株を落札した富士銀行は「JR東日本とは取引関係が緊密なことや、業績、将来性を考慮して入札に臨んだので、今回の結果はよかった」(広報部)としている。(京都新聞)
■凡語
 駅前広場で宣伝用ティッシュを配ったり、ダイレクトメールを送ったり…。JR東日本の株式購入の勧誘が始まって以来、証券会社による「売らんかな」の活動が際立つ▽その株式の落札者がきのう決まった。NTTに次いで10月、JR東日本が上場されるのに際し、どの程度の株価水準が妥当かを決めるのに、機関投資家と呼ばれる生命保健会社などの入札にかけられていたわけだ。この結果をもとに来週初め、一般売り出し価格が決定される▽今回売り出されるのは、JR東日本の発行株数の半分に当たる200万株(額面5万円)。うち3割が入札にかけられたので、一般対象分は140万株。入札による株価の決め方は急騰後に急落してしまったNTT株の二の舞を避ける工夫による▽しかし、売却収入は、台所が火の車で国鉄精算事業団に棚上げされた26兆6000億という旧国鉄の債務返済に充てられる。とはいっても上場することによって、同社が純民間会社になることに変わりはない▽JR株の売却は、証券市場には久々の大型株登場で、個人投資家を増やすチャンスだとか
、不振相場の起爆剤になるなどと期待を寄せている。が、一般の反応はクールなようだ。原因は時期が不況の折故か。それとも民営化しても運賃の決定など、経営の重要部分を国に縛られている点が嫌われるのか▽売り出し価格が安いと、JRの皮算用が狂う。この後西日本、東海と上場が続く予定という。が、投資家に「のぞみ」を託すには、企業情報の公開こそ肝要と心得たい。(京都新聞)
■東海道新幹線運転ストップ 東京−新横浜間
 台風11号による雨の影響で、東海道新幹線は27日午後零時5分、東京−新横浜間で運転を中止、午後1時20分現在、上下線ともストップしている。連続雨量が150_、1時間雨量が40_を越えたためで、JR東海は列車を止め、線路などの点検を始めた。
 また、午後零時半すぎには、東京の品川駅で線路が冠水、山手線、京浜東北線の全列車が運転を中止した。(京都新聞)
■JR東日本株式落札 平均は37万9800円
 JR東日本株式の一般売り出し価格を決める目安となる大口投資家による入札(60万株)の結果が26日、国鉄精算事業団から発表された。1株(額面5万円)当たりの落札価格は最高62万3000円、最低35万2000円で、落札総額を落札株数で割った「加重平均価格」は約37万9800円。最多落札価格は、13万5650株の入札が集中した35万2000−36万円だった。事業団は30日に資産処分審議会を開き、一般投資家への売り出し価格を決めるが、日本電信電話(NTT)株式の売り出しでは加重平均価格近くに決めている。この例に従うと、JR東日本株の売り出し価格は30万円台後半になる。
 事業団は30日の売り出し価格決定後、9月2日から10日まで証券会社を通じて一般投資家の購入申し込みを受け付ける。1人当たりの申し込み限度は9999株。割当は抽選で決め、結果は10月5日に発表される。
 入札は50株単位で行われ、有効数は1万7418件。法人が3529件、個人は1万3726件など。入札株式数は268万2800株で、応札倍率は4.5倍。20万株を入札したNTT株の応札倍率(5.8倍)より低かったが、個人株主の入札は多かった。
 JR株の売却収入は、旧国鉄の長期債務26兆6000億円(今年3月末時点)の返済に充てられる。(朝日新聞)
■来年度は西日本・東海 JR株 運輸省が売却方針
 運輸省は26日、1994年度のJR株式売却対象をJR東海とJR西日本の2社にする方針を固めた。両社は、10月下旬上場のJR東日本に続く上場を希望。同省はこの3社への規制緩和を進めるうえでも間隔を置かずに上場させるべきだ、と判断した。
 東海と西日本の株式の売却、上場にあたっては、投資家の混乱を避けるために別々に行う。どちらを先にするかは未定。運輸省は、30日に大蔵省に提出する概算要求で、94年度の両社の売却株数として計約200万株を盛り込んでいる。各100万株となる見通しだ。
・「意外に高い」JR西日本は複雑
 JR東日本に続いて来年度中の上場を希望しているJR西日本は、落札価格の平均が約38万円だったことについて、南谷昌二郎専務は「意外に高かった。後に続くものとしてはきつい」とやや複雑な表情を示し、「入札の倍率が4倍強と予想以上に高かった。上場後。株価が乱高下しないことを願うのみだ」と話した。(朝日新聞)
28日■首都の足ズタズタ 台風直撃 JR運休1900本
 各所で寸断される道路、冠水で止まる地下鉄−。台風11号が直撃した首都圏の足は完全に奪われた。新幹線も運休し、影響は全国に及んだ。首都圏のJR線は山手線全線と中央、京浜東北線などが午後からマヒ状態。JR発足以来、最大規模の被害になった。JR東日本のまとめでは、この日の運転注視は計21線区。運休列車は1894本で、101万4000人に影響した。
 東海道新幹線は午後零時5分、東京−新横浜間で運転を中止し、東京−新大阪間の運転も全面的に見合わせた。午後5時38分に再開したものの、58本が運休、24万人の足に影響が出た。山陽新幹線も10本が全面運休。このため、JR東海、JR西日本はそれぞれ、新大阪と博多駅に列車を停車させ、足止めされた乗客を泊める「列車ホテル」を設けた。(朝日新聞)
■首都圏水浸し 台風11号直撃
 台風11号の直撃で27日、首都・東京はあっという間に水浸しとなった。地下鉄や山手線、中央線など都心のJRは完全なマヒ状態に陥った。夜になって一部のJRが動き出したものの、終日混乱、大雨に弱い首都の姿をさらした。
 地下鉄丸ノ内線は午後3時ごろ、赤坂見附駅構内の線路の冠水でストップ。四ツ谷駅から来た電車が手前で立ち往生し、乗客約630人が四ッ谷駅まで歩いて引き返した。JR東京駅では、帰宅の足を奪われた人たちで夜まで混乱が続いた。
 東京・大手町の気象庁では、27日正午から1時間に65_の雨量を記録、「記録的短時間大雨情報」を出した。大阪市下水道局によると、大阪市内でこれだけの雨が降ると、各地で浸水が起こり、同じような混乱状態に陥る、という。(朝日新聞)
■地下鉄工事の路面鉄板沈下 醍醐の外環状線
 28日午前5時ごろ、京都市伏見区醍醐川久保町の外環状線で、地下鉄東西線工事のために路面に敷いてある鉄製覆い板が、幅3bにわたって約15a沈下しているのを通行車両が発見した。
 山科署の調べでは、付近では外環状線の車線約17bの地下をオープンカットで深さ14bまで掘り進んでいる。路面全体には鉄製の覆い板を置いているが、鉄板を地下で支える鉄骨(縦横30a、長さ5b)の1本が折れ、覆い板6枚が沈み込んでいた。通行車両などに被害はなかった。
 同署は、北行車線の一部を通行止めにしたが、鉄骨を取り替え、午前11時前に復旧した。(京都新聞 夕刊)
■首都圏、朝の足も混乱 台風直撃 中央線復旧めど立たず
 台風11号通過でほぼ全域でまひ状態に陥っていた首都圏を中心とするJR線は、28日午前になっても中央線が復旧のめどが立たないなど混乱が続いた。
 御茶ノ水駅構内で線路下の地盤が延長100bにわたり流出した中央線、総武線は、東京−新宿、飯田橋−西船橋間で運休が続いた。JR東日本によると、総武線は28日午後6時には開通する見込みだが、中央線は復旧のめどは立っていない。この運休のため、同社は地下鉄などで振り替え輸送した。
 品川駅での線路冠水によるポイント修理の影響を受けた山手線と京浜東北線は、それぞれ始発から40分遅れの午前5時すぎに、また東海道線と横須賀線は約3時間遅れの午前7時40分ごろに運転が始まった。
 また台風の北上に伴い東北地方のJR線は27日夜から東北線、奥羽線などで運転中止などが相次ぎ、約1万6000人に影響が出たが、28日午前の段階で運転を見合わせているのは只見線の福島県内、西若松−会津高田間と水郡線の一部だけ。
 一方、赤坂見附駅付近の冠水で不通区間があった営団地下鉄銀座線、丸ノ内線、東西線の各線も午前9時すぎに復旧した。(京都新聞 夕刊)
■復旧工事長引き 首都圏のJR混乱
 首都圏のJR線は28日、前日の台風11号で冠水した品川駅構内のポイントの復旧作業などが長引き、山手、京浜東北、東海道、横須賀各線の始発が大きく遅れ、路盤陥没した中央線、総武線は再開のめどが立たないなど混乱が続いた。また土砂崩壊のあった水郡線(水戸−郡山)も一部で不通となっている。東海道、東北・山形、上越の各新幹線は始発から平常運転した。
 山手線と京浜東北線はそれぞれ始発から40分遅れの午前5時11分に運転を開始、東海道線、横須賀線は約3時間遅れの午前7時40分過ぎにようやく始発が出た。運休は18本でその後もダイヤはしばらく乱れ、約1万人に影響が出た。
 御茶ノ水駅構内での路盤陥没のため東京−新宿間と、飯田橋−西船橋間で運転を見合わせている中央、総武線は朝から本格的な復旧作業が始まった。(朝日新聞 夕刊)
29日■窓 私も悩んでる 市バスBGM 田辺待ち・村上 弘 教員(39)
 市バスのBGMには、私もたいへん悩まされています。勤務先の大学にはバスで20分かかり、その間、研究論文の細部を考えたり、その日の講義の進め方について再度吟味することも多いが、小さい音でもあの甘ったるい(好みでない)音楽が流れてくると、頭がバカになってしまう。バスのなかで教科書にむかう学生や、仕事の段取りについてチェックしている会社員にも、音に神経質な人がいるのではないでしょうか。交通局のアンケートでは、快いとの答えが多数を占めたそうですが、単純な多数決の問題ではありますまい。ムード音楽を嫌う人が1%であっても、市バス利用者を18万人とすれば、1800人が「被害」を受けていることになります。少数派の不快にもかかわらず実施するのなら、それが快いだけでなく必要不可欠の施策である理由を説明してほしい。バス以外に交通手段のない者が、音楽を聴くことを強制される理由を知りたいのです。
 音楽を「必要」とする乗客がかなりの多数か、または「困る」とする人がほとんどゼロに近いことが明らかでないかぎり、せっかくのアイデアですが、やはりBGMはやめていただくよう切望します。文化首都をめざす京都には、公共空間の静けさが、大切なのです。(京都新聞)
■1日から4往復増発 朝夕のラッシュ時に地下鉄烏丸線 通勤すこし楽に
 京都市交通局は、地下鉄烏丸線のラッシュ時の混雑を緩和するため、9月1日から新たに2列車を導入し、朝夕に計4往復増発させる。一方、これまで平日と同じ運行回数だった土曜日については、週休2日制の普及に合わせて、ラッシュ時を中心に現行より6往復少ない新ダイヤとする。
 新たに導入する列車は6両編成。平日ダイヤは、竹田発の上りが午前7時台と8時台、午後4時台と6時台に1本ずつ増発。北山発の下りは午前8時台に2本、午後5時台、6時台に1本ずつ増える。
 これによって、運行回数は現行の154往復から158往復に増加。朝のラッシュ時の運転間隔は、現在の4−5分から3分30秒−4分に短縮される。夕方については5分間隔の運転時間帯が、1時間拡大し、2時間となる。
 一方、土曜日は、上りが午前7時台と8時台、午後3時台と4時台に1本ずつ、同5時台に2本削減。下りは午前7時台と9時台、午後5時台と6時台に各1本、同4時台に2本減り、運行回数は148往復に変更される。
 学校の夏休み期間にあたる7月21日から8月31日までの間の日曜日以外の日に実施している夏季ダイヤ(1日145往復)については、来年以降新しい土曜日ダイヤを適用する。
 烏丸線は1981年の開業以来、毎年利用客が増えており、1日あたりの平均乗客数は現在約20万2000人。市交通局はこれまでも運行回数を増やすなどの対応策を講じてきたが、ラッシュ時には、京都駅−五条駅間を中心に乗車率が160%を超える混雑ぶりとなっている。同局は「今回のダイヤ改定によって、ラッシュ時の乗車率は150%以下に抑えられるのでは」と話している。(朝日新聞)
■市道覆う鉄板沈む 伏見の地下鉄東西線工事現場
 28日午前5時ごろ、伏見区醍醐川久保町の市道外環状線の北行き車線で、道路を覆っている鉄板が沈みこんでいると、山科署に通報があった。同署員が駆け付けたところ、地下鉄東西線工事現場を覆っている鉄板が最高約15a沈みこんでいたため、通行車線を変更した。
 同署の調べでは、沈み込んでいたのは、縦2b、横1b、厚さ20aの鉄板が3枚と、縦3b、横1b、厚さ20aのものが3枚の計6枚。鉄板を支えていたH骨材(縦30a、横30a)が折れていた。
 1タイヤ当たり15dの重さまで耐えられ、通常のトラックや乗用車の通行だと決して折れることはない設計だという。このため、大型のトレーラかダンプが現場で急ブレーキを踏み、一つのタイヤに積載重量が集中したため、その重みに耐え切れずに折れたのではないかと見ている。(朝日新聞)
30日■彦根の東海道新幹線 レールに鉄製チェーン 「のぞみ」緊急停車 金網を破って侵入
 28日深夜、彦根市内のJR東海道新幹線で、鉄製チェーンが巻き付けられたレール上を「のぞみ」が通過した。金網フェンスを破り線路内に何者かが侵入、巻きつけたものとみられ一歩間違えば大惨事になる恐れもあり、滋賀県警は列車往来危険の疑いで捜査をはじめた。
 同日午後11時15分ごろ、彦根市小野町のJR東海道新幹線下り線を走行中の東京発新大阪行き下り最終列車「のぞみ」が異常音を感じ約4`先で緊急停車した。米原保線所が調べたところ、線路内に切断されたチェーンが見つかり、県警鉄道警察隊を通じて彦根署に届けた。
 同署の調べでは、線路内にあったチェーンは鉄製で直径1a、つなぎ合わせた全長は約1.5b。線路わきを通る道路とを区切っている高さ約2bの金網フェンスの下部が約50a四方に渡ってクリッバーのようなもので破られていた。犯人はそこから線路内に侵入し、レール下を掘りチェーンをレールに数回巻き付けたらしい。現場を10分前に通過した「ひかり」に異常がなかったことから犯行はこのわずかの間とみられる。
 緊急停車した「のぞみ」は特に車両に異常が無かったため約11分後に発車。終着の新大阪駅に11分遅れで着いた。315人の乗客にけがは無かった。
 現場は彦根市街地から東へ約2`。
 JR東海によると、6月10日にも岐阜県不破郡関ケ原町山中の東海道新幹線でレールにチェーンを置く同様の事件があり、同署で関連を調べている。(京都新聞)
■レール上に石100個 容疑の会社員逮捕 八王子のJR中央本線
 神奈川県警津久井署は29日までに、線路に石を多数置いて列車を妨害し、駅員を殴って逃げたとして傷害の疑いで東京都八王子市の会社員A容疑者(18)を逮捕した。
 調べによると、A少年は28日午前5時48分ごろ、東京都八王子市のJR中央本線小仏トンネル付近の上り線のレール上にこぶし大の石100個以上を並べたところを下り線の電車運転士に見つかり、引き渡された相模湖駅の駅員の顔を殴って逃走した疑い。
 同署は電汽車往来危険容疑でも調べている。(京都新聞)
■新幹線線路に鉄製チェーン 「のぞみ」11分遅れる
 28日午後11時15分ごろ、滋賀県彦根市小野街、JR東海道新幹線下り線で、東京発新大阪行き「のぞみ303号」(16両編成)の古谷光男運転士(33)が異常音に気付き停車。走行には支障がなかったため11分遅れで発車した。彦根署などが調べたところ、線路内に直径1a、長さ1.5bの鉄製チェーンが切断されて落ちていた。
 調べによると、現場付近の高さ約2bのフェンスに直径50aの穴が開いていた。同署は列車妨害事件として捜査している。(朝日新聞)
31日■JR東日本株 38万円で一般売り出し 2日から申し込み 予想より高め
 国鉄精算事業団(西村康雄理事長)は30日、10月26日に上場が予定されているJR東日本株の一般投資家向け売り出し価格を1株(額面5万円)38万円とする、と発表した。
 この日開かれた同事業団の試算処分審議会(会長・亀井正夫住友電気興行相談役)から「先に行われた大口投資家向け入札の落札加重平均価格(37万9806円)は、落札者の評価を代表する価格であり、38万円とするのが適当」との答申を受けて決定した。電力株の配当利回りなどを基に、入札前に市場で予想された25万−30万よりかなり高めになった。
 事業団は9月2日から10日まで証券会社を通じて申し込みを受け付け、申し込み数が売り出し株数を上回った場合は抽選の上、10月5日に当選番号が公表される。
 市場関係者は、1994年度以降にJR東海、JR西日本株の上場も予定されているため「(この高めの価格設定が)今後どう影響するか注目される」としている。
 今回一般売り出しの対象となるのは140万株。事業団によると、価格決定は88年の沖縄電力のケースなどを参考に加重平均価格を四捨五入した。落札の最多価格は36万円だったが、「著しく多い価格帯ではなかった」として採用しなかったという。
 ただ、当初の市場の予想価格を上回ったばかりか、売り出し価格の決定でも落札加重平均価格を上方修正しており、不明朗な部分を残した。
 証券各社は、低迷する株式市場活性化の起爆剤にしようとするJR東日本株の勧誘に力を入れているが、大手証券の幹部は「売り出し価格が決まるまで模様眺めの投資家も多かった」と指摘している。このため、証券各社は新たな顧客獲得に向け営業活動を一段と強化する方針だ。
・今後も経営に努力 松田昌士JR東日本社長
 一般売り出しの140万株の株式売却が順調に行われることを希望している。利用者をはじめ多数の人に株主になってもらい、長期的かつ安定的に当社を支援していただくよう願っている。今後なお一層の経営努力をするつもりだ。(京都新聞)
■端数切り上げ価格決定 JR東日本株売り出し 申し込みに影響も
 JR東日本株の一般売り出し価格は、最多落札価格ではなく、当初予想されていた加重平均の端数切り捨てでもない、事実上の端数切り上げで決まった。切り上げといってもわずか194円だが「一般個人投資家にとっては、37万円台と38万円では心理的にかなり違う」(証券アナリスト)との声もあり、今後の申し込み状況に影響を与える可能性もありそうだ。
 JR株を新たな資金の呼び水にしたい証券界は売り出し価格は低めに決まり、上場後に徐々に値上がりする展開を期待していた。
 1987年のNTT株の売り出し価格は、落札加重平均価格より約400円安い119万7000円に決まったこともあり、JR株の売り出し価格も「加重平均の端数切り捨てか、できればより低水準の最多落札価格で決まってほしい」(大手証券株式担当役員)との声があった。
 国鉄清算事業団は今回の決定について「前例によった」との説明を繰り返した。確かにNTT株も1000円未満四捨五入だったし、端数切り上げも「88年の沖縄電力株の前例もある」(同事業団)としている。
 しかし、大型の民営化企業の上場という関心が高いケースだけに」もう少し投資家側に立った判断があってもよかった、との見方もできそうだ。
・予想より高いが妥当
 秋本英明大和総研・投資調査部長の話 売り出し価格は予想したよりも高いが、公定歩合の引き下げ期待が高まる中で、このところ平均株価が比較的強含みで推移していることなどを考えると順調な滑り出しと言えるのではないか。
 第二電電やゲーム機器メーカーのタイトーなど、高収益企業の相次ぐ上場が株式市場の需給関係を悪化させるという声も聞くが、今回のJR東日本を含め、予想以上の高値がついていることから判断し、むしろ、株式市場の活性化につながるのではないか。今回の売り出し価格は市場への新規参加者を呼び込む上で妥当な価格と考えられる。
・手を出しにくい価格
 今井澂日債銀投資顧問専務の話 機関投資家の立場からみて38万円の売り出し価格は高い。同じ民営化企業であるNTTの場合、将来性が買われたわけだが、鉄道会社というのは将来、大きな成長は見込めないから、もしJR東日本株を買うとすれば、値上がりに期待するのではなく、あくまで配当利回り重視ということになるだろう。
 民間の鉄道会社を例に取ると、いずれも収益性や成長性の見込める非鉄道部門が営業収益の半分以上を占めている。JR東日本では、鉄道部門が営業収益の9割以上を占め、今後、非鉄道部門の比重を高めることが課題だ。(京都新聞)
■JR株の価格決定 「呼び水」の期待薄 個人投資家には人気か
 JR東日本株式(額面5万円)の一般売り出し価格が30日、1株38万円と決まった。証券界には「予想より高かった」(大和総研)という声もあるが、JRグループでの初売り出しとあって個人投資家の人気を集めそうだ、との見方が多い。ただ、他の銘柄への買い意欲を刺激する「呼び水効果」まで期待しにくい、とみている。凍結されているNTT株式の追加売却や企業の時価発行増資の再開までには、まだ時間がかかりそうだ。
 26日に発表された落札結果では、上限の3万株まで落札したのは富士銀行だけだった。このため、かなりの機関投資家や金融機関が、10月26日に予定されている東証1部への上場後も市場で購入するとみられる。また、一般売り出し分の140万株に対し、大手証券4社だけでも事前申し込みが140万株を越えている模様で、抽選になるのは確実。抽選ではずれた個人投資家が上場後に買うことも予想され「買い圧力で株価が上昇する可能性がある」(野村証券)との見方が広がっている。(朝日新聞)
■南海本線が一時不通に トラック、架線切る 5000人影響
 30日午後8時20分ごろ、和歌山市宇治鉄砲場、南海電鉄本線の紀ノ川4号踏切(警報機、遮断機付き)で、同市田屋、廃品回収業巴山博行さん(36)運転のクレーン付き4dトラックが、高さ5.2bの上り架線を切断、みさき公園−和歌山市駅間の送電が止まった。このため、電車は同区間で上下線ともストップし、この区間の乗客をバスで代替輸送するとともに、難波−みさき公園間で折り返し運転した。また難波と和歌山市間の「特急サザン」上下合わせて5本を含め、約40本の電車が部分運休した。約5000人が影響を受けた。
 また、上り急行が紀の川の鉄橋を過ぎたあたりで止まったため、乗客約90人が約400b離れた紀ノ川駅まで歩いた。
 事故を目撃した人が車でトラックを約50b追いかけて架線が切れたことを伝えたがそのまま走り去ったため、110番通報。和歌山西署が車のナンバーからトラックを割り出した。同署は、巴山さんを過失往来危険罪などの疑いで調べている。(朝日新聞)
■特急にはねられ死ぬ 大阪のJR踏切で男性
 31日午前1時50分ごろ、大阪市淀川区宮原二丁目でのJR東海道線南宮原踏切(8線路、幅約46b)を横断中の男性が、東京発博多行き寝台特急にはねられ、全身を強く打って即死した。特急はその場で15分停止したが、後続に影響はなかった。
 淀川署の調べによると、男性は160aぐらいで、緑色のシャツを着ていた。男性は白色シャツを着た男性と、よろめきながら踏切を40bほど横断したところで、踏切の保安係らから「電車が来るぞ」などと注意を受けたが、そのまま歩き続け、はねられた。同署は、男性の身元とともに、行方のわからない白色シャツの男性を捜している。(朝日新聞 夕刊)