1993(平成5)年 7月


1日■京の実像虚像 京都駅改築F 国際ターミナル 観光・文化 世界にPR 都市情報発進の拠点に ビル建設 米企業にも門戸(京都)
2日■地下鉄東西線の建設現場を視察 全国安全週間スタート 京都労基局(京都)
  ■JR西日本の6人不起訴に 信楽事故で大津地検(京都)
  ■近鉄東寺駅以南の2` 連続立体化、21日起工(京都)
  ■JR西日本の幹部ら不起訴 信楽事故で地検(朝日)
  ■難波−賢島7分短縮 近鉄が来年、新特急(朝日)
  ■女性専用車両つくって 置換電車No! 御堂筋線の事件から5年 市民グループ呼びかけ 鉄道側「混雑緩和が最優先」(朝日)
  ■福島交通小針会長 ハザマに5億円提供 90年春 政治家へヤミ献金(京都)
  ■石見空港が開港(朝日)
3日■JR東日本株入札は8月 5日に東証上場申請 対象は60万株 資産処分審が答申(京都)
  ■海江田氏登場 車内つり広告 公選法違反? 出馬で大揺れ(京都)
  ■山科駅前再開発 構想10年 建設ゴー まずアミューズメントゾーン 12日に起工式(京都)
  ■3セク鉄道 8割が赤字に泣く 92年度速報 KTR 、ワースト2(京都)
  ■地下広場で楽々横断 地下鉄東西線 山科東野交差点に設置(京都)
  ■女性パーサーの青春「新幹線物語93夏」 毎日テレビ、6日スタート(京都)
  ■各駅停車に揺られて揺れて 駅弁支えに12本乗り継ぐ 上野→札幌”清貧の旅”13180円ナリ 通算で22時間53分 しりの感覚もまひ(朝日)
4日■山科駅前市街地再開発/近鉄京都線の高架化 2都市計画に着手 12日、21日に起工式予定(朝日)
5日■試写室 女性パーサーの裏側の世界 「新幹線物語93夏」第1回(毎日系、6日後9-9・54)(京都)
  ■気がねなく一服?! エアカーテン導入へ 近鉄(京都)
  ■「のぞみ」最新式ドア故障54件 JR東海・西日本 引き戸式に設計変更(朝日)
  ■JR東日本の株式上場 東証に正式申請(朝日)
6日■JR西日本主要5駅 インチキ乗車2000人 昨年度調査 追徴金は3700万円(朝日)
7日■JR列車ミス 東福寺駅通過(京都)
  ■信楽鉄道事故 3被告が無罪主張 大津地裁公判 「事故予見できず」(京都)
  ■近鉄奈良線帰宅時乱れ ネコ感電死停電(朝日)
  ■路面ドサッ 御池通の地下鉄東西線工事現場 東行き車線一時通行止め(朝日)
  ■建築確認申請を受け付けないで 京都市に市民団体 駅ビル改築(朝日)
  ■阪急電鉄プリペイドカード 乗り入れ線 改札で足止め 神戸高速や地下鉄「ウチが怒られてる」(朝日)
  ■「感電ネコ」生きていた 近鉄奈良線の停電(朝日)
10日■小倉山残土放置の市許可取り消しを 住民の会監査請求(京都)
  ■小倉山残土放置問題 市民団体が市に監査請求(朝日)
  ■声 車内の痴漢にいつまで我慢 松原市 森川敏子(教員 34歳)(朝日)
11日■京都駅地区 土地区画整理事業 市、16日から計画縦覧 98年度完成へ 秋にも大臣決定か(朝日)
12日■信楽事故 遺族の会総会 JRが捜査妨害? 弁護団指摘 「警察報告書に記載」(京都)
  ■JR西日本社員 証拠隠滅罪で起訴猶予処分 信楽事故で地検(朝日)
  ■賠償示談交渉個別で始める 遺族の会、明らかに(朝日)
13日■JR高架化で京の一体化を 東海道線が南北分断 立体交差など提唱 専門家研究会 出版記念、16日シンポ(京都)
  ■JR東日本の株式上場 東証に正式申請(朝日)
15日■85%が赤字経営 乗合バス依然厳しい経営 運輸省92年度収支まとめ(京都)
  ■故障続いた「のぞみ」 「遅れ平均13秒」JR自賛 「まぎれもない真実、安心を」 運転士は「精神的負担大きい」(朝日)
16日■もの食う人々L ベトナム銀河鉄道 〈下〉理想駅から欲望駅へ 辺見 庸(京都)
17日■JR特急・出雲1号は伯備線経由に 山陰線電化工事で(京都)
  ■京都市内のJR東海道本線 高架化 是か非か 経済的効果などで激論 考えるシンポ(京都)
  ■市バス待ちのイライラ 接近表示器を導入 交通局 丸太町通など41ヵ所 無線方式で3段階(京都)
18日■土砂崩れ 寝台特急17本運休 山陽線(京都)
19日■京阪など京の3社 バス運賃値上げ申請 あす、京都交通なども(京都)
20日■新空港対岸 りんくうタウン 痛過駅 整備遅れ 停車見送り? JR・南海 「採算とれぬ」府は困惑(朝日)
21日■JR東日本株 販売の勧誘きょう解禁(朝日)
22日■来春、梅小路公園に市電再び 単線250b往復 緑化フェア 将来は展示館も(京都)
  ■SLの展示運転 車両検査も公開 JR西日本 来月 吹田、鷹取2工場で(京都)
  ■JR山陰線・KTR園部−福知山−天橋立 電化・高速化が起工(京都)
  ■立体交差化 工事もゴー 近鉄京都線(京都)
  ■三田市内の 新線今秋着工 神戸電鉄(京都)
  ■電化で丹後が近くなる JR・KTR園部−天橋立 96年完成へ起工(朝日)
  ■高架駅にエレベータを 障害者グループ JR西日本に通告書(朝日)
  ■JR快速電車 停車駅を通過 山陽線(朝日)
23日■新車両「縁」デビュー 坂本ケーブルしゅん工(京都)
  ■JR西日本指定券状況 帰省ピーク12、13日 梅雨明け遅れ 出足は鈍く(京都)
  ■JRお盆列車 予約率は5割(朝日)
  ■新幹線パーサー私も 問い合わせ連日十数件 JR東海など(朝日)
24日■電車とバイク衝突 小倉の近鉄踏切(京都)
  ■来月から「新型」登場 JR西日本が亀山・加茂間(京都)
25日■公営地下鉄92年度収支 累積赤字1兆円越す 収支比率 京都わずか50%台(京都)
26日■整備新幹線 見直し作業ストップ 政局の混迷で 年末にずれ込みか(京都)
  ■守山駅で信号機故障 JR 1700人に影響(京都)
  ■労使問題放置なら 一株主運動を展開 JR株上場で国労(朝日)
  ■のぞみ乗務員99%が「不安」 運転士半数が空転経験 JR西労調査(朝日)
  ■ポイント故障でダイヤが大混乱 JR福知山線(朝日)
27日■「私も、せめて1本」小倉山修復 11月から植樹表明 JR西日本 井手社長会見(京都)
  ■JR株で相場に活 証券会社 売り込みに懸命(京都)
  ■空港バス 運賃値上げを申請 大阪空港交通 10路線で平均17.5%(京都)
  ■大阪空港連絡バス 値上げを申請(朝日)
  ■「阪急」の名使用40年気付かず 大阪地裁 差し止め認め賠償退ける(朝日)
26日■世界へはばたくイメージ 新空港−京都 JR特急デザイン発表(京都)
  ■京都市長選 課題 都市整備 交通網整備が急務 財政制約どう克服(京都)
  ■新空港特急のデザイン決定(朝日)
  ■山陽新幹線に遅れ 東広島駅で信号故障(京都)
29日■路上ウォッチング'93 市電室内板(京都)
  ■JR東海労の5労組員逮捕 幹部社員に暴行容疑(朝日)
30日■増えてるボケベル JR西日本忘れ物まとめ 現金は大幅減(京都)
  ■ロス新交通 ドイツ勢が車両を落札 住商再挑戦実らず(朝日)
  ■日本刀・マネキンも(朝日)
31日■行き先わからないミステリー列車 JR西日本が運行(京都)
  ■ゼネコン汚職 京の公共事業”直撃” 入札・工期ベタ遅れ 「安全な業者どこ」 先行き不透明 地下鉄、縦貫道も(京都)
  ■金券ショップ不況でたたき売り 新幹線切符 大阪の店「きびしーい」 100円値下げ(朝日)



1日■京の実像虚像 京都駅改築F 国際ターミナル 観光・文化 世界にPR 都市情報発進の拠点に ビル建設 米企業にも門戸
 日米間の経済摩擦から、市場開放を求める余波が京都にも押し寄せた。日米の建設協議は、91年5月、JR京都駅再開発など17事業を特例措置に追加することで合意。この結果、JRの駅ビル建設に初めて米国企業参入の門戸が開かれ、国際的な事業としても注目される。
 駅ビルの建設契約はまだ結ばれていないが、現在、大林組を中心に鉄建建設、大鉄工業、公成建設の4社と関西空港の建設に参加する米国系企業フルトア・ダニエル・ジャパン(東京都千代田区)が加わる共同企業体が応募している。
 91年秋に行われた駅ビル説明会には、米国系企業6社を含む87社の担当者が出席したが、結局、申し込みはこの一企業体だけ。京都駅ビル開発会社の幹部は「応募が一企業体だけの理由は分からないが、二代目の京都駅は大林組、現駅舎は鉄建建設が建てたことも関係しているのでは。工事金額については、丁々発止のやりとりをしている」と説明する。
 新しい京都駅ビルは、構想段階から国際的なターミナルとする考えだった。JR西日本と同駅ビル開発は、91年2月、学者や観光関係者など13人による京都駅国際活性化推進検討会(座長=端信行・国立民族学博物館教授)を設置。昨年2月に、報告書「魅力ある国際都市の形成に向けて」をまとめた。「これからの都市の駅は、もはやかつてのような単なる駅ではない。都市の情報社会化がすすむと、都市の駅は世界と結ばれた情報センターとなる」。報告書では、京都駅に国際性と情報発信の機能を求め、国際的なイベントの開催など、具体策を提言する。
 この提言を受け、同駅ビル開発の谷口紀久・取締役企画部長は、「観光や鉄道、フライト情報など、映像でわかる情報プラザを設置する。外国人観光客らの利用が多い国際観光振興会の事務所やパスポートを発行する京都府旅券事務所も駅ビルに入るでしょう」という。また駅ビル東側の地下2階から7階までの部分は、文化施設として、約1000人収容のメーンホールや映像レストラン、ドーム・シアターなどを設ける構想。
 駅ビルの国際性について、京都コンベンションビューローの椹木信一事務局長は「海外からの観光客や会議の参加者に、十分、情報提供できるシステムづくりを望んでいる。京都の玄関口が新しくなり空港と直結されると、今後、国際会議の誘致がやりやすくなる。京都駅を総合的な交通の核として充実させ、一大情報センターに」と期待する。
 従来から、京都の外国人の受け入れ態勢は不十分と指摘されているが、国際観光振興会の川井仁史・京都案内所長は「駅ビルに行けば、ダイジェスト的に京都の情報が分かるというのは便利だろう。しかし、観光客が街に出て本物に触れることが大切なので、京都人が閉鎖的であってはいけない。外国人を特別扱いせず、自然に迎えることが必要」という。
 日本航空の溝上米清・京都支店長も京都の国際化の必要性を指摘する。「最近、国際会議の誘致は横浜や名古屋が熱心で、京都も負けてはいられないはず。京都を世界に売り込むには歴史しかないが、それだけではアピールカが弱いので、大阪、神戸、奈良と一緒になって、もっと外国人客を関西に引っ張る努力をすべき」と強調する。
 先の報告書をまとめた端教授(経済人類学)は、駅ビルを「国際情報文化の発信基地」ととらえる。「世界を知ることに関して日本人は熱心だが、日本を世界に和らせることがあまりない。大事なのは、どういう形で京都や日本の実情を知らせるか。それをいかにサービス化するかだ。新京都駅の活用と同時に、京都を演出する文化情報の発信を考えるべき」と提案する。
 新しい駅ビルを京都の国際化にどう生かすか。建設主体のJRに課せられる責任は大きい。(おわり)(京都新聞 夕刊)
2日■地下鉄東西線の建設現場を視察 全国安全週間スタート 京都労基局
 第66回全国安全週間がスタートした1日、京都労働基準局の伊藤眞局長らが京都市の地下鉄東西線建設現場を訪れ、安全対策などを見て回った。
 同週間(7日まで)は労働災害防止と安全意識の向上を目指し、毎年行われており、今年は「災害ゼロの安全職場。トップの決意・現場の実行」をスローガンに掲げている。
 伊藤局長ら労基局の一行は、仁王門通と三条通が交わる部分の蹴上駅工区(全長66b)を訪問。工事関係者から工事の方法、進ちょく状況の説明を受けた後、地下約10bの工事現場を約40分にわたって視察した。同局の吉川敏彦安全衛生課長は「現場の安全対策はしっかりしている。夏場は体力の消耗が激しく、注意不足による事故が増えるので十分気をつけてください」と注意を呼びかけた。(京都新聞)
■JR西日本の6人不起訴に 信楽事故で大津地検
 死者42人、重軽傷者614人を出した一昨年5月の信楽高原鉄道事故で、大津地検は1日までに、犠牲者の遺族から業務上過失致死傷罪などで告訴・告発されていたJR西日本の当時の電気部信号通信課長、運行管理部長ら6人をいずれも不起訴処分とした。事故発生から2年2ヵ月にわたった刑事責任追及の捜査は、事故の一方の当事者であるJR西日本の責任を問わないまま終了する。
 遺族でつくる「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三代表世話人)が今年2月、信号通信課長らが方向優先テコを設計する際にミスを犯したほか、JRがテコの操作に関する内部文書を改ざんして滋賀県警捜査本部に提出したのは証拠隠滅罪にあたる、として告訴・告発していたが、地検はいずれも起訴するに当たらないとした。(京都新聞)
■近鉄東寺駅以南の2` 連続立体化、21日起工
 京都市の近鉄京都線連続立体交差化事業(東寺駅・鴨川間)の起工式が21日、京都市南区のホテルで行われる。完成すれば近鉄と交差する十条通や久世橋通など東西幹線の交通渋滞が解消されるほか、都市機能の向上に寄与するものと期待されている。高架への切り替えは、6年後の平成11年度の予定。
 近鉄京都線は昭和45年に京都駅・東寺駅間(0.6`)が高架化になったが、それ以南はまだ。とくに鴨川までの間は、6本の道路と交差し、市南部の交通渋滞の一因になっている。今回の事業は、東寺駅から鴨川右岸までの約2`。十条駅と上鳥羽口駅は橋上駅になり、東寺駅南から札の辻通南側まで側道都市が約73%を負担、近鉄が残りを負担する。平成11年度に高架に切り替え(延長440b、幅6b)も新設される。総事業費は284億5000万円。京る予定だが、側道など周辺整備を含めて工事が完了するのは14年度の見込み。(京都新聞)
■JR西日本の幹部ら不起訴 信楽事故で地検
 一昨年5月の信楽高原鉄道列車事故で、大津地検は1日、信号施設のマニュアルを書き換えたとして、「遺族の会」(吉崎俊三世話人代表)が、業務上過失致死罪、証拠隠滅罪などで告訴していたJR西日本の幹部ら6人を不起訴処分にしたと発表した。
 同会はこの処分を不服として、近く大津検察審査会へ審査の申し立てをするという。(朝日新聞)
■難波−賢島7分短縮 近鉄が来年、新特急
 近畿日本鉄道は1日、来年3月から大阪や名古屋と三重県伊勢志摩リゾートを結ぶ特急に新型車を投入、私鉄では初めて最高時速130`の営業運転を始めると発表した。列車ダイヤは未定だが、現在の特急で2時間29分かかっている大阪・難波−賢島は、同じ停車駅数でも7分程度短縮できるとしている。
 新型車の愛称は「伊勢志摩ライナー」。
 先頭部は流線形で、塗色は黄色と白のツートンカラー。6両編成のうち4両は普通車で、対面型で4人掛けの「サロンカー」、2人掛けと1人掛けのシート配置になっている「デラックスカー」が各1両ついている。(朝日新聞)
■女性専用車両つくって 置換電車No! 御堂筋線の事件から5年 市民グループ呼びかけ 鉄道側「混雑緩和が最優先」
 大阪市の地下鉄御堂筋線で、2人組の痴漢を注意したOLが逆に乱暴された事件から5年。事件後に大阪で結成された女性グループなどは、女性専用車両の実現に向けて活動を始める。「専用車両をつくることで、男性にコトの重大さをわかってもらいたい」という。電車内の痴漢と女性専用車両の問題をさぐった。
 呼びかけているのは「性暴力を許さない女の会」と、「セクシャルハラスメントと闘う労働組合はあぷる」。
・減らない人被害
 「ぱあぷる」メンバーの青木あさよさん(34)は1年前のある夜、酒に酔った男性客に寄り掛かられ、「つり革を持っていただけませんか」と頼むと、いきなり顔を殴られた。次の駅で降りてもらい、友人が駅員を呼びに行っている間に、さらに2発殴られてホームに倒れた。
 警察での事情聴取と治療を終えると、”事件”から3時間も過ぎていた。
 青木さんたちは、女性専用車両と併せて、痴漢の被害を届け出る窓口に女性警官を置いたり、通勤・通学途中の被害届を簡単にして、被害者の負担を軽くすることなども求めていく。
 「女の会」の栗原洋子さん(46)は「目の前でスポーツ紙のヌード写真を広げられるなど、嫌な思いをしたことのない女性はいないはずです。禁煙草ができて喫煙者が他人への迷惑を実感したように、女性専用車両をつくることで、たかが痴漢という風潮を変えたいですね」と話す。
 2日午後6時半から、大阪市北区天神橋四丁目の「ぱあぷる」事務所(06-354-5193)で集まりがある。
 大阪府警防犯部の調べでは、府の迷惑防止条例による痴漢の検挙は御堂筋事件のあった88年の120件から年々増え続け、92年は182件。約8割が電車内の痴漢だ。
・京阪電鉄だけ
 鉄道ジャーナル社編集部によると、通勤電車の女性専用車両は現在、国内では京阪電鉄の1例だけという。
 平日の朝、大阪・淀屋橋発枚方市行きに1本だけ、後部2両を「女学生・児童優先」とした電車を走らせている。沿線にある私立女子高の専用電車だったのが今の形になった。ラッシュと反対方向にあたるため、特に人気というわけではない。同電鉄広報課では「なくすつもりも、増やすうもりもありません。ラッシュの方向に採り入れるのは、まず無理でしょう」。
 首都圏には1947年から15年間、当時の国鉄中央線と京浜東北線に1両の「婦人・子ども専用車」があった。JR東日本広報課では「複々線化が進んで混雑が緩和されたという理由で廃止したようです。現在のラッシュは当時とは比べものにならないほどひどく、すべてのお客さんに対する混雑緩和が最優先課題。女性専用車両とはとても…」。
 JR西日本や大阪市交通局、阪急電鉄は「毎日ホームから人があふれそうなのに、専用車両を目指す女性と避ける男性で混乱がひどくなる。難しいでしょう」という反応だ。
 韓国では昨年12月から、ソウルヘの通勤客が多い区間の午前6時半から同9時まで、先頭と最後尾の各1両を「女性・老弱者専用車両」とした。半年間は試行期間だったが、評判がよくトラブルもなかったため、6月からも続けられることになった。
 ソウルの出版社に勤める浦川広子さんは笹朝、この車両に乗っている。「初めは間違えて乗る男性も多かったのですが、最近は9割以上が女性になり、とても快適です。どんなに満員でも、女性同士なら気になりませんから。できれは時間帯をもっと広げてほしいですね」と話す。(朝日新聞)
■福島交通小針会長 ハザマに5億円提供 90年春 政治家へヤミ献金
 大手ゼネコン汚職事件で、会社のトップ3人が贈賄容疑で逮捕されたハザマの資金調達の要請を受けて1990年春、福島交通の小針暦二会長サイドがハザマに5億円の資金を提供していたことが2日までに関係者の証言で分かった。
 当時は総選挙があり、ハザマはこの5億円と合わせ、計10億円の資金を調達したといわれる。この資金が政治家へのヤミ献金として使われたのではないかとの指摘もあり、東京地検特捜部は小針会長サイドからの資金提供の事実を把達しているもようだ。
 関係者によると、ハザマに対して小針会長サイドからの資金提供があったのは90年1月から4月にかけて。ハザマ側から「資金を調達したい。協力してほしい」との要請を受けて小針会長サイドが数回にわたって計5億円を提供した。
 この資金調達には逮捕されたハザマ会長の本田茂(72)、社長の加賀美彰(64)の両容疑者が直接関与しており、5億円の大半はその後返済きれているという。
 ハザマは福島交通グループが福島県・北塩原村にオープンした裏磐梯猫魔ホテルの建設を受注。ハザマが総工費約300億円の同ホテルの工事を請け負っていた関係などから、ハザマの要請を受け入れたとされる。
 ハサマは東京佐川急便事件でへ暴力団稲川会の故石井進前会長の「北東開発」に債務補償をしたことが明るみに出ているほか、北九州市沖の「白島国家石油備蓄基地」の建設をめぐり、暴力団との関係も取りざたされている。(京都新聞 夕刊)
■石見空港が開港
 島根県益田市の丘陵地に建設された石見空港が2日、開港した。東京から満席の乗客を乗せた1番機は午前10時20分、地元の人たちの拍手に迎えられて到着した。地元市町は、観光地の津和野町と隣の山口県萩市への「空の玄関」として、首都圏や関西方面などから観光客の誘致を目指す一方、島根県西部や山口県東北部の活性化を図る新たな拠点として期待している。
 島根県内では、出雲、隠岐空港に次ぐ空港で、第3種の県営空港。国内の地方空港としては48番目になる。エアーニッポン(ANK)がエアバスA320(166人乗り)を乗り入れ、東京、大阪空路に1日各1往復就航する。
 空港の敷地は総面積110ヘクタール。2000bの滑走路を備え、中型ジェット機3機が駐機できる。1973年の空港建設構想から、20年の歳月と、総事業費225億円を投じて開港にこぎつけた。(朝日新聞 夕刊)
3日■JR東日本株入札は8月 5日に東証上場申請 対象は60万株 資産処分審が答申
 国鉄精算事業団(西村康雄理事長)の資産処分審議会は2日、事業団が保有するJR東日本株式を93年度中に売却、上場する方針を正式に了承、西村理事長に答申した。答申に沿ってJR東日本は5日、東京証券取引所に上場を正式申請、大阪、名古屋、新潟の各証券取引所へも順次、申請する。
 事業団によると、8月上、中旬に機関投資家などを対象に入札を実施し、下旬に落札価格を決定。これを基に一般向け売り出し価格を決める。9月上旬から申し込みを受け付け、下旬に抽選、10月中旬までに払い込みを完了し、10月下旬から11月上旬に上場する計画だ。
 答申は第1次放出する株式数について、市場の資金状況から、発行済み株式(額面5万円、400万株)の半数の200万株とし、このうち60万株を入札で売却、残り140万株を一般に売り出すよう求め、これに沿って実施される。
 入札株数を売却株の30%としてのは、広範な投資家の評価を落札価格に反映させるため。NTT株の売却では、入札比率が約10%と低かったことから、買い人気を呼んでその後の株価急騰を招いたことへの反省が背景にある。
 同時に入札申し込みの最低株数についても、NTT株が100株だったのに対し50株に引き下げ、個人投資家も入札に参加できるようにした。
 事業団は一般投資家への申し込み株数が売り出し株数を上回った場合は抽選を行うが、当選者は証券会社に提出した申込書の番号で発表する。(京都新聞)
■海江田氏登場 車内つり広告 公選法違反? 出馬で大揺れ
 東北新幹線延長を求めるキャンペーン広告のキャラクターになっている経済評論家、海江田万里氏(44)が日本新党から衆院選(東京1区)に立候補を表明したことから、ポスターに「公選法違反」の疑いが浮上、関係者を慌てさせている。
 盛岡−札幌間の新幹線の早期着工を求めたこの広告主は北海道、青森、岩手の3道県。「新幹線を北の町にも」のコピーとともに海江田氏の写真と名前が印刷されている。6月7日から7月11日までの予定で、地下鉄有楽町線、丸の内線の全車両に張り出された。
 これに対し、自治省選挙課は「自治省は調査権限がないので違反かどうかはっきり言えない」と言葉を濁す。
 警視庁、東京都選挙管理委員会はいずれも「公選法上、公示期間中の掲示は問題がある」との見解で、関係者の困惑は深まるばかりだ。
結局、撤去を決定
 東北・北海道新幹線建設促進3道具協議会(事務局青森県)は2日、海江田万里氏の写真を使った新幹線建設を求める地下鉄車内広告を「公職選挙法に直ちに触れるわけではないが、無用の誤解と混乱を避けるため」として公示前の3日中に撤去することを決めた。(京都新聞)
■山科駅前再開発 構想10年 建設ゴー まずアミューズメントゾーン 12日に起工式
 京都市の山科駅前再開発事業の起工式が12日午前10時半から施設建築物D棟建設用地で行われる。同事業は」不況の影響でメインのB 棟のキーテナントの決定が難航するなど、なお課題は山積しているが、市が地元に整備構想案を提起してから約10年、JR京都駅南口の再開発に続く市内2番目の本格約な市街地再開発事業が、ようやく着工の運びとなる。
 この事業は、山科駅前地区2.8fに、再開発ビル4棟と広場、公園などを整備して、ホテル、テナント、住宅、文化・健康施設を配置する計画。住環境と商業環境の一体的な整備により、山科・醍醐地域の中心地にふさわしいターミナル機能の充実を図る。総事業費は813億円。土地利用の高度化によって、保留床を生み出して事業費をまかなう「市街地再開発事業」の手法をとっている。
 市は同駅周辺人口減少や駅前広場の整備などの問題点を踏まえ、1984年に整備構想案を地元に提起した。当初、地元権利者の反発も強かったが、88年に都市計画決定、昨年2月に事業計画決定した。
 今回、起工式を行うD棟は鉄筋コンクリート地上8階地下2階建て、延べ面積6220平方b。「アミューズメントゾーン」として、一帯のにぎわいを演出する空間となる。工事期間は5、6両年度。
 施設建築物は、D棟のほか3棟あり、商業・住宅・文化健康のB棟(延べ面積約5万平方b)は94年度に、ホテル・商業のA棟(約8000平方b)と業務・住宅のC棟(約1万3000平方b)95年度にそれぞれ着工を予定している。再開発事業の完成は98年度を目指している。(京都新聞)
■3セク鉄道 8割が赤字に泣く 92年度速報 KTR 、ワースト2
 運輸省は2日、第三セクター鉄道の1992年度の経営状況の速報値を発表した。民営化2社を含む全国36社のうち、8割に当たる29社が経常損益で赤字で、黒字は前年度と同じ数の7社にとどまり、依然として厳しい経営環境になっている。
 赤字額の最も多いのは北海道ちほく高原鉄道で4億7700万円。次いで北近畿タンゴ鉄道(京都、兵庫)で2億8200万円、会津鉄道(福島)の2億2400万円。
 前年度300万円の黒字だった由利高原鉄道(秋田)は100万円の赤字になったほか、昨年3月に開業したばかりの阿佐海岸鉄道(徳島、高知)も6400万円の赤字になった。
 赤字の原因として運輸省は、新たに特急車両を購入した経費増(北近畿タンゴ鉄道)のほか、鉄道事故の後遺症を抱える信楽高原鉄道(滋賀)などを挙げている。
 一方、黒字を計上したのは平成筑豊鉄道(福岡、6100万円)、鹿島鯨海鉄道(茨城、4100万円)など。伊勢鉄道(三重)は前年度300万円の赤字だったが、新型車両の導入などで南紀方面へのレジャー客を中心に利用客が約19万8000人増え、3億8000万円の黒字を計上した。(京都新聞)
■地下広場で楽々横断 地下鉄東西線 山科東野交差点に設置
 地下鉄東西線計画を進めている京都市は2日、国道1号線と外環状線が交差する山科東野交差点に横断地下広場を建設すると発表した。同交差点の北側にできる地下鉄東野駅とともに開設する計画で、道路を横断するための地下広場を地下鉄駅前に建設するのは近畿では初めて。
 同交差点は車の交通量が多いため、渋滞の原因になる横断歩道の代わりに、歩道橋だけが架けられており、住民は急な階段を上下する不便を強いられている。そこで市は国道1号線を管理する建設省と協議し、同交差点地下に駅や駐輪揚と一体となった地下広場を建設することになった。
 地下広場は通路部分を除いて約500平方b。ギャラリーを設け、市民の憩いの場にするとともに、出入り口にはエレベーターや、自転車も利用できるスロープを設置する。工事は来春から着工し、地下鉄東西線の開業に合わせて平成8年に完成する予定。(京都新聞 夕刊)
■女性パーサーの青春「新幹線物語93夏」 毎日テレビ、6日スタート
 東海道新幹線の乗客サービスに努める女性パーサーたちの青春を描いたドラマ「新幹線物語93夏」が6日から、毎日放送系で始まる。「スチュワーデス物語」「ホテルスペシャル」などに続く同局の接客業ドラマのひとつ。
 物語に登場するパーサーは、東京−新大阪間の新幹線で活躍するJR東海の関連企業「SPS」の女性社員で、6年前に生まれた職業分野。ドラマでは、若い彼女たちが出会いや友情、恋愛などを通して成長していく様を、同乗する車掌長が温かな目で見守っていく。
 主演キャストは、ドジで明るいパーサーの幸田明子役に「今まで物静かな役が多かったけど、この子は地のまま演じられそう」という宮崎ますみ。ライバル高山乃里子は宝塚歌劇団後初のテレビドラマレギュラーとなる鮎ゆうきが挑戦。クルーを統括するデスクに池上季実子、チーフパーサーは「ぎりぎりまでいじめ役に徹したい」と張り切る岡田奈々。ストーリーの案内役になる車掌長は小林稔侍。
 関西ロケとドラマのPRを兼ねてこのほど来阪した小林は「和歌山から役者を目指して上京したころから、列車は若者の夢を運ぶ唯一の乗物と信じている。時代が変わりスピードがアップしても、そんなイメージ壊さない−そんなドラマにしたい」と話している。全12回。(京都新聞 夕刊)
■各駅停車に揺られて揺れて 駅弁支えに12本乗り継ぐ 上野→札幌”清貧の旅”13180円ナリ 通算で22時間53分 しりの感覚もまひ
 北海道はこれから一番いい季節です。でも、北海道旅行となると、旅費も高く、ちょつとした海外ツアー並みになることもあります。そこで、上野から札幌までのJR線1180`を、普通列車を乗り継いで行ってみました。世は「清貧」の時代です。「東京都区内→札幌市内」の1万3180円の片道切符を握り締め、駅弁を支えに、ひたすら列車に乗り続けた2日間でした。夏休みに挑戦してみませんか。(杉清信之)
【第1日】
 出発したのは6月21日早朝の上野発黒磯行き普通列車。午前5時前に改札を済ませた。列車には、いきなり横になって眠り込む人などがぱらぱら。
 約2時間半で黒磯へ。10分で乗り換えだ。黒磯を出ると、初めての車内改札。「東京都区内→札幌市内」の切符を見て、車掌が一瞬、私の顔を見たが、なにも言わずに、次の乗客へ。初日の車内改札は青森までこの1回だけだった。
 午前9時前に郡山着。おなかがすいたが、次の乗り換えのため、朝食はあきらめる。福島で30分の待ち時間があり、駅の改札を出て、「鮭寿司」(750円)を買って、この日初めての食事。
 このあと仙台、一関を経由して3本の列車を乗り継ぎ、約5時間かかって盛岡へ。田植えの終わった水田が広がり、緑色のペンキの海を手こぎ船で滑っていくようだ。
 盛岡では1時間半の待ち合わせ。改札を出て、立ち食いそはで遅い昼食。5番線の列車に乗り込んで、駅員に「青森行きですよね」と聞くと、「でも、それ、鈍行ですよ。特急は4番線」と親切な忠告を受ける。
 盛岡−青森間(3時間59分)で、疲労は頂点に。先頭の車両にだけ動力がついている客車列車のため、停車と発車のたびに、連結器から大音響と衝撃が起きる。青森駅についたときは、耳がじんじんした。これでやっと半分が終わった。青森では、駅前のビジネスホテルで一泊。5400円だった。
【第2日】
 まず青森発の海峡1号で函館へ向かう。青函トンネルをくぐるこの列車が、今回の旅で唯一の各駅停車ではない快速(料金は普通運賃)。
 ホームに行くと、先頭の1号車から指定席が延々と続く。指定席切符は買っていない。思わず小走りになる。8号車から自由席になったが禁煙車両。最後尾の喫煙のできる自由席9号車にようやく乗り込んだのは、発車2分前。このホームには売店はなく、青函トンネルの中で駅弁を食べる夢は無残にも消えた。
 空腹に耐えつつ、どんより曇った空と下北半島を窓ごしにながめていると、列車はトンネルに入った。トンネル通過中は、ひたすら真っ暗だった。全長53.9`の世界最長の海底トンネルというものの、夜行列車に乗ったようなものだ。この状態が1時間ほど続き、眠くなる。トンネルを出ると、右手に見える函館山が少しずつ近くなってくる。
 空腹状態で函館着。次の発車は2番ホームで、24分の待ち合わせ。到着した5番ホームからみると、2番ホームには、ソバ屋とキヨスクの看板があった。「よし」。階段をかけ上り、2番ホームへ走る。ところが、ソバ屋もキヨスクも「閉店中」。駅員は「駅弁は5番ホームだぁ」。泣きたい気分で5番ホームに戻り、「北の家族」(820円)という海産物の駅弁を買う。「は−るばる来たぜ、函館へ」とやけくそ気分で低く歌いながら、食べる。
 ここからの列車は、3両編成。すぐ七飯(ななえ)で1両切り離されて2両に。昼前に森駅到着。内浦湾に突き出たこの駅で約1時間半の待ち合わせだ。名物「いかめし」(450円)と熱いお茶を買うために改札を出た。
 乗ってきたのと同じ2両の列車がホームに止まっている。次の目的地、長万部に近い方の車両に乗る。ところが、つながっているように見えたこの2両は、後ろの列車は折り返しの函館行き、前が長万部行きの、それぞれ1両列車だった。
 私はそんなこととも知らずに、いかめしを食べていた。乗客は6人。発車間際に「間もなく長万部行き発車します」という車内放送が流れると、中年女性が「えっ?函館行きじゃないの」と絶叫して立ち上がった。すでに函館行きは出たあと。次までは2時間近く待たなくてはならない。逆の車両でなくてよかった。
 森から長万部までは16駅ある。森、長万部を除くと、中間の八雲以外は無人駅だ。すぐに車内改札があり、無人駅で降りる人は、切符を車掌に渡す。線路は内浦湾沿いと内陸部を交互に走る。乗客は私ひとりだけ、ということもあった。
 この列車で、車掌さんと知り合いになった。「運転席、みてみっかい」という言葉に甘え、運転士さんと話をした。「乗客が少なく、この路線は近く、ワンマン列車にする計画なんだ」という。
 長万部で約1時間待ったあと、小樽行きのやはり1両列車に乗り換え。ここでは、最初、数十人の高校生が乗り込む。久しぶりに見る若い人だ。高校生が降りると、ジャングル地帯を行くような感じになってくる。とくに、ニセコあたりの緑は深い。
 3時間半で小樽着。立ち上がると、しりの感覚がまひしている。7分しか時間はなく、足を引きずるように札幌行きに飛び込む。急に通勤電車風の雰囲気になり、最初は戸惑うが、次第に「これが12本目、最後の電車だ」という喜びで疲れを忘れる。
 夜の札幌駅の明かりが見えた。通算の乗車時間は22時間53分、上野から220番目の終着駅だった。(朝日新聞 夕刊)
4日■山科駅前市街地再開発/近鉄京都線の高架化 2都市計画に着手 12日、21日に起工式予定
 南部地域の活性化や交通渋滞緩和のため京都市が進める2つの都市計画事業が、近く相次いで着工することが決まった。1つは山科駅前地区市街地再開発事業で、12日に山科区の現場で起工式が行われる。また、近鉄京都線連続立体交差化事業の起工式は21日、南区内のホテルを予定している。
 市街地再開発事業は山科・醍醐地域の交通機能の充実と商・住環境整備のため、1992年に事業計画を定めた。JRや京阪電車山科駅前約2.8fに、百貨店やホテル、文化・健康施設、住宅などが入るビル4棟を建設しようというもの。
 しかし、バブル経済崩壊の影響を受け、キーテナントとなる百貨店やホテルが決まらず、完成は当初計画より3年遅れ、98年9月になった。この日の起工式は業務施設や駐車場が入るD棟の建設着手に伴うもので、市では「年内にもキーテナントを決め、順次着工していきたい」としている。
 一方、近鉄京都線の立体交差化事業は、東寺駅から鴨川右岸までの約2`を高架にし、6ヵ所の踏切をなくすことで、交通渋滞の緩和を図るのが狙い。89年の都市計画決定後、昨年11月に近鉄と工事協定を結んだ。
 総事業費は284億5000万円で、27%を近鉄が負担する。完成は2000年3月を見込んでいる。また市は同時に九条通から南約440bの高架側の道を幅6bに拡幅し、市道として整備することにしている。(朝日新聞)
5日■試写室 女性パーサーの裏側の世界 「新幹線物語93夏」第1回(毎日系、6日後9-9・54)
 列車には乗客の数だけドラマがある。この番組は、東海道新幹線内で働く女性パーサーたちの青春物語。彼女たちの世界がドラマ化されるのは初めてという。
 幸田明子(宮崎ますみ)は、研修後、今日が初めての乗車で緊張気味だ。発車間際、パーサーを目指しながら突然、休職したままの高山乃里子(鮎ゆうき)とぶつかりそうになった。
 そして、彼女を追って来た父親の孝作(ハナ肇)が階段から落ちたため、それを助けようとして「ひかり」に乗り遅れてしまう。
 孝作を連れて次の「のぞみ」で新大阪に向かう明子は、乃里子のことで意外な話を聞く。
 新幹線の運転士だという谷岡(船越栄一郎)が、遊び放題の乃里子をまじめにさせてくれたことで彼を信用。古い新幹線の車両を1000万円で買い、乃里子にうどん屋を−という彼の話に乗って娘にとらの子を渡した。だが、車両の買いつけに大阪にたつ2人を、心配のあまり追いかけて来た孝作は、東京駅で谷岡の意外な面を見て不審に思う。
 乗客案内や車内販売で活躍する女性パーサーたちの裏側の世界を紹介する情報ドラマの一面も。1000万円を現金で運ぶのはちょつと不自然だが、次回以降のドラマ展開に興味がわく。
 明子の祖母役のミヤコ蝶々がユーモラスな味を見せている。(京都新聞)
■気がねなく一服?! エアカーテン導入へ 近鉄
 隣の紫煙が気になりません−。近鉄は来年3月から大阪線や名古屋線などで走らせる新型特急に、たばこの煙が隣の席に流れないようにするエアカーテンを備え付けた車両を導入する。エアカーテンは病院の喫煙コーナーや一部の企業の待合所などに取り入れられているが、列車の車両に設置するのはJR、私鉄を含めて初めての試み。たばこの煙が社会問題にまでなる現代。嫌煙派にはもちろん、「周りに気兼ねなく一服できる」と喫煙派にも歓迎されそうだ。
 新型特急は、三重県・磯部町に建設中のリゾート施設「志摩スペイン村」の来春のオープンに合わせて導入する「伊勢志摩ライナー」(6両編成)。私鉄では初めて時速130`で運転されることになっている。
 エアカーテンが設置されるのは、各列車に1両連結されるサロンカー(定員36人)。座滞は対面式で、4人席と2人席が通路を挟んで並ぶ。各座席の背もたれの上部に設けた多数の吹き出し口から、天井に向かって冷風が吹き出し、”空気のカーテン”を作って隣のブロックからたばこの煙が流れ込むのを防ぐ仕組み。
 各ブロックの天井には換気孔があるため、喫煙派のブロックでもたばこの煙がこもることはないという。(京都新聞 夕刊)
■「のぞみ」最新式ドア故障54件 JR東海・西日本 引き戸式に設計変更
 時速270`運転時に起きる風切り音を防ごうと東海道・山陽新幹線「のぞみ」に採用された最新式ドアの故障が相次ぎ、昨年3月の運転開始から今年6月末までに54件も起きていることが5日わかった。JR東海と西日本は「高価で思ったほどの効果もない」と、今春導入の車両からは在来線と同じ引き戸式ドアに設計変更したが、すでに配置ずみの20編成の電車(1編成=16両)は改造もできずにそのまま。設計担当者は「整備に手間がかかるうえに故障も多いとは…」と最新技術の思わぬ欠陥に頭を抱えている。
 最新式のドアは「プラグドア」と呼ばれ、車両の外面に凹凸が出ないように、車内側から扉をはめこむような仕組みになっている。従来の引き戸式に比べ高価だが、高速運転の際に車体周辺で空気が渦を巻いて起こる「空力音」を防止できる。外見も良い。
 JR2社の調べでは「のぞみ」が山陽新幹線に乗り入れた今年3月のダイヤ改定以降、JR東海の車両で21件、JR西日本で5件も開閉しない故障が起きている。最近では、6月23日の博多発東京行「のぞみ8号」で8号車のドアが広島、新大阪、名古屋で完全に閉じなかったほか、同じ車両を使った28日の同「のぞみ4号」でも11号車のドアが博多で閉まらなくなった。いずれも原因は油圧部品や電気部品の接触不良など。乗客は他のドアから乗り降りするなどし、大きな影響はない、という。
 JR東海によると、「のぞみ」が東京−新大阪間で営業運転していた昨年度も28件のドアの故障が去年4月から今年1月の間に起きている。トンネル内などで対向車とすれ違った際に車体の外側の気圧が急激に下がって、ドアが外側に強く引っ張られて油圧バネが壊れてしまったのが主な原因とされている。東海では2月にバネ強度を上げるなどしたが、故障は相変わらずのペースで起きている。
 同社技術本部は「ダイヤ改定後の故障の原因は、これとは別」としているものの、外圧との関係ははっきりしない。運輸省鉄道局も「プラグドアは在来線でも採用しているが故障はなく、風圧などが関係ないとは言い切れないのでは」との見方だ。
 両社はすでにプラグドアには見切りをつけ、今春から営業運転となった4編成の新型車は「ひかり」や「こだま」と同じになった。設計のやり直しに担当者は「営業運転中に改善点を見つけ、より良いものに近づけていくのが、鉄道車両の宿命」と話している。(朝日新聞 夕刊)
■JR東日本の株式上場 東証に正式申請
 JR東日本は5日、東京証券取引所に株式上場を正式に申請した。国鉄清算事業団の資産処分審議会が2日、JR東日本株200万株の売却を決めたのを受け、大阪、名古屋、新潟の各証券取引所にも6−7日に同様の申請をする。上場は早ければ10月下旬になる見通しだ。(朝日新聞 夕刊)
6日■JR西日本主要5駅 インチキ乗車2000人 昨年度調査 追徴金は3700万円
 JR西日本が民営化後初めて、大阪や広島など主要5駅の不正乗車の実態を調べたところ、昨年度は約2000人が改札口で「御用」となっていたことがわかった。「追徴金」の総額は約3700万円にのぼり、400万円以上を請求された男性もいた。鉄道本部は「全駅の実態はこの2倍や3倍ではおさまらない」と取り締まり強化を打ち出す。
 大阪、京都、神戸、広島、金沢の5駅で昨年度見つけた定期券の不正使用による「キセル」乗車などは、1943人(件)。鉄道営業法に基づいて徴収した追徴金は37,383,860円に上った。こうしたデータはこれまで各駅が管理していたが、公表したことはなく、本社でまとめていなかった。
 不正乗車が最も多かったのは神戸駅で1027人、次いで大阪駅の553人。追徴金では順位が逆転し、大阪駅は神戸駅のざっと3倍の2200万円で「悪質」が目立つ。
 大阪駅の場合、「期限切れ」38%、「偽造」29%、「キセル」16%、「他人名義」9%などとなっている。
 「期限切れ」は1ヵ月を過ぎると、明らかに「うっかり」の度合いを越したケースばかり。
JR5駅の昨年度不正乗車
件数追徴金総額
(単位円)
大阪55322,355,100
神戸10277,711,250
京都2666,170,000
広島27794,010
金沢70353,500
194337,383,860
JR西日本調べ
 昨年度の追徴金の最高額は京都府内の男性(38)で 429万円。91年3月8日に期限が切れた「木津−奈良」の定期券と、91年4月19までの「神戸−芦屋」の定期券を使って、木津から神戸へ通勤していた。昨年6月、駅員にみつかった。
 京都駅では昨年11月、彦根市の女子大生(19)が1年前に期限が切れた男性名の定期券を使って通学していたのがみつかった。この女子大生は245万円の追徴金を払った。
 同社はとりあえず20日から、不正防止を呼びかけるポスターを車内や駅に掲示する。名付けて「フェアプレーキャンペーン」。担当者は「月並みな企画ですが、効果に期待しています」と話している。(朝日新聞 夕刊)
7日■JR列車ミス 東福寺駅通過
 6日午後1時ごろ、京都市東山区本町十二丁目のJR奈良線東福寺駅で、奈良初京都行き普通列車(4両編成)が同駅に停車せず、ホームを通過して約300b行き過ぎたところで止まった。
 列車は、その場で約3分停車したが、そのまま次の駅の京都駅まで走行して停車した。列車には乗客約100人がおり、このうち東福寺駅で降りるはずだった20人は、京都発奈良行きの列車で戻ったほか、東福寺駅ホームにいた利用客3人はタクシーに乗り換えた。後続の列車には、影響はなかった。
 JR西日本によると、運転士がうっかりして、ブレーキ操作が遅れたらしい。(京都新聞)
■信楽鉄道事故 3被告が無罪主張 大津地裁公判 「事故予見できず」
 死者42人、重軽傷者614人を出した信楽高原鉄道事故で、業務上過失致死傷罪などに問われた同鉄道元運転主任、里西孝三被告(62)、同元施設課長山本長生被告(56)、信号設備会社元社員八木沢守被告(44)の3被告に対する公判が6日、大津地裁であった。罪状認否で3人はいずれも「注意義務違反はなく、事故も予見できなかった」と無罪を主張、全面的に争う姿勢を見せた。
 検察側は冒頭陳述で、事故の引き金となった信楽駅上り出発信号の赤固定に、JR西日本が設置した方向優先テコが関与しているとの見解を示したが、被告側は「テコ設置の事実が高原鉄道側に知らされていたかどうかなど、不明な点が多い」として、次回までに具体的な釈明を求めた。
 罪状認否の中で里西被告は「発車を指示したのは事故で死亡した当時の業務課長であり、私は出発合図を出していない」と陳述。山本被告は「私は信号関係の面識が乏しく、一切の業務を八木沢被告に任せていた。発車を止める立場になく危険を予見できなかった」と述べた。
 さらに八木沢被告は「運行に関与できる立場にない上、山本被告には列車を発車させないよう要請しており、注意義務は怠っていない。継電機室内での行為については記憶が定かでない」と述べ、いずれも無罪を主張した。
 起訴状によると八木沢被告は、出発信号が赤固定された原因を調べるため、信楽駅構内の継電機室で点検中、列車発車後は厳禁されている信号回路の端子同士をつなぐ行為を行い、すれ違い区間の下り出発信号を青に変え、JR列車を通過せたとされる。
 また里西被告はJR列車が対向して来るのに進路の安全を確認せずに出発合図を出して高原鉄道列車を発車させ、山本被告は八木沢被告の行為に立ち会いながら、高原鉄道列車を止める要請もせず、作業を監督したとされている。
 3被告はJR西日本が設置した方向優先テコについて「テコ設置が事前に連格されていれば、関係者が別の処置を行い、事故は回避できたはず」と述べるとともに、「犠牲となった方々のごめい福をお祈りし、遺族の皆様におわびします」と謝罪した。
 次回公判は10月19日午後1時半から行われる。(京都新聞)
■近鉄奈良線帰宅時乱れ ネコ感電死停電
 6日午後3時半ごろ、近鉄奈良線の鶴橋−石切間の信号が突然消え、上下線の運転ができなくなった。午後4時5分ごろ、信号への送電は再開されたが、難波発奈良行きの快速急行が40分遅れるなど運転ダイヤは午後10時過ぎまで乱れ、上下線で18本が運休、106本が5分以上遅れ、約4万8000人に影響が出た。
 近鉄によると、同区間の信号や駅に送電する東大阪市の玉川変電所で猫が感電死しており、ブレーカーが落ちていた。進入した猫が高圧線に触れたのが原因とみている。(朝日新聞)
■路面ドサッ 御池通の地下鉄東西線工事現場 東行き車線一時通行止め
 6日午後零時25分ごろ、中京区御地通高倉の京都市地下鉄東西線の工事現場で南北約4b、東西約6b、深さ約5bにわたって路面が崩れ陥没した。けが人はなかった。この事故で御地通は烏丸から東行き車線が一時、通行止めになった。
 中立売署などの調べでは、現場は御池通(片側4車線)の東行き車線の真ん中付近で、すでに掘り終わっている幅約10bの地下道の北端近くの上に当たる。路面のアスファルトが突然沈み込み、土とともに穴に落ち込んだという。
 地下のモルタルなどで固めた土止めに穴が開いて、地下水が流れ出し、陥没したらしい。関係者は、5日午前中までの大雨でアスファルトを支えていた土砂が流れて陥没した可能性も否定できないとしている。
 京都地方気象台によると、6月2日の梅雨入り以降の京都市の総降水量が5日正午現在で604_に達しており、平年に比べ約4割多いという。地下水の量も増えていたとみている。
 地下鉄東西線は、平安建都1200年記念事業の一環として1990年1月に着工。94年の完成を目指していたが、当初の計画より遅れている。(朝日新聞)
■建築確認申請を受け付けないで 京都市に市民団体 駅ビル改築
 JR京都駅ビルの改築高層化計画に絡んで、「ストップ・ザ・京都破壊 まちづくり市民連絡会議」は6日、建築確認の手続きを進める条件はいまだ整っていない、として、確認申請を受け付けないよう、京都市に申し入れた。
 申し入れでは、@建築確認の前提となる接続道路の設置に必要な土地区画整理事業は、事業計画決定すらできていないA現在の駅ビルに入居している観光デパートのテナントの立ち退き問題も解決しておらず、現段階で建築確認の手続きを進めることは、市自らがテナントに対し、立ち退きを強要することになるB景観、交通や近隣商業施設への影響など、総合的なアセスメントを住民参加のもとに実施する必要がある−などとしている。(朝日新聞)
■阪急電鉄プリペイドカード 乗り入れ線 改札で足止め 神戸高速や地下鉄「ウチが怒られてる」
 阪急電鉄のプリペイドカード「ラガールカード」が思わぬ”壁”に突き当たっている。乗車券を買わず自動改札機に直接入れて乗降できる便利さが売り物だが、神戸高速や大阪市営地下鉄など乗り入れ線の改札を抜けられず、利用客の不評をかっている。他社は、降りた客に現金で運賃を支払ってもらって苦情を言われたり、証明書を発行するなどの対応に追われたり。阪急側は「利用は阪急線で、と呼びかけているのですが」と恐縮するはかりだ。
 「ラカールカード」は、券売機で切符を買えるプリペイドカードで、4年前に登場。阪急は去年4月にカードを自動改札機に直接投入できるシステムを導入。切符を買わずに改札を通れる便利さが受け、1992年度の売り上げは前年度の約7.5倍の約56億円(360万枚)に伸びた。
 ところが、システムが使えるのは阪急線の84駅だけで、神戸高速や大阪市営地下鉄、能勢電鉄、近鉄など阪急が乗り入れたり、接続したりしている6社の駅では使えない。他社線で降りた利用客は乗車駅からの料金を現金で支払い、駅側に「有効証明書」を発行してもらったうえ、阪急の駅に戻ってカードに記録された情報を取り消してもらうという繁雑な手続きを強いられている。
 利用客からは「そのまま改札を通っていい、と言われて買ったのに、かえって面倒だ」「説明が不親切」などの苦情が寄せられ、他社線の各駅からは、1日平均数十枚の「有効証明書」が戻ってくるという。
 高速神戸駅は「朝のラッシュ時は、証明書の記入が面倒。これ以上増えるようなら取り消しのための機械を設置することも考えなければならない」。大阪市営地下鉄も「証明書発行は多い日で約80件。余分な作業だが、利用客から見れば『同じ機械がなくて不便』と、うちが怒られている」と戸惑うばかり。
 阪急側は「ポスターなどで『ご利用は阪急線84駅で』と呼びかけており、今後もさらにPRする。将来の最終的な交通システムとして、導入を検討している他社線もあり、やがて解決するはず」と言っている。(朝日新聞 夕刊)
■「感電ネコ」生きていた 近鉄奈良線の停電
 近鉄奈良線の一部区間が6日午後に停電となり約5万人に影響が出た事故で、近鉄は7日、6600ボルトの電気を線路に送り出すスイッチ類が入った鉄製の箱にネコが侵入して、高圧線に触れたため電流がしゃ断したのが原因と発表した。ネコは高圧線を引き込んでいるすき間から侵入したらしい。同社は6日夜、「ネコは感電死していた」と発表したが、右足にやけどを負っただけとわかった。(朝日新聞 夕刊)
10日■小倉山残土放置の市許可取り消しを 住民の会監査請求
 古都保存方の特別保存地区に指定されている京都・小倉山にJR西日本がトンネル工事の残土を放置してきた問題で、周辺住民らでつくる「小倉山をみつめる会」(長尾憲彰、松本章男両代表)は9日、土砂を搬出しないままの是正策を認めた京都市の許可の取り消しなどを求め、市監査委員に住民監査を請求した。
 請求によると、JRは国鉄時代の昭和57年、山陰線のトンネル建設で出た土砂約15万立方bを小倉山の市有地に積み上げた。ところが、工事後に原状回復するという市の許可条件に反して放置。昨年になって@土砂搬出は困難なので現場に積み直し植林するA迷惑料3億円を市に払う−との代案を示し、市も許可した。(京都新聞)
■小倉山残土放置問題 市民団体が市に監査請求
 歴史的風土特別保存地区に指定されている小倉山(京都市右京区)にJR西日本のトンネル工事の残土が放置されている問題で、市民団体「小倉山をみつめる会」のメンバー20人が9日、京都市に住民監査請求を出した。
 請求内容は、残土を搬出しない形のJR西日本の修復計画を許可した京都市長の処分の取り消しと、市がJRに適性な損害賠償を請求すること−の2点。
 同会代表世話人の長尾憲彰・常寂光寺住職は「市はJRに土砂を搬出させ、原状復旧させる責任があったのに放棄し、JRのいい加減な修復計画を追認した。請求が認められなければ、提訴するつもりだ」と話している。(朝日新聞)
■声 車内の痴漢にいつまで我慢 松原市 森川敏子(教員 34歳)
 本紙で「女性専用車両つくって」という記事を読みました。ずいぶん前のことですが、私も電車の中で痴漢にあったことがあります。男性の引っ込める手を見て、驚きのあまり声も出ませんでした。何の権利があってこの人は勝手に私の体に触ってきたのか?
 人格を傷つけられたショックと怒りで、頭の中がいっぱいになりました。でもその時は怖くて、何も言えませんでした。この出来事は一生忘れられません。このような思いをたくさんの女性乗客がしているのです。しかも、大阪府警の調べでは、被害は年々増加しているということです。
 私たちは電車に乗る度に、痴漢を突き出す心構えをしておかなければならないのでしょうか。思い切って注意したときに、その男が暴力を振るわないでしょうか。実際にそのような例があるので、声をあげるには相当の勇気がいります。
 痴漢行為は重大な人権侵害です。混雑緩和に全力をあげていただくのはもちろんですが、私たちはその日まで待たなければいけないのでしょうか。(朝日新聞)
11日■京都駅地区 土地区画整理事業 市、16日から計画縦覧 98年度完成へ 秋にも大臣決定か
 京都市は、JR京都駅改築高層化計画に伴う同駅地区土地区画整理事業の事業計画の縦覧を16日から始めることを明らかにした。
 縦覧できるのは事業計画書、位置図、施工区域図、設計図など。29日まで、市区画整理課、下京区総合庁舎の2ヵ所で行う。意見書は16日から8月12日まで、同課で受け付けたあと、府都市計画地方審議会で審議する。
 市によると、順調にいけば、建設大臣による事業計画決定は秋にも得られる見通しで、その後、地権者らによる区画整理審議会の設置や換地設計の作製、地権者との交渉などを経て着工。1998年度中の完成を目指す。
 市は昨年末から地元説明会を重ねており、関係者の理解がおおむね得られた、として、今回、縦覧に踏み切ることにした。 一方、駅舎の改築をめぐっては、建設中の仮駅舎がオープンするのは早くても9月になる見通しで、駅本体の建築確認手続きについても、市側が「区画整理事業の事業計画決定後」としている。このため、目標の94年度中の完成は困難視されている。(朝日新聞)
12日■信楽事故 遺族の会総会 JRが捜査妨害? 弁護団指摘 「警察報告書に記載」
 信楽高原鉄道事故の「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人)は11日、大阪市内で総会を開いたが、席上弁護団は捜査に当たった滋賀県警が、捜査報告書の中でJR西日本を厳しく批判していたことを明らかにした。また、同会は事故車両の永久保存を断念することを決めた。
・事故車両永久保存を断念
 報告書は、同弁護団が先月大津地検で捜査記録を閲覧中に見つけた。弁護団によると、同県警はこの中で「列車すれ違い区間に対向列車がいないことを不審に思った。慎重に止まるべきだった」などとしていたJR運転士の供述が、会社側関係者と面会した直後から翻ったことなどを指摘。「優先テコ」取り扱いマニュアルの改ざんなど、JRによる組織的な捜査防害があったことを強く示唆しているという。
 弁護団側は、コピーを申請したが、同地検は拒否したという。
 弁護団はこのほか、同地検が先月末に不起訴処分にしたJR社員6人のうち1人が、証拠隠滅の犯罪事実はあるが起訴するにはあたらない「起訴猶予」であったと説明。JR側に犯罪があったことが認められた」と指摘した。
 一方、遺族の会はJR西日本と高原鉄道側に求めていた事故車両の永久保存は用地や費用の確保が難しいとして断念することを決めた。来月8日発足の鉄道安全推進協議会に来日する米国NTSB(国家運輸安全委員会)調査官の車両視察後に解体廃棄される見通し。(京都新聞 夕刊)
■JR西日本社員 証拠隠滅罪で起訴猶予処分 信楽事故で地検
 一昨年5月の信楽高原鉄道列車事故にからみ、信号施設のマニュアルを書き換えたとして「遺族の会」から業務上過失致死傷罪、証拠隠滅罪などで告訴され、不起訴になっていたJR西日本の幹部ら6人のうち、当時のJR関西線亀山CTCセンター所長を、大津地検が証拠隠滅罪で起訴猶予処分にしていたことが、11日大阪市内で開かれた同会総会で明らかになった。処分により同地検は、JR側の刑事責任の一部を初めて認めることになる。
 同会は、JR西日本が同鉄道への乗り入れにあたり信号施設の優先てこを設計した際、一部を書きもらすミスがあったため、信楽駅の信号異常につながったとして今年2月、6人を告訴した。これに対し、大津地検は6月30日に6人を不起訴とし、同会が処分不当として大津検察審査会に審査を申し立てていた。同地検は6人の処分理由を明らかにしていない。(朝日新聞 夕刊)
■賠償示談交渉個別で始める 遺族の会、明らかに
 信楽高原鉄道事故の犠牲者21人でつくる「遺族の会」(吉崎俊三・世話人代表)は11日、大阪市内で総会を開き、損害賠償交渉について、5月にJR西日本、同鉄道両社から提示を受けた総額7億9500万円の賠償額をもとに、個別に示談交渉を始めていることを明らかにした。両社が今月26日以降に再提示する予定の賠償額を見たうえで、損害賠償請求訴訟も含めて対応をすることを決めた。
 総会では事故車両の保存についても話し合われ、同会の遺族らが発起人となっている鉄道事故の調査機関「鉄道安全推進会議(仮称)」の設立総会が開かれる来月8日以降にも、廃棄処分に応じる方針を決めた。(朝日新聞 夕刊)
13日■JR高架化で京の一体化を 東海道線が南北分断 立体交差など提唱 専門家研究会 出版記念、16日シンポ
 京都の発展のためにはJR東海道線の高架化が不可欠との立場から京都のまちづくりを考える「京都南北一体化研究会」(代表・上田篤京都精華大教授)は、研究成果をまとめた本を出版したのを記念し、16に京都経済同友会の協賛でシンポジウムを開く。
 テーマは書名と同じ「京都が蘇る−南北一体化への提言」。北に偏りがちな京都のまちづくりについて、総合的な討論を行い、古都から新都へ再生する具体的方途を探る。
 南北一体化研究会は、上田教授はじめ、経済学、建築学、都市計画、文化開発などの専門家13人で構成。建都1200年を機会に、京都を新しい都としてよみがいらすことを目的に、今年2月から研究を進めてきた。
 研究をまとめた本は、京都の将来の発展には南進しかないとの判断を示し、最大のネックが、京都を南北に分断する東海道線と規定する。この解消のためには高架化の推進が絶対に必要との立場を明記。高架化の可能性を工学、財政などあらゆる角度から検証し、連続立体交差により、南北分断をブレークスルーにし、平成の大京都づくりを目指すべき、と提唱している。
 四六版、164n、3000冊印刷、1冊1300円。
 シンポジウムは、午後1時半から京都市左京区の京都会館で開催する。上田教授の基調報告の後、京大教授の天野光三、川崎清、西川幸治、山田浩之の3氏と武庫川女子大教授の高田公理、森谷起久両氏がパネラーとなり討論する。
 定員は400人、一般人場歓迎、無料。(京都新聞)
■JR東日本の株式上場 東証に正式申請
 JR東日本は5日、東京証券取引所に株式上場を正式に申請した。国鉄清算事業団の資産処分審議会が2日、JR東日本株 200万株の売却を決めたのを受け、大阪、名古屋、新潟の各証券取引所にも6−7日に同様の申請をする。上場は早ければ10月下旬になる見通しだ。(朝日新聞 夕刊)
15日■85%が赤字経営 乗合バス依然厳しい経営 運輸省92年度収支まとめ
 全国の乗合バス会社の経営状況は昨年秋の運賃値上けで赤字幅が前年度に比べて少し改善されたが、依然厳しい環境にあることが14日、運輸省がまとめた1992年度収支調査で分かった。特に地方バスの利用者は前年度比2%減と最近10年間で最も大きく落ち込んだ。同省は不況で主婦らパート労働者の減少が影響した、とみている。
 調査対象となっている保有車両30台以上のバス事業社219社のうち、約85%の186社が赤字を計上、赤字額は前年度より7.7%下回ったが835億円と厳しい。
 利用者数は民営バスが44億3700万人で前年度に比べて約1億1100万人(2.4%)も減り、公営バスも約17億300万人と約2100万人(1.2%)下回った。
 民営バスの中で最も経営の良いのは山陽電気鉄道(神戸)で経常収支率は107.2%。長崎自動車など都市部の会社が多く、黒字を計上した32社のうち25社は常連組。一方、赤字会社は四国、北海道、山陰地方が多く、収支率50%台もある。
 公営バスは尾道市営(広島)が2000万円の黒字を計上、3年連続で黒字となったが、ほかの32社は赤字で人件費の増加など苦しい経営状態になっている。(京都新聞)
■故障続いた「のぞみ」 「遅れ平均13秒」JR自賛 「まぎれもない真実、安心を」 運転士は「精神的負担大きい」
 東海道は13秒、山陽は14秒−夏休みを前にJR東海と西日本が、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」1本当たりの平均遅れ時間を調べたところ、こんな数値が出た。車体部品の亀裂やドアの開閉故障など、トラブルが続いているが、東京から博多まで約1200`乗っても、秒単位の遅れしか出ない安定ぶり。利用客には意外な感じも受けるが、JRは「まぎれもない真実。夏休みは安心してご利用ください」と胸を張っている。
 平均遅れ時間は各駅を定刻通りに発車できなかった遅れ時間の合計を、総列車本数で割って算出した。JR東海は4月1日から、西日本はダイヤ改定した3月18日から、6月30日までを対象にした。
 東海道新幹線の場合、遅れ時分の合計は6601分。全列車本数は上下4万6877本で、1本当たりの遅れの平均は8.4秒になった。このうち、「のぞみ」の遅れは1361分、全本数が同6188本で、平均遅れは13.2秒だった。
山陽新幹線でも「のぞみ」は平均14.4秒、全列車では同6.6秒だった。
 ダイヤ改定以降、東海道・山陽新幹線は「のぞみ」の異状が相次いだ。加速レバーが抜けて広島駅で運転が打ち切りとなったのをはじめ、台車のセンサーの配線ミスなどで4日連続で臨時停車もした。その都度、故障した「のぞみ」や後続に影響が出たりしたが、JRの計算では、利用客にとってはほとんど気にならない「秒の遅れ」にとどまった。
 しかも、ここ約3ヵ月半の全列車の遅れ時間は「過去の数値に比べ、かなり優秀な成績」(JR東海新幹線鉄道事業本部)だ。東海道新幹線は90年度が1分28秒、91年度が39秒、昨年度が48秒。山陽新幹線も48秒、30秒、24秒という経過をたどり、定時運転の新記録達成の勢い。JR西日本の幹部は「正直言って思わぬ好成績。苦労したかいがあった」と話す。
 一方、新幹線運転歴15年のベテランは「遅れは30秒単位でチェックされ、理由を添えた報告書を提出しなければならない。良い数値が出たことは結構なことだが、のぞみが走ってからの監視は以前にも増して厳しく、精神的な負担は大きい」といっている。(朝日新聞 夕刊)
16日■もの食う人々L ベトナム銀河鉄道 〈下〉理想駅から欲望駅へ 辺見 庸
 ハノイ発のべトナム南北縦断列車TBN9便で私はホーチミン市(サイゴン)に向かっている。2日目の朝だ。午前9時、鈍い緑色のベンハイ川を渡る。17度線だ。ここからが旧南べトナム。列車は今まさに、南北を結んでいる。しかし、歓声も汽笛もなければ車内アナウンスもなし。やがて、べトナム戦争中の死者が多数眠っている白茶けた墓地を無表情にかすめ、フォン川を渡り、フエ駅に着いた。午前11時20分。
人の顔がギラギラと
 ここから、車内の何かが変わった。暑さのせいだけでないだろう。人の顔がギラギラしてきた。社会主義の理想みたいに「偉大」でも、尊敬に値するわけでもないけれど、欲望むき出しで、その分だけ表面は魅力的な資本主義のにおいに乗客が感応しているのだろうか。これは、「理想駅」から「欲望駅」へと回帰する旅なのだろうか。気のせいか、人々の食欲もいや増しに増してきたようだ。
 フエ駅停車中に、特産のメーソン(ゴマをふりかけた甘いもち)、パインスーセー(米粉にココナツミルクを加え、蒸して竹の葉の小箱に入れた菓子)、ウズラの卵、サトウキビ売り、その他各種食べ物売りが車内に入り込んだ。脂身の多い豚肉とキャベツのいためもの、それにご飯を入れた、アルミ缶二段重ねの弁当の車内販売もあった。
 甲高い売り声が車内を駆けめぐり、汗ばんだ手が伸び、ドン札が舞う。皆ひたすら食う。680人以上を乗せた列車全体が動く大食堂と化す。腹が膨れる。列車もパンパンに膨らむ。外から入り込んできたたくさんのもの売りたちが、発車しても降りずに汗みずくで商売を続けているのだ。もともと満員の列車はもうはち切れそう。通路に立っていたら、濃厚なにおいを浴びて、自分がしょうゆや油で煮込まれた缶詰の肉にでもなった気がしてきた。
飛び降り、飛び乗り事件が起きた。無賃乗車で車内警備の警官に追われた男が列車の屋根によじのぼった。窓から首を出して見ると、赤シャツの男が3両目の屋根にしやがんでいた。彼も車内で何か物を売ろうとしたらしい。赤シャツ男を屋根にいただいた列車の乗降口に、今度は線路わきの草むらから、サトウキビを詰めた手提げを持った男女4人が飛び乗ろうとした。列車はハイバン峠のふもとのこう配にさしかかっていたから、時速30`ぐらいか。4人は必死の形相で草むらを走る。これも身過ぎ世過ぎ。車内でサトウキビをひさごうというのだ。2人が飛び乗りに成功した。車内から歓声が上がる。残り2人は転倒した。ヤシの木の根方に短く切ったサトウキビがいくつも転がった。乗客が何人かあざけり笑った。非情だ。そう思った時、列車がトンネルに入った。明るくなったら、すべて塗り替えたように風景が違っていた。南シナ海が、目が痛くなるほどキラキラと輝いていた。
食欲忘れ見ほれる
 ひすい色の水面を滑るように走り、やがて列車は海原をはるか眼下にするまで峠をえっちらおっちら登った。その間に、携帯式の七輪を掲げ持ったモック(スルメ)売りが車内に現れたのだけれども、無人の入り江、真っ白の砂浜、銀色にかすむ水平線に見ほれて、だれもが食欲停止。モック売りは上がったりだった。息をのむほど美しい海岸線には近代的ホテルも看板もなく、点ほども文明の手あかがついていない。この列車だけが、悩みと欲と希望を満載して、黒いムカデのように海際をはっていく。南へ、南へ。
 午後3時50分、ダナン駅着。米兵の落とし子なのだろう、薄汚れた赤毛、緑がかった目、白い肌の女が、ガラスのかけらのような、よく光る物を売っていた。氷砂糖だった。それを買ってなめながら、まどろんだ。目が覚めると、車内に飛び込んできそうなほどたくさんの星が窓のすぐ外に群れていた。列車はまた星の線路を走っているのだった。
 サイゴンに衣類を仕入れに行くという青年と会った。いらだっていた。「ハノイからまる2日もかかるなんて、まるで19世紀ですよ」。もっと稼いで飛行機で往復できる身分になりたいという。
親子で物乞いの旅
 「汽車はロマンチックでいいですね」と星空を指さして言ったのは、サイゴンのギター教師ド・アン・トアンさん(42)。が、車内生活第二夜のその顔はすすけて、ほおがげっそりこけていた。傍らの奥さんから「娘さんにでも」と、端切れでこしらえたピンク色の派手な髪飾りをプレゼントされた。内職で作っているという。心が舞う。空いっぱいの星に髪飾り。歌いたくなった。ところが、ベッドに帰る途中、巨大なカラスの死体のような挽を昇降口で見た。うごめいたのではっとした。黒衣の、盲目の老婆とその娘。サイゴンに親子で物乞いに行くのだという。歌が引っ込んだ。
 ニャチャンには3日目の午前5時ごろ着いたらしい。でも星の夢しか覚えていない。
 7時に目覚めた時に、あの髪飾りやカメラを入れたバッグが盗まれているのに気づいた。警官が来て調書を取り、それを最後にわざとらしく重々しく読み上げた。後はヤミ屋ふうの男と、ニヤニヤ何か話しているだけで、ろくに車内を調べもしない。ついてない。そこに車掌のコー・チーさん(45)が来た。脈絡なく、べトナム戦争中は、実は南ベトナム軍兵士として米軍と一緒に戦っていたということを話す。ハノイを出た時にはどこか緊張していたこの人も、サイゴン間近になったら妙に変わってしまった。
お茶売りチンちゃん
 警官も車掌も去った。途方にくれていたら、お茶売りの女の子がやってきた。チンちゃん(14)。色あせたピンクのシャツにゴムのサンダル。森の小動物みたいによく光るかわいい目。7歳からお茶売りをしていて、学校なんか一度も行ったことがないという。車内の残飯を拾って豚のえさとして売ってもいる。話し込んでいたら、通路に置いていたポットのお茶が全部だれかに飲まれてしまった。ドアをたたいて彼女は悔やしがった。チンちゃんは言った。「泥棒がすごく多いの。気を付けてね」
 もう遅いよ、と答えようとしたが、「ありがとう」に私は切り替えた。
 スコールが来た。皆が窓から体を出して雨を浴びた。私も浴びた。南の国の甘い水のにおいがした。スコールがあがり、焼けるような日がさしてきた時、サイゴンに着いた。(京都新聞 夕刊)
17日■JR特急・出雲1号は伯備線経由に 山陰線電化工事で
 JR西日本は16日、京都府内で夜間に行われる山陰線電化工事に伴って、ブルートレインの特急出雲1号(東京発浜田行き)の運転経路の一部変更を発表した。
 変更されるのは京都−米子間で、山陰線経由から山陽・伯備線経由になる。期間は9月1日から平成7年末までの予定。この影響で福知山、豊岡、鳥取など六駅で乗降ができなくなるほか、米子と安来の発着時間が変更される。山陽・伯備線の各駅には停車しない。(京都新聞)
■京都市内のJR東海道本線 高架化 是か非か 経済的効果などで激論 考えるシンポ
 京都市内のJR東海道本線の高架化について考えるシンポジウム(京都南北一体化研究会主催)が16日午後1時半から、京都市左京区の京都会館会議場で開かれ、建築や交通工学、都市史の専門家が実現の必要性と展望などについて約3時間、激論を交わした。
 午後1時半から行われたシンポジウムでは、まず同研究会代表の上田篤・京都精華大学教授が基調報告。「高架化は大正10年に市議会で要望が決議され、昭和32年には市と旧国鉄の間で話し合いが行われたが、費用負担の問題がネックになってまとまらなかった。だが、線路をまたぐ陸橋や道路はいずれ改修しなければならず、費用がかかるので、高架化すべきだ。京都の発展には避けて通れない」と述べた。
 続いて、天野光三・大阪産業大教授(交通工学)や川崎清・京都大教授(建築設計)、西川幸治・同教授(都市史)、山田浩之・同教授(経済学)、森谷起久・武庫川女子大教授(歴史学)、高田公理・同教授(文化人類学)らがパネリストになって討論した。
 平安京から現在に至る歴史的な南北交通や都市の移り変わり、高架化の工事費用の試算と経済効果、実現の手順や国の補助事業とのかかわり−などのテーマで意見交換した。パネリストからは「高架化を現行の国の補助事業に当てはめるのは難しく、新たな制度を求めていくことが必要」「長期的に取り組まなければ実現せず、東西の軸も考えなければならない」などの意見が出た。
 また、東海道線が京都を南北に分断しているかどうか。計画中の新駅ビルを「巨大な壁」と見るかどうか、についてもバネリスト間の受けとめの違いが浮き彫りになり、白熱した議論が展開された。(京都新聞)
■市バス待ちのイライラ 接近表示器を導入 交通局 丸太町通など41ヵ所 無線方式で3段階
 バス停で待つ乗客のイライラ解消にと京都市交通局はこのほど、無線方式によるバスロケ−ションシステム(接近表示器)を導入した。近畿では2番目。
 同システムはこれまで、有線による電磁波誘導方式のものを白川通、河原町通、西大路通など4路線、2ターミナルに計62基設置している。
 新しい無線方式は、バスに搭載している通信機が発する位置信号を、交通局の中央制御装置が受けて分析。無線で各停留所の受信機に発信してバスの接近を表示させる仕組み。今回は第一弾として北大路、今出川、丸太町通など計41ヵ所に新たに設置した。
 接近表示は高さ2b、45a角のポールに組み込まれた各路線ごとの表示板(縦10a、横33aに、一つ手前の停留所と3分前、6分前の停留所の3段階で表示。バスが接近するにつれて、表示が移動する仕組みになっている。
 市交通局では「本年度中には、とくに渋滞などのひどい市南部や西部を中心に、約70ヵ所拡大していきたい」と話している。(京都新聞)
18日■土砂崩れ 寝台特急17本運休 山陽線
 17日午後1時40分ごろ、山口県防府市富海のJR山陽線防府−富海間で大雨のため高さ8bにわたり土砂崩れが起きた。同線では山口県の他の2ヵ所でも土砂崩れがあり、小郡−柳井間で全面運休し、バスで代行運転した。同日午後8時ごろ、小郡−徳山間は復旧したが、徳山−柳井間は不通のまま。
 下関初東京行き寝台特急あさかぜ2号など寝台特急計17本が運休した。
 岩徳線の岩国−徳山間も土砂崩れの危険があり、運転を一時見合わせた。JR広島支社によると両線の不通で約1万人に影響した。
 下関地方気象台によると、発達した梅雨前線の影響で16日夜半から17日夜まで山口県内は雨が激しく降り、降雨量は県東部で200_に達した。同県に大雨、洪水警報が出ている。(京都新聞)
19日■京阪など京の3社 バス運賃値上げ申請 あす、京都交通なども
 京阪バス、丹後海陸交通、西日本ジェイアールバスの3社は19日、京都府内バス運賃の値上げを運輸省に申請した。京都バス、京都交通も20日に申請する。2年ぶりの値上げとなる五社は、利用客離れや人件費アップによる経営圧迫などを理由に、10月からの実施を希望している。
 京阪バスは、1区180円から11.1%増の200円(暫定期間190円)に値上げ、1区増すごとの加算額は現行通り20円。
 丹後海陸交通は対キロ区間制で2`−10`で現行39円から5.1%増の41円に。最低運賃も現行140円から7.1%増の150円に。西日本ジェイアールバスも、対キロ区間制2`−10`で現行4.97%アップの42円20銭に。最低運賃は7.1%増の140円になる。
 20日に値上げ申請する京都バスは、対キロ区間制基準運賃7.1%増の27円80銭で、最低運賃も10円アップの150円に。京都交通も対キロ区間制基準運賃4%アップの43円80銭にし、最低運賃は対キロ、均一区間ともそれぞれ10円アップの150円、180円になる。
 各社とも、通常の定期、回数券の割引き率は現行通りだが、運賃値上げに伴いそれぞれの料金はスライド式にアップする。
・大阪の5社も申請
 近畿日本鉄道、阪急バスなど大阪地区のバス会社5社は19日、運賃値上げを近畿運輸局に申請した。
 このうち、近鉄は、近鉄京都駅−近鉄奈良駅間や向島ニュータウン内など、阪急バスは、向日市、長岡京市、大山崎町と京都市南区など、路線の一部を京都府域で運行。近鉄は対キロ区間、特殊区間をともに最低10円、阪急バスは対キロ区間を最低20円、特殊区間を同10円、それぞれ現行よりアップする。平均値上げ率は、近鉄5.9%、阪急バス5.0%。
 申請が認められれば、近鉄は2年ぶり、阪急バスは4年ぶりの値上げになる。(京都新聞 夕刊)
20日■新空港対岸 りんくうタウン 痛過駅 整備遅れ 停車見送り? JR・南海 「採算とれぬ」府は困惑
 関西新空港へ乗り入れる電車の運行をめぐって、大阪府が頭を痛めている。空港島の対岸で、府が進めている「りんくうタウン」の町づくりが、バブル経済の崩壊や不況のあおりで大幅に遅れ、鉄道会社側が「開港時に停車しても乗降客の見通しがたたない」とタウン内にできる駅への停車に難色を示しているからだ。売れ残った土地で来夏からのイベント開催を計画している府は「開港当初から通過駅では人も集まらず、未来都市のイメージも台なしになってしまう」と、最低限の停車ダイヤの確保を求めていく方針だ。
 新空港と連絡するのは、南海電鉄とJR西日本。それぞれ南海本線と阪和線から空港連絡線に合流、りんくうタウンの玄関口にあたる前島駅(仮称)を経て、連絡橋から空港島に乗り入れる。両社とも特急や快速、急行電車を運行、特急以外は新空港開港時から前島駅に停車するはずだった。
 ところが、不況などの影響で、同駅を南北にはさんで高層ビルが立ち並ぶはずだった商業業務ゾーンの分譲計画が白紙に戻るなど、りんくうタウンの整備計画は大幅に遅れた。一番早く完成するゲートタワービルも、開業するのは開港2年後の96年夏で、来年夏の開港時点でオープンしているビルはなく、ほとんどが造成したままか、工事中の状態だ。
 府では空き地を暫定利用し、空港利用者向けの駐車場を整備、来夏から野外コンサートや花火大会など人集めのためのイベント開催を検討中だが、まだ具体的に決まっていない。
 このため、運行する鉄道会社2社は「停車しても、どれだけの乗客があるのか見込みが立たず、採算割れになる可能性が強い」として、当初の計画を再検討。両社とも今のところ白紙の状態という。
 南海電鉄は「駅の周囲の整備状況が当初計画とは大違いだが、駅舎の建設は進めている。停車させれば駅員もそれなりに配置せねばならず、新空港に着くのも3分程度遅くなる。止めたくないのが本音」(役員)とし、府へ「今のままでは停車は難しい」と伝えたという。
 また、JR側は「一本も止めないわけにはいかないかも知れないが、どんなイベントをして、乗客がどれだけ見込めるのか、府の具体的な提案を待って検討しないと何とも言えない」としている。
 このままでは、通過駅になりそうな雲行きに、同タウン開発を担当する府企業局幹部は「新空港が開港して、外国から大勢のお客さんがやって来るのに、橋を渡ると空き地が広がっていて駅にも止まらない、という事態は避けたい。人が集まり、にぎわいが生まれる企画を年内にも煮詰めて、鉄道会社に理解を求めて行きたい」と話している。(朝日新聞 夕刊)
21日■JR東日本株 販売の勧誘きょう解禁
 東京、大阪、名古屋、新潟の4証券取引所は20日、大蔵省に対してJR東日本の株式上場を申請した。認可を得て、10月26日に東証第一部などに上場する予定だ。また、21日には株式の入札・売り出しの公告が行われ、証券会社が客にJR東日本の株式の販売を勧誘することが解禁される。一般投資家への売り出し価格は8月30日に決まり、株割り当ての当選者発表は10月5日になる予定だ。
 国鉄精算事業団によると、売り出し価格を決めるための入札書の配付は21日から始まり、入札の受け付けは8月6日から同11日まで。入札のための最低株数は50株とし、50株単位で3万株まで申し込める。入札は、保証金を積むなどの条件をみたせば、だれでもできる。
 一方、一般投資家の購入申し込みは、売り出し価格が決まった後、9月2日から同10日まで証券会社で受け付ける。10月5日の当選者の発表後、同18日までに株購入代金の払い込みをする。申し込み株数は、最低1株から最高9999株までとなっている。
 JR東日本の発行済み株式数は400万株。1株の額面は5万円で、このうち今回は半分の200万株を上場する。200万株のうち、3割の60万株を株価決定のための入札にかけ、残りを一般に売り出す。(朝日新聞)
22日■来春、梅小路公園に市電再び 単線250b往復 緑化フェア 将来は展示館も
 京都市は21日までに、平安建都1200年記念事業として下京区に建設中の梅小路公園内に、日本最初の路面電車として明治時代の京都市街を走った懐かしの「チンチン電車」を復元し、走行させることを決めた。来年秋に同公園を主会場に開かれる「第11回全国都市緑化きょうとフェア」の参加者を楽しませるだけでなく、将来的には単線軌道(250b)をさらに延長して市電のだいご味を満喫できるように工夫し、あわせて市電展示館の建設構想も具体化していく。
 京都のチンチン電車は、100年前の平安建都1100年の第4回内国博覧会開催時に、わが国初の路面電車として、営業開始された。電力として、琵琶湖疏水を使った京都市の水力発電が活用された。その後、京都電気鉄道会社、京都市営電気軌道事業として受け継がれ、京都市民に欠かせない足となった。しかし近年、増大するモータリゼーションに路面を奪われて走れなくなり、1978(昭和53年)の河原町線、七条線を最後に、惜しまれながら廃止された。
 しかし市民や京都の往時を知る入洛観光客の間ではチンチン電車のファンは多く、復活を願う声は根強くある。市は、梅小路公園(11.6f)で来年9月23日から11月20日まで開催される「緑化フェア」を市民がより楽しんでもらえるようにと、公園施設としてチンチン電車を走らせることに決めた。
 チンチン電車は、1951(同36年)まで堀川線を走り、現在、市交通局で保存している車両を、明治時代の形式に全面改装し、乗車可能な車両として復元する。ボディは茶色とクリーム色のツートンカラーで吹きさらしのオープンデッキ、屋根にポールというノスタルジーいっぱいの姿で登場する。
 路線は、公園西側の梅小路蒸気機関車館をう回するように走る単線軌道約250b。最高速度は9`、往復運行し、乗降は線路南端の停車場(1個所)で行う。
 市は、隣接の梅小路機関車館とあわせて、京都市観光基本構想にある「京都レトロ・トランスポ」を具体化して、フェア後も公園のモニュメントとして、また京都の新しい観光資源として活用していく方針。さらに将来的には、線路をさらに公園の東部分へ延長するとともに、市電展示館を建設して、市電や市電に関する資料を展示することを検討していく。(京都新聞)
■SLの展示運転 車両検査も公開 JR西日本 来月 吹田、鷹取2工場で
 夏休み中の子供たちや家族連れに、楽しいひと時を−JR西日本は吹田工場(8月1日)と鷹取工場(8月7、8日)を無料公開、SL運転や電車の検査風景の見学で、訪れた人たちに鉄道への夢を満たしてもらう。
 吹田工場(吹田市目俵町)の「ファミリーフェスティバルin吹田工場」は1日午前10時から午後3時まで。往年の特急「つばめ」をけん引した機関車「C62-2」を構内で展示運転するほか、日常の車両の検査・修繕作業、大型クレーンでの電車つり上げを公開。鉄道クイズやスタンプラリー、車両スケッチ、木工教室、各種ゲームといったコーナー(一部有料)も設ける。
 「鷹取工場ふれあいフェア'93」は、7日午前11時から午後6時までと8日午前10時から午後3時まで、神戸市須磨区大池町の同工場で。C61型蒸気機関車に「つばめ」の展望車をつないで構内を展示運転、電車の検査風景や車両のつり上げも公開する。ほかに、ミニSL、ミニ新幹線の運転、ゲーム、日曜大工コーナーも店開き、特設コーナーでは新人歌手遠野舞子さんのショー(7日)、カラオケ、○×クイズ大会(8日)といった健しを計画している。(京都新聞)
■JR山陰線・KTR園部−福知山−天橋立 電化・高速化が起工
 JR山陰線とKTR(北近畿タンゴ鉄道)宮福・宮津線の園部−福知山−天橋立間(89.1`)の電化・高速化工事起工記念式が21日、綾部市里町の府中丹文化会館で行われた。
 式にはJR西日本の井手正敬社長、北近畿タンゴ鉄道社長の荒巻禎一府知事をはじめ、沿線市町代表ら400人が出席。荒巻知事が「府民の悲願だった電化・高速化が運輸省をはじめ関係方面の支援で起工の日を迎えた。工事が完成すると、京阪神と丹波・丹後地域が直結されて大幅な所要時間短縮が図れ、地域活性化に大きく寄与する。計画通りの完成と工事の安全を祈願する」とあいさつ。鉄建公団の永尾勝義・副総裁が事業概要を報告したあと、電化第一号柱プレートのお披露目、平安建都1200年記念協会のキャンペーンレディーも登壇してくす玉割りがあり、園部−天橋立間鉄道高速化促進市町協議会(沿線3市6町)会長の谷口昭二・綾部市長の発声で万歳を三唱、記念式を締めくくった。
 式に先立ってJR綾部駅構内とKTR荒河車両基地で行われた安全祈願祭ではJR、府、綾部市、工事関係者らがくわ入れ、工事の安全を祈った。
 電化・高速化工事は総事業費約160億円でJR山陰線の園部−福知山間(54.3`)とKTR宮福・宮津線の福知山−天橋立間(34.8`)を電化。トンネルや軌道の改良、信号保安設備の整備などを進め、平成8年春開業の予定。これにより、京都−天橋立間の所要時間は特急、急行で1時間40分と現在より30分−50分短縮される。(京都新聞)
■立体交差化 工事もゴー 近鉄京都線
 京都市の近鉄京都線連続立体交差化事業(東寺駅−鴨川間)の起工式が21日、南区のホテルで行われた。高架線路への切り替えは7年後になる予定で、同線と交差する十条通、久世橋通などの交通渋滞解消に寄与する。
 同事業は、昭和45年に高架となった京都駅−東寺駅間を約2`延長する。区間内6つの踏切がなくなり、東西の交通の流れが飛躍的に向上する見込み。
 十条駅と上鳥羽口駅が橋上駅となるほか、東寺駅南から札の辻通南側まで約440bに側道も整備される。総事業費は284億5000万円で、市が約73%、近鉄が残りを負担する。
 起工式は午前11時半から行われ、関係者約300人が出席。田辺朋之市長が「新しい都市交通機能の創造を図るとともに、分断された地域の一体化で南区の発展になくてはならない事業」と述べたあと、近鉄の上山善紀会長があいさつした。(京都新聞)
■三田市内の 新線今秋着工 神戸電鉄
 神戸電鉄はこのほど、兵庫県三田市内の公園都市線フラワータウン・ウッディタウン中央間の延伸工事に、この秋着工のメドが立った、と発表した。
 大規模住宅団地「神戸三田国際公園都市」と阪神方面を結ぶ路線で、ウッディタウン中央駅(仮称)・三田線横山駅間の5.5`が全線。そのうち、横山・フラワータウン間2.3`は1昨年10月に開業しており、今回着工するのは残る3.2`区間。単線で全線高架、騒音防止のため継ぎ目のないロングレールを採用する。途中にあかしあ台駅(仮称)を設ける予定で、総工費70億円。ワンマン運転の電車を走らせる計画で、平成7秋ごろの完成時には同線の3合わせて1万人、将来は2万1000人の乗客を見込んでいる。(京都新聞)
■電化で丹後が近くなる JR・KTR園部−天橋立 96年完成へ起工
 JR山陰線と北近畿タンゴ鉄道(KTR)宮福線などの電化工事の起工式が21日、綾部市里町の府中丹文化会館で行われた。1996年春に完成の予定で、将来は宮津から京都まで30分ほど短縮される見込み。関係者は「電化されれば京都市の通勤圏に入る地域もある」と、着工を祝った。
 午前9時ごろから、JR西日本は綾部駅構内で、KTRは福知山市の荒河車両基地で工事の安全祈願祭を行い、地元市長らがくわ入れをした。起工式は午前10時半から約500人が出席して始まり、KTR社長でもある荒巻禎一知事が「鉄道の電化は、京都縦貫自動車道とともに長年の悲願であり、府も最重点施策として取り組んできた。丹波、丹後と京阪神との時間が大幅に短縮され、地域の活性化に大きく寄与する」とあいさつした。
 電化されるのはJR山陰線園部−福知山間54.3`と、KTR宮福線福知山−宮津間30.4`、同宮津線宮津−天橋立間4.4`の計89.1`。沿線の7ヵ所に変電所を新設し、線路沿いに数10b間隔で電化柱を立てる。また、行き違いのために列車が待機する駅の軌道などを改良して、スピードアップを図る。95年度中に完成させ、96年春のダイヤ改定から電化になる予定。
 電化されると、特急で約2時間10分かかっている天橋立−京都間が1時間40分程度になり、福知山−京都間は現在の約1時間半から1時間10分程度に短縮される。新型列車が導入されれば、さらに5−10分短縮出来るという。
 工事はJRとKTRが日本鉄道建設公団に委託する。総事業費は約160億円。鉄道整備基金の対象になることが決まっており、同公団が事業費の50%を同基金から無利子で融資を受ける。残りは府と地元の3市6町が負担する方針で、負担割合の調整を急いでいる。(朝日新聞)
■高架駅にエレベータを 障害者グループ JR西日本に通告書
 踏切による交通渋滞を解消するためJR西日本と大阪市などが進めているJR阪和線の高架化事業をめぐり、沿線に住む身障者のグループが21日、駅舎にエレベーターを設置するよう求める通告書をJR西日本に送った。拒否されれば悪法で保障された「居住、移転の自由」の侵害などを理由に高架化工事の差し止めを求める訴訟を大阪地裁に起こす考えだ。
 通告書を送ったのは脳性まひの障害で車いすの生活を送っている大阪市住吉区我孫子五丁目、中村英夫さん(45)が代表を務める「阪和線高架駅にエレベーターを付けさせる会」。
 計画によると、高架化の対象となるのは大阪市東住吉区から同市住吉区までの約4.9`。区間内にある南田辺、鶴ヶ丘、長居、我孫子町の4駅はすべて高架駅となる。
 通告書では「現在の4駅はホームまでスロープになっており、生活するうえで不可欠の交通手段」と主張している。
 JR西日本は「エレベーター設置の必要性については十分認識している」としているが、4駅に設置するかどうかについては「通告書がきた段階で検討したい」としている。(朝日新聞)
■JR快速電車 停車駅を通過 山陽線
 21日午後8時34分ごろ、姫路市御国野町御着のJR山陽線御着駅で、停車するはずの野洲発網干行き下り快速電車=西山忠義運転士(44)、8両編成=がそのまま同駅を通過。約1.5`行きすぎて止まったあと、運転を再開して姫路駅に1分遅れで着いた。
 JR西日本の調べでは、運転士が、停車駅なのをうっかり忘れていた、という。(朝日新聞)
23日■新車両「縁」デビュー 坂本ケーブルしゅん工
 35年ぶりに全面改装した大津市坂本の比叡山鉄道「坂本ケーブル」のしゅん工式が22日行われ、新車両が披露された。営業運転は24日から。
 地元関係者ら約300人が出席。テープカットなどで完成を祝ったあと、緑と赤でデザインされた新車両「縁(えん)」号が初運転を行った。従来車両より座席や窓のスペースを広げ、乗り心地は上々のようで、夏空の下、出席者らも鮮やかな沿線の緑や琵琶湖の景色に見惚れていた。
 坂本ケーブルは66年前に開業、坂本−延暦寺間2025bを結ぶ日本最長のケーブルカーで、年間約15万人の利用客がある。施設や車両の老朽化に伴う全面改装で、昨年9月に着工、先月から車両入れ替え工事をおこなっていた。(京都新聞)
■JR西日本指定券状況 帰省ピーク12、13日 梅雨明け遅れ 出足は鈍く
 JR西日本は22日、お盆期間中(8月11日−18日)の指定券発売状況を発表した。関西から各方面への列車は定員の53%、各方面から関西への列車は52%の指定券が売れたが、梅雨明けが遅れているせいか昨年をわずかに下回っている。ピークは帰省が12、13日、Uターンが15、16日という。
 20日午後11時現在のまとめでは、新幹線の「のぞみ」「ひかり」は関西から広島方面が13日までほとんど満席。東京方面は朝方を除いて15日以降の列車がほぼ満席となっているが、それ以外の日は余裕がある。
 在来線は、北陸線の「日本海1号」「白鳥」「トワイライトエクスプレス」が期間中完売状態。
 京都発の北近畿向けは、「あさしお」「タンゴエクスプローラー」は午後の列車に余裕がある。逆にUターンでは15−17日が一部を除いてすでに満席となっている。(京都新聞)
■JRお盆列車 予約率は5割
 JR西日本は22日、お盆期間(8月11−18日)の列車の予約状況をまとめた。関西発着の予約率は定員に対して約5割で、昨年よりは若干すいている。帰省のピークは12、13日、Uターンは15、16の両日になる見通しだ。(朝日新聞)
■新幹線パーサー私も 問い合わせ連日十数件 JR東海など
 ドラマは「新幹線物語'93夏」で、7月6日からTBS系列で全国放送している。1年生の女性パーサーがさまざまな出会いや体験を通して成長していく姿を措いている。
 JR東海によると、応募の問い合わせが多くなったのは初回放送翌日の7日から。若い女性から「パーサーになりたい」「どうすればなれるの」といった電話が相次いでいる。パーサーが乗務しない山陽新幹線を運行するJR西日本にも問い合わせがある、という。
 パーサーは1988年に初登場し、現在は約380人が在籍。東京−新大阪間の「めぞみ」や「ひかり」に1日1往復乗務し、グリーン車での改札や、飲食物のワゴン販売をする。
 採用を担当するJR東海の子会社「パッセンジャーズ・サービス」によると、昔風の「売り子さん」のイメージが強かったほか、バブル経済で女性の採用状況がよかったことや、社の知名度も低かったため、一昨年までは採用担当者がパンフレット持参で受験者確保に全国を走り回っていた。
 が、景気低迷によって「買い手市場」となり、2月に女性週刊誌でパーサー主役の劇画がスタートしたこともあって、来年4月の採用枠約60人には1800人以上が応募、現在、最終試験の真っ最中。「テレビドラマ組」は1年後に改めて応募してもらうという。(朝日新聞 夕刊)
24日■電車とバイク衝突 小倉の近鉄踏切
 23日午後10時15分ごろ、宇治市小倉町西山の近鉄京都線小倉1号踏切(警報機、遮断機付き)前の府道で、大阪市内の少年(19)のバイクが転倒、バイクごと踏切内に投げ出された。少年は電車が接近してきたのに気付き、踏切の外へ避難したが、電車はバイクと衝突、現場に13分停車した。
 少年は転倒した際に軽いけが。電車の乗客は無事だった。(京都新聞)
■来月から「新型」登場 JR西日本が亀山・加茂間
 JR西日本は8月1日から、関西本線亀山・加茂間に新型ディーゼルカーを走らせる。
 新しい車両はステンレス製のスマートな外観。112人乗り、冷暖房完備で、最高速度は95`。運転席わきに運賃箱を備え、ワンマン運転もできるようになっている。10両を新造、来年度さらに6両増やす計画。
 1日午前10時から伊賀上野駅で出発式。テープカットに続いて、沿線の小学生ら400人を乗せて亀山と玉置まで試乗運転する。伊賀上野駅では社員手作りの記念キーホルダーなどを無料配布する。(京都新聞)
25日■公営地下鉄92年度収支 累積赤字1兆円越す 収支比率 京都わずか50%台
 東京都と8政令指定都市による公営地下鉄経営の累積赤字総額が初めて1兆円を越え、営業収入の2年半分を超えることが24日までに、自治省がまとめた1992年度収支見込みで分かった。
 新線建設費の高騰や、輸送効率が上がらない地域での営業が増えたのが主な原因。自治省は各自治体に、事業の効率化と需要を高める経営健全化計画を策定するよう促す。
 累積赤字の最高は東京都の約3400億円。名古屋市約1900億円、札幌市約1700億円と続き、最も少ない仙台市が約170億円。年間営業収入と比べると、最高の札幌市で4.8倍になる。
 9自治体の合計は前年度より18%増の約1兆180億円。この7年間でほぼ2倍になった。
 92年度1年間でも黒字の自治体はなく、支出に対する収入の割合を示す経常収支比率は仙台市が48,4%で最低。福岡、京都、札幌の3市が50%台で、小規模なため乗客の輸送効率が悪い自治体で低くなる傾向が出ている。最高は大阪 市の85.0%で、東京都と神戸市が80%近い。
 大阪市は累積赤字が営業収入の約半年分で「黒字経営が視野の中に入ってきた」(自治省)状態だ。
 自治省は、地下鉄路線周辺に大規模な公共施設を造り乗客増に結び付けるなど、まちづくりと併せた長期的 な視野で経営健全化を図るよう各市に求める。札幌市は既に職員削減や駅付近の立体駐車場建設などの計画を 実施中。横浜、名古屋両市も策定に取り組んでいるという。
 自治省は「地下鉄は投資額が大きく、20−30年たって初めて黒字になる事業。現状のままでは回復できない 心配もある」と話している。(京都新聞)
公営地下鉄の累積赤字
1992年度末見込み、単位・百万円、%
 累積赤字営業収入に
対する比率
経常収支
比率
札幌市172,936477.858.1
仙台市17,111165.948.4
東京都339,403451.779.7
横浜市70,230438.062.8
名古屋市190,009314.668.1
京都市24,099199.656.5
大阪市76,02250.785.0
神戸市68,629396.278.1
福岡市60,047380.551.7
合 計1,018,486259.072.3
26日■整備新幹線 見直し作業ストップ 政局の混迷で 年末にずれ込みか
 政局混迷のあおりを受けて、整備新幹線建設計画の見直し作業が大幅に遅れ、取りまとめは年末の来年度予算編成までずれ込む可能性が大きくなってきた。
 今回の総選挙で整備新幹線関係議員の大半は再選された。しかし、北海道から鹿児島県まで100人以上の衆参両院議員が結集していた自民党の整備新幹線建設促進議員連盟の動きが、新生党と分裂したことで全く止まっているからだ。
 「自民党から離れても、国土政策上、新幹線の必要性は今後も訴えていく」と強調するのは、前自民党交通部会長で新生党の二階俊博議員のスタッフ。
 これに対し、自民党議連の幹部は「現在自民党だけになっているメンバーを、新生党など他の党にも呼び掛けて超党派の組織に衣替えせざるを得ない」と、応援団の再編成に迫られている。
 見直し作業の主舞台の政府・自民党検討委員会も開店休業状態になっている。現在、自民党側のメンバーは政調会など三役の代理クラスなどで構成しているが、自民党の新人事でがらりと代わるのは必至。
 「自民党が与党でいるのかも分からない情勢では、8月中に見直しするのは無理」と、運輸省首脳も概算要求の中に見直し問題を盛り込むことに悲観的だ。
 さらに、日本新党などはどちらかといえば消費者や都市問題に関心が深く、新幹線よりも大都市の通勤緩和対策の充実を求めてくる可能性がある。「年を越すと見直し問題そのものの行方が分からなくなる。年内になんとか」と話す同省幹部の顔はさえない。(京都新聞)
■守山駅で信号機故障 JR 1700人に影響
 25日午後3時36分ごろ、JR西日本の東海道本線(琵琶湖線)守山駅=守山市梅田町=で、場内信号と出発信号が赤色のまま変わらないのを駅員が見つけた。信号は約30分後に復旧したが、JR西日本では信号制御装置のトラブルではないかとみている。
 このトラブルで、網干行発野洲行きの上り快速列車が17分遅れたのを最高に、上下合わせて8本の列車が15−17分遅れ、約1700人に影響が出た。(京都新聞)
■労使問題放置なら 一株主運動を展開 JR株上場で国労
 国労(永田稔光委員長、3万2000人)の第58回定期大会が、25日から3日間の日程で静岡県伊東市で開かれた。あいさつで永田委員長は、10月に予定されるJR東日本の株式上場について、採用、出向差別など法律違反の不当労働行為問題をJRの責任で解決することが上場の前提だと強調。未解決のまま上場が強行された場合は、全国の各共闘組織にも呼びかけて「一株株主運動」を展開し、「株主代表訴訟や株主提案権の行使も含めて、経営姿勢の変革を迫っていく」との考えを明らかにした。
 また、中央労働委員会(中労委)で係争中のJRの不当労働行為事件について、永田委員長は中労委に対し「命令をいつまでも引きのばすことは許されない。まず北海道、九州の採用差別事件から、各地方労働委員会の救済命令に基づく命令を、9月までに出すべきだと要望した。(朝日新聞)
■のぞみ乗務員99%が「不安」 運転士半数が空転経験 JR西労調査
 今春、山陽新幹線にデビューして以来、故障が相次いでいる「のぞみ」の運転に不安はないか。新幹線運転士の約6割を組織するJR西日本労働組合(JR西労、奥島彰委員長)が25日に発表したアンケート調査結果によると、車両への不信などから乗務に不安を感じる乗務員は約99%に達した。風圧などによるトンネル内の車輪の空転は、回答した運転士の約半数が経験していた。
 調査は新幹線の運転士、車掌、検査修理担当者計514人を対象に実施。457人(88.9%)から回答を得た。
 それによると、「のぞみ」の乗務に対する不安については、運転士、車掌ら乗務関係者計280人のうち、98.9%(277人) が「ある」と答えた。「ない」はわずか1.1%(3人) だった。
 不安を感じる理由(複数回答)は「車両の信頼度」が79.1%(219人)でトップ。「健康面」をあげる人が37.9%(105人) あった。
 トンネル内の車輪の空転(雨やレールの汚れが原因となるケースを除く)については、運転士265人のうち、47.2%(125人)がある」と答えた。
 空転で感じることでは「脱線の心配」が72.0% (90人) 、「故障を併発する恐れ」が28.0% (35人) だった。
 同労組は「在来線の空転は、雨や油など原因がはっきりしているが、のぞみは雨などの影響を受けにくいトンネル内で起きている」と指摘している。(朝日新聞)
■ポイント故障でダイヤが大混乱 JR福知山線
 26日午前7時ごろ、兵庫県宝塚市栄町二丁目のJR福知山線宝塚駅構内で下り線のポイントが故障した。復旧のため下り線は約2時間不通となり、上り線も正午前までダイヤは大幅に乱れた。ポイントは一部が壊れ、まったく動かない状態でJR西日本で原因を調べている。
 同駅ではこの事故の直前に男性の飛び込み事故があり、すでに上下線で約15分間の遅れが出ていた。ポイント故障が重なったことで、福知山線は快速など上下26本が運休。遅れも福知山発大阪行きの特急「北近畿2号」の1時間22分を最高に同23本に3分以上の遅れが出て、約1万5000人が影響を受けた。(朝日新聞 夕刊)
27日■「私も、せめて1本」小倉山修復 11月から植樹表明 JR西日本 井手社長会見
 京都市右京区の景勝地・小倉山への残士放置に伴う修復工事問題で、JR西日本の井手正敬社長は26日、植樹はことし11月から着手すると表明した。植樹については、かねてから、井手社長自身を含む同社の全役員・社員総参加で行う方針を明らかにしており、この日もその意向を改めて強調した。
 井手社長は、小倉山山頂の修復工事について、「かなり進んでいる。9月下旬か10月ごろには完成するだろう」との見通しを示した。そのうえで、「植樹の時期は11月ごろがよいと聞いており、そのころになると思う」と述べた。
 昨年11月、同社長は、「市民へのせめてもの誠意」として、残士放置の修復に際しては、全役員、全社員が参加して植樹することを表明。この日も「現地を自分の目で見ておきたい気持ちがある。せめて、1本ぐらいは植えたい」と、自身が植樹する意志に変わりがないことを示した。
 小倉山への残土は、JR山陰線の複線電化工事に関連したトンネル掘削工事で産出。当初、JR側は、工事終了後に列車で残土を小倉山からほかの場所へ移し、原状回復すると約束していたが、残土は小倉山山頂に放置したままになった。現在、JRは、土砂を残したまま修復工事中で、修景策として約1万9000本を植樹する計画。(京都新聞)
■JR株で相場に活 証券会社 売り込みに懸命
 10月に上場が予定されているJR東日本株の売り込みに証券会社が懸命だ。店の窓口カウンターに「JRコーナー」を設置したり、JR専用のフリーダイヤルを設けるなど営業活動を積極的に展開。株価の低迷や証券不祥事に愛想をつかした個人投資家を市場に呼び戻すきっかけにしようともくろんでいる。
 JR東日本はNTTに次ぐ民営化企業の上場第2弾。NTT株の放出の際、各証券会社は個人株主を大幅に増やした実績があるだけに、今回も「市場の活性化につながる」(大手証券)と期待は大きい。業界団体の日本証券業協会が証券各社に対し「勧誘が解禁になる7月21日までは、投資家の求めがなければアナリストリポートの郵送を禁止する」との通達を出したのに、一部でフライングがあったほどだ。
 もっとも、一般売り出し価格がどの程度になるかまだ不透明なため投資家は様子見姿勢で「購入の申し込み状況はいまひとつ」(大手証券)だ。
 入札の結果が出る8月下旬には、投資家の関心も高まろうが、売り出し直後に急騰した後一転して値下がりに転じたNTT株の反省から、過度の人気にも証券界は神経をとがらせる。ある証券会社の幹部は「日本たばこ産業、JR東海、JR西日本の上場を控えているだけに、NTTの二の舞いだけは許されない」と、積極的な営業の一方で慎重姿勢も崩さない。(京都新聞)
■空港バス 運賃値上げを申請 大阪空港交通 10路線で平均17.5%
 大阪空港交通(本社・大阪府池田市)は27日、京都など各地と大阪国際空港とを結ぶ10路線のバス運賃を10月から平均17.5%値上げする申請書を、近畿運輸局に提出した。
 申請通り認可されると同空港までの運賃は、二条城前と京都駅南口から1040円(現行890円)、都ホテル前から1120円(同950円)、新大阪駅から400円(同340円)などとなる。
 一昨年10月に平均7.2%アップしたのに続く値上げ申請。会社側は理由として▽従業員のベースアップや車両更新による経費増▽不況による利用者減−を挙げている。(京都新聞 夕刊)
■大阪空港連絡バス 値上げを申請
 大阪空港交通(大阪府池田市空港1丁目)は27日、大阪空港と京阪神地区を結ぶ乗合バス運賃の平均17.5%アップの改定を運輸省近畿運輸局に申請した。航空旅客の減少に伴い、1`当たりの輸送人員が減っているのが値上げの理由で、10月1日の実施を求めている。認可されれば2年ぶりの値上げとなる。
 申請によると、大阪空港から新大阪駅までは400円(現行340円)、京都二条城前までは1040円(890円)、神戸・三ノ宮駅前までが830円(720円)になる。(朝日新聞 夕刊)
■「阪急」の名使用40年気付かず 大阪地裁 差し止め認め賠償退ける
 グループ企業でもないのに「阪急」の名前を使うのは営業妨害だとして、阪急電鉄(本社・大阪)が兵庫県伊丹市の電気工事会社「阪急電機」(貫名恒社長)を相手取って、商号の使用差し止めと損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、大阪地裁民事21部であった。阪急電鉄側が電気工事会社の設立後40年もたって使用禁止を求めたため、差し止め請求権があるかどうかが争われたが、庵前重和裁判長は「電気工事会社は小規模で地元の電話帳以外に広告も出しておらず、気付かなかったこともやむをえない」として、電気工事会社に商号の抹消登記などの手続きを取るよう命じた。
 判決によると、電気工事会社は1951年に現在の社名で設立され、伊丹市周辺の電気配線工事や機械の修理を主に行っている。
 判決は、電気工事会社の設立時には、「阪急」の名称は阪急電鉄グループの略称として広く定着していたと判断。グループ企業に電気工事業の「阪急電気工事」があることから、混同の恐れがあるとして、商号使用の不当性を認めた。
 そのうえで、「阪急」の名称を不正使用する例が後を絶たず、電気工事会社のような小規模な企業の場合、発見が困難だったとする阪急電鉄側の主張を認めた。
 しかし、賠償請求については「40年間も電気工事会社の存在自体に気付かなかった以上、営業上の損害があったとは認められない」として退けた。(朝日新聞 夕刊)
28日■世界へはばたくイメージ 新空港−京都 JR特急デザイン発表
 来年夏開港予定の関西新空港と、京都を結ぶJR西日本の新型特急のデザインが決まり、同社が27日発表した。世界にはばたく空港のイメージから、ダイナミックなスタイルとなった。
 曲線を組み合わせた先頭部分のデザインが、一番の特徴。真っ白のボディーに、落ちついたグレーと成層圏をイメージしたブルーのラインを入れた。車内は落ちついた色調のリクライニングシートで、グリーン車の座席は2列と1列の配置。手荷物を持たずに乗車できるCATサービスを京都駅で行うため、京都寄り先頭車には荷物室を設ける。編成の中央部分には、全国の在来練では初の身障者用トイレと座席も。
 最高速度130`で、京都−新大阪−天王寺−新空港のルートを1時間25分で結ぶ。1時間に1、2本の運行予定。
 5両編成で定員200人。空港の開業までに9編成を造ることにしている。
 列車名については、広く一般から募集する。応募ははがきに列車名1点と住所、氏名、性別、年齢、職業、電話番号を書いて9月15日までに(当日消印有効)、〒530-91、大阪中央郵便局私書箱678号DMD 、JR西日本空港アクセス特急列車名募集係へ。(京都新聞)
■京都市長選 課題 都市整備 交通網整備が急務 財政制約どう克服
 京都市は他の大都市と比べて遅れがちな都市交通の整備に向けて公共交通や道路ネットワークの充実など5本柱を提言し、実現に向けて推進中だが、財政面での制約をどうクリアしていくか。
 地下鉄については1989年11月に東西線(JR二条駅−伏見区醍醐間12.7キロ)を着工。この6月には烏丸線延伸(北山駅−国立京都国際会館間2.6キロ)を起工するなど軌道に乗り始めた。ただ東西線では平成8年完成と、当初計画から2年遅れの事態となっている。
 また高速道路については91年7月に南北軸の油小路線、堀川線、西大路線、東西軸の久世橋線、新十条通の5路線(延長19.5キロ)を計画発表した。すでに都市計画決定され、阪神道路公団事業として本年度着工準備費がついた。完成時期をどこまで早められるかが課題になっているが、高速道路そのものへの異論も根強くある。
 一方、拠点整備ではJR京都駅改築、山科駅前の市街地再開発事業、JR二条駅前の周辺整備、醍醐団地総合再生事業など鉄道沿線を核に拠点づくりが進められている。地元関係者の協力や財政面での思い切った措置などが進ちよくのカギになっている。
・私の主張
井上吉郎候補 車優先から転換
 私は、車優先の交通体系を、京都から抜本的に転換すべきと考えます。
 そのためには、公共交通優先の交通ネットワークが不可欠であり、地下鉄東西練の建設促進や市バスの充実をはかります。
 交通渋滞は、生活道路の整備、住民合意による幹線道路の建設と、桂川や鴨川への架橋の促進で解消します。都心部での公害と交通渋滞を招く京都高速道路計画は見直します。
 また、「軽快電車」やトロリーバスの導入、パークアンドライド方式による一定区域でのマイカー乗り入れ規制と市パスの無料走行などを検討します。
 人にやさしい街づくりのため、地下鉄・私鉄各駅へのエレベーターの設置、無料駐輪場や歩道の整備、電柱の地中化で、車いすでどこでも行けるまちづくりに力をそそぎます。
 拠点開発では、財界本位の大型開発計画に人も金も土地もつぎ込み、高さなどの規制すら取り払うやり方から、地元商店街や中小企業が繁栄する方向へ改革します。
 京都駅高層化は再検討、市南部は住環境や近郊農地と中小企業、先端・高度技術産業との調和がとれたまちとして整備します。
田辺朋之 地域特性生かす
 京都のまちづくりについては、それぞれの地域の持性を生かして「保全・再生・創造」のメリハリのきいた施策を推進します。
 三山やその周辺では、新しい条例の制定をはじめ自然や歴史的景観を確実に保全するための制度を充実するとともに、市民が自然や歴史的景観に親しめるよう散策路などを整備します。
 また、都心部は経済活動や居住の場、文化や憩いの場が一体となった暮らしの舞台として再生します。南部では、京都の新しい産業や文化の拠点づくりを目指す積極的な創造を行います。
 これらを基本に、市民の足を支える地下鉄東西線や烏丸線、バス路線、生活道路の整備を進めます。
 市民の生活圏の広がりに対応するとともに、大津など近隣34市町で構成する325万京都都市圏の中心都市として機能を強化するため、丹波口、二条駅前、御池地下街、山科、醍醐、京都駅などで都市拠点の整備を進めます。さらに、都市間を結ぶ京都高速道路網の整備を、景観や生活環境に十分配慮しながら推進します。
 また、梅小路公園の整備や道路、河川などを生かした緑化を進め、緑豊かな都市環境を創造します。(京都新聞)
■新空港特急のデザイン決定
 来年夏に開港する関西新空港と新大阪、京都を結ぶJR西日本の新型特急のデザインが27日、決まった。新幹線「のぞみ」と同じ白を基調に青の帯を入れたデザインで、在来線では最速の時速220`運転ができる。全車指定席で、新空港と新大阪を55分で、京都とは1時間25分で結ぶ計画だ。列車名は公募し、11月に決定する。
 特急は普通車4両と、横1列が3席のグリーン車1両の5両編成で、定員は200人。日本航空と協力して京都駅に国際航空便の搭乗手続きと手荷物の預け入れができる「シティー・エア・ターミナル」(CAT)を設けるため、先頭車両に荷物専用室を設けたほか、各車両のドア付近にも荷物置き場を配置した。
 JRの列車名への応募は官製はがき1枚に特急名を1点と住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記して、〒530-91 大阪中央郵便局私書箱678号DMD、JR西日本空港アクセス特急列車名募集係」まで。(朝日新聞)
■山陽新幹線に遅れ 東広島駅で信号故障
 28日午前8時ごろ、山陽新幹線、広島発新大阪行きのこだま556号が、東広島駅を出発する際、運転席にある出発信号が表示せず、手信号に切り替え同駅を4分遅れで出発した。このため、後続の博多発東京行きののぞみ6号が35分遅れるなど上り10本、下り5本の計15本が最高で35分遅れ、約4000人の乗客に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
29日■路上ウォッチング'93 市電室内板
 年間約4000万人の観光客が訪れるわが国きっての観光都市・京都。だが、道先不案内な観光客にとって、親切な案内板ほど救われるものはない。
 そんな案内板のお手本のようなのが、千本北大路を西に入った靴店の店頭にある。板の中央に大きな字で現在地の「千本北大路」とあり、ご丁寧にも左(西)は金閣寺、右(東)は船岡企園と矢印で示している。
 店の主人、丹羽茂さん(56)に聞くと−。この案内板、じつはその昔、店の前にあった旧市電の停留所にかかっていたのを、市電廃止後、丹羽さんが大切に保管し、昭和61年に靴屋を始めた時に、「店頭に何も飾るものがなく殺風景だったから」と取り付けた。
 ところが、なかなかの人気で、観光客が前に立って記念写真を撮ることもよくあるとか。「ただ以前、だまって店のドアを開け、すたすたと店の奥まで入ってきて、ここ、地下鉄の駅(の入口)と違うの? と真顔で尋ねる男性もいて…」と、うれしいやら、困ったやら。(京都新聞)
■JR東海労の5労組員逮捕 幹部社員に暴行容疑
 大阪府警警備部と摂津署は29日、摂津市にあるJR東海労働組合新幹線地本大阪第三車両分会の副分会長(36)ら役員5人を建造物侵入、暴力行為の疑いなどで逮捕し、1人の逮捕状を取った。
 調べでは、6人は3月18日午前7時ごろ、摂津市安威川南町、JR東海の新幹線鉄道事業本部関西支社大阪第一・第二・第三車両所(通称鳥飼基地)に集まり、幹部社員6人に暴行を加えるなどした疑い。(朝日新聞 夕刊)
30日■増えてるボケベル JR西日本忘れ物まとめ 現金は大幅減
 JR西日本は29日、昨年度の管内の忘れ物状況をまとめ、発表した。忘れ物件数、現金総額ともに前年より少なかった。
 駅や列車内での忘れ物は42万件で、前年より4%減。品目別では傘が最も多く16万1千本(全体の28%)、次いで上着などの衣類、靴・鞄(かばん)となっている。上位ではないが、携帯電話機169件(昨年75件)、ポケットベル76件(同46件)があり、変わったところでは袈裟(けさ)、位牌(いはい)、遺骨、日太刀、マネキンの首、覚せい剤というのもあった。
 現金は8億6800万円で、11%の大幅減。パブルさなかの平成2年をピークに毎年減り続けている。大口としては岡山駅に着いた新幹線の車内で360万円が見つかったケースがある。JR社員が見つけた場合、警察に届けて半年間落とし主からの申し出がなければJRの収入になる仕組みで、昨年度は約5000万円の収入があった。
 駅別の件数では岡山駅、現金は博多駅がトップで、京都駅は件数で4位、現金で5位、米原駅は件数で6位だった。列車の始・終着駅が上位を占めた。(京都新聞)
■ロス新交通 ドイツ勢が車両を落札 住商再挑戦実らず
 【ロサンゼルス28日=杉本宏】米ロサンゼルス郡が建設を進めている新都市交通網の車両入札で、日本、米国、カナダ、ドイツの大手企業を軸とする4グループの提案を審査していた郡運輸委員会は28日、ドイツのシーメンスを中心とするグループへの発注を決めた。この調達では、米国住友が昨年、米モリソン・クヌードセンと入札を競って受注を獲得した。しかし、米製品優先購入(バイアメリカン)運動の影響で契約を破棄された。
 住商は今回、米軍需産業大手のロックウェル・インターナショナルと組んで再挑戦。価格や技術などの面で有利とみられていたが、ドイツ勢が国内調達率92%とし、同郡に車両製造工場をつくる条件を提示して落札した。(朝日新聞)
■日本刀・マネキンも
 JR西日本は29日、昨年度の「忘れ物白書」をまとめた。総数は42万件で、最も多かったのは「傘」で16万1000本。次いで「衣類」「かばん」となっており、上位は毎度おなじみの顔ぶれとなった。「マネキンの頭」「日本刀」といった新顔が登場した。
 珍しいものでは関西線で見つかった「マネキンの頭」、天王寺駅ホームにあった「日本刀」など。「松葉づえ」「遺骨」「聴診器」もあった。(朝日新聞)
31日■行き先わからないミステリー列車 JR西日本が運行
 JR西日本京都駅は、8月21日夜に1泊2日の予定で同駅から出る行き先のわからないブルートレイン「ミステリー京都号」の乗客を募集している。
 同駅のミステリー列車運行は、昨春に続いて2回目。車掌は、乗客に行き先を告げずに列車を発車させ、線を変更させながら目的駅へと向かう。昨春の到着駅は鳥取駅で、バスや観光船で岬と砂丘巡りを楽しんだ。
 当日は午後10時に京都駅を出発、翌22日午後7時半に同駅に戻る。
 料金は中学生以上23000円、小学生18500円。先着200名で、申し込みはJR京都駅烏丸口チケットプラザで。問い合わせは 075(343)4481へ。(京都新聞)
■ゼネコン汚職 京の公共事業”直撃” 入札・工期ベタ遅れ 「安全な業者どこ」 先行き不透明 地下鉄、縦貫道も
 茨城県知事の逮捕に発展した大手総合建設会社(ゼネコン)汚職の余波が、京都府や京都市の公共事業に現れ始めた。京都府警施設の新築工事は落札ずみの業者幹部が逮捕されて入札やり直しとなり、着工は秋にずれ込んだ。近く、入札を行う担当者は「汚職業者を外して入札しても、落札業者が新たに摘発されれば元も子もない」とゼネコン汚職に神経をとがらせ、捜査の進展を見るため入札時期を遅らせるケースも出てきた。
●設計手直し
 6月29日午後、京都府議会議場で代表質問に備える府警幹部の間にメモが回った。東京地検のゼネコン摘発を知らせる内容だった。府会には府警110番指令センターの請負契約案が提案され、契約相手の企業体代表だった清水建設の副社長が逮捕者に含まれていた。翌日、清水建設は仮契約を辞退。府はハザマや清水建設など4社を4ヵ月間の指名停止にした。
 府警は8月末に110番センターの再入札を行う。落札価格が公表されてしまったため、同じ設計図で入札できず、二度手間ともいえる設計手直しを急いでいる。再入札して請負業者が決まっても、この業者が本契約、着工までに捜査当局の摘発を受ければ、契約は再度、やり直すしかない。「絶対安全な業者、知りませんか」。府警幹部の最近の口ぐせだ。
●大手頼みに
 京都市営地下鉄は現在、東西線18工区、烏丸線4工区で工事が進んでいる。全工区で大手ゼネコンと地元業者の企業体が工事を進めている。府土木建築部によると、橋やトンネル、大規模建物には大手の参入が必要という。特殊、高度な技術を持つのが理由だ。また、府警指令センターの場合、入札参加の条件とされる落札予定額の約3倍に当たる100億円以上の年間工事実績を持つ業者が府内になく、指名競争入札には大手15社を核にした企業体が参加していた。
●二の足踏む
 府下水道室は、本年度4件の下水道菅敷設工事入札を控えている。それぞれ10億円規模といい、大手ゼネコンに発注を予定している。汚職の拡大で、府警指令センターと同様の事態も予想されるが、下水道室は「こちらは、まったく受け身の立場。対応策もない」と不安そう。
 また、地下鉄工事を進める京都市交通局は、発注ずみの工区の追加工事に頭を悩ませる。通常、駅の階段や電気回りの追加工事は本体を受注した業者と随意契約するが、指名停止になった大手4社が着工した工区の追加工事については「検討中」とだけ話す。
 校舎建設を計画する府立医大は、7月中旬までに行う予定だった業者指名を延期した。捜査の行方を見守るためといい、契約案件を出す府議会日程をにらみ、期限ぎりぎりの8月末に入札することにした。
 先日行われた府道路公社の京都縦貫道のある工区の業者指名に大手の名はなかった。関係者は「過去にも大手抜きの入札はあるが、捜査が進みそうなだけに、府警のケースの二の舞を恐れたのでは」と推測する。地元業者も「事件が4社だけで終わると思えない。今は五里霧中、どうしようもない」と話した。(京都新聞 夕刊)
■金券ショップ不況でたたき売り 新幹線切符 大阪の店「きびしーい」 100円値下げ
 新幹線切符を格安販売する金券ショップが集まる大阪・キタで、値引き競争が広がっている。企業が経費削減で出張を減らしていることなどから販売が落ち込み、薄利多売の店が増えている。下げ幅は100円玉1個分とはいえ、帰省客の多い夏に主力商品が売れなくなっていることに、店側の危機感は強い。店舗の閉鎖など合理化で冬の時代を乗り切ろらとする動きも出ている。
 金券ショップが関西で一番集中する大阪・キタの大阪駅前第一−第四ビルの周辺には20店舗以上あり、7月中旬このうち約10店が新幹線切符の値下げをした。もっとも引き合いの多い「東京−大阪」の指定席切符(JR窓口で通常期1万3480円)は、回数券のばら売りで片道1万1700円だったのが1万1600円に。店によってはさらに50−10円安く売るケースもある。
 値下げに踏み切った理由について店側は、「東京のショップで価格が下がり、東西の価格差を調整したのがきっかけ」などと説明する。1社が値下げすると、「他店より割高なイメージを客に与える」と値下げの動きが始まった。
 東京−大阪の切符を店側が買い取る価格は1万1400円前後。売値を100円下げた後は、経費を差し引くと1枚売って100円以下の利益しか出ない状懸になっているという。
 駅ビル内に数店舗を置く業者によると、今年春からの新幹線切符の売れ行きは昨年同時期と比べてほぼ3割減。企業が出張を減らして経費を削減していることや、店が扱う新幹線回数券では速さが売り物の「のぞみ」に乗れないことも不人気の原因、という。
 きらに、JRが今シーズンからお盆の繁忙期に新幹線回数券を使用できないようにしたことが、夏の売れ行きにブレーキをかけているようだ。
 新幹線切符は金券ショップの主力商品で、売り上げの8割程度を占める店もある。大阪駅前第一ビルに2つの店舗を置いていた業者は「経営合理化のため」として6月、1店を閉めた。今回値下げした業者からは「他店への意地で値下げしたが、客足は伸びていない。景気の冷え込みが続くと、仕入れや企画面で力のない店はきびしい時期にさしかかる」と業界の先行きを心配する声も出ている。(朝日新聞 夕刊)